第177回国会 本会議 第17号
平成二十三年四月二十八日(木曜日)
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 議事日程 第十一号
  平成二十三年四月二十八日
    午後一時開議
 第一 民法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 民事訴訟法及び民事保全法の一部を改正する法律案(第百七十六回国会、内閣提出)(参議院送付)
 第三 図書に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(第百七十六回国会、内閣提出)
 第四 東日本大震災による被害を受けた公共土木施設の災害復旧事業等に係る工事の国等による代行に関する法律案(内閣提出)
 第五 東日本大震災により甚大な被害を受けた市街地における建築制限の特例に関する法律案(内閣提出)
 第六 職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律案(内閣提出)
 第七 雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第八 産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    …………………………………
  一 国務大臣の演説
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 平成二十三年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案(内閣提出)中修正の件
 日程第一 民法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 民事訴訟法及び民事保全法の一部を改正する法律案(第百七十六回国会、内閣提出)(参議院送付)
 日程第三 図書に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(第百七十六回国会、内閣提出)
 日程第四 東日本大震災による被害を受けた公共土木施設の災害復旧事業等に係る工事の国等による代行に関する法律案(内閣提出)
 日程第五 東日本大震災により甚大な被害を受けた市街地における建築制限の特例に関する法律案(内閣提出)
 日程第六 職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律案(内閣提出)
 日程第七 雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第八 産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 野田財務大臣の財政についての演説及びこれに対する質疑
    午後一時二分開議
○議長(横路孝弘君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
○議長(横路孝弘君) この際、新たに議席に着かれました議員を紹介いたします。
 第百二十二番、愛知県第六区選出議員、丹羽秀樹君。
    〔丹羽秀樹君起立、拍手〕
     ――――◇―――――
 平成二十三年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案(内閣提出)中修正の件
○議長(横路孝弘君) お諮りいたします。
 内閣から、平成二十三年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案を修正したいので、国会法第五十九条によって承諾を得たいとの申し出があります。
    ―――――――――――――
 平成二十三年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案中修正の件
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○議長(横路孝弘君) 本件を承諾するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、承諾することに決まりました。
     ――――◇―――――
 日程第一 民法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 民事訴訟法及び民事保全法の一部を改正する法律案(第百七十六回国会、内閣提出)(参議院送付)
○議長(横路孝弘君) 日程第一、民法等の一部を改正する法律案、日程第二、民事訴訟法及び民事保全法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。法務委員長奥田建君。
    ―――――――――――――
 民法等の一部を改正する法律案及び同報告書
 民事訴訟法及び民事保全法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔奥田建君登壇〕
○奥田建君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、民法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、児童虐待の防止等を図り、児童の権利利益を擁護する観点から、民法、児童福祉法等を改正し、所要の法整備を行おうとするもので、その主な内容は、次のとおりであります。
 第一に、民法について、二年以内の親権停止制度を創設し、親権喪失等の請求権者を見直すこと、法人または複数の未成年後見人の選任を可能とすること、また、親権が子の利益のために行われるものであることを明確にすること等としております。
 第二に、児童福祉法について、施設入所中の児童等に対して施設長がとる措置について、親権者は不当に妨げてはならないとすること、児童相談所長は、一時保護中または里親委託中の児童等で親権者がいないものについて親権を行うこと等としております。
 本案は、去る四月十二日本委員会に付託され、十三日江田法務大臣から提案理由の説明を聴取し、十五日から質疑に入りました。二十日には、参考人から意見を聴取するとともに、青少年問題に関する特別委員会との連合審査会を開会するなど慎重に審査を行い、二十六日、質疑を終局し、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。
 次に、民事訴訟法及び民事保全法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、国際的な経済活動に伴う民事紛争の適正かつ迅速な解決を図るため、国際的な要素を有する財産権上の訴えに関して日本の裁判所が管轄権を有する場合等について定めようとするものであります。
 本案は、前国会、本院において可決され、参議院において継続審査となっていたもので、去る四月二十日、参議院において可決の上、本院に送付され、同日本委員会に付託されました。
 委員会におきましては、二十六日、提案理由の説明の聴取を省略し、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(横路孝弘君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
 次に、日程第二につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第三 図書に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(第百七十六回国会、内閣提出)
○議長(横路孝弘君) 日程第三、図書に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。外務委員長小平忠正君。
    ―――――――――――――
 図書に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔小平忠正君登壇〕
○小平忠正君 ただいま議題となりました日韓図書協定につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本協定は、昨年八月十日の内閣総理大臣談話を受け、十一月十四日、横浜において署名されたものであり、その主な内容は、
 我が国政府は、両国及び両国民間の友好関係の発展に資するための特別の措置として、朝鮮半島に由来する附属書に掲げる図書を、この協定の効力発生後六カ月以内に大韓民国政府に対して引き渡すこと、
 両国政府は、附属書に掲げる図書の引き渡しにより両国間の文化交流及び文化協力が一層発展するよう努めること
等であります。
 本件は、第百七十六回国会に提出されましたが、今国会に継続審査となり、一月二十四日に外務委員会に付託され、四月二十日松本外務大臣から提案理由の説明を聴取いたしました。二十二日から質疑に入り、二十七日には参考人から意見を聴取するなど慎重に審査を進め、同日、質疑を終局し、討論の後、採決を行いました結果、本件は多数をもって承認すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(横路孝弘君) 採決いたします。
 本件を委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり承認することに決まりました。
     ――――◇―――――
 日程第四 東日本大震災による被害を受けた公共土木施設の災害復旧事業等に係る工事の国等による代行に関する法律案(内閣提出)
 日程第五 東日本大震災により甚大な被害を受けた市街地における建築制限の特例に関する法律案(内閣提出)
○議長(横路孝弘君) 日程第四、東日本大震災による被害を受けた公共土木施設の災害復旧事業等に係る工事の国等による代行に関する法律案、日程第五、東日本大震災により甚大な被害を受けた市街地における建築制限の特例に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。国土交通委員長古賀一成君。
    ―――――――――――――
 東日本大震災による被害を受けた公共土木施設の災害復旧事業等に係る工事の国等による代行に関する法律案及び同報告書
 東日本大震災により甚大な被害を受けた市街地における建築制限の特例に関する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔古賀一成君登壇〕
○古賀一成君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、東日本大震災による被害を受けた公共土木施設の災害復旧事業等に係る工事の国等による代行に関する法律案について申し上げます。
 本案は、東日本大震災により被災した地方公共団体における公共土木施設の災害復旧事業に係る工事の実施体制等にかんがみ、国または県が、当該地方公共団体の長からの要請を受けて、漁港、砂防、港湾、道路などの公共土木施設の災害復旧事業等に係る工事を代行できる制度を創設するものであります。
 次に、東日本大震災により甚大な被害を受けた市街地における建築制限の特例に関する法律案について申し上げます。
 本案は、東日本大震災により甚大な被害を受けた市街地の健全な復興を図るため、特定行政庁が区域を指定し、平成二十三年九月十一日までの間、期間を限り、建築物の建築を制限し、または禁止することができること、また、特に必要があると認めるときは、さらに二カ月を超えない範囲内においてその期間を延長することとするものであります。
