第177回国会 本会議 第13号
平成二十三年三月三十一日(木曜日)
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 議事日程 第八号
  平成二十三年三月三十一日
    正午開議
 第一 森林法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 お茶の振興に関する法律案(農林水産委員長提出)
 第三 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件
 第四 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第五 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
 平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する法律案(内閣提出)撤回の件
 日程第一 森林法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 お茶の振興に関する法律案(農林水産委員長提出)
 日程第三 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件
 日程第四 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第五 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 平成二十三年東北地方太平洋沖地震等による災害からの復旧復興に資するための国会議員の歳費の月額の減額特例に関する法律案(議院運営委員長提出)
 情報公開・個人情報保護審査会委員任命につき同意を求めるの件
 預金保険機構監事任命につき同意を求めるの件
 日本放送協会経営委員会委員任命につき同意を求めるの件
 日本銀行政策委員会審議委員任命につき同意を求めるの件
 公害健康被害補償不服審査会委員任命につき同意を求めるの件

    午後零時二分開議
○議長(横路孝弘君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する法律案(内閣提出)撤回の件
○議長(横路孝弘君) お諮りいたします。
 内閣から、平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する法律案を撤回したいので、国会法第五十九条によって承諾を得たいとの申し出があります。本件を承諾するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、撤回を承諾することに決まりました。
     ――――◇―――――
○議長(横路孝弘君) 日程第一とともに、日程第二は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略し、両案を一括して議題とするに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。
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 日程第一 森林法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 お茶の振興に関する法律案(農林水産委員長提出)
○議長(横路孝弘君) 日程第一、森林法の一部を改正する法律案、日程第二、お茶の振興に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告及び趣旨弁明を求めます。農林水産委員長山田正彦君。
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 森林法の一部を改正する法律案及び同報告書
 お茶の振興に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔山田正彦君登壇〕
○山田正彦君 ただいま議題となりました両法律案につきまして申し上げます。
 まず、森林法の一部を改正する法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、森林の有する公益的機能を十全に発揮させるため、森林所有者等が作成する計画について認定要件を追加するとともに、早急に間伐等を実施する必要のある森林の整備を図るための措置の充実、森林施業に必要な路網を設置する際の他人の土地への使用権の設定手続の見直し等の措置を講じようとするものであります。
 本案は、三月二十二日本委員会に付託され、翌二十三日鹿野農林水産大臣から提案理由の説明を聴取した後、昨三十日質疑を行いました。
 質疑終局後、本案に対し、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会、公明党及び社会民主党・市民連合の四会派共同提案により、森林の土地の所有者となった旨の届け出、森林所有者等に関する情報の利用等、伐採の中止命令、国及び地方公共団体が講ずる措置に関する規定を追加すること等の修正案が提出され、趣旨の説明を聴取した後、採決を行った結果、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも全会一致をもって可決され、本案は修正議決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。
 次に、お茶の振興に関する法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 本案は、お茶に関する伝統と文化が国民の生活に深く浸透し、国民の豊かで健康的な生活の実現に重要な役割を担うとともに、茶業が地域の産業として重要な地位を占めている中で、近年、生活様式の多様化その他のお茶をめぐる諸情勢の著しい変化が生じていることにかんがみ、茶業及びお茶の文化の振興を図ろうとするもので、その主な内容は、次のとおりであります。
 農林水産大臣は、茶業及びお茶の文化の振興に関する基本方針を定めることとし、都道府県は、国の基本方針に即し、当該都道府県における茶業及びお茶の文化の振興に関する計画を定めるよう努めなければならないこととしております。
