第170回国会 厚生労働委員会 第9号
平成二十年十二月十日(水曜日)
    午前九時一分開議
 出席委員
   委員長 田村 憲久君
   理事 上川 陽子君 理事 鴨下 一郎君
   理事 後藤 茂之君 理事 西川 京子君
   理事 三ッ林隆志君 理事 山田 正彦君
   理事 山井 和則君 理事 桝屋 敬悟君
      赤池 誠章君    新井 悦二君
      井澤 京子君    井上 信治君
      遠藤 宣彦君    大野 松茂君
      金子善次郎君    川条 志嘉君
      木原 誠二君    木村 義雄君
      清水鴻一郎君    杉村 太蔵君
      鈴木 馨祐君    高鳥 修一君
      谷畑  孝君  とかしきなおみ君
      戸井田とおる君    冨岡  勉君
      西本 勝子君    萩原 誠司君
      林   潤君    福岡 資麿君
      武藤 容治君    安井潤一郎君
      山内 康一君    内山  晃君
      菊田真紀子君    郡  和子君
      園田 康博君    田名部匡代君
      長妻  昭君    福田 昭夫君
      細川 律夫君    三井 辨雄君
      柚木 道義君    福島  豊君
      古屋 範子君    高橋千鶴子君
      阿部 知子君    糸川 正晃君
    …………………………………
   厚生労働大臣       舛添 要一君
   厚生労働副大臣      渡辺 孝男君
   厚生労働大臣政務官    金子善次郎君
   厚生労働大臣政務官   戸井田とおる君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房総括審議官)         森山  寛君
   政府参考人
   (厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部長) 岡崎 淳一君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    木倉 敬之君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  水田 邦雄君
   厚生労働委員会専門員   榊原 志俊君
    ―――――――――――――
委員の異動
十二月十日
 辞任         補欠選任
  井上 信治君     武藤 容治君
  とかしきなおみ君   安井潤一郎君
  長崎幸太郎君     鈴木 馨祐君
  林   潤君     山内 康一君
  岡本 充功君     田名部匡代君
  三井 辨雄君     福田 昭夫君
同日
 辞任         補欠選任
  鈴木 馨祐君     長崎幸太郎君
  武藤 容治君     井上 信治君
  安井潤一郎君     とかしきなおみ君
  山内 康一君     林   潤君
  田名部匡代君     岡本 充功君
  福田 昭夫君     三井 辨雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、第百六十九回国会閣法第六九号)
 厚生労働関係の基本施策に関する件
 国民健康保険法の一部を改正する法律案起草の件
     ――――◇―――――
○田村委員長 これより会議を開きます。
 第百六十九回国会、内閣提出、障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省大臣官房総括審議官森山寛君、職業安定局高齢・障害者雇用対策部長岡崎淳一君、社会・援護局障害保健福祉部長木倉敬之君、保険局長水田邦雄君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○田村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。新井悦二君。
○新井委員 おはようございます。自由民主党の新井悦二です。
 本日は、質問の機会を与えていただきまして、本当にありがとうございます。
 それでは、順次、発言通告に従いまして質問をさせていただきますので、よろしくお願いします。
 まず、障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案について質問させていただきます。
 今、世界的な金融危機から発生した雇用危機を受け、労働者の雇用維持を中心とする雇用対策を早急に講じていかなければならないときであり、政治主導による危機回避を目指し、国がしっかりとした財政出動をして、企業のリストラや倒産の増加での雇用の悪化を抑えていかなければならないと思っております。
 まず初めに、今の経済状況の中で、人員削減の波は派遣労働者や期間労働者など非正規雇用者にとどまらず正社員まで広がっておりますが、政府といたしまして、この不況を乗り切るための対策とまたその決意についてお聞かせいただきたいと思います。
○舛添国務大臣 今委員御指摘のように、非常に雇用情勢は厳しいものがあります。そのような中で、麻生総理大臣の指示のもとで与党において取りまとめられました新たな雇用対策に関する提言を踏まえまして、政府・与党一体となって必要な施策を実施することとしております。
 また、昨日、我が厚生労働省におきまして、きょうそこに私とともにおります渡辺副大臣を本部長とする緊急雇用対策本部を設置し、各都道府県の労働局、ハローワーク、労働基準監督署において、情報収集、それから事業主に対する指導、労働者からの相談への対応、さらに再就職支援などの取り組みを徹底しろということで、指示を出したところであります。
 それから、こういう対策とともに、派遣の方が職がなくなるとともに住居もなくなる、こういう問題が出ておりますので、住宅対策を初めとする現下の緊急課題についても的確に対応して、今後、厳しい状況を乗り切っていきたいと思っております。
○新井委員 そうですね。派遣労働者にとりましては、住宅対策とか早急に対策をしていかないと、やはり生活が非常に困っておりますので、それはしっかりと対応していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 次に、短時間労働者の雇用義務対象への追加についてお伺いいたします。
 今回の改正は、短時間労働者を雇用義務の対象に追加したことは働き方のあり方について対応したものと評価しておりますが、現行法が短時間労働の障害者を原則として雇用義務の対象から除外しているのは、障害者の自立を図り、週所定労働時間の三十時間以上の常用労働による雇用機会の確保を基本としているのではないかと思います。
 非正規雇用者の多い短時間労働は、雇用形態としては不安定な場所が多いと思いますが、今後の障害者雇用が不安定な雇用形態として短時間労働に移行するのであれば、障害者の職業生活における自立にとって逆効果になるおそれもあると考えられますが、このことについて国はどのように考えているのかお伺いいたします。
○岡崎政府参考人 今回、短時間労働者につきましても雇用率の対象にするというのは、障害者の方は、障害の特性、程度等によりましては、三十時間以上働くのがなかなか困難であるという状況がございます。そういう方々の雇用の場を広げていくためには、週二十時間から三十時間までにつきましても雇用率にカウントすることによりましてその職場を広げていきたい、こういう趣旨に基づくものでございまして、障害者団体等からもそういう要望があったところを踏まえたものでございます。
 ただ一方で、本来短時間労働ではなくて普通に働きたい方がそういうふうになっていくということについては、これは決して好ましいことではないわけであります。既に障害者雇用促進法におきまして、むしろ、短時間で働いている障害者の方の希望を踏まえてフルタイムの労働に移行するようにという努力義務があるところでございますが、そういった趣旨を踏まえながら、さらには障害者雇用対策基本方針というのも定めることになっておりますが、そういった中でも今のような趣旨をさらに明確にするなど、適切な対応をとってまいりたいというふうに考えております。
○新井委員 しっかりとした対応ということと、やはり経済状況がこういう状況でありますので、法整備というものをしっかりとして、そしてまた雇用に対する不安がないようにしっかりと取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 次に、障害者雇用納付金制度についてお伺いいたします。
 国、都道府県、市町村の法定雇用率達成割合はどのくらいなのか、特に知的障害者の採用状況を踏まえまして、お伺いいたします。
○岡崎政府参考人 本年六月一日現在で報告を受けております。国の機関及び都道府県の知事部局につきましては、すべて法定雇用率、これは二・一%でございますが、これをクリアしております。都道府県の知事部局以外の機関につきましての達成率は九二・九%、それから市町村の機関におきます達成率は八三・九%でございます。
 なお、知的障害者でございますが、これは公務員試験等々の関係から正規雇用での形というのはなかなか難しいところもございますが、厚生労働省では、チャレンジ雇用ということで、知的障害者あるいは精神障害者の方の雇用を進めたりしております。
 ただ、全体で申しますと、国の機関では現在のところ百一人、それから都道府県の機関のうち知事部局で二十一人、それから市町村の機関では三百二十三人という状況でございます。
○新井委員 やはり国とか公的機関は、民間に旗を振るばかりではなくて、私は、一〇〇%を達成できるのではないかと思っておりますので、ぜひともそこのところを踏まえてやっていただきたいと思っております。
 納付金と調整金について、雇用率未達成事業主と雇用率達成事業主について経済的負担の調整を図っているわけでありますけれども、先ほども言われたように、都道府県とか市町村、こういう公的機関で未達成のものに対しては国は何か指導しているんでしょうか。
○岡崎政府参考人 納付金制度の対象には公的機関はなっておりませんが、むしろこれは、公的機関については本来守るのが当然であるという考え方に基づくものであります。
 したがいまして、達成していない機関につきましては、毎年採用計画をつくっていただきまして、それに基づきまして、本来達成すべきである、要するに不足数をゼロにするということを求めているわけでございます。そして、なかなか進まないところにつきましては、私ども直接、あるいは都道府県労働局におきましても、労働局長を初めとしまして、できるだけ高いレベルで働きかけを行って、達成するように要請をしているところでございます。
○新井委員 ぜひとも、要請するだけではなくて、やはり責任というものを都道府県とかに求めていっていただければと思っているんです。民間だって、こういう責任、調整金とかいろいろなものについてやっているわけでありますので、ぜひともそこら辺のことを強い強い指導で求めていって、障害者の雇用というものをもっと安定させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 次に、中小企業における障害者雇用促進については、納付金徴収による経済的負担を課するよりも、私としては、やはり職場環境の整備等の支援が必要ではないかと思いますけれども、その点、国はどのように考えているのか。
○岡崎政府参考人 まず、納付金制度につきましては、納付金はいただくだけではなくて、不足しているところからは納付金をいただきますが、法定雇用率を超えて雇っているところにはむしろ調整金という形でお金をお支払いする、そういう中での経済調整の仕組みでございますというのが一つでございます。
 もう一つは、こういう厳しい状況になっていく中で、中小企業におきまして、指導するだけではなかなか難しい、やはり必要な支援をしながら雇用を進めていただく必要があるということだろうというふうに思っています。
 本年度の一次補正の中でも、中小企業につきまして雇い入れ時の助成を増額する等々の対応をしておりますが、さらに、中小企業の理解を得ながら、必要な支援をしながら、雇用が進むように努めてまいりたいというふうに考えております。
○新井委員 次に、関係子会社に雇用される労働者に対する特例についてお伺いいたします。
 障害者雇用促進法は事業主単位での障害者雇用の促進を基本としているわけでありますが、特定の会社に障害者を集中させるのではなく、個々の企業において障害者が就労できる環境を整備することが重要ではないかと思っております。
 今回の特例措置の施行に当たっては、障害者が特定の子会社に偏ることなく、企業グループ内の子会社において障害者雇用が進むべきと私は思っているんですけれども、その点、どのように考えているのか。
○岡崎政府参考人 御指摘のように、幅広くいろいろな部署で障害者の雇用が進むようにということで企業には努力をしていただきたい、こういうふうに考えております。
 しかしながら、業務の性質その他でなかなか厳しいところもある。そういう場合には、企業全体の中、あるいは企業グループの中のいろいろな会社の中で障害者が働ける場所を見つけていくというのがもう一つの考え方だろう。
 ただ、特定のところにこだわるのではなくて、幅広く障害者の働ける場を見つけていっていただくということを基本にしながら、企業の方にも働きかけを行っていきたいというふうに考えております。
○新井委員 ぜひとも、やはり子会社についても幅広くやっていただきたい。特に、障害者だけを集めるというのは、何か特別枠をつくっているような状況が私は見られるので、そこら辺、差別ではないけれども、普通、一般の就労の中に入ってやることで障害者の方々もそういう意識が持てるんじゃないかと思いますので、ぜひともそこのことをよろしくお願いいたします。
 次に、事業協同組合等における特定事業主に雇用される労働者に関する特例についてお伺いいたします。
 中小企業の障害者に対する雇用責任者があいまいだと思いますが、この制度により、中小企業、事業協同組合等、障害者の雇用関係をどのようにとらえているのか、そして障害者に対する雇用責任はだれが負うのか等について、お伺いいたします。
○岡崎政府参考人 御指摘の制度は、中小企業におきます障害者雇用を進めていく際にどういう工夫があり得るかということで、審議会等でも議論の中で出てきたものでございますが、中小企業の場合、一社の中での仕事だけでは障害者の方を雇うことが困難な場合もある、そういった場合に、幾つかの中小企業が共同して仕事を出し合えば障害者の方を何人か雇える、こういうことがあるのではないかということで考えたものでございます。
 事業協同組合をつくるということでありますので、これはきちんとした法人格を持ったところでございますので、最終的には、その事業協同組合が雇用責任を負いながら障害者雇用を進めていくということになります。
○新井委員 先ほどの件もあるように、障害者の方々を一定の枠に入れるとかそういうのじゃなくて、事業協同組合等によるものも多分同じだと思うんですが、一カ所に偏るということは、やはり私は、なるべくばらつきをとるということと、障害者の雇用を進めるに当たっては責任の所在というものをしっかりとしていただきたいと思います。
 時間の関係で最後になりますけれども、障害者雇用支援センターの廃止について。
 今回の改正により障害者雇用支援センターを廃止するに当たって、同センターが障害者の雇用促進に向けて果たしてきた政策効果を厚生労働省はどのように評価しているのか、最後にお伺いいたします。
○岡崎政府参考人 障害者雇用支援センターにつきましては、知的障害者を主たる対象としまして、比較的長期的な職業準備訓練を行う機関ということで展開してまいりました。
 それで、平成十九年度の例によりますと、二百三十人の利用者のうち百八十人が就職するということで、就職率七八%でございますので、それなりの評価をしております。
 ただ、障害者自立支援法に基づきます就労移行支援事業が創設されたわけでございますので、そのノウハウを持ちながら就労移行支援事業に転換するなど、さらにそのノウハウが生かされるような形で転換をしていっていただきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○新井委員 ありがとうございました。しっかりとそのノウハウを就労のために役立てていただきたいと思います。
 質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○田村委員長 次に、古屋範子君。
○古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。
 本日は、障害者の雇用の促進等に関する法律の改正案につきまして質問してまいります。
 初めに、先週十二月五日、与党の新雇用対策に関するプロジェクトチームで取りまとめました新たな雇用対策に関する提言についてお伺いしてまいります。
 米国の金融危機に端を発します経済危機は、日本にも大きな影を落としております。百年に一度の世界恐慌の入り口とも言うべき様相を呈しております。企業のリストラのあらし、倒産件数は五年五カ月ぶりの水準に達するなど、雇用の悪化が深刻化しております。
 こうした事態に歯どめをかけるため、私たち与党のプロジェクトチームは、今後三年間で二兆円を投入し、追加経済対策の分も含め百四十万人の雇用創出を目指した新たな雇用対策を取りまとめました。そして、麻生総理に提出をいたしました。
 この提言を受けまして、政府も昨日、新たな雇用対策に関する関係閣僚会議を開かれまして、追加雇用対策を決定されたところでございます。
 この主な中身は、雇用維持対策として、派遣社員を正社員として採用した企業に一人当たり百万円を支給する制度の創設、また、再就職支援対策として、再就職が特に難しい人に対する失業給付の六十日間延長、そして、内定を取り消された者への支援として、こうした学生を採用する企業には特別奨励金を支給するなど、雇用の維持や再就職の促進などに加えまして、住宅の確保や非常にきめ細やかな相談援助、職業訓練の拡充など、効果が大きいものと期待をしております。
 不況のあらしに一番影響を受けるのが弱い立場にある非正規社員、また障害者であります。こうした事態に対応するために、今回の雇用対策には、改正案にも通じる、障害者や母子家庭の母等の就労支援の促進が盛り込まれております。これは、ハローワークにおいて、今回拡充される特定求職者雇用開発助成金を活用するなど、障害者の就職を促進するとともに、企業に対しても障害者の雇用拡大や特例子会社の設立などを働きかける内容となっており、一日も早い実現が望まれております。
 深刻化する事態に対応するために、政策のスピードが重要であると思います。十月の追加景気対策に盛り込まれた措置の強化また拡充とともに、新たな雇用対策については速やかに実現が図られるよう、舛添大臣が先頭に立って政府をリードしていただきたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○舛添国務大臣 今委員が列挙されました与党の案、それに基づいて、昨日朝、関係閣僚会議を開き、政府案を決めました。今おっしゃったように、再就職支援、それから雇用維持対策、内定取り消しへの対応、こういうものを柱に、さらに住宅対策まで含めて、きめ細かい対策を迅速にとりたいと思っています。
