第174回国会 本会議 第24号
平成二十二年四月二十日(火曜日)
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 議事日程 第十五号
  平成二十二年四月二十日
    午後一時開議
 第一 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 金融商品取引法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
 日程第一 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 金融商品取引法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 地球温暖化対策基本法案(内閣提出)並びに低炭素社会づくり推進基本法案(野田毅君外三名提出)及び気候変動対策推進基本法案(江田康幸君提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時二分開議
○議長(横路孝弘君) これより会議を開きます。
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 日程第一 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(横路孝弘君) 日程第一、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。環境委員長樽床伸二君。
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 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔樽床伸二君登壇〕
○樽床伸二君 ただいま議題となりました法律案につきまして、環境委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、廃棄物の適正な処理の確保を図るため、第一に、産業廃棄物の排出事業者による事業場外における保管について届け出制度を導入すること、また、廃棄物処理施設の定期検査制度の導入、廃棄物の不法投棄等に関する罰則の強化、技術基準等に適合した熱回収の機能を有する廃棄物処理施設の認定制度の創設等の措置を講じようとするものであります。
 本案は、去る七日本委員会に付託され、九日小沢環境大臣から提案理由の説明を聴取し、十六日に質疑を行い、同日質疑を終局いたしました。次いで、直ちに採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(横路孝弘君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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 日程第二 金融商品取引法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(横路孝弘君) 日程第二、金融商品取引法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。財務金融委員長玄葉光一郎君。
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 金融商品取引法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔玄葉光一郎君登壇〕
○玄葉光一郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、財務金融委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、今次の金融危機を受けた国際的な議論や我が国の実情を踏まえつつ、金融システムの強化及び投資家等の保護を図るため、店頭デリバティブ取引等に関する清算機関の利用の義務づけ及び金融商品取引業者のグループ規制の強化等の措置を講ずるほか、金融商品取引業者全般に対して当局による破産手続開始の申し立てを可能とするための制度整備等を行うものであります。
 本案は、去る四月十三日当委員会に付託され、翌十四日亀井国務大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑に入り、十六日質疑を終局いたしました。次いで、採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(横路孝弘君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 地球温暖化対策基本法案(内閣提出)並びに低炭素社会づくり推進基本法案(野田毅君外三名提出)及び気候変動対策推進基本法案(江田康幸君提出)の趣旨説明
○議長(横路孝弘君) この際、内閣提出、地球温暖化対策基本法案並びに野田毅君外三名提出、低炭素社会づくり推進基本法案及び江田康幸君提出、気候変動対策推進基本法案について、順次趣旨の説明を求めます。環境大臣小沢鋭仁君。
    〔国務大臣小沢鋭仁君登壇〕
○国務大臣(小沢鋭仁君) ただいま議題となりました地球温暖化対策基本法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 地球温暖化は、世界全体で協力して対処すべき人類共通の課題であり、我が国は、国際的なリーダーシップを発揮しつつ、地球と日本の環境を守り、将来に向けて発展し続ける社会をつくるために全力を挙げて努めていくことが必要であります。
 そのため、温室効果ガスの排出量に関する中期目標について、すべての主要国による公平かつ実効性ある国際的な枠組みの構築と意欲的な目標の合意を前提に、二〇二〇年までに一九九〇年比で二五%削減という野心的な目標を掲げ、地球温暖化の防止のための二〇一三年以降の次期枠組みの構築に向けて議論を前進させてまいりました。また、二〇五〇年までに一九九〇年比で八〇%削減という長期目標も掲げており、さらなる排出削減を目指してまいります。
 我が国において、この中長期目標を達成するためには、あらゆる政策を総動員して、日々の暮らし、地域づくり、物づくりといった広範な分野で、経済活動や国民生活のあり方の転換を促進しつつ、世界に先駆けて脱化石燃料化等を図ることにより、温室効果ガスの排出の量をできる限り削減し、吸収作用を保全強化し、かつ、地球温暖化に適応することができる社会を実現していかなければなりません。
 そして、そのための取り組みは、経済の阻害要因となるのではなく、むしろ経済成長を牽引し、新たな産業の創出を通じた雇用の増大、国民の暮らしの豊かさの実現につながるものであると確信しております。
 このような考え方のもと、我が国が推進すべき地球温暖化対策の基本的な方向性を明らかにし、環境と成長が両立したエコ社会の実現に向けた第一歩を踏み出していくために、地球温暖化対策に関し、基本原則と各主体の責務を明らかにするとともに、温室効果ガスの排出の量の削減に関する中長期的な目標を設定し、地球温暖化対策の基本となる事項を定める本法律案を提案した次第であります。
 次に、地球温暖化対策基本法案の内容を御説明申し上げます。
 第一に、地球温暖化対策についての基本原則を定めております。
 具体的には、地球温暖化対策は、温室効果ガスの排出の削減、吸収作用の保全強化、そして地球温暖化への適応ができる社会の構築を目指すものであり、豊かな国民生活と産業の国際競争力が確保された経済の持続的な成長を実現しつつ行うべきである旨を、第一の原則として掲げております。
 第二の原則として、地球温暖化が人類共通の課題であることにかんがみて、国際的協調のもとに積極的に推進することを掲げております。
 そのほかにも、研究開発とその成果の普及、地球温暖化の防止等に関連する産業の発展と就業機会の増大、雇用の安定、エネルギー政策との連携、事業者及び国民の理解を得ることなどについても、基本原則として規定しております。
 また、これらの基本原則を踏まえ、国、地方公共団体、事業者及び国民について、それぞれの役割に応じた責務を定めております。
 第二に、昨年九月の気候変動首脳会合における鳩山内閣総理大臣スピーチ、コペンハーゲン合意に基づき我が国が気候変動枠組み条約事務局に登録した目標を踏まえ、我が国の温室効果ガスの排出量についての中長期的な目標を定めております。
 具体的には、すべての主要国による公平かつ実効性ある国際的な枠組みの構築と意欲的な目標の合意を前提として、二〇二〇年において、一九九〇年に比べて二五%削減の達成を目指すこととしております。
 また、長期的な目標については、二〇五〇年において、一九九〇年に比べて八〇%削減の達成を目指すこととしております。
 さらに、再生可能エネルギーの供給量について、二〇二〇年において一次エネルギー供給量の一〇%に達することを目標としております。
 第三に、地球温暖化対策についての基本的な方針等を定める基本計画を策定することとし、これに基づき、政府一体となって地球温暖化対策を総合的かつ計画的に推進していくこととしております。
 第四に、国が講ずべき基本的施策について規定しております。
 まず、国内排出量取引制度を創設することとし、そのために必要な法制上の措置について、この法律の施行後一年以内を目途に成案を得ることとしています。
 次に、地球温暖化対策のための税について、平成二十三年度の実施に向けた成案を得るよう、検討を行うこととしています。
 さらに、再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り制度を創設することとしています。
 これら三つの主要な制度の構築に加え、原子力に係る施策、エネルギーの使用の合理化の促進、交通に係る施策、革新的な技術開発の促進、教育・学習の振興、自発的な活動の促進、地域社会の形成に当たっての施策、温室効果ガスの吸収作用の保全強化、地球温暖化への適応、国際的協調のための施策などを行うこととしております。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
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○議長(横路孝弘君) 提出者齋藤健君。
    〔齋藤健君登壇〕
○齋藤健君 自由民主党のネクスト・ジャパン、環境・温暖化対策担当の齋藤健です。
 ただいま議題となりました低炭素社会づくり推進基本法案につきまして、提出者を代表して、その趣旨及び内容を御説明いたします。
 鳩山総理は、総選挙の余韻も覚めやらぬ昨年九月、突如として、我が国の温室効果ガスの削減目標として、一九九〇年比で二〇二〇年に二五%削減するという中期目標を国際公約とされました。
 現在、我が国は、京都議定書に基づいて温室効果ガスの削減に取り組んでおりますが、その目標は一九九〇年から二〇一〇年の二十年間で六%削減しようというもので、それすら、その実現に大変苦労しているのが現実であります。
 ところが、鳩山総理の二五%削減目標は、二〇〇五年比に置きかえますと、何と三〇%強の削減になり、これを達成する期間はわずか十五年間です。二十年間で六%削減するのに四苦八苦している国が、十五年間で三〇%以上も削減することを世界に約束したんです。
 当然のことながら、一体そんな約束をして、国民生活や産業競争力に与える影響は大丈夫なのか、とりわけ景気低迷によって極端に悪化している雇用環境に深刻な影響が出るのではないかという懸念が、国民各層の間に広がりました。
 国会でも、その点どうなのかという真剣な質疑が行われましたが、鳩山政権には、その裏づけとなる分析が何もありませんでした。皆さん、信じられますか。十五年間で三〇%以上も削減するということを突如として世界に約束しながら、裏づけとなる分析も、実現する方策も、これからだったのです。
 二五%削減のうち、幾ら国内での削減努力でカバーするのか、いわゆる真水がどのくらいになるのか、その最も肝心のところもわからない、国民生活にどのような影響が出るのかもわからない、国内産業に与える影響もわからない、いわんや雇用にどのような影響が出るかもわからない、海外からの排出権の購入によって国富がどれくらい流出するかもわからない。
 私は、当初、二五%という高い目標も悪くはないと感じましたけれども、考えが変わりました。二五%という数字以外には何もないんです。
 ようやく、去る三月三十一日に小沢環境大臣の試案のロードマップが公表されました。私は、長いこと霞が関の片隅におり、曲がりなりにも政策立案にかかわってまいりましたが、これほどずさんな政策分析を見たことがありません。
 多くの専門家や産業界あるいは労働界には、二五%削減を強行すると、国内企業が海外に逃げ出し、国内雇用が失われてしまうのではないかという大変大きな心配がございます。しかしながら、これまでの国会での質疑を通じて判明しましたことは、実は、この小沢大臣試案には、肝心な海外生産へのシフトによる影響が含まれていなかったのです。これほど皆が心配していることを全く考慮に入れていない。それで、あろうことか、雇用はふえるという分析結果を国民に訴えているのです。
 それでも、企業は海外へ逃げることができます。逃げることができないのは、そこで働く労働者の皆さんなんです。一番困るのは、働く皆さんであり、それは、とりもなおさず、民主党や社民党を支援する皆さんなんです。そこを分析すらしていない。それでいて、雇用はふえるんだと堂々と発表しているんです。
 さらに、次のようなことも判明しました。
 小沢大臣試案では、二つのモデルで、二五%削減をすると、雇用面でプラスだし、GDPもふえるという分析をしております。
 しかしながら、世界のモデルは違います。気候変動に関する政府間パネル、いわゆるIPCCの二〇〇七年の第四次報告書では、十五のモデルを使って分析を行っておりますが、そのほとんどが、温室効果ガスの削減幅が大きくなるほど、GDP、すなわち国内経済にマイナスの影響を与えるという分析をしております。
 しかるに、小沢大臣試案では、国内経済や雇用にプラスであるというモデルだけを二つも紹介しているのです。悪い影響が出るという分析結果は一つも紹介されていない。これは、世界のモデルの分析結果と余りにも違います。
 さらには、民主党政権のもとでのタスクフォースでも、すべてのモデルで規制強化に伴い経済や雇用面でマイナスの影響が出るとされておりますが、小沢大臣試案はそれとも大きく異なります。
 小沢大臣試案は、特異なモデルだけを使って意図的に楽観的な見通しをばらまき、世を欺いていると言われても反論ができないのではありませんか。もしそうでないというなら、なぜ楽観的なものだけを載せるのか、国民が納得できる明快な説明をしていただきたい。
 できるだけ早く、このずさんな環境大臣の分析を撤回して、国民生活に与える影響、雇用に与える影響、産業競争力に与える影響などなどについて、きちんとした見解を政府としてこの国会に出すべきです。環境大臣の見解だけではなく、経済産業大臣も厚生労働大臣も合意した、政府としての見解を出し、国会に対してきちんとした説明責任を果たすべきです。そうでなければ、二五%削減目標を含んだ政府提出法案のよしあしを、国会で審議のしようがないではありませんか。それとも、国会なんて、環境大臣のいいかげんな分析で十分、あとは強行採決すればいい、まさかそう考えているのではないでしょうね。
 きょうは多くのマスコミの方も傍聴されております。この点、厳しくくぎを刺させていただきます。
