第177回国会 予算委員会 第28号
平成二十三年八月八日(月曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 中井  洽君
   理事 泉  健太君 理事 城井  崇君
   理事 武正 公一君 理事 手塚 仁雄君
   理事 中川 正春君 理事 若泉 征三君
   理事 塩崎 恭久君 理事 武部  勤君
   理事 富田 茂之君
      相原 史乃君    石毛えい子君
      稲見 哲男君    小川 淳也君
      柿沼 正明君    金森  正君
      川村秀三郎君    木内 孝胤君
      吉良 州司君    郡  和子君
      佐々木隆博君    阪口 直人君
      城島 光力君    平  智之君
      高井 美穂君    高邑  勉君
      竹田 光明君    津村 啓介君
      中根 康浩君    中野渡詔子君
      中林美恵子君    中屋 大介君
      仲野 博子君    西村智奈美君
      畑  浩治君    浜本  宏君
      本多 平直君    三谷 光男君
      宮島 大典君    村越 祐民君
      森本 哲生君    柳田 和己君
      渡部 恒三君    小里 泰弘君
      金子 一義君    金田 勝年君
      小泉進次郎君    高村 正彦君
      佐田玄一郎君    菅原 一秀君
      橘 慶一郎君    長島 忠美君
      馳   浩君    古屋 圭司君
      山本 幸三君    佐藤 茂樹君
      遠山 清彦君    赤嶺 政賢君
      笠井  亮君    服部 良一君
      柿澤 未途君    山内 康一君
    …………………………………
   内閣総理大臣       菅  直人君
   法務大臣
   環境大臣         江田 五月君
   外務大臣         松本 剛明君
   財務大臣         野田 佳彦君
   文部科学大臣       高木 義明君
   厚生労働大臣       細川 律夫君
   農林水産大臣       鹿野 道彦君
   経済産業大臣       海江田万里君
   防衛大臣         北澤 俊美君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     枝野 幸男君
   国務大臣
   (拉致問題担当)     中野 寛成君
   国務大臣
   (原発事故の収束及び再発防止担当)        細野 豪志君
   国務大臣         玄葉光一郎君
   国務大臣
   (東日本大震災復興対策担当)           平野 達男君
   財務副大臣        五十嵐文彦君
   財務大臣政務官      尾立 源幸君
   防衛大臣政務官      松本 大輔君
   政府参考人
   (内閣法制局長官)    梶田信一郎君
   政府参考人
   (総務省自治行政局選挙部長)           田口 尚文君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    西川 克行君
   政府参考人
   (公安調査庁長官)    尾崎 道明君
   予算委員会専門員     春日  昇君
    ―――――――――――――
委員の異動
八月八日
 辞任         補欠選任
  石毛えい子君     西村智奈美君
  稲見 哲男君     中屋 大介君
  打越あかし君     柳田 和己君
  生方 幸夫君     浜本  宏君
  大串 博志君     木内 孝胤君
  吉良 州司君     阪口 直人君
  高井 美穂君     柿沼 正明君
  小里 泰弘君     長島 忠美君
  齋藤  健君     橘 慶一郎君
  野田  毅君     高村 正彦君
  遠山 清彦君     佐藤 茂樹君
  笠井  亮君     赤嶺 政賢君
  阿部 知子君     服部 良一君
  山内 康一君     柿澤 未途君
同日
 辞任         補欠選任
  柿沼 正明君     高井 美穂君
  木内 孝胤君     相原 史乃君
  阪口 直人君     吉良 州司君
  中屋 大介君     稲見 哲男君
  西村智奈美君     石毛えい子君
  浜本  宏君     平  智之君
  柳田 和己君     中林美恵子君
  高村 正彦君     古屋 圭司君
  橘 慶一郎君     齋藤  健君
  長島 忠美君     小里 泰弘君
  佐藤 茂樹君     遠山 清彦君
  赤嶺 政賢君     笠井  亮君
  服部 良一君     阿部 知子君
  柿澤 未途君     山内 康一君
同日
 辞任         補欠選任
  相原 史乃君     大串 博志君
  平  智之君     中野渡詔子君
  中林美恵子君     打越あかし君
  古屋 圭司君     野田  毅君
同日
 辞任         補欠選任
  中野渡詔子君     生方 幸夫君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 予算の実施状況に関する件(外交・安保等)
     ――――◇―――――
○中井委員長 これより会議を開きます。
 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。
 本日は、外交・安保等についての集中審議を行います。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣法制局長官梶田信一郎君、総務省自治行政局選挙部長田口尚文君、法務省刑事局長西川克行君、公安調査庁長官尾崎道明君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○中井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高村正彦君。
○高村委員 きょうは、外交、安全保障について、基本的なことを総理にお聞きしたいと思います。
 総理が知らないようなことは全く聞きませんので、外務大臣も防衛大臣も口出し無用でお願いをいたします。
 日本は、戦争に負けてから、占領時代を含めれば六十六年間、主権を回復してからでも五十九年間、平和を維持してまいりました。このことはとてもいいことだと思っておりますが、総理も同じ考えでしょうか。
○菅内閣総理大臣 全く同様に、平和をこの間維持できたことはすばらしいことだと思っております。
○高村委員 この平和を維持できたことについて、日本の平和外交努力だとか、あるいは国際情勢に恵まれたとか、いろいろあると思うのですが、一つの大きな理由は、日米同盟による抑止力、それがあった、こういうふうに思いますが、総理も同感でしょうか。
○菅内閣総理大臣 この六十六年間、日本が平和な状態を維持できたことは、もちろん我が国自身の、あるいは国民のいろいろな努力、あるいは経済力の向上等、いろいろな要素があると思いますが、その中で、国際的には国連の存在、さらに、二国間でいえば、今おっしゃった日米の同盟関係、これが平和を維持する上で大きな要素であったと私も思っております。
○高村委員 この抑止力というのが、まさに平和を維持する一つの大きな要因であったわけでありますが、これは機能すれば機能するほど、水や空気のようにありがたみがわからないというところがあります。
 この抑止力というのは大切なんだということを国民に説明する責任が政治家にはあると思いますが、菅総理も同感でしょうか。
○菅内閣総理大臣 抑止力という言葉を高村委員は特にお使いになっているわけですが、私が先ほど申し上げたのは、いろいろな要素のある中で、二国間でいえば、日本とアメリカの同盟関係は大変重要だ。もちろん、同盟関係の中には抑止力ということも含まれておりますが、どういう趣旨でおっしゃっているのか正確にわかりませんが、例えば米ソ冷戦時代においては、ある意味、西側、東側にあって、東側に対する、特にソ連に対する核抑止力というものが大変大きな、国際社会の中でトータルとしても大きな要素であったわけであります。
 冷戦後においては、同じような意味での抑止力という考え方は、かなり冷戦前よりは変わってきたと思っております。
 そういった意味で、ちょっと趣旨が私には正確にわかりませんが、抑止力一般が日本の平和に貢献したかと言われれば、広い意味ではそれは肯定をいたしますけれども、少なくとも、冷戦以前の構造とは相当程度変わってきているし、また今後も変化をしていくだろう、こう思っております。
○高村委員 抑止力という一般的な意味で聞いているわけでありますが、かなり、何かひっかけられるのかと思って慎重に答えておられますが、ひっかけるつもりは毛頭ありません。ごく常識論だけお聞きしているわけであります。
 抑止力というのは、具体的な名前を出してもいいかと思いますが、例えば北朝鮮という国が日本をミサイル攻撃したいと考えたとする、例えばですよ。そうしたら、もし攻撃したらアメリカからたたきつぶされるだろうなと思って、それを思いとどまる、それが抑止力ですね。それが抑止力なんです。
 だから、国際情勢によってそれぞれ違いますけれども、常にこの抑止力というのは必要だと思いますが、そうは思いませんか。それから、私の質問に答えていないんですが、その抑止力の重要性を国民に説明する責任が政治家にはあると思いますがどうですかと言いました。その質問に答えていませんが、答えていただきたいと思います。
○菅内閣総理大臣 今、北朝鮮のある意味での脅威というものに対する抑止力という意味でおっしゃったと思いますが、日米同盟がそういう効果を、あるいはそういう機能を持っていて、相当程度にその機能を果たしているというふうに私自身も思っております。
 また、そういうことについて国民の皆様に、実態といいましょうか、いろいろな事実関係を伝えることは政治家として義務の一つだ、そう考えております。
○高村委員 総理、衆議院議員になられてから三十一年間、その責任を十分果たしてきたと思われていますか。
○菅内閣総理大臣 高村議員とは初当選同期でありますので、もうそんなになったかなと思いながら、三十一年という期間を聞いておりました。
 私は、学生時代でありますが、「平和の代償」という、キューバ危機のときのことを永井陽之助先生という方が書かれたものを読んで、お話を聞いたことがありますが、やはりそうした、あの場合は米ソの間における核抑止の問題でありましたけれども、そういった問題が大変重要であることは、私自身、その当時から感じていたところであります。
 私自身、三十一年間にわたってそういったことについて何をやったかと具体的に聞かれると、一つ一つ今すぐお答えできるだけのものは持っておりませんが、少なくとも私の頭の中に、そういった問題が日本にとって、世界にとって極めて重要であるということはずっと思っておりまして、そういう考え方で私自身も、その場その場、重要な課題、私が取り組むべき課題の中心であったかどうかは別として、常にそういう考え方を持って事に当たってきたつもりであります。
○高村委員 私の知る限り、総理が国民に向かって抑止力が大切なんですという意味のことを言ったということを、一回も記憶がないんです。後で思い出したら、このときは言ったということをどうぞおっしゃっていただきたいと思います。
 この抑止力の大切さというのは水や空気のようなもので、ありがたみがなかなかわからない。一方、基地被害というのはよくわかりますね。うるさいとか、また米兵が事故を起こしたぞ、事件を起こしたぞ。基地被害というのはよくわかるんです。ですから、そのわかりやすいことを政治家はみんな言いたがるんです。言うことが悪いとは言いません。基地被害も大切な問題です。
 ただ、そこを、抑止力も大切ですよということを、日米同盟も大切ですよということをバランスよく言わない、基地被害だけ言う、これは私はポピュリズムだと思います。大衆迎合主義だと思います。賛成ですか、反対ですか。
○菅内閣総理大臣 高村議員が私の発言をどこまでごらんになって言われたのかよくわかりませんが、先ほど申し上げましたように、私は抑止力の重要性ということはずっと基本的な大きな要素として感じておりましたから、私の発言の中で、例えば日米同盟の重要性とか、もっと言えば日米安保条約の重要性とか、そういうことを何度となく、総理になってからは特にそういう機会がふえましたので、答弁などでも申し上げておりまして、その中には抑止力という考え方も含まっていることは当然でありまして、何か私がそういうものを全く無視してきたかのように言われるのは、ちょっと、私のこれまでの発言をよく見ていただければ、それは違っているのではないかと思います。
 また、基地の問題について、抑止力という面と、一方で、基地による、特にそれの存在する地域の皆さんにとっての、何といいましょうか、ある意味で騒音とかそういった問題で迷惑を受けることに対して、一方だけを言うのがポピュリズムではないかという御質問かと思いますが、ポピュリズムという言葉は、かなりいろいろな意味で、広いだけではなくて、レッテル張りに使われます。私もしばしばその対象にもなっておりまして、何か、そのことを言った人に対して、そういうことだけ言うのはポピュリズムだと、私の方からそういったレッテル張りをするつもりはありません。
○高村委員 総理はよくポピュリズムだとレッテル張りをされているということを言われましたが、多分そう言われているだろう、私もそう思います。
 それで、安保ただ乗り論というのが、最近は余り声高に言われませんが、アメリカで底流としては今でも続いているんです。特に声高に言われたのは冷戦の末期のころ。日本は日米安保条約にただ乗りして、そしてGDPのたった一%に軍事費を集めて、残りをすべて経済につぎ込んで、そして経済を強くして、自動車や家電を洪水のようにアメリカに輸出してくる、今やアメリカの脅威はソ連の軍事力ではなくて日本の経済力だ、こういうようなことが言われたことがあります。
 私は、当時防衛政務次官としてアメリカの基地を視察したんですが、アメリカの軍人さんに、安保ただ乗り論をどう思うかと聞いたことがあるんです。そうしたら、その軍人さんが、独立国の中に他国の基地を置く負担の大きさをワシントンのやつらは全くわかってないんだ、自分は沖縄にいたからよくわかるが、沖縄の人たちは大変なんだ、こういうことを言ったのを感激を持って聞きました。そのことは、アメリカとの交渉にも私はよく使わせてもらいました。
 ただ、一方で、アメリカの国民に独立国の中に他国の基地を置くというのは大変だということをよく理解してもらうと同時に、いざというときは、アメリカの青年たちが日本を守るために血を流してでも戦う、あるいは、そこまでいかなくても、そういう覚悟を持って遠い日本の基地で軍事訓練にいそしんでいる、これも大変なんだ。両方がどっちも大変なんだということを理解しないと日米同盟というのはもたなくなると私は思うんですが、総理はそういうふうに思いませんか。
○菅内閣総理大臣 日米安保条約、そして、それに伴う米軍基地を我が国に相当程度受け入れているというこの構造は、私は、もちろん日本の防衛あるいは安全に大きな効果を発揮していると同時に、アメリカ自身が世界戦略の中で、特にアジア太平洋においてのいろいろな活動をする上で、我が国に存在する米軍基地はアメリカの戦略にとっても極めて大きな役割を果たしている、このように考えて認識をいたしております。
 そういった意味で、双方がそれぞれのメリット、あるいはいろいろな負担なり義務なりという意味での、デメリットという言葉は使いたくありませんが、そういった負担なり義務なりをお互いが負うことによる、ある意味での一つの、広い意味で負担と申し上げましょうか、というものをお互いが理解しながらそういったものを維持していくということは大変重要であり、この間も多くの皆さんがその両面を理解して維持に努めてこられた。高村議員もその重要なお一人だと認識しております。
○高村委員 先般の衆議院選挙のときに、鳩山前総理が、まだ総理じゃありませんでしたけれども、少なくとも県外、普天間基地について少なくとも県外と言ったとき、総理はそのとおりだと思って聞きましたか、それとも、ちょっと言い過ぎちゃったなと思って聞きましたか。
○菅内閣総理大臣 沖縄において、県民の相当数の皆さんが従来から沖縄の米軍基地の負担をもっともっと軽くしてほしいと、また、普天間の問題については橋本総理のころからの日米間における一つの約束になっていたわけであります。そういった点で、普天間の基地をできるだけその線に沿ってどこかに移すということの重要性は、あるいは沖縄の皆さんの期待は、私にもひしひしとわかっておりました。
 その移転先をどのようにするかということをめぐって大きな議論があったわけでありますけれども、そういった点で、鳩山当時の代表が選挙の期間中にそういう発言をされたことについて、大変大きな努力が必要なことだなというふうにその発言を聞きながら感じたことは私の率直な感想であります。
○高村委員 鳩山総理は前々から、常時駐留なき安保、こういうようなことを言っておられました。端的に言えば、日本が要らないときはアメリカ軍出ていってくれ、だけれども必要になったら来て助けてね、こういう論理であります。日米同盟、日米安保条約というのは、日本は基地を提供する、アメリカはいざとなったら日本を守る、こういう条約でありますが、基地を提供する方は嫌だよ、だけれども、いざとなったら守ってね。これは国際社会で通用すると思いますか。国内社会だって大人の社会で通用しないと思います。
 パン屋さんに行って、代金は払わないけれどもパンをくれと言ったって、これは通用しないんですよ。(発言する者あり)意味同じです。違うと思ったら総理から答えていただきたいと思います。
○菅内閣総理大臣 いろいろな同盟あるいは軍事同盟の中でお互いにどういう義務を課しているかというところは、一般的に言えばいろいろな形があります。また変化もいたします。
 そういった意味で、今の日本とアメリカの安保条約がおっしゃったような性格を持っているということそのことは決して否定するものではありませんが、一般的に言えば、同盟関係があっても必ずしも一方が他方の地域に基地を置かない同盟関係も数多くあるわけでありまして、そういった意味で、一義的に何かその形しかないということではないと、一般的に言えばですよ。ただ、日米関係においては今おっしゃったとおりで、それで私もその必要性を認めて対応してきたつもりであります。
○高村委員 一般的にはそういう基地を置かない同盟関係があるといったって、それは相互防衛義務があるようなものですから、相互防衛義務がない、日本は基地を提供する、アメリカは日本を防衛する、そういう条約なんですから、そこはしっかり認識してもらいたいと思います。
 今、沖縄に海兵隊の基地が必要だと思っていますか。
○菅内閣総理大臣 今日の極東情勢、かつて冷戦後の大きな変化はありましたけれども、残念ながら極東の情勢は、先ほど指摘をされた北朝鮮のいろいろな言動も含めて、まだまだ安心できる状況にあるとは言えないと思っておりまして、そういう中において、沖縄における海兵隊の存在がそういったことに対する、まさに高村議員が言われたような抑止的な効果を持っているということは、私もそのように理解をいたしております。
 そういった意味で、今の沖縄における海兵隊、規模とかあり方とかいろいろな議論はこれまでも、これからもしていく、あるいは今既にグアムへの一部移転等の話が進んでいるわけですけれども、そういういろいろな変化のことまで否定するつもりはありませんが、現在における沖縄の海兵隊がそうした機能を果たしていて、日本においても必要である、そういう認識を持っております。
○高村委員 もう少し端的にお答えいただきたいと思います。
 二〇〇五年、二〇〇六年、総理は民主党の代表でありました。そのときにやはり国外、県外と言っていましたが、それは、学べば学ぶほど日米同盟の必要性がわかってきたから今は違う、こういうことですか。
○菅内閣総理大臣 私、野党の時代がかなり長いものですから、例えばマニフェストにどういう表現をしたかということなどで言えば、できるだけ基地の負担を減らしていこうということをマニフェストに盛り込んだという記憶はありますけれども、どう言ったらいいんでしょうか、そういうものをすべて否定するという、そういう立場には立ったということは私の記憶ではありません。
○高村委員 民社党の福島党首にこのことを、同じことを聞かれているんですよ。(発言する者あり)社民党だ。似たようなものだから。(発言する者あり)失礼しました。社民党の福島党首に同じことを聞かれて、菅総理、国際情勢が変わったからと答えているんですよ。答えているんですよ。
 国際情勢なんて変わっていないと思いますよ、ほとんど。それは国際情勢というのは日々少しずつは変わっていますけれども、大きな面で変わっていませんよ。
 それと、使う方の側に言わせれば、基地というのは安定使用があって初めて意味があるんですよ。ちょっと今こういう国際情勢だから出ていってください、今度また必要になったからいてもいいですよ、そんなものじゃないんですよ。
 総理の基本的な常識が欠けているということがはっきりいたしました。
 それで、この普天間の件について言うと、普天間という大変危険な基地、市街地の真ん中にある、これを名護市の辺野古に移して、危険そして騒音被害を少しでも減らしましょう、それと同時に、八千人の海兵隊員をグアムに移しましょう、家族を入れると一万七千人です、嘉手納という大基地より南側にある基地の大部分を日本に返しましょう、こういう合意であったわけです。
 当時の沖縄県知事、名護の市長、両方とも、それは国外、県外の方がいいと言っていましたけれども、それは難しそうだと。今よりずっとよくなるのでこれでも仕方がない、だけれども若干の修正はしてくれませんか、こういうようなことだったんですよ。それで、水面下でアメリカとも話して、若干の修正といったって何度も何度も修正されるのはかなわぬ、一回限りならまあいいか、大体そういう状況になって、ほぼまとまっていた。二〇一四年には間違いなく普天間が辺野古に移れる、こういう状況になっていたんですよ。それをぶち壊しちゃったんですよ。
 今、沖縄県民怒っていますよ。参議院選挙では民主党は候補者も立てられなかった。沖縄県民の心をもてあそんだ、沖縄の人たちはそういうことを言っています。普天間基地が固定化してしまうのではないか、そういう心配すら出てきているんです。
 そして、日米同盟は脆弱化している。日米同盟が脆弱化するということは、抑止力が弱くなるということですから、日本人の命が危なくなるということなんですよ。まさに、この状況をつくってしまった、このことは罪万死に値すると私は思っていますが、菅総理はどう思われるでしょうか。
○菅内閣総理大臣 まず、私の発言について、福島社民党党首が質問された中で、私が国際情勢の変化ということを言ったという御指摘がありました。私も、そういう表現を使った覚えはあります。
 何か、高村さんは、国際情勢はそう変化はしていないと言われますが、私は、先ほどまさに高村さん自身が取り上げられた、米ソの冷戦構造が変わったときから特に大きな変化がこの間あった中で、少なくとも、米ソの陣営、東西の陣営がはっきりしていたころは、いい悪いは別として、西対東という構造でしたが、それが多様化し、特に北朝鮮の拉致問題も含めた核開発といった問題は、特に核開発に関しては、比較的、私の知る限りでは、冷戦後に起きた極めて我が国にとっての脅威でありまして、そういった意味では、国際状況が大きく変化した、その中でいろいろな物事を考えるというのは当然のことでありますし、変わっていないという指摘は当たっていない、このように思っております。
 それから、今お話のありました普天間基地について、私自身も、政権を担当する段階になってから一貫して申し上げております。それまでの経緯の中で、民主党としてあるいは民主党政権として、沖縄県民あるいは国民の皆さんにいろいろと御迷惑といいましょうか、御心配をかけたところについては謝らなければならないと思っております。
 と同時に、昨年の五月に鳩山内閣のもとで日米の合意がなされた中で、私は、その合意に基づいて、何とか沖縄の皆さんの理解を得て、辺野古への移転というものを推進する、そういう立場でこの間努力してきたところであります。
○高村委員 二〇〇五年、二〇〇六年に、国外、県外と言っているんですよ。冷戦後の国際情勢の変化、そういうことを言っているんじゃないんですよ。二〇〇五年、二〇〇六年に言っているのに、今は違うことをおっしゃるから、違うんでしょうと。鳩山総理みたいに、もっと素直に、学べば学ぶほどわかってきたとおっしゃっていただけばいいんですよ。
 抑止力というのは、ふだん私たちが戦争抑止力ということに使うんですが、日常の外交についても抑止力というのはあるんですよ。日米同盟が本当にちゃんとしていれば、近隣諸国も余り乱暴な振る舞いはしないんですよ。例えば、尖閣諸島における漁船の事件、あのことについて中国が随分乱暴な対応をした、こう思っています。あるいは、メドベージェフ大統領が北方四島、ソ連の時代からロシアに至るまで、大統領が北方四島に行くなんてことはなかったんですよ。日米同盟がしっかりしていれば、やはりそれなりに日本にも配慮しなきゃいけないなと思うかもしれないということを、多くの外交専門家、安保専門家が指摘しておられます。そういうことも指摘しておきたいと思います。
 周辺事態安全確保法という法律があります。これは、日本の周辺で日本の平和と安全に重要な影響のある事態が起こった場合、例えば朝鮮半島で物騒なことが起こって、ひょっとしたら日本が有事になるかもしれない、こういうようなときに、アメリカの艦船が日米安保条約に従って行動している、そういうようなときはアメリカの艦船に後方支援もしてもいいじゃないかという法律であります。
 これは日米同盟を維持強化するために絶対に必要な法律だと私は思っておりますが、総理はどういうふうに思いますか。
○菅内閣総理大臣 周辺事態法という法律について、その必要性については、今御指摘のような場合に対応できる、そういう意味での法整備がなされた、このように理解しております。(発言する者あり)
○高村委員 いや、その程度の答弁で結構なんです。なるべく簡単に答弁していただいた方が結構だと思います。
 周辺事態安全確保法案というのが国会に提出されたとき、総理は先頭を切って反対したんですよ。
