第183回国会 外務委員会 第2号
平成二十五年三月十五日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 河井 克行君
   理事 岸  信夫君 理事 鈴木 馨祐君
   理事 薗浦健太郎君 理事 土屋 品子君
   理事 原田 義昭君 理事 山口  壯君
   理事 小熊 慎司君 理事 佐藤 茂樹君
      あべ 俊子君    城内  実君
      黄川田仁志君    小林 鷹之君
      河野 太郎君    島田 佳和君
      東郷 哲也君    星野 剛士君
      牧原 秀樹君    松島みどり君
      三ッ矢憲生君    武藤 貴也君
      菊田真紀子君    玄葉光一郎君
      長島 昭久君    浦野 靖人君
      村上 政俊君    岡本 三成君
      山内 康一君    笠井  亮君
      玉城デニー君
    …………………………………
   外務大臣         岸田 文雄君
   内閣官房副長官      加藤 勝信君
   外務副大臣        鈴木 俊一君
   防衛副大臣        江渡 聡徳君
   外務大臣政務官      あべ 俊子君
   外務大臣政務官      城内  実君
   外務大臣政務官      若林 健太君
   政府参考人
   (外務省大臣官房国際文化交流審議官)       芝田 政之君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 福島  章君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 新美  潤君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 金杉 憲治君
   政府参考人
   (水産庁長官)      本川 一善君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        安藤 久佳君
   外務委員会専門員     細矢 隆義君
    ―――――――――――――
三月十四日
 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二六号)
 国際情勢に関する件
     ――――◇―――――
○河井委員長 これより会議を開きます。
 この際、若林外務大臣政務官から発言を求められておりますので、これを許します。外務大臣政務官若林健太君。
○若林大臣政務官 外務大臣政務官を拝命いたしました若林健太でございます。
 大きく変化している国際社会において、我が国が直面しているさまざまな外交課題に誠心誠意取り組む所存でございます。
 特に、北米、中南米諸国との関係強化を図るとともに、海外への情報発信や文化外交に積極的に取り組みます。また、軍縮・不拡散、科学技術の分野の課題にも尽力してまいります。
 河井委員長初め委員各位の御支援と御協力を心からお願い申し上げたいと思います。
 どうもありがとうございます。
     ――――◇―――――
○河井委員長 国際情勢に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房国際文化交流審議官芝田政之君、大臣官房審議官福島章君、大臣官房参事官新美潤君、大臣官房参事官金杉憲治君、水産庁長官本川一善君、資源エネルギー庁資源・燃料部長安藤久佳君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○河井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原田義昭君。
○原田(義)委員 自由民主党の原田義昭でございます。政権が改まりまして最初の国会、また最初の外務委員会で、一番バッターに指名していただきましたこと、心から敬意を申し上げます。しっかりやらせていただきます。
 まず、岸田外務大臣、本当に御苦労さまでございます。本会議におきましても、安倍総理、さらには岸田外務大臣が、堂々たる、また気合いの入った施政方針演説、さらには外交演説を聞かせていただきました。
 おかげさまで、この三カ月、まだまだこれからでありますけれども、安倍内閣の支持率も高いものがありますけれども、それをいかに中身を詰めていくか、そして本当の意味で国家国民に、安倍内閣が誕生してよかったな、こう思っていただかなきゃいけないわけでありますから、そのためには本当に大きな努力が必要だと思いますけれども、どうぞ、しっかりやっていただきたいと思います。
 その上で、せんだっての大臣の所信表明も非常に力のこもったものだと思っておりますが、その中で、きょうは時間に限りがありますので、少し問題点を絞って、日中間、とりわけ尖閣諸島の問題、そして時間があれば東シナ海のガス田の問題についてやりたいな、こう思っております。
 まず、尖閣諸島の問題は、今や日中間の最も大きな課題になっております。言うまでもありません、日中問題というのは、ある意味では、日本の外交関係で、日米同盟の大事さとあわせて、日中間の関係というのは非常に大事でありますけれども、その中で、喉に刺さったとげのように非常に問題となっております。何としても解決しなきゃいけません。
 私は、きょうはたくさんの資料を持ってまいりましたが、いずれにしましても、尖閣諸島の領有問題というのは、もうとっくに決着のついておるというか、私ども日本の側が主張するのは当たり前のことでありますけれども、同時に、中国、台湾が長い長い間そのことを認めてきた、何の議論もないというのがまず第一点であります。
 そのために、たくさんの資料を用意して、それを実証したいと思います。
 お配りいたしました資料の、後ろの方に資料二、資料三と配っておりますが、そちらの方から先に御報告したいと思います。
 資料二の方、これは「尖閣諸島に係る主な経緯」ということで、我々はみんなわかっておるようですけれども、もう一回改めて知っていただきたいと思います。
 それによりますと、一八九五年一月に日本が正式な国際手続を経て日本領土に編入する、これを決定して内外に発表したところであります。
 約八十年近くたって、真ん中辺に、一九七一年六月、台湾が領有権を主張した。同じ年の十二月に中国が領有権を主張した。
 それで多少慌てた日本が、一九七二年三月に、こういうことではいけないということで、改めて、日本外務省が初めてこのことについての統一見解を発表した。そのことを確認し、内外にそれを広報したところであります。
 ところが、一九九二年三月になって、中国が国内法でもそのことを制定したということであります。
 いずれにいたしましても、要は、一八九五年からもう紛れもなく日本のものだったのが、八十年近くたって台湾、中国がこのことについて言い始めたということで、これはおかしくないか。これは明らかにおかしいわけですね。
 そのために、きょうは、十片ほどのデータを用意してきた。これはいずれも、日本が主張しているのでも何でもなくて、かの国が、台湾と中国がみずから出している資料をただ持ってきただけであります。
 一ページ目。これは、感謝状と書いておりますけれども、要は、台湾の漁民が尖閣列島で遭難して助けられた、その礼状を、台湾政府の関係者が日本に感謝状という形で送ってきたということでございます。これはよく見るところであります。
 ずっといきますと、ページ二枚目。これは、一九五三年一月八日付の人民日報。言うまでもありません、中国の公式な機関紙でありますけれども、五三年一月八日に人民日報に掲載された。赤いところでわかりますけれども、琉球諸島は尖閣諸島をしっかり含むんだということを、人民日報がそのことで報道しておるわけであります。
 ちょっと急いであれしますけれども、三ページ目。これは、一九五八年、中国で出版された世界地図集でありますけれども、これに基づいて見ますと、しっかり尖閣諸島が日本の領海に入っているということがわかります。この左側の黒い線は、中国と日本との国境線であるということでございます。
 次のページ。これは、一九五八年、中国で出版された世界地図集にも同じことが載っております。左側の黒い線が、これがまた日本と中国の領海線ということで御理解いただきたいと思います。
 時間の関係で急ぎますけれども、次の五ページ。一九六五年十月版の、これは台湾の中国地学研究所が出した地図でございますけれども、これも、尖閣諸島が日本の側にあるということがこの地図ではっきりと示されているところです。
 いずれも出典はちゃんと書いておりますので、後で確認していただきたいと思います。
 それから次の六ページは、今の台湾の、出典を明確にしたということでありますから、そういう理解をしていただきたいと思います。
 次の七ページ目。一九七〇年一月版の、これも、台湾の国民中学地理科教科書に載った地図であります。
 ただ、不思議なことに、次の八ページ目を見ていただきますと、一九七一年の台湾の地図、これは実は同じものなんですけれども、私が丸をつけたところを見ていただきますと、最初の、七〇年の地理教科書は、中華民国と日本との国境線が左側にずっとずれているのが、次の八ページ目、七一年のものを見ますと、右側にずれておる。しかも、表記が、前のものは尖閣群島と書いているのが、七一年のものになりますと釣魚台列島というふうになっておるのが、微妙な変化でありますけれども、私どもにとっては大事な変化だというふうにも感じます。
 急ぎますけれども、九ページ目、これは一九五〇年に作成された中国の外交文書。この中に、端的に言えば、尖閣諸島の地理が台湾と日本の間で議論が行われている、これを決着しなきゃいけないと。要は、中国との間で議論があるのではなくて、台湾と日本との間でどうもありそうだということを、一九五〇年に作成された中国の外交文書に書かれているということであります。
 それから、十ページ目。中国の古文書の中にこういうくだりがあります。一五六一年の文書でありますけれども、大正島、これは今の島でございますけれども、琉球の中にあるということをはっきり明示しておるということであります。
 十ページの下の方のくだりは、これは、次のページの古い地図がありますけれども、十一ページ目に、台湾の最北端というのは鶏籠の土地である、ここが台湾の最北端だということを、鶏籠城というんですかね、こういうことを書いておるわけであります。
 要するに、いずれの記事も、これは全て中国、台湾のデータそのものでありますけれども、みずからが日本の領土だということを認めているということが大事であります。
 実は、英米法の中にエストッペルという概念があります。これは、禁反言といって、よほどの証拠でもない限り、言ったことを二度と言いかえてはいけないということ。日本にも法律の中に擬制自白という言葉がありますけれども、不利なことを聞いてその場で反論しなければ、そのことを自白したことになる、こういうようなことが言われるわけであります。
 要するに、私は、ただ日本がこのことを日本の固有の領土だと言うばかりではなくて、大事なことは、中国、台湾もそのことを長い間、実に八十年近く認めてきていたということが大事なことでありまして、岸田大臣のこの間の所信表明の中に、我が国の領土、領海、領空は断固として守り抜くとの決意で冷静に取り組みつつ、中国に対しては、事態をエスカレートさせないように自制を強く求めるというのは、これはこれで正しいことなんだけれども、要は、あなたたちももう長い間認めてきたんですよというその気迫がなければ、日本の主張をただ一方的に言っているかのように思われます。
 そういうことで、私は、その基本的態度は当然認識をしておられると思いますけれども、ぜひまた大臣にもそういう立場で臨んでいただきたいな、こう思っております。
 とりあえず、今までのところの現状認識も含めて、大臣の認識をお話しいただければと思っております。
○岸田国務大臣 まず、さまざまな資料をお示しいただきました。大変興味深い貴重な資料をお示しいただいたと認識をしております。
 尖閣諸島につきましては、言うまでもなく、国際法上も歴史的にも我が国固有の領土であり、領土問題というものは存在しない、これが我々の基本的な立場であります。
 そして、この資料を拝見いたしましても、この中の一部は既に外務省のホームページにおいて掲載をさせていただいております。我が国の尖閣諸島に関する立場を裏づける根拠として活用もさせていただいているところですが、引き続きまして、国内外の理解を得るべく情報発信をしっかりと行っていかなければいけない、強く感じているところでございます。
 わかりやすく我が国の立場を訴えていく、こうした点に留意しながら、さまざまな機会あるいはツールを使って情報発信をしていかなければならないと思っています。さまざまな資料はもちろんですし、メディアの活用、これも重要だと思いますし、また、IT広報等を通じて、積極的、効果的な情報発信を行っていかなければいけない、改めて強く感じているところでございます。
○原田(義)委員 まさに今大臣が、情報発信の話が出ました。
 資料三を見ていただきます。今、中国側がどのような情報発信をしているかというのを私なりに調べてみたところであります。
 お話しのように、これから両国の言い分を決するのは、両国の裁判所はないわけでありますから、結局、国際社会がどう認識するかということも含めて、国の内外にそのことを認識してもらうことが大切であります。
 中国は、これほどの、外国有力紙への広告掲載、中国外交部・在外公館ホームページを通じた情報発信、国際メディア放送を活用した情報発信。
 例えば、最後の国際メディア放送につきましても、中国中央テレビ、百四十の国・地域でそれを放送しておる、アラビア語等々国連公用語の専門チャンネルを持つ、現地の公用語による放送も進めている。CRI、中国国際放送局、多言語でこれに対してやっておる、ネットラジオ、ネットテレビの配信も行っており、ホームページは、中国語を除く四十六の言語で情報発信を行っている。人民網では、インターネットで、英語、日本語、フランス語、アラビア語。要するに、ありとあらゆる情報網を駆使してやっておるところであります。
 それに対して、我が日本外務省、また政府は、どのようなものをやっておるのか。私は少なくとも、極めて見劣りがする、これについては劣っておるというように思っておりますけれども、外務省、今お話がありましたけれども、予算の措置ないしは活動の状況、これについてわかる範囲で教えていただきたいと思います。
○岸田国務大臣 中国は、主に英米のメディアへの意見広告ですとか寄稿の掲載を通じて、日本が反ファシスト戦争の結果を覆したとか、日清戦争で尖閣諸島を奪取した等の、全く根拠のない主張を繰り返している、こうした点は承知をしております。
 これに対し、外務省では、事実誤認等の問題報道がなされた場合には直ちに反論投稿を行っているほか、総理大臣、外務大臣、また各国駐在の大使等による外国メディアへのインタビュー、記者会見、寄稿等の実施、有識者への働きかけ、こうした機会を通じて発信に努めているところです。
 こうした我々の主張における態度というのは、情勢に対する冷静な対応ぶり等、国際社会からも一定の支持、理解を得ている、効果はあると考えております。
 昨年、二〇一二年における我が国の広報活動ですが、寄稿ですとかあるいはインタビュー、記者会見、ブリーフィング、資料提供、そしてさらには反論投稿、申し入れ、世界の主なメディアにおけるこうした活動、そして報道の取り扱い、これを集計してみますと、我が国のメディア対応に基づくこうした報道等は百六十六件、逆に、中国側のメディア対応に基づく報道とか対応は八十三件という集計もあります。
 これは数が多い少ないが問題ではありませんが、我々も中国のこうした宣伝活動に対して決しておくれをとることなくしっかり対応していかなければいけない、こういった問題意識を持っておりますし、これからもしっかり対応していきたいと考えております。
○原田(義)委員 岸田大臣の力強い認識と決意表明がありました。
 やはり国際社会は、情報合戦というか、情報の持つ重要性というのは当たり前のことでありまして、何としてもこの問題については、また、それ以外の問題、例えば慰安婦の問題とかそういうものについても、決して情報戦争で負けないような、そういう気構えで今後ともやっていただきたいと思っております。
 それでは、私の時間が終わりましたので、質問を終えます。ありがとうございました。
○河井委員長 次に、佐藤茂樹君。
○佐藤(茂)委員 公明党の佐藤茂樹でございます。
 岸田大臣、ちょっと時期がおくれましたけれども、御就任おめでとうございます。有意義な議論をさせていただければありがたいと思っております。
 それで、早速ですけれども、昨日、中国では、全人代で習近平氏が国家主席に選出されまして、党と軍と国家のトップにつかれまして、事実上、実質的に習近平政権がスタートした、そういうことになっております。
 安倍政権としても、総理も日米首脳会談でも言われ、また岸田外務大臣も日米外相会談でも言われ、また先日の大臣所信でも表明されておりますけれども、日中関係を、大局的な観点から戦略的互恵関係を推進していくために、安倍総理が対話のドアは常に開かれていると表現されたように、ぜひ政治レベルの対話を進めていただきたい、そのように思います。
 与党の一員である我が党の山口代表の訪中で日中改善の糸口が一時は見えたわけでございますから、ぜひ粘り強く政治対話の道を開いて、知恵を出し合って、緊張緩和を図って、戦略的互恵関係にしていく努力を日本政府としても引き続きとっていただきたい、そのように最初に申し上げておきたいと思います。
 それで、日米外相会談におきましても、この日中関係のことについては話し合われたわけでございます。今回の日米外相会談は、その前の時間で日米首脳会談がされておりましたので、概要をお見受けしますと、それをフォローするような会談が中心だったんですが、その中で特筆すべきなのは、尖閣諸島の問題で、ケリー新国務長官からも、尖閣諸島は日米安全保障条約の適用対象であるという言質を岸田外務大臣が引き出したことは意義があった、私はそのように評価をしているわけでございます。すなわち、尖閣諸島について、ケリー長官は、安保条約の適用についてのアメリカの揺るぎないコミットメントを改めて確認するとともに、尖閣諸島をめぐる問題に対し日本が自制的に対応していることを評価すると発言した、そういうことだそうでございます。
 クリントン前国務長官であるとか、あるいはキャンベル前次官補などという、そういう日本に対しての理解者が政権を去った後で、新しいパートナーである相手を日本の理解者にしていく一歩は開かれた、私はそのように感じているわけでございます。
 そこで、ぜひちょっと外務大臣に確認をしておきたいのは、ケリー国務長官と会談されたときに、大臣の方から、一月のクリントン前長官の発言を出されて、尖閣諸島についてアメリカ側のコミットメントを再確認された意図は何だったのかということと、実際に会談されて、アメリカ側、特にケリー長官は、尖閣諸島をめぐる問題での日本の対応とか日中関係についてどのように認識している、あるいはどのようにあってほしい、そのようにアメリカ側は考えておられると外務大臣は捉えておられるのか、認識をお聞きしたいと思います。
○岸田国務大臣 先日の日米首脳会談そして外相会談について御質問いただきました。
 まず、尖閣諸島が日米安全保障条約第五条の適用対象であるということについては、これまでもクリントン前国務長官を初め米政府高官が累次にわたり表明している米国政府の立場であるというふうに理解しておりますが、今回、日米首脳会談と同日に行われた外相会談において、新任のケリー国務長官から、日米安保条約の適用について米国の揺るぎないコミットメントを改めて確認するという発言があったということは、米国政府の変わらぬ立場がケリー長官みずからの言葉で改めて表明された。これは、日米安保体制の抑止力を内外に改めて示すという意味で意義があったと私は感じております。
 そして、あわせてケリー長官からは、我が国の尖閣諸島における自制的な対応については評価する、こうした発言がありました。私の方から、日中関係に関し、大局的な観点から戦略的互恵関係を推進していくという我が国の立場を説明し、我々は、基本的な立場を譲ることはあり得ませんが、大局的な観点から冷静に毅然として対応していく、こうした姿勢を説明したことに対して、ケリー長官の理解を得られた、アメリカ側の理解が得られた、こういった意味でも意義があったのではないか、このように認識をしております。
○佐藤(茂)委員 そこで、この尖閣諸島をめぐる問題で、一点、確認というか、今の政権の姿勢をお聞きしておきたいんです。
 今週ですけれども、三月十二日に開かれたネットジャーナリスト協会主催のシンポジウムで、尖閣諸島をめぐる問題について、元外務事務次官であり現内閣官房参与の谷内正太郎氏は、日本は領土問題は存在しないという立場だが、中国が望むなら国際司法裁判所、ICJで公平な裁判を受けるという態度を持ってもいい、間違いなく日本は勝つ、そういうように述べられたと報道されているんですね。これは毎日とか読売に載っております。中国がICJに提訴した場合は応じてもいい、そういう認識を谷内氏は示されているわけでございます。
 菅官房長官は、そのことを聞かれて、三月十二日の記者会見で、中国の考え方があることだろうから、拒むことはない、そういうように述べられているわけでございます。
 ちなみに、民主党政権までは、当時、昨年の九月でしたか、藤村官房長官が、国際司法機関で争う必要性は感じていない、そういうように表明されているわけですが、岸田外務大臣は、仮に中国が尖閣諸島をめぐる問題を国際司法裁判所、ICJに提訴した場合に、応じてもいい、そういうお考えなのかどうなのか、外務大臣の見解をお聞きしておきたいと思います。
○岸田国務大臣 御指摘のように、尖閣諸島につきましては、歴史的にも、また国際法上においても、我が国固有の領土であり、現に我が国は有効にこの尖閣諸島を支配しております。尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題は存在しない、これが我が国の立場です。
 そして、そもそも尖閣諸島をICJに付託するか否かについては、尖閣諸島を有効に支配している我が国が言い出す話ではなくして、我が国の有効な支配に挑戦する立場の中国がどう考えるかという問題だと認識をしております。この問題についても、我が国の立場、考え方は以前と変わっていないというのが今の政権においての考え方であります。
○佐藤(茂)委員 そうすると、変わっていないということは、中国がICJ、国際司法裁判所に訴えたとしても日本は応じるつもりはない、そういうことで変わっていないということでよろしいでしょうか。
○岸田国務大臣 中国がこれまで尖閣諸島についてICJに付託しようとしたということについては、全く承知しておりません。また、現にそのような動きがあるという情報も得ておりません。
 我が国としては、有効に尖閣諸島を支配している、この立場をしっかり国際社会に示す、そして、先ほど申し上げました基本的な立場をしっかり訴えていく、これが我が国のとるべき立場であり、ICJにつきましては、ルールに基づいて取り扱われるものだと思います。
