第171回国会 予算委員会 第25号
平成二十一年五月八日(金曜日)
    午後一時開議
 出席委員
   委員長 衛藤征士郎君
   理事 小島 敏男君 理事 佐田玄一郎君
   理事 鈴木 恒夫君 理事 田野瀬良太郎君
   理事 根本  匠君 理事 山本  拓君
   理事 枝野 幸男君 理事 菅  直人君
   理事 富田 茂之君
      井上 喜一君    伊藤 公介君
      今井  宏君    岩永 峯一君
      臼井日出男君    小野寺五典君
      尾身 幸次君    大野 功統君
      大前 繁雄君    木村 隆秀君
      岸田 文雄君    小池百合子君
      斉藤斗志二君    坂本 剛二君
      下村 博文君    菅原 一秀君
      杉浦 正健君    関  芳弘君
      園田 博之君    中馬 弘毅君
      土井 真樹君    仲村 正治君
      西本 勝子君    野田  毅君
      葉梨 康弘君    橋本  岳君
      広津 素子君    深谷 隆司君
      三原 朝彦君   吉田六左エ門君
      渡辺 博道君    市村浩一郎君
      大串 博志君    大島  敦君
      逢坂 誠二君    川内 博史君
      菊田真紀子君    鈴木 克昌君
      仙谷 由人君    田村 謙治君
      筒井 信隆君    中川 正春君
      細野 豪志君    馬淵 澄夫君
      松木 謙公君    渡部 恒三君
      池坊 保子君    江田 康幸君
      笠井  亮君    阿部 知子君
      亀井 久興君
    …………………………………
   内閣総理大臣       麻生 太郎君
   総務大臣
   国務大臣
   (地方分権改革担当)   鳩山 邦夫君
   法務大臣         森  英介君
   外務大臣         中曽根弘文君
   財務大臣
   国務大臣
   (金融担当)
   (経済財政政策担当)   与謝野 馨君
   文部科学大臣       塩谷  立君
   厚生労働大臣       舛添 要一君
   農林水産大臣       石破  茂君
   経済産業大臣       二階 俊博君
   国土交通大臣       金子 一義君
   環境大臣         斉藤 鉄夫君
   防衛大臣         浜田 靖一君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     河村 建夫君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長)
   (沖縄及び北方対策担当)
   (防災担当)       佐藤  勉君
   国務大臣
   (規制改革担当)     甘利  明君
   国務大臣
   (科学技術政策担当)
   (食品安全担当)     野田 聖子君
   国務大臣
   (少子化対策担当)
   (男女共同参画担当)   小渕 優子君
   内閣官房副長官      松本  純君
   総務副大臣        倉田 雅年君
   外務副大臣        伊藤信太郎君
   財務副大臣        竹下  亘君
   農林水産副大臣      近藤 基彦君
   経済産業副大臣      高市 早苗君
   環境副大臣        吉野 正芳君
   内閣府大臣政務官     宇野  治君
   総務大臣政務官      坂本 哲志君
   法務大臣政務官      早川 忠孝君
   財務大臣政務官      三ッ矢憲生君
   厚生労働大臣政務官   戸井田とおる君
   農林水産大臣政務官    江藤  拓君
   国土交通大臣政務官    谷口 和史君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    宮崎 礼壹君
   政府参考人
   (総務省自治行政局選挙部長)           門山 泰明君
   政府参考人
   (文部科学省科学技術・学術政策局長)       泉 紳一郎君
   政府参考人
   (厚生労働省職業能力開発局長)          草野 隆彦君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  水田 邦雄君
   政府参考人
   (国土交通省道路局長)  金井 道夫君
   予算委員会専門員     井上 茂男君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月八日
 辞任         補欠選任
  斉藤斗志二君     関  芳弘君
  園田 博之君     土井 真樹君
  仲村 正治君     橋本  岳君
  吉田六左エ門君    西本 勝子君
  渡辺 博道君     今井  宏君
  大島  敦君     菊田真紀子君
  逢坂 誠二君     大串 博志君
  前原 誠司君     鈴木 克昌君
  渡部 恒三君     松木 謙公君
  糸川 正晃君     亀井 久興君
同日
 辞任         補欠選任
  今井  宏君     渡辺 博道君
  関  芳弘君     斉藤斗志二君
  土井 真樹君     広津 素子君
  西本 勝子君     吉田六左エ門君
  橋本  岳君     仲村 正治君
  大串 博志君     逢坂 誠二君
  菊田真紀子君     大島  敦君
  鈴木 克昌君     市村浩一郎君
  松木 謙公君     渡部 恒三君
  亀井 久興君     糸川 正晃君
同日
 辞任         補欠選任
  広津 素子君     園田 博之君
  市村浩一郎君     田村 謙治君
同日
 辞任         補欠選任
  田村 謙治君     前原 誠司君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 平成二十一年度一般会計補正予算(第1号)
 平成二十一年度特別会計補正予算(特第1号)
 平成二十一年度政府関係機関補正予算(機第1号)
     ――――◇―――――
○衛藤委員長 これより会議を開きます。
 平成二十一年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十一年度特別会計補正予算(特第1号)、平成二十一年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、基本的質疑を行います。
 この際、お諮りいたします。
 三案審査のため、本日、政府参考人として総務省自治行政局選挙部長門山泰明君、文部科学省科学技術・学術政策局長泉紳一郎君、厚生労働省職業能力開発局長草野隆彦君、厚生労働省保険局長水田邦雄君、国土交通省道路局長金井道夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○衛藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○衛藤委員長 昨日の菅直人君の質疑に関連し、筒井信隆君から質疑の申し出があります。菅直人君の持ち時間の範囲内でこれを許します。筒井信隆君。
○筒井委員 民主党の筒井信隆でございます。
 今回の世界同時不況、これは供給側に主たる原因があるのではなくて、需要側にある。需要不足が大きなこの不況の原因ですから、需要を創出しなければなりません。政府はそのために有効需要を創出する役割を果たす、今こういう課題が課せられているわけでございます。
 しかし、もちろん、その有効需要というのは有効でなければならない。一回限り、二回限りのばらまきとか、あるいは政策効果のない投資とか、こういうことは避けなければならないわけでございます。
 しかし、今回の政府の補正予算を見てみますと、民主党の緊急経済対策と全く対極にある、これが明白でございまして、今申し上げた、一回限り、二回限りのばらまきと政策効果のない投資であふれている。
 それに対して、民主党の緊急経済対策は、仕組みそのものをつくる、制度化をする、将来の国民の暮らしに展望が持てる、こういう方向性を明確に出しているわけでございまして、これが今度の政府の補正予算と民主党の政策との全く明確な違うところでございます。
 そこでお聞きをしたいんですが、これは菅さんもきのうお聞きしましたが、ケインズが言った言葉として、穴を掘って埋めるだけの公共事業、こういう言葉がございます。穴を掘って埋めるだけでも、もちろん雇用が生まれますし、その事業主には金が入るわけでございますから、景気に全く悪影響かというとそうではなくて、景気にやはりいい効果はある程度は与えるでしょう。
 しかし、その穴を掘って埋めるだけの公共事業、これは間違いである、こんなことを税金を使ってやるべきではないと私は考えておりますが、麻生総理、こういう公共事業も選択肢の一つと考えておられるのか、今度の補正予算を見るとまさにそう考えざるを得ないんですが、もしそうではなくて、こういう公共事業は間違いだというふうに考えておられるなら、なぜ間違いなのか、その点を明確に述べていただきたいと思います。
○与謝野国務大臣 ケインズの言っております有効需要というのは、穴を掘って埋めるということではありません。後の人がそれも有効需要だという話をしただけで、ケインズはもともと、有効需要を創出することは必要であるけれども、それは賢いものでなければならない、すなわち、国民の生活に直接寄与するものや、将来花開くものに使う、これが賢い使い方、ワイズスペンディングであるというふうに言っておりまして、今回の補正予算も、穴を掘って埋めるというような予算はどこにも計上をしておりません。
○筒井委員 私は先ほど厳密に言ったので、ケインズの政策が穴を掘って埋めるという公共事業であるとは全く言っていません。ケインズの言葉としてそういう言葉が言われている、こういうふうに先ほど申し上げたので。
 それと、バーナンキがこういうふうなことを言っています。ヘリコプターマネーという言葉も使っています。これもバーナンキが言った言葉であって、バーナンキがそのことを主張しているという意味ではありませんからね。その点、誤解しないでくださいね。
 要するに、ヘリコプターで現ナマをばらまくというこのヘリコプターマネー、これがやはり間違いであるというふうに考えるわけでございますが、しかし、今度の定額給付金とか、これは、それとどこが本質的に違うんですか。ただ、今度の定額給付金は自治体を通じてばらまいた。ヘリコプターマネーはヘリコプターを通じてばらまく。これは、もらう人はありがたいですよ、それだって、どっちだって。もらう人はありがたいし、それを、あるいは地域で商店で金を使うかもしれません。その点では景気にある程度貢献するかもしれません。
 しかし、こういうヘリコプターマネーなんという政策はやるべきことではないでしょう。なぜやるべきことではないのか。麻生総理、もう一度。麻生総理に聞きたいんですよ、私は。
○与謝野国務大臣 今回の予算の中に、先生の言われるヘリコプターマネーというようなものはどこにも入っておりません。仮にヘリコプターでお金をまくとだれが拾うかわからないということがありますけれども、今回は、予算の支出の先は全部決まっておりますし、定額給付金も受け取る方はきちんと決まっているわけですから、ばらまきと言われては困ると思っております。
○筒井委員 ヘリコプターマネーはだれが拾うかわからない。一部しか拾わないでしょう。そして、定額給付金は全国民にばらまく。しかし、そのために八百億円の費用がかかっている。そういう違いはあるんです。違いはもちろんあるんですよ。全く同じだと言っていないんです。
 だけれども、両方ともが、もらっている人は喜んで、それは、くれればありがたいですから、もらいますよ。それで景気にも全然効果がないとは言えないわけですよ。本質的に変わらないんじゃないか、これを私は言っているわけです。
 そして、今度の補正予算で基金を四十六個もつくりました。合計で四兆三千六百億円の基金をつくった。この基金について、全体的には後で同僚の細野議員からお聞きしますけれども、私は農水大臣の方にお聞きしたいんですが、この四十六の基金の中で数が一番多いのは農水省ではないですか。農水大臣、どうですか。
○石破国務大臣 今回の補正予算でございますが、農水省で造成される基金が二十一でございます。総額は七千六億円ということでございまして、新規造成は十四、既存の基金への積み増しが七ということでございます。
 数からいえばそういうことになろうかと存じますが、農水省の場合に、基金を積みますというのは、それは数年間かけて行わねばならない、あるいは、年によって気候が変動する、作況が変動する、そういうようなことがございますので、基金というものが対応する形として最もふさわしいということで、農水省は結果として多くなっている、そういうことでございます。
○筒井委員 農水省が一番多い基金なんですが、この基金をどこにつくるか、どこで管理運営するのか、これがいまだに決まっていないものがたくさんある。一部は都道府県とかあるいは農業会議所とかに決まっているようでございますが、多くが、これから公募して民間団体に管理を委託する、民間団体にこの基金をつくる。
 まずお聞きしたいのは、これは国の政策でしょう、国が決めた政策でしょう。この基金をつくるのが正しいとすれば、なぜ国にその基金をつくらないんですか。
○石破国務大臣 それは、どこにつくるのが最もふさわしいかというお話だと思います、何が何でも国でなければならないという理由はどこにもございませんので。
 例えて言えば、農地の集積や担い手育成なんかもそうですが、ノウハウを有していなければいけないということはございましょう。そういうようなことで、民間で知見を持ったものはたくさんございます。そういう、民間でどこが知見を持っているかということを公募を通じて行う、その基金の造成先としてどこが政策効果を発現するのに最もふさわしいかということでございまして、民間だからだめだ、国でなければならないという、何か、委員がおっしゃっていることの根拠がいま一つよくわかりません。
○筒井委員 私が聞いているのは、今の政府が国にはつくらないという一般方針を立てているから聞いているんですよ。国の政策について、国には一切つくらないという方針を立てている。何でそうしたのかということなんです。最もふさわしいところにつくるのでいいんですよ、それは。この四十六全部について、農水省に今はお聞きしていますが、国は何で一切ふさわしくないんですか。
○石破国務大臣 済みません、御質問の趣旨がいま一つよくわかりませんが、民間を基金の造成先とする、それを公募において行うということでやっておるわけでございます。どこが一番ふさわしいかという観点で私どもとしてはやっておるところでございまして、そのことについて何か御疑念を抱かれておるとすれば、御指摘いただきたいと存じます。
○筒井委員 それは後で聞きますが、まず、国にはつくらないという方針を立てているでしょう。それは立てていないんですか。国には基金はつくらないという方針を立てている。では、それをまず確認してください。それで、立てているとしたら、何で国の政策なのに国に基金をつくってはだめだということを一般的に結論づけるんですか。
○与謝野国務大臣 基金は、国及び地方自治体、あるいは国と関係のありますところに基金をつくるわけでございます。
 例えば、地方自治体の基金に対する支出はこの四兆三千六百七十四億円のうち二兆一千三百十八億円に上っておりまして、基金の例を二つ、三つ申し上げますと、介護職員処遇改善四千七百七十三億円、地域医療再生対策事業三千百億円、緊急雇用創出基金など三千億円、それから、独立行政法人の基金に対する支出、これが三千二百五十億あります。それから、公益法人の基金に対する支出は八百四十一億円、その他の法人等に対する支出として一兆八千二百六十五億円。
 国の予算ですから、当然、国が執行をする。執行するについては、地方自治体を通じ、あるいは基金を通じて執行するのは当然のことでございます。
○筒井委員 私の質問に答えてください。私が聞いているのは、今度の基金は一切国には造成しない、こういう方針を立てているでしょうということをまず確認しているんですよ。
○与謝野国務大臣 この補正予算においては、基金造成先については、事業の内容等から判断して、最も適切な法人等を選んだものでございます。
○筒井委員 そんなの聞いていないのです。はっきりしないんですか。同僚の細野豪志議員も後で聞くと思いますが、質問主意書に対して閣議決定された答弁、これを覚えていないのですか。私はそれを前提にして聞いているんですよ。
 そこで、「補正予算においては、国に基金を造成するものはないが、地方公共団体等が基金を造成するために要する経費について予算措置を行うこと」、これは閣議決定ですよ。「国に基金を造成するものはないが、」と……(発言する者あり)これは閣議決定の中身を読み上げているんだ。見せますか。
 いや、だけれども、これがわからないというのはおかしいよ。だって、こういう方針を決めたから質問主意書に閣議決定して答えたんでしょう。今、それがわからないんですか、そういう方針なのかどうかということが。
○与謝野国務大臣 これは先生、最後まで読んでいただかないと。「平成二十一年度第一次補正予算においては、国に基金を造成するものはないが、地方公共団体等が基金を造成するために要する経費について予算措置を行うことが国の政策の円滑な執行に資するものであると認められる以下の基金について、」云々と書いてございまして、そこは最後まで全部読んでいただかないと。
○筒井委員 では、読んでみますか。「平成二十一年度第一次補正予算においては、国に基金を造成するものはないが、地方公共団体等が基金を造成するために要する経費について予算措置を行うことが国の政策の円滑な執行に資するものであると認められる以下の基金について、予算措置を行うこととしている。」
 だから、以下の基金というのは、地方公共団体とかそういうものについて、四十六について予算措置はするんですよ、国が。だけれども、基金そのものは国につくらないとはっきり言っているじゃないですか、書いてあるじゃないですか。それで、国につくらない、地方自治体等々につくる、その予算措置は国が行うんですよ。
 だから、私が聞いているのは、まず、国につくらない、こういうふうに言っている、なぜそうなのかと。(発言する者あり)だから、それを聞いているんですよ。まず、国につくらないということは認めてください、さっきから何かあいまいに言っているけれども。
○与謝野国務大臣 「国に基金を造成するものはないが、」というのは、造成というのは、既にある公益法人等に預けるお金はありますけれども、新たに別の基金を造成するものではないということは申し上げているわけです。(発言する者あり)
○筒井委員 いや、そんな新規とか何か言っているんじゃないんだよ、これは。「第一次補正予算においては、国に基金を造成するものはない」、はっきり言っているんです。だから、私はこんなところで争うことになるなんて思わなかったんだ、明確に閣議決定で答えているんだから。それを何で国でつくらないのかと、国の政策なんだから。
○与謝野国務大臣 予算を計上し、これを執行していくためにはいろいろな方法がございます、基金も一つのやり方でございますけれども。今回の一次補正をつくりました、結果として国に基金を造成するものはなかったということでございます。
○筒井委員 ここで時間をとるつもりはなかったんだけれども、そのことを全然認めなかったから。
 それで、その上で、地方公共団体等に基金をつくる、その「等」の中には、先ほどちょっと公益団体ということを言われましたが、公益団体等も入るんですねということと、この基金は天下り先の団体につくりますかつくりませんか、そのことをお聞きしたい。
 全体のことについては後で細野議員が聞きますから、一番基金が多い農水大臣、これから公募して民間団体に基金を造成すると言っているんですが、その基金をつくる場所は公益団体等、公益法人を含めて、天下り先の団体につくりますか、それともそれは一切つくらない方針ですか。そのことをお答えください。
○石破国務大臣 それは、その団体がふさわしいかどうかという判断の中に、いわゆる天下りが入っているか入っていないか、入っているからふさわしくないというような判断にはならない。それは、入っているか入っていないかは判断基準にはなりません。その団体がそれを行うにふさわしいものかどうかということを公募で応募してきた団体の中から選ぶものでございまして、天下りが入っているからそれを選定の対象にしないということは、言い切ることはできません。
○筒井委員 天下り先団体を含めてこの基金を造成するんだということを今答弁されまして、これは民主党が前から強調していますが、この基金は、結局は、天下り先の方に金の管理を任せて、天下りをまさにこれからもやっていく、続けていく、この表明だということを今大臣は結果として述べられたんだということを申し上げて、次の質問の方に……(発言する者あり)
○衛藤委員長 農林水産大臣石破茂君。
○石破国務大臣 そういうのを決めつけと言うのではないだろうかと私は思うのですね。
 私、前の予算委員会でも答弁をいたしましたが、農林水産省について申し上げれば、退職した官僚がそこに行く場合も、なぜその者でなければならないのかということはきちんと精査をいたしましょうと。いわゆる指定席のように、そこに自動的に行くということは農水省としては行わない。その者がふさわしいかふさわしくないかというのは、国民のためにやっておることでございますから。
 委員がおっしゃいますように、結果として天下り先に対して基金を造成することを認めたというふうにおっしゃいましたので、それは、そのようなつもりは全くございません。そのことだけははっきり申し上げておきます。
○筒井委員 天下り先団体であってもこの基金の造成を認める場合がある、先ほどそういう答弁をされた。今もその答弁は変わっていないんでしょう、今の答弁でも。
○石破国務大臣 その団体がふさわしければ、天下りがいるからといって、それを排除するには当たりません。
○筒井委員 だから、民主党は天下り全廃なんですよ、天下りそのものを。天下り先団体も全廃なんですよ。そういう立場から私は先ほどのことを言っているのです。天下りを認めて、天下り先団体もこれからも維持して、そして今度の莫大な金額のこの基金の運営をその団体に任す、こういうことが今の政府・与党の考え方、だから官僚改革は政府・与党にはできないんだということを私たちは強調しているんです。
 それで、具体的に質問に入っていきますが、この基金のうち、農水省で今度の補正予算は一兆円を超えているんですよ。一兆円を三百億円ほどわずかに超えているんです。これは、聞くところによりますと、民主党の所得補償が一兆円だ、民主党の一兆円を少しでも超えろと、最初に金額ありきで、そしてそれをこう積み立ててきた。それが自民党農水族の物すごい努力の結果だったんですよ。
 だから、この一兆円を確保したときに、物すごく誇らしげに、これでもうこの次の選挙は大丈夫だ、こういう強調を農水族の皆さんはずっとやっていたわけですよ。
 その一兆円のうち、二つの事業で約半分を占めているんです。一つが、これは長たらしい基金なんだけれども、需要即応型生産流通体制緊急整備事業、約一千二百億円。それと、農地集積加速化事業で約三千億円。それで約四千二百億円になって、二つの事業でもって一兆円全体の半分近くを占めるんです。
 本当は全部聞いていきたいんですよ、この予算委員会で一つ一つ。だけれども、委員長、そんな時間を、何か与党は反対しているでしょう。(発言する者あり)では、ちゃんとその時間はとるんですね。
 それで、きょうはそのうちの、今の半分近くを占める二つの基金についてお聞きをいたしますが、この需要何とか型、長たらしいので緊急整備事業というふうに言いますが、これはばらまきの典型なんですよ。これは、恐らく使い切れないで見せ金に終わると思います。
 これは本予算で、減反田で転作をした場合に、十アール当たり、一反当たり五万五千円を出すということにしたわけですよ。それを今度、補正予算でさらに二万五千円プラスしたわけですよ。これが今度の補正予算の上積みなんですが、この問題について、農水大臣、あのとき農水委員会の参考人質疑で、本質をついた質疑が自民党議員と自民党が呼んだ参考人との間でなされたことがあるんですが、それはお聞きになっていないかと思います。参考人質疑ですから参加していないと思います。
 どういうことがその農水委員会の質疑でなされたかというと、自民党の議員さんが、今度こういうふうに十アール当たり十万を超える補助金を出すことにした、これはすごい評価だろう、これで十分やっていけると思うでしょうという趣旨の質問を誇らしげにやったんですよ、農水委員会で。(発言する者あり)名前を言ってもいいなら言いますが、木村太郎議員です。
 そして、それに対して、自民党が呼んだ現場の参考人二人がどう答えたかというと、もらうことはありがたいです、しかし、先の見通しがないことが非常に残念です、こういうふうに言っているんですよ。
 参考人が言った言葉、議事録から読みますと、ありがたいが、一年限りとか三年限りとかが多いので、その先のことが見えにくいなという思いがありますと。ことし、来年は何とかなるでは本格的に取り組めない、五年、十年先が見通せなければならない。もう一人の参考人は、農家は非常に迷っている、ことしは量がふえないと。量がふえないというのは、転作の量がふえない。
 自民党が呼んだ参考人もそう言っているんです。一年限り、三年限りのこういう金をもらうことは、それはそのときはありがたい。定額給付金もそうですよ。だけれども、それで農業の将来展望が出てくるかというと、全く出てこないんですと。将来展望が出てくる、そういう仕組み、制度をつくってほしいというのが、まさに今、農家の望みなんですよ。
