第179回国会 財務金融委員会 第4号
平成二十三年十一月十八日(金曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 海江田万里君
   理事 網屋 信介君 理事 泉  健太君
   理事 岸本 周平君 理事 寺田  学君
   理事 豊田潤多郎君 理事 竹下  亘君
   理事 山口 俊一君 理事 竹内  譲君
      五十嵐文彦君    磯谷香代子君
      打越あかし君    江端 貴子君
      小原  舞君    緒方林太郎君
      大串 博志君    岡田 康裕君
      勝又恒一郎君    木内 孝胤君
      楠田 大蔵君    小山 展弘君
      近藤 和也君   斎藤やすのり君
      菅川  洋君    鈴木 克昌君
      仁木 博文君    藤田 大助君
      藤田 憲彦君    古本伸一郎君
      三谷 光男君    三村 和也君
      森本 和義君    山田 良司君
      齋藤  健君    徳田  毅君
      丹羽 秀樹君    松浪 健太君
      三ッ矢憲生君    村田 吉隆君
      山本 幸三君    斉藤 鉄夫君
      佐々木憲昭君
    …………………………………
   財務大臣         安住  淳君
   内閣府副大臣       石田 勝之君
   財務副大臣        五十嵐文彦君
   内閣府大臣政務官     大串 博志君
   財務大臣政務官      三谷 光男君
   政府参考人
   (財務省主税局長)    古谷 一之君
   政府参考人
   (財務省理財局長)    田中 一穂君
   政府参考人
   (国税庁次長)      岡本 榮一君
   参考人
   (日本銀行理事)     雨宮 正佳君
   参考人
   (日本たばこ産業株式会社代表取締役副社長)    志水 雅一君
   財務金融委員会専門員   北村 治則君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月十八日
 辞任         補欠選任
  小野塚勝俊君     磯谷香代子君
  大串 博志君     小原  舞君
  中林美恵子君     山田 良司君
  森本 和義君     藤田 大助君
  丹羽 秀樹君     徳田  毅君
  西村 康稔君     松浪 健太君
同日
 辞任         補欠選任
  磯谷香代子君     小野塚勝俊君
  小原  舞君     打越あかし君
  藤田 大助君     森本 和義君
  山田 良司君     仁木 博文君
  徳田  毅君     丹羽 秀樹君
  松浪 健太君     西村 康稔君
同日
 辞任         補欠選任
  打越あかし君     勝又恒一郎君
  仁木 博文君     中林美恵子君
同日
 辞任         補欠選任
  勝又恒一郎君     大串 博志君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出、第百七十七回国会閣法第二号)
 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法案(内閣提出第四号)
     ――――◇―――――
○海江田委員長 これより会議を開きます。
 第百七十七回国会、内閣提出、経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案は、第百七十七回国会におきまして趣旨の説明を聴取した後、審査に入り、また、去る六月十日、本院の承諾を得て内閣により修正されましたので、修正の趣旨の説明を聴取した後、審査を行い、継続審査となっておりました。
 今国会におきましては、去る十月二十八日、内閣から本案の修正について本院の承諾を得たい旨の申し出があり、同日、本院はこれを承諾いたしました。
 この際、本案について、改めて趣旨の説明を聴取いたします。財務大臣安住淳君。
    ―――――――――――――
 経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○安住国務大臣 おはようございます。
 ただいま議題となりました経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 政府は、経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図る観点から、個人所得課税、法人課税、資産課税、消費課税、納税環境整備について所要の措置を講ずるため、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして、御説明申し上げます。
 第一に、個人所得課税について、給与所得控除の上限設定及び役員給与等に係る給与所得控除の縮減、成年扶養控除の対象の見直し等を行うこととしております。
 第二に、法人課税について、法人税の基本税率及び中小企業社等の軽減税率の引き下げ、これにあわせた課税ベースの拡大等を行うことにしております。
 第三に、資産課税について、相続税の基礎控除の引き下げ及び最高税率の引き上げ等の税率構造の見直し等を行うこととしております。
 第四に、消費課税について、地球温暖化対策のための課税の特例を創設することとしております。
 第五に、納税環境整備について、更正の請求期間を延長する等の措置を講ずることにしております。
 以上が、経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容であります。
 なお、本法律案については、これまで御審議をいただいていたもののうち、施行日等について所要の修正を加えるとともに、国税通則法の改正規定中題名及び目的の改正、納税者権利憲章の作成並びに新たな税務調査手続の追加に係る規定については削除すること等としております。この法律案に所要の修正を加えることについては、十月二十八日に本会議の御承諾をいただきました。
 何とぞ早急に御審議くださいますようお願いを申し上げます。
○海江田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○海江田委員長 第百七十七回国会、内閣提出、経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案及び内閣提出、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法案の両案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、参考人として日本銀行理事雨宮正佳君、日本たばこ産業株式会社代表取締役副社長志水雅一君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として財務省主税局長古谷一之君、理財局長田中一穂君、国税庁次長岡本榮一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○海江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○海江田委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。菅川洋君。
○菅川委員 おはようございます。民主党の菅川洋です。本日は、質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
 まず、復興財源について質問をさせていただきたいと思います。
 現在、日本は、デフレ、円高によりまして、非常に経営環境が厳しい状態にあります。また、ヨーロッパにおきましては、ギリシャの財政問題、またイタリア、スペインなどEU各国にこの財政問題が飛び火し、ヨーロッパ全体でソブリンリスクを抱えている状況にあります。また、アメリカも同じような状況でありますし、さらには新興国においても経済成長のスピードが鈍化しているという、世界じゅうどこを見ても厳しい環境にあります。そんな中、日本においてこれから増税を行うということに対しまして、本当に大丈夫だろうかと非常に不安を感じているところでもあります。
 しかし、あの三月十一日の大震災による被災地の復興については一日も早く行っていかなければなりませんし、そのための道筋をつけていく、これは必要なことであると思っております。そのための予算については現在参議院で審議しているところでもありますが、この予算を執行するための財源についても責任を持って考える必要があると思っております。
 当初は、復興債を発行して、それによりまして財源を確保する。さらには、この復興債、最終的には償還していかなければなりませんので、償還財源をつくっていかなければならないわけでありますが、さきの通常国会において成立しました復興基本法において、復興債を発行する際に償還財源の見通しを立てるということになっております。
 そこで、今回の法案になるわけでありますけれども、所得税、住民税、法人税で新たな負担を、期限つきでありますが、お願いすることとなります。税の負担をしていただくということになるわけでありますけれども、大臣として、この税の負担をお願いしたときに景気への影響というものはどのようなものがあるとお考えなのか、お聞かせください。
○安住国務大臣 増税をお願いするというのは本当に心苦しいことでございます。できるだけ減税をして、本当であればその分をまた経済活動に使っていただくということも経済的にはやはり重要なことであるということは十分認識はしておりますが、今、菅川さんからお話がありましたように、我が国の今の財政状況、そしてそこにあの未曾有の大震災、十年で総額二十三兆、今積算しているものだけでもそれぐらいかかる。そういう中で、これを安易にまた国債を発行するということになれば、当然、財政悪化は避けられません。
 そこで、一次、二次、三次と、与野党での協議もさせていただきながら、できるだけ償還に伴う財源をきちっとつくっていく。それから税外収入等、そして予算の組み替え等、無駄の削減ですね。また、基本政策にかかわりますけれども、子ども手当等については支給の見直し等で何とか財源を捻出してやりくりをしてきたという状況がございます。
 経済に対する影響についてはさまざまな御指摘がありますが、他方で、やはり増税による影響はある一方で、復興需要というものも十分見込まれます。経済成長率そのものについて言えば、実質では復興の関係の国内内需で二%ぐらいの成長は見込まれるということでございますので、トータルで見れば、所得税、法人税、また地方に関係する税で、これは毎年、二十五年ということになりましたけれども、その分の増税分は十分、成長は上回れるのではないかというふうに私どもは思っております。
○菅川委員 今のお話の中にあったとおり、復興に対するさまざまな施策を打ちますと、私自身も、そういった意味では経済に対してプラスの面はあると思っております。
 また、今回、法人税につきましては付加税を課すということになっております。ただ、二十三年度の税制改正に積み残しがありまして、これは税率の引き下げを行った上でこの付加税を課すということになりますので、実質的には現状と変わらない、むしろ多少は引き下がるのではないかと思っておりますし、また、三年間の期間限定ということで、法人に対してはさほど影響はないのかなという感じに思っております。
 ただ、そうはいいましても、個人の方を私は少し心配しておりまして、今話が出ている中では、所得税で二十五年、住民税で十年という期間、皆さん方に、個人に負担をお願いするということになっております。現在の個人の所得は非常に厳しい状況でありますので、給料がふえない、また、その中で年金保険料などの負担がふえている、実質的には使えるお金というものが減っている状況にありますので、そんな中で負担をお願いするということは、個人消費などへの影響が多少出てくるのではないかと思っております。
 ただ、この付加税をお願いする期間につきましては平成二十五年からということになっておりますので、今から一年少しかけて景気の立て直しというものをしっかり行って、個人の方の不安を払拭していくということにも取り組んでいかなければならないと私は思っておりますが、景気対策につきまして大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。
○安住国務大臣 今回の引き上げというのは所得に付加をする形になりますが、二十五年で割れば二%ちょっとになりますので、標準世帯というのをどういうふうに見るかによりますけれども、大体五百万円で御家族がお子さん二人ぐらいですと、月にすれば二百円いかないというぐらいの御負担でございます。
 これでも大変な重さじゃないかというふうな御指摘もあるかもしれませんが、そういう点では、できるだけ課税を平準化して長くすることで、経済的な痛みといいますか、それを少し和らげる工夫というのは与野党の知恵でお互いできたのではないか。これは政治判断として我々としては受け入れていかないといけないと思います。
 他方、限られた財源ではありますけれども、我が国の構造改革、少子高齢化の中でどうやって経済成長を果たしていくかというのは、やはり我々の政権にとっても非常に重要な課題であるというふうに思っています。ですから、成長分野に対して、いかに雇用を獲得して、その成長分野をふやしていくか。
 往々にして、旧来型の経済構造から、特に地方はなかなか脱し切れていない面がありますので、国の公共投資が減るとそのまま景気が落ち込む、まだそういう状況というのは多分、例えば広島でも私どもの地元でも続いていると思うんですね。これをやはり何かの形で民が引っ張っていくという形に変えていくというふうな政策運営も重要ではないかというふうに思っております。
○菅川委員 確かに年間の負担というものは非常に小さいものかもしれませんけれども、やはり心理的に働くものもあると思っておりますし、また、景気の状況、日本だけでなく世界じゅうでも厳しい環境でありますので、しっかりとその辺の状況を見ていただきまして、逐次いろいろな政策を打って、この国での生活というものを支えていただきたいと思っております。
 次に、平成二十三年度税制改正の積み残し分がありまして、その分の納税環境整備についてお伺いをしたいと思います。
 今回の修正の際に、当初ありました納税者権利憲章が外されたのは非常に残念に思っておりますが、それでもまだ、更正の請求期間が今まで一年しかなくて、それを過ぎますと課税庁に対して嘆願書という、いかにも前近代的な慣習が残っていたわけでありますが、こういったものをなくすのに、更正の請求期間を五年へ延ばすというような規定もありますし、また、税務調査の手続につきまして、今までは通達等で行われていたものが法制化されることになると思っております。
