第179回国会 財務金融委員会 第5号
平成二十三年十一月二十二日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 海江田万里君
   理事 網屋 信介君 理事 泉  健太君
   理事 岸本 周平君 理事 寺田  学君
   理事 豊田潤多郎君 理事 竹下  亘君
   理事 山口 俊一君 理事 竹内  譲君
      五十嵐文彦君    磯谷香代子君
      江端 貴子君    小野塚勝俊君
      緒方林太郎君    大串 博志君
      大山 昌宏君    岡田 康裕君
      木内 孝胤君    楠田 大蔵君
      小山 展弘君    近藤 和也君
      斎藤やすのり君    菅川  洋君
      中塚 一宏君    橋本 博明君
      藤田 憲彦君    古本伸一郎君
      三谷 光男君    三村 和也君
      森本 和義君    齋藤  健君
      竹本 直一君    橘 慶一郎君
      丹羽 秀樹君    西村 康稔君
      野田  毅君    三ッ矢憲生君
      村田 吉隆君    山本 幸三君
      西  博義君    佐々木憲昭君
      田中 康夫君    中島 正純君
    …………………………………
   内閣総理大臣       野田 佳彦君
   財務大臣         安住  淳君
   内閣府副大臣       中塚 一宏君
   総務副大臣        黄川田 徹君
   財務副大臣        五十嵐文彦君
   経済産業副大臣      松下 忠洋君
   内閣府大臣政務官     大串 博志君
   財務大臣政務官      三谷 光男君
   政府参考人
   (総務省人事・恩給局長) 田中 順一君
   参考人
   (BNPパリバ証券株式会社投資調査本部長)    中空 麻奈君
   参考人
   (横浜国立大学・大学院環境情報研究院教授)    三井 逸友君
   参考人
   (日本銀行副総裁)    西村 清彦君
   財務金融委員会専門員   北村 治則君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月二十二日
 辞任         補欠選任
  菅川  洋君     橋本 博明君
  鈴木 克昌君     大山 昌宏君
  中林美恵子君     磯谷香代子君
  山本 幸三君     橘 慶一郎君
  斉藤 鉄夫君     西  博義君
  田中 康夫君     中島 正純君
同日
 辞任         補欠選任
  磯谷香代子君     中林美恵子君
  大山 昌宏君     鈴木 克昌君
  橋本 博明君     菅川  洋君
  橘 慶一郎君     山本 幸三君
  西  博義君     斉藤 鉄夫君
  中島 正純君     田中 康夫君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出、第百七十七回国会閣法第二号)
 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法案(内閣提出第四号)
     ――――◇―――――
○海江田委員長 これより会議を開きます。
 第百七十七回国会、内閣提出、経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案及び内閣提出、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法案並びに両案に対する寺田学君外三名提出の両修正案を議題といたします。
 本日は、両案及び両修正案審査のため参考人として、BNPパリバ証券株式会社投資調査本部長中空麻奈君、横浜国立大学・大学院環境情報研究院教授三井逸友君に御出席をいただいております。
 この際、両参考人に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用のところ本委員会に御出席を賜りまして、ありがとうございます。両参考人におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、両参考人からそれぞれ十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対し質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御了承願います。
 それでは、まず中空参考人にお願いをいたします。
○中空参考人 こんな偉い方々を前にお時間をいただけるというのは大変光栄なことだと思います。きょうは、ありがとうございます。BNPパリバ証券でクレジットをやっております中空麻奈といいます。
 本来、こういういい場を与えられてしまったので、しかも税制の話だということなので、個人的にも、一国民としても、たくさん税金を払っているので、いろいろなことを申し上げたいところではございます。しかも、子供がいて、子ども手当についても本当は申し上げたいところです。しかも、クレジットアナリストをやっていますので、東京電力の原賠法に関する法案についても一言申し上げたいところではございますが、きょうは、先週ロンドンに行っておりまして、来週はギリシャ、イタリア、フランスなどに行く予定になっておりまして、そういうことから、欧州の財政赤字についてお話をし、マーケットの方で欧州の財政赤字というのはどういうふうにとらえられているのか、これは日本とは全く関係ないこととして考えていいのか、その辺を十分間で皆様の頭の中にたたき込めればいいなというふうに思っております。
 ということで、今、お配りしておりますプレゼンテーション資料が机の上にあるかと思います。ごらんいただきたいと思っておりますが、タイトルが「欧州財政事情からのインプリケーション」というものでございます。
 二ページ目をごらんいただけますか。CDSのスプレッドというものが書いてございます。CDSのスプレッドは多分皆様御存じだと思うので、ここでは割愛します。スプレッドが上に行けば行くほど信用力は落ちていますよということを示しています。ですから、この左の表を見ていただくと、GIIPSと書いてありますが、これはスプレッドがどんどん広がっていますねということがわかります。
 ここで、ふと、GIIPSというのは何だろうと思われた方がいらっしゃるかもしれないんですが、PIIGSというのはよく聞かれると思うんですね。PIIGSというと、ごろが悪いので、豚なので、これは順番を変えてGIPSIに変えたんですけれども、GIPSIもスペインではよくないので、また順番を変えてGIIPSになっています。
 ということで、今、GIIPSというのは、PIIGSなんですが、スプレッドがどんどんワイドニングし、信用力が落ちていることを示しているわけですね。
 我々BNPパリバとしましては、この先の姿を、ちょっと時間がないので割愛して結論だけ申し上げると、ギリシャは一〇〇%デフォルトするでしょうと思っています。それがいつかというと、来年、年が明けてからかなというふうに考えています。これがギリシャの行く末。
 ポルトガルに関しましては、ギリシャととてもパーツが似ていますので、ギリシャがデフォルトしていくと、それに準じてだんだん悪くなるでしょう、ただ、金融支援をもらっているので時間がありますよというふうな段階です。
 その次、アイルランドに関しましては、大分よくなってきたんですね。よくなった話をしたいんですけれども、時間がないので割愛します。
 その次、スペインとイタリア、こちらの方が本題なので。スペインとイタリアにつきましては、デフォルトはないと思っています、大きな国なので。しかしながら、スプレッドのワイド化、つまり、信用力が劣化することはまだあるでしょうと思っています。
 こういったGIIPSの状態に対しまして、右の半分を見ていただきますと、これはフランスとか日本とかのスプレッドもどんどん広がっていることがわかります。つまり、フランスとか日本とかの信用力も落ちていますよということを示しています。
 ページをめくっていただきまして、では、今のギリシャはどんなかということで、四ページ目をごらんいただけますか。右の下のところでございます。
 ギリシャは、すばらしい、大きないい国なんですが、右の下の表に棒グラフがございます、これを見てください。この十二月のお金が何とか、この間のEUサミットで出ることが決まりました。この十二月分はお金を払えるんですが、一、二月はいいとして、次の三月ですね。百四十億ユーロという非常に大きなお金を返さなきゃいけないんですが、これは実は用意がないんです。お金がありませんよという状態でございます。
 ギリシャはこういう状態の中にありまして、ECBからお金を借りているんですが、右の上、預金の減少が続いていますよということです。どんどんお金が出ていっちゃっているんですね。だから、国としての体をなさなくなってきているというのがギリシャの現状でございます。
 次のページ、五ページ目は、ちらっと見ておいてください。ほかの国もいっぱいお金を返さなきゃいけないんだなということがわかります。
 こういうような状態になってくるとき、これは日本は、こんなことはまだ話されていないんですが、国債残高がいっぱい出てくると、あしたお金が返せるかどうかわからないということをマーケットが読むようになりますと、こういう日ばかりの状態を読まれていくようになるわけですね。イタリアやスペインでさえ、そういう状態になっていますよということでございます。
 イタリアの現状ということで、次のページ、六ページ目をごらんいただけますか。イタリアというのは本当に悪いんでしょうかということでございます。
 イタリアというのは、右の下に書いてあります、成長率も確かに低いですし、ベルルスコーニ政権も弱かったですが、では、今日本はその辺はいいですかと言われたら、余り自信のないところですよね。しかも、右の下、債務残高は大きいけれども、プライマリーバランスは黒字。これは日本はどうでしょうといったら、全然黒字じゃないわけですよね。こんな中で、イタリアはどんどん売られているわけです。マーケットでは、イタリアはデフォルトするかもしれないという懸念が出るぐらい売られているわけでございます。
 イタリアにコンテージョンしてしまうと、次がフランスですね。BNPパリバはフランスの銀行なので、フランスは死活問題なんですが、七ページ目をごらんいただきますと、実はフランスも、イメージは悪くなっているんですが、実態はよくなっているんですね。累積債務の赤字だって、二〇一一年は大分よくなって見えますよね。左半分の表を見ていただければわかるとおりでございます。こういったほかの国々はよくなってきているのに、だけれども、マーケットではえらく売られているわけですね。この事実がありますよと。
 こういったソブリンが悪くなっていきますと、その次なんですが、八ページ目、金融機関が悪くなっちゃうんですね。これも大問題でございます。ソブリンが悪くなると、銀行にお金が回らなくなってくる。金融システムで、これが非常に疲弊してくることが大きな問題です。
 では、これを欧州としてはどうやってフォローしようかというと、我々日本でも、七十兆円のファンドを用意したことがありましたが、結局、大きなセーフティーネットを用意して、何とか助けようとしているんです。そのページが、ちょっと飛びますけれども、十一ページ目に行きます。
 今、欧州では、EFSFという安定化枠組みがあるんですね。これに対しましてお金を積んで、何とかコンフィデンスを回復しようとして頑張っているんですけれども、なかなかそれが動いてきません。しかも、左半分で見ていただきますように、EU債とEFSF債は、これは何のことを言っているのかわからなければ後で御質問ください、スプレッドがとても広がっていて、この差があるということは、EFSFで資金調達できませんよということを示しています。ということは、セーフティーネットをつくりたいんだけれども、そこでファンディングできないですよという状態が来てしまっていますねということです。
 ここまでお話をさせていただいて、イタリア、フランスは決してファンダメンタルズは悪くなっていないのにマーケットで売られているということ、これを見ていただいたわけなんですが、では、イタリアのリスクは日本とは無関係と言っていいのかということが次の課題でございます。
 十二ページ目をごらんください。
 イタリアというのは、一般政府のプライマリーバランスを見ていただいても、横の一般政府、債務残高を見ていただいても、やはり日本が一番悪い状態になっているということなんですね、残念ながら。しかも、その次のページ、十三ページ目をごらんいただきますと、イタリアというのは今金利が高くなっているように見えますが、日本だって、財政プレミアムをこれ以上続けてしまいますと、金利は上がっていきますよという絵でございます。金利が上がって、しかも、我々は累積債務が非常に大きいので、そうなってくると、イタリアの二の舞になることは確実でしょうということなんですね。その形が十四ページ目にあらわれています。
 イタリアのリスクというのは本当に日本から遮断されているのかといいますと、金利が低かったり、経常収支が黒字だったりしても、結局、スプレッドが広がっていっていますよということが申し上げたい点でございます。
 日本も、このままほっておいては、やはりイタリアの二の舞になりがち、イタリアのように日本がならないというような理由はどこにも見当たりませんよというのが今の現状なんですということでございます。経常収支の黒字があるからとか、あるいは、日本の国内で消化されているから大丈夫だという議論があるんですが、それは、実は大したことがなくて、金利は上がろうとも、経常収支黒字国でも、こうやってスプレッドが広がり、マーケットでは売られてしまうことがありますよということでございます。
 政治リスクが高かったり、それから累積債務が非常に大きかったりすると、これは財政赤字の悪化とともに、やはり評判は悪くなる、格付も下がっていくんではないでしょうかということでございます。
 時間になりましたので、以上でございます。ありがとうございます。(拍手)
○海江田委員長 ありがとうございました。
 次に、三井参考人にお願いをいたします。
○三井参考人 横浜国立大学の三井と申します。
 私は、中小企業の研究を三十年以上やっておりまして、日本中小企業学会の前の会長であり、また昨年閣議決定されました中小企業憲章に関する研究会にも参加しておりました。また、海江田先生のもとで設置されました中小企業政策審議会の企業力強化部会というところにも加わっております。
 今回、この財務金融委員会にお呼びいただいたわけですが、私は税制や金融の専門ではないし、税金は、使い道には関心はありましても、いわば私自身は取られる側の立場でありまして、なかなか税制の新しいあり方等の議論には貢献できないかもしれません。どちらかといえば、中空先生に比べれば、出口の話ということになってしまいます。ただ、金融庁の金融審議会のリレバンワーキンググループにも加わっておりましたので、金融政策を含め、さまざまな政策における中小企業の立場の反映、中小企業の持てる力を生かした経済社会システムの重要性、こういう立場で考えてきているわけでございます。
 さきの、この中小企業憲章というものを昨年閣議決定された。これが示したのは、これは世界共通して、経済社会の多数派である、経済の背骨、あるいは国家の財産、社会の主役たる中小企業の普遍的な存在意義、その可能性を生かせる社会、そして中小企業の立場で考える諸立法、制度、政策というものが必要であると。先ほど中空先生からヨーロッパの大変さというお話がございましたが、EUというのは、この二十年来、非常に発展を遂げてきた。その中で、九〇年代以降、中小企業政策を非常に重視、強化してきたという経過がございます。
 二〇〇〇年につくられましたEUの小企業憲章、二〇〇八年のSBA小企業議定書、これらに、シンク・スモール・ファースト、リスニング・ツー・スモール・ビジネスという、小さい企業のことをまず考えよう、そして中小企業家の声に耳を傾けよう、こういう立場というものが示されてきた。
 私は、そういうものを、別にヨーロッパの猿まねをしろとか言っているわけでは全くございませんで、いわば世界の共通の流れ、その中に日本がある。そしてしかも、皮肉なことに、ヨーロッパのそうした流れというのは、かなりの程度、日本の経験を参考にした。八〇年代、九〇年代あたりまでの日本の経験。
 だから、何となく私は、こう言っては大変口幅ったいのでありますが、日本は、トップランナーで頑張っていると思ったら、いつの間にか一周おくれになっちゃったんじゃないのかと。それが事実かどうかわかりませんが、少なくともそういう危機感を持って中小企業の現状というものを考え、その将来を展望したいと思っておるわけでございます。
 さきの三・一一の大震災、原発の危機、こういうことによる中小企業への影響はもちろん申すまでもありません。しかし、バブル崩壊以降、残念ながら中小企業の経営状況は決して好ましくない。やはりバブルのマイナスの遺産が二十年たってもまだまだ続いているという感じはあるわけでございます。
 そういう中で、短期的には、最近の景気動向に関する各機関のいろいろな調査等によりますと、やはりことしは三・一一で非常に大きな落ち込みがあったわけですが、幸いにして、ことし中期以降、かなり持ち直してきているという動きがあります。しかし、どの調査もやはり共通して言っていることは、円高を初めとする大変厳しい経営環境の中で、将来につきましては非常な不安があるということ、これは否定できない。だからこそ、今の時点において中小企業の現状をどう発展させるのかということは、やはり私は大事なことだと思います。
 そして、これは私がやはり繰り返し申さねばならないのは、かつて日本は中小企業の役割が大きく、それが明治以降の近代化、さらには戦後の復興と経済成長を支えてきたということはだれの目にも明らかだと思いますが、近年、明らかに、統計的にも、日本の中小企業は衰退の傾向にあります。皆様御存じかと思いますが、今、企業全体の数がどんどん減っております。これは経営環境の厳しさや高齢化等によって廃業していく企業がどんどんふえている一方で、新たに開業しようという方が非常に少なくなっている。これは、世界じゅうみんな同じ傾向ならしようがないよねということになるんですが、むしろ例外的なぐらい日本の現象なんですね。
 私、ことしの六月にスウェーデンのストックホルムで開かれました国際的な中小企業に関する会議に行ってまいりましたが、こういう場で、今、国際的にこうした企業の起業家精神の発展や新規開業についての調査を行っておりますGEMという、グローバル・アントレプレナーシップ・モニターという機関がありまして、そこが調査結果をその都度発表しておりますが、もう日本はほとんど、先進国、発展途上国を問わず、例外的な状況だというのは定評ができておりまして、さきのことしのストックホルムの会議では、日本は震災を受けて大変だねという同情の声のほかは、全く日本に対する言及すらない、まさにジャパン・パッシングという状況でありまして、私は大変寂しい思いをしてまいりました。
