第180回国会 文部科学委員会 第8号
平成二十四年八月二十四日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 石毛えい子君
   理事 金森  正君 理事 田島 一成君
   理事 永江 孝子君 理事 松本 大輔君
   理事 馳   浩君 理事 松野 博一君
   理事 松崎 哲久君 理事 池坊 保子君
      石井登志郎君    石津 政雄君
      磯谷香代子君    大西 健介君
      奥村 展三君    川口  浩君
      城井  崇君    工藤 仁美君
      桑原  功君    斉木 武志君
      杉本かずみ君    高井 美穂君
      高野  守君    高橋 昭一君
      橘  秀徳君    道休誠一郎君
      中屋 大介君    福島 伸享君
      福田 昭夫君    松岡 広隆君
      向山 好一君    室井 秀子君
      本村賢太郎君    湯原 俊二君
      和嶋 未希君    あべ 俊子君
      甘利  明君    遠藤 利明君
      河村 建夫君    下村 博文君
      田野瀬良太郎君    永岡 桂子君
      古屋 圭司君    石原洋三郎君
      大山 昌宏君    加藤  学君
      三輪 信昭君    富田 茂之君
      宮本 岳志君    土肥 隆一君
    …………………………………
   文部科学大臣       平野 博文君
   文部科学副大臣      奥村 展三君
   文部科学副大臣      高井 美穂君
   経済産業副大臣      柳澤 光美君
   文部科学大臣政務官    城井  崇君
   政府参考人
   (総務省総合通信基盤局電気通信事業部長)     安藤 友裕君
   政府参考人
   (法務省矯正局長)    三浦  守君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 新美  潤君
   政府参考人
   (外務省欧州局長)    小寺 次郎君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          布村 幸彦君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局私学部長)         小松親次郎君
   政府参考人
   (文部科学省科学技術・学術政策局長)       土屋 定之君
   政府参考人
   (文部科学省研究開発局長)            戸谷 一夫君
   政府参考人
   (文部科学省スポーツ・青少年局長)        久保 公人君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    岡田 太造君
   参考人
   (独立行政法人日本スポーツ振興センター理事長)  河野 一郎君
   文部科学委員会専門員   佐々木 努君
    ―――――――――――――
委員の異動
七月四日
 辞任         補欠選任
  村上 史好君     長安  豊君
同月六日
 辞任         補欠選任
  笹木 竜三君     桑原  功君
  長安  豊君     斉木 武志君
  笠  浩史君     福田 昭夫君
  岡本 英子君     松崎 哲久君
  瑞慶覧長敏君     樋高  剛君
同月十八日
 辞任         補欠選任
  樋高  剛君     加藤  学君
八月二十四日
 辞任         補欠選任
  石井登志郎君     大西 健介君
  桑原  功君     湯原 俊二君
  本村賢太郎君     松岡 広隆君
  山岡 達丸君     道休誠一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  大西 健介君     向山 好一君
  道休誠一郎君     福島 伸享君
  松岡 広隆君     橘  秀徳君
  湯原 俊二君     桑原  功君
同日
 辞任         補欠選任
  橘  秀徳君     本村賢太郎君
  福島 伸享君     工藤 仁美君
  向山 好一君     石井登志郎君
同日
 辞任         補欠選任
  工藤 仁美君     石津 政雄君
同日
 辞任         補欠選任
  石津 政雄君     磯谷香代子君
同日
 辞任         補欠選任
  磯谷香代子君     山岡 達丸君
同日
 松崎哲久君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
七月十日
 教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求めることに関する請願(第二三九号)は「高邑勉君紹介」を「高橋昭一君紹介」に訂正された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 文部科学行政の基本施策に関する件
 古典の日に関する法律案起草の件
     ――――◇―――――
○石毛委員長 これより会議を開きます。
 理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、去る七月六日の議院運営委員会における理事の各会派割当基準の変更に基づいて選任することとし、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石毛委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、理事に松崎哲久さんを指名いたします。
     ――――◇―――――
○石毛委員長 文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 古典の日に関する法律案起草の件について議事を進めます。
 本件につきましては、田島一成さん外七名から、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会及び公明党の三派共同提案により、お手元に配付いたしておりますとおり、古典の日に関する法律案の起草案を成案とし、本委員会提出の法律案として決定すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。池坊保子委員。
○池坊委員 古典の日に関する法律案の起草案につきまして、提案者を代表して、趣旨及び内容について御説明申し上げます。
 古典は、我が国の長い歴史の中で創造、継承、蓄積されてきた人間の英知の結晶であり、長い時を超えて、今なお我々の心を豊かにし、生活に潤いを与えてくれるものであります。また、先人たちの記憶や情緒を継承することで、希望ある社会を創造していく道しるべとなるものでもあり、このような古典を次世代に引き継いでいくことは極めて重要であります。
 本案は、このように、古典が、我が国の文化において、重要な位置を占め、すぐれた価値を有していることに鑑み、古典の日を設けること等により、さまざまな場において、国民が古典に親しむことを促し、その心のよりどころとして古典を広く根づかせ、もって心豊かな国民生活及び文化的で活力ある社会の実現に寄与することを目的とするものであります。なお、古典の中でも、我が国が世界に誇る古典文学である源氏物語の存在が記録上確認できる最も古い日が十一月一日であることから、この日を古典の日と定めることとしております。
 次に、本案の主な内容について御説明いたします。
 第一に、この法律において、古典とは、文学、音楽、美術、演劇、伝統芸能、演芸、生活文化その他の文化芸術、学術または思想の分野における古来の文化的所産であって、我が国において創造または継承され、国民に多くの恵沢をもたらすものとして、すぐれた価値を有すると認められるに至ったものをいうこと、
 第二に、国民の間に広く古典についての関心と理解を深めるようにするため、十一月一日を古典の日と定めること、
 第三に、国及び地方公共団体は、古典の日には、その趣旨にふさわしい行事が実施されるよう努めるものとすることとし、さらに、家庭、学校、職場、地域その他のさまざまな場における古典に関する学習及び古典を活用した教育の機会の整備等の必要な施策を講ずるよう努めるものとすること
等でございます。
 以上が、本起草案の趣旨及び内容でございます。
 何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
 古典の日に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○石毛委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 本件について発言を求められておりますので、順次これを許します。松崎哲久委員。
○松崎(哲)委員 松崎哲久です。
 国民の生活が第一・きづなを代表して、古典の日法案について発言いたします。
 第一条の目的については異存なく、第二条において古典を広範に定義しているのも適切であると考えます。第三条の古典の日を設けることも特段異存はありませんが、第二項の十一月一日とする根拠は、必ずしも広く認められたものとは言いがたいと指摘せざるを得ません。
 十一月一日は源氏物語にゆかりがあると承知しておりますけれども、第二条で広く定義された古典にかかわる日のうち、月日が特定される例はほかにもあります。
 例えば、古事記は、和銅四年、七一一年九月十八日に、遷都翌年の平城京、これは奈良市ですが、元明天皇が太安万侶に対して稗田阿礼の朗誦した旧辞からの選録を命じ、翌年七一二年、本年が千三百年紀でございますが、一月二十八日、太安万侶が古事記三巻を献上いたしております。
 万葉集は、天平宝字三年、七五九年ですが、一月一日、収録された四千五百十六首のうち最後に置かれ、かつ、最も新しい年代の歌、大伴家持自身の歌が、因幡の国府、これは今の鳥取県の鳥取市、合併以前は国府町ですが、因幡国府で詠まれております。
 古今和歌集は、延喜五年、九〇五年四月の十五日に、紀貫之が平安京の内裏で二十巻の最初の勅選和歌集を選進いたしております。
 以上、古典の日を十一月一日とすることには必ずしも賛同しがたいのですが、古事記が選上された地である奈良県の知事、あるいは家持がその歌を詠んだ鳥取県の知事も、古典の日推進委員会の特別委員会に入っておられることでもあり、超党派議連の取り組みによる法案自体に積極的に反対するものでもありません。
 よって、この討論的発言でこの趣旨を述べさせていただいた上で、採決に当たりましては、会派として賛成をいたしたいと思います。
 以上です。終わります。
○石毛委員長 次に、宮本岳志委員。
○宮本委員 日本共産党の宮本岳志です。
 法案発議者にお伺いをいたします。
 我が国の文化的所産である古典に親しみ、学ぶ機会が整備されることは大いに意義あることだと思います。しかし、古典も含めて、国民一人一人が何を学ぶか、何を心のよりどころとするかは、本来、個々人の思想、信条の自由に属する事柄であり、国が押しつけることは許されません。
 本法案第一条には、国民の「心のよりどころとして古典を広く根づかせ、」という文言がありますが、これは国民の内心の自由に踏み込むといった趣旨ではないと考えますが、よろしいでしょうか。
○馳委員 おはようございます。
 宮本さん、内心の自由に踏み込んだり制約するという考えは全く持っておりません。むしろ、内心の自由をより深めるための教養や知識を身につけるためにも、より古典に親しんでいただき、理解をいただければありがたいと存じます。
 以上です。
○宮本委員 法案は、第二条で、古典の定義を与えています。ここには「我が国において創造され、又は継承され、国民に多くの恵沢をもたらすものとして、優れた価値を有すると認められるに至ったもの」という規定がありますが、ここには北海道のアイヌ独自の民族文化や沖縄県独自の文化を初め地方に伝わるさまざまな古典や、外国から入ってきて我が国で継承されてきたものも含むと理解してよろしいですね。
○馳委員 我が国ゆかりのというふうな意味で御理解をいただければ結構であります。
○宮本委員 そもそも、身近なところに古典を含む文化芸術に親しむ環境が整備されておらず、国民にとって、古典に親しみ、学ぶ機会自体が限られているのが現状です。また、私の地元大阪などでは、文楽など古典芸能への補助金を打ち切ったり、オーケストラの予算を削減するような動きもあります。
 この法律の制定を契機に、予算措置を含めて、古典を含む文化や芸術に親しむ条件を広げ、環境整備を具体的に進めるべきだと考えますが、法案発議者の御決意を賜りたいと思います。
○馳委員 同感であります。大阪の事例は、それは大阪市長さんの最終的な判断ではありますが、私はやはり残念に思います。なかなか民間で整備できるものではありません。図書館や、そういった文化芸術等を披瀝する場所、またその人材の育成といったものは、この法案を契機に、より一層広く国民の御理解をいただいて進められていくことがふさわしいというふうに考えております。
○宮本委員 以上で発言を終わります。ありがとうございました。
○石毛委員長 これにて発言は終わりました。
 お諮りいたします。
 本起草案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の委員の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○石毛委員長 起立総員。よって、そのように決しました。
 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石毛委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
○石毛委員長 引き続き、文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として独立行政法人日本スポーツ振興センター理事長河野一郎さんの出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として総務省総合通信基盤局電気通信事業部長安藤友裕さん、法務省矯正局長三浦守さん、外務省大臣官房参事官新美潤さん、欧州局長小寺次郎さん、文部科学省初等中等教育局長布村幸彦さん、高等教育局私学部長小松親次郎さん、科学技術・学術政策局長土屋定之さん、研究開発局長戸谷一夫さん、スポーツ・青少年局長久保公人さん及び厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長岡田太造さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石毛委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○石毛委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高野守委員。
○高野委員 民主党の高野守でございます。
 きょうは、実は私、先日、聖徳太子の十七条憲法を改めて三十年ぶりぐらいに拝読いたしまして、時間があれば最後にと思ったんですが、古典の日の法案も衆議院を今採決が終わりまして、松崎先生の御意見に私も賛同しますけれども、よかったなというふうには思っております。
 そこで、釈迦に説法で恐縮でありますけれども、十七条憲法の中の一条と十条をちょっと最初に朗読をして、皆さんに申しわけありませんけれども、時間をいただきたいと思います。
 十七条憲法一条、一にいわく、和をもってとうとしとなし、逆らうことなきを旨とせよ。人皆たむらあり、また悟れる者少なし。ここをもって、あるいは君父に従わず、また隣里にたがう。しかれども、上和らぎ下むつびて、事をあげつらうにかなうときは、すなわち事理おのずから通ず。何事かならざらん。
 第十条でありますけれども、十にいわく、怒りを絶ち怒りを捨て、人のたがうを怒らざれ。人皆心あり、心おのおのとるところあり、彼是とすればすなわち我は非とす。我是とすればすなわち彼は非とす。我必ず聖なるにあらず。彼必ず愚なるにあらず。ともにこれ凡夫のみ。是非の理何ぞよく定むべき。相ともに賢愚なることみみがねの端なきがごとし。ここをもって、かの人怒るといえども、かえって我が過ちを恐れよ。我ひとり得たりといえども、衆に従いて同じく行え。
 全文のうちのわずかでありますけれども、私は、今本当に世の中が大変に乱れております。これは私自身も自戒を込めて今朗読をさせていただきましたけれども、やはり、聖徳太子だけではなく、歴史や伝統、文化、そして芸術、古典の中から改めて多くを学ぶことの大切さ、今、日本をそういうふうに見直すときである、私ども政治家もそこに立たされているというふうに強く感じている次第でございまして、昨今のいじめの問題等にも、根本的な解決にはこうした心が大切ではないかというふうに思っております。
 そこで、大臣、済みません、申し上げていなかったんですが、一言、御感想をお聞かせいただければと思います。
○平野(博)国務大臣 今、聖徳太子の教えを、基本的なところを御指摘されましたが、私もまさに同感でございまして、その気持ちを国民全体が共有して物事に対処することが大事であろう。
 私ごとでございますが、私、パナソニックに勤めておりました。そのときに七精神という言葉がございまして、その中の一つにも和親一致、こういう言葉がございましたし、まさにそういう古典の、過去の方々が築いてきた精神をしっかり受けとめて対処すべし、こういう教えも受けながら経験をしてきたわけでございますので、高野議員の御指摘、私も同感でございますし、しっかりそのことを含めて対処してまいりたい、かように思っております。
○高野委員 ありがとうございます。
 次に、いじめ等についてちょっと質問をさせていただきますけれども、学校におけるいじめが原因と認められる生徒の自殺事案が起きていることについては、まず、亡くなられた方々に心から御冥福をお祈り申し上げたいというふうに思います。
 不登校、引きこもり等の問題について、私もそうした経験を持っている一人でございまして、これまで当委員会で何度か質問をさせてもいただいておりましたし、今も時々、知人の親御さんの相談には乗らせていただいているという経験も持っております。
 特に、人間にとって本当の豊かさは何なんだろうということを、こうしたことに触れますと改めて感じざるを得ません。今の時代は、先ほども申し上げましたけれども、余りにも物質的な豊かさを追い求め過ぎることになってしまったということを皆さんも感じておられるというふうに思います。
 私は、父や、あるいはおじいちゃん、おばあちゃんあたりから、小さいころは自分の部屋がなくても楽しかったというような話をよくお年寄りの方はされるわけでありますけれども、私どもは物質的には確かに豊かになりました。しかし、今も物質的な豊かさをさらに追い求めようとする、これは人間のさがかもしれませんけれども、そうしたことによって世の中のバランスの欠如というものがひずみとなって子供たちや弱い立場の人々にのしかかってきてしまっている、そういう時代にまさにあるというふうに思います。
 私ども政治家は、現実から目を背けることはできません。今この時点でいじめを受けている子供たちに対して、現実的対策ということを可及的速やかに行う。例えば警察との連携もあるでしょうし、また法整備も含めて検討をしていく必要も今後あるかとも思います。
 また、いささか抽象的ではございますけれども、本当の豊かさというのは、私は心の豊かさだというふうに思います。文明社会にとっては難しい課題ではありますけれども、やはり物質的なものと精神的なものとの崩れ過ぎたバランスを取り戻すことも我々の責任だというふうに思います。
 そうした意味で、私たちは根本的な解決のためには何をしたらいいのか。さっき申し上げましたように、やはり長期的視点に立てば、日本を見詰め直して心の豊かな社会をみんなで築いていこう、まず、そういった意思を我々政治家こそが持つことが大切だというふうに思います。
 しかし、国家が国民に対して価値観を押しつけることは、これはできません。したがって、まず我々が変わらなければ子供たちがかわいそうでありますので、上に立つ者の責任として、そうしたことにやはりみんなが意識を持つということが大切であるというふうに思います。
 浜口雄幸さんという方が、経済政策等についてはどうかなと今本などを読みますと思いますけれども、政治をして人間道徳の最高たらしめるという言葉をおっしゃったというふうにも聞いております。私は、これも非常に重い言葉であるというふうに思います。
 文部科学省は、教育行政という中で、ほぼ全ての国民にかかわる重要な位置を占めているというふうに思います。学力偏重ではなくて子供たちの能力を引き出すという当たり前のことが、やはりなかなかうまくできない。文部科学省のあり方を含め、私は、大胆で新しい発想の転換も必要ではないかというふうに思います。
 たとえ経済的に厳しくとも、子供たちが夢や希望をせめて学校の中で持てる、そうした環境をつくらなければならないというふうに思うわけでありますけれども、平野大臣に、教育の根本的なあり方、あるいは今後の文科省はどうあるべきかということについての御所見をお伺いしたいと思います。
○平野(博)国務大臣 高野さんも、神職という立場、また、教育環境に育ってこられたということも承知しておりまして、まさに教育のあり方が、この時代の変化、いろいろな事象を含めて、私は問われているんだろうというふうに思います。
 そもそも、教育こそ、人々の多様な能力や個性を開花させる、こういうことを通じながら、その人の人生を豊かに暮らしていける基盤をつくっていくものだ、私はそのように思っております。
 そういう中にありまして、いろいろな状況が、経済的事情等々ございましても、その人の先行投資をする、子供さんの将来をしっかりと支えていく、こういう立場で、私どもとしては、やはり生き抜いていくための力をつけてもらうための、ある意味でのセーフティーネットが教育の一つだ、こういうふうにも思います。
 したがいまして、私は、これからの日本を支えてもらう人材をやはりしっかりと育成していく、こういう観点で先行投資をしていく、こんな思いで、今、高野議員から御指摘あった部分を十分思いながら取り組んでいきたい、かように思っております。
○高野委員 経済官庁やいろいろな省庁はありますけれども、文科省の果たすべき役割というのは、私は、縁の下の力持ち的な、直接的な、時間はかかりますけれども、やはり日本再生の一つの鍵を持った行政官庁だと思っておりますので、ぜひ、平野大臣のリーダーシップでお願いをしたいと思います。
 自殺のことについてでありますけれども、警察庁の自殺統計によりますと、過去三年間ですけれども、平成二十一年には三万二千八百四十五人の方が亡くなり、二十二年には三万一千六百九十人、直近では、平成二十三年で三万六百五十一人と推移をしております。
 そのうち、児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査という形で調査がされておりますけれども、児童生徒の自殺者数は、平成二十年度で百三十六人、二十一年度は百六十五人、二十二年度は百五十六人というふうになっております。
 また、警察庁の調査によりますと、平成二十二年の児童生徒は二百八十七人、大学生は三百九十七人の方がお亡くなりになっているというふうな調査がございます。また、同調査で、いじめの認知件数は、小中高と特別支援学校を合わせて、二十一年度では七万二千七百七十八件、平成二十三年度では七万七千六百三十件との調査結果も出ております。
 最近報道された時系列で申し上げますと、学校のいじめをめぐる事案については、報道が七月四日に、大津の中学二年生の男子生徒の件がございました。三十日には、大阪府貝塚市の定時制高校生の問題が報道されました。八月十九日には、私の地元でもあります茨城県常陸太田市の中学二年生の男子生徒の自殺も報道されました。二十日には、鹿児島県出水市の女子生徒の件も報道されております。全国各地で、児童のいじめによる悲惨な事件が、このほかにも数え切れないぐらい数多く挙げられているわけであります。
 文科省としても、平成十八年の調査で、子供が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているものと、いじめの定義をいじめられた児童生徒を主体としたものに変更したというふうに承知をしております。
 また、いじめはどこの子供にもどこの学校でも起こり得るという認識に立って、いじめの早期発見、早期対応に努め、いじめを許さない学校づくりに向けて、教育委員会、学校に対して指導を行っていることは十分に承知はしております。
 さらに、このたびの大津市のいじめ自殺問題を受けて、平野大臣のリーダーシップのもとで、七月十三日だったでしょうか、全国全ての学校関係者に対するいじめ問題への徹底した取り組みをお願いする文部科学大臣談話というものを出していただきました。
 十七日には、大津市を支援するため文部科学省職員も派遣をされ、八月一日には、全国国公私立学校に対して、いじめの問題に関する児童生徒の実態把握及び取り組み状況についての緊急調査の実施、同日付で、省内に、いじめによる自殺などの重大な事態が発生した際に学校や教育委員会が効果的な対応を行えるよう支援する子ども安全対策支援室を設置するなど、対応をされてきていることは承知をしておりますけれども、しかし、さまざまな資料を見てみますと、一旦そうしたことが減少する、効果が上がる、しかし、しばらくすると、減少傾向からまた悲惨な傾向、いじめやそうした自殺といったことが生じるということが今日まで繰り返されてきているのではないかというふうに私は思います。
 学校における児童生徒間のいじめをできる限り少なくしていく、将来ある子供たちが誰にも相談できずにみずから命を絶つという事態は、絶対に防がなければなりません。まして、いじめを受けている子供たちがさまざまな報道に触れて、連鎖ということも心配されますし、また、同様の事態が全国のほかの学校も含め起こらないようにするために、これらの問題について現実的に速やかにもっと検証を行って、教訓とすべきであるというふうに考えております。
 そこで、これまでのいじめ問題に対する全体的なことで結構なんでありますけれども、文科省、教育委員会、学校の取り組み等の評価について、あわせて、警察が市の教育委員会や中学校に捜査に入ったことに対する文科省としての受けとめと、今後の学校における教育指導の自主性、警察との連携のあり方といったものについての見解を文科省にお尋ねしたいと存じます。
○平野(博)国務大臣 今、高野議員から、まさにこのいじめの問題、こういうことでございます。私も、七月の四日にインドネシアでぶら下がりに遭って初めてそのことを知ったわけでございます。
 したがいまして、私は、いじめは決して許されるものではないという観点で認識をいたしておりますが、しかしながら一方で、いじめはもうこの学校にはないんだということではなくて、どこにもあるんだ、こういう認識のもとにこの問題を対処しなければならない、こういうことでございます。
 したがいまして、いじめの問題については、やはりいち早く、子供にそういう兆候があるのかということをいかに把握し、迅速に対応するか、このことにかかるわけでありまして、学校ではまず子供のその状況をいかにつかむか、こういうことだと私は思っています。そのことが、自殺にまで追い込むまでにしっかりした対応ができれば、未然に防げる、こういうふうに思っております。
 文科省としては、今、高野さんから御指摘ありましたように、平成十八年に痛ましい事案が起こって、大きくその問題についての対処を強化してきた、こういう経過もございます。
 文科省として、今回、私は、この大津の事案を一つの大きな契機といたしまして、談話を発表したり、また、七月の十七日に、大津の市長からの強い要請もあり、現場の職員の事務的によくわかっておられる人を派遣しろということで、七月の十七日から派遣をしてきたところでございまして、一応きょうまで派遣をして、やっと第三者委員会も立ち上がり、これからその委員会ができ上がる、こういうことでございます。
 加えて、私は、いじめの問題だけではなくて、子供の命を守る、こういう視点から、例えば交通事故でとうとい命を亡くす、いじめの問題、あるいは被災地でのあの大川小学校における七十四名、行方不明者四名おられるわけですが、こういう問題についてもしっかり対応でき得る子ども安全対策支援室というものを私の直轄で今つくっておるところでございます。
 具体的な何をするかという指針については、今詰めていると同時に、一方では、いま一度各教育現場にアンケートを緊急にとりまして、あわせて対応したい、こういうことでございます。
 加えて、関係機関、特に内閣府と警察と連携をとるように、警察庁からも人を派遣、その室に来ていただいておるところでございます。