 鳩山総理は、この二五%削減の根拠として、国際交渉で他の国を高い目標に誘導するためだということを言われます。自国民に対する説明責任を果たさず、他国の背中を押すことだけを考えるというのは一体どこの国の総理大臣なんだと思いながらも、そこは百歩譲って、そういう試みもあり得るとしても、結局のところ、この日本の二五%削減目標が世界を動かすことはありませんでした。
 政府は、昨年のCOP15において日本がリーダーシップを発揮したと強調しておりますが、私は、衆議院調査室を通じて、世界の主要紙で日本のこの二五%削減目標についてどういう報道がなされているか、調査をいたしました。
 アメリカのニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、イギリスのタイムズ、フランスのル・モンド、ル・フィガロ、ロシアのインタファクス、中国の人民日報など、主要七カ国、十四の主要報道機関の記事について、当初、COP15、コペンハーゲン、日本、鳩山という四つのキーワードを入れて検索を依頼しましたが、該当する記事は一行もありませんでした。
 条件が厳し過ぎるのかとも思い、コペンハーゲンと日本という二つのキーワードのみ入れて記事の検索を再度依頼しましたが、やはり該当する記事は一行もないとのことでした。さらに念を入れて、日本、COP15というたった二つのキーワードで検索をしましたら、二五%表明の事実関係を伝えるものはありますが、日本のリーダーシップを評価する記事は見つからなかったとのことでありました。
 ネット上の無料検索記事という制約はあるものの、政府が主張するように、日本の二五%削減目標が本当に世界を動かしたのなら、世界の主要紙の一紙ぐらいはネット上でそれを報道しそうなものですが、なぜ報道がないんでしょうか。簡単です。報道に値しないからなんです。COP15で、日本の姿はなかったんです。政府がどう自画自賛しようとも、それが現実なんです。もしそうではないというのであれば、確かな証拠を示してください。
 世界で一番の環境技術を持ち、世界で一番省エネなどに一生懸命取り組んでいる国が、世界で一番断トツに高い削減目標を掲げ、世界で一番お金を出す約束をする、そして、それを世界が評価せず、報道すらされない。幾ら何でもいびつなことをやっていると思いませんか。これを失策と言わずして、何を失策と言うんでしょうか。
 世界の国々は、もっと自国民を大切にしています。CO2を削減すればするほど雇用はふえるなどということを大臣の見解として発表するような大臣は、世界にはおりません。そんな政府は、世界にはありません。もし違うというなら、どこの国のどの大臣がそう言っているか、確かな根拠を示してください。そもそも、温室効果ガスを削減すればするほど雇用がふえるのであれば、COP15はとっくにまとまっているのではないでしょうか。国内に悪影響が出るから、国際交渉は難航しているのではありませんか。
 鳩山総理は、二五%削減は科学の要請だと国会で明言しました。地球を守るためだと言います。しかしながら、私は断言いたします。日本の二五%削減目標は、科学の要請ではありません。
 鳩山総理が根拠としているIPCCの第四次報告書では、百七十七ある分析シナリオのうち、最も低いレベルで温室効果ガス濃度の安定化を可能とする六つのシナリオをもとにして、一定の仮定のもとで必要とされる先進国の削減割合の範囲として二五から四〇%削減というシナリオが示されただけであり、それをやらねばならないとか、このシナリオをとるべきだとは言っておりません。幾つかの分析シナリオの一つとして掲げてあるだけです。目標とする濃度が変わったり、前提とした仮定が変われば、この数字は幾らでも変わります。
 鳩山総理は、日本の政治的選択として一部のシナリオを取り上げたのです。ですから、この二五%削減は科学の要請ではありません。二五%削減は鳩山総理の政治的判断でしかないのです。それを科学の要請と言って、あたかも、この目標を実現しなければ地球の命が守れないような言い方をするのは、さきの小沢大臣同様、世を惑わすものと言わざるを得ません。
 それでもまだ科学の要請と言い張るのであれば、これから始まる委員会の審議で、私はネクスト・ジャパンの首をかけて徹底的に論破いたしますので、そちらも首をかけていただきたい。(発言する者あり)
○議長(横路孝弘君) 静粛に願います。
○齋藤健君(続) 今や、二五%削減目標を掲げるあらゆる論理は破綻しております。
 科学の要請でもなければ、国際交渉を引っ張るわけでもない、国民に対する説明責任もろくに果たさない。鳩山総理、あなたは一体何をやろうとしているんですか、この国をどうしようというんですか。
 これでは、普天間と同じではないですか。二五%削減目標は、第二の普天間です。格好いいことを打ち上げて、関係者が苦労して積み上げてきたものをぶち壊し、しかし、一枚めくってみると、根拠不確か、分析もいいかげん、そして腹案もない、言うだけ。
 考えてみれば、八ツ場ダムもそうです、ガソリン税の暫定税率もそうです、後期高齢者医療制度もそうです、各種政策の財源問題もそうです、高速道路の無料化もそうです。格好いいことを言うが、裏づけがない。ないない尽くしのものをぶち上げ、強弁し、最後は開き直る。
 今、日本の政治は危機に瀕していると思います。
 今、国会に必要なのは、一度冷静になって、政策の論理と情報を整理し、何が国民にとってプラスなのかマイナスなのかを分析し、静かに虚心坦懐に議論を積み上げていくことではないでしょうか。二五%削減問題についても、空虚な言葉を並べ強弁するのではなくて、きちんとした分析をして、国民の立場に立って冷静に議論することではありませんか。国会とはそうあるべきではありませんか。小沢大臣、そう思いませんか。
 科学の要請でもないものを科学の要請だと言い募ったり、多くの全く異なる試算結果が示されているにもかかわらず、一研究者の極端な分析を大臣の見解として発表し、CO2は削減すればするほど雇用がふえるなどというまやかしを言ってはなりません。この国には、そんな余力はないんです。
 我が党は、総選挙に敗れ、政権の座から去りました。しかし、この国を安定させ、発展させ、世界からも一定の尊敬を集め、そして、未来の子供たちに自信を持って引き継いでいける国を残したい、その思いは変わりません。
 選挙に敗れたのは、我々に問題があったからであり、今も胸を張れるような状態ではありません。しかし、だからといって民主党政権が何をやってもいいということにはなりません。責任野党として、正すべきものは正す、対案も出す、そういう気構えで使命を果たしていく決意を表明させていただいて、次に、対案である我が党提出法案について説明させていただきます。
 我が党も、地球温暖化問題は、人類の存続基盤を揺るがす安全保障の問題であり、その防止は人類共通の課題であり、次世代に責任を持ってすぐにでも行動を起こさなければならない課題であると強く認識しており、この自負については、どの党にも負けるものではございません。
 このため、自民党政権のもとで、昨年六月十日に、〇五年比一五%減という目標設定をいたしました際には、中期目標検討委員会という組織をつくり、そこに、福井前日銀総裁を座長として、環境、エネルギー、経済の分析を行う研究機関の参加をいただき、徹底的な検討を行いました。この内容はすべて公開されております。
 しかも、最終決断の際には、六つのシナリオを国民の皆さんに提示し、その中から当時の麻生総理が決断をするというプロセスを踏みました。
 さらには、国民生活や産業界にこのくらいの影響が出るということを総理自身がテレビカメラに向かって、つまり国民の皆さんに向かって三十分も具体的にお話をするという努力をいたしました。そういうプロセスを経て、初めて目標の決定を見たのであります。
 また、自由民主党といたしましても、政府のこのようなプロセスと並行して、野田毅先生を本部長とする地球温暖化対策推進本部において、計四十回以上にわたり活発な議論を行いました。
 本法案は、まず、そのプロセスにおいて、政府の法案とは全く異なるものであることを強調しておきたいと思います。
 以下、我が党の案と政府案を比較しつつ御説明申し上げます。
 我が党案の最大の特徴は、政府の言うような地球温暖化対策という守りの姿勢ではなく、活力ある経済とエネルギー安全保障にも思いをいたしながら、国民全員参加型の低炭素社会という新しい文明社会をつくり上げていこうという攻めの姿勢にあります。
 このためには、国内の削減目標を明確にすることが大事であると考え、二〇〇五年比一五%削減という中期目標を設定いたしました。そして、すべての施策が、この目標を実現するために列記されております。その特徴を一言で言えば、明確な目標と道筋、そして責任感であります。
 これに比べ、政府案では、中期目標として、国内での削減分が幾らになるのか全くわかりません。このような案では、二五%分のすべてを海外から排出枠を購入することによって賄ってもよいということになります。また、政府案の中期目標は、すべての主要国が公平かつ実効性が確保された国際的な枠組みのもと意欲的な目標に合意したと認められる場合という前提条件つきでありますが、もし前提条件が満たされなければ、中期目標は不在となってしまいます。
 これでは、国民はどこに向かって走っていけばいいかわからないではないですか。まことに中途半端なものと断ぜざるを得ません。
 また、我が党案では、社会変革への取り組みを加速させるため、特別行動期間を設け、二十の分野にわたって、今後十年間で集中的に講じていく施策を並べております。
 とりわけ、原子力発電の促進については、我が党案では、発電の過程で二酸化炭素を排出しない原子力発電所の利用率の向上や新設、増設の促進、核燃料サイクルの確立、高速増殖炉の早期実用化を目指しております。
 政府案は、温暖化対策に不可欠な原子力の推進について、これら諸点の記述がありません。
 石炭火力発電については、クリーンコール技術の活用の推進、世界最高水準の発電効率の維持向上等を図ることにより、温室効果ガスの排出抑制に努めるとともに、石炭ガス化複合発電、二酸化炭素の回収及び貯留等の技術開発を促進することとしています。
 政府案は、石炭火力について明示的な言及がなく、世界各国にも重要なクリーンコール技術の貢献に対する認識が全く欠如しており、大問題であると考えております。
 以上が、政府案と対比した本法案の趣旨及び概要であります。
 地球温暖化にいかに対応していくかは、本来、党派を超えて、人類全体のために冷静に議論を重ねていくべき課題であります。政治家の判断が、これほど重いものはありません。将来に責任を持つ政治家であるならば、よもや、この問題について、強行採決などはしないはずです。
 政府・与党の皆さんには、党利党略を超えて、堂々と議論を積み上げていくことを心からお願い申し上げまして、私の説明を終わります。
 長くなりまして、申しわけありませんでした。(拍手)
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○議長(横路孝弘君) 提出者江田康幸君。
    〔江田康幸君登壇〕
○江田康幸君 公明党の江田康幸でございます。
 私は、ただいま議題となりました公明党提出の気候変動対策推進基本法案につきまして、その趣旨と概要を御説明いたします。
 地球温暖化による気候変動は人類の生存の基盤を揺るがす脅威であり、気候変動の緩和及び適応を図ることは人類共通の課題となっております。
 この地球温暖化による気候変動対策に関して、鳩山内閣は、地球温暖化対策基本法案を提出いたしました。しかし、この法案は、我が国の地球温暖化対策の方向を定める基本法としては、全くの骨抜き法案であり、何の政治決断もない、未決定、未調整の先送り法案と言わざるを得ません。基本法の制定を求めてきた市民団体の間でも、このような基本法なら制定されない方がいい、むしろ害があるといった声すら広がっております。
 鳩山総理が国連において、科学の知見に基づくとして二五%削減を表明したとき、国民の多くは、これを支持しました。政府がそれ以前には九〇年比八%削減という目標を表明していたにもかかわらず、野心的な目標として、これを支持したのであります。高速道路無料化を初め、民主党マニフェストの施策メニューについては見直しを求める声が多い中で、二五%削減については、見直しを求める声は少数にとどまっております。
 にもかかわらず、内閣が提出した二五%達成のための法案は、国民の思いを裏切り、全くの骨抜き法案となり、むしろ二五%凍結法案、否、二五%放棄法案と言っても過言ではないものになっております。いわゆる前提条件つきの二五%削減目標であります。
 すなわち、内閣が掲げた二五%削減の目標は、すべての主要国が公平かつ実効性のある国際枠組みを構築するとともに意欲的な目標について合意をしたと認められる場合に設定され、政府が国際合意が実現したと判断したら施行する、こんな法律はあり得ません。民主党マニフェストのどこに、世界に意欲がないなら日本もやらないなどと書いてあったのですか。日本が世界をリードする気概で二五%と掲げたのではありませんか。
 地球温暖化問題、否、気候変動問題において最も大切なことは、国民そして人類の生存を守るという一点であります。この一点を外していかに多くの議論をしようとも、それは根本を誤った議論となります。
 気候変動といっても、地球温暖化といっても、いろいろ議論があるではないかと言う人もおりますが、我々が酌み取るべき科学の結論は明白であります。
 世界の平均気温は上昇しており、それは人間の活動によって温室効果ガスの濃度が上昇していることに原因があるということです。既に世界の平均気温の上昇によって気候の変動は起こっており、大きな被害も出始めているのです。日本でも、生命、健康、財産に及ぶ影響や被害が予測されており、我々は、少しでもこの被害を抑えることに取り組まなければならないのです。
 こういう事態に直面している以上、現実の生活、経済へのマイナスの影響をいかに抑えて気候変動への対策をとるか、否、むしろ、気候変動対策をばねにして、いかに生活の向上、経済の発展を図るか、これこそが我が国が取り組むべき最重要課題であります。そのためにリーダーシップをとることこそが政治の使命であるのであります。
 今、政府に求められているのは、気候変動に関する取り組みに関して明確なメッセージを発信することであります。明確なメッセージを発信することによって、国民も企業も行動を開始することができるのであります。にもかかわらず、二五%削減目標を行方のわからない国際交渉に依存し、実際に施行するかどうかを政府に全面的にゆだねるような法律では、何のメッセージにもなりません。
 米国も中国も、国際交渉での姿勢とは別に、着々と環境分野での経済戦略を進めております。すぐれた環境技術で世界をリードしてきた日本が、今や出おくれつつあると言ってもいいのであります。その上、いつ妥結するかわからない国際交渉にとらわれていては、またまた日本が出おくれることをおそれるものであります。
 このような鳩山内閣の骨抜き法案、先送り法案の問題点を浮き彫りにするためにも、我が公明党は、対案として、気候変動対策推進基本法を提出いたしました。
 この法案は、国民の生存権、人類の生存権を守るという根本的価値観に立ち、そのために必要となってくる施策について科学の知見に基づいて基本原則を明確に定めつつ、科学の要請にこたえる野心的な目標を内外に宣言し、その具体策を明示したものであります。
 以下に、本法律案の概要を御説明いたします。
 第一に、我々の法案は、地球温暖化ではなく、気候変動という言葉を法案の題名に使用いたしました。
 内閣提出の法案では地球温暖化という概念が題名に使われておりますが、この概念は、地球全体の温度の上昇という気候の変化を引き起こす原因そのものを示しています。もちろん、原因に焦点を当てることは重要ですが、それのみでは、引き起こされる問題の全体について国民に十分認識していただく上では不十分です。
