第171回国会 予算委員会 第17号
平成二十一年二月二十日(金曜日)
    午後一時一分開議
 出席委員
   委員長 衛藤征士郎君
   理事 小島 敏男君 理事 佐田玄一郎君
   理事 鈴木 恒夫君 理事 田野瀬良太郎君
   理事 根本  匠君 理事 山本  拓君
   理事 枝野 幸男君 理事 菅  直人君
   理事 富田 茂之君
      井上 喜一君    井脇ノブ子君
      伊藤 公介君    石田 真敏君
      猪口 邦子君    岩永 峯一君
      臼井日出男君    小野寺五典君
      尾身 幸次君    大野 功統君
      木村 隆秀君    岸田 文雄君
      小池百合子君    斉藤斗志二君
      坂本 剛二君    下村 博文君
      杉浦 正健君    鈴木 馨祐君
      関  芳弘君    園田 博之君
      谷垣 禎一君    中馬 弘毅君
      とかしきなおみ君    仲村 正治君
      長島 忠美君    葉梨 康弘君
      萩原 誠司君    深谷 隆司君
      牧原 秀樹君    三原 朝彦君
      盛山 正仁君    安井潤一郎君
      山本ともひろ君   吉田六左エ門君
      若宮 健嗣君    渡辺 博道君
      大島  敦君    逢坂 誠二君
      川内 博史君    仙谷 由人君
      田村 謙治君    筒井 信隆君
      中川 正春君    細野 豪志君
      馬淵 澄夫君    前原 誠司君
      松本 大輔君    渡部 恒三君
      池坊 保子君    江田 康幸君
      福島  豊君    笠井  亮君
      高橋千鶴子君    阿部 知子君
      保坂 展人君    下地 幹郎君
    …………………………………
   内閣総理大臣       麻生 太郎君
   総務大臣         鳩山 邦夫君
   財務大臣
   国務大臣
   (金融担当)
   (経済財政政策担当)   与謝野 馨君
   厚生労働大臣       舛添 要一君
   経済産業大臣       二階 俊博君
   国土交通大臣       金子 一義君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     河村 建夫君
   財務副大臣        竹下  亘君
   国土交通副大臣      金子 恭之君
   厚生労働大臣政務官   戸井田とおる君
   経済産業大臣政務官    谷合 正明君
   国土交通大臣政務官    西銘恒三郎君
   政府参考人
   (内閣官房郵政民営化推進室長)          振角 秀行君
   政府参考人
   (総務省行政評価局長)  関  有一君
   政府参考人
   (総務省自治財政局長)  久保 信保君
   政府参考人
   (総務省情報流通行政局郵政行政部長)       吉良 裕臣君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  水田 邦雄君
   政府参考人
   (社会保険庁総務部長)  薄井 康紀君
   参考人
   (日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長)    西川 善文君
   参考人
   (日本郵政株式会社専務執行役)          佐々木英治君
   参考人
   (日本郵政株式会社執行役)            寺崎 由起君
   予算委員会専門員     井上 茂男君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月十九日
 辞任         補欠選任
  伊藤 公介君     田中 良生君
  斉藤斗志二君     上野賢一郎君
  深谷 隆司君     小野 次郎君
  吉田六左エ門君    遠藤 宣彦君
  江田 康幸君     古屋 範子君
  井上 喜一君     渡部  篤君
  岩永 峯一君     近藤三津枝君
  上野賢一郎君     安井潤一郎君
  臼井日出男君     平口  洋君
  小野 次郎君     長崎幸太郎君
  尾身 幸次君     原田 憲治君
  大野 功統君     木村 太郎君
  木村 隆秀君     井澤 京子君
  園田 博之君     清水鴻一郎君
  中馬 弘毅君     橋本  岳君
  仲村 正治君     安次富 修君
  野田  毅君     藤井 勇治君
  池坊 保子君     伊藤  渉君
  古屋 範子君     大口 善徳君
  井澤 京子君     木原  稔君
  杉浦 正健君     坂井  学君
  田中 良生君     藤田 幹雄君
  原田 憲治君     越智 隆雄君
  藤井 勇治君     阿部 俊子君
  大口 善徳君     高木美智代君
  安次富 修君     福田 峰之君
  木村 太郎君     永岡 桂子君
  橋本  岳君     土井 真樹君
  安井潤一郎君     馬渡 龍治君
  伊藤  渉君     上田  勇君
  高木美智代君     福島  豊君
  越智 隆雄君     篠田 陽介君
  清水鴻一郎君     薗浦健太郎君
  上田  勇君     赤羽 一嘉君
  福島  豊君     古屋 範子君
  遠藤 宣彦君     石原 宏高君
  藤田 幹雄君     牧原 秀樹君
  赤羽 一嘉君     伊藤  渉君
  阿部 俊子君     野田  毅君
  石原 宏高君     吉田六左エ門君
  木原  稔君     木村 隆秀君
  近藤三津枝君     岩永 峯一君
  坂井  学君     杉浦 正健君
  篠田 陽介君     尾身 幸次君
  薗浦健太郎君     園田 博之君
  土井 真樹君     中馬 弘毅君
  永岡 桂子君     大野 功統君
  長崎幸太郎君     深谷 隆司君
  平口  洋君     臼井日出男君
  福田 峰之君     仲村 正治君
  馬渡 龍治君     斉藤斗志二君
  牧原 秀樹君     伊藤 公介君
  渡部  篤君     井上 喜一君
  伊藤  渉君     池坊 保子君
  古屋 範子君     江田 康幸君
同月二十日
 辞任         補欠選任
  井上 喜一君     石原 宏高君
  伊藤 公介君     矢野 隆司君
  岩永 峯一君     赤池 誠章君
  臼井日出男君     清水清一朗君
  尾身 幸次君     木村 太郎君
  大野 功統君     杉田 元司君
  木村 隆秀君     片山さつき君
  斉藤斗志二君     小里 泰弘君
  杉浦 正健君     とかしきなおみ君
  園田 博之君     萩原 誠司君
  中馬 弘毅君     盛山 正仁君
  野田  毅君     広津 素子君
  深谷 隆司君     安井潤一郎君
  逢坂 誠二君     大畠 章宏君
  中川 正春君     高山 智司君
  馬淵 澄夫君     鈴木 克昌君
  前原 誠司君     高木 義明君
  池坊 保子君     赤羽 一嘉君
  江田 康幸君     田端 正広君
  笠井  亮君     吉井 英勝君
  杉田 元司君     武藤 容治君
  吉田六左エ門君    福田 峰之君
  仙谷 由人君     山井 和則君
  筒井 信隆君     三日月大造君
  細野 豪志君     高井 美穂君
  吉井 英勝君     赤嶺 政賢君
  片山さつき君     中野  清君
  高木 義明君     内山  晃君
  高山 智司君     中川 正春君
  渡部 恒三君     岡本 充功君
  赤嶺 政賢君     高橋千鶴子君
  阿部 知子君     保坂 展人君
  糸川 正晃君     下地 幹郎君
  仲村 正治君     土屋 正忠君
  川内 博史君     村井 宗明君
  鈴木 克昌君     大串 博志君
  高井 美穂君     古本伸一郎君
  山井 和則君     吉田  泉君
  高橋千鶴子君     塩川 鉄也君
  下地 幹郎君     鈴木 宗男君
  赤池 誠章君     岩永 峯一君
  石原 宏高君     井上 喜一君
  小里 泰弘君     斉藤斗志二君
  木村 太郎君     尾身 幸次君
  清水清一朗君     臼井日出男君
  土屋 正忠君     仲村 正治君
  とかしきなおみ君   杉浦 正健君
  中野  清君     木村 隆秀君
  萩原 誠司君     園田 博之君
  広津 素子君     野田  毅君
  福田 峰之君     吉田六左エ門君
  武藤 容治君     大野 功統君
  盛山 正仁君     中馬 弘毅君
  矢野 隆司君     伊藤 公介君
  安井潤一郎君     深谷 隆司君
  内山  晃君     前原 誠司君
  大串 博志君     馬淵 澄夫君
  大畠 章宏君     逢坂 誠二君
  岡本 充功君     渡部 恒三君
  古本伸一郎君     細野 豪志君
  三日月大造君     筒井 信隆君
  村井 宗明君     川内 博史君
  吉田  泉君     仙谷 由人君
  赤羽 一嘉君     池坊 保子君
  田端 正広君     江田 康幸君
  塩川 鉄也君     笠井  亮君
  保坂 展人君     阿部 知子君
  鈴木 宗男君     糸川 正晃君
  小野寺五典君     山本ともひろ君
  斉藤斗志二君     若宮 健嗣君
  菅原 一秀君     鈴木 馨祐君
  園田 博之君     関  芳弘君
  葉梨 康弘君     谷垣 禎一君
  三原 朝彦君     井脇ノブ子君
  吉田六左エ門君    猪口 邦子君
  渡辺 博道君     盛山 正仁君
  逢坂 誠二君     松本 大輔君
  細野 豪志君     田村 謙治君
  江田 康幸君     福島  豊君
  笠井  亮君     高橋千鶴子君
  阿部 知子君     保坂 展人君
  糸川 正晃君     下地 幹郎君
  鈴木 馨祐君     長島 忠美君
  谷垣 禎一君     萩原 誠司君
  若宮 健嗣君     とかしきなおみ君
  とかしきなおみ君   安井潤一郎君
  長島 忠美君     牧原 秀樹君
  井脇ノブ子君     三原 朝彦君
  猪口 邦子君     吉田六左エ門君
  関  芳弘君     園田 博之君
  萩原 誠司君     葉梨 康弘君
  牧原 秀樹君     菅原 一秀君
  盛山 正仁君     渡辺 博道君
  安井潤一郎君     斉藤斗志二君
  山本ともひろ君    小野寺五典君
  田村 謙治君     細野 豪志君
  松本 大輔君     逢坂 誠二君
  福島  豊君     江田 康幸君
  高橋千鶴子君     笠井  亮君
  保坂 展人君     阿部 知子君
  下地 幹郎君     糸川 正晃君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 平成二十一年度一般会計予算
 平成二十一年度特別会計予算
 平成二十一年度政府関係機関予算
 主査からの報告聴取
     ――――◇―――――
○衛藤委員長 これより会議を開きます。
 平成二十一年度一般会計予算、平成二十一年度特別会計予算、平成二十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房郵政民営化推進室長振角秀行君、総務省行政評価局長関有一君、総務省自治財政局長久保信保君、総務省情報流通行政局郵政行政部長吉良裕臣君、厚生労働省保険局長水田邦雄君、社会保険庁総務部長薄井康紀君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○衛藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○衛藤委員長 本日は、社会保障政策等についての集中審議を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷垣禎一君。
○谷垣委員 予算委員会の審議も大分進んでまいりまして、きょうは社会保障に関する集中審議ということでございます。
 そこで、社会保障に入る前に、今の状況を踏まえまして、基本的な心構えにつきまして総理に伺いたいと思います。
 百年に一度、こう言われておりますが、アメリカから端を発しました今回の経済、景気の状況というのは、金融から実体経済にも影響を及ぼしまして、非常に深刻な状況になっております。特に、先日GDP統計が発表されまして、あれは昨年の十―十二月期ですが、年率に換算するとマイナス一二・七%、目を覆わんばかりの数字ということではないかと思います。それから、昨日でしたか、月例経済報告もありましたけれども、「景気は、急速な悪化が続いており、厳しい状況にある。」ということでありますから、一月よりも二月はさらに悪化していくということが予想されるわけですね。
 それで、こういった状況だからこそ、政府・与党に課せられている課題といいますか、責任は極めて大きいと思うんですね。
 まず、何といっても、これは不安の連鎖ということが、経済も、景気という言葉に気という言葉が書いてあるように、気分の問題がありますから、不安の連鎖を断ち切らなきゃいけない。それから、国内雇用の先行き懸念とか、あるいは景気の底割れを防ぐ。政府・与党、全力を挙げなければならないわけでありまして、要するに、機動的な適切な政策運営、税も財政もあるいは日銀等の金融政策も、挙げて一致結束して事に当たらなければならない状況だろうと思います。そのために一番なさなければならないことは、一刻も早く二次補正関連の法案も通し、そして本予算をきちっと成立させていく、こういうことだろうと思うわけであります。
 そういう極めて大事なときでありますが、こういう場で申し上げるのも非常に気が重いのでありますが、内閣の中にも若干気の緩みがあるのではないか、こう思われることがございましたし、また、政権を支えて頑張らなければならない与党の中にも、若干と申しますか、不協和音があるという現状であります。
 いよいよこれから来年度予算を仕上げていかなければならないときに当たって、麻生総理はこの状況をどう見、そして、どのように求心力を回復してこの窮状を打開していこうと考えておられるのか、まず総理のお心構えを聞かせていただきたいと存じます。
○麻生内閣総理大臣 御指摘がありましたように、景気、経済状況は極めて深刻であります。これまでの不況、いろいろ過去にも不況はありました。しかし、今回の不況は、落下角度、いわゆるカーブの角度がこれまでに例を見ないほど急に、景気、需要、いずれも落ちております。
 そういった状況に合わせて、我々としては、これまでにないことが起きている以上、その対応もこれまでにない対応をやっていかなければならないものだと思っております。少なくとも、いろいろな国、同じように皆、財政出動が必要だとIMFも認め、これまでにない対応をIMFも、世界先進国はもちろんのこと、皆求めております。そういった状況に合わせて、我々も、七十五兆円に上ります、また本予算八十八兆、これまでにないようなものを組んで、きちんとそれに対応していかねばならぬと決意を新たにいたしております。
 いろいろございましょうが、少なくともここはまずは景気回復、私どもはこの一点に絞って今後懸命に努力をしていかなければならぬのだと思って、全治三年と申し上げましたけれども、この全治三年の間に景気を必ずや回復させ、そして、他の諸国、なかんずく先進国の中においては、我々は一番最初にこの景気から脱出するんだという結果を生み出さねばならぬと決意を新たにいたしておるところでありまして、全知全能を傾けて、全力を挙げてやります。
○谷垣委員 私、総理を拝見しておりまして、なかなか総理のお仕事、こういう局面で大変だなと思います。
 官邸はいろいろな情報も集まるでしょうから、そういうことを吟味しながらいろいろお考えになると、心配事は尽きぬほどあるんじゃないかと思います。しかし、その心配事が全部総理のお顔に出ますと、ちょうど家庭の中でも、親が苦労しているからといって暗い顔をしていると子供も落ちつかなくなる、こういうことがございますから、心配事を全部お顔に出すわけにもいかない。さりとて、余りゆったりした顔をされていますと、いろいろ考えているのかなという心配も出てくる。だから、総理大臣たるお仕事は所作もなかなか難しいんだろうと私は思うんです。
 きょう、実は私、いろいろなほかの質問もさせていただきたいですが、総理に申し上げたいことは、言ってみればただ一つなんです。つまり、今、百年に一度ということを言っておりますが、これは百年に一度なのか五十年に一度なのか、よくはわかりませんが、我々はやはり、例えば前の金融危機のときも、あるいは現在も、では、高橋是清という方はあのときどういうことをやったのか、あるいはアメリカのあの世界恐慌が起きたときにフランクリン・ルーズベルトという人はどういうことをやったのかと、常に振り返ります。また、教科書にも書いてございます。このお二方は、過去の経済苦難の中で、非常に炯眼を発揮されて道を切り開かれた方であります。しかしまた、それに失敗された先人もあるわけであります。
 つまり、何を申し上げたいかと申しますと、これは総理はもちろんのことでございます、そして今政治の場にいる我々も、そして野党の皆さんも、みんな、あの経済危機のときに本当に根性を入れて仕事をしたのか、行く先をよく見ていたのか、それが問われる局面ではないかと思います。恐らく、今、麻生総理のお振る舞いは、百年後であろうと必ず、あのとき日本の政治はどうだったのか、こう問われる。我々も問われますが、一番問われるのは総理御本人だと私は思います。
 そういう歴史の審判に身を預けるという気持ちでこれからのお仕事に当たっていただきたい、私がきょう一番申し上げたかったことはそういうことでございます。
 それで、余り一般論ばかり言っていては仕方がありませんので、社会保障の質問に移らせていただきます。
 まず、今のようなとき、社会保障の安心ということは極めて大事なことじゃないかと思います。今、こういう景気状況になりまして、内需の拡大、外需ばかりに頼った経済はだめなんだ、内需を拡大せよという声があります。これはなかなか難しい議論でございます。そんなに内需と外需というものが切り離せるのかということもありますが、内需を拡大していけという議論自体は間違ったものだとは思いません。しかし、その内需を拡大していくときに、結局、一人一人、将来が大丈夫だ、自分たちの生活は安心なんだという気持ちがどこかにあれば、経済を拡大していこうという元気も生じますが、それがないとなかなかできないということがあります。
 一方、それはやはり社会保障等のセーフティーネットをしっかりしていくということが景気回復のためにも必要だと思いますね。また、逆から言えば、この社会保障をしっかりさせていくためには、持続的な成長、景気回復がなければ、またできるはずもない。つまり、この二つは、どっちが先、どっちが後というだけではなくて、非常に絡み合っているんだと思うんです。
 ですから、この今の景気の低迷を乗り切るためにも、私は、国民に安心を与える社会保障のセーフティーネットの整備ということに心を砕かなければいけないのではないか、こう思っておりますが、このあたりについて総理はどう御認識か、お伺いいたしたいと存じます。
○麻生内閣総理大臣 この厳しい経済情勢下にあって、将来に不安を持つ、何となく自分の老後、また雇用を含めましていろいろなものに不安を持つ、その不安が、結果として、先ほど言われた気の部分からいったらマイナスに作動していく、そういうことがやはり人間をして萎縮させる、結果としてさらにということになっていく点を御懸念されているんだと思います。私も全くその点に関しては同じ気持ちであります。
 したがって、ここは、今言われましたように、やはり景気はきちんと立て直して回復をさせて、そして、我々は中福祉というのを目指しておりますので、今いろいろなところで、景気が悪いがために、税収が伸びないために、いろいろな結果としてそれがほころんできておるのではないか。そういう面を含めまして、我々は、この点をきちんとしたものにしていかないと、安心してまた前の経済も発展しないということだと思いますので、どちらが先かと言われれば、これはなかなか難しいところだとは思いますが、双方、相乗作用をもってきちんとしたものをつくり上げていくという努力が一番必要なので、今言われておりますように、医者が不足している、看護師が介護士が不足している、いろいろな点、これからの少子高齢化社会の中にあって、我々が構築していかなければならない中福祉の内容というのは、これまでのものと少し変わってきているのかもしれませんけれども、必要な改革というのを実施していかなければならないんだと思っております。
 そのためには、それを実施していくためには、やはり景気が回復していないと、もしくは経済が拡大していっていないとやりたいこともやれないということだと思いますので、まずは私どもは、景気回復が当面一番大事なんだと思って、社会保障の安定財源のためにも、今後ともまずは景気回復ということを邁進していかねばならぬと思っております。
○谷垣委員 総理がさっきおっしゃいましたように、こういう局面で、いろいろな課題はあるんですけれども、まずは景気、それから雇用、こういったものに全力を挙げていこうというメッセージを出しておられますね。私は、これはもうそのとおりだと思うわけでございます。
 そして、それをやっていくためにも、もう一回国民に元気を取り戻してもらわなきゃいかぬということでありますが、きょうの本題と関係いたしますが、国民が不安に思っていることの一つに、やはり年金の将来が安定しているのかどうかという問題がございます。
 それで、どういう点が心配されているのかということ、そして、それに対してどういうふうに取り組んできたのか。平成十六年に大きな年金法改革をいたしまして幾つかの柱を立てましたが、やはり基礎年金、今まで三分の二は保険料で賄っていたわけでありますが、三分の一、国庫から入れておりました。それではなかなか先行きが立たないので半分まで国庫で負担をしよう、それを平成二十一年度から実行していこうというのが、今回の社会保障制度の改革の中で非常に大きな枠組みだろうと思うんですね。
 それで、こういうことをやった背景、やはりきょうはテレビも入っておりますので、もう一回おさらいをして国民の皆さんにもよく実情を知っていただきたいのですが、お手元にペーパーをお配りいたしております。
 そのペーパーの最初は、一九六五年から二〇五〇年に至るまで、段階ごとに、そのときの成長率、それから人口比というようなものを表にしているわけでありますが、一九六一年に国民皆年金というものが始まりました当時は、この間までの中国や何かと同じように、年率一〇%を超える経済成長がございましたけれども、だんだん成熟して、現在は、どういう成長をしていくのか非常に見通しが立てにくい状況になってきている、成熟に伴ってだんだん成長が衰えてきているということがございます。
 一方、人口構成の方は、一九六五年には総人口の六・三%が六十五歳以上の方であった、赤いところでございますね。それがだんだん移ってまいりまして、二〇五〇年には全人口の約四割が六十五歳以上になるというような構造でございます。