 やはり一番大きなトリガーは、警察が学校現場に強制捜査に入った、このことは私、実はショックを受けました。もう文科省なり教育委員会では対処できないのか、こういう危機感に立ったわけでございまして、やはりしっかりと教育現場で対処できるような仕組みづくり、あるいはそういう考え方を理解してもらう、こういうことをより強化する、これが文科省の使命だ、私はそう思っているところでございまして、実は、あしたも全国のPTA総会に、私、京都でやるようでございますが、そこへ出向いて、この問題についても対処してまいりたい、かように考えているところでございます。
 具体的には、今鋭意その支援室で、どういう施策を打っていくか、あるいはどういう仕組み、体制をつくるか、私は一過性の部屋にはしたくないと思っています。常設の機関として文科省につくっておきたい、私はかように思っているところでございます。
○高野委員 ありがとうございます。
 本当に、今までなかなか、これからも大変に厳しい道のりだとは思います。この子ども安全対策支援室、大川小学校の件も、私も行かせていただいておりますけれども、全体的な子供たちの安全ということについて、命を守るということについて、ぜひ人材を育成していただき、現場に大臣も行かれたそうでありますけれども、いろいろな方の話を聞く中で、やはりそういう能力といいますか人間力をつくっていくということが最もこの室が効果的に動く鍵だと思いますので、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
 一つだけ、昔はいじめといいますと、校舎の裏に連れていかれて暴力を振るわれたり、校庭の隅っこの方で殴られたりといったのが私が子供時代のイメージでありましたけれども、今は本当に、インターネット、メール等の、これが私もよくわかっていない部分があって反省をしておるんですけれども、こうしたいじめの形態といいますが、明らかに、適切な表現かどうかわかりませんが、文字や言葉の暴力ということがやはり昔と今の大きな違いかなというふうに思います。
 こうしたインターネット社会になりまして、このことについてはどういうふうに今後対応されるのか、どんな問題意識を持っておられるのか、ちょっとこのことだけお答えをいただきたいというふうに思います。
○布村政府参考人 ネット社会における現代的ないじめの取り組みについて御説明をさせていただきます。
 先生御指摘のとおり、近年、携帯電話やパソコンを通じまして、インターネット上のウエブサイトの掲示板などに特定な子供の悪口や誹謗中傷を書き込んだり、メールを送ったりするなどの方法によっていじめを行う、ネット上のいじめが深刻な問題になっているところでございます。
 文部科学省におきましては、このネットいじめに対しまして、学校における対策の一層の充実を図るために、インターネットの掲示板上での誹謗中傷に対し解決を図った事例等を紹介した、いじめ問題に関する取組事例集の作成を平成十九年度に行いました。
 また、ネット上のいじめを発見した場合の対応の手順や指導のあり方、家庭との連携につきまして、「ネット上のいじめ」に関するマニュアル・事例集の作成を平成二十年度に行っているところでございます。
 また、二十二年度、二十三年度には、ネットパトロールの手法についての調査研究の取り組みも実践的に行っていただいたところでございます。
 また、それ以外でも、新しい学習指導要領におきましては、情報モラルを児童生徒にしっかり身につけさせることを明記し、その旨、指導を重ねているところでございます。
 なかなか難しい課題ではございますけれども、こうした取り組みを通じまして、新しい形のいじめの問題の解決に向けた取り組みを推進してまいりたいと考えております。
○高野委員 本当にこれは、どんどんインターネットは進んでおりますし、しっかりとした対応をぜひ求めておきたいというふうに思います。
 それから、自殺に至らなかったといっても、不登校、引きこもりの子たちというのは実にさまざまなケースがございまして、本当に一概に言えないわけであります。
 下手な経験が役に立たないこともあるわけでありまして、非常に難しい問題をはらんでおりますけれども、自殺に至らなかった子供たち以外の引きこもりの子供たちにも相当、私の経験からしますと、やはりきっかけがいじめであったりとかというケースが非常に多いわけでありまして、隠れたこうした苦しみを持った子供たちに対する対応というのは社会問題である、文科省としてさらに省を挙げて取り組んでいただきたいと私はずっと思っております。
 今までも二度ほど質問させていただいておりますけれども、小学校で、二十二年度は二万二千四百六十三人、これは不登校ですね。中学生が九万七千四百二十八名。合わせると十一万九千八百九十一人の不登校児童がいるわけであります。
 こうした問題というのは、まず現場の教師がどう対応していいかわからない、親もどう対応していいかわからない。実は精神科医も、私、友人の獨協の大森教授であるとかいろいろな方と勉強会をしてきたんですけれども、医者もどう対応していいかわからないという現状があります。
 獨協の大森先生に言わせると、児童生徒のそうした子供たちを扱うのに、僕のところに連れてこいよと言う医者ほど心配なものはないと名誉教授が言うんですから、つまり、自分の限界、おのれの限界を知っている医者に会わせるならいいけれども、そうじゃないと、下手すると逆の効果になる、非常に難しい問題であります。
 私は、これは去年の三月九日だったでしょうか、質問させていただいたんです。厚生労働省が結構何とかしようといって頑張っているなという印象は受けたんですけれども、ふれあい心の友訪問援助・保護者交流事業というものの中で、児童相談所の児童福祉司や、児童相談所のOBとか、引きこもりの子供を持っていた親御さんたち、いわゆるコーディネーターの指導のもとに、文科省はもちろん承知していると思います、メンタルフレンド、これは学生等のボランティアで構成されているわけですけれども、このメンタルフレンドが引きこもりや児童の家庭を訪問したり、児童と触れ合うといった取り組みがされてまいりました。
 メンタルフレンドは福祉系の学生が比較的多いということだったんですけれども、教職系の学生も参加しないわけではないんですが、私はもっと積極的に教育学部の学生さんたちをこうしたことに参加させるべきであるという話もさせていただきました。
 また、親御さんに対する支援も必要でありまして、保護者を対象にしたペアレントトレーニングなどを設けて支援を充実させたり、あわせて自閉症などの発達障害の親御さんをペアレントメンターと呼んで、実際に経験をされてきた親御さんたちがペアレントメンターとなって、今問題を抱えている親御さんの心のアドバイザー、相談役になっているという制度もつくってございます。
 ペアレントメンターの養成を発達支援事業の推進事業の一つに厚労省としては明記をして、そうした相談技術を持った方々、経験者の方々を大事な資源として位置づけてはいるんですね。
 そして、もっと不登校の経験者、親御さんたちにもぜひボランティアで参加していただいて、そういった人材づくりのネットワークみたいなものを現実的対応としてきちっとつくり上げていく必要がある、私はそう思ってそのときも申し上げました。
 さらに、二十一年度からはひきこもり対策推進事業というものを厚労省が創設をしまして、各都道府県・指定都市に、引きこもりに特化した第一次相談窓口としての機能を有する、ひきこもり地域支援センター、これは現在三十六カ所と聞いておりますけれども、設置しております。さらに、平成二十三年度より家庭訪問を中心とするアウトリーチ型の支援も開始しているというふうに聞いております。
 こうした厚労省の取り組みの中で、私は、文科省抜きに、実効性がなかなか伴わないんじゃないか。やはり学校というのは地域のコミュニティーの中心でもありますし、何とかそこに文科省も入って、あるいは文科省がむしろ旗振り役になって、子供たちは全部学校に通っているわけでありますから、こうしたことの事業といいますか制度づくりというのをもうちょっと積極的に文科省にやっていただきたいということを私当時質問でお願いしまして、去年、一年前のことでありますけれども、政務官の方から前向きに頑張っていきたいというふうな答弁はあったんですけれども、これらの取り組みについてどういうふうに今なっているのか、あるいはどういう考えでおられるのか、御所見といいますか、一年間たっていますので、ちょっと聞かせてください。
○布村政府参考人 お答えいたします。
 先生から、厚生労働省の取り組みとして、引きこもり児童生徒に対しまして、児童福祉対策という観点から、児童相談所あるいは児童養護施設、また、御紹介いただいた支援センターといったところのネットワークを構築して総合的な援助を行っておられるということを承知しているところでございます。
 文部科学省におきましても、不登校児童生徒への対応につきまして、厚生労働省所管の児童相談所、あるいは民生委員、児童委員などの社会福祉関係機関と学校との連携、調整を行っていただけるスクールソーシャルワーカーという方々に、より多く学校に来ていただいて、家庭、地域の専門機関と学校との連携の橋渡し役という形で不登校問題にも取り組んでいただく、そういう取り組みをより拡充しようと今努めているところでございます。
 また、モデル事業という形で、生徒指導・進路指導総合推進事業という事業にも取り組んでございますけれども、その中では、介護施設で不登校児童生徒がボランティア活動をして、自己有用感を高めるという取り組み……(高野委員「時間がないので、要するに厚労省との連携はどんなことかと」と呼ぶ)はい。
 それからまた、ボランティア学生のお話もいただきましたけれども、不登校児童生徒への支援に、こちらは、教員養成系は学習のボランティアという面では学校に多く来ていただいておりますけれども、不登校の問題については医療系の大学の学生にボランティアを活用して取り組みを進めるという形で、そういう社会福祉関係機関との連携による取り組みの調査研究という、まだこれから、はしりでございますけれども、今そういう調査研究に取り組んでいるところでございます。
 今後とも、厚生労働省とより一層連携を深めまして、不登校問題あるいは引きこもり問題につきましてのより効果的な取り組みが進むよう検討を進めてまいりたいと考えております。
○高野委員 時間がちょっとなくなってしまってきておりまして、もっともっとお伺いをしたいことがあったのでありますけれども、まず、この連携についてはしっかりとやっていただきたいというふうに思いますし、子ども安全対策室ですか、これをきちっと平野大臣につくっていただきましたので、こことの連携とかということもちょっと考えていただきたいと思います。
 また、最後に一言だけ申し上げておきたいのでありますけれども、まず、教師が教壇に立って子供たちと一義的に会うわけであります。やはり教師には人間力というのが必要だと私は思います。
 ともすれば、いろいろな議論の中で、教員のためには大学院までとか、いろいろな議論が先行しておりますけれども、私は、そういう問題ではない、昔の師範学校の先生や、あるいは代用教員や代用教員出身の先生でも立派な先生はたくさんいました。私たちは、そういう原点に返って、教育環境の整備をどうしたらいいか、やはり今までの発想とは違った発想をぜひ文科省にしていただいて、こうした改革に取り組んでいただきたいということをお願い申し上げまして、原研機構の技術職の話をしたかったのでありますけれども、そういったところも含めてぜひ平野大臣のリーダーシップでお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○石毛委員長 次に、下村博文委員。
○下村委員 おはようございます。自民党の下村博文です。
 平野文科大臣には、昨日、予算委員会で、お忙しい中お越しいただいたにもかかわらず、時間がなくなってしまいまして、質問する機会がございませんでした。おわび申し上げたいと思います。そして、きょうは、特にそういうことで、平野大臣にお答えをいただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず冒頭、古典の日について、全会一致で、委員提案で成立をさせていただきましたことを、私も、超党派の古典の日議連の事務局長でございますので、感謝申し上げたいと思います。そして、政府に確認をしたいというふうに思いますが、古典の日が成立をしたということで、国としてもぜひ積極的な取り組みをしていただきたいと思います。
 現代人は、昔の人から比べると、非常にグローバル社会の中で、知識も広範な情報を得ているというふうに思います。しかし、戦後、当用漢字を我が国が導入して以降、人によって解釈は違いますが、それ以前を古典というふうに位置づける。特に若い人たちにとっては、例えば夏目漱石も現代語訳にしなければ読めないというような世代になりつつあるわけで、恐らく夏目漱石等も古典の部類に入る世代の人たちもいるのではないかというふうに思うんです。
 改めて古典に触れると、昔の人は、本当に我々の時代以上に知識が、そして人間的な深みがある。そういう意味では、この古典の日を制定されたことによって、親しむことによって、日本のすばらしい文化芸術に触れる機会を持つことによって、日本の、本当に感性、文化のすばらしさということを、これから我々、それから私たちの子供たち、孫たちの世代に対して伝える意味で、古典をさらに、これはもちろん書物だけではないわけですけれども、ありとあらゆる機会で、国全体として、ぜひ触れる機会をつくってもらいたいというふうに思います。
 改めて、古典の日が制定されたことによって、政府としての取り組みについてお聞きしたいと思います。
○平野(博)国務大臣 下村先生が事務局長として、この古典の日の制定に御尽力をいただいたということは承知をいたしておりまして、大変御苦労さまでございます。
 先ほど、この隣で、全会一致ということで成ったことでございますし、私、改めて、この法律の持つ意義深いものだ、こういうふうに思っておりますし、この法案の成立の暁には、文科省としても、先生今御指摘されましたような趣旨に沿って、しっかりと取り組んでいかなきゃならないと思っております。
 例えば、具体的には、そういうことを含めた、文化施設における行事を実施することによって啓蒙を図っていく、学習や古典を活用した教育の機会を高めていく、あるいは古典に関する調査研究を推進していく等々含めて、具体的に国民に啓蒙していく、こういうことをしっかりと文科省としてもやってまいりたいと思います。
 私も、恥ずかしながら、学生のときに古典が大嫌いで、したがって理科系の方へ行った男でございますが、今、心から反省をし、しっかり勉強してまいりたいと思っております。
○下村委員 私も、学校で習った古典というのは、ある意味では受験のための古典のような、そういう教育がやはりされていたのではないかということで、本当の古典のおもしろさというのは、自分で後で受験とかは関係なく学んだときにそのすばらしさがわかるという意味で、ぜひ学校教育の中で、そういう位置づけではなくて、親しむ機会を子供のころからつくってもらうように、文部科学省に対してもお願い申し上げたいと思います。
 次に、オリンピックについて、平野文科大臣、あるいは奥村副大臣もロンドンに行かれたんでしたか。どちらか、あるいはお二人からコメントがあれば、お話をお聞きしたいと思うんです。
 今回、三十八個の、史上最大のメダルをとることができたということで、すばらしいことであるというふうに思います。そして、メダリストが銀座でパレードをして、驚きましたけれども、五十万人の人が集まったということで、ほかの国に比べると、日本人はこういうことについてもやや冷めているのかなという思いを持っていましたが、しかし五十万人も集まったというのは、やはりオリンピック、スポーツによって、本当に多くの人たちに勇気と感動を与えてくれたんだなというのがこのパレードの数にもあらわれていたのではないかというふうに思うんですね。
 ただ、幾つか課題があって、例えばメダルも、JOCの目標では十三個から十五個金メダルというふうに聞いていましたが、実際は七個だったということで、金メダルがもうちょっと欲しかったなという感じはします。それから、女性が非常に頑張った。特にスポーツの団体競技ですね。団体競技と、チームワーク、団結力、それから女性の力。こういうことが、本当に多くの国民に、夜中起きてでもテレビで観戦したいという動機づけにもなったのではないかと思います。
 それから、ぜひ、初めてパレードをしたということでありますが、これを二〇二〇年の東京オリンピックに誘致をするということにもつなげていきたい。
 ほかの開催希望の二カ国に比べて、日本が最も支持率が低い。日本は四〇%程度、ほかの国は七〇%を超えているという中で、日本の最大のネックはこの支持率をどう高めるかという意味では、今回の銀座のパレードを含め、これから国を挙げて、その中心が文部科学省ですから、しっかりとやる価値がある。
 そして、三・一一以降、東日本大震災から、二〇二〇年には日本は完全に復旧復興を遂げて、そして未来に向けて新しいスタートを切り、世界の人たちにそれをきちっと示すことによって、世界の方々に対する感謝と、また、日本はこういう形で困難を乗り越えてきたんだということを、ほかの国の人たちにも共感、共有を感じてもらうという意味では、二〇二〇年東京オリンピックを誘致するということはぜひしていただきたい、またすべきことだというふうに思います。
 このオリンピックについて、大臣、副大臣から、御感想、御意見があればお聞かせ願いたいと思います。
○平野(博)国務大臣 今下村先生からお話がございました、今回のロンドン・オリンピック、十七日間の成果でございますが、私は、結果的には三十八個というメダルがとれたということで、選手諸君の御努力に心から敬意を表したいと思っております。また、加えて、一生懸命応援をしていただいた国民の皆さんにも、やはりそういう、委員指摘の勇気と感動を与えたことは事実だと私は思っております。
 そういう中で、先ほど、スポーツの基本計画に、今回のオリンピックでは金メダルはどれくらいとるんだという政策目標を掲げておったわけでありまして、そういう政策目標から見ると確かに金メダルは少し少なかったということは事実でございます。ただ、メダル数と入賞者数につきましては過去最高、こういうことで、私自身は、銀でも銅でも、銀は金よりいいんだ、銅は金と同じなんだということで、メダル総数を私は最大の評価としてこのオリンピックを見ているわけであります。
 しかし、一方では、二〇二〇年に向けて、やはり指摘のとおり、支持率という、もっと国民に二〇二〇年の東京オリンピック招致に向けての盛り上がりを、ある意味、メダル数、入賞者数がこれだけふえたという意味では、非常にそういう意味では大きく寄与をしていただいたんではないか、かように思っております。
 私も開会式に参りまして、この名刺を各国のスポーツ大臣に、余り英語は得意ではありませんものですから、プリーズ・サポート・トーキョー・オリンピック・トゥエンティートゥエンティー、こういうことで、ずっとあらゆる人に招致をお願いしてきたところでございます。したがいまして、先生にも、これまでのお取り組みを含めて、必ず二〇二〇年に東京に持ってくるというためのいろいろな部分をしっかりと私どもが中心となってやってまいりたい、かように思っております。
○奥村副大臣 ロンドン・オリンピックにつきましては今大臣からお答えをされたとおりでございますが、下村議員におきましては、両院の決議、そしてまた閣議決定等々、東京二〇二〇の招致につきまして、いろいろと御指導、御支援を賜ってきたことに厚く御礼を申し上げる次第でございます。
 ただ、御指摘のとおり、四七%でございますし、そして、日本人の性格といいますか、まあまあというのが三〇%のようです。これを合わせますと七七%になるんですが、マドリードが七八なんです。そして、イスタンブールが七三なんです。これで何とか六五から七〇に到達できるようにということで、おっしゃったように、ぜひあのパレードを、もう一度また感激を思い起こしていただいて、みんなが、国民こぞって、二〇二〇年に東京オリンピックが招致できるように、またよろしくお願いをしていきたいというように思いますので、先生もぜひまたより以上、地元のことでもございますので、御指導いただきますようにお願いをいたしたいと思います。
 ありがとうございました。
○下村委員 ありがとうございます。
 特に平野大臣のその名刺がいいですね。これは、テレビ中継だったら、相当受けたというように思いますけれども。ぜひ海外に行くときに、我々も同じような名刺をつくってPRしなくちゃいけないなと思いましたが、ほかの大臣、政務官も、同じ名刺があるんですか。では、ぜひそれを、できたら何千枚も配るように精力的にやっていかないと、なかなか二〇二〇年東京オリンピック招致は難しいのではないかと思いますので、ぜひ力を合わせて頑張れればというふうに思います。
 次に、領土問題に関する教科書記述について質問を申し上げたいというふうに思います。
 一昨年の尖閣諸島での中国漁船衝突事件、それから八月十五日の香港の活動家の尖閣諸島上陸事件、またロシアのメドベージェフ首相の北方領土の再訪、韓国の李明博大統領の竹島上陸、周辺諸国から我が国領土に対する攻勢が強まっている、この国がどんどん縮んでしまうのではないか、こういう危惧を持っている国民の皆さんもたくさんいらっしゃって、そして、領土に対する意識が高まっているわけでございます。
 これについて、韓国やあるいは中国と、それぞれ変な意味での、狭い意味での愛国主義で競争し合うというつもりはさらさらありません。ただ、基本的に、国家の基本三要素というのは、領土、領海、それから国民主権ですから、やはり義務教育として、あるいは高校もそうですが、基本的な教育の場として、この国がなくなるということはあり得ないわけですし、また、一人一人の豊かさというのは、やはり国家なくして、連動して、あり得ない。つまり、一人一人の豊かさというのは、国が豊かになるということと同時に達成できることであって、国はどんどん衰退化するけれども、国民一人一人は豊かになるということはあり得ない。
 両方がより相関関係の中で繁栄、発展をどうさせるかという意味では、国の位置づけというのは、少なくともあと百年や二百年なくなることはない中で、一つのコミュニティーの最大の要素、枠としての国、その中での領土、これを学校の教科書の中できちっと教えて、ほかの国の子供たちとの議論の中で、我が国の主張は我が国の主張としてきちっと主張することができる、そういう教育をしていくというのは当然のことだというふうに思います。
 基本的に、そもそも、北方領土、竹島、尖閣諸島に関する政府見解について、それぞれ端的で結構です、外務省から説明をしていただきたいと思います。
○小寺政府参考人 北方領土に関してお答えさせていただきたいと思います。
 北方領土は、いまだかつて外国の領土になったことがない、そういう意味において、我が国の固有の領土であるというふうに考えておりまして、日本政府の立場といたしまして、この北方領土というのは日本に帰属するという一貫した立場を持っております。
 そのような立場に基づきまして、北方領土の帰属の問題を解決して平和条約を締結する、こういう考え方に基づいて、ロシアと引き続き精力的に粘り強い交渉をしていきたい、こういうような方針でございます。
○新美政府参考人 まず、竹島につきまして、日本政府の基本的立場でございますが、竹島は、歴史的事実に照らしても、かつ国際法上も明らかに我が国固有の領土でございます。
 韓国による竹島の占拠は、国際法上何ら根拠がないまま行われている不法占拠であり、韓国がこのような不法占拠に基づいて竹島に対して行ういかなる措置も法的な正当性を有するものではないというのがまず竹島でございます。
 次に、尖閣諸島に対する日本の基本的立場でございますが、尖閣諸島が日本固有の領土であることは歴史的にも国際法上も明らかであり、現に我が国はこれを有効に支配しております。したがって、尖閣諸島をめぐって解決しなければならない領有権の問題はそもそも存在いたしません。
 以上でございます。
○下村委員 外務省から二人の方に答弁をしていただきましたが、まず外務省に申し上げたいのは、日本国内で我が国の固有の領土だということを主張しても、ほかの外国人は、そんなふうにとっている人というのはほとんどいないんですね。
 たまたま、一昨年、尖閣諸島の中国漁船船長の問題が起きたとき、九月でしたけれども、私はドイツにいまして、そのときにドイツの外務大臣が、尖閣諸島の領有権について、日本から全然発信がない、中国からは再三再四メディアを通じて発信があるけれども、日本において全然発信がないので、その絶対量からいうと中国の主張の方が正しいのではないか、というか、日本の主張が海外へ全然出てこないという話を外務大臣がドイツで言われていました。
 それだけ日本国内で言っても、世界の中でそれが認知されなければ意味がないので、ぜひ外務省には、この領土についてはしっかりと発信をしてもらう。
 今回も、やはり、尖閣諸島の不法上陸の件も、香港サイドからは相当ネット上でも発信をしているんですね。でも、日本からは、海外から見ると、ほとんど発信されていないというのを、幾つかの国の邦人記者から、逆にそういうバックで情報を聞いております。外務省の積極的な対応をしていただきたいと思います。
 外務省はもう帰っていただいて結構です。
 文科省で、この領土問題でありますが、今回の教科書記述の中で、役所の方から、高等学校の新学習指導要領の改訂について、教科書検定の中で、当初の素案を本来の趣旨にのっとって書きかえさせた、つまり、日本の領土だという言葉が入っていなかったという教科書も幾つかあったというような、そういう指摘を含めた書類はいただいております。今の外務省の答弁のようなことが実際に各教科書に書いてあるかというと、書いていない教科書が相当あるんですね。
 この領土問題というのは、国の統治権に関する、まさに我が国の主権にかかわる重要な問題であるわけです。子供たちが我が国の領土に対して正確な認識、知識が得られるよう、領土に関する教科書記述、これは、それぞれの教科書会社の教科書執筆者の判断基準によって左右されるものではなく、今のような政府見解に即したものであるべきだというふうに思いますし、学習指導要領それから学習指導要領解説においてもこの政府見解などは詳しくきちっと書き込むということについて、文科省としても明確なスタンスを持って対応していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○平野(博)国務大臣 私は、これは下村議員と基本的に同じ認識ですよ。特に、この領土というのは、やはり、次を、我が国を担う子供にしっかりと事実を教えていくということは非常に大事なことだと思っています。
 しかし、昨今のああいう事案、あるいは今日までの教科書における記述等々を見ますと、先生御指摘の、書いているところや書いていないところ、ただ、文科省が書けということは、なかなか、検定ですから言えないものですが、指導要領の中に、しっかりそういうことを教えていくということが大事だと思いますし、下村議員も、今日までもこの件については随分委員会等々で御指摘をされておりまして、二十五年の高等学校の教科書で、全ての教科書にこの領土問題についての記述がされているというふうに私も伺っております。
 しかし、教科書でされておりますが、しっかりと子供にやはり教えていくということを私自身も徹底していかなきゃならないし、そのためには、指導要領と解説、そこに今申し上げたようなことを書き込んでいく、こういうことが大事だと思っていますので、これについてもしっかり対応できるように私も努めてまいりたいと思っていますし、議員と全く、この領土問題に関しての考え方は基本的に一致しておりますので、今までの文科省の対応はいかがなものかという気もしております。
○下村委員 ありがとうございます。
 これは、国と国が違えば、当然、よって立つ立場、主張も違う部分があるわけで、しかし、それを避けて議論しなければ、友好も成り立たないと思うんですね。
 こういう問題については、それぞれ、子供のときというか学生のときから、例えば、中国や韓国やほかの国からこういう発言があっても、日本の子供はほとんど答えられない。知識そのものがない、教えられていない、あるいは、正確に我が国の主張というのがそもそも教科書に記述されていないということで、実際、議論する中でそれぞれがそれぞれの相互理解を生んでいく、最終的に、そのことによって全く意見が一致する、しない関係なく、このことによってそれぞれの立場を尊重するということが教育の基本でもあると思いますから、これをきちっと明確に書くことが、右傾化とかいうこととは全然関係ない話なんですね。
 事実は事実として、認識としてしっかりとこれは教科書で書き込んで子供たちに教えるということについてはさらに徹底をしていただきたいというふうに思います。
 次に、いじめ問題について質問をさせていただきます。