 こうしたことにはもちろん、いろいろな要因が働いておるわけでございますが、私は幾つか注目すべきことがあると思います。
 例えば、中小企業白書におきましても、これまで繰り返し出されてきたことは、かつて高度成長や八〇年代ごろまでは、自営業等を開業いたしますと、かなり高い所得が平均して期待できるという統計結果があった。しかし、それが近年逆転いたしまして、雇われている、雇用者でいる方が所得が平均して高い。これではやる気は起こらぬでしょうという状況があります。
 それは、もちろん個々の企業の経営責任はありますが、しかし、何よりも、中小企業をめぐるこの経営環境の厳しさ、これが大きな問題であるということがそこで指摘できるかと思います。
 この問題は、特に、単に経営環境だけではなくて、先ほど言った高齢化で、かつて高度成長等の時代に開業した方々がどんどん年をとりまして、世代交代期を迎えている。しかし、後を継ぐ人がいない。後を継ぐ人がいないというのは、今の時代、企業を起こすことがダサいという印象があるのかもしれませんが、それ以上に、先ほど言った経営環境の悪さ、こういう中では息子たちに継がせることも難しいよね、そういう印象が多々あるわけでございます。
 この意味から申しますと、私は、特に、事業承継に関する税制の対応ということ、これは大変望ましいことであると。
 近年、政府の方でも御努力いただきまして、新しい立法やさまざまな措置をいただいておるわけでございますが、しかし例えば、残念なことに、経営承継円滑化法、これについての中小企業白書における記述を見ましたら、実施件数が二十九件と、まだまだ大変寂しいわけでありまして、日本の中小企業五百万近くの数に比べれば圧倒的に少ないという現状があります。この辺は、税制面でのもっと御配慮が必要だし、そして、これは日本だけの問題ではございません、先ほど言ったEU等も同じような状況で取り組んでいるところでございます。
 さて、何よりもかよりも、しかし、今回の大震災によりまして、地域に存在している中小企業、とりわけ小規模零細な層まで含めて、これらが、地域経済とのかかわりの深さ、逆に言えば、地域はまさにそれによって支えられている。しかし、それらがこうした震災や津波で大きなダメージをこうむりますと、もう地域の経済自体が立ち直れない、こうした深刻な状況があるわけでございます。
 これに対して、今、ちょうど昨日、国会で正式に決まったそうでありますが、政府の方でも、いわゆる二重ローン対策という形で、これまでの借金で入れていた建物、設備、機械等がみんな流されてしまってゼロからスタートせねばならない企業を何とか救わねばならぬ、これを救わないと地域の金融機関も不良債権の山に囲まれてしまう、これに対して、与野党の間でいろいろな動きがあったということを私も承っております。
 そして、これまでの政府の路線に加えまして、新たな立法が昨日正式に成立したということで、私は、これは大変喜ばしいことだと思っておりますが、何よりかよりも、震災からの復興ということに対して一番大事なことは、やはり思い切った資源の投入を迅速にやることです。
 被災地の企業の方々の声を伺いますと、やはり大変厳しい。しかし、もう何もないんだから、裸一貫からもう一度スタートするんだという意味で、私は、宮城県の方の料理店のあるじの方のお話を聞いた機会がありますが、もう津波ですべてを失った、借金しか残っていない。しかし、その方が、ある意味にこにこしながら、でも私は再建できるという確信があります、この二重ローンが何とか解決できて、新しい店を再建できればということをおっしゃっていた。これは非常に印象がありました。
 そして、この方はなぜそんなに自信を持って再建できるとおっしゃっているのかというのは、もちろんお金の問題は心配でありますが、それ以上に、実はさっきの事業承継が絡んでおりました。息子さんがもう後を継ぐ形で店に入っていた。息子がこれから頑張ってくれるということで安心していたら、この津波を受けてしまったということですが、逆に言えば、税制等において、こうした被災地の今頑張っている企業の後を押していただくということも大事なことかと思います。
 個別の税制についての問題等々は、いろいろ御質問等が後であろうかと思いますので、それはおいておきますが、やはり、今政府の方で、特にこの三次補正におきまして、中小企業庁関係で六千九百五十億円という新しい予算がつく、これは大変画期的であり、喜ばしいことであります。
 しかし、何よりもかよりも、先ほど言ったように、今の、この震災の被災地のみならず、全国の経済、その地力をもう一度よみがえらせるためには、思い切った踏み込みをしていただきたい。
 では、その財源はどうするんだと言われると、私も大変苦しいところでありますが、しかし、それをやらないで、今ひたすら、何とか現状を、あらしが過ぎるのを待っているわけにはいかない。日本の経済の、明治以来の、戦後のこの地力というものをもっと生かすような、そういう可能性に向けて積極的に有効にお金を使っていただきたいというのが私の考えでございます。
 以上でございます。(拍手)
○海江田委員長 ありがとうございました。
 以上で両参考人の意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
○海江田委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。江端貴子君。
○江端委員 民主党の江端貴子です。
 きょうは、中空、三井両先生にお越しいただき、また私に質問の機会をいただき、ありがとうございます。大変参考になるお話をしていただきました。時間も限られておりますので、早速質問をさせていただきたいと思います。
 今回の法案は、リーマン・ショック以降の経済状況の中、またユーロ危機などの状況下において、経済社会が根本的に構造変化している、その中でどういった対応をしていくのか、また日本の場合は、東日本の大震災、この復興のための財源をどうしていくのか、こういったことで議論がされているわけでございますけれども、まずは中空参考人にお聞きいたします。
 サブプライムローン問題、それからユーロの連鎖不況など、私も御著書を拝読させていただきました。そしてまた、今、欧州の財政事情からのインプリケーションということで、私も、ちょうどEUのサミットが行われているときに、そこにいらっしゃる村田議員ともどもEU議会の方も訪問させていただきまして、非常に緊迫した空気を感じさせていただきました。
 そういった中で、東日本大震災が起きてしまった。このことに対しては、被災地の方々の思いも、当然私たちも、日本人として何とかこれをきっかけに再生に向けて立ち上がらなくてはならない、そういった思いがあるわけですけれども、やはりマーケットとしては、この東日本大震災をどのように見ているのか、その前後に対して、日本に対してどのように評価をしているのか。先ほど、日本もこのままでは非常にまだリスクを抱えているというお話もございましたけれども、そこのところについて少しお聞かせいただけないでしょうか。
○中空参考人 ありがとうございます。
 震災国債の発行を十九兆円というふうに考えていますが、これに関しましてマーケットあるいは格付機関と話をしますと、例えば十年間の十九兆円ですと、一年間にしますと二兆円弱ですから、大したことはないというのが正直なところでございます。
 震災国債、あるいは震災用の例えば四十五兆円というのを持ってきたとしても、大きなお金ではあるんですが、我々の長期債務は二〇一四年には千兆円を超えるというレベルですから、正直、大したことはないというような評価でございます。ですから、どんとやってください、お金を使って、ばんと景気回復をしてくださいというのが基本的なマーケットの見方だと思います。
 ただ、では、どういう財源を持ってくるかということに関しましては、簡単に、法人税だとか所得税だとか、取れるところから取るというのではなくて、やはり消費税も含めて、ちゃんと改革をやっているんだ、社会保障と一緒に一体改革をやっているんだということを世界に示せるような、日本国のマネジメントである政治家の方々が、そういう意識がありますよということを示していただくと、相当日本としては評価されるんじゃないかと思います。
 使わなければいけないお金がたくさんあるのは仕方がないですし、これは不幸な話なので、そこに関してはだれもお金を使うことには文句がない。マーケットもそれは同じでございます。ですから、あとは、どういう財源を持ってくるか。うまく持ってきて、しかもうまくコントロールして、ちゃんと社会保障も含めて一体改革をし、ちゃんと財政再建していきますよという道筋をうまく出していただけることがマーケットからの願いだということだと思います。
○江端委員 ありがとうございます。
 昨日のニュースによりますと、ウォーレン・バフェット氏も福島の企業を訪ねて、日本の再生に期待したいということを御発言されたということもございますけれども、今お話がありましたように、今回、復興債の償還期間については非常に議論がございました。
 私たちの党としては、これ以上負担を次世代に先送りしたくない、なるべく復興の期間中にその負担を担うべきだということで、当初十年という案を打ち出しておりましたけれども、一方で、復興に資するものは次の世代の資産にもなり得るわけだから、建設国債相当の六十年ぐらいで償還すべきだというような議論もありました。
 そういった中で、今、二十五年ということに落ちついてはいるんですが、この償還期間については先ほど、十年間ですと二兆余りだから大したことがないという御意見もございましたけれども、この償還期間についてどのようにお考えか、ちょっとお聞かせください。
○中空参考人 マーケットのインパクトということから申し上げますと、先ほどちょっと言ってしまってフライングだったんですが、やはり十年であるべきかなと思います。六十年というのはいささか長過ぎるということもございます。
 やはり、償還を長くすればいいものじゃないんですよね。国債の残高というのは積み上がっていますけれども、それはどういう目的で使っているのか、それをはっきりさせることが重要と思います。
 今回、震災のために使うものであれば、それは将来に資するというよりは今復興するべきものなので、ですから、やはりできるだけ償還期間は短い方がいい、つまり現役世代で消化すべきだとマーケット的には思っている、私自身もそう考えております。
 以上です。
○江端委員 ありがとうございました。
 それでは次に、三井参考人にお聞きしたいと思います。
 先ほど、中小企業が非常に厳しい、特に日本は例外的に厳しいというようなお話がございました。そういった中で、今回、この二つの法案のスキームによって、中小企業、法人税が今、本則二二%が暫定的に一八%になっておりますが、これを一五%に引き下げ、ただ、復興のためにということで、三年間はここにまた一〇%の付加税を乗せるということで、実質的に、ほかの税目をいろいろと考え合わせましても、中小企業としては何とかネット減税にはなるのかなという感じはしておりますけれども、この今の法人税のスキーム、あるいは三年間暫定的に復興のために税率を上げるというようなことについて、御意見がございましたら、ぜひお聞かせください。
○三井参考人 ありがとうございます。
 大変難しい問題であると思います。法人税率というのは、いろいろな意味で大変大きな論点になっておるということは私も承っておりますが、これはどういう形がベストかというのは、なかなか一概に言いにくいところではございます。
 世界的に見ても、中小企業のために大変踏み込んだ税率軽減ということが行い得るのかというのは、これまた議論のあるところですが、ちょうど昨日、スペインでは総選挙で与党が負けまして、政権交代だと。そして、新しく政権につく国民党は、中小企業に対する減税を公約の一つにした。これはもちろん別に震災ではなくて、ヨーロッパで、今の厳しい状況で、経済の活力を回復するということが目的だというふうに聞いております。
 今御質問がありました法人税率の問題でございます。これは、中小企業団体はほぼ共通して、今までの日本の中小企業の置かれた環境からいって、税率をもっと下げていただきたいという御意見は非常に強いようでありますので、今回、一五%というのはそれなりに妥当なのかなと思うところでございます。
 ただ、また一方で、先ほどありましたように、震災復興ということで、また今度は上乗せ分が出てくる、こういう形でいかざるを得ない。これにつきましても、いろいろな中小企業団体や企業者の方々から、それは物すごく困るよという声はなかなか出ないのでありまして、やはり震災復興のためには自分たちも貢献したいなという考えが強いかもしれません。
 ただ、私として申し上げたいことは、いわば今の税制全体の中で、中小企業の果たすべき役割を、一般的な法人課税等々だけではなくて、さまざまな、先ほどの事業承継やいろいろな問題を含めて改革、改善することによって、税金だけで経済を回復させることは難しいでしょうが、もっと中小企業にとって望ましい経営環境をつくれるのではないか。
 そういうことについては、残念ながら私は専門家ではございませんが、ぜひとも議員の皆様方にお勉強していただければと私も期待しているところでございまして、勝手になりまして申しわけございません。
○江端委員 それでは、三井参考人に引き続きお聞きをいたします。
 もちろんここは財務金融委員会でございますので、税制とか金融面といった話が中心にはなるんですけれども、今、中小企業の立て直しということで、さっきの事業継承の話もありましたが、人材の育成というのがやはり非常に大きな課題になっているのではないかと思います。
 そこに対して御意見がございましたら、ぜひ、短い時間で恐縮ですけれども、よろしくお願いいたします。
○海江田委員長 三井参考人、短い時間に限られていますので。
○三井参考人 おっしゃるとおりでございまして、人材育成は大変なかなめでございます。先ほどの事業承継も、もちろん経営環境の問題、税制の問題等もありますが、何より後を継ぐ人が育たないとどうにもなりません。
 この意味では、私、ぜひ申し上げたいのは、もちろんいろいろな問題は個々にありますが、狭い意味での後継人材であるとか経営者といったことだけではなくて、世の中全体において、社会全体において、中小企業を担っていく、将来の経営者になる、あるいはみずからチャレンジして企業を起こすということをもっと考えていただくきっかけをつくっていただきたい。
 実は、先ほどの中小企業憲章をつくるについて、私、その議論に参加して、そういうことに関する関心が余りにも日本は低過ぎる、そして社会全体の中でも関心が乏しい、ここを変えていただきたいということを、単に政府の政策だけではなくて、世の中全体、社会全体でそこを共有し、努力していただきたい、教育の問題を含めてということを申し上げました。
 以上でございます。
○江端委員 ありがとうございました。
○海江田委員長 次に、丹羽秀樹君。
○丹羽委員 おはようございます。自由民主党の丹羽秀樹でございます。
 本日は、参考人の中空先生、三井先生、早朝から、お忙しいところ、先生方の御高説も拝聴させていただきまして、本当にありがとうございます。特に両先生のお話はまだまだ時間を持って御拝聴させていただきたいなと思っておりますが、どうぞ、限られた時間でございますので、お許しいただきたいと思っております。
 昨日、今回の平成二十三年度第三次補正予算が参議院の方を通過いたしました。歳出と歳入が別々に通過するというのは珍しいことだなと私は感じておりますが、そういったところでぜひ、まず中空先生にお尋ねしたいんです。
 先生の先ほどの御高説の中で、まさに我が日本の国は、欧州初め、そういった国際的な金融危機以外に、我が国においては歴史的な、まさに経験したことがないような円高と、経済を取り巻く環境というのが本当に厳しい状況だと思っております。
 そういった中で、先ほどの先生の話で、このまま日本の、債務残高もそうですけれども、金利が上昇したら、我が国は今後、本当にどうなっていくのか、それがちょっと私も心配でございます。もちろん、今の状態では金利はなかなか上昇しないと思いますが、もし先生の御見解をお聞かせいただけたらありがたいと思います。
○中空参考人 どうもありがとうございます。
 金利が低くおさまっていることが、唯一日本国債の格付が高い理由になっています。
 ムーディーズやS&Pや、そこの格付機関の人たちが正しいことを言っているかどうかは別としまして、その人たちとお話をしますと、今、日本国債の格付を下げない理由は二つです。一つは補正予算に期待しているから、もう一つは金利が低いからです。補正予算がどんどんどんどん上振れていかなければいけないと仮定しますと、金利が低いことだけが日本国債を守っている理由になっていくんです。
 先ほどのプレゼンテーションの十三ページ目、軽く飛ばしてしまいましたが、長期金利は名目成長率と財政プレミアムで説明ができます。これから財政プレミアムというのはどんどん乗っていくんですね。名目成長率は余り上がらないと仮定しましても、財政プレミアムはどんどん乗っていくと仮定すれば、どこかの時点で必ず長期金利は上がっていってしまうと思わざるを得ないんですね。
 この十三ページ目の下の方の表でグリーンの線がございますが、これは金利みたいなものをあらわしているというふうに見ていただくと、どんどんやはり上がっていく傾向にございます。どこかで上がってしまえば、日本国債は必ずや格付も下がるでしょうし、そうなると資金調達コストは上がっていきます。
 ほかの国のことなので今のところ何となく対岸の火事ですけれども、やはり人ごとではないという意識は必要かなと考えています。
 以上です。
○丹羽委員 ありがとうございます。
 まだ我が国は欧州と、特にギリシャなんかと比べて、国債の持つ、外国人比率というのも、それぞれ条件的なものが違うと思うんですが、やはり私も先生と同感であります。
 金利がまだ今低い状態だから海外の方は安心して日本の国債を見ていらっしゃると思いますが、しかし、一たん、一たび金利が上がり始めた場合、もう本当に自転車操業をしなきゃいけないぐらいの、三月に一回は日本の経済の危機というのが起きてくるんじゃないかというふうに我々も考えております。
 そういった中で、やはりしっかりと財政に裏打ちされた経済対策をとっていかないと、我が日本の国は、かつて我々も政権与党でありましたけれども、今、これからの目まぐるしい経済成長というのは本当に厳しいと思いますので、しっかりと、経済対策をどのような形でやっていくのか、それは財政規律も含めて考えなきゃいけない時代に来ていると思います。
 そして、三井先生にも、ぜひ中小企業の点でもお聞きしたいと思うんです。
 私は、中小企業、もしくは農業でもそうですが、後継者が育たない産業というのは、これはしっかりと政策が何とかしないと、もう本当に産業として成り立っていないというふうに思っております。
 今国会においても、二重ローンそして事業承継の問題、さまざまな政策を展開いたしておりますが、まだまだ実際足りないんじゃないかと思っております。何か三井先生のお考えの中で、こういったもっと大胆な政策があるということがございましたら、お聞かせいただきたいと思います。
○三井参考人 まことに当を得た御質問をいただきました。