 両案は、去る四月二十六日本委員会に付託され、昨二十七日、大畠国土交通大臣から提案理由の説明を聴取し、質疑を行い、質疑終了後、採決の結果、いずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(横路孝弘君) 両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第六 職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律案(内閣提出)
 日程第七 雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(横路孝弘君) 日程第六、職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律案、日程第七、雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。厚生労働委員長牧義夫君。
    ―――――――――――――
 職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律案及び同報告書
 雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔牧義夫君登壇〕
○牧義夫君 ただいま議題となりました両案について、厚生労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律案について申し上げます。
 本案は、非正規労働者や長期失業者が増加する中で、雇用保険を受給できない求職者に対し、職業訓練を実施するとともに、職業訓練を受けることを容易にするための給付金を支給すること等を通じ、その就職を支援しようとするものであります。
 次に、雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、最近の厳しい雇用失業情勢等を踏まえ、労働者の生活の安定、再就職の促進等を図るため、求職者給付及び就職促進給付の見直しを行うとともに、失業等給付に係る保険料率を引き下げる等の措置を講じようとするものであります。
 両案は、去る四月十九日本委員会に付託され、翌二十日細川厚生労働大臣から提案理由の説明を聴取し、二十二日から質疑に入り、昨日質疑を終局いたしました。
 質疑終局後、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会及び公明党より、職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律案に対し、特定求職者の就職に関する支援施策のあり方についての検討を行うに当たっては、その支援施策に要する費用の負担のあり方について速やかに検討し、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること等を内容とする修正案が提出され、趣旨説明を聴取した後、採決の結果、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも全会一致をもって可決され、本案は修正議決すべきものと決した次第であります。
 次いで、雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案について、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、両案に対して附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(横路孝弘君) 両案を一括して採決いたします。
 日程第六の委員長の報告は修正、日程第七の委員長の報告は可決であります。両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり議決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第八 産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(横路孝弘君) 日程第八、産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。経済産業委員長田中けいしゅう君。
    ―――――――――――――
 産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔田中けいしゅう君登壇〕
○田中けいしゅう君 ただいま議題となりました法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過及び結果の御報告を申し上げます。
 本案は、最近における国際経済の競争激化や需要構造の変化に対応するため、事業者の組織再編を促進し、あわせて地域中小企業の生産の効率化等を図ろうとするものであります。
 その主な内容は、まず、事業者の円滑な組織再編を支援するため、主務大臣と公正取引委員会との協議の制度を創設するとともに、組織再編に係る資金の調達を円滑化するための支援措置等を講ずるなどのほか、地域中小企業の事業の引き継ぎ円滑化のための措置等を講じようとするものであります。
 本案は、去る四月十九日本委員会に付託され、翌二十日、海江田経済産業大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑に入り、二十二日、自由民主党・無所属の会から、主務大臣と公正取引委員会との協議の制度に関し、手続の迅速かつ的確な実施を図るため、相互に緊密に連絡するものとする等の修正案が提出されました。
 修正案の趣旨説明を聴取した後、本案及び修正案について参考人からの意見を聴取するなど慎重な審査を重ね、昨日質疑を終了いたしました。質疑終了後、討論を行い、採決を行った結果、自由民主党・無所属の会提案の修正案及び修正部分を除く原案はいずれも賛成多数をもって可決され、本案は修正議決するものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(横路孝弘君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。
     ――――◇―――――
○議長(横路孝弘君) この際、暫時休憩いたします。
    午後一時二十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後五時二分開議
○議長(横路孝弘君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
     ――――◇―――――
 国務大臣の演説
○議長(横路孝弘君) 財務大臣から財政について発言を求められております。これを許します。財務大臣野田佳彦君。
    〔国務大臣野田佳彦君登壇〕
○国務大臣(野田佳彦君) 今般、平成二十三年三月十一日に発生した東日本大震災に対応し、必要な財政措置を講ずるため、平成二十三年度補正予算を提出することといたしました。その御審議をお願いするに当たり、補正予算の大要を御説明申し上げます。
 三月十一日に発生した東日本大震災は、甚大な被害をもたらしました。この災害により亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族に対し、深く哀悼の意を表します。また、被災された方々に対しまして、心よりお見舞いを申し上げます。さらに、救助救援活動や復旧活動にかかわる官民の関係者やボランティアなど多くの方々の尽力に敬意を表しますとともに、国際社会から寄せられている温かな支援に感謝を申し上げます。
 政府としては、今日に至るまで、人命救助や安全な避難に取り組むほか、被災された方々の生活に必要不可欠な水や食料、燃料等の確保、被災地域の応急復旧などに全力を挙げてまいりました。今後、電気、ガス、水道といったライフラインの復旧を急ぎ、さらに、災害廃棄物の撤去や仮設住宅の建設を進める等、引き続き、被災地域の復旧復興のため、全力を挙げてまいります。
 また、原子力発電所事故は、依然として予断を許さない状況が続いております。被害の拡大を防ぎつつ、一日も早く安定した状態を実現すべく、万全の対策を講じていくこととしております。
 今国会に提出をいたしました平成二十三年度補正予算の大要について御説明申し上げます。
 今回の一般会計補正予算につきましては、東日本大震災からの早期復旧に向け、年度内に必要と見込まれる経費を計上しております。また、財源については、追加の公債を発行せず、歳出の見直し等により確保しております。
 まず、歳出面において、東日本大震災関係経費として四兆百五十三億円を計上し、その内訳は、災害救助等関係経費四千八百二十九億円、災害廃棄物処理事業費三千五百十九億円、災害対応公共事業関係費一兆二千十九億円、施設費災害復旧費等四千百六十億円、災害関連融資関係経費六千四百七億円、地方交付税交付金千二百億円、その他八千十八億円となっております。
 これらの東日本大震災関係の歳出を賄うため、三兆七千億円余の歳出の減額を行うこととしており、その内訳は、子ども手当の減額二千八十三億円、高速道路の原則無料化社会実験の一時凍結に伴う道路交通円滑化推進費の減額千億円、基礎年金国庫負担の年金特別会計への繰り入れの減額等二兆四千八百九十七億円、周辺地域整備資金の活用に伴うエネルギー対策特別会計への繰り入れの減額五百億円、政府開発援助等の減額五百一億円、議員歳費の減額二十二億円、経済危機対応・地域活性化予備費の減額八千百億円となっております。
 なお、平成二十三年度の基礎年金国庫負担割合については、二分の一であることを法律上明記しつつ、二分の一との差額は、税制抜本改革により確保される財源を活用して、年金財政に繰り入れることをあわせて法制化することとしております。
 また、歳入面においては、高速道路の料金割引の見直しに伴う独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構からの納付金二千五百億円等、税外収入三千五十一億円を計上しております。
 これらの結果、平成二十三年度一般会計補正後予算の総額は、一般会計当初予算に対し歳入歳出とも三千五十一億円増加し、九十二兆七千百六十七億円となっております。
 関連して、特別会計予算及び政府関係機関予算についても所要の補正を行うこととしております。
 財政投融資計画につきましては、被災事業者の経営安定や災害復旧等のための資金需要に対応するため、この補正予算において四兆三千二百二十億円を追加することとしております。
 以上、平成二十三年度補正予算の大要について御説明いたしました。
 被災地域の一刻も早い復旧のため、何とぞ、関連法案とともに御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願いを申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
 国務大臣の演説に対する質疑
○議長(横路孝弘君) これより国務大臣の演説に対する質疑に入ります。石原伸晃君。
    〔石原伸晃君登壇〕
○石原伸晃君 自民党の石原伸晃です。
 自由民主党・無所属の会を代表して、野田財務大臣が話されました財政演説に対する質問を行わせていただきたいと思います。(拍手)
 きょう、三月十一日のあの大震災より四十九日を迎えました。冒頭、今回の大震災によりお亡くなりになられた皆様に対しお悔やみを、また、今もなお不安な日々を送られております被災者の方々に心からお見舞いを申し上げます。
 震災以来、我が党に対しまして二億円近い義援金が寄せられ、日本赤十字社にお届けをいたしました。また、同じく我が党に寄せられました、飲料水およそ二十二万リットル、五百ミリリットルのペットボトルでおよそ四十万本、マスク二百万枚、携帯カイロ五十万個など、合計五百トンを超える援助物資を、時には我が党の国会議員がみずから運転するトラックで、延べ八十七台、被災地の皆様方に送ることができました。御支援をいただいた国民の皆様方に、この場をおかりいたしまして、厚く厚く御礼を申し上げたいと思います。
