第171回国会 農林水産委員会 第3号
平成二十一年三月十八日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 遠藤 利明君
   理事 今村 雅弘君 理事 木村 太郎君
   理事 七条  明君 理事 宮腰 光寛君
   理事 宮下 一郎君 理事 笹木 竜三君
   理事 筒井 信隆君 理事 西  博義君
      赤澤 亮正君    井上 信治君
      伊藤 忠彦君    岩永 峯一君
      江藤  拓君    小里 泰弘君
      小野 次郎君    近江屋信広君
      岡部 英明君    木原  稔君
      近藤三津枝君    篠田 陽介君
      谷川 弥一君    徳田  毅君
      中川 泰宏君    永岡 桂子君
      丹羽 秀樹君    馬渡 龍治君
      松本 洋平君    茂木 敏充君
      森山  裕君    山内 康一君
      石川 知裕君    大串 博志君
      小平 忠正君    佐々木隆博君
      神風 英男君    高井 美穂君
      仲野 博子君    福田 昭夫君
      吉田  泉君    井上 義久君
      菅野 哲雄君
    …………………………………
   農林水産大臣       石破  茂君
   農林水産副大臣      石田 祝稔君
   農林水産大臣政務官    江藤  拓君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           尾崎 春樹君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房長) 佐藤 正典君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         針原 寿朗君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         實重 重実君
   政府参考人
   (農林水産省総合食料局長)            町田 勝弘君
   政府参考人
   (農林水産省消費・安全局長)           竹谷 廣之君
   政府参考人
   (農林水産省生産局長)  本川 一善君
   政府参考人
   (農林水産省経営局長)  高橋  博君
   農林水産委員会専門員   板垣 芳男君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十八日
 辞任         補欠選任
  飯島 夕雁君     篠田 陽介君
  小野 次郎君     山内 康一君
  河井 克行君     近藤三津枝君
  斉藤斗志二君     馬渡 龍治君
  永岡 桂子君     岡部 英明君
  西川 公也君     松本 洋平君
  佐々木隆博君     福田 昭夫君
  横山 北斗君     吉田  泉君
同日
 辞任         補欠選任
  岡部 英明君     永岡 桂子君
  近藤三津枝君     河井 克行君
  篠田 陽介君     飯島 夕雁君
  馬渡 龍治君     斉藤斗志二君
  松本 洋平君     西川 公也君
  山内 康一君     小野 次郎君
  福田 昭夫君     佐々木隆博君
  吉田  泉君     横山 北斗君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 米穀の新用途への利用の促進に関する法律案(内閣提出第二八号)
 米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律案(内閣提出第二九号)
 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三〇号)
     ――――◇―――――
○遠藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、米穀の新用途への利用の促進に関する法律案、米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律案及び主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 各案審査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房長佐藤正典君、大臣官房総括審議官針原寿朗君、大臣官房総括審議官實重重実君、総合食料局長町田勝弘君、消費・安全局長竹谷廣之君、生産局長本川一善君、経営局長高橋博君及び文部科学省大臣官房審議官尾崎春樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○遠藤委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。今村雅弘君。
○今村委員 おはようございます。
 きょうは、貴重な質問の時間をいただきましてありがとうございます。早速でございますが、中身に入らせていただきます。
 昨今の世界の食料事情等々を踏まえまして、まさに食料安全保障というのは大変な重みを持ってきたわけでございます。もちろん従来からもそうでございますが、特に最近、その必要性が痛感されます。
 そういう意味で、従来の自給率という概念から、今、自給力という概念が出てまいりました。これは、いざというときの備えあるいは国土保全等々を含めまして、やはりしっかりとした農業の生産基盤を確立しておこうではないかということであるというふうに理解をしております。そのためには、農地、農家、農村、こういったものをしっかり支えていかなければいけないわけでございます。
 その一環として、今、自給率を四〇%から五〇%に上げる、そしてまた、そのために水田フル活用ということも打ち出されているわけでございます。こういったものの一環として、特に米の利用といいますか活用といいますか、もっと拡大しようではないかといったことの必要性、そしてまた、それについてのいろいろな、トレーサビリティーの問題等々が出てまいります。そういったことをあわせて今回のこの三つの法律の改正あるいは新しい法律ということになってきているというふうに思っております。
 そういう意味で、きょうは、大きく分けまして、トレーサビリティーの確立と、それからもう一つ、新しい活用を進めていく上での支援水準のあり方、この大きな二項目に分けてお話を伺いたいと思います。
 まず、トレーサビリティーの確立の件でございます。
 これはちょっと技術的な話になるかもしれませんが、今回の法案で、新用途への利用の促進に関する法律案、これはわかるわけでございますが、もう一つ、米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律案、そしてもう一つは、いわゆる食糧法でありますが、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案ということになっています。これは、いわゆる食糧法が基本法であるからその中に追加をする、第二節の第一款の二ということで追加になっているわけでございます。これは恐らく、今日までの規制緩和の流れにつきまして反省を込めてこういった条項を入れたというふうには思っております。
 ただ、ちょっとお伺いしたいのは、そもそも論として、新法の情報の記録及び云々の中に、思い切ってトレーサビリティーはこっちで全部くくるんだというやり方もあったのではないかと思いますが、こういった法律のつくりの仕組みになった経緯、またねらいを伺いたいと思います。
○町田政府参考人 お答え申し上げます。
 今回、米トレーサビリティー法案、また食糧法の改正法案を出させていただいているわけですが、その経緯といいましょうか、その説明をさせていただきます。
 まず、米トレーサビリティー法でございますが、これは、米穀だけではなく、米穀を原材料といたします加工品を対象に取引等の記録を義務づけることによりまして、食品の事故や表示偽装、米の横流しなどさまざまな流通上の問題に幅広く対応できるような共通の仕組みを整備しようとするものでございます。したがいまして、食品衛生法、またJAS法、食糧法などの既存の法律におさまり切る内容ではないということから、新たな法律として措置することとしたものでございます。
 他方、米穀の出荷、販売業者に対する遵守事項の導入でございますが、これは米穀の出荷、販売業者のみを対象としておりまして、米穀の適正かつ円滑な流通を確保するという食糧法の目的に包含されるものでありますことから、食糧法の改正として措置をすることとしたところでございます。
○今村委員 大体わかるわけでございますが、米穀と米穀等という使い分けもしてありますし、もう思い切って新法の方にくくってしまってもよかったんじゃないかなというふうに私は思っているということを申し上げたいと思います。
 それから、時間がないので先に急ぎますが、トレーサビリティー、これは本当にいろいろな事件が起きたわけでございますが、言うはやすく、実際のチェックというのは非常に難しいんじゃないかなというふうに思っております。
 そうした中で、先般、これは朝日新聞だったと思いますが、いわゆるMA米でもって非常にカビが多発しているという話が出ておりました。これについては、昨年の秋ですか、いわゆる売買の委託契約書の見直し等もやられて、基本的には米を持ち込む商社といいますか、そちらの責任をきちんとした面はございますが、実際問題、これはやはりあくまで荷揚げをしてやった後の問題で、いろいろなものが出てきたときに、荷揚げをする、持ち込む場合にすべてをここでチェックすることはできないわけであって、こういったものについて今後どういうやり方でやっていかれるのか。
 そこを全部チェックはできないのに、それを持ってきて、今度は持ち込まれた後それがわかるというケースがあるわけですけれども、その辺の費用分担とか、あるいはもっときちっと管理をやる方法というのがあるかと思いますが、その辺はどういうふうに対応されるんでしょうか。
○町田政府参考人 昨年の事故米問題を受けまして、お話をいただきましたように、農林水産省としては、事故米穀を今後二度と流通させないようにするということで、輸入検疫で食品衛生法上の問題があるとされた米または麦については、輸出国へ返送するまたは廃棄するといったような措置をとったわけでございます。
 水際段階でのチェックというのは強化しているわけでございますが、カビでございます、温度、湿度にもよりますが、時間とともに増殖するということで、国内に入って保管している段階で、その期間が短いものより長いものがリスクが高くなるといったことは否定できないと思っております。このため、私ども、販売する直前にすべての袋を開きましてカビを目視確認するとともに、二月十九日からはカビ毒のチェックも行っているということでございます。
 今、こういったチェックをしているわけでございますが、今後は、このミニマムアクセス米に関しますカビの発生状況、輸出国段階でどうなのか、あるいは海上輸送段階でどうなのか、国内での保管段階でどうなのか、こういったことをよく分析いたしまして、リスクの程度を踏まえた上でカビの発生を防止できるような、そういった適切な対応を講じていきたいというふうに考えております。
○今村委員 これは最終的にはおかしいものは焼却するというふうに伺っておりますが、それで間違いないかどうか。
 それからもう一つ、これは精米で輸入しているわけでございますが、今後やはり、そうではない、玄米という形で輸入するという方法もあるかと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
○町田政府参考人 カビが発生した米につきましては、すべて焼却をするということにして順次対応しているところでございます。
 また、カビの発生の防止のため、玄米での輸入ということについてのお尋ねでございます。
 現在、国際市場を見てみますと、ほとんどの米が精米で流通しております。こういったことから、我が国も、ミニマムアクセス米の大部分を精米で輸入しているという実情にあるわけでございます。
 なぜ国際市場で米が精米で流通しているかということでございますが、米の輸入国、フィリピン、インドネシア、アフリカ諸国、こういった国の多くが米の精米施設を持っておりません。直接消費できる形で、いわゆる精米での輸入を求めているということがございます。米の輸出国、これはタイとかベトナム、インド等になるわけでございますが、このような輸入先国のニーズに合わせて、自国内でもみから直接精米にして輸出をしているということでございます。
 こういった精米で輸入をしているわけでございますが、きちっとしたカビ等のチェックを行うということは当然のことというふうに考えております。
○今村委員 我が国には精米施設があるわけですから、玄米での輸入ということも考えていただいて、こういったMA米に関するコスト、やはり無駄な費用をできるだけなくすようにしていただきたいなというふうにお願いしておきます。
 次に、今、MA米の話もしましたが、実は今回、他用途米といいますか米粉・飼料用米という新しい用途米をやっていく中で、主食用あるいは加工用との混粒といいますか仕分けといいますか、どうするかというのも非常に難しい問題じゃないかなというふうに思っているわけでございます。
 はっきりと田畑によって、これは主食用米、あるいはこれは米粉用米、えさ米ということでつくるときにやっても、実際、流通の段階でこれがどうなっていくのかがよくわからないところがある、要するに、見分けがつかないという問題があると思います。そして、恐らく、主食用であっても、これを米粉用あるいは飼料用に回すということもできるわけであって、結局、つくるときには同じ米をつくるということも現場では起きると思うんですね。
 この辺の分け方といいますか、どういうふうに指導されるのか、教えてください。
○町田政府参考人 御指摘をいただきましたように、米粉用、飼料用米といった新しい利用の促進をしていくに当たりましては、主食用米への横流れを防止いたしまして、適正な流通を確保するということは大変重要でございます。このためには、現場段階におきまして横流れ防止策を講じていくことが重要であるというふうに考えております。
 今回、この新規需要米に取り組むに当たりましては、生産製造連携事業計画といったものをつくっていただくことにしております。確実に流通、消費される、そういった新しい用途のための計画をつくっていただくということでございます。
 この計画の中で、一体どの生産者と製造業者が結びつくのかといったことがきちっと担保できているかということ、また、新用途米穀の出荷者あるいは加工業者が帳簿の備えつけをきちっと行っているか、こういったようなことを認定の要件とすることとしているところでございます。
 こうしたことで連携計画が確実に実施されているかどうか確認するということでございますし、必要があれば報告の徴求も求めているということで考えているところでございます。
○今村委員 お米は同じ品種であったらほとんど見分けがつかないわけですから、色をつけるなりなんなり、やはり物理的にいろいろそういった区別の仕方をきちんとやらないと、幾ら流通の仕組みでもってチェックをしますよということをやっても非常に難しいんじゃないかと思うんですけれども、そういう物理的な仕分けのやり方というのは考えないんですか。
○町田政府参考人 生産現場におきましてきちっとした適正流通を確保するという観点からでございます。
 新しい利用でございます。書類等だけでなく、例えばサイロですとか倉庫ですとか、きちっと分けるといったことができれば、これは一番いいことでございます。そういうことで、そういった施設の整備といったことについても助成をしていくということといたしているところでございます。
 また、トレーサビリティー法につきましては、記録をしていただくということがございます。これは記録でございますが、そういったことを通じて、ソフト面あるいはハード面、そういった点から適正流通の確保といったことに対応していきたいというふうに考えております。
○今村委員 この辺は主食用の米の価格形成に大変大きな影響を与える要素になりますので、そこのところの管理はきちっとしていただきたいというふうに思います。
 それでは次に、支援水準のあり方ということでございます。
 小麦等にかわる米粉米、あるいは飼料にかわるえさ米、ぜひしっかりつくっていただきたいわけでございます。
 しかしながら、農家としては、それで採算が合うのか、あるいは懐ぐあいがどうなるのか、そこをやはり見きわめて判断されるわけでございます。これはもう言うまでもないことでございます。ここのところで、従来の主食をつくっているケース、あるいは加工用米、あるいは麦、大豆等々、それらとの収支の比較、これをきちっとやはり検証していただいてしかるべき支援措置をやらなければいけないと思っているわけでございます。
 この辺、私もおおむね聞いてはおりますが、例えば米粉米、えさ米、これの収支といいますか、主食用米なり麦、大豆等々と比べてどの程度のものであるかということをわかる範囲で教えてください。
○本川政府参考人 御指摘の米粉用米、飼料用米に対する支援水準でございます。
 私ども、五万五千円の支援を行うということで設定をいたしておりますが、これは、同じく原料用米として既に定着をしております加工用米並みの収入が得られるということを勘案して設定をいたしております。
 米粉用米につきましては、支援水準五万五千円を加えますと、私どもとして、大体九万円を超える水準、加工用米は今約九万円ぐらいの収入でございますが、それを超える収入が得られるのではないかと考えております。
 それから、飼料用米につきましても、わらをも利用していただきますと、これもわらの販売代金になり、あるいは別途の耕畜連携対策の支援金も合わせますれば、九万円を超える水準の支援金が交付できるというふうに考えております。
 これに加えまして、米粉なり飼料用米の栽培につきましては、稲作農家にとって、これまでの栽培体系と同じで取り組んでいただくということができます。それから、農機具についても新たな投資が要らないというメリットがございますので、こういうようなものをあわせながら農家の方々にお示しをして、働きかけを行ってまいりたいと考えておるところでございます。
○今村委員 恐らくそういう答えが返ってくるだろうとは思いましたけれども、一方で、私たちの党で水田農業振興議員連盟というのがありますが、そこで議論をしたときには、現状の五万五千円の水準では農家の所得はほとんど残らないという試算をしているわけでございます。
 この辺のいろいろ見解の違い、あるいは経費の算定の仕方等々もあるかと思いますが、この辺は、農家はやはり現場で自分が一番生産にタッチして実情をわかっているわけでございますので、本当に今局長が言われたようなことでいけるのかどうか、もうちょっとこれはきちっと精査をしていただきたいなというふうに思うわけでございます。この辺はどうでしょうか。
○本川政府参考人 手元に残る所得ということになりますと、今私が申し上げた収入からどのような経費を引くかということになってまいります。例えば飼料用米でありますと、普通の主食用をつくる機械を使うわけでございますから、その減価償却部分を飼料用米の部分には負担をさせないといったような考え方でも整理できようかと思います。
 そのような形で一定の試算を私どももいたしておりますが、例えば加工用米でありますと、そのような形でコストを引きますと、私どもの試算では、経費として除いたもの、残る収入は十アール当たり一万円程度でございますけれども、米粉用でありますと二万円弱が手元に残るのではないか。あるいは、飼料用米につきましては、これは販売できる単価をどのように見るかにもよりますけれども、これにつきましても加工用米を上回る所得が期待できるのではないかというふうに私ども今のところは分析をいたしているということでございます。
○今村委員 今いろいろ申しましたが、例えば、おととしになりますが、いわゆる踏み切り料ということで、一反当たり五万円、政府全体で五百億の予算をつけたわけでございます。しかし、聞いてみると、結局これを使ったのは百二十億ぐらいですか、そういうことで、現実には大変余らせてしまったということですね。
 そういう意味では、本当にこれは現場のニーズに合っていた予算なのかどうなのか、そういったことについてはやはりよく検証をしていただいて、そういったものの反省を踏まえて今回の支援水準もしっかり考えてもらいたいわけでございまして、これは、今後まだ時間はあるわけでございますが、どういう支援措置が必要なのか、またどのぐらい必要なのかということは、やはり今後の実情に応じて、現場の進みぐあい等を見ながら弾力的に強化していただくようにぜひお願いしておきたいと思います。
 それから、これに関連して、今、片一方では余る予算がある。片一方では、例えば今回新設されるいわゆるリース事業の五十億の金があるわけでございますが、こういったものについては、非常に希望が多くて全く応じ切れない。農水省の中で非常に予算のでこぼこがあるような気がいたしております。このことは、私は、農水省の組織の問題もあるかと思いますが、もうちょっとこの辺は整合性を持った予算の仕組みなり政策の仕組みをつくってもらうことが必要じゃないかなと。
 例えば、いわゆる転作でもって麦、大豆をつくるときに、この措置は生産局だ、この措置は経営局だ、こっちは総合食料局だと、三つの部局にまたがっているようなケースもあるわけですね。