 二〇五〇年というのは、私もちょっと晩婚でございまして娘もまだ年が若いのでございますが、下の娘がちょうど六十五を超したぐらい、六十幾つになって、はっきりちょっと誕生日を覚えておりませんが、ちょうど年金を受け取る時代になるわけであります。それで、この図を娘に見せますと、お父さん、四割も高齢者で、それで成長も落ちてくるのじゃなかなかうまくいかないんじゃないか、こういうことを言うわけですね。だから、若い人たちにそういう疑問が幅広くあるということは事実だろうと思います。
 もう一つめくっていただきまして、人口構造がどう変わってきたのかという図をもう一つ用意しております。それでごらんいただくと、赤いところがいわゆる団塊の世代、日本の人口の一番大きな固まりでございます。それから、黄色いところがその赤い人たちの子供の世代、第二次ベビーブームの世代で、これがもう一つの山をなしております。
 これでごらんいただきますと、二〇一一年というのは、ちょうど団塊の世代が、一番大きな人口の固まりが辛うじてまだ現役世代である。これから、それを超すとだんだんリタイアしていくというところが二〇一一年でございます。
 そして、二〇一五年、二〇二五年とたっていくと、そういう一番人口の層の厚いところが高齢者になっていく、リタイアしていく、年金の受給者になっていく、こういう構造があるわけでございますから、そこで、先ほど、あの平成十六年にいろいろなことをやりましたけれども、その一つの柱が、国庫で基礎年金の財源の二分の一まで賄っていこう、こういうことでありました。ですから、いろいろな年金に対する心配に対して、今、一つの回答がそれであると思います。
 ただ、これは結局、二年間はいろいろな財源でもってつないでいく、財政投融資の積立金でもってつないでいくということになっておりますが、いろいろ埋蔵金とかおもしろおかしく言われますけれども、財政投融資の金利変動の積立金というのは、準備金というのはやはりなければならないものでございますから、いつまでもこれでいくわけにはいかない。やはりそれは恒久的な財源を用意しておかなければいけないんだろうと思います。
 中期プログラムというものをつくっていただきまして、この先、もちろん、今は景気の状況がありますから、すぐ恒久的な財源を用意できる、今の段階ですぐ用意できるのはいつかということは若干見通しが立てにくいところがございますけれども、必ずそれを果たさなければ国民の安全につながっていかない。
 その前に前提として、もちろん景気回復のために全力を傾けるけれども、必ず年金の安心を確保するために、そういう恒久財源の確保に向かっていくんだということでなければ、なかなか今回の改革の永続性というものを国民に信じていただけないということではないかと思います。
 したがいまして、まず景気の回復に取り組むのが第一でございますが、必ずそういう恒久財源の確保をして将来に備えていくんだ、やはりこの覚悟を持っていただかなきゃならないわけですが、そのあたりを、舛添厚労大臣にお覚悟を伺わせていただきたいと思います。
○舛添国務大臣 今委員おっしゃったように、十六年の改正というのは、まさに安定して年金が将来とも給付できる体制をつくるということであります。
 例えば、そのときに、掛金が余り上がるのもだめだ、しかし給付は五〇%を切らないように、そういうこともきちんと守った上で、その柱のうちの一つが、三分の一から二分の一への国庫の負担ということであります。これは、今当面はこういう状況ですから特会や何かを利用しながらやっておりますけれども、最終的には、維持可能な、サステーナブルな社会保障制度、とりわけ年金制度をきっちり構築するためにはどうしても二分の一の財源確保、つまり、税制改正を行った上で消費税を含むいろいろな財源を安定的に手当てするということが不可欠である、そういう思いで今後取り組んでまいりたいと思っております。
○谷垣委員 年金には、基礎年金の国庫負担割合をどうふやすかという問題のほかに、まだまだいろいろ解決しなきゃならない問題がありますね。基礎年金の最低保障機能をこれからどうしていくのかだとか、それから、構造変化に伴って、低年金の方やあるいは無年金の方々をどうしていくのかとか、いろいろな問題がございます。
 それから、これはしっかりやっていただいていると思いますが、こういう景気情勢になりますと、株価なんかも下がってまいりましたので、年金の基金の運用というのは本当にうまくやってもらっているんだろうかとか、こういうような心配もいろいろ国民の間にはあると思います。
 きょうはもう時間がございませんので、このあたりはこれ以上議論することは差し控えますが、舛添大臣、このあたりもしっかり取り組んでいただいて、国民の安心を形づくっていただきたいと思います。
 それで、きょうはあちこち飛びますが、私は昔、宮沢総理大臣に教わったことがございまして、前のやはり金融危機のときでございました。あのとき宮沢さんが私におっしゃったことは、それぞれの国の経済運営といいますか、こういうものの基本的な考え方は若干違うところがあると。
 ドイツは、やはり第一次大戦後のハイパーインフレの記憶があるので、インフレは絶対に避けなきゃいけない、あれだけの激しいインフレを起こすと国民生活は壊滅する、こういう観点から、非常にインフレを抑制するということで経済運営をしている。それに対してアメリカは、やはり株価は下げちゃいけない、こういうことが経済運営の基本にあるんじゃないか。それに対して、日本が戦後ずっとやってきたのは、雇用を大切にしていこう、雇用を維持していこう、こういうことであったと教わりました。
 その当時の経済運営の考え方と現在の経済運営の考え方は若干違ってきているように思います。経営者のお考え方も、株価を大事にしなきゃならないということになると、必要のない雇用は、切ると言うと言葉は悪うございますが、削った方が株価の維持にいいと。アメリカなんかではそういう考え方もあったんじゃないかと思うんですね。日本も少しそういう考え方の影響を受けてきているような気がいたしまして、私は、これは政府の経済運営だけではなく民間の経営の考え方もあると思いますが、ここらはこれから大いに議論すべきところではないかなと思っております。
 したがって、雇用に対するナーバスなところは、日本は、少し経済運営、企業経営の考え方が変わってきたとはいえ、国民心理はやはり雇用の維持というところに相当敏感じゃないかというふうに私は思っておりますので、そういうところにも意を用いてこれから政策の運営をしていただきたいと思うわけであります。
 きょう申し上げたいことは、舛添さんにちょっと伺いたいんですが、私もこの間地元に帰りまして、今まで随分待機児童ゼロ作戦というようなことで努力をしていただきましたが、待機児童がふえているというんですね。
 その原因は、今までですと、お母さんが、子供が生まれた、子供を育てるようなときには、職を休んだり、しばらく離れていてもいいや、一生懸命その間子供を育てようというような方もかなりいらしたけれども、こういう非常に雇用が厳しい情勢になりますと、一度職を失うと再び戻れるかどうかわからない、こういうことで待機の登録をされるということによって、なかなか順番が来ないということを聞きました。
 経済情勢によってもこの辺は違いが出てくると思いますが、やはりこれからは、女性がどうして子供をちゃんと産んで、しかも社会参加をしていただけるか。みんな参加して、全員参加ということを総理はおっしゃっておられますが、私は、非常にこれは、総理の所信表明演説の中の極めて評価すべき部分じゃないかと思っているんです。老若男女、それから東京とかそういう非常に経済の集積のあるところではなく、東京も地方もみんな力を合わせて乗り切っていこうというメッセージを政治がどんどん出すということが大事じゃないかと思います。
 こういう観点から、ちょっと大上段に振りかぶって待機児童と、急にピントをそこに当てるわけですが、これについてどう取り組まれるのか、舛添大臣のお考えを伺いたいと思います。
○舛添国務大臣 今御指摘のように、確かに、平成二十年四月一日現在で待機児童の数が一万九千五百五十人と、五年ぶりにふえております。それは、今おっしゃったような社会的な状況はあると思いますので、今、新待機児童ゼロ作戦というのを展開しておりまして、具体的には、二十年度の補正予算で、集中期間ということで、二十年から二十二年までの三年間、がっと集中して成果を上げようということで、十五万人分の保育所、それから保育ママ、この制度をさらに拡充します。それから、認定こども園などの整備を前倒しで行うための安心こども基金を各都道府県に創設する。
 こういうようなことで、必要な財源をしっかり確保した上で保育の質を保ちながら保育の量をきちんと拡大していくということで、中期プログラムを踏まえた上で、財源を確保しながらやっていきたいと思っておりますので、ぜひ一日も早い第二次補正予算そして本予算の成立をお願いしたいと思います。
○谷垣委員 それで、もう時間がなくなってしまいましたが、実は与謝野大臣に伺いたいと思っていたことがございます。
 それは、いわゆる骨太の二〇〇六というのをつくりまして、社会保障予算を、伸びを毎年二千二百億圧縮していこうということでやってまいりました。しかし、どうもそれはもういささか無理なところに来ているんじゃないか、私は率直に言うとそう思っておりまして、昨年も健保連の調整等でやろうと思いましたが、これは法律も通らず、実際できなかったということであります。
 ことしも雇用保険の関係でやろうと思いましたが、こういう雇用情勢の厳しいときに、政府が雇用保険から手を引くようなメッセージは出せるはずもないということで、できなかった。結局、後発薬の問題で二百三十億でしたかね、やるというところにとどまってしまって、この二千二百億というのはことしは放棄をしたわけであります。
 しかし、来年どうするのかということが私は極めて大事だと思いまして、つまり、総理も中福祉・中負担と言っておられますが、社会保障の安全のためにこれはどうしていくのかというメッセージが、旗はぼろぼろになっているかもしれないけれども、まだ骨太二〇〇六というのは残っているわけですから、これをどうしていくかというメッセージを早く出していただきたいと思います。
 もうこれは時間がなくなりましたので御答弁は結構でございますから、ぜひ検討していただきたいということで、終わらせていただきます。終わります。
○衛藤委員長 これにて谷垣禎一君の質疑は終了いたしました。
 次に、福島豊君。
○福島委員 総理、大変御苦労さまでございます。
 本日は、我が国の社会保障制度、中負担・中福祉とも言われておりますけれども、その中福祉にほころびが出ているんじゃないかということが、私は近年実感をするところであります。このほころびをいかに直していくのか、そしてまた社会保障の機能強化を図っていくのか、こういう観点から、きょうは何点かお聞きをしたいというふうに思っております。
 昨年の年末に、政府として、持続可能な社会保障構築とその安定財源確保に向けた中期プログラム、これを取りまとめていただきました。その中では、「「社会保障国民会議最終報告」などで指摘される社会保障制度の諸問題や「中福祉」のほころびに適切に対応し、その機能強化と効率化を図ることにより、国民の安心につながる質の高い「中福祉」を実現する。」
 現在のこの経済危機の中で、国民の不安は高まっております。そして、その不安を高める一つの要素になっているのが社会保障に対しての不安だ、こういうふうにも私は言えるというふうに思います。
 中福祉のほころび、私は四つあると思うんですね。
 一つは、医師不足であるとか、救急車のたらい回しであるとか、そしてまた介護現場での労働力の不足といったような、医療や介護のサービス提供にほころびが一つは来ている。
 二つ目は、社会保険のほころびがあるんじゃないか。例えば国民年金の保険料、未納者がふえている。国民健康保険の保険料も同じであります。こうした、社会保険が所得格差が広がる中で十分に機能しなくなっている部分があるんじゃないか、これが二つ目。
 そして三つ目は、今申しましたように、所得格差が広がっている。貧困の問題が我が国でまた再認識されなきゃいかぬ、こういう時代になっているんじゃないかというふうに私は思います。そうした低所得者に対しての対策について、我が国の中福祉は十分今まで対応してきたかどうか、こういう問題。
 そして四点目は、将来に向かって少子化が進んでいる。子育て支援の体制というのは果たして十分だったのか。
 こういった四つの点について、ほころびといいますか、機能強化というものをぜひとも図っていかなきゃいけない。
 この中期プログラムの問題というのは、昨年の年末、消費税と、そしてそれがいつだ、こういう話が中心になってメディアでは取り上げられましたけれども、それよりも大切なことは、私は、今の日本の社会保障ということをどうとらえ、そしてその機能強化をどう図るのか、ここのところのメッセージが国民の皆様にしっかりと伝わっていく必要がある、こういうふうに思っております。
 社会保障国民会議、国民会議という名前がついておりますように、大切なことは、国民の皆様に、今どういう議論を政府はしようとしているのか、社会保障の機能強化ということで政府はどういうことをしようとしているのか、そのことを知っていただくということは極めて重要だと私は思います。
 昨年、長寿医療制度がスタートいたしました。大変なおしかりをいただきました。その理由の一つは、この制度の意義というものはどこにあるのか、そのことについて、国民の皆さん、特に高齢者の方々に理解をしていただく、その努力を政府が十分行ってこなかったのではないか、こういう気がいたします。
 今回のこの中期プログラムの話にいたしましても、国民の皆様にどう理解していただくのか。政府として、社会保障の機能を強化する、安心して生活していただくために、ここまでのところまでは頑張りたい、こう思っているんです、このことを幅広く議論していくということが大事ではないかというふうに思っております。
 昨年、中期プログラムが取りまとめられました。その中で、社会保障の機能強化ということでは、「基礎年金の最低保障機能の強化、医療・介護の体制の充実、子育て支援の給付・サービスの強化など機能強化と効率化を図る。」こうしたことが具体的に明記をされております。
 これについて、私は、政府としてこれをどう展開していくのかということについて、引き続き議論をし、そしてそれを国民の皆様に知っていただく、この努力をしていただきたいと思います。その責任を担うのは、私は厚生労働大臣だと思っておりますが、大臣の御見解、御所見をお聞きしたいと思います。
○舛添国務大臣 今、福島委員から御指摘いただきましたように、中期プログラムというのは、一つは、これからの日本において社会保障の機能を拡大しましょう、このための工程表を書いたわけですね、年金にしろ介護にしろ子育てにしろ医療にしろ。それからもう一つは、そのためには安定した財源が必要ですよと。その二つを一体として提示したという意味で、私は画期的なものだというふうに思っております。
 したがいまして、この二十年度の補正、一次、二次、そして今御審議いただいている本予算において、具体的に今委員が御指摘の四分野について、つまり、医療にしろ介護にしろ子育てにしろ年金にしろ、きちんと対応していくということでございますので、工程表に基づいて、国民の皆さんの御理解を得ながら、安定財源を確保しつつ、本当にセーフティーネットが張りめぐらされた福祉国家日本をつくり上げていきたいと思っております。
○福島委員 先ほど申し上げました社会保障国民会議の最終報告で示されたビジョンの中には、低所得者対策の見直しが必要である、こういうことがあります。
 私も先ほど申しましたように、社会保障の機能強化において早急に、この近年拡大しつつある所得格差、そして低所得者の方々に対しての施策というものをどう見直しをしていくのか、検討すべきだというふうに思っております。
 本日は、その中でも特に近年指摘されております子供の貧困の問題について取り上げさせていただきたいというふうに思っております。
 子供の貧困率の国際比較であります。二〇〇〇年の段階で日本の子供の貧困率、これはOECDの定義によるものでありますけれども、一四・三%、十位であります。OECD二十五カ国の平均は一二・一%。パネルがありますけれども、我が国の特徴は、再分配、例えば税または社会保険料の負担を引いた後の、そしてまた給付も含めた後の再分配後にさらに貧困率が高まる、こういう実態があるわけであります。
 そして、お手元の資料、幾つかお配りさせていただいております。こうした子供の貧困率というのは近年高まってきている。一九八九年には一二・九%でした。お手元の資料の一であります。そして、これは一九九八年には一四・二%、二〇〇一年には一五・二%、その後の景気の回復を受けて二〇〇四年には一四・七%、こう回復しておりますけれども、最も近年、貧困率が高まっているのは子供のところである、これは注目すべきことだと思います。
 そしてまた、二枚目の資料でありますけれども、子供の年齢別に貧困率はどう変わっているか。これはゼロ歳から二歳のところで貧困率が伸びている。要するに若い親御さんの方々のところで貧困率が高まっているということだと思います。
 そして、もう一枚めくっていただきますと、三ページ目、これでは、父親の年齢別子供の貧困率。最も伸びが高いのは父親の年齢が二十歳から二十四歳、ここのところで貧困率が高まっている。
 そして、もう一枚めくっていただきますと、家族構成、四のところでありますけれども、母子世帯では貧困率六六%、父子世帯で一九%、こういった数字が示されております。
 また、もう二枚めくっていただきますと、どういう仕事についておられるか、親の就業状況で貧困率がどう違うか。自営業者の方、また一年未満の契約、内職、いわゆる非正規の雇用の方、こうしたところでは子供の貧困率は三〇%に近い、こういうことがうかがえるわけであります。
 母子家庭の貧困率、これはパネルがあります。日本の母子家庭における子供の貧困率というのは五七・二%、OECD二十五カ国、二番目であります。極めて高い。
 日本というのは中福祉の国だ、総中流社会だ、こういうふうに言われてきましたけれども、この十年ほどの日本の変化、これを振り返ってみると、貧困の問題がじりじりと拡大してきている。特に子供の分野で拡大をしてきている。
 子供における貧困というのは教育にもかかわります。子供の一生に影響してくる。ですから、この問題がよって来るところは何か、そして国として何をなすべきか、こういうことをしっかりと考えなきゃいかぬ。私はそう思っておりますし、とりわけその中で母子家庭のお子さんの問題、世界、OECD二十五カ国で二番目というのは、まことに私は不名誉なことだというふうに思っております。国の施策のあり方が問われなければならない、こう思っております。
 そして、この子供の貧困の問題、母子家庭のお子さんの貧困の問題、そしてもう一つは、先ほども言いましたように、この十年間ほどでふえてきた非正規雇用の方々、若いお父さん、お母さんが多い、そこの所得が高くない、いわゆるワーキングプアの問題です。ワーキングプアの問題が子供の貧困率を高めるにまた一役買っている。ここのところに対してどう手当てをするのか。先ほどの中福祉のほころびという話がありました。その一つがここに私はあると思いますし、それに対しての対応をしっかりしていかなければいけない、こう思っております。
 そして、子供の貧困の問題、これは一般的な施策、例えば児童手当のような、保育サービスのような、こういう全般的な施策を充実するという形で対応する、こういう話が一つあるというふうに思います。そしてまたもう一つは、ワーキングプアの問題、これに対してどう対応するか。この二つの両輪がなきゃいかぬ、こう思っているわけであります。
 子育ての全般的な支援ということについては、二十年度の補正予算、また二十一年度の予算で舛添大臣は格段の御尽力をしていただいていると思いますけれども、簡単にその点、御説明いただきたいと思います。
○舛添国務大臣 さまざまな家庭について配慮をしないといけない。非正規労働者、派遣切りなんという話があったりする、そこの子供たちが、今のデータに出ているように、非常に貧困ということになる。それから、今おっしゃったように母子家庭、こういう家庭についてもありますが、基本は、子供たちが生まれ育った家庭環境によって子供たちの将来が左右されることがあっては絶対にいけない、これは党派を超えてみんな共通していただけると思います。
 その上で、全般的な子育て支援策についてですけれども、安心こども基金、先ほど申し上げましたけれども、これを第二次補正予算において組みましたし、今まで五回までの妊婦の健診を十四回までに拡充するということもやっておりますし、第三子目以降の保育料の無料化ということを盛り込みました次世代支援対策ということをやって、妊娠し、これは先般枝野さんの方から妊娠の前の不妊治療もしっかりやれということで、これも念頭に置いて施策を講じていきたいと思いますから、そこから始まり、出産、子育て、そして家庭全般が豊かになれるように、全精力を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。
○福島委員 続いて、大臣には、母子家庭対策をどうするんだということについてお考えをお聞きしたいんです。
 もう一度示しましょう。五七・二%、これをどうするか。児童扶養手当の一部支給停止の措置については、実質凍結するということで対応させていただきました。この間、就労支援ということで、いろいろな施策を講じてきた。しかし、必ずしもそのことがこの状況の改善につながっていない。そして今のこの経済危機ですから、一番影響を受けるのは最も弱いところ。ですから、母子家庭の状況というのはさらに厳しくなるんじゃないか、こういう心配をしなきゃいかぬと思っているんです。
 この点について、大臣、どういうふうに取り組んでいくのか、御決意をお聞きしたい。
○舛添国務大臣 母子家庭の加算を一部カットするというのは、これは、とにかく仕事についてもらいたい、本当に就業する意欲のある方は大丈夫ですよということであるわけですが、今委員御指摘のように非常に厳しい状況になりましたので、特に母子家庭の自立支援策という中で就業支援策について拡充を図りたい。
 二十年度の第二次補正予算で、例えば、母子家庭のお母さんが看護師などの養成機関に通う際の生活費の負担を軽減する、そのための給付金の支給期間の延長、こういうことも行っております。
 それから、今御審議いただいています二十一年度予算案におきましては、母子家庭の母などの状況に配慮した託児可能な訓練コースの開発。つまり、子供を育てているから職業訓練できないじゃないのと。子供も預けながら職業訓練もできる。それから、マザーズハローワーク。これは各地で非常に評判がようございます。本当にお母さんが、子供を遊ばせるところもあって、ぜひ皆さん行かれてください、ハローワークできちんと対応いたします。さらに、なかなか外に出て職業能力形成をやれない方がおうちの中でいろいろなテキストを使ったりして訓練できる、そういうことと企業の実習を組み合わせた職業訓練。
 こういうことで、母子家庭の皆さんが、お母さんが外に出てしっかり働いてやっていける、そういうような状況をつくりたい。そういう思いで、一次、二次、そして本予算という形で財源的な措置も行っておりますので、何度も繰り返しますが、どうか一日も早く予算の成立をお願いいたします。
○福島委員 そのとおりなんですね。二次補正、さまざまな施策を盛り込ませていただいております。
 しかし、参議院におきまして予算関連法案がたなざらしと言わざるを得ない。全国から、さまざまな立場の人から、一日も早くこれは施行させていただきたい、こういう要望が寄せられております。ぜひそのことを、民主党を初め野党の皆さんはしっかりと受けとめていただきたい、私はこれを申し上げたいというふうに思います。
 続いて、母子家庭対策と同時に、より幅広く、低所得の世帯の方々に対しての支援をどうするか。中期プログラム、そして税制の抜本改革の中では、さまざまなことが議論されております。