 さて、この日曜日、統一地方選挙が終わりました。民主党は惨敗であります。総理、総理はこの結果をどのようにお受けとめになられておりますか。このような結果に対してだれも責任をとろうとしないことに、菅内閣そして民主党の体質が如実にあらわれているのではないでしょうか。
 我が党の谷垣総裁も申しております。信なくば立たず。国民の信頼を失った菅総理に、国民の先頭に立って、この国難を打開し、東北地方だけではなく、日本を再びよみがえらせるだけの力はないとメディアも報じております。ですから皆さん方の中で党内抗争が始まったのではないですか。
 さて、一次補正予算は、その緊急性からも、迅速な審議が必要なことは当然であります。しかし、一方、総理は記者会見で、この大震災のときに総理という立場にあったことは一つの宿命だなどと悲劇のヒーローを気取っているばかりで、復興への具体的な、かつ明確なメッセージは発せられていないと多くの同僚議員の皆様方も思われているのではないでしょうか。総理は一体どのようなビジョンを持ってこの国難に当たろうとしているのか、まずお聞かせ願いたいと思います。
 復興基本法の内容も揺れているような気がいたします。例えば、私たち自民党は、復興を専門とする独立した新しい行政組織である復興再生院、これは北海道庁というような庁でもいいのでありますけれども、そういう設置を提案しております。これに対しまして、民主党の皆さん方の意見は、お話しいただく人によってどうも違うようであります。
 総理と玄葉大臣に伺わせていただきたいと思います。
 復興再生院をつくるお気持ちがあるのか、つくらないのか。また、つくるおつもりがあるとするならば、いつ、どのような組織をお考えになっているのでしょうか。
 さて、一次補正予算案の具体的な議論の初めに、一点申し上げたいと思います。
 民主党の皆さん方のマニフェストは、無駄を排除して財源を確保する、十六・八兆円の財源なんかすぐ出てくるよと言っておりましたが、虚構のシナリオに基づいていたために、実は、この大きな震災があろうとなかろうと、崩壊しておりました。総理は、マニフェストが実行できない理由をこの大震災のせいにするのではなくて、この場で潔く、まず国民に、申しわけありませんでした、言ったことはできませんとおっしゃるのが先決ではないでしょうか。
 この認識を、民主党のマニフェストは実はもう破綻しているんだということを、与党の皆さん、野党の皆さんの間で政策議論の第一歩の共通認識としたならば、議論はより深いものになるのではないかと考えます。本来は、この一次補正の議論を始める前に今の認識を皆様方と一緒に共有すべきでしたけれども、今からでも遅くはないと思います。総理の誠実かつ冷静な御見解を伺います。
 続いて、補正予算の具体的な内容について、総理並びに関係大臣に伺わせていただきます。
 今回の補正予算案は、私どもは、主に財政面に、すなわち財源面に問題があると考えております。補正予算の緊急性を考えれば、年金の流用など問題のある財源に手をつけるのではなくて、ばらまきの見直しと、私どもが主張しているような復興再生債で編成すべきものではなかったかと考えます。そのようなお考えは、いまだに持ち合わせないんでしょうか。
 我が党といたしましては、一貫して、子ども手当、高速道路の無料化、農家の戸別所得補償、高校授業料の無償化と言われるいわゆるばらまき四Kの施策の撤回を求めてまいりました。今回の補正予算案には、財源として、子ども手当上積みの見直しと高速道路無料化の一時凍結が計上されているようであります。これは明らかに民主党の皆さん方のマニフェストを見直した結果だと思いますが、皆様方の党内でどのような議論が行われたのか、そして、果たして本当に党内で意見はまとまっているのか、疑問を持たざるを得ません。
 マニフェストは、実は国民の皆さん方との約束であった。だとするならば、総理がみずから国民に、マニフェストを変えました、申しわけないと謝るべきではないでしょうか。重ねて伺わせていただきます。
 私たちは、ばらまきの象徴たる子ども手当を完全撤回した上で児童手当を復活すべきだと主張しております。子ども手当は、政府提出法案を、皆さん方が取り下げたんですよ、取り下げたことによって、十月以降は法律の裏づけもなくなります。当初予算との間にずれが生じるわけであります。このまま何の措置も講じなければ、自動的に児童手当に戻り、これによって今年度だけでも六千億円強の財源が捻出されることになります。
 総理は、なお子ども手当に固執されておられるようですけれども、この際、法律がなくなったわけですから、完全撤回するお考えはございませんか。今、真に、本当に助けを求めていらっしゃる方があれだけ東北地方にいる中で、所得制限のないばらまきを続けることが本当に許されるのでしょうか。総理の見解を伺います。
 また、単なるばらまきに終始し、生産性の向上にも農業の体質強化にもつながらず、農産物の価格を低下させただけの農家への戸別所得補償制度は、この際、全面的にこれも見直して、被災農家の補償を重点に、将来の日本の農業のあるべき姿を念頭に置いて再編すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 今回の補正予算の最大の問題点は、実は、先ほども指摘をさせていただきましたように、年金財源の流用であります。流用した後の手当てがなされないままでは、年金積立金を食いつぶすだけです。これは、年金財政に悪影響を与え、年金制度の信頼性を損ない、国民の将来への不安をあおることにつながります。このような厳しいときこそ、未来への希望のともしびを消してはならないと考えます。年金財源の流用をやめるべきではありませんか。
 地方に対しても私は問題があるような気がしてなりません。このような時期に、地方に過度の負担をかけるべきではないということは、これは与野党共通して認識があるのではないか。しかし、直轄負担金の地方負担、これが計上されていますが、これは取り下げるべきではありませんか。ぜひ、地方にもっと目を向けていただきたいと思います。
 地方だけではありません。国際社会へのメッセージも実は今大切であります。世界じゅうの国が日本に協力してくれている中で、先ほど野田大臣も感謝の言葉を述べられていましたけれども、そんな中でODAを削減することは、国際社会に背を向けることになると私は考えます。ODAの削減というものは撤回していただけませんでしょうか。
 そして、最大の私どもの疑問は、なぜ一次補正の財源に国債を使わないのかということであります。私どもの党は、厳しい財政状況と債務残高を踏まえまして、従来の国債とは区分して管理をして、償還財源の担保も図る復興再生債の発行によって復旧復興財源を確保することを提唱しております。岡田幹事長も、民主党の役員会で、既存歳出の削減だけでは二次補正以降に対応できないと、私どもと同様の考えを示されています。
 一次補正だけでは復興が成らず、二次、三次の補正が必要なことは、多くの同僚議員の皆様方も、これもまた認識を同じくするところではないかと思います。そのときには国債に頼らざるを得ないのに、今議論をされております一次補正で国債を活用しない。それでは、単なるパフォーマンスと言われても、私は仕方がないのではないかと思います。
 総理、なぜ、これから行われるであろう二次、三次の補正には国債の発行を念頭に置きつつも、一次補正予算の財源に国債を考えようとしないのか、明快な返答を求めたいと思います。
 総理は、これまでさんざん国民の皆さんにばらまきを約束し、借金まみれの本予算を編成しておきながら、震災が起きたら態度を一転させまして、財源、財源、財源と言われているような気がいたします。通常時に借金を積み重ねてばらまきを約束し、非常時には増税を言い出すなど、本末転倒の最たるものだと考えます。
 消費の冷え込みが懸念されるこの厳しい状況の中、本当に復興を目的に消費税を上げるおつもりなのでしょうか。私は、復興財源と、社会保障の安定財源としての消費税、税制の抜本改革とは明確に区分をして議論すべきだと考えますが、総理の御見解をお聞きいたします。
 いずれにいたしましても、総理は、これまで答弁の中で、消費税を上げるのならその前に国民の信を問うと明言されてきたわけでございますので、もし、震災対応のためとはいえ、消費税を上げるとおっしゃるなら、この点もぜひお忘れなきようお願い申し上げたいと思います。
 さらに、財源だけでなく、追加の対策が必要な項目についても伺わせていただきたいと思います。
 今回の震災で多くの子供さんたちも被害に遭い、両親を亡くした震災孤児もたくさんいらっしゃいます。私どもの党は、そのような被災児童生徒の皆さん方に対して可能な限り速やかに現金給付を行うための基金を創設することを提言しておりますが、総理、御賛同願えませんでしょうか。
 また、災害救助関係費及び災害復旧等の公共事業については、国が全額負担すべきではないでしょうか。
 ことしの夏に向かって、電力供給不足を補うために、単に国民に節電を呼びかけ、大口需要家に節電を強制するだけではなく、もっと大胆な発想が必要ではないでしょうか。
 今回の震災に、被災地ばかりでなく、全国の中小企業も悲鳴を上げております。融資ばかりではなく、補助金も活用し、中小企業の支援を行うべきではありませんか。
 また、被害に遭った自治体の財政力は、今後の巨額の復興費用を考えれば、決して潤沢とは言えません。災害臨時交付金を創設して、被災地自治体の負担を軽減すべきだと考えます。
 お話をさせていただきましたように、このような国難に対処するに当たり、政治家は、主義主張を超え、国益を第一に考えなくてはなりません。しかし、残念ながら、与党民主党は国益をそっちのけの内紛を続けているように国民の目には映っております。いつまでも親小沢、反小沢とか内輪もめをしているようでは、建設的な論議というものはできません。
 個人の利益ではなく、日本の将来のために薩長同盟をなし遂げた坂本竜馬のような人材が民主党の中にはいらっしゃらないんでしょうか。極めて嘆かわしいことだと思います。坂本竜馬がいなくても、総理、総理には、江戸城を無血開城した勝海舟に倣って、総理の座を明け渡していただきたいと考えております。一次補正予算案をまとめたら総理はみずから身を引くべきだと進言をさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅直人君登壇〕
○内閣総理大臣(菅直人君) 石原伸晃議員にお答えを申し上げます。
 まず、冒頭、東日本大震災の対策については、自由民主党を初め各政党には、党首会談や実務者会合など熱心にお取り組みをいただき、建設的な御提案を賜り、さらに、国会審議においても御協力をいただいてきたことに心から感謝を申し上げます。
 まず、統一地方選挙の結果についての御質問をいただきました。
 統一地方選挙が全体として民主党にとって大変厳しい結果であったことは、真摯に受けとめたいと考えております。その分析と総括は、これから党の各級機関で進めてまいりますが、いずれにしても、国民の皆さんの民主党に対するおしかりと受けとめ、身を引き締めて、東日本大震災の復興を初めとする政策遂行に責任を果たしてまいりたいと思います。
 次に、東日本大震災の復興ビジョンについて御質問をいただきました。
 今般の東日本大震災からの復興に当たっては、被災地域主体の復興を基本としつつ、国として計画をつくるという広い視野に立っております。
 私は、今回のこの大震災を危機の中の危機だと位置づけております。つまりは、この二十年余り日本の経済の低迷などが続く中で、その中に起きた、まさに危機の中に起きた危機だと考えております。(発言する者あり)
○議長(横路孝弘君) 静粛に願います。
○内閣総理大臣(菅直人君)(続) それだけに、この復興は、単なるもとに戻すという復旧ではなくて、この復興の中から日本全体が再生されるといった創造的な復興を目指していくことが重要だ、このように考えております。