 当時、総理大臣がちょっと言い間違えられた、当時の総理大臣ですよ。そのとき、外務大臣がそれを訂正したことがありました。そうしたら、次のNHKの国会討論会で、総理がせっかくこう言っているのに、外務大臣がのこのこ出てきて総理の言っていることを違うと言うのは、これは総理は外務大臣を罷免すべきだ、こういうことを言ったのを覚えています。そのくらいで罷免するんだったら、今の菅内閣の閣僚はほとんど罷免じゃないですか。まあ、それを追及する場じゃありませんから、私はそのことを追及するんじゃありません。前向きにいきましょうというやじがありますから、前向きにいきましょう。将来のことを。
 周辺事態安全確保法は重要な法案で必要な法案であると総理は答弁をされました。まだ、後方支援はできるんだけれども、今そういう周辺事態において、アメリカの艦船がどこかの艦船に襲われてやられそうになっている、日本はそれを助けないで見殺しにせざるを得ないという状態なんですが、そういうことが起こった場合に、アメリカの世論が、それでも日本を守ってやろうということでもつと思われますか、もつと思われませんか。アメリカの世論のことだけお聞きします。
○菅内閣総理大臣 これは、私以上に外交関係に携わってこられた高村議員のいろいろな知識を背景にした御質問だと思います。
 私の知識の中でも、この問題は、いわゆる憲法九条の解釈の問題と極めて関連性の深い問題であります。そういった意味で、ある仮定のもとでこうなったらどうかという、そこについてのみ、何か私のそれこそ個人的な思いをお答えするような、ちょっとそういう課題ではない、憲法上も含めて、長い間の議論がある中でそういった解釈、あるいはそういった運用がなされている、このように理解しております。
○高村委員 結論をどうするかというのは大変難しい問題なんですよ。総理がおっしゃるとおり、そう簡単じゃない。結論を聞いているんじゃないんですよ。それでアメリカの世論がもつと思いますかということを答えているんだから、端的に答えていただけたらいいんだと思います。
 インド洋の、自衛隊が補給活動をやっていました。これは野党時代の菅さんたちにやめさせられちゃったんですよね、多勢に無勢で。すごく日米同盟も傷つけたし、その結果、五年で五千億ですか、アフガニスタンにODAを供与する。五千億なんて日本のJICAも入れないところで有効に使えるのかどうか、そういうことを疑問に思いますが、多分そのお金の十分の一ぐらいで自衛隊の補給活動というのはできたと思いますよ。
 そして、世界じゅうの国から評価されていたんですよ。世界の国であの補給活動が悪いと言っていた国はどこもありません。言っていたとしたら、タリバンは悪いと言っていたかもしれませんが、私はそれも聞いていないんですよ。それはタリバンと日本の民主党とその他野党ぐらいだったんじゃないかと思うんですが、そのことが日米同盟を傷つけたと思われませんか。
○松本国務大臣 委員長の御指名をいただきましたので。
 インド洋についても、もちろん効果があったことは今お話があったとおりでありますが、他方、我が国の負担も考えて、一定の出口をどこで考えるかという議論があってしかるべきだったと思います。
 また、アフガニスタンの支援については、国際社会の一員として、アフガニスタンに必要なものである、そして、これが国際社会への支援になる、貢献になるものと考えて行っているものである、また、そういうふうに評価をされているというふうに考えているところであります。
○高村委員 民主党はこの法案に反対するとき、憲法違反だとさえ言ったんですよ。今は憲法違反なんということを毛頭おっしゃらないと思いますが。
 それから、外務大臣とすればそういう答弁をせざるを得ないと思いますので、余り外務大臣は出てこないでください。
 PKO法案のときに、中西議運委員長解任決議が出ました。総理が賛成討論をいたしました。取り決めの時間を大幅にオーバーしました。当時の副議長村山喜一さん、この人もPKOに反対の人でした。だけれども、見かねて七回注意して、ついに衛視に菅総理は引きずりおろされたんですよ。村山喜一副議長の命令のもとに引きずりおろされた。
 今あちらで菅さんの真骨頂だというやじが飛んでいますが、菅総理、今でもそう思われますか。あれは、あきらめない、自分の信念を通した、なでしこと同じように立派だ、そういうふうに思っているんですか。それとも、あれは若げの至りで恥ずかしいことだ、国民に国会の醜い姿を見せた、国際社会にも、本当に日本の国会がおかしい、恥ずかしい姿を見せた、反省していますか。どっちですか。
○菅内閣総理大臣 国会の手続の中で、いろいろな国の国会もありますが、フィリバスターという言葉がアメリカなどでは使われているようです。もちろん、それは国会のルールの中で、いわゆる許された範囲での、いわば質疑の引き延ばしということで理解されております。
 私の場合に、最終的には議長の命令で降壇を命ぜられ、衛視に結果として降壇を強制的にさせられたわけですが、国会のぎりぎりのところでそうした意思表示を行ったということは、決して、私、そのことが何か恥ずかしいことだとか、そういうふうには考えておりません。
○高村委員 菅総理、恥ずかしくないということを国民の皆さんに聞いていただいて、判断をしていただきたい、こういうふうに思います。
 不信任案が出たときに、両院議員総会で菅総理が述べられたこと、それについて、日本だけではなくて世界じゅうのメディアが、辞意表明、辞任、こういうふうに報道しました。これは誤報ですか。
○中井委員長 あれは代議士会。
○高村委員 失礼しました。代議士会というふうに委員長が言っていますので、代議士会でそういうことがありました。どうですか。
○菅内閣総理大臣 その報道されたものが誤報であるか誤報でないかをだれが判断するのか、少なくとも私は、公の席で発言をしたわけですから、その公の席で発言した中身をもって私は明確にしておりまして、そのことから判断をしていただければ結構だと思っております。
○高村委員 私は、テレビでしたから、注意深く聞いていたんですよ。ああ、これは後で言いわけができるように巧みに言葉を言っている、そして一方で、そこにいる人たちにやめるんだということを印象づけて、本当に巧みだな、こう思って聞いていた。そうしたら、その後で、鳩山前総理が出てきて、逃げられないように、そうでないことをきっちり言ったんですよ。そして、それに対して、何の異議も唱えなかった。だから、あれは誤報じゃないんですよ。あなたが意図したとおりのことが伝わって、それが報道になっただけなんです。だけれども、用意深く、用心深く、後で言いわけできるような言い方をされた。
 古賀連合会長が、政治空白が一日一日積み重なっている、外交なんてほとんど進んでいない、こういうことを言ったことが大きく新聞に出ていました。みんなそう思っているから、普通の人がこう言ったって記事にならないんですよ。古賀連合会長が言ったから記事になるんです。
 シーザーも、ブルータスが暗殺者の中にいたときに、ブルータス、おまえもかと言って観念したんですよ。総理も、古賀さん、あなたもですかと言って観念されたらどうですか。
○菅内閣総理大臣 私、党の代議士会で申し上げたことをこの場で余りくどくど申し上げるつもりはありませんが、私が考えていたことを少しだけ申し上げさせていただきますと、私は、内閣として、例えば六月二日の時点で、何をやらなければいけないか、あるいは、何がやれていて何がやれていないかということを常に考えておりました。そして、私にとっては、六月二日という段階は、まさに復旧復興へ向かっての歩みを急ぎ、そして原子力事故の収束がまだめどがついておりませんでしたので、それに全力を挙げなければならないと思っておりました。
 野党の皆さんが不信任案を出されたわけでありますが、残念ながら我が党の中でもそれに同調するという意見もかなりありまして、私なりに、内閣として機能しなくなるような分裂状況は避けなければならない、そこで、一定のめどがついたら若い世代に責任を譲りたい、だからそれまでは私に責任を持たせてやらせてほしいということを訴えたのが、六月二日の代議士会であります。そのときの気持ちは全く変わっておりません。
 その後も、そうした中で復興基本法を御党も含め賛成していただき、そして五百旗頭議長のもとの提言も出され、そして基本方針も出され、また一方で、原子力発電所についてはステップ1がほぼ達成され、そうした、当時考えたことが一歩一歩進んできております。
 そういった意味では、私が、当時、そうした一定のめどということを申し上げ、その後、具体的な法案についても触れさせていただきましたが、そういうものが前進してきている。ぜひ、そういった一定のめどを一日も早くきちっとつけて次の世代の方に移していきたいというその思いは、今も一切変わっておりません。
○高村委員 今のような言いわけができるように巧みに言っていた、私は、言っているときからそういうふうに思っておりました。
 それで、政権の正統性についてちょっとお伺いします。
 岡田幹事長が、一月だったと思いますが、神奈川県連に行ったときにやじられたんですね、マニフェストは国民に対する約束じゃないか、ちゃんと実行しろと。そうしたら、岡田さんが答えたのが、だれが見たってできっこないマニフェストをそのままやれなんというのは、国民に対して誠実でないと。どっちも正しいですよね。どっちも正しいんですよ。マニフェストは実行すべきなんですよ。だれが見たってできっこないのをそのままやれなんというのは誠実じゃないんですよ。
 何でこういうことになるかというと、総理が鳴り物入りで重要閣僚に起用した与謝野さんが前から、最初から言っているように、もともとマニフェストが絵そらごとだったんです。だからこういう事態になるんです。そして、その与謝野さんは、何で民主党はそんな絵そらごとのマニフェストを出したんですかと聞かれて、無知だったんだと思います、こう言ったんですよ。無知だったんだと思いますと。
 与謝野さんの気持ちをそんたくすれば、これは民主党を弁護したんです。知らなかったから言っちゃっただけで、だまそうとしたわけじゃないよといって弁護したんですよ。そうしたら、民主党の委員が出てきて、失礼じゃないかといって撤回させたんだから、私はその意味がよくわからなかったんだけれども、まあ、それはそれとして。
 山口という政治学者がいます。ずっと民主党を応援してきた人ですよ。NHKのテレビで、リフォーム詐欺の片棒を担がされたみたいで肩身が狭いと言っていました。割と真摯ですよね、割と真摯です。要するに、応援者さえそういうふうに思うように、まさに国民をだまして政権を簒奪したんです。
 それだけじゃないんです。菅総理は野党のときに、衆議院の任期中に内閣がかわったときは、新しい総理は国民の信任を得ていないのだから、即座に解散して国民の信を問うべきだ、こういうことを言っているんですよ。それに対して、心優しいうちの谷垣総裁ですら国会で質問したんです。そうしたら、菅総理、何て答えたか覚えていますか。もうすぐ参議院選がある、参議院選で信を問います、こう言ったんですよ。
 参議院選で信を問うて信任を得られなかった、やめるべきじゃないですか。少なくともすぐ解散して、国民の信を新たに、もう一回チャンス下さいといって問うべきだったんじゃないんですか。今すぐは被災地の状況などで解散できないかもしれませんが、もっと早くやるべきだったんです。震災の前にやるべきだったんです。
 菅総理、自分が野党のときは直ちに解散して信を問うべきだ、参議院選で勝てそうだと思うと参議院選で信を問います、負けちゃったらまた違う理由を言っていますね。その場その場で違うんです。(発言する者あり)そういうものだと言っていますが、そういうものですか、そういうものでいいんですか、菅総理。いけないでしょう。
 あるところで、菅総理ぐらいぶれる人はいないとだれかが言ったら、もう一人の人が弁護していました。いや、菅総理は極めて一貫している、常に自分に都合のいいことを言うということで一貫しているんだ。私もそう思いますが、自分に優しく人に厳しい、言うこととやることが違うと言われても仕方ないと思いますが、菅総理、どう思われますか。
○菅内閣総理大臣 解散を今すべきだという御主張だとすれば、私は、この大震災あるいは原発事故の収束がこれからも必要な中では、ほとんどの国民の皆さんは今ではないだろうと思われているんだと思います。
 また、衆参二院制度の中での選挙のあり方は、私もいろいろ考えてまいりました。
 少なくとも、自民党が中心の政権から、自民党が政権に入っていない政権というのは、九三年に一度だけ細川政権、あるいは羽田政権で誕生しましたが、それ以外でいうと二〇〇九年がその後の初めてであります。
 私は、中心的政党が根本的にかわった政権交代と、従来のような、同じ党が中心になっていわば総理がかわる政権交代は本質的に意味が違っている。イギリスなどの例を見て、やはり中心になった政党がかわる本格的な政権交代については、それがあったときには、せめて衆議院の任期四年間ぐらいはその党に、つまり多数を与えた党に政権党として政権を任せる、もちろんそのリーダーがかわることもあるかもしれませんが、そのリーダーが総理になる、そういう形の方が、私は日本の政治にとって、国際社会においてもしっかりとした対応ができるのではないか、このように考えております。
 そういった意味で、いろいろと、日本の場合は二院制度で、参議院の選挙の結果で政権がかわった例もたくさん私は見ておりますけれども、できることならば、やはり衆議院の任期の四年程度は多数を得た政党なり政党連合が四年間はきちんとやって、四年後に国民の皆さんにその四年間のやったことをきちっと信を問うという形があるべき姿だと私は考えております。
○高村委員 そのときそのときで常に自分に都合がいいことを言うことで一貫していると言った人の言うことは、そのとおりだということがよくわかりました。
 ありがとうございました。
○中井委員長 この際、馳浩君から関連質疑の申し出があります。高村君の持ち時間の範囲内でこれを許します。馳浩君。
○馳委員 自由民主党の馳浩です。よろしくお願いいたします。
 男子のワールドカップサッカー、いよいよアジア三次予選が始まります。日本対北朝鮮、ホームアンドアウエーで行われます。九月二日には埼玉スタジアム、そして十一月十五日には、場所は確定ではありませんが、北朝鮮でこのホームアンドアウエーの試合が行われることになっておりますが、北朝鮮チームの日本への入国がちょっと心配をされております。
 これは私は、この時点においても確約をちゃんとしておくべきだと思いますが、松本外務大臣にお願いをいたします。
○松本国務大臣 委員がおっしゃったように、九月二日に日本で、日本対北朝鮮の試合が行われる予定であるというふうに承知をいたしております。
 北朝鮮代表チームの入国につきましては、現時点でビザの申請がなされているわけではありませんけれども、ワールドカップの予選参加という入国の目的は、FIFAの規約などに照らして、例外的に入国を認める特別な事情に当たるというふうに考えているところでありまして、北朝鮮代表チームからビザの申請があった段階で適切に対処をしてまいりたい、このように思っております。
○馳委員 FIFAの規約第三条、そして第十三条、これは差別の禁止、こういうことがあった場合には制裁を科すということは明確でありますから、今の松本大臣の明言によってちゃんと確約をされるということは安心しました。
 一つ、これは問題があるんですけれども、では、報道機関、サポーターが北朝鮮から入国するという申請があった場合、どうするか。逆に、十一月十五日に北朝鮮で試合があります。我が国の報道機関、そしてサポーターが、行きたい、応援に行きたい、こうなったときにどうするのかという問題が残ります。
 私は、相互主義、あるいはお互いの限定主義というような考え方で決着を図るべきであり、これは外交問題でもありますけれども、北朝鮮と日本のサッカー協会において詰めて議論をされた上で外務省に相談をし、最終的には外務大臣が判断をされることだと思っておりますが、私の認識でよろしいですか。
○松本国務大臣 選手、役員と、また報道、サポーターということになると、今委員がおっしゃったように、必ずしも同じ位置づけではないということになろうかというふうに思いますが、実際に、サッカーの試合は報道によって報じられ、またサポーターがいて、ある意味ではサッカーの試合が成り立っている部分もあることなども考えつつ、他方では、我が国の措置、そして法令など、クリアすべきさまざまな課題があります。
 そういった手続的な面でクリアできたとしても、実務的な面で、実際にどのように来てもらって、どのような体制を整えるのか、どのように訪問をして、どのような体制を求めていくのかといったようなこともあろうかと思いますので、十分にそれは政府内においてしっかりと連携をとりつつ、また必要な検討を進めるようにしてまいりたい、このように考えているところであります。
○馳委員 いつまでに検討し、方針をお決めになりますか。私は、八月中には一定のめどを立てておくべきだと思いますよ。いかがですか。
○松本国務大臣 まず、九月二日の試合をどこでやるかということについては、既に届け出るべき時期が来ているというふうに聞いているところでありまして、それゆえに、私どもとしても、先ほど御答弁申し上げたように、九月二日の試合についての選手、役員に関しての私どもの考え方は、整理をさせていただきました。
 引き続いて、九月二日についての今お話がありました関係の対応についても、早急に詰める必要があろうかというふうに思っております。
 十一月の十五日の日本がアウエーで行く方の試合については、今お話がありました北朝鮮になるであろうと思われる、こういう話でありました。私どもも同じようなレベルの認識で、最終的な状況についてはまだ照会をしていませんし、こちらは十一月であります。だからといって、先送りにするようなことがないようにやってまいりたいと思いますが、まずは九月の件からしっかりと検討を進めてまいりたいと思います。
○馳委員 さて、北朝鮮との外交問題というと、二つほど、私はどうしても確認をしておきたい問題があります。
 中井委員長、あなたは先般、国会中であるにもかかわらず、平日に、中国の長春でしたか、行かれたというふうに報道され、宋日昊さんにお会いをしたという情報が伝わってきております。
 このことは、菅総理、松本外務大臣、御存じでしたか。
○松本国務大臣 事前に、行かれるということは私どもは承知をいたしておりません。また、後にお聞きをするところによれば、担当の中野大臣の方には、御自身のいわばふるさとに行かれたというようなことだというふうにお聞きをしておりまして、私どもとしても、あらかじめそのようなことを承知する立場にはそもそもない、こういうふうに理解をいたしております。
○菅内閣総理大臣 本件について、私は承知をいたしておりませんでした。
○馳委員 これは、二重外交、二元外交という観点からの疑問、疑惑、疑いを国民が持っているという現状について私は質問をいたしております。
 自民党の外交部会、あるいは私もそうですが、情報として、委員長は一人で行ったわけではありません。外務省から出向した内閣府の課長補佐Kさんと、またあなたの指南役というMさんと三名で行っておられ、そして、こういう交渉は今回だけではなく、シンガポールとマレーシアと今回を含めて三回行われているという情報が入ってきております。明らかに二元外交であり、二重外交であり、こういうことがまず情報としてこんなに早く外に漏れてしまったということが一番の問題なんですよ。
 なぜか。北朝鮮当局がこの報道を見てどう思っているか、その程度の相手と我々を交渉させようとしているのかという面にあります。
 ここで、予算委員会の場でありますので、中川筆頭理事と武部筆頭理事にお願いをしたいと思います。
 予算委員会委員長というのは、公職中の公職であり、予算にかかわる重大な職責を持っておられる方であります。中国に行かれて何をしてきたのか。少なくとも中野担当大臣は、国会の委員会で明言しておりますよ、課長補佐が同行したと。先ほど松本さんがおっしゃったようなことが事実であるならば、あなたのセンチメンタルジャーニーに、渡航許可も出していない国家公務員を通訳として同行させたという重大な問題になります。
 理事会においてこの件をぜひ協議し、事実関係を明らかにしていただきたいと思います。
○中井委員長 委員長のことについてお話がございましたので申し上げますが、私が何か許可をとらずに行ったようなニュアンスの御発言がございましたが……(馳委員「そんなことは言ってない。言ってない、言ってない」と呼ぶ)きちっと許可をとって行っておりまして……(馳委員「言ってない、言ってない。国家公務員のことを言ったんです。国家公務員のことを」と呼ぶ)言ってます。先ほどの発言はそういう御趣旨でありました。(馳委員「違う。言ってない、言ってない、言ってないよ」と呼ぶ)
 それから、マレーシア、シンガポールと言われましたが、私はシンガポールへ行っておりません。
 これだけは申し上げて、十分お調べの上でこういう公のテレビの世界で御発言をいただきたい、このことを申し上げます。
○馳委員 委員長、動揺しましたね。
○中井委員長 委員長に質問する時間じゃないですから、どうぞ閣僚に。
○馳委員 委員長、あなたが答弁する場ではありませんから、私は武部さんと中川さんに理事会で協議をしてくださいと言ったんです。
○中井委員長 理事会にそんな、今そういうことを申し上げる暇じゃありません。
○馳委員 それ以上あなたの答弁を求めてはいません。
○中井委員長 委員長がそれを判断します。
○馳委員 では、次の質問に移りたいと思いますが、不測の事態です。
 高木文部科学大臣、高校の授業料無償化、私たち自由民主党は、これは教育問題として、どう考えても義務教育ではない高校を無償化するというのは目的を逸脱しているし、所得制限が一つの落としどころかな、こういう議論をして、委員会の場でも議論してまいりましたが、朝鮮高校に対する無償化の審査を昨年突然停止されました。不測の事態があった、菅総理からの指示だという文部科学委員会での答弁でありました。
 不測の事態がいつ解けて、審査を開始されるんですか。
○高木国務大臣 馳委員にお答えをいたします。
 委員御指摘のとおり、昨年の十一月、総理の指示を受けまして、審査を一たん停止したところでございます。いつ、どうするかというお尋ねでございますが、私としては総理の指示、判断によるものだと思っております。
○馳委員 総理の指示と今大臣はおっしゃいました。どういう基準で、不測の事態を脱して、朝鮮高校に対する無償化審査を再開するんですか。基準をお示しください、総理。
○菅内閣総理大臣 今、高木文科大臣からも説明がありましたように、手続は中止という形、中断といいましょうか……(馳委員「停止、停止」と呼ぶ)失礼しました。停止という形になっております。
 そこに立ち至った経緯はもう御存じのとおりでありまして、いわゆる砲撃が北朝鮮から韓国の島に対して行われた、これは大変重大な事件といいましょうか、外交的にも重大な事件、あるいは、我が国においても、場合によれば我が国の安全を脅かすようなことにも発展しかねない重大な事件と受けとめまして、その時点で停止をいたしました。
 そういう意味では、そういった状況から今緊張関係が少し緩和をしてきておりまして、そういった中で、そういった状況があった以前の状況に戻ったと判断できるところが一つの考え直すときのめどではないかと思っております。
○馳委員 私は、基準をお聞かせくださいと申し上げました。今の総理の御発言は、基準とはほど遠い、憶測とか目測に近いような発言でありました。
 では、高木大臣に改めてお伺いします。
 これは外交問題、安保にかかわる、国家の平和を守るかどうかという問題じゃないですか。教育の問題と違うでしょう。あなたはずっと委員会で、教育の問題として審査をすると言い張っていたじゃないですか。外交問題で停止をした、総理の責任に転嫁をした、あなたの文部科学大臣としての姿勢、どうなっているんですか、お答えください。
○高木国務大臣 今振り返っていただければおわかりのように、あの十一月の北朝鮮による韓国への砲撃事件は、極めて重大な事態であったと私は今なお思っております。そういうところにおいて、私どもは、これまで高校無償化について、朝鮮学校の取り扱いについて、しっかりした規定、基準をつくりながら審査をする、そういう意味では教育的見地からやっていく、これはこれで私は今なお堅持をいたしております。
 しかし、先ほど申し上げましたように、国家としての重要な事態であることは変わりありませんで、総理の判断でそのようになったもの、このように考えております。
○馳委員 ということは、超法規的措置ととらえていいですね。法律に基づく停止措置ではありませんね。
○高木国務大臣 そのように踏まえております。
○馳委員 そういうことが教育の現場において行われてよいと思っていますか、文部科学大臣。
○高木国務大臣 これはこれで、教育は教育、しかし、やはり国家の不測の事態、そういう判断をされた、まさに総理としての御見識だと思っております。
○馳委員 先ほど自由民主党の立場を明確にいたしました。高校授業料の無償化については、教育対策なのか経済対策なのか明確ではないという観点と、義務教育ではないということを考えれば、より経済的に苦しい御家庭に対する支援、いわゆる給付型奨学金などを充実するなど、メニューを丁寧に出すべきではないかというふうに申し上げてまいりました。
 朝鮮高校に対しては、教科書内容も精査をいたしました。特定の人物に対する崇拝であるとか拉致問題についてであるとか、大韓航空機の爆破事件の問題についてとか、極めて問題のある記述もございました。私は、そういう点においては、より情報公開、また、最終的には国交正常化をした際に判断すればよいのじゃないんですかというふうに委員会でも追及してまいりました。
 そのさなかに、菅総理、不測の事態ということでの停止、そのままなんですよ。あの二億円はどこに行ったんですか。朝鮮高校から訴えられたらどうするんですか。そんなことも考えて、不測の事態ということで停止をされたんですか。
 そして、高木大臣はずっと教育問題で判断する、その前の川端大臣もそうです、教育問題として判断をする。ところが、ある日突然、不測の事態といって、菅総理が法律にはない根拠で超法規的にストップをされた。残念ながら、教育の現場で一貫した対応がとられていないということを我々は心配しているんです。
 菅総理、先ほどちょっとあいまいでありましたね。不測の事態がどういう状況になったら審査を再開するのか。もちろん、私たち自由民主党は、それでも朝鮮高校に対する無償化適用は反対をいたします。しかし、政府が決めた方針について、あっち行ったりこっち行ったりするような対応はよくないと思います。菅総理、いかがですか。