 我々は、まずはしっかりとしたみずからの立場を主張し、そしてどういった事態になってもそれにしっかりと応じる心構えを持っていく、これが我々の今の立場であります。ここから先、仮定の話について申し上げるのは適切ではないと思っています。
○佐藤(茂)委員 要するに、前政権の、国際司法機関で争う必要性は感じていないということは、ICJというのは、中国がたとえ提訴しても、日本が応じなければ争いの場にならないんですね。ですから、要するに、たとえ中国が提訴しても、日本はそういう争いの場には行きませんよというのが今までの、前政権のスタンスだったんです。
 今回私が確認したいのは、今の谷内氏の発言というのは、今も、外務関係ではないけれども、内閣官房の参与をされているんです。要するに、中国が提訴したら日本も応じてICJで争ってもいいじゃないか、日本は勝つんだ、そういうことを言われている。そこまで応じられるんですかどうですかということを明確に答えていただきたいと思います。
○岸田国務大臣 さまざまな意見、考え方があるのは事実ですが、我が国の立場としては、従来の政権と立場、考え方は変わっていないということであります。そこで、仮定の話云々を申し上げることは、この場では控えなければいけないのではないか、このように申し上げさせていただいております。
○佐藤(茂)委員 外務大臣もなかなか安全運転だな、そういう感じがいたしました。
 続いて、きょうは時間が限られていますので、もう一つ、北朝鮮による核実験に関する安保理決議につきましてお聞きをしたいと思います。
 外務大臣にこの評価を聞こうと思いましたけれども、時間も限りがありますので、それは飛ばさせていただいて、問題は、この安保理決議というのは、制裁を追加、強化する内容が含まれる決議が全会一致で採択されたというのは、非常に私は歓迎し、高い評価をしておるわけですね。特に、金、人、物、貨物検査、航空輸送の制限の幅広い分野にわたって制裁の追加、強化が決められ、また、今までの決議で要請だったものが義務化されている部分が相当出てきております。さらに、加盟国独自の判断において対象を拡大強化できる点が大きな特徴だと思っているわけですね。
 この直後の内閣総理大臣コメントでも、外務大臣談話でも、「我が国は、他の国々と連携しつつ、この安保理決議を実効あらしめるよう、適切に対応していく考えです。」と政府はコメントを出されているわけでして、この決議の実効を高めるために我が国としてどういう措置をとろうとされているのかということが今一番大事だと思っております。
 その前に、決議が決められる前に、二月二十七日の参議院予算委員会で、菅官房長官は、独自制裁として実施している再入国禁止措置の対象を拡大していくんだ、具体的に言うと、核やミサイルの技術者も再入国を禁止することを視野に検討していると当時は言われておりました。
 ただ、今回、さらに多くのことが国連決議で決められて、こういうことは国連決議のもとでもできるようになっているんですね。さらに、アメリカも既に独自制裁で、朝鮮貿易銀行の金融制裁なんかも決められております。
 きょうは加藤副長官にお越しいただいているので、この安保理決議を受けて、金、人、物、貨物検査、航空輸送の制限という重立った分野で、我が国が従来とっていた措置では不十分で、新たな措置を必要としたり、従来の措置を拡充したり追加しなければならない、どういう対応を日本政府として今とられようとしているのか、具体的に答弁をいただきたいと思います。
○加藤内閣官房副長官 佐藤委員にお答えしたいと思います。
 今御指摘のとおり、国連安保理で新たな決議がなされました。それを踏まえて、それを履行するために所要の措置を講じていきたいということで、今、中で議論をさせていただいているところでございます。
 それから、独自措置についても御指摘がありました。
 これまでも日本はいろいろ独自措置を講じてきたのはもう委員御承知のとおりでございまして、さらにそれに加えてどういうものをしていくかについては、北朝鮮の動向とか、あるいはほかの国がどういう対応をしていくのか、それをしっかり見きわめつつ、やはり、北朝鮮における拉致、そして核ミサイル、こういった包括的な解決のために我が国がとるべき最も有効な手段は何か、こういう観点に立って、その中身、それからタイミング、こういったものをしっかり図っていきたい、こういうふうに思っております。
○佐藤(茂)委員 ただ、もう既にアメリカやEUが、さっき言いましたように、金融制裁を独自にやろうということで発表しておりますし、やはり日本も、できることについては速やかに政府として決断して進めていただきたいな、そのように思います。
 外務大臣に確認しておきたいのは、今回の安保理決議の中には、加盟国による九十日以内の決議実施報告要請というのがあります。ですから、政府として、この安保理決議第二〇九四号を実効あらしめるための適切な対応策をやはりきちっととって、九十日以内には報告しないといけない、こういうことが要請されているわけですね。
 どういう体制で今後検討していって、いつまでに決定していかれるのか、政府の取り組みについてぜひ伺いたいと思います。
○岸田国務大臣 政府としましては、今回発出されたこの安保理決議を踏まえ、所要の措置を適切に講ずるべく、現在、関係省庁間で協議、精査を行っている最中でございます。この作業を進め、できるだけ迅速に国内実施を担保する、こうした体制をつくっていきたいと考えております。
 そして、国内においてもこうした体制をつくることは重要ですが、この安保理決議を履行していくためには、国際社会に対しても決議の着実かつ全面的な履行を求めていく。国内外でこうした対応を行うことによって、今回の安保理決議の早期実施を実現していきたいと考えております。
○佐藤(茂)委員 それで、北朝鮮に関することでもう一点。
 大臣所信でも言われましたし、本会議の外交演説でも言われていることで、今月の国連人権理事会において、北朝鮮の人権状況に関する調査委員会を設置すべく、関係各国との協力を進めます、そういうふうに演説をされております。それも、拉致問題の解決に全力を尽くすという、そういう文脈の中でこのことを述べられているわけでございます。
 この北朝鮮の人権状況に関する調査委員会が設置されたら、我が国にとって大事な拉致問題の解決に向けてどのような進展が期待できる、あるいは効果が生まれる、そのように考えておられるのか。また、あわせて、この調査委員会の設置というのは、本当に今月、ちゃんとできる見通しなのかどうなのか、そのこともあわせて外務大臣に御答弁いただきたいと思います。
○岸田国務大臣 拉致問題を含む北朝鮮の人権状況につきましては、人権理事会等における累次の決議にもかかわらず、全く改善が見られない、こういったことから、我が国はいち早く、北朝鮮の人権状況に関する調査委員会設置の必要を認め、新たな決議の採択に向けて、EUを初めとする関係国と協議を重ねてまいりました。
 我が国としては、こうした調査委員会が早期に立ち上がり、調査を行うことによって、拉致問題を含む北朝鮮の人権状況等がまず明らかになり、そしてそのことが、国際社会として、北朝鮮に対して、人権状況の改善に向けた具体的な行動をとることを促す、こうしたことにつながることを期待しております。国際世論を喚起する、こうした効果があるものと期待しております。
 そして、我が国は、この調査委員会の設置を含む本件決議案を、ジュネーブ時間三月十四日に、EUと共同で人権理事会事務局に提出いたしました。そして、来週後半に予定される決議案の採択に向けて今全力で取り組んでいる、こうした状況にあります。
○佐藤(茂)委員 もう時間も終わりましたので、終わりたいと思います。
 今、岸田外務大臣は、本当に我が国を取り巻く安全保障環境が極めて厳しい中で御就任もされました。ぜひ防衛大臣とも連携をとって、やはり安倍政権が失われた外交をしっかりともう一度立て直す、そういう力となって頑張っていただくことを心から念願して、質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○河井委員長 次に、山口壯君。
○山口(壯)委員 民主党の山口壯です。
 岸田外務大臣、御苦労さまです。これからよろしくお願いします。
 私、きょうは幾つかの質問通告をしています。その前に、幾つか。
 先ほど、原田理事あるいは佐藤理事からも、尖閣の問題についての言及がありました。この尖閣の問題について、昨年、私と戴秉国さん、それから、その前に、当時外交副部長だった傅瑩さんと話をしたわけです。私は、外務省を去ってから、一切口にしていません。完全に沈黙を保っています。他方、最近ちょっとあやふやな、私についてのいろいろなうわさも出ているものですから、少しそれは訂正しておかなければいけない。
 週刊朝日なんかに出たので、その訂正記事やおわび記事が来週出ますけれども、まず、私自身が去年の八月の末に行ったときに、傅瑩さんと会って、もう五時間ぐらい、ずうっときついやりとりをやったわけですね。それに当たっては、当時の中国課、特に石川課長を初め、一言一句、私の発言応答ぶりをきっちり詰めて、それを杉山局長あるいは当時の佐々江次官、当時の玄葉大臣も含め、全て省内決裁をきちっととった上で、もうそのラインを一歩も踏み出していません。極秘の電報が報告電として残っていますから、ぜひ岸田大臣、ごらんになっていただいて、これから日中関係を開くときに、どうしてもあのやりとりが出発点になると思います。余りそこの内容は私は言いたくありません。
 他方、先ほど、たしか琉球の話が原田理事からも出ました。あのポイントは非常に大事なんですね。それで、傅瑩さんのときだったですけれども、先方から琉球についての言及があったので、それはよくないということで、次の日に戴秉国さんと会ったときに、あれは今までの中国のラインからはみ出していると思う、そういう意味では、あれは訂正いただけないかということを私から申し上げて、戴秉国さんから、今までどおりのラインで理解していただいて結構だということもありました。
 そういう意味で、私自身は一歩も今までのラインをはみ出さずにやったわけです。戴秉国さんが私と会ったときに言っていましたけれども、当時の胡錦濤さんともよく打ち合わせをして、きょうの会議に臨んだと。だから、中国側のスタンスの出発点はそこのはずです。
 提案があったわけです。それはまだ極秘ですから、もちろんこの場では、その提案があったということは申し上げられるけれども、その提案に対して我々が回答できないままに国有化の閣議決定に至って、話が非常に複雑になっているというのがあるんです。
 そういう意味では、先ほどのICJの話、大臣からは、中国側から特にそういうアプローチもないしという話ではありましたが、いろいろな意味で、なかなか難しい一本の白い道を見つける作業になるわけですけれども、あの辺の、戴秉国と私との会談をぜひ一度ごらんになっていただいて、そしていろいろと解決策を考えていただければと思う次第です。答弁は要りません。
 きょう、お渡ししてある資料の中にエコノミストの記事を私はつけさせていただきました。エコノミストの三月二日号。こういう表紙ですね。三月二日号の二十五ページと六ページにある記事を、そのままコピーでお渡ししてあります。
 この写真を見て、まあ、そうか、なかなかこういうメディアというのは微妙なところを撮るものだなと。これは安倍総理が手を差し伸べているのを、オバマさんが割と引いている写真ですね。だから、なかなかそういう見方をするんだなと。
 この「スピン・アンド・サブスタンス」というのは、スピンというのは、スピンをかけるという意味もありますけれども、情報操作という意味がありますね。サブスタンスというのは実態ですね。
 ここに書いています、一パラの最後に、安倍総理が「ジャパン イズ バック」と言われて、その次のパラグラフに、「イエット イン ジ ユナイテッド ステーツ ザ ジャッジメント ワズ ラザー ディファレント」、アメリカでは判断はかなり違っていた。「ミスター・アベ アンド ヒズ ピープル」が「プレード アップ ヒズ ビジット」、プレーアップしたんだ。
 その二行下に、「イエット ジ アイデア ザット ミスター・アベ ハド レスキュード ジャパンズ アライアンス ウイズ アメリカ ワズ シンプリー アントゥルー」、日本とアメリカとの同盟を救ったというのは、シンプリーアントゥルー、事実じゃない。
 その後に書いてあるのは、「ザ リレーションシップ ワズ オン ア サウンド イナフ フッティング ウエル ビフォー ミスター・アベズ リベラル デモクラティック パーティー(LDP) アウステッド ザ デモクラティック パーティー オブ ジャパン(DPJ) フロム パワー イン ディセンバー」。ここに書いてあるのは、日米関係は、別に、自民党が民主党にかわって政権に着くその前から、ずっと、もう十分、サウンド・イナフ・フッティングであった。これがエコノミスト誌の評価ですね。いろいろな評価があると思います。エコノミスト誌の評価です。
 次の段にはまた非常にきついことが書いてあるんです。「アンド イフ ジ オバマ アドミニストレーション ハズ アン イシュー オブ トラスト」、もしも信頼関係の何かイシューがあるとすれば、「イット メイ ビー ウイズ ミスター・アベ ヒムセルフ」、安倍さん自身に対するものなんだ。これは強烈な言い方ですね。
 その後の方に、日中関係のことが、「ドラッギング イン ジ ユナイテッド ステーツ」、要するに、アメリカを巻き込むというおそれを持っている。それで、「ファインズ ヒム ハード ツー リード」、安倍さんがなかなか読めない。言葉をかえると、何を考えているかわからないと言っているんですね。
 「イン ザ パスト、ヒー アンド フェロー ライトウインガーズ イン ザ キャビネット ハブ プロモーテッド ア リビジョニスト ビュー オブ ヒストリー」。修正主義者と言われるというのは相当しんどいですね、国際社会の中では、リビジョニストと言われるのは。
 ただ、「ヒー イズ ソフトペドリング イット ナウ」、今はその辺のことをうまくやっている。私も、それはそうなんだろうと思います。
 そういう意味で、余りここでチャレンジする必要はないんですけれども、余り、失った外交だとか、あるいは、むちゃくちゃになったものをどうのこうのという表現はやめていただきたい。
 なぜか。それは、私たちも外交については超党派でやっていくというつもりでやっていました。それを党派に偏った発言と言うのは、むしろ日本の外交を危うくするというふうに思います。
 岸田大臣、いかがでしょうか。
○岸田国務大臣 まず、今回の日米首脳会談については、さまざまな評価があり、また、メディアにおいてもいろいろな意見、評価が表明をされています。こうしたことについても冷静に見させていただかなければいけないと思います。
 いずれにせよ、今回の日米首脳会談は、我が国外交の基軸であります日米同盟のきずなの強さを内外に改めて示すという意味で、大変意味があったと思っています。過去の政権の評価とかをどうこう言うことではなくして、未来に向けて、日米関係が重要であり、そして、この大切な日米同盟を基軸としながら我が国の外交を展開していく、こういった姿勢を示すという意味で、意味があったのではないか、このように思っています。
○山口(壯)委員 岸田大臣から、党派にこだわるということではなくて、国益に即して外交を進めていくという気持ちを今言っていただきました。そのようにお願いします。
 そして、先ほどの、エコノミストの三つ目の段に、中ごろに書いています、「コンサーン」から始まるところ。「コンサーン ザット ミスター・アベズ ホーキッシュネス クッド アップセット チャイナ エクスプレーンズ ホワイ アメリカンズ ワー ノット キーン ヒー ブリング ツー ワシントン アイデアズ ゼイ ウッド ノーマリー アプルーブ オブ」、普通だったら歓迎するようなアイデアについても、どちらかというと、「アメリカンズ ワー ノット キーン」、余り反応しなかったなということが書いてあります。
 その次に、「ジ アドミニストレーション メード イット クリア ザット アメリカ ウッド ノット オープンリー エンドース ミスター・アベズ デザイア ツー リインタープリット ザ コンスティチューション イン ウエーズ ザット ギブ ジャパン ザ ライト ツー コレクティブ セルフディフェンス」。普通は、集団的自衛権について検討しているというのは、それは私も、いろいろな意味で検討しなきゃいけないと思っています。これを、そのことですら、オバマ政権は、「アメリカ ウッド ノット オープンリー エンドース」、余り大っぴらには支持するということじゃないよということを「メード イット クリア」ということですね。
 さらに続いていくんです。その三行下。「ノア ディド ミスター・オバマ オア ヒズ ニュー セクレタリー オブ ステート ジョン・ケリー オファー アズ ストロング ア プレッジ アズ ディド ミスター・ケリーズ プレデセッサー ヒラリー・クリントン ツー ディフェンド ジャパンズ アドミニストレーション オブ ザ センカク アイランズ」。その二行下に、「ミスター・ケリー ミアリー リコンファームド ザット アメリカズ セキュリティー トリーティー ウイズ ジャパン カバーズ ジ アイランズ」。これは相当大事な部分です。
 岸田大臣が尖閣諸島に安保条約が適用するということを確認されたということは大事なことです。ここに書いてあるのは、ただそれだけだったと。その前に、オバマさんと新しい国務長官はそれほど強いプレッジを出さなかったと。要するに、怖いわけですね、ドンパチ始まるのが。アメリカが中国との戦争にドラッグ・イン、引きずり込まれることを警戒しているというのが、ここにしっかり、彼らは分析しているんです。
 また、少し違う資料としてお手元にそのまま出した、一月二十一日の、オバマさんのイノーギュラルアドレス、これの三ページ目の二段目、ここに書いてあるのは、アメリカのスタンスというのが、今までのブッシュさんのときと大分違ってきているなというふうに思います。
 一行目は、今までのラインでしょう。「ウイ ウイル ディフェンド アワー ピープル アンド アップホールド アワー バリューズ スルー ストレングス オブ アームズ アンド ルール オブ ロー」。
 だけれども、この次ですね。「ウイ ウイル ショー ザ カレッジ ツー トライ アンド リゾルブ アワー ディファレンシーズ ウイズ アザー ネーションズ ピースフリー ノット ビコーズ ウイ アー ナイーブ アバウト ザ デンジャーズ ウイ フェース、バット ビコーズ エンゲージメント キャン モア デュラブリー リフト サスピション アンド フィアー」。エンゲージメントというのは対話を含むことでしょう。
 そういう意味で、オバマさんの尖閣に対する感覚というものを我々は非常に深読みしなければいけないと思うんです。
 特に、アメリカが、尖閣に日米安保条約が適用というところまでは、岸田大臣もケリーさんと確認された。他方、中国を封じ込めようとか、そういう言い方は一切していないわけですね。
 岸田大臣、どうでしょうか。戦略的に日本とアメリカが組んで中国に対抗しようという発想はお持ちですか。
○岸田国務大臣 日米首脳会談、日米外相会談の評価についてですが、まず、日米首脳会談については、アメリカは大変積極的な強い姿勢で、強い期待を持って臨んできたと私は認識をしています。
 オバマ大統領にバイデン副大統領、あるいはケリー国務長官、ドニロン大統領補佐官等、ずらっと同席する形で首脳会談が行われる、こうした姿勢さらにはやりとりを見ておりましても、アメリカがこの首脳会談に対して大変力を入れている、これは感じたところでありますし、そして、今回、日米首脳会談と外相会談、これはセットで行われました。細部において外相会談においてしっかり確認をしていく、これは当然あるべき姿だったというふうに思っております。
 こうした日米首脳会談、外相会談、こうした会談を通じて、改めて内外に日米のきずな、そして日本、アメリカのそれぞれの姿勢を示すことができた。この点では大変意義があったと認識をしております。
 そして、アメリカはこの事態に対して冷静な対応を求めているということですが、我が国が毅然として、なおかつ冷静に対応している、この我が国の姿勢をアメリカが評価するというようなやりとりだったと認識をしております。
 ぜひこれからも、アジア太平洋地域の平和と繁栄のためにしっかりと、日米同盟を基軸としながら、我が国は努力をしていかなければいけないと思っています。
 中国そして我が国は、この地域において、それぞれの国益がかかっているのみならず、地域の平和と繁栄にも大きな責任を担わなければならない、こういった立場にあると認識しております。そういった姿勢で、考え方で、これからの外交に臨んでいきたいと思っています。
○山口(壯)委員 要するに、日米が組んで、それで中国を封じ込めようという話では必ずしもないというのが今の答弁だと思いますが、いかがでしょうか。
○岸田国務大臣 この地域においては、さまざまな課題があります。外交、安全保障、経済、そしてそれ以外にも、人的交流を初めさまざまな課題があります。その課題において大きな責任を担っている、そういった中で、我々は責任ある対応をしなければならないと思います。
 ただ、その中で、日米同盟というのは大変重要な二国間関係であります。日米同盟を基軸としながら責任を果たしていく、これが我が国の立場だと思っています。
○山口(壯)委員 日米同盟というのは私は非常に広いものだと思いますから、特に、軍事的な側面のみならず、安保条約にも経済的な側面、いろいろ出ています。だから、そういう意味では、今大臣が言われたラインで、特に、アメリカが、尖閣について、日本か中国か、領土問題でどちらかの味方をしようということはしません。今まで一度もありません。だから、安保条約が適用されるということを言っているだけなんです。
 だから、そういう意味では、アメリカの力をかりて尖閣というよりも、日本とアメリカは非常に仲がいいんだということを背景として見せるのは、それはいいと思います。でも、尖閣の問題というのは、アメリカとは全く違う次元で、日本と中国との間で、問題というか、私は領土問題は存在はしないという前提のもとに物を言っていますけれども、もしも中国側から何か来たのであれば、それはアメリカと組んでどうこうしようという話では片づかないというところを認識しておいた方がいいと思うんです。
 オバマ大統領は、よく、アジア・シフトということを言います。だけれども、中国を封じ込めようとかいう気持ちは全く今はないと思います。その理由は幾つかありますけれども、岸田大臣はどういうふうに見ておられますか。
○岸田国務大臣 済みません、御質問の趣旨は、アメリカが中国を封じ込む意図はない、その理由はどう思っているのかということでしょうか。
 アメリカの意図を私が推しはかるのはちょっとなかなか難しいところはありますが、アメリカも、さまざまな、みずからの国益を考え、なおかつ地域の平和と繁栄に責任を持つ立場から、戦略的に物事を考えているのではないか、そのように想像はいたします。
○河井委員長 ちょっと待ってください。
 山口さん、封じ込める意思はないとさっき質問されたから。
 はい、どうぞ。
○山口(壯)委員 委員長の今の指摘も踏まえながら、アメリカの意図を日本の外務大臣がつぶさに把握しておくということはとても大事なことです。それは、岸田大臣も言われたとおり、日米安保条約、あるいは日米同盟という言い方を今していますけれども、それが日本の外交の大きな大黒柱だからという意味です。
