第174回国会 本会議 第25号
平成二十二年四月二十二日(木曜日)
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 議事日程 第十六号
  平成二十二年四月二十二日
    午後一時開議
 第一 脱税の防止のための情報の交換及び個人の所得についての課税権の配分に関する日本国政府とバミューダ政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
 第二 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とクウェート国との間の条約の締結について承認を求めるの件
 第三 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とカザフスタン共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
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○本日の会議に付した案件
 日程第一 脱税の防止のための情報の交換及び個人の所得についての課税権の配分に関する日本国政府とバミューダ政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
 日程第二 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とクウェート国との間の条約の締結について承認を求めるの件
 日程第三 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とカザフスタン共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
 鳩山内閣総理大臣の核セキュリティ・サミットへの出席等に関する報告及び質疑
    午後一時二分開議
○議長(横路孝弘君) これより会議を開きます。
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 日程第一 脱税の防止のための情報の交換及び個人の所得についての課税権の配分に関する日本国政府とバミューダ政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
 日程第二 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とクウェート国との間の条約の締結について承認を求めるの件
 日程第三 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とカザフスタン共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
○議長(横路孝弘君) 日程第一、脱税の防止のための情報の交換及び個人の所得についての課税権の配分に関する日本国政府とバミューダ政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、日程第二、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とクウェート国との間の条約の締結について承認を求めるの件、日程第三、原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とカザフスタン共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、右三件を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。外務委員長鈴木宗男君。
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 脱税の防止のための情報の交換及び個人の所得についての課税権の配分に関する日本国政府とバミューダ政府との間の協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書
 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とクウェート国との間の条約の締結について承認を求めるの件及び同報告書
 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とカザフスタン共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔鈴木宗男君登壇〕
○鈴木宗男君 ただいま議題となりました三件につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、日・バミューダ租税協定は、本年二月一日、ロンドンにおいて署名されたものであり、その主な内容は、
 一定の拒否事由に当たらない限り、要請に応じて情報を提供すること、
 一方の居住者が受け取る退職年金等については、当該一方の締約者においてのみ課税することができること
等であります。
 次に、日・クウェート租税条約は、本年二月十七日、クウェートにおいて署名されたものであり、その主な内容は、
 事業所得に対する課税については、相手国内に有する支店等の恒久的施設に帰属する所得についてのみ相手国において課税されること、
 投資交流を促進するため、配当、利子、使用料等の源泉地国課税を軽減すること
等であります。
 最後に、日・カザフスタン原子力協定は、本年三月二日、東京において署名されたものであり、その主な内容は、
 両国間で移転される核物質、原子力に関連する品目及びその技術は平和目的に限って利用すること、
 核物質は、国際原子力機関による保障措置の適用を受けること、
 両国政府は適切な核物質防護措置をとること
等であります。
 以上三件は、四月十三日に外務委員会に付託され、十四日岡田外務大臣から提案理由の説明を聴取いたしました。次いで、二十一日に質疑を行い、これを終了し、まず、日・バミューダ租税協定について採決を行いました結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと議決いたしました。次に、日・クウェート租税条約及び日・カザフスタン原子力協定について採決を行いました結果、両件はいずれも多数をもって承認すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(横路孝弘君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一につき採決いたします。
 本件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告のとおり承認することに決まりました。
 次に、日程第二及び第三の両件を一括して採決いたします。
 両件を委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、両件とも委員長報告のとおり承認することに決まりました。
     ――――◇―――――
 内閣総理大臣の発言(核セキュリティ・サミットへの出席等に関する報告)
○議長(横路孝弘君) 内閣総理大臣から、核セキュリティ・サミットへの出席等に関する報告について発言を求められております。これを許します。内閣総理大臣鳩山由紀夫君。
    〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇〕
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私は、四月十二日から十四日まで、米国のワシントンを訪問し、核セキュリティーサミットに出席しました。
 サミットにおいては、各国は、核セキュリティー向上のための国内措置及び国際措置、核セキュリティーにおけるIAEAの役割等について意見交換を行いました。
 私は、我が国は非核兵器国の道を歩むことが唯一の戦争の被爆国としての道義的責任であると考え、核廃絶の先頭に立ってきたことを述べるとともに、核テロ防止に貢献するためのイニシアチブとして、次の四つの協力措置を表明しました。
 この四つの措置は、一、核セキュリティー強化のためのアジア総合支援センターを本年中に我が国に設立すること、二、核物質の測定、検知及び核鑑識に係る研究開発を実施すること、三、IAEA核セキュリティー事業に対して一層の財政的・人的貢献を行うこと、四、世界核セキュリティー協会会合を本年中に我が国で開催することであります。
 サミットにおいては、天野IAEA事務局長よりIAEAの活動の報告がありました。これに対し、多くの国がこれを支持し、IAEAの権限と資源の必要性に言及しました。
 私からも、我が国のIAEA支援策を紹介し、今後の活動への期待を表明しました。
 サミットの議論の結果、コミュニケと、その具体的な指針としての作業計画が採択されました。
