第180回国会 本会議 第30号
平成二十四年七月二十六日(木曜日)
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 議事日程 第十七号
  平成二十四年七月二十六日
    午後一時開議
 第一 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第二 労働契約法の一部を改正する法律案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
 日程第一 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第二 労働契約法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 森本防衛大臣の新たな「防衛計画の大綱」及び「中期防衛力整備計画」に関する報告及び質疑
    午後一時二分開議
○議長(横路孝弘君) これより会議を開きます。
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○議長(横路孝弘君) この際、新たに議席に着かれました議員を紹介いたします。
 第二百六番、中国選挙区選出議員、三浦のぼる君。
    〔三浦のぼる君起立、拍手〕
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 日程第一 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
○議長(横路孝弘君) 日程第一、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。内閣委員長荒井聰君。
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 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔荒井聰君登壇〕
○荒井聰君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、最近における暴力団をめぐる情勢に鑑み、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は、次のとおりであります。
 第一に、対立抗争及び暴力的要求行為等に伴う市民生活に対する危険を防止するため、一定の要件のもとで、指定暴力団等を特定抗争指定暴力団等または特定危険指定暴力団等として指定し、その所属する指定暴力団員が警戒区域内においてする一定の行為を罰則による処罰の対象とするものであります。
 第二に、都道府県暴力追放運動推進センターによる事務所使用差しとめ請求制度を導入するものであります。
 第三に、暴力的要求行為及び準暴力的要求行為の規制を強化するとともに、縄張りに係る禁止行為を規定するほか、暴力的要求行為に対する中止命令違反等に係る罰則を強化するものであります。
 第四に、国及び地方公共団体の責務を追加するとともに、事業者の責務を新たに規定するものであります。
 本案は、参議院先議に係るもので、去る七月十九日本委員会に付託され、翌二十日、松原国家公安委員会委員長から提案理由の説明を聴取し、質疑を行い、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(横路孝弘君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 労働契約法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(横路孝弘君) 日程第二、労働契約法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。厚生労働委員長池田元久君。
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 労働契約法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔池田元久君登壇〕
○池田元久君 ただいま議題となりました労働契約法の一部を改正する法律案について、厚生労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、労働者が安心して働き続けることができる社会を実現するため、有期労働契約の適正な利用のためのルールを整備しようとするものです。
 その主な内容は、
 第一に、有期労働契約が通算五年を超えて反復更新された場合、労働者の申し込みにより、無期労働契約に転換させる仕組みを導入すること、
 第二に、判例法理として裁判上確立している雇いどめ法理を法律に規定し、明確化すること、
 第三に、期間の定めがあることによる不合理な労働条件を禁止すること
です。
 本案は、去る六月一日本委員会に付託され、同日小宮山厚生労働大臣から提案理由の説明を聴取いたしました。
 昨日、質疑を終局したところ、日本共産党より、有期労働契約は、満六十歳以上の労働者との間に締結されるもののほか、臨時的または一時的な業務に係るものに限り締結することができること等を内容とする修正案が提出され、趣旨説明を聴取いたしました。
 次いで、原案及び修正案について討論、採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第です。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(横路孝弘君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 国務大臣の発言(新たな「防衛計画の大綱」及び「中期防衛力整備計画」に関する報告)
○議長(横路孝弘君) 森本防衛大臣から、新たな「防衛計画の大綱」及び「中期防衛力整備計画」に関する報告について発言を求められております。これを許します。防衛大臣森本敏君。
    〔国務大臣森本敏君登壇〕
○国務大臣(森本敏君) 政府は、一昨年十二月、安全保障会議及び閣議において、新たな防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画を決定いたしました。
 以下、これらについて御報告申し上げます。
 我が国を取り巻く安全保障環境を見ると、国際社会では、さまざまな安全保障上の問題が複雑に絡み合いながら、国境を越えて発展する傾向が強まっており、こうした問題に各国が協力して取り組むことが不可欠となっております。
 アジア太平洋地域では、人道支援、災害救援等の分野での協力が進展する一方、本年四月の北朝鮮による人工衛星と称するミサイル発射事案といった挑発行動を含め、我が国周辺の多数の国が軍事力を近代化し、軍事的な活動を活発化させるなど、安全保障環境は一層厳しさを増しております。
 このような安全保障環境を踏まえれば、今後の防衛力は、各種事態に対し実効的な抑止と対処を可能とし、アジア太平洋地域の安全保障環境の一層の安定化とグローバルな安全保障環境の改善のための活動を能動的に行い得る動的なものとしていくことが必要です。
 このため、新防衛大綱では、防衛力の存在自体による抑止効果を重視した従来の基盤的防衛力構想によることなく、即応性や機動性等を備え、高度な技術力と情報能力に支えられた動的防衛力を構築することとしております。
 その際、南西地域も含め、警戒監視、洋上哨戒、防空、弾道ミサイル対処、輸送、指揮通信等の機能を重点的に整備し、防衛体制の充実を図ることとしており、東日本大震災のような大規模地震や、原子力災害をも含むさまざまな事態に際して、迅速かつ切れ目のない対応ができるよう、各種施策を推進してまいります。
 動的防衛力の構築に当たっては、自衛隊全体にわたる装備、人員、編成、配置等を抜本的に見直し、真に必要な機能に資源を選択的に集中して、防衛力の構造的な変革や人事制度の抜本的見直しを図ることが必要です。
 このため、防衛省では、一昨年十二月、防衛力の実効性向上のための構造改革推進委員会等を設置し、前例にとらわれることなく、東日本大震災の教訓も踏まえながら、検討を進めております。
 米国との協力について、新防衛大綱では、日米同盟の深化、発展のため、戦略的な対話等に取り組むほか、共同訓練、施設の共同使用等の平素からの協力の強化や、宇宙、サイバー空間における対応を含め、地域的及びグローバルな協力も推進することとしております。また、米軍の抑止力を維持しつつ、地元の負担軽減を図るため、在日米軍の兵力態勢の再編を着実に実施するとともに、在日米軍の駐留をより円滑、効果的にするための取り組みを推進することとしております。
 国際社会における協力については、二国間、多国間の安全保障協力を多層的に組み合わせてネットワーク化し、地域の一層の安定化に取り組むという考えのもと、韓国、オーストラリア、ASEAN諸国、インド等との協力、中国やロシアとの信頼関係の増進等を図っていくこととしております。また、国際平和協力活動に積極的に取り組むとともに、EU、NATO等ともに協力関係の強化を図ることとしております。
 次に、新中期防について御報告申し上げます。
 新中期防においては、動的防衛力を構築するため、五年間で達成すべき計画を定めております。
 この計画では、第一に、各種の活動を迅速かつ切れ目なく実施できるよう、即応態勢、統合運用体制及び国際平和協力への対応体制を整備することとしております。この観点から、統合の強化、島嶼部における対応能力や国際平和協力活動への対応能力の強化等を重視してまいります。
 第二に、防衛力の整備に当たっては、優先整備すべき機能を重点化する一方、本格的な侵略事態への備えについては、不確実な将来情勢の変化に対応するための最小限の専門的知見や技能の維持に必要な範囲に限り保持してまいります。
 第三に、装備品等の導入に当たっては、新たな装備品等の導入と既存の装備品等の延命、能力向上等を組み合わせることにより、質の高い防衛力を効率的に整備してまいります。
 第四に、防衛力の能力発揮の基盤を効果的に整備するため、人事制度の抜本的な見直しによる精強性の向上等を推進してまいります。また、装備品等の取得改革を一層推進し、部隊の運用水準の向上を図るほか、関係機関や地域社会との協力の強化を図ってまいります。
 第五に、日米同盟を深化、発展させていくため、新防衛大綱に定めた各種の協力や取り組みを積極的に推進してまいります。
 第六に、格段に厳しさを増す財政事情を勘案し、経費の抑制に努めてまいります。その際、各自衛隊に係る予算配分について、縦割りを排除した総合的な見地から、思い切った見直しを行ってまいります。
 なお、この計画の実施に必要な防衛関係費の総額の限度は、将来における予見しがたい事象への対応等に安全保障会議の承認を得て措置することができる額を含め、平成二十二年度価格で、おおむね二十三兆四千九百億円程度をめどとしております。
 以上申し述べた新たな防衛大綱及び中期防のもと、国の安全と国民の安心の確保に全力を尽くしてまいる所存です。
 皆様の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
 国務大臣の発言(新たな「防衛計画の大綱」及び「中期防衛力整備計画」に関する報告)に対する質疑
○議長(横路孝弘君) ただいまの発言に対して質疑の通告があります。順次これを許します。楠田大蔵君。
    〔楠田大蔵君登壇〕
○楠田大蔵君 民主党・無所属クラブの楠田大蔵でございます。
 本日議題となりました新たな防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画に関する報告について、質問を行わせていただきます。(拍手)
 質問に先立ちまして、先般の梅雨前線停滞に伴う九州北部豪雨災害において犠牲となられました皆様に、謹んで哀悼の誠をささげます。また、今なお避難を余儀なくされておられる皆様にお見舞いを申し上げます。
 私の後援者も、今回、犠牲となりました。故人の無念さも胸に、質問に入りたいと思います。
 東日本大震災や地元での災害も経験し、改めて、我が国は災害の国であるとの認識を強くいたしました。ここでも、危機管理の重要性が際立ちます。四方を海に囲まれ、急峻な地形が多く、やはり、災害はいつ何どき起こるやもしれないとの認識に基づき、迅速かつ大胆な対処と、根本的な防災が必要であります。
 今梅雨前線に伴う北部九州の豪雨災害対応への公共土木施設関係の激甚災害指定を含めた積極的取り組みと、それに伴い、最近取り沙汰される補正予算の必要性はますます高まったと感じておりますが、総理の御決意をお聞かせください。
 さて、本題に入ります。
 実に一年半余りを経て、ようやく質疑の運びと今回なりました。今回の本会議開催にもさまざまな方の御協力をいただいておりますが、やはり、これほどの重要な議題がたなざらしにされていたことは、私も含め、与野党を超えて反省しなければなりません。
 安全保障の議論においても、決められない政治は、もはや許されません。消費税も、社会保障も、教育も、安全保障も、全て重要で、全てが政治の決断を必要としております。全てが大事で、全てに筋の通った、未来を見据えた、そんなビジョンを総理には国民に指し示していただきたく存じます。
 本大綱は、民主党政権として初めて策定に挑んだ防衛大綱であり、政権交代後、あえて一年、策定時間を繰り延べし、満を持してつくり上げた防衛大綱であります。基盤的防衛力構想から動的防衛力構想という新しい概念に転換することを初め、時代に応じたものとなったとの自負も、当時末席ながら策定に携わった者として感じております。
 また、政権がかわることによって新たな意義が見出され、その一方で、党派を超えて変わらない現実を見据えた戦略を継続するという意味でも、我が国の安全保障の歴史において意義のあるものだったと感じます。
 こうした経緯に対する総理の思いを、まずお聞かせください。
 その一方で、策定後も、東日本大震災、尖閣諸島での中国漁船衝突事案、北朝鮮による人工衛星と称するミサイル発射事案など、困難な事案が多発し、危機管理の重要性がさらに増しております。
 こうした事案を踏まえ、総理としての、今後の果断なる対応についての御決意をお聞かせください。
 また、防衛大綱、中期防は、我が国を取り巻く安全保障課題や不安定要因が多様化しているとの認識を策定時に示しておりますが、その策定後も先ほど申したさまざまな危機があり、さらなる新大綱の必要性すら指摘されております。
 そもそも、政府は、この防衛大綱を策定するに当たり、どのような検討を行ったのか。とりわけ、危機管理のあり方について、法的、組織的、人的、予算上の改善すべき点の有無をどう考えてきたのか。それを、今後の防衛大綱、中期防の内容の実現にどう生かしていこうとするおつもりなのか。防衛大臣にお聞きをいたします。
 昨年三月十一日の大震災発生から、一年と四カ月余りが経過をいたしました。この間、防衛省・自衛隊は、創設以来最大となる十万七千人態勢、そして、初の統合運用としての災害派遣を実行いたしました。
 しかし、未曽有の活躍をされる一方で、反省事項や改善を要する部分もあったとも思います。また、こうした中でも周辺諸国の活動はむしろ活発化し、根本任務である国防に遺漏があったのではないかとの指摘もございます。この点について、防衛大臣の御見解をお伺いいたします。