 ただ、私として若干ためらいがあるのは、ここは財務金融委員会でございまして、そういう話をしてもいいのかなという感じがございますが、先ほどの御質問からもありましたので、少し広いパースペクティブで語らせていただきます。
 ここで一つのキーワードは、起業家教育、アントレプレナーシップエデュケーション、ここは別に文部委員会ではないと思いますが、世界じゅうで、先ほど言った国際会議等を含めて、この起業家教育という考え方が非常に普及しております。ほとんど何もしていないのは日本だけでございます。
 そのおかげということがあったと言えば語弊があるかもしれませんが、例えば、私は大学で中小企業関係の講義を三十年来やっておりますが、三十年間何も変わっていないことが一つあります。私の教育力の不足ではございますが、新たに講義を聞きに来る学生諸君は、日本の中小企業の存在、統計的な実態、現実の役割等々含めて説明をしますと、大部分の学生諸君は、初めて聞いた、知らなかったとおっしゃるんですね。何も変わらない。そして、いろいろな調査の結果でも、そうした新たに起業してみたいという関心が非常に乏しいというのが至るところで、ますますそうなっているということが出てくるわけですね。
 これはやはりおかしいんじゃないか。アメリカもヨーロッパも、もちろん中国など発展途上の国々もみんな、何か新しいことにチャレンジしよう、何もだれもが社長を目指さなくてもいいけれども、そういうことの可能性を考えていいんじゃないか、そういう教育をぜひ考えていただきたいということがございます。
 ただ、そういうネガティブなことだけではなくて、もう一つだけございます。これもこの場には大変ふさわしくないんですが、最近、社会起業家、ソーシャルアントレプレナーということへの志向性が非常に強まっております。私は頼まれると何でもやりますので、今、内閣府の補助金で社会起業家育成という大規模なプロジェクトが全国で行われ、私は地元の横浜でお手伝いをしておりますが、企業を起こしたい、でもそれは、何となくお金もうけと言うと後ろめたいけれども、そうじゃなくて、世のため社会のために役立ちたいということ、すごい意欲が若い方から高齢の方までたくさんあります。
 ただし、社会的企業というものがすべてで、これで日本を支えられるかは少し私は心配なんですが、しかし、それが日本の大きな、機運を変える、カルチャーを変えるということになるのならば、これはいいことだと思っております。
 ただし、社会的企業こそが実はお金の面では非常に大変である、そんな簡単にお金がもうかればとっくにやっているよということでございますから、ですから、税制等におきましても、もし可能であれば、そうした社会的企業に対しても一定の配慮をいただけるのも必要かな、これまで余りそういう議論がなかったので、一石を投ずる意味で一つ申し上げさせていただきました。
○丹羽委員 ありがとうございます。
 まさに、本当に次世代を担う起業家、そういった起業家をしっかりと育てていくことも政治の仕事だと思っていますし、もちろん政治だけじゃ無理でして、やはり教育も、しっかりと現場で先生方にも頑張っていただいて、また我々もそれをサポートする形にしなきゃいけないと思っております。
 最後に、両先生に一点だけお聞きしたいと思います。
 今回の補正予算の財源につきましては、復興債を充てるということで三党で合意いたしておりますが、例えば、今後、復興に対する予算がさらに必要になった場合、もちろん、除染を初めさまざまな作業が今後の課題で残っていますが、そういったものが必要になった場合、そしてまた、復興している最中にさらにほかの災害が、大きな災害が起きた場合、再度我が国は復興債を発行しなければいけないのかどうなのか、御両名の先生にお尋ねしたいと思います。
○中空参考人 全くの私見でございますが、債券は債券でございます。ですから、復興債は場当たり的にお金をつくるためのもの、本来の財源は消費税であるべきかなというふうに私は考えています。
 以上です。
○三井参考人 最初にお断り申し上げましたように、私は財政や金融や、また税制の専門ではございませんので、非常に微妙な、難しい問題だと思います。
 だから、私として大変お答えしにくいのでありますが、しかし、中空先生はおっしゃっているけれども、私は、消費税をふやすということは非常に警戒感があります。やはり、恐らく今のヨーロッパもそうでありますが、いかにして景気を刺激し、経済を立ち直らせるかということが大事であり、また日本にはその地力があると思いますので、消費税増税ということは、過去においても、やれば景気が一遍に落ち込むという日本のパターンがございますので、そう簡単にはやっていただきたくないなという思いでございます。
○丹羽委員 ありがとうございます。
 消費税の議論は、もちろんこれは今後多分やっていくと思いますが、三井先生のお話にもありますが、やはり消費税というと国民の皆さんが構えてしまいます。そこは、マスコミを上手に、我々もアナウンスしなきゃいけないなというふうに思っております。
 きょうは、本当に貴重なお時間、質問させていただきまして、ありがとうございました。
 以上で終わります。
○海江田委員長 次に、竹内譲君。
○竹内委員 おはようございます。公明党の竹内譲です。
 最初に、中空先生にちょっと御質問いたします。
 いろいろなところで意見を述べられているんですが、きょうも最初にちょっと述べられました。今回の財源を確保する上で、子ども手当は削減ではなく完全撤廃することが大事だというふうに述べられていますし、それから、子ども手当のみならず、全方位で見直しを実行し、数兆円の予算を浮かせる必要があるということも述べられておるわけでありますが、改めてその趣旨をちょっと詳しく説明していただけませんでしょうか。
○中空参考人 今、現状で日本が財政赤字を立て直すために何が必要かと考えますと、基本的には、ばらまき政治ではなくて、やはり財政再建、財政を立て直すことだと思っています。
 財政を立て直すにはどうしたらいいかというと、歳入をふやすことが一番なんですが、歳入を今ふやせる局面かというと、そうではない。そうすると歳出を考えなければいけませんねということだと思います。先ほど丹羽さんから歳出と歳入に関してはやはりセットで考えるべきだと、私も非常にそう思っているんですが、歳入がふえないんであれば、やはり歳出を考えるべきと思います。
 では、歳出のあり方というのはどうあるべきか。これは質の議論になってくると思うんですが、今、現状で使っている子ども手当とか、それからあと高等学校の無料化とか、あれは本当に必要なんだろうかということを考えます。それよりももっと必要なことというのはあると思うんですね。財政再建をすることの方がもっと大事と思いますから、今ここで子ども手当を配って、その財源のしわ寄せを未来の子供たちが支払わなければいけないということになるよりは、それよりは、今、財政再建をした方が私は好ましいと思っています。
 私自身も親ですので、二人の子供を育てています、ですから子ども手当は欲しいは欲しいです。右手では欲しい、だけれども財政再建をして、子供たちが、例えば私たちが今十万円セーブして百万円彼らが払わなきゃいけなくなるんであれば、これはやめてあげたいと思うんですね。
 ですから、将来世代と現役世代との世代間ギャップを考えると、子ども手当等々はやめてもいいんじゃないか。それも、ちょっとやめるといっても大して変わらないので、抜本的にやめて、国民としては、こういう方向でやるべきですよという指針を示すことが必要だと思うので、そういうドラスチックな意見を述べたまでです。
 以上です。
○竹内委員 よくわかりました。我々も議会では、衆議院ではそういう議論をかなりやりまして、子ども手当の見直し等を含めて踏み込んだわけであります。
 次に、同じく中空先生にお伺いしますが、消費増税が復興財源として必要だというふうに先ほどからおっしゃっているんですが、その理由をちょっと述べていただけますか。
○中空参考人 税金にはいろいろな税金がありますよね。法人税もそうです、それから所得税もそうです、もちろんたばこ税もそうだと思います。いろいろな検討するべき税があると思うんですが、今まで何かと、税金を上げようというと、必ず法人税、所得税、たばこ税みたいな簡単に取れるところから取ってきたような気がしてならないんですね。
 あとは、国際的な比較から考えましても、日本の消費税五%というのはいかにも低いです。ほかの国々は二五%、二〇%、平均的に取っております。逆に言いますと、今、日本国債の格付をつけている格付機関なんかは、そこにのり代があるから日本というのはまだ格付が高い、もっともっと、日本人はまじめですし、一〇%にしたり一五%にしたら、どんどん税率が上がっていけば税金は上がるでしょうということもありまして、ここをのり代としてとらえる向きもあるんですね。
 何が言いたいかというと、確実に取れるものから取るわけではなくて、やはり広くもっと取っていくべきだし、それは国際的基準から考えても決して変な話ではないと思っています。ですので、消費税増税という色をもう少し出してもいいんじゃないかと考えます。
 それから、法人税やたばこ税というのはやはり特定の人から取ることになる。所得税もそうですよね。それに対しまして、消費税というのはやはりみんなの、国民の意識を高めることになるかなと思っていますので、消費税はどうかなというふうに考えている次第です。
 以上です。
○竹内委員 経済理論というか、そういう意味ではおっしゃる点もうなずけるところはあるんですね。確かに、消費税を二%上げれば五兆円ですか、それで二年やればもう十兆円になりますから、あっという間に財源確保できるということは言えなくもないんですが、あとは政治的な問題だというふうに思います。
 もう一つお聞きしたいんですが、市場の信認ということなんですが、先ほどの資料を拝見していますと、十五ページを見るとイタリアと日本の国債保有者比較が書いてありまして、ここを見ると決定的に違うところがある。イタリアの場合は世界その他の地域が持っている部分が五三%で、日本の場合は海外が五%ぐらいしかないということで、国債が暴落して金利が急騰する場面というのは、イタリアのようなところとはちょっと状況が違うのかなというふうに思っています。
 むしろ、日本の銀行は、今融資先がないんですよね。全然貸出先がないので相当お金が余っているから、仕方なく国債を買っている、こんな状況が続いている。それともう一つは、復興需要が出てきて、民間に資金需要が出てくると、逆に資金が逼迫してじわじわと金利が上がってくることが今後考えられるのではないか、こういうふうに考えておるんです。
 そういう意味ではちょっとイタリアの場合と違うように思うんですが、その点はいかがですか。
○中空参考人 イタリアと全く同じということは毛頭申す気はないんですね。イタリアと似ているところと違うところがございますということです。先ほど御紹介いたしましたのは、イタリアと日本が似ていますよというところなんですね。ですから、イタリアがこういうふうな状況になったので日本は別格とは言っていられませんよという話でございました。
 御指摘のように、イタリアと日本というのは違いまして、先ほど御指摘いただいた十五ページ目の国債保有者比較を見ていただいても、やはり日本というのはほとんどのものが日本で消化されているわけですね。ですから、リスクはほかの国に行かないという面もございます。
 でも、逆の言い方をしますと、日本国債に魅力がないので外人が買わないという見方だってできるわけですね。ほかの国のものは、例えば米国債なんかは外人がばんばん買っているわけです。これを考えると、日本のこれからを考えれば、やはりほかの国の人々にファイナンスしてもらえる日本というのも考えておくべきだと思います。日本国内で消化しているから大丈夫という発想は徐々にフェードアウトして、ほかの国にも持ってもらえる日本国債を発行しようという発想を我々は持つべきかなというふうに考えています。
 でも、御指摘のとおりで、今この時点で日本国債とイタリア国債が全く同じだから日本国債はイタリア国債になってしまいますよと言う気はないです。ただ、似ているところがたくさんあるので、やはり彼らを対岸の火事と見ていないで、日本の財政赤字を再建すべき、やはりそこに戻ってくるかなということでございます。
 以上です。
○竹内委員 よくわかりました。
 最後に三井先生にお伺いしたいんですが、先ほどおっしゃっていた事業承継の件の中で、特に事業承継のここを改めるべきだという点がありましたら、ひとつお聞かせ願えますでしょうか。
○三井参考人 具体的な細かい、特に税制上の問題等に踏み込むのはなかなか難しいところではございますが、今の被災地の被災企業等の問題を別とすれば、一般的には、やはり事業承継というのは、基本的に、既存の税制等々のままでいくと、相続等においてどんと税金で持っていかれるとか、事業が継続できなくなってしまう、あるいは資産が分散してしまう、非常に難しい問題があるわけでございます。だから、世界じゅう、ヨーロッパも含め、いろいろ知恵を出し合っているわけでありますが、基本的なスタンスとして必要なことは、やはり現実に今起こっている中で、承継がより容易になるような措置をできるだけきめ細かにやっていただく、大変抽象的な言い方で恐縮ではございますが。
 ちなみに申せば、全国中小企業団体中央会の意見では、贈与者の要件であるとか、そもそもの制度の対象とか、あるいは資産の評価のあり方とか、その辺にもう少し見直しができないものかと。先ほど言ったように、せっかくいい法律をつくっても実行されないということは、まだまだ制度と現実とのミスマッチがあると思いますので、その辺をもう少し考えていただくことが望ましいのかと思います。
 もちろん、先ほど言ったように、それは単に税制や制度だけの問題ではなくて、やはり後を継ぐ人をどう育てるかという問題に根本的には帰ってまいりますが、そのことは別ということで御理解いただきたいと思います。
○竹内委員 これで終わりますが、ぜひ三井先生には、学生にも、お金もうけは悪いことではないということもぜひ教えていただいた方がいいんじゃないかなということを要望して終わります。
 ありがとうございました。
○海江田委員長 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 きょうは、大変貴重な御意見をお聞かせいただきまして、ありがとうございます。
 まず、中空参考人にお聞きをしたいと思いますけれども、私もこの十五ページの図を見まして、これは、国債の比較というよりも、むしろ右側の日本の国債保有者の特徴なんですが、中央銀行、銀行、ゆうちょ、保険と、金融機関が圧倒的多数でありまして、六割を超えているんでしょうか、このぐらいの比率になっておりまして、大変高いわけです。
 その理由ですけれども、景気が全体として低迷している中で、日銀が史上空前の量的緩和を行っている、しかし、銀行はなかなか投資先が見つからない、したがって、じゃぶじゃぶと日銀と銀行の中に資金がたまっている、この状況を国債を買うことによって解消している、これが実態ではないかと思いますが、どのようにお感じでしょうか。
○中空参考人 ありがとうございます。
 おっしゃるとおりでございます。預金はたくさん来るんですね。日本国民というのは保守的ですから、何かに投資するというよりは、預金に置いておきましょうということがほとんどでございます。ですから、預金を入れますよね、そうすると、ほとんど金利はつかないんですが、余り金利が高くない日本国債に置いておいてもそれで十分ペイするということになりますので、日本の金融機関は比較的多く国債を持ってしまいがちでございます。投資先がないということもそうですし、国民の人たちが預金をしてしまうというのもそうだと思います。
 また、国民性なんでしょうか、リスクアペタイト、リスクをとっていくということが余りないですね。リスクがあるからリターンがあるんですけれども、それを割と忌み嫌うところがございまして、安定的な資産ということで日本国債を買う向きも非常に高いと思います。
 ということで、基本的には御意見と同調いたします。
 以上です。
○佐々木(憲)委員 三井参考人にお伺いしますけれども、今最大の課題は震災からの復旧復興でありまして、とりわけ被災地の特徴は、零細企業が非常に多い、農林水産業が圧倒的多数である、そういう状況の中で、高齢者も非常に多いわけですね。その復興に当たりまして、これらの被災者の方々あるいはなりわいをどのように再建していくか、これが非常に重要な点だと思うんです。
 私どもは、ともかく住民の要望を基本に置いて、余り上から枠をはめるんじゃなくて、そういう人たちの生活を支援するということを国の政策の基本に置くべきだと思っておりまして、特に個人の資産の問題についても、これは個人のものだからということで国は余りお金を出さないなどということではなくて、しっかりと支援をすべきだと考えておりますが、三井参考人はどのようにお考えでしょうか。
○三井参考人 御指摘のところはもっともでございまして、先ほど申し上げたように、日本の中小企業のマジョリティーは、従業員数人のいわゆる家族経営、生業的、なりわい的経営でございます。それが日本の経済活力なりと無関係なのかという考え方は私は正しくないと思っている。やはり、それがあってこそ日本の経済全体がここまで来たんだと。
 しかも、先ほど御紹介しましたEUの小企業憲章、さらには二〇〇八年のSBA、小企業議定書、この小企業議定書の第一は、企業家と家族経営にとってベストな環境をつくるということで、ヨーロッパにおいてもやはり家族経営というものの普遍的な価値を再認識しているところである。これは、世界共通して、やはりそうした企業というのはマジョリティーを占めているわけですね。
 特に、今先生御指摘のような被災地におきまして、この地域というのは、もちろん製造業や商業だけではなくて、農林漁業等を含めて、非常に多くのそうした家族経営、生業が地域をそのまま支えてきた。さきの日本の中小企業憲章におきましても、そうしたものの役割、これが地域の経済社会を成り立たせているということに大いに思いをいたすべきであるということを明らかにしております。この見地は今こそ非常に大事だと思っております。
 ですから、私としては、今の御指摘のように、そうした部分までも、もちろん、本当にあすも知れないという大変厳しい状況があるから、まず生活できる条件を整備するということがあることは事実ですが、先ほどの料理店主のエピソードにもありますように、そういう方々が、今のこの困難な状況を資金面、経営面において打開できれば再生できるよという確信を持って頑張ろうとしているということ、これを大事にしていくことは何より必要である。
 だから、そういう部分は、個人資産という難しい問題はあるとしても、それを言っていたら被災地の復興はできない。やはり相当思い切ったことをやらないと、まさに千年に一度の大災害であれば、千年に一度の踏み込みが必要であると私は痛感するところでございます。
 それとともに、もう一つは、そうした小規模な経営というのは、それぞれの生活と仕事をうまく組み合わせてやっているわけですが、こうした困難な状況になりますと、個々の努力だけでは当然なかなかいかない。だから、横のつながり、横の連帯、被災地の企業が生き残るに当たりまして、全国的な連帯の力がいかに大きかったかということが今回も明らかになりました。それを息長く、被災地域の中においても横の連帯を築いていく、そうした政策というものも大いに必要ではないか。