○枝野国務大臣 まず、文部科学大臣がお答えになっているのは、審査に入った場合の中身については、教育の観点というか文部科学行政の観点からなさるということで、一貫しておっしゃっておられることであります。
 今回の停止については、砲撃事件を端緒とする不測の事態ということに備えるものでございまして、先ほど総理も御答弁されましたとおり、砲撃事件によって生じた事態に対応するものでございますので、国際的、国内的な状況が砲撃事件の前の状況に戻れば停止は解除することになりますが、それについては、さまざまな内外の情報収集に努めているところでございます。
○馳委員 極めてあいまいであります。
 枝野官房長官、今御答弁いただいたので、私、日ごろ言われていることをちょっとお伝えいたしますね。
 あいさつがちょっと気になると言われるんですよ。毎日記者会見をされるときに国旗に対して敬礼をされますが、何か出勤途中のサラリーマンが電車におくれるような感じで近所の人にあいさつするように、ちょっとこうやってあいさつするだけの対応について、気になりますということをよく言われますし、私も、国旗に対しては、ちゃんと一度立ちどまって、目で見て、頭を下げて、頭を上げたらちゃんと確認をした上で対応されるということがよいと思います。指摘をさせていただきます。
 さて、ハーグ条約の問題に移りたいと思います。
 これは、外務委員会でも、また法務委員会でも、松本大臣、江田大臣と私は議論をさせていただきました。ハーグ条約の締結に向けて国内法の整備に入る。いつごろまでにめどをつけて国内法を国会に提出される予定ですか、まずお聞かせください。
○松本国務大臣 御案内のとおり、法律案の策定については、子の返還手続に関する部分については法務省が、中央当局の任務に関する部分については外務省がそれぞれ担当した上で、法務省が法律案全体の取りまとめを行うということになっておりまして、今作業中であります。
 具体的な時期についてはまだ未定でございますが、外務省としては、法務省と協力をしながら、十分議論をし、適切な形で作業を進め、できるだけ速やかに国会に提出をさせていただきたい、こう考えております。
○馳委員 ハーグ条約について、御存じない方もいらっしゃいますので、簡単に私の方から言えば、国際結婚をする、そして生活を始める、子供も生まれる。残念ながら離婚をしてしまう。そうすると、子供を連れてもといた国に無断で、つまり夫婦の合意もなく帰ってしまう。じゃ、未成年の子供の監護権についてどうなるんでしょうか。これは一定のルールが必要ですよねということで、もといた国に戻って子供の監護権については話し合いをし、取り決めをしましょうという、これは国際ルールであります。
 ところが、何でこんなことが外交問題になるかといえば、アメリカの議会においても、カナダやフランス等においても、どうも日本人の奥さんだった人が子供を連れて勝手に帰国してしまった、おいおい、これは拉致じゃないのか、勝手に連れていくとは何事だというところまで実は国際的に批判を受けるような事態になってしまって、これは国際社会のルールに入りましょうということで議論が始まりました。
 そこで、これは、一定のルールは必要なんですが、原則には例外規定も必要ですよね。子供をもといた国に戻さなくてもよいという例外規定、これも実はハーグ条約に定められているんですよ。松本大臣、いや、江田大臣に聞いた方がいいですね、ここの書きぶりが重要ですよね。
 つまり、離婚をして無断で子供を連れてきた理由がDVの場合、日本の場合には、実はこれは児童虐待の定義に当てはまるんですよ。二〇〇四年の改正のときに、私も担当いたしましたし、御党の小宮山洋子さんも、また公明党の富田茂之さんも随分御努力いただきました。つまり、子供の前でDVを見せてしまうこと、これも心理的な抑圧、虐待の一定義として明文化をしたんですよ。国際社会の中でこういう丁寧な明文化をしているのは日本しかありません。私は、これを引っ張ってきて、例外規定を明確に書いてほしいと思っているんですね。
 これは江田大臣に聞いた方がよろしいでしょうか。子供を返す、返さないの話の切り分けは法務省の方ですから、ちょっとお願いします。
○江田国務大臣 今、松本大臣からお答えのとおり、法務省と外務省が協力をしてハーグ条約の国内のいろいろな手続について今後定めていかなきゃなりませんが、中央当局は外務省の方で持っていただくということで、その任務などについては外務省、それから返還の事由については法務省の方で今の例外のことなど含めて決めていくということで、ことしの六月の六日に法制審議会に諮問をいたしました。そして、七月十三日にハーグ条約(子の返還手続関係)部会というものをつくりまして、そこで議論が始まっておりまして、その中で今のお話のようなことについても議論を十分していただきたいと思っております。
 ただ、今議員お話しのとおり、外国で離婚をして子供を日本に連れ帰ったお母さん方がつらい立場に置かれるというようなこともいろいろ言われていて、それはそれで私ども真剣に対応していかなきゃいけない。しかし、必ず、常に日本人のお母さんが外国から子供を連れて帰るばかりじゃなくて、いろいろなケースがありますから、これはやはり国際ルールの中で、私ども、国際ルールをよりよくしていくために努力をしていかなきゃいけないという立場でここへ加盟をしようという決断をしたわけでございます。
 その中で、今議員がおっしゃるDV、つまり、いろいろなDVがあるんですけれども、ここで委員が想定されているのは、外国の夫から日本の妻に対する暴力、それが子供にどういう影響を与えるかという話で、これは子供に対しても、やはりそういう夫から妻への暴力を見せるということによって子供にいろいろな心理的な負担などを与える。そこで、これは子供に対する暴力ということにもなるんですよ、その場合には、やはりその暴力を振るう夫の方に返さなきゃならぬということについては、そんなことはない、こういうことをしっかりさせてほしいということですよね。
 これはこれから、今、法制審でも十分に議論されると思いますし、私は、その日本の考え方というものは国際社会にも通用されるようなルールになるべきものじゃないかなと思っております。
○馳委員 松本大臣、結構です。
 よく外務省、法務省、すり合わせをして、特にこの問題についてはスイスの国内法が極めて丁寧に整備をされておりますので、参考にしてください。
 ところで、国際離婚の話をいたしましたが、国内の離婚においても、無断で子供を連れ去るという事案、そして、その後一切別居している親に会わせないという事案が極めて多く散見をされ、実はこれ、隠れた社会問題になっております。
 この国会で民法の改正もなされましたが、江田大臣、私と随分と、法務委員会で三時間以上この議論をさせていただきました。いわゆる、離婚をしたら男と女、離婚をしてもお父さんとお母さんは変わらないじゃないかと。子の福祉を最善に考えた場合に、離婚後の面会交流、これは法的にも明確なルールを準備しておかなければいけないし、あるいは、恐らく養育費の問題もこれは出てくるんですよね。
 私は、これについてはやはり法務省も、家裁の事案とかいっぱい挙がっていると思いますが、離婚をした後の面会交流権、私はあえてはっきり言います、面会交流の必要性については今回の民法改正の第七百六十六条で明文化をされましたが、もう一歩、さらに踏み込む必要があるのではないかと思っております。
 これは、突き詰めれば、離婚をした後に単独親権かあるいは共同親権かという話に入りますが、その一歩手前として、お父さんもお母さんも共同して養育をする親としての責任がありますよ、このことを明確にしていく必要があり、それが面会交流という形として担保されるべきだと私はずっと考えて、大臣とも法務委員会で長らく議論させていただきました。大臣の見解をお願いいたします。
○中井委員長 きょうの集中審議は、外交・安保等になっています。この一問に限って、国内問題ですが、許します。
○江田国務大臣 委員長の采配で等の中に入れていただいて答弁をさせていただくということになりました。簡単にしたいと思いますが。
 かつては、離婚をした場合に、子供を育てていくのに、お父さんとお母さんと二つ子育ての原理があったんじゃ子供が混乱するだろう、したがって、これは単独親権にした方がいいというので今日までやってまいりました。しかし、お父さんとお母さん、別れた後の子供との関係、あるいは別れた二人の関係というのもさまざまなものが今出てきておりまして、昔の関係だけでは律し切れないものがいろいろ出てくるだろうというので、今議論になっているわけです。
 ところが、一方で今度は、お父さんからお母さんに対する暴力で、お母さんが離婚で逃げて子供と一緒にどこかに隠れているというような場合もあるので、この場合に全部その情報が外へ伝わっていくというのは、これは避けねばならないというようなこともございます。
 そのようなことをいろいろ考えて、まさに委員ともいろいろな議論をいたしましたが、ことしの民法の改正で、離婚をした場合の子の監護、これも子の福祉が第一ですよ、こういうことを、これはもう今までも当然ではあったんですが、やはり書き加えようということで書かせていただいたわけであります。
 離婚後も子供にとってはお父さん、お母さん、これがそれぞれいるというのは当たり前でありまして、子供にとって、子の福祉にとって、お母さんとの面会交流、これは、お母さんが監護をしている場合にはお母さんが日常的にそれをやるわけですが、監護をしていないお父さんとの面会交流もやはりあった方が子の福祉に資するという場合があるだろうということで、とにかく話をしてください、話がつかなければ、家庭裁判所がそこは間に入りましょうというような法制度に今しているわけでございまして、これがきっちり世の中に定着をして、子の福祉が前進することを私どもは望んでおります。
○馳委員 法務大臣をお務めになった中井さんも、この話はよく御存じだと思います。私は、離婚をした後、子供の立場に立った法的な整備の必要性、いわゆる面会交流を担保するんだよ、もちろん養育費もちゃんと払いなさい、こういう議論について早く整備をしていくべきだと思います。
 委員長、先ほど外交・安保等とおっしゃいましたので、私、何となく質問しづらくなってきたじゃないですか、いろいろ準備してきたのに。
 そこで、国際社会が今、日本に対して不安を感じているという問題から切り口を、復興基本方針の方に入っていきたいと思います。
 放射能の問題なんですよ、放射能の問題。これは、環境に国境はありませんから、漏れ出してしまった放射能をどういうふうに対応していくかという、まず我が国の方針というのは大事だと思いますが、この議論に入る前に、高木大臣、先週、読売新聞のスクープでびっくりしました。福島県の幼稚園、消えた二千三百人とありましたね。退園をした、休園をした、あるいは転園をした、福島県のもといた幼稚園からいなくなってしまった子供たち、五月十九日の段階で二千三百人。
 今、先週の段階でこの数字はどうなっていますか。
○高木国務大臣 いわゆる私立幼稚園から園児が退園をしていく、こういう報道を承知いたしておりますが、文部科学省といたしましては、これは四月、園児、子供たちが異動する時期、これが落ちついてからという意味で、五月一日現在で、まず、全国の幼稚園に対して、福島県の子供を受け入れている実態がどうなのかということを調査いたしました。その結果を見ると、被災した福島県の園児で、他の都道府県の幼稚園に移った人数は九百七十四人、福島県内の別の幼稚園に移った人数は四百八十二人となっております。
 今般の福島第一原子力発電所の事故を受けまして、子供たちに対する健康の不安、将来の不安、これは大変なものがあると私も承知をいたしております。したがいまして、幼稚園の園児、こういった状況については、先般、七月二十六日でございました、福島県の全私立幼稚園協会の代表者が来られまして、直接今の実態をお聞きいたしました。今報道に寄せられた内容だと思っております。
 したがいまして、私たちは、この状況をさらにしっかりと受けとめて、今後の対応について、できるだけ不安がないような、そういう対応をしてまいりたい、このように思っております。
○馳委員 高木大臣、そして野田大臣にもこれは聞きたいと思うんですけれども、実は、放射能の話はまた後でいたしますが、我々自由民主党は、各野党の皆さん方ともいろいろ協調して、被災地の私学、施設設備等が随分と損壊いたしました、これを復旧するために、補助率を公立並みに、六七%ぐらいにですか、引き上げるという議員立法を準備して、衆議院の文部科学委員会では、下村博文部会長を中心に、御党の松宮勲筆頭理事とも中身の調整をして詰めてきて、民主党の国対に民主党も賛成しますといって上げたら、何と民主党国対でひっくり返されて、だめだというふうになってしまったんですよ。それはないだろうということで、今、参議院の方で処理をしてもらおうと思って、準備中なんですよ。
 そのときの理由は何だったでしょうか。財源問題を出してきたんですよ。それはないだろうと。民主党の、これは参加された方もいらっしゃると思います、党内においても、私学だってそれは大変だと、施設設備。また、福島県の幼稚園協会の事務局長さんにも伺いましたら、木製の遊具、これもやはり放射能の汚染の心配があって、入れかえなきゃいけない。それらも含めて、もうちょっと国から明確な支援をしてほしいという声がごまんと来ております。皆さんのところにも来ていると思います。
 高木大臣、恐らく御存じだと思います、私学のいわゆる補助率かさ上げ法案。高木大臣、そして野田大臣にもお伺いいたします。この法案の必要性、重要だな、この国会中にやるべきだと思いませんか。
○高木国務大臣 御指摘の私学に対する災害助成、この点について、文部科学委員会でも御党の方から説明がありまして、承知をいたしております。
 今、私どもとしましては、幼稚園に通わせる保護者の教育費負担の軽減、そしてまた幼稚園経営に当たる立場の皆さん方の負担軽減、こういった両面から私どもとしては対策を講じております。
 まず、保護者に対しては、市町村が行う幼稚園就園事業への補助、そしてまた私立幼稚園への授業料等の減免、こういったことをして充実を図っておる。また、経営者に対しましては、施設災害復旧費に対する国庫の補助、教育活動の復旧のための国庫補助に加えて、日本私立学校振興・共済事業団においての五年間の無利子、その後の低金利の融資、長期融資、こういったものを行っております。これらに必要な経費につきましては既に第一次補正予算で措置をいたしておりまして、今その執行を頑張っております。
 なお、御指摘の法案につきましては、内容はよく承知をいたしておりますが、まだ国会に提出をされておりませんので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
○野田国務大臣 お答えいたします。
 高木文科大臣の御答弁にありましたように、子供を幼稚園に通わせる保護者の教育費の負担軽減、あるいは被災した幼稚園の施設復旧や経営支援を図るために、御党にも御賛同いただきましたけれども、五月二日に成立をした第一次補正予算において、約一千百億ほど予算措置をとらせていただいております。まずは、文科省におかれましては、この予算を有効に御活用いただきたいというふうに思います。
 加えて、まだ国会に提出をされていないということでございますので、出た場合には虚心坦懐に検討したいと思いますが、一般論で言えば、やはり災害復旧に係る激甚法のいわゆる法体系、体系があります、それをどう整合的に説明できるかということが重要な観点になるだろうと思います。
○馳委員 これは枝野官房長官にもお願いしておきたいと思います。我々は、衆議院の文部科学委員会でそういう事態になりましたので、参議院でお願いしようということで、参議院の方で今、提出に向けて、今週中が山場としてやっておりますので、現場の調整についてもよく理解をいただきたいと思います。
○中井委員長 答弁は要りますか。
○馳委員 結構です、枝野さんはよくわかっておられますから。
 それで、放射能の話を改めて申し上げますが、高木大臣、では、先ほど申し上げました福島県内の子供たち、親御さんも含めて、どうやったら安心してもとのふるさとに戻れますか。
○高木国務大臣 私どもも、一日も早く子供たちの多くがふるさとで生活をできる、そういう状況をつくりたいものだと思っております。
 まず第一には、福島第一原子力発電所の一日も早い収束、これに全精力を傾けること。二つ目には、やはり今そういう、まだまだ収束していない現状でありますから、しっかりした、目に見えるモニタリングをきめ細かくやっていく。この再生についても、今我々は補正予算等についても御協力、御理解いただいております。
 そして何よりも、除染をしていく、できるだけ放射線量を低めていく。これは私たち、学校の校庭、園庭においては一ミリシーベルト以下を目指す、こういうことで財政支援もやっておりますが、その除染も、これは学校にかかわらず、通学路あるいは公園等においても万全の努力をしていく。それから、福島県が行う被災者・子ども健康基金、これも私たちは、健康管理、ある意味では長い間の健康管理、これも徹底を図っていく。こういうことについてもしっかりやっていかなきゃならぬと思っています。
○馳委員 これは平野復興担当大臣、そして細野原発担当大臣に聞いたらいいと思うんですけれども、我が国でかつてありませんでしたよね、原子力施設や管理区域の外にこれだけ大量に放射性物質が漏れ出してしまったということは。いわゆる大気汚染防止法とか、環境基本法とか、環境アセス法、水質汚濁防止法などなど、また農用地土壌汚染防止法など、環境法制の適用除外になってきたのがこの放射性物質なんですよ。
 これを、今、高木大臣がおっしゃったように、きちんとモニタリングをし、そして廃棄物があればその処置をするルールをつくり、同時に除染の措置をしていく、それについては国が全面的な責任を持って行う。当然、費用負担については東電にも求償しなければいけないでしょう。こういったルールが必要になってくると思われて、四月以来、我が党も、また公明党の皆さん方も、随分と、早くルールをつくれ、法律をつくれとやかましく言ってきたんですが、いまだに出てきていないので、実は二週間ほど前から、私が自民党の担当者として、また公明党の江田康幸さん、そして御党、民主党の担当者もおられます、名前は言いませんけれども、現場で詰めてきております。
 これは細野さんと平野さんとお二人に伺います。漏れてしまった、そして世界も心配しています、この放射性物質についての処理、対処については、議員立法でやるよりも、本来ならば国が責任を持って法律をつくってちゃんと対応しなければ、まさしく子供たちは安心して放射能の不安なくふるさとに戻ることはできないんですよ。これは物すごい大きい話であり、平野さんが出されました復興基本方針、この中にも五、六行ほど書かれてありますけれども、まだ十分ではありません。
 細野さんと平野さんに、この放射性物質への対応、瓦れき処理への対応、国の責任ということについての現時点での方針をお示しいただきたいと思います。
○細野国務大臣 馳委員御指摘のとおり、発電所の外に放出をされました放射性物質の処理については、我が国の場合、法体系が十分整備をされておりません。
 まず、昭和三十年に原子力基本法が制定をされ、そして三十年代には原子力規制法令というものが整備をされてきたわけでございますけれども、その中には、炉規制法の中で、災害防止のために必要な措置を命ずることができる、そういう規定になっておりまして、あくまで事業者に対して義務を課すという形になっております。今回のように、事業者の手に負えないような放射性物質が出てくるということを実質的には想定していなかった、ここは法の不備があったことを認めざるを得ないだろうというふうに思います。
 そこで、政府としては、そのことについては重々承知をした上で、まずは現実対応していこうということでやってまいりました。すなわち、そうした物質の処理の方法について明示をし、財政的な負担もしっかりやった上で、自治体の皆さんとしっかり協議をしながらこれを処理していこう、そういう努力をしてまいりました。
 現在、各党でそうした法のあり方について議論がなされていると承知をしておりますので、それは非常にこうした状況を考えればありがたいことだというふうに思っておりまして、それを受けて、さらに精力的に取り組んでいく必要があると考えております。
○平野国務大臣 御指摘のように、放射性廃棄物、廃掃法の適用ができません。あるいは、土壌の除染につきましても、土壌法等の適用ができません。こういった中で、国が責任を持って前面に出て立法措置をする、あるいはさまざまな措置をとるというのは必要なことだと思います。
 ただ、それが議員立法という形になるのか閣法でやるのか、それはそれぞれの法律の内容によると思いますので、必ずしも私はこだわらなくてもいいのではないかという考え方を持っております。
○馳委員 これはかつて、十二年前ですけれども、ダイオキシン類対策特別措置法、これも、実は当時、私は参議院議員だったんですけれども、当時も自公民で議員立法としてやったんですよ。なぜか。当時は九省庁が絡んでいたんですよ。今回も、この放射性物質の対処については、細野さんも平野さんもよく御存じのように、各省庁が絡んでくるものだから、環境基準を設定する、そのために各省庁がどういう法律でどういう対処をするかということが、それぞれ決まってくるんですよね。だから、ちょっと調整がついていないのが現実です。
 ただ、地方自治体は、特に福島の皆さんは、いいかげんにしろと思っているんですよ。だから、我々は議員立法でとにかく早くやろうといって、今調整しています。今国会中に、絶対にこの放射性物質への対処法は成立をさせなければなりません。でないと、高木大臣、いつまでたっても子供たちはふるさとに戻ることはできないんですよ。このことをよく理解をいただきたいと思います。
 最後に、けさ、野田財務大臣、朝早くからお疲れさまでした。記者会見もされましたが、まず総理にお伺いしたいんですよね。
 今般のアメリカの国債の格下げ等やヨーロッパの財政不安等で、オバマ大統領やあるいはサルコジ大統領やメルケル首相など、電話の一本もかかってきましたか。笑い事じゃないですよ、これは。金融不安について、我々国会議員は、本当に日本が何かすることがないだろうかと。先週、単独介入されましたけれども、そういう問題じゃなくなってきています。
 リーマン・ショックのときには、当時の麻生総理がG20の金融会合をつくって獅子奮迅の働きをされて、解散しろ解散しろと言われておりましたが踏みとどまって、世界的な金融不安をすんでのところでとめましたよ。
 今、菅総理、アメリカから、フランスから、ドイツから、ヨーロッパから電話の一本もかかってきましたか。
○菅内閣総理大臣 私も総理に就任する前、財務大臣をいたしておりまして、特に当時はギリシャの危機の問題で、G7の財相会議、電話会議を含めて、連日のようにいたしました。今回は、野田財務大臣がそういう立場でしっかり取り組んでくださっていると思っております。
 現時点で首脳同士のそうした電話会議の形にはなっておりませんが、財務大臣が連日やっておられることについての報告はしっかりと聞いております。
○馳委員 電話の一本もかかってきていないんです。これが首脳外交が六月二日以降全く機能していないという現実で、みんな不安に思っているんです。野田さん一人が頑張っていてもだめなんですよ。首脳外交の意味の大きさということは皆さんもよく御存じだと思います。
 最後に、私も元国語の教員でありまして、今の菅総理の答弁を聞いて一句できましたので、ちょっと詠んで終わりたいと思います。
 空きカンをたたいてみれば秋の空といって、きょうは八月八日、立秋ですよ。秋になりました。古来、古今和歌集などでも、秋というのは心が離れてしまう、飽きるという言葉にもかけられていますよね。
 空きカンという大変失礼な言葉も使ってしまいましたが、政策には中身が詰まっていなければいけないし、中身というのは、政権交代前の民主党の皆さんがおっしゃったように、プロセスなんですね。党内、閣内、透明性のある中身の詰まった議論をし、たたいてみるというのは、これはマスコミの皆さんや我々野党はどんどんたたきますよ。たたいて中身が出てこなければ、秋の空になってしまうんですよ。
 以上、申し上げて、私の質問を終わります。
○中井委員長 この際、古屋圭司君から関連質疑の申し出があります。高村君の持ち時間の範囲内でこれを許します。古屋圭司君。
○古屋(圭)委員 去る十九日に私も指摘させていただいた、いわば民主党が抱え込んでしまいました本質的な問題について、最後、質疑をさせていただきたいと思います。
 すなわち、菅総理の政治団体である草志会を初め多くの民主党の所属の国会議員が、北朝鮮やその関係者と深い関係にある政党あるいは団体に多額の献金をしているだけではなくて、人材の提供をお互いに行っている、あるいは地方議員経由で多額の資金が流れているという信じられない事実であります。
 早速、きょうはパネルで説明をさせていただいて、質疑をさせていただきたい。
 総理、このパネルを、もう大体、前回のと中身は基本的に似ておりますが、若干新しいところもございます。
 そこで、まず、一番左端の、菅総理から、これは東京都連の代表としての六百万円分も含まれておりますが、六千八百五十万円、これが実際に市民の党あるいはめざす会、こちらの方に流れておりますが、ここで前回、総理は、いや、こういった市民の党との連携というのは、ローカルパーティーの連携強化なんだ、こんなようなことを答弁されておられました。実際に調べてみますと、ローカルパーティーは、ほかにこれだけ巨額の献金をしているところはありません。要するに市民の党との連携強化なんですが、では、ローカルパーティーとの連携強化というのは、一体何をどのように連携するのか、具体的に教えていただきたいと思います。
○菅内閣総理大臣 まず、私の資金管理団体が寄附を行っているのは、政権をめざす市民の会に対してであります。そして、寄附の目的は、こうしたローカルパーティーである政権をめざす市民の会との連携支援といったことのためであります。
○古屋(圭)委員 ですから、ローカルパーティーとの連携強化というのは、一体具体的に何を指しているんですかということを聞いているんです。
○菅内閣総理大臣 こういういろいろな団体、ほかにもローカルパーティーを名乗っておられる団体があり、いろいろ連携をしたり支援をしたりしている、その中身はいろいろですが、そういう関係もあります。そういう意味で、連携あるいは支援のためということであります。
