第177回国会 財務金融委員会 第25号
平成二十三年七月八日(金曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 石田 勝之君
   理事 泉  健太君 理事 大串 博志君
   理事 岸本 周平君 理事 古本伸一郎君
   理事 鷲尾英一郎君 理事 竹下  亘君
   理事 山本 幸三君 理事 竹内  譲君
      網屋 信介君    五十嵐文彦君
      今井 雅人君    江端 貴子君
      小野塚勝俊君    岡田 康裕君
      柿沼 正明君    勝又恒一郎君
      木村たけつか君    小山 展弘君
      近藤 和也君    菅川  洋君
      高井 崇志君    玉木雄一郎君
      豊田潤多郎君    中塚 一宏君
      中野渡詔子君    中林美恵子君
      松原  仁君    三村 和也君
      柳田 和己君    和田 隆志君
      今津  寛君    齋藤  健君
      竹本 直一君    徳田  毅君
      村田 吉隆君    茂木 敏充君
      山口 俊一君    佐々木憲昭君
    …………………………………
   財務大臣         野田 佳彦君
   国務大臣
   (金融担当)       自見庄三郎君
   財務副大臣        五十嵐文彦君
   内閣府大臣政務官     園田 康博君
   内閣府大臣政務官     和田 隆志君
   環境大臣政務官      樋高  剛君
   政府参考人
   (東日本大震災復興対策本部事務局次長)      上田  健君
   政府参考人
   (東日本大震災復興対策本部事務局次長)      佐川 宣寿君
   政府参考人
   (中小企業庁長官)    高原 一郎君
   政府参考人
   (中小企業庁事業環境部長)            伊藤  仁君
   政府参考人
   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   伊藤 哲夫君
   財務金融委員会専門員   北村 治則君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月二十九日
 辞任         補欠選任
  吉田  泉君     今井 雅人君
七月八日
 辞任         補欠選任
  勝又恒一郎君     高井 崇志君
  木内 孝胤君     木村たけつか君
  中林美恵子君     中野渡詔子君
同日
 辞任         補欠選任
  木村たけつか君    木内 孝胤君
  高井 崇志君     勝又恒一郎君
  中野渡詔子君     中林美恵子君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 財政及び金融に関する件
 派遣委員からの報告聴取
     ――――◇―――――
○石田委員長 これより会議を開きます。
 財政及び金融に関する件について調査を進めます。
 この際、東日本大震災の被災地域における財政及び金融等の実情調査のため、去る六月二十七日、宮城県に委員を派遣いたしましたので、派遣委員を代表いたしまして、私からその概要を御報告申し上げます。
 派遣委員は、民主党・無所属クラブの古本伸一郎君、江端貴子君、小野塚勝俊君、岡田康裕君、勝又恒一郎君、玉木雄一郎君、中林美恵子君、自由民主党・無所属の会の竹下亘君、山本幸三君、野田毅君、茂木敏充君、公明党の竹内譲君、斉藤鉄夫君、日本共産党の佐々木憲昭君、そして私、石田勝之の十五名であります。
 初めに、この震災により亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げるとともに、被災者の皆様方に対し、衷心よりお見舞いを申し上げます。
 また、被災者に対する支援や復旧復興等に従事されている関係各位の御尽力に対し、心から敬意と謝意を表させていただきます。
 それでは、調査の概要について御報告申し上げます。
 まず、宮城県石巻市へ向かう途上、東北財務局より、東日本大震災による被害状況、東北管内の経済への影響、震災への取り組み等について、概況説明を聴取いたしました。
 次いで、石巻漁港において、亀山石巻市長を初め、石巻商工会議所、宮城県漁業協同組合、水産業者及び漁港関係者から、瓦れき処理や土地の改良等に対する国の補助、市の中心部の再開発に対する特別立法、二重ローン問題の早急な解決等について要望を受けた後、水産加工業の復興のあり方、望ましい二重ローン対策、株式会社の漁業参入に対する見解等について意見交換を行いました。
 また、意見交換の前後、雨のため車中からではありましたが、積み上げられた大量の瓦れき、道路への冠水、一階部分を失った家屋や工場など、市内中心まで広く残る被害のつめ跡を目の当たりにし、石巻市の津波被害のすさまじさを実感いたしました。
 次に、仙台市内に戻り、KKRホテル仙台において、地元金融機関及び中小企業団体の関係者と、それぞれ意見交換を行いました。
 地元金融機関については、七十七銀行石巻支店の丹野取締役支店長、石巻信用金庫の新妻常務理事及び石巻商工信用組合の木村理事長から、震災の被害の状況及び営業地域における債務者の現状、特に、債務者がどの程度復旧復興に向かっているのか、復興の妨げとなっているものは何かといった点などについて説明を聴取した後、債務免除に対する金融機関としての姿勢、既存債権の買い取りの必要性、新規融資への対応等について意見交換を行いました。
 次いで、宮城県中小企業団体中央会の後藤会長、宮城県商工会議所連合会の渡辺副会長、宮城県商工会連合会の天野会長及び仙台弁護士会の森山会長から、復興支援策における各省庁の連携の必要性、被災中小企業支援のためのさらなる金融対策、原発事故等に関する風評被害対策、債務免除を中心とした二重ローンの具体策等について要望を受けた後、二重ローン対策としての債務免除の必要性に対する見解、農林水産業者と中小企業者との間で支援策に不平等があると思われる事例の有無、旧商店街の再生に資する土地利用規制のあり方等について意見交換を行いました。
 最後に、震災により地盤の崩落や地すべり等が発生し、甚大な被害を受けた仙台市折立地区の被災住宅を視察し、仙台市から被害の概況について説明を聴取するとともに、このような被害状況で、新規にローンを組み、住宅を再建することは可能であるかなど、現地の不動産業者の意見を聞きました。
 以上が調査の概要でありますが、この日、調査全体を通じた共通の要望は、復興のグランドデザインを、予算の裏づけや具体的な工程とセットにして、とにかく早急に示してほしいということでありました。
 私どもは、この点をも踏まえ、一日も早く、被災地域を復旧復興し、被災者の皆様にもとの生活に戻っていただくためにも、立法調査活動を通じて、被災地における金融の円滑化及び金融機能の維持強化がしっかりと図られるよう努めていかなければならないと決意をいたしました。
 また、復興の大きな足かせとなっている二重ローン問題の解決について、迅速かつ適切な措置を講じていく必要を痛感いたしました。
 最後に、今回の調査に御協力をいただきました皆様方に心から御礼を申し上げ、派遣の報告とさせていただきます。
    ―――――――――――――
○石田委員長 この際、お諮りいたします。
 両件調査のため、本日、政府参考人として東日本大震災復興対策本部事務局次長上田健君、事務局次長佐川宣寿君、中小企業庁長官高原一郎君、事業環境部長伊藤仁君、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長伊藤哲夫君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○石田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。江端貴子君。
○江端委員 おはようございます。民主党の江端貴子でございます。
 本日は、質問の機会をいただきまして、委員長初め理事の方々に御礼を申し上げたいと思います。
 先ほど、六月二十七日に行われました衆議院財務金融委員会としての宮城への視察の御報告がございました。私も参加をいたしました一員として、その視察の結果も踏まえながら、今般の東日本大震災で被災された方々に対する金融面からの救済と支援にかかわる問題につきまして、金融担当大臣並びに内閣府大臣政務官、そして中小企業庁長官に対して御質問をしたいと思います。
 私は、震災発生から一カ月足らず後の四月の初めに、事務所を挙げて、支援物資を届けに、宮城の仙台市の荒浜地区、そして石巻市あるいは南三陸町といったところに行ってまいりました。そして、その惨状に言葉を失いました。テレビの映像などでわかっているつもりではございましたが、その余りにも延々と広がる荒廃した風景とその空気に、本当に言葉を失ったわけでございます。
 今回の視察におきまして、震災から百日以上が過ぎまして、今被災地は、全国各地からの温かい御支援もいただきながら、あしたの命をつなぐという段階からは脱しつつあるということを感じました。しかし、一方で、これからの生活をどう立て直していくのかという段階に入り、これはこれで大変に困難な状況にあるということを受けとめさせていただいた次第でございます。
 生活の立て直しにとってやはり一番重要なのは、お金の問題でございます。今回の大震災で、家もろとも、それまで家族とともに築き上げた財産をすべて失い、そして、生活の糧を得るための工場やお店、事業所、そういったものを失った方々がたくさんいらっしゃいます。資産を失っただけではありません。住宅ローン、支払われる当てのない売掛金、金融機関からの営業資金の借り入れなどの債務が残り、家を建てようとしても新たにローンが借りられない、事業を再建しようとしても融資が受けられない、結局、生活の立て直しができない、こういった絶望感も広がっていると伺っております。いわゆる二重債務問題でございます。
 こうした被災者の皆様が抱える深刻な金融問題をどう解決していくのか。それなくして東日本大震災の復旧復興はあり得ないと思います。そのためには、国そして地元の自治体、また金融機関等が一丸となりまして、痛みを分け合い、迅速に事に当たる必要があります。
 そこで、まずお伺いしたいと思います。
 今般の東日本大震災で被災された方々に対しまして、民間の金融機関はどのような対応をされていますでしょうか。民間金融機関による被災者支援を促進するために金融庁が行われている取り組みについて、お伺いしたいと思います。
○自見国務大臣 江端議員にお答えする前に、今、石田委員長からございました。今度の大震災で命を落とされた方、心からお悔やみを申し上げると同時に、なおかつ、まだ今でも被災地におられる、被災者の方がおられるわけでございます。心からお見舞いを申し上げると同時に、また、委員長を初め委員の方々が、六月二十七日でございましたか、被災地に行っていただけたということでございまして、心から敬意を表させていただく次第でございます。
 さて、御質問でございますが、金融庁ではどういった取り組みをしたのか、こういう話でございます。
 金融庁では、三月十一日、震災が発生した当日でございますが、当日、日本銀行総裁と私の名前で、民間金融機関に、たしか東北地方、茨城県で七十二の、預金を持っている金融機関がございまして、二千七百の、地方銀行であれば、本店また支店、営業所がございます。それに加えて、このときは大津波でございますから、生命保険会社、損保会社あるいは証券会社等々にお願いをさせていただいたわけでございまして、被災者の便宜を考慮した措置を適切に講じるように、私は三月十一日にやらせていただきましたが、繰り返し繰り返し要請をさせていただきました。
 こういった要請を踏まえて、民間金融機関では、自身も被災している困難な状況にあっても、これは金曜日でございましたので、金融機関というのは大体土日が休みでございますから、土日開いていただいて、ぜひ、通帳等を紛失した場合でも、預金者本人であることを確認して払い戻しに応じる。あるいは、顧客からの貸し付け条件の変更やつなぎ資金の供与等の申し込みについては、これはもう御存じのように、中小企業金融円滑化法案を全会一致でこの委員会、衆議院も参議院も通していただいて、延長させていただいたということは、大変大きな、金融機関の第一線の、有用に働いたということをお聞きいたしましたが、できる限り、こういった条件変更、つなぎ融資の供与の申し込みがあったときはできるだけ応じるようにという、被災者の便宜を考慮した対応を積極的に行ったものと思っております。
 金融庁といたしましても、今後とも、先生方の意見をしっかり受けとめつつ、また被災者の立場に立って、民間の金融機関においても被災者の便宜を考慮した適切な措置が行われるように、しっかり指導をしてまいりたいというふうに思っております。
○江端委員 自見金融担当大臣、御丁寧な御答弁、どうもありがとうございました。
 今お話にありました三月十一日の、間髪を入れずに要請措置を出されたということに敬意を表したいと思います。
 さて、被災された方々への金融支援を行っているのは民間金融機関だけではございません。政府系金融機関の役割も大変重要だと思うわけでございますけれども、そこで、所管の高原中小企業庁長官にお伺いしたいと思います。
 今、被災地における中小企業が復旧復興していくに当たって大変資金需要が高まっていく、その中で、政府系金融機関として、今、被災した中小企業に対してどのような資金繰り支援策を行っているのか、また政府としてはそれにどのような支援をされているのかをお伺いしたいと思います。
○高原政府参考人 お答えを申し上げます。
 まず、震災の発生直後に、公的金融機関に対しましては、中小企業の方々の既往債務の返済猶予、これを含む条件変更に柔軟に応じるように要請をいたしました。また、直後から、日本公庫による災害復旧貸し付け、あるいは保証協会によります災害関係保証などの資金繰り対策を講じました。
 さらに、五月に成立いたしました一次の補正予算を活用させていただきまして、保証限度額を過去最大規模に拡充いたしました新たな保証制度であります東日本大震災復興緊急保証制度を創設いたしました。保証限度額は、セーフティーネット保証と合わせますと、無担保で一億六千万ということになってございます。
 また、新たな融資制度でございますけれども、東日本大震災復興特別貸し付けも創設をさせていただきました。震災で直接的被害を受けた中小企業者の方々に対しましては、貸付期間は最長で二十年、据置期間も最長五年に拡大させていただきました。金利も最大で無利子にまで引き下げてございます。
