第177回国会 農林水産委員会 第13号
平成二十三年五月三十一日(火曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 山田 正彦君
   理事 梶原 康弘君 理事 佐々木隆博君
   理事 津島 恭一君 理事 仲野 博子君
   理事 柳田 和己君 理事 谷  公一君
   理事 宮腰 光寛君 理事 石田 祝稔君
      網屋 信介君    石田 三示君
      今井 雅人君    大串 博志君
      加藤  学君    笠原多見子君
      金子 健一君    木内 孝胤君
      近藤 和也君    篠原  孝君
      瑞慶覧長敏君    田名部匡代君
      高橋 英行君    玉木雄一郎君
      中後  淳君    道休誠一郎君
      中屋 大介君    野田 国義君
      松木けんこう君    山岡 達丸君
      吉田 公一君    あべ 俊子君
      伊東 良孝君    今村 雅弘君
      江藤  拓君    北村 誠吾君
      谷川 弥一君    保利 耕輔君
      山本  拓君    西  博義君
      吉泉 秀男君
    …………………………………
   議員           宮腰 光寛君
   議員           坂本 哲志君
   議員           赤澤 亮正君
   農林水産大臣       鹿野 道彦君
   農林水産副大臣      篠原  孝君
   農林水産大臣政務官    田名部匡代君
   農林水産大臣政務官    吉田 公一君
   政府参考人
   (内閣府地域主権戦略室次長)           渡会  修君
   農林水産委員会専門員   雨宮 由卓君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月三十一日
 辞任         補欠選任
  石原洋三郎君     中屋 大介君
  石山 敬貴君     瑞慶覧長敏君
  金子 健一君     中後  淳君
  筒井 信隆君     木内 孝胤君
  中野渡詔子君     笠原多見子君
  小里 泰弘君     あべ 俊子君
同日
 辞任         補欠選任
  笠原多見子君     中野渡詔子君
  木内 孝胤君     筒井 信隆君
  瑞慶覧長敏君     石山 敬貴君
  中後  淳君     金子 健一君
  中屋 大介君     石原洋三郎君
  あべ 俊子君     小里 泰弘君
    ―――――――――――――
五月三十日
 農業の担い手の育成及び確保の促進に関する法律案(宮腰光寛君外六名提出、衆法第一〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 農林水産省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出第一八号)
 地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、地方農政局及び北海道農政事務所の地域センターの設置に関し承認を求めるの件(内閣提出、承認第一号)
 農業等の有する多面的機能の発揮を図るための交付金の交付に関する法律案(加藤紘一君外四名提出、第百七十四回国会衆法第三五号)
 農業の担い手の育成及び確保の促進に関する法律案(宮腰光寛君外六名提出、衆法第一〇号)
     ――――◇―――――
○山田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、農林水産省設置法の一部を改正する法律案及び地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、地方農政局及び北海道農政事務所の地域センターの設置に関し承認を求めるの件の両案件を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案件審査のため、本日、政府参考人として内閣府地域主権戦略室次長渡会修君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○山田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊東良孝君。
○伊東委員 おはようございます。
 それでは、農水省設置法の一部を改正する法律案について若干質問をさせていただきます。
 今回の農林水産省設置法の改正案には、地域センターの所掌事務、内部組織を農林水産省令で定める、こうあるわけでありますが、この所掌事務には戸別所得補償制度の実施が含まれているのか。これを目的に組織改編というようなお話も昨年あった、このように記憶しているわけでありますが、この実施が含まれるのか、また、内部組織には、戸別所得補償制度をデータ面で支える生産統計部署が含まれるのか、お伺いします。
○鹿野国務大臣 農業者戸別所得補償制度につきましては、現行の地方組織におきましては、各地域に所在する地域課が、市町村やら農協等で構成される地域農業再生協議会との連絡調整、あるいは農業者からの相談、受け付けなどを実施いたしまして、そして地方農政事務所は都道府県内の地域課の業務の指導、取りまとめを行い、さらにこれを各地方農政局が指導するということになっておったわけでございます。
 今回の地方組織の再編ということになった場合には、地方農政事務所、地域課という二段階に分かれていた組織、機能を地域センターに集約するというふうな考え方でございます。そして、農業者からの相談なり受け付け、審査等までを一元化する、また人員の集約化によるところの事務処理体制の強化を通じ、農業者に対して丁寧なサービスを行っていく、そしてまた地域ごとの統計データに基づくより的確な業務実施等を図ってまいりたい、こんなふうに考えておるところでございます。
○伊東委員 農政事務所をセンターに集約、一元化するというお話でありますけれども、今回農林水産省設置法改正案が提出されておりますが、これは百七十四回の通常国会で廃案となったものでありますが、前回と今回の設置法改正案を比較いたしますと、地域センターの設置については全く変更がありません。
 前回の法律案の趣旨には、戸別所得補償制度のモデル事業を円滑に実施する観点、これが明確にうたわれていたわけでありますが、今回の趣旨には、平成二十三年度から本格的に実施を予定しておりました戸別所得補償制度、この観点がすっぽり抜け落ちているというふうに見えるわけでありますが、その理由についてお聞かせをいただきたいと思います。
○鹿野国務大臣 今先生から御指摘でございますけれども、基本的に、私が御説明申し上げますとおりに、農林水産省としては変わったというふうな認識に立っておるわけではございませんで、あくまでもこの地域センターが移行後においては地域農業再生協議会と密接に連携をしていく、こういうことでございますし、また、市町村、農協等の関係機関に出向いて受け付けなどを行うというようなことで、より主体的な考え方を持って農家の利便性が向上するようにしていきたい、こういうふうなところに力点を置いているところでございます。
○伊東委員 これは、戸別所得補償制度をモデル事業としてスタートさせるについて、去年は、そのいわゆる監視、実施あるいは指導機関としての地域センターの設置だったというふうに私は受けとめているわけであります。
 とすれば、廃案になって、現行のままで所得補償制度はスタートしたわけでありますけれども、現行の機構組織の中で、いわゆる農政事務所体制のままで所得補償制度がスタートをいたしました。ちょっと思惑が違ったと思うわけでありますけれども、これによる大きな支障がこの一年生じたかどうか、お伺いをいたすところであります。
○鹿野国務大臣 基本的には、私どもとしては、戸別所得補償制度というものをこれから継続していく中で、先ほど申し上げますとおりに、農業者の方々に対するサービスを向上させていく、すなわち、丁寧に連携をとりながら説明をさせていただき、そしてより事務処理体制の強化を図っていくというふうなことにおいては、基本的に以前と同じ認識に立っていくことには変わりないということだけ申させていただきたいと思います。
○伊東委員 戦後長いこと、現行の農政事務所制度ということでやってきたわけでありまして、戸別所得補償制度導入に当たって農家に対する指導その他を一元化するということで、地域センター方式というか新制度へ移行をすることになった、戸別所得補償制度の実施に当たってどうしても組織を変える必要があったというふうに、私は、昨年そういうふうに受けとめたのでありました。
 しかし、残念ながら廃案となって、農政事務所制度そのままでこれが実施されることになった、だから支障が生じたのではないかなという気がいたしたのでありますけれども、さほどではないということであれば、果たしてこの出先機関の再編がなくてもこのまま戸別所得補償制度を実施することは逆にまた可能ではないのかなという気もするわけであります。
 再編による、今大臣がおっしゃられた効果があらわれるか、あるいはまた逆に一部混乱をするか、これはわからないところでありまして、こう考えると、現場の混乱、あるいは新制度、新組織のスタートということについて、特に戸別所得補償制度にそう大きな影響を与えなかったとしたら、この地域センターの新たなる再編、改革、改正案というのが果たして本当に必要なものだろうかという疑問も出てくるわけであります。
 この点について、この問題についての最後の質問にしますが、お聞きします。
○鹿野国務大臣 今日までの地方出先機関のあり方というふうなものにおいては、私自身の認識といたしましては、やはり本当に地域の農業者との連携というものがうまくとれておったのかどうか、あるいは市町村との連携がどうであったのかというふうなことにおいて、やはりしっかりと再点検する必要がある、こういう認識を持っておったところでございます。