 また、そうした教訓を踏まえ、やはり、我が国の国防力をさらに高める必要があるのではないかとも考えますが、この点、いかがお考えでしょうか。
 また、このたびの東日本大震災での教訓の大きな一つとして、原子力発電所の防護体制の見直しが挙げられます。もちろん、自然災害からの防護も重要でありますが、テロリストによる破壊、妨害活動から守ることこそ、急務であります。
 警察と自衛隊の連携も含め、早急に対策を強化すべきと考えますが、総理、いかがお考えでしょうか。
 先般の北朝鮮のミサイル発射事案に際しては、私も石垣島に激励に訪れましたが、陸海空の部隊が迅速に南西諸島に展開し、国民の生命財産を守るため万全の態勢をとったことは、今後の南西地域の防衛力の充実にとっても意味あることだったと思います。
 これを機に、今後の南西地域の防衛力の充実をどう具体化していくのか。また、ミサイル再発射や核実験のおそれなど、今後想定される軍事的脅威に対してどのように対処していくおつもりなのか、お聞きいたします。
 また、これに関連して、新たな国際協力体制の構築について伺います。
 今回の北朝鮮のミサイルの発射に当たっては、第二段の落下区域はフィリピン沖間際に設定されていました。空の安全を国際的に守っていくという観点から、将来的には、物的被害が想定される友好国に対して、ミサイルの軌道や落下地域に係る情報の提供を行っていくことも検討に値すると考えますが、いかがお考えでしょうか。
 今回の防衛大綱は、基本的な価値を共有する米国との日米安保体制を中核とする同盟関係が、我が国の平和と安全を確保するために今後とも必要不可欠だとしております。また、在日米軍のプレゼンスが不測の事態の発生に対する抑止として機能しており、同盟関係を新たな安全保障環境にふさわしい形で深化、発展させることが必要だとしております。
 そうした中、今週、岩国基地へオスプレーが搬入されました。今、周辺の住民の皆様にとって一番の心配材料となっているのが、このオスプレーであります。万が一、墜落のような事態があっては、日米同盟に対する国民の支持を一気に失うことになりかねません。
 我が国の安全保障政策の基盤である日米同盟は、言うまでもなく、地元の自治体や住民の理解に支えられて安定的に機能いたします。地元の住民の不安を解消することは極めて重要であります。
 今般、防衛省内に分析評価チームができたともお聞きをしておりますが、今後、どのようにオスプレーの安全性を我が国が主体的に確認し、山口県を初めとする地元住民の懸念を払拭するおつもりなのか、お聞かせください。
 一方で、この新型機が我が国及びアジア太平洋に及ぼす意義も大変大きいと考えます。このオスプレーの必要性とはいかなるものかも、総理、あわせてお答えください。
 また、この問題を突き詰めれば、重大な装備の変更以外事前協議が必要とされない日米安保ルールの見直しの必要性や、さらに進んで、アジア太平洋の時代にふさわしい我が国の主体的役割をさらに追求していく、つまりは、我が国自身がさらに軍事運用的に専門性を高めた機能をつくり、我が国自身の自立した防衛力を整備していく必要性も感じます。特に、ことしは、サンフランシスコ条約公布から、つまりは、主権回復から六十年、沖縄復帰から四十年という節目の年でもあります。この点について、総理はいかがお考えでありましょうか。
 次に、近隣の海洋で活動を活発化している中国の動向についてお聞きをします。
 中国が公表している国防費の名目上の規模は、過去五年間で二倍以上、過去二十四年間では約三十倍の規模にまで膨れ上がっております。核戦力や弾道ミサイル戦力、海軍と空軍を中心とした軍事力の近代化を進め、空母の保有を目指すなど、外洋への海洋戦略も着々と進めております。
 双方が意図しない不測の事態を防ぐため、先般、日中間で合意に至った海上連絡メカニズムの構築を進めることなどで、相互理解を進める必要があります。また、同時に、我が国として、南西地域を初め、周辺海域における警戒監視を怠るべきではありません。
 防衛大綱、中期防との関係で、中国に対してはどのように対処していくおつもりなのか、お示しください。
 そうした中、尖閣問題は避けて通れません。現在、東京都が尖閣諸島を購入するという話が進められております。
 我が国固有の領土であるこの尖閣諸島をめぐっては、近年の中国による挑発ともとれる活動は、大変憂慮すべきものであります。本年三月、そして今月も、中国の漁船や監視船が尖閣諸島の我が国領海に侵入する事案が発生し、さらに、中国政府が、尖閣諸島は中国の核心的利益だと強硬に主張するなど、日中間の緊張が高まっております。
 この状況で、政府として国有化の方針を示されましたが、その狙いを改めてお聞かせください。
 また、今後、例えば、尖閣諸島が不法侵入されるといった不測の事態が起こった場合、自衛隊は、政府は、いかなる対応を行うのか、明確にお示しください。
 また、かかる状況下では、海上保安庁と自衛隊の連携はますます重要であります。尖閣諸島を含む我が国領土、領海の警備のため、総理、日本がとるべき態度をお示しください。
 先般、国家戦略会議のフロンティア分科会が、集団的自衛権の行使を禁じた現行の憲法九条の解釈の見直しも検討すべきだと提言をいたしました。PKOの駆けつけ警護の問題や、米艦と公海上で北朝鮮に共同で対応する場合などは、近い将来においても蓋然性が高いと言えます。
 これは、日本の防衛を考える上で、未来に向け、避けて通れない課題とも考えますが、率直に総理の御意見をお聞かせください。
 このほかにも、PKOへの積極的な参加、防衛装備品に関する新たな基準の策定など、民主党政権下でも着実な歩みをしてきたものも数多くございます。その一方で、平和国家の歩みとの整合性も問われてまいりました。
 しかし、世界の現実を見据えたとき、我々がまず果たすべき役割に背を向けないことが大切と考えます。そして、むしろ、その中で応分の使命を担う中で、世界に対し、より責任と説得力を持って、世界の理想の実現をうたうことができるのではないかとも考えております。
 私は、敗戦後三十年を経た昭和五十年に生をうけました。三十七歳となることしは、戦後六十七年ということになります。しかし、今なお我が国は、世界において、本当の意味で誇りを持ち、尊敬される国にはなっていないとも感じております。
 戦後百年、二〇四五年、そのとき私は七十歳になっておりますが、そのころの日本の姿、世界の姿をいかになすべきか、いわゆる二〇四五年プランを世に問うていきたいと存じております。
 そして、安全保障という重大な問題では、与野党を問わず、理想と現実の中でもがき苦しみ、一定の結論を出していくことこそ、とうといと感じております。
 そうした議論のきっかけに少しでもなり得ますことを祈念いたしまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 民主党楠田大蔵議員の御質問にお答えをいたします。
 まず最初に、九州北部豪雨による災害への対応についての御質問をいただきました。
 まずは、九州北部豪雨によりましてお亡くなりになられました皆様の御冥福をお祈りするとともに、被災された多くの皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 七月二十日、私が被災地を訪れた際、御要望が多かった激甚災害の指定については、農地等の災害復旧事業の指定に向け、手続を速やかに進めるよう指示をいたしました。公共土木施設等についても、引き続き、被害額の把握等を進め、基準に達すれば、速やかに対応してまいります。
 このほか、被災自治体への支援策として、普通交付税の繰り上げ交付等を行っています。
 補正予算の編成については、経済情勢や財政状況を踏まえつつ、その時々において判断していくこととなりますが、引き続き、被災地支援には万全を期してまいる所存でございます。
 次に、防衛大綱に対する認識について御質問をいただきました。
 今次の防衛大綱は、政権交代という歴史的な転換を経て、民主党政権として十分な検討を行った上で策定したものであり、現下の安全保障環境を踏まえ、動的防衛力という方向を打ち出すなど、特色あるものとなっています。
 防衛大綱で位置づけられた動的防衛力とは、防衛力の質、量という観点のみならず、運用のダイナミズムによって、新たな安全保障環境に対応しようというものであります。
 政府としては、このような、従来にも増して即応性や機動性等を備えた動的防衛力の構築に向け、防衛力整備を着実に進め、いかなる危機にも迅速に対応する体制を整備してまいります。
 次に、今後の危機管理のあり方についてのお尋ねがございました。
 我が国の主権及び国民の生命、身体、財産を脅かす緊急事態に適切に対処することは、政府の最も基本的な責務であります。自然災害であれ、事件、事故であれ、どのような緊急事態に対処するに当たっても、まずは、政府全体として総合力を発揮することが重要です。
 政府としては、御指摘のような近年発生した事案への対応等について、一つ一つしっかりと点検を行い、さまざまな緊急事態にも果断に対応できるよう、危機管理体制の充実強化に不断に努めてまいります。
 次に、原子力発電所のテロ対策についての御質問をいただきました。
 原子力発電所の安全性を確保する上で、テロなどに対する対応も重要であり、その必要性を認識しています。
 具体的な対策としては、今般の事故の教訓を踏まえ、事業者に防護措置の強化を求めるとともに、国際原子力機関、IAEAの最新の勧告を踏まえた警備の強化を求めたところであります。
 加えて、原子力発電所等の警戒警備体制の強化に必要な警察官の増員、警察及び自衛隊によるテロ対策共同訓練の実施など、関係機関が連携してテロ対策に取り組んでいるところであります。
 次に、オスプレーの安全性の確認と配備の必要性についての御質問をいただきました。
 オスプレーについて、地元の皆様には大変な御懸念、御心配をおかけしていることは十分認識をしており、重く受けとめております。現在、オスプレーの事故調査結果や安全性等に係る情報の早期提供を米側に求めているところであります。
 政府としては、調査結果が日本政府に提供され、飛行運用の安全性がしっかりと再確認されるまでの間、日本において、いかなるオスプレーの飛行運用も行わないという方針であり、米国も同様の認識であります。
 調査結果が得られた際には、専門家を含め政府全体でしっかりと分析、評価し、地元の皆様に丁寧に御説明をさせていただき、御理解が得られるよう全力を尽くしてまいります。
 米海兵隊においては、今後、米海兵隊の航空部隊に求められる所要に対応するため、老朽化したCH46を、より基本性能の高いオスプレーに換装するプロセスを進めており、沖縄への配備についても、この一環で行われるものであります。
 同機の沖縄配備により、在沖海兵隊の能力の向上、ひいてはアジア太平洋地域における日米同盟の抑止力の向上につながり、我が国の安全保障上、極めて重要であると認識をしております。
 次に、我が国の自立した防衛力の整備についての御質問をいただきました。
 我が国を取り巻く安全保障環境の厳しさが増す中、我が国の安全と繁栄を確保するためには、みずからの主体的な防衛力整備に努めるとともに、日米同盟の抑止力をさらに強化していく必要があると考えております。
 この観点から、新しい防衛大綱では、安全保障環境の変化を踏まえ、防衛体制を再点検し、南西地域も含め、周辺海空域の安全確保や島嶼部における対処能力の充実を図ることとしたところです。
 また、我が国の安全保障について、官邸が司令塔として適切に機能することが重要であるとの観点から、現在、防衛大綱を踏まえ、官房長官を長とする、国家安全保障に関する内閣機能強化のための検討チーム会合を中心に検討を進めているところであります。
 なお、本年は、御指摘のような節目の年ですが、いずれにせよ、政府としては、我が国を取り巻く安全保障環境の変化に対応した防衛力整備を着実に進めてまいります。
 次に、尖閣諸島をめぐる対応及び領土、領海警備についてのお尋ねがございました。
 尖閣諸島が我が国の固有の領土であることは、歴史的にも国際法上も疑いがなく、現に、我が国はこれを有効に支配しております。したがって、尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題は、そもそも存在しません。
 その上で、政府としては、尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持管理を継続するとの観点から、さまざまなレベルで、さまざまな接触をして、総合的に検討しているところであります。
 また、尖閣諸島付近海域においては、海上保安庁が関係省庁と連携して必要な警備を実施しています。自衛隊も、尖閣諸島を含め、我が国周辺海域の警戒監視活動をしっかりと行っており、引き続き、関係省庁が連携して、万全の態勢で警備に当たる考えです。
 その上で、尖閣諸島を含め、我が国の領土、領海で周辺国による不法行為が発生した場合には、必要に応じて自衛隊を用いることも含め、政府全体で毅然として対応することになりますが、平素から危機管理体制を整え、外交努力を含め、そのような事態を未然に防止することが重要と考えます。
 中国との関係については、本年の国交正常化四十周年の機も捉え、国益の視点に立って、日中両国の戦略的互恵関係の内容をさらに充実させていく考えであります。
 次に、集団的自衛権等をめぐる議論についての御質問をいただきました。
 政府としては、従来から、集団的自衛権の行使は憲法上許されないと解してきていると承知をしているところであり、内閣総理大臣として、現時点でこの解釈を変えるということはありません。
 もとより、この問題については、さまざまな議論があってしかるべきであろうとは考えています。
 このほか、御指摘のとおり、いわゆる駆けつけ警護などの論点を含む国連PKO等に対する協力のあり方、あるいは、我が国周辺の安全保障環境を踏まえた防衛力のあり方等の課題については、我が国の将来のために、議論を重ねていくことは大変重要なことであると考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣森本敏君登壇〕
○国務大臣(森本敏君) 楠田議員にお答えいたします。
 まず、大綱における危機管理のあり方の検討についてお尋ねがありました。
 各種事態に実効的に対応するためには、平素からの関係機関間の連携や、内閣による迅速的確な意思決定により、政府一体となった対応を担保することが必要です。
 こうした観点から、新防衛大綱においては、各種事態の総合的な訓練、演習等を平素から実施し、政府の意思決定及び対処に係る機能、体制について検証することとしています。
 次に、東日本大震災の対応についてお尋ねがありました。
 昨年の東日本大震災に際し、自衛隊は十万人を超える態勢を組み、人命救助や行方不明者捜索、救援物資等の輸送や被災者の生活支援、さらには原発事故への対応など、幅広い活動を全力で行い、被災者そして国民に高く評価されました。
 また、東日本大震災における対応を踏まえれば、大規模災害、原子力災害を含む多様な事態における米軍や関係機関との協力関係をさらに強化するため、平素から連携を深めていくことが重要と認識しております。
 なお、十万人態勢で震災対応を行う中でも、平素からのP3Cによる我が国周辺海域における警戒監視活動や、全国二十八カ所のレーダーサイトによる常時監視など、各種事態への即応態勢は引き続き維持していたところであり、平素の防衛任務への影響はなかったものと認識しております。
