第179回国会 本会議 第10号
平成二十三年十一月十八日(金曜日)
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  平成二十三年十一月十八日
    午後一時 本会議
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○本日の会議に付した案件
 参議院議長西岡武夫君逝去につき弔詞を贈呈することとし、弔詞は議長に一任するの件(議長発議)
 東日本大震災復興特別区域法案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時二分開議
○議長(横路孝弘君) これより会議を開きます。
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 弔詞贈呈の件
○議長(横路孝弘君) お諮りいたします。
 参議院議長西岡武夫君は、去る五日逝去されました。まことに哀悼痛惜の至りにたえません。
 つきましては、西岡武夫君に対し、弔詞を贈呈いたしたいと存じます。
 弔詞は議長に一任されたいと存じます。これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決まりました。
 弔詞を朗読いたします。
    〔総員起立〕
 参議院議長従二位桐花大綬章 西岡武夫君は 多年憲政のために尽力し 特に院議をもってその功労を表彰され 再度国務大臣の重任にあたり 終始議会政治の発展に貢献されました その功績はまことに偉大であります
 衆議院は 君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます
 この弔詞の贈呈方は議長において取り計らいます。
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 東日本大震災復興特別区域法案(内閣提出)の趣旨説明
○議長(横路孝弘君) この際、内閣提出、東日本大震災復興特別区域法案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣平野達男君。
    〔国務大臣平野達男君登壇〕
○国務大臣(平野達男君) 東日本大震災復興特別区域法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 本年三月十一日に発生いたしました東日本大震災は、その被害が甚大で、かつ、その被災地域が広範にわたる等、極めて大規模なものであるとともに、地震、津波及びこれらに伴う原子力発電施設の事故による複合的なものであるという点において、我が国にとってまさに未曾有の国難であります。
 こうした中で、東日本大震災からの復興を円滑かつ迅速に進め、被災地域における社会経済や生活の再生を進めていくことは、目下のところ、我が国全体にとって最大かつ最優先の課題となっております。
 このため、東日本大震災からの復興が地域における創意工夫を生かして行われるべきものであることを踏まえつつ、復興に向けた被災地域の取り組みを国の総力を挙げて支援することとし、本法律案を提出することとした次第であります。
 次に、本法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、政府は、東日本大震災復興基本法の基本理念にのっとり、かつ東日本大震災復興基本方針に基づき、復興特別区域における東日本大震災からの復興の円滑かつ迅速な推進のために政府が実施すべき施策等をその内容とする、復興特別区域基本方針を定めなければならないものとしております。
 第二に、被災地域の地方公共団体は、単独でまたは他の地方公共団体と共同して復興推進計画を作成し、内閣総理大臣の認定を受けることができるものとするとともに、その認定を受けたときは、各種規制、手続の特例措置、税、金融上の支援措置の適用を受けることができるものとしております。
 第三に、被災地域の市町村であって、市街地の整備に関する事業、農業生産の基盤の整備に関する事業等を実施する必要がある地域をその区域とするものは、単独でまたは都道県と共同して復興整備計画を作成することができるものとするとともに、復興整備計画が所要の協議等の手続を経た上で公表されたときは、土地利用基本計画等の変更や土地利用に係る許認可等がなされたものとみなす等の特別の措置の適用を受けることができるものとしております。
 第四に、被災地域の市町村は、単独でまたは都道県と共同して、東日本大震災により相当数の住宅等に著しい被害を受けた地域の復興のために実施する必要がある事業に関しまして復興交付金事業計画を作成し、内閣総理大臣に提出することができるものとするとともに、国の予算の範囲内で、提出された計画に係る事業等の実施に要する経費に充てるための復興交付金の交付を受けることができるものとしております。
 以上が、東日本大震災復興特別区域法案の趣旨であります。(拍手)
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 東日本大震災復興特別区域法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(横路孝弘君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。石原洋三郎君。
    〔石原洋三郎君登壇〕
○石原洋三郎君 民主党の石原洋三郎です。
 ただいま議題となりました東日本大震災復興特別区域法案につきまして、民主党・無所属クラブを代表して質問をさせていただきます。(拍手)
 本年三月十一日に発生しました東日本大震災でお亡くなりになられた方々に心より哀悼の意を表するとともに、いまだ三千名を超える行方不明の方々が一刻も早く発見されること、また、被災により負傷された方々の御回復を心よりお祈り申し上げます。そして、家を失うなどして避難されている方々が安心して過ごせるよう、与党として全面的に支援してまいります。
 また、我が国の内外を問わず、発災直後から被災地に対して心温まる御支援をいただいたことに感謝申し上げます。
 震災発生から八カ月が過ぎました。被災地は、震災直後の混乱を脱したとはいえ、いまだ厳しい状況にあります。今回の震災は、大地震、大津波、原発事故、さらには放射能被害により、まさに未曾有の国難となっております。政府は、被災地域における社会経済の再生及び生活の再建のため、国の総力を挙げて、将来を見据えた復旧復興を進めていかなければなりません。
 民主党におきましても、多くの議員が、何度も現地を訪れ、現地の方々からお話を伺い、要望を取りまとめ、政府に実行していただいたところであります。政府も、総理、復興担当大臣を初めとして、各省庁の政務三役に何度も現地を視察していただき、できる限りの対応をしていただいたところであります。
 しかし、現地の方々にとってみれば、まだまだ安心できる状況ではありません。事業が本当に成り立つのか、仕事につけるのか、住宅は建てられるのか、町やコミュニティーはどうなるのかなど、不安や悩みが尽きないところであります。
 復興で大切なのは、スピード感ももちろんでありますが、被災した方々が、みずからの将来を展望でき、復興していく地域に住んで本当によかったなと思えることであります。
 このような復興をなし遂げるためには、国が、地域の方々の思いを受けとめ、全面的にバックアップすることが大切です。ハードがもとどおりになるだけでは意味がなく、コミュニティーが復活し、現地の方々が継続的に仕事ができ、経済が循環する状態にしなければなりません。そのためには、地域の創意工夫と、それを生かすことのできるシステムづくりこそが震災復興のかぎであります。すなわち、それぞれの地域の、文化や伝統、自然環境に根差したオーダーメードの復興こそが求められているのです。
 また、将来について展望が見えない状態では、復興の意欲もわきません。政府は、少なくとも、復興に向けたインフラ整備が、どのような進捗状況で、いつ完成するのか、それによってどのような仕事が再開可能なのかを地域ごとに取りまとめ、地域の方々にわかるように示すべきであります。これにより被災者の方々の展望が開けてくると思いますが、いかがでしょうか。復興担当大臣にお伺いします。
 復興特区法案における特区の制度は、総合特区法の特区の制度と似通ってはおりますが、総合特区は、あくまでも、意欲ある自治体が特区制度を利用して活力ある地域をつくるということでありました。今回の復興特区は、すべての被災自治体が、地域の特徴を生かし、住民の方々が復興してよかったと思える地域をつくることにあります。したがいまして、法律は似ていても、やるべき内容は異なるものと思われます。
 復興特区法案と総合特区法の特区制度の制度趣旨の違いについて、復興担当大臣にお伺いします。
 民主党では、復興に関して、「ひとつひとつ被災自治体が各府省に要望していくのでは対応が遅くなるなど望ましくない。そのため、各府省に対して主導的な立場に立つ復興本部がこれら規制や予算などの各論の要望を被災地からワンストップで受付け、被災地の立場に立って、かつスピードをもって調整するための包括的な制度が求められており、規制・制度面では復興特区が、予算面では復興交付金の制度化が必要である」と、七月に提言したところであります。この提言に基づき、復興特区制度と復興交付金の制度を主な内容とする本法案が政府から提出されたことは、時宜にかなったことであります。
 地域の創意工夫を生かすためにも、復興を担う行政主体は市町村が基本となるべきであると考えます。復興基本方針には、国が「復興の基本方針を示しつつ、市町村が能力を最大限発揮できるよう、現場の意向を踏まえ、財政、人材、ノウハウ等の面から必要な制度設計や支援を責任を持って実施する」と示されておりますが、市町村のマンパワーはまだまだ不足しております。民主党の検討でも、国による人的支援は極めて重要であるとの考えに基づき、法案の復興基本方針に掲げるべき事項の内容を変更していただきました。
 法案の三条二項二号の支援については市町村への人的支援が含まれており、基本方針には具体的に人的支援策を書き込むこととなるのか、確認のため、質問させていただきます。
 また、今後、市町村に対してどのような形で人的支援を行うつもりなのか、復興担当大臣にお伺いします。
 復興基本方針において、「地域が主体となった復興を強力に支援するため、オーダーメードで地域における創意工夫を活かし、旧来の発想にとらわれず、区域限定で思い切った規制・制度の特例や経済的支援などの被災地からの提案を一元的かつ迅速に実現する復興特区制度を創設する」とされているとおり、旧来の発想にとらわれない提案がどれくらい実行されるかも復興のかぎとなります。