 今、農業はまさに危機にあって、赤字ですから。それで、高齢化して後継者がいない、こう嘆いています。五年先、十年先になると農業をやる人がいなくなりますよ。何で後継者が出てこないか。それは農業では食っていけないからですよ。これから若い人たちが入ってくるには、五年先、十年先がちゃんと農業で食えるという制度をつくってもらわなければならないわけですよ。それが必要なんです。それが、もうこの何十年かにわたって自民党農政は、こういう一年限り、三年限りの補助金をばらまいて、票と金を集めて、これが日本の農業をつぶしてしまったんですよ。
 今度のこの緊急整備事業一千二百億円、まさにそのばらまきに当たるし、農家も、農業の従事者もこれでは将来展望は出てこないと言っている。この政策は、石破大臣、間違いではないですか。
○石破国務大臣 私どもとして、民主党さんが一兆円なのでそれに対抗しようなぞという議論は、一度もしたことがございません。
 それは、今度は補正予算のお話をしておるのでございます。民主党さんがおっしゃっておられるのは、財源がどこにあってどうして一兆円になるのか私にはよく理解ができませんが、四年後をめどとして段階的に講ずるものということでございますから、ことしとか来年とかいうお話ではないと思います。
 民主党さんの法案を拝見しますと、その第五条でございますが、「必要な措置は、この法律の施行後四年を目途として段階的に講ぜられる」、私はもっと強い危機感を持っておりまして、四年後みたいな話ではだめだという危機感のもとに今回の補正予算を組んだものでございます。
 それで、委員が御指摘の需要即応型生産流通体制緊急整備事業、これはもう少しわかりやすい名前にならないかなと私自身も思っておるところでございますが、これは米粉、えさ米というものに対して、どれだけそれを軌道に乗せるかということでございます。今まで、米粉米、それは委員がスーパーに行かれても、米粉を売っていますなんというところはほとんど見られないと思います。えさ米も、耕畜連携というものがうまくいっているとは必ずしも限りません。どうやってここにインセンティブを与えるかということが極めて重要だというふうに思っております。
 水田でなければやはり米はつくれないね、米が一番いいねという方が大勢いらっしゃることも事実でございまして、どうやってこの米粉そしてえさ米というものを軌道に乗せるか、そのための政策でございまして、ばらまいておるつもりは全くございません。
 これが軌道に乗って、本当に米粉というのはいいんだね、パンというのはおいしいんだね、そしてまた、えさ米を使った豚、前もお話ししたことがあるかもしれませんが、それの品質は極めて高い、市場の評価も高い。それがどんどんと軌道に乗ってくれば、それは将来展望があるということだというのじゃないでしょうか。その将来展望をつくってもらうための初動の資金、初動の投資というものは絶対に必要なものでございまして、これはばらまきではございません。
○筒井委員 米粉、飼料米の生産を促進するというのは私も賛成です。だけれども、そのためには、こういう一年限り、三年限りの措置ではなくて、仕組み、制度をつくらなければいけない。それが民主党の所得補償政策なんですよ。
 それで、こういう一年限り、三年限りのものでは農家自身も喜ばない。だから、これは恐らく見せ金となって、大部分が使われないで戻ってくると思いますよ。今までもそういうものがいっぱいあったんだから。
 大体、今度、この米粉、えさ米で一年間で五万ヘクタール、この今のばらまきでもって五万ヘクタールに生産面積が伸びるというふうに予測していますね。そう見積もってこの予算を立てましたね、農水大臣。
○石破国務大臣 では、それはどういうことなのか。今まで活用実績がどうであったかということが重要だと私どもは思っております。
 実際問題、今までも、米粉用米では二千ヘクタール相当、二十年度では九千五百トンでございます、えさ米では約十二万ヘクタール相当、十九年度で六十四万トン、この活用実績がございます。そこから考えました場合に、当然それだけ使われるということを考えておるものでございまして、見せ金なぞということにはなりません。本当にこれが需要が出てくる。私どもは、単に所得補償するということを申し上げているのではありません。需要と供給がどうマッチングするかということが、産業としての農業を考えるときに最も大事だというふうに考えております。
 ですから、今回の事業を仕組みますときに大事なのは、えさ米をつくりました、米粉米をつくりました、それが供給とどう結びつくか、需要とどう結びつくか、供給と需要のマッチングということに極めて配意をしたものでございます。したがいまして、見せ金なぞにはなりません。
○筒井委員 大体、見せ金をした前科がある人が、確信を持ってよくそういうことが言えるなと思いますね。二〇〇七年補正予算、ここで、地域水田農業活性化緊急対策という五百億円もの予算を組みました。これは、似たようなあれなんですが、十アール当たり三万から五万円、このときは一回限り支給するというばらまきだった。十アール当たり三万から五万円で五百億円も積んだ。しかし、実際に農家は喜んで使ったかといったら、使われなかったでしょう。
 それで、これは石破大臣に確認したいんですが、使われなくて、八割近く、つまり五百億円のうちの三百八十二億円が国庫に返還になったでしょう。これは、まさに見せ金に終わった具体的なつい最近の例でしょう。この政策は間違いだったでしょう。
○石破国務大臣 何か前科と言われて、少し心悲しいものがないではありませんが、それは実際に使われなかったことは事実でございます。私どもは、そこは率直に認めさせていただかなければいけないと思っています。
 この事業がかなり複雑でわかりにくくて使いにくかったというような御批判は、随分と賜っておるところでございます。つまり、三年間ないし五年間の複数年にわたる取り組みをやってください、長期契約の締結というものを補助金の交付要件といたしました。したがいまして、農家にとってみれば使いにくいなということがあったことは、率直に私どもとして認めざるを得ないところだと思っております。
 その反省のもとに、先ほど来申し上げておりますが、需要が十分にある、えさ米も米粉米も十分にある、それがいかに使いやすいかということで、これもかつてお話ししたかと思いますが、当省の政策というものは、どうも書類を何十枚も書かなきゃいかぬ、農林水産省の補助金をもらおうと思うと、書類を十枚、二十枚、おれは書類を書くのが仕事じゃないんだという御批判も随分いただきました。わかりやすい御説明、そしてまた書きやすい書類、農家のためにある政策でございますから、先生おっしゃいますように、かつての反省というものは十分生かしていかなければならない、そのことは率直に申し上げておきます。
○筒井委員 かつてではなくて、去年の話なんです、今。かつてと言ったら、もっといっぱいあるんですよ。去年の話の例、五百億円の予算を組んでおきながら三百八十二億円も使われなかった。こういうことは、今の政府・与党の一度限りのばらまきではこれからもずっと続くということを私は言っているんですよ。
 ただ、石破農水大臣に対しては、私、評価するところもありますので、先ほどの前科と言った言葉は撤回をしておきます。(発言する者あり)そういうやじを飛ばすと、私が言っているのに対して、今、岩永さんだと思うんだけれども、またこちらの方も強く言わざるを得なくなるから、それは遠慮してください。
 それから、もう一つの基金、農地集積加速化事業、約三千億円、これが大きいんだ。それで、これはまさに、まだその基金の造成場所は決まっていないんですよ。民間団体に任せるんだけれども、これから公募して決めると言っているんです。三千億円ですよ。これを民間に任せて、これから決めると。今現在でも、それがこの審議の対象にならないんです。どこで三千億円も管理運営するのかは極めて重要な問題でしょう、補正予算の審議において。それがここでは審議できないんです。しかも、それが天下り先団体になるかもしれないと言っているんです。これ自体が極めていいかげんな補正予算の証明ですよ。
 さらに、内容的にも極めて問題がある。これは政策効果のない三千億円ですよ。この中身は何かといいますと、農地を貸し出した農家に十アール当たり一万五千円を支給するという中身ですよ。農地集積、要するに農地を集積したいという政策目的であると言っているんですよ。
 だけれども、何で今農地が集積できないのかといったら、貸し手がいないからではないんですよ。借り手がいないからですよ。(発言する者あり)今、そんなことないよというやじも飛んだけれども、では、農水省自体が調査した結果を今見てください。ちょっとあれを見てください。石破大臣のところにも麻生総理のところにも行っていると思いますが、これは農水省が調査した結果です。「担い手への農地利用集積が進まない理由」、これは、今度の三千億は、貸し手の方に原因があると考えて、貸し手の方に一万五千円出すというんですよ。貸し手の方に原因があって、貸し手の方にもっと貸してくれといって三千億の金を出すという中身ですよ。
 だけれども、これを見てください、この一覧表を。農地集積が進まない理由の第一が「農業所得が不安定」。まさにこれは、借り手がそれを借りたって農業所得がちゃんと上がるかどうかわからない、借り手の方の事情でしょう。それから「農産物の価格が不安定」。これも、価格が不安定だから、農地を借りて農業経営をやったって、経営が成り立つかどうか危ないからという理由でしょう。この一、二、三、四位までが全部、借り手がいない、だから農地集積が進まないという結果を農水省の調査自身が示しているんですよ。
 三千億円も使うならば、農業経営がきちんとなるように、そういうものに金を使わなければ農地集積は進まないでしょう。全く現状を無視した、現状と反対の政策がこのニュー農地集積加速化事業でしょう。これはこのところからはっきりするんじゃないですか、農水大臣。
○石破国務大臣 まず、この基金をどこにつくるかまだ決まっていないからけしからぬということですが、これはこれから公募を行いますので、まだ決まってはおりません。予算もまだ通っておりません段階で、これですということを申し上げることはできません。それがまず一つございます。
 それから、天下りに随分と言及をなさいました。仮に天下りがいたとしても、ふさわしくない団体であれば、それを選ぶことはいたしません。天下りがいるからそれを選ぶのではなくて、天下りと言われる者が、本当に能力、識見を有しておって、その団体にふさわしくて、その団体がその役割を担うにふさわしければやりますが、天下りがいるからといって、役にも立たない団体を指定するようなことは全くございません。それがまず一つございます。
 それから、先生御指摘の農地集積加速化事業でございます。私どもの問題意識は、どうやってコストを下げていくのかということでございます。やはり面的に集積いたしませんとコストが下がらないのは、委員が一番よく御案内のとおりでございます。
 そこで、貸す側、借りる側、両方ございますが、貸す側、つまり農地を貸す側にインセンティブを与える。貸さなくたって別に大して影響ないよ、貸したからといって別に小作料がふえるわけでもないしというような方々がおられます。貸す側に対して、委員が御指摘になりましたように、一反当たり最大一万五千円、最長五年間、三年間に限り、三年間のうちにやった場合ということでございますが、早く貸していただければ貸していただくほどお得だということになっております。
 これを加速させませんと、農地の集積を加速させませんと、コストが下がりません。コストが下がらなければ、手取りはふえません。そのようにして、私どもが組んでおる政策はばらまきという御批判が当たらないと申し上げておるのは、この政策、いろいろな補正予算の政策を組むに当たって配意をしましたのは、これがどれだけコストを下げるかということ、そしてこれがどれだけ付加価値を上げるかということ。付加価値を上げ、コストを下げ、手取りをふやす、それが私は産業政策だと思っております。
○筒井委員 そういうことを聞いているのではなくて、私は、農地集積化をしたいという政策目的であるならば、今、貸し手がいないのではなくて借り手がいないという現状を踏まえて、借り手の農業経営がきちんとできる、そういう方向に金を使うべきだ、それが逆転しているんじゃないかということを言っているんです。
 それと、今度の、きょう衆議院の本会議で改正された農地法によりますと、今後、農協さんが農地を借りて農業経営に参入することができるようになりました。では、その農協さんに農家が土地を貸して、そして農協から委託されて農作業をやる、そういう場合もこの十アール当たり一万五千円が払われるということになりますね。
○石破国務大臣 そのことは別に排除するものではございません。
○筒井委員 そういうことも排除していないんですよ。実際上は今までどおり農家が土地を持っていて、そして耕作もしている、だけれども、形だけ農協に土地を貸したという形にすれば、それで十アール当たり一万五千円入る、こういう仕組みなんですよ。
 さらにもう一つ聞きますが、十人ぐらいがお互いに貸し借りをした、AがBに貸して、BがCに貸して、Cがまた転々といって、結局Aの方にまた貸す。AとBでもいいね、AがBに貸して、BがAに貸す。これも一万五千円の支給対象になりますね。
○石破国務大臣 それは疑い始めると切りがございませんが、そういうことが、偽装みたいな形になる、実際に本当に面積が集積したことにならない、そういう場合に、本当に国民の税金を使ってよいかといえば、どう単純に考えても、それはいいということには相なりません。そういうように、いわば偽装の貸し借り、偽装の面的集積というようなものは排除をしていかねばならないと思っております。
○筒井委員 偽装と言われましたが、先ほどの、農協さんに土地を貸して、耕作は委託されて自分が今までどおり耕作をやる。これは偽装じゃないんでしょう。それは支給対象になるんでしょう。
○石破国務大臣 それは、先ほどのAB間のものとは違うのではないでしょうか。
 農協が実際にそれを受けて、広い面積で面的集積をして、分散錯圃を解消して、面的に農協がそこにおいて行うということになった場合に、やはり経営を農協が行い、どうすれば最も収益が上がるかということを考えてやった場合。今委員が御指摘のように、形だけ貸したんだ、中身はちっとも変わらないんだということであれば、全くそれは農業の収益が上がるということを意味しないわけです。わざわざそういうことをやるというインセンティブが私にはよく理解できない。
○筒井委員 それで、さっきのABの方でいえば、Aの土地がBの土地の近くにあった、Bの土地がAの土地の近くにあった、そうしたらABがお互いに貸し借りをする、これは一定の合理性があるんですよ。その場合は偽装じゃないでしょう。これは、ABがお互いに貸し借りしたって、一万五千円の対象になるんでしょう。
○石破国務大臣 それは、形式要件的にはそうなるのかもしれません。
 しかしながら、そこにお金が支払われるというのは、貸し借りが行われれば自動的にそれを支払うということを意味いたしません。それが本当に支給するにふさわしいものであるかという判断は当然なされるものでございます。
○筒井委員 質問時間がなくなって、まだまだいっぱい聞きたくて、特に選択的減反、減反政策について麻生総理と石破大臣にお聞きをしたかったんですが、そこまでいく時間がありません。
 それで、あと残った時間を、今の自民党の政策は補助金行政なんですよ、これを所得補償政策へ転換する、これが民主党の大きな政策なんです。補助金行政から所得補償政策へ、これをやらなければいけない。
 今、農水省の補助金は、今度の補正予算だけとってみたって、何項目の補助金ができたかというと、七十一項目ですよ。今度の補正予算に関する補助金だけでそうなんです。それは、全部含めたら何百項目にも及ぶんですよ。こういう補助金制度、まさに農水省一係一補助金みたいな、そういう補助金の仕組みでは国民から理解されるはずがないでしょう。それを原則所得補償制度に一本化して、そして、もっと透明化、わかりやすくする。
 今の補助金は、物すごい項目あるだけでわかりにくいですが、その上に、中には本当に何回聞いたって仕組みがよくわからない、農家自身もわからない、なかなか理解しがたい、こういう補助金項目があるんですよ。これじゃ一般国民の理解を得ることができない。
 そして、この前も燃料費が上がったときに緊急補助金をつくりましたけれども、ああいうふうにその都度その都度議論して補助金を支給する。だから、今、都会の消費者から見たら、農業は補助金漬けになっているという誤解が広がっているわけですよ。だけれども、全然農業は補助金漬けになっていないですよ。諸外国から見たら、まさに物すごい低水準なんですよ。
 こういうわかりにくい補助金の制度から所得補償政策へ転換をしなければならない。これはEUも、ヨーロッパも、それからアメリカも所得補償政策を出しているんですから、これをやっていくべきだというふうに今民主党は訴えております。そして、その中で、この所得補償の理論的根拠は、民主党はもちろん多面的機能に置いております。
 今、農業は一次産業の活動をしながら生産物を生産して販売しております。その生産物の販売には、もちろん対価はもらって有償です。だけれども、空気、水、土壌の維持保全という多面的機能については全く対価を得ておりません。無償で果たしております。この無償で果たしている多面的機能の経済的価値が一体幾らあるのか、これを数年前に日本学術会議が試算してくれたことがあります。森林・林業は年間で七十兆円の経済的価値を果たしている、農業は八兆円の経済的価値を果たしている、漁業は十兆円である。物すごい巨額な額ですよ。その巨額な金額が厳密に正しいかどうかは別にして、物すごい額の経済的価値を有する多面的機能を無償で果たしていることは確かなんです。
 それに対して、その対価の一部として所得補償を支給する、これは極めて合理的な根拠がある、こう考えるんですが、石破大臣、どうですか。
○石破国務大臣 委員の真摯な御議論はいつも傾聴させていただいております。
 その中で、私は一つ申し上げたいのですが、直接支払いは、日本は少ないのだ、ヨーロッパは多いのだというお話がございます。一戸当たりに見た場合には、一戸当たりの政府からの直接支払い額は、アメリカは百十八万円、EUが七十万円、日本は二十六万円、確かに低いです。しかしながら、耕地面積当たりではどうなんだ、一ヘクタール当たり幾ら出しているんだというと、アメリカは一万円しか出していない、ヨーロッパは六万円、日本は十六万円出している。つまり、面積当たりで見れば、日本はアメリカの十六倍直接支払いをしている、EUの三倍している。これをどう考えるべきなのだということが一つの論点です。
 もう一つは、私どもが考えていますのは、先ほど来同じことを申し上げますが、どれだけコストを下げるか、どれだけ付加価値を上げるか。何でもいいから所得補償ということになって、本当に需要に応じたものがつくれるか。意欲をどのように考えるか。好きなだけつくってちょうだいな、それで価格が落ちたら補償しますよというような話にしたときに、本当に農産物が、実需者に合ったものがつくられるかということだと思います。
 そこにおいて、私どもは、七十幾つもとおっしゃいました。それは、畜産農家の皆様へ、野菜農家の皆様へ、あるいは果樹農家の皆様へ、それぞれにきめ細かい政策を打っていく。そしてそれぞれに、どうやったらばコストが下がるか、どうやったら付加価値が上がるかということ、おっしゃいますようにわかりにくい政策でした、それをわかりやすい一枚の絵にして、農業者一人一人にわかったと言ってもらえなければ農林水産省の政策として意味がない、それは委員御教示のとおりです。
 そのことにきめ細かく一つ一つ対応するのか、所得補償というふうに一概に言うのか、そこの違いは大きいのだと私は思っております。
○筒井委員 予定したものがほんの一部しか終わりませんでしたので、さらに予算委員会を続けていただけることを望んで、きょうの質問は終わります。
 ありがとうございました。
○衛藤委員長 この際、細野豪志君から関連質疑の申し出があります。菅直人君の持ち時間の範囲内でこれを許します。細野豪志君。
○細野委員 民主党の細野豪志でございます。
 麻生総理を初め閣僚の皆さん、よろしくお願いをいたします。
 補正予算の具体的な問題に入る前に、まず麻生総理に、世襲の問題についてお伺いをしたいというふうに思います。
 もう総理も御存じのとおり、民主党は、選挙区内で三親等以内にそのまま選挙区を引き継ぐことを内規で禁止する、そういう方針を固めました。また、自民党の中でも、菅選対副委員長を初め、世襲については制限をしていくべきではないかという議論が随分広がってきているというふうに承知をしています。
 世襲を制限するということについて、麻生総理はどうお考えになっているか、伺います。
○麻生内閣総理大臣 これは、選挙区の世襲を含めまして、選挙のあり方、選挙区のあり方、選挙制度のあり方、いろいろ各党で議論をされるのはよいこと、基本的にそうだと思っております。
 その際に、各党がみずからのルールを、自分の党のルールはこれでやるというのも、それは一つの見識だと思っております。
 ただ、私は、この問題は、広く政治家というものに対して、多くの有能な方々をどれだけ多く参加せしめるか、また、それでどれだけ自分の党に、自分の党の都合でいけば自分の党にふさわしい人を獲得できる、そういったようなことをつくった上で、かつ、それを国民が選べるような仕組みというものをどのようにつくるかというのが一番の問題なんだと思っておりますので、この選挙のあり方等々につきまして公約にどうするか等々は、今、自民党で目下検討中になっていると存じます。
○細野委員 麻生総理は党の総裁なわけですね。もう党の幹部の方が世襲制限について具体的な提案もされているわけですね。総裁としてのお考えはどうなんですか。自民党としてこの世襲を制限するお考えがあるのかないのか、それを聞いているんです。
○麻生内閣総理大臣 これは、内閣総理大臣じゃなくて、多分、自由民主党総裁に聞いておられるんだと思っておりますが、今お答え申し上げましたとおり、自由民主党で目下検討中としかお答えのしようがございません。
○細野委員 では、個人としてお伺いしましょう。麻生太郎衆議院議員として、世襲を制限することについては、御自身が世襲であるということも含めてどうお考えになるのか。
 さらに言うと、私は、やはり閣僚の皆さん、二世の方で立派な方がいらっしゃるのはわかりますよ。私もいろいろな二世の方を見ていますから、それは、やはり子供のころから政治家の背中を見て世の中のことを考えているのは大変貴重な経験だと思いますよ。
 ただし、例えばおやじさんが直接そのまま選挙区を譲ってしまう。例えば、神奈川の十一区では、小泉元総理が息子さんを指名して、そしてそこで、親ばかだからということで指名をされた。
 私は思うんですが、神奈川十一区に自民党から我こそは出たいという人がいたかもしれないですね。よく二世の方の職業の選択の自由を言われる方がいるんですが、それはそれで確かに大事かもしれない。ただ、それと同時に、さっき麻生総理もおっしゃったとおり、それ以外の政治に入りたい人の職業の選択も大変重要で、そのためには世襲制限をある程度考える必要があるのではないかと思いますが、政治家麻生太郎衆議院議員としては、どうお考えになりますか。
○麻生内閣総理大臣 細野先生、親が選挙に出ましてから私が出るまでどれぐらいたっておると思いますか。二十五年あいております。二十五年あいていても世襲かと言われると、これはまたまたいろいろ難しいところが出てくるんだと思いますので……(細野委員「二世と申し上げている」と呼ぶ)だから、ならば私は五世ということになりますので、それは、二世という定義もまたいろいろ、言葉の言いがかりをつけるつもりはありませんけれども。
 私は、そういった意味で、神奈川十一区は神奈川十一区で、小泉さんの息子に対抗しておれが出たいという人が出てきたら、そこの神奈川十一区の自由民主党の選挙区支部内でいろいろ検討をされるところであって、その選挙区で経られるというのは当然なんじゃないですか。
 私どもは、その点は、その選挙区支部の見識なんであって、自由なんだと思いますので、党首においても、出たい人が出られる政党、出たくても出られない政党、いろいろあろうとは思いますが、私どもの支部としては、少なくとも、出たい人が出ようというのであれば、自由民主党の十一区支部内でいろいろ検討されてなるというのは、私、それは別に、自由なんじゃないでしょうか。
○細野委員 建前に終始をされるわけですが、神奈川十一区において小泉総理の息子さん以外にチャンスがなかったなんというのは明々白々じゃないですか。そういうところできちっと違う人にも門戸を開放して、小泉元総理が一年ぐらい前に引退を宣言されて、息子もいいけれどもほかの人も出てこいという議論があったのなら今の話は通用しますよ。実態を全く反映していないですよ。そういうことの実態も把握せずに党に丸投げをするというのは、要するにやる気がないということ以外の何物でもないですよ。
 この問題だけで終始をするわけにいきませんから、政治と金の問題に話を移したいと思います。
 まず、このパネルをちょっとごらんいただきたいんです。このパネルは、平成十九年度一年間で、麻生総理が関連をしておられると思われる政治団体、結構探すのが大変でしたが、十六ありまして、その中には自民党福岡県第八選挙区支部も含めて、すべて足し合わせた歳入、この年だけの入ってきたお金のグラフです。
 見ますと、総額が三億八千万強という非常に多くの金額を集めておられますね。その中で、パーティーの収入というのが七二%を占めていまして、非常に率が高い。あちらこちらで盛大なパーティーを開いておられて、その上がりが非常にたくさんある。二つ目の収入が企業・団体献金で、これが一三%。それぞれ、二億七千万、そして五千百万円という非常に大きな金額を集めておられます。政治に金がかかるかどうかという議論があるんですが、ちょっとこれはお金をかけ過ぎじゃないかという思いが一つ。
 そして、もう一つは……(発言する者あり)ちょっと静かにさせてください。
○衛藤委員長 静粛に。
