第183回国会 本会議 第11号
平成二十五年三月十四日(木曜日)
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  平成二十五年三月十四日
    午後一時 本会議
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○本日の会議に付した案件
 日本銀行総裁及び同副総裁任命につき同意を求めるの件
 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び消費税率の引上げが国民生活及び我が国の経済に及ぼす影響を踏まえ早急に講ずべき措置に関する法律案(松本剛明君外四名提出)の趣旨説明及び質疑
 新藤総務大臣の平成二十五年度地方財政計画についての発言並びに地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明並びに質疑
    午後一時二分開議
○議長(伊吹文明君) これより会議を開きます。
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○議長(伊吹文明君) まず、御報告することがあります。
 永年在職議員として表彰された元議員瓦力君は、去る一月十三日逝去されました。まことに哀悼痛惜の至りにたえません。
 瓦力君に対する弔詞は、議長において去る五日既に贈呈いたしております。これを朗読いたします。
    〔総員起立〕
 衆議院は 多年憲政のために尽力し 特に院議をもってその功労を表彰され さきに大蔵委員長 国家基本政策委員長 武力攻撃事態への対処に関する特別委員長等の要職につき またしばしば国務大臣の重任にあたられた正三位旭日大綬章 瓦力君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます
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 日本銀行総裁及び同副総裁任命につき同意を求めるの件
○議長(伊吹文明君) お諮りいたします。
 内閣から、
 日本銀行総裁及び同副総裁に
次の諸君を任命することについて、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。
 内閣の申し出中、
 まず、
 日本銀行総裁に黒田東彦君を
任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(伊吹文明君) 起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。
 次に、
 日本銀行副総裁に岩田規久男君を
任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(伊吹文明君) 起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。
 次に、
 日本銀行副総裁に中曽宏君を
任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(伊吹文明君) 起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。(拍手)
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 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び消費税率の引上げが国民生活及び我が国の経済に及ぼす影響を踏まえ早急に講ずべき措置に関する法律案(松本剛明君外四名提出)の趣旨説明
○議長(伊吹文明君) この際、内閣提出、所得税法等の一部を改正する法律案及び松本剛明君外四名提出、消費税率の引上げが国民生活及び我が国の経済に及ぼす影響を踏まえ早急に講ずべき措置に関する法律案について、順次趣旨の説明を求めます。まず、財務大臣麻生太郎君。
    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案の趣旨を御説明させていただきます。
 本法律案は、現下の経済情勢等を踏まえ、成長と富の創出の好循環を実現するとともに、社会保障・税一体改革を着実に実施するなどの観点から、国税に関し、個人所得課税、法人課税、資産課税、納税環境整備等について所要の措置を講ずるものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、個人所得課税について、所得税の最高税率の引き上げを行うほか、公社債等に関する課税方式の変更及び損益通算の範囲の拡大、住宅借入金等に係る所得税額控除制度の適用期限の延長及び最大控除可能額の引き上げ等を行うことといたしております。
 第二に、法人課税につきましては、試験研究を行った場合の税額控除制度の控除上限額の引き上げ、生産等設備投資促進税制及び所得拡大促進税制の創設、避難解除区域等に係る税額控除制度の拡充等を行うことといたしております。
 第三に、資産課税につきましては、相続税の基礎控除の引き下げ及び最高税率の引き上げ等の税率構造の見直し並びに贈与税の税率構造の見直し及び相続時精算課税制度の拡充を行うとともに、非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予制度の見直し及び教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度の創設等を行うことといたしております。
 第四に、納税環境整備について、延滞税等の見直し等を行うことといたしております。
 第五に、土地の売買等に係る登録免許税の特例等既存の特例について、その適用期限の延長や整理合理化等を行うことといたしております。
 このほか、附則において、寄附金税制、特定支出控除、交際費課税、贈与税に関する検討規定を設けることといたしております。
 以上、所得税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
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○議長(伊吹文明君) 次に、古本伸一郎君。
    〔古本伸一郎君登壇〕
○古本伸一郎君 私は、提出者を代表して、消費税率の引上げが国民生活及び我が国の経済に及ぼす影響を踏まえ早急に講ずべき措置に関する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 民主党、自由民主党、公明党は、社会保障・税一体改革の残された課題につきまして、年明け早々より、二十五年度改正の項目も含め、協議を行ってまいりました。
 与党側は、民主党が主張する消費税の引き上げ対策に関し、平成二十五年度改正で一部は対応しつつも、残された課題につきましては平成二十六年度改正に先送りとしたため、対策は不十分なままとなっております。
 消費税引き上げによる国民生活及び経済への影響を考えれば対策は急務であり、残された課題を解決する観点から、本法案を作成いたしました。
 以下、その概要を申し上げます。
 本法案は、税制抜本改革法第七条に定める改革及び関連する諸施策のうち、特に、逆進性対策、医療、住宅、自動車に対する対策について、その期限、方向性を明確化するものでございます。
 第一に、逆進性対策については、所得の少ない世帯ほど家計において消費税として支出する額の所得の額に対する割合が高くなる傾向にある消費税の逆進性に鑑み、平成二十六年度以降、本格的な対策導入までの間は、いわゆる手続が簡素な給付措置で対応し、平成二十六年度までに本格的な対策の結論を出すことといたしております。
 第二に、医療機関の損税の問題につきましては、医療機関等における高額投資に係る消費税の負担に係る措置等について、平成二十五年末までに結論を出すこととしております。
 第三に、住宅対策であります。
 取引価額が高額であり、消費税率の引き上げに伴う税負担が大変重いこと、経済への影響が大きいこと等に鑑み、住環境の変化及び住宅の需要の変化等も踏まえ、中低所得者層の負担緩和のための給付措置等について、速やかに対象者及び金額等の具体化を行うことといたしております。
 第四に、自動車対策については、取引価額が高額であり、消費税率の引き上げに伴う税負担が重いこと、経済への影響が大きいこと、国内雇用への影響等に鑑み、平成二十六年三月末に自動車取得税を廃止する、平成二十六年三月末に自動車重量税の当分の間税率を廃止する、加えて、自動車重量税をさらにグリーン化する、都道府県及び市町村の財政に影響を与えないよう措置を講ずることとしております。
 第五に、前に述べました項目以外で、税制抜本改革法七条に定められている措置につきましては、できる限り早急に検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものといたしております。
 以上が、本法案の概要でございます。
 何とぞ御審議賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)
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 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び消費税率の引上げが国民生活及び我が国の経済に及ぼす影響を踏まえ早急に講ずべき措置に関する法律案(松本剛明君外四名提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(伊吹文明君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。まず、武正公一君。
    〔武正公一君登壇〕
○武正公一君 私は、民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました政府提出の所得税法等改正案、民主党・無所属クラブ提出の消費税影響緩和法案について質問をいたします。(拍手)
 平成十六年四月、消費税のいわゆる外税から内税、総額表示への変更に伴って、消費税の税率引き上げの準備が整ったと言われましたが、当時の小泉総理は、消費税率については、私の在任中は上げない、今から上げると歳出の見直しが緩むと強調いたしました。
 一方、平成二十一年度所得税制改正法附則百四条で、「遅滞なく、かつ、段階的に消費税を含む税制の抜本的な改革を行うため、平成二十三年度までに必要な法制上の措置を講ずる」と明記され、当時の麻生政権も先送りにしてしまい、前政権、民主党政権下、平成二十四年、昨年ようやく、三党合意によって、消費税引き上げを初めとする関連八法案が成立いたしました。
 社会保障と税の一体改革では、社会保障の機能強化とその財源としての消費税率の引き上げという両輪による財政健全化を目的としていましたが、さきの安倍総理大臣の施政方針演説で年金という言葉がなかったように、新政権では、社会保障の議論が置き去りになっているのではないでしょうか。
 昨年、同法附則十八条二項に、自由民主党、公明党からの要求で、いわゆる国土強靱化計画、防災・減災ニューディールを入れたためか、新政権では公共事業費が増加しております。このままでは、消費税を引き上げて公共事業費を増額したと国民が受けとめかねません。
 三党協議についても、与党の対応は、社会保障と税の一体改革の精神を置き去りにしているのではないかと言われています。
 以上の点について、総理大臣及び当時の総理大臣であった財務大臣の見解を伺います。
 安倍総理大臣は、本年二月十九日の予算委員会にて、今後、年央の骨太方針の取りまとめに向けた検討状況を踏まえながら、財政健全化目標を実現するための中期財政計画の具体化を進めると発言しております。
 しかし、二月に行われたG20サミットでは、日本においては、財政状況に関する不確実性を解消し、そして、サンクトペテルブルク・サミットまでにそうした中期財政計画を策定するとされています。
 財政再建については、国民への説明責任を果たす観点からも、六月の骨太方針取りまとめまでに、あるいはどんなに遅くとも参議院選挙前には中期財政計画を示す必要があると考えますが、総理大臣の御見解を伺います。
 このたびの税法は、社会保障と税の一体改革という大きな流れの中で、積み残し課題が大きな柱となっています。
 民主党は、本年一月より、積み残し課題について、自民党、公明党との協議を再開いたしました。その際、一体改革以外の年度改正項目も含め協議を行った結果、与党側は、平成二十五年度改正で一部対応し、残された課題は平成二十六年度改正に先送りしたため、対策は不十分となっております。
 消費税引き上げによる国民生活及び経済への影響を考えれば対策は急務であり、残された課題を解決する観点から、民主党は、消費税影響緩和法案を提出することといたしました。
 所得の少ない家計ほど消費税負担率が高くなるという逆進性は、消費税導入時から、対策の必要性が指摘されてきたものであります。
 しかし、これまでの政府は、福祉給付金という一度きりの給付金を支給することで対応してきました。今回の消費税引き上げは、いよいよ税率が一割に達するというものであり、一度きりではなく、継続的な対策が必要であります。
 与党は、複数税率の検討を行っていることと聞き及んでおります。
 しかし、複数税率については、かえって高額所得者ほど負担軽減額が大きくなる、対象品目の選定が利権に結びつきやすい、インボイスの導入など事業者の事務負担がふえる、財源確保のためにはさらなる増税が必要といった問題があります。そのため、与党内調整さえままならず、八%段階どころか、一〇%段階での実施も困難ではないかとの見方も出てきております。
 民主党としては、マイナンバーの導入など課題はあるものの、真に必要な世帯に支援が行き渡る給付つき税額控除の方が、乗り越えるべき課題が少なく、より望ましいと訴えてきました。
 ただし、一年後に迫った今、せめて八%段階では、簡素な給付措置での対応が現実的であり、国民への周知、事務を担うであろう地方自治体との協議を考えれば、すぐにでも具体策を詰めていかねばならない時期に来ていると考えますが、財務大臣の御見解及び民主党提出者の見解を伺います。
 昨年の社会保障と税の一体改革の議論に際して、消費税の影響という意味で、消費税の転嫁対策として、いわゆる内税から外税に見直すべきであるという意見が我が党においても出されましたが、政府・与党内でも、ここに来て、議論が行われ、報道に接しております。
 総額表示の見直しについて、財務大臣の御見解及び、当時の党内議論を踏まえ、民主党提出者の見解を伺います。
 住宅は、国民生活に直接かかわるものであります。消費税引き上げの際の負担増は非常に大きく、また、住宅産業は裾野が広く、消費税引き上げ前の駆け込み需要とその反動が起きた際には経済に大きな影響を与えることが想定されることから、消費税引き上げの際に住宅対策は不可欠であります。
 政府提出の税法に住宅ローン減税の拡充が入ったことは一定の評価をするものですが、中低所得者層には住宅ローン減税の恩恵は限定的なため、別途給付措置等を講じて住宅購入者を支援する必要があると考えます。
 住宅購入者への周知、経済への影響を緩和するためにも、中低所得者層への給付措置等の早急な制度設計が求められていると考えますが、財務大臣の御見解及び民主党提出者の見解を伺います。
 あわせて、住宅ローン減税の対象とならない購入層へも支援を行う必要があると考えますが、同じく、財務大臣、民主党提出者の見解を伺います。
 自動車は、地方において欠かせない移動手段であり、国民生活に直接かかわるものですが、高額であるがゆえ、消費税引き上げによる家計の負担増が非常に大きいものとなります。また、自動車産業は基幹産業であり、消費税引き上げ前の駆け込み需要とその反動が起きた際には、経済に大きな影響を与えることが想定されることから、消費税引き上げの際に自動車対策は不可欠であると考えますが、財務大臣及び民主党提出者の御見解を伺います。
 このたびの税法には、民主党の要請により、新しい公共の視点から大学への寄附、サラリーマンの視点から特定支出控除、経済活性化等の観点から交際費課税、贈与税については、平成二十六年度中に検討する旨が附則に盛り込まれることとなりましたが、検討のスケジュール、方向性について、財務大臣の御見解を伺います。
 民主党政権時代には、税法のもととなる税制改正大綱を政府税制調査会で作成し、議論状況も国民の前に公開してまいりました。政府税制調査会は、財務大臣、総務大臣を初め、国会での答弁責任を負う政治家によって構成する組織であり、国会答弁から逃げることもありませんでした。
 また、民主党時代の税制改正大綱には、公平、透明、納得の税制を築くこと、必要な費用を分かち合うことなど、税を通じて目指す社会像についても明記してまいりました。
 一方、現在の政府・与党は、民主党政権時代の政府税制調査会の根拠規定を廃止し、このたびの税制改正大綱の調整の大半を非公開の与党税制調査会内で行いました。その上、与党の大綱から一番議論を呼びそうな肝心かなめの部分を外して一部分だけを閣議決定し、政府の税制改正大綱としたことは、国会での答弁責任を逃れるものにほかならず、民主党政権時代における意思決定透明化の改革から後退したと言わざるを得ません。
 また、租特等については、効果が不透明な措置が散見され、その裏に、政官業の癒着が指摘されてまいりました。
 そこで、民主党は、租特等の適用実態を明らかにする租特透明化法を成立させ、本年、同法に基づく適用実態調査が初めて国会に提出されるに至りました。報告書を見ると、適用件数がゼロ件のもの、適用が特定の業界に偏ったものなどが見られます。
 税制を公平なものとしていくためにも、効果が不透明な措置等は大胆に廃止していくべきと考えますが、租特の適用実態調査結果に関する報告書を踏まえ、財務大臣の御見解を伺います。
 経済好転、デフレ脱却に対する思いは、民主党が野党に転じても、いささかもその思いは減ずることはありません。決めるものは決める、前へ進める国会に。正すべきものは正す。国会同意人事についても、現実的な対応にルール変更をした上、日本銀行総裁、副総裁同意人事についても、きょう、あすと衆参本会議で結論が出されます。
 新政権の最大の懸念は財政規律が緩む点であり、ハイパーインフレ、金利急上昇はないと総理は発言しましたが、あと一社、格付会社が格付を今より一段階下げれば外資保有の国債は二割がリスク扱いになることなど、日本の経済財政金融政策はナローパスであり、極めて限られていることは、政権交代しても変わりはありません。
 また、一括交付金がひもつき補助金に逆戻りした点は、地域経済が日本経済の牽引役にと期待したものを裏切るものであり、成長戦略の三本目の矢である成長戦略の柱をなす規制改革に農業が省かれている点、あるいは、民主党政権が法案提出した電波のオークションに後ろ向きの点など、正すものは正していかなければなりません。
 安倍総理がこの本会議で発言した財政健全化法提出を検討事項と後日訂正したり、国、地方のプライマリーバランス目標は言及しても、国のプライマリーバランス目標が決められていない状況や、経済財政諮問会議の今後の検討課題でその後取り組むべき検討事項としている点など、重ねて、財政規律を守る点については再度先送りしないよう求めて、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 武正公一議員にお答えをいたします。
 社会保障・税一体改革の精神についてのお尋ねがありました。
 消費税の引き上げを含む社会保障・税一体改革は、社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成を目指す観点から取り組む改革であり、引き上げ分は、全額社会保障の充実と安定化に向け、社会保障給付として国民に還元することとしており、公共事業に充てることはありません。
 三党実務者協議においては、精力的に議論が行われているということを承知しておりますが、社会保障・税一体改革の推進については、引き続き、三党間の協議を進めるとともに、社会保障制度改革推進法に基づき、国民会議で精力的に議論するなど、改革の具体化に向けて取り組みを進めてまいります。
 中期財政計画についてお尋ねがありました。
 今後、経済財政諮問会議において、中長期の財政健全化を実現するための取り組みのあり方や、経済再生との両立を実現するための道筋について検討を進めることとしております。こうした検討を踏まえ、年央の骨太方針において、その成果をお示ししてまいります。