 そこで、我々は、気候の変化と、それによってもたらされる影響、被害こそが人類の直面している課題であることを明確にするため、あえて法案の題名に気候変動という概念を用いたのであります。
 また、公明党案においては、国際社会で提唱されている気候安全保障という概念を導入いたしました。
 気候安全保障とは、気候変動による甚大な影響を世界の国々や企業、団体、個人に対する脅威と認識し、気候変動を安全保障上の問題としてとらえるものであります。
 気候変動は、単なる環境問題ではありません。気候変動は、人類の生命、生存にかかわる問題であると同時に、気象災害による飢餓、難民の発生により、世界の安定化への潜在的な脅威となることが認識されております。それは、食料問題やエネルギー問題、テロといった地球規模で生じる脅威の一つであるとともに、それらに大きな影響を及ぼすという意味で脅威の中心に据えられるべき問題であります。
 第二に、ラクイラ・サミット首脳宣言、また、昨年十二月のコペンハーゲン合意で確認された、人類を危険から守るためには、産業革命前の水準から、世界全体の平均気温の上昇が摂氏二度を超えないようにするべきとの世界共通の認識を前文に明記しました。
 これこそが現時点の真の気候変動対策の目標であり、これがあってこそ、具体的な対策が出てくるのであります。
 内閣提出法案においては、第一条の目的において、気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準において大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させると書かれておりますが、二度C以内に抑えるとの目標は書かれておりません。
 公明党案では、この二度C以内目標の実現のために、温室効果ガスの排出量について、可能な限り早期に、増加から減少に転じさせるため、利用可能な技術を最大限活用しつつ、速やかに実施すると基本原則に規定いたしました。これは、革新的技術革新の重要性は認識しつつも、安易にそれに依存して気候変動対策を先送りしないよう、警鐘を鳴らしたものであります。
 第三に、中長期的な目標についてであります。
 中期目標については、早期ピークアウトの必要性を踏まえ、科学の知見にのっとり、二〇二〇年において九〇年比二五%以上削減することを目指すべきこととしております。これは、森林吸収源や国際貢献分を含んだ目標であります。
 内閣提出法案でも二五%削減を掲げておりますが、その目標の設定には、先ほども申しましたとおり、すべての主要国が公平かつ実効性のある国際枠組みを構築し意欲的な目標について合意をしたと認められる場合に設定されるとの前提条件がついております。また、附則においても、中期目標の規定は、前提条件が満たされたと認められる日以後の政令で定める日から施行するとしております。これらは、まさに二五%削減凍結条項、放棄条項であり、極めて遺憾な条項であると言わざるを得ません。
 これに対して、公明党案においては、二五%削減の中期目標に何ら前提条件をつけておりません。
 これは、他国に先駆けて低炭素社会づくりを進める決意を示すとともに、国際的な取り組みにおいて、我が国が主導的な役割を担っていくという毅然たる決意を示すものであります。その上で、国際的動向、最新の科学的知見等を勘案し、必要があると認めるときは、有識者委員会の意見を聞いて、中長期目標を見直すことができるとする条項を設けております。
 長期目標については、公明党案では、二〇五〇年において九〇年比八〇%以上削減を目標としております。
 その上で、公明党の特色は、これらの中長期目標を達成するために、各年における目標値を設定していることであります。各年の目標値を示したことによって、たとえ内閣、政権がかわっても着実に排出削減が進められると考えます。
 このような排出削減の経路を設定する考え方は、英国の気候変動法、あるいは米国で審議されている法案にも採用されております。
 第四に、施策のメニューについてであります。
 大口排出事業所が我が国の排出量の七割を占め、うち火力発電所が三割を占めている我が国の温室効果ガス排出の実態を踏まえ、大口排出事業所については、排出総量に上限枠を設けて行う国内排出量取引制度を二〇一二年までに創設することを明記いたしました。
 内閣提出法案では、生産量などの一単位当たりの排出量に限度を定める原単位方式の採用に道を開いておりますが、この原単位方式は、中国が国家目標に採用し、我が国が、排出総量の削減につながらないと批判しているものであります。それを取り入れることは、我が国の国内排出量取引制度に重大な欠陥をもたらすおそれがあります。あくまでも総量規制を明確にすべきであります。
 再生可能エネルギーについては、一次エネルギーの供給量ベースで、二〇二〇年までに一五%に達するという意欲的な目標を設定しております。この目標を実現するために、二〇一一年までに、再生可能エネルギーの全量を電気事業者に買い取らせる新たな固定価格買い取り制度を創設することを規定いたしました。
 内閣提出法案の一〇%という目標は、固定価格買い取り制度導入前の八・二%という政府見通しと比べても、決して意欲的な目標とは言えないと思います。
 そのほか、税制のグリーン化及び気候変動対策税の創設、燃料転換、火力発電所の排出抑制、トップランナー方式による工場、建築物、自動車等の排出の効率性の向上等の施策も講ずることとしております。
 第五に、我々は、気候変動対策を総合的かつ計画的に推進するため、内閣に総理大臣を長とする総合気候変動対策本部を置き、気候変動対策基本計画案を策定するとともに、有識者等による気候変動対策委員会を設け、中長期目標の見直し並びに気候変動対策についての勧告等を行う機関として規定しております。
 一方、内閣提出法案では、これらの推進組織については全く規定されておらず、従来の地球温暖化対策推進本部すら廃止されることになっており、地球温暖化対策をリードする司令塔の不在が懸念されます。
 以上、公明党案について述べてまいりましたが、それらは、化石燃料に依存し、資源を大量に消費する現在の経済及び社会の構造を大きく転換し、持続可能な社会を創出することを目指すものであります。
 それと同時に、気候変動対策は、新たな産業及び雇用の機会の創出、産業の国際競争力の強化、エネルギーの分野における安全保障や地域の活性化など、我が国の経済社会の持続的な発展に結びつくものとして推進されるべきものであることを法案に規定いたしました。
 また、気候変動対策の実施に当たっては、国民生活や経済活動に影響を与えることは否定できません。公明党案では、特に、各制度設計に当たり、国際競争にさらされている産業や低所得者などに配慮することを法案に明記しております。これらの配慮措置については、内閣提出法案には何ら規定されておりません。
 このように、公明党提出の気候変動対策推進基本法案は、我が国の気候変動政策に明確な原則と目標を与える実効性あるものとなっており、世界標準の、歴史の評価にたえ得る法案であります。
 心ある各党各会派の諸君は、利害調整の結果もたらされた骨抜きの内閣提出法案の問題点を認識され、公明党提出法案に御賛同をいただき、我が国の気候変動政策の基本としていただくことを切に願い、私の提案理由の説明を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
     ――――◇―――――
 地球温暖化対策基本法案(内閣提出)並びに低炭素社会づくり推進基本法案(野田毅君外三名提出)及び気候変動対策推進基本法案(江田康幸君提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(横路孝弘君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。櫛渕万里さん。
    〔櫛渕万里君登壇〕
○櫛渕万里君 民主党の櫛渕万里でございます。
 質問に先立ちまして、中国青海省の地震で犠牲になられた多くの方々へ、心からお見舞いを申し上げます。
 早速でございますが、私は、ただいま議題となりました地球温暖化対策基本法案について、民主党・無所属クラブを代表して質問をいたします。(拍手)
 かつて、私は、十七年間NGOで仕事をする中、気候変動や異常気象によって影響を受けた多くの人々の生活や被害の現場をこの目で見てきました。洪水、干ばつ、ハリケーン、海水面の上昇、森林火災、生態系の激変、そして食料や水の危機、農業や漁業の被害、そして感染症や熱中症の拡大など、すべての命を脅かす深刻な事態が今この地球上に急激なスピードで進行している、そのことを肌で実感してまいりました。
 気候変動問題は、今や、地域紛争の原因の一つにもなりつつあります。そのような中、我が国が培ってきた省エネルギーや環境対策での蓄積や経験、そして高い技術を、効果的に途上国へ移転し、持続的に継続させ、検証可能な新しい枠組みをつくることは、大変重要な役割であり、国際的にも高く評価されるものと確信をいたします。
 鳩山総理は、昨年、国連演説において、そうした地球温暖化は現実の危機であるとし、我が国が二〇二〇年までに温室効果ガス排出量を一九九〇年比で二五%削減を目指す政治の意思を示されました。
 私は、総理の姿勢に大きな共感を覚え、そうした観点から質問をさせていただきます。
 まず、地球温暖化問題の科学的根拠の信頼性についてであります。
 気候変動に関する政府間パネルの報告書について、その信憑性に疑問を呈する報道がなされました。しかし、一方、先日、英国下院の科学技術委員会は、温暖化データのごまかしはなかったとする調査結果を公表しております。
 総理、改めて、地球温暖化問題の科学的根拠の信頼性について、御見解をお尋ねいたします。
 昨年のG8ラクイラ・サミットの首脳宣言やCOP15のコペンハーゲン合意では、世界の平均気温の上昇を産業革命以前から二度以下に抑えるべきであるとする科学的見解が認識されております。
 地球温暖化対策を論ずるとき、よく、それに伴う負担が大きいのか、あるいは経済活性効果が大きいのか、議論が集中しがちでありますが、まずは、地球温暖化の進行と気候変動問題の影響を考える必要があるのではないでしょうか。
 今回政府が提出されました地球温暖化対策基本法案の理念と目的について、総理の御認識をお聞かせください。
 次に、環境と経済の関係についてであります。
 地球温暖化の危機と未曾有の世界的な金融危機を同時にあわせ迎えて、我が国初め世界の主要国は、産業革命以降のエネルギー多消費と自然破壊による大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済モデルから、再生可能エネルギーの導入と環境や生物資源の持続可能な活用による、生活の質そして健康重視の新しいグリーン経済への移行を求められております。
 実際、化石燃料である石炭、原油、LNGなどの日本の輸入額は、一九九八年は、約五兆円、名目GDPに占める割合は一%だったところ、国際価格の高騰により、二〇〇八年には、その輸入額は約二十三兆円、名目GDP比は四・六%まで上昇しております。今、再び原油は一バレル百ドル超えをうかがう様子でじわじわ上がっており、海外へ流出する資金を抑制させ、再生可能エネルギーなど新しい産業創出によって国内で資金を循環させる、このことが我が国の成長戦略にとって大切であると考えます。
 さて、新成長戦略では、イノベーションの第一課題に地球温暖化対策が掲げられ、六つの成長分野の一つに、環境・エネルギー大国戦略が挙げられております。特に、環境大臣は、環境と経済の両立を掲げられ、環境に資することが経済にもプラスになるという考え方を広く紹介されているとお聞きしますが、一方で、高い目標が経済の負担を招くという議論もあります。
 地球温暖化対策基本法案の中で、そのような考え方がどのように位置づけられているのか、新成長戦略との連携はいかがか、環境大臣にお伺いいたします。
 低炭素社会、そして持続可能な社会をつくるには、日々の暮らしや地域づくり、物づくりなど、これまでの社会のあり方を変革し、新しいライフスタイルを築き上げなければなりません。
 環境大臣、今回の政府案で、日本はどのようなエコロジカルな社会になるのか、私たちの生活はどう変わるのか、お示しください。
 さて、この政府提案では、二〇二〇年の中期目標について、温室効果ガス排出量を九〇年比二五%削減するという数値を明記しておりますが、数値目標を法律に記載するのはこれまでに類を見ないものであり、鳩山内閣がその意思を法案でしっかりとお示しになり、国会へ提出されたことは、大変高く評価できることであります。
 しかしながら、数値目標を出しただけでは地球温暖化はとまりません。この二五%削減目標をどのように達成していくのか、総理の決意と方針を改めてお伺いいたします。
 続いて、外交政策における気候変動交渉の重要性についてであります。
 昨年十二月のCOP15では、鳩山総理や各国首脳のみずからのイニシアチブによって合意に至るなど、気候変動をめぐる国際交渉は、日本の外交政策上、大変重要な位置づけにあると考えますが、今後の交渉及び鳩山イニシアチブの具体化について、外務大臣のお考えをお伺いいたします。
 温室効果ガスの排出を抑制し、二〇二〇年までに二五%、二〇五〇年までに八〇%を削減するといった意欲的な中長期目標を達成するには、総理が御発言されているように、あらゆる施策を講じていかなければなりません。
 政府案では、旧政権では導入できなかった三つの重要な経済手法、すなわち、総量削減を基本とする排出量取引制度、税制全体のグリーン化の核となる地球温暖化対策税、そして再生可能エネルギーを広く普及させる全量固定価格買い取り制度、これらの三つの仕組みを創設する、このことがはっきりと明記され、一年以内に成案を得ることが示されております。
 排出量の試行的実施など旧政権が似て非なる制度を実施してきましたが、旧政権の施策にとらわれることなく、あるべき制度設計を進めていくべきであると考えます。この三制度の制度いかんによって総量削減のかぎを握ると考えますが、総理、基本法の目的が達成できるよう、総理の強いリーダーシップで進める決意をお聞かせください。
 今回の法案は基本法であります。今後の地球温暖化対策の方向性を示したものであると考えますが、具体的な施策の実施に当たっては、その設計図となる基本計画が大変重要な意味を持ちます。
 気候変動を舞台とする企業間、国家間の競争の時代は既に始まっており、そこで重要となるのが、温暖化対策をとることによってインセンティブが付与される新しい政策誘導であると考えますが、基本計画の中でそれがどのようなものとなるのか、また、いつごろ策定することを予定しているのか、環境大臣にお尋ねいたします。
 今回、自民党も公明党も対案を出されていると伺いました。
 旧政権中、日本が国際交渉でイニシアチブをとることができず、国内において、温室効果ガス排出量が増加しているにもかかわらず、なぜ自民党は極めて消極的なものしか提出できなかったのでありましょうか。
 二〇〇七年の総排出量は九〇年比で八・五%増加、景気後退した二〇〇八年度でさえ一・六%増加しているんです。また、拡大する再生可能エネルギーの世界市場において、太陽光発電市場に占める日本のシェアはどうでしょうか。二〇〇五年、四七%だったものが、二〇〇九年には一二%に落ち込んでいるんですよ。前与党の姿勢として、極めて無責任ではないですか。
 また、公明党は、なぜ、昨年の通常国会に自公連立政権で提案された法案を大きく見直し、今回再提出されたのか、その意図と理由をぜひお聞かせください。