 ですから、今後こういったものを進めていくときには、やはりしっかりと整合性を持って、品目なら品目に応じてどこが責任を持ってやるんだ、そういう仕事の流れにしてもらった方が皆さんわかりやすいんじゃないかというふうに思っておりますので、そういった弾力的な思い切った取り組みをしていただきたいなというふうに思っております。
 こういったことを私が申すのは、何といっても、今、麦にしても大豆にしても、巨額の輸入をしているわけでございます。ですから、できるだけ国内でもってそれに代替できる作物をつくる、またそういう努力をする。そのためにお金を使っても、これは国内で還流するわけでございまして、外国にアウトフローするわけではないわけであります。ですから、そういった観点から、今、地域の活性化、農村の活性化といったことも一番力を入れなきゃいけない部分でございますので、そういう観点からぜひしっかり取り組んでいただきたい。
 そして、そういう感じで申しますと、もう一つはやはり麦、大豆ですね。私たちのところも、そういう意味では大変難しい気象条件等々リスクをしょいながら、転換調整までやって思い切った取り組みもしているわけでございます。もっともっとこういった麦、大豆への転換、あるいは特に中山間地等では、これは麦、大豆というわけになかなかいきません。そういう意味で、例えばソバとか、そういったほかの対策の対象作物をもっと拡大するとか、そういったことを思い切ってやってほしいと思うんですが、この辺はどうですか。
○高橋政府参考人 麦、大豆等の御指摘でございますけれども、御承知のとおり、水田・畑作経営所得安定対策におきまして、法律に基づいて、麦、大豆等につきましては、一定の生産実績に応じた支払い、それから成績、実際の生産に応じた支払いを行うこととされているところでございます。
 これについては、今委員御指摘ございましたように、基本的には、水田作、畑作を問わず、国内におけます麦、大豆等全般についての生産振興について、国際規律にも適合するような形でトータルの形態を維持していくという観点からこの政策をとってきたところでございます。
 さらに、これに加えまして、水田作におけます地域の水田農業の振興の観点から産地づくり交付金等の施策がまた講じられておりまして、そういう形でトータルとしての麦、大豆等の作物振興がなされているということについて御理解いただきたいと思います。
 なお、一点、ソバでございますけれども、これは法律案の審議のときにも実はございました。この法律そのものは、基本的には、国内におけます生産コストと販売価格の差を補てんするということでこの制度、法律はできております。したがいまして、ソバの場合には、現在のところ、国産価格と輸入品価格との間では、麦、大豆とは逆に国産価格の方が高いという状況になっております。したがいまして、そういった意味での成績払いあるいは生産条件の不利補正支払いというものが出ませんので、収入安定の変動対策の作目対象にしてはどうかという議論になるわけでございますけれども、これについては一定の拠出金等の問題もございます。
 そういうことを勘案いたしますと、先ほど申し上げましたように、地域の実態に応じました生産振興対策を講じていくことが重要ではないかということで現在整理させていただいているところでございます。
○今村委員 余り理屈をこねないで、とにかくできるものは何でもやるんだ、とにかく農地を遊ばせないんだということでぜひやってほしいと思うんですよ。
 特に中山間地対策は、直接支払いとかそういったことでやってくれていますが、事、農産物の何をつくるかということについての支援の中身が非常に薄い。このままでは本当に荒れていってしまいますよ。これは、地域の活性化、国土保全あるいは食料安全保障、そういった総合的な観点から思い切った取り組みをまたぜひやっていただきたいというふうに思います。
 それで、とにかく、こういうことでいろいろな方策を使って自給力を維持して高めていこうじゃないかということでございます。そういったことを、ありとあらゆることをまずやること、これがまず第一だと思います。
 そうした中で、やはり米以外でもちゃんとこうやって何とか飯が食えるんだということを確立する、その上で、昨今時々耳にします、いわゆる生産調整に絡んでの選択制ということの検討に入っていくべきだと思うわけでありまして、初めから選択制云々ということになってくると、今進めているこの施策が大混乱するような心配をしているわけでございます。
 そういう意味で、きょうは大臣がせっかくお見えになっていただいていますので、とかく選択制というのは、大臣は言っていないよとか、勝手にだれかが言っているんだろうとか、そういう話もあるわけでございますが、ひとつここで、石破大臣、そういった疑念を晴らすためにも、ぜひこういった水田フル活用といわゆる生産調整に係る選択制の観点から御所見を伺いたいと思います。
○石破国務大臣 生産調整が始まってもう半世紀近くなるわけで、ほとんどの人が生産調整以外の世界を見たことがないということになっております。
 これはもう北海道から九州、沖縄までどこもそうなのですが、まじめに生産調整に参加をした人たちがおります。そういう方々のいろいろな御負担によって価格が何とか維持をされている。
 しかし、私は生産調整に参加しません、好きなだけつくりますという人たちが一方におって、そういう人たちは、これは党でもよく議論になる話ですが、生産調整に参加した人たちの負担によってつくられた価格の上に乗ってもうけている。この不公平はどうやったら払拭できるんだ。私は、不公平感がある制度というのは本当にずっと続くのだろうかという思いが一つあります。
 もう一つは、中山間地で、委員が御指摘になったように、本当にお米しかつくれません、麦でもありません、大豆でもありませんと。しかしながら、では米粉か、えさ米かといったときに、耕畜連携がどう図られるかとか、そういう問題がございます。
 好きなだけつくりたいんだという方々、そしてそれしかできないんだという方々もまたおられる。そういうのをどう考えるかということで米政策は議論していかねばならぬ。
 私は、選択制ということをたたき台とかベースにしてとか、そんなことを言ったわけじゃありません。ただ、新食糧法をつくるときに、この選択制はどうなのかという議論を一回かなり党の中でもいたしました。選択制というのは、別に天から降ってきた新発明のものでもございません。どういう形が一番いいのか、日本に一番向いた水田稲作というものをどうやって定着させていくか、そして不公平感のない制度をどうつくっていくかということは、党の御議論もよく踏まえながら議論をしていかねばならぬことだというふうに思っております。
 あわせて、また御議論を賜りますが、一に農政あるいは米政策というのは、あわせて農地の問題とか、そういうことを全部総合的に議論して、農家の所得がきちんと確保され、農業の持続性が確保されるようにしていきたいと考えておるところでございます。
○今村委員 ありがとうございました。
 ぜひ大臣のメッセージをしっかりと誤解のないように伝えていただきたいと思いますし、最後になりますが、とにかく、主食用の米以外でもちゃんと農家が飯を食っていけるんだ、そういう農政をぜひ展開していただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○遠藤委員長 次に、西博義君。
○西委員 公明党の西博義でございます。
 きょうは、法案の質問に入る前に一点だけ、やみ専従問題についてお聞きをしたいと思います。
 昨年の四月一日、調査いたしました農水省の調査の中で、百四十二名の組合幹部について勤務状況に問題があるということですが、まず、その状況をどう認識しているのかというのが一点。
 実はその前年の二〇〇七年十一月に、内閣官房に置かれた年金業務・組織再生会議が、社会保険庁に対し、職員の過去の服務規律違反について調査を行うよう依頼してから、やみ専従問題というのが本格化してきたわけですが、今回は、昨年三月中旬、つまり半年ほどたってから人事院あてにメールによる投書があるまで、農林水産省は一体何をしてきたのか。まさか対岸の火事だというふうに思っていたのではないのかということをお聞きしたいわけでございます。
 時間の都合で、ついでに大臣にお聞きしたいんですが、この百四十二名の勤務実態をそのときに解明しようとしなかったのかというのが私は大きな問題だと思います。そのとき既に、多分無許可専従の可能性がある、こういうふうに見られていたにもかかわらず、このやみ専従問題を解明していこうという気持ちがなかったのではないかというのが、これは大きく問われる問題であります。もしその事実があれば、刑事告発も含めて厳正に対処をしていただきたい、こういうことでございますが、事務当局の方と、それから引き続いて大臣の見解を求めたいと思います。
○佐藤政府参考人 御説明を申し上げます。
 社会保険庁における無許可専従の問題につきましては、私どもといたしましても重大な関心を持って注視をしていたところでございます。
 このため、昨年三月に組合幹部は仕事をしていないという旨の投書がありましたのを受けまして、同年四月に、組合役員の勤務実態を幅広く把握し、不適切な状況があれば是正することを目的とした調査を実施することとしたところでございます。この間、期日が過ぎましたことにつきましては、対応として不十分だったというふうに思っております。
 しかしながら、この調査について言いますれば、例えば組合役員本人への聞き取りや勤務実態を示す文書の確認を行わなかったことなど、不十分な面がありましたことから、疑念を招くことのないように、本年二月十六日に大臣から、改めて徹底した確認の調査を行うよう指示がなされたところでございます。
 具体的には、昨年四月一日の調査におきまして無許可専従が疑われた百四十二名につきまして、総務省による無許可専従に関する全府省一斉点検と同様の基準で、本人及び上司、同僚に対する聞き取りや勤務実態を示す書類の確認を行っているところでございます。この調査結果につきましては、できるだけ早く取りまとめることとしているところでございます。
 今後、国民視点に立って、健全な労使関係が構築されますように最善を尽くしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○石破国務大臣 今官房長からお答えを申し上げたところでございますが、この調査は、今までの調査をやっていた組織とは別のチームにやらせます。これは、やはりいろいろな御指摘をいただいているところでありまして、事前に、行きますよと言って通知してから調べるなぞというのは、そんなことはあっていいことだとは私は全く思っておりません。
 そしてまた、関係書類ときちんと突合して、虚偽がないようにしていかなければなりません。これは膨大な書類を今チェックしておるところでございますが、そこにおいて、本当に事実関係を徹底的に解明する、うそがあったとしたらそれを必ず見抜くということで、今、大作業を行っておるところでございます。
 やはり身内に甘いというようなことを言われてはいけませんので、事故米のときもそういう話がございました、これは身内というわけではございませんが。やはりここの点は厳正にしなければいけませんし、この調査の目的は、労使慣行をよりよくするとか是正をするとか、そういうこともございましょうけれども、その前に、委員御指摘のように、過去に不正があったとすれば、それは決して許してはならないということであり、それが法に照らして不適切なものであるとするならば、それは告発ということも当然視野に入れて、厳正に対処したいと考えておるところでございます。
○西委員 大臣の指示が二月にあるまで、四月、約十カ月ぐらいの時間間隔があるわけですが、本当にこの問題を解明しようとしていたのかということは問われてしかるべきだというふうに私は思います。大臣が、別の組織で厳正にやる、こういうお話ですので、ぜひとも徹底した調査をお願いしたいと思います。
 次に、具体的な法案の内容についてお伺いをしたいと思います。
 今回は、汚染米の不正流通事件を踏まえての法案、それから法改正というふうになっておりますが、あのような事件を再び起こさないためには、立入検査など行政のチェックがどのように行われているかということが重要なかぎとなっております。
 大臣も先ほど、行きますよと言って行ったという話がありましたけれども、このことも大きな問題でありました。食糧法の遵守事項へのチェック、それからトレーサビリティー及びJAS法の表示違反へのチェックというのが今後必要になってまいります。それぞれのチェックに関して、どのような組織が、何人で、どのような形で行うのかということを少し明らかにしておいていただきたいと思います。
○町田政府参考人 今般の食糧法案により導入いたします遵守事項、また米トレーサビリティー法案により導入いたします米穀等の産地情報の伝達、いずれも、対象品目を取り扱います事業者の方に守っていただく必要があるものでございます。
 農林水産省といたしましては、流通過程におけます検査、監視を適切に実施するという観点から、チェックの方法といたしましては、一定の頻度で検査を行いますとともに、内部告発等情報提供があった場合には迅速に抜き打ち検査を行うということでございます。
 また、組織体制でございますが、現在検討いたしております農林水産省の抜本的な機構改革の中で、表示規制など他の分野におけます立入検査のノウハウも生かしつつ、流通監視を行うことのできる体制を整備したいと考えておりまして、検討しているところでございますが、現時点でこの組織体制なりその人数を申し上げる段階ではないということは御理解をいただきたいというふうに思います。
 また、あわせまして、情報受付窓口を設置いたしまして、広く疑義情報を収集できるような仕組みも整備したいと思っておりますし、他法による取り締まりの経験がございます、こういった経験を共有しながら、検査に当たります職員の育成、向上、こういったことに努めまして、的確に情報収集また検査ができる体制の整備に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○西委員 私は、昨年九月の本委員会で、すべての食品にわたるトレーサビリティー制度の導入を提言いたしました。今回の法律は、米穀等だけが対象というふうになっておりますが、そういう意味では第一歩であるというふうな評価はしておりますが、食の安全に資する制度として、実効性のある、食品全般にわたるトレーサビリティー法を制定すべきではないかというふうに……(発言する者あり)そうだとおっしゃってくださる方もいらっしゃいますが、考えますが、お考えをお伺いしたいと思います。
○石田副大臣 お答え申し上げたいと思います。
 すべての食品に対してトレーサビリティーを確立するということは、あるべき姿としてはそのとおり、望ましいものと考えております。これまでも食品衛生法において、全食品事業者を対象とした入出荷の記録保存について努力義務を課しておりまして、農林水産省でもその普及推進を図ってきたところでございます。
 今回、事故米穀の不正規流通問題を踏まえ、まず、国民の主食として食糧法による流通規制もできており、原則年一回の収穫である、農業者の負担が少ない米について、トレーサビリティーの具体的な仕組みを確立することとしたものでございます。
 また一方、米以外の食品全般へのトレーサビリティーの導入については、農業者、中小事業者の取り組みが課題となります。今後、入出荷記録の作成・保存マニュアルの作成や品目、業態に合致した取り組み、方策の検討等により、農業者、中小事業者も実施可能となる環境づくりを進め、トレーサビリティーの導入を推進してまいりたいと考えております。
○西委員 私も、すべてについて農水省は不熱心であるというふうに言うつもりもありませんし、いろいろな食品について努力をされているというふうに思います。法律を定めるということは、農家から流通すべてにわたって形をつくっていかなければならないということですので、さらなる努力をこれからまた引き続きお願いしたいと思います。
 では、その次ですが、米穀の新用途への利用の促進に関する法律案についてですが、第三条二項で、農林水産大臣は、米穀等の新用途への利用促進に関する基本方針を四項目定めるということになっております。三番目の、利用促進に関する重要事項、これはどのような内容を想定しているのかという質問でございます。
 利用を促進するためには、消費サイド、すなわち需要拡大対策について、基本方針にどう定め、どう実施していくかということが非常に重要な課題となってきます。この点について農林水産省はどう取り組まれようとしているのか、お伺いしたいと思います。
○町田政府参考人 お答え申し上げます。
 農林水産大臣が定めます基本方針のうち、米穀の新用途への利用の促進に関する重要事項、ここにおきましては、お話いただきましたように、米粉用米、飼料用米が確実に流通、消費されるよう、生産者と実需者のマッチングに努めることといったこと、あるいは、地域水田農業ビジョン等、地域におけます農業の振興計画と整合を図ること、こういったことについて規定をしようとしているところでございます。
 新用途への利用の促進をいたしまして、需要の拡大を図っていくというためには、本当に消費者、また事業者の皆さんにそのよさを理解していただくということが大変大事だというふうに考えているところでございまして、そのための取り組みをいろいろやっていきたい、またマッチングについても努力をしていきたいというふうに思っております。
○西委員 法律ができたからスムーズにこれが動くというふうにはなかなかいかないので、我々も、予算面とかいろいろな面でさらに検討を加えて、先ほどの質問にもありましたように、やらなければいけないというふうに思っているところでございます。
 次の質問です。学校給食、バイオ原料、輸出、非常食、この四点に関する需要拡大策についてお伺いしたいと思います。
 公明党は、いち早く米粉の推進を掲げ、さらに提言「食料自給率五〇プラン」、これは五〇%という意味ですが、ここで、学校の米飯給食や、米粉など新規需要米、輸出関連で需要を拡大する需要拡大策を具体的に示してまいりました。さらに、米の消費拡大や地産地消の推進のため、例えば、学校給食や公共施設の食堂などへの農産物提供への助成や米飯給食の準備費用などに充てるというような支援措置を農水省としてぜひ講じていただきたい、こう思っておりますが、いかがでしょうか。
○石田副大臣 米飯学校給食は、次世代を担う子供たちにとりましても大変重要な問題だと考えております。
 このため、農林水産省といたしましても、これまでも市町村の学校給食関係者へ、実施回数の増加、こういうものも要望してまいりました。また、米飯学校給食フォーラム、学校栄養職員向けのメニュー講座、こういうものも開催をしました。米飯学校給食の実施回数の増加分の一部に政府備蓄米の無償提供、こういうことも行っております。そういうものを通して、米飯学校給食の回数が増加するように支援もしているところでございます。
 また、地産地消の推進の観点から、学校給食や企業、病院の食堂等において、米を初めとする地場農産物の利用を促進するため、地場産物を供給する生産者と給食や食堂の利用者の交流活動、地場産物を用いたメニュー開発、こういうものも行っております。また、地場で生産された農産物を地域に供給するための、精米施設等の処理加工施設の整備、こういうものに対する支援も行っております。
 なお、学校給食における地場農産物の使用の目標として、二十二年度までに三〇%、こういうものも定めておりますが、現状、まだそこにまで至っておりませんので、ぜひ目標達成に向けて全力を傾注していきたいと考えております。
○西委員 よろしくお願いいたします。
 米の需要拡大対策を考えるときに、現状の人口、消費量が年々減少していく国内市場を前提としている限り、生産調整問題についてはなかなか解決が難しいというふうに思います。
 そこで、今既にやられておりますが、都道府県間の融通システムの推進、それから飼料用米やバイオ原料米、それから輸出用の米生産など、新しい需要をいかにふやしていくか、これが生産調整の枠外の対象ということで、この拡大がどうしても必要であるというふうに考えております。
 都道府県間の融通システムについては、初年度、佐賀県が行いましたが、今年度、大分県、宮城県が参加してまいりました。今後も動きや量が拡大することを期待しております。
 さて、飼料米やバイオ原料米、さらに、次に述べる輸出向けの長粒米については、産地づくり交付金とは別に、新たな交付金をつくるべきではないかというふうに考えます。基本的に、認定農家等が農家の収入の低い作物を選びにくい。それからさらに、産地づくり交付金は使い道がほぼ決まっていて、対象がふえれば他の作物の交付金が減るという課題もございます。
 そこで、産地づくり交付金の対象となりにくい地域でもこうした米を生産できるように、新たな交付金を創設すべきではないか、こう考えておりますが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○石破国務大臣 えさ米についてのお尋ねでございます。
 えさ米は、米粉用米とともに、今御指摘のように産地づくり交付金とは別の、十アール当たり五万五千円の水田等有効活用促進交付金、こういう形で支援を行うということにいたしておるところでございます。これをもちまして、飼料用米を米粉用米とともに、水田フル活用の重要な役割を位置づけたいと思っておるところでございます。
○西委員 先ほどの議論もありましたけれども、なかなかそのレベルでは十分ではないという現場の要請もありまして、いろいろな形で一工夫する必要があるんではないかというふうに考えております。ぜひともまた、農林水産省の方でも、きちっとした積み上げを冷静にやっていただきたいというふうに思います。これが一つの新規需要米拡大のかぎになるんじゃないかというふうに思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 昨年の五月十五日のこの農水委員会で、長粒米を取り上げて、米の輸出戦略について議論をさせていただきました。今後、戦略的に、中国向けのジャポニカ米と同時に、長粒米の輸出についてどう取り組んでいくかという課題があってもいいんではないかというふうに私は思っております。