 そういう意味では、今回、戸別所得補償制度というものの導入に際しまして、積極的に地域センターから職員が出向いて、そして地方の市町村とも連携を強化し、そして農業者に対してもしっかりと常に情報を共有しながら、一つ一つ、具体的な施策に支障がないようにしていくというような趣旨に沿って今回の再編ということでございますので、このことは出先機関の職員もしっかりと認識をして事に当たっていくことにしていくように、私どももできるだけの務めをしていかなきゃならないと思っております。
○伊東委員 わかりました。
 それでは、時間もちょっと限られておりますので、次の問題に移らせていただきます。
 東日本大震災の復興、復旧についてであります。
 農林水産業に大変な被害が出たところであります。とりわけ、大津波によりまして水産業の受けた打撃ははかり知れないものがあったわけでございます。
 これに関連いたしまして、一次補正、五月二日に通ったわけでありますけれども、さまざまなメニューがあるわけでありますが、この中で水産業共同利用施設復旧支援事業というのが成立をいたしました。予算で十八億一千五百万というのが過日通ったわけであります。東北、北海道の太平洋に面する漁港におきましては、漁港、市場、荷さばき場、漁船を初め、営みに必要なあらゆるストックが壊滅的な被害を受けたところでもございまして、水産業の復旧に向けた緊急対応として第一次補正予算が成立したわけであります。
 私は、水産庁所管の予算措置の中に、緊急対応として適切に運用されていないメニューがある、こう思うわけであります。
 そのメニューとは、漁協等が所有する機器等の整備に要する経費を補助するための、今お話ししました水産業共同利用施設復旧支援事業であります。具体的には、津波による浸水被害を受けたフォークリフトあるいは計量機器、電子はかりとか、あるいは高圧洗浄機、バッテリー、製氷機、仮設の冷凍冷蔵庫等、漁業活動に必要不可欠なこの機器類の整備を、国が、岩手、宮城、福島の三県には三分の二の補助、また、それ以外の青森あるいは北海道等については二分の一補助とする内容となっているのであります。
 漁業活動を再開するためにフォークリフト等の機器類を一日でも早く発注したいと願う被災現場の強いニーズがある一方で、実際に事業を執行するためには、政府から被災道県に対する一次補正予算の割り当て内示を待たなければならない、さらに被災道県が国に交付申請と指令前の着手届を提出するまで、これらを待たなければならない、こうされているわけであります。
 港は大丈夫だった、市場も大丈夫だ、船も大丈夫であった、だからすぐにも生産活動、漁業活動が再開できると、みんな喜んでそれをしようとした、ところが、フォークリフトが浸水し、あるいは電子はかりも海水につかって使えなくなっている、これがなければ市場の活動が復活できないものでありますから、皆さん直ちにそれを手配しようとするのは、これは当然のことであります。このような機器類の調達に係る現場のニーズというものは非常に大きいわけであります。
 政府の、先ほどから言っております、五月二日に成立した予算を都道府県に分配内示して、それから都道府県が申請をして、それから予算執行する、事前の着工はだめだ、こういうお話であります。
 現場のニーズと、政府の予算主義、年度主義の乖離について、見解をお伺いしたいと思います。
○鹿野国務大臣 今、先生から大変重要な御指摘をいただきました。まさしく、水産業共同利用施設復旧支援事業を盛り込んだ、しかしそれが、現実的に、具体的な形でそれぞれの地域においてより有効に使われるようにしなければならないんじゃないか、こういうようなお話でございます。
 先生から言われたような、被災地域の水産関係者の強い御希望というふうなものにこたえていかなきゃならない、このようなことから、昨日付で、早期復旧のために本年四月一日以降応急的対応として自力で機器購入したものについても、必要な書面を添付する等によりまして補助対象とすることができるようにしたところでございます。
○伊東委員 これは、もしそうだとしたら、現地、被災地は大変に喜ぶ、こう思います。
 本来であれば、三月十一日の震災以降という適用があって、そのための一次補正なわけでありますから、そうすべきなのでありますけれども、残念ながら、そこに、三月三十一日あるいは四月一日という、年度をまたぐということになってしまいました。しかし、年度があろうとなかろうと、またごうとまたがらないであろうと、日にちを選んで災害というのは起きるわけではありませんので、私は、本来であれば、この災害以降購入されたもの、あるいはまた生産活動に供したものを国は認めるべきだ。激甚災害法の指定のものについてはそれが許されるものもあるわけでありますので、本来は、私はそう思う。
 しかし、私は、百歩譲って、この四月一日以降ということであれば、これは被災地にとって大変な朗報であろう、このように思う次第でもあります。
 さて、使用できなくなったフォークリフトあるいは計器類の調達に取りかかっているわけでありますけれども、大震災以降、漁業関係者にとってみれば、本当に、自分の港に水揚げされた魚介類を一刻も早く消費者の食卓に届けたい、あるいは水産加工場へ供給したいということが使命なのであります。サンマ、イカ、鮭鱒、これから夏場にかけて本格化する漁業もあるわけでございまして、自力もしくは他の助成事業によって実施中の事業または既に完了した事業を本機器等の整備に切りかえて助成の対象とすることは認めないとしていた今の姿勢を、今後、二次補正予算等々に絡めても、ぜひそういったことを頭に入れて、念頭に置いて、生産者のため、あるいは市場関係者、漁業者のために御努力をいただきたい、このように思う次第であります。
 次に、私は、もう一つお願いをしておきたいところがございました。漁場の復旧対策支援事業百二十二億八千六百万、これも一次補正で通ったものでありますけれども、大震災により機能、生産力が低下し、あるいは喪失した漁場において、瓦れき等の回収事業等の取り組みが急務となっているところであります。陸に打ち上げられた瓦れきが二千五百万トン、こう言われておりますので、海中に持っていかれた瓦れきも恐らくそれに匹敵するものがあろう、こう思うわけでありますし、この瓦れきの何倍ものヘドロも、これまた陸上あるいは海底の中に堆積している、このように言われておりまして、漁場の再生が喫緊の課題となっているわけであります。
 私どもの地元に厚岸町というところがございまして、ここはカキ、アサリ等の養殖事業が盛んなところでありますけれども、ここにこの漁場の復旧対策支援事業が適用されないという問題が生じておりました。アサリ礁、アサリ漁場というのは砂で覆われたところでありますけれども、今回の大津波によりまして、この砂が全部引き波によって持っていかれてしまった、岩が露出をしているところでありまして、アサリの生息環境ではもうないわけであります。今後の見通しがなかなか立たない、大きな不安を抱えているわけであります。
 漂着した、堆積したヘドロとか瓦れきを除去することは今回の漁場の再生を図る事業の対象になるわけでありますけれども、逆に、今申し上げましたように、漁場そのものが大津波で、引き波によって根こそぎさらわれてしまった、喪失した場合に、そこに埋め戻しをする、あるいは形成する、砂を投入するという、覆砂事業といいますけれども、これが実は対象になっておりません。
 これは、漁場の再生を目的とする制度上の不備である、このように私は思うわけでございますが、この点につきまして御見解をお伺いいたします。
○吉田(公)大臣政務官 伊東委員にお答えを申し上げます。
 今お話しの厚岸湖のアサリ漁場でございますが、これまで、北海道庁とも協議をしてまいりまして、どうすればいいかという対応を今協議いたしております。
 二十三年度当初予算で、強い水産業づくり交付金という事業がございまして、そのメニューの漁場底質改善でアサリ漁場の復旧が可能だと実は言われております。
 砂を戻さなきゃなりません、今先生がおっしゃったように、もう岩盤ですから、とてもアサリがすめる状況じゃございませんので、まず砂を戻すという事業を行っていかなきゃなりませんが、北海道庁と我が省でも相談をしながら努力を続けていきたいと思っております。
○伊東委員 ありがとうございます。
 しかしながら、厚岸湖で漁場の再生を必要とするアサリ漁場の面積百九ヘクタール、覆砂量で十八万四千立方メートルの砂の漁場であります。ここが、早期に回復事業を講じなければ、稚貝の着底時期に実は間に合わないということになってまいります。今後の対応について、これは道庁と御相談いただいているということでありますけれども、時期の問題もあるわけでございまして、そのスケジュールをぜひ急いでいただきたい、このように思うところでもあります。
 これにつきまして、再度、そのスケジュールについてお伺いをするものであります。
○吉田(公)大臣政務官 伊東委員の、スケジュール等についてというお話でございますが、スケジュール等は北海道庁の方から本省にまだ上がってきていないのではないかと実は思っておりまして、ぜひ先生からも、北海道庁から早く、この事業について我が省の方に、改善、どうすればいいかということを道庁からぜひ早く上げていただければありがたいと思っております。
○伊東委員 ありがとうございます。
 道庁の方は再三水産庁の方と御相談をしているというお話でありました。実際、どこの山砂をどういうふうに持ってきてそこに埋めるかという具体的なスケジュールはこれからだ、こう思うわけでありますけれども、これまでこれが事業として取り上げられてこなかった、対象外だったというところから実はスタートしているわけでありますから、その点についてはぜひ理解をしていただきたい、このように思う次第であります。
 もう一つ、養殖施設の復旧関連についてお伺いをいたします。
 カキでもウニでもホタテでも、養殖施設、実は大変な被害を受けているわけでありますけれども、個人で所有するこれらの養殖施設と資材を対象に、復旧額の二分の一、この九割、総額の四五%ということになりますが、これが支援措置として一次補正予算に計上されているわけであります。漁業者から見てみますと、ありがたい話ではあるけれども、五五%は自分で負担をしなければならない。全部流されてしまって、そしてさらにまた借金を重ねなければならないということになるわけであります。
 当該市町村で、追加の支援措置として、この五五%、漁家の費用負担分、これについて何らかの補助あるいは支援をするということがあるわけでありますが、これらに対する、支援をした市町村に対する特別交付税等の措置について考えられておるかどうか、お伺いいたします。