○細野委員 自民党の方に申し上げますが、我々は、民主党内で、今さんざん政治と金の問題を議論していますから。議論して、企業・団体献金は制限をして、個人献金をふやしていこうという議論をしているんです。
 総理にお伺いしたいのは、もうそろそろそういう金のかかる政治に一定の決別をして、そういうことを一歩前に進めるということについて、総理はどうお考えになるかということをお伺いしたいと思います。
○麻生内閣総理大臣 今、政治資金のあり方ということにつきましては、細野先生、前々から申し上げておりますように、これは、民主主義のコストをどう負担するかという話が根本にないとおかしいんだと思っております。したがって、これは各党が議論されればよいことなんだと思いますが、その上で、かつ、各党が議論して決めた法律はそれぞれの政治家が守るということを大前提にしていただかないといけないんだと思っております。また、企業や団体も政治活動というものができるというのは、労働組合を含めて、これは政治献金が認められていることになっているんだと理解をいたしております。
 また、企業・団体の献金というものが政党及び政治資金団体あてに限定をされるということになったというのは、これも長い時間をかけてそのようなことになってきたという経緯があろうと思っておりますので、各党各派において今後十分に議論をされるべきことなのであって、自由民主党としても同様な議論を、これも先ほどの議論と同様にいろいろさせていただいているところであります。
○細野委員 非常に残念ですね。これも各党各会派で、丸投げですか。総理としてのお考えはないんですか。
 総理、私はまだ九年しか国会議員をやっていないんですが、企業献金、団体献金なしで九年間やっているんです。それは、財政的には厳しいですよ。財政的には厳しいけれども、先ほど総理のお金を出しましたが、多くのパーティー券は企業から買ってもらって、企業献金をもらって政治活動をされているわけですね。どうしてもそこに、企業の利益と政治家の行動というものが、どうこれに整合性をつけるのかという問題が出てきて、これまで何度も何度もそういう問題が繰り返し繰り返し出てきているわけです。
 そういう中において、個人献金というのをもらうと、一部……(発言する者あり)今もちょっとやじが飛んでいますが、個人だって利益を求めることがあるよという話があるんですが、それは努力をしたことがない人の発言です。私は、例えば年間一万円とか、場合によっては数千円をもらっていますが、皆さん利益を求めませんよ。会合に参加をして、そして選挙も手伝ってくれて、民主主義の参加の仕組みなんです。
 我々は、政治文化を変えて、もうそろそろ政治のこのお金の問題から決別をして、個人献金でやれるような仕組みをつくろうではないかということを申し上げているんですね。そういう政治文化を変えるということで一歩前に踏み出す、そういうお気持ちが総理にあるのかないのかというのをお伺いしたい。どうですか。
○麻生内閣総理大臣 私は、今のお話を伺っていると、個人の献金はすべて正しいとも思いませんし、すべて悪いとも思いませんし、同様に、企業・団体献金に関しましても基本的に同じものだと思っております。
 個人でしていただける方が多いということはそれは喜ばしいことなのでありまして、そういったようなことができるということは、同時に、企業にもこの人を推したいという気持ちがあるのを、それをとめるというのはいかがなものかと思っておりますので、企業・団体をすべて禁止する、労働組合を含めまして団体からの献金もすべてというのはいかがなものかと思っております。
○細野委員 大変残念ですね。やじで小沢代表はどうなんだということがさんざん飛んでいますが、それは、来週党首討論をやるようですから、総理もお考えがあったらそこで正々堂々とやってください。その議論というのは我々はさんざんしてきて、代表自身もこれまでのやり方と変えようというふうに言っているんですから、堂々と議論していただければいいと思いますよ。
 その上で、補正予算の議論に入ります。(発言する者あり)ちょっと静かに。
○衛藤委員長 諸君、静粛にお願いします。
○細野委員 筒井委員が質問をされた基金の問題について改めてお伺いをしたいんですが、総理、ちょっと資料を配っていますので、ごらんいただけますか。三の一と書いた資料に、今回新たに創設をされた三十の基金のそれぞれの委託先、決まっているところ、そして金額、それぞれが書いてあります。縦の紙です。総理、手元の紙をごらんいただけますか。
 これは、農水省から文部科学省、さらには厚生労働省と、それぞれの省庁別に書いてあるんですが、総理、右側に書いてある数字が何かおわかりになりますか。農業経営維持安定支援基金、全国農業会議所、三。これは、この団体にもう既に天下っている役員のみに限定をした官僚OBの数です。全部で六基金が、もう既に天下り先に丸投げをされるという形になっています。さらに、さっき石破大臣が答弁をされましたとおり、まだ委託先が決まっていない農水省の八基金については、天下り団体も排除をしないという答弁がありました。
 総理、ことしに入って予算委員会で、もう天下りについては根絶するんだ、天下り先の問題は自分で解決をするんだとおっしゃっていますが、総理御自身が組んだ補正予算において、基金でこれだけ天下り団体に流れていること、これをどう思われますか。これでいいんですか、本当に。お願いします。
○麻生内閣総理大臣 先ほど石破大臣からの御答弁もあっておりましたが、少なくとも、天下りがあるないにかかわらず、今回の補正予算を歳出するに当たっての目的にきちんと合っている、そういった団体、能力、そういったものをきちんと施行できる、そういった団体というものが基準の一番に上がってくるべきなのであって、私どもとしては、そこに一人でも役人がいたらだめというようなことを考えてしているわけではないと思っております。
○細野委員 総理、これは基金ですから、二年とか三年、それぞれの団体がお金を預かるわけですね。きょうは細かくなりますから聞きませんが、これは法的な根拠もなくお金を丸々預かるんですね。預かったら恐らく経費も出るんでしょう、事務費が計上されていますから。要するに、天下り先に総理は自分で基金をつくって、そこにお金が流れる仕組みを認めるんですよ。その上に、さっき農水大臣の答弁はあったけれども、天下り団体、相当存続が危うくなっているところがありますから、そういうところが手を挙げて、二年から三年、それで息つく可能性も十分あると私は思いますよ。
 そういうことも含めて、総理には、この天下り先について、こういうお金が流れるということに対して危機感がないのは大変残念だと思いますね。
 その上で、実は今回、天下りが問題になるのはこの基金だけではありません。具体的に指摘をすると、既に我々が確認をできているものだけでも概算約三兆円、天下り先に今回税金が流れる形になっています。総理、いいですか、そこに天下っている官僚OBは概算で九百人ですよ。これだけの天下りを温存する予算を組んだということについて、もう少し責任を感じてもらいたい。
 具体的に指摘をします。
 まず、都市再生機構ですが、これはかつていろいろ問題になってきました。こうした天下り関係の問題というのは、ほぼすべてがここに集約をされているぐらい。天下りがあり、その下にファミリー企業があり、そのファミリー企業に独立行政法人から天下っている問題もあり、そこに埋蔵金もたまっている。そして、赤字体質で、それこそ債券の借りかえなどで税金も投入されてきました。おまけに、非常に不明瞭な入札もこれまで指摘をされてきた。この都市再生機構に今回の補正予算で、何と一千億円予算がつくんですよ。
 金子大臣、きょう資料にもつけておりますが、三の二、これは平成十九年の十二月二十四日に閣議決定をされた独立行政法人整理合理化計画の都市再生機構の部分です。都市再生事業にこう書いてある。機構が行う事業は「防災性の向上や環境の改善、地方の都市再生など公の政策目的に資するものに限定」。こうやって限定をして、事業の「基準を平成十九年度内に明確化」と書いてある。これは、聞くところによると、この基準を変えて今回一千億円資金をつけるそうですね。
 大臣、これをやるなら、この閣議決定を一回白紙に戻すか、新たな閣議決定をつくってからやってもらいたい。これだけ問題になってきた都市再生機構に新たに一千億円を何でつけるんですか。この閣議決定との整合性をどう考えていますか。
○金子国務大臣 最大の理由は、今度の経済不況、細野委員ももうよくおわかりのとおり、サブプライムという金融から始まったこと、特にその結果として、我が国でもファンドが投資してきたいわばこういう都市再生事業、これが一斉に海外に引き揚げるという結果を招いていること、その結果として、不動産市場に、都市開発事業におけるいわば金融の収縮が著しく起こっているということが、今回、経済対策として行われることであります。
 そういう意味で、今御質問あった出資金一千億は何に使うのかということについて申し上げれば、事業費を全体で三千百億円、そのうちURを通じまして、事業費三千百億のうち出資金を一千億として、この頓挫している事業を支援するというものであります。
 それから、二番目の御質問に対する、閣議決定を十九年にしたではないかと。確かに十九年に基準をつくりました。しかし、この十九年につくりました閣議決定、事業基準と言っていますけれども、事業基準を新たに閣議決定する必要はない。それは、ただし見直しはさせていただきます。
 具体的に申し上げれば、基準の運用の見直しです。三年に限り、国または地方公共団体によるまちづくりに関する計画に位置づけられ、かつ民間による事業が頓挫している地区について、URが土地等を取得し、土地の集約、公共施設整備を行った上で民間に敷地を供給するという、いわば基準の見直しであります。十九年のこの閣議決定の範囲であります。
○細野委員 総理、いいですか。閣議決定でURについては事業を縮小します、そういう閣議決定をして、そして基準をつくったんだけれども、今回それを外します、そういう答弁ですよ、大臣は。
 さらにひどいのは、雇用・能力開発機構。ここには補正予算で約百五十億円の予算がついています。この雇用・能力開発機構の廃止を決めたのは去年の年末ですよ。私のしごと館をつくって大赤字を出して、問題が出て、さんざん自民党内で議論して廃止を決めたんじゃないんですか。そこに新たに百五十億円もつかみ金を渡して、これはどういう説明をするんですか、舛添大臣。
○舛添国務大臣 細野さんも、全体をよく見てもらわないと困る。
 私のしごと館や何かは、ちゃんとこれは廃止をする。しかし、この間の雇用情勢の悪化を見たときに、それは与野党含めて、片一方では、国が責任持って職業訓練をし、ハローワークだってちゃんとやれと言う。片一方では、そんなのやめてしまえと言う。
 基本は、あなたがここに、この三の三ですよ、閣議決定の概要を持ってきているけれども、引用するならちゃんと全部引用してもらわないと困るんで、私がそこできちんと言ったことは、そこに書いていないことで何を言っているかというと、「国の産業政策・中小企業政策等との連携を強化し、雇用対策や、国際競争力強化に資するものづくり支援の一環として、国の責任において職業訓練を行う組織とする。」となっているわけですから、国の責任において職業訓練を行う。これまで、あのテント村のときから何から全部国の責任でやれやれと言ってきたからやって。それから、もともとこの雇用・能力開発機構というのは、要するに二事業、つまり事業主が出しているお金をもとにしてやっているわけですよ。
 しかしながら、今回、私はきのうも菅さんに言ったのかな、いろいろな方に言ったけれども、モラルハザードの問題もありますよ、だから、一生懸命職業訓練をしてちゃんと就職した人に対しては、それは返還を全額免除があっていいけれども、そういうことも考えなさいということを言ったのです。今回は、こういう形で、この緊急事態でありますから、生活保護と雇用保険とのネットワークの間の真ん中を拡充しろということを皆さんおっしゃって、私もそれはいい案だからと言ってきた。
 そして、これは都道府県に委託しようとしても、すぐにはできませんよ。すぐ今やれる組織で我々が持っている組織はこれですから、それをきちんと使ってやる。結果が大事なんです。
○細野委員 予算を見ていますと、こう書いてあるんですね。一番大きな百五億円の予算は、医療、福祉、農業分野等の委託訓練の拡充と書いてあるんですね。
 いいですか、大臣。農業ですよ。実績を出してもらいました。平成十九年度で農業の委託をしたのはわずか五件ですよ。どこにノウハウがあるんですか。介護というのは、これは自治体でやっているんですから、都道府県で十分やれているし、これまでもやってきたんですよ。そんなのは、この天下りの、廃止が決まっている独立行政法人雇用・能力開発機構に任せるのではなくて、自治体もできるし、実際に農業なんというのはノウハウがあるところはいっぱいあるんですよ。
 総理、残念ながら、金子大臣にしても舛添大臣にしても、それは突貫作業だったからにしても、都市再生機構にしても雇用・能力開発機構にしても、天下りでこれまで問題になってきて、さんざん議論をしてきたんですよ。そういう天下り先に税金が垂れ流しされるのをやめようと言ってきたのに、全部、役人の皆さんにだまされて、そのまま予算を出してきているじゃないですか。そういうことについておかしいと言えなきゃ、それは天下り云々などと言う資格はないと思いますよ、総理。どうですか。
○麻生内閣総理大臣 先ほどそれぞれ石破大臣、舛添大臣からの答弁もありましたとおり、少なくとも今の現状において極めて緊急であることは確かですけれども、その上において、法律に従って、少なくとも今回の事業を実行、施行せしめるに当たっては、最も適切な団体を選んだというように理解をいたしております。これが基本なんだと思います。
 これは結果がすべてですから、そういった意味で、それでやってしっかりした結果は出してもらいたいと思っております。
○細野委員 こういうことについての本当の意味で危機感、国民の税金を預かっている危機感が総理には希薄だなということがよくわかりました。
 最後にもう一点だけお伺いしたいのが、天下り先で私がいろいろな無駄遣いを発見しましたが、その中でも最もひどい、実は、公共事業は少ないと言っているんですが、もう一つ莫大な予算がついているのがありまして、これが施設整備費なんですよ。官庁であるとか独立行政法人の箱物をつくるという予算。今年度の当初予算はわずか六千四百九十億円なのに、何と、この補正予算だけで二兆九千億もついていますよ、箱物に。これは、総理、赤字国債が出しにくいから、建設国債なので出しやすいということはあるのかもしれないけれども、余りに悪乗りし過ぎ。
 その中でも私が一番問題にしたいのが、これは文科大臣にお伺いしたいんですが、文科省所管の独立行政法人に科学技術振興機構というのがあります。天下りが七十三名もいる。文科省から六十五人天下っている、まさに文科省丸抱えの団体。ここは当初予算で施設費はゼロです。それが補正予算で七百二十五億円ついている。何をするんですかと聞いたら、三の四につけてありますが、四十七都道府県のすべてに箱物をつくる、研究開発の拠点をつくる、その施設費と、そして設備のみにこの予算が使える、そういう予算を組んでいるんですね。
 ちなみに、文科大臣、もしかしたら御存じないかもしれないけれども、この科学技術振興機構というのは、イノベーションプラザ、サテライトという拠点を全国に十六カ所持っていまして、これも、一昨年の独立行政法人の整理合理化計画の中で同様の施設を削減しなさいと言われているんですね。削減もまだ手についていないのに、今回、四十七、補修及び新築でまたつくるというのは、どう考えても説明がつかないんですよ。何でこんなものをつくるんですか。
○塩谷国務大臣 細野委員も静岡県ですから、サテライト施設が静岡にあることも知っておりますし、JSTが地域の産学官連携の拠点として努力しているということも十分承知している上で、今回は、基本的に、経済危機対策ということで、底力発揮の一環として今回の計画がなされたわけでございまして、もちろん今までの拠点的施設もありますので、そこはそこで充実させるということ。
 それから、特に、今までないところが、大学あるいは自治体、産業界からの強い要望がありまして、そこにやはり満遍なくやることが底力の発揮、地域の活性化につながるという観点で、今回はこういう計画を立てたわけでございまして、今までのいわゆる重複する施設、そういうところにはそれなりの増築とかという小幅なことでやりますので、特に今までなかったところがやはり要望が強いということで、今回、底力発揮ということで、経済対策のことで計画したわけでございます。
○細野委員 大臣、私はこの分野の専門家にも随分話を聞きました。もう要らないと言うんですよ。なぜかというと、先ほど言ったように、この科学技術振興機構自体が全国に既に十六のサテライトプラザなどを持っている。さらに、経済産業省の所管の独法である中小企業基盤整備機構の施設だけで十七都道府県に研究開発拠点は既にある。さらに、都道府県にはそれぞれ類似のいろいろな公益法人なんかがあって、三十四の都道府県にはもう既に箱物があるんです。さらに新しい箱物を、何か田舎の方につくるみたいなことをおっしゃるが、四十七全都道府県の数がこの予算書にも書いてあるじゃないですか、予算要望書に。これは、私はどう考えても無駄になると思います。
 総理、時間もないので、最後に一点指摘したいんですが、三の四につけてある資料をごらんください。今回、この予算は問題なのではないかというふうに指摘をして、では、どうやって予算が決まったかということについて、文科省の担当者から伺いました。
 この科学技術振興機構から文科省に対しては、予算の要望は来ていません。実際に文科省も、今回のこの予算については、本予算で要望すらしていません。そして、文科省から財務省に対してどういう要望書が出たかというので、紙をちゃんと出してくれと言ったら、このA4の紙一枚が来た。この紙一枚で財務省は、この六百九十五億円という予算を通したんですよ。総理、よろしいですか。
 この七百億近い予算をつくるのに、文科省は検討会も一回も開いていません。科学技術振興機構も一切検討会議を開いていません。文科省がA4の紙を一枚出して、財務省からも一回も問い合わせが来ていない。四月七日ですよ、この紙がつくられたのは。
 こんないいかげんな予算を組んでおいて、恥ずかしいと思いませんか。この紙一枚、A4の紙一枚で七百億予算がついている。これは総理、答弁してください。
○与謝野国務大臣 主計局が文科省の担当ときちんと打ち合わせた上で予算を作成したわけでして、先生言うように紙一枚に凝縮されてはおりますけれども、考え方は非常にきちんとやっております。
○細野委員 総理、あの悪名高い、今度お台場につくられるあのアニメの殿堂、あそこですら、去年の夏から会議を開いて報告書を出して、そして年末に決めたんですよ。私は、あれは問題があると思うけれども、それは一応検討したとわかりますよ。
 ここは、今、財務大臣おっしゃったけれども、主計局から問い合わせは一回も来ていないと、私、直接話を聞いていますよ。本音は、まさかこんな予算が通るとは思わなかったという予算を財務省は通したんですよ。そして、その予算をつくった総理はその責任をどう感じるのかということについて聞いているんです。
○衛藤委員長 財務大臣与謝野馨君。その後、総理に。
○与謝野国務大臣 細野先生が文科省から取材したということを根拠に質問していただいても、困るわけでございます。もし疑問があれば、ここに文科大臣がおられますので、文科大臣に直接聞いた上で我々に質問をしていただくことが正当だと思っております。
○細野委員 大臣、私は、科学技術振興機構にもきのう行って、課長と担当者とちゃんと話をして聞いているんですよ。調べていないのは大臣の方じゃないですか。
 総理、逃げずに答えてください。こんな予算の決め方で、責任を持って国民に説明できるのかということを聞いているんですよ。
○麻生内閣総理大臣 どならない、どならないで、聞こえますから。
 今、財務大臣から御答弁がありましたように、これを査定するに当たっては、しかるべき手順、いろいろあろうとは思いますけれども、時間がなかったとはいえ、きちんとした査定がなされた上で予算が出されたと思っております。
○細野委員 こういう予算を我々としては絶対認めるわけにはいかないということを最後に申し上げて、質問を終わります。
○衛藤委員長 この際、馬淵澄夫君から関連質疑の申し出があります。菅直人君の持ち時間の範囲内でこれを許します。馬淵澄夫君。
○馬淵委員 民主党の馬淵でございます。
 基本的質疑、連休明けの二日目、質疑の機会をいただきました。
 まず、この連休中は、高速道路がかつてないほどの混雑をきわめました。とりわけ、休日のETC搭載普通車限定、上限千円、この政府の施策によって、多くの方々が外出するきっかけになったというふうに思われます。
 この連休の初日といいますか、五月の二日午前八時には、これは東名高速松岡バス停、静岡ですね、富士インターを先頭に六十六キロ渋滞。当初の予測を大変大きく上回る結果となったわけであります。
 この渋滞状況は各地でも発生しているんですが、今回の大渋滞の最大の要因は、一つには休日限定というものがあるのではないかと考えられます。国交大臣、これは休日限定が最大の原因ではないかと思われますが、これについて、大臣、端的にお答えいただけますか。
○金子国務大臣 平日の割引というのはトラック、輸送を重点にしておりますので、休日に限って乗用車を割り引いております。平日まで全部割引をいたしますと、物流コストに非常に渋滞をはね返すことになると思います。
○馬淵委員 答弁になっていないと思うんですが。
 休日限定ということで渋滞が起きているなと私は思いますが、こうした問題というのは物流にも非常に大きな影響を与えております。
 もう一つ、今回の混乱といいますか、利用者の方々は喜んでおられると思いますが、しかし、この施策の中での問題として挙げられているのが、ETC限定という部分であります。このETC限定については、なぜ政府がこれにこだわるのかについてちょっと確認をしていきたいと思うんです。
 まず、これは局長から事実関係を御答弁いただきたいと思うんですが、このETCのシステムに関しては、セキュリティー管理を行う団体として、国交省所管の財団法人道路システム高度化推進機構、通称ORSEと申しますが、こういう組織がございます。この国交省所管のORSEに役員として天下っている常勤、非常勤の国家公務員は何名いらっしゃいますでしょうか。
○金井政府参考人 お答えいたします。
 平成二十一年四月一日現在のORSE、いわゆる道路システム高度化推進機構の役員のうち、国家公務員出身の再就職者は、常勤役員二名、それから非常勤役員二名、計五名でございます。
○馬淵委員 この国交省所管のORSEという団体に、役員に役人の方々が天下っている。これは、専務理事、元国交省北海道局長。常務理事が同じ国交省の官房総括監察官。理事二名、この方々は、元経産省の関東経済産業局長と東北経済産業局長。そして、監事は元警察庁関東管区警察局長ということです。事実関係として、国交省と経産省、警察庁の天下り団体ということであります。
 また、ETCの車載器のセットアップ、この累計件数は、本年の四月七日に二千九百万台を突破いたしました。車の交換ということで載せかえというのも含まれますので、すべてがセットアップにかかったかどうかは別ですが、金子大臣は昨年の会見で、ETCの設置費用について、機械と設置料金と全部で一万五千円くらいです、このように答えておられます。これは、おおむね概算で計算すれば、二千九百万台すべてが新たに購入したものではないかもしれないが、一万五千円としますと約四千三百五十億円。
 国民が多額の出費を迫られている一方で、ETCのカードが一枚発行されるごとにクレジットカード会社から九十四円五十銭、そして車載器が一台製造されるごとにメーカーから九十四円五十銭がORSEに収入として入っていく。これはこういう理解でよろしいですか。局長、イエスかノーの答弁で。
○金井政府参考人 お答えいたします。
 お尋ねのとおりで、ETCカード一枚についてカード会社から九十四・五円、車載器一台について車載器メーカーから九十四・五円をいただいております。
 なお、現在、利用者からは、当初五百二十五円いただいておりますけれども、それはいただかない、ゼロ円ということに。
 それから、恐縮でございます、常勤理事三名、非常勤理事二名、計五名でございます。さっきちょっと数字を間違えたようでございます。恐縮でございます。
○馬淵委員 このように、クレジットカード会社、そして車載器メーカーから九十四円五十銭がORSEに流れていく。この総額合わせて、平成十九年度、ORSEの事業活動収入は百十五億円でございます。
 つまり、ETCの設置は、国民負担をふやす一方で、ORSEにはクレジットカード会社あるいは車載器メーカーからお金が流れ込んでいるんですね。ETCが普及すればするほど、この天下り団体がもうかる仕組みになっている。だから、国交省が今回のETCに限定しているという理由には、これが一つあるんだということが考えられると思います。
 そして、もう一つ、私は大きな理由があるのではないかと思っておりまして、実は今、国交省がETCに助成金を出しています。国費として設置の助成をしているんですが、そこまで普及させたい最大の要因は何かといえば、これはETC普及による料金自動徴収の既成事実化ではないか、このように考えられるわけであります。
 国民の間に広くETCが普及する、その場合、おのずとこれは有料化が前提になりますから、国民の皆さん方は、みずから負担したETCを無駄にはしたくないということで、ETCの利用についてはおのずと前提になってしまう。国交省がねらうのは、ETCの国民への完全普及によって、高速道路の有料化を維持するということにほかならないのではないか。
 つまり、私が申し上げたいのは、この先にあるのは、道路特定財源が一般財源化されて、今日、その道路をつくり続けるお金を自分たちが失わないように、まさに高速道路の料金収入、これは年間二兆五千億円にも及びます。この高速道路料金収入を高速道路特定財源として死守すべく、このETC普及というのを大前提に掲げられているのではないか、このように考えられるわけでありますが、このことについて、私は、この質疑の中で一つ一つ確認をさせていただきたいと思います。