 もちろん、世界で流通している主なお米は長粒米でございます。この長粒米は、寒さには若干弱いですが、干ばつ、やせ地、湿田など、不良環境に強い、また、虫の害が少ない、多収で長期貯蔵が可能、こんな特徴を持っていると言われております。日本では、主に西日本では近代までつくられていたということも判明しております。
 私は、国の戦略としてこれに取り組むべきであって、生産者や農業生産法人の個々の判断や取り組みに任せればいいというものではないというふうに思っておりまして、先ほどの、色をつけた方がいいんじゃないか、形が違えばいいんじゃないかというようなことにも関係してくることですが、お米はジャポニカ米、こういう前提を必ずしも守る必要はなくて、新たな多収量の飼料米としてこれを作付する、こういうことがあっていいんじゃないかというふうに思っております。
 長粒米の生産から販売まで検討する、もちろん品種改良もさらにしていく必要もあると思いますが、これを検討する国のプロジェクトをつくってはいかがかというふうに思いますが、大臣の御所見をお伺いいたします。
○石破国務大臣 科学者でもあられます委員の御指摘ですから、私ども、謙虚に承って努力をしたいと思っております。
 委員が最後に御指摘になりましたように、まさしくこれはえさ米として、多収穫米としての使い道があるんだろうということでありまして、今、水田フル活用ということを言っておるわけでございますが、その中において、この長粒種がどう位置づけられるか。御指摘のように、これはずっと、年がら年じゅう暑いところに向いたものなわけでありまして、日本みたいに春夏秋冬、こういうのには必ずしも向かない。それだからこそ、品種改良をどうするんだというお話になるんだと思います。
 長粒種というのは、要は、そのまま炊いてそのまま食べるというよりも、何かをかけて、わあっとかきまぜて食べるという食べ方をしておりますので、外国へ出すという話になりますと、これはなかなか難しかろうと。味で勝負というわけにはまいりませんし、値段で勝負といってもなかなか厳しいものでございます。
 したがいまして、冒頭の話に戻りますが、えさ米としてどこまでできるか、多収穫米としてどこまでできるかというようなことを念頭に置きながら、国としても、この長粒種にどう取り組むかは、委員の御指摘を踏まえてきちんと取り組まねばならないと考えておるところでございます。
○西委員 実は、日本の米というのは、地球温暖化の影響を受けて南の方からだんだんといわゆる品質が落ちてきていることは事実でして、南の方では一等米が三〇%ぐらいまで落ちてきている、こういうこともあります。それは、何も食事に通用しないというわけではなくて、少し濁りが出てきているというようなことらしいですけれども、そんなこともあって、今後の長期戦略を考えていく必要があるんではないか。その一環として、暑さに強いこういうお米、さらには、将来はバイオエタノールとか、要するに、今、水田の用途を拡張していく新規需要米の一つとして、バイオエタノールなんかも一つの方向性ではないかというふうに私は思うんです。
 世界の食料戦略の中で、一番主要な作物、例えば、ブラジルでありますとサトウキビ、それからアメリカのトウモロコシ、一番得意な分野をバッファーとしてバイオエタノールに転用しているというのは事実でして、日本は、自給率向上のために、いかにつくりやすい米をたくさんつくって、しかも自給率そのものに影響させない新規需要米を拡大していくかという観点の一つに、もちろん飼料用米もありますし、米粉もありますが、バッファーとしてのバイオエタノールということを考える可能性は十分秘めているんではないかというふうに思っております。そうなりますと、米の種類がどうだというよりも、多収穫で、そういうやせ地でも、条件不利地でも強いこの長粒種というものを採用するための計画を今後つくっていく必要もあるんではないか、こういう意味で申し上げました。ぜひまた御検討いただければ。
 何か感想がございましたら、一言お願いをしたいと思います。
○石破国務大臣 そのうち日本は亜熱帯になるのではないかという話もございまして、それは、どうやって地球温暖化を防ぐかというお話はきちんとしていかねばならぬのですが、実際、気候変動というのが起こっている、九州でそういうような状況が起こっていることも、よく承知をいたしております。
 そこで、バッファーとしてというお話でございます。これから先、バイオエタノールをどのようにやっていくか。そしてまた、食料と競合しないということも考えねばならないので、委員がそこでバッファーとおっしゃっておられるのだろうと思っております。
 そういう観点から、我が国のエネルギー戦略という観点からも、長粒種、多収穫米、品種改良、地域特性、そういうものをよく考えて位置づけることは肝要なことだと思っておりますので、まだ十分勉強しておるわけではありませんが、今後とも御示唆をいただいて、それをさらに確実なものにできればと思っております。
○西委員 大変前向きな御答弁、ありがとうございました。
 日本は、やはり米を中心として農業というのは回ってきておりますし、一番省力化といいますか、働く日数も少なくて、兼業なんかでもやっていける、そういう条件にあるこの米、連作が可能ですし、それをいかに有効に使っていくかということが大きな課題だろうと思います。もちろん、ほかの用途、小麦、大豆等の転作も必要ですが、一方では、そういう観点からも将来を見据えて取り組んでいく必要があるというふうに思って申し上げた次第です。
 最後の質問ですが、需要拡大対策の一つとして、災害等の非常食についての米の活用を提言したいと思います。
 平成二十年度の消防白書によりますと、自治体の主な備蓄物資の状況を示す統計が載っております。非常食としては、乾パン、インスタントめん類、米、それから缶詰などが備蓄されているようです。この災害用の非常食について、軽くて保管、運搬がしやすい、高齢者や乳幼児でも食べやすい、それから温かい御飯が食べられるというメリットがあるアルファ米、乾燥米といいますかアルファ米の備蓄をぜひ推進していくべきではないかと思っております。
 場所によっては既にそういう備えもしているところもあるようですが、まだなかなか全国的なことにはなっていないということもありまして、しかも保存も結構きくようですので、ぜひともアルファ米で非常用の、災害用の備蓄をすべきではないか、こういうふうに思いますが、御意見をちょうだいしたいと思います。
○石破国務大臣 アルファ化米の特性というのは、保存性にすぐれておる、簡便性にすぐれておるということであります。
 他方、お湯をかけねばならぬので、災害になってお湯そのものが沸かないんだという場合はどうするんだいと。あるいは、お湯がきれいなお湯なら結構な話なんでございますが、濁ったお湯をかけると、きっと不思議な味になるんでしょう、また衛生上もよくないんでしょう、そうするとどうなるんだということがございます。また、実際にお湯をかけて何分で食べられるんだというと、これは十五分からもっとかかるんだそうでして、それぞれの特性があるように承知をいたしております。
 したがって、アルファ化米、乾パン、そしてまたビスケットのたぐい、あるいはレトルトパック、そういうものをうまく組み合わせて、いかなる災害にも対応し得るようにということではないかと承知をいたしております。
 これは農水省が主体的にお答えするものではないのかもしれませんが、その組み合わせの中において、いずれにしても大災害が取りざたされておる中でございますから、アルファ化米の位置づけというのをきちんと行いまして、別にシェア争いをするわけではございませんが、その特性を生かした備蓄、保存、そして災害への備えということは重要であるというふうに認識をしておりまして、担当であります内閣府等々ともよく相談をしながら、アルファ化米の活用というものについて努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○西委員 少し時間が早いのですが、定刻ですので、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○遠藤委員長 次に、神風英男君。
○神風委員 おはようございます。民主党の神風英男でございます。
 これまで石破大臣とは農水ではなくて安全保障委員会等で質疑をさせていただいたわけでありますが、今回、きょう初めて、農水委員会で農水大臣として質疑をさせていただく機会をいただきました。
 本日は米三法についての質疑でございますが、まず、その前提としての議論から始めたいと思っております。
 まず最初に、石破大臣が農政の現状をどうごらんになっているのか。成功と見ているのか、失敗と見ているのか。あるいは、石破大臣が理想とされる農業政策はどのようにお考えになっているのか。まずその点からお示しをいただきたいと思います。
○石破国務大臣 なかなか難しい御質問ですが、成功だったか失敗だったかと言われれば、社会政策としては農政は大変な成功をおさめたと私は思っております。都市と農村の所得の格差をなくし、都市と農村の均衡ある発展という観点からいえば、世界でも有数の成功をおさめたと思っております。
 ところが、産業政策としてどうだったのかい、こう言われますと、一時期はそれはよかったのでありますが、人、金、物、全部の長期低落傾向が全くとまっておりませんで、所得ということからいえば、平成二年と十七年と比べれば半分に落ちましたということであります。そして、転用というものは全く歯どめがかからない。違反転用というものも後を絶たない。これは今回法改正をしますが。
 そしてまた、従事をされる方々、基幹的農業従事者の六割が六十五歳以上の方々である。これはどんどん同じ年齢層がスライドをしておるわけで、あと十年たつと六割が七十五歳以上ということにこのままいけばなる。これは、産業政策としてこれから先どうなんだと言われればかなり難しいと思っておりまして、これを産業としてどうやって再生させるかということが一番の課題なのだと思っております。
 では、先進国は農業が廃れるのかといえばそんな話は全然ないのであって、アメリカはちょっと横に置きまして、ドイツであれ、フランスであれ、イギリスであれ、農業というのは成長の過程にあるのだ。そこで問題なのは、先進国の中で水田稲作というものを行っておる国は我が国しかございません。これをどう考えるか。そしてまた、土地に対する考え方がヨーロッパと日本と違いますので、だから、先進国だから必ず農業が発展するはずだという話にはすぐならない。そこのところをどう議論していくかというのが実はポイントではなかろうかと私はかねてから思っておるところでございます。
 これから先の農業のあり方というのは、やはり日本国として食料の自給力は高めていかねばならない。結果として自給率は上がるはずだと思っておりますが、人、金、物において、これの持続可能性を回復したいと思っております。
 加えて申し上げれば、世界のいろいろな食料危機等々ございます中で、我が国が世界の食料危機に対して、あるいは、そういう到来し得る状況に対していかなる役割を果たし得るか。日本さえよければいいのではなくて、世界の食料事情というものを好転させるために我が国農業がいかなる役割を果たすことができるかというところまで見きわめることができれば、それは農政として大きな前進であると私は認識をいたしております。
○神風委員 ありがとうございました。
 個人的にはかなり共通する部分が多いかなと思いながらお伺いをしておりましたが、ちょっと今のお考えの中には言及がなかったのであえてまた伺いたいんですが、大臣が米の生産調整、減反について、すべての角度から抜本的に検討していかなければならないと、減反政策の見直しを発言されているわけでありますが、その方向性というのはどういうものであると御自身ではお考えになっているのか、その点もあわせてお願いします。
○石破国務大臣 先ほど今村委員にもお答えをしたところでございますが、生産調整以外の世界を見たことのない人が圧倒的多数になってまいりました。
 不公平感というものはどうしても払拭できない、生産調整に参加しなければ懲役十年ですという話になりませんものですから。そうすると、生産調整を本当にまじめにまじめにやって、本当はもっとつくりたいんだけれどもというので生産調整をして、何とか価格が保たれている。しかし、私はそんなもの関係ない、そんなものには参加しないし、つくりたいだけつくる、それで庭先で売るんだみたいな人になりますと、みんなが負担した上に乗って所得を多く得ている。この不公平感はなかなか今の制度のもとでは解消しにくい。不公平がある制度に永続性があるとは私にはどうしても思えない。だとすればどうしたらいいのだという一つの問題意識。
 もう一つは、条件不利地域で、大豆をつくってちょうだいとか、あるいは麦をつくってちょうだいと言われても、そういうことはもうできませんという地域がたくさんあるわけであって、もちろん水田フル活用ということは考えていくわけでありますが、そういう地域に対して今の生産調整というのはどういう影響を与えているのかということ、そして、どうすれば需要にマッチした米生産ができるかということだと思います。
 それを全部勘案したときにどういう制度が望ましいのか。もちろん、あれこれあるけれども、今のままが一番いいという結論も当然あるだろうと思っております。それを私は否定するつもりは全くございませんし、水田フル活用ということがそれを補うのだという考え方も当然あるわけでございます。ですから、今いろいろある閉塞感とか不公平感とか、そういうものを払拭するやり方は何なのだということを議論したい。
 そして、もう一つは、実際に今、私どもの政策の決定の過程で導入をしておるところでございますが、現場はどう考えているんだ、生産者はどう考えているんだということをきちんと聞かなければいけないのだと思っております。稲作というものは北海道から九州、沖縄まで大変広い地域で行われておるわけで、生産者の声はこういうものですよということが簡単に出るわけではありませんが、どの地域のどのような方がどのように考え、何を望んでおるかということはきちんと把握をした上で議論をしていかねばならぬことだというふうに思っております。
 ですから、こういう方向でいくということを私は明確に申し上げておるわけでもないし、かくかくしかじか、かくなるものをたたき台にするということを申し上げておるわけでもありません。しかし、いろいろな問題点を克服するためにどういうやり方があるのかということは、私は今きちんと議論しなければいけないことだと思っております。
○神風委員 いろいろな新聞報道等によりますと、選択制ということが随分報道をされているわけでありますが、ちょっとそこで一点お伺いをいたします。
 平成十四年の生産調整に関する研究会において、生産数量調整手法の考え方の一つとして、数量調整に参加をした生産者に対して一定の助成を行うことによって需給均衡を実現する、このときには参加者支援型という名称で呼ばれていたようでありますけれども、こういったものが提案をされたという経緯がある。ただ、この参加者支援型という制度は、今報道されている選択制と同じような中身に感じるんですが、その点いかがであるのか。あるいは、当時、なぜこの参加者支援型というものが支持をされなかったのか、ちょっとその点、事務方で結構ですから、教えていただければと思います。
○町田政府参考人 十四年の生産調整研究会の経緯でございます。十分なお答えができるかどうかでございますが、さまざまなケースについて議論もなされ、また、一定のシミュレーションもされたというふうに承知しております。委員の方で大変熱心に御議論がされた結果、現在のようなこういったスキームがとられているということでございます。
 抽象的な答えで申しわけございません。
○神風委員 同じ内容であるのかどうか。いかがですか。
○針原政府参考人 当時担当していた者としてお答えいたします。
 その当時は、参加者支援型というものと、その対極に構造改革重視型、要は構造改革をまずやった上でその後の成果を見ながら生産調整のあり方を考える、その中間型として現在の仕組み、大きく分けて三つ提案した上で、幅広い議論を行いました。なぜそういうことをしたかというと、透明な手続で幅広い参加を求めるためにやったわけでございます。
 その当時の参加者支援型というのは、いきなり生産調整についてハードランディングといいますかを考えるやり方、それで、構造改革重視型というのは少しペースがゆっくりした考え方、その間に中間案という、あくまでプロトタイプをお示ししたものでございまして、一定の価値判断を持って選択肢をお示ししたということはございませんでした。
 やはりかなりの激変を伴う選択というのはなかなか難しいのではないかという、生産調整研究会に参加された委員の方々の意見が大宗を占めましたので、議論の結果、米政策改革大綱というのが決定されたという経過になったわけでございます。(発言する者あり)
○遠藤委員長 質問者じゃありませんので、静粛に願います。
○神風委員 いずれにしても、今どのあたりまでその議論が進んでいるのか、我々には全く知る由もないわけでありますが、いろいろな報道を見ている限りでは、政府内でも相当混乱があるように見受けられてしまうわけであります。それを受けて、現場の方ではさらに混乱、混迷が深まっているという様相であろうかと思いますので、その点十分注意をしていただきたいのと、これは最終的にはいつごろにきちんとした政府案というものが出てくるんでしょうか。
○石破国務大臣 それは議論の最中でございます。いついつまでにということが断定的に申し上げられるものではありません。
 ただ、はっきりしておりますのは、間もなく始まりますが、二十一年度あるいはことし二十一年産米につきましてはこのやり方を変えるということは当然ございません。水田フル活用元年ということで、えさ米あるいは米粉米の生産を奨励いたし、慫慂いたし、水田のフル活用を目指していきたいということでございます。これははっきりしています。
 いつまでにやるのかというのは、いろいろなケース分けをしてシミュレーションをいたしております。こうなったらどうなるか、こうなったらどうなるかみたいなことですね。そこが出てきませんと、余りいいかげんなことは申し上げられない。
 それで、六大臣会合におきまして、農政のあり方について方向性はお示しをする、それは骨太の方針に反映をさせたいということで作業を行っておるところでございます。今、いろいろな検証を行っておるところで、まだ何も聞いていないぞという御指摘ですが、私自身、こうなるああなるというシミュレーションをまだ見ているわけではありません。
 そこは本当に精密に、間違いのないようにいろいろなケースを考えながらやっておると聞いておりまして、いついつまでにということが断定的に申し上げられるものではございませんが、方向性みたいなものは夏ごろまでに示せるのではないか、示さなければならないのではないか、そのような時間的な感覚は持っておるところでございます。
○神風委員 次に、きょうの米三法とも関係してくる問題でありますが、食料自給率、食料安全保障の問題について一点、ちょっとお伺いをしたいと思っております。
 これは大臣も所信の中で、「食料自給力の強化と食料自給率の向上を図ることが国家安全保障の観点からも重要」であると述べられているわけであります。結局、最近の世界的な食料高騰を背景にして、食料安全保障の観点から、日本の食料自給率四〇%というのは余りにも低いのではないか。そういう中で国際的な食料の争奪戦が激しくなる一方で、日本の食料安全保障は大丈夫なのかといった論調が深まっているわけでありますが、これ自体は決して間違いではありませんし、議論の余地がないところであると思っております。
 ただ、個人的に非常に私自身も違和感を感じる点がございまして、この食料自給率四〇%という数字を拝見すると、一般の国民の皆さん方は、ある意味では食料不足の指標というような感じで捉えられてしまう向きも大きいのではないかな、ある意味ではいたずらに恐怖心をあおるようなことにもつながりかねないのではないかなというような気がしております。
 そこでお伺いをしたいわけでありますが、通常、食料自給率の国際比較を行う場合には基礎的食料に着目をして穀物自給率が用いられると伺っております。これを何で日本だけがカロリーベースの食料自給率でこの四〇%という数字を出しているんでしょうか。
○針原政府参考人 委員御案内のとおり、食料自給率はさまざまな概念として構成できるわけです。例えば、金額ベース、重量ベース、カロリーベース、穀物自給率、さまざまございます。
 その中で我が国がカロリーに着目しておりますのは、食料が生命と健康の維持に不可欠な最も基礎的な物資であるという観点から、それが適切であろうということで設定しているわけでございます。
 他方で、平成十七年三月の今の基本計画におきましては、野菜、果樹、畜産といったものの生産動向、それも含めた日本農業のいわば元気度合いの動向を判断する要素として、カロリーベースに加えまして生産額ベースでの自給率の目標もあわせて設定しているところでございます。
○神風委員 カロリーベースの食料自給率が食料安全保障の見地を重視した食料自給率と一般的には言われているわけでありますが、これは、欧米に比べて日本の場合には主食という独特の概念があるのではないかなと思っております。
 それで、日本以外でこうした主食という概念がある国というのはあるんでしょうか。これは以前、国会図書館の方に確認をしたら、ないというような回答だったかなと記憶はしておるんですが、主食というような概念がある国というのは、日本以外であるんでしょうか。