 また、特に東北の沿岸部では、政府系金融機関の支店も被災をいたしましたし、それから、特別相談窓口、これは商工会議所とか商工会にお務めいただいているのでございますけれども、被災をされたところがございますので、最初はちょっとその関係で御迷惑をかけたこともあるのでございますけれども、早急に応援体制をしきまして、また広報も、パンフレット、ガイドブックをつくって、数十万部を配らせていただいたところでございます。
 いずれにいたしましても、今後とも、震災からの復旧復興が本格化していく中で、被災地の状況というのをさらに細かく見きわめながら、必要な資金繰り支援対策に十全を期していきたいと思っております。
 以上でございます。
○江端委員 高原中小企業庁長官、御答弁をどうもありがとうございました。
 被災をされました中小企業の方々にとっては大変に心強いサポートであると思います。しかし、今回の大震災は本当に未曾有のものでございますから、従来の金融機関の対応だけで事足りるものではございません。従来の官民の金融機関による救済措置は徹底的に使い尽くした上で、また新たな政策、そういった支援、枠組み等が必要になってくるというふうに思います。これについて順次お伺いをしたいと思います。
 まず、財務金融委員会では、このたび、東日本大震災を受けて、金融機能強化法を改正することができました。私はまことに時宜を得た改正であるというふうに思っておりますが、民主党はもちろん、真摯に議論をしてまとめていただいた野党の委員の皆様方にも感謝を申し上げたいと思います。しかし、言うまでもありませんが、幾ら時宜を得た法案であったとしても、これを生かさなければ意味がございません。
 そこで、お伺いしたいと思います。
 この金融機能強化法は被災者支援にどのように積極活用されるのでしょうか。また、それに対しまして金融庁はどのように取り組まれるのでしょうか。
○自見国務大臣 お答えをいたします。
 東日本大震災に対処するため、国の資本参加の要件を緩和することなどを内容とする、今先生御指摘のありました金融機能強化法の法改正において、六月二十二日に全会一致で成立をさせていただいたところでございます。大変感謝をいたしております。
 今回の法改正により、被災地の金融機関が国の資本参加の申請を行いやすくするようになり、被災地域を含めて面的に地域の金融仲介機能を確保されるとともに、また、金融機関が財務の健全性を維持していくことを通じて被災者の安心が得られることとなるものと考えております。
 また、金融機能が強化されることにより、復興需要に対応するための信用供与、言うなればニューマネーでございますけれども、被災した顧客の既往、今までの債務にかかわる貸し付け条件の変更等、金融機関が被災地の実情に合った対応を行いやすい環境をつくることになるものと考えています。
 各金融機関においては、経営判断として資本増強が適当と判断された場合には本法の活用を積極的に検討していただきたいというふうに考えておりまして、金融庁といたしましても、こうした相談等に積極的、なおかつ前向きに応じていきたいというふうに思っております。
○江端委員 自見金融担当大臣、力強い御答弁、どうもありがとうございました。
 金融機能の強化を通して地域における経済の活性化を図る、こういったことは、金融機関に国が資本参加できるというスキームは、まさに今般の大震災において、地元金融機関のバックアップとなり、そして、それがひいては被災者が直面している金融問題を解決するための環境づくりになる、このように考えます。
 さて、ここからいわゆる二重ローン、二重債務問題についてお伺いいたします。
 私も、地元を視察した折に、ある金融機関の幹部の方から、被災した顧客に金融支援をしたいのだが、債権放棄は厳しい、債権の買い取りをしてもらえれば新規の貸し出しもできるのにというような御要望を受けました。私も、そのとおりだと感じております。
 政府では、これについて、従来の中小企業再生ファンドをベースにしたスキームをお考えと伺っております。しかし、今回の震災は大変大規模なものであり、また、町づくり、産業の再生、事業の再建においても長い時間がかかると思われます。一方で、古い債務を抱えておられる方たちにとっては、時間は待ってくれません。重圧が日々の生活にかかってきます。
 従来のスキームでは、厳密な再生プランが求められたり、また、中小企業とはいっても、比較的規模の大きな企業が主な支援対象となったりするなど、今回の被災企業には必ずしも適してはいないのではないかといった声もございます。
 この被災地の実情を踏まえまして、零細企業、場合によっては個人商店などにまで支援対象を広げるなど、より弾力的に支援を行えるようにしていただきたいと思いますけれども、この点について、いかがでしょうか。
○高原政府参考人 お答えを申し上げます。
 江端委員御指摘のとおり、中小企業再生ファンドは、手続でございますとかあるいは支援対象といった面で、被災企業の支援には必ずしも適切ではないという声もございますし、また、そういう面もあるということだと認識をいたしております。
 したがいまして、中小企業基盤整備機構と地域の金融機関が出資をする新たな機構を設立する方向で、現在、具体的な形を検討しているところでございます。
 被災地の皆様方の実情も十分に踏まえながら、御指摘がありましたとおり、幅広い事業者の方々を対象として迅速に支援できる体制を早急に構築できるように、検討と調整を進めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○江端委員 高原中小企業庁長官、御回答をどうもありがとうございました。
 この債権買い取りによる救済スキームは、事業を再建しようとする、いわばやる気のある事業者を救うためのスキームです。再建する意思があり、そしてその計画が立てられ、再建の見込みのある企業が対象になる。これはこれで、ニーズがある必要なスキームだと思います。
 しかし、被災者の中小企業の中には、将来の見通しが立たず、再建に至る道筋が描けない、また、再建が不能と判断されて、廃業を決めるかどうか迷われる方も多くいらっしゃいます。被災事業者のうち再建可能な方は五割くらいではないか、そういった数字もございます。ぜひとも、再建するまでには時間がかかること、そのことを十分考慮されて、その間の古い債務に対する利子補給などをしていただくような、より積極的な支援策も考えていただきたいと思います。
 また、二重債務問題でいえば、いわゆる住宅ローンを抱えたままで家を失った方も多数いらっしゃいます。さらには、廃業するという個人事業主、どうしても債務を払い切れない方々も出てきます。こうした方々をどう救済するのでしょうか。そのような方々を破産に追い込むべきではございません。
 ここで、改めてお聞きしたいと思います。
 法的破産による不利益とはどのようなものでしょうか。具体的にお教えください。
○和田大臣政務官 江端委員にお答えいたします。
 今、委員のおっしゃった問題意識、私どもも共有いたしておりまして、これからぜひ、銀行界を中心に、そういった問題に、法的な整理に至る前にいろいろな関係者できちんと協議していただいて、できるだけそのようにならないように対処していきたいということを、まず最初に申し上げておきたいと思います。
 その上で、今お問い合わせの法的な破産手続等になりますが、そうしたところに移行した場合に、個人の方、個人事業主の方々が、それから先、生活を営むのに非常に困難を伴うであろうという不利益が及ぶと想定されます。それを申し述べよというお問い合わせでございますので、今考えられるところを申し上げたいと思います。
 破産手続中ということになりますと、今まで個人として、いろいろないわゆる士業、弁護士や公認会計士、税理士、司法書士、不動産鑑定士など、こういったものを営んでおられる方々の資格が停止されるということになります。またさらには、個人のお名前が官報に掲載されるというふうなことで、体裁上非常に不利益をこうむるといったことが考えられます。さらには、この破産手続中には転居や旅行制限が課せられるということでございます。
 こうしたことから考えますと、今の被災地域の方々の実情を考えまして、実際に困った状況におありになるのは震災によってという場合が大半でございますので、個人の帰責事由が見当たらない場合が多いかと思います。そういったものに対処するため、今、関係者間で鋭意協議していただいているというふうに承知いたしております。
○江端委員 今、和田政務官の御答弁にもありましたように、このような具体的な不利益が出てくるということになりますと、大震災によっても心労を抱えている中で、さらに破産による不利益が追い打ちをかけるということで、こういうことがあってはならないと思います。
 この法的破産を避けるためにも、今、金融庁では個人向け私的整理に関するガイドラインといったようなものもお考えというふうに聞いておりますけれども、それはどういったものなんでしょうか。
 私が今回の震災の現状を見て思いますのは、本当にさまざまな地域で、そして今回、大震災と一口に言っておりますけれども、地震、津波、そして原子力発電所の事故あるいは風評被害、そしてまた電力不足などの影響、こういったさまざまな被害に遭われていらっしゃる方々がいます。こういった方々が、今回の金融支援において格差が起きたりあるいは漏れがあったりすることのないようなセーフティーネットを張ることが今一番求められていることだと思います。
 そうした意味では、私は、こういった私的整理のガイドラインを策定するに当たっては幾つかのことを考慮していただきたい、このように思っております。
 例えば、対象となる債権者はだれなのかということでございますけれども、銀行以外にさまざまな金融機関、例えば貸金業者やリース会社、こういったものも含めていただいて、広く調整が可能となるような、そういった仕組みもつくっていただきたいというふうに思いますし、また、金融機関が債務免除に応じやすくするために、債務免除を行った際には無税の償却を認めるといったような制度上の仕組みもつくっていただくというようなこともあるかもしれません。また、被災地のいわゆる連帯保証人、この保証人の問題も非常に今大きく取り上げられておりますけれども、この履行請求を抑制するような、そういったことの措置も考えていただけないかと思っております。
 また、先日、視察で石巻市に伺ったときも、自治体としてはなるべく高台の方に家を移していただきたいと言っているわけですけれども、実際の漁業関係者の方々は、やはり港に近いところで職住接近でないと自分たちの生活が再建できないといったようなお話もございました。
 こういった状況を見ても、全体の復興構想が出てくるまでにまだあとどれくらい時間がかかるかということがわからないわけでございます。ですから、今回出そうとされているガイドラインにおいても、できればその適用制限を設けないといったようなことも御配慮をいただきたい、このように思うわけでございますけれども、こうした点につきまして、いかがでしょうか。
○和田大臣政務官 今、江端委員が御指摘になったいろいろな論点については、非常に私どもも問題意識を共有させていただきます。
 そういったところを、実は、本日午後になりますが、債権者として、代表的には金融機関になりますが、そういった方々、そして学識経験者、そうした方々がお集まりになっていただきまして、研究会が開催されるように聞いております。
 正確に御理解いただければと思うんですが、先ほどお話の中には、金融庁が策定するというふうに理解されているやにちょっと受け取れましたが、そこはそうではございません。
 こうしたものを法的手続に移行しないで、要するに、何とか私的に当事者間で協議を調えていただいて解決するという仕組みの一環として、ガイドラインを設ければどうかというようなことで研究会が立ち上がるものですから、金融庁は、そうした論点をいろいろ皆様方に御提示申し上げつつ、ぜひそうしたところについて解決を図っていただきたいとお願い申し上げている立場でございます。実際に御検討いただくのは、研究会に出てきていただく民間の方々である。つまり、民間によって策定される私的整理ガイドラインであるということを御理解いただければと思います。
 しかし、そういった関係者の間でも、被災者の実情を時々刻々と把握していらっしゃるようでございまして、そうした方々の中にも、とにかく早くこうしたものをまとめ上げる必要があるという御認識で取り組まれていると承知いたしております。
○江端委員 今、和田政務官から御回答がございましたように、これは金融庁がやっているということではなくて、あくまでも民間の方々によって、研究会によって議論がされる。そういった中で、今私が申し上げたような論点も盛り込んでいただくということでぜひお願いをしたいと思っております。
 このガイドライン、実際にはどのぐらいの時期のめどというようなことは何かございますのでしょうか。もしその点につきまして御回答いただけるのであれば、よろしくお願いいたします。
○和田大臣政務官 実際にいつまでにということが、先ほど申し上げたように、私どもは主体ではございませんので、責任を持って申し上げられる立場にはございませんが、民間におかれても問題意識を非常に持っていただいているようでして、できるだけ早くというふうには考えていただいているように伺っております。
○江端委員 ぜひ、本当にこういったことは迅速に、そして、今こういったガイドラインをつくることによって、本当に被災地の方々を救う、セーフティーネットはちゃんと張っていますというメッセージを大きく打ち出していただければというふうに思っております。
 今、被災された方々の状況は、本当に場所により職種により千差万別で、一つの政策や救済スキームですべての方々が救われるというわけではございませんが、これからもこういった変化していくであろう状況、そして局面に応じて、きめ細かく対応していく必要があると思います。
 また、被災者の方々が、それぞれの支援を受けるためにあちこち走り回るということではなくて、相談から具体的な支援までをワンストップで受けられるような、こういった体制もぜひ確保していただきたいと思います。
 今、順次お伺いしてきたように、政府においては、緊急の二重債務問題への対応指針を取りまとめ、また第一次補正予算、第二次補正予算、それぞれ支援策を盛り込むということで、今、継続的にそれがつながってきているという状況でございます。
 この間の視察のときには、まだまだ行政が縦割りであるがゆえに、例えば、港の復興ということであれば、水揚げのところまでは水産庁の管轄なんだけれども、水揚げした魚をかまぼこに加工する、そういったところは中小企業庁ということで、少し予算が別々につく。そういった中で、加工のところは十八億円しか予算がついていない、そういった、一部報道機関で、十八億しか港の復興についていないみたいなことを報道されているようなこともございました。そういった意味で、本当に一体となって支援ができるような、そういったことの配慮をぜひお願いしたいと思います。