 さて、今、ゴールデンウイークの中のお話をしましたが、実は、ゴールデンウイーク前に大変重要な会議が開かれました。
 これは高速道路施策に関する会議でございますが、四月の二十三日の木曜日、週末を挟んでの三日後の月曜日、二十七日に第四回国土開発幹線自動車道建設会議というのが突如招集されたんです。委員は、国会議員が十名、そして各界の有識者十名の二十名。関連データやあるいは資料の開示というのは、当日もしくはその週末を挟んでの間ということですから、極めて短い時間。会議時間はわずか二時間です。各委員の発言はおおむね三分程度ということで会議が議了し、国幹会議は議を経たこととなりました。
 今回の会議で議題とされたのは、大きくは二つございます。一つは、高速道路として新たに四つの区間を、現在基本計画である、これを着工を前提とする整備計画に格上げすること。もう一つは、六つの区間について暫定二車線を四車線化していく、これが決定したわけであります。突然の招集、そしてわずか二時間の会議で、これらの事業総額、概算でございますが、一兆八千七百億円の道路整備が議了されたわけであります。
 そこで、お尋ねをしたいんですが、今回のこの補正予算、根拠となるのは四月十日の経済危機対策です。そして、この経済危機対策の中では、これは政府・与党会議や経済対策閣僚会議合同会議、ここで決められたわけでありますが、二つの事案がございます。国土ミッシングリンクの結合、交通の安全確保対策。これが、まさに今、国幹会議で議了された、議を経たとされる、高速道路四区間の整備計画への格上げと六区間の四車線化。ここには国幹会議に出された資料と同様のことが、実は経済危機対策にも書いてあります、国幹会議の議を経てこれを決定していくと。
 つまり、四月の十日段階では、国幹会議の議題というのは補正予算に組み込まれる前提でありました。すなわち、補正予算の提出日である四月の二十七日には、これは何が何でも国幹会議で議了されていなければならない。補正予算の審議ができないんですよ、国幹会議の議を経なければ整備計画への格上げもできませんから。
 突然の木曜日の招集ではありましたが、実は、四月の十日段階で国幹会議の議を経ることは前提になっている。にもかかわらず、資料の開示もない、提示もないままに、この二時間の会議で、委員が出席者十六名でした。十六名中十二名、自民党、与党の方々ですら、こんな進め方はおかしいと異論を挟みながら、最終的にはこれは議了です。総額一兆八千七百億円もの事業がこうした形で進められるということについては、これは大変異様な光景なんですよ。
 総理、これは、こういう形で進むことについていかがお考えですか。総理、いかがでしょう。
○麻生内閣総理大臣 それでは、お答えをさせていただきたいと存じます。
 まず最初に、自民党に限らず、これは民主党の議員も出ておられたと思っておったところを、今金子大臣に確認をさせていただいたところです。
 私どもの考え方として、補正予算の執行前に、補正予算と整合的ないわゆる高速自動車国道の整備計画案というものになると思いますが、国幹会議に諮るということにしておりましたので、御指摘のような問題ということにはならないのではないかと思っております。
○馬淵委員 私が申し上げているのは、四月十日段階でこれは国幹会議を経るという前提になっているわけですから、なぜ事前のデータ、資料の開示も含めた手続を踏まないのかということについては、委員の方々、多数の方々が異論を挟まれていたわけです。
 こうした形で、国民の方々は余りよく御存じないかもしれないと私は思うのであえて申し上げているわけですが、このように、わずか二時間、各委員の発言二、三分ですよ。そこで一兆八千七百億円もの道路整備が、これは議を経たとして次のステップに進むわけです。
 そこで、この国幹会議の決定された二点についてお尋ねをしていきたいというふうに思います。
 何とも異様な会議でありました。私も傍聴させていただきましたが、傍聴席からも怒号が飛ぶような形だったんですが、もうセレモニー、とにかく時間さえ過ぎれば自動的に採決というような形で進んでいった国幹会議で、非常に重要なことが決まった。小泉政権以来凍結されていた高速道路事業が初めて整備計画として承認されたんですね。
 小泉政権、そのときには道路公団の民営化という議論がございました。平成十六年の国会審議の中でもこの道路公団民営化議論をさんざんやってきた。もちろん、その前々年から道路公団民営化議論というのは進んできたんですが、この民営化議論のときには、不採算の道路はつくらないんだ、この理念のもとに、道路公団に対して国費を投入することはやめよう、こう決定してきたわけです。道路会社が整備する路線の決定というのは、道路公団が道路会社に移行しました、道路会社がみずからの経営判断で行うということになった。
 それが、今回の国幹会議では新路線を整備することが決められたわけであります。凍結が解除となったということで、まあ解除になったのはいいでしょう、しかし、解除にしたときのその整備の手法、私はこれが非常に問題ではないかと思っております。
 局長にお尋ねいたします。
 今回、新たな整備計画へと格上げされた四路線、これは総事業費一兆五千億ほどの規模でございますが、これだけの規模の四路線についてどのような整備手法をとるのか。これは、局長、端的にお答えください。
○金井政府参考人 整備手法としましては、基本的には合併施行ということを考えております。
 合併施行と申し上げますのは、有料道路事業で今の料金水準ですべての事業費を賄うことは不可能でございますので、足らず前の部分を直轄事業で実施して、直轄事業と有料道路事業あわせて合併施行という形でやらせていただくことを考えておりますが、これはまだこれから正式には地方自治体それから高速会社と協議して決めさせていただきますので、すべてではないと思いますが、多分四つのうち三つの事業は合併施行を想定している、このように考えております。
○馬淵委員 皆さんのお手元には資料をお配りしております。これは1をごらんいただいたらわかるんですが、各路線の整備手法の検討として国幹会議で説明されました。四路線のうち三路線については合併施行方式という形で書かれております。そして、一路線については直轄方式とすることを基本に検討ということで、このように書かれていますね。
 さて、合併施行方式というのは、ちょっとこれは耳なれないというか聞きなれない言葉なんですが、これは国幹会議に出されたイメージ図で皆さん方にごらんいただきたい。そして、パネルを用意しておりますので、パネルもごらんいただきたいと思いますが、この合併施行方式は、新設のための事業として、用地の取得やあるいは工事施行の大部分、このイメージ図でいいますと、盛り土であるとか用地もあわせて大部分は国が行う、そして高速道路会社は、舗装や標識や照明灯設置、残りの工事施行を行うといった方法であります。このように、国が大部分を使って、国費を払って、一部だけは高速道路会社が負担をする。
 そして、これは重要なんですが、高速自動車国道の整備でありますから、完成すればこれは有料の高速道路になるんですね。高速道路会社が料金を徴収することになります。
 局長、こういう理解でよろしいですか。
○金井政府参考人 合併施行でございますので、おっしゃるとおり、一定部分は直轄の方で施行いたしまして、最終的に高速会社が施行して有料道路として供用、開通するということでございます。
 なお、これは民営化のときも意見書で、新会社の採算を超える部分は国及び地方団体が負担するということで、合併施行でやるようにむしろ推奨されておりますので、民営化の理念と決して違っているものではないというふうに理解をいたしております。
○馬淵委員 民営化のときには議論はいろいろあったけれども、最終的にはこれは整理されたんですよ。道路公団民営化をしていく中で、道路会社がつくるのは、採算性を考えて道路会社がみずからの経営判断で行う、これを有料道路としてつくっていく。一方で、国がつくるのは、これは税金投入でありますから無料の道路にしていこう。これは整理が済んでいるんです。この合併施行、これが国幹会議の中で議を経たという形に実は進んでいっているんですね。
 これがどれぐらいの割合かといいますと、皆さんのお手元の1の資料にありますように、この三路線の合併施行方式は、道路会社の負担部分というのは一割から三割、あるいは二割から四割ですから、逆に言えば七割から九割の大部分は国費を投入して建設するということになります。大半を国費で建設して、そして、ある意味申しわけ程度に高速道路会社が一部を負担してつくった道路、これを有料の高速道路として高速道路会社が管理して、その料金を徴収する、これが合併施行方式。
 本来であれば高速道路建設に国費は投入しない。何度も申し上げますが、これは昨年の道路審議の中でも冬柴大臣を初め、あるいは、道路公団の民営化の議論のときにも小泉総理を初め各大臣、担当大臣、国費を投入しないということを明言されてきた。しかし、今回、合併施行方式という何やらわけのわからない、新たな整備手法などという言葉で国費を投入して高速道路を建設しようとしているんですよ。
 総理、私も合併施行方式というのは初めて聞きましたが、これは業界で何と呼ばれているか御存じですか。御存じないですね。私も知らなかったんですよ。こういうやり方を業界では薄皮まんじゅう方式と呼ぶそうですよ。薄皮まんじゅう。これは、いろいろなところを見ると、文献にも載っていました。薄皮まんじゅうの皮に例えて、薄皮施行あるいは薄皮まんじゅう方式などと呼ばれていると。これは非常にわかりやすいですね。薄皮まんじゅうなんですよ。本来ならば採算性をしっかりと経営判断して道路会社が施行する。そして、それはまさに有料化して、国民の皆さん方、使われる方に負担していただく、それが民営化の趣旨だったんです。
 ところが、この薄皮まんじゅう方式、道路会社の負担は上っ面の舗装の部分、薄皮の部分だけなんです。そして、このまんじゅうの大部分は、あんこは国の負担。さらに、できたものについては高速道路会社が有料化でお金を徴収するんですよ。この代金はどこに行くのか、高速道路会社に入るんですよ。
 つまり、いい商売ですよ。薄皮まんじゅうをつくってお客さんに売って、買ってもらって食べてもらった、その代金をいただくのはまんじゅうをつくった人じゃない、薄皮をつくったところだけが全部それをもらっていくんですよ。こんな仕組みを、今回、国幹会議の議を経たとするんでしょうか。
 さて、この薄皮まんじゅう、この方式について確認をさせていただきたいと思います。
 国幹会議の資料によりますと、今後の有料道路の制度の活用として、国交省みずからがこの合併施行方式の必要性を訴えています。私は、この予算委員会に先立って、四月二十八日、国交委員会で確認をしました。合併施行方式というのはこれまで高速道路の建設施行の中で採用されたことがありますか。ゼロですよ。今までなかったんです。今回初めて国幹会議で、整備手法として、先ほど申し上げたように、突然の会議を開いて何の資料の開示もなく議了したんです。高速道路は、本来ならば採算が見込めるということでなければ道路会社はつくらない、そういう前提でやってきたにもかかわらず、このような形で薄皮まんじゅう方式でつくろうとしている。
 皆さんのお手元には、資料の5をごらんいただいたらわかると思いますが、これは整理しているんです。繰り返し申し上げますが、これは第三回の国幹会議、そこに示されている高速自動車国道整備の流れという資料です。
 これを見ますと、国幹会議で整備計画の決定をしました。今回、四路線は整備計画の決定をしましたよ。国幹会議の議を経て、今度、国土交通大臣がこれを決定されるんですね。そしてこの先、新直轄方式による整備と高速道路会社による整備、二つに分かれます。新直轄方式とは何か。これは、採算がとれないと見込まれながらも国が必要と判断したときに、国費を投入して整備し、無料としてきたんです。これが新直轄道路ですよ。そして高速道路に関しては、採算性を勘案して有料化していくんです。これが有料道路方式です。こういう整理をして、有料道路方式と新直轄方式という整理をしてきた。これが民営化の趣旨にのっとった今日までの高速道路整備の進め方ですよ。
 それを国幹会議では、ただ単に、新たな整備手法の検討として、案として出しただけで、このまま進めようとしています。何度も申し上げますが、薄皮を道路会社がつくる、あんこは国、つまり税金が入る。これは総理、結局、国費の投入ということなんですね。
 総理、これは小泉さんが、道路公団民営化は郵政民営化に先駆けて、先にやると言って民営化を進められたわけです、構造改革の一環として。しかし、道路公団民営化以前の話にこの今回の施行方法というのは戻る話なんです。総理は二月の予算委員会の中で、郵政民営化は反対だった、このようにおっしゃっておられました。道路公団民営化については私はお聞きをしたことはないですが、今回のこの薄皮まんじゅう方式というのは、まさに民営化以前に戻る話なんですよ。総理、これは道路公団民営化以前に戻る話です。これを総理はどのようにお考えですか。
○金子国務大臣 馬淵委員、少し誤解をされているところがありますので、御説明をさせていただきます。
 まず、後半からいきますけれども、参考5に示された高速道路会社による整備と新直轄による整備というのは、九千三百四十二キロを仕分けしたということでこれを整理したものでありまして、こういう合併方式というものについてこれを整理したわけでも何でもありません。民営化委員会は、これから道路会社の採算が合わない事業はできない、したがって直轄事業と有料道路をかみ合わせてほしいという、合併施行方式というのをむしろ提言しておられるわけでありますから、それをまず使っているということ。
 二番目は、誤解と申し上げましたのは、薄皮という話が出ました。このお出しいただきました資料でも、例えば東京外環、一割から三割程度、有料道路部分が、道路会社が入る、そして残りは直轄が入る。仮に三割としましょう。三割が薄皮かどうかは別として、三割の部分きり、高速道路会社は採算が合わないから三割にとめちゃうんです。残りは、料金で払い切れないから入れるわけなんです。
 ですから、逆に言いかえれば、今おっしゃったことで間違いと申し上げるのは、料金が入ってくるのを、直轄事業があるから道路会社がぼろもうけだとおっしゃいましたけれども、そうじゃないんです。三割の部分、道路会社が自分でお金を入れた、その部分きり料金が返ってこないから三割きり入れていないので、残り七割は直轄で負担をしているわけでありますから、四十五年、約四十兆円の道路会社の債務は四十五年で引き続き返してもらうという大前提に沿っておりますので、道路民営化の方向と今の合併施行方式というのが全く軌を一にしている方向であるということを、これは誤解をされた表現をおっしゃらないようにしてください。
○馬淵委員 国交大臣、官僚の皆さんから説明されたんでしょうけれども、この高速道路をつくる仕組み、道路公団民営化のときの九三四二の整理、それは当然ですよ、それまで凍結されていたんですから。私が申し上げているのは、凍結されていたものを今回国幹会議で新たな整備計画として格上げしてきた。そのときに、今までこの方法はなかったんです。
 そして、この方法については、道路公団民営化推進委員のところで議論があったのは別ですよ、もうそれは道路公団民営化以前の話ですから。道路公団が民営化された後は、高速道路会社が経営判断で進めていくということが大前提なんです。国費を投入しないということは、繰り返し繰り返し国会の中でも各大臣が答弁されてきたんですよ。この大方針をもとに戻す話ではないですかと私は申し上げている。
 いいですか。変えてきたんですよ。前の話ではないというのを、まさに変えてきたんですよ。政府は今まで進めてきた方針を変えようとしている。だから私は麻生総理にお尋ねしているんですよ。
 麻生総理は、郵政民営化は反対だったとおっしゃったけれども、道路公団民営化も反対だったんじゃないですか。いや、そうでないというのであれば、道路公団民営化以前に戻るような今回の薄皮まんじゅう方式などというのは、これはまさに、本来進めていくべき構造改革を無駄にして、そして今回の補正予算、とにかく何でもいいから使え使えと言っているのと同じじゃないですか。麻生総理、いかがですか。
 総理、お答えください。総理です。いや、もう金子大臣、聞いていません。聞いていないですから。だめです。おかしいよ、これは。
○麻生内閣総理大臣 もっと静かにいこう、静かに。
 合併施行方式というのが何かいかにもインチキっぽいような話になっておられるように馬淵先生は言っておられるんだというように理解して、そういう話にされたいんだと思いますが、私は今話を伺って、合併施行方式というのは、私の知っている範疇では、国と高速道路の合併方式というのは前もやっていましたし、今既にやっておりますので、二十七日までになったのではないのではないか、私の知識ではそう思っております。
 これまでも、既に今やっているのは、圏央道、第二京阪などは合併施行方式により整備が進められている。(馬淵委員「それは高速道路じゃないです」と呼ぶ)それは高速道路じゃないかもしれないが、まあ、そういった合併施行方式というのをやっておるということだと思っております。
 したがいまして、私どもは今、平成十四年か十三年かの閣議決定によって、あのときに、採算のとれない道路というものについての建設抑制のため、旧道路公団の有料道路事業に対して国費を投入しないということを決めたというのが閣議決定だと思っておりますが、私どもは、道路というものは、今つくらなければならない部分もいっぱい出てきておる。これは地方からもいろいろな声が出てきておりますし、命の道路とかいろいろな表現も含めまして、いろいろな道路、また圏央道含めまして、関越と東名がつながっていく、こういったことは非常に大きな要素だと思っております。
 こういった合併施行方式によって直轄事業の部分に国費を充当するということは、交通の流れをよくする必要がどうしたってありますので、私どもとしては、それが合併施行方式であろうと、少なくとも、こういったものの必要性を考えた場合に、閣議決定の趣旨に反しているというわけではない、私どもは基本的にそう思っております。
○馬淵委員 総理、一点だけ訂正させていただきますけれども、高速道路はないんですよ。先ほど圏央道とかおっしゃったのは、これは一般道、自動車専用道路です。高速道路はないんです。今回初めてなんですね。
 繰り返し申し上げますが、高速自動車国道については、民営化の議論のときに、かつては有料国費という形でお金が投じられてきたんです、これをやめようということで閣議決定された。これは、平成十三年十二月十九日の閣議決定、特殊法人等整理合理化計画で決定しています。皆さんのお手元には資料の6であります。ここでは、国費は平成十四年度以降投入しないと決めました。そして、その後はもう投入しないということで民営化がなされてきたわけです。
 しかし、今回は、実は高速道路をつくるために、高速自動車国道をつくるために、合併施行方式という新たな方式を、これは高速道路で初めてですから、国幹会議の中で突然に上げて、そしてこれを実行しようとしている。私は、そもそも、このような状況というのは道路公団民営化の趣旨から逸脱するのではないですかということを申し上げているんです。
 そこで、総理、一つ私はお伝えをしておきたいのは、こうした閣議決定を行った後に、今回、実はこの国会ですけれども、利便増進事業として二兆五千億の国費投入を決めました。これは機構の債務の肩がわりという形です。これについて、実は同僚の高山智司議員が質問主意書を出しています。この二兆五千億の高速道路機構の債務の継承というのは、これは民営化の趣旨に反するのではないか、こういう問いでした。これに対して、政府閣議決定答弁というのは、高速道路の新規の路線の建設や各高速道路会社の経営の支援を目的とするものではないことから、民営化の趣旨に反するものではない、こう答弁されているんですね。
 しかし、今回の合併施行というのは、まさに高速道路の新規の路線の建設なんですよ。この質問主意書の答弁書を読むと、これは新規の路線の建設でないからいいんだと言っていますが、新規の路線の建設なんです、今回。ということは、この閣議決定の質問主意書の答弁に反することを合併施行しようとしているじゃないですか。
 これは、総理、どうお考えになりますか。高山議員の主意書のこの答弁書を読んでみて、だれが見たってわかる言葉ですよ。(発言する者あり)いや、聞いていません。総理、これはどうお考えですか。
○衛藤委員長 国土交通大臣金子一義君。事実関係をお答えください。
○金子国務大臣 かなり込み入った議論でありますので、担当大臣である私が端的に答えさせていただきます。
 閣議決定で国の金を入れるということをやめたのは、有料道路事業に対して入れる、その結果として、旧道路公団を念頭に置きますと、委員、念頭にあるのは多分三千億のお金だと思いますけれども、お金を入れることによって道路が次々とつくれるという仕組みができてしまうことに対して、不採算路線に及ぶのでやめようというのが一番の趣旨でありまして、今回のは、ここは有料道路事業ではありません、直轄事業に入れます。
 それから、不採算というのがありましたけれども、採算が合う部分だけは道路会社に負担してもらう、それ以外は……(発言する者あり)採算が合う部分だけは道路会社で入れてもらう、それ以外の部分は直轄負担金ということであります。
○馬淵委員 金子大臣、もう御答弁結構ですから。だから、それを不採算と呼ぶんですよ。まさにそれは不採算なんですよ。
 総理、私は話を戻しますよ。閣議決定したこの主意書の答弁は、明らかに、高速道路の新規の路線の建設ではないから趣旨に反するものではないと書いているんですね。でも、今回は、高速道路建設のために国費を投入するんですから、道路公団民営化の趣旨に反することをするんじゃないですか。
 総理、これは別に技術論でも何でもないですよ。閣議決定という、まさに行政の執行の立場に立って判断することですから、これは総理がお答えいただくべき問題ですよ。いかがですか。
○麻生内閣総理大臣 今金子大臣がお答え申し上げましたとおりが基本ですが、合併施行方式によります高速自動車国道の整備というものは、直轄事業と有料道路事業を組み合わせて行うものであります。したがって、国費はそのうちの直轄事業の部分に充当するものでありまして、有料道路事業の部分に充当するものではないということを先ほど金子さんの方から申し上げたとおり。
 したがって、合併施行方式による整備は民営化の趣旨に反するものではないというように考えております。
○馬淵委員 いや、総理、びっくりしますよ。下の部分は国費を投入して、上の部分は採算が合っているからこれは採算なんだと。下は直轄で上は有料道路で、上は採算が合っているからこれは民営化の趣旨に反しない。これは、だれが聞いたって納得できませんよ。そういう形で今まで道路をつくり続けてきたことに対して問題があるとして、道路公団民営化が議論されて、民営化されたんですよ。
 総理、道路官僚が何かいいかげんなことを言っていて、それに乗っかっちゃだめですよ。この合併施行方式がいかにでたらめかということをよく理解していただかないかぬと思いますよ。
 そこで、総理、こういった状況にある中で、総理は私の質問に対して、二月二十日、答弁いただいているんです。これは別の話ですよ。しかし、道路問題でした。私が高速道路無料化の議論をさせていただいたときに、総理は、無料化についてですが、受益と負担の原則についてこういうふうにおっしゃった。便益を受ける方と受けない方ということを考えたときには、そこは明らかに公平性を欠く、このようにおっしゃっている。つまり、受益者、便益を受ける方というのは負担、料金を払うんだ、だから、私たちが言っている無料化の問題というのは、これは公平性を欠くからだめだ、こういうふうにおっしゃっているんです。
 今回の話、まさに税金を投入して道路をつくっていくんですよ。そして、その有料料金は国民の皆さんが払うんです。総理が私にお答えになった受益者負担、受益と負担の原則を、政府みずからが今回この整備計画の中で覆すことになりますよ。
 総理、いかがですか。これは総理の答弁ですから。
○麻生内閣総理大臣 見解が違うんだと思いますが、合併施行方式というのは、先ほども申し上げましたように、直轄事業と有料道路事業を組み合わせて行うものだということだと思っています。国費はそのうち、何度も金子大臣の方から申し上げましたように、直轄事業の部分に充当するということであります。有料道路事業の部分に充当するものではない。
 したがって、料金収入で費用を償還することを基本とした有料道路制度を変えるというものではありません。合併施行の有料道路事業の分につきましては、これまでと同様、料金収入で償還を行うというのを基本としておられるんだと理解しておりますが。
○馬淵委員 総理、私が申し上げたのは、これは技術論でも何でもないです。事業の進め方について総理がリーダーシップを持って、あのときに受益者負担の原則を貫くとおっしゃっているんだったら、ここでも貫かなきゃおかしいんですよ。
 もう一つの重要な国幹会議で決定した事項についてちょっと触れますが、これはもっとたちが悪いんですよ。二車線の四車線化。確かに、二車線の供用部分というのは対面交通ですから、事故等安全確保対策、私は重要だと思っています。しかし、この進め方について、私はこれは非常に問題があるなと思っておりまして、国幹会議で決まった六区間について、暫定二車線供用しているんですね、これを四車線化しようということを国幹会議で決定いたしました。投入される国費は二千六百十三億円。
 国幹会議の中でどういう形で進めていくのかということでこれを見ますと、資料の、これは皆さんのお手元にお配りしていますが、2をごらんいただいたらわかるんですが、資料2には、これはどういうふうにやるんですかと確認したところ、「機構が保有する用地等の買取りによる」と書いてあるんですね。2の下のところを見ていただくと、暫定二車線供用中区間の四車線化について合併施行方式により、これはまた薄皮まんじゅう方式なんですよ、この薄皮まんじゅう方式で、現在供用二車線有料であることから、四車線全体を引き続き有料道路として管理、そして、これは「機構が保有する用地等の買取りによる」、こう書いています。