 また、国及び地方公共団体は、茶園に係る農業生産の基盤の整備、茶樹の改植の支援、災害の予防の推進等お茶の生産者の経営の安定のために必要な施策、お茶の加工及び流通の高度化、品質の向上の促進、消費の拡大並びに輸出の促進のために必要な施策、お茶の文化の振興のために必要な施策等を講ずるよう努めることとしております。
 以上が、本案の趣旨及び内容であります。
 本案は、昨三十日、農林水産委員会において、全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決したものであります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
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○議長(横路孝弘君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。
 次に、日程第二につき採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第三 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件
○議長(横路孝弘君) 日程第三、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。外務委員長小平忠正君。
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 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔小平忠正君登壇〕
○小平忠正君 ただいま議題となりました在日米軍駐留経費負担特別協定につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本協定は、日米両国を取り巻く諸情勢に留意し、我が国が在日米軍の維持に伴う経費を負担し、在日米軍の効果的な活動を確保するため、日米間の駐留経費負担の原則を定めた日米地位協定第二十四条についての新たな特別の措置を講じようとするものであります。
 平成二十年に締結された特別協定が本年三月三十一日まで効力を有することとなっていたため、政府は米国政府と交渉を行い、最終合意に達しましたので、平成二十三年一月二十一日、東京において本協定の署名が行われました。
 本協定の主な内容は、
 我が国は、平成二十三年から平成二十七年の会計年度において、在日米軍等のために働く労働者の給与の支払いに要する経費及び在日米軍等が調達する光熱水料の支払いに要する経費を負担すること、
 我が国は、日本側の要請に基づいて、在日米軍の訓練が他の日本国内の訓練場または米国の施政のもとにある訓練場に移転された場合には、移転に伴い必要となる追加的経費を負担すること、
 米国は、これらの経費の節約に一層努めること
等であります。
 なお、本協定は、平成二十八年三月三十一日まで効力を有することとなっております。
 本件は、去る三月二十二日に外務委員会に付託され、翌二十三日松本外務大臣から提案理由の説明を聴取いたしました。次いで、昨日、質疑を行い、討論の後、採決を行いました結果、本件は多数をもって承認すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(横路孝弘君) 討論の通告があります。順次これを許します。笠井亮君。
    〔笠井亮君登壇〕
○笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、在日米軍駐留経費負担特別協定に反対の討論を行います。(拍手)
 討論に入る前に、このたび三月十一日に発生しました東日本大震災の犠牲となられた方々に対し謹んで哀悼の意を表するとともに、被災者の皆さんに心からのお見舞いを申し上げます。
 戦後未曾有の大震災に直面し、今、何よりも優先して、被災者の救援と復旧復興に国の総力を挙げて取り組まなければなりません。そのためには莫大な経費が必要となることは必至であります。
 そうしたときに、今後五年間にわたって総額一兆円もの在日米軍駐留経費を日本が負担することは、到底認められません。
 日米地位協定第二十四条は、「合衆国軍隊を維持することに伴うすべての経費は、」「日本国に負担をかけないで合衆国が負担する」、このことを原則に定めています。駐留軍労働者の基本給や諸手当、光熱水料、米軍の訓練移転費などの経費は、本来アメリカが負担すべきものであり、日本が負担する義務はありません。
 にもかかわらず、特別協定は、一九八七年、アメリカが、当時の急激な円高を口実に、駐留軍労働者の労務費等の負担増を求め、日本政府がその圧力に屈して締結されたものであります。
 当時、政府は、暫定的、特例的、限定的な措置で五年間に限ったものであり、いわゆる思いやりを際限なく広げるという趣旨ではないと説明していました。ところが、その後、二〇一〇年まで二十三年間、合計六回の改定を繰り返し、負担項目と負担額を次々に増大させ、労務費の本体である基本給の負担を初め光熱水料や訓練移転費の負担にまで拡大してきました。日米地位協定第二十四条の原則に反して、いわば別建ての恒常的制度として固定化してきたことが問題なのであります。
 そればかりか、今回の特別協定は、現行協定よりさらに日本側負担を増大させるものとなっています。
 一つは、特別協定の期限を、過去二回の改定で二年間、三年間としていたものを、五年間とし、総額一兆円にしたことです。
 さらに、労務費及び光熱水料の一部を削減すると言いながら、その削減分は米軍住宅への環境対策費に充当することにし、提供施設整備費は増額になり、全体の水準はこれまでの一千八百八十一億円で、全く削減になっていないのであります。
 また、米軍再編に係る訓練移転の拡充と称して、米軍の訓練移転先を、従来の日本国内から、米国の施政のもとにある領域にまで広げました。地理的には無限定で、該当する航空機、訓練回数の限定もなく、負担割合についても何ら明記されていません。
 なぜ、米軍が米国内で訓練する費用まで日本が負担しなければならないのか、全く納得できません。
 アメリカは、昨年二月に発表したQDRと、ことし二月に発表した国家軍事戦略の中で、自国の軍事費削減に関連して、削減措置は我々の集団安全保障へのパートナー国の貢献に影響を及ぼす可能性があるとして、同盟・友好国の連携強化を強調しています。
 特別協定の締結は、こうしたアメリカ自身の軍事費削減を日本の国民の血税で穴埋めするものであり、断固反対であります。このような負担をホスト・ネーション・サポートの名で合理化することは断じて許されません。