○町田政府参考人 主食の概念についてでございます。
 主食とはということで広辞苑を引いてみますと、「飯・パン・麺類など、日常の食事の中心となる食物。」というふうにされております。
 我が国におきましては、国民の皆さんほとんどの方が当然米を主食であるというふうに考えていると思うわけでございます。諸外国はどうかということでございますが、やはり韓国、東南アジアでは米、ヨーロッパ、北アメリカでは小麦やジャガイモを主食ということで念頭に置かれるのじゃないか、一般的に考えているのではないかというふうに私どもは認識いたしております。
○神風委員 結局、日本の場合は、戦後これほど食生活の内容が変化をしてきた国というのも極めて珍しいのであろうと思っておりますし、そうした食生活の変化によってカロリーベースの自給率が四〇%と下がってしまったということを考えますと、ある意味で、食料安全保障という観点で考えた場合に、これはあくまでも個人的な考えではありますが、主食用の食料自給率は六〇%ということになるのかと思いますけれども、この主食用の食料自給率六〇%という方が日本の実態を反映している、正確にあらわしている数字ではないかと思うんですが、大臣の見解はいかがでしょうか。
○石破国務大臣 そういうお考えも十分成り立つだろうと私は思っております。
 安全保障という観点から考えれば、ごちそうを食べようとかおいしいものを食べようなどと考えてはいけないのでありまして、死なないためには何が供されるか、そういう概念であるはずなのですね。そうなってきますと、主食という考え方も当然あり得るだろう。そして、本当にぎりぎりになってきますと、主食なる概念を仮に置くとして、それは米ではないはずなんです。サツマイモにかわるはずなんです。エネルギー効率が一番高いですからね。
 ですから、私が自給力ということにやや拘泥したような物の言い方をしておりますのは、自給率の概念はいろいろある、今総括審議官が申しましたように、カロリーベースもあれば穀物ベースもあれば、重量ベースもあれば金額ベースもある、考え方がいろいろあるじゃないかということなんですが、国民がいざというときに、いざというときがどういう場合かはいろいろな設定をしなければいけませんが、本当に食料がちゃんと食べられるだけの農地があり、農業者があり、農業技術がありますかということが、安全保障ということに着目をすれば、ちゃんと論ぜられるべき課題ではないだろうか。
 だから、大変です大変です、このままいくと何も食べるものがなくなりますというような、そういう国民の恐怖心をあおるようなやり方は、決していいことだとは思っておりません。
○神風委員 今のお話に関連して一点だけ確認をしておきたいんですが、日本の今潜在的に必要な農地面積というのは、海外に依存している面を考えると千二百三十三万ヘクタールと伺っておりますが、これは安全保障という点から考えた場合に、まさに食料自給力から考えた場合に、必要な農地というのは、何か目標値というのは今農水省の方ではあるんでしょうか。
○針原政府参考人 お答えいたします。
 安全保障の確保というのは、例えば、農地、農業用水、担い手、技術、さまざまな要素で成り立っております。
 そのうちの農地につきましては、平成十七年三月に現行の基本計画を策定した際に、その参考資料といたしまして、四百五十万ヘクタールの農地面積を確保する、そういう数字を出しております。それは、それまでの趨勢を踏まえながら、耕作放棄地の発生抑制や再活用の努力、あるいは基盤整備、担い手への農地の集積といった施策効果を勘案しながら設定したものでございます。
 一応、その四百五十万ヘクタールを使えばどんな、例えば二千カロリーぐらいの食生活が営めるというような試算も出しておりまして、例えば少しお米を食べるのを控えて芋類を今の十四倍ぐらい食べるような試算になるんですが、それもあわせて出しております。
○神風委員 この農地の問題は、これから農地法の法案が出てくると思いますので、またそのときにゆっくりと質疑をしたいと思います。
 あと、最後にもう一点だけ、自給率についてお伺いをいたします。
 いろいろな調査によると、日本国内の日本人というか多くの国民が、日本の食料自給率四〇%ということに対して、低いと思っている人が四七%、また、どちらかというと低いというのが二三%ぐらいで、大半の方、七割の方は低いと思っている、そういう現状が一方である。それと同時に、国内産の農産物を買いたい、そういうものを購入したいという方が、やはり調査によると七割ぐらいを占めている。つまり、一方で低いと思って、同時に国内産の農産物を買いたいと思いながらも、なぜこれが自給率の向上に結びついていかないのか。
 大臣も所信の中でスイスの卵の例を挙げておられました。国産は六十円であるけれども輸入は二十円、でもスイス国民は高い国産の六十円の卵を買っている。この違いというのはどうなのか、なぜ日本はそういう中でそういう選択がされないのか、そこら辺はどう分析をされていますでしょうか。
○石破国務大臣 これは、きのう参議院の農水委員会でも議論が相当ありまして、御党の郡司委員から、余り卵の話ばかりするなとおしかりをいただいたところでございます。ただ、委員もスイスに行かれたことは何度もおありかと思いますが、政府が本当に、国産品を食べましょうねというようなキャンペーンは相当やっております。いろいろなパンフレットにもございます。
 なぜ高いのかといえば、それは直接支払いのゆえんにもなるのだと思っておりますけれども、このような条件で、このように育てて、こういうようにつくりなさいという、決められたとおりにつくった安全で安心な卵なのですよ、それはそれなりのコストがするからそれだけ高いのだということ、そして、それを食することによって、スイスの農家の暮らしが守られ、スイスの国土が守られというようなことをかなり体系的に教育をしている、それが国民のコンセンサスになっている。それはスイスの国民投票の制度に由来するところも大きいんだろうと思いますが、そういうものがあるんだろうと思います。
 我が国の場合に、そういうことが、今フードアクション・ニッポンというようなことでいろいろなことをやっておりますが、やはりそういう意識を消費者も生産者もともに持たねばならぬのではないか。それは、余りスイスの取り組みというのを等閑視してはいかぬことだと私は思っております。
 あわせて、実際にスーパーマーケットに買い物に行ったときに、どっちを選ぶか。確かに、消費者は国産の方がいいというふうにおっしゃっておられるわけですが、実際にスーパーに行って、国産と外国産が並んでいるときに、頭の中で何を考えるだろうか。これはどれだけおいしいか、どれだけ安全か、そしてどれだけ高いか安いかというようなことを多分それぞれの方々が頭の中で判断をして選ぶんだろうと思いますね。
 そのときに、やはり国産を選択していただきやすい状況というのはつくらなければいけないのであって、外国産品締め出しとか国産品愛用とか、そういうようなお話にはならないんだと思います。
 ですから、そこは、どうやって消費者に国産のものを選んでいただけるか、品質あるいは価格、いろいろなものでインセンティブをつくっていかねばならないのだと思っております。国産品愛用運動みたいなことをやるだけでそんなことが成就するほど簡単なことだとは当然思っておりません。
○神風委員 わかりました。
 それでは、きょうの本題の方に入りたいと思います。
 今回、米粉用米、飼料用米というのを新規需要米として生産、販売を本格的に推進していくということでございますが、この新規需要米と言われるものは現在どれくらいの生産があるんでしょうか。
○町田政府参考人 二十年産の米粉・飼料用米の作付面積でございますが、米粉用米で約百ヘクタール、五百七十トン、飼料用米で約千六百ヘクタール、約八千五百トンというふうになっておるところでございます。
○神風委員 そして、今後、この新規需要米の需要というのをどう見込んでいらっしゃるんですか。
○町田政府参考人 二十一年産の需要の見通しでございます。
 米粉・飼料用米に関しましては、昨年末、実需者から行った聞き取り調査によりますと、新たに百七の米粉用米の実需者と二百六十八の畜産農家、これは飼料用米でございますが、取り組み意向を示されております。さらに、本年一月に地域協議会が行った聞き取り調査におきましては、これは生産サイドでございますが、二百四十四の地域協議会が米粉用米に、また四百五十八の地域協議会が飼料用米の取り組み意向を示すなどということで、生産、利用の推進が図られているところでございます。
 こうした意向を受けまして、現在、マッチングが進められているところでございまして、現時点で定量的に何トンということを申し上げることは難しいわけでございますが、二十年産以上の取り組みが進められるということを期待しているところでございます。
○神風委員 農水省の方で出している、食料自給率五〇%のイメージという資料がございます。これは需要ではなくて目標であろうかと思いますが、十年後には米粉が五十万トン、そして飼料用米が二十六万トン。
 今お話をされた平成二十一年度産、今の状況ですとどのぐらいになると予想されているんですか。数量的にわかれば、お願いします。
○町田政府参考人 現時点で数量が何トンということを申し上げるということは難しゅうございます。速やかに、マッチングが進められておりますので、需要量の把握といったことには努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○神風委員 さらに、今、加工用米の国産需要が相当高まっているというお話を伺います。生産量が少なくて需給バランスがとれていないと。
 結局、加工用米の需給が見合っていないような状況の中で、さらにこの新規需要米の増産というのがどれぐらい図れるのか、農家の方も随分疑問に思っているというお話を伺うんですが、この新規需要米の増産に当たっての、加工用米との関係というのをどう考えられているのか、その点を教えていただきたいと思います。
○町田政府参考人 新規需要米と加工用米との関係でございます。
 この米粉用また飼料用等の新規需要米につきましては、米粉用でしたら小麦粉に代替されるものということでございます。また、飼料用ですと、輸入トウモロコシ、こういったものに代替されるということでございます。将来的な需要の増加が見込まれる、まだ緒についたばかりでございますが、そういったものでございまして、その普及によりまして米穀の新用途への利用が促進されるというふうに考えて、本法案も提出させていただいているところでございます。
 一方、加工用米でございますが、酒、みそ、米菓、そういったものに使われているところでございます。これは既に定着をした用途に利用されているものでございます。
 このように、米粉用また飼料用米、こういった新規需要米と加工用米につきましては、普及の定着の度合い、またその用途といったことが異なっているというふうに整理いたしているところでございます。
○神風委員 ちょっとよくわからなかったんですが、あるいは、この新規需要米の生産について、調整水田において振興すべきという考え方があるようでありますけれども、こうした新規需要米とまさに麦、大豆等の生産振興との関係はどう整理をされていくんでしょうか。
○本川政府参考人 水田における作物の生産振興に当たりまして、私ども、地域で水田農業ビジョンというのを策定していただくようにお願いをしております。地域に水田協議会というのがございまして、そこで、この地域ではどのようなものを作付けて振興していくべきかという方針を議論していただいております。
 そこで判断をするに当たっては、一つはやはりニーズにどのようなものがあるか、これは実需者のニーズでございます。麦や大豆にきちっとニーズがあるかどうか、あるいは地域に畜産農家が多くて飼料米のニーズがあるかどうか、そういうことも一つの条件になると思います。
 それから、当然ながら、地域の水田の利用状況や圃場の条件、こういうところが影響すると思います。汎用化水田が整備されているようなところでは、やはり畑作物をつくっていただくことが有利になると思いますし、なかなかそういうものが進んでいないところでは、飼料用米であるとかそういう新規需要米というものが非常につくりやすいものとしてクローズアップされてくると思います。
 それからもう一つ、何よりもやはり大事なのは、地域の農業者の方々の意向でございます。
 このようなものを踏まえて、地域で話し合いをしていただきながら、私どもの今度新たに用意させていただいている支援措置、こういうものも勘案しながら地域に合った作物を生産していただく、そのような方向で取り組んでいただくようお願いしてまいりたいと考えているところでございます。
○神風委員 先ほど来議論にもなっておりますが、まさにどれぐらいの支援策がとれるのかということがポイントなんであろうと思います。
 そういう中で、主食用の場合には用途別価格がトン当たり二十四万、加工用が今十七万から十八万ぐらいですか、あるいは米粉用が約八万、飼料用が約三万ということでございます。
 そこで、交付金の助成単価が五万五千円、先ほども委員の議論がございました。採算割れをしているというような状況も聞くわけでございますが、本当にこれで十分であるという御認識なのか、あるいは、一年ぐらい経過を見てその点については早急に見直しを図るという姿勢もあるのかどうか、あわせてお伺いをしたいと思います。
○本川政府参考人 先ほども今村委員にお答えを申し上げましたが、基本的に私ども、既に同じ原料用米として長く生産をされてきております加工用米並みの収入を確保するというようなことで、単価を設定させていただいておるところであります。それによりますと、いろいろな試算はございますが、所得の面でも加工用米並みのものは確保できるのではないかと思っています。それに加えまして、先ほども申し上げましたが、やはり同じ機械を使って水田で転作作物を栽培できるという生産者にとってのメリットがございます。
 このようなものをあわせて生産者にお勧めをし、生産振興を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○神風委員 いろいろな支援策が必要であろうかとは思いますが、そうした支援策をとっても、なかなか、この新規需要米がどれぐらい増産をされていくのかというのは、個人的には非常に疑問でございます。
 その理由として、一つには米粉調製品というのが今存在をしていると思いますが、この米粉調製品についての実態の把握というのは農水省としてどれぐらいされているんでしょうか。
○町田政府参考人 米粉調製品の輸入実績でございますが、財務省の貿易統計によりますと、平成十七年で十二万一千トン、平成十八年で十万八千トン、平成十九年は九万トン、こういう実情にございます。
○神風委員 これは、価格を比較してみますと、例えば、加工用米の販売価格は一キロ当たり百六十円、ちょっとデータとしては古いデータでありますけれども百六十円ぐらい。MA米の販売価格がキロ当たり百二十円から百三十円。それに比較をしますと、米粉調製品の輸入価格というのは大体九十六円から九十九円と非常に安いわけでございます。
 今九万トンから十二万トンぐらいが輸入をされているということでございますが、現状で米粉が生産をされているのが九千五百トン。そういう中で、本当に農水省が十年後に目標とされている五十万トンの生産というのが可能であるとお考えになっていらっしゃるんでしょうか。
○町田政府参考人 米粉調製品はどういった用途に用いられているかということでございますが、もち、だんご、米菓用など伝統的な米加工品の原料として利用されておりますが、パン、めんなどの小麦の代替として使われているものではないというふうに私ども承知をしているところでございます。
 他方、本法案によりまして生産、利用の拡大を促進することとしている米粉でございますが、先ほども申し上げましたが、我が国が年間五百万トン輸入をしております小麦に代替するというものでございます。
 そういったことから、米粉調製品の用途とは異なるものというふうに考えております。この意味で、米粉調製品が国産米粉の振興に影響を与えることはないのではないかというふうに考えているところでございます。
 また、先ほど来お話にあります十年後の数量のイメージの問題でございますが、これは昨年の十二月に、新たな基本計画の策定に向けた議論に供するということで、十年後の食料自給率五〇%を達成した場合のイメージということで公表させていただきまして、そこでは米粉は五十万トンということをイメージとして示させていただきました。
 今新しい基本計画の審議もされています。こういった中で、このイメージの妥当性、可能性、こういったことも含めまして、数値目標についても検討していきたいというふうに考えております。
○神風委員 ちょっと確認ですが、新規需要米と米粉調製品とは競合関係にはないという認識でよろしいわけですね。
○町田政府参考人 そのように認識しているところでございます。
○神風委員 わかりました。
 また、国産の米粉を扱うような製パン業者さんから米粉の原料原産地表示の義務化を求める声が相当あるというようなお話も伺います。ましてや今後国産の米粉を振興していこうということであれば、消費者の商品選択の観点からも米粉の原料原産地表示を義務づけるべきではないかと思うわけでありますが、この点は今回の米トレーサビリティー法の方で対応できるという認識でよろしいですか。
○町田政府参考人 米トレーサビリティー法案におけます原料米の産地情報の伝達の対象品目は政令で具体的に規定することといたしているところでございますが、米穀、米の加工品であって食糧法に規定するような主要食糧に該当するもの、さらにはその他の加工品であって社会通念上米を主たる原材料とするものや、米を原材料としていることを訴求ポイントにしているもの、こういったことを基本に現在進めているところでございます。
 お尋ねの米粉調製品につきましても、製品に対しまして米粉の使用割合がどうなっているか、そういった実態をよく調べた上で、産地情報伝達の対象に加えることについて検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○神風委員 我々も、民主党の朝の農水の部門会議でよく米粉パンを食べながら、米粉の消費拡大に努めているところでありますが、普通の麦のパンに比べて値段が幾分高いようでございます。最近、米粉パンというのもかなり注目はされてきたかなという認識はありますが、これが一過性のブームで終わらないように、ぜひ長期的な消費拡大につながるようにしていただきたいなと思っております。
 次に、生産製造連携事業計画について伺います。
 これは、認定後、その計画どおりに進捗しているかどうかというのはどのようにチェックをしていくのか、実施状況をどうフォローアップしていく予定であるのか、その点、具体的にお示しをいただきたいと思います。
○町田政府参考人 新規需要米の本格生産、利用を図りますためには、大臣が認定いたします生産製造連携事業計画どおり適切に事業が行われているかどうかチェックすることが大変重要だというふうに考えております。
 このため、認定を受けました事業者に対しましては、法案の第十六条の規定に基づきまして、報告徴収を定期的に行いまして計画の実施状況を確認するということが一つでございます。また、必要に応じまして助言や指導といったことを行っていくことといたしているところでございまして、しっかりとフォローアップに努めてまいりたいというふうに考えております。
○神風委員 事故米の不正規流通に見られるように、横流れの防止というのが重要であることは言うまでもないわけでありますが、具体的な横流れ防止策というのはどのように検討をされているんですか。
○町田政府参考人 今申し上げましたような計画のフォローアップに加えまして、先ほど来御説明をさせていただいておりますが、食糧法に横流しの防止ということで遵守事項、守るべきことを決めます。当然のことながら、定められた用途に使いなさい、食用には回してはいけません、そういったことを定めるわけでございます。
 また、同じく提出をさせていただいておりますトレーサビリティー法案におきましては、きちっと取引について記録していただくことになっております。
 こうした関係の三法案を一体的また効率的といいましょうか、しっかりと運用して、所期の目的が果たせるように努めてまいりたいというふうに考えております。
○神風委員 これは、地域において適正流通の確認というのをどういう体制で進めていくのか。例えば地域水田農業推進協議会というようなものがあろうかと思いますが、そうした協議会が進めていくようなことを考えられているのか。どういう形で適正な流通確保のための体制整備というのを図っていく予定なんでしょうか。
○町田政府参考人 適正な流通確保ということにつきましては、もちろん現場段階できちっと適切に横流れを防止する、ここから始まるというふうに考えているところでございます。
 先ほど来申し上げていますが、生産製造連携事業計画の認定フォローアップ、また食糧法の改正法案、米トレサ法案をやっておるわけでございますが、現場段階できちっとやるということについて、必要に応じて地域協議会の力もかりながらやってまいりたいというふうに考えております。
○神風委員 もう一点確認でありますが、今の第十六条「報告の徴収」と、第十七条の「権限の委任」というのがございます。十七条では「この法律に規定する農林水産大臣の権限は、農林水産省令で定めるところにより、その一部を地方農政局長に委任することができる。」と書かれているわけでありますが、この「一部を地方農政局長に委任することができる。」というのは、どういう権限を委任される御予定なんですか。
○町田政府参考人 お答え申し上げます。