 そういう意味では、復興対策本部や復興庁は、政府の一員ではありますが、政府と自治体の意見が対立した場合には、自治体の立場に立って、抵抗する省庁を主導するべきものと考えますが、いかがでしょうか。復興担当大臣にお伺いします。
 法案に盛り込まれている規制の特例措置についてお伺いします。
 法案に盛り込まれているのは、漁業法や建築基準法の特例など、わずか九項目にすぎません。これまでに自治体から要望がある特例措置はどれくらいあったのか、なぜ九項目に限られたのか、その理由についてお尋ねします。
 今後、時間の経過とともに自治体からの特例の要望もふえてくると思われますが、法律改正での特例の追加についても柔軟であるべきだと考えますが、いかがでしょうか。復興担当大臣にお伺いします。
 民主党では、被災地が新たなまちづくりを進める上で前提となる土地利用の再編を簡易迅速に行うための仕組みについて、土地利用再編の特例、ワンストップ化や、換地手続の柔軟化、迅速化、防災集団移転促進事業の拡充、土地のかさ上げへの財政支援などを提言したところであります。本法案でも、民主党の提言を取り入れ、地域の実情に応じたまちづくりを迅速に行うことができるようになったものと思います。
 しかし、町の姿をつくり上げていくには、相当なマンパワーが必要です。市町村への人的支援が欠かせないと考えますが、どのような形で人的支援を行うつもりなのか、復興担当大臣にお伺いします。
 民主党は、復興まちづくりに必要なハード事業並びにソフト事業への支援をできる限り包括的に一括して行うことが望ましいとして、使い勝手のよい復興交付金の創設を提言しました。今回の法案にその内容が盛り込まれたことにより、地域の実情に応じた復興が行いやすくなったものと評価いたします。
 一方で、復興交付金は、ハード事業である基幹事業と、それと一体となった効果促進事業とに分かれています。
 効果促進事業は、法案第七十七条において、基幹事業と一体となってその効果を増大させるために必要な事業または事務とされており、これを厳しく解釈すれば、かなり使い道が制限されることとなりかねません。効果促進事業が基幹事業と無関係であってはならないと思いますが、かといって、自治体が一体性を厳密に証明しないと認めないようなものであってもいけないのです。
 どのような事業を認めるかについては、自治体の意向を踏まえ、柔軟に対応すべきであると考えますが、いかがでしょうか。
 また、柔軟に対応する旨を復興特別区域基本方針などで明示するべきであると思いますが、いかがでしょうか。復興担当大臣にお伺いします。
 最後に、文部科学大臣にお伺いします。
 今回の原発事故により、やむを得ず自主避難を行った住民がおります。また、福島県民の大多数が、避難をしたくともできず、残留し、精神的苦痛を最大限に感じましたが、原子力損害の判定などに関する指針に盛り込まれるのか、原子力損害賠償紛争審査会の議論の経過についてお伺いします。
 人材や財政面など、地域の足りない部分を国がきちんとサポートし、地域の創意工夫を最大限発揮させ、将来を見据えた復興をなし遂げるためにも、本法案の早期の成立を望んでやみません。
 災いを転じて福となす。民主党は、国民の生活が第一の理念に基づき、今後も、国民の声を直接伺い、責任与党として復興を担っていくことをお誓い申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣平野達男君登壇〕
○国務大臣(平野達男君) 石原洋三郎議員からは、大きく六問、質問をちょうだいいたしました。
 まず、地域ごとのインフラ整備の進捗状況等の取りまとめについての御質問をいただきました。
 七月二十九日に東日本大震災からの復興の基本方針が決定されまして、復興施策を総合的かつ計画的に実施するため、当面の事業計画や工程表を作成いたしまして、公表するとしたところであります。
 これを受けまして、復興対策本部は、公共インフラについて、平成二十五年度までの三カ年間を中心に、復旧復興に向けた目標や整備スケジュールを事業計画及び工程表として作成し、八月二十六日に公表し、九月三十日に追加したところであります。
 今後、三次補正予算の成立後には、こうした工程表等をさらに具体化し、地域ごとの事業計画及び工程表を作成し、公表することとしております。これにより、被災地域の皆様方が、自分の身近なインフラが、いつ、どのように復旧復興されるのかを知ることができますし、地域の復興に拍車がかかるものと考えております。
 復興特区法案と総合特区法の特区制度の制度趣旨の違いについての御質問をいただきました。
 総合特区制度は、成長戦略を実現するため先駆的な取り組みを行う地域に限定した制度であるのに対しまして、復興特区制度は、震災により一定の被害が生じた二百二十二市町村が、それぞれの被災状況に応じて、地域における創意工夫を生かした復興の取り組みを推進することを支援する制度であります。
 特例措置につきましても、このような復興特区制度の性格にかんがみまして、総合特区制度にある個別の規制の特例等に加えまして、土地利用再編を迅速に進めるための一連の特例、雇用創出のための思い切った税制上の特例や、復興地域づくりを支援する新たな交付金制度等を盛り込んだところであります。
 市町村への人的支援についての御質問をいただきました。
 今後、被災市町村におきまして復興事業を円滑に進めるに当たりましては、技術系職員など専門職員が必要であるとともに、これまで以上の人員が必要になってまいります。このため、復興特区基本方針には、必要となる計画の策定や事業の実施についての人的支援も含めた市町村に対する国の支援について記載することとしております。
 また、これまでも、人的支援につきましては、被災市町村を支援するため、国家公務員の派遣を行うとともに、地方公務員についても、全国市長会、全国町村会の協力を得まして、派遣の仲立ちを行ってきたところであります。
 今後必要となるまちづくり事業に精通した人材につきましては、関係省庁や県とも連携しながら、被災市町村で生じる人的ニーズを把握するための取り組みを進めているところでありまして、今後、被災市町村において必要な体制が構築できるよう、これまでの派遣システムのさらなる活用とあわせて、全力を挙げて支援してまいります。
 復興対策本部及び復興庁の役割についての御質問がございました。
 議員御指摘のとおり、復興の主体は地域でありまして、地方公共団体のニーズを把握し、各府省の施策を総合調整する体制として、復興対策本部及び現地対策本部を、復興基本法に基づき設置しております。
 今後設置を予定する復興庁は、復興対策本部の権限に加えまして、復興特区や復興交付金を所掌するほか、新たに勧告権や各省の復興関係予算要求の調整権を持たせることで、より強い権限を有するものとしております。さらに、組織面でも、内閣総理大臣を復興庁の長とすることで、総理みずからが長としてリーダーシップを発揮し、省庁縦割りを排し、自治体のニーズに迅速かつワンストップで対応できるようにしてまいりたいと考えております。
 法案に盛り込まれている規制の特例措置についての御質問をいただきました。
 自治体の方々とは、被災直後から、私を含む政府関係者が現地に出向きまして意見交換を行うとともに、文書などで御要望を募り、把握した御要望を踏まえまして法案を作成させていただきました。
 この結果、法案には、住宅、産業、まちづくり等の各分野にわたる個別の規制の特例を盛り込んだことに加えまして、多くの被災地で要望が強かった土地利用再編のための一連の特例も盛り込んでいるところであります。
 さらに、本法案では、今後自治体から出される新たな規制等の特例の提案につきまして、国と地方の協議会において協議、検討していく仕組みを導入しており、必要となる特例を迅速かつ柔軟に追加してまいりたいと考えております。
 最後に、復興交付金の効果促進事業についての御質問をいただきました。
 効果促進事業の運用に当たりましては、議員御指摘のように、地方自治体の自主的な計画に基づく復興地域づくりを推進する観点から、被災地の幅広い事業ニーズに対応できるようにしてまいります。
 また、今後、政府の復興特別区域基本方針においても、復興交付金による国の被災地に対する支援の方針を明らかにしてまいります。(拍手)
    〔国務大臣中川正春君登壇〕
○国務大臣(中川正春君) 石原議員からは、自主的避難をしている方々及び避難せずに滞在している方々への損害賠償についての検討状況についてお尋ねがございました。
 自主的避難に伴う損害については、原子力損害賠償紛争審査会の中間指針を策定した際に引き続きの検討事項とされまして、これまで四回にわたって審議が行われております。
 この紛争審査会の議論においては、一つは、自主的避難された方々に対する賠償の考え方、これを整理していくということ、それからもう一つは、自主的避難が行われている中で、被災地にとどまった方々に対する賠償の考え方、この両方について検討をしております。
 引き続き、賠償の対象とすべき時期や区域等に関する考え方について議論される予定と承知をしておりまして、文部科学省としては、次回二十五日の紛争審査会の時点でこの両課題を、そして、その次の回には結論を出していくべく努力していただきたいというふうに思っております。
 以上です。(拍手)
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○議長(横路孝弘君) 谷公一君。
    〔谷公一君登壇〕
○谷公一君 自由民主党の谷公一です。
 自由民主党・無所属の会を代表して、東日本大震災復興特別区域法案について御質問します。(拍手)
 まず、二重ローン対策から入ります。
 二重ローン問題については、六月から与野党協議が始まり、我々提出の株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法がようやくこの十五日火曜日に衆議院を修正可決しました。
 この間の与野党折衝を振り返ってみると、二重ローン救済のための特別法とそのための新たな法人をという我々の立場と、法制化の必要なしという政府・与党の立場とは、大きな溝がありました。
 八月下旬に、与党側は、法制化の必要は認めると踏み出したものの、あくまで各県ごとの機構事業を法的に位置づけるというものでした。
 参議院通過法案をベースに修正しようと、事実上の修正協議に立ち至ったのは、九月三十日、前の臨時国会の最終日でした。