 この税務調査手続についてですが、そもそも平成二十三年度税制改正におきまして法制化するということに至った理由につきまして、五十嵐副大臣にお伺いしたいと思います。
○五十嵐副大臣 御質問ありがとうございます。
 今般の改正法案におきましては、税務調査につきまして、これまでも運用上は行われてきたわけでございますが、調査に先立つ事前通知や調査結果の説明等について法律上明確化することといたしております。菅川議員の御指摘のとおりでございますが、今回の措置を講じることにより、税務調査手続の透明性を高める、ひいては税制に対する国民、納税者の信頼の一層の向上につながるということを期待して、こうした改正を法令上明確化するということでございます。
○菅川委員 五十嵐副大臣のお話にありましたとおり、今まで運用でやっていたものを法律化するということでありますので、税務の現場ではそのように大きな負担にはならないのかなと思っておりますけれども、今非常に日本の中でもグローバル化が進んでいまして、けさの新聞でも、海外の事案、情報が随分入ってくることになって摘発できるようになったというような話もあるとおり、国外からの話というものが結構ふえているのではないかと思っています。
 そんな中で、税務調査についても、今までは運用でやっていた。この運用でやっていたものを、特に外国法人なんかは本社に伝える際に、日本は運用でやっているんだ、法律的な裏づけはないんだというようなことでは調査の際に非常に困ることだと思っておりますので、今回、そういった意味で法的担保ができたということは、日本の税制も一歩グローバルスタンダードに向かっていっているのかなという気はしております。
 ただ、このグローバルスタンダードを考えたときに、やはり、最初にお話ししました、残念だと申し上げました、納税者権利憲章について今回削除されたことについては残念に思っています。
 二月に質問させていただいたときも、OECDの加盟国の中で多くの国がこの納税者権利憲章を導入しておりまして、日本はまだこの憲章の制定がされておりません。日本の中でまだまだ理解が進んでいない部分があるのかもしれませんけれども、このなかなか理解が進んでいない点というのはやはり、名前が権利憲章ということになっていますので、あたかも新たな権利を納税者に与えるかのような印象があるのではないかと思っています。
 しかし、もともとの法律の文章の中を見てみましても、申告納税方式による国税等の納付の方式であるとか納付手続の方法、還付のあり方、延滞税、利子税、加算税、こういったもともと法律に決まっているものをそれこそ納税者にわかりやすい文章で提示するというものがこの権利憲章の中心であって、強いてつけ加えるということを言いますと、納税者からの照会、相談、苦情、こういったことへの対応、情報提供、こういったものを積極的にしっかりやりなさいということがつけ加わっているぐらいではないかと思っているのです。
 この権利憲章の今回の中身というものは、法律にある文章がそのまま明文化される、わかりやすくなるというようなことではないかと思っているんですけれども、御認識を。
○五十嵐副大臣 ありがとうございます。
 結論から申しますと、菅川委員のおっしゃるとおりでございます。
 納税者権利憲章、諸外国で、多くの国で制定をされておりまして、日本においても実は、実質的な考え方は前からあったということでございます。
 納税者の権利を保護しなければいけないというのは、これはもう当然のことでございまして、納税者が受けられるサービスというものは何かということをはっきりとお知らせする必要があるということ。それから、課税の適正化、知っている人だけが得をするというようなことがないようにしなければいけない。義務も当然発生をしてまいりますので、納税者に気をつけていただきたい事項などを、これは法律に今までもあるもの、政令、省令等であるもの、それから通達で行われているものといったようなもの、各レベルはさまざまなんですけれども、これを一覧性のある形にして示すということに意味がある。
 それから、先ほど委員御指摘になりましたけれども、外国の会社の例もありますように、日本でははっきりした明文の法律がないんだ、法令がないんだということで、多くの納税者の方々が当然のようにやっていただいていることをあえて拒否するという方が中にはおありになる。そういうことはほかの方々とバランスがとれなくなりますので、そういうバランスをとる、公平性を考えるという意味で、こうしたことをもう一度改めてはっきりさせようということで納税者権利憲章を提案させていただいたわけですけれども、与野党の協議の中で、野党の皆さんの感触を踏まえて与党から要請を受けましたので、今回はそうした形では見送ることにいたしました。
 しかし、実質的には、中身的には担保されているものもかなりある、こう思っておりまして、一歩大きな前進は果たした、こう思っております。
○菅川委員 実質的には確かに担保されていると思っております。また、今まで法令、通達、五十嵐副大臣のおっしゃられるとおり、それを一つにまとめてわかりやすく表示するというものであると思っております。
 ただ、これをつくるということによって、海外に向けて日本も、それこそ税制も先進国の仲間入りをするというか、しっかりとした姿勢を見せるということに私はつながってまいると思いますので、今回も附則に記載をしていただきまして、また引き続き取り組んでいただくということになっておりますので、ぜひともこの憲章の成立に向けて今後ともお取り組みをいただきたいと思っております。
 さて、今回の改正とは話は違うんですが、税制のことで一つ、この機会に質問をさせていただきたいと思っております。
 安住大臣は、役員給与という、会社におきましては役員に対して給与の支払いをするわけでありますけれども、この役員給与というものが会社にとって必要経費なのかどうかというのは、どのようにお思いになられますでしょうか。
○安住国務大臣 利益が出て、固定した給与以外の部分でその役員に対して給与を支払うということは、それぞれ行われていることであって、否定するものではないというふうに思っております。
○菅川委員 役員給与といいましても、役員報酬、役員賞与、いろいろありまして、会社が払う中でも、中小零細企業なんかは、逆に言いますと、オーナーがそのまま自分の生活費を給料でもらっているというケースもあるわけであります。
 ただ、これは法人税法の三十四条にこのように実は規定しています。内国法人がその役員に対して支給する給与のうち次に掲げる給与のいずれにも該当しないものの額は損金の額に算入しない、こういった規定になっておりまして、三つの事項が掲げられています。一つ目が、毎月同額の給与を支払う、二つ目が、事前に税務署に届けた場合、三つ目が、大手企業など、報酬委員会というような委員会を設けられるようなところにおきまして利益連動の給与を支払うというような、この三つの事項に該当しないと損金に算入しないという規定になっているんです。
 つまり、この法律の立て方から考えますと、三つに該当したら損金に入れる、つまり該当しなければだめということで、原則は損金に入れないけれども、この三つの要件を満たせば損金に入れるという形になっております。
 ただ、そうなると、今度は実務上非常に不便な思いをすることになってしまったがために、今は結局どうなっているかといいますと、国税庁が「役員給与に関するQ&A」というものを出しています。これは全部で十六ページあるものでありますけれども、要は、法律の解釈を通達ではなくQアンドAという形で出すという、何とも苦肉の策であると思うんです。
 今回、法改正で税務調査の手続についてはきちっと法制化していく、通達、運用ではなくて法律にきちっと明記するという方向にある中で、この役員給与の今の状態、あり方というものについて大臣はどのように思われるか、お聞かせください。
○安住国務大臣 損金算入をされる役員給与というのは、定期同額給与、事前確定届出給与、そして利益連動給与。税法上は、要するに役員給与の恣意性を排除したいということで、基準を満たさなければだめですよということになっているということなんですね。これについては、税理士会等からもう少し工夫できないかという話が来ているということは、あるとは承知をしておりますけれども、そういう恣意性の排除ということを原則にしているので、それは御理解いただきたいと思うんです。
 そこで、手にしておられるそのガイドラインについては、これは質疑応答事例ということで、QアンドA方式で出させていただいているというふうに聞いておりますので、税務上の取り扱いを具体的な事態に即して、通達よりもわかりやすく説明をさせていただいているということで、ガイドラインをそれぞれ税理士の先生方等にお配りさせていただいております。
○菅川委員 非常になかなか難しい説明ではないかと思います。確かにこのQアンドA、非常によくできているんですが、ただ、やはり租税というのは法律で決めるものでありまして、租税法律主義というのが日本の基本にあると思っておりますので、私はできるだけ条文をしっかりつくるべきではないかなと思っています。
 今回、この条文に、役員給与の条文が変わる前というのは、会社法が施行される前の条文ではありますけれども、当時は役員報酬という言い方をしていまして、役員報酬は原則損金算入ということで、特に規定がありませんでした。
 どういったものを法人税法上、損金に入れないということにしていたかといいますと、不相当に過大なもの、高い金額、仕事の割にはたくさんの報酬を払って法人税を少な目に納めるということを考える方とか、あとは、役員というのは毎月同じ定額で払っているものを、臨時的に払う賞与、役員賞与については損金不算入になっていたわけです。つまり、不相当に過大なもの、多く払っているものとか、臨時的に払うもの、この二つに関しては損金に不算入にする。ただ、そうはいっても、役員報酬というものは、毎月払う、それこそ生活費にも充てている部分もありますので、そういった意味で、その部分に関しては損金に算入していた。つまり、原則損金算入の形をとっていたわけなんです。
 今、中小企業、特に零細企業の経営というのは非常に大変でして、このQアンドAにも、「業績等の悪化により役員給与の額を減額する場合の取扱い」というのが一番最初に来ています。業績が悪くなれば、一番最初に、やはり従業員の給与をカットする前に、経営者というのは自分の給料をまず減らすという努力をされます。
 そういった努力をする中で、業績が悪化した場合には給与の額を変えてもいいですよという規定にはなっているんです。ただ、悪くなってから変えるのであれば、それは経営上どちらかというと後手後手に回っている話でありまして、本当は、大体の今頑張っている経営者の方々というのは、何となくこの先悪くなりそうだとか、この先ちょっと不安定になりそうだというようなことを、勘というか、いろいろな数字を見ながら将来を予測して先に手を打とうとするわけですね。
 先に手を打った場合、実際に業績が悪くなるケースもありますけれども、手を打ったがために逆に業績がうまく回復するようなケースもあるわけでありまして、そうすると、このQアンドAで出しているものに対して、またこれの解釈が非常に不明瞭なところが残ってくるんだと思っています。
 ですから、そういった意味では、今、経営環境が非常に難しい、特に法人税の申告なんかは黒字の申告が三割を切っている状況でもありますので、そんな中で今一生懸命頑張っている企業の方々に、毎月ころころ給与を変えさせろというわけではなくて、もう少し業績に合わせて給与を少し変えやすいものへとしていただけないかどうかということをぜひとも検討していただきたいと思っているんですが、いかがでしょうか。
○五十嵐副大臣 おっしゃるとおりのことはあると思います。
 法律を通達でいわば解釈しているんですが、それがわかりにくいということで、質疑応答事例、ガイドラインを設けているわけですが、これは主な質問をわかりやすく並べたもので、それがすべてではないんですね。やはり、法律の解釈を通達及びこうした形で示しているわけですから、実質的に実際の事例に即して考えていかなければいけないということで、いろいろな場面が想定されますので、それについてはまたこの質疑応答事例につけ加えるなり、はっきりとわかりやすい形でお示しする必要はこれからもあるかと思います。
 考え方は先生おっしゃるとおりだと思いますので、研究、検討をしてまいります。
○菅川委員 前向きな御答弁、ありがとうございます。
 本当に、私は、すべてを損金に入れるという話ではなくて、やはり行き過ぎたものとかやり過ぎているものはしっかりとチェックをしていただいて、そこに対してはそれなりの対処をしていただきたいと思っておりますし、また、逆に言うと、そうでない、きちっとやっていらっしゃる方、こうやってきちっとやっていらっしゃる方に対して、法律でもっと頑張ってほしいというメッセージが出るような形にしていただきたいと思っているのと、あとやはり、こういった役員給与が節税になるというような今の仕組みそのものに問題があると思っています。
 今回はちょっと見送られましたけれども、所得税においての給与所得控除、これが上限なく、給与所得控除が五%ずつふえる今の状態というものは変えないと、法人税を減らして所得税でも少しメリットがあるということではなく、やはり課税の公平を考えたときに、法人税はそれは減るかもしれないけれども、所得税でしっかり取るというような形を担保することも大事だと思っておりますので、ぜひともこれからも前向きに御検討いただければと思っております。
 以上で質問を終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。
○海江田委員長 次に、徳田毅君。
○徳田委員 おはようございます。自由民主党の徳田毅でございます。
 本日は、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法案について質疑をさせていただきたいと思います。
 まず冒頭、安住大臣、大臣は、今回の東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻の選出だというふうに聞いております。発災以降、私も何度かその石巻に足を運ばせていただきました。そうした中で、家族を失い、家を失い、仕事を失い、そうした深い悲しみの中で大変な絶望の中にいらっしゃる多くの方々にお会いしてまいりました。中には、大臣の親類や、同級生や、または長年にわたり大臣を支援してくださった多くの方々がいらっしゃるかと存じます。そして今回、大臣が内閣の主要閣僚である財務大臣に就任をされたということで、これからの復旧復興に大きく御尽力をいただけると期待されている方も多いかと存じます。