 また、公明党は自民党案に対してどのような御見解か、あわせてお答えください。
 地球が誕生して四十六億年、人類が生まれ、文明生活を始めて一万年。地球の資源は無限であるという考え方から、資源には限りがあるんだという認識に変わってから、ごくわずかであります。気候変動への取り組みが人類に新たな文明と経済秩序をもたらし、我が国においては、この地球温暖化対策基本法案が、新しい経済を切り開き、低炭素で持続可能な社会の基礎となるよう、オール・ジャパンの英知と力を合わせていこうではありませんか。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇〕
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 櫛渕議員にお答えいたします。
 櫛渕議員のこの気候変動問題に対する大変な熱意に感動いたしたところでございます。
 まず、地球温暖化問題の科学的根拠についてお尋ねがありました。
 気候変動に関する政府間パネル、いわゆるIPCCの報告書に対しては、近時、幾つかの疑問が提起されたわけでありますが、今、櫛渕議員からもお話ありましたように、英国下院の科学技術委員会の調査によって、データの改ざんなどの証拠はなかったという報告があったところでございます。したがいまして、IPCCの報告書を初めとする地球温暖化をめぐる科学的根拠の信頼性は、依然として変わりはないものだ、そのように政府としては認識をいたしております。
 地球温暖化対策基本法案の理念と目的ということでございます。
 地球温暖化は、洪水、高潮などによる被害、あるいは、生物の多様性、食料の生産、人の健康、こういったことに悪影響をもたらすものであり、地球温暖化を防止することは人類共通の大きな課題であると認識をしております。
 私も出てまいりました会議の中で、このままいくと自分たちの国が消えてなくなってしまうと、大変な危機感を示しておられた島嶼国の大統領もおられます。負担やあるいは経済効果というものも当然議論をする必要があろうかと思いますが、その前に温暖化の影響を考えよとの櫛渕議員のお尋ねは、まさにそのとおりだと思います。
 この基本法案は、こういった地球温暖化の問題に対処するため、新たな生活様式の確立等を通じて、温室効果ガスの排出削減ができる社会を構築することを掲げるなど、我が国の社会のあり方そのものを改めようとするものでございまして、あらゆる政策を総動員してこの問題に対処してまいりたいと存じます。
 二五%削減目標の達成の決意と方針に関するお尋ねがございました。
 我が国の温室効果ガス削減目標を達成するため、本法案に規定されているキャップ・アンド・トレード型の国内排出量取引制度、さらには、地球温暖化対策のための税のあり方、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度など、あらゆる政策を総動員して実現を目指していく決意でございます。
 二五%の削減目標の具体的な対策、施策については、現在、政府の中で検討を進めているところでありまして、これは、小沢環境大臣のもとで中長期のロードマップというものも作成しているところでありますが、さらには、国民の皆様方やあるいは関係者の御意見もしっかりと承りながら、地球温暖化対策基本法案の成立後、基本計画等の形で具体化をしてまいりたいと考えております。
 また、地球温暖化対策基本法に定める基本的施策についてのお尋ねがございました。
 御指摘の国内排出量取引制度、地球温暖化対策のための税、全量固定価格買い取り制度、こういった制度については、基本法案において、特に重要な具体的施策として位置づけているところでございまして、着実な削減を実現できるように、私自身のリーダーシップのもとで、強い決意を持って制度設計に取り組んでまいりたいと存じております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣小沢鋭仁君登壇〕
○国務大臣(小沢鋭仁君) 櫛渕議員にお答え申し上げたいと思います。
 まず、環境と経済の両立いかん、こういう御質問でございました。
 鳩山内閣の環境政策の、今までの政府との最も大きな違いは、環境政策と成長戦略が両立できる、この一点にあると思っています。
 先ほど、ある政党の方の趣旨説明の中で、環境政策を推進すれば、当たり前のこととして成長が失われる、成長の阻害要因になる、そういった御説明がございましたけれども、私どもの環境政策は、そういった考え方を一切とっておりません。
 さらにはまた、具体的に、そういった問題に対するシミュレーションも既に発表させていただいているところでありまして、そのシミュレーションを、具体的にどこがどういうふうに悪いのか、批判をいただくのであれば幾らでもお答え申し上げますけれども、そういった具体的な提示がないままのいわゆる批判というのは当たらない。
 少なくとも、私どもは、環境と成長が両立できるというモデルを提示させていただいているわけでありますから、大いにこれから、また委員会の中で議論させていただきたいと思っております。
 さらにはまた、かつての我が国の歴史的経験で考えていただいたときに、オイルショックを乗り越えて、省エネ技術で日本の経済は強くなりました。さらにはまた、排ガス規制の規制を乗り越えて、日本の自動車産業は強くなりました。もう一回そうしたチャレンジをしたい、それが私どもの環境政策でございます。
 今回の政府案で、日本はどんなエコロジカルな社会になるのか、私たちの暮らしはどうなるのか、こういうお尋ねでございました。
 私どもは、環境政策は、我々の暮らし、我慢をしていわゆるCO2を削減する、そういう道はとりません。快適で、安全で、安心な社会を目指すことによって、そして結果として温室効果ガスが削減される、そういう道筋をロードマップで示させていただいたところでございます。
 具体的には、ロードマップをごらんいただければと思いますが、一つだけ我々の暮らしの中でその具体例を出させていただきますと、例えば、家庭分野では、高断熱住宅や省エネ家電が普及してまいります。太陽光発電、太陽光、そういったエネルギーを生み出す創エネが進んでまいります。そういったことにおいて、家庭のいわゆるCO2ゼロエミッション化が進んでまいります。家庭は快適になります。そして、ゼロエミッション化が進みます。そういう政策を鳩山内閣は目指してまいります。
 さらに、基本法の内容及び策定時期についてのお尋ねがございました。
 先ほど議員の方からもお話がありましたように、これまでの政府と決定的に違う大きな改革をこの法案の中では示しております。排出量取引制度の創設、温暖化対策税の新設、さらには再生エネルギーの買い取り制度でございます。
 そういった制度を、しっかりと時間をかけて、国民各層からの意見をいただきながら、しっかりとその内容を詰めて、基本計画としてお示しをしたいと思っております。
 時期に関しましては、今の時点でいつという話は申し上げることはできませんけれども、関係各省庁としっかりと連携をとらせていただき、閣僚委員会において議論を行って、決定をし、そして発表させていただく所存でございます。どうぞ御期待ください。(拍手)
    〔国務大臣岡田克也君登壇〕
○国務大臣(岡田克也君) 今後の気候変動交渉及び鳩山イニシアチブの具体化についてのお尋ねについて、答弁をいたします。
 外交演説で述べたように、気候変動問題は人類にとっての危機であり、その解決は、次の世代への責任です。
 今後の国際交渉においては、コペンハーゲン合意を踏まえて、すべての主要国が参加する公平かつ実効的な国際的枠組みを構築する包括的な一つの法的文書の速やかな採択に向け、引き続きリーダーシップを発揮してまいります。
 その際、国家存続の危機に直面している太平洋の島国やあるいはアフリカの国々など、気候変動の悪影響に脆弱な途上国の声を引き出すことが重要です。
 我が国は、第一に、こうした途上国や排出削減等の気候変動対策に取り組む途上国を広く対象とし、第二に、コペンハーゲン合意への対応を含む相手国の交渉姿勢を十分に踏まえながら、鳩山イニシアチブに基づく途上国支援を実施してまいりたいと思います。(拍手)
    〔江田康幸君登壇〕
○江田康幸君 櫛渕議員の御質問にお答えをいたします。
 昨年の通常国会におきまして、公明党及び自民党は、低炭素社会づくり推進基本法案を提出したところでございます。
 もともと公明党は、G8洞爺湖サミットに先立ちまして、当時の福田総理に対して、中期目標として温室効果ガスの二五%削減、長期目標として八〇%削減、国内排出量取引制度の導入等を提案するなど、一貫して地球温暖化対策の議論をリードしてきたと自負するものでございます。
 昨年提出しました低炭素社会づくり推進基本法案は、題名からもうかがうことができますように、産業構造、社会システムの変革によって、自然共生社会、循環型社会、そして世界最先端の低炭素社会を実現することを掲げて、単なる地球温暖化対策にとどまらず、新しい持続可能な経済社会を構築することを志向する、画期的なものであったと認識しております。しかし、この法案は、残念ながら、衆議院が解散されたために、委員会に付託されないまま廃案となりました。
 昨年の法案は、中期目標については、COP15を前にしていたという状況を踏まえ、国際合意の結果に基づき設定するとしていたわけでございます。また、排出量取引制度が試行的に実施され、固定価格買い取り制度も制度設計の段階であったことといった背景のもとに立案したものでありましたが、その後、内外において大きな状況の変化があったことは、皆様も御承知のとおりであります。
 昨年の八月には、我が党の斉藤鉄夫、当時の環境大臣が、同年七月のG8ラクイラ・サミットの成果を受けまして、いわゆる斉藤ビジョンを発表し、次のような、温室効果ガスの削減に向けての考え方を示しました。
 一つは、産業革命前からの世界の平均気温の上昇を二度C程度に抑える必要性、また一つは、二〇五〇年までに、全世界で現状から温室効果ガスの排出量を少なくとも半減、中でも先進国については八〇%削減の必要性を示しました。さらに、我が国においても、その八〇%の削減が十分に可能であることを示したわけであります。
 その後、昨年十二月には、COP15が、主要テーマであった次期枠組み合意に至らず、コペンハーゲン合意に留意するという結果に終わり、また、その後、交渉の見通しも立っていないなど、我が国を取り巻く国際社会にも変化があったことは、皆様も御存じのとおりであります。
 このような状況に照らして、日本が今こそ気候変動に積極的に対応しなければならないことを考えますと、国際情勢に依存し、未決定、未調整の先送り法案である政府案では、気候変動に対応することは全くできず、我々は、さきの通常国会に提出した法案を踏まえつつ、その内容に検討を加えて、国内外の要請にこたえることができる最善のこの法案を作成すべきとの判断に至ったわけでございます。
 法案作成に当たっては、もちろん、斉藤ビジョンのお考えや公明党マニフェスト二〇〇九に掲げている、二〇二〇年に九〇年比二五%削減、五〇年に八〇%削減という野心的な国家目標を明確に規定したところであります。
 なお、今回の自民党案につきましては、単なる地球温暖化対策にとどまらず、低炭素社会づくりを目指している点におきましては、我々も賛同するところでございます。
 しかしながら、低炭素社会づくりの主軸は、やはり温室効果ガスの排出の削減とそのシステム化でありまして、昨年の通常国会から現在に至るまでのさまざまな状況の変化を踏まえるならば、温室効果ガスの排出の削減とそのシステム化について、確固たる指針を示し、施策を講ずべきと考え、公明党案を提出した次第でございます。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(横路孝弘君) 小野寺五典君。
    〔小野寺五典君登壇〕
○小野寺五典君 自由民主党の小野寺五典です。
 私は、自由民主党・改革クラブを代表し、ただいま議題となりました政府案、自民党案、公明党案について、政府並びに提出者に質問を行います。(拍手)
 まず、私は、外務大臣政務官、副大臣時代に、COP10、COP13の二回の会合に出席をし、実際に国際交渉を行った経験があります。国際交渉を肌身で感じた経験から、この問題は速やかな具体的行動を起こすべきだと強く認識しています。そして、その具体的行動とは、中身のないスローガンではなく、地に足のついた対策の積み重ねにほかならないと確信をしております。
 先週、総理とオバマ大統領との十分間の会談の模様が、日米のマスコミ各社より報道されました。申し上げるのも残念ですが、酷評であります。日米関係が強化されるどころか、信頼関係の喪失を内外に示す結果となってしまいました。私は、日本国民の一人として、まことに残念でなりません。なぜこのような結果になってしまったのか、総理は原因をおわかりでしょうか。
 我々は、鳩山外交の欠点とは、美辞麗句を口にして注目を集めるが、中身が伴っていないので、結局、国際社会の信用を失ってしまうことであると認識をしております。総理は、普天間を初め、同じような過ちを繰り返されております。この地球温暖化対策の問題も同じ轍を踏んでいないでしょうか。我々は、この問題が第二の普天間になることを本気で心配しております。
 総理は、昨年九月の国連気候変動首脳会合において、すべての主要国による公平かつ実効性ある国際的な枠組みの構築と意欲的な目標の合意を前提として、温室効果ガスを一九九〇年比二五%削減するとしました。なるほど、会場では、拍手は起こりました。総理はそれを称賛の拍手と認識されたようですが、実は嘲笑、あざけ笑いの拍手であったことも御存じではないんだと思います。多くの国は、これはそれぞれの国から聞いております、自分の首を自分で絞めてしまった日本の総理大臣のスピーチに、嘲笑の意味を込めて拍手をしたんです。
 それでは、質問に入ります。
 政府案では、温室効果ガス二五%削減目標は、前提条件が成就したと認められる日以後の政令で定める日から施行されるとなっております。すべての主要国というからには、中国、米国、ロシア、インドを含むことは当然であります。これらを含む主要国が意欲的な目標の合意をすることが必要ですが、政府のこれまでの答弁では、現在の米国、中国の目標を十分とは評価しておりません。
 まず、総理にお伺いします。
 前提となる主要国の範囲と意欲的な目標の合意とはどのような基準で判断をするのか、明確にお答えをください。
 しかも、そもそも前提条件つきの法律などあり得るのでしょうか。先般、我が党の議員が質問主意書で政府に確認したところ、前提条件つきの法律など例がないと、政府の答弁でした。
 法案では、中国、米国、ロシア、インドといった主要国が意欲的な目標に合意しない、つまり、主要国が何もしない場合、日本も何もしなくていいことになります。結局、この法案は見せかけだけの上げ底法案ではないですか。総理、多くの国民が納得するような答弁をお聞かせください。
 同じ中期目標二五%削減でも、公明党案は、前提条件がないかわり、国際的動向、科学的知見等を見て中長期目標を見直しできるなど、より柔軟です。この条項を設けた意義を提出者にお伺いしたいと思います。
 次に、中期目標二五%のうち、我が国が国内で省エネなどの努力を積み重ねて削減する値、いわゆる真水の削減分についてお伺いします。
 二五%削減目標のうちの真水の割合については、国民生活や国内経済に直結する問題でもあります。本来ならば、イの一番に国民的合意を得る必要があります。自公政権では、当時の麻生総理が、国民各層の意見を聞き、複数のメニューを示し、国民負担などを明らかにした上で削減目標を公表しました。国内削減分の割合が明確でない限り、具体的な国内対策を積み上げることは困難です。二五%のうち、真水の国内削減分と海外の排出枠購入分との割合についてお示しいただきたい。