 さらに、こういう政策とともに、一次補正予算で、日雇い派遣労働者の安定就職支援、フリーターなどの常用雇用化支援、さらに、事業活動に悪影響が出ている中小企業の雇用維持への支援、こういうことも既に一次補正で予算がついておりますので、総合的に現下の雇用情勢の改善のために全力を挙げてまいりたいと思っております。
○古屋(範)委員 昨日もソニーが世界で八千人のリストラをするということを発表しておりますけれども、また、今、大臣は本予算の編成にも全力を挙げていらっしゃる真っただ中かと思います。この雇用対策に今から万全の準備をし、そして、来年早々の二次補正の成立を期しまして、私もともかく今最大の課題となっている雇用対策に全力を挙げていきたい、このように考えております。よろしくお願いいたします。
 次の質問に移ってまいります。
 本年六月に警察庁から発表になりました平成十九年中における自殺の概要資料によりますと、我が国の年間自殺者は三万三千九十三名と非常に高水準で推移をいたしております。このうち、うつ病が原因、動機と見られるものが最も多く、うつ対策は喫緊の課題と考えます。うつ病を含む気分障害の患者は、この十年間で四十三万人から九十二万人と激増しております。我が国におけるうつ病の生涯有病率は六・三%ということですので、国民十五人に一人が経験をする、いわば国民病ともなりつつあると言えると思います。
 財団法人労務行政研究所が本年四月にまとめた調査結果によりますと、職場におけるストレス等からうつ病等の精神疾患に罹患するものが非常に多く、メンタルヘルスの不調で、これはうつが大きな比率を占めているんですが、一カ月以上休職している人がいる企業は六割以上となっております。この結果は、三年前の調査より約一割ふえておりまして、一社当たりの休職者は平均九・五人という結果でございました。
 また、平成十九年六月時点での五十六人以上規模の企業での精神障害者の雇用者数は約四千二百人程度にとどまっておりまして、今後、精神障害者の新規雇用を進めていくためには、同時に、在職中にうつ病になる労働者の円滑な職場復帰を支援していくことが不可欠であると考えます。
 そこで、今回は、精神障害者の中でも特にうつ病患者の方々の支援についてお伺いしてまいります。
 私も、現場でうつで悩んでいる方々が非常に多い、こういう現状を踏まえまして、本年四月三十日に、私が座長となり、党内にうつ対策ワーキングチームを設置しました。
 うつ病対策にどう取り組んでいくかということで、早速、沖縄県にあります、認知行動療法を実践して画期的な成果を上げております総合精神保健福祉センターに参りました。
 また、その後、うつ病対策の現状、課題について、慶応大学の大野先生、NPO法人MDAの山口代表、また、子供のうつ対策ということでは日本医科大学の齋藤先生など、精力的にヒアリングを行い、また、休職中の障害者の職場復帰支援を行っている東京障害者職業センターにも行ってまいりました。ここでは、職場復帰への細やかなコーディネーターとしての対応をしてくださっている、非常に一生懸命やってくださっているという現状を見てまいりました。また、経団連、連合からの御意見も伺ったところでございます。
 そして、七月三十一日には、総合うつ対策として舛添大臣に申し入れを行ってきたところでございます。
 そうした視察やヒアリングを通しまして、私は、患者が安心してうつの治療に専念できる社会をつくっていかなければならない、このように痛感いたします。うつ病を対象とした労働災害の認定、また職場復帰支援等につきましては、近年拡大してきているというものの、まだまだ十分とは言えない規模でございます。どうしても、うつであるということを隠してしまうという風潮がございます。うつ病は治療が中途半端であると再発率が極めて高いということが指摘をされておりまして、症状が安定するまで経済的にも安心して治療に専念できる社会をつくっていかなければいけないと考えます。
 そこで、公明党の総合うつ対策の提言におきましては、健康保険の傷病手当の活用拡大、安心して治療ができるような労災保険の休業補償、障害者手帳取得の促進などを訴えております。
 健康保険の傷病手当の活用拡大については、うつ病に限らず病気で休職すると、健康保険組合や政管健保、共済組合に加入している場合は健康保険から傷病手当が支払われることとなっております。また、長期にわたって日常生活また社会生活への制約が認められて認定を受けることができれば、精神障害者保健福祉手帳を取得することができるわけです。税金の軽減等も受けられます。こうした経済面での支援制度は、いずれは職場復帰をと考えている休職をしているうつ病等精神障害者にとって、大変重要な支援策であると考えます。
 私は、患者が安心して治療に専念できるよう、これらの支援策の周知が必要であると考えます。厚労省の取り組みをお伺いいたします。
○木倉政府参考人 お答え申し上げます。
 今御指摘のように、うつ病の患者さんに対しましては、適切な医療を提供して安心して生活を送っていただけるということ、それから、できるだけ早い社会復帰に頑張っていただけることが重要であると考えております。その中でも、経済的支援として活用できるものはしっかり活用して頑張っていただくということが必要だろうというふうに思っております。
 そのための仕組みとして、今御指摘のように、御療養のために働くことができないときの健康保険の傷病手当金、それから、労災であるということの認定があった場合の療養補償の給付あるいは休業補償の給付、こういうものがございます。こういうものをしっかり御活用いただきながらやっていただく。
 さらに、今御指摘ありましたが、精神障害者の保健福祉手帳制度、これも創設されて大分たっておりますが、なかなかまだ周知されていない、御利用が十分でないという面がありますから、こういう手帳制度をよく知っていただきまして、それを持たれることによりまして、所得税や住民税、あるいはその他の公共サービス等の割引等もございますので、そういうものの優遇を受けられるということを御活用いただきたいというふうに思っております。
 こういうふうなものをしっかり御活用いただくためにも、もちろん、健康保険の保険者あるいは事業主の皆様、周知を図っていただきたいと思いますが、私どもとしても、精神疾患をお持ちの方々のいろいろな対策の普及の中で、特に保健所でのいろいろな相談、あるいは精神保健福祉センターでのいろいろな相談、それから、今もホームページ等で周知を図っておりますが、そういう中できめ細かに御紹介を進めてまいりたいということで、さらに改めて個別の事業といいますよりも、我々としても、精神障害者に対する総合的な周知を図る中でも徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
○古屋(範)委員 最後になります。障害者の社会復帰に重要な役割を果たしております地域障害者職業センターについてお伺いいたします。
 今回の改正案では、地域障害者職業センターの業務に、障害者就業・生活支援センター等の関係機関に対する職業リハビリテーションに関する技術的事項についての助言や援助等の業務が追加されることとなっております。具体的には労災支援に携わる人材育成等でありますが、センターでは既に、ジョブコーチの養成、研修や、地域の関係機関に対する職業リハビリテーションに関する知識の提供等、ネットワークの構築に取り組んでおり、これまで実施してきた業務を法律上明確に位置づけたものと認識をしております。
 地域障害者職業センターでは、ここを利用している障害者のうち、精神障害者や発達障害者を含むその他の障害者など、就職することが大変に難しい方々が四割を占めております。職場復帰を目指している障害者にとって大変重要な役割を担っているものと考えます。
 私が参りました東京都障害者職業センターでは、休職中の障害者の職場復帰のためのリワーク支援を行っております。十九年度は、リワーク支援を終了したうつ病二十五人のうち七六%の十九人が職場復帰を果たしております。
 しかし、このプログラムを受けるには、希望者が多く、数カ月間も待機をしなければいけない、待っている状況でございます。来年度概算要求においては三十三人のカウンセラーの増員が盛り込まれておりますけれども、ぜひともこの予算の確保はお願いしたいと思っております。
 そこで、専門性を強化して職場復帰支援の積極的な取り組みを促すために、センターの支援担当職員、職員が足りません、カウンセラーを増員するなど体制の強化を図り、休業した労働者の職場復帰支援のさらなる拡充を図っていくことが重要と考えます。大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○舛添国務大臣 このリワーク支援、大変効果を上げていまして、十八年度も八〇%を超える復職率ということでございます。三十三人増員を要求しております。それで、来年は千四百二十人に対してこれを行いたい。今の倍増、そのために人員が必要でございますので、実施体制の強化、これを今後とも図ってまいりたいと思っております。
○古屋(範)委員 以上で質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○田村委員長 次に、三井辨雄君。
○三井委員 おはようございます。民主党の三井辨雄でございます。
 きょうは障害者雇用促進法案の質疑でありますが、まず、中小企業の支援についてお伺いしたいと思います。
 十二月になり、私の地元の札幌では、毎日最低気温がマイナスの日が続いているわけでございますけれども、まさに冬が本格化してきたのかなという思いがございます。現在の経済状況はまさに、こうやって見てみますと、真冬を迎えつつあるのではないかな、こういうぐあいに思っているわけでございます。
 政府の発表されております月例経済報告においては、景気は弱まっているということを言われておりますけれども、毎日の報道を見てみますと、倒産やあるいは人員削減の記事ばかりで、厚生労働省の発表でも、既に三万人以上の非正規労働者の雇いどめが行われた、学生の就職内定取り消しも続いておると。景気は弱まっているどころかさらに厳寒の時期を迎えようとしているのではないかなと私は思っているわけでございます。
 北海道の状況は本当にさらにさらに悪く、失業率は四・八%、また有効求人倍率は〇・四八という大変な状況にございます。裏を返せば、そこまで企業が落ち込んでいるのかなという状況であります。
 今回審議しておりますこの障害者雇用の促進の法律でありますが、現状では、やはり事業主は、障害のある方はおろか障害のない方についても雇用する余力が乏しくなっている。言いかえれば、障害者を雇用したくてもできない状況にあるのではないかなと思われるわけでございます。
 一方、ハローワークには十四万人を超える仕事を求める障害者の方がいます。また、企業における雇用は難しくても、施設で就労している障害者の方が約三十万人。こうした方々に対して仕事を提供していくことは、企業の責務であると同時に国の責務でもあり、我々議員の責務であると考えるわけでございます。
 現在、障害者雇用促進法には一・八%の法定雇用率制度があるわけでございますけれども、企業に障害者の雇用を義務づけております一・八%という数字は、施設にいらっしゃる障害者のことなどを考えれば決して高い数字ではありませんが、一方、企業にとっては、特に中小企業にとっては決して低い数字ではないわけでございます。
 雇用率で障害者雇用を義務づける、また、今回の改正により中小企業からも雇用率未達成であれば納付金を徴収する、言いかえれば罰金を取って義務づける、こういうやり方については仕方ないのかなと思う場面もございます。しかし、企業が嫌々障害のある方を雇用しても、企業にとっても、その企業で働く障害者にとっても、かえって不幸な状態にならないのか。
 障害のある方が中小企業においても生き生きと、そして伸び伸びと働ける、企業も障害のある方を雇用して本当によかった、そのような障害者雇用を実現していくことが必要だと考えていますけれども、こうした観点から、中小企業支援のあり方について岡崎部長にお尋ねしたいと思います。
○岡崎政府参考人 今回、中小企業につきましても、納付金制度の対象に段階的にしていくという法案をお願いしております。
 これは、納付金をいただく部分については、罰金というふうに言われましたけれども、そういう面もあるかと思います。これは、不足している企業から納付金をいただいて、そして、むしろ超過して雇っていただいているところには調整金をお支払いする。やはり障害者を雇用する際にはいろいろな経費がかかる部分もありますので、それをきちんと調整していく仕組みということでございますので、その点は御理解をいただきたいというふうに思っております。
 ただ、そういう部分だけではなくて、やはり障害者を雇っていただく場合に、義務づけられているからそれで雇うんだというだけでは、障害者の方も決してちゃんと働けるということにはならないだろう、むしろ、職場そのものが障害者を受け入れるという状況をつくっていく中で、どういう形であればその障害者の方が能力を発揮できるかという観点で受け入れていただくのが非常に重要だろうというふうに思っております。
 したがいまして、その点につきましては、中小企業等につきまして、社長さんを初めトップからの御理解をいただくというようなことと、それから、やはりいろいろな面でのノウハウの提供が必要だろうというふうに考えております。ハローワークでありますとか地域障害者職業センターのカウンセラー等、あるいはジョブコーチもおりますので、そういったようなさまざまな、人的な面を含めまして、支援をする中で、中小企業の御理解を得る中で障害者の雇用の場をふやしていく、こういう考え方で進めてまいりたいというふうに考えております。
○三井委員 まさに御答弁にありますように、経営者もやはり一体になって、お互い知恵を出して、お互いによかったと思われるような職場づくりをしていかなきゃならないなと思います。
 そこで、納付金制度についてお伺いしたいと思います。
 障害者の法定雇用率未達成企業から徴収される障害者雇用納付金は、障害者を多数雇用する企業への調整金や助成金の原資でもあり、これが資金になるわけですね。適切に管理されることが必要であります。
 今回の改正において、納付金の徴収対象企業が三百一人以上から段階的に百一人以上の規模にまで拡大することになるということになっておりますけれども、残念ながら、この法定雇用率の未達成企業というのは大変多いように聞いております。きちっと徴収できるのか、やはり私は懸念されると思います。
 年金で未納を初めとするさまざまな問題がありますように、この制度にかかわる根幹、不信感を積み重ねないためにもこういう事態を招かない、そして信頼される制度を維持するためには、納付金の徴収や助成金の支給等を行うための体制整備を行う必要があると思いますが、大臣の御見解をお願いいたします。
○舛添国務大臣 この適用対象が三百一人から百一人に拡大、事業主に拡大ということで、納付金の対象企業数が一万七千五百社増加する、それから調整金の対象企業数が六千八百社増加するということなので、これは徴収をしっかりやり、そして調整金をきちんと払うということをやらぬといかぬと思いますので、今御指摘のこの高齢・障害者雇用支援機構、これの業務を効率化し、きちんとできる体制を整えて、この事業主の対象拡大に伴う混乱が起こらないように万全を期したいと思っております。
○三井委員 次に、障害者虐待についてお伺いしたいと思います。
 先般、私の地元で新聞報道がございました。小さな食堂だったのですが、実は私もここで、定食屋さんなんですけれども、何度か食事に行ったことがあるところなんです。ここは知的障害者を四人、当時雇用していたんですね。私が見た感じは、ここの経営者は立派な人だな、大変優しいおばさんで、また、その息子さんも大変政治が好きで、選挙運動をしていたりしたのを見たことがあります。
 ところが、この食堂の二階に知的障害者、毎日朝六時に起こして、そして夜十時まで働かせた。まさに十六時間労働なんですね。仕事中は大変監視がきつくて、トイレに立っていくのも、我慢しろとか、もっと耐えられるだろうと大変どなられた、こういうことも聞いておりました。食事は、定食屋さんですから、残ったものばかり食べさせられて、そして休みは月二回という報道がありました。現金は週一回銭湯代を渡されるだけで、賃金も払われず、そして障害年金も取り上げられるという事案でございました。
 こうしたことは、時折明らかにされますが、現在、我々民主党は障害者虐待防止法について今検討を進めているところであります。
 こうした問題は、雇用の問題というよりももはや犯罪としか言いようのない事案でありますが、中小企業における障害者の雇用を進めていく場合には、今後増加していくことも考えられます。こうした企業と接触する機会も多いと思いますが、どのように対応されていくのかお尋ねしたいと思います。
○岡崎政府参考人 障害者の中でも知的障害者あるいは精神障害者の方を受け入れていただくということはなかなか難しい面もあって、事業所にお願いしながらやっている部分もありますが、そうかといって、そういうところで今委員から御指摘のような事態が起きているということになれば、これは雇用の場を広げるという意味よりは、むしろマイナス面の方が非常に大きい、犯罪行為ではないかと言われましたけれども、まさにそういう面もあるのも事実でございます。
 私どもとしましては、きちんとした雇用をしていただけるところにハローワークから就職をさせていくということが基本でございますが、それとともに、働き始めた後につきましても、特に知的障害者等の方につきましては、きちんとしたフォローアップをしながら、きちんとした形で生活面を含めてなっているかどうか、これはちゃんと見ていかなきゃいけないだろうというふうに思っております。
 また、私どもの労働基準監督署もございます。今御指摘の事案等があったことも踏まえまして、ハローワークと監督署が連携しながら、特に寮のようになっているところにつきましてはいろいろな問題が生じやすい懸念もございますので、そういったところは特に重点的に定着指導あるいは監督指導を行うようにというような通達も出しておりますが、今後ともそういう形で、そういう御指摘のような事案がないように努めてまいりたいというふうに考えております。
○三井委員 この事案は結構何十年と続いているのですね。ですから、今まさに行政指導なりなんなり、やはりしっかりとした指導なり監督なりしていくことが重要だと思いますので、しっかりこの辺はやっていただきたいと思います。
 それから、雇用障害者の生活支援についてお伺いしたいと思います。
 最近は、特に知的障害者あるいは精神障害者の就職希望者が大変増加している。かつてこの場で私も質問させていただいたことがあるのですが、私の病院に、ある知的障害者の施設から紹介された二十の女の子がいまして、非常に明るくて生き生きしている子でもありました。特にキャベツを刻むのが得意で、調理場で働いていただいていました。名前もしっかり私は覚えているのですが、のぶちゃんという子なんです。
 その子が、私の病院にとっても、こういう明るい障害者で、そしてまた職場のみんなでお互いに助け合うという非常にいい環境にあったのですが、本人も二十になったので自立をしたいということでアパートを借りたのですけれども、残念ながらそこで、大変これはひどいことだなと思ったのは、新聞の勧誘員に甘誘されたというのですかね、そういうことで突然いなくなったのですね。もちろん警察でも捜しました。しかし、それ以来なかなか、親御さんがいない方ですから消息がつかめない。