 まさにこれから検討していくことになるわけでございますが、先例でありますJAS法、そういったものを参考にしながら検討してまいりたいというふうに考えておりますが、通例考えられますのは、それぞれのブロックごとの流通の監視、そういったことになろうかと思います。これからよく検討してまいりたいというふうに思います。
○神風委員 これも、地方に丸投げをしてしまうということではなくて、あくまでも本省が責任を持ってフォローアップをしていくということでよろしいですね。ちょっと確認の意味でお伺いをしたいと思います。
○町田政府参考人 今回のトレーサビリティー法また食糧法の改正法案につきましては、昨年、事故米問題を起こしたということの反省のもとに出させていただいているという部分が多くあります。国、もちろん本省、地方局も一緒でございますが、本省が中心となってしっかりとした体制を組んで、提案させていただいております法律の所期の目的が達成できるように最大限努めてまいりたいというふうに考えております。
○神風委員 次に、例えば麦であるとか大豆の本作化を目指すような地域において、米粉用あるいは飼料用の新規需要米の作付拡大による生産製造連携事業計画を申請した場合、これは基本計画に照らして認定されないということになるのかどうか、その扱いはどういうふうになるんでしょうか。
○本川政府参考人 これまで、麦や大豆について、水田農業ビジョンの中で位置づけて取り組んでいただいている産地がございます。
 ただ、そういうような産地におきましても、例えば新たな転作田とか調整水田といった不作付地が存在をしております。それからもう一つは、そういう地域でも、生産調整に残念ながら御協力いただいていない方々のいわゆる過剰作付部分というのがあろうかと思います。それから、そういう産地でも、山合い、あるいは地域によっては湿田などで、麦や大豆を作付けることが困難な地域というのがございます。そういう地域を念頭に、お話し合いをしていただいて新規需要米に取り組んでいただくことは十分可能であると思っております。
 ただ、これまで取り組んできたそういうブロックローテーションの優良な麦、大豆転作が虫食い的に崩壊していくようなことになってはいかぬというふうに思っておりますので、そういう麦、大豆の本作化の取り組みと整合性を図りながら進めていただく、こういうことが重要ではないかなと考えているところでございます。
○神風委員 次に、農業改良資金のことについて伺います。
 この貸し付けの実績の推移を拝見しますと、平成十四年から十九年で三分の一に下がってしまっている。十四年のときには件数として六百七件が十九年には百九十件、金額としては十四年で三十九億円だったものが十九年に十二億円と、三分の一にこのわずか五年で下がっているんですが、この背景というか理由はどういったところにあるんでしょうか。
○高橋政府参考人 農業改良資金でございますけれども、この資金は、農業者の経営改善を目的といたしまして、農業者が新たな生産方式を導入する、あるいは新たな加工事業の経営を開始する際に、都道府県が資金を無利子で貸し付ける制度でございます。新技術の導入等で地域農業の再編等に役割を果たしてきたところでございますけれども、貸付実績につきましては、委員御指摘のとおり、平成十四年度に比べまして十九年度は約三分の一に減少しております。
 この背景といたしましては、基本的に我が国全体の金利情勢そのものが非常に低くなっている、そういう中で、この無利子制度というものについてでございますけれども、高金利の時代に比べますとやはり一般金融に比べてメリット感が少なくなっている。
 さらに加えまして、他の制度融資、これは政策金融公庫、昔の農林漁業金融公庫でございますけれども、そのような制度金融と比べましてもこちらの方が相当充実しておりますので、そういう金利面での有利性が薄れたことが一つの大きな原因ではなかろうかというふうに考えております。
 ただし、体質強化を図る際に、今申し上げましたような新方式導入という点では、引き続き重要な役割を果たしていると考えております。今回は、これをさらに、農業者だけではなくて、農業者以外の製造業者等にもこの資金を貸し付けるということで対応することにしておるところでございます。
○神風委員 今回、農業改良資金の貸付対象を認定製造事業者等に拡大して、償還期間を二年延長するということでございますが、それによって新規需要米の利用というのがどの程度進むと見込まれているのか、どの程度効果があると御認識になっているのか、見込んでいるのか、その点はいかがでしょうか。
○町田政府参考人 本法案によりまして、認定事業者に対しまして償還期間十年のところを十二年以内に延長するというものでございます。
 この趣旨でございますが、生産者が米粉用また飼料用米の低コストで安定的な生産に取り組む場合、直まき栽培の導入に必要な機械など新たな資金需要も生ずるということから、これらの資金需要に対応するため、最も有利な無利子資金でございます農業改良資金につきまして、年間の償還額をできる限り低く抑えようといった目的で、この延長を設けさせていただいております。
 これによりまして、米粉・飼料用米に取り組もうとされる生産者が低コスト生産を進めやすくなるというふうに考えているところでございますが、この取り組みは始まったばかりでございます。現段階で、これの延長によりまして、米粉・飼料用米の増加見込みを示す、またその効果を定量的に示すということは、全体も難しいということは先ほどお話しさせていただきましたが、この改良資金の償還期間の延長の効果につきましても、定量的にお示しすることは、正直、今のところ困難ということでございます。
○神風委員 続いて、新品種育成計画についてちょっとお伺いをしたいと思います。
 この法案では、研究開発の領域のうちに新品種の育成を対象としているということでありますけれども、ある意味では、米粉の機械メーカーがそういった製粉機械の研究開発なんかを行うことも十分に考えられるわけでございますが、新品種の研究開発以外に対する支援というのは考慮される予定がないのかどうか、その点はいかがなんでしょうか。
○町田政府参考人 この新品種育成計画につきましては、新品種の育成を行うという場合に、計画をつくっていただいて認定をして一定の特例措置を講ずるというものでございまして、お話のございました米粉の製粉機械など、こういった研究開発は新品種育成計画の対象にはなっていないところでございます。
 米粉製粉機械などの研究開発につきましては、もう一つの計画でございます生産製造連携事業計画がございます。米の製造の高度化を図るための措置ということで、この計画の対象となっております。計画が農林水産大臣の認定を受けた場合には、法案第十一条第一項で債務保証といったような支援措置も講じられるということになっております。
 このほか、研究開発一般に対する支援措置といたしまして、競争的資金の手当てといったものもございます。
○神風委員 大臣にお伺いをいたしますが、大臣所信の中でも、本年を水田フル活用への転換元年と位置づけられていらっしゃいました。そういう中で、今回の新規需要米増産というのと米生産調整の関係というのはどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。
 農水省の資料によりますと、調整水田約二十万ヘクタールにこの新規需要米を約十二万ヘクタール耕作する、十年後ぐらいにその程度にしたいというようなことが書かれているわけでありますが、水田フル活用という勇ましいかけ声とは裏腹に、中身は相当貧弱というか寂しい限りではないかなと個人的には感じておるんですが、大臣の御認識はいかがでしょうか。
○石破国務大臣 要は、麦をつくる、大豆をつくるといっても、それは難しいね、しかし生産調整はしなければいけないねということで、当然、生産調整の一形態として位置づけておるものでございます。
 よって、主食米と同じような手取りとか、そういうことはなかなか位置づけにくいところでありますが、要は、一番日本に向いた水田というもの、それが活用されないわけにはいかぬだろう。それを生産調整の一形態として位置づけ、できるだけそれをつくっていただけるような方策を考えて、今回お願いをしておるものでございます。
 寂しい限りと言われますと、それはもう委員のお考えかと思いますが、私どもとして、生産調整の中で、そしてまた、日本に一番向いた水田をどうやって活用するか、自給力を高めるかという観点で今回用意したものでございまして、どうかそういう点からまた御論議を賜りたいと存じます。
○神風委員 これは二月二十七日の産経新聞のインタビューの記事だと思いますが、大臣御自身も、「二十一年度はそれでいくが、二十二年度以降も続けるのはどうだろうか。」というような御発言が書かれておりました。
 これはいかがなんですか。
○石破国務大臣 これは何か否定的なニュアンスの文章になっておりますが、私は、水田フル活用というのは、それはそれでこれからも進めていくべきものではないか。もちろん二十二年度のことについて今私があれこれ申し上げるべきではありませんが、やはりこれはこれとして大きな意味を持っているものだというふうに考えておるものでございます。
 それと主食用の世界はまた別の世界でございますので、主食用がどうなるか、もちろん連関をするものではございますが、水田フル活用という考え方が一年こっきりでおしまいというようなことにはならないのではないかと私は思っておりますし、そうなるべきでもないと考えております。
○神風委員 わかりました。
 まだ幾らか時間があるようでありますので、ちょっと最後に、これはきょうのあれとは幾分違いますが、MA米のことについて伺います。
 朝日新聞の三月十三日の記事の中に、「輸入義務米 カビ次々」というようなタイトルで書かれておりましたが、今このMA米、一袋ずつ検査をしている、カビが目視で見つかったらすべて廃棄処分にしているというお話でございましたが、それはカビ毒であろうと単なるカビであろうとすべて廃棄をしているということでよろしいですね。
○町田政府参考人 カビが発見、確認された場合には、すべてそれは廃棄しておるところでございます。
○神風委員 単なるカビであれば、一定の条件のもとで売却をしていくということも検討され得るのかなと思いますが、その点はいかがなんでしょうか。
○町田政府参考人 私ども、カビにつきましては、事故米の反省も踏まえまして、一切市場には流通させない、そういったことで今臨んでいるわけでございます。
 お米の今後の活用についての課題といったものもあるかとは思うんですが、今は、まずは完全に流通を断つということに全力を挙げているということでございます。
○神風委員 というと、今後も、単なるカビであろうと、それは使う予定はない、市場に出す予定はないということでよろしいんですか。
○町田政府参考人 当然、廃棄をするということになれば費用もかかるわけでございます。国の負担軽減、また資源の有効利用といった観点から、これは何とか使えないのかといった御意見もあると承知しておりますが、先ほど申しましたように、食用への横流しを完全に防止した上で、有効活用する方法についても今後検討してまいりたいというふうに考えております。
○神風委員 先ほどの議論の中でも、玄米で輸入したらどうかというような意見もあったようでありますし、やはりカビ毒とカビというのは相当違うんではないかなと思っております。コスト的な問題もあるのかなと思いますが、ぜひ有効活用を図れるような方策を考えていただきたいなと思っております。
 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。
○遠藤委員長 次に、高井美穂君。
○高井委員 民主党の高井美穂と申します。
 大臣とは初めての質疑になります。どうぞよろしくお願いいたします。
 通告に従って順番どおり、米のいわゆるトレサの法案、それから食糧法改正、そして最後に米粉の新利用に関してというふうに順番に質問させていただきたいと思うんですが、それに絡めて、生産調整についてのお考えも最後にちょっとお聞かせをいただきたいと思っています。
 ちょっと順番は変わるんですけれども、先ほど、最後に神風議員から、私も質問しようと思っておりましたMA米のカビの件、質問がございました。先ほど自民党の今村議員からもございましたので、経過等も重ねては結構でございますが、この破棄費用に幾らかかっているのか、どういうふうに廃棄しているのか、お教え願えますか。
○町田政府参考人 消費者の方々が不安を感じることのないようにするためには、食品衛生上問題のある事故米穀が国内流通する可能性を断つことが基本であるというふうに考えまして、事故米については廃棄処分することとしたところでございます。
 二十年度の廃棄処分に要した費用、これは十月以降でございますが、二月末現在で、約五百七十万円というふうになっているところでございます。(発言する者あり)
○遠藤委員長 御静粛に。
○高井委員 済みません。ちょっと、どのように廃棄しているかもお願いします。
○町田政府参考人 廃棄につきましては、すべて焼却ということでやっているところでございます。焼却処分でございます。
○高井委員 九月二十二日ですか、内閣府の方から発表で、事故米の横流しの可能性を考えて、すべて廃棄処分することに決定されたということでありますが、これは、この朝日新聞に載っていたとおり、十二月三日に食用で売ったタイ米からカビ毒が検出されて以来、袋を全部あけて調査することになった、そうしたら、十二月は二十九件、一月に関しては二十八件と、今まで少なかった発見が急増したということがございました。それにより、こうして廃棄処分を続けているということであります。
 確かに、この事故米の件、大変な問題であります。それだからこそ今回、新法までつくって、食糧法まで改正して、こうしたことが起きないようにするという決意を表明されているんだろうと思いますが、この横流しを防止するための措置をつくる、この二法を改正する、新法をつくったにもかかわらず、あくまでもこれからも、これが施行になってからも廃棄処分を続けるということでしょうか。
○町田政府参考人 政府米につきましては、私どもが食品の販売事業者でございます。安全性について、また品質につきまして、きちっと適正に管理したものを実需者また消費者の方にお売りするというのが私どもの責務だというふうに考えているところでございます。
 確かに、カビがあるかどうか、全部袋をあけて調べているところでございます。また、カビ毒につきましても、二月十九日以降、すべて調べた上でお売りをするということにいたしておりまして、こういった体制につきましては、当然のことながら、実施しながら、より効率的な方法ということは探っていきたいというふうに考えておりますが、この体制につきましては、今のまま、当面は続けていきたいというふうに考えております。
○高井委員 きのうの通告の段階では、カビというのは一般カビもあるし、世界じゅうというか、日常生活の中でもカビというのはたくさんある、だからさほど有害でないカビもあるということで、もちろん有害な汚染米はきちんと処分すべきだと思いますし、先ほどの今村委員の質問の中でも、発生を防止するように気をつけるというような御答弁ももちろんございましたけれども、今回、この法案の中で、出荷、販売していれば輸入業者もこの横流し防止策の対象になるんですよね。
 そうなると、この新法が施行されても、かつ廃棄処分を続けるということは、余りこの新法が機能しないんじゃないかということなんでしょうかね。どうなんでしょうか。
○町田政府参考人 今回、この食糧法の改正を提案させていただいておりますが、これは、昨年の事故米問題のときに、非食用として売られていたものが食用に横流しをされていたということを踏まえて、きちっとその横流しの防止に対応していくというものでございます。
 これは当然、品質的に問題がないお米につきましても、用途のとおりに使っていただくということでございまして、カビの付着したお米を廃棄する、これは当然今やっているわけでございまして、食糧法の改正というのは、横流し全体の防止という観点から提案をさせていただいているということでございます。
○高井委員 非食用米で売ったはずなのに食用米に使われていた、まさに横流しが起きた、これを防止するために今回この法案を通すんですよね。それも法の目的の一つですよね。それでも、この法施行があった後もそういう廃棄処分を、横流ししないということできちんとできるんではなくて、やはり消費者のために廃棄処分を続けるということでいいのですかと、むしろ大臣にお聞きした方がよろしいんですかね。どうでしょうか。
○町田政府参考人 カビが発見された、生えていたお米、これはもう食品衛生上問題で、販売できないわけでございますので、これはやはり流通させてはいけない、この基本は揺るがないというふうに考えております。
○高井委員 ちょっとよく聞いてください。だから、流通させてはいけないからこそ、横流しを防止するための措置をこの法案に入れて、罰則まで入れるんですよね。それにもかかわらず、なぜ横流しする可能性があるからということで廃棄を続けていくのか。これからも発見されたときに、一般カビであれば、横流しされない形で非食用の米として使えばいいのではないでしょうかというふうに申し上げているのですが、おわかりになりますでしょうか。(発言する者あり)
○遠藤委員長 御静粛に願います。
○町田政府参考人 私ども、本当に自分どもの対応が不十分であって、非常に消費者の方に不安を与えたわけでございます。そういったことで、消費者の方々の不安をなくすということには、やはり、横流しの防止はもちろんあるわけです。これは民間のお米でもあります。それを全体のお米にカバーをするわけでございますが、そこはやはり、廃棄をして、他用途には使わないということだと思います。
 しかしながら、先ほど神風委員にもお答えしましたけれども、四百何十万もお金がかかっています。また、資源の有効利用の観点で、もったいないじゃないかという御意見も、確かにこの委員会でもいただいております。
 食用への横流し、それはやはり防止した上で、そういった利用、有効活用する方策について、これは全然検討しないということではないんですが、今後検討していきたいということでございまして、今は、今の体制で当面続けさせていただきたいということでございます。
○高井委員 非食用米に使うのでも、消費者の安全が確保されないというふうにお考えになるということでございますね。(発言する者あり)
○遠藤委員長 御静粛に願います。
○町田政府参考人 済みません。繰り返しの答弁になって恐縮に存じてございますが、法案を提出させていただいたのは、横流しの防止ということをきちっとやっていくために、今まで民間契約であったものを、限界もございました、それで法令でルールを定めさせていただくということもございます。また、トレーサビリティー法案では、きちっと記録をしていただくということで、横流しにつきましては万全を尽くして防止をしていきたいということでございまして、これに自信がないから何か事故米を流通させないのではないかといったことではございませんので、繰り返しになりますが、御理解をお願いいたします。
○高井委員 一般カビが発見された米に関して、非食用米に使うという選択をとれないということなんですかね。この法施行後も、そのようにはしない、廃棄処分を続けるというふうな御答弁だったので、なぜかなと思ってお聞きをしているんです。
 この法が施行されたら横流しができなくなる、抑止力が働き、できるだけなくなる。だから、非食用米として加工用に、消費者の口に絶対入らないような形で御利用なさった方が、環境政策等もいろいろ言われている中ですから、廃棄処分よりもいいのではないかなということを申し上げてお聞きをしているんですが、ちょっと何かうまく伝わらないようなので、大臣、どのようにお考えになりますか。
○石破国務大臣 それは判断として委員がおっしゃるような判断もあり得るんだろうと思っております。
 昨年、この事故米の議論があったときも同様のお話がありました。それはそうしてもいいのでありますが、より万全を期すという判断のもとに廃棄処分ということになっておるわけでございます。
 そこにおいてどちらを価値判断として優先するかということを考えましたときに、消費者の安全、安心というものを優先した結果としてこういうことになっておるわけでございまして、そういう形で非食用で加工用等々に回してもいいではないかというお考えは、それはそれとして成り立ち得るものでございます。どちらを優先するかという価値判断で、私どもとしては消費者の安全、廃棄処分という形をとっておるものでございまして、自信がないとか、そういうようなわけではございません。
○高井委員 まさに今回の法改正の目的が、横流しをないようにしようということが目的なんですから、では、実際に、法施行後はそういうふうにならないだろうという想定のもとに努力しないといけませんよね。
 それにもかかわらず、それが起きる可能性がまだあるからとりあえず現状の破棄を続けるということは、ちょっと私には、この法施行をした後も、わざわざ新法までつくって改正するにもかかわらず、自信がないのかなと不思議で、少し理解できないんですね。多分、何度言っても同じなんだろうと思うんですけれども。
 では、もう一つ別の観点から。
 今回、新たにこのトレサ法案の中で罰則が五十万という形で科されることになりますよね。現在の、三笠フーズ等がこの間事故米の件で捕まったときの罪状でも、五年以下、五百万円以下の罰則、不正競争防止法で摘発されたということになりますが、新法をわざわざつくった割には、罰則五十万というのは前の事故米事件よりもさらに罪が軽いということであります。
 今、JAS法の方の直罰規定を与党の方でも検討されているということもちょっとお聞きをしているんですが、なぜ、米に関する虚偽表示販売への規制をJAS法改正にせずに、米だけのトレーサビリティー法案をつくって新法をつくったのかということをお聞かせいただけますか。
○町田政府参考人 今回のトレーサビリティー法案を提出させていただいた理由でございます。