 きょうであの発災から八カ月と一週間がたつわけでありますが、大臣は何度も被災地に足を運ばれているかと存じます。この八カ月の間の経過であったり状況であったり、または政府のこれまでの取り組みに対する被災地の声であったり、そしてまた、これから財務大臣としてその復旧復興にどのように取り組んでいこうとされているのか、その決意をまず最初にお伺いしたいと思います。
○安住国務大臣 徳田先生には、何度も被災地に入っていただいて本当にありがとうございます。また、徳洲会等からも大変な御支援を賜りまして、本当に、市立病院がなくなったものですから、いろいろな意味で、医療の、ばんそうこうから始まって緊急用の手術用品まで提供いただきましたことを心から感謝申し上げます。
 最初の二カ月ぐらいは本当に皆さん生きるのに必死というか、私も生家は全壊をしたんですけれども、本当に身を寄せ合って生活をしておりました。私自身も実は二カ月ほど市役所に寝泊まりさせていただきました。
 しかし、ようやく連休が明けたあたりから少し瓦れきの処理等も進んできて、これが遅いというおしかりは大変私もいただいておりますけれども。
 水産地なものですから、魚の加工品等の腐敗臭とかがすさまじかったんですが、これも、水産加工屋さんが従業員の皆さんなんかと一緒になってようやく片づけたのは、やはり六月ぐらいなんですね。
 瓦れきの処理は、重立ったメーン通りはかなりきれいにはなってまいりましたけれども、本当にそういう意味では、復興復旧というのは、本格的なのはこれからであるというふうな自覚をしております。
 前に住んでいたところに望郷の念強くまた住みたいという声も非常に強くなってまいりまして、それと、やはり今後の防災というものをどう考えるか。岩手県でも宮城県でも、大変悩みの多い市町村が多いのではないかと思います。
 特に、我々、魚をとって、それぞれの浦々に集落をつくって生活をしてきましたものですから、それを簡単に高台に移転しろといっても、代々のお墓も含めて移転は嫌だという人もたくさんおられて、そういうものの調整を何とか図りながら、もうそろそろ年も明けますし、復興に向けて具体的な新しい町づくりというものを、この予算を通していただいてからは本格的に自治体にぜひ進めていただいて、その後のフォローアップも、各党に御理解をいただきながらみんなでやっていきたいというふうに思っておりますので、御指導を賜れればと思っております。
○徳田委員 本当に被災地は大変な状況であり、また特に石巻は、今も瓦れきの撤去などもほかの地域に比べておくれている。それがすべて政府の責任だとは言いませんが、ただ、私たちが、八カ月たった今、被災地から聞く声は、今までの取り組みというのは、やはり多くの方が言われるようにツーリトル・ツーレートだったのではないか。今も道路や鉄道等の生活インフラの復旧がおくれている、被災者の生活再建、被災地の復興への展望が開けない、そういう声も聞かれます。
 大臣には大変耳が痛いお話かもしれませんが、先日、宮城県の県議会選挙が行われた。そうした中で、民主党の県議は二人減った、大臣の選挙区においても大変厳しい数字、結果が出たというふうに聞いております。これが被災地の声ではないでしょうか。
 ここで答弁は求めませんが、そうした被災地の思いをしっかりと重く受けとめて、これからの取り組みにつなげていっていただきたいということを思います。
 きょうは、これから五年、十年かかる復興の中で大きくかかわる二重ローン問題についても御質問をさせていただこうと思っておりますが、後ほど大串政務官がおいでいただけるということですから、そのときにとっておきたいと思います。
 まず最初に、今回の特措法でありますが、民主党の税調の中でも大変大きな議論になったと思いますが、今我が国は、この厳しい経済状況の中で、復興のためとはいえ、本当に増税する必要があるのか。今回の復興も、これまでの阪神・淡路大震災や中越沖地震のときと同じように、建設国債を活用すれば、こうした増税を課す必要はなかったのではないか。
 あの震災があって、被災地はもちろん壊滅的な打撃を受けましたが、サプライチェーンの崩壊であったりということで、その経済的な影響も全国的に広がっている。その上、長期にわたるデフレから脱却もできない。そして、ここに来て急激な円高、欧州の債務問題も影響を及ぼし始めている。
 この先行き不透明な中で、これからなぜ増税をしなければならないのかという議論が民主党の税調の中でもあったと思いますし、我が党においてもあります。その増税の必要性についてお伺いしたいと思います。
○安住国務大臣 御指摘のとおりでございまして、これは、一次補正予算を作成する段階から、やはり三党協議の中でも随分議論となりました。
 ただ、三党合意の中でも、復興債の発行とこれに見合う財源を手当てしないと、先生はよく御指摘を各委員会でしていただいておりますけれども、やはり財政再建、そして国債の発行額をこれ以上ふやせないんじゃないかということが他方あると思います。
 今、もし健全な財政で、プライマリーバランスも全く問題がなくて、累積債務もなければ、私は、建設国債や、いろいろな意味で総合的に勘案した対策が打てたかもしれませんが、後半言われているように、六重苦経済と言われているような日本経済の状況の中で、特に欧州での問題を考えたりしたときに、できるだけ、税外収入と、やはり復興債に対する償還財源というものを何とか充てさせていただいて、結果的には、この累積債務の問題をさらに悪化させないような工夫をしながら、ぎりぎり考えたところが今の案ではないかなというふうに思っております。
 もちろん、税の御負担をお願いするということですから、それが景気にいいなんという話になるわけはないわけでございますが、許容範囲、許していただける範囲の中ではぜひ御理解を賜れればということで、今、法案をお願いしているところでございます。
○徳田委員 プライマリーバランス、そして財政再建、そうした観点から増税をお願いすると言われますが、民主党政権においては、昨年だけでも四十四兆、公債を発行しているわけです。今回発表された中期財政フレームにおいては、来年度においても四十四兆に抑えようという目標が立てられております。
 では、四十四兆の建設なり赤字国債を発行するには裏づけとなる財源を示すことはなく、今回、復興のために必要な十一・二兆、四十四兆に比べればわずか、十一・二兆をわずかと言うのは不適切かもしれませんが、なぜここだけ増税を課す必要があるのか。今のはお答えになっていないと思います。もう一度お答えいただけますか。
○安住国務大臣 やはり四十四兆の重さだと思います。四十四兆は、決して簡単な数字ではなくて、我が党が政権をとってからそういうふうになっているんじゃないかということで、御指摘はそのとおりでございます。
 ただ、一方で、麻生政権下のときにリーマン・ショックがあって、経済が大変な落ち込みになりました。その反動の税収が翌年ということで、やはりこのときの予算編成においてそういう額になってしまったということなんですね。
 その後、税収がふえたかといえば、二十二年度で四十一・五、これは決算ベースで。そしてまた、二十三年度で四十・九兆と、やはり税収の落ち込みといいますか伸び悩みがそこにあって、これだけの国債の発行ということになってしまいました。
 ですから、それに上積みをまた十数兆すればいいという意見も確かにあることはあります。しかし、マーケットを含めて、今の日本の国債の管理政策の中では、やはりできるだけそれはとらない方がよろしかろうということで、今回、税の負担を、それから税外収入でというふうな結論に至ったということでございます。
○徳田委員 この四十四兆という国債発行枠というのは、大臣が言われるように、リーマン・ショック時の世界的な経済金融危機の影響が残っていた、その当時の、平成二十二年度における国債発行額に準拠して設定されたものだということだと思います。
 しかし、小泉政権時代には、国債の発行を三十兆円以下という目標としていたこともあったわけです。そうした基準に比べれば、やはりこれは甘い目標ではないかということを思っております。
 それよりも問題なのは、今の経済状況から見て本当に増税を課すべきときなのか、そこが大きな問題なんだと思います。今の経済状況の認識をお伺いしたいと思います。
○安住国務大臣 三月の十一日以来、サプライチェーンの分断で、製造業も消費も非常に大きく落ち込みました。これは統計からもはっきりしております。
 しかし、連休明け以降、国内消費は回復傾向にありましたし、また、非常に、実は石巻なんかもそうなんですが、宮城県全体でも、自動車産業や製紙業、ダメージが大きくて、当初、復旧まで一年近くかかるんでないかと言われていたのが、八月、九月に復旧をしてきた。
 そういう中で、製造ラインというのが非常に回復してきたものですから、堅調な推移をしかけたところであの欧州の危機が来て、ここに円高というものがのしかかってきている。これが、いわば景気の回復基調に足踏みをさせている状況ではないかと思っております。そういう点では、決して楽観できるような経済状況ではありません。
 ただ、物価についても、今のところ大きな変動もないわけでございます。雇用の情勢についても、四%台で推移をしているという状況ですから、そういう点では、経済が上向きつつあるとまでは言い切れない状況であるというふうに思っております。
○徳田委員 そうした厳しい状況だからこそ、今増税すべきではないのではないかということを申し上げているわけです。
 財政再建、これは、どの政党が政権を担当しようとも、必ず取り組んでいかなければならないと思います。もちろん、復興も果たしていかなければならない。その中で財源を確保する、それは大切なことだと思います。しかしながら、増税ありきではなくて、今は、税収を確実なもの、税収をふやしていく、そのためには、この円高、デフレを克服して、この日本経済をしっかりと底上げしていく、回復、成長の軌道に乗せていく、そうしたことを優先すべきではないかと思いますが、そうした姿勢が政府から見えないんです。
 これから増税をするに当たって、一方では、そうした経済成長戦略を強く打ち出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○安住国務大臣 復興に向けて、公共事業等、東日本を中心にかなりの需要増が見込まれることは事実です。これから何年間かは続くと思いますので、成長率そのものは引っ張っていくんじゃないかなと。現に、東日本においては、それぞれの業種によっては本当に人員の逼迫等もありますから、そういう点では、この内需というものは、成長に期待はできるんではないか。
 ただ、先生御指摘のように、持続性があって、高齢化社会の中でも安定した成長を保つために、日本の社会構造、経済構造を変えていくということはやはり喫緊の課題であって、戦略をつくらなければならない状況だというふうに思っております。
 ただ、目下のところは、欧州そしてアメリカの経済状況のいわば反動でこの円高というものがありますので、これに対する対策もこの第三次補正で盛り込んでおりまして、やはり、輸出に頼っている、特に自動車等の産業についてのサポートというものをちゃんとしていかないと雇用というものが守れなくなるおそれもありますので、そうした点では、それについての予算も今回つけております。
 さらに、為替についても、私は、十月三十一日に為替介入をいたしました。それも、そうした意味では、国内の産業を守っていかなければならないということを理由にしたというところでございます。
○徳田委員 今の御答弁では、今後の経済の見通しについて、言葉をかえれば復興の特需に期待されているところがあるのかもしれませんが、しかし、地域が偏っているのではないか。私は鹿児島ですが、その特需の効果が九州まで本当に波及するのか。しかしながら、増税は全国的にかかっていくわけです。そうした意味においては、やはり、全国の経済を底上げする、そうした施策をしっかりと打ち出していくべきではないかなということを思っております。
 きょうは円高についてもお話をお伺いしようかと思っておりますが、その前に、やはり復興特別税の趣旨についてひとつお伺いしなければならないと思っています。
 今回の時限的増税の措置については、今を生きる世代で連帯して負担を分かち合うという復興の基本方針と同様の考え方が示されています。しかしながら、今回の復興特別税の修正案を含めて、この考え方が本当に反映されているのかということに大変大きな疑問を持っています。
 復興特別所得税について、例えば給与所得者について見ると、給与所得者約四千五百万人のうち、納税者は約三千七百万人です。一定の所得以下の方には税負担が生じない。ということは、負担者は限定されることになります。また、この所得税は累進課税されるために、所得の多い者は復興特別所得税の負担も重くなる。中高所得者に負担が偏るわけであります。修正案によった場合においては、このような不公平感を伴う状態が二十五年間も続いてしまうということになります。
 さらに、平成二十一年度税制改正法の附則第百四条の規定で所得税の税率構造の見直しや最高税率の調整等により高所得者の税負担を引き上げることが明記されているということを踏まえれば、高所得者の消費動向や勤労意欲に少なからずも影響があるのではないかと懸念されています。
 復興特別法人税については、全法人の七割超が欠損法人であることから、残りの少数の法人がその税負担を担うことが想定されています。
 これらを考え合わせると、今般の復興特別税は、総理が示された今を生きる世代で連帯して負担を分かち合うという考え方とは全く逆に、次の世代にも負担を先送りし、特定の者に負担を集中させるという考え方と言えるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○安住国務大臣 基幹税に税負担をお願いしたということですが、包括的課税となればやはり所得税以外にないというのが現実だと思います。ですから、そういう点では、給与所得者等含めて所得税の納税義務者は五千万人でございますので、そこに何とか二十五年の付加をお願いする。
 しかし、これは当初、実は政府としては十年でお願いをしましたが、与野党の協議で二十五年ということになりました。二十五年ですから、次世代にもかかるんではないかという御指摘がありますが、これは微妙なところだなと。私、今、間もなく五十ですから、七十五までとなりますので、そういう点では、次世代ぎりぎりぐらいまで、今生まれたお子さんが大体大学院を卒業するところまではかかりませんけれども、そこからはかかってしまうと。
 ですから、そういう点では、しかし、これは政治の中で、課税の平準化というのも考えながら、経済にできるだけ影響を与えないようにということで、所得税全体でいえば付加が二%ちょっとなので、そういう考え方に基づいての合意であったというふうに思いますので、これは私としては受け入れたいと思っております。
