第183回国会 総務委員会 第4号
平成二十五年三月二十一日(木曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 北側 一雄君
   理事 田中 良生君 理事 土屋 正忠君
   理事 徳田  毅君 理事 橋本  岳君
   理事 山口 泰明君 理事 原口 一博君
   理事 東国原英夫君 理事 伊藤  渉君
      井上 貴博君    今枝宗一郎君
      今村 雅弘君    大西 英男君
      門山 宏哲君    川崎 二郎君
      木内  均君    北村 茂男君
      小林 史明君    小松  裕君
      佐藤  勉君    清水 誠一君
      新開 裕司君    新谷 正義君
      助田 重義君    瀬戸 隆一君
      田所 嘉徳君    橘 慶一郎君
      中谷  元君    中村 裕之君
      長坂 康正君    御法川信英君
      宮路 和明君    湯川 一行君
      小川 淳也君    奥野総一郎君
      黄川田 徹君    福田 昭夫君
      岩永 裕貴君    上西小百合君
      浦野 靖人君    中田  宏君
      馬場 伸幸君    松浪 健太君
      濱村  進君    佐藤 正夫君
      塩川 鉄也君
    …………………………………
   総務大臣         新藤 義孝君
   復興副大臣        谷  公一君
   総務副大臣        柴山 昌彦君
   総務副大臣        坂本 哲志君
   内閣府大臣政務官     亀岡 偉民君
   総務大臣政務官      橘 慶一郎君
   総務大臣政務官      北村 茂男君
   政府参考人
   (総務省自治行政局公務員部長)          三輪 和夫君
   政府参考人
   (総務省自治財政局長)  佐藤 文俊君
   政府参考人
   (総務省自治税務局長)  株丹 達也君
   政府参考人
   (総務省情報流通行政局長)            吉崎 正弘君
   政府参考人
   (消防庁次長)      長谷川彰一君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           神田 裕二君
   参考人
   (日本放送協会経営委員会委員長)         浜田健一郎君
   参考人
   (日本放送協会会長)   松本 正之君
   参考人
   (日本放送協会専務理事) 塚田 祐之君
   参考人
   (日本放送協会専務理事) 吉国 浩二君
   参考人
   (日本放送協会理事)   冷水 仁彦君
   参考人
   (日本放送協会理事)   石田 研一君
   参考人
   (日本放送協会理事・技師長)           久保田啓一君
   参考人
   (日本放送協会理事)   板野 裕爾君
   参考人
   (日本放送協会理事)   上滝 賢二君
   参考人
   (日本放送協会理事)   福井  敬君
   総務委員会専門員     阿部  進君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十一日
 辞任         補欠選任
  上杉 光弘君     新開 裕司君
  川崎 二郎君     今村 雅弘君
  北村 茂男君     小松  裕君
  佐藤  勉君     御法川信英君
  田所 嘉徳君     新谷 正義君
  湯川 一行君     助田 重義君
  馬場 伸幸君     浦野 靖人君
同日
 辞任         補欠選任
  今村 雅弘君     川崎 二郎君
  小松  裕君     北村 茂男君
  新開 裕司君     上杉 光弘君
  新谷 正義君     田所 嘉徳君
  助田 重義君     湯川 一行君
  御法川信英君     佐藤  勉君
  浦野 靖人君     馬場 伸幸君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第一二号)
 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一三号)
 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件(内閣提出、承認第三号)
 地方税財政基盤の早期確立及び東日本大震災への対応に関する件
     ――――◇―――――
○北側委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、政府参考人として総務省自治行政局公務員部長三輪和夫君、自治財政局長佐藤文俊君、自治税務局長株丹達也君、消防庁次長長谷川彰一君及び厚生労働省大臣官房審議官神田裕二君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○北側委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○北側委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。黄川田徹君。
○黄川田(徹)委員 民主党の黄川田徹であります。
 ちょっと体調不良でありまして、政務三役の皆さんには、そこのところを、聞き上手ということで、よろしくお願いいたしたいと思います。
 それでは、通告に従い、順次質問していきたいと思います。
 私も、民意を得て衆議院議員にさせていただいて十年がたちました。この間、野党、与党、そして今野党であります。政権が交代しますと大きな政策の大転換もあると思いますけれども、また一方、政権交代とは変わらずにしっかりやっていかなきゃならない、そういう政策もあるはずであります。
 例えば、私も、国会議員になった初めは、ちょうど郵政の関係といいますかテレコムの関係、旧郵政省の関係でいいますと、きょうは午後にNHKの予算の審議もありますけれども、アナログからデジタルということで、ずうっとこの十年間かかわってまいりました。当然、放送と通信の融合とか大きな世界的な流れがありまして、そしてまた、周波帯といいますか、利活用をしっかりやっていかなきゃならないということで、アナ・アナ変換から始まって、そしてさまざまな課題を取り入れて、何といっても国民に負担を強いる政策でありますので、そこをどうやって支えていくかとか、さまざま議論があったわけであります。
 そういう大きな政策は、与党、野党にかかわらず、あるいはまた自公政権、民主党政権にかかわらずやってきた、こう思っております。
 そういう中で、電波法のことであれば、オークションの導入はどうなるであるとか、それに使われるお金は限定列挙ということでしっかりと何に使うか明確にしなきゃいけないであるとか、あるいはまた、NHKの経営の関係でもさまざまな不祥事等がありまして、経営委員会のあり方等、本当に議論してきた、こう思っております。
 そこで、地方税財政の関係であります。
 地方交付税は、御案内のとおり、自治体の固有の財源でありますし、大きな役割は財源保障、そしてまた財源の調整機能でありますか、これを持っておるわけでありますけれども、この交付税について大きな転換を図るのか、その部分をちょっと確認したく、御質問をさせていただきたい、こう思います。
 まず、小泉政権以来の三位一体改革といいますか、劇的に交付税を削減いたしましたので、地方六団体といいますか、地方自治体側からすれば、大変なことをしてくれたということで、厳しい評価を行ったと聞いておるわけでありますけれども、その点、現政権はどのような認識でおられますか。お答えいただきます。
○新藤国務大臣 黄川田委員、体調が不良ということでありますので、どうぞ気をつけていただきたいと思います。答弁の前に、言葉にするのも恐縮だと思いますが、大変御苦労いただいている中で、懸命に努力されている姿というのは、私たち、国会の中でよく見ております。そして、総務の副大臣としても御活躍をいただいたわけでありますから、ぜひ、役目とはいえ、いろいろと大変なことがあると思いますけれども、ともに頑張っていきたい、まずは、黄川田委員の活動にも私はエールを申し上げたい、このように思います。
 そして、三位一体の改革についての評価であります。これは、かねてよりの御要望としては地方からの御要望もありました。そして、小泉政権の構造改革という中でこういったことが図られました。三兆円の税源移譲の実現によりまして、地方の自主財源の強化、補助金改革による地方の自由度の拡大、それが地方の自立や分権の進展に資するものである、分権改革の実現への前進であった、このようなことがまず一つあります。
 一方で、今お話にもありましたように、地方交付税の削減が急激に行われた、それは財政力の弱い団体には厳しいという声が上がった。しかも、今もそういったことが地方の関係者の中で言われることがあるということも承知をしております。
 さらに、国庫補助負担金改革においても、国の負担率の引き下げにより、地方の自由度や裁量の拡大につながらないものも含まれていた、こういうような課題があるのではないかということは認識をしております。
○黄川田(徹)委員 大臣お話しのとおり、地方の行財政改革を推し進めたであるとか、あるいはまた職員の定数管理とか、さまざま厳しい中でもやっていかなきゃならないというところがあったかもしれませんが、やはり国家を支える地域というのがありまして、辺地であるとか中山間地、過疎地と言われるところなんであります。
 そういうところにあっては、安定的な財源、一般財源の総額をしっかり確保していかなければ、とてもとても住民の負託に応えるような行政はできないという等々がありましたし、それから、何といっても急激な改革でありました。反省すべきところは幾らかあるかと思っております。
 それを踏まえて、民主党政権になりまして、野党筆頭の原口先生でありますが、原口さんが総務大臣ということの中で、やはり一般財源の総額の確保だということでこれまで取り組んできたわけでありますが、これに対する評価はどのようにお考えでしょうか。
○新藤国務大臣 これは、政権が移行しても、地方の自立を促し、そして分権を進めていく。その中から、国民のサービスの向上、そして自治体の経営の健全化、こういったものが図られていくわけでありまして、前政権においてもその取り組みはおやりになっていた、特に原口大臣が就任されてそういったことに積極的に取り組まれたということは、私も敬意を表したい、このように思います。
○黄川田(徹)委員 それでは、改めて、地方の財政の現状といいますか、厳しい環境をちょっとお伺いいたしたいと思います。
 地方財源不足や長期債務の状況、これはまた自治体の財政のさまざまな指標があると思いますけれども、それらを踏まえて、地方財政の現状についてどのように認識しておられますでしょうか、お伺いいたします。