 すべての脆弱な核物質の管理を四年以内に完全なものにするとのオバマ大統領の呼びかけのもと、各国が核物質の管理や原子力施設のセキュリティーを効果的にすることを確認するとともに、各国が協調して核セキュリティーの向上を図ることで合意ができました。
 なお、サミット出席に加え、各国及び国際機関の首脳等と個別に会談を行いました。
 胡錦濤中国国家主席とは、日中関係及び地域、グローバルな課題につき意見交換を行い、首脳往来を通じて日中戦略的互恵関係を充実させていくことで一致しました。
 ルーラ・ブラジル大統領とは、鉄道など経済分野を初めとする二国間関係の強化について意見交換を行うとともに、国連安保理改革でも引き続き協力していくことで一致しました。
 ズン・ベトナム首相とは、ベトナム南北高速鉄道や原子力発電所建設事業等、経済分野を中心とした両国の連携について意見交換を行いました。
 オバマ米国大統領とは、日米同盟を一層深化、発展させていきたい旨述べ、そのために、普天間飛行場の移設問題に関して意見交換をするとともに、イランの核問題についても議論しました。
 メドベージェフ・ロシア大統領とは、政治と経済の車の両輪を前進させ、領土問題の解決に向け首脳レベルで集中的に協議していくことで一致しました。
 サルコジ・フランス大統領とは、来年、G8、G20議長国を務めるフランスとサミット成功に向けて協力していくことで一致するとともに、日・EU経済連携協定についても意見交換を行いました。
 ナザルバエフ・カザフスタン大統領とは、原子力分野やレアアース共同開発の分野を中心とする二国間経済関係などについて意見交換を行いました。
 ファン・ロンパイ欧州理事会議長とは、気候変動、核軍縮・不拡散等への対応等について日・EUで協力を強化していくことで一致するとともに、日・EU経済連携協定についても意見交換を行いました。
 国際連合の潘基文事務総長からは、八月六日の広島平和記念式典に出席する意向が伝えられたほか、九月のミレニアム開発目標に関する国連首脳会合への出席の要請がありました。
 また、チュー米国エネルギー長官の表敬を受け、高速増殖炉「もんじゅ」等の原子力技術を初め、日米クリーンエネルギー技術協力のさらなる強化、APECを通じた日米連携等について意見交換を行いました。
 我が国は、今回のサミットの成果を、具体的な行動に移します。また、国際的な核セキュリティー強化のため、引き続き積極的な役割を果たしてまいります。
 以上です。(拍手)
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 内閣総理大臣の発言(核セキュリティ・サミットへの出席等に関する報告)に対する質疑
○議長(横路孝弘君) ただいまの発言に対して質疑の通告があります。順次これを許します。中野譲君。
    〔中野譲君登壇〕
○中野譲君 民主党の中野譲です。
 私は、民主党・無所属クラブを代表して、核セキュリティーサミットに関する鳩山総理の訪米報告に対しまして質疑を行います。(拍手)
 質問に先立ち、議員各位に、冒頭、一言申し上げさせていただきたいと思います。
 この本会議に集う私たち国会議員は、党派の違いや、日ごろの主義主張、政治的な立場において異なる点はあるものの、唯一の被爆国に生を受けた者として、究極的な核廃絶という一点においては、志を同じくする仲間であると私は信じております。
 十分間のオバマ大統領との意見交換で、キャン・ユー・フォロー・スルー、きちんと最後まで実現できるのかとの発言が大統領からあったとの報道が一斉に流されましたが、肝心のサミットの成果や意義については取り上げることなく、このような誤った報道や米国メディアにおける酷評記事をあげつらう姿は、かつて、小渕総理が米国で冷めたピザとやゆされ、日本でも大々的に報道され、政治的にも利用されたことで、国益を大きく損ねたことを思い起こします。
 そして、それらの報道をそのまま受け売りする議員に対しては、国益の観点からも、非常に残念に思うとともに、真摯な反省を願う次第でございます。
 私が所属をいたします外務委員会におきましては、日本の国益のため、外交はどうあるべきか、与野党の立場を超えて、厳しくも建設的な議論が交わされております。この本会議におきましても、ぜひとも国益を考えた議論が行われることを願い、私の質問に入らせていただきます。
 訪米報告について、私から、四点、総理に質問させていただきます。
 まずお伺いしたいのは、今回のサミットの歴史的な意義であります。
 今般開催されたサミットは、核テロ対策という一つの目的に、三十七カ国からの首相クラスの参加を含み、四十七カ国と三つの国際機関が参加するという大規模なものであり、わけても、核兵器不拡散条約非締約国である、核廃絶とは一線を画する立場にあったインド、パキスタン及びイスラエルが参加したことで、まさに画期的な会議であったと思います。
 冷戦終結からはや二十年を経過した今日、最も喫緊かつ最大の核の脅威は、もはや核兵器を使用した全面戦争ではなく、テロリストによる核兵器の使用、核テロリズムであります。
 アルカイダなど、手段を選ばないテロリストが核兵器あるいはダーティーボムに使用可能な放射性物質を入手するような事態が発生すれば、その被害が未曾有のものであろうことは確実で、かかる危険を未然に防止しようとする試みが、今回のサミットの主要目的であります。
 そこで、現下の国際状況における核テロリズムの脅威とその未然防止へ向けた取り組みの中で、今回のサミットが果たす役割や位置づけ、歴史的な意義について、総理の御所見を伺わせていただきたいと思います。
 二点目にお伺いしたいのは、サミットの具体的成果であります。
 サミット後に公表されたコミュニケは、その前文で、すべての脆弱な核物質の管理を四年以内に徹底することが盛り込まれ、これを具体化する作業計画においては、参加国がそれぞれ実施すべき十一項目の作業内容が列記されております。
 このうち、核テロ防止の観点から特に重要と思われるのは、核物質の徹底的な管理や情報の交換、さらに、核に関する検知及び鑑識などであります。
 かかる取り組みは、関係国が個別に取り組んでも効果は限定的であり、国際社会が一致協力する形で、知恵を出し合い、相互に協力しつつ、管理の強化、核鑑識の技術の開発へ取り組むことを強めることが切に望まれる次第であります。
 その意味で、今回のサミットは、作業計画の策定を通じて、国際社会のコンセンサス形成と今後の協力体制構築に大きな成果を上げたのではないかと考えますが、サミットの具体的な成果について、総理のお考えをお願いいたします。
 三点目は、今回のサミットにおいて我が国が果たした役割であります。
 今回ワシントンDCに集まった四十七カ国のうち、唯一の被爆国であり、これまで国際社会において、核廃絶の先頭に立ち、半世紀余り活動してきた我が国は、サミットにおいて、主催者たるオバマ大統領をしっかりサポートすべき立場にあったと考えます。
 総理は、ナショナルステートメントにおいて、核テロ防止に貢献するためのイニシアチブとして、アジア総合支援センターの設立、核物質検知・鑑識に関する研究開発、IAEA核セキュリティー事業に対する一層の財政的・人的貢献、我が国において世界核セキュリティー協会会合を本年中に開催すること、以上四点を具体的に提案されたことから、我が国にふさわしい役割を果たしてこられたと理解をしております。
 この四点のうち特に重要なのは、核鑑識に関する研究開発であります。しかし、この重要技術はいまだ研究途上であり、核関連技術で世界の最先端を行く我が国こそが研究開発を主導していかなければなりません。
 この核鑑識技術への問題提起を初め、我が国がサミットで果たした役割は極めて大きいものであったと存じますが、我が国が果たした具体的な役割について、総理の御説明を賜りたいと思います。
 最後にお伺いしたいのは、今後の我が国の取り組みと核廃絶へ向けた鳩山総理の御決意であります。
 総理は、ステートメントにおいて、我が国は、唯一の被爆国であるとともに、資源小国として、発電の約三割を原子力発電で賄っており、核軍縮、核不拡散、原子力平和利用のいずれも重視し、積極的な役割を果たすと、我が国の立場と決意を明らかにされました。その上で、現在、原子力ルネサンスのもと、約六十カ国が原発新規導入を検討しているほか、核軍縮の将来的な進展に伴い、防護の対象となる核物質の量が飛躍的に増加する見込みであり、核解体、原子力の平和的利用を進める上で、核セキュリティーの確保が重要という現状認識を示しておられます。
 地球温暖化の防止が国際社会の喫緊の課題である今日、クリーンエネルギーたる原子力発電の重要性は高まる一方でありますが、これが発展途上国へ普及すれば、核物質の管理の重要性も一層増すことでしょう。
 こうした趨勢の中で、経済大国として、また核技術の先進国として、我が国の果たすべき責任も重くなります。今後、発展途上国、中でもアジア諸国における原発普及の過程で、我が国のより一層の貢献が求められることになりましょう。
 また、核の番人と呼ばれるIAEAの事務局長には、昨年十二月より、日本人の天野之弥氏が就任されており、我が国とIAEAがこれまで以上に緊密に協力をしていく好機でもあります。