 もちろん、国がどこまでやるか、これは地方自治体の仕事の部分もあるでしょうが、今、日本の国の政策でも、中小企業基盤整備機構等が被災地復旧に非常にお金を使っていることは私もよく知っております。しかし、その力というのが一時のものに終わってしまってはいけないのでありまして、先ほどから出ている、財源問題が厳しいことはよくわかりますが、しかし、だからといって、今手をこまぬいたら後々の禍根はもっと大きなものになる。ぜひとも、ここには思い切って、先ほど言ったように、迅速に、大胆に資源投入をしていただきたいと痛感するところでございます。
○佐々木(憲)委員 ありがとうございます。
 三井参考人に、もう一点だけ最後にお聞きします。
 消費税の問題ですが、現状でも、経産省の調査を見ますと、消費税を転嫁できない中小企業が非常に多いわけであります。規模の大きなところは転嫁の比率はかなり高いんですけれども、小さい規模になればなるほど身銭を切って消費税を納める、こういうことをやっているわけですね。したがって、間接税なんだけれども、実際には中小零細企業にとっては直接税のような、そういう影響を持っているわけです。
 したがって、これを今から倍にする、一〇%まで段階的に引き上げる、こういう話でありますが、こうなりますと、実際に中小業者の営業にとっては非常に大きなマイナスになって、納税ができない、そういう業者が多発して倒産がふえるんじゃないか、こういう心配を持っているわけであります。
 もちろん、全体の消費に対する影響というのもありますけれども、中小企業にとって消費税の増税というものは一体どのような経営上の影響をもたらすのか、この点について参考人の御意見をお伺いしたいと思います。
○三井参考人 御指摘のように、特に消費税、その転嫁の問題というのは大変大きいものがあります。これまでの税率が引き上げられたときにも、やはりかなりそこで苦しんだという話をたくさん聞いております。これを大幅に引き上げると、それを果たして消費者にという形で転嫁できるのか、大いに問題になる危険は多大にある。
 私として申し上げたいのは、例えば、先ほど中空参考人がおっしゃったように、ヨーロッパははるかに税率が高いじゃないですか、それは事実でございます。私はそのヨーロッパで研究生活を送った経験もありますので。しかし、そのヨーロッパにおいて、高い税制も、部分的には、例えば生活必需品には安い税率やあるいは免除があるとか、いろいろな形がある。それから、消費税ではなくて付加価値税制であって、転嫁がしやすいということもあります。
 そして、何よりかより、そうしたお金を払った実感をみんなが実感できるだけのリターンがある、そうした社会保障等を含めてあるということは事実でございますから、どうしても私が心配なのは、日本は、税金を上げる話は先にあるけれども、その恩恵は全然出てこないじゃないか、それでは何にもならぬと思うわけでございまして、そこを変えていただきたい。
 特に、マクロ的なこと、財政のことを私が申し上げる立場ではございませんが、一言だけ申し上げるとすれば、一つは、やはりマクロ的に日本はお金が余っているわけですね。余ったお金が国債を買うことで回っているという先ほどの御指摘がある。この余ったお金を何とかうまく、世の中の景気をよくし、中小企業の経営を向上させ、国民の生活を豊かにする形で使えないのかと。これは世にも不思議な話であります。
 そのもとには、日本は、やはり経済力はある、いかに今停滞し、衰えてきて中国に追い抜かされつつあるといっても。逆に言えば、アジア全体の中で、今回の二〇〇八年の金融危機から日本が復興できた、復旧できた一つの大きな要因は、アジアの成長なんですね。今や日本の輸出の過半数はアジア向けでございます。そういう状況の中で、アジア全体の中で、こうした日本の持てるすぐれた競争力を生かす方法はないのかと思っているわけでございます。
 そして、最後に一つだけ、もう時間が来ておりますので。
 私は、憲章の件がありまして、中小企業家同友会という全国組織といろいろおつき合いがありますが、その同友会がことし七月に札幌で開いた総会に出した日本経済ビジョンというのを読んで感銘を受けました。
 それは何か。つまり、中小企業というのは、税金を何とか払わないで過ごそうとしているのではなくて、むしろ、法人税を払える、財政健全化に役立てるような企業にしたいと。つまり、それが中小企業の思いなんだねということは、これは心強いところがあるわけでございますから、その力を信じて、やはり、経済を活性化することで税収もふえていく、財政も健全化するという道をぜひ考えていただきたいと思うところでございます。
 以上でございます。
○佐々木(憲)委員 ありがとうございました。
○海江田委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。
 この際、一言申し上げます。
 両参考人におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございます。委員会を代表しまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
 参考人の方は御退席いただいて結構でございます。
    ―――――――――――――
○海江田委員長 この際、お諮りいたします。
 両案及び両修正案審査のため、本日、参考人として日本銀行副総裁西村清彦君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として総務省人事・恩給局長田中順一君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○海江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○海江田委員長 これより内閣総理大臣出席のもと質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。網屋信介君。
○網屋委員 民主党の網屋信介でございます。
 本日は十五分という非常に短い時間でございますので、簡潔に申し上げたいと思います。
 まずは、昨日、参議院の方で復興関係の第三次の補正予算が通過いたしました。復興につきましては、一日も早い、いろいろな政治の立場としてのサポートをしなければいけないということで、非常にうれしく思っているところでございます。
 しかしながら、その中で、今回またその関連法案が出てくるわけでございますけれども、財源の問題につきまして、幾つか私の方から御質問をさせていただきたいと思います。
 いわゆる三党合意というものもございまして、いろいろなところで国会内での議論が行われたわけでございますが、一つ私の方から申し上げたいのは、そのプロセスの中でたばこ税の議論があったことでございます。
 御存じのとおり、たばこにつきましては、私もスモーカーでございますけれども、総理も昔、これはおやじ狩りだみたいな話もありましたけれども、昨年値上げをしたばかりでございます。その中で、最終的にはこれはなくなったわけでございますが、プロセスの中で、一時的にでも、来年度からまた上げようじゃないかという提案が最初になされたところでございます。
 私の個人的な感想を一つ述べさせていただきますけれども、やはり、今のJT、日本たばこ産業株式会社というのは、もはや昔の専売公社の時代ではないということである。つまり、四九%の株式は、既に、一般の投資家、内外を含む多くの投資家に実は保有されている会社で、立派な公開会社であるということでございます。
 ということは、つまり、公開会社である以上は、会社として会社のストラテジーを投資家にお話をし、そして中長期計画をちゃんと説明し、会社として今後の戦略を、こういうことをやっていくんだということを御納得いただいて投資家の方に投資をいただいているという中で、ある日突然という言い方はちょっとよくないのかもしれませんけれども、ちょっとお金が足りないからたばこの税金を上げようぜという、これは、地方税一円、国税一円、二円、一箱でいくと四百円ですから、今の平均的に四百十円のものが一挙に八百円になるというような、そういう税金の考え方というのはちょっとおかしいのではないかというふうに私は感じております。
 むしろ、健康の問題、いろいろなことを考えて、たばこの値上げそのもの、税金の値上げそのものを真っ向から否定するつもりはございませんけれども、やはり私の考えとしては、五年なりもしくは十年なりといった一つの区切りの中で政府としていろいろな御検討をいただき、たばこについては今後十年こういう形で取り扱いをやっていく、その十年の中で、例えば、日本たばこ産業という会社はどういうストラテジーを立てていくのか、たばこの耕作農家についてはどういう形で今後転作なりいろいろな形をやっていくのか、もしくは、たばこの販売業者の皆さんにとってはどういう形で今後なりわいをつくっていくのかということを一緒に考えながら、長期的にそういったあり方を考えていくのが一つの道筋ではないかというふうに私は考えるところでございます。
 党の税調の中でもこの話をさせていただきました。もし政府の方でこれについてお考えがあれば、ぜひとも御意見をちょうだいしたいなと思います。
○安住国務大臣 国民の健康という観点から、税率の引き上げということも考えさせてはいただきました。
 たばこに関して言えば、多少反省も申し上げますと、先般、村田先生の質疑でもありましたけれども、実は、国鉄の問題が起きたときや国有林野の借金のときも、たばこ特別税の上乗せということをやりました。しかし、今、網屋先生おっしゃるように、機関投資家を含めて、国民も、普通の会社ではありませんけれども、投資対象になっている。
 こういう中でございますので、今後、全株の売却が可能かどうかということで我々としては模索をしていきますが、その中で、今御指摘がありました点を踏まえて、しかし、一つ民間会社と違う要素があるとすれば、やはり、耕作者それから小売店という、長年専売事業としてやってきた経緯、経過があるものですから、とりあえず三分の一の株は保有をさせていただきながら、こういう方々のある意味では保護の観点から体系的な経営をやっていただく。
 しかし、その後、今御指摘があったように、十年後を目指して、こういう話も、完全売却の中でも大丈夫だというような方向が出れば、そういう方向にまた進んでいきたいというふうには思っております。
 先ほど御指摘があった八百円はちょっと誤解でございまして、マイルドセブンは三百円が前回四百十円になりまして、今回もし仮に上がったとしても四十円程度だったということだけ御指摘しておきますが、三党合意でこれは取り下げを行ったということでございます。
○網屋委員 ありがとうございます。財務大臣御指摘のゆえに、逆に、短期的にぽっと上げるような政策を出すのは、私は余り好ましい考え方ではないのではないかというふうに考えているところでございます。
 お話はちょっと変わりますが、今回の復興財源のほかに、今、将来の消費税の問題というのが今後議論として出るやに、いろいろなところで聞いております。
 きのうのアメリカの議会で超党派による財政赤字削減策が決裂をしたということで、何が起こったかというと、一時的にはダウが三百ドル下げ、最終的には二百四十八ドル下げた。つまり、マーケットはやはり、欧州もそうですけれども、国の財政の健全化についてはかなりよくウオッチをしているというふうに私は感じるところでございます。
 そういった意味では、今後、社会保障の問題を含め、我が国の財政健全化については、慎重であるとともに、プライマリーバランスの問題も含め、議論が必要だというふうに考えております。
 そういった意味で、私自身は、タイミングの問題はあるにせよ、消費税等々についての引き上げというのはやむを得ないのかなというふうに個人的には感じているところでございます。いろいろな議論はあると思います。
 ただ、国民感情といいますか、そういったことを考える、そういった増税をやる前にやることがあるだろうと。特に、民主党の場合は、マニフェストの中で、国家公務員の人件費二〇%の削減、それから議員定数の削減等々をうたっているわけでございます。今後、消費税の議論を進めていく前に、私たち自身の身を削るといいますか、そういったことをやっていかない限りは、やはり私は国民の納得は得られないんだろうというふうに思いますが、ぜひ総理の方から、これについて、御決意といいますか、お聞きさせていただければと思います。
○野田内閣総理大臣 網屋さん御指摘のとおり、欧州の債務危機の問題は、ユーロゾーンだけではなくて、今度ハンガリーにも飛び火しているように、きちっと中長期的に財政規律を守る国であるということを、その取り組みを示していかないと、妙なものが伝播してくる可能性があります。そこはきちっとやはり遮断しなければいけないというふうに思います。
 そのための議論をこれからやっていかなければなりませんが、これはいつも私は申し上げるんですが、国民の皆様に御負担をお願いするときには、政府が考えているそろばん勘定だけではなくて、国民感情と、この両方のカンジョウのバランスをとることが必要です。
 そのためには、まずは隗より始めよであって、今回、公務員の人件費の削減の、給与の削減法案を出していますが、公務員の皆様にお願いするだけではなくて、我々政治家も身を削らなければなりません。その一環で、先般、所信表明演説で、今、九党協議という形で一票の格差の問題、選挙制度の改革の話をしていますが、定数削減についても触れさせていただきました。
 この定数削減については、各党間、いろいろ御意見があるとは思いますけれども、何とか成案をまとめていただいて、定数削減をぜひやっていただきたいと思いますし、民主党もその中で主導的な役割を果たすべきだろうというふうに考えております。
○網屋委員 ありがとうございます。
 ぜひとも、そういった議論を一緒に進めさせていただければなと私も思うところでございます。
 これは、ここにいらっしゃる先生方からは非常に嫌われるかもしれませんが、一つの考え方として、復興財源でこういった増税をお願いするのであれば、今の衆議院の任期はあと二年弱ございますけれども、例えば政党交付金を二年弱は何とかギブアップするとか、そういったドラスチックないろいろなアイデアも含めて、我々のところからそういったことを考えていくことも一つの方法じゃないかと思いますが、これについて、何か御意見をちょうだいできればなと思います。(発言する者あり)
○野田内閣総理大臣 佐々木委員は喜ぶと思いますけれども。
 これは、各政党の中でもいろいろ御議論はあると思います。政府の立場で、この政党助成金をどうしろこうしろということはちょっとできませんが、そういうことだったら、これはもうそれぞれの政党内あるいは政党間での御議論をしていただくということではないでしょうか。
○網屋委員 私は民主党の議員なので、共産党の方のために言っているわけではないんですけれども。
 ただ、これは一つの例ですけれども、増税をお願いするときに、私たちがどういう気持ちで増税を国民の皆さんにお願いするのかということを何らかの形で具体的な策として示していくことが、やはり増税の法案を出すときには必要なのではないかということを私としては申し上げたかったということでございます。
 本日は、質問の機会をいただきまして、本当にありがとうございました。ぜひとも頑張っていただきたいと思います。
 ありがとうございます。
○海江田委員長 次に、西村康稔君。
○西村(康)委員 自民党の西村康稔でございます。
 本日、復興の財源の議論をさせていただきたいと思いますが、その議論の前に、今、総理がいみじくもおっしゃいました。やるべきことがある。公務員あるいは我々国会議員の定数削減、公務員給与の削減、こうしたこともやらなきゃいけないということで、おっしゃいました。その関連で、まず、日銀の職員、役員の方の給与について議論をさせていただきたいと思います。
 まず最初、きょうは副総裁がお越しだと思いますので、副総裁にお伺いします。
 ことしの職員の方の給与はどのように決められたのか。それから、あわせて、日銀総裁の給与はどうなっているのか。ことし改定をするのか。総裁の給与水準も含めて、お答えをいただけますでしょうか。
○西村参考人 お答えさせていただきます。
 日本銀行の役職員の報酬や給与については、日本銀行法第三十一条によって、給与等の支給の基準を社会一般の情勢に適合したものとなるように定めるという形で決められております。また、役員の給与についても、特別職の公務員の給与等を勘案するということで決められております。ことしの給与に関しても、このフレームワークのもとで決めさせていただきましたということであります。
○西村(康)委員 水準をお伺いしているんです。職員の方の、本年度は、前年度比、どういうふうに決められたか。それから、総裁の給与の水準についてお伺いしたいと思います。お答えください。
○西村参考人 お答えさせていただきます。
 今年度は、国家公務員の給与については〇・二%の人事院勧告の実施が見送られ、七・八%の削減が目指されている中で、日本銀行としては、年収を前年度と同水準という形で決めさせていただきました。
○海江田委員長 聞かれたことに正確に答えてください。
○西村参考人 年収を前年度と同水準ということで決めました。(西村(康)委員「総裁の水準を聞いています」と呼ぶ)総裁の水準に関しては、これも前年度と同水準ということで……(西村(康)委員「金額を」と呼ぶ)
○海江田委員長 西村副総裁、西村委員は、総裁は幾らかと聞いておりますので、答えられる範囲で答えてください。
○西村参考人 はい、わかりました。
 これは去年の数字ですが、三千四百四十万円でございます。ことしについては、まだ決めておりません。
○西村(康)委員 申しわけないんですけれども、わざわざお越しいただいたわけですけれども、ぜひ的確にお答えをいただければと思います、時間が限られておりますので。
 資料にもお配りしておりますけれども、今お答えになったとおり、職員の方は昨年と同水準、つまり〇・〇%ということ。それから日銀総裁は、今、三千数百万とお答えになったと思いますが、四百四十万だと思います。
 総務省に聞こうと思ったんですが、もう時間が限られていますので、ちなみに、大臣は二千八百六十七万円。資料の二ページにお配りをしております。事務次官が二千二百七十七万円。大臣よりもはるかに、一千万以上多い金額を総裁はもらわれているということであります。
 総理にちょっとお伺いしたいと思います。
 ことし法案を提出されて、公務員は七・八%削減される、先ほど申し上げました。その内訳も、六ページに提案されている法律案を書いていますが、総理は三〇%減らされる、大臣は二〇%減らされる、管理職は一〇%減らすという中で、日銀が、まさに国民がこれだけ苦しんでいる中で、さらに、円高、デフレ対策の責任も担っている、その責任も負っている中で、職員の方は伸びが〇・〇、つまり据え置きだ、さらに、総裁は三千数百万もらっておられる、大臣よりもはるかに多い水準だ。これはやはり、ここもしっかりと削減をすべきじゃないかと思いますが、総理、いかがですか。
○安住国務大臣 日銀法三十一条では、私、財務大臣に、この給与については届け出をするということになっているんですね。