○徳田委員 そこで、大変疑問なのが、なぜ消費税を復興財源として早い段階から除外してしまったのかであります。
 消費税は一%で二・五兆ですね。ですから二%を二年かければ十兆出てくる、そんな単純には考えられないかもしれませんが。しかしながら、十一・二兆という増税分を考えると、これから段階的に上げていく中で、復興の財源として用いることができなかったのか、なぜ早い段階で除外してしまったのかをお伺いします。
○安住国務大臣 私が主宰する政府税調では、先生も今御指摘のように、消費税も一案としてやはり議論をいたしました。短期間で消費税を課税させていただいて、その分を復興に充てるということは有力な案としてあったわけでございますが、総理の方から、消費税についてはやはり税と社会保障の財源で使わせていただくということで、これを国民の皆さんに復興でお願いするというのではなくて、税と社会保障でお願いをすると。
 その肝心なところは、消費税というのは、やはりある意味では最も包括的課税であるわけです、すべての皆さんが買うときにかかってくるわけですから。このお金というものは、できるだけこれからの年金、医療、介護、御存じのように、高齢者三Kを含めて大変な公費負担も出てきますので、一たんお預かりした消費税というものは、そういう意味では、必ず形を変えて国民の皆さんにお戻しをする税という仕組みの中で考えるので、復興というものの選択肢からは除くという決断を総理がなさって、その結果、今のような案になっているというふうに御理解をいただきたいと思います。
○徳田委員 今おっしゃられたことが消費税を除外する理由になるのかなということは、今お聞きしても大変疑問に思うところであります。
 もう時間もなくなってきたわけですが、この特別税について最後にもう一つだけ申し上げたいと思います。
 やはり国民負担はできるだけ小さくしていくということが必要なのではないかと思います。そうした中で、二十五年間固定にするのではなくて、経済動向であったり、税収であったり、また税外収入であったりということを一つ一つ検討、分析しながら、そしてできるだけ負担を抑えていく。その見直しを、適切な時期にとは書き込まれておりますが、しっかりとやっていくことが大事なんだと思います。
 適切な時期というのはいつなのか、何年置きにしていくのか、教えていただけますか。
○安住国務大臣 この法案の中にも、今後税外収入がふえた時点で御負担をできるだけ小さくしていくという方向性は盛り込んでおりますが、ただ、これは、例えば、具体的に言えば、郵政の株が本当に売却できるようになるのかとか、それからJT株については本当に全額許していただけるのかとか、エネルギー株についても政府保有をどれぐらいにするのか、こういうことについて国会の御了解を得ながら進めていけば税外収入はふえていくと思いますので、そういうものをやはりできるだけ我々としては国会の方に御理解をいただくような努力をしながら、税負担というものを縮めていく努力というものは私はしていきたいというふうに思います。
 いつごろからということは申し上げられません。それはなぜかといえば、郵政についても、法案がいつ通るかということにひとえにかかっていますし、また、株の売却ですから、いつの時期に売ればいいかということもかかってきます。
 ただ、何となく、何となくというのは恐縮ですけれども、大体、復興期間は十年でございますので、この十年のうちにはそういうような手はずを整えて、そして税外収入をふやしていきたいというふうに思っております。
○徳田委員 税外収入をJT株やエネルギー関連の株を売却することによって二兆円上積みするということも打ち出されておりますが、それが本当にどこまで進むかわからない、まだ不透明な段階ですね。よくわかります。
 その一方で、やはり歳出削減、ここにもしっかりと取り組んでいく必要があると思うんです。先ほどプライマリーバランスのことも言われましたが、歳出削減にしっかりと取り組んでいくことによって増税幅を抑え込んでいくということも考えられると思います。
 今後は、法人税については三年ですね。では、三年でしっかりと見直す、そうしためどは示すことができるのではないかと思いますが、いかがですか。三年なら三年で見直す、今度三年で見直しますよということは方針として打ち出せると思いますが。この付加税のあり方そのものについてです。
○安住国務大臣 できれば、それはそういう方向で考えて短くできればいいんですけれども、やはり、先生、一つ考えないといけないのは、我々も阪神大震災を教訓に積算したんですけれども、この先さらにかかる可能性もあるんだと思うんです。それは、税の負担はこれ以上するということではなくて、税外収入をできるだけ充てて、また無駄を削減しながらやっていくというのが基本でございますので、それはできるだけ早く、例えば、郵政等も売却できて、いい値段で売れればそういう話はもっと前倒しできるかもしれませんし。
 ですから、決して遅滞をさせるのではなくて、できるだけ早くやることで、私は、先生の御意向には沿えるんじゃないかなと思いますが、これはひとえに、やはり与野党合意等も含めて、コンセンサスの要ることでございますので、理解を得られるようにしていきたいというふうに思っております。
○徳田委員 税外収入の確保について結論が得られるかどうかとは別に、そのときの経済状況であったり税収であったり、そうしたことも勘案した上で国民の負担額を減らしていくということは、めどとして示すことは私はできると思うんですが、この件についてはまた引き続き議論をしてまいりたいと思います。
 大串政務官、おいでいただきましたので、最後に二重ローン問題についてちょっとお伺いしたいと思います。
 当時、野田財務大臣のときにもこの問題をこの財務金融委員会で取り上げさせていただきました。
 私たちは、中小企業基盤整備機構からお金を受けた産業復興機構だけではなくて、もっと、中小企業だけではなく、農業や漁業者や個人事業主、そういう人たちまで支援がしっかりと行き届くような機構を新たに整備すべきだということを訴えてまいりました。残念ながら、このことが民主党、政府には認めてもらえず、そしてまた、国会を閉じている間、これが継続審議にもなってしまった。復興からもう八カ月がたとうとしている中で、被災地では個人レベルでは生活再建が始まっている。この問題がこうやって先送りされた、これは大変残念なことであります。
 やっと私たちの主張を認めていただきまして、株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法案というものが衆議院で可決されました。これは、もう一度参議院に送られて、近く成立する運びとなっております。
 先日、これの修正議決もあったということなんですが、この修正内容について、衆議院の震災復興特別委員会で我が党の小野寺議員が質問させていただいたことであります。それは、参議院通過時点では、新設する支援機構は、債権買い取り価格が債権額を下回る場合に、事業者に対して差額分の債務を免除しなければならないという義務規定があった。これは、みんなの党さんが主張されたことでありますが。その義務規定が設けられたにもかかわらず、衆議院では、修正案で「債務の一部を免除することができる。」となっています。これは、政府の姿勢として明らかに後退だ。
 小野寺議員が委員会で例えとしてお話しされたことをそのまま申し上げたいと思いますが、例えば私が一億の借金を持っている、そして今回津波の被害に遭った、そこで再建したい、金融機関には一億の借金がある、これを支援機構が適切な時価で買い取る、これは、一億を六千万で買い取ったとしても、今度はその支援機構が一億の請求ができるということにも読み取れるわけです。
 そうなると、これは余りにもひどい話で、もともとの法の趣旨に反するのではないか。なぜこのように後退してしまったかが大変疑問なんです。まず、そのことについて、大串政務官、お答えいただけますか。なぜこうなったのか。
○大串大臣政務官 お問い合わせをいただきました二重ローン問題、先ほどからお話がありましたように、まずは、各県における復興機構、これを基盤機構の資金も活用しつつ対応していくという、できる限りの迅速な対応が進められておりまして、岩手県においては復興機構も立ち上がり、そして、そのほかの県に関しても立ち上がる準備が進められ、二重ローンに関する整備が動きつつあります。
 その中で、支援機構を用いて、これは議員立法でございますけれども、事業者の皆様、今お話があったように、さらに支援の手を広げていくというような審議が行われているところというふうに承知しております。
 今お話がありましたように、参議院の通過の段階においては、買い取り価格がその債権額を下回る場合において、その差額に相当する額についての債務を免除しなければならないというふうにされていたというふうに承知しておりますが、その後の経緯につきましては、これは議員立法でございますので、三党の合意で修正がなされ、衆議院を通過した案においては、「債務の一部を免除することができる。」という、できる規定になったものというふうに私は承知しておるところでございます。
○徳田委員 大串政務官、そんなことを聞きたいがために政務官が来るのを待っていたわけじゃないんですよ。
 確かに三党合意かもしれませんが、自民党は、幅広い方々を対象にできるような機構を新しくつくってくれ、再建可能になった中小企業だけではなく幅広い意味で対応できるようにしてくれとお願いしていた。みんなの党さんは、それを今度は、債務を免除しなければならないと義務規定を課してくれと言っていた。
 公明党との三党の中でそういう結果になったと言いましたが、どこがそのような、では、だれが望んでいるんですか、こんな結果を。おかしいと思いませんか。では、こうした政府の姿勢が、被災地で復興のために頑張っている人にどのような影響を与えますか。安住大臣、大臣は被災地ですよね。こんなことを地元へ御説明できますか、こうなりましたよと。
 大臣、最後、もう時間がないのでお答えいただきたいと思いますが、適正な時価で買い取ったのであればもうそれ以上のことは請求しない、こんなことは一件も起こらないと、ここで約束していただくだけでは不十分でありますが、十分これは担保していただきたいと思いますし、このことについて大臣から御認識をお伺いしたいと思います。
○大串大臣政務官 まず、事実関係を私の方から御報告させていただきたいと思います。
 そのような修正がなされた上で衆議院を通過し、今参議院の方に回付されているということでございまして、衆議院での可決の際に附帯決議がつけられております。「支援機構は、債権の買取り並びに当該債権の管理及び処分に当たっては、被災した事業者の債務の負担を軽減しつつその再生を支援するという本法の目的を十分に踏まえて行うこと。」という附帯決議もいただいております。
 もとより、この法律案の第一条「機構の目的」に、「被災地域においてその事業の再生を図ろうとするものに対し、」「買取りその他の業務を通じて債務の負担を軽減しつつその再生を支援することを目的とする株式会社とする。」というふうに明確に書かれています。
 ですので、この趣旨、すなわち、被災されたことによって事業の継続が大変になる、それを再生していただくということを支援するという法の趣旨に基づいて、私たち政府としては、今おっしゃったような趣旨も体現して、万端の支援ができるように取り組んでまいるというのが政府の立場でございます。
○安住国務大臣 小野寺さんも私も、大体、陳情を受けたり、経営者の顔がよくわかりますので。
 やはり私は思うんですけれども、大きなところ、従業員を五十人も百人も雇っているところとかは、またこれは中小企業の支援のスキームとかあるんですね。農林水産業とか商店街とか、こういうところの救済で今のような話が出てくるとは思うんですが、これは商工会議所などを使ってきちっとした話し合いをする中で、附帯決議の趣旨にちゃんと沿って、今委員の御指摘のような不安が、また問題が起きないような努力をできるだけしてもらうように私もやっていきたいと思っております。
○徳田委員 努力だけではもう本当に足りないと思いますよ。起きないようにじゃなくて、本当に、私は義務化するぐらいのことはやはりやってほしいと思います。
 終わります。ありがとうございました。
○海江田委員長 次に、村田吉隆君。
○村田委員 今、徳田委員の話を聞いておりまして、特にこの東日本大震災からの復興のための云々の特別措置法案に関しましては、党内では、ざっくりとした雰囲気では、増税大反対、今の景気の状況から見て増税はやるべきではないという意見がかなり多くて、そういう意見から、私一人かもしれませんが、やはり増税やむなしという意見まであって、この委員会ではありませんけれども、総務委員会でやっている地方税関係の法案につきましても、やはり、何で全国防災を、均等割を上げて、どさくさに紛れて今までやってきたような政策を紛れ込ませるんだと。こっちの方は歳出の方でございますが、そういうかんかんがくがくの意見があって、まあ、しようがないか、第三次補正をいつまでもおくらせられない、こういう自民党のコンセンサスの中で、我々は今、態度を決しようとしているということだというふうに思います。
 ところで、この分厚い年度改正の長ったらしい法律もあわせてきょうは審議をすることになりました。私は、本来あるべき姿は、歳出予算と同時に、前後してというか、その予算の歳出を裏づけする歳入関連法案も同時に出るというのがやはり望ましい姿だと、野党の立場でありながら思うんですよね。
 このことを破ったのは、やはり福田内閣の、民主党の例えば揮発油税の暫定税率をめぐるあの妨害といいますか、あれが発端だったと思うし、それができたのは、衆参のねじれ国会、そういう状態がそういうことを許したということだろうというふうに思います。
 だけれども、一国の経済の安定ということを考えたときには、今までどおり、やはり二つがそろって行く方が安定化するということは、与野党を問わず考えておかなければいけないことだろうと私は思います。
 ただし、特に、今言った衆参のねじれという構造的な原因のほかに、民主党政権になったら、一緒に通すべきものだという気迫というか、熱意とか、そういうものが随分乏しくなったなというような感じがするのでございます。だから、これは民主党政権に内在する独自の問題として反省していただかなければいかぬだろうなというふうに思います。
 そこで、この問題は自分の担当じゃないよと言うかもしれませんが、しかし、大臣は、こういった望ましくない事態、ことしも起こっているわけですけれども、どういうふうに考えておるのか、所感をいただきたいというふうに思います。