○鹿野国務大臣 養殖業が甚大な被害を受けたことに対しましては、今先生からお話がありますとおりに、具体的な施策を一次補正におきましても計上させていただいたところでございますが、いわば、特に壊滅的な被害を受けた岩手県、宮城県、福島県というふうなところについては、すなわち残存価格ということにおきましても四分の三とみなすことにいたしまして、他の地域におきましては購入価格の二分の一、こういうふうなこととしてみなすということでございます。
 このような状況の中で、市町村の負担がやはり非常に大きくなるというようなこと等々につきましては、北海道も含めまして被災地域の養殖業の復興のためにどういうさらなる必要な施策があるのかというふうなことを、関係漁業者の人たちからのそういう要望も踏まえ、また、先生方からのいろいろなお考えというふうなものも踏まえて、今後さらにどういう施策というものをやることができるかどうかということについて勉強してまいりたい、取り組んでまいりたいと思っております。
○伊東委員 これは、どうしても個人でなかなか復旧できないというような場合、漁船その他も同じでありますけれども、漁協が中心となって共同利用施設として復旧をしていくという方法もこれからあろうかというふうに思うところであります。ぜひ、今大臣がおっしゃられた、御検討いただいているということにつきまして、漁業者のためになる、あるいは漁業者にとって本当にそれが生産活動の再開になる、意欲を持って今後生産活動に当たることができる、そうした血の通った、心の通った施策をお願い申し上げたい、こう思う次第であります。
 その際に、先ほどもお話ししましたように、いついつ以降でなければ受け付けしないとか、そういう役所的なお話でなくて、時期を一定程度さかのぼる、あるいはまた施設、資材の対象、さらに補助率の問題、さらにまた地方財政措置等についても、総合的に勘案してお進めいただかなければ、これらはなかなか手の出せる、あるいは飛びつける事業にならないわけでありまして、そうした点につきまして最後にお伺いをいたしたい、このように思う次第であります。御見解をお願い申し上げます。
○鹿野国務大臣 今の先生の御指摘はまさしく非常に大事なことでありまして、地域におけるところの漁業者の方々がどういうことを、漁業の再開を目指すに当たりまして望んでおられるか、求めておられるか、また、市町村あるいは県等々がどういう形で支援をしていくか、その際に、国からの地方交付税等々の話もございましたけれども、政府に対してどのようなことを要望されるかというようなこと、今まさしくおっしゃられたように、私どもも、総合的にしっかりとその要望を把握して、そしてそれにできるだけこたえていくというふうな基本的な考え方で事に当たってまいりたいと思っております。
○伊東委員 ぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。
 今、漁民の皆さんは、これは北海道だけではなくて、東北も、あるいは関東の皆さんもそうでありますけれども、まさに、福島の原発がなかなか収束しない中で、海洋汚染が続くのではないか、台風が来て、きのうも大雨でありました、膨大な雨水があの原発の敷地内に入り、放射能で汚染されたそれらに触れて流出しているという事実が指摘されているわけであります。海にもう流れ出たものもありましょうし、今、もしかすると、どこか見えないところで放射能汚染水が海洋に流れている可能性もあるわけであります。
 農業に比べて、どちらかというと、サンプリングの仕方というかモニタリングの仕方、これが足りないというふうにかねがね思っていたところでありまして、これらについては、水産庁に、ぜひ、モニタリングポイントの増加、あるいは都道府県にそれらの機器の整備あるいは貸与、そうしたものを重ねていただいて、みんなが安心して水産物、魚を食べることができるというようなことがこれから一番大事であろうというふうに思うわけであります。
 お金をかければ港も直るし市場も直ります、はかりもフォークリフトも、これは直すことができます。しかし、海の放射能汚染は、簡単にこれを直すことができないわけでございまして、ここを食いとめるということが今福島原発の一番の責務だと私は思いますし、漁民を殺すなと言って抗議をしておりました福島の水産業の皆さん方の姿を見ると、本当にそのつらさはよくわかるわけであります。
 この海洋汚染を食いとめることは今やっていただいていることとして、安心、安全をぜひ与えるためにも、このサンプリング調査について、水産庁、農水省としての取り組みを、姿勢をお伺いいたします。
○鹿野国務大臣 今御指摘の点につきましては、まさしく、水産業の方々、漁業者の方々が本当に苦しんでおられるわけであります。
 私自身といたしましても、とにかく、このような状況というものを踏まえたときに、まず風評被害というものをいかにして防止するか、そして、日本におけるところの水産物というものが安全であるということをしっかりと証明して、そして確かな情報を流していくことが大事なことだ、このようなことから、私は、毎日と言っていいくらい、厳しくこの調査の強化というふうなものを水産庁の方に指示いたしております。
 すなわち、先生が言われたとおり、魚種の調査を多くしていく、地域を多くしていく、増していくということによって、やはり、その調査の結果が公表されれば、ああ、日本におけるところの水産物というのは安心できるんだな、安全なんだなというふうな御理解をいただく、これはまさしく決め手になるわけでありますから、調査の強化というものに向けて今回も予算をもう求めておるところでございますし、また、都道府県とも連携をとって、都道府県のそういう調査にも全面的に協力をしてまいりたい、こんなふうに考えているところでございます。
○伊東委員 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いします。
 それでは、最後の質問であります。またまた捕鯨の問題で、大変恐縮でございます。
 五月の二十二日、NHKスペシャルで「クジラと生きる」という番組が放映されました。和歌山県の太地町で四百年の伝統を持つ鯨、イルカ漁、これが、反捕鯨団体シーシェパードによりまして、長期間にわたりましてシーシェパードは太地町に滞在し、妨害活動をしているわけであります。あのテレビを見ておりまして、この傍若無人ぶり、そしてまた自分たちの本当に身勝手な活動、それをまた誇示して、世界にPRして、スポンサーからの寄附集めをする姿、これが放映されておりました。漁民を侮辱し、挑発し、暴言を吐いて、そして、仕事に行こうとする車の前に立ちはだかって妨害するシーシェパードの姿であります。ひたすらそこを我慢し、悔しさをこらえる漁民の姿がありました。
 法治国家日本において、いかに外国人とはいえ、このような無法が許されていいはずがない、このように思ったものであります。
 大臣はこのビデオをごらんになりましたかどうか。その放映されたときか、ビデオか、ごらんになりましたでしょうか。お伺いします。
○鹿野国務大臣 後段の方、終わりの方だけ、私は見ました。
○伊東委員 これはぜひ最初から最後まで、そう長い時間ではないと思います、ごらんいただきたい、こう思います。
 これを見ていて、私は、二、三カ月前のシーシェパードによる南極海における、調査捕鯨活動、テロにも似た、まさに海賊行為そのものと言っていいほどの、あのシーシェパードの姿と実はダブったのであります。海上で、南極海であのような、調査活動を妨害し、そしてまた、日本の国に来て、太地町で何人ものメンバーが無法な妨害行為をする、警察も手を出せない、また南極海においては海上保安庁も手を出せないということであります。
 これらのことを放置しておいて、本当に日本の伝統捕鯨、こういったものが守れるのかどうか、そしてまた日本の主権が守れるのか、そんな思いをしたところでございます。
 大臣に、この点についての御見解をお伺いするものであります。
○鹿野国務大臣 調査捕鯨の件につきましては、伊東先生から数度にわたりましていろいろ御指摘もいただき、またお考えもお聞かせいただいてまいりました。
 私自身も、責任者として一つの判断を下したというような経緯もございまして、専門家の皆様方に、今後の調査捕鯨のあり方というものについて、検討委員会を設けていろいろと御検討していただいているわけでありますが、今先生から言われた、いわゆる、テレビでのシーシェパードの行動、行為等々、あるいは今日までの妨害活動等々、こういうものは、私自身は頭の中に、腹の中にしっかりと踏まえて、検討委員会での考え方というふうなものをお出しいただいた中で、今後の調査捕鯨というものをどうするかということを判断してまいりたいと思っております。
○伊東委員 何度かの国会での、委員会での議論の中で、専門家あるいはまた有識者による検討委員会をおつくりいただくというお話でありました。過日、私はその検討委員会の議論の内容というものを若干はお聞かせいただいたわけでありますけれども、さまざまな御意見があるようでございます。
 実は、七月の十一日からIWCの総会がイギリスで開催されます。私は、日本政府代表団がこのIWC総会に出向くに当たって、やはり農水省として、あるいは我が国政府としての捕鯨に対する一定の基本的な考え方を持って出ていかないと、何をよりどころにして国際論議に加わるのか、あるいは主張するのかということになってくるか、このように思うところでもあります。
 大臣は、この七月十一日に開催されるIWC総会に向けて、これらの検討委員会の考え方をまとめるおつもりがあるのか、日本の基本姿勢をきちっと示す用意があるのかどうか、これについてお伺いをするものであります。
○鹿野国務大臣 今の七月十一日までというふうなことは、なかなか検討委員会におけるところの考え方をまとめ上げるということは難しい状況にあるわけでございますが、しかし、今先生から言われた、基本的な考え方というふうなものを持っていくべきではないか、こういうようなこと等々につきましては参考にさせていただきながら対処してまいりたいと思っております。