○新藤国務大臣 現在の地方行政が、特に地方財政は恒常的に巨額の財源不足が続いているということであります。そして、平成二十五年度の財源不足額は十三・三兆円、このような巨額に上っているわけであります。
 この巨額の財源不足が生じている要因は、歳出面における社会保障関係費の自然増、それから公債費が高い水準で推移しているということがあります。一方、歳入面において、地方税や地方交付税の法定率分等が伸び悩んでいるということがあると思っています。
 また、この財源不足に対しまして臨時財政対策債の発行、これで対応してきておりますけれども、地方の長期債務残高が二百兆円という高い水準で推移をしているわけであります。
 こうした状況を改善する地方財政の健全化、これをやるためには、何よりも、まず地方の歳出の不断の見直し、それから地方税収等の充実、歳入の改善、こういったものが必要だというふうに思っております。
○黄川田(徹)委員 それでは、具体的に、経常収支比率の近年の動向をお伺いいたします。
○佐藤政府参考人 経常収支比率は、地方自治体の財政の硬直性を示す指標として用いております。直近三年間の数値を申し上げますと、平成二十一年度で九三・八%、平成二十二年度で九〇・五%、平成二十三年度で九二・六%というふうになっております。この十年間を見ますと、大体九〇%を超える水準で推移しております。二十年前を見ますと、大体七〇%程度でありましたので、これと比べますと高い水準が続いておりまして、地方財政の硬直化が進んでいるというふうに認識しております。
 この原因ですが、各地方団体においては、行財政改革の取り組みによって人件費が低下をしています。一方で、社会保障関係費などの扶助費や補助費などが増加しております。また、過去の景気対策のために発行した起債に係る公債費が高い水準にあります。こうしたことが要因になっているものと思われます。
○黄川田(徹)委員 お話しのとおり、九〇を超しておるということでありますね。二、三十年前までは七〇台といいますか、一般的に、都道府県であれば八五ぐらい、都市部で七五、それから町村部で七〇ぐらいが適正な数字かなということなのでありますけれども、大変硬直化しているというのがここから明らかであります。
 地方財政の改善にそういうさまざまな目標を立てて、達成していかなきゃならないと思っておるわけでありますけれども、この辺、意気込みといいますか、地方財政の改善のために、具体的にどのような方策でもって、いつまでにやろうとしておるのか、大臣の御見解をいただきたいと思います。
○新藤国務大臣 まず、政府において、二〇一五年度までに国と地方のプライマリーバランスの赤字の対GDP比を二〇一〇年度の水準から半減をする、そして二〇二〇年度までに黒字化する、この財政健全化目標の実現をぜひ目指していきたい、これが大枠としてございます。
 そして、その意味で、国、地方ともに、歳入歳出両面における努力が必要であるということでございます。地方財政においては、歳入面において、地域経済の活性化、こういったものを通じました地方税収等の確保、それから歳出においては、経費全般についての節減合理化、こういったものが必要であることは言をまちません。
 そして、政府といたしましては、年央に骨太の方針を取りまとめる、それから財政健全化目標を実現するための中期財政計画の具体化の検討を進めていくことになっております。その中で、地方財政の健全化についても適切な対応を行ってまいりたい、このように考えています。
○黄川田(徹)委員 昨日も議論されたところなのでありますけれども、交付税の法定率の引き上げ、あるいはまた臨財債の折半ルールの関係をちょっと確認しておきたいと思います。
 昨日来の議論の中で、臨時財政対策債の折半ルールが、三年間の措置でありましたので、平成二十五年度で期限を迎える。これをどういうふうな方向で持っていくのか。改めてまた制度設計するのか、更新する中で持っていくのか。あるいはまた、地方交付税法の第六条の三第二項、あるいはまた地方財政審議会の意見等がありますよね。特に、地方交付税法で言っているところに該当すると思うのでありますけれども、平成八年度以降、十七年間連続で同条項に該当しておるのではないか、そういう現状にあるわけであります。
 そこで、折半ルールを引き続き更新する方向で臨むのか、あるいはまた法定率を引き上げる方向で臨むのか、大臣の考え方をお伺いいたします。
○新藤国務大臣 臨対債の発行については、二十五年度までの特例措置ということであります。
 したがって、二十六年度以降の財源不足に対する補填方法については改めて検討する、これまでの経緯も踏まえ、現状それから将来の見通しも含めて、総合的な検討をしなくてはならない、このように思っています。いずれにしても、地方公共団体が自主的、主体的に行政サービスを提供できるよう、地方財源の安定的な確保が至上命題であります。
 あわせて、法定率の引き上げは、たくさんの委員の皆様から御提案をいただいております。そして、総務省といたしましても、概算要求の際に、事項要求という形で政府に対して我々も申し入れているわけであります。まず、この法定率の引き上げの実現に向けて総務省としては努力をしていきたい、このように思います。
 一方で、巨額の財政赤字を抱え、非常に厳しい状況が続いている中で、国、地方あわせての、全体の財政の健全化、そういう中で検討がなされるものと思います。
 総務省としては、何度も申しますけれども、ここの部分は、ぜひ地方財源の安定的な確保のためにも、さらに引き続いて努力をしてまいりたい、このように考えています。
○黄川田(徹)委員 二十五年度の交付税をどう制度設計するかということで、公庫の変動準備金ですか、それも、当初は三年で何とか使い回ししようということだったんですが、全て出さざるを得なかったということ、大変厳しい中にある。そしてまた、地方は地方で、やはり固有の財源である交付税を確保してほしいということもあります。ですから、全体として結論は出すのでしょうけれども、やはり財務省に対しては総務省も、事項要求といいますか、法定率の引き上げも含めて、しっかりと要求は引き続きしていただきたい、こう思っております。
 それでは、国と地方の税源の配分についてでありますけれども、もう皆さん御案内のとおりであります。
 かつて、国と地方の仕事とお金の関係でいえば、仕事は四対六、お金は六対四、国と地方の関係ということで、これを少なくとも税配分を当面五対五に持っていこうという形で大きな流れがあって、そしてまた、我々の政権、前政権の前の政権、自民・公明連立政権当時の歴代総務大臣も経済財政諮問会議においてこれに沿った主張をしておったと思うわけでありますけれども、新藤大臣の御意見はどうでしょうか。
○新藤国務大臣 委員が今御指摘いただきましたように、仕事においては国四対地方六にもかかわらず、税収が国が六で地方が四ということであります。直近の数字でいいますと、二十五年度の計画、二四の見込みもそうでありますが、国五五対地方四五というところまでは来ているわけであります。
 いずれにいたしましても、これは自公政権時代でありますが、地方分権改革推進委員会の第四次勧告にも国と地方の税源配分を五対五としようではないか、こういうところが出ているわけであります。この目標を踏まえて、何よりも地方がみずからの発想で特色ある地方運営が、自治体運営ができるように、そういった観点からも、国から地方への権限等の移譲を促進する地方分権改革は進めてまいりたい、このように考えております。
○黄川田(徹)委員 通告とちょっと順序を変えますけれども、今大臣から、地方分権に関してしっかり取り組んでいくという話をされましたので、改めて。
 二〇〇〇年に地方分権一括法が施行されまして、そして、国と地方の役割分担の明確化、機関委任事務の廃止あるいはまた国の関与のルール化等が進められたところでありますが、この大方針に基づいて、我々も地域主権改革という形の中で、自民さんは地方分権改革ということで、そして地方分権一括法の後に地域主権三法というものができまして、そして結果として、閣法で出たのでありますけれども修正されて、お互い、名を捨てて実をとるといいますか、そういうふうな法案になったような気がしております。
 そういう中で、これまで議論された中でも、何か一括交付金がまたひもつきになるような話であるとか、それはないということをたびたび大臣は話しておりますけれども、この基本的な大きな流れ、義務づけ・枠づけをとってやるとか、あるいはまた地方自治法も、議員立法の中で、地方議会のあり方あるいはまた活動の範囲とか、大分広がってきたところもありますので、そういう方向性については、どの政権であろうが、やはり中央集権とは決別し、地方を大事にする。皆さんが言うお話の中では地方分権、我々は地域主権なんでありますけれども、それは一貫して変わらないということでよろしいか、改めて確認の意味で御質問いたします。
○新藤国務大臣 私は、地方の分権を進めることは、私たちの国に暮らす人たちが満足をして、そしてまた、それぞれの町の特色の中で自分たちの生活を営めるようにする、そして、どこに住んでいても国民として最低限の、同じようなサービスを受けながら、そこの町をふるさととして、また、縁があって住む土地で暮らしていく、こういう実現をさせること、それは政治の責任だと思っています。
 ですから、そのときに、国と地方の関係はいつの時代でも不断に見直しをしていかなくてはならない。よりよい方向を求めていくことは当然のことだと思っています。今までの道のりがございました。それらも踏まえまして、さらによりよくするためにはどうしたらいいんだということだと思います。
 ですから、委員の御質問に端的に答えるならば、方向は変わらないということであります。
 しかし、時代時代に応じて、やはり状況が違ってまいります。かつてというよりも、その昔、幕藩体制のころ、明治時代、そして戦争が終わってから、そういった時々、全て違ってきているわけであります。いっとき、国と地方が対立関係というか、中央集権が行き過ぎているんではないか、こういう御指摘も出たことは事実だと思います。また、そういう裏づけをするようなこともあったのかもしれません。昔のことですね。
 しかし、今私が考えているのは、国と地方は、対立、上下の概念で考えてはいけないということであります。これは協力と連携の中にある、このように思っておりますし、国と地方は密接不可分な関係であります。ですから、いたずらに対立を前提としたような、そういう発想ではないのではないかな、このように思っています。
 現実におかしなところがあれば、それはまず、直せるところはどんどん直していこうじゃないかという意味において、今回、地方分権改革の推進本部というのを新たに整理させていただきました。また、それに関係する有識者会議も立ち上げて議論をしていきたい。望ましい地方自治のあり方というのはどういうことなのか、分権をどう進めていったらいいかというのは、これは不断の見直しと検討の中で進めていきたい、このように考えています。
○黄川田(徹)委員 国と地方は対等の場ということで、そういうお話だと思います。