 かつて、一九九六年四月、チェルノブイリの事故から十周年に当たり、ロシアを含む八カ国首脳が集い、原子力の安全と核物質の安全な管理の分野における国際協力の重要性を確認する原子力安全モスクワ・サミットが開催されました。
 当時、我が国から参加された橋本総理は、日本が、核の被害がいかに悲惨なものかみずから体験した唯一の国であり、それだけに、原子力安全あるいは核軍縮、核不拡散というものの重要性についてはだれよりも敏感な国民であり、そうした立場から、原子力安全のための国際協力の一環として地域協力がいかに重要かということを訴えられました。
 先ほどの鳩山総理からの報告においても、我が国は非核兵器国の道を進むことが唯一の被爆国としての道義的責任であるとの強い信念から核テロ防止に貢献するとのお言葉がございました。
 鳩山内閣の今後の取り組みについて御説明をいただくとともに、唯一の被爆国の総理として、核兵器廃絶を願う日本国民の代表として、核廃絶へ向けた鳩山総理の決意をお聞かせいただくことをお願いし、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇〕
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 中野議員にお答えをいたします。
 まず、冒頭、日本の国益についてしっかりとした発言をされたことを、敬意を申し上げます。
 一言だけ申し上げておきますと、オバマ大統領からキャン・ユー・フォロー・スルーという言葉があったとは思っておりません。そのような発言はありませんでしたことを、この壇上から申し上げておきます。
 まず、核セキュリティーサミットの意義についてのお尋ねでございます。
 アメリカの同時多発テロ以降、核物質などを用いたテロはまさに現実の脅威となった、そのように思っております。したがいまして、国際社会としては、手おくれになる前に、協力をして、果敢に行動しなければなりません。
 核テロに対処するために、主要国の首脳が、このたびサミットに結集をして、コンセンサスでコミュニケ及び作業計画というものを採択したことは、大変画期的なことであったと思っております。大事なことは、情報の共有を図るということでありまして、そのことができた意義というものは極めて大きなものがあったと申し上げておきます。
 サミットの成果についての御質問がございました。
 今回のサミット全体におきまして、参加国の首脳が、まず、一番目として、核物質の管理の四年以内の徹底を図るということを決めました。二つ目として、IAEAに対して支持をする、その財政的な意味でも支持をしながら強化をすることが必要だということを申し合わせたこと。三つ目としては、国内法をそれぞれの国で整備を図っていく、人材育成などを行う、こういったことを通じて核テロ対策を強化していかなければならない。こういったことについて一致をしたところでございます。
 こういったことは、コミュニケ及び作業計画としてまとめられて、コンセンサス方式で採択をされました。
 このような意味におきまして、サミットは、核兵器のない世界を目指す上で重要な成果を得た、大変正しいタイミングのもとで重要な成果を上げたと申し上げることができると思います。
 サミットでの日本の役割についてのお尋ねでございます。
 これは、中野議員からもお話がございましたが、今回のサミットで、私自身からは、国際的な核セキュリティー強化のために、まず、核セキュリティー強化のためのアジア総合支援センターというものを本年中に設置するということを決めたところでございます。
 それから、二つ目には、核物質の測定、検知、鑑識に係る技術開発を積極的に行うということを申したところでございます。
 三つ目として、IAEAに対して約六百十万ドルの支援を行う。IAEAに対する支援が重要だという認識のもとで、この支援を行うことにいたしました。
 四つ目は、世界核セキュリティー協会、WINS会合の本邦開催というものを決めたことでございます。
 こういった四つの具体的貢献策を表明して、参加国の首脳からは歓迎を受けたわけでありますが、特にこの中でも、やはり核物質の測定、検知、鑑識に係る技術開発、これはなかなか他の国ではできない技術であるということでありまして、ただ、データベースなどはアメリカが有しているわけでございますので、こういったアメリカとの協力のもとで、鑑識に係る技術開発をしっかり行っていくということを申したところでございます。
 最後に、核セキュリティーへの取り組み及び核廃絶に関する決意についての御質問がございました。
 日本としては、今後、サミットで表明した貢献策の実施などによって、国際的な核セキュリティーの強化に一層貢献してまいります。
 日本は、先ほどからお話がありましたように、唯一の戦争による被爆国でございます。したがいまして、核廃絶に向けて行動する道義的責任がある、そのように考えておりまして、そのためのリーダーシップをとらなければならない。重々申し上げているところでございます。この考え方をぜひ国際社会に広げていきながら、核廃絶に向けて先頭を切ってまいる所存でございます。
 また、非核兵器国で原子力発電をここまで大規模に行っている国が日本でございまして、この経験というものを生かすことが大事である。原子力発電は、これから気候変動の問題を通じてさらに世界じゅうに広まっていくと思っておりますが、その中で、日本が先頭を切って原発の推進をしているところであるわけでありますので、核セキュリティーという意味をこのところでもしっかりと理解して、世界に向けてリーダーシップをとることが極めて肝要だということをつけ加えておきます。
 以上であります。(拍手)
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○議長(横路孝弘君) 新藤義孝君。
    〔新藤義孝君登壇〕
○新藤義孝君 自由民主党の新藤義孝でございます。
 私は、自由民主党・改革クラブを代表して、核セキュリティーサミットに関する報告に関し、鳩山総理及び関係閣僚に対して質問します。(拍手)
 本題に入る前に、きのうの党首討論で、見逃せない、聞き逃せない発言が鳩山総理からありましたから、まず冒頭にお尋ねします。
 鳩山総理の元秘書による政治資金規正法違反をめぐる裁判は、本日判決が出るわけでございますが、その裁判に提出された書類について、総理はこれまで、偽装献金事件、いわゆる鳩山家の特別子ども手当、これについて、正確を期す必要があるため、裁判の終了を待って、書類を取り戻し、書類を国会に提出した上で説明努力を尽くす、このような趣旨の答弁を繰り返してきました。
 しかし、きのうのQTでは、あなたは何と、個人のプライバシーにかかわる資料は提出しない、検察が判断して結果を出したので書類の提出は必要ないとおっしゃった。
 どうしてあなたの発言は、こうやってぶれるのか。国民に対する裏切りではないんでしょうか。国会での約束は、単なる言い逃れだったのか。はっきりと弁明していただき、約束どおり、国会に書類を提出して、しっかりと説明をしていただきたい。答弁を求めます。
 それでは、本題に移りますが、先ほどの総理の報告、そしてまた民主党議員に対する答弁、全く力がない、弱々しい。国民に対する誠意のかけらもない報告であり、答弁じゃないか。私は、もっとしっかりと、皆さんに対して、力を入れて、頑張ってやってもらいたいと思います。私に対する答弁は、力を入れて答弁してください。
 まず、この核セキュリティー、重要な国際問題で、自民党政権時代は、これは、世界のイニシアチブをとって、我々は米国と一緒に中心的に取り組んできました。唯一の被爆国として、日本はこれまで大きな存在感を示してきたのです。
 しかし、今回のサミットにおける存在のなさ、軽さ。存在の耐えられない軽さとは、まさにこのことを言うのではないかと思います。どうしてこんなに急激に日本の位置づけが低下したのでしょうか。
 総理、あなたは外交下手です。私が言ったんじゃないですよ。あなたを支える与党の人が言った発言です。あなたは外交下手、私もそう思いますけれども。そして、あなたの外交下手や存在の軽さが我が国の国際社会の信頼や信用を大きく損ねているということ、それをあなたは全くわかっていないんじゃないかと思います。
 今回の、オバマ大統領が選んだ四十七カ国に限定したこの核セキュリティーサミットには、どのような緊急的な意義があったのでしょうか。また、現実の核による危機を防止するためにどのような成果を上げられたのか、お伺いしたいと思います。
 そして、鳩山総理、今回の訪米は、あなたにとってさんざんなものでした。先ほどの報告も弱々しいのは、よっぽどがっかりしたのか、残念だったのか、そういうことだったと思います。
 たった十分間の、夕食会で非公式の会談しかできなかった、その総理の心中はお察しいたします。まともな会談になるわけがないわけです。あげくの果てに、ワシントン・ポストにおいては、サミット参加国の中で、日本は最大の敗者、そして、あなたは、哀れで愚かな日本の首相という記事まで書かれてしまいました。一国の首相に対して、まことに無礼な評価だと思います。
 しかし、どうしてそこまで言われるのか、総理、あなたに心当たりはありませんか。