 次に、震災の教訓を踏まえた我が国の防衛力強化の必要性についてお尋ねがありました。
 大規模災害を含む各種の事態に即応するため、第一線部隊の実員を確保するとともに、情報収集、警戒監視能力、輸送能力、原子力災害への対応能力等の向上を図るなど、大綱及び中期防に基づき、自衛隊の人員面、装備面について体制を充実してまいります。
 次に、南西地域の防衛力の充実についてお尋ねがありました。
 大綱及び中期防では、島嶼防衛の重要性を踏まえ、情報収集、警戒監視態勢を整備するほか、迅速な展開・対応能力や防空能力の向上など、各自衛隊の態勢整備を進めるとともに、各種訓練を実施することにより、南西地域の防衛態勢の充実を図ることとしています。
 防衛省としては、一層厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、大綱及び中期防に基づき、引き続き防衛力整備を着実に進めることにより、南西地域における防衛態勢の充実を推進してまいります。
 次に、北朝鮮の軍事動向への対処についてお尋ねがありました。
 北朝鮮は、核を初めとする大量破壊兵器の開発や、先般の人工衛星と称するミサイル発射にも見られるとおり、弾道ミサイルの開発などに努めているほか、軍事的な挑発活動も繰り返しています。
 こうした北朝鮮の軍事動向に関して、引き続き、重大な関心を持って情報の収集、分析に努めるとともに、事態が発生した場合に迅速に対応し得る態勢を整えることにより、我が国の平和と安全の確保を図ってまいります。
 次に、弾道ミサイルの落下等に係る情報提供についてお尋ねがありました。
 防衛大綱にもあるように、弾道ミサイルの拡散への対応は、我が国を含む国際社会にとっての差し迫った課題であり、御指摘の点も含めて、アジア太平洋地域の一層の安定化に向け、多層的な安全保障協力を行ってまいります。
 なお、先般の北朝鮮ミサイル発射事案に当たっては、当時の田中防衛大臣と在京フィリピン大使との間で、緊密な連携をとっていくという点で一致したところでございます。(拍手)
    〔国務大臣玄葉光一郎君登壇〕
○国務大臣(玄葉光一郎君) 楠田議員から、日中関係についてのお尋ねがありました。
 防衛大綱におきましても、成長を続ける中国が、世界と地域のために重要な役割を果たしつつあると評価をする一方で、軍事や安全保障に関して十分な透明性を確保しないまま、軍事力の広範かつ急速な近代化を進め、また、周辺海域において活動を拡大、活発化させていることに着目し、これらが我が国を含む地域、国際社会の懸念事項となっているとの認識も述べているところであります。
 中国では、本年、共産党指導部が交代すると見込まれています。その後の中国の外交方針等について、現時点で予断を持ってお答えすることは困難ですが、現在の中国は、他国の脅威にならない平和的発展を標榜しており、そのような理念が今後も維持され、具体的行動に反映されることを期待しています。
 そして、中国が地域及び世界の中で真に建設的な役割を果たしていくことを願っており、これを促進する観点から、日米中三カ国の戦略的な対話の立ち上げを提案しているところです。
 日中関係は、ことし、国交正常化四十周年という節目の年を迎えています。昨年末の野田総理訪中の際に表明された六つのイニシアチブを確実に実施しながら、幅広い分野での国民交流を通じて相互理解を促進し、安定的かつ未来志向の日中関係を構築していきたいと思います。
 以上です。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(横路孝弘君) 今津寛君。
    〔今津寛君登壇〕
○今津寛君 自由民主党の今津寛です。
 私は、自由民主党・無所属の会を代表して質問をいたします。(拍手)
 防衛計画の大綱は、我が国安全保障政策と防衛力整備の基本方針であり、広く国民に理解していただかなければならないものだと思います。
 平成二十三年度以降に係る防衛計画の大綱は、二年前の平成二十二年十二月十七日に閣議決定されましたが、何と、本日まで本会議、委員会での質疑が実現されず今日に至ったことは、まことに遺憾です。
 その間、鳩山、菅両総理は日米同盟を揺るがし、さらに、野田総理、あなたが任命した一川、田中両防衛大臣はともに参議院で問責決議を受けて、野田政権は本気で国防を考えていないと国民は怒っています。
 今や、民主党にこの国の安全保障、防衛政策を任せることはできないとの認識が国民の間に広がっています。この国民の声を野田総理はどのように受けとめ、どう認識しているのか、お尋ねをいたします。
 ところで、森本大臣、あなたは、大臣就任前に、民主党の外交・安全保障政策を強く批判していましたね。なぜでしょうか。具体的に御説明ください。
 さて、我が党は、本年四月、サンフランシスコ講和条約六十周年に合わせて、日本国憲法改正草案を発表いたしました。
 主なものを述べます。
 日本は、国民統合の象徴である天皇をいただく国家と位置づけ、国民は、国と郷土を誇りと気概を持ってみずから守るといたしました。
 天皇は日本国の元首と明記、国旗は日章旗、国歌は君が代と、具体的に特定いたしました。
 自衛権を明確にし、国防軍を保持する。主権と独立を守るために、領土、領海、領空の保全、資源の確保を国の義務と定めました。
 また、東日本大震災の教訓を踏まえ、外部からの武力攻撃やテロ、大規模災害などに際し、緊急事態条項を新設することにいたしました。
 本草案は、国のありようなど国家観を前面に打ち出し、保守としての自民党らしさが表現されていると評価されています。
 また、我が党は、集団的自衛権の一部行使を認めた国家安全保障基本法案の概要を党の決定機関である総務会で了承、次期総選挙の政権公約の柱として盛り込み、政権奪還後には法案を国会に提出することといたしました。
 当然のことですが、我が国は主権国家として必要最小限度の自衛権を保持していることは、誰もが異論のないところです。
 今日、我が国が日米同盟を軸にして対応すべき脅威は多様化しており、例えば、近い将来、北朝鮮がアメリカ本土に達する長射程ミサイルを完成させ、また、我が国もICBMを迎撃できるミサイル防衛能力を整備したときに、我が国が当該ミサイルを迎撃することは、我が国の必要最小限度の自衛権と解すべきであります。
 憲法改正が最上の策であることは言うまでもありませんが、今、あるいは近い将来において、我々は、政治判断として、集団的自衛権の一部を必要最小限度と解すべき状況にあるのではないでしょうか。必要最小限度の質的、量的範囲は、情勢により変わるものです。そしてそれは、情勢に応じた政治判断のもとに行われるべきものです。
 政府の国家戦略会議のもとでのフロンティア分科会も、集団的自衛権に関する解釈など旧来の制度慣行の見直しを通じ、安保協力手段の拡充を図るべきだと記しています。
 我が国の憲法の前文にあるように、我らは国際社会において名誉ある地位を占めたいと思うと本当に決意するのであれば、今こそ、集団的自衛権の行使を認め、世界から尊敬される日本をともに目指そうではありませんか。
 野田総理、防衛大臣、それぞれに所感をお尋ねいたします。しっかりと、しっかりと答えてください。
 次に、中国の軍事的台頭に対処するため、南西諸島の防衛強化を明記し、アメリカの核抑止力の必要性を強調した新しい大綱と中期防についてお尋ねいたします。
 新大綱では、冷戦型の基盤的防衛力構想を根本的に転換し、機動性、即応性重視の動的防衛力の構築を打ち出したことが特徴です。
 防衛大臣は、かつて、この新大綱について、基盤的防衛力とは規模や態勢に関する概念だった、新たな動的防衛力は機能をどのように働かせるのかだ、基盤的防衛力構想を転換し、動的防衛力を構築するというのは、次元の違う話のようで違和感があると発言しています。
 改めて防衛大臣に、新大綱の基盤的防衛力から動的防衛力への理念について、今どのように考えておられるか、お尋ねをいたします。
 西太平洋地域での抑止機能をより充実させるのには、日米防衛協力を一層進めるために、ガイドラインや周辺事態法の見直しを進める必要があると言われています。防衛大臣として今後どのように見直しを進められるのか、具体的にお聞かせください。
 また、大臣は、日米同盟の視点でも新大綱の実効性に疑問符がつくと語っています。同盟の中で日本が果たす役割を定義し、それを大綱に示すべきであり、今や順序が逆転しているとあなたは述べられております。
 このような逆転を余儀なくさせたのは、米軍普天間飛行場移転問題で迷走を続け、同盟深化を先送りせざるを得なかった民主党政権にほかならないと、あなたは政府を批判しておりました。
 森本大臣、この発言の真意を改めてお聞かせください。
 また、日米同盟を劣化させたのは民主党政権だとの厳しい批判に対し、総理はどう思われるのか、お聞きいたします。
 このたびの大綱、中期防によりますと、陸上自衛隊の定員が千人削減されました。しかも、現在の充足率は二十三年度末で九一・七%と低く、戦車や火砲など、陸上装備の削減が目立ちます。
 しかし、我が国は今回の東日本大震災、津波災害のような自然災害が多く、陸上自衛隊の派遣要請へのニーズが高まる一方であり、また、今後は陸上自衛隊の国際協力活動がますます重要となってきます。
 また、東日本大震災は、自衛隊の南西方面への重点化だけではなくて、自衛隊の全国配置の必要を考えさせられました。
 我が国は、災害列島で、全国的に、台風、風水害、地震という自然災害が多い国です。自衛隊の配置も今回の教訓を踏まえて再検討すべきであり、陸海空自衛隊ともに、やりくりの限界を超えています。
 防衛計画の見直しをするべきだと考えますが、政府の認識はどうでしょうか。防衛大臣、お答えいただきたいと思います。
 予算上も、五年間で二十三兆三千九百億円の枠内とされておりますが、前回、平成十七年に策定された中期防では、五年間で二十四兆二千四百億円程度とされており、削減幅も大きいのであります。
 二〇〇九年度の主要国の国防費のGDPに対する比率は、アメリカ四・五%、イギリス二・八%、ドイツ一・三、フランス二・〇、中国一・四に対し、日本は〇・九%です。
 これで、我が国が平和に対する責任を果たしていると言えるのでしょうか。
 ロシア、北朝鮮、中国と、核保有国がすぐ目の前に位置し、脅威がなお一層高まる中で、我が国は、対中抑止力の一翼を担い、相応の防衛力の増強をすることこそ、国家の安全と主権を守り、北東アジアの平和につながると思います。
 予算支出は多くなったとしても、我が国及び北東アジアが安定すれば、我が国の経済発展にもつながるのだと確信いたします。
 我が党は、次期総選挙で政権を奪還したとき、我が国の主権と領土、国民の安全、安心を守るべく、大綱及び中期防を即時に見直し、防衛関係予算の増額、人員の拡充を行うことにしています。
 総理及び防衛大臣の御見解をお伺いいたします。
 次に、アメリカの新国防戦略と日米同盟の深化についてお尋ねいたします。
 アメリカのオバマ大統領は、ことしの一月五日、「全世界におけるアメリカのリーダーシップの堅持 二十一世紀の国防戦略の優先事項」を発表いたしました。
 その主な内容は、朝鮮半島と中東の有事を想定した二正面戦略からの変更と、中国の台頭を意識したアジア太平洋重視のシフトです。新戦略の拠点をフィリピン、オーストラリア、ハワイ、グアムなどとし、また、中国のA2AD戦略には、エアシーバトル構想で対抗するとしています。
 アメリカの新国防戦略は、我が国に同盟国としてどのような役割を望んでいると考えているのでしょうか。外務大臣にお尋ねをいたします。
 日米同盟関係の強化をしつつ、他の国との外交関係をつくっていかなければならないことは、言うまでもありません。アメリカがアジア太平洋重視のシフトを考える中で、我が国は抑止力をどのように保っていくべきなのか。外務大臣及び防衛大臣にお伺いをいたします。
 さて、中国に対する抑止力を強化することは、日米同盟の深化につながります。
 エアシーバトル戦略と自衛隊の動的防衛力とを重ね合わせることにより、日米での抑止力が高まることになると思います。日本だけでは中国の軍事力には対抗できないし、在日米軍の存在がその抑止力を補ってきました。我が国としては、今後の抑止力を確保していくため、米軍と自衛隊を一体化した態勢を整えていくことも必要です。
 日米同盟の深化の方向性についてどのように考えているのか、日本の独自の防衛戦略とは何か、防衛大臣、お答えください。
 沖縄についてお伺いいたします。
 四月の2プラス2共同発表で、これまでの普天間パッケージを切り離しました。辺野古への移転と嘉手納以南の返還が順調に進むことが、沖縄における基地問題の大きな前進につながっていくし、沖縄の皆さんへ明るい展望を示す絶好の機会だと認識をしています。
 こうした沖縄における米軍施設・区域に関する統合計画をことしの十二月末までに日米で共同作成することになっていますが、この現在の進捗状態はどうなっているのでしょうか。
 また、統合計画において、見落とされがちな、沖縄における米軍施設を自衛隊が共同使用することも検討することになっています。これは、大綱に基づいて南西防衛強化を目指す自衛隊にとって重要なステップであると思いますが、これに対してどのような考え方を持っているか、お聞かせをいただきたいと思います。
 普天間飛行場の辺野古への移転については、環境影響評価書に対する県知事意見の提出を踏まえ、現在、有識者研究会において同評価書の補正が議論されているところでありますが、今後、移設の早期進展を可能にするための作業のロードマップ、工程表を、防衛大臣、お示しください。
 ここで、米軍の新型輸送機オスプレーの配備についてお尋ねをいたします。
 自民党は、抑止力という観点から、CH46ヘリコプターの後継機として、オスプレーの導入は必要だと判断をしています。
 しかし、今後の日米関係を考えれば、米軍基地を抱える地元自治体の声を十分に聞いて対応することが求められるのではないでしょうか。民主党政権にはその努力が全く見受けられません。もし自民党政権であれば、これまで長きにわたる日米同盟で培った信頼関係をもとに、アメリカ側を説得できたと確信をしています。
 加えて、いつものことですが、防衛大臣と、それを支えなくてはいけない与党の政策責任者や副大臣が方向性の異なった発言をするのは、国益という観点から見て、いかがなものなのでしょうか。野田総理の御見解をお伺いいたします。
 最後に、尖閣諸島の問題についてお尋ねいたします。
 野田総理は、いつ、どのような理由で、尖閣諸島の国による購入を思いついたのでしょうか。また、どなたと相談して、この重大な決断をされたのでしょうか。お答えいただきたいと思います。
 以上、申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 自民党今津寛議員の御質問にお答えをしてまいります。
 まず最初に、民主党政権の安全保障政策に対する国民の認識についてのお尋ねがございました。
 普天間代替施設の建設については、二〇一〇年五月に米国との間で新たな合意に達する過程において、国民や沖縄県民、関係者に御心配と御迷惑をおかけしたことに対しては、おわびを申し上げてまいりました。
 その上で、日米合意を踏まえ、沖縄の皆様の声に真摯に耳を傾け、誠実に説明し、御理解をお願いしながら、沖縄の負担軽減を図るために全力で取り組む姿勢を貫いております。
 また、閣僚の任命に当たっては、防衛大臣を含め、政治家としての経験と蓄積、政策能力などを勘案し、それぞれ適格であるとの判断に基づき、任命をしてきたところであります。