 地域主権三法の中で、一つ、国と地方の協議の場というものをしっかりと法制化して、これから風通しのよい仕事をやっていこうということになったわけでありますけれども、今回の給与の削減についても、国と地方の協議の場を通じて御説明なりお願いをしたものと私は思っておるわけでありますけれども、この点について、協議の場を設けられたのでしょうか、確認いたします。何回ほどやりましたでしょうか。
○新藤国務大臣 国と地方の協議の場、こういったものをつくっていただいたことは、私はよかったことだと思っています。
 そもそも、国と地方の連絡の場、協議の場というのは、これまでもありました。しかし、きちんとした形で協議の場を設けたということは前進だった、私はこのように思っているんです。ですから、そういうものはきちんと役割を果たしていくようにこれからも心がけてまいりたいというふうに思います。
 私、今回の地方公務員の給与の削減要請に当たりましては、そういったことも活用させていただいております。
 国と地方の協議の場を、まず第一弾で、一月の十五日に開催いたしました。その中で、お話もさせていただきましたし、地方側からの御意見もいただいております。また、それに引き続きまして、一月の二十二日、一週間後でありますが、私と地方六団体の皆さんの代表者との会合も、これはお願いをして開催させていただいております。また、翌日には全国知事会が開催されましたので、そこに出向きまして、私の方から御説明もさせていただきましたし、御意見も頂戴いたしました。そして、二十五日に、再び地方六団体の皆さんとの協議の場もつくって、お話も賜りました。
 そして、一月二十七日の地方財政対策の決着、これは財務省とやったわけでありますが、それまでの間に、一月の、正月明けの実質二週間ぐらいしかない中で四回、大臣としても直接そういうことをやりとりさせていただきました。
 それ以外にも、その後に、今までこれは余り例がなかったと言われておりますが、私の思いを書簡にしたためて、事務通達文書とは別途に、こういったことで要請をさせていただきたいんだ、こういう書簡もお出しいたしました。
 それから、一月以降、断続的に、全国の都道府県や指定都市等の担当者、それから総務部局長会議、さらにはいろいろな市町村の担当課長さんだとか、そういう公の事務的な説明会を数度にわたって開催させていただいておりますし、もちろん、その会議を開催する前には、双方の事務担当者が頻繁な連絡を行っているということであります。
 また、私が市長さんや知事さんたち、町長さんたちとお会いする機会はたくさんございますから、その折々にもこの話は必ず出てまいりますし、私としても、そういった場で丁寧にこの内容を説明させていただいている、こういうことでございます。
○黄川田(徹)委員 公式の国と地方の協議の場だけでなく、さまざまな場面を捉えて大臣もお話をされているということはよくわかりました。
 そこで、要請は、公務員の一般職に七・八%の削減をお願いしたいということなんでしょうけれども、お願いされる方々は、知事会、市長会、町村会、首長の方々、それから、都道府県議会議長、市議会議長会とか町村議会議長会とか、議長さんたちでありまして、それぞれ、公務員のあれでいえば、首長さんは常勤特別職ですか、それから議員さんたちは非常勤の特別職ですか、この方々に対しては、首長、議員が議会で給与を確定させていくわけでありますけれども、その首長、議員さんたちに対して、あなた方の報酬に対しても削減とか、そういう部分のお話はされたんでしょうか、お願いするというところを。
○新藤国務大臣 地方公務員の給与の減額に関する要請をお願いしているわけでありますが、御指摘の地方公共団体の首長などの常勤の特別職、この方々にも取り組んでいただきたいとは考えておりますが、その具体的な内容については、各地方公共団体で、それぞれの責任で、適切に自主的に御判断をいただきたい、このように考えております。
 それから、地方議員につきましては、国会議員がそもそも、皆さん、我々も含めて減額措置しているわけですが、これは自主的な判断であります。ですから、各地方議会におきましても、それぞれが適切にみずから御判断いただきたい、このように考えています。
○黄川田(徹)委員 最終的には民意が判断するといいますか、どういう条例を提案して、その地域にあってどういう判断をするかというのは住民の方々でしょうから、いずれ、一般職だけでなく特別職にもというお話を国政レベルでも話されていましたから、大臣にも、自治体の皆さん方にも、一体となってやろう、そういう心意気が通じるような形で、大きな声でお話をしていただかないと、気づかないでいる議員さんなり首長さんがいるかもしれませんので、ちょっと蛇足ですがお話をさせていただきました。
 それで、この国と地方の協議の場、私は本当に大事なものだと思っております。特に、これから、国だけではできないところがたくさんありますし、国が地方に押しつけるという時代でももうありません。ですから、この協議の場をしっかりと生かしていただきたい、こう思うわけであります。
 実は私も、社会保障と税の一体改革ということで何度か地方との協議の場に出席させていただきましたけれども、どちらかというと、総務省は比較的、自治体のありようであるとか、あるいはまた、これまでやってきたことであるとか、理解しながら進めることはできるのでありますけれども、他省庁ではまだまだ、国と地方、国から地方に物を言うんだ、そういうふうな姿勢が間々見られるわけでありまして、社会保障と税の一体改革の説明では、もう最初で衝突が始まったというところもあります。
 これができるだけいい結果を生むように、主務大臣といいますか、総務大臣が国と地方の協議の場の司会者となって動かしていくと思いますけれども、関係する省庁ともしっかりと連携しながら、地方の思いの部分をなかなか理解していただけないところがある省庁があれば、しっかりとその部分にも取り組んでほしいと思いますが、今後の国と地方の協議のあり方について重ねてお伺いいたします。
○新藤国務大臣 今私どもがこの国と地方の協議の場もしくは地方の皆さんと話をするときに、我々は、国の立場を説明し、また、いろいろな要請をさせていただき、地方から御意見を頂戴しているわけであります。そういう関係は、我々総務省が各省と話をするときは同じ関係になるんですね。今度は、私たちが立場が変わり、我々は、中央に対して、こうやって御要望いただいたものを実現させるように持っていく。それに対して、国は国の立場で各省は言ってくる。立場を変えてやりとりしているということなんでございます。
 ですから、私としては、ぜひ自分たちの役割を果たしていかなくちゃならないと思いますし、私は分権改革担当でありまして、例の枠づけだとか義務づけの移譲、こういったものも、結局、私たちは各省に対して、もう少しやってくれ、ここのところできないかというのは強烈にあります。それに対してそれぞれの主張があるわけで、それの折り合いをつけながら進めていくわけでありまして、もとより我々の役目は地方のパートナーでありますから、しっかりと地方の側に立って政府内での活動をしていきたい、このように考えています。
○黄川田(徹)委員 もちろん、地方六団体が全て一体となっている部分もあるし、また、知事会とあるいはまた市長会、町村会とはまたちょっと温度差がある問題とかさまざまあるかもしれませんが、いずれ、しっかりと意を体して取り組んでいただきたい、こう思います。
 それでは話題をかえまして、今度は、東日本大震災に係る税制措置について具体的にお話を聞きたいと思います。
 東日本大震災の被災者の負担軽減と復興に向けた取り組みを推進するため、さまざまな税制上の特例措置が講じられてきました。そこで、これまでの法律上の税制措置の利用状況とこれによる減収額、そしてまた地方自治体が独自に講じてきた減免措置の状況とこれによる減収額、そして減収に対する補填状況についてお伺いいたしたいと思います。
○坂本副大臣 黄川田委員につきましては、前政権のときから、この総務委員会を通して、地方の行財政のプロとしていろいろ御指導いただいております。本当にありがとうございます。これからもまたよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 今の御質問に対してお答えをいたします。
 東日本大震災につきましては、被災者等の負担の軽減や復興に向けた取り組みの推進を図るために、原子力災害への対応も含めて、四度にわたり地方税法を改正し、特例措置を講じたところでございます。
 平成二十三年度におきまして、東日本大震災に係る税制措置を適用することで減収になった被災三県の団体数は百三十団体、その減収額の合計は四百十七億円であります。また、各地方団体の条例に基づく減免で減収となりました被災三県の団体数は百一団体、その減収額の合計は四百七億円というふうになっております。
 また、平成二十四年度におきましては、東日本大震災に係る税制措置を適用することで減収になった被災三県の団体数は百三十団体、その減収額の合計は二百二十一億円程度であります。また、各地方団体の条例に基づく減免で減収となりました被災三県の団体数は七十二団体、その減収額の合計は七十五億円程度になるというふうに見込んでおります。
 これらの減収につきましては、全額、震災復興特別交付税により措置されているところであります。
○黄川田(徹)委員 実は、私も被災者でありまして、固定資産税の減免を受けておるわけであります。もちろん、いつまでも減免というわけにはいきませんが、現実に、土地が利用できないという状況がいまだ続いておるわけであります。復興特別交付税とか、しっかり措置してやっていただきたい、こう思います。
 あわせて、厚生労働省にお伺いいたしますけれども、国民健康保険、介護保険等の保険料の免除措置について、同様にこれまで取り組んできたことについてお尋ねいたします。
○神田政府参考人 お答えいたします。
 国民健康保険、介護保険における減免措置についてでございますが、二十三年度におきましては、震災によって住宅が全半壊した方、主たる生計維持者が死亡、行方不明になっている方、また、福島第一原発事故に伴います警戒区域等の住民の方につきまして、被災後一年間につきましては、保険料、窓口負担の減免措置を行うこととしまして、これに要した費用につきましては、国による全額財政支援を行っているところでございます。
 二十四年度につきましては、福島第一原発事故に伴います国による避難指示等が行われた区域の被災者の方につきましては、保険料等の免除に要した費用の全額を国が財政支援しております。
 それ以外の、避難指示等が行われていない特定被災区域の被災者の方々につきましては、二十四年九月末までは減免に要した費用の全額を国が財政支援しておりましたが、これは、被災によって収入が減りますと、減った額を前提にしまして保険料や窓口の負担の上限が決まりますまでの特例措置ということで講じさせていただいているものでございます。二十四年十月以降は、保険者の判断によって保険料等の減免を実施していただくこととしまして、減免による財政負担が著しい場合に、その減免に要した費用の十分の八以内を国が財政支援するということにしております。