 私も、特にこういう障害者の問題のときは常にその子のことを思い出すのですが、まさにそういうことについて、あくまでも職場ではサポートできるわけでございますけれども、やはり生活面のサポートは大変重要だと思います。
 今後、障害者の雇用に伴う生活面でのサポートというのはどのようにお考えなのか、お聞かせ願いたいと思います。
○岡崎政府参考人 御指摘のように、知的障害者あるいは精神障害者の方々の雇用が進んでいく中で、事業所としては、やはり日常生活まではなかなか面倒を見切れないというのがあるのは事実でございます。そういった面につきましては、やはり仕事の面と生活の面と、両方の面から国としても必要な支援をしていく体制をとっていく必要があるだろうと考えております。
 そういう中で、障害者就業・生活支援センターというのがございます。順次全国的に拡大してきておりますし、最終的には障害福祉圏域すべてに設ける方向で努力しておりますが、こういうセンターを通じまして、就業面だけではなくて生活面からのサポートもしながらきちんとしたフォローアップができる、こういう体制を整えながら就業支援を進めていきたい、こういうふうに考えております。
○三井委員 本当に当時は、やはり行政ではこういうサポートというのはなかなか難しかったんだと思いますけれども、先ほどの知的障害者の労働時間の問題とかその事案と同じですけれども、センターでやはりしっかりと監視をするなりしていただかないと、せっかく職場に来ていただいた、そして、そこで一生懸命やる気になっている子が、独立してしまってそういう結果になるというのは非常に残念だと思うのですね。ぜひともそのセンターなりでしっかりと生活面のフォローアップをしていただきたいと思います。
 次に、短時間労働者の関係についてお伺いしたいと思います。
 現在、スーパーマーケットとか、あるいはどこの会社もそうですけれども、パートの方がたくさん働いているわけでございます。こうした方が、現在、雇用率の対象となっていないということは、改めて私も驚いたわけでございますけれども、パートの方がふえて正規労働者が減れば、その分、やはり企業で雇用すべき障害者の数も当然減るわけですね。こうした意味で、今回の改正では週の所定時間が、先ほども質問がございましたが、二十時間以上三十時間未満の短時間労働者を雇用率の対象とすることは、むしろ私はもっと早くこういうことはやるべきだったのではないかなと思っております。
 今回の改正により、短時間労働者を多く雇えばその分雇用すべき障害者の数もふえるし、短時間労働であっても障害者を雇用すれば、その分雇用率にカウントされることになるわけですけれども、一方で、短時間労働者も〇・五カウントとはいえ雇用率カウントが可能になると、事業主が社会保険の負担を逃れようとする、あるいはフルタイム労働から短時間労働への移行を強いることになりかねないのではないかという、この部分も私は大変危惧しております。
 それ以上に、今回の改正で一番恩恵を受けるであろう、加齢に伴って体力が低下してフルタイム勤務が難しくなった障害者が短時間勤務に変更して働き続ける場合に、社会保険から外されるという事態が発生するとすれば、それはそれでやはり大きな問題だと考えます。
 さきの通常国会で大臣は、今回の改正を受けて事業主がそういう障害者本人の意思に反してフルタイムから短時間労働への移行、代替を強いることのないよう注意をして指導していく、こう答弁をなさっておりますけれども、ちゃんと実効性がある、そしてしりすぼみにならないように、ガイドラインあるいは基本方針というものにしっかりと明記する、実際に疑わしい事例がある場合は即対応して積極的に事業主に対して指導するということをやるべきだと思いますけれども、大臣の御見解をいただいておきます。
○舛添国務大臣 今の三井議員の御懸念につきましては、法律の第七条に基づきます障害者雇用対策基本方針において、事業主が配慮すべき事項としてそのことを明確にしたいと思っております。
 さらには、ハローワークにおきまして、本人の希望や適性を踏まえて適切に雇用管理を事業主が行うように指導等を適切に行って、障害者が本人の意思に反して短時間労働に切りかえられることのないように全力を尽くしたいと思っております。
○三井委員 ありがとうございます。
 それでは、時間がございませんので、まだあと質問が三つほど残っているんですけれども、急ぎ質問をさせていただきたいと思います。
 次に、就職困難度に応じた障害認定についてお伺いしたいと思います。
 発達障害者ですとかあるいは難病患者など、障害者手帳を持たない、そして現在、障害者雇用義務の対象となっていない障害者の方でも、仕事をする上での障害、ハンディキャップを持っている方もいるわけですけれども、このような方々がその障害にかかわらず働くことができるよう、いわゆる医学上の判定、手帳の有無によるのではなく、職業上の判定、仕事をする上での障害があるか否かによって認定を行うべきではないかと思います。
 もちろん、発達障害者なんというのは大変技術的な困難があると思うわけですけれども、そのような判定を公正に客観的にやるためには、判定できる人材、また組織、体制をどう確保、整備されるのか。雇用義務の対象が大きく変わることによって、企業の雇用率負担など、どのような影響があるのか。検討すべき課題はたくさんあると思いますが、それこそ、障害者権利条約というものができた中で、三障害に限らず障害を抱えた方が当たり前に働くためにも、決断が必要な時期に来ているのではないかと思います。
 これも、さきの通常国会で大臣は、手帳や医師の診断があるかないかで障害者の範囲を決める現状を大幅に見直していくことに意欲を示しておられました。その意欲と決意に変わりはないか、大臣にお伺いしたいと思います。
○舛添国務大臣 判定の技術的な問題とか、その判定ができる専門家をどう育てるか、その他さまざまな問題がありますけれども、手帳の有無にかかわらず、発達障害者とか難病の方々についても職業上の困難度に応じて支援措置を考えていく、こういうことを考える時期に来ていると思いますので、これは真剣に検討するということに変わりはありません。
○三井委員 ありがとうございます。
 次に、精神障害者関係についてお伺いしたいと思います。
 先ほど申し上げましたように、パート労働が広がっているという中で、雇用義務という制度で、少なくとも週二十時間以上の方を雇用した場合にその義務を果たしたという考え方は、これはもっともだと思います。
 しかし、精神障害者の方の中には、ある程度症状が改善した、あるいは安定してきても、長時間働くことはできない、難しい、最初は一日二時間という短い時間でしか働けないという場合も当然あるわけでございますけれども、このような方が短時間であっても会社で働き始められれば、単に収入が入るということだけでなくて、その方の生活にとってもさまざまないい影響が出ると考えられます。
 こうした観点から、週二十時間未満の雇用に対する支援も積極的に行うことが大切だと思いますが、お考えをお伺いしたいと思います。
○岡崎政府参考人 精神障害の方につきましては、おっしゃいますように、最初から一日四時間とか働くことはなかなか困難な場合もございます。そういうことも考えまして、今年度から、精神障害者ステップアップ雇用奨励金というのを創設しました。
 週十時間、要するに、今おっしゃいましたように、一日二時間程度から始める方につきましても、奨励金を出す形の中で企業にも努力をお願いする、そういう形で精神障害者の雇用を進めていく、こういう考え方でやっておりますので、こういったものを含めまして、短時間からでも働く場を確保していくということについて努めてまいりたいというふうに考えております。
○三井委員 最後に、精神障害者の雇用については、先ほども申し上げましたが、大変増加しているわけでございますけれども、約六千人ということで今とどまっているということを聞いております。
 今後、企業による精神障害者雇用、先ほど質問させていただいた中で、さらに企業も理解を示していただく、そういう中で雇用者数がもっともっとふえれば、やはり身体障害者あるいは知的障害者と同様に雇用義務の対象とすることを検討すべきであると考えますけれども、今後どのようにその対応をされていくのか、お伺いしたいと思います。
○岡崎政府参考人 精神障害者の方も雇用率のカウントの対象にはして、二千人、四千人、六千人と順次ふえてきております。ただ、まだ一般的に、企業の中で精神障害者を雇うという土壌ができているというところまでは行っていないのではないか。
 そういう中で、来年度は、精神障害者を雇う企業へのモデル事業みたいなものも概算要求に入れておりますが、そういう形の中で、企業がきちんと精神障害者も雇用するという状況、そしてその雇用管理のノウハウもきちっとする中で、できるだけ早い時期に法定雇用率の完全な対象にできるような環境の整備に努めてまいりたいというふうに考えております。
○三井委員 それでは、これで終わりますが、最後に、法定雇用率は私の企業でも遵守すべく、罰則を受けないように頑張りたいと思います。
 ありがとうございました。
○田村委員長 次に、菊田真紀子君。
○菊田委員 おはようございます。民主党の菊田真紀子でございます。
 きょうは、限られた時間でありますので、早速質問に入らせていただきたいと思いますが、若干通告の順番が変わる可能性がありますことを冒頭申し上げたいと思います。
 さきの通常国会にこの法案が提出をされまして、衆議院の厚生労働委員会で質疑が行われたのが六月でございました。しかし、現在とは経済状況が大変大きく変わっております。百年に一度の危機と麻生総理が言われる経済状況の中で、中小零細企業からは、もうあすあす倒産か廃業かという悲鳴が上がっております。
 急激に経済状況が悪化している中で、企業の負担軽減策をどう考えているのか、まずお伺いいたします。
○舛添国務大臣 委員御指摘のように、非常に厳しい雇用情勢になっております。
 まず、障害者雇用に関しましては、補正予算におきまして、中小企業における障害者の雇い入れの際の助成制度を拡充し、これを十二月一日から実施してございます。
 また、十月に取りまとめました生活対策におきましては、初めて障害者を雇用する中小企業に対する奨励金を新たにつくりました。さらに、障害者雇用の特例子会社等の設立促進のための助成金の創設も盛り込んでおります。
 いずれにしましても、この厳しい経済状況を理由として企業が、特に中小企業が障害者雇用について後退することがないように全力を尽くしてまいりたいと思っております。
○菊田委員 パートや派遣社員など、非正規社員の解雇が大変問題になっておりますけれども、最も先に解雇の対象にされてしまうのが障害者ではないかと私は考えております。
 障害者の解雇の実態についてきちんと把握をしているのか、今回の法改正では障害者の雇用の維持についてどういう対策がとられているのか、お伺いいたします。
○岡崎政府参考人 障害者の方を解雇した場合につきましては、ハローワークへの通知が義務づけられております。これは、もちろんハローワークにはその都度通知が来ることになっておりますが、本省としては、従来、年一回状況を把握していたんですが、こういう状況のもとで、それでは不十分だろうということで、毎月ハローワークから情報を上げさせるということにいたしました。
 十月、十一月、急激にということではありませんが、徐々に障害者の解雇者数がふえているという実態はございます。そういう中で、ハローワークでの就職支援体制を強化することを含めまして、きちんとした対応をしていきたい、こういうふうに考えております。
○菊田委員 毎月毎月報告を上げさせるようにしたということで、これは大変評価したいと思います。
 と同時に、数だけでなくて、どういう理由で解雇されているのかということをあわせて把握していくことが大切だというふうに考えておりますし、また、景気の悪化や企業の業績不振を理由に障害者が不当に解雇されないように、しっかりと注意をしていただきたいと思います。
 続きまして、障害者の政策を実際につかさどっている独立行政法人の高齢・障害者雇用支援機構についてお伺いをいたします。
 交付金や運営費など、年間幾らの国費が入っていますか。
○岡崎政府参考人 高齢・障害者雇用支援機構に対します国費でございますが、平成十九年度の予算でいきますと、運営費交付金として事業運営のための経費が百七十七億余り、それから、企業等へ助成金を出す部分の補助金が三百四十三億という数字でございます。合わせると五百二十一億でございます。
○菊田委員 高齢・障害者雇用支援機構は、高齢者や障害者雇用への関心と理解を深めるためにさまざまな活動をやっているわけです。その中でも、広報啓発活動ということで、このような「働く広場」という冊子を毎月発行しているということであります。毎月約五万四千部発行しておりまして、この後ろを見ますと、定価百三十五円、送料は別で六十八円というふうに書いてありますが、販売はしていない、基本的には、障害者雇用対象企業に対して無料で配付をしたり、福祉施設などに配付をしているということでお聞きをいたしております。私も、実はここに電話をして、この「働く広場」が欲しいのですと言いましたら、無料で送っていただきました。
 そこでお伺いいたしますけれども、この「働く広場」の企画、編集につきましてですが、平成十九年度はどこと幾らで契約しましたか。
○岡崎政府参考人 企画、編集につきましては外部委託をしておりまして、具体的には、雇用問題研究会というところに委託しております。
 十九年度でございますが、実はこれは従来随意契約でやってきたものを一般競争入札に変えております。十九年度の途中から変えておりまして、十九年度の四月から十二月までは従来の形の随意契約でございましたけれども、この際が約二千八百万でございます。それから、一月以降は一般競争入札で行った結果でございますが、三カ月分としまして一千万円弱という数字になっております。
 ただ、一般競争入札でも雇用問題研究会が落札しておりますので、同じところが委託先になっているという状況でございます。
○菊田委員 この「働く広場」なんですけれども、平成十九年度は、前半期は随意契約で契約をした、後半は一般競争入札で、しかし、同じく雇用問題研究会と契約がされたということでありますけれども、確認をいたしましたらば、平成二十年度もやはり同じくこの雇用問題研究会が受注をしている、契約を結んでいるということであります。平成二十年度からは一般競争入札ということでありますけれども、しかし、一社しかこの入札に参加をしない、一社のみの応札ということで、結果として、また二十年度も約二千三百万でこの雇用問題研究会と契約がなされたということであります。
 そこでお伺いいたしますけれども、これは通告をしておりませんが当然知っていると思いますけれども、この「働く広場」というのは昭和五十二年に初版ですよね、初めて出されました。以来、ずっとこの雇用問題研究会というところと契約をしているのではないですか、どうですか。
○岡崎政府参考人 済みません。一番最初から雇用問題研究会であったかどうか、ちょっと今確認する資料を持っておりませんが、従来、長く随意契約で雇用問題研究会が受託してきたものというふうに理解しております。
 それから、先ほどの入札の関係でちょっと補足したいと思うんですが、実は一般競争入札の場合、今回、高齢・障害者雇用支援機構は、これは編集、企画でありますので、三年間の期間の一般競争入札をしておりますので、入札は一回で、二十年度はその競争入札の結果、引き続いてその雇用問題研究会が受託している、こういう状況になっているということでございます。
○菊田委員 それではお伺いいたしますけれども、この高齢・障害者雇用支援機構、独法から、雇用問題研究会への再就職はありますか。現在及び過去について伺います。
○岡崎政府参考人 昨日、高障機構に確認したところ、高障機構の方から就職している者はいないというふうな報告を受けております。
○菊田委員 それでは、厚生労働省から雇用問題研究会への再就職者があるかどうかということでありますけれども、昨日確認をいたしましたら、過去十年間だけでも、厚生労働省から雇用問題研究会に顧問として再就職をしている人が四人いるということであります。これは、天下り先の企業に優先的に仕事を振り分けているというふうに見られても仕方がないと思うんですけれども、どうですか。
○岡崎政府参考人 御指摘のように、顧問という形で、同時期には一人ございますが、入れかわっておりますので、この十年間で四人の者が顧問だったということは把握しております。
 ただ、平成十八年限りでそういった顧問の受け入れもやめている、これは雇用問題研究会の方の判断だと思いますが、そういう状況になっていると。でありまして、現在のところ、私どもの方からのOBで就職している者はいないというふうに理解しております。
○菊田委員 今の私の質問については、皆さんのお手元にも資料を届けさせていただいておりますが、これは過去十年間だけということなので、もっとさかのぼっていきますとどういうことになっていたのか、御推測のとおりだと思いますけれども、これも切れ目なく、しっかりと、ちゃんときれいに再就職されていたということであります。
 それではお伺いいたしますけれども、高齢・障害者雇用支援機構における契約の状況についてです。平成十九年度の実績で、すべての契約における一般競争入札の割合はどれくらいでしたか。
○岡崎政府参考人 平成十九年度におきます契約のうち、一般競争入札は百四十九件、十六億でございます。それから、企画競争入札が四十五件、五億三千万、随意契約が二百二十三件、九十三億七千万、こういう数字になっております。
○菊田委員 入札、契約の方法については、たびたび私たち民主党は国会で追及をさせていただいてまいりました。そして今、省内でもこういったことにきちんと取り組んでいくということで、確かに、十七年度、十八年度に比べますと改善をされているということであります。
 しかし、今、件数は確かに減っておりますけれども、金額で見た場合に、これは十九年度の実績でいいますと、合計約百十億円の契約金額がございます。その中で、一般競争入札での契約金額はわずかに十六億円ですね。今御報告があったとおりでありますけれども、割合にすれば一四%です。そのほかが、ほとんど多くが随意契約ということで、金額でいいますと約九十三億円、割合でいいますとまだ八一%ということでございます。
 私はこれではまだまだ不十分だという認識でありますけれども、これで十分だという認識に立っておられますか。どうですか。
○岡崎政府参考人 随意契約につきましては、御指摘のようにさまざまな問題が指摘されております。
 高障機構につきましても、政府全体の随意契約の見直し計画に沿いまして、平成二十二年度までには、どうしても随意契約でなければならない、要するに庁舎の借り上げ等々を除きまして、基本的に随意契約はやめていくということにしております。
 金額が多いのは、これは、高障機構、職業リハビリテーションのための地方の機関はあるんですが、助成金の支給とか普及啓発の部分については、各県ごとにあります雇用関係の企業がつくっております協会に委託している、その部分が額として大きいということがありましたので、その部分を今後、企画競争入札等に変えていく必要がある、こう考えております。それがきちんとなされていけば、最終的には、随意契約につきましては、件数におきましても、金額におきましても、一〇%未満になるというふうに考えております。