 中期財政計画の具体化の時期や内容については、そうした検討状況を踏まえて判断をしてまいります。
 以上であります。(拍手)
    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕
○国務大臣(麻生太郎君) 社会保障と税の一体改革の精神についてのお尋ねがありました。
 平成二十一年度税制改正法附則第百四条は、社会保障の安定財源確保と持続可能な財政構造の確立を旨として、税制の抜本改革を行うことを明らかとしたものであります。
 社会保障・税一体改革はこの趣旨を踏まえたものであり、消費税の引き上げ分は、全額社会保障財源化し、公共事業に充てることはありません。
 また、社会保障改革につきましては、今後とも、三党合意や社会保障制度改革推進法の規定などに基づき、着実に推進してまいりたいと考えております。
 なお、平成二十五年度予算における公共事業関係費の増額についての御指摘がありましたが、御存じのように、地域自主戦略交付金の廃止に伴う移行額の影響などを勘案すれば、実質的には前年度と同水準となっており、財政健全化に向けた取り組みが後退したわけではありません。
 したがって、社会保障と税の一体改革の精神を置き去りにしているとの御指摘は当たらないと存じます。
 簡素な給付措置についてのお尋ねがありました。
 簡素な給付措置につきましては、昨年六月の三党合意において、真に配慮が必要な低所得者を対象にしっかりとした措置が行われるよう、今後、予算編成過程において、立法措置を含め、具体化を検討することとされております。
 その後、本年二月の三党合意において、低所得者対策につきましては、引き続き協議を行うこととされているところであり、簡素な給付措置の具体的内容についても、与党間及び三党間での議論を踏まえ、検討してまいりたいと考えております。
 消費税に関する価格表示についてのお尋ねがありました。
 価格表示のあり方につきましては、与党における議論において、消費税の円滑な転嫁の確保や事業者の事務負担への配慮、また、消費者への配慮の観点を踏まえつつ、総額表示義務を時限的に弾力化する考えが示されていることを承知いたしております。
 政府としても、与党における議論を十分に踏まえ、適切に検討を進めてまいりたいと考えております。
 住宅購入者に対する支援についてのお尋ねもありました。
 住宅ローン減税の恩恵が限定的となると思われる低所得者に対する給付の具体的な内容につきましては、与党税制改正大綱において、税制措置とあわせた全体の財源を踏まえながら検討を進め、できるだけ早期に、遅くともこの夏にはその姿を示すとされております。
 したがって、議員御指摘のように、住宅取得に係る給付につきましては、税制改正大綱を踏まえ、その姿をできるだけ早期に消費者や事業者に対して示していく必要があるものと考えております。
 また、住宅ローン減税の対象とならない購入層への支援につきましては、税制面では、二十五年度税制改正において、住宅ローンによらず自己資金で認定住宅を取得した場合や、省エネなどの一定の住宅のリフォームを行った場合の減税を拡充することといたしております。
 いずれにいたしましても、今後、さまざまな観点から検討をしていきたい、さように考えております。
 消費税引き上げ時の自動車対策についてのお尋ねがありました。
 自動車に関しては、今般の与党税制改正大綱において、車体課税につきましては、財源を確保して、一層のグリーン化などの観点から見直しを行うとの方向性が示されております。税制改革法第七条の規定や与党大綱で示された方向性を踏まえ、平成二十六年度税制改正に向け、検討してまいりたいと考えております。
 附則に盛り込まれた検討条項についてのお尋ねもありました。
 御指摘の附則におきましては、検討の期限、基本的方向性を示しているところであり、寄附金税制については、これまで講じられた施策の効果などを踏まえつつ、対象範囲を含めて、平成二十五年度中に、また、特定支出控除につきましては、給与所得者の負担軽減及び実額控除の機会拡大の観点から、これまで講じられた施策の効果などを踏まえつつ、平成二十六年度中に、交際費課税につきましては、消費の拡大を通じた経済の活性化を図る観点から、対象範囲を含め、平成二十五年度中に、贈与税につきましては、資産の若年世代への早期移転の促進、消費拡大を通じた経済の活性化、格差の固定化の防止などの観点から、非課税財産の範囲の明確化も含め、平成二十五年度中に、それぞれ、財源を含めて検討を行ってまいりたいと考えております。
 最後になりましたが、租特の適用実態調査結果についてのお尋ねもありました。
 御指摘の適用実態調査につきましては、平成二十二年三月に成立した租特透明化法に基づき、三月一日、第一回目の報告を国会に行ったところであります。
 対象となります租税特別措置八十五項目ごとに、業種別、所得階級別の適用額や適用件数などが示されておりまして、適用を受けた法人数は約九十二万法人となっております。
 こうした情報は、租税特別措置の効果の検証などにも有用であり、今後、年々蓄積する調査結果を活用して、不断の見直しに取り組んでまいりたいと考えております。(拍手)
    〔玉木雄一郎君登壇〕
○玉木雄一郎君 武正議員の質問にお答えします。
 住宅対策についてお尋ねがありました。
 住宅は取得価額が高額であり、また、住宅産業は裾野が広いことから、駆け込み需要とその反動減が起きた場合には、経済に与える影響は甚大なものと予想されます。
 また、今般の政府提出税制改正法案による住宅ローン減税は、その恩恵が限定的です。
 そこで、本法案第四条においては、中低所得者に対する補完的な措置として給付措置を実施するため、本法案の施行後速やかに給付の対象者、額等を具体化するための検討を行い、本法案の施行後速やかにその措置を講ずるものであります。
 また、ライフスタイルの変化や住宅に対する需要の変化に応じて、住宅ローン減税の対象とならない購入層への支援も、きめ細かな給付措置などを通じて行う必要があると考えます。
 自動車対策についてお尋ねがありました。
 自動車は、地方において欠かせない移動手段であり、国民生活に直接かかわるものですが、高額であり、消費税引き上げによる国民負担は大きく、また、自動車産業は基幹産業であることから、国内産業及び雇用への影響も大きくなることが予想されます。
 そもそも、自動車取得税は消費税導入時には整理されず、二重課税の問題が放置されてきました。同様に、自動車重量税のいわゆる当分の間税率についても、道路特定財源の廃止により、本来整理されるべきものでありました。
 このため、本法案第五条においては、平成二十六年三月三十一日までに、自動車取得税の廃止、自動車重量税の当分の間の特例税率を廃止し、自動車重量税をさらにグリーン化することを定めております。
 なお、これらの措置で生じる都道府県及び市町村の減収分を埋めるための措置を政府に義務づけております。(拍手)
    〔鷲尾英一郎君登壇〕
○鷲尾英一郎君 武正議員の御質問にお答えします。
 逆進性対策についてお尋ねがございました。
 複数税率と給付つき税額控除のいずれを行うにしても、国民生活への影響を踏まえた十分な制度設計が必要であり、議員御指摘のとおり、一年後に迫った消費税八%段階では、簡素な給付措置で対応していくことが現実的です。簡素な給付措置の実施に当たっても、国民各層への周知、給付事務を担う地方自治体との協議に要する時間を考えると、早急に結論を出す必要があります。
 そこで、本法案第二条第二号においては、「簡素な給付措置を実施するため、平成二十五年十二月三十一日までに、必要な法制上の措置その他の措置を講ずること」としております。
 総額表示の見直しについてお尋ねがございましたが、税制抜本改革法第七条に、検討課題として明記しております。
 外税の方が消費者に説明しやすく、価格転嫁しやすいとの声がある一方で、内税が定着した小売業界からは、外税はかえって混乱するとのヒアリングも受けています。
 中小零細企業にとっては、税の価格転嫁は、事業収益を大きく左右する要素の一つであります。消費税率引き上げが一年後に迫っていることから、事業者の意見なども聴取して議論し、早急に結論を得るべきであると考えます。(拍手)
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○議長(伊吹文明君) 桜内文城君。
    〔桜内文城君登壇〕
○桜内文城君 日本維新の会の桜内文城です。
 所得税法等の一部を改正する法律案の趣旨説明に関し、日本維新の会が提唱する、日本を強く賢くする税制とは何かという観点から、以下、質問いたします。(拍手)
 まず、安倍総理にお尋ねします。
 昨年、解散・総選挙の実施時期も絡んで大騒ぎになった社会保障と税の一体改革とは、一体何だったのか。
 昨年六月の自民、公明、民主の三党合意に基づき、八月には、消費税増税法案を含む社会保障と税の一体改革関連八法案が可決、成立いたしました。今、改めてこれらの法律を見ると、消費税の増税以外、社会保障と税の一体改革とは名ばかりで、社会保障関係費の圧縮や、そのための年金、医療、介護保険制度の抜本改革は、全て社会保障制度改革国民会議に先送りされたことが一目瞭然です。
 特に、社会保障制度改革推進法二条三号において、「年金、医療及び介護においては、社会保険制度を基本とし、国及び地方公共団体の負担は、社会保険料に係る国民の負担の適正化に充てることを基本とすること」とされたにもかかわらず、現実は真逆で、平成二十五年度一般会計予算においても、年金十兆六千億円、医療十兆六千億円、介護二兆五千億円、これら三分野合計で二十三兆円を超える一般財源が、社会保障給付の補填のために投入されています。
 そもそも、年間六十兆円を超える社会保険料の大半を、働き盛り世代、そして若者世代が負担し、それがそのまま高齢者世代に所得移転されているだけでなく、一般財源としても、二十三兆円という、国税収入の半分を超える金額がそのまま高齢者世代に所得移転されているのです。
 このように、硬直化し、一部の階層の既得権益と化した社会保障制度そのものを抜本的に見直さない限り、世代間格差の是正も、財政の健全化も、絵に描いた餅に終わることでしょう。
 我々日本維新の会は、世代間格差を是正するため、即時に積立方式に移行する新たな公的年金制度とともに、世代別勘定を設置した新たな公的医療保険制度の法案を準備しています。
 一般会計から移転される社会保障関係費を最小限度に抑制する安定的な社会保障制度を一日も早く確立すべきだと考えますが、安倍総理の御見解をお尋ねいたします。
 世代間格差の是正のためには、高齢者世代に偏在する個人金融資産を、働き盛り世代、そして若者世代に移転することも重要と考えます。
 日本銀行の資金循環統計によれば、昨年九月末の個人金融資産残高は一千五百十兆円、そのうち約一千兆円を保有するのが六十歳以上の世代です。
 先ほども指摘したとおり、高齢者世代の保有する個人金融資産の少なからぬ部分が、働き盛り世代、そして若者世代からの所得移転によって形成されたと考えられることから、公的年金制度を維持するための財源として、年金目的の特別相続税を創設すべきではないでしょうか。
 本税制改正法案においても、相続税の課税ベースの拡大が盛り込まれています。基礎控除を、現行の五千万円プラス一千万円掛ける法定相続人数というものから、三千万円プラス六百万円掛ける法定相続人数に引き下げるとの内容です。
 新たに創設する年金目的の特別相続税としては、例えば、相続対象の金融資産全額を広く課税ベースとする一方、一律一〇%の税率とすることを想定しています。
 現在、年間に発生する相続額約五十兆円のうち、金融資産がほぼ半分ですので、年金目的の特別相続税の税収は約二・五兆円と試算されます。この金額は、年金の国庫負担二分の一を維持するために必要な金額とほぼ見合っており、年金財政の改善に大いに寄与するものと考えられます。
 このような世代間格差の是正を目的とする資産課税の強化について、安倍総理の見解をお尋ねします。
 次に、我々日本維新の会の党是ともいうべき道州制の導入のためにも必要不可欠な、地方への税源移譲についてお尋ねします。
 我々日本維新の会は、小さな政府、それでいて強く賢い中央政府をつくり上げるために、民間にできることは民間に、地方にできることは地方に任せるべきだと考えています。
 大阪都構想を初めとする都市再生、そしてその最終形としての道州制に移行するという統治機構の大改革を実現するためにも、消費税を全額地方税化するとともに、地方交付税にかわる新たな財政調整制度として、地方共有税を創設すべきだと考えます。
 地域間に偏在が少なく、景気動向に税収が左右されない安定的な消費税を地方税化することにより、自治体に独自の財源を与えて地方の自立や工夫を促し、国に頼らない独自の自治体経営を可能にします。
 一方、消費税を地方税化する場合、消費税収の多い自治体と少ない自治体との間で生ずる税収格差を是正するため、一定のルールのもと、自治体同士で税収をやりとりする地方共有税を創設するのです。
 消費税の全額地方税化というと、ただでさえ苦しい国の財政がもたないという反論が霞が関から飛んできますが、実は、彼らの敵は本能寺にあります。消費税の全額地方税化と必ずセットになる地方交付税制度の廃止を何としても食いとめたいがゆえに、旧自治官僚が消費税の全額地方税化に反対しているにすぎません。
 地方交付税制度は、旧自治官僚が財政面で自治体を思いどおりにコントロールするための権力の源泉です。平成二十五年度地方財政計画において計上されている地方交付税十七兆一千億円と臨時財政対策債六兆二千億円、合計二十三兆三千億円を全国一千七百四十二団体に対し裁量的に配分する権限を死守したいのでしょう。
 しかし、地方交付税制度の廃止を実現すれば、一般会計予算だけでも地方交付税分十七兆一千億円の歳出削減ができるわけですから、現行の消費税のうち、国の取り分、約七・五兆円の税収を仮に地方税化したとしても、十兆円近いおつりが来ます。
 消費税の全額地方税化で困るのは、最大の権力の源泉である地方交付税制度が廃止される旧自治官僚、そして苦労に苦労を重ねて消費税増税をかち取った財務官僚だけです。
 安倍総理は、我が党の藤井孝男議員の代表質問に対し、道州制の導入は、地域経済の活性化や行政の効率化などを目指し、国のあり方を根底から見直す大きな改革と評価する旨の答弁をされました。
 であるならば、官僚の抵抗を排し、道州制の導入のための一丁目一番地である地方への税源移譲、特に、消費税の地方税化を進めるのか否か、安倍総理の見解をお尋ねします。
 消費税に関連して、麻生財務大臣にお尋ねします。
 仮に、道州制を実現し、消費税を道州の独自財源とする場合、それぞれの道州が自立的な統治と自治体経営を行うため、各道州が独自に消費税率を設定することから、必然的に複数税率となります。
 また、消費税増税に関する昨年の自民、公明、民主の三党合意、そして、今般、民主党が単独提出した法案にもありますが、消費税の逆進性対策として、複数税率の導入の検討がうたわれています。
 現行消費税の単一税率のもとでは、帳簿上の勘定科目ごとに仕入れ税額控除額を仮定計算していますが、複数税率を導入する場合、適用税率と税額を記載したインボイスがなければ、適正な仕入れ税額控除額の計算は著しく困難になります。
 他方、経済産業省が政府税調に提出した資料によれば、日本税理士連合会、日本商工会議所、全国中小企業団体中央会等の業界団体は、軒並み、事務負担の増大を理由にインボイス制度の導入に反対しており、このままでは、複数税率の導入も共倒れになってしまう状況にあります。
 しかし、インボイス方式の導入が事務負担の増大を招くというのは、大きな誤解です。
 現に、EU諸国では当初からインボイス方式を導入しており、日本では無理だという議論は成り立ちません。また、会計士補の資格を持つ私自身の経験に照らしても、単にインボイスに記載されている仕入れ税額を足し算するだけのインボイス方式よりも、帳簿上の勘定科目ごとに複雑な仮定計算を経て仕入れ税額控除額を算出する現行方式の方が、むしろ事務負担は大きいと思われます。
 地域ごと、または品目ごとに複数税率を可能とする観点から、インボイス方式を導入すべきと考えますが、麻生財務大臣の見解をお尋ねします。
 再び安倍総理にお尋ねします。
 世界じゅうから資本を呼び込み、グローバル競争に打ちかつことのできる強い経済をつくり上げるため、法人税の実効税率を大幅に引き下げるべきだと考えます。
 特に、さきに述べた大阪都構想を初めとする都市再生、そしてその最終形として道州制に移行する場合、法人税特区を設置し、その特区の独自性に応じて指定する業種について、法人税率そのものの引き下げ、または投資税額控除、再投資税額控除、雇用促進税制等を大幅に深掘りすることによって産業競争力を強化すべきと考えますが、安倍総理の見解をお尋ねします。
 法人税に関連して、再び麻生財務大臣にお尋ねします。
 グローバル化した経済環境のもと、インターネットを通じた電子商取引や電子書籍、音楽コンテンツのダウンロード販売が爆発的に増加しています。先月二十一日の朝日新聞によれば、インターネット通販世界最大手アマゾンの二〇一二年の日本国内での売上高が約七千三百億円だったことが、アメリカの証券取引委員会に提出した報告書で明らかになったと報じられています。
 しかし、同社は、日本国内において事業所得に係る課税の根拠となる恒久的施設を有していないことから、事業所得に対する課税が全くなされない状態が続いています。
 また、日本国外にあるサーバーからダウンロードする電子書籍や音楽コンテンツの場合、国外取引として、消費税も課税されません。
 したがって、このような会社、外国法人が日本国内で獲得した利益のほとんどは、国内に残ることなく、全て海外に流出しているのが現状です。
 私自身、財務省の主税局国際租税課での勤務経験があり、国際課税における租税競争には大変難しい側面があることも十分に認識しているつもりですが、日本国内での企業活動によって相当の利益を得ながら事業所得に係る税を支払っていない外国企業については、例えば取引高税の創設により、法人税額相当額の外形標準課税を行うべきだと考えますが、麻生財務大臣の見解をお尋ねします。
 最後に、個人所得税について、安倍総理にお尋ねします。
 我々日本維新の会は、活力ある経済社会を取り戻すため、働き盛り世代、そして若者世代が、グローバルな競争環境の中で存分にチャレンジできる土俵を税制という形でつくります。
 個々人のライフサイクルの中で、所得も消費もピークを迎える働き盛り世代、子育て世代の税負担を軽減する必要があると考えます。
 そこで、子育て支援目的の給付つき税額控除制度の導入や子供に関する扶養控除の復活を一日も早く実現すべきではないでしょうか。
 全ては日本の未来のため、我々国会議員が汗を流すべきだと考えます。日本の未来をつくる税制という観点から、安倍総理の所見をお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 桜内文城議員にお答えをいたします。
 社会保障・税一体改革についてのお尋ねがありました。
 社会保障・税一体改革は、社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成を目指す観点から取り組んでおり、既に、年金や子育て分野についての関係法案が成立をしております。
 現在、改革推進法に基づき、医療・介護分野を初めとして、国民会議で精力的に議論するなど、改革の具体化に向けて取り組みを進めているところであります。
 改革を進めるに当たっては、少子高齢化の進展や社会保障費の急速な増大など、社会経済の変化への対応が迫られていることから、給付の充実とともに、重点化、効率化についても検討を進め、受益と負担の均衡がとれた持続可能な制度の構築を目指してまいります。
 年金財源を目的とした相続税についてのお尋ねがありました。
 二十五年度税制改正においては、格差の固定化防止等の観点から、相続税の課税強化を行うこととしており、資産課税の強化は重要な課題と考えています。
 一方で、御指摘の基礎年金国庫負担二分の一の財源は消費税で賄うこととしており、金融資産全体に一律に相続税を課税し、これを賄うとの御提案については、まず、現在税収が一・二兆円の相続税を相当規模のものとすること、一律に課税することに国民の理解が得られるかなどといった問題があると考えています。
 地方への税源移譲、特に消費税の地方税化についてのお尋ねがありました。
 安倍内閣は、地方がみずからの発想で特色を持った地方、地域づくりができるよう、国から地方への権限、財源等の移譲を促進するなど、地方分権改革を推進してまいります。また、その基盤となる地方税の充実に努めてまいります。