○伊東委員 時間ですからこれで終わりにしますが、私は今の、最後の質問でやめるつもりでしたけれども、これから日本がたくさんの国々を巻き込んで、調査捕鯨について、あるいは捕鯨再開について、賛成の国をずっと今まで勧誘しながら、そして輪を広げながら、IWC総会の中で拮抗するラインまで今まで来ていたわけであります。その日本が基本方針をきちっと持たないで……。
 あるいは、その検討委員会なるものが、果たして本当に日本の捕鯨をどうするか結論づける、検討委員会にその役割があるのかどうかは、私は、メンバーを見て少し疑問だと思うわけでありますけれども、しかし、百歩譲って、この検討委員会の議論に一定程度方向性をゆだねるにしても、日本の国の今までの考え方も、去年までの考え方、今の考え方もあったはずであります。そして、この検討委員会の意見を踏まえて、そうして日本の国の今後の捕鯨に対する考え方を示さなければ、何のために、何を背負ってIWCの総会に行くことになるのでありましょうか。日本の政府代表団、後ろを見たらだれもいない、こんな話になりかねないじゃないですか。そんな日本をだれが、ほかの国が信用して、では一緒に捕鯨再開に向けて頑張りましょうなどという話になるんでしょうか。
 ぜひ、出発前までには日本のしっかりした方針を立ててIWC総会に臨むべきだ、このように私は思うわけでありまして、それでなければ理屈が立たない話でありますので、ぜひ、この点については大臣の御決意をお願い申し上げます。
○鹿野国務大臣 先生からのたび重なる貴重な御提言を参考にさせていただきたいと思っております。
○伊東委員 では、終わります。
○山田委員長 次に、西博義君。
○西委員 公明党の西博義でございます。
 初めに、大臣に御質問申し上げます。
 平成二十一年、一昨年十月に平成二十二年度組織・定員要求というものがまとめられております。これらの内容を踏まえて、農林水産省設置法一部改正案及び地域センターの承認案件が出されましたが、第百七十四国会で一たん廃案となりました。このときの方針は、技術・環境政策部を設置して、農林水産技術会議は廃止する、こういう御方針でございました。農林水産技術会議については廃止ということの結論に至るまでにどのような議論や総括がなされたのか、その経緯については明らかではありません。
 さらに、昨年十二月に農林水産技術会議のあり方の見直しの概要というものが示されておりまして、今度は一転して、この技術会議は存続する、こういう結論になりましたが、この経緯についても、私どもは知ることができません。
 なぜ、このように短期間のうちに急に廃止になったり、また存続したりということで百八十度結論が変わったりするのか。私は、これは政治主導の政策決定プロセスに問題があったのではないかというふうに思わざるを得ません。
 また、農林水産技術会議のあり方の見直しの概要の「基本的な考え方」には、まさしく政務三役の主導ということをきちっと彼ら自身がうたっているというところにも、何やら不思議な感じがしております。政務三役の主導による取り組みで、今後、もしそれが有効であるとするならば、どのような変化が期待できるのか、あわせて大臣にお尋ねをしたいと思います。
○鹿野国務大臣 昨年の組織改正におきましては、農林水産技術会議を廃止いたしまして、その機能の大臣官房への移管を予定しておりましたが、これは、農林水産省の政策全体を総合調整する大臣官房が技術開発政策を担当することによりまして試験研究と行政との連携強化を図ってまいりたい、こういうふうな考え方でございました。
 そういう中で、しかしながら、技術政策の軽視ではないかというような異論もございまして、農林水産技術会議を存続させ、技術政策に専門家の知見を生かす体制を維持しながら、行政との連携強化を図るように技術会議の運営のあり方を見直すということにしたところでございます。
 このことにつきまして、技術政策の推進体制が極めて重要であるという認識のもとで、専門家の活用と、行政との連携というもののバランスを考慮しながら、さまざまな意見というものを踏まえて、これでよかった、こういうふうになるようにしてまいりたいと思っておるところでございます。
 また、政務三役主導というふうなことでどう変わっていくのかということでございますが、昨年の十二月に農林水産技術会議のあり方の見直しを取りまとめたところでございますけれども、行政課題の全体像を把握しているということが非常に大事なことだ。この全体像の把握というものはやはり政務三役の役割でもあるわけですから、この政務三役のもとに、行政課題との整合性を図りながら、効率的、効果的に成果が普及に及ぶというような研究を促進していきたい、こう思っておるところでございます。
 具体的には、研究予算の検討段階から、行政部局との意見交換を行う行政・研究調整会議などを政務三役を中心として開催いたしまして、現下の行政課題の解決に必要な研究というものを効果的、効率的に推進し、そして研究全般にわたって見直しがなされるようにしていく、こんなふうに考えているところでございます。
○西委員 この経緯を若干聞かせていただきましたけれども、やはりそこに研究というものとそれから行政というものとの間の難しさがあると思います。
 もちろん、農水省の中に設置された農林水産技術会議ですから、その農林水産省の目的といいますかターゲットというものは、当然これはあってしかるべき。しかし、そのことについて、やはり研究というのはまた違う側面がありまして、必ずそれがやり遂げられるというようなものじゃなくて、リスクもあります。また、戦略的な、研究的な側面の考え方もあります。そういうものをきちっと立て分けてやらないと、本当に小さな目標だけに突き進んでいくということではなくて、大きく花を咲かせる研究というものを考えるならば、政務三役の主導ですべての物事が動いていくというのは、私は若干違和感を感じます。
 そのことが廃止につながっていったとするならば、もう少し政務三役そのものが研究というものの認識を、今副大臣がこちらを向かれましたが、副大臣は研究職でもいらっしゃったというふうにお伺いしております、きちっと研究というもののあり方を認識した上でこれからも議論を続けていっていただきたい、こういうふうに思います。
 では、続いてもう一つ大臣に質問をしたいと思います。
 先ほど大臣から言及のありました農林水産技術会議のあり方の見直しの概要、この中で「基本的な考え方」には、「厳しい財政状況の下で、効率的、効果的に行政ニーズに応え、成果が普及に及ぶ研究を」推進する、こういうことになっております。「更に、行政刷新会議などの議論を適切に反映し、効率性・透明性を確保。」というふうに書かれております。
 内容についても成果を重視する姿勢がうかがえるわけですが、成果主義については、これは評価をしやすい。その反面、短期的に結果の出やすい分野に研究成果が集中しがちである。余りにも成果、成果ということになると、そういうことの嫌いがございます。そして、新しい知識や技術の萌芽となる研究の多様性を損なうというおそれがございます。それは、研究という本来の芽を摘んでいくのではないかという危惧があります。そんな行き過ぎについては、今後、十分留意をしていただきたいと思います。
 ところで、成果主義に走る前に、私も農林水産技術会議の広報物をこの際読ませていただきました。さまざまな内容について書かれておりますが、この成果をいかに生かすかという努力をしているのかということを私は問いたいと思います。
 まず、新しい成果を農家に伝える担い手、これはだれなのか。広報物は確かにあります。しかし、それを推進していくための努力が今まで余りにも足りなかったのではないか。例えば、農業改良助長法では、試験研究機関と連携しながら普及指導員が取り組んでいる、こういう姿があります。農林水産技術会議の成果を理解し、実用化させるために農家に働きかける体制があったのかどうか、これをやはり我々は考えないといけないと思います。
 また、農家が新しい技術に取り組むには、これは、資金の調達、その土地その土地の土壌、それから気候など、さまざまな要素が合致して初めて所期の目的が達成されるわけで、特に果樹なんかは、何年間にわたって結果が出るまでは時間がかかるわけでございます。桃栗三年柿八年といいますけれども、それだけの期間で初めてその計画がよかったのかどうかという結果が出るわけで、そういう意味では、やはりそのチャレンジに対する所得面の減収というリスクが当然伴ってまいります。
 そういう意味で、新しい技術に取り組む農家に対して、ある程度収入が安定するまでの間、財政的な支援が必要でもあろう、こういうふうに思うわけですが、この点についての大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○鹿野国務大臣 今、西先生からおっしゃられました、研究の成果というものをいかに実用化していくか、これはもうまさしく重要なポイントであると思っております。そういう意味で、今回のこの技術会議のあり方の見直しというふうなことを考えたときに、本年度の研究を立案する段階から、普及組織や民間企業などと連携をしながら研究を進めていくというふうなことを考えているところでございます。
 また、得られた多数の研究成果の中から、生産現場で重点的に普及すべき成果というものを、農業新技術二〇〇Xというふうなことで毎年取りまとめているところでございますけれども、普及組織や民間企業とこれまた連携をしながら、計画的に現場に普及していくということとしているところでございまして、この点は、大変重要な御指摘もいただきましたので、さらに重視をして、いかにして具体的に生かされるか、成果がまさしく生かされるかというところに力を置いていかなければならないと思っております。
 また、この新技術の導入というものは、農家にとっても減収などのリスクを伴うものでありまして、収入安定までの数年間は財政支援が必要ではないか、このような先生からの御指摘でございます。この点につきましても、新技術を導入する農家への財政的な支援といたしまして、これまでも、農業改良資金によるところの新技術導入への無利子貸し付けというふうなものを行ってくるとか、あるいは産地ぐるみで行う展示圃の設置など、新技術導入活動やこれに必要な共同利用の機械に対する補助、施設の導入に対する助成などを行ってきたわけでございますけれども、今後とも農家の方々の新技術導入に必要な支援を行ってまいりたいと思っておるところでございます。