 私自身がそれについてその先コメントする立場にはありませんが、先ほど日本銀行からの答えもありましたが、追加で申し上げますと、国家公務員四十一・九歳の平均給与額は昨年で六百三十三万、これに対して、日本銀行は、同じ四十一歳で、昨年度で七百八十六万円ということになっております。
○西村(康)委員 今の水準も、公務員からもはるかに高い。日銀というのは、もちろん民間の銀行だということはありますが、公共性も公益性も非常に高い、政策を担っているわけであります。
 総理、この日銀の給与についてもぜひ削減をすべきだと思いますが、ぜひ総理のリーダーシップを期待したいと思います。いかがですか。
○野田内閣総理大臣 今般、国家公務員の皆様の給与については、今回の東日本大震災を受けて、そのために、臨時異例の措置としてマイナス七・八%の給与削減をお願いさせていただいております。あわせて、委員が御指摘のとおり、私も含めて、政務三役についても、この法律が通る前からの自主返納を決めさせていただきました。
 基本的には、公的なセクターでやはり復興の財源をつくっていこうという姿勢は必要だと思います。その上で、ただ、日銀については法律がありますので、それを踏まえて、これは日銀御自身が御判断をすることではないかというふうに思います。
○西村(康)委員 全くリーダーシップがないじゃないですか、総理。公務員も七・八やるんでしょう。法律改正までして、人事院勧告も無視してまでやるわけでしょう。何で日銀は法律があるからといって守られるんですか。法律を変えればいいじゃないですか。
 総理、資料を出していますが、今、人件費五百億弱ですよ。これは七・八%で数十億が出ますよ。少しでもお金が要るんでしょう、今、復興のために。何で総理のリーダーシップを発揮しないんですか。総理、ぜひお答えください。
○安住国務大臣 総理がおっしゃったのは、日銀法上、私に対する届け出の義務は日銀にはあるわけです。しかし、今総理が、西村先生のお気持ちは十分私もわかりますし、同感、共鳴するところもありますが、こうしろとなかなか言えない部分があるので、こうした公務員や我々、総理を含めた三割、二割削減の状況というものを勘案して、あとは日銀の方で御判断いただくということがまず第一だと思います。
○西村(康)委員 仮に百歩譲って、その日銀の判断をまず待つとしても、総理、やはりそこはしっかりと削減の方向を打ち出していただきたいと思いますけれども、できることはしっかり考えていただきたい。法律改正も含めて考えていただきたい、何ができるか。いかがですか、総理。今、財源が要るわけでしょう。
○野田内閣総理大臣 もう先ほど申し上げたとおりでありまして、公的セクターで、今回のこの困難を乗り越えていくために、お互いに努力をして痛みを伴う改革をしていくということは必要でありますけれども、ただ、一応やはり法律の枠組みがありますので、その中で御判断をいただくことがまずは前提だということだと思います。
○西村(康)委員 時間があればTPPのこともやろうと思って、それはぜひ激励をしたいと思っていましたけれども、そのような総理の御発言なら、もう私はとても応援できないですね。
 総理、やはりリーダーシップ、総理なんですよ、一国の。総理なんですから、法律があるから、法律を変えればいいわけですよ。それを考えていただいたらどうですか、総理。
 もうこれ以上聞きませんけれども、財務大臣は受けとめるということでありましたので、受けとめていただいて、やれることをぜひ考えていただきたいと思います。
 それから、日銀の関連でもう一問、お聞きをいたします。
 先般の十月二十八日の国家戦略会議で、岩田一政さんから、五十兆円規模の金融危機予防基金について提案がありました。総理も出席をしておられたので御存じだと思いますが、これは円高にもききます。外貨準備だと、外貨・外貨、ドル・ドル、ドル・ユーロ、ユーロ・ユーロですから、円高にはきかないということでありますので、そうじゃなくて円建てで基金を用意する。これは非常におもしろい提案だと思います。
 総理、これは総理が肝いりでつくられた国家戦略会議で、第一回のときにまさに提案があった話であります。これはその後どういうふうに検討が進んでいるか、教えていただけませんか。
○安住国務大臣 私もその場に居合わせておりましたので、岩田先生からは、ペーパーを出されて、それはフリーディスカッションですから、それを受けとめてどう具体的にとかではなくて、第一回目の会合の中で、そういう、今先生のような御指摘がありました。
 しかし、五十兆円規模の外債を購入するということになりますと、外国為替資金証券、FBを五十兆円規模増発して、これにより調達した円資金で外貨を購入する必要が出てきて、これはやはり為替介入になってしまう可能性が高いというふうに我々としては判断しておりますので、その点からいうと、これまでの我々の考え方とはちょっと合わないというふうなことは、私もその場では申し上げました。
○西村(康)委員 ヨーロッパが求めているEFSF債を買うこともできるんですよ。これから恐らく求められるでしょうし、大臣も先般、私の質問に対して、買うことはあり得ると言われました。これで買えばいいじゃないですか、いろいろなことができるんですから。これで円高対策にもなるし、ヨーロッパも喜ぶわけですよ。
 それを直ちに、総理肝いりでつくられた国家戦略会議で、フリーディスカッションはそんなに軽いものですか。委員の人が提案されたことに対して、それはフリーディスカッションですからと。しっかりとそれを受けとめて議論するのが国家戦略会議じゃないんですか、総理。
 総理にお伺いします。総理もそこにおられたわけです。この民間の、総理が選ばれたわけでしょう、この人を、岩田一政さんを。提案されたわけですから、しっかり受けとめて議論されたらいかがですか。検討したらどうですか、総理。
○野田内閣総理大臣 民間議員として、岩田先生を私は選ばせていただきました。
 今回の、これだけではなくて、さまざまな経済対策についての御提起がございました。その中で何をチョイスして議論を深めていくかは、これは国家戦略会議のこれからの運営で決めていきたいというふうに思います。
 この問題も引き続き議論することはあり得ると思いますが、年内においては、日本再生の戦略の基本方針をまとめる、その中での議論で集約をしていきたいというふうに思っておりますので、この議論が今最優先になるかどうかというのは、これはちょっと、その扱いはお任せをいただきたいというふうに思います。
○西村(康)委員 デフレ対策、円高対策というのはもう急務なんです。消費税増税もやろうとしているんでしょう。まずは円高、デフレから脱却しないと、もう企業はいなくなりますよ。税収は上がりませんよ。後ほど、ちょっとそれも議論させていただきますけれども。
 総理、これは私は非常におもしろい提案だと思っています。場合によっては超党派でこれを議論させていただきたいというぐらいに思っています。
 総理、これはいかがですか。もちろん、いろいろな項目はあるでしょうけれども、円高対策、デフレ対策はもう急務ですから、超党派ででも議論したいと思いますけれども、いかがですか。
○海江田委員長 今同じ質問がありましたから、今度、安住大臣に対して。
○安住国務大臣 やはり、G7、G20の中でも、為替の市場における投機的な動きとか無秩序な動きに対して、変動を防ぐ目的として介入をしているということを私はこの間も申し上げたんですね。これは結果的には介入と同じことになってしまうので、そういう点からいうと、これまで我々がやってきた政策とはちょっと違うわけですね。
 しかし、総理がおっしゃっているように、岩田さんからのそういう提案もあったので、今後、それは議論の中で話し合っていきましょうということでございます。
○西村(康)委員 効果は確かに介入と同じですけれども、直接介入するんじゃなくて、ヨーロッパの債券を買ってあげるんですよ、彼らが苦しんでいるときに。彼らにとってもプラスになるんですから、よく考えていただきたいと思います。私はすごくいい提案だと思っていますので、ぜひまた機会を改めて、これは取り上げたいと思います。
 復興財源の確保法の各論に入りますが、第九十条、復興債の発行について、今後数年間にわたって復興債を発行できるという条文になっております。
 幾つか聞きたいんですけれども、まず四次補正。
 第三項で、この三次補正の後に「新たに補正予算を作成する場合において」と書いてあります。四次補正をやるんですか、財務大臣。
○安住国務大臣 今まだ三次の財源確保法のお願いをしている段階で、申し上げることは難しいと思います。
 ただ、これからさまざまな、例えば二重ローン問題で、法案が成立をしまして、政府保証枠の必要性等が出てきますので、そういうものや、また、ことしの予算の中での不用額等が出てきた段階で、総合的な判断を総理に仰ぐことになるというふうに思っております。
○西村(康)委員 書いてありますから、多分やられるんでしょう。
 それはともかく、この三項、四項、この後、平成二十四年から二十七年度まで復興債を発行できるとなっているわけですね。
 今回の復興予算の中にも円高対策が二兆円入っています。立地の補助金であったりエコポイントであったり、つまり、復興と直接関係ないものまで入っているわけですね。
 毎年、来年度の予算も特例公債法案を出される。総理は四十四兆円以下に抑えたいということをこの間言われました。仮に特例公債法案を四十四兆円に抑えても、復興債の方が自由に発行できるとすれば、今申し上げたように、二兆円の円高対策、もっと円高対策をふやして、それは特例公債とは別に復興債に盛り込んで、青天井に出せることになってしまうんですね。これはおかしいじゃないですか、総理。
 財務大臣にまずお伺いしましょう。これはおかしいですよ。いかがですか。
○安住国務大臣 私は、実質的な制限は存在していると思います。
 今三党の協議の中でやっていただいていますけれども、来年以降、特別会計を設けてやるとなれば、当然たがもはまりますし、なおかつ、これは国会の議決の範囲内でということになると思いますので、そういう御懸念はないようにしたいと思います。
○西村(康)委員 その金額は、予算をもって国会の議決を経た範囲内となっていますから、予算は今、与党多数ですから通っちゃうんですよ、参議院で三十日たてば。
 したがって、少なくとも来年度をいえば、もし選挙なくこのままいけば、多数を持っていますから、来年度の予算、特例公債四十四兆円以下でも、復興債をふやせばそちらでやることができるんですよ。だから、たががはまっていないんですよ。どこにたががはまっているんですか。
○安住国務大臣 九十条の四項では「各年度の予算をもって国会の議決を経た」と、確かにおっしゃるとおりでございますけれども、しかし、これは特別会計を決めて、そして区分管理ではなくてやっていくということですから、お互い、党間で、また国会の中で審議をすれば、おのずとそれは、言葉はどうかわかりませんけれども、ストライクゾーンというのは決まってくるわけですから、その中で適切に私どもとしては予算管理をしていきたいと思っております。
○西村(康)委員 例えば今回は、年金の例の税負担分を、基礎年金の税負担分を三分の一から二分の一に上げる、その二・五兆円もこの復興債に含めているんですよ。場合によっては、復興債を発行していけばそれもできるじゃないですか。いろいろなことを、円高対策やら何やらを含めることができてしまう。だから、たががないんですよ、この条文からは。
 唯一、五年間で一応十九兆ということを言われていますから、既にやった一次補正、二次補正の六兆円を除けば十三兆ということでありますから、物すごく、千歩ぐらい、一万歩ぐらい譲ってですよ、上限十三兆だということならまだありますけれども、それは全く何も担保されていないんですよ。いかがですか。
○安住国務大臣 いずれ附帯の決議も出てくるようでございますけれども、復興債の発行に当たっては、復興基本法に規定する基本理念に照らして、真に東日本大震災からの復興に資する施策に経費を充てるということを守ってやっていくということになると思いますから、御心配は要らないと思います。
○西村(康)委員 だめですよ。一万歩譲っているんですよ、一万歩。我が党内には、この条文は削除すべきだという意見が非常に強いんです。当然、青天井で復興債を出せるとなれば、それは削除すべき話であります。
 しかし、一応、復興の規模は五年間で十九兆円、六兆円使っているから十三兆円。復興債の、ぎりぎり、万歩譲ってですよ、もっと百万歩ぐらい譲って、十三兆を上限と考えて、いかがですか。
○安住国務大臣 十三兆は現時点では最大値だというふうに私も認識しております。
○西村(康)委員 十三兆には二・五兆が含まれていないんですが、いいですか。そんなことまで助けなきゃいけないですか。大丈夫ですかね。
○安住国務大臣 二・五兆は除いております。来年度以降の話ですよね。
○西村(康)委員 だから、二十七年度まで五年間で、復興債は最大幾ら出るのかということをお聞きしているんです。それを答えてください。
○安住国務大臣 ですから、二・五兆を除いて、残りの分の十三兆ということでございます。
○西村(康)委員 私が何で助け船を出さなきゃいけないのかわからないんですけれども、ことしの分、これから発行する一回限りの二・五兆も含めて、十五・五兆が上限ということでよろしいですか。
○安住国務大臣 結構です。
○西村(康)委員 そう最初から、大臣、答弁していただきたいんです。
 ということですので、ぜひこれは、今答弁で確認させていただきましたけれども、復興債は青天井で円高対策とか年金とか何でもできるということじゃありませんので、趣旨はあれですけれども、金額のたがははまっていませんから、そういう意味では、十五・五兆と今御答弁いただきましたので、附帯決議にもぜひこのことは御反映いただければというふうに思います。
 続いて、今回の法案に含まれている、政府のエネルギー会社の保有株の売却についてお伺いをしたいと思います。
 基本的に私は、権益の確保、それから今の原発の状況を見て、石油、天然ガスの権益をしっかり確保していくべきだと思いますし、円高ですから、予算も、十兆円のファシリティーなり、今回の補正予算の中にも入っていますけれども、海外の権益を買うというのは進めるべきでありますから、売っていくというのは矛盾する方向だというふうに考えております。基本的にはそういう立場であります。
 しかし、いろいろ経産省の説明を聞いていると、なかなか納得できないところがありまして、売れるものは売ってもいいんじゃないかというふうに考えが変わってきております。
 政府が民間石油資源会社の株を持っていないと交渉力が低下するといいますけれども、実際、全く株を持っていない商社だって民間の石油会社だって、権益をとっているわけですね。我々が進めてきた自主開発原油という、日本の企業が権益を持っている原油、天然ガスのこのパーセントが、輸入に占める比率がもう二三・五%にまでなってきています。
 経産副大臣にお越しいただいていますので、この二三・五%、これは自主開発原油、天然ガスといって我々は権益を持っているわけですが、このうち、政府が株を持っていない純民間企業、つまり、商社であったりJX初め石油会社であったり、こういう企業が持っているのは何%ありますか。
○松下副大臣 プロジェクトごとに出資関係が複雑であります。これは御承知のとおりです。正確な数字は把握していないんですけれども、政府が株式を保有している石油開発会社以外の会社の石油、天然ガスの自主開発に占める割合は、平成二十二年度で推計しますとおおよそ四割から五割の間かな、こういうふうに見ています。
 以上です。
○西村(康)委員 純民間企業、商社であったり石油会社であったり、商社も上場していますし、石油会社もJXとかコスモとか出光とか、上場していないところもありますけれども、上場しているところはいろいろな権益は公開していますので、本当はきちっと数字はある程度つかめるはずだと思いますので、きょうはもうこれ以上聞きませんが、ぜひまたよく考えていただきたいと思います。
 つまり、半分ぐらいは純民間企業が持っているわけですね。だから、政府が株式を持っていないと権益をとれないというのはうそで、政府がしっかり交渉して、国が交渉して、その後民間企業が入っていけば、とれる部分もあるわけです。もちろん、JBICの融資やJOGMECの保証はいろいろ制度がありますから、それを使っていけば純民間もいけるわけですので、売れるものは売ったらいいんだと思うんですね。
 その中で、もう一点、先買い権というのをよく言われます。外国のパートナーと一緒にやっている場合に、日本政府が日本企業の株を売る場合に、だれにでも売っていいんじゃなくて、パートナーに先にその株式を売る契約が入っている、これがほとんど入っているんだというんですね。だから、せっかくとった権益を、その株式分は外国のパートナーにとられてしまうことになってはいけませんので、ここはよく交渉していただいて、日本政府が持っている株は日本企業に売ってもいいよということで外国のパートナーから了解がとれれば、これは日本企業に売ったらいい。
 しかも、今、INPEX、国際石油帝石ですね、ここをいわゆるナショナルフラッグ、国策の一番のメーンにしていこうという政策をとっておられると思いますので、できる限りこのINPEXに集めていく、INPEXに売っていくということでやれば、ナショナルフラッグはできるし、政府には一定のお金が入ってくるということでいいんじゃないかと思うんですけれども、松下副大臣、いかがですか。
○松下副大臣 先買権といいますか先買い権といいますか、この件は、委員の御指摘のとおりでございますし、我々も十分承知した上で対応したいと。
 今のINPEXとJAPEXですけれども、一つにしたらどうかということですけれども、株式の政府保有割合から、政府が企業合併を強要できないという状況にあります。
 政府は、エネルギー安全保障の実現を図る観点から株を保有しているわけですけれども、両社ともに、現状の企業形態のもとで国の資源外交と密接な連携を図りつつ、効率的な経営で石油、天然ガスの権益を確保しておりました。
 現時点で、国際石油開発帝石や石油資源開発について、あえて合併の必要……
○海江田委員長 まだそこまで質問は行っていないんですけれども。
○西村(康)委員 済みません。次に聞こうと思ったことを先にお答えいただきました。
 私は、やはりINPEXを中心にやっていったらいいと思いますし、JAPEX、石油資源開発という別の会社、二社も今あるわけですけれども、これは今御答弁を副大臣にいただきましたけれども、もう一社にして、ナショナルフラッグとしてやっていった方が、効果的にいろいろ戦略も立てられるし、それから、合併によって企業価値を高めて売れば、一部でも売却できれば、それは政府としても入ってくるということでありますので、これは今、余りこんなことは言いたくないですけれども、両会社とも、会長、社長とも経産省のOBが行っているわけですよね。そのポスト確保のために別々にしているんだったら、これはやめていただきたい。
 これはぜひ一緒になることも検討いただきたいと思いますが、いかがですか。
○海江田委員長 改めて、松下経済産業副大臣。
○松下副大臣 失礼いたしました。
 しっかり勉強させていただきます。
○西村(康)委員 これは財務大臣もぜひお答えいただきたいんですが、合併して、もし効率がよくなって企業価値が上がれば、政府の株も高く売れるわけですから、その売却も含めてぜひ御検討いただきたいと思いますが、いかがですか。