 これから、与野党間においても、一日でも早い被災者の支援と被災地復興に向けて一丸となって取り組むべきだと思います。私もそのために全力を尽くすことをお約束いたしまして、質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○石田委員長 次に、竹下亘君。
○竹下委員 自民党の竹下亘でございます。
 先般、委員の皆さんと一緒に現地に視察に行かせていただきまして、どこへ行っても必ず出てきていた言葉が、ともかく遅い、政府は何をやっているんだ、もうこの一言に尽きると。もう何をやっているんだという怒り。それは、東北の人ですから我慢強いです。いろいろ抑えてはいらっしゃいましたが、その言葉の裏側に、ともかく遅いと。
 特に生活を再建するための、一つは瓦れきの処理であり、一つは仮設住宅への入居といった問題であり、そして、もっと深刻なのは、収入がない、どうやって雇用、経済活動というものを現地で起こしていくかという部分にともかく遅いという共通の思いが、我々がお会いをした方々の心に非常に大きくあったということを私は痛感して帰ってまいりました。
 まず、その復興のおくれについて質問をさせていただき、お話をさせていただきたいと思います。
 まず第一は、瓦れき処理の問題であります。
 政府に話を聞きますと、いや、一次補正でも、そしてこれから出す二次補正でも、もう十分、少なくとも年内にどう処理してもいいぐらい金は積んだ、こうおっしゃいますが、何で進まないんですか。そして、今、パーセンテージでいってどれぐらい瓦れきの処理が、最終処理まで全部持っていけとは言いませんが、阪神・淡路のときには二カ月ないし二カ月半で現場の瓦れきは全部処理できた、撤去できたという状況があります。
 今回、広いということはあります、量も多いということはありますが、今現在どれぐらい進んでいるのか。本当に、一次、二次の予算で瓦れきの処理というのは進むのか。めどとしてどんなことを考えていらっしゃるか。まず、そこから教えていただきたいと思います。
○樋高大臣政務官 まず、竹下先生におかれましては、今回の震災対策に大変御熱心にお取り組みをいただいておりますことに、深甚なる敬意と感謝を申し上げさせていただきたいと思う次第でございます。
 まず、瓦れき処理についてでございます。
 今回の東日本大震災におきまして、瓦れきの量は大変膨大である中で、いまだに行方不明者の捜索が続くなど困難な状況でありますけれども、それと並行して瓦れきの撤去が今行われているという状況でございます。地域によりまして、全く被災の状況が千差万別でございます。私自身も現地に十回ほど足を運んで、自分の目で確認をし、現地にこそ答えがあるだろうということで私なりに今一生懸命に努力をさせていただいているところであります。
 今、そんな中で、市町村におきまして、大変な御努力によりまして、まず仮置き場への搬入をするということが進められておりまして、既に三分の一以上の瓦れきが仮置き場に撤去をされているというところでございます。また、環境省では指針を出しまして、八月末までに、住宅地付近、避難所やあるいは住宅のそばの瓦れきをまず仮置き場にとにかく移動しようということで、国とそして現地の市町村、今必死になって努力をさせていただいているところでございます。
 そして、二次処理、まず仮置き場に運んだものをまた順次、仮置き場も大変少ないという状況でありますものですから、いわゆる中間処理以降のリサイクル、焼却あるいは最終処分なども進めていくために、具体的な実行計画というのを各地域別に定めていただいているというところでございます。そして、まさしく瓦れきの処理には、被災地の復興支援の一丁目一番地であるという認識のもとで、とにかくスピード感を持っていきたいという思いで取り組ませていただいているところであります。
 例えば、具体的に申しますと、自治体間の協力を仰いでいこう、広域処理の受け入れを推進していこうということで、例えばでありますけれども、首都圏や関東圏においてその受け入れをしていこうじゃないかというマッチングを国が中心になってリーダーシップを発揮して行う。また一方で、環境省の職員そのものを、また民間のコンサルタントの力もかりながら県に常駐をさせる。あるいは、環境省の職員そのものが沿岸の三十二の市町村、現地に赴いていって、その現場に行って、そして役所の担当者に何が困っていらっしゃるのか、地域によって全く悩みが異なってございますので、小まめに伺わせていただいて、それについての助言、アドバイス、そして一緒に悩みながら答えを出していくという努力をさせていただいているところでございます。
 今後も、このような取り組みをとにかく必死になって行って、瓦れきの円滑かつ迅速な処理を推進してまいりたいと思っているところでございます。
 それと、あともう一点先生からお尋ねがありました、長くなって大変申しわけないのでありますけれども、いわゆる一次補正についてであります。
 まず、一次補正予算におきましては、災害廃棄物処理事業ということにつきまして、当該補正予算の要求時点において入手可能な情報に基づきまして必要な事業費を計上した上で、処理が複数年度にわたることを踏まえまして、初年度分の国費所要額として三千五百十九億円を計上させていただいたところでございます。そして、まずはこの一次補正予算を着実に執行するということが必要であろうというふうに考えております。
 特に今回、被災地のために努力をさせていただきましたのは、概算払いという方法をとらせていただきました。先月の中旬のうちに各市町村から、まずは大づかみでもいいからとにかく環境省の方に予算の請求をしてくださいという中で、早速、昨日でありますけれども、補助金の概算払いに係る第一号の交付決定をさせていただいたというところで、まずは資金面での不安も少しでも解消するということで、早くその経費というかコスト、予算をしっかりと現地にお届けをさせていただいて、頑張っていただくということもさせていただいているところでございます。
 また、二次補正以降の話でありますけれども、今後、追加的な対応につきましては、この事業の進捗状況をしっかりと見ながら適切に判断をしてまいりたい、このように考えているところでございます。
 よろしくお願いします。ありがとうございます。
○竹下委員 懸命にやっている。懸命にやっていることを理解しないわけではありませんが、だけれども、遅過ぎるという部分が克服できないというのが現地の人たちの圧倒的な声であるというふうに認識をいたしております。
 その理由として幾つかあると思います。
 一つは、どこでもそうですが、災害のときには地元市町村に災害復旧の工事を負担させて、つまり、地元市町村の業者に仕事を、地元の経済活性化に災害をつなげていこうというのはどの市町村でも考えること、あらゆる災害のときにそういう現象は起きると思います。当然、東日本大震災についても各市町村で、地元でやるから、地元でやるからという動きが相当強く出たことは事実であろうと思います。
 ただ、そうはいいましても、地元のマンパワーに限界がある、あるいは熟練した人たちの限界もある、さらには、重機も流されてしまって、やる機械がないということも当然起きているであろう、現地の人もそういう話をしております。
 では、どうするか。それでは、その際、例えばスーパーゼネコンという、名前を挙げるのもなんですが、例えば鹿島とか清水とか大林とか、地元の業者がそこへ下請をさせる、そういうマンパワーなり能力を持っているところへ下請をさせるということをだれが考えたって当たり前にできるはずであります。
 しかし、ここに壁があるんです。産廃事業、産廃といいますか、災害廃棄物の事業を請け負った業者が簡単に下請に仕事を流すことはできないという政令、これはどうも法律で決めておるようではないのでありますが、そういう状況にある。では、直せばいいんですよ。震災対応のものが、これはもう今までの慣例と違うんだと。どうしてそれをやらなかったんですか。
○伊藤(哲)政府参考人 先生御指摘の再委託制度でございますけれども、これは、今回の震災に限りまして、このたび政令改正をいたしまして、再委託は可能ということで本日から施行している、こういうことでございます。
 なお、県外業者を使うかどうか、こういったことにつきましては、私どもの方から、各市町村に対しまして、住民が生活している場所近くの瓦れきを八月末までに仮置き場へ移動することが非常に困難となった、そういった場合は、特に県外の業者も積極的に活用したらいかがか、こういった通知も出しているところでございます。
○竹下委員 本日から。本日は百二十日ぐらいたっているんですが、本日からというのは、ちょっと驚き果てました。
 復興本部は何をしているんですか。一丁目一番地と先ほど政務官がお答えになりましたが、一丁目一番地を百二十日たってより動きやすいようにするというのは、これは一丁目一番地が百丁目百番地ぐらいの話だというふうに受け取らざるを得ない。仕事をしていないと断ぜざるを得ないぐらいひどい話だというふうに受けとめざるを得ません。
 それからもう一つ、マンパワーの不足。これは、災害廃棄物、一般廃棄物も産廃もそうでありますが、原則的に市町村が対応をするというのが基本的な考え方でありますけれども、今回の場合、役場が流された、あるいは役場の職員の多くが被災をしたといったようなこともあって、中央官庁から、あるいはさまざまの役所から、さらには全国の市町村、県を初め自治体から応援が相当入っているというふうに伺っております。
 現実には、延べ人数でいきますと多分数千人という人数になるであろう。毎日入っている人は、多分、三百人とか、今、百数十人から三百人の間で出たり入ったりしているようでありますが、このマンパワーでやっていけるんですか。足らなかったら、例えば、直接所管するのは環境省でありますが、現実に今、環境省から何人出ているんですか。
 漁港だけで三百幾つ漁港がある。それがほとんどみんな壊れております。ごみだらけになっております。町村に一人でとても足りるとは私は思いません。そこに十分なだけの環境省からの職員が行っておるのか。あるいは、ほかの役所から応援を受けてマンパワーは足りているのか。やはり小さな市町村にとりまして、私も過疎地の出身でありますが、中央官庁とすぐ話のできる職員がいるというのは非常に心強いものでありますので、そういう体制が果たして本当にできているのか。
 もう百二十日もたっておるわけでありますが、その点についてお伺いをいたします。
○伊藤(哲)政府参考人 現在、環境省から、被災の岩手県、宮城県、福島県、合計、環境省の職員二十名を今常駐させて、この瓦れきの処理に当たっております。加えまして、民間のエキスパートも、私どもからお願いいたしまして、環境省のお金で現地に行って、一緒に県や市の支援をしているということでございます。
 さらに、政令市を初めとしまして、被災をしていない市あるいは県から、被災県、被災市町村へ実際出かけていっていただいて支援していただく、こういったことも積極的に進めております。多くの市から派遣してもいいというふうなお話もいただいておりまして、既に実際派遣した者もおりますし、そういった人たちも合わせて五十名近くは現地に環境省関係で派遣をしつつある、こういう状況でございます。
○竹下委員 その五十名近くという数字でありますが、それで本当に足りているんでしょうか。足りないなら、もう百人でももう二百人でも、現地の求めに応じる形をとるのが対策本部のやることであり、環境省のやらなければならないことではないかと私は思います。
 五十人でごみ処理の、三十幾つの市町村に仮にまず一人ずつ行っても、ようやっと。さらに、いろいろな市町村で事情が違いますし、大きな町もあれば、例えば港だけで五つも六つも持っておる市町村もあれば、二つしかないところももちろんあります。さらには女川町のように原発のある市町村もあるわけでありまして、本当にそれで足りるのかな、マンパワーの不足というものが現地にとって障害になっていないのかなと。
 我々、なかなかそこまで、この間の視察の中でしっかりと聞くことはできなかったわけでありますが、多分足りていないからおくれているんだろうと。体制もできていない、そして処理する機材もそろっていない、そういったいろいろなものが重なって、予算的に、最初の三千五百十九億ですかを概算払いで前もってやるとお金をつけてもおくれておるという実態、これを克服することをさらに災害対策本部の方で一層急いでいただきたい。
 そして、一つめどを示していただきたいのは、いつになったら少なくとも住宅地域の瓦れきの中間処理場までの移転というんでしょうかが終わるのか。かつて菅さんが、お盆までに被災者を皆さん住宅に入れる、こういうことを言って、どうもそれはできそうもないなというようなことも言われておりますけれども、楽観的見通しではなくて、ここまでなら確実にできる、そのスケジュールを示してあげることが、被災をされた皆さん方にとってはそれが一つの目標になって、ああ、ここまで耐えていれば生活に対するいわゆる一丁目一番地の仕事は終わるんだなという思いになると思いますので、まずそのめどをしっかりと示していただき、示すだけではなくて、被災地の皆さん方に言いますと、例えば、仙台市は今月いっぱいに済みますよ、だけれども名取市はちょっとおくれますよときめ細かに言ってあげないと、大ざっぱに、じゃ、八月いっぱいで、こう言われても、それは被災地の人にとっては何の意味もない。やはり、私の住んでいるところはどうなるんだというきめ細かさも含めて、一定のめどを示していただきたい。
 今ここで示せる範囲で、どんなことを考えていらっしゃるか、どんな手順で進んでいるか、お示しをいただきたいと思います。
○伊藤(哲)政府参考人 瓦れき処理の当面の目標といたしましては、住民が生活している場所の近くの瓦れきを八月末までを目途に仮置き場へおおむね移動する、こういう目標を立てております。この目標に向かいまして、今、各市町村で懸命に努力をいただいているわけでございます。
 既に撤去が終わった市町村もございますが、まだ進んでいない市町村におきましても、この目標を何としても達成したいということで今努力をしていただいており、また、そのための方策について、日々いろいろ御相談も申し上げているということでございます。
○竹下委員 本当に被災地の皆さん方のために、まず一丁目一番地をやるということが第一義であろうと思います。