○菊田委員 私がきょう取り上げさせていただいた「働く広場」の冊子のことですけれども、これだけじゃないと思うんですね。本当にこの独法の一つ一つの契約を見たときに、いかにも不透明な、そして、もっと削減をしたり、見直しをしたり、改善すべきところがたくさんあるというふうに感じております。こういう、無駄をなくしたり、効率化を進めていくことによって、もっともっと必要な予算をまさに現場に回すことができるんだと。
 今、障害者自立支援法の改悪の中で、障害者の施設、作業所、そして障害者一人一人の暮らし、本当に大変な状況になっておりますので、ぜひそういったことにしっかりと取り組んで、指摘をされたから直すじゃなくて、やはり自主的に見直すということが大切だと思いますので、よくとらえていただきたいと思います。
 先般、行政支出の無駄ゼロを目指す政府の行政支出総点検会議の提言がございました。その中で、広報、委託調査費の二五%以上の削減、競争性の高い契約方式への移行、公益法人への支出三千五百億円削減などが提言されておりますけれども、厚生労働省はこの提言を受けてどう対応されるのか、大臣にお伺いいたします。
○舛添国務大臣 十二月一日に開催されましたいわゆる無駄ゼロ、行政支出総点検会議におきまして、事務事業の廃止縮小による公益法人への支出の見直し、それから特別会計の支出の見直し、さらに行政コストの節減、効率化、その他の指摘をいただいたところであります。
 厚生労働省としては、今御議論ありましたように、この随意契約というものを競争性の高い契約方式へ移行させるということがまず第一、それから、調査委託費等、これは非常に不透明なこともありますので、ゼロベースで見直すというようなことを展開していって、効率化を図って国民の信頼を獲得したい、そのように思っております。
○菊田委員 随意契約から一般競争入札にできるだけするというのは、これは当然のことでありまして、しかし、問題は、随意契約から一般競争入札に変えたけれども実際は一社しか応札しませんでした、そして、依然としてずっと独占してきた企業が仕事をとり続けているという実態がたくさんあるんですよ。これは見せかけだけの改革だと私は思っています。やはり、こういうことをきちんと改革してこそ本当の改革だというふうに思っております。
 それから、悪質な例は、随意契約から一般競争入札に変えました、変えた途端に、年度ごとの契約じゃなくて三年間まとめての契約に変わりましたというようなケースもあるわけですね。これも表だけは、見かけだけは変えました、しかし、中身は依然として変わりませんと。こういうでたらめなことが許されてはならないと思いますが、いかがですか。
○岡崎政府参考人 一般競争入札に形だけするということがあってはならないというのは御指摘のとおりでございますが、契約期間等につきましては、むしろ業務の中身、性質に基づきまして適切な判断をすべきではないか。編集、企画みたいなものにつきましては、新しいところが入るためには、一定の契約期間であった方が、一年間だけというよりはむしろ入りやすいかもしれない。そういったいろいろな配慮の中で、競争入札をする場合の期間その他を考えて、むしろ、競争性を持ってやるためにどういう形がいいか、それは個々に判断してやっていくべきではないかというふうに考えております。
○菊田委員 大臣、先ほど御答弁をいただきましたけれども、この無駄ゼロを目指す政府の行政支出総点検会議の提言、これは、具体的な提言がなければ何もしないということではなくて、ぜひ本当に自主的に取り組んでいただきたいというふうに重ねてお願いを申し上げたいと思います。
 続きまして、障害者雇用納付金制度に基づく各種助成金の手続を行っている全国の都道府県協会についてお伺いいたします。
 この全国の都道府県協会、職員が四百六十三名おられますけれども、厚生労働省の出身者が二百六十六人いるということで、皆さんのお手元にも資料を提出させていただいておりますけれども、常勤職員に占める厚生労働省の出身者の割合は何と五七・五%ということでございます。なぜ都道府県協会にこれだけの厚生労働省出身者が必要なのか、教えてください。
○岡崎政府参考人 今御指摘がありましたように、各県ごとの雇用開発協会等に高障機構から業務が委託されています。その仕事の中身は、高齢者あるいは障害者につきましての周知啓発でありますとか、あるいは助成金等の支給につきましての受付業務等でございます。
 私どもとしては、公務員あるいはハローワーク等の出身者を雇わなきゃいかぬという思いはありませんけれども、しかしながら、各協会の判断によりまして、そういった業務が適切に行われるようにというようなことで、それぞれ人材を確保しているのではないかというふうに考えております。
 いずれにしましても、公務員のためにこの協会があるというようなことであってはならないということは御指摘のとおりでございますので、業務がきちんとなされるように、各協会にも指導しながら適切な対応をするようにしていきたい、こういうふうに考えております。
○菊田委員 今おっしゃったとおり、公務員のためにこの協会があるというふうに思われてはならない。そして、業務をしっかりと遂行するということでありますけれども、都道府県協会による空出張、それから飲食、裏金などの不正支出や公金流用というのは、会計検査院からもたびたび指摘を受けております。きちんと業務をすることが大切だとおっしゃいますけれども、厚生労働省の出身者がいながら、こういう問題がたびたび起きるというのはどういうことですか。
○岡崎政府参考人 会計検査院におきまして、一斉に、全部の協会を二年間に分けて会計監査をされました。そういう中で、今おっしゃったような幾つかの不適正あるいは不正な会計処理が行われていたということは非常に遺憾なことでございます。
 私どものOBがいるかいないかということではなくて、各協会の本来の姿勢としまして、あるいは高障機構におきます精算業務としまして、そういうことがないようにきちんと対応していくということは非常に重要だと思っておりますし、おくればせながらではありますけれども、十九年度におきましては、基本的にはそういうものはなかったというような状況でございます。
 いずれにしましても、そういう状況があったことは非常に遺憾であるというふうに考えております。
○菊田委員 まさに厚生労働省そのものが疑われることだと私は思いますよ。しっかり監督をしていただきたいと思います。
 本当に未曾有の経済危機の中で、障害者の生活は大変厳しくなっておりますし、今回の法改正によって中小零細企業の負担も本当に大きくなっております。だからこそ、私は、本省はもちろん、独法のさまざまな契約のあり方や予算の使い方や天下りの実態、こういったものを点検して、現場にこそ必要な予算を回していただけるように重ねてお願いを申し上げまして、時間が参りましたので、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○田村委員長 次に、郡和子君。
○郡委員 民主党の郡和子でございます。
 早速質問を始めさせていただきます。
 今し方、菊田委員の質問に対して、障害を持っておられる方々の失業、解雇というのが増加傾向にあるということを御答弁いただいたわけですけれども、先日、私は、宮城障害者職業能力開発校に伺ってまいりました。
 ここは、職業能力開発促進法に基づいて国が設置して、宮城県が委託を受けて運営する、障害を持った方々のための職業訓練の施設であります。東北各地から、寄宿生活をしながら職業訓練を受けておられる方々が授業を受けておられました。校長先生は、この経済状況で、さらに就業に結びつけるのが本当に厳しい状況だということをお話しになっておられました。経済が厳しさを増せば増すほど、真っ先に影響を受けるのは障害を持った方ではないかという話がこれまでも出てまいりましたけれども、私もそのように思っております。
 今般の経済危機に当たって、障害者雇用の補正予算について、まず大臣に伺いたいと思います。
○舛添国務大臣 大変厳しい雇用情勢にございますので、まず、ハローワークを通じた障害者の離職状況の把握にきちんと努めたいと思います。
 一次の補正予算におきましては、中小企業における障害者の雇用に対する助成の拡充、それから、ハローワークにおける職場定着支援の強化を行いましたほか、先般の生活対策におきましても、先ほど申し上げました、初めて障害者雇用を行う中小企業に対する奨励金を新たにつくる、それから、新たに障害者を雇用し、特例子会社等を設立した場合の助成金を創設するなどを盛り込んでおりますので、こういう施策を展開して今の状況に対応したいと思っております。
○郡委員 ところで、雇用促進法の審議ですけれども、障害手帳の有無にかかわらず、特定求職者雇用開発助成金や法定雇用率などの対象範囲について、それから要件の見直しなどにつきまして、前回、六月四日の通常国会で質問させていただきました。大臣には大変踏み込んだ御答弁をいただきまして、大変ありがたく思っています。
 その後どのように対応されているのかについて多少伺わせていただきたいと思うんですが、まず、概算要求で、モデル事業といたしまして、発達障害者の雇用促進のためのモデル事業の創設と、それからまた、難病の方々の雇用促進のモデル事業の新設がなされました。大変ありがたいなと思って見させていただきましたけれども、いずれも予算は五千九百万円ということで、ちょっとこれは足りないなというのが私自身の実感ではありましたのですが、これをしっかりと充実させていく必要があろうかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○岡崎政府参考人 それぞれのモデル事業を概算要求に入れさせていただいておりますが、金額がわずかと言われましたけれども、現在のハローワークにおきます就職の実績等も踏まえながら、しかしながら、その数でとどまるということではなくて、しっかり力を入れてやっていくということでございますので、それも見込んだ数字で要求しております。
 このモデル事業につきまして、雇い入れ半年後にお支払いするという形でございますので、今回入れている予算は、そういう意味では上半期に雇用された分ということでございますので、下半期の部分等につきましては、状況を見ながら、これは支給は再来年度になりますので、そういった部分、しっかりやった分だけ予算を積み増すということを含めまして対応をしていきたい、こういうふうに考えております。
○郡委員 ぜひ充実をさせていただきたいと思います。
 また、このモデル事業なんですけれども、この対象につきましては、既に雇用されている障害手帳のない発達障害の方あるいは難病の方についても、トライアル雇用を活用したり、雇用時間の調整や職場内の合理的な配慮、雇用管理のモデルケースとして有効なケースにつきましては、これまで特開金を利用したことがないというケースであれば、モデルケースの収集、集積ということにもつながってまいりますので、ぜひこれを対象に含めてもらいたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○岡崎政府参考人 難病の方あるいは発達障害の方等につきまして、今後どういう形で障害者雇用施策の中で組み込んでいくかということを考えた場合に、そういう方々の企業におきます雇用管理の問題点、あるいは逆に、ノウハウその他を収集して対応していくということは非常に重要だろうというふうに思っています。
 そういう中で、今般、モデル事業としまして、雇い入れの部分につきましては、特定求職者雇用開発助成金と額的には同額の仕組み、ただ、そういう中でノウハウを得るためにモデル事業として仕組ませていただきましたけれども、そういう形で対応させていただきました。
 ただ、既に雇われている方ということになりますと、これは難病の方、発達障害の方以外の、要するに雇用率制度の対象になっている障害者の方を含めて、そういう形で雇い入れじゃない形の助成というのは余りありませんので、むしろ、そこの部分につきましては、いろいろな形の調査研究という形の中で、企業の御協力も得ながら情報を収集して、全体としまして、発達障害の方とか難病の方の雇用管理のあり方を十分研究して今後の施策を考えていく、こういうことにさせていただきたい、こういうふうに考えております。
○郡委員 今回のモデル事業というのは特開金にかわるものという、その前段といいましょうか、同じようなものなのだという御説明もあった上で今の質問をさせていただいたわけですけれども、であるならば、今この特開金を利用していない方々、既に就労されている方々も、モデル事業ということで対象には十分になり得るのだろうと思っているんですね。ぜひ御再考いただきたいというふうに思います。
 次に、これはきのうの参考人の皆さんたちの陳述の中にもございました。山本参考人の陳述でしたけれども、今の身体障害における障害認定では、臓器あるいは疾病別の基準に不備がある、なのになぜ入り口の要件としているのかという御意見がございました。
 私も、きょう資料を用意させていただきました。お配りいたしました資料の後半、大きいものの方ですけれども、これは「身体障害者障害程度等級表」でございます。
 一番最後のページになりますか、「内部機能障害」というところをちょっと見ていただきたいと思うんです。これには、心臓、腎臓、呼吸器、膀胱、小腸というふうにございますが、例えば、腎臓障害があって障害手帳の対象になる方については就労施策というのが利用できるわけですよね。ここに入っていない肝臓病の方、軽作業を超える作業の回避が必要であると社会的制限が認められていても、肝臓病の方はこの手帳の対象とならないために就労施策も利用できないわけであります。また、HIVで軽作業を超える作業の回避が必要であるという人は、これは手帳の対象になっているので就業の施策も利用できるわけですけれども、同じ自己免疫疾患である難病の人たちは対象外となっているわけですね。どちらも同じように支援を必要としている皆さんたちです。
 このように、臓器ですとか疾病別で認定項目に不備のある障害認定を入り口の要件とせず、必要な福祉を利用できるようにすべきではないかと考えますが、これについてはいかが御答弁されますでしょうか。
○岡崎政府参考人 障害者の雇用、それから福祉ということを考えていく場合に、雇用の部分を福祉の部分と全く違う判定基準にするということについてはなかなか難しい面もありますが、一方では、職業という観点から見てどういう考え方をする必要があるのかということもあわせて考える必要があるのではないかというふうには認識しております。
 ただ、そういう中で、雇用率等、企業に義務づけるようなものにつきましては、やはりある程度固まったような制度をもとに考えていかざるを得ない部分もあるのではないかというふうに思っています。一方では、障害者雇用促進のための各種の支援施策につきましては、もう少し柔軟に考えるということもあり得るだろうというふうには考えております。
 そういう中で、手帳とは無関係にということはなかなか難しいかもしれませんけれども、どういう方々にどういう支援が必要かということにつきましては、職業上の困難度をどう判定していくか、これはずっと研究して、なかなか難しい面もあるんですけれども、そういった問題意識も含めながら、今後さらに検討を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○郡委員 今部長が御答弁されましたけれども、やはり、その方の職業的な能力の判定というのが、今ある障害の認定と同じではないんですね。私はまるで違っているものだというふうにとらえております。
 しかも、これについての研究というのはこれまでも長い間行われてきたものでございまして、障害者の職業紹介業務取扱要領でも、今回の法案の対象となっている障害者というのが、「労働の意思及び能力を有することが必要とされるものであるが、労働能力を有するか否かは、当該障害者が就こうとする仕事との関係において個別具体的に判断すべきものであって、単に当該障害者の障害の程度のみによって判断してはならないもの」だというふうに、もう既にされているわけです。研究もずっと長いことされていて、やはりこれは、もう既にある程度のものが構築されているのだ、そういうふうに思っています。
 一刻も早くこの判断基準というものを新たにつくっていくべきときではないかということを思っているわけでして、これらについて続いて質問させていただくわけなんですけれども、その人にどのような機能障害があるのかの認定、また機能障害を原因とする社会参加上の制約あるいは活動障害が、現行の身体障害者手帳の給付対象となる障害認定上の活動制限等と同程度と認められるかどうかについて、これは、主治医の診断書、それから障害を認定する指定医、あるいは更生相談所などにおける判定で十分にもう既に可能になっているんじゃないか。これは前回も申し上げたことですけれども、重ねてこれもお尋ねをしたいと思います。
 大臣は、この件について先ほど心強い答弁をされたと思っております。スケジュール、いつまでには新たにこの診断方法を決めていくのだということも含めて御回答いただければと思うのですが、いかがでしょう。
○岡崎政府参考人 先ほども答弁しましたように、この認定というのはなかなか難しい面もあるというふうに考えております。そういう中で、特に雇用率制度等の対象にするかどうかということになりますと、やはり一般的に事業主に義務づけるという観点もありますので、これはやはりある程度慎重に、いろいろな方々の意見も聞きながら検討しなきゃいけないというふうに考えておる。
 一方で、就職支援という関係になりますと、これは、現在の障害者の職業センターもそうでありますが、雇用率の対象になっていない方については支援しないとかいうことには全くなっておりませんで、発達障害の方とか高次脳障害の方とか、いろいろな方々につきまして、主治医の判断を含めまして、企業へのいろいろな働きかけあるいはノウハウの提供等を行っているところであります。
 したがいまして、それぞれの施策ごとにいろいろ違うと思いますが、私どもとしましては、できるところから、要するに支援の部分から、できるだけいろいろな形でノウハウを吸収しながら進めていくということにしていきたい。そういう中で、全体の雇用管理のノウハウとか企業への適用みたいなところの条件が整ってくれば、雇用率とかそういったことも含めて検討していくということになるというふうに考えておりますが、いつまでというのは、今お示しするのはなかなか難しいかな、こういうふうに考えております。
○郡委員 国土交通省では、公営住宅法の施行規則第二十四条一号というのがございまして、ここで、障害を持った方々の公営住宅の入居資格について、手帳がなくてもこういう方々であれば、医師の診断書によって現行の身体障害者手帳の給付対象となる障害認定上の活動制限等と同程度であると認められれば入居できるというふうに、もう既になっているんですね。
 きょう、これも資料をつけさせていただきましたけれども、社会参加上の制限が同程度認められる場合の基準例ということで、ここにいろいろまとまったものがあるわけであります。ちょっと囲みをしたところなどをごらんいただきたいと思うのですけれども、それぞれの障害によって、こういうようなことがあればいいというようなことも含めて示されているものがある。であるならば、こうしたものを拾って、新しく判定基準もすぐさまつくれるのではないだろうかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○岡崎政府参考人 御指摘の公営住宅法に基づきます入居資格のものも私ども見ております。
 ただ、入居できるかどうかという制度におきます判定と、それから企業に義務づけるというような場合におきます基準と、それはやはりおのずと違う部分もあるんではないかと。