○安住国務大臣 御指摘は検討させていただきます。
○西村(康)委員 税制の関連で、幾つかお伺いします。自動車の税制であります。
 今さらこんなものを見せるのかといって、あれかもしれませんけれども、我々が大変厳しい思いをした政権交代のこのマニフェストに、これは総理にぜひお伺いしたいと思いますが、大きな四項目めにこう書いてあります。「ガソリン税、軽油引取税、自動車重量税、自動車取得税の暫定税率を廃止し、二・五兆円の減税を実施します。」ガソリン値下げ隊、記憶に新しいですね。
 二・五兆円の減税を実施しますと。これはやられるんですか、やられないんですか。
○安住国務大臣 現時点ではなかなか、そこに書いてあるとおりにはいっておりません。地球温暖化等の観点からも、今、税制の見直し等を行っておる最中でございますが、特に自動車関係税については、重量税、取得税ともそのままになっておるというのが現状でございます。
○西村(康)委員 現状は今お伺いしました。
 総理、やられるんですか、やられないんですか。マニフェストです。党の代表です。お答えください。
○野田内閣総理大臣 暫定税率の話は、もう既に鳩山政権のときに、今大臣が申し上げたような事情をもって当面できないということは、もうお話をしましたし、そのことについては、国民の皆様にも御理解を得るべく、おわびの言葉も含めて御説明をしたというふうに承知をしています。
○西村(康)委員 もうやらないということで決めたということですか、総理。
○安住国務大臣 税制改正の中で、今後、自動車税についてのあり方というのは検討の対象にはなっております。ただ、どれを具体的にどうするかということについては、まだ決めていないというところでございます。
○西村(康)委員 もうやれないのはわかっていますから、これ以上は聞きませんけれども、一回約束されたんですから、総理、今、総理と同時に党の代表なんですから、約束したことは、申しわけないと当然言うべきだと思いますし、これは党の代表として責任があると思います。
 もうわかっていますから、これ以上は言いませんけれども、むしろ、これからの未来の話をしたいと思います。
 お手元の資料に、自動車の国内販売台数、輸出台数を書いています。資料七ページであります。
 九〇年、二十年前には七百八十万台、国内で販売していたのが、今、二〇一〇年、三百万台以上減って四百六十万台しかありません。この五年間を見ても、二〇〇六年五百六十万台から昨年の四百六十万台、百万台減っている。物すごく減っているわけですね。
 この間、税収は一体どうなっているのかということをぜひお伺いしたいと思います。国税の自動車重量税と地方税である自動車取得税、二〇〇六年の税収と二〇一〇年の税収をぜひお伺いしたいと思います。
○五十嵐副大臣 お答えをいたします。
 二〇〇六年は自動車重量税、一兆一千二十四億円でございました。今、途中は聞かれていませんけれども、二〇〇八年が一兆七百五十六億円、二〇〇九年が九千五百二十七億円に下がっておりますが、これはエコカー減税の創設によるものでございます。
 そして、お尋ねの二〇一〇年、平成二十二年度は七千五百三十億円と減っております。これは暫定税率の二分の一、上乗せ分の二分の一を軽減いたしましたので、合計して約三千億円の負担軽減を講じたことによるものでございます。
○西村(康)委員 地方税についてもお伺いしたいと思います。
○黄川田副大臣 お答えいたします。
 自動車取得税の税収につきましては、決算額で見ますと、二〇〇六年度が四千五百七十億円、二〇〇七年度が四千二百四十七億円、二〇〇八年度が三千六百六十三億円と推移しております。
 そしてまた、エコカー減税が導入されて以降は、二〇〇九年度二千三百十億円、二〇一〇年度一千九百十六億円と見込まれるところでありまして、二〇一〇年度の税収額は、二〇〇六年度に比べまして五八・一%の減であります。
 以上であります。
○西村(康)委員 エコカー減税は自民党時代からやっている話でありますから、ぜひ誤解のないようにしたいと思いますけれども、二〇〇六年から比べて、自動車重量税で三千数百億、取得税、地方税で二千六百億、これは半分以下になっています。
 この表を見ていただいても、二〇〇八年、リーマン・ショックがあって、その後、二〇〇九年、二〇一〇年と、若干その減りを抑えている。これは減税の効果だと思いますけれども、つまり、何らかの対策を打たないと、もう国内販売が物すごく落ち込んでいっているわけですね。
 この間、トヨタの社長も、ミシシッピに工場をつくられて、そのときの発言が報道されていましたけれども、このような趣旨で言われています。今のレベルでの円高が続くと日本の物づくりの崩壊が始まってしまう、相当アメリカへの生産シフトも考えられる、国内需要の減少が続けば三百万台の維持が難しくなるおそれもあると。つまり、ずっと三百万台を維持してきた、しかしこれも難しくなってきたという趣旨を言われています。
 つまり、やはり国内である程度売れないと、企業は海外へ出ていくわけですね。この円高の状況であるわけです。しかも、自動車は五百万人ぐらいの雇用を抱えていると言われていますけれども、空洞化すれば雇用も失われる、全体として従業員の方々の給料も下がる、そうした中で物すごくインパクトがあるわけであります。
 エコカー減税は自民党時代からやっていますけれども、これだけではもはや十分な対応ではない、相当思い切ったことをやらなきゃいけないと思いますけれども、自動車取得税あるいは重量税を思い切って廃止するという提案も経産省が出されていると思います。これについてぜひ大胆な政策をとっていただきたいと思いますが、総理、いかがですか。
○野田内閣総理大臣 車体課税については、二十三年度の税制改正大綱を踏まえて、政府税制調査会等において今検討が行われているところと承知をしていますが、まずはその議論を見守っていく必要があると思います。
 ちなみに、その大綱に書いてある検討事項ですが、「車体課税については、エコカー減税の期限到来時までに、地球温暖化対策の観点や国及び地方の財政の状況も踏まえつつ、当分の間として適用されている税率の取扱いを含め、簡素化、グリーン化、負担の軽減等を行う方向で抜本的な見直しを検討します。」ということでありますが、仮に減税をする、廃止をするということになるならば、これはまだ議論の途中でありますけれども、これはやはり財源確保のルールの、ペイ・アズ・ユー・ゴーのルールに基づいて、では、これを削るんだったら何をふやすかという議論もあわせてやらなければいけないだろうというふうに思います。
○西村(康)委員 しかし、このままほっておけば販売台数は減って、どっちにしろ税収は減るわけですから、これはやはり抜本的な景気対策、雇用対策を含めて、この円高、デフレの中で、それをやらないと、消費税増税なんてとてもできないですよ。
 先ほどの岩田さんの提案もそうですし、まずは経済を、総理は景気がよくなるか悪くなるかは消費税増税には関係ないというような趣旨をきのう答弁されたように報道されていますが、少なくともこの円高、デフレを脱却していかないと、とてもそんな、今回の、二十五年にして負担をわずかにしたとはいえ、復興の負担がかかる、そこに加えて消費税が来る。
 これは大変な負担になりますから、先ほどから申し上げていますけれども、ぜひ総理のリーダーシップをこの減税についても期待を申し上げたいと思いますが、いかがですか。最後にもう一度御答弁いただきます。
○野田内閣総理大臣 誤解のないように、まず前段の、消費税の引き上げに絡めて景気と無関係という言い方は、実施をする際には、それは当然、経済動向を踏まえた対応が必要です。そうじゃなくて、議論をするとき、例えば今、附則の百四条に基づいて準備をしていかなければいけないわけですから、その議論はやっていかなければいけないという趣旨で申し上げたということであります。
 その上で、委員からの御指摘のみならず、さまざまな御意見を車体課税についてはちょうだいしています。そういう御意見もよく踏まえながら対応していきたいというふうに考えております。
○西村(康)委員 先ほどの円高対策もそうですけれども、税もそうです。総理のリーダーシップを発揮していただいて大胆な政策を打ち出さないと、本当に日本経済は相当厳しい空洞化の危機に瀕していると思いますので、ぜひ総理のリーダーシップを期待したいと思います。
 最後に、わずかしか時間がありませんけれども、TPPについてぜひお伺いをしたいと思います。
 お手元にアメリカの報道をお配りしました。私は、これを訂正しろとかなんとかということは申し上げません。むしろ、このすべての物品・サービスを自由化交渉のテーブルにのせるというのは総理の考えなのかどうかをお伺いしたい、この一点です。
 総理は交渉に当たって、TPPというのはそういうものです、まずはテーブルにのせなきゃいけない。私は当然のことだと思いますが、このすべての品目を自由化交渉のテーブルにのせるということは総理の考えなのかどうか、これをお伺いしたいと思います。
○野田内閣総理大臣 私がオバマ大統領と会談をした際に申し上げたことは、TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入るということ、これはもう何回も国の内外で申し上げていることです。それに加えて、昨年の十一月に閣議決定した包括的経済連携に関する基本方針、これを踏まえて高いレベルの経済連携を目指していくということを申し上げたというのが正確なんです。
 その閣議決定にある基本方針には、今委員が御指摘のとおり、そしてアメリカが報道したとおり、すべての物品及びサービスを貿易自由化交渉のテーブルにのせるということになっています。ただ、それは前段があって、前文に、センシティブ品目に配慮をしつつというのがあるんです。
 正確に報道してもらうんだったらば、それもあわせてなんですが、ここだけちょっと取り出されたことについては、これは私が言ったことではないということを申し上げましたけれども、あくまで閣議決定に基づいて対応するのが私どもの基本的な方針でございます。
○西村(康)委員 そうなんです。そのとおりなんです。
 ですから、私は、オバマに対して言っていただきたかったのは、日本はTPPに、私は参加に賛成の立場です。しかし、おっしゃるとおり、センシティブな品目はあるし、いろいろ誤解もある、守らなきゃいけない医療制度もある。ですから、大統領には、すべての品目をテーブルにのせます、しかし、日本にはセンシティブな品目もある、国民皆保険は守らなきゃいけない、大統領、これはわかっていてくださいねと、これが首脳間で話すべき話じゃないですか。
 総理にお伺いします。アメリカにもセンシティブな品目はあります。米豪で除外している品目はあります。総理、それは御存じですよね。
○野田内閣総理大臣 昨年の閣議決定した基本方針に基づいてということは、そういうことなんです。具体的な詰めは、まだ短い期間で、普天間の話もあったし、ほかのテーマもありましたけれども、基本的な方針として申し上げたことは、閣議決定に基づいて私どもの国はやっていくということを申し上げたということであります。
 その中で、それはアメリカもあるいは豪州も、いろいろあります。だから、先般のホノルル・APECで、参加している九カ国が大枠の話をしました。大枠の話の中でも、センシティブな品目についてはまだ議論をしているというふうに書いてあります。ということは、各国それぞれ事情があるということでございますので、原則として物品については十年間で関税撤廃ということになっていますけれども、それは即時撤廃なのか、もっと段階的に時間をかけていいものがあるか、例外があるかということの議論は、まさにこれからの協議だというふうに思います。
○西村(康)委員 アメリカのセンシティブな品目は何ですかということをお聞きしているので、それをお答えください。
○野田内閣総理大臣 アメリカは砂糖であります。
○西村(康)委員 米豪では砂糖と酪農の品目を除いています。
 もう時間がありませんので最後にしますけれども、総理、オバマ大統領にはやはり首脳間で、政治家として、テーブルにのせるけれども日本もこういうセンシティブなものがある、医療制度を守る、しかし、おたくも砂糖があるんでしょう、酪農があるんでしょう、議論しているんでしょう、それはどういう議論になっているんですかと、首脳間でしっかりそこを確認していただくのが、これは総理がすべき話だと思うんですね。それを閣議決定の内容を云々云々、そんなことでは相手には伝わらないんですよ。
 日本の立場をしっかりと伝えるのが総理の仕事だし、それをしっかりと公表したら、みんな納得して、まあ納得しない人もいるかもしれませんけれども、少なくとも総理はセンシティブな品目のことをアメリカに言った、医療制度のことを言った、これが安心につながるわけですよ。国内の理解を求めることにつながっていくわけですよ。総理がやるべき仕事はそれなんです。だから、交渉力がないとか小沢さんに言われるわけでしょう、交渉力があるのかと心配されるわけです。
 最後に、私は推進の立場で、この点についてはぜひ応援をしていきたいと思いますので、頑張っていただきたいと思いますが、ただ、やり方とか交渉の仕方については物すごく不満がありますから、これには意見を言っていきたいと思います。また改めて議論をさせていただきます。
 ありがとうございました。
○海江田委員長 次に、竹内譲君。
○竹内委員 公明党の竹内譲です。
 私ども、今回の修正二法案につきましては、十分な事前の協議をやってまいりましたので、異論がないということをまず申し上げておきたいと思います。
 その上で、今回、増税を国民にお願いするわけでありますから、しかも二十五年にわたって増税をお願いするということでありますから、やはりこれは非常に政治の根幹にかかわる議論をしておかなければいけない、このように思っております。
 その意味で、まず、最も基本的な話として、総理が学ばれました松下政経塾創立者の松下幸之助氏の無税国家構想というものを私も拝見したことがありますが、この無税国家構想につきまして総理はどのようにお考えでしょうか。
○野田内閣総理大臣 要は、予算の単年度制をやめて、できるだけ節約をしながら、余ったお金をためていって、そのたまったお金を運用しながら国家運営をしていこうという国家のダム式経営という考え方に基づくのが無税国家でございます。
 松下さんとしては、日本の財政のあり方に大変強い問題意識を持っていて、私もその弟子であるということでございますが、その無税国家を唱えた師匠と国民に御負担をお願いする野田の立場のギャップはよく指摘をされますが、当時の松下さんが財政を考えていたころと今の財政状況は全く違っているということと、加えて、先ほどの網屋さんの中の答弁でも申し上げましたけれども、やはり欧州の危機の問題が出てきて、財政規律をしっかり守っていくということで、今、先進国の中では史上最悪の日本の財政について、きちっと規律を守っていき、これから財政運営をしていくんだということをしっかりやっていかなければいけないという問題意識を私は強く持っています。
 ということでありまして、この姿勢については、今や天上の人となった松下翁においても私は御理解をいただけるものというふうに思っております。
○竹内委員 古今東西の為政者の理想というのは、やはりできる限り税金というものは少なくする、国民の負担はできる限り少なくして、さまざまな無駄を省いて国家を運営するんだ、これがやはり為政者の理想だと思うんですよね。その延長線上に松下先生の発想もあったというふうに思うわけですね。
 その意味では、弟子として、師匠のこの考えに反することをやるということに関してじくじたるものがあるのかどうか、その辺の機微といいますか、その辺の心情はいかがですか。
○野田内閣総理大臣 その時々にどういう形で自分が責任ある立場になるかということだというふうに思います。
 少なくとも、国、地方の長期の債務残高が対GDP比で百八十数%という状況の中で、一千兆円近い借金の山がある中で、日本の社会保障を含めてさまざまな事業を持続可能にするには、財政自体が持続可能でなくてはなりません。その持続可能な財政を規律あるようにするために、苦しい大きな山でありますけれども、一歩一歩しっかりと登っていくということを今まさにやっていかなければならない、そのタイミングのときに私は政権を預かったというふうに思っておりますので、その立場については、さっき、じくじたるということでございましたけれども、私は、今この職責を果たすということが師匠に対する恩返しだというふうに思っております。
○竹内委員 この点、そういうきちっとした説明といいますか、やはり、松下幸之助先生の思想を踏まえた上で、しかしこうするんだということを本当によく国民に説明する必要があると思うんですね。以下の質問で、また後でその点は質問させていただきたいと思います。
 次に、TPPが経済に与える影響について御質問をしたいと思います。
 やはり何といっても経済がわからなければ一国の指導者は務まらないというふうに思いますので、まず、TPPに参加した場合に、国内において需要と供給のいずれがふえるというふうに思われますか。
○野田内閣総理大臣 TPPは、基本的には、外需を取り込むということによって需要をふやす効果があると思います。空洞化を防止することによって供給を拡大する効果もあるというふうに思われます。
○竹内委員 国内においては供給が増大するということは明らかですよね。今回は、海外の需要に入り込んでいきたい、アメリカを含めて、そういうことですよね。
 ということは、国内においては供給が増大するんですから、そうすると、デフレはどうなりますか。加速するのか、解消するのか。
○野田内閣総理大臣 それは一概には言えないのではないかというふうに思います。
○竹内委員 供給が増大するわけでしょう。今、需要が不足している。需要が不足しているところへ供給が増大すれば、どうなるんですか。デフレは加速するんじゃないんですか。これは経済の基本的な理論じゃないんですか。
○野田内閣総理大臣 外需も出てくるわけでございますので、一概に言えないというのはそういう意味であります。
○竹内委員 外需というのは海外での需要ですよね。恐らく、外需が出てくるけれども、そこでの所得というのが生まれますね。どんどん企業が外へ出ていくという傾向は明らかでありまして、そこで物を生産する、売る、この流れは今変わっていませんよね。まずその点を一つ指摘しておきたいと思うんですね。
 それで、外需を取り込むとおっしゃったけれども、今回、内閣府の試算では、これまでもさんざん指摘されているように、GDPは十年で二・七兆円だ、〇・五四%ふえるだけですよね。それに比して、どんどんアメリカ等から入り込んでくるわけですから、供給がふえるわけですから、日本でふえる〇・五四%よりは容易に供給力が増加して、デフレが加速するんじゃないんでしょうか。
○野田内閣総理大臣 一概に言えないと言ったのは、よく言われるのは、安いものが入ってくるということによってデフレを助長するんじゃないかということはありますけれども、海外から安いものを買って、では、そこで浮いた分を違うところで消費するということもあり得るわけですし、今言っている議論というのは、ちょっといろいろな観点から議論しなければいけないだろうというふうに思います。
○竹内委員 基本的な話なんですけれども、政府としては、デフレの原因とはどういうふうに定義しているんですか。