 このような観点から、我が国の英知を結集して、震災からの復興構想について幅広く御議論いただくために東日本大震災復興構想会議を設置して、現在、議論を進めていただいているところであります。六月末をめどに復興の青写真を提案していただくことになっており、これを踏まえて被災地域の復興に向けた指針を作成し、実行してまいりたいと考えております。
 次に、復興の実施組織について御質問をいただきました。
 現在、政府では、東日本大震災からの復興を推進する体制の構築に向け鋭意検討を進めているところであり、できるだけ早期に具体的な姿を提案してまいりたいと考えております。
 復興を推進する体制の具体的内容については、現在検討中でありますけれども、未曾有の災害からの復興を迅速かつ着実に推進していくためにも、現在存在している府省庁との関係で二重行政にならない効果的かつ強力な体制をどのようにつくっていくか、各方面の御意見を踏まえつつ、早急に結論を出してまいりたいと思っております。
 次に、マニフェストの見直しに関する御質問をいただきました。
 まず、マニフェストは、その多くを既に着実に実施してきていると考えておりますが、暫定税率などのように実施できなかったものについては、率直におわびを申し上げたいと思います。
 その中で、このマニフェストを打ち出した後、今回、大震災というものが発生し、ある意味では、この震災復興が何よりも優先するということになりました。そういった意味では、マニフェストに関連する予算も含めて歳入歳出を見直して、今回の第一次補正を出したところであります。
 今後は、本格的復興に向けた復興基本法の策定、第二次補正予算の編成に向けて各党間の議論と合意形成を目指す中で、このマニフェストに関しても、優先度を考えて、歳出歳入のさらなる見直し、検討をしてまいりたいと考えております。
 次に、補正予算の財源についての御質問です。
 本日提出した補正予算については、追加的な国債を発行せず、歳出の見直し等により財源を確保するとしたところであります。
 今後、震災からの復旧復興に向けて、複数回の補正予算を編成することになると考えております。その財源等については、市場の信認を確保しつつ、御提案のあった、従来の国債と区分管理した新たな国債を発行するといった手法をも含め、歳入歳出の両面にわたり、幅広く検討してまいりたいと考えております。
 次に、子ども手当についての御質問をいただきました。
 子ども手当については、既存の予算の縮減、税制改正等によって恒久的な財源を確保して実施することといたしておりましたが、平成二十三年度に予定していた上積み分の見直しを図り、今回の補正予算の財源としたところであります。
 子ども手当は、社会全体で子供の育ちを支えるために創設いたしましたが、各党からさまざまな御意見、御提案が出されており、今後の制度のあり方については、それらも踏まえながら検討してまいりたいと考えております。
 農家の戸別所得補償についての御質問をいただきました。
 平成二十三年度における農業者戸別所得補償制度予算の財源につきましては、農林水産省において既存事業の厳しい見直しを行い、既存の予算の範囲内で捻出をいたしたところであります。
 本制度については四月一日から加入受け付けを開始しており、本制度の着実な実施を進めていく考えであります。
 次に、年金臨時財源の活用についての御質問をいただきました。
 今回の補正予算における臨時財源約二・五兆円の活用については、税制抜本改革により確保される財源を活用することにより、長期的な年金財政の安定を確保し、保険料や年金額への影響を生じさせないことが可能であることを踏まえて行ったものであります。
 次に、公共事業直轄負担金についての御質問にお答えします。
 国直轄の災害復旧事業については、地方負担分として直轄負担金を計上することとなっております。今般の大震災に関する災害復旧事業に関しては、激甚災害の指定等に基づく国の負担率のかさ上げ等が行われること、また、残る地方負担についても、手厚い地方財政措置が講じられることにより、実質的な地方負担は相当程度軽減されることとなると考えております。
 次に、ODA予算についての御質問です。
 今般、第一次補正予算の財源として、平成二十三年度当初予算からODA関連予算を削減するという苦渋の決断を行いました。
 我が国の積極的な国際貢献の姿勢は不変であり、既に表明済みのコミットメントは誠実に実現していく決意であります。私が世界に発出した感謝メッセージや寄稿においても、世界の皆様からいただいた温かい御支援に対し、国際貢献という形で必ず恩返しをしたい旨を明確に述べているところであります。
 次に、補正予算の財源についての御質問をいただきました。
 本日提出した補正予算については、国債市場の信認確保の観点を踏まえ、追加的な国債を発行せず、歳出の見直し等により財源を確保することといたしたものであります。
 次に、復興財源と社会保障の安定財源についての御質問をいただきました。
 復興財源については、今後、復興事業の方向性や規模など、復興構想を検討する中で、この財源についても検討してまいりたいと考えております。他方、社会保障の安定財源については、社会保障と税の一体改革の中で検討すべき課題と考えております。
 次に、就学援助金についての御質問にお答えします。
 被災した児童生徒等に対する経済的支援は、就学機会を確保する観点から極めて重要です。このため、今回の補正予算では、幼稚園から大学までの被災児童生徒等に対し、授業料減免などの就学援助や奨学金などの支援を行うための必要な手当てを講じているところであります。
 次に、災害救助費負担金等の全額国庫負担についてお答えします。
 災害救助費については、最大九割の国庫負担を行うものとしております。地方負担分についても、地方財政措置により、被災した自治体の実質的な負担が極小化されるよう措置を講じてまいります。
 また、災害弔慰金の国庫負担は五割でありますけれども、地方財政措置により、被災した自治体の実質的な負担が生じないよう措置を講じております。
 政府としては、地元自治体において応急救助、早期復旧復興が行われるよう、今後とも支援に尽力してまいりたいと考えております。
 次に、公共事業に係る被災自治体の負担についての御質問にお答えします。
 災害復旧事業の国庫負担は、標準税収を勘案し、一定の事業費を超える部分については国が十分の十を負担することとなっております。
 また、激甚災害の指定に基づく国の負担率のかさ上げや手厚い地方財政措置により、実質的な地方負担の軽減が図られております。
 さらに、一部の施設については、国の負担割合をかさ上げする法律案を国会に提出し、審議をお願いしているところであり、被災自治体の負担軽減を図っているところであります。
 次に、一次補正予算での電力供給対策についての御質問にお答えします。
 第一次補正予算では、自家発電設備等の新増設等に対する補助や、効果的な節電方法に関する情報提供事業を盛り込んでおります。こうした予算措置とあわせ、ガス冷房については特別償却や税額控除などの支援策を講じており、また、日々の電力需給データの見える化の徹底に取り組むことにより、電力需給対策をしっかりと進めてまいります。
 次に、中小企業支援について御質問をいただきました。
 今般の震災では、被災地のみならず、日本全国の中小企業に影響が生じております。今回の補正予算により、間接的な影響を受けた中小企業者向けも含めて、資金繰り支援を抜本的に拡充することに加え、新事業展開への補助などの本年度予算措置も十分に活用して、中小企業対策に万全を期してまいります。
 次に、臨時交付金についての御質問にお答えします。
 今回の地震により、財政力が弱い自治体にも大きな被害が出ているところであり、被災地の復旧に当たっては、自治体の財政負担に十分配慮する必要があると考えております。
 こうした観点から、復旧対策を中心とする今般の補正予算においては、国費によるきめ細やかで手厚い財政援助をできる限り行った上で特別交付税の増額を図ることとしており、これらにより、被災団体等の財政需要に適切に対応してまいります。
 政府としては、今後とも、地方の声を十分に踏まえつつ検討を行い、被災地を一日も早く復旧復興させることができるよう最大限努力をしてまいります。
 なお、残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣野田佳彦君登壇〕
○国務大臣(野田佳彦君) 石原自民党幹事長からは、補正予算の財源についての御質問をいただきました。
 ただいま総理からも御答弁がございましたけれども、本日提出した補正予算については、追加的な国債発行をせず、歳出の見直し等により財源を確保することとしたところでございます。
 今後、震災からの復旧復興に向けて複数回の補正予算を編成することとなると考えております。その財源等については、復興の青写真や今後の対策の規模、さらには市場の信認確保の観点などを踏まえて対応していきたいと思いますが、復興再生債という御提起もいただきましたけれども、復興財源を担保した国債を発行するといった手法をも含めて、今後、歳入歳出にわたって政党間で幅広く検討をしていただきたいというふうに考えています。
 その際、経済財政への内外の信認を確保するとともに、国民の連帯のもと、復旧復興と財政健全化の両立を確保することが日本の再生のために不可欠であると考えております。(拍手)
    〔国務大臣玄葉光一郎君登壇〕
○国務大臣(玄葉光一郎君) 石原幹事長から、復興を推進するための組織についてお尋ねがございました。
 現在、復興を推進する体制について、その具体的な内容を検討中でございますが、私といたしましては、スピード感があり、かつ、実が上がる体制がよいというふうに考えており、まず、復興のための計画を迅速に策定できる体制を確立するとともに、その上で、その計画を強力に進めることができる体制が備わっていく、そういう必要があるのではないかと考えています。
 そのような観点からは、例えば、当初は本部の体制を整備して復興に向けた指針をスピード感を持って策定し、ある段階で復興庁や復興再生院のような体制を整備していくというのも一つの考え方であると思っております。それらの体制の具体的な組織や業務についても早急に検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上です。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(横路孝弘君) ただいま議場内交渉係が協議中ですので、そのまましばらくお待ちください。
 斉藤鉄夫君。
    〔斉藤鉄夫君登壇〕
○斉藤鉄夫君 公明党の斉藤鉄夫です。
 まず、今回の震災でとうとい命を失われた方々の御冥福をただただ祈るばかりです。また、御遺族の皆様に哀悼の意を表しますとともに、被災され、今なお避難生活を余儀なくされていらっしゃる皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。
 私は、公明党を代表して、いち早い復旧復興のために政治が果たすべき役割を懸命に果たしてまいりたいという決意を持って、平成二十三年度第一次補正予算案につき質問をさせていただきます。(拍手)
 総理、あなたの言う最小不幸社会とは、一体何だったんでしょうか。
 震災から四十九日、この間の政府は、何をやるにしてもスピードが遅かった。あなた方の、後手に回った被災地への救援、場当たり的で情報が開示されない原発事故への対応、踊る会議体の乱立などは、信頼の危機を招きました。
 瓦れきの撤去、救援物資の緊急運送、燃料の確保、仮設住宅の着工、義援金の配付、知見を総動員した原発事故への対応、誠実な情報の開示、屋内退避者への支援、賠償方針の提示、自治体職員のマンパワー確保、ボランティア活動の支援等々、我々公明党が至急やるべしと要求したすべてがなかなか実行されず、震災で救われたとうとい命が失われるという二次災害は枚挙にいとまがありません。