 あなたは、昨年十一月の日米首脳会談で、オバマ大統領に、トラスト・ミーと言い、翌日、撤回。さらに、もう一度、十二月の中旬、十五日と報道されておりますが、しかるべき時期になれば日米合意に戻したい、任せてほしいと、ルース大使と会談し、再び約束したのではありませんか。その証拠に、その後、決着の先送り、現行計画以外の検討に入るという方針を聞いたルース大使は、あの温厚な性格にもかかわらず、激怒したと伝えられております。
 あなたは、二度にわたってアメリカに対し軽い口約束をし、信頼を裏切ってきたのではありませんか。
 今回の核サミットでの米国側の冷遇は、普天間問題に対するあなたの優柔不断と無責任な言動にある。オバマ政権の深い不信感のあらわれではないのですか。
 平和のハトを自認する鳩山総理、あなたは、米国からは、サギと思われているんじゃないですか。
 普天間問題をめぐる鳩山政権の迷走ぶりは、目を覆うばかりの悲惨さです。なぜここまで混乱し、迷走するのか。その答えは明快です。
 あなたは、国家運営の最も基本的な安全保障分野に対して選挙を持ち込んだのです。政権交代という政治的野心を達成するために、選挙で、最低でも県外移設と演説し、票をとることに専念しました。
 政権をとってからは、安保論議には目もくれず、いかにこれまでの政府案と違う案にするかという場所探しに明け暮れているんです。我々は、各委員会で何度も質疑を行っております。あなたを初め担当閣僚から、普天間移設問題に対する安保論や専門的、具体的な内容について答弁を得たことは一度もありません。
 当初は、何か新しい別の考えもあるのかな、このように思っておりましたが、結局のところ、何にもわかっていない、理解をしていない。私は、最近、そう確信をしているところです。
 総理、あなたは、辺野古現行案を検証すると言いながら、現行案をあなたが採用できない理由を一度も語っておりません。抑止力の維持、負担の軽減、それぞれの観点からあなたが普天間基地移設問題の現行案を受け入れられない理由を説明していただきたいと思います。
 そして、驚いたことに、きのうの党首討論で、あなたは、もし年末に現行案で決着させていたら、工事の際に反対運動が起こり、数年間は何も動かなかっただろう、このように発言しました。これはどういうことですか。
 あなたは、これまでの日米両政府間のすべての経緯、歴代総理が何度も沖縄に足を運んで、沖縄の人々、知事や市長、議会とした約束を、当てにならない計画だった、約束だったと言うんですか。これまでの十三年の努力を否定して、国と国との約束である現行案を、実現できない案だったと言うのでしょうか。しかも、そのように思っている、実現できないと思っている案を、アメリカに、やると答えたんですか、あなたは。このことを私は絶対に見逃すわけにはいかないと思います。
 環境アセスメントの最終段階まで来ました。いよいよこれから工事が始まる寸前で、あなたたちがとめたんです。民主党政権がとめたんです。それを地元の反対のせいにするのか。
 辺野古の海の埋め立てに反対と言いますけれども、地元では、住民の危険性の除去のために、逆に、今の案を五十メーター沖に出してくれという要望まであることを、多分あなたは知らないんでしょう。
 あなたの発言は、沖縄の人たち、そして今までのことを全く信用していない、すべての関係者を愚弄するものです。これは絶対に許せません。沖縄の皆さんに対して謝罪の上、きのうの発言を撤回してください。
 ところで、社民党党首の福島みずほ大臣、昨年十二月の初め、鳩山総理に対し、現行案を閣議決定するならば、社民党にとっても私にとっても重大な決意をしなければならないと述べられました。
 この重大な決意とは、連立政権からの離脱も辞さないという覚悟だったんでしょうか。福島大臣にお尋ねします。
 そして、その上で、先月下旬、社民党は沖縄県内に新たな基地をつくることに明確に反対と言いつつ、鳩山政権が県内移設を決めた場合の閣僚としての対応については、社民党一〇〇%の政権ではないと、明言を避けられました。
 現在、福島大臣は、社民党として反対であっても、鳩山政権が決めた移設案には閣僚としてサインをするという、まさに閣僚としての覚悟を決めておられるということなんでしょうか。重ねて大臣にお尋ねします。
 そして、政府はいまだに政府案を発表できず、鳩山総理は腹案があると言われますが、三月末に出すはずのものがいまだに出てきません。徳之島で大反対集会が開催されたように、これから普天間問題を受け入れようという自治体は皆無というのが現実です。
 総理、ここで、冷静になって、客観的な政策判断をしませんか。
 あなたが五月末までに決着をさせると言う三つの合意。まず第一、アメリカは現行案であれば同意するんではないですか。二つ目、連立与党は総理が決断すれば決められるんではないですか。これで二つの合意が成り立ちますよ。そして残りは、最後、三つ目、地元の同意。これは難しい。しかし、地元の声はしっかり受けとめなければならないと思います。
 でも、いいですか、現行案の受け入れ自治体である名護市議会の意見書をよく見るべきなんです。
 名護市議会は、キャンプ・シュワブ陸上案反対の意見書を全会一致で可決しました。でも、現行案である沿岸部案については触れず、陸上案に限って反対する意見書になっているんです。簡単に受け入れるわけはありません。でも、地元には、これまで受け入れを容認していた人たちもたくさんおられるんです。
 あなたが、まさに政治生命をかけて、国策遂行のために、不退転の覚悟で、これまでのことを謝罪し、誠心誠意お願いをすれば、針の穴を通すような道ではありますが、合意も得られる余地もあるのではないですか。
 普天間の移設先として、唯一現実的、実行可能な解決策は、現行案を進めることなんです。鳩山総理、勇気を持って国のために決断することはできませんか。総理の見解をお尋ねします。
 また、普天間問題には、現在、五月末に決着という期限が総理自身によって設定されています。そもそも、この問題の決着を五月末を期限とする根拠は何なのでしょうか、どのような理由で設定されたのでしょうか。お答えください。
 その上で心配すること、それは、この五月末の期限が法的に決まっているわけではないということです。
 まさか、鳩山総理、あなたは、また言葉遊びでこれまでの約束を変えないでしょうね。
 連立与党、米国政府、そして地元のすべての合意を得て普天間基地の移設先を五月までに決着させる、これが五月末までに決めることですよ。方針が示されたり、案が提示されたり、それから、協議に入っただけで決着とは言わないんですよ。もう一度、この本会議場で、この国会の場で宣言してください。
 そして、あなたは、五月末決着に、覚悟を持って臨む、命がけで行動すると再三発言しております。ところが、その覚悟が全く伝わらない。
 命がけと言えば、政権の命運をかけ、政治生命をかけると我々は受け取るんです。うまくいったときのことは問題ないんです。だめだったときに、だめなときにどうするか。自分の身を捨ててでも何としても実現したい、そういう覚悟を相手に伝えてこそ、この不可能が可能になるのではないでしょうか。うまくいかなかったときの態度を表明しなければ、あなたの真剣な気持ちは伝わりません。
 あなたの、この問題にかける、問題解決にかける姿勢をお聞かせください。
 ところで、総理、あなたは、日本という国家を守る責任があります。国家には国民があり、領土を守り、そして主権を確立させることで国家が成立します。
 今、日本の領土である竹島で大変なことが起きようとしています。韓国は、竹島のヘリポートを三十年ぶりに改修する工事を発注しており、九月には工事を完了すると言われております。その後、竹島沖合一キロ先の浅瀬に地上十五階建て相当の海洋科学基地を建設する計画があると韓国国内で報道されているんです。
 私は、このことを外務委員会で再三にわたって外務大臣に質問しておりますが、外務省は、この報道が事実であることを認めつつ、個別外交案件だとして、対応しているか、今後どうするのか、一切明かしません。
 我が国の領土、領海に他国が勝手に工事をしようとしている、岡田大臣は、このことを知った上で韓国を訪問し、外相会談を行っても、議題に取り上げようともしない。鳩山総理も、首脳会談を二度やっているけれども、今まで一度も竹島問題を取り上げていない。一体、日本政府は何をやっているんですか。
 鳩山総理、ヘリポートの改修工事と海洋科学基地の建設計画について、韓国政府に直ちに抗議をして、そしてそれを国民に公表すべきではありませんか。
 外務省のホームページには、竹島は日本の領土である、そして韓国に不法占拠されている、このように明記されているにもかかわらず、岡田大臣は、再三にわたる私の質問に、ついに、不法占拠という言葉を口にしませんでした。
 総理、あなたは、韓国による竹島の不法占拠を認めますか。その上で、ヘリポートの改修工事と海洋科学基地の建設計画の即時中止を求める外交交渉の場を早期に設けるべきだと思いますが、総理、お考えをお聞かせください。
 以上で、私の質問、普天間問題及び竹島問題について、満足ある答弁がいただけなかった場合は再質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。(拍手)
    〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇〕
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 新藤議員の御質問にお答えいたします。
 まず、公判終了後の資料の国会提出についてお尋ねがございました。
 これは何度も国会で答弁を申し上げておりますが、検察に任意提出した資料は、返還後、みずからの資金管理の抜本的改革を目的として、弁護士に分析、検証してもらいます、そして、どの部分をどのように公表するかは弁護士と相談をいたします、プライベートな部分については必ずしも公表する必要はないと考えていると再三申し上げてきたところでございます。
 また、当然、検察に提出した資料について、国会に提出するよう野党から要請があることは承知をしておりますが、これは国会のしかるべき場で議論をして、また決定をしていただきたい旨お答えを申し上げているところでございます。
 個人として申し上げれば、提出資料につきましては、検察がすべてを調べ、その上で処分を下した、そのように理解をいたしているわけでございます。そして、政治資金規正法にかかわる事項については、当然、裁判終了後に精査をして、しかるべき時期に訂正をし、その内容は公表されると考えております。
 続いて、核セキュリティーサミットの意義及び成果についてのお尋ねがございました。
 アメリカの同時多発テロ以降、核物質等を用いたテロは現実の脅威でございます。国際社会は、この問題に対して、手おくれになる前に果敢に行動されなければなりません。
 核テロに対処するために、主要国の首脳が今次サミットに結集をし、コンセンサスでコミュニケ及び作業計画、これを採択したことは画期的であったと思っておりまして、今後、コミュニケ及び作業計画に基づいて核テロ対策が国際的に一層強化されることが期待されます。
 オバマ大統領との意見交換についてのお尋ねがございました。
 報道の逐一にコメントすることはいたしません。
 オバマ大統領は、核セキュリティーサミットで冒頭発言を行う首脳として、私に発言してほしいと依頼がございました。同盟国である日米両国が協力をして核軍縮・不拡散問題に取り組んでいることを示すことができたと考えております。
 また、オバマ大統領は、会議のホストとして多忙であった中で、自分と会う機会を設けるためにワーキングディナーで隣り合わせをしたと理解をしておりまして、冷遇や不信感のあらわれだとは理解をしておりません。
 十分間の、オバマ大統領との二人だけでじっくり話をすることができたわけでありますが、その中で、会談時間の長短で重要性が決まるわけではありませんで、普天間の飛行場の移設問題について自分の思いを直接正しく伝えることができたことを意義があったと、私はそのように考えております。
 普天間の飛行場の移設問題で現行案を受け入れられない理由についてのお尋ねであります。
 アジア太平洋地域には依然として不安定、不確実な要素が存在をしており、アメリカの海兵隊を含む在日米軍の抑止力は我が国の安全保障にとって重要だと考えています。
 一方では、沖縄の皆様方の大変な御負担を考えたときに、抑止力を維持しながらも、現行案よりもさらに一層の軽減を図る道はないかという思いのもとで今日まで努力をしているところでございます。
 現行案を進めた場合の地元の反対について御質問がございました。
 旧政権のもとで、普天間の飛行場の移設に関して一定の合意があったことは理解をいたしております。
 ただ、他方では、辺野古の海を埋め立てるということに対しては、沖縄の県民のみならず、日本の多くの国民の皆さんが懸念を表明していたことも、これもまた事実でございます。したがいまして、もしこの中で強行をしておったら、結果としてうまく話が進まなかったのではないか、そのような判断をいたしたのでございます。
 沖縄の皆さん方を信用していないのではありません。むしろ、沖縄の皆様方の御負担を少しでも和らげたい、その思いのもとで努力をしているところを御理解願いたい。
 現行案を進めることについての御質問でございます。
 普天間の飛行場の移設問題については、沖縄県民の負担軽減、普天間飛行場の危険性の除去の原点に立って、安全保障上の観点をも踏まえながら、連立政権の考え方として、沖縄を初め国民の皆さんの理解を得ながら、地元と米国の理解を求めて、五月末までに具体的な移設先を決定いたします。
 沖縄の皆様方の大変な御負担を考えたときに、現行案よりもさらに一層の軽減を図る道はないかという思いのもとで今努力をしているところであることで御理解を願いたい。
 普天間の基地の移設問題の決着時期でございます。
 移設問題については、いたずらに時間をかけるべきではありませんが、沖縄の県民の皆さんの理解を得ながら、アメリカ側とも十分にすり合わせをして結論を出さなければなりません。したがいまして、期限を切って精力的に検討をするという観点から、昨年の十二月の時点から考えて、おおむね半年をめどとしたものでございます。
 普天間の飛行場の移設問題については、沖縄県民の負担の軽減、普天間飛行場の危険性の除去の原点に立って、安全保障上の観点も踏まえつつ、連立政権の考え方として、沖縄を初め国民の皆さんの御理解を得ながら、地元とアメリカの理解も求めて、五月末までに具体的な移設先を決定することとしており、その決意に何ら変わりはありません。
 普天間の飛行場の移設問題の解決に向けた姿勢についてのお尋ねでありますが、内閣総理大臣として、当然覚悟を持って全力を挙げて取り組んでおりまして、それ以上申し上げる必要はないと考えます。
 竹島のヘリポート及び海洋科学基地に関する韓国政府とのやりとりについてのお尋ねであります。
 本件を含めて、竹島の領有権に関する我が国の立場は、適宜適切な機会に韓国政府に対してしっかりと申し入れを行っております。
 本件については、韓国政府との間で現在やりとりを行っているところでもあり、詳細について明らかにすることは差し控えたいと考えます。
 竹島の現状認識については、竹島の領有権に関する我が国の立場は一貫をしております。
 竹島のヘリポート及び海洋科学基地に関する外交交渉についてのお尋ねであります。
 本件を含め、竹島の領有権の問題に関しての我が国の立場は、適宜適切に韓国政府に対してしっかりと申し入れを行っております。
 今後とも、本件を含めて、竹島問題の平和的解決を図っていくために、より有効な方策を不断に検討しながら、この問題に関しては、まさに粘り強く努力をしていかなければならないと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
    〔国務大臣福島みずほ君登壇〕
○国務大臣(福島みずほ君) 新藤議員にお答えします。
 三党で取り決めた政策合意にある沖縄県民の負担軽減実現のために、社民党党首として、そして内閣の一員として、鳩山総理のおっしゃっている国外、最低でも県外への移設が実現できるよう、懸命に努力をしているところです。
 社民党は、グアムまたは受け入れを表明しているテニアンへの移設を提案しています。最近、北マリアナ連邦上院では、テニアンが最適地であるとし、受け入れを決議いたしました。下院では、来週二十七日にも決議をする予定と聞いています。受け入れに賛成しているところもあるということは、国外移転の可能性が十分にあるわけで、社民党は、国外移転を申し入れているところです。
 そして、前政権で取り決めた辺野古の沖に決着するなどという重大な局面が来ないよう、沖縄県民の皆さんにも御理解いただけるような最終案になるよう、今後も懸命に努力していく所存です。重大な決意をしなくても済むよう、頑張ってまいります。(拍手)
○議長(横路孝弘君) 新藤義孝君から再質疑の申し出がありますが、残りの時間がごくわずかでございますので、簡単にお願いいたします。新藤義孝君。
    〔新藤義孝君登壇〕
○新藤義孝君 時間がなくなりましたので、端的に申します。
 総理、あなたの外交下手がどれだけこの国の安全そして国益を損ねているのか、そのことをあなたはもっと考えなければいけないと思うのです。あなたのその耐えられない言葉の軽さ、言葉の軽さを何とか直してもらわないことには、そして不退転の覚悟を示してもらわなければ、この問題は先に進みません。
 今、韓国の問題だけではありません。中国もロシアも北朝鮮も、すべて強硬手段に出てきていますよ。それは、すべて日米の安全保障体制が弱くなってきたことに起因しているのではないですか。
 だから、普天間問題は、一普天間問題だけではなくて、日本全体の国益にかかわることなんです。
○議長(横路孝弘君) 新藤義孝君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
○新藤義孝君(続) だから、その問題に対して不退転の覚悟を持って頑張るとなぜ言えないのか。だめだったらばやめる、その覚悟で頑張れ、それを私はお願いして、もう一度答弁いただきたいと思います。