 例えば、今般の定額給付金は、給付つき税額控除の先駆けだと私は認識しておりますけれども、そうした所得税における所得再分配をどう強化するのか。消費税の話ばかりじゃないわけです。そういうことも重要です。相続税の問題も重要です。これをどうするか。こういうことを全体としてしっかりと議論していく必要がある。税の世界における低所得の世帯の方々に対しての支援を今まで以上に強化しなきゃいかぬ。
 そしてまた二つ目は、保険の問題なんです、社会保険の問題。国民健康保険、国民年金保険料の未納、滞納がふえている。ですから、これは、保険料の賦課が低所得の方々にとってはやはり大変なんだということだと私は思います。
 社会保険ですから、保険料なしですというわけにはなかなかまいりませんけれども、しかし、その所得に合わせて柔軟なシステムにもう一度見直しをする必要があるんじゃないか。先ほどのパネルでは、所得再分配前の方がまだ子供の貧困率が低いという、実に不思議な数字になっています。さまざまな負担をした後引いたのが所得再分配後の数字ですけれども。ですから、そこのところは制度横断的に見直しをする必要があるんじゃないか、こんな思いが私はいたしております。
 まず、税の問題については、与謝野財務大臣、今後の税制改革の全般的な議論の中で、こうした低所得の方々に対しての対策をどうするのかということについて、これは一つの大事な論点ですから、どう考えるか、御所見をお聞きしたいと思います。
○与謝野国務大臣 今般、政府が出しております税法の附則に、一連の税制抜本改革に対する基本的な考え方が書いてあります。これは各税目ごとに書いてございまして、一つは、所得税に関しましては、やはり最高税率を含めて税率構造を考える必要があるんではないか。特に、所得税が持っている所得再配分機能を回復させる必要がある。それから、低い所得の方々、中ぐらいの所得の方々、なおかつ子育ての世帯の方々には、やはり所得税制の上での配慮、歳出の中での配慮、こういうものも必要なんではないか、そういうことが書いてございます。
 もちろん、法人税、相続税、消費税等についても書いてございますが、やはり所得税が持っていた所得再配分機能というものを、格差の是正を含めて、我々は、皆様方にもお考えいただかなければならない、そういう課題が今度の税法改正の附則の条文であると思っております。
○福島委員 舛添大臣の方には、公的社会保険でどう対応するのかということをお聞きしたいんです。
 これだけ経済状況が悪くなりまして、失業者がふえてくる、国民健康保険の保険料もなかなか払えない、こういう方がふえてくるだろうと私は思います。また、年金制度においても、国民年金免除、減免制度ありますけれども、そうしたことも、申請主義というものを改める必要が私はあるんじゃないかというふうにも思っております。
 こうした社会保険のほころび、こうしたことに対して制度横断的にどう対応するのか、この点について大臣の御所見をお聞きしたいと思います。
○舛添国務大臣 この今の点について、今委員御指摘のように、減免制度というのがあります。しかし、我が国の社会保障全体について言うと、自助、共助、公助という三本柱で成っている。何もかも税金でやればいいのかというと、これはこれでまた問題があります。やはり共助という側面を強調すれば、保険料ということになります。
 その保険料ということになった場合に、例えば職業別のカテゴリーとか収入別のカテゴリー、年齢別のカテゴリー、そのカテゴリー間の公平をどう保っていくかということももう一方で配慮をしないといけないというふうに思っております。
 ですから、私は、これからの方向は、こういう厳しい経済情勢のときには、申請主義をどうするかというのはまた別の問題ですが、減免措置をさらに拡充するような方向で議論をし、しかしながら、やはり自助、共助という側面は残して、最後はセーフティーネットとしての生活保護がありますから公助に行きますけれども、やはり今の日本で、いつ豊かになりいつ貧しくなるかわかりませんから、社会的連帯、お互いに助け合うんだよ、こういう心が欠けてきているような気がしますので、共助というのはそういうことだと思います。ですから、そういう方向で努力をしたいと思っております。
○福島委員 ワーキングプアの問題、これは非正規労働の方がふえて、制度的にどうするのかしっかり考えなきゃいかぬ。特に、正社員との処遇の格差の問題について、これをどう是正をしていくのか、重要な課題だと思っております。ただ、その点についてはきょうは取り上げません。そうではなくて、そうした方々に今の経済危機が与えている大変大きな衝撃、この問題であります。
 雇いどめになった方、厚生労働省が確認しているだけでも十二万人を超えました。三月、年度末に向けてさらに拡大をするだろう、こう言われております。その中で、今考えなければならない問題、これは先般の予算委員会で申し上げましたけれども、セーフティーネットをどうするかということが極めて重要であります。
 この委員会でも取り上げられましたが、現在、失業者に占める雇用保険受給者の割合というものは約二〇%程度にまで減少してきている。ということは、それ以外のカバーされないところでは、さまざまな困難に直面しておられる方が多々おられるということだというふうに私は思います。この雇用保険のセーフティーネットの強化をどう図るのか、そしてまた、その雇用保険の機能強化だけでは足らざる部分についてどのようなセーフティーネットを今つくろうとしているのか、このことが問題だというふうに思います。
 まず第一点目は、現在政府として雇用保険法の改正案を提出していただいておりますけれども、それによってどのようにこの雇用保険の機能強化が図られるのか、大臣から簡単に説明いただきたいと思います。
○舛添国務大臣 まず、雇用保険の機能強化でありますけれども、二つ大きな柱がありまして、非正規労働者に対してセーフティーネットを拡充する、それからもう一つは、離職者に対する再就職支援をやる。前者につきましては、一年以上の雇用の見込みという条件を六カ月以上の雇用見込みに緩和いたします。それから、契約更新がなされなかった有期契約労働者の受給資格要件、これも現行一年を六カ月に緩和をいたします。それから、倒産、解雇、雇いどめ、離職して再就職支援が必要な方に対しては、給付日数を六十日分延長する。そういう形で今の雇用保険の持っている機能を拡充して対応したいと思っております。
○福島委員 この雇用保険の機能強化、できれば四月一日から実施したい、そう思います。不十分、不十分でないという議論の前に、まず機能強化をするということについて立法府がしっかりと責任を持つ必要がある。四月一日から施行するためには国会での審議を進めなきゃいかぬ、こう思っております。予算案の審議もだんだんとずれてきています。それに引き続いて雇用保険法の改正案、これは与野党を超えて、今失業しておられる方々をどうするのかという観点から協力して審議を進めるべきだ、このことを申し上げたいというふうに思っております。
 日本総研の最近のレポートでは、このようなことが言われております。
 それによってもまだカバーできないところが残るだろう、そこをどうするか。非正規労働者等総合支援基金というものを創設してはどうか。雇用保険の対象外となる非正規労働者や自営業者、あるいは失業給付期間が終了した非正規労働者や長期失業者などのうち、働く能力があるにもかかわらず職が得られず、生活が困窮している者に対して、生活支援金を給付するのみならず、職業訓練、就業支援など、安定した職につけるまでを総合的に支援することを提案しております。基金をつくるべきである、こういう提案であります。
 いずれにしましても、訓練と生活支援、これを一緒にしてやっていくということが必要だというふうに私は思っておりますし、既に例えば補正予算の中で、訓練期間中の生活資金の貸し付け、そしてまたそれを免除するという仕組み、これは私どもが強く提案をして実現をしていただきましたけれども、それを大幅に拡大するような方向で考えていくことが必要だというふうに私は思っております。
 今後、雇用保険というセーフティーネットでカバーし切れない部分について、政府としてどう対応していくのか、どういう方向で考えていくのか、この点について舛添大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
○舛添国務大臣 雇用保険で基本的に対応する、これが大原則ですけれども、それでカバーできない方々に対しましては、例えば、職業訓練を受講する際の訓練期間中の生活保障のための給付制度、これを拡充しますし、それから、実施規模を拡大する、長期化するということもあると思います。
 今、一つの基金案がありますけれども、私は、やはり仕事を持つ、そしてちゃんとお金を稼ぐ、それで生活を安定させる、これが基本でありますから、皆さん、きちんとした仕事についていただいて、そして雇用保険に入っていただいて、その雇用保険の機能拡充をしっかりやるべきだというふうに思っています。
 最後の最後は生活保護というセーフティーネットがあります。だから、拡充の仕方の一つの形として基金ということもあると思いますけれども、気をつけないといけないのは、やはりモラルハザードを起こさないでこういういい目的を達するにはどうするか。社会保障は全部そうです、だれもがそれは拡充した方がいいわけですけれども、モラルハザードという落とし穴に対して、これが広がっていくと、掛金を払う気がなくなってくるという方がふえてくる。そのバランスをきっちりとっていくのが政治のかじ取りだと思っております。
○福島委員 確かに、この仕組みをどうつくるのか。訓練中の給付、そしてまた生活の支援、そこにモラルハザードを起こさないできちっと訓練を受けていただく、この仕組みをよく考えなければならぬということは私はそのとおりだと思います。しかし、このセーフティーネット、今後の経済状況がさらに悪化するかもしれないということを考えたときに、政府としては万全の対策をとりますよ、こういうことをぜひ明確にしていただきたいというふうに思っておるわけであります。
 そしてまた、生活保護との関連でいいますと、自治体での水際作戦ということも最近は間々耳にいたします。すぐに生活保護の受給に直結する、これがいいかどうかということはいろいろな意見があると私は思います。そこで適切な対応をしていただかなきゃいかぬということは、また事実だと思います。
 ただ一方では、その場合に、就労ができる可能性がある、そしてまた就労の道を探す、こういうことについて、生活保護の社会福祉行政と労働行政、この連携というものをしっかり図っていただいて、お一人お一人にとって安心していただけるような対応をぜひともしていただかなきゃいかぬ、こう思っておりますけれども、この点についての御所見もお聞きしたいと思います。
○舛添国務大臣 先ほどは、基金の案が出たものですから、懸念がありますという一点だけを申し上げましたけれども、基本は、政府は全力を挙げてセーフティーネットを張りめぐらす。皆さんの雇用についてもそうですし、生活についてもそうです。ですから、少しでも問題があれば、どうぞ近くのハローワークに飛び込んでください。そうしたら、総合的窓口で、仕事、住居、そして自治体と連携しての生活保護ということもやりますので、フル回転で我々は対応いたしますので、どうか皆さん、そういう生活保護も含めて、政府はきちんと国民の、憲法二十五条で定められた基本的な生活権を守っていくということを明言しておきたいと思います。
○福島委員 時間も残り少なくなりました。年金記録の問題についてお尋ねをしたいと思います。
 この年金記録の問題、いつになったら解決するんだ、そしてまた再裁定も大変時間がかかる、第三者委員会の仕事もなかなか進まない、いろいろな声が聞こえてきます。第三者委員会の判定は、例えば脱退手当金の問題では、企業の言うことは聞くけれども自分の言うことは余り聞いてくれない、こんなような批判もあります。
 そういう中で、総理には、この年金記録問題について今後どのような決意で取り組んでいかれるのか、この点について御見解をお聞きしたいと思います。
○麻生内閣総理大臣 公的年金制度に対する信頼回復というものは、これは年金記録問題の解決の上で最も大事なところだと私どもも思っております。したがって、まず昨年、すべての方々にいわゆるねんきん特別便をお送りさせていただいたり、記録の御確認をいただいたところではあります。
 しかし、この問題の解決のためには、引き続き作業を一つ一つきちんと詰めていかないといかぬ、私どもはそう思っておりますので、具体的には、一人でも多くの方々から回答をいただきませんと、このねんきん特別便というもののフォローアップを行っていくことはできませんので、ぜひその点の解明、統合作業を進めていかねばならぬということは当然のことだと思っております。
 また、八・五億件のいわゆる紙台帳と言われるものとコンピューター記録との計画的な突合、突き合わせということを今やらせていただこうと思っておりますが、標準報酬などの改ざんの可能性というものの事実への対応など、これは、取り組みはいろいろやっていかなきゃいかぬものは幾つもまだ残っていると思っております。
 したがいまして、これらの取り組みに加えまして、今年四月以降、順次標準報酬の記録をお送りするということなどをやって、信頼回復に努めていくのが一番大事なところでありまして、ひたすら手間とそして時間を惜しまず、全力を尽くしてまいりたいと考えております。
○衛藤委員長 これにて福島豊君の質疑は終了いたしました。
 次に、仙谷由人君。
○仙谷委員 民主党の仙谷でございます。
 きょうは、社会保障等をテーマとする集中審議ということでございますので、その社会保障等の前提たる問題を中心にお伺いしたいと思います。
 といいますのは、持続可能な社会保障構築とその安定財源確保に向けた中期プログラムというのが昨年の十二月二十四日に閣議決定をされております。これを拝見しておりますと、基本的には、景気回復のための取り組みというのがまず大事なんだということを力説されて、さらに、「安心強化と財源確保の同時進行」ということが書かれているわけでございます。そして、「消費税を含む税制抜本改革を二〇一一年度より実施できるよう、必要な法制上の措置をあらかじめ講じ、」と。今にして思うと、大変大胆かつ不敵な、とても実現可能とは思われないようなことを書かれたものが十二月二十四日に決定をされております。
 今度は、一月の十九日でございましたでしょうか、経済財政の中長期方針と十年展望というのが、これは参考試算というものをつけて閣議決定をされております。
 これも、当然のことながら、景気が大変急激に悪くなってきたということをお述べになった上で、「「不安の連鎖」の阻止」をしなければいかぬというようなこととか「「安心」の強化と責任財政の確立」、言葉としてはかなりいろいろなことを書かれておるわけでありますが、私は、ここで書かれた文章、あるいはそれの前提たる試算、数字、これが全く現時点では前提を欠く、いかんともしがたいぐらいとんでもない、歴史的古物になってしまった、つまり、経済財政の中長期方針と十年展望が今や何の意味もなくなってしまったということをこれから議論をしてみたいと思います。
 まず、これは与謝野大臣に、三大臣をお兼ねになっていますから、お聞きせざるを得ないわけでありますが、資料としてお出ししたものの二枚目、ちょっと表題をつけるのを忘れておりますが、名目GDPと税収その他収入。税収その他収入は括弧の中に書いて、まとめてございます。昨年の一月十七日に出された、やはり経済財政諮問会議に提出された文書及び参考試算で、一月十七日の段階では、五百十六兆円が名目GDP、〇八年度見込み、つまり、昨年の三月三十一日までの会計年度で切ってみれば、その名目GDPは五百二十六兆円になるであろう、あるいはそれを目指すと。〇九年度、つまりことしのこの予算、だから来年の三月三十一日を会計年度とするところでは五百三十九兆円を目指すと。それで、括弧内に、このぐらいの税収その他収入があるだろう、こういうことをこの進路と戦略には書いてあったわけであります。
 ところが、ことしの一月十九日決定の十年展望というのでしょうか、これには、〇八年度、ことしの三月三十一日に締める会計年度では、名目GDPが五百九兆四千億ということになる。それから、今、九年度の予算を審議しているわけでありますが、この九年度末で締める九年度の名目GDPは、〇・一%プラスされて五百十兆円になる、こういうふうに書かれておるわけであります。
 つまり、昨年の見込み、予測から、今年度、〇八年度のGDPは、名目GDPで何と十七兆円の見込み違い、差ができている。来年度、つまり〇九年度、今審議をしている予算に係る〇九年度では、何と二十九兆円の誤差、誤差というよりも見込み違いができている。そして、あまつさえ税収においてはこんなに、つまり五十三兆六千億から四十六兆四千億、これも見込みでありますけれども、こういうことになっておるということであります。
 本年末といいますか、二〇〇八年度の名目GDPというのを、一体全体どのように見込んでおるんでしょうか。お答えをいただきたいと思います。つまり、絶対額で何兆円ぐらいになる、何兆円ぐらいを目標にしてやってきたんだ、あるいはこれからやっていくんだと。あと一月、四十日ぐらいございますが、その間にこういうことをやってこのぐらいにしたいんだ、これをお答えいただきたいと思います。
○与謝野国務大臣 仙谷先生の御質問は、平成二十年度の実績見込みのお話を伺ったと思います。この中では、国内総生産五百九兆としておりまして、詳細を申し上げますと、その中で民間最終消費支出が二百九十三兆等々でございますが、今見込み違いの話をされましたけれども、これは、去年の一月、また去年の十二月、ことしの一月と、いろいろ数字は変わりますが、その都度、我々としては最善の知識と最新のデータに基づいていろいろな予測を立てております。これは、その予測に対して何らかの人工的な筆を加えているわけでもありません。
 そういう意味では、こういうふうに世界の経済が動乱期を迎えますと、なかなか予測がある幅の中におさまらない、このことはぜひお許しをいただきたいと思っております。
○仙谷委員 ということは、数字は同じでありますが、平成二十一年一月十九日、平成二十一年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度という書面がございまして、その四ページに「主要経済指標」と書いてございますが、平成二十年度実績見込み、あと四十日たてば平成二十年度は終わるわけでありますが、五百九兆四千億、平成二十一年度、つまり二〇〇九年度の見通しが五百十兆二千億、これは、現在は、変える必要もなければ、こういう前提で物事を考えればいいんだ、こういう話なんですか。いかがですか。
○与謝野国務大臣 従来は、年末に、予算編成のときに経済見通しをつくりまして、それをずっと維持してまいりました。ただし、私の感じとしては、経済が大きく変動している、あるいは、日銀の予測あるいは民間の予測と大きく離れ始めている、これをどう考えるかというのは我々の課題であるということは正直に申し上げたいと思います。
○仙谷委員 大変諸条件でお苦しい立場でしょうけれども、私は、やはり事実をちゃんと認識した上でないと、経済政策といいましょうか景気対策は出てこないと思います。
 例えば、十年展望なる書面の三ページ、「第一章 経済財政運営の現状と課題」「一、経済財政状況」と書いてありますが、いろいろ世界の金融危機の深刻化というようなことも書かれた上で、そういうふうに深刻化しているけれども、「こうした状況を踏まえると、経済成長率は二〇〇八年度には実質でマイナス〇・八%程度、名目でマイナス一・三%程度、二〇〇九年度には実質で〇・〇%程度、名目で〇・一%程度となると見込まれる。」というふうに書いてある文章が、果たしてそのままこういう前提に立って物事を考えていっていいのか、それとも、こんなものはもうくず箱に投げ捨てて、改めて今、二月十六日の速報や、あるいは昨日の、二月十九日の月例経済報告に出てきておる数字を前提に考えなければならないのかということをお伺いしているんです。いかがですか。
○与謝野国務大臣 この文章を閣議決定いたしましたときは、我々としては、最善の知識と最善の方法で物事を判断しております。
 ただ、状況が大きく変わっているということは間違いないことでございまして、予期しがたい状況の変化をどう表現していくのかということは、先生御指摘のように、我々に与えられた課題であると思っております。
○仙谷委員 多分、この十年展望に書かれたマイナス〇・八%の成長ですか、これを実現するためには、この一月から三月末日まで前期比五・六%の成長が必要だ、これはちゃんと内閣府が書いていらっしゃるじゃないですか、年率で二四・二%の成長が必要だと。こんなことは、今の我々の目の前にある現象、毎日毎日いろいろ報道される、やあ自動車がどうの、鉄鋼がどうの、百貨店がどうの、こういう現象から見てあり得るはずがない。
 もっとありていに言えば、ひょっとすれば、ひょっとじゃないな、常識的に計算すれば、今、月例経済報告では、暦年の成長率がマイナス一・六%というふうに、つまり、もう既に十年展望のときに書かれた一・三%を〇・三%下回る成長しかないということを暦年が示している。この一月―三月はもっと激しいのではないかということは、エコノミストの方々も、あるいは何を読んでも明らかなんじゃないかと私は思うんですね。
 そういうときに、いや、一月の段階で閣議決定したのが正しかった、そんなことを百遍呪文のように唱えたところで、現実の実体経済に合わせる経済政策を考える前提としては何の役にも立たないということを申し上げたいわけですよ。(発言する者あり)
 だから、今の予算を早く通そうと言うのだけれども、今つくられている予算は間違った前提のもとにつくられているというふうに言うしかないじゃありませんか。つまり、その都度その都度、やあ一次補正、二次補正は二カ月もサボって出さない、そしてさらに、もう今の段階で次の〇九年度予算の補正予算を二十兆で組むとか三十兆で組む、そんなほころびをこう薬を張って歩くような話では、この現在の深刻な経済状況を乗り切ることはできないと思います。
 まず、お配りした資料の一ページ目をちょっともう一遍見てください。三枚目、四枚目、これは日本経済新聞のことしの二月十四日と昨年の五月三十一日の新聞記事ではありますけれども、日経新聞の集約したものをこの一枚目にまとめて書いてございます。そのとおりわかりやすく記述したということでございます。
 これは先般の予算委員会でもちらっとお見せしましたけれども、早い話が、二〇〇八年の五月三十一日付の日経新聞、これは上場企業千六百三十三社の昨年の三月末決算における売上高と経常損益と最終損益を書いてあるということでございます。つまり、ここではっきりしておることは、当時は、昨年度末の上場企業千六百三十三社の最終損益は二十一兆八千六百三十四億円だった。そして、ことしの三月を見通すと二十二兆五千四百一億円の最終利益が出るだろうというのが、昨年の決算に基づく上場企業の集約です。
 ところが、ことしの二月十四日、ごらんいただいたらわかりますように、これは当然のことながら十二月までの決算を集約したものでありますが、それを前提にして、各企業が三月末決算はこういうふうになるよということで下方修正をして発表します。それを拝見しますと、ここに書かれておりますように、〇九年三末予定というふうに書いてありますが、これが何と二兆四千百五億円、マイナス幅はマイナス八七・二%。ことしの三月末はさらにそれが減って二兆二千五億円、マイナス九〇%の最終利益しかないということが、これは日経新聞の集約でありますが、こういうものが出されております。
 与謝野大臣、損益はこういうふうになるということ、おおむね違わないだろうとお考えになりますか。どうぞ。
○与謝野国務大臣 法人の収益は急速に悪化しておりまして、多分こういうような収益状況になるんではないかと私どもも感じております。