○西委員 農業の技術革新のための一つの大きな政策だと思いますので、財政面でも御支援をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 先ほど御紹介のあった二〇〇Xの内容にも、読みましたけれども、例えば、今、気候が温暖化になってきて、高温に強いお米だとか、飼料米の新しい品種だとか、我々がこの場でも随分議論してきたさまざまな内容についても、彼らは成果を上げているようです。まだその結果を広くあちこちで実施しているわけではありませんけれども、そういうものをいかにやはり広めていくかという手段を我々はもっともっと強化していくべきだと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に行きたいと思います。
 今回のこの改正はそもそも、一つは事故米穀の不正流通問題、それからやみ専従問題などの問題に対して農水省の行政のあり方を是正する、こういう側面が大きな課題の一つとして挙がっておりました。平成二十二年度組織・定員要求では、農林水産行政監察・評価本部を大臣直属の組織、これは特別の組織として、当初は第三者も入れた機関を設置するということが検討されていたようです。しかし、今回は、政策評価審議官と、それから評価改善課の設置ということで組織要求をしております。まず、この体制で、農林水産行政に突きつけられている課題に対応して、その問題を解決することができるのかということをお伺いしたいと思います。
 また、第三者が入る機関と、内部監察となる政策評価審議官、評価改善課とでは、組織も、仕事の内容や行政監察の方法も、当然異なってくると思います。この政策評価審議官、評価改善課という、内部監察にしたということによるメリット、デメリットについてどう見ているのか、お伺いをしたいと思います。
○篠原副大臣 西委員の御質問にお答えする前に、先ほど西委員から非常に建設的な御提言がありましたことについて、ちょっとだけお答えさせていただきたいと思います。
 新技術の導入について、農家も非常に困るではないかというものです。そういったものをバックアップしていくべきじゃないかということ、それはまさにそのとおりじゃないかと思っております。
 WTOの議論で、緑、黄色、赤の議論がございます。新技術の開発導入については、すべて緑の予算ということにされております。ですから、私は、省内では技術開発が大事なんだと。それで、その開発した技術をどのように普及していくか。そのための予算にすべて組み替えていけばいいんだ、そうするとすべてが緑の予算になるんだということを申し上げております。そういった観点からも、農林水産技術会議事務局が非常に大事じゃないかと思っておりますので、ちょっと余計なことかと思いますけれども触れさせていただきたいと思います。
 それから、行政監察・評価本部のことについてでございます。
 これは、私はこういったことも非常に大事だと思いますけれども、この部分、チェックする部分と、建設的なというか前向きの技術開発とどっちが大事かと。どっちも大事ですけれども、農林水産省の将来を考えた場合、組織としてどういうところを重点に置いていくべきかということを考えた場合は、私は、明らかに技術開発の方に重点を置くべきではないかと思っております。だからといって行政監察、評価の部分の手を抜くというわけではございませんけれども、やはり問題はそういうところにあったのではないかと私は思っております。
 それで、その行政監察、評価の部分は相当事務的にできるということではないかと思います。現に、農林水産省におきましては、ほかの省庁と違いまして、政務三役主導によりまして行政事業レビューというのを非常にきちんとやりました。
 私、去年の六月九日に農林水産副大臣を拝命いたしまして、農林水産省に参りました。びっくりいたしました。山田委員長以下政務三役が、夜中の十一時、十二時まで行政事業レビューをされているわけです。びっくりいたしました。そういったことを、内部でやろうと思えばできるということではないかと思います。
 こういった実績を踏まえまして、組織は設けなくてもいいのではないか、政策評価審議官と評価改善課でもって、政務三役の直接指示を受けながらやれば十分ではないかというふうに我々は判断いたしまして、そのようにした次第でございます。
 それから、もう一つ御指摘の、第三者的な合議制諮問機関の意見を聞きながら、省内の業務の改善を図るための監察、評価業務を実施することを想定していたではないか、しかも、その第三者は外部の人を充てるというようなことをやっていたのに、今は一体どうなっているのかという御指摘でございます。
 私は、よく、日本の組織でも、第三者的な機関ということで、我々の組織に関係するのでいえば、消費者庁ができました、食品安全委員会ができました。しかし、これはアメリカ的なやり方であって、それがきちんと動けばいいんですけれども、余り日本の制度にはなじまないんじゃないかなというのが私の率直な感想でございます。
 それは、第三者機関でびしばしやって動けばいいんですが、行政効率を考えた場合、行政機関そのものが今の行政評価とかいうことに関心を持ちながらやっていけば、その方が効率的ではないのかなというふうに考えております。もちろん外部のも必要なんですが、内部の有識者、内部に培われた経験、それプラス第三者的な視点からの客観性を確保できるように、そういうことを行政の内部で考えていけばいいんじゃないかと思っております。
 ですから、我々は既に、そういった反省がありましたので、そういったことも考えておりましたので、外部有識者から成ります農林水産省政策評価第三者委員会というものを設けて、現にもうスタートしております。こういったことで十分対応していけるのではないかと私は思っております。
    〔委員長退席、津島委員長代理着席〕
○西委員 よくわかりました。
 前段の話については大変積極的な評価をいただきましたし、これからの新しい農業のあり方、もちろん、先ほど申し上げました技術会議だけがすべてではありません。たくさんの機関が総力を挙げてやっていくことは当然のことですけれども、やはり新しい技術革新というものを農業にいかに取り入れていくかということをお互いに、この点については与党も野党もないわけですから、お互いが真剣な議論を交わしながら、新しい農業のために御活躍をいただきたいというふうに思っております。
 次に、行政監察については訓令で定める、こう聞いております。その訓令では、監察事項、監察の実施計画、それから監察員の体制など、詳細に規則、規程、要領のようなものを今後定めていくのではあろうと思うんですが、規則等を定めるとすれば、それぞれ、その事項、計画、体制などについて、具体的にどうなるのかということをお伺いしたいと思います。
 そして、監察結果というものは公表されるのか、それから今回の改正の発端となった地方組織も監察の対象になるのか、このことについて確認をしておきたいと思います。
○篠原副大臣 新たに設置されます評価改善課におきましては、会計や業務に対するチェック等を通じまして、地方組織も含めた省内に対して業務遂行上の適切なリスク管理を促す役割を担うこととしているところでございます。
 このような業務を適切に遂行するためには、業務に内在するリスクをどのように洗い出していくのか、またそれをどう適切に管理していくのか、そういった手順や手法を具体的に示していくことが重要だと考えております。
 このため、必要な規程やマニュアル等を今後整備いたしまして、評価改善課の業務がしっかりと計画的に行われる体制を構築していく考えでございます。
 結果の公表についてでございますけれども、業務遂行上のリスク管理を内部的に促すという本業務の性格を踏まえ、基本的には公表いたしますけれども、公表するとちょっといろいろ差しさわりがあるという部分もあるのではないかと私は思います。そういったこともありますので、今後は、そのあり方を検討いたしまして、公表できるものはなるべく公表していくつもりでございますけれども、すべて公表するということにはなっておりません。そういうことまでは考えておりません。
○西委員 今回のさまざまな事象に対する反省からこの新しい行政監察の制度を取り入れるわけですが、やはりこの評価の透明性といいますか、何よりも国民の皆さんから見てきちっとした対応をしているということを確認できることが大事だと思います。事象だけが上がってきて、その結果がどうなったのかということがきちっと見えないだとか、事象そのものが見えなくて、後々になってきてからわかるとかいうようなことでは、今回のこの行政監察の制度を取り入れた意味がないんだろう、こういうふうに思います。
 そういう意味では、透明性それから公正さ、こういうことの観点をきちっと押さえていただけるように再度お願いしたいと思いますが、大臣、御意見ございましたらお願いしたいと思います。
○鹿野国務大臣 先生からの御指摘は踏まえさせていただきながら取り組んでいきたいと思っております。
○西委員 ありがとうございます。
 出先機関改革との関係について、これは内閣府の方に御質問申し上げたいと思います。
 平成二十二年六月の地域主権戦略大綱では、国の出先機関は原則廃止というふうにされております。同年十二月、出先機関改革のアクション・プランが閣議決定されまして、そのことに関して全国知事会は、平成二十二年七月、「国の出先機関の原則廃止に向けて」という報告書の中で、農林水産省の地方事務の大半は地方に移管することが可能である、こういうふうにされております。
 もし地方へ移管されるとするならば、国から見れば、例えば県庁所在地に中心を置いた今回の配置が効率的だという観点も成り立つ、考えられるかもしれませんが、地方から見れば、これが移管された場合には現行のようにきめ細かな配置が逆に効果的だというような観点もあるかもしれません。つまり、国から見た組織論と地方から見た組織論は必ずしも一致しないかもしれません。
 そんなことを考えると、今回のこの措置というのは、出先機関改革の途中で地方組織を大幅に再編していくということに関して、内閣府としてはどう考えているのかという見解をお尋ねしたいと思います。
○渡会政府参考人 お答えいたします。