○安住国務大臣 野党のときも与党のときも、今御指摘の問題の渦中に全く私、おりましたものですから、ねじれ国会の中での国会運営のつたなさと言われれば、本当にそのとおりでございます。熱意がないんじゃないかという御指摘もございました。
 ただ、言いわけがましいことは一切申しませんが、私も、歳入歳出はできるだけ一緒にやはり行くべきだ、そうでなければ議論の充実というものは難しいであろうと思っておりました。
 しかし、先生、例えば、ことしも特例公債の問題なんかはやはり非常に、とても通るというか、審議の中で、衆議院は行っても参議院で成立をする見通しがないような状況でございましたので、残念ながら一緒に送るということができなかったわけです。
 ですから、逆に言えば、野党の皆さんに協力をしていただく努力というものはもう少しあったのかもしれませんが、大震災等もあって、結果的には八月までずれ込んでしまった。お互い、そういう点では、今後、やはり年度末を来年迎える中にあっても、ぜひ同着で行けるような工夫というか努力というのは、いずれ、どちらが政権をとってもしなければならないときに来ているんじゃないかと。私も、野党時代のガソリンの問題等については大変な反省もありますし、先生とは長く、議運を含めて御一緒にやらせてきていただきましたけれども、それぞれ与党も野党も経験しましたから、そういう意味では、今後、ルール化というものもぜひ図らせていただければというふうに思っております。
 今回おくれたことについても、我々としての言い分もあるんですけれども、同時に行けなかったということについては、本当に遺憾に思っております。
○村田委員 今、国会の生産性ということが問われているというふうに思いますので、そこは与党の立場から、あるいは政府としても、やはり改善できる提案は野党にしていただかないとだめなんだろうなというふうに思います。
 ところで、時間が全然、少なくなってまいりましたので、私は、今、自由民主党でたばこ特別委員長というのをやっておりまして、このことはどうしても申し上げなきゃいけないので、二、三申し上げたいと思います。
 たばこ増税は乱暴に過ぎる、はっきり言って。去年三・五円上げて、また二円上げるというわけですね。これは、たばこをなりわいとしている人たちにとっては、おまえら死ねと言うに等しいような増税だったというふうに思います。
 御存じかどうかあれですけれども、去年はああいう大増税があって、それから福島県では三・一一の放射能のためにことしのたばこ耕作を取りやめた。沖縄は台風で全滅ですよ。そういう中で、追い打ちをかけるようにまたこういう大幅な増税をするということは、将来に対する見通しを全く立てられないようにする、そういうことはやはり政治というのはやってはいかぬだろうと私は思います。
 沖縄へお見舞いにも行きました。福島の田村市にもお見舞いに行きました。特に沖縄なんかは、若いたばこ耕作者が本当に将来に希望を持ってたばこ耕作をやっているんです。若いんです。福島も本当に、里山がぽこぽことあって、余り広い田んぼもないような、そういうところで、たばこが一番適しているところ。たばこ農家の玄関に行きますと、表彰されたメダルがずらっと玄関に張ってあるんですね。たばこ耕作を誇りとしているんですよ。だから、そういう意味で、そういう将来の見通しをなくすことが一番政治としてはやってはならないことだと私は思っております。
 ところで、たばこは、そういうことで税金の方は解決がつきました。だけれども、大臣、たばこというのは担税力がそんなに、もはや余りないと僕は思うんです。いろいろな負担の高い品目がありますね。アルコールとか自動車とかありますけれども、たばこは、高いと言われるビールと比べても、個別の税負担は高いんですよ。六〇%ぐらいあります。ビールが四一%ですから、際立って高いということを考えなきゃいけない。
 ただし、アルコールと違って支持者が少ないのは、たばこの好きな人と嫌いな人と、極めて、際立って嗜好に差異があるというのが原因していると私は思います。健康の方はまたほかの方法もあろうと思うし、少なくとも、税金を上げるときに一挙にばかんばかんと上げるのはひどいと言わざるを得ないというふうに思います。
 もう一個でございますけれども、JTの株式。これもちょっとひどいと思うんですね、私は。
 大臣もお読みになっていると思うけれども、たばこの民営化のとき、昭和五十七年の臨調答申、その後の平成十三年の財政審の中間報告を見ても、悩んでいるんですね。民営化する、株を売る、売らなきゃ、売りたい、それがJTという民間会社にとって、資金調達の方法とかいろいろな意味で、やはり競争条件を改善するという意味でやらなきゃいけない。しかし、たばこ関連産業、耕作者とか小売とかいろいろある。それでもがいているんですよ。自民党も、二分の一まではやりましたけれども、それでずっとやってきていなかったというのは、その根本問題に解決の方途が見つかっていないということでとめていたわけですよね。
 今度、また六分の一を売ろうとして、私は、あの条文を見て、まだ売らなくて済む方法が、最初の六分の一の塊も売らなくて済むような可能性を追求しなきゃいかぬと思っているんですよ。ましてや、全部売るというのは、これはなかなか難しかろうなと。
 附則の十二条にいろいろなことが書いてありますけれども、「たばこ事業法等に基づくたばこ関連産業への国の関与の在り方を勘案し、その保有の在り方を見直すことによる処分の可能性について検討」するということで。こんなの、大臣、この検討をどこで、いつやろうとしているんですか。
○安住国務大臣 正式にはまだ決まっておりません。
 検討の可能性、これはいずれ、そうはいっても、財務省の中でまず計画を考えるということになると思いますが、さまざま今先生御指摘のように、畑作農家の皆さん、それからJT全体の経営状況等々を勘案しながら、可能であればということで、我々としては、しかし、可能性の追求というものはしていきたいというふうに思っております。
○村田委員 最初の六分の一、本則に書いてある処分につきましても、増資の場合には、優先株、議決権がない株を発行することだけ認めますよと書いてあるんだけれども、それは、配当が非常に高くなるから、そんなの珍しいですけれども、そういう株式は。だけれども、それだと資金調達が、配当コストが非常に高くなるということで、実際は道を封じられているということにすぎないわけです。
 大体、我々自民党のときも反省がありますが、ちょっとでも株を持っていると、国はもうめちゃめちゃなことをやってくるわけです。道路公団を民営化した後も、民営化しておいて、料金を取っちゃいかぬというのは僕はひどいと思いますよ。いろいろな意味でやり過ぎなところがあると私は思います。
 だから、今言ったように、最初の六分の一だって、こじつけですけれども、附則の十一条に見直し規定があるから、しかも三党合意で、政調会長の間で、売却についてはできるだけ市況の状況を見てと。JTの株価は今半分ぐらいになっていますよね、リーマンの後で。だから、そういう意味で、市況を見てということを言っていますので、できるだけずらしてもらって、できたらその間にいろいろな検討をしていただいて、いい案が見つかればいいですよ。そうでなかったら、たばこ耕作者あるいは小売、こういう皆さん方のなりわいの安定性ということを考えて、最初の六分の一も、お売りになることはできるだけお控えなすった方がいいのではないかなと私は思っている次第でございます。
 時間がなくなりましたのでこれくらいで終わりますが、そもそも、そういう根本問題を解決したから処分できるんですよ。だから、途中で、我が党も難しくてできなかったこと、それを先にやっておいて、後で根本問題を考えるというのはおかしいと思いませんか、大臣。最後に一言。
○海江田委員長 もう時間が来ておりますので、ごく簡潔にお願いします。
○安住国務大臣 たばこのことは、私はもう村田先生に教えてもらうことばかりなものですから。
 ただ、先生、昔、川崎先生が運輸大臣のときに、十年ほど前に、たばこ特別税の国鉄の問題、私、相当実は突き上げた側なんですね。あのときも、何でたばこなんだという議論があって。だから、そういう意味では、たばこ税というのは着目されやすい税目であったりしてきたなという歴史はあると思うんですね。今回も、そういう点では、我々としては、均等割も、できるだけ安く、負担をかけないでということで着目しましたが、三党合意でそこは外しました。
 三分の一に対しては、そういう点では、政府のグリップをしっかりきかせるというぎりぎりの範囲のところでいえば三分の一ということで提案をさせていただいておりますので、先生の御疑念を留意しつつも、何とか御理解をいただくようお願いしたいというふうに思っております。ありがとうございます。
○海江田委員長 次に、斉藤鉄夫君。
○斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫です。早速質問をさせていただきます。
 先ほど徳田議員の質問にもございましたが、なぜ増税で対応するのかという点でございます。我が党でもいろいろな議論がありました。
 では、先ほどの徳田議員とはちょっと別な角度から聞かせていただきますが、関東大震災のときには、増税は一切されておりません。高橋是清は、デフレのときにはデフレの対応があるということで、あのときは日銀券をいっぱい刷って、その復興財源に充てたわけでございます。だからといって、高橋是清はその政策をずっとやったかというと、財政難のときには財政難の対応があるといって厳然と増税をし、かつ歳出削減に努めた、それが後の、あの二・二六事件につながっていった、こういう歴史があるわけでございます。
 今はデフレ時で、デフレ時の対応として、この増税というのを、適当ではないのではないか、こういう強い意見も我が党の中にありましたが、大臣の認識をお伺いしたいと思います。
○安住国務大臣 党内でも、また与野党の中でもそういう議論があったことは十分承知をいたしております。
 ただ、一方で、財政の状況はもう先生御存じのような状況でございますので、もし、一次、二次、三次と、この三次にわたってを仮に建設国債や赤字国債でということになれば、それだけでもう十四兆円ほどの公債発行ということになります。
 これはやはり、財政規律が今本当に叫ばれている中で、非常に厳しい市場からの目で見られることはもう疑いようのない事実でありますので、デフレ下ではあるかもしれませんが、できるだけ経済に影響を与えないような形での税負担ということで、例えば所得税についても、結果的には二十五年で二%強、さらに法人税については、御存じのとおり、一たん引き下げさせていただいて、国際的にも、引き下げをしないと日本の法人課税は高いという御指摘が以前からありましたから、そこに時限を限って三年間だけ付加分で一割ほど上乗せをさせていただくという形にいたしましたので、強烈な何か増税というふうな印象ではなくて、本当に御負担をいただけるぎりぎりのところでやる。なおかつ、税外収入がふえていけばこれも圧縮する努力をするということを前提につくらせていただきましたので、そこはぜひ御理解をいただきたいというふうに思っております。
○斉藤(鉄)委員 次に、償還期間の問題ですけれども、十年という提案をされた。二十五年ということになりそうでございますけれども、この十年という提案をされたその根拠は、復興基本方針の中に、「今を生きる世代全体で連帯し負担を分かち合うことを基本とする。」そういう考え方を受けて、復興基本法も、償還の道筋を明確にするという文言が入っていたかと思います。
 それはそれで、考え方として一貫していたわけですが、これが二十五年ということになりますと、その考え方を変更しなくていいのかどうか。その復興基本方針また復興基本法との整合性という意味で、二十五年をどう財務大臣としてお考えになるのかという質問をさせていただきます。
○安住国務大臣 私は、提案をした十年ぐらいでしっかり返していきたかった、個人的にはそう思っておりました。
 しかし、コンセンサスを得て二十五年ということになりまして、二十五年だと次世代まで及ぶんではないかということですが、こじつけですけれども、ぎりぎりかなと。六十歳で定年した方が平均寿命の八十五まででありますね。それから、今生まれた方は二十五年後というと二十五歳。今の世代ということでいえば、この四半世紀というのは、そういう点ではぎりぎりのところかなと。
 私は、三十年とかになると、やはり三十年物の国債とかというと、ちょっとやはりこれは違うなと思っておりましたので、ぎりぎりのところで合意をいただいたのではないかなというふうに思っております。
○斉藤(鉄)委員 先ほどこじつけという言葉を使われましたが、そのこじつけという言葉は今の御答弁のどこに係っておりましたか。
○安住国務大臣 私自身の二十五年というものは、ぎりぎり、六十歳の方は八十五になるわけで、私は今、間もなく五十ですけれども、七十五ですから、二十五年というのは、こじつけといいますか、ぎりぎりかなというふうに思っているということです。これは正直な気持ちでございます。
○斉藤(鉄)委員 増税幅を抑えるため税外収入の確保に努めるということでございます。無駄の削減を行う、また、これまでの歳出について合理的にこれを詰めていって財源とするということは当然やらなくてはいけないことだと思いますけれども、ある意味では国民の財産とも考えられるいろいろな基金とか株式とか、こういうものを切り売りして財源にするということでの税外収入の確保、これは手放しでは喜べないな、このように思うわけです。
 株式の売却であるとか、また基金の取り崩しであるとか、そういうことは実質的な国債発行なのではないか、こういう指摘もありますが、これに対して大臣はどのようにお考えになりますでしょうか。
○安住国務大臣 御指摘のとおり、税外収入を復興に充てるということになれば、これはいろいろな御批判もあるかもしれません。ですから、できるだけ国債の発行額を抑えようということで、税外収入については、これまでであれば、国債整理基金への繰り入れ等を行ってきたわけでございますが、今回は、そういう点では、この復興に関していえば、財政投融資特会の剰余金等については、これは大変恐縮ですけれども、復興の方に充てさせていただきました。
 ただ、日銀の納付金とか、いわゆるJRAからの上がりの納付金とか、それから外為の剰余金等については、歳入の方に入れるということでは、通常の税外収入のことについては、来年度もこれは予算の財源に充てるということにしておりますので、そういう点では、これについても、何とかぎりぎりのところで、この復興へ出せるものの限界というか、そういうことでスキームを組んだわけでございます。
○斉藤(鉄)委員 それから税外収入ですけれども、五兆円、そしてプラス二兆円。このプラス二兆円は今回の法案の附則の中に書かれております。