 一方、自民党案では、国際交渉に左右されることなく、真水の目標、二〇〇五年比一五%削減を責任を持って取り組むと明記しておりますが、改めて、真水の国内削減分を一五%としたことの意義について、提出者の説明を求めます。
 次に、二五%削減が国民生活に与える影響についてお伺いします。
 小沢環境大臣試案は、国内経済や雇用にプラスになるモデルだけを二つも紹介し、悪影響が出るという分析結果は一つも紹介をしておりません。非常に恣意的です。二五%削減が国民生活や企業の経済活動、雇用などにどのような影響を与えるか、十分な分析、検証は不可欠であるのに、このような試案しか持たず、法案を提出された感覚が、私にははかりかねます。
 鳩山総理にお伺いします。
 なぜ、このような重要な試算、見解が環境大臣案という形なんでしょうか。なぜ、経済産業大臣や厚生労働大臣などとも合意した、政府としての説明を出されないのでしょうか。国民生活や雇用、産業競争力に及ぼす影響について、政府の統一見解がないまま国会で審議をしろといっても、審議のしようがありません。雇用は大丈夫ですか、産業競争力はどうなりますか、総理、明確にお答えください。
 また、企業が生産拠点を海外に移すようになると、国内の生産活動は縮小し、雇用にも甚大な影響を及ぼすことになることは明白です。この試案には、この影響について考慮されていませんが、これはわざとでしょうか。分析して盛り込まなかったのか、そもそも分析しなかったのか、総理、お答えください。
 さらに、この試案のように、CO2排出を削減すれば雇用もGDPもプラスになるという都合のいいモデルは、世界のどこにもないように思われるのですが、どこか私の知らない国のモデルであるのでしょうか。ほかにも例があるのであれば、どの国のモデルなのか、総理、教えてください。
 次に、双方の法案にある具体的施策についてお伺いします。
 まず、自民党案の低炭素社会づくり特別行動期間について伺います。
 自民党案では、社会変革への取り組みを加速させるため、法律の施行後十年間を低炭素社会づくり特別行動期間と位置づけ、広範な分野に集中的に対策を講じていくこととしておりますが、あえて十年という期間を区切ったねらいについて、提出者に説明を願います。
 また、政府案では、法案提出の最終段階になって、国内排出量取引制度の肝でもあります温室効果ガス排出量の限度を定める方式について、総量規制でありますキャップ・アンド・トレードを基本としつつ、効率を考慮する原単位方式についても検討を行うと併記しました。
 これは、民主党のマニフェストとも、小沢大臣所信とも違う形になっています。まだ環境大臣と経済産業大臣の考えがばらばらなため、このような併論となっていったのでしょうか。総理の明確な答弁を求めます。
 次に、原子力に係る施策についてお伺いします。
 自民党案では、原子力発電は、発電の過程でCO2を排出しないことから、安全確保を前提に、原子力発電施設の設備の利用率の向上、新設、増設の促進、核燃料サイクルの確立、高速増殖炉サイクルの早期実用化を目指すことなどを法案に明記し、原子力発電の推進を明確に打ち出しております。
 それに対して、政府案では、国民の理解と信頼を得て推進するものとするという玉虫色の表現にとどまっております。
 私は、原子力政策でも、普天間のように、閣内や連立与党内がまとまらなくなる、このことを心配しています。
 そこで、福島大臣に確認します。
 政府は、先般、我が党議員からの質問主意書に対し、核燃料サイクルを含む原子力の利用を着実に推進していくことが内閣の一致した方針であると答弁をしています。この答弁は、内閣として出されました。福島大臣も同様の考えと存じますが、再度確認をさせてください。
 また、私は、この温暖化対策を実行するに当たっては、政府答弁のとおり、原子力の役割は不可欠と思います。今後の原子力発電施設の増設、新設についての見解についても、福島大臣にお伺いしたいと思っております。
 さて、これまでさまざま申しました。私は、この問題が普天間にダブって仕方がありません。総理の発言から端を発し、根拠も試算もない。政府がその中身の穴埋めのために四苦八苦をしております。そして、閣内でも統一した見解がつくれない。連立与党内でも、例えば原子力に対する根本的な考え方に大きな隔たりがある。このような状態で、本当に実効ある対策がとれるのでしょうか。スローガンだけで結局実現できなかったら、日本は世界の物笑いになってしまいます。また国民に恥をかかせることになります。
 先ほどから、この問題を第二の普天間と申しております。本当の普天間問題も、今、非常に重要な局面にあります。総理も先週帰国されたばかりなので、この問題も手短にお伺いしたいと思います。
 まず、先週の訪米について、ワシントン・ポストのコラムにおいて、鳩山総理は、最大の敗者、哀れでますますいかれたと評されましたが、なぜだと思われますか、お尋ねいたします。
 次に、首脳会談で、オバマ大統領に五月末までに決着との方針を伝えられたそうですが、その約束を守る姿勢は今でも変わっておりませんか。
 さらに、移設の現行案では、二〇一四年までに代替施設を完成し、普天間飛行場が返還されることとなっていましたが、総理の腹案でも、二〇一四年の普天間返還に変わりはないのですか。
 十八日に徳之島で島民の半数以上が集まった移設反対の集会がありました。総理は、これを一つの民意だと軽く流されました。参加された皆さんの思いをどう受けとめますか、お答えください。そして、総理の腹案の中には、まだ徳之島移設案が入っているのですか、これもお答えください。
 最後に、これはイエス、ノーでお答えください。総理が常々おっしゃる五月末の決着、連立与党三党の合意、地元受け入れ同意、米国との合意、この三点です。
 これをすべて五月末に決着することが実現しなかった場合、私は、総理は辞任すべきだと思います。辞任されるおつもりがありますか、イエスかノーかで、はい、いいえでも結構です、お答えください。答えが不十分な場合は、再質問を行います。
 以上、普天間問題でも、我々は地道に一つ一つの合意形成に努力を惜しみませんでした。この温暖化問題においても、見せかけだけの中身のない政府案ではなく、我々の案である、環境と経済がともに両立する低炭素社会づくりこそが真に実現可能な対策であることを申し上げ、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇〕
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 小野寺議員にお答えをいたします。
 小野寺議員は、気候変動問題を第二の普天間、そのようにとらえておられるようでありますが、難しいテーマにチャレンジするのが新しい政権でございます。
 まず、二五%削減目標の前提条件についてのお尋ねがございました。
 我が国のみが高い削減目標を掲げても気候変動をとめることはできません。我が国として、主要な国の背中を押して積極的な取り組みを促すためにも前提条件は必要なのであります。
 次期の枠組みのあり方については引き続き交渉中でありまして、何が我が国が主張している前提に該当するかをあらかじめ申し上げることは控えなければなりません。今後、交渉の推移を踏まえながら、適切な時点で総合的な観点から判断すべきものだと考えております。
 地球温暖化対策基本法案は見せかけだけだという御質問でありました。
 二五%削減目標とその前提となる条件については、主要国の背中を押して積極的な取り組みを促すことを意図したものでありまして、我が国の掲げる前提条件が満たされるような有意義な合意の形成に向けて最大限の努力を傾ける所存であります。
 この法案では、二〇五〇年までに一九九〇年比八〇%削減という長期目標も掲げているわけでございまして、中期目標が設定されるまでの間においても、長期目標の達成に資するように、基本的施策について積極的に講ずるものだ、このことも法案の中にしっかりとうたっているところでございます。
 それから、二五%削減目標のうち、真水の国内削減分と海外の排出枠購入分との割合についてのお尋ねがございます。
 二五%削減目標のうち、真水の国内削減分と海外の排出枠購入分との割合については、いたずらに排出枠購入分に頼るべきではない、そのように考えてはおりますが、国際交渉の状況も踏まえながら検討していくことでございます。
 環境大臣試案という形になった理由及び国民生活などに及ぼす影響についての政府見解についてのお尋ねがございます。
 今回の環境大臣試案で示された試案は、基本法案の審議において参考となり得るものだと考えております。
 経済モデルには構造や前提が異なるさまざまなものがあって、国民生活、雇用、産業競争力への影響などの試算結果も異なってくるため、政府として、ただ一つのモデルを統一見解として示すことは困難だと考えております。
 したがいまして、さまざまな試算結果があることを踏まえながら対策に取り組んでまいりたいと考えております。
 生産拠点の海外移転の影響が環境大臣試案で盛り込まれていない理由についてでありますが、環境大臣試案で用いておりますモデル分析は、さまざまな経済指標をもとに国内における効果、影響を詳細に把握するというモデルの制約上、生産活動の海外移転については基本的には考慮していない、そのように聞いております。
 いずれにしても、二五%削減の前提条件が満たされた状況においては、他の主要排出国も意欲的な削減対策を当然講ずることになるわけでございまして、簡単に企業が生産拠点を海外に移すということになるとは考えておりません。
 CO2の排出を削減すれば雇用もGDPもプラスになるというモデルの例についてのお尋ねがございました。
 二〇〇七年に発表されましたIPCCの第四次報告においては、引用されているモデル分析がありますが、大半は確かに、CO2の削減に伴いGDPや雇用が減少するとされておりますが、イギリスなどの一部のモデルが、それぞれ一定の前提のもとではCO2削減に伴いGDPや雇用が増加すると予想している、そのように結果が出ているものもございます。
 国内の排出量取引制度における原単位条項についてのお尋ねでございます。
 本法案の立案過程におきまして、総量方式のみでは明らかに成長すべき分野の成長を阻害することなどによって、経済成長との両立がなかなか困難であるという意見もあり、閣僚の間で真剣な議論を行ってまいったところでございます。
 その結果として、内閣の意思として、排出量の限度を定める方法について、総量方式を基本としながら、原単位方式も検討するということにいたしたわけでございまして、本法の施行後一年以内をめどに成案を得ることとしておりまして、着実な排出削減が図られるよう、基本法案の規定に沿って検討してまいりたいと考えております。
 温暖化対策に関する実効性ある対策についてのお尋ねでございます。
 九〇年比二五%減という削減目標につきましては、温暖化をとめるために科学が要請する水準に基づくものとして、地球の将来を真剣に考えて率先して提示したものでございます。
 また、原子力については、エネルギーの安定供給だけではありませんで、低炭素社会の実現に不可欠である、そのように政府として認識しておりまして、安全を第一としながら、国民の理解と信頼を得つつ、原子力の利用を着実に推進することが内閣としての一致した方針でございます。
 二五%削減目標の達成のため、政府一体となって、あらゆる政策を総動員しながら実現を目指してまいりたいと考えます。
 それから、普天間の話でありますが、米紙の報道ぶりについてのお尋ねがありました。
 報道の逐一にコメントする気はありません。核セキュリティーサミットのワーキングディナーの席上、オバマ大統領と約十分程度意見交換を行いました。じっくりと二人だけで話ができたことは実際に有意義であったと考えております。
 いずれにしても、普天間の飛行場の移設問題については、地元を含め国民の皆さん、米国の皆さんの理解を得て、五月末までに決着させるという考え方に変わりはありません。
 普天間飛行場の移設問題についての御質問であります。
 普天間飛行場の移設問題については、沖縄県民の負担軽減、普天間飛行場の危険性を一刻も早く除去しなきゃならないという原点に立って、安全保障上の観点も踏まえながら、全力で取り組んでいるところでございます。
 したがいまして、今申し上げましたように、地元を含めた国民の皆さん、米国の理解を得て、五月末までに決着をさせるという考えに変わりはありません。
 返還の期限についての御質問でございます。
 普天間飛行場の危険性の除去については、二〇一四年よりおくれることはできないものだ、そのように認識をいたしているところでございます。
 普天間飛行場の徳之島移設に関する御質問でございます。
 確かに、米軍基地の移設断固反対一万人集会が開催されたということは、徳之島の島民の皆様方の民意のあらわれの一つである、そのように理解をしているところでございます。
 普天間飛行場の移設問題につきましては、そういう民意というものも勉強させていただきながら、真剣に検討しているところであり、具体的な内容は今ここではお答えをいたしません。
 普天間飛行場の移設問題の責任についてのお尋ねでございます。
 内閣総理大臣として、覚悟を持って、今全力を挙げて取り組んでいるところでございまして、それ以上申し上げる必要はありません。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣福島みずほ君登壇〕
○国務大臣(福島みずほ君) 原子力発電は、直接CO2を排出しないかわりに、事故の危険と、何千年、何万年の未来にまで災いを残す核のごみを大量に生み出します。
 社民党は、CO2排出削減のために原子力を推進するという方針とは違います。そして、内閣の中では、耐震設計の強化、安全性基準の強化、保安院の分離独立によるチェック機能の強化、自然エネルギーを促進していくこと等を求めていく考えです。(拍手)
    〔野田毅君登壇〕
○野田毅君 小野寺議員にお答えをいたします。
 二問ございました。
 まず、二〇〇五年比一五%削減について、この一五%を真水の国内削減分としたことの意義についてでございます。
 これは、自民党案におきます中期目標というのは、御案内のとおり、今後の国際交渉による合意に基づき設定されるわけでありますけれども、そのうち、我が国が独自で行ういわゆる真水での温室効果ガスの国内削減分について、二〇〇五年比一五%と明記をいたしました。
 これは、今、総理から御答弁がありましたように、政府案では、排出枠の購入分と、それから国内の真水削減分と不分明ということになっておるわけでありまして、いわゆるどんぶり勘定になっている。早く言えば、いわば国内の努力不足分をお金を払って購入してつじつまを合わせる、こういう考え方になっているわけでありまして、私どもとしてはそういう考え方はとらないということで、この点は、生活者、産業界、労働界、国、地方等、国民各層が一致協力をして低炭素社会づくりに努めるための目標でありまして、我が国自身がこのCO2削減に取り組む覚悟を示すものであります。
 特に、ことしは二〇一〇年であります。二〇二〇年目標というまでにはそれほどの時間的余裕はありません。抜本的なイノベーションを前提とする削減数字の上乗せだけで、私どもは十分にその責任を果たせるとは思いません。作文するだけではできません。
 そういった点で、この点は、国民生活に与える影響、特に雇用に与える影響、産業競争力に与える影響等々のさまざまな見地から、昨年の麻生内閣当時、実にオープンな論議を積み重ねて、検討に検討を重ねて設定をしてきたものでありまして、国民に過大な負担をかけることなく達成を目指す最大限のものであるということと同時に、国内での省エネ等の努力を積み上げて算定したものであります。
