第170回国会 厚生労働委員会 第5号
平成二十年十一月十九日(水曜日)
    午前九時五分開議
 出席委員
   委員長 田村 憲久君
   理事 上川 陽子君 理事 鴨下 一郎君
   理事 後藤 茂之君 理事 西川 京子君
   理事 三ッ林隆志君 理事 山田 正彦君
   理事 山井 和則君 理事 桝屋 敬悟君
      赤池 誠章君    新井 悦二君
      井澤 京子君    井上 信治君
      飯島 夕雁君    遠藤 宣彦君
      近江屋信広君    大野 松茂君
      金子善次郎君    川条 志嘉君
      木原 誠二君    木村 義雄君
      清水鴻一郎君    杉村 太蔵君
      高鳥 修一君    谷畑  孝君
      とかしきなおみ君   戸井田とおる君
      冨岡  勉君    西本 勝子君
      萩原 誠司君    林   潤君
      福岡 資麿君    松本 洋平君
      盛山 正仁君   山本ともひろ君
      内山  晃君    岡本 充功君
      菊田真紀子君    郡  和子君
      園田 康博君    長妻  昭君
      細川 律夫君    三井 辨雄君
      柚木 道義君    福島  豊君
      古屋 範子君    高橋千鶴子君
      阿部 知子君
    …………………………………
   参議院議員        福山 哲郎君
   参議院議員        自見庄三郎君
   参議院議員        櫻井  充君
   参議院議員        大塚 耕平君
   参議院議員        鈴木  寛君
   参議院議員        蓮   舫君
   参議院議員        小池  晃君
   参議院議員        福島みずほ君
   厚生労働大臣       舛添 要一君
   総務副大臣        倉田 雅年君
   厚生労働大臣政務官    金子善次郎君
   厚生労働大臣政務官   戸井田とおる君
   政府参考人
   (厚生労働省医政局長)  外口  崇君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  上田 博三君
   政府参考人
   (厚生労働省老健局長)  宮島 俊彦君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  水田 邦雄君
   厚生労働委員会専門員   榊原 志俊君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月十九日
 辞任         補欠選任
  遠藤 宣彦君     飯島 夕雁君
  木原 誠二君     盛山 正仁君
  とかしきなおみ君   松本 洋平君
  萩原 誠司君     山本ともひろ君
同日
 辞任         補欠選任
  飯島 夕雁君     遠藤 宣彦君
  松本 洋平君     とかしきなおみ君
  盛山 正仁君     木原 誠二君
  山本ともひろ君    近江屋信広君
同日
 辞任         補欠選任
  近江屋信広君     萩原 誠司君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 後期高齢者医療制度の廃止等及び医療に係る高齢者の負担の軽減等のために緊急に講ずべき措置に関する法律案(参議院提出、第百六十九回国会参法第一七号)
     ――――◇―――――
○田村委員長 これより会議を開きます。
 第百六十九回国会、参議院提出、後期高齢者医療制度の廃止等及び医療に係る高齢者の負担の軽減等のために緊急に講ずべき措置に関する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。参議院議員福山哲郎君。
    ―――――――――――――
 後期高齢者医療制度の廃止等及び医療に係る高齢者の負担の軽減等のために緊急に講ずべき措置に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○福山参議院議員 ただいま議題となりました後期高齢者医療制度の廃止等及び医療に係る高齢者の負担の軽減等のために緊急に講ずべき措置に関する法律案につきまして、その提案の趣旨及び主な内容を御説明いたします。
 本年四月一日より実施された後期高齢者医療制度その他の高齢者の医療の確保に関する法律に定める諸制度等の制度は、七十五歳以上の高齢者を七十四歳以下の国民とは異なる保険制度に強制加入させるものですが、年齢で区切ることの合理的な理由がなく、また、低所得層においても従来よりも保険料負担が高くなった例もあり、後期高齢者医療制度加入者の保険料の伸び率が現役世代よりも高くなる可能性がある仕組みとなっている等、さまざまな問題点があり、国民の高齢期における適切な医療を確保するものとなっておりません。
 こうしたことから、後期高齢者医療制度の骨格を残したままでの運用見直しにとどめるのではなく、同制度を廃止し、一たん老人保健制度に戻す等高齢者の医療に係る制度を本年四月一日前の状態に戻すとともに、それまでの間の高齢者の医療に係る負担の軽減等を行うことが必要であると考え、この法律案を提出いたしました。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、政府は、後期高齢者医療制度その他の高齢者の医療の確保に関する法律に定める諸制度を平成二十一年四月一日に廃止するとともに、老人保健制度を同日に再び導入するため、必要な法制上及び財政上の措置等を講ずるものとしております。また、政府は、その廃止のときに、老人保健制度の対象者を除く六十五歳以上の国民健康保険の被保険者を国民健康保険法に基づく退職者医療制度の対象とするため、必要な法制上の措置等を講ずるものとしております。
 第二に、政府は、後期高齢者医療制度が廃止されるまでの間の措置として、同制度に関し、保険料の徴収について、特別徴収の方法によらないものとすること、被用者保険各法の規定による被扶養者であった被保険者に係る保険料について、引き続きこれを徴収しないものとすること、及びこれ以外の被保険者に係る保険料について、その負担を軽減するものとすることにつき、必要な措置を講ずるものとしております。
 第三に、政府は、高齢者の負担等を本年四月一日前に戻すために医療保険各法等について緊急に講ずべき措置として、医療保険各法の入院時生活療養費の支給対象者について、七十歳以上の者とするものとすること、医療保険各法の一定以上の報酬等を有する者を除く七十歳以上の被保険者等の療養の給付に係る一部負担金の割合について、一割となるようにすること、及び市町村による国民健康保険の保険料等の徴収について、特別徴収の方法によらないものとすることにつき、必要な措置を講ずるものとしております。
 第四に、政府は、これらの措置を講ずるに当たっては、地方公共団体及び医療保険者の負担をできる限り軽減するよう特別の配慮をするとともに、国民の間に混乱を生じさせないようにするため、これらの措置の内容の周知徹底を図る等万全の措置を講ずるものとしております。
 なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。
 以上がこの法律案の提案の趣旨及び主な内容でございます。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
○田村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○田村委員長 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省医政局長外口崇君、健康局長上田博三君、老健局長宮島俊彦君、保険局長水田邦雄君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○田村委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。冨岡勉君。
○冨岡委員 おはようございます。自由民主党の冨岡勉であります。
 質問を始める前に、一言申し上げます。
 昨日、元厚生事務次官吉原健二さんと山口剛彦さん宅が何者かに襲われ、山口さん御夫婦が亡くなられ、吉原さんの奥様が重傷を負われるという痛ましい事件が起こりました。事件と厚生労働行政との関連も取りざたされていますが、行政に携わる私たちは、いかなる暴力や卑劣なテロに対してもひるむことなく、国民のためにその職務を遂行していくことが肝要であります。亡くなられた山口さん御夫妻の御冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、犯人の一日も早い逮捕を強く求めるところであります。
 さて、質問に入ります。
 きょう議題となっておりますのは、後期高齢者医療制度の廃止法案、簡単に言うと廃止法案ということで使わせていただきますが、そもそも、法案を読んでみると、要望書的な内容というか、要するに、もとに戻してくれということでございます。
 そういう法案を出されたということは、後はやってくれというような、どうもそういう印象を我々持つんですが、きょう一日、このように時間をとります。それで、私自身としては、そこにどんな保険制度が次に見えてくるか、やはり一番そこが出てこないと、水かけ論みたいになってしまって六時間無駄な時間になるという、非常に私自身、冒頭で危惧するわけであります。
 また、いろいろお考えがあると思うんですが、私自身、厚生労働委員会としてこうやって見てきた場合に、民主党さんたちの案を目の当たりにして、これでいこうよというのがどうもなかったんじゃないかというふうに思っております。
 したがいまして、まず、この廃止法案だけ規定し、後はどうぞやってくださいという、こういう法案の出し方というのが適切かどうか、まあ、出されたから適切だというふうにお考えだろうと思うんですが、まずそこのところから、意図をちょっとお話しいただければ、御説明いただければと思います。
○福山参議院議員 冨岡委員の御質問にお答えする前に、一言申し上げさせていただきたいと思います。
 各党提案者を代表いたしまして、昨日の事件でお亡くなりになられた方々の御冥福を心からお祈りをし、また、おけがをされた方の一日も早い回復を御祈念申し上げたいと思います。さらには、事件の早期の解決を強く望みたいと思います。
 委員長、ありがとうございました。
○大塚参議院議員 民主党の大塚でございます。
 冨岡委員におかれましては、医師でもあられるお立場でございますので、きょうは、私どもとしても、しっかりと御意見を拝聴して、勉強させていただきたいというふうに思っております。
 まず、御質問いただきましたこの法案、言ってみれば、内容について余り詳細に規定していないもので、これでいいのか、こういう御指摘であったかと思います。
 私どもは、ことしの四月から導入をされました後期高齢者医療制度が、従前の老健制度と医療制度全体と比べまして、より適切でないものになってしまったという認識でおりますので、まずは従前の状態に戻していただきたい、そして、そこから、言ってみればもう一度しっかりと議論をして医療制度をつくっていくべきである、こういうことを申し述べているわけでありまして、要望ということではございません。
 また、立法府と行政府の関係を考えますと、やはり立法府は、どういう方向に行くべきかということを国権の最高機関としてその意思を表示いたしまして、その意思について国会の御賛同をいただければ、その方向に向けて行政府が適切な対応をするというのが役割分担の基本的姿でございますので、今次法案は、今、冨岡委員から御指摘をいただいたことについては、私どもとして、参考にさせていただく部分と、必ずしも承服できない部分と両方が含まれているというふうに考えております。
○冨岡委員 大塚先生、参議院の方で、政省令で補足しながらやってはどうかという御意見を述べたように伺っておりますけれども、その点、政省令というのはなるべく出さないでくれ、出してはいけないのではないかというふうに、私自身、厚生労働行政全般を見ていて思うところがあるんですが、先生、政省令でやっていくというのは、今でもそのようなお考えをお持ちなのでしょうか。
○大塚参議院議員 政省令で何でも決めるべきではないのではないかという御指摘かと思いますが、その点は、私どもも全く同感でございます。むしろ、政省令、あるいは、ちょっと御指摘の範囲外でもございますが、審議会等、国会での議論を経ない、必ずしも透明でない形で物事が決まっていく、国が運営されていくということはなるべく避けたいというのが、私ども民主党並びに共同提案者である各党のお考えだと思います。したがって、今回も、何でも政省令で規定すればよいという趣旨で申し上げているわけではございません。
 今御指摘の私の答弁は、公明党の山本議員からの御質問に対するものと思われますが、山本議員のそのときの御質問は、保険料の特別徴収の廃止及び保険料の負担軽減について、平成二十年十月一日までに行うことが可能なのかという内容でございました。答弁の趣旨は、政府が講ずる措置としては、法律案を国会に提出し、成立させることが日程的に困難な場合も考えられるため、そのような場合には、事柄によっては政令の改正や予算措置により行うことも考えられるということを申し述べた次第でございます。
 また、この私どもの廃止法案のそもそものスタートになっております後期高齢者医療制度導入に当たりました健康保険法等の一部を改正する法律案、この既に施行されている法律そのものでも、例えば百九十九条の二においては、規定の整備を行うことという、法律の先の規定の整備を行うことということを定めているわけですから、これも、言ってみれば、法律以降の対応にゆだねているところでございます。
 また、健康保険法第五条第二項では、一定の事案について、社会保険庁長官が行うことと書いてあって、これも、しからば、社会保険庁長官がどのように行うかということは、言ってみれば、法律から先の検討事項でございまして、いずれにいたしましても、基本的認識は、冨岡委員と私どもは政省令等の扱いに関しては差はないものというふうに認識をしております。
○冨岡委員 ありがとうございました。
 この後期高齢者医療制度が施行されて、私も何で七十五歳でという思いは確かにございまして、地元に行くと……(発言する者あり)いや、思いは大体一緒なんですね。
 それで、そこを詳しく聞いていくと、どうも保険証が違ってきて、今まで息子あるいはお父さんから払っていた、自分の年金からぽっと引かれたということがとてもショックだったと。あるいは、核家族化を推進して、先生は今まで三世代、四世代の家族構成をするのがいいんだとおっしゃっていたじゃないですか、介護保険とかあるいは障害者保険で子供と分離した方が負担が軽くなるような政策を何で次から次に打って出るのか、この後期高齢者もそれと同じようなラインじゃないかという御指摘を現場で受けました。確かにそうかなという部分もあったんです。
 いろいろ現場で話を聞いていくと、どうも七十五歳というのが、今では少しずつなじんではきて、六十五歳で定年になって、七十五歳で、ゴールドプランじゃないけれども、ああ、そういうことかな、年齢かなというふうに私自身、近ごろ、そういうふうに理解をしてきた部分がございます。
 それで、介護保険などは六十五歳、最初は、我々、若いうちは、定年退職は五十歳とか五十五歳あるいは六十歳で、どんどん上がってきているんですね。これは皆さんお感じだろうと思います。今、六十五歳が当たり前になる。やがて七十、そして七十五ということで理解が進むもの、私はそういうふうに思っている部分があるんです。
 今、私、皆様方の気持ちを代弁したようなことをちょっと申しましたけれども、将来的にそういう制度をなじませていくという御努力はされないのかどうか、あるいは、年齢的な移行というのを今簡単にさらっと流しましたけれども、皆様方はどのようにお考えなのか。その点を、政府としても参考にしたいと思いますので、どなたか御答弁いただければと思います。
○鈴木(寛)参議院議員 お答えを申し上げます。
 今、率直に、さすが現場のいろいろな高齢者の方々と接しておられる先生から、皆様方がどのように感じておられるかということについての御感想もいただきました。
 私どもは、そもそも、医学的には根拠のない七十五歳という年齢で一律に別の制度を設けるという、この考え方はやはり問題ではないかということで廃止法案を提出させていただいているところでございます。でありますから、また後の御質問になってしまうのかもしれませんけれども、私どもは、今までの経緯の中で、年齢とかあるいは所得によるいろいろなリスク、これが市町村国保に非常にしわ寄せが行っている、このことは我々も共有しております。
 ただ、それは、その調整の仕方として、平成十八年に与党が導入された別建ての、七十五歳以上が独立した保険制度がいいのか、それとも、私どもが従来から主張させていただいておりますように、年齢やあるいは所得などのリスクを調整するという方式がいいのか、この議論を深めていきたい。
 我々は、もちろん、独立ではなくて、市町村国保についてとりわけリスクが偏っている、そこについては、先ほど政省令というお話がありましたが、政省令も含めますが、とりわけやはり予算措置、ここが非常に重要なポイントだ、こういうことで考え方をお示ししているところでございます。
○冨岡委員 全体の制度のあり方は、論ずるにはまだちょっと時間がかかると思うので、後で質問者が出てまいりますので、その点はまた後で御答弁いただきたいと思います。
 現実的に、後期高齢者医療制度を廃止した場合の影響についてやはり少し考えておかなくてはいけないと思うんですが、その準備経費、端的に言うと、せっかく施行して一年たたないうちに廃止するという事の重大性と、あるいは費用について、政府の方から、もしそういった試算等がございましたら御報告をしていただければと思いますが、委員長、よろしいですか。
○水田政府参考人 長寿医療制度の準備経費についてのお尋ねでございます。
 この経費、さまざまございますけれども、金額として把握しているものについて申し上げますと、システムの開発等に必要な経費といたしまして、平成十八年度及び十九年度の当初予算及び補正予算といたしまして国が措置した額は、総計約三百十億円でございます。このほか、平成十八年度及び平成十九年度、市町村におきましても、システム開発に必要な経費として、別途、先ほどの金額とは別に約五百六十億円程度の負担を行っているところでございます。
○冨岡委員 数百億円に上る経費の、逆に言えば無駄遣いが起こるわけなので、制度というのは、今まで多くの制度が改善というんですか、出されてきて、大体我々は検証というのをするわけなので、その検証が終わる、よほどの悪法、まあ悪法というふうに思われているのかもしれませんが、それを見直すのはやぶさかではないんですが、その必要がないのにこういう費用の負担が生じるということについてはいかがなものか。その点についてお答えいただければと思います。
○小池(晃)参議院議員 お答えをいたします。
 私どもとしては、今質問者がおっしゃった言葉をおかりすれば、これが大変な悪法だというふうに考えております。だからこそ廃止をすべきだというふうに提案をしているわけでございます。
 今も答弁ございましたが、システム改修等に要した経費が三百億円を超える、このこと自体、私ども、多額に過ぎるのではないか、妥当な金額だったのかということについては疑問を持っております。
 同時に、この後期高齢者医療制度は、今御質問者にあったように、私どもは、麻生総理が国民に理解が得られていないというふうにおっしゃらざるを得ないほど重大な矛盾を抱えていると思います。制度の導入前から実施中止を求める声も多数上げられておりました。こうした矛盾だらけの制度を導入しなければ、今御指摘のあった準備経費も必要なかったものだというふうに考えます。
 しかも、施行後も、多大な経費をかけた宣伝や負担軽減策などで、引き続き、後期高齢者医療制度を導入しなければ不要だった予算を使い続けているということが実態でありまして、これは後期高齢者医療制度を継続することこそ無駄遣いを拡大することになるのではないかというふうに考えております。
 私どもは、これを廃止することこそ、国民の願いにこたえ、無駄遣いをとめることになると考えております。
 もちろん、後期高齢者医療制度は既にスタートしておりますから、その廃止に一定の経費がかかるということは、これは事実でございます。その件について、当然、可能な限り節減に努めてまいりますが、廃止をしなければそれ以上の無駄遣い、国民に害をもたらすという制度をなくすために必要な支出を国が行う、手当てすることは当然のことではないかというふうに考えます。
 なお、システムの再改修ということになるわけですから、そういう点でいえば、既にでき上がったシステムを改修するということについての経費は、最初に導入するときの経費ほどかからないのではないかというふうに私どもとしては推察をしております。
○冨岡委員 そこら辺の見解の違いがやはりあるとは思いますが、私は、この制度自体は、十年以上かけて練られたものであり、いろいろ手直しのチャンス、議論の場、そして有識者の意見等を勘案してでき上がったものと理解しております。
 私の大先輩であられる自見先生もそこに座っておられますが、恐らく、当時の自民党というんでしょうか、部会等で十分に審議されて、そのときはいいというふうに結論を出されたものだと思いますが、その点、どうですか、先生。非常に矛盾を感じるわけでございます。
 やはり、気づかない面はありますよね、確かに、制度をつくるときに、後で気づく場合。それは今、政府も補正というか、正す部分はやぶさかではないというふうな姿勢をとっているわけであるのであって、では、この十年間にもなんなんとする議論の期間は、野党の皆様を含めて、一体何だったのかということをやはり自問したくなるんですが、先生、どうでしょう。
○自見参議院議員 医学の道を進む同志でございます冨岡元長崎大学医学部の教授に議員として当てていただきまして、大変光栄に思うものでございます。
 また、今、福山代表発起委員から弔辞の表明がございましたが、私も二十四年前、当時まだ三十九歳でございまして一年生議員でございましたが、昭和の年金大改正というのがございました。私も社会労働委員会の一年生の議員でございまして、伊吹文明それから野呂昭彦先生とともに、この社会労働委員会、当時、社会労働委員会と言いましたが、末席に座っておったわけでございます。ちょうど吉原年金局長、山口年金課長でございまして、両方とも事務次官になられたわけでございますが、山口事務次官、御夫妻ともに命を落とされたということでございまして、また、吉原事務次官、大変朗らかな人でもございまして、社会保険庁の長官もたしかされたと思いますが、奥様がきのう襲われたということでございまして、改めまして、お二人に、亡くなられた方に心からの弔意と、おけがをされた奥様に本当に一日も早い御快癒、そして、何よりも法治国家でございますから、絶対に暴力というのは許されないというのが本当に戦前戦後を通じての議会制民主主義の大原則でございますから、一日も早く犯人の検挙、逮捕ということを、これはもう与野党ございません。
 議会制民主主義というのは、やはり暴力を否定して、日本国の憲法の一番最初に書いてありますように、日本国民は、敗戦の中、正当に選挙された国会議員を通じて行動するということが憲法前文の一番最初でございますから、そういった重たい重たい責任が与野党あるいは衆参国会議員の我々にあるわけでございます。そのことを、これはよく冨岡議員もおわかりでございますが、お互いに共有してしっかり、そのことだけは最初に、ちょっと余分でございますけれども、田村委員長の御指名をいただきまして述べさせていただいたわけでございます。
 さて、答弁でございますが、後期高齢者医療制度の、確かに先生言われたように、自民、社民、さきがけで出したときの私は与党の二番目の責任者でございまして、一年近くかんかんがくがく論議をさせていただいたわけでございますが、私は、率直に申し上げまして、この後期高齢者医療制度の問題点は三つあると思っています。
 一点は、もう御存じのように、まず医療費削減ありきということからスタートした制度だと私は思っております。二十年ぐらい前は厚生省内部でも財政当局と大変激しい論争がいろいろあった時代がございましたが、この十年間、特に小泉さんの時代になって、財政優位の社会保障政策になってきた。その象徴が骨太方針二〇〇六で、毎年毎年社会保障費を二千二百億削っていくということの内閣の決定に象徴されておる、こう思うわけでございますが、その点がまず一点。
 それから二点目は、もう御存じのように、保険者として、前から、国か、都道府県か、市町村かという話が本当に昔からございまして、結局、この後期高齢者医療制度、実態を担うのは、やはり後期高齢者都道府県連合ということになりまして、これは非常に実はぬえ的な存在でございます。
 この前、県知事会に聞きましたら、こういう制度には責任が持てないと。市町村に聞いたら、先生御存じのように、市町村国保というのがありまして、これは市町村が責任者でございますが、要するにお金が十分に国から来ないから自主財源を払わざるを得ないということがありまして、両方ともそっちへ逃げまして、私は、後期高齢者都道府県連合というのは極めてぬえ的な、責任のはっきりしていない団体であるというふうに思っております。
 それからもう一点。これは、冨岡先生が一番御存じのように、法律に書いてありますように、医療費適正化計画というのが二番目にありまして、これはもう五年たって、都道府県で医療費がオーバーした場合は、診療報酬を都道府県に限って下げていい、制限医療をするということでございます。
 私は、少なくとも、ヒポクラテス以来、医療というのは平等であると。これはヒポクラテスの誓いの中に、ギリシャ時代の話でございますが、たとえ相手が貴族であっても、奴隷であっても、人においては同じであるから、医者というものは同じように診なければならないというのが、私は今でも、万国、人間生きとし生きておるものの世界における基本だと思っております。
 年をとってくれば、先生よく御存じのように、主病は一つだ、あるいは今は、現在六千円の包括医療だというふうなことで非常に制限医療をせざるを得ない。あるいは、五年たって、医療費がその県で多い場合、診療報酬を例えば一点十円を八円にするというふうなことを、初めて都道府県知事と主務大臣にそういう権限を与えたわけでございまして、国が放棄せざるを得ないというのかもしれませんけれども、私は、そういった制限医療を初めてした、戦後、まさに、福祉社会といいますか、人の尊厳に対して極めて財政優位の悪法だ、こう思っております。
 いろいろ先生のお話もございましたように、百九十の中で日本が一番、男女ともに世界最高齢は日本でございますので、言うなれば金メダルを長生き競争でとったわけです。そういった意味で、私はこれをブリキのメダルに変えたんだろうと思っておりますので、いろいろ前の問題、問題はありましたけれども、やはりきちっと、もう一回金メダルに戻して、財政も大事ですし、やはり国民の安心が大事でございます、なおかつ、医療は、アクセス、クオリティー、コスト世界一というのがWHOの認定でございますから、そういういい点をしっかり残しつつ、衆知を集めて、さらにプラチナメダルにしていく必要がある、その過程だというふうに私は思っております。
 少し長くなりましたけれども、冨岡先生、ぜひお許しいただければと思います。
○冨岡委員 ありがとうございました。
 ちょっと時間が押しましたが、最後になりますが、具体的な案をやはり提案していただきたい、それが最大ですね。
 我々、いわゆるこの医療と介護と年金も含めて、総合社会保障制度というのを党内で議論しています。その一環として、社会保障カードというかソーシャル・セキュリティー・カードを導入するのが二十三年に決まっております。その議論を、例えばうちの県ではもう既に始めております。その中で、こういった医療制度、幾つかありますけれども、組み込んで、一枚のカードでインプットとアウトプットがしっかりできるような制度をつくれば、いろいろな煩雑な制度等も一気に解決するんじゃないかということで、もう既にいろいろな医療界を含めた年金制度の部門と議論をやっているところであります。
 したがって、与党・政府はもう既にそういう枠組みの中で物事づくりを進めておりますので、どうぞ皆様方もそれに乗って、きょう六時間これをやるんですが、益のない議論にならないようにするべきだと私は思っております。
 このソーシャル・セキュリティー・カードにつきましては、もう既に骨格ができておりまして、そういう意味で、何とかこの医療制度をその中に組み込む、どう組み込むかが今の議論。こうすることによって、ドイツとかフランスに一気に追いつきます。アメリカのように、ソーシャル・セキュリティー・ナンバーだけでは終わりません。あの薄い紙切れ一枚で、あの国は今停滞しています。これがやはりこの分野できちんとする、その最高の切り札じゃないかというふうに私は思っていますが、そういった考え方はどうでしょう。どなたか御答弁いただければと思います。
○鈴木(寛)参議院議員 お答えを申し上げます。
 今議員から、ソーシャル・セキュリティー・カードについてのお話がございました。改めまして、私ども、大変意を強くしたところでございます。
 すなわち、私も以前、このソーシャル・セキュリティー・カードの情報インフラの整備について、委員のお一人であります荻原委員とも一緒に取り組んでいた時期もございます。まさにこれは医療の、保険のみならず診断すべてについての一元化を進めていく非常に重要な社会基盤であり情報基盤だ、こういうふうに理解をいたしております。
 実は、私ども民主党も、将来的には医療保険を一元化していく、そして保険だけではなくて電子カルテなどとの一元化をしていく、こういう考え方でございますので、先生のお話しになったソーシャル・セキュリティー・カードのインフラを整備していくということについては全く同感でございます。そのためにも、七十五歳以上だけを別にした独立型の後期高齢者医療制度については、もう一回精査をして出直す必要があるのではないかということを議論させていただいているところでございます。
○冨岡委員 私もその意見には賛成でありますので、トータル・ソーシャル・セキュリティー・システムをいかに早く構築するかが我が国の全体の枠組みづくりに非常に貢献すると信じておりますので、どうぞ協力してやっていきたいと思っております。
 以上で終わります。
○田村委員長 次に、高鳥修一君。
○高鳥委員 おはようございます。自由民主党の高鳥修一でございます。
 きょうは、質問の機会をいただきまして大変ありがとうございます。
 冒頭、昨日、元厚生事務次官山口剛彦さん、妻美知子さん、吉原健二さんの妻靖子さんが連続的に襲撃されるという事件が起こっております。亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、重傷を負われた方のお見舞いを心から申し上げます。
 本日は、後期高齢者医療制度廃止法案について質問をさせていただきます。
 まず、簡潔に、後期高齢者医療制度が成立するまでの経緯を振り返らせていただきます。
 昭和四十八年、老人医療費を無料化するということがございまして、待合室のサロン化、あるいは同じ病気で幾つもの病院にかかるはしご受診など各種の問題とともに、医療費が急増いたしました。
 さまざまな議論の末に、昭和五十八年、老人保健制度ができまして、本年の三月まで続いたわけであります。この老人保健制度も、世代間の負担関係が不明確、あるいは保険料も市町村の財政事情によって大きな格差が生じているなど、制度のゆがみに限界があるということは与野党共通の認識であったと理解をいたしております。
 そこで、お伺いをさせていただきます。
 この老人保健制度でありますが、健保組合の拠出金の割合でありますが、昭和五十八年には一三%であったものが平成十一年には四〇%となるなど、その負担が過重になったことから、健保組合の約九七%が老健拠出金を払わない、いわゆる老健拠出金不払い運動が発生いたしました。
 こういう状況を踏まえて、これは手元に当時の資料がございますが、平成十二年の参議院における健康保険法等の一部を改正する法律案の附帯決議において、共産党を除く全会一致で「老人保健制度に代わる新たな高齢者医療制度等の創設については、早急に検討し、平成十四年度に必ず実施すること。」という附帯決議が採択をされております。
 なぜこのような公党間で見直しを採択した老人保健制度を復活させるのか。ちなみに、当日の提出者は民主党の柳田稔参議院議員であります。まずその点をお答えください。
○鈴木(寛)参議院議員 お答えを申し上げます。
 大変重要な御指摘でございますので、お答えを申し上げたいと思います。
 議員おっしゃるように、平成十二年十一月三十日に参議院の国民福祉委員会で、今引用されました附帯決議が行われました。それを受けまして、平成十三年の九月に社会保障審議会で四つの方式が検討されまして、すなわち、独立保険方式、突き抜け方式、年齢リスク構造調整方式、一本化方式、この四つの考え方が提示されました。
 民主党は、従来よりこの突き抜け方式と年齢リスク構造調整の混合型ということを主張し、今でもそのような考え方をとっているところでございます。
 そういう社会保障審議会の御議論を経て、実は、平成十四年の九月には、当時の厚生大臣でいらっしゃいました坂口大臣も私案というものを公表されまして、制度を通じた年齢構成あるいは所得に着目したリスク構造調整方式、こういう案を当時の厚生省は試案として公表されていたと思います。ただ、厚生省は、A案として坂口私案の延長線にございますリスク構造調整と、それからB案といたしまして平成二十年四月一日から導入されました独立方式、この二つが最終的には案として残ったわけでございます。
 そこまでは非常に与野党かみ合った、A案もB案ももちろんそれぞれにいろいろな議論が積み重ねられて、我が党といたしましては坂口当時厚生大臣もお示しをされておられましたA案、すなわちリスク構造調整方式が望ましい、こういうことを主張させていただいていたわけでございますが、しかしながら、平成十五年に入りまして、必要があればまた自見提案者の方からも補足をいただきたいと思いますけれども、この議論が一変をいたします。すなわち、経済財政諮問会議の登場でございます。経済財政諮問会議がかなり強硬な形でB案を主張されまして、そして平成十五年三月二十八日にいわゆるB案という方向が出たところでございます。
 しかしながら、当時の平成十六年、十七年に厚生労働大臣をしていらっしゃいました尾辻大臣は、この経済財政諮問会議の論調に大変厳しく反論をされまして、私も当時行政監視委員会で尾辻厚生労働大臣に対して、経済財政諮問会議の議論の進め方というのは強引ではないか、与野党協力してきちっとこうした問題を議論していったらいかがかですかということを御質問させていただいて、厚生労働大臣もそうした与野党の御意見を大変体していただきまして、経済財政諮問会議と大変厳しい議論をしていただいたと私は承知をいたしております。
 しかしながら、平成十七年の十月末に尾辻大臣が退任されるや否や、平成十七年十二月一日に政府・与党で医療制度改革大綱がかなり強行的に策定をされて、そして平成十八年二月十日の健康保険法の一部改正案の提出、こういうことになったわけでございます。
 したがいまして、私ども、ぜひこの委員会でも御理解をいただきたいのは、もう一回A案、B案に議論を一たん戻して、私どもはA案が正しいと思っておりますが、それについての議論を深めるべきではないか。
 これも後での質問になるかもしれませんけれども、私どもも、市町村国保の赤字の問題については問題意識を完全に共有をいたしております。それにつきましては、民主党といたしましては六月の三日に改めて確認的に党でも決定をさせていただきましたけれども、我々が取り組むべきは、市町村国保の保険料の地域格差を抜本的に是正することが重要だということと、それから、高齢者を初めとする市町村国保の低所得者を抱える保険者への支援体制を抜本的に拡充する、この二点が重要だと思っています。
 これは恐らく先生も同じ見解をお持ちだと思いますが、それは、この制度をB型にするということは、その答えではなくて、むしろ、例えば国の調整交付金とか今までさまざまな、昔は市町村の格差が五倍あったわけですけれども、それを調整するために、県の共有部分をふやすとか、さまざまな保険財政共同安定化事業というものが、与野党の議論の中で、尾辻大臣も御努力されて、いろいろな制度が出てきています。出てきていますが、それに対する予算投入が十分でない結果、この赤字構造が温存されてしまったということでございます。
 したがいまして、私たちは、そうした既存の共同安定化事業、もちろん、新しくそうした予算措置を講じて、財政的な措置をこの市町村国保赤字問題に対して講じていくのが、まずは緊急的、短期の措置としては非常に重要だ、将来的にはA案の制度調整をさらに議論を深めて行っていくということが望ましいのではないかというふうに考えております。
○高鳥委員 御答弁ありがとうございます。