 文部科学省は、大津市長の要請に応じて七月の十七日に事務職員を派遣したが、職員ができることは、大津市が求めた第三者委員会の設置などに対する指導、助言、援助の範囲内にとどまるものであると認識しています。このことについては、自民党でも何度も部会を開いて事情を聞いているところでございます。
 現在の地方教育行政法上では、文部科学大臣は、教育委員会に対して、原則、強制力のない指導、助言、援助しか行えず、自治体の首長も教育委員会に対する指揮命令権限がない状況です。大津市の事案のように、教育委員会が当事者能力を失い、住民からの信頼を著しく損なっている状況では、市教委に事態の対応を任せることは難しいのではないか、こういう思いがいたします。
 特に、もう夏休みも終わってこれから二学期が始まる中で、やはり一番教育現場で大切なのは、いかに算数や国語の勉強を教えるかということ以上に、子供たちが精神的に安定して、学校に早く行ってみんなと一緒に学びたい、こういう環境をどうつくってあげるかということですが、果たして、今、大津市でそのような環境整備がされているのかどうかということは全く伝わってこないわけであります。
 文科省がこの第三者委員会の設置についてどの程度協力しているのか、それから、大津市のその後の、事件についての対応について、文科省としてはどのようなアドバイスなり助言をされているのか、ちょっと冒頭お聞きしたいと思います。
○平野(博)国務大臣 いじめの件でございますが、特に今、大津の関係の御指摘でございました。
 私、これは昨年の事案だというふうに承知しておりました。そのことを受けとめたのは、七月の四日でございました。その間、この問題について、大津市長の方から特に第三者委員会を立ち上げたい、こういうことで、被害者の方々からの御要望あるいは市の御要望等々がうまくかみ合っていなかったので文科省から実務の専門家を派遣してほしい、こういうことで、七月の十七日から二名をずっと派遣してまいりました。
 きょうまで一応派遣ということで、その理由は、第三者委員会が立ち上がるというところまで来たものですから、一応、一つの方向性で、早く、なぜ、原因が、こういうふうになったのかということをしっかり究明する。その意味合いは、二度とこういうことを起こさないための一つの大きな教訓にしたい、こういうことから今やってきたところでございます。
 特にポイントで申し上げますと、大津市教育委員会の業務への指導助言、あるいは県教と市教の間の連絡調整、市長さんとの関係を担う、こういうことを含めて今日まで対処してきたところでございます。
 あす以降も、必要があれば職員を派遣して、指導助言をしてまいりたい、かように思っております。
○下村委員 この大津の問題は、学校や教育委員会では対応できないということで第三者委員会を設置するということになったと思うんですが、しかし、独自ではノウハウがないということで文部科学省に協力要請が来たということだと思います。
 この第三者委員会について、文科省としては、今後どのようにアドバイスしながら、また、第三者委員会の目的といいますか、いつぐらいをめどに結論を得るような状況なのか。わかれば、事務方でも結構ですけれども、どなたかお答え願えればと思います。
○平野(博)国務大臣 目的、趣旨等々、具体的なところまでちょっと私は今把握、全てはしておりませんが、あすから第一回目の第三者委員会、すなわち、これは客観的にやはり、公正中立に物事を見ていただく、こういうことで、当初の部分でいきますと、被害者側からの推薦をされる委員、また行政サイドから推薦される委員ということで、多分六名だったと思いますが、それで構成される、こういうことでございます。
 いつまでに云々というところまでちょっと私は把握しておりませんが、第一回、あすからということでございますので、わかり次第また御報告したいと思います。そういう状況でございます。
○下村委員 今回、文部科学省でも、この大津の事案の後、子ども安全対策支援室というのを設置することになったということでありますが、これも必ずしもいじめ問題だけではなくて、幾つかの、既にあったものを一緒にしただけという印象があります。
 この子ども安全対策支援室をつくっても、絵に描いた餅になってしまったら意味がないわけでありまして、この支援室をつくって、今後、具体的にどのように取り組む予定なのか。今までと、この支援室をつくったことによってどう対処方法が文部科学省として違うのか、お聞きしたいと思います。
○平野(博)国務大臣 大変これは難しい問題でありますけれども、下村議員も専門の立場でよくわかっておられると思いますが、今までややもすると、これは設置者の問題であるとか、あるいは都道府県の問題であるとか、こういうことで受け身的な話で私は文科省が対処してきたように思います。
 したがって、これは受け身ではない、大きな氷山の一角としての社会病理なんだ、こういうふうに私は思いまして、何としてもこれは文科省、では、どの法律に基づいてやるんだ、いろいろな御議論を私はしましたけれども、やはり、文科省、文科大臣として子供の命を守るというのは、法律を超えてでも私はやらなきゃならないという気持ちで今回支援室を立ち上げた、こういうことでございます。
 今具体的に、先生おっしゃるように、絵に描いた餅にならないように、具体的な施策なり、どういう行動をとっていこうかということを詰めているところでございます。これは決して私は逃げないでやっていきたい、かように思っておりまして、具体的には今詰めている、検討しているところでございますし、一応、緊急アンケートということで、私立も含めて九月の二十日ぐらいまでにいろいろなデータが出てまいります。加えて、警察当局とも、今、二名、文科省の方に、その室の中に来ていただいておりまして、大体二十五、六名の体制でこれに対処しようということでございます。
 特にいじめだけではなくて、子供の命を守るという大きな枠組みで考えたいと思っていますし、もちろんいじめの問題から端を発したわけでありますが、それ以前にも、交通安全の問題、いじめの問題、あるいは、被災地の大川小学校で子供さんが七十四名、今行方不明者が四名おられるわけですが、そういう問題を、なぜこういうことが起こったかということを含めて、今後の防災教育の中にもしっかりと取り入れていかなきゃならない、こう思っていますので、しっかりこれはまた先生の御協力をいただいてやっていきたいと思っております。
○下村委員 今の平野大臣の答弁は大変重要なことだと思います。
 今回の大津市の問題も、文科省は本当に及び腰だったんですね。これはやはり地方のことだから、地方教育行政法上、国が直接介入することができないんだと。今回の大津市においても、自治体の方から指導、助言、援助を求められればその範囲内で、実際に第三者委員会についての要請があって行ったけれども、その後、担当者から聞きましたが、第三者委員会をどうするかという立ち上げについてはアドバイスをしていたようですけれども、では、その彼ら文科省の職員が大津におけるいじめの実態をどの程度把握しているかというと、全然把握していなかったんですね、聞いても。学校にも行っていないと。教育委員会のメンバーとも詳しく話したような形跡も見られないということです。
 しかし、今おっしゃったように、何よりも子供の命を大切にする。今のいじめというのは、大津だけでなく、日本全国どこでも、現象として何万、何十万というふうに起きている中で、これを国の文部科学省が最優先せずして地方任せだというふうにしたとしたら、そもそも文科省が存在する意味もないということです。
 法律上の問題というよりは命の問題としてしっかり取り組むということで、今申し上げたように、子ども安全対策支援室というのも、絵に描いた餅ではなくて具体的に、では、それぞれの自治体、教育委員会、学校現場に対して、いざとなったときに文科省がどのように対応できるかということをしっかりと担保しながらやっていかないと、ただのアンケート調査をして、実態調査して、それで情報を把握したということだけでは、国の果たすべき役割を子供たちに対して果たしていないということになってくると思いますので、ぜひこれは対応をしっかりとしていただきたいと思います。
 具体的に、この大津の事案で、今申し上げたように、子供を守るべき学校とか教職員の対応、これに大きな問題があった。自殺という最悪の事態に至ったこの後の教育委員会の対応、それから、いじめの事実を隠蔽するという現場の不適切な対応、こういうことで教育委員会や校長が記者会見するたびに、いじめの有無や自殺との因果関係などに対する説明が変わったということが、より報道によって不信感を増長させたという部分があるというふうに思います。
 御党の輿石幹事長が、七月十九日の記者会見で、学校が悪い、先生が悪い、教育委員会が悪い、親が悪いと言っている場合じゃないと言われているんですね。責任を追及するのではなく、関係者が一体となって原因究明や再発防止に取り組むべきだということを強調されているわけで、強調の趣旨はわかりますが、結果的に、そのことによって何が原因だったのかということがわからなくなってしまったら、解決のしようがないというふうに思うんですね。
 何よりも、生徒、保護者初め、国民の信頼を著しく損なっている原因というのは、生徒の命が失われたにもかかわらず、教育委員会や学校関係者の誰一人責任をとっていない、こういうことがあります。端的に言えば、学校や教育委員会はいじめという犯罪に加担した側であって、事態の解決に当たる資格はないのではないかと国民は思っているわけであります。
 こういう意味では、事実究明をした後、私は、司法の場の判断に任せるということだけじゃなくて、そもそも、この大津の教育委員会、何に問題があったのか、それから、学校現場、学校長の責任問題、あるいは当時の担当教員の責任問題、そういうところが、やはり今まではうやむやのうちに終わってしまっていた。それが、このようないじめ問題も、根本的に、何が原因で、何に対応すればよかったかということがわからない、なあなあの中で終わって、次々に同じようなことが、さらに全国で、今、現実問題としてもあるということだというふうに思うんですね。
 ですから、これについてはきちっと国が対処する必要があるというふうに私は思いますが、教育委員会の責任、それから学校現場の責任、この大津の事例について、事案について、文科省としてはどのように考えるか、お聞きしたいと思います。
○平野(博)国務大臣 先生、責任問題等々ということをおっしゃっておられるわけですが、私の立場でいえば、なぜこういう問題が起こったのかということをやはりしっかりと解明することが第一義で、それは、なぜ解明するかということは、二度とそういうことを起こさないようにする、こういうことであります。
 その結果として、今先生御指摘のようなところがあれば、当然そういう問題は出てくる、こういうことでありまして、まず責任問題をはっきりさせるというよりも、なぜ起こったかという原因究明をしっかり突きとめる、そのことによって二度と起こさない、このことが第一義であって、その調査の結果によってそういう問題というのが起こってくることはあり得る、こういうことだと思います。
○下村委員 いや、私もそういうふうに言ったつもりなんですね。これは一つの事例ですから、いじめ問題を今後根絶させるための一つのケースとして、それは、原因究明、徹底的に調査をするということは必要です。
 ですから、そのときに、犯人捜しみたいなことをしても、優先順位としては、まずこのいじめ問題を根絶するために何が問題なのかということを解明するというのは当然ですけれども、しかし、その結果、責任がどこかが明確になったときにうやむやにしてしまったら、教育現場における緊張感も生まれてこないし、それから、こういう問題を解決するということにはならないのではないかということを申し上げているわけで、それを当事者に任せていて大丈夫なのかということを考えると、今までの事例の中で、結果的に何年かたったら関係者がその学校からいなくなるというだけで、何の解決にもならないのではないか、それを心配しているわけでございます。
 具体的に、国のこれからの対応としては、地方教育行政法の第五十条があるというふうに思うんですね。これは文部科学大臣の指示が定められているわけです。要約すれば、教育委員会の行為に違法があり、児童生徒等の生命または身体の保護のため緊急の必要があるときは、文部科学大臣が教育委員会に指示を行うことができるものであるというふうにあります。
 今回の事例も、そういう発信は私はあったんだと思うんですね。昨年の十一月の事件だったわけです。それがわかったのはことしの七月だった。それまでに、ある日突然ということではなくて、昨年の十一月までにおいても子供から何らかの発信はあった。それを敏感にきちっと受けとめることが周りができなかったということで、小さな子供が命をみずから絶ったという悲惨なことになってしまったというふうに思うわけですね。
 全てもちろん国が介入してやればいいということではなくて、まずは現場でやるべきことですが、そういう発信がされたときに国としてもどう対応できるかということについては、当然今後考えていく必要があると思いますが、そもそも、この第五十条が適用される場合としてどのようなケースが想定されるのか、お答えいただきたいと思います。
○平野(博)国務大臣 今先生、五十条の件について申されましたが、まさに児童生徒の生命身体の保護のための緊急の必要性がある場合に、教育委員会に対して是正の指示を行う権限を文科大臣が持っている、こういうことでございます。これももともと、先生も御案内のとおりだと思いますが、平成十八年だったか、伊吹先生のときに、靴の上からかいておるような文科行政では本当にだめだというところでこの条文ができ上がったことだと私は思っております。
 今までもこれについては発出していない、こういうことで、極めて限定的に使われる、いわゆる慎重に対応する、こういうことでございますので、今回の大津の件について、先生御指摘のように、何らかの兆候、原因をもっとしっかりつかんでおればこういう五十条ということは当然あり得るかもしれませんが、しかし、この五十条の持っている条文というのは、子供の命を大切にするためには文科省しっかりやれよという意味合いを込めて私は理解をしておるものですから、これは、五十条が発令できるかどうかは別にして、その気持ちを踏まえて対応していかなきゃならない、かように思っております。
 したがって、まず、事前兆候をいかにつかむか、つかむシステムをどうつくるかということが大事なんだろうというふうに思っております。
○下村委員 このことについて、自民党で文部科学と法務部会合同会議を開いたとき、文科省の役人から、第五十条は大津においては適用できない、なぜかというと、もう子供が亡くなっているからという非常に冷酷な発言があった。役人からするとそのとおりかもしれませんが、我々からすると、子供の命、生命が危機に陥っているような状況のとき、もう死んじゃったから適用できないというんだったら、一体何のための法律なのかということ。
 これは我々立法府の責任ももちろんあるというふうに思います。行政側は、決められた法律にのっとって、忠実にそれの解釈のもとで行うということでありますけれども。
 そもそも、そういう意味では、この五十条というのはいじめ問題を契機につくられたものなわけですね、おっしゃったとおり当時の伊吹文科大臣のもとで。ですから、大津市の事件のような、教育委員会の行為に違法があったのではないかと思われるようなときに、児童生徒を最終的に文部科学大臣が、国が守り、教育現場を正常化する、そういう規定として定めたということだというふうに思います。
 大津市の事件では極めて残念ながら本当に子供の命が失われてしまったわけでありますが、しかし、そのことによって、今、教育委員会、学校現場の正常化が行われているのかということを考えると、今申し上げたように、それが全然見えないという意味では、やはり文部科学省がしっかりと大津教育委員会に対して適切な対応をするという規定を設けなければ、これは国民から見て改善されたというふうにはなかなか評価されないだろう。
 そういう意味では、これから、教育は地方分権の精神、国の関与は抑制的であるという部分がありますけれども、しかし、この第五十条について、事実上これは発動不可能な規定なんですね。今回のような事例であれば、これは文科大臣が指導力を持って事態の解決に当たる、国が何かあったときすぐ対応できるという意味で、この五十条の規定というのも改めて見直す、考え直さなければならない、そういう位置づけになっているのではないかというふうに思います。
 特に、教育委員会というのは、首長からも独立した存在であって、地方教育行政法上、首長の教育行政上の明確な責任規定がないということも踏まえて、このことについては、地方分権一括法の中の位置づけというよりは、こういう子供の命、生命という視点から文科大臣が五十条について発動できるようなことを考えていかないと、ただの無責任な教育行政をそのまま放置するということになるのではないかと思いますが、大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○平野(博)国務大臣 五十条の行使についての判断というのは非常に、極めて限定的になっている、こういうことですが、その五十条の趣旨をしっかり踏まえて考えますならば、やはり日ごろから教育委員会に対してしっかり指導助言をするということで、私は対処できないかということで、今やろうとしております。
 しかし、先生御指摘のような、それでは十分機能していないじゃないか、こういうことでありますならば、先生の御指摘のように、五十条をどういうふうに変えていくかということもあり得ると思いますが、私は、この五十条をつくっていただいた趣旨に鑑みて、やはり文科省として最大限今指導助言をする、こういう立場でこの問題について対処したい、かように思っております。
○下村委員 国に文部科学省があるわけですから、残り一週間、夏休みが終わった中で、教育現場における児童生徒や保護者の信頼が回復されるような状況にまだなっていない中で、国が先頭に立ってこのいじめ問題について対処しているという姿勢を明らかにすることによって、全国の教育現場における安心感が拡大するような対応を先頭に立って文部科学大臣がすべきであるということを私は申し上げておきたいというふうに思います。
 そもそも教育委員会のあり方について問題提起をしたいというふうに思いますが、この大津市の事案というのは、教育委員会の対応が不適切であった、また当事者能力がない、こういう指摘がありました。しかし、これは大津市だけの問題ではなくて、そもそも教育委員会の組織そのものが十分に機能して国民の期待を得られるような制度となっているのかどうかということを考えると、相当全国形骸化している実態があるのではないか、こういう思いがあります。
 教育委員会制度の意義の一つとしては、教育は地域住民にとって関心の高い行政分野であり、専門家のみが担うのではなく、広く地域住民の参加を踏まえて行われることが必要とされるという、住民による意思決定、レーマンコントロールがあるわけですけれども、実際、しかし、教育委員の選任、これは多様性の中で選ぶべきというふうになっておりますが、それが形骸化になっている、教育委員のほとんどが名誉職的な位置づけで、教員OBなど教職経験者の委員が教育委員会を支配している実態があると指摘されています。
 実際、七月の十九日に文部科学省が発表した平成二十三年度教育行政調査において、教育委員における教職経験者の割合は、都道府県で二二・四%、市町村で二八・三%。教育委員会の権限に属する全ての事務をつかさどる教育長については、教職経験者の割合は、都道府県で三四%、市町村では六九・八%に達しています。
 教育委員会が独立しているということは同時に閉鎖的であるという意味もある、教育委員会、学校、教職員組合等による閉鎖的な教育村が、いじめ等の問題の隠蔽体質の原因になっている、こういうことも指摘されているわけでありまして、現在、教育委員会が十分に機能しているとは国民から見て言えない中で、その存在意義も原点に立ち返って見直す、そういうときではないかというふうに思います。
 この形骸化している教育委員会を本来の職責を果たせるように改革すべきであるというのが我々の立場で、中には大阪維新の会のように、自治体によって教育委員会を設置するかどうか、それぞれの自治体が判断できるということを考えているところもありますが、基本的に、我々は、教育委員会を廃止するというよりは、教育委員会そのものを、より実体的な職責が果たせるような改革をまずはすべきであるというふうに考えております。
 そのために、情報公開、住民、議会による検証がきちっと行える。それから、小規模市町村教育委員会の広域化。人口五万以下の小規模市町村教育委員会は実際的にほとんど形骸化をしているという問題点があります。そもそも、教育委員そのものも、月に一回か二回出勤する非常勤職員扱いで、実際は事務方の書類にただ判こを押しているだけというような実態がある中で、小規模市町村教育委員会を、人口五万以下の委員会は全部まとめて広域化すべきではないか。それから、広域人事の担保と市町村教育委員会の人事権の移譲。つまり、一定以上の規模の教育委員会には、義務教育においては人事権も移譲した方がいいのではないか。それから、教育長を首長の直接任命とすべきではないか。
 こういうことを我が党としては考えているところでございますが、教育委員会改革における文科省の取り組みについてお聞きしたいと思います。
○平野(博)国務大臣 今下村議員の御指摘の教育委員会のあり方でありますが、そもそも、教育委員会制度自身の趣旨は、教育の中立性、いわゆる政治的な中立性や継続性や安定性を確保する、こういうこと、首長から独立した合議制の執行機関である、こういう観点で設けられているわけですが、今下村さんが言われたように形骸化している、このことの指摘は随分私どもにも参っております。
 特に、地域住民の意向を十分に反映していないじゃないか、これが一つ。もう一つは、やはり権限と責任の所在が不明確だというお声もございます。やはり、審議が月に一回か二回ということで形骸化している、こういうこと、合議制であるがゆえに機敏性に欠けているじゃないか、こんな御指摘もあることは事実でございまして、私は、これはやはり改革をすべきである、この点は下村議員と同感でございます。
 したがいまして、文科省としてもできる限り、そういうふうに御指摘されているところについてはしっかり改善をしていくというのは、我が党の中でも、そういうことで議論を今させていただいているところでございますし、今、文科省でもタスクフォースでその部分の検討をいたしているところであります。
 特に、積極的な情報公開、情報発信をする。地教行法に定められる自己点検、評価の実施、結果の公表をしっかり議会に提出する。また、事務処理等々、非常に小規模であったら先生御指摘のように広域にして、もう少し、形骸化した部分をより有効な組織とする。これは一部、大阪でもやっておるようなところがございますが、いわゆる教育委員、教育長の適材な人材をいかに確保するか、こういうことだと思っています。
 今の仕組みでいきますと、教育委員会がありまして、教育委員は月に一、二回、基本的には教育長にほとんど業務が集中している、教育長のもとにある、教育委員会の事務を扱っているところが基本的にやっている、そういうところで極めて閉鎖的な状況になっていますから、よりオープンになるような教育委員会制度に私どもとしても改革を進めていきたい、かように思います。
○下村委員 具体的に、大津では第三者委員会を設置するということで、先ほど、今後の検討課題ということで、具体的な話はありませんでしたが、これはぜひ大臣にお願いしたいんですけれども、文科省から派遣していると。
 つまり、大津の市長から依頼があって、国としてこの第三者委員会のあり方についてバックアップするということですから、このいじめ問題について検証するという中で、今後の教育委員会のあり方、位置づけ、それから大津の教育委員会は何が問題だったのかという原因究明をしながらあるべき形を求めていく中で、そもそも論としての教育委員会、これは先ほど申し上げましたように、大津だけが特異な教育委員会として存在しているということではなくて、ある意味では平均的な、つまり、ある意味で形骸化して、それだけ教育現場ですぐ対応できない、そういう位置づけだというふうに思います。
 こういうことを具体的な事例の中で、地元からも要請があるわけですから、文科省として、このことを踏まえて教育委員会のあり方というのを、これは客観的に検証しながら、そしてあるべき形というのをぜひ出していただきたいと思いますが、いかがですか。
○平野(博)国務大臣 先生御指摘のように、今の御提言を含めて、教育委員会制度のあり方に、今回の大津の事案を、事実関係を十分に掌握した上で、教育委員会制度本来の趣旨に合う運用がされていたのかどうかも含めて、私は、しっかり検討の対象にしてまいりたい、かように思っていますし、下村議員からの御指摘のそういう部分、これは自民党さんからの貴重な提言の一つもあわせて対処してまいりたい、かように思います。
○下村委員 それから、今までこの大津の問題について何回も文部科学省から聞いている中で、我々もいじめ問題で、ある意味では文教関係の文教村意識みたいになってしまっていたところがあったなと思ったんです。
 なぜかというと、文科省でいじめについて学校現場でいろいろな調査をするという中でいろいろなランクを設けて、こういういじめが具体的にありますかという、例えば、いじめの実態調査の中で国が示している中で、ひどくぶたれたり、たたかれたり、蹴られたりしているかどうかとか、金品をたかられているかどうかとか、嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことにさらされたり、させられたりしているかどうかという項目をつくっているんですね。でも、全然文教関係でない議員がそこに来て、全部いじめとくくっていることがおかしいんじゃないか、社会的に見たらこれは犯罪だと。つまり、これがやはり我々教育関係のドグマになってしまっていて、社会的に見たら犯罪であっても、それを全部いじめにひっくるめて調査をしているということですね。
 これは教育関係者からすれば、学校現場に司法が入る、警察が入るということは恥ずべきことであるし、だから逆に隠蔽をして、そういう警察等が入らないようにしている部分があるのかもしれませんけれども。
 でも、そもそもの発想として、いじめの解釈そのものが、世間的に見れば犯罪なんだけれども、それをいじめとしてひっくるめて、別に隠蔽するつもりじゃないけれども、結果的には、そういう体質によって、社会の常識判断と違った独自の判断によって、誰が一番つらい目に遭っているかというと子供がつらい目に遭っているという意味では、教育をする側の論理であって、受ける側の論理で今までそういう視点に立って捉えていなかった部分があるのではないかということを、いじめと犯罪との明確な区分をどうするかということで、改めて私は感じました。
 このことについて、この調査などについて、文科省的に言うと、犯罪に該当するような事例というのは実際は出てこないということにもなりかねない。この辺、世間常識的な部分、つまり社会では犯罪になる行為、しかし学校では犯罪にならない、しかし今後、子供のことを考えたら犯罪は犯罪なんだという明確な区分の中で学校の中で指導する、あるいは司法機関と連携しながらやるというのは、子供の世代においても、ある意味では社会的に見ると常識である、そういうふうになってきているのではないかと思いますが、今後の学校内における犯罪といじめの区分についてどんなふうに考えるか、お聞きしたいと思います。
○平野(博)国務大臣 先生が今御指摘されたところは、非常によく認識をいたしております。
 司法的犯罪なのかどうなのか、世間の常識で言う部分なのかというところの区分が非常に難しいわけですが、校内犯罪という区分、こういうことも一つの考え方だとは思っております。しかし、犯罪行為の可能性がある、例えば傷害とかを含めて可能性がある場合には、文科省としても、警察に迅速に通報するように、こういう対応をいたしておるところでございます。
 しかし、個別の司法のことについて、学校の中でどういうふうにやるのかというのは、これは司法の判断にお任せするしかないわけでございますので、犯罪の概念をどういうふうに捉まえていくかというのは非常に難しい、こういうふうに思っていますから、これは慎重に対応したい、こういうふうに私は思います。
 それと、学校でのいじめ、今調べていきますと、学校の職員外からの情報というのは結構多うございます。大体、学校で半分ぐらい、それ以外のところからの情報発信というのは四十数%ですから、学校外からの情報も結構あるということでございますので、やはりトータルでこの問題を見ていかなきゃならない、こういうふうに思っています。
 先ほど高野さんへの答弁でも答えましたが、あす、私は、全国のPTA総会、今まで出たことはないんですが、出ていって、このいじめの問題についてはPTAもしっかり受けとめてもらいたいということを強くお願い、要請をしてこようと思っていますので、そういう犯罪の区分のところについては慎重に対応したいと思いますが、結果として、いじめの撲滅には全力で尽くしたい、かように思います。