 思いやるべきは、米軍ではありません。今、未曾有の大震災で苦難にあえいでいる被災者、国民の支援に、総力を挙げて復旧復興に取り組むべきであり、米軍思いやりの本特別協定はきっぱりやめるべきであります。
 以上、反対討論とします。(拍手)
○議長(横路孝弘君) 小野寺五典君。
    〔小野寺五典君登壇〕
○小野寺五典君 自由民主党の小野寺五典です。
 私は、自由民主党・無所属の会を代表し、在日米軍駐留経費負担に係る新たな特別協定の締結につきまして、賛成の立場から討論を行います。(拍手)
 討論に先立ち、三月十一日に発生しました、言語を絶する悲惨な被害をもたらした、原発災害も引き起こしました今回の東日本巨大地震及び津波の被災者の皆様に対し、心からのお見舞いを申し上げます。また、亡くなられた皆様の御冥福をお祈り申し上げます。
 今なお、被災地では、寒さ厳しい現地、ここにおいて、昼夜を分かたず、危険を顧みず、復興・救援活動に、自衛隊、警察、消防、海上保安庁、関係自治体、ボランティアの方々並びに米国を初めとする国際社会、多くの皆様に支援をしていただいています。心から感謝の念をあらわしたい、そう思っております。
 この場をおかりしまして、被災者の一人として申し上げます。
 震災後、はや三週間が経過しました。被災地の惨状は、いまだ惨たんたる状況です。現地の多くでは、今なお、電気、水道、ガスなど、ライフラインがとまったままです。支援物資もいまだ不足、さらに、避難所以外の住民へは物資の補給もままなりません。悲痛な声が聞かれております。
 さらに追い打ちをかけるのが失業です。津波発生二日目から、現地の企業では職員の解雇が相次ぎました。今回の地震と津波で、家族を失い、家を失い、そして仕事をも失った被災者が多数おります。私も、被災者の心が折れないために、雇用保険の休業制度や雇用調整助成金の活用が急務と思い、避難所を回り、制度の周知に奔走しております。
 ところが、被災地である南三陸町の友人から、こんな連絡がありました。
 問い合わせた役所の担当者からは、あなたの会社は七百名を超すスタッフがおります、そのためには二千枚以上の書類が必要です、また、対象となる七百人本人がハローワークに出向く必要があります、ただ、現地のハローワークは流されております、仙台に行ってください、このように言われたそうです。
 史上最大の被害に見舞われ、家も家族も車も失い、電気もない避難所に暮らす被災者に対して、百キロ近く離れた仙台に来いとは、あんまりだと思います。
 被災地では、今なお、さまざまな問題に直面しております。
 行方不明の奥様と長男を捜すために遺体安置所を回っていた被災者から、こんな声を聞きました。
 車が流されたので、遺体安置所を回るため、車を買いに中古車屋に行きました、ですが、住民票、印鑑証明、それと車庫証明がないと売れないと断られました、役場も警察もなくなったのに、どうやってこの書類が用意できるんですか。
 この方は、仕方なく、何日もかけて、歩いて遺体安置所を回って、奥様と長男を捜しておりました。
 被災地で思うのは、政治がもっと前面に立って、一刻も早く被災者が人間らしい生活が送れるよう、その道筋とその先にある希望を示すことだと思っています。しかし、残念ながら、被災地では政治の姿が見えません。
 総理には、命がけ、決死の覚悟と話されるだけではなく、総理にしかできない行動で示していただきたいと存じます。
 また、福島原発事故も、被災地復興には重大な問題です。
 今回被災した沿岸地域は、世界有数の三陸漁場に面しています。巨大津波がいかに港を破壊しても、海があれば、魚があれば、必ず地域は復興します。ですが、もしこの海域に放射能汚染が広がれば、本当の意味で地域が崩壊してしまいます。優良な農地も、永遠に耕作放棄地になってしまいます。政府には、強いリーダーシップでこの福島原発問題に対処していただきたいと存じます。
 さて、今回の在日米軍駐留経費負担に関する新たな特別協定ですが、この協定は日米安全保障関係の根幹をなすものです。
 今回の震災に対して、我が国は、百六十余りの国や国際機関から支援の申し出をいただいております。
 特に、同盟国たる米国は、人道支援・災害救助活動をトモダチ作戦と命名し、空母ロナルド・レーガンを初めとする多数の艦船、輸送機、ヘリコプター等の航空機を展開するなど、約二万名を投入して、水、食料、医薬品等の物資の輸送、捜索・救援活動をしていただいております。福島原発事故の放射能被曝の危険性を冒して同盟国に対して救援活動を続ける米国に対しては、被災地選出の議員の一人として、まことに感謝を覚えております。
 民主党政権の成立以降、日米関係は、普天間基地移転問題を初めとする外交上の迷走により、信頼関係が大きく損なわれている事態となりました。日米同盟の深化のためのプロセスは事実上暗礁に乗り上げ、菅総理の訪米すら時期が見えない状況にあります。
 このような中で我が国は未曾有の震災を受けたわけでありますが、オバマ大統領は、早々に、我が国に対して、いかなる支援も惜しまないと表明をし、行動で示しました。これは、日米同盟のきずなは決して揺るがないとの、米国の強い意思のあらわれであります。
 本協定は、在日米軍の効果的な活動を確保するため、在日米軍基地従業員の労務費、光熱水料費、訓練移転費の全部または一部を我が国が負担しようとするものであり、同盟国として果たすべき責務としてのホスト・ネーション・サポートそのものであります。したがって、本特別協定を締結することは、強固な日米同盟を維持していく上で非常に重要な施策と考えております。
 しかし、民主党政権では、本当にこのような認識が共有されているのでしょうか。
 今回特別協定を国会へ提出した民主党政権は、前回の特別協定審議の際には野党でありました。当時の国会審議では、サービス系基地従業員の経費負担を対米従属だとやり玉に上げ、政権をとったら駐留経費負担は卒業するとまで極言されておりました。その他さまざまな理由を挙げて特別協定への締結に反対し、特別協定は約一カ月の空白期間を生じることとなりました。このため、光熱水料の立てかえ払いや訓練移転の延期など、在日米軍及び関係機関に多大な迷惑をかけてしまいました。我が国の安全にとって欠くことのできない日米の信頼関係に重大な悪影響を及ぼしました。
 しかるに民主党政権は、野党時代に列挙した反対理由が何一つ解決していないにもかかわらず、わずか三年前にみずからが反対した特別協定と実質的に同じ内容の協定を、今回、国会へ提出しました。しかも、この間の変節については、みずからの不明を恥じるどころか、本特別協定は前回よりも改善されたとおっしゃり、提供施設整備費の新たな負担増については、国民に対する説明責任を果たしておりません。