 平時における政策の間違いは、徐々に国民生活を疲弊させるものですが、災害という有事にあって後手に回る対応は、国民の命を危険にさらすのです。あなた方の対応、対策の緩慢さに、我々は強い怒りを覚えます。あなた方政府には、国民の苦しみをみずからの苦しみとする姿勢がないのです。これが、あなたの言う最小不幸社会なのでしょうか。
 危機管理の要諦は情報管理であり、国民とのリスク情報の共有が必要です。
 被災者の方はもとより、国民が今求めているのは、具体性のない情緒的なメッセージや、伝言ゲームのような会見ではありません。原子力発電所の隠し立てのない情報を初め、いつ仮設住宅に入居できるのか、いつ家に帰れるのか、いつ義援金は配付されるのか、いつ賠償は始まるのか、いつ農業、漁業は再開できるのか、食品や水が安全なのか、残してきた家畜はどうなるのか、離れたふるさとはどうなっているのか、子供の通う学校や公園は安全なのかなど、政府は、速やかに手を打ち、被災者の知りたいことに答えるべきです。
 そして、私たち政治家は、生活再建のために立ち上がろうとされている被災地の皆様に、何をもってこたえるべきでしょうか。今こそ、与野党協力して、政治が果たすべき役目をスピード感を持って実行すべきときです。
 また、この場をおかりして、官僚の皆さんにお願いしたい。政務三役の指示を待つのではなく、誤った政治主導を乗り越えて、国民の奉仕者として、被災者のために思い切って働くべきときであると強く申し上げたい。
 さて、東京電力福島第一原子力発電所の事故は、いまだ収束せず、水素爆発等の危機も去っていません。現地では、今も、事故の収束に向けた必死の作業が続けられ、多くの住民の方が避難を余儀なくされています。ともかく、今は、一刻も早く事故を収束させなければなりません。
 しかし、政府の事故対応を見る限り、総理の危機管理能力のなさが、大量の放射性物質を放出する事態を招き、レベル7の最悪の事故へと進展させてしまったと言わざるを得ません。さらに、住民に対する避難指示も全く不適切で、大きな混乱を招いています。
 十二年前の東海村ジェー・シー・オー事故のときは、原子力安全委員会が、住田委員長代理を中心に現場に素早く陣取り、原子力研究所の全面的な協力のもと、事故の収束に当たりました。再臨界を阻止するための水抜き作業も、委員長代理がジェー・シー・オー社員を説得して組まれた決死隊によるものでした。住民避難も、安全委員会と東海村の決断で実行されました。政治家は、こうした取り組みを側面からバックアップしただけでした。
 専門知識と経験を有し、統率力を持ち合わせた人が司令官として事故の収束に当たる。一方で、菅総理、あなたは総責任者として、口を出さずにバックアップに徹するべきです。
 事故の収束と廃炉まで見据え、どのような体制で臨まれようとしているのか、また、その中の総理大臣の役目は何と考えていらっしゃるのか、総理の見解を伺います。
 事故の徹底的な検証も重要です。
 なるべく早い段階で、原子力安全・保安院、原子力安全委員会とも独立した第三者機関としての事故調査委員会を設け、国際的に開かれた形で検証を行い、人類共通の財産とすべきです。その準備として、東京電力はもちろん、保安院、安全委員会、官邸、外務省、自衛隊、警察庁、東京消防庁などの事故関連資料を保存し、集中管理することが不可欠です。事故調査委員会と資料保存について、総理の確約を求めます。
 事故の収束とともに、国民が求めているのは、稼働中の原発の安全性です。
 経済産業省は、先月三十日に、津波に関する緊急安全対策を指示しました。その後、七日の余震で外部電源の喪失が再び起こってしまい、電力系統の信頼性を確保するための措置を追加指示しました。まさに、泥縄式の対応です。
 今、大至急やるべきことは、最新の科学的知見と今回の教訓に照らして、従来の安全基準や防災計画に不備がないかどうかの検証と、もし不備があるのであれば、その見直しです。そして、こうした安全基準や防災計画に基づく安全総点検が必要です。その結果、基準を満たしていない原子炉については、運転を停止し、安全性向上の措置をとらなければなりません。現在稼働中の原発の安全性の確保について、総理の見解を伺います。
 また、より長期的には、安全規制やその体制の抜本的見直しが必要と考えます。総理の答弁を求めます。
 今般の補正予算案については、急を要する、瓦れきなど災害廃棄物の処理、道路、港湾、学校などインフラの復旧、さらには、仮設住宅の建設や生活福祉資金の貸し付けなど、被災者の方の生活再建支援などが中心です。私は、復旧復興に向けた必要不可欠な費用に係る予算は、与野党の枠を超えて、速やかな成立と執行に一致努力していくべきと認識しています。
 であればこそ、あえて指摘したい。それは、何ゆえに本補正予算案の編成にこれほどの時間がかかってしまったかということです。
 きょうは、四月二十八日です。震災の発生から既に四十九日です。この間の被災者の方々の御心情、御苦労を考えると、菅内閣の対応は、余りにも遅過ぎ、スピード感に乏しいと言わざるを得ません。総理の答弁を求めます。
 具体的に質問いたします。
 中小企業に対する資金繰り支援策については、新たな震災被害に対する緊急保証や、無利子を含む災害復旧貸し付けを大幅に拡充した特別貸し付けの創設などが盛り込まれている点は評価します。しかし、地震、津波、原発事故など空前の災害にあって、従前の支援策の枠組みにとらわれず、災害復旧貸し付けの既往債務との一体化、借りかえ制度や、元本一括返済融資制度の実行など、中小企業支援の抜本的拡充が必要と考えます。
 また、道路は、復旧復興に向けた重要なインフラです。なかんずく東北自動車道などについては、その基幹的な役割を果たすものであり、一定期間、通行料を無料化すべきと考えます。総理の答弁を求めます。
 被災地における復旧復興が本格化していく過程で、財源をどうするのかの課題は避けて通れません。
 まず優先すべきは、子ども手当や高速道路無料化など民主党が掲げてきたマニフェストを抜本的に転換するなど、不要不急の歳出の見直しによって財源の確保を図ることであります。しかし、民主党は、きちんと党内議論をするつもりがないのか、子ども手当も高速道路も、今年度分の一部分は見送りとはなっているものの、マニフェスト本体の見直しは手つかずのまま、またしても先送りです。
 あげくには、基礎年金国庫負担の二分の一財源二・五兆円を転用するとしていますが、要は、財源が不明確なまま年金の積立金を取り崩してしまうことにほかなりません。年金の安定化はおろか、信頼を大きく損ねるもので、到底容認できません。年金の将来像も示すことなく、いとも簡単に法案を修正、変更してしまう場当たり的な対応を見るにつけ、見事に民主党の年金制度に対するいいかげんさを露呈していると言うほかはありません。
 マニフェストの見直し、そして年金の積立金取り崩しについての総理の答弁を求めます。
 復興に向けた体制について伺います。
 東日本大震災の復興への取り組みについては、広範囲かつ長期にわたることから、政府を挙げて推進する強力な体制が必要です。さきに、首相官邸に震災の対策本部や会議が二十以上も乱立し、指揮系統が混乱し、対策のおくれにつながったことを指摘いたしました。残念ながら、復興に向けた体制づくりでも、その反省は生かされておりません。
 総理は、国民新党の亀井代表が提唱し、与野党の党首クラスが参加するという復興実施本部の設置を支持した上で、野党と調整を続ける亀井氏を評価していると伝えられています。ところが、一方で、政府は、総理とすべての閣僚が参加する復興対策本部設置を軸とする基本法案づくりを進めています。民主党の政調会長でもある玄葉大臣は、亀井氏らの動きを、わからないと明言しておられます。
 総理、この二つの本部は同じ会議なのですか、それとも、実施本部と復興本部をそれぞれ立ち上げるのですか。あなたの場当たり的な対応が政府・与党内に混乱を招いています。我々野党も、これでは協力のしようがないではありませんか。明快に説明してください。
 公明党は、地震発生直後から、災害復興特別措置法の早期制定、復興に向けた予算や政策の司令塔の役割を果たす復興庁及び復興担当大臣の設置を主張してきました。
 復興庁について、権限の調整や予算、人員の移管などに時間がかかるとの指摘もありますが、復興計画は政府がつくり、それを実行するのが復興庁でありますので、復興庁は、計画づくりの段階で立ち上がっている必要はありません。長期にわたる強力な取り組みが必要なことを踏まえれば、一定期間、政府の機能や予算を一元的に管理する権限を有する復興庁が必要です。総理の見解を伺います。
 私は、十四日から議論を開始した政府の復興構想会議や検討会議で、復興のための財源の議論が先行し、その中で消費税増税案が取りざたされていることに、強い違和感を覚えます。なぜ、あらゆる被災者支援策が遅いのに消費税増税案だけは早いのか。復興構想会議のお里が知れるとは、まさにこのことです。復興ビジョンが先、財源論はその後です。
 復興財源については、一般財源とは別に復興勘定をつくり、まず不要不急なものを回す。そして、次に、埋蔵金と言われる特別会計の積立金を充てる。その上で、できるだけ負担できる人に多く負担してもらう仕組みがいいのではないかと考えます。
 消費税については、社会保障の一体改革の中で議論すべきであり、復興財源に消費税を充てることに、公明党は反対いたします。総理の見解を伺います。
 最後に、一度の災害で一万四千人以上の方が犠牲になり、不明者は一万三千人を超え、原発事故ではいまだ収束の見通しさえ立たない現実は、営々と築いてきた日本のさまざまなシステムがエラーを起こしているあらわれです。我々政治家は、潔い反省に基づいて、与野党を超えて、その修復と対策を図らなければなりません。今こそ、与野党協力し、スピード感を持って復旧復興に当たるべきです。
 ただし、総理、あなたは、災害対策に当たるのは御自分の運命であり宿命とおっしゃっておりますが、統一地方選挙の結果を見ても、国民の多くはあなたと運命をともにしたいとは思っていないことは明らかです。
 今回の天災への対応は、初動の誤りと対応の遅さで人災へと広がりました。その人災は、誤った政治主導が招いた政治災害である政災であり、菅総理による菅災と言わざるを得ません。総理はみずからの責任を自覚し行動されるべきである。総理はみずからの責任を自覚し行動されるべきであると率直に申し上げ、私の代表質問といたします。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅直人君登壇〕
○内閣総理大臣(菅直人君) 斉藤鉄夫議員の御質問にお答えします。
 この震災発生から、公明党におかれましても、党首会談や実務会談などに熱心にお取り組みをいただき、国会審議においても御協力をいただいてきたことを、まずもってお礼を申し上げます。
 まず第一に、被災者に対する国の支援について御質問いただきました。
 私も、被災地や避難所を訪問し、多くの方々からお話を伺いましたが、その際、早い段階では、ガソリンがない、あるいは仮設住宅の建設が遅いなどといった率直な御要望をいただき、被災者の立場に立った施策をより強く進めていかなければならないという思いを一層強くいたしたところであります。
 今回の大震災は、我が国にとって、戦後六十五年間経過した中で最も厳しい危機であると思います。政府としては、この危機を乗り越えていくために、初動段階から、例えば、初日に自衛隊の全力での活動を指示するなど、できる限りの力で迅速に取り組んできたものであります。
 今後も、政府として、原子力発電所における事故の収束に全力を尽くすとともに、得られた情報は、最大限、透明性を持って国民に提供してまいりたいと思います。また、被災者の立場に立って、生活支援、復旧復興にも全力を挙げて取り組んでまいります。
 次に、原発事故収束の体制、総理の役割についての御質問であります。