 冨岡先生もおっしゃいましたけれども、確かに与野党で共有できる部分もないことはないと私も思っております。今のさまざまな試案や御議論があったことも事実であると思います。しかし、老人保健制度については、やはりさまざまな問題点があったからこそ、各党間合意の上で廃止をするということを決議したと思います。
 この制度に再び戻すことによってどのような問題が起こってくるか、これは厚労省の側から説明していただきたいと思います。
○水田政府参考人 お答えいたします。
 仮に長寿医療制度を廃止して老人保健制度に戻した場合、どのようなことが起こるのかということでございます。
 第一には、高齢世代の保険料の扱いが不明確なまま、現役世代に負担が回される仕組みに逆戻りとなるということがございます。独立制度にするがゆえに高齢世代の保険料の扱いというものが明確になるわけでございます。それが逆戻りとなる。
 二点目は、長寿医療制度におきましては、市町村国保と比べまして七五%の世帯で保険料が軽減され、保険料格差も二倍に縮小したところでございますけれども、逆に負担がふえ、格差ももとのままの五倍に広がるということが考えられます。
 第三には、制度を運営する広域連合それから市町村、ひいては国民に混乱を与え、多大なコストを生じさせる。
 こういった国民生活に大きな影響を与えるさまざまな問題が起きると私どもは考えております。
○高鳥委員 ありがとうございます。
 同じ質問でありますけれども、老人保健制度に戻すということが、きょう資料に各新聞社の社説を添付してありまして、一々全部読みませんけれども、要は、新制度にもよい点があるということなんですね。そして、旧制度にもやはり問題点がある。今先生御指摘になられました、高齢者の多い市町村では国民健康保険が財政破綻の危機にあった、こういうこともございます。
 これらの問題点について、民主党はどのように考えていらっしゃいますか。
○鈴木(寛)参議院議員 お答えを申し上げます。
 委員おっしゃるとおり、単に老人保健制度に戻すだけでは、従来から指摘されていた老人保健制度の問題点は解決されない、これはもうおっしゃるとおりだと思います。
 今、民主党はということで御指名をいただいて御質問いただきましたので、民主党といたしましては、六月の三日に、法律のレベルのお話といたしましては、一たん老人保健制度に戻すということでございますが、加えまして、予算編成に当たって、他党にも呼びかけて、この中には与野党両方含んでいただいて結構だと思います。来年度予算編成を担っておられるそのときの政権与党にもぜひ御協力をいただきたいと思いますけれども。
 先ほども申し上げましたが、もう少し詳しく申し上げます。
 市町村国保保険料の地域格差を抜本的に是正しなければいけないというのは、委員おっしゃったとおりでございます。それにつきまして、私どもは、まず、現在、国の調整交付金が六千七百億円ございますが、この調整率をさらに改善することが必要だというふうに思っております。それから、都道府県の調整交付金の調整率も改善をすべきだと思っております。
 それから、財政安定化支援事業というのが今も一千億ございますが、保険料負担の平準化を図るために、市町村の一般会計から国保特会への繰り入れを地方財政措置で支援していくことが必要だと思っておりますので、これも現在の政権にぜひやっていただきたいというふうに思っております。
 それから、高額医療費共同事業交付金というのがございます。二千九十億ございますが、これも抜本拡充が必要だと思っておりますし、保険財政共同安定化事業の拡充ということも、現在、共同拠出金が約四割でございます。これを八割とか九割の水準にすることによって、都道府県内の市町村国保間の平準化とか財政の安定化を図れる、このように考えております。
 私どもは、そうしたことから、緊急経済対策あるいは政策マニフェスト、インデックス二〇〇八におきましても、トータルで、要するに後期高齢者分とそれから市町村国保そのものの赤字体質の是正、それを図るために、九千億弱の予算措置を我が党が政権をとった暁にはさせていただくということを既に発表させていただいているところでございます。
○高鳥委員 さまざまな御提案をいただいたわけでありますが、もとに戻すだけでは旧来の問題点は解決しない、これは共通の認識であると思います。
 そこで、今鈴木先生の方からもちょうどお言葉がありましたけれども、それでは、その後どうするのかという問題でございます。
 民主党は、老人保健制度に戻した後に医療保険制度を一元化するということを主張されておられます。これは小沢一郎代表の民主党代表質問及び所信表明、この中にも明確に書いてございますし、今先生御指摘の民主党政策インデックス二〇〇八、この中にも書いてございます。
 医療保険制度を一元化するということについて、参議院で廃止法案が可決してから間もなく半年になろうといたしております。そろそろ民主党としての具体案が固まったのではないかと思いますが、廃止した後の具体的な姿、一元化をいつまでにするのかということをお聞かせください。
○櫻井参議院議員 御答弁させていただきたいと思います。
 先生、今、後期高齢者の問題だけではなくて、今までの保険制度そのものに相当問題があるというお話をされた、そういうふうに思っております。ですから、我々も、後期高齢者の問題だけを考えるのではなくて、抜本的にこの制度を見直していかない限り、世界に冠たる公的皆保険制度を維持できないのではないかというふうに考えております。
 つまり、例えば政管健保と組合健保の保険料率が違うとか、それから組合健保の中でも各保険者によって保険料率が違うとか、それから国保の加入者の保険料率もまた違っております。それから、付加給付制度がございまして、例えば国家公務員や地方公務員のように財源的に十分潤っていないんですけれども、税金で賄われているようなところには付加給付制度がございますが、政管健保の加入者の方々には、その制度があっても、事業主の今の財政状況ではとても賄えない等、さまざまな問題があるわけでございます。
 そういう点から考えてくると、後期高齢者の医療制度だけにとどまるわけではなくて、全体を見直す必要性があるだろう、そういうことで、我々は、この一元化の法案を今後提出していきたい、そういうふうに考えているところでございます。
 この法案を廃止した後の措置に関しては、あとは鈴木委員の方から補足で答弁させていただきたい、そう思います。
○鈴木(寛)参議院議員 お答えを申し上げます。
 参議院で可決を、さきの国会でしていただきました。我々民主党といたしましては、緊急経済対策等々で我々の考え方をお示しさせていただきましたが、この十月に、民主党の政策インデックス二〇〇八、後期高齢者医療制度の廃止と医療保険の一元化というものを発表させていただきまして、一たん老人保健制度に戻し、かつ、先ほど申し上げました予算措置を講ずる、この両方のパッケージで、まずは一たん戻すということを言っているわけでありますが、その次に、被用者保険と国民健康保険を順次統合するということが次の段階だというふうに思っております。
 それで、まず短期的には、高齢者と低所得者の比率が高い市町村国民健康保険対策の抜本拡充、先ほど申し上げたことに加えまして、特に低所得者対策の大幅拡充ということも極めて重要だというふうに思っております。それから、高齢者の保険料負担を現行水準のままおおむね維持し、または軽減をし、若年負担についても現行水準のおおむね維持をやる。こうなりますと、ではどうしたらいいかというと、医療給付費に占める公費負担をふやさないといけないわけでありまして、我々は、ここをふやしていこう、そのための財源論もきちっと議論をしていこう、こういう考え方でございます。
 私どもの問題意識は、市町村国保の問題は、高齢者を抱えていて赤字がふえたということもございますが、一方、もう一つ重要な問題は、いわゆる格差問題の広がりによりまして、非正規雇用の方々は国民健康保険に入るわけでありますから、その部分のいわゆる低所得者、これは年齢を問わず低所得者を市町村国民健康保険がその加入者として抱えざるを得ないということによってこの赤字構造というものがさらに加速をしている、したがって、そこに対しての手当てもあわせ考えていかないと、全体、整合のある保険制度の確立にはならないというふうなことを考えて、先ほどのような提案をしているところでございます。
○高鳥委員 ありがとうございます。
 いろいろ御説明いただいたんですが、小沢代表の所信表明というんですか代表質問、順番、どっちを先に言ったらいいかあれなんですが、には、被用者保険と国民健康保険を、段階的にと書いてあるんですね、段階的に統合する。それから二〇〇八インデックスには、順次統合する。言葉は若干違いますが、やはり明確な方針が示されております。
 結局、今の御答弁ですと、具体的にどういう手順でいつまでにやるのかということは決まっていないということでしょうか。お答え願います。
○櫻井参議院議員 正直申し上げまして、具体的にそのスケジュールが決まっているわけではございません。それは、我々が政権をとらせていただいてから順次進めていきたいと思っております。
 もう一つ大事な点を申し上げておきますが、これは、国民の皆さんときちんとした話し合いをした上で決定していかなければいけないことだと思っております。
 つまり、これは既得権益者と言ったら怒られるかもしれませんが、保険料率の低い団体などはやはりこれは反対しておりますから、そういう人たちをまずちゃんと説得していかなければいけないことだと思っていますし、我々は、例えば今回の後期高齢者の医療制度のように、多くの方々が反対しているようなものに対して強引に推し進める気はございませんので、そういう点でいうと、我々の法案の内容をちゃんと説明させていただいて、国民の皆さんの理解を得た上で進めていきたい、そう考えております。
○高鳥委員 ありがとうございます。
 今、櫻井先生の御答弁で、具体的な日程、スケジュールは決まっていないというお答えがありました。
 それともう一点、先生御指摘のとおり、国民と話し合いを、よく意見を聞くということは非常に重要である、これはもう異議はございません。
 そこで、この法案、廃止法案ということは旧制度に戻すということについて、その提出に当たって、知事会、市長会、町村会あるいは経団連、健保連、連合さん、それから医師会など、この制度に密接に関係をする団体と当然意見交換を行ったことだと思いますけれども、それぞれどのような反応があったのかお聞かせを願いたい。各団体ごとの反応についてお答えをいただきたいと思います。
○大塚参議院議員 ただいま幾つかの団体を列挙していただきましたが、にわかの御質問でしたので、全部が記憶に残っておりませんで大変恐縮でございますが、党といたしましては、さまざまな団体から御意見を拝聴し、またいろいろ御教示もいただいたということは事実でございます。
 ただ、それぞれの御意見に、意に沿う形で私どもの提案ができているかどうか、これは、立場も違い、考え方も違う点もございますので、若干の食い違いがある点は御理解をいただきたいと思います。
 もっとも、委員も御承知のとおり、例えば、各自治体の首長の皆様方は実務上の問題についてはいろいろ御懸念をしておられることは我々も認識をしております。また、私どもと日ごろから大変密接な議論をさせていただいております連合の皆様方を例にとりますと、やはり突き抜け方式がいいのか、あるいは一元化がいいのか、先の問題も含めて、もちろん完全に意見が一致しているわけではありません。
 したがって、こういう状況であるからこそ、先ほど櫻井委員が申し上げましたように、しっかりとした議論をいたしまして、国民の皆さんのできるだけ大勢の方が納得をしていただける制度をつくりたいというふうに思っているわけでございます。
 最後になりますが、麻生首相誕生の折の与党の皆さんの政権合意の中にも、後期高齢者医療制度はよりよい制度に改善するという申し合わせがあるわけでございますので、やはり現行制度にも見直す点があるということが与野党共通の認識でございますので、建設的な議論の結果、よりよい制度を目指してまいりたいというふうに思っております。
○高鳥委員 意見を聞くのは大切であるという御主張にもかかわらず、公式なというか正式なというか、どれぐらいの団体の意見を聞かれたのかということが今の答弁ではちょっと不明確でありました。本気でこれをもとに戻すという作業を考えておられるならば、私は接触の機会が少ないのではないかなと思います。
 次に、具体的に一元化の中身を教えていただきたいんですが、医療制度の一元化というのは、具体的にはどういうものを目指していらっしゃるのか。財政調整の一元化か、運営主体の一元化か、保険料徴収基準の一元化か、その具体的な考え方をお聞かせください。
○櫻井参議院議員 基本的に申し上げますと、国民の皆さんが同じ保険に入るということを前提に議論を進めております。ですから、段階的に手順を踏んでいかなければいけないと思っておりますけれども、まず被用者保険の方を一元化し、そしてその後で国民保険それから共済保険等を統合していくということに立つんだろう、そう思っております。
 社会保障政策の基本というのは、所得に応じての再配分機能をいかに発揮させるかということであると思っておりまして、その機能が今十分に発揮できておりませんので、そのことについてまず抜本的に考えるということになれば、すべての方々が同じ保険に入るというような制度を考えているところでございます。
 ただし、問題は、国全体が保険者機能を有することになると保険者機能が十分に発揮できないので、その運営主体は、県になるのか、それとも、もう少し小さい地方自治体になるのか、これからの議論になりますけれども、その点はそういう形でやっていきたいことと、それからもう一つは、お金の徴収に関しては、より効率的にやっていくために歳入庁を創設して、年金の保険料等と一緒に徴収できるようなシステムを今検討しているところでございます。
○高鳥委員 一元化と言う以上、何の一元化なのかということはやはり明確に説明をしていただかなければならないと思います。
 そこで、例えば一元化した場合、健保組合については、これは戦前に設立をされて、今や千五百を数えて、保険事業を先駆的に展開して高い医療水準を支える重要な担い手でありますけれども、医療保険を一元化するということは、健保組合はすべて解散させるということになると思いますけれども、今までの健保組合の保険者としての努力をどのように考えておられますか。
○櫻井参議院議員 これまでの御努力があったからこそ、世界の中でナンバーワンの評価をいただいている医療保険制度が構築できた、そういうふうに思っております。
 ただし、現在の経済状況等を踏まえて、健康保険組合を脱退している団体も相当多く出てきているわけでございます。ですから、そういう点を考えてくると、改善すべき点は改善するということを我々も考えていかなければいけないんじゃないかというふうに思っておりまして、これまでのことに関しては、すばらしい取り組みをしていただいたと感謝しておるところでございます。
○高鳥委員 時間がもうなくなってまいりましたので、そろそろ最後にしたいと思います。
 最後にお伺いをいたしますが、この廃止法案は後期高齢者医療制度に対する対案でありますか。対案であるかどうかということを簡潔にお答え願います。
○大塚参議院議員 対案ではございませんで、廃案にしたいという提案でございます。
○高鳥委員 ありがとうございます。
 本日の審議で明らかになったことでありますが、これはちょっと例え話でありますけれども、今乗っている船が確かに整備不良の部分がある、これは認めざるを得ません。しかし、次に乗るしっかりした船がまだないのに、穴のあいた救命ボートにとりあえず乗りかえろ、こういうふうに聞こえます。それは幾ら何でもやはり無理があるのではないか。
 それは、一元化の主張についても、きょうの審議の中で、内容や具体的なスケジュールがまだ何も決まっていない。そして、それにもかかわらず、何かと問題の多い老人医療制度に戻せという主張でありますから、これは受け入れられないということでございます。(発言する者あり)
○田村委員長 御静粛にお願いします。
○高鳥委員 特に民主党は、あすにも政権交代、今がチャンス、こういう大変な勢いでございます。具体的な政策や財源は政権をとってから考えますというのでは、責任政党として順番が逆ではないか。
 それから、よくこの委員会で、期限を切らない政策は政策じゃない、こういう御主張をよくお聞きいたします。そこで、最後に、いつまでに対案が出せるのか。平成十二年の合意から既に八年あったはずです。そして、十八年の法案成立からしても二年、廃止法案を提出してからでも約半年あったわけであります。いつまでに対案が出せるのか、明確な答弁をお聞かせいただきたいです。
○福山参議院議員 委員の先生からの強い主張でございますが、我々、対案の用意はございますが、いつ解散していただけるのかわかりません。我々はもともと、きっちりと廃止をしていただいて、来るべき衆議院選挙に向けてマニフェストで国民にお約束をさせていただく予定になっております。
 現実の問題として、解散になればそれぞれの党がそれぞれの医療政策を明らかにして選挙を戦うものだと思っておりますし、自民党さんも、与党も、党の担当大臣である舛添大臣が見直しに言及をされ、さらに麻生総理も言及をされているところでございますので、近々に行われるであろう解散・総選挙におきまして、明確に与党内の方向性を一致していただいて国民に提示をしていただく。我々もそれに合わせてしっかりと提示をして、国民に将来的な医療制度についての信を問いたいというふうに思っているところでございます。
○田村委員長 高鳥君、時間が経過しておりますので、簡潔にお願いします。
○高鳥委員 はい、簡潔にいたします。
 対案の用意もあるけれども今は言えないということでは、なかなか国民の理解は得られないんだと私は思います。
 平成十二年の合意から八年たって時計の針を逆に戻すようなことはせずに、問題があれば高齢者の方々の御意見もお聞きしながら必要な見直しに取り組むべきであるということを申し添えまして、私の質疑を終わります。
 ありがとうございました。
○田村委員長 次に、飯島夕雁君。
○飯島委員 自由民主党の飯島夕雁でございます。よろしくお願いいたします。
 さて、長寿医療制度におきましては、施行直後から大きな混乱が生じたことから、与党としてもその都度見直しをかけてまいりました。麻生総理も舛添大臣も、その点はっきりと、一年をかけて見直しをするというふうに表明をしております。
 しかしながら、今もって民主党からは廃止法案がこのように出され、またマスコミ世論、一般庶民から聞こえてくる声の多いものとしては、例えば年金からの天引きへの不満であったり、それまで扶養であった人の保険料負担の問題、単なる財源論だけの制度ではないのかといったような疑問、また拙速過ぎるのではないかというような批判、こういったようなものが多いのではないかと思います。
 しかし、これらの不安や疑問については、説明不足に基づくようなものも混在しているという印象を私は受けております。私が一番懸念するのは、疾病を多く抱える高齢者だけを単独に引き離して別扱いにする後期高齢者医療制度というのは財政的にもつわけがないのではないか、それがひいては高齢者の医療、介護サービスの低下につながらないのかという不安でございます。
 いずれにしても、現実的に、後期高齢者医療制度が、高齢者の医療の確保に関する法律という名称なのに、国民や高齢者の目線で見て、高齢者の医療の確保を目指した法律とは受け取られなかったという現実、これを大いに反省して、基本に立ち返って、本当に高齢者のための医療の確保に関する制度を提示していかなければならないということを強く訴えたいと思います。
 これらを総合しまして、現在の長寿医療制度の問題点、またその改善点、これからの高齢者医療のあるべき姿などを一括して、まず大臣から御所見を伺いたいと思います。
○舛添国務大臣 今の国民健康保険制度、これが各市町村で担っていくにはもう限界があるということで、十年来改革の議論がありました。そういう中で、突き抜け方式であるとか独立方式であるとか、いろいろな形で検討されて今回の後期高齢者、いわゆる長寿医療制度になったわけでございますけれども、御高齢の方々から、七十五歳で区分けをするのはいかがなものか、そういう御意見もあり、また、年金からの天引きということに対しても御批判がありました。そういう点を踏まえまして、世代でどういう形で負担を分け合うのかということも議論をしないといけない。
 今の後期高齢者医療制度にたくさんいい点もございます。一割、四割、五割、こういう負担にしても、これはむしろ保険というよりも社会保障そのものでありますから、そういう点をも念頭に置きながら、私のもとに高齢者医療制度に関する検討会を設けました、ここで私も、私なりの私案を出しております。それは、長寿医療制度と国民健康保険制度の一体化、そしてそれは県単位で財政的にまとめていこうという発想であります。
 こういう案を含めまして、一年を目途に、さまざまな意見を交わしながらよりよいものに変えていきたい、とりわけ高齢者の心情に配慮したものに変えて、維持可能なような制度、そして今の長寿医療制度のいい点も十分加味した上で、改革の方向を目指したいと思っております。
○飯島委員 ありがとうございました。
 医療や介護といった部分につきましては、それを必要とする方にとっては命にも直結するテーマでございます。どうか今後も、今大臣がおっしゃられましたように、安心して活用できる制度に成熟させていただけますように、最大限の御配慮を心からお願いいたします。
 次に、民主党提出の後期高齢者医療制度廃止法案についてお尋ねをいたします。
 冒頭、私は、この制度の問題点を具体的に大臣に伺いました。そのことに対して、今、よい点、悪い点があったことをきちんとお認めいただきまして、また、しっかりと見直していくという御回答をいただきました。しかし、こういった中で、民主党案では完全廃止を求めておられるということでございます。
 それではどんな方法があるのかというと、民主党案には非常に疑問を感じます。挙げれば切りがないんですけれども、保険料は天引きをしないで普通徴収と決めてかかっている節がございますが、実際、私は地元を回っていますと、いや、納めるんだったらやはり天引きの方が楽なんだよというような声も案外聞きます。それから、そもそも、介護保険などは初めから天引きで始まりました。
 この流れは、当時、民主党の菅代表代行が厚生大臣だった平成八年に、高齢者の未納が多くならないように年金などからの天引きで対応できるのではないですかと、天引きすることを推奨するような参議院答弁があったことから始まっているものでございます。今回とはつじつまが合いませんが、どういうことでしょうか。
○櫻井参議院議員 お答えさせていただきたいと思います。
 まず天引きの問題に関してですが、納めるものであれば最初から天引きしてくださいという声もあるのかもしれませんけれども、一方で、月々の生活費に本当に困窮されている方々は、かなり調整してお金を納めていただいております。ですから、そういう方々からしてみると、月々の支払いに本当に困ってしまった、そういう声も聞いているわけでございまして、一概に、天引きをやっていくことがいいとは我々は思っておりません。
 それから、これまで高齢者の方々がどうだったのかというと、平成十七年度で九八・五%の方が保険料を納めてくださっております。これは年金とは全く違っておりまして、年金はたしか六三%ぐらいだったかと思いますが、そのぐらいの方しか納めていただいていないという点から考えてくると、これは、もともと医療というのは絶対的に必要なものであって、なおかつ、亡くなるまで、よほどのことがない限り医療を受けないで亡くなる人というのは、お世話にならないという方々はいらっしゃらないわけですから、そういう方々はきちんと保険料を支払ってくださっております。
 ですから、そういうことから考えてくると、我々とすれば、天引きの必要性はないのではないかというふうに考えております。
 追加の答弁を福山議員の方からさせていただきたいと思います。
○飯島委員 ありがとうございます。追加は結構です。
 今お話がありましたように、亡くなるまでお支払いをいただく、だからこそ天引きの方が便利なのではないかということもあったのではないでしょうか。介護保険制度が導入されたときに、まさに菅代表代行が厚労大臣としてお話をされた。ですから、天引きそのものが悪いのではなくて、年金が少ないという別のところに問題があるのではないかと思います。
 先ほど来より民主党の皆様のお話を伺っておりましたけれども、どうもマスコミや世論が、年金天引きはひどいひどい、高齢者を殺す気かというような世の中の議論に翻弄されているというか、迎合しているように私個人は感じます。
 また、民主党のお話は、財源の確保や費用負担などが極めて不明確でありまして、具体的には政権をとってからというようなことで、こういう不明瞭な印象を受けております。
 また、新しい後期高齢者医療制度につきましては、いろいろ問題点もあったかもしれませんけれども、制度のよい部分、もう何度もお話しになっていますけれども、七割以上の方が安くなった、あるいは地域による保険料格差がなくなった、そういったことにきちんと着目をされておりません。
 こうしたことにおきまして、やはり単なる廃止論だけではなくて、また現実可能な議論の中から、真に利用者のための政策づくりに御協力をいただきたいというふうに思います。
 次に、厚生労働省の方にお伺いをさせていただきたいと思います。
 まず、終末期医療についてでございます。
 後期高齢者医療相談支援料も批判を浴びて凍結をされた一つでございますが、私は、希望すれば不要な延命治療を受けることなく終末期を過ごすことができるという趣旨そのものは間違っていないと思います。現に、多くのターミナルケアの現場では既に行われておりまして、人の最期をしっかりとケアしているすばらしい現場もたくさんございます。
 しかし、今回は、診療報酬をつけて促すような格好になり、しかもそれが二千円という低額なものであったがために、患者さんからもお医者さん側からも反発を買ってしまいました。やはり高齢者の心身の特性に合った終末期医療のできる体制を提供するということでしか、国民の不安を解消し、希望に沿うことはできないのではないでしょうか。その点で、医療的な処置の多い少ないにとらわれずに、ケアも重視する、苦痛を取り除く医療が提供できるという高齢者用の医療施設を確保する必要があると思うのですけれども、いかがでしょうかというのが一問目の質問でございます。
 次に、かかりつけ医の養成と在宅死の強制の考え方です。
 後期高齢者医療制度の後期高齢者診療の考え方として、かかりつけ医の普及を図るという意図がございました。このことについても、理念としては評価ができるものです。無駄な受診や無駄な投薬は当然管理すべきです。
 アメリカのある統計によりますと、二〇〇〇年には、薬物療法に関する問題により、毎年十万六千人が死亡し、八百五十億ドルの経済損失が発生していると見られているという話もございます。もし、薬剤関連問題が一つの病気として死因にランクづけされれば、合衆国の死因の第五番目になるだろうというような衝撃的な報告もされているそうでございます。
 しかし、そのための準備が日本では不足しています。単に医学部の定員をふやすだけでなくて、本当に地域で一般医として活躍できる医師を養成し、地域医療の担い手とする、それから、在宅支援診療所のように二十四時間診療できる診療所の整備をしていく。今、診療所という届け出をしていても、実際に額面どおりに活動しているのは数百にも満たないと言われております。
 こういう準備をしていない中で療養病床を削減し、在宅療養にシフトしていくということになると、国民に対して相当な負担を強いることにはならないでしょうか。在宅死を強制してしまうことになると思うのですが、いかがでしょうか。この二点について教えてください。
○外口政府参考人 最初に、終末期医療に関しての御質問でございます。
 終末期医療における療養の場につきましては、平成二十年三月に行われた終末期医療に関する調査では、六二%の国民が自宅療養を希望しております。一方で、六六%の国民は、最期まで自宅での療養は実現困難と考えており、その理由としては、家族の負担への懸念や急変時の医療への不安を挙げております。
 この調査結果からも、終末期の医療へのニーズが高いことは明らかであり、高齢者の心身の特性に合った終末期医療の体制整備は重要と考えております。がん対策においての緩和ケア病棟の整備や在宅緩和医療を推進し、末期がんの患者さんに対して適切な疼痛管理などが行えるような体制の整備などを進めてまいりたいと考えております。
 次に、かかりつけ医、地域医療に関しての御質問でございます。
 地域医療の担い手として、臓器別の専門医だけでなく、人間全体を診る総合的な診療を行える医師が重要であり、今後、かかりつけ医にはこうした役割がますます期待されるところであります。臨床研修制度の目的もこのような視点に基づいたものであります。また、二十一年度の医学部入学定員の増員の際にも、各大学が地域医療貢献策を講ずることとしております。
 国としては、かかりつけ医の定着や医療連携、機能分担の推進、また、地域の医療従事者などの人材養成を行う医療連携体制推進事業などを実施しているところであり、医師確保対策など、さまざまな施策を組み合わせながら地域医療の確保に努めてまいりたいと考えております。
○飯島委員 ありがとうございます。
 どこで死にたいですかと聞かれれば、住みなれた家で死にたいというのは一般的な発想であります。しかし、それが難しいから今その受け皿を議論しているのでありまして、そういったことの繰り返しのこういう質問を何回もさせていただいていますけれども、厚生労働省の方も、現実にできるのかできないのか、そういったことを踏まえながらやっていかないと、後期高齢者医療制度というものが今けちをつけられているときに、やはり、しっかりとした中身がありますということを答えていくのに値するような回答をしていただけると幸いに存じます。
 後期高齢者医療制度は、スタートしてから、今のようにいろいろな誤解や混乱もあり、大変不評な印象になってしまいましたが、私は、今や高度化した医療を、お年寄りはたった一割の負担で受けられる、九割は国と若い世代が見てくれる、何とありがたいのだろうと言われる制度にしたいのです。そのためには中身がしっかりしていなければならないという当たり前の議論に立ち返りたいと思うのです。お年寄りが最後の最後まで安心して使える保険、そう思っていただくためには、その実がなければならないと考えます。
 ちょうどこの保険の成立の時期と同じころに療養病床の削減の議論もありましたけれども、医療保険の療養病床に関しては、二十五万床のベッドを十五万床に削減を、二十二万床まで戻すことになりました。介護保険中の療養病床である介護療養型医療施設の転換先となる介護療養型老健施設についても、医師を二十四時間配置することで国民の大きな不安が解消されると思います。また、介護療養型医療施設の老人保健施設への転換も進展すると思いますが、いかがでしょうか。
 在宅あり、施設あり、病院あり、そして医療と介護の両方が受けられる施設があり、これらがきちんと備わってこそ後期高齢者医療制度は理解されると思いましたので、今の二点の質問をさせていただきました。厚生労働省からは相変わらず具体的な御答弁はいただけませんでしたが、療養病床機能は、終末期まで見据えたときに不可欠な存在でございます。医療費の抑制を挙げるのであれば、介護療養病床の施設はなおさらでございます。
 名実ともにしっかりとした保険制度を確立させるために、改めて大臣にお伺いしたいと思います。
 まず、医療区分のあり方ですけれども、医療制度改革では、患者の振り分けのために医療区分という考え方が用いられました。つまり、医療区分一は入院の必要がない人、医療区分二、三は入院する必要がある人と分けられたわけです。
 ところが、この医療区分をつくる中心人物となった慶応大学の医学部の先生は、医療区分が一だからといっても、高齢者の状態で不安定な患者さんも多く、入院が要らないなどと自分は言っていないとおっしゃっておられます。また、自分たちのエビデンスが違う形で利用されたとも明言されておられます。
 さらに、計画の途中で、最初は医療区分二だと評価された病気の一部が突然に見直され、医療区分一と同様に入院の必要がないとされました。
 医療の現場でも、重介護の人は医療区分一であっても変化しやすく、二十四時間医療施設が必要である人が多いという声もたくさんございます。つまり、要医療、重介護という領域の患者さんが存在し、医療区分だけで割り切れないと言っているのです。
 政策に責任を持つ与党の議員として、このような医療区分の考え方で政策の根幹を仕切るのは危険であり、避けるべきだと私は考えております。後期高齢者医療問題も相当もめておりますけれども、それ以上の大きな混乱の元凶になり得るものであり、とても責任が持てない。
 ぜひ、舛添大臣も、介護と医療は不可分であるというのが持論だと思いますけれども、医療と介護の関係性を重視した視点から、例えば要介護認定などが利用されて、療養病床利用にふさわしい患者を振り分ける方法を早急に開発することが適切だと思いますけれども、いかがでしょうか。
○舛添国務大臣 委員御承知のように、医療区分というのは、患者の医療の必要性、食事などの介助の必要性を反映して分類したものでありますので、医療区分が低いから医療が不要ということには直結しないわけであります。
 今、十八年に医療区分を導入する際のお話があり、また、関係した先生方の御意見がありましたけれども、あのときは、慢性期入院患者の実態調査をやる、それから医療従事者のタイムスタディー調査も実施いたしました。さらに、特に介護の場合の食事などの介助の必要性も分類上で使ったということでありますけれども、これは診療報酬その他の側面の一つの区分として使ったわけでありますので、今後、それが妥当でなければさらに調査を進めていって、その妥当性も、継続してやるということで、実態に合った形でエビデンスを重ねていく必要があると思います。
 エビデンスをベースにした介護にし、エビデンスをベースにした医療にしていくということでありますので、今後とも、実態に合った形で調査を続け、必要な改正は行いたいと思っております。
○飯島委員 どうもありがとうございます。心強く感じました。
 今度は厚労省の方に質問させていただきます。先ほどは、はっきりしなくて失礼しました。
 療養病床関係について、まとめて四点お尋ねをいたします。
 なぜ療養病床にこだわるかといいますと、後期高齢者医療制度は亡くなるまでをしっかりと支える制度である、そのためには、医療も介護も必要であるという療養病床が果たしてきた役割が非常に密接に関係しているからであります。しつこいようでございますが、いま少しお時間をいただきたいと思います。
 まず四点のうちの一番目ですが、高齢者の心身にふさわしい医療と居宅における死についてお尋ねしたいと思います。
 老健局の鈴木課長の論によりますと、今後の高齢者数の増加に伴い、みとりの場所が少なくなる、今は有料老人ホームや高齢者賃貸住宅が少ないけれども、今後、爆発的にふやさないとみとる場所がない、死に場所がないという人が四十七万人ぐらい出てくるだろう、実際には、老老介護や高齢者単独世帯がふえると自宅での死亡が難しいため、恐らくこれ以上になるだろうと、介護難民が増加することを予測しておられます。
 けれども、危ないと思うのは、例えば高齢者専用賃貸住宅などで、高齢者の心身にふさわしい医療やみとりが本当に最後まで提供できるのかということです。例えば、高齢者は身体的な疾患に認知症をあわせ持つことが多いですけれども、そういう状態の人が高齢者専用住宅で暮らせるのか、あるいはみとれるのか。身体的な疾患だけでも、たんを一日に何回も取らなければいけない人には介護者がずっと付き添っていなければ、たん詰まりで窒息してしまいます。つまり、継続的な医療には向いていない場所なわけでございます。
 そういうところをふやしても、救急医療費がふえるか、二十四時間に近いヘルパーの雇用などで多額の費用がかかり、それこそ財政的にもたなくなる。有料老人ホームも、みとり医療の提供できるものをつくるとすれば、庶民には手の出ない額となる。これらの点について、どう認識しているのかをお尋ねしたいというのが一番目です。
 二番目ですけれども、二〇一一年度末の心配でございます。
 今、介護療養型医療施設は、医師を減らす、看護、介護スタッフを減らす、報酬を二割も減らすという介護療養型老健への転換を嫌い、転換への補助金をつけても、医療療養病床への転換をしたり、一般病院への転換を図ったりしているのが現状です。このままでは転換は円滑に行われず、大混乱になる懸念がありますけれども、この点をどう認識していらっしゃるかというのが二点目です。
 三番目ですが、救急難民や救急医療の崩壊状態についてでございます。
 今、非常に重要な案件である救急医療の点からも、地域の救急体制のあり方の視点で考えて、介護療養型医療施設を廃止するということが適切なのかどうか、いま一度考えていただきたい。