 一方、消費税は、社会保障・税一体改革において、引き上げ分の税収について、全額社会保障財源化されるとともに、年金、医療、介護、子育てといった社会保障における役割分担に応じて、国と地方にそれぞれ配分することとされました。
 この消費税を全額地方に移管するのであれば、社会保障について地方に大きな責任を担っていただく必要がありますが、これは、結果的に大きな地域間格差を生じさせることにもなりかねないことから、極めて慎重な検討が必要と考えております。
 法人税の実効税率の引き下げについてお尋ねがありました。
 我が国企業の国際競争力の向上等を通じ、雇用と国内投資の拡大を図る観点から、二十三年度税制改正において、法人実効税率を五%引き下げることとしており、復興特別法人税の適用終了後の平成二十七年度以降にこれが実現します。
 法人課税については、税制抜本改革法において、平成二十七年度以降において、雇用及び国内投資の拡大の観点から、実効税率の引き下げの効果及び主要国との競争上の諸条件等を検証しつつ、そのあり方について検討することとしており、この方針に沿って検討してまいります。
 また、道州制への移行を前提とした法人税特区の御提案については、道州制のあり方との関係、その政策目的や有効性、経済への影響、実行可能性などについて、幅広く検討する必要があると考えています。
 子育て世帯の負担軽減についてお尋ねがありました。
 児童手当を含め、子育て世帯に対する財政上または税制上の措置等については、自民党、公明党、民主党による三党で議論が積み重ねられてきたところであります。
 その結果に基づいて、昨年三月に成立をした改正児童手当法の附則においては、児童手当の支給や扶養控除の廃止による影響を踏まえつつ、そのあり方を含め検討を行い、必要な措置を講じる旨の規定が設けられているところです。
 政府としては、この法律の規定や公党間の議論も踏まえ、しっかり検討してまいります。
 以上であります。(拍手)
    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕
○国務大臣(麻生太郎君) インボイス制度についてのお尋ねがありました。
 複数税率のもとで、事業者が適正に仕入れ税額の計算を行うためには、適用税率と税額が記載された、いわゆるインボイスが必要になると承知をいたしております。
 インボイス制度を含め、複数税率の導入に当たっては、さまざまな課題について、既に与党の調査委員会において議論が開始されていると伺っております。政府としては、与党における議論を十分に踏まえた上で、検討を行っていく必要があると考えております。
 外国企業に対する外形標準課税についてのお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、国内に支店などの恒久的施設を持たない外国法人の事業所得については、課税対象外となっております。
 グローバル化した経済環境のもとでのこうした企業に対する課税のあり方につきましては、OECD等の国際機関において議論されているところでもあります。そうした議論を踏まえつつ、外国企業に対する適正な課税の確保に努めてまいらねばならぬと考えております。
 なお、お尋ねの外形標準課税についてですが、一般論として申し上げれば、新たな税制を検討するに当たっては、合理的な課税根拠があるか、経済にどのような影響を与えるか、公平で効率的な課税が可能か、既存の税制との関係などについて、幅広い検討が必要であろうと考えております。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(伊吹文明君) 上田勇君。
    〔上田勇君登壇〕
○上田勇君 公明党の上田勇です。
 ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案について、安倍総理並びに関係閣僚に質問をいたします。(拍手)
 安倍内閣は、長引く円高、デフレ不況を克服するため、第一に大胆な金融政策、第二に機動的な財政政策、第三に民間投資を喚起する成長戦略の、いわゆる三本の矢の経済政策を着実に実行しております。
 本法案は、この方針に基づき、民間投資や雇用を喚起し、中長期的に持続的な成長を目指し、これまでにない、思い切った政策税制措置が講じられています。
 国内における設備投資へのインセンティブとなる生産設備投資促進税制の導入、再生エネルギー・省エネ設備の導入促進税制の延長、拡充、研究開発税制の拡充等の措置は、我が国の将来にわたる経済の成長力を強化する政策だと考えます。
 また、商業、サービス業、農林水産業を含む中小企業の設備投資を支援する税制や交際費課税非課税額の拡充などの措置は、地域の経済と雇用を守り、新たな成長につながる政策だと考えています。
 一方で、少子高齢化が進展する中で、安定した社会保障財源を確保するとともに、財政健全化への道筋を確立することも、避けて通れない課題となっています。そうした観点から、昨年の三党合意に基づく、所得課税や資産課税について所要の措置を講じるとともに、消費税引き上げに伴う対策も盛り込まれています。
 法案決定に先立ちまして、与党と民主党とで協議が行われ、附則に四項目の検討事項を加えるとともに、国民生活に影響を及ぼさないために年度内成立が必要であることを確認し、そのために誠実に対処することで合意をされています。良識のある判断だと評価をしています。この合意の趣旨が尊重され、円滑な審議が行われて、年度内に成立することを強く期待するものであります。
 まず、消費税関連について御質問いたします。
 昨年の三党合意では、低所得者対策として、給付つき税額控除と複数税率制度について検討することとされています。
 公明党は、食料品、新聞等の生活必需品について軽減税率を適用することを提案していることは、御承知のとおりであります。
 一月に与党内で取りまとめた税制改正大綱においては、消費税率の一〇%引き上げ時に軽減税率制度を導入することを目指すこととなりました。そのため、与党税制協議会に軽減税率調査委員会を設置し、導入に向けての課題等について検討をしていくこととなり、既に調査検討が始まっております。
 消費税導入の歴史の古いヨーロッパの主要国やアメリカの多くの州では、食料品等の生活必需品に低い税率を適用しています。こうした先例は、消費税への国民の理解を得ていく知恵だと思っています。
 また、特定の者に給付を行うとなると、所得の捕捉が公平、正確に行われているのか、また、保有している資産の多寡が考慮されていないのではないか、そういった納得が得られにくい面もあるのではないでしょうか。
 それに比べて、軽減税率は、消費をする者全てに公平に適用される、透明性が高く、公平感の得られやすい制度だと考えます。総理の御所見をお伺いいたします。
 消費税率が引き上げられるときに、適正、円滑に転嫁され、中小・小規模事業者が不利益をこうむることがないようにしておくことが重要であります。
 過去には、買い手と売り手の力関係によって、転嫁を拒まれた、値引きを要求された、役務の提供を求められた、そういった事態が見受けられたことは承知しています。
 公明党では、流通の各段階に携わる事業者からさまざまな意見を伺い、それに基づく提言をお届けをいたしました。引き上げ時に混乱を来すことがないよう、早い段階から準備をしておくことが必要であります。
 適正、円滑な転嫁対策についての総理の御所見をお伺いをいたします。
 次に、ガソリンや酒類に関する、いわゆるタックス・オン・タックスについてお尋ねいたします。
 ガソリンや酒類に係る税は、いわゆる庫出税で、税も取引価格に含まれ、それに消費税が課税される仕組みになっています。消費者や関係事業者からは、以前から、こうしたタックス・オン・タックスの見直しを求める声が多くあります。課税の仕組みから生ずる問題でありますが、価格の中に税金の占める割合の高い商品でもあり、消費税の引き上げ時に負担が大きくなり過ぎないように配慮すべきではないでしょうか。財務大臣の御所見をお伺いいたします。
 次に、住宅取得税制についてお伺いいたします。
 多くの人にとって、住宅は、人生で最も大きな買い物であります。そのため、これまでの消費税の引き上げ時前後に、駆け込み需要と反動減が生じました。
 本法案には、税負担に伴う影響を平準化するため、所得税及び個人住民税における住宅ローン減税を延長、拡充することが盛り込まれています。しかし、こうした措置によってもなお税負担がふえる世帯に対して、給付の導入が検討されていると承知をしています。
 この給付措置の対象、規模、内容についてどのように考えているのか、国土交通大臣にお伺いをいたします。
 本法案では、相続税の課税範囲の拡大や税率引き上げが行われることとなります。
 バブル期以降、地価の下落が続く中で基礎控除が据え置かれていたために、現在では、亡くなった方の四・二%だけが課税されており、富の再分配機能が低下していると指摘されています。したがって、今回の改正はやむを得ないものだと考えています。
 しかし、地価の高い大都市部の農家等からは、相続税の課税強化によって、営農の承継、継続が困難になるとの懸念の声が上がっています。
 それに対応するため、居住用宅地の適用範囲が拡大されることとなりました。それでも、多くの農家は、宅地内に農機具置き場などの農業用施設が設けられているために面積が大きく、しかも宅地の評価額が高いことから、多額の相続税が課されるのではないかと不安を感じています。
 都市農業は、市民に新鮮な食料を供給するというだけではなく、貴重な緑や空間を提供することによって、環境、防災上も重要な役割を果たしています。
 都市農業の重要性について、どのようにお考えか。また、都市部の営農が安定して継続できるような税制であるべきだと考えますが、総理の御所見をお伺いいたします。
 次に、雇用の確保、個人所得の増加を目指す措置について質問をいたします。
 安倍内閣では、個人の可能性が最大限発揮され、雇用と所得が拡大する国を目指してさまざまな施策を実行するとともに、経済界に対しても、給与を増額するよう働きかけを行っています。
 本法案でも、労働分配を増加させた企業に減税を行う所得拡大促進税制の創設や、雇用促進税制の拡充が盛り込まれています。
 こうした政府の方針に呼応し、経済見通しが改善をする中で、多くの企業で給与の増額を決定しています。所得の拡大が消費を喚起することによって、経済の好循環が生み出されるものと期待をしています。しかし、こうした動きは、今のところ、まだ限定的であります。さらなる取り組みが必要と考えます。
 今後の方針について、総理の御見解をお伺いいたします。
 次に、本法案では、株式の配当や譲渡益の軽減税率が平成二十五年に廃止されることを受けて、平成二十六年からの少額投資非課税制度の拡充が定められています。
 この措置は、平成二十二年度税制改正において三年間の時限措置として導入をされたものですが、三年間という短期間では、証券会社、投資家双方にとってメリットが少なく、効果が期待できないと判断をして、制度の期間を十年間に延長し、毎年百万円を上限として、株式等を新たに取得してから五年間非課税とするものであります。
 この制度の目的及び期待される効果について、金融担当大臣の御所見を伺います。
 また、公社債等の利子、譲渡損失と上場株式等の所得との金融商品間の損益通算範囲の拡大など、金融所得課税一体化を進める措置が講じられています。
 今後の金融・証券税制のあり方について、金融担当大臣の御所見をお伺いいたします。
 なお、民主党提出の法案については、今後の検討項目を示した内容でありますので、現時点で特に質問はございません。
 冒頭申し上げましたとおり、本法案には、経済再生のために重要な税制改正項目が数多く含まれています。また、年度末で期限切れとなる租税特別措置の延長も盛り込まれております。
 審議の促進と年度内成立、その必要性をお訴えし、質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 上田勇議員にお答えいたします。
 消費税の軽減税率等についてお尋ねがありました。
 消費税の軽減税率や低所得者の方々への給付については、税制抜本改革法に基づき、その導入に当たってのさまざまな課題について、与党税制改正大綱や与党における御議論を踏まえつつ、検討を行っていく必要があると考えております。
 与党におかれては、既に軽減税率の調査委員会を設置して議論を開始されていると伺っており、政府としても、与党における調査等への必要な協力を行ってまいりたいと考えております。
 消費税の転嫁対策についてお尋ねがありました。
 消費税の円滑かつ適正な転嫁に支障が生じることのないよう、政府としては、中小・小規模事業者を含め、事業者の実態を十分に把握しつつ、御党の提言を初め、与党における御議論を十分に踏まえ、強力かつ実効性のある転嫁対策の具体化に向け、法案の提出を含め、しっかりと取り組んでまいります。
 都市農業と相続税についてのお尋ねがありました。
 都市農業は、新鮮な食料を供給するほか、憩いの場の提供や防災空間の機能など多様な役割を果たしており、都市農業の振興を図っていくことは重要な課題と認識をしております。
 こうした観点から、二十五年度税制改正においては、相続税について、小規模宅地等の減額特例を拡充するなど、都市農業にかかわる方々への配慮も行っております。
 今後とも、都市農業の安定的継続の観点も踏まえ、税制を考えていく必要があると考えております。
 経済の好循環を実現するための取り組みについてお尋ねがありました。
 経済の好循環に向けては、企業の収益力向上の成果が適切に労働者にも分配されることが重要です。
 このため、私から、可能な限り報酬の引き上げを行ってほしいと産業界に直接要請を行いました。また、平成二十五年度税制改正において、利益を従業員に還元する企業を支援することとしており、ぜひとも活用していただきたいと考えております。
 既に、企業においては、この方針に御賛同いただき、従業員の報酬を引き上げる動きも次々と広がっております。
 引き続き、三本の矢により、企業の収益機会をふやし、雇用や所得の拡大を実現することで、国民生活に経済成長の恩恵が広く行き渡るようにしてまいります。
 以上であります。(拍手)
    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕
○国務大臣(麻生太郎君) ガソリンや酒類に係る個別間接税と消費税の関係についてのお尋ねがあっております。
 酒税や揮発油税等につきましては、税制抜本改革法の規定に従い、これらの個別間接税を含む価格に消費税が課税されることは国際的に共通する原則であることを踏まえて、国及び地方の財政状況、また、課税対象となる品目をめぐる環境の変化、国民生活への影響などを勘案し、引き続き検討してまいりたいと考えております。
 少額投資非課税制度の拡充についてのお尋ねもありました。
 少額投資非課税制度、通称日本版ISA、インディビジュアル・セービング・アカウントは、家計の安定的な資産形成を支援するとともに、経済成長に必要な成長資金の供給拡大を図るとの観点から、今回、大幅に拡充して創設するということにいたしております。これにより、家計の資産形成の促進とデフレ脱却の後押しが図られ、これらが相まって好循環が発生することを期待しているところであります。
 金融所得課税のさらなる一体化の推進についてのお尋ねもありました。
 さまざまな金融商品への投資から生ずる利益と損失を通算し、同一の税率で課税する金融所得課税の一本化を進めることは、簡素で中立的な課税の観点から、極めて重要であると考えております。今後、金融所得課税のさらなる一体化に向け、引き続き検討してまいりたいと考えております。(拍手)
    〔国務大臣太田昭宏君登壇〕
○国務大臣(太田昭宏君) 住宅取得に係る給付措置についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、住宅ローン減税の延長、拡充措置を講じてもなお効果が限定的な所得層に対して、消費税の負担の増加を緩和する上で、適切な給付措置を講ずる必要があるものと認識をしております。
 給付措置の具体的な内容については、例えば、対象となる住宅取得者の要件や、住宅にどのような性能を求めるべきかといった、さまざまな論点があり、現在、与党においても議論がなされているところと承知しています。
 引き続き、与党における議論も踏まえながら、給付措置の内容については、住宅取得に係る税負担の増加による影響を緩和する観点から、実のあるものにできるよう、しっかりと取り組んでまいります。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(伊吹文明君) 大熊利昭君。
    〔大熊利昭君登壇〕
○大熊利昭君 みんなの党の大熊利昭です。
 私は、みんなの党を代表して、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案を含む平成二十五年度税制改正等について質問します。(拍手)
 政府の平成二十五年度税制改正の大綱によれば、現下の経済情勢等を踏まえ、成長と富の創出の好循環の実現に向け、民間投資の喚起、雇用、所得の拡大、中小企業対策、農林水産業対策等のための税制上の措置を講ずるとしておりますが、各所にそれとは相入れない改正が含まれ、原則のない、総花的、場当たり的な改正と言わざるを得ません。
 税については、古くから、効率、公平、簡素の三原則が唱えられていますが、今回の改正案では、どこにウエートを置いているのか、全く見えません。総理の見解を求めます。
 政府は、どのような経済指標が達成できたら消費税増税に踏み切るかという明確な指針を示していません。今般の税制改正は、それがないままに、消費税増税に向けた環境整備のために、効率の原則に反し、取りやすいところから取り、国民からの風圧を避けるために行おうとするものではありませんか。
 公平の原則、すなわち、本格的な所得再分配政策を行うのであれば、もっとより包括的な、各種控除の見直しも含む所得課税税制の見直しが必要なのではありませんか。
 簡素の原則についてです。
 個人の所得把握については、年間給与五百万円以下の収入については、国税当局がその情報すら持っておらず、各地の市町村にのみ情報があります。
 こうした状況をそのままにした中で、例えば、給付つき税額控除を実施した場合、低所得ではあるものの高金融資産の者にまで給付が行われてしまうおそれがあります。
 さらに、いわゆるマイナンバー法のもと、個人にマイナンバーが振られたとしても、上記のままでは、引き続き所得の捕捉が税務当局によってできないままであるところから、マイナンバー制度が効率的に運用できないことになります。
 こうした制度の欠陥を、将来の有用な制度の運用のためにも、あらかじめ修正しておくべきではないですか。
 具体的な施策についてです。
 所得税の最高税率の見直し以外にも、住宅ローン減税制度の拡充、延長等がございますが、これについても、やはり、消費税増税に向けた環境整備のために、単に国民からの風圧を避けるために行おうとするものではありませんか。制度を通じて、賃貸住宅に住む人々との新たな制度上の格差を生む政策なのではありませんか。住宅は賃貸でという転勤の多い世帯が持ち得る考え方あるいはライフスタイルを政府が阻害する結果をもたらすおそれはありませんか。また、税は簡素にという原則からも逸脱する政策ではありませんか。
 金融・証券税制についてです。
 そもそも、株式の配当は、法人税を支払った後の利益の一部から支払われている状態が継続しており、二重課税の疑念が継続しています。今回の改正は、その根本問題を放置しています。
 現在、株価は上昇していますが、配当、譲渡益課税の軽減税率の本則化は、株式の取引に負の影響を与えます。
 軽減税率の再延長から恒久化へとつなげるのが成長の後押しをするための筋道で、これをしないまま、非課税投資を可能にする日本版ISAを措置するというのは、森の状態を放置したままに個別の樹木を剪定しているようなものであります。
 もし実施するのであれば、その具体案においても、なぜ五年間で打ち切ってしまうのか、説明をお願いいたします。
 また、口座は一人一口座に限定されているため、実務上の運用が煩雑で、名義貸しなどが起こり得るため、公平、簡素の原則にもとることを指摘いたします。
 教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置についても、払い出しが本当に教育資金であるか、領収証を証券会社がチェックするといいますが、実効性は担保されていますか。いたずらに、公平、簡素を損ねることにならないでしょうか。