 御承知のように、今回のような大きな事故は、まさに日本の歴史でも初めてでありまして、平成十一年につくられました原子力災害対策特別措置法の十五条の適用によって原子力緊急事態を宣言いたしまして、その法律に基づいて原子力災害対策本部を立ち上げ、私が、法律の規定に基づいて本部長となりました。そういう意味で、言うまでもなく、この福島原子力事故の収束に向けた最大の責任者は私自身だということは、十分に自覚をいたしております。
 事故発生当初から、東電、安全・保安院あるいは原子力安全委員会の関係者を官邸の危機管理センターに集めて対応をしてきたところであります。一刻も早く事態を収束させ、廃炉も含めて処理に万全を期すと同時に、東電福島原発事故調査委員会といったものもそう時間を置かないでつくって、しっかりと、こうしたことが二度と起こらないよう検証を行ってまいりたいと考えております。
 次に、事故調査委員会及び資料の保存管理についての御質問をいただきました。
 福島原発事故の検証に当たっては、今申し上げたように、独立したそうした委員会を設けることが必要と考え、具体的なあり方を検討しているところであり、五月中旬をめどに立ち上げたいと考えております。今後、今回の事故の徹底した原因究明を行い、事故の教訓をIAEA等の場を通じて国際社会と共有することにより、世界各国における原発の安全性向上に向けて、率先して貢献してまいりたいと思います。
 こうした検証のため、必要な資料が適切に保存されるよう、しっかり対応してまいります。
 次に、災害後の安全対策についてであります。
 今般、経産省が事業者に対して指示した緊急安全対策は、地震、津波により電源喪失が起きても、非常用電源や電源車による電気供給やポンプ車による注入を確保するための緊急かつ臨時的な措置であり、より安定的な冷却機能を確保するための措置をできるだけ早くとっていく必要がある、このように考えております。
 さらに、今回の事故原因について予断なく徹底的な検証を行い、安全基準の見直しを含め、安全確保のための抜本的な対策を講じてまいります。
 次に、震災への対応や補正予算の提出時期についての御質問をいただきました。
 三月十一日の震災発生以降、人命救助や避難、水、食料、燃料等の確保、ライフラインの復旧など、早急に対応が必要な支援にまず全力を挙げました。
 財政措置についても、発災の三日後には第一回の予備費の使用を決定するなど、既に六回にわたり総額千百八十二億円を講じており、万全の対応をとってきたところであります。
 また、被害状況等の迅速な把握に努めた上で、政党間の御議論も踏まえ、復旧や被災者支援を中心として、阪神・淡路大震災への最初の補正予算の約四倍に当たる四兆円の補正予算を編成し、本日、国会に提出したところであります。被災地の一刻も早い復旧のため、関連法案とともに御審議の上、速やかに賛同いただくようお願い申し上げます。
 次に、中小企業の資金繰り支援についての御質問をいただきました。
 中小企業の資金繰り支援については、今般の補正予算において、従前の支援策にとらわれず、貸付限度額、融資期間、金利引き下げ措置などを抜本的に拡充した新たな融資制度等の創設を盛り込みました。また、既往の貸し付けについては、返済猶予や条件変更に柔軟に対応することで中小企業の返済負担を軽減する。また、元本一括返済の融資についても、昨年度以上の活用がなされるよう、引き続き推進してまいりたいと考えております。
 次に、東北自動車道の無料化に関する質問をいただきました。
 東北自動車道の無料化については、被災地の実情や各党間での御議論等を踏まえて、適切にこれから検討を行ってまいりたい、このように考えております。
 次に、民主党の年金に対する考え方について御質問をいただきました。
 まず、マニフェストについてでありますけれども、マニフェストは、その多くを着実に実施してきていると考えております。大震災という事態が発生したことによって、優先すべきものは何かということも考え、今回、マニフェストに関連する予算も含めて歳入歳出を見直して、第一次補正予算といたしたところであります。
 基礎年金国庫負担二分の一に係る臨時財源の補正減額については、今後、年金の安定性、信頼を損ねないようにするため、二分の一と減額後の三六・五%との差額は、税制抜本改革により確保される財源を活用して、年金財政に繰り入れ、年金財政の安定確保に万全を期してまいります。
 昨日、社会保障と税の一体改革に向けた政府の集中検討会議を再開いたしました。社会保障制度のあるべき姿を示し、年金制度の安定と信頼を確保するという点で、御党を初め各党との間に基本的な違いはないと考えております。
 大震災からの復旧復興は最優先課題であり、今後、本格的復興に向けた第二次補正予算の編成に向けて、各党間の議論と合意形成が目指される中で、歳入歳出のさらなる見直し、検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、復興のための組織についての御質問をいただきました。
 連立与党である国民新党亀井代表には、大震災からの復旧復興という我が国にとって最大かつ喫緊の課題に対して、党派を超えて取り組むための御努力をいただいていると考えております。復興のための企画立案や実施、執行の組織のあり方については、政府としても検討しており、また、各党間においても議論が行われていると承知しております。
 自由民主党や公明党を初め各政党に参加いただける場合、また、それが難しい場合を含め、各党の御提案と御意見を賜りながら、どういう形のそうした体制が好ましいか、今後、できるだけ速やかに各党の議論と合意を目指してまいりたい、その中でふさわしい形をつくり上げてまいりたいと考えております。
 復興庁の設置についての御質問をいただきました。
 現在、政府は、東日本大震災からの復興を推進する体制の構築に向け、鋭意検討を進めているところであり、できるだけ早期に具体的な姿を提案してまいりたいと思います。
 復興を推進する体制の具体的内容については、現在検討中でありますが、未曾有の災害からの復興を迅速かつ着実に推進していくためにも、現在ある府省庁との関係で二重行政にならない効果的かつ強力な体制をどのようにつくっていくのか、各方面の御意見も踏まえつつ、早急に検討してまいります。
 次に、復興のビジョンとその財源についての御質問をいただきました。
 東日本大震災からの復興構想については、東日本大震災復興構想会議を設置し、我が国の英知を結集して、六月末をめどにその青写真を提案していただくことにいたしております。復興構想会議では、単なる復旧ではなく、未来に向けた創造的復興のビジョンなど、自由闊達に御議論をいただき、提言をまとめていただきたいと考えております。
 なお、財源論については、復興事業の方向性や規模などがまとまってきた後の課題と考えております。
 以上、御答弁とさせていただきます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(横路孝弘君) 穀田恵二君。
    〔穀田恵二君登壇〕
○穀田恵二君 私は、日本共産党を代表し、菅総理に質問します。(拍手)
 質問に入る前に、東日本大震災で犠牲となられた多くの方々に哀悼の意を表します。今なお不自由な生活を余儀なくされている被災者の皆様にお見舞いを申し上げます。また、困難な中で、被災者救援、地域の再建のために全力を挙げておられる皆様に敬意を表します。
 まず、一刻も待てない避難生活の改善です。
 地震発生から一カ月半以上が過ぎましたが、依然として一万一千名以上の方々の安否が確認されておらず、わかっているだけで、十三万人を超える被災者が避難生活を強いられています。巨大地震と大津波から助かった命を失うことがあってはなりません。
 水道や電気が復旧していないばかりか、トイレがあふれている劣悪な環境の避難所がいまだに放置されています。一カ月半以上たっても、温かい食事がない、一度もふろに入っていない、間仕切りが全くない、医師や保健師の巡回もない、あっても十日に一回程度など、人間らしい生活にはほど遠い、極めて深刻な状態が続いています。感染症の拡大が危惧され、長引く避難生活のストレスの影響も懸念されています。
 自治体も被災し、その機能の一部を失いながら努力されていますが、その自治体にただ要請するだけでは対応し切れないことは明らかであります。具体的な避難所を特定し、被災自治体と連携して、国が責任を持って課題を解決していくことが必要ではありませんか。明確な答弁を求めます。
 被災者に人間らしい生活を保障するためには、避難所から一刻も早く仮設住宅等へ移ることができるようにすることが求められています。希望者全員が入れる仮設住宅の建設を大規模かつ早急に進めなくてはなりません。そのためには、公有地の提供はもちろん、民間用地の借り上げ、民間住宅の借り上げ、可能な場合は個人の宅地内への建設など、考えられるあらゆる手だてを尽くすことが必要です。答弁を求めます。
 第二は、被災者の生活再建と地域の再建の問題です。
 重要なことは、復興の土台は被災者の生活再建と地域社会の再建ということです。そのことに政府は責任を持つべきです。同時に、生活を支える農業や漁業、水産業、中小企業の再建にも国が責任を持って取り組むことを明確にすることが必要です。
 その進め方は、計画は住民合意で、実施は市町村が主体に、財源は国が責任を持つ、この原則を貫くべきです。国が上から復興計画を押しつけるやり方はとるべきではありません。これを基本とすべきです。総理の答弁を求めます。
 被災者にとって、生活再建に国が全面的に支援するというメッセージは、困難を乗り越える励ましとなります。手元資金として、義援金や災害弔慰金、被災者生活再建支援法に基づく基礎支援金を一刻も早く被災者に届け切ることが必要です。
 また、生活再建を進める上で、被災者生活再建支援制度、個人補償の抜本的拡充がどうしても必要です。
 菅総理は、先月三十一日、我が党の志位委員長に対し、被災者生活再建支援法を協力してつくった経過にも触れながら、上限三百万円の支給額について、私も引き上げが必要だと思うと述べました。ところが、第一次補正予算には計上していません。なぜでしょうか。被災者の実態に即して、再建を可能とする支援金制度とするために、正面から取り組むべきではありませんか。明確な答弁を求めます。
 また、生活を支えるなりわいであり、地域を支える農業や漁業、水産業、中小企業への支援が決定的です。これらを再建してこそ、地域経済の再建、雇用の基礎をつくり出すことができます。
 津波で、住宅や車を初め、農地、船や漁具、店舗や事業所、機械も失われました。残されたのは借金だけと悲鳴が上がっています。マイナスではなく、せめてゼロからのスタートを、被災した皆さんの一致した切実な訴えです。借金返済の心配と負担をなくし、再建へ集中してもらう、この条件をつくるのは国の責任ではありませんか。被災者が住宅を再建するために、津波で流された住宅のローンを抱えたまま新たな借金をしなければならないという二重ローンを強いることは絶対にやめなければなりません。
 さらに、地域を支える被災者のなりわいを再建するための直接支援も必要です。
 被災農地を一たん国が買い上げて再生させる、被災漁業者が負担なしで漁船の建造、再建ができるようにする、中小企業には休業補償を行う、被災者の返済不能となった債権を地域金融機関から買い取る仕組みをつくり、債務の凍結、免除を行うことなどを検討すべきです。総理の答弁を求めます。
 地域の再建を進めるためには、地域社会の核となるべき機能の再建が不可欠です。
 被災地では、公立病院や保健所の役割が改めて問われています。これまでの構造改革路線を改め、医療関係者と行政が一体となった地域の保健医療体制の確立こそ行うべきです。公共交通の機能回復も急がなければなりません。広域化や合併ではなく、職員の増員など、消防力の強化や被災者に身近な役場機能の強化も優先課題として取り組まなければなりません。総理の答弁を求めます。
 また、復興の財源について、消費税の増税を検討することはやめるべきです。消費税は、被災者にとりわけ重い負担となり、生活再建を妨げ、被災地の産業復興の大きな障害となることは明らかです。