 韓国のことは絶対に追及していきますからね。勝手にさせない、このことを我々は申し上げて、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇〕
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 再質問にお答えをいたします。
 私は、外交問題においてもあるいは内政問題においても、一つ一つしっかりとして、覚悟を持って取り組んでおります。それ以上申し上げることは必要ないと考えます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(横路孝弘君) 遠山清彦君。
    〔遠山清彦君登壇〕
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦です。
 私は、公明党を代表し、鳩山総理の訪米報告に対し、質問させていただきます。(拍手)
 質問に入る前に一言申し上げます。
 今、鳩山内閣の支持率は急落しておりますが、その背景には、民主党政権は内政のみならず外交においても失政を重ね、国益を損ねていると多くの国民が痛感をしていることが、間違いなくございます。
 グローバリゼーションが進む今日、経済産業分野では日本の国際競争力が問われ、安全保障分野では国際テロリズムへの対処能力が問われ、環境や核廃絶の分野で日本のリーダーシップが問われている中で、鳩山政権の外交ビジョンの欠如と場当たり主義的な戦略性のない対応に、多くの国民が、今、大きな失望と不安を感じております。
 総理がこのたび訪問された日本の最重要パートナーである米国でも同様です。総理の訪米に関し、米国有力紙コラムが総理のことを最大の敗北者、哀れでますますいかれていると酷評したことに関しては、その非礼に対し、私も怒りを禁じ得ません。あの記事を読んだときは、率直に、本当に悔しいと思いました。
 しかし、小泉内閣時代に外務大臣政務官をさせていただいた私としても、なぜここまで日本の首脳外交が米国メディアに軽く見られるようになったのか、その原因も考えざるを得ませんでした。そして、やはり、その第一の原因は、普天間問題に象徴されるように、また昨日の党首討論に如実にあらわれているとおり、鳩山総理、あなた自身の一貫して混乱した言動にあると言わざるを得ないわけでございます。
 第二次世界大戦直後に英国アトリー内閣で外務大臣を務め、国民の尊敬を集めたアーネスト・ベヴィンは、外交政策とは、良識、コモンセンスや人間性の上に成り立っていると語っております。幕末維新期に日本で活躍した英国外交官アーネスト・サトウも、外交とは知性と機転の応用という言葉を残しております。
 鳩山総理におかれましては、これらの言葉を深く胸に刻まれ、国際外交舞台で動かれる際には、ぜひとも国際社会のリーダーたるべき日本の内閣総理大臣にふさわしい良識と人間性と知性と機転を持っていただきたい。今さらのお願いでございますが、切にお願いを申し上げる次第でございます。
 それでは、質問に入ります。
 今回米国で開催された核セキュリティーサミットは、核兵器や核物質を使った国際テロリズムという重大な現実の脅威について、世界四十七カ国の首脳が初めて協議し、共同声明を出したという意味においては、まことに画期的でございました。しかし、その真価が問われるのは、これからの各国の具体的な取り組みであります。
 我が国に求められる取り組みは、国内における核物質の防護及び管理徹底は当然として、不透明な核開発を進めている国々や、これからエネルギー供給源としての原子力利用を始めようとしている国々への適切な働きかけや支援であると考えます。
 この点で、まず伺いたいのは、核開発疑惑の絶えないイランや、既に二回の核実験を実施している北朝鮮への対応です。
 両国は、これまでに核のやみ市場にも関与した疑いがあり、核セキュリティーを担保する上で看過できないことは明白です。サミットの成果も踏まえ、日本政府として、両国政府にどのような働きかけを行う意向なのか、総理の見解を具体的に示されたい。
 また、サミット参加国の中には、核兵器を保有しているとされるイスラエル、インド、パキスタンが含まれておりますが、これらの国々の核問題は、サミットでは不問に付されました。核セキュリティーの観点から、これも看過できない問題であります。
 特にパキスタンは、国際テロ組織アルカイダや、隣国アフガニスタンで米軍と交戦しているタリバンの活動拠点の存在が強く疑われており、核が奪取されるリスクが他の地域より格段に高いとの指摘もございます。
 来月には、五年に一度のNPT再検討会議の開催も予定されており、核不拡散、核軍縮を推進してきた日本として、今は、まさにこれらの国々の核問題を取り上げる好機と考えます。NPT再検討会議を視野に、政府としてどのような対処をされるのか、総理の答弁を求めます。
 また、現在、原子力発電所の新規導入を検討している国の数は約六十と言われておりますが、そこには多くのアジア諸国も含まれております。原子力エネルギーの平和利用については、今回のサミットの共同声明も容認しておりますが、私は、あえて二つの懸念を表明しておきたいと思います。
 一つは、原発利用国が飛躍的にふえることで、世界のプルトニウム及び高濃縮ウランの総量も増大し、結果として核セキュリティーを阻害することになるのではないかという懸念であります。
 既に、今日、世界には核爆弾に換算して二十三万発余りに相当するプルトニウム、高濃縮ウランが存在します。これは、既に兵器化されている核爆弾約二万発の実に十倍の総量であります。この総量を規制せず、さらにふやした場合、安全保障上のリスクが相対的に高まることは避けられません。
 もちろん、発電源としての原子力が即軍事的脅威を意味するわけではありません。しかし、原子力の平和利用の国際的な普及拡大と核セキュリティーの確保という、二つの政策目標の間に一定の矛盾が内包されているという認識を持っておくことは重要だと考えますが、この点についての総理の考え方をお聞きしたいと思います。
 二つ目の懸念は、これから原発を導入しようという国が政治的に不安定な場合、核管理が脆弱になり、テロリスト等への核流出の危険性が増すという問題です。
 この点、日本はアジア地域でかぎを握っていると言っても過言ではありません。既に、前政権時代の平成十八年十一月、日本はアジア諸国を対象とした核セキュリティー強化のための国際会議を開催しており、その第二回目の会合も本年一月に開かれております。これらの実績を踏まえ、総理もサミットの席上、アジアの核セキュリティー強化のための総合支援センターの設置を提唱されておりますが、その予算規模や活動期間、育成される人材の数などは必ずしも明らかにされておりません。この場で、これらの点について明快にお答えいただきたいと思います。
 次に、鳩山総理がサミットで提唱された、もう一つの具体的取り組みである核鑑識技術の開発について伺います。
 核鑑識とは、盗まれたり、不正取引された核物質の同位体の比率等の物理的データをいわば指紋として活用し、その流出元を特定するという極めて高度な技術であると理解しております。
 ただし、この技術が実用化される前提として、各国に存在する核物質のデータベースを構築し、照合することが不可欠であります。この点、各国が保有する核兵器や核物質のデータを本当に日本が入手できるのか否かが成否を決めるわけであり、この見通しについて、総理の見解を伺いたいと思います。
 サミット関連で最後の質問ですが、核セキュリティー確保の上で、それと表裏一体をなす政策は、やはり核軍縮であり、核廃絶と考えます。
 今、核兵器超大国であるアメリカ合衆国大統領が核のない世界を主張し、ノーベル平和賞を受賞する時代となりました。冷戦時代では想像もできない変化であります。公明党も、結党以来、一貫して悪魔の兵器とも呼べる核兵器の廃絶を訴えてまいりました。
 次回、二〇一二年の核セキュリティーサミットの開催国は韓国に決まりましたが、私は、核兵器廃絶を主題としたサミットを被爆国である日本が提唱し、広島及び長崎で開催するようなドラスチックな外交イニシアチブをとる段階に来ているのではないかと感じてなりません。ぜひこの会議を開催すべきと考えますが、総理の御決意を伺います。
 さて、鳩山総理は、米国滞在中に、オバマ大統領と十分間の非公式会談を持たれたと伺っております。通訳を入れて十分間ですから、正味約五分間の会談であったと推察します。
 そのたった五分間の中身は、外務省の説明では、総理から、普天間基地移設問題に関しての大統領への協力要請、オバマ大統領から、イランの核問題に関する提案があったとのことです。しかし、遺憾なことに、総理の発言に対してオバマ大統領がどのような反応をしたのか、政府より全く説明がなされておりません。総理の先ほどの御報告の中では、普天間問題について意見交換したとなっておりましたが、本当に双方向の会話をされたのでしょうか。
 改めて総理に伺いますが、オバマ大統領は総理の協力要請に対し同意なされたのか否か、それとも総理の発言は実は無視されて終わってしまったのか、ここで明快な答弁をいただきたいと思います。