 本来ならば、我々自民党は、本会議、委員会において、これらの問題を徹底的かつ時間をかけて議論し、民主党政権の矛盾を国民の前で明らかにしなければなりません。しかし、今回の未曾有の大震災を受け、その対策を何よりも重視する立場から、大局的な判断をもって、本特別協定の審議促進を図り、本日の採決に臨むことといたしました。
 本特別協定については、旧安保条約の締結以降六十年の長きにわたり我が国の平和と安全を維持してきた日米同盟の円滑な運用に寄与するとの観点に加え、救助活動に取り組む米国の活動を支えるためにも、空白を生じることなく経費負担を継続すべきと判断し、我々自由民主党・無所属の会は、本特別協定に賛成する次第であります。
 本特別協定の締結を機に、民主党政権に対しては、政権交代以来続いた日米同盟軽視の姿勢に、改めて猛省を促すとともに、普天間飛行場問題で低下した日米の信頼関係を早急に修復するよう、具体的な行動をとるよう求めてまいりたいと思っております。
 最後に、私ども自民党は、長年培った政権党としての経験を生かし、今回の震災復興に万全を期し、被災者の方々が一日も早く安定した生活を送れるよう最大限の努力を傾注することをお誓いし、本協定に対する賛成討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
○議長(横路孝弘君) 服部良一君。
    〔服部良一君登壇〕
○服部良一君 社会民主党の服部良一です。
 社会民主党・市民連合を代表して、在日米軍駐留経費負担特別協定、いわゆる思いやり予算に反対の討論を行います。(拍手)
 冒頭、申し上げます。
 ことし一月、沖縄で、米軍属によってまたも、十九歳の若い命が失われました。米軍側は、退勤中であり、公務中の事故として第一次裁判権を行使したい旨通告し、那覇地検は起訴をあきらめました。母親は、一人の命を奪っておいて、なぜ日本の裁判で罪に問えないのかと訴えています。日本人より米軍人軍属の命を守るのか。政府には、日米地位協定の改定に向けて一日も早くアクションを起こすことを訴えます。
 本論に入ります。
 思いやり予算反対の理由の第一は、本協定が、日米地位協定第二十四条に違反し、まさに対米追随、米国言いなりの象徴的な協定となっている点であります。
 米国のほかの同盟国との比較においても我が国の負担は突出し、NATOの総額をはるかに上回っています。世界じゅうの同盟国が負担する経費の総額の半分以上が日本の負担です。
 米国務省前日本部長ケビン・メア氏は、日本政府が現在払っている高額の駐留費負担は米国に利益をもたらしている、米国は日本で非常に得な取引をしていると言いました。裏を返せば、日本は、高額の駐留費を支払い、損な取引に甘んじているということでしょうか。
 我が党は、三年前、民主党、国民新党、共産党の皆さんと、思いやり予算に反対をしました。我々は、今こそ、対等、平等な日米関係を築くといった政権交代の原点に戻るべきです。
 第二は、そもそも思いやり予算は、一九七八年当時、米国の財政危機とドル安の中で、当時の金丸信防衛長官が思いやりがあってもいいと言ったことから始まりました。
 今は、どうですか。日本は、震災で未曾有の国難にあり、復興のためには二十五兆円とも。加えて、原子力事故の被害はどこまで広がるのか、現段階でははかり知れません。
 このような局面に際して、日本政府は、米国政府に、率直に、思いやり予算を払えない、その予算を被災して苦しんでいる人のために使いたいと言うべきです。米国も、この日本の国難をわかっていながら、既得権のごとく金を受け取るのでしょうか。これで、日米が本当にウイン・ウインの対等、平等な良好な関係と国民が思うでしょうか。日本は、いつまでも米国の顔色ばかりをうかがう卑屈な外交は、やめるべきです。
 第三に、今協定は、現行の三年の期限を五年に延ばし、労務費や光熱水費を減額した分を施設費に上積みして金額を固定、海外への訓練移転費をも日本が負担するという、今まで以上に米国におもねる協定であり、以上、断じて認めるわけにはいかないことを申し上げ、討論を終わります。(拍手)
○議長(横路孝弘君) 赤松正雄君。
    〔赤松正雄君登壇〕
○赤松正雄君 公明党の赤松正雄でございます。
 ただいま議題となりました在日米軍駐留経費の日本側負担にまつわる協定、いわゆるホスト・ネーション・サポート協定について、公明党を代表して、賛成の立場から討論をいたします。(拍手)
 討論に先立ち、今回の東北、関東を襲った未曾有の大地震、大津波によって無念にも命を落とされたり今なお行方不明の皆様に、衷心より哀悼の意を表明いたします。ともに、想像を絶する大被害を受けられ、かけがえのない家族を失われた御遺族の皆様や被災者の皆様に、心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 さて、今回の協定のポイントは、基地従業員の経費については、日本側が負担する上限労働者数をサービス部門を対象に四百三十人、協定の期間である五年以内に段階的に削減することにしたこと、いま一つは、光熱水料などについても、現在七六%の日本側の負担割合を、段階的に四%削減し、五年後には七二%にするということであります。この減額分を提供施設整備費に振り向け、全体で総額を維持しようというものであります。
 この協定の締結をどう見るか、議論すべきテーマは多岐にわたっております。
 大きく言えば、戦後六十五年、一九六〇年の日米安保条約締結から半世紀がたちました。いつまでも半占領状態が続いていることを許すのかとの視点からの論点があります。細かく言えば、基地従業員の労務費や光熱水料の日本側の負担が大き過ぎないのか、もっと的確な基準や原則をつくるべし、特例といってもほどがあるのではないかとの指摘があります。
 私どもは、こうした大小取りまぜてのさまざまな論点の存在を承知した上で、この北東アジアにおける日米同盟の重要性が一段と増していることを自覚せざるを得ません。一定の同盟の代償は払うしかないのであります。
 いみじくも、今回の大地震、大津波、原子力発電所事故の緊急対応をめぐって、アメリカがオペレーション・トモダチを展開してくれています。日本がこの国家的危機を乗り越えていくに当たって、アメリカはともに手を携えていくかけがえのないパートナーであることは、疑い得ない現実なのであります。