 復興の財源は、まず、今年度予算を抜本的に組み替えて、法人税減税や証券優遇税制の延長をやめること、原発の建設推進予算、不要不急の公共事業、米軍思いやり予算などを中止してつくり出すべきであり、さらに必要な財源は、二百四十四兆円に上る大企業の内部留保を活用するべきと考えます。
 第三は、東京電力福島原発事故の問題です。
 菅総理、あなたは、今回の原発事故はあってはならない事故だと言いましたが、それは、安全神話に立って、必要な対策をとってこなかったために起きたものです。事故が起こってからは、法律で定められたことさえやらずに、被害を拡大してきたのです。その責任は重大です。
 総理、あなたは、一昨日、今回のような深刻な事故は起こり得ない、多重防護だから安全などとしてきたこれまでの政府答弁が誤りであったと認めました。こうした見地に立つのであれば、あなたのやるべきことははっきりしています。
 一つは、事故の拡大を防ぎ、一刻も早く事態を収束させることです。
 原発事故の収束なくして復旧復興はあり得ません。東京電力が作成した工程表の根拠となっているデータのすべてを提出させ、それを公開すること、内外の英知を集め、客観的な評価を行い、事態の収束の見通しについて明らかにすることです。
 二つは、原発に起因するすべての被害について、速やかに補償することです。
 政府に促され東京電力が開始した仮払いは、三十キロ圏内に限定され、漁業や農業被害などは対象外とされています。原発から二十キロ圏内、三十キロ圏内、三十キロ圏外を含む南相馬市では、仮払いによって住民が分断されることまで起きています。総理、あなたはこれでよいと考えているのでしょうか。
 事故により深刻な事態を引き起こしたばかりでなく、その補償をめぐっても住民を混乱させる、こんなやり方は直ちに改め、原発に起因するすべての被害を補償する、このことを明確にさせるべきではありませんか。
 三つは、今回のような深刻な事故が起こり得るとの前提で原発行政を見直すことです。
 現在設置されている原発は、すべて、安全神話に基づいて国がお墨つきを与えてきました。新増設の計画は直ちにやめるべきです。全国五十四カ所すべての原発の総点検を急ぎ、安全が確保されない原発は直ちに停止するなど、あってはならない事故の危険をなくす努力を真摯に行うことです。さらに、原発依存から脱却し、自然エネルギーへの計画的な転換を決断すべきです。
 総理の責任は重大であり、明確な答弁を求めます。
 最後に、もとの生活を取り戻したいとの切実な思いを実現するため、被災者の皆さんと御一緒に力を合わせて奮闘することを表明して、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅直人君登壇〕
○内閣総理大臣(菅直人君) 穀田恵二議員にお答えを申し上げます。
 まず、避難所に対する国の支援についての御質問です。
 震災から一カ月半以上たった現在においても、全国で十三万人にも上る方々が避難所における不自由な生活を強いられておられまして、大変申しわけなく思っております。
 避難所における被災者の方々の生活環境の改善については、各市町村が懸命に取り組んでおり、政府としても、被災者生活支援特別対策本部を中心に支援を行っております。例えば、予備費を使用してパーティションを調達し、各県の要望に応じて配付するなどの取り組みを行っているところであります。
 今後とも、政府としてやれることは何でもやるとの覚悟のもと、被災者の方々の立場に立って、県、市町村の取り組みを全力で支援し、生活環境の改善に向けて努力してまいります。
 次に、仮設住宅についての御質問にお答えします。
 応急仮設住宅については、約七万二千戸の建設が必要とされているところ、五月末までに約三万戸が完成する見通しであります。一刻も早くすべての仮設住宅が完成するよう、用地の確保も含め全力を挙げて県を支援するとともに、民間賃貸住宅の借り上げ等も促進し、できるだけ早期に住宅確保が図られるよう全力を挙げてまいります。
 次に、復興の進め方についての御質問をいただきました。
 今回、被災地域は、農山漁村であると同時に、部品などの供給拠点があり、我が国の経済、産業にとっても重要な地域であります。被災された事業者や企業が一日も早く活動を再開できるよう、地域の方々の御意見をよく聞いて、漁港施設の復旧や瓦れきの撤去などに早急に取り組んでまいります。
 また、地域の経済や雇用を支える被災された中小企業の再建を支援するため、今回の補正予算では、資金繰り支援を抜本的に拡充するとともに、中小企業の工場施設等の復旧支援を行うこととしているところです。
 いずれにせよ、復興に向けた取り組みは、国が上から押しつけるのではなく、地域住民の意向を尊重しつつ、国と地方公共団体が連携して取り組んでいくことが不可欠であり、東日本大震災復興構想会議においても、被災状況や被災地域の地元の声、関係市町村の取り組みをしっかりと把握し、これを審議の過程に織り込んでいくことといたしております。
 次に、被災者に対する手元資金の早期支払いについての御質問にお答えします。
 被災者の方々に少しでも早く義援金等をお届けすることは大変重要だと思っております。義援金については、本日、四月二十八日、岩手県の自治体、野田村において、二百五十九件、額にして一億四千二万円が被災された方のお手元に届くと伺っております。また、災害弔慰金については、二十二日現在で、十四件が既にお手元に渡っております。被災者生活再建支援金については、本日から支援金の支給が開始されるものと承知をいたしております。
 今後とも、できるだけ迅速にお手元にお届けできるよう、全力を挙げてまいりたいと思います。
 次に、被災者生活再建支援金の引き上げについての御質問にお答えします。
 今回の大震災では、地震や津波によって、多くの方々が、住む家に被害を受け、生活に大きな支障を来しておられます。いまだ被害の全容が明らかになっていないところでありますが、まずは、基礎支援金百万円を速やかに支給できるよう、今般の補正予算案において五百二十億円を盛り込んだところであります。
 今後とも、今般の被害の甚大さを踏まえ、震災により住居を失った方々に対し十分な支援が行われるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、二重ローンについての御質問です。
 今回の震災で被災された方々の住宅ローンの返済については、住宅金融支援機構からのローンについて、返済方法の変更が可能となるような措置を今回の補正予算に盛り込んでいるほか、民間金融機関においても、被災者からの返済猶予等の貸し付け条件変更の申し込みに積極的に対応しているものと承知をいたしております。
 いずれにしても、被災者の方々が住宅に係る二重ローンで困窮しないよう、引き続き、さまざまな支援策を講じてまいりたいと考えます。
 次に、被災農地の貸し付け、漁船の建造、中小企業の休業補償や債務の減免についての御質問にお答えします。
 御指摘の点は、例えば、漁船の建造、再建については、国、県の助成と漁船保険金により約九割の費用が支払われるほか、雇用調整助成金による雇用の維持、金融機関による被災中小企業への貸し付け条件の変更への積極的な対応など、現行制度で対応できる措置は迅速に講じているところであります。
 また、農林漁業を含めた被災地全体の復興については、復興構想会議の議論や地元の声なども踏まえ、未来に向けた創造的な復興となるよう、早急かつ十分に検討してまいりたいと考えます。
 次に、地域の保健医療体制の確立についての御質問です。
 地域の医療関係者が連携して被災地の保健医療体制を体系的に再構築していくことは極めて重要だと考えております。このため、平成二十三年度第一次補正予算案に、医療機関や保健所の災害復旧の経費やその国庫補助率の引き上げ等を盛り込むとともに、既に措置してある地域医療再生基金について、被災地に重点的に配分するなどの措置を講じたところであります。
 次に、公共交通の機能回復についての御質問です。
 今般の震災では、鉄道、バス等の公共交通機関においても甚大な被害が発生し、東北新幹線や仙台空港発着の航空便など、関係者の御努力により順次運行が再開されてきているものの、いまだ完全復旧には至っておりません。
 被災地域の復旧を進める上で、公共交通の機能回復は重要な課題であると認識しており、被災地の状況を分析し、効果的な手法の検討を進め、国として必要な支援を行ってまいります。
 消防力や役場機能の強化についての御質問です。
 消防力や役場機能の充実強化を図ることは重要であり、その方策については、合併や広域化も含めて、市町村みずからが選択していくべきものと考えております。
 政府としては、今後とも、そのような市町村の自主的な取り組みを積極的に支援してまいりたいと思います。
 復興の財源についての御質問です。
 復興については、まず財源論ありきではなく、復興構想会議で未来に向けた創造的復興の事業内容や方向性などを御議論いただいた上で、歳入歳出にわたり幅広く検討していきたいと考えております。
 その際、既存の歳出を見直すことはもちろんですが、経済の活性化や安全保障など政策全般の推進にも意を用いる必要があると考えております。
 次に、東電の工程表の根拠データ提出と事態の収束の見通しについての御質問です。
 今回の事故を一刻も早く収束させるため、必要なデータをしっかり収集し確認する、また、原子力安全に関する国際的な議論も踏まえつつ、幅広く意見を聞きながら収束に向けた作業を進めてまいっているところであります。これからも全力を挙げてまいります。
 原発に起因する被害の速やかな補償についてであります。
 原発事故との相当因果関係が認められる損害については、漁業や農業被害なども含め、原子力損害賠償紛争審査会が定める指針に沿って判断され、賠償されることとなります。この指針の早期策定を進めるとともに、被害者の方々が可及的速やかに補償が受けられるように、しっかりと政府としても対応してまいりたいと考えております。
 次に、原子力行政見直し、原発の総点検についての御質問にお答えをいたします。
 今回の原発事故の検証に当たっては、独立した調査委員会を設け、予断なく事故原因の徹底的な検証を行い、抜本的な対策を講じていくことが必要と考えております。これにより、すべての原子力発電所の安全確保に万全を期することが必要です。その検証を踏まえつつ、今後の原子力政策のあり方については白紙から検討していくことが必要だ、このように考えております。
 以上、答弁とさせていただきます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(横路孝弘君) 重野安正君。
    〔重野安正君登壇〕
○重野安正君 社会民主党の重野安正です。
 財政演説につきまして、社会民主党・市民連合を代表して質問をいたします。(拍手)
 今般の東日本大震災は、多くの犠牲者と甚大な被害をもたらしました。本日は、震災から四十九日です。亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げ、御遺族や被災をされた方々に心からお悔やみとお見舞いを申し上げますとともに、復旧のため日夜頑張っておられる関係者の皆様に深甚なる謝意を表します。
 「村落は、荒れ地と化していた。津波のはこんできた大小無数の岩石が累々として横たわり、丘陵のふもとにある家々がわずかに半壊状態で残されているだけで、海岸線に軒をならべていた家々は跡形もなく消えていた。」これは、吉村昭氏の「三陸海岸大津波」の一節です。
 三陸沿岸は、明治以降だけでも三たび大津波に襲われました。今回の福島第一原発事故について、想定外の自然災害だとの主張があります。しかし、同様な地震、津波は何度も発生しており、想定外とは、稚拙な言い逃れにすぎません。
 多重防護が一気に破れるおそれは、社民党も、この間、一貫して主張してきたところでございます。津波の想定が低過ぎるとの指摘も、原子力安全委員会は十分承知していたはずであります。ところが、東電も安全委員会も原子力安全・保安院も、そうした声を抑え込んできたのです。