 今回の事故米問題で幾つか大変問題を起こしてしまって、本当に申しわけなかったわけでございますが、一つは、非常に流通ルートの特定に時間がかかってしまったということ。また、国民の皆様、消費者の皆さんが、これは国産といいましょうか主食用だと思って食べていたものが、実は外国産の、しかも非食用の米であった、そういったことがあるわけでございます。
 私ども、このトレーサビリティー法案について、問題が起こったとき、食品事故あるいは産地偽装、また横流しもございます。そういった問題が起こったときに的確に対応できるように、そういった共通の基盤となるような法律ということでトレーサビリティー法案を出させていただいております。
 対象品目につきましては、米、米加工品ということでございます。今JAS法では対象になっておりませんが、外食、弁当、そういったものも対象にしたいと思っておりますし、容器の包装に表示をしていただくということだけではなく、情報の伝達ということで、幅広い方法で情報をつないでいっていただきたいというふうに思っておりまして、JAS法とは別の形で提案をさせていただいているということでございます。
○高井委員 むしろこれは大臣に教えていただきたいんですけれども、法の意義というのはわかるんですね、私も必要ではないとは言いません。取引情報をきちんと記録して伝達するためにこの法案をつくったということはよくわかっております。
 しかしながら、JAS法の方が、JAS法を改正するならば、一年以下の懲役、百万円以下の罰金ということで新法よりもさらに罰則が高いわけですね。わざわざ新法をつくっても、この新たな罰則五十万、いろいろなほかの法との並びがあるとは思うんですが、これで本当に抑止力になり得るのか。
 また、先ほどのカビが生えたミニマムアクセス米の件でも、施行された後も横流しが心配だから消費者のために全部破棄処分するという御回答があったぐらいですので、ちょっと本当にこの新法が有効に機能するのか、少し心配なんですけれども、いかがお考えでしょうか。
○石破国務大臣 それは、何に対する抑止力なのかということなんだろうと思います。
 委員が御指摘になっておられますことが、三笠フーズとかあるいは浅井とか、ああいうようなものに対して抑止力がこの法律できくのかということではないか、そういう問題意識でよろしゅうございますか、もし仮にそうだといたしますと、今回のトレサ法によりまして、取引記録をつくってください、保存してくださいということは、食品事故、表示偽装、米穀の横流し、こういうことに対応できるように共通の仕組みでつくったものでございます。
 ですから、これは取引記録をつくってください、保存してください、こういうことを義務づけるものでございまして、不正行為そのものの取り締まりは、どういうことが起こったかということに応じまして、食品衛生法、JAS法、食糧法、そういうものに基づいて行うことになるわけでございます。
 ですので、先般の三笠フーズあるいは浅井のように、米の横流しを不正に行う、そういう業者がおりました場合には、今回の食糧法第七条の二、つまり改正食糧法に基づきます遵守事項、これに照らしまして、今度は七条の三でございますが、勧告や命令を行うことになります。三笠フーズとか浅井の例を想起して考えました場合に、最終的に一年以下の懲役あるいは法人であれば一億円以下の罰金、これが科せられることになっておるわけでございます。そうしますと、この食糧法の規定を使いました場合に相当の抑止力がきくのではないかというふうに考えております。
 そのほかのいろいろな、三笠とか浅井とかそういうのではない事案につきましては、それは、JAS法でありますとか食衛法、そういうようなものの罰金規定との整合を図りながら、今回、五十万円以下の罰金としたものでございます。
○高井委員 表示の部分に関しては、まさにJAS法にも規定をされているので、命令、勧告の後しなければ、今だと罪がないということになりますし、直罰規定もこれから改正を検討しているということでございますので、我々も検討したいとは思っているんですが、今回の事件で、私は本当に、三笠フーズや浅井が幾らもうけたかはわからないんですけれども、不正競争防止法とか食品衛生法違反、そして、詐欺罪までは多分至らなかったと思うんですが、そういう罪状を重ねて立件するというのは極めて難しいと思うんです。
 だから、新しいトレサ法をつくるのに、こういう事件が起きないようにしようということが目的で新法もいろいろとつくるわけでございますから、本当に五十万で、これで効果が上がるのかなということを心配しているわけであります。
 そして、悪質な商法でもうけたお金を吐き出させる方法というのは、これはここの委員会ではなくて、今、消費者庁法案も政府の方も出しておりますが、まさにそっちの方で、我々民主党としても提案を消費者権利院法案で出しています。こういう件もぜひこれから大臣も御検討いただければというふうに思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 行く行く、米だけではなく、我々が提案しているレベルの高いトレーサビリティーをいろいろな食品に応用するということに関しても、先ほど与党のどなたかの質疑の中でも検討していくというお話がございましたので、改めて回答は要りませんので、御検討の方をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 そこで、大臣が先ほど触れられた食糧法の改正の中の第七条の二、「農林水産大臣は、米穀の適正かつ円滑な流通を確保するため、農林水産省令で、米穀の用途別の管理の方法その他の米穀の出荷又は販売の事業を行う者がその業務の方法に関し遵守すべき事項を定めることができる。」というふうに入っておりますが、その「遵守すべき事項」とは何なのか、御説明ください。
    〔委員長退席、宮下委員長代理着席〕
○町田政府参考人 この遵守事項につきましては、省令で定める予定にしておりますが、具体的に今検討している項目でございます。
 一つは、用途が限定された米穀については、その定められた用途以外には使用してはならないこと、二つ目として、他用途の米が混入しないように区分保管すべきこと、三つ目といたしまして、定められた用途に使用されることとなるよう、販売に際して相手方の確認、また破砕などの適切な措置を講ずべきこと、こういったことを今予定しております。
 今後、その内容につきまして、関係方面の意見も聞きながら、検討してまいりたいというふうに考えております。
○高井委員 まさに、用途を定められたもの以外には使ってはならないということが遵守すべき事項として入るということでございますので、改めてさっきのカビ米の件に戻るんですが、だから用途を非食用米に定めてしまえば、カビが生えたものは、そうしたら食用の方に回らないように使えるのではないかというふうに重ねて思うんですね。どうしても私には廃棄処分を絶対的にしなければいけない理由というのが理解できなくて苦しむんですが。
 この用途限定米の流用禁止ということと区分保管等もこの遵守すべき事項として定めたということになりますが、次の第五十三条一項に、この法律に規定する農水大臣の権限に属する事務の一部は、都道府県知事が行うことができるものとすることというふうに規定が入りました。
 事前に通告の段階でお聞きすると、この遵守すべき事項の中の一部が、都道府県知事が行うことができるものとする事務の一部として移管するものの種類になるということをお聞きしたんですが、具体的にはどういうことを想定しておられるのか、お願いいたします。
○町田政府参考人 今般の食糧法改正で導入する遵守事項に関しましては、遵守事項を遵守しない出荷、販売事業者に対する勧告、命令、これらの措置に必要な報告徴収及び立入検査の事務が新たに発生することとなるわけでございます。
 この場合におきまして、対象事業者の数が相当多数に上り、また活動範囲が県域内に限定される地元密着型の事業者も少なくないと考えられますことから、食糧法の改正案では、都道府県も政令の定めにより権限行使ができるように措置しているところでございます。五十三条でございます。
 具体的な国と都道府県の役割分担につきましては、同様に自治事務でございますJAS法の表示規制におきまして、県内業者は県、県を越える業者は国が担当するとの分担が定着していることも参考にしながら、今後、地方自治体とも相談の上、都道府県と国との適切な役割分担を検討してまいりたいというふうに考えております。
○高井委員 今、立入検査等も具体的な事務としてあるというふうにございましたけれども、それを都道府県に実際にやってもらうかどうかというのは、この法律の中ではまだ未定だということでしょうか。JAS法上は今はそうなっているのでしょうか。
○町田政府参考人 JAS法におきましても、政令でできる規定というのが設けられているところでございます。
 今回政令を定めるということでございますので、今後検討するということで、具体的に何か今決まっているということではございません。
○高井委員 では、JAS法上でその政令で定めている内容に立入検査等は入っておりますか。
○町田政府参考人 立入検査につきましては、いわゆる並行権限ということになっておりまして、立入検査にかかわる場所の所在地を管轄する都道府県知事、これは立入検査に入ります。また、必要な限度で農林水産大臣みずから行うことも妨げないというふうにされているところでございます。
○高井委員 並行事務ということであれば、では、その都度その都度の立入検査で何か問題が起きて、発見されたとき等の最終的な責任体制は、今のJAS法上で結構ですので、どういうふうになっておりますでしょうか。
○町田政府参考人 それぞれが当の立入検査について責任を有しているということでございます。
○高井委員 では、今回のこの食糧法の改正でも同じような形になるということを想定しておられるということでよろしいでしょうか。
○町田政府参考人 繰り返しになりますが、JAS法におきましてこういった運用が定着しております。こういうことを参考に、地方自治体とも御相談をさせていただきながら、検討していくということでございます。
    〔宮下委員長代理退席、委員長着席〕
○高井委員 それでは、今やっているJAS法上の立入検査等の事務は、都道府県にやってもらっている上で、それは法定受託事務となるんでしょうか、自治事務となるんでしょうか。
○町田政府参考人 自治事務でございます。
○高井委員 今回の事故米の件でも、立入検査が十分ではなかったのではないかとか、例えば、カビを立入検査して発見できなかったということで、少し消費者の皆さんから批判をいただいた部分が省としてもあるんではないかと思います。
 そこで、万が一、立入検査で見逃してしまって、不正流通がこれから起きるかどうかはわかりませんけれども、見逃してしまったことに対する責任を問われたときに、例えば裁判が起きた場合にその訴訟の対象は、自治事務ということであれば都道府県が対象となり得るということでよろしいでしょうか。
○町田政府参考人 さようでございます。
○高井委員 これは、この改正で新しく項目が第五十三条の一項に入りましたけれども、そうした訴訟の対象となり得る業務も入ってくるという可能性がこれから出てまいります。今、地方自治体もいろいろな面で大変な部分もあろうかと思いますし、実際に事務をやってもらうのであれば、どのような体制で行ってもらうか、また具体的なことを何をしてもらうかというのは早く決めなければならないのではないかと思いますし、やはり専門としては農水省が責任を持ってやっていただかなければならない業務ではないかと思いますので、その点いろいろと御留意をお願いしたいと思いますが、大臣から一言お願いします。
○石破国務大臣 それは今局長から御説明を申し上げましたとおり、都道府県、恐らく知事会を窓口としてこれから調整を申し上げることになるのだろうと思っております。
 もちろん地方自治体に過度な御負担を負っていただくということは考えてはおりませんが、それがどの県域によるものなのか、一つの県で自己完結をしてしまうのか、複数県にまたがるのか、国がやるのがより実効を上げ得るのか、都道府県がやった方が実効を上げ得るのか。要は、この法の実効性を確保するためにどちらがやった方がよろしいでしょうかということを第一に考えねばならないものだと私は考えております。
 もちろん、委員御指摘のように、訴訟になったらどうするのだということになれば、相手方は当然都道府県ということになるわけでございますが、やはり行政が適切に執行されるということが一番大事なのだ、そのためにはどっちがよりよいのだという議論はこれから早急に行われるべきものだというふうに考えております。
 面倒なことはどっちかが負うんだとか、押しつけるんだとか、そういうような考え方はかりそめにも持ってはならないのであって、繰り返しになりますが、実効を上げるためにどっちがよいかというお話を真摯にしてまいりたいと思っておるところでございます。
○高井委員 その点は本当におっしゃるとおりで、押しつけ合うという形ではなくて、不幸な事故米事件で関係業者さんを含め、販売の末端におられる皆さんも大変今回苦労した。本当ならば責任を負わなくていいはずの末端の小売業者の方々までも、風評被害も含めて、いろいろな経営難に陥ったという事例もございましたし、大臣もよく御認識だと思います。
 だからといって、現場に一番近い都道府県に全部責任を負わせる、事務等もやらせることになるという話でもないと思いますので、やはりそれは責任を持ってこれからもきちんとやっていただきたいと思いますし、いろいろな意味で、この事件だけじゃなく医療界でもどこにせよ、訴訟というのがふえているのは事実だと思います。これは、政府としてもロースクールをふやしたり、弁護士をふやそうという施策もとってきた背景もやはりあるのではないかと思いますけれども、いろいろな意味でこういう訴訟リスクに対してバックアップもしてあげていただきたいと思います。自治事務とはいえ、今まで第一義者としてやってこなかったことを新しく業務として負わすということにもなってくることもあると思いますので、できるだけいろいろな手だての方をぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。
 そして、この事務を移管するという趣旨はわかりましたけれども、現在、地方農政局と都道府県との間の事務分担というのはどのようになっているのでしょうか。
○町田政府参考人 お答えいたします。
 今回新たに食糧法の改正の規定で、政令で都道府県にもできるという規定を設けさせていただいておりますので、現在、そういった規定はございません。今回設けさせていただきたいということでございます。
○高井委員 では、これからのこの法案の質疑の中で、ぜひ、これからのことを考える上で、今後先々、地方農政局にどのような事務をやっていってもらいたいのか。農水省改革の中でいろいろと議論がされていると思いますけれども、都道府県にどういったことをやってもらうのか、大まかなお考えで結構でございますので、今後の方針的なものをお聞かせいただければと思います。
○町田政府参考人 今お話しいただきましたように、まさに今、現在、農林水産省の抜本的な改革ということで検討が進められております。
 今回提出をさせていただいています法案、これを成立させていただいて、どういう形でチェックしていったらいいのか、組織体制といったことについて、まさに検討を進めているところでございます。都道府県との関係、あるいは国と農政局との関係ということでございますので、現時点で直ちに具体的に申し上げることはできませんが、きちっと実効性のある体制を整備するよう、検討を深めて急いでまいりたいということでございます。
○高井委員 大臣は、地方農政局という国の出先である機関にどういったことをメーンにやっていっていただこうと、行く行くの省庁のあり方の中で今どのようにお考えになられているか、お聞かせいただけますか。
○石破国務大臣 今議論を行っております。農政局というのは、先生御案内のとおり、米の検査を行っておった部門あるいは統計を行っておった部門、これを統合してできたものでございます。ですから、それが地方行政とどういう関係を持つかということを主眼にできた組織ではなくて、米の検査と統計、これを一つにした。それが当省のいろいろな政策のPRとかそういう役割を担っておるわけでございます。
 これが今後、省改革の議論の中で、あるいは地方分権との議論の中で、どのように位置づけるべきなのだろうかということは、本当に国でなければできないこと、複数県にまたがるとか、食品Gメンの仕事のようなものでございます。あるいは統計の正確性とか。それで、本当に残すべきものは何だろうか、その残ったものだけをやればいいのか。それとも、本省、農政局、農政事務所と流れていく中にあって、都道府県でありますとか市町村でありますとか、そういうところとの意思疎通を図るという役割を担わせるのか。何がいいのかという議論はしていかねばならないと思っております。
 ただ、正直申し上げて、地域の住民に地方農政局が身近な存在であるかといえば、それは必ずしもそうではないんじゃないでしょうか。例えば、徳島農政局というのが、徳島市民の方々のどれだけが御認識になり、何の役割を果たしているかということの実感があるか。徳島県庁あるいは徳島市役所、そういう方々が、地方農政局って何するところと言って、県庁と市役所とこんな関係にありますということが言える方は、農政担当の方の中にも少ないんじゃないでしょうか。ましてや市民の方々に。
 ですから、いかなる役割を担わせるべきか。担わせるという言い方がよくなければ、担っていただくべきか。どっちでもいいんですが、そこはよく議論をしていきたいと思いますし、また、委員会の場でも御議論を賜れればありがたいことだと思っております。
○高井委員 まさに、これから事務分担をやっていく上で、そういう大臣の御認識があるのであれば、やはりいろいろと検討をきちんとやっていただきたいと思いますし、私もその部分は、事務なりやっていくことを、何をどうやっていってどう連携していくかという話なしに、とりあえず事務的なことを移管していくということはあり得ない話だと思いますので、ぜひ早急にいろいろ検討を進めていただきたいというふうに思います。
 最後に、米粉の新利用促進に関する法案について質問を申し上げたいと思うんですが、それに先立って、先ほど神風議員の質問の中で大臣が農政を総括しておっしゃいました。社会政策としては成功したのではないか、しかし、産業政策としてある意味失敗した部分があったというふうにお聞きをいたしました。
 しかし、自給率がここまで下がっているということは、安全保障という観点の政策からしても失敗したのではないかというふうに私は思うんです。やはり兵糧というのは昔から国を守る上ですごく大事ですし、その点からも、自給率を上げていくということは、当然の御認識だと思いますが、大事なことであると思います。
 しかしながら、そういう産業政策ということの中で、産業政策だからこそ、何もかも市場原理にのっとってやっていかなくてはならないということではやはりないと私は思うんですね。大臣も鳥取でいらっしゃるから、いろいろな質問の中での御答弁また御意見を拝見しても、まさに、中山間地区や弱いところへの支援というのは必要だという御認識をお持ちでいらっしゃると思います。
 市場の限界というものを是正する役目もやはり政治の側で大事だと思いますし、その点からも、この農業に関しては、とりわけ特別な形でのさまざまな支援の形を考えていかなくてはならないというふうに思います。筒井議員や主濱議員、そして自民党の山田議員の質疑等も丁寧に拝見をさせていただきました。だから、我が党の政策においても、戸別に所得補償をしていくという政策においても、本当ならばかなり御理解をいただけているのではないかと思います。
 そうした上で、改めてちょっと確認というか、私が聞きたいことを申し上げたいと思うんですが、まず、自給率がここまで下がってきた原因を何にあると大臣はお考えになられているでしょうか。
○石破国務大臣 教科書的なお答えで恐縮でございますが、自給率が下がった原因は、米を食べなくなって、その分のカロリー供給を畜産物あるいは油脂類にシフトさせた結果だということだと認識をしております。
 そしてまた、それが油脂類の場合では、例えば、サラダ油みたいなものも原材料はほとんど輸入でございます。そして、牛にしても豚にしても鳥にしてもそうですが、それぞれ転換倍率は違いますが、そのえさは外国からほとんど入れておるわけでございまして、結果としてカロリーベースの自給率は下がっている。教科書的な解説で恐縮でございますが、大体そういうことではないかと認識をいたしております。
○高井委員 私も一緒の認識を持っております。
 だから、では米を食べてもらう、消費をふやしていくにはどうすればいいかという話の中でこの米粉利用というのも起こってきた話の一環ではあると思いますが、そもそも、今回の法の目的として、大臣は何を一番目的として据えていらっしゃるのか。
 水田フル活用というお言葉もございました。水田フル活用というのは、もうちょっと具体的に教えていただきたいと思います。米を多くつくっていくということなのか、それとも、転作をふやしていく、小麦なりほかのものを多くつくっていくということ。両方が含まれているんだろうと思うんですけれども、いずれにせよ米は多くつくっていくという方向でよろしいのでしょうか。
○石破国務大臣 正確に認識していなかったら申しわけないですが、水田フル活用、農地フル活用ではなくて水田フル活用と申し上げておりますからには、やはりその水田の特性というものを生かしていきたいという含意でございます。