 一つ事実として、アメリカの国債を誰が一番たくさん持っているか。昔は日本だったけれども、今は中国ですね。あるいは、アメリカのドルを外貨準備の中で誰が一番たくさん持っているか。昔は日本だったけれども、今は中国ですね。そういう意味では、アメリカと中国というのは経済的に切っても切れない関係にまで来てしまっている。
 我々が、日本とアメリカが組んで中国とという部分は、気持ちとしてはあったとしても、その辺はもう少しリアリストに、冷徹に考えていかなければいけない。だから、アメリカの、どういう状況で、気持ちで、例えば中国を封じ込めるとかいう話がなかなかもうなくなってきているかというのを私がお聞きしたのは、私自身の見方は、こういう、アメリカの国債を誰が一番たくさん持っているのかとか、あるいはアメリカのドルを誰が一番たくさん持っているのかという事実をやはりアメリカが踏まえざるを得ないということも、我々は知っておいた方がいいんじゃないでしょうかという趣旨です。
 この問題に関連してですけれども、ただ、さっき岸田大臣が、向こうからも強い期待があると、それは先ほどのエコノミストの中でもきれいに出ているんですけれども、さっきの二十五ページの最後の段落に出てくるんです。「ラザー ザ ホワイトハウス デザインド ザ ミーティングズ ツー エリシット ツー アザー コミットメンツ」。一つはTPPだと。要するに、アメリカの強い期待というのは、TPPについて、日本が交渉参加について前向きの反応をしてほしいというところがここに書いてあります。考えてみると、当たり前のことなんです。私も、それは一生懸命やってきていました。
 アメリカにとって、前は九カ国、今は十一カ国でTPPの交渉をしている。その中で、アメリカが、オバマさんが輸出をふやして雇用をふやそうとするときに、その輸出を吸収できる国は一体どこだろうか、あと十カ国ですね、アメリカ以外。カナダもメキシコも、多分難しいですね。ペルー、チリ、無理ですね。ニュージーランドも無理。オーストラリアも無理でしょう。ベトナム、マレーシア、シンガポール、ブルネイ、みんなアメリカの輸出を吸収するのは無理でしょう。それで、日本がどうしても大事になるわけですね。だから、そういう意味では、今回、私は、この間の予算委員会のときにもはっきり指摘させていただいたとおり、少し譲歩し過ぎだなというふうには思います。
 それを踏まえると、私は、あのとき、自動車についてまさかそんなことないだろうなと言っていたようなことが、最近、新聞でいろいろと報道されているものですから、少し大臣にも、この場をかりてお聞きしなきゃいけないんだけれども、まず、これは通告してあるものそのままですけれども、アメリカ側は自動車について具体的にどのようなことを言ってきているんでしょうか。
○岸田国務大臣 日米の間でのこの協議については、さきの日米首脳会談で発出されました日米共同声明の第三段落にありますように、従来からも、自動車等、米国側の関心事が示されてきました。そして、第三段落にありますように、こうした関心事について、この共同声明、この日米首脳会談後も引き続き協議をしていく、こうしたことを確認したということであります。
 ですから、自動車についても、今現在、まだ協議は続いております。ですから、報道等さまざま行われていますが、まだこの自動車をめぐっても協議が続いている、結論が出ている状況ではありませんので、協議中の中身について今触れることはちょっと控えさせていただきたいと思っています。
○山口(壯)委員 TPPについて、私たちは精いっぱい情報提供をしてきたつもりでしたけれども、当時の自民党からは、情報提供が不十分だということがよくありました。
 私は、この自動車については、日本の基幹産業の一つですから、譲歩されるということがないのであればともかく、もしも安全基準とかについて、アメリカの安全基準をパスしたものは日本でも認めてくれと、まるで韓国に認めさせているがごとくに言ってきているようなことがないのであればともかく、もしもあるのであれば、それはよく国民に説明をしていく、あるいは理解を求めておく必要がある。決まったから、はい、こうなりましたというのでは情報提供としては不十分だと思います。いかがでしょうか。
○岸田国務大臣 協議中の中身について、逐次これをオープンにすることは、相手国との信頼関係はあるとは存じますが、いずれにしましても、交渉を通じて、我が国は、国益にかなう最善の道を目指さなければなりません。そして、その中にあって、できる限り国民の理解を得るべく努力をしていく、これは大切な姿勢だと思っています。
 国益にかなう最善の道を確保するために全力を尽くしながら、国民の理解をしっかり得ていきたいと思っています。
○山口(壯)委員 その意味では、アメリカの安全基準をパスしたものは日本でフリーパスだということにはならない、国益を守るためにはそれはしないというふうに解釈してよろしいでしょうか。
○岸田国務大臣 具体的な交渉の中身、議題、テーマについて触れることはちょっと控えさせていただきますが、いずれにせよ、国益にかなう最善の道を目指さなければいけない、これは交渉において当然のことだと思っています。
○山口(壯)委員 岸田大臣は、例えば、米韓のFTAの中で、アメリカの安全基準をクリアしたものが韓国に、一メーカー当たり二万五千台ずつ、フリーパスで入ってきている、これを、もしも同じように日本に言ってこられた場合、現実には言ってきていると思いますけれども、それは国益にかないますか。
○岸田国務大臣 米韓FTAは二国間FTAです。TPPは多国間交渉です。
 結果として、どのような結果を導き出していくのか、これは、交渉のありよう、中身も異なると考えていますが、いずれにせよ、結論として我が国の国益を守らなければいけない、強く感じています。
○山口(壯)委員 今、米韓は二国間で、TPPはマルチだから違うという指摘は間違っています。現実にカークさんが言っているから。向こうは、米韓FTAを参考にしてくれというのを言っているからです。だから、そういう意味では、余り事実と違うことは言われない方がよろしい。
 だから、そういう意味で、米韓FTAを向こうは参考にしてくれというおかしなことを言ってきているわけですから、そのことについては、だめですということをおっしゃっているんでしょうか。
○岸田国務大臣 基本的な考え方は、先ほど私が申し上げたとおり、これは、TPPと米韓FTAは違うという考え方が基本でなければならないと思っています。
 さまざまな意見が表明されているのかもしれませんが、我々は、この基本に立ってしっかりと協議していきたいと思っています。
○山口(壯)委員 向こうが思っているのは自動車と保険ですね。牛肉については、我々のときに、もう既に、二十カ月までと言ったのを三十カ月に延ばして、これは事実上解決したと思っていいでしょう。向こうはもう牛肉についてはほとんど言っていないはずです。残りは自動車と保険。
 では、保険については、今自動車のことをずっと話をしていますけれども、もう一つの保険については、アメリカがどういうふうなスタンスで臨んで、岸田大臣はどういうスタンスで応えようとされているんでしょうか。
○岸田国務大臣 先日の日米共同声明の第三段落において、自動車そして保険等が米国の関心事として示されてきた、こうした内容が含まれているわけですが、具体的な協議は今引き続き続いております。
 この協議の中身について、どのような提案があったとか、やりとりをちょっとここで明らかにすることは控えなければならない。国益を考えても、相手国との関係を考えても、その協議の最中という時点でそれを明らかにするのは控えさせていただきたいと思います。
○山口(壯)委員 違います。はっきりと事実を伝えて、国民のバックアップをもって、それで交渉に臨むべきです。
 例えばがん保険について、はっきりした事実は、アフラックが日本のがん保険市場の七〇%を持っている。その中で、例えば郵政のかんぽ生命保険が新しいがん保険に進出しようとして、それはまかりならない、こういう話があるわけでしょう。
 私のときには、少なくとも、いや、WTOに基づいて内外無差別だ、全く問題ないと押し返していますよ。それは、国民の支持を取りつけるべく、私もしっかりいろいろなところで言ってきたつもりです。
 だから、外務大臣として、しっかり国民のバックアップを得たいという気持ちがあるのであれば、今交渉中だから言えないの一点張りではだめです。しっかりとして、この事実を伝えて、そして、がん保険についてはアメリカがそういうふうに言ってきている、あるいは学資保険についても文句を言ってきているわけですね。
 そういう意味では、国民のバックアップを岸田大臣は背にしながら、そしてアメリカとの交渉に臨むということでなければ、申しわけないけれども、今見ている限り、私だったらああいうスタイルはとりません。もっともっときちっとやっています。譲り過ぎています。
 だから、そういう意味では、向こうは、自動車は物すごくエモーショナルだ、この言葉をよく聞いたことがあると思います。理屈じゃないんですね。トヨタ、マツダ、ダットサン、ホンダ、この名前を見ただけで、もう赤い布を見た牛のようになるというのをカークさんが言っていた。エモーショナルになるんだと。
 だから、そういう意味では、自動車についての反応と保険についての反応は大分格差があります。だから、この保険についてはもっともっときつく言ったっていいんです。
 そういうことを踏まえて、岸田大臣、一言お願いします。
○岸田国務大臣 日米間の交渉については、山口委員も当時は外務副大臣でいらっしゃったわけですから、これは、交渉にかかわる責任者として、こうした交渉の中身については、明らかにしなければならないことと明らかにしてはならないこと、これをしっかりと区別するお立場にあると思っています。
 いずれにせよ、この交渉において、国益を守るために最善の努力をする、これは大変重要なことだと思っていますし、そして、いずれにしましても、最終的には、国民の理解を得なければTPP協定は最終的に批准まではたどり着かないわけですから、しっかりとした交渉を行いながら、そして国民の理解を得るべく最大限工夫をしていく、こうした努力をこれからも引き続き続けていかなければいけない、これが基本的な考え方だと思っています。
○山口(壯)委員 外務大臣の答弁のレベル、もう少し上げてください。
 それは、このがん保険について、我々のときには既に国会でこういうことはきちっと答弁していたんです。交渉の途中だから言えないという話ではありません。日本政府を代表して交渉する場合に、どういう観点でやろうとしているか、それを国民の代表である国会で言うのは当たり前のことです。それが交渉の結果どうなるかというのは、また別な話です。
 だから、そういう意味では、岸田大臣が、国益、国益、それは余りにも抽象的過ぎる。誰も国益に反したことをやる大臣はいないでしょう。だけれども、外務大臣として、アメリカとどういう気持ちで交渉するかということは、国民の代表である我々に答弁をすることがむしろ義務です。だから、そういう意味では、交渉が成り立ってから、最終的にはと今おっしゃったけれども、最終的には国民の理解を得る、だめです。途中から国民の理解も得られるように、外務大臣として、外務省はいっぱいスタッフがいるんですから、それは国民の理解を得るようにしなければいけません。
 だから、そういう意味では、答弁の、先ほどから二つのキーワードしかありませんよ。交渉の途中だからというのと、国益は守る、それしかありません。だけれども、もう少しきちっとした答弁を私は望みたいと思います。
 ちなみに、医療についても、これは私もちょっと宣伝不足だった。この間の予算委員会でも私は報告しましたけれども、大分カトラー女史とやり合ったわけですね。私は相当きつい言い方をして、今もいるアメリカの森公使、彼が最初入省したときに私の部下だったものですから、気安い仲ではあるんですけれども、彼がいろいろ電報を見て、山口さん、ちょっとやり過ぎていませんか、相当きつい言い方していますよねと。
 私はこう言っていたんですよ。当時の野田総理は交渉参加に前向きだぞ、なぜかわかるか。それは、オバマさんが輸出をふやして雇用をふやしたいと言っている。では、その輸出を吸収できるのはどこだ。さっき言ったみたいに、ほかのどの国もないだろう、日本しかないだろう。では、医療と保険でアンリーズナブル、むちゃなこと言うなよ、言うんだったら絶対交渉参加の署名を俺はさせないぞということを言って、そうしたら彼女が一生懸命ワシントンで根回しして、それで、去年の三月一日と二日に米国アジア・ビジネスサミットという場が東京で設けられたときに、アメリカの政府代表としてやってきて、はっきり言ったわけですね。
 医療については、一つ目は、日本や他の国の国民医療保険制度を民間ベースの医療保険制度に変更を求めるものではないと、それは一つはっきり言った。もう一つは、TPPは、混合診療を含め、民間の健康サービス提供者に関して日本の制度変更を求めるものではない、こう発言しているんです。
 自民党の方で、重要五品目とあと国民皆保険というのを報道で見ましたけれども、もう国民皆保険はそういう意味では事実上通っているんです。だから、別にあそこでわざわざ自民党が言うのも何か、まあ、我々の広報不足かもしれないけれども、余り御存じないんだなという気持ちで見ていました。
 だから、そういう意味で、交渉の途中だから言えないとかいう話じゃないです。現実にいろいろとやはり国民の理解を求める努力が、もっともっと外務大臣側であった方がよろしいかと思います。
○岸田国務大臣 前政権において、当時の山口副大臣を初め関係者が国益を考えてさまざまな努力をされた、それはそのとおりだと思います。そうした御努力には敬意を表したいと思います。
 そして、交渉の過程を明らかにすることにおいては、相手国との信頼関係を考えた上で、同意を得たものはどんどんとオープンしていく、これは当然のことだと思っています。そして、今、山口副大臣におかれましても、この情報、お立場は今副大臣を離れられたわけですけれども、二国間の協議が今引き続き続いているわけですから、その途中過程については、情報管理、しっかりと慎重に対応されるお立場にあられるのではないか、このように認識をしています。
○山口(壯)委員 何か、いかにも私が言っていることがおかしな話のように今おっしゃったけれども、そういう趣旨じゃないですね。違いますね。
○岸田国務大臣 私が申し上げているのは、情報公開については、協議を行っているわけですから、相手国との信頼関係のもとに、オープンにできるものはしっかりオープンにしていく、こういった対応が大事だ、このように思っています。
○山口(壯)委員 交渉のポジションを、レバレッジをきかせるために、交渉の内容についてうまく国民のバックアップをとるということが、今の、現代の外交についてはどうしても不可欠ですから、そのことを言っているんです。別に交渉の過程をつまびらかにせよという趣旨とは違います。だから、そういう意味では、国会に対して、あるいは国民に対して、今の岸田大臣の答弁を少しレベルアップしていただきたいということです。
 日米関係について、私、もう一つは、在沖縄の米海兵隊のグアム移転経費についてというところを、きのう通告してある内容ですけれども、これについて私自身が強く中で申し上げていたのは、全体のプロジェクトがしっかり積み重なった上で、したがって全体の必要経費は幾らなんだと、それなしには個々の出費はまかりならないということを言ってきました。
 去年の春、連休前ですけれども、2プラス2の文書をつくるときに、最後の最後に、アメリカにおいては議会、日本においては国会の、いろいろな意見もよく聞きながらという項目が入りました。それはどういう趣旨かというと、プロジェクトを具体的にしっかり詰めてから、それによって全体像も決まるし、個々の支払いも起こるだろうという観点です。
 そういう観点からいったら、今、全体像が決まっているんでしょうか。その辺から質問させてください。
○岸田国務大臣 御指摘の、在沖縄海兵隊のグアム移転の話については、昨年四月の2プラス2共同発表において、計画の一部を調整したことを受けて、その後、日米間で、日米それぞれの資金を充てる事業を特定するための作業を今行ってきている、こうした状況にあります。
 まず事業全体を確定してから考えるべきだという御指摘については、基本的には私も同感でありますが、まず事業全体を確定して、そのうち日本側の資金を充てる全ての事業を特定し、その後に個々の事業ごとの日本からの資金提供を決める、こういった順番が基本であると私も思いますが、しかしながら、グアムにおける補完的環境影響評価、まだ十分に進んでいないため、日米それぞれの資金を充てる事業の全体像がかかるまでしばらく時間を要する、こういった状況に今あります。
 一方で、この補完的環境影響評価の結果に影響を受けない事業も一部に存在していることから、これら限られた事業に充てるために、予算の範囲内で可能なところから着実に進めていきたい、このような考え方を、今、我々もとり、作業を進めている、こうした状況です。
○山口(壯)委員 大臣の、全体像が確定してからやるというのが原則だ、それはきちっと守っていきたい、アメリカ側にもそれは言えるんです、向こうもそういう背景がありましたから。当時、まだいたウェッブさん、マケインさん、もう一人はレビンさん、この辺、二人はいなくなったけれども、相当きつく言った上でこういう話になったわけですから、それはやはりきちっとした原則を守っていただきたいと思うんです。
 その点について、重ねて確認願えますか。
○岸田国務大臣 ただいま申し上げたように、物事の順序は委員御指摘のとおりだと思いますが、現実において、可能なところからできるだけ着実に進めていきたい、こうした考えのもとに、具体的に、きょう十五日にも、約九十三億円の資金を米側に提供するための交換公文に署名する方向で、今調整をしている最中であります。
 ぜひ、基本的な考え方は大事にしながらも、現実において作業を進めるために、可能なところは進めていく、こうした姿勢で臨んでいきたい、このように思っています。
○山口(壯)委員 岸田大臣、ぜひ、私のような、例えば国会にいる者がこういうことをきつく言っているということを交渉の中で使ってもらったらいいんです。
 だから、アメリカ側に、おたくの方で九十三億円、今、環境影響評価の結果がどうなろうと、それに左右されずに、どうしても要るものだから、それについて考えているという答弁でした。私も全くそれを否定するものではありません。
 ただ、アメリカとの間で、原則は全体がきちっと具体的に固まってからやるんだということを確認した上で、そして、そういう話について進めてもらいたいけれども、そのときに、我々のような者がいてきついんだ、だから、アメリカ側においてもこれが当然だと思わないでくれよと。だから、そういう意味で、アメリカ側においても凍結されているものを早く解除してやるべきじゃないかという交渉ができるわけですよ。だから、そういう意味で使ってくれと言っているんです。どうでしょうか。
○岸田国務大臣 御指摘、当然のことだと思っています。
 先ほど申し上げました考え方については、米国側とも認識を共有していると認識をしております。ぜひ、基本的な考え方をしっかり確認しながら、現実にどう進めていくのか、しっかりと調整していきたいと思っています。
○山口(壯)委員 アメリカの国防の中での話の一つですけれども、ただ、今度、全体の国防費の話というのも事前に通告してあると思います。
 アメリカの方で、予算について与野党で相当きついやりとりをして、国防費についても非常に徹底的な削減計画があるように、あるいは実行に移されたように聞いていますけれども、その辺のことはいかがでしょうか。
○岸田国務大臣 米国の国防費の削減の話ですが、三月一日、御案内のとおり、米国においては、予算管理法に基づき、国防費を含む歳出の強制的削減措置が発動されることになりました。
 その結果、米国の国防費については、二〇一二年度から十年間で約八千五百億ドルが強制削減されると承知をしております。これは、既に国防省が表明している削減額に加えて、毎年、米国の国防基本予算の一割弱、約五百億ドル程度に相当する予算がさらに削減されることを意味すると理解しております。
○山口(壯)委員 このアメリカの国防費削減の意味を、岸田大臣、どういうふうに思われますか。
○岸田国務大臣 国防費削減については、まず、我が国としてはしっかりと注視をしていきたいと思っております。
 恐らく、予算制約があるとしたならば、活動の進捗状況等に変化が生じることになるとは思っていますが、米国にとって、アジア太平洋地域に対する優先度、これが変わらないこと、そして、日本における米国のプレゼンスや日本の安全に対する米国のコミットメント、こうした立場が変わらないという、この基本的な部分において変化が生じないように期待をしたいと思っています。
○山口(壯)委員 岸田大臣から、変化を生じないように期待したいという答弁でしたけれども、現実には変化が起こりつつあると思うんです。それは、先ほど私が指摘したイノーギュラルアドレスに一つ出ていますね。
 だから、そういう意味では、硬軟両様のうちの硬の部分がだんだん比重が小さくなって、いわゆるエンゲージメントというか対話というか、そっちの部分に重点を移しつつあるというのが今のオバマさんのスタンスだというふうに解釈した方がいいと思うんです。そういう意味では、これを例えば曖昧戦略と言う人もいれば、軍事的な不介入主義と言う人もいます。
 それは、背景があるわけですね。二〇〇一年の九・一一のときに、四機の飛行機が、ある意味でアメリカの心臓部で、同時多発テロですね。そのときに、私はたまたま次の日ホワイトハウスに行って議論したわけですけれども、やはりもう次の日から、戦争だ、戦争だということを言っていました。私の方は、いや、戦争って、それは、アフガニスタンと戦争するというのは気持ちはわかるけれども、日本に一緒にやってくれと言うんだったら、これはどういうエビデンスがあるんだと。プラス、そのほかどうなるんだと。イラクという名前も出ていましたけれども、では、イラクは大丈夫かと。核兵器は一体何発あるんだよということを議論して、相当熱い議論になったわけですけれども、向こうはすぐ戦争ということを言っていました。
 結局、私があのとき言ったのは、ソ連はアフガニスタンに侵攻して結局潰れたんだぞ、十年で潰れた、アメリカは大丈夫か、だから、よく考えてからやらなきゃいけないしなということを言ったんです。銀行とか自動車産業、十年たって危ないなんて言わないようにしてくれよと。
 現実には、投資銀行は全部潰れて、フォード、クライスラー、GMも、国がバックアップしなければ、一回倒産したわけですね。だから、そういう意味では、私の方が当たっていたかもしれないけれども。
 アメリカは、その意味で、アフガンとイラクで物すごい国力を消耗したと思うんです。だから、オバマさんは、とにかく来年撤退したいと。現実には、しかし、本当に撤退できるかどうかというのは、まだいろいろな要素もあるんでしょう。
 だけれども、そういう経緯の中で、アメリカとしたら、今度は、アジア太平洋に焦点を当てて経済の立て直しをしないと国がもたない。では、そのときに、島の問題でがたがたしないでという気持ちがあるんでしょう。こっちは原則を貫いてやらなきゃいけないから、それをやるとしても、ただ、アメリカの気持ちもおもんぱかりながら、同盟のパートナーとしてきちっとやっていこうとしたら、やはり国防費の削減についても、大きな流れの中で、アメリカが軍事的には不介入主義をとる、要するに、アフガン、イラクの戦争でもう手いっぱいで、それすら引きたいと。では、あと、アジア太平洋で中国との戦争に巻き込まれるなんてもう大変だ、むしろ、できないという気持ちがそこにあらわれているように私には思えます。