○下村委員 時間が来ましたので終わりにしますが、きょうは法務省に来ていただいて、法務省における矯正教育について説明をしてもらう予定だったんです。
 大臣、ぜひ、少年院、視察に行かれたことがあるかもしれませんが、改めて行って、二度と再犯を起こさせないために、今少年院でやっていること、こういうノウハウというのは、文科省との連携の中で、未然に防ぐためにも、これはいじめじゃなくてもう犯罪の問題になってきます。しかし、それを学校の中で、家庭の中で、しっかりと共有させる、縦割り行政の弊害ではなくて、子供を健全に育てるという視点から、そういうところの教育についてのあり方というのもぜひ文科省の中でしっかりと連携をしてやっていただきたい。
 きょうは法務省に来ていただいたにもかかわらず、ちょっと時間がなくて申しわけございませんでしたが、またの機会にお願いしたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。
○石毛委員長 次に、馳浩委員。
○馳委員 私は、きょうは、ロンドン・オリンピックが終わりまして、国際競技力の向上に向けて、集中してお伺いをしていきたいと思います。成果、そして反省、これらを踏まえて今後の取り組みをお願いしたいと思っています。
 まず、河野一郎日本スポーツ振興センターの理事長にお伺いしますが、マルチサポート事業の概要と政策効果についてお伺いします。
○河野参考人 河野でございます。よろしくお願いいたします。
 今の御質問でございますけれども、マルチサポート事業は三つの柱がございまして、一つは、選手を支援していく、マルチサポートのサポート事業そのものですね。それからもう一つは、今回もロンドンで実施させていただきましたけれども、サポートハウスというものをつくりまして、現地でサポートする体制。それからもう一つは、極めてスポーツ医科学が関係いたしますけれども、いわゆる研究開発、リサーチ・アンド・ディベロップメントの領域。この三つがマルチサポートの柱でございます。
○馳委員 これは日本スポーツ振興センターに委託事業として行われておりますので、政策評価として、奥村副大臣にお伺いしたいと思います。
 アスリート支援について、ロンドン・オリンピックの成果と、このマルチサポート事業というのはうまくリンクしていたかどうか。つまり、平成二十一年から始まりました。まだ三年しかたっておりませんが、三年もたちました。そして、今回のオリンピックの結果を見ながら、今、河野理事長がおっしゃった政策評価、これはやはり副大臣として、していただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○奥村副大臣 ありがとうございます。
 馳委員を初め文部科学委員会の先生方の御指導、御協力によって、立派な成績をおさめることができました。
 今、三本の柱のことを河野理事長からお話がございましたが、今回、三十八メダルを獲得することができたんですが、その中で三十五が、このターゲットの、マルチサポートセンターでいろいろやってきた、そういうことの結果として出てまいりました。
 やはり、おっしゃったとおり、北京オリンピック以降こういうようなことに力を入れてきていただいた今日までの先輩たちの御努力に感謝をしながら、しっかり評価をして、そして次につなげていきたいというように思っているところでございます。
○馳委員 副大臣、ということは、来年度の予算要求では増額をしていただけるということでよろしいですか。
○奥村副大臣 今、平野大臣のもとで我々政務三役、いろいろと来年度に向かって基本的な考えを整理しているところでございます。当然、これだけの結果を出してくれたわけでございますから、甘えることなく、やはり適切にしっかりとした基盤をつくるために予算の要求もさせていただきたいと思っておりますので、いろいろまた御指導いただきたいと思います。
○馳委員 このマルチサポートの事業は単年度では意味がないと私は申し上げました。平成二十一年度から着々と、営々と適切に効果を見ながらやってきた結果がロンドン・オリンピックに出たというだけであって、ここでぶつ切りになっては意味がないということを奥村副大臣も御理解いただいていると思いますので、大臣、概算要求に向けてよろしくお願いしたいと思います。いや、結構です。では、どうぞ決意のほどを、いや、大臣ですから、どうぞ。
○平野(博)国務大臣 一日で物事は成り立っていきませんから、やはり次に向けてしっかりサポートハウスをやっていく。
 私も向こうの現地で見ました。やはり、コンディションを整えるとか非常にいろいろな意味合いの部分をやっておられて、これは絶対メダルはとれるなと確信をしたところでございますので、次に向かって、しっかりそういう体制整備をしていきたいと思います。奥村副大臣が全力で概算要求をやると思いますので、私もサポートしたいと思っています。
○馳委員 現地でマルチサポートハウスの日本食がとてもおいしかったと平野大臣の感想があったということも聞いております。
 そこで、では、現場の河野一郎さんに改めてお伺いします。
 オリンピック期間中のマルチサポートハウスの利用状況、これは選手、団体ですね。そして、その効果、成果について報告をいただきたいと思っています。
 一つだけ苦言を言います。
 開会式は、開会式には選手団はアーリーデパーチャーという権利があるんですが、それを選手団は知らなかったんですよ。こういった情報の共有がなされるべきなのがまさしくマルチサポートハウスなんですよ。
 私もオリンピックに行っておりましたから、わかります。選手団にいたら、JOCの事務局、あるいは、私はレスリングですからレスリング協会の幹部、情報が錯綜して大事な情報が入ってこないんですよ。それを補うのがマルチサポートハウスであるべきだと思っておりまして、今回のこの失敗を今後に生かしてほしいと思っているんですが、私、失敗ばかり言ってもあれですから、選手のプラスの面でこういう効果があったということ、利用状況などを教えていただきたいと思います。
○河野参考人 ありがとうございます。
 まず、マルチサポートハウスの利用状況でございますけれども、おかげさまで、延べ四千二百十七名の利用をしていただきました。もちろんその中には選手もありますし、スタッフもございます。そして、特に好評であったのが食事ということで、合計、一日大体二百食ぐらい、そしてつくったおむすびが三千三百個ということになります。
 幾つか具体的にメダルにつながった事例を申し上げますと、一つは、旗手であった吉田選手。これは、旗手であったがために一番最初から入って、実際の自分たちの試合が始まるまで約一週間あそこで過ごさなきゃなりませんでしたけれども、これはマルチサポートハウスのいろいろな機能、食事、トレーニングをフルに生かしていただいて、自分の仲間が一週間後に入ってくるまでのコンディションをしっかり整えていただいて、金メダルがとれたと思っております。
 それから、馳先生の御質問ですのでレスリングに偏りますが、最後にとられた米満選手。これは、競技特性がありまして、減量をしてから、試合までの間に体重を戻さなければなりません。これはなかなか選手村の食事では難しいところが、やはりこれも食事で戻ることができました。
 それから、食事以外で、やはりメディカル面でも大変機能したと思っておりますけれども、実は、同じように金メダルをとった選手が、練習で非常に重い靱帯損傷を起こしましたけれども、メディカルケアでメダルがとれたというふうに思っております。
 ということで、非常に機能したというふうに思います。
 ありがとうございました。
○馳委員 先ほど私、情報収集の話をちらっと申し上げましたが、ここはやはり外務省とも連携しながら、マルチサポートハウス、もちろん、マルチサポート事業全体もそうですが、やはり両省が連携をしながら、より充実をさせ、ソチ・オリンピック、リオ・オリンピックにもつなげていくべきだと私は思っています。
 現場の所感を河野理事長にお願いします。
○河野参考人 ありがとうございます。
 おっしゃっていただいたように、特にロンドンでは英語圏でございましたが、やはり、林大使を含めまして、特に外務省、在外公館には大変御協力いただきました。
 先ほどお話がありましたように、ソチそしてリオになりますと、ロシア語圏あるいはポルトガル語圏になりますので、いろいろな習慣も違いますので、これはどうやっても、やはり外務省あるいは在外公館の御協力を得ないと、こういったものはサポートは充実しないと思っております。また、そのようにいければと望んでおります。よろしくお願いします。
○馳委員 奥村副大臣、マルチサポートハウスはパラリンピックで使えるんですか。
○奥村副大臣 残念ながら、パラリンピックには使用されることはございません。オリンピックが終わって、今撤去をしたところでございます。
○馳委員 ここがやはりスポーツ庁に向けての一つの壁、ハードルではないかなと思います。
 やはり、障害者スポーツもアスリートによるスポーツというふうな認識は、もう日本国民には理解されております。その象徴であるのがオリンピック、パラリンピックであります。したがって、マルチサポートハウスの機能はより強化の上、私は、パラリンピックの選手にもつなげて使ってもらう方がよいと思っていて今申し上げているんですが、これはまさしく今後の課題なので、政治家として奥村副大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○奥村副大臣 ありがとうございます。
 御指摘いただいたとおり、私も実は、ある意味では東京オリンピック招致の中にオリンピック・パラリンピックということを表題にして招致活動をさせていただいてきたわけです。現在もさせていただいているんですけれども、確かに、パラリンピックとオリンピックとの連携、これが本当に、もう少しうまく機能すればいいのになという思いをしています。
 もう選手村にパラリンピックの選手が入りましたけれども、今後、今おっしゃったようなことでしっかりと厚生労働省そしてその団体等につきまして連携をとって進めていきたいというように思っておりますので、また御指導のほどよろしくお願いをいたしたいというように思います。
○馳委員 奥村副大臣が中心になってまとめ上げていただいたスポーツ基本法でも、附則にはスポーツ庁を目指そうということになっております。ただ、私は、形で議論する前に、こういう現場の連携から入っていった方がいいんじゃないかなと思っているんですよ。
 そこで、ドクターでもある河野理事長にお伺いしますが、マルチサポートハウスの医科学情報戦略、こういったものは十分パラリンピックの選手方にも提供できる能力を持っているのではないか。なぜ、四億、五億近いお金をかけて事前準備をし、機能を持っていたあのマルチサポートハウスを、この後開かれるパラリンピックでは一切使えないんですよ。これはもったいないなと思いますが、現場の、ドクターという観点からも、河野理事長の見解をお伺いしたいと思います。
○河野参考人 ありがとうございます。
 実は、パラリンピックにも今のような御意見があることを踏まえながら、うちの職員でありますパラリンピアンを情報スタッフとともに今派遣をしております。したがいまして、ハウスという形は存在しておりませんけれども、少しずつ対応させて、スタートさせていただいているところでございます。
 やはり、スポーツ医科学センターとしては、今おっしゃったような視点については、新たなステージを踏むべきというふうに思っております。
 ありがとうございます。
○馳委員 障害者スポーツ、そして国際競技力向上、そして私たちが国際招致をしておるいろいろな各種大会、これはやはり、パラリンピアンも含めてというふうな方針をまず現場から出していくべきでもあるし、JISS、国立スポーツ科学センター、ここの機能は十分にパラリンピアンのサポートもできる。これは競技力向上だけではなくて、戦略的な部分、情報分析の部分、けがをしたときのリハビリなど、あるいは診断、まさしく専門家がいるわけですし、また、あそこにはJADAの事務局もありますね。まさしくアンチドーピングという観点からも、いわゆる障害者スポーツの関係者にはお薬がなければ生きていけない方々もいらっしゃるので、そういったサポートの面からも、そういった点から合体させていくべきだし、JISSの機能強化を私は求めているんです。
 そういう観点から、河野理事長の御意見を改めて伺いたいと思います。
○河野参考人 ありがとうございます。
 今御指摘のような点を踏まえまして、実はJISSを中心としたパラリンピックへのサポートをどうするべきかということにつきましてちょうど調査を行いまして、これについて、JISSがハブを持つ、そして地域のいろいろな障害者のそういった施設あるいは人と連携を持つということについてレポートをつくり上げたところでございますので、あとはこれを文部科学省あるいは関係のところと、場合によっては、文部科学省だけではなくて厚生労働省とも連携しながら、具体的に進めていきたいというふうに思っております。
 それから、アンチドーピングの件につきましては、御指摘のように大変重要なところでございますので、IOCもあるいはIPCもさらに一つステージが次に行くと思いますので、これについても、日本国内で日本アンチ・ドーピング機構を中心として対応をさらに進めていく必要があるというふうに感じております。
 どうもありがとうございます。
○馳委員 まさしく今奥村副大臣も、WADA、世界アンチ・ドーピング機構の副理事長でしたか……(奥村副大臣「常任理事」と呼ぶ)常任理事という非常に権限を与えられた、そしてもちろんお金も我が国は出しておりますが、極めて、アジア地域のリーダーという立場もございますので、やはりこういった機能を集約していくということは必要だと思っています。
 そこで、次の質問をまた奥村副大臣にお願いしたいんです。
 今回のオリンピックの成果というのは、まさしく、選手が特別頑張ったからできたのではありません。第一期のスポーツ振興基本計画、平成十二年からの十年間の分、それからアテネ・オリンピックの後に、急ごしらえでしたけれども、ナショナルトレーニングセンターができました。もちろんその前からJISSもございます。こういった連携によって、いわゆるNTC世代が活躍したことが、そしてJISSのサポートが今日の日本選手団の好成績をもたらしたといっても過言ではないと私は思っているんですが、副大臣としての政策評価をいただきたいと思います。
○奥村副大臣 仰せのとおり、このNTC、ナショナルトレーニングセンター、確かに、先輩の皆さん方がいろいろ御尽力をいただいたおかげで、私も何回も訪れて、選手たちがみずから汗を流して頑張ってくれている姿を見てきました。
 やはり、ああいうセンターがあってこそ、自分の力にチャレンジもできるんだというように思っておりますし、宿泊施設も、今約四百五十名、古いところは八十名ぐらいでございますけれども、そういうものを含めて合宿をやっていただいたり、そしてまた、いろいろと競技の連携をとったり分析をしたりやってくれているわけですから、ぜひあれを、機能をより以上充実させていくべきだというように思っているところでございます。
○馳委員 そのナショナルトレーニングセンターの屋外陸上トレーニング場、実は私、専修大学レスリング部の監督をしておりまして、この夏も学生を二週間ほど強化合宿に連れていきましたが、お笑いのような本当の話を言います。
 朝練習のときに、アスリートビレッジを出て屋外の陸上トレーニング場に行くまでに、しゃべっちゃいけないんです。もちろん、屋外陸上トレーニング場で笛を吹いてもいけないんです。頑張れとか、何やっているんだと馳浩が大きな声でどなってもいけないんです。これは、さすがにスポーツを指導監督する立場として、とてもとても困っているんです。
 近隣住民の苦情です。したがって、おふれが出ているんです。屋外陸上トレーニング場で練習をするときは、声を出したりしちゃいけませんよ、笛を吹いちゃいけませんよ。これは勘弁してほしいです。やはりこの現状を対策を練ってほしいんですよ。これは、奥村副大臣、いかがですか。
○奥村副大臣 選手の事情によることだと思いますし、また、日程で朝五時ごろからトレーニングする選手もいるわけです。今馳委員がおっしゃったように、八時以前は笛を吹くことも相ならない、声を出すことも相ならないという、このセンターをつくったときからいろいろな話があったようです。
 ですから、いろいろな方策を考えなければならないと思うんですが、そういうことになりますとドームしかないなというような話をしているんです。いきなりドームというようなことも大変なことだし、そこはできるだけ御理解がいただけるようにお互いに努力をしていかざるを得ないねというようなことで、現在のところはあれでございます。
 防音壁のこともいつも御提案いただいておるようでございますが、いろいろ局内で検討しているようでございますけれども、なかなか多額の費用がかかりますので、できるだけ八時以降に、選手たちの協力がいただけるようにしていきたい、現在はそのように思っているところでございます。
○馳委員 これは対策は二つしかないんですよ。まさしく多額のお金をかけて防音壁をデザインも含めてつくるか、あるいは、各競技団体に対して、我慢しろ、近隣住民にも御理解いただいてこのナショナルトレーニングセンターができたし、国民の税金でできているんだ、ぶつぶつ文句を言うな、そういう制約の中で努力をしてこそ意味があるんだと納得させるか、どちらかしかないんですよ。奥村副大臣の迫力で、対策は対策としてお願いしたいと思っています。
 次に、一度私から申し上げましたアスリートビレッジについて申し上げます。
 ざっくばらんな言い方をすれば、我々は、スポーツばかを育成するためにナショナルトレーニングセンターをつくったんじゃないんです。やはり、みずからも教養を身につけ、高校生、大学生ならばちゃんと勉強もし、単位を取り、同時に、よりよき社会人として世の中に出て間に合う人間となるような、その一助としてスポーツがあるという位置づけであります。
 スポーツだけやっていて胸を張っていればいいというものじゃないんです。ましてや、全てのアマチュア選手がプロになるわけではありませんから、そういうことを考えると、アスリートビレッジには、図書館とか、絵画、写真、彫刻などの美術芸術作品、あるいはネット環境の整備、こういったものでいわゆる選手のモチベーションを高め、多角的に人格を指導していくような、そういう場所も必要ではないかと思っていますが、奥村副大臣、いかがですか。
○奥村副大臣 ありがとうございます。
 そのとおりだと思って、現在、図書の方におきましても、インターネットにおきましても、そういう準備をし、備えつけてやっているわけですが、ちょっと図書の方の蔵書が少ないようでございますから、今後、しっかりと進めていきたいというように思っております。おっしゃったとおり、これからも努力をさせていただきたいと思います。
○馳委員 ただ、私は本当に、効果を、お礼を申し上げたいのは、現場からのお声です。
 コーチ同士が、選手同士が、競技の枠を超えて、同じ場所で同じ釜の飯を食っている、そのモチベーションの高まり、刺激、そしてやはり、自分だけが大変なんじゃないんだな、みんな頑張っているんだな、と同時に、隣にあるJISSにおいて、けがをしたらすぐに対応してもらうことができるし、情報も、世界の情報が一瞬にして入ることができる。ここは、今までになかった機能として、本当に喜ばれております。
 稼働率をさらに高めるためには、いろいろな方策がありますが、ジュニアからの一貫指導とか、あるいは、企業の皆さん方を研修としてお招きするとか、一年間三百六十五日を通じての稼働率を高め、このスポーツのレガシーを社会全体に還元する。時には世界じゅうの、世界のトップ選手をお招きしてもいいですし、JICAと連携をして途上国の方々に普及のために使う研修の場所とする、あらゆる使い方ができる。その可能性とポテンシャルがあるということをお伝えしておきたいと思います。
 次に、質問に入ります。
 ロンドン・オリンピックでは、競技団体への現地支援を日本スポーツ振興センターのロンドン事務所が担ったと言われておりますが、河野理事長にその詳細を伺いたいと思います。
○河野参考人 ありがとうございます。
 ロンドン事務所の役割でございますけれども、オリンピック前にはやはりプレ大会等の大会もございますし、それに向けての現地トレーニングの場所もあります。これについては、ロンドン事務所が仲介をさせていただくことによって、現地での場所あるいは大会の参加について便宜を図らせていただきました。
 それから、オリンピックの期間中の、先ほど来出ておりますサポートハウスについても、しっかりと競技団体の意向を聞きながら、選手村の近く、そして場合によっては、少し遠いところについては、少し離れたところですね、そこにもミニサポートハウスのようなものを設置させていただいております。
 特に、水泳、卓球、バレーボール、セーリング、陸上、体操などにつきましては、こういった練習拠点の設置について後方支援をさせていただいたところでございます。
 特に、やはり情報、これについては鍵だったというふうに認識をしております。
 どうもありがとうございます。
○馳委員 このロンドン事務所の今後について、私はポイントだと思っているので申し上げます。
 今後、オリンピックの終わったイギリス・スポーツ界の動向や、イギリスのスポーツ界がこのロンドン・オリンピックのレガシーをどう活用しようとするのか、それはイギリスのものだけではなくて我が国も取り入れるべきであるという考え方。また、情報分析というスポーツ戦略の外交的な部分においての役割、特に、今回イギリスでお世話になったラフバラ大学との連携。これは、オリンピックが終わったから事務所も閉じますよ、ラフバラ大学も御苦労さま、UKスポーツの皆さん、いろいろとありがとうございました、さようなら、これでは意味がないという観点から、今後の展開について、河野理事長の見解をお伺いします。
○河野参考人 ありがとうございます。
 まず、英国の状況でございますけれども、もう既に、オリンピックが終わった段階で、デービッド・キャメロン首相が、今後も国際競技力向上についての予算は継続するということを言っております。
 それと同時に、英国では、ロンドンの後で、多くのいろいろな機能をラフバラ大学に移すということをほぼ決めておりますし、日本における日本スポーツ振興センターに当たるようなUKスポーツ、あるいはそのほかについてもそこに移ることを予定しております。
 特に、やはり政府系のスポーツ組織の中心になっていく、特にラフバラ大学が英国内だけではなくて英連邦の中心であることを考えますと、あそこでの活動というのは非常に重要になると思っております。
 特に、ラフバラ大学には、スポーツ政策、スポーツ医科学、オリンピック教育、そしてアンチドーピングの専門家がおり、それぞれ、IOCあるいは世界アンチ・ドーピング機構との連携をとっておりますので、大変重要な拠点になるというふうに認識をしております。
○馳委員 ここは奥村副大臣にお願いしたいと思います。
 やはり、イギリスも、ロンドン・オリンピックで得られた、強化だけではないですよね、スポーツに関するあらゆる知見をラフバラ大学に集約しながら、またそれを次のスポーツシーンにつなげていこうとしているという事実が今わかりました。
 そうすると、文部科学省もJOCも、まあ、体協はちょっと系統が違うかなと思いますが、文科省もJOCも日本スポーツ振興センターも、このラフバラ大学との連携、また、ヨーロッパという地政学的な意味も含めて、ロンドン事務所の設置、これを継続し、拡充していく、それだけの価値があるのではないかと思っています。
 副大臣としての見解をお伺いします。
○奥村副大臣 御指摘のとおり、この大学におきましては、今回のいろいろな面で御指導、御協力をいただきましたし、イギリスが今回第三位のメダル獲得数を保持したわけですが、やはり、こういう大学のいろいろなサポート、そして一丸となってやられたことが功を奏したと思います。
 それで、ちょっと前後しますが、先ほどいろいろな諸外国との交流のお話がございましたが、実は、今回のオリンピックの開会のときに、平野文科大臣がオーストラリアのスポーツ大臣とお出会いをいただきました、女性の方ですが。
 ちょうど気候が真反対でございますから、お互いにもっと交流をやって、そして技術なりあるいは交流を深めてやっていこうというようにお話をしていただきましたので、あと私もフォローして、オーストラリアの大臣にもお願いをしてまいりましたし、フランスのスポーツ大臣とも、スポーツ協定を結ぼうということを私は去年十一月に寄せてもらったときにお話をさせていただきました。
 今、外務省や文科省でいろいろ準備をしておりますが、そういうようにして、先ほど御指摘いただいたことでいろいろとそういう問題を提起して、そしてしっかりそれを積み上げていって、実現をしたいというように思っております。
 ですから、ロンドン事務所、確かに二〇一九年のワールドラグビーもありますし、二〇二〇年、当然もう東京のオリンピック招致、パラリンピック招致のために、ある意味では窓口として必要なことはあるだろうと思いますが、これはここの理事長なりJOCなりいろいろな団体の御意見を賜りながら、どういうふうに進めていくか、また検討させていただきたいと思います。
○馳委員 すばらしいと思いますね。やはり冬の競技、夏の競技もございますし、世界じゅうにナショナルトレーニングセンターの連携相手がいれば、お互いに人的交流、指導者交流しながら経験を積ませてあげることができ、ナショナルトレーニングセンターですから多分お互いにそんなにお金はかからないと思います。特に冬の競技は、器具も含めて持ち運びでお金がかかるんですよね。やはり私は、そういった連携を深めていくことが我が国の国際社会に対する貢献にもつながると思いますし、先ほど申し上げた途上国に対する支援にもつながると思うので、どんどん進めていただきたいと思います。
 そこで、さらに私は、実は、IOCの本部のあるローザンヌ、ここにもロンドン事務所の出張所を置いてほしいと思っているんです。これはもう通訳とロジ担当と一人か二人いればいいと思っているんですが、東京オリンピックを初め、国際大会の招致、また、柔道ではありませんが、やはり、国際連盟、スポーツ連盟、各競技団体の国際連盟に日本人の理事が入っているかいないかによって物すごく国際競技力に影響があります。
 手前みそですが、我が日本レスリング協会の福田富昭会長は、国際レスリング連盟の副会長でもあり、長年理事を務めて、剛腕で、そして情報収集も上手で、いち早く女子レスリングを競技に入れたんです。もちろん、そのためにフリースタイルとグレコローマンスタイルの人数を減らしましたよ。それも二十年がかりなんです。二十年かけて一貫指導で女子のレスラーも育ててきたんですよ。
 そういう意味で、各競技団体の国際連盟の理事に日本人が入っているかいないか、これは後で言いますが、IOCの委員に日本人がいるかいないかによって全く違うんです。こういったことも含めて、情報収集、分析等のためにも、ローザンヌにも出張所を置いてほしいなと私は思っているんです。
 そんなにお金をかけなくていいですよ。どこかの事務所に間借りでもいいんですよ。その拠点があるということが、日本も本気でスポーツ政策の展開をしてくるんだなということにつながります。
 ここの現状を御存じの河野理事長に見解をお伺いしたいと思います。
○河野参考人 ありがとうございます。
 国際連盟のヘッドクオーターが集まっているローザンヌにおける活動というのは非常に重要だというふうに認識をしております。
 私も、理事長になる前には国際ラグビー連盟の理事をしておりましたが、そういったところのフェース・ツー・フェースの関係というのがやはりいろいろなものを進めていく上で重要になると思いますし、ラグビーのワールドカップの招致成功にもフェース・ツー・フェースの関係が実感として重要だったことを認識しております。
 そういった意味で、馳先生がおっしゃったように、ロンドンが片や政府系のスポーツ関係の窓口であるならば、こちらのローザンヌの方は競技団体の方の国際的な窓口になるということで大変重要というふうに認識をしております。
○馳委員 この国際大会の招致、ワールドカップラグビーのこともありましたけれども、あれはまさしく森喜朗日本ラグビーフットボール協会の会長の知恵ですよね。もともとアフリカとの関係がTICADなどでありますから、アフリカの票をまとめる。その前にヨーロッパの票をまとめる。ヨーロッパの票をまとめるときの殺し文句が、アジアで初めてワールドカップをやるとラグビー競技が世界じゅうに広がるよ、政治家だからうまいこと考えるものだなと思いましたが、やはりその人脈と殺し文句と実行力あってこそ、そしてラグビーの方は河野さんがずっと理事を務めておられましたが、この人脈が生きてくるんですよね。
 そういうものを展開することは、今後の国際競技力向上にもつながりますし、何度も申し上げますが、これも一つのスポーツの外交戦略であり、スポーツ基本法に国際貢献と書いてあるのはここの部分でもあるということを大臣にも副大臣にも御理解いただきたいと思っています。