 また、金融所得課税の一体化についてです。
 本年一月、日本取引所グループが発足しました。同取引所では、上場株式、債券以外にも各種のデリバティブも取引されており、日本の資本市場をリードするばかりではなく、日本における資本市場を、グローバルな競争にも打ちかつ、まさに強い日本市場をつくるプラットホームとなり得ますが、税制は、その流れに全くおくれているわけであります。
 具体的には、金融所得課税において損益通算可能な範囲は、今般の改正案で、公社債等の譲渡益、公社債等の利子、上場株式等の配当、上場株式等の譲渡益にとどまっており、中途半端と言わざるを得ません。日経二二五先物、オプションなどを含むデリバティブ全般にも損益通算範囲を拡大することによって、日本に強い資本市場を育てるという考え方はないですか。
 また、配当に係る外国税額控除に至っては、税務相談室に電話で問い合わせても、ほとんどの職員が答えられないほど、複雑な調書となっています。内国株式と同様の制度に統合することはできませんか。
 これらの施策を実行して、税制の簡素化を進めるという考えはありませんか。
 法人課税についてです。
 日本における法人税率等を世界で最も魅力的に設定することにより、グローバルな成長企業を日本に取り込み、それにより雇用を拡大していくという発想はありますか。もしあるという場合、それが今般の税制改正にはほとんど反映されていないのはなぜですか。
 法人税等を約半分にしても、海外から日本に税引き前利益五千億の企業に五十社来てもらえれば、元は取れるのです。
 環境関連投資促進税制についてです。
 今般の改正案では、その適用期限を二年延長するとともに、即時償却の対象資産にコージェネレーション施設を追加となっておりますが、その年度に即時償却ができない場合は、現状のとおり、規定の償却年限による償却となるしかないわけです。
 なぜ、企業活動の自由を高める償却方法、どの年度にどのぐらい減価償却をとるかについて企業の裁量を高める制度の検討はしていないのでしょうか。
 会計と税務が離れるということでは、理由になりません。なぜならば、国際会計基準を含め、近年では、もともと税務と会計は分離の方向になっているからです。
 安倍内閣には、消費税増税のための単なる地ならしとしての税制改正ではなく、国民的議論を伴った、まさに税制全般にわたる骨太の税制改正を求めて、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大熊利昭議員の質問にお答えします。
 平成二十五年度税制改正の基本的考え方についてお尋ねがありました。
 平成二十五年度税制改正においては、現下の経済情勢等への対応や社会保障・税一体改革の着実な推進といった基本的考え方に立脚し、成長と富の創出の好循環の実現を図る観点からの民間投資の喚起、雇用、所得の拡大等のための措置、所得税、資産課税の見直し、震災からの復興を支援するための措置、円滑、適正な納税のための環境整備を図る措置などを盛り込んでいるものであり、総花的、場当たり的な改正といった御批判は当たらないと考えております。
 なお、御指摘の三原則と個別の項目との関係について、担当大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕
○国務大臣(麻生太郎君) 大変早口な質問だったので、十問頂戴したんだと理解しておりますので、数が間違っていたらごめんなさい。
 二十五年度税制改正は、消費税増税に向けた環境整備のために、取りやすいところから取るものではないかとのお尋ねでありましたが、今回の税制改正に盛り込んだ所得税や資産課税の見直しは、昨年の国会審議を経て成立した税制抜本改革法の附則第二十条及び第二十一条の趣旨に従い、格差是正や格差の固定化の防止などの観点から行おうとしているものであり、取りやすいところから取るといった趣旨のものであるなどといった批判は全く当たらないと存じます。
 所得税の各種控除の見直しについてのお尋ねがありました。
 所得税につきましては、昭和六十年代以降、税率構造の大幅な累進緩和を進めてきた結果、近年、所得再配分機能が低下をいたしております。これを回復させる観点から、所得控除や税率構造の改革を進める必要があると考えております。
 こうした考えのもと、今回の税制改正におきましては、課税所得四千万円からの最高税率の引き上げ、四〇%から四五%を実施することといたしております。
 給与所得控除や扶養控除などの各種の控除につきましては、引き続き、その実態を踏まえつつ、あり方を検討してまいりたいと考えております。
 個人の所得把握のあり方についてのお尋ねがありました。
 現行制度では、年間給与が五百万円以下で年末調整を行っている場合、国税当局への源泉徴収票の提出は不要とされております。これは、源泉徴収の義務を負う企業の事務負担を軽減する観点から設けられている基準であり、制度の欠陥であるとは全く考えておりません。
 全ての給与所得者の源泉徴収票の提出を求めるということにつきましては、中小零細企業を含む企業の事務負担の増加及び課税の適正化や税収増にどれだけつながることとなるかといった観点も踏まえ、慎重に検討する必要があると考えております。
 住宅ローン減税制度についてのお尋ねがありました。
 住宅は、経済への影響の大きな分野であり、過度の駆け込み需要や反動減を抑制する必要があります。
 こうした観点から、二十五年度税制改正では、消費税率引き上げ後、住宅需要の反動減があらわれる時期に、過去最大規模の住宅ローン減税を実施し、実質的に消費税負担の軽減を図ることといたしております。
 なお、賃貸住宅にお住まいの方々が支払われる家賃には、もともと消費税が課税されておりません。住宅ローンを活用して住宅を購入する方々よりも制度上不利に取り扱われているとは考えておりません。
 配当に関する二重課税の懸念、証券優遇税制の廃止及び日本版ISAについてのお尋ねがありました。
 配当所得につきましては、法人税と所得税の負担調整の観点から、配当税額控除が設けられております。また、金融所得課税につきましては、損益通算範囲の拡大を進める必要があり、そのためには、金融所得間の課税方式の均衡化に向けた取り組みを進めていくことが不可欠だと考えております。
 そうした観点から、平成二十五年度税制改正におきましては、上場株式などの配当、譲渡益に係る税率を本則の二〇%とするとともに、公社債の利子や譲渡益との通算を可能とすることといたしております。
 日本版ISAにつきましては、これまで投資の習慣がなかった人たちを株式市場に引き込み、成長マネーの供給を拡大するため、新たに創設する制度であります。その目的が真に果たされているかを検証する観点から、十年間の時限の政策とするとともに、富裕層を過度に優遇する結果とならないよう、非課税期間につきましては、五年間といたしております。
 非課税口座を一人一口座としたのは、毎年新たな口座開設を求めると実務上の運用が煩雑になるという証券業界からの要望を踏まえたものであります。
 教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税についてのお尋ねがありました。
 教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税につきましては、御指摘のとおり、その使途が教育目的であるかを確認することが必要となります。
 そのため、本制度を利用するに当たっては、金融機関への領収書等の提出を義務づけるとともに、口座契約終了時には、税務署長に対し調書の提出義務を課すことなどにより、制度の適正な運用を担保することといたしておるところです。
 金融所得課税の損益通算の範囲についてのお尋ねもありました。
 デリバティブを含みます金融所得課税のさらなる一体化につきましては、対象に公社債を含める今回の改正を踏まえつつ、総合的な取引所の実現にもつながる観点や、また、意図的な租税回避の防止にも十分留意し、引き続き検討してまいりたいと考えております。
 個人が外国から配当を受けた際に行う外国税額控除の手続についてのお尋ねがありました。
 外国税額控除は、海外からの配当について外国で課された税を日本で納めた税から控除して、二重課税を回避するための制度であります。
 この制度につきましては、外国で課された税額の算定などを行うため、ある程度手続が複雑にならざるを得ないという面もありまして、御指摘のように、内国株式と同じ制度にするというのは困難だと思っております。
 しかしながら、手続が複雑であるという指摘も踏まえつつ、できるだけ納税者にわかりやすいものにしていかねばならぬ、努めてまいりたいと考えております。
 法人税率についてのお尋ねがありました。
 企業の国際競争力の向上や立地環境の改善を通じ、雇用と国内投資の拡大を図る観点から、平成二十三年度税制改正において、法人実効税率を五%引き下げることといたしております。復興特別法人税の適用終了後の平成二十七年度以降にこれが実現をいたすことになります。
 法人課税につきましては、税制抜本改革法において、平成二十七年度以降において、そのあり方について検討することとされており、今後、この方針に沿って、実効税率の下げの効果などを検証しつつ、検討してまいりたいと存じます。
 最後になりますが、環境関連投資に係る償却方法の自由化についてのお尋ねがありました。
 有形固定資産の減価償却につきましては、公平公正な課税の観点から、統一的な取り扱いとするために、使用実態を踏まえて、資産別に税務上の耐用年数というものを定めております。
 御指摘の環境関連投資促進税制においては、例えば太陽光の発電設備等につきましては即時償却を認めるなど、投資を促進するための特別の償却の期間や限度額を定めております。
 他方、いつ、どの程度の減価償却をするかにつきましては、企業の自由に任せるということは恣意的な利益調整を許すことにもなりますため、慎重な検討が必要であろうと考えております。
 以上です。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(伊吹文明君) 佐々木憲昭君。
    〔佐々木憲昭君登壇〕
○佐々木憲昭君 私は、日本共産党を代表して、国税法案について質問します。(拍手)
 本来なら、きょうは、税法とともに公債特例法案の審議がなされているはずであります。しかし、昨年秋、民自公三党合意によって、三年間、特例公債を自由に発行できるようにしたため、この国会では国税法案のみが議題となっているわけであります。これは極めて異常です。
 憲法八十三条は、「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない」と定め、八十六条は、「内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない」と、予算の単年度主義を規定しているのであります。
 その上で、財政法第四条は、「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない」としております。
 この規定は、過去の戦争で、戦費調達のために大量に国債を発行し、国家財政と国民生活を破綻させた痛苦の経験を踏まえ、定められたものであります。
 総理は、この歴史の教訓をどのように受けとめていますか。特例公債発行自由化法は、憲法並びに財政法第四条に真っ向から違反するものではありませんか。
 次に、消費税についてです。
 三党合意に基づいて、消費税は、来年四月から二段階で一〇%まで引き上げられようとしております。増税分だけで十三・五兆円。実に、法人税収の一・六倍もの増税が実施されるのであります。戦後、これほどの大増税が実施されたことがあったでしょうか。
 さらに、年金、医療、介護など社会保障の負担増も合わせると、二十兆円に及ぶのであります。これは、GDP、国内総生産の六割を占める家計消費に重大な打撃となることは明らかではありませんか。
 この大増税は内需を冷やす要因になる、そういう認識はありますか。
 多くの中小業者は、消費税を価格に転嫁できず、身銭を切って納めるか、滞納せざるを得なくなり、倒産や廃業に追い込まれております。
 親会社が、消費税の転嫁を免れるため、下請業者に製品単価の引き下げを強制しております。政府は、踏み込んだ転嫁対策をとるといいますが、親会社が、消費税を負担する形をとりながら、製品単価の不当な引き下げで巧妙に転嫁逃れをする、この手口をどのように見分けるつもりでしょうか。
 また、小売業者の場合は、大手企業と競争すれば、転嫁どころか、身銭を切るしかないのが現実であります。
 その解決策はあるのか。それは、消費税大増税をやめ、免税点を前に戻し、簡易課税制度を拡充することであります。お答えください。
 安倍内閣が、このまま国民負担をふやし、可処分所得を減らし続けるなら、内需を一層低迷させます。そのため、二%の物価上昇達成を理由に、金融緩和とともに、不要不急の大型公共事業をますます拡大せざるを得なくなるのではありませんか。
 公共投資がGDPに占める比率は、わずか四%にすぎません。約六〇%を占める家計を冷やしながら、幾ら公共事業をふやしても、景気対策としては効果がありません。
 この路線を切りかえない限り、政府は、ますます大規模な公共事業の拡大に走り、多額の国債を発行することになります。膨れ上がった国債を市中消化できなければ、事実上、日銀が大量に引き受けざるを得ません。結局は、財政規律を失い、過剰な通貨供給を招くのであります。
 このままでいけば、通貨価値の下落に伴うインフレーションを呼び込むことになるのではありませんか。これは、不況下での物価上昇、すなわちスタグフレーションへの道であります。この道は絶対に歩んではなりません。
 今、政府がなすべきは、家計を直接温める政策への転換であります。賃金を大幅に引き上げ、年金、医療、介護などの社会保障負担を大幅に軽減し、消費税増税を中止することであります。
 政策を根本的に見直し、大胆な家計支援策を実施するよう改めて求めて、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 佐々木憲昭議員にお答えをいたします。
 公債発行と予算の単年度主義についてのお尋ねがありました。
 戦前戦中における巨額の公債発行への反省も踏まえれば、歯どめのない借金財政は厳に避けるべきであり、今後、財政健全化目標を実現するための中期財政計画の具体化の検討を進めてまいります。
 また、憲法が定める財政民主主義や予算単年度主義の原則のもとで、予算については、毎年度国会で御審議いただき、また特例公債も、従来同様、毎年度、発行限度額を予算総則に規定し、国会で御審議いただくこととされており、政府としては、引き続き、予算審議において丁寧な説明を行ってまいります。
 消費税による負担増と経済の関係についてのお尋ねがありました。
 今般の一体改革による消費税率引き上げは、増大する社会保障の持続性と安心の確保、国の信認維持のために行うものであり、御指摘のように、消費税率引き上げ分は十三・五兆円を見込んでおりますが、その額は、全額社会保障財源化され、国民に還元される点も考慮する必要があり、負担増のみに着目することはいかがかと思います。
 また、法律で来年四月に引き上げることが決まっておりますが、機械的に何が何でも引き上げるということではなく、一体改革の目的に沿って、税収を確保できることが重要と考えています。
 本年秋に、附則第十八条にのっとって、名目及び実質の経済成長率等、種々の経済指標を確認し、経済状況等を総合的に勘案して判断をしていくことになります。
 いずれにしても、三本の矢で、長引くデフレから脱却をし、雇用や所得の増加を伴う経済成長を目指してまいります。
 消費税の転嫁対策等についてお尋ねがありました。
 消費税の円滑かつ適正な転嫁に支障が生じないよう、是正、監視、取り締まりに必要な体制を整備する等、強力かつ実効性のある転嫁対策に取り組んでまいります。
 今般の消費税率の引き上げは、増大する社会保障の持続性と安心の確保、国の信認維持のために行うものです。
 免税点制度や簡易課税制度については、課税の適正化の観点から累次の改正が行われてきたところでありますが、今般の改革においては、中小事業者の事務負担にも配慮し、これらの制度を維持することとされております。御理解をいただきたいと思います。
 二%の物価安定目標達成や、公共投資を含めた今後のマクロ経済財政運営の方向性についてお尋ねがありました。
 三本の矢を同時に射込むことにより、内需低迷を回避し、デフレ脱却と、雇用や所得の増加を伴う景気回復を実現します。
 デフレは、さまざまな原因があるものの、基本的に貨幣現象であり、日本銀行が、二%の物価安定目標を、責任を持ってできるだけ早期に実現することを期待しています。
 また、二十四年度補正予算においては、景気の底割れを回避し、経済の先行き懸念に対して強力なてこ入れを行う観点から、大型の補正予算を措置し、この中で、真に必要な公共事業を盛り込んだところでありますが、二十五年度予算については、財政健全化目標を踏まえ、公債発行をできる限り抑制いたしました。
 いつまでも財政出動を続けることはできないため、今後、成長戦略を矢継ぎ早に実行し、民需主導の持続的な経済成長を実現していくとともに、経済財政諮問会議において、財政健全化と日本経済再生の双方を実現する道筋について検討を進めることとしております。
 なお、インフレ目標を設定するということは、物価上昇が目標を大きく超える場合には、引き締めにより、適切にコントロールをしていくということであります。
 現に、インフレ目標を設定した国が、例えばこの十年間にハイパーインフレーションに陥ったような例は把握しておりません。ハイパーインフレーションは、戦後の我が国やドイツで生産機能が失われた状況において起きたように、極めて特殊な状況下において発生するものであり、現在の我が国の経済財政状況において直ちに発生することは、まずないと考えております。
 以上であります。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(伊吹文明君) 鈴木克昌君。
    〔鈴木克昌君登壇〕
○鈴木克昌君 私は、生活の党を代表し、ただいま議題となりました所得税法等改正案について、二点質問をいたします。(拍手)
 まず、車体課税の見直しに係る財源確保策についてお伺いいたします。
 税制抜本改革法では、自動車取得税及び自動車重量税について、安定的な財源を確保した上で、簡素化し、負担の軽減及びグリーン化の観点から、見直しを行うとされました。
 これを受けて、今般の税制改正の議論では大きな焦点となっていたようでありますが、その議論の過程では、自動車業界からの強い廃止要望と地方側の財源確保のための存続要望を背景とした調整の難航が報じられていました。
 その結果、与党大綱では、自動車取得税は、二段階で引き下げ、消費税一〇%の時点で廃止するとされ、自動車重量税は、エコカー減税制度の基本構造を恒久化し、消費税八%の段階では、財源を確保して、燃費性能等に応じて軽減する等の措置を講ずるなどとされました。しかし、いずれも平成二十六年度税制改正で具体的な結論を得るとし、結果的には、結論先送りとなっております。
 結局、自動車業界と地方双方の顔を立てるための玉虫色の決着とし、見直しに伴う財源確保策も明確に示すことができなかったと認識しておりますが、総理の見解をお伺いいたします。
 さらに、自動車重量税については、その税収について、道路の維持管理、更新等のための財源として位置づけられ、自動車ユーザーに還元されるものであることを明らかにする方向で見直しを行うとされました。明らかに道路特定財源の復活を示唆する内容となったにもかかわらず、安倍総理は、道路特定財源を復活するものでは全くない旨の答弁をされております。
 この内容が道路特定財源の復活ではないと主張するのであれば、自動車ユーザーに還元されるものであることを明らかにするということは、具体的にどのように明らかにするおつもりであるのか、総理の見解をお伺いいたします。
 次に、雇用促進税制の拡充及び所得拡大促進税制の創設の効果についてお伺いいたします。
 所得税法等改正案においては、雇用の一層の確保及び個人所得の拡大を図り、消費需要の回復を通じた経済成長を目指す観点から、雇用促進税制の拡充及び所得拡大促進税制の創設を行うとしております。
 我が党は、国民の生活が第一の理念に基づき、内需拡大と完全雇用の実現を目指し、継続的な財政出動を行うことを主張しており、雇用の確保と個人所得の拡大の必要性については認識を共有するものであります。