 そういう意味で、岸田大臣がこれから仕事をされる中で、アメリカがどういう気持ちでいるのか、国防費削減についても、少し正確に深読みをしておいていただきたいなと思って、私はこの質問をさせていただいているんです。
 その意味で、日本が、例えば、岸田大臣の所信表明の中にも価値観という言葉が出てくるし、鈴木副大臣のこの間の予算の説明でも、第一に普遍的価値に基づく戦略的外交のダイナミックな展開という言葉を使っておられます。
 アメリカは、中でバリューということが全然使われていないというわけではありません。ただし、そのことを強調しなくなったということは確かなんです。だから、岸田大臣は、変化が起きないように望むと言われても、既に変化は起きつつあるんです。だから、日本がいかにも価値観外交ということを振り回すというよりも、むしろ、もう違いを受け入れながら、日本こそがいろいろな物事を解決していってやろうという気持ちを持っていただきたいんです。
 TPPも同じですよね。TPPというのが一つあれば、もう一つは、日中韓自由貿易協定というものも交渉が始まりつつあるわけでしょう。目いっぱい、私も力わざで始めさせてもらったけれども、もう一つあるのが、今度は日・EUですね。だから、そういうものを全部まとめていくのが日本の役割だと思うんです。
 ちなみに、日・EUのとき、私は、正直言って、TPPでなかなかアメリカが自動車問題でらちが明かないから、先にEUをやってやろうと思って大分やったんです。だけれども、どうも、アメリカのフォード、クライスラー、GMが、ドイツのBMWとベンツ、イタリアのフィアット、あるいはフランスのプジョーとかをけしかけて、やるなと。アメリカは大統領選挙があったから、フォード、クライスラー、GMを敵に回せなかったんだと思うんですよね、ロムニーさんとあれだけ接戦を演じていたら。
 だけれども、大統領選挙も終わった。したがって、EUも、アメリカからいろいろなそういう話も多分ないんでしょう。だから、EUの経済連携協定というものも、今進めることは私は状況は整ってきていると思いますけれども、今どういう状況でしょうか。
○岸田国務大臣 御質問のEUとの経済連携についてですが、三月二十五日に、日・EU定期首脳協議が予定をされております。これまでの作業により、日・EU・EPAの交渉開始に向けた環境が整っており、正式交渉開始に向けた最後の調整を今事務レベルで行っている、こうした段階にあります。
 我が国としては、EUとの高いレベルのEPAを実現すべく、早期に交渉を立ち上げたいと考えています。
○山口(壯)委員 EUとの間でも進みそうだと。
 もう一つは、これは通告していません。でも、答えられる範囲でおっしゃってください。
 日中韓自由貿易協定について、今どういう状況でしょうか。
○岸田国務大臣 日中韓、この三国間においても、経済連携を立ち上げようという意思は確認をされている、こうした状況にあります。
○山口(壯)委員 きょうは通告していないから、立ち上げようというんじゃなくて、既に事務レベルでは交渉が始まっているということですから、岸田大臣としても、よくそこを、けつをたたいて、進めていただきたいと思います。
 韓国と中国というものをどうしてもにらみながら私もやっていました。韓国は、どうしても中国の方を向くんですね。先に韓国と中国で話をしている中で、違う、日中韓でやらせてくれということを何度も何度も私は韓国側に言って、話をやっていました。
 考えてみたら、多分、韓国と中国との貿易の状況もあると思うんですけれども、これも通告していませんが、韓国について、どこの国が一番貿易の相手国として大きいかというのは、事務方、いかがですか。大臣、もしわかったら。
○岸田国務大臣 済みません、今、手元に資料はありませんが、私の感覚では、韓国にとっては、中国との貿易が大変大きなウエートを占めているのではないかと思っております。
○山口(壯)委員 韓国にとって、中国が輸出輸入ともナンバーワンなんです。これを機会に、ぜひ岸田大臣もそのことを刻んでおいていただいて、これから交渉されるときに、そのことは一番大事なポイントなんですね。朴槿恵さんが新しい大統領になられて、なぜ中国の方にあんなにメッセージを送っているのだろうという背景がそこにあると思うんです。
 そういう意味で、日本は、この日中韓の自由貿易協定を進めることがTPPの交渉も有利に持っていきますから、だから、そういう意味で、日中韓を進めて、日・EUを進めて、その中でTPP、それから東南アジアも入れれば、地域包括的経済連携、RCEPというものですね、それも進めていく。これを全部、こまのようにくるくるくるくる回しながらやっていくことによって、TPPが、期間があとわずかしか残っていないけれども、少しでも有利に進められるということになると思うんです。
 ちなみに、私は、もう一つやり残したことで、少しスタートしたんですけれども、この間の予算委員会でも少し触れました、ロシアを何とか持ってきたいなと思って、要するに、FTAAP、エフタープと発音されているFTAAP、アジア太平洋におけるFTA、FTAAP、ここにたどり着こうと思ったら、最終的にはロシアも入ってくるわけです。入れなきゃいけないわけです。ところが、今、ロシアと日本がFTAを交渉するところまでは、なかなか難しいです。
 でも、日本海という重要性がどんどん今増していると思うんです。例えばTPPというのは、トランス・パシフィック・パートナーシップ、環太平洋経済連携ですね。では、私は発想したんです、環太平洋経済連携があるんだったら、環日本海経済連携をやってやろうじゃないかと。それで、ロシア、日本、韓国、一つ飛ばして中国、それからモンゴル、まあ、アメリカは遠いけれども、環日本海経済連携の名誉会員で声をかけようかというので、この六カ国で、去年の七月の二十四日でしたけれども、東京で、国連大学で、ERINAという、環日本海経済研究所という、新潟にあるんです、北東アジアの経済連携をずっと研究してきた会社に委託して、国際会議という形をとって、学者さんに集まってもらってやったわけです。
 この間、森元総理がプーチンさんに会いに行かれて、岸田大臣あるいは安倍総理としても、これからロシアの外交をどういうふうに進められるかということを考えておられると思うんです。でも、この環日本海経済連携、まあ、韓国が日本海についていろいろ言っていますけれども、それは北東アジアと言おうが何をしようが、日本海を囲むような経済連携というのは将来の戦略にとって非常に重要になってきます。
 それは、幸か不幸か、温暖化で、北極海の氷が解けつつあるから、船が南を回らなくても、北から行けるようになっているんです。北には海賊がいないんですね。南には海賊がいっぱいいる。そういう意味では、北から回るときには日本海をどうしても通るんです。あるいは、日本海を通ればすごく近いんです。だから、これから日本海の戦略的な重要性というのはどんどん高まってきます。
 氷を割って進める造船技術を持った会社というのが日本にも幾つかあるんですけれども、これは世界的にも非常にレベルが高いし、これから日本が考えていく中では、環日本海経済連携をどうやって発想していくかというのはとても大事なんです。
 これは何も質問通告していないけれども、岸田大臣として、この構想に対して、私は、そこでやり残した感があるものですから、ぜひ引き継いでいただいて、ロシアをどういうふうに取り込むかという一つのフレームワークとして考えていただければどうかなと思うんですが、いかがでしょうか。
○岸田国務大臣 アジア太平洋、そして特に東アジアの戦略環境が大きく変化する中にあって、御指摘のような新しい発想、これは大変重要であり、傾聴に値すると思います。
 さまざまな経済連携、そして国際連携を組み合わせることによって相乗効果を発揮する、トータルとして地域や我が国の経済活力につながる、こうした姿勢は大変重要だと思っています。
○山口(壯)委員 日本がどういうふうな役割をこれから担っていくかということにかかわってくるわけですね。
 それで、私も、昔、そういえばアインシュタインさんが何かいろいろな予言をしていたなというのをちょっと思い出したんですけれども、アインシュタインがこういうことを言ったということになっている。
 近代日本の発達ほど世界を驚かせたものはない。この驚異的な発展には他の国と異なる何物かがなくてはならない。果たせるかな、この国の三千年の歴史がそれであった。この長い歴史を通じて、一系の天皇をいただいているということが、今日の日本をあらせしめたのである。私は、このようなたっとい国が世界に一カ所くらいなくてはならないと考えていた。なぜならば、世界の未来は進むだけ進み、その間、幾度か戦いは繰り返されて、最後には戦いに疲れるときが来る。そのとき人類は、まことの平和を求めて、世界的な盟主を挙げなければならない。この世界の盟主なるものは、武力や金力ではなく、あらゆる国の歴史を抜き超えた、最も古く、またたっとい家柄でなくてはならぬ。世界の文化は、アジアに始まってアジアに帰る。それは、アジアの高峰、日本に立ち戻らねばならない。ということをアインシュタインが予言したということが言われて、いろいろな出典について学者さんたちが研究しているんですけれども。
 でも、日本がこれからどういう役割を担うべきかについて、例えばこういうふうに予言している人もいる。金力や財力、あるいは軍事力ではない、そういう日本でなければこれからの世界の盟主にはなれないだろうと。
 そういう中で、TPPがあり、日中韓自由貿易協定があり、あるいはRCEPがあり、あるいはこれから日・EUを進めて、さらにはロシアを取り込むような環日本海経済連携構想を進めて、そこに北朝鮮が、悪かった、俺も入れてくれということを言わせるというのも一つの戦略だと思うんです。だから、私はあえて、もちろんのことながら、北朝鮮はさっきの六カ国の中には入れていません。ただ、いろいろな構想があり得るんですね。シベリアで発電をして超電導で日本に電力を持ってくる。途中、北朝鮮を通るというぐあいにして、うまくプロジェクトを進めるということも、いろいろあり得ます。
 だから、ぜひ、このアインシュタインの予言が的中するように、日本が世界の盟主というぐらいのつもりで、この経済連携というものを、アメリカのことに対して譲歩するだけじゃなくて、日中韓を同時に進める、あるいは日・EUを進める、あるいはロシアも取り込むということでもって、堂々と戦略的な外交を進めていただきたいというのが私の願いです。いかがでしょうか。
○岸田国務大臣 先ほど来、さまざまな貴重な御提言を聞かせていただいたと感じております。こうした御指摘もぜひ参考にしていきながら、我が国の外交の大きな道筋、行く末について考えていくことも大変重要だと感じております。
○山口(壯)委員 その中で、私は一番最初に尖閣のことを言いましたけれども、日中関係ですね。この間、岸田大臣あるいは安倍総理がワシントンに行かれて、多分、順番的には中国かロシアかというところが大きくなってくるでしょう。もちろん、その間にEUが入っても自然です。そんな中で、中国、安倍総理は対話のレベルを上げていきたいと語ったというふうにも言われます。
 具体的にどういうことを言われんとしたのか。この辺を、岸田大臣、いかがでしょうか。
○岸田国務大臣 中国は、言うまでもなく、我が国にとって最も重要な二国間関係のうちの一つであります。この中国との関係が安定することは、日中二つの国の国民にとって利益であるだけではなくして、この地域の平和と安定にも大きな影響がある、こうした認識にあります。
 ぜひ、日中関係につきましても、日中双方とも大きな責任を感じて関係修復に努力をしなければならない。その際に、両国間の政治レベルでの意思疎通が大変重要だということを安倍総理も申し上げさせていただいた、このように私も理解をしています。意思疎通を図るためにさまざまなレベルでさまざまな接触を行わなければならない、政治レベルにおいても大変重要だ、こういった趣旨を申し上げたと理解しています。
○山口(壯)委員 中国について、私もじくじたる思いを持ってこのことを質問しなきゃいけないわけですけれども、言ってみれば、一番最初、一九七二年に至るまでは、いわゆる創価学会の池田名誉会長が頑張られたりして、政治の前にそういう接触もあったわけですね。
 これから、日中韓の自由貿易協定の議論とか、政府がかかわる中でもいろいろなことがされるでしょう。その中で、まずは、もうきのう習近平さんが国家主席に選出されたわけですから、今まで私は、中国側に聞かれても、習近平さんが正式に国家主席になられたら安倍総理も考えやすいんじゃないのというふうに勝手に答えさせてもらっていました。
 他方、きのうもう既になったわけですから、ここからはきちっと日程を立てて、どういうふうに話をするのか。それが首脳間の対話だけではなくて、岸田大臣が今言われたように、さまざまなレベルでさまざまな分野の人がもう一回つくり上げなきゃいけないということだと思いますので、そこはこれからしっかりお願いします。
 質問時間が終了したので、終わります。
○河井委員長 次に、小熊慎司君。
○小熊委員 日本維新の会の小熊慎司です。
 安倍政権発足後、総理、岸田外務大臣初め、ほかの閣僚の皆様、また森元総理も、さまざまな国に行って外交関係の深化を遂げようと努力をされてきたところでもありますし、また、不幸な事件ではありましたけれども、アルジェリアにおいて城内政務官の活躍もございました。
 その中で、各国とも重要な国でありますし、日本との距離の近い遠いにかかわらず、やはり、価値観外交の点からいえば、価値を共有する国との連携強化というのはこれからやっていかなければならないところであります。
 そうした国々の、エリアの一つにASEANがありますけれども、ASEANも、各国さまざまな政治体制はありながら、全ての国が、私は、日本と価値観を、大部分のところを共有できる国々のまとまりだというふうに思っているところであります。
 岸田大臣が就任直後にASEANに行かれましたけれども、今後、ASEAN諸国との関係の中で、具体的にどのように協力関係を発展させていくのか、まずお聞きいたします。
○岸田国務大臣 ASEAN諸国との関係について御質問をいただきましたが、アジア太平洋地域の戦略環境が大きく変化する中にあって、統合を今進めようとしているASEAN諸国というのは、東アジア全体の安定と繁栄にとってますます重要性が高まっていると思っています。
 そういったこともあり、私自身も就任後最初の外国訪問先とさせていただきましたが、ASEANは、二〇一五年に統合を目指しています。我が国としては、対話と交流を通じて一層関係を強化しながら、しっかり後押ししていきたいと思っています。ASEAN連結性強化に向けた支援ですとか、災害管理あるいは青少年交流等の分野で具体的な協力を今も推進しておりますし、これからもしていきたいと思っています。
 その中で、先日、安倍総理がジャカルタで表明しました対ASEAN外交五原則、この原則を踏まえて、協力関係を強化していきたいと考えております。
 特にことしは、日・ASEAN友好協力四十周年という節目の年にあります。十二月には、日・ASEAN特別首脳会議が日本で開催される予定になっています。この機会を通じて、さらに日本とASEANの関係を深めていきたい、このように考えております。
○小熊委員 私、参議院時代にODAの特別委員会にも入っていて、ASEANを公務で視察させていただきましたけれども、ASEAN自身も、韓国、中国といった支援している国もありますけれども、日本と三カ国の中では、やはり日本に対する期待が非常に大きいものを感じてきましたし、また逆に、もっと積極的に、中国、韓国に遠慮せずに、どんどん協力関係を結んでいってほしいというような期待値もあったところであります。
 また、昨年、超党派の日本・フィリピン友好議員連盟でフィリピンを訪れる機会にも、同僚の山内議員も行きましたけれども、その中でちょっと話題になって、超党派で取り組んでいたのが、これは支援ということではなくて、地デジ化の日本方式の採用についてもフィリピン議連としてはいろいろ訴えてきていて、ちょうどフィリピンが今、これをどうするかというところであったんですけれども、そういった部分でも、単なる協力支援だけではなくて、日本のこういう技術的なものの売り込みというか、これをしっかり訴えていかなければならないというふうに思っています。
 当時、フィリピンの担当大臣ともしゃべったときには、日本の官僚答弁みたいに、委員会で決めますとか、どこどこで決めますと言っていたんですけれども、私自身も被災地をいろいろめぐった中で、やはり日本の地デジの技術によって救われた命もあるという話をしたら、担当大臣も、フィリピンも災害が多いところでもありますから、そういうことであれば自分自身は日本方式を支持したいということを我々議員連盟の何人かのメンバーの前で明言をしていただいたところであります。
 その後、こうした日本の政局の状況もあってそこが進んでいないんですけれども、そういった観点、超党派で努力して、議連で努力した部分もありますから、この件については、大臣、フィリピンに限らず、ASEANの中では、この地デジ、どの方式にするかということをまだ決めていない国々が多いわけでありますから、ぜひそういった面も大臣に後押しをしていただいて、この日本方式がASEANでしっかり採用されるような取り組みを今後していただきたいというふうに思っています。
 次に移ります。
 ことしTICAD5が行われますけれども、これを契機に対アフリカ外交をどのように進めていくのか、御所見をお伺いいたします。
○岸田国務大臣 御案内のとおり、ことし六月にTICAD5が横浜で開催をされます。このTICAD5は、ことし我が国で行われる最大の首脳会談、行事だと認識をしております。我が国の対アフリカ外交をさらに推進する絶好の機会であります。
 アフリカは、躍動する大陸として、国際社会の期待と注目を今集めています。世界の一つの成長センターとして注目を集めているわけですが、我が国の姿勢としましては、開発支援に積極的に取り組むとともに、もう一つ、ビジネスパートナーとしてのアフリカ、こういった点にもしっかり着目をしてアフリカとの関係をつくっていかなければいけないと思っています。
 よって、六月のTICAD5におきましては、貿易・投資の拡大と開発支援、またさらには平和と安定への貢献、そしてさらにはグローバルな課題への協力、この三つを柱としまして対アフリカ外交を推進していく、こうした姿勢をしっかりと示していきたいと思っています。
○小熊委員 今、そうした取り組み、先ほどのASEANもそうですけれども、そうすると、やはりODAの予算をどんどんふやしていかなきゃいけないと思っているんですね。
 被災直後、参議院のODAの特別委員会を中心に、有志で、震災で大変だということで当時の民主党政権が予算をカットしてしまったので、それはまかりならぬということの決議文を持って首相官邸に乗り込んだときに、これは私も、地元も含め日本全国から抗議の意見をもらいました。というのは、日本が大変なときに海外にお金を出すというのはとんでもないだろう、被災地にお金を回した方がいいだろうと。
 一見そうなんですけれども、これは、ODAにチャリティーという意味合いがあればそのとおりなんですよ。日本が震災で大変なときに、それは減らして被災地に回すというのは当然のことなんですけれども、ODAというのは国家戦略の中で重要な予算なんです。
 私は参議院の委員会でも指摘をし続けましたけれども、これはやはり、あのときのODAの減額というのは、国民、また世界に、日本のODAというのはチャリティーなんだという概念を植えつけてしまったなという、そうした反省に立たなきゃいけないというふうに私は思っています。
 そういう意味では、国民に対する理解も深めながら、今後、今言われたASEAN、またアフリカ外交というのを強力に推進していくときに、やはりODAの予算をしっかり確保していかなければいけないというふうに、はっきり言えば倍額ぐらいにすることの方がいいと思うんですよ。そうじゃない限り、今、この厳しい国際競争社会の中で、政治ももっと頑張って日本の経済力を発展させろなんていう意見もありますけれども、ODAの予算がこんな程度で、海外でほかの国と戦えといってもこれはなかなかできませんから、ぜひ、ODAというのはチャリティーではないという認識と、また、増額に対する決意みたいなものを大臣からお聞きしたいと思います。
○岸田国務大臣 おっしゃるように、ODAというのは、我が国の最も重要な外交手段の一つだと認識をしております。
 一昨日ですが、私も出席させていただきましたが、経済協力及びインフラ輸出の重要課題を関係閣僚間で協議する経協インフラ戦略会議というのが創設をされました。この内閣において創設をいたしました。今後は、このような場を活用して、オール・ジャパンでODAの戦略的活用を図っていかなければならないと存じます。
 我が国の財政は大変厳しいものがありますが、ぜひ、ODAを有効に活用することによって、多くの国民の皆様方の理解を得て、ODAの予算充実にしっかり努めていかなければいけない、このように認識をしております。
○小熊委員 国民の理解というのがまだしっかり浸透しているとは私は思わないんですね、震災のときの減額に対する反対意見を表明したときのさまざまな御意見をいただいていると。やはり国民自身は、これは善意でやっているということが大部分だというふうに、それは善意の部分もありますけれども、これは日本の国益にも世界の利益にも両方つながっている重要な予算なんだということの認識をやはり国民向けにもっとしっかり発信していくことを強く望みたいというふうに思っています。
 また、先ほど来お話も出ていますけれども、これは、総理、また外務大臣自身も訪米をされて、一定程度の成果はあったというふうには私も認識しているところでありますけれども、その中で、より緊密な日米同盟といったものが新しい時代に合わせて構築をされていかなければならないと思います。
 大枠で結構ですから、今後、具体的に日米同盟の深化に関してはどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたしたいと思います。
○岸田国務大臣 日米同盟、日米両国の関係においては、安全保障、経済、これは当然ですが、その他あらゆる分野において緊密な協力を具体的に進めていかなければいけないと思っています。
 安全保障の分野では、日米安保体制、抑止力向上のために、拡大抑止ですとか弾道ミサイル防衛、宇宙あるいはサイバー等、幅広い分野で協力を進めていきたいと考えていますし、安全保障環境の変化を踏まえて、日米の役割、任務、能力の考え方について、議論を通じて、ガイドラインの見直しも検討していかなければいけないと思っています。
 また、経済においても、TPPに関する日米協議を継続していかなければいけないと思いますし、特に昨今、LNGの輸入、エネルギーに関しまして、日米関係は大変注目を集めています。この分野においても協力を拡充していかなければいけないと思います。
 その他、青少年交流を初め、さまざまな分野でこの関係を深めていきたいと考えています。