 そういう意味で、この数値目標は、国民が納得でき、かつ頑張れば実行可能な、地に足のついた数値となっておると考えます。
 先ほど、小沢大臣から、環境と経済の両立というお話がありました。しかし、私どもは、どう考えても、今日のこの時点において、中身におけるロードマップは、政府案としては何にも出ていない、各省を横断した政府としての統一した中身はまだ出ていないのであります。中身がないままで環境と経済の両立ということだけを幾らしゃべってみても、何ら説得力がない、まことに無責任きわまりないものであると申し上げておきたいと思います。
 次に、低炭素社会づくり特別行動期間を十年と区切ったということのねらいについてでございます。
 地球温暖化の防止は、人類共通の課題でありますけれども、単に温室効果ガスの削減等に関する施策を講ずるだけでは不十分であります。この地球温暖化防止のためには、将来世代に豊かな生活の基盤を確保する、そのためには、我が国の産業構造や社会システム、さらにはライフスタイルも変革をして、国民全員参加による低炭素社会づくりをすることが必要であるという考えをいたしております。
 そこで、この低炭素社会を早期に実現するためには、そのための社会変革への取り組みを前倒し的に実施して、その活動の展開を加速させる必要があります。そこで、自民党案は、基本法の形式をとりつつ、法律の施行後十年間を低炭素社会づくりのための特別行動期間とする制度を採用したのでございます。
 小野寺議員御指摘のとおり、特別行動期間内においては、安全が確保されることを前提とした原子力発電施設の設備の利用率向上及び原子力発電施設の新増設、核燃料サイクルの確立及び高速増殖炉の早期実用化、世界最高水準にある我が国のクリーンコール技術の推進等による温室効果ガスの排出抑制、間伐木材等のバイオマスの有効利用の促進、カーボンオフセットの推進、国民一人一人の自主的な行動による低炭素社会づくりに関する国民運動の展開の促進等、広範な、二十に及ぶ分野について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとしております。
 自民党は、これによって、低炭素社会づくりに対する責任を示すこととしたものであります。
 以上であります。(拍手)
    〔江田康幸君登壇〕
○江田康幸君 小野寺議員から、公明党案の、中期目標について前提条件がないかわりに、これを見直すことができる構成になっている点について御質問をいただきました。
 まず、自民党の低炭素社会づくり推進基本法案は、題名からもうかがうことができますように、低炭素社会を実現することを高く掲げ、単なる地球温暖化対策にとどまらず、新しい持続可能な経済社会を構築することを志向するものであり、そのコンセプトは、我々も賛同するものであります。
 御質問についてでありますけれども、御指摘のように、公明党案は、中期目標の温室効果ガスの二五%削減に関して、政府案のような前提条件は何ら付しておりません。政府案のように、目標設定に前提条件を付して、中期目標の規定の施行を前提条件にゆだねるような構造は、中期目標を凍結、放棄する、極めて遺憾なものであると考えております。
 我々は、まず、何ら前提条件を付さずに二五%削減という意欲的な中期目標を掲げることにより、他国に先駆けて低炭素社会づくりを進める決意を示すとともに、国際的な取り組みにおいて、我が国が主導的な役割を担っていく決意を示すことが必要であると考えました。
 その上で、国際的動向、最近の科学的知見等を勘案して、必要があると認めるときは、有識者委員会の意見を聞いて、目標を見直すことができるという構成にすることこそ適切であると判断したところでございます。
 以上です。(拍手)
○議長(横路孝弘君) 小野寺五典君から再質疑の申し出がありますから、これを許します。小野寺五典君。
    〔小野寺五典君登壇〕
○小野寺五典君 総理は、困難な問題に取り組むのが鳩山政権とおっしゃいましたが、私は、問題を混乱させるのが鳩山総理だと思っています。
 この問題も、第二の普天間になる。先ほどの福島大臣の答弁を聞いても、閣内も連立内閣もばらばらということが皆さんよくわかられたと思います。
 ここで、再質問を一点だけさせていただきます。普天間の問題です。
 五月決着ができなかったら、責任のとり方について、先ほどの総理の御答弁では、残念ながら、国民も沖縄県民も納得はいたしません。
 総理は、この問題については何度も、命がけで行動すると、覚悟のほどを示されております。いいかげん、御自分の言葉に責任を持っていただきたい。
 もう一度、総理の覚悟のほどをお伺いします。国民が見ています。五月決着ができなかったら、総理は辞任されるおつもりがありますか。イエスかノーかでお答えください。
 ありがとうございます。(拍手)
    〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇〕
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 小野寺議員からの再質問にお答えをいたします。
 イエスかノーかで答えよというお尋ねでありますが、仮定の質問にお答えをする必要はありません。
 全力を挙げて、内閣総理大臣として、今、覚悟を持って臨んでいるところでございまして、これ以上申し上げる必要はありません。(拍手)
    〔議長退席、副議長着席〕
    ―――――――――――――
○副議長(衛藤征士郎君) 斉藤鉄夫君。
    〔斉藤鉄夫君登壇〕
○斉藤鉄夫君 公明党の斉藤鉄夫です。
 私は、公明党を代表して、内閣提出法案、自由民主党提出法案に対し、質問をいたします。(拍手)
 鳩山総理、昨年九月、総選挙が終わり新政権の準備をされているとき、あなたは、二〇二〇年温室効果ガス二五%削減を宣言されました。当時、私は、まだ前内閣の環境大臣でしたが、この宣言に対し、率直に評価するとコメントしました。野心的な目標を日本が掲げることで、ポスト京都議定書の国際枠組みづくりや国際ルールづくりに日本がリーダーシップを発揮することができると考えたからです。
 しかし、その期待は裏切られました。京都議定書の枠組みの延長ではない、すべての主要排出国の入った一つの国際枠組みづくりは、日本にとって死活的に重要です。しかし、現実は、京都議定書の枠組みと、そこに入っていないアメリカ、中国、インドなどの枠組みと、二本立てになりそうな状況が進んでいます。にもかかわらず、国際交渉は官僚任せで、総理みずからがリーダーシップをとっている姿は全く見えておりません。
 ポスト京都議定書の国際枠組みをどのようなものにしようとされているのか、そのためにどのような努力をされてきたのか、総理にまずお伺いします。
 次に、政府案について、問題点を挙げ、質問をします。
 まず第一に、政府案には、気候変動政策の目指すべき究極の目標、すなわち二度C目標が法案に示されていない点です。
 気候変動枠組み条約では、気候に対して危険を及ぼさないように大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを究極の目的としております。その具体的な意味は、産業革命前の水準からの世界全体の平均気温の上昇が摂氏二度を超えないようにするべきということだと、ラクイラ・サミット首脳宣言やコペンハーゲン合意において明記されました。
 国際的に共有されることとなったこの目的を認識することによってのみ、必要な中長期目標やそれに至る道筋が明確になってくるのです。
 公明党案は、この二度C目標を法案に盛り込み、この目標に従って、世界と我が国の削減目標、早期のピークアウトの必要性、あるいは気候変動の悪影響に適応するための政策の重要性といった基本原則を定めているのであります。
 政府案が規定する基本原則は、利害関係者への配慮ばかりが目につき、科学の知見に基づいた施策の原理原則が見えてこないものになっております。その原因の一つは、二度C目標の欠如にあるのではないかと考えます。
 総理及び環境大臣は、二度C目標をどのように考えているのか、法案に目標として書き込む考えはないか、お伺いいたします。
 政府案の問題点の第二は、温室効果ガス二五%削減目標に、全主要国による公平で実効性ある枠組みの構築と意欲的な目標の合意といった前提条件をつけたことであります。
 前提条件が満たされたと政府が判断したら二五%削減の目標を設定する、逆に、前提条件が満たされない場合は二五%削減の目標は施行しない、こういう規定になっております。これは、おかしいと思います。
 なぜおかしいかというと、一つは、自分の国の目標を他の主要国、特に中国やアメリカなどの動向に依存するのは、主体性がなさ過ぎるのではありませんか。国際交渉に当たって相手の譲歩を促すために前提条件をつけることはあり得ることかもしれませんが、日本がどういう基本姿勢で気候変動に立ち向かっていくのか日本の将来像を示す基本法に、前提条件をつけることはあり得ません。
 英国の気候変動法では、一九九〇年比三四%以上削減と明記しております。そういう主体性があってこそ、国際交渉上も力を発揮できるのであり、他国の背中を押すこともできるのではないでしょうか。
 二つ目に、法律の最も中心的な部分について、実際に施行するかどうかを政府に全面的にゆだねるような法律を、我が国会がつくるわけにはいきません。
 そもそも、公平な国際枠組み、意欲的な目標という前提条件自体、極めてあいまいであって、前提条件が満たされたかどうかの判断は、政府の全くの恣意にゆだねられているのです。前提条件が満たされていないとして二五%削減を放棄することすら可能です。
 三つ目に、今、政府に求められているのは、持続可能な低炭素経済に転換するという明確なメッセージを国民に発信することです。
 政府の明確なメッセージがあってこそ、国民も企業も大胆に行動を開始し、投資や技術革新も進むのです。これこそ、環境を軸とする成長戦略の柱ではありませんか。他国に依存する前提条件つきの目標では、何のメッセージにもなりません。
 米国や中国は、国際交渉とは別に、着々と環境分野での経済戦略を進めています。いつ妥結するかわからない国際合意を待っていては、日本が世界に出おくれることは必定です。
 以上、前提条件をつけることのおかしさを申し上げました。
 政府案にある前提条件を外し、公明党案にあるように、国際的動向、最新の科学的知見等を勘案し、必要があると認めるときは中長期目標を見直すことができるとする規定を設けることの方が、素直で、自然であると考えます。
 総理、まず、どのような場合に前提条件が満たされたとお考えになるのですか。また、私は、前提条件及び附則の二五%目標凍結条項を削除し、見直し条項に改めるべきだと思いますが、いかがですか。その二点については、外務大臣のお考えも伺います。
 さて、二五%削減目標に関連して、その中に、国内削減分、いわゆる真水分とともに、国際貢献分、いわゆる海外クレジット分などを含むのかどうかという問題があります。
 自民党案では、国内削減、真水分だけで一九九〇年比八%削減を掲げています。この数字は麻生内閣時代に決めたもので、それ自体は、一つ一つ技術や政策を積み上げて出した根拠のしっかりとした数字です。
 その決定の際に大きな議論となったのが、国際貢献分をどのように考えるかということでした。排出枠を海外から買うことは富の流出以外の何物でもないという強い意見が当時の与党内にあり、真水だけの目標となった経緯があります。
 私は、国際貢献分も真水分と同様な意味、価値があると考えています。
 途上国での削減は、費用が安く、かつ、日本のすぐれた技術が活躍します。途上国支援としての側面もあり、我が国の国際交渉力の源泉ともなります。したがって、公明党案は、この国際貢献分を含んだ数字となっております。
 自民党は国際貢献分について過小評価されているのではないか、国際貢献分も含めた数字で国際交渉に臨む方が交渉上も有利になるのではないかと考えますが、自民党提出者のお考えを伺います。
 また、政府案は、国際約束により削減とみなす排出量を認めていることから、国際貢献分や森林吸収源などのいわゆる柔軟性措置を含んでいるものと思われます。
 日本経済が最大限に活性化され、かつ途上国にも貢献するには、真水と国際貢献分のバランスが重要と考えますが、総理及び環境大臣は、二五%目標のうち、どのぐらいを真水で、どのぐらいを国際貢献分と考えていられるのか、お考えを伺います。
 さらに、国際貢献分に関連して申し上げれば、政府は、日本の産業力や技術力を生かした海外での温室効果ガス削減が幅広く柔軟に日本の削減実績としてカウントされるような国際ルールづくりを進めるべきです。また、二国間やアジア地域内での協力によって温室効果ガス削減を進めていき、それが我が国の削減として認められる仕組みを構築することなどに積極的に取り組むべきです。
 鳩山内閣は、こうした枠組みづくりにおいても何ら積極的な外交が見られないように感じますが、総理の見解を伺います。
 さて、政府案の問題点に戻ります。
 その第三は、国内排出量取引制度において温室効果ガス排出量の限度を定める方法について、排出量の総量で決める方法、いわゆる総量方式を基本としつつ、生産量などの一単位当たりの排出量で決める方法、いわゆる原単位方式の検討を法案に盛り込んだ点です。
 原単位方式では、生産量が伸びれば排出総量が増加することになり、総量をコントロールすることができなくなります。我が国の総量削減目標を達成するための柱となる制度としては極めて不適当です。
 中国の国家目標がこの原単位方式でありますが、原単位方式では排出総量の抑制が担保されないとこれを批判してきた我が国が、なぜみずから原単位方式の採用を認めたのか。これでは、諸外国に日本の政策の後退を強く印象づけ、枠組み交渉の進展にも重大な悪影響を及ぼしかねません。
 この原単位条項を削除することを求めますが、総理、外務大臣の明確な答弁を求めます。
 さて、政府案の問題点の第四は、意欲的でない再生可能エネルギー目標です。
 政府案では、中長期目標の達成に関して、一次エネルギー供給量に占める再生可能エネルギーの割合を二〇二〇年までに一〇%とすることを目標に掲げております。
 環境省のロードマップでは、大規模水力を含めず一〇%導入が可能であり、大規模水力を含めれば一三%導入が可能としております。政府案のように大規模水力を含めるのであれば、目標を、せめて一三%にするべきではないのですか。
 公明党案では、全量固定価格買い取り制度の導入とあわせて再生可能エネルギーの導入目標を一五%としておりますが、新たな産業の育成を進めるためにも意欲的な目標に改める考えはないか、総理に伺います。
 最後に、公明党案における気候変動対策と経済活動についての考え方を申し上げます。
 化石燃料に頼らない経済社会構造を世界に先駆けて築くことによってのみ、我が国の経済は活性化し、世界のリーダーたり得るということであります。その上で、気候変動対策の実施が国民生活や経済活動に影響を与えることは否定できないことから、公明党案では、各制度の制度設計に当たり、特に国際競争にさらされている産業や低所得者などに配慮することを求めております。
 その点について、政府案、自民党案ではどのように規定しておられるのか、総理及び自民党提出者に伺います。
 以上、主に政府案と公明党案を比較し、政府案の問題点等を指摘いたしました。明確な答弁を求めるとともに、速やかに政府案の問題点を認識され、グリーンニューディールを志向する公明党案に気候変動対策の基本法の立場を譲られることを強く求め、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇〕
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 斉藤議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、国際的な次期枠組みの内容と交渉に関する御質問であります。
 コペンハーゲンにおきますCOP15におきましては、最終的に、難航の末、コペンハーゲン合意というものになったわけでありますが、この作成交渉に直接参加をしていく中で感じたところがございます。
 そのもとで、コペンハーゲンの合意に基づいて、やはり、メキシコでは、COP16、何としても成功させていかなきゃならぬ、すべての主要国が参加する公平かつ実効的な国際的枠組みを構築する新しい一つの包括的な法的文書が速やかに採択されなきゃならない、そのことを目指してまいらなきゃならぬと思っております。
 私自身、ほとんどすべての首脳会議、例えばメキシコのカルデロン大統領あるいはデンマークのラスムセン首相、こういった方々が日本に来られましたが、こういった方々との首脳会議の中で、必ずCOP16を何としても成功させるためにお互いに協力しようということを誓い合ったところでございまして、今、その法的文書の速やかな採択に向けて積極的に動いている途上でございます。
 二度C目標への認識についてのお尋ねがございました。
 コペンハーゲン合意においては、世界全体の気温の上昇が二度C以内にとどまるべきであるという科学的見解を認識し、長期の協力的行動を強化することとしております。
 日本としても、このような科学的見解を認識し、本法案においては、目的規定において、気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準において大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることが人類共通の課題であると明示をしているところでございます。この二度Cという明記はいたしませんでしたが、認識は共有をしている、そのように考えております。
 中長期目標及び中期目標の前提条件についてのお尋ねがございます。
 日本のみが高い削減目標を掲げても、気候変動をとめることはできません。主要国の背中をしっかりと押すということによって積極的な取り組みを彼らに促すことが極めて重要でありまして、そのために前提条件は必要と考えております。法案の附則第一条を含め、これを削除あるいは見直す考えはありません。前提が満たされるような有意義な合意の形成に向けて、最大限の努力を傾けていかなければなりません。
 次期の枠組みのあり方については、引き続いて交渉中であり、どのような場合に前提条件が満たされるか、今あらかじめ申し上げるということは控えたいと存じます。
 背中を押すということを行わないで、必要なら中長期目標を見直せるという法案の方が、むしろ、言葉として、法案として弱いのではないか、そのように考えているところでございます。
 二五%削減目標の真水と国際貢献分のバランスについてのお尋ねでございます。
 二五%削減のうち、どのくらいを国内対策による削減、いわゆる真水で対応して、どのくらいを国際貢献分で対応するのかについては、国際交渉の状況も踏まえながら検討していくこととしております。
 一言つけ加えさせていただければ、国際貢献分に余りにも頼り過ぎるのは、私どもは、むしろ、いかがなものか、そのように思っておりまして、真水をできる限りふやしたいという努力は大事だと思っております。
 削減実績のカウント方法についての国際ルールづくりや、二国間やアジア地域内での協力の仕組み構築に関する御質問をいただきました。
 鳩山イニシアチブのとおり、御指摘のような枠組みづくりには積極的に取り組んでいるところでございまして、例えば、日本が世界に誇るクリーンな技術あるいは製品、インフラ、生産設備などの提供を行った企業の貢献なども適切に評価される仕組みの構築を目指しているところでございます。
 また、そのほかにも、二国間や多国間の枠組みを通じて、クレジットを生み出す新たなプロジェクトを開拓し、民間投資を促進することなども積極的に検討しているところでございます。
 国内排出量取引制度において原単位条項は削除すべきではないかというお尋ねがございます。
 本法案の立案過程におきまして、総量方式のみでは明らかに成長すべき分野の成長を阻害するということが起きかねないわけでございまして、経済成長との両立がなかなか困難になるという意見もあり、閣僚の中で真剣な議論を行ってきたところでございます。
 その結果として、排出量の限度を定める方法について、総量方式を基本としながら、原単位方式も検討するということにしたところでございます。
 本法の施行後一年以内をめどにして成案を得ることとしておりまして、着実な排出削減が図れるよう、基本法案の規定に沿って検討してまいりたいと考えております。
 再生可能エネルギーの導入目標についてのお尋ねでございます。
 大規模な水力を含めた我が国の再生可能エネルギーの導入量は、二〇〇五年現在でありますが、一次エネルギー供給の五%弱にまだとどまっております。
 したがいまして、本法案では、この値を二〇二〇年までに一〇%とするということを目標としておりますが、この導入目標については、私どもとすれば、十分に意欲的ではないかと考えております。
 御指摘のとおり、再生可能エネルギーの導入量をできるだけ拡大するということは、地球温暖化対策のみならず、新たな産業の育成といった観点からも非常に重要でございます。新たな成長戦略の展開や国民負担の観点も考慮しながら進めてまいりたいと思っております。
 地球温暖化対策と経済社会の関係についてのお尋ねでございますが、地球温暖化対策基本法案では、地球温暖化対策による経済社会の持続的成長の実現と経済社会への影響に対する配慮の両面を規定しているところでございます。
 具体的に若干申し上げれば、地球温暖化対策を実施するに当たっての基本原則において、豊かな国民生活及び産業の国際競争力が確保された経済の持続的な成長の実現や、地球温暖化の防止などに資する産業の発展やこれによる就業の機会の増大、さらには、影響を受ける事業に従事する者の雇用の安定などに十分配慮するよう、このことも法案の中にしっかりとうたっているところでございます。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣岡田克也君登壇〕
○国務大臣(岡田克也君) 私には、二問いただきました。
 まず、中長期目標及び中期目標の前提条件についてのお尋ねです。
 ただいま総理から御答弁があったとおり、前提条件を削除したり見直すことは考えておりません。前提条件の削除は、自由に排出する主要国がある一方で、日本のみが厳しい目標でみずからを縛りかねない、そういった批判があるところであります。
 そして、見直し条項でありますけれども、先ほど総理も言われましたが、いつでも見直せる、そういった見直し条項を置くということになれば、かえって目標自体を不安定にさせかねない、そういう問題があると思います。
 今後の交渉において、前提が満たされるような有意義な合意の形成に向けて最大限努力を傾けてまいります。
 次期枠組みのあり方については、引き続き交渉中であり、どのような場合に前提条件が満たされるか、あらかじめ申し上げることは控えたいと思います。これは、今後、交渉の推移を踏まえつつ、適切な時点で総合的な観点から判断すべき問題であるというふうに考えています。
 次に、国内排出量取引制度において原単位条項は削除すべきではないかというお尋ねであります。
 国内排出量取引制度については、本法の施行後一年以内をめどに成案を得ることにしております。その制度設計に当たっては、意味のある国内排出量取引制度となるように、私自身も、外務大臣として議論に積極的に関与していく、そういう考えでございます。(拍手)
    〔国務大臣小沢鋭仁君登壇〕
○国務大臣(小沢鋭仁君) 斉藤議員にお答え申し上げたいと思います。
 二度C目標への認識でございますが、先ほど総理がお答えしたとおりでございまして、科学的見解を踏まえて、我々は、二〇二〇年までに二五%、二〇五〇年までに八〇%という中長期の目標を掲げている中に当然含まれているということでございまして、そのほか、何ら他意はございません。
 もう一点の、いわゆる二五%削減目標の真水と国際貢献分のバランスについてのお尋ねでございます。
 これも総理がお答えしたとおりでございますけれども、でき得る限り国内でそれを達成したい、こういう意味で、先般、私の方で、二五%すべてを真水で達成する中長期のロードマップモデルを示させていただきました。今後、各界各層の皆さんと議論を重ねて正式な政府案にしていきたい、こう思っております。
 一点つけ加えさせていただきますと、委員がおっしゃられたいわゆる途上国の削減の積極的評価でございますが、そういった面は私も全く同感でございます。CO2を削減するという点においては、どこで減らしても同じでございますので、そういった意味では全く同感でございまして、それをさらに、現在の国連のCDMだけでは不十分でありますので、総理もおっしゃっていただきましたように、クレジット化する努力を国際交渉の場でさせていただいているところでございます。
 五月にはボンで閣僚級の会議も予定されておりまして、そういった面で、私も積極的に発言をし、努力をしてまいりたい、こう思っております。
 以上です。(拍手)
    〔平将明君登壇〕
○平将明君 斉藤鉄夫議員にお答えをいたします。
 御質問を二問いただきました。
 排出枠の購入について、公明党は真水による排出量の削減と同様の価値があると考えているが、自民党の評価はどうかというお尋ねがありました。
 自民党が提唱しております低炭素社会づくりにおいては、我が国の産業構造、社会システム、生活様式等の変革を行っていく必要があります。そして、低炭素社会の実現のためには、国民全員が一致協力して、真水での温室効果ガスの国内削減に取り組むことがまず何よりも大事であると考えております。
 そこで、自民党案においては、国民全員参加による低炭素社会づくりに取り組む覚悟を示すために、中期目標に関して、国内における排出削減目標を二〇〇五年比一五%と、真水の目標を明示したところでございます。
 続きまして、公明党案においては、各制度の制度設計に当たり、国際競争にさらされている産業や低所得者等に配慮することを求めていますが、この点、自民党案においてはどのように規定をされているのかというお尋ねがございました。
 我々も、地球温暖化対策において、国際競争にさらされている産業や低所得者等に配慮することが重要であると認識をしております。
 各制度の制度設計に当たり、自民党案は、法施行後十年間を低炭素社会づくり特別行動期間とし、広範な分野の二十に及ぶ施策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとしています。斉藤議員お尋ねの、国際競争にさらされている産業や低所得者等に対する配慮についても、当然にその制度の検討の段階で十分に考えてまいる予定でございます。
 なお、自民党案においては、国内における排出削減目標を二〇〇五年比一五%削減としていますが、この数値は、政府案と異なり、国民が納得でき、かつ、頑張れば実行可能な、地に足のついた数値であり、国民に過大な負担をかけるものではございません。
 以上、答弁といたします。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(衛藤征士郎君) 笠井亮君。
    〔笠井亮君登壇〕
○笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、内閣提出の地球温暖化対策基本法案について質問いたします。(拍手)
 地球温暖化を抑止することは、緊急かつ人類共通の待ったなしの課題です。
 昨年十二月、コペンハーゲンで開かれた国連気候変動枠組み条約第十五回締約国会議、COP15は、法的拘束力のある新たな国際協定締結に期待がかけられ、私も、最終日の徹夜審議まで会場で見守りました。しかし、科学的知見が要請してきた、世界全体で二〇五〇年までに温室効果ガスを五〇%削減することも、先進国が掲げるべき中長期目標の数字も、今後の課題として残されています。
 国連気候変動に関する政府間パネル、IPCCの第四次評価報告書は、産業革命前と比べて世界の平均気温が二度C以上上昇すると、取り返しのつかない重大な変化が起こり、地球環境と人類の生存を脅かす破局を迎えると警告しました。
 総理、タイムリミットは切迫しており、国際合意づくりは、一刻の猶予も許されないのではありませんか。世界第五位の排出国である日本が内外でどのような役割を果たすべきか、まず、基本認識を伺いたい。
 我が国は、先進国であり、京都議定書の議長国だからこそ、責任は一層重大であります。ところが、本法案は、それにふさわしいものとは到底言えません。
 一番の問題は、中期削減目標についてであります。
 総理は、昨年九月の国連気候変動首脳会合で、二〇二〇年までに一九九〇年比で二五%削減する目標を掲げたものの、その際に、あえて、すべての主要国による国際枠組みの構築及び意欲的な目標についての合意実現という前提条件をつけました。本法案には、この条件がそっくりそのまま盛り込まれ、それが満たされたと判断しない限り、二五%削減の目標を設定しないとしています。
 総理、このような前提条件をつけたのは、なぜですか。この条件が満たされないと、日本は、中期目標のない温暖化対策に取り組むことになるではありませんか。
 この前提条件は、旧自公政権が中期目標設定を国際交渉のぎりぎりまで避ける口実にした理屈と全く同じで、温暖化対策に激しく抵抗している一部の業界や大企業の主張そのものです。これでは、総理、他の主要国の意欲的な取り組みを促すどころか、米中など主要排出国が参加しない限り、みずからの目標を掲げないとして、国際合意づくりに逆行する法律になるではありませんか。
 気候変動枠組み条約は、共通だが差異ある責任の原則を定めています。COP15を受けて、新興国、途上国も削減目標を提示するようになってきました。今、何よりも、地球温暖化に歴史的責任を負っている先進国が、この原則に立って役割を果たすことが決定的に重要であります。
 日本が国際社会でリード役を果たすというなら、EUのように、率先して野心的な中長期の法的拘束力のある削減目標を掲げ、他国はどうあれ、それをみずからの責任として実行するとともに、途上国には、同じ道をたどらなくても経済成長は可能であることを示し、それにふさわしい技術、資金援助を行うという、先進国としての二重の責任を果たすべきです。
 中期目標設定の前提条件は削除すべきであります。総理の答弁を求めます。
 先進国の参加を言うのであれば、最大の問題はアメリカの姿勢です。
 先進国の中で最大の排出量を占めながら、拘束力ある削減義務を負うことを拒否し続け、低い削減目標にとどまってきたアメリカにこそ、総理は、より思い切った削減目標を掲げ、責任を果たすよう強く求めるべきではありませんか。
 第二に、本法案には、条件つきで掲げた削減目標自体についても、それを裏づけるにふさわしい実効ある措置が盛り込まれていないことです。
 温室効果ガスの削減目標を達成するためには、その排出量の八割、九割を占める産業界の排出を規制することが決定的です。旧政権のもとでは、産業界の排出削減は日本経団連の自主行動計画に任せ、日本が削減どころか増加させてきた最大の要因となってきました。総理には、そういう認識がありますか。
 大企業の温室効果ガスの排出を規制するには、イギリスやドイツなど欧州各国が取り決めているような、政府が産業界と拘束力のある公的協定を結ぶことが不可欠です。ところが、法案には、これに関する規定は全くありません。IPCC報告書でも、こうした削減協定は、利害関係者間の意識を向上させ、多くの国内政策の進展に一定の役割を果たしてきたと評価しています。