 出先機関改革を実務的な側面から申し上げますと、出先機関が持っております事務権限の一つ一つについて地方にゆだねられないかという検討を積み重ねていく作業でございますので、出先機関の組織形態がどうなろうと、それが直接的に影響を与えるものではない、こういうふうに考えております。
 今後とも、アクション・プランに従って着実に出先機関改革を推進してまいりたい、このように考えております。
○西委員 ただし、それが結果的には、地方に出先機関がおりたときには、当然、組織はどういう形態が一番好ましいかということはそれなりにまた考えていかざるを得ないわけですから、そういう意味では、タイミング的に、私は、そもそも今のこの時期における出先機関の改革というのは中途半端じゃないか。これが、最終的に地方もそのままこれでいいということになれば先行してよかったなということになるんですが、受けた地方が、やはり不便やからもとに戻した方がいいということになることもあり得るんではないかということを少し質問申し上げたかったわけでございます。
 続いて、地方組織について、この事務所や土地についてのことをお聞きしておきたいと思います。
 今回、三百四十六の拠点が六十五拠点及び三十八の支所に再編されることになります。この再編によって、今まで拠点として使用してきた施設等に関しては、使用しなくなるところ、もしくは集約化することによって新たに規模が大きくなるところも当然出てきます。そういう意味では、使用状況が変わってまいります。施設の使用状況が今後どうなるのかということについて、御報告をいただきたいと思います。
    〔津島委員長代理退席、委員長着席〕
○篠原副大臣 西委員御指摘のとおりでございまして、今三百四十六拠点ございますけれども、再編後は百三拠点になります。ですけれども、これはいずれも既存の庁舎を活用いたしますため、新規に庁舎を構えるものはございません。現在三百十六庁舎を利用しておりますけれども、再編によりまして百十六になりますので、二百庁舎は使用しなくなる予定でございます。
 そのうち、農林水産省の所管は百二十六で、あとは合同庁舎に七十四という割合になっております。このうちの農林水産省所管の国有財産であります百二十六の庁舎につきましては、国有財産法に基づきまして、財務省に引き継いだ上、きちんと処分の手続が行われる手はずになっております。
○西委員 一たんはそういうことになるんだろうと思うんですが、実は、今のままで運営した方が地方移管したときよりもよかったという結論が出たときには複雑なことになるなというのが私の思いでございまして、地方の方も新しい体制でそのまま引き継いだ方がベストだ、もちろんこれから先のことなんですが、どちらになるのかなという、今それこそ考える時期なんじゃないかなという問題提起でございます。
 次は、内閣修正についてお伺いしておきたいと思います。
 農林水産大臣の特別の定めについて、この特別の定めとはどのような内容になるのかということをまず御説明いただきたい。また、特別の定めの発令形式ついては、省令、訓令、どのようになるのか。また、特別の定めが必要なくなった場合にはどのような廃止の手続をとられるのかということについて、お伺いをしておきたいと思います。
○篠原副大臣 地域センターの管轄区域は省令で定めることになっておりまして、この省令、農林水産省組織規則に弾力条項と同様の規定を置きまして、これを受けまして、農林水産省訓令として農林水産大臣の特別の定めを発令する考えでございます。
 その内容でございますけれども、御承知のとおりだと思いますけれども、一つは、福島県の浜通りの北部及び中部の市町村は、当分、ちょっと通れなくなったりしておりますので、福島地域センターの管轄区域とするというのが一つでございます。
 それから、地域センターは、その所掌事務のうち東日本大震災の被災者に係るものについては、省令に定める管轄区域以外の区域についても管轄することができる。これは、簡単に言いますと、避難しておられる農業者の皆さん、それはその管轄区域にかかわらず、避難先の最寄りの地域センターが必要な農政のサービスを実施するという極めて現実的な措置でございます。これが二つ目でございます。
 それで、終わったらどうなるのか、東日本大震災の影響が終息してもとに戻った場合はどうするのかということでございます。今回の特別の定めが必要なくなる、一日も早くそういう状態になってほしいと思っておりますけれども、そうした場合は、これらを規定する農林水産省訓令を廃止する予定でございます。
○西委員 一日も早く復興して、そしてこの訓令が取り消されるように農林水産省の皆さんの御努力を期待して、質問を終わります。
 以上です。
○山田委員長 次に、吉泉秀男君。
○吉泉委員 社会民主党の吉泉秀男です。
 初めに、職員の定数についての考え方、これをお伺いさせていただきます。
 地方農政局、農政事務所では、二〇〇六年六月三十日、「国の行政機関の定員の純減について」さらには国家公務員の配置転換、採用抑制等に関する全体計画、これによって二〇〇七年度から二〇一〇年度までの四年間で二千六百人以上の府省間配置転換が行われ、結果的には四千六百二人の定員削減が、純減、削減というよりも定員純減が行われ、今年度も前年と同数の六百八十人の定数削減が行われるというふうに伺っております。
 昨年から戸別所得補償制度のモデル対策、トレーサビリティー、流通監視業務、六次産業化など、大きく政策が転換されてきている中で、国から生産者への直接支払い、県や市町村を通さない補助事業の申請など、農政事務所の相談業務、そういった部分についての増加、さらには来館者がふえてきている、そういうふうにも伺っているところでございます。
 連年にわたる定員削減に伴い、各事務所における人員が少人数化し、新たな業務に対応するためには、今回の設置法案、このことについては、職員の能力を発揮でき得る、そういう意味での集約化さらには拠点化はやむを得ない、こういうふうにも考えるわけでございますけれども、今回の設置法がこれからの農政展開よりも職員の急激な定数削減によるものであるならば、私は問題があるんだろうというふうに思っております。
 大臣として、農業政策を展開していく中で適正な人員、定員をどのように把握しているのか、お伺いをいたします。
 そしてまた、同時に、昨年五月二十一日、総務省の方から出されたわけです。平成二十三年度の国家公務員の新規採用抑制方針、この「基本方針」を見ると、地方の出先機関採用者、この部分は二割、そして本省、企画立案にかかわる採用は八割、こういう方針を基本的に持って出されているわけでございますけれども、農林水産省には、やはり現場、こういった部分から見れば、こういう採用方針は適しないのではないか、こういうふうに私は思っております。このことについても大臣としての所見をお伺いいたします。
○鹿野国務大臣 今回の設置法改正というものは、これまでの定員削減等によって生じました規模の小さい現場組織を解消いたしまして、そして拠点数を大幅に集約して地域センターを設置することで、新たな農政の展開、すなわち、今先生もお触れいただきましたように、六次産業化あるいはまた戸別所得補償制度というふうな具体的な政策に対応しつつ、限られた人員というものを効率的に活用できる組織体制の強化というふうなものにつなげていかなければならない、このように考えております。
 なお、各地域センターへの人員の配置というふうなことにつきましては、それぞれの地域における農業者数や食品関係事業者数などの客観的指標に基づきまして、業務量というものを算定した上で、適正な人員規模を配置したい、このように考えておるところでございます。
 また、今回の定員削減というふうな問題と設置法改正の考え方につきまして先生から御指摘があったわけでございますけれども、とにかく、今回の組織再編によりまして、拠点数を大幅に集約して、今申し上げますとおりに、地域センターを設置するというふうなことは、限られた人員を効率的に活用していくというようなことを考えたときに有効ではないか、こういう認識を持っておるわけでございます。
 特に、今回の、規模の小さい現場拠点ごとに実施していた管理業務を効率化するというようなこと等々、そして、主要食糧業務の包括的な民間委託等によるところの人員配置の見直しを通しまして、農山漁村の六次産業化なり、あるいは米のトレーサビリティーなどの新たな業務を実施するというふうな上で有効になるように結びつけていかなければならないと思っております。
 このような考え方に立って、合理化後の人員数の中で、今後とも、新規採用を含めて、必要な人員を適切に措置してまいりたいと思っております。
○吉泉委員 今の農林水産省の定員については、全体で一万七千五百十四名、本省関係が四千九百五十七名、地方の農政局が一万二千五百五十七名、大体、本省と地方、三対七、こういう割合でございます。
 これまで急激に定数が削減をされて、いろいろな面で、そしてまた採用が控えられている中で、地方になかなか若い職員がいない、こういう状況もございます。そして、今回の震災なんかについて、行くと、農政局の職員が常にいるわけでございます。そんなような中で大変頑張っているなというふうには思っておりますし、これ以上、今の現状の中において、所得補償の次の申請業務なり、さらには今回の第一次補正の説明会、こういった部分の中で本当に忙しい、そういう状況になっている。そういった状況を見るならば、やはりしっかりした定数、職員の確保、このことをまず要望、さらにはお願いをしておきたい、こういうふうに思います。
 そして、今お話ししましたように、多忙な状況の中で組織改編を進めるには、生産者さらには各自治体の理解がやはり前提になるものだというふうに思っております。私の、大臣と同じですけれども、山形の方、もう二つしかなくなるわけでございます。大変広範囲なところを持たなきゃならない、そういう状況にもなります。こういう組織改編が、地元に対して不十分なままに進めるというふうになった場合、今の震災対策を阻害したり、さらには農林水産行政に支障を及ぼす、こういうふうにもなりかねないと思っております。
 そんな面では、組織改編に当たって適切な時期、この部分をやはり検討する必要があるんだろうというふうに思っておりますけれども、この時期に向けまして新たな組織体制をするまでの流れ、こういったところがどういうふうに今準備がなされているのか、お伺いいたします。