○古屋(圭)委員 全く答えになっていないですよね。連携支援以外のことは言われない。
 では、例えば、私が考えてみましょう、連携支援といったら政党は何があるかなと。まず、政策面の支援ですよね、人の交流での支援、選挙協力での支援、資金協力での支援、こういうものが考えられると思いますけれども、これは、菅総理、否定されますか、否定されませんか、この四つ。
○菅内閣総理大臣 政権交代をめざす市民の会という会が、この名称のように、政権交代を目指していこうという趣旨の会だと名称からもわかるわけでありますが、そういうところとの連携支援というのは決しておかしなことではない、こう思っております。
○古屋(圭)委員 ですから、連携強化は政策面、人の交流、選挙協力、資金協力、この四つは否定しませんか、否定しますか、どちらですか。
○菅内閣総理大臣 同じ言葉で恐縮ですが、連携とか支援ということの言葉の中でぜひ御理解をいただきたいと思います。
○古屋(圭)委員 政権交代をめざす会、政権交代を目指すには選挙を通じて政権交代するしかありません。ということは、例えばこの選挙協力というものは入りますね。
○菅内閣総理大臣 これはどの党も、どの政治家も、いろいろな団体、その相手が政治団体だったとしても、いろいろな関係性を持って活動されている例は多いと思います。そういった意味で、連携支援を行って、連携支援のために寄附をしたということであります。
○古屋(圭)委員 ですから、連携支援の一つに選挙協力というのはあるんですか、ないんですか、イエスかノーでお答えください。
○菅内閣総理大臣 今指摘をいただいているのは、私からの寄附について指摘をされているので、寄附の目的は連携あるいは支援だということを申し上げたんです。
○古屋(圭)委員 もうこれは押し問答ですけれども、選挙支援も入るんでしょう。潔く認めなさいよ、総理。どうぞ。
○菅内閣総理大臣 何度も同じお答えで恐縮ですが、寄附をした目的について聞かれていますので、連携支援だということです。
 それぞれの団体がいろいろな活動をしているということは、それは独自でもあり、まさに連携の中での活動もありますけれども、寄附については連携あるいは支援のためということです。
○古屋(圭)委員 今言ったことは、いろいろなことがあるということに要するに選挙支援も含まれるということを言ったんですよね、はっきりそれは言葉では言っていないけれども。
 ということは、では、もう一つ聞きますよ。
 これはパネルが総理になっていますが、元総理ですね、当時のときは。これは……
○中井委員長 元総理じゃないな、今総理だから。幹事長か。(発言する者あり)
○古屋(圭)委員 まあ、そういうことです。今委員長から指摘がありましたから、それはあえて言っておきましょう。
○中井委員長 代表だな。代表。
○古屋(圭)委員 六千八百五十万円の資金を出したんですね。実際、実は六千八百五十万円のうち五千万円が平成十九年、この短い期間の間に集中的にめざす会に寄附をされているんです。
 総理、平成十九年というと何の年か覚えておられますよね。
 これは、政治家は選挙は極めて大切ですよね、統一地方選挙と参議院選挙があった年なんですよ。この年にこれだけ大きな寄附が行われているということなんです。これ一つとっても、選挙のための連携強化というのはもう明々白々なんです。
 では、もう一つ。このような多額を寄附したということは、菅総理、当時は副代表ですか、みずからの御意思でされたことですか。
○菅内閣総理大臣 これは私の資金管理団体でありますので、最終的には私が判断をいたしました。
○古屋(圭)委員 そういうことですね。これだけ大口の寄附を一つの団体に、それも短期間に渡したというのは、私が調べる限り、ほかに例がありません。ということは、もうまさしく選挙支援のためのことであります。
 本人がそういう認識をしてやったということを言われたということは、少しは評価しましょう。もしかしたら、いや、おれは知らぬ存ぜぬと言うかと思ったんですけれども、そうではないので、よしとしましょう。
 では、めざす会の報告書というのを見てみますと、実は、人件費として五千五百万円を一括計上して平成十九年に支出されているんですよね。
 それで、私はここで、きょうは法務省、お越しいただいていますね。法務省刑事局は、見えますね。例えば、一般論として法務省にお聞きしたいんですが、選挙を目的として巨額の資金をある関係者Aから関係者Bに流し、そしてその使途が明白でない場合、これは、いわゆる公職選挙法二百二十一条に規定をする交付罪が適用され得ますか。このことについてお伺いしたいと思います。
○西川政府参考人 お答えを申し上げますが、まず、犯罪の成否というのは、これは収集された証拠に基づいて判断すべきものということでございますので、特定の例ということでお答えすることは差し控えざるを得ないわけでございます。
 ただ、一般論で申し上げますと、公職選挙法の中に運動買収の罪というのがございます。その中に、当選を得もしくは得しめ、または得しめない目的をもって選挙人または選挙運動者に対して金銭、物品その他の財産上の利益を供与するなどすることによりこの犯罪は成立するという規定がございますので、証拠に基づいて、これに該当するかどうかの判断をしていくというのが一般論としてのお答えでございます。
○古屋(圭)委員 今、法務省から説明がありましたように、要するに、交付罪というのは目的をもって、それは選挙等々、この最初の一号、二号、三号に書いてある、当選させる目的とか等をもって物品とかの交付をした場合には、その交付を受けた場合には、この交付罪というのが成立するんですよね。ということは、実際にこれはこの可能性が否定できないという今答弁ですよ。
 ということは、菅総理、当時は副代表でしょうか、自身がもしかしてそういう交付罪という違法行為の背中を押したというか幇助したということは、私は否定できないと思うんです。これは公党として、大幹部として極めて問題である、私はそういうふうに思います。
 前回私が、もしかしたらこれは悪質な運動員買収の可能性もあるということも指摘させていただきました。このことをあわせて、今後改めてこれはしっかり追及をしていきたいというふうに思っております。
 それでは次に、パネル二をちょっと出してください。
 総理、これをごらんになっていただきたいんですが、地方議員十六名による市民の党とかめざす会や民主党国会議員への寄附の実態なんですね。これを見ますと、AからPまで各市会議員十六名、並べさせていただきました。本人の名前は伏せておりますが、見てください、月額報酬が一番左端に書いてありますけれども、この月額報酬は全部額面ですよ。だから、皆さん、みんな国会議員も俸給をもらっていますのでおわかりのとおり、額面と手取り額は圧倒的に差がありますね。参議院でも質問している西田昌司議員は、最近は手取りが二十万を切れている、別にどこに寄附しているわけではないけれども、いろいろな引き去り金があるというようなことを言っていましたよね。
 ということは、三年、千七百八十万円、千六百万円、千五百七十万円、あるいは千四百八十九万円、立川市議に至っては、五十六万円しか俸給がないにもかかわらず、一千万円近く寄附しているんですよ。年間で五百万円ですよ、一年間で。こんなこと、本当にこれだけの資金を寄附できる、摩訶不思議ですよ。
 特に、この人たちは市民の党系の議員が多いんですね。市民の党の基本的な考え方というのは、企業・団体献金や、あるいは労働組合からの献金も一切受けないというのをはっきり書いてある。ということは、基本的に俸給だけがもう収入のすべてと言ってもいいと思う。にもかかわらず、これだけの寄附ができること自体、摩訶不思議だ。
 総理、この実態を見て不思議に思いませんか。
○菅内閣総理大臣 ちょっと私に問われている趣旨がよくわからないんですが、こういう団体がこういうことがあるということは、今こういう形で示されたということで、なぜ私にその件、お聞きになるのか、ちょっとその理由がよくわかりません。
○古屋(圭)委員 これ、民主党議員にも出ているんですよ。だから、無関係なんて言いそうな雰囲気だったけれども、違うんです。民主党の議員にも寄附がなされている。
 これ、実はもう一つ重要な問題がある。この収支報告書を見てみると、みんな判で押したように百五十万円を寄附しているんですね。要するに、個人寄附の量的制限いっぱいでみんなやっている。
 そこで、ちょっと総務省にお伺いしたいんですけれども、市民の党とかめざす会、寄附金控除を受けられる、いわゆる二号団体ですか。
○田口政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の点につきましては、税制上の優遇措置を受ける団体となってございます。
○古屋(圭)委員 要するに、税制の優遇措置が受けられる団体ということですね。
 そうしたら、ここのいわゆる税制上の優遇措置の書類の交付は受けていますか、それは何枚ありますか、件数を教えてください。
○田口政府参考人 お答え申し上げます。
 市民の党への寄附者に係る寄附金控除のための書類の交付枚数でございますが、平成二十一年分は三十四枚、平成二十年分は十七枚、平成十九年分は二十一枚、それぞれ交付をいたしているところでございます。
 また、政権交代をめざす市民の会への寄附者に係ります寄附金控除のための書類の交付枚数は、平成二十一年分は十一枚、平成二十年分は十四枚、平成十九年分は十六枚を交付いたしているところでございます。
○古屋(圭)委員 こうやって、税制上の優遇措置をしっかり受けているという実態がはっきりいたしてきました。
 それから、ではもう一点、このパネルのこちらの方をもう一度ごらんになっていただきたいんですが、ここで右の方に、民主党系地方議員から鷲尾英一郎議員の関係団体に二千五百五十万円が、そして小宮山泰子議員の団体に二千七百万円が出ております。
 そして、この両団体ですけれども、鷲尾英一郎並びに小宮山泰子政治団体も、これはいわゆる税制上の優遇措置を受けておられますか。二号団体になっていますか。
○田口政府参考人 ただいまのお尋ねにつきましては、事前にその点につきまして御連絡をいただいておりませんでしたので、今直ちにお答えすることは困難でございます。
○古屋(圭)委員 事前に私どもは聞きました。そうしたら、この団体は既に解散をされているので、お話しすることはできませんということでした。
 ということは、ちょっと一般論でお聞きしたいんですけれども、これは法務省の方がいいかな。例えば、Aという個人がDという団体に対して個人献金をする。一つのルートは、Dに直接行く。二つ目のルートは、Bという団体を使ってDに行く。三つ目の団体は、Cという団体を経由して四つ目の団体に行く。こうなると、量的制限の百五十万円が、四百五十万円できることになります。
 そして、もしこの場合、例えば会計責任者であるとか、あるいはその代表、そして寄附の時期も同じようなことだとすると、果たして、この百五十万円という量的制限を超えて、違法であるという解釈はできるのでしょうか。これは法務省に聞いた方がいいかな。
○西川政府参考人 今の御質問も、あくまで一般論ということになろうというふうに思いますが、要は、量的制限を超えるかどうかということで、迂回云々、こういう御質問だというふうに思います。
 それはあくまで、受け取った側が、実態があったかなかったとか、さまざまな判断をして、政治資金規正法上の収支報告書の記載が例えば虚偽に当たるかどうか、こんなような判断をしながら判断していくことになるんではないかなというふうに思います。
○古屋(圭)委員 そうですね。実態に即して判断していくということなんです。
 でも、現実には、これは事実上は、献金先はDという同じ団体なんですよ。私が今一般論で申し上げた、あくまでも、このケースは言いません、Dという団体に、Aから直接、三つのルートを通じて出している。これが認められるというようなことならば、もうとんでもない脱法行為が山ほどできるということなんですよ。
 これは信じられない話であって、恐らく法務省は、そういうものが明白になれば、しっかりこれは事件として捜査をする可能性があるというふうに私は認識しておりますけれども、これで間違いないと思います。その答弁は要りません。
 さて次に、もう時間がないので、パネル三を出してください。
 これは、今私が申し上げましたように、菅直人氏、そして二千五百万円以上献金をしていた議員、それだけにとどまらず、そして、市民の党系地方議員、これは民主党との連携をとっている議員がたくさんいます。こういう人たちが、百五十万という限度いっぱいに、判で押したようにやっている、こういう構図を明らかにしましたけれども、今度は、実は、市民の党と関係のある民主党の議員というのはこれだけいるんだということをぜひお示ししたいというふうに思います。
 まず、左側の上を見てください。これは、実際に寄附をした議員が八名いまして、トータルが一億五千万円でございます。それだけにとどまりません、市民の党関係者から寄附を受けた議員が三人で、二千三百三十万円でございます。
 それから、市民の党幹部が責任者の政治団体、例えば、小宮山泰子議員は、MPDで出馬をした人間が政治団体の責任者を務めていたり、瑞慶覧氏は、この下の方にもありますように、会計責任者が政治団体の役職を務めていたり、鷲尾英一郎氏は、例えば酒井剛氏が代表をしていたり、あるいは黒岩氏も同じような状況でございます。要するに、市民の党関係者の者を公設の秘書に採用している人もこれだけいる。それだけにとどまらず、市民の党の推薦を受けた議員というのが、これは収支報告書からも、五人いるんですね。
 要するに、私が申し上げたいのは、これは政治と金というものをもう超越して、民主党、そして、今からお聞きしますけれども、このいわば北朝鮮との深い関係にある政党とのっぴきならぬ関係になっているということを私はここで指摘させていただきたいというふうに思います。
 では、この市民の党とかMPDとか酒井氏というのはどうなのということだと思うので、まず、公安調査庁、きょうお越しいただいていますね。お聞きします。
 公安調査庁は酒井氏を把握されていますか。各メディアは、公安もその動向をチェックしているというふうに報道をされています。
○尾崎政府参考人 よど号乗っ取り犯の動向等、あるいは過激派勢力の動向等につきましては、当庁といたしまして関心を持って調査に努めているところでございますけれども、個別具体的な調査の内容につきましては、今後の業務遂行に差し支えを来すおそれがございますので、答弁を差し控えさせていただきます。
○古屋(圭)委員 今の答弁から、言外から承知することができます。
 では、具体的に言いますよ。酒井氏がMPDを立ち上げた際に、ポル・ポト派とか赤軍派議長からメッセージが届いたことを把握していますか。あるいは、十年前に、酒井氏は北朝鮮に行って、よど号ハイジャック犯や拉致実行犯と会っていますね。田宮高麿氏の息子である森大志氏、彼は、市民の党から推されて本年の統一地方選挙に出馬しています。そして、その家族と会ったと報道をされ、かつ、季刊誌のインタビューでそれを答えておられますけれども、このことを把握していますか。この二点。
○尾崎政府参考人 御指摘の人物が北朝鮮を訪問したといったことを発言されているということは、報道等により承知しております。
○古屋(圭)委員 承知しておられるということですね。当然ですよ。公安調査庁ですから、北との関係がある、あるいはポル・ポト派や元赤軍派議長からメッセージまで届いているんですから、当然マークしているわけであります。そういう関係者がつくったこの市民の党あるいは関連団体であります。
 そこで、菅総理に聞きます。
 いろいろな季刊誌あるいはネットでも、酒井氏は、菅氏とは三十年来のつき合いで、議員になる前から知っていると言っていますけれども、うそはありませんか。
○菅内閣総理大臣 他の議員の皆さんからの御質問にもお答えいたしましたけれども、かなり以前、先輩に当たる方から紹介をされております。
○古屋(圭)委員 酒井氏自身は、もう三十年来のつき合いで、仲よくけんかしながらつき合っている、こういうことを堂々とインタビューで言っておられます。
 では、具体的に、最後に会ったのはいつですか。
○菅内閣総理大臣 突然の御質問ですので正確にお答えできなくて恐縮ですが、最近は私もこういった立場でかなり多忙にいたしておりますので、少なくとも、何カ月単位か年単位かは別として、相当の期間お会いをしておりません。
○古屋(圭)委員 本人は、昨年の、菅総理が財務大臣当時、一緒にやって、消費税の問題で熱く議論していると言っています。それだけにとどまりません。酒井氏の主張は、革命一筋三十年、ほかに何も考えることはない、革命戦争を今も続けている、革命のために選挙をやっていると公言している。これは酒井氏本人は、菅さんもそのことは知っていると言っていますよ。これにもかかわらず、全くそういうことを記憶にない、知らないと言うんですか、どうですか。
○中井委員長 時間が来ていますから、簡単に。
○菅内閣総理大臣 先ほど申し上げましたように、かなり以前に紹介され、先ほど御指摘をされたことも、正確な記憶は定かでありませんが、いろいろ会って話をしたことがあることは事実であります。
○中井委員長 古屋君、時間ですから、まとめてください。
○古屋(圭)委員 会って話をしたことは事実だけれども、それを知らない。
 この酒井剛氏という人こそまさしくキーマンなんですよ。このキーマンがこれだけはっきりいろいろなインタビューで答えているにもかかわらず、何にも答えていただけない。これは私は……(発言する者あり)はい。
 酒井剛氏の証人喚問を要求して、質問を終わります。(発言する者あり)理事会で協議してください。
○中井委員長 これにて高村君、馳君、古屋君の質疑は終了いたしました。
 次に、赤嶺政賢君。
○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 きょうは安保、外交問題でありますが、冒頭、この間の沖縄の台風に関連をいたしまして、農水大臣に伺います。
 台風九号、沖縄本島を中心に大きな被害をもたらしました。その中で、糸満市の土地改良区に広がる国営米須地下ダムの問題が改めて明らかになっております。沖縄本島一の耕作面積を有する糸満市の土地改良区で最大二メートル余の深さで冠水し、圃場は水田状態になり、サトウキビ、ゴーヤー、オクラ、ハーブなど収穫前の農作物が壊滅的な打撃を受けております。
 この改良区は、四年前の二〇〇七年八月にも同じような被害がありました。当時から、糸満市や糸満市議会の中では、地下ダムの着工以来、排水が悪くなったということが問題になっておりました。農家は、繰り返される冠水について、これは人災だと言っています。私も四年前に同じ指摘を行いましたが、土地改良区の冠水被害の原因が国営地下ダムにあることは明らかだと思います。調査の上、被害補償、再発防止対策をとるよう求めたいと思いますが、農水大臣、いかがですか。
○鹿野国務大臣 米須地下ダムの地下水への影響につきましては、これまでも必要な調査が行われてきたわけでございますけれども、排水路工などの対策を実施してまいりました。その影響範囲というものは限定的であるんじゃないか、こういうふうに考えておるところでございますけれども、なお、湛水被害との関係につきまして、県なりあるいは市なり、土地改良区の皆様方と相談の上、今後とも必要に応じて調査してまいりたいと思っております。
○赤嶺委員 排水にどんな改良を加えてもこのような被害が繰り返されているわけです。抜本的な対策、そして補償を求めていきたいと思います。
 次に、沖縄へのオスプレーの配備について聞いていきます。
 北澤防衛大臣は、六月十三日、沖縄県を訪問し、米軍の垂直離着陸機オスプレーを来年後半から普天間飛行場に配備する方針を伝えました。オスプレーは、今米軍が従来のヘリの後継機として配備を進めている航空機であります。通常のヘリのように飛行できるだけでなく、左右に取りつけられた回転翼を前方に傾けることによって固定翼機のように飛行することもできる、このようにされています。
 一九八一年に計画が始まって以降、開発過程で四回の墜落事故を引き起こし、三十人の犠牲者を出しました。必要な量の飛行試験も行われず、飛行データの改ざんまで行われていたことが明らかになっています。その上、高額な開発費で、計画は何度も頓挫しかかりました。二〇〇五年にようやく量産開始にこぎつけたというのが経過であります。
 まず総理大臣に聞きますが、オスプレーが多くの問題を抱えてきたいわくつきの航空機であることを御存じでしょうか。
○菅内閣総理大臣 このオスプレーに関して、従来いろいろな議論があったということは、多少は耳にいたしております。しかし、今回、そうした中で、改めて安全性や騒音等に対してもきちっと地元に説明をするということを含めて配備をされるという発表があった、このように承知をしております。
○赤嶺委員 地元への説明というのが、これまたひどいものなんですね。防衛大臣は、オスプレーの安全性について、開発段階で事故があったが現在は米軍の主力となり心配ない、このように述べておられます。二〇〇五年に量産開始を決定して以降は事故はほとんど起きていないかのような説明でありますが、本当に事故は起きていないんでしょうか。防衛省が把握している、二〇〇五年以降、量産体制に入って以降の主なオスプレーにかかわる事故の事例を明らかにしていただきたいと思います。
○北澤国務大臣 二〇〇五年以降の事故については、極めて低いわけでありますけれども、数件あったと記憶しておりますが、質問の御通告の中にはございませんでしたので、今すぐ取り寄せて、この質疑の中でお答えを申し上げたいと思います。
○中井委員長 間に合いますか。(北澤国務大臣「間に合います」と呼ぶ)ありましたか。
 それでは答えさせます。
○北澤国務大臣 お答え申し上げます。
 二〇一〇年四月、空軍用のオスプレーがアフガニスタン南部において墜落をして、四名が死亡いたしました。同年十二月、米軍の事故調査委員会は、事故原因を明確にできなかった、敵の攻撃による墜落の可能性は否定されたが、気象条件、パイロットの操縦ミス等の人的要因、機体の不良その他の可能性があり明確にできなかった旨の発表がございました。
 以上であります。
○赤嶺委員 この間のアフガニスタンの事故の問題だけを取り上げられました。
 私も、二〇〇五年以降のオスプレーの事故について、報道記事をずっと追っかけてみました。二〇〇五年十一月には、カリフォルニア州の空軍基地に向けて飛行中、雷雨に遭い、雲の中を通過した際、エンジン内の凍結が発生し、緊急着陸した。さらに、二〇〇六年三月には、ノースカロライナ州のニューリバー基地で整備中に突然離陸し、地上に落下する事故を起こした。二〇〇七年十月には、イラクに向けて飛行中に機械の故障が起き、隣国ヨルダンに不時着した。そして、先ほどの二〇一〇年四月には、アフガニスタンで、戦闘地域で初めての墜落事故を起こし、四人の犠牲者を出した。ざっと見ただけでも、こういう事故が繰り返されております。
 防衛大臣、こういう事故が繰り返し起こっている、そういうことをどう認識しておられますか。
○北澤国務大臣 今、事例を述べられて、繰り返しというふうに言われましたが、米軍の回転翼機による回数というのは膨大なものでございまして、そういう中から米軍が調査したもの、それをまたさらに我々防衛省が検証した中では、事故率はほかの機種に比べて最も低いというふうに認識しております。
○赤嶺委員 事故率が低いとおっしゃいましたけれども、開発途中に、四回のオスプレーの事故は計算に入れてないわけですね。三十人の方が死亡しました。これを入れないで事故率は低いと言っている。先ほど大臣みずからがおっしゃったアフガニスタンでの墜落事故も、これも海兵隊じゃない、空軍のものだと言って、空軍のオスプレーだと言って、事故率に計算に入れておりません。
 先ほど、事故報告書を、事故原因が特定できない、こういうお話がありました。私は調べてみたんです。二〇一〇年十二月に、アフガニスタンの墜落事故の事故調査報告書が公表されております。事故原因は特定できなかったものの、事故につながった要因の一つにエンジン出力の低下を挙げております。つまり、オスプレーの機体そのものが持つ特性が事故につながった可能性も十分考えられると思います。
 これでも事故率は低いんですか。なぜ、起きた事故を除外して事故率は低い、安全だ、こういうことをおっしゃるんですか。
○北澤国務大臣 まず、開発途中の事故を一般的な運用の中に入れて事故率を計算するというのは、これは考え方かもしれませんが、私は正確なものではないと。開発途中に幾つかの試行錯誤の中で改良していって、運用ができるようになって、大量生産を政府が許可した。こういう経緯から見ても、それを開発途中、いわゆる研究段階も含めてのものを入れると、むしろ誤解を招くだろうというふうに思っております。
 それから、今御指摘のアフガンの問題は、先ほども申し上げましたように、原因が特定されていないということであります。
 それから、空軍のものを入れていないじゃないか、こういう話ですが、あくまでも沖縄の海兵隊に配備されるという状況の中で、それを申し上げた次第でございます。
○赤嶺委員 これで事故率が低いという説明にして、県民は絶対納得できませんよ。
 先ほどのアフガンの調査報告の問題、繰り返し防衛大臣取り上げられておりますけれども、この事故調査の過程でも報告書の改ざんの危険が問題になっているんです。
 エンジンの問題が主な事故原因だとした事故調査委員会の委員長が、報告書をまとめた後に、上官から、乗組員の過ちで事故が起きたのだと報告書を書き直すよう圧力を受けております。委員長は応じず、結果的にはエンジン出力の低下が明記されることになりました。しかし、報告書の公表に合わせて、調査結果を否定する上官の見解もあわせて公表されることになったわけです。オスプレーの安全性をめぐって議論が再燃するのを恐れた可能性が極めて高いと言わなければなりません。これがアフガニスタンで墜落したオスプレーの事故調査報告の経緯であります。低く見せよう、安全に見せようといっても説得力を持つものではありません。
 オスプレーには、事故が繰り返されてきただけではありません、致命的な構造上の欠陥が言われてまいりました。オートローテーション機能の欠如であります。
 オートローテーションとは、すべてのヘリコプターについている機能でありますが、ヘリコプターが飛行中にエンジンが停止しても、機体が降下するときの空気の流れから揚力を得て安全に着陸する機能のことであります。ところが、オスプレーには、独自の形状を持つことから、開発過程でこの機能を持たせることができなかったと指摘されております。