 では、一体どういうことなのかなと。これは六区間の一つです。皆さんにはお配りをしておりますが、これは今回整備決定された四車線化のある区間。これをごらんいただきますと、二車線が供用部分ですね。これは対面交通です。既にもう四車線整備の計画として四車線分の用地を取得済みです。そして、のり面の処理も四車線部分でちゃんとできているんですね。
 道路会社がこれを供用して、もうつくり終えたからこれを機構が資産として保有して、今、ちょうど道路会社に貸し付けをして、有料道路として使っているわけです、高速道路として。四車線化のこのところで、機構から国が買い上げる、これによって四車線化を進めるという話なんです。これはどういうことか。
 道路公団民営化の議論のときには、民営化後四十五年後に借金は全部返済します、その上で道路はすべて、借金を返済し終えたら機構は解散して、そして道路の帰属は道路管理者、国ですよ、国に資産は戻ります、こういうスキームでした。四十五年後にただで当然ながら国が自分の資産となるものを、今回、四車線化のためにわざわざこれは二千六百億お金を払って買い上げるんですよ。おかしくないですか、これは。
 いいですか、国が抱えているものです。それを機構が今、資産として保有して、そして借金返済をするんですよ。借金返済をして四十五年後には戻ってくる。少なくとも国に、管理者に戻る。それを今回四車線化のために、事業代を出すために二千六百億のお金を払うんです。
 この二千六百億のお金を払うという中身について、私は、これはどういうことですか、では、この二千六百億の事業費の内訳を教えてください、こうお聞きすると、資産の額に見合った事業費をつけているんだと。逆に言うと、事業費に見合うだけの価格で資産を買い取らなきゃいけないんだ。
 これは、やはり国費じゃないですか。要は道路をつくるために、こうやって四車線化事業という中で、とにかく自分たちが本来ならば民営化後四十五年後に戻ってくるはずのものをお金を出して買い上げて、そしてそのお金で道路整備をさせる。これは国費投入ですよ。薄皮まんじゅう方式は、すべてこういったところで運用されていくんですよ。
 そして、もう一つ重要なことは、これは局長に御答弁いただきたいんですが、先ほど申し上げた国幹会議の議を経たのかということなんですね。
 整備方式についてはどこで決めるのか、何度も確認しました。局長、ここでお答えいただけますでしょうか。この整備方式、いわゆる薄皮まんじゅう方式、合併施行方式というのは、国幹会議の議決事項あるいは議案事項でしょうか。イエスかノーかでお答えください。
○金井政府参考人 事業のやり方そのものについては、国幹会議の議決事項ではございません。今後、自治体であるとか高速会社の意向を踏まえて、私どもの方で検討させていただきたいと思っております。
 それからもう一つ、済みません。先ほどのいわゆる四車線化の事業手法の話でございますが、二車線を四車線にしますと交通量がふえますので、当然のことながら、投資限度額と言っていますが、有料投資額は若干ふえます。その分は高速会社に負担をしていただきますが、それで四車線化の金を全部出すというのは不可能でございますので、その足らず前の分については、先ほどの合併施行と同じで、直轄事業の方で負担をする、そのようなやり方をさせていただいております。
○馬淵委員 つまり、この合併施行方式、薄皮まんじゅう方式は、国幹会議の決議事項でも何でもないんです。そして、国会でも審議されずに、このまま補正予算の中でこそっと盛り込まれたんですね。
 整備手法というのは、自由に、国交省の胸先三寸で決まるんですよ。そして、今回も、これは本来なら民営化後四十五年後には自分のところに戻ってくるはずの土地やあるいは全体の資産の部分に国がお金を出す、そしてこのお金は、事業費に見合うだけのお金を出していく。
 総理、これはおかしくないですか。どう考えても、こんな無理なことをなぜやるんでしょうか。なぜこんな無理なことをやるのか。
 そこで、見ていきますと、実は道路整備特別措置法、ここで五十二条というのがございますが、ここでは、料金徴収期間の満了日の翌日において道路管理者に道路資産が帰属するとなっています。本来ならば、この道路整備特別措置法の五十二条、これを改正すべきなのではないかという疑義があります。事実、今回の二兆五千億円の利便増進事業に関しては、道路特措法を改正しているんですよ。なぜ今回はやらないのか。
 整備手法に関しては国交省の胸先三寸、しかし、法律を改正するとなると、麻生総理が一刻も早く一刻も早くとおっしゃっているが、これは国会審議にかけなきゃいかぬ。国会審議にかけることができないから、こんなスキームで道路をつくろうとしているとしか思えないんですよ。
 そして、もう一つ重要なことは、高速道路機構法というのがございます。これは第二十五条ですね。二十五条では、高速道路機構というのは、災害復旧費用の目的に限定して補助金を機構に投入できるとしています。災害復旧事業だけ、国は国費として補助金を出せるという仕組みにしたんですね。
 つまり、道路公団民営化のときに、とにかく無定見にお金が道路公団に流れ込んでいく、ああいった仕組みはこれから反省せないかぬということで、災害復旧事業に限り、限定する法律をつくったんですよ。縛ったんです。こうした法律があるにもかかわらず、まさに法の網の目のような話ですね、整備手法はどこで決めるかということが一切法定されていませんから、それを胸先三寸で進められる仕組みでこっそりやろうとしている。
 総理、これはどう考えてもおかしくないですか。十五兆四千億円、緊急の経済危機対策だとおっしゃりながら、こういう無定見なことをこのまま許されるんですか。総理、これはいかがですか。麻生総理、お答えいただけませんか。
○衛藤委員長 その前に、まず担当大臣から答えさせます。
○金子国務大臣 こっそりやられるという表現でありますけれども、国幹審を開いて、そこで議事として決めさせていただく。整備手法については、これから地元あるいは道路会社と相談をするということでありまして、国幹審というのはマスコミもフルオープン、傍聴も自由でありますから、非常にある意味オープンな場で議論をしていただいているのでありますので、今おっしゃるこっそりというのは全く不適切であります。
 それから、現在、箇所毎に周辺有料ネットワークとの連続性、それから現行の料金水準で有料道路として十分な投資が見込めるなどを検討しながら、地方の意見をも聞いて、新たに合併施行方式の整備を実施する、こういう手順でやってまいります。
○麻生内閣総理大臣 今お話があっておりましたけれども、基本的に、馬淵先生、やはり国の歳費、いわゆる税金を投入してもつくらねばならない道路があるということが基本なんだと思っております。それを我々としてはそういった意味できちんとしてやる。
 ただ、そこのところは、言われましたように、それを使っておられる受益者の方々から幾らかでもいただけるというのでないと、おれのところは全然使ったこともないし、おれは車もないし、免許証もないし、大体おれのところには高速道路がないとか、いろいろ地域によっては御意見が出るところでもありました。
 したがいまして、我々としては、こういった形で必要なんだというところには、外環道を含めまして、どうしても必要だというのであれば、国の歳費を投入してもやる必要があるんだということで直轄方式、そしてあわせて合併方式というものを考えたというように理解をいたしております。
○馬淵委員 まさにモラルハザードですよ。道路公団、当時問題だったんですよ。だから見直そうということで、先ほども申し上げたでしょう、機構法も二十五条で、国費の投入、補助金投入については厳しく制限していますよ。そして、皆さん方は、我々が無料化法案の話をすると、四十五年後、四十五年後とおっしゃるけれども、これは現実には償還が厳しい状況になっているから、こうした形で国費を投入してくれという話なんです。
 先ほど皆さん方のお手元に配った資料にもありましたでしょう。もう償還が厳しいんですよ。つまり、このままいくと、償還四十五年後の話だって砂上の楼閣になりかねない、だから薄皮まんじゅう方式で道路をつくり続けよう、これはこそくな方法じゃないですかと私は申し上げている。
 そして、総理が、いや、これは道路公団民営化以前の議論に逆戻しだ、こうおっしゃるならば、これは政府の大方針ですよ、大方針として号令をかけていただければいい。もちろん我々は我々の意見としてまた申し上げていく。
 このように、総理はかねがね官僚を使いこなすと言いながら、国交省の官僚、道路官僚やあるいは道路族議員にうまく丸め込まれて、こんなスキームをこそっと、何度も申し上げる、ほとんどの方、これは御存じないですよ。こういう仕組みで道路をつくろうとしていることを御存じだったですか、総理。いや、これはもう大方針だ、方針転換だとおっしゃるなら、そういうふうにおっしゃるべきですよ。
 私は、この国会の議論の中で皆さん方にきちっとお伝えしたいことは、二兆五千億円、高速道路料金収入というのがある。この二兆五千億円をとにかく死守せんがために、今、国交省は、薄皮まんじゅう方式で道路をつくり続けるなどという、道路公団民営化の趣旨に反する方策で道路をつくり続けようとしているんです。
 こうした二兆五千億円の料金収入の中で、実は道路債務の償還は一兆円足らずです。残りの一兆五千億規模に関しては、新たな道路建設や維持管理にお金を投入していっている。それで、さらに償還が困難になってきている。だから国費を投入する。つまり、これは国民に二重払いさせているのと一緒じゃないですか。税金も払わせ、料金収入も取る。だから私たちは言ってきたんです。
 民主党は、道路公団民営化でもだめなんだ、これはもうとにかく国費で必要なものをつくっていく、だからこれは無料化法案、原則無料化という形で国がこれをつくっていくしかないんだ、このように申し上げてきたんです。
 総理、最後に、このような我々の主張を総理はしっかりと受けとめていただき、そして、先ほど来申し上げているように、方針転換ならば方針転換だとここではっきりとおっしゃっていただけますか。
○衛藤委員長 総理、時間が来ていますので、簡潔な答弁をお願いします。
○麻生内閣総理大臣 だから、無料化すればみんな公平だというお話に持っていかれたいんだというように、理解はできないわけではありませんけれども、毎年二兆五千億円ぐらいの料金収入が失われるということに関しましては、その料金収入をもって補修等々に充てるということになっておる、これはだれが考えても同じ答えだと思っております。
○馬淵委員 終わります。
○衛藤委員長 これにて菅直人君、前原誠司君、西村智奈美君、筒井信隆君、細野豪志君、馬淵澄夫君の質疑は終了いたしました。
 次に、笠井亮君。
○笠井委員 日本共産党の笠井亮です。
 アメリカのオバマ大統領は、去る四月五日、プラハで行った演説で、核兵器のない世界と、核兵器廃絶をアメリカの国家目標とするということを初めて公式に宣言いたしました。核兵器を使用したことのある唯一の核兵器保有国として米国は行動する道義的責任がある、こう述べて、核兵器のない世界に向けて諸国民に協力を呼びかけました。これは、私は、世界に対する大きな問題提起だと思います。
 我が党は、日米関係のあり方については米国政府と大きな違いがありますが、今回のオバマ大統領の言明を心から歓迎して、志位委員長が去る四月二十八日、オバマ大統領に、核兵器廃絶への具体的行動を要請する書簡を送ったところであります。
 そこで、麻生総理、このオバマ演説に至る動きのきっかけとなった、二〇〇七年の一月、キッシンジャー、シュルツ元国務長官らの核兵器のない世界への提言について、当時、衆議院の外務委員会で、私の質問に対して外務大臣だった総理は、君子は豹変するな、時代というのは随分大きく変わりつつあるのかなというふうに感想を述べられました。
 総理は、広島、長崎に原爆を投下された唯一の被爆国の首相として、今回のオバマ大統領の言明、呼びかけをどう受けとめていらっしゃいますか。
○麻生内閣総理大臣 これは、これまで行われたアメリカの大統領の演説の中で最も印象的な演説だったと、私自身、あれは夜中やっていたんですが、正直申し上げてびっくりして、あの演説はたまたま生で見ていたものですから、そういう感じがしました。これがまず率直なところです。
 加えて、私は、今、笠井先生の御質問にお答えさせていただくとするならば、バラク・オバマという人が演説した場所はプラハなんですが、チェコのプラハでその演説をした、次の日ベルリンに私はたまたま行く機会がありましたので、そこで、昔のベルリン大学、フンボルト大学で講演するときに、チェコのオバマの話、前の日にチェコにいたものですから、大統領と話をしたときに、いろいろ話をしました。この話をさせていただいたときに、今お話が出ましたように、この話をどうチェコで考えるのか、おれたちは物すごい評価が高いという話をした上で、ベルリンのフンボルト大学で、これは物すごく大きな時代の変化を私自身としては感じるんだと。
 核兵器を含みます大量破壊兵器の拡散など、今、日本がこれまでも何回となく国連で核兵器の廃絶の動議を出してきたりしておりますが、そういったものの廃棄は、だんだん賛成する国の数がふえてきているのは御存じのとおりなんですが、少なくとも、今回、新たな核軍縮への立場というものを明確にされたということで、これは世界じゅうが大きく歴史を転換させ得るというような、極めて重要な前向きな話だと私自身も考えております。
 したがいまして、その数日前に中国の首脳二人と会ったときにも、この話は、アメリカもこの話をしている、したがって、同じように核を保有している中国においても、この問題に関して前向きに検討してもいい時期に来ているのではないか等々の話もあわせてさせていただいております。
 いずれにいたしましても、電話会談をその後バラク・オバマ大統領とさせていただきましたときにも、率直に私どもの方としては、今回の演説は極めて評価は高いという旨の話も電話では伝えております。
○笠井委員 私も被爆二世ですが、やはり今回の言明、特別の感慨を持って受けとめました。そして、こういうときこそ、広島、長崎に原爆を投下された唯一の被爆国政府の責務はいよいよ大きいと言わなければいけないと思います。
 五月四日からニューヨークで、来年のNPT、核不拡散条約運用検討会議に向けた第三回準備委員会が開かれておりますが、この委員会は五月六日、核兵器の全面廃絶に対する核兵器保有国の明確な約束をうたった二〇〇〇年の合意文書を踏まえたNPTの運用見直しなどの議題案を全会一致で合意いたしました。
 今こそ、総理、被爆国政府が、来年の会議でこの明確な約束を再確認するために努力すると同時に、核兵器廃絶のための国際条約の締結ということを目指して国際的な話し合い、交渉を開始させる、そのイニシアチブを率先して発揮すべきときではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○麻生内閣総理大臣 今笠井先生おっしゃいましたように、唯一の核使用国、唯一の核被爆国という立場にあるんですが、過去十五年間、国連において、御存じのように、核廃絶決議というものが日本のリーダーシップで、たびたび、毎回と申し上げていいほど提案をさせていただき、確実にその数をふやして、今では多分圧倒的な支持を受けて、今、成立をさせているというのがここ数年だと思っております。したがいまして、積極的な核軍縮交渉というか、そういった外交というものを推進しているところでもあります。
 これまでも、核を保有しております国々に対して、核軍縮のためのかなり現実的な具体的な措置をとれというようなことを求めてきておりましたこともございます。したがいまして、今回の二〇一〇年のNPT運用検討会議というものにおきまして、今お話のありましたように、少なくともこの問題に関してきちんとした形が出せるように、成功に向けてさらに全力を挙げてまいりたいと思っております。
○笠井委員 具体的措置についても、やはり核兵器廃絶という目標を明確にしてこそ、これも本当に意味がずっと出てくると思うんですね。北朝鮮の核兵器開発を終わらせる上でも、全世界が核兵器廃絶に向かえば一番の圧力になる。北朝鮮問題でも大きな歴史的意味を持つ取り組みになると思います。そして、憲法九条を持つ被爆国政府が文字どおり先頭に立って全力を挙げるべきだということを申し上げておきたいと思います。
 そこで、今、急激な景気の落ち込みは日本経済に深刻な衝撃をもたらして、大量の失業と倒産など、国民に大きな不安を広げております。今、経済危機対策というならば、やはり、一時的なばらまきだとかあるいは相変わらずの大手企業への大盤振る舞いじゃなくて、国民生活の実態から何が必要か、緊急を要する雇用対策、中小下請企業に対する支援をどうするか、介護、医療、福祉の改善をどうするか、こういう問題にこそ集中すべきだと思います。
 そこで、金子国土交通大臣、先ほどあった議論ともかかわりがありますが、今回の経済危機対策と補正予算には、高速自動車国道四路線の整備事業化、予算化が計上されて、着工に踏み出すことが盛り込まれているわけであります。その概算事業費の総額、四路線込みで結構ですが、総額は幾らになっておりますでしょうか。
○金子国務大臣 整備計画を策定しました四区間の総事業費は、複数年にわたりますが、一兆五千二百億円であります。
○笠井委員 このパネルにありますように、今回決まったのが、東京外郭環状道路、東関東道水戸線、日本海沿岸東北道、そして名古屋環状二号線という四路線であります。
 そこで、総理、この日本全国の高速道路の整備計画路線というのは、一九九九年の十二月に九千三百四十二キロが定められたわけですが、いろいろ議論がありました。膨大な財政赤字、そして大型公共事業に対する国民的な批判もある、どうするかということが問われて、二〇〇六年に当時の小泉総理が従来の計画以外は白紙というふうにしてきたものだと思うんですが、そこはそうですね。
○金子国務大臣 当時の小泉内閣で、道路民営化に当たりまして、九千三百四十二キロ以外の高速道路については白紙としたものであります。
 今回、ちょっと聞かれていないことで恐縮でありますけれども、九三四二の外の七十一キロ区間、先ほど申し上げました四区間について、ほぼ十年ぶりに追加整備を決定させていただいたところであります。
○笠井委員 聞かれていないとおっしゃいましたが、まさに私が言いたかったことでありまして、ともかく白紙だと言ってきたものを、十年間動かしてこなかった高速道路の整備計画を、まさに今、大臣言われたとおり、新たにふやそうという大転換であります。経済危機対策のどさくさで高速道路整備という大型公共事業を十年ぶりに新たに始めようとするというものであります。
 しかも、その決め方が問題だと思うんですね。
 先ほども馬淵議員からもありましたが、高速自動車道の整備について決める国土交通大臣の諮問機関の国土開発幹線自動車道建設会議というのが四月二十七日に開かれて、四路線、今お話ありました一兆五千二百億円もの整備計画を、これは実際には二時間の審議で、三十分の国土交通省からの報告、説明を受けて、審議時間、討議時間はわずか九十分ということでありますので、私計算してみましたら、一分間で百六十八億円ものスピード審議で、異議なしで決めてしまったわけです。
 そこで、今回の四路線の中でも最大の事業が、東京外環道、東京外郭環状道路の練馬―世田谷間の十六キロの建設計画であります。
 この整備計画によりますと、これは我が国で初めて地下四十メートル以上もの深さに掘るトンネルでありまして、しかも、それが長さ十六キロということで、これまで日本最長であったのが関越トンネルで十一キロ、この約一・五倍であります。そして、トンネルの直径も十六メートルということで、これまで国内最大の直径だったのが東京湾のあのアクアラインで十四メートルでありましたが、これを超える。十六メートルというと、五階建てのマンションの高さに相当する、これぐらいのものをぼっと掘るわけです、四十メートル以下に。しかも、上下ですから二本通す。文字どおり、これは日本の土木工事史上最大の規模、類例のない工事だと言われているものであります。そして、ここにありますが、これに一兆二千八百二十億円ものお金を投入するという計画であります。
 そこで金子大臣、今度の整備計画ですが、一体いつ完成するというふうに見込んでおられますか。
○金子国務大臣 これからまだ、工事のための用地を買い取るという部分もあります。あるいは、整備手法を、どういうふうに具体的に配分、負担をしていくかという検討もあります。そういう意味で、まだいつ行われるか、いつまでに完成するかというめどは、たった今の段階ではついておりません。
 ただ、先ほど、国幹会議というものが超スピードでということで、異常なことでとおっしゃられているんですけれども、しかし、各委員が皆さん御発言をいただき、そうして、私ではなくて、会議の議長であります杉山議長が皆さんにお諮りをして、御質問なし、異議いいねということで決まりました。
 そのときに一番の問題点、何が残ったかといいますと、今回四路線はいいよ、それはいい、だけれども、それ以外のところをどうするんだ、それ以外の残ったところをもっとやるべきではないのかという御意見がかなり、つまり、合格した人はいいけれども不合格の人はどうしてくれるんだ、これもあわせて議論をすべきだという御意見と、それからもう一つは、確かに、今回は四月十日に経済対策が決まって、そして二十七日まで何とか早期に開きたいということでありましたので、非常に時間が切迫してしまったということはあります。
 これは反省材料として、さらに、今後の高速道路のあり方も含めて、時間に余裕をとって議論をしていきたいと思っております。
○笠井委員 いろいろ長々苦しい言いわけをされましたけれども、四路線についてだって、慎重意見とか、これでいいのかという話が相当あったわけであります。そして、自民党の政調会長も御出席になっていて、正直言ってよくわからないところがあるという発言もあった。そういう中で、わずか二時間で決めたんですから。しかも、完成年度も言えない。そんないいかげんな計画があるかということだと思います。
 この路線の建設計画というのは一九六六年以来のもので、最初は高架でやるという話があったわけですが、地元住民の皆さんの強い反対で一九七〇年に凍結されて以来、七〇年から今日まで四十年という、いわくつきのものであります。計画は、練馬区、杉並区、武蔵野市、三鷹市、調布市、狛江市、世田谷区と七区市にまたがっておりまして、東京の良好な住宅地のど真ん中につくろうというものであります。
 私も沿線に住んでおりますけれども、住民の皆さんは、地上部も、少なくとも四十ヘクタールの土地、一千戸の立ち退き、それから、わき水が破壊される、地下水脈が切断される、あるいは大気汚染、生産緑地がなくなるなど、不安がいっぱいで、いろいろな意見があります、よく納得させてくれとか、反対、中止とか。しかし、なかなか納得できないというところで、合意も得られないで、やれなかったから今まで来たものであります。
 それでは伺いますけれども、一体この事業費をだれが負担するのかという問題であります。
 先ほども議論があったんですが、私、改めて確認したいんですが、大臣、これまで高速自動車道については、公団が借金でつくって料金収入で返済するというやり方をとってきた、国民の税金を投入しないのが前提だった。それを、今回の外環道の整備計画の場合について言うと、料金収入とともに、いろいろな方式とか言われましたが、要するに税金を投入してやる方向性で検討している、そういうことですね。端的にお答えください。
○金子国務大臣 事業費全体の中で、有料道路事業としては現在一割から三割程度と見込んでおりまして、残りの部分については、国の直轄事業でありますので、国が四分の三、東京が四分の一ということを念頭に置いております。
○笠井委員 要するに、従来のやり方を変えて、高速道路では初めて国民の税金投入の方向性で今進めていると。
 この方式になりますと、今お話ありました国土交通省の試算について、道路会社が一―三割を料金収入で賄って、残りを国と都が四分の三、四分の一ということでありますので、料金収入が、事業費一兆二千八百二十億円のミニマムということで、一割としますと、最大で一兆一千五百三十八億円の税金が投入されて、東京都は四分の一ですから、そのうち三千億近くを税金で出すということになります。
 現在、外環道については事業費全体で一兆二千八百二十億円ということで概算しているということそのものについても、では、これ以上、絶対に一兆二千八百二十億円以上にふえない、こう断言できますか、大臣。
○金子国務大臣 これを進める上で、当初一・六兆というのが見込まれておりましたけれども、構造の種類別の単価等々削減をいたしました。そして、新技術の採用ですとか他路線コストの縮減の実績を踏まえまして、積算基準を相当切り詰めているということ。それから、競争性の高い契約方式、合理的な施工方式というものを採用することによりまして、当初一兆六千というのが一兆三千になってきたものであります。
 引き続き、これが事業化されるまでに、さらに必要なコスト縮減の対策というのは考えていきたいと思っております。
○笠井委員 縮減の対策をとると言うんですけれども、それは絶対にこれ以上ふえないと断言できるかというのが質問なんです、可能性としてですよ。
○金子国務大臣 先ほど申し上げたんですが、用地の買収がまだ全部済んでいないということ。特に、空気孔あるいはインターチェンジのところというのは、やはり住民の御理解と御納得もいただく必要がありますから、ここの部分は未確定要素として残っているんだろうと思います。
○笠井委員 要するに、ふえる可能性があるということです。