 そこで、本改正案における雇用促進税制の拡充は、その一助となり得るものと期待するところでありますが、本税制については、雇用者数を前事業年度から一〇%以上増加させることなどの適用要件を満たすことが大変厳しく、制度が十分に活用されていない状況であると認識いたしております。
 本改正案ではこうした適用条件の見直しは行われていないことから、税額控除額を拡大しても効果は限定的ではないかと考えますが、総理の見解をお伺いいたします。
 また、本改正案における所得拡大促進税制の創設は、個人所得拡大の一つと考えられます。しかし、いわゆる赤字法人の全法人に占める割合は、平成二十二年度時点で七割を超えており、税額控除のメリットを受けることができる法人は限られております。
 そこで、本税制創設の効果も限定的と指摘せざるを得ませんが、総理の見解をお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 鈴木克昌議員にお答えをいたします。
 車体課税についてお尋ねがありました。
 今般の与党税制改正大綱においては、自動車重量税の一層のグリーン化など、車体課税の見直しの方向性が示されております。
 車体課税の見直しは、昨年六月の三党合意でも、消費税率八%への引き上げ時までに結論を得るとされていた課題であり、今般の与党税制改正大綱や税制抜本改革法第七条の規定を踏まえつつ、平成二十六年度税制改正に向け、検討してまいります。
 また、御指摘の自動車重量税に係る与党税制大綱の記述は、課税の考え方がわかりにくくなっているとの指摘がある中で、課税の考え方を明らかにする趣旨で書かれたものと承知をしており、その具体化については、今後、与党の検討状況を踏まえ、検討してまいります。
 いずれにせよ、道路特定財源を復活するものでは全くありません。
 雇用促進税制の拡充及び所得拡大促進税制の創設についてお尋ねがありました。
 雇用促進税制については、平成二十三年度実績では千三百十三件の適用があったところであり、本制度の初年度で、三月決算法人への適用に限られたことなどを踏まえれば、一定の効果があったものと考えます。
 所得拡大促進税制は、利益を計上する法人が対象となりますが、まずは、こうした業績好調な企業において、本制度も活用しつつ、従業員への分配を増加していただきたいと考えております。
 これらの施策とあわせ、三本の矢を同時に射込むことにより、企業収益の向上を図り、それを雇用や賃金の上昇につなげるという好循環を創出してまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
○議長(伊吹文明君) これにて二法案に対する質疑は終了いたしました。
    〔議長退席、副議長着席〕
     ――――◇―――――
 国務大臣の発言(平成二十五年度地方財政計画について)並びに地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
○副議長(赤松広隆君) この際、平成二十五年度地方財政計画についての発言並びに内閣提出、地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。総務大臣新藤義孝君。
    〔国務大臣新藤義孝君登壇〕
○国務大臣(新藤義孝君) 平成二十五年度地方財政計画の概要並びに地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 まず、平成二十五年度地方財政計画の概要について御説明申し上げます。
 本計画の策定に際しては、通常収支分については、極めて厳しい地方財政の現状及び現下の経済情勢等を踏まえ、経費全般について徹底した節減合理化に努める一方、社会保障関係費の増加に必要な経費を計上しております。
 また、給与関係経費について国家公務員の給与減額支給措置と同様の削減を行うこととし、同時に、防災・減災事業や地域の元気づくり等の緊急課題に対応するために必要な経費を計上しております。
 あわせて、引き続き生じる財源不足については、適切な補填措置を講じることとして、地方の一般財源総額について、前年度の地方財政計画と同水準を確保することとしております。
 また、東日本大震災分については、復旧復興事業について、直轄・補助事業に係る地方負担分等の全額を措置する震災復興特別交付税を確保するとともに、全国防災事業について、所要の補助事業費等を計上しております。
 以上の方針のもとに、平成二十五年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出総額の規模は、通常収支分については、前年度に比べ五百七億円増の八十一兆九千百五十四億円、東日本大震災分については、復旧復興事業が、前年度に比べ五千五百五十九億円増の二兆三千三百四十七億円、全国防災事業が、前年度に比べ四千二百九十八億円減の二千三十一億円となっております。
 次に、地方税法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 現下の経済情勢等を踏まえ、成長と富の創出の好循環を実現する等の観点から、上場株式等に係る配当所得等及び譲渡所得等の課税の特例の拡充等の金融・証券税制の改正を行うとともに、社会保障・税一体改革を着実に実施するための個人住民税の住宅借入金等特別税額控除等の延長、拡充、並びに東日本大震災に係る津波により被害を受けた土地及び家屋に係る固定資産税及び都市計画税の課税免除等の措置の延長等の復興支援税制の改正、並びに延滞金等の見直しを行うほか、税負担軽減措置等の整理合理化等を行うこととしております。
 次に、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 平成二十五年度分の通常収支に係る地方交付税の総額について、十七兆六百二十四億円を確保するとともに、平成二十五年度における措置として地域の元気づくり推進費を設けるほか、地方公務員の給与削減等を反映して、普通交付税の算定に用いる単位費用の改正を行うこととしております。
 また、平成二十五年度分の震災復興特別交付税について、新たに六千五十三億円を確保することとしております。
 以上が、平成二十五年度地方財政計画の概要並びに地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 国務大臣の発言(平成二十五年度地方財政計画について)並びに地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○副議長(赤松広隆君) ただいまの地方財政計画についての発言及び二法律案の趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。土屋正忠君。
    〔土屋正忠君登壇〕
○土屋正忠君 ただいま上程されました地方税法外二議案について、自民党を代表して質問を行います。(拍手)
 まず、現在置かれている地方財政の現状とその問題点について、新藤総務大臣にお伺いをいたします。
 地方団体も行革努力を行っているものの、社会保障関係経費の増加、景気低迷による地方税収の減少などにより、近年は、恒常的に十兆円を超える巨額の財源不足が発生する状況が続いているわけであります。
 こうした財源不足額に対しては、地方財政法における特例措置として、期間を平成二十三年度から二十五年度まで三年間に限定した上で、国と地方が折半することを基本として、国は一般会計からの地方交付税の特例加算、地方は、いわゆる赤字地方債であります臨時財政対策債の発行により対応することといたしております。
 しかしながら、このような特例措置は、平成十三年度から継続してきており、既に十年以上にわたった措置となっております。毎年度の臨時財政対策債の発行額は、毎年、ふえる傾向にあります。
 平成二十五年度を見ても、新規発行額が約六・二兆円なのに対して、臨時財政対策債の元利償還額が二・四兆円と、単年度で残額が四兆円も積み上がる構造となっているわけであります。現在は、累積残高が四十五兆円にもなっております。
 消費税の引き上げに伴う税収増や交付税原資の増は見込まれる一方で、高齢化社会の進行に伴い、社会保障関係経費は今後も地方財政を圧迫する要因となることが想定されることから、借金依存体制から脱却をして、健全な財政運営を行えるようにしていく必要があると認識をいたしております。
 そこで、今後も適切に臨時財政対策債を償還することはできるのか、そもそも、臨時財政対策債に依存せずに済むような財政運営を行っていけるようにすべきだと考えますが、総務大臣の見解をお伺いいたします。
 第二に、市町村合併についてお伺いいたします。
 平成の大合併から十年が経過しようといたしております。改めて、合併した市町村の現状と評価について、総務大臣の見解をお尋ねいたします。
 合併の目的は、地方公共団体としての適正規模を確保し、財政力を強化するとともに、行政執行能力の向上、住民福祉の充実を図ることでありました。
 国は、合併特例債を初め各種の誘導策をとり、都道府県知事に計画の推進を依頼いたしました。
 その結果、自主的合併の機運が醸成され、全国各地で合併が行われ、三千二百余の市町村が、千七百余の、六割に減少をいたしました。明治以前の幕藩体制のときは、全国三百藩で七万の自然村でありましたので、明治以来百四十五年で四十分の一になったことになるわけであります。その結果、高山市のように、二千百平方キロと東京都より広い市域に人口十万人余が暮らすという市まで誕生したわけであります。
 合併して十年たちましたが、合併した市町村は本当に行政執行能力が上がったのか、住民自治は進展したのか、合併して得したのか損したのか、関係者にはさまざまな意見が分かれます。改めて、大臣の率直な所見をお伺いいたします。
 また、十年間の地方交付税の優遇措置が来年から期限切れになる市町村が出てくるわけであります。何も対策を打たなくてよいのでしょうか。今後の対応について、総務大臣のお考えをお伺いいたします。
 次に、中山間地域における農業を総合教育の場として活用することについて、下村文部科学大臣にお考えをお聞きいたします。
 全国の中山間地域は、多くの場合、過疎法の適用される地域であり、人口減少に悩まされております。
 中山間地に存在する棚田は、日本の最も美しい原風景でありますが、耕地が不整形で、かつ規模も小さいため、農地としては生産性が低く、時には耕作放棄地となります。このような棚田を初めとした農村地域を教育、学習の場として活用することを提案いたします。
 学習指導要領が改訂され、小学校高学年に自然体験教育の実施が規定されました。既に多くの先行事例があります。
 大都市部の小学校は、校地が狭小で、自然も少なく、時には校庭でさえ人工的なアンツーカーであります。このような人工的な学校環境から広々とした農林山村地域に学習の舞台を移すと、子供たちは見る見る元気になるわけであります。
 自然の中で農作業をしたり、山登りをしたり、暑い、寒い、つらい、時には雨に打たれ、時には満天の星空に感動したり、生命体としての原体験をすることによって、子供たちは本来の生命の輝きを取り戻すのであります。
 これは、都会では絶対に体験することのできない、生きることそのものであります。情報化社会が進展すればするほど、バーチャルな体験が日常であります。
 さらに、民泊を初め地域の方々の心のこもった温かいおもてなしが、子供の心に灯をともすのであります。
 この学習効果は、参加した児童だけにとどまらず、農村地域の活性化に重大な影響を与えます。
 経済効果から見ても、一泊五千円で六人としても合計三万円、一週間では二十万円を超える効果となるわけであります。
 さらに、民泊をお世話した農家の方々が都市側の運動会に呼ばれて、東京の孫のところに行ってくるなどと出かけていくのを見ると、農村と都市に新しいきずなが生まれてくるのを実感いたします。
 このように、農山漁村を積極的に体験教育の場として活用するとともに、日本社会の活性化、新しいきずなづくりにつながるものとして、政府全体として取り組むべき事業であると考えますが、主として教育の観点から見た、文部科学大臣の見解をお尋ねいたします。
 第四に、ふるさと納税についてお伺いをいたします。
 菅官房長官が総務大臣のときに御尽力いただき、ふるさと納税という制度ができました。これは、制度的には寄附金の制度なのですが、自分の出身地でなくてもいいわけですけれども、個人住民税を、自分の関心のある地方公共団体にその一部を振り向けることができるという制度であります。
 これは、地方公共団体の側からすると、都会に出ていった者が地元で成長する際に負担した教育や福祉のコストに対して何か還元できる仕組みができないのかという声がたびたび上がっておりました。また、都会で生活している納税者からは、自分が生まれ育ったふるさとに貢献したいという声がある中で、個人住民税の寄附金税制を拡充することにより、制度を創設したものであります。
 このふるさと納税の仕組みが大きな力を発揮したのが、東日本大震災における被災地に対する支援であります。
 東日本大震災では、ふるさと納税の対象を拡充した結果、被災地に五千億円もの寄附金、義援金が集まりました。これは、被災地を思う国民の気持ちが大きな形になるとともに、このふるさと納税の仕組みが極めて有効に機能した例と言えると思います。
 こうした制度は、納税者がふるさとと思う地方公共団体に対して貢献や応援をしたいという思いを実現することにより、地方自治に対する納税者の意識を高めることになります。
 これまでのように、国が徴収をして税収を地方に補助金や交付税として配分するだけではなく、地方税の一部を寄附金という形で納税者の意思により納税者の希望する地方公共団体に配分するという、極めて画期的な仕組みであります。
 また、地方公共団体に対する寄附金は、それぞれの団体の一般財源になるわけでありますので、これをうまく活用することにより、地域の活性化にもつながります。
 さらに、それぞれの地方公共団体が地域外の住民にとっても魅力のあるまちづくりを進めるという、よい意味での新たなる競争を生み出すという効果も期待ができるわけであります。
 このように、ふるさと納税の制度は、新しい地方自治の仕組みをつくっていく可能性を秘めたものであり、今後ともしっかりと活用していくべきだと考えますが、総務大臣の見解を伺いたいと存じます。
 以上をもって、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣新藤義孝君登壇〕
○国務大臣(新藤義孝君) 土屋議員から、四点のお尋ねをいただきました。
 まず、臨時財政対策債についてのお尋ねでございます。
 地方の財源不足については、国と地方が折半して補填することを基本としており、国は一般会計からの地方交付税の特例加算、地方は臨時財政対策債の発行により対応させていただいております。
 この臨時財政対策債の元利償還金については、その全額を、後年度、地方交付税の基準財政需要額に算入することとしており、これにより、確実に償還できるように財源保障をしているわけであります。
 しかしながら、臨時財政対策債のような特例債に頼らない財政体質の確立に向けて努力していくことが重要であります。
 このため、地方歳出の不断の見直しを行うとともに、地方税収等の確保により財源不足を縮小することにより、臨時財政対策債の発行額を抑制していくことが重要であり、引き続き努力させていただきたいと思います。
 次に、市町村合併の評価についてお尋ねがありました。
 現時点では合併の評価は定まらない面がありますが、平成の合併により、市町村の規模は総じて一定の拡大を見るとともに、政令市に移行する例も多く見られるなど、地方分権の受け皿としての前進が見られております。
 また、一方、住民の声が届きにくくなっているのではないかといった課題の指摘もございます。
 今後とも、合併市町村がその課題を克服し、合併効果を大きく発現できるよう、その状況も伺いながら、引き続きの支援を行ってまいりたいと存じます。
 次に、合併市町村への地方交付税の優遇措置についてお尋ねをいただきました。
 地方交付税の優遇措置の期間については、その制度趣旨を踏まえ、合併を推進した平成の合併期間を除き、従来から五年としてきたことなどを考慮いたしますと、特例期間のさらなる延長は難しいと考えております。
 今後は、平成の合併後に平均面積が拡大していることなどに伴う市町村の行政需要を把握し、地方交付税の算定において適切に対応してまいりたいと存じます。
 最後に、ふるさと納税についてのお尋ねでございます。
 いわゆるふるさと納税制度は、御指摘のように、当時総務大臣であった菅官房長官から、納税者のふるさとに対する思いを生かし、地方の活性化にも資する仕組みを税制上構築することができないかとの問題意識を受け、平成二十年度税制改正において創設したものであります。
 この制度は、納税者がふるさとの地方団体に寄附した場合は所得税を合わせて寄附金のほぼ全額を個人住民税から控除するもので、平成二十年の寄附に対し、平成二十一年度の個人住民税から適用されています。
 各地方団体においては、この制度をより多くの方に御活用いただくよう、積極的な情報発信に努めるとともに、これまで以上に地域の魅力を高めるための工夫を行っており、地域の活性化に役立っております。
 また、東日本大震災では、この制度を活用して多くの寄附金、義援金が被災地の地方団体に寄せられたところであり、被災者支援や被災地の復興支援にも大きな貢献をいただいたと思っております。
 東日本大震災でこの制度の活用がされたこともあり、平成二十四年度の適用実績は大幅に伸びており、制度の活用が着実に進んでいるものと考えておりますが、この制度がさらに広く活用されるよう、地方団体とも連携しながら、総務省としても、その周知、広報に努めてまいりたい、このように存じます。(拍手)
    〔国務大臣下村博文君登壇〕
○国務大臣(下村博文君) 土屋議員から、農山漁村における体験活動についてお尋ねがありました。
 近年、都市化や少子化、地域社会における人間関係の希薄化等が進む中で、児童生徒の社会性や豊かな人間性を育むためには、発達段階に応じて自然体験活動等のさまざまな体験活動を行うことが極めて有意義であり、現在の学習指導要領においても、体験活動の重要性を一層明確化しているところであります。
 土屋議員が武蔵野市の市長のときに実践されていたことでありますが、文部科学省では、平成十四年から、豊かな体験活動推進事業において、他校のモデルとなる体験活動を実施する学校を指定し、その成果を全国に普及させることを通じて、小中高等学校等における豊かな体験活動の推進を図ってまいりました。
 また、平成二十年度からは、農水省、文科省、総務省の三省が連携して、子ども農山漁村交流プロジェクトを実施し、小学校の児童が農山漁村に長期宿泊して自然体験や農林漁業体験等を行う活動を推進してまいりました。
 さらには、平成二十五年度予算において、健全育成のための体験活動推進事業を計上し、児童生徒の健全育成を図るための小中高等学校の体験活動の取り組みを支援することとしております。
 今後とも、農山漁村地域での体験活動の取り組みを積極的に推進してまいります。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(赤松広隆君) 黄川田徹君。
    〔黄川田徹君登壇〕
○黄川田徹君 民主党の黄川田徹であります。
 私は、民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました政府提出の地方税法の一部を改正する法律案、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案、平成二十五年度地方財政計画について質問をいたします。(拍手)
 地方税法改正案、地方交付税法等改正案、地方財政計画は、付託される総務委員会にとっても重要な法案でありますけれども、これら法案によって財政が大きく左右される地方自治体及び住む住民にとっては、最も注目すべき法案であります。
 平成十二年度には二十一・四兆円あった地方交付税は、小泉政権の新自由主義的、弱肉強食的な政策によりまして、地方の実情を無視してカットされ、第一次安倍内閣のときには十五・二兆円にまで減額されました。
 民主党政権では、疲弊し切った地方の体力を回復するため、平成二十四年度には十七・五兆円にまで地方交付税を復元いたしました。
 平成二十五年度については平成二十四年度と同程度の額を確保するとのことでありますけれども、本来、平成二十四、二十五、二十六年度の三年間で使う予定だった地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金を平成二十五年度で使い切ってしまうことで水準を維持する内容となっております。夏の参議院選挙が終わってしまえば再び新自由主義的な政策が復活するのではないか、非常に心配するところであります。