 そこで、今回、ロンドン・オリンピックの最中ですが、実は、東京オリンピックの招致活動の関係で河野理事長がお知り合いになったそうですが、国連のスポーツ担当でIOCへの窓口でもあるレムケ氏と懇談をされたそうですが、その概要を教えてください。それから、それ以外にもIOCや国連の関係者などと、今回、情報交換を行ったのかどうかを教えていただきたいと思います。
○河野参考人 ありがとうございます。
 今御指摘のレムケ氏は、国連が進めておりますスポーツを通じた平和の促進と、それからスポーツを通じた社会開発の担当ということになっておりまして、IOCと非常にいい関係にあります。IOCは現在、国連のオブザーバーステータスを持っておりますが、そういった意味で非常に重要と考えまして、このたび、奥村先生と会談をセットさせていただいたところでございます。
 その内容については奥村先生からお話しいただくのがいいかと思いますけれども、三点、一つはユースリーダーキャンプの件、それから二つ目は国際ネットワークに日本も入らないかという件、三つ目はニューヨークにありますヘッドクオーターに日本人を派遣しないかという件、この三つだったというふうに理解をしております。
○馳委員 ここはやはり、河野さんの立場と奥村副大臣の立場が違うんですよ。ここがまさしく政治主導なんですよ。
 こういった今回の機会を捉えて、国際社会に影響力のある方と懇談をされました。奥村副大臣からもやはり、我が国の立場、今後の方向性についてのお考えを述べていただきたいと思います。
○奥村副大臣 概要は今、河野理事長から御説明をいたしましたが、レムケ氏とジャパンハウスでお出会いをさせていただきました。
 私からは、東日本大震災のお見舞い等、国連を通じていろいろと激励もいただき、お見舞いもいただいたお礼を申し上げて、そして、そんな厳しい中ではありますけれども、今我が国は国際大会をどんどん誘致しながら頑張っておりますということを冒頭に申し上げて、そして、向こうからお話がありましたユースキャンプの開催も、日本でやっていただけないだろうかということもありましたので、ぜひそのことについては、持ち帰りますが、努力をして実現をしていきたいというようなこともお話をさせていただきました。
 具体的には、今、河野理事長が申し上げましたように、やはり機会あるごとに、先ほど申し上げたように平野大臣にも相当な御尽力を賜っておりますし、みんながその気持ちになって、いろいろな諸外国の皆さんとお出会いをするということが大事であるというように思いましたので、特にレムケさんとお出会いをしたということは私は非常に有意義であったというように思っております。
○馳委員 二〇二〇年東京オリンピック招致は、来年の九月に結果が出ます。鉄は熱いうちに打てといいますが、銀座の五十万人パレードもよかったんですが、ここはやはり、JOC、東京都をバックアップする体制を政府としてもぜひとっていただきたい。改めて平野大臣にもお願い申し上げておきます。
 関連して、次に、新国立競技場の建てかえ問題についてお伺いさせていただきます。
 ロンドン・オリンピックのメーンスタジアムは収容人数八万人、その他、トゥイッケナム・スタジアムが八万二千人、ウェンブリー・スタジアムが九万人とありまして、東京オリンピック・パラリンピックを招致する我が国としても、やはり国を代表する競技場の整備、国際規格に合わせた、そして世界からお客様をお迎えする都市として充実しておくことが必要です。
 そういった招致活動への重要な位置づけもありますし、それから、今ある霞ケ丘の国立競技場、これは耐震化、老朽化ということを考えても急務だと私は思っております。
 まず、文科省の見解をお伺いしたいと思います。
○奥村副大臣 仰せのとおり、霞ケ丘も、耐震性、あるいはまた、もう本当に老朽化をしております。ですから、二〇一九年にはワールドラグビーをやらなければならない、そのこともございますから、しっかりとやっていく覚悟でございます。
 今、国も地方も大変厳しい財政のときでございます。しかしながら、今後、関係機関ともしっかりとお話し合いをし、連携をしながら、財源を確保していくように努力もしていきたいし、やるからには、やはり、今おっしゃったように、ロンドンのようにああして八万人が収容できる、そういうような競技場をぜひ確保していきたいというように思っておりますので、今後また御指導をよろしくお願いいたしたいと思います。
○馳委員 では、河野理事長にお伺いいたしますが、今現在、国立競技場の建てかえ構想はどういう段取りで進められていて、現状はどういう認識であるのか、お伺いしたいと思います。
○河野参考人 現状でございますけれども、国立競技場将来構想有識者会議を設定させていただきまして、初回を三月六日、そして先般七月十三日に開催しております。
 有識者会議のメンバーとしては、それを主に利活用する陸上、サッカー、ラグビー、それぞれの会長にお入りいただいております。それ以外に、議連の方から、きょう御出席の遠藤先生、鈴木寛先生にもお入りいただいております。
 そういった中で、有識者会議で三つの部会、特に、施設建設のグループ、それから実際に利用する施設利用グループ、それから文化のイベントが大変重要になってまいりますので文化のグループ、それぞれ安藤忠雄さん、小倉純二さん、都倉俊一さんに委員長をお願いして進んでいるところでございます。
 現在、広く世界にデザイン公募ということで、これの結果がほぼ十一月に出る段取りで進んでおりますので、オリンピックの立候補ファイルにはその概要が書けるような段取りで進んでおります。
○馳委員 では、そういう状況で進められているのはわかりましたが、建てかえ予算は総額幾らを想定しておられますか。
○河野参考人 現在、いろいろ御検討いただきまして、デザイン公募のところには約千三百億円という数字を挙げさせていただいております。
○馳委員 千三百億円は、土地の購入費は入っていますか。
○河野参考人 千三百億円の内訳でございますけれども、主には本体部分の九百三十億ぐらい、そのほか周辺部分ということで、土地についてはこの中には含まれておりません。
○馳委員 あそこの周辺は東京都心ど真ん中でありますので、高いでしょうね。用地取得費が入っていないということは、用地取得後、東京都からただでいただくのでしょうか。それとも、日本スポーツ振興センターであちこちにある施設を売っ払って用地取得費を何とかするのでしょうか。用地取得費が千三百億に入っていないと、何か間違った情報がひとり歩きしますので、めどはどういうふうにつけておられますか、お伺いします。
○河野参考人 用地に関しましてですけれども、主には現在の国立競技場のところを中心に建てることになっておりますので、実際に建てる部分につきましては、ほとんどの部分は現在のところでございます。それ以外に、明治公園、この部分が東京都ということになります。それから、あともう一つは、日本青年館がございますが、これについては、現在いろいろな話を進めさせていただいているところでございます。
 全体のめどということでございますが、これは私の立場としては、やはり独立行政法人が主体となって建てるものでございますから、ナショナルトレーニングセンターがそうであったように、主体については国にまずお考えいただくことが最初かなというふうに思っております。
○馳委員 ここまで実はしゃべっていただいて、奥村副大臣に、財源の見通し、めど、どうやってかき集めてきたり東京都と連携をするのか、やはりここの知恵の出しどころは政治のだいご味ですよ。ここがやはりポイントになってくるんですよね。
 奥村副大臣としては、財源の確保、東京都との連携、それから日本スポーツ振興センターにも応分のいろいろな負担もしていただかなければいけないでしょう。この辺のお考えをお伺いしたいと思います。
○奥村副大臣 大変重要なことなんですが、今理事長からもお答えがありましたように、秩父宮のラグビー場もありますし、そして神宮球場もあります。そういう神宮関係の御協力なり、そして、ある意味では、青年館は移転をしていかなければならない。あの周辺にも実は都営の住宅がありますね、団地が。
 ですから、そういうものも東京都の御協力をいただき、連携をしなければできませんので、そこのところは今後詰めていくように思っておりますが、確かに、相当な財源が必要になってきます。建屋そのものだけで一千三百億、今お話があったようですが、どれだけ、どういうようなことがはじき出せるかということを今後詰めていきたいと思っておりますし、これは、財務省初め関係省庁にしっかりと御理解をいただけるように努力をしてまいりたいというように思っているところでございます。
○馳委員 私の期待どおりの答弁で、ありがとうございます。だから、私は、きょうの段階でこの話を持ち出したんですよ。
 つまり、ことしは一億円ほど調査費がついておりますが、次の段階に、今の段階で入っていてほしいんです。つまり、国立競技場を新しく建てかえますよということは、スポーツ界だけの話ではなく、東京都あるいは霞ケ丘のあるあそこの地域、エリア、関係する日本スポーツ振興センター、文部科学省、全体、そして政府代表者が入って、土地の取得、再開発、そして、できるであろう中心的な国立競技場をどのように活用していくのか。
 恐らくこれは、もちろん防災の拠点としても必要でしょうね。サブグラウンドも必要ですから、日本青年館のあたり、あの辺の駐車場も何とかしなければ、こういう議論になってくるので、私は、今、三分科会でやられている国立競技場を建ててどうしましょうかという議論のさらに大枠の準備委員会を、これはやはり奥村副大臣か平野大臣か、つまり政府関係者の主導のもとで、東京都の皆さん、地区の関係者の皆さん、スポーツ振興センターの代表も含めて、この予算の総枠、それから地域の再開発、イベントということになりましたら、そういった活用面、防災対策、こういった総合的な面からの格上げをしておくべきだと思って、実は河野さんと奥村副大臣に積み上げで議論をしていただきました。
 平野大臣、私はそういうふうな提案をしたいと思いますが、概算要求に向けて一段格上げの組織といったものが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○平野(博)国務大臣 今、奥村副大臣と理事長の方から、先生の御指摘に対してるるお話がございました。
 私どもとしましても、この問題は非常に大事な問題でございますから、まして、大事な問題であると同時に、後ろが切られている問題でもあります。したがいまして、それを具体的に進めていく上においては、当然、東京都の御理解をいただかなきゃなりませんし、都計の問題も実は出てくるわけでございます。周辺住民の皆さんの御理解をいただく、こういう中で基本的な整備方針がはっきりする、そういう中において、財源措置をどういうふうにするかということで、後ろが限られていますから、それにおくれることなく、しっかりと議論の推移を踏まえながら対処していかなきゃならないと思っております。
 なかなか財政が非常に厳しい、こういう中でどういうふうな財源を捻出すべきか、ここで言うべきかどうかわかりませんが、totoについてはどうするんだとか、いろいろなところも含めて対処して財源捻出を考えていかなきゃならない、かように思っております。
○馳委員 何か大臣に、私が次にしゃべりたいことまで導いていただいて、ありがとうございます。
 totoの売り上げ状況と助成の状況についての概略を、担当である河野理事長からお願いします。
○河野参考人 現在の状況でございますが、売り上げは、平成二十二年度が八百四十八億円、平成二十三年度が八百二十七億円、二十四年度は、現段階でございますが四百三十億円という推移をしております。
 それから、助成でございますけれども、今年度は、地域のスポーツ施設の整備に対して七十九億円、そして地域のスポーツ振興、クラブ等の助成に五十二億円、そして、アスリート育成や国際競技大会の開催などに四十八億円、計百七十九億円を助成させていただいているところでございます。
○馳委員 そうすると、河野理事長、国の、東京オリンピックというのは国と言ってはいけないですね、東京都の、東京都という地域のスポーツ施設の整備もtotoの助成の対象にしていいということで、その理解でよろしいですね。
○河野参考人 一般的には、自治体からの申請に関しましてはもちろん検討することになっておりますので、これについては対象となりますが、国立競技場のことについては、また先ほど来御意見が出ているように、あるいは御議論いただいているように、しっかりとした取り組みが必要だというふうに、考え方の整理が必要だと思っております。
○馳委員 実際に、今、国立競技場の持ち主は誰ですか。
○河野参考人 日本スポーツ振興センターが保管しております。
○馳委員 日本スポーツ振興センターの理事長は誰ですか。
○河野参考人 河野一郎でございます。
○馳委員 自分が責任を持って、持っているんだから、まさしく、ここの建てかえ、そして新築、東京都にあるということ、お尻が限られたワールドカップラグビーや東京オリンピック招致が控えているということ、ここの連立方程式を解いていくような取り組みが必要で、だから私も、このtotoの財源の確保策についてはやはり一緒に考えていくべきだと思っていますし、toto法は、いろいろございましたが、議員立法で成立をさせていただき、皆さんの英知の結集でありますので、今後もこの拡充が必要だと思われるんです。
 敵もさるものというか、宝くじ、昔でいう自治省、三月に法改正されまして、何と、一等賞金が七億五千万円、これはBIGをめどにしたな。宝くじ、インターネット販売、コンビニ販売が認められました。totoの売り上げに非常にマイナス影響が出るものと想定されますが、いかがでしょうか、奥村副大臣。
○奥村副大臣 馳委員もいろいろとこのtotoの見直し等につきましては御苦労いただいてきたわけですが、特に、今御指摘をいただいたように、totoの今後の財源、財源といいますか、確保するためには、今、遠藤委員と、そして参議院の鈴木委員とにお願いをして、見直しに入っていただいております。
 確かに、宝くじは七億五千万ですが、インターネットで売っているということはtotoはやっているんですけれども、宝くじはこれからやられるわけです。そのいろいろ弊害が、弊害といいますか、何かがそこに出てくるかもわかりませんが、しっかり進めていきたいと思います。
 馳委員も先ほど御指摘いただいたように、その贈呈式に行ったんですが、私もびっくりして、やはり地域スポーツだとか総合スポーツに対して百八十億になんなんとするお金がこのtotoのお金から出ておりますし、そして、国に上納している、上納といったらおかしいですが、八十億、このtotoのお金から出ているわけですね。
 できることなら、この八十億を十年して、そして、先ほどのそういう競技場の基金としてしっかりこれを確保していけば、国として一遍にそれだけの財源を出さなくても進めていけるような、ちょっとそこらを知恵を出していくべきだというように思っておりますし、ぜひ、totoの売れ行きをしっかりPRして進めていただくように、センターの方にもお願いしているところでございます。
○馳委員 委員会でありますので、あえて申し上げますが、やはりこれは、toto法をやるときに、我が党でいえば、親分衆はいますけれども、実務的に、遠藤利明さんと私、御党でいえば、鈴木寛さんと奥村先生、公明党の富田茂之さん、それぞれ実務的なことを担いながら、みんなを巻き込みながらやってきた経緯があります。
 奥村副大臣も、多分そんなに、五年も十年も副大臣をされていることはないと思いますが、つまり、スポーツ議連の超党派のという意味で、スポーツ議連の超党派の仲間で、このtoto法、スポーツ振興の予算確保、施設整備、指導者育成などに入ってきたという経緯を考えれば、今おっしゃったような法改正の論点、財務省や総務省や国交省ですか、やはり国に八十億円も出しているということの現実、またtotoは十カ月ですね、十二カ月はされていません、対象競技をどうするか、こういった論点は安易に出てくるところでありますので、ここはやはりスポーツ環境の整備、同時に、先ほど申し上げた国際平和への貢献、環境への取り組み、あらゆる理屈を整えて、toto法の法改正にも積極的に果敢にスポーツ議連として取り組んでいくべきであり、むしろ、そのサポートを文部科学省にしていただくというふうな体制の方がいいと思うんですよね。
 これは今副大臣という立場ではなかなか答弁しづらいとは思いますが、奥村さんかあるいは平野大臣、ちょっとお願いします。
○平野(博)国務大臣 非常にすばらしいアイデア、知恵をいただきました。
 私もずっと期待をいたしているところでございますし、このtotoについては、議員立法ででき上がってきた経過もございます。今、奥村副大臣の方からもありましたが、三分の一が国庫に取られて、取られているという表現、国庫に納めているということ、競技種目については一種目になっている等々、先ほどの趣旨からいきますと、もう少し広げていただく、あるいは金額を、今あれはBIG六でしたか、BIGテンぐらいまでしていただいたら別のところを追い越すのではないかと淡い期待をしながらおるものですから、我々としても、本当に心から期待をしておりますし、できるサポートはしていきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いします。心からお願いをいたします。
○馳委員 ここは、やはりみんなの知恵の出しどころで、スポーツ環境の整備、また国際大会を招致するということは国民全てに国益を享受していただくという観点からの取り組みを私もさせていただきたいと思いますので、今後とも御指導お願いします。
 次の観点に入ります。トップアスリートのキャリア形成と雇用促進の問題です。
 まず、ロンドン・オリンピック日本代表選手二百九十三名の平均年齢は何歳でしたか。
○河野参考人 男子は二十六・三歳、女子は二十五・四歳、全体で二十五・八歳でございます。
○馳委員 さあ、この数字ですぐわかるんですよ。国際競技力向上のために、トップアスリートの育成支援のために、ターゲットとなるのは二十五歳前後ということが出てきます。
 とすれば、どう考えたって、高校、中学校、大学、ここが強化の拠点、あるいは人材や指導者の拠点にならざるを得ないんです。ここに、文部科学省が、あるいは日本スポーツ振興センターが、JOCが、どのようにかかわりを持っていくかということは、一つの戦略になります。
 では、次の質問です。
 今回のオリンピック代表選手の所属先を概略的に教えていただけますか。では、奥村副大臣。
○奥村副大臣 所属先でございますが、高校生が十名、そして大学生が五十九名、これは大学院生を含むわけでございますが、企業の所属が約百四十名、自衛隊が十二名、そして警察官一名という区分になっております。
○馳委員 そこで、代表選手団の三五%に当たる百三名がロンドン・オリンピックに向けての強化期間を学校や大学で過ごしてきたということですが、これは事実ですか、河野理事長。
○河野参考人 はい、事実だと思います。
○馳委員 そこで、国際競技力向上において、高校や大学における強化システムと、それに伴うサポート体制が必要だと考えています。
 具体的には、選手の授業との兼ね合いや、さらに、ナショナルレベルの指導者も高校や大学関係者が少なくありません。指導に専念できる環境も必要だと考えています。
 こういった選手と指導者の環境整備という観点からの新しい支援制度が必要ではないかと思いますが、文部科学省の見解を伺います。
○奥村副大臣 やはり一番大事な時期といいますのはジュニア時期でございますし、今お話をいただきましたように、そういう選手の育成等もしっかりしていかなければなりません。
 ですから、学業とそうしたスポーツというものの連携をしっかりとさせていくようなこと、そしてそういう環境を整えていくということは当然でございますので、我々文科省といたしましても、その体制をしっかり強化していくように努力をしていきたいというように思っております。
○馳委員 現在、世界のスポーツ先進国では、育成期における学業との両立を目指すデュアルキャリアの環境整備が進められていると伺っています。
 このデュアルキャリアについて、河野理事長と文部科学省、お互いに見解を伺いたいと思います。
○河野参考人 トップアスリートの年代を考えますと、各国とも同じ課題を抱えているという認識をしております。
 それぞれ国によっていろいろな取り組みをしておりますが、例えばフランスなどは、国民に手に職をつけるという政策がありますので、トレーニングセンターにいる間にもカリキュラムを展開する。それから、現在参考になるかと思っておりますのは英国でございまして、英国ではTASS、タレンティッド・アスリート・スカラシップ・スキームというのを展開しておりまして、これによって、日本でいえば、日本スポーツ振興センターと大学が連携するような形でアスリートを支援し、そしてなおかつ、そこでのいろいろなキャリアを積むことを展開しているということになります。
 したがって、現在、日本の場合は教育制度が単線路型ですので、複線路型にするようなことについても考えていく方向が必要かと思っております。
○馳委員 実は一部の体育大学では、リカレント教育といいまして、トップレベル、プロも含めて、トップアスリートが競技を終えた後に学び直しをして、指導者の資格を得て高校や大学などの指導者になっていくという道も、こういうリカレント教育も行っております。
 やはり、強化をするまではみんなで頑張れ、予算も使います、競技が終わった後は勝手にどうぞ、我が国には、ああいった選手のための年金制度といったものもございません。であるならば、競技を終えた後の選択肢、特に指導者として、あるいは教育者として、そういった能力を社会に還元できるような対応は政策として必要だと思っています。
 奥村副大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○奥村副大臣 委員も御案内のとおり、スポーツ基本計画におきまして、その点もしっかりうたっておりますし、今御指摘をいただいたように、その両立ができるように環境を整えていきたい、しっかり進めていきたいというように思っております。
○馳委員 最後になりました。
 改めて、きょうは一時間を通じて、ロンドン・オリンピック、またこれから始まるパラリンピックに向けての我が国のスポーツ政策についての現状、反省と、また今後の方針、しっかりとお伺いをいたしました。
 どうぞみんなで力を合わせて、さらなる国際競技力の向上をしていくことができますようにお願いを申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○石毛委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時四十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○石毛委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。松崎哲久委員。
○松崎(哲)委員 国民の生活が第一の松崎哲久でございます。
 早速質問に入らせていただきたいと思います。
 大津のいじめ事件、先ほど、午前中にも話が出ておりましたけれども、大津市の教育委員会教育長澤村憲次さん、暴漢に襲われて頭部を骨折して入院中と伺っておりますが、謹んでお見舞いを申し上げたいというふうに思っております。
 民主主義の社会にあっては、言論や行動に批判がある場合であっても、私的な制裁や暴力行為があってはならないのは当然のことであります。日本にはまだ健全な民主主義が根づいていないというのが我々国民の生活が第一の認識でございますが、会議の結論の出し方などだけではなくて、こういう点にもあらわれているのではないかというふうに思っております。
 事件に対する対応がどうであったにせよ、暴力で解決を図るという方法には、党派、思想、主義主張を超えてともに闘っていく必要があるというふうに、まず第一番に申し上げたいと思います。
 同時に、暴力事件があったからといって、問題の本質についての議論を控えるべきでないのは言うまでもありません。
 今回の事件については、大津市に第三者委員会が設置されて、その第一回の会合が実は明日、二十五日だというふうに伺っておりますから、まずはその議論を待たせていただきたいとは思っておりますけれども、多くの国民は、教育委員会のあり方そのものに問題があるということを多かれ少なかれ感じているように思います。
 この点について、大臣はどのように認識をされていらっしゃいますか。また、文科省として、教育制度、教育委員会制度の改革について、どのような検討の取り組みをされているのか、まず伺わせていただきたいと思います。
○平野(博)国務大臣 昼から、午後からもよろしくお願いします。
 今、松崎議員の方から御提起ございました、まず、教育長に対する暴力事件、これは、私は、何があっても暴力はいけない、こういうことで、大変残念なことでありますし、極めて遺憾なことだ、先生と同様に心からお見舞いを申し上げたいと思っております。
 その上で、教育委員会制度、この問題について、何かやはり問題あるなと国民の多くの方々が感じておられることは、私も認識をいたしております。しかし、教育委員会制度というのは、本来持っている、教育の政治的な中立性、継続性、安定性をやはり確保するために、首長から独立した合議制の執行機関として設けられてきたわけであります。これは特に戦後そういう体系になったわけであります。
 しかし、何か問題あるな、午前中の下村議員の中でも御答弁させてもらいましたが、やはり形骸化している、本当に住民の意向を反映していないんじゃないか等々の問題点を指摘する声も多くあることは事実でございます。
 したがいまして、これまでも文科省としては、何とか工夫をして活性化を図るように、こういうことをしてきたわけでありますが、なかなかそういうところまでいっていないことも事実であります。
 したがいまして、今回の第三者委員会が、あすから第一回目が始まっていきますが、その推移を見ながら、しかし、加えて一方、それにこまねいているわけではなくて、文科省としても、今日までタスクフォースを構成し、この教育委員会のあり方についての議論も並行して進めてきているところでありますので、しっかり応えられる教育委員会制度にしてまいりたい、かように思っております。
○松崎(哲)委員 ありがとうございます。
 検討はされていくということではありますが、実は、御党の民主党〇九マニフェストには、私もよく承知しているんですが、学校理事会と教育監査委員会による運営とチェックに向けて改革するということがもう既に記載されているんですね。ですから、文科省としてこれから検討というのは、もちろんお役所の立場としてわかりますが、民主党政権としてはそういう提案を既に掲げているわけですから、既に政権発足三年になんなんとしているわけですので、ぜひ教育委員会制度の抜本的な改革ということに踏み出すべきではないかというふうに考えます。
 教育委員会の設置というのは、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第二条で法定されているわけですから、首長選挙なんかで教育委員会の廃止というのを訴えて選挙に出られる方、当選される方がありますけれども、これは法定ですから、まず国政の課題でございます。私たち国民の生活が第一は、改めて、この委員会制度の抜本的見直しというものに取り組んでまいりたいということをここでは述べさせていただきたいというふうに思います。
 次の課題に移らせていただきます。
 午前中も馳委員等々から綿密にお話がございましたが、ロンドン・オリンピックのことでございます。
 日本が史上最高の三十八個のメダルを獲得したということで、また、これは初めて銀座でのパレードも行われて、大変に盛り上がりました。最初、月曜日と聞いて、何で日曜日にやらないのかというふうに思いましたが、やってみてわかった。日曜日でしたら、もう混雑し過ぎで大変だということで、あえて月曜日を選ばれたということもわかりました。
 何よりも、この史上最高のメダルを獲得できたということは、個々の選手の皆さんの頑張りにあるというわけでございますが、実は、近年目覚ましい、国のスポーツに対する支援策の充実ということが下支えをしたということは当然ある、私もそういうふうに認識をしております。
 国のスポーツ関連予算、これはスポーツ・青少年局長に伺えればと思いますが、平成二十年度から二十三年度まで、決算ベースでどういう額であるかということを教えていただきたいと思います。
○久保政府参考人 スポーツ関連予算に対します決算額でございますけれども、平成二十年度が百七十四億七百万円、二十一年度、百九十九億五千五百万円、二十二年度、二百十二億三千六百万円、二十三年度が二百十七億一千百万円となってございます。
○松崎(哲)委員 平成二十四年度、今年度につきましては、もちろん決算は出ていないわけですが、これは予算額はいかほどでございましょうか。
○久保政府参考人 平成二十四年度のスポーツ関連予算額につきましては、二百三十七億九千三百万円となっております。