○海江田委員長 もう一回、ちょっと具体的に。
○竹内委員 デフレの原因を言ってください、なぜデフレになっているか。それは政府の見解があるんですよ。
○安住国務大臣 名目GDPがずっとマイナスが続いておりまして、それで、人口の減少等、そして需要が伸びない、総賃金等を含めて、これはGDPにかかわりますけれども、これが上昇に転じないということだと思います。
○竹内委員 需要不足ですよね。供給に対して需要が不足している。それに対して、供給が明らかに、これは非関税障壁の撤廃を含めて、国内においてはふえることは明らかですから、そうすると、デフレが加速するのは当然である。ですから、多くの方々が心配をしているわけですね。これはまず当然だと思うんです。
 一方で、海外に進出できる部分がある、物が売れると。しかし、それは日本では〇・五四%だ、二・七兆円だ、こういうことですよね、GDPにはね返ってくる部分は。恐らく、日本の企業はどんどん海外へ出ていくんですよ。向こうの非関税障壁とかさまざまなものが撤廃されて、それから関税も撤廃されると、需要のあるところへ出ていく。そこで物をつくって売る、あるいはさまざまな商売をやる。そこで所得が上がる、収益が上がる。だから所得収支が今ふえているわけですね、はっきり言うと。
 今、貿易収支と所得収支はどちらが多いですか。
○安住国務大臣 貿易収支よりも所得収支の方が多うございます。
○竹内委員 その所得収支はGDPの中に入っていますか。
○安住国務大臣 いや、入っていないと思います。
○竹内委員 入っていませんよね。ですから、日本は所得収支でもうけているんですよね、国際収支においては。それはGDPの中には入っていない。最近はこういう傾向がずっと続いているんですね。ですから、二〇〇九年の税制改正のときに、九五%までは所得収支の非課税、国内に還流した場合はその九五%までは課税しない、こういう税制改正をやったわけですよ。それはそういうふうな工夫が必要だということですね。
 大企業のトップの方々の意見を聞いていても、需要のあるところへどんどん出ていくと言っています、はっきり言って。今や、東南アジアを含めて、需要のあるところへ出ていくと。ですから、こういう動きは、円高も含めてという理由もあって、どんどん加速されていくんだろうというふうに思いますね。
 そこで、これからの経済政策としては何が必要であるというふうに、まず総理はどういうふうにお考えですか。
○安住国務大臣 竹内先生の理論も十分わかるんですが、一方で、関税が撤廃されるからこそ残るということも論理的にはあるんですね。関税障壁があるからアメリカに行ったり、そういうこともあり得ますから。製品によっては、日本をベースキャンプにしながらやっていくということも出てくるので、そこは余り楽観も悲観もできない部分というのは産業にはあると僕は思います。
 それから、海外で利益を得た日本企業がそのお金をその後どういうふうにするのかということにもやはりかかわってくると私は思いますから、国内にとどまって、少ないパイの中で、先ほど先生御指摘のように、供給が過多になって、値段が下がって、国内でなかなか売れない、そういう企業が外に出てもし利益が上がるのであれば、それはまた国内への投資のチャンスも出てくるので、一方的に、デフレになるとか、企業がどんどん外に出ていくだけではないような気は私はしております。
○竹内委員 ちょっと、現実を見ていらっしゃらないと思いますね。日本の中堅中小企業、そこそこの力のあるところは出ていっていますけれども、中小企業の実態はそんなものじゃないというふうに思いますね。だからあれだけの猛反対があるわけですよね、各業界から。
 内需を拡大するということが必要ですよね、明らかに。どうやって内需を拡大されますか。
○安住国務大臣 このところの貯蓄性向を見ますと、実は世代によっては、勤労者の方々、若い人たちは、給料が下がっているんですけれども、貯蓄率が高いんですね。むしろ、高齢者の方々の貯蓄が取り崩しをしておられるので、全体に貯蓄率が日本は下がっているように見えるんです。実はそこにヒントがあるのではないかなと私は思うので、やはり若い方々が将来に対する不安があるのでなかなか消費にそれが結びつかないという日本の構造的な問題があります。
 ですから、税と社会保障の改革で安心と将来を見越せる社会というものをつくるということが、実は消費を喚起する上では重要なキーになるのではないかというふうに私は思っております。
○竹内委員 そういう認識は、ちょっと、やはり財務省的認識だと思いますね。世の中は、やはりデフレがどんどん進んでいて、賃金が下がっているんですよ。非常に可処分所得が減って、小遣いがない。なかなか、貯金している人もいるけれども、使えないんですね。車が買えないんですよ。携帯電話のお金がまず優先されるんですよ。だから、そういう意味では、本当にこのデフレは非常に深刻なんですね。賃金が下がる、その状況にあって、若い人は本当に大変なんですね。そういうことをまずよく認識していただきたいと思うんですよ。その次に将来の話です。
 内需の拡大に当たっては、今回、二十兆円規模の復興需要もあるわけですから、これはそれなりにきいてくるというふうに思います。これをいかに持続的な発展につなげるかということですから。それは、私どもは、やはり今後の地震対策、特に三連動地震を含めたさまざまな防災、減災の国づくりというものを考えていかなければいけない、そういうことを提唱しております。
 一方で、円高対策ですが、為替介入という手段はありますが、しかし、それにももちろん限界があるわけでありまして、一つ申し上げておきたいんですが、最近、EUでも議論になっているトービン・タックスという発想がありますよね。為替などの金融取引に対して一定の税金をかける、あるいは手数料をかける、こういう発想はされていますか。議論はされていますか。
○安住国務大臣 G7の中では、導入を求めるEUの国々はかなり強くこれを主張しております。他方、北米地域の国々は、これについては猛烈に反発をしております。
 行き過ぎた金融市場に対する規制がやはり必要だというのが欧州側の考え方でありますけれども、やはりそれが、逆に言えば、規制が強くなれば当然、投資というものが縮小していきますので、そこら辺の考え方というのは、それぞれまだコンセンサスを得る状況には至っておりません。
○竹内委員 この議論は難しいんですけれども、大事なことは、過剰な投機というものをどう制御するか、コントロールするかということは念頭に置いておかないといけないと思うんですね。それは、一国、日本の為替介入ぐらいでとても立ち向かえるものではありませんし、そういうところから、EUでもそういう議論が今開始されているんだろうというふうに思うんですね。もちろん、まだまだアメリカ等は抵抗する部分はあるでしょうけれども、しかし、アメリカでも、市場にさまざまな形でいろいろなプレッシャーをかけていこうという動きはありますよね。
 その意味で、流れが少しずつ変わってきているんじゃないか。ですから、日本としてもそういう議論をしているということはやはり必要なんじゃないかというふうに思いますが、いかがですか。
○安住国務大臣 おっしゃるとおりで、金融取引税というのは余りにちょっと、そういう意味では急ブレーキをかけ過ぎるという議論でありますが、他方で、今度は格付会社に対する規制というものもやろうではないかということもEUは今言い出しております。格付会社のあり方についても疑問を呈するような意見が国際社会の中でも出てきております。
 また、先般予算委員会で野田先生に私申し上げましたけれども、法人税の引き下げ競争みたいなものをやるのも、財政赤字をこれだけ続けておきながらやはりお互い問題があるのではないかという認識に立って、そういうことも含めて、アメリカも税の問題を取り上げようじゃないかという意見はやはり出てきておりますので、世界の潮流からいうと、委員御指摘のような流れに私どももなっているなということは十分認識しておりますので、日本側からも、来年以降、メキシコで行われるG20等において、国際的なルールに基づく適切な規制、投資のあり方について積極的な提案というものもしていかないといけないときだと思っております。
○竹内委員 そこで、次の質問に移りますが、我が国の財政再建の手法につきましてお伺いしたいと思います。
 通常は、三つぐらいありますよね。経済の発展による自然増収と、二つ目は行財政改革、そして三つ目は増税だ、こういうふうに思います。当然、これらの三つはしっかりやらなければいけない、当たり前の話であります。その上で、私どもがいつも言っているのは民間手法の活用だということで、これまでもPFIやレベニュー債など提案をしてまいりました。
 総理は、こういう民間手法を財政再建に生かす意欲はありますか。まずこのことをお聞きしたいと思います。
○野田内閣総理大臣 基本的には三つという認識は、私も同じであります。歳出削減を通じて政治と行政が襟を正していくという道と、そして、増収を図っていくという道、成長をすることによって、それによって国に対して増収が得られるという道、それからもう一つは、これは国民の皆様に御負担をお願いする歳入改革の道、この三つをやはり主たるルートとして財政再建をやっていくということが基本的な考え方でありますが、民間の資金の活用、PFIであるとか、あるいはよく委員が御指摘のレベニュー債等々、いわゆる一般的な財政再建だけではなくて、今回の復興の際にもこういうものを使っていくべきだろうというふうに思いますし、その可能性というのはあらゆる分野で探っていきたいというふうに思っております。
○竹内委員 ぜひあちらこちらで話をしていただきたいんですね。財務省やその他の官庁にも指示をしていただきたいというふうに思います。なかなか、そういうオプションをとることを実務ベースでは抵抗しているような、そういう情報も私の方には伝わってきております。
 復興基本法の中には、かなり私ども言い込みまして、そういう民間手法を活用するということを盛り込んだわけでありますね。その意味で、ぜひ、どんどんそういうことを訴えていただきたいというふうに思います。
 その次に、行財政改革、歳出の削減というのをきっちりやらないといけない、しかも、中期財政フレームをつくってしっかり守っていくということも大事だと思います。
 その意味では、きょうは、総理の書かれた著書「民主の敵」というのを読ませていただきまして、この中に、百四ページから、二〇〇五年に特別会計改革・野田プランを取りまとめました、こういうふうに書かれているわけです。覚えておられると思います。
 その中に、要約しますと、二〇〇五年に取りまとめた、「三一特別会計六〇勘定の内、二四特別会計五一勘定を廃止する方針」だ、「雑巾を絞ればもっと水が出るように、まだまだムダの絞り出しが足りません。」「このまま今のからくりが残ってしまったら、三年後に消費税を引き上げたとしても、砂漠に水を撒くのと同じです。」「消費税率アップを安易に認めてしまうと、そこで思考停止し、今のからくりの解明はストップしてしまうと思います。」等々、総理はこの中に書かれているんですね。当時、この著書の中では、三十一特別会計六十勘定あった、それを今後、まず二十四特別会計五十一勘定を廃止すると、すごいことを述べられているわけであります。
 もう時間もありませんので私の方で先に回って言いますが、平成二十三年度、現在、十七特別会計五十一勘定残っているということでありまして、確かに十四特別会計は減ったんです。しかし、十四特別会計減ったけれども、実際に民主党政権になってから減ったのは四会計だけなんですね。十会計は前の政権のときに減っている。当時六十勘定あったのが、現在まだ五十一勘定残っている。ということは、九勘定は確かに減ったけれども、しかし、当時の総理のこの著書の中では、五十一勘定を全部廃止する、それから消費税を上げるんだ、こういうふうに明らかに読めるわけですね、この著書をしっかり読むと。
 そういう意味では、総理、特別会計の改革によって十分財源が出てきたのかどうか、そして、この特別会計改革は十分なされたのかどうか、その辺の御認識はいかがですか。
○野田内閣総理大臣 私の著書で、自分が責任者になって中間的なプランをつくったときの内容は、今の委員の御指摘のとおりでございます。ピーク時に三十一あった会計を十七にしていく、これは小泉改革の流れで、それで十七になったということでありますが、御指摘のとおり、会計はまとめましたけれども勘定は減っていないわけですので、実質的な機能は残っているということがあります。そういうことで、昨年来からの事業仕分けの対象で特別会計も扱ってまいりました。
 ただ、今回の東日本大震災によって、例えば地震であるとか漁船の関係とか、その特別会計を生かさなければいけないものも随分出てきているんですね。それを踏まえながら、これから何を残していくのか、何を束ねていくのか等々の議論を踏まえて特別会計法の改正の法案を提出していきたい、それをもって私どもの一つの整理だというふうに御理解をいただきたいというふうに思います。
 なお、どれぐらい取り組んできたかということでありますが、例えば平成二十二年度で税外収入を十兆円以上確保できたということは、これは特別会計に光を当ててそこからお金を捻出したということでございます。
○竹内委員 はっきり言って、十分なされたとは言いがたいと思いますね。特別会計の改革によって実際に財源が出てきたとは言いがたいと思いますね。
 東日本大震災を理由にしてはいけないと思うんですよ。東日本大震災なしでこれだけやるというふうにおっしゃっていたわけですからね。それから消費税のアップだと。そこはきちんとやり通さなければいけない。もしできないのであれば、それはやはり見通しが誤っていたということを正直に言わなければいけないというふうに思います。これをやれば要するに恒久的な財源が出てくるという話ですからね。
 そういう意味では、なかなか十分な改革はできていないというふうに評価せざるを得ないと思うんですね。それから初めて消費税の引き上げの話になってくるんだろうということをきょうは指摘しておきたいというふうに思います。
 そこで、最後になりますけれども、いろいろ聞きたいことはあるんですが、増税に当たって、いま一度、我々国会議員に対してではなくて、国民に対して、やはり総理みずからが本当に心から国民に対して増税をお願いするという気持ちを伝える必要があると思うんです。もう一度、そのお気持ちがあれば、答弁してください。
○野田内閣総理大臣 今回成立をさせていただいた復興のための第三次補正予算、そして、今その財源の御議論をいただいておりますけれども、基本的には、私どもは、歳出の削減と税外収入の確保、これを最大限、これによって財源を確保する努力をしてまいりましたし、これからもやってまいります。
 ただ、その上で、復興には少なくとも五年間で十九兆円規模のお金が必要になってまいります。そのときのその足らざる部分については、国民の皆様に御負担をいただくということを心からお願いをして、あくまで復興のためにお力をおかしいただきたいとあらゆる機会を通じて御説明とお願いをしてまいりたいと思います。
○竹内委員 終わります。ありがとうございました。
○海江田委員長 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 今回は、民主、自民、公明、三党の間で協議が行われて合意したということで、きょうの議論を聞いておりますと、法案の内容についてほとんど審議がないんですね。これは、議会としては、私は空洞化じゃないかと思うんです。したがって、私は法案の内容についてきちっと議論をしていきたいと思うんです。
 まず、事実を確認したい。
 三党で合意されたこの修正案では、個人、中小業者に対して、今後二十五年間に八・八兆円の増税を課すということにしているようであります。たばこ増税はやめたけれども、その分、所得税の増税に上乗せされるという形になるというのは、これは間違いありませんか。
○安住国務大臣 たばこ税は盛り込まない方針になっておりますので、所得税付加税分は二・一%、それから、個人住民税の均等割につきましては、十年で割って、これは年間千円ということになりますので、上乗せといえばそういうことになるということになります。
○佐々木(憲)委員 所得税の方は八・八兆円の増税ということでありますが、では、法人税はどうかということですけれども、実効税率の引き下げと課税ベースの拡大を実施した上で時限的に付加税を課すとしております。つまり、五%の恒久減税を実行して、わずか三年に限って付加税を課すということですね。
 この三年間について見ますと、今と比べて増税になるのか、法人税の負担はふえるのか、お答えをいただきたいと思います。
○安住国務大臣 二十三年度の税制改正では、減収分として約〇・八兆を見込んでおりました。一方、法案が成立をして一割の付加をかけると大体同額の税収が見込まれますので、ほぼ変わらない状態になるということになります。
○佐々木(憲)委員 そうしますと、法人税の方は、五%下げて、三年間はその五%の範囲内におさまってしまって、減税の範囲内でおさまってしまって増税にはならぬわけですね。つまり、負担増ではないわけです、今の水準と比べますと。
 そうしますと、平年度ベースではこの法人税の減税というのは幾らになるのか。それから、二十五年となりますと幾らの減収になるのか、お答えいただきたい。
○安住国務大臣 平年度だと〇・八ですから、二十五年に延ばした場合ということですか。(佐々木(憲)委員「はい」と呼ぶ)掛ける二十五倍なので、二十兆ということになると思います。
○佐々木(憲)委員 そうしますと、個人それから中小業者、こういうところには今から八・八兆円の増税になる。ところが、法人税の方は、最初の三年間はプラス・マイナス・ゼロで、後は減税になる。つまり、減税が二十五年間続くと二十兆の減税。これはどうも、負担を分かち合うというけれども、バランスを欠いているんじゃありませんか。個人には負担は重い、大企業には負担は軽減と。
 付加税は減税の範囲内におさめるようにとか、三年間に限るようにとか、これは一体、だれが言い出したんですか。総理、だれだと思いますか。
○安住国務大臣 法人税の引き下げというのは、大震災の前から、自民党政権下からずっと議論になっていました。国際競争力を含めて、日本の企業のいわば体力をつけてもらうということも一つ観点だと思います。
 ただ、先生、これは私の考えですが、大企業、中小企業を含めて、日本という国は、給与所得者が五千万人を超えるような国でございます。ですから、企業が収益を上げて活力を保つということは、勤労者の方々にとっても、その母体となる企業がいわば安定的に給与を支払えるだけの体力を持つということになりますから、国際競争力を持つということにもなるので、決して、いわゆる何か資本家が得をして庶民が損をするということではなくて、やはり一般のサラリーマンの方がお勤めになっている会社の法人税率ですから、そこのところは何か、所得税と比べてこれだけ減税じゃないかというふうな見方を私はしていないのでございます。
○佐々木(憲)委員 質問に答えていないんです。
 今言ったことに反論すれば、大体、企業は、内部留保がどんどん膨れている、減税も受けている。しかし、この間、賃金は下がっているじゃないですか、給与総額。まず、事実に反するということを言っておきたいと思うんですね。