○小熊委員 私も、震災以来、風評被害対策とかということで、地元の方々と福島の物産展を開催しにアメリカに四、五回ほど行っていたんですが、その際にさまざまな要人と会ったときにも、この日米同盟の深化について議論させていただくと、最終的には、あとは日本の決断ですみたいなことを言われるんですね。それは何かというと、やはり、憲法改正を含めた、日本がさらなる前進をすることでさらに深まっていくんだということもありましたから、我が党も、憲法、まず九十六条の改正からですけれども、憲法の改正に向けてしっかりと議論をしていかなければいけないというふうに考えております。
 そうしたものを視野に入れながら、さらなる深化を求めて努力していくことを望みたいというふうに思いますけれども、改めてちょっと確認をしたいんですが、日米同盟というものは軍事同盟を含むという認識でよろしいでしょうか。
○岸田国務大臣 当然、軍事同盟も含まれていると認識をしております。
○小熊委員 そうなると、やはり九条の問題にもかかわってきますけれども、しっかりそういう憲法問題も含めて対応していかなければなりません。
 今の質問は、実は、私自身、政治家になる前は、地方議員、またその前は秘書をさせていただいていて、岸田大臣の同僚の、また同じ宏池会にいた伊東正義先生の後継の斎藤文昭という代議士、その前は新井将敬代議士のところにいたんですけれども、私の師匠筋に当たる伊東正義さんが、鈴木副大臣のお父様が総理のときに、日米同盟発言をめぐって伊東大臣が辞任をしたという経緯もありましたので、あえて確認をさせていただきました。
 日米同盟の深化の中でさまざまな分野もあるということでありますが、まさにこれまで議論をしてきたTPPに関しましては、これは、安倍政権にかわって、きょう参加表明ということの前提でこれから議論を進めてよろしいでしょうか、午後に表明されるという一部報道がありますけれども。ちょっとそこを確認させてください。
○岸田国務大臣 さまざまな報道が飛び交っておりますが、最終的には総理がしっかりと国益を考えて表明するかどうかを判断されるものと認識しております。
○小熊委員 これも、私も参議院時代からもTPP交渉参加は当たり前だという話をしていて、交渉なんですから、全てをテーブルの上にのせて、そこから後、どう引いていくかというのが交渉ですよね。聖域なき交渉、聖域なきというのは、それは私はあり得ないと思っている、交渉するんですから。だったら、交渉なしでイエスかノーかというだけでよかったわけでありますよ。
 そういう意味では、今回、交渉参加表明というのは歓迎をしたいというふうに思いますけれども、ここもやはり自民党の選挙のやり方はたけているなと思いましたけれども、大体現場は、私も選挙中、自民党のいろいろな候補者の発言を見たら、TPP反対ですと言って選挙をやっているんですよね。うまいやり方ですけれども。
 これは本当は、民主党政権時代も、交渉そのものを国民の皆さんに問いかけてしまったような側面もあったので、それはちょっとミスリードしちゃうんじゃないかなと思って、やはり交渉の結果を国会で議論し、国民の皆さんに問いかけるというのが本来のあり方で、これから何が出てくるかわからないのに、この次に出てくる料理はおいしいかまずいかみたいな問いかけと似たようなものだと私は思っていました、これは。交渉した結果を国民に問うのが本来のあり方で、今回の共同声明も、これは外交上の成果みたいなことも言われていますけれども、違う。至極当たり前のことを明文化しただけであって、そういう意味では、これは国民に対しても間違った認識を持たせてしまった経過を経たなと思っているのが、大臣も本音のところであるんじゃないかなというふうに思っています。
 今回、安倍政権が立ち上がって数カ月の間に交渉参加というのはまあまあよろしかったと思いますけれども、ただ、これまでの民主党政権からずっと続いているTPPの課題に関しては、本来であれば、もう交渉参加するんだ、その中で、国益というのは何だということを国民の皆さんと一緒に議論してこなきゃならなかったわけです。そういう意味ではこれは失われた時間でありますし、また、交渉参加のテーブルに着くのも後からですから、やはりそういう意味では、アドバンテージが失われているという部分もあるというふうに私は思っています。今度はしっかりと国民的議論を、この交渉参加上の国益は何なのかということを深めていかなければならないというふうに思っています。
 その中で、先ほど山口議員もありましたけれども、やはり情報をしっかり国民に提示していくということが大事であって、農業なんかは、ちょっと私、ここは農水委員会じゃないからあれですけれども、農業の情報も確かにひどいなと思っていますよ。農業なんて一くくりにできるわけないですよ。米と野菜と酪農というのは全然違うわけですし、野菜だって品目によって違うし、花なんか関税はゼロですよ。花農家の人がTPP反対と、何を言っているのかなと私は思いましたけれども。
 それを、ざっくり言って農業。農業といったって、農協の売り上げ二兆円弱ぐらいのところの六割以上がまさに金融ですよ。これはやはり、先ほど保険の分野の議論がありましたけれども、そういう農業分野の的確な議論が今後の交渉過程の中でできるように、しっかりと情報を出していくということが、今後の国民の理解、そしてまた締結後の日本の国内対策においても、真っ当な議論を我々はしなきゃいけないと思っています。
 ガット・ウルグアイ・ラウンド後に六兆円使いました。何もなっていない、はっきり言えば。六兆円もあったらカーギルが二つぐらい買えたんですよ。極端な例えですけれども、穀物メジャーのカーギルを二つ買って、それを買っちゃった方が日本の農業が発展したかもしれないような話ですから。
 これからしっかり交渉参加をしてやっていく中で、さまざまな情報をしっかりと国民に伝えていく、そして我々ともしっかり議論していくということに関して、御見解を求めたいと思います。
○岸田国務大臣 まだ今現在は我が国は交渉参加表明をしてはおりませんが、仮に交渉参加表明したならば、スケジュール等々、さまざまな限られた条件の中で最大限国益を追求していかなければいけないということになると存じます。
 そして、その際に、やはり国民の理解ということは大変重要だと思います。相手国との信頼関係等も考えた上で、最大限、情報は国民に提供していかなければいけない、理解を得ながらしっかりとした結果を出していかなければいけない、これは強く感じております。
○小熊委員 これは、締結した内容によってプラスの部分もあるし、打撃をこうむる部分もありますから、そういう意味では、先ほど言っている、例えば農業なんかで、農業がだめになりますという議論なんておかしいんですよ。農業でも、きめ細かに、こういう分野はこうなります、この品目はこうなりますということを、農水省が農業、農業とざっくり言っていること自体が農業に対して本当は失礼な話なんですけれども、それは、外務大臣、しっかりリーダーシップを発揮して、冷静な、適正な情報提供をぜひお願いしたいというふうに思います。
 次に、我が党の藤井孝男議員が過日の本会議でも質問させていただきました、日本の気象技術といったものは世界に冠たるものであります。
 その中で、国際的なこうしたものの連携強化というものを求めていった際に、これは国交大臣でありましたけれども、しっかりと取り組んでいきたいという答弁もいただいたところであります。
 外務大臣にお聞きいたしますけれども、こうした世界に誇るべき日本の気象技術といったものを、しっかりと国際連携していくべきだというふうに思いますが、大臣の御所見をお伺いいたします。
○鈴木副大臣 小熊委員が、太平洋地域の気象でありますとか環境に大変関心を持たれて努力されておられるということを承知いたしております。
 今、気象情報等に関する国際的連携をどう進めるかということでありますが、我が国は、気象情報等に関する国際的連携は重要だという認識のもとに、世界気象機関を通じて、世界じゅうの気象データの共有等による連携を図っているところでございます。そして、今御指摘の、途上国に対して、気象機関関係者の人材育成、あるいは気象業務における国際的協力を進めております。
 人材育成につきましては、具体的に言えば、WMOのアジア地区センターといたしまして、台風予測を初めとする気象予測、気象情報の利用等についての研修を毎年実施いたしております。それから、気象業務全般について、毎年、約三カ月間研修を実施しておりまして、アジア太平洋各国を中心に、これまで、昭和四十八年度からでありますけれども、計七十五カ国、延べ三百一名を受け入れて、人材育成にも協力しているところです。
○小熊委員 答弁ありがとうございます。
 そういう意味ではもう既にいろいろ国際的連携をしておるところでありますけれども、その一つに、南太平洋諸国のこういった国際機関の中にSPREPがありますけれども、これは日本はすごく貢献しているんですよ。本当に、今言われた人材育成もしていますし。
 しかし、これは、日本は正式加盟していないんですね。加盟しているそれぞれの国々も努力はしているんですけれども、その正式加盟国以上に日本は協力をしているのにもかかわらず、オブザーバーにとどまっているんですね。関係国の大使に聞くと、何で日本は入ってこないんだというふうに言われるんですよ。年会費みたいなものを取られるので財務省が抵抗しているんでしょうけれども、そんな、何億円なんという予算じゃないんですよ、正式加入したところで。逆に、大したことをやっていないほかの、アメリカも入っているんですけれども、アメリカも、年会費みたいなものを払って、やっていることといえば、日本より大してここに協力していないんですね。そこまで日本はやっていますから、昨年も島サミットとかもありましたけれども、この際、これはしっかり入って、日本が堂々と連携強化を図っていくべきだと思います。
 このSPREPにおいて、今の懸案、これは日本にも要請がかかっています、外務省にも要請がかかっていますけれども、ほかの国にも実はかけているので、これは急がなきゃいけないんですけれども、気候変動センターの建設という課題がSPREPにはあるんです。これで津波を予測したり、いろいろやったりするわけですよ。そういう意味では、これは日本の沿岸部にもかかわる重要なセンターになってくるわけですね。この際、国土強靱化というのも言っているわけですから、それにもつながってきますよ。
 あと、これは先ほど言ったデジタル放送にもかかわってきて、何で通信を飛ばすかということも、これを日本でつくったら、島嶼国も日本の地デジ方式を採用したらいいんじゃないかということを強く言えると思うんですよね。
 そういう意味で、このSPREPへの正式加入と、あとは、このSPREPでやろうとしている気候変動センター、これは数年前から日本に要請がかかっていますけれども、これに対する協力支援について、あわせてお聞きいたします。
○鈴木副大臣 御指摘のSPREPでございますが、委員御指摘のとおり、我が国としてこれまでも協力をいたしておりまして、それにつきましては、高く評価をいただいているところだと思っております。
 今後ともプロジェクトベースでの協力は続けてまいりたいと思っておりますが、一方におきまして、これに加入をする、加盟をすべし、そういうお話でございますが、厳しい財政事情もございます。そして、分担金を新たに負担して加入をしたといたしましても、我が国に対して追加的に得られる効果は限定的と考えておりますので、プロジェクトベースでの協力をまずさせていただきたいと思っております。
 それから、二つ目の気候変動センターへの支援でございますが、この点につきましては、現時点ではサモア政府側から正式な要請はまだ受けておらないところでございまして、要請をいただけば、気候変動対策への貢献の度合いなども考慮しながら検討させていただきたいと思います。
○小熊委員 SPREPへ入ることの効果が限定的というのはちょっと見解が違いますし、外交上の予算だけじゃなくて、国家の予算の中でいえば、各党ともこれは無駄があるとも今言っています。そういう意味では、そんなに大きなお金じゃなくてやれて、プレゼンスが上がって、逆に今、入っていないのに一生懸命協力しているんですよ。きちっと加入金を払って、今やっていることももうちょっと負担を減らせるのかもしれないんですよ。何で入らないのか。これは本当に外務省の見解ですか。財務省から言わされているんじゃないんですか。
 これは私、加入については再度、もうちょっとしっかり御検討いただきたいと思うし、この気候変動センター建設予定地が昨年独立五十周年を迎えたサモアで、この間、城内政務官も、やっと大使館が開設されましたので行っていただきましたけれども、サモアの国から要請がかかれば、つくるとは言いません、再度さらに検討するということの確認でよろしいですか。
○鈴木副大臣 そのとおりで結構です。
○小熊委員 SPREPへの正式加入については、今後もしっかり議論をさせていただきたいというふうに思いますし、あと、この気候変動センター、サモアから要請があった段階で、また再度この委員会で深く議論していきたいというふうに思います。
 最後にお伝えさせていただきます。
 私は、入ることの効果は先ほど言いましたけれども、また、この気候変動センターを建てるということは、南太平洋島嶼国の気候のことだけではなくて、これはハワイの津波センターとかとの情報等のやりとりもする予定というふうに私も聞いていますから、そうすると、このセンターは、日本の沿岸部に関しても重要なセンターなんですね、ハワイとサモアとをつないでいって津波とかさまざまな気象条件の変化をやっていくわけですから。南太平洋のこの地域というのは、まさに台風が生まれるところでもありますから、ここの気象をしっかりと把握するということは、日本の気象の情報を厚くしていくということにとっても重要な施設になってくるわけです。
 だから、これは、日本にとっての国益にもかなうセンターであると私は思いますし、また、翻って言えば、先ほど言ったとおり、ここでどういう無線方式を選ぶか、地上デジタルの方式を選ぶかということも、日本が強く言えることですよ。それぞれの島嶼国、一つ一つは人口の少ない国でありますけれども、やはり、その一カ国が日本の地デジ方式を採用した、こういう国際社会への宣伝になっていくわけです。
 そうした背景も踏まえて再度御検討いただくことをお願い申し上げて、同僚の村上委員に質問を譲りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○河井委員長 次に、村上政俊君。
○村上(政)委員 日本維新の会の村上政俊でございます。同僚の小熊議員の質問を受けて質問させていただきたいと思います。
 我々日本維新の会は、後ろにおります浦野議員などの地方議員が中心となりまして立ち上げました地域政党でございます大阪維新の会を母体として、昨年の総選挙で五十四議席を頂戴いたしまして、国政政党としての本格的なスタートを切りました。我々日本維新の会が本格的な全国政党に、そして国政政党に脱皮していくためには、外交、安全保障の分野においてもきっちりとした議論を積み重ねていくことが必要と考えております。この外務委員会での議論も大変重視しているところでございます。
 私自身は、先ほど山口理事がおっしゃっていたのと同じ気持ちでございます。党利党略を超えて、また政局的な思惑を超えて、しっかりとした議論をしていくべきだというふうに考えております。そのためには、河井委員長を初めとした委員各位、そして岸田大臣、鈴木副大臣、そしてきょうは後ろの席におられますが、あべ政務官や城内政務官を初めとした外務省の幹部、そして外務省の先輩方ときっちりとした議論をしていきたいと思っておりますので、御指導、御鞭撻、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、議論に入らせていただきたいと思います。
 私は、我が国の外交を展開していくためには、今、安倍政権が使っておられる言葉で申し上げれば、戦略的な外交をダイナミックに展開していく、あるいは我が党が使っている言葉で申し上げれば、賢く強い外交を展開していくためには、我が国の外交の地平線を広げていく必要があるというふうに考えております。そのためには、世論やマスコミが注目している東アジア情勢やTPPだけではなくて、その他の分野についてもきっちりとした議論を積み重ねて、我が国の外交の地平線を広げていく必要があるというふうに考えておりますので、私からは、本日は、アフリカやあるいはODAについて御質問させていただきたいというふうに思っております。
 我が国は、ことしの六月に横浜で、第五回アフリカ開発会議、TICAD5を開催し、アフリカ各国から多くの首脳をお迎えするというふうに承知しています。この会議は、我が国の対アフリカ外交をさらに推進するために絶好の機会となっております。
 近年、アフリカは、六%近い経済成長を遂げており、その豊富な天然資源と人口の増加を背景として、アフリカに対する国際的な関心は非常に高まっているところでございます。先ほど岸田大臣からも御答弁ありましたが、アフリカをビジネスのパートナーとして、アフリカへのビジネス拡大を検討している日本企業も多い中で、日本政府はアフリカを、援助の対象としてのみならず、投資先としても捉えるべきだというふうに私自身も考えております。
 こうした日本企業のアフリカ進出を後押しするために、日本政府としてどのような方針を持ってTICAD5に臨まれるのか、見解を伺えればと思います。
○岸田国務大臣 近年の目覚ましいアフリカの経済成長を背景に、我が国民間企業のアフリカへの進出意欲はますます増大をしています。また、アフリカ側も、日本企業の進出を、雇用の創出あるいは技術移転につながるとして歓迎をしております。
 我が国としては、このTICAD5を通じて、アフリカと貿易・投資を一層促進していく考えでありますし、現在、TICAD5推進官民連携協議会という協議会が立ち上がっていますが、この協議会を通じて、我が国の民間企業の意見を今聴取しているところです。
 今後、このTICAD5に臨むに当たり、アフリカ諸国そして日本企業にとっても利益につながるウイン・ウインの関係を構築する、こうした視点をぜひ重視していきたいと考えています。
○村上(政)委員 目覚ましい経済成長を遂げているアフリカではありますが、インフラ不足等、ビジネス環境改善の余地が大いにあるというふうにも承知いたしております。日本企業のアフリカ進出を後押しして、今大臣の御答弁の中であったウイン・ウインの関係を築いていくためには、ODAを積極的に活用すべきであるというふうに、小熊議員からも先ほど御指摘申し上げたとおり、私自身も考えております。
 日本政府としては、TICAD5に向けて、ODAを通じた官民連携についてはどのように進めていくのか、どのようなお考えか、お聞かせいただければと思います。
○岸田国務大臣 御指摘のように、日本企業がアフリカでビジネスを展開していく上で、インフラあるいは現地の人材不足、さらには法制度を含むビジネス環境の未整備、こういったところが大きな制約になっております。先ほど紹介させていただきましたTICAD5推進官民連携協議会においても、こういった点を今活発に議論しているところです。
 日本企業が直面するこうした状況を改善してウイン・ウインの関係を築いていく上で、我が国のODAが果たす役割は大変大きいと認識をしております。TICAD5に向けて、我が国の経済界の意見を十分踏まえつつ、インフラ整備、人材育成を初め、ODAを含む効果的な官民連携施策を検討していかなければならないと考えております。
○村上(政)委員 今の御答弁を受けて、ODAの話に移っていきたいと思います。
 これまで議論させていただいた対アフリカ外交の文脈にとどまらず、日本を取り巻く国際環境が激変する中で、我が国の最も重要な外交手段でありますODAの有効性はさらに増大してきているというふうに考えております。
 一方で、我が国のODA予算は、一九九七年をピークに半減しております。二〇〇〇年前後まで我が国はトップドナーでありましたが、今では、アメリカ、ドイツ、イギリス、フランスに次いで五位まで落ち込んでおります。ODAの対国民総所得比では、日本は〇・一八%と国際目標の〇・七%に遠く及ばず、後ろにはギリシャと韓国しかいないという非常に寒い状況でございます。
 我が党の政権公約でも掲げたように、定見のないODA削減には歯どめをかけて、途上国との友好関係を強化していくためにも、我が国のODA予算の増額が必要不可欠というふうに考えております、これは先ほどから累次申し上げているとおりではございますが。今年度の外務省予算案においても、ODAが対前年度比増となっていることを歓迎したいというふうに思います。
 日本という国を賢く強くしていくためにも、ODAが重要な役割を担わなければならないと考えていますが、外務省として、このODA予算をいかにして戦略的に活用していかれるのか、その見解をお伺いしたいと思います。
○岸田国務大臣 ODAは、我が国にとりまして、重要な外交手段の一つです。そして、その活用につきましては、三つの柱に沿って活用していかなければならないと思っています。
 第一の柱としましては、普遍的価値や戦略的利益を共有する国への支援の拡充。特に最近大きな話題になっておりますのは、ミャンマーなど、民主化、国民和解を進める国の努力を後押しする、こういったことが重要だということ、これが第一の柱であります。
 また、第二の柱としましては、我が国の経済成長や日本ビジネスの海外展開への貢献です。ODAによる中小企業支援、あるいはインフラシステムの海外展開支援は、来年度の外務省ODA予算の柱だと考えております。
 そして、第三の柱として、我が国が提唱してきた人間の安全保障の理念に沿った援助であります。
 こうした三つの柱に沿って戦略的に活用していきたいと考えていますが、先ほども紹介させていただきましたが、一昨日、政府に経協インフラ戦略会議が創設されました。この場も活用しながら、オール・ジャパンでODAの戦略的活用を図っていきたいと考えております。
 そして、予算についても御指摘がありました。今後とも、ODAにおいては、質、量両面からしっかりと拡充をしていかなければならない、このように認識をしております。
○村上(政)委員 先ほど来、大臣より御紹介のあります経協インフラ戦略会議、これが創設されたわけでございますが、経済協力及びインフラ輸出、そしてエネルギー、鉱物資源の海外権益確保等の重要課題が議論される場が設置されたことは、途上国との友好と経済安全保障の推進のために重要な意味を持っているというふうに考えております。
 その第一回の議題として取り上げられたミャンマーについて質問をさせていただきます。
 現在、ミャンマーにおいては、民主化を初めとするさまざまな改革が進められており、日本政府としてもこのような改革努力を後押しするような支援を行うべきと考えますが、今後のミャンマー支援の方針について、外務省としての見解を伺いたいと思います。
○岸田国務大臣 対ミャンマー支援につきましては、我が国は、ミャンマーの民主化及び国民和解、そして持続的発展に向けた改革努力をしっかり後押ししていきたいと考えております。そして、そのような改革の配当を広範な国民が実感できる、要は、改革が進むことによってミャンマーの国民の皆さんが幸せを実感できる、こうした支援を行っていくことが重要だと思っております。