○仙谷委員 このページの法人税と書いてあるところを見ていただきたいんですが、二〇〇七年度の法人税は、予算が十六兆三千五百億、決算が十四兆七千四百億だったわけですね。もちろん、今年度はまだ決算は出ていません。予算は十六兆七千億だったんだけれども、これは補正を組んで、現在は十一兆一千五百億の、法人税を五兆五千五百億減らしたこういう補正予算にしている。決算ベースではまだわからない。こういうことであります。
 そして、今我々が議論しているこの〇九年度予算、平成二十一年度予算では、法人税は十兆五千四百億、こういう計算になっておるわけですが、まずは、この二〇〇八年度の法人税の補正後の十一兆一千五百億、これは確保できるんでしょうか。
 つまり、先ほどお見せしたというか、先ほど説明した、最終損益が一〇%になっている。これは上場企業だけですから、だから法人税が一〇%になるとは言いませんけれども、しかし、この上場企業等々は、二〇〇八年の四月一日以降、予定納税をしている。だから、三月末決算をして五月までに申告すれば還付が受けられる、もし予定納税の予定利益よりも少なければ還付が受けられるということになるわけですが、そういう還付が相次ぎ、さらにこの年度末決算が余りよくなければ、あるいはその後に決算期を迎える会社もよくなければ、法人税はどんどんと下がってくるのじゃないんですか。十一兆一千五百九十億も、こんなにも法人税は取れないんじゃないですか。
○与謝野国務大臣 まず、法人税の平成二十年度補正後の税収というのは、先生御指摘のように、五兆六千億減額した十一兆二千億でございます。これは、前年度の決算比で七五・七%でございますが、実際の税収実績は、十二月末までに五兆四千億でございます。これは前の年の同月比で八〇・六%でございまして、こういう比較では若干上回っているということでございます。
○仙谷委員 補正で五兆五千億も減額補正をしながら、なおかつ今年度末に決算をしてみたらまだまだ大きく穴があく、こういう前提の予算を組みながら、さらに補正も組まなければいけないでしょうけれども、まともな景気、経済政策といいましょうか、景気対策が打てるはずがない。
 やはり、謙虚に事実をちゃんと見た上で、その深刻さを客観的、科学的、論理的に見詰め直して、そしてこれからの時代にふさわしい方向性を議論して定めて、そこに集中的に資源を投下するということでなければ、バブル崩壊後の愚かな公共事業一辺倒のようなやり方、あるいは二〇〇〇年以降の超低金利を十数年続けて、そして円キャリートレードでアメリカの住宅ローンバブルをあおったようなことになった、こういう間違った政策を繰り返すことになるんではないか、これを心配しているから申し上げているんです。
 だから、今から麻生さんに聞きたいと思うんですが、もし、アメリカのように議会で与野党の協議の末速やかに予算を決めていくということをお望みならば、事実をちゃんと見る、実体経済が変わればそのことをちゃんと見て、それを前提に政策論議をするということじゃなければならないと思います。
 そこで、麻生総理、先般の新聞で私は拝見をしたんですが、どこかに、二月の十四日ですか、アメリカ上下両院の景気対策法案が可決したことについて、アメリカでは非常にスピーディーに法案を上げてきている、国民の求めているものに議員や国会が素早く対応するという、あのスピード感はうらやましい、こう言っているんですね。
 アメリカは上下両院の両院協議会の中でどのような協議が行われたのか、あるいは野党、あるいは下院の意見がどのような協議、折衝を通じて取り入れられたのか、そういうことを前提にして、中身を関係なしにこんなことをおっしゃっているんですか、それとも中身を、ああ、議会というのはこういうふうにしなきゃいけないんだという前提でおっしゃっているんですか、どちらですか。
○麻生内閣総理大臣 他国の議会の中身の細目まで詳しく知っているかという御質問かと言われれば、私は、そんなに詳しく細目を知っているわけではありません。当然のことだと思います。どなたもそんなにお詳しい方はいらっしゃらぬと思いますので、当然なことだと思いますので、そういう前提で申し上げているわけではありませんが、少なくとも、他国においては、もしくはアメリカの今回の議会におきましては、間違いなくアメリカの場合はきちんとした対応がなされて、極めて短期間の間に今回の法案が成立し、ということは、私らとしては、まことに今スピード感が要求されている部分、国民としてはかなり、定額給付金の話を含めて、早くという意見は私らのところには少なくともよく届いております。
 したがいまして、こういったものは、早く対応していくためには、きちんとした対応がなされる。少なくとも予算は通ったわけですから、例えば補正予算で言わせていただければ。したがいまして、あとの関連法案につきましても速やかな議決をいただければということを私らはお願いをしているところであります。
○仙谷委員 スピードとか早くというのだけだったら、これは人間要りません、政治家要りませんね。独裁政治家がおって、さあ、これに判こを押せと言えば、議会は形式的に判こを押せと言えば、おしまいの話です。
 現代の議会はそういうものであってはならないということが先進国では常識化している。なぜか。一人一人の持つ価値観が多元化し、議会の中の上下両院がそれぞれ同じ多数派が占めるとは限らない。あるいは、大統領や直接選挙で選ばれる執行権力と議会権力の多数派が政治的な基盤が異なる場合も多々ある。さあ、どうするのかというのが、今の先進国の議会制民主主義といいましょうか、議会もある民主主義の中の知恵の出しどころじゃないですか。
 だから、アメリカは上下両院の議決がこの間も異なったんですよ。それから、予算は議会予算局でそもそもつくることになっているお国なんですね。こういうときに、七十数兆円、七十兆円と言ってもいいんでしょうが、こういう経済対策をとるということについて上下両院が異なった。法案についても異なった。どうするのか。当然、両院協議会の中で議論をして、妥協の結果これができたということじゃないですか。
 多分、オバマ・ホワイトハウスは、スピードが大事だから、本当は忍びがたいところでも、忍んでこれを早く通そう、そのために譲歩をしよう、妥協をしよう、論理的に間違っていないことであれば妥協をしようということで、この間の、麻生総理がスピードがあるということをおっしゃったそういう結果に結びついたんじゃないですか。
 だから、日本の場合でありますと、衆参の議決が違ったときに、参議院の議決にある種の論理性があり、かつまた国民の支持が圧倒的にある、定額給付金を外せばすぐスピードがある解決ができたじゃないですか。どうですか。
○麻生内閣総理大臣 与野党の意見が、オバマの場合も、アメリカの政府におきましても、オバマ大統領が最初に言っていたのとは違って、共和党、民主党が上下両院で一致することはありませんでした。今言われたとおりです。予想とは全く違ったものになりました。結果として、中でいろいろな協議が行われて、上院、下院、それぞれに結論を出されたんですが、私らの場合の方は、参議院で結論が出していただけない状態が続いているというところが一番違っているところだと思います。(発言する者あり)
○衛藤委員長 諸君、静粛にお願いします。
○仙谷委員 それはお考えが違うんじゃないですか。それはお考えが違う。
 つまり、この間の補正予算についても、参議院は衆議院と異なった議決をしたんですから、両院協議会の中でどういう折り合いがつけられるのか、どちらが論理的に現時点では正しいのか、国民の支持、国民の意向に沿っているのか、そういうことを勘案して、新しい合意を形成するしかなかったんですよ。それしかないんですよ。
 私は、麻生さんが、文芸春秋の昨年の十一月号でお書きになられた、「大連立かイラク特措法の廃案か、といったゼロサムの選択しかないような事態が再び起こるのであれば、迷惑するのは国民である。」そのとおり私も思っているんですよ、結論的部分は。
 そのためにどうしたらいいのか。私は、昨年も議院運営委員会の中で、自民党の方々に、三分の二の議席があるのを奇貨として、何でも三分の二でやればいいんだみたいな発想で、国会の審議もろくろくせずに、時間を短く短縮して参議院に送って、返ってくれば三分の二でやればいい、この安易さが、議会制民主主義、議院内閣制を換骨奪胎して形骸化してしまう、こんな危ないことをやってはならないんですよと繰り返し警告しました。だけれども……(発言する者あり)いつもそうじゃないですか。強行採決はするわ、職権で日程は立てるわ、三分の二で議決するわ。与党がこんなことでは、新しい合意形成の方式などということはできないんですよ。
 やるためには、多数派が、アメリカを見ても、上下両院の多数派を占める民主党ですら、懐深く、あれだけの譲歩をしたんです。わかりますか。つまり、今の自民党、公明党は、衆議院では三分の二以上持っているかもわからないけれども、参議院では過半数ないじゃないですか、衆議院では三分の二あっても。そういうポジションに置かれた執行権力及び与党は、懐深く、ちゃんと粘り強く国民の前で公開の議論をして、どちらを支持してくれるのかやってみればいいじゃないですか。
 それを、ほとんど時間をかけず、両院協議会はすべて形式的にノーを言い続けて、それで新しい合意形成を図る、そんな気はさらさらなくて、三分の二、あるいは三十日が切れればいい、六十日が過ぎればいい、そういうやり方ばっかりじゃないですか。
 こんなことでは、あなたが文芸春秋の十一月号でおっしゃっているような中身も、単に言うだけ、格好つけて言うだけになっているんじゃないですか。どうですか。
○麻生内閣総理大臣 全然見解が違うと思いますが、委員会をまず開いていただいていないところもいっぱいありました。少なくとも、我々は、委員会を開いて議論をするという大前提がないと、議院内閣制のもとでいろいろな形での審議はできないのではないか、まずこれは申し上げたいところであります。
 政党間協議をやるべきではないか、我々の内閣とネクストキャビネットと協議をしたらいかがですかということも最初から申し上げておりますけれども、一回も応じていただけなかったということも、ぜひお忘れないでいただきたいと存じます。
○仙谷委員 時間が参りましたので終わりますが、与野党の話し合いでとか衆参の協議のもとに合意形成をしようと思ったら、今の自民党のかたくなというか焦っているというのか、小心翼々とした、それから、極めて形式的な国会運営の仕方とかなんとかは絶対できないことだけは申し上げて、質問を終わります。
○衛藤委員長 この際、前原誠司君から関連質疑の申し出があります。仙谷由人君の持ち時間の範囲内でこれを許します。前原誠司君。
○前原委員 民主党の前原でございます。
 きょうは社会保障等でありますが、前回、テレビ中継がなくなったものをちょっとスライドさせていただきまして、質問をさせていただきたいと思います。
 まず、かんぽの宿について、ちょっと今までとは違った観点から議論をさせていただきたいと思います。
 西川社長さん、来られております。今までかんぽの宿の売却の経緯についていろいろと議論が出て、特に鳩山総務大臣からはかなり厳しい指摘があったわけでありますが、きょうは、逆に、西川社長さんには、著名なバンカー、経営者として、このかんぽの宿の実態のようなものを少し赤裸々にお話をいただこう、このように思っております。
 このかんぽの宿なんですが、平成十六年以降、急速に経営が改善されていっていますね。つまりは、日本郵政公社、日本郵政株式会社、こういったところが引き受けられてから、このかんぽの宿の収支は劇的に改善をされていっているわけでありますが、この改善された理由、西川社長、簡単にお話をいただけますか。
○西川参考人 お答え申し上げます。
 いろいろ理由があると思いますが、まずは施設につきまして、減損等で帳簿価額を大幅に下げてきたということが一つあると思います。それに加えまして、やはり非常に不採算のところから廃止をしていったということもあろうかと思います。それにつれて人員も減少してきておるということでございます。
 さらに、まだ途中段階でございますが、飲食部門、これを全面的に外部委託していたわけでございますが、これはやはり、外部委託は割高であるということから、直営化を進めようということで、一部直営化をしてきた、こういったことが改善の理由だと思います。
 これにつきましては、さらに総務大臣からも御指摘がございますので、一層経営改善に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○前原委員 今、西川社長がおっしゃったように、いわゆるかんぽを国がやっていたときは、皆さん方にお配りをしている資料を見ていただきたいんですけれども、一番上の資料でありますが、飲食それから売店、客室管理、これは清掃ですね、それから設備管理、警備保安、これは全部外注でやっていたわけです。全部外注でやっていて、いわゆる正社員といいますか、あるいは季節、季節に受け入れた人も含めて、外部発注といわゆる本体の二重構造というものが大きな赤字を生んでいたということで、これを見ていただいてわかるように、ほとんど飲食と売店が直営化されたのは、客室管理も、一部まだ外部委託が残っていますけれども、去年なんですね。
 つまりは、私もつぶさに今までのかんぽの宿の財務状況を見させていただきましたけれども、本体は大きな赤字を出していて、つまりは親方日の丸だと。簡保という無尽蔵なお金があって親方日の丸で、そして外部委託、ファミリー企業に対して仕事を振って、それでファミリー企業がもうけて本体は大赤字、そしてファミリー企業がもうけているという仕組みでこのかんぽの宿というのは運営されてきたのではないですか。
○西川参考人 お答え申し上げます。
 かんぽの宿は、先ほど申しましたように、飲食部門等、いっときまでは全面的に外部委託をいたしておりました。その相手先は小さな企業ばかりでございまして、中に一、二、大きな企業があるんですが、大部分は小さな企業ばかりでございます。この企業から見ますと、かんぽの宿に対する売り上げの依存度が非常に高い。大体八〇%台後半から九〇%台かんぽの宿に依存をしておるというような状況でございます。
 さらに、それは飲食部門でございますが、そのほか、清掃部門等も、請負の形で、これは競争入札をしておるわけでございますが、やはり外部委託でございまして、こういったところがやはり……(前原委員「質問に答えてください」と呼ぶ)はい。
 ここのところは、実は、この相手さんの経営実態がよく把握できておりませんので、どの程度利益が出ているのかということについては正直申し上げてわかっておりません。ただ、大きく依存してやっておるわけでございますから、それなりの収益を上げておるということだと思います。
○前原委員 資料の三枚目につけていますけれども、これは食堂、売店だけ資料をいただきましたが、今西川社長おっしゃったように、今でも外部委託をやっているところはほとんどが、つまりは受注割合にかんぽの宿の占める割合というのが九〇%前後なんですよ。これはほとんど株式会社、有限会社ですから、黒字に決まっているんです。ですから、西川社長さんはどれぐらい黒字が出ているかわからないということをおっしゃいましたけれども、それでは困るんです。
 もう一度、イエスかノーかで結構です。今でも、二〇〇八年でも、かんぽの宿は四十六億円赤字を出しているわけですよ。しかし、改善されたとはいえ、外部委託が、食堂も売店も、それから客室清掃も保安も、そして設備管理も委託ですね。だから、その株式会社というのはもうかっているわけですよ。
 でも、本体は四十六億、これでも減ったんですよ、四十六億という赤字を出しながら、まさに親方日の丸、簡保のお金を使えるから、本体は赤字を出しながら、そして、外部委託でいわゆるファミリー企業はもうけさせる、そういう仕組みでこれが赤字で来たんですねということを申し上げているんです。イエスかノーかで結構ですよ。
○西川参考人 お答え申し上げます。
 意図的にこちらに収益を移転するといった考えでやっておるわけではございません。ただ、やはり依存度が大変高うございますので、それなりの収益が上がっておるというふうに見ております。
○前原委員 いや、別にあなたの責任じゃないんですよ、あなたは社長になってから改善してきたんですから。引き受けたときには、まさに親方日の丸で、本体は大赤字を出して、外部委託をして、外部委託はもうけさせるということで来たのは事実ですねと私は申し上げているんです。だから、それはイエスかノーかで。イエスでいいんですね、イエスで。
 それで、赤字が四十六億円だけれども、営業費用は三百六十億円余りあって、そのうち外注総額は、飲食、売店をかなり直営にしたにもかかわらず、まだ百六十九億二千九百万円が委託費なんです。つまりは、そういったところを見直していけば、総務大臣、これは十分黒字でやれるようなものなんですね。
 これは、委員長、日本郵政株式会社にお願いしたんですが、まだ資料として提出されていないので、委員会で出していただきたいんですが、この委託先、外注先の中で、旧郵政省それから総務省、簡保関係者の出身者はどれぐらいいるかというところの資料を日本郵政株式会社から提出をしていただきたいと思いますが、取り計らっていただけますか。
○衛藤委員長 前原君の申し出の件につきまして、後刻理事会で協議いたします。
○前原委員 本体には、後で話しますように、天下りがいるんですよ。
 問題の二つ目は、管理職の多さなんですね。まず、管理職というのには二つ問題がありまして、これは資料をつけておりますけれども、四枚目を見ていただけますか。七十一の施設があって、全部やっていると時間がありませんので、二つだけ取り上げます。大体同じようなものですよ。
 一番上の小樽の宿、これは客室数が三十一なんです。それで、宿泊定員が百二十一なんですけれども、ここにも書いてあるように、社員の数が九十七人いるんですよ。三十一室で社員の数が九十七人。しかも、一番左を見ていただいて、支配人と名のつく人が五人いるんですよ。総支配人一人、支配人一人、副支配人三人、総務主任という管理職を入れたら七人ですよ。
 もう一つ見ましょう。次のページをめくってください。これも一番上。淡路島の宿。客室数が四十ですね。宿泊定員が百四十。アッパーリミットは百四十ですよ。合計の職員が百十三人いるんですよ。総支配人一人、支配人一人、副支配人二人、また支配人と名のつく人が四人いて、そして総務主任は四人いる。
 これは、まさに頭でっかちで、私はホテルや旅館を経営されている方に聞いたんです、三十室、四十室でこの程度の定員ならどのぐらいの人が必要ですかと。いわゆる管理職は一人でいい、そして従業員数は三十名前後でないと絶対に黒字にならないと。つまりは三倍以上いるわけですよ、人が。しかも管理職がやたら多い。これが実はかんぽの宿のすべての状況なんですね。
 それからもう一つ、いわゆる本部機能の職員の多さというのも驚くんですよ。これは二〇〇八年三月末時点において、正社員が六百七十七名のうち、七十一の施設にはいない、さっきそこにも管理職が多いと申し上げたんですが、そこにいない職員数が百四十八名いるんですよ。六百七十七名のうち、現場にいない職員数は百四十八名。しかも、サポートセンターというわけのわからぬ、これはちょっと調べてみると、何をしているかよくわからない、このサポートセンターの人が六十四名もいるわけですね。
 恐らく、この百四十八名も、本部機能の八十四名も半分ぐらいでいいだろう、サポートセンターの六十四人は要らない、そして本部機能も半分ぐらいで済むんだろうというのが大体こういった経営をされている方々の見立て、そうでないと黒字にならないということなんです。
 総務大臣、別に先ほど申し上げた小樽と淡路島だけが悪いということじゃなくて、ほかもそうで、一番上に載っていたので、それは小樽や淡路島の方には申しわけないんですが、これだけ職員が多くて、そしてまた支配人と名のつく人が多いということ、そして本部機能がこれだけ大きかったら、それは先ほどの外部委託とあわせて赤字になりますよ。
 ですから、こういったところを改善していけば、かんぽの宿というのはむしろ黒字になるんじゃないですか。これは見直していけば黒字になると思われませんか。
○鳩山国務大臣 前原経営指導員に経営指導をいただいたような思いで聞いておりました。
 実際、どんな本を読んでも、いわゆる都市型ホテルではなくて、いわゆるリゾートホテルでは、オキュパンシーが、客室占有率、稼働率が五〇%を超せば大体経営できる、これはもう常識だと言われているわけですね。
 かんぽの宿は、一時、七五%ぐらいのオキュパンシーがあった。今でも七〇%を超えているのが、何でこんなに赤字だと。本部機能の赤字がひどく大きいというのが一つ。それとあとは、やはりかんぽの宿の性格上、低料金に抑えてきたということがあるとこの間も申し上げました。私は一万三千八百円で結構いい料理の方を食べましたけれども、これは一万五千円でもいいんだなということを申し上げましたが、今先生のお話を聞いておりまして、やはり、大変な無駄というのかな、効率の悪さというのが明らかになって、ですから、それらを改善すれば黒字化できるというふうに私は確信をいたしております。
 この間、ある新聞を読んでおりましたら、要するに、一年おくらせたのはおまえの責任で、おまえが四十億ぐらい払えみたいなことが書いてありましたけれども、その中で、利益を生んでいない、つまり、赤字であるならば、一万円で買ってもらっても御の字だというようなことが書いてありまして、そういう感覚を私は絶対に認めてはいけない、こういうふうに思っております。
 先生のお話を参考にして、私は、黒字化目指して頑張るべきだと思うし、雇用の問題はすごく大事です、大事ですが、物すごく無駄がある部分があれば、それは大きな郵政グループの中で、非常に、マッチングできるような配置転換ということも考えられるかと思いますし、一生懸命やらせたいと思います。
○前原委員 総理、経営者でいらっしゃいますけれども、今のお話を聞いておられて、こういった、まさに親方日の丸の体質を温存しておいてすぐ売却したって、それは低くたたかれますよ。ですから、こういったところを見直す中で経営改善を図って、その後どうされるかというのはもちろんいろいろな議論があると思いますけれども、とにかく、国民の資産である簡易保険をまさに親方日の丸で食いつぶして、ファミリー企業だけは抱えていたというような、こういう状況を打破して、人が多過ぎるということも打破をして、できる限り価値の高いものにして再生をするということが必要だと思いますが、総理、一言お願いします。
○麻生内閣総理大臣 これは基本的な話でして、かんぽの宿に限った話ではないと存じます。
 基本的に、この種の話、譲渡するということに関しましては、疑念を持たれないように心がける、これが一番だと存じます。もっともうかるかもしれないというのはちょっと別な話として、基本的にはそこが基本だと思いますので、総務大臣、しっかり取り仕切ってもらいたいと思っております。
○前原委員 次のテーマに行きます。次は、河川、公共事業の中で河川の話をさせていただきたいと思います。
 これは、財務大臣、自分の担当じゃないと思って、最後に御答弁いただきますので、ぜひ聞いておいてください。最後に必ず行きますので、聞いておいていただきたいと思うわけであります。
 今、ダムというのは、私もこれを聞いてびっくりしたんですけれども、百四十一カ所つくっているんですね、ダム建設というのは。後でお話しする導水路もそうですが、直轄事業四十八、そして国の補助事業が九十三、百四十一やっている。合計金額は、これはまだ確定していないというかあれですけれども、一応、建設計画をまとめたときのこの百四十一のダムの費用が大体六兆三千億円ぐらいなんですけれども、しかし、現時点で完成までにかかると見込まれるお金というのは九兆円以上。どんどん膨れ上がっていくわけです。
 しかも、このダム建設というのは、計画したときから長く時間がかかると、状況が変わるんですね、環境が。