○松崎(哲)委員 私が平成二十年度以降というふうに今お聞きをしたんですが、これは、二十一年の九月に政権交代があったわけでございます。ですから、政権交代の影響のない二十年と、現在あるいは昨年度ということを比べたいという意味で申し上げたわけですが、決算でいえば、二十年度の百七十四億円が、二十三年度には二百十七億円、二四%の増加、予算でいえば、二十年度百九十億円が、本年度の二百三十七億円ということで、同じく、これは偶然だと思いますが、二四%増ということでございます。
 さらに、午前中の質問にもありましたけれども、我が党には、文部科学政策会議メンバーに、金メダリストの谷亮子参議院議員がいるわけでございますが、谷議員によれば、午前中も出ましたマルチサポート事業は、アスリートには大変評判がよかったということでございます。
 馳委員からも指摘がありましたけれども、これはどういう事業で、平成二十年度から二十四年度まで、予算額、先ほどの馳委員の御質問には予算の話が出ていませんでした。これはどういう数字であったかということを、事業については先ほどありましたので、簡単で結構でございます。お願いしたいと思います。
○久保政府参考人 マルチサポート事業につきましては、オリンピック競技大会において確実にメダルを獲得することができるように、メダル獲得が期待される競技をターゲットとして、アスリート支援、研究開発など多方面から専門的かつ高度な支援を戦略的に実施するものでございます。
 予算額につきましては、平成二十年度は二億四百万円、平成二十一年度が三億八百万円、平成二十二年度が十八億八千四百万円、二十三年度が二十二億四千五百万円、そして平成二十四年度は二十七億四千六百万円となっております。
○松崎(哲)委員 皆さん、聞いていただいてびっくりされたというふうに思います。委員の方ですから当然御承知だったかもわかりませんが、政権交代前の二十年度、二十一年度は二億、三億だったものが、政権交代後の予算編成によって編成されました予算では十八億、二十二億、二十七億と十倍増になっているわけでございます。民主党政権の政策の中でも成果を上げた事業の何本かの指のうちに入るのではないかと私は思っております。
 私は民主党から離党いたしました者ではありますが、民主党が実施した政策のプラスはプラスとして評価するにやぶさかではない、こう思っております。
 蛇足ながら申し上げれば、プラスもこのようにたくさんあったのに、九仞の功を一簣に欠くような消費税の増税、これがオセロゲームのようにマイナスになってしまったということをぜひ申し上げたいわけでございます。
 話はもとに戻しまして、マルチサポート事業というのは、今局長からも話がありましたように、有望な競技にということですけれども、この種目の絞り方というのが大変よくできているというか綿密にできているというか、そういうふうに感じております。
 夏季については十七競技。三十八個のメダルのうち三十五個がターゲット競技であったということは、先ほどの馳委員の質問に対しても御答弁がありました。この支援対象の競技で獲得されているのは、当然強い種目に出せばとれるじゃないかというふうに国民の皆さんは思われるかもしれませんが、マイナーと言っては失礼かもしれないけれども、なかなかなじみのない競技、競技人口が少ない種目にも実は目配りをよくしてターゲット競技に入れているということがありまして、例えば、アーチェリー、フェンシング、バドミントン、卓球などもその対象になっていたということなんです。
 実は、ロンドン・オリンピックの大成果の陰には民主党のスポーツ政策あり、このように多少は誇ってもいいのではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○平野(博)国務大臣 本当にありがとうございます。民主党の中からも余り褒めていただけないんですが、みんなの党から、あるいは国民生活第一の松崎さんから……(松崎(哲)委員「みんなの党じゃなかった」と呼ぶ)いや、松崎さんは国民生活第一とは思わないんですよ、民主党だと思っていますが、お褒めをいただきまして、ありがとうございます。
 本当に、強化戦略方針という方針を踏まえて、三十八のメダルがとれたということのうち、三十五個がターゲットの競技種目であったということでもございます。加えて、いわゆる将来性のある部分で考えますと、アーチェリーやフェンシングなどもその中に組み込むことができるようになったということでございます。
 今回、アーチェリーでは女子としては初めて、また、フェンシングでは団体として初めての銀メダルを獲得した、こういうことでございまして、余り、みずから褒めるというよりも、国民の皆さんにお褒めをいただくことを期待しながら、控え目な答弁といたします。
○松崎(哲)委員 私も民主党におりました身ですからあれなんですが、民主党はそういうふうに成果をきちんと国民の皆さんに伝えるということが、努力を怠ったとは思いませんけれども、やはり失敗をしたんだというふうに思います。それが今日、いろいろな問題点としてある原因なのではないかなというふうに思います。
 私自身は、民主党におりましたときは文部科学部門会議の座長もさせていただいておりましたので、そういう際に携わったこういう政策が実際に成果を上げているということは、これはぜひ国民の皆さんも御理解をいただきたいと思います。
 しかし、いいことがあれば、悪いこともある。褒めれば、多分その次には褒めないということでございますので、次に進ませていただきたいと思います。
 残念ながら、開会式の選手入場の際に、アーリーデパーチャーという制度にのっとったかどうかは別として、これは、誤誘導だというふうにロンドン側から説明をされているそうではありますけれども、日本選手団が、第四コーナーから入場して百メーター進んだところで、第一コーナーから出されてしまった、あるいは出ていってしまった、こういうことがあったわけです。
 日本の新聞、テレビでは実はほとんど報道されていないわけですが、これは事実なのか。本来なら事実確認を大臣に伺うことではありませんが、先ほど、午前中もお話がありましたけれども、大臣は現場にその際にいらっしゃったわけなので、ごらんになっていたことも含めて、そういうことが本当に行われていたのか、起こったのかということを教えていただければと思います。
○平野(博)国務大臣 私も、国会のお許しを得てオリンピックの開会式に参加をさせていただきました。六時間スタジアムにいまして、日本人選手団が入ってきたのは随分最後ごろでございました。ずっと回っていって、途中、こちらの、たくさんの選手のおるところに来ずに向こうの出口から出ていったということは、事実でございます。
 あれっ、なぜかなという素朴な疑問を抱きましたが、これは、大体夜の十二時、一時ごろでございましたから、いわゆる先ほど言われたアーリーデパーチャーの、こういうことを含めて、あすに備えて出ていったのかなと僕は善意に実は解釈をしておりまして、隣に久保スポーツ局長がおられたので、これはちょっと確認はしておいてくれよ、ちょっとおかしいぞと。ただ、団旗は、吉田さんは、ずっと最後まで、団旗を設置するところまで行かれましたので、これは明らかにあすに備えての高度な戦略かな、こういうふうに実は私は疑いなく思っていましたが、後で調べていただきますと、事務的なミスだ、こういうふうにわかりました。
 この点については、御党の主濱議員に参議院の場で質問されましたので、そのように答弁をいたしました。
○松崎(哲)委員 今大臣から話がありました主濱参議院議員に対する御答弁で、事実であったと御答弁されたことは承知をいたしておりますが、その際に、「最後まで残らなかったことに対して選手自身がどういうふうに今思っておるかということは、」中略して、「私自身聞かせてもらいたい、」このようにも大臣は御答弁されているんです。
 退場できてよかったという親心もあると思いますし、また選手自身もそう思ったかもしれないけれども、参加することに意義があるというオリンピック精神を身に体している選手が、やはり、晴れの舞台、会場で、その場で開会式に参加していたかったという思いも恐らくあると思いますので、まず、「私自身聞かせてもらいたい、」とおっしゃっているんですが、そういう聞き取りはされたんでしょうか。
○平野(博)国務大臣 確かに、主濱議員の答弁で、私自身も一度確認したい、こういう答弁をいたしました。
 そういう意味におきまして、選手諸君が帰ってきたのが十四日でございますので、それ以降の、担当課を通じて私自身の思いを伝えてございますから、どういうことだったということを確認いたしました。
 その中で、選手の間で、特にこれを問題だ、こういうふうに受けている印象、また、その書きとめもございませんでした。ただ、JOCとしてもこの問題についてはしっかり確認をしてもらいたい、こういうこともあえてつけ加えて、私自身としては、特に選手自身が残念だったというふうに受けとめていない、こういうことでございますので、そういうことでございます。
○松崎(哲)委員 私も、文科省の方から事情をちょっと聞いておりますが、今のようなことに加えて、聞き取りの方法ということについて、団体を通じて報告される日ごとの個票というのがあって、それに不満等々が書かれたものはなかったということを伺って、それで特段の不満はなかったというふうに大臣に御報告されているのではないかと思いますが、ちょっとそれは丁寧さに欠ける調査ではないか。やはり晴れの舞台、先ほども申しましたように、そういうことですから、日々団体に報告するものに、残念だった、ひどかったとはなかなか書けないと思いますから、丁寧な聞き取りをぜひしていただきたいなというふうに思います。
 今後、午前中にもありましたように、私たちは、官民そろって、与野党を超えて、二〇二〇年の東京オリンピックに向けて招致活動をしていかなければならないわけですから、いくわけでございますから、日本の組織委員会というのは、オリンピックに限らず、こういうイベントの運営について非常にたけているという、これはもう国際的に評判がございますし、また、東京ならこの種の不手際は起こらないんだということをむしろ売りにするような、そういうようなことも含めて、ぜひ今後へ向けて、これをさらなるプラスに転ずるようにしていただきたいというふうに思います。
 私の持ち時間はこれで終わりですので、以上で終わります。ありがとうございました。
○石毛委員長 次に、石原洋三郎委員。
○石原(洋)委員 国民の生活が第一・新党きづなの石原洋三郎でございます。
 早速質問に入らせていただきます。
 一般市民で、いまだ避難指示区域外で、ペットボトルを買ったり、自家野菜を食べられず買っているという方が大勢おります。賠償はされないのでしょうか。原子力損害賠償紛争審査会の検討状況についてお伺いいたします。
○奥村副大臣 委員におかれましては、いろいろと今日までも審査会等、損害賠償につきまして御指導また御支援いただいて、厚く御礼申し上げます。
 因果関係のことでございますから、そうした場合にはやはりそれに沿ってそれの賠償をするということに基本的になっているところでございます。
○石原(洋)委員 今回、原発事故が起きたわけでありますけれども、原子力政策を推進してきたのは政府であります。安全だと言っていて事故が起きて、そして多くの被害者の方がいらっしゃいますので、賠償紛争審査会の趣旨からいくと、和解の仲介を行っていく、あるいは一般的な指針の策定を行っていくということでありますので、こういうことに関してもしっかりと指針を策定していただくようにお願いをいたします。
 また、風評被害の賠償につきましても、損害分以上の企業努力で利益を出すと風評被害が認められないという話を伺っております。それはおかしいと思います。顧客を失ったのは原発事故が原因、コストダウンで利益を生み出すのは企業努力です。そこで被害が認められないのは、風評被害の賠償がなされていないということを意味します。
 その点についての紛争審査会の検討状況についてお伺いいたします。
○奥村副大臣 風評被害につきましては、我々も審査会等でいろいろ御審議等も賜ってまいったわけでございますが、取引の数量、そうしたものが減少したりして減収になることがあるわけでございますから、そのことにつきましては賠償の対象になっております。
 そしてまた、除染やあるいはまた検査費用等々も、その範囲内でしっかりと賠償の対象になっているところもございますので、今御指摘いただいたようなことに対しては、我々といたしましては、審査会の方の指針に入れていただくようにも申し上げてきましたし、そして、東電の方にもそのことについては今日までも言い伝えてまいったところでございます。
○石原(洋)委員 指針の方にそのように入れていただいているということであるならば非常にありがたい話であるんですけれども、ただ、個別のところの事案までいきますと、どうしても東電側の方が強いというようなことを地元の方々から多数いただいておりますので、被害者の方々が納得いくような指導なり指針のあり方をよろしくお願いしたいと思います。
 また、個別の事案に関してなんですけれども、原子力損害賠償紛争解決センターにおきまして和解が成立した事案につきましても、ある程度事案がたくさん出てきたならばそれを整理して、広範囲にオーソライズしていくためにも指針に追加するべきだと考えますが、御見解をお伺いいたします。
○平野(博)国務大臣 今、議員からの話でいきますと、和解事例、こういうところ、これは当然和解を迅速に進めていくというのが本来の任務でございますが、まだまだ個別事案がかなりございます。したがいまして、千差万別になっている。そういう中で、ある意味では、全ての損害の範囲や損害項目を指針で示すということはまだなかなか難しい、こういうふうに思っていますが、一方しかし、和解が成立していって、こういう事案が、合意を進める、こういう意味で類型化をし、より円滑に進めていくという観点での総括基準というんでしょうか、そういうものをやはりつくっていくということは大事だと思っています。
 したがって、こういうところは和解しました、こういうことは問題解決しましたということをやはり公開していくということは、非常にこの問題をより前に進めていくことに相なろうかと思っております。
 したがいまして、私どもは、あくまでも被害者の立場に立って物事は進めていくという、この軸は絶対変えるつもりはありませんし、よりスピード感を持って対処することが被災された方のためになる、こういう思いでこれからも対処したいと思います。
 なお、残念ながら、紛争解決センターの方に持ち込まれている件数が毎月大体三、四百件ぐらい出てまいります。今で大体、申し立て件数は、八月の二十三日時点で三千六百五十八件にまで上っております。したがって、紛争センターにおける人員の確保ということも今努めておりまして、調査員の人員確保等々、早急に詰めていきたいと思っていますし、来年度の概算要求にも、より早く解決を進めるための組織の充実を図っていきたい、かように考えています。
○石原(洋)委員 基本的にどんどん紛争を申し立てする方がふえてくるということでもありますので、そういう点におきまして、時期が来たときには、やはりそれを類型化し、整理して、そしてそれを広範にオーソライズしていくということがいずれ必要であろうと思っておりますので、ぜひその点を、御配慮、御考慮をお願いいたします。
 また、原発事故に由来する原発事故関連死についてお伺いいたしますが、この関連死についての賠償の検討状況についてお伺いいたします。
○戸谷政府参考人 御説明申し上げます。
 先生御指摘の、原発事故関連死といいますか、原発事故に関連いたしまして、避難の途中あるいは避難先の中で、非常に御苦労された中で、場合によっては亡くなられた方がいらっしゃるというのは、これは厳然たる事実として認識いたしております。
 この点につきましては、昨年八月に、原子力損害賠償紛争審査会が定めました中間指針におきまして、「生命・身体的損害」として、本件事故により避難等を余儀なくされたため、傷害を負い、治療を要する程度に健康状態が悪化し、疾病にかかり、あるいは死亡したことにより生じた逸失利益などが賠償すべき損害ということで、もう既に明記をされておりまして、この考え方に基づきまして、東電におきましても現実に賠償した例が幾つかあるというふうなことは伺っております。
○石原(洋)委員 そこは、済みません、指針には示されていないということなんでしょうか。東電の方で自主的にやっているということなんでしょうか。
○戸谷政府参考人 ちょっと舌足らずで申しわけございません。
 先ほど申し上げましたのは、昨年八月に定めました中間指針におきまして、避難等によりまして、結果として疾病あるいは死亡に至った方々についての、利益は原子力損害賠償として賠償すべき損害だということは、指針で明記してございます。
○石原(洋)委員 今回、宮城県とか岩手県等々と比較いたしますと、福島県の原発被災者の方々でお亡くなりになったという方が大勢いらっしゃるわけであります。今回、もし原発事故だけ起きていたときには、明らかに原発事故関連死ということになるわけでもございますし、明らかに原子力災害は人災ということであると思いますので、やはり、本当に、お亡くなりになられる方がしっかりと、遺族の方が救われるような指針のあり方というものをぜひお願いしたいと思っております。
 そもそも、原子力賠償紛争審査会を現地で開催し、さまざまな、現地の市町村長の要求を聞いてもらいたい、住民の声を指針に追加してもらいたいという声があります。
 紛争審査会の現地開催を要求いたしますが、お伺いいたします。
○平野(博)国務大臣 原子力損害賠償紛争審査会の開催地でありますとか審議の内容については、一義的に、公正中立な立場から、審査会に委ねられていることは事実でございますし、先生も御案内のとおりだと思っております。
 しかし、これまでも、やはり地元の自治体から被害の実態を聞きたい、こういうヒアリングをしたいというときには、地元に入って開催をしていることもございます。
 したがいまして、今後も、事態の推移を見ながら、より被害の実態を詳細に把握する必要性がある、こういう場合には、地元自治体等の意向も踏まえつつ、現地での開催を検討していく、こういうことに相なろうかと思っております。
○石原(洋)委員 改めてお伺いいたしますが、原子力賠償紛争審査会の役割、意義についてお伺いいたします。
○戸谷政府参考人 御説明申し上げます。
 原子力損害賠償紛争審査会につきましては、原子力損害賠償法第十八条の規定に基づきまして、まず一番目といたしましては、原子力損害の賠償に関する紛争についての和解の仲介、二番目といたしまして、原子力損害の賠償に関する紛争について原子力損害の範囲の判定の指針その他の当該紛争の当事者による自主的な解決に資する一般的な指針の策定、それから三番目といたしまして、当然のことではございますけれども、これらに必要な原子力損害にかかわる調査あるいは評価、そういったものを行うというのがこの紛争審査会の役割、意義でございます。
 このことに基づきまして、原子力損害賠償紛争審査会におきましては、これまで二十七回の審査会を開催いたしまして、累次の指針の取りまとめを行っておるところでございますし、さらには、和解の仲介手続の面につきましては、紛争審査会のもとに原子力損害賠償紛争解決センター、いわゆるADRでございますけれども、そういったものを設置いたしまして、申立人の方々から申し立てを受けまして、和解の仲介等を行うということを行っているということでございます。
○石原(洋)委員 原子力賠償紛争審査会は、もちろん公平公正にということでやっていかなくてはいけないと思うんですけれども、ただ、その意義といいますか、そういうところにおいては、和解の仲介ということがありますし、原子力損害の範囲の判定の指針あるいは当事者同士の自主的な解決に資する一般的な指針を定める、そういうことが掲げられておりまして、原子力の損害の判定をするのに、やはり被害者の話を聞かなくては、どこまで損害が起きているのかということはわからないわけでありますし、和解の仲介を行うということであるならば、やはり被害者、当事者の話を伺うということは至極当然のことだと思いますので、ぜひその点を御考慮いただければと思います。
 昨年に続き、ことしも自主避難をされている方が大勢いらっしゃっております。ことしに関しての賠償の指針というものはないのでしょうか。検討状況についてお伺いいたします。
○戸谷政府参考人 御説明申し上げます。
 原子力損害賠償紛争審査会におきましては、本年三月に中間指針の第二次追補というものを出しまして、今先生御指摘の自主的避難の方々に対する一定の考え方をそこで示させていただいております。
 その考え方につきましては、昨年十二月に冷温停止状態の達成が完了いたしまして、避難指示区域の見直しの考え方が決定される等々の事態の推移がこの間あったということで、第一次追補の当時の考え方とはやはり状況が異なっているということをまず認識いたしまして、前回におきましては、二十三市町村というような区域指定的な考え方でやっておりましたが、今回の考え方におきましては、一律の区域設定ということではなくて、個別の事情あるいは類型ごとに損害の範囲等は判断されるべきものだということで、特にどこの区域だから自主的避難の対象になるということではなくて、それぞれの実情に応じてその損害が賠償されるべきという考え方にしております。
 ただし、お子様あるいは妊婦の方々につきましては、本年一月以降についても、自主的避難の賠償の対象となり得る蓋然性が極めて高いという考え方も同時に示しているところでございまして、私どもといたしましては、このような考え方に沿いまして、東京電力による適切な賠償が今後進むということを今強く要請しているというところでございます。
○石原(洋)委員 研究開発局長にはいろいろと要望を聞いていただいたりもいたしまして、今までもまことにありがたいんですけれども、ただ、今のお話を伺いますと、今回の自主避難、ことしの分に関しては、東電と被害者が個別に直接やってくださいというように私には聞こえたわけであります。
 基本的に、原子力損害賠償紛争審査会というのは、和解の仲介、そしてその当事者の方々の自主的な解決に資する一般的な指針を策定する、それが紛争審査会の目的なわけなんですよね。それを、東電と、自主避難している方というのは個人に近い状態ですから、非常に弱い立場にある方たちなんですけれども、そこに任せていて原子力賠償紛争審査会の役割が果たされているかというと、私はそうではないと思うんですが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
○戸谷政府参考人 先ほども申し上げましたように、確かに、区域割りをしていないということで、その対象者の方々についてなかなかわかりづらいという問題はございますけれども、最前来から申し上げておりますように、子供あるいは妊婦につきましては対象となるという考え方を明確に示しておりまして、このことについて、東電の方で十分御判断いただきたいというふうに思っております。
 それから、さらにつけ加えて申し上げますと、私ども、ADRの方にもそういった申し立てが幾つか今後参りますれば、それに沿いましてまた類型化等の作業はさせていただくことは可能であるというふうに考えております。
○石原(洋)委員 例えば、昨年ですと子供四十万円とか、避難をした場合は子供六十万円というのがあったわけですので、そういう一定の指針を示すだけでも大きく違ってくるところはあると思いますので、そういう点も御考慮いただければと思います。
 昨年の原発事故発生以後に、飯舘村の団体がNPO法人を立ち上げました。そして、いろいろな農産物加工食品などを販売いたしております。放射性物質のことが当然心配で、検査機器を購入しなければなりませんが、しかし、賠償が認められない状況です。昨年の三月十一日以降に立ち上がった組織は認めないとのことであります。
 検査測定機器を別に買いたくて買うわけではございません。放射性物質があるために買わざるを得ないわけであります。文部科学省としては、どのようにお考えでありますでしょうか。
○戸谷政府参考人 御説明を申し上げます。
 昨年八月に、既に中間指針におきまして、農水産物等の出荷制限指示等に基づく検査費用、あるいは、これは風評被害にも関連いたしますけれども、取引先からちゃんと検査をしてほしいという要望があったときに、出荷する側の方であらかじめ検査をしなきゃいけない、そういった検査費用につきましては、必要かつ合理的な範囲のものは賠償すべきものだということで、既に中間指針として定めております。
 ただ、この場合、若干問題といいますか議論になりますのは、検査機器までをみずから購入した方が合理的な検査ができるのか、あるいはほかに頼んだ方が、検査費用という考え方で、その都度のものが合理的なのかというようなことにつきましては、何が本当に合理的なことかということにつきましては、若干、当事者間での議論というものはいろいろあろうかというふうに思います。ただ、それにつきましても、私どもの立場からいたしますれば、できるだけ幅広く、検査費用あるいは検査機器の購入といったものは認められるべきものではないかというふうに考えております。
 それから、あと、先生の御指摘の中で、事故後に設立された法人だからだめだというようなことのお話が今ございましたけれども、私どもの指針の考え方から申し上げますと、いつ設立された法人ということにはかかわらない問題だというふうに考えておりますので、もしそういう実例がございましたら、むしろ個別にでもいろいろまた御指摘いただければ、しかるべく対応させていただきたいというふうに考えております。
○石原(洋)委員 どうしても、個別の事例までいってしまうと、やはり加害者側の方が強いというような状況もありますので、紛争審査会あるいは文部科学省に当たりましては、やはりそういうところを指導していくなり指針に検討していくというようなことを、今後とも御努力をぜひお願いしたいと思います。
 文部科学省がSPEEDIを公表しなかったことを適当としましたけれども、なぜ適当なんでしょうか。
○平野(博)国務大臣 少しこれは誤解を生む言葉になっておりますが、正確に申し上げますと、文科省が、今日までの東日本大震災における省内をしっかり検証しよう、こういう流れの中にありまして、先般、七月の二十七日に、昨年十月から省内検証しておったものを、課題を整理して公表した。こういう中に、適当である、こういう言葉が出たということでありますが、その意味合いは、少し誤解を生んでおりますので、少し整理をしたいと思います。
 文科省の検証の報告書において、原子力発電所からの放出源情報が得られていない状況において単位量放出やいろいろな仮定に基づいて行われたSPEEDIの計算は、どのような仮定を設定するかが適当なのか判断する材料がない中での仮定に基づく計算であり、その結果は現実をシミュレーションしたものとは言いがたい、こういうことで、当時の文部科学省関係者の認識は、当時の状況の中では、そういうことは言いがたいということでありましたので、適当であったと考えられている、この言葉の適当でございます。
 これは、SPEEDIの計算結果の住民の皆さんへの公表への対応について適当としたものではない、こういうふうに御理解をいただきたい。でなければ、先生御指摘のように誤解を生む、こういうことでございます。
 また、報告書におきましては、放出源情報が得られない中で、文部科学省が、原子力安全技術センターに緊急モードへの切りかえや単位量放出を仮定した計算の実施及び関係機関への配信を指示するとともに、原子力災害対策本部事務局等へのSPEEDI操作員の派遣を指示したことは、防災計画や関係マニュアルに沿って行動してきたことでございます。
 ただし、政府の事故調中間報告では、SPEEDIシステムを活用した国民への情報提供は、現地対策本部または保安院が行うよう定められていたと言えるとされていますが、事故発生直後にSPEEDIの計算結果を扱える立場にある文科省が、そういうことの計算結果の適切な公表を行う、こういうことへの注意喚起など関係機関に何らかの助言を行う、こういうことをもっと前向きに検討すべきだったというふうにも考えておるところでございまして、文科省としても、反省すべきところはしっかり反省して今後に生かしてまいりたい、かように思っていますので、適当であった、この言葉だけではなくて、そういう経過の中での言葉であるということを御理解いただきたいと思います。
○石原(洋)委員 避難指示が二十キロメートルだけだったんですけれども、この二十キロメートルというのがそもそも適当ではないんですが、米軍は八十キロでしたので、せめて五十キロメートルぐらいにしておくべきだったんですが、二十キロメートルということで三十五キロメートル地点に避難をされていた方がいた。
 後から、SPEEDIを公表しなかったのはパニックを恐れてということを聞いたときに、政府はその後一カ月おくれで、その三十五キロ地点も含んで、四十キロ以上のところまで計画的避難区域と設定をされたわけであります。ですので、SPEEDIをパニックを恐れて公表しなかったということは、避難をしていく人を見捨てたんじゃないか、そういうふうにしかとれないわけであります。