 大豆をつくれないとか、あるいは麦をつくれないとか、そういうところもたくさんございますわけで、すべてがすべて汎用水田化しておるわけでもございませんので、そうすると、やはり一番向いた米というもの、そしてまた、面積にもよるのですが比較的つくるのに時間のかからない米というもの、それを生産調整の一環としてつくっていただきたい。それによって水田を水田らしくフル活用したいという考え方だと承知をいたしております。
○高井委員 まさに、農地フル活用ではなく水田フル活用ということでございます。大臣のおっしゃることは私もよくわかります。徳島の山の方の田舎なので、大変つくりにくいところ、転作が難しい地区もございますし。だから、米をある意味で多くつくっていくということは、方向性としてベースにあるんだというふうに認識をいたしました。
 先ほどの質疑の中でも、これからもこの水田フル活用を続けていくのかどうなのかということに関しては、二十二年度については言うべき立場にないというふうにおっしゃったんですかね、そのようにおっしゃったんですが、来年以降は、また来年の次の大臣が決めるという認識なんですか、どうなんでしょうか。
○石破国務大臣 それは大臣の持続可能性いかんみたいな話になるわけでございますが、そこはやはり政策の継続性というものはあるんだろうと思っておりますし、水田フル活用というのは、何も思いつきでちょっとやってみようかというような話ではなくて、やはり農水省の中で、あるいは与党の中で、あるいは委員会の御議論の中で、いろいろと考えた結果としてこれが出てきているものでございます。ですから、これが二十一年単年で終わってしまうというような、そんなものだとは認識をいたしておりません。それは恐らく、そのときの、だれが何をやっているかは存じませんが、時の政府の判断というのはまたあるのかもしれません。
 ただ、やはり政策というものが継続すべきものである、そして、それなりの合理性を持って考えられたものである以上、それはそれとして続くべきものではないかと私は思っております。
○高井委員 だからこそ、今までの質疑を丁寧に読みながら、ああ、本当に、これから先、大臣がどういうふうにお考えになっているのかなということが、私も腑に落ちるようで腑に落ちないもので、もう少し詰めてお聞きをしたいと思っています。
 ちょっとその前に、水田フル活用の有効利用すべき面積、規模はどのくらいをまず想定しているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○本川政府参考人 現在、我が国の水田面積は約二百四十万ヘクタールございます。そのうち約百六十万ヘクタールで主食用の水稲を作付けておりまして、それ以外の農地でいわゆる生産調整を行っているという現状でございます。
 このうち、約二十万ヘクタールに及ぶ部分で、調整水田でありますとかあるいは緑肥作物、このような形で人が食べるものではないものを作付けていたり、あるいは水を張っているだけで全く作物が作付けられていないという水田が約二十万ヘクタールございます。これは正直申し上げて、人が食べるものをつくっていないということでありますので、今まで御論議いただいたような自給率に貢献をしていない、そういう部分でございます。
 それから、それ以外に主食用の過剰作付の面積が約五万ヘクタールございます。私どもとして、この二十五万ヘクタールの有効活用を図っていくことが課題であるというふうに考えているところでございます。
○高井委員 まさに耕作放棄地もふえている状況でもありますし、いろいろとこの水田の有効利用というのをやっていただきたいと思うんですけれども、どなたかの質疑でもありましたように、米粉として売る販売価格、用途別の販売価格と、主食用米の用途別価格は、この農水省からいただいた資料の中でも約三倍の価格差があります。一トン当たり米粉だと八万円、主食米だと二十四万円ですよね。やはりこの差額というのはかなり大きくて、米粉をつくっていってもらおうというふうに動機づけするにはなかなかハードルが高いのではないかというふうに思います。
 いろいろな形の支援策も必要だと思うんですけれども、そもそも私の感じからすると、米をつくって、本当はそのまま米をどんどん消費してくれれば消費量がふえていくにもかかわらず、わざわざおいしいお米を粉にまでして食べなければいけない状況、それに税金を補てんしていかなくてはならない状況というのは、根本的にやはり限界がいつか来るのではないかということを心配しているんですが、いかがでしょうか、大臣。
○石破国務大臣 同じ思いは私も実はございますです。
 ただ、御飯を一日もう三膳というか、朝昼晩もう一杯というか、食べていただければ、八、三、二十四で二四%自給率は上がるわけでございますよね。それができれば苦労はしないということで、なかなかお米の消費が伸びない。
 さすれば、パン用の米、米粉米、どっちでもいいんですが、意外と受けている。それを一過性に終わらせるなという先ほど神風委員でしたか御指摘もいただきましたが、食べてみたらおいしいじゃないのと。なかなか、もちもちして、何というんでしょうか、それ向きの、例えばピザ的なパンとかあるいはホットドッグ用のパンとか、やってみたらおいしいじゃないというようなことで、私は需要が伸びる可能性はあるんだろうと思っております。
 また、えさ米につきましては、これをやらないと自給率がそもそも上がりませんです。では、トウモロコシつくってみろとか、そういうことを日本で言ってもそれは無理なのでありまして、西委員のお話にもありましたが、これから多収穫米みたいなものを考えていったときに、自給率を上げていこうとすれば、やはり、えさ米というのはそれはそれでやっていかねばならぬだろう、米粉米というのはそれはそれで需要の拡大ということをやっていかねばならぬだろう。
 わざわざ税金を使って米粉米でパンなぞつくるのかという思いは、それは私も共有します。ただ、お米をお米として食べていただくことに、これから先、物すごく可能性があれば話は別なのですが、努力の限界というものが、どうもこう、私も二十数年やっておって見えてきておりまして、そうするとそこを補うものは、やはり新規の需要ということに努力をせざるを得ないのではないかという感じを持っております。
○高井委員 私も、米粉パン、おいしいと思います。好きです、食べてみても。
 しかし、でもお米自身そのまま食べるのも好きですし、やはりパンにすることの一つの問題は、大臣のおっしゃることはすごくよくわかるのですが、やはりどうしても、パンのつけ合わせは漬物とか煮物じゃないんですね。どうしても油物。さっき大臣が冒頭おっしゃった、自給率の低下の根本原因の一つにもなっている油脂類がふえたと。どうしても、パンのつけ合わせにみそ汁というふうにはなかなかならない。米粉パンだったらなるかもしれませんし、私はそれは平気なんですが、でも、パンのつけ合わせに漬物、煮物という形にはなかなかならない。
 そうすると、附属物の副菜の自給率も上げていくという面では、やはり根本的に米を食べてもらうということに努力をしなくてはならないということは思います。その意識は多分すべての方が共有している。
 そこでなんですね、米が安くなったら消費はふえるんじゃないでしょうか。どう思いますか。
○石破国務大臣 それもずっと昔からある議論で、米の価格弾力性いかんという話になるんですよね。つまり、委員は流通、小売の業界にいらっしゃいましたから私よりもはるかに御案内だと思いますが、価格弾力性が小さいと言われてきました、米というのは。つまり、値段を安くしたからといって、消費がそんなにふえるものじゃありませんよという話でございます。
 ただ、小麦が上がってパンが高くなると、やはり米の消費がふえたということがございました。価格弾力性が確かに余りないのですが、しかし全くないかといえば、そんなことはないだろう。米の値段が下がってくれば、それなりに消費はふえると考えるのが、やはり普通なんだろうと私は思っています。ただ、それがどれぐらいなのかということは、かなり精密に議論をしていかなければならないことですが、安くなったら需要もふえると考えるのが普通の考え方だろうとは申し上げられます。
○高井委員 私もそうだと思います。現実的に、小麦が高くなったときに米の消費が少しでもふえました。ふりかけの消費もふえた等のデータとかニュースもございました。そうではないか、大臣の御認識どおりなんではないかというふうに思います。
 そこで、我々民主党が持っている、生産調整に加わるかは農家が判断して、米は基本的につくっていってもらおう、ふやしていってもらおう、そして所得補償をするという税金の使い方をして、米自体が下がった分を所得補償していこう、農家に直接所得を補償していこうという政策に大きくかじを切るべきときではないかということで、法案を出させてもらっているわけであります。
 そのときに、大臣も、どれほど値段が下がっていくのか、また農家に対するどれほどの補償がやっていけるのか、多様な制度設計が必要である、検討というかシミュレーションも必要であるというようなことも御質疑の中でおっしゃっていました。
 これは先般の三月五日の参議院予算委員会の中での主濱議員の質疑の中で、今の生産調整のあり方というものがベストであれば、なぜベストなのか、今後もベストなのかということを論証しなければ政策にならないという御答弁を大臣、されております。
 その後に続いて、何年か前に、生産調整に関して、やめた場合、続けた場合、続けている現在と比べてどうなっていくのかというシミュレーションをしてみなければ議論にならないでしょうということを政府に申し上げましたと御答弁でおっしゃっております。
 これは、この後、シミュレーションなりなんなりなされたり、検討をされている途中なんでしょうか。今農政の長にあられる大臣の立場で、生産調整を選択性にして所得補償なりをした場合のシミュレーションをするということをお考えになっておられるのかどうか。これはいい悪いではなくて、こういう検討も始めているのか、始める御意思があるのか、教えていただきたいと思います。
○石破国務大臣 これは何度も答弁をしておりますが、シミュレーションはしなければ、政策はある意味科学でございますので、シミュレーションした上で、その前提は一体何であるのか、それも明らかにした上で、政策が正しいかどうかの検証を行われるべきだと私は思っております。ですから、シミュレーションは行いますということは何度も今まで申し上げてまいりました。
 ただ、一部に報ぜられているように、こういうような類型に決めてシミュレーションを行っているとか、そのような報告は私は受けておりませんが、シミュレーションはやらなければなりませんし、作業はいたしておるものと承知をいたしております。
 そこは前提がたくさんありますので、世の中に、世間様に、こういうシミュレーションを行いました、前提はかくかくしかじかこういうものでというものがきちんと出せる作業が必要なんだと思っております。最初に何か答えを設定して、それに向いたようなシミュレーションをやるとか、そのようなことをやるつもりは全くございませんで、本当にいろいろなことを議論したい。
 委員御指摘の、何年ぐらい前なんでしょう、七、八年、もっと前かもしれません、生産調整を一、二の三で全部やめたらどうなるかというシミュレーションは、まさしくシミュレーションですが、私、一議員として自民党の部会で政府にお願いをしたことがございます。やはりそれをやってみませんと。生産調整を全部やめたらどうなるんだと。世の中には、生産調整を全部やめたら、いつか需給が均衡してみんな幸せになるみたいな議論も存在しないわけではありません。やはりそれはちゃんと議論してみなければいけないではないかということで、過去、お願いしたことはございます。
○高井委員 私も、大臣と本当に認識が一緒なんですよ。だから、ぜひ具体的にシミュレーションをしましょう。今、変えなくてはいけないという御認識、いろいろな問題点、御答弁の中で何度もおっしゃっておられます。参加していない農家の方が結局メリットを受けるということも先ほども御答弁なさっておりましたし、消費者に転嫁して、消費者負担で価格維持政策をしているというのは、やはり限界が来ていると思います。
 そして、この御時世です。OECDの貧困率調査で、不名誉にも先進国の中で第三位という、貧困率が上がっているということも調査で出されておりますし、生活保護の世帯もふえているということも、またパートやアルバイト、派遣、契約等の方々の賃金が低いということも、多分もう大臣はよくよくおわかりの上だと思います。そういう大変生活が苦しい方々もふえている。やはり米が、主食がおなかいっぱい食べられる、安くなるということは一つ大事なことでもありますし、もちろんそれがすべてだとは申し上げません、しかし、検討をしていくべき時期が来ているというふうに思います。
 とりわけ、もう一点だけ、学校給食についてお伺いしたいんですが、先ほど大臣もおっしゃっていましたね、学校給食の米飯化が大事だ、進めていきたいという御答弁がいろいろなところでもございました。その皆さんが進めていこうとおっしゃる米飯化、今この障害となっているものは何か、逆にお教えいただきたいと思います。
○尾崎政府参考人 お答えを申し上げます。
 米飯給食につきましては、昭和五十一年の導入以来、望ましい食習慣の観点ですとか食文化の継承ですとか、その教育的な意義を踏まえまして推進をしてまいりまして、その実施の回数も着実にふえているものと思っております。また、今後もこれをふやしていく必要があるというふうに考えているところでございます。
 現在、この米飯給食を今後さらにどう進めていくのかということにつきまして、私どもの地場産物の活用推進に関する協力者会議というところで専門家による検討をしていただいているところですが、今お尋ねの障害というよりは、米飯給食を今後さらに進める場合の課題ということで議論になっておりまして、それを幾つか申し上げたいと思います。
 委託炊飯、これは過半の学校で御飯を業者などに委託をして炊いているという実態にあるわけでございますけれども、委託炊飯の場合には、パンよりも御飯の価格が高い。二十年の実態調査で十七円差ぐらいあるということでございまして、米飯給食の回数をこれ以上ふやすと、その分だけ食材の保護者負担というものの増を招くということが一つの課題というふうに考えているところでございます。
 また、自校炊飯の場合には、これは御飯代というよりは米代で済むわけでございますので、委託炊飯のような食材の保護者負担増ということはないわけでございますが、また別の観点から、御飯を自校あるいは共同調理場で炊くということになりますと、御飯給食ですと、いわゆるおかず、主菜、副菜を充実することが必要であるということから、そのための設備の整備が新たに求められるというようなことも、委員の間からは指摘は出ております。
 それから、米飯給食一般に言えることでございますけれども、洗う手間、これは炊飯器あるいは食器の洗う手間、労力がパンの場合に比べてかかるというような課題も出ているところではございます。
 今農林水産省もこの協力者会議にオブザーバーとして来ていただいておりますけれども、今申し上げましたような保護者負担の軽減ですとか、施設設備の整備の支援ですとか、そういった観点から、農水省とも今後連携を強めて、課題の克服に力を入れていきたいというふうに考えているところでございます。
○高井委員 大臣、今聞いても、やろうと思ったら前向きに進められそうじゃないですか、できるだけ早く。そして、高いということ、給食費にはね返るというお話がございました。もちろん洗う手間等も大変かもしれませんが、子供たちのために、洗う手間を少しかけて、社会でこの完全米飯化を支えていこうということはできなくはないと私は思います。
 給食のもともとの由来というのは、戦後、アメリカで小麦が多量に余って、それを日本の国民に食べてもらおうと。その背景には、アメリカ議会での質疑の中でもいろいろあったようでありますが、幼少のころにパンの味を覚えれば、一生日本国民はパンを食べるようになるだろうというようなこともあったようでありますし、事実、やはり幼少のころの味というのは年をとってからも懐かしく、ずっと食べ続けるというふうに思います。
 そして今、高齢化社会、実現しておりますが、昔、食が余り十分に食べられなかった世代の方が、今とても長生きしておられる。だから、逆に言うと、和食というか日本食が健康にいかに資するものであるのかということの証明でもあろうかと思いますし、今、食が多様化し過ぎているので、せめて学校でだけでも伝統の和食をできるだけ食べさせてもらいたい、そしていいものを食べさせてもらいたいというふうに思います。
 家庭生活にいろいろな食の指導とか踏み込むのは政治は無理ですし、するべきでないと思います。少なくとも、でも学校という公的現場で伝統食を食べ、安全なものを食べ、おいしいものを食べ、日本を好きになり、行く行くは、これをつくってくれている地域の方々の顔を考えながら食事をするというのは本当に大事なことでありますし、でき得る限り、米飯化を進めていただきたいと思います。
 本当に、幼少のころ覚えた味をずっと食べ続けるということは、後々の米の消費をふやします。それに加えて、健康にもよいし、食育にもいいわけですし、地産地消の観点からも安全である。そして、自分の子供や孫に食べさせると思うと、近所の人たちも、安全なものをつくろう、いいものをつくろうというふうに努力をされるはずだと思います。それに加えて自給率向上にも資するということもあれば、本当に、悪い点はないはずでありますね。
 洗うのが大変というお話もございましたけれども、環境負荷は実は低いのではないかと思います。油物を使わないと洗剤が余り要りません。この間、油脂がふえたということを大臣おっしゃっておられましたが、油物を洗うにはどうしても大量の洗剤が要ります。戦後、やはり合成洗剤がぐっとふえておりますし、昔は、米だけであれば、本当に洗剤つけなくて洗っても、たわしで洗えば十分きれいに落ちるんですね。ぬるぬるも残らないし。そういう点からもすごくメリットもあるわけですし、これに安いが加われば、すごくいいと思います。
 いろいろな点からもメリットがある学校給食の米飯化、それから消費をふやす政策において、いろいろと御検討をいただきたいと思いますし、大臣がいろいろなことをシミュレーションなさる中で、ぜひ、即できることは早くやっていただければと思いますので、最後に御決意をお聞きして、終わります。
○石破国務大臣 ありがとうございます。
 今、文科省からるる御説明がありましたが、私ちょくちょく言っているんですけれども、高知県の南国市、あそこでは週五日米飯給食なんですよね。そして、あそこの棚田でできたお米を子供たちが週五日食べている。
 何でそれができたかといえば、一升炊きの家庭用の一等大きな炊飯器、これで十五人分ぐらい炊けるんだそうですね。これが二台あれば大体一クラス。その家庭用の電気炊飯器を学校に持ち込んで、十二時きっかりに炊き上がるということをやった。そうすると、テフロン加工ですから洗うのも簡単ということもある、そして調理員の方の負担も少ない。そこにおいては、やはり自治体の理解もあり、JAの理解もあり、学校の理解もあり、それで子供たちが給食を残さなくなったというのは、私は大変なことだと思っているんです。
 そして、このおいしいお米をだれがつくってくれたのかなというのを子供たちが見に行く。おじいさん、おばあさんが、わしらがつくったんだよという話をする。ああ、すごいんだと。
 私は、そういう地道な取り組みが必要であって、国がそれに何が応援できるかということを真剣に考えるべきだと思うんです。本当に、子供たちがお米を食べる、そしてだれがつくったのかということを認識し、感謝する。そして、つくる人が、あの子たちが喜んでくれるんだということで、それを生きがいという表現で使っていいかどうかわかりませんが、それが誇りになっていく。私は、それがあるべき姿じゃないか。
 この間、官房長官が米飯給食をふやしたいみたいな御答弁をいただきまして、ありがたいことであります。週四日ということを目指しておりますが、できれば週五日、そしてそれも地元のお米を食べる。それは与野党ともに一緒に努力をしていくべきことだというふうに認識をいたしておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
○高井委員 ありがとうございました。
 実は、給食費の未払い等の問題も背景にもふえております。いろいろな問題がありますので、ぜひ検討を進めていただければと思います。
 ありがとうございました。
○遠藤委員長 菅野哲雄君。
○菅野委員 社会民主党の菅野哲雄です。
 最初に、米のトレーサビリティー法案に関連して、米の流通のあり方について質問いたします。
 昨年の事故米流通事件は、主食である米の問題であっただけに、食の安全に対する強い消費者不信を招きました。輸入によるミニマムアクセス米が食用として用いられたこと自体、この事件で初めて知ったという方もおります。このような事件を二度と繰り返すことのないよう、私ども社民党もトレーサビリティーの実現を求めてきましたから、法案については基本的に歓迎いたします。ただし、この際であれば、EU並みにすべての食品と飼料にトレーサビリティーを義務づける、あるいはすべての加工食品に原料原産地表示を義務づけるくらいまでに踏み込んでほしかったというのが率直なところでございます。今後の課題だと指摘しておきます。
 そこで、まずお伺いしたいのは、トレーサビリティーの対象品目です。法案では政令で定めることになっておりますが、食用でない飼料米、あるいは加工原料用に使われるふるい下米、くず米も対象に含まれるのかどうか、お答え願いたいと思います。
 なぜこのようなことを聞くかというと、主食用、加工用、米粉、飼料用、さらにはバイオエタノール用など、米は用途別で大きく価格が異なり、主食用と飼料用では八倍近い価格差があるものと承知しております。ここにMA米も入ってくるわけですから、消費者に見分けのつかない米が市場に流通しているわけで、不等な利益を上げるための横流しをいかに防止するかが問われています。