 ただ、一方では、入居させるかどうかということとある意味では同じように考えられるハローワークでありますとか地域職業センターでの支援等々、そういったものについては、むしろそういうような手帳の有無にかかわらず、支援が必要な方が当然おられるというふうに私ども認識しておりますので、そういう部分からきちんとした対応をする中で、そういう方々の就業にかかわりますいろいろな問題点あるいはノウハウを獲得しながら、さらにどういう形にしていくかということを考えていく、こういうことにしていきたい。
 ですから、私ども、そういう方々の支援が必要ないということを言っているつもりは全くありませんが、例えば雇用率に入れるというようなことになると、相当かたい形で全体が固まっていかなきゃいけない。むしろ、そこに行き着くまでの間としまして、ハローワークでありますとか地域職業センターでは十分な対応を進めていきたい、こういうふうに考えているということでございます。
○郡委員 そもそも、法定雇用率の一・八の数字については、それが適当であるのかどうかというようなことも大きな議論なんだろうと思います。まさに、障害者の権利条約を批准するというような段階を日本も控えて、しっかりとしたものをつくっていかなくちゃいけない、そういう状況にあるんだろうと思うんですね。
 障害者の権利条約におきましては、障害というのは環境との関係において見ていくことというふうにされています。社会生活上の参加制限がある、こういうふうなことに着目をすべきだということですよね。これまでの日本での医療的な診断基準というのではなく、環境であったり社会生活上の障壁というのでしょうか、こういうもので考えていくべきものだということが述べられているわけで、そもそも、職業上の障害というのと現在の障害者認定、いわば心身機能ですとか、それからIQの数字上の状況ですとか、この障害というのにはやはり大きな開きがあるんだと思っております。全く違うものだというふうに言っても過言ではないんだと思っているんですね。
 現在の障害認定では不備があるというのは今指摘させていただきましたけれども、これも先国会でも御指摘をさせていただきましたが、「難病等慢性疾患者の就労実態と就労支援の課題」ということで、厚い冊子がまとめられております。先国会ではお見せしたと思うんですけれども、きょうは済みません、持ってきませんでした。これらの研究成果というのはもう十年も前から積み上げられたもので、しかも難病の患者さんたちの実態というのが細かく示されているわけであります。
 障害者権利条約の批准も見据えて、今のこの制度、昭和二十年代にできた認定基準ですから、この対象規定というのはもうやめにして、障害上の評価方法というのは、職業であればこうであるというような、別途確立させる必要があるというふうに思っています。これはきのうも山本参考人がこのことを重ねて御要請していらっしゃったと思うんですけれども、私も全く同感でして、早急にこれは結論を得て制度化する必要があると考えておりますが、いかがでしょうか。
○岡崎政府参考人 国連障害者権利条約につきましては、非常に幅広い条約でありますし、対象となる障害者につきましても非常に広い概念として規定されているのではないかというふうに考えております。
 そういう中で、国連権利条約、障害者の方の人権を守る、あるいは差別を禁止するというところが基本になっておりますが、そういう部分につきましては、やはり我が国におきましても国連権利条約の考え方を踏まえた対応を検討していかなきゃいけないんだろうというふうに考えております。
 ただ、そういう中で、雇用率制度等々、障害者雇用を促進する制度をどうやって仕組んでいくかということにつきましては、その対象と全く同じであってはいかぬということではありませんが、同じでなくてはいかぬということでもないだろうというふうに思っています。
 いずれにしましても、そういうことを含めまして、障害者権利条約の検討を進める中で御指摘の点も検討しながら考えていく必要があるだろう。そして、職業上の困難度につきましてさまざまな御意見があるということは私どもも認識しておりますので、そういった御意見も十分聞きながら検討を進めていきたいというふうに考えております。
○郡委員 既に難病の患者さんたちの就労実態調査ですとか就労支援の研究というのは十年も前から行われているということも重ねて申し上げましたけれども、大臣にぜひこれは政治判断を求めたいと思います。本当に、我が国でも障害者の権利条約の批准を見据えて、もうすぐさまやっておいた方が得策だと思うんですよ。すべてのそういうようなところを見直していく上で、せっかく研究成果ができ上がっているのですから、これ以上若い難病の患者の皆さんたちの就労を妨げるような障壁になっているところはやはり省いていくべきであろうと思います。難病の若い皆さんたちをこれ以上待たせるわけにはいかないんじゃないかと思っています。
 であるならば、もしその職業障害上の評価ができるまでの間の暫定措置として、原因となる機能障害の認定、また、その機能障害を原因とする社会参加上の制約や活動障害というのが、現行の身体障害者手帳の給付対象となる障害認定上の活動制限等と同程度と認められる場合は、手帳がなくても、今申しましたように、特開金の対象に入れていく、そして、その先に法定雇用率の数字の中に入れていく、こういう取り組みが必要だと重ねてこれもお願いをしたいと思うんですが、大臣の御所見とそして政治的な御判断をぜひにお願いしたいと思います。
○舛添国務大臣 まさにモデル事業をやりながらそういう課題に取り組みたいと思っています。
 ただ、もう一つこの機会に申し上げておきたいのは、私が日ごろ考えていることですが、さらにその先を考えると、ノーマライゼーションという考えを少し加味した方がいいだろうと。
 今、行政の立場の話をしていますから、仕事においてどういう障害があるか、それは手帳がどうだという、そういう話をしていますけれども、もうこれは委員御承知のように、ノーマライゼーションの思想の大きな一つの柱は、残存能力の活用ということですから、むしろ、かくかくしかじかの障害があってできませんというよりも、残された能力をどう活用すればできるか。それから、今IT機器も発達していますから、例えばまぶたの動きで文字を書くこともできます。こういう残存能力の活用というのを大きな次のステップとして入れるとともに、特に難病、とりわけ発達障害の方々を見ていると、残存能力どころか、我々が持っていない潜在能力、もっとすぐれたものも持っている可能性があります。これを活用して、御本人の仕事にもつながっていく、社会にも貢献させるという道も開いていく必要があるんですが、そのときに、今言った残存能力、潜在能力、こういう話になると、ではどう認定するんですかという非常に難しい問題がさらに先に出てきます。
 ですから、この問題は、もちろん認定の基準や法律的な枠組みの努力ということもありますけれども、やはり社会全体で、個々の企業、そして個々のコミュニティー、そして周りの人たちが、今のような方向で大きく、哲学的なことになりますけれども、発想を変えていかないといけないと思いますから、同時にそういうこともやりながら、今委員がおっしゃった問題意識、これはモデル事業を通じて何か手がかりができないか、そういうことでできるだけ早く大きな決断をしたいと思っております。
○郡委員 話の内容は理解いたしましたが、できるだけ早くというふうなところしか御答弁いただけなかったのは大変残念でなりません。本当にできるだけ早くというその意味に込められたところを、来年かどうなのかというところも踏まえて、なお御尽力をいただきたいと思います。
 次に、大変異例なことではあるんですけれども、きょうのこの障害者雇用促進法の採決の後に国民健康保険法の一部改正案が委員長提案されることになっております。理事会で合意を得られたということで、大変異例だとは思うんですけれども、私は、この法案が成立した場合にどのような運用になるのかについて大臣にお尋ねをさせていただきたいと思います。
 まず、今回の法改正ですけれども、世帯主に資格証明書が交付された場合でも中学生以下の子供たちには短期保険証が必ず交付されるというふうに認識していいのかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○舛添国務大臣 国権の最高機関は国会でございますから、そこできちんと法律になったものは行政としては正しく運用していくということに尽きるというふうに思います。
 それから、短期被保険者の件についても今御答弁いたした方がよろしゅうございますか。(郡委員「していただければ」と呼ぶ)はい。それにつきましても、途中で六カ月で切れるというようなことがないように、きちんとすき間がないように発行できるように万全の体制を整えたいと思います。
 法律が成立した暁には、その精神に基づいてきちんと適用してまいるということに尽きます。
○郡委員 世帯主の滞納の事由にかかわらず、中学生以下の子供たち、このところ報じられておりました三万三千人のお子さんたち、無保険ということでしたけれども、この子供たちを救うために短期の保険証を交付するということで、六カ月経過してもこれは更新が切れるということはあり得ないというふうに理解をさせていただきました。
 しかし、これは一日も切れ目なく、中学生以下のお子さんたちが手元にちゃんとその保険証が届くのかどうか、切れ目ができる可能性はあるのかどうか、あるとすればどういう場合なのか、お答えいただきたいと思います。
○舛添国務大臣 これはその子供のいる御家庭の事情とかいろいろなことがあるというふうに思います。ですから、細かく家庭訪問したりして状況をつかむということですし、それから、時間外や休日にもいろいろ連絡を試みるということをやりたいと思いますが、それでもなお、どうしても連絡できないというようなことがあり得ると思いますけれども、そういうことができるだけないようなきめの細かい対応をしていきたいというふうに思っておりますので、法律が成立しました暁には、そういう旨、各自治体に対して徹底的に指導してまいりたいと思っております。
○郡委員 現状の短期保険証の場合ですと、窓口に出向いてこれを更新するのかどうかというふうなことも含めて、いろいろとあるわけですね。私が大変心配をしているのは、親御さんと連絡がとれないだとか、それから、親がこの短期保険証を受け取りに出向かなかった場合、これはやはり子供の手元に保険証がないというふうなケースがあることも想定できるわけです。これは行政として放置してはならないと思うんですね。
 これまでも、厚生労働省の説明とは違って、この無保険の子供たちが三万三千人いるということも明らかになったわけです。そして今回は、こういう状況を何とか救うために、子供たちに医療をどこでもいつでも受けられるような体制をちゃんと整えるべきだということで、与野党で合意をさせていただいたんだと思うんです。
 今大臣は地方自治体についてもしっかりと指導していくというふうなことをおっしゃいましたけれども、既に現段階でも自治体の対応はまちまちであったというわけでして、ここで厚生労働省としてしっかりとした対応を立てませんと、自治体としてはまたどうしていいのかわからない、それぞれに任されているのだからといって、またばらばらな対応になっては困るわけですよ。そのところをしっかりと担保しておきたいんですね。
 子供たちの福祉のために、この立法の趣旨にちゃんと沿うような、しっかりとした行政を各自治体が行えるように、厚生労働省としてしっかりと何らかのことを決めてもらわないと困るんじゃないだろうかと思っているわけです。子供たちの手元に短期の保険証がないということがないように、何らかの手を講じるべきだと思いますけれども、これについてしっかりとお答えをいただきたいと思います。
○舛添国務大臣 法律が成立しましたら、きちんとガイドラインをつくりまして、直ちに各自治体に通達をし、指導していきたいと思います。
 それから、日本医師会含めて、それぞれの病院の窓口の対応ということもありますから、そちらの方の医療提供者の方にもまた働きかける。行政、内閣のレベルでは、総務大臣にもこのことはきちんとお願いをし、さらに、子供たちのことですから、文部科学大臣にもこのことについてきちんと申し渡しをしたいというふうに思っております。
○郡委員 大変異例の質問で申しわけなかったのですけれども、今回、この法案につきましては、与野党で合意をいたしまして、滞納世帯であっても子供たちには保険証を渡して必要な医療を受けられるように、これは国としてもしっかりとした責任を負うべきだということで、今回、こういうふうな委員長の提案ということになったのだと承知をしております。
 子供たちというのは、親も選べませんし、住む地域も選べません。地方自治体がばらばらになることのないように、なお、ガイドライン、通達など、しっかりとしたものを出していただいて、無保険の子供を全くつくらないような、そういう行政であっていただきたいと思います。
 これで質問を終わります。どうもありがとうございました。
○田村委員長 次に、園田康博君。
○園田(康)委員 民主党の園田康博でございます。
 引き続きまして、雇用促進法の改正案につきましての質問をさせていただきます。
 通告をしておりました順番をちょっと変えさせていただきまして、先ほど同僚の郡委員が質問をされたことに関連してちょっと私から、就労上の認定の作業といいますか、考え方について少し御質問をさせていただきたいと思っておりますので、御了承をいただきたいと思います。
 同時に、質問項目になかったのですが、ふと疑問に思いましたので、参考のために一点だけ御質問させていただきます。
 先ほどの郡委員の資料の中で、大変恐縮なんですけれども、身体障害者の等級表がございました。別表の五でありましたけれども、その中で、内部障害の、臓器別で手帳の取得が認められているという状況がありましたね。例えば腎臓病が認められていて、そして、それ以外のと言ったらなんですけれども、一例を挙げると肝臓病が認められていない。あるいは、例えばHIVが認められていて、多発性硬化症が認められていない。
 その中には、研究等々がいろいろなされてきているんだということでありますけれども、部長で大変恐縮でございますが、なぜこの違いが出てくるのか、そこをできれば端的にお答えいただければ。なぜ、そのような臓器別で違いが出てきてしまっているのか、認められているか認められていないかの違いが出てきてしまっているのかということの理由をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○岡崎政府参考人 障害者の雇用の面と福祉の面とありまして、実は、先ほど来御指摘がありますように、雇用を考える場合に福祉と同じような考え方でいいかどうか、こういう御指摘を受けているところであります。
 今御指摘の表は福祉の方の表でございますので、ちょっと私、具体的にその部分、何で腎臓、心臓が入って肝臓が入っていないか、実はつまびらかではございませんが、先ほど来の御指摘もありますような中で、障害者の雇用という観点からどういうふうに考えるかということにつきましては、いろいろな御指摘を踏まえて、将来的に勉強はしたい、こういうふうに考えております。
    〔委員長退席、上川委員長代理着席〕
○園田(康)委員 やはりこういう、一つ一つ臓器別でこの問題をとらえていってしまうと、先ほど大臣もおっしゃっていただいたのですけれども、ノーマライゼーションという考え方をこれからきちっと、もっともっと我々の社会の中の考え方に入れていかなければいけない、そういった中で、また研究モデル事業をやって研究をして、そしてそこにまた一つ臓器別で足していくなどというようなことをやっていったら、私は、逆にまた選別というか区分けを、そこで新たな線引きをつくってしまうのではないかという危惧をちょっと抱きました。
 そういう点では、先ほどまさしく大臣がおっしゃっていただいたように、ちゃんとその先のことも見据えた、単なるモデル事業で何か一つの統計が出てきたから、では、この部分は認めていこうなどというような形でやっては、やはり私は場当たり的な対応になってしまうのではないかなという気がいたしてなりません。そういう意味で、この就労上の認定について、私も質問項目を幾つか挙げさせていただいておりましたけれども、先ほど郡委員からも適切な質問をさせていただきましたので、その部分は割愛をさせていただくわけでありますが、一点だけ。
 大臣が最後に答弁をされました。できるだけ早期にというふうにおっしゃいました。私も、できるだけ早期にそれをやっていただきたいわけでございますけれども、この法案、今般提出されていらっしゃるその法案の私の読み方が間違っていたら、後で御訂正というか御指摘を逆にいただきたいのでありますが、改正案の附則の第五条に、この法案の見直しの時期が書かれてあります。
 これでいくと、この法律の施行後五年を目途として、「改正後の障害者の雇用の促進等に関する法律の規定について、その施行の状況等を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずる」という形で附則に書いてあります。
 となると、通常これを読めば、この改正案によって、次の見直し、この雇用促進法の見直しは五年後まで先送りにされてしまうのではないかという懸念を私は抱いてしまいます。そういった点では、先ほどおっしゃっておられるように、モデル事業であるとか、あるいはこれから権利条約の批准をしっかりと私たちはとらえながら、この問題を幅広くやっていかなければいけないという状況が出てくるはずであります。
 そして、この法律そのものが完全施行になるのが二十二年の七月であったというふうに、最初の施行が二十二年、すなわち、再来年の七月からこれが施行されるわけであります。その施行に合わせて、まだ二年近くの期間がここであるということからすれば、例えばそこを念頭に置いて、次の改正を五年というだけのスパンで考えるのではなくて、もっと前倒し、あるいはそういう二年か三年の期間できちっとした議論を積み重ねていって、改正に結びつけていくという大臣並びに厚生労働省の姿勢というものを私は見てみたい。もちろん、我々も頑張って提案をしていくつもりでありますけれども、その姿勢というか御決意をお聞かせいただければなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○舛添国務大臣 一応、五年を目途に見直すということでありますが、必要に応じて、これは前倒しであれ、必要なときには見直したいというふうに思っています。
 それから、先ほど委員がおっしゃったことの、ノーマライゼーション絡みでちょっと一言つけ加えさせていただきますと、今の障害者の認定その他は、どこに障害があるか、したがってどういう仕事ができないか、ある意味で当然ですけれども、そういう認定の仕方になっていますけれども、先ほど私が申し上げたのは、何ができるんだろうかと、ポジティブな方に変えたい。
 そのための条件は、例えば医療水準が上がる、医学技術が上がる、そのことによっても変わります。それから、先ほどちょっと申し上げたIT技術の進歩によっても変わります。それから、北欧のようにすぐれた補助器具を使うことによっても変わります。こういうのは日々刻々発達しておりますし、先般、介護についての今のロボットの実態を見ましたけれども、これは食事の介助者が要らないぐらいにすごいのができて、豆腐を機械でつかめるわけですよね。