 例えば、蒲島知事が英断を下された川辺川ダムというのは、一九七六年に計画が立てられて、そのときの総工費見積もりは三百五十億円。そのとき、三つ目的があったんです、このダムの。治水、農業利水、それから水力発電。今や、農業利水は撤退。これは裁判に負けました、農林水産省。それから水資源、Jパワーは水力発電から撤退をするということで、治水しか残っていないんですね。
 つまりは、時間がたつと、状況が、環境が変わるわけですね。そういう意味においては、このダムの事業というのは一つ一つ、我々民主党が政権をとれば、このダムは本当に必要なのかということを一つずつチェックしていこうと思っていますけれども、ひとつきょうは非常にわかりやすい例でお話をさせていただきたいと思います。
 これは財務大臣見ておいてくださいね、木曽川導水路計画というものをお話ししたいと思います。
 木曽川導水路計画というのは何かというと、木曽三川というものがあります。木曽川それから長良川、揖斐川、木曽三川。その一番西側にある揖斐川の上流に徳山ダムというのがつくられたんです。計画当初は二千二百億円でスタートしたのが、実際にかかった費用は四千六百億円と、二倍以上のお金がかかったダムであります。ダムをつくって終わりじゃないんです。このダムの水を、今度は、揖斐川の上流の水をせきとめて、そして長良川と木曽川に持っていこうという計画なんですよ、この木曽川導水路計画というのは。
 それで、これを見ていただきたいんです。これは国土交通省から出してもらったものですけれども、平成十七年度実績、幾らか。これは、一日平均取水量は、水道用水と工業用水を足せば毎秒四十七・〇五立方メートルなんですね。そして、一日最大取水量は幾らかというと、五十三・九八立方メートル毎秒なんです。
 さて、金子国土交通大臣、いわゆる木曽川水系の水資源開発基本計画、フルプラン、これを見ますと、平成二十七年度の需要が、平成十七年度が平均で四十七・〇五、最大で五十三・九八だったのが、このフルプランでは木曽川水系だけで六十八・九六になっていますね。これは、何でこれだけふえるんですか。
○金子国務大臣 この計画自身は、平成十年に、平成六年の異常渇水を受けまして、木曽川への緊急水を補給するための容量を確保するという目的で計画をされたものであります。
 それで、今の前原委員の御提出されました数値を見ますと、数字の上で、二十七年度の見通しが六十九・〇、この内訳は、水道用水が五十・二、工業用水が……(前原委員「何でふえているのかと聞いているんです」と呼ぶ)水道用水です。上水道用水が需要がふえております。
 昭和五十九年の渇水のときに、これが七十七・三、それから平成六年のときには五十一・四の供給きり実際できなかった。年々地球温暖化によりまして雨量が少なくなってきている、安定した水道用水が、これは、名古屋市、愛知県の、主に木曽川用水、愛知用水でありますが、この部分が安定して確保できなくなってきているということにかんがみて、これができているわけであります。
○前原委員 今のはでたらめな答弁なんですよ。
 一番右が近年最大渇水時、これは平成六年、確かに供給は五十一・四二できますよと。そして、二十分の二と書いてある右から二つ目のものは、二十年間で二番目に渇水のときの供給量を示しているわけなんですね。
 ただ、年々減ってきているというのはうそなんですよ。要は、多いときも少ないときもあるわけです。二十年間で、この二つが極端に低いだけで、あとのことについては、大体、平均取水量、平成十七年度と同じような状況になってきているわけですね。
 しかも、愛知用水というものとか、あるいは徳山ダムというものから、また供給のところを見てください、平成十七年度の最大が五十三・九八だったのに、需要は六十八・九六になるにもかかわらず、供給は百十三・一一までやりますよと。しかも、それは渇水に合わせてですよというのがその理屈であります。
 長野を除いて三県の人口を見たら、これから水道用水がふえますということをおっしゃいましたけれども、人口は減っていくんですよ。この三県の合計の人口は、これからどんどんどんどん減っていきますよ。そして、このフルプランがつくられたのは経済成長が上向きのときなんですよ。これからは、まさに人口も減っていく。この三県でも人口は減っていくんです、合計は。
 何で、平成十七年度で最大のものよりも需要がふえるという理屈になるんですか。渇水対策にするというのは下の供給の話であって、需要を何でそんなに多く見積もるんですか。今の答えは水道用水がふえるということだったけれども、人口は減っていくんですよ。何でそれをプラスにするんですか。
○金子国務大臣 年々減っているという言い方はちょっと誤解を招きましたけれども、非常に、ここ数年間だけとりましても、大きく異常渇水が生じているということは、大事な飲み水ですから、そのことは理解をしてあげる必要があると思います。
 かつ、現に地域では、ほとんど毎年、取水制限に追い込まれているんです。ちなみに、平成十二年以降ずっとですけれども、平成六年はもとより、十二年、二カ月、十三年、三カ月、十四年、十七年もほぼ三カ月間にわたりまして、取水制限をやらざるを得ない。だから、それくらい、やはり飲み水ですから、もしあったときの危険性というのは、断面的な数字だけではない、それを地元の方々が今求めている事業であるということであります。
○前原委員 国土交通省のへ理屈というのは、いつも同じなんですよ。ダムは、一番雨が降ったときのことを言うんです。こういう導水路計画は、雨が足りないときのことを言うんですね。そのことを言って、つまりは最大の雨量にどう対応するか。きょうはダムじゃないですけれども、最大の雨量に対応するといって、全部コンクリートで、ダムやあれで閉じ込めていって、そして、それを超えるときには、それは大きな被害になるんですよ。
 そして、いわゆるこの導水路計画について言えば、水道用水、工業用水、節水もあると言いますけれども、全国各地、私は京都ですけれども、琵琶湖の節水なんていつも行われていますよ、取水制限なんというのは。当たり前のことですよ。だから、どこをベースに公共事業を考えるかということなんです。
 この間、私は、道路特定財源の一般財源化のときに、これから、これだけ莫大な借金があって、人口が減少していく、しかも少子高齢化が進んでいく中で。それは、お金がふんだんにあるなら、そういったダムだったら最高の雨量に合わせる、こういう木曽川導水路みたいなものだったら最低のいわゆる渇水に合わせる、それは理屈として通るかもしれない。しかし、平成十七年度の最大のいわゆる取水量よりもさらに需要を上乗せして、しかも、供給は一日の取水量の倍ぐらいのものをやる。
 しかも、徳山ダムだけ見ていただければ、一番渇水時に、徳山ダムから、この木曽川導水路で役に立つのは二・四四立方メートルしかないんですよ。つまり、平成六年時の渇水時では、徳山ダムの八百九十億円かかると言われているものは二・四四立方メートルしか役に立たないんですよ。五十一・四二のうち二・四四しか木曽川導水路では役に立たないんです。
 財務大臣、こういう、まさに時代が変わる、これからは財政も厳しい、少子高齢化が進んでいく、そして人口減少。特に、この三県だって人口減少していきますよ。大きなダムをつくって、その倍以上のお金がかかって、それは何かといったら、それはまだ終わっていませんと。要は、ダムをつくったら、その次は木曽川導水路がありますからといって、永遠に公共事業をやり続けるような仕組みを国土交通省はつくっているんですよ。これは一たんとめて、本当に必要なのかどうなのかと。
 あるいは、水道用水、工業用水、ほかに農業用水もあるんですよ。水利権を例えば回して、流れている水を、流せている水を有効に使うことにすれば、この二十年に一度とかなんとかの、平成六年の渇水かわかりませんけれども、必ず役に立つはずですよ。
 つまりは、水利権を見直すとか、あるいは水道用水を工業用水に回すとか、そういうような形で、できるだけこういった工作物をつくらずに、無駄な公共事業をやらないということで、財務大臣、オーケー出しちゃだめですよ、この箇所づけは。財務大臣から御答弁ください。
○与謝野国務大臣 私はどっちかというとダムのファンでございまして、せっかく天から降ってくるものはためておいた方がいいんじゃないかなと素人ながら考えておりますが、今先生の御指摘の点については、きちんと検討します。
○衛藤委員長 国土交通大臣からも答弁、いいですか。
○前原委員 いいです。
 ダムのファンかどうかというのは知りませんが、それはどうでもいいことで、それはまた別個、議論したいと思います。
 これは大事な問題なんですよ。つまりは、限られた予算の中でどういうものに配分をしていくのか。しかも、例えば、淀川水系流域委員会というのは、今委員長をやられている方というのは宮本さんという方で、これは前の国土交通省河川局の人なんですよ。つまりは、川の専門家の方が、思想そのものが間違っていると。
 つまりは、気候変動もあるかもしれないけれども、降ったものを全部コンクリートで押しとどめて、そして都市化している中で、最終的に洪水になったときは十何兆、二十兆の被害が出るから、だから何千億の公共事業をやらなきゃいけないんだという発想は間違っているということを、河川局におられた、今の淀川水系流域委員会の宮本さんという方がおっしゃっているんですね。つまりは、哲学を変えていかなきゃいけない、そういう問題なんですね。
 だから、このことについても、さっき申し上げたように、まず、需要推計が過大であるということと、供給はさらに過大であるということと、そして、渇水時の役に立つものについて言えば、二・四四というものしかないものに八百九十億円もかけていいのかというところはぜひ見ていただきたいと思います。
 最後、もう時間がないので、官房長官、ちょっともう一つ……
○衛藤委員長 ちょっと国土交通大臣に答弁させますから。
○前原委員 だって、時間があと三分しかないです、私。
○衛藤委員長 ちょっとさせてください。
○前原委員 では、短くやってください。
○衛藤委員長 国土交通大臣金子一義君。簡潔にお願いします。
○金子国務大臣 この水需要は、三県一市、名古屋市含めて、彼らがきちんと積み上げてきた需要見通しなんですよ。(発言する者あり)それはそうですよ。ですから、彼らは経済成長、発展を、各地域が積み上げてきているものでありますから、前原先生ともあろう方が、ダムと導水管を一緒にされて議論しないでいただきたいなと思うのが一点。
 それからもう一つ、無駄な公共事業をやるつもりはありません。もとよりです。来年、二十一年、この導水管については五年の見直しに来ておりますので、きちんと見直しさせていただきます。
○前原委員 ダムと導水路を一緒にしているなんて、そんな失礼な答弁しないでください。違う。
 ダムについては、いつも雨が一番降ったときのことを前提に物事を考える、もちろんそれはそうですよ。だけれども、コンクリートで押し込んでいって、そして最後に、河口のところはそれが圧力としてかかるわけですから。そこまで考えたら、常に公共事業をやらなきゃいけなくなりますねという話をし、導水路については、渇水のときを大前提としてやられておりますけれども、さっき申し上げたように、最大の渇水のときでも二・四四しかならないものに本当に八百九十億円もかけていいのか。あるいは、水道用水、工業用水、農業用水、こういう水利権の見直しの中で回していけば、無駄な公共事業をやらなくていいんじゃないかということを申し上げているわけです。
 そのことを、先ほど財務大臣おっしゃったように一つ一つ、きょうは木曽川導水の話をいたしましたけれども、一つ一つの公共事業は本当に必要なのか。
 先ほど川辺川ダムの話をいたしましたけれども、三十年以上たつと、当初の目的の三つが二つなくなって、一つだけになっちゃっているんですよ、治水だけに。農業用水も撤退をする。これは農水省がごまかして、いわゆる実在していない人たちも同意しているということで、福岡高裁まで行って負けたんです、農林水産省は。そして水資源についても、結果的にはJパワーが撤退するということで、時間がたてば環境が変わる。一つ一つの公共事業の見直しをするということが私は大事だと思います。
 ちょっと質問するつもりだったんですが、官房長官、来ていただきながら申しわけありませんでした。公益法人の問題、また別個、時間をつくってやらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○金子国務大臣 二十一年度見直しは水需要です。
○衛藤委員長 この際、大島敦君から関連質疑の申し出があります。仙谷由人君の持ち時間の範囲内でこれを許します。大島敦君。
○大島(敦)委員 民主党の大島です。
 前回も総理には質疑をさせていただきまして、きょうも三十分、前回の内容を踏まえて、何点か皆さんに質問をさせてください。
 まず第一、前回、与謝野大臣にも御質問させていただきましたとおり、経済の状況はさらに悪化していると考えています。前回がちょうど二週間前の二月五日でした。その後、地元の経済人の皆さんとお話をしていますと、今、三月の受注残が非常に少なくなっている。前回の話も繰り返しますけれども、十一月、十二月以降、受注というのが相当減ってきておりまして、会社によっては十二月に一五%、一月に五〇%減っているというお話で、今二月の時点で、昨年比で五〇%の受注を持っている会社は極めてまれなんです。五〇%を持っておれば非常にうらやましがられる会社でして、大体五〇%を切って、二月の時点でも昨年比で三割ぐらいしかなくて、三月も見えない状況の中で皆さん頑張っていらっしゃるんです。
 経営者の方、本当に御苦労されておりまして、今、本来であれば雇用調整助成金、今回は中小企業向けに中小企業緊急雇用安定助成金で手厚くはなっているんですけれども、なかなか今までの賃金、給与もそれほど高くお支払いしていないので、この雇用調整助成金を使ってある程度賃金を抑えると、今度は従業員の方の生活ができないので、そこのところは、経営者の方が頑張って、会社を三月までは動かそうとしているところもあったり、あるいは、本当に極端な会社ですと、稼働が週二日、ほか三日はずっと全部休みなわけですよ。もう一つが、大体が金曜日も休みの会社もふえてきているのが今の状況でして、相当、この二週間の間で改善しているかというと、御承知のとおり、まだまだ先が見えない中、皆さん御苦労されているのが今の実情なんです。
 きょうは社会保障ですから、まずここの、雇用がどうなるかの前に、雇用も踏まえて、中小企業の、あるいは中小・小規模企業の皆さんの資金繰りのお話も、この間、中川大臣に質問させていただいて、中川前大臣も、この間の答弁を聞いていますと、現状認識も、申し上げるなら、相当整ってきたのかなと。中小企業でも二つあって、一つの中小企業は、従来どおり、そんなに極端には落ちていないけれども、輸出産業の下請さんは相当落ちているので、二つあるのかなという答弁も、他党の質問に答えていらっしゃいました。その認識は本当に正しい認識だと思っております。
 そうすると、極端に今受注が、前回も鉱工業指数を使いながら与謝野大臣に質問させていただいたとおりの状況ですから、返済をやはりどうしても猶予してほしいという声が多いんですよ。このままほうっておくと、今は資金繰りがつかないですから、倒産が本当に今ふえてきているんです。
 これは銀行の皆さんにとってもメリットはあるかと思うんですよ。新しい運転資金を融資して新たに借り入れがふえた会社が多くなるよりも、今ほうっておくと資金繰りがつかなくなって倒産の危機にあるところを、返済を半年とか九カ月とか猶予してあげれば、今のこの状況をある程度しのいだ上に、この半年間、きのうですか、トヨタの記事もありました、五月以降はある程度増産するよということがありました。これが一次、二次、三次の下請に来るには、まだまだ、五月以降、八月、九月にならないと下まで回ってこないわけですよ。
 今、全国の輸出向けの会社の下請さんのこの状況を踏まえて、もう一度、私としては、去年十一月ですか、中小企業庁と金融庁が連携をとっていただいて、借りかえというんですか、リスケジューリングについては事故扱いしないというように金融のマニュアルを変えていただきました。そこでもう一つ踏み込んでいただいて、これは銀行にも、倒産するよりも、要は返済を猶予してあげるだけでも、ニューマネーはもういいよと言われるんですよ。それを、ぜひ金融庁そして中小企業庁にも一段の措置をお願いしたいと思うんですけれども、その点についてまず御答弁いただければなと思います。
○与謝野国務大臣 やはり金融は、こういう状況ですから、しゃくし定規なものではなく、企業の実態に応じた金融というものを考えなきゃいけない。そういう意味では、先生の御主張は、しばらく耐えれば生き残れる企業まで金融が詰まることによって倒れるというのは残念だ、こういう御主張だと思うんですが、その点は全く同感でございまして、金融庁として、できる限りのことを中小企業庁とも相談しながらやってまいりたいと考えております。
○二階国務大臣 ただいま与謝野大臣が御答弁なさったとおりでありますが、我々、常に、金融庁と中小企業庁、経済産業省は連携を密にして、一人でも助けられる人は助けたい、御迷惑をかけることのないようにしたい。何の罪もない中小企業の皆さんがこんな世界の流れの中で窮地に陥っておるというこの状況を救わなくてはならない。これは党派を超えて御協力をいただいて、しっかりした取り組みを行ってまいりたいと思っております。
○大島(敦)委員 ありがとうございました。
 ただいまの御答弁を聞いていらっしゃる中小・小規模企業の経営者の皆さんは、多分ほっとされたと思うんです。今本当に資金繰りで皆さん御苦労されていて、かつ従業員のために身を削っていらっしゃる経営者の方もいますし、あるいは、従業員の方も、快くその企業を助けるために一緒に耐えている方もいらっしゃいます。そういう具体的な話も聞いておりますので、ぜひ、今後の、要は支払いを猶予するということについてさらなる迅速な対応をお願いいたします。
 そうすると、その先なんですけれども、私は、前回も申し上げましたとおり、今回の景気については極めて深刻だと考えている人間です。麻生首相のこれまでの答弁として、日本の金融は大丈夫だからということも答弁されていたと思うんですが、今の認識は違うと思うんです。
 今、金融も相当傷んできているのが一つと、あと、今後景気が回復するかどうかというところ。一二・七%の落ち込みのうちの一二%が輸出に起因するとすれば、これは、二〇〇二年から二〇〇七年までの六年間に五十兆の輸出が八十兆にふえて、三十兆ふえたこの部分が瞬時になくなって、今ある。これからもう一回そこまで行くわけはないわけですから、これから輸出産業が伸びてきたとしても、これまでの半分、あるいはそれ以上行くというところもなかなか、半分は行くのかもしれない。だけれども、それが八割、九割まで迫るのは結構大変なのかなと思っているんです。
 ですから、そうすると、今後の経済の見通し、先ほど仙谷委員からもお話がございました、相当厳しい。この間も与謝野大臣とのこのやりとりの中で、需給ギャップについてのお話をさせていただいて、七―九については五兆円ぐらいというお話でした。私は、足元の実感値としては五倍の二十五兆円ぐらいかなとお話をさせていただいておりまして、今、恐らく需給ギャップとしては大体三十兆程度あるのかなと。そうすると、その三十兆をどうやって埋めていくのかなということもあるでしょうし、あるいは、予算についても、税収入が落ちてくればこの税収入を埋めるためにさらなる財政的な措置も必要なのかもしれないなということもあると思うんですよ。
 ですから、今後の見通し、きょうはテレビが入っておりますから、日本の国民の皆さん見ていらっしゃると思うので、景気の見通しについて、これから三年間は日本が一斉休業状態になるかなと僕は思っている、一斉休業。会社ですと受注がなくなると休業になりますから、要は三年間は、私たちの心構え、政治の心構えとしては、一斉休業に日本経済として入るのかなという危機感が必要だなと思うんですけれども、その点について御見解を伺わせてください。
    〔委員長退席、佐田委員長代理着席〕
○与謝野国務大臣 二つ我々は心配しなきゃならないわけでして、当面の経済をどうするかという問題と、先生言われた、景気回復後日本がどうやって生きていくのかという両方の問題がなければならないわけです。
 需給ギャップが幾らぐらいあるか、いろいろな説がありますけれども、内閣府の試算では、おおむね二十兆前後ではないだろうかというのが我々の試算でございます。これを全部公需で埋めることが適当かどうかというのはまた別の問題がありますが、いずれにしても、やはりこの経済の状況から立ち直るためには、一つは、先生が触れられた金融の問題をしっかりやるということと、もう一つは、やはり有効需要を民需であれ公需であれどうやってつくり出していくのか、この金融と需要の両面をしっかりやっていかなければならないと私は思っております。
 追加対策がどうかというような段階ではまだありませんけれども、各方面からいろいろな意見を大いに言っていただきたい、私はそのように思っております。
○大島(敦)委員 ありがとうございます。
 まだまだ我が国の底力というのはあるかと思うので、ただ、耐えなくちゃいけないところは耐えなくてはいけなくて、そのためにはセーフティーネットが必要であると思うんです。
 これまで舛添大臣にも何回か質問させていただいたとおり、今回雇用保険法の保険料率を下げるというのがまだありまして、雇用保険法のほかのところは、それほど我が党の意見からは大きくは離れていないわけですよ。もうそろそろ、ここの下げるという話は取り下げる時期に来ているのかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○舛添国務大臣 雇用を守るんだ、そのためのセーフティーネットで、今四兆九千億円ありますけれども、きちっとこの雇用保険の財源を確保する、これは必要です。
 ただ、三年間は休業状態だということであるんですけれども、需要を喚起していって、そしてやはり経済を活性化しないといけない。そうすると、新たな雇用を生み出す機能もやらないと、今の雇用を守ることはきちんとやります、その上で新たなる雇用を創出するということがないと、さらなる飛躍につながりません。
 そのためには、いつも申し上げますように、五百兆円というGDPの六割を占めます三百兆円が個人消費ですから、個人消費を活性化させるためには、国民の皆さんが保険料とか税金とかを払ったあとの可処分所得、これがふえる必要があります。ですから、例えば定額減税なんという話が出てくるのはそこを見ている。だから、保険料も一部負担を軽くいたしましょう、一年限りの〇・四%ということは、普通の御家庭で一万円安くなります、どうかこの一万円で地元の商店街ででもお買いになって需要を創出してくださいと。
 ですから、雇用を守るということと雇用を創出するということ、両方をバランスをとって考えたということでございますし、それからもう一つは、三年間仮に一斉休業状態になっても、今の四兆九千億円であれば、一年限りで、下げてもとに戻すわけですから、枯渇することはございません。どうか御安心ください。
○大島(敦)委員 なぜこういう発言をしているかというと、最近信用調査会社の皆さんとか話をすると、相当今危機的な状況だと。前回と比較してどうかというお話をすると、前回よりも悪かったという話が多いものですから。余り悲観的じゃいけないとは思う、それはもちろん、四、五年後に備えて、要は技術革新等、打つべきところは打っておく必要があると思う、しかしながら、雇用については、やはり皆さんに、大丈夫だよ、しっかりとしているというシグナルは送ってあげないといけないなと。
 私は、舛添大臣みずから景気対策に触れられることは、厚生労働大臣としては残念だなと思っているんです。やはり厚生労働省の大臣は社会保障ですよ。保険制度をつかさどっている役所なわけです。保険制度というのは、困っている方に対して困っていない方がお互いに助け合う非常に温かい制度なわけですよ。