 安倍政権として、今後、地方交付税について、その総額、水準を含め、どうしていくのか、その立ち位置を総務大臣にお伺いいたします。
 厳しい財政状況、超少子高齢化に直面する中、国民の皆様に御負担をお願いしていくに当たり、まずは、隗より始めよということで、政治改革、行政改革を断行しなければならないことは言うまでもありません。
 昨年末、野田総理は、命をかけて国会議員の定数削減に取り組む覚悟を示し、それに安倍総裁が応えたことで、衆議院が解散されることになりました。にもかかわらず、選挙後、一向に与党から定数削減に対する真剣な思いは伝わってまいりません。
 地方自治体では、行政改革の一環として、また、平成の合併を通じて職員の定数管理を実行し、議会みずからが議員定数を削減する条例案を提出し、可決してきております。
 残るは、国会議員だけであります。あのときの約束を果たそうではありませんか。
 国の改革が放置される一方で、今回の地方交付税には、一律に地方公務員の給与削減を行うことを前提に地方交付税を削減する仕組みが入っております。
 既に、国よりも一歩も二歩も進んだ行財政改革を行ってきた自治体も多数存在しております。そういった自治体の中には、財政規模の小さな自治体を中心に、非正規雇用が増加し、ワーキングプアを生み出す事態すら招いているところも出てきております。そういった地方自治体からは、反発の声が上がっております。
 そもそも、本来一般財源のはずの地方交付税を使って、いわば兵糧攻めのような形で特定の方向に地方を誘導しようとする手法は、地方交付税制度の理念とは相反するものであります。地方交付税の根幹を揺るがしかねない手法であり、地方六団体からも、本質的な問題点が内在しているとの共同声明が出されております。
 このような自治体の現状及び声について、どう受けとめておられるのか、総務大臣にお伺いします。
 また、あわせて、このたびの措置は一回限りのものなのか、平成二十六年度以降について、この方針はあるのか、総務大臣の御見解をお伺いいたします。
 かつて、全国を均質な枠にはめようとする霞が関を頂点とした中央集権体制、政官業の癒着によるばらまき公共事業は、この国の地域から、知恵と自主性を奪い去り、活力をそぎ取ってまいりました。大都市の一部が繁栄を謳歌する一方、それ以外の地域は、停滞し、衰退していく、それがバブル崩壊後のこの国の姿でありました。
 その反省に立って、民主党政権では、地域の潜在力を引き出していくために、地方自治体にとって自由度が高く、創意工夫を生かしやすい財源を一貫して拡充するなど、地域主権改革を断行してまいりました。
 特にも、霞が関支配、政官業の癒着の温床と指摘されてまいりましたひもつき補助金にかえ、基本的に地方がみずから使い道を決めることができる一括交付金を創設したことは、画期的な出来事であったと思います。
 ところが、自民党が政権に復帰するや否や、一括交付金は廃止され、従前のひもつき補助金に先祖返りしてしまいました。霞が関や永田町の政治家への陳情ばかりが長蛇の列をなして活況を呈し、地域から知恵を生かす機会を奪い、さらに活力を失っていくことになりかねないと、非常に危惧しております。
 一括交付金は、地方自治体から大いに評価されてきた制度であります。
 確かに、額の確保や手続の簡素化といった課題があったことは事実であります。しかしながら、それは、制度の改善を推進していく理由となりこそすれ、制度を廃止し改革を後退させる理由には全くなり得ません。
 使い勝手のよい制度の方が、省庁の権力闘争を排し、効率的な運用ができることは、政府も認めているところではありませんか。現に、復興庁を中心に、縦割りを排して復興を加速するため、復興交付金化を進めているではありませんか。省益あって国益なしという状況を招いてはならない、こう思います。
 なぜ一括交付金制度を廃止したのか、復興交付金との整合性も含め、総務大臣にお伺いいたします。
 民主党は、地域主権改革の一環として、国と地方の協議の場を法定化いたしました。民主党だけではありません。修正でもって、みんなで共通の認識をしたはずであります。
 このたびのような大きな制度変更については、協議の場を通じて丁寧に地方と話し合っていくべきものではありませんか。今後の国と地方の協議の場の持ち方も含め、総務大臣にお伺いいたしたい、こう思います。
 この冬も、北日本では、平年を上回る積雪が記録されています。平年の二倍以上となっているところもあります。
 車が雪に埋まってしまったり、自宅付近で力尽きたりしてお亡くなりになるなど、大変痛ましい事案が起きております。お亡くなりになられた方々とその御遺族に深く哀悼の誠をささげますとともに、被害を受けて今もなお苦闘されている方々に心よりお見舞いを申し上げる次第であります。
 地方自治体からは、住民生活の安心、安全を守るために除雪費などの雪被害に備える財源を確保するよう、切実な要望が寄せられております。民主党は、昨年の豪雪被害に際し速やかな対応を行いましたけれども、今後、現政府はどう対応していくのか、特別交付税での措置などさまざまな対応があるかと思いますけれども、総務大臣の御見解をお伺いいたします。
 最後に、去る三月十一日、東日本大震災から二年を迎えました。改めて、犠牲になられた方々に哀悼の意を表します。
 被災された方々と、それを支援する方々の御尽力で、復興は道半ばではありますけれども、被災地は着実な歩みを進めております。特にも、社会資本整備については、民主党政権時代にまいた種が芽を出し、起工式や着工式が相次いで行われております。
 また、一方で、安倍内閣が国土強靱化の名のもとに、大規模な補正予算を組み、全国的な公共事業の拡大を行うこととしたため、資材の高騰や人手不足などによる復旧復興工事の入札不調の増加が予想されております。
 復興を加速すると言いながら、その足を引っ張るようなことをなぜ行うのでしょうか。この対応策についてどのようにお考えか、復興大臣にお伺いいたしたいと思います。
 民主党は、霞が関支配、政官業癒着の打破を訴え、政権交代をなし遂げました。特にも、地域主権改革は、その一丁目一番地ともいうべき大改革であります。さまざまな改革を後退させ、時計の針を逆戻りさせようとする勢力とは断固戦っていかなければならないと思っております。
 与党の経験を生かし、地に足のついた改革に邁進していくことを国民の皆様にお誓い申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣新藤義孝君登壇〕
○国務大臣(新藤義孝君) 黄川田議員から、五点のお尋ねをいただきました。
 まず、今後の地方交付税の総額についてのお答えをいたします。
 平成二十五年度の地方財政計画においては、社会保障関係費の増加等を適切に反映して歳出を計上した上で、地方が安定的に財政運営を行うことができるよう、地方交付税を含む一般財源総額について、平成二十四年度と同水準を確保しております。
 今後とも、地方交付税については、本来の役割である財源調整機能と財源保障機能が適切に発揮されるように、必要な総額を安定的に確保することが重要であると考えております。
 続きまして、地方公務員給与につきましては、地方交付税の算定は、標準的な行政水準に基づいて行うこととしております。
 今回、政府としては、地方公共団体に対して、国家公務員の給与減額支給措置に準じた措置を講じるよう要請する閣議決定を行ったところでございます。このため、平成二十五年度の地方交付税における地方公務員給与費については、この閣議決定に沿った水準を標準的なものとして算定を行うこととしているものであり、地方交付税を給与削減の手法として用いるものではなく、また、地方交付税制度の理念と相反するものではない、このように考えております。
 引き続き、今回の要請の趣旨を丁寧に説明するとともに、地方公共団体のこれまでの人件費削減努力を反映して算定する地域の元気づくり事業費を来年度は新たに計上するなど、今後とも、地方側の理解を得られるように努めてまいりたいと存じます。
 平成二十六年度以降の国、地方を通じた公務員給与のあり方については、改めてしっかりとした議論が必要だ、このように考えている次第でございます。
 次に、一括交付金制度を廃止した理由についてお尋ねがありました。
 地域自主戦略交付金については、地方から、窓口の一元化や手続の簡素化などの課題が指摘されており、これらの課題を解決するため、本交付金を廃止し、各省庁の交付金等に移行することとしたものでございます。
 その上で、移行後の各省庁の交付金等において、単に戻すだけではなくて、メニューの大くくり化などの運用改善を図ることとしたところであり、制度をより使い勝手のよいものに発展的に改善したもの、このようにお考えいただきたいと存じます。
 なお、復興交付金は、東日本大震災により著しい被害を受けた地域における復興地域づくりを支援するため、東日本大震災復興特別区域法に基づき創設されたものであり、地域自主戦略交付金とは、その内容を異にするものと承知をしております。
 次に、国と地方との協議についてのお尋ねがありました。
 今般の地域自主戦略交付金の廃止に当たっては、地方六団体からの意見も聞き、継続事業の着実な実施に必要な総額の確保など、地方の意見を反映した施策を推進することとしたところでございます。
 なお、国と地方の協議の場については、地方にかかわる重要政策課題について地方と連携して施策を進めていくため、今後とも活用していきたい、このように考えております。
 最後に、除排雪経費への対応についてのお尋ねでございます。
 このたびの暴風雪により、大変痛ましい事件が発生いたしました。お亡くなりになられた方々と御遺族には、深い哀悼の意を表します。また、被害を受けた方々には、心よりのお見舞いを申し上げたいと存じます。
 今冬期の大雪を踏まえ、二月十八日に、平年を大きく上回る大雪に見舞われた団体の資金繰り確保の観点から、百七十市町村に対し、三月分の特別交付税の一部百六十二億円を繰り上げて交付しました。
 また、今年度は、除排雪経費が平年に比べて極めて多額に上ることが見込まれることから、三月分の特別交付税の算定に当たりましては、平年よりもさらに延ばして、できる限り直近の所要額を把握して措置することとしております。
 いずれにいたしましても、地方団体が安心して除排雪に取り組んでいただけるように、適切に対応してまいります。(拍手)
    〔国務大臣根本匠君登壇〕
○国務大臣(根本匠君) 黄川田議員にお答えをいたします。
 全国的な公共事業の拡大と、それに伴う復旧復興事業の入札不調への対応に関する見解についてお尋ねがありました。
 まず、全国の公共事業について、政府として、老朽化対策や耐震化など、国民の生活を守る事業等、重点化を図った上で、速やかに実施することが重要という認識と理解をしております。
 また、被災地の復興の加速化も重要であり、私のもとにタスクフォースを設置し、工程や目標を記載した住まいの復興工程表と、その実現及び加速化のための施策パッケージをまとめて公表いたしました。この中に、御指摘のあった人材不足などによる入札不調の課題への対応も具体的に示しております。
 今後とも、タスクフォース等を活用し、柔軟かつきめ細かな対応を国土交通省等の関係機関と連携して進め、復興を加速させるよう努力してまいる所存です。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(赤松広隆君) 東国原英夫君。
    〔東国原英夫君登壇〕
○東国原英夫君 日本維新の会の東国原です。
 会派を代表し、ただいま議題となりました平成二十五年度地方財政計画、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案、地方税法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。(拍手)
 我が党の基本理念は、自立する個人、自立する地方、自立する国家であります。
 地方の自主自立は、国の覚悟はもちろん、同時に、地方の覚悟と責任が求められます。国においては、地方を信じ、さらなる地方への分権が必要と考えます。アベノミクスの三本の矢を引用するなら、大胆な権限移譲、機動的な財源移譲、地方のやる気を喚起する地方分権という、分権の矢が放たれなければなりません。
 本日は、地方の自立という観点から質問させていただきます。
 地方の自主自立を奪っている要素の一つが、国による地方財政政策だと思います。
 地方財政計画は、地方財政の財源を保障するという趣旨で、交付税法第七条の規定に基づき、地方公共団体の歳入歳出の見込み額を、毎年度、閣議決定し、国会に提出するということになっておりますが、そもそも、地方の財政を国が決めるということ自体が、地方分権の推進に逆行するものではないかと思います。
 地財計画は、国が地方に仕事をさせているのだから財源を保障する必要と責任があるということでありましょうが、そもそも、地方行政サービスの権限や財源を、補完性の原理と地方分権の原則に基づき、地方に移譲、移管してしまえば済む話であります。そうなれば、国による地財計画は要らないのではないでしょうか。大臣の答弁を求めます。
 中央が地方をコントロールする手段に、各種国庫支出金や地方交付税交付金があります。
 地方交付税は、二十世紀に入って、独占資本主義が進展する段階において、地域経済の不均衡が顕著になり、ナショナルミニマムの概念に基づき、自治体の財源保障、自治体間の財政力格差の是正、国と地方の財源調整を果たす目的でできた制度であります。
 我が国においては、一九一八年の市町村義務教育費国庫負担法を萌芽とし、一九四〇年に地方分与税制度の創設、一九五〇年、シャウプ勧告に基づく地方財政平衡交付金制度等を経て、一九五四年に地方交付税制度が創設されました。
 そもそも、地方財政白書には、地方交付税は地方共有の固有財源であると書いてあります。地方固有の財源であるのに、配分は国がしております。国に干渉され、地方の独立性は容認、担保されず、国からの仕送りあるいは補助金化し、国が過度に地方の自由度と自立性を奪っている状況であります。
 また、地方交付税については、受益と負担の対応関係が希薄なため、各地方団体において歳入制約が意識されにくいという問題点があります。
 また、複雑な交付税算定で、配分の予測可能性が低く、歳出特別枠の積み増しや別枠加算により、交付税総額の決定方法が不透明化しておることもまた事実であります。
 法令でその算入を義務づけられている事業のほかに、どの事業についてとか、事業費のどの程度を算入するかとかは、地方交付税法における総務大臣権限であります。
 補正係数においては、その算出基準は、国、総務省で操作可能であり、単位費用、測定単位の変更は毎年度の地方交付税法改正によるものの、補正係数は総務省の省令で決められており、その複雑怪奇な数式等極めてわかりにくく、事実上ブラックボックス化しており、ここに国の恣意的な関与を生ずる可能性があり、地方は、国が決めた交付税算定システムどおりに算定予測するしかありません。
 地方交付税は、使途の自由な一般財源といいますが、自治体への配分方式に関しては、地方自治体側の決定権や関与権はありません。
 これらの現状についての大臣の御所見をお聞かせください。
 また、国が自治体財政の政策誘導をしようとしていることも否めません。
 今回の交付税措置にも散見されますが、例えば、国庫支出金を伴う補助事業の場合、裏負担を地方債ないしは自治体の一般財源で負担することになりますが、補助事業ごとに裏負担部分が基準財政需要額に算入されます。
 また、投資的経費の事業費補正等は、自治体の投資事業、地方単独事業にかかわる地方債の元利償還費用の一定割合を基準財政需要額で算定措置するものであり、自治体が単独で投資事業を拡大すれば地方交付税額が増額されることから、事業量に応じて交付税措置がふえるというのは交付税の補助金化として問題があると考えますが、大臣のお考えをお聞かせください。
 我が国は、歳入の自治なき地方財政と言われ、多くの部分が、事実上、中央のコントロール下にあります。
 我が国の財政は、最終支出ベースにおける国と地方の比率と国民が負担する租税収入の配分における国と地方の比率が逆転しております。過度の地方交付税依存は、地域や自治体レベルでみずからの受益と負担を比較考量して行政サービスを選択するというメカニズムが働きにくいと考えます。
 教育、福祉、消防、救急、ごみ処理といった身近な行政サービスは地方自治体がやっています。ナショナルミニマムがある程度達成されたという現状認識に立つならば、経済基盤のある自治体で交付税に依存する必要がないように、地方税源を拡充強化し、地方の歳入における地方税の占める割合を高める必要があると思います。
 地方消費税等、地方税を充実、拡充し、地方税収入や基準財政収入額を増大させ、結果として交付税が段階的に縮小していくことが地方財政のあるべき姿だと考えますが、いかがでしょうか。
 交付税特別会計借入金と償還についてであります。
 交付税特別会計借入金の平成二十三年当初残高は三十三・五兆であります。償還計画は、平成二十四年、平成二十五年の償還分が一千億、平成二十六年二千億、平成二十七年三千億、平成二十八年四千億、平成二十九年五千億と、毎年一千億円ずつふえていき、平成三十四年から平成六十二年まで、毎年、約一兆円償還となっております。これらは、交付税の原資である国税五税分の法定率分から自動的に差し引かれております。
 そもそも、この借入金は、国の借金なのでしょうか、はたまた地方の借金なのでしょうか。大臣の御見解をお聞かせください。
 また、交付税特別会計借入金支払い利子も、平成二十四年が二千四百二十八億円、平成二十五年が一千七百四十六億円、これも法定率分から差し引かれております。この支払い利子は、いつぐらいまで、また、総額どのくらい支払うのでしょうか。
 続いて、臨財債についてであります。
 平成十三年度から、財源不足のうち、建設地方債、財源対策債を除いた残余について、国と地方が折半し補填することとし、国負担分については国の一般会計からの加算により、地方負担分については地方財政法第五条の特例となる地方債、臨時財政対策債により補填措置を講ずることになりました。
 これは特例措置で、平成二十五年度まで実施するとされておりますが、現行のまま続けていくと今後も臨財債は際限なく増大していくと予想されますが、平成二十六年度以降はどうされるのでしょうか。お尋ねいたします。
 また、臨財債が平成二十四年度に比べ七百九十九億円ふえている理由は何でしょうか。
 また、臨財債残高は平成二十五年度末四十五兆にも上り、臨財債の元利償還分は基準財政需要額に算入されるということですが、きちんと担保されるのでしょうか。
 臨財債は地方の借金という位置づけですが、その元利償還分を交付税措置とするという。これも、国の借金なのか地方の借金なのか、責任の所在が曖昧です。この現状について、いかがお考えでしょうか。
 また、地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金の活用六千五百億円とありますが、平成二十四年度は三千五百億円で、平成二十四年度から三年間で一兆円を目途としていますが、二年で使い切った理由についてお伺いをいたします。
 平成二十五年度地方交付税総額は十七兆六百二十四億円、うち、法定率分十兆七千九百四十八億円、一般会計における加算措置等が五兆六千百七十六億円、地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金の活用が六千五百億円となっております。
 一般会計における加算措置、つまり、既往法定分一兆二百三十一億円、別枠加算九千九百億円、臨時財政対策特例加算三兆六千四十五億円の部分は、基本的に国の赤字国債による対応であります。
 交付税の一般会計における加算措置、別枠加算については、平成二十一年度から、国、地方での折半というルールを飛び越えて、政策的に交付税を増額されました。ここに、不透明な政治的思惑、恣意性があるのではないかと思われます。
 そこで、いっそ、この加算措置は国に戻し、その同額分を国税五税の法定率から追加補填すべきだと考えます。
 そもそも、地方交付税法第六条の三第二の規定により、交付税財源不足は交付税率、法定率の引き上げで対処すべきであると考えますが、いかがでしょうか。
 消費税を交付税原資として導入した理由は、一、国の基幹税であること、二、安定性と伸長性を兼ね備えた税であること、三、交付税原資である所得税と法人税の大幅な減税の埋め合わせということでした。