 防衛大臣に聞きますけれども、オートローテーションの機能の欠如という問題点は解決されたんですか。解決されたのであれば、いつ、どのような対策がとられましたか。
○北澤国務大臣 今お話しの、安全性について、日本政府あるいは防衛省がいかにも米軍が偽りをもって情報を提供してそれをかばっているというような論調でおっしゃっておられますが、我々も、沖縄の県民の皆さん方あるいはまた米軍の生命にもかかわる、そういう問題についていろいろな検証をおろそかにするなんということは決してないわけでありまして、もし本当に細かいことを列挙されて米側の言っていること、米側の実績が違う、こういうことを指摘されるのなら、具体的な議論をぜひしていただきたい。
 そこで、沖縄知事は、二十九項目にわたる質問書を出してこられました。私どもは、これを真摯に受けとめて、米側に対してこれの説明を求めて、参議院の委員会でも御答弁を申し上げましたけれども、米軍の回答書が五月雨的に出てきておりますので、その辺を中間報告するかどうかということを今取りまとめながら検討しておるところでございまして、委員がこの問題について真剣に御懸念を持っていることは大変重要なことだとは思いますが、いたずらに懸念を増幅するということのないような実質的な議論をぜひお願いいたしたい、このように思っておるところであります。
 それから、オートローテーションについては、これは今お話のありましたように、回転翼航空機が運動中、その揚力を受け持つ回転翼が完全に空力のみによって駆動される飛行状態をいうものだというふうに規定されておりますが、このオスプレーはオートローテーションの機能は十分にあるというふうに承知をいたしております。
 なお、オスプレーは二つのエンジンをつけておりまして、片方のエンジンが故障しても一つのエンジンのみで二つのローターを回転させることができるというふうに承知をいたしております。さらに、この二つのエンジンは離れた場所に位置しておることなどから、二つが同時に損壊する危険性は極めて少なくて、これまでオスプレーの飛行中にオートローテーションが必要な状況になったということは、米国側からは、その事実はない、こういうふうに報告を受けております。
○赤嶺委員 大臣、オスプレーについて沖縄県民がどんな恐怖心を抱いているか、そして危機感を持っているか。その危機感が噴き出しているのは、あなた方に責任があるんですよ。十何年前からオスプレーが沖縄に配備されるということを米軍は明らかにしているにもかかわらず、あなたも含めてですよ、アメリカからは何の公式の連絡はありません、配備されるかどうか知りません、こんなことをやってきたのがあなた方でしょう。
 そういう説明をしてこなかった、そういうことさえ振り返らず、私がアメリカで議論されているいろいろな議論を取り上げて聞いたら、危機をあおっているなんて、こんな、ためにするような姿勢は直してください。そこからまず直してください。
 オートローテーションのお話がありました。実は、アメリカで大量増産が始まって、そしていよいよイラクにオスプレーを配備するというときに、アメリカの雑誌タイムがオスプレー特集を組みました。二〇〇七年十月八日号であります。タイムは、その中で、米軍の内部文書を引用しながら、米軍がオスプレーにオートローテーション機能を持たせることをあきらめた経過が書かれているわけです。九九年の報告書では、オートローテーション機能の欠如をオスプレーの懸念として挙げておりました。ところが、二〇〇二年になりましたら、その報告書の中で、もはや公式な必要条件とはしないと述べ、量産決定の条件から削除してしまったわけであります。
 タイムだけではありません。アメリカの国防総省内の研究機関でオスプレーの主席分析官として開発に加わったレックス・リボロ氏は、二〇〇三年の報告書で、オスプレーによるオートローテーションの試験は無残に失敗したと指摘し、警鐘を鳴らしました。リボロ氏は、二〇〇九年三月に退官し、その直後、六月に開かれたアメリカ議会の公聴会でもそのことを証言しております。
 このオスプレーの構造上の欠陥は解決されないまま配備が進められているのではありませんか。
○北澤国務大臣 私も、今お話がありました、いたずらに安全だ安全だということを米側からの資料に基づいて沖縄に押しつけていこうなんという気持ちはさらさらないのでありまして、米軍が変換をしようとしていることは、安全で、なおかつ性能の高いものを配備して、むしろ老朽化した機材を新しくして危険性を除去する、そういう意図のもとにやっているということは私は理解しております。
 しかし、その中で沖縄の皆さん方にさまざまな御懸念があるとすれば、それは我々の責任において払拭していかなきゃいかぬ。そういうわけで、先ほど申し上げた二十九の、県民を代表する知事からの御質問に対して真摯にお答えをしていくということを今申し上げておるわけであります。
 また、今ほかの雑誌のこともお話しになりましたけれども、しかし、統計的に言えば、二〇〇二年五月以降、約七万飛行時間の中で死亡事故はなかったとか、あるいはまた事故率は、先ほども申し上げましたように、CH46の事故率が一・三七に対して一・二八であるというようなデータを米側から取り寄せております。そのことに対する検証もしっかりしながら、沖縄の皆さん方に真摯に対応してまいりたい、このように思っています。
○赤嶺委員 事故率は、起きた事故さえ計算に入れないから、低くなるのは当たり前です。これが真摯な態度だとはとても思えません。だから、県知事も宜野湾市長も二十九項目の質問書を出している。あなた方は、アメリカに言われたら、それをそのまま沖縄側に返している。
 今だって、オートローテーションの問題について、アメリカでは大きな議論になっているのに、そして専門の分析官が議会で答弁しているのに、こういう構造上の欠陥を持っているんじゃないかという私の質問に答えていないじゃないですか。答えてください。
○北澤国務大臣 今、二十九項目の質問について米側とやりとりをしております。
 確かに、米側からは、その項目に当てはまらないような回答が来ているものもあります、それからまた、焦点がぼやけているものもあります。そういうものについては、我々は、米側に対して再度資料の提出を求める、そういう姿勢でやっておるわけでありまして、あれは考えていないじゃないか、これは隠しているじゃないか、いかにも米側の代弁者のような決めつけ方は、私は当たらないというふうに思っております。
 我々は、日本国民の命の問題として考えておるわけでありまして、ましてや、米軍の基地をたくさんに抱えておる沖縄の皆さん方に、そういう意味で、御納得いただく努力は人後に落ちないつもりであります。
○松本国務大臣 オートローテーション機能については、私どもも米国側とは話をいたしておりまして、今先生の御議論の中にも、オートローテーション機能が欠如しているのではないか、他方で、米国の議会では、あったけれども効果がなかったということで、いろいろな御意見があるというような話であります。
 私どもの方にも、例えば、オスプレーのパイロットは、シミュレーターを用いて、先ほど北澤大臣もお話ししましたが、二つのエンジンがもし同時に停止をしたとのシナリオに基づくオートローテーションの訓練を定期的に行っているということでありまして、私どもとしては、米側の当局から同盟国である我が国に対する説明でありますから、確認をしつつも信頼をしてまいりたい、このように思っております。
○赤嶺委員 米側当局、海兵隊当局は、オスプレーは安全だ安全だと言うに決まっているじゃないですか。原発が安全だ安全だと言ってきたこの安全神話を、今、日本の政治はぬぐわなければいけないときに、オスプレーだって同じですよ。
 アメリカ国内では民間でも議会でもこの危険性が大議論になっているのに、あなた方は、領事館が発表したら、エンジンを二つ持っているから、エンジン二つが壊れることなんてありませんという、そんなことは絶対に安全の証明にはならないということを申し上げておきたいと思います。
 二〇〇四年八月に、現在の普天間基地所属機であるCH53Dヘリが沖縄国際大学に墜落をいたしました。これを受けて、日米両政府は、その三年後に、普天間飛行場の飛行経路の見直しを公表いたしました。ここでも、ヘリは緊急の際にもオートローテーションによって飛行場内に帰還を図ることが可能だ、だから普天間飛行場は安全だ、このように述べました。もうその説明自体が、現にオートローテーション機能を持つはずのヘリが墜落した以上、全く説得力を持つものではありませんでした。
 しかし、今回、その機能さえ持たないオスプレーが普天間飛行場に配備されることになります。住宅地上空を飛び交うオスプレーにエンジンの停止などが起これば、機体はそのまま落下し、墜落する危険が繰り返されるのではありませんか。
○松本国務大臣 まさに、普天間の危険性を除去するために、私どもとして考えられる方法として、今、沖縄の皆様にも我々が進めている道を御理解いただきたい、このように思っているわけであります。
 オートローテーション機能については、先生は欠如しているというふうにおっしゃいましたけれども、私どもとしてはそのように理解をしていないということを改めて申し上げたいと思います。
 また、北澤大臣もお話をさせていただきましたが、我が国としては、同盟国である米国の説明をしっかりと聞きますが、我が国として確認をして、当然、沖縄の方々にお話をする立場にあるということを改めて申し上げたいと思います。
○赤嶺委員 同盟国の当局の主張を聞く、その主張を聞いてきて、オスプレー配備が沖縄に行われるのはもう十年以上も前から明らかになっているのに、一切説明してこなかった。そして今、さらなる真摯な説明態度が求められるのに、アメリカ当局が発表していることはこういうことですということしかおっしゃらない。非常に残念であります。
 そこで、総理に聞きますけれども、普天間飛行場の住民は、米軍に土地を奪われ、基地を取り囲むように生活することを余儀なくされてきました。危険な基地に危険なオスプレーを配備するのは、本当に危険きわまりないものであります。オスプレー配備にはきっぱり反対すべきだと思います。
 同時に、現在、普天間飛行場に配備されているCH46やCH53は、ベトナム戦争のころに配備された老朽機であります。沖縄で墜落事故を繰り返してきたヘリであり、これも到底受け入れられるものではありません。
 沖縄県民に残された選択肢は一つしかありません。普天間基地を直ちに閉鎖、撤去することです。
 民主党政権が発足してから来月で二年になりますが、県外での移設先探しは破綻しました。六月に開かれた日米の外務、防衛閣僚による2プラス2の会合で、名護市辺野古の海を埋め立て、V字形の滑走路を建設する従来の案に完全に戻りました。しかし、沖縄県民がこの案を受け入れる余地は全くありません。この二年間で、県内にも県外にも普天間基地を受け入れる場所などないことははっきりしたのではありませんか。総理、いかがですか。
○松本国務大臣 ぜひ、赤嶺先生、普天間の危険性除去というスタートラインが一致をいたしましたので、これからの方策についても先生と一致できると大変前へ進められるのではないかと思います。
○赤嶺委員 総理、答えてください。
○菅内閣総理大臣 私も、総理になってから、普天間の固定化を、何とか固定化しないで、できるだけ早い時点で、私たちの方針としては辺野古でありますけれども、移転できないかということで、御理解いただけるよう努力をしてまいりました。
 今おっしゃるように、辺野古についても大変厳しい御意見があることはよく承知をいたしております。と同時に、今の普天間と比べれば、地域の、つまりは密集地域でもありませんし、また、もし普天間が返還されることになれば、嘉手納以南のかなりの基地も返還をされる。そういった意味で、この普天間の返還と、確かに辺野古には新たな基地建設という御負担をいただくことになりますが、トータルして考えれば、私は、まさに大きな沖縄の負担が軽減することにつながる、このように考えて、沖縄にお伺いしたときも、そういう趣旨を含めて御理解をいただけるよう申し上げたところであります。
 状況が厳しいことはよくよく承知をしておりますが、普天間の固定化をしないで、そして、そう長い期間、これまでも長い期間が経過しましたので、これ以上の長い期間を経過することなく実現するための方策として、何とか沖縄の皆さんに御理解をいただけないかというのが、私あるいは政府の考え方であります。
○赤嶺委員 普天間基地が危険だから人の少ない辺野古に移そうというのは、一番最初にまさにアメリカ政府が言い出したことなんです、その方が沖縄にとって有利だろうと。先ほどからの答弁を聞いていますと、すべてアメリカ当局のオウム返し。そんなことをしているつもりはないと防衛大臣は言いますが、まさに今の総理大臣の最後の答弁でもはっきりいたしました。
 辺野古は絶対につくれませんし、普天間は撤去する以外にないということを申し上げて、質問を終わります。
○中井委員長 これにて赤嶺君の質疑は終了いたしました。
 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時五十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○中井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
 この際、海江田経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。海江田経済産業大臣。
○海江田国務大臣 七月十九日の予算委員会での発言について訂正いたします。
 一次補正での十兆円の中小企業の資金繰り支援策は、被災地の中小企業の資金繰り支援を中心に策定したものですが、対象としては、被災地域以外の全国の中小企業も利用可能な制度であります。
 以上、訂正申し上げます。
○中井委員長 西村智奈美君。
○西村(智)委員 民主党の西村智奈美です。
 きょうは外交、安全保障に関する集中審議ということでありますが、私、新潟県選出の議員でございまして、今回の新潟・福島集中豪雨について一言申し上げ、そして総理の考えを伺いたいと思います。
 昨日、民主党の岡田幹事長を先頭にいたしまして、党で視察を、県内各地、駆け足ではありましたけれども、大変精力的に行っていただきました。一週間前には平野防災担当大臣もお入りいただいて、ヘリコプターで上空から、新潟、福島両県を見ていただいたところでございます。
 今回、災害救助法の適用についてはすぐさま決めていただいて、既に政府の方でも対応をとっていただいていること、これは心から感謝をしたいと思いますけれども、昨日も視察に参りまして、自治体の首長の皆さんと意見交換をいたしましたら、やはり早期の激甚災害法の指定、そして早期の復旧作業の着手をぜひ可能にしてほしい、こんなお話がたくさん出されたところでございます。
 午前中の枝野官房長官の記者会見では、激甚災害法の指定について前向きなお言葉があったようでございますけれども、総理、今回の新潟・福島集中豪雨に対して、総理御自身どういうお考えで対応されようとしておられるか、伺いたいと思います。
○菅内閣総理大臣 この七月の新潟・福島豪雨災害で、まず、亡くなられた皆さんに哀悼の意をささげたいと思います。
 大変な集中的な豪雨の中で多くの被害が出ていることはよく承知をいたしております。それに対して、被災自治体の財政支援など、地方交付税の繰り上げといったことの検討を含め、積極的な対応をいたしてまいりたいと考えております。
 今、激甚災害の指定についてのお話がありました。
 まずは、関係施設の被害状況を把握することが必要であります。現在はそうした被害状況の把握に努めており、その結果を踏まえるというのが本来のあり方であります。そういった中で、もう既に官房長官からも前向きの記者会見があったようでありますが、ぜひとも、対応するのであれば迅速に対応することがより効果的だと考えておりますので、そうした方向で迅速な対応を図ってまいりたい、このように思っております。
○西村(智)委員 ありがとうございます。
 特に、新潟、福島両県は大変雪深いところでございます。冬になりますと、雪が降って復旧作業そのものができなくなってしまうということから、一日も早く作業に取りかかれるように、より一層の御配慮をお願いしたいと思います。
 それでは、外交、安全保障について質問をさせていただきます。
 総理、一年二カ月、これは世界のスタンダードから比べますと、私は、決して長くない在任期間だと思っております。世界では、各国の首脳が本当に時間を削って世界じゅうを飛び回って、そして会談を行い、意見交換をして、そして外交を前進させていく。外交というのは、なかなか私は成果の出にくい話だと思っておりますし、特に我が国の状況から見ますれば、国会開会中はほとんど国会対応ということで時間をとられてしまいます。ですけれども、この一年二カ月の間、私は、総理は大変大きな成果を上げてこられたというふうに思っております。
 特に、五月末に開催されましたフランス・ドービルでのG8サミット、ここのところ、考えてみますと、二回連続総理大臣がG8に出席するというのは総理が久しぶりでございまして、今回はいろいろな意味で日本は注目をされたサミットだったのではないかなと思います。
 特に、東日本大震災を受けて、各国からいろいろな声が日本、そして日本国民に対して寄せられた。私、今回、総理が発行されておられるカンフル・ブログを改めて読ませていただきましたけれども、その中でも、各国首脳から日本及び日本国民に対するさまざまなお見舞いの声が寄せられたというふうに書いてありまして、大変感銘を受けました。
 注目されていたからこそ、いろいろな意味で期待の高かった今回の日本のプレゼンスだったのではないかと思いますけれども、総理、このG8サミット、みずからの評価、どのようにお考えになっておられるでしょうか。
○菅内閣総理大臣 ちょうど一年二カ月前の六月に総理に就任して、最初の大きな外交日程がカナダ・ムスコカにおけるG8でありました。そのときには、ギリシャの経済危機など、今日にもつながっている大きな課題の議論が中心になったのを今でも鮮明に記憶いたしております。そして、今お話のありました五月のドービルにおけるG8、私にとって二度目ということになりました。
 従来、G8では、我が国は、もちろん重要な参加国ではありますけれども、冒頭のあいさつ等については余り例がないということでありましたけれども、今回は、大震災の問題、さらにそれに伴う原子力事故の問題など、G8諸国は大変日本の動向に注目をしてくれておりまして、私の方からの、日本のそうした問題に対する姿勢を申し上げたところであります。
 幸いにして、各国、全体会議でもバイの会談でも、我が国に対して、日本国民はこういう厳しいときに本当に整然としているという大変高い国民に対する評価もいただきましたし、必ずや日本は復活するであろうという温かい御支援の言葉もいただきました。私の方からも、必ず再生して、国際的なプレーヤーとしての責務を今後ともしっかり果たしたい、このように申し上げました。
 そういったことを含めて、このG8は大変我が国にとって重要であると同時に、そうした温かい全世界的な支持を特に中心的なG8の皆さんが示していただいたという意味で、我が国の外交の面では大きなプラスになった、このように認識をいたしております。
○西村(智)委員 世界じゅうは、今、この東日本大震災から日本がどうやって立ち直るか、それを注目していると思います。経済、社会、文化、さまざまな面で世界全体が何となく閉塞感に包まれている中で、やはり日本が新たな考えで東日本地域を再生していくことが何よりも必要なんだろうと思っております。
 さて、その東日本大震災のときでありましたけれども、大変多くの国々から日本に対するお見舞いのメッセージや支援のお申し出をいただきました。公開されているもの、わかっているものだけで二百以上の国・地域、国際機関、これにNGOなどを加えますともっと多くの数になると思いますけれども、そういったところから支援の申し出がありました。これは発展途上国も含めてということであります。
 私、この中で大変心に残っているのは、アフガニスタンの若い人たちからのお気持ちでした。アフガニスタンは、御存じのとおり、総理がコミットメントを出してくださったように、最大で五十億ドルまでの支援をアフガンに対して行うと日本は約束をしております。大変アフガニスタンではそのことを評価もされ、そして今回の東日本大震災では、バーミヤンに住んでいる若い人たちが、自分たちは貧しくてお金はないけれども、しかし日本のために何がしかのことはしたい、そういうアピールもされているわけであります。こういったことは、やはり、日本がこれまで国際社会に対して行ってきたさまざまなODAを初めとする国際貢献、これがあったればこそというふうに思うんです。
 総理は、今回四月に、こうした海外からのお見舞いや支援に対して、海外の新聞、メディアなどを通じてメッセージを発表されました。「絆」というタイトルで、大変すばらしいメッセージであったと思います。お礼の言葉とあわせて、この中で総理はこのように述べておられる。世界の皆様からいただいた温かい御支援に対し、恩返しをいたします、このように述べておられるわけですけれども、この恩返し、これを総理はどういうふうに行っていきたいとお考えでしょうか。
○菅内閣総理大臣 私は、この大震災があって、特にそうした国々、それは、大きな国に限らず、途上国も含めて、我が国のことを本当に心配してくれている、本当にうれしくなりました。
 また、震災前も、多くの首脳が我が国に来られたときに、アフガニスタンのカルザイ大統領も含めて、ややもすれば、我が国の中では、日本はお金は出すけれども、必ずしもそれ以外のことでは十分な貢献がないのではないかという、国内的にも何か、自分たちの活動に対して、やや、自虐的という言葉がいいかどうかわかりませんが、厳しい見方がありました。
 しかし、多くの国の皆さんは、逆に言えば、戦闘地域に軍隊を出している多くの国に対して、日本がそういうものを出さないからおかしいというようなことを言われた方は一人もありませんでした。どちらかといえば、本当に、治安の回復とか教育とかあるいは水とか、そういうところに日本が力を尽くしてくれることは大変重要で、逆に言えば、日本にはそういう分野で大いに役に立っていただいている、世話になっている、そういうことをおっしゃって、私は改めて、日本の過去の大きなODAの貢献がやはり日本の世界における大きな信頼という財産になっているんだということを感じたところであります。
 そういう中で、現在の財政状況の中で、いろいろとODAなどについて予算の圧縮などが余儀なくされておりますけれども、この震災をまさにいい意味でのばねにして、日本の経済を発展させ、財政を回復させ、そういう中では、そうした国々、特に途上国、アフリカや南米といった国々に対してもしっかりとした支援を、財政的な面あるいは人材の面、いろいろな面で行っていく、そのことが恩返しになる、このように考えてそうしたメッセージを発しさせていただきました。
○西村(智)委員 ありがとうございます。日本はやはり約束をしっかり守ってくれる国だ、これが国際社会の中での信頼感に必ずやつながっていくと私も思います。
 しかし、今回、大変残念なことに、東日本大震災という未曾有の災害が我が国を襲いました。この復旧復興のための財源、やはりどこかで捻出をしていかなければなりません。どうやって捻出するか。これは、すべての人がやはり知恵を絞って取り組んでいかなければいけないと思っております。
 先般、第一次補正予算が編成されましたときに、ODAの予算が実は五百一億円削減をされました。現在の我が国のODA予算はざっくりと申し上げて約六千億円、これは実は十四年前の水準と比べますと約半分になっているんですけれども、このように大変先細っている中でさらに減額をされてしまった、これは大変大きな痛手だと思います。もちろん、ODAないしは国際協力については、私たち政治家一人一人も有権者の皆さんに対してきちんと説明をしていく必要があると思っています。
 かつてのODAといいますと、例えば、大型の箱物を受け入れ国の環境や社会などに配慮せずにつくってそれでおしまいというようなことがあったり、あるいは、相手国の政府の政権と結託して汚職や腐敗に結びついているのではないかというような批判があったりしました。ですけれども、最近はそういったことも少しずつ改善をされてきておりますし、総理が先ほどおっしゃった人的な面も含めて、日本が貢献すべきことはまだまだやはり私はたくさんあると思います。でも、やはり納税者に対する説明責任というのは重要でありますから、ODAのあり方そのものについては不断の見直しをしていっていただきたいと思います。
 政権交代後、この点については、ODAのあり方について見直しが進められまして、昨年の六月に、ODAのあり方に関する最終取りまとめが出されたところでございます。重点分野を三つに絞り込む、貧困削減と平和構築、そして持続的な経済成長の後押しということで絞り込んでいき、そして、さまざまなパートナーと連携していくということもこの中に盛り込まれておりますけれども、やはり、こういったことを確実に実施していく、推進していくことによって、より納税者の皆さんから理解を得られる、わかりやすい、透明性の高い、納得のできる、そんなODAになっていくのではないかと考えております。
 外務大臣、このフォローアップ状況についていかがでしょうか。
○松本国務大臣 今お話がありましたように、委員が大臣政務官でいらっしゃったときに外務省で取りまとめていただいたODAのあり方に関する検討最終取りまとめ、ポイントについては今もお話がありました。理念の打ち出しであるとか、重点分野の絞り込みであるとか、戦略的、効果的な援助であるとかいったような項目をお立ていただいているところでありますが、その中に、国民の理解と支持の促進、参加と見える化ということについても立てていただいておりまして、国民の理解という御議論の中での話ですので、その点について簡単に申し上げてまいりたいと思います。
 一つは、ODAプロジェクトの現状、成果を体系的に可視化するODA見える化サイトをホームページ上に立ち上げて、情報開示を強化いたしてまいりました。これまで往々にして、聞いてほしい、もしくは見てほしいものだけを広報するということがありがちであったわけでありますが、今回のこの見える化に関しては、すべてを可視化するということを基本といたしまして、国民の判断を仰ぐということを考えております。