 先ほども議論になっていますけれども、食糧法の改正で業者に守らせる遵守事項を定めるというのは、これはこれで理解しますけれども、トレーサビリティーの次元で具体的にどのように横流しを防いでいけるのか、御説明願いたいと思います。
 この二点について答弁願います。
○町田政府参考人 まず、非主食用の飼料米あるいは加工原料用のふるい下米のお尋ねでございます。
 これは米穀でございますので、トレーサビリティーの対象品目に含まれることになるところでございます。
 また、食糧法改正案とあわせて提出をさせていただいておりますトレーサビリティー法案において、横流れ防止にどのような機能が果たせるのか、二点目でございます。
 このトレーサビリティー法におきましては、米穀を取り扱います事業者に対しまして、取引記録の作成や保存を義務づけることとしているところでございます。この取引記録でございますが、これは食糧法に基づきまして、米の横流れを取り締まる際にも活用できるものでございます。この取引記録をたどることによりまして、横流しの事実の有無を調査し、必要に応じて食糧法に基づく勧告や命令につなげることが可能となると考えております。
 このように、両法を一体として適切に運用いたしまして、米の横流れの防止に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○菅野委員 今の件については後ほどもう少し大臣とも議論していきたいというふうに思いますけれども、次の質問に移ります。
 EUでは、事業者が原料を受け入れた量と販売した量をロットごとに把握していく内部トレーサビリティーが牛肉などで義務づけられています。米の流通販売業者は、複数の生産者や業者から異なる時期に仕入れと販売を行っていると思います。ですから、仮に事故が発生した場合に、ロットごとに出と入りを把握しておけば、事故原因の特定や製品回収に非常に役立つわけです。法案の第三条では、取引の基礎的な記録に加え、記録、保存すべき内容を主務省令で定めることが可能となっていますが、主務省令で定める事項に内部トレーサビリティーを位置づけるべきだと思いますが、このことについていかがでしょうか。
○町田政府参考人 御指摘をいただきましたように、具体的な記録の仕方は主務省令で定めることとしておるところでございます。
 食品事故の発生時に、原因の遡及、問題商品の追跡を迅速かつ的確に行うためには、入荷したものと出荷したものとの対応関係、いわゆる内部トレーサビリティーを記録しておくことが有益だというふうに考えております。
 一方で、事業者のコスト、また実行可能性の問題もあろうかと思っております。その取り扱いにつきましては、関係者との意見交換や実態の調査を重ねまして、本年夏ごろを目途に成案を得られるように検討してまいりたいというふうに考えております。
○菅野委員 次に移りますけれども、これは以前にも質問させていただいたんですが、米流通については、食管制度の時代、さらには旧食糧法、計画流通制度の時代と異なり、二〇〇四年の食糧法改正で流通ルートは原則自由化になりました。出荷、販売業者は届け出制で、事業規模が二十トン以下の業者はそれも不要なわけですね。
 平成十九年時点での数字で米の出荷、販売業者数は八万四千三百四十五になっているわけですが、最新の数字ではどのくらいになっているのでしょうか。この数字は届け出された事業者の数字だとしたら、届け出を行っていない業者も含めるとどのくらいになるのでしょうか。そして、届け出が不要な小規模業者も存在しているときに、トレーサビリティーが完全に機能するかどうか懸念するわけです。この懸念をどのように払拭していくのか、お答え願いたいと思います。
○町田政府参考人 私の手元にある数字でも、米の出荷、販売業者は八万四千という数字でございます。申しわけございません、これが今手元にある数字でございます。
 また、この届け出対象規模以下の、二十精米トン以下の業者は今回のトレーサビリティー法との関係でどうなるのかでございますが、今回の米トレーサビリティー法案の対象事業者につきましては、米穀を取り扱うすべての事業者を対象とすることといたしております。したがいまして、食糧法におきまして届け出を不要といたしております二十精米トン以下の事業者につきましても、今回の米トレーサビリティー法で米穀等の取引の記録が義務づけられるということでございます。
○菅野委員 これは以前にも指摘したんですが、米の流通が登録制や許可制であれば事業者の管理も困難でないと思うんですが、届け出制で、小規模事業者はそれさえも不要となっていると流通のトレースが途切れてしまうのではないでしょうか、このことなんですね。今、届け出も必要ないんだ、トレースの対象になるとは言っているけれども、どう事業者を把握していくのかが困難になるんじゃないでしょうか、このことをずっと指摘してきているわけです。私どもは少なくとも登録制や許可制であってほしいというふうに思うんですけれども、完全に自由化した中で非常に困難が伴うんじゃないか、私はこのことを指摘しておきたいと思います。これからも議論していかなきゃならない課題だというふうに思っています。
 関連してですが、トレーサビリティーは、事故など問題が発生した場合以外でも日常的に点検や検査が行われるものと考えているわけですが、この点はどうなっているのか。検査や点検は定期的に行われるのでしょうか。それから、トレーサビリティー制度の監督ですが、これは農水省のどの機関が担うのでしょうか。
 当然、米の流通は各県を越えて全国にまたがるわけですから、自治体主体というわけにはいかないだろうというふうに思います。しかし、農水省改革でも地方分権推進委員会の第二次答申でも地方農政事務所の廃止が盛り込まれているわけで、実際にだれがこの制度の実施主体となるのかよくわかりません。先ほどの答弁では今後十分検討していくということが答弁として行われていますけれども、制度を担う部局、人員配置が決まらなければ絵にかいたもちなのではないでしょうか。私は、監視体制をどのように強化するかにこの点が大きくかかわってくるというふうに思います。
 それから、先ほどからも議論になっていますけれども、主食である米、あるいは農業振興というのはしっかりと国が関与して行うべきだ、このことを申し上げておきながら、答弁願いたいというふうに思います。
○町田政府参考人 まず、どういう頻度で検査を行っていくかというお尋ねがございました。
 農林水産省といたしましては、流通過程におけます検査、監視を適切に実施するという観点から、御指摘いただきましたように、一定の頻度で検査を行いますとともに、内部告発といった情報提供があった場合には迅速に抜き打ち検査を行っていきたいというふうに考えているところでございます。
 また、この流通監視をする体制でございますが、先ほど来御説明をさせていただいているところでございますが、消費安全部門におけます表示規制、そういった他の分野におけます立入検査のノウハウを生かしながら、これと一体的に流通監視ができるような体制を整備したいというふうに考えているところでございますが、今まさに検討中ということでございます。実効性が上がるように、国と県の役割分担のあり方、本省と地方局、地方農政事務所との分担のあり方、そういったことを検討してまいりたいというふうに考えております。
○菅野委員 大臣、このことだと思います。先ほど横流しの問題をどう監視していくのか議論いたしました。主食用、加工用、米粉、飼料用、バイオエタノール用あるいはMA米という、これくらい価格の違うものが流通しているわけです。これをどうコントロールしていくのかというのは、一定の頻度というふうに言われていましたけれども、ここを徹底するような監視体制がなければ防げないというふうに私は思うんですね。
 そのときに、今行われている、地方農政事務所等も含めて、農水省全体の組織がどうあったらいいのかという議論がなされている。先ほどの答弁でもありましたけれども、地方自治体との関係をどうしていくのか等も含めて議論していくというふうに答弁なされておりますけれども、私は、主食たる米は国の管理でしっかり行っていく体制をつくるという視点で組織論というのがあるべきだというふうに思うんですね。
 このことを今後の組織論のあり方に大臣としてどう反映させていくのか、私は石破大臣の力にかかっているというふうに思うんです。早急にこれから議論して体制をつくり上げていきますという答弁ですけれども、この視点を失わないように議論していただきたいと思うんですが、大臣の考えをお聞きしておきます。
○石破国務大臣 一定の頻度とはどれぐらいをもって一定というのか。例えば一月に一回とか、一週間に一回とか、年に一回とか。ここは言葉の遊びをするつもりはありませんが、やはり何カ月に一回、一回だと、そろそろまた来るなみたいな、そういう感じになっちゃいますので、そこはかなり抜き打ちもふやし期間も置いて、というよりも、いろいろな幅を持たせてやるべきなんだろうと思っています。
 それはどうでもいいんですが、どうすれば本当に安全、安心が担保されるのか、そのためにはどれぐらいの人間が必要なのかというふうな議論の立て方をしていかねばなりませんので、これぐらいの人員しかいないからこれぐらいの検査しかできませんというような話は本末転倒だろうというふうに考えております。
 あわせて、これは米だけでいいのかという議論がやがて出てきます。必ず出てきます。与野党ともに御指摘をいただいておりますように、その実効を上げるために相当詰めていかねばならないことはありますが、米だけでいいのか、ほかのものもちゃんと食べるんだよということから考えた場合に、どれぐらいの人員を、そして地方公共団体との役割分担が適切なのかということは、実効の担保ということを念頭に置いて、早急に答えを出さねばならないものだと認識をいたしております。
○菅野委員 再度要望しておきますけれども、やはり主食である米を中心とした流通というのは、国の責任においてしっかり管理していくんだという視点をしっかり持っていただきたいというふうに思っています。
 トレーサビリティーとは直接関係ない米の流通問題について質問いたします。
 これも以前に大臣に質問したのですが、一般的に米価格の低下は、需要を上回る供給量にあるとされ、生産調整が半ば強制的に行われているわけです。しかし、おおむね需給が均衡していた平成十八年度産米でも価格は前年度から下落しているわけで、米価格の低下は需給関係だけで規定できるものとは思いません。
 問題なのは、生産者が価格づけできない農業生産物にとって、価格形成過程で大きな力を持っているのは川下の大手量販店あるいは流通する米の四割を超える消費をする外食産業ではないでしょうか。ここが米価格の継続的な下落をもたらしている大きな要因のように思えてなりません。そのような認識をお持ちかどうかが一つ。そして、もしそうだとすれば、米価格の形成と米の流通のあり方について検討が必要だと思いますが、それについての大臣の見解をお聞きしておきたいと思います。
○石破国務大臣 先般と繰り返しの答弁になりましたら、お許しをいただきたいと思います。
 出荷段階におきましては、従来は主流でありました全農等、全国出荷団体を通じた委託販売、これが全生産量の四割程度にとどまりまして、最近は農協等の直接販売あるいは生産者の方の直接販売の取引が増加をしておるわけでございます。したがいまして、消費者の方々が小売業者や産直で精米を購入されます量三百万トン、それと外食、中食を通じて米を消費される量二百八十万トン、これはほぼ同数になっておるということでございます。
 米の取引価格を見ると、委員御指摘のように、消費の減少に対して生産が過剰だと。外食業者などはコスト意識が高いことなどによりまして、下落傾向で推移をいたしております。他方で、生産者の直接販売における価格を平均的な販売価格と比較しますと、手取りを確保しながら中間マージンが省けることにより安く販売している事例がある一方、減農薬等の付加価値により高く販売している事例もあるというふうに、いろいろなことがあります。
 どうしてこんなに安いんだろうという議論をしますときに、大手の小売さんに優越的な地位というものが普通あります、大資本ですし。それが優越的な地位を濫用して不公正な取引を行ったというようなことは望ましいことではありません。そういうことについては、当然、私どもも対処していかねばなりません。
 ただ、それが、委員が先ほどから御指摘になっておられますように、登録制とかそういうようなものになって、以前のような食管制度、もちろんそれを念頭に置いておられるとは思いませんが、食管制度のようなものをもう一回どうだろうかという御提案を含むものであるとすれば、私は、それはやや違うのではないかと思っております。
 なぜ安いのかということに対しては、供給が過剰だというのは、やはり基本的にはそうなんだと私は思います。供給は過剰じゃなくても安くなったじゃないかというのは委員御案内のような理由があるわけで、そこは単純に需要と供給だけで価格が決まる世界ではございませんが、私が思っておりますのは、やはり生産者の努力が報われない、そういうような流通の形態がありとせば、そのことはやはり問題視していかねばならないのではないかとかねてから思っておるところであります。
○菅野委員 これからもこの点は議論していかなきゃいけないと思うんですが、生産費を割る米の価格というのは異常な事態だというふうに思うんですね。それがどういう形で価格形成されているのかということを考えたときに、やはり先ほど言ったように、大手量販店あるいは外食産業が価格形成の主導権を握っているというときに、そのことをどう考えていくのかということなしには、私は、米の価格の上昇あるいは生産費を割るような状況の解決にはつながっていかないんだという視点があるわけです。
 それで、そこを補うためにということで、国の直接所得補償的な制度を導入したときには、低価格が固定化してしまうという現状もあるわけですから、自由競争の中でいかに価格形成のあり方というものをコントロールしていくのかというのは、私は、主食ということを考えれば、みんなでこのことの議論を行っていかない限り、解決できないんじゃないのかなというふうに思っております。私は、単に直接的な所得補償だけで解決できる問題じゃないということだけ申し上げておきたいというふうに思っています。
 これも以前に質問いたしましたが、米穀検査について再度質問いたします。
 米の品位等の検査、米穀検査ですが、精米してしまうと、一等、二等、三等の格差はなくなり、消費者には関係ないものとなってしまいます。他方、千粒のうち二、三粒の着色粒があれば二等米に格付されたり、一等米とは玄米六十キロで千円程度の差が生じると聞いております。
 生産者は、ここでも米の値段が安くなるハードルを抱えていることになります。一等米の条件を確保するために、農薬を必要以上に散布し、水田の生態系に悪影響を与え、最近ではミツバチの減少もそうではないかという指摘すらあります。
 この米穀検査については、現在の等級検査ではなくて、原料の歩どまり率を業者が判断する規格に変えて、大きな価格差をつけることは慎むべきではないかと思うんですが、この考えについて答弁をお願いします。
○町田政府参考人 委員、もう十分御承知のことなのでございますが、まず農産物検査の等級でございます。
 大量かつ広域的に流通いたしますお米等に関しまして、業者間、主として農協と卸売業者さんになろうかと思いますが、におきまして現物を確認することなく等級ごとに価格を分けて円滑に取引をする、そういったことを可能にするということで設けられております。等級につきましては、お話しいただいたように、精米にしてみますと違いがございませんので、消費者の段階ではこういった等級による品質差がないというのは、そのとおりでございます。
 もう一点、カメムシの問題でございます。
 近年、有機農業、また農薬を一定以上減少するという環境に配慮した取り組みがなされております。こうした場合、カメムシによる着色粒が増加いたしまして、二等米になるケースも見受けられているということも承知いたしております。
 現在、米の検査の一等比率を見てみますと、八割程度となっております。こうした中で、仮に着色粒の要件を緩和いたしまして一等米としたときに、一等米のウエートはふえるわけですが、相対的に評価が下がって価格の低下を招く可能性もあるんじゃないか、生産者にとってそれが果たして得策なのかどうか、そういった点も含めてよく検討をしなくてはいけないんじゃないかと思っております。
 もとより今の農産物検査制度がベストだということはもちろんないと思うんですが、米の流通実態とか、そういったことを踏まえて、私ども、よくよく生産者の方のお話も聞きながら検討していきたいというふうに思います。
○菅野委員 消費者は一等米、二等米、三等米、関係なくなってしまうという現実、それを踏まえて、このことも米の流通全体の中で議論する大きな課題ではないのかなというふうに思っています。ぜひ、今言ったように現状を踏まえて検討願いたいというふうに思います。
 次に、米粉・飼料米法案について伺います。
 先日の一般質疑で米粉や飼料米の生産目標について聞きましたが、明確な数字は出てきませんでした。最近では、新潟県が米粉で小麦使用量の一〇%を置きかえていくR10という運動を提案されているようです。米粉であれば小麦、飼料米であればトウモロコシと代替関係にあるわけですが、政府としてどの程度置きかえが期待できると考えているのか、お聞かせ願いたいというふうに思います。
○町田政府参考人 実需者となられます米粉用を使いたいという方、また飼料米を使ってもいいという畜産農家のかなりの数が取り組み意向を示していただいております。また、生産現場におきましても、多くの地域協議会が取り組むという意向を示しているところでございます。こうした取り組みをどのように地域段階、また必要な場合は全国の段階でマッチングさせていくかということで今意を用いているところでございます。
 定量的な見込みでございますが、取り組みは今始まったところでございます。現段階で定量的な代替の見込みを示すことは難しいということを御理解いただきたいと思います。
○菅野委員 米粉や飼料米の生産拡大に異論はないわけですが、前回の委員会でも指摘したように、需要がなければ意味がないわけですね。だから、今答弁できないというのは、需要予測が今の段階では把握し切れない。生産する側からの拡大というふうに議論がなされておりますけれども、あわせて、需要側をどう拡大していくのか、両輪でなければならないというふうに思うんです。
 それからもう一つ、生産者側に生産意欲がなければこれまた進まないわけですね。それで、米粉用の米はキロ八十円、飼料用米についてはキロ三十円ぐらいが販売価格ではないかと思います。この価格で採算が成り立つわけないわけですね。今後、水田等有効活用促進交付金によって、米粉、飼料米の生産については十アール当たり五万五千円の助成が実施されるわけですが、この算出根拠並びにこの額で農家が意欲を持って生産に取り組めるだけの採算性を保障できるのか、この点についてお答え願いたいと思います。
○本川政府参考人 先ほど来お答え申し上げていることの繰り返しになりますが、現に原料用米として既に定着をしております加工用米につきましては、助成なしで約九万円程度の収入を確保して取り組んでいただいているわけでございます。私どもは、それに見合うようなものになるように五万五千円の支援をさせていただこうと思っております。
 米粉用米につきましては、五万五千円を加えて九万円を超えるような収入、それから飼料米につきましては、わらも利用した耕畜連携対策、それからわらの販売料金、こういうのを入れまして、これも九万円を超えるような、同じような水準を確保していきたいと思っております。先ほど来申し上げているような、これのメリットでございますね、耕種農家にとってのメリット、こういうものをあわせ御説明することによって魅力を感じていただけるように御説明してまいりたいというふうに考えております。
○菅野委員 米粉と加工用米が均衡をとれるようにという今の説明ですね。この政策でなければだめだというふうに私は思うんですね。飼料米を、米粉を高くすれば加工用米から米粉にずっと流れていく、そうすると加工用米を確保することができない、こういう矛盾を抱えているわけですから、それで今五万五千円という根拠はそこにしかないというふうに私は理解しているわけです。
 実際に十アール当たり五百キロとれるとすれば約八単位です。すると、主食用であれば約一万五千円のときには十二万、二万円だったころは十アール当たり十六万という収入を得るわけですけれども、それに対して、一万五千円と比較しても、今言ったように九万五千円という価格設定して、九万円台という価格設定して加工用米と米粉用を確保する、どうしてこれだけで米粉をつくるという生産意欲に結びつけることができるんですかと私は言っているわけです。
 加工用米というのは、ふるい落とし米等を含めて、主食用米を売って加工用米にも流すという形が形づくられているから九万円でもいいということで流通しているんじゃないですか。米粉は米粉だけで生産していこう、こういう仕組みをつくったときに、主食用米と比較しなければ米粉に移っていかないんじゃないか、私はここを問題視しているわけです。
 だから、主食用米、米粉用米、加工用米、それから先ほど来ずっと言っているように、その他の米の生産という中で米粉生産をどう位置づけていくのかというのは、私はこれから生産意欲を高める上において非常に大事な政策になってくるというふうに思っています。私は、九万円でどんどんどんどん米粉に転作していくなんという状況ではない、このことも今後ともまた議論させていただきたいと思っています。
 このことを申し上げて私の質問を終わります。
○遠藤委員長 次回は、明十九日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時三十六分散会