 十月に入り、国会閉会中も協議を進め、論点を整理し、そして法文修正を固め、五千億という事業規模について合意をしたのは、今月四日でありました。
 ここに至るまで、近藤議員を初め与党の関係者の皆様の努力には敬意を表しますけれども、それにしても、余りに遅かった。法成立後、支援機構の発足まで三カ月を要することを考えると、年を越えた来年の二月、三月まで待たねばなりません。
 我々の案に乗る度量があったならば、なぜ、六月の段階で、また、七月の段階で踏み込んでもらえなかったのか。なぜ、被災地の声を正面から受けとめて、スピーディーに、ダイナミックに対応してもらえなかったのか。
 失われた三カ月、百日間は、まことにじくじたる思いです。この上は、一日でも早く支援機構の成立を望むしかありません。支援機構発足のめどを、まず、平野大臣に確認させていただきます。
 支援機構法の衆議院通過により、小規模事業者、農林漁業者、福祉医療関係者など、幅広い事業者への救済策の仕組みはできたと言えますが、一方、被災者の住宅ローンへの対応については、実績は惨たんたるものです。
 個人向けの私的整理ガイドラインができたと言われます、申し出も受け付けていると言われますが、直近の調査によると、債務整理開始の申し出件数はわずか四十三件にすぎず、このうち、住宅の再建に乗り出したのはたった十件です。今回の大震災による建物の全壊は十二万戸、半壊は十八万戸ですよ。三十万戸に対して、たったの十件。住まいの復興を自力でしようとする方への支援に本当に本腰を入れて取り組んでいるのか、疑ってしまいます。
 復旧復興は口先だけではできません。現実の姿が、取り組みの効果を出すことが大事です。余りの数の少なさに私的整理ガイドラインの見直しも行ったとのことでありますけれども、見直しによる効果をどう見込んでいますか。どれだけの方を救えるんですか。自見大臣、具体的に答えてください。簡潔に、的確にお願いします。
 住まいの復興、特に恒久住宅の確保は、被災地の復興の基本であり、要諦です。今年度、二度にわたる補正予算で、被災者向けの災害公営住宅の建設に対し、支援が行われています。しかし、被災地においては、その建設に向かっての歩みはほとんど見えていません。
 国土交通大臣、現在、どのような進捗状況になっていますか。また、今後、政府は、どのような目標と工程表に基づき災害公営住宅などの建設を進めようとしていますか。具体的に示してください。そして、そもそも、目標を持っておられますか。そこをお尋ねしたいと思います。
 また、この災害公営住宅にあわせて、鹿野農水大臣にお願い申し上げます。ぜひ、木造の住宅を積極的に取り入れていただきたいと思います。
 神戸のときと違って、今回の場合、約五万二千戸の仮設住宅のうち、その二五%、一万三千戸が木造と言われております。そういう意味では、大変、木造ということで望ましいことであります。
 これを恒久住宅にも、低迷する木材産業、森林・林業の振興の観点からも、また、入居者の居住性、快適性の観点からも、恒久住宅の木造化に積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、農林水産大臣の具体的な数値目標、現時点での見込み数値を伺います。
 震災から八カ月が過ぎました。復興の進み方が遅いとの声が聞かれ、五百旗頭復興構想会議議長も対応のおくれについて苦言を呈しています。しかし、その前に、政府は、一体全体、現在何人避難者がいるのか、いまだに把握していない。そのことを、私は怒りを持って指摘したいと思います。
 四カ月前の七月十二日の震災復興委員会、テレビ中継もありましたが、当時、政府の発表の避難者は九万九千二百三十六人でした。しかし、この九万九千人の中には、東北三県の仮設住宅、公営住宅分などが入っていないんです。そのことを指摘し、早急な調査を求めました。
 それから四カ月、今も状況は全く変わっておりません。現状把握のお粗末さは変わっていないんです。指摘は無視されました。いいかげんな数値を発表するというのは、まるで、戦時中の大本営発表ではないですか。
 今、新聞を見てください、政府発表の避難者数は七万一千五百六十五人としています。しかし、それとは別に、被災三県の仮設住宅、民間借り上げ、公営住宅は十万戸を超えています。政府発表の七万千五百六十五人に、被災三県の仮設住宅を仮に戸当たり二・五人とすると、それだけでも二十五万人です。合わせて三十二万八千六百人になるんじゃないですか。
 七万人の避難者、そして三十万を超える避難者、この大きな違い。口では、避難者のために、被災者支援のために、何よりも復旧復興と言います。口で言いながら、肝心の、何人避難されているのか、まだつかんでいない。怠慢というよりも、これは、やるべきことをやっていない、不作為の犯罪的行為ではないですか。
 平野大臣、避難を余儀なくされている方の数さえつかんでいないなんて、被災者は泣きますよ。怒りますよ。被災者を守るべき政府の姿勢として、信じがたいことです。支援すべき被災者は七万人と堂々と発表している平野大臣の所見をお伺いいたします。
 関連して、避難所の解消についてお伺いします。
 十一月二日現在、今なお九百三十三人の方が避難所にいます。関係者のお話をお聞きしますと、来年の三月末まででも解消できないのではという声も聞きます。
 十六年前、私が経験いたしました阪神・淡路大震災では、七カ月で避難所を解消したと記憶しています。来年三月十一日になってもなお避難所は残る見込みなのですか。体育館で、教室で、公民館で、段ボールで遮った箇所でこの冬を迎えて、避難所生活をまだ送らねばならないのですか。
 避難所の解消見込みについて、平野大臣の明確な見通しをお伺いいたします。
 東日本大震災復興特別区域法案では、規制緩和の一つとして、漁業権の免許に関する特例が盛り込まれています。津波により被災した漁港や水産加工場等の復旧、漁具の回復を図ることが、現地の水産業を復興させる上で、まず基本です。被災漁業者、被災水産加工業者などの再生をしっかりと力強く支援するというのが基本なのです。
 そうした観点からすると、例えば漁港、被害額は八千二百億を超えています。今までの復旧予算二千六百億、まだまだ不足しています。
 このように復旧復興が十分でない中で、単に地元の漁業者のみでは養殖業の再建が困難との理由で安易に漁業権の特例を認めると資源管理が適正に行われないと危惧する漁業者もいます。鹿野大臣の所見を伺います。
 特区法案では、税制上の特例措置の一つとして、被災地域内の特定区域内において、新たに設備投資を行う法人、地域の雇用創出に寄与する事業を行う法人などを対象として、法人税に係る特例措置を講じることとされています。しかし、この特例は、あくまで、被災市町村の中の特定地域内であること、五年間無税とする措置は新たな立地企業に限定されるなどの厳しい要件があります。
 被災地の復興を図る上で、これらの課税の特例措置に実効性があると言えるのか、効果が本当に見込めるのか、平野大臣の所見を伺います。
 特区法案では、被災市町村が、復興整備計画に基づき、土地利用の再編等によるさまざまな復興整備事業を実施することとされています。この事業の成否が、復興がうまくいくかどうかの大きなかぎとなるでしょう。
 用地の確保、住民の合意形成、自治体の財政負担、地域のコミュニティー維持など課題山積の中、さて、復興整備事業に関し、どれぐらいの資金を要すると考えておられるのですか。また、復興整備事業の期間、目標時期について政府にお伺いいたします。
 特区法案には、著しい被害を受けた地域の復興地域づくりに必要となる事業を対象として、使い勝手のよい、自由度の高いと称されている復興交付金の創設が盛り込まれています。
 対象事業は基幹事業と効果促進事業に分かれていますが、効果促進事業については、ハード事業を対象とした基幹事業と関連する事業として位置づけられています。関連しなければだめとのことです。こうした制度設計では、地域の実情を踏まえた自由度のある復興交付金を求める被災地のニーズにこたえられていないのではないでしょうか。
 また、東日本大震災に係る災害復旧及び災害からの復興のための臨時交付金の交付に関する法律案が、これは、提出者の名前をとって、いわゆる礒崎法案とも言われている法案でございますけれども、八月、全野党の賛成により参議院において可決され、本院の総務委員会に付託されています。
 特区法案とこの法律案との関係をどのように平野大臣はとらえられていますか。また、自治体が復興のために自由に使える交付金を交付するという参議院通過法案、いわゆる礒崎法案の趣旨を踏まえれば、当然、特区法案を修正し、その内容を盛り込むべきと考えますが、どうでしょう。平野大臣の所見を伺います。
 被災地については、特区法案に基づき、復興交付金などの財政上の支援措置が講じられることとされています。
 一方、衆議院に提出されている津波防災地域づくりに関する法律案、これは我が党と公明党が出させていただいた津波基本法に基づく実施法案でございますけれども、その法律案については、被災地の復興を後押しするとともに、東海・東南海・南海地震などにより、将来津波が予想される地域にも適用される一般法と位置づけられています。
 津波への備えを被災地以外の全国で進める上で、十分な予算措置が講じられていますか。ほとんどないのではないですか。今後、被災地以外での津波対策について、どんな戦略で取り組みますか。国土交通大臣、そもそも戦略を本当にお持ちですか。その点についてお尋ねをいたします。
 最後に、答弁者にお願いいたします。
 復旧復興を加速すべきこの夏に、かかる首相をいただいたために三カ月の空白が生じてしまいました。取り返しのつかない時間です。失われた期間を取り戻すには、今までに倍する気迫でもって取り組んでもらわねばなりません。各大臣の、熱い、明確な、被災者の心に響く答弁を期待して、質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣平野達男君登壇〕
○国務大臣(平野達男君) 谷公一議員より、大きく六問の質問をちょうだいいたしております。
 まず、二重ローン問題に関連しまして、支援機構の発足のめどについての御質問がございました。
 法案は、さきの国会におきまして参議院を通過した後、これまで与野党間で協議が続けられまして、十月二十日に三党の実務者の間で合意に至りまして、十一月十五日、衆議院で、合意に基づく修正案が可決されたものと承知しております。
 政府としても既に支援機構設立準備室を立ち上げたところでございますけれども、本法案が成立した際には、政府として、速やかに機構設立に向けた手続を進め、法案の目的とする被災地の事業者の再生支援に最大限に努力してまいります。