 まず、最初の五兆円ですけれども、子ども手当の見直しということで入っておりますが、二・九兆円使うところを実質二・二兆円に抑えて、その差額の〇・七兆円を復興に充てるということ、この考え方自体は、我々もそのように主張してきたわけです。
 そのことだけ聞くと、そうだなと思っちゃうんですが、本来、民主党がマニフェストでここまでお金を使いますと言っていた予定額に対して、二・九兆円使いますと言っていた、しかし、実際は二・二兆円で抑えます、その〇・七兆円を復興財源に充てますというのは、何か言葉のトリックにかかったような、例年二・九兆円出ているものを来年から二・二兆円にするということであれば実質的な財源ということですが、二・九兆円使う予定だったものを二・二兆円にする、その〇・七兆円を財源にするというのは何となく言葉のトリックにかかったような気がするんですが、この点、いかがでしょうか。
○安住国務大臣 まず先生、二・九ではなくて二・七兆で、基本的には、三党合意、私もかかわっていましたので、公明党から提案していただいたものをベースに、これを二・二から三ぐらいになるので、〇・五ということになります。
 これは本来、国債の償還等に充てる財源にすべきだというふうな考え方も、確かに指摘としてはあるんですが、ただ、成立した復興基本法、そこの七条の一号に、「復興及びこれに関連する施策以外の施策に係る予算を徹底的に見直し、当該施策に係る歳出の削減を図ること。」というのが書いてあって、これはやはり復興に充てさせていただくということを、私の認識では三党の合意の中でも御理解をいただいて、本来であれば確かに国債の償還等に充てるということもあるけれども、こういう事態であるので、この分の財源については復興の費用の財源にさせていただくというふうにさせていただいたということでございます。
○斉藤(鉄)委員 必ずしも私の質問に答えていただいておりませんが、次に行きます。
 公務員人件費の削減、〇・六兆というものも入っております。二十四年度〇・三兆、二十五年度〇・三兆。これはどういうふうに実現するんですか。
○安住国務大臣 今回法律を出させていただいて、約八%の国家公務員分の減額法案、給与削減法案を出させていただきました。これについては、単年度で大体二千九百億円で、二年の時限ということで我々としては出させていただきました。
 マニフェストでは公務員人件費二割削減ということになっておりますので、この給与の削減、さらに総定数の削減、そうしたものをこれから一年数カ月かけてやっていきながら、やはり歳出の削減、国家公務員だけでいうと五兆強の人件費になりますけれども、それをトータルで何とか圧縮をしていきたいというふうに思っております。
○斉藤(鉄)委員 これは労働基本権とも関係した大きな議論ですけれども、質問通告はしておりませんが、この労働基本権との関係について、財務大臣の基本的なお考えをお聞きします。
○安住国務大臣 再三にわたってILO等からの指摘もありますので、人事院勧告制度の見直しというのは、私はしかるべき時期にはやはり必要だとは思っております。
 そういう点からいえば、制度改革とこの人件費の問題というのは、別の法案ですけれども、前回の国会では同時に出させていただきました。しかし、なかなかやはり与野党での合意を得るには時間もかかりますので、まず先行して、この人件費の削減を何とか御理解をいただく。
 ただ、どうしても論点としては人勧の扱いをどうするのかというのが、目下のあの法案については総務委員会等で御議論になると思います。我々としては、七・八%の中にいわば包含をしているというふうな認識ですが、それはしかし、見ようによっては、人勧を無視しているという指摘も受けているものですから、しかし、何とか与野党でそこは折り合っていただいて、法律を通していただく。
 一方で、やはり今後、制度改革についても、地方自治のあり方にもかかわってきますので、ぜひ私は御議論をいただきたいというふうに思っております。
○斉藤(鉄)委員 人勧というこの制度の根幹は崩すべきではないという基本的なお考えというふうに理解してよろしいでしょうか。
○安住国務大臣 今は人勧がありますけれども、私は、いずれ労使交渉等をやって、その中で給与を決めていくというやり方は、そろそろ時代に合っているのではないかなと思っております。
○斉藤(鉄)委員 次の質問に移ります。
 JTについてでございますけれども、政府の中のいろいろな財源の議論を受けて、JT株が大きく乱高下したというのは記憶に新しいところでございますけれども、政府の方針が大きく企業価値に関与する、そういう企業、そして、政府が株式を持っているということについては、最終的に、高い株価を実現して企業価値を高めていく、高い株価を実現して売却したときに国に大きな利益がある、国益を図っていくということも大切だと思います。
 その意味では、政府が方針を明確にして、その企業の将来の姿を市場に示すということが非常に重要だと思いますけれども、この企業、JTの将来の姿について、財務大臣はどのようにお考えになっているでしょうか。
○安住国務大臣 専売事業は、明治以来、非常に重要な税収の柱としてきた経緯がございます。また、それに伴って、戦後は畑作耕作を含めて農家の安定収入にも寄与してきたことは事実でございます。
 ただ、近年になりまして、やはり健康の問題等があって、たばこに対する消費は落ち込んでおりますし、耕作農家も減ってはきていますね。一方で、やはり内外価格差をどういうふうにしていくのかということは、経営上の課題も多分あるとは思います。そういう中で、政府保有をどうしていくかというのは、やはりそろそろ議論にならなければならない。
 ただ、急激にやっても、この専売の長い経緯からいえば、そう簡単に完全民営化というのは難しいというふうに思いますので、まず今回、財源としても捻出をさせていただきますけれども、何とか三分の一の保有という形にさせていただいて、その中で、やはり政府としてのこれまでの発言権、特別決議に対する拒否権は確保させていただきながら、経営の改善をぜひ図っていただいて、何年か後に全株の売却というものをできれば可能ならしめるような状況に持っていきたいというふうに思っております。
○斉藤(鉄)委員 次に、先ほど村田議員も質問されておりましたけれども、たばこ増税について。
 原案では、たばこ増税が入っております。これはなぜ、たばこ増税を入れられたんでしょうか。
○五十嵐副大臣 これは、所得税の税率のアップをできるだけ抑えるという目的でございます。
○斉藤(鉄)委員 このたばこ増税につきましては、我が党の中でも大きな議論がございました。先ほど村田さんが、自民党の中でのこういう反対意見がある、そういう意見も我が党の中にありましたし、一方で、やはり健康ということも考えて、これは所得税増税また法人税増税を抑える意味でも入れるべきだという意見もあったわけでございますが、三党議論の中で、たばこ増税については行わないということになりました。
 そういう方向性について、大臣はどのように評価されているでしょうか。
○安住国務大臣 三党で合意したことを私としては評価をいたします。
 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、私どもも、国鉄の問題等があるとたばこ特別税とか、やはりたばこというものにどうしても着眼をする傾向がございました。しかし今回は、そういう点で三党で合意をして、これはとりあえず外すと。そして逆に、均等割のところでこの財源の見合いを確保したということでございますので、それがコンセンサスというふうに私は受けとめておりますので、合意については評価をさせていただきたいと思っております。
○斉藤(鉄)委員 地方税のところで今言及がありましたが、所得税については、たばこ増税をやめたことによって、税率でどれだけアップし、例えば平均的な年収の御家庭で一年当たりどれだけの負担増になるのか、ちょっと確認をしておきたいと思います。
○安住国務大臣 四%を十年ということでしたが、二十五年で二・一に下がっております。ですから、ちょっと今資料は手元にございませんが、五百万から四百万ぐらいの、子供さん二人ぐらいの世帯で、月の負担は百円台になるというふうになっておると思います。
○斉藤(鉄)委員 二十五年にした時点で付加税一・六%、たばこ増税をやめたことによってそれが二・一%になる、こういうふうに聞いておりますけれども、もう一度、平均的な家庭でどの程度の負担増になるのか。
○安住国務大臣 失礼しました。
 たばこ税なしにして二・一になりましたので、年収五百万で御夫婦とお子様お二人という御家庭では、月百三十三円、年にして千六百円ということになります。
○斉藤(鉄)委員 トータルですね、その数字は。たばこ増税がなくなったことによる負担増部分はどのぐらいでしょうか。
○安住国務大臣 四%が二・一になっていますので、下がっているということになります。
○斉藤(鉄)委員 私がお聞きしているのは、たばこ……(安住国務大臣「わかりました、失礼しました」と呼ぶ)
○海江田委員長 ちょっと待って、安住財務大臣、指名しますから。
○安住国務大臣 たばこがあった場合は一・六で、同じ例でいうと百八円、年額で千三百円。
 たばこがなくなったことで、二十五年に延ばすことで千六百円で、月で百三十三円ですから、百八円から少し上がらせてもらうということになると思います。
○斉藤(鉄)委員 では、一年当たり大体三百円の負担増ということですね。
 次に、そのたばこですけれども、五兆円プラス二兆円、税外収入。五兆円、それから将来二兆円、もっと税外収入を出すんだということが今回の法案の中にも附則で出ておりますけれども、この二兆円の方、つまりJT株式については、三分の一超保有からゼロにするということも検討するというような中身になっているわけでございます。
 その場合、一番心配されているのが、国産葉たばこの全量買い取りという今のシステムは維持されるのかどうか。我が党にも大変心配する声が届いておりますけれども、これについてはJTに聞くということですかね。
○志水参考人 志水でございます。お答え申し上げます。
 国産葉たばこの購買につきまして、JTは長年の間、葉たばこ耕作の団体、それから農家の皆様方と誠実に協議をして、その上で当事者間で責任を持って実施をしてきてございます。その関係につきましては、非常に成熟した関係が構築されているものと確信を持っておりまして、仮に政府が全株を放出したとしても、当社といたしましては、従来どおりの責任ある対応を図っていきたいというふうに考えてございます。
 ただ、農家の皆様が不安に思われるということはあるかと思います。そういう場合は、私どもといたしましては、政府が株式を持っているかどうかということではなくて、全量購買制が継続できるような措置を講じていただければ十分ではないかと考えております。
 以上でございます。
○斉藤(鉄)委員 政府の株式保有割合にかかわらず、全量買い取りは行っていくと。
 お答えの最後の方に、政府の措置とか、そういうふうに配慮してくれればいいとかという言葉がありましたけれども、具体的にはどういうことですか。
○志水参考人 ただいま、葉たばこの全量買い取りの制度というのは、たばこ事業法の中に規定がございます。仮に政府が全株を放出したとしても、事業法の中の措置を、例えば経過措置という形とか特別措置という形で手当てをすることで担保できるのではないか、私どもはそう考えております。
○斉藤(鉄)委員 わかりました。
 次に、法人税についてお聞きします。
 法人税について、期間を三年とした理由は何でしょうか。
○安住国務大臣 本来、二五%に下げて国際競争力を高めていただいて空洞化を避けるということからすれば、やはりことしから五%の引き下げというのは、私は必要だったというふうに思っております。
 しかし、大震災に対して、法人で利益を得た企業の方からもやはり一定程度の貢献をしていただきたいということで、一たん下げたものを三年間、一割、ですから、今の税率でいえば二八%強となりますけれども、その分は時限的に三年間、復興に資するために納税をしていただくというふうに判断をいたしました。
○斉藤(鉄)委員 もっと端的に聞くと、なぜ四年、五年ではなくて三年だったか、その理由です。
○五十嵐副大臣 いわゆる集中復興期間、当初の五年間で八割の仕事を終えるというその時期に合わせて、始まりが少し遅くなりますから、それで、三年間でちょうど集中復興期間の終了といいますか、めどと合わせるということでございます。
○斉藤(鉄)委員 私も企業の方から聞きましたけれども、これから新しい事業をするときに、最初の三年間は利益が出ない、四年目ぐらいから利益が出る、だからその三年間というのが一番いいんだというふうな話を聞いたことがございますけれども、そういう理由もあったんでしょうか。
○五十嵐副大臣 先ほど申したのが主な理由でございます。
○斉藤(鉄)委員 それから、議論の中で、ある意味では、個人に対しては二十五年間も、当初は十年間でしたけれども、負担をかける、それも付加税だ。企業に対しては一たん減税をして、それに対しての付加税ですから、実質減税になっています。
 個人にばかり負担をかけ過ぎるのではないか、法人課税をもっとふやすべきではないか、もしくは期間をもっと長くすべきではないか、こういう指摘もあるわけですが、これに対してはいかがでしょうか。
○五十嵐副大臣 こうした場合に、個人と法人を対立概念でとらえるのはどうかというふうに私は思います。
 法人に係る課税というのは、結局、コストとして価格に転嫁をされ、最終的に引き受けるのは個人ということにもなることがありますし、あるいは、雇用という面で従業員の給与や雇用数をふやすというような形でも反映をされますし、法人と個人は、必ずしもそこで、税の面では対立概念ではないと思っておりまして、国際競争力という観点から、また雇用を確保するという観点から、高過ぎる水準の法人税というのはやはり国際的に引き下げていく必要がある、そう考えております。
○斉藤(鉄)委員 今回、法人税につきましては、課税ベースの拡大が入っております。特に、研究開発税制の変更が研究開発型の企業に大きな影響を与える、ある特定の企業にとってはかなりの増税になると言われております。
 これは、今後国際競争力を増していかなくてはならない日本の企業にとって大変大きな問題である、研究開発型の企業が疲弊をし、そうではない企業が得をする今回の課税ベースの拡大はいかがなものか、こういう指摘がありますが、この点についてはいかがでしょうか。
○五十嵐副大臣 かつて試験研究費に対する税制は、増加試験研究費、前の年より研究費をふやしたところに対するインセンティブとして減税をしておりました。これが実は景気が悪くなったときに総額型という形に変わりましたので、かなり幅広く減税が行き届くようになったということで、それはそれなりに政策効果があるわけですけれども、今おっしゃられたように、行き過ぎたというか、得をし過ぎるところとそうでない企業というのも出てまいりますので、法人税そのものを引き下げれば、まさしく平等にすべての企業に、黒字を出している企業は恩典が及ぶということになります。ですから、そういう意味で、行き過ぎた部分は是正をするということを行わせて課税のバランスをとらせていただいた。