○篠原副大臣 農政は動いておりますので、組織の再編もなるべく速やかに行わなければならないと思っておりまして、九月一日を目標にきちっと再編整備を行いたいと思っております。
○吉泉委員 九月一日ということで今副大臣から答弁なされたわけでございます。しかし、戸別所得補償の申請については今進んでいるわけでございますけれども、六月末、さらには被災地のところでは八月の末、こういうふうにお聞きをしております。そんな面で、本当に九月一日から新たな組織でやれる、こういう状況については自分自身、不安というふうに思うんですけれども、その辺はどうなんでしょうか。
○篠原副大臣 先ほど西委員の御質問にちょっとお答えしたと思いますけれども、新しい庁舎に移ったりするというようなのはほとんどございません、既存の庁舎を活用するということ。限られた人員を効率的に活用できる組織体制に一刻も早くするためには、なるべく速やかに施行する必要があるんじゃないかと思います。
 このとき問題になるのは、生産者に対する対応、地方自治体に対する対応でございますけれども、具体的に申し上げますと引っ越し作業があるわけですけれども、それをやりつつ、震災対応等、特に注意しなければいけないわけでございますが、そういった日常の業務に支障を来さないようにやることで、ただ、もう去年この地域センターの法案を提出して、やろうということになっておりました関係上、準備は万端と整っておるわけでございます。ですから、我々といたしましては、二、三カ月で十分対応できるというふうに踏んでおります。
○吉泉委員 準備万端になっているというふうなお話ですけれども、やはり今、状況的に見れば、現場では相当忙しく動き回っている。そして、職員から聞きましても、なるべく早くそういう組織を新たに立ち上げてほしいという希望も承っております。しかし、そのところについてそれぞれ、今の補助事業の申請とか、生産者から見ると、現場の段階で、本省まで電話をしないとなかなか応じられないとか、いろいろな苦情が出ているのも率直なところの意見でもございます。そんな面では、ぜひ、きめ細かなやり方の中で、これからの、九月までというふうな言い方でございますから、その点について対応をよろしくお願い申し上げます。
 そして、今被災地の状況は、各県それぞれやはり異なる、こういうふうにも思っております。特に一番大きい水産、こういったところ、さらには、いや、それ以上に今の水田の除塩の対策、こういった状況の中で、同一県内の中でもいろいろな地域の、重んじなきゃならない、一番重点にしなきゃならない課題がそれぞれ違うんだろうというふうに思っております。そんな面の中では、現地にそれぞれ、農政局、さらには事務所の方として人を派遣し、そして各県、各地域の生産者の声を吸い上げない限り、農林水産復興のビジョン、こういう部分は出てこないんだろう、こういうふうに思っております。
 今、復興基本法など、審議をしているわけでございますけれども、その中において、現地対策本部、このところの設置というものについての声が大きいわけでございます。この本部を設置するについても、私は、各農政局、さらには事務所、この部分の果たす役割は非常に大きいものがあるんだろうというふうに思っております。
 復旧、復興、このことを図る上で、私は、限定的でもいいわけですから、今の農政局、農政事務所、このところの機能をやはりもっともっと強化すべきだ、こういうふうに思っておりますけれども、この点についての見解をお伺いいたします。
○吉田(公)大臣政務官 今御指摘の、もっと東北農政局なりそれぞれの農政事務所を強化すべきという御指摘でございますが、まさに対応力をつけていくという意味では、当然やらなきゃならないことだと思っております。また、各市町村、県とも東北農政局は連絡を密にいたしまして、そして被災地、被害等についても詳細に検討して、早急に実行に移していかなければならない、こう思っております。
 地域センターや支所への再編強化に加えまして、復旧、復興を促進するための支援チームをもう派遣しております。現場の支援拠点が被災地を網羅的にカバーできる体制を整えつつございまして、吉泉先生の御指摘のとおり、現地の声をよく聞いて、そして期待にこたえ、今後とも現地に密着した支援体制を充実させることが、一層努力をしていかなければならない課題だ、そんなふうに思っております。
○吉泉委員 ひとつ、やはり農政局さんには、事務所の機能、この部分を、それぞれ各県違うわけでございますから、ぜひよろしくお願いを申し上げたいと存じます。
 私どもに被災地の県から多くの要望を今、受け取っているところでございます。特に福島県からは、収束の見えない原発事故による生産者の怒り、これは私ども、はかり知れないものがあるんだろうというふうに思っております。
 きょうから東京電力では生産者に対し仮払いが行われる、こういうふうに伺ってもいるところでございますけれども、農林水産省として、損害賠償額、こういった部分が大体どのぐらいになっていくんだかなということの把握、さらには予想をしているのか。特に、原子力政策が国策ということで進められてきた、こういう経過から見ると、生産者からは、国の責任を求める声、これが非常に大きくなっているところでもございます。
 そんな面では、大臣の方から、損害賠償に対して、農政の、国としての責任、このことについてのあわせた考え方、さらには決意、そういった部分を、福島県の農業、水産業復興については、やはり農林水産、この部分が欠かせないわけでございますから、そんな面についての見解をお伺いいたしまして、質問を終わらせていただきます。
○篠原副大臣 今回の福島原子力発電所の事故による農林漁業者の損害につきましては、関係県に設置されました協議会、それから県漁連におきまして、県内農林漁業者の損害賠償の取りまとめを進めているところでございます。四月二十八日以降、順次、東京電力に第一義的責任がありますので、そこに請求しているところでございます。
 吉泉先生御指摘のとおり、仮払いがきょうから行われるということも報道されております。一体どのぐらいの額になっているかという御質問でございますけれども、現在のところ、五県、福島、茨城、栃木、群馬、千葉の各県の協議会から東京電力に対してどのぐらい要求されたかというのを我々が聞き取りいたしましたところ、農業関係で約百三十四億円、水産関係で四億円の損害賠償請求がなされたと承知しております。
○鹿野国務大臣 今先生から御指摘の、農林漁業者に対する適切なる支援というふうなものにつきましては、賠償問題も含めまして、農政局と情報を共有しながら、地方組織というものを十分活用して対応してまいりたいと思っております。
 なお、今回の大震災におきますところの被災を受けられた方々、原発事故において大変困難な生活を強いられている方々、このような方々に対する基本的な今後の支援策というふうなものは、やはり信頼関係をいかに築いていくかというふうなことが大事なことだと思っておりまして、私も現場に参りましていろいろな意見を聞かせていただく中で、しっかりとその生の声を聞かせていただいて、そしてその声を大切に、大事にしながら私どもは事に当たっていかなきゃならない、このことを肝に銘じておるところでございます。
○吉泉委員 今回の設置法がこれからの農林業の振興に大きく寄与される、こういうことをお願いし、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○山田委員長 これにて両案件に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○山田委員長 これより両案件に対する討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 まず、内閣提出、農林水産省設置法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○山田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○山田委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、仲野博子君外三名から、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会、公明党及び社会民主党・市民連合の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。仲野博子君。
○仲野委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 それでは、案文を朗読いたします。
    農林水産省設置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  東日本大震災により、農林水産業及び農山漁村は未曾有の大被害を受けている。一日も早い復興のため全力を傾注するとともに、農林水産業の将来を見据えた政策を推進していくことが重要な課題となっている。
  よって政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に努めるべきである。
      記
 一 農林水産省本省組織の再編に当たっては、円滑な農林水産行政の推進を確保するため、局の所掌範囲について業務の質と量を考慮し、組織の総合力が発揮されるバランスの取れた体制を整備すること。
 二 新設される地域センター及びその支所においては、人材の育成に努めるとともに、地方公共団体等との連携を密にし、利用者の利便性の維持・向上を図ること。
 三 東日本大震災の被災地域における農林水産業の復旧・復興を強力に支援するため、地域センター及びその支所は、現地の意向の把握、復旧・復興対策の周知徹底や指導・助言について最大限その機能を発揮すること。また、被災地を網羅的にカバーできる支援体制を構築するため、地域センター及びその支所の活動に加え、支援チームを編成して積極的に派遣する等現地に密着したきめ細かな支援を実施すること。
  右決議する。
 以上の附帯決議案の内容につきましては、質疑の過程等を通じて御承知のところと存じますので、説明は省略させていただきます。