 今、救急医療の場では、治療後の受け皿がなくて困っているという状態があると聞きます。なのに、介護療養型医療施設を廃止し、医師が二十四時間いる医療施設ではない施設で受け入れるとすると、これまで救急医療機関からの受け入れをしていたような患者さんの受け入れは当然できなくなります。療養病床を削減して、これからの後期高齢者の増大に対してどのような対応をするつもりなのか。
 また、二十四時間医師を配置していない介護施設に、今介護療養型医療施設を利用している患者を移せば、救急車による救急病院への搬送がふえることは目に見えていますし、そのために救急病院のベッドがふさがるという事態が予測されます。受け皿としての療養病床の確保が必要であり、介護療養型医療施設廃止は逆行しているのではありませんか。これが三番目の質問でございます。
 最後の質問でございます。
 老健局の宮島局長は、医療雑誌などで、療養病床の医師は一万人いるから、それらの医師を高齢者医療から引き揚げて産科や小児科に回せと言っておられますが、本当にそんなことができると思っておられますか。
 以上の四点についてお答えください。
○外口政府参考人 一番目と三番目の御質問に対してお答え申し上げます。
 最初に、高齢者の心身にふさわしい医療とみとりについての御質問でございます。
 今後、高齢者の増加に伴い、それぞれの高齢者の方の心身の状態に合った療養の場や、医療、介護を含めたケア体制の充実が必要であると認識しております。
 有料老人ホーム等の在宅におきましても、心身にふさわしい医療サービスが提供されるよう、現在、医療連携体制推進事業による診療所、訪問看護ステーション、介護事業者等の連携、二十四時間の往診、訪問看護等を提供できる体制を評価した在宅療養支援診療所による在宅医療の推進、訪問看護サービスについて基本療養費を引き上げるとともに、二十四時間対応できる体制にある場合の評価を新設するなど、夜間の対応も含めた対応の充実等に努めておるところでございます。
 今後とも、こうした取り組みなどを通じまして、高齢者が適切に、住みなれた家庭や地域で療養しながら生活できる医療体制の構築を進めてまいりたいと考えております。
 次に、救急医療機関において救急患者を適切に受け入れるためには、急性期を脱した患者さんが円滑に転院し、空床が確保できる体制が重要であります。そのためには、急性期から回復期、維持期へと、患者さんがその状態に応じた医療を受けられるよう、各地域において医療機能に応じた施設間の連携を構築することが重要と考えております。
 なお、療養病床の再編成に当たりましては、医療の必要性の高い方々については引き続き医療療養病床で対応するなど、入院を含めたサービスがその必要性に応じ適切に提供されるよう努めてまいりたいと考えております。
○宮島政府参考人 まず最初の、二〇一一年度末の混乱ということに関してでございます。
 療養病床の転換の受け皿の中心となる、療養病床から転換した老人保健施設、これにつきましては、入所者の医療ニーズに対応できますように、既存の老人保健施設の基準では対応できない看護職員による夜間の日常的な医療処置、それからみとりへの対応、あるいは急性増悪時への対応、これらについて必要な機能を付加した介護療養型老人保健施設を創設したところでございます。
 今後、医師の提供するサービスに対する評価も含めまして、介護療養型老人保健施設の介護報酬については、施設の運営、入所者の状況について現在、調査、検証を行っております。必要に応じて、今度の二十一年四月の介護報酬改定で適切な対応を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
 療養病床の再編成に当たって、入院、入所されている方々の不安を招かないように、適切な受け皿の確保に努めてまいりたいというふうに思います。
 それから、もう一つの委員御指摘の、私の発言についてでございます。
 これは、現在療養病床に配置されている医師を直接、産科、小児科に回すといった趣旨ではなくて、今後、超高齢化社会を迎え、医師を初めとして看護師等、貴重な人材資源をより効果的に活用する必要があるという趣旨のことを申し上げたつもりですが、いずれにしても、私の発言により関係者の方々に誤解を招いているということでありますので、その点は率直におわび申し上げたいというふうに思います。
○飯島委員 ありがとうございます。
 質問の中で、いろいろ長々話したんですけれども、大事なことは、二十四時間医師がいるという施設をきちんと堅持すべきというところなのであります。それができることによって、救急医療体制に対してのその後の後方施設もできますし、また転換もスムーズにいくということでございます。
 そうした施設の機能を残すということ、もう転換することは決まりましたけれども、きちんと残していくということによって、介護保険証と後期高齢者医療保険証、この二枚を持っていればお年寄りは安心して、いつ何どきも、いろいろな条件の中で、医療も介護も最後まで安心して受けられるという制度をつくることがしっかりと示せてこそ、廃止法案などというくだらない話が出てこないわけでございますので、どうか、そういった意味でしっかりと、しかるべき立場にある方はぜひ、不適切な、また誤解を受ける発言は心得ていただきたいと思います。
 それから、高齢者が最後まで安心して使える保険制度の確立の急務についてお話をさせていただいたわけでございます。
 後期高齢者医療制度、やはり必要なものは必要なわけでございます。介護保険制度とこの新しい保険制度、高齢者が安心して、ぐあいが悪くなったときにかかり、またそして本当に最後のところまで安心してその保険証一枚でかかれるんだということを考えたときに、二十四時間の医師がどの部分に必要なのかということをいま一度冷静に考えて、名実ともに中身がある、そしてほかから指摘をされない本当の保険制度を確立することが今、与野党を超えて大事なのではないかというふうに思います。
 最後になりました。高齢者が最後まで安心して使える保険制度の確立は急務であります。そして、最後まで安心できる制度の中に療養病床機能をしっかりと確保することは不可欠であるということをもう一度申し上げまして、これから、しっかりと中身のある制度の構築をし、だれもが安心できる高齢者のための保険制度がつくられることを心から願って、質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。
○田村委員長 次に、木原誠二君。
○木原(誠)委員 自民党の木原誠二でございます。
 前国会で、年金の事務費について民主党の皆さんに御質問させていただきましたが、今回は、この廃止法案ということでまた機会をいただきまして感謝を申し上げたい、このように思っております。
 また、私からも、昨日明らかになりました本当に卑劣な犯行につきまして、強い遺憾の意と、そしてまた亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げたい、このように思っております。
 さて、通告をさせていただいた範囲内で、もう既に三人の同僚議員が御質問させていただいております。多くの論点が出尽くしたかな、こんな感じもいたしますので、若干通告したことと文言がずれるかもしれませんが、できる限り通告させていただいた範囲内で、また、三人の議員との議論のやりとりを組み込みながら御質問させていただければ、こんなふうに思っております。
 まず最初に、一点確認をさせていただきたい、こう思います。
 福山議員であったか大塚議員であったか、御答弁の中にあったと思いますが、七十五歳以上のこの保険というものがやはりよくないんだ、こういう御答弁があったかのように思います。
 まず確認をしたいのは、七十五歳という年齢が問題なのか、あるいは、そもそも区分するのが問題なのか。それは感情の問題として問題なのか、あるいは制度として問題なのか。そこらのあたりを簡潔に御答弁いただければというように思います。
○大塚参議院議員 木原委員にはまたよろしくお願いいたします。
 簡潔にということでございますので、私どもは、年齢で区分することが基本的に問題だと思っております。
○木原(誠)委員 ありがとうございました。
 まさに、A案なのかB案なのか、突き抜けなのか、あるいは一元化でいくのか、あるいは独立なのか、そういう思想の違いであろう、こう思いますけれども、一点申し上げますと、私は、これは自分の独自の考えで大変恐縮でありますけれども、七十五歳以上で独立方式にしたというのは、いろいろ課題はありますけれども、これからの超高齢社会を見据えますと、世界的にも日本が最も早くこの超高齢化社会を迎えるわけでありまして、世界に先駆けて高齢者のところに独立の保険を導入して、とりわけ、保険方式で、保険料だけではこの医療が成り立たないことはもう共通の認識であろうというように思います。
 問題は、税金をどこに集中的に投入していくか、こういう議論であろうと思いますが、そのときにやはり、高齢者の皆さんのところに税金をしっかりと重点的に入れさせていただく。したがって、これはもう世界共通で、これからどこの国も経験をしなきゃいけないことであろうと思います。私は、むしろ、この独立保険方式というのは世界的にも一つのいい例になるんだろう、まず超高齢社会を最初に迎える日本として、先進的な事例になるんじゃないかなと、私は基本的に前向きにとらえているところであります。
 ちなみに、私はイギリスで長く生活をさせていただきましたけれども、イギリスのNHSはもちろん区分をしておりません。しかし、区分をしていない結果として、実は高齢者になると例えば人工透析、なかなか新規ではだんだん受けられなくなるといったような、医療の区分というものがむしろ、保険を分けている分けていないにかかわらず起こっているという現実がございます。あるいは北欧に行きますと、医療よりも介護を中心にこれが展開をされていく。
 したがって、ここの議論は、これはもう水かけ論になってしまいますからこれ以上申し上げませんが、私自身は基本的にそういう認識を持っております。
 その上で、今、とにかく年齢で区分するのは悪いんだ、こういうことでありますけれども、今回の廃止法案、結果としては老健制度に戻ります。老健制度も、保険としては年齢で別に区分しているわけではありませんが、制度としては年齢で区分をして、七十五歳以上の方を老健制度の対象にするという意味では、私は年齢でやはり区分しているのであろうというふうに率直に申し上げます。
 廃止法案で老健制度にして、もともとの問題が年齢で区分することだといいながら、引き続き年齢で区分をするというこの矛盾にどうお答えになるのか、御答弁いただきたいと存じます。
○鈴木(寛)参議院議員 お答えを申し上げたいと思います。
 非常にかみ合った議論をさせていただけるというふうに期待をいたしております。
 今まで、委員は正確に御理解をしていただいていると思いますが、やや誤解があるのは、私どもは、後期高齢者医療制度、老健制度、もちろんこの議論も非常に重要であります。しかしながら、今回の法律で提出をさせていただいておりますのは、後期高齢者医療制度のみならず、平成十八年に強行採決されました高齢者の医療の確保に関する法律に定める諸制度ですね、後期高齢者以外にもいろいろな制度を含んでおりますが、これ全体をもう一回見直すべきではないかというお話であります。
 NHSの話もお話のとおりでございまして、我々が後期高齢者医療制度と並んで、あるいはそれ以上に問題だと思っておりますのは医療費適正化計画でございます。委員も御承知のように、高齢者の医療の確保に関する法律では、実は、第二章でいきなり医療費適正化計画が出てくるんですね。その後に後期高齢者医療制度云々が出てくるわけでありまして、まさにこの高齢者の医療の確保に関する法律の医療費適正化計画に基づいて、我々からいたしますと、さまざまな診療報酬の改悪がなされた。
 もちろん、老人医療費はかかります。かかりますが、小泉政権下、経済財政諮問会議のまさに財源論ありき、ここは見解を異にするかもしれませんけれども、とにかく医療費を削減すればいいんだ、この思想に基づいて、老人医療費の支出分をまず五千億カットする。このことが大変な混乱を招いているわけでありまして、ここの部分をあわせてもとに戻さなければいけないのではないかということで、委員でありますので、ここは正確に御理解できますので、今までこのことを答弁させていただこうと思いましたが、混乱に混乱を招くかと思いましたので控えておりましたが、あわせて、この医療費適正化計画のありようについても、そこが相当やはり強引だったんじゃないかということも含めて、我々は今国会で御議論を深めていただきたいな、こういうふうに思っているところでございます。
○木原(誠)委員 ありがとうございました。
 率直に申し上げて、年齢で区分をするという老健制度に戻す、その矛盾はあるんじゃないかということについては、今御答弁はなかったというふうに率直に思います。
 ただ、医療費適正化計画の話、私も、削減ありきで議論を開始するのはよくないだろう、そのことは共通認識として持っておきたいと思います。
 他方で、この法令の題名を見てもわかるように、まさに題名が法令の基本的な主たる内容をあらわすわけでありますから、まさに後期高齢者医療制度の廃止ということがまず最初の眼目であるということは、これは論をまたないであろうというように思いますので、その点は付言をしておきたいというように思います。
 せっかく今その話をちょうだいいたしましたので、先ほど高鳥委員が船の例を出して、私は非常にわかりやすい例であったな、こんなふうに思っております。他方で、実は先ほどの答弁の中で、国権の最高機関として意思を示して、そしてそれを行政に、その意思をとらまえてしっかり体現させるんだ、これがまさに今回の法律の趣旨だ、あるいは法律そのものだ、こういうことでありますけれども、先ほどの例でいいますと、老健制度に戻す、これは、老健制度じゃだめだということの認識はもう既に平成十二年から皆さん共通の認識として持っている。既に穴があき、ぼこぼこになっているということについての共通の認識はある。そこに戻すというのがこの法案の一番主たる内容であると。
 先ほど、鈴木議員がまさに御答弁されていたと思いますけれども、そうではないんだと。そうではなくて、あわせて財政措置等々をやるんだ、こういうことでありますけれども、同時に、まさに御答弁いただいたように、法案というのは国会が最高機関として行政にやらせるものだ、そうであるならば、その予算措置、安定化共同事業を含めて、しっかりと法案にやはり書くべきだというふうに私は思います。
 また、御答弁の中に九千億円程度かかる、こう書いてありましたけれども、通常であれば、この法案による財政の負担はこれこれ幾億円ですということをやはり書いて提出をされるというのが立法として当然のことであろうと思いますが、そのことが書いてないこと自体が、この法律はそこまで中身として包含をされていない、こういうことではないかと私は思いますが、御見解を賜りたいと存じます。
○鈴木(寛)参議院議員 お答えを申し上げます。
 まず、書くべきだという御指摘でございますが、既に先ほど来申し上げております高額医療費共同事業交付金制度とか、財政共同安定化事業とか、これは既に始まっている制度でございます。
 この制度が法定されている制度かどうかということを我々調べましたところ、これは法定されていない制度でありますので、そこは予算の拡充ということで対応するのが、その制度の一貫性ということで、要するに、今まで法定されていないものを今回法定するというのは立法技術論上、ここも、委員でありますので正確に御理解いただけますので、そういう対応にさせていただきました。
 したがいまして、誤解を招いてはいけないということで、六月三日に、我々の政策の最高決定機関でありますネクストキャビネットにおいて、予算措置について、先ほど御紹介申し上げた制度を示させていただいたところでございます。
 それから、内訳の額をと、これはもうおっしゃるとおりだと思います。
 実は、この六月三日の文章にも書かせていただいたのでございますけれども、それぞれが幾ら必要かということを算定するに当たりまして、厚生労働省から約一月弱にわたりましてヒアリングをさせていただきました。しかしながら、再三再四、厚労省に対して関連資料の提出を求めましたが、大変遺憾なことにその回答が行われませんでしたので、我々、総額としては、戻すことによる後期高齢の分で四千五百億、それから、そもそもの市町村国保の赤字の分で四千億強という我々なりの試算は、厚労省が出していただかなかったので十月に出させていただきましたけれども、残念ながら、野党である我々にはそうした御協力を得ていないという現実は御理解をいただいて、ぜひ、これは与野党で建設的な議論をということでございますので、お願いを申し上げたいと思います。
 それと、我々は直ちに九千億入れるということ。これは、政権をとったらですね。
 それから、将来的な制度設計の御議論でございますが、これも実は私ども、まず、市町村国保については都道府県単位で幾ら保険料収入があって、幾ら診療報酬の支出があるのか、これはすぐにわかりますね。そして、要するに政管健保と企業別の健保、こういうことになるわけであります。
 健保について、四十七都道府県別にどういうふうな入りと出になっているのか、これについても厚生労働省に再三この資料提供も申し上げました。それがないと具体的な制度設計、制度の骨格についてはお示ししていますが、要するに、負担がふえるのか減るのか、あるいは診療報酬の水準がどうなるのかということについての具体的な議論ができませんから、お示しをしているわけではありますけれども、それについても具体的な御協力を得られておりませんので、ぜひ、きょうの議論も深く踏まえて、舛添大臣はお帰りになってしまいましたが、そうしたことについての御協力も、与党の方からも御支持をいただきたいというふうに思います。
 これはもう委員もよく御承知のとおりでございますが、老健制度のときは、これも老健制度を議論しているんじゃなくて老人保健法の議論をしているわけであります。そのときの目的規定は、いろいろな予防とか保健とかそういう事業をやって、結果として公平な負担ということまでは老人保健制度の目的に書いてありますが、医療費の適正化、すなわち医療費の削減というコンセプトが出てきたのは、概念が出てきたのが、まさに平成十八年度に強行採決されました高齢者の医療の確保に関する法律で初めてこのコンセプトは出てきたんですよ。
 ここについては、我々は理念的に、この法律は容認できないというところで今回の法案を提出しているということは御理解いただきたいと思います。
 櫻井議員から補足があると思います。
○櫻井参議院議員 済みません、追加で答弁させていただきたいんですが、先ほど、前の質問で、老人保健法と後期高齢者のところで年齢制限の話がございましたが、内容が全然違っていると思っている点がございます。それは何かというと、私は現役の医師でございますが、医師の立場から申し上げると、医療の質が七十五歳以上の方とそうでない方と、明らかに今回は違ってしまったということです。
 つまり、これは後期高齢者の問題ではありませんが、例えばメタボ健診がございます。これがいいか悪いかは別として、ただ、これは早期発見、早期治療が目的だったはずであって、そうすると、七十四歳以下の方は早期発見、早期治療をしなきゃいけないけれども、七十五歳以上の人はこれは必要ないと言っているようなものですね。乳がん検診は、費用対効果で、一応七十九歳ぐらいまでは有効であるというデータが出てきているところを見ると、一概にそういうことをやっていくことに問題があるんじゃないか。
 それから、これは評判が悪くて中止になりましたが、終末期医療に関して、延命治療をするかどうかとか、そういうことを後期高齢者の人たちだけが申告しなきゃいけない。これは、終末期は後期高齢者の人たちだけにあるのではなくて、例えば我々が死ぬような病気になった場合にはみんな迎えるものでございます。それからアクセスの制限等、さまざまな問題があって、今回は、お金の問題以上に、医療の質に差が出てきているところに問題があるわけです。これは、茨城県の原中会長などもその点を強くおっしゃって抗議している。
 ですから、そういう点でいうと、これまでの保健制度の年齢制限とは大きな差がある、そういうふうに認識しております。
○木原(誠)委員 ありがとうございました。
 一点確認をしておきたいんですけれども、この法案の二条のところは、まさに老人保健制度を同日に再び導入するために必要な財政上、法制上の措置をする。私が先ほど質問したかったことは、既に穴があいているという共通認識のある老健制度に戻して、そしてそれを拡充する、あるいは補てんをする、補強をする、そのための根拠条文というのはこの中には入っていないわけですね。私は、そこまでの意思があるのであれば、しっかりとそのことをまずやはり書くべきだということを申し上げたかったということであります。
 それともう一点は、先ほどの高鳥委員の議論のときもそうでありますけれども、将来的には一元化なり、民主党さんは一元化、ほかの野党の皆さんはどうか、ちょっと私は詳細には承知をしておりませんが、少なくとも、独立方式ではなくて財政調整方式なのかわかりません、しかし何かを考えていらっしゃる。
 私は、この法律が、まさに立法という最高の活動をし、行政にこれをやらせるためには、本来であれば、そこにやはり何らかの検討という条文があってしかるべきだと思うんですね。何月何日までに一元化に向けて必要な措置をとる、あるいは検討を行うように努めるといったようなものがないと、これは単に穴のあいている船に戻りましょうという、先ほど高鳥委員のおっしゃったそのものの条文でしかないんだろうというふうに思います。
 皆さんが、そこまで我々は考えているんだとおっしゃるのであれば、そして常に、工程表を出せ、期限を切れ、こうおっしゃっているのであれば、そして十年たっていますから、もう既にその中身についてある程度の議論ができていてしかるべきだと思いますので、やはり条文の中に立法したその意思を示していただかないといけない。この条文のままだと、そのことは一切入ってこないということだろうと思いますけれども、わざわざそれを書かなかった、あるいは書けなかったのか、そのことについて簡潔に御答弁いただければと存じます。
○鈴木(寛)参議院議員 お答えを申し上げます。
 法案の第五条で、「政府は、前三条の措置を講ずるに当たっては、これらの措置の実施に伴う地方公共団体及び医療保険者の負担をできる限り軽減するよう特別の配慮をするものとする。」という規定を置かせていただいておりますのは、今おっしゃった、我々の決意のあらわれの一端を書かせていただいているということでございます。その意味については、こうして委員に質問をしていただいたおかげで、我々の決意をきちっと議事録にも残し、国民の皆様方にも表明させていただくことができておりまして、このことは感謝を申し上げたいと思います。
 それから、見直しのことについてでございますが、おっしゃるような立法論は当然あろうかと思います。
 我々も、委員会の質疑の中でそういう議論が煮詰まってくること、これは望ましいことだと思いますけれども、少なくとも私どもが法案を提出する段階で、あるいは今の段階でもそうでございますが、厚労省から十分どこが壊れているのかということについて、市町村のいわゆる負担の格差といいますか保険料格差、このことは我々も承知をしております。そこの問題については、まさに先ほど来申し上げております市町村間の保険料格差、ここは公金を投入することによって、それから共有部分の四割を八割、九割に引き上げていくことによって、まずこれは予算措置でほぼ問題は解決されるであろうということであります。
 しかしながら、将来のシミュレーションについては、これも約一カ月にわたって連日、厚生労働省の皆様方には誠実に毎日来ていただいたことには本当に心から感謝を申し上げたいと思っておりますけれども、なかなか、将来のシミュレーションの根拠については十分な情報の御提供というのがいただけなかった。それがもっといただけて、そして、与野党共通の理解の上に立って議論ができたならばよかったなとは思うわけであります。
 委員はずっと与党にいらっしゃいますので、なかなかおわかりにならないかと思いますが、与党の委員の方々が入手できる情報と野党に御提示いただける情報はかくも差があるのかということを私は身をもって体験しておりますので、そういう中で、思いとしては答弁で何度も何度も御説明をさせていただいておりますので、そういうことで御理解をいただきたいと思っております。
○木原(誠)委員 ありがとうございました。
 今穴があいているところを細かく、幾らあれば埋められるのか、この議論は、確かにおっしゃるとおり、厚労省からある程度の数字が出てこないと無理だろうと思います。ですから、そのことについてはこれ以上申し上げませんが、将来の議論、まさに皆さんが一元化、これが適切なんだ、独立方式よりも一元化なんだと。これは数字の議論というよりは理念の問題として、それから制度設計として、そしていつまでにやるのかということは、私はしっかりと意思を法律として示すべきだ。
 まさに立法は、行政にやらせるための法律でありますから、一元化するんだ、何年までにするんだということを決めることによって行政が動き出すというのが最初の御答弁であります。行政が動かないから、だから立法をしないんだというのは本末転倒の議論で、当初、皆さんがきょうの委員会の冒頭におっしゃった答弁とはやはりこれは矛盾をする。そうであればこそ、一元化のプロセスを示して、そして何年までにやるんだ、そのことを行政にしっかり認識させるという立法でなければいけないんだろうというふうに私は思っております。
 そのことを申し上げまして、ちょっとだけ、私は非常に危惧をしていることがありますので、各論で一点だけお伺いをしたいと思います。
 廃止をいたしますと、保険料がかなり、この後期高齢者医療制度、いろいろ政府の方で、あるいは与党で努力をして軽減措置を講じております。結果として、厚労省の事務方の説明によれば七五%程度の方が軽減をされている、こういうことでありますけれども、しかし、その数字のいかんにかかわらず、下がっている方が老健制度に戻ると保険料が上がるんだろうというふうに思います。
 皆さんの法律の中には、保険料をなるべく早く負担軽減しなさいという条文が入っている一方で、老健制度に戻ったら保険料が上がるということを放置する。これもまた私は立法者の意思として矛盾しているな、よく理解できないなと思うんですが、どういうことであろうかというようにお伺いしたいと思います。
○小池(晃)参議院議員 お答えいたします。
 今御質問にありました政府の調査の七五%ということですが、厚生労働大臣も予算委員会で私の質問に答えましたが、これはサンプル調査ではございません、あくまでもモデルを使った机上の計算でございます。
 しかも、負担増になりやすい世帯構成、例えば高齢者夫婦と息子夫婦というようなものは除外をしております。さらに、制度改革で全員が負担増になる被用者保険の扶養家族二百万人も除外されております。その上、後期高齢者医療制度というのは二年ごとに自動的に、後期高齢者の人口比率に伴って保険料が上がっていく仕組みでございます。ですから、この制度の延命こそ、負担が下がるどころか際限のない負担増をもたらすものであるというふうに考えております。
 この法案は、今御指摘があったように、本年四月以降負担増になった方については、その負担を軽減することを定めております。当然、そのような措置を講じた結果、後期高齢者医療制度を老人保健制度に戻すことによって保険料の負担が増加する方が生ずるということは事実でございます。
 この件については参議院でも御答弁申し上げておりますが、本法案が成立をし、来年四月一日に、後期高齢者医療制度の廃止に伴って結果として負担がふえる、そういう方への対応については、本法案成立を受けた政府の法制措置の中で当然検討されるものというふうに承知をしておりますし、その過程や、議論の中で、全体で御議論いただいて不利益変更しないという合意ができるのであれば、これは必要な財政措置もしなければならないというのが立法者としての考え方でございます。
 それから、もともと、戻って負担増になるというのは国保料が高過ぎるということがあるわけでありまして、ここをやはり是正することこそ必要ではないかということも一点申し添えておきたいというふうに思います。
 以上です。
○木原(誠)委員 率直に申し上げて、要するに、どういうプロセスで上がった方が下がるということが想定をされているのか、私にはよくわからないというのが率直な思いであります。
 というのは、先ほどの議論もそうなんですけれども、やはり立法者の意思を示して、そして行政にこれをやらせるというのが法律、それはもう共通の認識で、まさに皆さんの答弁の前提にあることであろうと思います。であれば、一方で負担を下げなさいということを書くのであれば、こちらの方も、負担が上がったときに下がる措置をしなさいよということを書いておかなければ、そのときの政府に丸投げということでは、この法案はやはり完結をしないのであろう、私はこのように思います。
 ちなみに、今の御答弁ですと、政府にとりあえず預けます、そして政府の方でちゃんとしかるべき対応をしてもらいます、こういうことでありますけれども、皆さん、その財源をどこにお求めになろうと考えていらっしゃるのか、お伺いをしたいと存じます。
○田村委員長 各党それぞれ提出者がおられますが、党によって違うようでございますが、聞きますか。
 では、各党で、まず大塚耕平君。
○大塚参議院議員 財源について御質問をいただきました。
 これは、所要の額は既にお示しをしているわけでございますが、ただ、その後政府も軽減措置等を行いましたので、今小池議員の答弁の中には含まれておらなかった問題として、政府がとった軽減措置見合いの、これを戻したときの負担増の部分をどうするか、これも新たな検討課題として、この法案が六月五日に参議院を通ってから今日まで御審議いただけなかった結果として、新たな問題として出てきております。したがって、こういう財源も含めて工面をしなければなりませんので、参議院で議論させていただいたときよりも所要の財源はふえると思います。
 ただ、私どもは、もともとこれまでも、例えば特別会計の剰余金、積立金等の活用等について申し上げておりますし、また、政府・与党におかれても、総理御自身が二〇〇八年の骨太の方針で、もちろん来年度からの話ではありますが、道路特定財源の一般財源化も明言をしておられるわけでございます。であるとすれば、この所要の財源については、今日までこの法案の審議が延びた結果として、廃止をできるのがひょっとすると来年の四月一日からになるかもしれませんので、そうであれば、その来年度の、総理も福田首相も言っておられた一般財源化の中で対応できるかもしれませんし、十分な検討の余地はあると思います。
 それと一点つけ加えさせていただければ、今、政府・与党で御検討いただいている例の定額給付金の問題でございます。あれは、私どもは反対をさせていただいているわけでありますが、二兆円という上限がございます。ああいう形で二兆円の財源を使うのであるならば、崩壊途上にある医療や介護にその財源を充てるべきではないかという意見もありますので、その二兆円をもし充てさせていただくことができれば十分おつりが来る財源があると思っております。
○田村委員長 各党ですよね。
○木原(誠)委員 もう時間があれですから、代表で結構です。
○田村委員長 そうですか。では、答弁者、よろしいですね。
○木原(誠)委員 済みません。ありがとうございました。
 私、もう時間がありませんので、最後に一点だけ確認をさせてください。
 先ほど、穴があいた老健制度をこれから運用して強化していくために、たしか九千億というような御答弁があったように思います。
 これは、いろいろ御議論がある、これから民主党の皆さんがやろうとしている二十兆円を超える新たな措置、農家への戸別所得補償であるとか、年金を全額税金でやるとか、この中にはもう既に組み込まれていて、そして、この間予算委員会でたしか財源の内訳を、私どもはあれは恒久財源としては正しくないと思っておりますけれども、あの中にはもう含まれている、こういう理解でよろしいでしょうか。
○鈴木(寛)参議院議員 そのように御理解をいただいて結構だと思います。
○木原(誠)委員 時間が参りましたので、これで終わりにいたしますけれども、私は、この法案を読めば、立法者の意思としてはとにかく穴のあいた老健制度に戻すんだ、そしてそれ以外のことは、あとは政府の方で適宜やってくれ、こういうふうに法律としては読めてしまう。せっかく立法者の意思を示すのであれば、条文上これは書けるわけですから、ちゃんと、財政措置をします、そしてまた一元化に向けてこういうプロセスでやりますということを書いて、行政にちゃんとやらせるという意思を示すことがやはり適切だろう、私はこのように思っておりますので、そのことを申し上げまして、質問を終わりにさせていただきます。
 ありがとうございました。
○田村委員長 次に、桝屋敬悟君。
○桝屋委員 公明党の桝屋敬悟でございます。
 きょうは、後期高齢者医療制度廃止法案、参議院厚生労働委員会の野党の論客を代表する皆さん方とこうして議論できるということを大変うれしく思っております。十二時までおつき合いをいただきたいと思います。
 それでは最初に、この四月一日に始まりました後期高齢者医療制度、我々は長寿医療制度と呼んでおりますけれども、野党の皆さんからだけではありません、国民の皆さんからもさまざまなお声をいただいて、政府・与党、これを真摯に受けとめまして、見直し作業が進んできているわけであります。特に負担の軽減について相当御意見もあったわけでありまして、政府・与党で相当見直しをしてまいりました。
 そうした状況について、まず負担の観点から、厚生労働省、簡潔に御報告をいただきたいと思います。
○水田政府参考人 長寿医療制度の保険料に関する負担軽減でございますけれども、四月施行後の状況を踏まえまして、これまで、低所得の方に対する保険料のさらなる軽減ということを講じております。七割軽減であった人につきましては、この十月以降お支払いしなくてもいい、こういった措置も講じているわけでございます。それから、被用者保険の被扶養者であった方につきまして九割軽減措置の継続がございます。それから、申し上げましたけれども、所得割につきましても、一定の低所得な方につきまして五割軽減ということをしているわけでございます。
 また、支払い方につきましては、一定の要件のもとに口座振替も可能にする、こういった改善策を講じてきたところでございます。
○桝屋委員 それからもう一点。これも野党の皆さんから随分言われたように覚えておりますが、この制度については周知が足りなかった、もっと広報すべきではなかったのか、あるいは、きょうの議論でもありましたけれども、やはりそれぞれの市町村、首長さんが主体者意識を持って、住民説明といいましょうか、努力が足りなかった、こういう指摘は受けているわけでありまして、私は当たっている部分はあるなと思っているわけであります。
 そこで、政府広報あるいは市町村の現場における広報、周知活動について、これも徐々に進んできているな、私は現場を歩きながらこう感じている一人でありますけれども、そんな取り組みも御報告をいただきたいと思います。
○水田政府参考人 長寿医療制度の広報についてのお尋ねでございます。
 施行当初、周知不足の状況も見られたわけでございますけれども、以後、改善策の内容も含めまして、まず新聞やテレビ、こういったものを用いまして政府広報、リーフレット、ポスターの配布、こういうことを行ってきたわけであります。
 またさらに、十月の年金からの保険料のお支払いに当たっては、委員御指摘のとおり、市町村の現場できめ細かく説明をするという趣旨でございまして、対象者別の説明資料をつくりまして、あるいはDVD、こういったものを各市町村へ提供いたしまして、これまで延べ約二万回以上にわたりまして小学校区ごとにきめ細かな説明会を実施してきたわけでございます。
 引き続き、より一層の理解を得られますように、広域連合や市町村とともに、高齢者の方々の視点に立った広報の実施に努めてまいりたいと考えております。
○桝屋委員 ありがとうございます。
 私は、四月十五日から始まりました年金の天引き、あのときは、皆さんが、参議院の委員会でも答弁者でどなたかお答えになっていましたけれども、山口県の補欠選挙、まさに現場にいた一人でありまして、大変な実感を感じたわけでありますが、この十月は相当御理解が進んだなというふうに実感として感じているわけであります。
 民主党や野党の皆さんは参議院において廃止法案を出されまして、可決の上、こうして本日衆議院の厚生労働委員会において議論がされるということになったわけでありますが、御感想を聞こうと思ったんですが、先ほどずっと答弁を一番前で聞いておりまして、大体雰囲気がわかりましたので、もう聞きません。
 私の感想を逆に率直に申し上げますと、私も現場をずっと歩いてみて、今廃止法案を、十月一日、もう既に過ぎているわけでありまして、時計の針を前に戻すような議論だな、こう思っておりまして、できることならもっと先の議論をしたいというふうに率直に思っているわけです。今までの議論を聞いておりましたら、既に先の話になっているな、こう感じておりまして、そういう意味では、この廃止法案は、国会における議論を喚起するという意味では大きな役割があったのかなというふうに私は思わぬでもないわけでありますが、そんな感想を持ちながら、皆さんからの御答弁はいただきません。