 地下を利用してできた首都高速の中央環状新宿線というのがありまして、これは十一キロの長さなんですけれども、この場合を見ますと、工事を開始した一九九一年時点で五千二百億円だった事業費見込みが、最終的には、二〇〇六年時点で約一兆五百五十億円ということで、二倍以上に膨れ上がったものがあります。したがって、今回の外環道だって、その例のように二倍になるとすれば二兆五千億円以上になります。
 当初、先ほど大臣は、十六キロで一兆六千億円、これは一メートル一億円だったのをいろいろやったんだと言われましたけれども、しかし、この一兆二千八百二十億円からさらに膨らむ可能性があって、しかも、いつできるかもわからない。それを最初から税金で穴埋めする計画であるというわけでありますから、これは私はとてつもない大型公共事業だと思います。
 問題は、そこまでしてなぜ今やるのか、ここなんですけれども、建設業界、大手ゼネコンから早期整備の要請が何度も出されております。既にマスコミも、早くも着工を想定して動き出しているのが大手ゼネコンだ、受注を意識した熾烈な技術開発競争に突入していると報じております。
 そこで伺いますけれども、国交省では二〇〇五年十一月に、地下四十メートル以上を活用したトンネルの実現性について技術的な検討を行う専門委員会を設置していると思うんですが、その委員会とは何か、具体的に何の検討を行ってきたでしょうか。
○金子国務大臣 今お尋ねいただいた件は、財団法人先端建設技術センター……(笠井委員「いや、違います。国土交通省の専門委員会ですよ」と呼ぶ)国土交通省の専門委員会ではありませんで、大深度トンネルの技術検討委員会は……。失礼しました。関東地方整備局に設置したものでありまして、大深度を活用しました大断面・長距離トンネルの実現性について、構造それから施工方法、防災対策などの技術的な検討を行うために、私、ちょっと勘違いをしまして申しわけありません、関東地方整備局に設置したものであります。
○笠井委員 このトンネル委員会ですけれども、このトンネル委員会では専ら外環道について技術的な検討を行ってきたということですね、具体的には。
○金子国務大臣 そのとおりであります。それで、平成十八年度にはさらに施工技術の合理化検討、トンネル火災事故対策、十九年度には大きな断面のシールド掘削技術などのテーマで委員会を開催して、その検討の結果を具体的な計画に反映しております。
 なお、委員なんでありますけれども、シールドトンネルを含むトンネルの工学あるいは地質、換気、防災の各分野の専門家にお願いをしている委員会であります。
○笠井委員 そこで、今ありました国土交通省関東地方整備局の中に置かれている大深度トンネル技術検討委員会ですが、この規約を見ますと、この委員会は国交省の関東地方整備局道路部が設置をしたというものでありまして、委員会の事務局は同じく「関東地方整備局東京外かく環状道路調査事務所に置く。」こういうふうに定められております。
 トンネル委員会のこの規約五条を見ますと、委員は、「公正中立な立場から特定の行政機関及び特定の利害関係者等の利害を代表してはならない。」とあります。当然のこと、この委員には、ゼネコンなどの特定の利害を代表する者はいないということでよろしいんでしょうか。
○金子国務大臣 お一人お一人名前を、委員を呼ぶのはやめます。おりません。
○笠井委員 特定の利害を代表する者はおりませんということでありました。
 それでは重ねて伺いますけれども、このトンネル委員会の資料というのはどこが作成をしているでしょうか。
○金子国務大臣 財団法人の先端建設技術センターが携わっております。
○笠井委員 今ありましたこのトンネル委員会のメンバーの中にも、国交省の財団法人先端建設技術センターという団体の理事が参加している。
 この財団を調べたところ、機関誌アドバンスというので、二〇〇六年六月号に、当センターでは、トンネル委員会における技術的課題に対して検討を行い、委員会資料を作成したとあります。そういうことですね、大臣。
○金子国務大臣 そういうことであります。
○笠井委員 この先端建設技術センターのかかわりというのは、委員会の資料作成だけではありません。この委員会では、国交省が二〇〇一年六月にまとめたガイドラインで大深度地下使用技術指針・同解説というのがありますが、これに基づいて検討を行っていますけれども、これを作成したのも先端建設技術センターであります。
 このように、このトンネル委員会というのは、先端建設技術センターのおぜん立てのもとで外環道の技術的な検討を行っている組織だということであります。
 この財団法人先端建設技術センターのホームページを見ますと、トンネル委員会が置かれた国交省の東京外かく環状道路調査事務所から、一九九八年度以降、外環道を対象にした業務を受託してきたとあります。
 国交省では、この財団に、外環道を対象にした業務をどれだけ発注しているでしょうか。契約の件数、合計金額、契約方式について簡潔に述べていただきたいと思います。
○金子国務大臣 十八年度九千五百万、十九年度八千四百万、二十年度四千九百五十万、いずれも十八年から二十年度までに、東京外かく環状道路施工技術検討業務ということで、十八年度は随意契約、十九年度が参加者の有無を確認する公募方式、二十年度は企画競争型、簡易公募型プロポーザル方式で発注をしております。
○笠井委員 結局、九八年度以降と聞いたんですが、今、直近の三年だけで、三件、合計二億二千八百七十万円ということで言われただけでありますが、そんな程度じゃないはずであります。
 財団みずからのホームページで、一九九八年度から外環道関連の業務を受託してきたとはっきり述べております。なぜ、そこを隠すのか。契約方式についてもいろいろと、何とか方式、何とか方式と言われましたが、政府の一連の契約方式の見直し計画に照らしても、いずれも、要するに言えば随意契約のことであります。ごまかさずにすべての発注実績、一九九八年度以降、全部出してください。どうですか。
○金子国務大臣 今手元に持っておりませんが、契約の残っている範囲で提出をさせていただきます。
○笠井委員 きちっと当委員会に出していただきたいと思いますが、委員長、よろしくお願いします。
○衛藤委員長 そのようにいたします。
○笠井委員 これは、直近の三年間分しかなくて、文書がある、ないとかと言っているみたいですけれども、〇七年度にも、外環道の広域幹線道路施工技術業務というのを受注したというのがあるんです。これは財団に確認すればいいと思うんですよ。それもやっていない。
 なぜ、すべての発注実績を明らかにしようとしないか。私は、明らかにしたら、この財団が外環道の施工技術開発にどれほど深くかかわっているかわかってしまうからじゃないかと思わざるを得ません。そう言っても過言でない構図がこの財団にございます。
 このパネルをごらんいただきたいんですが、この財団法人先端建設技術センターの役員を見ますと、先ほど指摘しましたトンネル委員会のメンバーを務める理事は旧建設省の天下りOBで、同じく理事長も旧建設省関東地方建設局のOBであります。専務理事は関東地方整備局の局長OBであります。また、この財団の評議員を見ますと、トンネル委員会の現委員長までが加わっている。この財団とトンネル委員会がいかに密接不可分の関係にあるかを見ることができます。そればかりか、鹿島、清水、大成、大林組、竹中工務店という大手ゼネコンの土木管理本部長クラスの現職役員、それから新日本製鉄、川崎重工業、高速道路株式会社など、現職役員がずらりと名前を連ねております。これはひどいでしょう。
 建設業界紙の建通新聞を見ますと、外環道は、トンネル委員会での検討をもとに施工者選定の判断基準を定めるとされておりますけれども、業者選定の判断基準となる技術開発を、選定する側の国交省の天下りOBと選定される側のゼネコンが一体になって進めている、こういう実態がある。こんなことが許されますか。
○金子国務大臣 ここは技術検討をしてもらっているのでありますので、そういう不公平あるいは公平を欠くようなことはさせないつもりであります。
 なお、まさしく今のここを使っている理由でありますけれども、大断面のシールドトンネルの施工技術については先端の技術で経験のない技術であること、それから、この技術を用いまして計画を進めるに当たって、特定の施工者が利益を得ることがないように透明性、公平性を確保していくということが言うまでもなく不可欠でありますので、このために、当初、先端建設技術センターと随意契約を結んだものであります。
 なお、今後につきましては、道路事業の実施に当たり必要となる調査検討業務の発注に際しましては、道路関係業務の執行のあり方改革本部というのがありますけれども、ここの報告書を踏まえて、透明性、競争性を確保しつつ実施してまいりたいと思っております。
 もう一度繰り返しますけれども、財団法人の先端建設技術センター、これが運営にかかわってまいりました大深度トンネル技術検討委員会、ここはシールドトンネルなどの分野の専門家で構成されておりますとともに、議事概要ですとか資料というのは今公開されています、一般に公開することによりまして公正な運営に努めてきているところであります。
○笠井委員 冒頭に、公平と公正を欠くようなことはさせないとおっしゃいましたが、こういう実態があることについて、では、どうするんですか、国土交通省は。
 こんな団体でしょう。だって、ここに実際は発注して、それをもとにやっているわけですよね。そこに、先ほど来議論したような、かつてないような大規模な事業に国民の税金を一兆数千億かけてつぎ込むというものですよね。どうするんですか、これは。公正、公平を欠かないようにするために何とかしたいとおっしゃったけれども、具体的にどうするんですか。一般論じゃないでしょう。
○金子国務大臣 大深度トンネルの技術検討委員会、先ほど名簿を申し上げませんでしたけれども、委員は、今田徹さん、都立大学の名誉教授、彼が実質的な座長役でありますが、そのほか、九人の委員で構成されております。委員のメンバーは、いずれも大学教授、あるいは土木研究所も入っております。トンネル技術協会も入っておりますが、あとはそういう専門家で構成されております。
 この人たちが判断していきますので、透明性、公平性というのは確保されてくると思っております。
○笠井委員 ちょっとこれは全然信じがたい話です。
 専門家で構成されている委員会だから大丈夫ですと言いますけれども、先ほどから言っているように、その仕事を実際に発注して、それを受けてやっているのがここですよ。そこには、天下りOBと建設、ゼネコンの現職の幹部と、それから関連の製鉄会社、そういうところが皆入っているわけじゃないですか。どうやったらここの中からもうけが出るかという頭でやる人たちですよ、だって会社の人ですからね。そういう人が集まってつくったものをもとに検討して、公正、公平といって、どうやってそれが担保されるんですか。
 こんなやり方は根本的に改める、この財団もどうとかするとかしないとだめなんじゃないでしょうか。大臣、どうですか。
○金子国務大臣 トンネル委員会というのは技術の検討、この検討結果、成果を踏まえまして、国土交通省が必要な手続をきちんととりまして、それに基づきまして総合評価をして発注をいたします。
 そういう意味で、今そこに携わっているメンバーのつながり、あるいは御心配というものがないようにいたします。
○笠井委員 御心配がないようにしますといったって、何の保証もないですよ。
 しかも、実際このトンネル委員会は、外環道の施工技術についてゼネコン側から技術提案をさせておりまして、手元に私は持っていますが、この委員会が二〇〇七年三月にまとめた資料があります。実に十八社ものゼネコンが名乗りを上げて、そして、工法や概略工期、概算工費などを競って提案しておりまして、これには先端建設技術センターの役員企業がすべて含まれているだけじゃなくて、西松建設、これも入っております。
 総理、大臣がいろいろ言いわけをされましたけれども、これではやはり、これだけの大規模な事業を、ゼネコンによるゼネコンのための事業だと言われても仕方がないんじゃないですか。いかがですか。
○麻生内閣総理大臣 その点だけを見られると、今の御意見もわからぬわけじゃありませんよ。その点だけ見れば、西松建設を含めて。
 ただ、基本的には、笠井先生、道路というのはやはりつながっていないとその効果を発揮しないんだ、私はそう思っております。したがって、この関越道から東京に入ってきて、いわゆる大渋滞になっておりますあのところを迂回して東名につながっていくという道路が新たにできるということは、これは東京という都市の価値を高めることにもなりますし、また、物流というものを考えたときにおいては、これによって得られます経済効果もかなり大きなものが期待できるのではないか、私はそのように思っております。
 したがいまして、いろいろ御意見もあろうと思いますが、少なくとも税金を投入してもやるに値する事業が今回のこの事業なんだ、私は外環道に関してはそのように思っております。
 したがいまして、今、格上げしたり、いろいろなことをさせていただいておりますけれども、少なくとも、その他のあれにつきましても、いわゆるミッシングリンクとかいう言葉が最近よく使われておりますけれども、つながっていないところに関しましては、これをつないで、人と物との物流というか、地域間の交流というものが促進できるようにする。そして、企業立地等々によって新規雇用も創出がしやすくなる、そういった効果が期待できることから、今回の対策というものは、中期的、単年度じゃなくて複数年度にまたがる事業ではあろうと存じますが、これは先のことを考えたときにも大いに効果があると思っておりますので、今御指摘のありました点というのは十分我々としても考慮に入れながら、十分そこに配慮をしながら、この事業はきちんと仕上げていきたいものだと思っております。
○笠井委員 総理、いろいろ言われましたが、幾らトンネルを掘る事業だからといって、国民の目の届かないところで、深いトンネルで国交省とゼネコンがつながっている、不透明なやり方で行われているのは事実でありまして、これは極めて重大な問題だ、これが一つ。
 総理もそこはそこだけ見たらとおっしゃった。そういうゼネコンなどから莫大な企業・団体献金が行われている。国民の税金が大型公共事業に大規模に投入されて、その一部が与野党政治家、共産党はもらっていませんが、還流して、政治資金になっている。こんなやり方が日本の政治をゆがめているんだと、国民の批判です。
 建設業者あるいは建設労働者から、税金を還元するんだったらば、おれたちの賃金や下請単価に還元せよ、生活密着型の公共事業に予算を振り向けろ、その方がよほど雇用効果があるという声が上がるのは当然だと思います。
 それから、今、総理が、これはミッシングリンクで、つくった方がいいんだと言われましたが、渋滞解消という問題一つとったって、東京都がオリンピック招致に合わせて二〇〇六年十二月に編集、発行しました「十年後の東京」という資料がございます。この中では、二〇一五年に、外環道のこの今の東京部分、今議論したところはまだ未整備という段階で、ここにあるんですが、その時点でも、主要渋滞ポイント六百カ所がおおむね解消し、東京の道路は毎日がお盆や正月並み、すいすい快適ドライブが実現とはっきり書いてあるんです。
 外環道ができていなくたって、二〇一五年にはこういう状況になるということでありまして……(発言する者あり)オリンピック用につくったそういうパンフなんですよ。できていなくたって、渋滞が解消する、快適なドライブが実現して、物流もよくなるという話なんですから。だったら、外環道、要らないじゃないかということであります。まさにそういう問題としてこの問題があるということを申し上げたいと思います。
 そして、私、最後に一言だけ申し上げますが、外環道のように、構想以来四十年以上なくても、きょう、あす、困っているという状況じゃないんです、都民や国民は。そんなものよりも、国民のために今ないと大変なものをそれこそ優先すべきだと。私、これは必要論、議論あると思いますが、優先順位として、少なくともそういう政策転換をする。
 そうすれば、きのう議論ありました、廃止された生活保護者の皆さんの母子加算、年間二百億円だって、この一兆二千数百億円あれば六十四年分も復活できるわけでありますから。
 特養の方々だってそうですよ。入居待ち三十八万人を超えているでしょう。東京には四万人もいるわけです。政府は補正で組んだと言われますが、しかし、二〇一五年までには、この特養のベッド数は要介護二以上の三七%に引き下げるという方針を持ったままですから、これを撤回して、国の責任で待機者が一挙に入れるような状況をつくる、こういうことこそ優先すべきだと私は思います。
 まさにそういう点では、今度の予算ではだめだ、徹底した審議、そして政府の政策転換、根本的に切りかえるべきだということを求めて、質問を終わります。
○衛藤委員長 これにて笠井亮君の質疑は終了いたしました。
 次に、阿部知子君。
○阿部(知)委員 社会民主党の阿部知子です。
 本日は、私は、まず一問目は、先ほど笠井委員もお尋ねになりました四月の五日のアメリカ・オバマ大統領のプラハでの発言、世界で唯一の核を使用した側の国の責任においてこれから核廃絶に行動していく、そうした発表をなさったことを受けて、先ほど麻生総理も大変に感激を受けたというか共感するものを覚えたという御答弁でありましたので、もう少し内容に立ち至って質疑をさせていただきます。
 実はきょう昼休みに、衆参の両議長、河野議長と、私は参議院の方は行けませんでしたが、江田議長のところに、このオバマ発言を受けて、日本の我が国国会としても、ぜひ核軍縮、核廃絶に向けた決議を上げていきたいし、また議長にもお取りまとめ、御尽力もいただきたいということの申し入れをしてまいりました。
 そのとき、河野議長がお話しくださったことで大変に私も感銘を受けましたので、ここで御紹介をさせていただきます。いわゆる九・一一テロで世界は変わったというふうに言われますが、逆に河野議長は、このオバマの核廃絶に向けた決意を述べたプラハの発言によって世界はこれから変わるというふうに自分も思ったし、また大変に大きな感銘を受けたということでございました。
 特に、核を使用した側のアメリカと、唯一の核被爆国、戦争によって使われた核の被爆国の日本が、この歴史の中の極めて残酷な対立場面を超えて、これから世界じゅうの核を廃絶していくという取り組みを今スタートできるということは、私どもにとっても大変に課題は大きいけれども、いかなる困難があってもやっていかねばならぬと思います。
 麻生総理は四月の五日、プラハでの演説を恐らく英語でそのまま、オバマの発言のところをテレビでお聞きになったと思いますが、私が理解するに三つの部分から成っていると思います。
 一つは、冷戦下における核軍拡の時代から核軍縮の時代にというのが一点目。二点目が、現在国連で行われています核拡散防止条約の、来年度の新たな会議に向けた準備の段階にかかわりますところの核の拡散をどう防止していくか。三点目は、北朝鮮等々の関係もございますが、核テロ、必ずしもこれまでの冷戦構造ではないところで核を所有し、なおかつ、それが世で言うテロリスト等々あるいはいろいろな秩序を乱すグループの手に入った場合の問題。この三つについての決意を述べられたと思います。
 核軍縮については、先ほど麻生総理も御答弁でありました、中国等も並んで、日本、中国、アメリカという関係の中で核軍縮をかち取っていこうという御決意であって、それは大変重要と思います。
 二番目の核拡散防止ということに関しましては、ちょうど昨日でしたか、国連の会議で広島市長と長崎市長が、おのおの被爆国の二つの市の市長として、このオバマ発言を大変に前向きに受けとめて、平和市長会議としては二〇二〇年までに核廃絶に持っていきたいという決意を述べておられました。
 さて、日本にとりましては、現在のNPT、核拡散防止条約をアメリカが批准していないということは大きな問題で、これに向けてオバマが一歩前に出ようということですが、同時に、この場合に、核の先制不使用、すなわち核を持っている国は核武装をしていない国に対しては当然使わないし、また核以外の攻撃に対してもこれを使わない、先制不使用ということにまでオバマが踏み込むのではないかというふうに言われております。
 私は、大変重要だと思います。これによって、核の五大大国がいずれも、持っていないところには自分たちは使用しないと言明することで、やはりほかの核の拡散を防止していけるということでありますので、この点についての麻生総理の御見解を一点伺います。
    〔委員長退席、鈴木(恒)委員長代理着席〕
○麻生内閣総理大臣 先ほど笠井議員の御質問にもほぼ同様の、感想を含めて御質問がありましたが、やはり、核兵器のない世界というのを、核を持っている国が言うのと、同じことを核を持っていない国が言うのとでは、影響力はかなり差があるものだ、私はそう思っております。
 したがいまして、今回の、唯一の核使用国の立場にあるアメリカ、当然核を今でも保有しておりますアメリカが、少なくともプラハというあの場所で、今、EUの議長国がチェコでございますので、このチェコの首都プラハにおいてあの話をしたということは、これは強く印象づけるためにあの場所を選んだんだ、私はそう思っておりますが、そういう意味では非常に、世界に与えた影響というものは極めて大きいという印象を私自身は持ちました。
 同時に、オバマ大統領自身も、核兵器というものがこの世に存在する限りは、強い核抑止力というものを維持しますよと。したがって、これは今先生がおっしゃいましたように、五大国と言われましたが、その他に持っているであろうと言われる国はほかにもございますので、そういった国を考えた上で発言をしなきゃなりませんし、我々はそういうことを、五大国以外で核を持っていると言っている国と隣国、接しておりますわけですから、そういった意味では、日本を取り巻く安全保障というものを考えた場合においては、核の抑止力を含みますいわゆる抑止力というものは、これは日本にとりましては非常に大きな要素を持っております。
 そういったことを考えた上で、ぜひこれはみんなでやらないと、一人だけやって、僕だけ使わないと言っても、ほかの人はそんなこと言った覚えはないということになりますと、これは何の意味もありませんので、そういった意味では、具体的な話をきちっと詰めていくということが大事なんだと思っております。
 ただ、核をずっと持ち続けるというのはかなり金のかかる部分もございますので、そういった意味では、経済的な面から、この核というものを保有し続ける意味については、従来必要だというものの絶対量が減っているといたしましても、傍らこっちは、持つための、維持するための経費というものがかなりな圧力になっているというのは、核を持っておられる国々いずれも、間接的には言われるところであります。
 そういった意味では、経済が今厳しくなってきたのは、一つ前に出やすくなった一つの大きな理由で、ただ、一国だけではとても話になるところではありませんので、おっしゃいましたように、各国、五大国はもちろんですけれども、その他の国も含めまして核を持っている国々がいずれも、相互信頼がないとできませんので、抑止力をずっと下げていくというのを、結果として核の廃絶に結びついていくように、我々としては最大限の努力をしていく必要があろうと存じます。
○阿部(知)委員 今、私が直接に伺ったのは、核を持てる国の先制不使用、先には使わないんだという、やはり明確にするということは他の国に重要であるし、同時に、総理の御答弁にもありました、今、五大国以外にも核を保有していると言ってみたり、あるいは保有しているであろうと疑われるところもあるわけで、このあたりは外交的にもまだまだ課題はあると思いますが、とりあえず核軍縮をするということと、核軍縮すればそれによって核抑止力が結果的に弱まるわけですが、それにかわる仕組みをつくっていかなきゃならないというところで、日本のリーダーシップが必要だというふうに受けとめました。
 そこで、もう一つ総理にお願いというか御質問があります。実は、先ほど御紹介した広島、長崎の市長の御発言、それから、オバマが、核テロの防止のために、そうした核拡散のいろいろな査察体制も含めて、何らかの国際会議を一年以内に開きたいというのが三点目の表明であったと思います。
 私はぜひ、広島、長崎の市長たちがおっしゃっているように、日本でこれを行っていただきたいと総理から強く要望していただきたいんです。唯一の核使用国と、逆に戦争による核の被爆国の日本ですから、このことは世界に与える影響は非常に大きいし、日本がきちんとしたリーダーシップをとる覚悟の一端になると思いますので、これは、今、市長たちはそれを望んでおると。あと、やはり総理にもそういう働きかけをしていただけまいかというお願いですが、いかがでしょう。
○麻生内閣総理大臣 これは、広島にするか長崎にするか、また、国内で誘致合戦なんてわけのわからぬことにならぬようにきちんと整理をした上で、やはり広島だろうというのであれば広島、長崎の方が長崎というのであればよく話をした上で、こちらの方の中がくちゃくちゃしているなんというのはみっともなくて話になりませんから、きちんと話をした上で、アメリカに対して、日本としてはこういった用意がある、そのときは場所はここという話で、我々としてはそれを開く用意があると言う場合、日本からアメリカにという話は、よく大統領と話をした上できちんとおこたえをさせていただきたいと存じます。
○阿部(知)委員 広島の市長も長崎の市長も、多年にわたってそこに住む人々の苦しみや、あるいは子供のときに被爆されて何十年とそれを抱えた人たちの苦しみを知っていますから、他者の苦しみを知る者は、あえて言えば自分たちのところでとエゴイスティックにならないと思うんです。本当にいい形でこの日本で開かれるということに向けて、なお麻生総理の政治的なリーダーシップをとっていただきたいと思います。
 次に、インフルエンザ対策について伺います。
 ちょっと図が小さくて恐縮ですが、今言われております新型インフルエンザは、この間、日本の検疫体制でお仕事をされる方の必死なお働きもこれあり、日本国内ではまだ発見されておりませんが、アメリカのシカゴで六歳の日本人の男の子が見つかったと言われております。今の時代は、人、物、金があっという間に移動していきますし、もう一つは、それによって動物と人間の共通する感染症、人獣の共通感染症と言われるものもかつてない勢いで私どもの健康に脅威をもたらしております。