 産業界を規制するルールがあってこそ、国内排出量取引制度や再生可能エネルギーの目標も、その実現を確実なものにできるのであります。総理、日本でも、政府と産業界との公的な削減協定を今こそ締結すべきではありませんか。
 法案では、再生可能エネルギーの導入目標を一〇%としていますが、余りに低過ぎます。少なくとも二〇%に引き上げるべきではありませんか。
 特に、再生可能エネルギーによる電力の全量買い取りについては、電力会社に買い取りを義務づけ、その費用には、当面、電源開発促進税の税収を充てることで、経済危機に苦しむ国民生活への影響を与えないようにすべきではありませんか。総理及び関係大臣の答弁を求めます。
 第三に、法律には、削減目標にふさわしい実効ある総合的な対策がないから、結局、原発推進に頼るものになっていることを厳しく指摘したい。
 政府は、エネルギー基本計画で、地球温暖化への対応を口実に、原発を低炭素エネルギーの中核と位置づけ、二〇三〇年度までに、少なくとも十四基を新増設し、稼働率も、現在の六〇%台から九〇%に引き上げようとしています。これは、旧政権の、約九基の新設、利用率は八〇%程度よりも上回るものであり、電力業界の現計画すべてを認めるものです。
 しかし、そもそも原発は、技術的に未確立で、安全性が確保されておらず、放射能汚染という深刻な環境破壊をもたらすものです。放射性廃棄物の処理、処分方法も未確立であり、日本が有数の地震国であることに照らしても、原発大増設の計画は、無謀かつ危険きわまりないものであります。
 また、稼働率の引き上げは、原発の定期検査間隔を大幅に延長し、老朽化した原発を酷使し、事故につながる危険なものではありませんか。総理は、どうお考えですか。
 また、温暖化対策を原発に依存することは、国内排出量取引制度や再生可能エネルギー導入など、本来の対策全体を弱めることになるではありませんか。原子力推進の条文は削除すべきです。総理の決断を求めます。
 一九九七年に京都議定書が採択されたのに、日本の取り組みは大きく立ちおくれてきました。特に財界は、国際競争力の維持を口実に、温暖化対策への本格的な取り組みに反対し続けてきました。他方、EUは、持続可能な発展戦略のもとに、温暖化対策を経済、社会の運営の柱に据え、新しい産業や雇用を生み出してきました。
 総理、こうした方向に大きくかじを切りかえることこそ、必要ではありませんか。
 今こそ政府が、国連で約束した削減目標に、他国がどうであれ、前提なしに責任を負う態度を確立するとともに、その裏づけとなる総合的対策を確立し、文字どおり世界をリードする自覚を持って取り組むよう、法案の抜本的修正を強く求めて、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇〕
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 笠井議員にお答えをいたします。
 まず、一刻も早く国際合意をつくれというお尋ねでございました。そのとおりであろうかと思います。
 コペンハーゲン合意を踏まえて、米中などを含んだすべての主要国が参加をする公平かつ実効性のある国際的枠組みを構築する新たな一つの包括的な法的文書をできるだけ早く採択するということを目指してまいりたいと考えておりまして、そのために国際交渉をリードしてまいりたいと存じます。
 我が国が内外で果たす役割について、基本的なお尋ねがございました。
 まさに、地球益と国益、その双方の観点から、国際的な協調のもとで、人類共通の課題である地球温暖化対策を積極的に推進してまいりたいと存じます。
 国際的には、地球の将来を真剣に考え、すべての主要国による公平かつ実効性ある国際的枠組みの構築と意欲的な目標の合意を目指してまいります。
 国内的には、経済成長、雇用の安定、さらにはエネルギーの安定供給、こういった確保を図りながら、地球温暖化対策を推進してまいりたいと思います。
 次に、二五%削減目標及び我が国の温暖化対策についてのお尋ねでございます。
 これは前もお答えいたしましたが、日本のみが高い削減目標を掲げても、気候変動をとめることはできません。主要国の背中をしっかりと押して積極的な取り組みを促すために前提条件は必要だと考えます。
 基本法案では、前提条件を満たして中期目標が設定されるまでの間においても長期目標は存在しているわけでございまして、基本的な施策については、その間も積極的に講じなければならないとしております。
 前提条件により国際合意づくりに逆行する法律になるのではないかというお尋ねがございます。
 既に申し上げましたように、我が国の削減目標は、地球の将来を真剣に見据え、国際交渉に弾みをつけるため、前提条件をつけた上で提案したものでございまして、国際交渉の進展をこれによって促したいと考えております。
 この前提条件の実現に向けて、今後の交渉において最大限の努力をしてまいりたいと思っておりまして、決して、本法案が国際合意づくりに逆行する法律になる、そのようには考えておりません。
 先進国としての責任についての御質問であります。
 これは、私の知る限りでございますが、EUも日本と同じようでございまして、条件をつければさらに削減目標を高くするということを訴えているところでございます。
 地球の将来を真剣に考え、国際交渉に弾みをつけるため、既に申し上げた理由で前提条件を付して二五%削減の中期目標を率先して提示したところでございまして、基本法案では、前提抜きで九〇年比八〇%削減という長期目標も掲げたところでございます。
 また、途上国支援ということでは、鳩山イニシアチブによって、世界規模での環境と経済の両立、これを図ることと、低炭素社会への転換に貢献していきたいと考えております。
 引き続いて、先進国としての責任をしっかりと果たして、国際社会の中でリーダーシップを発揮していきたいと考えております。
 中期目標の前提条件についてのお尋ねでございますが、先ほどから申し上げておりますように、前提条件は必要と考えておりますので、削除する考えはございません。
 米国の削減目標についてのお尋ねでございます。
 二〇二〇年に二〇〇五年比で一七%排出削減というアメリカの目標は、我が国の中期目標と比べて、決して十分とは考えてはおりません。しかしながら、一方では、この目標の背景に、二〇五〇年までには約八三%削減という要素も含まれております。したがいまして、一定の評価をするべきではないかということも考えております。
 二〇二五年までに三〇%削減ということも、これはまだ法案も通ってはおらないところでありますが、そういう目標も掲げているようであります。
 米国が、関連法案を成立させ、一層の取り組みを行うことを強く期待しているところでありまして、米議会での関連法案の審議の行方をしっかりと見守ってまいりたいと存じます。
 日本の排出量増加の要因についてのお尋ねでございます。
 日本の排出量、二〇〇八年度において、一九九〇年比で増加をしておりますが、これは、部門別の内訳では、家庭部門が極めて大きくて三割以上の増加、業務部門その他の部門がさらに四割以上の増加というように、民生部門の排出量が大幅に増加しているのでありまして、それに対して、産業部門の排出量は一割以上減少しております。また、産業部門からの排出は、我が国の排出量の大体三割程度だという認識でございます。
 産業部門の排出量の減少については、日本経団連の自主行動計画を含む産業部門の対策が一定の成果は上げているのではないか、そのようにも認識をしているところでございます。
 政府と産業界との公的な削減協定の締結について御質問がございました。
 大企業の排出に関しましては、基本法案において、排出者の排出量の限度を定める国内排出量取引制度の創設を規定し、法律に基づいたルールを設けることにしております。
 国内排出量取引制度については、基本法の施行後一年以内をめどに成案を得ることとしておりまして、着実な排出削減が図られるよう、基本法案の規定に沿って、国民の皆様方あるいは関係者の皆様方の御意見を伺って、検討してまいりたいと考えております。
 次に、再生可能エネルギーの導入目標についてのお尋ねがございます。
 大規模な水力を含めた日本の再生可能エネルギーの導入量は、二〇〇五年現在でありますが、一次エネルギー供給の五%弱という低水準でございます。
 地球温暖化対策基本法案では、この値を二〇二〇年までに、一次エネルギー供給量ベースでありますが、一〇%とすることを目標としておりまして、この導入目標についても、私どもとすれば、十分に意欲的な目標だと考えているところでございます。
 再生可能エネルギーによる電力の買い取り目標に関するお尋ねでございます。
 全量買い取り制度の導入に当たっては、再生可能エネルギーの拡大のみならず、国民負担の観点も配慮しなければなりません。
 電源開発促進税は、原子力発電施設などの立地の促進を目的としているものでありまして、買い取り費用として充当することは適当ではないと考えております。また、それ以外の目的に電源開発促進税を使うということになれば、さらに電気料金を値上げしなければならないということになりまして、これは負担をまた強いてしまうということになります。
 したがいまして、御指摘のとおり、国民生活に悪影響が生じないように、幅広く御意見を聞きながら制度設計を行っていくことが肝要ではないかと考えております。
 次に、原発の新増設や設備利用率の向上に関する質問でございます。
 いずれも、安全の確保を大前提として進めていくことが原発は必要だと認識をしております。したがいまして、最新の知見を踏まえた耐震基準を策定して、原子力発電所の新増設に当たっては、厳格な安全審査を行うことといたしております。
 また、原発の設備利用率の向上に際しても、国による厳格な検査によってこれを担保することにしているところでございます。
 また、放射性廃棄物の処理あるいは処分については、国民の御理解を得て、しっかりと取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 次に、温暖化対策の原発依存についての質問でございます。
 二五%削減目標達成のためには、やはり、私どもとすれば、原子力発電の推進のみに過度に依存するのではなく、国内排出量取引制度や再生可能エネルギー導入の推進など、あらゆる政策を総動員して実現を目指していきたいと考えております。
 原子力推進の条文の削除についてであります。
 私どもとすれば、原子力については、エネルギーの安定供給のみならず、低炭素社会の実現に不可欠だと考えております。安全を第一とするのはもとよりであります。国民の皆さんの理解と信頼を得ながら着実に推進してまいることが必要だと考えております。
 こういった観点から、法案において原子力についての規定を設けたところでございまして、削除する考えはございません。
 温暖化対策による産業、雇用創出についてのお尋ねでございます。
 日本は、グリーンイノベーションの促進によって世界ナンバーワンの環境・エネルギー大国を目指したいと考えておりまして、新成長戦略の基本方針の中にもそのことを位置づけているところでございます。
 具体的に若干申し上げれば、再生可能エネルギーの普及拡大、住宅、オフィスのゼロエミッション化や省エネ家電の普及、モーダルシフトあるいは日本型のスマートグリッドの推進、また、これらに関連する海外市場の獲得への支援などに重点的に取り組んでまいります。
 こういったことを通じて、世界全体の炭酸ガスの削減に資するとともに、環境と経済を両立させて、新たな雇用と産業の創出につなげてまいりたいと考えております。
 残余の質問は、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣小沢鋭仁君登壇〕
○国務大臣(小沢鋭仁君) 私に関しては二問いただきましたが、総理が既にお答えしておりますのと、再生可能エネルギーの導入目標、これは、この後、経済産業大臣がお答えになる所管の部分でございます。
 一言だけ申し上げますと、環境省としても精いっぱい努力をしてまいりたい、こう思っております。
 それから、二番目の、再生可能エネルギーによる電力の全量買い取り制度につきましても、総理の答弁もございましたし、この後、経産大臣の答弁があるはずでございますが、いずれにしても、現在、経済産業省において精力的な検討が進められているところでございまして、負担の方法として、電気料金に上乗せする方法、あるいはその他の方法により負担する方法、あるいはまた買い取り対象、買い取り価格、買い取り期間等、広く意見を募集しているところと承知をしております。
 環境省としても、再生可能エネルギーの導入拡大と国民負担のバランスがとれた制度となるよう、必要な連携協力をしっかりやってまいりたいと思います。(拍手)
    〔国務大臣直嶋正行君登壇〕
○国務大臣(直嶋正行君) 笠井議員の質問に答えさせていただきます。
 まず、再生可能エネルギーの導入目標についての御質問でございます。
 御指摘のように、再生可能エネルギーの導入拡大は、地球温暖化対策のみならず、エネルギー政策や成長戦略の観点からも重要な課題であります。
 その具体的方法について、現在、エネルギー基本計画の見直しの中で議論をしているところでございますが、立地制約や費用負担などを考えますと、二〇〇五年現在、一次エネルギー供給ベースで五%弱の割合を二〇二〇年までに一〇%に達するとの基本法の目標は、十分に意欲的なものであると理解をいたしております。
 その達成のため、国民負担なども考慮しながら、全量買い取り制度、諸規制の見直し、技術開発の推進、補助金による導入支援など、あらゆる施策を講じることが必要だと考えておりまして、引き続き、しっかりと取り組んでまいる所存でございます。
 次に、全量買い取りの費用についての御質問でございます。
 全量買い取り制度については、再生可能エネルギーの導入をいかに進めるかという観点だけではなく、国民負担のあり方や電力系統の安定化対策など、さまざまな論点が存在をいたしております。
 このため、経済産業省では、昨年十一月よりプロジェクトチームを立ち上げまして、国民、産業界、有識者からの意見聴取や海外調査を実施いたしたところでございます。先月末、買い取り費用の負担の方法も含めた制度のオプションを提示し、現在、幅広く御意見を受け付けているところでございます。
 電源開発促進税については、総理からもお答えがございましたとおり、原子力発電施設等の立地促進などを目的としたものでありまして、買い取り費用に充てることは不適当であると考えております。
 いずれにせよ、買い取り費用の負担方法については、引き続き、幅広く国民や産業界の意見も踏まえ、御理解がいただけるようしっかりと検討してまいる所存でございます。(拍手)
○副議長(衛藤征士郎君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
○副議長(衛藤征士郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時五十六分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       内閣総理大臣  鳩山由紀夫君
       外務大臣  岡田 克也君
       経済産業大臣  直嶋 正行君
       環境大臣  小沢 鋭仁君
       国務大臣  亀井 静香君
       国務大臣  福島みずほ君
 出席内閣官房副長官及び副大臣
       内閣官房副長官  松野 頼久君
       環境副大臣  田島 一成君