 他方、御指摘のあった菅内閣時代に制定した防衛大綱に基づき、野田内閣では、動的防衛力を着実に構築し、武器輸出三原則を維持した上で、防衛装備品などの共同開発、共同生産を可能にするなど、我が国の防衛体制の充実を目指してまいりました。
 また、ハイチ及び南スーダンへのPKO派遣、ソマリアでの海賊対処活動の継続など、民主党政権下で、我が国は、従来に劣ることのない国際貢献を積極的に果たしております。
 日米同盟を二十一世紀にふさわしい同盟関係に深化、発展させるための取り組みも着々と進んでおり、野田政権が本気で国防を考えていないとの御批判は全く当たりません。
 従来の取り組みで、反省すべき点は真摯に反省する一方、やり遂げてきている部分をしっかりと説明し、国民の御理解を得たいと考えています。
 次に、米国に向かうミサイルの迎撃と集団的自衛権についてのお尋ねがございました。
 米国等の第三国に向かう弾道ミサイルを破壊することの憲法上の評価については、そのときの状況に応じて判断されるため、一概に申し上げられません。
 いずれにせよ、政府としては、従来から、集団的自衛権の行使は憲法上許されないと解釈してきていると承知をしており、内閣総理大臣として、現時点でこの解釈を変えるということはありません。
 次に、憲法前文と集団的自衛権についてのお尋ねもございました。
 ただいまも答弁をさせていただきましたとおり、政府としては、従来から、集団的自衛権の行使は憲法上許されないと解してきていると承知をしているところであり、内閣総理大臣として、現時点でこの解釈を変えるということではありません。
 もとより、この問題については、さまざまな議論があってしかるべきであろうと考えております。
 次に、政権交代以降の日米同盟の評価についてのお尋ねがございました。
 我が国を取り巻く世界の情勢が大きく変化する中で、政権交代以降、日米同盟の深化、発展に取り組んでまいりました。
 その過程では、率直に申し上げて、個々の問題の複雑さゆえに、全てが順調に進んだわけではありません。私としては、反省すべきは反省しつつ、これまで得られた外交上の成果を生かしながら、さまざまな課題に着実に取り組んでまいります。
 四月の私の訪米時には、オバマ大統領と日米共同声明を発表し、大局的見地から、日米同盟の今日的意義や、今後、長期にわたる日米関係のあり方を確認いたしました。
 日米同盟は新たな高みに達したと考えており、この成果をしっかりフォローアップしながら、引き続き、我が国外交、安全保障の基軸である日米同盟を、二十一世紀にふさわしい形で一層深化、発展をさせてまいります。
 次に、大綱、中期防の見直し、防衛関係予算の増額、人員の拡充など、防衛力の増強についての御質問をいただきました。
 厳しさを増す安全保障環境のもと、大綱及び中期防では、防衛力の質、量という観点のみならず、運用を重視した動的防衛力を構築し、我が国の安全確保や、我が国周辺の安全保障環境の安定を目指すこととしており、これに必要な装備品の導入や人員確保を進めるとともに、所要経費を定めたところであります。
 政府としては、大綱及び中期防に基づき、従来にも増して即応性、機動性等を備えた動的防衛力の構築に向け、防衛力整備を着実に進め、いかなる危機にも迅速に対応する態勢を整備してまいります。
 次に、オスプレー配備についての御質問がございました。
 オスプレーについて、地元の皆様には大変御懸念、御心配をおかけしていることは十分認識しており、重く受けとめております。現在、オスプレーの事故調査結果や安全性等に係る情報の早期提供を米側に求めているところであります。
 政府としては、調査結果が日本に提供され、飛行運用の安全性がしっかりと再確認されるまでの間、日本において、いかなるオスプレーの飛行運用も行わないという方針であり、米国も同様の認識であります。
 調査結果が得られた際には、専門家を含め政府全体でしっかりと確認し、地元の皆様に丁寧に御説明してまいります。
 また、地元の皆様の懸念を払拭するために、今後、具体的に何ができるのか、さまざまな検討を行っているところであり、地元の皆様の御理解が得られるよう、全力を尽くしてまいります。
 なお、本件については、与党のさまざまな御意見も踏まえつつ、政府一体となって対応をしているところでございます。
 最後に、尖閣諸島をめぐる対応についてのお尋ねがございました。
 尖閣諸島が我が国の固有の領土であることは、歴史的にも国際法上も疑いがなく、現に、我が国はこれを有効に支配しています。したがって、尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題は、そもそも存在しません。
 その上で、政府としては、尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持管理を継続するとの観点から、従来より、さまざまなレベルで、さまざまな接触をして、総合的に検討しているところであります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣玄葉光一郎君登壇〕
○国務大臣(玄葉光一郎君) 今津議員から、米国の新たな国防戦略指針についてのお尋ねがありました。
 米国は、アジア太平洋地域が今後の米国の経済、安全保障上の利益にとってますます重要となる一方で、同地域にはさまざまな機会、そして課題があるとの認識に基づいて、アジア太平洋重視の新たな国防戦略指針を掲げていると理解をしています。
 今津議員がおっしゃったように、米国は、同指針におきまして、同盟国等との緊密な協力を強化するとの必要性を強調しており、A2AD、近接拒否・地域拒否の状況下や、サイバー、宇宙等の領域において、米国及び同盟国等による作戦能力を確保する必要性を指摘しています。
 我が国としても、適切な防衛力の整備に努めていくとともに、今後とも、日米安保体制のもとで、幅広い安全保障、防衛協力を推進し、アジア太平洋地域のみならず、国際社会の安定のために主体的に取り組んでまいります。
 また、我が国の抑止力の維持についてのお尋ねもございました。
 まず、我が国自身による防衛力の適切な整備が重要であることは言うまでもございません。
 その上で、日米同盟は、我が国の外交、安全保障の基軸であります。本年四月の2プラス2の共同発表において再確認をしたとおり、日本を防衛し、地域の平和、安全及び繁栄を維持するために、日米同盟が必要な抑止力と能力を引き続き提供しています。
 具体的には、日米間で、計画検討、ミサイル防衛、拡大抑止、宇宙、サイバー、情報保全など、幅広い分野における安保・防衛協力を深化させるとともに、現在の在日米軍の再編計画の着実な実施を通じ、この地域における抑止力のさらなる向上を促してまいります。
 同時に、韓国や豪州等の国々との間で安保協力を多層的に進めていくことで、この地域の安全保障環境の一層の安定化に効果的に取り組んでいく考えです。
 以上です。(拍手)
    〔国務大臣森本敏君登壇〕
○国務大臣(森本敏君) 今津議員にお答えいたします。
 まず、大臣就任前の私の発言についてお尋ねがありました。
 防衛大臣就任以前、私は、我が国の安全保障、外交政策について、自分の専門分野の視点から、問題点を指摘したり、自由に意見を述べたりしてまいりましたけれども、それが専門家として本来あるべき姿であると考えていたからであります。
 しかしながら、政府の一員となった現在、政府の方針に従い、私が今まで持っていた考え方をできれば現実の政策の中に生かしつつ、我が国の平和と安全の確保に全力を尽くしてまいることが私の職責であると考えております。
 次に、米国に向かうミサイルの迎撃と集団的自衛権についてお尋ねがありました。
 先ほど総理からも御答弁ありましたように、米国等の第三国に向かう弾道ミサイルを破壊することの憲法上の評価については、そのときの状況に応じて判断されるため、一概に申し上げられません。
 いずれにせよ、政府としては、従来から、集団的自衛権の行使は憲法上許されないと解してきていると承知しており、現時点でこの解釈を変えるということはない旨、重ねて申し上げます。
 次に、動的防衛力の理念についてお尋ねがありました。
 大綱においては、我が国を取り巻く安全保障環境の変化等を踏まえ、防衛力の存在自体による抑止効果を重視した基盤的防衛力構想によることなく、防衛力の運用を重視した動的防衛力を構築することとしております。
 このような防衛力の方向性は、新たな安全保障環境に適切に対応していると考えており、動的防衛力の考え方のもと、防衛力の適切な整備、維持、運用を図ってまいります。
 次に、ガイドラインや周辺事態法の見直しについてお尋ねがありました。
 現時点で、ガイドラインや周辺事態法を改正する方針を政府として固めているわけではありません。他方で、日米防衛協力、緊急事態への対応及び米軍に対する支援のあり方について平素から研究、検討しておくことは、我が国の安全保障、防衛を預かる防衛省として不可欠であると考えています。
 今後、そうした研究、検討の結果、改善すべき事項が明らかになれば、適切に対応してまいる所存です。
 次に、日米同盟に関する大臣就任前の私の発言についてお尋ねがありました。
 この指摘の発言は、防衛大臣就任以前、我が国の外交・安全保障政策について、自分の専門分野の視点から率直に行ったものです。
 防衛大臣としては、新大綱に沿って、日米間での戦略的な対話、政策調整に継続的に取り組み、特に、適時かつ効果的な共同訓練、共同の警戒監視活動等の拡充や、両国施設の共同使用などを内容とする動的防衛協力を充実させることなどにより、日米同盟を深化、発展させてまいりたいと考えております。
 次に、震災対応を踏まえた大綱及び中期防の見直しについてお尋ねがありました。
 大綱は、複合事態や大規模災害、特殊災害にも適切に対応するとしており、実際、自衛隊は、東日本大震災に対応すると同時に、我が国周辺における不測事態に対する即応態勢を引き続き維持してまいりました。
 次に、防衛関係予算の増額、人員の拡充についてお尋ねがありました。
 大綱及び中期防では、運用を重視した動的防衛力を構築し、各種事態に対応する抑止及び対処を可能とするとともに、我が国周辺の安全保障環境の安定を目指すこととしています。
 防衛省としては、大綱及び中期防に基づき、第一線部隊の人員を確保するとともに、動的防衛力の構築に必要な予算を確保し、防衛力整備を着実に進めてまいります。
 次に、抑止力の維持強化の方策についてお尋ねがありました。
 動的防衛力の考え方のもと、各種事態に迅速かつシームレスに対応できる態勢をとるとともに、平素からの常時継続的な警戒監視等、防衛力の適切な運用を行い、抑止力の信頼性の向上を高めることが重要と考えています。
 今後の日米防衛協力においても、平素から日米両国が事態の推移に応じて迅速かつシームレスに連携協力できる態勢の強化や、自衛隊と米軍の相互運用性を向上させることにより、部隊の活動を活発化させ、日米両国のプレゼンスと能力を示す動的防衛協力を進め、日米同盟の抑止力を強化してまいります。
 次に、日米同盟の深化の方向性と我が国自身の防衛の取り組みについてお尋ねがありました。
 我が国の防衛体制の充実は、中国を含め、特定の軍事的脅威に対応することを念頭に置くものではありませんが、新大綱では、動的防衛力の考え方のもと、我が国周辺海域の安全確保に努め、我が国の権益を侵害する行為に対して実効的に対応することとしています。
 こうした我が国自身の取り組みとあわせて、適時かつ効果的な共同訓練、共同の警戒監視活動等の拡充や、両国施設の共同使用などを内容とする日米の動的防衛協力を進めることなどにより、日米同盟を深化させてまいります。
 次に、沖縄に残る施設・区域のための統合計画についてのお尋ねがありました。
 本年四月の2プラス2共同発表において、日米両政府は、沖縄に残る施設・区域に関する統合計画を、本年末までに日米共同で作成することとしています。
 日米間の協議は既に開始しているところであり、2プラス2共同発表に示されているとおり、本年末までに具体的な成果が出せるよう、精力的に取り組んでまいります。
 次に、沖縄における米軍施設の共同使用についてのお尋ねがありました。
 今後の日米防衛協力においては、本年四月の2プラス2共同発表でも確認しているように、共同訓練や共同の警戒監視活動、施設の共同使用を拡大していくこととしているところです。自衛隊の南西地域における防衛態勢の充実という観点からも、沖縄における共同使用を検討していくことは重要と考えており、沖縄に残る施設・区域の統合計画の作成においても、こうした点を踏まえて検討していく必要があると考えております。
 いずれにしても、南西地域における防衛態勢の充実や、地元との関係も踏まえながら、こうした防衛協力を拡大していくとの観点で、沖縄における共同使用について広く検討していきたいと考えております。
 最後に、普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価書の補正作業についてお尋ねがありました。
 現在、評価書に対する沖縄県知事意見の内容を勘案し、防衛本省に設けた有識者研究会による科学的、専門的見地からの助言を得つつ、評価書の補正作業を行っているところでございます。
 補正作業の完了時期については、現時点であらかじめ申し上げることは困難でありますが、有識者研究会による助言を踏まえ、作業を適切かつ迅速に行ってまいる所存でございます。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(横路孝弘君) 渡辺義彦君。
    〔渡辺義彦君登壇〕
○渡辺義彦君 新党きづなの渡辺義彦でございます。
 私は、ただいま議題となりましたいわゆる二二防衛計画大綱と中期防衛力整備計画につきまして、国民の生活が第一・きづなを代表いたしまして、質問をさせていただきます。(拍手)
 冒頭、このたびの九州北部豪雨の被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げます。そして、被災によりお亡くなりになられました皆様に対しまして、心よりのお悔やみを申し上げます。また、現場での救出及び復旧作業などに当たられている自衛隊、消防、警察、ボランティアなどの皆様に、感謝と敬意を申し述べます。
 新会派国民の生活が第一・きづなは、国民の生活と国民とのきずなを第一とし、この理念をもとに国会運営に臨んでまいる所存でございます。各党各会派の皆様、よろしくお願いを申し上げます。
 本題に入ります。
 最初に、二十三日に岩国基地に陸揚げされましたオスプレーについてであります。
 安全性に疑問符がつくために、このたびの山口県、そして、今後配備、展開される予定の沖縄県からの再三にわたる反対表明にもかかわらず、オスプレーは、ついに日本に陸揚げをされました。
 オスプレーは、現在配備されているCH46ヘリとは大きさは余り変わらないものの、速度は二倍、行動半径は四倍、搭載量は三倍と、能力的にはCH46を凌駕いたしております。米国が進める米軍再編成においても必要不可欠の航空戦力であるとお伺いをいたしております。
 また、現状よりも海兵隊員を早く、遠く、多く投入することができるため、東アジア地域に対する抑止力をさらに高めるという効果が考えられております。災害救援や人道支援活動における役割を期待するところも大であります。
 しかし、注目されるのは、その安全性であります。