 それから、質問したのは、震災の復興増税の話ですから、付加税は減税の範囲内でおさめろとか、三年間でいいじゃないかというのはだれが言ったんですか、大体。
○野田内閣総理大臣 だれが言ったというか、政府税調内の中での意見を踏まえてまとめたということであります。
○佐々木(憲)委員 政府税調の話の前に、例えば、日本経団連は、七月二十八日、経産省による一二年度税制改正要望ヒアリングの中で、東日本大震災の復興財源確保に向けた法人税の臨時増税はできるだけ短期間にし、三年以内とするように、こう求めているわけです。それから、現行の企業の負担水準より増税にならない範囲で復興費用を捻出すべきだ、こういう要望をした。これが事実じゃありませんか。
○安住国務大臣 そういう要望があったことは事実でございますけれども、政府税調の会長として私が判断いたしまして、総理に決裁をいただいたということです。
○佐々木(憲)委員 だから、最初にこういうことを要望したのは財界なんですよ。日本経団連なんです。
 大体、九月に出された平成二十四年度税制改正に関する提言を見ますと、復興財源として法人税についても負担増を行うのであれば、法人実効税率五%引き下げに伴うネット減税分を限度として付加税を時限的に課すか、施行を一定期間おくらせる方式をとるべき、いずれも三年以内、こういうふうに書いてある。日本経団連の税制改正要望の中に書いてあるんですよ。その結果、法人税はどんと減税二十兆、庶民は八・八兆の増税、こういうことになったわけですね。
 これは余りにも身勝手で、税調でもし検討をするとすれば、まあそう言わずに大企業の方も一定程度、応分の負担をしてくださいよというのが本来の税調のあり方じゃないんですか。これは、日本経団連の言い分をもううのみにして、丸のみして、全くそれと同じことを実行しているんじゃありませんか。どうですか。
○安住国務大臣 ちょっと経緯をお話ししますと、大震災があったころに、先生御存じのように、私は国対委員長でございましたが、私、そのときに、別に経団連からお願いされたわけでなくて、法人税の問題が、いわば法案がつるされた状態のままであったわけですね。その中で、私も個人的には、これから復興をやっていくときに、復興債をどういうふうに償還していくかというときに、この法人税に個人としても着目していました。
 ですから、それをそのまま維持するというのはやはり企業の国際競争力を落としますから、ある一定期間は付加をお願いして、時限的な措置としてこれを復興の財源に充ててもらうということは私も個人で思っていましたので、別に経団連に言われてそれをやったんじゃなくて、たまたま経団連も同じ考えを持っていたというふうに理解していただいたらいいと思います。
○佐々木(憲)委員 それは、個人で思っているのはだれもわかりません、今になって言っているだけで。経団連は、明確に文書でこういう要望を出しているわけです。
 総理は、財務大臣を最近までされていましたね。昨年の十月二十九日に、住友会館というところに行ったことはありますか。
○野田内閣総理大臣 昨年の十月二十九日ですか。ちょっと、日付と何かというのはちょっとわかりません。覚えていません。
○佐々木(憲)委員 住友会館というのは港区六本木にありまして、住友グループのいわば迎賓館みたいなところなんです。住友化学の会長は、日本経団連会長の米倉さん。ここに総理は出席をしておられます。記憶は戻りませんか。
○野田内閣総理大臣 日付とか場所とかは覚えていませんが、米倉さんとお会いしたことはもちろんあります。
○佐々木(憲)委員 この場所に、これは米倉さんの側から招待が来て、いわば接待を受けたわけですよ、事実上。ここには、民主党総括副幹事長であって現在総理補佐官の手塚さんとか、それから坂根正弘さん、これは経団連の副会長、丹呉さんという前財務省事務次官も参加している。
 丹呉さんは、二〇〇九年七月、財務事務次官になりまして、二〇一〇年七月に財務事務次官を退任されているんです。退任して三カ月たったところで、総理と一緒にこの会合に出ている。これは、住友会館であります。何でこんなところに接待を受けに行ったんでしょうか、財務大臣にもかかわらず。私は、これは非常におかしいと思いますよ。
 政府税調で法人税の引き下げの問題がまさに議論になっていた。消費税増税を含む税制改正が議論されていた。政府の税制、財政政策の責任閣僚ですよね、野田さんは。利害関係のある財界のトップリーダーから接待を受けているわけですから、これは非常に問題があると私は思っているんです。
 野田さんが民主党の代表に選出された直後に、日本経団連の米倉さんは大歓迎したわけですね。税制、社会保障に通じた非常に安定した行動力のある政治リーダーである、菅直人首相とは首から上の質が違う、こう言って大変褒め上げたわけですよ。私は、米倉さんと野田さんは大変親密な関係にあるのかなと、これを見ると思ってしまうわけですね。
 民主党は、生活第一ということで、この間、選挙をやり、政権を担うことになった。ところが、振り返ってみますと、今、この復興増税一つをとりましても、庶民の方には、生活の方には大変重く税金はかけるけれども、大きな会社、財界の側には日本経団連の要望に沿って減税を行う。二十五年間で二十兆を減税する。これはどうも、今までの路線と違うんじゃありませんか。野田さん、どのようにお感じですか。
○野田内閣総理大臣 米倉さんとそういう形でお会いをしたことはあります。ありますけれども、それによって何かの政策変更をするということはありません。
 私どもは国民政党です。国民政党でありますから、もちろん労働組合とのおつき合いもあります。でも、経済団体の意見も聞くということも、これはあってしかるべきであって、そのことは、例えば、私が総理に就任した後のあいさつに回ったと言いましたけれども、経団連の前には連合に行っています。ということは事実としてちゃんと押さえておいていただきたいというふうに思っていまして、あくまで国民の生活が第一であると。
 経済団体を敵視することが国民の生活第一ということではないと私は思いますので、企業活動を通じて雇用につながるものもありますので、そういうことも含めて、先ほど来、内部留保のお話なんかをされていましたよね。むしろ逆に、雇用や投資に使ってくれというようなお話をした記憶はありますけれども、そういう意見交換はあってしかるべきだと私は思っています。
○佐々木(憲)委員 実際に実行していることと経団連の要望が完全に一致しているということを私は言っているわけですね。
 そういう意味で、国民の暮らしに負担を負わせながら、大企業の減税に回してしまったら、財源なんというのは出てこないんじゃありませんか。私はこの点を問題にしているわけであります。
 ちょうどこの時期は、去年の十月の末ですけれども、民主党は、企業献金の自粛と言っていたんですけれども、それを緩めるという方針を出している。経団連の米倉会長は、民主党が献金を受けるのであれば、ルールに沿って行うのはやぶさかではないというふうに言って、この方針を歓迎するという意向を表明しました。
 確認したいんですけれども、この後、この一年間、民主党は企業献金を受けましたか。
○野田内閣総理大臣 この一年間、ちょっと全部私はチェックしていませんけれども、それは、政党として受けることはできますので、受けている可能性はあると思います。ちょっと金額とか件数とかはわかりません。
○佐々木(憲)委員 何も我々は、財界だから話をしてはならぬとか、そういう話をしているわけではなくて、すべての人の意見を聞くと言うなら、何で財界の意向だけ反映するのかということを聞いているわけです。
 したがって、今お聞きをしても、結局、大企業は応分の負担を負う、そういう能力があるにもかかわらず、経団連の要望に応じて減税だけを行う、こういう形になっている。
 大体、今まで、法人企業統計によっても、大企業の利益のほとんどが内部留保、配当、役員給与に分配されまして、労働者の賃上げには全く使われておりません。逆に、給与総額というのは引き下げられている。内部留保も、リーマン・ショック以後も積み上がっているわけです。
 これは、大企業にも負担能力がやはりあると思うんですね。総理はそういうふうに思いませんか。
○野田内閣総理大臣 いや、だから、その意味からも、所得税で国民の皆様に、そして法人においても、三年間という形でありますが、御負担をお願いするということであります。
○佐々木(憲)委員 負担になっていないから言っているわけです。連帯して、全体で負担しましょうと言っていながら、一方には負担は負わせない、減税を行う、一方で負担を負わせる、そういうやり方をしているから、おかしいんじゃないか、このことを我々は言っているわけです。
 次に、消費税の問題なんですが、政権を担当する四年間は消費税は上げない、仮に引き上げる場合は総選挙で国民の信を問うというふうに言っていました。総理は、法案提出の前ではなく、法案を通した後、消費税増税を実施する前、そこで民意を問うんだと言っているんですね。
 民主党のマニフェストですとか総選挙のときの発言で、実施する前ということは言ったことはあるんでしょうか。そういう約束を国民にしたことはありますか。
○野田内閣総理大臣 民主党のマニフェストでは直接的に言及はしていないということです。その後の三党合意、社民党と国民新党との三党合意のときには、任期中には消費税を引き上げないという合意があるということであります。
 それで、歴代総理のいろいろな御答弁とかありますけれども、菅総理のときに、佐々木委員との本会議のやりとりの中で、大きな税制改正を実施する前には国民の信を問う、このことは繰り返し申し上げているところであります、そういう姿勢が出ました。その後、一月の谷垣総裁と菅総理の消費税のやりとりについても、消費税引き上げについては、従来より、引き上げを実施する前には国民の審判を仰ぐと言ってきており、その方針に変更はありませんということで、私も前政権からの方針にのっとってお話をさせていただいているということであります。
○佐々木(憲)委員 結局、この前の総選挙のときには、法律を通した後、実施する前に解散なんて話はないんですよ。一度もそういうことは言ったことはない。ところが、その後で国税附則百四条の問題が出てきて、修正するのが筋だ、こういうふうに藤井財務大臣はおっしゃっていた。ところが、修正するどころか、これは守るべきものであると態度を変えたわけです。守るべきものだ、来年三月までに法案を出さなければならない、こうなって、法案を出すということになると、増税の法案なんですから、当然、その法案を出す前に国民に聞かなきゃいけないはずなんです。それをやらないための方便として、いや、これは法律を通した後、実施する前だというふうに話をすりかえていったわけです。
 だから、もう全然一貫していないんです。国民から見れば、何で消費税増税の法案を出すときに国民に聞かないんだ、国民に聞いて、いいかどうかを判断してもらったらいいじゃないかと。圧倒的多数の国民は多分そう思っていると思う。
 したがって、私は、こういうやり方は非常にひきょうだと思います。国会に対して一度約束したことをひっくり返して、それをまた合理化する、非常に私はこのやり方には怒りを覚えているわけです。
 したがって、消費税増税、絶対に我々は許すわけにはいかないし、法案を出すというのであれば、国民の信を問うというのが当たり前だ、このことを主張して、終わりたいと思います。
○海江田委員長 これにて内閣総理大臣出席のもとの質疑は終了いたしました。
 総理は御退席いただいて結構でございます。
 以上をもちまして両案及び両修正案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○海江田委員長 この際、第百七十七回国会、内閣提出、経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案に対する修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣において御意見があればお述べいただきたいと存じます。財務大臣安住淳君。
○安住国務大臣 この修正案につきましては、政府としては特に異議はございません。
    ―――――――――――――
○海江田委員長 これより両案及び両修正案を一括して討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案及びその修正案、東日本大震災復興財源確保のための特別措置法案及びその修正案に対して、反対する立場から討論を行います。
 最初に、所得税法等の改正案及び修正案についてです。
 反対する第一の理由は、国際競争力の強化を盾に、法人税実効税率五%引き下げを柱とする法人税減税が盛り込まれていることです。
 政府の歳入見込みによれば、実質、平年度ベースで約八千億円の大減税が大企業に与えられます。リーマン・ショック後の景気後退時期にも内部留保を積み上げる大企業に、なぜこのような大規模な恒久減税を行うのでしょうか。
 しかも、減税の財源はありません。実質的に赤字国債で穴埋めをしているわけであります。このような大企業優遇措置は断じて許されません。
 第二の理由は、国税通則法の改悪により、税務署の権限を強化させ、税務調査や徴税事務における納税者の権利を実質的に後退させているからです。
 とりわけ、修正案では、原案に盛り込まれていた納税者権利憲章の制定が目的規定などとともに削除されました。許しがたい後退です。さらに、文書による調査の事前通知を削除するなど、内容でも大幅に後退しました。
 国税当局に対し著しく弱い立場の納税者の権利を保護することが、納税者憲章の制定を公約とする民主党の主張ではなかったのでしょうか。納税者の権利を後退させる本法案に断固反対であります。
 以上、原案に盛り込まれた大企業優遇減税などが修正案でも継承されることから、原案及び修正案に反対します。
 次に、復興財源確保特別措置法案並びに修正案についてです。
 反対する理由は、政府提案の復興財源スキームでは、大企業は一切負担を負わず、個人や中小企業に対し八・八兆円もの増税を課しているからであります。
 三年間、合計二・四兆円の復興特別法人税により、企業も負担を分かち合っているといいますが、実態は、法人税減税との差し引きで一切負担を負っておりません。むしろ、法人税実効税率五%引き下げ等の実施により、年間約八千億円、二十五年間で約二十兆円もの恒久減税が実施されます。まさに、その実態は、財界奉仕の大企業優遇、国民への一方的な負担増であります。
 修正案では、たばこ増税が削除され、所得税増税に負担が積み上がりました。増税の期間が二十五年間に延長されたとはいえ、その復興財源確保の実態は何も変わりません。
 以上の理由から、原案及び修正案に対し反対します。
 以上です。
○海江田委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○海江田委員長 これより採決に入ります。
 初めに、第百七十七回国会、内閣提出、経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。
 まず、寺田学君外三名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○海江田委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。
 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○海江田委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
 次に、内閣提出、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法案及びこれに対する修正案について採決いたします。
 まず、寺田学君外三名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○海江田委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。
 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○海江田委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○海江田委員長 この際、ただいま議決いたしました東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法案に対し、寺田学君外二名から、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会及び公明党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。竹下亘君。
○竹下委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。
    東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 財政投融資特別会計財政融資資金勘定の剰余金の復興財源への活用の検討に当たっては、予算編成過程において、同勘定の財務の健全性に配慮を行うこと。
 一 日本たばこ産業株式会社の株式について、政府の保有義務割合を設立時発行済株式総数の二分の一以上から発行済株式総数の三分の一超に引き下げることによる同社株式の売却に当たっては、株式市況を見極めて売却時期を慎重に判断するとともに、修正後の附則第十三条に基づき、更なる同社株式の政府保有義務の見直しの検討に当たって「たばこ事業法等に基づくたばこ関連産業への国の関与の在り方を勘案」する際には、葉たばこ農家や小売店への影響等を十分見極めること。
 一 修正後の附則第十三条に基づき、エネルギー対策特別会計に所属する株式の保有の在り方の見直しの検討に当たって「エネルギー政策の観点を踏まえ」る際には、日本の資源確保に係る権益確保、相手国の協力関係維持への影響等を十分見極めること。
 一 本法案が多年度にわたる復興債の発行を認めるものであることに鑑み、復興債の発行に当たっては、復興基本法に規定する基本理念に照らして真に東日本大震災からの復興に資する施策の経費に充てること。
以上でございます。
 何とぞ御賛同賜りますようよろしくお願いをいたします。(拍手)
○海江田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○海江田委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。財務大臣安住淳君。
○安住国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配慮してまいりたいと存じます。
 ありがとうございます。
    ―――――――――――――
○海江田委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○海江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○海江田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時五十八分散会