 そういうことを含めて考えれば、五年を待たずに、やはり状況に応じて必要な見直しは行っていくべきだ、そういうふうに考えております。
○園田(康)委員 ありがとうございます。
 私もこの議論をしっかりととらえさせていただいておりますので、ぜひ大臣と、またさらなる改正に向けての議論を引き続き行わせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 さらに、きょうはちょっと時間がありませんので私も細かくお話をすることはできないわけでありますけれども、だからこそ、大臣先ほどおっしゃっていただいたように、何ができるか。残存能力、潜在能力というふうにおっしゃっていただいたので、残存能力という言葉は何か残されたという感覚がありますので、それはちょっと私はとりませんけれども、その方が持っていらっしゃる能力、それを最大限生かすというか、これを持っていくということがこの社会の中における重要なキーポイントになってくるわけであります。
 したがって、個別に持っていらっしゃる一人一人の方をどのように見ていくか、これがやはりニーズ判定ということに一番つながっていくものではないのかというふうに私は思うわけであります。だからこそ、この就労の支援、それから福祉の支援、さまざまな生活の支援の中において、このニーズを主体とした福祉のあり方、就労のあり方、支援のあり方というものをぜひ、大臣も考えていただけるのではないかなというふうに私は期待をいたしておりますので、よろしくお願いを申し上げておきたいと思います。
 そこで、ちょっと戻りまして、労働政策全般の、権利条約の考え方でお話を少しだけさせていただきたいと思います。
 これもやはり、私の受けとめ方が違ったら、大臣からまた教えていただきたいんですけれども、今の麻生政権になってから、特命担当大臣として、障害者担当という方が内閣の中にいらっしゃるのかなということが、私、実は懸念をいたしております。
 すなわち、これは別に質問ではありませんけれども、障害者施策推進本部が置かれておりまして、その設置の規程の中においては、総理大臣を本部長とし、あるいはその補佐をする大臣として、官房長官あるいは担当の特命大臣を置くという形にされていて、その上において会議体が持たれていくんだということがありますけれども、残念ながら、麻生政権になってからそれが一度も行われていないのではないかなというふうに私は受けとめさせていただいています。同時に、そういった障害者との懇談会もまだ持たれていないという状況があるわけでございます。
 したがって、これをもう少しきちっとした、先ほど大臣もおっしゃっていただいたように、これから権利条約の批准というものは、権利条約ができました、しかし我が国はまだ批准はしておりません、批准に向けての国内法の整備をしっかりと一つ一つやっていかなければならないわけでございます。障害者差別禁止法というものも含めて、これは恐らく担当は内閣全体でやっていく話であろうというふうに思いますので、担当大臣がどなたかはわかりませんけれども、もしいらっしゃらなければ舛添大臣がリーダーシップをとっていただいて、私はこれを進めていくんだという姿勢を見せていただけないのかなと。
 残念ながら、今の麻生総理からはそういうものが引き出されていないというふうに思っておりますので、内閣そのものとしては私は落第点を押させていただきますけれども、舛添大臣個人に対しては少しまだ期待をしているところが私はありますので、ぜひ、これはやっていただけないかな。決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
○舛添国務大臣 今の内閣の中で、私の記憶が正しければ、野田聖子大臣が障害者の担当になっていると思います。
 それから、障害者に関する会議が事務的には開催されていますけれども、我々政治家がそこに入ってというような形ではありませんので、そういう意味ではまだまだ政治主導じゃないというふうに思っています。
 しかし、やはり国際的な常識というか、そういう中に我が国も入っていくということは必要なので、権利条約の批准に向けて、必要な法的な整備は行っていく。そして、それだけじゃなくて実質的に、障害を持たれた方が職業ないし社会生活の中で、まさにノーマライゼーションの思想にあるように、健常者と同じように生活し、仕事をし、自分の意思を貫いていける、そういう体制をつくることが本当の先進国だと思いますので、努力をしてまいりたいと思っております。
○園田(康)委員 よろしくお願いを申し上げたいと存じます。
 さて、この改正法案の中で、昨日の参考人の皆様方からもさまざまな御意見をいただきました。その中で、重度障害者のダブルカウントの問題がやはり何人かの参考人の方から御指摘がございました。
 昨日、私もその質疑の中で申し上げさせていただきましたけれども、雇用促進法の制度導入当時においては、ダブルカウント制度というものを用いていくことが、いわば重度障害を持った方々でも企業の理解と協力があって就労が実現をしていくんだ、こういう趣旨であったわけでございますので、その当時の考え方としては、ある意味、私はこのダブルカウント制というものは意味のあったものであったのだろうというふうに理解はさせていただきました。
 しかしながら、これから先のことを考えた際に、先ほど大臣もおっしゃっていただいたように、さまざまなITの技術革新というものが出てくると、私も実際に、これはビデオで見させていただいたわけでありますけれども、先ほど、目で字が書けるようになる、そのとおりなんですね。あるいは、口でしゃべって、それが字になって、それが音声になって、しかもそこから部屋の中のさまざまな指示を出せるようなところまで、アメリカはもう既にこの技術革新を行っているんだという状況からすると、その人が持っている潜在能力を使って幾らでも仕事は幅広く広がっていくんだというようなところを私どもは実際に目の当たりにさせていただいているところであります。
 したがって、そういう観点からすれば、重度障害者に限ってのダブルカウントという形が、今後を見据えた状況の中で、果たしてそういう施策がそのまま残されていていいのだろうかという懸念を私はどうしてもまだぬぐい去れないところがありますし、また、権利条約ということからすれば、これは障害者であれそうでない方であれ、一人の人間としての、人格形成における形をしっかりと認めている、だれしもが認めていこうじゃないかという、共存共栄社会の中における考え方がこの権利条約の根幹にあるわけでございます。
 であるならば、だからこそインクルーシブ教育という観点がありますけれども、統合教育という言葉は私は余りとりたくないんですが、この教育の観点をきちっと社会の皆様方にもわかっていただくような形に持っていけば、企業の理解というものは得られるものではないのかな、得られていくようにしていかなければ、むしろ、そちらの方を重点的にやっていく施策の方が私は有益なものではないのかなというふうに思っているんです。
 このダブルカウントそのもののあり方の検討を、やはり早急に進めていくべきであろうというふうに思っておりますが、いかがお考えでしょうか。
○岡崎政府参考人 ダブルカウント制度についてでございますが、国連権利条約の中で、二つの要素があるのだろうと。一つは人権という観点、あるいはそういうところから出てくる差別の禁止。そして先ほど来お話しのように、障害を持っているから何もできないわけではなくて、障害を持っていようが、そこに合理的な配慮があればいろいろなことができる。そういう人権的な観点からの部分、これは、重度障害の方であれ軽度障害の方であれ、あるいは障害がない人であれ、一人の人間としてきちんと考えていくべきだ、その部分はおっしゃるとおりだろうというふうに思っております。
 ただ一方で、雇用率制度というのは、政策的にどうやって障害者の雇用を進めていくかという観点でつくられた制度でございます。
 そういう中で、重度の方をどういうふうに評価していくかということを考えるといった場合に、例えば視覚障害を考えた場合に、全く目が見えない方と、拡大すれば弱視の方と、企業が同じように受け入れるかというと、私どもは就職支援をしたり企業指導をしている中で、やはりそこには受けとめ方が相当違う部分がございます。そういう中で、雇用を促進するという政策的な制度として位置づけた場合に、どの障害を持っていても、あるいは障害の程度が違ってもみんな同じに評価するかどうかということになると、その政策効果を含めて、きちんとした議論が必要ではないか。
 それからもう一つ、今、ダブルカウントしておりますが、一・八という雇用率が設定されております。これは、ダブルカウントの方については、そういう方だということでカウントした上での数字が一・八でございます。試算してみますと、ダブルカウント制度をなくして雇用率はどうなるかというのを考えてみますと、大体一・四ぐらい。したがって、一・八のままダブルカウントをなくして、雇われる障害者の方がふえるというシステムには今はなっていない。ダブルカウントをなくせば、一・八が一・四ぐらいに下がるということになるわけであります。もちろん、全体の法定雇用率をどうするかという議論は、当然、別途あるとは思いますが、単純にダブルカウントだけをなくすとなると、そういう結果になるということでございます。
 ですから、そういうことを含めて、障害者雇用促進を具体的に、いろいろな障害の方、重度の方、軽度の方、それを含めてどうやって進めていくか、こういう観点から、これは障害者団体によっても多分違うというふうに思っていますので、十分意見を聞きながら検討しなきゃいけないのではないかというふうに考えております。
○園田(康)委員 だからこそ、やはりしっかりとした実態と、それから先ほど大臣がおっしゃっていただいたように、さまざまな施策がまだ盛り込める余地が残されているというか、企業にもっと働きかけをすることが重要な観点であろうということでありますので、私は短絡的にダブルカウントをなくせということを申し上げているわけではなくて、それにかわり得るというか、企業がちゃんとした受け入れ体制をとれるような形に持っていくことが、数字上の一・八であるとか、それをなくせば一・四とかということではないんだということは、ぜひ共有をさせていただきたいなというふうに思っておるところでございます。
 そこで、先ほど部長から合理的配慮のお話が出ましたので、少し具体的な例を挙げながら、こういう施策一つ一つを、全体的な、制度的な不備を直していかなければいけないのではないかなということを少し申し上げておきたいと思っております。
 例えば、今の職場介助者制度というのは、雇用主に対して派遣されている、それは障害者の当事者に対して派遣されているものではないということにこの制度の一つの考え方があらわれているのかなという感じがいたします。また、これは別制度でありますけれども、障害者自立支援法、これの介助の場合は、職場では今の段階では使えていないという問題点もございます。また通勤介助というものは、移動介護が通年、長期の者は利用できないとしているために、通勤や通学は利用できない。
 あるいは自立支援法における地域生活支援事業、これも、地域においてやるべきだ、自治体の判断で利用できるというふうになっておりますけれども、この裏づけ的な、財政的な部分もまだかなり厳しいところがあって、来年度も四百五十億の予算措置がなされるわけでありますけれども、これは地域生活支援事業全体の予算でありますけれども、逆に言うならば、まだ四百五十億円しかないというふうに私は考えているところであります。したがって、こういった部分も広がりを見せていないというのは、この部分にまだまだ自治体の財政能力、格差というものがあるのかなというふうに思っております。
 同時にもう一つ、これは、ぜひ大臣、これから調査を念頭に置いていただければなというふうに思っているんです。
 例えば、自治体が障害者の採用試験を行う際に、通常の公務員の方の採用試験の場合は、別に自力での通勤を要するなどというようなことの要件は書いていないわけでありますけれども、なぜか、中には、障害者を雇い入れる際の試験の要件としてそういった要件を設けるとか、あるいは、点字であるとか要約筆記あるいは手話通訳というようなものをやりませんよということが最初に試験の中に明記されてしまっている。そういうような形にされていらっしゃるものですから、なかなか、これは試験すらも受けられないという状況があるのではないかという指摘があります。そういった点では、この部分もしっかりと調査を一度していただければなと。
 これは、公務部門に限って今ちょっとお話をさせていただいておりますけれども、それがもし調査が進めば、今度は全国的に、やはり民間企業にもハローワークを通じてそういう調査がひょっとしたら可能ではないかなというふうに私は思っておりますので、ぜひ御検討をいただきたいというふうに思っております。これは指摘だけにとどめておきます。
 最後に、もう時間が来ましたので、大臣に今後の議論について一つだけ御答弁をいただきたいと思います。
 今までのさまざまな施策を私は申し上げてまいりましたけれども、一つ一つの制度改正を行う際には、やはり必ず当事者の方々の意見を聞きながらというところが私は大切なことであろうというふうに思います。先ほどちょっと指摘をさせていただいた推進会議なども、事務レベルでやっておりますけれども、政治家、あるいはそういった当事者の方々とのもっともっと幅広い懇談を濃密にやっていくべきであろうというふうに、この間、思うわけでございます。
 そういった当事者参画というものを踏まえて、今後の議論をどのように考えていらっしゃるのか、最後に大臣にお伺いして、質問を終わりたいと思います。
    〔上川委員長代理退席、委員長着席〕
○舛添国務大臣 委員御指摘のように、制度改正のときには、当事者が参画するのは当たり前であります。いろいろな改革を今行っていますけれども、すべてに当事者を参画させる、そういう原則で行っております。
 したがいまして、この障害者の権利条約の批准に向けての研究会におきましても、障害者の団体の方々に参加していただいていますし、今後とも、さらに当事者の参画ということを大原則としたいと思っております。
○園田(康)委員 ありがとうございました。
○田村委員長 次に、高橋千鶴子君。
○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 初めに、国保の資格証問題について質問をします。
 この間、子供の無保険と資格証問題について、繰り返し質問をしてまいりました。与党の皆さんも子供の無保険状態を救う方向で今まとまりつつあるという点で、まずはほっとしているところであります。
 そこで、日本共産党は、九七年の国保法改正のときから、保険証の取り上げは命に直結するとして反対をしてまいりました。そして、全国で現実にそうした事態が起こっているのではないかということです。
 全日本民医連の昨年の調査では、昨年一年間で、保険証がなく、手おくれで死亡した方が三十一人もいらっしゃいます。また、五月にNHKが番組で行った、全国二千の救急告示病院へのアンケート調査への回答で、四百七十五人の手おくれ死亡事例が確認されました。これらの中には、資格証だけではなく短期証、あるいは保険証そのものがない方もいらっしゃいます。しかしいずれも、保険証の取り上げが、医療から排除され、命を奪う事態があるということを直視しないわけにはいきません。
 厚労省はこのような事態を把握されているのでしょうか。また、どのように受けとめていらっしゃるのか伺います。
○水田政府参考人 お答えいたします。
 資格証明書は、先生御存じのとおり、所得や世帯構成にかかわらず、保険料を納付できない特別の事情がなく長期にわたり保険料を滞納している場合に交付するものでございますので、資格証明書が交付されているということにつきまして、その状況について調査を行うことは考えていないわけでございます。
 それから、資格証を発行されて死亡に至った等、個別具体的な事例についてのお尋ねがございましたけれども、それにお答えするためには、その方の生活の実態、あるいは滞納に至った経緯など全体像を踏まえる必要がありますので、問題となる個別事例があれば全体像をよくお聞きした上で、適切な運用を行うよう指導していきたい、このように考えております。
○高橋委員 まず、この質問は大臣に通告をしておりました。重ねて大臣に指摘をしたいと思うんです。
 調査を行うことは考えていないという答弁でございました。しかし、私、何度も指摘をしてきたんですが、いまだに答えがない問題、つまり、三十三万世帯がすべて、担税力がありながら保険料を払わない悪質な滞納者なのかということなんです。
 機械的な取り上げはしない、そういうことを繰り返し答弁をしてきました。しかし現実にそういうことが起こっているじゃないかというときに、何の調査もしないで、そうすると、調査もしないということは、三十三万世帯がみんな悪質だということになっちゃうんですよ。本当にそうなのかということを聞いているんです。それが、そうなのだということがもし言えるのであれば、それを根拠を持って示していただきたいと思うんです。
 一昨日も、宮城県の病院からお話を聞く機会がございました。去年三人が救急車で運ばれた。一人は会社を首になり、一カ月、水だけで暮らしていた。外来では十人いました。どうしてこうなるまで病院に来なかったのかと。治療やあれこれではなく、まずとにかく、ふろに入れなければならない、そういう実態がこもごも語られました。
 ひとり暮らしの高齢者もふえています。働き盛りが今リストラのあらしです。無保険になるなど、こうした問題は顕在化されると思いますが、その問題意識はありますか。調査はしませんか。大臣にもう一度伺います。
○舛添国務大臣 何が一番大事かといったら、まさに子供を救う、高齢者の方々を救うということですから、百軒うちがあれば百軒全部、家庭の事情が違います。収入の状況も違うと思います。したがって、そういうのを全体に統計をとって、だからどうだという議論をすることはいたしません。
 私が申し上げているのは、個々の子供たちをどう救うのか、こういうことをやる。そして、きめの細かい手当てを自治体にやりなさいよと言っているのは、じゃ、これは福祉の分野でカバーしないといけない、生活保護という網をかけないといけない、どうだどうだというこの対策を立てるために、それぞれの家庭の状況を把握しないといけない。まさに、こういう不幸な子供たちを出さないということにあるわけですから、全体の所得水準がどうだからどうだ、そういう一般的な議論の場合ではないということを申し上げたい。
○高橋委員 そんなこと一言も言っていませんよ。一般的な議論なんて一言も言っていません。病院に運ばれて保険証がなかった、もう手おくれだったという事例がいっぱい生まれていると言っているんです。なぜ、その事例を厚労省で、実際その事例がわかっているんですから、病院から聞くということをしないんですか。
 今子供のお話をしました。私は今、全体のことを言っているんですよ。子供の無保険の問題で厚労省がどういう対応をしようかとしたときに、もしや虐待があるのではないかとか、そういうさまざまな事情を調べていこうということを通知したではありませんか。同じように病院に運ばれて手おくれになっている人がいる。そこに着目をしてきちんと見ていく、そして救済をしていくという視点をなぜ持てないのかと聞いているんです。もう一度。
○舛添国務大臣 まさにそういう視点を持って個々のケースに当たっているということでございますから、福祉の現場、これは各自治体がしっかりやってもらわないといけない。病院全体に対する指導、自治体に対する指導、それはきちっと行っていく。そして、個々のケースをいかに救うかということを申し上げていますので、委員と私の問題意識は全く同じでございます。