 前回の不況のときにも、雇用保険法の料率については要は上げてきたわけです。経済が厳しくなる中でも雇用保険法の料率は上げてきたわけです。前回は、大体十年ぐらいかかってピークから枯渇して、それから徐々にはもう一回戻してきた。今回は、政府としても我が党としてもいろいろと対策を豊富に打ってくるものですから、前回よりも今積み上がっているこの金額が少なくなるおそれは多分にあると思うんですよ。
 ですから、厚生労働大臣としては、雇用保険の料率については下げないと言ってほしいか、あるいは触れてほしくないなと思っておりまして、その点につきまして麻生総理からも、雇用保険の料率についてもう一度、今の経済の状況を踏まえながら、保険制度として考えれば私は厚く持っておいた方がいいと思うものですから、その点についての御見解をお願いいたします。
○麻生内閣総理大臣 これは、ここに至るまでには随分議論がなされた結果、こういったことになりました。可処分所得一万円というところが大きな理由だったのが一つと、もう一つは、やはり今あそこにたしか五兆円ぐらい、四兆九千億、そういうものがありますので、これは仮に一年ということでやっておりますので、これがなくなっちゃうわけじゃありませんし、また、そういった意味では、御心配されるというのは同じような気持ちがみんなあるんですが、だからといってなくなるというわけではありませんので、一年限り少なくともこの一万円相当のものの可処分所得がふえるという形で、とにかく、目先、これはやらせていただきたいというのが最終的な結論になった経緯であります。
○大島(敦)委員 残念なんですけれども、多分、麻生総理が今回のこの計画を立てられたのは十一月から十二月にかけてだと思うんです。ここまで景気が落ち込むとは多分想定にない前提で考えられておりますから、今後の状況を見ながら、これから法案審議も始まるわけですから、ここの点については、要はやはり現行どおりかな、できるだけ保険機能については下げない方がいいかなと考えております。
 それで、今対策を打っているのは、昨年末からの雇いどめ、あるいは解雇、非正規労働の皆さんの対策でした。ただ、これは長くても半年間で終わってしまう。もう一つは、雇用保険に入っている方の失業等給付の期間が三百三十日まではある。私は、その後の準備をしなければいけないなと考えているんです。
 先ほどの一斉休業は最悪の場合というところを前提条件をつけさせていただいて、ただ、私たちとして、政治としては最悪の状況を見ながら政策を打つことが必要なのかなと思っておりまして、その後の対策として、私たちとしては法案として今徐々に固めてきているものがございます。
 例えば自営業の方でやむなく倒産をされた方、だれも救ってくれないわけですよ。あるいは、雇用保険に入っていたんだけれども、これからなかなか職場が見つかりにくい状況になってきますから、雇用保険が切れてしまった後どうするんだとか、いろいろと問題が出てくると思うので、その受け皿について、私たちの政党としては、倒産された方あるいは雇用保険の受給期間が過ぎてしまった方には、職業教育、能力開発をしてくれるんでしたら、それをバックアップするある程度の生活費というのは給付していこうじゃないかということを法案として今固めつつありまして、多分出すことになると思います。
 その点につきまして、舛添大臣の先ほどの御答弁を伺っていると、今の保険制度の中でも十分できるんだよという答弁だったかと思うんですけれども、その点についての御見解を伺わせてください。
○舛添国務大臣 まずは雇用保険のセーフティーネットをしっかりやる、拡充する、一年というのを六カ月にする、給付も六十日延ばす。
 さらに、先ほど、たしか福島委員にお答えしたんだと思いますけれども、雇用保険でカバーできない人のため、まさに今おっしゃったように、生活支援の給付をやる、職業訓練をお助けする。そのときに、例えば年収要件で、年収が余り高くない方については返還免除制度をやるというような形ですから、恐らく、委員及び民主党の皆さん方がお考えになっている案は、直接まだ存じ上げませんけれども、方向性は基本的に同じだろうというふうに思っております。
○大島(敦)委員 申しわけないんですけれども、今政府が出されている政策というのは今の雇用保険の中での議論でして、今舛添大臣がおっしゃった貸付制度にしても、対象人数としては、私が伺っておるところですと四千人ぐらいと聞いておりまして、予算規模も十三億円だったかな、そんなに多くない金額なんです。それはもちろん、要は、職業訓練を受ける延長給付というのがありますから、工夫すれば出せるかとは思うんですけれども、こぼれるところが圧倒的に多いわけですよ。
 この間、与謝野大臣は、経済の底が抜けるというお話をしていました。今後、私は、社会の底が抜けるおそれがあるのかなと思っているんです。ですから、そこはしっかりと私たちが支えていかないといけないのかなと考えておりまして、私たちとしては、要は職業能力、これは結構大切な能力なんです。会社の中で、報告、連絡、相談も含めて、チームワークで仕事ができる能力というのをしっかり維持しながら向上させていくということをしっかりとやっていきたいなと。
 そのために私たちとしては法律をつくり、そして今、対象として、給付の期限が過ぎた方あるいは倒産された方、その方には、三年間で、一日五千円を七百三十日、月当たり十万円ぐらいは出していこうかなということを考えているんです。そういう大きなセーフティーネット、要は、雇用保険があって、その下にすぐに生活保護に行くのではなくて、この中間の大きなセーフティーネットが必要だというのが私たち民主党の考え方なんです。
 麻生首相も、こういうアイデアがいいかなと思うかどうかについて、このような考え方について御答弁をお願いいたします。
    〔佐田委員長代理退席、委員長着席〕
○麻生内閣総理大臣 今、職種がいろいろ変わっていきます。新しい仕事というものが、いろいろな形で雇用を考えたときに、職種がどんどん変わっていく。そういったときに当たって、職業訓練というものは物すごく大事なものだと思っております。これがないと、受け入れる方もゼロから教育するということを考えますとなかなか、ということになろうと存じますので、今言われた職業訓練を含めたいろいろな形で支援というのは、すごく大事な観点だと存じます。
○大島(敦)委員 ありがとうございます。
 今後の議論の中でぜひ、さまざまな識者の皆さんが、第二のセーフティーネットが必要だという議論が昨今非常にふえてきております。ですから、それにいち早くこたえていきたいなと考えておりまして、このような法案を出させていただきます。受けた給付はほとんどが消費に回るわけですから、多分、悪くないかなと思うんですよ。あとは、モラルハザードだけは気をつけて、この仕組みをしっかりと構築していきたいなと考えております。
 それで、きょうは総務大臣にも来ていただいておりまして、総務大臣の方に質問通告させていただいているのは、自治体の皆さんが一番興味を持っている点は、今回、各自治体に交付税として五千億円、雇用の目的で使ってくれよというお話があると思うんです。自治体も非常に今厳しいものですから、交付税ですから、交付金ですとこの目的のために使わなければいけません、交付税の方は自治体が受け取ると何にでも使えますから、そこに縛りはないわけですよ。国として雇用に使ってくれと言っても、今の自治体の財政状況を考えると、なかなか財源の穴埋め等に使いたいなという声も多いかと思うんですけれども、その点についての御答弁をお願いいたします。
○鳩山国務大臣 先生おっしゃるとおり、交付金ではなくて交付税でございますから、基本的には地方が使うのは自由なのでございます。
 地方交付税がずっと減ってきた、このいきさつは御存じですけれども、ずっと減ってきましたが、平成二十年度でちょっとふえたわけですね。ですから、二十一年度がどうなるかなというのは、みんな地方の方は興味があった。ところが、これだけの国税五税の減収がありますので、どうやっても六千億ぐらいはマイナスになってしまうというところで、総理から一兆円特別枠を増すぞというので、プラス四千百億円地方交付税がふえた。そのうちの五千億を地域雇用創出推進費といって、これは二年間、五千億ずつなんですが、自由ではありますが雇用に使ってくださいというお金で、都道府県が二千五百億、市町村が二千五百億。
 都道府県に配るときは、有効求人倍率の調子の悪いところに多く、市町村は有効求人倍率という概念、統計がありませんから、市町村は一次産業に多く従事しているところ、要するに、農業、林業関係が多いと多目のお金が行くというようなことで、これでとにかく大体十万人ぐらいの雇用が生まれるといいと期待をいたしております。これは、五千億を全部給料みたいなのに充てれば、それは二十五万人ぐらいでしょうけれども、そうはいかないと思いますので、大体十万人ぐらい雇用がふえればという計画でやっております。
○大島(敦)委員 総務大臣としては御苦労のある答弁だと思っておりまして、自治体としては、やはり交付税ですから自由に使えると思いますので、その点については、雇用の目的といっても、さまざまな雇用に関することに使ってほしいなという思いがあります。
 麻生総理に、最後に一問だけ伺わせてください。
 私たち議員というのは、頼まれると嫌と言えない方が多いと思うんです。きょうの毎日新聞に麻生総理の秘書の話が出ておりまして、皆さん御心配されている方が多いかなと考えておりまして、その点について、総理の御見解を伺わせてください。
○麻生内閣総理大臣 秘書官に事実を確認したところ、あの報道されている内容は、そのとおりであります。大学入試に際しての便宜のお願いや金銭の授受はないということで、進学の相談を受けて、もとの審議官に文書で紹介したということであります。
 しかし、世の中から疑惑を持たれることということになりかねない、ようにするためには、秘書官に厳重に注意したところであります。
○大島(敦)委員 ありがとうございました。
○衛藤委員長 この際、馬淵澄夫君から関連質疑の申し出があります。仙谷由人君の持ち時間の範囲内でこれを許します。馬淵澄夫君。
○馬淵委員 民主党の馬淵でございます。
 本日、社会保障等に関する集中審議ということで、質疑の機会をいただきました。
 我が国は、ただでさえ世界に類を見ない少子高齢化社会が進んでおります。その上、未曾有の経済危機ということで、社会保障費の財源、この捻出に関しては大変困難な状況にある、このように思っております。
 経済の活性化並びにこうした財源の確保をどのようにしていくか、これは非常に重要な問題でありますが、私は、そのためにも、公共事業、社会資本整備、中でも道路予算などの適切な配分というものが必要ではないのか、このことを昨年来より訴えてまいりました。この当予算委員会でも道路問題を取り上げてまいりましたが、社会資本整備自体は、これは必要なものであります。
 私は、決して、単に必要な道路を削減せよと言っているのではありません。しかしながら、重要なことは、この社会資本の効用を十分に発揮させることであり、そして、こうした社会資本を国民の利益として十分に活用させること、還元させること、これが肝要である、このように考えております。
 その意味で、私自身は、高速道路というのは極めて国民にとって重要なインフラであるということは間違いがない、このように思っておりまして、民主党はかねてより、高速道路の無料化、この政策を訴えてまいりました。
 政府の、高速道路の割引施策についてお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。
 平成十九年十二月七日、政府・与党合意が発表されまして、その中で、これは、高速道路の債務承継のために十年間で二兆五千億円の支出が決定されました。そしてさらに、麻生政権では、生活対策ということで二年間で五千億円の支出。合わせて十年間で三兆円でございます。大変大きな額でありますが、大ざっぱに言えば年間三千億円。これらが、高速道路割引によって生じる債務の承継、償還ですね、肩がわり、借金返済に充てられるということになります。
 そこで、今回の生活対策、非常に複雑な料金体系になっているようであります。高速道路の割引施策、土日のETC搭載の普通車については千円を上限とするなどなどですが、複雑な料金体系でこの割引施策、これは国交大臣に端的にお答えいただきたいと思うんですが、通行するすべての車、全車に押しなべて、一体何割引きに相当することなんでしょうか。これは端的にお答えいただけますでしょうか。
○金子国務大臣 端的にお答えいたします。
 民営化のときに平均一割、政府・与党合意に基づく、今御指摘ありました十年間の分で平均一割、生活対策で平均一割、合計で押しなべて三割であります。
○馬淵委員 この生活対策で高速道路の割引施策、これは、高速道路全体、全車、通行する車を押しなべて見ると三割引きだ、こういうことをざっと今お答えをいただきました。
 さて、十年間で三兆円もの拠出をするわけでありますから、当然ながら、この効果の検証というのはもう十分しておられるんだと思いますが、これにつきましても、国土交通大臣、端的にお願いいたします。これに対しての十分な検証というのはなされていますでしょうか、国土交通大臣。
○金子国務大臣 各道路会社に数字をまとめていただきまして、予測を出してもらいました結果であります。
 その結果、今回、めり張りをつけさせていただきまして、日曜日、土曜日、祝日はどこまで行っても千円、平日は、昼間三割、夜間五割引き、これは物流コストの削減を目的とする。以上、対策をとりまして、一方で大事なことは、四十五年の高速道路の償還財源、四十兆、これは四十五年できちんと返済していただくという枠組みの中で実施をさせていただいております。
○馬淵委員 十分な効果の検討をどれほどされているのか、今の答弁でははっきりわからないんですが。
 ここに、国土交通省の研究機関でございます国土交通省国土技術政策総合研究所、これは通称国総研と呼ばれるんですが、国総研の道路研究部道路研究室の報告書があります。これは平成二十年三月に財団法人計量計画研究所から国総研へ提出されたものでございまして、その表題は、平成十九年度高速道路料金割引社会実験効果推計調査検討業務報告書と、大変長いものでありますが、この報告書が平成二十年、昨年三月に出されております。
 この報告書、約六千万かけて発注されております。この報告書はどのような目的で発注されたんでしょうか。これも国交大臣に端的にお答えいただけますでしょうか。
○金子国務大臣 報告書の目的でありますが、平成十九年度に料金の社会実験が実施されたことを契機に、国総研が研究活動の一環として行われたものと理解をしております。
 この報告書では、高速道路の料金引き下げについて、様々な効果分析の方法を研究することを目的に、全国一律で均一の割引を行った場合、仮に、道路整備事業で用いる、走行時間の短縮、走行経費の減少、交通事故の減少の三便益で算出するとどうなるのか、あるいは、時間帯にめり張りをつけて実施した社会実験の効果というのはどうなのかということを検討しております。
○馬淵委員 今、大臣から御説明をいただきました。この報告書の目的でありますが、わかりやすく言えば、全国の幹線道路網、全国に高速道路がございます、これらを対象として、料金が割引された場合にどのような形で効果があらわれるのかということを路線別、地域別で検討、推計したものであります。例えば、一般道路から高速道路に交通量がどれぐらい転換するのか、あるいは費用便益がどうなるのか、またCO2の削減効果はどうなるのかということを全国を網羅してやられたものです。
 中を見ますと、非常に大部でございますが、重要な検討を行っておられます。この中で、ケースの設定がされています。全国一律三割引きケース、そしてもう一つが全国一律五割引きケースと、二つのケースについて設定をして、料金割引したときにどのような渋滞状況が起きるのだろうか、こういったものもすべてここに網羅されています。こうしてこの報告書の中を見ますと、料金三割引き、五割引きのケース、これらについてどのような効果が得られるかということについて載っております。
 お手元の資料をごらんいただきたいと思います。一番の資料でございます。これはいわゆる便益ですね。三割引き、五割引きでどのような効果があらわれるかということについて、皆さん方にお示しをするものであります。これはちょっと見にくいかもしれませんが、こうしたものを資料としてお配りしております。
 三割引き、五割引き、これを見ればわかりますが、三割引きで五千二百億の効果があらわれている、そういう推計です。そして、五割引きであれば一兆二百億円の便益、効果ですね、これが得られる、このようにしております。
 今回の高速道路料金の割引の施策、先ほど金子大臣から三割引きだ、このようにおっしゃっておられました。すなわち、ケースでいえばこの三割引き、五千二百億の便益が得られる、経済効果が得られるということに相当することになります。
 この報告書には、三割引き、五割引きという二ケースですが、十割引き、いわゆる無料ですね、十割引くということはゼロですから。無料化した場合の便益試算というのは行っておられません。しかしながら、実は全国には、有料道路や高速道路が既に無料化されたというところが実在いたします。
 これは、お手元の資料をごらんいただきたいと思うんですが、例えば山陰道、湖西道あるいは日本海沿岸東北道、こういったところが、一部有料あるいは無料というのが連続しているところを無料化した、こうした道路がございます。
 こうした道路を見ますと、無料化区間での交通量の増加というのは極めて端的な数値として出ております。最大で山陰道の二二四%増が実績なんですね。つまり三倍以上です。さらに、小さいものでも三一%増。これは静岡の四バイパスなんですが、このように、無料化によって交通量が増大するということは、これは事実が証明をしております。
 この交通量と便益が高い相関関係にございます。そして、実際に無料化された道路では交通量がふえているということは、便益がふえるということをあらわしています。そして、この報告書の三割引き、五割引きの結果から、仮に、これが三割引き、五割引きの結果でございますが、単純に計算をしてみるとどうなるか。これはちょっとパネルで用意しました。十割引きの計算。これは、これも細かな計算はしません。線形でしております。試算で、十割引きにすれば二兆三千億近い便益が得られるということになります。
 そこで、お尋ねをしたいんですが、この国総研の報告書、この報告書から予測されることは、少なくとも、高速道路の無料化というのは国に二兆三千億円の便益をもたらすということが想定される。その上、高速道路の利用者、これは年間およそ二兆五千億の料金を通行料金に支払っておられます。したがいまして、これを払わずに済む。合わせて四兆八千億の、五兆円規模の経済効果が生まれることを意味いたします。
 十割引き、すなわち無料化、これを実施すれば、これほどの国民利益、国民がつまり経済効果を得られるということについて、総理はどのようにお考えになられますでしょうか。これは麻生総理にぜひお答えいただきたいと思います。
○衛藤委員長 まず、簡単に交通大臣から。
○金子国務大臣 簡単にやります。
 委員のアプローチは一つのアプローチだと思うんですが、この国総研の計算、先ほど御説明しましたように、費用便益、つまり、走行時間がどのくらい短縮するかとか走行経費がどのくらい減るか、一般道がどの程度すくか、そういう想定なんですよ。高速道路がその結果として渋滞するという可能性だってあるわけです。
 したがって、むしろ我々が御提案をさせていただいているのは、乗った方が料金が引き下げになるわけですよ。ここは、このアプローチ、乗った方がどの程度の便益を受けるか。
 先ほど、経済効果がよくわからないとおっしゃいましたけれども、休日、祝日に千円ということによって、観光に使っていただく効果というのが、七千億の効果が出ているということも理解していただきたいと思います。
○麻生内閣総理大臣 基本的には、ただにすれば効果は出ますよ。それは当然でしょう。それを改めて聞かれると、わかっとるのかという意味で聞いておられるのかなと思いますけれども、ただにすれば乗られる方もふえる、私は当然のことだと存じます。
 ただ、その場合は、今までのつくられた方々というものが、正直申し上げて、これは借金の返済というものに充てておるわけですから、そういったところの分は、今の言われた効果はありますけれども、便宜を受ける方と受けない方ということを考えたときには、そこは明らかに公平性を欠くという話がまた別に出てくると存じます。
○馬淵委員 金子大臣も、そして麻生総理も間違っておられるのは、渋滞をする部分も含めて、渋滞をすれば当然ながらそこには便益が下がるんですよ、それらも含めてトータルで便益が出るんですよ。得する方がいらっしゃるけれども損する方もいらっしゃるという話じゃないんです。それすべてあわせて便益が出ることがここで明らかになっているんです。このことを理解されないでお答えいただくのは、ちょっとこれは問題だと思うんです。
 総理、このメリットというのを、つまり無料化のメリットということについて、明確にこの国総研の報告書からは予測されるわけですよ。この国総研の報告書が言っていることは、三割引き、五割引きで間違いなく便益が出る、十分に。渋滞が起きる箇所もあるかもしれない、これは出ています。報告書の中に明確に渋滞が起きる箇所も出ています。それによって走行便益が落ちます。しかし、全国の高速道路網、幹線道路網の総トータルの便益でいうと、これだけの効果が出ると出ているんです。このように、高速道路の三割引き、五割引きよりもはるかに、十割引き、こうしたものが効果が出るということが国総研のこの資料から予測されます。
 その上で、例えば無料化においては、当然ながらに十分な利益が得られる部分があります。それは何か。
 単に高速道路利用者の負担が減るというだけではありません。地域間の格差あるいは地域の活性化も含めて、さらには、当然ながら、これは物流コストが下がりますよ。物の値段も下がります。こうした値段が下がる、物流コストが下がることによって、経済効果ははるかに大きい。この三割、五割という計算をしていく中で、十割引きというのがどれほどの効果があるかということは検証の中で十分予測されるはずなんです。
 総理、何度も申し上げますが、全国の幹線道路網すべてをリンクして、そして予測した結果が、便益が出ると出ているんですよ。この検証をもとに十割引きの検証、これは十分行うべきじゃないんでしょうか。総理、どのようにお考えになられますか。
○麻生内閣総理大臣 いいところだけとればそういうことになろうと存じます。
 ちょっと別の分も、負担の分も考えていただかぬと。
○馬淵委員 私が申し上げているのは、無料化による効用というのがこれだけ大きく出る、少なくとも三割、五割という検討の中で、効用が出るということが国総研の報告書に出ているわけです。
 今、三割引きをやろうとされているわけですよ。十年間で三兆円のお金をかけて、三割引きをやろうとしているんです。そして先ほど、三割引きですから五千二百億の効用があるということですよ。だから、これは十分に効用の部分についてはあるんだという御判断でしょう。しかし、これを無料化することによって、少なくともこの試算だけでも二兆三千億、これに相当する利益が出る、少なくとも便益があると算定されるわけです。
 さて、こうした国総研の計量計画研究所に発注した報告書、これを見ますと、さらにどうも不自然な記載が多々見られます。
 これは資料の四をごらんください。これはパネルがございます。この資料の四のパネルをごらんいただきますと、割引による走行時間費用、つまり、どれだけこの割引によって走行時間が減るかを示したグラフです。七つの路線について走行時間が大きく減ると言っています。低減効果が高くなっていると示されています。