 だから、よくよく、その適切という言葉は、やはり基本的には私は適切ではないと思いますので、言葉に関しても十分注意をしていただければと思いますし、浪江町の馬場町長がぜひ文科省に説明に来てもらいたいということを言っているそうなんですが、先日、新聞報道ではまだ来ていないという話もあったので、被災地の自治体の方にはぜひ御説明に行っていただきますようお願いをいたします。
 また、除染費用に関してお伺いをいたします。
 政府は、除染に大胆な予算を組んでいただいております。しかしながら、個人や企業が行った自主的な除染費用について支援がなされておりません。個人が行った除染について認めるべきであると考えます。紛争審査会の議論の経過、政府の対応についてお伺いいたします。
○戸谷政府参考人 先生御指摘の除染費用でございますけれども、これにつきましては、本年三月に紛争審査会が定めました中間指針第二次追補におきまして、除染に関する、特別措置法に基づく措置に要する経費のみならず、必要かつ合理的な範囲の除染などを行うことに伴って必然的に生じる追加的費用は、原子力損害として賠償すべき損害であるということが明示されているところでございます。
○柳澤副大臣 石原委員には、私、去年の九月から原子力災害の現地本部長として務めさせていただいて、大変御協力いただいていますことに感謝をまず申し上げたいと思います。
 今の件ですが、今文科省の方からありましたように、中間指針においては、必要かつ合理的な範囲の追加的費用は賠償の対象となると明記をされております。そういう意味におきましては、個人や企業が行った除染についても、中間指針の趣旨に該当するものについては東京電力が賠償すべきだと考えております。
 しかし、除染の方法や費用、またその効果についてさまざまなものがございまして、それについては一つ一つ精査をしなければいけないというふうに考えております。
 ただ、どちらにしましても、経済産業省としては、東京電力に真摯かつ丁寧に賠償を行うように指導をしていきたいと考えております。
○石原(洋)委員 私がちょっと伺った話では、例えば庭の手入れをして、刈り払って、砂を入れかえて砂利を敷いた、数値をはかったら実際に落ちたそうなんですけれども、それで、その費用を東電に請求したら認められませんというようなことがありましたので、そういうところに関して、やはり個人もしたくて除染をするわけではないので、その点、ぜひ政府の指導をよろしくお願いいたします。
 また、モニタリングポストを多く設置してもらいたいという要望がありますが、お伺いいたします。
○土屋政府参考人 御説明いたします。
 モニタリングポストの増設についてのお尋ねでございますが、文部科学省におきましては、昨年の数回にわたる補正予算などを活用しまして、福島県初め、モニタリングポストの拡充に努めてきてございます。
 具体的には、学校等におけるリアルタイム線量計、これを二千七百台設置してございます。また、福島県内の全五十九市町村に対する可搬型モニタリングポスト五百四十五台、あるいは、全国四十七都道府県におきまして計二百五十基の固定モニタリングポストを増設する、このうち福島県分は十一基でございます。また、原子力施設立地県、隣接県における約二百基の固定型モニタリングポストの増設のうち、福島県につきましては十三基というようなことで、予算的な措置を行い、整備を行ってきてございます。
 このうち、既にリアルタイム線量計等については測定開始し、その結果を公表しておるということで、モニタリングの体制の充実強化に努めておるところでございます。よろしくお願いいたします。
○石原(洋)委員 どうも大変ありがとうございました。
○石毛委員長 次に、池坊保子委員。
○池坊委員 公明党の池坊保子でございます。
 審議に入ります前に、朝、冒頭に高野さんが、聖徳太子の十七条憲法のお話をなさいました。
 私の家は、私は住職の妻でございまして、我がお寺は聖徳太子がお建てになったお寺でございますので、紫雲山頂法寺六角堂と申しますが、和をもってたっとしは家訓でございます。
 その割には私は和よりも戦闘的だと家族たちに言われておりますが、でも孫娘は、ちょっと家訓に近づいておりますのか、政治に深い関心がございまして、よく新聞を見ますと彼女が怒りますのは、政治家というのはみんなの模範とならなければいけないのに、マスコミを初めとして政治家はすぐ足を引っ張る、足を引っ張ったのでは建設的なことは何もできないのだ、もっとみんなが何で協力をしないのか、だめだと言って怒っておりますことを、高野さんのお話を伺いながら思い起こしました。
 これから、和をもってたっとし、この精神で、政治家も協力し合いながら、建設的な、いい政策を打ち出していかなければいけないと思います。
 私は、きょうはオリンピックの話をしようと思ったんですけれども、後でいたしますけれども、選手である馳さんがたくさんお話しなさいました。実は、私は一国民として、スポーツに余り理解を示していない、そしてスポーツに対して専門的な知識のない人間の視点からの話を後でいろいろと質問させていただきたいと思います。
 その前に、ちょっと私、大臣にお話ししたいのは、夜間中学の現状と課題について伺いたいと思うのです。
 今月の三日、衆議院第二議員会館で、全国夜間中学校研究会による院内集会が開催されました。公立夜間中学校の増設を初め、義務教育等の学習機会の充実を求め、夜間中学に通う生徒、卒業生、教員、市民の代表、学識経験者百七十一名が全国からお集まりになりました。私は、その会合の代表呼びかけ人として、まとめ役をさせていただきました。国会議員も、超党派で五十九名の方が出席されたんですね。
 今や、夜間中学の現状というのは、余り文部科学省の方も御認識がないのではないかと思っております。
 言うまでもなく、日本は高学歴社会です。高校進学率九八・二%、大学、短大への進学率も五六%、高校の進学率はアメリカ、フランス、イギリス、ドイツよりも高いと言われております。
 ところが、これが大学になりますと、OECDの純進学率、五四%が平均ですが、日本は四一%と下回るんですよね。これも私は、不思議だな、もうちょっと大学に行っている人が日本の場合多いのではないかと思って、いつもこれに意外性を感じるんですが、その高学歴の中にありながら、我が国では国民の一%、百数十万の義務教育未修了者がいる、つまり中学校を卒業していない人がいるというふうに言われているんです。
 私も、初めてそこに出席いたしまして、現状を把握し、これはどうにかしなければいけないんじゃないかと純粋に思いました。
 中国や韓国などの在日外国人、またブラジルやペルーなどの日系外国人が、今、夜間中学に通っているケースがふえております。日本には、日本人の男性と結婚した外国人の奥さんなど、二百二十万人が住んでいるんですね。やはり読み書きができないと、日常生活に大きな支障を来しております。
 このごろは、引きこもり、不登校などで中学校を卒業していない、できない子供たちがおりますし、大学に入りますときには、高校に行かなくても試験を受ければ大学に進むことができますけれども、十五歳を過ぎた場合、中学を卒業していないと高校に入ることができません。
 現行の法制度では、夜間中学の生徒は就学援助制度の対象外となっております。学校教育法の第十九条で、学齢児童生徒の保護者が支給対象となっているんですね。一方で、公立夜間中学には、入学資格を定めた法令などがないために、自治体が小中学校を設置することになっておりますけれども、義務教育を履修していない人、学齢超過者であること、居住地の条件等を実質的な入学要件としているのが現状なんです。
 夜間中学というのは絶対に必要であるというふうに私は思っておりますけれども、二〇〇〇年十月末に実施された国勢調査によると、学校に行ったことがない、小学校を途中でやめたと答えた人、いわゆる未就学者は全国に十五万八千八百九十一人いるんですね。大阪市に事務局がある全国夜間中学校研究会の推定によると、義務教育未修了者、つまり中学校を卒業していない人は百数十万人もいると言われております。
 このことに関しまして、大臣は現状を把握していらっしゃるかをちょっと伺いたいと存じます。
○平野(博)国務大臣 公立夜間中学校ということに関しての池坊先生の御質問でございますが、先生は一生懸命、この代表呼びかけ人になられて、このことの充実に向けて取り組んでこられている、このことについては承知しておりまして、心から敬意を表したいと思っております。
 加えて、その前に、六角堂は非常にすばらしいお寺さんであるということも承知をいたしてございます。
 また、そういう中で、これは設立の趣旨というのはもう先生がるる御説明されましたが、戦後の混乱期の中での生活困窮とかいろいろな要因で中学に行けなかった方について、よく、マスメディアで時々取り上げられますが、九十歳にして中学校を卒業しましたとか、こういうニュースになる、この事案だと私は思っております。
 しかし、今の現実で、昭和三十年ぐらいには八十校ぐらいございましたけれども、だんだんと少なくなって、今現在で三十五、六校だと承知しています。
 しかし、ニーズとしては確実にまだあるわけでございますし、加えて、外国人の方が日本語を学ぶための、外国人の人もふえてきている、あるいは不登校になっている方がそこで学んでいる等々、ニーズがあると思っておりますので、先生、代表世話人でやっていただいておりますけれども、私は、着実に充実をしていかなきゃならない、こういうふうに思っておりますので、文科省としても支援をしてまいりたい、かように考えています。
○池坊委員 大変理解ある、前向きな御答弁をいただきまして、私も心強い思いがしております。
 実は、おっしゃいますように、八都府県に三十五校ございます。ですけれども、まだ三十九道県にはないというのが現状でございます。関東ですと、東京には八校ございますから、まだアクセスもよくて、行くことができる。でも、北海道、東北、北陸、中部、九州地方に至ってはゼロであって、一校も設置されていないんですね。だから、九州の方が、あるいは北海道の方が学びたいと思ったら、わざわざどこかまで、東北にもないんですから、これは東京に出てこなければいけないということで、現実には無理なんです。
 私は、ぜひ三十九道県にも公立夜間中学を設置していただきたい、全ての都道府県に、やはり公立の夜間中学があるべきではないかというふうに考えております。
 そして、続けて、やはり未就学者、義務教育をまだ受けたことのない、修了していない人の教育を受ける権利の保障、向上を図る必要があるのではないかと私は思います。
 公立夜間中学の教育条件の向上、自主夜間中学の公立化など、必要な法制上の措置並びに予算上の措置をぜひ講じていただきたい。来年度は、もちろん文部科学省の予算、大変緊迫しておりますことは私も重々わかっておりますが、それでもやはり、夜間中学、これは義務教育の範疇だと思いますので、そしてそんなにお金も莫大にかかるものではないと思いますので、ぜひこれは予算措置をしていただきたいと思いますが、大臣、いかがでございますか。
○平野(博)国務大臣 先生御指摘のように、まだ設置されていない都道府県が結構ある、こういうことでございます。
 一番住民に近いところにあるべきだ、こういうことでもございますし、市町村の教育委員会、それぞれ地域の事情を勘案して、先生御指摘のように、そういうことの充実には努めてまいりたいと思います。
 また、なお、今行っておられる方々の年齢構成を見ましても、かなり、六十を超えた方が多いとか、そういうことでもありますから、遠くへ通えとか、そんなことはなかなかかなわぬ事情もあると思いますので、そんなことも含めて、私は前向きに検討をしていかなきゃならない、こういうふうに思っております。
○池坊委員 大変うれしく思います。大臣は、細やかな、弱い人、それから日の当たらない人たちにも光を当てるようにという施策をしていらっしゃるというふうに伺いました。五十になっても六十になっても、高齢社会の中にあって、やはり勉強したい、本を読みたい、その欲求、年とともにそういうものは強くなっていくと思いますので、ぜひこれは大臣、副大臣、政務官、予算措置をお願いしたいと思います。
 それでは、オリンピックの話に移りたいと思います。
 国会開催中はオリンピックに行くなと言われておりましたが、私は、その批判も物ともせず、オリンピックに行ってまいりました。
 というのは、私は、十五年間、文部科学一筋でやってまいりまして、現実にマルチサポートセンターはどのような機能を果たしているのか、本当に国民の視点で、あれは人件費を入れなくても五億円ほどの設置費がかかっている、設備管理費がある。そうすると、国民から見れば、オリンピックはたったの二週間ぐらいじゃないか、そんなのはもったいないじゃないかという声もあります。でも、本当にそうなのか、これがどういうふうに必要なのか、あるいは選手村というのは一体どういうふうになっているのか、現実に見なければ私は言えないのではないかと思いました。
 私は、どちらかといいますとスポーツには理解がございません方でして、平成八年に私が政治家になりましたときに、多分、文化庁の予算は七百五十億でした。スポーツ局の予算は百七億でした。私は、文化庁の予算が少ないということにびっくりし、また同時に、スポーツに対しては文部科学行政は本当に手薄なんだな、これは本当の意味で日本というのは豊かとは言えないんじゃないか、貧困なんだと思いまして、平成十三年に文化芸術振興基本法をつくりました。それで、今や予算は、財務省とけんかをしながらとり合ってまいりまして、一千億以上、一千百億ほどにしてまいりました。
 文化に対しては、私も日本の伝統文化の一つである生け花と向かい合っておりましたので、文化芸術がどれだけ心を豊かにし、そしてそれは日本の活力にもなるんだ、国策でなければならないという強い信念を持って向かってまいりました。
 でも片方で、私は運動神経が鈍くて、水泳もできないし自転車も乗れない人間なので、スポーツに目を向けるということがなかったんですね。
 それで、ふと目を向けましたときに、私は、スポーツも大変に子供たちに大きな生きる力を与える、例えばいじめ問題でも、スポーツに熱中していてどこかでストレスを発散していたら、人間同士の何か陰湿ないじめというのも解消されたのではないか。それから、高齢社会の中にあって、やはりきっちり体を動かせるとか、健康で生きていくような社会を実現させていかなければならないときに、スポーツというのは、ただ体を動かすというのではなくて、これも文化の一つなんだというふうに目覚めまして、オリンピックに行って、そしてマルチサポートセンターも見まして、本当に大切さということがわかった、スポーツが持つ力というのをもう一度発揮させなければいけないなと思った次第です。
 日本がオリンピックに参加してから百年、昨年八月に施行されたスポーツ基本法、ことし三月に発表されたスポーツ基本計画など、本当に日本のスポーツ界が新たなステージに踏み出した節目となることしであったのではないかと私は思います。
 昔のように、もう根性だけでやっていける時代ではありません。科学的リサーチ、つまり調査や研究などの結果が結実していくのが、今や、オリンピックだけでなくてスポーツなのではないかと思います。
 私は、ナショナルトレーニングセンターが完成いたしましたときも何度も何度も視察にも参りました。本格運用されてから迎えた初の、北京大会は完成直後でございましたからまだ稼働していなかったと思うんですね、このナショナルトレーニングセンターができて、その効用が初めて出たのがこのオリンピックではなかったかと思います。
 それに対してどんなふうに効果があったのかということをお聞かせいただきたいのとともに、国立スポーツ科学センターというのは、史上最多のメダル獲得数にどのように貢献したかというようなこともあわせて、その功績というとおかしいですが、大臣の方から、あるいは副大臣の方からお聞かせをいただきたいと思います。
○平野(博)国務大臣 先ほど馳議員の方から、奥村副大臣がもう全てを答弁いたしておりますので、今度は私がかわりまして、私の方はまだ少し残っておりますから、私の方から答弁をしたいと思います。
 特に、池坊先生御指摘のNTCの設置が平成二十年からでございまして、四年間かけてアスリートの育成、強化が図られたということを前提に臨んだロンドン大会でございました。
 そういう中にありまして、今回の成果というものはどうなのか、こういうことですが、一つは、根性だけではだめだよ、科学的知見も含めてトータルとして能力を高めるんだ、こういう考え方もあります。しかし、根性がなきゃだめだとは私は思いますが、根性にプラスそういうものが相まってすばらしい結果が生み出されると思っています。
 特に私自身、まだ、詳細な分析、検証はしっかりしてもらわなきゃだめだと思っています、次に向けてのことがありますから。しかし、私の認識、理解では、やはりいっときの姿じゃなくて、長期間その場所でトレーニングをしてきた、集中的にできた、あるいは継続的にトレーニングできた、それはNTCの施設があったからだ、こういうふうに思っておりまして、その結果として、三十八個のメダル、さらには入賞者数が過去最大になった、こういうふうに効果を私自身感じているところでございます。
○奥村副大臣 委員におかれましては、ロンドンのマルチサポートセンターを訪問いただいて、激励をいただいたように聞き及んでおります。
 先生も御存じのとおり、二階に道場がありまして、柔道あるいはレスリングのマットが敷いてあったと思いますが、私がたまたま行ったときに、吉田沙保里選手がおりまして、本当にありがとうございます、皆さんのおかげで、このようなすばらしいところで大会中に練習ができるということは喜びです、しっかり頑張ります、こんなコメントをくれました。
 そしてまた、その下へ行きましたら、御承知のとおり、炭酸のお風呂ですね。ああしたこともしっかりとみんなサポートしておりましたし、私が一番感心したのは、畳を二畳ほど並べて、みんなが、選手がそこでくつろぐというんですか、いろいろなことを自分が思いにふけるというのか何か、そこでやっていることを見まして、ああ、これはいいことだなというような思いもしました。
 それと、一番私が感心したのは、経費はかかったかもわかりませんが、やはり日本食を、あれだけいろいろとメニューをつくっていただいて、選手たちが自分の食べたいものをメニューを選んでやっていましたが、それも非常によかったと思います。
 ただ、選手村へ私も寄せてもらったんですが、選手村の日本食はとても食えるものじゃなかったわけであります。おすしということですから、すしをいただいたんですが、御飯はかたいかたいし、具は乗っていないというようなおすしだったんですけれども、あれを見ると、それはやはり、マルチサポートセンターで、選手たちがああして頑張ってくれるのをバックアップしたということは非常によかったなというように思っております。
 NTCの話は、今大臣からお答えになられましたように、ああして集団合宿をしたり、選手がみずからにチャレンジをする場所をああして提供しながら四年、本当に、先生も中心に一生懸命お取り組みいただいてきたおかげだと思っておりますし、それをやはり継続的にしっかりこれからもやっていかなければならないと思いますので、今後もよろしくお願いをいたしたいと思います。
○池坊委員 私も、奥村副大臣と本当に同じ思いを持ちました。
 私は、先ほど申し上げましたように、スポーツに余り理解がない人間なので、マルチサポートセンターなんてもったいないのじゃないかと思ったんですね。
 ところが、選手村に参りましたら、これが実に広々と整然としていて、ああ、こういうところで選手たちが二、三週間過ごせるならいいな、そして、その中には日本人向きの医療もございました、診療所もございましたし、安心いたしましたけれども、実は、食事をしに参りまして、日本食というのがないんですよね。
 日本食と言えるのは、それこそ、あれはおすしとは言えないような代物が出てまいりまして、日本人というのは、よく、プロの選手でもお米を持って、炊飯器を持って世界を回る、つまり、お米を食べなきゃ元気にならないという選手もいると聞いておりますけれども、いや、こんなものを食べていて勝てるのかしらんと。
 でも、考えてみましたら、選手村というのは、特に、食堂なんかは日本が運営しているわけではございませんから、世界で運営するのだからしようがないんだなと半ば諦めて帰ってまいりまして、そのマルチサポートセンターに参りましたら、実にきめ細やかな献立がありました。
 こういう食生活というのは、私は、選手にとっては命みたいなものだと思うんですよね。ですから、こういうのがあればこそ勝てたんだなという思いを持ちましたことと、選手村が、整然としてはおりましても二人部屋ですよね。
 今の子供たちというのは、やはり、長時間二人でいるというのは苦痛ではないかと思います。そういうときに、マルチサポートセンターでは一人になれる場がある。インターネットもできる。それで、一人になって何かじっと考えたりすることによって、自分の気持ちもおさまって、また活力を生み出すことができるんじゃないか。
 それで、いろいろな機器もございまして、今おっしゃいましたようなお風呂なんかもございましたし、私がいたしましたのは、唾液による疲労状態、免疫機能をチェックするというのに、SIgA測定チップアンド測定器というので測定しました。本当はすごく疲労状態が濃いのではないかと思いましたら、何にも疲労していないと言われて、むしろがっくりきたぐらいでございましたけれども。それだとか、呼吸器のコンディションをチェックする。これも、私は、呼吸器というのは大変に必要、基本なんじゃないかと思いまして、そういうものがたくさんございましたときに、ああ、これは本当にきめ細やかな選手の管理が行われているのだなということに対して何か安心感を持ちまして、こういうことが必要なんじゃないか。
 これは、あの施設をこのまま日本に持ってきてまた再稼働をするのか、あるいは、今おっしゃったような、今後はどうしていくのかということも心配になりましたが、それについての将来的な見通しというのもお持ちなのかも伺いたいと存じます。
○奥村副大臣 先ほどの馳委員のときの答弁でも、河野さんも申しておりましたし、私も申し上げたんですが、確かに今御指摘いただいたような施設というのは大事になってきます。
 これから、やはりNTCのところなんかと科学センターなんかにああいうものをしっかりまた設置していただいて、今後、選手の健康管理、あるいはまた体力だとか、いろいろなもののそういう検査も、今の時代ですから、ああいう分析をしながらやっていかなければならないところがございますので、しっかりカバーしていけるように努力をしていきたいというように思っています。
○池坊委員 先ほど奥村副大臣から、レスリングの吉田選手のお話が出ましたね。彼女は、世界の大会では全て、十二回優勝をしているんです。こういうような選手というのはいないと思うんですね。私は、ぜひ国民栄誉賞を上げていただきたい。
 つまり、オリンピック選手というのは、それによってお金が得られるわけでなく、どちらかというと、十年たったらもう忘れられちゃう、時々、オリンピックのたびに思い出されるぐらいであって、何というんでしょうか、苦労している割には日の目を見る機会が少ないのではないか。
 私は、ぜひ国民栄誉賞というのを上げていただきたいというふうに大臣にお願いしたいのですけれども、いかがでしょうか。
○平野(博)国務大臣 吉田選手の国民栄誉賞等々含めて、特にこの吉田選手、伊調選手については、オリンピック競技大会で三連覇という、これは日本女子史上初の快挙である、こういう認識は持っておりますし、大変な偉業であると考えてございます。
 国民栄誉賞につきましては、これは、私自身が判断するということよりも、内閣総理大臣が御判断されることでありますが、文科省として、八月の二十日に、三連覇という偉業をたたえて、吉田選手と伊調選手に対しては大臣特別表彰を行ってきたところでございます。ただ、池坊先生からそういう温かいお言葉があるということは、官邸の方にも伝えたい。
 ただ、三連覇した選手は過去におられまして、その方についてはまだ出していないという事実もございます。しかし、女性初、こういうところを含めて、一度官邸の方に申し上げてみたい、かように思っております。
○池坊委員 私は、オリンピックに参りますまでは、東京のオリンピック招致にも割と消極的でございまして、お金がかかるんじゃないかとか、その後はどうなっちゃうのかとか、有効に使えるのかしらんとか、いろいろ疑問符を持っておりましたが、この間、銀座で五十万人の人がみんな寄って集まったということは、それだけ、先ほども申し上げましたように、スポーツに対する共感、生きる力、活力を自分にかわって彼らたちが持ってきてくれたということへの喜びだったんだなと思いますときに、これはぜひ東京にも招致したいなというふうに思いました。
 と同時に、私は、会場を見て回って、これは、次の、もし東京に呼ぶならば、こういうところは改めてほしいとか、こういうところはいけないんじゃないかというようなことが必要なのではないかというふうに思ったんですね。
 その中で、よくわかりましたことは、いかに観客に優しい施設であるかを考えていくべきだなというふうに思いました。
 例えば、サッカーが開催されましたウェンブリー・スタジアムは、駐車場から観客席までの動線がすぐれておりまして、競技に集中して精いっぱい応援することができるだけでなくて、体の不自由な方々も行くことができる。
 ところが、陸上競技などが開催されましたメーンスタジアムは、大臣も副大臣もいらっしゃったと思いますが、駐車場、最寄り駅からの移動距離が非常に長く、また、スタジアム自体のつくりもわかりにくくて、競技会場に着くまでに非常に疲れてしまいました。私は、めいとその子供も、やはり小さいときからオリンピックみたいなすごい競技を見ることはいいことなんじゃないかと思いまして、連れてまいりましたら、駅から子供の足でしたら一時間です。普通の子供でも四十分ぐらいかかる。階段も多いし、車をおりてからも階段だらけで、あれはバリアフリーとはとても言いがたいんじゃないかというふうに思いました。
 やはり今度東京でつくるならば、今度代々木に新しい競技場をつくろうといたしているようでございますが、そういうことも含めて、私は、小さいお子様がオリンピックにいらっしゃることは少なくても、それこそ人生最後の思い出にオリンピックを見たいとお思いになる方もいらっしゃる、そういう方々にも、車椅子でも行けるような、そういう配慮も必要だと思います。
 ですから、私は、もちろんオリンピックの誘致が決まってからだとお思いなのかもしれませんけれども、今度建てますその代々木の建物に関しましても、競技場に関しましても、総合的なそういう配慮が必要ではないかと思いますけれども、そのようなことに関してはどのようにお考えか、伺いたいと思います。
○奥村副大臣 確かに、私もメーンのスタジアムのところへ行きましたが、大臣も行かれたようでございますが、あの場内、本当に歩くのに大変でございました。そして、先生は行かれたかどうかわかりませんが、水泳会場は急な階段がありまして、あそこは、それはもう車椅子どころか健常者でもなかなか、ふうふう言いながら上がっていかなければならないような状況でした。
 サッカー場は私は時間的には訪れることができなかったんですが、やはり、今おっしゃるようなバリアフリーだとか、誰しもがそうした親しみの持てるスタジアムにしていかなければなりませんし、そして、もしも、二〇二〇年、成功したとして、東京オリンピックが終わった後も、本当にスタジアムの周辺をみんなが利用し、そしてまた、先ほどの答弁のように、文化的な施設もそこに織り入れていこうというのは安藤忠雄先生を中心に今考えてもらっておりますので、また、今御指摘をいただいたようなこともトータル的に考えていかなければならないというように思っているところでございます。
 やはり、皆さんが有効に使っていただける環境をしっかり整えていかなければならないというように思っているところでございますので、また御指導をよろしくお願いいたします。
○池坊委員 私、東京、日本でやりますからには、日本でしかできない、それから、日本でやって、また違ったところを、改革ですね、オリンピック改革をたくさんしたらいいのではないか。そういう提案も、私は、ただ建物がある、アクセスがいい、国民的歓喜があるということだけでなくて、内容的にもこれだけのことを考えているということを示す必要は、国際社会の中で必要なのではないかというふうに思っております。
 私、初めて観戦いたしましてびっくりいたしましたのは、陸上競技なんですね。目の前でボルトが百メートルで走っている。もうあんなのはあっという間なんですよね。私なんかはよくわからないから、孫息子に、優勝者は誰と言ったら、何を言っているんだよ、ボルトだよ、ああ、あの走った人がそうなのと。そうかと思いますと、真ん中では砲丸投げをやっているんですね。室伏さんのを見たいと思ったって、すごい向こうで見えない。あるいは、こっちの陸上を見ていると砲丸投げはわからない、向こうでやっている駆けっこはわからない、何か陸上だったらみんな一緒、そういうのをやっている。
 私、集中して見ることができないというのはやはりどうなのかなと思いまして、あれは全てが、今陸上というのはそういうものなのかもしれませんけれども、そういう内容も、ソフトの面でも、これで本当にいいのか、慣例だからこうなんだよというのではなくて、そういう内容も考えたものにしていく必要があるというふうに思いました。