 それで、私が参議院の質疑もずっと見てみてやはり一番わからないなと思っている点は、一点は、きょうも出ましたけれども、平成十二年のあの参議院における附帯決議、これがやはりすとんと落ちないんです。
 国民の皆さんは余り理解されていないかもしれないんだけれども、あの平成十二年という相当前の話、それは十分わかった上で、健康保険法等の一部を改正する法律案の附帯決議で、老人保健制度にかわる新たな高齢者医療制度の創設については早急に検討する、そして平成十四年度に必ず実施するということ。これは共産党を除く全会派で合意してなされたものですが、与党においてもこの責任は免れないと思っておりますが、それが廃止法案につながったということは、なかなかすとんと落ちないんです。
 先ほどの経緯、平成十二年はこうだった、それから、その後、社会保障審議会で四タイプが出された、A案、B案になった、突然B案になった、経済財政諮問会議がとんでもない雰囲気を出してきた、したがって私たちは廃止法案を出すことになったんだ、こういう経緯はわからぬこともないんです。であるならば、さっき言ったように、法案の中に少しは附則等をつけて、次への検討課題であるとか、あるいは、さっきから聞いていれば、先ほどの民主党の鈴木先生のお答えでは、我々はずっとA案がいいと思っていたと、こうおっしゃるのであれば、少なくともA案を志向するそうした内容にされればよかったのではないか、こう思っているのであります。
 もう一度簡潔に、これは聞いてもしようがないと思うんだけれども、なぜA案という方向性をお示しにならなかったのか。やはり、これは単なる廃止、先ほど一等最初に言われた廃止法案だという、国民にとっては非常にわかりにくい、不安を助長するような法案だ、こう私は断言したいと思っているんですが、もう一度簡単にお答えいただきたい。
○櫻井参議院議員 御答弁させていただきたいと思います。
 我々、平成十二年のときと立場として全く変わってはおりません。ただし、これは高齢者医療制度だけの問題ではもう今やなくなったということは、これは先生も同じ認識を持っていらっしゃる、そう思っております。
 つまり、今までパッチワークのように……(桝屋委員「いやいや、高齢者医療制度の話をしているんだから」と呼ぶ)いや、ですから、我々がなぜ一元化の方だというようなことも全部含めて申し上げれば、ここの改革だけでは、先ほども申し上げましたが、もう今や世界に冠たる国民皆保険制度が維持できないということを思っているわけであって、その点で、どうせ改正するのであれば抜本的に改正するべきではないかという立場に変わった、そういう考えになっているということでございます。
○桝屋委員 それから、社民党の提案者、この附帯決議を一緒にやりましたよね。そのときにやはり、老人保健制度にかわる新たな高齢者医療制度をつくろうではないか、こういうお気持ちは平成十二年の時点ではお持ちだったと思うんですね。それは、民主党さんはA案だ、これをずっと思っていたんだということですが、社民党さん、いかがですか。
○福島参議院議員 御質問どうもありがとうございます。
 当時、私たちは、新たな高齢者医療制度等の創設として後期高齢者医療制度のような差別的な制度は想像だにしておりませんでした。四つあった中で、結局、医療費抑制政策から一の独立保険方式にかじを切ったのは小泉内閣であると考えております。
 先ほどから、これからのビジョンを示すべきだという意見があります。それぞれの政党にはビジョンもありますし、基本的には一元化という点では私たちは共同歩調をとることはできる、同じような考え方で共同歩調をとることが将来できると考えております。
 そして、なぜこの廃止法案を出したかということについて一言申し上げます。
 穴のあいた老健制度になぜ戻るかという議論ではなく、差別的で、かつ制度的に成り立たない後期高齢者医療制度はだめだ、制度としても成り立たないというふうに野党として共同で考えたからです。与党の皆さんたちも、リスクの高い七十五歳以上の高齢者だけを集めた制度が保険として成り立たないということは十分理解していただけると思います。
○桝屋委員 今おっしゃった答弁は、社民党の皆さんは一元化という方向性については合意できる、こういうふうにおっしゃったんですが、それは社民党のお考えですか。
○福島参議院議員 今後、提案をしていきます。
○桝屋委員 その方向で提案していくということですか。きちっとお答えいただきたいと思います。
○福島参議院議員 国会の中で、どういう医療制度が適切かということについて議論をしていきます。
○桝屋委員 わかりました。一元化までは明確にまだ今の段階ではお答えできないということかな、これからの議論を待たなきゃならぬ、こういうお答えかというふうに理解をいたしました。
 それで、A案でいきたかったんだ、ずっと民主党はA案だった、こうおっしゃるのですが、私も記憶をより戻しながら、ずっとA案ということで主張されていたのかなと。民主党の皆さんは、党を挙げて、党の方針としてA案ということであったのか。A案を激しく議論される先生がいらっしゃったというのは私も記憶しておるのでありますが、なかなか、党内はそんなにまとまっていたのかな、こう思うのであります。
 先ほど、平成十二年から議論を進めて、十五年あたりで相当大きな出来事があったんだ、四タイプも言われ、それからA案、B案になった、こういう話がありましたけれども、十五年というのは、民主党さんはもう小沢党首が帰ってこられて、たしかお戻りになったときだと思うんですが……(発言する者あり)ああ、もとからいなかったですか、ごめんなさい。
 それで、小沢一郎さん、現党首がいらっしゃるときだったと思いますが、平成十五年、小沢党首は日本一新大綱を発表されまして、国民生活充実基本法案を出されまして、この中で「国は、高齢者について独立の医療保険制度を創設することとし、その対象者は、七十歳以上の者とする。この場合において、高齢者に対する療養の給付等に係る費用の財源の不足には、消費税を充てるものとする。」非常に明確な論点をお出しになっている。
 これが十五年のときでありまして、一貫して民主党の皆さんはA案という方向だったんだ、こうおっしゃるけれども、いろいろ考えてみると、私は、今を申し上げるつもりはありません、平成十八年、まさに健康保険法等の一部を改正する法律、その時点では、民主党の皆さんの中にも、新たな高齢者医療制度をやはりつくらなきゃいかぬということ、その中には既に四つのタイプもあって、そうした議論があったのではないか。
 したがって、少なくとも平成十八年の法律改正作業の際というのは、形はともかく、新たな高齢者医療制度の必要性というのを認識しておられたんじゃないか。今いろいろおっしゃっていますけれども、私の記憶はそんな感じがするんですが、いかがでしょうか。
○櫻井参議院議員 まず、ちょっと小沢先生の件についてお話をさせていただきたいと思いますが、これは自由党の案であって我が党の案ではなかった、そのように記憶しております。
 それから、議論はさまざまな議論がございました。まず、A案だと一番おっしゃっていたのが亡くなられた今井先生でございまして、そのほかに、独立方式にするべきだとか、そういうことの議論は党内にはさまざまあったし、それから、老人保健制度を一体どういうふうにするのかという議論があったことは確かでございます。
 しかし、先ほども申し上げましたとおり、状況が大きく変わってくる中で、老人保健制度だけの議論でいいのかどうかという議論が起こってきたのも事実でございまして、そういう点から考えれば、抜本的に改革するべきではないのかという話になり、現在、党として一元化という形で進めさせていただいております。
○桝屋委員 わかりました。あともう一回この議論はしたいと思っているのですが。
 そこで、先ほどからの議論でありますが、今回廃止法案を出された、これは先ほどの例えの話ではありませんが、火事の話とか、それから、ともかく今この制度を一たん廃止する、そしてもとに戻すということが大事なんだということを盛んに参議院の質疑でもおっしゃっておられるんですが、うなずいておられますけれども、一時避難としてこの法案をともかくも出したんだ、こういうことですね。
 それで、であるならばなおさらのこと確認したいことがたくさんあるわけで、きょう大分明らかになってまいりましたけれども、一つは、先ほどからいろいろやじが飛んでおりましたけれども、長寿医療制度が導入されて、その後の保険料負担の変化などについて厚生労働省が実態調査をされております。とりわけ国保と比べてどういう数字になっているのか、増減の実態を簡単に確認したいと思います。
○水田政府参考人 お答えいたします。
 ことしの六月に公表いたしました保険料の変化に関する調査におきましては、与党PTによる軽減策、平成二十年度の対策でございますが、この導入後で、後期高齢者がいる市町村国保世帯のうち七五%の世帯で保険料が下がっている、このようにお示しをしたところでございます。
 ただ、一方で、これまで被用者保険に加入していた方につきましては、被保険者本人であった方につきましては、事業主負担がなくなるということから多くの方が負担増になる。また、被扶養者であった方約二百万人につきましては、十月から新たに本来額の一割を御負担いただくことになったという状況にあるわけでございます。
 それから、こういった運用改善の結果といたしまして、実際の長寿医療制度の一人当たり保険料額は、平成二十年四月一日時点で年額で約七・二万円でございましたけれども、この軽減策によりまして約六・五万円、このようになっているところでございます。(発言する者あり)
○桝屋委員 先ほどからの答弁の中に、厚労省がなかなか数字を示さない、したがって何もできない、こうおっしゃっていましたが、出せば出したで、今のやじのように、まともなデータでない、こういうふうにおっしゃるわけで、なかなか大変だな、こう思うわけであります。
 民主党の皆さんに確認したいと思うんですが、今のデータは、本当の実態調査でないという御指摘もあるのかもしれませんが、いずれにしても、この後期高齢者医療制度が始まって、保険料が間違いなく下がった方もいらっしゃるわけですね、七五%という数字をどう見るかは別にして。そういう方についてはこの廃止法案でもとに戻すということなんでしょうか。確認をさせていただきます。
○大塚参議院議員 これは先ほど木原委員の御質問に対しても御回答した部分でございますが、その後、軽減措置をとられたことによって下がった方もいらっしゃいますし、もともとある一定の方々が下がったという範疇に入るケースもございますので、これらの方々については、この法案が可決されて本当に施行していただけるという段階までにおいて、不利益変更をしないということについて、先ほど小池議員が答弁させていただいたように、コンセンサスを得られるならば、所要の措置をしなければならない。
 そして、このことによって、先ほども木原委員にお答えしましたように、参議院で審議していたときよりも、財源も少しそのときよりも多くのものがかかるかもしれないという想定はしております。あわせて、大変恐縮ですが、今局長から御答弁があった……(桝屋委員「いや、それは聞いていませんから、どうぞ座ってください」と呼ぶ)そうですか。
○桝屋委員 済みません、聞き方が悪かったんですが、今回の廃止法案で、いずれにしてももとの老健制度に戻るわけですから、戻すと保険料が上がる方も下がる方もあるんですよね。そうすると、来年の四月から廃止するということでしょうが、この負担をいつからどうするかというのはちょっと手直しが必要かもしれません。
 それで、皆さん方の立法趣旨、法文には入っていないんだけれども、皆さん方のお気持ちとしては、保険料が上がった方はもとへ戻し、下がった方ももとへ戻す、こういうことなんですか。もう一回確認をさせていただきます。立法趣旨ですよ、法文じゃなくて。
○鈴木(寛)参議院議員 お答えを申し上げます。
 立法者の趣旨としてはそういうことでございますし、党の方針としてもそのようなことでございます。御理解をいただきたいと思います。
○桝屋委員 そうしますと、先ほど、若干新たな財源が必要だ、こういうふうにおっしゃったんですが、どの程度の数字を想定されていますか。この保険料の負担ということで、廃止法案が施行された場合、どのぐらいの財源が必要になるのか、お示しをいただきたいと思います。
○大塚参議院議員 その御質問が、実は先ほど補足をさせていただこうとした点と関係がございまして、厚生労働省が何がしかの保険料の変化について調査をしたということは、我々も理解はしております。現実に、私、保険局保険課までお伺いをさせていただきまして、担当者の方のパソコンの中を見せていただきました。その結果、大変真摯に一定の作業はやっておられることは理解いたしました。
 しかし、これはある一定のモデル世帯に関するごくごく本当に一部の、仮定を置いた上での調査である上に、先生よく御承知のとおり、もともと二方式、三方式、四方式とあるうちの四方式、ここに重きを置いて、資産割の効果がかなりあるという前提で出してきた結果でございますので、実は、どのぐらいの財源が必要になるかということを確認するためにも一回、モデル調査とかサンプル調査ではなくて、まあサンプル調査でもいいというふうに私どもは申し上げているんですが、できれば、もう半年以上施行したこの段階においては、全戸の悉皆調査をやって、その結果財源が把握できるものと思っておりますので、ぜひここは、与党の皆様方におかれても御協力をいただきまして、正確な財源を当委員会で把握をしていただければ幸いでございます。
○桝屋委員 厚労省とどういうやりとりをしたかを伺っているわけではありません。その数字を把握しているかしていないか、あるいは、まさに火事場から一時避難をしなきゃいかぬというふうにおっしゃっているわけでありますから、避難をしたところがどうかという議論がありましたよね、参議院でも。したがって、そこをやはり国民はどうしても見たいわけでありますから、厚労省が出さないから数字がわからない、こういうふうに御説明を国民にされるわけでありますか。
○大塚参議院議員 厚労省から、行政府として、立法府が建設的かつ国民の皆さんにより御納得のいただける立法作業ができるためにも、十分なデータを提供いただきたいということを申し上げている次第でございます。
○桝屋委員 もう一回確認します。
 保険料の増減、変化に対して、もとに戻す場合は、復活をさせるとおっしゃっているわけでありますから、どの程度の財源が必要かという数字はお持ちでないということですね。
○大塚参議院議員 データは私たちは開示をしていただいておりません。
○桝屋委員 民主党の皆さんは、我々は、来年の四月一日、この制度をもとに戻す、老健制度に戻す、こうおっしゃっているわけで、それでは、もとに戻した場合どのぐらい財源がかかりますかとやはり聞きますよ、国民の皆さんは。
 私は、きょうは国民の代表として、この前の参議院の審議よりも既に日数もたっておりまして、十月から新たな制度もどんどん動いているわけでありますから、やはり国民の皆さんからすると、もとへ戻すというのは荒唐無稽のような、こういう実感を持つわけですよ。少なくとも、その財源がどのぐらいかかるのか、かえって負担がふえるんじゃないの、こう国民が思うのは当たり前でありまして、そこに対してこれぐらいかかりますよということは、やはりおっしゃる必要があるんじゃないか。なければ、申しわけないけれどもないと明確におっしゃるしかないんじゃないでしょうか。
○大塚参議院議員 委員の御質問の趣旨はよく理解できます。しかし、先ほども……(桝屋委員「だから、なければないとおっしゃっていただければいいんですよ」と呼ぶ)いえいえ。先ほども申し上げたとおり、政府・与党の皆さんがこの半年間に措置した軽減対策についても、我々御評価申し上げているわけでございます。そうすると、我々が正確な財源を申し上げるためには、この軽減措置の対象となった皆さんの不利益変更もしないということになった場合にどうするかということについては、しからば、軽減措置によって一体どのぐらいの財源がこれまでに投入されたかということを、これは教えていただかないと我々わからないわけであります。
 したがって、もし委員がここで建設的な御議論をしていただけるならば、厚生労働省に、軽減措置に伴ってかかった費用についてぜひ聞いていただきたいと思います。
○桝屋委員 いや、私が尋ねているのは、その数字をお持ちでなければないとおっしゃっていただければそれで済むんですよ。(大塚参議院議員「さっき言いました」と呼ぶ)ないんですね。
 それで、続けて、老人保健制度を復活させるとなると、現場の市町村というのは、これはこれでまた来年四月に向けて、あるいはいつ廃止させるかですけれども、大変な混乱あるいは財政運営に大きな影響が出るだろうと私は思っているんですが、率直に言って、本当に本気で復活させる、もとへ戻すということだったら、どんな問題が起きると思っておられますか。(発言する者あり)
○田村委員長 山井君、四六時中やじを飛ばすのはやめてください。
○大塚参議院議員 復活させるとどんな問題が起きるか。これは再三申し上げておりますが、まず、保険料が下がった方々も若干はいるはずですので、そういう方々に対してどういう対応をするか、こういう検討もしなければなりません。
 それから、恐らく主たる御質問の趣旨は、先ほど来、たしか高鳥委員の御質問のときだったと思いますが、船に例えて、穴のあいた船に戻るのかと、その穴のことをおっしゃっておられるんだと思うのですが、私どもは、参議院でも申し上げましたように、穴のあいている船からもっと大きな穴のあいた船に移行してしまったので、とりあえず少しでも穴の少ない方に戻らせていただきたいということを申し上げたわけであります。
 それに加えて、この半年間でさらに明らかになったことは、これはやはり高鳥委員やあるいは木原委員の御質問とも関係すると思うんですが、先生も御承知のとおり、組合健保が今年度に入って、たしか私の記憶では十三組合が解散をしております。これは、実は参議院の審議のときには余り議論が起きなかった部分なんですが、後期高齢者に対する支援の負担だけではなくて、六十五歳以上の前期高齢者のところに対する負担がふえたために、組合健保が次々と解散をして、十月から新しくなりました協会けんぽの方に移行している。これも、逆に申し上げますと、戻さないとこの傾向がどんどん続いていく可能性が出てきているわけであります。
 御承知のとおり、ことしの三月末で千五百十八あった組合健保のうち……(桝屋委員「市町村の話をしているんです、国保の話」と呼ぶ)市町村ももちろん財政負担が重くなるということを先生は御指摘なんだと思いますが、それはわかります。したがって、そのことも含めて、先ほど来櫻井議員がお話をさせていただいているように、全体的な見直しをしなければならない。加えて、新たな問題も発生しているということは、先生にはぜひ御理解をいただきたいと思います。
○桝屋委員 今の健保の話は私も理解しておりますので、後でちょっと議論したいと思います。
 それで、市町村は、我々もこの制度を始めてみて、さっき随分おしかりをいただいたり、厚労省に対する厳しい御指摘もあったけれども、実際に国保制度から後期高齢者医療制度へ移行した場合に保険料にどういう変化が出るのかということは、私も先ほど申し上げたように、岩国市を中心とした二区の補選で随分厳しい御指摘をいただいたので痛いほどわかっているんですが、あのときにはっきりしたのは、例えば、一般財源を市町村国保へ相当つぎ込んでいるわけですね。国が思っている以上に実際に保険料軽減措置をとってきたという市町村も結構あるんです。
 私は、いい機会だから、提案者は厚労省が数字を出さない、出さないとおっしゃるんですが、御自分の住んでおられる市町村で、国保に一般会計からどのぐらい投入されているか調べてごらんになったことはありますか。御自分が市民として住んでおられる市。これは通告は全然しておりませんが、それぐらいやはり、厚労省にばかり文句を言わないで、自分のところはどのぐらい一般会計をつぎ込んでいて、どういう実態になっているのかというのは十分議論されていると思うんです。
 私、全然そんな質問をするつもりはなかったんですが、ちなみに私は自分の山口市の実態は頭へしっかり入っているつもりなんですが、どうぞ、どなたでも。
○鈴木(寛)参議院議員 先ほど来の議論、まず、我々民主党は、十一月の……(桝屋委員「いや、今の僕の質問に対してお答えください」と呼ぶ)
 平成十八年で三千六百十七億円、市町村国保の赤字に対して一般会計から補てんされているというふうに承知しております。
○桝屋委員 私が聞きたかったのは、御自分の市町村で、住んでおられる市でどの程度一般会計からつぎ込んでいるのか、御自分の足元がどれぐらい大変なのか。厚労省のコンピューターをごらんになるのも結構なんですが、やはり我々は政治家でありますから、自分のところの実態を見れば廃止なんというのは言えないんじゃないかと私は率直に思っているんです。もう一回お答えください。
○大塚参議院議員 私は名古屋市の住民でございますが、名古屋市の私が入っているところについて確認はしておりません。
 ただ、先生のせっかくの御質問でございますが、もちろん自分のところを調べるという関心も持ってこれから取り組みたいと思いますけれども、私の所属しているところだけを知ってもこの法案の審議に何か役に立つわけではございませんので、もっと全体的な数字を国会の審議に役立つように整理をして御開示いただけるように御協力を賜りたいと思います。
○桝屋委員 いやいや、先ほどから厚労省が厚労省がと、私に言わせればそういう逃げ口上でお答えされているから、せめて、皆さん方も大きな政党なんだから、自分たちの努力でそれぞれの市町村国保の実態ぐらいはきちっと把握されて議論する余地は幾らでもある、そういう取り組みも必要だということを私は申し上げているわけであります。
 だれでもそうだと思うんですよ。ちなみに、私の住んでいる市も、毎年一億八千万もつぎ込んでどうするんだ、これをもとに戻せという批判はたまらぬ、こういう声もあるわけでありまして、そうした足元を固める作業も大事ではないか、こう思っているんです。
 厚生労働省に改めて伺いますけれども、老人保健制度を復活させる場合、市町村国保、あるいはさっき健保の話が出たけれども、政管健保の財政負担がどういうことになるのか、端的に、皆さん信用されないかもしれませんが、厚労省の数字として聞いてみたいと思います。
○田村委員長 桝屋君、その前の質問で櫻井充君が答弁をされたいと。
○桝屋委員 いや、結構です。時間がないんですよ、私も。
○水田政府参考人 お答えいたします。
 平成十八年の医療制度改革関連法案審議時に行いました試算におきますと、平成十八年の診療報酬改定を除く一連の改革を行った場合の平成二十年度の財政影響といたしましては、市町村国保は千二百億円の保険料負担の減、政管健保は千六百億円の保険料負担の減、それから健保組合につきましては千百億円の負担増、このように見込んでいたわけでございまして、仮に現行制度をやめて老人保健制度に戻しますと、さきの医療制度改革実施前の制度に戻すとした場合には、比較的高齢者が多い市町村国保あるいは中小企業サラリーマンが多い協会けんぽの負担がふえると見込まれるわけでございます。
○桝屋委員 したがって、今の一千二百億あるいは一千六百億、これも含めて、先ほどから議論が出ておりますけれども、約九千億とおっしゃいましたか、四千五百億と四千億という数字をきょうは御提示いただいた。本当に、厚労省がデータを出さない中で懸命にお取り組みいただいたなと私は思っているわけであります。
 せっかくでありますから、先ほどいろいろおっしゃったわけでありまして、この内訳をデータとしてこの委員会にぜひ御提出をいただいて、我々も、そうしたものも含めて議論を進めたいと思っておりますが、御提示いただけますでしょうか。
 提案者に、先ほど四千五百と四千という数字があったわけでありますから、その内訳を、ここで御答弁いただいても結構でございますが、御答弁と同時に、ぜひとも、アバウトで結構ですよ、私は数字の中身をどうこう、積算まで小さく言うつもりはありません。今お手をお挙げになっている蓮舫先生も八千五百億ということはおっしゃっているわけでありますから、御答弁と同時に、委員会に御提供いただけるかどうか。
○田村委員長 民主党の案ということですか、全体ということでありましょうか。
○桝屋委員 先ほど四千五百と四千という数字が出たわけでありますから、その内訳の数字をこの委員会に御提示いただきたい。お願いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○蓮舫参議院議員 御答弁を申し上げます。
 桝屋委員御指摘の八千五百億なんですが、これは私どもが十一月五日に発表させていただきました経済・金融危機対策の一環の中で、医療対策として今後一・九兆円を投じていきたい、その中に後期高齢者医療制度廃止分を八千五百億と見積もっているわけで、民主党の案だということをまず御理解いただきたいと思います。
 その中で、八千五百億の内訳ですけれども、後期高齢者医療制度を導入することによって、国保拠出金軽減分、これは七十五歳以上が新しい制度に移行したわけで、国保加入者が大幅に減りましたから、加入者数に応じ負担する支援金が減ったことで四千五百億、さらに、国保の赤字に対する市町村の一般会計の補てん、これはおよそ四千億が後期高齢者医療制度を廃止することで新たに必要になると考えているところでございます。
 この資料の提出については、これは民主党の案で、今御審議させていただいているのは野党共同提出の後期高齢者廃止法案でございますので、ぜひ理事会で御協議いただければと思っております。
○桝屋委員 では委員長、理事会で、せっかく民主党の案でありますから、ぜひともこの委員会に参考資料として御提出いただきたい、このように思います。
○田村委員長 ただいまの件に関しましては、理事会で協議いたします。
○桝屋委員 それで、蓮舫先生が今お答えになりましたけれども、二つのファクターをおっしゃったんですが、先ほどから議論しております、例えば市町村が一般財源を投入して保険料を下げているとかそうした部分まで全部もとに戻すというのも財源の中にみんな入っているんでしょうか。
○蓮舫参議院議員 御答弁申し上げます。
 含まれております。
○桝屋委員 今の御答弁は、市町村が一般財源で国保会計に投入して保険料を引き下げておられる、そういう市町村独自の対応についてまで全部入っているということですね。
○蓮舫参議院議員 失礼いたしました。
 国の補てん分で限って入ってございます。
○桝屋委員 ということは、市町村が独自でやっていることはもう一回戻してくださいね、自分たちの財政負担ですね、こういうことですか。
○蓮舫参議院議員 それは地方自治体の各自の判断だと思います。
○桝屋委員 これはなかなか大変ですね。わかりました。
 それで、先ほどから嫌らしいことを聞いておりますけれども、もとに戻すというのは本当に大変なことでありまして、私は信じられない提案だなと。提案者の皆さん方も本音はそう思っているんじゃないかなと思うんです。もう前に進めなきゃだめだ、前に進める作業をぜひともやる必要があるんじゃないか。
 それでもなおかつ、どうしても一時的な避難をしなきゃならぬというのであれば、避難の期間がどれぐらいか、そして、A案ならA案でいいですが、そこへ向かって進むのはいつかというぐらいは明らかにしていただかないと、国民だって本当にこの避難場所がいいのかどうかというのはわからぬわけですよ。一時避難をされるというのであれば、その避難の期間がどのぐらいで、次へ向けてどう進んでいくのかということをぜひともお答えいただきたいと思います。
○櫻井参議院議員 舛添大臣もこの制度の問題点を挙げられているわけですよね。ですから、我々とて、老人保健制度の方がすべての点がいいということを申し上げているわけではございません。トータルとしてどちらがいいのかということを勘案したときに、もとの制度に戻した方がいいと申し上げているだけでございます。
 それから、先ほど私が一点だけ申し上げたかったのは、先生が先ほど、ちゃんと自分たちで調べてきたのかという点、これは極めて大事な点だと思っておりますので、今後、自分たちで調査できることはきちんとさせていただきたい、そういうふうに思っております。御指摘ありがとうございました。
○桝屋委員 その姿勢は極めて大事だと私も思います。ぜひそうしてください。
 それで、繰り返しになりますけれども、一時避難とおっしゃる以上、あとどれぐらい避難するのか。皆さん方、次の一元化に向けて作業開始と、こうおっしゃっているんでしょうから、それはどれぐらいのスパンでやりますよと。舛添大臣の話が出ましたけれども、舛添大臣は一年以内にと、こうおっしゃっているわけであります。そこはやはり国民に、これほどの国民的関心事でありますから、次の改革に向けてのプランというものは明確にお出しになるべき。
 それで、最低限、皆さん方は、八千五百という、これはデータをまた見させていただいて検討しますけれども、財源と、少なくともその期間については明らかにする必要があると私は思っておりますが、一年ですか、二年ですか、三年ですか。
○福山参議院議員 お答えをさせていただきたいと思います。
 年齢で区分けをしない、天引きを強制しない、世代間の反目を助長しない、後期高齢者医療制度にかわる新制度を創設するという舛添厚労大臣のいわゆる三原則は、この間、私は国会の予算委員会でやりとりをさせていただいたところ、まだ、舛添大臣の私的諮問機関である検討会での議論で一年かけてやるということなんです。それが政府の案になるという保証も全くございません。そうすると、今の後期高齢者医療制度が検討ということにごまかされてずっと既定路線として続く可能性があります。私どもはそのことはまずとめたいと思っておりますので、この廃止法案を提出させていただいております。
 もう一点。御質問いただいている件でございますが、我々としては、解散をしていただいた暁にはマニフェストで工程表を提示させていただいて、少なくとも政権をとらせていただいた一期目の四年以内に、我々はこの一元化についての道筋、それから法案提出等をさせていただいて、国民に提示をさせていただく予定となっておりますが、とにかくまず廃止をさせていただく、そして、解散をしていただいた暁には、各党で今の医療制度について、国民的な議論で、争点として争わせていただければいいのではないかというふうに思っているところでございます。
○桝屋委員 今のお話で、選挙でこの点もしっかり争って、政権をとったならば一期四年でと。四年以内にこの緊急避難措置は終える、こういうお答えですか。
○福山参議院議員 緊急避難措置でございますから、我々としては速やかに新たな制度を構築していきたいというふうに思っておりますが、それこそそれは、政権をとらせていただいて、我々自身が法案等も作成をしなければいけませんし、それこそ政権をとった暁には、与野党でどのように合意形成をしていくかということも重要でございますので、いち早くやらせていただきたいと思っております。
○桝屋委員 荒唐無稽な話に聞こえてならぬわけでありまして、皆さん方が廃止するとおっしゃっているから、この時点においても廃止が必要だとおっしゃっているから、私は、では、廃止した後、もとの老健制度、老健制度は決していいものではないと皆さん方もお認めになっている、いつまでにそれを皆さんの工程表として国民に、この避難措置はこのぐらい続くんですよ、その間これぐらい財源がかかりますよということを言われる必要があるんじゃないかと。
 それがなければ、国民から見ると、さっきの話じゃありませんけれども、せっかく火事場から避難して、避難したどころかもっと大きな火をつけているだけの話になるんじゃありませんか、こういうことを申し上げているわけでありまして、少なくともそうしたことを国民にお示しする必要があるんじゃないか、こう指摘を申し上げたいと思います。
 それから、時間もありませんから、次のテーマに行きますが、年金からの天引きですね。きょうは余り議論が出ておりませんが、平成八年のときに、あの介護保険制度の議論をする中で、菅大臣が年金からの天引きについて特段の御発言をされておられて、年金からの天引きということも一つの収納対策としては必要ではないか、こういうようなことをおっしゃっていますが、それとのギャップはどのように説明をされますか。
○櫻井参議院議員 先ほども御答弁させていただきましたが、医療と介護とそれから年金、私は全然違っていると思っております。我々は違っていると思っております。
 先生、高齢者の皆さんの保険料の納付率、これは医療保険に関して言うと平成十七年度で九八・五%でございます。その前の四年間も九八%台でございまして、ほとんどの方々がきちんとお支払いいただいております。これはなぜかというと、医療保険がなくなると十割負担になる、医療をほとんどの方が必要とされるわけですから、保険料をきちんとお支払いいただいております。
 例えば年金の場合は、自分がそこまで生きるかどうかもわからない、そして今の年金制度の不安があって、正しく年金を受け取れるかどうかもわからない。もう一点申し上げれば、生活保護を受けた方がはるかに有利であるという今の制度状況の中でいうと、その保険料の納付率が六十数%台になってくるということはやむを得ないことなのではないのかなというふうに思ったりもするわけです。
 つまり、制度によってそこは違うわけですから、今まできちんとお支払いいただいていたことに関してまで天引きを強要するのはおかしな話だと思っておりますし、一昨日でしょうか、政府の方も天引きをやめたということを考えてみると、この制度設計は極めて問題があったのではないかというふうに考えております。
○桝屋委員 今の一番最後のお答え、政府・与党で決めたのは、天引きをやめたわけではありません、選択制です。誤解を与えるような御発言は慎んでいただきたいと思います。
 そこで、僕が聞きたいのは、菅さんは介護保険の議論のときに、国保の納付率をどうするかといったとき、その議論の中で当時菅大臣は、ここは収納率を高める意味で介護保険と国保とを一緒に徴収するということも一つの手ではないか、こういう発言をされているんですよ。収納対策という観点、菅先生に聞いていただければいいと思うんですが、そういう発言をされているんですが、党内での議論はいかがでしょうか。
○福山参議院議員 私も、先生の御指摘をいただいて、当時の菅大臣の答弁を確認しました。一つの例示として言われているというふうに私は思いました。
 それから、先ほどの年金の天引きの話は、櫻井議員が答弁をさせていただいたとおりでございますが、私どもといたしましては、党内の議論の中で、消えた年金の問題が全く解決のめどが立っていない、本来もらえるはずの年金がもらえていない状況の中で、今の状況で年金天引きをするのはよくないのではないかという結論に党内では達しました。
○桝屋委員 私は、御指摘をしたのは、平成八年の菅代表代行の発想というものは、菅さんは民主党ですよね、間違っちゃいけませんが、まさに収納対策として国保と一緒に介護保険料を納めていただく、こうすれば未納部分が減っていくのではないか、こういう発言をされている。そのファクターということはおたくの党の中では議論はなかったのかな、こう思っているわけであります。
 重ねて伺いますけれども、参議院の質疑で大塚耕平委員が、行政コストが多少かかっても天引きをやめて、納税者や保険料の負担者の皆さんに負担感を持ってもらうことが、行政、市政に対する関心の高まりにつながる、こういう所見もお示しになっているんです。負担感を持ってもらうということは大事なんだ、こういう御発言があったんですが、これはやはり民主党の全体の御意見なんですか。
○大塚参議院議員 私の発言に対する御質問ですのでお答えをさせていただきますが、民主党でコンセンサスを得ている内容ではございません。
 これは、天引きについて随分議論があった中で、天引きをやらないことの効用について意見を求められた中で私は発言したと思っておりますが、もちろん、天引きによって効率的になるべく行政コストをかけず収納率を上げるというメリットもあります。しかし、一つのデメリットとして、天引きあるいは源泉徴収というやり方が、納税者の納税意識あるいは保険料の負担意識というものを低下させる蓋然性もあるということは、私自身はそのように思っております。
○桝屋委員 民主党の皆さんの中にそういう御意見があるということは理解をさせていただきました。天引きがすべて悪いというような声もありますけれども、そうした観点も確かにあるだろうなと思っております。
 ただ、国民の感情というものを考えますときに、我々も完全な選択制にしていこうというふうに政府・与党では決めさせていただいておりますが、そうしたことでございます。余りにも天引きがすべて悪いみたいなことをおっしゃるわけでありまして、ぜひそうした議論もこれから続けていきたいと思っておる次第でございます。
 最後になりましたけれども、高額医療と高額介護の合算制度、これも議論がありました。これはやはり参議院の議論の中でも指摘されているわけですから、二カ月の間に何らかの手当てをすればよかったんじゃないかと私は思っているんですが、これは小池委員、どうですか。ここはやはり合算制度はちゃんとあった方がいいと私は思っているんですが、御理解いかがですか。