 国、特に財務省が言われる偏在性の小さい地方税体系の構築とは消費税のことであると思いますし、総務省も、地域間の税収の偏りが小さく、景気の変動にも左右されにくい安定的な地方税体系を構築することが重要で、地方団体の基幹税である地方消費税の充実が必要であると言っておられます。
 将来的には、応益税であるこの消費税を地方税化すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 いずれにしろ、分権化を踏まえ、国への依存、国による支配から脱却し、地方の一層の自立を可能とするような財政的仕組みにすることは不可欠と考えます。それが真の分権改革と言えるのではないでしょうか。
○副議長(赤松広隆君) 東国原英夫君に申し上げます。
 申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単にお願いをいたします。
○東国原英夫君(続) はい。
 真の分権改革のさらなる推進をお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣新藤義孝君登壇〕
○国務大臣(新藤義孝君) 東国原議員から、十三点お尋ねをいただきました。
 まず、地方財政計画の必要性についてお答えいたします。
 地方がみずからの発想で特色を持った地域づくりができるよう、国から地方への権限、財源等の移譲を促進することなど、地方分権改革を推進することは重要と考えております。
 他方、我が国においては、依然として多くの行政分野において法令等により行政サービスが義務づけられており、どのような地域であってもこうしたサービスが提供できるように財源を保障することは、国の責務と考えております。
 地方財政計画は、地方団体が標準的な行政水準を確保できるよう地方財源を保障するという重要な役割を果たしているものであり、今後も必要であると考えております。
 次に、地方交付税の配分方式への地方団体の関与についてお尋ねをいただきました。
 地方交付税の算定に際し、地方団体の意見を反映させることは、重要な課題と認識をしております。このため、地方交付税法の規定に基づき、地方団体から算定方法に関する意見を毎年お伺いし、算定方法の見直しを行っているところでございます。
 今後とも、地方団体の御意見をお伺いしながら、地方行政の実態を踏まえつつ、公正公平な算定に努めてまいりたいと存じます。
 次に、事業量に応じた交付税措置についてのお尋ねでございます。
 地方交付税の算定においては、人口、面積等の客観的な指標を基本としつつ、一部、毎年度の財政需要を適切に反映するため、現実の事業量に応じた、地方債の元利償還金に基づく算定を行っております。このような事業量に応じた交付税措置については、地方団体の自主的、主体的な財政運営を図る観点から、財源不足対策や、災害復旧など地域、年度で偏在がある地方債を除いて、廃止縮減を行っているところでございます。
 引き続き、地方団体の財政運営に支障が生じないよう、適切な算定に努めてまいります。
 次に、地方財政のあるべき姿についてのお尋ねでございます。
 地方分権改革を推進し、その基盤となる地方消費税等の地方税の充実を図ることが地方財政の目指すべき姿と考えております。
 他方、地方税の充実を図り、偏在性の小さい地方税体系を構築しても、なお税源の偏在が残るわけであります。このため、全国どのような地域であっても一定水準の行政サービスを確保するために必要な財源を保障する現行の地方交付税の機能は、引き続き適切に発揮されなくてはならない、このように考えております。
 次に、交付税特別会計の借入金についてお尋ねがありました。
 交付税特別会計の借入金残高三十三・三兆円は、平成十九年度に国負担分が一般会計に継承された後の残額であり、全額地方負担分となっています。したがって、交付税特別会計の借入金は、地方の借金であり、地方の負担により返済していく必要があります。
 次に、交付税特別会計の借入金の支払い利子についてお尋ねがありました。
 交付税特別会計借入金については、現行の償還計画において、平成六十二年度に償還を終える予定となっております。このため、計画どおりに償還を行えば、利子についても、平成六十二年度まで支払いが生ずることになります。
 今後の利子の支払い額については、金利の動向等により変動することから、現時点で今後支払うべき総額を申し上げることは困難でございます。
 次に、地方の財源不足の補填についてのお尋ねがありました。
 地方の財源不足については、国と地方が折半して補填することを基本としており、国は一般会計からの地方交付税の特例加算により、そして、地方は臨時財政対策債の発行により対応しています。
 このルールは、平成二十三年度から二十五年度までの三年間の特例措置として地方財政法に定めていますが、平成二十六年度以降に財源不足が生じた場合の補填方法については、改めて検討することとしております。
 次に、臨時財政対策債の増加要因についてのお尋ねがありました。
 平成二十五年度の臨時財政対策債の額は、六兆二千百三十二億円であり、前年度と比較して七百九十九億円の増となっております。これは、既に発行した臨時財政対策債の元利償還金に係る発行額が増加したことが主な要因でございます。
 次に、臨時財政対策債の元利償還金についてお尋ねがありました。
 臨時財政対策債の元利償還金については、毎年度の地方財政計画にその全額を計上することにより所要の財源を確保し、また、地方交付税の算定に当たっては、地方交付税法に基づき、その全額を基準財政需要額に算入しております。
 今後とも、各地方団体の臨時財政対策債の元利償還金については、地方財政計画の策定、地方交付税の算定を通じ、確実に対応してまいります。
 次に、臨時財政対策債の責任の所在についてのお尋ねをいただきました。
 地方の財源不足については、国と地方が折半して補填することを基本としており、国は一般会計からの地方交付税の特例加算、地方は臨時財政対策債の発行を行い、国と地方がそれぞれの責任分担を明確にして対応してきております。
 したがって、臨時財政対策債は、地方の借金であり、地方の負担により償還すべきものでございます。
 次に、平成二十六年度の公庫債権金利変動準備金の活用についてのお尋ねがありました。
 地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金は、平成二十四年度から三年間で一兆円の活用を予定していたわけであります。平成二十五年度においては、平成二十四年度の三千五百億円に加え、交付税総額確保の観点から六千五百億円を活用することとし、合計一兆円の活用を行うこととしております。
 三年間で一兆円という規模は、地方公共団体金融機構において必要な財務基盤が確保されることを前提に試算を行い、設定したものでありまして、現時点において、平成二十六年度については、さらなる活用を行うことは考えておりません。
 次に、法定率の引き上げについてお尋ねがありました。
 地方交付税については、本来の役割である財源調整機能と財源保障機能が適切に発揮されるよう、必要な総額を安定的に確保することが重要であります。このため、交付税総額については、一般会計からの加算等の臨時的な対応ではなく、法定率の引き上げにより安定的に確保するという、制度本来の運用に戻していくべきと私も考えております。
 国、地方とも巨額の財源不足を抱えているという状況にあっては、法定率の引き上げは直ちには困難でありますが、今後とも、地方税収の確保を図ることにあわせて、法定率の引き上げによる交付税総額の安定的確保を粘り強く主張し、その実現に向けて努力してまいりたいと存じます。
 最後に、消費税の地方税化についてのお尋ねがございました。
 安倍内閣は、地方がみずからの発想で特色を持った地域づくりができるよう、国から地方への権限、財源等の移譲を促進するなど、地方分権改革を推進してまいります。また、その基盤となる地方税の充実に努めてまいります。
 一方、消費税は、社会保障・税一体改革において、引き上げ分の税収について、全額社会保障財源化されるとともに、年金、医療、介護、子育てといった社会保障における役割分担に応じて、国と地方にそれぞれ配分されることとされております。
 この消費税を全額地方に移管するのであれば、社会保障について地方に大きな負担を担っていただく必要がありますが、これは、結果的に、大きな地域間格差を生じさせることにもなりかねない。そうした意味からも、極めて慎重な検討が必要である、このように考えております。
 なお、地方税収について地域間に大きな格差がある中にあって、地方交付税制度は、法令等により定められた標準的な行政サービスを住民に提供するために必要な財源を国において保障する重要な役割を担っている、このように考えております。
 以上であります。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(赤松広隆君) 佐藤正夫君。
    〔佐藤正夫君登壇〕
○佐藤正夫君 みんなの党の佐藤正夫です。
 みんなの党を代表しまして、ただいま議題になりました法案について質問をさせていただきます。(拍手)
 と同時に、東国原議員と重複する点が多々あります。総務大臣、よろしくお願いをしたいと思います。
 みんなの党は、小さな政府に改め、地域主権型道州制をアジェンダに掲げております。
 自治体が自立するために必要な三ゲン、すなわち、権限、財源、人間を自治体に移譲する。各地域住民が主体の地域主権型道州制を新しい日本の形にしていく考えです。
 さて、平成二十五年度の地方財政計画の総額が八十一兆九千百五十四億円、そのうち、一般歳出総額が五十九兆七千五百二十六億円、この五十九兆七千五百二十六億円のうち、地方交付税などの不足のために発行される臨時財政対策債六兆二千百三十二億円が含まれています。
 臨時財政対策債は、平成十三年以来、毎年新規で発行するだけでなく、返済するためにさらに臨時財政対策債を発行し、現在、四十五兆円の残高にまで累積しております。
 例えれば、国が地方に、裏書きをして、手形を百万円切っておきなさいと言われた、ところが、それが続いていくと、いつの間にか一億円まで積み上がった、地方の方でも、本当にこのまま借金して続けていけるのかどうかという状況が今の事態なんです。
 総務大臣に伺います。
 臨時財政対策債は、いつまで発行し続けますか。この平成二十五年で終わりですか。この実態をどのように考えていらっしゃいますか。総務大臣の見解を聞きます。
 そして、財務大臣に伺います。
 臨時財政対策債の新規発行をとめるには、現行制度のもとでは、国税五税の法定率の引き上げのほかにはないと考えますが、財務大臣の御見解を伺います。
 臨時財政対策債は地方が返すものだと地方財政計画で規定されています。しかし、自治体の皆さん、特に首長の皆さんには、そういう認識のない方が多いのではないでしょうか。
 地方の借金を国と地方で折半するルールについては、平成十三年に、当時の宮沢喜一大蔵大臣と片山虎之助自治大臣でサインされていましたが、ここには知事会や市町村長会などの自治体代表の方のサインすらありません。国の中で約束して一方的に地方に負担を押しつけるものであり、地方の側から見れば、到底納得できないのではないでしょうか。
 重ねて申し上げますが、この臨時財政対策債を返済するためにまた臨時財政対策債を発行する自転車操業に陥り、その累積額が四十五兆円です。このような借金体質を続ける国には、地方財政をコントロールする力がないと言わざるを得ない。地方に行財政を任せたら地方行財政が破綻すると言う方もいらっしゃいますが、既に破綻状態ですよ。
 国が地方財源を調整し、結果的に地方に借金を無理やりさせるよりも、地方の財源と権限を国が地方に完全に移譲し、地方が自由に財源を使える仕組みにすべきです。財務大臣及び総務大臣に見解を伺います。
 みんなの党は、安定財源である消費税を全額地方税にすることを提案しております。消費税の全額地方税化について、財務大臣の見解を伺います。
 さて、臨時財政対策債が平成十三年に始まる以前は、国の地方交付税不足額を交付税特会から借り入れて穴埋めをしてまいりました。先ほどの臨時財政対策債の累積債務四十五兆円とは別に、この交付税特会借入金の残高が、二十四年度末で三十三兆四千百七十三億円あります。合わせて七十八兆円を超えます。
 確かに、総務省は、二十五年度に一千億、二十六年度に二千億、二十七年度に三千億という形で、四十年かけ、地方の財源、すなわち地方交付税で返済する計画を立てているのですが、本当に返済できますか。総務大臣の見解を伺います。
 さて、全国の自治体は、集中改革プランにより、平成七年度より十八年間で地方公務員総数を五十一万人以上減らしました。また、平成十年度から平成二十四年度まで、独自の給与カットで、地方は二・一兆円の給与削減を行いました。
 自治体だけでなく、国も歳出カットを徹底して行うべきです。総務大臣、行革担当大臣の取り組みを伺います。
 私たちみんなの党は、天下りの根絶をアジェンダに掲げて国民の皆さんに訴えてまいりました。また、私自身も、福岡県議会議員であったときに、県庁職員の天下りの禁止に取り組んでまいりました。
 総務大臣に伺います。
 総務省として、各自治体、特に都道府県や政令指定都市の天下りの実態調査をし、改革を促すべきだと思います。
 さて、さきの総選挙において、自民党は、国の出先機関の地方への移譲について後ろ向きでした。出先改革すらやる気がないのであれば、自民党の道州制は絵に描いた餅と言わざるを得ない。
 政府・自民党は、地方の一括交付金の廃止によって、これまでの金太郎あめ政策や平成の参勤交代を続行し、地方固有の財源である地方交付税でも、地方財源不足の半分を地方負担といたしました。自民党の、国から地方への権限、財源等の移譲を促進しますという重点施策とは完全に矛盾しています。
 私たちみんなの党は、小さな政府に改め、地域のことは地域で決める地域主権型道州制を実現し、地方政治を初め、日本の形を根本的に改めることを国民の皆様にお約束し、質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣新藤義孝君登壇〕
○国務大臣(新藤義孝君) 佐藤議員から、五点のお尋ねをいただきました。
 まず、臨時財政対策債の今後の見通しについてお尋ねがありました。
 地方の財源不足については、国と地方が折半して補填することを基本としており、国は一般会計からの地方交付税の特例加算、地方は臨時財政対策債の発行により対応しています。
 このルールは、平成二十三年度から平成二十五年度までの三年間の特例措置として地方財政法に定めていますが、平成二十六年度以降に財源不足が生じた場合の補填方法については、改めて検討することにしております。
 次に、地方への財源の移譲についてのお尋ねでございます。
 地方がみずからの発想で特色を持った地域づくりができるよう、国から地方への権限、財源等の移譲を促進するなど地方分権改革を推進するとともに、その基盤となる地方消費税等の地方税の充実を図ることが地方財政の目指すべき姿と考えております。
 他方、地方税の充実を図り、偏在性の小さい地方税体系を構築しても、なお税源の偏在が残るわけでございます。このため、全国どのような地域であっても一定水準の行政サービスを確保するために必要な財源を保障する現行の地方交付税の機能は、引き続き適切に発揮されることが必要と考えており、地方税とあわせ、必要な一般財源総額の確保に取り組んでまいります。
 なお、御指摘の臨時財政対策債については、こうした特例債に頼らない財政体質の確立に向けて努力していくことが重要であります。
 次に、交付税特別会計借入金の償還についてお尋ねがありました。
 交付税特別会計借入金については、平成二十三年度において、現行の償還計画を法律に定め、この計画に沿って、平成二十五年度においても一千億円を償還することとしております。
 地方財政は、毎年度、巨額の財源不足が続いている厳しい状況にありますが、今後とも、交付税特別会計借入金の償還に向けた努力を継続してまいりたい、このように考えております。
 次に、国家公務員の人件費についてのお尋ねでございます。
 国家公務員の人件費については、人事院勧告に基づく給与改定や民間の支給水準を踏まえた退職給与水準の引き下げ、業務のスリム化による定員純減といった取り組みを行っております。
 これに加え、我が国の厳しい財政状況及び東日本大震災に対処する必要性に鑑みた臨時異例の措置として、平成二十六年三月までの二年間、平均七・八%の給与減額措置を実施しているところであります。
 引き続き、公務員の総人件費削減については、人材確保や組織としての活力の維持などの諸課題を念頭に置きながら取り組んでまいりたい、このように考えております。
 最後に、地方公務員の再就職の実態調査等についてのお尋ねでございます。
 地方公務員の再就職状況及び統廃合を含む第三セクター等の状況については、毎年度、調査を実施しております。これらについては、地方の行政改革の推進に資するため、今後も定期的に調査を行い、その結果を公表するとともに、各地方公共団体においても、透明性の確保の観点から、積極的な情報公開に努めるよう促してまいります。
 以上であります。(拍手)
    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕
○国務大臣(麻生太郎君) 地方交付税の法定率の引き上げについてのお尋ねがありました。
 仮に、国による地方交付税の特例加算と地方による臨時財政対策債の発行により地方の財源不足を半分ずつ補填することをやめて、そして地方交付税の法定率の引き上げを行えばどういうことになるかといえば、地方の財政状況の悪化に対して、地方は責任は全く負わず、国が全て責任を負うということになるということです。地方に比べて著しく悪化している国の財政状況に照らして、さらに悪化させることになるため、甚だ適当ではないと考えております。
 臨時財政対策債の状況を踏まえた上での地方への財源等の移譲についてのお尋ねがありました。
 臨時財政対策債の解消のため国から地方に財源を移譲することについても、地方の交付税の法定率の引き上げと同様に、地方の財源不足に対する責任分担のあり方や、著しく悪化している国の財政状況に照らして、甚だ適当ではないと考えております。
 その上で、国と地方が互いに協力し、財政健全化の取り組みを進めることが重要と考えております。
 消費税の全額地方財源化についてのお尋ねがありました。
 社会保障・税一体改革において、引き上げ後の消費税収につきましては、現行の地方消費税一%分を除いて、全額社会保障財源化されたところであります。
 仮に、消費税を地方財源化すれば、今後、三十兆円を超えていくことが予想されております国の社会保障関係費の安定財源を確保できなくなるということになります。
 また、消費税について、各自治体が税率を自由に設定できる仕組みにするということは、例えば、事業者が各売上先の現住所を確認し、適用税率ごとに売り上げを区分して経理するという煩雑な事務が発生することなどからも、極めて困難であろうと考えられます。
 このため、消費税を地方財源化することは、地方がみずから考え、みずからの負担と責任で政策を実行できる体制づくりを目指す地方分権の考え方には、なじまないのではないかと考えております。(拍手)
    〔国務大臣稲田朋美君登壇〕
○国務大臣(稲田朋美君) 行政改革担当大臣の稲田です。
 歳出削減に関する取り組みについてお尋ねがありました。
 国の歳出について、無駄の撲滅は、政府として重要な課題であり、一月二十九日に設置された行政改革推進本部のもとに開催されている行政改革推進会議において議論をいただきながら、積極的に取り組んでいく考えです。
 具体的には、各府省が自律的に無駄の排除を進める取り組みである行政事業レビューについて、これを引き続き実施し、さらに、今後、新たな実施方法を検討して改善策を取りまとめた上で、来年度から予算への反映を図ってまいります。
 また、国家公務員の人件費について、従来から、国の業務のスリム化、人事院勧告に基づく給与改定等により縮減するとともに、東日本大震災に対処する必要性に鑑みた臨時の措置として、平成二十六年三月までの二年間、平均七・八%の給与減額支給措置を実施しているところです。
 行政改革担当大臣として、今後とも、国の歳出に最大限注意を払い、職務に取り組んでまいる所存です。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(赤松広隆君) 塩川鉄也君。
    〔塩川鉄也君登壇〕
○塩川鉄也君 日本共産党を代表して、地方財政計画外二法案に関連して質問します。(拍手)