 それと同時に、閉会式。先ほど開会式の話が出ておりましたけれども、閉会式に出たいという選手もいるんですね。自分は閉会式に出たかったんだけれども、あれは割と強制的に帰すのが多いらしいんですね。特に、メダルをとった人たちは、マスコミが早くインタビューをしたい、あるいは国民に早く知らせたいということもありまして、閉会式には出席できない、それがとても残念だという話を私聞きました。
 やはり、開会式と閉会式というのは、選手にとって、競技だけがあったらいいというのではなくて、私は、一つの、一連の行事なのではないかと思います。それ自体がオリンピックだというふうに思っておりますので、それに対してのきっちりとした監督、コーチの指導が私は必要ではないかと思いますので、文部科学省はそれに関してもきっちりとした指導をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○平野(博)国務大臣 もう先生おっしゃるとおりだと思います。
 やはり、入り口と出口、しっかりと、これだけ戦ったんだということで、世界の国々の選手と最後にきずなを深めて帰っていく、こういうことが大事だと思っていますから、そういうふうになるように、文科省としても御要請をしていきたいと思います。
 いろいろな要因があると思っていますから、一概にこうすべきということは言えませんが、基本的な考え方は、先生御指摘のとおりだと思っております。
○池坊委員 例えば、細かいことで、本当かどうか、これはただしてみると言ったのですが、イギリス人に言われましたのは、なでしこジャパンの女子はエコノミーで行った、それで、帰りはビジネスだった、それは銀メダルをとったからだ。エコノミーが悪いということではないんですが、男子サッカーはビジネスで来たんだ、これは本当か、日本というのは男の人がやはり威張っていて、女がそういうふうに粗末に扱われているのかと、ちょっと侮蔑のまなざしで言われまして、いや、それは違って、男性の方が体が大きいからそうなったのかと私はちょっと弁解を、やはり国のことを批判されますと私もちょっと同調しがたいので、そういうふうに言ったのです。
 人数が多いですから、全部をビジネスにするなんてことはできませんから、エコノミーであったってしようがないと思うんですが、監督とかコーチはビジネスなんですね。監督、コーチは一人の部屋である。やはり、私は、それはどうなのかな、せめて若いコーチは、選手とともに歩む、ともに行動するということであってほしいと思うんですね。
 聞きましたところ、選手村も、選手は当然のごとくお酒は飲めないんですが、コーチは平気で飲んでいるようで、こういうことも、私、日本の監督、コーチというのは割と甘いと思うんですね。ほかの国に比べましたら、何か監督、コーチは別格になっているというのを非常に残念に思いました。
 これは、抜本的に内容もしっかりと見きわめて考える必要があるかと思いますので、その辺の指導監督というのは、私どもは補助金も出していることですから、しっかりと明確に方針というのを出していただけたらと思いますので、最後になりますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○平野(博)国務大臣 決して、男女不平等にしているわけではありません。文科省としては、男性についても女性についてもエコノミーの金額でしか支援をしておりません。ただ、それぞれ競技団体の今日までの歴史であるとか、人気があるとか、ドネーションの集まり方とか、こういうことでやっておることでありまして、文科省自身が、男性にはビジネス、女性にはエコノミー、こんなことはしておりません。両方ともエコノミーのタイプで御支援を申し上げているところでございます。
○池坊委員 わかりました。
 コーチは何かお酒は飲んではいけないと言われているようですから、飲んでいたのはきっとこっそり飲んでいたのだとは思いますが、これからスポーツがさらなる多くの人々に、国民に支持されますことを願って、私、これからスポーツ大好き人間になることを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○石毛委員長 次に、宮本岳志委員。
○宮本委員 日本共産党の宮本岳志です。
 昨年十月、大津市立中学校に通っていた中学二年生の生徒が自殺をいたしました。その後、自殺の背景に深刻ないじめがあったことが明らかになりました。御遺族の悲しみの深さははかり知れません。改めて、亡くなられたこの御子息と御遺族の皆様に心からの哀悼の意を表したいと思います。
 今回の一連の出来事に、多くの国民が十三歳のとうとい命が失われたことを悲しみ、学校や教育委員会の対応に少なくない不満や批判を抱いている、これは当然のことだと思うんです。学校はいじめをいじめと把握していなかった。生徒の自殺後の全校生徒アンケートで、お金をとられていた、自殺の練習などの記述があったにもかかわらず、教育委員会は、いじめはあったが自殺との因果関係は不明などとして調査を打ち切ってしまいました。警察も、三度の父親の訴えをまともに扱いませんでした。いずれも、弁明できるものではありません。
 学校や教育行政は子供のために存在するものであり、そこでは子供の命が一番のはずです。その場でいじめが見抜けなかったことは重大な問題であり、国民の、学校や教育委員会への対応に対する批判は当然だと言わなければなりません。
 私は、八月三日の青少年問題特別委員会の質疑でも、二〇〇六年十月十一日に起こった福岡県の中学二年生、森啓祐君のいじめ自殺事件を取り上げて、なぜ同じような事件が繰り返されるのか、その原因について質問をいたしました。今回改めて、啓祐君の親御さんがお書きになった、「啓祐、君を忘れない いじめ自殺の根絶を求めて」を読み返してみて、いじめをいじめとして認識できない学校、それから、生徒へのアンケート結果を見せない、隠蔽しようとするその体質、このときと本当にうり二つなんですよ。
 御両親はこの本の後書きで、このような悲劇を二度と起こしてはいけない、今生きている子供たちを加害者、被害者にしてはいけないと心から思うからですと述べられております。しかし、その御両親の思いは裏切られました。再び被害者と加害者を生み出してしまったわけです。しかも、ほとんど同じ構図で再び生み出してしまった。
 大臣、これを一体どうお受けとめになるか、まず大臣の御所見をお伺いいたします。
○平野(博)国務大臣 きょうの御議論、さらには青少年特での御議論で、特にいじめが繰り返されている、こういうことでございます。
 今議員御指摘のように、子供がみずからの命を絶つという、このことはやはりあってはならない、私はそういうふうに思っておりますし、その背景をしっかりとつかむ、そのことによって二度といじめ自殺にならないように、いじめを繰り返さないように、こういうことが大事であります。しかしながら、今回、今御指摘の大津の案件については極めて私は遺憾であり、重く受けとめております。
 その上で、文科省としては、平成十八年にも、いじめが背景にある自殺が相次いだということも事実でございますし、そのときに、いじめ問題への取り組みを徹底するということで通知を出したことも事実でございまして、特に、学級担任等の特定の教員がこの問題を抱えるということではなくて、その兆候があれば、学校全体並びに教育委員会、地域含めてそれに向けて解決するという姿勢が大事であろうというふうに思っております。
 また、速やかに、いじめを掌握した場合には保護者並びに教育委員会に報告をし、適切に連携を図る。なぜか知りませんが、みずからそういう連携を図ろうとすると、おまえ、それで対処できないのかみたいな評価につながるような風潮があるようにも聞きますから、これは違うんだ、要は解決することの方が大事なんだ、こういう視点で連携を図ってもらいたい、こういうふうに思っていることであります。
 委員御指摘の、少なくとも隠蔽をするということはあってはならないというふうに思っています。今回、この問題を私は一つの重大な問題として、文科省、私の直轄のもとに対策室を設置し、午前中の御議論もいただきましたが、絵に描いた餅にならないようにこの問題については対処したい、このように思っております。
○宮本委員 先ほど指摘をした福岡の森啓祐君の事件、同時期に大問題となりました北海道滝川市の小学生いじめ自殺事件、これを受けて、十月の三十日に、二〇〇六年ですけれども、我が党の志位委員長が、これらの事件を踏まえて国会質問を行いました。その当時、安倍晋三首相の答弁は、今後、規範意識をしっかり身につけさせるというものでありました。それに対して、志位委員長は、「いじめがどうして起こるか、それは道徳心の問題などだけで説明がつく問題ではない」と指摘をしたわけであります。ここが非常に大事な点だと私は思うんですね。
 それで、今回の事件が起こった大津市の当該中学校は、平成二十一年度、二十二年度と、文部科学省の道徳教育実践研究事業の指定校であったと聞いておりますが、文部科学省、間違いないですね。
○布村政府参考人 お答えいたします。
 今回の該当する中学校は、滋賀県の教育委員会の推薦を受けまして、平成二十一年度、二十二年度の二年間、文部科学省の道徳教育実践研究事業の推進校の指定を受けていたことは事実でございます。
 その研究テーマにつきましては、「自ら光り輝く生徒を求めて 心に響く道徳教育の実践」というテーマを掲げておられました。
○宮本委員 当該中学校は、昨年の三月末まで文科省の道徳教育実践研究事業の指定校でありました。滋賀県で六つの学校が指定されておりましたが、中学校はこの学校だけ。滋賀県で最も文科省流の道徳教育に力を入れてきた、いわば文科省お墨つきの中学校でありました。
 ここに、昨年二月に発表された研究のまとめがございます。私もざっと中身を読ませていただきました。きょうは、皆様方のところに資料一として、冒頭の「はじめに」という校長の文章をつけておきました。
 校長は、「平成二十一・二十二年度の二カ年にわたり、文部科学省「道徳教育実践研究事業」の推進校指定を受けることになり、本校の教育推進において、この上もない研修・研究の機会を与えられたことに深く感謝しております。」と述べた上で、「「自ら光り輝く生徒を求めて」という校内研究テーマのもと「心に響く道徳教育の実践」をサブテーマに「豊かな心、思いやりの心を育てる」、「規範意識を高め、正しい判断力を培う」を道徳教育の目標に掲げ、研究を進めてきました。」と述べております。
 確認いたしますけれども、今回の事件の被害者となった生徒、そして加害者となった生徒も、平成二十二年度はこの学校の一年生として、この道徳教育実践研究事業の対象になっておりましたね。
○布村政府参考人 先生御指摘の中学校につきまして、平成二十二年度にも道徳教育実践研究事業の推進校の指定を受けていたということになります。
 そして、当該中学校では、道徳の公開授業、校内研修会、外部講師招聘、保護者アンケートなどに取り組んでおられますので、全校を対象とした取り組みという形になっておりますので、当該生徒についても、本事業の対象になっていた生徒だろうと思います。
○宮本委員 この中学校での道徳教育実践研究事業は、研究の歩みを見ますと、平成二十三年二月三日に第十回道徳教育校内研究会というものを行って、一年生の授業の公開を行っております。
 この公開授業の「第一学年 道徳学習指導案」というものを資料の二につけておりますけれども、この資料二の道徳学習指導案を見ますと、主題は「きまりの意義」。つまり、ずばり規範意識の問題をテーマにして公開授業をやった。この事業が昨年三月末で終わったわずか半年後に、まさに一年生としてその授業を受けた子供たちによって、今回の深刻ないじめが起こったということになります。
 大臣、いじめというものが、志位委員長が指摘したように、規範意識などだけで説明がつく問題ではない、このことがいよいよ、私はこのことからもはっきりしたと思うんですが、そうじゃないでしょうか。
○平野(博)国務大臣 今の、道徳教育のモデル指定を受けてやっておられた学校で、それが終わりますとこういう案件が起こったということについては、大変私は遺憾に思います。
 逆に言いますと、文科省が進めている施策が、本当に事務的に形だけを指定して、中身がしっかりと成果として出てこない、こんな事業をやっているのではないかというふうにも捉えられるわけでございますので、私は、改めて、こういう事業について、本当に実りある、成果が出るような部分にしなきゃなりませんし、今回たまたま起こったことなのかどうかは別にいたしまして、やはりしっかり成果が刈り取れる、そういう事業をしていかなきゃならないとみずから反省をいたしておるところでございます。
○宮本委員 もちろん、私たちも、道徳教育が必要ないと言っているわけじゃないんです。規範意識の強調だけでは解決しない。
 それで、私は、現場の教員からも学校現場のリアルな状況を聞いてきたんですね。ある中学校の現職の教員は、深刻ないじめほど、説諭、つまり規範意識の説教では解決しない、こうおっしゃっておりました。いじめが起こったときに、いじめはいけない、やめなさいと時間をかけて説諭して、わかりました、やめますといじめる子がそう言っても、翌日同じように、あるいは、より巧妙な形でいじめをしている、だから説諭は無力だとその方は語っておられました。
 文部科学省に聞きますけれども、そういう現場の状況を理解しておられるか、そして、あわせて、なぜ現場の先生方は説諭ではうまくいかない、こうおっしゃっているか、おわかりになりますか。
○布村政府参考人 お答えいたします。
 基本的に、生徒指導につきましては、児童生徒の一人一人をよく理解することから始まる、そこが基本になろうかと教員の方々も認識されておると思います。いじめにつきましても、だめなことはだめと厳格に指導するという面とともに、いじめの問題における子供への指導におきましても、児童生徒一人一人の悩みを理解し、共感的に受けとめ、応えていくということが重要であろうと、先生方の認識になっていると思います。
○宮本委員 そのとおりなんですね。一人一人の子供のやはり内面というのが大事なんです。
 この先生によると、幾ら理屈で理解しても、いじめを繰り返さざるを得ないような深刻な心の傷を負っている場合が多い。それで、その少年の場合は、家庭でいじめのような大変な目に親から遭っていた、そのうっくつした気持ちが執拗ないじめとしてあらわれていたことが、この一カ月単位の大変な調査の中でやっとわかったというんですね。他の事例では、勝ち組になれという異様な競争教育の圧力などももちろんあります。そういう子供のことを理解して、おまえもつらかったんだという一言が言えるかどうか、あるいは、その子供の心をねじれさせている環境の改善に着手できるかどうかが、最終的にいじめをやめさせ、その子供のねじれた心を解きほぐし、人間として立ち直らせる鍵だとおっしゃっていました。
 また、先ほどの先生は、長年の経験から、力の指導でいじめを一時とめても、より陰湿になるだけで逆効果だと語られておりました。
 いじめる子供の内面を深くつかむことが必要だと私は思いますけれども、これも文部科学省、そういうことでよろしいでしょうか。
○布村政府参考人 今先生御指摘のとおり、いじめの問題の解決におきましては、一人一人の児童生徒の心、心理の把握が重要な課題ということで、そのためには、教員がカウンセリングマインドを持って、またあるいは、スクールカウンセラーの活用などによりまして、日ごろから児童生徒の悩みや要望をしっかりと受けとめ、応えていくことが必要であるということだろうと思います。
 また、大人の立場から一方的な指導という形になってしまうことは、児童生徒の悩みや要望に寄り添ったということにはならない、あるいは、いじめの問題の解決が困難になるという面はあろうかと思います。
○宮本委員 子供の内面をつかむということ、これは言葉で言えば簡単なんですが、簡単な話じゃないですね。
 大津の事件では、被害者のことでも問われました。学校側もいじめだと最終的には認定した十月五日のトイレでの暴行でありますけれども、いじめ被害者は、大丈夫、いじめではない、こう口にしたと。それで、いじめではなくけんかだと両成敗にしてしまったわけです。
 しかし、いじめ被害者がいじめを認めないということは、いじめ臨床でいえばイロハに属する問題であります。よく被害者は、深刻ないじめほど笑いながら殴られている、こういう状況もあります。
 しかも、大津の場合、既に四十万円以上の多額の現金を被害者が親族宅や自分名義の通帳から引き出すなどしていた問題も学校はつかんでいたやさきのことなんですね。
 ですから、上辺だけの説諭ではなく、子供の深い理解が本当に必要になっている。これはもう異論のないところだと思います。
 ただ、その子供を理解するための時間がどんどん奪われているのが今の学校現場だという訴えがあるわけですよ。スクールカウンセラーなどの専門家、もちろんそういう方々もありがたいことでありますけれども、まず何よりも、学校の先生方がしっかり子供の内面をつかめるようにしなければなりません。
 先ほどの先生は、以前なら、こういう問題が起きたら、学年会を開き、教師全員で真剣に話し合う時間があった、ところが最近は、授業時間がぎりぎりまでふえ、時間をとって話し合うことができなくなったと言っておられます。各種の会議や事務仕事もふえ、職員室は子供のことを話し合う情報交換や話し合いの場でなくなり、ひたすらばらばらにパソコンに向かう作業場になっている。こういう言葉まで現場の先生からは出ているんですね。
 それで、学校評価、教員評価が入り、学力テストの平均点を上げることと進学実績を高めることなど、数字にすぐ出ることばかり評価され、気になる子供のことにじっくり時間をかけることが何か悪いことをしているように見られるとも訴えておられました。
 大臣、今回のこの事件を契機に、やはりいじめへの対応を、敏感に対応すべきだ、迅速につかむべきだ、これはもうおっしゃるとおりなんですけれども、その感度を鈍らせている要素として、こういう異常な多忙化の問題、それから、学校評価、教員評価の問題を抜本的に見直すべきだと私は思うんですけれども、いかがですか。
○平野(博)国務大臣 委員御指摘のところは当たっている部分があると思いますが、逆に、そういう評価をしているということではないと思います。物理的な部分で、やはり教員が子供に向き合う時間をもっと多くとることが、よりそういう兆候を見抜けていくということは、僕は事実だと思います。
 そういう中で、少しこの数字で、小学校、中学校の教員の残業時間というメジャーでとってみますと、昭和四十一年は一カ月の残業が大体八時間ぐらい、平成十八年には四十二時間になっている。こういう状況から考えますと、宮本議員の指摘も、一面、私は指摘されることだと思っております。
 したがいまして、文科省としては、ただ、学校教員だけで直接子供が先生に相談するというのはなかなか難しいかもわかりませんが、斜めから横から、やはりこういうふうに対応でき得るスクールカウンセラーでありますとか、あるいはボランティアの方々が気さくに話せる環境とか、そういうところをつくっていかなきゃならないと思っていますし、事務の改善、さらには教員定数の改善を図ることによって、もっと教員が子供と向き合う時間を確保できるような環境づくりは文科省としても考えていかなきゃならない、かように思います。
○宮本委員 十月五日に、先ほど申し上げた、トイレで二度目の暴行を受けたと。このときは、さすがに職員が集まって、教員が集まった会議が持たれているんですね。もちろん、さまざまな向こうからのシグナルを受けとめる、キャッチするということは大事ですけれども、やはり何よりも教員が集団でじっくり検討するという時間が必要だと思うんです。
 ちなみに、文科省、結局けんかということで結論を出してしまったこのときの打ち合わせ会議、どれぐらいの時間をかけたか、つかんでおりますか。
○布村政府参考人 今先生御指摘の十月五日の件につきまして、簡単に経過を御報告いたします。
 午後二時十五分ごろ、クラスの生徒からトイレでいじめられているという連絡があり、担任が駆けつけた段階ではその騒動は終わっていた。その後、帰りの会で当事者の加害者側の生徒を残して事実確認と指導をし、両者は謝罪をした。また、三時過ぎになりますけれども、被害を受けた生徒に事情を確認したところ、大丈夫、友達でいたいという回答を得た。その後、担任、学年主任、生徒主事が集まって協議をして保護者の方に事情を説明し、先生御指摘の夕方の第二学年の教員団の先生方の情報共有のための打ち合わせはおよそ三十分ぐらいであった、そしていじめにつながる可能性のあるけんかとして引き続き注意深く見守っていこうということを打ち合わせられ、共有したというふうに伺っております。
○宮本委員 学年主任などが最初に打ち合わせたのはわずか十五分ですよ。三十分というのは事実上の報告、けんかということでしたということになっていると思うんですね。十五分で何がわかるか。しかも、全員で話し合ったわけでもないんですね。こういう状況を改善しないと、幾ら感度を上げようとかいったって、これは現実に子供たちを守ることはできない。学校システムをしっかり見直すべきだということは申し上げておきたいと思います。
 それで、私は、文科省の方針をいろいろ見せていただいても、決定的に欠けているものがあると思っております。それは、子供たち自身の取り組みを促すことだと思うんですね。
 先日、神戸市で開催されたある民間の教育研究集会で、いじり、つまり冷やかしですけれども、いじりといじめの見分けは難しいとか、いじりはいじめの芽ではないかという教員たちの議論に、実は一人の私立高校生が割って入って、次のように発言をいたしました。
 冷やかしとかという問題については、そういうことを自分たちもしている立場なんですけれども、そういうのをしないとコミュニケーションがとれない状況に今あることを知ってもらいたいなと思いました、確かにいじめの芽の可能性もあるけれども、本人たちは単に楽しんでいる場合もあるというか、話をもっと難しくしちゃうかなと思う、いろいろ大人の方たちが、子供はどういうふうに思っているのか、考えているのかというのを議論するのもすごく重要なことだと思うし、いじめの芽を見つけるとかも重要だと思うんですけれども、自分としては、きちんと子供自身でそういう問題に取り組んでいく、考えていくことをやったら、いじめというものは減っていくんじゃないかという思いがあります。
 これは高校生自身の発言で、その場にいた人たちは、いじりといじめをどう区別するかとか、区別がつくのかつかぬのかとかと言うているときに、いや、私たちが一番わかっていますよ、私たちで話し合わせてくれという声が出たというんですね。非常に僕は大事な問題提起だと思います。
 このクラスは毎週班長会を開き、仲間外れにされている子供をどうやって支えるかを話し合い、具体的な手だてを打っております。いじめのことは子供自身が一番よく知っているんです。本来、どの子供も正義感や人への思いやりを持っているし、いじめをなくしたいと思っています。その子供自身の取り組みを促すことは、子供同士で相互の信頼と連帯感が深まることになり、いじめの克服にとって極めて重要だと思うんですね。あらゆる場で子供の発言を保障し、クラスや児童会、生徒会などで議論を深めていくことがとりわけ重要だと私は思いますけれども、これは大臣の御見解をお伺いいたします。
○平野(博)国務大臣 子供同士が自主的に物事を解決する、こういういわゆる子供自治、これは非常に大事な視点だと思っています。その代表事例が生徒会、こういうことになっていくんだろうと思います。
 いじめの中には、これは私自身の持っている印象ですが、いじめる人、いじめられる人、それをずっと見ている人、こういう三つの体系になるんだろうと思います。見ている人が、私はいじめられていないからずっとそれを見てみましょうということになりますと、いじめる方といじめられている方がよりエキサイトするんですね。したがって、全体で、トータルでいじめはだめなんだというようなことをしっかりと子供同士で議論する、こういう考え方は非常に大事な視点だ、このように私は思っております。
 私、先日でございますが、全国生徒会サミットというのがありまして、岩手でありました。そこへ行ってまいりまして、私は先生と同じ大阪ですから、大阪の乗りで、いじめていないか、いじめられていないかということを申し上げましたら笑っておられましたけれども、やはり、そういう皆さん方が一緒にこの問題を解決していく、子供同士でも解決する、こんな環境ができるようなことは、私もしっかり受けとめて支援をしてまいりたい、こういうふうに思います。
○宮本委員 積極的な御答弁でありましたけれども、やはり、取り組むに当たっては、議論を中途半端なものにせずに、本音を出し切る討論によって、一人一人のよさや個性の違いを尊重する、何よりも人間を大事にするということを深め、いじめを許さない決意を子供全員のものにし切るということが大事でありまして、このような取り組みの中でこそ、子供たちの自治の力、人権意識も育つと思うんですね。
 実は、これは世界では当たり前のことでありまして、日本政府も批准している子どもの権利条約の十二条には、子供に影響を与える全ての事柄について自由に自己の見解を表明する権利を子供に保障し、その意見は、子供の年齢及び成熟度に応じて正当に重視されると、子供の意見表明権を明確に定めております。
 ところが、日本政府は、この条約の実施状況を審査する国連子どもの権利委員会から、子供の意見の尊重が著しく制限されていることを厳しく批判されてまいりました。去る二〇一〇年六月二十日に日本に対して出された第三回定期報告に対する最終見解のパラグラフ四十三及び四十四ではどのような指摘がなされているか、文部科学省、お答えください。
○布村政府参考人 お答えいたします。
 パラグラフ四十三、四十四の学校に関するところの少し拾い読みになりますけれども、パラグラフ四十三につきましては、学校において児童の意見が考慮されているとの締約国からの情報に留意するが、学校が児童の意見を尊重する分野を制限していることに対し、引き続き懸念を有する。委員会は、児童を、権利を有する人間として尊重しない伝統的な価値観により、児童の意見の尊重が著しく制限されていることを引き続き懸念する。また、四十四につきましては、児童が学校においてみずからに影響を与えるあらゆる事柄について意見を十分に表明する権利を促進するための取り組みを締約国が強化するよう勧告するという指摘でございます。
○宮本委員 子供の意見表明権というのは、子供の本質につながる重要な権利であります。
 子供は、自己に影響を及ぼす全ての事柄について、それが決められる手続に参加して自分の意見を言うことができ、大人はそれを尊重しなければならない、これが子どもの権利条約の言っていることなんですね。
 大臣、この子どもの権利条約と先ほどの第三回最終見解の立場に立つならば、いじめ問題についても、最も重視されるべきは、子供自身の取り組みを教師、父母、地域が支え励ますことであり、子供たちの意見を尊重することではないか。ところが、文部科学省の通知を見ますと、子供は大切にされたり指導されたりする対象とされているだけで、いじめ克服に取り組む主体と位置づけられていないんです。
 自主的な子供の討論や取り組みを、子どもの権利条約の観点からきちんと位置づけるべきだと私は思うんですけれども、大臣、そう思われませんか。
○平野(博)国務大臣 子供の皆さん方に文科省としてよく言うことは、生きる力ということをよく言葉で出しておりますが、私は、生き抜く力だ、こういうふうに実は思っております。
 そういう意味で、子供にみずからのいじめ問題への取り組みを促すということは大変重要だと思っておりますし、教師や周辺の大人がこれを支えるということは大事であります。励ますことは、児童生徒の自己有用感といいましょうか、あるいはその社会性の育成にも大変効果がある、こういうふうに私は認識をいたしているところでございます。
 したがいまして、文科省としては引き続き、児童生徒並びに進路指導など、そういうことを通じながら、いじめ解決に向けた子供たちへの取り組みの支援をしてまいりたい、こういうふうに思います。
○宮本委員 去る八月六日の青少年問題特別委員会で、参考人としてお招きしたNPO法人ジェントルハートプロジェクトの理事の小森美登里さんは、みずからもいじめ自殺で子供を失った御遺族の立場から、いじめられる子はもちろん、いじめる子も、傍観している子も、教育や社会のゆがみという大きな視点から見れば被害者だと語っておられました。その点では、子供たちを取り巻く異常な競争教育や、人間を大切にしない政治や社会のゆがみなど、その背景まで掘り下げなければならないと思います。
 我が党は、今回の事件の真相の徹底究明を求めるとともに、学校現場にどんな問題があるのか、社会全体として取り組むべき課題は何かを明らかにし、子供たちを守るため、引き続き全力で取り組む決意を表明して、私の質問を終わります。
○石毛委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時一分散会