 我が国は、引き続きミャンマーの改革努力を見守りつつ、一つは国民生活向上支援、そして二つ目として、経済、社会を支える人材の能力向上や制度の整備支援、そして三つ目としまして、持続的経済成長のために必要なインフラ整備、この三つをバランスよく実施していかなければならないと考えております。
○村上(政)委員 そういったミャンマーを初めとした開発途上国においては、多くの人々が、きれいな飲み水や十分な医療、あるいはエネルギー等の欠乏に苦しんでいる状況であります。
 我が国においては、中小企業を初めとする多くの企業が、そうした人々を助けることができる可能性を持ったすぐれた技術そして製品を多数有しています。しかしながら、そうした技術、製品のほとんどが途上国の人々に知られていません。すぐれた技術、製品を持ちながら自力で途上国市場に進出することが難しい中小企業の海外展開を後押しすることは、日本と途上国の双方の発展に資するウイン・ウインの施策ではないかというふうに考えております。そうした企業の途上国での成功は、その企業が属する地域、ひいては日本経済全体の活性化にもつながります。
 外務省は、今年度より、ODAを活用して、中小企業の海外展開支援を開始したと承知しております。来年度以降もこうした取り組みを一層強力に進めていくべきだというふうに考えておりますが、政府としての見解はいかがでしょうか。
○鈴木副大臣 委員御指摘のとおり、我が国の中小企業にはすぐれた技術、製品がございますから、これを途上国の発展に結びつける、そしてまた日本の経済の活性化につなげる、これは大変有意義なことである、そういうふうに思っておりますし、また、中小企業が属する地域の活性化にもつながっていくものである、そういうふうに思っています。
 こうしたような考えに基づきまして、今年度から、ODAを活用して、日本の中小企業の新興国、途上国への進出を積極的に後押ししているところであります。
 具体的に申し上げますと、中小企業による途上国での調査支援、無償資金協力による中小企業の製品の提供、そして民間連携ボランティア制度を活用した中小企業の途上国における人脈形成の支援などであります。このことは、中小企業を初め多くの方々から大変歓迎をされておりますので、ただいま村上委員から、さらにこれは拡充すべきではないかというようなお話もございましたが、来年度もさらにこうした取り組みを強化してまいりたいと思っております。
○村上(政)委員 鈴木副大臣、御答弁ありがとうございました。
 私自身の地元は、大阪市内の東成区というところがございまして、町工場が隣接している、中小企業が隣接しているところでございます。東京で申し上げれば大田区のようなところですので、こういった施策というのを非常に歓迎したいと思っております。充実した取り組みを大変期待しております。
 次に、外交実施体制の強化についてお伺いしたいと思います。
 先般のアルジェリアにおける邦人テロ事件は、十名の日本人の方々が亡くなるという痛ましい結果に終わりました。日本企業の海外進出がますます活発化する中で、海外における日本人や日本企業の安全対策の強化が喫緊の課題であることが浮き彫りになりましたが、政府としてどのような対策を進めていくのか、お考えをお聞かせいただければと思います。
○鈴木副大臣 検証委員会が二月二十八日に検証報告書を公表いたしましたが、それを受けまして、外務省としては、海外において在留邦人それから日本企業が安心して活動できるようなさまざまな施策を検討しているところでございます。
 具体的には、渡航情報、海外安全ホームページのあり方を見直すとともに、官民ネットワークやITの活用を通じて、民間との間でより効率的な情報の共有、協力体制を構築してまいりたいと思っております。また、在留届制度の運用の改善や、遠隔地で活動する在留邦人や企業との情報共有化等についても検討していきたいと思っています。さらに、日本企業からの相談に応じて、必要な場合には、相手国政府や関係機関に対し、安全確保につき申し入れを行う等の取り組みも引き続き行ってまいりたいと思っております。
 いずれにいたしましても、検証委員会による検証結果及び有識者懇談会における議論も踏まえまして、海外における企業、邦人の安全対策を強化するために外務省としてやるべき施策について検討を進め、できるところから速やかに具体化をしてまいりたいと思っております。
○村上(政)委員 先ほど申し上げているとおり、我が国がアフリカ外交を進めていく上でも、ODAを戦略的に活用した外交を進めていく上でも、それを効果的に実施していくためには、我が国の外交実施体制を強化していくことが不可欠であるというふうに考えます。
 また、今、副大臣から御答弁のあったとおり、アルジェリアにおける邦人に対するテロ事件は、海外における日本人や日本企業の安全確保のためにも外交実施体制の強化が急務であるということを示したというふうに考えております。
 他方で、我が国の外交実施体制は、大使館の数で見ると、いまだ主要国に比べて脆弱であり、欧米の主要国のみならず、中国と比較しても弱体であります。また、ここ数年は大使館の数も横ばいでありますが、その数、増強は進んでおりません。在外公館体制の強化に向けてどのようなお考えをお持ちなのか、お聞かせ願います。
○鈴木副大臣 ただいま委員から、対アフリカ外交、それから国際テロ対策の強化等々、具体例を挙げて、これを推進するために協力体制を強化しなければならない、こういうようなお話があったところでございます。こうしたことを進める上でも、また我が国の国益を増進するためにも、外交実施体制の強化は不可欠であると考えております。
 在外公館については、平成二十五年度予算案では、在アイスランド大使館及び在南スーダン大使館の新設経費を計上いたしているところでございます。
 一方、我が国が承認している国は百九十四あるわけでありますが、大使館設置国は百三十四にとどまっております。既存の外交実施体制を最適化しながら、引き続きその強化を図っていきたいと考えております。
○村上(政)委員 今、在南スーダン大使館の設置に向けても予算を計上しているというふうに副大臣の御答弁の中にありました。
 南スーダンという国は、我が国のアフリカ外交を進めていく上でも非常に重要であると思いますし、中国がアフリカに向けて進出を強めている中で、そうした観点からも非常に重要であるというふうに考えておりますが、この在南スーダン大使館、あるいは南スーダンとの関係についてどのようにお考えなのか、お聞かせいただければと思います。
○岸田国務大臣 南スーダンは、アフリカの最新の独立国であり、注目を集めています。我が国としても、その存在をしっかり認識しながらアフリカ外交を進めていかなければならない、このように考えております。
○村上(政)委員 在外公館の体制を強化する上では、同時に、在外公館の活動を支える専門性の高い人材の確保が不可欠であるというふうに考えます。我が国の外交実施体制は、外務省の定員数で見ても、主要国よりも弱体な状況でございます。
 外交実施体制の強化に向けて、在外公館を含む外務省の人員体制の強化についてはどのようにお考えなのか、お聞かせ願います。
○鈴木副大臣 我が国の外交の幅が拡大をしているということを鑑みますと、語学、地域、分野ごとの専門家の育成、これは大変に重要なことであると思っております。
 外務省職員の定員は、五千八百人に満たない数でありまして、他の主要先進国と比較いたしますと、限られた人員であるのが現状でございます。
 我が国の国益を増進するためには外交実施体制の強化は不可欠でありますので、在外公館を含む外務省の人員体制の強化については、こうした観点から、効果的かつ効率的な人員配置を目指しつつ、真に必要な人員の確保に努めてまいりたいと思っております。
○村上(政)委員 今回の本予算に向けては、在外公館の体制についてどういうふうに外務省としては取り組んでいられるのか、お聞かせ願います。
 今回の予算に向けてどのような体制をとられていくのか、どういった予算を計上して、この在外公館の問題について、あるいは外交実施体制について強化しようとなさっているのかという点について。
○岸田国務大臣 来年度、二十五年度の政府予算ですが、先ほども少し御紹介させていただきましたが、大使館の新設としましては、在アイスランド大使館、そして在南スーダン大使館、この新設の経費を予算の中に計上させていただいております。二十五年度については、そうした予算をお願いしております。
○村上(政)委員 済みません、先ほど御答弁いただいた点について再びお聞きして、大変失礼いたしました。
 先ほど御質問させていただいたミャンマーとの関係についてお伺いしたいと思います。
 ミャンマーという国は、今まさに軍事政権が民主化に向けて新しい国づくりを進めているところでございまして、そうしたミャンマーの国づくりをODAを使って後押ししていくという点、大臣の御答弁の中にもありました。これは、我が国の戦略的な外交を進めていく上でも非常に重要な点であるというふうに考えております。
 対ASEAN外交あるいは対東南アジア外交の中において、ミャンマーという国をどういうふうに位置づけていくのか、大臣としてどのようにお考えなのか、お聞かせ願えればと思います。
○岸田国務大臣 まず、ASEAN全体につきましては、経済成長著しい活力ある地域であり、そしてアジア太平洋地域においても大変重要な国々であり、この地域の平和と繁栄のために大きな役割を担っておられる国々だと思っています。そして、その中にありまして、ミャンマーは、最後のフロンティアと言われる、大きな可能性を秘めた国だと認識をしております。
 今、このミャンマーにおいて行われているさまざまな改革努力、民主化ですとか、あるいは国民和解、さらには持続的な発展、こうした動きをぜひしっかりと応援していきたいと我が国は考えております。そして何よりも、こうした改革が進むことが国民の皆さん方にとって幸せを実感していただける、こうした改革を後押ししていくことが重要だと考えております。
○村上(政)委員 東京とヤンゴンの間に直行便ができたりと、我が国の企業も非常にミャンマーに注目しているところで、大臣の御答弁の中にもあったとおり、最後のフロンティアというふうな位置づけもなされていると思います。
 ミャンマーと我が国の経済関係を強くしていくために、そして、日本経済の活性化に向けて成長戦略にどのように取り組んでいくのか、経済の面についてはどのようにお考えなのか、御答弁をお願いいたします。
○岸田国務大臣 まずは、ミャンマーに対して、経済においては、経済環境の整備、投資や貿易におけるさまざまな環境整備をしっかり支援していかなければいけないと思っています。あわせて、国民生活の向上、さらには人材の能力向上、さらには、環境整備と申し上げましたが、制度の整備だけではなくして、インフラそのものの整備、こうしたものもバランスよく支援していかなければいけない、このように考えております。
○村上(政)委員 残り時間も少なくなってまいりましたので、最後にもう一度、我が国の外交の中で非常に重要なTICAD5への意気込みについてお伺いしたいというふうに思っております。
 今週末にはアフリカの方で閣僚級の準備会合があるというふうにも承知しております。その準備会合においてどのような成果を出していきたいのか、大臣としてのお考えをお伺いしたいと思います。
○岸田国務大臣 御指摘のように、今週末、エチオピアにおきまして、TICAD5に向けた閣僚級準備協議が予定をされております。もし国会のお許しをいただければ、私もエチオピアに行かせていただきたいと考えております。
 そして、その場において、ぜひ我が国のアフリカに対する認識をしっかりと表明させていただき、アフリカの開発支援をすると同時に、対等なパートナーとしてアフリカをしっかりと応援していきたい、こうした姿勢を示させていただきたいと存じます。
 そして、六月にTICAD5首脳会談が予定をされています。首脳会談における基本文書、こうした文書も、取りまとめに向けて弾みをつけていきたいと考えています。
○村上(政)委員 意気込み、ありがとうございます。
 そして、六月のTICAD5の横浜での本会合に向けた目下の最大の課題、そして取り組むべき問題点についてどういうふうに考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○岸田国務大臣 TICADにつきましては、一九九三年から五年ごとに開催されております。ことしで二十年を迎えることとなります。
 そして、この二十年間において、我が国のアフリカに対する対応をしっかりと示すことができたわけですが、何よりも、こうした会議を通じて我が国が表明した支援等、言ってきたことを必ず結果として出してきた、こうした大きな成果を上げてきた会議だと思っています。
 アフリカにつきましては、躍動の大陸として、引き続きまして、これからまたさまざまな可能性が秘められています。こうした状況の変化も踏まえて、我が国として何を対応していくのか。さらには、こうした経済のみならず、先日のアルジェリアでのテロ事件等も踏まえて、我が国の企業が安定して平和に活動できる、投資、貿易に励める、こうした点につきましてもぜひ協力していく、こういった点も確認していきたいと考えています。
○村上(政)委員 ありがとうございました。
○河井委員長 次に、山内康一君。
○山内委員 みんなの党の山内康一です。
 私も、外務委員会で質問するのは約四年ぶりになります。与党と野党、半分ずつぐらい経験をしてまいりましたが、外務委員会というのは、やはり与党、野党関係なく、日本の国益のためには党派関係なく前向きな議論をしていきたいなと思っておりますし、私は、与党時代から、外務大臣が国会対応があるから国際会議に出られないというのはおかしいとずっと思っておりました。ですから、先ほど岸田大臣が、国会のお許しが得られればTICADにいらっしゃるというお話がありましたが、ぜひ行ってきていただきたいと思います。心から御活躍を期待しております。
 それでは、最初に、通告しておりましたとおり、シンクタンクについて質問させていただきます。
 外務省は、日本国際問題研究所のようなシンクタンクへの助成というか補助金というか、何と言うかは別として、そういった支援を行っております。これについて、外務大臣のお考え、御見解をお尋ねします。
○岸田国務大臣 シンクタンクによる外交に関するさまざまな研究の成果は、外交当局とは異なる、民間の視点からの示唆も与え、政策の検討の幅を広げるものだと認識をしております。
 また、シンクタンク同士の対話における議論は、各国の外交政策の立案や国際世論の形成にも大きな影響を与えております。このようなシンクタンク間のネットワークが持つ影響力を活用することも、外交政策推進のための重要な施策の一つであると考えております。
 そして、こうしたシンクタンクの役割、ますます増加しておりますが、我が国のシンクタンクの活動は国際的に見ても低調であります。ぜひ強化していかなければならないと考えております。
○山内委員 シンクタンクへの助成は、ずっと減少傾向にありましたが、今度の予算案、今審議されている予算案では、三億円の予算が四・八億円にふえるということで、増額は大変評価できると私も思っております。
 日本国際問題研究所、世界のシンクタンクランキングでは十六位。アジアでは二番目。一位は中国の社会科学院だそうですけれども、ぜひアジアのトップを目指していただきたいと思いますし、アジアのトップと同時に世界でも、日本の国力を考えたら、世界のベストテンに入る、ベストファイブに入ってもいいような、そういうシンクタンクがないのは恥ずかしいことだと思いますので、シンクタンクへの助成というのは外務省として非常に重要だと思っております。
 ただ、無条件にシンクタンクの助成をふやせとは私は申しません。今、国問研、外務省のOBが四名、理事長の野上さん、大使をやられていた方だと思いますけれども、ほかOBが四名、それから出向者が二名、合わせて六名、外務省の関係者が国問研にいらっしゃいます。国際問題研究所というのはそんなに大きな組織ではありません。研究員が十名、客員研究員が十二名、ホームページによると、そんなに大きな研究機関でないにもかかわらず、外務省の関係者がこんなにたくさんいるということは、私はいかがなものかと思います。
 それについて、大臣、どのようにお感じでいらっしゃいますでしょうか。
○鈴木副大臣 日本国際問題研究所でございますけれども、まず、理事長の選任につきましては、これは公募によって決定されていると承知をいたしておりまして、透明性は確保されているのではないかと思っております。
 先生から御指摘がございましたとおり、国問研、大変重要でございますから、今後とも、こうした透明性を持った選任の中で幅広い人材が活用される、そしてその機能が強化されていくということを期待しているところでございます。
○山内委員 でも、こういう独法とか公益法人の公募というと、結構インチキな公募が多いわけでして、本当に公平にやっているのか怪しいなと。こういう研究機関のトップに外務省のキャリア官僚として実務をずっとやってきた人がつくというのは、ちょっと第三者的に見て本当かなという気がします。
 日本には、白石隆さんとか北岡伸一さんとか、国際社会ですぐ通用するような政治学者とか、そういう人はたくさんいるわけですけれども、恐らく、ろくに論文も書いていない、ろくに本も出していない、そういう人が本当に公平な公募で選ばれたのかなというと、非常に疑問に思わざるを得ません。
 そもそもこういうシンクタンクというのは、余り国の関与が、お金の面で関与するのはいいけれども、官僚の天下りとか出向が多過ぎると、外から見たとき客観性が保てません。政府の単なる宣伝機関と思われたらシンクタンクの価値はありません。政府とは違う視点で外交政策を研究する、あるいは政府とは違う、先ほど大臣のお話でいうと、民間の視点で研究するから意味があるのであって、外務省のOBと天下りがそんなに大きくない組織で六人もいて、本当にフェアな公募をやったとはちょっと思えないような人事で回っている、それではやはり世界のトップは目指せないと思いますし、大体理事長が、恐らく大学で教えられるぐらいの本を出していたりとか論文を書いていたりという人でもない人が上に来てしまうと、国際社会ではちょっと見た目的にもどうかと思います。
 さらに問題があります。
 来年度予算では、外交・安全保障調査研究事業費補助金というのができるそうですけれども、これは、基本的にはプロポーザルベースというか競争入札的なやり方で、いろいろな民間のシンクタンクなどから申請を上げてもらって、それを審査するということなんですけれども、外務省が金を出したこういう事業なのに、外務省出身の人がたくさんいるシンクタンクが受注してしまったら、それこそまた問題になるんじゃないかなと思います。
 そういった意味でも、なるべく日本国際問題研究所を本当に世界に通用するシンクタンクにするためには、むしろ外務省のOBの方はもう遠慮していただくということが必要ではないか。私も、外務省の中堅の官僚が途中で二、三年、人事交流的に研究に行く、こういうことは大事だと思います。むしろ、外務省の人材育成のためには、OBよりも若手とか中堅をこういうところに出すのは価値があると思うんですけれども、OBがいっぱい天下っていて、それで研究の業績があるかどうかちょっと怪しいような人たちが研究部門のトップにいる、これは問題ではないかと思います。
 ちょっと質疑時間、前半部分、なくなってまいりましたので、一言、もし大臣、御感想いただければと思います。
○岸田国務大臣 まず、シンクタンクのありようとして、対外的にしっかり信頼を得ていくことは大変重要だと思っています。
 そのためには、御指摘の人材の選定においてもしっかりとした透明性が確保されなければなりませんし、結果として、どういった人選を行うのか、それがひいてはそのシンクタンクの対外的な信用や存在感にもつながるわけですので、そうした期待にも応えられるような人選をしっかり進めていくこと、これは重要だと認識をしております。
○山内委員 ぜひ、外務大臣、そのような方針で今後の人事を考えていっていただきたいと思います。
 そもそも、せっかく外務省の外に置いた研究機関ですから、幹部がみんな外務省だと、外国の人が見たとき、明らかに外務省の宣伝機関、外務省の意図であるとしか思われません。そういった意味でも、ぜひ、少なくとも外務省出身ではなくて、学者出身とか民間のシンクタンク出身、そういった方をトップに、顔になる人にはそういう人がふさわしいと思いますので、工夫をしていただきたいと思います。時間がないので、質問というよりは意見表明ということで。
 そして、このシンクタンクというものは、うまく使えば、セカンドトラックとして非常に有効な使い道もできると思うんです。
 例えば、ミャンマーの、ビルマの難民が日本には結構たくさん来ています。アウン・サン・スー・チーさんと親しい民主化運動の指導者みたいな人も、実は首都圏にたくさん亡命してきているわけです。こういう人たちに対して、日本政府はこれまでずっと冷たい対応をとってきたので、今、アウン・サン・スー・チー女史は日本政府に対して余りいい感情を持っていないという報道も接したことがあります。もし、亡命してきているミャンマーの民主化運動の人たちを、例えばシンクタンクの研究員みたいな名目で雇っておけば、政府と違うパイプをつくれるわけです。
 そういうセカンドトラックとしてうまくシンクタンクを使っていくということも、日本外交の幅を広げるために重要だと思いますので、ぜひ、自由度の高い、もっと民間に任せたような、そういうシンクタンクを育てるために、お金は税金で出す、そういう仕組みがいいのではないかと思います。
 以上をもちまして……
○河井委員長 せっかくだから、答弁を求めてください。
○山内委員 せっかくですので、よろしくお願いします。答弁をお願いできれば。
○岸田国務大臣 御提言、興味深く聞かせていただきました。そうした御意見もまた参考にしながら、どうあるべきなのか、しっかり検討していきたいと思っています。
○山内委員 以上で午前中の質疑を終わります。
○河井委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二分開議
○河井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。山内康一君。
○山内委員 再び質問させていただきます。また地味な、ミクロの質問をさせていただきます。
 難民の第三国定住というスキームがあります。平成二十二年からの三年間のパイロット事業として始まっております。これについて、もうすぐパイロット期間が終わるんですけれども、外務省としてどのような評価をなさっているでしょうか。
○岸田国務大臣 お尋ねの第三国定住事業ですが、人道主義及び国際貢献の観点から、平成二十二年度以降、五年間のパイロットケースとして、タイの難民キャンプに定住するミャンマー難民の受け入れを実施しているものです。これについては、国際社会からも高い評価を受けていると承知をしております。
○山内委員 国際社会や国連機関の評判はなかなかいいということなんですけれども、実際の現場の声を聞くと、必ずしも全面的にうまくいっているわけではないという声を聞きます。報道にも幾つか、うまくいっていない、適応の面で失敗、失敗と言うとあれかもしれませんけれども、困難な状況にあるということもあるようです。
 パイロット事業ですから、パイロット事業が終わった後どうするかということが気になるんですけれども、今後、パイロット期間が終わった後、日本政府としてはどのようにされるおつもりでしょうか。続けるのか、あるいはパイロットだったから、試してみて終わりにするのか、そこら辺の、今の段階でのお考えをお聞きしたいと思います。