 オスプレーは、未亡人製造機の異名をとるほど開発当初から事故が多く、今回搬入されましたMV22型、今までに六回の事故がありました。その最近のものが、本年四月十一日の、モロッコで起きたものであります。また、六月十三日に米空軍所属のCV22型が墜落事故を起こしている現状下にあります。二〇〇六年から、この五年間で、MV、CV合わせて五十八件の事故報告も上がっております。
 米国並びに日本政府は、老朽化した現有ヘリよりもオスプレーの方が安全性が高いと説明をいたしておりますが、事故の実態を見て、国民の多くはその説明に納得していないようであります。
 政府は、こういった状況に鑑み、先般来日されましたカーター米国防副長官に対し、墜落事故の調査結果、再発防止策の提示を要請、また、日本から専門家チームを派遣すると発言し、同副長官よりできる限りの協力を得たとのことであり、また、日米地位協定に基づく日米合同委員会において安全管理を協議するとお伺いしております。調査結果が出されるまでは、配備、稼働はないとお聞きをいたしております。
 原発事故調査会の報告前に再稼働させたことと比べれば少々学習をされたようでありますが、それで、沖縄を初めとする国民皆さんの政府に対する不信、オスプレーに対する不安は解消されていくのでしょうか。
 沖縄には、最低でも県外を努力しようとした鳩山元総理に閣僚が従わなかったという怒り、民主党政権にだまされ続けているといった思いが強くあります。こういった怒りや猜疑心は、紋切り型な理論や説明だけでは到底払拭されるものではありません。
 そこで、総理に提案したい。これまでの調査結果のいち早い報告、公平な分析とその開示をされた上で、御自身がオスプレーに搭乗されてみてはいかがでしょうか。
 実際、オバマ大統領もイラク訪問時に搭乗されておられますし、我が国の国会議員で搭乗された方もおいでになります。
 報道によりますと、森本大臣が近日中にオスプレーに搭乗して安全性をアピールするとのことでありますが、野田総理、日本国民、特に沖縄県民にオスプレーの安全性への理解を本当に得たいということであれば、ペーパー読み上げによる安全性の報告発表だけでなく、地元民との直接対話に臨み、心から、心から、心からの誠意を見せた説得が納得に結びつくと私は思います。総理御自身が体を張った対応をすべきであると考えます。
 そして、願わくば、東京都に先駆けて、尖閣諸島に行き、魚釣島の上陸視察を敢行していただきたいと思います。答弁を求めます。
 さて、尖閣諸島の話を出しましたが、我が国周辺の状況について少し触れたいと思います。
 総理が、増税にばかり執着し、また、国民の不安や意思を無視し、原発再稼働の強行など、決めてはいけないことを早急に決める、まさに主権者国民不在の決める政治を推し進め、国政の根幹である外交・安全保障問題に全く気を配らない間に、我が国は領土を大いに侵食されつつあります。それは、本日の議題である防衛大綱、中期防の議論も大綱決定から一年半以上も置き去りであったことで明らかであります。
 我が国が有している領土問題、北方領土には、今月三日、ロシアのメドベージェフ首相が国後島を訪問、ロシアの領土の重要な一部であると強調いたしました。
 もう一つの領土問題である竹島に至っては、さかのぼること二〇〇八年七月二十九日に、韓昇洙首相が訪問、実効支配を印象づけました。その後、近年では韓国国会議員がたびたび訪問、また、本年五月には竹島付近において国際ヨットレースを開催するなど、実効支配の度は日に日に増していると言えます。
 しかるに、我が国政府は、こういった露骨な挑発行為に対して、事実関係の確認と外交ルートを通じて抗議しますということを常套句のごとく繰り返すだけで、何ら具体的な手だてを講じていない、弱腰の先送り、事なかれ外交が現状であります。
 我が国が実効支配をする尖閣諸島に対しては、中国及び台湾が、自国領土との主張を繰り返し、我が国の領海を脅かす行為を再三繰り返し続けております。また、東京都が尖閣諸島を購入する考えがある旨を表明した際には、丹羽駐中国大使が中国政府の意向に沿うような発言を海外メディアのインタビューで述べておられます。それを許してきた政府、外務省に、言葉にあらわせないほどの怒りを感じている次第であります。
 以上のような我が国周辺の状況を俯瞰するとき、日本は今まさに戦後最大の外交的敗北を喫しているとの評価を下さざるを得ません。
 総理は、この北方領土、竹島、尖閣諸島の三つの領土に関する問題に対し、どう対処されようとお考えでありますか。お答えをください。
 私の記憶では、平成十五年の総選挙における民主党のキャッチフレーズは、強い日本をつくるでありました。
 時のアメリカ大統領セオドア・ルーズベルトが、外交政策として、大きな棒を持ち運びつつ猫なで声でという、いわゆるこん棒外交を展開したことは、つとに有名であります。軍事と外交は表裏一体であり、この言葉は、軍事力の裏づけがあって外交力も発揮できるということを端的にあらわした名言であります。この言葉は、二十一世紀の今日に照らし合わせましても、真実であると私は思っております。
 したがって、我が国も、約十年間連続している防衛関係費の下落にそろそろ歯どめをかけるなり、見直しが必要ではないでしょうか。内訳を見ても、四割以上が人件費であり、装備品購入や整備、訓練のための油の購入などに当たる一般物件費は二割程度しかありません。
 二年連続で二桁の伸び率を示している中国を筆頭に、アジア各国の軍事費は上昇傾向にあります。日本の防衛力は相対的に低下する一方であり、これでは日本の領土、領空、領海の安全確保も困難をきわめてくるのではないかと強く危惧するものであります。総理に御答弁を求めます。
 さて、このたびの中期防では、陸上戦力を抑制し、その分を海上及び航空戦力の充実に振り向けられる方針が示されております。四方を海に囲まれている我が国において、この方針は間違っておらず、むしろ、なぜもっと早くそうしなかったのかと指摘すらしたくなるところであります。
 その上で、現代における軍事上の常識として、制海権を確保したいのであれば、まず制空権を確保することが必要不可欠であるという事実もございます。
 そこで、お聞きしたい。次期戦闘機、FX導入についてであります。
 昨年十二月、政府は、航空自衛隊の次期主力戦闘機として、米国政府提案のF35Aを選定されました。これは、現状における最も先進的な技術を駆使した戦闘機であり、日米関係の強化という観点からも、その選定は適切であったと思っております。
 しかしながら、開発中の機体であるため、種々のリスクを持っていることもまた事実であります。現状では、技術、納期、価格などについて、当時から懸念されていた事項が現実となってきております。
 提案要求書では、提案時点の性能、価格、納期は運用段階まで保証することとなっておりますが、六月二十九日に我が国政府と米国防総省との間で結ばれた契約は、FMS契約と呼ばれ、有償軍事援助契約であります。援助する側、すなわち米国の意向が強く反映されるものであります。金額も、既に一機当たり数億円の増加となっております。
 過去の主力戦闘機の選定と導入について考えますと、機体を分解し、我が国で組み立てるノックダウン生産、そして、我が国で部品から生産、組み立てを行うライセンス生産という手順で行われてまいりました。戦後、我が国の航空産業は、この主力戦闘機のライセンス生産により、先進技術を取得し、技術の継承、運用の適正化をしてまいりました。航空技術界のみならず、一般社会への技術的波及にもかなり貢献をしてきたと考えます。
 しかしながら、今回の選定では、国産化率が低く、特に、肝心な先進技術の開示が極めて少ないとのことであります。しかるに、この選定は、過去の選定のよい点がほとんど得られません。価格高騰は航空自衛隊の予算を圧迫し、部隊運用に支障を来します。また、我が国の防衛を支える防衛産業の工数維持、技術継承ともに厳しいものになる可能性が高いと私は思っております。
 今後のことですが、修理もFMS契約になるとの検討があると聞きます。その場合、事故や故障が発生しても、国内企業では責任を持てません。これはメンテナンス上にも非常に問題があると思えますが、政府の御見解をお聞きいたします。
 また、納期についても、空の守りの空白をつくらず、価格、納期を厳守させ、かつ、国産化率を上げる努力を実現するため、契約を統括する覚書等の締結をお勧めいたしますが、いかがでしょうか。
 この覚書には、米国政府が約束した事項が守れないときのリスク回避として、予備機を選定することと、そのための準備を進めることを米国政府に認めさせる内容を盛り込むことであります。御所見を賜りたいと存じます。
 最後に、集団的自衛権について触れさせていただきます。
 野田総理が議長を務めておられます政府の国家戦略会議のもとに属するフロンティア分科会は、このたび、集団的自衛権について、保有しているが行使できないとしている政府の憲法解釈を見直すように求める報告書を、今月六日、野田総理に提出いたしました。私は、この報告書は、国防を軸として考えれば至極真っ当なもので、政府は、議論を深め、今後の方向性を明示すべきと考えます。
 今までの内閣は、実際、内閣法制局の強い抵抗や政治家の臆病さも手伝って、安全保障の専門家が以前から指摘してきた集団的自衛権の行使に関して、答えを得ることなく、実際、見送ってまいりました。今回の報告書に対する総理の御所見と御意向をお伺いいたします。
 二二大綱に指摘される、運用に着眼した防衛力のあり方とする動的防衛力の構築には、集団的自衛権の行使も重要なファクターとして存在しているとの認識を披瀝いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕
○内閣総理大臣(野田佳彦君) きづなの渡辺義彦議員の御質問にお答えをしてまいります。
 まず最初に、オスプレーへの搭乗、地元の説得、魚釣島の上陸視察についてのお尋ねがございました。
 現在、オスプレーの事故調査結果や安全性などに係る情報の早期提供をアメリカ側に求めているところであります。調査結果が得られた際には、専門家を含め政府全体でしっかりと分析、評価し、地元の皆様に丁寧に御説明をさせていただきます。
 私自身がオスプレーに試乗するか否か、また、地元の皆様にどのように御説明するかなども含め、地元の皆様の不安を払拭するためには何ができるかについて、引き続き十分検討してまいりたいと思います。
 尖閣諸島について、政府としては、引き続き、東京都の購入に関する計画の具体的内容等の把握に努めるとともに、尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持管理を継続するとの観点から、さまざまなレベルで、さまざまな接触をして総合的に検討していますが、御指摘のような魚釣島への私の上陸視察については、考えておりません。
 次に、我が国の領土問題への取り組みについてお尋ねがございました。
 領土問題は、我が国の主権にかかわる極めて重要な問題であり、オール・ジャパンで、あらゆる情報や知恵を集め、それをもとに問題解決に当たっていくべきであることは当然であります。
 このような考えのもと、北方領土については、我が国固有の領土である北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するという一貫した方針に基づき、引き続き、精力的かつ粘り強く交渉をしてまいります。
 また、竹島の領有権についての我が国の立場は一貫しており、この問題の平和的解決を図るため、今後とも粘り強い外交努力を行ってまいります。
 御指摘の、ロシア首相の国後島訪問については、日本政府の強い遺憾の意と懸念をロシア側に明確に伝えており、竹島に係る韓国側による一連の措置についても、さまざまなレベルで韓国側に抗議しています。
 このように、受け入れられないものについては受け入れられないと伝えながら、問題の解決に向けてしっかりと取り組んでおり、戦後最大の外交的敗北を喫しているとの御指摘は当たりません。
 なお、尖閣諸島が我が国固有の領土であることは、歴史的にも国際法上も疑いのないところであり、現に、我が国はこれを有効に支配しています。したがって、尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題は、そもそも存在をいたしておりません。
 次に、防衛関係費の下落が続いていることについての御質問をいただきました。
 政府としては、我が国を取り巻く安全保障環境などを踏まえ、防衛大綱及び中期防に基づき、効果的かつ効率的な防衛力整備を着実に実施するとの考え方のもと、各年度の予算を編成しています。
 平成二十四年度の防衛関係費は、SACO及び米軍再編関連経費並びに東日本大震災からの復旧復興関連経費を除くと四兆六千四百五十三億円であり、十年連続で前年度に比較して減少しておりますが、これは、厳しい財政事情のもとで、事業内容を精査し、真に必要な機能に資源を選択的に集中し、効果的な防衛力を効率的に整備することとした結果であります。
 政府としては、必要な予算は確保できていると考えており、引き続き、効果的な防衛力を効率的に整備してまいります。
 次に、集団的自衛権及びフロンティア分科会の報告書についてのお尋ねがございました。
 政府としては、先ほど来からの答弁でも申し上げているとおり、集団的自衛権の行使は憲法上許されないと解してきていると承知をしているところであり、内閣総理大臣として、現時点でこの解釈を変えるということはありません。
 もとより、この問題については、御指摘のフロンティア分科会の報告書も含め、さまざまな議論があってしかるべきであろうとは考えています。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣森本敏君登壇〕
○国務大臣(森本敏君) 渡辺議員にお答えいたします。
 まず、F35Aの修理についてお尋ねがありました。
 F35Aについては、可動率等の維持整備に係る成果の達成に応じて対価を支払ういわゆるPBLという契約方式を取り入れたALGSという新たな後方支援体制が採用されており、修理についてもその体制の中で行われます。
 米国政府は、このALGSをFMSにより我が国に提供できるとしており、現在、航空自衛隊がALGSを具体的にどのように利用するか等について、具体的な検討を行っているところです。
 なお、この契約を受注する米国企業は、航空機を防衛省の要求する状態に維持管理する責任を負うことになりますので、メンテナンス上の問題は生じないと考えております。
 次に、F35Aの整備に係る覚書の締結についてお尋ねがありました。
 今般の選定では、提案要求書により提案者に提案内容の厳守を求めているだけではなく、本年一月下旬には、米空軍参謀長より提案内容を厳守する旨の航空幕僚長宛ての誓約書を受領しています。
 また、五月下旬には、神風政務官が訪米し、提案内容の厳守を要請したところ、米側から、提案内容の実現に全力を尽くす旨の発言がありました。
 このため、当省の要求する期限までに当省の要求する性能を備えた機体が納入されるものと考えており、予備機の選定や御指摘のような覚書の締結は考えておりません。
 なお、F35Aの製造において、将来的に企業参画の範囲を広げていくことは重要と考えており、必要な協議を米国と進めてまいる所存です。
 以上でございます。(拍手)
    〔議長退席、副議長着席〕
    ―――――――――――――
○副議長(衛藤征士郎君) 東順治君。
    〔東順治君登壇〕