 今、沖縄県民を初め日本国民の大多数、そして米国政府も、普天間問題についての総理の発言を全く信用することができなくなっております。本当に五月末までに決着をする、結論を出す覚悟がおありなのですか。平野官房長官の御説明される決着と総理の御説明される決着と意味が違うと感じているのは、もはや私一人ではないと思います。総理のおっしゃる決着とは、五月末までに、日米両政府、沖縄県及び移設先となる地域の地元住民の合意を得て、普天間基地の具体的な移設先を決定することである、そういうことを意味するのか、イエスかノーかで簡潔明瞭にお答えください。
 昨年の総選挙前に最低でも県外と約束して政権についた鳩山総理に対する沖縄県民の期待が日増しに強まっていくのを、私は、沖縄の地で肌身で感じてまいりました。
 ところが、鳩山内閣の関係閣僚の言動は、県民の期待を裏切るものばかり。特に、鳩山総理、あなた自身の発言がどれだけ多くの県民を落胆させ悲憤慷慨させてきたか、想像したことがおありでしょうか。先日も、総理御自身の北海道の支援者の前で、普天間なんて、皆さん、知らなかったでしょうなどと無節操なことをおっしゃっていることからすれば、きっと県民の苦しみを想像したことなどないと思います。このどこが友愛政治、友愛外交なのですか。
 もはや、鳩山内閣は、総理御自身の言動により看板倒れ内閣、裏切り内閣になりかかっていると言わざるを得ません。
 もう一つ、鳩山総理は、三月三十一日の党首討論で、基地問題について、とことん議論を地元の皆様とも行ってまいりたいとか、車座の対話集会のようなものをやりたい、こういう意向を大きな声で語られました。しかし、鳩山総理は、総理就任後、一度も沖縄に来ておられません。一体いつ来られるのでしょうか。
 私から、沖縄県民に成りかわって御提案申し上げたい。
 総理も御承知のとおり、きょうから三日後、四月二十五日、沖縄県読谷村で普天間移設に関する県内移設反対の県民集会が開催されます。私も参加する予定でございますが、ぜひ鳩山総理にも御参加をいただきたいと思います。
 この集会には、数万人規模の沖縄県民が集うと言われております。御多忙な総理にとって、より多くの県民の声を直接聞くまたとないチャンスであります。お望みなら、車座の対話集会だってそこで幾らでもできます。勇気を持って御参加いただけるかどうか、イエスかノーではっきりとお答えください。これは仮定の質問ではありません。予定されている会合への参加を求めておりますので、明快な答弁を国民の前で、沖縄県民の前でおっしゃっていただきたいと思います。
 鳩山総理御自身が覚悟や命がけという言葉を多用されているから、十分御自覚されておられると思いますが、もはや、普天間基地問題は単なるシングルイシューではありません。総理の総理としての命運が尽きるか否か、それがかかっているキーイシューになっている。ぜひ、総理におかれましては職を賭してこの問題に当たっていただきたいということを申し上げ、私の代表質問を終わらせていただきます。(拍手)
    〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇〕
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 遠山議員にお答えをいたします。
 まず、イランや北朝鮮の核開発問題への対応についての御質問でございます。
 まずは、北朝鮮については、六者会合が早期再開されること、そして、北朝鮮の核放棄に向けて、引き続いて、国連安保理決議の着実な履行を含めて、関係国と緊密に連携をしていくことが不可欠だ、そのような認識をしております。
 イランに関しましては、国際社会の懸念にこたえていないという状況の中で、イランの核問題の平和的・外交的解決に向けて、より強い対応を検討する必要があると考えております。同時に、我が国としては、イランとの独自の関係に基づいてさまざまな働きかけをこれまでも行ってまいっておるところでございますが、これからも継続をいたしていきます。
 NPTの非締約国との関係についてのお尋ねでございます。
 NPTの枠外にとどまるインド、パキスタン、そしてイスラエル、この三カ国の問題は大変重要であります。我が国は、この三カ国が非核兵器国としてNPTに加入することをこれからも粘り強く追求してまいります。
 NPT運用検討会議におきましては、まさにこの非核兵器国がNPTに、いわゆる三カ国が加入することを追求する意味での条約の普遍化ということも重要な論点になってまいります。したがいまして、このような条約の普遍化という議論を通じて、前向きな合意を得られるようにリーダーシップを発揮しなければならないと考えております。
 原子力の平和利用の普及拡大と核セキュリティーについてのお尋ねでございます。
 原子力の平和利用の国際的拡大に伴い、防護の対象となる核物質の量が増加する見込みであり、核セキュリティーの確保が一層重要になってきておりますことは、お尋ねのとおりでございます。
 したがいまして、先般のサミットでは、このような考えに基づいて、我が国の具体的な貢献策を、先ほども申し上げましたけれども、表明をいたしたところでございます。また、採択されたコミュニケと作業計画では、可能な場合には、高濃縮ウランではなく低濃縮ウランを使用することを検討することが確認をされております。
 今後とも、核セキュリティーが国際的に一層強化されるように、関係国としっかりと協力をしてまいります。
 総合支援センターについての御質問がございました。
 このセンターは、アジアを初め世界各国の核不拡散、核セキュリティー分野の人材育成に貢献することが目的でございまして、本年中に核セキュリティーに関する訓練コースをまず開始する予定でございます。さらに、御指摘の予算規模などについては、今後早急に詰めて、本センターの本格稼働に向けて取り組んでまいりたいと考えておりまして、現在のところ、予算規模など、早急に決めるという状況であることを御理解願いたいと存じます。
 核鑑識のための核物質データベースについてのお尋ねでございます。
 このデータベースの構築のためには、国際原子力機関、IAEAやアメリカなどと連携をしながら、国際的な協力体制の中で対応することが必要でございます。
 まさに、今後、核鑑識の技術開発とあわせて、国際連携をさらに深めることによって、データ取得に最大限努めていきながら、より充実した核鑑識システムの実現を目指してまいりたいと考えております。
 現在、御案内のとおり、日本が十分なデータベースを持っているというわけではありません。主として、これはアメリカが持っているデータベースであるわけでございます。こういったデータベースを利用する、そのための日米での協力というものが不可欠だということを申し上げておきます。
 核廃絶のための国際会議についての質問でございます。
 まずは、NPT運用検討会議で前向きな合意を達成できるように、リーダーシップを発揮することが重要でございます。
 日本は、唯一の戦争による被爆国として、核廃絶に向けて行動していかなければならない。これは、道義的責任を有するということを何度も申し上げているところでございます。
 その意味において、日本として、広島及び長崎でサミットを開催すべきであるという一つの御提案、これは傾聴に値する御提案だと思っておりますが、こういった御提案も踏まえながら、こういった考え方を国際会議に広げ、核廃絶に向けて、先頭を切って走ってまいらなければならないと考えております。
 オバマ大統領との意見交換についてのお尋ねでございます。
 核セキュリティーサミットのワーキングディナーの席上、冒頭でありますが、十分間、オバマ大統領と二人だけでじっくりと話を行うことができたわけでございます。
 自分として、日米同盟を一層深化、発展させたいと述べて、さらに、そのためにも、普天間の飛行場の移設問題に関しては今努力しているところであるけれども、この問題に関しては岡田外務大臣とルース大使との間でよく協議をさせてまいりたいので、オバマ大統領にもぜひとも協力を願いたい、そして、必ず五月末までに決着をしたい、その旨を述べたところでございます。
 言うまでもありません。オバマ大統領との間で双方向の議論をいたしたわけでございますが、これは信義の関係で、大統領がどのようなことを申し上げたということをこの場で申し上げることができないことを御理解願いたい。
 普天間の飛行場の移設問題についてのお尋ねでございます。
 普天間の飛行場の移設問題については、沖縄県民の負担軽減、普天間の飛行場の危険性の除去の原点に立って、安全保障上の観点を踏まえつつ、沖縄を初め国民の皆様方の御理解をいただいて、地元とアメリカの理解を求めて、五月末までに具体的な移設先を決定する、これは何度も申し上げているとおりでございまして、改めて申し上げておきます。
 沖縄県で開催される県民大会に関して質問をいただきました。
 四月二十五日に、米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と、県内移設に反対し国外・県外移設を求める県民大会が開催されるということは承知をしております。
 私自身といたしましては、現地の皆様方の声を十分に伺いたいと考えておるわけでございまして、しかるべきタイミングが参りましたときには、必ずそのようにしたいと考えております。