 私は、これまでの対策が、幸いというか日本の国内においては大きな被害を生まず、そして、これからやや中長期戦にかかっていくところであろうと。現状のこのタイトなきっちりした体制というのも、これはこれまでの成果ですから、一つ成果と見た上で、しかし、中長期的な対策をとるに当たって、同じようにアジア規模での対策をぜひ日本がリーダーシップをとるべきだということでの質問を二問目にさせていただきます。
 お手元に置いております、真ん中に豚がいて、左端にカモがいて、右端に人間、その上に高病原性鳥インフルエンザと書いたのがございます。
 まず、ここで舛添大臣に一点お願いがございます。この間、弱毒、強毒という言い方があるんですが、実は医学会で毒と申せば、ばい菌、細菌性のもので、本来は低病原性とか高病原性、一つの病原として働く強さは低と高の病原性で言った方が、細菌、ばい菌感染と区別されます。これは医学会ではこういう使い方をいたします。また、私は、こうした危機対応の一番基本は、国民が正しく物事を知る、情報の発信にあると思いますので、今後の用語の検討についても一点お願いをしたいと思います。舛添大臣はずっとこの件では御尽力いただきましたので、さらなるお願いでございます。
 きょうの私の直接の質問は、実は、本日、タイのバンコクで行われております、ASEANの諸国と中国、韓国、我が国、ASEANプラス3でアジア地域での新型インフルエンザ対策を論じている会議がございます。
 ここに示しているこの図は、実は、今はやっている新型インフルエンザではなく、しかし、今後十分ウオッチしておかなければならないH5N1と呼ばれるタイプの、鳥が豚にうつし、また人が普通のインフルエンザにかかったものが豚にうつり、豚の中でこの高病原性、いわゆる病原性が高いウイルスが増殖する。これが実は、インドネシアでは豚の一割にもう見られております。
 今からやらねばならないことは、実は、中国、インドネシアそれからベトナムにおいてこうしたH5N1というタイプの鳥型の高病原性インフルエンザが見つけられており、それが豚にうつっていっていないか、これは豚の調査を通じて、それを調査することで今後の人への伝播の可能性が一つ出て、予測がされるわけです。
 ここは非常に重要な疫学調査で、これは実は、ヨーロッパやWHOでは、正直言ってアジアほどやれないと思うんです。さっき言いましたインドネシアにこのH5N1があるということが、これは日本の研究グループが調査し、明らかにしたわけです。次は、中国でもぜひこの調査をせねばならない。私は、これから日本は、国際的な協調とそしてこうしたソフトの分野で相互理解を深めることが、トータルな安全保障、それは軍事までも含めた、核までも含めたものにもきっと普及、普遍すると思いますので、この点について御答弁をいただきたいです。
 恐縮ですが、これは麻生総理に、中国で胡錦濤さんと、今の新型インフルエンザについても対策を一にしましょうとお話をされたやに私は報道で漏れ聞きましたので、ここも急で申しわけありませんが、政治のリーダーシップですので、総理の御見解をお願いいたします。
○麻生内閣総理大臣 阿部先生、これは物すごく大事なところでして、正直、日中、胡錦濤主席また温家宝首相との間であらかじめこれをという話というのはもっと別にいろいろあったんですが、とにかくこれを最初にしようということで、これから話をさせていただきました。
 中国でまだ見つかっていないというお話でもありましたが、これはある日突然に来るのであって、少なくとも、豚の場合、鳥と違って接触伝染の方が多いと思っておかなきゃいかぬし、豚のいる確率からいったら中国ははるかに多いわけだから、これはそちらの方としては十分体制をしておいてもらわないと、すぐこちらにということになるので、両方でという話をさせていただいて、少なくとも情報の開示、いたら隠さないでもらいたい、いたら情報の開示。
 そして、直ちに迅速に伝えてもらいたいという話をさせていただき、検疫強化のために両方とも、ある程度金がかかったり技術が要ったりする話でもあると伺っておりましたので、ぜひ我々としては即刻協力する、防疫体制に対しては我々は直ちに対応する用意があるという話を申し上げて、情報交換それから予防接種ですか、これがまだワクチンがどうとかなって、まだそこまでいっていないんだそうですけれども、そういったものを述べております。
 また同時に、その後の胡錦濤主席との間にもほぼ同じ話になりまして、今度は向こうから、首相との間でその話があったそうだけれども、中国政府としては本件を非常に重視しており、応急対応メカニズムを立ち上げ、国務院の責任者が先頭に立ち感染防止措置を進めているところだということで、ともに感染リスクというのに直面しているわけですから、そういった意味では我々としてはぜひ共同で対処していこうということを、双方で話をさせていただきました。
    〔鈴木(恒)委員長代理退席、委員長着席〕
○阿部(知)委員 では、御丁寧に御答弁いただきましたので、ぜひこの日中の協力、疫学といって、動物や鳥を調べる調査も御協力をいただきたい。そして、一言、念のため、テレビをごらんの方が、ああ、やはり豚は危ないのかなと思われるといけませんので、決してそうではないということをちょっと申し添えさせていただきます。
 では、引き続いて、今回の補正予算案ということで、とりわけ私が、一年前の、二〇〇八年の四月ですね、後期高齢者医療制度ということを問題にさせていただきましたが、その問題について、いまだ私は本質的な解決がないと思いますので、この点についてお尋ねをいたします。
 そもそも、小泉構造改革と言われたものが、二〇〇四年、年金改革、二〇〇五年が介護保険法の改正、障害者自立支援法、そして二〇〇六年、医療法の改正でしたが、はっきり言って、どれも、医療の基盤、介護の基盤、福祉の基盤、生存の基盤を私は著しく侵害したと思っております。のみならず、後期高齢者医療制度は、その後さまざまなびほう策がとられましたが、本質における差別ということについて、余りにも政治の側が無理解ではないかと思います。
 この点は、実は舛添大臣は、もうこれまで繰り返し私もお尋ね申し上げましたので、ある程度御存じだと思いますので、総理に伺いたいと思います。
 お手元にございますのは、私は実は藤沢市でございますが、ちょうどこの四月にも市からこういう「成人健診のお知らせ 保存版」というのが参りまして、その中で、御高齢期の七十五歳以上の方の健診、これを名づけて長寿健康診査、それから、四十歳から七十四歳の方の健診を特定健康診査、世の中の言葉で言うとメタボ健診と呼びますが、この二つに大きく分かれております。
 ところが、私は自分の選挙区ですのでよく言うわけではありませんが、藤沢は何につけ大変よく頑張っているところと思います、自治体職員も。でも、その自治体職員でもこう書かざるを得ないような状況があるということで、ちょっと御紹介を申し上げたいのです。
 実は、この長寿健診というのを受けていただく対象は、七十五歳以上の後期高齢者に御加入の方か、四十歳以上で次のいずれかに該当する方、生活保護、中国残留邦人、いずれの健保にも加入していない人。あともう一つ申し添えれば、六十五歳以上七十四歳までの障害のある方もこちらの健診なのですね。他の四十歳から七十四歳の、国保、健保、協会けんぽなどは特定健診なのです。
 やはり、受け手にとって、この川、この溝。なぜ自分たちは、例えば生活保護の受給の方や中国残留邦人の方や健保にも加入していない方たちとある意味で一緒の区分けで、私はこれによって生活保護の方を差別しているものでは決してありません、ただしかし、受けられる内容が、今もって、何度も何度も是正をお願いいたしましたが、この線が引かれたことによって違ってまいります。
 例えば、長寿健康診断も市町村によって実施率に差があるのはもちろんのこと、一番問題なのは、その後、特定保健指導。例えば、ああ、ちょっとメタボだねとか、あるいは、血圧が高くて、ちょっとフォローした方がいいねとか、いろいろな問題が出てきたときの保健指導は、こちら側には全く準備されておらないわけです。同じ自治体に住んで、隣で、ただ単に七十四と七十五であるだけで、肌で感ずる差別感がここに発生しておるわけです。
 舛添大臣はよく御存じと思いますが、この後期高齢者医療制度は、いろいろな見直しで、保険料がやはり高くなっちゃったとか、今まで扶養家族だった方が急に発生するとか、いろいろなことが指摘されて、約三千億くらいのいろいろな補正が組まれました。しかし、根幹は、こういう形で日々の中で、何か違うんだ、ちょっと違う枠なんだと思わせしめているところに私は問題があると思うんです。
 恐縮ですが、総理、このことはどういうふうに考えられましょうか。私は、これは人間の生存の、存在の問題なんだと思うんです。だからこそ、これはもちろん四十歳以下の方の健診もここにはないのですよ。地域で年齢を、ゼロから百まででもいいです、百二十まででもいいです、きちんとその人の一生をフォローするような形に組み立て直していくべきと思いますが、総理には専門外のことで、舛添大臣は大体知っているので、では、ちょっとだけお願いします。
○舛添国務大臣 総理がお答えになる前に簡単に申し上げますと、阿部さんがおっしゃったようなものも一つの考え方です。
 ただ、なぜあの後期高齢者の話のときに七十五歳で線引きするのか、区切るのかというときに、お医者さんたちの、あるお医者さんで阿部さんとは違う考えの方は、合理的な意味があるんだ、つまり、寝たきりにならない健康寿命というのが大体七十五歳であると。
 したがって、本当にかゆいところに手の届くようなケアをするとすれば、七十四までは、生活習慣病とかいろいろなことも含めて、したがってメタボ健診というのは意味がある。しかし、七十五以上になって寝たきりの方が多くなったときには、それは別のケアの仕方があるだろうということで線を引いたので、そういう医学的な合理性についてどう考えるかということと、しかしながら、今おっしゃったように、何で自分たちだけ別の健康保険制度にするんだというのがあります。
 ですから、そこは我々はやはり感情を害さないようにするということで見直しということを言いましたけれども、一方、健康寿命、まあ線引きはできませんよ、個々人によって違いますけれども、どこかで基準を決めないといけないので、その私が申し上げた二つのバランスをどうとるかという難しいかじ取りをやっているというところでございます。
○阿部(知)委員 舛添大臣はそうおっしゃいますが、そうであれば、私は打つ対策が違うと思います。
 実は、このグラフは、私はこの方のグラフをよく使わせていただくんですが、厚生労働省のある優秀な役人というか官僚の方がつくられたグラフで、後期高齢者医療制度が導入されていくときの考え方のもとになっております。
 これは私が地元でよく講演にも使うのですが、見ていただければわかりますように、七十四歳以下と七十五歳以上では、入院されてくる患者さんがもともとどんな御病気をお持ちかというところで特色が違ってまいります。下から順番にいろいろな病気が、がん、神経系、心臓。七十五歳以上のところは、脳血管疾患というところががっとふえてまいります。七十五というところを別に区分けしなくても、本当の健康のフォローは、ここで多発する、多くの方が悩まれる、そして介護が必要になるもとでもある、実は痴呆よりももっと多い数、脳血管障害がおられるわけです。脳梗塞、昔で言う卒中であります。
 そうしましたら、国としては、この方たちの治療と予防に全力を挙げるべきだと思うんです。だからこそ、七十五歳以上の健診もちゃんと保健指導しなきゃだめなんですよ。でも、ここで、そこから後はお医者さんにとなるわけです、七十五歳以上だと。
 ここで我が国は大きなロスをしているんだと思います。健康寿命を本当に延ばしていくためには、やはり人間の臓器の中で一番傷みやすいのは血管です。だれでも長年使えばぼろぼろになってくるんです。だからこそ、脳梗塞を起こした、では、後リハビリをどうするか、どこでどうするか。そういう受け皿も含めて、治療も含めて、リハビリも含めてやったならば、今大臣がおっしゃったことは認めましょう。しかし、御承知のように、リハビリをしたくても、百八十日で出ていきなさい。七十五歳以上だったら、九十日たったら入院の基本料が下がるので、病院は出ていってくれと言わざるを得ない。これは時間がないので詳しく申しませんが、現状はそうなのです。
 平成二十年の十月に、七十五歳以上の方が九十日以上御入院であれば、診療報酬が下げられました。これによって行き場を失った御高齢者がたくさんおられます。そして、同時に、そういう方が行かれる療養型病床群もなくなっていっているんです。政策の本当の肝が違うと私は思います。
 最後に、申しわけございませんが、一つだけ聞かせていただきたい。与謝野大臣がお戻りでありますので、もうちょっと聞けるかな、十分あるので。では、もう一つだけ、済みません。
 もう一つ、高齢者の問題で指摘させていただきます。これも同じ方がつくられた、私は、こんな優秀な官僚を擁していながら、なぜ政治家はもっといい政策をつくれなかったのかと本当に思うばかりの図であります。ここは、これからの、私たちはどこで死ぬんだろうという図であります。
 現在、二〇〇五年、約百万人余りの方が死亡者として挙げられております。このうち、六十五歳以上が八十三・四万人、私たち、私、団塊なんですけれども、これが後期高齢者になる二〇三〇年には百六十万人余りが亡くなるわけです。そのときに、果たしてどこで亡くなっていくんだろうかということを図にかいたものでございます。
 今の、自宅でのみとりが二倍になる。あるいは、介護施設でのみとりもふえるでしょう。しかし、「医療機関」の八十九万は、療養型が減っておりますから減ります。「その他」というのは何であるか。「その他」とは、病院でもなく、みとられることもなく、養護施設でもなく、亡くなってから発見されるという方です。
 現在、警察庁の調べで、犯罪あるいは自殺等々のそうしたことでない、亡くなってから発見される方は、年間約十一万人近くおられます。既にもう始まっているんだと思います。私は、「たまゆら」の事案を見たときに、この図を知っていて厚生労働省はなぜ政策を打たなかったんだろうと、本当に不思議に思いました。
 舛添大臣は、きのうの御答弁で、老健や特養などをふやしておると。しかし、それでもせいぜい二〇三〇年度に幾つの予定でしょうか。例えば六十万あるいは九十万あったとしても、そこで亡くなるという方の数から見れば、私はもっともっと設備、施設は必要だと思います。
 改めて、このグラフ、じっと見てみていただいて、今回の補正予算も含めて、一体どこにどれだけ手を打てばいいのか。私は、今地域を歩いても、退院を迫られたけれども行く場所がない、そういうことの口ききばかりです。してはいけないことかもしれません。でも、みんな悩んでいます。みんな行き場がないと、切実です。この国の内需を拡大させるのであれば、その方たちが行ける場所をつくり、働く人がそこで働ける条件をつくる。本当に、それは第一のことだと思います。
 今のは指摘にさせていただきますので、これは大臣配下の、厚生労働省のある官僚の方がつくられたグラフで、今の、ここのいろいろな亡くなっている現状を推計していってつくられたものです。よくできていると思いますので、政策を考え直していただきたい。
 与謝野大臣には、お戻りになったところで恐縮ですが、私は、先ほどの細野議員とのやりとりを聞いていて、これは絶対与謝野さんに確認しておかねばならぬと思いました。
 実は、与謝野大臣は、私より議員歴も、それからまた財務にかかわることも大変によく御存じで、よく教えていただいていますから、そうした観点から、四十六の基金で四・三兆円というのは、憲法の八十六条の「内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け」、要するに、毎会計年度ということは単年度ということですよね、もしそれを越して基金で三年、五年となるものが四十六個もあって四・三兆も入っていたら、やはりこれは、ここで言う憲法八十六条の規定とそごを来しはしまいか。
 あるいは、毎年毎年きちんと国会に報告する義務を負わねば、例えば、今ここで大きな財政出動をしてどう使われたか、残念ながら国民にはわからないわけですよ。その基金が、五年たってこんなに余っていたけれどもと言われても、今必要なことに打ってほしいと思うことが幾つもあります。
 大臣には、この憲法八十六条の問題と、こんなに、四十六個の基金と四・三兆円という大きな額です、私はその額があればこの問題だって解決すると思うくらいですが、そうしたことについてはどうお考えか。年々の見直しをお約束いただきたい。
○与謝野国務大臣 予算は国会の御承認をいただかなければならないというのは当然でございますし、後の年度で負担が発生するものは、債務負担行為としてまたこれも国会に御承認をいただかなければならないわけです。
 今回、幾つかの基金をつくりましたが、これは、この補正予算の御審議の過程で皆様方に御承認をいただいて、使うのは多年度にわたるということで、憲法に規定されている予算にかかわる条文には違反していないと私は思っております。ただし、先生御指摘のように、やはり事あるごとに国会で、この基金の使いぶりはどうなっているのかということは御報告すべきであると思いますし、また、議員の方から御質問があった場合には、その現状については詳しく御報告する責任がある、そのように思っております。
○阿部(知)委員 本日、ここに集う与野党の議員も、政権がどうなるか、この先、今、三年、五年のことを組んで、本当に国民に説明責任が果たせるかということは共有していると思うんです。
 ですから、総理にもぜひお願いがあります。毎年度、きちんと進捗状況の御報告をいただきたい。これは、そこでたくさんが余って無駄になるのであれば、臨機応変に使って、もっと有効にお金は生かさなきゃいけないと思うからです。その点の御答弁を一点お願いしたいのと、恐縮ですが、時間の関係で、済みません、あと与謝野大臣にもう一つ。
 先ほど、これも細野豪志さんが独立行政法人のお金の使い方について、天下った先に行っているではないかという指摘がございましたが、私がそれ以上に驚いたのは、実は今回、建設公債が七・三兆円、総額でございますが、そのうち、本当のというか、従来の治山治水とか道路整備とか、いわゆる公共事業に使われておる額は一・八兆で、その他はすべてその他施設費となっております。その他施設費。
 その施設費の方を先ほど細野さんが御指摘でありましたが、私がいただいたこの予算書を見ますと、何と百五十五の施設に対して当初予算がつき、そのうち九十三の施設について今度の補正がさらについているわけです。その総額が二・九兆になります。
 中には、私は学校のニューディールはいいことと思いますので、ああした説明がつき、わかりやすいものもございますが、例えば私などはこれは何だろうと思うのは、官庁営繕費がもともと予算で二百二十五億で、補正がさらに二百四億つくわけです。官庁営繕費というと、私たちの仕事を支えてくれている官庁の皆さんの何か施設にかかわることかなと思いますが、もしそうであれば、この段、国民が苦しんでいる、生活が大変だということであれば、この二百億くらいは私だったら母子加算に回しますよ。未来の子供たちへの投資に回したいと思うんですね。
 大臣、これはよく見ていただくと、施設関係が多いんです。例えば参議院の施設費とか内閣官房施設費とか、法務省施設費は、これはもしかして、今狭くなっちゃった収容のための施設の改革かもしれません。でも、余りに項目が多くて、この短い予算委員会の審議の中で本当に厳選なんてできないほどだと思うんですね。
 これは委員長にもお願いですが、済みません、もう終わります。
 きちんとこうした個別のことを、さっきの基金もそうですけれども、各省庁別にやっていて、知らないうちに潜り込んでいる官庁営繕費というのは何だと思います。そうしたことに、次回で結構です、与謝野大臣、御明確な御答弁をお願い申し上げます。済みません、私のこの次、いいですか。
○衛藤委員長 大臣、極めて簡潔にお願いします。
○与謝野国務大臣 資料を整えて阿部先生のもとに御説明に上がります。
○衛藤委員長 時間の関係がありますので、失礼ですが。
○阿部(知)委員 どうもありがとうございました。
○衛藤委員長 これにて阿部知子君の質疑は終了いたしました。
 次に、亀井久興君。
○亀井(久)委員 国民新党・大地・無所属の会の亀井久興でございます。
 私、最後の質問でございますので、他の委員の質問と若干重複するようなこともあるかと思いますが、御了解いただきたいと思います。
 まず最初に、景気の見通しのことなんですけれども、御承知のとおり、四月の三十日に日銀の展望リポートが出されましたけれども、今年度の実質GDPマイナス三・一%に下方修正ということであります。
 先般、本会議で、私、麻生総理に質問をいたしましたが、今度の補正予算のGDPの押し上げ効果というものがどのくらいあるかということに対して、一・九%、そういう見通しを出されました。その結果として、政府としては、マイナス三・三%に抑えられる、そういうような見通しだと思いますけれども、国際機関は必ずしもそう見ていないですね。IMFでも六・二%減、またOECDは六・六%減ということで、大変厳しい見方をしているわけであります。
 また、厚労省の発表いたしました三月の有効求人倍率、これが〇・五二倍ということで、平成十四年の四月以来の低い水準になっているということでございます。
 昨年、アメリカでリーマン・ブラザーズが破綻をして、アメリカの金融危機が表面化したときに、与謝野大臣が、日本の経済に与える影響というのはハチに刺された程度だということを発言されたわけでございますが、私は、とてもそんなことでは済まないだろう。恐らく与謝野大臣は金融システムが健全に保たれているということを言おうとされたんだと私は善意に解釈をしたわけで、日本の場合には、早く公的資金を注入して不良債権の処理を行い金融システムを安定化させたということですから、金融システムということからいえば確かに早く健全化されていたと思いますけれども、ところが、昨年の十―十二月期で、実質年率で一二・七%落ち込んだ。先進国で一番ひどい落ち込みだったわけですね。
 これはもういろいろ指摘されておりますけれども、日本の経済の体質が完全に外需依存型になってしまっている、そこに大きな原因があると思うんです。これは、小泉構造改革そして竹中路線というものを総括するということから考えていかなくてはいけない問題だと思いますけれども、いずれにしても、日本は、ここ十年、デフレも本格的に脱却できず、そしてまたGDPもゼロ成長というような状況で進んできた。
 その間、欧米の先進諸国は、平均でも一・四倍とか一・五倍に経済規模を大きくしておりますから、かつて、日本が世界経済の一七%とか一八%とか、いわゆる二割国家と言えるような状況だったのが、どんどん下がってしまって、今や九%あたりで低迷しているという状況。そして、一人当たり国民所得も、一九九四年には世界で一番まで行ったのが、どんどん落ち込んで、今やOECD加盟国でも下の方にいる。そういう状況で、総合的な日本の経済の力が落ちてきたことは間違いないと思うんですね。
 だから、結局、なぜそうなったかといえば、これは申し上げるまでもありませんけれども、個人消費が全然伸びない。家計が豊かになっていないということだと思うんですね。ですから、物をつくっても個人消費がないから売れない。当然企業は生き残りのために外に向かわざるを得ないということで外に向かってしまう。だから、もう必然的に外需依存体質になってしまった。そこへ、今度の、どかんと金融危機、リーマン・ショックが訪れたということで、世界同時不況の中で日本が一番大きな影響を受けてしまったということだと私は思うんです。
 そこで、間もなく一―三月の速報値が出ると思いますけれども、与謝野経済財政担当大臣、どのように見通しておられるのか、そのことをまず伺いたいと思います。
○与謝野国務大臣 一―三月も大変厳しい状況になると思います。昨年の十―十二月に引き続き大幅なマイナスになると考えております。
 また、当面厳しい状況も続きますし、現時点で、いつ景気が底打ちするかということは、確たることは申し上げられない段階であると思っております。
○亀井(久)委員 麻生総理は何回も言われていることなんですけれども、昨年度の一次補正と二次補正、それに本年度の本予算、これを三段ロケットというように例えて、その三段ロケットが準備されているから新たな経済対策を今考えないということを、本年度予算の審議中にそういうことを言われました。
 ところが、これだけ史上最大規模の経済対策で補正を組まざるを得なくなったということは、やはり総理の見通しが甘かったというか、見通しを誤ったというように理解してもいいように思うんですが、いかがでしょうか。
○麻生内閣総理大臣 十―十二の指数、いわゆるクオーターの指数が一―三におきましてもほぼ同様の下落率ということになり得る可能性が極めて大きいという状況にあると存じます。今、私どもが予算を編成いたしました十―十二月当時の我々の予想より、さらに大幅に悪化した、特に輸出の点で申し上げれば、アメリカ、欧米のところ、加えて中国、いずれも大幅に落ち込んだところが大きかったと思っております。
 もう一点は、日本の企業はこの間にあって一斉に在庫の整理に物すごい勢いで速く走ったと思っております。多分、世界で一番早く在庫整理が進んでおるのが日本かなと思っております。したがいまして、在庫の整理がほぼ終わります四月以降、その数字がかなり変わってきて、鉱工業生産指数は、四月以降、下がるのではなくて横ばいもしくは上に上がるところまでは今来つつあるのかなと思っております。
 したがいまして、先ほどOECDの例を引かれましたけれども、日本においてはこの十―十二で見れば一番下がったことになっておりますが、それらの他国と比べまして、二〇一〇年度の予想につきましては、日本のみが〇・〇、ほかの国はいずれもマイナスということになっておりますのも、多分、そこの切りかえの速さが後できいてくるかなと思っております。