 それから、復興会議、五百旗頭さんがやっていらっしゃって、復興会議が答申を出してまいりましたが、私はあのやり方に非常に稚拙なものを感じて、稚拙というのは非常に言葉はひどい言葉ですが、世界の物笑いになると。政治が方向を示さないで、復興会議に復興の方向を示してもらうなんというのは、世界じゅう例がありませんよ。政治が、この方向でやってください、この方向で知恵を出してくださいという、いろいろな諮問の仕方というのはあります。世界じゅう、政権を担当する責任を持つ人たちはそういう方法でやってきておりますが、今回の菅さんがやった方法というのは、方向を出してくださいと。ばか言うな、方向も出せないのかというのが、私が持っております率直な印象であります。
 これは一つの例かもしれませんが、かつて、ふるさと創生資金というものを全国に交付いたしました、一億円ずつ。現実には四、五年にわたって交付をいたしましたが、そのとき、それを受け取った主体的な市町村は、市町村で物事を考えていろいろなことをやった。だけれども、どうしていいかわからぬと。どうしていいかわからぬというところは何をしたか。名前を挙げたら悪いですが、三菱総研とか野村総研に、どうしていいかわからぬから方向を教えてくださいと。それは全部失敗したんです。
 今、政府がやっているのは、それをやっているんですよ。方向なしでやったらそういうことになるんです。それぐらい稚拙な話なんです。そこをまずしっかりと認識してやっていただかなければならないというふうに感じております。
 そこで、今、十五日に出てくると言われております二次補正でありますが、大ざっぱな予算の、例えば瓦れきの処理に幾ら、あるいは基金を幾ら、あるいは二重ローンに幾らというような大ざっぱな数字は伺っておりますが、この二次補正の金額と、そしてそこに込められている思いといいますか、ねらいといいますか、そういったことをまず御教示いただきたいと思います。
○野田国務大臣 二次補正の概数については、今週の火曜日に閣議決定をさせていただきまして、今月のなるべく早い時期に国会に提出をさせていただこうと思いますが、数字的には一兆九千九百八十八億円という数字になりました。
 位置づけは、第一次補正で、先ほども瓦れき処理で三千五百十九億、それぞれ十分な措置をとったつもりでありますけれども、引き続き復旧に万全を期すために、しかも緊急なものが何なのか、二重ローンの問題であるとか被災者生活支援の補助金、百万円から三百万円にかさ上げする話であるとか、あるいは原子力損害賠償法の関係経費であるとか、こういうものを合わせて約二兆円規模で編成をさせていただいたということでございますので、国会提出をした暁には、速やかな成立をお願いさせていただきたいというふうに思います。
○竹下委員 この二次補正提出に至るいきさつの中で、いろいろなことがありました。本来ですと、復興も含めて九月ぐらいかな、こう思っておったら、突然、菅さんがある日、いや、二次補正を七月中にやるんだということを言い出して、多分政府の皆さん方、財務大臣を初めとして、対応にいろいろ苦慮をされたのであろうと思います。
 内々伺うところによると、総理が言い出したときには、財務大臣は、えっという感じで受け取られた、そんな話聞いていないよと。普通は、財務大臣との間でいろいろ詰めた上で総理の発言というのはあるべきだ。総理の発言というのはそれだけ重いですから、そうなければならないのを、いわば頭越しでそういうことをされたというふうにも伺っておるところでございます。
 そして、二次補正も含めて、そろそろというか、実は相当急がなければならない問題が、私は、放射能を帯びておる可能性のある瓦れきの処理の問題であろう、このように認識をいたしております。
 この二次補正の中に、まず、放射能汚染の瓦れき処理に関する予算というものは織り込まれているんでしょうか。
○野田国務大臣 災害廃棄物処理事業の根拠法である廃棄物の処理及び清掃に関する法律は、放射性物質によって汚染をされた廃棄物の処理についてはその対象としておりません。これはもう委員御案内のとおりでございますが、放射性物質に汚染された廃棄物を災害廃棄物の処理事業として処理することとするためには、新たな立法措置が必要になるというふうに認識をしています。
 したがって、放射性物質に汚染された廃棄物の取り扱いについては、まずは環境省、原子力安全・保安院など関係省庁において適切な処理スキームを構築していただいた上で、その処理スキームを踏まえて予算措置を検討するということになりますので、今この二次補正に盛り込まれているということではございません。
 仮に、放射性物質に汚染された廃棄物について災害廃棄物処理事業の中で処理を行うための立法措置が行われた場合には、第一次補正予算に計上されている災害等廃棄物処理事業費補助金、先ほどの三千五百十九億円により対応することが可能でございまして、仮にそのことによって予算に不足が生じた場合では、予備費で対応することも可能であるというふうに承知をしております。
○竹下委員 今、財務大臣お話しになりましたように、原子力の建屋の中、エリアの中での放射能のいろいろな扱いについては規則がいろいろ決まっておりますが、外に出ておる、そして廃棄物処理法の中で放射能汚染のものは、いわば除外されておるという状況にありまして、だれが責任を持ってどういう形で処理をしていくのかというのが法律の空白地帯になっておる。
 これは、我々自民党が政権を持っていた時代にも、正直言って、まさかこんなことが起きるわけがないというような思い、ある種、思い上がりでありますが、そういうものがあったということは、これはもう素直におわびをしなければならない、我々の思いがそこに至っていなかったと。
 しかし、現実に起きたんです。起きたら何をするか。スキームがないなら、早急にスキームをつくらなきゃいけないんです。百二十日たってできていない。
 しかも、今、何が起きているか。あの周辺の小中学校の校庭の表土をはいで、放射能に汚染されておる、はかって何ミリシーベルトという、表面の何センチかはぐと、九〇%、九五%は除去できるんだそうです。ですから、それをはいで、校庭の近くの空き地に積んである、そしてブルーシートがかけてある。法律がないからそれ以上何にもできない。こんな状況がいつまで続けばいいんでしょうか。
 さらには、まだまだいろいろな現象がこれからすぐ出てまいります。
 既に出ておる現象としては、例えば川崎市の下水処理場、ここの汚泥処理の、最終的には焼却をしたりあるいは埋め立てに使ったり、いろいろ今まではしてきた、例えば一部肥料になっていったものもありますが、どうしても放射能というのは最終的にそうした下水処理場の汚泥の中にどんどん集まってきて、濃くなっていくんです。現実に川崎市はもう動かせないという状況になりまして、山のようにただ積んであるだけ。どうにも処理できない。では中間処理場に持っていこう。中間処理場はどこにもない。最終処分。最終処分という考え方そのものがない。ないない尽くしなのが、この放射能に汚染された瓦れき。
 あるいは、これは東京にも当然起きてくると思います。東京の下水道の最終処理場にも、どこにも行けないものが山と積まれていくという状況が起きていきますし、悔しいですけれども、いろいろなところに、思わぬところにどんどんどんどん濃くなって集積をしていくという習性があります。では焼いても、焼いても放射能は消えませんから、その焼却灰をどうするかということも当然議論をしなければならない。
 そこで、まず復興本部の方にお伺いをいたしますが、この問題についてどんな議論をしていますか。そして、タイムスケジュールとして、例えば、いついつまでにはこの放射能汚染瓦れきの処理に関するスキームなり、すき間となっている法律なり、あるいはだれが担当大臣になるのかということも含めて考えておるのか。どなたでも結構ですので、お答えをいただきたいと思います。
○上田政府参考人 御答弁申し上げます。
 瓦れきの処理の件につきましては、実は、発災直後から被災者支援本部というところで、環境省と一体となって、一般的な瓦れきについてはいろいろ、なるべく早くその処理をいたさないと復旧復興の妨げになるということで、最も急ぐ問題の一つとして取り組んでまいったところでございます。
 それで、先週、復興対策本部が発足をいたしまして、その一般的な瓦れき、それから今先生から御指摘ございました放射能の汚染のおそれのある瓦れき等も含めて、これは福島の復旧復興を進める上で早急に解決すべき課題というふうには認識しております。
 ただ、今御指摘ございましたような、具体的にどういうふうに、どういう分担で進めるかということにつきましては、被災者生活支援チーム時代は原子力対策本部の方で基本的にはそういう放射能絡みの話は処理していただいておりましたので、そこも含めてどういう分担でやるかというのを今議論しております。やはり、瓦れきということで基本的には環境省でございますとか、原子力災害対策本部、そういう関係省庁の方とよく御相談を申し上げながら、また、関係自治体と緊密な連携をとりながら進めていくべき問題だというふうに今のところは認識しておるところでございます。
 以上でございます。
○竹下委員 認識はいいんですが、これまでどんな議論をしてきたんですか。何もしていないんですか。それとも、これから、では、どの大臣が担当する話になるというところは決まっているんですか。そういったことも、もう少し具体的にお話をいただきたいと思います。
○伊藤(哲)政府参考人 福島県内の放射性物質によって汚染されたおそれのある災害廃棄物の処理に関しましては、関係省庁が協力して、具体的には、私ども環境省、それから保安院のある経済産業省、それから労働環境の問題がございますので厚生労働省、三省によりまして、五月二日に、「福島県内の災害廃棄物の当面の取扱い」というものを取りまとめました。この五月二日の取扱いでは、避難区域等では当面の間移動及び処分を行わない、同区域以外の福島県内の中通り、浜通り地方においては、仮置き場に集積しておき、処分は行わない、こういうことにいたしました。
 その後、環境省で仮置き場のモニタリングを実施しまして、環境省に設けた評価検討会での検討結果を踏まえまして、中通りの十町村については処理を再開することを五月二十七日に公表いたしました。
 さらに、六月十九日に開催いたしました第三回目の検討会において、避難区域など以外の災害廃棄物について処理方針を示したところでございます。具体的には、可燃物については、十分な排ガス処理設備を有する焼却施設で焼却を行って構わない、焼却灰については、一キログラム当たり八千ベクレルを超える場合には、管理型最終処分場で一時保管した後、安全な最終処分の方法を検討する、不燃物については、最終処分場で埋め立てるということでございます。
 この処理方針につきましては、六月二十三日に、環境省から関係市町村に対し説明を行っておるところでございます。
 この放射線に汚染された可能性のある瓦れきの処理につきましては、私どもは、環境省が中心になってこの処理を今現在進めているところでございますし、今後もきちっと対応していきたい、こういうふうに考えているところでございます。
○竹下委員 この放射能の問題というのは、いわば災害復興への一つの大きな大きな障害になっておりますし、地域の皆さん方の安心を取り戻す、不安の大きな大きな種がこの放射能の問題でありますので、本当にしっかりと、本腰を入れて対応していただきたい。
 そこで、私は皆さん方にまた苦言を呈さなければなりません。いい格好できないんですよ、これは。中間処理場、仮置き場、どこが受けますか。放射能に汚染された物質あるいは汚染されているおそれのある廃棄物、あるいは東京都等々大都市でこれから大量に出てくる下水道、最後のヘドロみたいなものを受けるところがありますか。これが一つ。
 それから、最終処分場という言葉を、今、環境省の方が使われましたが、可燃物は燃やす、不燃物は埋め立てるということを言われましたが、一キログラム八千ベクレルという基準、この数字を聞いただけでも、おどろおどろしい数字だという認識をいたしますけれども、そんなもの、受けるところがありますか。
 私は、これこそ政治が逃げないで、悪者になって、そうした中間処理場を受け入れてくれるところ、最終処理場を受け入れてもらわなければならないところ、真っ正面から行かなければならない。総理が先頭に立って頭を下げに行く、当たり前ですよ。原子力発電所よりももっともっと嫌な施設。原子力発電所は、正常に動いていれば、原子力は出ないんです。これは常時出ているんです。こんなもの、受けるところはありませんよ。仮置き場だとか中間処理施設とか最終処理場、こう理屈の上では言えますよ。受けるところがあって初めてこのスキームは動く可能性が出てくるわけでありまして、そこは私は、政治が前面に出なければならない。
 役所のベースだけ話を聞いておりましても、環境省も絡んでおる、保安院を含む経産省も絡んでおる、あるいは厚生労働省も絡んでおる、さらには下水道、上下水道ということになると国交省も絡んでくる。どこも、最終処分場を決める、中間処理場を決めるということを役所にさせても、それはできませんよ。
 これこそ政治が腹を据えて、それは当分百たたきに遭いますよ、それを言い出した人は。遭ってもいいじゃないですか。覚悟を決めて対応してもらわなければならない。そうしなければ、原発の事故の被災に遭っている皆さん方の安心というのは未来永劫に取り戻すことはできない、このように考える次第であります。
 今後の方向の進め方について何かお考えがあれば、お聞かせをいただきたいと思います。
○園田大臣政務官 竹下先生にお答えを申し上げます。
 このたび、細野原発事故及び事故の再発防止担当という形で新設をされたわけでございますけれども、先ほど来お話がありましたように、原子力事故に係るさまざまな案件については、各省庁に大変広くまたがる問題でございます。
 そういった意味では、先ほども答弁がありましたけれども、環境省であるとか厚生労働省、あるいは、モニタリングの関係で申し上げると文部科学省という形も出てまいります。そして、廃棄物処理の問題に関しましても、経産、保安院のチェックであるとかもかかってまいるわけでございますので、そういった面では大変多岐にわたる省庁が絡んでくる話でございます。
 そこで、やはり私どもとしては、それぞれの省庁が、独自に取り組んでいただくのはそれは当然取り組んでいただかなければなりませんし、きちっと責任を持ってやっていただく必要がありますし、また、先ほどの御指摘にありましたように、法律の空白というものが今後は生じないように、それもあわせて手だてを講じていかなければならないというふうに考えております。
 そういった観点から、私どもの細野大臣のもとでこういった省庁を取りまとめをして、しっかりと調整役をして漏れがないように取り組んでいかなければならないというふうに考えているところでございます。