 その上で、今回の協定締結に当たって思い起こされることは、今も自民党議員からもありましたように、三年前のホスト・ネーション・サポート見直し時における民主党の衆参両院での執拗なまでの批判のあらしであります。
 基地従業員の労務費の使われ方や光熱水料費の無駄遣いをめぐり、手をかえ品をかえての論難でありました。国民の税金の使われ方についてのチェックですから、当然といえば当然でありましょう。しかし、今読み返しますと、例えば、娯楽施設の労働者の給与を削減すべきだとの主張は、そうした職業に従事する人々の差別にさえつながるのではないかと思われるほどの過酷な言い回しもありました。
 当時反対する理由に挙げられた点について、今回の交渉では、果たしてその主張を貫き通せたのか。答えは、ノーです。それなりの努力はなされたのでしょうが、すべて中途半端であったことは否めません。
 今にして思えば、政権交代実現のためには手段を選ばない一群の例の一つだったのでしょう。私たちは、それを民主党の皆さんが率直に認められることが大事だと思います。それであって初めて、日本の国益とは何かということをベースにした現実的な外交、安全保障論議が展開できる、そう考えるからであります。
 ところで、この際、私が触れておきたいのは、日米地位協定の改定と沖縄の普天間基地移設問題という二つのテーマをリンクさせることであります。
 民主党は、マニフェストに、地位協定の改定を提起するとしてきました。しかしながら、政権が交代して一年半、地位協定改定をアメリカ側に申し入れたとのニュースに私たちは接することができないでいます。結局は、旗を掲げるだけで、具体的な行動は起こしていないのです。ここにもう一つのマニフェスト違反がある、そう言わざるを得ないのであります。野党時代は簡単にできると思ったけれども、現実はやはり難しいということでしょうか。
 先日も、辞任される直前の前原外務大臣は、衆議院予算委員会のやりとりの中で、地位協定改定の旗はおろしていないとの答弁をしました。それを聞いたとき、私は、旗は旗でも白旗ではないのか、そう思いました。
 安保条約五十周年を超えた現在、大事なことは、日米関係の一層の深化であり、緊密な関係構築だと思います。
 かつて、ある国の指導者は、戦場で失ったものを交渉で取り返すことはできない、そう言いました。これは、裏返せば、戦争で奪ったものを交渉のテーブルで返したりするものかということでしょう。思えば、アメリカは、これとは反対に、戦争で得たものを交渉で返すという英断を下した国家であります。であるがゆえに、今なお沖縄に対する強い執着があるとの見方もできなくはありません。
 それにつけても、見過ごすことができないのは、先日のケビン・メア元沖縄総領事、前国務省日本部長の暴言であります。この発言は、過去の積み重ねが崩れたことへの悔しい思いがあったとはいえ、持っていく先を間違えられたものと言わざるを得ず、まことに残念であります。
 かねて私は、日本がホスト・ネーション・サポートをするのだから、アメリカはゲスト・ネーション・マナーを持つべきだ、しかしそれが余りになさ過ぎると指摘をしてまいりました。事は、若い軍人のしわざではない。メアという日米関係の一方を代表すると言っていい人物がこの程度の沖縄認識だからこそと思わざるを得ません。ここは、あの発言を逆手にとって、日米沖の三者による歴史認識の研究の場を設けるというぐらいの提案が日本政府からあってよかったのではないか、そう思います。
 デッドロックに乗り上げた感のする沖縄の基地移設問題を解くかぎは、一にも二にも、私は、地位協定の改定について具体的に問題を提起して日本側が汗をかくことだと思います。
 そのためには、日本が沖縄を琉球王朝以来の歴史と文化と伝統を重んじる地域だととらえることからまずは始めるべきだと考えます。とっくに日本の領土になった一地方自治体だというのでは、事態は解決しない。沖縄の方と誠心誠意話し合うと先日も松本外務大臣は言いましたけれども、沖縄を、準国家的位置づけをもってして対応すべきだとさえ私は思います。それで初めて沖縄の人々の心が動くのではないでしょうか。
 かつて、中国・清と日本・薩摩のはざまでもみにもまれ、その後はアメリカと日本のはざまにおいて苦労し続ける沖縄からは、今、米中のはざまに立つ日本が学ぶべきことは極めて多いと思うのであります。
 東日本の今次の大災害から復旧復興に挑む闘いをする中でこそ、三たびの開国、三度目の開国を日本が果たし得るとの指摘があります。そのためには、まず沖縄をめぐる問題を越えていかなければならないと、その重要性を改めて強調させていただいて、私の賛成討論にいたします。(拍手)
○議長(横路孝弘君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○議長(横路孝弘君) 採決いたします。
 本件を委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり承認することに決まりました。
     ――――◇―――――
 日程第四 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(横路孝弘君) 日程第四、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。法務委員長奥田建君。
    ―――――――――――――
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔奥田建君登壇〕
○奥田建君 ただいま議題となりました法律案につきまして、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、下級裁判所における事件の適正かつ迅速な処理を図るため、判事の員数を四十五人増加しようとするものであります。
 本案は、去る三月二十四日本委員会に付託され、翌二十五日江田法務大臣から提案理由の説明を聴取し、昨日、質疑を行い、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(横路孝弘君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第五 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(横路孝弘君) 日程第五、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。文部科学委員長田中眞紀子さん。
    ―――――――――――――
 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔田中眞紀子君登壇〕