 この設置の間までにおきましては、既に設置されている産業復興相談センターあるいは産業復興機構、これらと連携しながら二重ローン問題の解決に当たってまいりたいというふうに考えております。
 避難者の把握につきまして、厳しい御指摘をいただきました。
 政府は、これまで、全国の地方公共団体の協力を得て、それぞれの団体で把握している避難者等の数について公表してまいりました。ただし、被災三県につきましては、避難所、旅館、ホテル、親族、知人宅等への避難者等の人数は把握していましたが、仮設住宅や民間借り上げ住宅等に関しましては、入居戸数のみ把握し、人数までは把握しておりませんでした。
 私どもも、議員からも御指摘もございましたけれども、人数の把握の必要性は感じておりましたけれども、自治体は、この間、仮設住宅の建設、被災者の支援、このことに集中しておりまして、被災自治体に過重な事務負担とならないよう考慮してきた結果でもございます。どうぞ御理解を賜りたいというふうに思います。
 しかし、先週、被災三県が、仮設住宅等に合計約二十五万七千名の方がおられることを公表いたしました。この結果、これまで公表した約七万人と合わせまして、全国の避難者等の総数は約三十三万人となっております。
 今後は、被災三県の仮設住宅等の入居者数を含め、全体の数を公表してまいります。
 避難所の解消見込みについての御質問がございました。
 避難所におられる方は順次減少し、十一月十七日現在、六都県八市区町村におきまして、九カ所の避難所が開設されておりまして、七百七十七人の方が避難されております。現在、避難者を受け入れている地方公共団体や避難元の地方公共団体が、避難所におられる方の個別の事情それから意向に配慮しながら、仮設住宅や民間借り上げ住宅、公営住宅などへの移転を進めているところであります。
 避難所はできるだけ早く解消すべきだと考えておりますけれども、避難されている方の個別の事情に十分に配慮する必要もございまして、現段階において、政府として一定の期限を区切ることは必ずしも適当ではないと考えております。
 法人税の特例措置について、効果が見込めるかとの御質問をいただきました。
 復興特区制度では、被災地における投資や雇用を促進する観点から、さまざまな税制上の特例措置を講ずることとしております。これらの措置は復興産業集積区域内において適用されますが、これは、復興の円滑かつ迅速な推進のためには、政策資源及び民間投資を集中して産業集積の形成及び活性化に取り組むことがより効率的、効果的であることによるものであります。
 この復興産業集積区域は、地方公共団体が、産業集積にふさわしくない地域を除外する等、最低限の事項を考慮した上で、地域の実情を踏まえまして、産業集積の形成等を戦略的に推進すべき区域として設定するものであります。
 また、新設企業については、立ち上げ当初の経営が安定していないと考えられますことから、特に大胆な措置を講じ、創業を支援し、地域への定着を促すこととしたところでございます。一方で、既存企業につきましても、事業用設備を取得した場合の即時償却や、被災者を雇用する場合の税額控除等の適用を受けることが可能でありまして、こうした措置によって投資や雇用が促進されることを期待しております。
 いずれにせよ、必要な地域において税制上の特例が適用され、当該地域における投資や雇用が促進されるよう配慮してまいります。
 復興整備計画に基づく復興整備事業の費用、期間についての御質問をいただきました。
 復興整備事業は、被災地の自治体が復興に向けて主体的に地域づくりをするために行う事業でありまして、その費用総額等につきましては、具体的な取り組みが進んでいく中で決まっていくものであります。国としては、必要な予算が手当てされるように、しっかりと被災自治体を支援してまいるつもりでございます。
 具体的には、第三次補正予算におきまして、復興地域づくりのための資金として、復興交付金の約一兆五千六百億円を盛り込んだほか、事業の地方負担分についても、地方交付税の加算措置を講じることとしております。
 政府としては、まず、今、被災自治体が土地利用計画を含めました復興計画を策定中でございます。この復興計画の策定をしっかり後押ししまして、この復興計画にのっとった復興事業が軌道に乗るよう、全力を挙げて支援してまいりたいと考えております。
 この法案に盛り込んでいる復興交付金の効果促進事業と災害臨時交付金法案の関係についての御質問をいただきました。
 復興交付金は、さきの国会の参議院通過法案である災害臨時交付金法案の内容も参考に制度設計を行ってまいりました。
 具体的には、復興関連の市町村事業等に充てることのできる、使途の自由度の高い資金として効果促進事業を創設いたしまして、第三次補正予算において相当規模の予算額を計上しているところであります。さらに、災害臨時交付金法案の趣旨や理念を踏まえまして今後の制度設計や運用を行うこととしておりまして、被災地の幅広い復興事業ニーズにこたえてまいります。
 なお、復興特区法案及び災害臨時交付金法案の取り扱いにつきましては、現在、与野党間で協議が行われていると承知しております。政府としては、これを見守ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣自見庄三郎君登壇〕
○国務大臣(自見庄三郎君) 谷公一議員にお答えをさせていただきます。
 私的整理ガイドラインの利用については、申し出済み、または弁護士の紹介を受けて申し出に向けて準備中のものが、十一月十一日現在で、合計百八十二件と承知をいたしております。
 先生から御指摘をいただいたとおり、先般、運営委員会において、仮設住宅等に入居している個人債務者の復興を支援すべく、ガイドラインの運用の見直しを決定したところでございます。現在、これまで問い合わせのあった方々に再度連絡し、利用を御相談しております。ガイドラインの利用については、このような運用の見直しに加え、積極的な広報等を行っており、こうした取り組みにより、今後、運用の実績がふえていくものと考えております。
 できる限り多くの方々にガイドラインを利用していただけるよう、引き続き、関係者と密接に連絡し、最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣前田武志君登壇〕
○国務大臣(前田武志君) 谷公一議員から、二問いただきました。
 まず、災害公営住宅についてでございます。
 今回の被災地における災害公営住宅の整備は、高台移転などのまちづくりと一体的に行う必要があることなどから時間を要しておりますが、各県、各市町村とも、復興に向けて検討を本格化させております。
 国土交通省としても、被災各地に専門家を派遣して相談に応じるなどやっておりますが、さらには、UR都市機構等において住宅の専門家の派遣もしております。具体的には、岩手県で四千から五千戸、宮城県で一万二千戸の供給方針がそれぞれ示されているほか、福島県においても、相馬市において近々の着工が予定されております。
 国土交通省におきましては、災害公営住宅の整備に必要な情報を地方公共団体と共有するため、災害公営住宅連絡会議を開催するとともに、災害公営住宅の整備の検討に資する調査を国直轄で行うなど、整備の促進、円滑化のために、積極的な取り組みを進めております。
 また、災害各県においては、災害公営住宅の整備計画において目標、工程表を示すべく準備を進めていることから、国土交通省としても、これを積極的に支援してまいります。人員の派遣に加えて、例えば災害住宅事例集、ここには木造住宅の事例というようなものを盛り込んで、既にお送りをしているところでございます。
 次に、津波防災地域づくりについてのお尋ねでございます。
 災害には上限なし、命第一という考え方のもとに、災害時の被害を最小化するため、減災の考え方に基づき、ハードとソフトの施設を組み合わせた多重防御による津波防災地域づくりを、被災地はもとより、全国で推進することが重要と考えております。
 このため、第三次補正予算におきましては、東海・東南海・南海地震等に備えるための堤防のかさ上げ、水門の遠隔操作の自動化など、全国防災に係る予算を計上するとともに、平成二十四年度予算においても、全国で、災害に強い社会基盤整備を緊急に進めるための予算措置を重点的に盛り込んでおりますほか、社会資本整備総合交付金などの既存の予算制度の活用にも努める所存でございます。
 今後、被災地以外の地域における支援措置のさらなる充実を検討することなどによって、津波防災地域づくりを戦略的に推進してまいります。(拍手)
    〔国務大臣鹿野道彦君登壇〕
○国務大臣(鹿野道彦君) 谷議員の御質問にお答えいたします。
 まず、恒久住宅の木造化についてのお尋ねであります。
 復興に当たりまして、地域材を利用した復興住宅建設を積極的に進めることは、被災地域の雇用確保や、地元産業の活性化を通じた経済復興にも寄与することから、大変重要なことと認識いたしております。このため、第三次補正予算案に計上している復興木材安定供給対策におきまして、森林整備加速化・林業再生基金を三年間延長、積み増しし、復興住宅の建設に当たり、地域材等を利用した資材が不足することのないよう、全国的な供給体制の強化を図ることといたしているところであります。
 具体的には、今回、被災され、全壊または半壊となった住宅約三十一万戸のうち約七割が本対策により木造で建てかえられることとなる場合に必要となる木材の供給を可能としたい、このように考えているところでございます。
 災害公営住宅についても、公共建築物等木材利用促進法の趣旨にかんがみ、できるだけ木造となるよう、国土交通省とも連携をとって、積極的に取り組んでまいります。
 次に、被災地の水産業の復旧復興と漁業権の特例についてのお尋ねであります。
 被災地の水産業の復旧復興のため、一次、二次補正予算により、漁港、漁船、養殖施設、加工流通施設等の早期再開、復旧に向けた必要な事業を展開していることに加え、三次補正予算案においても、これらの事業の必要な積み増しと本格的な復興に向けた水産関係施策を四千九百八十九億円計上したところであります。
 また、三次補正予算以降におきましても、切れ目のない支援策を講じるため、二十四年度概算要求におきまして所要額を要求していることを含め、今後五年間の集中復興期間におきまして、必要な事業についてしっかり措置してまいります。
 なお、漁業権の特例の措置をしている今般の特区制度によりまして知事が免許を付与することができる法人は、全く地元に縁のない外部の企業ではなく、地元漁業者が主体の法人であり、かつ、知事が免許を付与する法人は、他の漁業者との協調に支障が生じないこと等の基準を満たした者であることとしていることから、適正な資源管理の実施が損なわれるということはないと考えております。