 そういった観点では、先般は、先ほど少し申し上げましたけれども、モニタリングという調整会議を開かせていただきまして、しっかりと各省庁が一元的に集う場を設けさせていただきまして、どういった方向性が打ち出せるかというところを、きちっと各省庁にも参加をしていただいて統一見解を出していくという形にさせていただきました。
 放射性の物質が付着をしているおそれのある、汚染されているおそれのあるこの瓦れきの問題に関しましても、こういったことを考えながら、今後、調整して、あるいはまた自治体の方々とも相談をさせていただきながら、確実に進めていくように全力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
○竹下委員 覚悟のほどはお伺いをいたしましたが、本当に着実に進めていっていただきたい。
 具体的に、私なんか、まだ素人考えではありますが、中間処理施設は、多分、各県に一つぐらいつくらないと、簡単に移動なんか、簡単に受け入れてくれるところなんかありませんよ。東京都は東京都でしっかりつくる、神奈川は神奈川でしっかりつくる。もちろん、福島、宮城、岩手、茨城、周辺の県はそれぞれつくっていかなければ、どこかに移動して、じゃ、茨城の何とか施設あるいは青森の六ケ所村に全部移動します、そんなものを受け入れるわけはありませんから、各県一カ所ぐらいつくるという覚悟を持って対応していただきたい。
 細野大臣がどうやら中心となって対応をするつもりのようでございますので、私はあえて言いたいのは、思いっ切り悪人になってもらいたい、いい格好せぬでくれと。思いっ切り悪人になって、しかし、そのことが実は被災者の安心につながるんだという覚悟を持って対応していただきたいということを改めて本当に心からお願いいたします。そして、急いでいただきたいということもあわせてお願いをさせていただきます。
 それでは、続いて、二重ローンの問題について少し議論をさせていただきたいと思います。
 いろいろな、今我々、自民、公明を中心に野党で二重ローンの議員立法を提出する方向で煮詰めております。民主党にもさまざまな働きかけをしておるようでございますが、話がまとまれば一緒に出しますし、まとまらなければ野党の幾つかの政党が一緒になって出すという方向で今話が進んでおります。
 実はこれは、二重ローンの問題というのは一つの例でありまして、政府が動いていない、対応していない、遅過ぎるということの一つの象徴でもあるんです。
 例えば瓦れき処理法にいたしましても、我々が議員立法を出す、そうすると政府が閣法を出してくる、修正をする、修正をした上で、例えば委員長提案で成立する、あるいは全会一致で成立するというケースは、今回の震災復興の中で幾つも、本当に幾つも出てきております。
 我々は、手柄がどこにあるかなんか言いません。結果として被災地の皆さん方のために役立てばいいと。動かないから、早く出しなさい、瓦れき処理法等々にしても、早く出しなさいということを何回言っても出さないから、議員立法で出す。そうすると、ようやく閣法が出てくるというようなことの繰り返しが今回の震災対応の中で数多く見られたことは、政府の皆さん方もまさに御承知のとおりでございます。
 この二重ローンの問題につきましては、どうやら閣法はお出しにならない、政府としては政令等々の対応でやっていこうというふうに考えておられるようでございますが、どうしてそうお考えなのか。本当は法律が必要じゃないかな。中途半端な処理をしますと、それはずっと尾を引くんです。法律を出すことによって、どこかでけじめをつける処理をしていく方がいいのではないかなと私は思いますが、どうして閣法を出して対応しないのかということについて、お考えをまずお伺いしたいと思います。
○自見国務大臣 二重ローン、二重債務の問題は、これはもう震災発災後から国会でも大変大きい問題になっておりまして、私も実は、金融大臣、金融というのは、竹下先生御存じのように、私の所管するのは民間の金融機関でございますから、あくまで貸し出しに使うお金は個人から預かった預金が原資でございますから、これを利子をつけてお返しするというのが原則でございますから、やはり民間の金融機関だけではこういった二重ローンの問題、むしろマイナスからのスタートでございますからね。
 住宅ローンを抱えたまま、四時間で家が流れたという人も私はお会いしましたし、それから、石巻、仙台に行っても、中小企業の経営者から、設備投資をせっかくしたけれども、水産加工業、全部流れたという方にも、実際、金融関係の方々ともどもそういう人の意見を聞いてきまして、これは、まずプラスからのスタートにしてくれという本当に悲痛な叫びがございました。
 大変これは大きな問題でございますから、私は実は閣僚懇の中でも、大変早い時期からこのことを強く主張し、その声が、総理ももうよくおわかりでございまして、これは各省に絡みますから、私のところは民間金融機関、しかし、政府系の金融機関あるいは公的金融機関というのは、中小企業に関して言えば、これは御存じのように経産省が関連しておりますし、それから住宅、流れた人に、再建するのに三百万円のお金を出す、これは国土交通省に関して言うと住宅公団が絡んでおる話でございます。また、農林水産省は、もう先生御存じのように、大変、公的融資あるいは補助金等々多いところでございます。
 ですから、そういった三つの省、それから財務大臣と私と、中心は当然、各省にまたがりますから内閣官房がするということで、改めて五月の十六日に総理から指示がございまして、今、関係各省で、二重債務問題に関する関係閣僚会議を開いて二重債務問題への対応を決定いたしております。
 その一部が、実は先生、金融機能強化法、この委員会でも全会一致で通していただいたわけでございますけれども、そういう周辺の環境整備といいますか、そんなこともあわせて、これは大変大きな問題でございますし、また、民主党さんも今案を出しておられますし、それから、自民党さんも公明党さんも案を出しておられて、今協議をしておられるということでございますから、そういった意味で、最終的にお決めになるのはやはり立法府でございますから、私としてはしっかりそこら辺を注視させていただいておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、みんな、各党、まさに二重ローンをどう解消していくかということについては、基本的には変わらぬわけでございますけれども、そのために、中小企業基盤整備機構が出資してファンドをつくるのか、あるいはそこに新しいシステム、仕組みをつくるのかというところで少し意見が違うやには聞いておりますけれども、そんなことを乗り越えて、対策のためには、被災者の立場に立って、二重ローンの問題は極めて大きい問題でございますから、しっかりやっていきたい。
 自民党初め公明党、あるいは当然民主党さんも案を出しておられますので、皆様方の御指導をいただきたいというふうに思っております。
○竹下委員 この二重ローンの問題のネックは幾つかございまして、一つは、先ほど自見大臣がお話しになりました、大マイナスからのスタートではだれもスタートできませんから、まずゼロからのスタートに少なくともしてあげなければならないということが一つ。
 そしてもう一つは、これは現場の金融機関の皆さん方にとってはなかなかきつい話でありますが、ニューマネーが本当に出せるのか。ニューマネーが出せない金融強化法だったら何の意味もないし、ニューマネーが出せるような二重ローン問題の解決にしていかなければ、これも何の意味もない、ゼロのままということになりますので、そこの点が非常に悩ましい。
 理屈の上では、ニューマネー、いや、出せます、こうおっしゃる。だけれども、現場でいろいろ話を聞いてみますと、とてもじゃないけれどもそう簡単に出せるような状況にはない。設備もない、人もない、何にもなくなった。しかも、原材料である、例えば水産加工ですと魚も入ってこない。それは、ニューマネーを出せと言ったって、金融機関として出せるわけがない。
 私は、ここまでは政府が、あるいは地方自治体も一体となって、魚をとる漁場、それを船でとる、港に揚げる、冷凍保存する、市場をつくる、加工市場もできる、この物の動く、あるいはお金がついて動く仕組みをつくらなければ、水産加工業者あるいは漁業者一件一件に、じゃ、融資ができるか、ニューマネーが出せるか。私は出せないと思います。多分、出せば、それは金融庁からおかしいじゃないかと、こう指摘が。
 一つのルートとなって、流れの中で一体となって考えれば、出せるかもしれない。では、地元の信用組合なり信用金庫なり、あるいは漁協の信用部門なりでそういう仕組みがつくれるか。私はつくれないだろうと思うんです。
 ですから、そこはどこが出ていくんだという部分、今、我々もまだそこまでなかなか議論が進んでおりませんが、中小企業基盤整備機構ですか、あそこが、今、政府のお考えでは、政令を変えることによって中小企業の受け皿になろうとしておる。私は、それだけではだめだろうと。そうした一つの物の流れ、あるいは商売の流れというものが一貫して動き出さなければ、魚をとるという局面だけでは成り立たない、水産加工をするというだけでは成り立たない。一連のものがそろって初めて物は動き出す。
 その体制をだれがつくるか。被災に遭った、そしてすべてを失った人たちに、さあ、皆さん、その体制をつくってくださいと。最終的にはその人たちが頑張らなければ絶対にできないことであろうということは私もわかりますが、そのきっかけなり、いわば立ち上がる意欲も含めた支援なりというものは、じゃ、どこがするんだろう。その議論というのは、私は欠落しているんじゃないかなという気がしてならないわけであります。
 まずは、中小企業基盤整備機構ですか、ここを中心に二重ローン問題を対応しようとして考えていらっしゃる方にお伺いをしたい。どういう形で、そうした動機づけも含めて、活性化への方向も含めて対応を考えていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。
○和田大臣政務官 竹下委員お問い合わせの中小企業基盤整備機構を使った仕組みそのものについては、もう少し後に中小企業庁の方からお答えをいただきたいと思いますが、先ほどちょっとお話をお伺いしておりまして、今の政府の立ち位置と、それから与野党でいろいろ御協議いただいているところの状況について、少し私の方から整理して御報告差し上げたいというふうに思います。
 竹下委員のおっしゃっておられました、法律を自民党としては考えていると。もう法案も伺っております。被災地の状況を考えると、昔の債務について、できるだけ早く身軽にするために債権買い取りを速やかに行わせたい、こういう御趣旨のもとの法案だとお伺いしております。
 今まで、私もここで再三再四御答弁申し上げてまいりましたが、債権買い取りということについて、それがだめだという思考回路は、政府も、また与党民主党も持ち合わせてはいないように思っています。実際に債権買い取りを行うとすれば、いろいろ御議論いただきましたが、買い取り価格はどうするのか、そこから先の処理スキームをどうするのか、そうしたことが大変深刻な論点であるがゆえに、なかなか難しいというふうに言ってまいりました。
 しかし、最近、ここまで至りますと、債権の買い取りそのものについて、やはり何かできる仕組みが必要であろうという考え方には、与党民主党も、そして政府側も、そして、もともとおっしゃっておられます自公を初めとする野党の皆様方も、恐らくここまではある程度共通の認識に至ったものというふうに考えています。
 それがために、自民党さんからは買い取り機構を設立するための法案が用意され、また、公明党さんにおかれても同様のお考えのようにお伺いしておりますが、民主党並びに政府側の今までの検討では、そうした法律を用意して買い取り機構そのものを要するに整備していくということ、法律をというところについてはちょっと別ですが、買い取りの仕組みを用意するということについてはやはり必要だという認識のもとに、これから後で御説明あろうかと思いますが、中小企業基盤整備機構を通じ、かつ、現地にいろいろ設けられるであろう中小企業再生ファンドを、さらにスキームをいろいろ用意して、債権買い取りだけではなくて、デット・エクイティー・スワップ等の手法もできるような、そんな仕組みを、今考えられているところは多分県単位ぐらいだと思うのですが、各地域の実情に応じてつくっていこうという考え方でございます。
 それは、今までのいろいろな被災地における被災者への御対応から考えて、我々は、金融庁を中心に、金融機能強化法などで金融機関が債権放棄をある程度考えやすくするような環境は整えてまいりましたが、さりとて、地方の実情、それぞれが個別にございまして、それらの中でさらに、先ほど委員御指摘の、例えば一つのラインのまとまりを持って、お魚をとるだけじゃない、加工するところもすべて考えた上で、それらが一連まとまりを持たなければ再生できないという視点は、やはり地方の当事者同士がしっかりと話し合っていただいて、このラインはしっかりと復活しようというような話し合いを行っていただく必要があるというふうに考えましたので、そこの部分を話し合える土壌になる協議の場というのは、中小企業を中心として現地に設けられているような仕組みではないかと考えるに至っているわけでございます。
 それらを、与野党ある程度共通の認識に立てました債権買い取りなども含めて、仕組みとして整えていくために、中小企業再生ファンドなどを機構というふうに呼べるぐらいのものに仕立て上げていきたいというのが今の民主党や政府の立場でございまして、それは今までものがあるものですから、法律をつくるまでには至らずとも整備できるというふうに考えているところでございます。
 一点、恐らく、ここは私自身がいろいろ議論に加わってみて思っていることでございますが、自民党さんの御意見である、法案をつくって、買い取り機構をしっかりと整備するという考え方の背景に、一件一件やっていては大変じゃないか、ばさっと一括して処理できるような仕組みを整えようというようなお考えだと思うのです。
 それもいろいろ考えてみましたけれども、一括しようとすればするほど、個別の事情が要するに災いして債権者がなかなか言うことを聞かないとか、債務者としても、自分はずっとやりたいけれども、いや、自分はほかに移ってやりたいとか、そういった事情もあるようにお聞きしたものですから、それらをきちんと協議いただく場はもう少しミクロで、一括の機構の中で考えるのではなくて、現地現地で考えていっていただく方がより現実的ではないかという視点に立っているところが、恐らく考え方としては少し違う点だろうというふうに思っています。