 国保、介護の減免の二十三年度の実績でございますが、国保につきましては、六百四十五保険者に対しまして減免措置に伴います補助金を交付いたしまして減免額は二百億円、介護につきましては、五百四保険者につきまして減免額は七十七億円ということで、いずれも減免額全額の二百七十八億円を国が財政支援しているところでございます。
○黄川田(徹)委員 今、特例措置について、総務省、厚労省からお伺いいたしましたけれども、やったことに対する自治体あるいはまた住民からの反応といいますか評価はどのような形で出ておりますでしょうか。
 そしてまた、あわせて、二十五年度、同様の政策を実施するのかも重ねてお伺いいたします。
○坂本副大臣 この税制措置につきましては、前政権でいろいろな措置をしていただきました。被害が甚大であっただけに、阪神・淡路大震災における措置を参考にしながら、津波被害が甚大である、あるいは原子力災害が発生していることなどを考えながら、各府省の意見を聞きながら決定をいたしました。
 一方、津波の被害や原子力被害の被災地域に出向きまして、そして、関係地方自治体の意見をお聞きして、内容を確定したところでございます。
 現段階におきましては、でき得る限りの措置もしておりまして、一定の評価を受けているというふうに聞いております。今後も、関係団体あるいは各府省の意見もお聞きしながら、現実的に対応できることについて最大限配慮をしてまいりたいと思っております。
 それから、今後どのようになっていくのかということもお尋ねでございました。あわせて御答弁申し上げます。
 現在御審議いただいている法案において、平成二十四年度分までの措置とされておりました、東日本大震災に係る津波により甚大な被害を受けた区域のうち、市町村長が指定する区域における土地及び家屋に係ります固定資産税等の課税免除等を一年延長するということにしております。
 また、既に講じております、大震災によりまして滅失、損壊いたしました家屋等の代替資産を取得した場合の特例措置や、また復興特区に係る特例措置等は、平成二十五年度も引き続き適用をするということにしております。
 これらの減収額は、平成二十四年度に引き続き、平成二十五年度につきましても、震災の復興特交によりその全額を措置することとしておりまして、所要の額を確保しているところでございます。
○神田政府参考人 国民健康保険、介護保険の保険料等の減免措置についてでございますけれども、被災三県、またその被災三県の保険者の皆様から、保険料等の減免措置に対する国の財政支援をしっかりと行ってほしいという要望をいただいているところでございます。平成二十五年度におきましても、平成二十四年十月以降と基本的に同じ財政支援措置を講ずるということにいたしております。
 具体的には、国による避難指示が引き続き行われております警戒区域等の被災者の方につきましては、保険料等の免除措置に係ります国の全額の財政支援を一年間延長するということにしております。それ以外の被災地の被災者の方々につきましては、各保険者の御判断ということになりますけれども、免除措置を実施した保険者の財政負担が著しい場合には、十分の八以内を国が財政支援することとしております。
○黄川田(徹)委員 時間が残り少なくなってまいりましたので、引き続いて、震災復興特別交付税についてお尋ねいたしたいと思います。
 二十五年三月、この三月における復興特別交付税の交付額の見込み額がおわかりでしょうか、明らかになっておるでしょうか、確認いたします。
○新藤国務大臣 二四の震災復興特交、これは昨年の九月に二千八百四十二億円を交付しております。
 今年度の三月分は、実は、明日に交付決定を行おう、このように考えております。ですから、詳細な数字は明日出させていただきますが、おおむね〇・五兆円程度になるのではないか、このように考えています。
○黄川田(徹)委員 交付額が、累計額、補正とか予算措置されて、どんどんふえておるわけでありますけれども、これは半分程度にとどまっておるというふうに言われておりますけれども、改めてその理由をお伺いいたします。
○新藤国務大臣 この震災復興特交は、成立をさせていただきました補正予算の増額も含めますと、二兆三千三百三十九億円を計上しております。一方で、交付に対しましては、まず平成二十三年度に八千百三十四億円、それから平成二十四年の九月に二千八百四十二億円、計一兆九百七十六億円を出しました。
 ですから、その時点での予算額に対する交付額、これは御指摘のように約半分、このようになっておるわけであります。しかし、ここで、明日交付決定する三月分がございます。これを合わせますと、トータルで大体三分の二程度、六七%は交付できる、このように考えております。
○黄川田(徹)委員 大臣御案内のとおり、事業の進捗状況に応じて適時適切に交付していくということでしょうから、事業の進捗によって交付されている。ですから、早く交付できるように、事業を進捗させるようねじを巻くということだと思っておりますで、来年度もしっかりと交付できるように、準備万端、よろしくお願いいたしたいと思っています。
 それでは、最後に、ちょっと消防団についてお尋ねいたしたいと思います。
 東日本大震災は本当に大きな大災害でありまして、全国規模で二万人の犠牲者、私の岩手では六千人、私の町では一千八百人ということで、大変な状況でありました。
 それで、住民の生命財産を守る非常備消防、消防団の役割は大きなものがありまして、特に、地方にあっては、水防もそうですし、それから火災の鎮火のための消防の役割もありますし、それから、何といっても、三陸沿岸では津波避難誘導とか、さまざまな役割が課されていたわけであります。
 そしてまた、学者さんはいろいろ言いますけれども、正直、千年に一度の大震災となれば、本当に科学的知見がなかった、まあ、なかったと言ったらちょっと極端かな、消防団一人一人にはしっかりと認識はされていなかったということで、私自身もそうであります。
 そういう中で、実は、消防団の死者・行方不明者なんでありますけれども、二百五十四名もおったわけなんであります。そして、我が陸前高田市は、そのうち五十一名でありますので、五分の一は陸前高田の消防団で亡くなっておるということであります。結果として、みずから命を絶たざるを得なかったということであります。
 そういうことがありましたので、その後すぐに、東日本大震災を踏まえた大規模災害時における消防団活動のあり方等に関する検討会を立ち上げて、ちょうど私が三月で中退しましたので、そのときに中間報告等がされておったはずでありまして、その半年後には立派な報告書が出た、こう思っております。
 それで、報告書が出ておしまいではなくて、それが現場の消防団にどうやって生かされるかというところが一番大事だと思っておりますので、その辺のところ、総務省からお伺いいたしたいと思います。
○坂本副大臣 今、黄川田議員言われましたように、消防団は、水門の閉鎖や住民の避難誘導等で本当に献身的に活動されました。一方で、二百五十四人という大きな消防団員の犠牲者を出しました。委員の御地元、今言われたとおりであります、最も多い五十一人の犠牲者でございます。
 あり方検討委員会のことにつきましては、ちょうど黄川田委員が総務副大臣ということで、第一回目のときに、その思いを込めて御挨拶もいただいたというふうに聞いております。
 平成二十四年、昨年の三月には、津波到達予定時刻などをもとにしました消防団員の退避のルールの確立や、トランシーバーなどを使いました情報伝達手段の整備など安全対策を中心にした中間報告を取りまとめ、地方公共団体に通知したということは、今委員がおっしゃられたとおりでございます。
 八月には、処遇改善などの消防団の充実策を含めて最終報告が取りまとめられましたので、それを受けて、九月から本年二月にかけて、全国四十七都道府県で、消防学校等の協力を得て、図上訓練なども取り入れた消防団員の安全対策に係る研修会を実施いたしました。
 先般、岩手、宮城、福島の三県の沿岸市町村に聞いたところ、多くの市町村におきまして、既に安全管理マニュアルを整備または検討中ということでありました。また、宮古市など一部の市町村では、それに基づきました防災訓練等も既に実施をされているというふうなことがわかったところであります。
 なお、全国の津波のおそれのある沿岸市町村等につきましては、今後、消防団の安全マニュアルの整備状況等について四月一日時点で調査をしていきたいというふうに思っております。
 消防団員が住民の命を守るためには、まずみずからの命を守ることが大前提でありますので、今回の東日本大震災の教訓を踏まえ、団員の皆さんたちの安全確保対策と消防団の充実にさらに取り組んでまいりたいと思っているところでありますので、今後とも御指導をよろしくお願い申し上げたいと思います。
○黄川田(徹)委員 当時は、携帯電話がつながらなくなっちゃって、ふだんは携帯で個人同士の情報交換ができたのであります。それから、消防本部と消防車については連絡ができるんですけれども、現場で分かれて個人個人が避難誘導を始めるとその人たちが情報を共有できないとか、いろいろな課題がありました。
 特に、発災直後に過酷な現場で仕事ができるのは、国レベルでいえば自衛隊の方々、県レベルでいえば警察の方々、そして市町村、基礎的自治体であれば消防なわけなんでありますが、本当に過酷な仕事でありました。特に、遺体収容とか、厳しい仕事もしなければならないということでありまして、そしてまた、地域にとっては大事な団員一人一人でありますので、これをしっかり支えていく仕組みは十分つくってやらなきゃいけない、こう思っております。
 そこで、何といっても、それについては予算でありますけれども、消防の予算はどうなっているか、ちょっと確認したいと思いますので、お伺いいたします。
○長谷川政府参考人 大震災を受けました消防庁の予算につきまして、いささか丸めた数字の連続で恐縮でございますが、お答えを差し上げます。
 まず、平成二十三年度の一次補正でございますけれども、六百二十二億円を計上いたしました。また、同年度の三次補正では、消防庁の予算でございますが、三百三十八億円を計上いたしております。応急対応の費用あるいは消防防災施設・設備、これは被害を受けた施設の災害復旧の費用、それから消防防災通信基盤の緊急整備などに必要な経費を措置したところでございます。
 次に、平成二十四年度の当初予算でございますけれども、こちらでは、緊急消防援助隊の充実強化などに必要な経費といたしまして百二十四億円を計上いたしましたほか、東日本大震災復興特別会計におきまして、先ほど申し上げた、同じ趣旨でございますけれども、消防防災施設の災害復旧などに必要な経費百四十八億円を計上したところでございます。
 さらに、先ごろ成立いたしました平成二十四年度の補正予算におきましては百八十五億円を計上いただいておりますし、また、現在御審議をいただいております来年度の平成二十五年度一般会計当初予算におきましては百二十五億円を計上いたしております。
 十五カ月予算ということで、あわせて計上させていただいているわけでございますけれども、災害情報の確実かつ迅速な伝達のための通信基盤、それから消防防災施設の整備、それから緊急消防援助隊の即応態勢の強化あるいは消防団の充実強化などに必要な経費を一体的に措置させていただいておるところでございます。