 まず、東日本大震災被災地の復興の問題です。
 この間、被災自治体は、取り崩し型復興基金を活用して、被災者の生活となりわいの再建のため、独自の支援策を行ってきました。また、震災復興特別交付税を復旧復興の単独事業費に充ててきました。
 被災地の実情に即した被災者支援、地域の再建を図るため、復興基金と震災復興特別交付税の増額が必要ではありませんか。
 一方、使い勝手のよい自由度の高い交付金とされた復興交付金に伴い配分される効果促進事業が活用されていません。一括配分された効果促進事業の総額及び使途が決まっている額は幾らですか。一割にもならないのではありませんか。
 仙台市が効果促進事業を活用して市独自に住宅再建支援策を実施しようとしましたが、国は認めませんでした。このようなやり方を改め、被災地域の維持、再建という公益性の観点で住宅再建支援にも活用できるよう、改善を図るべきではありませんか。
 国や自治体による支援策にはさまざまな線引きが行われて、被災者の負担軽減策に差が生じています。全ての被災者を対象にした被災者生活再建支援金の増額こそ必要です。
 自民党は、野党時代、五百万円への増額を要求していました。政権についた今こそ、実施をすべきではありませんか。
 次に、地方財政に関連して、二点質問します。
 第一は、緊急経済対策と称して巨額の公共事業を計画していることです。
 国の直轄・補助事業につき合えば、地方負担分の約八割相当に臨時元気交付金が交付され、単独事業等にも使えるとしています。しかし、一方、直轄・補助事業による借金も残ることになります。
 逼迫する地方財政をどう認識しているのですか。かつて自民党政権が、国の景気対策に地方を従わせ、膨大な借金を押しつけて地方財政を疲弊させた過ちを繰り返すものではありませんか。
 第二は、地方公務員給与を削減するために地方交付税を削減した問題です。
 新藤総務大臣は、一月二十七日の記者会見で、財政削減の姿勢を示していこうということ、その上において地方交付税を減らすことができたことはよかったと発言しましたが、とんでもないことです。
 そもそも、地方交付税は、地方の固有の財源であり、地方自治の本旨にのっとり、国が責任を持って確保すべきものであります。そのもとで、地方公務員の給与は、地方自治体が条例によって自主的に決定します。ところが、国は、七・八%もの地方公務員給与削減という勝手な方針を押しつけるために、地方交付税の算定に当たり、地方公務員の給与分を削減したのであります。
 さらに、新藤大臣は石破自民党幹事長と会談し、地方議会での給与削減の条例改正への協力まで求めたと報じられています。
 こうしたやり方は、地方自治への重大な介入であり、断じて許すことはできません。答弁を求めます。
 全国の自治体で、住民の生活を支える先頭に立っているのが地方公務員です。
 被災地では、みずからも被災しながら、被災住民の支援、復旧復興業務に不眠不休で頑張っております。身を切るなどといって、公務労働者の生計費である給与を一方的に引き下げていくやり方は間違っています。
 地方公務員の給与水準は、地域の民間労働者の賃金水準にも連動し、地域経済に重大な影響を与えるという認識はありますか。安倍内閣がデフレ不況脱却を真剣に考えるのであれば、地方公務員の給与削減は、これに逆行するのではありませんか。
 最後に、農林水産業や食の安全、医療、地域経済と住民生活に深刻な打撃を与えるTPPの問題です。
 TPPに関する日米共同声明では、二〇一一年のアウトラインで示された非関税障壁の撤廃を確認しました。交渉参加国の協議では、地方自治体の公共調達も対象となっています。
 地域経済振興の立場から、公共事業や物品調達などについて、地元中小企業への優先発注を行うという地元要件を設けている地方自治体が多数あります。地元要件が守られ、規制緩和が行われないという担保はあるのですか。
 TPP交渉参加は、やめることを強く求めて、質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣新藤義孝君登壇〕
○国務大臣(新藤義孝君) 塩川議員から、六点のお尋ねをいただきました。
 まず、復興基金と震災復興特別交付税の増額についてのお尋ねでございます。
 平成二十五年度においては、被災団体の財政需要を踏まえ、震災復興特別交付税を六千百九十八億円確保することとしております。
 また、復興基金については、現時点においても基金残高が存在するところであり、今後、基金がさらに活用された上で、復興基金にふさわしい具体的な財政需要が生じてくるようであれば、被災団体の実情もお伺いしながら、その必要性について検討してまいります。
 次に、緊急経済対策に係る地方財政への影響についてお尋ねがありました。
 補正予算により公共事業が追加される場合には、その地方負担に対して、地方債の発行により対処することを基本としています。
 しかしながら、今回の緊急経済対策においては、追加される公共投資の地方負担が大規模であることなどから、地域の元気臨時交付金を創設し、地方負担総額の八割を措置することにしたわけであります。これらにより、地方団体が極力地方債を発行せずに事業が実施できるように配慮しています。
 次に、地方公務員給与削減と地方交付税の算定についてのお尋ねでございます。
 地方交付税の算定は、標準的な行政水準に基づいて行うこととしております。
 今回、政府としては、地方公共団体に対して、国家公務員の給与減額支給措置に準じた措置を講じるように要請する閣議決定を行ったところでございます。
 このため、平成二十五年度の地方交付税における地方公務員給与費については、この閣議決定に沿った水準を標準的なものとして算定を行うこととしておりますが、もとより、地方公務員の給与は、各地方公共団体が議会での議論を踏まえて条例で定めるものであります。
 また、今回の要請につきましては、各方面に政府の方針をしっかり説明するとともに、地方団体に対しても、私の思いを伝えるための書簡を送るなど、丁寧な説明に努めさせていただいております。
 したがって、今回の措置が地方自治への重大な介入であるとの御指摘は当たらないと考えております。
 次に、被災地の地方公務員についてのお尋ねがありました。
 被災地においては、地元の地方公共団体の職員や応援派遣された職員の方々が、昼夜を問わず復旧復興業務に従事され、大変に御苦労されていると承知をしております。その努力には心より敬意を表したい、このように思っています。
 引き続き、全国の自治体からの応援派遣など、マンパワーの確保にも努めてまいりたい、このように考えています。
 一方、今回の要請は、防災・減災事業や地域経済の活性化といった地域の喫緊の課題に対処するとともに、国と地方の公務員が一体となって日本の再生に向けてあらゆる努力を結集する必要がある中、当面の対応策として、平成二十五年度に限り、地方公共団体に対し緊急にお願いしているものであります。
 引き続き、地方公共団体の理解が得られるよう努めてまいります。
 次に、地方公務員給与削減とデフレ脱却についてのお尋ねでございます。
 民間企業の給与水準は、その企業の業績や景気の動向など、さまざまな条件により変動するものであり、今回の地方公務員給与に係る要請が、直ちに民間賃金の引き下げにつながるとは考えておりません。
 また、給与削減額に見合った事業費として、防災・減災事業と地域の元気づくり事業を地方財政計画の歳出に計上することとしており、地方経済にマイナスの影響を及ぼすことのないように配慮しております。
 したがって、デフレ脱却政策に逆行するものとは考えておりません。
 最後に、TPP交渉における地方自治体の政府調達に関するお尋ねがありました。
 TPP交渉においては、現在のところ、政府調達については、中央政府に集中して議論している模様であると聞いております。
 仮に我が国が交渉に参加する場合、地方自治体の調達について、WTO政府調達協定の水準を上回る、調達基準額の引き下げや対象機関の拡大などを求められることとなる場合には、地方の意見も聞きながら、慎重な検討が必要と考えております。
 以上であります。(拍手)
    〔国務大臣根本匠君登壇〕
○国務大臣(根本匠君) 塩川議員から、二問御質問がありました。
 まず、復興交付金の効果促進事業の活用について御質問がありました。
 一括配分された効果促進事業の配分額約千百七十億円に対し、使途が決まっていたものは、二月下旬時点で約九十億円でした。このため、一括配分については、実施可能な事業を限定列挙したポジティブリストを廃止するなど、使い勝手の向上を図ったところであります。
 しかしながら、住宅再建に関する個人負担の軽減については、被災者生活支援制度や防災集団移転促進事業による支援を超えた一律の対応を行うことは困難であることから、二十四年度補正予算において、各地方公共団体が独自に個人支援を実施できる取り崩し型復興基金増額のための予算を措置したところであります。
 次に、被災者生活再建支援金の支給額の増額についてお尋ねがありました。
 被災者生活再建支援金の支給額の増額については、平成十六年の法改正により、従来の最大百万円から引き上げを図り、被災直後の当座の生活費に充てるための生活関係経費として最大百万円、住宅再建の初期費用として、ローン関係経費など居住関係経費として最大二百万円、合計して最大で三百万円の支給を受けられることとされたところです。
 さらに、平成十九年の改正法では、年収・年齢要件を撤廃した上で、生活関係経費を基礎支援金、居住関係経費を加算支援金とし、見舞金的な性格を有するものとして再構成されたところであり、同法は、与野党一致の議員立法により成立したものであります。
 お尋ねの支給限度額五百万円への引き上げについては、政府としては、このような立法経緯、見舞金的な性格を有するものとしての他の制度とのバランス、国、地方の財政負担などを勘案して、慎重な検討が必要との見解であると認識しております。(拍手)
    〔国務大臣岸田文雄君登壇〕
○国務大臣(岸田文雄君) TPP交渉における政府調達に関するお尋ねがありました。
 TPPについては、アジア太平洋地域における高い水準の自由化を目標とし、市場アクセスのみならず、さまざまな非関税分野のルールづくりを含む包括的な経済連携協定として交渉されているものと承知しております。
 これまで得られた情報では、TPP交渉においては、現在のところ、政府調達の対象機関は中央政府に集中して議論をしている模様であります。
 なお、これまで、TPP協定交渉参加国間のFTAでは、地方自治体は調達対象としていない場合もあり、また、対象としている場合であっても、我が国のように政令指定都市レベルの調達まで対象としているFTAは、ほとんどありません。
 いずれにしましても、TPPにつきましては、国益にかなう最善の道を求めてまいります。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(赤松広隆君) 玉城デニー君。
    〔玉城デニー君登壇〕
○玉城デニー君 生活の党の玉城デニーです。
 私は、生活の党を代表して、ただいま提案されました地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について質問をいたします。(拍手)
 その前に、去る十一日で二年目を数える東日本大震災で亡くなられた方々の御冥福をお祈りし、生活を再建するため懸命に御努力を続けておられる被災者の方々へお見舞い申し上げますとともに、与野党の垣根を越えて、一日も早い復旧復興が実現できるよう、生活の党としても、誠実かつ真摯に取り組んでまいる所存であります。
 それから、安倍政権は、十二日の閣議で、一九五二年のサンフランシスコ講和条約発効が主権回復の日に当たるとして、六十一年目のことしの四月二十八日、政府主催の記念式典を開催することを決定いたしました。天皇皇后両陛下も御出席なさる予定と伺っています。
 このことについて沖縄県民は今非常に複雑な思いに駆られているということを政府に申し上げなければなりません。
 このサンフランシスコ講和条約の発効によって、千島列島を初め沖縄や奄美、小笠原は、祖国日本から施政権を切り離され、戦後の復興もおぼつかぬまま、さらに苦難の道のりを歩まねばならないと主権を放棄されてしまった、いわゆる屈辱の日でもあるからです。
 条約発効後、しばらくたって後に、奄美、小笠原の方々は祖国へ復帰することがかなえられましたが、他方で、北方領土問題は遅々として解決せず、沖縄では、戦後の米国軍政権下で繰り返されてきた米軍起因による重大な事故、凶悪な事件、著しい人権の侵害行為など、いつになったら平穏な日々がやってくるのかと、生命の危機すら覚えるぐらいの不安な生活を強いられてきました。
 一九七二年五月十五日、沖縄の施政権が米国から日本に引き渡され、県民悲願の祖国への復帰を果たしはしたものの、それから四十年が経過した今日も、我が国政府は、日米安保を根拠にして、比較面積〇・六%の沖縄へ、日本全体で約七四%もの広大な施設や区域を米国、米軍へ提供し続け、オスプレイの強行配備や連日の騒音被害など、基地あるがゆえの甚大な影響を受け続ける県民の暮らしは、今もって、当たり前の平穏の日々も取り戻せないままでいるのです。
 なぜ今になって式典を強行する必要があるんでしょうか。周辺国とのきしみをわざわざ引き起こすことが優先外交でしょうか。小指の先の痛みとつらさを、政府は今こそ見詰め直してほしい。
 主権回復の日式典は、竹島問題、沖縄における過重な米軍基地の国外移転実現、そして北方領土返還を含めて、我が国が今こそ真の独立を果たしたと実感するその日まで式典開催の思いは温めておくことこそが多くの国民から共感を得られるのではないかということを、改めて申し上げたいと思います。
 さて、今国会で提案されました法律案につきまして、次の内容で質問いたします。
 東日本大震災に係る津波被災地域における固定資産税等の免除について、甚大な被害を受けた区域として平成二十三年度に当該地域の市町村長が指定、公示した区域については、それ以降どのような減免措置を講ずるものとしているかを伺います。
 都市再生特別措置法に規定する管理協定の対象となった備蓄倉庫に係る固定資産税等の課税標準の特例措置の創設について、都市再生特措法上の安全確保施設のうち、管理協定対象となる備蓄倉庫について、その対象となる建物及び税制上の特例と期間はどのようになっているか、お尋ねいたします。
 また、この都市再生特措法上において、地方団体が自主的に条例で決定できるとするわがまち特例について、どのような内容で特例措置の権限を委任できるのか、具体的な内容を伺います。
 平成二十五年度地方税と地方交付税の一般財源総額について、平成二十四年度と比較して、その増減額及びその増減に関する内容についてお聞かせください。
 地域の元気づくり推進費について、地域の活性化に資するための取り組みに要する経費として、平成二十五年度から創設し、三千億円を計上しています。そのための財源の捻出方及び一般財源とする理由等をお尋ねいたします。
 最後に、我々生活の党は、地域主権を実現するために、国の財源及び権限をできる限り地方の実情に合わせる形で移譲することにより、税制改革を含めて、地方、地域の真の自立を目指して取り組んでいくことをお誓いし、であればこそ、やはり地域の皆様の暮らしを根底から破壊するTPPの交渉参加については断固反対する意思を申し上げて、質問を終わります。
 ニフェーデービタン。(拍手)
    〔国務大臣新藤義孝君登壇〕
○国務大臣(新藤義孝君) 玉城デニー議員から、五点のお尋ねをいただきました。
 まず、東日本大震災に係る津波被災地域における固定資産税等の免除についてのお尋ねであります。
 平成二十三年に発生した東日本大震災においては、津波によって特定の地域内の土地家屋のほとんど全てが全面的に滅失、損壊し、あるいは通常の使用収益ができない状況になっているケースが生じたところです。
 こうしたこと等に鑑み、津波により甚大な被害を受けた区域として市町村長が指定、公示した区域内の土地家屋については固定資産税等を課さないものとする課税免除の仕組みを平成二十三年度に創設しました。
 平成二十四年度においては、津波被災区域内の状況を踏まえ、原則として課税免除の仕組みを継続するとともに、市町村長の判断によって課税免除の対象から外れた土地家屋について、その使用状況等を勘案し、市町村長が指定、公示したものに対して、激変緩和として二分の一に減額する特例の仕組みを創設したところでございます。
 津波被災区域においては、現在でも、なお多くの土地家屋が滅失、損壊または使用困難な状態のまま残されている区域も存在することから、平成二十四年度に講じた課税免除等の仕組みを平成二十五年度においても継続する必要があるものと考え、今回の地方税法の改正法案にも、そのための規定を盛り込んでおります。
 次に、都市再生特別措置法に規定する管理協定の対象となった備蓄倉庫に係る固定資産税等の課税標準の特例についてのお尋ねがありました。
 特例の対象は、都市再生緊急整備協議会により策定された都市再生安全確保計画に位置づけられた備蓄倉庫のうち、地方公共団体と建物所有者等との間で管理協定が締結されたものです。具体的には、民間の事業者が所有するビルの一部などに、大規模地震に備え、一般の避難者や帰宅困難者のために水や食料等の物資を保管するための倉庫となります。
 特例内容としては、わがまち特例を導入し、課税標準の軽減割合について、三分の二を参酌して二分の一以上六分の五以下の範囲内において市町村の条例で定める割合とすることとしております。
 期間については、平成二十五年四月一日から平成二十七年三月三十一日までの間に締結された管理協定の対象となった備蓄倉庫について、五年度分特例措置を講ずることとしております。
 次に、備蓄倉庫に係る固定資産税等の課税標準の特例措置において、わがまち特例として地方団体の条例に委任している具体的内容についてのお尋ねがございました。
 今回の地方税法改正法案では、附則第十五条第三十七項において、対象となる備蓄倉庫の課税標準について、課税標準となるべき価格に三分の二を参酌して二分の一以上六分の五以下の範囲内において市町村の条例で定める割合を乗じて得た額とする規定を設けることとしております。
 これを受けて、各市町村においては、地域の実情に応じて特例割合を条例で定めていただくことを予定しております。
 次に、一般財源総額についてのお尋ねでございます。
 平成二十五年度の地方財政計画における一般財源総額は、五十九兆七千五百二十六億円であり、前年度に比べ、千二百八十五億円、〇・二%増加しています。
 この主な内訳は、地方税が、三十四兆百七十五億円、前年度に比べ、三千六百六億円、一・一%の増、地方譲与税が、二兆三千四百七十億円であり、前年度に比べ、八百五十五億円、三・八%の増、地方交付税が、十七兆六百二十四億円であり、前年度に比べ、三千九百二十一億円、二・二%の減少、臨時財政対策債が、六兆二千百三十二億円であり、前年度に比べ、七百九十九億円、一・三%の増加となっております。
 最後に、地域の元気づくり事業費についてのお尋ねをいただきました。
 平成二十五年度地方財政計画においては、給与関係経費について、国家公務員の給与減額支給措置と同様の削減を行うこととあわせて、地域の喫緊課題に対応するため、削減額に見合った事業として、地域の元気づくり事業費及び防災・減災事業費を歳出に計上いたしました。
 地域の元気づくり事業費は、地方団体が各地域の実情に応じて喫緊の課題である地域の活性化に向けて主体的に取り組むことができるよう、一般財源である地方交付税により措置をしております。
 以上であります。(拍手)
○副議長(赤松広隆君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
○副議長(赤松広隆君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時五十二分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣     麻生 太郎君
       総務大臣
       国務大臣     新藤 義孝君
       外務大臣     岸田 文雄君
       文部科学大臣   下村 博文君
       国土交通大臣   太田 昭宏君
       国務大臣     稲田 朋美君
       国務大臣     菅  義偉君
       国務大臣     根本  匠君
 出席内閣官房副長官及び副大臣
       内閣官房副長官  加藤 勝信君
       財務副大臣    山口 俊一君
       総務副大臣    坂本 哲志君