 しかし、高いとされる七路線のうち四路線、東富士五湖道、延岡南道、米沢南陽道、湯沢横手道、この四路線については、これをごらんいただけばわかりますけれども、決して高くないんですね。どう見ても、これはその他のところの方が高く出ています。例えば、真鶴一期道路あるいは第二神明道路といったところなんですが、これは高く出ています。
 そして、これは通常のミスとはなかなか考えにくいんですが、このような不自然な記載というのは、このページだけにとどまりません。
 パネルの五、資料の五をごらんください。ここでも、これはCO2の排出量の低減率について示したページです。これは三路線ございます。安房峠、箱根新道、東富士五湖道とあります。この三路線が高くなっていると出ていますが、実は、どう見ても、これも東富士五湖道は高くないんです。なぜこのような記載がなされているのか、これも不思議だ、この報告書を見て私は思ったものです。
 これは金子大臣で結構ですが、この報告書、これはどう見てもおかしいと思うんですが、なぜこのような結果が出ているのか、おわかりになりますでしょうか。
○金子国務大臣 それは、もう少し、事前にちょっと要求してくださいよ。この路線を見せられて今なぜだと言われても、個別箇所ですから。
 それよりも申し上げたいのは、委員がさっきからおっしゃっているのは、国総研の部分は、走行時間の短縮それから燃料費、これだけを主に、費用便益だけで判断されるというのは、これは評価するのはおかしいんだと思いますよ。むしろ、料金引き下げというのは、観光旅行がふえる、物流が効率化されるなどの全体の経済効果で評価する必要があると思います。
○馬淵委員 これは、先ほど来申し上げているように、走行便益というのは最も費用対効果の中で大きいんです。その便益を算出した、これは推測の計算結果なんですよ。これを否定されるのは全くおかしな話なんです。
 今お話で、なぜそのようになっているかわからないとお話しされました。私もこれは不思議だなと思ったんです。
 そこで、この資料について私も丹念によく見てみましたが、この資料、これは国総研から入手をいたしました。もう一つ、同じ書類名の資料がございます。この国総研の報告書とこれと違う点は、グラフの線がこれは一本多いんですね。
 どういうことかというと、この一本多い線というのは、これは十割引きの検討を行っておられるんですよ。この十割引きというのは、つまり無料化じゃないですか。無料化の検証を行っておられるんですよ。なるほど、それを見れば納得もいきます。この十割引きの検証のグラフを私も見てみました。それを見ますと、現実に十割引きの線というのが高く出ているんですよ。だから、恐らく、十割引き検討というのをされて、そして消し忘れたのか何か知りませんが、十割引きの検討をしたけれども報告書には載せなかったんでしょうね。
 この報告書に載せなかった理由、これは、さらにこの内容を丹念に精査していくと一目瞭然でした。
 つまり、先ほど私は、試算で、二兆三千億ほどの試算結果として便益が出る、大変国民に利益、国民にとっての経済効果は高いということを申し上げた。この検証結果を見ると、二兆七千億と出ているんですよ。つまり、十割引きの検証を行って、二兆七千億もの便益が出ているとはっきりわかって、そして、二兆七千億の便益が出るこの結果を、これは隠ぺいなのか削除なのかわかりません、このような形で出されている。
 これは、私からすれば、この十割引き、無料の試算を行っていたにもかかわらず、表に出さずに、実は三割引きという高速道路の割引施策を実行しようとしている、これは大変私は不思議でしようがないんです。
 総理、十割引きのこうした試算、実際にやられているわけですよ。これはぜひ、総理、実際に検討すべきじゃないかとお考えになられませんか。どうですか。総理、いかがですか。
○麻生内閣総理大臣 十割引きにすれば効果が上がるというのは、それは先ほどお答えしたとおりです。効果は上がります。
 しかし、これまで、道路公団を民営化して、そこの借入金の返済から何からを道路を使っていない方々の税金で賄うことになるというのは、公益性の面からいっても公平性の面からいっても多々問題があるのではないかということを基本的に申し上げているのであります。そういうことを申し上げて、我々としては考えたというのがこれまでの経過だと存じます。少なくともけたが全然違います、それは。
○馬淵委員 いや、総理、何度も申し上げているように、この効果全体としては、便益が二兆七千億も出るんですよ。少なくとも国土交通省はそういった把握をしているんです。国民が負担している二兆五千億、合わせて五兆二千億ですよ。これだけの効果があるんです。これだけの効果があるにもかかわらず、今それを表に出さずにおられる。
 私が申し上げているのは、こうした検証をやっているのに、なぜ表に出さないんですか。だから、総理、私が申し上げているのは、堂々とやったらいいじゃないですか。結局、総理は、民主党の政策だからこれには乗れない、三割引き、中途半端な案を出しているということになりませんか。
 総理、今、何にも増して、困窮した国民に対して経済政策が求められているんじゃないですか。今この無料化法案をもし実現すれば、目の前で即座に実行して、五兆二千億の効用が得られる可能性があるんですよ。少なくとも国土交通省はそうした試算を行っているんです。総理、いかがですか。なぜこれをやらないんでしょうか。
 総理、総理ですよ。これは麻生政権の、生活対策という最も重要な政策の一つじゃないですか。国土交通省じゃありません。総理、これはしっかりと公にして議論すべきです。総理、答えてください。
○衛藤委員長 まず、担当大臣の国土交通大臣の答弁。その後、内閣総理大臣。
○金子国務大臣 あくまでもこれは試算でありまして、表には、私のところにも今の十割の試算は来ておりません。これははっきりしております。
 それから、すべて税金で賄うのであれば、高速道路利用者から全国民に負担をつけかえるということにすぎないということは、総理が言われたとおりであります。
○麻生内閣総理大臣 その資料が隠されていたというのが問題だと言っておられるんですか。私どもは、少なくともそれを見た、資料を見たことは私はないので、お答えのしようがありません。それがまず正直なところですよ。
 これは隠されていた隠されていないという話じゃなくて、私どもは、少なくともただにすれば効果がある、それは馬淵先生、だれでもわかりますって。しかし、問題は、それの借金の返済等々は全然考えておられない話というのはいかがなものか、常識的にそういうぐあいな考えが出てくる。そこのところは全然考えないで、安くすればいいんじゃないかと言われても、なかなか、預かっている立場としては、とても乗れる話ではないと存じます。
○馬淵委員 麻生総理、無料にすれば得をする、そういう計算じゃないんですよ、これは。昨年もやってきたんですよ。便益というのは、トータルでこれが効用があるという、効果をお金に換算した数値なんですよ。そして、この二兆七千億、少なくとも国交省は想定しているわけです。計算されています。
 だから、私が申し上げているのは、この二兆七千億分の効果がある施策、十分検証に乗るじゃないですか。今既に、三割、五千二百億の効果があると思われる施策に対して、三兆円突っ込んでいるんですよ。ならば、これも同様です。国民負担をどのような形にするか。(発言する者あり)今、単に受益者だと言っていますけれども、これは結局は高速道路利用者以外も広くその効果を受けるわけです。
 したがいまして、この高速道路無料化に関しては、今、国土交通省、国総研で議論されている中身について公に出していただきたいということを、最後に総理、これをお答えいただけますでしょうか。
○麻生内閣総理大臣 三兆円の話は十年の話だと思いますが、この話は、ただにするといったら一年間で二兆、全然けたの違う話だと存じます。
 先ほどの資料につきましては、国交大臣の方で検討させます。
○衛藤委員長 これにて仙谷由人君、前原誠司君、大島敦君、馬淵澄夫君の質疑は終了いたしました。
 次に、高橋千鶴子君。
○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 今、全国各地で医師不足と地域医療の崩壊が叫ばれております。その中で、自治体病院は一千以上を超え、全国の病院の一割、しかし僻地医療でいうと七割以上を占めるなど、地域医療にとって欠くことのできない存在であります。
 そこで、まず最初に、よく御存じの経済財政改革の基本方針二〇〇七、これは骨太方針ですけれども、ここに、公立病院改革、「総務省は、平成十九年内に各自治体に対しガイドラインを示し、経営指標に関する数値目標を設定した改革プランを策定するよう促す。」このように決められました。
 経営指標に関する数値目標、この骨太方針に基づいて、総務省が一昨年、公立病院改革ガイドラインを作成し、ことし三月までに、全国の自治体病院の開設者に対し、経営の効率化や病院の再編統合などを盛り込んだ改革プラン作成を求めております。
 そこで伺いますが、ガイドラインの究極の目的は、採算ありき、あるいは官から民ありきではなくて、地方において必要な医療提供体制を確保するということではないでしょうか、総理。
○麻生内閣総理大臣 これは、高橋先生、ガイドラインの中にも書いてあると存じます。改革の究極の目的は、公立病院、民間の病院の適切な役割分担のもと、地域において必要な医療提供体制の確保を図ることであると明示してあると思いますので、損益だけとかいうだけの話ではないというように理解をいたしております。
○高橋委員 ありがとうございます。
 損益だけではなく、地域において必要な医療提供体制の確保を図るのだということを総理がおっしゃっていただいたと思うんです。
 それが今どうなっているかということを少し議論していきたいと思うんですけれども、この問題を考える際に、最も象徴的な岩手県の例でいいますけれども、岩手県は二十七の県立病院そして診療所を持っております。これはなぜかといいますと、医師密度、これを見ていただきたいと思うんですが、一平方キロ当たりの医師数が北海道に次いで低く、〇・一七人という、非常にハンディキャップを持っております。
 そこで、医療圏域別に見ますと、圏域の中の県立病院の割合がこのように一〇〇%に達している、県北と気仙地区というんですが。こういうような状況があるわけです。
 その背景には、さまざま歴史的なものがございまして、県一つで四国に匹敵するような面積がございます。入り組んだ海岸線、山間部。昭和の初期、無医村が多く、医者の戸口にたどり着くのに四十八時間もかかっていた。そういう中から、住民がみずから出資をし、共同で医療施設の運営が始まり、県農業会から厚生連、そうしたさまざまな経過を経て、最終的には国の政策的関与によって県立病院となりました。県下にあまねく医療の均てんを、これが県立病院の精神でありますが、県立病院だからこそ、不採算あるいはそういう医療の中でも持ちこたえてきたというものがあると思うんですね。
 鳩山大臣、そういう公立病院の役割について認識はあるのか。地理的な条件、経済的な条件が違う、それでも、それぞれそういう病院に対してどういうふうに考慮をしたのか、伺います。
○鳩山国務大臣 公立病院は、多分全国で千を超えるかと思います。今の岩手県のお話ですが、県立病院だけで二十二を数えると承っております。
 私は、いつもここで答弁しておりますが、公立病院というものは不採算であってもやらなければならない、地域医療のためにどうしても必要だ。やはり民間の一般の私立の病院は、それはどうしたって利益が出るところに集中するわけですから。そういう公立病院の特殊な性格というものを考えて、これをきちんと助けていかなければならないというふうに考えております。
○高橋委員 そこでですが、例えば、岩手県がこの二月に、五つの診療所と一病院を無床化する計画を決めました。〇四年の県立病院改革プラン、これは前増田総務大臣、前知事がつくったもので、国のガイドラインのモデルにしたいということを国会でも答弁されているわけですが、そのプランによって、病院から有床の、十九床の診療所に移行したばかりのところなんですね。約束が違うという声が上がっています。しかも、十一月に発表されて四月にはもう実施する、余りにも拙速じゃないかと。県議会でも無床化計画撤回を求める請願が採択されている。それでも県はやると言っているわけなんです。
 一方、宮城県の登米市、これは九町が〇五年四月に合併をしました。合併協議会の中では、現行の医療提供体制の確保が確認をされていたんですね。これも急展開で、九町から引き継いだ五病院二診療所から、昨年四月に一つが無床化され、二〇一一年にはさらに二病院を無床化する、六百八十五床から半分以上減らした三百二十七床にする。改革プランを見ますと、ガイドラインに明示された数値を用いて、三年間で黒字にする、七年間で不良債務をすべて解消すると書いてあります。ちょっと無理じゃないですか、でもガイドラインにそう書いてある、これが自治体の認識なんです。
 自治体がガイドラインを忠実に受けとめ、急激な病床削減、あるいは経営的にも無理な計画になっているのではないか。この点、いかがですか。
○鳩山国務大臣 先ほど申し上げたような公立病院の存在意義、価値というものを十分認めながらも、やはり自治体の財政というものを考えますと、ガイドラインというものをつくらせていただいて、それぞれ公立病院の改革プランをつくっていただくというふうにお願いをしてきたわけでございます。
 このガイドラインはいわば指針であって、実際の改革プランは、立地条件等、全然それぞれの公立病院の条件が違いますから、それは個性豊かに改革プランはつくっていただきたいと思っておりますが、経常収支比率をいずれ一〇〇%以上に三年間ぐらいでしてもらう、しかし、この一〇〇%というのは、収支とんとんということは、当然、一般会計からの繰り出しを得て一〇〇%になればいいわけでございます。
 そういう意味で申し上げれば、来年度予算も、地方交付税の措置を七百億もふやして三千六百億以上の、これはいわば基準財政需要に積んだわけでございますので、地方の一般会計から病院会計への繰り出しというのはよりふえていく方向になると思っております。
 ただ、中核的ないい病院ができるならば、ばらばらと老朽化した公立病院が散らばっているよりもいいというような考え方をとりまして、その場合に、合計すると、つまり、周りの四つの病院を古いからといって真ん中の方に建て直した、大きなものを建てたけれども、結果として病床が減ってしまったというような例もあるようでございまして、これが地域医療に響くと、それはよくないなというふうには思っております。
○高橋委員 ちょっと大臣、答弁、先を急がないで、全部言わないで。
 一つ、まず確認をしたいのは、今は指針であってとおっしゃいました。ですから、ガイドラインは義務ではないわけですね。自治体は義務だと受けとめているけれども、そうではないということをまず確認したいと思います。
○鳩山国務大臣 これは確かに指針でございますが、この間も定額給付金のときにここで随分議論になりましたが、これは地方自治法上は技術的な助言というものに当たります。単なる指針でございます。
○高橋委員 このことをはっきりさせたかったわけであります。
 次に、先ほど、今ばらばらととか、さまざまおっしゃいましたけれども、何が起こっているか、具体的にお話ししたいと思います。
 昨年四月からベッドがなくなった登米病院、これは当時四十六人が入院をしておりました。自宅に戻り死亡した方、病院を転々とし、救急車で多くの病院に運ばれ、結局亡くなった方など、深刻な事態が起きています。介護に行くということもあったけれども、経済的に無理なので自宅にとどまった。関係者が、あの方が退院すればどうなるかということを心配した、そのとおりになっちゃった。
 ですから、今、例えば千葉の銚子市立総合病院の突然の閉鎖も、マスコミで大注目されています。そういうことが現実に起こっていることを把握していますか。これでいいでしょうか。
○鳩山国務大臣 公立病院の問題は、先ほどから申し上げておりますように、僻地の医療もやらなければならない、周産期医療等、採算性が低いものもやらなければならないという公的な使命を帯びておるわけでございますから、役割は大変重要だと思っておりますが、実際、そこにも医師不足の深刻化の問題というのがございます。そして、地方財政の悪化で、一般会計からの繰り出しが思うようにならないというような点もございます。
 したがいまして、医師不足の問題の解決はそう簡単ではないかもしれませんけれども、地方財政についても、これが少しでもいい方向に行くように考えていく中で、公立病院に関する地方交付税措置増額はいたしておりますけれども、銚子の例もありますが、ある地域から病院が消えた、ある地域からベッドが消えたというふうにならないように、総務省としては全力で頑張っていきたいと思っております。
○高橋委員 ならないようにという点では、もう少し具体的な実態も調査をしていただいて、具体的な手当てをとっていただきたいと思うんです。
 それで、今おっしゃったように、医師不足、深刻であります。そこで、さっき大臣が少しおっしゃったように、再編、ネットワークということをどこでも考えているわけです。今紹介している登米市でも、中核病院に当たる佐沼病院というところが、そこに一定集約をすることになります。
 院長先生が、合併協議会のときにこんなことをおっしゃっていたんです。九町の、合併する前の町立の病院が、これ全部で一つの病院なんだ、機能分担をいろいろしていけば、住民に不満を与えず医療の質もアップできる、できるだけ一つの科に複数の医師を配置し、学会出席や休みもとれるだろう、医師も集まってくるだろう、そうおっしゃっていました。私は、その考え方は理解できるし、本来そうあるべきだと思うんです。
 ところが、現実はどうでしょうか。ベッドをなくしたことで、そもそも診療所に来る患者が減りました。なぜか。何かあったときに入院させてもらえないから、最初からベッドがある病院に行くんです。患者はそういうふうになります。では、医師の集約はどうでしょうか。宿直や業務に耐える自信がない、そういって、移る医師がなかったんです。
 ですから、病院から有床診療所へ、無床へ、そうしていずれ診療所もなくなる、地域医療に穴をあける、そういう危機感はありますか。
○鳩山国務大臣 今のような質問の内容になりますと、舛添厚生労働大臣がお答えになる方が実は的確ではないかと思いますが、総務省としては、そういうことにならないように、先ほどから申し上げておりますように、必要な地域医療がきちんとできるように、病院が消えたりベッドが消えたり、そして行くところがないということになったり、あるいは、要するに、ベッドがなくなった、診療所になったから全く人が来なくなって、余計経営が悪化してついに廃止に追い込まれるとか、そういうことがないように、地方財政とか地方行政という形でアドバイスをしたり、あるいは地方交付税を積んだりしていくわけでございまして、それ以上のことは舛添厚生労働大臣にお尋ねください。
○高橋委員 交付税もまだ減らされているという問題がございますが。
 そこで、厚労省に伺いたいと思います。
 病院から有床診療所に移してすぐ無床化の提案がされるのはなぜでしょうか。先ほど紹介したように、有床の診療所になったことで診療報酬が下がり、どのようになったかについて、これは資料の三にありますけれども、まず、一般病院と有床診療所の入院基本料の比較というものがございます。これはもう舛添大臣よく御存じのように、一般病院と有床診療所では基本料の考え方が違います。一番看護師の配置が少ない十三対一でも一万九百二十円に対して、有床診療所が四千五百円、このように非常に大きな差があるわけです。
 これに基づいて、実際に岩手県立中央病院の大迫地域診療センターの遠藤忠雄副センター長が発表したものがあります。それによると、要するに、病院だったときの入院の診療単価、六十五床、これは個別の病院でございます、それが診療所になったときの初年度と比較をしてございます。いずれも、おわかりのように三割以上の減収である、このようになるわけです。
 そうすると、これは厚労省的に言いますと、まあ診療所なんだから看護師一人でいいんじゃないのとか、難しい手術要らないんじゃないのと言っているかもしれません。しかし、地域にはそこしかないベッド、あるいは、もともと病院だったんです。それが、病院だから、診療所だからと区別できるでしょうか。
 総務省としっかり連携し、地域の事情によって診療所でも必要な医療が提供できるように、診療報酬上も評価すべきではありませんか。
○舛添国務大臣 診療報酬をどういうふうにして決めていくかということで、いろいろな配慮をしなければなりません。
 今お示しいただいた資料に見えますように、要するに、病院に比べて診療所というのは、人員配置基準とかいろいろな基準が緩和されている分だけ評価が低くなる。それから、外来業務と中の業務を同じ職員がやっているというのもあり、中医協の中でいろいろな議論をして診療報酬を決めていく。ただ、その地域において、例えば夜間に速やかに診ていただける体制を整えるとか、看護について手厚いことをやっている、こういうのは今、二十年の改定におきまして加算をいたしました。
 したがいまして、その地域の実情を考えながら、ぜひまたそういうデータをいただければ、次なる診療報酬改定のときに検討を加えていって、やはり有床診療所は重要な役割を地域で果たしているわけですから、それに対して正当な評価ができるように努力をしてまいりたいと思っております。
○高橋委員 しっかりお願いいたします。
 診療報酬というのは、医師の収入になり病院の収入になるわけですから、やはりそこで政策的にも誘導されるという背景があるわけですね。どうしても、では、もうかる方を選ぶしかないでしょう、例えば短い入院の方がもうかるねとか、慢性よりも急性期の方がもうかるねと。そうなっていったら、最初に総理に伺った、地域に必要な医療提供体制ということと相入れなくなるんだ、このことをしっかりおさめていただいて、次期改定をするというお話だったと思います。
 最大の要因が医師不足であることは言うまでもありません。昨年、医師抑制の閣議決定が撤回されたとはいえ、まだまだ遅いというのを指摘しなければなりません。
 例えば岩手県でも、四年間で百四十人の医師が退職をいたしました。中央病院から地方への応援、連続三十時間以上の勤務、だれもが疲れ切っているのはよくわかります。このままでは医者も病院も一〇〇%なくなる、それでもいいかと知事は住民に迫ったといいます。そう言われると住民は何も言えなくなります。それは、医師がどうなってもいいなんてだれも思っていません。だけれども、では、自分が田舎に住んでいるから医療はあきらめなければならないのか、そう絶望感に打ちのめされるわけです。
 しかし、現実にそれをあからさまに語って住民の知恵をかりれば、いろいろな知恵が出てくるわけです。例えば岩手県の紫波町では、医師会が、入院だけなら応援しましょう、そういうふうに申し出るようなさまざまな知恵が出てきます。これをちゃんと受けとめるべきではありませんか。
 ガイドラインは、この審議の過程の中で、住民の意見を聞くということが削除をされました。初めから反対するとばかりに言っているわけです。住民参加で計画をつくる、その立場に立って、住民の意見をちゃんと踏まえてやっていくということを改めて言うべきではありませんか。
 最後に一言。
○衛藤委員長 大臣、時間がありませんので、簡潔に。
○鳩山国務大臣 おっしゃるとおり、改革プランを策定していく過程で、議会で意見を聞く、あるいは説明会をやって住民から意見を聞く、それからいわゆるパブリックコメント、そうしたことをできるだけやるように指導してまいりたいと思います。
○高橋委員 終わります。
○衛藤委員長 これにて高橋千鶴子君の質疑は終了いたしました。
 次に、保坂展人君。
○保坂委員 社民党の保坂展人です。