 このほか、二十五年度の東日本大震災復興特別会計におきまして、被災地に係る消防防災体制の強化に必要な経費として二十九億円を計上いたしております。
 そこで、お尋ねの消防団の関係でございますけれども、こちらにつきましては、二十三年度の三次補正でまず二十億円を計上いたしまして、先ほど来お話がございました消防団の安全対策の強化ということで、ライフジャケットやトランシーバーなどの安全対策設備の整備に対する国庫補助の予算を計上し、所要の交付を行ったところでございます。
 また、二十四年度当初予算では、これは経常的な経費でございますが、一・九億円を一般会計で計上いたしまして、従来からやっておるんですけれども、消防団の入団促進のための各種の事業でございますとか、あるいは消防団員の安全管理を含む災害対応研修など、これは新たな事業だったんですが、こういったものを実施する予算を計上いたしておりました。
 それから、二十四年度の補正予算でございますが、先ほど申し上げました中に四十億円を計上いたしまして、消防団員の安全確保あるいは救助活動の充実を図るための救助資機材搭載型車両などを市町村に無償貸し付けいたしまして、それを用いていろいろな事業を実施していただく、こういった予算を計上させていただいております。
 さらに、現在御審議いただいております平成二十五年度当初予算案におきましても、一般会計で二億円を計上し、引き続き各種の事業を実施することに加えまして、新しい事業といたしまして、震災の体験、教訓を伝承するために、被災地の消防団員の皆様を語り部として全国に行っていただいてお話をしていただくというような事業についても展開することといたしております。
 このほか、東日本大震災復興特別会計で一・九億円を計上いたしまして、これは二十三年度補正で行いました二十億円の分と同じような事業でございますけれども、これにつきまして、被災地について、トランシーバーや放射線線量計などの安全確保資機材の整備を促進することといたしております。
 以上でございます。
○黄川田(徹)委員 さまざま予算措置がされておるということでありますけれども、まずもって総務省の予算を見ますと、まず地方交付税が大宗を占めておりまして、それから恩給費はだんだん下がってきておりますけれどもそれでも額としては大きい、それから人件費と、取り除けば、事業費というのは何なんだといえば、テレコムの関係で何百億あるかもしれませんが、あとは消防だということで、平時のときには国家予算の中ではそんなに大きな割合ではないと思っております。しかしながら、大事な予算だと思っております。
 もちろん、消防団だけで国民の生命財産を守ろうなんて、そういう気はありませんし、常備消防の強化であるとか、あるいはまた広域連携であるとか、そういう部分をしっかり取り組んでいかなきゃいけないというのもよくわかる話であります。それから、国でお金を出すということになれば、やはり防災ヘリとか、小さなところでできないところをカバーしてやるという予算措置もあるかもしれませんが、それでもやはり団員一人一人に目くばせをしていただきたいというのは私の心情でありますし、それから、地域にあっては、女性消防協力隊とか、一体となって地域を守る、そういう思いはあるわけであります。
 お金が出せないところには何か別な方法でということで、かつては一次産業に従事していた団員が多かったわけでありますけれども、最近はサラリーマン化ということで、逆に、消防団員を出してくれる企業にはそれ相応の、出してくれるいい企業でありますみたいな、認証といいますか、そういうものをやったりして、何とか地域を守る組織の維持を図っていくことだと思っております。
 いずれ、平時のときには、多分百億か二百億ぐらいで大体査定されてしまう消防予算かと思いますので、今まさに復旧から復興へと、それから、東海、東南海、南海とか、首都直下型も含めてさまざまな大災害が想定される、しっかりと組織を固めていかなきゃならないというところ、それから、繰り返しますけれども、それでもやはり地域の人たちに頑張ってもらうというところもまた大事だと思うわけであります。
 最後に、大臣から、予算の関係だけではなくて、消防にかかわることについて何か御意見があればお伺いいたしたいと思います。
○新藤国務大臣 この間の東日本の大震災は、いろいろな意味で、もう一度日本という国、日本人、それから、その中で行政、そういったものを見直すことになったというふうに思うんです。その意味において、ああいうときに日本人がどれだけの美徳を発揮したか。さらに、そのときに、公務員が本当に一生懸命にやった。それは、自衛隊も警察も消防も消防団も、そういった方々が必死でやった。また、一般の公務員も身を賭して頑張ったわけであります。ですから、そういう全体の奉仕者として頑張ってくれた、こういったことを、ぜひ、しっかりとまた、さらに国民に対してそういった御理解を深めていただけるように、これは必要だと思います。
 消防団はことしは節目の年を迎えておりまして、明治二十七年に開設されてから百二十年を迎えようとしております。ことしの秋には、大きな、そういった一つの式典みたいなものも今考えているわけであります。そして、八十七万人だったと思います。ですから、常備消防の六倍の人員がいらっしゃるわけですね。
 この方々に、安全で、そしてしっかりとした災害活動をやっていただくために、先ほども副大臣からお話しされましたように、安全対策のマニュアルをつくらなければいけない。それから、災害時の対応について、研修等も、さらに今回の教訓も踏まえて深めていきたいというふうに思っています。
 私は、今、坂本副大臣にお願いをして、消防団の増員キャンペーンをできないのかと。実は、かつていた中から、ずっと減っちゃっているんですね。高齢化も進展してまいります。一方で、女性の方ですとか若い方も入っていただいているし、企業側でそういった防災意識の高まりというのもあります。ですから、私としては、ことしは、消防団を、少しでも人員をふやせるようにできないか、こういうことを、今、坂本副大臣に特命としてお願いをして、研究し、消防庁の皆さんともいろいろなことを考えようじゃないか、こういうことを言っているわけであります。
 大前提となる予算の確保も含めて、さらにこれは国土の強靱化につながっていくことにもなるんだと思います。そういう観点からも、しっかりと消防行政を推進させていただきたい、このように考えています。
○黄川田(徹)委員 災害の自助、共助、公助、特に共助に光を当ててください。よろしくお願いします。
 終わります。
○北側委員長 次に、東国原英夫君。
○東国原委員 おはようございます。維新の東国原でございます。
 きょう質問の機会を与えていただきまして、委員長並びに関係各位の方々に厚く御礼を申し上げたいと思います。
 また、きのう、休日だったんですが、時間が間に合わなくて質問を出しまして、役所の方々には大変な御迷惑をおかけしました。この場をかりておわびしたいと思います。
 私、地方自治にちょっと携わっておりまして、地方の自立というのは非常に自分の中で課題だったんですが、維新の価値観が、自立する個人、自立する地方、自立する国家ということでございます。その価値観は恐らく皆さんも共有してくださっているんじゃないかなと思うんですね。所信で総理大臣が、福沢諭吉さんの「学問のすすめ」、一身独立して一国富強するという言葉、まさしくあれじゃないかなと思っているところがあります。でも、自立というのは、一言で言いますけれども、そんなに簡単なことではなくて、特に地方と国の関係というのは。
 人というのは、どうやらお金の出どころを見て仕事をするらしいんですね。私は地方行政にいましたら、国からお金が出るんです。そうすると、国を見て仕事をする傾向にあるんです。市町村は都道府県、そして都道府県は国を見て仕事をする傾向にあります。本当は、お金の出どころは住民の皆さん、国民の皆さんなんですね。そこを見て仕事をしなきゃいけないんじゃないか。どうもそうじゃないですね。制度とか法令がそうなっているから仕方がないということだったのかもしれない。私は、地方行政あるいは地方自治というのをもうちょっと、変えていかなきゃいけないんじゃないかという問題意識を持っておりました。
 例えば、国と地方の役割分担とか、そういったものが言われて久しいんですけれども、なかなかその分担ができていないんですね。
 例えば、この前の所信で、総理大臣が、待機児童について代表質問がありまして、それにお答えになっておりました。待機児童の問題は深刻です、重要なんですが、ただ、本会議で一国の総理が待機児童についてお答えをしているというのは、ちょっと私は違和感を感じたんですね。そういう行政課題というのは、もう地方がやるべきことなんじゃないかなと思います。大切なことなんですけれども、私は地方がやることなんじゃないかなと思っているんです。それが役割分担じゃないかなと思っているんです。
 地方自治、地方分権、そもそも何だろうなということなんですね。なかなか、地方自治とは何ぞやといっても、皆さん余り明確にお答えになれない、一般の国民の皆さん。地方行政とか政治行政をやられた方というのは御案内なんでしょうけれども、なかなかそれができないんですね。教科書なんかを読んでいても全然出てこないです。さらっと地方自治というのが出てくるんですけれども。
 では、地方自治って何なんだ。もう一回、何度も大臣には質問されていると思うんですけれども、地方自治の本旨、この前、予算委員会でも総理も大臣もお答えになっていましたけれども、団体自治と住民自治である、そういうお答えなんですね。団体自治と住民自治である、本旨がですね。そうなんですよ。実際そうなんです。
 でも、この団体自治と住民自治に関しての詳しい記しがないんですよね。団体自治と住民自治って一体何だろうか。これは憲法にも地方自治法にも書かれていないんですよね。これについて大臣はどう定義づけられるのか、お考えなのかというのをお聞かせ願いたい。団体自治と住民自治それぞれについて。
○新藤国務大臣 まさに地方自治の本旨は、法律の逐条解説等において、団体自治と住民自治、こういったものが意味するものである、このように解説をされているわけであります。まさに、その名のとおり、それぞれの地域がみずから治める、これが地方自治であると思います。
 それから、さらに大きな枠を言えば、日本国憲法を定めるに当たって、基本的人権の尊重と国民主権、こういうことが設定されました。あえてそういうものをしっかりと定義づけなければいけない、そういう時代的背景があったんだと思います。ですから、その意味において、それぞれの地域はそれぞれの住民が治められるようにしようではないかと。
 それは当たり前のことなんでありますが、しかし、例えば戦国時代にはそういったことはございませんでしたし、国家として体制を整えていく中で、今私たちはそれを非常に重要なファクターとして、重要な要素として位置づけている、こういうことだと思っています。
○東国原委員 ありがとうございます。