○小池(晃)参議院議員 この高額医療・高額介護合算制度の問題ですが、これは健康保険法、国民健康保険法、とりあえずすべての医療保険各法の被保険者が医療に係る給付と介護保険法に係る給付を受けた場合の軽減を図るもので、これは四月一日から導入された共通の横並びの制度なわけです。
 旧老健法については、これは医療保険各法による給付と横並びの給付が行われていました。高額介護合算療養費の制度も、医療保険各法における共通の横並びのものである以上、私どもは、この法案の提出に当たって、再び導入される老人保健制度において当然にこれは設けられるべきものだというふうに考えております。
 この点で、旧老人保健法に定めていた老人保健制度を再び導入するというふうにこの廃止法案で書かれておりますのは、旧老人保健法の規定を一言一句同じ形で法律にするというところを意味しているものではございませんので、当然にその手直しがされるべきもので、これはあえて規定をしなかったということでこういう結果になったわけであります。
 以上、御説明した点を踏まえて、野党四党が二月に衆議院の方に提出した法律案におきましては、老人保健法において高額介護合算医療費の支給を行う旨の改正を行っているわけですね。ですから、この法律案というのはこれを踏まえて作成したものでありまして、あえてこの間、修正を加えなかったというのは、それは御指摘はちょっと当たらないものではないかというふうに思っております。
 私どもとしては、十分承知した上でこの法案をつくっているということでございます。
○桝屋委員 この法案では、では、合算制度は実現できるんですね。
 厚労省に確認いたしますけれども、この法案の構成で実際に合算制度、老人保健制度を復活したとして、この法案で合算制度は実現できるというふうにお考えですか。
○水田政府参考人 老健法の規定そのものの運用ということになりますと、それはできないことになろうかと思います。
○桝屋委員 わかりました。小池先生のお答えで、この合算制度はぜひやるべきだ、こういう御理解であれば。ただ、私は、明確に法文の中で整理する必要があったのではないか、こう思っているんですが、申し上げません。
 いずれにしても、きょういろいろ質疑をしましたけれども、皆さん方も、とりわけ民主党の皆さんは、政権を一度私たちにと、こう叫ばれているわけでありますから、たとえ野党たりといえども、私は、廃止法案を出すということでは、通らないことを前提にお考えになったとしか思えない、そういう姿勢でありまして、そんな姿勢よりも、ど本気になってこれを復活させなきゃならぬと思うのであれば、あるいはその先にやるべきことがあるということであれば、そうしたことをきちっと国民の皆さんにお示しをするべきだと。
 それで、最後、お願いですが、さっきの四千五百と四千の数字の内訳と同時に、一元化に向けての民主党として工程表が想定されているのであれば、ぜひお示しをいただきたいのは、次の議論でぜひとも私は、簡単なことではない、長寿医療と国保を合体するだけでもえらい問題がありますし、あるいはその被保険者と国保を一緒にするといったって、これだって大変な作業があるわけでありまして、どういう工程表、時間が入っていなくても結構ですが、こうした作業を進めていきたいんだということがあれば、国民の皆さんにお示しをしたい、こう思っておりますから、御提出をいただきたい。そうしたことがなければやはり議論は前に進みませんから、お願いをしておきたいと思います。
○福山参議院議員 今先生から、この委員会でさらに継続して審議をと言っていただいていること、心から感謝を申し上げたいと思います。
 今御指摘をいただいた資料につきましては、一応、野党四党でこれは共同提案として法案を出しておりますので、民主党の工程表の提出については、野党の皆様とも御相談をし、また理事会の協議の結果を見て、前向きに検討させていただきたいと思います。
 ただし、与党側も見直しを言及されている、その内容について実は全くまだ明らかになっておりません。そして、我々も今作業を進めているわけで、ましてや選挙が近い状況の中で、選挙でしっかりと国民に訴えていくことも一つの筋だというふうに理解をしております。
○田村委員長 ただいまの件につきましても、理事会で協議をいたします。
○桝屋委員 選挙がいつになるか、それこそわからないわけで、近いとおっしゃったけれども、議論する時間は大いにある、また、ある間はしっかりやらなきゃならぬと私は思っておりまして、今回野党が提出されたこの廃止法案がいかに無責任なものであるかということをしっかりとこの委員会で議論を進めていきたいと思っておりますので、お願いしました件、資料、くれぐれも委員長、よろしくお願い申し上げます。
 では、終わります。
○田村委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時九分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時四分開議
○田村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。長妻昭君。
○長妻委員 民主党の長妻昭でございます。
 本日も質問の機会を賜りまして、ありがとうございます。
 まず、救急車の問題でございますけれども、これまで、急病になって救急車に乗れば、基本的に病院に連れていってもらって治療が受けられる、こういう大前提が日本国にあったわけでございますけれども、これからはその発想が崩れ、救急車が来ても、たらい回しになって何時間も病院に運ばれない、そして亡くなる危険性もある、こういう非常にゆゆしき状況が起こっております。
 四十七都道府県を調査いたしますと、一一九番から病院に運ばれるまでの平均時間が一番長いのが実は東京だということで、我々の安心の最低限のレベルも今崩壊しつつある。ある意味では、これに象徴されるような、医療崩壊というのが現実に起こっているということをまず直視するべきだということだと思います。
 今お配りしている資料の一ページ目にいろいろな救急車の事例が載っておりますけれども、きょうは消防庁を所管する倉田総務副大臣もお出ましいただいておりますので、この案件で、ゼロ歳の方が、十九回照会する、つまり十八回断られて、一一九番をしてから病院に運ばれるまで二時間三十八分かかった、東京女子医科大学に最終的には入ったという案件ですけれども、この案件はどのような案件で、どういうところに問題があるとお考えでございますか。
○倉田副大臣 私も先ほど通告を受けたといいますか、御質問を知らされたばかりで、詳しくはないんですが、東京消防庁からお聞きした結果としまして、この二十五番目の事例ですね、ゼロ歳児、東京女子医科大学病院、生存、これでございますね。
 これにつきましては、妊娠後、一度しか医療機関を受けていなかった女性が腹痛を起こし、救急要請されたものの、かかりつけ医的なお医者さんがなかったので選定に時間を要した、このように報告を受けました。
○長妻委員 それで、お子さんは救急車の中で生まれたというふうに聞いておりますけれども、どんな状態だったんですか。
○倉田副大臣 母子ともに健在、生存しております。(長妻委員「いや、救急車の中で生まれたんです」と呼ぶ)
 その点は、私はそこまでの細かい情報を得ておりませんでした。
○長妻委員 これは前回も基本的には同じ表で質問をして、調査要請をしているわけでありまして、これはちょっと事務方の方、きょう来られておると思いますので、詳細を副大臣に教えてあげてください。
○倉田副大臣 病院へ搬送される途中で分娩したというのが事実でございます。
○長妻委員 なぜ周産期医療の病院の空き状況がわかるシステムがありながら二時間三十八分かかったのか、どうこれを解決するのが好ましいと消防庁は思われますか。
○倉田副大臣 こういう事案が今後とも起こらないように、受け入れ側である厚労省ともタイアップして、まずは事案といいますか、個々の、特に目立つ事案も調べると同時に、全国的な細かな調査をしてみるべきものだ、このように考えます。
○長妻委員 それと、御高齢の九十歳代の方、この表では六番でございますけれども、この方は、三十三回照会ということは、三十二回断られて、一一九番をかけてから病院に収容するまで二時間五十六分かかったということで、お亡くなりになっておられますけれども、この方はどこにおられる方で、どういうような状態だったのか、これも副大臣から御説明いただきたいと思います。
○倉田副大臣 これも先ほど東京消防庁から聞いたそうでございますけれども、老人福祉施設からの要請があって救急車が出た、それから、その老人福祉施設において寝たきり状況にあった方である、このように聞いております。
○長妻委員 お年を召されておられる方は非常に受け入れ側の病院も受け入れられにくいんだということを、消防庁の現場の方も言われておられます。さらに、一般論として、ホームレスの方が救急車で運ばれたときに、やはりこれも受け入れ側としては、健康保険の問題等々でたらい回しにされる傾向が高い、こういうようないろいろな問題があります。
 倉田副大臣にぜひお願いをしたいのは、今まで消防白書や消防庁の調査データに、照会回数が何回、平均がどのくらいで、どのくらいの照会回数で運ばれたのかというデータが全く白書にはありませんので、何度も何度も繰り返し断られる案件がこれだけふえた現在、そういうデータもきちっととって白書に載せて分析をする、こういうことをぜひお約束いただきたいんですが、いかがですか。
○倉田副大臣 十九年に奈良県で事件がありまして、なかなか受け入れ先が見つからないという事件がありましてから、これは調査すべきものということで調査を、回数ですね、始めているようでございまして、今後、照会の回数の調査を毎年継続して実施する予定としております。そして、先生おっしゃるように、その結果については適宜消防白書等に掲載してまいりたい、そのように考えております。
○長妻委員 そして、今お配りしたこの表は、なかなかそういうデータがないので手作業で前回の委員会のために東京消防庁に調べていただいた、一一九番通報から収容までの所要時間の上位五十件というのを分析した、平成十九年度のものでございますけれども、六十歳代で四十六回照会回数で三時間二十五分かかる、あるいは七十歳代で四十回照会で二時間三十三分かかる、八十歳代で三十三回照会で二時間五十一分かかった、八十歳代で三十一回照会で二時間三十二分かかったということで、非常に御高齢の方がこのデータでは多く目につくわけであります。
 そして、資料の四ページでございますけれども、前回の委員会で私が質問をいたしましたところ、消防庁の次長さんがこういう答弁をされました。救急車で運ばれる案件ですけれども、高齢者の方でも特に年齢の高い方について選定困難な場合があるというふうにお聞きをしたということでございますと。そして、もう一つは、長く療養されているような方について比較的受け入れ医療機関の側が、選定が難しいというようなことがあるんだということはお聞きしたことがございますということで、高齢者の中でも特に年齢の高い方、きょう議論している後期高齢者の方もそれに入ると思うんですけれども、そういう方が、なかなか病院が受け入れられないというのは、これは原因は端的に何だと思われますか。
○倉田副大臣 高齢者の方で特に年齢の高い方の受け入れがなぜできないのかと。
 正直に言いまして、これにつきましては、受け入れる側の医療機関における理由でございます。こちらの方といいますか、消防庁側としては、受け入れをお願いした側でございますので、私が今ここでお答えできる問題ではないと思いますけれども、そういうことにつきましても厚労側と連携をとりながらいろいろな調査をしたいと考えます。
○長妻委員 それでは、受け入れ側の病院の関係でいえば、舛添厚生労働大臣、いかがでございますか。
○舛添国務大臣 さまざまな理由が考えられると思いますけれども、救急で受け入れる、そして処置をする、その後、ある程度回復したときに、今度それを受け入れていく先、これが重要であります。これは、高齢者にかかわらず、NICUという新生児の場合もそうで、これはずっと何カ月もいるのでそれはあかないんですね。ですから、こういう出口の問題、そのときに、御高齢の方で身寄りがないとか、それから独居していてなかなかひとりで転院先を決めることができない、こういうような事情があるのではないかということを専門家の検討会において指摘されております。
 そこで、地域全体で救急患者を受け入れる、ある意味では後方支援、こういうことの体制を整えないといけないと思っておりまして、そのためのコーディネーターを配置する、それから地域の医療機関、受け入れ側の医療機関の確保、こういうことをやりながら総合的に、今言ったような理由で救急車での受け入れを排除されるということを避けていくような努力をしたいと思っております。
○長妻委員 本当にお年を召した方ほど受け入れがなかなか難しいというのは非常に悲しい話でありますので、ぜひ分析だけではなくて実行していただきたい。
 私は、その傾向に拍車をかけかねないのが今回の四月からの後期高齢者医療制度の導入だと思っておりまして、一つは、後期高齢者特定入院基本料ということで、九十日を超えて後期高齢者が入院をされると、脳卒中の後遺症または認知症患者の方に関しては病院に入る収入が最大では半分近く減ってしまう、こういうような制度があります。そういう制度があると、病院としても、後期高齢者は長く入院する傾向にある、そして報酬が減らされれば余り初めから受け入れたくないという気持ちに拍車がかかる危険性があるというふうに思っております。
 我々も、野党がこの問題を指摘いたしますと、今度は政府は、退院支援状況報告書というのを出せばその報酬は下がらないんだということで、診療報酬はあくまで維持したまま、何か報告書を出せば報酬を削らないという、私に言わせたらびほう策を出してきたわけでございますけれども、この報告書というのはどういうもので、これまで何件ぐらい出ていたのか、そしてなぜこの報酬自体をやめないのかということを舛添大臣にお伺いしたいと思います。
 倉田副大臣、ありがとうございました。これで結構でございますので、よろしくお願いいたします。
○舛添国務大臣 医療と介護の組み合わせをどうするかという大きな問題がこの問題の背後にはあります。
 まずもって御指摘させていただきたいのは、後期高齢者の医療制度が入ったからこの制度が入ったわけではございませんで、平成十年からそういうような仕組みにしております。
 医療というのは、急性期の医療、つまり治療をする、そして、これはできるだけ短い方がいいわけです。上手なお医者さんがいて短期に急性期の医療をやる、二カ月なら二カ月、一月なら一月、その後は、生活機能を増していくために、これはリハビリをやっていく、これは介護の施設でやっていただきたいということで、今、三カ月、九十日という仕組みを考えているわけです。
 私も現場をたくさん見ました。それで、急性期のリハビリと介護のリハビリはやはり違うんだ、やはり腕のいい先生、いいところほど早く急性期は治す、そこから後は、介護保険の適用があれば、ある意味でエンドレスにできるわけですから。
 そういう中で、しかし、やはりきめの細かい手当てが必要だろうと。しゃくし定規に、はい、九十日、では出ていってくださいということではなくて、退院支援状況報告書というのを提出すればよろしいということでありまして、例えば、速報値でいいますと、北海道で百八十一件、宮城で五十八件、東京で百七十五件、愛知で百三十六件、大阪で六十七件、広島で四十三件、福岡で九十六件というような数字が出ております。
○長妻委員 今の数字は十月だけで、こういう報告書が出てきたところだけは九十日を超えても報酬は下げないと。事務方に聞きますと、報告書さえ出せばどんな案件でも全部認めるということでありまして、そうであれば、そのもののこの診療報酬を廃止する必要があると私は思うんですけれども、多分メンツとかいろいろなことがあるのではないかと思いますけれども、ぜひ決断いただきたい。
 そして、もう一つは、お年を召した方が救急車で運ばれるときに受け入れ病院に断られる傾向に拍車をかけていると私が思うのが、例の療養型ベッドを減らすという政策がいまだに続いているということでございまして、基本的には、その骨子は、三十五万床の療養型ベッドの中で十二万床が介護療養病床というものでございまして、ことしの四月時点では若干減って十万四千床が介護療養病床なんですけれども、平成二十三年度末でこれを廃止する、制度を廃止すると。
 では、廃止するんだったらば、今現在、十・四万のベッドに寝ておられる方々はどこに行くんだろう、当然行き先の手配はあるんだろうと聞くと、いや、それはまだわからないんだということなんですが、平成二十四年になったときに、この十・四万ベッド、すべてにお人が入院されておられれば十・四万人の方は確実にどこかに移ることができるということは断言できるんですか。
○舛添国務大臣 これは介護療養病床の削減計画がございまして、最初に機械的には十五万床になるというのを今度見直しまして二十二万床、そういう数字を出しているわけでございます。
 まず、今御質問でございますけれども、全部追い出されるんじゃないかということですけれども、医療が必要だとみなされれば引き続き医療の療養病床でケアをする、それから、介護が必要とされる方々は、今度、療養病床から転換した老人保健施設等で対応することができるということでありまして、平成二十四年度までかけて今の削減計画をやりますが、患者を入院させたまま、ベッド数を減らすことなく、つまり施設の受け入れ数を減らすことなく行うということでありますので、追い出すということではございません。
 また、受け皿の中心となります療養病床から転換した新しい老人保健施設につきましては、入所者の医療ニーズに対応できるように今までの老健とは違う基準で行うということで、例えば、看護職員による夜間の日常的な医療処置があり、みとりへの対応があるし、急性増悪時の対応というようなことで、エビデンスに基づいて介護療養型老人保健施設を創設するという方針にしておりますので、そういう手を通じてさまざまな支援措置を講じていきたいというふうに思っております。
 そして、この状況につきましては調査、検証を行いまして、来年四月の介護報酬改定で適切な対応を行っていき、今委員が御懸念のあったような、病院から追い出すんだ、そういう対応を招かないように最大限の努力をしていきたいと思っております。
○長妻委員 大臣がみずからも言われましたように、救急車、高齢者が受け入れられない傾向の原因の一つに、長期入院したときの転院先が、その病院がなかなか探せないのではないかと。
 ですから、ここも、今大臣が言われたことは確かに官僚の方が通常説明することなんですが、では具体的に何人、十・四万ベッドのうち、どこにどれだけ受け入れるようなことになる予定なのかということすらまだわからないということで、基本的には、もう民間というか、受け入れてくれる者に関しては受け入れてもらって、そうでない方はなかなかわからないというのが現実の対応でございまして、本当に心配されている方が日本じゅうに多くおられるんですね、御家族も含めて。
 この十・四万ベッドは、厚生労働省によると、平成二十四年度から主に三つに分散される。介護療養型老人保健施設が一つ、二番目は従来の老人保健施設、三番目が特別養護老人ホーム、この三つに分散をするということなんです。おおむねで結構なんですが、大臣が考えておられるのは、それぞれ三つ、何万ベッドずつその三つに配分をする、こういう御予定なのか、それをきちっと言っていただいて、国民の皆さんに安心をしていただきたいと思うんです。
○舛添国務大臣 それは、最初にベッドの長さを決めていて、身長の高い人が来たらそこから足を切るような話になっちゃって……。
 まず、それぞれの介護が必要な方々の状況を見て、例えば、その方が介護療養型老人保健施設がいいだろうと言えばそこをふやさざるを得ないし、既存のもので対応できれば既存のものなので、最初から幾つそこに、例えば介護療養型がいいのに人数が足りないからとかいうことで従来のということはしません。それは個々の方々の状況を見て判断する方が適切だろうと思っております。
○長妻委員 この国会はもちろん、私と舛添大臣だけが質疑しているんじゃなくて、国民の皆さんが本当に御心配で、かたずをのんでこういう議論を聞いておられる方もいらっしゃるので、ちょっと明確に御答弁いただきたいんです。
 そうしましたら、十・四万ベッドが、これが本当にその後も介護が必要な方が入っているという状況であれば、平成二十四年度の当初から十・四万ベッドは一ベッドも減らずにきちっと移行できる、こういうことは保証するよ、こういうことなんですか。
○舛添国務大臣 それぞれの自治体がその状況に合わせてきめの細かいこの計画をつくる。ですから、今、各都道府県においてこの計画を行っている。そして、どういう転換をするかというのは、それぞれの医療機関の判断によるもので、ある医療機関がこういうふうに転換するというのを厚生労働大臣がそれはいけないということでやるのではなくて、地域ケアの体制整備構想に基づいて、地域の声を集積しながらやっていくということでありますから、ぜひそういう意味で御安心いただければと思います。
○長妻委員 ちょっと今の答弁では安心できません。実際にベッドに今横たわっておられる御本人や御家族のこういう御不安をぜひ取り除くように、明確な計画と数字を早急に出していただきたい。
 次に、この後期高齢者医療制度が始まりまして、国民の皆様方が、政府の説明とは裏腹にサービスが削られたんじゃないか、こういうふうに思っておられる方が多い。政府に言わせると、いや、それは誤解で、むしろ今までよりも後期高齢者の方に対する医療サービスは手厚くなっているんだ、こういうふうに口では返ってくるんですが、現実は、例えばこの八ページにございますように、七十五歳以上の方に対する各市町村国保で人間ドックの助成事業をしていた案件のうち、五百八十二の市区町村は後期高齢者医療制度導入とともに打ち切りになって、そこに住んでいる七十五歳以上の人は人間ドックの補助が打ち切られる、こういうことがあって、これはもう明確にそういう方々はサービスが削られたというのが肌身に感じるわけでありまして、こういう問題に対して、国あるいは自治体などで対策、政策というのは何かあるのでございましょうか。
○舛添国務大臣 人間ドックに対する費用の助成というのは、そもそもが地方自治体独自の事業で、それぞれの自治体で判断すべき課題であります。それがまず大前提。
 しかしながら、後期高齢者の医療制度において、これまで加入していた国保の独自事業として行っていた健康増進事業の対象から外れるという状況が生じたために、六月十二日に政府・与党が決定いたしまして、広域連合や市町村における同様の取り組みを促進しようということを決めたところであります。
 これを受けまして、各広域連合において、人間ドックへの費用助成を初め、健康増進事業の実施について検討が進められておりまして、厚生労働省としても二十億円の財政支援を行うこととしております。
○長妻委員 今のも本当に官僚の答弁なんですね。
 現実には、今五百八十二の市区町村に住んでおられる七十五歳以上の方は助成が打ち切られたということで、今後いろいろ検討するということでは、やはり誤解ではなくて本当に医療サービスが低下をしているということが肌身で感じておられるので、この制度が問題だと言っておられるんです。
 小手先で制度を修正するだけではなくて、我々が主張しているように、一たん廃止をするということが、これはもう不可欠だというふうに強く思うわけでございます。
 そしてもう一点、天引きの話でございますが、これも、初め、政府は後期高齢者医療制度の保険料は年金から天引きされる、これは利便性の向上なんだと。役所も手間が減るし、被保険者の方も、雨の日もぬれないで、納めに来なくていい、こういうことしか言っていなかった。そして、これも野党が指摘をして、天引き増税があるんだということを申し上げたらば、慌ててそういう通知を出すということで、初めから知っていたのなら、明確に天引き増税のことを制度が始まる前に説明するというのがやはりまじめな態度ではないかと思うんです。
 実は、六百七十万人が今も天引きをされておられる。それで、我々の指摘で政府は慌てて政令を改正して、増税になる方もいるから、口座振替も選択ができるということで、ことしの七月に政令改正しましたが、七月以降、天引きから口座振替を選択された方が十九万人しかおられない。我々は天引き増税の方はもっと多いと思っているんですが。
 六百七十万人が今も天引きされておられますけれども、その中で、天引きされる前と後で増税になった人というのは、半分以上なのか、半分以下なのか、どのぐらいなんですか。
○舛添国務大臣 これは、一つ一つの世帯を調べて、その世帯がどういう構成になり、例えばおじいちゃん、おばあちゃんが息子の国保に入っているかどうであるか、そういうことを全部調べないとできませんから、それは全世帯の調査につながる。とてもじゃないけれどもそこまでの調査は今のところ行っておりませんので、どれだけになるかということは今お答えできません。
○長妻委員 いや、これは耳を本当に疑うんですよ。これは先進国の国家でしょうか。さっぱりわからないと。
 納税者番号というのをきちっとプライバシーに配慮して導入して、どなたがどれだけ所得があるのか、それを把握するというのをまだ日本はやっていなくて、後期高齢者医療制度を導入するときも、保険料が何人の方が上がるのか下がるのか、どういう傾向なのかもさっぱりわかりませんと。それで入れてみて大混乱する。
 今回も、天引き増税、政府は、多分私は知っていながらだと思うんですが、それを言われないで、途中で指摘されたら慌ててそれを認める。しかも、今現在天引きされている六百七十万人の方のうち、何人が天引き増税になっているのか。何万何人まで細かいことは聞いておりません。半分以上なのか、半分以下なのか。それとも、一割の方が天引き増税なのか、九割の方が天引き増税なのか。目安もさっぱりわからないでこの制度を入れているんですか。
○舛添国務大臣 さまざまな問題が噴出してきたことは確かであって、例えば、自分の誕生日、七十五歳になった、それが月の真ん中だったら両方から負担がある、こういうことも、今まで若い人でそういう例がなかったから、なかった。
 それで、今の問題は、まさに厚生労働省というのが、この税の……(長妻委員「いや、だから、大体で。それは聞いていないんです」と呼ぶ)いや、この話をしないとそこに行き着かないんですよ。
○田村委員長 勝手にやり合わないでください。
○舛添国務大臣 租税の話と常に連動して考えるということはない。つまり、保険料をどうするかを考えているんですけれども、税のシステム、その中で税の控除のシステム、そことの関連というのを考えていなかったということが大きなミステークであると思いますから、そういうことを実際にやってみた。
 しかし、先ほど申し上げましたように、税の捕捉について、そして世帯の構成員がどういうふうになっているか、それはセンサスをやらないとできないような大きな課題でありますから、私は、それは今把握していないし、それを把握していないから国家じゃない、それはコスト・ベネフィットとの関係であって、個々の方々に、こういう状況でございます、こういう制度でと、それは事前に説明しなかったというのは、恐らくこれを積み上げていくときにそこまで考えが及ばなかったんでしょう、それについては厳粛に反省をしないといけない。
 しかし、こういうふうになっています、したがって、あなたが今息子の中に一緒に入っていれば、世帯主の息子から控除できますよ、そうじゃなくて、ばらばらになられればできませんよという話はきちんとして、それの政策をやっていけばいい話だと思っております。
○長妻委員 そうすると、これはまた驚くんですが、天引き増税が、六百七十万人のうち半分以上か以下か、それはわからないと。じゃ、六百七十万人のうちの一割ぐらいが天引き増税なのか、あるいは九割ぐらいが天引き増税になっているのか、それもさっぱりわからない、一割か九割かも。これは本当に私は欠陥だと思います。
 何でさっぱりわからないで新しい制度を入れるのか。前回も民間企業の話を申し上げましたけれども、普通の企業は、新製品をつくるときに、事前マーケティングというのをして、どれだけ、どういう状態なのか綿密に話を聞いて、そして数字もきちっと出して、それで役員会に諮ってゴーサインが出る、こういうことが当たり前なんですけれども、こういう欠陥を是正するために、本来はサンプル調査などして把握するはずなんですけれども、それもしない。
 そうしましたら、またこの件も結局、新聞報道によると、昨日、与党のプロジェクトチームで、全員の天引きはもうやめる、口座振替も希望すれば全員オーケーだよ、こういうことがなされて、天引きは必要だ、必要だと大騒ぎして、そして我々が指摘をすると、あげくの果てに最後はやはり希望者は全員口座振替を認めると。これは地方が本当に右往左往されるのではないかということなんですが、全員の口座振替オーケーというのは、じゃ、来年の四月から実施するということでよろしいんですか。
○舛添国務大臣 昨日、与党のPTからそういう案が出まして、これは来年四月一日から実施する方向で政令改正を行いたいと思っています。
 そして、つけ加えたいのは、要するに、今回の後期高齢者の医療制度は、この点について特別徴収をやるということは、介護保険制度のシステムを踏襲した。介護保険制度においては、天引きについて、特別徴収について何の問題も起こらなかった、そういうことがありました。
 しかし、今回、今おっしゃったように、じゃ、特別徴収というのを、私は、だからこそさまざまな問題があるから見直しをやろうということで、私も、私案を出しているところであります。それはそういう理由でもあるんですが、特別徴収ということが条文に書いてある以上は、それを法律改正をしないでやろうとすれば、銀行からの口座振替ということを特別徴収の中に、法制局とも相談して、そう読み込めるということでこれをやっているわけでございます。
○長妻委員 これも、舛添大臣、介護の天引き、何の問題もないというのは言い過ぎで、我々の事務所に多くの苦情が来ましたよ、介護保険の天引きのときに、とんでもないと。今でも来ますよ、介護保険の天引きで。これだって増税になるわけです、天引き増税。
 もう一つ重要なことは、今回の後期高齢者医療制度で、これはお手元にも配っておりますけれども、「一人当たりの保険料」。
 後期高齢者医療制度が導入をされますと、これは厚生労働省の試算ですけれども、今年度と平成二十七年度を比べると、後期高齢者の一人当たりの保険料は、年間ですけれども三九%値上がりする見込みだと。ただ、同じ国保におられる若人の方々は二三%の上昇で済むということで、一人当たりの保険料が、倍近い上昇が後期高齢者にはある。
 これは、ある意味では、七十五歳以上の病気になりやすい人を一グループにして、そして保険にしたわけですから、病気になりにくい若い人よりも保険料の伸びがどんどん上がって、首が絞まって余り医療をされない、そういう是正効果がある。我々は、究極の医療費削減政策だということを申し上げているんです。
 後期高齢者の見直しの舛添三原則というのを出されて、その第一が年齢で区切らないということですけれども、そうすると、老いも若きも一人当たりの保険料は同じ値上がり率になるということですね、今考えておられる新しい制度では。
○舛添国務大臣 まず、今委員がお示しいただいた表をちょっと見せていただきたいんですが、そこにある三九、二三、これは加入者一人当たりの保険料の見通し、それは当然、疾病率とかそういうことを加味して考えております。
 一つ、それに加えて申し上げておきたいのは、一、四、五という比率で、四の比率は後期高齢者の支援金ということで、現役が高齢者を支えるというのが四割、そこに入っております。これもある意味で保険料負担になるわけですが、この伸び率は、実は若人、つまり現役の人たちの合計で四七%ですから、それを加味すれば、負担という観点から見たときに、必ずしも高齢者の負担が急増し、若人は楽だということではないということをまず申し上げた上で、どういう形での負担の配分をやるのか、それは現役と年齢によってどうするのか、まさにそういうことを国民的な議論をして、今から一年かけて検討していきましょうということでございます。
○長妻委員 この舛添私案で配っておられる新しい制度という中身がございますけれども、それによると、十三ページですけれども、一部だけ、七十五歳以上の一定の方は後期高齢者医療制度から抜けることができる、こういうような制度やに聞いております。その一定の方というのは、いろいろ説明をいただきますと、七十五歳以上で、現役で今も働いておられて、かつて健保に入っていた方は、そのまま、後期高齢者医療制度に入らなくても前の健保でいいですよと。そうすると、対象人数は三十五万人ということなんです。
 そうすると、これは、大山鳴動してネズミ一匹じゃないですが、大騒ぎして、なくしますというような趣旨の話をされて、結局、三十五万人だけ今の後期高齢者医療制度から抜くというのが改革の骨子ということになるのでありましょうか。そうであるとすれば、これはもうとんでもない話であります。
 それに加えて、この新しい制度というのは、そうすると、再来年の四月からスタートということでよろしいのでございますか。
○舛添国務大臣 まず、長妻委員が初めの半分におっしゃったことは、全く違います。
 こういう一つのイメージ図をかきましたのは、その前提として、なぜこの新しい制度に、つまり今の後期高齢者、いわゆる長寿制度にお年を召された方々の反発があったかというときに、七十五歳で線引きしたとか天引きとかいろいろありますけれども、もう一つ、お上がある一つの制度をがんと押しつけてきたというのも反発にございました。したがって、今の時代は、やはり国民にできるだけ多くの、多様な選択肢を残すという面があっていいのではないかというのが私の考えであります。
 もともと、国保が破綻する、では、どういう形で救うかと。今、三十五万人はいわゆる突き抜け型、これは連合なんかが推し進める突き抜け型です。ただ、この場合は、ある企業でいうと現役で働いている方、それから、企業が退職したOBの面倒を見るわけですから、実際にそこまで全部見るよという企業はゼロかもしれません。しかし、そういう選択肢は残しておくということで、むしろ、後期高齢者の医療制度を国保と再編して県単位の一つの制度にするということが、制度の大骨格であります。
 それから、二番目の御質問にお答えしないといけません。これは一年をかけてじっくり検討し、特に財源の問題、先ほど委員おっしゃった、どういう世代間の配分にするか、こういうことをきちんとやった上で、そして国会の御審議をいただいて新しい案にできればと思っております。
○長妻委員 ちょっと改革のピントがずれているような気がするんです。
 そこで、十二ページに、これは舛添大臣がつくられた漫画ということですけれども、このところで、上の表では、後期高齢者の方がどういうお感じを持っておられるのかということを、その方の気持ちになって多分これはせりふを書かれたんだと思います。これは正しいと思います。「行き先はうば捨て山かな…」とこの方が言っている。隣の方は「早く死ねと言うのか」と言っておられる。私もこういう声を御高齢者の方から本当にたくさん聞きます。
 それでは舛添大臣にお伺いしたいんですが、なぜ後期高齢者の方は「行き先はうば捨て山かな…」、こういうふうに思うのか。どうしてこういうふうに思われるのか。
○舛添国務大臣 今委員が御指摘くださいましたように、このせりふは、私は政策実行の責任者として、各地を歩き、いろいろな御高齢の方の声を聞きました、それを率直に写しただけであります。
 それで、なぜかということは、七十五で線を引いた。六十五歳なら現役から年金生活者に変わる、生活がころっと変わるのでまだいいけれども、一たんそうなった上で、もう一遍七十五で切ったということと、例えばですよ、委員、終末期医療の相談料というのがございました。ターミナルケア、私はこれは非常に、全国民的に進めないといけないと思ったんですが、七十五以上から先にやったために、何だ、自分たちだけ終末期か、こういうことの思い。それからもう一つは、今、年金の記録問題は解決するように一生懸命努力をしておりますが、年金の記録問題が大きくある、その中から天引きかと。こういう声をそこに書きました。
 私は、運転手の立場なので「いいバスだと思ったんだけどこんなに不満があるんだなぁ…」、だから、率直に御高齢の方の御意見に耳を傾けて、変えるべきは変えよう、こういうふうに思っているわけであります。
○長妻委員 その大臣の御理解の前提でこの後期高齢者医療制度の改革あるいは医療の改革をされると、それは本当の改革にならないと思います。
 今回、後期高齢者医療制度で非常に御不安が広がった一つの問題は、まず、明確に医療サービスが削られる、こういう体験をされた方が多いし、保険料が上がったという体験をされた方が多いし、もう一つは、後期高齢者医療制度をきっかけに、これまで不安に感じていた医療のほかの問題も強く感じるようになって、トータルでやはり御不安を与えているということだと思います。
 その一つがやはり税金の投入ということでございますけれども、これも厚生労働省の作成資料でございますが、後期高齢者医療制度が入るのとないのとでは、七十五歳以上に対する税金の投入が、入る前は全体の医療費の五五%税金が入っていたけれども、後期高齢者医療制度が入ると、七十五歳以上の方に対する医療費の税投入は五二%、マイナス三%になる。六千二百億円が削られる。