 きょうは、かんぽの宿など一括売却問題を取り上げますが、簡易保険のお金でつくられた加入者福祉施設が、あれよあれよという間に、短期間で特定の民間企業に安い価格で譲り渡されていく。官から民へと言っていたのは、実は官有地を民間企業に安値でたたき売るという話だったとしたら、これは許されるものではありません。
 ちょっとパネルを出したいと思います。
 経過をちょっと振り返ってみますと、日本郵政は、四月一日にホームページで競争入札の告知をしています。そして、これは長い経過なんですが、とりあえず日本郵政は二回入札をしたと説明しています。一回目は八月十五日です。第一次提案というふうにありまして、七社が応募をしている。二回目は十月三十一日です。第二次提案ということで、わずか二社が応募しています。この二社が応募をした最終締め切りの後、七千五百坪もある世田谷レクセンター、これは日本郵政の、簿価でも大変高い六十二億という評価がついている、そこを外してしまった。
 西川社長に来ていただいていますので、まず伺いますが、日本郵政が四月一日に出したホームページを見ますと、これは「競争入札のお知らせ」というふうに書いてあります。「競争入札のお知らせ」と確かに書いてあります。ところが、この予算委員会で、二週間前の金曜日に、競争入札ではありませんというふうにはっきり認めていただきました。つまり、一般競争入札ではないということはもう歴然としているわけです。
 さて、それでは、日本郵政は、このホームページで広く告知したいわゆるかんぽの宿等の一括譲渡の手続をどういうふうに世の中に告知したんだろうか。
 これをちょっと調べてみまして驚きましたのは、昨年の三月二十七日、日本経済新聞、読売新聞、毎日新聞、共同通信、業界紙、すべてが一般競争入札で公募を始めると書いているんですね。一般競争入札で公募を始めると。つまりは、最初から、日本郵政は、これは事業譲渡なので一般競争入札はなじまない、こういう認識だと最近は言っているんです。ところが、一般競争入札だとあらゆる新聞が書くような発表をして、間違っていたんであれば、なぜ訂正しなかったんですか。
○西川参考人 お答えを申し上げます。
 日本郵政株式会社は会計法の適用対象でございませんので、譲渡先選定に当たりましては、会計法のもとで官公庁等が行ういわゆる一般競争入札ではなくて、事業譲渡において通常用いられる入札手続を採用したということでございます。
 この新聞報道につきましては、私どもがホームページにアップする前に報道しているものでございまして、ここで一般競争という言葉を使っておるのでございますが、私どものホームページには一般競争という言い方はしておりません。競争入札という言い方をしております。
○保坂委員 西川社長、そうすると、名立たる日本のそれぞれの大手紙が全部勘違いをして間違えた、誤報だ、勝手に書いたんだ、だから知らない、こういうことですか。
 だって、これは競争入札というふうにホームページで書いていることを、このホームページにアップする前に新聞に出ているんですよ。日本郵政からの話を聞いているんじゃないですか。
 そして、これがもし違うんだったら直ちに訂正してもらわなきゃ困るじゃないですか。なぜそれをしないんですか、社長。
○西川参考人 お答えいたします。
 非常にこの一般競争という言葉を安易に使われているんじゃないかという気がいたします。私どもはきちんと競争入札という言い方をしておりまして、いわゆる会計法に言う一般競争入札という言い方はしていないわけでございます。
○保坂委員 つまり、大手メディアが全部間違えたと。そして、つい最近まで間違えていた人も多い。これは一般競争入札なのでルールにのっとってと。
 世田谷レクセンターというのは、こんなグラフを出すまでもないんですけれども、百八十五億円なんですね、トータルでいうと、簿価。これも安過ぎるという話がありますけれども、その安過ぎる簿価の中でも三分の一の物件を外したわけです。外しちゃったわけです。これを最終入札の後にやってしまった。こんなのは競争入札でも何でもない。つまり、ルールはないんです。
 とてもこれはおかしいということで、今回の譲渡の中で、一体どういう値段でこの価格が提示されたのか。これは最近になってだんだん出てまいりましたね。
 八月十五日は、オリックスも百九十五億から二百四十五億、そしてホテル運営会社、HMI社は百七十五億から二百二十億円と高いんですね。ところが、第二次、最終だったらもう少し上がるのかなと思うと、半減するんですね。これも不思議ですね。半減しちゃう。
 もっと不思議なのは、この十月三十一日に、かんぽの宿、世田谷レクセンターも含めて、二社はそれぞれの値段を百五億円と大体似たような値段を出しています。これはホテル運営会社の方がちょっと高いんですね。
 それで、これを外しました。外したら当然安くなるというふうに我々は考えます。ところが、十二月三日、この下の方を見ていただくと、オリックスは世田谷レクセンターをゼロと評価して、なおかつトータルな提示額は三億六千四百万円も上がっている。
 西川社長はこの前の予算委員会で、十月三十一日にオリックスが百九億円、そしてホテル運営会社が六十一億円、間違いないですねと言ったら、御指摘のとおり間違いございませんと言うんですよ。ところが、その後にわかったのは、この六十一億円というのは実は日本郵政が、これは出してもいない値段をつくった、創作の数字だった、こういうのがわかってきたじゃないですか。とんでもないですよ、これは。
 十月三十一日に出した値段は百五億二千二百万円と百五億五千万円でしょう。何で答弁が二転三転するんですか、大事な場面で。どうぞ。
○西川参考人 お答えをいたします。
 世田谷レクセンターにつきましては、入札の際に提示されました金額は、オリックス不動産の場合は二十三億六千万、それから、ホテルマネージメントインターナショナルは四十三億五千万という数字でございました。
 この世田谷レクセンターを外しましたのは……(保坂委員「そんなこと聞いていない。間違ったことを言ったでしょうということを言っているんです。訂正して。ちゃんと、間違っていたなら認めてください」と呼ぶ)
 特に間違ったことを申し上げたつもりはございません。
○保坂委員 これは、議事録を見ていただければもう歴然としていますのでね。
 鳩山大臣、実は、私には全く納得できないんですね。その気持ちは同じだと思いますが、総務省に十七箱いろいろ来て、随分いろいろなことがわかったと伝えられていますね。この契約書も含めて、我々に、国会に開示してほしいと思いますけれども、今の認識を一言お話しください。
○鳩山国務大臣 これからまだ精査をしていくし、場合によっては口頭でいろいろ尋ねなくてはならないので、しばらくしたらお出しできるんですが、まだ精査の途中でございますが、少なくともわかったことが幾つかございます。
 それは、十月三十一日に二次入札をいたしております。このときに、オリックス不動産ともう一社ありますね。この雇用条件の問題ですね、従業員の雇用。それから、譲渡禁止というか営業継続というのか。これは、どう公平に見ても、明らかにオリックスよりももう一社の方が条件はいいですね。正社員については大体同じでも、期間雇用社員については明らかにより温かい提案をしているんですよ。まだ完全に精査しておりませんので、それがわかっております。
 それから、いずれ、来週ぐらいになったら原本をお示しできるかと思いますが、日本郵政とオリックスが契約したものが、これはとんでもない話が書いてあるんですね、契約書。
 つまり、私は、だから事業譲渡というものは一体何なのか、いまだによくわからない。説明を聞くと、事業譲渡というのは、入れ札があるようなものじゃなくて、価格を含めていろいろな条件を相談しながら、提案も受けながら、絞り込んでいって、絞り込んだところにだけ細かい情報を与えて、また相談をして、最後に決めた後もまた相談すると。
 それで、最後に決めた後相談したのは、早い話が、結論から申し上げれば、事業の発展的かつ継続的な運営に資さないとオリックス不動産が判断した場合は、個別資産の譲渡、閉鎖はできると書いてある。今までのものと全然違うでしょう。それから、SPC、得意ですよね、最近いろいろと出てきますが。SPCに売り払うことは日本郵政の許可なくできると書いてある。今までのものと全然違う。
 この二つがわかりました。
○保坂委員 麻生総理、どうも日本郵政が今まで言ってきたことと違うというのが次々と明らかになってきましたけれども、郵政民営化によって、公共の財産に由来する、国民の皆さんが長い年月ずっと掛けてきた簡易保険の土地が、極めて不明確あるいは不透明な形で一民間企業が手中におさめる。こういうことがあるとしたら、やはり根っこから洗い直さなければいけない。しっかり解明するという覚悟はございますか。
○麻生内閣総理大臣 今、鳩山総務大臣のところでこの問題は主に担当していただいております、所管の官庁でもあろうと存じますので。そこできちんとやられておりますので、今、郵政民営化委員会もいろいろ検討をやっておられると存じますが、こういったものを踏まえて、いわゆる不信を持たれるというところが、保坂先生、やはり一番の問題なんだと思うんですね、私は。この不信を持たれないようにしないといかぬということなんだと思いますので、そこが一番肝心なところです。
 私は、譲渡、商売をするときに、その物によって価格が全部違うという世界から来ておりますので、一々それが全部どうかということを細かく知るという立場にありませんが、少なくとも不信を持たれないようにして譲渡をするというところが一番肝心かなと思っております。
○保坂委員 時間になってしまいました。実は、舛添大臣には厚生年金病院を廃止しないでほしいという見地から要請をする予定でしたが、時間になりました。
 これで終わります。
○衛藤委員長 これにて保坂展人君の質疑は終了いたしました。
 次に、下地幹郎君。
○下地委員 保坂委員と同じかんぽの宿の質問をさせていただきます。
 この前の私の質問で、沖縄の東風平のレクセンターが、千円が四千九百万で売れましたというふうなことを話をしたし、鳥取の岩井簡易保険センターが、一万円が六千万で売れましたという話がありました。
 それで、この百七十八件の物件に関して調査をしましたら百三十四件が判明しましたけれども、この百三十四件をずっと調べてみると、そのうちの百二十一件がもう転売をされているのであります。これは、百三十四件のうちの九〇%がもう転売されている。調べるときには、どんなに多くても二〇%か三〇%ぐらいが転売になっているだろうなと思ったら、もう調べた中の九〇%が転売になっていた。
 一番すごいのは、三月十九日に日本郵政と契約をして、三月三十日にはもう転売していますね。そして、その三月が一件、四月には四件、五月には三十一件、六月には三十件、七月には十四件、八月には十四件、九月には九件。百三十四件のうちの七七%が半年以内にはもう転売されているんです。これは、バルクじゃなければ絶対売れないと郵政は言ってきたわけですけれども、七七%のものが半年間でこんなに売れますか。おかしいと思いますよ。
 それで、私たち、この業務契約をしている中央三井信託銀行というのがありますけれども、ここは契約書の中に、営業をしますという項目が一項目入っているんですけれども、調べてみますと、この中央三井信託銀行は、あらゆるところに、この物件は幾らで買いますかと聞いて歩いているんですね。聞いて歩いていて、私の知っている方は、この物件は私は三千五百万で買いますという買い付け証明をこの中央三井信託銀行に出しているんですよ。しかし、この単価は一万円ですよ。
 だから、中央三井信託銀行はあらゆる物件に出していて、この百七十八件がどれだけの価格になるのかを知っていた可能性がある。それでいて、この七社ともヒアリングをやっているわけですから、間違ったら、価格がこれだけ高く売れるとわかっていながら、安いコストでこれを売った可能性があるのではないかという推測を私たちはするわけであります。そういう意味でも、これは膨大な利益が出ている可能性があるんですね。
 それで、これは担保ですから、これが価格とは言えませんけれども、六百万円の売買価格に対して、二回転売されて二億九千万の担保がついているんですね。盛岡中央のところは、一千百万の売買価格に関して、四回転売されて、共担もあるかもしれませんけれども、二億五千万ですよ。それで、百九十九万も二億五千万のところがあります。一番すごいのが、旧出口町二号社宅。一億五千万だけれども、二回転売されて、共同担保のものは十七億ですね。旧城東鶴見二号、三号の場合は、十億四百五十万円ですけれども、共同担保をつけているのは二百七十億ですよ。
 だから、これは土地の単価とは言えませんよ、共同担保ですから言えませんけれども、これは土地転がしが相当にされていることだけは確かだと思います。
 それで大臣、この百七十八件は大体、もう一回価格をお調べになる必要があるんじゃないかと思うんですね。しかも、これは社宅でしょう。簡易保険のレクセンターとは違いますから毎年赤字が出ているわけじゃないんですよ、これは社宅ですから。だから、大臣がこの物件をもう一回お調べになって、本当は中央三井信託銀行は価格が高く売れることをわかりながら抑えた価格で売っているということが判明すると、これは大変なことになりますね。
 この辺のことを大臣がしっかりとお調べになる気持ちがあるかどうか、まずお聞きをしたいんですけれども。
○鳩山国務大臣 とにかく、千円が四千九百万になる時代ですね。それで、一万円が六千三百万になったという。本当に教育上も非常によくない、そういう錬金術みたいなものが世の中に存在しておったら。転売、転売でしょう。昔でいえば典型的な土地転がし。
 けさ、総務委員会を一時間だけやって、松野頼久議員が出されたもの、あれは平成十八年の分でしょうか……(発言する者あり)十七年ですか。これはまた赤坂のすばらしい土地があって、五億ぐらいで売っているんだけれども、しばらくしたら五十何億の担保、根抵当権か何かがついているわけですよ。近所はみんなもうオリックスが全部買い集めて、リーテックという会社が買ったとなっているんだけれども、リーテックと書いてあるんですね、所有権、取得者。質問者が聞いたら、リーテックではありませんと言い始めて、何が何だかさっぱりわからなくて、登記簿を見たら結局はオリックスに落ちているんですね。
 そういうものもあって、こんなことは反教育的なことであって、それは国民の財産を……(発言する者あり)反社会的でもあるけれども、とにかくとんでもないことだと思いますから。ただ、今は十七箱調べるのでもかなり四苦八苦しておりますから、とにかくできる限り、なるべく早くそうしたものも調べることができるように頑張っていきたいとは思います。
○下地委員 松野さんのものは五十億で、うちのものは二百七十億ですからね。うちのものの方が大きいですよ。事例を挙げるときは二百七十億を挙げていただきたいと思う。
 それで大臣、今、教育上も悪いというお話がありましたけれども、十九日に日本郵政と六社が契約をして三十日に売却されるというのがありますでしょう。これはどうなんでしょうかね。これはもう初めからでき上がっているとしか思えないんじゃないんですか。(発言する者あり)今、仕組まれたと言いますけれども、本当に仕組まれた。これは幾ら何でも、間違って今大臣おっしゃったけれども、三カ所だけ確実にわかっているものを見ただけでも一億三千万近くの利益が出ているんですよ、これだけで、三件物件だけで。
 これは一件一件全部チェックをし直して、本当に転売した金額が幾らかというと、間違ったら百億を超える暴利を得ている可能性もありますよ。これはもう一回真剣に調べてみる、これをやらない限り私はだめだと思うんですね。
 西川社長にお伺いしますけれども、西川社長は、こうやってすぐにでも転売されるということはもう御存じだったんですか。
○西川参考人 お答えいたします。
 十八年度に、公社時代でございますが、百七十八物件をバルクセールという形で売却をしたということでございますが、こういった売却の仕方ということになりますと、やはり、買い取った方が御自分で使用するほか、付加価値をつけて売却するというケースがかなり多いというのが一般的なことでございまして、これは、私ども日本郵政になりましてからはそういったバルクセールという形はとっておりませんが、我々の不動産売却のあり方というものにつきまして、きょう、実は第三者委員会を設置いたしまして、いろいろ御議論いただき検討いただこうということにしておりまして、その検討結果も踏まえて、今後の売却への、売却がある場合は、それへの対応を考えてまいりたいというふうに思っております。
 以上でございます。
○下地委員 西川社長、十一日間でどんな付加価値をつけられるんですか。十九日に売って、三十日に売却している。それで改造ができるんですかね。半年以内で売っているんですよ、七七%。それはちょっと答弁としてはよくないと思いますよ。
 今、これはもう一回日本郵政でお調べになって、この百七十八の中で転売されたものが幾らで転売されたのか調べ上げて、大臣に報告する、国民に明らかにする、そのことが大事じゃないですか。
○西川参考人 お答えいたします。
 極力トレースをいたしまして、どういう売却の仕方をされたかということを明らかにしてまいりたいと考えております。
○下地委員 大臣も、その件に関して明らかにさせなければいけないんじゃないですか、国民の前で。
○鳩山国務大臣 とにかく、かんぽの宿だけでなくて、公社時代から民営化へ進んでいく中で国民の貴重な財産が、これはもともと郵貯のお金あるいは簡保のお金も入っておったんでしょう、あるいは郵便事業で得たお金、局で得たお金、さまざまあったと思う。いずれにしても、その国民の財産がやみからやみに転売、転売というような形で、それで、どこかで手を一生懸命ぬらしてアワにばさっと突っ込むような、ぬれ手でアワの専門家がいたのかと思うと、非常に腹が立ちます。
○下地委員 大臣がこれをもう一回しっかりとお調べになって、国民に明らかにすることを望みまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○衛藤委員長 これにて下地幹郎君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○衛藤委員長 この際、各分科会主査から、それぞれの分科会における審査の報告を求めます。
 第一分科会主査佐田玄一郎君。
○佐田委員 第一分科会について御報告申し上げます。
 その詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは主な質疑事項について申し上げます。
 まず、国会所管については、国会における無駄遣いを改める必要性など、
 次に、会計検査院所管については、予算執行、事後チェックのあり方など、
 次に、内閣所管については、公務員制度改革など、
 次に、内閣府所管については、電動自転車の規制の必要性、沖縄における不発弾対策の充実の必要性、少子化対策など、
 次に、防衛省所管については、自衛隊基地が地方経済にもたらす影響、ソマリア沖における海賊対策、自衛官のいじめの実態、防衛省等の職員等の庁舎における飲酒規制等の必要性などでありました。
 以上、御報告申し上げます。
○衛藤委員長 第二分科会主査石田真敏君。
○石田(真)委員 第二分科会について御報告申し上げます。
 本分科会は、内閣府(地方分権改革)及び総務省所管について審査を行いました。
 詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、地方分権改革の取り組み、パブリックコメントのあり方、地上デジタルテレビ放送への完全移行に向けた取り組み、消防団の充実強化、固定資産税のあり方等々であります。
 以上、御報告申し上げます。
○衛藤委員長 第三分科会主査下村博文君。
○下村委員 第三分科会について御報告申し上げます。
 本分科会は、内閣府(金融)、法務省、外務省及び財務省所管について審査を行いました。
 詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、金融危機への対応策、刑罰及び刑務所のあり方、海賊及び国際テロ対策、米国経済の状況及び我が国における米国債の取り扱い、在外公館の役割及び活用法、国連広報センターの定期預金保有問題、北方領土問題、G7財務大臣会合への支援体制等々であります。
 以上、御報告申し上げます。
○衛藤委員長 第四分科会主査田野瀬良太郎君。
○田野瀬委員 第四分科会について御報告申し上げます。
 本分科会は、文部科学省所管について審査を行いました。
 詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、重要文化的景観の保護、公立大学に対する支援の必要性、大学生の就職活動状況、歴史的、学術的に重要な文化財の保護、教員免許更新制度の実施への取り組み、大学病院における静脈注射の実施状況等々であります。
 以上、御報告申し上げます。
○衛藤委員長 第五分科会主査根本匠君。
○根本委員 第五分科会について御報告申し上げます。
 本分科会は、厚生労働省所管について審査を行いました。
 詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、医師不足解消に向けた取り組み、タミフルと異常行動の関連性、ハローワークの体制強化、妊婦健診無料化の円滑な実施、被爆者行政のあり方、戦没者遺骨収集事業の促進等々であります。
 以上、御報告申し上げます。
○衛藤委員長 第六分科会主査富田茂之君。
○富田委員 第六分科会について御報告申し上げます。
 本分科会は、農林水産省及び環境省所管について審査を行いました。
 詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、米の生産調整のあり方、山村活力の維持対策、商店街等地域経済の活性化、食料自給率等農政目標のあり方、動物取扱業の規制強化の必要性、不適正処理された産業廃棄物対策等々であります。
 以上、御報告申し上げます。
○衛藤委員長 第七分科会主査山本拓君。
○山本(拓)委員 第七分科会につきまして御報告申し上げます。
 本分科会は、経済産業省所管について審査を行いました。
 詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、新エネルギーの普及促進策、レアメタル確保のための取り組み、中小企業金融対策の拡充、商店街活性化策、インターネットを利用した選挙活動、家電製品の流通の適正化等々であります。
 以上、御報告申し上げます。
○衛藤委員長 第八分科会主査小島敏男君。
○小島委員 第八分科会について御報告申し上げます。
 本分科会は、国土交通省所管について審査を行いました。
 詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、道路・鉄道・河川整備の推進、公共事業における国と地方の負担割合、タクシー事業の今後の見通し、建設業、不動産業に対する金融措置、大都市圏における災害対策、民間住宅の耐震改修の必要性等々であります。
 以上、御報告申し上げます。
○衛藤委員長 以上をもちまして各分科会主査の報告は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○衛藤委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十一年度総予算審査のため、来る二十四日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○衛藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、来る二十三日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時三分散会