○東順治君 私は、公明党を代表して、ただいま御報告がありました防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画について質問をいたします。(拍手)
 質問に先立ちまして、さきの九州北部豪雨災害でお命を落とされた大勢の皆様の御冥福を謹んでお祈り申し上げます。御遺族の皆様方にお悔やみを申し上げますとともに、被災され、今なお大変な御苦労をされている皆様方に、心からお見舞いを申し上げるものでございます。
 まずは、防衛力整備の前提となる、我が国を取り巻く安全保障環境に関する政府の認識について伺います。
 北方領土、竹島、尖閣、北朝鮮問題等、我が国を取り巻く安全保障環境はまことに深刻ですが、ここでは、中国、北朝鮮について主に質問をいたします。
 初めに、中国に関してであります。
 中国は、近年の急速な経済発展とともに軍事的な台頭が著しく、その海洋進出で南沙諸島をめぐり関係国との間では摩擦が次々と生じるなど、世界に脅威を拡大しつつあります。
 我が国に対しても同様です。紛れもない我が国固有の領土である尖閣諸島に対して、中国の固有の領土であると公然と主張し、中国公船が尖閣周辺の我が国領海を侵犯するなど、強硬な態度をエスカレートさせている感がございます。
 このような中国の態度には大いに懸念すべきものがあり、当然のことながら、我が国は、尖閣は日本の固有の領土なりとの主張を引き続き明確に先方に伝え続ける必要があることは言うまでもありません。
 そこで、総理に端的に伺います。
 政府は、現在、尖閣諸島を民間から買い取って国有化することを検討しているとのことですが、その検討とは、買い取ることの是非から検討しているのか、それとも、買い取る、国有化するという明確な意思のもとで検討がなされているのか、そのどちらなのでしょうか。明確な答弁を求めます。
 他方、当然のことながら、世界の大国である中国は我が国にとっては重要な隣国であり、日中両国の経済関係は、いよいよ密接の度を高めております。悠久の歴史の流れからも、そしてまた、今日まで日中友好に献身の汗を流してこられた先人の労苦に報いるためにも、大切につき合っていかねばならない隣国であります。
 したがって、相手方の強硬な姿勢に対してただただ強硬な態度で応じるのみでは、決して、英知ある外交とは言いがたい。
 そこで、玄葉外務大臣にお伺いします。
 かつて、大臣は、日中関係についての私の質問に対して、日中両国がいわゆるウイン・ウインの関係、つまり、戦略的互恵の関係を築いていくというのが大きな柱であると述べていますが、極めて難しい局面を呈し始めてきた対中国外交にあっては、これは、言うはやすく行うはかたしだと私は思います。
 日中間でこのウイン・ウインの関係を構築するために、今、何から、どのように進めようとしているのか、抽象論ではなくて、具体的な方策を伺います。政権の外交力が深刻に問われている状況であります。答弁を求めます。
 次に、北朝鮮に関してであります。
 北朝鮮では、昨年十二月、金正日国防委員長が死去し、三男である金正恩氏に国家の指導体制が移行しました。
 本年四月、人工衛星打ち上げと称してミサイルを発射しました。これは、国連安保理決議一八七四号に明白に違反し、非難されてしかるべきものでありました。圧力、すなわち制裁が必要であったことは当然です。
 小泉内閣以来の対北朝鮮に対する方針は対話と圧力でしたが、その後のミサイル発射や核実験で、結果、対話の道は閉ざされ、圧力のみが残っているのが今の現状です。拉致問題の解決、いまだ道遠しです。残念のきわみです。
 そうした状況下で、北朝鮮では何かが動き始めた、変化が生じ始めたのではないかといった感を私は最近持っております。
 金正恩氏の後見人の一人であり、強硬派と見られていた李英浩朝鮮人民軍総参謀長が全ての役職を解任されたことには驚かされました。また、金正恩氏の最近の映像も、笑顔で人民や子供たちと交わるさまや、女性もしばしば登場してきて、これまでとは違うやわらかさを印象づけようとしているかのようであります。
 もちろん、北朝鮮のような閉鎖国家では何が起こっているかは知る由もありませんが、もしかすれば、日朝両国間の対話のチャンネルをつくるきっかけが訪れようとしているのかもしれません。
 我が国としては、このような北朝鮮の微妙な変化を注視しつつ、対話と圧力の方針は堅持しながらも、いつでも対話の窓は開いていますよというシグナルを北朝鮮に送る必要が生じているのではないか、このようにも思います。
 日本海を、不信と憎しみの海から、平和友好の海へと変えていかなければなりません。対話のシグナルを送るべしという点に関して、総理の見解を伺います。
 次に、現防衛大綱についてお伺いします。
 大綱のキーワードは、動的防衛力であります。大綱は、従来の基盤的防衛力構想によることなく、動的防衛力を構築することとしていますが、基盤的防衛力整備をやめて動的防衛力を整備するのか、それとも、基盤的防衛力とともに動的防衛力を整備するのか、新安防懇の報告書では前者のようでございますが、森本防衛大臣の前任、先任の大臣答弁では、この点が明確ではありませんでした。森本大臣、見解を伺います。
 また、現大綱が動的防衛力を標榜する限り、それにふさわしい編成、装備が必要です。この点で、森本大臣は、大臣に就任以前には、陸自部隊の海上・航空輸送手段が担保されていない、このように批判をしているとの報道がありました。大臣に就任された今、現大綱に示された編成、装備で十分対応できると考えておられるのか、それとも、編成、装備をかなり見直す要ありと思っておられるのか、大臣の見解を伺いたい。
 さて、オスプレー配備の問題に移ります。
 我が党は、日米安保体制の重要性は深く認識をしております。であればこそ、日米安保体制が有効に機能するためには、国民の広範な理解、支援が必要であることは言うまでもありません。
 とりわけ沖縄、この県には日本の米軍専用施設の七四%が集中しています。沖縄県民の皆さんは、我が国全体の、あるいはアジアの安全保障のため、まことに過重な負担を負ってくれているわけでありますから、もし悲惨な事故が起こってしまっては取り返しがつかない。国政が常に沖縄県民の皆さんの心に深く思いをいたさねばならぬことは当然のことであります。
 なぜなら、政治の最大の使命は、国民の生命と財産を守ることにあるからであります。
 日本の安全保障、アジアの抑止力の強化、そのために、CH46の既存のヘリよりも速度は二倍、搭載量は三倍、行動半径は四倍、航続距離五・五倍のMV22オスプレーを後継機とする必要性は、私は十分理解ができます。
 確かに、抑止力はアップするでしょう。しかしながら、同時に、沖縄の人々の心に思いをいたしたとき、果たしてどうなのでしょうか。
 オスプレーは、開発、試作段階に墜落事故四回、死者三十人。量産開始後も墜落事故はとまらず、米国防省が普天間飛行場への配備を表明した昨年六月以降も、モロッコ、フロリダで墜落事故です。未亡人製造機とまでやゆされている航空機です。
 これが、最終的に、実に二十四機も沖縄に配備される。沖縄の人々の恐怖の対象となるのは当然のことです。ヌチルタカラ、命こそ宝、この沖縄の人たちの言葉は、沖縄の人たちの心の叫びでございます。
 普天間基地は市街地のど真ん中です。小学校もあります。
 野田総理、あなたは、七月十六日のテレビ番組で、オスプレーの配備自体は米国政府の方針だ、どうしろこうしろという話ではない、こう述べられたそうですね。言葉どおり受けとめれば、一国の指導者として、国民の生命ということに対して、実に鈍感な、他人事のような発言です。事実であれば、甚だけしからぬ。残念でなりません。真意をぜひ伺いたい。
 この総理の発言に、総理を支える民主党内から、いち早く遺憾の声が上がりました。まあ、こうしたことは時折あるんですが。
 総理も藤村氏も沖縄、山口両県の民意を少し軽く考え過ぎているのではないか、見通しが甘いと言わざるを得ない、こういう声を上げたのは前原政調会長です。配備の延期を要求されました。また、同じく民主党の輿石幹事長も、民主党沖縄協議会で、日本側が安全確認できなければ、十月を越えようとオスプレーを飛ばすことができないと断言されました。
 党派は異にしますが、これには私も少なからず同感です。
 ここに来て、政府からは、オスプレーの安全性が確認されなければ決して飛ばさない、日本独自に安全性を確保する専門家チームを発足させる、あるいは専門家チームをアメリカに派遣する等々、にわかに、こうした声や動きが出てきています。
 しかし、なぜ今なのか、なぜ慌てて今なのか。岩国にオスプレーを陸揚げする以前に、こうした声が、あるいは動きが出てしかるべきではなかったのか、このように私は思います。
 政府は、防衛省や国土交通省の担当者、航空工学の有識者から成る専門家チームを米国に派遣するということですが、安全であるか否かの証明は一体どのようにして行うつもりなのですか。その物差しとは何なのでしょうか。沖縄や山口県に対して説得ではなく納得させなければならないのですから、米側の説明をただ追認するだけであれば何の意味もありません。森本大臣に、この安全性確認の説得力ある方策を具体的に伺います。
 私には、初めに十月の本格運用ありき、そういうことで事が進んでいるように思えて仕方ありません。そのアリバイづくりのための専門家チームの立ち上げであったり訪米なのではという気がして仕方がない。
 もし、そうでないというなら、専門家チームの中に沖縄の有識者や行政関係者を加えて米国に派遣すべきではないでしょうか。その上で、専門的見地から徹底的に議論を重ねるべきだと思います。総理、防衛大臣の見解を求めます。
 沖縄県の仲井真知事は、オスプレーがもし人口密集地帯で落ちれば沖縄全基地の即時閉鎖を求める動きになる、ここまで述べています。私は、これまで、歴代の沖縄県知事からこれほどの発言を聞いた記憶はございません。県民の命を軽視することへの憤りの表明であり、極めて重たい真情の吐露であろうと思います。
 オスプレーの映像を目にするたびに、私は、かつて沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落した惨事を思い起こします。
 ある人が私にこうしみじみおっしゃった言葉が、今なお私の耳朶を離れません。
 こうおっしゃいました。
 確かに、あのとき死傷者は出なかった。本土の人、内地の人はそれをどう見たか。ああ、よかった、不幸中の幸いだったねとテレビにつぶやいただろう。でも、沖縄の人たちの口からは決してそんな言葉は出てこなかったはずだ。またこれで沖縄のチムグクル、心、肝、チムグクルに火がついてしまった。また基地問題がマグマになって噴火するんだと思ったはずだ。こう言っておりました。
 一国の外交は、決して弱腰であってはなりません。今こそ野田政権の外交的力量が厳しく問われていると私は思います。ここは、十月の本格運用にこだわらず、本当にきっちりと安全性が確認できるまでオスプレーの飛行は差し控えさせる、そのように米側と強く交渉すべきであると考えますが、総理、防衛大臣の見解を求め、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 公明党の東順治議員の御質問にお答えをしてまいります。
 まず最初、尖閣諸島をめぐる対応についてのお尋ねがございました。
 尖閣諸島が我が国の固有の領土であることは、歴史的にも国際法上も疑いがなく、現に、我が国はこれを有効に支配をしています。したがって、尖閣諸島をめぐる解決すべき領有権の問題は、そもそも存在しません。
 その上で、政府としては、尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持管理を継続するとの観点から、さまざまなレベルで、さまざまな接触をして、総合的に検討しているところでございます。
 したがって、現時点で申し上げられますのは、端的に聞くから明確な答弁をということでございましたけれども、こうしたことに尽きていると御理解をいただきたいというふうに思います。
 次は、北朝鮮との対話の可能性についてのお尋ねがございました。
 我が国は、従来から、拉致、核、ミサイルといった北朝鮮をめぐる諸懸案の解決のためには、適切な時期、やり方で北朝鮮との対話を行う必要があると考えています。ただし、現時点で、日朝間の対話を今すぐに再開し得る状況にはありません。
 いずれにせよ、政府としては、北朝鮮をめぐる動向について不断に情報収集、分析を行うとともに、北朝鮮が拉致、核、ミサイルといった諸懸案の解決に向けて具体的な行動をとるよう、米国や韓国等と緊密に連携しつつ、引き続き強く求めていく考えでございます。
 次は、オスプレー配備に関する私の発言についての御質問をいただきました。
 テレビ番組での私の発言は、CH46からオスプレーへの機種更新は、岸・ハーター交換公文に言う合衆国軍隊の装備における重要な変更には該当せず、事前協議の対象ではないという趣旨を簡潔に述べたつもりでございましたが、言葉足らずで誤解を与えたとすれば、申しわけなく思います。
 次に、分析評価チームの構成員についてのお尋ねがございました。
 分析評価チームの構成員については、航空機パイロットのほか、航空安全及び事故調査等に深い知見や経験を有する者等を防衛省内で選定し、さらに、より専門的助言を得るため、航空工学等の分野における部外有識者の方々にも参加を依頼したと聞いており、こうした体制をとることで、専門的で客観的な分析、評価が行えるものと考えております。
 次に、米国に強く交渉すべきとのお尋ねがございました。
 政府は、本年四月及び六月に発生したオスプレーの事故により日本国内に大きな懸念が生じていることを重く受けとめており、この懸念を米国に繰り返し説明するとともに、事故調査結果や同機の安全性等に係る情報の早期提供を米側に強く求めているところであります。
 政府としては、調査結果が日本政府に提供され、飛行運用の安全性がしっかりと再確認されるまでの間、日本において、いかなるオスプレーの飛行運用も行わないという方針であり、米国も同様の認識であります。
 調査結果が得られた際には、専門家を含め政府全体でしっかりと分析、評価し、地元の皆様に丁寧に御説明をさせていただき、御理解が得られるよう全力を尽くしてまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣玄葉光一郎君登壇〕
○国務大臣(玄葉光一郎君) 東順治議員から、日中関係についてのお尋ねがありました。
 中国の発展は、我が国を含む国際社会にとってチャンスであり、アジア太平洋地域の安定と繁栄のためには、中国の建設的な役割が不可欠であります。地域の安定した秩序づくりに向けた協力を深めてまいります。
 また、本年は国交正常化四十周年でございますから、さまざまなレベルでの対話や交流を通じて互恵関係を深化させてまいります。
 何からどのように進めるのか、こういうお話もございました。
 昨年十二月、野田総理が訪中いたしました。その際に表明した六つのイニシアチブ、政治的相互信頼の増進、海洋に関する協力、震災を受けた協力、互恵的経済関係の協力、国民間の相互理解の増進、地域・グローバルな課題に関する対話・協力の強化などの分野で協力を進めてまいります。
 特に、私は、海洋分野における協力、これが重要であるというふうに考えておりまして、その意味で、本年五月に中国・杭州におきまして日中の高級事務レベル海洋協議の第一回の会合が開催をされたということの意味は大きいと思います。余り報道されておりませんが、私は、この意味するところは大きいし、両国首脳の合意が着実に実施をされていることを示すものであるというふうに考えています。