 ただし、全体が下がりますから、法人税そのものの基礎が下がりますので、全般的にはかなりまだ優遇をされる、国際競争力の面では前進をするというふうに思っております。
○斉藤(鉄)委員 次に、B型肝炎の補償の財源についてです。
 この委員会ではない厚生労働委員会に、B型肝炎の特別措置法案が提出を、もうされたのか、これからされるのか、今国会で議論されるわけですが、その附則に、これまでは、今回の二十三年度税制改正の所得税法の改正で生じる財源をこれに充てるということを書きましたけれども、今回、二十三年度所得税の税制改正はなくなるという方向でございます。
 そういうこともありまして、このB型肝炎特別措置法の方に、二十四年度の財政上及び税制上の措置を講じてその財源に充てるという附則に、向こうの方も変わる予定でございますけれども、議論の中で、なぜこの問題だけにそういう財源を明確にする必要があるのかと。財源が必要な項目はいっぱいあって、一つ一つ財源を明確にしているわけではないのに、なぜこの法案だけにこのような附則をつけるのかという議論もあったわけですけれども、これに対しての大臣の基本的な考え方をお伺いします。
○安住国務大臣 御存じのとおり、三党政調会長会談の中でも、復興の一連の話とこの話というのはやはり違うのではないかということになりまして、三党の政調会長会談において、給付に係る財源については、平成二十四年度において必要な財政上、税制上の措置を講じて確保するものとするという修正を行うことで合意をしたわけでございます。
 ですから、私も、そういう意味では、いわゆるシーリングの外においてこの財源を確保していくということはやはりあってもいいのかなと思っておりますので、これについては責任を持って対応したいと思います。
 ただ、これだけを区切って、なぜなんだということに関して言えば、当初、復興とあわせてこれもということで考えておったわけでありますけれども、復興やまた円高対策とか、今回のような補正の種目とは、ちょっとこれは事柄の性質上違うものだというふうな合意の上に立って、政調会長同士の合意をしたということの上に立って、我々としてもシーリングの外で財源の手当て等を含めて対応していきたいと思っております。
○斉藤(鉄)委員 もしその法案が通れば、附則に書かれているような表現であれば、その財源はシーリングの外でやる、先ほどそういう答弁をされたわけですが、ちょっと確認しておきたいと思います。
○安住国務大臣 それで結構でございます。
○斉藤(鉄)委員 二十三年度税制改正の中で、私個人としてはぜひ実現をしたかった税目が地球温暖化対策税でございます。
 この地球温暖化対策税につきましては、党内でもいろいろ議論があったんですが、安住大臣の、この地球温暖化対策税、まあ環境税というふうに言っていいのかどうか、ここも議論があるところですが、基本的なお考えをお伺いします。
○安住国務大臣 諸外国を見ても、北欧とかオランダのような非常に先駆的なところを含めて、ドイツ、イギリスと整備をされてきて、アメリカでも、まだ法制上の措置はないと聞いておりますけれども、それに向けた議論が行われ始めたと聞いております。
 本当に斉藤先生はこの分野の第一人者でありますし、環境大臣のときからこの導入というものを強くお訴えになっておられました。我々の党としても、この二三改正の中に占める地球温暖化対策のためのいわゆる目的税については、ぜひ、今回はちょっと難しいと思いますけれども、来年には何とか設けさせてもらって、環境政策等に対して寄与していきたいというふうに思っております。
○斉藤(鉄)委員 今回初めて環境省と経産省が意見を一緒にしまして、我々、いつも環境政策を進めるときに経産省が余り協力的でなかったということがあったんですが、今回は一致して、新しい環境エネルギーモデル国家をつくっていこうという、その財源になるべきお金でした。そういう意味で、今後ともしっかり議論をしていかなくてはいけない、このように思っております。
 最後ですけれども、今回は五年の集中復興期間に対しての予算、その財源確保ということですが、今後、この十九兆円、もしくは十年の二十三兆円だけでは済まなくなってくる、このように思います。そのときに、また再び増税という形でこれに対応するのか、どういう形で対応すべきか。できるだけ増税に頼るべきではないということを我々、党としても申し上げているところですけれども、これから考えられる新たな財政需要に対して基本的にどのようなお考えをお持ちか、最後に大臣の見解を伺います。
○安住国務大臣 今御指摘のありますように、税にできるだけ頼らないで、税外収入、それから政府の持っている資産の売却等、やはりそうしたもので何とか、この復興財源の増加分については私も確保していきたいというふうに思っておりますので、全く先生と同じ考えでございます。その方向に沿ってやりたいと思います。
○斉藤(鉄)委員 終わります。
○海江田委員長 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 復興増税については、次回の委員会で総理がおみえだということで、そのときにただすといたしまして、きょうは、これまで議論してきたことを踏まえまして、国税通則法の問題についてただしておきたいと思います。
 まず、安住大臣に確認をしたいと思いますが、財務省が採用しております税務運営方針というのがあるんですね。この中には、こういうふうに書いてあります。「納税者に対して親切な態度で接し、不便を掛けないように努めるとともに、納税者の苦情あるいは不満は積極的に解決するよう努めなければならない。また、納税者の主張に十分耳を傾け、いやしくも一方的であるという批判を受けることがないよう、細心の注意を払わなければならない。」。
 ほかにもいろいろ書いてありますけれども、これは税務署の税務調査等に関する基本姿勢を示したものでありますが、大臣はこの立場で職員を教育、指導する立場にあります。初めに、その決意をお聞かせいただきたいと思います。
    〔委員長退席、泉委員長代理着席〕
○安住国務大臣 税務運営方針は、昭和五十一年に国税庁長官が税務行政を遂行する上での原則論を職員に対する訓示として示したものであると。
 現在、新規採用職員及び税務大学校で実施する研修において周知を図っているというふうに聞いておりますので、今先生からお話のあったような趣旨に沿って、個々には違う例もあるかもしれませんけれども、今から御指摘いただくのかもしれませんが、全体ではこれをしっかり守ってやっていただけるものだと思っております。
○佐々木(憲)委員 これは基本方針ですから、きちっとやっていただかなければ、例外があってはならないというふうに思います。
 大臣、この文章はどうですか。「これまでの税制は為政者の立場に立ったものであった。それは税務行政にも表れている。」「税制の中身のみならず、税務行政についても納税者の立場に立ち、根本から改革を進める。」「納税者の権利を明確にするために「納税者権利憲章」を制定する。」。
 大臣、これはどこから引用した文章かわかりますか。
○安住国務大臣 もしかしたら、納税者権利憲章の、我が党がやろうと思っていた法案の中の一部かなと思っております。
○佐々木(憲)委員 民主党税調が二〇〇八年十二月に出した民主党税制抜本改革アクションプログラムの中にある文章であります。基本的には、前回の総選挙で民主党が掲げた政策集の中にも示されております。
 納税者権利憲章がなぜ必要かということについては、内閣官房参与の峰崎さんが、「納税者権利憲章で税制が変わる!」、こういう表題の本でありますが、この本の中でこういうふうに言っているんです。「今までの税の徴収の仕方、手続きというのは、徴税の側には非常に有利にできているけれども、納税の側は余り考慮されていないという意味で、相当歪んだ仕組みになっている、これは変えていかなければいけない、」と。
 安住大臣、この問題意識に変わりはありませんか。
○安住国務大臣 はい。峰崎先生の教えを守っております。
○佐々木(憲)委員 そうなっているのかどうかということを、今回の法案の内容についてお聞きをしたいと思います。
 ことし初めに出された法案では、納税者権利憲章を作成し、公表するとなっておりました。今度の政府修正法案で、これはどうなりましたか。
○五十嵐副大臣 御指摘のとおり、ことし一月に国会に提出した二十三年度税制改正法案の中の通則法改正案においては、納税者権利憲章の策定というのが盛り込まれておりました。
 この改正案については、本年六月の三党合意において、各党間で引き続き協議を行い成案を得るとされておりましたが、その後の協議の中で、野党側の感触を踏まえて、与党より、この納税者権利憲章の策定という文言については見送るよう要請があったことから、政府としては、この要請を踏まえた修正案を提出したところでございます。
○佐々木(憲)委員 大臣、峰崎さんの言うとおりになっていないじゃないですか。
 野党側の感触と言いますけれども、野党というのはどの党ですか。
○安住国務大臣 どの党とは申し上げられませんが、成立がなかなか難しいという判断だというふうに党から連絡をいただいて、残念ですけれども、今回そういう形になったということなんです。
○佐々木(憲)委員 私が聞いている限りは、これは自民党だと聞いておりますけれども。要するに、自民党の言いなりになったということじゃないんですか。
 第一条では、「国税に関する国民の権利利益の保護を図りつつ」という法文になっておりましたが、政府修正案はどうなりましたか。
○五十嵐副大臣 御指摘のとおり、本年一月の改正案においては、第一条に「国税に関する国民の権利利益の保護を図りつつ」という文言を追加してあったところでございますが、先ほど申しましたように、六月の三党合意において、引き続き協議をするということになりましたが、この部分についても、与党側から、野党等との協議の間での感触を踏まえて、見送るように要請があり、政府としてこの要請を受け入れたところでございます。
○佐々木(憲)委員 これも自民党が要請して削ってしまったんですよね。
 こう見てきますと、納税者の権利保護に資する条項というものはすべて削除されている。逆に、義務を強化する条項だけ残したということになるんじゃありませんか。納税者の権利を守る、こういう民主党の基本方針は一体どこに行ったのか。これでは、国民の権利保護というのはどうでもよい、こういうことになってしまうんじゃありませんか。大臣、どういう感想をお持ちですか。
○安住国務大臣 更正の請求期間の延長とか理由の付記とか、そういう点では、権利の具現化をする事項の早期実現ということに関しては図られる方向ではあるんですが、先生がおっしゃったように、原案どおりではないな、骨のところがだめじゃないかという御指摘だと思いますが、本当に、今十一月ですけれども、出してから半年以上、粘って粘ってやってきたんですが、なかなかコンセンサスを得られなかったというのは事実でございます。
 ただ、あきらめたわけではなくて、今後とも、納税者の皆さんの側から立った視点での考え方というのをできるだけ法律に入れていけるよう、コンセンサスを得られる努力はしたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 骨が抜かれちゃったら骨抜きになってしまうわけであります。
 具体的に聞きますけれども、税務調査の問題なんですが、税務調査というのは任意調査のことであります。これは、大口、悪質な脱税などを摘発する査察調査とは本質的に違うわけであります。国税庁にこの違いを説明していただきたい。
○岡本政府参考人 お答え申し上げます。
 一般論で申し上げれば、いわゆる査察調査とは、脱税事件として検察官に告発し、刑事訴追を求めることを目的として、国税犯則取締法に規定されている権限に基づいて実施しているものでございます。
 これに対しまして、通常の税務調査は、適正公平な課税を行うことを目的といたしまして実施するものでありまして、各税法に規定されている権限、いわゆる質問検査権に基づいて実施しているものであります。
○佐々木(憲)委員 任意調査ですから、これは犯罪調査ではないんです。つまり、適正な課税を行うに当たって事実関係を確認する、こういう調査ですから、相手の同意を得て行う、これが基本なんですね。したがって、税務署は、事前に納税者に対して調査を行いたい旨を通知しまして、日程、場所について相手の都合を聞いて調整を行う、こういうことになるわけです。
 事前通知、これがなぜ必要か、理由を説明していただきたいと思います。
○岡本政府参考人 現在、実地調査に際しましては、調査を適正かつ円滑に進めるために、さらに調査対象者における調査の準備等に資するよう、原則として調査の日時をあらかじめ電話等により通知しておるところでございます。
    〔泉委員長代理退席、委員長着席〕
○佐々木(憲)委員 この日でよろしいかと事前に相手の都合を聞いて、日程上、例えば、その日は困るということで、都合が悪ければ断ることもできる、こういうことでよろしいですね。
○岡本政府参考人 お答えを申し上げます。
 事前通知の際には、納税者等の都合を伺って、必要に応じて調査の日時の調整を行っているところでございます。
○佐々木(憲)委員 事前にこの日は都合が悪いと言えば断ることもできるということです。
 本来なら、文書によって事前通知をするというのが当たり前だと思いますが、なぜ文書にしなかったのか、この理由は何でしょうか。
○五十嵐副大臣 これも同じ理由でございます。
 一月の法案においては、これを文書で行うとしてきたところでございますけれども、やはり、各党間で引き続き協議を行い成案を得るという、その協議を続けていた中から、新たな税務調査手続の追加については見送るよう与党から要請がございまして、この要請を踏まえて、文書で行うことについては外したということでございます。
○佐々木(憲)委員 相手の都合を聞くわけですから、いついつこの時間にお願いをしたいと、税務署の側が納税者に対してそれを事前に文書で通知する、もともとの法案がそうなっていたんですから。私は当然だと思っていたんですよ。
 ところが、今度はこれを削除して、例えば、口頭でもよろしいとなりますと、その納税者の店の前まで来て、今から調査に行きますよと携帯で通告してぱっと入ってしまう。事前通知とこれでも言えるんですか。
○岡本政府参考人 お答え申し上げます。
 事前通知は、法令上、あらかじめ行うこととされますので、何日前までに行うという規定はございませんが、調査手続の透明性と納税者の予見可能性を高めるという制度の仕組みをかんがみれば、調査開始日までの相当の時間の余裕を置いて行うことになると考えております。