 また、案件形成、実施、評価、改善というPDCAサイクルにおいて、ODA事業について外部の専門家と意見を行うことを通じて事業のより一層の効果的な実施と透明性の向上を図るために、開発協力適正会議というのを設置いたしました。
 連携という意味で、NGOとの関係では、NGO・外務省定期協議会に私自身を初め政務レベルも出席をしまして、NGOとの対話を強化してきているところでありまして、今後も、連携のあり方、支援策について意見交換などを踏まえて進めてまいりたい、こういうふうに思っております。
 今後もしっかりフォローアップ作業を続けて国民の理解と支持をいただいて、しっかりとODAについても所要の額が確保できるように努力をしてまいりたい、このように考えております。
○西村(智)委員 ありがとうございます。
 次に、財務大臣にお伺いをいたしたいんですけれども、今の外務大臣の答弁のように、少しずつ、ODAのあり方、見直しについてもフォローアップが進んでいるということでございました。財務省も、外務省を初めとして各省庁にODAの予算を分配しておりますし、また財務省自身も多くの国際機関に拠出をしておられますけれども、今後のこのODA予算のあり方について財務大臣御自身はどういうふうにお考えになっておられるか、伺います。
○野田国務大臣 西村委員御指摘のとおり、一般会計のODA予算は、予算ベースでいいますと、極めて厳しい財政状況のもとで、二十三年度の当初予算では五千七百二十七億円、これは対前年度でマイナス七・四%。それから、御指摘のあったとおり、第一次補正の財源にさせていただいた関係上、第一次補正及び第二次補正後では五千二百九十六億円、対前年度比でマイナス一四・四%となりました。
 一方で、国際的な評価を受けるODA全体の事業量で見ますと、事業量というのは予算ベースだけではなくて、御指摘いただいた円借款事業などを含めて合計した決算ベースでありますけれども、これも予算と同様に、毎年ずっとこの十年下がってきた傾向がありますが、二〇〇九年代に一・八兆円台に乗せ、二〇一〇年代、二〇一一年、それぞれ一・九兆と、十年前のレベルの、まさに高いレベルの横ばいになってきているということも、あわせて事実関係として申し上げたいと思います。
 今後のODAのあり方については、外務省を含めて関係省庁とよく協議して、適切に対応していきたいというふうに思います。
○西村(智)委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、北朝鮮に関連してお伺いいたしたいと思います。
 このところ、ちょっと動きが出ております。金正日総書記が中国東北部をたびたび訪れている、こういう報道がありましたり、また七月の月末には、ARFの場で南北対話が行われました。また、アメリカとの間でも、滞っておりましたけれども、一年七カ月ぶりに、金桂冠第一外務次官とボズワース北朝鮮政策特別代表との間で米朝協議が行われたということです。
 アメリカは北朝鮮に対して食糧支援も検討しているという報道もありますけれども、こうした状況にかんがみて、我が国の日朝協議について外務大臣はどのようにお考えになっておられるか、伺いたいと思います。
○松本国務大臣 私自身、就任をして以来、北朝鮮側に対して公の場所でも、対話を拒むものではないということは申し上げ続けてまいりました。
 他方で、これまでの諸先輩方の御苦労をさまざま拝見させていただいても、対話を求めて、求め方をしっかりしなければ実りのある対話になるかどうかということが問われるこれまでの日朝協議の経緯でもありますので、今私どもとしては、核の問題について、また拉致の問題、ミサイルの問題についても、我々としての立場を明らかにして、日米間でも連携をしつつ、対話の扉は開かれているというメッセージは北朝鮮側にしっかり伝えるというスタンスでおるところであります。
 対話が必要である、対話によってのみ問題は解決されると私自身も思っておりますので、対話の扉は開かれているということを、改めてこの場においても北朝鮮側に対して私の意思は申し上げてまいりたいと思っておりますが、今すぐに私どもから日朝協議をセットするというような考え方には立っていないということを改めて申し上げたいと思います。
○西村(智)委員 我が国は、ここのところ、二〇〇八年の八月の拉致問題に対する再調査、これをきちんと履行するということがまずすべての協議の大前提であって、六カ国協議の場において、拉致、核、ミサイルの問題を包括的に解決するということを求めてきたわけでございます。
 私の選挙区からは、三十四年前に横田めぐみさんが拉致されました。今なお進展の見られないこの問題に対して、御家族の皆さんの焦燥感は本当にいかばかりかと思いますし、何としても一日も早い解決をと願っている、私もその一人でございます。
 総理御自身、どういう姿勢でこの拉致問題に対して向かっていくのか、取り組んでいくのか、そのお考えを伺いたいと思います。
○菅内閣総理大臣 もう申し上げるまでもありませんが、この拉致というのは、国家主権を侵し、また国民の生命、安全にかかわる重大な問題であります。そういった意味で、本当に一日も、一刻も早い拉致被害者全員の帰国のために全力を尽くさなければならないと思っております。
 この間、拉致問題対策本部の体制を充実し、また、いろいろな関係国との連携も図ってまいりました。また、昨年十二月には、拉致被害者の御家族ともお会いをして、拉致問題解決に向けた決意を新たにいたしたところであります。
 拉致被害者の帰国を実現するために、政府としては、やれることは何でもやる、そういう覚悟でこれまでも臨んでまいりましたし、これからも臨んでまいりたいと考えております。
○西村(智)委員 ありがとうございます。
 最後になると思いますが、日米関係について一点だけ、短く簡単に伺いたいと思います。
 午前中、高村委員との間で、抑止力について高村委員の方から質問がありまして、私もその内容を聞いておりました。これについてはいろいろ議論がありますし、皆さんいろいろな意見があると思いますけれども、私は、旧来型の抑止力だけでは、グローバル化した今の社会、そして紛争なども含めて大変複雑化している現在の安全保障環境というのは、これは抑止力のみに頼っているだけでは解決できないと考えております。
 そうした意味で、日米同盟という言葉そのものも、私は、安全保障の面だけではなくて、経済や社会、文化、そして人的交流全般、こういったものを含めて、幅広く解釈していきたいというふうに考えているんですけれども、総理もこの日米同盟の深化についてはこれまで取り組んでこられましたが、今後、どういう形でこの日米同盟の深化について取り組んでいくお考えか、伺いたいと思います。
○菅内閣総理大臣 まさにおっしゃるとおりだと思っております。
 私も、日米同盟というのは三本の柱だと。一つは、もちろん安全保障の面。そして、やはり経済、これは、ともに経済が伸びていく、そういう環境をいかにしてつくっていくか。そして、人と文化の交流。特に私は、近年、我が国の若い人たちが海外に出ることがやや少なくなっている、あるいはアメリカへの留学なども減っている。こういうことは、長い目で見ると非常にゆゆしき問題だ。
 そういった意味で、この三本柱、特に人の交流、文化的な交流というのは、もっと政府としても後押しをしていく必要がある、このように考えております。
○西村(智)委員 終わります。
○中井委員長 これにて西村さんの質疑は終了いたしました。
 次に、佐藤茂樹君。
○佐藤(茂)委員 公明党の佐藤茂樹でございます。
 きょうは、委員長初め各党の御理解と御協力を得て、五十分間時間をちょうだいしましたので、しっかりと質問をさせていただきたいと思います。特に総理と後でじっくりと議論をさせていただきたいと思うんですが、その前に、まず野田財務大臣にお聞きをしたいんです。
 きょうのアジア市場が開かれる前に、世界的な動きがございました。先進七カ国、G7が、早朝、緊急の共同声明を発表されたわけでございます。ただ、午前中の取引を見ておりますと、円高の傾向もとまりませんし、また、株価は百二十円ほど値下がりをしております。
 財務大臣にぜひお伺いをしたいのは、このG7緊急共同声明の効果があった、そのように思われるのかどうか、端的に財務大臣にまずお伺いしておきたいと思います。
○野田国務大臣 佐藤委員御指摘のとおり、きょう、日本時間で午前六時から、緊急でG7の電話会談がございました。この会談において、米国債の格下げであるとか欧州における金融不安等を背景に金融市場における緊張が高まる中で、いわゆるG7、主要先進国は連帯して行動していこうということが確認をされたのですが、特に、金融安定化等のために必要なあらゆる手段を講じることにコミットすることや、御指摘のあった為替市場における行動に関して、緊密に協議し、適切に協力するなどを確認させていただきました。
 その後の東京市場が開いての為替やあるいは株の動きについては委員の御承知のとおりでございますけれども、これは、今の段階でどうのという段階ではまだないと思います。引き続きマーケットの動向を注視していきたいというふうに思いますし、このG7が連帯をして協調していくということをしっかりとマーケットの皆さんにも御理解いただきたいというふうに考えております。
○佐藤(茂)委員 そこで、本題の外交、安全保障の問題に入りたいと思うんですけれども、総理は、一定のめどという話をされました。我々国民、また国会も、恐らくもうそんなに長く総理はされないんだろう、そのように思いますので、私は、この一年二カ月間の菅外交のいわば締めくくり総括質疑、そういうつもりで、この一年二カ月間、また、今、当面懸案になっている外交、安全保障の問題について議論をさせていただきたいと思うわけであります。
 ことし一年間、どういう問題がこの菅政権が誕生してあったのか。国民の皆さんが、ああ、こういう問題があったなと思われるものを代表して七つ挙げさせていただきました。
 一つは、尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件。
 これはもう国民だれもが覚えていることでございました。結局、那覇地検が処分保留でこの漁船の船長というものを釈放してしまった。政府としては、地検に責任を押しつけたまま釈放に至った、そういう問題がございました。これで日中関係がよくなったらいいんだけれども、逆に冷めたまま一年二カ月たっているということでございます。
 二点目は、ロシアのメドベージェフ大統領等と入れました。
 メドベージェフ大統領が国後島を訪問したのが十一月一日でございます。それに引き続いて、相次ぎ閣僚が北方領土を訪問いたしました。
 三点目に、北朝鮮の、韓国の延坪島に対する砲撃事件というのが十一月の二十三日にあったわけでございます。
 私がここで問題にするのは、このときの日本政府の危機管理意識の欠如というものを問題にしたいわけであります。砲撃があったのが二時三十四分でございました。それで、菅総理は、三時半ごろ第一報が、秘書官を通じて砲撃の一報が入ったんですね、ところが官邸入りをしなかった。何をされていたのか。齋藤国対委員長代理と会談を優先していて官邸入りされなかった。官邸入りされたのは、何と午後四時四十五分に官邸入りをされたという。なおかつ、安全保障会議も開催せずに、日本政府としての政府見解が表明されたのは、約七時間後の九時を回ってから、そういうことでございまして、アメリカやロシアよりも約三時間も政府見解の発表というのがおくれたという危機意識の欠如が明らかになりました。
 四点目に書いていますのは、もう割と近いところでございますが、四月四日に福島原発の汚染水が放出をされました。しかし、日本からの事前通告が一切なかったことが各国から大変問題になりました。
 特にお隣の韓国では、この問題が国会で取り上げられて、四月七日には、韓国外交の無能ぶりをさらけ出した、そういうように指摘された金滉植首相は、むしろ日本が無能と言いたい、そういうようなことまで言った問題があったわけであります。
 五点目には、普天間問題の停滞。
 これは、六月に何とか2プラス2に外務、防衛両大臣、こぎつけましたけれども、しかし、大きな問題は、二〇一四年という期限が延期されてしまった。このままいったら、普天間基地そのものが固定化される、そういう危険性まで伴ってしまった。先送り以外の何物でもない、そういう問題になっているわけであります。
 六点目は、領土問題で日韓関係が不安定。
 今、本当に不安定になってきております。李明博政権とは本当は日韓関係はよかったんです。しかし、領土問題が不安定になってきております。このきっかけは、ことしの二月下旬に、菅総理を支えておられた忠臣の衆議院議員、きょうは名誉のために名前は出しませんけれども、元政治倫理審査会長が韓国で、日本側は竹島の領有権の主張を直ちに撤回すべきだとするそういう共同宣言文に署名した、そういう政権自体の主権意識の希薄さというものをさらけ出してしまったことが、韓国側につけ入るすきを与えてしまった、そう私は言いたいと思うんです。
 七点目に、進展しない北朝鮮の拉致、核、ミサイル問題。
 拉致問題も全く進展をしておりません。また、核、ミサイル問題についても、菅政権になりましてから、特にウランの濃縮の問題というのが、事実が明らかになったわけであります。それに対して日本政府として、例えば厳しい国連決議をしっかりと決めろ、そういうような働きかけを執拗にやったという動きは全く感じられません。我々が政権をとっていたときには、二回目の核実験がございました。そのときには、私は政権のこの分野の責任者として、山崎拓先生と中谷元先生と私、三人で核実験の直後に国連に伺いまして、国連のロシア代表あるいは中国代表とかけ合い、また、アメリカ当局ともかけ合って、毅然とした対応をして、厳しい決議を決めるべきだ、そういうことをあの第二回の核実験の直後にアメリカへ行って執拗に要請したことを覚えておりますけれども、そういう姿勢も、この今回の菅政権の外交では全く感じられない、そういう問題があるわけでございます。
 今大きく七点紹介をさせていただきましたけれども、どれもこれも日本にとっては非常に重要な案件だったと思うわけであります。
 一言で言うと、菅政権の一年の外交というのは、失点続きで、国益を大きく損なう、そういうことをやってきた、そういう一年間ではなかったのかというふうに思うんですが、今、以上挙げました七点について、総理、自分自身がリーダーシップを発揮して、こう対応して解決したんだ、また、こう進めたんだ、そういうものがありましたら、ぜひ御答弁いただきたいと思います。
○菅内閣総理大臣 せっかくそういう機会をいただきましたので、私からも申し上げたいと思います。
 この中に含まれていない問題で、極めて大きな課題が、課題といいましょうか場面が幾つかありました。
 まず、私が総理に就任した昨年の六月、カナダのムスコカでG8、そしてトロントでG20がありました。そこで中心的課題になったのは、ギリシャの経済危機、いわゆるソブリンリスクであります。そのことは、今日のヨーロッパの状況にずっと継続をいたしております。
 また、そのG20の中では、我が国のいわゆる財政の健全化に向けての方向性も打ち出しまして、いわゆる財政の、日本の場合、特に厳しいものですから、プライマリーバランスを二〇一五年度までに半減すると。他の国は二〇一三年度でありましたけれども、そういった日本の姿勢についても理解をいただいた。私の最初の、総理になってからの活動の第一歩はそうしたところでありました。
 また、この間に、書かれていないことで申し上げますと、APECを横浜で開きました。これも、当時の報道も含めて、基本的には、私はいい成果を上げたと、来られた皆さんも満足をして帰られたと思っております。
 また、この間で、日中韓のサミットも行われました。そして温家宝総理、それから李明博大統領は、福島など被災地に来られまして、そういった意味では大変、福島あるいは東北の被災地の皆さんに勇気づけをしていただきました。
 そして、五月のG8、ドービルであった中でも、先ほどこれは西村議員からも、御質問にお答えをさせていただきましたけれども、世界が日本のこの大震災のことを心配し、また日本人の態度に尊敬の念を示していただき、そして我が国が再生されることを強く期待していただきました。
 そういったことを含めて、確かに、個々いろいろな面がありましたけれども、そうした大きな流れについて、ぜひ佐藤議員にも御理解をいただきたい。私は、それぞれの国の関係、例えば日米関係も、私が就任した段階では、やや、普天間の問題でぎくしゃくした関係にありましたけれども、もちろん普天間は大きな前進とまでは言えませんけれども、少なくともそれまでの多少のぎくしゃくをおさめて、そして再スタートを切ったということは率直に申し上げることができると思っております。
 そういったことで、一つ一つ挙げればいろいろ議論がありますが、私は、例えば日中関係においても、確かにいろいろな事件がありましたが、先ほどの日中韓の問題を含めて、これから、例えば辛亥革命百年に向けてのいろいろな事業も予定されておりまして、辛亥革命は我が国からも多くの人が協力をしたという歴史もあります。
 また、日韓の問題も、確かに今も難しい問題はありますが、昨年は日韓併合百周年という一番難しい年でありましたけれども、私、総理としての談話に対して、韓国の皆さん、高く評価をいただきまして、日韓関係もそうした中での安定度を高めて、もちろんいろいろな課題は残っておりますけれども、そういうこともしっかりとやってきた、このように考えております。
○佐藤(茂)委員 要は、何をやってきたかというので、お聞きになってわかりますように、ほとんど国際会議をこなしてきました、そういう話なんです、結論からいうと。要するに、国際会議をこなしてきた、日程外交でしかないわけです。あなたは、日本の外交戦略としてこういうことを掲げて、こういうことをやったんだと言えるものが何かありますか。ほとんどないじゃないですか。
 なおかつ、APECのとき、話をされましたけれども、あれは本当に日本国民は屈辱的に感じましたよ、あの胡錦濤さんとの会談。あなたは胡錦濤さんの目をほとんど見ずに、ただ手元のメモを震えながら見ておっただけじゃないですか。あんなのは、本当に日本国民としてこれ以上屈辱的な外交はない、そういうふうに感じたと私は思いますよ。
 あなたは、本当に、この日本の国の外交戦略をどういう方向に持っていって、そのために自分はこういうことをやったんだと言えるものが何かありますか。言ってみてください。
○菅内閣総理大臣 まず第一に、日本における二国間関係で最も重要なものは日米関係でありまして、先ほども申し上げましたが、私が就任した時点で若干ぎくしゃくしていた関係を、しっかりと日米関係を正常な形にする、四度にわたるオバマ大統領との会談も含めて、そのことは私は実現できたと考えております。
 また、アジアとの関係においても、先ほども申し上げましたが、中国、韓国、そしていわゆる東南アジアの国々との関係においても、確かに課題やいろいろな問題はありましたけれども、先ほども申し上げましたが、単に何かスケジュールをこなしたというふうに言われますけれども、やはり、中国の温家宝総理そして韓国の李明博大統領がわざわざ我が国の被災地に足を運び、そして被災地の食べ物をともに口にしていただくというのは、私は、私の方からも強くお願いをしたわけでありますけれども、それにこたえていただくことで、日中、日韓の関係は、少なくともそういう分野では相互理解が進んだ。
 つまり、日本とアメリカの関係、日本と中国、韓国の関係、さらに申し上げれば、まだまだ不十分な点がありますが、この間、例えばEUとの間でのEPA、日中韓の問題でのEPA、あるいは多くの国との間でのFTAなどを進めてまいりました。確かにTPPの問題では、この震災のこともあって一つの判断を少し先に延ばしましたけれども、そういう、いわゆる貿易の自由化の問題でも一歩一歩前進をさせようと思ってさせてきたわけでありまして、私としては、そうしたところでしっかりと理解をいただきたいと思っております。
○佐藤(茂)委員 私は、多くの国民と同様に、ほとんど理解できないと思います。
 例えば、アメリカとの関係を修復したといっても、あなたが指導力を発揮したというのはどこにもないんですよ。ほとんど外務、防衛両大臣で、ようやく、延び延びになっていた2プラス2を六月末に、何とかもとの自公案に近いものにして決着をさせた、そういう状況でしかないんです。
 なおかつ、私が言いたいのは、この一年間だけじゃなくて、今あなたが事実上の退陣表明をしながらその場に居座り続けていることによって、日本の外交を著しく停滞させている。特に日米関係、日中関係、日韓関係、これはもう顕著にあらわれてきているわけでありまして、そのことについてこれから具体的にお聞きをしたいと思うわけであります。
 今総理が答弁されました日米関係、しかし、ここで一番大事なのは、やはり本当に首脳外交なんですよ。
 そこで私がお聞きしたいのは、昨年の日米安保条約改定五十周年を機に日米で策定することで合意していた新たな日米共同宣言の策定、取りまとめというものは断念されることになったのかどうか、総理にぜひ答弁をいただきたいと思います。
○松本国務大臣 結論から申し上げれば、断念をしたというような判断を私もした事実はありませんし、総理からそのような指示を受けたこともありません。
 日米の共同宣言に類するような何らかの成果物、これは、総理訪米の機会に二十一世紀の日米同盟のビジョンを共同声明のような形で示すことで一致をしているということは御案内のとおりであります。
 御承知のとおり、日米の間では、さまざまなレベルで日米の協力について、現在そして将来について議論が行われておりますので、二十一世紀の日米同盟のビジョンにつながる内容の議論というのは進められているところでありますが、文書の策定の詳細について現段階で何か決まっているということではないということを御答弁申し上げたいと思います。
○佐藤(茂)委員 要するに、菅総理のもとで日米共同宣言は策定される、そういう方向で進めておられるのか、いや、次の総理のもとで考えようとしているのか、外務大臣、どちらなんですか。
○松本国務大臣 私は菅内閣の外務大臣として、日々しっかり基本になる日米同盟についても深化に努めておるところでございます。
○佐藤(茂)委員 もう一つお聞きをしたいと思います。
 さらに懸案になっていることで、きょうもある一般紙に出ておりましたけれども、菅総理御自身が果たして訪米されるのかどうか、ここをぜひ御本人にお聞きしたいと思うんです。菅総理は、オバマ大統領から直接招かれたことし春の訪米を実現できませんでした。大統領がフランスのサミットのときに、五月下旬に行われた日米首脳会談で改めて示した九月上旬の菅首相の訪米について、これを本当に予定どおり菅総理としては行われるつもりがあるのかどうか、御答弁をいただきたいと思います。
 というのは、私、きょう、この資料を用意させてもらっていたら、どうも与党側の理事さんの方から首相の米国訪問にクエスチョンをつけてくれ、そういう依頼がありまして、あえてこのパネルもクエスチョンをつけたんですけれども、総理、ぜひ御答弁いただきたいと思います。
○菅内閣総理大臣 ことし五月のドービルで行われたG8に伴ってオバマ大統領とバイの会談を行い、オバマ大統領から訪米の招待をいただきました。今後調整していくということで一致をいたしまして、現在、実務的に調整をしていただいているところであります。
 日米関係は、国民と国民の間、国と国との間において極めて重要な関係であることは言うまでもありません。日米同盟は日本外交の基軸でありまして、これを深化、発展させることが重要であります。我が国の国内のいろいろな情勢があることはもちろん佐藤議員も御承知のとおりでありますが、そういった情勢にかかわらず、特にこの日米という二国間関係はしっかりと維持されなければならないと考えております。
 日米関係の、この間で申し上げれば、先ほども御指摘のありました2プラス2で、六月に行われて、重要な合意がありましたし、今月の二十二日にはバイデン副大統領の訪日も予定されて、日米同盟をさらに深化、発展させるべく、私とも会談が予定をされております。具体的な内容は現在調整しておりますが、外交に空白はあってはならず、全力を挙げて日米関係を前に進めていく、こういう姿勢には変わりはありません。
○佐藤(茂)委員 要するに、アメリカ側も困っていると思うんですよ。あなたが一体いつけじめをつけられるのかどうかということが、結局、アメリカ側も、日程調整も含め、テーマも含めて、どういうふうに進めていったらいいのか、お困りだということは、菅総理、御理解できますか。御答弁いただきたいと思います。
○松本国務大臣 具体的な日程も日米の間ではもちろんやりとりがあるわけでありますけれども、まだ申し上げられる段階にないということで発表をいたしていないところでございます。
 日米間のコミュニケーションはあらゆる面で大変順調にいっているというふうに私は理解をいたしておりますので、そのような御指摘は必ずしも当たっていないものというふうに理解をいたしております。
○佐藤(茂)委員 確かに、先ほどありましたように、2プラス2まで何とか、合意までこぎつけたということは、実務者レベルではそれぞれ、部門の担当としてはすばらしいと思うんですが、しかし、大事なのは、日米を、首脳レベルでもしっかりと関係を、緊密に協力して、これからの日米同盟を深化させますよということをしっかりと進めていくことが大事なのであって、外交というのは、確かに、外務大臣と例えば国務長官、防衛大臣と国防長官というようなバイの関係もあるかもわかりませんが、何よりも大事なのは首脳関係がしっかりとパイプができてこそ、私は外交は進むんだと思うんですね。
 私は何を申し上げたいかというと、要するに、総理が居座り続けるがゆえに、外交空白というのは本当に深刻化しているんです。菅総理が今重要な提案を持ちかけても、まともに相手にしてくれる、真剣に考えてくれる、そういう国というのは、一番の同盟国アメリカを含め、ほとんどない、そういうふうに私は言いたいわけであります。
 私は、そういう意味でいうと、本当にこれからの会議について、総理がされるのか、あるいは新首相がされるのか、そのことについてはやはり本当にはっきりさせないといけない、そのように思うんですね。
 例えば、「今年後半の主な外交日程」というのを入れさせていただきました。九月前半は、今はまだわからぬという話ですが、首相のアメリカ訪問。九月下旬には国連総会、一般討論演説。さらに、きょうの新聞報道によると、潘基文事務総長が、原子力の安全についての首脳会議をやりたいというような、そういうことについて菅総理とやりとりされているというような話もありましたけれども、そういうものがある。十月の中旬から下旬にかけては、ASEANの首脳会議、また東アジア・サミットですね、東南アジア・サミットじゃありません。東アジア・サミットです、ちょっと間違いですが。さらに、十一月の頭にかけてはG20の首脳会議。十一月の中旬にはAPECの首脳会議。十一月の下旬から十二月の上旬にかけてはCOP17という大事な会議があるんですね。