○田中眞紀子君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文部科学委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、公立の義務教育諸学校の学級規模及び教職員の配置の適正化を図るため、公立の小学校の第一学年に係る学級編制の標準を改めるとともに、市町村の設置する義務教育諸学校の学級編制に関する都道府県教育委員会の関与の見直しを行う等の措置を講ずるものであり、その主な内容は、次のとおりであります。
 第一に、公立の小学校の第一学年の児童で編制する学級に係る一学級の児童の数の標準を四十人から三十五人に引き下げること、
 第二に、都道府県教育委員会が定める公立の義務教育諸学校の学級編制の基準について、標準としての基準とすること、また、市町村立義務教育諸学校の学級編制について、市町村教育委員会から都道府県教育委員会への事後の届け出制とすること
などであります。
 本案は、三月二十二日本委員会に付託され、翌二十三日、高木文部科学大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑に入り、二十五日には参考人から意見を聴取いたしました。
 昨三十日、さらに質疑を行い、質疑終局後、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会及び公明党の三会派共同提出により、市町村教育委員会がその設置する義務教育諸学校の学級編制を行うに当たって、当該学校の児童生徒の実態を考慮することを明記すること、平成二十三年東北地方太平洋沖地震の被災地等に係る教職員定数について特別の措置を講ずること等を内容とする修正案が、また、日本共産党より、公立の小中学校の一学級の児童生徒の数の標準を四十人から三十人に順次引き下げること等を内容とする修正案がそれぞれ提出され、各修正案について趣旨の説明を聴取した後、日本共産党提出の修正案について内閣の意見を聴取いたしました。次いで、討論、採決の結果、日本共産党提出の修正案は賛成少数をもって否決され、三会派共同提出の修正案は全会一致、修正部分を除く原案も全会一致をもって可決され、本案は修正議決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(横路孝弘君) 討論の通告があります。順次これを許します。下村博文君。
    〔下村博文君登壇〕
○下村博文君 自由民主党の下村博文です。
 私は、自由民主党・無所属の会を代表して、いわゆる義務標準法改正案について、修正案と修正案を除く政府案に対し、賛成の立場から討論を行います。(拍手)
 まず、このたびの平成二十三年東北地方太平洋沖地震において、お亡くなりになられた方々に深く哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
 この未曾有の国難に対し、我々は、立場の違いを乗り越え、総力を挙げて被災者を救い、この危機を克服して、復興に向かっていかなければなりません。
 今、国会で最優先に議論し、早急に打ち立てるべきは震災復興対策であり、このたび、義務標準法改正案の修正案において、被災した児童生徒への心のケアや学習支援、教育相談、保護者との連携などを目的とする震災復興加配教員の措置を附則に明記したことは、教育復興に対するメッセージを何としても早急に示したいという国会の意思のあらわれであり、今後も復興に向けたあらゆる方策を講じていくことを国民の皆様方にお誓いいたします。
 それでは、修正案に賛成するに当たり、これまでの経緯を申し上げておきたいと思います。
 まず、政府原案そのものに対して、我が党は反対であります。その理由は、看過することのできない根本的な問題が政府案に含まれているからです。
 第一の理由は、政府案の成り立ちが極めて異常な経緯に基づくからです。
 概算要求の段階で、民主党政権は、マニフェスト関連施策である高校授業料無償化などを除き、義務教育費国庫負担金にも例外なく一〇%削減のシーリングをかけました。
 義務教育は、国民として必要な基礎的資質を培うものであり、憲法上の国民の権利義務にかかわるものであって、国は、地方公共団体とともに、義務教育に係る費用を無償にし、国民の教育を受ける権利を保障する義務を負っています。したがって、義務教育費国庫負担制度は、憲法上の国の責任であり、自公政権時代はシーリングにかけたことはありません。
 民主党政権は、必要な予算が確保できなくなることが明白でありながら、公立高校授業料無償化のために、義務教育費国庫負担金にシーリングをかけました。これについては、高木文部科学大臣も、委員会審議の過程で、苦渋の選択であったと苦しい胸のうちを吐露しておられますが、やはり、認めるわけにはいきません。
 二つ目の理由は、三十五人以下学級とする政策的な合理性や必要性がないことです。
 シーリングをかけられたために、必要な予算が確保できなくなったため、文部科学省は、一たん義務教育費国庫負担金を形式的に削減した上で、新たな政策として小学校一、二年生の三十五人学級を打ち出し、必要な義務的経費を含めて、元気な日本復活特別枠で改めて要望しました。これは、憲法上の国民の権利にかかわる義務教育費国庫負担金を政策コンテストにかけたという、国の責任を放棄した予算要求であると言わざるを得ません。
 このような経緯によって編成された平成二十三年度予算案について、当然ながら、我が党は反対しました。その予算を執行するための義務標準法改正案についても、正当性を認めるべきではなく、反対すると決定をしました。ただし、憲法上の規定により予算が成立することから、三十五人以下学級の実現のための教職員の定数増の予算についても、あわせて成立します。
 我が党は、同じ教職員四千人をふやすのであれば、これを加配教職員として、学校現場の実情に応じて、少人数指導を充実し、特別支援教育や指導困難児への対応、専科教員配置などに活用できるようにすべきと考え、対案を作成しました。
 その対案をもって国会審議に臨もうとしていたそのときに、東北地方太平洋沖地震が発生したのです。
 震災直後は、政府に被災者救済に全力を尽くしてもらうために自然休会となりましたが、我が党は、こうしたときこそ国会の議論が必要であると考え、先週には、衆参両院で文部科学委員会、文教科学委員会の開催を求めるとともに、党内では文部科学部会を開催し、震災対策などについて議論を行いました。