 いずれにいたしましても、今般の漁業権に係る特区制度は、被災地の水産業の復興のための一つの選択肢として措置するものでありまして、その運用につきましては、漁業者との話し合いの中で、免許権者である県知事におきまして適切になされるものと考えているところです。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(横路孝弘君) 高木美智代さん。
    〔高木美智代君登壇〕
○高木美智代君 公明党の高木美智代でございます。
 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました東日本大震災復興特別区域法案について質問いたします。(拍手)
 東日本大震災から、既に八カ月が過ぎました。被災地においては、多くの課題が山積し、新たな問題も次々と発生しています。被災者の方々の不安と苦しみは、厳しい冬の到来を前に、深まるばかりです。
 被災地では、法案成立が一日早ければ一日早く復興が進むと、第三次補正予算、復興特区法案、復興庁設置法案の成立を待ちわびています。本格復興に向けて、やっと今国会で提出されたわけですが、本当に、遅過ぎると言わざるを得ません。
 政府には、どこまでも被災地の方々の思いに立った早期の予算執行と復興の事業展開ができるよう、最大限の努力と強い決意を求め、法案について具体的に質問いたします。
 復興特区、復興庁の設置、復興債は、大震災からの復興のかなめとして、公明党が一貫して訴え、復興基本法に盛り込まれたものです。
 中でも、復興特区制度の早期実現に向けては、八月二十四日、政府に提言を行い、次の主要項目を提案しました。一つ、被災企業の再生と企業誘致を推進するために大胆な法人税等の特例措置を講じること、二つ、被災自治体での土地利用再編の手続を一元化すること、三つ、復興特区ごとに国と地方の協議会を設置すること、四つ、自治体が定める条例により法律上の規制を緩和、適用除外できる上書き権の特例の四点です。
 この公明党の提言の大半が盛り込まれたことは一定の評価をするところですが、この中で政府の法案に全く盛り込まれていないのが、四番目の条例による法律の上書きについてです。
 被災地の状況は千差万別です。それぞれの自治体独自の自主的な取り組みを後押しし、かつ迅速な復興を進めるためには、阻害する法律の規定を自治体が定める条例により取り除き、一日も早い復旧復興に資することが本来の目的です。
 そこで、まず、復興担当大臣に伺います。
 復興推進計画の策定や実施の過程において、この復興特区法では想定しなかった課題が出てくるはずです。その際、地方の意見、要望を柔軟に受けとめ、速やかに法改正などの法的措置や政省令等の改正などを実施して課題を解決し、地方の提案を実現させることが最も重要と考えます。
 そのために、この法律にどのような枠組みが設けられているのか、また、その実効性を確保するためにどのように取り組まれるのか、御決意とあわせて伺います。
 自治体を後押しするためには、政府のこうした取り組みだけではなく、国会が関与を強め、国を挙げて取り組むことが必要と考えます。そのための具体策として、議員の皆様に、以下の三点を提案いたします。
 第一点目は、この法律では、法や政省令等による規制の緩和が必要な場合、自治体は国と地方の協議会に対し新たな提案ができるとされております。同時に、自治体から国会に対して、同じ内容での特別の意見書を提出していただいてはいかがかと考えます。地方自治法第九十九条による通常の意見書とは別に、仮称、復興特別意見書として定め、被災自治体から国会に直接意見や提案を伝えられる手段を強化するのです。
 二点目は、国と地方の協議会に提出された新たな提案等について、国会は、政府から対応の途中経過や結果の報告を受けることとします。国会による監視機能を働かせるためです。
 そして、三点目に、地方から提出される、仮称、復興特別意見書の受け皿として、国会における特別立法チームの創設です。これは、例えば復興特別委員会のもとに特別立法小委員会として設置し、閉会中であっても常時対応できるようにします。例えば、国と地方の協議会からの報告をチェックし、立法が必要にもかかわらず処理がおくれていたり省庁の抵抗のために進まない等の場合、この小委員会が中心となって、速やかに議員立法として成立を図るというものです。
 その結果、地方自治体は、国会もしくは政府による法的措置を終えた後、必要に応じて条例を速やかに制定すればよいこととなります。
 私は、この新たなスキームを、非常時における実質的な条例の上書きであると考えます。ぜひとも、各党各会派の御賛同をいただき、実現してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 復興担当大臣、いかがでしょうか。大臣の答弁を求めます。
 復興を支える専門人材の活用、派遣について伺います。
 中小規模の自治体から、復興推進計画を初めとする三種類の計画の作成に不安の声が聞こえます。この八カ月間、不眠不休の自治体関係者を支える計画策定への人的支援が必要です。
 また、事業費規模で一兆九千三百七億円という多額の復興交付金が計上され、ハード、ソフト両面に使えるとなっていますが、道路、土地、農業農村整備などのハード面に流れやすい傾向が懸念されます。ソフト面である、新たなハザードマップ作成やまちづくりの長期的な将来展望などの事業は、専門知識を要し、手間と時間が必要となるからです。それらを支え、将来の持続的な雇用の創出にまでつなげる専門人材が不可欠です。
 このままでは、コンサルティング会社に丸投げや、悪質な企業の参入を許してしまいかねません。それらを防止し、国民の税金を正しく使うためにも、公務員、公務員OB、民間といった専門人材の活用、派遣が必要ではないでしょうか。復興担当大臣の答弁を求めます。
 先日、被災三県と茨城県の担当者にお集まりいただき、特例措置について御意見を伺ったところ、プロセスの煩雑さを指摘する声が多数寄せられました。復興特区法の実施手続の簡素化についてどのように取り組まれるのか、復興担当大臣の見解を伺います。
 路線価の変更と土地利用の再編について伺います。
 今月一日、東日本大震災による被災地の地価変動を反映した路線価が国税庁から公表されました。それによりますと、津波被害を受けた太平洋沿岸の地域は、路線価が軒並み七割を超える減少となっております。路線価の下落幅が大きいことにより、税負担が軽くなる場合もある一方で、地価相場などに影響を及ぼす懸念があります。
 高台移転などの集団移転事業や土地利用の再編のために国などが土地を買い上げる場合、今回の路線価は土地の購入価格にどのように影響するのでしょうか。また、土地の買い上げの際の価格決定は何を基準にするおつもりでしょうか。復興担当大臣の答弁を求めます。
 漁業権について伺います。
 今回の特例措置では、基準に合致する、地元漁民の七割以上を含む法人、または地元漁民七人以上で構成される法人がいない場合に、地元漁協に漁業権が付与されることになっています。漁業関係者からは、基準に合致すれば地元漁協よりも優先的に法人が漁業権を得ることになるのではないかと心配の声が上がっています。今回の特例措置の考え方について、農林水産大臣に説明を求めます。
 復興特区制度は被災地域の一日も早い復興が目的であるわけですが、盛り込まれた規制の特例措置等を、今後、多くの自治体の先例として、過疎化が進む地域を初め日本全体に普遍化すべきではないかと考えます。日本の行政のあり方として、自治体に権限を移し、地方分権を進める大きなスタートとなる試みととらえますが、官房長官の見解を伺います。
 震災復興に当たっては、復興基本法に定めた基本理念である、二十一世紀半ばにおける日本のあるべき姿を目指し、少子高齢化等の我が国が直面する課題や、人類共通の課題の解決に資するための先導的な施策への取り組みが行われるべきこと、さらには、我が党が提案した、女性、子供、障害者等を含めた多様な意見が反映されるべきことといった高い理念の実現を目指すことが定められています。
 復興特区制度では、日本の未来にプラスとなる事業を積極的に推進すべきです。例えば、再生可能エネルギーの推進や、農地の大規模化等の事業をどのようにつくっていくのでしょうか。また、現在の取り組みでできるのでしょうか。未来につながる特区をつくるための取り組みについて、官房長官に伺います。
 最後に、本法案と密接に関連する復興庁について伺います。
 復興庁設置法案で大臣を置くこととなっていますが、権限が弱い。その議論は今後の国会審議になりますが、議員修正についてどのような姿勢で臨まれるのか、官房長官のお考えを伺っておきたいと思います。
 被災地の復興は心の復興からと、私が通う福島の方たちから聞きました。みずから被災しながらも周囲を励ます方たち、不安と戦いながらも地域のために働く方たちなど、被災地の温かい、親切な、懸命な姿に触れるたび、今いる国会議員として、いつ働くのかとの決意を新たにしております。
 被災地の方たちの心に寄り添い、心に届く支援のために全力で私も働くことをお誓いし、私の質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣平野達男君登壇〕
○国務大臣(平野達男君) 高木美智代議員から、私には五問、質問をちょうだいいたしました。
 まず、地方の提案を実現させるための仕組みと実効性の確保について御質問をいただきました。
 本法律案では、法施行後、地方において必要性が認められた特例につきまして、地域の提案に基づいて、国と地方の協議会での協議を経て、迅速に追加、充実する仕組みを導入することとしております。
 国と地方の協議会は、現場本位の協議を行い、迅速に成果を得るため、現地で開催することとし、被災地の立場に立って運営することとしております。
 さらに、地域の要望の実現に向けまして、御提案申し上げている復興庁が、関係省庁に対し一段高い立場から強力なリーダーシップを発揮して対応してまいります。
 復興特区法案に関しまして、復興特別意見書、あるいは、国会の関与の強化等の実質的な条例の上書きということに関しての御提案をいただきました。
 いただいた御提案は、国会を含め、国を挙げて被災地支援を強化するためのものと受けとめさせていただきました。法案修正を伴う御提案ということでありますれば、政府としましては、法案を国会に提出した以上、その修正については国会での議論にゆだねられるものと考えております。