 したがいまして、事前通知の実施に当たりまして、委員御指摘のような、納税者の家の前で事前通知の電話をして往訪するというふうな運用は考えておらないところでございます。
○佐々木(憲)委員 例えばこんな例があるんですよ。福岡で実際にあった例なんです。
 中華料理店を営んでいる業者Aさんの場合なんですが、税務署の担当職員が、朝、電話をしてきた、確定申告の内容を調査したいのでよろしくと。当日は、その日は妻の帰りが夜十時過ぎになるということで、次の日に、あしたにしてくれと。それで、翌日の三時に税務調査を実施することで約束をしていたんです。
 ところが、この職員は、その約束をほごにして、もう一人の税務職員と二人でその日の午後三時半ごろにAさんの自宅を訪問して、Aさんが承諾していないにもかかわらず自宅に上がり込んだ。小学生の三女が風邪を引いて寝ているという状況だったそうですけれども、この子供部屋をのぞき見る、寝室をのぞき見る、こういうことをやった上に、無断で台所の引き出しをあける。とんでもない話であります。承諾もなく家に入り込んだ上、プライバシーの侵害行為が行われたということなんです。
 一度帰ったそうなんです。ところが、また六時ごろ来て、今度は、レジをあけて現金を数え始めた、収納扉をあけた、こういうことをやったというんですね。お客さんがいても、無断で、Aさんが承諾していないのに調査を継続して、どうかお引き取りをいただきたい、お帰りくださいと言ってもやめなかった。最終的には、過去の売り上げが調査の対象だったんですけれども、関係のない、最近の伝票を持って帰ったというんですね。
 約束した人も違う、勝手に上がり込む、プライバシーの侵害をする、レジをあける、こんなやり方は私は任意調査と言えないんじゃないかと思うんですが、大臣、どうお考えですか。どう思いますか。
○安住国務大臣 勝手がわからないものですから、今聞かせていただきましたけれども、それぞれの事情が、どこの税務署かもわかりませんので申し上げられませんけれども、適切な対応をそれぞれやっていただければとは思っていますけれども、個別のことはぜひまた個別にそれぞれの税務署で話し合っていただければと思っております。
○佐々木(憲)委員 こういうことが事実で、これは、国税の不服審判所ですか、そこにも問題が提起されまして、この税のかけ方は間違っているという結論だった。税務署のこの課税の仕方は取り消されたんですよ。
 つまり、やり方についてはいろいろ、税務署の言い分もあるだろうし、当事者の言い分もあるかもしれない。しかし、これは事実として、任意調査ですから、大体、承諾なく家の中に上がり込むこと自体、家宅侵入、犯罪になりますよ。そんなことを税務署がやっていいのか。レジをあけて現金を数える、お客さんがいる前で。そんなことは常識からいっておかしいんじゃないですか。大臣、どう思いますか。
○安住国務大臣 先生の御指摘のように、法律上もそれで見直されたということであれば、それが事実であれば、適正な執行をするよう私の方からも指導してまいりたいと思います。
○佐々木(憲)委員 次に、任意調査に行って、相手の同意を得ながらやる、そのとき、帳簿書類をちょっと貸してくださいと言って税務署が持ち帰る場合があるわけです。これは当然、同意がなきゃ持って帰れないと思うんですが、そのとおりでよろしいですね。
○五十嵐副大臣 御指摘のとおりでございます。
○佐々木(憲)委員 そのときに、その帳簿を今持っていかれたらきょうの商売ができないからちょっと待ってくれと断るということはできますか。
○五十嵐副大臣 強制的に行使することはできません。あくまでも納税者の承諾のもとで行われるということになります。
○佐々木(憲)委員 ところが、項目に罰則というのがあって、同意を前提として、帳簿をちょっと貸してくれ、これが同意を前提としたやり方ですけれども、そのときに何か罰則があるというんですけれども、何のためにこんなものをつけたんですか。
○岡本政府参考人 お答え申し上げます。
 現行の運用上、帳簿の書類その他の物件の提示、提出については、調査の過程で多くの納税者の協力を得て実施してきているところでございますけれども、条文上不明確だとして一部の納税者の方々から協力が得られないケースもあり、課税の公平上の問題もあったところであります。
 こうしたところも踏まえまして、今般、調査の事前通知が法律上明確化されることとあわせて、税務当局が物件の提示、提出を求めることができることについても法律上明確化されるものと承知しております。
 今回の見直しによりまして、正当な理由がなく提示、提出に応じない場合には罰則の適用があり得ることとされておりますけれども、この罰則をもって強権的に提示、提出要求をすることは考えておりません。あくまでも、納税者の方々の御理解、御協力が得られるように努めまして、その承諾のもとに行うという従来の運用を変更することは考えておりません。
○佐々木(憲)委員 だったら罰則は要らないじゃないですか、こんなもの。
 罰則というのは、どういうときに発動されるんですか。
○古谷政府参考人 新しく設けました条文では、正当な理由がなくこれに応じない場合に罰則が発動されることがあり得るということでございます。
○佐々木(憲)委員 だから、正当な理由がなくというのは、例えばどんなことですか。税務署がそれを判断するんですか。あなた、帳簿を貸してくれと言って、いや、ちょっと困るよと言って、正当な理由がなくあなたは言ったから持って帰るんだ、それを拒否したら罰則だぞ、こういう話になるんですか。そんな勝手な税務署の判断で、罰則つきで、帳簿も持っていくというようなことはおかしいんじゃないですか。
 大臣、こんな罰則は外しなさいよ。相手の同意を得て初めて成り立つんですよ、この調査なんというのは。先ほどもあったように、都合が悪ければ拒否もできると言っているわけですね。だったら罰則なんて要らないんですよ。これは外してください。
○安住国務大臣 これを外すのはなかなか難しいとは思うんですね。ただ、正当な理由がなく提示、提出に応じない場合の正当な理由がもう少しわかりやすくあればいいんだとは思いますけれども。逆に、正当な理由がない場合には罰則の適用があり得るとされていますけれども、しかし、この罰則をもって、先ほども国税庁の次長が報告していましたけれども、強権的に行使することは考えていませんということになっているんですね。
 ですから、できれば、先生が言うように外せというのはなかなか、はい、そうですとは言えないんですけれども、正当な理由については、比較的何かわかりやすい説明をきちっとできるようにはしたいと思います。
○佐々木(憲)委員 罰則なんというのはよっぽどのことがないと、こんなものを任意調査で入れるなんということ自体が私はおかしいと思っているんですよ。
 それから、提出した帳簿を税務署にとめ置くことができる、こうなっているんですね。とめ置くということはどういうことですか。本人が、これはちょっと、営業上、税務署に置いたままだと困るんだ、返してもらいたいと言ったら、すぐ返しますか。
○岡本政府参考人 お答え申し上げます。
 物品の預かり、とめ置きにつきましては、これまでも税務調査におきまして運用上行われてまいりましたけれども、今般、手続の明確化を図る観点から法定化されると承知しております。
 現行の運用におきましても、とめ置いた物件については、とめ置く必要がなくなったときには遅滞なくこれを返還しているところでありまして、御指摘のように、納税者からの返還の求めがあった場合にも、特段の支障がない限り返還することとしております。法定化後においても同様の運用になるものと考えております。
○佐々木(憲)委員 何かちょっと、若干あいまいなんですけれども。
 特段の支障がない限り、それは一体何なんですか。帳簿を返してくれといったら、例えばコピーしてすぐ返せば済む話でしょう。返してくれといったら、返しますというのが当たり前じゃないんですか。
○岡本政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほどの特段の事情につきましては、まさに個別事案に応じて適切に判断しておるところでございますけれども、御指摘のように、コピーをとるなどして、できる限り納税者の方に早期に返すよう努めておるところでございます。
○佐々木(憲)委員 では、返してくれといったらすぐ返す、こういうことでよろしいですね。確認をちゃんとしておきたいと思います。
○岡本政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほども申し上げましたとおり、個別事案に基づいて適切に判断させていただきますけれども、納税者の返還の求めがあったときには、できる限り、コピーをとるなど、そういう方法を講じてお返ししたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 今まで質疑をやってまいりましたけれども、どうも民主党が最初に掲げていた納税者権利憲章は、言葉がなくなった。内容は何とか生かしたいというような話をしておりましたけれども、幾つかことしの初めに提案されていた中身が後退しているんですよ。これは三党で協議をしたというけれども、我々は、その後退より、もっと前進させなさいという質問をしていたんです。自民党は後退させろという質問をしていたかもしれない。それで何で自民党の方に行っちゃうんですか。野党の声を聞いてというなら、もっと幅広く聞いてくださいよ。
 我々は、野党のとき、民主党と共闘していたんだけれども、いつの間にか、与党になってどうも立場がおかしくなってきた。納税者の立場に立つというあなた方が掲げた政策を実行する、一時的にこういうふうに後退しても、さらに前進するんだ、そういう決意が、そういう腹づもりが本当にあるのかどうか、その辺を確認しておきたいと思います。
○安住国務大臣 政権交代の前には、納税者権利憲章とか通則法の改正とか、そういうことは出てこなかったわけですから、ようやく納税者の側からも、納税する側の人たちの立場に立った考え方というものをこの法律に入れ込んでいく努力というのは、そうは言ってもやはり政権交代の成果だったと私は思います。
 先生が御指摘のような考え方は、我々と近いところもありますが、しかし、目下の国会情勢の中で、なかなか、そうは言ってもすっきりとその法案が通るわけではないので、軍隊用語になりますが、匍匐前進しながら頑張っていきたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 以上で終わりますけれども、本当に納税者一人一人の権利というのは、民主党が言っていたように、日本の場合は非常におくれているわけですよ。
 したがって、我々は引き続き財務大臣とはこの問題について徹底的に議論をし続けていくということを宣言いたしまして、終わらせていただきます。
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○海江田委員長 この際、両案に対し、寺田学君外三名から、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会及び公明党の共同提案による修正案がそれぞれ提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。寺田学君。
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 経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案に対する修正案
 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
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○寺田委員 ただいま議題となりました両修正案につきまして、提出者を代表して、その趣旨及び概要を御説明申し上げます。
 まず、経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案に対する修正案の趣旨について申し上げます。
 本修正案は、今般の経済情勢にかんがみ、この法律案の改正事項を、今年度において迅速に実施すべき法人課税と納税環境整備に関する事項に限定し、これらの円滑な実施を図るものであります。
 次に、本修正案の概要について申し上げます。
 本修正案において、所得税法、相続税法、租税特別措置法等に係る改正事項の一部を削除することとしております。
 この結果、法律案に存置することとなる改正事項は、法人課税に係る改正事項及び国税通則法に係る改正事項等となります。
 次に、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法案に対する修正案につきまして、その趣旨及び概要を御説明申し上げます。
 まず、本修正案の趣旨について申し上げます。
 本修正案は、去る十月二十八日に政府が提出した東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法案について、国民の負担のあり方を見直す観点から、必要な修正を行うものです。
 次に、本修正案の概要について申し上げます。
 第一に、復興特別所得税の課税対象期間を平成二十五年から平成四十九年までの二十五年間に延長するとともに、その税率を二・一%に引き下げることとしております。
 第二に、復興特別たばこ税に係る規定を削除することとしております。
 第三に、復興債及び当該復興債に係る借換国債については、平成四十九年度までの間に償還することとしております。
 その他、決算剰余金の償還費用の財源への活用、復興に係る特別会計の設置等に係る規定を整備することとしております。
 以上が、両修正案の趣旨及び概要であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○海江田委員長 これにて両修正案の趣旨の説明は終わりました。
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○海江田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 両案及び両修正案審査のため、来る二十二日火曜日午前九時、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○海江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、来る二十二日火曜日午前八時四十五分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時八分散会