 今大臣の発言に、地方自治、みずから治めると。
 どうも、みずから治めるのではなく、みずから治まると思っていらっしゃる方が多いんですね。これはもともと、ローカルセルフガバメントなんです。他の英語で言うとオートノミーといって、オートノミーというのは自動的にというふうな意味合いがあって、みずから治まるんじゃないかというような解釈もされている。
 私は、大臣おっしゃったように、みずから治めるんだ、自分らの手でこの地方自治は、地方は、地域は支えていくんだという確固たる自立の精神、そういう気持ちが大切だと思っているんです。
 憲法制定のときに、マッカーサーの草案は、ローカルガバメントだったらしいんですね。これは地方政府ということ。それを日本側が、ローカルセルフガバメント、地方自治ということにしたらしいんです。これは、ヨーロッパ自治憲章とかありますので、自治という言葉はあったんでしょうけれども、私は、あのとき、憲法がどうのこうの、マッカーサー草案がどうのこうのは別にして、地方政府とするべきだったんじゃないかなと思うんですね。それがやはり、自主自立というか、地方のことは地方でやるぞというようなメッセージになったんじゃないかなと思っているんです。
 大臣は、総務大臣であられます。地域活性化担当大臣、そして地方分権改革担当大臣、道州制担当大臣も兼ねておられます。そういう観点でこれから質問をさせていただきたいと思います。
 その前に、今おっしゃられた、大臣の定義づけ、これを憲法とか地方自治法に明記するべきなんじゃないかと思っているんです。もちろん教科書にも載せて、子供のころから教育として、地方自治とは何ぞや、地域でどう地域を支えていくのかということを教育上もやらなきゃいけない。そしてまた、憲法等々にも明記しなきゃいけないんじゃないかと思います。
 ちなみに、二〇一二年の自民党のJ―ファイルの日本国憲法改正草案の中に、第八章地方自治、「地方自治の本旨を明らかにするとともに、国及び地方自治体の協力関係を規定。」とあるんですね。これは非常に重要だと思うんですけれども、大臣、これについてお考えをお聞かせください。
○新藤国務大臣 これはよい御指摘だ、このように思います。
 その上で、地方自治の本旨の明確化、これはまず幾つか今まで取り組みがございます。
 第一に、平成十一年の地方分権一括法による改正後の地方自治法、これによりまして、第一条の二で、「地方公共団体に関する制度の策定及び施策の実施に当たつて、地方公共団体の自主性及び自立性が十分に発揮されるようにしなければならない。」こういう規定がなされた。地方自治の本旨の意味内容を豊かにするための努力、これはまず行われたということでございます。
 それから、平成十三年の六月、地方分権推進委員会最終報告書の中でも、地方自治の本旨をさらに一段と豊かに具体化していく必要性が指摘されているということであります。
 今最後に委員が触れていただきました、私ども自民党の憲法改正の草案であります。これはあくまでたたきでありますが、私もこの草案の策定作業にかかわっておりましたけれども、今、第九十二条でありますが、私たちの自由民主党の憲法草案におきましては、「地方自治は、住民の参画を基本とし、住民に身近な行政を自主的、自立的かつ総合的に実施することを旨として行う。」こういう規定を入れさせていただいております。
 いずれにいたしましても、住民自治、自分たちの手で自分たちの地域をきちんと運営し、治めていけるように、そういった形の実現に向けて、これからも取り組みを進めてまいりたい、このように考えます。
○東国原委員 ありがとうございます。
 三月十九日総務委員会、おとといですが、大臣は、今までのやり方を続けていてはいけないと発言をされました。この意味についてお聞かせください。また、今が転換点だとも発言されました。どういう転換点で、これからどうすべきか、こういうことをお聞かせ願えればと思います。
○新藤国務大臣 私は、日本の国の問題点というのがもう整理は大分されてきていると思うんですね。
 戦争が終わって、まずは復興だ。それから復興の後に、万博や新幹線が通りましたけれども、そして、それぞれの地方が頑張って経済成長をなし遂げようではないか、こういうことが行われました。しかし一方で、地方から都市部への人口の移動、それから第一次産業から第二次産業、第三次産業への労働力の移行というのが行われたというふうに思っています。そして、高度経済成長が飽和に達しようとするところで、今度は均衡ある発展をなし遂げようではないか、こういうことになりました。しかし、バブルがはじけて以降、その後の私たちの国の目標というものが明確になっているんだろうか、実は、私はそういう問題意識をずっと持っているんです。
 そして、今の少子高齢化、人口減少、そして都市への集中による都市問題、一方で、地方の過疎化や自立性の弱体化、こういったものが起きていて、これらを総合的に、どのように日本の国を直していかなくてはいけないのか。
 その意味において、これまでのやり方、まずは整備の整っていない地域にひとしくナショナルミニマムとしての社会資本を整備しましょう、これはもう一段落したと思うんです。ですから、今度は、今は地方にはお年寄りがどんどん多くなって、そして、町の中では人はたくさん来るけれども住みづらくなって生活も厳しい、こういう状況を直さなければいけないのは誰もが感じていて、そして、そのために、今の国の政治が飽き足らない、こういう中で政権交代が行われたわけだと思います。そして、試行錯誤の結果、さらにまた政権交代が起きて、立党の原点を見直しつつ、新しい考え方を導入できないか、こういう工夫をしたいということで今我々がここにいるわけであります。
 あらゆる意味で、今までのやり方を続けていては、それは今の状態を維持できるけれども、向上することができないのではないかというのは、国民が皆さんお感じになっているのではないかというふうに思います。
 ちょっと脱線して恐縮ですが、私たち日本は、少なくとも近代になって明確な国家目標を持っていたと思うんです。それは、まず明治維新です。それから、殖産興業でした。そして、戦争が終わった後の戦災復興。それから、経済成長。高度成長でもいいと思います。そして、均衡発展。その先をどうするんだ。これは、私は今、安倍内閣の一員として、また、これから安倍内閣として進めていく中で、この国家目標を明確にみんなで共有できるものを定めようではないか、こういうことを提案しております。
 私たちは、今これだけの景気が悪い中で、世の中が不安の中で、努力している人だらけです。今この御時世に、手を抜いて、今までよりも少しペースダウンして会社経営をしていこうと思っている人は、余りというよりも、多分いません。それから、我々一人一人も、何とかこの状態を打開するために必死の努力を、これまで以上のことをやっていると思うんですね。でも、国力が上がらないのはなぜなんでしょうか。もしかすると、それは、力が間違った方向に向かっているのか。それとも、分散されていて、みんなの努力が一つになっていないから、だから効果を発揮できないんじゃないかとも思っています。
 もちろん、シンプルに一つで解決するわけではないんです。でも、少なくとも、私たち国家、我々の先輩方は、そして国民は、明確な国家目標をその時代その時代で共有していたんです。何を共有すべきかは、幾つかのテーマはもう出てきています。そういったことはヒントがたくさんあるんです。ならば、それを国民が共有するような形が必要だ、このように思うのであります。
 そして、なぜ今が転換点かといえば、これは、このままいったのでは、国は下り坂に行くどころか、もしかしたら崖からおりるように国力が下がる可能性もあります。いっときそういうことがありました。リーマンの後もそうでしたし、その後の世界的な変化に対応して、前政権ではとてもその部分が苦労された、このように思います。
 いまだにその危機は解消されていません。ですから、ここのところで頑張って、もう一度今の目の前の暮らしを立て直しつつ、将来の国の目標を定めて、そこに向かって頑張る体制をつくれるようになるのか、それとも、言いながらもできないで、もがきながらも落ちていってしまうのか、まさにそのタイミングを迎えているとするならば、ここで転換しなくてどうするんだ、こういう思いで私は政治をやらせていただいているつもりであります。
 及びませんが、そういう思いでやらせていただいておりますし、安倍内閣の全閣僚がそうしたことを共有して、安倍総理のもとで私たちはこういう政権を運営していくんだ、こういう思いでございます。
○東国原委員 総理大臣も世界一という言葉をよくお使いになりましたけれども、恐らく、そう言っておられたところが、国家目標、一等国であり続けるというような目標ではないかな。
 恐らく、私も昭和三十二年の生まれなので、大臣と同じ世代だと思うんですけれども、我々のときにはやはり明確な目標があったと思います。政治的には、日米同盟を堅持して、経済にかじを切った時代でした。私は、あの政策は正しかったんじゃないかなと思うんですね。とにかく、戦後の復興から立て直そうじゃないか、世界の一等国を目指そうじゃないかという共通の目標があったような気がします。
 でも、最近、その共通の目標がどうも設定しづらくなってきた。価値観が多様化して、みんなそれぞれの考え方なんですね。これが民主主義だったんでしょうけれども。それをこれから一つにするというのはどうなのかな。午後、NHKなんかの質疑もやらせてもらいますけれども、NHKの紅白歌合戦が、視聴率が八〇%だった時代があって、今はもう四〇パーを切ろうとしていますね。こういうことが時代の象徴じゃないかなと思うんですね。
 ですから、これから国の目標を設定するというのは非常に至難のわざなんですけれども、私は、大臣御指摘の、少子高齢化の中で国力を維持していかなきゃいけないということは非常に重要だと思うんですね。では、そのために限りある資源をどう有効活用しようかという話なんですね。
 だから、国と地方の役割分担というのはまさしくそこで、まあ、今までは経済成長していたので、無駄とかそういうのには、どっちかというと大目に見ていた部分があって、それを、もうそういう時代じゃないよ、パイは限られているよ、それを有効活用、最大化しようよということで、二重行政、三重行政、あるいは二元行政はやめようよということで、今の地方分権化等々の議論が出てきたんじゃないかなと思っているんですね。
 地方が非常に疲弊しているんですよ。国も財政的には非常に逼迫している。きのうの総務省さんの発表で、先ほど大臣も御指摘のように、地方の借金が二百兆を超えるという、とてつもないことになるんですね。
 十九日の中村議員の質問で、北海道庁の予算、公務員給与減額分の交付税を二百四十億減額されたが、これはちょっと僕は聞き取れなかったんですけれども、地域元気臨時交付金かあるいは地域元気づくり事業費か何かの効果で百八十億円の収入が見込め、それがなかったら予算が組めなかったという発言があったんですね。これがまさしく地方財政の状況をつぶさにあらわしていると思うんです。
 この地方財政の逼迫というのはもう限界に近いと思うんですよ。これについて大臣はどうお考えになっているのか、お考えをお聞かせ願えればと思います。