 といったことで、手法の違いはございますけれども、竹下委員御指摘の論点につきまして、何とか解決しようとしている方向の中で、使うツールが、今のところ考えているところが少し違うと。これから先、与野党の御協議の中でさらに煮詰められてまとまっていけば、それはそれで非常に私どもとしてもありがたいことでありまして、政府として今一生懸命工夫を考えているところではございますが、ぜひそこは、与野党から、各方面からお知恵をいただきたいというふうに考えています。
 以上です。
○伊藤(仁)政府参考人 補足説明させていただきます。
 二重債務の問題につきましては、政府の対応方針に基づいて、先ほどの御説明にもありましたが、基盤整備機構と地域の金融機関が出資する新たな機構というものを設立する方向で検討しております。地域の実情を踏まえた制度設計とすることが重要だと思っておりまして、被災県と連携しつつ、具体的な内容について今検討しているところでございます。
 通常の事業再生のケースと今般の震災の被災状況というのは異なるというふうに認識している部分もございまして、できる限り幅広い対象をカバーできるように、今現在、地域ごとに中小企業再生協議会というものが設けられておりますけれども、そこが総合的な窓口を果たすような形で体制を強化できないかということで、補正予算にも必要な予算を計上させていただいておりますし、今申し上げました、新たな機構を設立して、そこでできるだけ幅広い対象が、被災者が二重ローン問題から再生できるような形で仕組みを考えたいと思っているところでございます。
 具体的な議論につきましては、引き続きしっかり検討していきたいと思います。
○竹下委員 時間が参りました。
 この二重ローンの問題はまだまだ議論がありますし、私どもとしては、どこの委員会が担当する状況になるかわかりませんが、連合審査を要求したいということを理事会の席でも申し上げております。
 きょうは、震災復興債についてもお話をさせていただこうと思いましたが、これは二次補正が出てきてから本格的な議論になると思いますので、またそのとき改めてさせていただきます。
 ありがとうございました。
○石田委員長 次に、竹内譲君。
○竹内委員 公明党の竹内譲でございます。
 先日の委員派遣に関する質問をまず最初にしたいと思ったんですけれども、その前に、ちょっとどうしても、野田財務大臣に対する政治献金の問題について、もう一度確認をしたいというふうに思っております。
 野田財務大臣が、脱税容疑で逮捕された会社社長から献金を受けていたとされる問題がございます。
 大臣が代表を務める政党支部に、ソフトウエア会社、ソフトウエア興業の関連会社が税務当局の強制調査を受けていた問題に絡んで、関連会社を通じて一億一千三百万円を脱税したとして、東京地検特捜部は二十四日、法人税法違反、脱税の疑いで、同社社長丸山三郎容疑者ら関係者四人を逮捕した。
 特捜部によりますと、丸山容疑者らは、丸山容疑者が実質経営する関連会社、ソフトウエア興業設備が社員寮を建設する際に大石容疑者の建設会社に建設費を水増しして支出、その後、差額を還流させる方法で、十九年三月期の所得約三億七千九百万円を隠し、法人税約一億一千三百万円を免れた疑いを持たれていると。
 この会社から大臣の政治団体に寄附、平成十五年に二十万円、十七年に三十万円が提供されていた、こういうことになっているわけであります。
 まず、今申し上げたような事実関係で間違いはありませんか。
○野田国務大臣 脱税の疑いで逮捕されて今調べられているという状況、その中身はもちろん詳しくはわかりません。わかりませんけれども、その当該企業から二〇〇三年と二〇〇五年に私の千葉県第四区総支部に献金があったという報道、二〇〇三年二十万円、二〇〇五年三十万円、これは陣中見舞いとして受け取ったんだろうというふうに思います。その当時は善意の御寄附として受けとめて、そして政治資金規正法にのっとって収支報告書に記載をしたということでございます。
○竹内委員 では、受け取ったということは確認をされたということでいいんでしょうか。
○野田国務大臣 収支報告書の保管義務の期間からずれていますので、記載しているかどうかというのを直接チェックしたわけじゃありませんが、陣中見舞いとして受け取ったんだろうということは、会食をする関係もございました、二〇〇三年、二〇〇五年という選挙の年でありますので、そういうことは可能性としては十分あるというふうに思っています。
○竹内委員 やはり現職の財務大臣でいらっしゃいますから、しかも、これだけ大きく各方面で報道されているということは、やはり確認をする必要はあると思うんですね。例えば銀行口座、あるいは領収書の控えとか出納帳とかそういうものはあるはずでありますし、また、やろうと思えば銀行にも、本人であれば確認ができるわけでありますし、その他にも寄附控除の書類の写しとかそういうものがないかどうか、そういうことも調べようと思えば、常識的には簡単にできるだろうというふうに思うんですね。
 この辺はやはり、現職の財務大臣でいらっしゃいますから、私はしっかりと確認をする必要があるというふうに思いますよ。
 恐らく、推定ですけれども陣中見舞いとしてというふうな表現をされましたけれども、この事実を大臣はどのように受けとめておられますか。また、どのように対処されるおつもりか、その点についてお伺いしたいと思います。
○野田国務大臣 恐らく報道機関の方は過去の収支報告書を保管されている、その都度チェックをされているという中で出てきたことだろうと思うので、私はそれを否定しているわけではないということでございます。
 ということで、報道は報道として受けとめて、ただし、まだこの事案が確定をしているわけではないです。そういう状況の事態を、推移を見守りながら、適切に対応していきたいというふうに思います。
○竹内委員 先日質問したときは告発の状況であった、今度は逮捕された。やはりこれはかなり重い事実だと思うんですね、逮捕というのは。三月二十五日に容疑者である丸山社長が国税当局の査察を受けた際には、今晩、野田大臣と食事があるので聴取の中断を求めた、こういう事実もあるわけでありますから、そういう意味では、やはり重く受けとめていただいて、襟を正すべきは正していただきたい、このように思います。
 そこで、二重ローンの問題の質問に移らせていただきたいと思います。
 委員派遣も行いまして、そしていろいろお話も伺ってきたわけであります。それを踏まえて、自公民三党で現在協議を続けているところでございます。私も公明党の二重ローン問題の対策PTの事務局長を仰せつかっているものですから、三党の皆さんとの協議はずっとやっておりますので、きょうも今、十一時、同じ時間にこれをやっているんですね。
 その中で、ちょっと質問をさせていただきますが、まず、この三党協議と政府の関係につきまして、政府は三党合意に基づいて対策を出そうとするのか、それとも、三党協議は協議だ、それとは別途に政府としての考えとしてまとめていくのか、この辺のちょっと考え方の整理をしていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○野田国務大臣 政府としては、六月十七日にまとめた二重債務問題への対応、基本方針に基づいて具体的な支援策を検討していきたいというふうに考えておりますけれども、その際には、三党で御協議をいただいて合意ができるものというものが当然のことながら中心になっていくというふうに考えておりますし、今回の二次補正予算、七月の半ばごろに提出することになると思いますが、その中においても二重ローン問題について約七百七十四億の予算措置をしていますが、これは竹内先生も入って実務的に協議をされた三党の第一次の合意案を含んだものになっております。
 これから、引き続きまだ検討課題として残っているものもございますが、そこでお互いに合意ができるようなものについては三次補正等について反映できるようにしていきたいというふうに考えております。
○竹内委員 ですから、三党協議、せっかくやっているんですから、そこの合意の部分をしっかりとまずは出す。ところが、既に先ほどから質疑でもありましたけれども、その三党協議とは違った考えで政府は一部進まれようとしているわけですよね、特に債権買い取りに関しては。この辺が、逆に、やっている我々としては、何のためにやっているのかなというふうに不信感を持つわけであります。
 そこで、今回の第二次補正予算に計上されている二重ローン対策、もちろん、第一次合意に基づいてされている部分がありますので、それはそれで評価をしているわけですけれども、ただ、本質的な部分がこれからであるというふうに思っています。
 先日の六月二十七日の宮城県への委員会派遣でも、地元の事業者や金融機関の皆さんからは、債権買い取りかあるいは利子補給を要望する声が多かったわけであります。その意味で、改めて、政府としての債権買い取り機構、竹下先生の質問にお答えされる形で回答が先ほどありましたけれども、どうも、新たに新法をつくって新機構をつくる気はない、そういう考えでしょうか。
○野田国務大臣 政府内の検討状況、それから党内のいろいろな調整状況等については、先ほど和田政務官が詳細にお話をされましたし、それに加えて中小企業庁からも御説明がありました。あれ以上のことは現時点で私もわかりません。わかりませんけれども、少なくとも、公明党さんや自民党さんその他の野党からも御提起のある、債権買い取りのための新しい機構をつくろうとしているということについては、これは間違いないと思いますし、この方針は固まっていると思います。
 それを立法措置という形でやるのかそうじゃないのか、これはちょっと、この後の各党間の御議論も踏まえての対応も出てくるのではないかと思いますが、問題意識についてはかなり共有できているということについては和田政務官の御説明のとおりで、これは間違いないだろうというふうに思います。
○竹内委員 先ほどの和田政務官のお話を踏まえて私も質問させていただきますが、まず大きなところからいくと、やはり、私どもは、既存の組織をつなぎ合わせるだけでは十分な対応はちょっとできないんじゃないかなというふうに思っているわけです。しっかりとした体制をつくって、むしろがっちりとした組織をつくって、そして一気に処理をしていきたいというふうに思っています。
 先ほど、何かまとめて、ホールセールでというんですか、バルクというんですか、寄せ集めて売却するというようなイメージの御発言がありましたけれども、そういうことではなくて、一件一件やるんですよ。一件一件、中小零細に至るまで。それをやるためのやはり組織をきちっと整えた方がいいんじゃないかなというふうに思っているわけです。
 これだけ大きな問題ですから、一つの例えで言うと、コンピューターシステムでも、各大企業が、銀行が合併するときでも、システムをつなぎ合わせたがゆえに、逆につなぎ目でトラブルが生じて大問題になった、こういうこともあるわけでありますから、我々としてはしっかりとしたシステムをつくった方がいいというふうに思っているわけです。
 例えば、被災三県等でファンドをつくって、大体五百億程度というような情報も流れておりますけれども、しかし、これは実際、今回の災害では、茨城県とか、それから栃木県でも被害が出ているわけであります。政府も補助の対象とされているわけですよね。それから、青森県とか千葉県でも一部ではそういうふうにされているわけでありまして、そういう意味では、やはり各県ごとというのはいかがなものか。やはり国がしっかり責任を持って対応できる体制を構築した方がいいというふうにまず思っております。
 それから、債権額も、民間だけでも一・四兆円、それにリース債権もありますし、さらに公的金融機関のものもあります。現在は延滞していなくても、これから調子が悪くなってくるというようなところはいっぱいあるわけでありまして、そういう意味では、今考えられている中小企業再生ファンドの資金額程度では、やはりなかなかこれは厳しいというふうに思っております。
 これでは限られた事業者しか救えないと思いますが、いかがでしょうか。
○和田大臣政務官 先ほどの議論の延長で竹内委員に御質疑いただいたという認識で、お答えさせていただきたいと思います。
 先ほどおっしゃっておられた買い取りの仕組みの具体的なつくり方でございますが、いろいろ……(竹内委員「買い取りの仕組みの話ではなくて、限られた事業者しか救えないんじゃないかという話をしています」と呼ぶ)はい。
○石田委員長 竹内君、もう一度。
○竹内委員 ですから、中小企業再生ファンドでは資金額的にも少ないし、これでは限られた事業者しか救えないのではないかなと。しかも、被災各県であれば各県ごとにやるけれども、三県しか考えていないようだし、千葉とか茨城とか青森とか栃木とか、そういうところもいろいろ被害が多いわけですよね。そういう意味では、先ほどおっしゃった、今の政府の基本的な考え、枠組みはなかなか実態にそぐわないんじゃないか、こういうふうに思っているんです。
 買い取り価格の話は、後でまた。
○和田大臣政務官 失礼いたしました。
 今おっしゃっていた、対象の範囲ということだと思いますが、竹内委員御指摘のことは私どもも視野には入れているつもりでございまして、これから先、具体的な対象範囲を確定していく際に、今までは確かに、今までの中小企業再生ファンドはその名のとおり中小企業を相手にしたものでございます。そこから先、被災地の状況を踏まえると、それだけではない。同じような状況に立ち至っているのは、農業従事者もいらっしゃれば個人の事業者の方々もいらっしゃるであろうということはよく認識いたしておりまして、そこら辺の工夫は、これから先、我々もやっていきたいというふうに思っています。
 そのため、今の現状のファンドや、もっと言うと源流の中小企業基盤整備機構から流れていく資金の枠組みを、そのままでよいというふうに思っているわけではないということだけ申し上げておきたいと思います。
○竹内委員 認識をしていただきたいと思うんですね。
 中小企業再生支援協議会を核とした相談窓口の体制強化というようなことで、そこをワンストップで、今度予算を三十億円つけられたわけでありますけれども、これも指摘をしておきたいんですが、支援協議会というのはなかなか今までは動いていなかった、はっきり申し上げて。平成十五年から二十二年の八年間でも、三千社ほどしか再生計画を完了していないんですね。
 しかも、よく調べてみると、従業員数十名までの零細企業を救った率というのはわずか九・八%、二百八十八社しか救っていないんですね。中小企業支援協議会なのに、実はほとんどがもっと大きな企業ばかりやっているんです。これもなかなか、実態、今回の被災事業者を救うには、もうちょっとよく考えないといけない。
 それから、業種別では、農林水産業はゼロですよ。一件もやっていないんですよ。これはやはりよっぽど考えないと、支援協議会を窓口にするのであれば。