 何とぞ各委員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○山田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○山田委員長 起立総員。よって、本法律案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいま議決いたしました附帯決議につきまして、政府から発言を求められておりますので、これを許します。農林水産大臣鹿野道彦君。
○鹿野国務大臣 ただいまは法案を可決いただきましてありがとうございました。附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
○山田委員長 次に、内閣提出、地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、地方農政局及び北海道農政事務所の地域センターの設置に関し承認を求めるの件について採決いたします。
 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○山田委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両案件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
○山田委員長 次に、第百七十四回国会、加藤紘一君外四名提出、農業等の有する多面的機能の発揮を図るための交付金の交付に関する法律案及び宮腰光寛君外六名提出、農業の担い手の育成及び確保の促進に関する法律案の両案を議題といたします。
 これより順次提出者より趣旨の説明を聴取いたします。宮腰光寛君。
    ―――――――――――――
 農業等の有する多面的機能の発揮を図るための交付金の交付に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○宮腰議員 農業等の有する多面的機能の発揮を図るための交付金の交付に関する法律案につきまして、その提案の理由及び主な内容を御説明申し上げます。
 我が国の農業、森林、水産業及び漁村は、国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の継承等の多面的機能を有しております。
 こうした多面的機能は、農林水産物の生産活動と密接不可分につくり出されるものであり、また、市場における価格形成に反映することが困難で、だれもが対価を支払わずに享受することができる公共財としての特性を有しております。
 しかしながら、我が国農山漁村においては、過疎化や高齢化等の進展により農林水産業の生産活動の停滞、後退や集落機能の低下が見られ、農地や森林、海域等の資源の適切な保全管理が困難になりつつあるなど、多面的機能の十分な発揮が危ぶまれる状況となっております。
 このような中で、多面的機能を維持増進していくためには農林水産業に対する国等の支援が不可欠であり、国土の保全、集落機能の維持等の多面的機能を評価し、農林水産業者等に対して交付金を交付する日本型直接支払いの仕組みを地域政策として位置づけ、法制化することが必要であります。
 こうした考え方のもと、自由民主党・無所属の会は、本法律案を提出することといたしました。
 以下、その主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、従来の中山間地域等直接支払い制度を広く平場等にも拡大し、市町村が、農用地として適切に利用されているすべての農用地を対象として、協定等に基づき、適切な農業生産活動等を行う農業者等に対し、多面的機能に関する評価をもとにした地目及び地域別の単価で、農用地の面積に応じて交付金を交付することとしております。
 また、中山間地域等についての加算やその他の加算を行うこととしております。
 第二に、市町村は、協定に基づき、農業用水の管理等の地域における共同活動や、集団的に化学肥料や農薬の使用を減らす先進的な取り組みを行う団体に対し、多面的機能に関する評価をもとにした地目及び地域別の単価で、農用地の面積に応じて交付金または特別交付金を交付することとしております。
 第三に、市町村は、森林施業計画が定められている森林について、森林施業計画等に基づき造林、下刈り、間伐等の基礎的な森林管理の施業等を行う森林所有者等に対し、環境調和度、施業困難度等をもとにした単価で、森林の面積に応じて交付金を交付することとしております。
 また、森林施業計画が定められていない森林については、協定に基づき、森林情報の収集活動等の将来の計画作成に向けた活動を行う森林所有者等に対して、森林の面積に応じて交付金を交付することとしております。
 第四に、市町村は、協定に基づき、その構成員である漁業者が環境との調和に配慮した漁業活動を行う漁業者の団体に対し、多面的機能に関する評価をもとに交付金を交付することとしております。
 また、漁業者を含む団体が、協定に基づき、海岸清掃等の、水産業、漁村の有する多面的機能の発揮に関する取り組みを行う場合に、その団体に対し、多面的機能に関する評価をもとに交付金を交付することとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその主な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○山田委員長 次に、坂本哲志君。
    ―――――――――――――
 農業の担い手の育成及び確保の促進に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○坂本議員 農業の担い手の育成及び確保の促進に関する法律案につきまして、その提案の理由及び主な内容を御説明申し上げます。
 我が国の農業は、農業就業人口の高齢化や減少、耕作放棄地の増大等、生産基盤の脆弱性が深化しております。
 こうした中で、現に農業の担い手である者が安定的に経営を継続できるとともに、農業の担い手を目指す者が一人でもふえるよう、地域の実情に応じた多様な担い手の育成、確保を図ることが極めて重要な課題となっており、総合的かつ計画的な施策を推進する必要があります。
 この担い手の育成、確保の促進に関する施策は産業政策であり、農業、農村が果たしている多面的機能を評価した地域政策である日本型直接支払いとは明確に区別するものでありますが、車の両輪として相互に連携しながら、それぞれの施策を展開していくことが肝要であります。
 こうした考え方のもと、自由民主党・無所属の会は、本法律案を提出することといたしました。
 以下、その主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、農業の担い手の育成等に関する施策の基本理念を定めるとともに、国及び地方公共団体は、その基本理念にのっとり、農業の担い手の育成及び確保の促進に関する施策を総合的に策定し、かつ、実施する責務を有することとしております。
 第二に、農林水産大臣は、農業の担い手の育成及び確保の促進に関する基本的な方針を定めることとし、また、都道府県は、都道府県基本計画を、市町村は、担い手育成計画を定めるよう努めることとしております。
 第三に、国及び地方公共団体は、家業の後継者を含め新たに就農しようとする者で農業の担い手として市町村の認定を受けたものに対し、就農に必要な資金の交付、貸し付けその他必要な施策を講ずることとし、貸し付けを受けた者が一定期間農業経営を継続した場合は返済を要しない制度とすることとしております。
 第四に、国は、新たに就農しようとする者や現に農業を営む者で農業の担い手として市町村の認定を受けたものに対し、稲作、畑作、園芸、畜産等の営農の類型、米穀、麦、大豆、野菜、果実等の農産物の種類、基幹作業の効率化の程度等に応じた農業経営の安定を図るための交付金を交付すること、その他必要な施策を講ずることとしております。
 第五に、国及び地方公共団体は、農業に関する教育の充実に関する施策とともに、農業の技術及び経営方法の習得等のため奨学金の貸与を受けた者が農業の担い手の認定を受けて一定期間農業経営を継続した場合にはその返済を要しないこととする給付型奨学金制度の創設その他必要な施策を講ずることとしております。
 第六に、国及び地方公共団体は、新たに就農しようとする者が農業経営に必要な農用地等を容易かつ確実に確保できるよう必要な施策を講ずることとしております。
 第七に、国及び地方公共団体は、集落営農組織の活動の促進に寄与する人材の育成、集落営農組織の円滑な運営の確保に関し必要な情報の提供及び助言等必要な施策を講ずることとしております。
 第八に、国及び地方公共団体は、高齢者等から農業の担い手への農業経営の円滑な移譲を促進するために、農業者年金制度の見直しや必要な税制上の措置を講ずることとしております。
 第九に、国は、農地保有合理化法人について、就農に関する情報の提供及び相談、農用地に関する情報の収集及び公開等の業務を行うことができるよう、その機能の強化のために必要な法制上の措置その他の措置を講ずることとしております。
 第十に、国及び地方公共団体は、都市と農村の共生、対流の促進を図るため、農作業の体験活動等の交流の機会の提供、交流のための施設の整備その他の必要な施策を講ずることとしております。
 第十一に、国は、農用地を確保することの重要性にかんがみ、都市計画制度及び農用地の確保に関する制度について見直しを行うこととしております。
 第十二に、担い手育成計画を作成しようとする市町村は、担い手育成計画の作成協議及び連絡調整、並びに農業の担い手の認定についての意見具申を行うため、市町村、農業委員会、農業協同組合等、地域の教育関係者、農業者、学識経験者等で構成される地域担い手協議会を組織することができることとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその主な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○山田委員長 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時十八分散会