○新藤国務大臣 御指摘のように、国も地方も限界を超えていて、ですから、巨額の財政赤字を抱えている。この財政赤字を縮減しつつ、そういった赤字国債や地方債や臨対債や、借金に頼らない体質をつくらなければならない、それに尽きるわけであります。それには、結局のところ、国、地方あわせた歳出の削減と、それから、やはり歳入をふやしていく努力をしなければいけない。
 私は、前にも申し上げたと思うんですが、税率の負担を上げることと歳入、税収が上がっていくことは別に考えなきゃいけないと思っているんですね。税は、フラット化や、それから過度な負担を一部のところに集中させる、こういったことがあってはならない、中立性や公平性を保ちつつ、それに加えて税の戦略性というものも持つべきだ、私はこう思ってこれまでも税調で活動してきましたけれども、そういう工夫をしなければならない。
 先ほどの例に出していただいた北海道の関係は、今回の元気づくり事業費の充当があるので、それの評価をいただいた。我が意を得たりでありまして、とてもうれしいと思っています。でもしかし、そういう制度がなければ、シンプルに、単に地方のことは全部地方にといって出してしまったら、その財源は地方では持てない財源だと思いますね。
 ですから、理念として、地方の自立が大事であって、独自性と主体性を発揮していただきたい、また、それがあるべき姿だと思い、しかし、それは地域地域によって実情が違うわけであります。ましてや今、少子高齢化、人口減少、この人口減少が極めて私は重い課題だと思っているんですけれども、こういう国情の中で、これはナショナルミニマムとよくお話をいただきますけれども、国民がひとしく、最低限の、標準的なものはサービスを受けられるようにする、このことを担保するのは国の責任であります。
 住民であって国民でない人はいない、国民であって住民でない人はいないのでありまして、ですから、ここは国と地方の密接不可分な状態として考えていこうではないか。どこか一方の何かを削ればどちらかがよくなるというような、そういう対立の関係からの概念では本来の解決にはなっていかないのではないか、私はこのように思っています。
○東国原委員 では、地方の借金が、地方債がこんなにふえたのは何が理由だったとお考えでしょうか、大臣。
○新藤国務大臣 まず、景気の低迷。それから、景気低迷以前にGDPがふえていないんですね。二十年間で我が国のGDPは約七・五%程度の拡大があったわけです。同じ時期のアメリカで二七五%ですから。中国で一八〇〇%です。私たちは今、景気が悪いんだ、それから、内部的な問題を抱えております。でも、もともと国家としてGDPが伸ばせない状態なんですよ。ですから、パイが変わらない中で、必要になればそこにつけるということは、どこかを削らなきゃならない、こういう状態があって、同じ枠の中でやりとりをする限り、本質的な解決にならない、このように私は思っています。
 そして、その上で、何よりも地方財政がここまで逼迫したのは、第一に、地方税や地方交付税、これは税収が上がらないんですから、景気が悪いんですから。そういうことですね。それから逆に、高齢化によって、行政サービスを受けたい、そして我々がそれをサービスしなくてはいけない、こういう社会保障関係費の自然増がある。そして、結局、財源が賄い切れませんので、足りないので臨対債を出す。
 一方で、国も、地方交付税の特例加算をしております。これはやはり赤字国債を発行するわけです。
 ですから、そういう意味で国力が増強しないことが今のこの事態を招いていて、それに対して、何とかこの事態を克服しなきゃいけないという中で、各地方団体が本当に必死で削減努力、行革努力をやっている。国も必死で削減努力をやろう、そういうことではないかと思います。
○東国原委員 さまざまな理由があると思うんですね。でも、九〇年代のあの公共事業の地方負担というのは、やはり最大の要因じゃないかなと思っているところもあるんですね。
 今大臣が特例加算についておっしゃいましたけれども、あれは国の赤字国債なんですよね。ですから、後で質問しますけれども、法定率を上げてその特例加算の部分を減らしていくという考え方というのはできないのかなと思っているんです。まあ、後で質問させていただきます。
 ちょっと飛ばしましたので、副大臣に質問をさせていただきます。
 おととい十九日、坂本副大臣が、地方と都市部の格差が拡大し、地方は疲弊していると発言されました。この意味についてお伺いしたいと思います。
○坂本副大臣 私の選挙区は非常に広い選挙区でございます。熊本市に隣接しているベッドタウンから、北の方は福岡県に隣接しております。阿蘇の方は、宮崎県、そして大分県に隣接をしております。
 やはり、中山間地に行けば行くほど、そして県境に行けば行くほど人口減少が激しい。そして、小中学校の統廃合もやはり年々やっていかなければならない。しかも、やはり高齢化が進んでいる。どういうふうにしてこれから生活をしていくのか、どういう地域にしていくのか、先ほどから話が出ておりますように、なかなか目標なり今後の展開が読めない。やはり、言葉としては、それは疲弊をしている。一方の方で、熊本市に近いベッドタウンの方は、人口増地帯であります。不交付団体のところもあります。
 こういう意味で、やはり、中央と地方、あるいは地方における中央部分と地方部分の格差が拡大している。そして、やはり中山間地、山間地については疲弊をしているということで、そういう表現をいたしたところであります。
○東国原委員 地方が抱える課題は全くそのとおりでございます。では、それをどうにかしていかなきゃいけないというのが、我々がこの場に立って協議あるいは課題解決をしていかなきゃいけないなと思っておるんですが、そのために、維新としては、統治システムを変えて、地方でやることはやろうよ、地方の自主自立、ここにまた回帰するんですけれども、そういうことであります。
 先ほど黄川田委員からも御質問がありました国と地方の税源、財源の割合なんですが、大臣も今、五五対四五であると。国が五五で、四五ですね。これは平成二十二年なんですけれども、国税が五四・七%、地方税が四五・三%ですね。つまり、税収は、おっしゃったように国が五五で地方が四五。国の歳出というのが四一・三%、地方の歳出は五八・七%。つまり、国と地方が四一対五九。平成二十二年です。
 だから、簡単に言うと、先ほどおっしゃったように、税収は国が六、五五対四五で、仕事は、地方が六、国が四ということなんですね。これは逆転しているわけですね。この差額の分が、国が地方をコントロールしているというか、配分している部分なんですね。ここに中央のコントロールというか、中央集権制というのが色濃く出ている部分ではないかなと思うんですね。
 先ほど来議論がありますけれども、地方が自立するためにはこの税配分を、先ほどは五対五とおっしゃっていましたけれども、仕事の量に見合った税配分といったら六対四、地方が六で国が四なんですね。ましてや、これからメガリージョン化して、道州制等々、広域連合化するとしたら、地方に仕事も財源も権限も譲るというような方向で行くのであれば、最終的には三対七、国が三で地方が七、そういったような税源配分にしなきゃいけないんじゃないかなと思うんですけれども、大臣、いかがお考えでしょうか。
○新藤国務大臣 私もここは着目しています。そのために見直しを進めていこう、こういうことをやってきているわけですし、これからもやってまいりたいと思うんです。
 ただ、一点、国と地方の仕事の割合の四対六なんですが、数字は出す必要もないし、申し上げませんけれども、実は、国と地方の四対六の中の地方交付税の分、これは国が経理していますから国税収入に入っているんですけれども、そもそも地方交付税は地方の固有の財源ですから、税のときには地方交付税が国の方に入っちゃっているんですね。そして、歳出のときは、今度は、地方交付税は、国の事業として入っていますから、そうすると、そこの分は、実は、国と地方の本来で言うところの税と仕事の割合となると、今の四五対五五というのはさらにもう少し縮まるんだというのは、私は頭の中には入れているつもりであります。
 そして、今後の税財源の配分を見直していくこと、これは重要だと思います。しかし、大切なのは、今まさに地方交付税が行っております財源の保障と調整機能であります。
 国と地方、今度は地方といっても一律ではありません。それは、人口が集中し税収の豊かなところもあれば、逆のところもあって、それぞれの地方にただ単に財源を、権限を移譲しただけで仕事が成り立つのか、それから、その地域の財政が本当に成り立つのか。そうすると、今度は地域間の調整が必要だということになります。地域間の調整を、同じ並列の同じ権限を持つ地方同士で本当にその調整というのができるんだろうかということが、やはり根本的な課題として我々は研究していかなければいけない。
 だから、地方ができないと言っているんじゃないんですよ。ただ、同じ立場である人たちがまさにどうやってとり合いを決めようかというときに、そういうことをやるために国があるわけであります。
 そして、国が恣意的に国の支配を強めるためになどという考えは、今総務省の中でそんなことを思っている者は一人もいません。私もそんなことはこれっぽっちも思っておりません。むしろ、どうすれば地方の皆さんが満足して、また地方の思いを反映できるような、そういう配分ができるかということに苦心惨たんしているというのが実情であります。だから今のままでいいというのでもありませんよ。でも、実態を本当に変えるためには、そういう詳細な制度設計をしなければいけない。
 そして、手段が目的化したら物事は絶対うまくいかなくなります。手段の目的化は絶対にだめなんです。
 それは、恐縮だけれども、政権交代が目的となった、政権交代というのは手段ですから、それが目的となった政権は極めて大変な思いをされた。
 私、役所の中でも言いますけれども、我が国がIT化を進めようと言いますね。IT化というのは手段なんです。IT化の結果何を達成するのか、その目標をきちんと設定しなければだめだ、こういうこと。
 今の国と地方を語る上で、手段のことについてはいろいろな御提案があって、我々は検討をしていくんです。でも、結局のところは何のためにやるのか、どういう行政を達成させようとするのか、そこの部分をきちんと決めて、それに対する手段をきめ細かくやって総合的にやらない限り、シンプルにここのところを、どこかを一つどかんと変えれば解決するんだというのは、少なくとも私たちは今行政ですから、政を行う部門のここにいる者としては、その責任を果たす上ではより詳細な制度設計や国民的議論が必要だ、私はそう思っています。
○東国原委員 今大臣から交付税についての御答弁がありましたので、質問を飛ばして、ちょっと交付税について議論をさせていただきたいと思います。
 平成二十五年度の地方交付税は十七兆六百二十四億。うち、法定率分が十兆七千九百四十八億円、一般会計における加算措置等が五兆六千百七十六億円、地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金の活用が六千五百億円。折半対象財源不足が七兆二千九十一億円。うち、地方交付税の増額による補填、臨時財政対策特例加算とか交付税一般会計特例加算が三・六兆、臨時財政対策債が三・六兆となっております。