 だから、我々としては、これでは、やはりこの際、新機構にして、そこに支援協議会も入ってもらったらいいじゃないか、いろいろな再生支援機構のメンバーでも。そういうことで、きちっとした体制をつくった方がいいというのが我々の考えなんです。
 今回、二次補正で、しかも三十億円というので、えらい大きいなと思ったんですよ。すごい人員を抱えてやるのかなと思ったら、デューデリとかですね。資産査定ですよね、MアンドAとかやるときの、合併とか買収とか。そういう企業というのは大体大企業ですよね。きちんとした会社ですよね。
 私もよく知っていますけれども、JALの、今回、デューデリで二回もやって、皆さんがやらせて、一回十億で二十億弱、実はJALに払わせたという、こんなばかげた話になっているわけですよ。それぐらい、コンサルタントをやっている方々はよく御存じだと思いますけれども、デューデリの、何というか、大企業相手のやはり非常に収益を稼ぐというような、そういう部分もあるわけでありまして、今回の被災の多くは中小零細企業ですから、デューデリとかそんなのはほとんど関係ないというふうに私は思っております。
 そこで、私ども、今回、自民党さんとともに法案を既に用意いたしました。
 そのポイントを説明させていただきたいと思うんですが、まず、名称が、東日本大震災事業者再生支援機構法としているんですね。事業再生ではなくて事業者。事業者をやはり救済していこうと。
 それから、目的の中にも、被災事業者の債務の負担を軽減しつつ、その再生を支援というふうに明記をさせていただきました。
 対象事業者は、農林水産業者、医療法人等を含む、ただし、大企業、第三セクターは対象外としているわけでございます。また、配慮規定として、できる限り多くの事業者に再生の機会を与えることとなるよう配慮する、そういうことも明記しております。
 それから、再生支援を申し込む際には、事業再生計画、ただし、厳密なものではなくてもいい、事業の再生のおおよその見通しで足りるとしました。それからもう一つ、銀行などが融資を行う約束を証する書面を添付する。そういうことで、銀行の協力、銀行も、あなたたちもしっかり、買い取る以上は協力しなさいよ、ニューマネーを出しなさいよということを条件としているんですね。
 それから、買い取り価格につきましては、事業再生計画、被災地域の復興の見通し、対象事業者の経営状況の見通し、担保財産の価格の見通し等を勘案した適正な時価ということにしておりまして、これは例示であります、今申し上げたことは。そのほかにも勘案すべきことはいろいろありますから、この辺は金融のプロであれば大体できるわけであります。
 それから、買い取り債権につきましては、買い取った後、債務の株式化とか劣後ローン化なども当然行うわけであります。
 そしてさらに、債権額と買い取り価格の差額分の免除。例えば、一億の債権があって、それを五千万で買い取ったとする。そうすると、銀行は五千万損するわけですけれども、それは損が確定するから無税償却の対象になるし、それから、買い取った五千万は、さらに事業者が再生を図る上で返済をしていかないといけないんだけれども、債務者から見れば、五千万に直ちになるわけではなくて、債権が一億から移っただけだから一億にしか見えないわけですよね。だから、一応、五千万で買い取ったのであれば、その差額分は免除するよう努力義務を置く。
 それから、先ほどから議論もありました第三者保証人、連帯保証人と物上保証人等、これらについても保証債務などの免除の努力義務も規定をした。こういうことであります。
 そのようなことで、私どもとしては、一切を、この新機構をしっかり立ち上げて、そこをワンストップとしてしっかりと応援していった方がいいんじゃないか、こういうふうに思っているわけであります。
 一応、私ども、自公案として出しておりますので、これらを参考にして、やはりここは、自公民の協議もやっていることですから、政府はこれらを踏まえて、閣法で用意する、準備するという方向を打ち出してもらいたいなというふうに改めて思うんですが、いかがでしょうか。
○和田大臣政務官 先ほど来のお話をお聞きしておりまして、私自身、竹内委員のおっしゃっている御趣旨そのものはよく理解できますし、それを実現しなければいけないというふうに思っています。
 先ほどの部分の少し繰り返しにもなりますが、目的意識は共有しており、しかし、今のところ使おうとしているツールが違うというところの理由について、もう少し申し述べたいと思います。
 新しく機構を設立して、そこが強力なリーダーシップをとって、先ほど委員御指摘のような内容を地域地域の人たちに納得していただいて処理をする。委員おっしゃっておられましたが、一括処理ではなく、やはり一件一件の処理だというふうにはおっしゃってくださっていました。この部分は、私自身、被災地を訪れてみて、一括処理はなかなか難しいという感触を正直、得ました。そのため、時間がかかることはわかっているんですけれども、一件一件しっかり見て、その地域の実情に合わせて、ある地域では同じような事情の中で債権放棄がかなり行われ、ある地域では債権放棄の手段はとらなくてデット・エクイティー・スワップの方がよくて、こういった結論もあり得ようと思います。
 そうしたことの検討を早く始めるという趣旨のゆえに、新しく機構を設立するよりは、今の既存の仕組みをできるだけアジャストするように、衣がえと言ってはちょっと言葉が悪いのかもわかりませんが、そこの模様がえを行った上で、そこの場に人を集めて検討する方が、再三再四、各委員からおっしゃっていただいていますように、とにかく時が大事だと。既に四カ月たっているわけでございますが、時が大事だという視点からすると、今使えるものをすぐに使っていくということが一つの政府の使命ではないかというふうに考えています。
 さりとて、三党協議でまとまっていく方が私どもとしては望ましいと思っておりますので、そこはぜひいろいろ御議論いただきながら、まとめていただきさえすれば、本当にそこに従って作業を進めていくということだろうと思っています。
○竹内委員 先日の、六月二十七日のときのヒアリングで石巻に行きましたよね。私の方から、利子補給の案もある、十年間ぐらい利子補給して債務ストップ、支払い猶予したらどうかという話をしたら、向こうの方が、いや、だめだ、既存の借金は棒引きにしてもらいたいというぐらいのお話がありましたね。そのぐらい農林水産業者の方々は本当に苦しんでおられることがよくわかりましたし、そういう意味では、既往の債務負担を一気に軽減して事業の再生を図っていくには、やはり、我々としては、このぐらいの思い切ったことをやらないとなかなかニーズに合ったものにならないんじゃないかな、部分的な積み重ねだけでは処理できないんじゃないかなというふうに感じた次第であります。
 ちょっと時間は残っておりますが、本当はまだ二次補正についての質問をしたかったんですが、中途半端に終わりますので、これは次回にということにさせていただきたいと思います。
 これで終わります。ありがとうございました。
○石田委員長 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 先日の当委員会の石巻、仙台の視察の際に宮城県中小企業団体中央会からいただいた資料を見ますと、会員数が二万三千七百四十九、その中で被災された会員は一万五百九十一で四四・五%、半数近くが被災をしているわけであります。その中で、被災された方の中で、営業を継続したいというのが六四・一%であります。営業を中止一二・九、廃業六・三、こういう状況です。
 これは二重ローンの問題にかかわって大変大事な点だと思うんですが、営業を継続したい、こういう中小業者については、当然我々は、一〇〇%そういう方々に支援をして支えていくというものでなければならぬと思うわけです。
 なぜかといいますと、この被災をされてさらに営業を続けたいという方は、自分の責任で経営が破綻したわけじゃないし、被害を受けたわけじゃない、自然の災害によって、原発は人為的ですけれども、その災害によって被災したわけですから、したがって、もとの状態に戻してあげるというのは基本的な姿勢として必要だと思うんです。
 先ほど御紹介した方々は、全部この要望にこたえても六四%しか戻らないわけです。したがって、基本的な姿勢として、まず野田大臣にお聞きしますけれども、継続したい、こういう意欲のある方々にはすべて一〇〇%こたえる、基本的にはそういう姿勢で臨むべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○野田国務大臣 被災地における事業者の皆さんの中で、営業を継続したいという思いを持っていらっしゃる方が多いと。その思い自体は、基本的には素直に受けとめて、重く受けとめて対応しなければいけないだろうと思います。
 ただ、そのこたえる手段がそう単純ではないというところがこの問題の大変な難しさだと思いますが、可能な限り対応していくというのが基本的な姿勢であるというふうに思います。
○佐々木(憲)委員 それで、その対応の仕方に問題がいろいろあると私は思っておりまして、やはり一〇〇%もとに戻してあげるというような姿勢がないといけないというふうに思うんですね。
 例えば、政府の方針で、私はいろいろひっかかるんですけれども、先日、六月十七日に公表されました二重債務問題への対応方針という文書がありますね。この文書は、先ほどからの議論ですと、現時点での政府の関係閣僚会議での共通の認識、こういう方針でいきたいと。それは、政党間協議とか、いろいろな問題はまた別枠として行われているけれども、そういう性格のものだということで、現時点の政府の見解ということでよろしいですか。
○野田国務大臣 御指摘の、六月十七日、関係閣僚会合でまとめられました二重債務問題への対応方針というのは、これは今、政府の対応策の基本的な方針であるということでございまして、今後、被災者が復興に向けて再スタートを切るに当たって、政府として二重債務問題に迅速に取り組んでいくために、中小企業及び農林水産業等向け、あるいは個人住宅ローン向け、金融機関向けの可能な限りの対策を現時点で盛り込んでいるというふうに理解をしています。
 政府として決定した本対応方針に基づき、現在、具体的な支援策について準備を進めております。先日閣議決定した二次補正においても、再生を目指す中小企業向けの相談窓口の強化など、関連する七百七十四億円の予算措置を盛り込みました。
 これらの問題について、引き続き関係省庁と連携をしながら内閣全体で取り組んでいきたいと思いますし、これは今、政府の方針でありますが、一方で、各党とも胸襟を開きながら議論をさせていただき、取り入れられるものは取り入れていくという柔軟性を持っていきたいというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 それで、私は私なりの意見を持っております。
 まず、政府のこの基本方針の中には、非常に大きな問題があると思っているんです。というのは、旧債務について、中小企業再生支援協議会を核とした相談窓口体制の充実ということが書かれております。果たしてこれで救われるのかという問題なんですが、その実績をまずお聞きしたいと思います。
 経産省に来ていただいておりますけれども、これまで相談窓口に来られた企業数、累計で何社あるか、再生計画の策定支援の完了した企業は何社、何%か、お聞かせいただきたい。
○伊藤(仁)政府参考人 お答えいたします。
 平成十五年二月に発足以来、二十二年度末まででございますけれども、全国で二万二千百四十社の企業からの相談に応じているところでございます。さらに、これまでに二千九百四十五社について再生計画の策定を行っているという実績でございます。
○佐々木(憲)委員 全体としては非常に少ないわけですね。一〇%、相談に行っても一割しか救われないというか、そういう比率であります。
 しかも、私が問題だと思っておりますのは、中小企業再生支援協議会の中に貸し手側の銀行が入っている。しかも、支援対象企業の要件として、関係金融機関の協力が得られる見込みがあるもの、こういうことになっているのではないかと思いますが、これは事実でしょうか。
○伊藤(仁)政府参考人 お答えいたします。
 再生支援協議会におきましては、中小企業からの再生の相談を受けまして課題解決のアドバイスを行う専門家として、企業再生の実務に詳しい者を参画させることが必要であることから、税理士や中小企業診断士に加えまして、銀行等からの出向者も在籍しているのは事実でございます。
 なお、金融機関からの出向者につきましては、再生支援業務全体を統括する統括責任者には選任しないルールにしておりますし、また、個別の中小企業の再生計画の策定の業務については、利害関係を有する出向者はそこに参画させないという形のルールで行っているところでございます。
 それから、再生につきましては、基本的に、金融機関が貸している債務者をどういうふうな形で再生していくかというところから始まることが通例でございますので、そういうのが持ち込まれてこの協議会で行われているというのが通常であることをつけ加えさせていただきます。
○佐々木(憲)委員 つまり、関係金融機関の協力が得られる見込みがあるものという限定が事実上ある、そういうことになっているわけであります。そうしますと、貸し手の側の、これはメーンバンクですね、その企業がその銀行にとって、これは再生でよろしい、これはもう無理だ、こういう判断をして、それを尊重して、つまり、支援の対象の企業にするかしないかはそれによって決める、こういう仕掛けになっているわけですよ。
 そうすると、今まででも、そういう形でやられてきて、一割ぐらいしか再建の計画がつくられていないわけであります。これを採用して窓口で相談を受けても、結局はそういう対応にしかならない、九割切り捨てられる、こういうことになるのではないか。これはいかがでしょうか。
○伊藤(仁)政府参考人 お答えいたします。
 先ほど、相談が二万二千百四十社、そのうち、計画の策定に至ったのは二千九百四十五社というふうに申し上げました。残りの部分が、再生計画に至る手前でいろいろな相談等で解決しているというケースも当然含まれておりますので、ここに入るものが、残ったものが再生計画に至らないことをもって切り捨てられているとか対応できていないということにはなっていないと思います。
 いろいろな、さまざまな、再生計画をつくって実際に金融機関の債務の削減だとかいろいろな対応に移る段階のものになるのが二千九百四十五社で、それより手前の段階で一定の解決が得られるケースも相談の中に相当数含まれているというふうに認識しております。