 本件協議を通じまして、両国の海洋関連機関間の相互理解と相互信頼を増進し、日中間の海洋分野での協力を強化していきたいというふうに考えております。
 以上です。(拍手)
    〔国務大臣森本敏君登壇〕
○国務大臣(森本敏君) 東議員にお答えいたします。
 まず、基盤的防衛力構想の扱いについてお尋ねがありました。
 新防衛大綱においては、我が国を取り巻く安全保障環境の変化等を踏まえ、防衛力の運用を重視した動的防衛力を構築することとしております。このような大綱において示された防衛力の方向性を徹底して追求するため、従来の基盤的防衛力構想にとらわれずに、各種施策に取り組んでまいることとします。
 次に、大綱に示された編成、装備の見直しについてお尋ねがありました。
 大綱及び中期防では、即応性、機動性等を備えた動的防衛力の構築に向け、機動力、輸送能力及び実効的な対処能力等を整備することとし、これに必要な部隊改編や装備品の整備等について定められています。
 動的防衛力を構築するため、大綱及び中期防に基づいて防衛力整備を着実に進めていくことが重要と考えており、現時点で大綱及び中期防を見直すべきとの認識には至っておりません。
 次に、MV22オスプレーに係る分析評価チームについてのお尋ねがありました。
 昨日、オスプレーの安全性判断の資とすることを目的として、防衛省内外の航空安全、事故調査等に関する知見を活用し、オスプレーの事故調査結果について分析、評価を行う分析評価チームを設置いたしました。
 この分析チームには、各幕僚監部や技術研究本部等から、固定翼機及び回転翼機のパイロットや、事故調査、気象、整備等に知見を有する職員が参加しています。
 また、民間航空機の安全性に係る国土交通省の担当課長や、民間航空機の分野での航空工学を専門とされる東京大学の名誉教授、軍用機の分野での航空工学の研究に長年携わってこられた防衛大学校名誉教授からも、専門的見地からの助言を得ることとなっています。
 こうした体制で防衛省内外の専門的な知見を結集することにより、オスプレーの安全性について適切に分析、評価が行われるものと考えています。
 この分析評価チームに沖縄の有識者や行政関係者を加えることについてもお尋ねがありました。
 分析評価チームの構成については、固定翼及び回転翼機のパイロットのほか、航空安全、事故調査等に深い知見や経験を有する者等を防衛省内で選定し、また、より専門的助言を得るため、航空工学等の分野における部外有識者の方々にも参加を依頼したところであり、こうした体制により、専門的で客観的な分析、評価が行えるものと考えております。
 最後に、米国と強く交渉すべきではないかとのお尋ねがありました。
 現在、MV22の安全性等について、事故調査結果や安全性等に係る情報の早期提供を米側に求めており、米国は、調査結果が日本政府に提供され、飛行運用の安全性が再確認されるまでの間、日本においていかなるMV22の飛行運用も行わないこととしています。
 調査結果が得られた際には、昨日防衛省内に設置した分析チームにおいて、部外有識者の知見も活用しつつ、しっかりと分析、評価し、地元の皆様に丁寧に御説明させていただき、御理解が得られるよう全力を尽くしてまいる所存でございます。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(衛藤征士郎君) 赤嶺政賢君。
    〔赤嶺政賢君登壇〕
○赤嶺政賢君 私は、日本共産党を代表し、新防衛大綱、中期防に関して質問します。(拍手)
 初めに、九州北部を中心とする今回の豪雨災害によって犠牲になられた方々に哀悼の意を表し、被災された方々に心からのお見舞いを申し上げます。
 政府が被災者の生活となりわいの再建に全力を尽くすことを求めます。
 まず、オスプレーの問題です。
 二十三日、全国で広がる反対の声を押し切り、岩国基地に陸揚げされました。配備を強行した日米両政府に強く抗議するものです。
 オスプレーは、開発過程で四回、量産開始後も、アフガニスタン、モロッコ、米フロリダ州で墜落事故を繰り返してきました。エンジン停止時に、オートローテーション、すなわち、プロペラを自動回転させて着陸することができないなど、さまざまな問題が指摘されてきた欠陥機です。政府は、オスプレーの危険性をはっきり認めるべきではありませんか。
 配備するのは普天間基地です。住宅地のど真ん中にある基地に危険きわまりないオスプレーを配備するなど、許されるはずがないではありませんか。住民の安全より米軍の運用を優先する姿勢は許されません。政府は、アメリカ政府に対し、配備の撤回を正面から求めるべきです。答弁を求めます。
 重大なことは、日米両政府が、四月、普天間基地の大規模補修に合意したことです。
 これまで、米海兵隊は、移設完了までの間、普天間基地の滑走路や駐機場などを改修し、オスプレーが一〇〇%運用可能な基地にすることを求めてきました。今回の合意は、これを具体化し、普天間基地をオスプレー基地に強化、固定化するものではありませんか。
 今、沖縄本島北部の東村高江区では、沖縄防衛局が、座り込む住民を排除して、オスプレーが使用する着陸帯の整備を強行しています。工事を直ちに中止し、オスプレーのための基地建設はやめるべきです。普天間基地の即時閉鎖、無条件撤去を強く要求します。
 オスプレーは、沖縄全域にとどまらず、キャンプ富士や岩国基地などを拠点に、全国七つの低空飛行訓練ルートで訓練を行う計画です。日本全土をオスプレーの訓練場にする傍若無人な計画を政府は容認するのですか。
 これらの訓練ルートは、今回、オスプレー配備のために米軍が実施した環境レビューで明らかにされました。これまで、米軍戦闘機による低空飛行訓練が大問題となりながら、政府がその存在を明確にしてこなかったものです。一体、いつから、どのように設定されているのか、政府はこれを認めてきたのか、その全容を明らかにすべきであります。
 低空飛行訓練は、通常の飛行訓練などではありません。防空レーダーをかいくぐって敵地に侵入し、相手のレーダーや対空砲を爆撃することを目的とした軍事訓練そのものです。起伏の激しい山合いを縫うように飛行し、ダムや建物を標的に見立てて急接近する、危険きわまりないものです。現に、米軍機の墜落や木材運搬用のワイヤ切断、衝撃波による土蔵崩壊や窓ガラスの破損、爆音による家畜への被害が相次いできました。
 日米安保条約、地位協定によれば、米軍による軍事訓練は、日本政府が提供した施設・区域内で行うのが原則です。なぜ、施設・区域外でこのような軍事訓練ルートを設定できるのですか。
 環境レビューは、これらのルートを使って、地上六十メートルの超低空で飛行訓練を行うことまで明記しています。これは、住宅密集地三百メートル、それ以外は百五十メートルという日本の航空法の最低安全高度を全く無視したものです。しかも、学校や病院の上空に公然とルートを設定しているのであります。九九年の日米合意にさえ違反することは明らかではありませんか。
 米軍による危険きわまりない低空飛行訓練は直ちに中止し、訓練ルートは廃止すべきです。総理の明確な答弁を求めます。
 次に、新防衛大綱、中期防です。
 二〇一〇年末に策定された新大綱、中期防は、自衛隊の海外派兵路線を継続した上、動的防衛力と称して、陸海空自衛隊の態勢を南西地域にシフトさせる方針を打ち出しました。警戒監視と軍事演習を強化し、国境の島、与那国島に自衛隊を配備しようとしています。
 また、アメリカの同盟国である韓国とオーストラリア、さらにASEAN諸国との軍事的連携の強化を図り、ACSAや秘密保護協定、防衛協力覚書の締結を進めています。
 これらは一体、何のためですか。周辺諸国との無用な軍事的緊張を高めるだけではありませんか。
 東アジア地域で今必要なことは、アメリカ言いなりの軍事対応の拡大ではありません。相互の信頼、協力を拡大し、東シナ海を平和・協力・友好の海とするための外交努力です。憲法九条を持つ日本が、その役割を率先して果たすことが求められているのではありませんか。
 最後に、アメリカ言いなり、軍事優先の大もとにある日米安保条約を正面から問い直すべきことを強調し、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 共産党の赤嶺議員の御質問にお答えをする前に、先ほど、公明党東議員の御質問に対する答弁で少し明確性を欠いたところがございました。
 オスプレーの安全確認のための専門家チームについての、お答えをしたつもりでございましたけれども、そこで、東議員から御指摘のあった、沖縄の有識者や行政関係者を加えるべきというところについては、端的にお答えをしておりませんでした。
 既に、この調査チーム、分析評価チームについては、総合的に判断をし、きょう、公表をさせていただいております。したがって、もう既に決まってはいるわけでありますけれども、何よりも沖縄の皆様に御理解をいただかなければなりませんので、きちっと、調査の結果であるとか安全性の確認については、さまざまな工夫をしながら、御説明できるように努力をしていきたいというふうに思います。
 それから、次に、共産党の赤嶺議員からは、八問、御質問をいただきました。
 最初に、九州北部豪雨による災害への対応についてのお尋ねがございました。
 被災地からの御要望が多かった激甚災害の指定については、農地等の災害復旧事業の指定に向け、手続を速やかに進めるよう指示をいたしました。その他の復旧事業等についても、引き続き、被害額の把握等を進め、基準に達すれば速やかに対応してまいります。
 このほか、被災自治体への支援策として普通交付税の繰り上げ交付などを行っているところですが、引き続き、政府としては、被災地の御意見や御要望をしっかりと踏まえながら、被災者への支援等に全力を尽くしてまいります。
 次に、オスプレーの危険性を認めるべきとのお尋ねでございました。
 オスプレーについては、開発、試験段階において経験した事故を教訓とし、全ての安全基準を満足させ、信頼性を保証するよう改良が重ねられた結果、米国政府から量産が承認され、米海兵隊の主力輸送機として配備が進められてきているものと承知をしています。
 また、オスプレーについては、オートローテーションの機能を有していると承知をしています。
 いずれにせよ、政府としては、事故調査結果が得られた際には、専門家を含め政府全体でしっかりと分析、評価し、地元の皆様に丁寧に御説明をさせていただき、御理解が得られるよう全力を尽くしてまいります。
 次に、オスプレーは配備方針を撤回すべきとのお尋ねでございました。
 政府は、本年四月及び六月に発生したオスプレーの事故により日本国内に大きな懸念が生じていることを重く受けとめており、この懸念を米国に繰り返し説明するとともに、事故調査結果や同機の安全性等に係る情報の早期提供を米側に強く求めているところであります。
 政府としては、調査結果が日本政府に提供され、飛行運用の安全性がしっかりと再確認されるまでの間、日本においていかなるオスプレーの飛行運用も行わないという方針であり、米国も同様の認識であります。
 いずれにせよ、先ほども申し上げたとおり、調査結果が得られた際には、専門家を含め政府全体でしっかりと分析、評価し、地元の皆様に丁寧に御説明をさせていただき、御理解が得られるよう全力を尽くしてまいります。
 普天間飛行場についてのお尋ねがございました。
 普天間飛行場の危険性の除去は喫緊の課題であり、普天間飛行場の固定化は、あってはならないと考えています。その考えのもと、日米両政府は、辺野古に同飛行場の代替施設を設置するという現在の計画が、引き続き唯一有効な解決策であると考えており、この方針に変更はございません。
 政府としては、沖縄の皆様の理解を得つつ、この問題に取り組んでいくため、あらゆる努力をしながら、今後とも丁寧に説明をしてまいります。
 次に、オスプレーの航法訓練ルートについての御質問をいただきました。
 米政府がオスプレーの配備に当たって実施した環境レビューでは、日本本土及び沖縄の北部に設定された六本の航法経路において五百フィート以上の高さで必要な航法訓練が行われる旨の記載があることは承知をしております。
 一方、オスプレーを含む米軍の飛行訓練に関しては、今後、日米合同委員会の場などで必要な議論がなされるものと承知をしています。
 いずれにしても、低空飛行訓練を実施する場合には周辺の安全に配慮して行うべきものである旨、米側に申し入れてまいります。
 次に、低空飛行訓練を中止すべきとの御質問でございました。
 米軍は、日米安保条約の目的達成のため我が国に駐留することを認められていますが、このことは、米軍が飛行訓練を含む軍隊としての機能に属する諸活動を一般的に行うことを前提としています。
 一方、米軍は、全く自由に飛行訓練を行ってよいわけではなく、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動すべきものであることは言うまでもありません。
 先ほども申し上げましたとおり、低空飛行訓練を実施する場合には安全面の最大の考慮を払うとともに地元住民に与える影響を最小限にとどめるよう、これまでも米側に申し入れており、引き続き、日米合同委員会の場などを通じ、安全面への最大限の配慮を求めてまいります。
 次に、防衛大綱、中期防のもとでの南西地域の防衛、各国との連携強化についてのお尋ねがございました。
 防衛大綱は、実効的な抑止と対処、アジア太平洋地域の安全保障環境の一層の安定化及びグローバルな安全保障環境の改善を防衛力の役割としております。こうした役割を適切に果たすため、政府としては、南西地域を含む防衛体制を充実させているほか、関係国との防衛協力・交流の推進や、国際平和協力活動に積極的に取り組んでいるところであります。
 最後に、東アジア地域での外交努力についてのお尋ねがございました。
 アジア太平洋地域は、近年、最も経済成長が著しい地域である一方、安全保障上の不安定要因を抱えており、我が国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しております。
 このような中、東シナ海を隔てた隣国である中国とは、東シナ海を平和・協力・友好の海とするとの両国首脳の共通認識を実現するため、具体的な協力を推進することで一致しており、一例として、日中高級事務レベル海洋協議を立ち上げ、信頼醸成と協力の強化に努めております。
 我が国としては、引き続き、地域の安定と繁栄を実現するため、二国間及び多国間のさまざまな枠組みを活用し、さまざまな分野において、地域の秩序とルールづくりに主体的な役割を果たすための外交努力を続けていく考えであります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣森本敏君登壇〕
○国務大臣(森本敏君) 赤嶺議員にお答えいたします。
 普天間基地の大規模補修は普天間基地をオスプレー基地に強化、固定化するものではないかとのお尋ねがありました。
 政府としては、普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければならないと考えていますが、普天間飛行場は、設置されてから五十年以上を経過しており、老朽化が著しい施設もあり、航空機の運航に際し、安全面や環境面での配慮が必要であると認識しています。