 なお、いわゆる条例による法律の上書きにつきましては、唯一の立法機関である国会に対して地方公共団体に立法権限の一部の移譲を求めるものであり、政府提案として国会に提出することは控えるべきとの考え方に基づき、復興特区法案には盛り込まなかったところであります。
 被災市町村への人的支援についての御質問をいただきました。
 御指摘のように、三次補正予算が成立し、特区法に基づき各種事業が実施されるに当たりまして、専門的な人材も含めまして、事業主体となる市町村への人的支援を行うことが重要でございます。
 これまでも、人的支援については、被災市町村を支援するため、国家公務員の派遣を行うとともに、地方公務員につきましても、全国市長会、全国町村会の協力を得まして、派遣の仲立ちを行ってきたところであります。
 今後必要となる事業に精通した人材につきましては、関係省庁や県とも連携しながら、被災市町村で生じる人的ニーズを把握するための取り組みを今進めているところでございまして、今後、被災市町村において必要な体制が構築できるよう、これまでの派遣システムのさらなる活用とあわせまして、全力を挙げて支援してまいります。
 実施手続の簡素化についての御質問をいただきました。
 復興に当たっては、迅速にその取り組みが進められるよう、さまざまな手続の簡素化が行われることが重要であると認識しております。
 このため、土地利用再編に伴う法手続など、さまざまな手続を簡素化する特例を設けるとともに、規制、税、財政上の特例等の適用に必要な計画については、現地に設置される復興局においてワンストップで対応することとしております。
 土地の買い上げ価格の設定についての御質問をいただきました。
 先日、国税庁が公表した路線価に係る調整率は、納税者の申告の便宜及び課税の公平等の観点から、震災の発生直後の価額を算定するために用いられるものでありまして、震災後の社会インフラ等の復旧や地域経済の回復等の状況は加味されていないことから、土地の購入価格への影響について一概には申し上げられないと考えております。
 また、防災集団移転促進事業や公共事業によりまして被災した土地を取得する場合におきましては、契約締結時における正常な取引価格で取得することとし、事業主体である地方公共団体が、適切な不動産鑑定評価などを参考に評価、決定することとなっております。
 その際、災害の発生するおそれや、災害危険区域が指定された場合の建築の禁止、制限の内容及び程度を勘案するとともに、復興計画等による土地の効用の回復の見通し等にも留意して、買い取り価格を評価、決定することになるものと考えております。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣鹿野道彦君登壇〕
○国務大臣(鹿野道彦君) 高木議員の御質問にお答えいたします。
 漁業権の特例措置の考え方についてのお尋ねでございます。
 被災地の復興に当たりましては、地元漁協のもとで、地元漁業者による復興を支援するのが基本と考えております。しかし、深刻な被害によりまして、地元漁業者のみでは資金や担い手等の確保が困難なことから、地元漁業者が主体となりつつも、外部の企業とともに復興を進めることを考えなければならない地域も存在いたします。
 このため、漁業権に係る特区制度の適用地域について、地元漁業者のみでは養殖業に必要な施設の整備や人材の確保等が困難な区域に限定した上で、現行漁業法の優先順位の規定にかかわらず、地元漁業者が主体の法人に対して、知事が直接免許を付与できるように措置いたします。
 なお、地元漁業者が主体の法人が免許申請した場合であっても、必ずそれらの者に免許を付与しなければならないというものではなく、知事の判断により、漁協に免許を付与することのできる仕組みとなっているところであります。(拍手)
    〔国務大臣藤村修君登壇〕
○国務大臣(藤村修君) 高木美智代議員にお答えをいたします。
 復興特区と地方分権、そして未来につながる特区への取り組みについて御質問をいただきました。
 復興特区制度は、地域における創意工夫を生かして行われる復興に向けた取り組みを推進することとしているものであり、高木議員のお話のとおり、地方分権を進めていく上においても大いに意義のある制度であると考えております。
 また、今回の被災地域の復興への取り組みについて、再生可能エネルギーの導入や競争力のある農業の実現など、今後日本が解決しなければならない課題を先取りして、解決する成功例を創出することが重要であると考えております。
 復興特区制度により、規制の特例や税、財政上の特例等を活用していただくとともに、さらに、国と地方の協議会等を通じて必要な特例の充実を図ることにより、こうした先進的な取り組みを支援してまいりたいと考えております。
 復興庁の権限についての御質問をいただきました。
 復興庁設置法において、復興庁は、勧告権や各省の復興関係予算の要求の調整権を含む強い総合調整権限のみならず、実施事務として、道路、病院、学校施設、漁港建設等の復興のために各省が行う補助を横断的に一括する復興交付金、各省が担う規制、制度や税制等に切り込み、その特例を実現する復興特区制度を担うなど、強力な権限を付与し、被災地のニーズにワンストップで対応できるように配慮しております。
 今後、真に被災地の支えとなる復興庁となるように、国会における御議論の結果を受けまして、真摯に対応してまいる所存でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(横路孝弘君) 高橋千鶴子さん。
    〔高橋千鶴子君登壇〕
○高橋千鶴子君 私は、日本共産党を代表し、東日本大震災復興特区法案について質問します。(拍手)
 震災から八カ月余りが過ぎました。被災自治体は、発災直後から、復興のためには特区が必要だと訴えていました。その姿がなかなか示されないばかりか、国がどこまで財政支援をするのかがわからず、復興計画や復興事業も進みませんでした。本来なら、二次補正の際に、今回の三次補正並みの予算が成立するはずだったのです。
 まして、被災者の皆さんは、仮設住宅を出た後の住まいはどうなるのか、仕事をどうするのか、日々の暮らしに必要なお金をどう工面するか、先の見通しが持てずに、不安に苦しんでいます。
 今急がれることは、被災者一人一人の生活となりわいの再建に向けた明確な道筋を示すことであり、それを被災者みずからが選び取れるようにすることです。大臣の見解を求めます。
 法案は、第一条で、被災地域住民の意向の尊重をうたっています。しかし、被災地の実情や被災者の声を反映させる仕組みは明記されていません。
 その一方で、民間企業には、規制緩和と法人税等の減免や利子補給など、参入がしやすい条件が整備されており、復興推進計画が策定される過程での意見聴取、地域協議会への参加、新たな規制の特例措置の提案権まで認めています。
 これに比べて、被災者の意向はどのように尊重されるのか。具体的にお答えください。
 復興産業集積区域において新規立地する新設企業に法人税を五年間実質的に免除するなど、税制面での特例措置を定めていますが、被災地で今現在、営業、操業している企業や商店にも、同様の扱いをするべきではありませんか。被災しながらも地元で頑張り続けてきた事業所の存続なしに、地域経済の再生などあり得ません。答弁を求めます。
 復興推進事業を実施する企業は特定地方公共団体が指定することになっていますが、安定した正規雇用の創出に結びつくよう、指定要件の厳格化などの措置が必要です。五年間の特例措置の期限が過ぎれば企業が撤退する可能性もありますが、指定企業の身勝手な撤退やリストラを防ぐための歯どめ策が必要と考えます。答弁を求めます。
 特区法に列記された特例措置の一番目が、漁業法の特例であります。
 沿岸漁場の漁業権が漁協に優先的に与えられているのは、紛争回避と資源管理のために、利用する漁業関係者が漁場をみんなで管理するという考え方に立って、歴史的に確立されてきたものであります。その漁業権を漁協の頭越しに民間企業に与えようという特例に対し、全漁連を初め多くの漁業者が、浜の秩序を崩壊させると怒りの声を上げています。
 現行の漁業法でも民間企業が養殖漁業を営むことは可能であり、そうした事例も存在します。しかも、法案には、民間企業が地域協議会を通じて新たな特例措置が提案できる仕組みもあるのです。漁業法の特例を認めた第十四条は削除するべきではありませんか。答弁を求めます。
 次に、条例による政省令の変更を認める特例措置についてです。
 法案は、政令等で規定された規制の特例措置として、医療機関の医療従事者の配置基準や、介護施設等に対する医師の配置基準を弾力的に対応できることとしています。
 被災地では、十分な体制が確保できず、弾力化の要望が出ていることは承知しています。しかし、医療従事者の労働条件改善と利用者の安全確保は表裏一体であり、これ以上放置できない問題です。一刻も早く通常の基準に見合う体制を確保できるよう、報酬単価の引き上げなどの措置を行うべきではありませんか。
 なお、体制確保が困難なことに対し、診療報酬をカットするなど、制裁的な措置はやるべきではありません。答弁を求めます。
 総合特区法案の立案の際には、条例によって地域限定で医療法や薬事法などの法律を書きかえる条項を盛り込むことが検討されましたが、法案化されませんでした。政府は、国の定めた法律を条例で書きかえる仕組みを導入するのは憲法上困難と繰り返し答弁しています。にもかかわらず、総合特区法でできなかった条例による法律の書きかえ、いわゆる上書き権を復興特区法案に盛り込もうという議論が絶えません。
 上書き権は認めるべきではないし、法律ではなく政省令ならよいということについても、慎重であるべきです。
 例えば、医療機器の製造販売業などの許可基準を緩和するという薬事法の省令改正の特例措置が盛り込まれました。政府は、TPP交渉をめぐる議論の中で、公的医療保険制度を守ると繰り返し述べてきましたが、医療特区構想などを通して、混合診療など制度の根本に穴をあけてはならないと思いますが、見解を伺います。
 次に、復興交付金事業についてです。
 これは、補助要件の緩和や自治体負担の大幅な軽減を図り、さまざまな復興事業を推進しようとするもので、被災地の強い要望にこたえたものだと思います。
 その上で、例えば防災集団移転促進事業では、自治体負担の軽減や、これまで対象外だった病院など公益的施設の用地造成も支援対象となりました。しかし、幾ら自治体の負担が軽減されても、移転先の住宅購入費用などの個人負担が重く、事業そのものが進まないのが実情です。被災者生活再建支援金の大幅な引き上げを含め、住宅再建に対する被災者個人の負担を軽減する措置がどうしても必要です。政府の見解を伺います。