 いずれにしても、日本としては、その当時、十―十二月の予想をさらに大幅に上回るほどのいわゆる不況というか経済の下落というものでありまして、それに合わせて、日本としては、今回補正予算を組んで、直ちにこれに対応するという決断をさせていただいたというところであります。
○亀井(久)委員 今回の補正予算を見ますと、各省庁が一斉にいろいろな要望を上げてきた、それを与党と一体になって一生懸命まとめられたという、そのことはよくわかりますけれども、何か、短期的な当面の景気対策というより、内容を見ると、中期的な経済対策が中心であるというように見えるんですね。
 ですから、私は、やられていることはよく理解はできますけれども、しかし、この間本会議で申し上げたけれども、やはり政治の強いメッセージ、特に、総理がこうやるんだという、そのメッセージがどうも伝わってこないから、今の補正予算に対する一般の方々の評価というのも、私が聞く限りではそんなに高くないということなんだと思います。
 私は、そのメッセージの中心は、先ほどもちょっと触れましたけれども、やはり家計を豊かにするということ、これが一番大事なんだと思います。
 今、家計は物すごく傷んでおりますね。とにかくずっと給与所得も落ち込んできた、可処分所得が落ちる、だから貯蓄がどんどんどんどん減ってくる。もう既に全世帯の四分の一は貯蓄がゼロになってしまった、そういう状況ですね。かつては二けた台の貯蓄率を持っていた日本が今や二・二%、アメリカよりも低い。そういう水準まで落ちてしまっている。負担だけは確実にふえている、こういう状況ですから。お金を使いたくても使えない状況、特に低所得層はそうですし、また中間所得層、日本を支えてきた、まさに一億総中流社会を支えてきた、その中間所得層がどんどん所得を減らして下に落ち込んできている、そういう状況だと思うんです。
 ですから、私は、この際、家計を豊かにするための一番大切なことは、思い切った減税ではないか、所得減税ではないか、そのように思います。
 財務省の感覚からいえば、これだけ国債の発行残高がたまっていて借金で四苦八苦しているときに減税なんてとんでもない、むしろ増税だ、消費税だ、そういう発想になるのかもしれませんけれども、私は前から申し上げておりますけれども、財政再建と景気対策とその二つのウサギを追ってしまったんではどっちもとれなくなりますよ。やはりここは思い切って景気対策をやるべきではないだろうか、そういうように思っておりますけれども、所得減税というようなお考えが全くなかったのかどうか、与謝野大臣に伺います。
○与謝野国務大臣 減税は、そのような余裕があればやったらよかったと思いますけれども、現在の財政の状況を考えても、いわゆる恒常的な所得減税をやるだけの余裕は日本の財政にはない。
 加えまして、二兆円の定額給付金はもともと定額減税をやろうという形で考えたんですが、定額減税にいたしますと、減税が及ぶ範囲が課税最低限以上の方、また課税最低限以上の方であっても完全に及ばないということがあったものですから、名前を変えて、定額給付金という形のいわばある種の減税をやったと思っております。
 個人の消費をふやすということは大変大事なことですが、残念ながら所得減税をやるだけの財政的な余裕がなかった、こういうことに尽きるんだろうと思っております。
○亀井(久)委員 これも基本的な考え方の違いかもしれませんけれども、アメリカでかつて、一九九三年にクリントンさんが政権に着いたときに、その前のお父さんのブッシュさんの時代にいわゆる双子の赤字といって貿易赤字と巨額の財政赤字と抱えていた、そういう状況であるにもかかわらず、それでは緊縮財政をやったかというと、逆のことをやったわけですね。思い切って減税もやった。また、財政支出もやった。一時的に確かに財政は悪くなったけれども、そこから急速に立ち上がって、五年後の一九九八年には立派に財政を黒字化した。そういう例もあるわけです。だから、そこは政治的な決断だと思うんですよ。
 アメリカはブッシュさんの政権の末期に金融危機が来て、金融安定化法を出した。それが議会を通らない。そんな一部のいい思いをした金融機関を助けてどうなんだ、そういう国民の反発があるから通らない。そこで、マケインさんとそれからオバマさんが一生懸命議会工作をやって、そのときに減税を思い切って導入しましたね。それで国民の理解が得られた。
 今度、オバマさんが政権をとって、今、五千億ドルの財政出動をしよう。そのうちの半分以上が減税ですよ。しかも、二十三兆円の所得減税です。これは即効性を求めたんだろうと思いますけれども、給与の源泉徴収分から引くという思い切ったことをやったわけですね。アメリカがここのところ多少景気回復の兆しが見えてきたというようなことを言われておりますけれども、やはりそれだけの即効性があらわれたというように見えるんですけれども、そのことについてはどう思われますでしょうか。
○与謝野国務大臣 アメリカの例は日本の例に全くならないと、私はいつも思っております。
○亀井(久)委員 そのように片づけられてしまうと何をか言わんやでございますけれども、私が申し上げたいのは、政治の決断というものがいかに大事かということ。
 それから、もちろん財務当局は当然のことながら財政の健全性というのを考えられる、これは当たり前のことだと思うんです。しかし、経財担当大臣ですから、大臣は。だから、経財担当大臣というのは、財務省を説得してでも日本の景気回復を図り、経済を大きくし、国民生活を豊かにするという、そのことをおやりになるのが経済財政担当大臣だと思うんですね。
 だから、先般本会議で申し上げましたけれども、それを兼務しておられるということでは、なかなか思うようにいかないんじゃないですかということを申し上げたわけでございまして、この点は麻生総理に重ねてお尋ねしたいと思います。
○麻生内閣総理大臣 考え方なんだと思いますが、基本的に、両方を兼務しているからよく物が見えるんだというところも、物事を判断するときには大事なことなんだと思っております。
 大蔵省主計局だけで育つと、どうしても視野狭窄症みたいな感じになってきて、ずっとこうなる。これは大蔵省の役人としゃべるときいつもからかうセリフですから、別に悪口とも思っているわけじゃありません、面と向かって言うこともしょっちゅうありますので。
 そういった意味では、私は、広く財政を見た部分と、自分の税収入という実入りの部分と両方考えねばならぬ、当然のことだと思いますが、その上で最終的に景気判断を優先する。今回は、経済、当面は景気対策ということを申し上げた。その背景は、与謝野大臣とよく詰めた上でこの役を引き受けていただくということをお願いした背景もございますけれども、いろいろな意味で双方で話を突き合わせた上で、今回の役をやっていただく形になっております。
○亀井(久)委員 先ほど定額給付金の話が出ましたけれども、これも公明党さんの強い要請を受けて実施をされたということで、最初は、さっき与謝野大臣の御答弁にあったように、定額減税という考えだった。それが、低所得層に行き渡らないから給付金という形をとったということだと思うんです。私は、もらう人からすればそれはありがたいことだと思うと思うんですけれども、やはり八百億もの経費を使ってやるということがいかがなものだったのかな、そういう思いもあります。それよりもむしろ低所得層の社会保険料の負担を暫定的に一定期間無料化するというような、そういうことの方が低所得層の方々はむしろ好ましいと思われるんじゃないかというように思うんですが、これは舛添厚労大臣にそういうお考えについての御見解を伺いたいと思います。
○舛添国務大臣 いかに景気を刺激するか、個人消費が非常に重要で、日本のGDP五百兆の六割の三百兆ですから。したがって、手取り収入というか可処分所得、これをふやすということは結構なことだろうと思います。
 したがいまして、雇用の問題が非常に難しいときに雇用保険料を一定限度減額した、こういう発想が一つありました。(発言する者あり)ですから、そこは政策判断として、一つの可能性としてはあり得ると思いますが、ただ、全体の社会保障費をだれの財源でどういうふうにしてやっていくのか。今、菅さんからかな、何か声が出ていますけれども、まさにセーフティーネットを張ること、その安心のための財源が必要だということと、可処分所得をふやすことによって個人消費をふやす、刺激する、それのバランスをどうとるか。
 だから、冒頭から亀井先生がおっしゃっていることの意味はよくわかっていますけれども、極めてこれは難しいかじ取りだと思っております。
○亀井(久)委員 またこれも前から再三申し上げていることなんですけれども、小泉政権の置き土産ともいうべき骨太方針二〇〇六、これがまだ生きているわけであります。ところが、二〇一一年度からプライマリーバランス、基礎的財政収支を黒字化するというその目標達成は困難になったということを言われていますけれども、私は、困難になったというより、もう不可能と言ってもいいんじゃないか、そういう状況ではないかと思うんです。実際に麻生政権になってから相当の財政出動に踏み切っておられますね。ですから、骨太方針二〇〇六というものにはもう余りとらわれずに実際政策遂行をやっておられるように見えるわけです。
 それであるならば、先ほど申し上げたように、メッセージがいかに大事かということでございますから、骨太方針二〇〇六とはっきり決別をするということを言われることが、国民にとって非常にわかりやすいメッセージになるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○与謝野国務大臣 骨太方針二〇〇六というのは大変よくできた方針だと私は思っております。ただし、この骨太方針の中にも、経済の状況が悪いときにはこの原則によらなくてもいいということは書いてございまして、今回の補正予算等は、やはり骨太方針のそのような例外規定を使って考えた補正予算だと私は思っております。
 ただし、こういう補正予算をつくりますと、後は幾らでもお金を使ってもいいんじゃないかと思う人が我が党の中にもおられるんですけれども、そんなことはなくて、やはり一定の財政規律というものは守るということが根本になければならないというふうに私は思っております。
○亀井(久)委員 自民党の中の党内バランスというのは、私も外から今見ておりましてよくわかるんです。だから、麻生総理の立場からすると、片っ方に軸足を完全に置くということはやはりなかなか難しいということもそれなりにはわかるんですけれども、麻生総理が、本年度の税制改正の附則に、経済情勢が好転したときには消費税の導入というものも考えるというようなことを強い総理の意思で入れられたということでございますけれども、この経済情勢が好転をするというのは、具体的に、さまざまな指標の数値がどの程度になるということを考えて言われているんでしょうか。そのことについて伺いたいと思います。
○麻生内閣総理大臣 経済状況の好転、これはなかなか指標のとり方によって随分いろいろ違っておりますけれども、一般的には、景気が悪化しているという状況から持ち直して、そして改善してきつつあるという状況、形容詞だけで言えばそういうことになるんだと思いますが、その判断に当たっていろいろな指標が使われることになるんだと思います。最終的には、いろいろな数字ももちろん大事だと思いますが、国民の生活や、景気という気の部分がございますので、やはり経済の実態などをいろいろ考えた上で判断するというような最終的な政治判断が要求されるものだと思っております。
 単に数字がこうなったからぱっとやるというのは当たるかどうかといえば、これは過去に失敗例は幾つもございますので、その意味では、何を指標にするかというのは、極めて政治判断を要する経済判断なんだと思っております。
○亀井(久)委員 消費税ということに対してはやはり国民が非常に敏感に受けとめますので、やはり総理がそうしたことを税制改正の附則に入れられたということは、何となく、みんなは衣の下によろいがちらちらというように受けとめてしまう。ですから、いかに個人消費を伸ばさなければいけないかというときに、逆に消費者の消費マインドを冷やしてしまう、そういうことになりかねないわけでございます。
 例えば今回、国民年金の国庫負担分を三分の一から二分の一へ上げるという、そのための財政措置はとられているわけですけれども、これがもし経済が回復しなかったときには、その次の年度からどういうふうに手当てをするのか。さらに、経済がもっと落ち込んだときには、今度のさらなる経済対策のためにそれではどういう財源で充てるかということになると、結局、今回の経済対策でも、やはりそれは将来の消費税の税率を上げることによって賄いますよということが、もう今から予想されるんではないかというように受けとめるわけですが、そのことについてはいかがでしょうか。
○与謝野国務大臣 先般、国会で御承認をいただいた税法の附則に書かれているとおり、経済が好転した後に税制の抜本改革をお願いする。この中には、消費税、所得税、法人税、相続税、その他の税制も全部含まれたものでございますが、それぞれの税目について改正の方向が書いてございます。
 先生が今言われました消費税については二つのことが書いてありまして、一つは、消費税は、上げる場合には、完全に社会保障制度プラス少子化対策に使おう、そういう目的税化に使う。もう一つ書いてありますことは、それ以外には一切使わせないということが書いてございますので、これは、経済好転後にいろいろな税制改革をお願いするわけですが、消費税に関してはある一定の方向がここに書かれていると私は考えております。
○亀井(久)委員 相当踏み込んで考えていただいていると思うんですね。もう消費税というのは社会福祉目的税に極めて近い、しかし、目的税的な一般財源であるということで、そこの整理をまたしっかりつけられることも国民に対するメッセージだと思うんですよ。ですから、そこまで踏み込まれるのなら、思い切って消費税は社会福祉目的税にしますということをお考えになったらどうかと思いますが、いかがでしょうか。
○与謝野国務大臣 仰せのとおりで、社会保障目的税にするべきだと考えております。また、附則もそのような精神で書かれていると考えております。
○亀井(久)委員 これは大変な前進だと思っております。これからの社会保障全体を考える上で、それだけの財源というものがしっかりと国民に理解をされるということになろうと思いますので、その方針で進んでいただきたいと思います。
 経済の問題ばかり言っておりますと全然時間がなくなっちゃいますので、ちょっとほかの問題。
 郵政民営化に関してですが、かんぽの宿の問題。これは、この予算委員会で民主党の枝野委員と私が取り上げたのが一番最初で、それからいろいろな動きが出てきたわけでございますが、先般、鳩山総務大臣が、郵政会社の方からいろいろ聞かれて、それを分析されて、それで改善命令を出されたわけです。私、改善命令そして十六の問題点を読んだわけですけれども、あれを読みますと、随分ひどいことをやっていたんだなということを率直に思うわけですね。
 だから、そこまではっきりした調査をされたんですから、やはり私は、西川社長、今日本郵政のトップですけれども、日本郵政のトップとしてかなり大きな責任があるんじゃないかというように思うんです。ですから、改善命令を出されて、六月までにその結果を聞くよということのようですけれども、西川社長の責任というものをこのままにしておかれるのかどうか、そのことを御見解を伺いたいと思います。
○鳩山国務大臣 それは当然大きな責任があると思います。全くいいかげんなことが続いておったわけで、例えばですが、オリックス不動産が、日本郵政の宿泊事業部長をうちの副社長にお招きします、そういう提案をした。その宿泊事業部長は、採点する人間だったから、大いに喜んで丸をつけたなどという話は、実は西川社長は知らなかったらしいんですね、国会での答弁でそんなふうでありました。
 ですけれども、そういった意味でいうと、これはガバナンスの問題にもなってくる。大変大きな責任があるので、私としては、とにかくこの問題、御自分の在任中にさまざまに起きた問題であるから、一定の始末は御自分でつけていただきたいという思いもありますけれども、その責任をどう判断するかというのは、これからまたいろいろ皆さんと相談をしていきたいと思います。
○亀井(久)委員 鳩山総務大臣の今までの対応というものを見ておりますと、これは非常に国民、利用者の立場に立った対応をしていただいているというように私も高く評価をしておりますので、今申し上げた点についても、しっかりとした結論を出していただきたいというように思います。
 それから、民営化の見直し、これは見直し規定があって、三年で見直すということになっております。それが来年の九月までということになっていますけれども、今、民営化委員会というのがありますね。民営化委員会というのは、最初の竹中さんの制度設計の中では、自分の制度設計したものがいかにうまく進んでいくか、それを監視する、そういう役割のものとして性格づけようとされた。それを、そうじゃなくて、やはりいろいろ問題が出てくるから、経営形態そのものの見直しだって当然やっていいではないかということで今の民営化委員会の性格ができたと思っております。
 民営化委員会、先般また委員を再任されたりしたようですけれども、もし仮に見直しをやろうというときに、民営化委員会の意見、そういうものに従って見直しをやろうというお考えであれば、私はほとんど見直しらしい見直しはできないと思うんですけれども、その民営化委員会の位置づけについて伺いたいと思います。
○鳩山国務大臣 郵政民営化委員会、この民営化委員は総理大臣の任命でございまして、今回一名入れかわったんだと思いますけれども。この間、三月末に出されたものは、まだ民営化して実質一年半だから、まだ滑り出しの段階なので結論は出せないというような感じで、問題がこんなところにあるのかなとか、あるいは、検討の方向性はこんなふうかなというのを示唆されたにすぎないわけでございます。
 ところが実際、かんぽの宿等にこれだけ大きな問題があっているわけでございますので、民営化委員会の意見を参考にしながら、それよりはるかに大胆にやっていかなければいけない。
 もちろん、民営化委員会はこれからも御活躍をいただきますが、それに従って見直しをやっているのでは間に合わない部分が多いのではないか、こう私は思っておりまして、したがって、いわゆる国営に戻すということはあり得ないんですが、それ以外は、聖域なく、すべてをそれは国会の皆さんとも相談をして見直していきたいというのが私の立場でございます。
○亀井(久)委員 小泉政権時代にいろいろな審議会、委員会というものをつくられて、それで、そこの委員の方々、特に経済財政諮問会議については、民間の議員の方の発言力というのは極めて強かったと思うんですね。そういう各種の審議会の会長とか委員会のトップをされる方というのは、最終的に事をまとめる権限というのを持っておられるわけですから、その人が、自分の業界とか自分の企業とかに何か利益誘導をしていくというようなことは、これはやはり私は絶対に避けなくちゃいけないことだと思うんですが、そのことについて麻生総理はどのように思われているのか。
 これはまた道義的、政治的な責任は麻生総理に伺いますけれども、あと、法律的に職務権限との関連で何も問題はないのかどうか、法制局長官に伺いたいと思います。
○麻生内閣総理大臣 ちょっと順番が違うのかもしれませんが、私の方から、委員長の御指名ですので。
 今御指摘のあった、いわゆる審議会の委員など、時々のその内閣が抱えております問題に関しましていろいろ諮問をさせていただいたり、いろいろ御意見を拝聴する、有識者の方々の意見というものをやらせていただくというのは、従来からもこれまではやらせていただいたところであります。
 基本的には内閣総理大臣の方から諮問することになるんですが、その内閣としての最終的な政策決定というものが上がってくる場合は、これは、総理大臣のもとのいわゆる関係閣僚の合意をして、そして最終的に閣議において決定をされるということになろうと存じます。まあ、当然のことなんですが。
 したがいまして、最終的な政策決定につきましては、決定権というものは内閣総理大臣が有するというように理解をいたしております。
○宮崎政府特別補佐人 お答え申し上げます。
 一般論として申し上げますが、審議会等は、法律または政令の定めるところによって設置される合議制の機関でありまして、もとより、そのメンバーたる委員や委員長、座長は、その学識経験に着目して任命されるものであります。
 その上、答申等は、各委員間の審議が尽くされた上で、合議体として意思決定が行われるものだと思います。
 さらに、答申等につきましては、ただいま御答弁がありましたように、これを受け取った所管の大臣等がその客観的内容を見た上で、最終的には、大臣等の権限において採否、採用をするかしないかを決定し、施策の立案、実施等を行うものでございます。
 したがいまして、職務権限との関係でとおっしゃったことの趣旨が十分理解できているかわかりませんけれども、一般に申し上げますと、御指摘のような場合において、答申等や、それに基づいて決定された行政行為の法的効力に問題があるとは思いませんし、また、座長、委員長の法的責任について何かの問題が生ずるような性格のものではないというふうに存じます。
○鳩山国務大臣 私は、法律的なことは別にして、亀井先生がおっしゃることは、これが李下に冠を正さず、瓜田にくつを入れずということであると。
 平成十六年十二月二十四日に規制改革・民間開放の推進に関する第一次答申というのが出ておりまして、御承知と思いますが、公的宿泊施設等については、民間との競合や非効率性を一刻も早く解消すべく、廃止、売却等の民間委譲、民間委託を速やかに図るべきであると。答申を出された責任者の方の関係会社ができレースのような形でこれを引き受けることになれば、それは李下に冠を正さず、瓜田にくつを入れずという問題になってくると私は申し上げているわけでございます。
○亀井(久)委員 その方針でぜひ対応していただきたいと思います。
 もう時間がありませんので、若干地方のことに触れたいと思うんです。
 御承知のとおり、平成の大合併という合併が行われて、平成十一年に三千二百三十二あった市町村が、今、千七百八十一ですか、そこまで減った。そういう中で、合併を進めるということのために、さまざまな優遇措置、合併特例債等を入れたわけですけれども、それに従って合併をしたところが、もう既に特例債、その優遇措置が切れてきている。
 そういう中で、経済の落ち込み、そして、国の財政上の問題から地方交付税がどんどん切られ、そして補助金も切られてくる。地方がもうにっちもさっちもいかないような状況になっている。特に、限界集落とか、それに準ずるような、準限界集落と言っておりますけれども、五十五歳以上の人が五〇%を超えている、そういうところが急増しているわけですね。もうとてもじゃないけれども住めないという状況になっている。
 そういうときに、私、思い出すんですけれども、かつて、小泉内閣のときに、経済財政諮問会議の民間の委員の方と意見交換をしたことがあります。そのときに、私が地方の問題をお話ししたら、亀井さん、そんな住みにくいところなら、もう住まなきゃいいじゃないですか、都会へ出てきたらいいじゃないですか、そういうことを言われたんですよ。私は、それは幾ら何でもひどい話じゃないかと。
 地方に住んでいる人たちもやはり日本の国民であって、特に、地方でしっかりと自然環境を守り、また伝統文化を守ってやっているんですから、そういう人たちが全国どこに住んでいても生きがいを感じてしっかりと生活できるような、そういう社会をつくることが今一番大事じゃないか。
 今、国土の半分が過疎地ですよね。五四%が過疎法の適用を受けている。そこに住んでいる人というのはもう一〇%いないんですよ。だから、せっかく広い国土なんだから、もっとバランスよく使おうじゃないかというその国土計画が、これがやはり政治の意思として出てこないという、そこにも私は大きな問題があると思うんですよ。
 だから、やはり、こういう国土をつくろうというそのメッセージを強く出して、そのためにまた経済も活性化をして、また家計も豊かにしていくんだ、そういうことが大事だと思いますが、そのことについて、最後に麻生総理の御見解を伺って終わります。
○麻生内閣総理大臣 基本的に、今三千二百三十二ありましたものが約一千七百六十の市町村にまで合併が進んだんだと存じますが、今言われましたように、限界集落の問題を含めて、この限界集落という言葉は法律用語じゃありませんけれども、そういう状況になってきておるというのは、これはゆゆしき事態だと思っております。
 少なくとも、今、例えば、離島というのは余り最近聞かれない言葉ですけれども、離島というところに住んでいただいてもらっているおかげで、外国人がそこに住んでいるということはない。逆に言えば、これは国防上も考えにゃいかぬ点ではないか。これはいろいろ昔から言われているところでございますけれども、そういった点も含めまして、そこに住んでいただいている方々に関してはしかるべき優遇策はとられてもいいのではないかというようなこと、いろいろこれは考えねばならぬ事態になってきておると思っております。
 なかんずく、人口が減少する、高齢化が進むという状況にありましては、今言われた点というものを考えて、国全体のバランスというのを考えていく、そういった必要性が、特に過疎とか、山がおりてくるというのが、山がおりてくるという表現が都会ではなかなか通じない言葉ですけれども、そういった状況にあります中にあって、我々としては、国土の有効利用ということも考え、住んでおられる方々のいわゆる幸せ、幸福感というものもあわせて考えておかないと、ただただ便利なだけでいいかというと、さようなわけにはいかぬのではないかという感が、私自身もそう思っております。
○亀井(久)委員 終わります。ありがとうございました。
○衛藤委員長 これにて亀井久興君の質疑は終了いたしました。
 これをもちまして各会派一巡の基本的質疑は終了いたしました。
 次回は、来る十一日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時三十二分散会