○佐々木(憲)委員 もちろんそれは知った上で言っているんですけれどもね。再生計画がつくられたのはわずか一割、そこに行く手前で多少解決しているのも四割ぐらいはある、それは知った上でなんです。問題は、銀行が最終的に、これは救える企業、救えない企業というふうに判断をするということがこの仕掛けの中に入っているということであります。
 中小企業再生支援協議会で支援する企業を選別して中小企業再生ファンドに送られる、そういうやり方だと、一定規模以上の中小企業しか救われない。零細企業は相手にされない。先ほどもいろいろ議論があったとおりであります。債権買い取りの仕組みも検討する、こういうことなんですが、この枠組みの中でやりますと、これは、救える企業だけの債権は買い取りますよ、こういうことにしかならないのではないか。
 したがって、これは野田大臣が一番最初におっしゃったように、できるだけ意欲のあるすべての企業を救う、そういうことを考えた場合は、このような非常に狭い仕掛けではだめだと思うんですね。
 したがって、再生意欲のあるそういう企業に対して、まずは全面的に相談に応じて、そして再生の前提を一〇〇%つくってあげる、そういう気持ちで対応するというのが本来の筋ではないのか。全面的なそういう意味での再建支援、もちろん債権をそういう方々から買い取って進めていく、そういうスキームに変えないと、政府の案のままでは、とてもとてもその地域の再生にはつながらない。
 先ほどの宮城の統計でも、六割台の方々しか意欲をもう持っていないわけですよ。そういう方々を一〇〇%救っても、六割しか再建できないんですよ。それをまた切り縮めるようなスキームにしてはならない、この点が非常に大事だと思うんです。
 野田大臣、いかがですか。
○野田国務大臣 基本的な考え方は、意欲のある方、可能な限り、今、委員は一〇〇%とおっしゃっていますが、私は一〇〇%まで可能とまで申し上げていないんです、可能な限りと。その中で、きちっと相談がとれるような体制にすべきだろうという御趣旨はよく理解できますし、基本的にはそのとおりだと思います。
○佐々木(憲)委員 そうしますと、最初からいろいろな要件をつけて排除するような仕掛けは見直す、これはどうしても必要なことだというふうに思うんです。
 今、何か民主、自民、公明の三党で協議していると聞いていますけれども、中身は我々わからぬのですよね。政党間協議とかいうのを言われているけれども、政党である我々はそこには参加しておりませんし、参加してくれとも言われていないし、したがって、こういう形でいろいろ要望を言うしかない。
 その内容は一体どうなっているのか。三党間協議の内容は、被災地の被災企業にも、あるいはほかの野党にも、当然これは説明する義務があると私は思うんです。どういうところで合意されているのか、どこが違っているのか、これをわかる範囲で説明していただきたい。
○和田大臣政務官 佐々木委員もおわかりの上でお問い合わせだと思いますので、できる限りということで御容赦いただければと思います。
 三党間協議をしていらっしゃる中で、先ほど申し上げたように、できるだけその地域の事業者を次にもう一回事業を営めるようにという方向性の中でいろいろなことが考えられているところは、委員の御指摘いただいたように、そこはもう協議に参加している以外の政党におかれても多分共通していらっしゃるんだと思います。
 もう少し、先ほど財務大臣が御答弁なさっておられましたが、とにかく意欲を持ってやるという決意のおありの方を、我々としてできるだけもう一度事業を営めるように対策を打たなければいけないという趣旨では、ローン対策もそうですが、マーケットが存在しなければ成り立ちませんので、それらを総合的に勘案しながら、補正予算等あらゆる政策を講じるということであろうと思います。
 お問い合わせの、その協議が今どのような方向に向かっておるのかということでございますが、一番のその核になっているのは、先ほど御紹介したように、今までの過去債務の部分について買い取る仕組みをつくった方がよいのではないかという意識が、ここは各党共通に意識されることとなり、それをどのような仕組みによって実現するかというところについて、まだ少し意見が異なっているという状況だろうというふうに思います。
 そこで、私どもの立場からすれば、まずは政府・与党一体となって運営しなければなりませんので、与党の考え方とある程度連動しながらということではございますが、先ほど来、再三再四申し述べているように、与野党協議がこの国会の状況の中で最も大事な環境であるということはよくよく認識いたしておりますので、その中で協議がまとまっていただけるものについてはどんどん取り込んでいくという積極的な姿勢は見せていこうというふうに考えているところでございます。
 以上です。
○佐々木(憲)委員 そこで、もうちょっと具体的にお聞きしますけれども、おととい、七月六日の衆議院予算委員会で海江田大臣が答弁になっておられますし、また、七日、きのう参議院の予算委員会でも菅総理の答弁があったそうですけれども、農林漁業、医療機関、こういうものも対象に債権の買い取りスキームを検討しているというふうに発言をされております。
 農林漁業、医療機関、この債権も買い取る、僕は当然こういうスキームでなければならぬと思いますけれども、そういう方向だということでよろしいんでしょうか。
○伊藤(仁)政府参考人 支援の対象につきましては、できるだけ幅広い事業者が対象となるような方向で検討するように指示を受けておりますので、その方向で検討しております。
○佐々木(憲)委員 そうすると、事業を再建したいと願っている被災した農林漁業、医療機関、そういう債権は買い取りの対象になる、こういう理解でよろしいですね。
○伊藤(仁)政府参考人 幅広い事業者が対象になるように仕組みをつくろうということで検討しております。
○佐々木(憲)委員 政府のこの二重債務問題の対応方針によりますと、判断が困難な企業、それから再生が困難な企業、再生が可能な企業が一番上にありまして、三分類にされているわけです。判断が困難な企業については相談窓口で再度相談する、それから、再生が困難な企業は、法的整理もしくは私的整理ガイドラインに従い金融機関が債権放棄をする、こういう仕掛けになっております。
 この再生が困難と判断された企業は、仮に債権放棄されても、金融機関から新しい融資を受けられないと、再生はほとんど不可能であります。そういうスキームということで理解してよろしいのでしょうか。
○和田大臣政務官 佐々木委員のお問い合わせになっていらっしゃる範囲というのが、いろいろなケースが想定されるんだと思いますが、今いろいろ御説明申し上げている仕組みというのは、できるだけ企業を再生させるために協議をし、その中で再建計画をつくっていただくということでございますので、その再建計画がつくれる範疇である限りにおいては、むしろニューマネーがないとその再生はあり得ないのではないかというふうに考えています。
 ですから、これから先、具体的な仕組みをつくっていく上で、再建計画が立てられる限りにおいては、債権放棄や過去債務の整理部分だけで決着するとは私どもも余り考えておらず、ニューマネーが今までの金融機関から引き続き資金として流入できるような、そんな仕組みを考えているところです。
 しかし、先ほどおっしゃっていただいたような、本当に再生困難だというふうに判断する場合には、そこはさすがにニューマネーを流入させるということはなかなか難しいのではないかというふうに思っています。
 もう一言だけ敷衍的にお答えすれば、その再生困難かどうかの判断を、先ほど佐々木委員は、一つ一つの企業に対して、実績も踏まえながら、今までの中小企業再生支援協議会などでの結果を踏まえながらおっしゃっておられましたが、このたびのこの大震災の被災地の状況というのは、金融機関が一つの企業を見て、その企業がやっていたことが今までよかった悪かった、いろいろありますけれども、そこの部分のよかったところを取り出してもう一回再生しようという視点のみならず、地域のほとんどの企業が事業困難に陥っているということからすれば、ここを御理解いただきたいのですが、金融機関の本源的な機能からしても、そこの地域金融機関は、そこの企業にお金を供給して貸し付けた利ざやで生きていくわけでございますので、全体としてそのパイが確保できなければ金融機関としても操業できないということだろうと思います。
 その意味においては、今回のこの大震災の状況の中では、各金融機関も、今までの実績はそうだったかもわかりませんが、これから先、地域地域の中小企業、もしくは、対象としてもうちょっと広げたいと思っておりますが、個人事業者、こういったものを見ていく視点として、できるだけ、先ほど竹下先生の御指摘にあったように思いますが、ある程度の企業群として、まとまりとして考えて、そこの部分を何とか再生したいと金融機関の方はより強く思っているはずでございまして、そうでないと自分のビジネスも成り立たないということではないかというふうに思っています。
 そういった意味におきまして、我々、金融機関がより積極的にいろいろなツールを駆使して、企業を再生する方向で検討を進めてくれるものと期待しているところでございます。
○佐々木(憲)委員 何か今のお話だと金融機関に丸投げしているような感じがして、そうしてくれるはずだと言っても、それは先ほどもおっしゃっていたように、金融機関は、要するに貸し付けてその利益を得る。原資は預金者ですけれども、民間企業ですから、主としてそういうことで経営が成り立っている。そういうことに任せるということになれば、当然、金融機関は自分の利益を優先する論理が先走りかねないんですよ、幾ら期待したって。
 そこで問題は、それを超える政府の政策を、あるいは仕掛けをつくらなければならないんです。ですから、従来のやり方ではだめだ、今おっしゃったように。従来の枠組みをそのまま踏襲したのではうまくいかないだろうから、新しく、今これから、二重ローン解消という目標を持って、被災された方々をすべて、基本的には、できるだけ可能な限り再生の方向に持っていきたい、そういうのであれば、もっと踏み込んで、債権買い取りの機構をちゃんとつくって、その上で、金融機関に対しても、こういう方向で努力をしなさい、あるいはこういうガイドラインに基づいてやるのが本来の役割だということを公的に筋道をつけてやらないと、それは進まないと思うんです。
 被災者にとってみますと、金融機関から、あなたの企業は赤字が続いていたから、被災したからといって助けるわけにはいかぬのだ、こういうふうに言われているところも聞いております。したがって、そういうことを言われないように、前と同じように営業を続けたい、そういう人の気持ちに安心感を与えるような仕掛けをつくらなきゃならぬと思うんです。
 どうも政府の案というのは従来の形を、つまり、新しい法律をつくらないわけですから、従来の仕組みを利用しようとする。利用しようとすると、結果的には従来型のやり方で再生が不可能になる、そういう危険性を私は非常に強く感じるわけです。それは抜本的に、新しい、今のこの大変な事態に対応するわけですから、従来にない対応策というものが求められると思うんですね。私は、そういう意味では、新しい法律も必要だと思いますし、新しい体制が必要だというふうに思うわけです。
 最後に、野田大臣の決意、自見金融担当大臣の決意、両方の決意をお聞きしたいと思います。
○自見国務大臣 千年に一遍の津波だ、こういうわけでございまして、私も、石巻、仙台ともに行かせていただきまして、言葉を失いました。
 先生が言われるように、これはまさに天災でございまして、責任は、これは天災でございますから、民間の経営者あるいは金融機関等々、いろいろな人たちを本当に超えたところの被害でございますから、それはやはり政治が全力を挙げて、いろいろなツールを活用して、まさにこの二重ローンの問題にしても、私も、二千万円ほど住宅ローンをして、自見さん、四時間だけ私のものでした、四時間たったら全部流れましたという人もお会いしましたし、それから、今さっき竹下先生にもお答えしましたけれども、石巻で水産加工業の方が、まさに新しい設備投資をしたら全部工場ごと流れたというので、それは信用金庫、信用組合の理事長さんからそういう話も聞かせていただきまして、それをどうにかしようと。
 今さっきも言いましたように、二重ローンの問題はマイナスからのスタートですからね。ですから、それをできるだけプラス・マイナス・ゼロまで、あるいは夢と希望を持って、やる気のある人はやはりしっかりやっていける、そういう枠組みをつくらせていただくのが基本でございますから、いろいろ御意見はあると思いますけれども、そのことが一番基本だということをしっかり踏まえながら、先般も、共産党も賛成していただきまして、金融機能強化法を通していただいたわけでございます。あれは、地域における面的ないわゆる金融機能の強化あるいは金融仲介機能の強化ということでございますから、決めるのはケース・バイ・ケース、民間金融機関の経営者でございますけれども、より債務保証だとか債務軽減とかしやすいような客観的な環境をつくらせていただいたわけでございます。
 また、信用組合、信用金庫は非常に限られた金融機関でもございますから、そういったところには特別な、普通の平時では考えられないような、きちっとやはり金融、最後、十年後には中央機関も責任を持ってもらいますけれども、やはり公的な資金で救うことも可能だというふうな法律の道筋でございますから、こういったことを、しっかりそれを活用しながら、また、今さっき言いましたように、先生から中小企業再生支援協議会の問題点等いろいろ出ましたけれども、今、我々はそういうふうに考えさせていただいたわけでございます。
 各党各会派、いろいろな御意見があるようでございますから、この辺は、しっかり参考にさせていただきながら、やる気のある中小零細企業者が、できるだけ、可能な限りこの仕事が続けられる、あるいは、場合によっては仕事をかえるということもあると思いますけれども、そういったことをしっかり支援させていただきたい、そういうふうに思っております。
○野田国務大臣 被災地の皆様に寄り添うという意味では、この二重ローン問題への対応というのは大変大きな柱になるだろうと思います。
 第一次補正予算でも金融面でのサポートがありましたが、それでは不十分であるということで、今回の第二次補正予算で七百七十四億円の予算措置を盛り込みました。これは、一日も早く成立をさせていただきたいというふうに思います。
 加えて、まだまだ足りないという御意見があることは十分承知をしております。御党も含めて、各党の皆様の御意見もよく踏まえながら、次なる三次補正に向けての対応をしていきたいというふうに思います。
○佐々木(憲)委員 終わります。
 ありがとうございました。
○石田委員長 次回は、来る十二日火曜日午前九時十五分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時六分散会