 その議論の経過で、冒頭述べた震災復興加配教員の必要性が指摘されました。今般の大震災においては、学校施設としての使用が不能になる建物が発生することなどが見込まれ、また、福島第一原発の影響により、広域的かつ大規模に児童生徒の移動を行わざるを得ないと思われます。さらに、この移動は長期間にわたると考えられます。
 このために、児童生徒の受け入れ先となる都道府県においても、学級編制を根本的にやり直す必要が生じます。あわせて、児童生徒に対する心のケアや学習支援なども必要になり、それに応じた多くの教職員を加配で措置する必要があります。
 もう一つ、教職員の定数そのものについての重要な指摘もいたしました。
 少子化によって児童生徒の数が減少し続けており、教職員の基礎定数も将来的に減少し続けます。だからこそ、政府・民主党は、学級編制を三十五人にして、基礎定数をふやすわけです。
 一方、昭和四十四年に一千八百名弱で始まった加配定数は、平成二十二年度予算においては六万五百名強と増加しており、きめ細かい指導などを行うために教育現場が加配教員を必要としていることは歴然としています。したがって、教職員の定数のあり方そのものについて、改めて検討する時期に来ていると考えられます。
 こうしたことから、我が党は、震災復興加配教員の措置や、新たに学級編制や定数のあり方について検討すべきことなどを対案の附則に追加して国会審議に臨み、政府・民主党も修正に応じる姿勢を示しました。最終的に、政府案の修正協議において、我が党の考えがすべて取り入れられました。
 スタート時点から見直しが必要となった、小中学校の全学年で三十五人以下学級を実現するための教職員定数改善計画にいまだに拘泥していること、また、学校現場に権限を移譲するのであれば、教職員組合による恣意的な運用がなきよう教育現場の正常化を図るべきですが、それが担保されていないなど、修正案には、なお問題が残っています。我が党は、教育公務員特例法に国家公務員並みの罰則規定を設けるべきとの改正案を提出していますが、いまだに審議されていません。
 しかし、本来は希望に満ちた中で四月の新学期を迎えるべき子供たちが、家族や友人の命が奪われ、ふるさとが破壊された悲しみのふちにあること、みずからも被災者でありながら、教職員の方々が、児童生徒の安否確認や避難所の運営、学校再開に向けた業務に命がけで取り組んでおられることを考えたとき、我が党は、小異を捨てて大同につき、修正案に賛成した上で、一刻も早く震災復興策の立案に取りかかるべきとの政治決断に至りました。
 何としても、子供たちを、そして被災者を救いたいという思いは、この議場にいるすべての議員が共有するところと思います。今回の危機は、これまでの枠組みにとらわれていては克服できず、我々の英知を結集しなければなりません。今般の修正案作成への取り組みを契機として、各党会派及び政府が一体となって戦後最大の危機の克服に取り組んでいこうではないかと議員各位にお呼びかけいたしまして、私の賛成討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
○議長(横路孝弘君) 池坊保子さん。
    〔池坊保子君登壇〕
○池坊保子君 公明党の池坊保子でございます。
 討論に先立ちまして、今回の東北地方太平洋沖地震で亡くなられた方々とその御遺族に対し、深くお悔やみ申し上げますとともに、今後も、私ども国会議員が一丸となって被災者の救助、支援に全力を尽くしてまいることをお誓いいたします。
 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました公明党、自民党、民主党提出の公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案と修正部分を除く原案につきまして、賛成の立場から討論いたします。(拍手)
 公明党は、教育こそが子供の幸せの原点であるという考え方のもとに、子供の個性、能力、創造性、思いやりの心をはぐくむための施策をこれまで一貫して推進してまいりました。教師が真摯に子供と向き合い、子供一人一人に対し、きめ細やかな対応をすることができる少人数学級の推進も、その一つでございます。また、より現場に近いところの声、つまり、常に子供と接していて、子供のために何が必要かを一番よくわかっている人たちの声をしっかり反映させる形で学級編制や教職員配置を行っていくべきということも、常々申し上げてきたところです。
 そのような点からしますと、本法律案の内容は、その方向性において、私ども公明党と考え方を同じくするものでありますから、そのすべてを否定するものでは決してございません。しかしながら、本法律案は、三十五人学級の実現は小学校一年生だけにすぎませんし、学級編制に関する市町村教育委員会の自主性を裏づける法的担保も十分でないなど、多くの問題を抱えているものと言わざるを得ません。
 ただ、それでも、公明党は、今日まで、すべての政策において、堅実かつ誠実に、段階的に目標に向かって歩みを進めてまいりましたので、その観点から、たとえ小さな一歩だとしても、公明党が進めてきた教育施策を前進させていくことが非常に重要なことであると考えております。
 そこで、公明党としては、次の事項を本法律案に盛り込むべきとして、一貫して主張してまいりました。
 一つ目は、東北地方太平洋沖地震により被害を受けた地域の学校や被災した子供の転学先の学校において、学習支援や心のケアを行うために、国及び都道府県教育委員会は、教職員定数に関する特別の措置を講ずるべきというものでございます。
 二つ目は、市町村教育委員会の学級編制の自主性を確保するという観点から、市町村教育委員会が学級編制を行うに当たっては、その学校の児童または生徒の実態を考慮することを明らかにすることでございます。
 また、これとの関連で、学級編制に関する市町村教育委員会の自主性を教職員の定数配分の観点からもしっかりと担保することができるように、都道府県教育委員会が教職員の市町村別の学校の種類ごとの定数を定める場合には、市町村における子供の実態、市町村が設置する学校の学級編制に係る事情等を勘案しなければならないことを明らかにするとともに、都道府県教育委員会に対し、この場合に聞くこととされている市町村教育委員会の意見を十分に尊重することを義務づけることでございます。
 三つ目は、教職員定数に関して加配措置が講じられる場合には、その加配措置に係る数については、学校長やその学校を設置する地方公共団体の教育委員会の意向を踏まえ、必要かつ十分なものとなるようにしなければならないということでございます。