 このような観点から、日米両国政府は、本年四月の2プラス2共同発表において、普天間飛行場が移設されるまでの間、安全な任務能力の保持、環境の保全等の目的のため、必要な補修工事について相互に検討することをコミットしたところです。
 普天間飛行場の補修工事については、あくまで、同飛行場が移設されるまでの間、航空機の運航の安全性の確保や環境の保全等を図るものであり、同飛行場をオスプレー基地に強化、固定化するものではありません。
 いずれにせよ、普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければならないと考えており、そうした御懸念が生じないよう、個々の案件について精査していきたいと考えております。
 最後に、北部訓練場のヘリ着陸帯の移設工事の実施についてお尋ねがありました。
 ヘリ着陸帯の移設工事については、北部訓練場の過半の早期返還を実現するため、沖縄県を初め地元の関係自治体から御理解をいただいた上で行っているところであり、オスプレーを配備する基地建設のため工事を行っているものではありません。
 北部訓練場の早期返還を実現するため、引き続き安全に最大限配慮し、工事を実施してまいりたいと考えております。(拍手)
    〔国務大臣玄葉光一郎君登壇〕
○国務大臣(玄葉光一郎君) 赤嶺議員から、米側が実施した環境レビューについてのお尋ねがございました。
 米海兵隊が実施したMV22オスプレーの配備に係る環境レビューにおいて、本州、九州、四国等にある航法経路を記載した上で、配備に伴う環境への影響について評価を行ったものというふうに承知をしています。
 米軍は、飛行訓練の目的達成、飛行の安全確保、住民への影響抑制等の必要性を安定的に満たすとの観点から、一定の飛行経路を念頭に置いて飛行することがあること、及び、最大限の安全を確保するため、低空飛行訓練を実施する区域を継続的に見直していることは承知をしています。
 ただ、具体的なルートの詳細等は、米軍の運用に係る事項であり、環境レビューに記載されている航法経路については、政府として、環境レビューの提供を受け、了知することになったものであります。
 政府としては、日米合同委員会等を通じて、低空飛行訓練に対する地元の懸念について米側に説明するとともに、安全性を最大限確保し、地元住民に与える影響を最小限にするよう申し入れてまいります。また、MV22オスプレーの安全性等についての地元の懸念に対し、今後具体的に何ができるのか、引き続き、さまざまな検討を行ってまいります。
 飛行訓練についてのお尋ねもございました。
 米軍は、日米安保条約の目的達成のため我が国に駐留することが認められていますけれども、このことは、米軍が飛行訓練を含む軍隊としての機能に属する諸活動を一般的に行うことを前提としています。また、日米地位協定は、飛行訓練を施設・区域の上空に限って行うことを想定しているわけではなくて、施設・区域でない場所の上空において行うことも認められます。
 一方、米軍は、全く自由に飛行訓練を行ってよいというわけでもございません。我が国において公共の安全に妥当な考慮を払って活動すべきものであることは言うまでもありません。
 米軍は、低空飛行訓練を行うに際して、最低安全高度に関する法令を含め、我が国法令を尊重し、安全面に最大限の配慮を払うとともに、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう努めている旨、累次の機会に表明しています。
 先ほど総理がおっしゃいましたけれども、環境レビューにも、MV22は地上高度五百フィート以上、先ほど百五十メートルという話がありましたが、五百フィート以上の高度で、飛行モードにより異なるが、百二十から二百五十ノットの速度で飛行するとの記述があると承知しています。
 いずれにしても、日米合同委員会等を通じて、低空飛行訓練に対する地元の懸念について米側に説明をするとともに、安全性を最大限確保し、地元住民に与える影響を最小限にするよう、引き続き、申し入れ、協議をしてまいります。
 以上です。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(衛藤征士郎君) 照屋寛徳君。
    〔照屋寛徳君登壇〕
○照屋寛徳君 社会民主党の照屋寛徳です。
 新たな防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画に関する報告について質問をいたします。(拍手)
 冒頭、野田総理に申し上げます。
 鳩山元総理は、あなたのことをシロアリだとやゆしましたが、沖縄県民からすると、野田総理はマジムンであります。消費税増税、TPP参加、原発再稼働、オスプレーの強行配備と普天間基地の辺野古移設など、正真正銘のマジムンであります。
 今から六十七年前の悲惨な沖縄戦で、二十万余のとうとい命が失われました。沖縄戦は、国体護持と本土防衛の捨て石だったと言われておりますが、総理はそのような認識をお持ちか、尋ねます。
 第二次世界大戦を終結させるためのサンフランシスコ講和条約によって日本が独立を達成した後も、沖縄は、日本から施政権が分離され、アメリカの軍事支配のもとで無憲法状態に置かれたまま、この国の安全保障の犠牲にされ続けました。総理は、かかる沖縄の戦後史をどのように理解しておられるのか、尋ねます。
 野田総理、ウチナーンチュは、日本国憲法が定める日本国民ですか。ウチナーンチュは、日本人ですか。ウチナーンチュは、憲法十一条が定める、基本的人権を享有する国民ですか。
 総理は、百四十万人のウチナーンチュが、日本国民、日本人として法のもとに平等に扱われると思っておられるのか、尋ねます。
 総理、沖縄は、本土復帰四十周年を経た今日でもなお、政府によって構造的差別を強いられております。この国の安全保障のために、米軍基地を置いておく場所としてのみ扱われ、まるで、人間の住んでいない無人島、アメリカの軍事植民地であるかのような扱いを受け続けております。総理はそのような自覚と認識をお持ちか、尋ねます。
 総理、米海兵隊のMV22オスプレーが配備予定の米軍普天間飛行場は、米国内法の安全基準すら満たしていない欠陥飛行場であり、世界一危険な基地であります。総理はそのような認識をお持ちでしょうか、尋ねます。
 その欠陥飛行場への欠陥機オスプレー配備について、墜落への恐怖と不安を覚える沖縄県民が反対の意思表示をするのは当然であります。総理は、オスプレー配備に反対する県民意思をどのように受けとめているのでしょうか。お答えください。
 また、オスプレー配備をアメリカの言うがままに唯々諾々と従う政府の態度は、沖縄県民の人命を軽視するものであり、断じて容認できません。
 総理は、市街地のど真ん中にある普天間飛行場にオスプレーを配備して、人命を脅かす事故が絶対に起きないと約束できるのでしょうか、尋ねます。それとも、沖縄県民の人命は、軽視、無視されるべきものだとでもお考えなのでしょうか。お答えください。
 防衛大臣に尋ねます。
 普天間飛行場に配備予定のMV22オスプレーにはオートローテーション機能が備わっていると断言できるか、尋ねます。大臣や防衛官僚の誰が、いつ、どのようにオートローテーション機能の存否を確認、検証したのか、お答えください。
 また、防衛大臣は、オスプレーに試乗しただけで、オートローテーション機能の存否を含め、安全性を確認できると考えているのか、尋ねます。
 新たな防衛大綱は、基盤的防衛力によることなく、動的防衛力を構築すると明記し、その上で、南西諸島防衛の強化方針が掲げられております。
 防衛大臣、最小限の基盤的部隊を配置するとした従来の基盤的防衛力構想を改めることは、むしろ周辺諸国との緊張関係を高め、結果として、この国の安全保障を危うくすることになりませんか、尋ねます。
 また、南西諸島防衛の強化方針との関連で、与那国町への陸上自衛隊沿岸監視警備部隊の配置が計画されております。
○副議長(衛藤征士郎君) 照屋寛徳君、なるべく簡単に願います。
○照屋寛徳君(続) かかる陸上自衛隊配備は、国防の名のもとに、沖縄にさらなる基地の犠牲と負担を強要するものではありませんか。お答えください。
 野田総理は、憲法解釈を見直して集団的自衛権の行使を容認したり、PKO協力法の改正によって駆けつけ警護を可能とすることに意欲を示す発言をしておりますが、本気で取り組むつもりか、態度を明確にしてください。
 なお、私や社民党は、断じて容認できない立場であることを申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 社民党照屋議員の御質問にお答えをいたします。
 最初に、沖縄の戦中戦後の歴史認識についてのお尋ねがございました。
 沖縄は、さきの大戦で、二十万人もの方々のとうとい命が奪われた悲惨な地上戦を経験しました。その後も、二十七年の長きにわたり米国の統治下に置かれ、本土とは異なる厳しい歴史を歩んでまいりました。私たち日本人は、こうした沖縄の苦難の歴史を決して忘れてはならないと思います。
 本年は、沖縄復帰から四十年の年となります。戦争により犠牲になられた県民の無念の思い、そして、戦後の苦難を乗り越え、沖縄を発展させてきた県民の努力を胸に刻みながら、引き続き、政府として、日本のフロンティアたる沖縄の発展のため、今なお沖縄が直面するさまざまな課題の解決に全力で取り組んでまいります。
 二つ目の御質問は、ウチナーンチュと日本国憲法についてのお尋ねでございました。
 ウチナーンチュ、すなわち沖縄の皆様は、言うまでもなく、日本国憲法によって基本的人権が保障される国民であり、法のもとに平等であります。
 次に、米軍基地の置かれた沖縄に対する認識についてのお尋ねがございました。
 沖縄は、米軍の占領下に長く置かれたことや、その地理的特性もあり、多くの米軍基地が設置され、本土復帰後も、本土に比べて施設・区域の返還が進まなかった経緯があります。国土面積の〇・六%しかない沖縄県内に、全国の約七四%の在日米軍専用施設・区域が集中する現状は、県民にとって大変大きな負担となっているものと認識をしています。
 このような現状が、構造的な差別の結果であるとか、アメリカの軍事植民地であるとは考えていませんが、沖縄県民の御負担を軽減していくことは、政府として最優先で取り組むべき課題であると認識をしています。
 政府としては、現下の国際情勢や安全保障上の観点も踏まえつつ、負担軽減の目に見える具体的な成果を積み上げるべく、誠実に努力してまいります。
 次に、普天間飛行場へのオスプレー配備についてのお尋ねがございました。
 普天間飛行場は、沖縄県宜野湾市の中心部で、住宅や学校等に密接して位置しており、同飛行場の固定化は絶対にあってはならないと考えており、現在の日米合意に基づき、同飛行場の一刻も早い移設、返還を目指します。
 普天間飛行場にオスプレーを配備することについて、沖縄の皆様には大変な御懸念、御心配をおかけしていることは十分認識し、重く受けとめております。現在、オスプレーの事故調査結果や安全性等に係る情報の早期提供を米側に求めているところであります。
 政府としては、調査結果が日本政府に提供され、飛行運用の安全性がしっかりと再確認されるまでの間、日本において、いかなるオスプレーの飛行運用も行わないという方針であり、米国も同様の認識であります。
 調査結果が得られた際には、専門家を含め政府全体でしっかりと確認し、地元の皆様に丁寧に御説明をしてまいります。また、地元の皆様の懸念を払拭するために、今後、具体的に何ができるのか、さまざまな検討を行っているところであり、地元の皆様の御理解が得られるよう、全力を尽くしてまいります。
 次に、集団的自衛権についてのお尋ねがございました。
 政府としては、従来から、集団的自衛権の行使は憲法上許されないと解してきていると承知しているところであり、内閣総理大臣として、現時点でこの解釈を変えるということはありません。もとより、この問題については、さまざまな議論があってしかるべきであろうとは考えています。
 最後に、PKO改正法についての御質問がありました。
 PKO法については、いわゆる駆けつけ警護など、国際平和協力業務の範囲及びこれに従事する自衛官の権限を含め、国連PKO等に対する協力のあり方全般にわたり、法改正の要否を含め検討を行っています。
 しかしながら、現時点で、その具体的な検討内容について申し上げることができる段階には至っておりません。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣森本敏君登壇〕
○国務大臣(森本敏君) 照屋議員にお答えいたします。
 MV22オスプレーのオートローテーション機能についてお尋ねがありました。
 MV22は、オートローテーション機能を有していると承知しています。このことは、これまでの日米協議の中で、防衛省の担当部局が国防省の担当部局に対して累次照会し、確認してきたところです。
 次に、MV22オスプレーの安全性の確認についてお尋ねがありました。
 MV22オスプレーの配備に関しては、地元の皆様の懸念を払拭するためには、米側より本年四月及び六月の二つの事故調査結果が提供される際に、日本政府としても、これを客観的に分析、評価することが必要であると考えております。
 このため、昨日、オスプレーの安全性判断の資とすることを目的として、防衛省内外の航空安全、事故調査等に関する知見を活用し、オスプレーの事故調査結果について分析、評価を行う、分析評価チームを設置しました。
 防衛省としては、このチームにより、米側の調査結果を中心に、オスプレーの安全性について客観的に分析、評価を行っていきたいと考えております。
 次に、新たな防衛力の考え方と周辺諸国との関係についてお尋ねがありました。
 新防衛大綱では、防衛力の存在自体による抑止効果を重視した従来の基盤的防衛力構想によることなく、防衛力の運用を重視した動的防衛力を構築することとしております。
 こうした動的防衛力により、日米同盟を深化させつつ、二国間、多国間の防衛協力・交流、共同訓練等を多層的に推進することなどを通じて、我が国周辺を含むアジア太平洋地域の安全保障環境の一層の安定化を図ることができると考えております。
 最後に、与那国島への部隊配置についてお尋ねがありました。
 多くの島嶼が存在している地理的特性を有する我が国において、島嶼部防衛は極めて重要であり、大綱及び中期防では、南西地域も含め、防衛体制の充実を図ることとされています。
 防衛省としては、これに基づいて、与那国島への部隊配置等を行うこととしていますが、部隊配置に当たっては、地元の方々の御理解と御協力を得られるよう、丁寧に御説明してまいる所存でございます。
 以上でございます。(拍手)
○副議長(衛藤征士郎君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
○副議長(衛藤征士郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時五十五分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       内閣総理大臣   野田 佳彦君
       外務大臣     玄葉光一郎君
       厚生労働大臣   小宮山洋子君
       防衛大臣     森本  敏君
       国務大臣     松原  仁君
 出席内閣官房副長官及び副大臣
       内閣官房副長官  齋藤  勁君
       防衛副大臣    渡辺  周君