 過失がないどころか、リスクを意図的に低く見積もり、コストのかさむ対策を想定から外してきた、未必の故意というべき責任があるのは明らかではないでしょうか。東電はもちろん、低い想定を許してきた原子力安全委員会、保安院の責任についてどうお考えか、お尋ねをいたします。
 周辺住民がすべてを失う一方、長年、原子力村の実力者として想定を低くする役割を果たした、事故後には、処理するための知識を持ち合わせていないと言い放った原子力安全委員長は、年二千万円もの報酬を受け取っている。こんな委員長は解任すべきである、このように思いますが、いかがお考えでしょうか。
 いまだに事故は収束せず、今後、被害がどこまで広がるかわかりません。その中で、賠償の枠組みの議論が、東電の賠償に上限を設けるかどうかという線で進んでいます。全く理解ができません。本来裁かれる側の東電、経産省が絵を描くようなことを許してはなりません。賠償能力に欠けるのであれば、一時、国が貸し付けるなどして、当面は事故の収束を優先するべきだと考えますが、総理のお考えを伺います。
 原発の大事故が起こり得ること、一たん大事故が起これば、容易に収束できず、影響はとてつもなく大きいことがわかりました。
 現在、東海・東南海・南海大地震がいつ起きてもおかしくないと言われています。震源域の真上にある浜岡原発を直ちに停止すべきであります。浜岡で同様の事故が発生すればどうなるか、想像するだけでも背筋が凍りつきます。そのリスクを承知の上で、なおも浜岡原発を動かし続けるつもりなのか、総理のお考えをお聞かせください。
 既に四十九日が経過しましたが、阪神・淡路大震災のときと比べても、なぜこんなに対応が遅いのか。菅内閣が本当に国民の命、暮らし、財産を守り得るのか、不安を禁じ得ません。復興の議論に入る前に、ぜひとも各党首による会談を行い、総理がどう取り組んでいくのかを訴え、真摯に各党の、全党の協力を仰ぐべきだと考えますが、いかがお考えでしょうか。
 財源について伺います。
 年金臨時財源など社会保障関係から復興財源を捻出するやり方は、順序が違うのではないか、このように指摘せざるを得ません。高速増殖炉サイクル関係などの原子力関係予算を原子力事故対策に転用すべきです。在日米軍駐留経費負担、辺野古移設関連経費、米軍ヘリパッド工事関連経費などについても、復旧対策経費に組み替えるべきではないでしょうか。今回の財源捻出について、どういう考えで行ったのか伺います。
 さらに、復興会議では、座長から消費税増税案が飛び出しました。被災者にも負担増をもたらすどさくさ紛れの消費増税は、断じて認められません。復興のための財源についての政府の見解を伺います。
 次に、地域の実情に応じて適時適切な対策を講じることができるよう、災害一括交付金や県レベルの震災復興基金を設立すべきだと考えますが、いかがですか。
 また、二重債務について、政府として債務免除などの後押しを決断すべきだと考えますが、どのような見解をお持ちでしょうか。
 仮設住宅について、総理は、遅くともお盆までにはと言われています。被災者の皆さんからも期待が高まっています。全員がお盆までに入居できるという、そういう住民皆様の期待を裏切らないよう、改めて確約していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 復興は、あくまでも被災者が主体です。復興の過程に被災地の住民がかかわるような仕組みをつくるべきだと考えます。また、被災状況の把握と生活再建、復興に関する意向調査をやるべきだとも考えますが、総理の答弁を求めます。
 さて、地震は自然現象ですが、震災は、社会現象であり、人災です。小泉構造改革で疲弊した日本を今回の地震と津波が襲った。復興とは、もとに戻すことではないとの指摘があります。本当の意味で人間らしい社会、安心できる社会を目指して全力を挙げる体制をどうつくるのか、総理の決意を伺い、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅直人君登壇〕
○内閣総理大臣(菅直人君) 重野議員にお答え申し上げます。
 まず、関係機関、事業者の責任についての御質問であります。
 今回の福島第一原発事故を通して、原子力に対する安全神話というものが政府にも事業者にもあったのではないかということについては、私もそのように感じて、謙虚に反省すべきであると思っております。
 今後、今回の事故原因について予断なく徹底的な検証を行い、安全確保のための抜本的な対策を講じていかなければならないと考えております。
 原子力安全委員長についての御質問であります。
 現在の原子力安全委員長は、長年原子力安全に携わってきた第一線の研究者であり、昨年四月に、国会の同意を得て原子力委員に就任され、委員の互選によって委員長に選ばれた方であります。
 まず、現時点では、事故の収束を図ることが最優先であり、その上で、原子力安全委員会のあり方も含めて、この原子力に携わるいろいろな関係機関のあり方も徹底的に検証していく必要がある、このように考えております。
 今般の原子力損害の賠償の方策について御質問をいただきました。
 まずは、事故の収束に全力で取り組むことは当然だと思っておりますが、今般の原子力損害に対する賠償については、一義的には東京電力がその責任を負うべきものと考えております。
 しかし、同時に、政府としても、被害者の方々が適切に賠償されるよう万全を期すべく、どのような仕組みで東京電力による賠償を実施するのか、政府全体で検討してまいりたいと考えております。
 浜岡原子力発電所についての御質問をいただきました。
 今回の事故を受けて、浜岡原発を含むすべての原子力発電所に対して緊急の安全対策強化を行うよう指示を行っております。これを受けた各社の対応を見きわめ、安全確保に万全を期すために適切な対応を今後もしてまいりたい、このように考えております。
 各党党首会談での協力要請に関する御質問をいただきました。
 今回の未曾有の大震災において、内閣、政府を挙げて懸命に全力で取り組んでおりますけれども、被災者の皆様が今日においても厳しい生活を余儀なくされていることを考えれば、反省すべき点も含めて、まだまだ足りない、至らないところが多々あり、仮設住宅や生活支援の推進などを含め、被災者本位、被災地の立場で対策に拍車をかけなければならないと考え、邁進してまいりたいと思っております。
 今後も、被災者を初め国民の命、暮らし、財産を守るために、政府を挙げて頑張っていく決意であり、御提案の趣旨をかみしめ、適宜、党首会談の開催を含め、各党間の意思疎通をさらに円滑に行うよう努めてまいりたいと思います。引き続きの御協力を切にお願いを申し上げます。
 次に、補正予算の財源についての御質問です。
 今回の補正予算の財源は、国債市場の信認維持の観点から追加的な国債発行をしないとの考え方で検討し、政党間の御議論も踏まえつつ、歳出予算の見直しにより捻出したところであります。
 臨時財源約二・五兆円の活用については、税制抜本改革により確保される財源を活用することにより、長期的な年金財政の安定を確保し、保険料や年金額への影響を生じさせないこととしているところであります。
 復興のための財源についての御質問です。
 東日本大震災からの復興構想については、東日本大震災復興構想会議を設置し、我が国の英知を結集して、六月末をめどにその青写真を提言していただくことといたしております。復興構想会議では、単なる復旧ではなく、未来に向けた創造的な復興について、自由闊達に議論をし、提案をまとめていただきたいと考えております。
 財源論については、復興事業の方向性や規模などがまとまってきた後の課題と考えております。
 災害一括交付金等による復旧復興についての御質問です。
 今回の地震により、財政力が弱い自治体も大きな被害が出ているところであり、被災地の復旧に当たっては、自治体の財政負担に十分配慮する必要があると考えております。
 こうした観点から、復旧対策を中心とする今般の補正予算案においては、国費によるきめ細やかで手厚い財政援助をできる限り行った上で特別交付税の増額を図ることといたしており、これらにより、被災団体等の財政需要に適切に対応しているところであります。
 一方、二重債務については、民間及び政府系金融機関等による既存融資の返済猶予や新規融資の金利の引き下げ等の取り組みと、さまざまな被災者支援措置とを、セットで考えるべき問題であると思います。
 政府としては、今後とも、地方の声を十分に踏まえつつ検討を行い、被災地を一日も早く復旧復興させることができるよう、最大限の努力をしてまいります。
 仮設住宅についての御質問です。
 応急仮設住宅については、約七万二千戸の建設が必要とされているところであり、五月末までに約三万戸が完成する見込みです。お盆のころまでには希望者全員に入っていただけるよう、国として最大限の支援をするとともに、用地の確保も含め、全力を挙げるよう、県にも要請してまいりたいと考えております。
 復興の進め方についての御質問です。
 復興に当たっては、被災者が主体となることは言うまでもありません。また、被災地域の地元のさまざまな声をしっかりと把握することが重要であります。
 このためにも、今般設置された復興構想会議においても、被害を受けた岩手、宮城及び福島の各県の知事や、東北にゆかりのある方にも委員になっていただき、また、委員の方々の現地への訪問や、地元の方々との意見交換の機会を設けることなどを検討しているところであります。
 今後、復興事業を実施する際には、地元自治体と連携する現場機能を持たせる体制とすることを検討しているところです。
 これらにより、被災地の状況や被災者の意向を適切に把握しつつ、復興に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、人間らしい社会に向けた復興の体制づくりについての御質問をいただきました。
 今般の東日本大震災からの復興については、先般、東日本大震災復興構想会議を設置し、単なる復旧ではなく、未来に向けた創造的復興の青写真を提言していただくことといたしております。
 この会議では、都市計画、防災、経済などの専門家の方や被災地の知事の方々だけでなく、哲学者、宗教家など幅広い分野の方々に入っていただき、我が国の英知を結集して、さまざまな観点から御議論をいただいているところであります。
 以上、答弁とさせていただきます。(拍手)
○議長(横路孝弘君) これにて国務大臣の演説に対する質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
○議長(横路孝弘君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後七時七分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       内閣総理大臣   菅  直人君
       総務大臣     片山 善博君
       法務大臣     江田 五月君
       外務大臣     松本 剛明君
       財務大臣     野田 佳彦君
       文部科学大臣   高木 義明君
       厚生労働大臣   細川 律夫君
       農林水産大臣   鹿野 道彦君
       経済産業大臣   海江田万里君
       国土交通大臣   大畠 章宏君
       環境大臣     松本  龍君
       防衛大臣     北澤 俊美君
       国務大臣     枝野 幸男君
       国務大臣     玄葉光一郎君
       国務大臣     自見庄三郎君
       国務大臣     中野 寛成君
       国務大臣     与謝野 馨君
       国務大臣     蓮   舫君
 出席内閣官房副長官及び副大臣
       内閣官房副長官  仙谷 由人君
       財務副大臣    五十嵐文彦君