 そして、先進七カ国で国民一人当たりの医療費を最新のOECDヘルスデータ二〇〇八で二〇〇六年のデータを比べると、日本は二千四百七十四ドルで、先進七カ国で最低です。日本国民は一人当たり医療費を七カ国では最も使っていませんし、対GDP比の総医療費でも八・二%ということです。かつてイギリスが、大変医療が荒廃して、ブレア首相が出て、そしてイギリスは順位を上げて、今は日本が最下位。
 そしてお医者さんの数も、これはもう御存じでありましょうけれども、先進七カ国で日本は千人当たり二・一人ということで、これもカナダと並んで最低であるということで、最低なところに、さらに後期高齢者医療制度で医療費を削る、こういう御不安がこれをきっかけに噴出したというのが重要な論点だというふうに私は思っております。
 そういう意味では、まず、当然、医療にも無駄はあります。過剰診療、必要のない診療を請求するということもありますし、薬価の問題や、検査機器が海外に比べて高いという問題もあります。そこはきちっとメスを入れた上で、ただ、これは限界に来ている可能性があるという御認識をぜひ持って、それを上積みする方向で考えていただきたい。
 ということで、具体的に聞くと、お医者さんの数に関して、我々民主党も、五〇%ふやしましょうということを言っております。医学部の定員を一・五倍にしよう、これも我々言っております。政府も、この資料では二十一ページ、ことしの九月二十二日には、将来的には五〇%程度医師をふやすというふうに書いてあるわけでございますが、端的にお答えいただきたいんですが、これはいつまでにお医者さんをこの人数にするという計画でございますか。
○舛添国務大臣 これは、私のもとで専門家の、安心と希望の医療確保ビジョン、今この二十一ページ、御引用いただきました。
 これは、お医者さんの養成というのは大体十年かかりますから、十年計画でということで、とりあえず、来年四月一日からの増員は全国の医学部で六百九十三人、これまでの過去最大にまで持ってきました。しかし、十年間何もしないで見ておくんじゃなくて、毎年状況を見ながら、調整するべきは調整する。
 ただ、基本的な考え方にあるのは、委員が御指摘のように、やはり、いわゆる医療崩壊と言われていることの大きな背景には医師不足がある、そういう認識で、十一年ぶりに閣議決定を変えた次第でございます。
○長妻委員 ですから、五〇%増というと、平成十八年度からですから、平成十八年度の臨床医は二十六万三千五百四十人。このOECDの千人調査では、人口千人当たり日本は二・一人、これを三人にするということだと思うんですが、そうすると十三万人ふやすということなんですけれども、五〇%増ということは。
 これはいつまでに、大体めどとして、ぜひそういうことをこういう国会の場で宣言していただくと、官僚の人も文部科学省も含めて連動して動いていく突破口になると思いますので、ぜひ大体のめどをお聞かせ願いたいと思うんですが。
○舛添国務大臣 これは、ですから、ほぼ十年計画と思っていただきたいと思います。
 そして今、産科、小児科、なる方はほとんど、もう半分は女性の医師です。そうすると、御自身が出産したりなさったりしておやめになったりする。そうすると、お医者さんの数にカウントされていても現実には働いていない状況ですから、私は、ある程度ゆとりを持ってふやしても、だからといってこれは大変なことになると思っていませんで、お答えは、十年計画というふうにお答えしておきたいと思っています。
○長妻委員 本当に政府は失敗しましたね。一九八六年に医学部の定員を一〇%削減する、こういうちょっと間違えた政策が続いて今日の事態を招いた。
 最後に一点だけ質問しますけれども、看護婦さんが今現在八十四万人おられますけれども、私はこれを百万人以上にするべきだと思っておるんですが、これは大臣の御所見をお伺いしたいんですが。
○舛添国務大臣 墨東病院を直接視察しまして、NICU、十五あるのに十二しか稼働していない。原因は看護師の不足であります。私も非常に深刻に思っております。
 それで、来週にも、看護師の方についても私のもとに検討会を立ち上げて、委員、今一番問題は、三年の研修をして就職しようと思っても、医療水準が高過ぎて、入ったはいいけれども、ああ、私の技量では看護師は務められないよといって、新卒でやめていかれる方がたくさんおられる。それから、資格を持っているのに、いろいろな事情でその資格を生かさないで休眠状態にある方がおられる。こういう方々を掘り起こし、そしてきちんと就職していただくことによって、今委員がおっしゃった百万人という計画も達成できると思いますので、これは早急に、年末ぐらいにかけて、大急ぎでその提言をまとめたいと思っております。
○長妻委員 いずれにいたしましても、微修正ではなくて、年齢では一律というか完全に区切るのをもう全部やめるということと、税の投入というのを、やはり減らさないでふやす方向に進んでいただく。
 そして、医薬品メーカーにも天下りの人がいっぱい天下っていますよ。上位三十社のうちの十八社に天下っていたりしますので……
○田村委員長 長妻君、時間が来ております。
○長妻委員 そういう体質もなくしていただきたいということをお願いしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○田村委員長 次に、山井和則君。
○山井委員 これから四十五分にわたり質問をさせていただきます。
 まず最初に、昨日、本当に卑劣な痛ましい事件が起こりました。元事務次官の御夫妻が刺殺され、そしてまた、もうお一方の事務次官の奥様が重傷を負われた。本当に、こういうことは絶対に許されない行為であります。
 とにかく一日も早く犯人が逮捕されること、そして何よりも、さらなるこういう事件が起こらないように厚生労働省関係の方々の安全を確保すること、そして何よりも再発を防止すること、このことを本当に力を入れてやっていかねばならないと思いますし、何よりも、犠牲になられた方々の御冥福を心よりお祈り申し上げたいと思います。
 こういう、日本の社会保障のために人生をかけて働いておられる、あるいはおられた方々が身に危険を感じるということでは、これはもう日本の社会保障の危機でもあります。本当に許せない行為であります。
 また、きょうは、午前中から後期高齢者医療制度廃止法案の審議が行われました。さすが我が民主党の参議院の議員が本当にすばらしい答弁をされておられました。国会というのはこういう議員同士のやりとり、これが本来の姿だなというふうに思いますし、また、これはもちろん党派によって見解の相違はあるんでしょうけれども、やはり与党の方々は、七十五歳以上の高齢者及び国民の方々がどれほどこの後期高齢者医療制度を嫌がって、やめてくれと言っているのか、その国民の声というものをきっちりとお感じになっていないんだなということを非常に感じました。
 おまけに、これからの質問をさせていただきますが、それこそ対案がないのは政府・与党の方であります。本当に政府・与党に案があるのかどうかということもこれから質問をさせていただきたいと思います。
 最初に一点だけ、舛添大臣、申しわけありませんが、前回の質問の続きで一つ確認したいのです。
 前回、三十五名の年金が無年金になっておられる方々が、五月、六月の記録訂正で年金がもらえることになったと。ただ、この三十五名の方々の状況を今もって社会保険庁が把握をしていないということでありまして、調査をしてほしいということを舛添大臣にお願いして御快諾をいただいたわけです。
 改めて確認ですが、この三十五名の方々、無年金で過去二十年、三十年、十年、どのような経済状態で、家族構成で、また今の御体調、健康状態、入院されている方もおられるかもしれませんし、介護施設に入っている方もおられるかもしれませんし、また、最悪、三名の方以外にもうお亡くなりになっている方もおられるかもしれません。こういうことを含めてお調べいただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
    〔委員長退席、上川委員長代理着席〕
○舛添国務大臣 プライバシーにかかわる部分もございますので、御本人ないし御家族、ないしは御遺族の方々の同意を得た上で、できるだけつまびらかにこの実態を調査し、そして、しかるべき対応をきちんととっていきたいと思っております。
○山井委員 多くの年金の被害者がおられるわけで、その一番強烈な被害のパターンなんですね、記録が消えたことによって無年金になってしまったということは。この方々の実態というものを把握するということは、この年金問題の解決に非常に重要なことだと思います。
 大臣、年内にはこの結果をお知らせいただくということでよろしいでしょうか。
○舛添国務大臣 今鋭意進めておりますし、申し上げましたようにプライバシー問題がありますので、当事者の御同意も得ないといけません。そういうことを勘案した上で、できるだけ迅速にと考えております。
○山井委員 それでは、後期高齢者医療制度の議論に入らせていただきます。
 まず、きょうは、青森県そして京都市で初めて滞納者の人数、割合というものが明らかになってまいりました。配付資料の四ページに、青森県の普通徴収者、つまり天引きになっていない方が滞納する可能性が高いわけですから、主に年間十八万円以下の年金収入のある方が普通徴収になっている、天引きされていないということですが、ここに書いてありますように、青森県保険医協会の調査によりますと、九月の滞納は四千二十八人、そして滞納率が一二%ということになっております。
 特に、この資料の中にもありますが、深浦町というところは五〇%、何と二人に一人が滞納されている、そして今別町というところは四八%滞納されている、逆に新郷村というところは六%しか滞納していない、こういうばらつきはありますが、滞納されている方が四千二十八人、九月の時点でおられる。
 また、京都市の調査では、資料の七ページにございますが、九月の時点で七八・八三%の徴収率、つまり、九月の時点では二割の人が滞納をされているということであります。
 これは、今、子供の無保険問題、資格証明書発行も非常に深刻な問題が出ておりますが、子供の場合は三万三千人、無保険、資格証明書が発行されている。このままいけば、例えば青森県は人口百四十万人ですから、単純に百倍しますと、四十万人ぐらいの方々が滞納のリスク、つまり、法律では規定として一年以上の滞納者には保険証を返還させ、かわりに発行する資格証明書で、医療費全額を一たん窓口で払ってから還付を受けるというふうに規定されているわけですね。
 そこで、まず舛添大臣にお伺いしたいんですが、厚労省が把握をされている滞納の実態、今私が知っている部分を、青森と京都市を申し上げましたが、厚労省が把握をされている滞納の実態について御答弁をお願いします。
○舛添国務大臣 これは委員御承知のように、基本的に広域連合ごとにやらないといけない話でありまして、事業年度が終了したときに広域連合で集計して国へ事業報告を行うということがなされておりますので、これも、今委員がお示しいただいたのは、例えば青森県の例、その広域連合が単位でおやりになるということなので、そういう意味で、今のところ厚生労働省が数を把握しているものはございません。基本的に、事業年度の終了時に広域連合の数字をまとめて使うというのが今の仕組みでございます。
○山井委員 それは私は危機感が薄いと言わざるを得ません。実際、いざ来年になって資格証明書がたくさん発行されて、お年寄りが医療を抑制されて亡くなってしまった、どうしようでは済まないんですよ。そういう意味では、資格証明書というものが発行されないように、今から実態を把握して取り組むのは当然のことであります。
 そこで、政府・与党としてはどういう取り組みをするのかということが、八ページ、九ページにあります六月十二日の見直し。その中で、九ページに、このようになっているんですね。「資格証明書の運用に当たっては、相当な収入があるにもかかわらず保険料を納めない悪質な者に限って適用する。それ以外の方々に対しては、従前通りの運用とし、その方針を徹底する。」
 そして、これを踏まえて、次の十ページをお願いします。具体的にどのような運用をするのかということに関して、厚生労働省が都道府県の広域連合に出した文書が十ページであります。それで、御答弁いただいてもいいんですが、私が読ませていただきます。
 一 資格証明書の交付は、広域連合が行うものであるため、その運用にあたり、市町村単位で判断基準が大きく乖離しないよう、広域連合において、統一的な運用基準を設けていただきたい。
 二 その上で、市町村においては、納付相談等により被保険者と接触する機会を通じ、広域連合ごとの基準に照らして、個々の事例ごとに特別の事情の有無を判断していただくこととなる。
 三 「相当な収入」についても、各地域における生活様式や物価差による生活水準の差などを考慮する必要があるが、例えば、被保険者均等割軽減世帯に属する者には交付しないなど、広域連合ごとに、統一的な運用基準を設けていただき、広域連合と市町村の連携のもと、適切に運用していただきたい。
これがポイントなんですね。
 そこで、舛添大臣にお伺いしたいと思います。
 先ほど言った非常に単純な数字で、今、青森で四千人。人口当たりで百倍すれば、下手をすれば、日本全国で四十万人ぐらいの滞納者が今後一年で出てくる可能性、危険性はある。そういう中で、舛添大臣、やはり資格証明書は一年後に発行される可能性はあるわけですか。
○舛添国務大臣 今の問いにお答えする前に、ちょっと前の問いに関して補足しておきたいと思います。
 私が滞納率が予想以上に高いと思ったのは、委員御承知のように、今まで国保のときは自分の銀行口座から振替になっていたのが、後期高齢者はそれができない。実は、知らせを全部送ったんですね。ところが、ああ、何か来たなということで見落とされていて、それで、あなた払っていないよと言われてびっくりしちゃって、ああ、そうか、口座振替、もうずっと何年もほっておいてよかった。七十五になったら急に自分でここに行きなさいとなっちゃったものですから、そこが滞納率が上がった一つの要因だろうというふうに思います。
 それから、後の方の御質問でございますけれども、これは何も考えずに、ただ資格証明書ということではなくて、やはり広域連合ごとにきちんとルールを決めていただいて、そして、なぜそういう事情になっているか、これは子供の無資格の証明書とある意味では同じで、やはり御家庭の事情を見て、例えば、これは生活保護をお受けになれますよというようなきめの細かい対応をしていくということで、ただルールがあるから、はい、もう資格証明書というような形にはしないように指導したいと思っております。
○山井委員 大臣、まさにそこがポイントなんです。今までから厚生労働省は、子供のいる家庭には、いわゆる特別な事情がある家庭という表現になっていますが、資格証明書を非常に慎重に発行せねばならないということを指導してきたんですよ。でも、今回、民主党の要求によって初めて実際に調査をしたら、三万三千人も中学生以下の資格証明書発行の子供がいた。おまけに、その中には十分なチェックもせずに発行していた子供もいたということが明らかになったわけですね。
 だから、国の立場はわかりますよ、わかるけれども、市町村や広域連合によってはばらつくわけですよ。今回の定額給付金みたいなもので、ばらつくわけですよね。だから、舛添大臣にお答えいただきたいのは、そういう中で、やはり一年後には資格証明書を発行される七十五歳以上の高齢者が今のこの実態から見ると発生するであろうということは言えますね。
○舛添国務大臣 それは、可能性としては否定できないと思います。ただ、そうならないようにきめの細かい配慮を自治体にお願いして、基本的には各市町村であったり、今回の場合は広域連合の責任であるわけですから、子供の無資格の証明書にしても、本当にきちんと配慮してやっておられる市町村もたくさんありますので、そういう例に倣ってやっていくことをまず指導したいと思います。
○山井委員 子供の無保険の問題も一緒なんですが、決意や希望的観測ではだめなんですよ。おなかが痛い、けがをしたときに、病院に親が悪質かなんかわかりませんよ。親の事情をおいておいてもかかれない、それは明らかな虐待じゃないですか。究極の虐待じゃないですか、病気になっても、けがになってもお医者さんにかかれないというのは。それを放置するのは国家によるネグレクト、国家による児童虐待だと私は思いますよ。
 それと同じことで、高齢者においても、舛添大臣の気持ちはわかりますよ、決意と気持ちは。でも、日本の国は法治国家なわけであって、この後期高齢者医療制度の中では、一年間滞納したら資格証明書を発行せよという規定になっているわけですよ。おまけに、七十五歳以上の高齢者は、医療にかかれなくなったら、それがきっかけで命を失う人が本当にこれは出てきますよ。
 もし大臣が、そういう人が出てきたらおかしいと思うのならば、私たち民主党が主張しているように、そもそも七十五歳以上の人には資格証明書を発行しない、そういう規定に変えたらいいじゃないですか。都道府県や市町村任せで、だれかお亡くなりになったとしたら、ああ、あなたが住んでいた自治体が悪かったんですね、そういう問題じゃないでしょう。国民の命、御高齢の方々の命というのを最終的に守るのは国なんですから。
 大臣、こういう資格証明書を発行されない、できるだけしないようにしたいというのならば、やはりこれは制度を変えるべきじゃないですか。
○舛添国務大臣 まず一つには、大原則としてルールが決まる、その中にみんな一生懸命、苦しい生活の中からきちんと税金を払い、保険料を払っていく、そういう方がきちんとおられる。すべてが悪質だとは申しません。しかし、悪質な、遊びにはお金をたくさん使うけれども公租公課は知らぬというようなことであれば、そして、租税の場合は所得税法違反であるとかいろいろなことで、租税についてはかなり厳しい追及がある。しかし、保険料については、まさに保険料のいいところでもあるんですけれども、そういう強制的な、もともと強制的なんですけれども、しかし自主的に、つまり恩恵として上から与えるんじゃない、まさに保険料の意味はそういうところで、自助、共助、公助であるわけですから、そういういい点を悪用するような悪質な人たちに対してと、本当に善意で頑張っている人との公平もあります。
 そして、何のために資格証明書を発行するかといったら、何にもしない、ああ、どうぞとほったらかしておいて役所の目も届かない、民生委員の目も届かない、気がついたら孤独死していた、そういうことではなくて、困っているんですか、では資格証明書を発行する前にきちんと相談しましょう、とにかく御相談しましょう、そういう機会を設けるということが資格証明書の発行の一つの大きな理由でありますから。そして、つぶさに現状を見て、あなたは生活保護をお受けください、ではこういう事情があって、災害があって払えないんですね、だが特別な事情だったら構いませんよ。まさにこのフェース・ツー・フェースの、きめの細かい相談をする一つの機会を設けるための資格証明書ですから。
 御高齢の方々の命を守り、生活を守り、そのためにはどういう手をやればいいかということの一環としてやっていて、これが運用の中でさらに改善する必要があればやっていけばいいと思いますので、あらゆるそういう要因を考えてこの一年の資格証明書という大きなルールを決めている。そして、そこから先はまさにそのことによって、きめの細かさで導いていきたい、そういう配慮であることもどうか御理解賜ればと思います。
○山井委員 私は、舛添大臣の答弁というのは非常に無責任だと思います。実は、今まで、無保険の子供の問題に関しても、いつも厚生労働省はそういう答弁を続けてきたんですよ。市町村がきめ細かくやっている、悪質な人以外は資格証明書を発行しないと。本当ですか、本当ですかといって今回調査したら、もっと安易に発行している例がいっぱいあったじゃないですか。
 結局、厚生労働省は建前を言っているだけなんですよ。建前では国民の命は守れないんですよ。改善していったらいいとおっしゃるけれども、大臣、厚労省が実態も把握せず、来年の四月なり七月以降、資格証明書は発行されるでしょう、今のままでいったら。都道府県や市町村でばらつきがあるんですから。
 そこで、残念ながら、それによって医療抑制でより重度化する方、お亡くなりになる方が出てくる危険性は私はゼロではないと思いますよ。そういう人が出て、犠牲者が出て、だれかお亡くなりになったら改善するんですか。もうこの青森と京都市の調査で、これは少なからぬ数が資格証明書を発行される可能性があるというのが予想できるじゃないですか。
 おまけに、市町村がきめ細かくと言うけれども、市町村の現場の話も聞きましたが、なかなかきめ細かくするだけの人手も時間もないんですよ、現場も。そして、ある広域連合の方と私、きのうも電話でお話ししましたが、いや、運用指針を出しているけれども、これは国のアリバイ工作みたいなもので責任逃れだ、実際の後期高齢者医療制度では一年間滞納したら資格証明書を発行することとなっている以上はそっちに従わざるを得ない、こうなっているというんですね。
 大臣、そこでお願いがあるんですが、これは水かけ論になる、まあ舛添大臣や政府は、資格証明書を発行してお亡くなりになるお年寄りがおっても仕方ないという見解なんでしょうけれども、言っておきますが、七十五歳以上の国保は、先ほど長妻議員もおっしゃったように、九八%、今まで払っていたんですよ。非常に納付率は高かったんですよ。みんな日本人の高齢者は、老後の医療のためには国保料を払っていたわけですよ。
 舛添大臣、そこでお願いがあります。ぜひ、やはり実態調査はしてください。各地方自治体によって今のところ滞納がどれぐらいいて、そして各広域連合でどういう基準でやろうとしているのか。それによって資格証明書が発行される人がやはりなくなるように、今からやっていかないとこれはだめですよ。人の命にかかわることですから。
 一つだけつけ加えさせていただきますと、私自身の恥をさらして申しわけないんですが、私、先日、ちょっと食あたりになりまして、激痛が走って、恥ずかしながら生まれて初めて救急車で運ばれたんです。それで、病院に行って救急治療室に、食あたりで大したことはなかったというか、激痛でもう動けなかったんですが、それでも激痛で苦しむ中、病院の方が開口第一声おっしゃったのは、保険証はありますかと聞かれたわけですよ。
 私は別にこの病院を責めるんじゃないんです。私は非常にショックを受けました。本人は救急車で運ばれて、激痛で苦しんでいるわけですね。この現状、アメリカで「シッコ」という映画がありましたけれども、お金がなかったら、保険証がなかったら医療を受けられない。今回の子供の無保険問題で明らかになったわけですよ、都道府県や市町村のチェックだけでは完璧なことはできないということ。
 ですから、大臣、お願いです。引き続き議論をするんだったらするでいいですが、まず現状、滞納がどうなっているのか、そして都道府県の基準はどうなのか、そのことを早急に調査してください。
    〔上川委員長代理退席、委員長着席〕
○舛添国務大臣 滞納率は、先ほど申し上げましたように、口座振替だったのがそうじゃなくなったことをお忘れになっていたケースが相当あるので、今の数字でどうだと即断はできないと思います。そして、まだ始まったばかりの制度でありますので、今広域連合がそれぞれの集計をやっていると思いますから、そういう情報はきちんととって、そして必要な手は打ちたいと思いますけれども、しかし、先ほど申し上げましたように、やはりきめの細かいことをやる。地方自治というなら、やはり介護や医療は現場が一番大事ですから、そういう意味で指導をしていきたいし、できる限りの実態を見ていく。
 ただ、私は今回の、今お示しになった夏ぐらいのデータは先ほど言った要因が非常に大きいかなと思っていますので、引き続き、今委員がお示しになったようなあらゆるデータも活用しながら実態の把握に努めていきたいと思っております。
○山井委員 いや、もう本当に、この政府の無責任さにはあきれます。
 私は、こういう議論をしていると、二年前の後期高齢者医療制度廃止法案が強行採決されたときの、医療制度改革、あれの入った改革関連法案の審議を思い出します。あのときも、私たち民主党の議員は入れかわり立ちかわり、このままだと医療崩壊になります、医師不足は深刻化します、たらい回しがふえます、だからこの法案を通したら絶対だめだということを言い続けましたよ、審議の最中。
 大丈夫だ、医師不足じゃないといって強行採決して、その結果、今議論しているような深刻な医療不安を招いているわけじゃないですか。その対応がおくれる間に、どれだけの多くの人の命が奪われたり健康を害しているか。民主党が言ってから一年二年たってからやるのでは遅いんですよ。言ったときにやってくださいよ。医師不足ということも、二年前の医療制度改革関連法案の審議のときには認めなかったじゃないですか。ことしの二月に初めて舛添大臣が認めた。あれを二年前から認めていたら、もっと対策は早く打てていたんですよ。私たちの審議一つ一つに人の命がかかっているんですから。
 では、本体の後期高齢者医療制度の話に入りますが、今回の舛添大臣の見直し発言のきっかけが、九月二十日土曜日のテレビ番組での発言であります。その中で、国民がきちんと支持しないような制度は大胆に見直すべきであるということを発言されました。うなずいておられますが、大胆に見直しというのは具体的にどうされるんですか。
○田村委員長 山井委員、冒頭、後期高齢者廃止法案、二年前、強行採決、これは廃止法案ではないということでよろしゅうございますね。後期高齢者法案です。(山井委員「はい」と呼ぶ)
○舛添国務大臣 三つぐらいの点を申し上げました。一つは、七十五歳で区分けをする、これに対して非常に反発が、感情的にも御高齢の方にありましたから、これをそうじゃないことに変えていきたい。それから、年金記録問題が片一方であるのに天引きをした。この天引きの問題は、先ほどありましたけれども、一部は口座振替という形で解決の方向に向かい、来年四月からこれをきちんとやっていきたい。それからもう一つは、財政の負担、財源を含めて、世代間でどういうふうに負担をするか、これをきちんと議論しないといけない。
 こういうことを骨格として、そのための具体化をやる。そして今、私のもとにこのための検討会をつくり、さまざまな意見をそこで取り交わしながら、この一年を目途にまとめていこう、そういう方針でございます。
○山井委員 大臣、一つ申し上げておきますが、天引きと口座振替を選択制にしたって、全然問題は解決しないですよ。要は、これは口座振替にするのにかなり厄介な手間がかかるんです。ですから、先ほど長妻議員が言ったように、たった十九万人、数%の人しか口座振替にしていないんですよ。本当にそれを変えるつもりだったら、原則は口座振替、天引きにしてほしい人は天引きにするということにしないと、この数百万人の天引き増税の問題はなくなりませんからね。そのあたり、ちゃんと認識してください。
 それで、大臣はこのポンチ絵というか、絵を発表されたわけですね。(パネルを示す)先ほどの質疑にもありましたけれども、「行き先はうば捨て山かな…」「年寄り向きに工夫されていると思うけど…」「早く死ねと言うのか」と。
 これは、ちまたではうば捨てバスと言われているわけですね。うば捨て山行きのバスですよ。このうば捨て山行きのバス、大臣も、今の制度はこういう批判があるということで率直にお認めになっているんだろうと思って、こういう問題点を率直に認められたのは私は画期的なことだと思います。
 問題は、大臣、このうば捨て山行きのバスをいつまで走らせ続けるんですか。誤りを改むるにはばかることなかれ。だから私たちは、まずは、いつこのバスをとめるのかということで、四月からはこのバスはストップさせますということで法案を今出しているんです。大臣、今の制度、つまりうば捨て山行きバスですね、今の制度はいつまで続いて、いつから新しい制度になるんですか。
○舛添国務大臣 改善する手をつけられるところからはどんどんつけていく、そして先ほど申し上げましたように、一年を目途に検討し、それはいろいろな皆さんの御意見をいただいて、そして新しい制度にしていくということであります。
 例えば、その図で、「早く死ねと言うのか」と言ったおじいちゃんは何をもって言ったかというと、終末期医療制度、終末というのは何だ、おれたちだけ終末かというから、終末期医療制度の相談料については既に凍結をしました。そういう形で変えていく。
 それで、料金箱にバツがついていますけれども、最終的には自分で、つまり部分的に変えていったというのは、四月一日からは銀行口座の振替もできるということですから、これはそこである意味で変わっていますけれども、自分で郵便局に持っていって払うというところまでいっていません。これは法改正が必要です。
 ですから、一年を目途に検討し、そして変えられるところは、例えば終末期の相談支援料なんというのは中医協と私が話をしてできましたから、変えられるところは変えていく。しかし、今申し上げたように、天引き云々については本格的に変えようとすると法改正が必要ですね。だから、そのためにはきちんと議論をして、国会でしかるべく審議をしていただいて、一年を目途に今そういうことを着々と進めている、そういうことでございます。
○山井委員 大臣、議論を逃げないでくださいよ。私が聞いているのは、では、逃げていないというんだったらもう一回答えてください。
 今の制度はいつまで続くんですか。一年をめどに案じゃないですよ、そんなこと聞いているんじゃないんです。新しい制度はいつ始まるのかという極めてクリアな質問をしています。それに答えてください。
○舛添国務大臣 もう部分的にどんどん修正していっていますから、そういう意味では、もう改正、改正、改正をしていっています。しかし、私の出している私案も一つの案にすぎないので、一年を目途に検討し、その結果に基づいて決める。それは国会できちんと審議してもらわないといけないですから、何月何日にこれができる、そういうお答えは今の段階ではできません。
○山井委員 ということは、一年を目途に案を出して、平成二十二年度の通常国会に法案を出して、そしてまたそれを通してということになると、このうば捨て山行きバスはこれからまだ二、三年はこのままで、制度を言っているんですよ、小手先の直しのことを言っているんじゃない、この制度、今の後期高齢者医療制度という根幹の制度は、うば捨て山行きだと本人が批判を認めておられながら、三年後までは放置するんですね、これだけ批判があるのを。
○舛添国務大臣 このバスの絵をよく見てください。放置するんじゃなくて、一番最初に乗っているおばあちゃんは「料金も勝手に天引きされるし…」、もうこの夏には勝手に天引きされないシステムを入れた。それはまだ周知徹底もあって二十万弱しか使っていないですけれども、それはなぜかといったら、いろいろな条件をつけたからですよ、二年以上滞納していないとかなんとか。四月一日からはそういうものを全部のけてやる。さらに一歩進めた。そして法改正をすれば完璧に、例えですけれども、下の絵にあるように好きなように料金箱に入れるよとできるので、だからこういう不満に、変えられるところはどんどん変えていっているわけです。
○山井委員 ここが民主党案との根本的な違いですね。民主党案は、三月末で今の制度はやめると明確に言っています。これは国民との約束です。ところが、責任者である舛添大臣は、この悪名高い制度をいつやめるかも明言できないということが明らかになりました。
 それでは、大臣、もう一つ根本的なことをお聞きします。
 一番重要なのは、どの医療モデルに当たるかなんですよ。そして、言うまでもなく後期高齢者医療制度は独立型ですね。そして、民主党が言っているのはリスク構造調整型です。このA案とB案というのがあって、十年間議論があったというのは大臣御存じのとおりです。
 では、舛添大臣が出された舛添私案は独立型なんですか、リスク構造調整型なんですか。これはどちらなんですか。
○舛添国務大臣 まずその前に、自分たちは三月でやめるとおっしゃいました。三月でやめるということは、四月一日から新しい案ができておかないと、私に言わせるとどうしようもないA、B、C、Dの、いつエンストするかわからない国保のバスに戻るということですから、私はそれはよくないと思いますよ。
 その上で、二番目の問題で、山井委員のように非常にクリエーティビティーのある委員がそういう御質問をなさることは私はわからないのは、何パターンあるかといったって、従来のパターンに限る必要はないんですよ。ですから、新しいパターンをつくっていく、そういう創造性がないと、あのときは独立型、突き抜け型、リスク構造調整型、一元型とありますよ、ここに今四つお示しになっているでしょう。
 私は、基本的にはリスク構造調整型が主たるものになろうと思いますが、突き抜け型を許容する企業や企業の従業員がおられれば、突き抜け型も認めていいんではないかといいますから、これはですから、先ほどの三十五万人に当たるわけです。
 だから、旧来のこの四つのパターンがあってどれに当たるかという今の御質問に対して、私の答えは、既に従来から示されているさまざまなこういう類型がございますけれども、それを超えて国民が理解できるような新しい制度をつくりたい。しかし、あえておっしゃられれば、このリスク構造調整型というのがやはり大きなメーンになる。しかし、部分的には突き抜け型も採用できればというようなことを考えています。
 中の部分で、つまり私が県民バスと言ったのは、県単位というところに大きな話があるんですよ。そして、あとはこのリスクの調整をどういうふうにやるかというのは、今言った県民バスの中でと、その外にある組合健保とか、突き抜け型もそうですから、そういうものとの調整をやらないと、これは皆さんで、みんなで協力して、よりクリエーティビティーの高い、そして今までにないものをつくる、そういう気概でやっていきたいと思っております。
○山井委員 失礼ながら、大臣の答弁は、私は答弁になっていないと思うんですよ。
 それはいろいろな応用型があっていいですよ。でも、ベースとしては何型でいくのかというのがないと、これは議論が成り立たないわけですよ。これは素人で議論しているんじゃないのですから。やはり、ベースは独立型でいくのかリスク構造調整でいくのか、そのベースがないと、それこそ何のために十年間議論してきたのかわからないじゃないですか。
 ということは、大臣の中では、結局、根幹は変えないとおっしゃっておられますが、今の話を聞いていたら、七十五歳で線を引くというのも、先ほど長妻議員が言ったように、働いている人だけは七十五歳の区切りを突破するとか、これじゃないですよ、そういうごく一部の例外の話じゃなくて、そもそも原則として、七十五歳で切るという制度の根幹も見直す可能性があるということですか。
○舛添国務大臣 何をもって根幹と言うんですかということが大きな問題であって、要するに、国民感情からいえば七十五という年齢で分けられたということが問題ですから、これが根幹なんです。それを分けないようにする。しかし、財政の調整ということを何度も言っている。財政調整の方法について今の四つのパターンがあるわけですよ。
 だから、財政調整の方法の中で、私が何でシルバーシートとかゴールドシートをそのバスの中へかいたかというと、わかりやすく言うと、若い人はバス代百五十円払いなさい、六十五歳から七十四歳は百円でいいよ、七十五歳以上は五十円でいいよ、こういうふうにやると負担は変わってくるわけです。
 だから、そういう優遇を残していく、これは世代間のどういう助け合いをやって、まさにリスクの構造調整をやっていくかということの話であって、結果がそういうものにこたえられればいいのであって、これが根幹だ。そして十年もかけて議論したんだと。十年かけようが二十年かけようが、国民の納得のいかないものであったら私は変えるべきだと思っております。
○山井委員 舛添大臣の話を聞いていると、全く白紙、ノープランなわけですね。もちろん賛否両論あるでしょうが、我が党は、四月から老健に戻す、将来には一元化という明確な方針を出しています。でも、今の舛添大臣の答弁を聞いていると、全く方針がないんですね。
 それで、大臣、確認をしたいんですが、これは大臣のかかれた図ということですが、この下の図では七十五歳以上も七十五歳以下も同じバスになっています。ということは、独立型はやめるということですね。七十五歳で切るのはやめるということですね。
 なぜこんな質問をするかというと、七十五歳で切る可能性があるのに、絵だけ切っていないバスの絵を発表するというのは、これは国民をだますことになりますよ。これは非常に大事なところですよ。
 舛添大臣、既に七十五歳で切らない、つまり、こういう後期高齢者医療制度の保険証、別の七十五歳以上だけの保険証は出さないということは決まっているんですか。決まっていないにもかかわらず、絵だけあたかも七十五歳で切らないという絵を発表しているとしたら、これは大変な国民に対するだましであり詐欺行為ですよ。いかがですか。
○舛添国務大臣 先ほど申し上げたように、現役の人が百五十円のバス代を払う、そして七十五以上が五十円しか払わない、これは線引きを残してけしからぬと言っているのと全く同じじゃないですか。