○岸田国務大臣 この事業につきましては、昨年、第三陣が受け入れゼロになったこと、このことは大変残念に思っております。
 本年秋の来日を予定している第四陣の受け入れに向けて、三月八日に、杉田内閣官房副長官を議長とする難民対策連絡調整会議、この会議において、受け入れ要件の見直し等、改善を行ったところであります。ぜひ、改善を加えながら、この第四陣に向けて備えたいと思っています。
 そして、このパイロットケース終了後どうするのかという御質問でございますが、終了後の本事業のあり方については、第三国定住に関する有識者会議、この有識者会議の意見も踏まえた上で、政府として決定していく予定であります。その意見を踏まえて、このパイロットケースから、また本事業への移転等々、今後の対応について決定をしていきたいと考えています。
○山内委員 第三陣が余りいい結果とは言えない状況というのは大変残念です。
 裏を返すと、ミャンマーも軍事政権が民主化に進んでいるので、もしかしたら、もとの本国に戻れるかもしれない、そういう期待もあったのかなという気もしますので、ぜひ、パイロット事業が終わったときは、ミャンマー以外の国の難民を受け入れるといったことも含めて検討していただきたいなと思います。
 これからが質問ですが、これまで、受け入れの大きな大義というか、大きな目的は正しいと思うんですけれども、実際の受け入れのやり方がうまくなかったんじゃないかなと私は感じるところがありました。
 例えば、実際、難民の第三国定住事業を外務省から委託を受けているところは、難民事業本部という、ある意味、外務省の外郭団体みたいなところです。トップは外務省の出向、課長も一人、外務省から出向が来ています。私の記憶が正しければ、十年ぐらい前までは、ほかにも、厚労省からも出向の課長が来ていて、文科省からも日本語教育をやっているということで課長が来ていました。そういう役所の下請みたいな組織が受注をしていて、そして、普通の、いわゆる国際標準でいうNGOとは言えないような政府機関が受注をしていたということが問題の一つではないかなと思います。
 どこの先進国でも、難民の受け入れをやる場合は、大体NPOと地方自治体が連携をしてやっていくというのがパターンです。ところが、日本政府が委託した先は、どっちかというと、NPOというよりは、まさに政府の、外務省の外郭団体みたいなところが受け入れておりました。これではうまくいかないし、先進国の中では非常に特殊な例ですので、余り格好よくありません。
 本当は、パイロット事業、今回の反省を踏まえて、これから先は、そういう政府の天下りあるいは現役出向の外務省のキャリア官僚がトップにいるような組織ではなくて、普通の民間のNGOなりNPOあるいは自治体に任せた方がいいのではないかと思うんですけれども、もしよろしければ大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○鈴木副大臣 先生御指摘のように、この第三国定住事業、これは難民事業本部が委託をされているところでございます。この事業の委託先を決定するに当たりましては、これは企画競争により選定をされているところでございます。
 今までの経緯を振り返ってみますと、本事業は平成二十二年度より開始をしておりますが、平成二十三年度の公募では難民事業本部一団体のみの応募となったために、同事業の参加条件について見直しを図ったところでございます。それによりまして、本事業の企画競争は、平成二十四年度事業には三団体、平成二十五年度事業には二団体から応募があり、企画を外部の方々を主体といたします審査員により審査をいたしました結果、両年度とも、アジア福祉教育財団、先ほどの難民事業本部でありますが、最も高い評価を得たために、同団体へ委託を依頼したものでございます。
 外務省といたしましては、今後とも、できるだけ多様な応募を得られるよう、引き続き参加条件の見直しについて検討してまいりたいと思っております。
○山内委員 一応、役所の人の説明を聞くと、そういうふうに公平な競争で選んだとおっしゃるんですけれども、実際は、NGOとかNPOが応札できないような条件をつくってしまっているというのが実際のところなんですね。企画競争といいながらも、難民事業本部以外はもう絶対満たせないような条件を組み立ててやっているというのが大体のパターンでありまして、国際標準でいうと、こんな例はありません。
 普通は、NPOやNGOでもちゃんと受注しやすいようにする、あるいはコンソーシアムというか、複数のNPOが一緒になって受注するというのはできないような入札条件になっているんですけれども、国際NGO、国際援助の世界では、大体複数の団体が一緒に難民支援をやるというのがスタンダードです。
 例えば、難民キャンプを運営するという場合に、一つの団体で難民キャンプの全部のサービスをやるということは余りありません。医療分野は国境なき医師団がやります、食料配給はコンサーンという団体がやりますとか、それから、水と衛生に関しては、例えばクリスチャンエイドという団体がやりますみたいな、一つの難民がいるといろいろなサービスが必要です。医療も必要、教育も必要、公衆衛生も必要、それから食料配給も必要。そうすると、複数の団体が一緒になって、ジョイントベンチャーみたいな感じで一緒になって受注する、これが普通の国際標準の難民援助のやり方です。
 ところが、日本の場合はそれを認めなかったので、結果的に難民事業本部という大きな、広尾に立派なビルを構えた、半分公的機関しか受けられないような設計になっている。だからNPOがとれないという事情があります。
 ですから、ぜひ、大臣、副大臣におかれましては、役所の人の説明だけをうのみにせず、本当にこれでいいのかなということを、有識者の方の意見なども踏まえて、あるいは有識者の選び方から注意をしていないと、都合のいい人しか選ばない傾向がありますから、このパイロット事業、はっきり言って、現場レベルでは余り成功とは評価されておりません。報道でも非常に厳しい指摘がたくさん出ております。そういう反省のもとに、きちんとした事業設計をしていただきたいと思います。
 それから、今のは意見表明ですけれども、これから質問に入ります。
 今の受け入れのやり方なんですけれども、難民が来ると、最初六カ月間、新宿のど真ん中で研修を受けさせて、それから地方に送り出すというやり方です。新宿の、東京の一等地の非常に便利なところで研修を受けたのに、その後、地方の農村に行って農作業をやらせるみたいなことをやると、余りの生活のギャップで適応できなくなるパターンが多いそうです。
 例えば、子供さん連れの難民の場合は、せっかく小学校になじんで、半年小学校に通って、やっと日本語も片言覚えて、友達ができたところでまた引っ越ししなきゃいけないみたいな、非常にやりにくいというか、難民の立場から見ると非常に冷たい制度になってしまった。これは、オランダとかヨーロッパの国はそういうことはやっておりません。定住先が決まっていたら、まずそこに早目に送って、そこで研修を受けてもらうというのが普通です。
 とにかく、なぜ新宿のど真ん中で研修をやっているかというと、要するに、難民事業本部という組織が東京にあるから、それに合わせて、難民のニーズというよりはサービスを供給する側の理由に合わせてデザイン、プロジェクトが設計されているというのが非常に大きな問題なんですね。
 今のやり方は抜本的に改めるべきだと思いますので、政府のお考え、政府委員の方で結構ですので、お聞きしたいと思います。
○新美政府参考人 今先生からも御指摘ございましたとおり、現在、難民対策連絡調整会議決定に基づいてお願いしておりますこの計画につきましては、来日の当初の約百八十日間、まさに六カ月の定住支援プログラムは、首都圏、東京都を含む関東八都県で実施いたしまして、その後の六カ月間は、都市部、地方部を問わず、職業適応訓練を受けるということになっております。
 なぜ、関東なのか、首都圏なのか、東京なのかということでございますが、これはパイロットプロジェクトという段階でございまして、試行錯誤しながらやっておりますが、そういう意味で、私どもの目が届くところでということもございますが、一番の理由としては、この研修を行っている施設が、東京に居住している条約難民を対象とした定住支援プログラムにおいても利用されているということを考慮したものでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、先生からも御指摘ありましたように、このあり方につきましてはよく考える必要があると考えております。
 そして、先ほど大臣からも説明がございましたけれども、このあり方について、第三国定住に関する有識者会議というのを今累次開いて意見を聞いておりまして、ちなみに、この有識者会議の中にはNPOからの御代表の方にも入っていただいております。その意見も踏まえつつ、政府として検討していきたいと考えております。
○山内委員 大臣おっしゃるように、この第三国定住事業、日本はアジアで初めてやったということで、国際的には高い評価を得ております。ただ、現場のプロジェクトレベルにおりていくといろいろ問題があるということはありますので、ぜひ、もう今までのやり方をゼロベースで見直すぐらい、徹底的にやり方を改めていただきたいと思います。
 そう申し上げて、次の質問に入りたいと思います。ちょっと質問を一個飛ばしまして、在外公館の質問は来週に回させていただきます。
 中国に対する有償技術協力ということについて、質問というか提案をさせていただきたいと思います。
 中国に対しては、もう二〇〇七年に円借款を終了しまして、中国向けのODAというのは基本的にはやらないことになっていると思います。例外として留学生とか一部ありますが、基本的には対中のODAは終了をいたしました。ある意味、当たり前だと思います。世界第二の経済大国を第三の日本が援助する、そんな必要はないと思います。
 他方で、中国の大気汚染の問題のような分野では、中国に対する協力を行うことが日本の国益にもかなうという部分もあります。日中関係が悪い時期だからこそ日中で協力を深めるための事業をつくっていく、そういったことも必要ではないかと思います。
 そこで、例えば有償技術協力というスキームがあります。これは余り知られておりません。まだ始まって数年しかたっていないし、対象になっているのはサウジアラビアだけです。サウジアラビアもお金持ちなので、日本から無償で援助する必要はない。だけれども、技術的には日本の協力が欲しいということで、技術協力の費用をサウジアラビア側が負担をして技術協力をやっているというスキームです。中国が相手だったら、このサウジでやっているような有償の技術協力というのは、日本でもできることがあるのではないかと思います。
 例えば、大気汚染もそうですけれども、いろいろな公害対策、日本はたくさんノウハウを持っております。中央の政府にもありますけれども、北九州市とか川崎市とか東京都とか、地方自治体にもいろいろなノウハウがあります。こういうノウハウを、民間ベース、商業ベースで技術移転をするのは当然あっていいと思うんですけれども、官と官というか、政府と政府、ガバメント・ツー・ガバメントで技術協力をやっていく、そのコストは中国側に見てもらうけれども、日本の公害対策とか環境分野の技術を中国に有償で教えていく、こういうスキームをつくってはいかがかなと思います。
 実際、日本は、長年にわたって中国に環境協力を行ってまいりました。日中友好環境保全センター、これは橋本政権のときにできたものだと記憶しておりますけれども、中国に日本の環境協力の足場はもう既にありますから、そういうこれまでの実績と蓄積を生かして、中国向け、中国の政府あるいは中国の地方自治体向けの有償の技術協力を働きかけていく、こういったことを外務省として考えてはいかがかと思いますけれども、大臣の御所見を伺います。
○岸田国務大臣 まず、中国に対するODAについては、御指摘のように、現在、草の根レベルの相互理解の促進、あるいは我が国への越境公害対策等の両国が直面する共通の課題といったものに限定され、かつ我が国のためにもなる分野に絞って実施しているところでございます。
 今御指摘の中国の大気汚染問題につきましては、日本の環境にも影響を与えかねない問題ですし、また在留邦人保護の観点からも高い関心を持って注視しているところでございます。
 こうした課題について、日中双方は、既に実施中の技術協力を引き続き推進するとともに、今後、さらなる協力の可能性について検討していくということにおいては一致をしております。
 御指摘の有償技術協力も含めて最も望ましい協力のあり方はどうなのか、こうした視点でしっかりと具体的に検討していきたいと思っています。
○山内委員 やはり、環境分野であっても、中国向けに無償の援助を出すというのはなかなか納税者の理解を得にくい時代になっていると思いますので、ぜひこの有償技術協力、これをもっと事業の柱にしてもいいのではないかなと思います。JICAはサウジ向けしかやっていませんが、ドイツの技術協力公社、GTZというところなんかはもっと広く有償の技術協力をやっていますので、そういった分野の協力を進めていっていただきたいと思います。
 もう時間でしょうか。それでは、ちょっと時間の関係で間を一個飛ばしまして、一つだけ、国際交流基金について質問をさせていただきたいと思います。
 安倍政権は、価値観外交といった言葉がありますけれども、そういった外交を進めるためには、やはりパブリックディプロマシーの担い手、広報文化外交とも言われますけれども、国際交流基金というのは非常に重要だと思っております。
 その国際交流基金に当たるイギリスのブリティッシュカウンシル、あるいはドイツのゲーテ・インスティトゥート、こういった機関は大体どれぐらいの人員と予算がありますでしょうか。外務省、事務方で結構です。
○芝田政府参考人 お答えいたします。
 まず、英国のブリティッシュカウンシルでございますけれども、こちらは、二〇一一から一二年の予算でございますが、七億一千九百八十万ポンド、邦貨にしまして約九百五十四億円でございます。それから、人員にいたしますと、職員数が約七千名でございます。
 それから、ドイツのゲーテ・インスティトゥートにつきましては、二〇一一年でございますが、二億九千六百二十万ユーロ、邦貨で約三百四十億円、職員数が約二千八百名でございます。
○山内委員 外務大臣、日本の国際交流基金、どれぐらいの予算と人員か御存じでしょうか。
○岸田国務大臣 国際交流基金の予算については、平成二十五年度予算で百二十五億円となっております。ここ十年間はおおむね減少傾向にあります。
○山内委員 もう時間ですので、一言言って終わらせていただいていいでしょうか。
 交流基金、百二十五億円、スタッフでいうと二百三十人ぐらいです。ドイツと比べても人員が十分の一以下、イギリスと比べると、十分の一どころか、何十分の一です。予算も全然少ないです。これではとても、価値観外交といっても手足がありません。ぜひこういった分野に力を入れていっていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。
○河井委員長 次に、笠井亮君。
○笠井委員 日本共産党の笠井亮です。
 岸田外務大臣に伺います。
 大臣は、就任以来、沖縄の皆さんの声、これに耳を傾けて、信頼の回復、そして信頼構築をつくっていくことが大事だというふうに繰り返し強調されております。
 ところが、沖縄の現実はどうか。普天間基地の辺野古移設、新基地建設問題やオスプレイの配備問題などについて、今やオール沖縄と言っていい、そういう反対が広がっております。
 政府がやろうとしていることは、この沖縄県民の願いに背いて推進をしようということだと思うんですが、これでどうやって県民の信頼を回復できるのか、伺いたいと思います。
○岸田国務大臣 まず、私も、たびたび申し上げているように、在日米軍の再編の問題についても、現行の日米合意に基づいて、沖縄の負担軽減にしっかり努めていかなければいけないと思っておりますし、また、オスプレイにつきましても、地元において大変不安の声が依然大きいということ、これもしっかり認識をしております。
 こうしたさまざまな課題について、まずは信頼回復をしっかり行っていくことから始めなければならないということで、沖縄に足を運び、仲井真知事を初めさまざまな方々との意思疎通に努めております。
 こうした意思疎通に努めながら、一つ一つ丁寧に理解を求め、作業を進めていく、こうした姿勢が何よりも大切だと認識をしております。
○笠井委員 それで納得していないのが沖縄県民だと思うんです。
 昨年十二月末以来の安倍政権がやってきたことというのは、まさに沖縄県民の期待やあるいは信頼に逆行することばかりだと言わざるを得ないと思います。
 一つは、サンフランシスコ講和条約発効の一九五二年四月二十八日、主権回復の日ということで、記念式典を閣議決定した問題であります。
 このサ条約と、同日発効した日米安保条約によって、日本は形式的には独立国となりましたものの、特に沖縄は、奄美、小笠原とともに日本から切り離されて、アメリカの支配下に置かれました。だから、この日は、沖縄県民にとって新たな苦難の始まりとなった日であり、屈辱の日と言われているわけです。
 そこで、改めて大臣に伺いたいんですが、その後も含めて、本土復帰までの二十七年間、米軍占領下、沖縄の苦難の歴史、その中で沖縄県民が体験した苦痛について、どのように認識をされているでしょうか。
○岸田国務大臣 まず、御指摘の主権回復・国際社会復帰記念式典ですが、サンフランシスコ平和条約の発効による我が国の主権回復及び国際社会復帰六十周年の節目を記念して、我が国における国際社会の平和と繁栄への責任ある貢献の意義を確認するとともに、これまでの経験と教訓を生かして、我が国の未来を切り開いていく決意を確固としたものにする、こういった趣旨で実施されるわけです。
 この式典に当たっても、奄美、小笠原、沖縄、こうした地域が、戦後の一定期間、我が国の施政権の外に置かれたという苦難の歴史、これは決して忘れてはならないと思っています。この苦難を耐え抜かれた先人の心情に思いをいたしつつ、奄美、小笠原、沖縄を含めた我が国の未来を切り開いていく決意を新たにする、こうした姿勢が何よりも重要だと思っています。
 特に沖縄においては、本土復帰後も、現在まで在日米軍施設・区域が集中することにより、県民の方々に大きな御負担をおかけしているということ、これは我々はしっかり重く受けとめなければならないと思っています。その負担にも思いをいたしながら、沖縄の皆様方の声にしっかり耳を傾け、信頼関係を構築しながら、負担軽減に全力で取り組んでいかなければいけない、このように考えています。
○笠井委員 そう言われるんだったら、こういう式典をやるべきじゃない。私は、沖縄だけじゃなくて、日本全体にとって大変屈辱の日だというふうに思っております。そういう意味で、仲井真知事も理解不能と言われているし、沖縄でも反対の声が強く上がっているわけです。
 本土と切り離されて米軍占領下に置かれた沖縄では、日本国憲法が適用されずに、いわゆる銃剣とブルドーザー、米軍の土地の強制接収と人権侵害が繰り返されました。また、サンフランシスコ講和条約とセットで日米安保条約と日米地位協定が締結をされて、アメリカが日本に駐留をして、自由に日本の土地を基地として使用できるようになった。このことによって、沖縄が本土復帰した後も米軍基地が存在をし続けて、基地あるがゆえの痛みがそのまま残された。まさに、そうした歴史をしっかりと踏まえなきゃいけないんだと思うんです。
 そこで、米軍基地が存在するがゆえに受ける沖縄県民の被害、苦難という点で最も大きいと言っていいものが、在沖縄米海兵隊の存在であります。
 改めて確認したいんですが、日本に米海兵隊が駐留を始めたのはいつか、それがどういう経過で沖縄に移駐することになったか、そのことについて外務省はどのように承知しているでしょうか。
○岸田国務大臣 一九五〇年の朝鮮戦争勃発の後、日本に派遣された米海兵隊ですが、日本各地の米軍基地に分散配置されました。その後、例えば岐阜県あるいは山梨県に駐留していた部隊は、一九五六年ごろ沖縄に移駐したというように理解しております。
○笠井委員 米軍が駐留していた岐阜県各務原では、米軍による傍若無人な行為が繰り返されて、住民の米軍基地反対闘争が起こりました。農民の入会地だった山梨の演習場では、土地取り上げをされた農民が反発して、実弾演習の着弾地に座り込む大変な闘いがあった。
 米軍基地に反対する運動は、岐阜や山梨にとどまらず、全国各地に巻き起こった中で、日米政府が、結局、アメリカの支配下にあった沖縄に海兵隊を移駐する、そういうことを決断したという経過であります。
 そこで、岸田大臣にもう一つ確認したいんですが、サンフランシスコ条約があった後のことでありますが、そのもとで沖縄には、日本国憲法が及ばずに、一九五三年の土地収用令の布告によって米軍による自由な基地建設が可能になった。今問題になっている海兵隊の普天間基地も、そうした米占領下のもとで強化されていった。移駐するもとで、海兵隊が来るもとで強化されていった。そうした歴史的事実があったということは、そのとおりですね。
○岸田国務大臣 沖縄における米軍施設そして区域の形成過程につきましては、例えば嘉手納飛行場や読谷補助飛行場のように、旧日本軍の飛行場等を引き継いだものがある一方で、普天間飛行場においては、戦時中以降、米軍が民有地を含む土地を接収して建設したものと認識をしております。
 いずれにせよ、この沖縄の米軍施設・区域については、一九七二年の沖縄の本土復帰以後、米国が日米地位協定のもとで我が国からこの法律に基づいて提供を受け、使用しているものと認識をしております。
○笠井委員 三月十一日の予算委員会で安倍総理は、まずは独立を回復しなければ、独立国として米国との交渉をすることはかなわなかった、あのときの判断がその後の沖縄の復帰につながったというふうに言われたわけですが、とんでもないと思うんです。こんな理屈が、二十七年間の米軍支配下のもとで苦難を受けた沖縄県民を納得させるものにはなり得ない。
 ことし一月二十八日に沖縄県民代表が政府に建白書を提出して、こう告発しております。危険なオスプレイを沖縄に配備することは、沖縄県民に対する差別以外の何物でもない。復帰四十年目の沖縄で、米軍はいまだに占領地でもあるかのごとく傍若無人に振る舞っている。国民主権国家日本のあり方が問われている。
 ところが、三月十一日の予算委員会で安倍総理は、普天間基地移設の問題について、県外に移設することは現実の政策としては困難だとまで発言されました。
 大臣、これは、要するに、沖縄県民の願いに反して、基地の痛みを押しつけることを、改めてこの六十年たって宣言するものにほかならないんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○岸田国務大臣 まず、一月二十八日の沖縄の皆様からいただいたこの建白書ですが、私も直接受け取らせていただきました。沖縄には引き続き厳しい声があること、承知しております。内容については、私としても真摯に受けとめさせていただいております。
 そして、在日米軍の再編の問題、普天間飛行場の辺野古移設については沖縄に厳しい声が存在すること、これは受けとめております。ただ、この同飛行場の固定化、これは絶対あってはならないと思っています。