 四つ目は、学校現場からのニーズが高い加配措置について、加配措置が講じられる事由を拡大して、小学校での専科指導や、障害のある児童または生徒に対する特別の指導等の場合にも加配措置を認めようというものでございます。
 五つ目は、本法律案では、小学校一年生以外の学級編制についても順次改定することを検討して措置を講ずると定められているのですが、そのような措置を講ずる場合には、政府は、安定した財源の確保に努めるべきであるということでございます。
 この、公明党が一貫して主張してまいりました五つの事項が、すべて修正として盛り込まれたことに対して、私は、関係者の方々に感謝いたします。
 政府におかれましては、修正案の趣旨を重く受けとめていただいた上で、よりよい義務教育の実現を目指し、例えば、小学校二年生以上の学年や中学校の学級編制の標準の改定に速やかに取り組んでいただくなど、必要な施策を講じていくべきであることを強く申し上げたいと思います。
 最後に、東北地方太平洋沖地震により、家族や友人といった大切な人たちを失った子供たち、学校という学びの場を奪われた子供たちについて、心のケアを初めとして、山積する教育上の諸課題を一日も早く解決し、被災地の子供たちの心に希望の灯をともすことこそが復興の第一歩と信じ、立法府に身を置く、ここにいらっしゃるすべての国会議員が力を尽くして、子供たちの行く末を見守っていただきたいことを願い、私の討論を終わります。(拍手)
○議長(横路孝弘君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○議長(横路孝弘君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。
     ――――◇―――――
○小宮山泰子君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 議院運営委員長提出、平成二十三年東北地方太平洋沖地震等による災害からの復旧復興に資するための国会議員の歳費の月額の減額特例に関する法律案は、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。
○議長(横路孝弘君) 小宮山泰子さんの動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 平成二十三年東北地方太平洋沖地震等による災害からの復旧復興に資するための国会議員の歳費の月額の減額特例に関する法律案(議院運営委員長提出)
○議長(横路孝弘君) 平成二十三年東北地方太平洋沖地震等による災害からの復旧復興に資するための国会議員の歳費の月額の減額特例に関する法律案を議題といたします。
 委員長の趣旨弁明を許します。議院運営委員長川端達夫君。
    ―――――――――――――
 平成二十三年東北地方太平洋沖地震等による災害からの復旧復興に資するための国会議員の歳費の月額の減額特例に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔川端達夫君登壇〕
○川端達夫君 ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。
 本法律案は、平成二十三年東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う津波等による災害によって、多数の人々が犠牲になり、多数の被災者が多大の苦難を強いられ今なお不自由な生活を余儀なくされている現状にかんがみ、多くの国民とともに被災者の苦難を分かち合い、被災者の生活の早期の再建、被災地域の産業の早期の復興その他の被災地域の復旧復興に資するため、歳費法第一条及び国会法第三十五条の規定にかかわらず、議長、副議長及び議員の歳費の月額を、本年四月分から九月分まで、それぞれ五十万円を減じた額とするものであります。
 本法律案は、本日、議院運営委員会において起草し、提出したものであります。
 何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(横路孝弘君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
 情報公開・個人情報保護審査会委員任命につき同意を求めるの件
 預金保険機構監事任命につき同意を求めるの件
 日本放送協会経営委員会委員任命につき同意を求めるの件
 日本銀行政策委員会審議委員任命につき同意を求めるの件
 公害健康被害補償不服審査会委員任命につき同意を求めるの件
○議長(横路孝弘君) お諮りいたします。
 内閣から、
 情報公開・個人情報保護審査会委員
 預金保険機構監事
 日本放送協会経営委員会委員
 日本銀行政策委員会審議委員
及び
 公害健康被害補償不服審査会委員に
次の諸君を任命することについて、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。
 内閣からの申し出中、
 まず、
 情報公開・個人情報保護審査会委員に戸澤和彦君を
任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。
 次に、
 情報公開・個人情報保護審査会委員に山田洋君及び椿愼美さんを、
 預金保険機構監事に飯田小夜子さんを、
 日本放送協会経営委員会委員に數土文夫君を、
 公害健康被害補償不服審査会委員に町田和子さんを
任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。
 次に、
 日本銀行政策委員会審議委員に白井早由里さんを
任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。
     ――――◇―――――
○議長(横路孝弘君) この際、暫時休憩いたします。
    午後一時十一分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       総務大臣    片山 善博君
       法務大臣    江田 五月君
       外務大臣    松本 剛明君
       文部科学大臣  高木 義明君
       厚生労働大臣  細川 律夫君
       農林水産大臣  鹿野 道彦君
       環境大臣    松本  龍君
       国務大臣    枝野 幸男君
       国務大臣    自見庄三郎君
       国務大臣    蓮   舫君