○高橋委員 個々の事例をそうやって当たっているというのであれば、三十三万世帯、すべて悪質な滞納者ですか。
○舛添国務大臣 私は、三十三万世帯がすべて悪質だと一回も言ったことがありません。悪質な事例もある、そういうことについてはきちんと、モラルハザードがないように指導しないといけない。しかし、今命を救わないといけない子供をほったらかしにする、そういうことは一切あってはいけないと思っていますから、これはきちんと対応していきたいということでございます。
○高橋委員 三十三万世帯がすべて悪質ではないとお答えになりました。そうであれば、悪質ではない事情のある方、子供さんだけではないのです、これに対して、きちんと救済されるような仕組みをつくってください。私は、資格証はなくていいと思います。このことは重ねて指摘をして、きょうは、とりあえず子供さんは無保険から救われる、そのことは感謝を申し上げたい。しかし、それでは問題は終わらないのだということを指摘して、引き続いて監視をしていきたいと思います。
 次に、障害者雇用促進法がきょうは議題でありますけれども、昨日の参考人質疑は、当事者の立場、企業側、支援する側、そして逆に法の枠に入らない方たち、さまざまな角度から深めていただいたと思います。
 まず伺いますが、今回、障害者自立支援法の三年後の見直しに向け、社会保障審議会障害者部会が精力的に開催され、今月中にも報告書が出されると聞いております。その中で、まず見直しに当たって、今回初めて障害福祉サービス等経営実態調査が行われました。それが資料の一につけてございます。一が事業所の収支の状況、二が従事者の状況であります。
 そうすると、これを見ますと、全体がプラス六・一%、収支でありますのでプラスであります。障害児施設等はマイナス四・二%なんですけれども、新体系も旧体系もプラスと出てしまったわけであります。二枚目をめくりますと、常勤率が総合すると八一・五%。一人当たりの年収は、介護よりは低いということは明確であります。
 しかし、言ってみれば一定度の年収はあるのかなというふうに読み取れてしまうのです。実は私は、ここに非常に違和感がある。収支がプラスだからうまくいっているよというふうで、介護報酬を上げなくていいよという結論が出ちゃうと困るなと率直に思います。どれほど事業所の血のにじむような合理化や自己犠牲があるのか、それがこのデータからは見えてこないのであります。例えば八割常勤だと言っている。でも、それで足りているのかということはこのデータからは見えません。働く人がだれもいなくなり、募集しても来なくなり、創設者だけでぎりぎり頑張っているという場合もこういうデータになるわけです。
 我が党が十二月一日に発表した影響調査では、事業所の減収は九七%、募集しても従事者が集まらないのが六割です。このままでは閉鎖やむなしという声がございます。
 あるいは、NPO法人大阪障害者センターの調査では、グループホーム、ケアホームの報酬は、大阪府の最賃に照らすと、報酬で一名分、最賃で一名分しか雇えないのだと。これはどういうことかというと、〇四年は七割、〇五年は九割、〇六年度は一〇〇%を超えた。つまり、国の報酬は一〇〇%人件費に消えてしまう、こういう状況だということが指摘をされているわけです。
 これらを踏まえて、プラスだから報酬は要らないよ、上げなくていいよということになっては困ります。いかがですか。
○木倉政府参考人 お答え申し上げます。
 今御指摘の障害福祉サービス費の報酬につきましては、来年四月からの改定を前提に、今御議論をいただいております。そのためのものとして、先般、初めてのものでございますが、二十年の経営実態調査を行って公表したところでございます。
 その結果は、確かにおっしゃるようにプラスというものは見えますけれども、しかしながら、御指摘いただきましたように、さらに細かく見ていきますと、お一人当たりの給与の水準というものが低い、あるいは介護保険の方に比べても、やはり非常勤率も高いというふうな実態があろうかと思っております。
 その中で、私ども、この改定に当たりましては、この調査結果ももっとしっかり分析をしていかなければいけませんが、事業者団体の方々からも直接お声を聞かせていただいたり、さらには審議会の中でも、今の経営の努力というものについて、大変な努力をいただいていることを直接お伺いしながら検討を続けさせていただいております。
 御指摘を踏まえまして、この辺の総合的な、サービスの質をより向上していく、あるいは良質な人材をきちんと確保していただけるような、経営基盤の確保が図られるような報酬になりますように努力してまいりたいというふうに思っております。
○高橋委員 しっかりお願いしたいと思います。
 今紹介した調査の中には自由意見がございませんで、この数字の背景にどんなものがあるのかということを、私いろいろお話もしましたけれども、そういうものが出てきていないということもあるので、引き続いてしっかりと踏まえていただきたいと思います。
 次に、資料の三ですけれども、これは十二月三日の障害者部会に出された資料でございます。
 国保連データに基づきますと、平成二十年七月の利用者二十一万二千三百二十七人中、複数サービスの利用者数は二千二十二人、一%にすぎないというのが実態であります。
 これまで、さまざまな議論の場で、報酬を日払い方式にするのはうまくないという指摘に対して、利用者の自由な選択、組み合わせが可能になると述べてきたわけです。しかし、現実にはそういう実態ではない。たかが一%、そもそも選択するサービスそのものもないとか、そういう実態が浮かび上がったのだと思いますけれども、いかがお考えでしょうか。
○木倉政府参考人 お答え申し上げます。
 障害者自立支援法以前のサービスの体系では、入所施設を御利用される方々を例にとりますと、日中と夜間を通じましてその施設において支援を受ける形ということでございまして、日によって御自身の御選択で、希望によってサービスを組み合わせて使うということはできなかったわけでございますが、新しい法律の体系のもとでは、この法律の目的でございます障害者の地域での自立した生活を目指して、利用者御自身の選択で活動を選択していけるような仕組みにされたところでございます。
 しかしながら、十八年十月から新しい事業体系に移行して一年半、二年はまだたっていないこの七月の調査でございますが、これを見てみますと、日中活動を御利用されているこの二十一万人という方の中で、複数のサービスを選択し、組み合わせて使われている方はまだ一%というような実態にとどまっているのも事実でございます。
 この背景といたしましては、まだ入所施設の方の移行が進んでいなくて、旧体系で、移行期間が二十四年三月までございますので、まだ検討を続けていらっしゃる。それから、利用に当たってのケアマネジメントを個々に行っていくということがまだ十分行われていないというふうなこと。それから、やはり身近なところにサービスの事業者がまだまだ十分ないというふうなことが指摘をされておるかというふうに思っております。
 こういう背景を踏まえながら、地域で生活する方、施設に入所される方にとりましても、日中活動のサービスを利用できるような仕組みというのはもっともっと充実していかなければいけないというふうに思っておりますので、引き続き、市町村、県にも計画をつくっていただいておりますが、しっかりとサービス基盤の整備を進めていくということで取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○高橋委員 今答弁の中にもございましたけれども、身近にサービスがない、そもそも選択できるような量の確保を図っていないということがまず指摘をされると思うのです。
 同時に、先ほど来お話をしているように、選択はいいけれども、そもそも事業者がもたないよでは意味がないわけです。私どもの調査でも、月払いに戻してほしい、七二・三%です。報酬が日払い制のため、利用者の顔がお金に見えてくることがある、こんな状況ではニーズに応じた支援も難しい、月額払いに戻してほしい、こういう声がございますが、見直しする考えはございますか。
○木倉政府参考人 お答え申し上げます。
 日払いの制度というのは、繰り返しになりますけれども、御利用者の方々にとっては、夜間の入所の支援とともに日中の活動を御自身の選択で組み合わせて利用していける、その活動の場がより広がっていく可能性を持ったものであるというふうに思っております。
 しかしながら一方で、経営者の方々、事業者の方々にしますと、十分な利用者がまだまだ確保できていないという中で、経営基盤が非常に不安定であるというふうなこと、その中で、非常に合理化の努力もされながら、経営を何とか成り立たせていらっしゃるという実態があらわれているんだろうというふうに思います。
 やはり基本的には御利用者の方々の視点、なるべくいろいろなサービスを組み合わせて御自身の生活設計を成り立たせていっていただけるということを前提にしながらも、事業者の方々の安定が図られるようなサービス基盤の整備と報酬の確保ということに努めてまいりたいというふうに思っております。
○高橋委員 繰り返しますが、事業者がもたなければ利用者のせっかくの希望にこたえることができないわけで、これはもう一体となって支えていかなければならないと思うんですね。
 先ほど答弁の中にあったんですけれども、新事業体系への移行をまだ決めていないところがある。実際には二〇一二年、平成二十三年の三月までに新事業体系への移行が求められていると思うんですけれども、移行をためらう施設がまだ多いと思います。
 まず、決めていない施設がどのくらいあるのかと、その理由について伺います。
○木倉政府参考人 お答え申し上げます。
 障害者自立支援法に基づきます新しい事業体系への移行、これは二十四年の三月、二十三年度いっぱいまでで移行をお願いしますという仕組みになってございます。
 その中で、移行状況、十八年の十月から移行が始まりましたけれども、一年半たった段階、二十年の四月段階で把握をいたしますと、全体平均、三障害を平均しますと、二八・二%の事業所の方々が新体系へ移行しておられるということでございます。身体障害で三一%程度、知的障害で二五%程度、精神で三六%程度、こういうふうな状況にございます。
 一年半とはいえども、まだまだ十分に進んでいない理由につきましては、アンケートをとらせていただきますと、やはり報酬がどういうことになっていくか、初めての報酬改定もこれからだということもありまして、その方針がよくわかってからにしたい、あるいは、移行に向かってさまざま努力をするべき点があるけれども、まだ中でいろいろ検討しているので、もうちょっとその様子を見てからにしたいというふうな御意見が指摘をされておるところでございます。
 このようなアンケートの結果、それから先ほど申しましたように、審議会の中にも各事業者の方々、団体の方々がおられますので、具体的な取り組みの状況等を踏まえまして、二十四年三月までの間で移行が安定して図られるようなサービス基盤の整備というふうなことについてさらに御指摘をいただき、努力してまいりたいというふうに思っております。
○高橋委員 まず、その理由の大きなところで、報酬がよくわかってからにしたいと。これは、先ほど来述べているように、報酬の引き上げがどうしても必要である、今のままではちょっと見えてこないというのが現実にあるのではないかと思うんですね。あとは、就労移行あるいは継続支援のあり方の問題ということも問われているのではないかと思います。
 資料の四にありますが、今、工賃倍増五カ年計画などということも打ち出されているわけですけれども、平均工賃が一万二千五百九十九円のところに線が引いてありますけれども、圧倒的に多くのところが一万未満であるという実態があるわけですね。例えば、このちょうど平均値のところに就労継続支援のB型などが位置しているのではないか。そうすると、こういう中でどこまで求められるのだという、非常にハードルが高いものがございます。
 昨日の天野参考人の指摘が非常に重要だと思うんですけれども、自立支援法では、働くことができる場合には訓練、それが困難な場合には介護をという二者択一であるということ、障害のある人は一般就労に向け、生涯にわたって訓練に追い立てられる、あるいは後者の場合には介護の対象なので働かなくてよいといったように、働くことを通じて主体的、能動的に社会参加するということが薄められるのではないか。就労か福祉かではなく、その両方の組み合わせがあってもよいのではないか、そういう指摘がされております。この考え方について一言お願いします。
○木倉政府参考人 お答え申し上げます。
 今御指摘のように、障害者の方々が、働く社会参加をする、就労していくということにつきましても、さまざまなものがあろうかと思っております。
 それで、今の新しい法律体系のもとでは、就労移行のための支援をしていき、一般企業への就労、一般就労が可能な方々にはぜひそういうチャンスも与え、チャレンジしていただきたい。それから、福祉的な場での就労ということで社会参加を図っていきたいという方々については、A型とかB型と申しておりますけれども、そういう中での、御自身の可能なところで働く社会参加をするという形でぜひ頑張っていただきたい。
 そういう支援体系をやはり多様に設けることによって、さまざまな形での社会参加、就労参加ということを可能にするような仕組みにしていきたいというふうに思っております。
○高橋委員 以上です。引き続いてよろしくお願いいたします。
○田村委員長 次に、阿部知子君。
○阿部(知)委員 社会民主党の阿部知子です。
 昨日の参考人のお話をいろいろ伺いましても、日本という国の中で、障害のおありの方の一人の人間としての権利あるいは働くことも含めた権利が、果たしてどのように実現されていくのか、まだまだ道は半ばというよりも、端緒なのかもしれないという思いを昨日も強くいたしました。
 今回の法改正の対象になっております、障害のある皆さんの、パートの方々を法定雇用率に算定していくということも、その運用のあり方いかんによっては、むしろ排除や既得権の侵害ということにもつながりかねないという懸念が各委員から出されていたと思います。その意味で、厚生労働行政もとりわけしっかりしていただきたいということをまず申し述べて、具体的な質問に入らせていただきます。
 私は、きょう一番目に、特例子会社問題を取り上げさせていただきます。
 特例子会社という仕組みは昭和五十一年に局長通達で始まり、昭和六十二年、法制化をされました。自来、どちら側からとっても二十年、三十年たっているわけですが、このたび政府が出された、景気後退を受けた障害者雇用対策の中で、この特例子会社にも助成金を出しながら、積極的におつくりいただこうという案が出てございます。
 私は、それは一面、いい方に作用すれば確かに雇用の場を広げ、障害者の権利を拡大していき、バリアフリーな社会をつくると思いますが、きょうお尋ねするような事案が横行するようでは、これは逆さの方になるのではないかと思いますので、しっかり御答弁をいただきたいと思います。
 私の身近におられますある知的障害の青年の事例ですが、この方はブリヂストン横浜エンジニアリングという会社に、これは特例子会社ではなく普通にその本社に採用をされまして、工場の中でいろいろな作業に携わっておられましたが、採用されて二年たったとき、二〇〇六年の十月ですが、今度は知的障害のおありの方だけ、この本社から特例子会社であるブリヂストンチャレンジドに移籍という形をとられました。移籍された先での仕事は掃除のみという単調な仕事で、その一年後に、今度はこの青年はその会社から雇いどめという形で解雇されました。ちなみに、このとき本社のブリヂストン横浜エンジニアリングには、身体障害のおありの方はそのまま残られて、特例子会社に移ったのは知的障害の方のみでありました。
 例えばですが、このように親会社で働いている知的障害の方だけを集めて、特例子会社で勤める、そして結果的には雇いどめになるわけですが、こうしたありようというのは、本来のノーマライゼーション、あるいは特例子会社の考え方、理念に反するものであると思いますが、いかがでしょうか。
○岡崎政府参考人 特例子会社制度は、障害者の方の職域を広げ、かつ、それぞれの障害者の方に配慮した適切な雇用管理をする、そういう考え方のもとに認めているものでございます。
 もちろん、障害があればみんな特例子会社だみたいな考え方を持っているわけではございませんで、ノーマライゼーションの考え方からすれば、当然、健常者と一緒の職場で働ける方については、そういう方向に持っていくというのが基本であろう。ただ、障害者の方々の職域を広げるためには、やはり特例子会社という考え方も必要であろう。そして雇用が厳しい中では、そういう形ででも障害者の働く場を広げるという意味で、助成金も考えているということでございます。
 したがって、個別の案件はちょっとあれでございますが、一般論として、障害者あるいは障害者の中でも知的障害者はすべて特例子会社だという考え方とか、あるいは、親会社にもともといた方を何の合意もなく特例子会社に移すとか、そういうことは、そもそも考え方としておかしいのではないかというふうに考えております。
○阿部(知)委員 考え方としておかしいことが現実に横行する社会になっておりますので、そこは厚生労働行政のあり方だろう。きちんと指導もしていただきたい。
 きょう皆さんのお手元に、特例子会社制度のチャート図ですが、ここに例えば親会社があって、関係会社があって、特例子会社、これは今のスキームですが、この中で、障害のある人だけ、全部特例子会社に集めてやっていくというのではノーマライゼーションではございませんし、まして雇いどめされるというのでは、結局は首切りの手段に使われるということもございますので、ぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。
 と申しますのも、先ほど菊田委員もお尋ねでありますが、この間、景気も悪うございますし、解雇という問題の矢面にまず立たされているのが障害のおありの方々である。さっき岡崎部長は、この間、いわゆる解雇についてのハローワークでの、障害のある方は解雇されたときハローワークに届け出ますから、この問題について毎月毎月の報告を上げるようにされたと。大変重要なことだと思います。
 そこで、例えばことしの十月と十一月の解雇者数は、これは岡崎さんの方から御答弁いただいてもよろしゅうございますが、昨年の下半期をはるかに上回ると思うんです。まずこういう実態と、それからさらに私が一番問題と思いますのは、ハローワークでは解雇の理由をきちんと確認していないわけです。なぜ解雇されたのか。解雇ですから雇用主側の理由なのですが、自主退職ではありませんので、なぜ、ハローワーク窓口では解雇がどのような理由で行われたのかがきちんと調査されないのか、この点についてお願いいたします。
○岡崎政府参考人 障害者の方を解雇した場合には、ハローワークにその理由を含めて通知するということになっております。その書かれてきた理由も見ながら、必要に応じて、ハローワークでも、きちっと事業主に対してその間の事情を聞くというようなことは当然やらなきゃいけないというふうに考えております。
 そういう中で、障害者だから解雇するということではなくて、全体の事業の規模の縮小の中で、どうしても障害者の方を含めて離職が出てきたという場合には、私どもは、解雇をするなということだけではとどまらない部分については、やはり再就職先をきちんと見つけるということを含めて対応していかなければいけないのではないかというふうに考えております。