 最後に、福島県においては、県内外合わせて十五万人とも言われる避難されている方たちを初め、すべての県民、原発被災者の生活とふるさとの再生のために道筋を示すとともに、全面的な制度・財政保障を明記した特措法制定が求められます。来年の通常国会に提出されると聞いていますが、その意義、内容について伺います。
 以上、寒さの冬に向かう被災地に希望が見えるよう、政府の力強い答弁を求め、質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣平野達男君登壇〕
○国務大臣(平野達男君) 高橋千鶴子議員より、七問、質問をちょうだいいたしました。
 まず、被災者の生活再建についての御質問をいただきました。
 政府は、これまで、地元自治体とも協力して、被災者の生活支援に全力で取り組んでまいりました。
 具体的には、被災者生活再建支援金を円滑に支給するため、第一次補正で五百二十億円を、第二次補正で三千億円を計上するとともに、東日本大震災の特別措置として、国の負担割合を八割に引き上げました。
 雇用機会の創出につきましては、厚生労働省を中心に「日本はひとつ」しごとプロジェクトをつくりまして、重点分野雇用創造事業の基金を積み増しし、被災者による高齢者の見守りや瓦れき処理など、働く場所を確保してきたところであります。
 さらに、例えば水産業につきまして、漁港の早期復旧や加工流通施設の整備に対する支援を実施し、中小企業についても、施設設備への補助や、仮設店舗・工場の貸し付けなどの、これまでにない支援措置を講じてまいりました。
 今後は、本格的な安定雇用を生み出すため、産業政策と一体となった雇用面での支援や、若者、女性、高齢者、障害者の雇用機会の確保に取り組むこととしております。加えて、地方自治体が行う復興計画の策定を全力で支援し、災害復興住宅の建設や高台移転の推進について支援をしてまいります。
 政府としては、今後も引き続き、被災者の生活支援に全力で取り組んでまいります。
 被災者の意向はどのように尊重されるかとの御質問をいただきました。
 復興の主体は、地域住民と被災自治体でございます。本法案においては、さまざまな特例を適用するための計画作成や新たな特例の提案を行う主体を、地域住民の意向を把握し、地域住民に対して責任を負う主体である地方公共団体としているところであります。地方公共団体は、復興推進計画を策定する際には、地域住民の意向を十分に聞いて、これを反映させるものと考えております。
 既存企業へ新設企業と同様の税制上の特例措置を講じるべきとの御質問をいただきました。
 新設企業については、立ち上げ当初の経営が安定していないと考えられますことから、特に大胆な措置を講じ、創業を支援し、地域への定着を促すこととしたところでございます。
 一方で、既存企業につきましても、事業用設備を取得した場合の即時償却や、被災者を雇用する場合の税額控除等の適用を受けることが可能でありまして、こうした措置によって、既存企業による投資や雇用が促進されることを期待しております。
 税制上の特例措置を講じた企業に対して、雇用を維持させるためのルールが必要との御質問をいただきました。
 企業が税制上の特例措置を受けるためには、計画の認定を受けた地方公共団体の指定を受ける必要がありますが、地方公共団体は、復興推進計画に適合する事業を適正かつ確実に実施し、雇用機会の確保に寄与することが見込まれる企業を指定することとなっております。
 また、地方公共団体は、指定した旨の公表を義務づけられておりまして、指定を受け税制上の特例措置が講じられた企業は、地域の各方面から雇用機会の確保等の責務を果たすことが求められることになります。
 これらの措置により、指定を受け税制上の特例措置が講じられた企業が適正に事業を実施し、そのことを通じて雇用機会がより確保されることになると考えております。
 いわゆる上書き権は認めるべきではないし、政省令改正の特例措置についても慎重であるべきとの御質問をいただきました。
 本法案では、いわゆる条例による法律の上書きにつきましては、唯一の立法機関である国会に対して地方公共団体に立法権限の一部の移譲を求めるものでありまして、政府提案として国会に提出することは控えるべきとの考え方に基づきまして、同法案には盛り込まなかったものであります。
 また、本法案では、政令または省令で定めるところによりまして、条例で規制の特例措置を定めることができる仕組みを創設することとしておりますが、この仕組みは、地域住民に対して責任を有する地方公共団体の提案に基づき、国と地方の協議会で協議、検討が行われ、特例を認めることが必要になった事項について適用されるものであります。
 被災者の住宅再建についての御質問をいただきました。
 東日本大震災で住宅を失われた被災者の方々の住宅の再建を支援していくことは、被災地の復興を進めていく上で重要な課題であると考えております。
 このため、自力で住宅を確保することが困難な方につきましては災害公営住宅の供給を進めるとともに、自力で住宅を再建しようとする方に対しては、新たに住宅を建設する場合の住宅金融支援機構の災害復興住宅融資につきまして、当初五年間は金利をゼロにするなどの金利引き下げなどの措置を行っているところでございます。
 御指摘の被災者生活再建支援金の支給限度額の引き上げにつきましては、他の災害との公平性などに配慮する必要があると考えておりますが、その円滑な支給を確保する観点から、第一次補正では五百二十億円を、第二次補正で三千億円を計上するとともに、東日本大震災の特別措置として、国の負担割合を八割に引き上げる措置を講じているところでございます。
 今後とも、こうした措置により、被災者の住宅の再建を支援してまいる所存であります。
 最後に、福島再生のための特別法制定についての御質問をいただきました。
 御承知のように、福島県は前例のない原子力災害に見舞われております。原発周辺地域の多くの方々が全国への避難を余儀なくされ、また、放射線による健康に対する不安を感じながら、日々生活をされております。いわゆる風評被害が、観光、農林水産業、さらには企業立地などの面でも広範に広がるなど、甚大な被害をこうむっております。
 このため、原子力事故に起因する他の被災地と異なる事情につきましては、別途の考慮を行いまして、それに応じた対策を講じる必要があると考えております。
 福島再生のための特別法につきましては、原子力災害からの福島復興再生協議会において福島県から御要望いただいておりまして、法案について、次期通常国会に提出できるよう、現在、内容の検討を進めているところでございます。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣小宮山洋子君登壇〕
○国務大臣(小宮山洋子君) 被災地の医療機関などの医師の配置と診療報酬についてですが、被災地の医師不足の状況に対応し、医療の提供体制を確保するため、被災地の医療機関や介護施設の医師基準の特例などを復興特区法案関連の省令に規定することを検討しています。
 被災地の診療報酬を引き上げることについては、中央社会保険医療協議会でも御議論いただいています。その中では、診療報酬は診療が行われた場合に算定できるものであり、被災地に対する支援という意味で効果が限定的であること、結果的に患者や保険者の負担の増加につながるといった慎重な意見がありました。
 なお、看護師の不足等、被災地で診療に尽力されている医療機関の状況に応じて、これまでも診療報酬の緩和措置を設けてきています。今後の対応については、被災地の状況を見ながら検討したいと考えています。
 被災地の特例措置と混合診療などの医療保険制度についてですが、復興特区法関連の薬事法の省令の特例措置については、医療機器製造販売業者等の許可基準のうち、現場責任者の実務経験に関する要件三年の緩和を検討しています。
 被災地での特例措置を設ける場合にも、公的医療保険制度を維持し、安心、安全な医療を守れるようにしていきたいと考えています。
 例えば、お尋ねのような、被災地で混合診療を解禁することについては、患者負担が不当に拡大するおそれがあり、所得の差によって受けるサービスに差が生じるおそれがある、また、安全性、有効性等が確認されていない医療を助長するおそれがあることなどから、適切ではないと考えています。(拍手)
    〔国務大臣鹿野道彦君登壇〕
○国務大臣(鹿野道彦君) 高橋議員から、漁業権の特例についてのお尋ねであります。
 被災地の復興に当たりましては、現行の漁業法では免許付与の優先順位が最も高い地元漁協のもとで、地元漁業者による復興を支援することが基本と考えております。しかし、深刻な被害によりまして、地元漁業者のみでは資金や担い手等の確保が困難なことから、地元漁業者が主体となりつつも、外部の企業とともに復興を進めることを考えなければならない地域も存在いたします。
 本法案におきましては、復興推進計画の区域におきまして新たな規制の特例措置等の適用を受けて事業を実施しようとする者は、地方公共団体に対して内閣総理大臣に提案するよう要請することができることとされておりますが、既に、宮城県知事から、漁業法の特例の規定の創設を強く求められているところであります。
 このため、本法案の中に漁業法の特例を設けることとし、漁業権に係る特区制度の適用地域について、地元漁業者のみでは養殖業に必要な施設の整備や人材の確保等が困難な区域に限定した上で、現行漁業法の優先順位の規定にかかわらず、地元漁業者が主体の法人に対して、知事が直接免許を付与できるようにしたものであります。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(横路孝弘君) 吉泉秀男君。
    〔吉泉秀男君登壇〕
○吉泉秀男君 社会民主党の吉泉秀男です。
 私は、社会民主党・市民連合を代表して、提案されている東日本大震災復興特別区域法案に対する質問を行います。(拍手)
 早速質問に入ります。
 法案の第一条の「目的」に、東日本大震災からの復興は、「被災地域の住民の意向が尊重され、地域における創意工夫を生かして行われるべき」と明記されています。被災地では、特区を活用して復興に向けた意欲と同時に、漁業関係者初め各方面から、この法案に対する批判もまた出てきております。
 この法案を作成する過程で、政府は、被災地域住民の声、地域の状況をどのように酌み上げながら、法案にどう反映してきたのか、作成過程について復興担当大臣にお伺いをいたします。
 また、被災地域住民の意向が尊重される、この規定は法的にどのように担保されるのか、具体的に示していただきたいと存じます。