 しかし、大事なのは、本当にこれに今の総理が行かれるのか、それとも、その後しっかりと後継の、菅総理に言わせたら若い世代の方に引き継いでいかれるのか、これは本当に大事だと思うんですね。ことしも広範な外交日程がメジロ押しなんですけれども、その首脳外交で成果を上げるには、いずれにしろ入念な事前調整というのが必要なんです。ところが、次の首相が決まったとしても、次の首相の方針がわからないと、外務省初めほかの関係省庁というのは本格的に動けないんです。だから、外交の停滞から早く脱するためにも、菅総理は早期に退陣して、次の若い世代の人にしっかりと引き継いで、ことしの後半の外交日程のしっかりと準備を整えるべきだと私は思うんですけれども、総理の見解を伺いたいと思います。
○菅内閣総理大臣 今、佐藤さんから、ことし、これからの外交日程をお示しいただきました。
 私が就任したときも、こういった形でずっといろいろな日程が出てきておりました。本当に考えましたのは、それから一年二カ月たちましたけれども、残念ながら我が国は、小泉政権は五年間とかなり長く続きましたが、それ以降私に至るまでそれぞれ一年前後という中で、そうした中で、私も、最初に出た会議では、またかわったのかというような顔を各国の首脳からされました。
 G8は二度の出席ということで、ことしの五月に行ったわけですが、率直に申し上げて、私は、G8ではそれなりの、まさに日本に対する注目もありましたし、温かい言葉も得たわけですけれども、残念ながら、帰ってくると、貴党を含めて不信任案という流れの中で、いろいろな経緯がありました。
 ですから、私は、あえて個々のことを申し上げるつもりはありませんけれども、特に外交の面から見れば、少なくとも政権なり一人の総理大臣が衆議院の任期の四年程度は継続をする形が日本の国益にとって大変重要だと思っております。
 そういう中で、今私のことを言われましたけれども、私については、六月の二日に我が党の代議士会で申し上げ、その後、記者会見でも申し上げましたように、一定のめどがつきましたら責任を若い世代に移したい、その気持ちには変わりはありません。
○佐藤(茂)委員 総理のお考えは、一般論としては受け入れます。すばらしい外交、安全保障政策を推進し、また内政面でも国民が拍手喝采する、そういう総理であるならば、どうぞ四年やってもらったら、それは万々歳だと思うんですね。しかし、今、総理御自身も認識されているように、党内ですら総理を支持しようなんというのはほとんどいない。きょうの読売新聞でも、最新の世論調査ではその数字が最低だと出ていましたが、一八%しか支持率は出ていないんですね。鳩山政権の最悪のときよりもさらに悪い。そういう中で四年やらせてもらおうなんというのは虫がよ過ぎる、そのように私は思うんですね。
 それはいいとして、日中関係についてお聞きをしたいと思うんです。
 アメリカに続いて、中国との関係は大事でございます。菅総理の居座りというのは、日中関係の修復にも影を落としていると私は思うんです。日中首脳の相互訪問というのは、ことしは日本が中国へ行く順番なんですね。中国側は日本との関係を立て直すために、五月、先ほど総理もちょっと述べられましたが、温家宝首相が、来日時など、機会あるごとに菅総理の訪中を要請されておりました。しかし、日本側はこういう政局のごたごたもあって、中国側のシグナルをしっかりと受けとめているという状況じゃありません。総理、訪中の見通しというのは立っているんですか。
○松本国務大臣 佐藤先生との御議論ですから。
 まず一つは、先ほど戦略のお話もありましたが、我が国にとって日中の関係というのは戦略的互恵関係を深めることはもとより、中国に国際社会の中で建設的な役割を果たしてもらうということは極めて重要な大きな方針であり、戦略という言葉が適切かどうかわかりませんけれども、考え方だと思います。我が国もその意味では、東南アジア諸国との信頼や、また米国を初めとする国際社会との信頼のもとで大きな役割を果たして、先般のASEANの関連外相会合では南シナ海についてもいわばガイドラインが合意できる、これには我が国も一定の役割を果たしたというふうに自負をいたしているところであります。
 また、六月を過ぎて、七月に入ってからですが、私自身が中国を訪問いたしましたときに、習近平副主席、戴秉国国務委員、そしてヨウケツチ外務大臣とお会いをしました。その際にお話がありました日中の首脳会談は、我が方が今回は訪問する番であるということを確認いたしてきたところであります。
○佐藤(茂)委員 いや、外務大臣、全然違う答弁をされています。要は、総理にずばりお聞きします、これから訪中されるという、ことしの見込みは立っているんですか、どうなんですか。簡潔にお答えください。
○菅内閣総理大臣 今外務大臣からも御報告がありましたように、この間も中国側からのハイレベルな日本への訪日もあり、また、今回は日本から中国への招請が来ております。そういったことについて外務省を中心に検討をいただいていると承知をしております。
○佐藤(茂)委員 要するに、日米もそうなんだけれども、日中も、大事な二国間の関係について、まだずっと検討段階のまま引きずっておるんですよね。さっきから私が言っているように、そこを真摯に総理としても受けとめてもらいたい。やはり相手あってのことですから、日本の事情だけで向こうを待たすわけにはいかないわけでありまして、そういうことをさっきから申し上げているんです。
 日中関係で一つ、きょう経済産業大臣にお越しいただいているのでお聞きしたいのは、私はこの問題で前任の大畠経済産業大臣にも昨年相当しつこく質問しましたけれども、レアアースの問題であります。
 海江田大臣は、七月の十八日に、北京で陳徳銘中国商務大臣との会談でレアアースの問題の改善を迫って、大臣は、会談終了後、記者団に対して、これまでの発言に比べて一歩踏み込んだ発言があったと思っていると述べて、一定の成果を上げたという認識をされました。
 しかし、それからもう三週間たっておりますが、特に問題である中国側からのレアアースの輸出枠、二点目には、レアアースの輸出価格の高騰等について、中国側が具体的に改善の措置をとりましたでしょうか。経済産業大臣、御答弁いただきたいと思います。
○海江田国務大臣 今、佐藤委員から御指摘をいただきましたけれども、七月の十八日でございます、北京を訪問いたしまして、陳徳銘商務部長とお話をいたしました。
 どこが一定の前進であったというふうに私が評価をしたかといいますと、これまでレアアースの問題、一つは、量が前年と比べて圧倒的に減ってきた。しかし、ことしに入りましてから、特にことしの半ばからその量はふえてまいりました。しかし、その中には鉄合金が入っておったわけでございますから、中国側は、私と陳商務部長とがお話をするまで、鉄合金が入っているからそれでいいじゃないかというお話でございましたから、それは違うんだと。純正のレアアースのところで前年並みの量をまず確保してほしいということを、何度か私からその意向を伝えました。
 そうしましたところ、陳徳銘商務大臣は、今、確かにことしの半ばから鉄合金がふえているから、この鉄合金の中にどのくらい純正レアアースの分が入っているかということをまずデータを調べなければいけない、そしてデータを調べた上で、必要があれば若干の調整をする、こういう言い方をしたわけでございますから、私は、その意味では、従来と一歩というか半歩というかわかりませんが、少し動き始めたかなという印象を持ったわけでございます。
 そしてその後、これは政府の立場ではございませんけれども、日本国際貿易促進協会、国貿促と言われておりますが、河野前議長が会長をやっておられまして、七月の二十四日に北京に行きまして、そして、このときは温家宝総理とでございますけれども、やはりレアアースの問題でお話が行われまして、そこでも温家宝総理が、陳徳銘部長が私にお話をしたとほぼ同じ中身でお話がありましたから、私は、まだ具体的にふえているということではありませんが、やはり中国側のそうした動きをしっかりとこれから見詰めていかなければいけないということでございます。
 それから、価格の差につきましても、細かなデータを渡しました。そうしたら、そのデータを見まして、初めて見たということでございましたので、このことについてもしっかりと調査をするようにということは、陳徳銘部長がその場にいた担当者にそういう指示をしているのをこの耳で聞きました。
○佐藤(茂)委員 私は、この問題はもう昨年からずっと追っかけていまして、中国側は、カウンターパートの大臣に会うたびに悪い返事はしないんですよ。しかし、実態はほとんど改善されていない、そういう状況がずっとこの一年以上続いているんですね。ですから、私は、もうそろそろ本当にアメリカやヨーロッパと一緒に連携して、しっかりとした対応をしなければいけないんじゃないのかと。
 特に最近のニュースでは、WTOの紛争処理委員会は、マンガンなどの九品目の鉱物資源の中国の輸出制限をWTO協定違反、そのように判断をいたしました。このときには、日本はその提訴には加わっておりません。しかし、レアアースでは、今度は日本もアメリカやヨーロッパと本当に協調して、WTOへの提訴を検討すべきだと私は考えますけれども、政府の見解を伺いたいと思います。
○海江田国務大臣 このレアアースの問題につきまして、まず、先日公表されましたWTOのパネル報告書の内容、これをしっかりと精査しなければいけないということでありまして、その上で、レアアースの規制についても、さっきお話をしたような経緯がございますので、今後の成り行きと申しますか、今後の動きをしっかりと注視していこうということで、今の時点で提訴が決まっているわけではございません。
○佐藤(茂)委員 それで、中国関係でもう一つ、防衛大臣にせっかく来ていただいているのでお聞きをしたいと思うんですが、今回の新防衛大綱との関連です。
 中国の海洋進出というのが非常に激しくなってきております。それに対して、今回、防衛大綱では、動的防衛力だ、そういうことを言われた。ただ、この動的防衛力と日米同盟との関係がいま一つはっきりいたしません。
 新大綱には、まず一つ、中国が接近阻止戦略をずっと進めているんだという状況認識が全くございません。さらに、アメリカが昨年の二月に出したQDRで言われたジョイントエアシーバトル構想への言及が全くございません。特に、中国の接近阻止戦略また能力というのは、例えば中国が中距離弾道ミサイルDF21を改造したそういう対艦弾道ミサイルを間もなく完成させ配備するということも言われているんですね。これが実戦配備されると、中国沿岸から約二千キロの距離内にあるアメリカ艦船は脅威にさらされてしまいます。西太平洋でアメリカ空母などのアメリカ軍が自由に行動できなくなれば、これは日米同盟の機能が非常に不安定なものになる、そういう問題があります。そういうことから、アメリカは昨年の二月にQDRを公表して、そういうジョイントエアシーバトル構想というものを打ち出したんですね。このアメリカの新しい対中戦略、ジョイントエアシーバトル構想とどう連携するのかという最も肝心な点が、この新防衛大綱では抜け落ちている。また、それに言及がないんです。
 このことについて、言及しなかった理由は何なのか、また、動的防衛力とジョイントエアシーバトル構想の、アメリカとの同盟の関係というのは一体どうなるのかということについて、防衛大臣に御答弁いただきたいと思います。
○北澤国務大臣 日米の関係においては極めて適切な御指摘だというふうに思っております。
 ただ、そこで、エアシーバトル構想、これはこの新防衛大綱を策定するときにはまだ、まあ現在もそうでありますが、明確なものができてきていない。確かに、空軍と海軍を統合して能力を向上させるというような大まかなことは言っておりますけれども、具体的なことがまだできていない。要するに、総合戦力のドクトリンという段階なのかもしれませんけれども、そういう形になっておりました。
 そういう意味では、今回、我々は六月の2プラス2の共同発表において、我が国の新防衛大綱における動的防衛力と米国のQDRの考え方を踏まえて、日米防衛協力のさらなる向上を追求するためのより具体的な内容を掲げており、その中で、動的防衛力で重視する情報収集それから警戒監視や、迅速かつシームレスに多様な事態へ対処することなどについて、日米の一層の連携協力を促進する、こういうようなことを明記させていただいております。
 それから、今まさに御懸念のあった中国の動向については、我々も今、この動的防衛力というものを、防衛省全体の中の構造改革というものをつい五日の日にまとめ上げました。その中にかなりわかりやすく動的防衛力のあり方を記述してありますので、またぜひ国会での御議論をいただきたいというふうに思っておりますが、要するに、QDRと動的防衛力の構造改革に基づく具体策が出てきた中でこれから構築していくということで、ぜひまた多様な御意見をちょうだいできればと思っております。
○佐藤(茂)委員 今、自衛隊の動きが出てきましたので関連して、南スーダンへのPKOの派遣のことについてぜひ政府の見解をお聞きしたいんですけれども、きょう総理は、この委員会の後、夕方、潘基文国連事務総長ともお会いになるというようにお聞きしているんですけれども、七月九日にアフリカで五十四番目に独立して、国連に百九十三番目に加盟した、そういう南スーダン共和国が誕生いたしました。
 本当に、新国家の国づくりを軌道に乗せるというのは国際社会の協力が極めて不可欠だと思いますし、特に日本は、ついこの前の東日本大震災でアフリカを含む世界各国から大変な御支援を受けたんですね。そういう恩返しの意味も込めて、当然積極的に新しい国づくりを応援していくということは必要ではないか、私はそのように思うんです。
 今、国連安保理で八千人規模のPKO部隊の派遣を決められて、日本政府にも三百人規模の派遣を正式に要請してきている、そういう報道もございます。
 私は昨年、アフリカに行かせていただきました。
 一つは、私が法案作成に携わった海賊対処法に基づいて今頑張っている自衛隊また海上保安官の激励にジブチに行かせていただきました。
 その後、スーダンに行かせていただきました。スーダンでは、旧のUNMIS、国連スーダン派遣団、ここで司令部に陸上自衛官が二人頑張って任務についておりましたので、その二人とも会って激励をして戻ってきたんですけれども、そのときに、旧の国連スーダン・ミッション、北部でやっているミッションの事務局長から、ヘリコプター、ヘリコプターと言われたわけです。それは何かというと、昨年、民主党政権で、ヘリコプター等も含めたこの旧の国連スーダン派遣団についてはお断りしているんです。それをジョークのように、国連のスーダン・ミッションの事務局長は私に言われたわけですね。
 今回、新しく誕生した南スーダン共和国の国づくりを中長期的に支援するためにも、ぜひPKO部隊の派遣というのは行うべきだ、私はそのように考えますが、総理、ぜひ今の日本政府の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○松本国務大臣 南スーダン共和国がさまざまな困難を乗り越えて、住民の意思が反映される形でアフリカで五十四番目の独立国として誕生したことは歓迎をしており、我が国としては、国際社会と協力して国づくりを支援していきたいと思っています。
 国連PKOは、我が国が国際社会の平和と安定に貢献するために最も有効な手段の一つであるというふうに私どもも考えているところであります。
 その上で、PKOの派遣につきましては、どのようなことが可能か、もし自衛隊もということであるとすれば、既にハイチに出ている部隊、それから災害などの支援の我が国の中における状況、他方で、支援という意味では、我が国の協力のあり方という意味では我が国の特色がどう生かせるのか、現地の受け入れの状況はどうかなどのことがありますので、総合的に考えて検討をしていきたい、このように考えているのが今の現状でございます。
○菅内閣総理大臣 私も、スーダンからの独立をめぐる過程の中で、潘基文事務総長からも、当時、ヘリコプターについてのいろいろな申し出があったことは直接にもお伺いをいたしておりました。
 そういった中で、今回、南スーダン共和国が独立をし、新たな国に対して我が国がしっかりと支援していく、この重要性は今、松本外務大臣が言われたとおりだと思っております。それに当たってどういった要請が国連から具体的に来るかを含めて、できるだけ積極的に取り組むという姿勢の中でしっかりと検討をしていきたい、こう思っております。
○佐藤(茂)委員 私は、海賊対処のときにも、我々は与党でおりまして悩んだのは、現下の国際社会が一番注目をしているテーマについて国際社会の一員たる日本としてどういうことができるのかということについて、そのときには本当にあらゆる角度から検討して、時間をかけずに結論を出していくというのはやはり極めて大事だと思いますので、ぜひ前向きにお願いをしたいと思います。
 それで、もう時間が大分迫ってきましたが、総理をおやめになる前にぜひこのことを私は聞いておきたかったんです。
 これは昨年の十二月の六日のことでございます。要するに、新防衛大綱、先ほどちょっと議論をさせていただきましたが、その最終的な決定の過程で、お聞きすると、総理は閣僚の会議でもほとんど御意見を言われなかったらしいんですけれども、総理が唯一リーダーシップを発揮された、そういうように報道されているのは、武器輸出三原則等の見直しの明記を見送られたことなんですね。
 まず、このことを聞く前に、総理は、武器輸出三原則等と武器輸出三原則の違いについて御理解されていますか。総理、武器輸出三原則等と武器輸出三原則、どう違うのか。
○菅内閣総理大臣 等という言葉がどういう意味を持っているのか、具体的には承知をしておりません。
○佐藤(茂)委員 あなたは大事な決断をされたんだから、そういう基本的なことはしっかりとやはり理解した上で、見直すのか見直さないのかというのは決断をされるべきですよ、こんなものは基本中の基本ですから。
 武器輸出三原則というのは、僕はもう時間が、解説するのも面倒くさいんですけれども、要するに、昭和四十二年の佐藤総理の答弁を武器輸出三原則というんです。その後、昭和五十一年の三木総理の政府統一見解を述べた答弁を加えて、武器輸出三原則等となっているんです。佐藤総理のときのこの三原則というのは、本当に、要するに、輸出を認めない三つを限って言ったんです。ところが、三木総理のときになると、そうじゃなくて、基本的には全面的にだめだ、そういうことになったんです。この二つをあわせて武器輸出三原則等ということに今なっているんです。
 しかし、そのことを、あなたは、十二月六日、社民党の福島党首から武器輸出三原則等の緩和を明記しないように求められると、あっさり応じられました。つまり、報道もされていましたが、大綱への明記の見送りというのは、総理の主体的な政策判断ではなくて、見直し反対の社民党の協力を得たい、そういう政局的判断を優先した結果であるとするならば、私はこの経過には強い違和感を感じるんですね。
 ぜひ総理にお聞きしたいのは、この大綱への武器輸出三原則等の見直しの明記の見送りということについて、政局的判断からされたのか、それとも、御自身の明確な、そういう武器輸出三原則等についての考えに基づいた政策判断からなされたのか。ぜひ総理、御答弁、いや、総理ですよ、総理がされたんだから、総理、簡潔にお答えいただきたいと思います。
○中井委員長 時間がありませんので、総理に十秒ぐらいでお答えいただきます。
○菅内閣総理大臣 この新防衛大綱の御議論に、何か私が全くかかわっていなかったというふうに言われましたけれども、私も大変この重要性を認識しておりました。そういう意味では、動的防衛力という考え方も含めて、私も承知をした中で了解をいたしました。
 今、武器輸出三原則につきましても、防衛大臣とのしっかりした意見交換も踏まえて、最終的な判断を私の方でさせていただきました。
○佐藤(茂)委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○中井委員長 これにて佐藤君の質疑は終了いたしました。
 次に、服部良一君。
○服部委員 武器輸出三原則の緩和に反対の社民党の服部良一でございます。
 きょうは、まず、核のごみの問題、核廃棄物について質問をいたします。
 菅総理は、八月六日、広島の平和記念式典で、原発に依存しない社会を目指すとおっしゃいました。この考えには全面的に賛同いたします。
 一方、ベトナムへの原発輸出は総理みずから推進されてきました。昨年十月の日本とベトナムとの共同声明には、プロジェクトの全期間にわたる廃棄物処理における協力を保証したと明記をされていますけれども、総理、これは核廃棄物をベトナム国内に保管するという前提なのか、あるいは日本が引き取るということ、あるいは第三国に移動するということも選択肢としてあるんですか。端的にお答えください。
○菅内閣総理大臣 原発の輸出先で発生する使用済み燃料や放射性廃棄物の処理の具体的な方法については、基本的には、当該国が責任を持って取り組むべき課題であると認識をいたしております。
 現時点では、ベトナムから使用済み燃料や放射性廃棄物を引き取ってほしいといった要望は聞いてはおりません。
 なお、我が国として、使用済み燃料や放射性廃棄物の処理に取り組んできた経験をもとに、助言を行うなど、できる範囲で協力していくことは必要だと考えております。
 以上です。
○服部委員 モンゴルに核処分場を建設する構想が取りざたされております。七月二十九日の外務委員会で松下経産副大臣が、日本で発生をした使用済み燃料や高レベル放射性廃棄物をモンゴルあるいは外国において貯蔵、処分するという意向は一切有しておりませんというふうに答弁をされました。これは日本政府の公式見解というふうに理解してよろしいでしょうか。菅総理自身の口からお答えいただきます。
○菅内閣総理大臣 我が国で発生した使用済み燃料や高レベル放射性廃棄物について、外国で貯蔵、処分するといったことは現時点では考えておりません。
○服部委員 核のごみの問題というのは大変深刻な問題です。
 パネルも準備させていただきましたけれども、フィンランドでは、十万年から二十万年もの間、安全に管理しなければならない最終処分場の建設を今進行中であります。アメリカも悩んでいる。十万年前といいますと、ネアンデルタール人の時代だというわけですね。十万年後の未来というのは、だれも想像ができません。日本でも、六ケ所村再処理工場なんか、もう既に満杯。各原発の使用済み燃料プールも、もう七年ぐらいで満杯になるというふうに言われております。国内の再処理のめどは立たず、放射性廃棄物の処分方法も場所も決まっておりません。
 総理、何か解決策はあるんでしょうか。
○菅内閣総理大臣 御承知だと思いますが、七月の二十九日に、エネルギー・環境会議において、中長期的な革新的エネルギー・環境政策の策定に向けた中間的な整理を取りまとめたところであります。その中では、今いろいろ御指摘のあった問題を含めて、原子力政策の徹底的な検証を行って、新たな姿を追求することといたしております。
 具体的には、先ほどの、使用済み燃料の処理、放射性廃棄物の処分やプルサーマルのあり方、高速増殖炉など、核燃料サイクル政策についてもまさに予断を持たないでしっかりと検討していく、今まさにそのことが必要な時期だと考えております。
○服部委員 そこで検討されるのはわかっているんですけれども、この核のごみの問題に対する総理としての思いをちょっとお聞きしたいんですけれども、いかがでしょうか。
○菅内閣総理大臣 十万年という日数を言われましたが、たしかプルトニウムの半減期が数万年という単位でありますので、それが四分の一、八分の一になるには十万年という年月になろうかと思っております。
 そういったものをそれだけの長期間本当に管理し切れるのかということについては、なかなか困難が伴うし、場合によっては、困難というものを超えて、とても私たちが後世の世代に対して責任を持てるという形での管理は難しいのかな、そういう指摘もたくさんあります。そういったことも十分に検討のときの内容に、考えることの材料にしなければならない、こう思っております。
○服部委員 いずれにしても、海外には持っていかない、いけないということであれば、日本のどこかで極めて長時間貯蔵をしなければならないということになるわけで、そういった観点からしても、日本の原発政策というのは、私の目からすれば、もう破綻をしているというふうに言わざるを得ないというふうに思います。
 福島第一原子力発電所の三号機はプルサーマル運転でした。使用済み燃料から回収したプルトニウムとウランを再利用するMOX燃料を使うわけですけれども、その加工は現在イギリスとフランスに頼っております。しかし、先週、イギリスの日本向けMOX燃料工場が閉鎖されることが明らかになりました。福島第一原発事故を受けて、日本のプルサーマル計画の見通しがはっきりせず、イギリスの納税者に負担をかけないためには早期の工場閉鎖が唯一の合理的な方策であるとの結論なんですよ、イギリスの判断は。
 こんな状況の中で、日本は今後もプルサーマル運転を続けることができるでしょうか。もはや、もう撤退しかないというふうに私は思いますけれども、総理、いかがでしょう。
○菅内閣総理大臣 原子力というものを考えるときに、今回の事故そのものもそうでありますけれども、つまりは、ウランやプルトニウムというものを二重、三重、四重に封じ込めて、そしてエネルギーだけを取り出すという、その封じ込めが今回、事故によって破壊されて、放射性物質が外気に出たという、こういう閉じ込めることが完全に可能かという問題と、今、服部さんから御指摘をされているように、使用済み燃料、これは再処理をしてもさらにまた使用済みのものがだんだんと出てきます。そういうものを安全に長期に安定的に管理し、後世の世代に悪影響を残さないで済むかという問題、これも極めて、ある意味、深刻な問題といいましょうか、原子力の持っている本質的な問題点である、このように認識をいたしております。
 そういった意味で、先ほど申し上げましたけれども、エネルギー・環境会議の中では、こういった問題についてもあらかじめの予断を持たないで徹底的に検証していこう、こういう姿勢で臨んでおりますし、私としても、その必要性が今こそ改めて問われている、このように考えております。