 ぜひ、こうした沖縄の負担軽減のあり方について、引き続き率直な意見交換を通じて意思疎通を積み重ねていきたい。そして、ぜひ結果を出していきたいと考えております。
○笠井委員 六十年前に講和条約で沖縄を切り離して、沖縄に基地そして海兵隊を押しつけた、先ほど歴史的経過も話されたとおりです。六十年後の現在においても、再び米軍基地の痛みを沖縄に押しつけようとする。私は、そういう意味では、政治的構図は何ら変わっていないんじゃないかというふうに思います。
 四月二十八日という、日本にとって、そして沖縄にとって従属と屈辱の日を祝う式典の中止を強く求めたいと思います。
 いま一つ、沖縄の負担という問題では、オスプレイの配備の問題があります。
 昨年十月に沖縄県民の反対を押し切って普天間へのオスプレイ配備が強行されて、米軍は、覚書で取り交わした運用ルールに配備早々から違反する行動を行ってきている。
 防衛省は、米軍のオスプレイ運用について、合意内容について違反に当たるかどうか調査、精査するというふうに答弁されてきました。大臣もそう言われてきた。繰り返し言われてきました。
 そこで、江渡防衛副大臣に伺いますが、その調査、精査の結果は出たんでしょうか。
○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。
 今委員から質問されたこと、沖縄県の仲井真知事からも、違反等々があるということで、約三百十八件確認されたということで、沖縄防衛局長及び外務省の沖縄担当大使宛てに提出されているわけでありますけれども、これは今鋭意精査の最中でございます。
 と申しますのは、一応、具体的に沖縄県から指摘があった期間、昨年の十月から十一月の二カ月間であるわけでありますけれども、この間に三百十八件があったということですけれども、沖縄防衛局が撮影した写真、約三千枚ほどあります。これを一枚一枚、その撮影時間、場所、それから、沖縄県から合意違反と指摘があった飛行時間とか場所が合致するものを今チェックしている最中であります。私も作業状況というのを報告を受けておりますけれども、まだ終わっておりません。今鋭意進めている最中でございます。
 どちらにしても、我が省としても、沖縄県からの要請書にお応えできるように、そして、今先生からの御指摘があった部分に対してもしっかりと対応させていただきたいというふうに思っております。
○笠井委員 今副大臣から言われましたけれども、これは沖縄県の資料ですが、まさに三百十八件、十月一日から十一月三十日、二カ月間に、県、市町村による監視において合意事項違反が目視されているということで、一覧表が出されているわけであります。
 この作業が膨大だということなんですけれども、しかし、その間にどんどんオスプレイの運用が進んできているわけですが、副大臣、どれぐらいのめどでその結果が出せる、こういうふうになるんでしょうか。
○江渡副大臣 今現在、鋭意作業している最中でございまして、できるだけ速やかにお答えが出せるようにということで努力しているところでありますけれども、もう委員御承知のとおり、途中、補正予算、予算等々いろいろなこともございまして、なかなかスムーズにいっていないというところもおわびしなければいけないなと思っておりますが、できるだけ早い時期に御報告ができるように努力してまいりたいと思っております。
○笠井委員 沖縄県民の不安と怒りというのは本当に激しいものがあります。
 大臣、防衛省からそういう話があったんですが、耳を傾けて信頼回復、信頼構築ということが大事だと言われるんだけれども、実際には、県民の願いにまともに応えようとしていないという問題がどんどんあること。それから、調査についても、今、鋭意ということで、一刻も早くということなんですけれども、しかし、もう随分時間がたっているわけです。
 これは沖縄県民にとっても、それから日本国民全体にとっても、なかなか本気でそういうことで考えているのかということになりかねないんですが、なっていると思うんですけれども、どうですか、大臣。
○岸田国務大臣 オスプレイにつきましては、沖縄を初めとする地元の皆様方から厳しい目が向けられておるということ、また、今御指摘がありましたように、オスプレイに関する日米合同委員会合意が守られていないのではないかという声が強いということ、これは承知しております。
 今後とも、地元の皆様方に対しての説明を丁寧に行うこと、当然ですが、合同委員会合意の適切な実施については、米国側との間で必要な協議をしっかり行っていかなければならない。そして、そうした協議を行いながら、地元の皆様方の御理解を得ていかなければならない、このように認識をしております。
○笠井委員 協議をやるために、それ以前にファクトがきちっと確定しなきゃいけないわけですから、外務省としても督促する、あるいは、防衛省と協力して、いつまでにはというぐらいのことはやはり言うべきなんじゃないですか。
○岸田国務大臣 先ほど防衛副大臣から答弁がありましたように、作業は鋭意進めております。ぜひ、その進捗状況も確認しながら、米国との協議も進めていきたいと思っています。
○笠井委員 そもそも、この合意が守られればいいのかという問題では私はないと思っているんです。
 この運用に当たっての覚書に基づく運用ルールというのは、禁止事項に関しても、できる限りとか、運用上必要な場合を除きというただし書きをつけて、全体として配備をどんどん進めて、強行する、運用も進めるというためのものでありますので、それを守ればいいという問題じゃないけれども、それさえ守られていないという問題について、鋭意、鋭意ということで、なかなかそういうことも明らかにならないということであります。沖縄県民がもう実際に体験して、目撃しているということでありますので、私は、その点では、政府の根本姿勢が問われている、本当にやる気があるのかということが問われていると思います。
 沖縄の負担軽減を言うなら、負担の大もととなるオスプレイの配備そのもの、これこそ撤回すべきだ、このことを改めて申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○河井委員長 次に、玉城デニー君。
○玉城委員 生活の党の玉城デニーです。
 前もって通告をさせていただいておりました質問の順序を、ちょっと今、入れかえさせていただきたいと思います。当初、中国との関係から質問させていただこうと思っていたんですが、私も少し日米関係のことから触れさせていただかなくてはいけないかなというふうに思っておりますので、御了解をいただきたいと思います。
 昨日の衆議院の本会議場で、地方税、地方交付税に対する質問の中で、私は、本日の委員会でも出ております四月二十八日の主権回復の日式典の開催について、議場の方でも私の意見を述べました。
 サンフランシスコ講和条約の発効によって、千島列島初め沖縄、奄美、小笠原は祖国から施政権を切り離され、戦後の復興もおぼつかぬまま苦難の道のりを歩まねばならない、さらに、主権を放棄され、米軍にじゅうりんされたということから、この四月二十八日は屈辱の日であるというふうに、戦後の厳しい時代を生き抜いてこられた多くの方々はそのように感じている次第です。
 この条約発効後しばらくたってから、奄美、小笠原の方々は祖国日本に復帰することがかないました。しかし他方で、北方領土問題は遅々として解決しておらず、沖縄では、米国の軍政下で、繰り返し、重大な事故、凶悪な事件、著しい人権侵害など、いつになったら平穏な日々がやってくるのかという、その気持ちがいまだに解決されていない。このままではいけないということが、一月二十八日、外務大臣にも手交させていただいたあの建白書なんですね。
 あの建白書には、県内全ての市町村長のサイン、全ての議長のサイン、県知事、県議会はもちろん、関係団体からも、今の沖縄の現状をしっかりと認識して、一刻も早くそれを正してください、あるべき私たちの生活を取り戻させてくださいという、復帰前の一九七一年十月、十一月の、ちょうど沖縄特別委員会で議論をされていたあのころから、四十一年前から、県民の生活も思いもずっと変わらずにその根底の中にあったということなんですね。
 ぜひ外務大臣に、その建白書を受け取って、大臣自身のお気持ちをまずお聞かせいただきたいと思います。
○岸田国務大臣 まず、建白書については、直接受け取らせていただきましたが、沖縄には引き続き厳しい声があるということ、こうしたことについて真摯に受けとめさせていただきました。
 そして、この建白書の中にあって、オスプレイ、そして普天間基地の移設、こうした大きなテーマが盛り込まれておりました。
 オスプレイにつきましては、先ほど答弁もさせていただきましたが、厳しい目が注がれ、日米合同委員会合意が守られていないのではないかという声があること、これをしっかりと受けとめて、丁寧な説明あるいは米国側との必要な協議にしっかり努めていかなければいけないと思っております。
 また、普天間飛行場の移設の問題についても、この普天間飛行場の固定化は絶対あってはならない、これは強く思っております。
 ぜひ、意思疎通を積み重ねながら、こうした課題についても御理解をいただきつつ、丁寧に進めていきたい、このように思っています。
 いずれにしましても、沖縄の皆様方のこうした負担にしっかりと思いをめぐらしながら、丁寧な取り組みが求められていると改めて強く感じたところでございます。
○玉城委員 大臣のお話の中にも、日米同盟の強化については、普天間飛行場の移設を含む在日米軍の再編について、現行の日米合意に従って進める、そして沖縄の負担軽減を実現する、さらに、普天間飛行場の固定化はあってはならない、沖縄の方々の声によく耳を傾け、信頼関係を構築しながら、普天間飛行場の移設及び嘉手納以南の土地の返還計画を早期に進めるという、非常に読みやすい文章だなというふうに思うんですね。
 しかし、この文章は全部ばらばらなんです。沖縄県民からすると、普天間飛行場の移設を含む在日米軍の再編については、沖縄の負担軽減を実現する、こういう文脈でないといけないんですけれども、その間に、日米合意に従って進めるとあるんですね。この日米合意に従って進めることは果たして負担の軽減になるのかという、まず一つの疑問点が生じてきます。
 なぜなら、普天間の固定化があってはならないというその言葉の裏側に、日米合意は、では、普天間基地をどこに移すのかということですね。その現実的な選択は辺野古移設が唯一の方法だということが確認されたということの、そのロジックを繰り返しているわけです。
 つまり、論理がどんどん、矛盾のままでぐるぐる回っているだけなんですよ。沖縄県民は、沖縄県から物理的に、現実的に負担を軽減してほしい。それは何かというと、米軍基地を沖縄から移してほしい、県外か国外に移していただきたい、これが、さきの建白書の、オスプレイの配備の強行もだめですよ、普天間の固定化はあってはいけません、即時閉鎖、返還を実現してくださいということに込められている思いなんです。つまり、本当の負担軽減は、沖縄県から米軍の、その重たい存在そのものをどかしてくださいということなんです。
 しかし、日米合意は沖縄県内への平行スライド。普天間の固定化があってはならない、これは、人口が密集しているところに基地がそのままあってはいけないんだという、沖縄国際大学に普天間基地所属のヘリコプターが落ちたというその事実を踏まえて、これはもう一刻も早く移さなきゃいけないんだ、そういう気持ちになっているということは県民も理解します。しかし、肝心のその基地を人口の多いところから少ないところに移せばいいだろうというのでは、多くの県民にとって、沖縄の本当の意味での基地の負担軽減にはならない、その事実に立ち返ってしまうわけです。
 そして、九月九日、十万人の県民が集まったオスプレイ強行配備反対の大会の決議もないがしろにするように、十月一日にオスプレイがやってきた。これは一体何なんですかということなんですね。
 ですから、そういうことを踏まえて、本当に、沖縄の方々の声によく耳を傾け、信頼関係を構築しながらという、その文脈をあえて入れるのであれば、やはり沖縄県民の思いは、沖縄から基地の現実的な負担を移してくださいということなんですね。
 そして、普天間飛行場の移設及び嘉手納以南の土地の返還計画を早期に進めるというふうにあります。嘉手納以南の基地、これはかなりの面積もありますし、そこで働いている基地従業員の方々もいらっしゃいます。
 そこで、嘉手納以南の基地というのはどのぐらいの規模なのかということを、大臣の御認識をぜひお聞かせいただきたいと思います。
○岸田国務大臣 どのぐらいの規模という御質問でしたが、例えば、地元の皆様方の関心が高いと言われている牧港補給基地、キャンプ・キンザーの部分におきましては、面積的には一ヘクタール、また、労働者の数からいきますと千六十三人、こうした数字になるかと存じます。
 その面積が合計でどのぐらいになるのか、ちょっとたちまちありませんが、この牧港補給基地などは、地元の皆様方にとって、返還に向けて大変期待が高い地域であると認識をしております。
○河井委員長 玉城君、六カ所全体の面積が必要なんですか。
○玉城委員 面積は特に必要ないんですが、どのぐらいの基地が嘉手納以南にあるのかということを。
○河井委員長 では、その名称をもう一回確認……。
○玉城委員 はい、名称をぜひ。
○河井委員長 では、外務大臣、お願いします。
○岸田国務大臣 キャンプ瑞慶覧、そして陸軍貯油施設第一桑江タンク・ファーム、さらには、先ほど触れさせていただきました牧港補給地区、そして那覇港湾施設、こういった施設が挙げられるかと存じます。
○玉城委員 ですから、大臣がおっしゃったように、嘉手納以南の土地の返還計画を早期に進めますという、これをとっても物すごく時間のかかるスケジュールなんですね。しかし、これが、普天間飛行場の移設が、移設しますと言ってから十七年たっても返らないのは、物理的に、沖縄県民の皆さんが、沖縄県内への基地のこれ以上の負担は嫌だというその反対の声と、そして、土地利用やあるいは全体的な米軍とのスケジューリングがパッケージでなかなか進まなかったということがあると思います。それはやはり、グアムへの施設の移転も含めた全体のパッケージ、二〇〇六年の最終合意のパッケージを守ろうとしていたんですが、それがついぞ、アメリカの意思によって、普天間の移設とグアムへの移設のパッケージを外す、アメリカ側はそう判断したんです。
 つまり、普天間基地を辺野古に移す理由も、実は、このパッケージが外れたことによって大きく変わったんです。それを、私たち沖縄県民は、であれば、この牧港補給基地やいろいろな基地の返還は、どこに移すのかという疑問が出てくるわけですね。土地は返還しましょう、沖縄県民の皆さん、ぜひ使ってください。では、そこにある、米軍が必要としている四つの部隊構成、一つは地上部隊、一つは空輸部隊、そして司令部と兵たん部隊、この四つが機能して、米軍がきちんと、いろいろな演習にも、それから赴任地にも出かけていく。そうなった場合に、では、この牧港補給地区や那覇軍港の移設などについては、また沖縄のどこかに行くのかという、その不安がいつまでもつきまとうわけですね。
 ですから、本当の負担軽減というのは沖縄県内に移すことではないというふうに沖縄県民は思っているんですが、その思いに間違いがないかどうか、見解をお尋ねしたいと思います。
○岸田国務大臣 二月の日米首脳会談においては、日米両政府の首脳、トップによりまして、普天間基地の移設と嘉手納以南の土地の返還計画を早期に進めていく、こういった点で合意した、意見の一致を見たということであります。こうした動きを進めていくためにも嘉手納以南の土地の返還計画を早期に進めることが必要だと安倍総理からオバマ大統領に強く求め、そしてオバマ大統領がそれに同意したということです。
 こうした合意がなされたわけですので、確かに、嘉手納以南の土地の返還計画、さまざまな施設がかかわってきます、事情はさまざまです。そして、今日までさまざまな作業が行われ、そして今、作業がまだ続けられている、こういった状況ですが、日米のトップ同士がこうした合意をした、このことの重みをしっかり受けとめて、現場において一日も早く、具体的なスケジュールも含めて、この返還計画を取りまとめなければならないと思っています。
 ぜひ、こうした両国間のトップの合意の重みを踏まえて、できるだけ迅速に、具体的に計画を取りまとめるべく努力をしていきたいと思っています。ぜひ、普天間飛行場の移設と嘉手納以南の土地の返還計画、あわせて進むように努力していかなければいけないと思っています。
○玉城委員 ぜひ、我が国の憲法の大きな柱の一つであります主権在民、この思いをしっかりと受けとめていただきたいなと思います。沖縄県民は、この憲法に、果たして我々は国に対して物が言えるのかどうかということが大変この間の建白書の中にも込められている思いですので、ぜひその点は深くお認めいただきたいというふうに思います。
 では、質問をかえさせていただきまして、きょうは、委員の皆様のお手元に「沖縄周辺海域における沖縄・台湾・中国の漁業関係図」というものを資料としてお配りさせていただいております。
 簡単に説明いたしますと、上から三分の一ぐらいのところに黄色い点線があります。これは、日本と中国が結びました協定線で、北緯二十七度線です。その二十七度線の右側の端から、沖縄本島を下に行くように、南におりるようにして日中の協定線というのがありまして、このいわゆる三角形に近い形の中は日中の自由な漁業が認められているというラインなんですね。
 しかし、日本は、さまざまな、排他的経済水域などの関係で、日本主張の中間線は、このちょうど真ん中に引かれている赤いラインのようになっているんですが、この赤いラインのちょうど真ん中の部分をごらんください。ここに実はマグロの好漁場がありまして、そこに船が集中しております。この船はどこの船かというと、台湾のマグロはえ縄漁船です。
 台湾のマグロはえ縄漁船、長ければ何十キロにもメーンの幹綱を流し、それにはえ縄という枝縄をたくさんつなげて、何十キロにも流してマグロをとるんですが、そのことによって、沖縄県近海の宮古、石垣、与那国を初めとする漁業関係者の方々は、ここでは漁ができないということで、大変危険を感じているわけですね。
 この間、実は、日本と台湾での日台の協議が進められているという状況があると思います。この民間協議の形をとりながら行われている日本と台湾との漁業協議について、現在までの具体的な進捗状況を水産庁からお伺いしたいと思います。
○本川政府参考人 お答え申し上げます。
 日台間では、平成八年から、水産資源の管理や操業秩序の構築に向けた協議が行われておりまして、前回、十六回目の会合が平成二十一年に開催されたということでございます。現在、十七回協議の開催に向けた予備的な会合を行っておりまして、十一月三十日と去る三月十三日に、二回、予備的な会合を行ったところであります。
 私ども、それに先立ちまして、関係漁業者の方との意見交換をさせていただきまして、我が国の漁業者、とりわけ本件に大きくかかわる沖縄県漁業者の意向に十分に配慮することが必要であると考えておりまして、そういうようなことが協議に反映されるように努力してまいりたいと考えているところでございます。
○玉城委員 その十三日の協議の模様が地元の新聞に載っておりました。意見は一致しなかった、また引き続き協議をしていこうということなのでありますが、大臣、ここで中国は、同じく領有権を主張する台湾に連携を呼びかけている、この協議の中でも、尖閣の問題に絡めて、自分たちに有利なように台湾に呼びかけようとしているんだ、そういう記事が地元の新聞に載っておりました。
 しかし、二月二十一日、これも台湾のニュースなんですが、この尖閣の領有権は台湾も主張しているんですが、中国が平和的解決に向けた構想を示していないことなどを理由に、尖閣をめぐっては中国と連携しないということを、台湾の外交部、外務省に相当する外交部のホームページに、釣魚台列島の主権声明、中国大陸と合作しない立場と題した声明として公表したそうです。
 馬英九総統は、昨年八月、争議の棚上げや資源の共同開発などを盛り込んで提唱した東シナ海平和イニシアチブを中国側が無視しているということで、これは中国とは連携できないなというふうに、台湾側も、ぜひ漁業権だけでも先行して進めたい、そういう考えがあるということなんですね。
 そのことについて、大臣の方でこの動きをどのように受け取られていらっしゃるか、見解をお聞きしたいと思います。
○岸田国務大臣 台湾と中国との間のやりとりについてコメントする立場にはありませんが、台湾は、我が国との間で緊密な経済関係と人的往来を有する重要なパートナーだと思っております。政府としましても、この日台間の協力関係が引き続き着実に進展していくよう期待をしております。
 かかる観点から、この日台双方の民間窓口機関間の漁業をめぐる協議が今後も引き続き行われて、建設的な意見交換が行われ、そして協議が早期に妥結されることを我々も強く期待したいと思っております。
 なお、先ほどの答弁でちょっと一カ所訂正させていただきたいと存じます。
 先ほどの牧港補給地区の面積ですが、この数字、牧港補給地区の北側進入路の数字を申し上げてしまいました。全体の数字は二百七十一ヘクタールでありました。訂正させていただきます。
○玉城委員 ありがとうございました。
 中国、韓国との経済連携ももちろん重要ですが、一方で台湾も、国交はないにしても、民間レベルでさまざまな交流が行われています。ぜひここは、台湾とも平和的な協力関係を築いていきながら、日本の国益にかなうようにお願いを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
     ――――◇―――――
○河井委員長 次に、内閣提出、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨の説明を聴取いたします。外務大臣岸田文雄君。
    ―――――――――――――
 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
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○岸田国務大臣 ただいま議題となりました在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明いたします。
 改正の第一は、ブラジルにある在ベレン日本国総領事館の廃止を行うことであります。
 改正の第二は、在外公館に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額を改定することであります。
 以上の改正内容のうち、在勤基本手当の基準額の改定については、平成二十五年度予算案と一致させて行うため、四月一日から実施する必要があります。
 以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。
 何とぞ、御審議の上、本件につき速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
○河井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 次回は、来る二十二日金曜日午前九時理事会、午前九時二十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時五分散会