 以上であります。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(横路孝弘君) 赤嶺政賢君。
    〔赤嶺政賢君登壇〕
○赤嶺政賢君 私は、日本共産党を代表して、総理の訪米報告に関して質問します。(拍手)
 総理は、オバマ米大統領との会談で、米軍普天間基地の問題に関して意見交換したとしていますが、総理は、この会談にどう臨み、何を主張したのですか。
 昨年九月の政権発足以降、鳩山内閣は、従来の日米合意にかわる新たな移設先の検討を進めてきました。米軍嘉手納基地、キャンプ・シュワブ陸上部、与勝半島沖合、徳之島など、次々と移設先を挙げてきましたが、どの地域でも自治体ぐるみの強い反対と怒りの声が巻き起こり、移設先探しは完全に袋小路に陥っています。
 なぜこのような事態に陥っているのか。それは、根本が間違っているからです。
 一九九五年の米海兵隊員による少女暴行事件と、これに抗議して開かれた沖縄県民大会を契機に、日米両政府は普天間基地の全面返還に合意しました。あれから十四年が経過しましたが、いまだに返還は実現していません。普天間基地にかわる新たな基地の建設が条件とされたからにほかなりません。
 沖縄県民は、九六年十二月のSACO合意以降、基地の県内たらい回しに一貫して反対してきました。
 日米両政府が、名護市辺野古に新基地を建設しようとしたのに対し、名護市民は、九七年十二月の市民投票で、明確に反対の意思を示しました。
 ところが、当時の政府は、これを無視し、振興策によって住民を分断し、基地を押しつけようとしたのであります。海上ヘリポート案、軍民共用空港案、L字形沿岸案、V字形沿岸案へと、建設計画は何度も変更を余儀なくされ、破綻に追い込まれました。
 そして、ことし一月の市長選挙で、辺野古の海にも陸にも基地はつくらせないと公約した稲嶺氏が当選し、市民の決定的審判が下されたのであります。
 キャンプ・シュワブ陸上部に基地を建設することは、この住民の意思を真っ向から否定するものです。しかも、住宅地に接近し、小中学校や国立高専の上空を米軍ヘリが飛行することになります。普天間の爆音を辺野古に移すだけではありませんか。
 与勝半島沖合は、日本一のモズク生産地であり、豊かなサンゴ礁も存在している海域です。この海域を埋め立て、面積は普天間基地の二倍、三千メートル級の滑走路を複数持ち、軍港機能も備えた巨大な要塞基地をつくることになれば、貴重な自然も住民の生活基盤も破壊されることになります。
 うるま市長、市内五つの漁協が反対を表明し、県民からは、正気のさたではないとの声が上がっています。
 あの狭い島に、新たな基地を建設する場所などないのであります。戦後六十五年間、米軍基地の重圧に苦しめられてきた沖縄で新たな基地を建設するなど、到底認めることはできません。
 沖縄県議会は、ことし二月、県内移設断念を求める決議、意見書を全会一致で可決しました。総理は、沖縄県民の総意を正面から受けとめ、県内移設をきっぱり断念すべきではありませんか。
 徳之島にヘリ部隊を移転する案も検討されていますが、四月十八日、島の人口の六割に当たる一万五千人が結集して、米軍基地の移設に反対する集会が開かれました。長寿、子宝、いやしの島に米軍基地は要らないという住民の明確な意思を突きつけました。
 徳之島は、戦後八年間、米軍の直接統治下で苦しめられ、祖国復帰闘争の歴史を持つ、沖縄とは兄弟島の関係にある島です。そうした歴史を持つ島が米軍基地の移設に反対するのは当然です。このような検討は直ちに中止すべきです。答弁を求めます。
 今、政府がやるべきことは、移転先探しにきっぱり終止符を打つことです。そもそも、沖縄の米軍基地は、国際法にも違反して、住民の土地を強奪してつくられたものです。このような基地は、無条件で返還を求めるのが当然ではありませんか。
 総理は、普天間基地の代替施設なき返還を求めた野党時代の言明を、政権についた今こそ実行に移すべきです。明確な答弁を求めます。
 政府は米軍の抑止力が必要だと言いますが、戦後六十五年間、沖縄県民は、抑止力の名のもとに、人権をじゅうりんされてきました。九五年の暴行事件で被害を受けた少女は、十五年の歳月がたとうとしている今も、この傷に苦しんでいます。こうした事件は氷山の一角にすぎません。米軍機による爆音被害も、墜落も、演習による流弾も、原野火災も繰り返されているのです。抑止力の名で、このような状態を放置することは許されません。
 しかも、海兵隊は、日本防衛のために駐留しているのではありません。イラクやアフガニスタンなどの戦場に殴り込みをかける海外遠征部隊です。世界の平和を脅かす海兵隊は、撤退を求めるべきです。
 軍の論理より民の尊厳を、犠牲の上に立つ同盟なしという沖縄の叫びを、総理は認識すべきであります。
 以上、普天間基地の即時閉鎖、無条件撤去を求め、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇〕
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 赤嶺議員の御質問にお答えいたします。
 まず、オバマ大統領とのやりとりについてのお尋ねがございました。
 普天間の飛行場の移設問題に関しましては、私の方から、今努力をしているところであり、岡田大臣とルース大使との間でよく協議をしてまいりたい、したがって、オバマ大統領にもぜひ御協力を願いたい、五月末までには結論を出すということを述べ、この思いのもとで努力をしていくということになりました。
 約十分間の意見交換ではございましたが、二人だけで話ができて、自分の思いを直接大統領に伝えることができたと考えております。
 普天間の飛行場の県内移設の断念に関する御質問でございました。
 本年の二月二十四日、沖縄県議会において、米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と県内移設に反対し、国外・県外移設を求める意見書が全会一致で可決されたことは、沖縄県民の皆様方の民意のあらわれの一つだ、そのように理解をいたしております。
 したがいまして、普天間飛行場の移設問題につきましては、沖縄県民の皆さんの負担軽減、普天間飛行場の危険性の除去の原点に立って、安全保障上の観点も踏まえながら、沖縄を初め国民の皆様方の理解を得ながら、地元と米国の理解を求めて、五月末までに具体的な移設先を決定するということにいたします。
 普天間飛行場の徳之島移設に関するお尋ねでございます。
 米軍基地移設断固反対一万人集会が開催されたことは、徳之島の島民の皆さんの民意のあらわれだ、そのようにも理解をいたしております。
 普天間飛行場の移設問題につきましては、そういう民意というものも勉強させていただきながら、真剣に今検討しているところでございます。
 普天間の基地の代替施設なき返還についてのお尋ねでございます。
 日米の協議を経てロードマップに示された現行案で日米が合意する以前の平成十七年七月二十六日の衆議院本会議におきまして、御指摘のような発言をしたのは事実でございます。
 これまで累次答弁を申し上げてまいりましたように、在沖米軍を含む在日米軍の抑止力は、日本の安全保障にとってやはり現在まだ不可欠だと考えております。普天間の飛行場の一日も早い返還を実現するためには、代替施設なき返還は現実的には不可能だ、そのように私どもは理解をいたしております。
 アメリカの海兵隊についての質問でございます。
 我が国に駐留するアメリカの海兵隊は、その高い機動性、即応能力によって、我が国への侵略に対する抑止力として機能をしております。同時に、これは平成十八年の五月の、例えばインドネシアのジャワ島における地震への対応など、地域の平和と安全の確保を含めた多様な役割も果たしております。したがいまして、世界の平和を脅かす海兵隊だという御指摘は当たらないと私どもは認識をしております。
 犠牲の上に立つ同盟などないという御認識でございますが、アジア太平洋地域には依然として不安定、不確実な要素が存在をしており、人権の尊重などの価値を共有し、唯一の同盟国である米国の軍事的なプレゼンスは、我が国の安全保障にとって重要だという認識を政府はいたしております。
 したがいまして、日米安保条約に基づく米軍のプレゼンスは、地域の諸国に大きな安心をもたらすことによって、いわばまさに公共財としての役割を果たしている、そのような認識を政府としてはいたしているところでございます。
 以上です。(拍手)
○議長(横路孝弘君) これにて質疑は終了いたしました。
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○議長(横路孝弘君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時三十三分散会
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 出席国務大臣
       内閣総理大臣  鳩山由紀夫君
       外務大臣  岡田 克也君
       国務大臣  福島みずほ君
 出席内閣官房副長官
       内閣官房副長官  松野 頼久君