○服部委員 予断を持たずに検討するということですので、ぜひ予断を持たずに検討していただきたいなというふうに思います。
 MOX燃料を使っている高速増殖炉「もんじゅ」、着工から二十五年経過をし、トラブルが続き、これまでに一兆円も税金をつぎ込んでいるわけです。維持費だけで一日五千五百万かかるというふうに言われていますけれども、総理、もう「もんじゅ」は廃炉にするというふうにおっしゃってくださいよ。どうですか。
○菅内閣総理大臣 私が、原発に依存しないでもやっていける社会を目指すということを申し上げました。この原発依存の中には、今のような使用済み燃料をどうするか、その一つとしての再処理、あるいは「もんじゅ」といったことも含まれているわけであります。
 ですから、私は、この方向性をやはり十分な議論をしながら、計画的、段階的に目指していくということが必要だと考えておりますので、今この場で結論を私から言うことが決して適切だと思いませんが、まさに委員がおっしゃるような、いろいろな重要な課題があるということの中で、しっかり検討を進めてまいりたいと思っております。
○中井委員長 服部君に申し上げます。
 この集中は外交・安保等になっておりまして、他党の方にも申し上げました。原発問題に集中されますと、総理しか答弁する者がここにはおりません。そういった意味で、少しお考えをいただくようにお願いいたします。
○服部委員 今、MOX燃料の加工はみんな海外でやっておるわけですね。委員長、ここはよく御理解を賜りますようにお願いいたします。
 次に、普天間問題についてお聞きをいたします。
 菅総理、コロンビア大学のジェラルド・カーティス教授は御存じですよね。ことし二月に開かれた新下田会議、日米賢人会議とも言われるこの会議で基調報告的な論文を出され、その中で、沖縄に辺野古の基地を建設するのは政治的コストが大き過ぎるということを断言されております。
 それから、ジョーンズ前大統領補佐官は五月に、辺野古移設に初めて合意したときから計画の実現すら想像できなかったというふうに最近明かされております。
 五月十一日に発表されたアメリカの有力上院議員三名の共同声明は、辺野古移設を初め現行の米軍再編計画は非現実的で、実行不可能で、財政的に負担困難だと言い切っているわけです。
 いずれも有力者の発言で重みがあるわけですけれども、しかし、日本政府はいまだに辺野古にこだわり続けております。
 総理もカーティス教授とつい最近お会いになっているというふうに思いますけれども、一連のこのアメリカのメッセージをどう受けとめておられるのか。今、アメリカの議会は、グアムの基地の建設の予算を凍結しているわけですよね。辺野古移設は実現不可能だというふうに思いませんか。
○北澤国務大臣 今、三人のお名前を出しての御質問でありますが、それぞれ著名な方ではありますが、依然としてその意見が米国政府の政策を左右するというところにまではいっていないというふうに承知しております。我が国のこの国会においても、例えば服部議員は常に政府と違った意見を述べられておりますが、多分、米国では、一部有力な議員がこういうことを言っているというぐらいなことは論じられているかもしれません。
 私は、ジェラルド・カーティスさんは本当に若いころからよく承知しておりますが、今の一文だけでは彼の真意は出ていないので、彼自身も安全保障というものについては深い洞察がある方でありますから、全体の文脈を見ないと軽々には論じられない。
 それからまた、レビンさんやウェッブさんは、あくまでも予算の問題として懸念を表明しているということにとどまっているのではないかというふうに思います。
○服部委員 いや、予算の問題は大きいですよ、予算がつかなかったら何も進まないんですから、日本でもアメリカでも。
 社民党も連立政権にいましたから多くの意見は共有しているわけですけれども、普天間問題は共有していませんね、確かに、おっしゃるとおり。
 菅総理、このカーティス教授とお会いになっていろいろ議論されていると思いますけれども、その立場から一言コメントをお願いします。
○菅内閣総理大臣 この服部さんの資料の中に「辺野古基地の建設強要は、」と書いてありますが、私たちも、全く理解が地元沖縄で得られない中で、例えば大反対運動を何かこう物理的に押しのけて強要するといったようなことは考えておりません。やはり理解をいただかなければと思っております。
 その中で、本当に考えてこの一年間私なりの姿勢をとらせていただいたのは、二〇一四年の予定もやや延期ぎみになっておりますが、現在の普天間の固定化を、何とか早く固定化ではなくて撤去を実現し、一方で、新たなところへの建設がある程度の時間の間に実現可能なところと考えたときに、沖縄の皆さんにとってはベストではないことはわかっておりますけれども、普天間の返還だけではない、他の地域の返還も含めて、トータルとしては基地負担が相当程度縮小されるということで御理解をいただけないかという姿勢で臨んでまいりました。
 このことは、私の前の鳩山政権のときのいろいろな経緯もありまして、政府としては、その姿勢でやはり理解を求めていく、そのことが今やれる実現性のある数少ない道だ、こう考えております。
○服部委員 それじゃお聞きしますけれども、六月の2プラス2の協議の後に、ゲーツ前国防長官が、向こう一年間で具体的な進展が得られることが重要だということを言われました。これは、アメリカ政府としては、一年猶予をやるからちゃんとやれよというふうに言われているように私は思うわけですね。
 具体的進展とは一体何なのか。アメリカの議会は、沖縄県知事が公有水面埋め立ての許可にサインすることが具体的な進展だというふうに理解をされているわけです。
 総理、具体的進展とは一体何ですか。
○北澤国務大臣 ゲーツさんが言われたことは、日米で共同の目標を立てて、そのことについて両国政府がそれぞれ具体的な成果を上げていってほしい、こういう願望から言われておるわけでありまして、要するに、米側が常に言っているような政治的持続性というものをきちんと担保してほしいということを言っているわけですから、我々とすれば、沖縄の理解をまず得るということが大前提になるわけであります。
 そのためには、我々は、まず、基地の共同使用であるとか、あるいは訓練の海外移転、さらには訓練海域の一部返還、そういったようなものにしっかり取り組んで、その結果として沖縄の皆さんに理解を深めていただく、そういうものを追求していく、その果実がまさに一年以内の具体的な進展、こういうふうになるんだろうというふうに理解しています。
○服部委員 アメリカは具体的、日本は抽象的という感じがしますけれども、ちょっと時間の関係がありますので、次に行かせていただきます。
 日米地位協定の問題でお聞きをいたします。
 ことしの一月に、米軍属男性が基地の外で交通事故を起こして、十九歳の青年の命が奪われました。この軍属について、那覇地検は公務中の事故だったとして不起訴としたわけですが、これに対して、五月二十七日、那覇検察審査会は不起訴処分を不当とした。要するに、起訴すべしというふうにしたわけであります。
 総理、一人の命を奪っておいて、アメリカの処分は免停五年ですよ、免許停止。裁判に訴えることもできないこの青年の母親の無念な気持ちに対して、総理、一言おっしゃってください。
 そして、もう一つ。民主党政権の中で、今まで参議院のマニフェストあるいは衆議院選挙のマニフェストで日米地位協定の改定を提起するということを何回もおっしゃってまいりました。そして、三党の連立政権の中でもそれを決めてきたわけですけれども、総理、なぜ日米地位協定の改定を提起しないのか。まず提起しないと一歩も進まないじゃないですか。そこはどうなんですか、総理。総理にお答え願います。
○松本国務大臣 既に委員には何度かお答えをさせていただいていますが、ぜひとも、事件、事故については、御家族や被害者の方々のことを思えば、なくすように努力をしていくと同時に、しっかりと対応してまいりたいと思っております。
 地位協定については、今後とも日米同盟をさらに深めていく中で、普天間などの喫緊の課題の進展を踏まえつつ検討するということで、私どもとしても、日米地位協定の改定を提起するということをマニフェストにも記載をしたところでありますので、そのことはしっかりと胸に刻みつつ、残念ながら今のところはまだ改定を提起する状況に至っていないということを申し上げてまいりました。
○服部委員 委員長、私、外務委員で、松本外務大臣とはこの件はもう議論済みなんですよ。ですから、きょうは総理に答えてほしいということで、総理に、この被害者の母親にどういう総理の思いを伝えていただけるのか。あるいは、日米地位協定の改定を提起するという、この決意をぜひしゃべってくださいよ。
○中井委員長 もう時間が来ましたから、御遺族に対する気持ちだけ。
○菅内閣総理大臣 今回の交通事故といいますか、これは、成人式のために沖縄に帰省されていた十九歳の青年がとうとい命をなくされたと承知をしております。
 私も、やはり人の命が、一人亡くなった中で、その処分が、少なくとも日本の中の常識的な感覚からすると、五年間の免許停止というのは余りにも処罰としては弱いのではないかと、御家族には大変申しわけないと思っております。
 また、地位協定の問題は長年の大きな課題でありまして、この問題についても、御党とも議論を重ねて、しっかり取り組んでいきたいと思っております。
○服部委員 終わります。
○中井委員長 これにて服部君の質疑は終了いたしました。
 次に、柿澤未途君。
○柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。
 本日、八月八日で、みんなの党、結党ちょうど二周年になりました。結党から三週間後の衆議院総選挙で五議席を獲得し、政党要件を満たした政党として国会での活動がスタートした日であります。おかげさまで、国会質問最多の私も、国会質問も百五十回を数えるまでになりまして、記念すべき日に質問の機会を与えられ、国民の皆さんに、この場をおかりして御礼を申し上げたいというふうに思っております。
 まず、国際的な環境下でのマクロの財政金融政策の運営についてお伺いをいたします。現下の円高についてです。
 先週は、一時、一ドル七十六円二十五銭という戦後史上最高値という円高の急伸もあり、今は介入効果もあって一服しておりますが、それでも七十八円という円高であります。この円高がなぜ起きているのかということについて、米国の債務上限問題や欧州の財政危機で、資金の逃避先として円が選好された、こんなふうに説明されていますが、本当にそのような理由のみでこの円高が進行しているんでしょうか。
 今パネルでお示しをしている図は、日本と世界のマネタリーベースの動きを示したものであります。
 見ると、最も通貨供給量をふやしているのは、中国、元であります。アメリカも、リーマン・ショック以降、大胆にマネタリーベースを拡大し、赤い線でありますが、さらに、二〇一〇年の十一月からの量的緩和第二弾、いわゆるQE2で一層の金融緩和をしております。ユーロ圏、ブルーです、英国、これはグリーンですね、を見ても、欧州も着実にマネタリーベースを拡大しているということがわかると思います。
 一方、日本ですが、この横ばいを示している線が日本のマネタリーベースの残高の推移であります。ほとんど伸びていない。というより、むしろ、〇六年のところを見ていただければわかりますが、量的緩和の解除でマネタリーベースを縮小したりもしているわけであります。
 為替は両国通貨の交換比率でありますから、両国通貨の量の比によって大方水準は決まってくる。アメリカが大胆な金融緩和をやってドルをどんどん刷っているときに、日本がそうしなければ、円は対ドルで上昇するに決まっているではありませんか。さらに、日本は、金融緩和を行わない中で財政を拡大しようとしております。
 ここで野田財務大臣にお伺いをいたしたいと思うんですけれども、経済学の教科書に出てくるマンデル・フレミングの法則というのがありますが、どのような理論かということを御説明いただければと思います。
○野田国務大臣 これは、あの一番端っこに座っている山本幸三先生からいつも御講義いただいておりますけれども、為替の水準というのは金融政策が一番影響があるということでございます。
○柿澤委員 この局面において御説明をするとすれば、金融緩和なしに財政を拡大すれば、クラウディングアウトによって金利が上がり、為替レートが上がって円高になる、これが、ノーベル経済学賞を受賞したマンデル・フレミング・モデルの帰結であります。ここで言う金利というのは、名目金利ではなく実質金利。デフレ継続によって日本の実質金利は高どまっておりますので、米国との実質金利差は拡大をしております。だから対ドルで円高になる、これがまさに今起きていることなのではないかというふうに思います。
 本格的な震災復興の予算になる第三次補正は二十兆から三十兆円規模のものになる、復興債という国債で財源調達をして、償還財源のために臨時増税、こういうシナリオになりそうでありますが、それだと、マンデル・フレミング効果によって、金融緩和がなければ、為替レートが上昇し、理論上はさらなる円高に向かってしまうのではないかと思います。
 それを避けるためには、同時に大胆な金融緩和を行わなければならない。そのためにも、日銀による国債の直接引き受けで復興財源を確保すると同時にマネタリーベースを拡大する、こういう提言を行っているわけですけれども、野田大臣、このような考え方を採用するお考えはありませんでしょうか。
○野田国務大臣 マンデル・フレミング理論というのも一つの学説でありますけれども、一般論として財政金融政策と為替の関係、その相関性を語るというのは、実はこれはなかなか難しい問題ではないかと思います。少なくとも財政の面でいえば、財政支出が、例えば我が国だったら円高になる、増価になるというその可能性というのは、これは理論的に何とか言えるという話ではない、必ずしもつながらない話だと思います。
 金融面でのお話でございますけれども、先般の八月四日、日銀が金融政策決定会合において、二日間の予定を一日に繰り上げて、そして金融緩和の強化策を打ち出しました。これについては、現下の円高も含む経済情勢の変化に対して、私は適時適切な対応だったと思いますし、これからも、日本経済を金融面から適切な対応を、下支えをしていただきたいと期待をしていきたいというふうに思います。
○柿澤委員 このグラフを見ていただいて、そして、今の円高の七十八円、一時は七十六円というこの円高の急伸を見ていただければ、その金融緩和なるものがいかに不十分かということを実証しているではありませんか。
 そもそも、これまで予算委員会で何度か議論させていただきましたけれども、日本は財政危機だから増税をしなきゃだめだ、こういうことを言ってきたにもかかわらず、その日本に欧米から資金が逃避しているから円高だ、こういう説明は全く整合性がないというふうに思うんです。何で、財政危機で破綻寸前の国に資金を移すんですか。
 結局、日本は世界の中で破綻寸前の財政危機に瀕した国だと見られているという与謝野大臣などが繰り返されてきた政府の説明を、今の状況がまさにみずから否定することになってしまっているということを申し上げておきたいというふうに思います。
 次の質問に移ります。
 菅総理が、日本政府が震災後の国際会議等の場で行った発言と、国内での政府の方針との整合性についてであります。
 菅総理及び日本政府は、この間、原子力エネルギー政策について国際会議の幾つかの場で重要なコミットメントをされております。そのうち大きな一つは、五月二十六日、ドービルのG8サミットでの冒頭の発言です。そこでは、震災及び原発事故を受けて、我が国はエネルギー基本計画を見直しますと。ここまではいいですけれども、これまでの原子力エネルギー、化石エネルギーの二本の柱に加え、自然エネルギー、省エネルギーの四本柱で行く、そして、第一に原子力のさらなる安全性向上を目指していくんだ、こういうふうにおっしゃっていたわけであります。
 これを素直に聞けば、日本政府は今後も安全性を高めつつ原子力発電は続けますよ、こういうふうにしか聞こえないと思います。ところが、わずか一カ月後に同じ人が、原子力に依存しなくてもやっていける社会を目指すと、原発ゼロ、脱原発を高らかに宣言した。これにはG8の各国首脳も驚いたのではないかと思います。そして、今や政府内では、脱原発、原発ゼロは総理の個人的見解だと海江田大臣が言うと思えば、菅総理は広島で、いや、そうじゃなくて、やはり政府の見解だと。閣内でも言っていることがばらばらで、内閣として支離滅裂な状況になってしまっているではありませんか。
 同じG8のドービル・サミットでは、設置可能な一千万戸の屋根すべてに太陽光パネルを設置する、こういうこともぶち上げられましたが、これも海江田経産大臣に、聞いていないということで、高らかにうたい上げた国際公約ですが、あっという間に何かうやむやになってしまいました。
 菅総理、この太陽光パネル一千万戸という大変意欲的な目標でありますが、国際公約として今後も目指していくということでよろしいんでしょうか。
○菅内閣総理大臣 少し誤解があるようですが、私がこの一千万戸ということを申し上げたのは、もともとのエネルギー基本計画の中で、二〇三〇年度までに再生可能エネルギーを二〇%にするというものがもともと入っておりまして、その試算の中に、二〇三〇年において五千三百万キロワットの発電を太陽光ですると、それを住宅に設置しようとすれば一千万戸が必要だと、これはもともとの案に入っているんです。それを約十年間前倒しするという形で、現地にいた経産の審議官の具体的な数字も含めて、盛り込んだわけであります。
 それからもう一つ、先ほど私の発言と政府の見解ということを言われましたが、いずれにいたしましても、これもいろいろな場で申し上げましたが、七月二十九日の関係閣僚出席のもとでのいわゆるエネルギー・環境会議において、中間的な、革新的エネルギー・環境戦略をまとめました。その中で、いわゆる原発について依存度を低減させていこう、そして、いろいろなことについて根源に戻って議論していこうということを方向性として打ち出していただきました。これは政府の、内閣としての方針であり、それ以前に私が申し上げたことと基本的には軌を一にしている、このように理解しております。
○柿澤委員 一千万戸の目標はやるんだ、こういう御答弁だったと思います。
 もう一つ、原子力に関して、三・一一以降、日本政府は、国際会議での発言により一つの賞を受賞しております。それは化石賞というもので、環境NGO等でつくる気候行動ネットワークが、六月十一日の気候変動枠組み条約の京都議定書に関する特別作業部会の日本の発言に対して贈ったものです。
 日本政府がそこで何を言ったか。クリーン開発メカニズム、CDMという、先進国が途上国への支援で温室効果ガスを削減したときに、その分を支援した先進国の排出削減分のクレジットにカウントしようというものであります。このCDMに原発利用を組み込もうという案を日本政府が支持した、こういうふうなことを理由にこの化石賞が贈られた。
 つまり、どういうことかといえば、要するに、原発利用をCDMに組み込めば、日本としては、途上国に原発を輸出することで、輸出した原発によるCO2の排出削減量を日本の自国のクレジットにすることができるので、そうすれば、日本の排出削減枠を達成しやすくなるというわけです。これについて、原発事故のあった日本がなぜ原発輸出を推進するような主張をするのかということで、各国のNGOから批判が起きて、そして不名誉な化石賞を贈られてしまったわけです。
 先日も原発輸出については質問がありました。菅総理が脱原発会見で、律することのできない技術と言いながら、それを外国に輸出するのはおかしいじゃないかという趣旨だったと思います。
 先日、自民党の小野寺議員の質問主意書に対する答弁書が閣議決定されましたけれども、相手国が希望する場合には、世界最高の安全水準の原発を提供するとされていて、まあ、相手国が望んでいるんだからいいでしょう、こういう答弁であります。
 しかし、これは、CDMになると話が全く違ってきます。むしろ、CO2の排出削減量を稼ぐために途上国への原発輸出をどんどん進めていきましょうという、日本として原発輸出をプッシュしていく、こういうインセンティブが強く働くことになってしまうではありませんか。国内では脱原発と言いながら、途上国には原発を積極的に売り込んで日本の利益にしたいなんて、そんな自分さえよければいいというような理屈が通用するんでしょうか。
 脱原発と言うのであれば、世界じゅうで原発をどんどん使いましょうというようなこの二重基準の主張、CDMに原発を組み込むというような主張は、政府として取り下げるべきではないかというふうに考えますが、見解をお伺いいたします。総理です。
○松本国務大臣 決して我が国は、そのような国際的な信頼を失うようなことを、これまで行動でも発言でもいたしておりません。柿澤先生も、御父君も私どもの先輩の外務大臣もお務めになられた方でありますので、ぜひ、柿澤先生にふさわしいようなお話の仕方をされることをここでお願いしたいと思います。
 CDMにつきましては、今お話がありましたが、このルールについてはまさに今国際交渉が行われているところでありますけれども、現行の京都議定書の取り扱いについては御案内のとおりでありまして、現在はCDMとして目標達成に使用することは控えることとされており、日本として削減分にカウントはしていないところであります。
 これまでも、温暖化対策については、活用可能なあらゆる技術が対象となるようにということで私どもは臨んでまいりましたし、温暖化という観点からは、その視点は重要ではないかというふうに思っております。
 他方で、原子力発電所の輸出につきましては、先ほど委員が御引用いただきましたが、正確に申し上げれば、これまで、国際協力について積み重ねがある、外交交渉の経緯がある場合には、相互の信頼関係を損なわないように協力を進めていく、今後の国際協力のあり方については、事故の検証、調査、そして国際的な安全性への取り組みなどを見て、私どもの考え方を取りまとめるというふうにしているところであります。
 温暖化について、あらゆる活用可能な技術を用いていくということと、原子力については、考え方は先ほど申し上げたような状況でありますので、正確にお伝えをいただけたらありがたい、このように考えているところであります。
 ぜひ、私どもの海外、国際社会における信頼については引き続き重要なものと考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。
○柿澤委員 私の父について御言及をいただきました。松本外務大臣にも尊敬の気持ちを持っておりますが、私の父が答弁したら、もう少しはっきり答弁をできたんじゃないかという気もいたします。
 しかし、もしこれをやらなければ、二〇二〇年の二五%削減というのは達成できるんですか。そもそも、原発利用をフルにカウントして、それでも達成困難な目標だ、こういうふうに言われてきたものではありませんか。
 鳩山前総理がぶち上げた二〇二〇年の二五%削減、この国際公約はそれでも維持をするということなのか、総理にお伺いをさせていただきます。通告をしていますので、総理、お願いします。
○松本国務大臣 現時点では、すべての主要国が参加する公平かつ実効性のある国際的枠組みの構築と意欲的な目標の合意を前提とした温室効果ガス二五%削減目標に変わりはありません。
 短期的には、原子力発電所停止の影響を補うために火力発電所の依存を高めざるを得ない状況となることが予想されていることは御案内のとおりでありますが、中長期的には、省エネルギーへの取り組み、再生可能エネルギーを基幹的エネルギーとしていくための努力など、政策を総動員してまいりたい、このように考えているところであります。
 地球温暖化につきましては、国内のエネルギー政策以外の側面もありまして、地球温暖化問題の地球規模での解決に向けてどのように貢献できるのか、引き続き真剣に考え、知恵を絞ってまいりたい、このように思っております。
○柿澤委員 この目標そのものは現時点では変えないということでありますが、それが、今議論が進んでいるエネルギー・環境会議の中身とどういう整合性を持つのかということを思ってしまいます。
 海江田大臣には御質問を申し上げたかったんですが、次期経産事務次官になる予定の安達さんをここでお招きして、脱原発の方針を本当にやる、こういう改革派なのかどうか、こうしたことについてお尋ねをしたかったんですけれども、予算委員会の理事会で、残念ながら、次期次官である安達局長をお招きすることができないということになってしまいました。
 最後に、内閣法制局長官にお見えをいただいていますので、一問したいと思います。
 一般論としてお伺いをしたいと思いますが、国会運営上の慣例というものがあります。一方、院の決議というものがある。例えば、ある議員立法について、各党の国対委員長の判こがないと議員立法は審議入りしないという国会運営上の慣例がありますが、一方、この法案だけは通したいという党派があるときに、例えば審議入りを求める参議院の決議をやったとする。こういった場合、私は規範性としては院の決議の方が国会慣例より上位になると思いますが、そのような理解で間違いないことをお伺いします。
○中井委員長 梶田内閣法制局長官。時間が来ていますので、簡略にお願いします。
○梶田政府参考人 お答えいたします。
 お尋ねの問題につきましては、国会の内部の運営に関することであろうと思いますので、私の立場からお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○柿澤委員 国会慣例を院の決議によってテークオーバーする、こういう考え方が一つ成り立つのではないかというふうに私は思っております。立法行為ができるようなものでありますので、そういう意味では、私は、衆議院に内閣不信任案の再提出を求める決議を参議院が可決した場合は、一事不再議というこの国会慣例を規範性の上でテークオーバーすることができるのではないか、こういうふうに考えたところであります。
 そのことについてお伺いしたいと思いましたが、国会内のことだということで御答弁はいただけませんでしたが、考え方だけお示しをさせていただいて、時間も来ておりますので、質問は終わりとさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○中井委員長 以上をもちまして本日の集中審議は終了いたしました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時一分散会