○阿部(知)委員 局長の認識は、私がきのう部屋で伺いました現場と違うと思います。私は、ハローワークで解雇の事由がきちんと出ているのであれば、その集計を見せていただきたいと。
 それから、局長、答弁漏れですが、十一月の解雇者数をお願いします。十月と十一月。
 それで、障害のある方が解雇に至るとき、御本人も、普通だって例えば解雇の四要件とか、いろいろ労働者が知って守られているべきところも、もしかしてそこを守る力が弱いわけです。ということは、ハローワークで、例えば会社側都合といっても、会社が倒産したのか、事業の縮小なのか転換なのか、いろいろあると思います。やはり安易な解雇であってはいけないし、その理由を、データを理由別にきちんと残されるべきだと思います。私の手に下さいと言って、ありませんでした。どうですか。
○岡崎政府参考人 まず解雇者数でございますが、本年十月が百二十五人に対しまして、十一月が二百四十一人ということで、十一月から目立ってふえ出しているので、これは注意を要するのではないかというふうに考えております。
 それから理由につきましては、ハローワークには理由を出すということになっているんですが、恐らく、きのう御説明したとすれば、本省にまで理由をとっていないものですから、それを先生にお示しできなかったということだろうというふうに思います。ハローワークには理由を届け出ることになっておりますので、私ども、分析しながら、必要であれば御説明したいというふうに思います。
○阿部(知)委員 まさに必要なんだと思います。ハローワークでとっていて本省が知らないよというのは、私は怠慢だと思います。
 局長、二枚目を見ていただきたいんですけれども、これは厚生労働省がやっておられる、障害のおありの方の雇用実態調査の調査票なんですね。その下の方を見ていただきますと、離職理由というのは、事業主の都合が一、個人的理由が二、定年とか期間満了が三、その他が四となって、個人的理由のところは、個人の側の理由は詳しく聞かれるんです。でも事業主理由というのは、この調査票では一と大ぐくりされちゃうんです。この票からは、そもそも解雇を起こさせないという守りに、プロフィールが浮かんでこないんですね。
 まして、局長も御存じのように、これは五年に一度しかとられないんですよ。今のこんな急激な雇用悪化の中で五年、本当に長過ぎるし、実像をつかまえるために、ぜひ厚生労働省は、現場が持っているのならちゃんとハローワークのデータを本省に上げて対策に結びつけていただきたいが、舛添大臣、いかがでしょうか。大臣にこれはお願いします。
○舛添国務大臣 対策を立てる前提として、状況をきちんと把握するということが必要ですから、そういうような形で各地域のハローワークが収集した情報というのは、これは本省で分析、そして対策に役立てたいと思います。
○阿部(知)委員 私がかかるお願いをいたしますのも、十一月は十月のもう倍近く、十二月も非常に、あちらこちらから漏れ聞くわけです。そもそも、解雇が不当であればそこでとめねばならないという、そこからしか安定はありませんので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 引き続いて、視覚障害の皆さんの就労問題についてお伺いいたします。
 現在、視覚障害者は全国に三十万人と言われ、実は、年齢的には五十歳から七十九歳の方が八五%を占めておられます。中高年であります。おまけに中途失明の方も二八%と、三分の一近くです。もともとお目が悪ければいろいろな勘が働きますが、中途から失明なさると大変に生活の不自由度も高いという中で、我が国ではちょうど戦後、戦争によって失明されたりした方の職業自立に向けて、はり、きゅう、あんま、マッサージ等々の分野を積極的に開発してきた歴史があると私は思います。
 そういうことを国家資格として教育しながら資格を取っていただくために、国リハ、国立リハビリテーションセンターがございましたが、ここが障害者自立支援法の組織改編によって、いわゆる理療部という看板が消えるというか、名前が消えるということがありまして、これは逆に、卒業生の皆さんや現実にそうした道で就労された方たちから、それは大事な分野だから、ぜひ理療部という名も残し、就労支援の中の大きな柱として入れてほしいという要望があったと思います。結果的には、このたび、理療・就労支援部という形で名が残ることになりました。
 もちろん名は体をあらわしますが、さらにこの間の経緯を踏まえて、当事者の皆さんが一生懸命運動されたことでもありますので、中途失明も減っているとはいえ大きな割合ですから、今後も、こうした理療のあり方を厚労省としても、この国リハの中でもしっかりやっていかれるんだという決意表明をお願いいたします。
○木倉政府参考人 お答えを申し上げます。
 今御指摘の国立障害者リハビリテーションセンターでございますけれども、これは、「身体」がついて国立身体障害者リハビリテーションセンターと申しておりましたが、この十月から、障害全体を視野に入れての取り組みをより強化していくということで、名前の方からも「身体」を外しまして、国立障害者リハビリテーションセンターという名称変更を行ったところでございます。
 と同時に、新しい障害者自立支援法に基づきます体系の中で、しっかりした支援をさらに充実させていきたいということで組織再編をいたしましたけれども、そのときに今御指摘の、視覚障害者の方々を対象にした理療部、理療教育部というのがございましたけれども、これにつきまして、理療教育部から理療教育・就労支援部というふうな名前にさせていただいた。その間におきまして、やはり理療教育という言葉をきちんと表に出して、しっかりした支援を続けてほしいという御指摘を御利用者の皆さんから強くいただいたことは事実でございます。
 私ども、それを踏まえてこのような名称で、内容についても充実を図っていきたいと思っておりますが、この養成施設としての役割、これは自立支援法施行後においても何ら変わっていない、同様の教育をきちんとやらせていただきたいというふうに思っているところでございます。
○阿部(知)委員 もう一つ国リハにかかわりますことで、これは舛添大臣に、ぜひリーダーシップをとっていただきたいことがございます。
 国立リハビリテーションセンターには、例えば言語療法士とか、もちろん理学療法士とか、いろいろな障害のある方をサポートしていく人材を育てる部局がございます。すべて国家資格を取って、今、貴重な人材であります。
 しかし、二つの部門、リハビリテーション体育学科並びに視覚障害学科というのは、視覚障害学科は、大学を終わられて大学院に相当する二年を、視覚障害の方のヘルプを含めていろいろなところでサポートする人材ですが、こういう分野の育成を経た方も国家資格ではない。あるいは、リハビリテーション体育学科などは本当に重要な学科で、これもまた、大学を終わられて、そして何らかのそういう保健体育の指導教員資格を持った方がさらに学ばれるのですが、これも国家資格とはなっておりません。
 ノーマライゼーションの根幹には、それを支える人材の層を厚く、そして評価し、きちんとその方たちの力量を高めていく、そうした拠点が必要で、それが国リハになっておりますし、有識者による見直しの中でも、この視覚障害学科とリハビリテーション体育学科の国家資格化、有資格化ということが述べられております。
 大臣は、もしかして国リハにもう行っておられるかもしれませんが、ぜひまたごらんになって、さっきの中途失明も含めて、日本の中でこれから重要な分野ですので、ここをさらにエンパワーというか、国家資格化に向けて何らかの道を探っていただくというような御決意はいかがでありましょうか。
○舛添国務大臣 私も網膜剥離で失明寸前までいきましたから、目が見えないというのはいかに大変か、特に、中途失明の場合は本当に生活に困ります。
 そういう意味では、こういう国リハがしっかり指導者を養成しているということは高く評価するわけでありまして、国家資格化、体育リハも含めて、PT、OTのようにするというようなことも含めて、これは将来的な検討課題としてやっていきたいというふうに思っております。
 特に、糖尿病なんかの絡みで網膜剥離を生じる、生活習慣病からの大きな一つに中途失明というのがあるわけですから、国家資格化するときのプラスマイナスを含めて、これは、そういう要望があれば、将来的な大切な検討課題としていきたいと思います。
○阿部(知)委員 ぜひ、大臣の大きな仕事として御在任中にやっていただきたいと願います。
 最後に、視覚障害の方々の収入状況というのをつけさせていただきましたが、最後の四ページ目です。ここには、就労しておられる視覚障害の方の収入状況と、お目が悪い方全体の収入状況がございます。
 見ていただければわかりますように、就労しておられて、なおかつ最も多い収入の区分けは、三万から七万円でございます。お仕事をなさることができる視覚障害者、もちろん五十万円以上という方も少数おられますが、やはり三万未満、三万から七万、七万から十一万、仕事をしていてもこれくらいだと。
 そして今、例えば鍼灸マッサージ、はり、きゅうにいたしましても、晴眼者の方がやはりふえていらして、それはそうだと思いますね、いろいろと通うのも便利ですし。そうなると、就労ということと、しかし、その能力の足らざる部分を何らかの支援をしていくような就労の形態、ヨーロッパでは保護雇用と申しますし、我が国ではこのごろ、賃金補てん雇用ということが考え方としてある。二〇〇四年には研究班も、出されております。
 下の図は、お目の悪い方全体の収入状況で、六万から九万。これは障害者年金も含めてですから、極めて低収入ということで、障害者年金対策も必要ですが、就労されていることについての、足らざる部分の補てんを積極的に国がしていくという施策について、大臣には二〇〇七年の秋にも聞いたことがございますが、再度、また前向きな御答弁をぜひよろしくお願いいたします。
○舛添国務大臣 これに相当するのが、委員御承知のように就労継続支援事業所A型ということで、平成二十三年度に四十二万八千人の利用を見込んでおります。
 スウェーデンのサムハルのような、そういう制度が御念頭にあるんだと思いますけれども、これは福祉先進国で行われている制度でありますから、もう少し検討させていただいて、将来的にこれを導入するかということもまた大きな検討課題としたいと思います。
○阿部(知)委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 終わらせていただきます。
○田村委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○田村委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 第百六十九回国会、内閣提出、障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○田村委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○田村委員長 この際、本案に対し、上川陽子君外五名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び国民新党・大地・無所属の会の六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。園田康博君。
○園田(康)委員 私は、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び国民新党・大地・無所属の会を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。
 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
    障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一 精神障害者を雇用義務の対象に加えることについて、可能な限り早期に検討を行うこと。また、その際、障害者手帳のない発達障害者や難病等のある者の取扱いについても検討を行うこと。
 二 精神障害者を実雇用率に算定するに当たって、雇用率の達成指導を引き続き厳正に行うとともに、精神障害者保健福祉手帳の取得や申出の強要など本人の意に反した雇用率制度の適用等が行われないよう、プライバシーに配慮した対象者の把握・確認の在り方について、必要な措置を講ずること。合わせて、精神障害者について、各企業において、メンタルヘルス対策とともに、円滑な復職や職場定着を図るための必要な措置が採られるよう指導を行うこと。
 三 精神障害者の雇用環境の整備を図るため、障害者本人及び企業に対する支援策の充実を図るとともに、公共職業安定所、地域障害者職業センター等の支援機関におけるカウンセラーの増員等相談・支援体制の整備に努めること。また、精神障害者の職業能力開発を効果的に実施するため、職業能力開発校における職業訓練内容、カリキュラム、指導方法等について引き続き検討を行い、早急に確立し、普及させること。
 四 短時間労働者を雇用義務の対象に追加するに当たっては、これまでフルタイム労働だった障害者が短時間労働に移行し、健康保険や厚生年金への非加入となることのないよう、必要な措置を講ずるとともに、事業主に対し、十分な周知、指導を行うこと。
 五 現に雇用されている障害者について、雇用の状況(正規雇用、非正規雇用)、社会保険の加入有無、職場における定着率等を把握し、それを踏まえ、障害者の雇用管理の改善等に向けて、所要の措置を講ずること。
 六 障害者雇用納付金制度の適用拡大に当たっては、中小企業の経営環境に配慮しつつ、障害者雇用が円滑に促進されるよう必要な支援を行うこととし、障害者雇用調整金、助成金の支給等の納付金関係業務が適切に行われるよう体制整備に努めること。
 七 視覚・聴覚障害者、知的障害者、精神障害者、発達障害者等の個々の障害特性に応じてきめ細かな支援を行うことが必要な求職者が増加していることにかんがみ、適切な職業訓練の機会を十分確保するとともに、専門的な知識経験を有する者を公共職業安定所に相談員として配置する等相談支援体制の充実強化等により有効求職者の解消を図ること。また、職場定着を着実に進めるため、職場適応援助者(ジョブコーチ)として企業において障害者の就労支援の経験のある者を活用する等により、質を確保しつつ、必要な数の職場適応援助者の確保に努めること。
 八 難病等のある者の雇用を進めるため、特定求職者雇用開発助成金の対象とすることなど就労支援策の充実について早期に検討を行うこと。
 九 現行の障害認定は身体障害者福祉法等に基づいているが、「働く」という観点を踏まえ、労働能力に基づく障害認定の在り方について検討を行うこと。その際、「重度障害者」に関する認定の在り方についても検討を行うこと。
 十 障害による稼得能力の制限を受けた労働の結果、所得が低い状態に放置され自立した生活が困難な場合において、最低限の社会生活を営むことが可能となるよう所得の確保の在り方について検討を行うこと。
 十一 障害者の雇用の更なる促進に当たっては、障害者権利条約批准に向けての国内法の整備として雇用分野における合理的配慮規定等について検討を行い、障害者の労働者としての権利の確立を図るため、必要な措置を講じること。合わせて、これらの観点から、障害者差別禁止に係る法整備についても、速やかに検討すること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○田村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○田村委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、舛添厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。舛添厚生労働大臣。
○舛添国務大臣 ただいま御決議のありました本法案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいる所存でございます。
    ―――――――――――――
○田村委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
○田村委員長 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 国民健康保険法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。
 本件につきましては、先般来各会派間において御協議をいただき、今般、意見の一致を見ましたので、委員長において草案を作成し、委員各位のお手元に配付いたしております。
 その起草案の趣旨及び内容について、委員長から御説明申し上げます。
 国民健康保険制度においては、特別な理由がないにもかかわらず世帯主が保険料を滞納し、一年以上を経過した場合に、公費負担医療を受けられる者を除き、その世帯全員の被保険者証を返還させて資格証明書を交付することが法令で規定されております。このような保険料滞納世帯に対する手続については、共助に基づく医療保険制度において、公平性を確保する観点から必要な仕組みではありますが、親の保険料滞納により、資格証明書が交付されている世帯にいる中学生以下の子供の数が、厚生労働省の調査で約三万三千人にも達し、これらのいわゆる無保険状態となっている子供が、必要かつ適切な医療を受けられないのではないかとの懸念が生じております。
 本案は、このような状況にかんがみ、子供の心身ともに健やかな育成に資するため、無保険状態の子供を救済するとともに、国民健康保険の保険料の滞納の防止等に関して必要な措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりです。
 第一に、市町村は、国民健康保険の保険料の滞納により被保険者証が返還された場合において、その世帯に義務教育終了前の者がいるときは、その者に係る有効期間を六月とする被保険者証を交付すること。
 第二に、市町村は、国民健康保険の保険料について、減免制度の十分な周知を図ること等を通じて滞納を防止するとともに、特別の理由があると認められないにもかかわらず滞納している者からの実効的な徴収の実施を確保するため、必要な措置を講じなければならないこと。
 なお、この法律は、平成二十一年四月一日から施行することとしております。
 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。
    ―――――――――――――
 国民健康保険法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○田村委員長 お諮りいたします。
 お手元に配付しております草案を国民健康保険法の一部を改正する法律案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○田村委員長 起立総員。よって、そのように決しました。
 なお、ただいま委員会提出と決しました法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時十一分散会