 この一つのバスに押し込めちゃって、孫の顔も見えない、息子もどこに行ったかわからないから嫌だと感情的に言っているんだから、政治家というのは、国民がどういう思いを感情的であれ言っているかということについてきちんとこたえる。そのために工夫したのであって、おんぼろバスで、いつぶっつぶれるかわからないところに一たん戻るんじゃありませんよ。
 ですから、財源の調整をやるということと、県民単位のバスと言っているじゃないですか。県単位でやるという新しい発想でやっているわけですよ。ですから、きちんと私が説明していることを御理解いただければ、すべての山井議員の疑問は解明できると思っております。
○山井委員 答弁を聞いていて情けないのは、大臣が話をされているのは情緒論なんですよ。私たちは、これは政策の話をしているんですよ。制度として、七十五歳で切る独立型をやめるんですか。このポンチ絵はやめる図になっていますよと言っているんですよ。制度としては、七十五歳以上と七十五歳以下は分けるんですか分けないんですか、そのことをお答えください。一番国民が知りたく思っていることです。
○田村委員長 話がかみ合っていないように思うんですが。(発言する者あり)
 舛添大臣。
○舛添国務大臣 何度も申し上げているように、独立型とか突き抜け型とか、そういうパターンで固定するようなクリエーティビティーのない議論をやめたい。私は新しいものをつくりたいと言っているので、この型にはまるかどうか、だから、財政調整ということを考える。
 そして、感情だというけれども、国民の感情は大事ですよ。国民が嫌だというから、嫌なものは変えようと言っている。そのときに何の理論的な考えもないのではなくて、今申し上げたような仕組みをきちんと説明していて、これは何型かどうか、何型かどうかとやった議論が失敗したわけじゃないですか。だから、そういう旧来型の類型パターンにとらわれないで、県を単位にやる。
 私は、これは山井議員も賛成してくださると思いますけれども、これからは財政的に、介護は市町村、医療は県単位、これでやらないともたないわけですよ。国保がもうもたなくなっている、そういう状況に対してどういうことをやるか。確かに、皆さん方が十年議論してきたのはわかりますよ。しかしながら、それでも国民の感情は嫌だと言っているわけですから、新しい型をつくろうと思ってるる説明してきたので、私はきちんと説明したつもりでございます。
○山井委員 舛添大臣、国民が感情的に怒っているから変えようとおっしゃっているけれども、だから私たちは来年の三月末でやめようと言っているのであって、このうば捨て山行きのバスをあと二年も三年も何のめどもなく走らせ続けようとしているのは、舛添大臣、あなたじゃないですか。
 それで、大臣にお伺いしたいんですが、国民が一番不安に思っているのは七十五歳以上と以下で切るか切らないかなのに、その一番根幹である方針を大臣が示せなくて一体どうするんですか。
 では、大体、あの後期高齢者医療制度のあり方の検討会も最近は全然開かれていませんよ。あれは選挙前のパフォーマンスで開くと言ったんじゃないんですか。今後一年間のスケジュール、課題を言ってください。そして、次の検討会はいつ開かれるか。
○舛添国務大臣 次回は十二月四日に開催することになっていまして、大体月に一回のペースでやっていくことになっております。きちんとやっております。
○山井委員 非常に悠長にやっていられるんですね。
 そうしたら、大臣、七十五歳で切るのか切らないのか、そのことが明らかになるのは、一年間の議論のいつごろには明らかにするんですか。国民はそれを待っていますから。
○舛添国務大臣 私は独裁者でも何でもなくて、皆さんが検討会で、それぞれの専門家が自分の案はこうだこうだ、大臣の案はどうだというから私は出したのであって、この案でそのままいって、この案でやれと言っているつもりはない。説明しろというからこうだということを説明しているのであって、みんなで議論を持ち合って積み上げていって、私が独裁者でこれを押しつける、そういうことじゃありませんよ。きちんと国権の最高機関の国会で審議をしていただかないといけない。それまでに準備を重ねて、いろいろな意見を賜っているところでございますから、きょうは、山井委員が私の私案について御質問なさいましたから、それについてお答えをした。
 今後は、月一回のペースでこの研究会を積み上げていって、一年を目途に政府としての案をまとめる、それ以上でも以下でもございません。
○山井委員 時間が来ましたのでこれで終わりますが、私、びっくりしました。一番最大の後期高齢者医療制度の争点は、七十五歳で切るかどうかなんです。そのことしか私はきょうの質問で聞いていないんです。一番のイロハです。
 民主党は、それはもう切るのはやめる、国民の批判が大きいから切るのはやめると言ったにもかかわらず、大臣は、ああでもないこうでもないと言って、一番肝心なことすら大臣が方針を決めていないじゃないですか。大臣が方針を決められなかったらどうやって議論するんですか。検討会もいいですよ。でも、やはり御自分はどう思うというのがないと、こんな絵でごまかしていちゃだめですよ。
 もしあったら、最後にどうぞ、答弁をお願いします。
○舛添国務大臣 だから、保険者が一緒で県民バスですから、当然区別しないじゃないですか。ただ、優遇措置を加えて、七十五歳以上に対して優遇措置を残すのをまだ線引きしたと言われるなら、それは切り捨てということになるから、どの観点からあなたはそれを言っているんだということで、絵を見たら、保険者は一緒ですから区別しないというのは見たらわかるじゃないですか。
 以上です。
○山井委員 もう終わりますが……
○田村委員長 山井君、時間でございます。山井君、指名しておりません。もう時間ですから。いや、もうオーバーしておりますので終わってください。
○山井委員 大臣の言っていることは支離滅裂です。
 以上で終わります。
○田村委員長 次に、郡和子君。
○郡委員 民主党の郡和子です。
 今、山井委員と舛添大臣との議論を聞かせていただきましたけれども、七十五歳という年齢、この線引きについて明確なお答えをいただいたと理解してよろしいんでしょうか。つまりは、もう七十五歳という年齢の区分けはなさらないということをこの委員会においてはっきりとおっしゃったという理解でよろしいんでしょうか。
○舛添国務大臣 さまざまな側面があると思います。だから、先ほど申し上げましたように、では、バス料金で例えますと、百五十円と五十円というようなことで、これで線引きしたと言われるとそれはそうなりますけれども、大きな、保険者が別々でないというような意味で、つまり、みんな一緒に県の単位でやりますということでは線引きはしてありません。
 しかし、いわゆる突き抜け型の三十五万人をおやりになる企業が残れば、これは別の保険者になりますから。しかし、これはあくまでそういう選択肢も残している。そこをとらえて、何だ、別の組織、別建てがあるじゃないかと言われても、それは多様な選択肢を残すための工夫であって、大きな、国保と長寿医療制度を県民単位にするという意味では区別がなくなる、こういう御理解をしていただければと思います。
○郡委員 今の御答弁は大変大きな御答弁だったんだろうと思います。
 今の突き抜け方式、つまり、もともとの組合健保にいらっしゃる方々で残りたいという人はそのまま残す、しかし、そのほかの方々は、県単位の一元化した、年齢の区別のない保険に入れる制度を考えているということを今おっしゃったという理解でよろしいんですね。
○舛添国務大臣 国保についてはそうです。(郡委員「国保じゃなくて、後期高齢者ですよ」と呼ぶ)国保と後期高齢者を一緒にするわけですから、健保組合と一緒にするわけじゃありませんから。私が申し上げたのはそういうことです。
○郡委員 ということは、まさしく今回のこの後期高齢者医療制度、高齢者の医療を確保する法律というのはなくなってしまうということですね。
 これは、私どもが提案をさせていただいている廃止と何ら変わらないということでありますね。
○舛添国務大臣 それは表現の仕方の問題であって、私は、今の制度をきちんと改正案をつくって改正する。ただやみくもにやめて、前の制度に一たん戻して、いつになるかわからないけれどもそのうち全部一緒にして一元化をやるという案とは違います。
○郡委員 いずれにしても、今の大臣の御発言というのは大変大きな御発言だったと思います。
 厚労の各部署の方々、どういうふうに受けとめられたか、今ここでお尋ねすることはかないませんけれども、そういう方向であるならば、ぜひ今回の、私ども、緊急避難的に、もとの老人保健制度に戻すべきだ、老人保健法に戻すべきだということを御提案申し上げて、そして、これからの医療制度を考えた上でさらに議論をさせていただきたいということで出させていただいた廃止法案です。であるならば、今の大臣の御答弁をもってすれば、今回の私どもの廃止法案に対して大臣みずから御賛成の立場であるというふうに理解してよろしゅうございましょうか。
○舛添国務大臣 まず申し上げておきたいのは、先ほど来の山井委員の御質問は、私の私案についてどうだということでお話をしていますから、それをお答えして、今の延長線ですから、これは与党ともよく議論をし、今検討会がありますから、まだ結論を見るに至っていませんから、私の私案が没になって新しい案が出てくるかもしれません。まずその大前提を申し上げておきたいというふうに思います。
○郡委員 そういうことであれば、本当に大臣にはぜひ頑張っていただきたいですね。もう年齢の線引きをなさらないということですし、県単位で一元化をした、そういう保険制度にするのだ、そういうお考えだというのであれば、私どもこぞってそれは後押しをさせていただきたいと思います。七十五歳で年齢を切らない、別くくりの保険制度にしないということでありますからね。ということをまず申し上げた上で、私が今持っている問題意識を述べさせていただきたいと思います。
 今回、後期高齢者医療制度、老人保健法から高齢者の医療の確保に関する法律に変わったことによって、これは、後期の方々、お年寄りの方々だけじゃなくて、若者も含めて、この国の医療保険制度の根底を揺るがすような大きな変更があったんだというふうに私自身はとらえている。それは何かというと、保健事業です。
 本来であれば、けがだとか病気だとかというリスクに対して相互扶助していこうという医療保険制度、世界に冠たる国民皆保険制度ですよ。これを、ある一定の疾病に偏った保健事業にこの保険料を投入していって、つまりは、何を言いたいかと言えば、本来の医療そのものの真水になる保険料、それも少なくなっていくということもあわせて導入したというふうに私は見ています。
 そして、今回一緒に導入されました特定健診の問題について、前回一般質問でもさせていただきましたけれども、今回、また年齢によって大きな差別が行われていたということを改めてここで申し上げさせていただいて、舛添大臣には年齢の区切りを七十五歳でつけないということをはっきりおっしゃっていただいたのですから、これについても制度改正をぜひお願いしたいというふうに冒頭申し上げたいと思います。
 まず、特定健診の対象者ですけれども、これは四十歳から七十四歳までの方々です。そして、年度を通じて同じ医療保険に加入をしている人というふうに条件が定められております。ですから、年度の途中で七十五歳になってしまう方というのは、この特定健診から外れるわけですね。一方、今広域連合が行っている後期高齢者医療制度での健康診査、これは七十五歳以上の後期高齢者医療制度の被保険者ということになっています。
 しかし、七十五歳の誕生日というのは皆さんそれぞれまちまちでございまして、翌年の一月から三月までの方については、これは特定健診か健康診査か、対応が現在まちまちになっております。
 つまり、どういうことかというと、特定健診を受けられる人もいれば、特定健診を受けられない人もおり、しかもまた七十五歳の方で、後期高齢者医療制度の健康診査を受けられる人もおり、受けられない人もいる。こういうふうにばらばらになっています。これはどんなふうにお思いでしょうか。
 これについて、厚労省もパブコメをとりまして、ついこの間、実施基準の一部改正をなさいました。しかし、この施行は四月一日から、来年度からであります。つまり、今年度に七十五歳になられる方で、特定健診を受けられる人、受けられない人、そしてまた、七十五歳になって、健康診査を受けられる人、受けられない人とさまざま出てきている、こういう現状を大臣はどういうふうにごらんになりますでしょうか。
○舛添国務大臣 委員は今特定健診絡みのお話をなさいまして、これは実は、かつて議論しましたけれども、七十五歳の誕生日が月の真ん中で来た場合にどっちの保険から負担するんだという全く同じ問題をやりました。これも、こういうところまで本当に気づいてなかった。これは反省しないといけない。それで、これは月末締めでやるということを決めました。
 今御指摘の問題もある意味で全く同じ問題でありますので、このたび省令改正を行いまして、七十五歳に到達する年度の七十四歳の方に対する健診も特定健診と位置づけるということにいたしましたので、二十一年度の四月一日より、本年度内に各保険者において対象者の把握や受診券の発券などの準備を整えていただいた上で、来年の四月一日からきちんと適用するようにいたしたい。
 こういう年齢七十五で切ったことによるさまざまな問題が出てくる。これはもう一つ一つ変えていきたいというふうに思っております。
○郡委員 ですから、来年度そういうふうになさるということはわかりましたけれども、今年度の方々に対してはどういうふうに対応されるのでしょうか。
○水田政府参考人 お答えいたします。
 先ほどの、年齢の区分の仕方によりまして健診を受けられなかった人が出てくるんじゃないかということでございますけれども、地域によっては広域連合の健診の実施時期の問題がございます。タイミング上受けられない場合があるわけであります。この場合には、七十四歳の時点での医療保険者、市町村国保等でございますけれども、あるいは居住地域の市町村が必要に応じて任意の健診事業として受診機会を提供してきたところでございますけれども、こういった自主的な取り組みにゆだねるのではなくて、今回省令改正を行いまして、七十五歳前後でそれを接続するように制度改正をしようとしているわけでございます。
○郡委員 ですから、今年度は、自主的に、補助もないまま、勝手に受けなさい、勝手にやってくださいということなわけですね、確認をさせていただきますが。
○水田政府参考人 今年度に関しましては、まさに自主的な任意の健診事業として受診機会の提供ということとしてきたところでございます。
○郡委員 そうなんですよね。七十五歳になられる方々は、制度が変わるということもあって、今年度七十五歳になられる方々で受けられないという方、あるいは自己負担でしか受けられないという方、本当にお気の毒だと思いますよ。こういうことも全然想定せずに、このまま四月にばっと導入させてしまったということ自体がまず問題だろうと思います。
 これだけではございませんで、特定健診の実施基準の第一条には、毎年度、当該年度の四月一日における加入者を対象とするというふうに規定されております。そして、一年間保険者を異動していないことというのが条件になっているわけでして、これについても、例えば途中で仕事をなくしてしまった、あるいは引っ越しをして保険者がかわってしまった、こういった場合には、これも受けられる人、受けられない人が出てくるんじゃないでしょうか。年度途中で加入する保険者を異動した場合に、地域によって受診できない人たちがいるというふうに聞いておりますけれども、これについても何らかの手だてを考えておられますでしょうか。
○水田政府参考人 お答えいたします。
 特定健診それから保健指導の法令上の義務づけの対象者についてでございますけれども、これは委員御指摘のとおり、実施年度当初の加入者であることとしておりまして、年度途中に加入する方につきましては対象外としているところでございます。
 これは、年度途中の加入者を順次把握いたしまして、年度末まで逐次、健診、保健指導を実施し続けるように保険者に義務づけるということは現実として困難でございまして、保険者に過重な負担を求めるものという保険者団体からの意見等も踏まえたものでございます。
 実際には、年度の早いうちに加入した方につきましては、異動後の保険者が自主的に健診を実施している場合がございますし、また、市町村が住民サービスの一環として自主的に受診機会を提供する場合もございます。
 保険者への一律の義務づけは困難でございますけれども、今申し上げましたような事例等も踏まえまして、可能な限り受診機会が提供されるよう、必要な情報提供等の支援に努めていきたいと考えております。
 なお、従前の住民健診によりましても、市町村の転入時期によりまして受診機会があるなしということは出てくるわけでありますので、今までもこういったケースはあり得たものでございます。
○郡委員 ほかには、生活保護を受給している世帯、これも特定健診の対象からは外されております。被用者保険に加入している者以外は、健康増進法に基づいて各市町村が一般会計で行っている健康診査ですか、そういったようなものに回されるということのようです。
 生活保護の受給世帯への健診、保健指導というのは、各自治体では一〇〇%助成金を出しているというふうにきのうヒアリングをさせていただいたときにお聞きしましたけれども、しかし、これは健康増進法に基づいている健診でして、努力義務でしかありません。つまりは、しなくてもいい、させなくてもいいということになるんだろうと思うんですけれども、これもすべからく特定健診の対象にすべきではないかと思います。これについてはいかがでしょうか。
○上田政府参考人 本年四月から、医療保険者において医療保険加入者に対して特定健康診査及び特定保健指導が実施されているのは御存じのとおりでございますが、医療保険に加入されていない方々に対する健康診査及び保健指導については、健康増進法に基づく健康増進事業として引き続き市町村において実施されているところでございます。
 このように、法律の枠組みは変わりましても、引き続き健診等にかかる費用については必要な財政支援を行っているほか、実施について都道府県を通じて働きかけをしているところでございます。制度が切りかわりましてまだ半年でございますけれども、十分動向を注視して、今後とも健診体制が後退することのないように取り組んでまいります。
○郡委員 そのほかにも、六十五歳から七十四歳までの障害を持った方々が後期高齢者医療制度に入ってしまわれている場合、この場合は六十五歳から七十四歳以下であっても特定健診を受ける対象とならないという理解だと思うんです。四十歳から七十四歳までの皆さんたちには特定健診が義務づけされているのに、なぜ六十五歳から七十四歳までの障害を持った方にはこの健診が義務づけされていないんでしょうか。
○水田政府参考人 お答えいたします。
 一定の障害がおありの方で、後期高齢者医療広域連合の認定を受けた六十五歳以上七十五歳未満の方につきましては、長寿医療制度の被保険者になられるわけでございますので、そういう被保険者の資格、七十五歳以上の方と同様でございます。そういう意味で、後期高齢者医療広域連合が健診を実施するという整理にしております。
○郡委員 つまり、今回、この四月から導入されました特定健診というのは、加入する保険者によって健診が義務化されるかどうかが変わってくる、また人によっても変わってくる、差別されている健診制度が今回新たに盛り込まれたということなんだろうと思います。
 これまでの老人保健法に基づく健診制度というのは、個別疾病の早期発見、早期治療というのが目的でございました。それを、新たに今回始まったのは、高齢者の医療の確保に関する法律に基づいて導入された、内臓脂肪症候群に着目した生活習慣病の予防ということでの健診制度に変わった。前のときにもお話し申し上げましたけれども、一般のほかの重要な疾病を見落とすおそれが強いということで、この特定健診については、自治体の七四%が、見直すあるいは廃止すべきだというふうに新聞社のアンケートに答えているわけです。
 もう少しお話を申し上げましょう。今申し上げましたとおり、そもそも健診制度というのはそういうものだったんだろうと思いますけれども、今回導入をされたこのメタボリックシンドロームに傾斜した、一つの疾病に、疾病とも言えないですよ、メタボリックシンドロームというのは病気ではありませんから。特定のそういう病気に傾斜したような健診をすることに、皆さんからいただく保険料をその健診、保健指導にまで充てていくということが本当にいいのかどうか、やはりしっかりとここは立ちどまってもう一度議論をすべきところではないかというふうに思っております。
 次に、保険料を未納されている方、滞納者についても、厚労省は、被保険者ではないとは言えないので、特定健診の対象者であり、受診の機会は奪われないものであるというふうに述べておられます。でありながら、厚労省が作成した特定健診それから保健指導に関するQアンドAを見てみますと、資格証明書発行者の特定健診、保健指導について、医療給付同様一たん全額立てかえとされているが、医療給付と異なる保健事業についてこのような扱いをすることはいかなる考えに基づくものなのかという問い合わせがあったようでございます。
 そもそも、特定健診とか保健指導の費用徴収というのは法律上の定めがないんですね。保険者が指摘するように、保険財政で賄う事業であっても、医療給付と保健事業では性格が違っております。この点についてはどういうふうに御説明されるんでしょうか。そしてまた、一たん全額立てかえというような扱いというものをお認めになるのか、あるいはまた、それはやめさせると考えるべきなのか。
 どういうふうなお立場でいらっしゃるのか、お示しをいただきたいと思います。
    〔委員長退席、西川(京)委員長代理着席〕
○水田政府参考人 お答えいたします。
 特定健診、特定保健指導に係ります費用徴収の取り扱いについてのお尋ねでございますけれども、御指摘のとおり、法令上の特段の定めはございませんで、各市町村がその実情に応じて判断していただくべきものと考えております。
 もう少し付言をいたしますと、資格証明書の交付の有無によりまして費用徴収の取り扱いを変えることは、私ども一律に否定までをしているわけではございませんが、ただ、特定健診、保健指導につきましては、先ほど申し上げました、費用の支払いについて法令上定めがないということがございます。それからもう一つは、今回導入されました健診、保健指導は、医療保険者にはその受診率の向上というものが求められているという点もございます。こういった点を勘案して市町村において適切に御判断をいただきたい、このように考えております。
 具体的には、まだこの制度は始まったばかりでございますので、今後の市町村の動向を踏まえまして、必要に応じて適切な対応を考えていきたい、このように考えております。
○郡委員 つまり、これは各自治体にお任せをする、一たん全額立てかえということをされてもよろしいし、あるいは全額自治体が見るということでもいいということでありますか。
○水田政府参考人 法令上の規定はございませんので、基本的に自治体の方でまず判断をしていただきたい、このように考えております。
○郡委員 自治体への丸投げがお得意だというふうに言われても仕方がないんじゃないかと思いますけれども。
 これはいろいろなところで困っておいでなんですよ。だからこういうことを今私も取り上げさせていただいたんですね。立場をどういうふうにすべきだという、これはやはりお示しになるべきだと思います。
○水田政府参考人 ですから、先ほど御答弁申し上げましたように、資格証明書の場合には一たん窓口で全額払ってくださいということを明らかにしているわけでございますが、今回の特定健診、特定保健指導ではそこまでの踏み込んだ表現は私どもとっておりません。それから、これは医療費の適正化の観点からなるべく受診率の向上を図ってくださいということを申し上げているわけでありますので、その辺のところを勘案した上で御判断をいただきたい、こう言っているわけでございます。
○郡委員 重ねて申し上げるようですけれども、医療給付については、保険料を払っていない方々、その資格証明の方々に対しては一たん全額負担だということが決まっていて、この健診については、費用徴収については法律上の定めがないということで、ここに、一般の人たちの保険料を健診の費用に、税も入っていますけれども、それに充当しているということ自体がやはりちょっと法律上も矛盾があるのではないか。
 つまり、特定の疾患に対する予防事業に対して保険を使うということの大きな制度変更であった、これもやはり大きな問題でして、十分に説明をすべきであったんだろうと思うんですけれども、ここもするっと通り抜けて今回始まってしまっています。そして、冒頭申し上げましたけれども、本当に必要な医療にかかる費用が保険料で賄えなくなってしまって、結果、保険料を上げざるを得ないということが続出してくるのではないかということも申し上げたいということです。
 次には、被用者保険の被扶養者の健診の機会、これもあちこちの自治体で困っておいでだという声を聞かせていただきました。
 サラリーマンなどの被用者保険の被扶養者というのは、およそ八百八十万人おられるそうです。被用者保険の保険者が、加入者の被扶養者の特定健診、保健指導を複数の健診機関などに委託契約できるというふうになりましたが、厚労省の去年十一月の調査では、千八百四ある国保のうち、ほかの保険者からの特定保健指導の受託について、対応が不可能だという回答が五七・三%に上っておりました。都道府県では、茨城県が最も悪い九三・二%、山口県が九〇%、福井県が八八・二%だったわけですけれども、被扶養者が住んでいる住所地など、近場で特定健診が受けられるようになっているのでしょうか。そのあたりはどうなのでしょうか。
○水田政府参考人 お答えいたします。
 被用者保険の被扶養者の方々の健診でございますけれども、これまでは主に、加入する保険に関係なく居住地の市町村が実施する住民健診を受診されてきたわけでございます。ただ、これを、今般の制度改正によりまして、各保険者が被扶養者を含む加入者に対して健診を実施するというふうに変更になったわけでございます。
 この健診の実施主体が市町村から保険者にかわっても、これまで住民健診を受診しておりました被用者保険の被扶養者が引き続き地元で特定健診等を受診できるように、基本的には都道府県単位で健診や保健指導の実施機関と保険者が集まりまして、集合的な契約を行う仕組みを設けているところでございます。この契約を結びますと、それぞれの保険者が全国各地の健診の実施機関と個々に契約を結ぶ必要がない、その結果としてこういった地元で受診機会が確保されるということになるわけでございます。
 現在、約千三百の保険者がこの集合的な契約に参加しておりまして、これに参加している被用者保険の被扶養者の方は、引き続き地元で特定健診等が受診可能でございます。
 厚生労働省といたしましても、この被用者保険の被扶養者が引き続き円滑に地元で特定健診等を受診できるように、今後とも、集合的な契約の成立に向けました取り組みを支援していきたいと考えております。
○郡委員 ぜひ、集合的な契約というんですか、進めるようにお働きをいただきたいと思います。まだ自分の住んでいるところで健診が受けられないというサラリーマンの妻ですとか子供たちですとかがいるわけですから、その辺のところもお考えをいただきたいというふうに思います。
 次に、いわゆるペナルティーというふうに申し上げているもの、特定健診の実施目標、これをしっかりと達成しなければ後期高齢者への支援金を上乗せいたしますよという、この制度についてお尋ねをしたいと思います。
 二〇一二年度の数値目標というのが、健診の実施率七〇%以上。ただし、これは、健診実施率で、単一保険や共済、政管健保、国保組合、それから市町村国保など各保険者の実情を踏まえたとして、それぞれ八〇%、七〇%、六五%と、三つに分けられました。また、指導の実施率は四五%以上、メタボリックシンドロームの該当者及び予備軍の二〇〇八年度と比較した減少率は一〇%以上という目標値が設定されまして、この目標を達成できない場合は、各保険者の後期高齢者医療制度に対する支援金を最大で一〇%の幅で加算をされるということであります。
 毎日新聞が東京二十三区と全国の市、合わせて八百六市区に行ったアンケートの調査なんですけれども、それによりますと、可能だと考えている自治体、四十一団体、七%にすぎません。不可能だと考えている自治体、九十七自治体、一八%。わからないと答えた自治体が一番多くて、七四%、二百八自治体に上っておりました。保健指導の実施率四五%につきましても、受診率が九五%に達している行政組織内の事業所健診後の保健指導の実施率が二五%であるというような指摘もありまして、この目標値は大変厳しいというふうに言っている方々が多うございます。
 健診実施率七〇%、それから保健指導実施率四五%、この目標値について厚労省のお考えというのはどういうふうなものなのでしょうか。高いハードルではないかというふうに指摘いたしますが。
○水田政府参考人 特定健診の実施率についてでございますけれども、平成二十四年度に七〇%の全国目標というものを掲げているわけでございますけれども、これは、過去一年間に何らかの健診を受けた方が国民の約六割に達するという調査結果を参考に設定したものでございます。
 委員御指摘のとおり、各保険者それぞれ事情が違うわけでございます。そういった実情を勘案いたしまして、保険者の種別や被扶養者等の構成比率を考慮した目標とすることとしておりまして、例えば市町村国保の場合には全国目標より低い六五%を参酌標準としてございますので、目標が高過ぎるということはないと思っております。
 厚生労働省といたしましても、保険者が積極的に健診、保健指導に取り組めるよう必要な技術的助言や一定の財政支援を行いまして、目標達成に向けた支援を行いたいと考えております。
 もう一つ、保健指導。これは大変難しい面があるというのは私どもも承知をしているところでございますが、これにつきましても、やはり、まず目標を掲げることによって努力をしていただきたいと思っております。
 ただ、その上で、先ほど後期高齢者支援金の加減算の話がありましたけれども、これの運用をどうするかということも絡んでくるわけであります。したがいまして、実施状況をよく見きわめた上で今後の判断をしてまいりたい、このように考えております。
○郡委員 後期高齢者医療制度の支援金ですけれども、健康保険や国民健康保険の加入者数に応じて額が決まるわけでして、厚生労働省の試算では一人頭四万円ほどですよ。そういう数字を出しておいでじゃないですか。一人頭四万円、しかも、扶養家族である赤ちゃんも含めておよそ一人四万円ですよ。それが最大一〇%また加算されるというふうになっていくわけですよ。これは、各保険者にとっては大変重いものになろうかと思います。
 支援金とペナルティーの制度というのを連動させていく仕組みですから、計算方式というのがまだはっきりしていないというふうに聞いておりますけれども、これをめぐって各保険者も戦々恐々としているんですが、この算定式についてはどういう状況になっていますでしょうか。
○水田政府参考人 後期高齢者支援金の加減算についてのお尋ねでございますけれども、この考え方そのものは、保険者が糖尿病等の生活習慣病対策を推進すれば、脳卒中あるいは心筋梗塞、こういったものへの重症化が予防されて後期高齢者の医療費の適正化につながるということがございますので、そうした保険者について支援金を減算するということで保険者の努力を評価して、特定健診や特定保健指導の実施に向けたインセンティブとするために導入するものでございます。
 ただ、そこに、過度の負担になるということはいけないということで、先ほどの一〇%という加減算の幅を設けているわけでございます。
 ただ、この加減算の措置を実施するのは平成二十五年度からでございまして、五年後であります。したがいまして、具体的な仕組みにつきましては、それまでの特定健診等の実施状況も見ながら今後検討する予定でございまして、その間、保険者の方々からの御意見も賜りたいと思っております。
○郡委員 五年後なのでそれまでに検討するということでしたけれども、これは、長野県の泰阜村の松島村長が朝日新聞に投稿されていた記事ですけれども、今年度から始まった後期高齢者医療制度は保険料の年金天引きなどで悪評高いが、それ以上に、同時に実施されている特定健診こそ大きな問題を抱えているとして論文を発表されています。
 この村長さんは、特定健診で医療費の抑制はできないと考え、今回の特定健診も効果を期待できないと判断して、我が村では実施見送りを考えていた。ところが問題がある。
 つまり、何かというと、この特定健診では目標値が設定され、実施率六五%、保健指導実施率四五%、メタボリックシンドローム該当者及び予備軍の減少率一〇%、将来、この目標値の達成状況に応じて村が後期高齢者医療制度に対して負担する金額が増減すると聞いている、我が村では余分に払うことにもなりかねず、苦慮しているというふうに書かれているんです。
 ペナルティーが各保険者に対して大変大きな動揺を与えているということも、しっかり御認識をいただきたいと思います。
 しかも、例えば特定健診や保健指導というのは、各保険者には義務づけられているわけですけれども、それを受ける側は義務づけはされていないわけですね。ですから、受けたくない、あるいは受けられない状況で受けられなかったということがあっても、それはいたし方ないことだと思うんです。
 保健指導が本当に必要なんだというふうに言われて、ここに、QアンドAにもこういうことがありました。
 保険者が特定保健指導の利用案内を送付し、その対象者が利用を希望した場合において、事業主が業務の都合等の理由により利用を拒否した場合、または勤務時間中に特定保健指導を受けた者に対して賃金カットを行った場合において、事業主に対して罰則規定を設ける予定はあるかというふうなことには、罰則規定を設けることは考えていないというのが厚労省の答えでしたし、それから、このようなことが起こった場合に国としてどのような対応を行う予定かということも尋ねていますけれども、これについても回答をはっきり示しておられないんですね。
 つまり、何を申し上げたいかといえば、保健指導の実施率を上げていく、あるいはメタボの数を減らしていく、太っている人たちを採用しないようにまでさせていかざるを得なくなっていく、こういうことになってしまうのでは本当に問題なんですよ。そういうふうに導入しかねない制度になっているんですよ。笑っておいでですけれども、違いますか。ペナルティーをかけておられるのですから。
○水田政府参考人 健診、保健指導の実施につきまして、さまざまな御意見があるわけでございます。
 ただ、その中で、そういった過度の対応というものが出てきますと、それはやはりそれに対しまして是正をしなければならないわけでありまして、そういう方向性を持ちながら具体的な事業の推移を見守っていきたいと先ほど来答弁しているつもりでございます。
○郡委員 いや、ですから、何でこういうふうな制度を導入したのか。つまりは、保険者に対しても、国はお金を出さないから、健診をやりなさい、そして目標を達成できなければ保険料をどんどん勝手に上げなさいというふうにしりをたたくという、非常に責任の丸投げではないか、そんなふうに思うところです。
 また、今度は後期高齢者の方々、七十五歳以上の方々の健康診査について少し御議論をさせていただきたいのですけれども、これは広域連合の努力義務ということであります。つまり、やってもやらなくてもいいということですね、結局のところ。
 この健康診査の対象について、「標準的な健診・保健指導プログラム(確定版)」によりますと、高血圧症あるいは脂質異常症、糖尿病等の生活習慣病についてかかりつけ医を受診している者については、必ずしも健康診査を実施する必要はないというふうになっています。つまり、生活習慣病だというふうなことが判断されて治療を行っている人、それは糖尿病等を初め生活習慣病の検査ですからわからなくもないんですけれども、これが過去一年間に広げられているものですから、もう既に治って服薬もしていない方でも、実は、一年前に病院にかかっていればこの対象から外されてしまうということになります。
 ある自治体では、過去一年間に病院にかかって診察を受けた人は健診をしなくてもいいというふうにされまして、事前に紙を渡されてアンケートをとって、該当者であるということになりますと、今回はもう健診をしなくてもいいですよというふうなケースも多々あったというふうに聞いております。
 これは、仮に過去一年間さかのぼるということであれば、後期高齢者の健康診査は年度単位で実施されるということになりますから、最高で二年間受けない人も出てくるというふうになるんだろうと思うんですけれども、この一年にさかのぼるという運用というのはいかがなものなんでしょうか。
○水田政府参考人 お答えいたします。
 後期高齢者の健診の目的、これは先ほど委員御指摘のとおりでございまして、生活習慣病の早期発見、適切な医療につなげていくということでございまして、既に生活習慣病の治療中で、主治医から必要な検査や投薬を受けている方は、医学的管理の一環として必要な検査を実施することが適当であるということで整理をしているわけでございます。ただ、本人が受診を希望する場合には、広域連合において健康診査の受診の可否を判断しているところでございます。