 次に、復興構想会議は、復興への提言の中で、東日本一体となった復興を提言してきました。しかし、特区法案の対象地域は、被災三県を初め十一道県に限定をされております。東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律に基づく政令で決まった地域、こういう説明をしておりますが、私には、全体で復興をなし遂げなければならないのに、秋田県、山形県、この二県だけが対象外になる、こういう状況については理解ができません。秋田県、山形県も被災県でございます。
 被災者の受け入れや瓦れきの広域処理、再生エネルギーなど、新しい東北に向けてすべての県があらゆる努力をしながら取り組んでいる状況からするならば、特区対象を東日本全体とすべきと思うのですが、復興担当大臣の見解をお伺いいたします。
 次に、特定区画漁業権免許事業について質問いたします。
 知事による免許審査の特例法定基準に、五つの基準が挙げられています。漁業関係者からは、養殖業の企業の参入は現行漁業法のもとでも可能であり、現に既に参入例もかなりあるのに、この特例で何をやろうとしているのかわからない、こういう批判が出ております。そしてまた、今までとどこがどう違ってくるのかわからない、混乱するだけである、また、この特例で参入する法人が出れば、同じ漁場で違うルールが認められることになり、漁村地域のコミュニティーのきずなが壊れる、分断する、こういう戸惑いの声が出ております。これまでやってきたことが、まさにけんかも出てくる、こういう言い方も出ています。
 なぜ特例を設けなければならないのか、特例を設けることによって現行の漁業法とどこにどう違いが出てくるのか、農林水産大臣と復興担当大臣に具体的な説明を求めます。
 次に、農地法等の特例等について伺います。
 今、高台移転などの集団移転促進、農地の集約などについて、被災者に事実上の強制が働くのではないか、こういう危惧をする声が出てきております。復興まちづくりを進めていく場合、迅速な土地利用再編は一番重要でありますが、資産価値の違う宅地と農地を一体的に交換しなければならない、こういう状況、さらにはいろいろな課題がございます。その場合、被災者や地権者の同意や協力を得られないときに、強制的な力、こういう部分が出てくるのではないかという心配でございます。
 こういうことに対して、復興担当大臣並びに農林水産大臣の見解をお伺いいたします。
 最後に、復興交付金が設けられ、費用はすべて国が負担し、事業の上限をなくすなど、従来の災害復興の仕組みからは大きく踏み込んだ内容になっております。特に、復旧復興をなし遂げるには、都市計画など専門的な知識や経験を持った人材が必要でございます。しかし、専門的、技術的な職員を抱えているのは、各自治体に数人しかいないのでございます。
 復興の人的支援について、各自治体にこれまでお願いもしながら対応してきたんだろうというふうに思うわけでございますけれども、最後に、この人的支援について復興担当大臣に質問させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣平野達男君登壇〕
○国務大臣(平野達男君) 吉泉秀男議員から、五問、質問をいただいております。
 まず、被災地域の声をどのように酌み上げ、法案に反映させたのか、また、被災地域住民の意向を法的にどのように担保するのかとの御質問をいただきました。
 復興特区制度につきましては、被災以来、私を含め政府関係者で現地に出向きまして意見交換を行うとともに、文書で被災地域から要望や意見を募集して制度設計を進めまして、法案を作成いたしております。これによりまして、被災地域の自治体及び住民の意見を反映できたと考えております。
 また、被災地域住民の意向の尊重の担保についてでありますが、本法案においては、さまざまな特例を適用するための計画作成や新たな特例の提案を行う主体を、地域住民の意向を把握し、地域住民に対して責任を負う主体である地方公共団体としているところでありまして、地域住民の意向がこれによって反映されるものと考えております。
 山形県や秋田県についても対象地域とするなどの目配りが必要なのではないかとの御質問をいただきました。
 本法案では、東日本大震災で一定の被害が生じた地域について、規制、手続の特例、税、財政、金融上の支援措置を講じることによりましてその復興を推進するため、震災により一定の被害が生じた区域を定めている財特法の特定被災区域等である十一道県の二百二十二市町村を対象区域としているところでございます。
 しかしながら、こうした地域の復旧復興に当たりましては、周辺の山形県、秋田県あるいは全国の県の被災者の受け入れ、あるいはさまざまな支援なくして復旧復興は進みません。山形県や秋田県等被災者を受け入れていただいている自治体につきましては、災害救助法の国庫負担及び地方財政措置の対象とし、自治体の負担とならないように措置をしているところであります。
 また、七月に決定した東日本大震災からの復興の基本方針において、「東北地方の有する多様性や潜在力を最大限活かし、一体となって取り組むことにより、新しい東北の姿を創出する」等々とされていることを踏まえまして、例えば農業関係につきましては、被災三県以外の関係者を含めた協議会を設置し、被災地における食料の物流拠点の整備を行うことによりまして、東北地域全体での食料供給機能の強化を図ることとしております。
 特定区画漁業権免許事業を設ける必要性及び現行漁業法との違いについての御質問をいただきました。
 被災地の復興に当たりましては、地元漁協のもとで、地元漁業者による復興を支援するのが基本であります。しかしながら、深刻な被害により、地元漁業者のみでは資金や担い手等の確保が困難なことから、地元漁業者が主体となりつつも、外部の企業とともに復興を進めることを考えなければならない地域も存在しているところであります。
 このため、特定区画漁業権に係る特区制度の適用地域につきましては、地元漁業者のみでは養殖業に必要な施設の整備や人材の確保等が困難な場合に限定した上で、漁協を第一順位とする現行漁業法の優先順位の規定にかかわらず、地元漁業者が主体の法人に対し、知事が直接免許を付与できるものとする特例を設けたところでございます。
 農地法の特例等に関しまして、被災者の意向が無視される形で農地等が転用されるのではないかという御質問をいただきました。
 まず、復興推進計画において食料供給等施設整備事業が位置づけられた場合には、農地転用や森林の開発許可の特例が講じられることとなりますけれども、施設の設置に当たっては、土地の所有者の合意なしに農地の転用等がなされることはないものと考えております。
 また、復興整備計画を通じて農地法等に係る許認可等の特例が講じられる場合においても、市町村は、計画を作成するに当たりまして、公聴会の開催等、被災者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとなっております。
 したがいまして、農地等の転用に当たっては、被災地の住民の意見が十分反映される形で計画が策定されるものと考えております。
 最後に、被災市町村への人的支援についての御質問をいただきました。
 御指摘のように、三次補正予算が成立し、特区法に基づき、まちづくり関係の各種事業が実施されるに当たりまして、専門的人材も含め、事業主体となる市町村への人的支援を行うことが重要でございます。
 これまでも、人的支援については、被災市町村を支援するため、国家公務員の派遣を行うとともに、地方公務員についても、全国市長会、全国町村会の協力を得まして、派遣の仲立ちを行ってきたところであります。
 今後必要となるまちづくり事業に精通した人材につきましては、関係省庁や県とも連携しながら、被災市町村で生じる人的ニーズを把握するための取り組みを進めているところでございまして、今後、被災市町村において必要な体制が構築できるよう、これまでの派遣システムのさらなる活用とあわせまして、全力を挙げて支援してまいります。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣鹿野道彦君登壇〕
○国務大臣(鹿野道彦君) 吉泉議員からは、まず、特定区画漁業権免許事業についてのお尋ねであります。
 被災地の復興に当たりましては、地元漁協のもとで、地元漁業者による復興を支援することが基本と考えております。しかし、深刻な被害によりまして、地元漁業者のみでは資金や担い手等の確保が困難なことから、地元漁業者が主体となりつつも、外部の企業とともに復興を進めることを考えなければならない地域も存在いたします。
 このため、漁業権に係る特区制度の適用地域について、地元漁業者のみでは養殖業に必要な施設の整備や人材の確保等が困難な区域に限定した上で、地元漁協を第一順位とする現行漁業法の優先順位の規定にかかわらず、地元漁業者が主体の法人に対して、知事が直接免許を付与できるようにするということでございます。
 次に、農地法等の特例等についてのお尋ねであります。
 本法案に基づく復興推進計画によりまして農地転用や森林の開発許可の特例が講じられる場合であっても、施設の立地に当たっては土地の所有者の合意を得る必要があることから、所有者の意向に反する形で農地転用等が行われることはないと考えているところでございます。
 また、復興のためのまちづくりプランである復興整備計画におきましては、農地法等の特例が講じられる場合にも、計画作成に当たっての公聴会の開催、土地利用計画の見直し案を二週間縦覧すること、復興整備協議会の構成者に被災者を加えることなどにより、被災者の意向を反映させる仕組みといたしているところでございます。
 したがって、被災者の意見を十分反映する形で復興推進計画や復興整備計画が実施されるものと考えているところでございます。(拍手)
○議長(横路孝弘君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
○議長(横路孝弘君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時一分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       文部科学大臣  中川 正春君
       厚生労働大臣  小宮山洋子君
       農林水産大臣  鹿野 道彦君
       国土交通大臣  前田 武志君
       国務大臣    自見庄三郎君
       国務大臣    平野 達男君
       国務大臣    藤村  修君
 出席副大臣
       内閣府副大臣  後藤  斎君