 したがって、基本はやはりまず治療中である方であるということがポイントでございまして、御指摘のように、過去一年間にさかのぼって医療機関で受療した方を一律に健診の対象外とすることは、こうした目的に照らして適切でない、このように考えておりまして、各広域連合の状況を把握の上、必要に応じて適切に対応していただくよう要請していきたいと考えております。
○郡委員 それから、障害者の施設に入っていらっしゃる方、老人ホームに入っていらっしゃる方、介護保険施設に入っていらっしゃる方、この方々は、後期高齢者を対象とする健康診査では受診できないというふうな自治体もあるわけですね。特定健診とは異なって、法令上はこれらの施設入所者を後期高齢者の健康診査の対象から除外するという規定はないわけでして、これはそれぞれの広域連合による判断かと思いますけれども、これらの入所者を除外する理由というのは一体どういうことなんでしょうか。
○水田政府参考人 お答えいたします。
 障害者施設等の入所者につきましては、施設に配置されました医師または看護職員によって入所者の健康管理がなされているということでございまして、必要に応じて健康保持のための適切な措置がとられている、これが基本であると考えておりまして、そういう意味で、健康診査の受診の可否というものも、本人が受診を希望する場合にはそういった希望を受けて可否を判断する、このような仕組みになっているわけでございます。
 特定健診につきましては、保険者に実施が義務づけられておりますので、したがいまして国において一律に告示で除外対象者を定めているわけでございますけれども、後期高齢者の健診につきましては、法律上努力義務となっておりますので、一律に告示等で定める必要がない、したがってそれぞれの広域連合に判断していただく、このような整理にしているわけでございます。
○郡委員 障害者支援施設の入所者の方々、必ずしも医療と直結しているというような状況ではない方々もいるわけですよね。そういう方々も除外しているということは非常に問題だろうと思います。
 余り時間もありませんのであれですが、長寿医療制度に加入している人には、特定保健指導はないわけですね。要するに、もう少し運動が必要ですよとか、食事もこういうふうにした方がより健康的な体になりますよとか、そういう指導もないわけですね。なぜ七十四歳まではそういう指導が必要で、七十五歳になった途端にそういう指導は要らなくなるという御判断なんでしょうか。その根拠は一体何でしょうか。
○西川(京)委員長代理 水田保険局長、時間になっておりますので、手短にお答えをお願いします。
○水田政府参考人 七十五歳以上の方の保健指導につきましては、専門家の検討会で取りまとめたプログラムで指摘がございます。一つは、身体的な機能をできるだけ落とさないように介護予防が重要であるという点。もう一つは、個々人で身体状況、日常生活能力、運動能力が異なっている場合が多いということから、四十歳から七十四歳までの方と同様に運動の勧奨など一律に行動変容のための特定保健指導を行うのではなくて、本人の求めに応じて健康相談等の機会を提供できる体制の確保が重要とされているということでございます。
 これを踏まえまして、私どもとしては、各市町村に対しまして体制の確保を要請してきているところでございまして、今後とも、市町村の状況を踏まえて適切に対応していきたいと考えております。
○西川(京)委員長代理 郡さん、時間でございますので、手短にお願いします。
○郡委員 つまり、七十五歳以上は勝手に死んでも構いませんよということを言っておられるのだと思います。
 おしまいに、「死んでくれお国の為にと二度言われ」「死なぬなら死ぬまで取るぞ年金で」こういう川柳を七十五歳以上のこの対象者の方々があるところに寄せておられました。冒頭、舛添大臣は七十五歳の線引きをしないというふうなことをはっきり御明言いただいたわけでして、私どもが提案をさせていただいております廃止法案をぜひとも金曜日の委員会で採決をお願いしたいものだということを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○西川(京)委員長代理 次に、高橋千鶴子さん。
○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 初めに、提案者に伺いたいと思います。
 四野党の廃止法案は老人保健制度に戻すことになっておりますが、先ほど来の議論では、緊急避難であるとか、穴があいているけれどもどっちが大きいかみたいな議論が盛んにされております。その先の制度設計については各党さまざまな意見があって当然と思います。
 日本共産党は現行老人保健制度についてこのままでいいと考えているのか、伺います。
○小池(晃)参議院議員 老人保健制度は、もともと無料だった老人医療の窓口負担を有料化するときに導入された制度で、日本共産党は導入のときには反対をしております。
 また、歴代政府は、この制度を累次にわたって改定し、老人医療に対する国庫負担を削減する一方、現役労働者の保険料負担、それから高齢者の窓口負担、地方自治体負担に転嫁してまいりました。こうした老人保健制度の問題点は当然改革が必要であります。
 しかし、老人保健制度は、高齢者を国保などこれまでの医療保険制度から強制的に脱退をさせる制度とは根本的に異なります。今までの制度に加入させたまま現役世代より窓口負担を軽減してきた、そういう制度であります。
 穴のあいた船という話がありましたけれども、我々は、穴のあいた船から港に一たん戻れというふうに主張しているのであります。厚生労働省が発表した最近の医療費動向を見ても、ことし四月から六月までの高齢者の入院外一人当たりの医療費は二・三二%のマイナスとなっております。受診抑制、治療中断が現実に始まっております。一たん直ちに戻すべきだと考えます。
 私どもの改革の方向としては、持続可能な医療制度とするために、減らし続けた国庫負担をもとに戻して、国保、政管健保、老人医療を立て直す。大企業の人減らし、非正規化、保険料逃れをやめさせて、雇用、賃金、保険料負担への責任を守らせる。そして、高薬価、高額医療機器を是正する。こうした改革によって病気の早期発見、早期治療を進めて、それこそ医療費の膨張を抑え、保険財政を立て直していく道である。こうした抜本的な改革によって、安心できる医療制度をつくっていくべきだと考えております。
○高橋委員 ありがとうございます。
 もう一問。後期高齢者医療制度を廃止すると、市町村国保の財政負担がふえ、国保料の引き上げをもたらす危険があるという指摘がございましたので、この点についてもお願いいたします。
○小池(晃)参議院議員 午前中の質疑で、後期高齢者医療制度を廃止して老人保健制度に戻せば、拠出金の負担で国保の財政が悪化するという指摘がございました。提出者としては、後期高齢者医療制度の廃止によって拠出金が増額となる自治体に対しては、国保料の値上げやさらなる財政悪化にならないよう、国が財政支援をすることが必要になると考えております。
 そもそも、国保財政がこれほどの危機に陥った最大の原因は、一九八四年の国保法改悪以来、国庫負担が削減されてきたことにあります。日本共産党は、市町村国保に対する国庫負担を計画的に八〇年代の水準に復元することを提案しております。高齢者医療の改悪による小手先の負担転嫁はやめて、国庫負担増による根本的な国保の立て直しを図るべきであり、後期高齢者医療制度の廃止はその第一歩となり得る改革だと考えております。
 以上です。
○高橋委員 ありがとうございました。
 ここから今度は大臣に伺いたいと思います。
 この間の議論を聞いていますと、与党は、後期高齢者医療制度反対の意見について、非常に感情論であるというような御指摘が多いと思います。しかし、感情論といいましょうか、高齢者の皆さんの気持ちを本当に大切にすると同時に、しかし、これこそが制度の本質であるということが私たちの指摘なのであります。
 先ほど来、年齢で区別をする別枠の制度をつくるのか否かと。大臣は、先ほど郡委員も指摘をしたとおり、その旨、大臣の描いているのは県単位の一つのバスであるという御指摘がございました。
 そこで、改めてはっきりさせたいことは、それはあくまでも大臣の考えであって、一年かけて見直すという麻生総理の頭は、まだ選択肢の一つであるということではないのか。そうすると、大臣は、自分自身はそう思っているというレベルなのか、あるいは自分も迷っているというレベルなのか、お話しください。
○舛添国務大臣 現在の後期高齢者、いわゆる長寿医療制度については、さまざまな利点があります。しかしながら、御高齢の方々の心情に配慮をして、例えば七十五以上で区分けするのをやめる、天引きをやめる、財政負担について世代間の公平を確保する、こういう観点から一年をかけて検討するということで、今検討をしております。
 その過程で、検討会の各委員もそれぞれの案をお出しになる、私も私の案を出す。もとより、厚生労働大臣の私案ですからそれなりの重みがあることは当然承知しておりますけれども、しかし、広く議論をした上で一つの案をまとめたい、そういう方向でございます。
○高橋委員 そうすると、やはりこれはあくまでも大臣の思いであるということに尽きると思うんですね。
 私は、正直言って、大臣が冒頭かなり早い時期に三つの視点からとお話をされたときには、非常に重要である、踏み込んだ言い方であるし、本来ならば、制度を廃止しようという我々と基本的に同じじゃないかということを考えるわけです。しかし、今のお話は、やはりこれからのいろいろな議論があるということでは、一つの思いであるということではないかということを指摘させていただきます。
 それで、根拠法である高齢者の医療の確保に関する法律の第一条には、「目的」として、高齢者の心身の特性に合わせ、「適切な医療の確保を図るため、医療費の適正化を推進する」ということが書き込まれました。先ほど午前の議論でもあったとおり、この大命題がある。
 もう既に都道府県の医療費適正化計画が積み上がってまいっておりますけれども、七千六百億円を実際に超えている。こういう大きな方針を変えない、医療費削減を変えない、そして別枠は変えないとなれば、これはどんな見直しをしたとしても根本的には何ら解決をしない、このことを言わせていただきたい。
 そこで、質問は、大臣の私案である国保と一体となった県単位の制度、この県単位の制度というのは今の広域連合が土台ですか。
    〔西川(京)委員長代理退席、委員長着席〕
○舛添国務大臣 その前に申し上げておきたいのは、三つの観点から見直しますよというのは麻生内閣の方針であります。その具体的な中身について今議論をしているということをはっきり申し上げておきたいと思います。
 それから、広域連合について。これは、県自身がこれだけの事業をやるのは非常にちゅうちょなさったということで広域連合ということをやっていますけれども、悪い面を言えば無責任体制になる危険性があります。したがって、明確に県という単位を持ってくることがいいと思います。
 ただし、例えば、今、市町村で保険料率が全部違います。県に統一したからといって一気に同じ料率にすることにはさまざまな問題がありますから、激変緩和措置、そういうきめの細かい点もやりながら県単位の設計をしたい、そういうことであります。
○高橋委員 大臣、私が聞いているのは、県単位ということは広域連合かと言っているんです。広域連合は自治体じゃないんです。はっきり答えてください。
○舛添国務大臣 私が申し上げたように、広域連合だとさまざまな問題がありますから、県が嫌がったんですね。したがって、広域連合という便法をとったわけです。明確に県という単位にするということです。
○高橋委員 県でやるという意味だったんですね、今のは。確認をいたしました。違うんですか。
○舛添国務大臣 財政的な基盤として県でやる、しかしながら、きめの細かいことをやるためには市町村との連携が必要ですから、例えば職員を市町村と県で兼任させるというようなさまざまな工夫はいたします。
○高橋委員 今なぜこういうことを聞いたかといいますと、大臣自身の今のお答えの中に含まれていたように、広域連合にさまざまな問題があるんですね。やはり自治体ではないですので、責任の所在が明らかでありません。今、さまざまなトラブルが全部市町村に来ている。二重の徴収ですとか、さまざまなトラブルがみんな市町村に来ているけれども、実施主体は広域連合である、ここに大きな矛盾が来ている。
 しかし、県単位でやることに対しては、市町村と知事会が長々と論争してきた問題であるわけですね。そこに対して、この間、国保でじわりじわりと県の権限を拡大して、国保の負担を一律にしようであるとか平準化をして、県同士を競わせるとか、そういう流れになってきたわけです。
 ですから、そこら辺をどういうふうに考えているのかを一回聞きたかったということでありまして、これは次のところでまた出てまいりますので、次の質問に入りたいと思います。
 資料の一番なんですけれども、先ほど山井委員が紹介をいたしました青森県の保険医協会がやった国保の滞納率の問題ですね。地元ですので、一言補足をさせていただきたいと思っております。
 先ほど、大臣、九月の国保滞納率が一二%というのは大臣から見ても高いとおっしゃいました。でもそれは、制度の変わり目なので一定高く出るのではないかという指摘だったと思うんです。それはそのとおりだと思うんです。
 ところが、実は青森県は、四月の調査も同じものを持ってございます。そのときは、国保の滞納世帯のうち七十五歳以上のいる世帯は一四・六%、七千九百五十なんです。ですから、実は国保の段階でこれよりも多いというのが実態です。八・六%、資格証が出ているんですね。その割合でいくと、どれだけの人が資格証の対象になるかということはおのずとわかると思うんです。
 そこで、先ほど答弁の中で、本当にお金があるのに払わない人、遊んでいる人、その人にまで保険証を上げるのはいかがかという趣旨の発言があったと思います。しかし、本当にお金のある人、払わない人、遊んでいる人は差し押さえという制度がございます。先般九月の子供の無保険の調査の中でも、口座をしっかり把握して差し押さえしているという自治体の答えがございました。そういう形できっちりと制度は組んだんです。だから、資格証を出して保険証を取り上げる必要はないのです。後期高齢者からは保険証の取り上げをするべきではない。いかがでしょうか。
○舛添国務大臣 データの見方で、一つは、過渡期にあるということではなくて、明確に申し上げましたように、口座振替がそうじゃなくなったことによるデータがあるんじゃないかということでございました。ただ、今委員がそういう数字をお示しになりましたので。
 ただ、私は、何のために資格証明書かというと、きめ細かい相談の機会を得るためという大きな一つのポイントがあるということを繰り返し申し上げておきたいと思います。
○高橋委員 直接お答えにならなかったんですけれども、後期高齢者を資格証の対象にしないということは考えていないということなんですかね。これは前向きに考えるということでよろしいでしょうか。
○舛添国務大臣 結果的に本当に困った方に温かい手を差し伸べるにはどういうふうにすればいいか、そういう視点から考えております。
○高橋委員 そこで、少し提案をさせていただきたいと思います。本当に困っている方ということ、実際には生活保護の基準以下で暮らしている方がたくさんいらっしゃる、生活保護に入らず頑張っていらっしゃる、そういう方にもっと救済をするべきではないか。
 これは本当は大臣に差し上げて全部見ていただきたいくらいなんですけれども、青森県の不服審査会で不服審査をした方たちの陳述が載ってございます。
 年はこれこれ、黒く塗っているんですけれども、年が幾つか過ぎましたけれども、いまだにまだ働き、生活保護をもらっているわけではないし、年金といっても一番安い国民年金で、月に三万ちょっと、三万五千円程度の生活をして暮らしているので、だから、生活保護をもらってもいいと思うんだけれども、それなりに、なるたけそういうのに頼らないで、何とかしてアルバイトで、ちょっと朝早く、使ってくれる人があって掃除をやっているんですと。朝五時に起きて頑張っているけれども、後期高齢者の二千円とか介護保険が四千四百円とか年金から引かれているので、とてもじゃないけれども何とかしてほしいというふうな、こういう訴えがるるあるわけです。
 私は以前の委員会で質問したことがあるんですけれども、本来は、こういう保険料の負担をすることによって生活保護基準を超えてしまう、そういう境界層という方には、当然、保険料をゼロにするあるいは減額するという措置がございます。これが、前に指摘したのは、生活保護を一々申請をして却下されるという証明がなければそれの対象にならないという、せっかく受けないで頑張っている人に、わざわざ窓口へ行けというような制度なわけです。
 少なくとも、そういうことをなしにして、境界層をうんと拾ってあげる、そういう仕組みはいかがですか。
○水田政府参考人 国民健康保険の保険料、低所得者対策についてでございますけれども、これは御存じのとおり、所得が一定水準以下の場合には保険料軽減制度がございます。所得に応じて最大七割軽減というものがございます。さらに、特別な事情がある場合には、条例に基づいて、市町村の判断で減免を行うことも可能になっているわけでございます。
 したがって、御指摘の点は、条例による減免をどう運用するかということになろうかと思います。制度としてはほとんどの市町村で実施しているわけでございますけれども、その基準につきましては、各市町村が実情に応じて定めるものであるということでございまして、国として一律に基準を示すということは困難であると考えております。
 ただ、平成十九年四月一日現在で条例を定めている市町村千七百七十九のうち、生活保護基準該当世帯について減免を行うこととしている市町村は六百二十五ございます。それから、所得水準が一定水準以下の世帯について減免を行うこととしている市町村、これは生活保護基準より上のところもあれば下のところもあるわけでございますけれども、おおむね緩い水準でございますが、三百八十三ということになっておりまして、それぞれの自治体でそれぞれ実情に応じた取り組みをされているものと考えております。
○高橋委員 今紹介いただいた最初の数字六百二十五、これは生活保護基準の例えば一・五倍という形で条例を設けて減免をしているということで、大いにこれは紹介をしていただきたいと思うんです、境界層の精神であると。
 しかし、条例をうんと持っていただきたいと同時に、現実に今それを個々に、本来の権利として使おうとすれば非常に大きな壁がある。先ほどの不服審査はすべて棄却をされているわけですけれども、これは、保険料額の決定を行った広域連合、それから特別徴収で行うことを決定した青森市、いずれも、法律や条例の規定に基づいて適正に処分したものであるというふうな結論が出ちゃうんです。
 これが、先ほど言ったように、責任の所在が明確でないから、何も私たちが独自にやる必要ないでしょうと自治体が突きはねる、広域連合はそこのところだけやる必要がないというふうになっちゃえば、だれもやらないことになってしまうわけです。この点を大いに検討していただいて、前に進んでいただきたいと思います。
 そこで、資料の二を見ていただきたいと思います。
 これは、生涯医療費、一人の人間が生涯にかかる医療費がどのくらいかというのをことしの白書で出した数字でありますけれども、大体二千三百万円、七十歳未満で五一%でございます。ということは、確かに七十五歳が最大のピークであります、しかし、それまでは、若い時代はほとんど医療費がかかっていないんですね、病院にかかっていない。保険料はいっぱい払っているけれども、病院にはかかっていない。そういう中で高齢者になって、やっと元が取れるというときになってこの負担になっている、ここに非常に怒りがあるということです。
 その下の棒グラフは、先ほど小池議員から紹介があった受診抑制の部分ですけれども、全日本民医連の調査であります。ことしの四月から六月の受診数を前年と比較したら、診療所はマイナス七・八四%、外来は一〇・四八%と、受診抑制が始まっているんです。
 しかし、本来は、この三枚目を見ていただきたいと思うんです、日本は諸外国と比べて、ほぼ毎日から月に一回くらいまで病院にかかっている割合が五六・八%でトップであります。一番病院にかかっている、だけれども、そのことによって一番健康であるという、この高齢者白書のあれがあります。
 つまり、皆保険に支えられて高齢者は健康寿命を伸ばしてきた、そういう大きな成果があるわけです。それが、今現実に受診抑制という形で始まっている、これをやはり大もとに戻すべきではないか。
 大臣、一言だけお願いします。
○舛添国務大臣 さまざまな効率化を図って、無駄の排除ということもやらないといけません。そして、治療よりも予防という形で、全体の医療費の抑制ということはやはり政策課題として考えないといけないと思います。そしてまた、今の数字の中で、病院がサロン化しているというような状況についてもこれは深刻に受けとめないといけない。
 しかしながら、逆に、今委員がおっしゃったようなさまざまな御指摘もまた当を得ている面もあると思いますから、そういうさまざまな状況をきちんと把握しながら、さらによりよい医療制度に変えていくために全力を尽くしたいと思います。
○高橋委員 終わります。
○田村委員長 次に、阿部知子君。
○阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
 本日は、去る六月に参議院で後期高齢者医療制度の廃止法案が可決されましてから随分の月数を経て、やっと衆議院で論議が行われることになりました。国民が一刻も早く廃止してほしいと思う制度ですから、各委員の御質疑にのっとって、また与党の皆さんも誠実な対応をお願いしたいと思いますし、特に大臣にもそのようにお願いしたいと思います。
 それから、冒頭、昨日、山口元事務次官御夫妻と吉原元事務次官の奥様が刺され、片方は亡くなり、また、奥様は重傷を負うということがありました。
 このお二方、山口元事務次官も吉原元事務次官も、現在ある基礎年金という大きな制度設計を頑張ってつくってくださった、厚生労働行政にとっても一つの大きな業績を積んだ方々と私は思います。そうした方々がこういう形で、事の真相はわかりませんが、お亡くなりになられたということは、私ども政治家にとりまして、やはり本当の意味でこの場での真剣な審議が、国民の不安や不信やいろいろなものを解いていくために何より重要であるとさらに認識するものであります。
 冒頭、大臣には、先ほどの高橋委員の御質疑の中で私はもう一言伺いたかったので、恐縮ですが、大臣はこのほど、今までのバスはやめて県単位にいたしましょうということで、そこには地方自治体の職員の手もかりながら、県と一緒にやっていきましょうということでありました。
 さて、大臣、ちょっと明確に答えていただきたいですが、今ある広域連合は廃止するんでしょうか。私がこれを伺いますのは、実は、広域連合は保険者機能を持っていない組織になっています。これが一番根幹的に大きな問題です。健康政策が打てるわけでもなく、ただ数の計算、金の計算をして賦課していかなきゃいけない。こんなことだったら、国民の大事な医療行政はどこかに消えてしまうと私は思うので、今ある広域連合は廃止なさいますか。明確にお願いします。
○舛添国務大臣 今ある広域連合のさまざまな問題点を認識しておりますから、それにかわって、きちんと都道府県単位が責任を持ってやる体制をしきたい。
 しかしながら、それに伴って、知事さんから物すごい反発が財政的な面であります。これはまたどういう形で国が関与していくか。そしてまた市町村からは、きめの細かさがないんじゃないかというので、先ほどの併任をかけるというような話があって、十分そういう問題点も考えた上で、しかし、広域連合の持っている問題点を認識しているからこそ、私はしっかりと都道府県を単位にするべきだと思っております。
○阿部(知)委員 今のを突き詰めれば、広域連合は廃止すると。老人保健制度に戻すという意味で、私ども野党も同じ考えですが、従来、与党の皆さんからは、広域連合を廃止するにはシステムの改修とか、この間やってきたことの金が全部無駄になると。それはそうでしょう。しかし、今ある制度の問題が余りに大きくて、私はそもそもこの法律がうたっている目標に反すると思うんです。
 この法律、高齢者の医療の確保に関する法律には、「国民の高齢期における適切な医療の確保を図る」とありますが、たらい回しが高齢者に横行したり、あるいは受診抑制、これは大臣、よく現場と話していただきたいが、サロン化していて、その方たちが来なくなったから抑制されているわけじゃないんです。おなかがこんなにぱんぱんに腹水が張っても来ない、血圧が二百三十になっても来ない。今、医療現場では、本当にどうしてここまでほっておいたのと御高齢者や受診者に聞かなきゃいけない状況が発生しています。高齢者の適切な医療を確保できないんです。
 私は、だから、この後期高齢者医療制度は廃止すべきだと思いますが、大臣にはその御認識はどうでしょうか。例えば終末期の医療制度の問題でも、みとり医療の問題でも、あれは亡くなったときに成功報酬みたいに二千円来る。非常にやはり双方に、成功報酬と言うことは大変いけないですけれども、そういう組み立てをしているわけです。書いて、それが亡くなられたときに来るわけです。
 私どもは、間違ってもそういうお金のいただき方はしたくありません。それが現場の声です。本当に患者さんとともに命を支えるためにやってきた医療現場がこの後期高齢者医療制度はやはり適正な医療にならないと思っているところと私は認識していますが、大臣はどういう御認識ですか。
○舛添国務大臣 まず、委員がおっしゃったように、本当に生活に困り、病院に行かないといけないのに行けないという方もおられるでしょう。しかし、サロン化している面もあります。そういう面を全部把握した上で前に進めたい。
 そして、後期高齢者の医療制度であっても、私は終末期の医療について、きちんとターミナルケアを考えることは必要だと思いますよ。私の最大の問題点は、七十五からのみ入れたから、もうこれは終わりかと言われたので、今度入れるときは全国民大に入れる、そういう方向に転換をしたいと思っていますし、例えば歯医者について、往診してきちんとやるとか、引き出しをあけたら薬がいっぱいある、薬の管理をきちんとやるとか、それから、夜、看護師さんがきちんと行ってくれるとか、さまざまないい点もこの新しい制度にはあると思います。
 しかしながら、私は、全体を見たときにこれは国民の感情その他がありますから、大きくかじを切りたい、そういう思いであります。ですから、委員の問題意識も一部は共有してございます。
○阿部(知)委員 端的に言えば、医療を劣化させたということが問題なんだと思います。そして、大臣の今の御答弁は、すべからく現場をよく直視しよう、その点は私は大臣の取り組みに期待するものです。
 例えば、この間、三万三千人に及ぶ子供たちが暮らす家庭に資格証明書が出されているという実態も、大臣のお手元にもあるでしょうが、この子供の短期証明書問題で実際に自治体にヒアリングしてみた結果、実は、子供のいる世帯かどうかを訪問もしていないものが五〇%くらいであります。逆に、日曜も含めてきちんと訪問したという数は二四%。
 大臣も政治家であって、例えばどこかにお訪ねする。そうすると、例えば表で会っているときとはまた違う生活の実態が見えるわけです、どんなふうにお暮らしか。私は、資格証明書そのものの発行も反対です。でも、訪問することもなく、相手に会うこともなく出されている実態について、これは市町村のみを責められません。忙しいというのもあります。しかし、せめて、面接もせず、会いもせず出している実態だけは即刻やめさせていただきたいが、どうでしょうか、大臣。
○舛添国務大臣 そういうことも含めてきちんと実態に合ったことをやれということで、先般、通達を発出したところであります。私はやはり現場が一番大事だ、それは市町村もそうであろうし、我々指導する立場にある者も肝に銘じないといけないと思っております。
○阿部(知)委員 そもそも、国民年金の保険料や国民健康保険の保険料の徴収に当たっても、昔は戸別にお訪ねして徴収をしていたんですね。その中で、そのきめ細やかさの中で自治体のセーフティーネットは成り立ってきたんです。こうやって、電話調査にしろ、あるいは週日に行って、ああ、いないわで終わって、実際は子供がいる家庭にこんなに多くの資格証明書が出されたということ自体、私は厚生労働行政の進歩ではなく退化だと思います。その点は、大臣がこれから音頭をとっていかれるときにぜひ肝に銘じていただきたい。
 それから、私はもう一つ、これは自治体に対しても大きな問題をはらんでいると思うんです。きのうもヒアリングしていて思いましたが、実はこうした滞納世帯の数は決して減ってはいないし、恐らくこれからも景気の悪化に伴ってふえていかざるを得ない。そうすると、それが収納率に反映するのではないか。国保の収納率が下がると、ペナルティーとして調整交付金の額が下がります。今の滞納の多発する状況、それに伴って収納率についてどんなことが予見され、どういう対策をとられるのか、これは水田局長にお願いします。
○水田政府参考人 私ども、国保の収納率につきまして、見通しというものを持っているわけではございません。そういう意味では、景気の動向というものが、一般的に、保険料を支払うことが困難になる、失業されるような方がふえる可能性があるということは認識しておりますけれども、見通しそれ自体は持ってございません。
 ただ一方で、収納率向上のためのさまざまな努力というものが必要なのは言うまでもないことでございまして、こういった収納努力を促す観点から、普通調整交付金の算定に当たりまして、収納努力の結果に応じて評価をすることとしてございまして、この仕組みは必要なものであると考えております。
 国保の財政安定化そのものにつきましては、十八年に成立いたしました医療制度改革法におきまして、低所得者を多く抱える保険者への支援等の財政基盤強化策を当面継続するということ、それから、平成二十年度からは、前期高齢者につきまして保険者間で財政調整を行う制度を新たに創設したところでございまして、こういった国保への支援効果のある施策を通じまして、国として、市町村における国保の安定的な運営が図れるように努めていきたい、このように考えております。
○阿部(知)委員 私は、前段の御答弁の、収納率の低下について予見もないしデータもない、とろうとしないということが問題なんですよ。いよいよはまってしまって、落ちてしまってからはセーフティーネットと言わないんです、池でも何でも。落ちないようにそこにネットを張るからセーフティーネットなんですね。
 ちなみに、私の自治体は藤沢であります。桝屋委員も各自分の自治体のことを調べなさいとおっしゃっていましたが、私の自治体は実は不交付団体ですし、調整交付金も受けていません。それでも、私の自治体でも収納率は下がってきております。それは対前年度比で明らかに低下しているんです。
 となると、当然、他の自治体にも同じ傾向が見られるでしょう。これは、私は自分の自治体について知り得た範囲です。でも、厚生労働省はすべての自治体について知り得る立場にあるんですよ。予見もせずに、そして落ちたら必ずペナルティーがかかるんですよ。
 ちなみに局長、この間、平成十四年から十八年まで、調整交付金は、国からのはずっと六千二百億内外です。六千二、三百億です。しかし、減額の方はどんどんふえているんですね。いいですか。払う総体は頭打ちなんです、減額だけがふえていっているんです。
 すなわち、これから起こり得ることは、今金融危機に揺れているんですよ、失業だってあるんですよ、それくらいのことは行政として当たり前に予見できるんですよ。下がればそこにペナルティーがかかる。地方自治体の首長も言っていますよ、この収納率の低下と調整交付金の削減をドッキング、組み合わせるのをやめてくれと。
 大臣、どうですか。私は、こんなおかしな組み立てはないと思うんです。もちろん、問題のある未納とかはありますよ。ただ、収納率が低下していく、そうしたら調整交付金が減る、大変な自治体は余計大変になりますよ。そして国保が破綻していくんです。大臣の政治家としての見識を伺いたい。いかがですか。
○舛添国務大臣 私は、この問題は、調整金は減らしていくということだけ、つまり国保のシステムだけにあるのではなくて、雇用を含めて経済全体、大きな政策の中で問題を解決すべきだと思っていますから、先般、十月三十日に発表したような生活支援対策、こういうものを全面的にセーフティーネットを張る形でやりながらこの問題を考える。
 この制度自体が悪いからどうというのは、それはどういうインセンティブ、どういうパニッシュメント、それをやるかによりけりなので、その制度自体よりもっと大きな経済の活性化、生活支援、こちらがあるというふうに思っております。
○阿部(知)委員 市町村の首長の意見書は、この制度自身がいかぬのです、収納率の低下に伴って調整交付金を下げるという制度自身を廃止してくれと言っているんです。大臣がもしまだ首長たちの申し入れをごらんでなかったら、次回で結構です。それくらい自治体にとっては、国保の運営上、いかんともしがたい実態があるわけです。
 ここで私は大臣にお伺いしたいですが、この間、国民健康保険の保険料の高さは、大臣のお手元にあります私の資料の二枚目のポンチ絵、四百万円ない世帯、子供二人で平均的な日本の家庭、子供二人は今や平均ではなくなりましたが、その家庭において、これは甲府市の例ですが、国民健康保険の保険料が所得の一七・五%を占めております。総所得二百五十万円のおうち、平均的な、一応モデル世帯の計算です。そうすると、この生活費の中で国民健康保険の占める割合が大変に高いです。
 大臣にお示しした一枚目は、所得と国民健康保険の比率は一体どうなのか。所得なしの世帯にも、もちろん二万五千二百八十五円賦課されます。そして、三十万円未満、所得ですからもちろん収入ではないですね、そこの方たちがお払いになっている保険料は年間約三万五百九十八円で、これは所得に対して二〇・五%、二割が保険に持っていかれてしまうんです。だから国民皆保険をしっかりしなきゃいけない。
 大臣には、一つ、こうした国保の実態についてどう思うかということをお伺いしたい。
 それから、恐縮ですが、社民党の福島党首には、社民党としてはこの点をどうお考えで、今、国保の窮状ということがこの後期高齢者医療制度の発足に当たってもかなり影響していたと思いますが、根本解決はどうあればいいのかということについて、お考えをお述べいただきたいと思います。
○舛添国務大臣 首長さんたちの悲鳴も聞こえていますし、小さな町であればあるほど国保の負担ということが最大の、市の財政を圧迫し、市政、町政、村政を脅かしている。だから、県民単位の財政的に安定したものをつくろうということを言っているわけであります。
○福島参議院議員 後期高齢者医療制度が導入された背景には、国民健康保険の経常赤字と滞納による空洞化があったと考えています。政府は、国保財政の安定化を図るために、医療費のかさむ七十五歳以上の高齢者を国民健康保険から切り分けた、ここに問題があると考えています。
 しかし、国民健康保険の空洞化の原因は、自営業者中心であった加入世帯が、非正規雇用労働者や退職世代の高齢者が大きな比重を占めるに至った構造変化にあります。不安定雇用や年金収入のみの低所得者層が多く、保険料を負担できない世帯がふえているという点が問題です。
 国保加入世帯の平均所得は二〇〇六年度で百六十七万七千円、平均保険料が十四万五千円となっております。ですから、今、派遣切りとかが問題になっておりますが、非正規雇用の労働者を被用者保険に加入させる、そして企業に社会的責任を課すべきです。また、生活保護世帯が公租公課を課さない水準として設定されていることに照らし、保護世帯以下の収入実態にある世帯に対しては保険料負担を課さない政策をとるべきだと考えています。
 また、阿部委員おっしゃったとおり、収納率が低ければ交付金を減らす政策をやめるべきですし、子供たちの医療費の補助をしている自治体にはペナルティーとして交付金を減らすという愚策はやめるべきだと考えております。
○阿部(知)委員 大臣が、市町村が厳しいから都道府県単位に見直すとおっしゃいましたが、その前提としては、今、社民党の考えとして、例えば乳幼児負担をしているようなところは調整交付金を下げてしまう、あるいは収納率が低い、苦しいところは下げてしまう、格差をつくっておいて格差がひどいからというのは、やはり右と左でやっていることが違うことになると思います。
 私は、これから逆に、いろいろな制度を考えるときに、保険者機能をどう保たせるか、そして、行政が逆につくっている格差政策はやめるということ、非正規雇用問題についての視点がなければ、実はどんな保険制度の設計もうまくいかないと思います。
 引き続いて、この非常に大事な審議が行われることを委員長にもお願い申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございます。
○田村委員長 次回は、来る二十一日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時八分散会