 そのうち、既往法定分一兆二百三十一億円、別枠加算が九千九百億円、臨時財政対策特例加算が三兆六千四十五億円、この部分は、先ほど大臣御指摘のように、赤字国債なんですね。だから、先ほどちょっと申し上げましたけれども、この加算部分にちょっと恣意的な部分とか政策的な部分というのが入り込んでいると思うんですね。
 ですから、先ほど黄川田さんから御指摘があったように、交付税財源不足というのは、地方交付税法第六条の三で、交付税率、法定率の引き上げで対処すべきであるとなっているんですね。ですから、法定率を上げて加算分を少なくしていく、こういうことに対して、大臣、いかがお考えでしょうか。
○新藤国務大臣 この法定率の引き上げについては、総務省としてこれまでも提案をしてまいりましたし、これからも粘り強く引き続き提案をしていきたい、また、政権内でこの必要性が共有できるように努力をしていきたい、このように思っています。
 そして、法定率の引き上げだけで臨対債の発行が抑制されるわけではなくて、根本的に言えば、地方税収がふえて、そして地方財政の健全性が高まれば臨対債を出さずに済むんです。現実に、平成十九年は、税収がきちんと確保できましたので、臨対債は発行しなかったんです。交付税の特例加算もいたしませんでした。ですから、そういう財政の健全化、これも重要な要素である、このように考えています。
○東国原委員 そうなんですね。三月十四日の本会議で、私の国税五税の法定率引き上げで対処すべきという質問に対して、大臣は、まさしく今のとおり、交付税の総額確保については、一般会計からの加算等の対応ではなく、法定率の引き上げにより安定的に確保するという制度本来の運用に戻していくべきと答弁されております。しかし、法定率の引き上げは直ちには困難でありますがと答弁されたんですよ。
 この直ちに困難である理由についてお伺いできればと思います。
○新藤国務大臣 それは、地方の財政を健全化させるために安定的収入を得ようとして、法定率を上げようとしているわけでありますが、パイは同じでありますから、国、地方の税収というのは同じなわけですから、地方の方を上げるということは国の方が逆に穴があくということであって、ですから、国、地方の巨額の財政の赤字状態、この不健全な状態を解消していく中で、国、地方のとり合いを変えていくということをやっていかなくてはならない。これが、今、政権内の共通認識であり、そこで議論が分かれている。
 交付税の法定率を上げるべきか否かということに関しては、我が総務省の要求が事項要求にとどまっていて現実のところまでいかないのはそういう状況が原因だ、このように思います。
○東国原委員 粘り強く主張していきますとか、先ほど来、努力しますとおっしゃっているんですが、現実、法定五税の引き上げというのは無理なんですか。現状、無理かどうか。
○新藤国務大臣 これはテクニカルなことなんでありまして、無理ではありませんと思っています。
 それから、法定五税といったって、最初から全部の五税を見直すということでもないんです。それぞれ引き上げが可能な余地がないですかと、事項要求で言っているのはそういう、まあ事務的なことになりますので、その範囲で聞いていただければいいんですが、現実に、スローガンを上げているだけじゃないんですよ。ここの部分はもう少し上げたらどうなんだというようなこと、それは我々もやっているのであります。
 委員でしたか。政治の世界で検討するとか、これはやっていないのに等しいと言うんですけれども、イエスかノーかで、できるかできないかで物事を決めて、それで責任をとれるものはやります。
 しかし、戦艦大和ではありませんが、これだけの巨大な国を、それは市町村だって同じです。それぞれの市町村、問題を抱えながら今まできちんと動いているわけです。それを実際にきちんと運営をしつつ変えていくというのは、それには不断の検討が必要であって、時間がかかるというのは、何か、提案したことを実現できるだけの環境がつくれなければ、これは絵に描いた餅で終わってしまいます。いっときよくても、その結果として、後、困った人たちが出てくるのでは意味がありません。
 委員もまた、知事をおやりになっていたわけですから、そのときにも恐らく検討という言葉は何回もお使いになったんじゃないか。わかりませんよ、私はね。でも、少なくとも、責任を持って運営するということは、それは不断の、時間をかけての努力というものが必要だ、そのように捉えていただきたいと思いますし、私は、何か話をそらすために検討と言っているのではなくて、やる気がないものは検討とも言いませんから、そこは御理解をいただきたいと思います。
○東国原委員 やる気のないものは何とおっしゃるんですか。
○新藤国務大臣 やる気のないものは検討しますとも言いませんと言ったんです。それは困難ですとか、難しいです、こういう言葉になっていくし、検討するというのは、やはり、やらなければいけない、やりたい、そういった作業を続けていきましょう、こういう意味に捉えていただいた方がいいと思います。
○東国原委員 私も知事時代は、検討するという言葉を本当に再三使いました。検討するということは、だから、自分の中で、そういう検討とか研究、検討はするんだけれども不可能であるということもありますし、検討とか研究というのは、しない、できないというのに等しいなという、まあ全部がそうではないですけれども、多くのものがそうだった。自分の自己体験をもとに発言をさせていただいたんですね。
 ついでに言いますと、答弁なんかでよく、国の動向を注視してとか、国の方針を踏まえてと、国、国、国と言うんですね。あれも、自分の中でじくじたる思いだったんですね。こんなことでいいのだろうかと。だから、自立という話をさせていただいたんです。
 それはおいておいて、先ほどの法定率の上げの話なんですけれども、これは地財計画の大臣折衝の中でおやりになるんじゃないかなと思うんです。財務大臣と総務大臣の大臣折衝の中でこの法定率を上げる上げないの、まあ事務方の問題なんでしょうけれども、そういう話がその大臣折衝の中で実際にあるんですか。
○新藤国務大臣 これは、私も注意深く言葉を使っているつもりなんですが、事項要求は概算要求時点でやります。その中で事務的なやりとりが頻繁に行われます。そして、概算要求で取り上げられなかった事項要求は、それは予算要求に入っていかないんです。財務大臣と総務大臣が最終的な予算折衝をするのは予算要求時点のことでありますから、この法定率の引き上げについて、大臣同士が公というか、直接の正式なそういう場での協議にまでは至っていない、こういう状況だと御理解いただきたいと思います。
○東国原委員 地方の自立性なんですが、地方財政白書によれば、地方公共団体の財源の不均衡を調整し、どの地域においても一定の行政サービスが提供できるように財源を保障する。財源保障、財源調整。
 先ほど、大臣、地方同士で、地方間で水平調整、財源調整はできないんじゃないかというような趣旨のことをおっしゃいましたか。財源調整は、やはりそれは国がするべきことなんだみたいな趣旨。もう一回ちょっと、あの辺について。
○新藤国務大臣 私は、できないとは言っていませんし、思ってもいません。
 ただ、今のままでそれができる、可能な状態になっているんでしょうかというと、やはり、分権にしろ道州制にしろやろうとすると、それに対して少なくとも市長会ですとか町村会からいろいろな心配の声が上がることも事実であります。ですから、簡単に、今の国が悪いから、国の権限さえ、それから人間と財源を移してしまえばそれで解決するんだというふうにはなかなかならないんじゃないでしょうかと。ゼロ、一〇〇ではありません。いろいろな要素があって、しかし、方向性とすれば分権は進めていかなければならない。
 そして、私たちは、自民党は道州制を進めていきたいと思っているわけでありますから、そういう方向は指し示しつつも、なぜそれがすぐできないのかといえば、それはさまざまな問題があって、まだそれの課題の解決に至るどころか、整理をして、そして国民的議論をしなくてはならない、こういう状況が今あるんだというふうに思っています。
○東国原委員 今、権限、財源を移譲してしまえばいいんだ、バラ色なんだみたいなこと。決してそうではないです。大臣の認識と同じなんですね。やはり、受ける地方側の覚悟と責任、これが重要なんですよ。ここなんですね。
 自治体によってやはり温度差があるんですよ。下さい、やります。例えば、僕は九州なんですけれども、九州広域連合というのは、国交省と農水あたりの権限や財源は、出先機関のものは下さいと言っているんです、まだそれに至らないんですけれども。十九日の総務委員会で、中村委員の発言で合併問題の発言がありまして、ある市長さんが、うちは十万人程度でいいんだ、保健所等の社会保障を負担したくないから、県にツケ回ししていた方が楽なんだという趣旨の発言をされたんですね。これなんですよ。こういう自治体があるんです。
 ですから、今大臣が、市町村がどうのこうのと。市町村、特に町村等々が、先ほど私も言いましたけれども、国、国と。やはり国依存体質なんですね。さあ、権限、財源を上げますよと言っても、要らない、仕事がふえる、責任が生じる。そこを何とか変えていかないと。これが一番重要な地方分権と僕は思っているんですね。だから、その地方の覚悟を問うためには、制度的に、何かちょっと無理があっても制度を変えていかなきゃいけないんじゃないかなと思うんですよ。
 例えば交付税なんですけれども、この交付税がやはりどうも、地方からすると仕送りとか援助とかいう意味合いが多いですね、交付税というのは。地方債を出します。それを交付税が担保してくれます。そうすると、財政規律の面、あるいは、これは国が面倒を見てくれるんだから地方債を発行していいじゃないかとか、そういったことになるんですね。
 だから、この交付税からちょっと、荒療治かもしれませんけれども、どうかこの制度を、大臣がおっしゃるように、今のままではいけない、転換点なんだ、大きな転換点だと私も思うんですね。それを踏まえて、この交付税が地方の独立性を奪っているんですね。(発言する者あり)いや、それをやらなきゃいけないというのが今の議論なんですよ。そうしないと地方の自主自立はないということですよ。ですから、交付税は、それは財政保障と財政調整の機能はしていますよ。それはしているけれども、これをずっと続けていっていいのかという話なんです。
 地方公共団体の独立性を強化するものであると書いてあるんですね。地方自治の本旨に資するとともに、地方公共団体の独立性を強化するものであるということなんですよ、交付税は。本当に独立性を強化しているのかということをちょっとお伺いしたいんですけれども。
○新藤国務大臣 これは制度論だけでは解決できない、このように思います。
 地方交付税は必要であって、いまだにそれは機能していて、それによってナショナルミニマムが達成されている。これは紛れもない事実だと思います。しかし、その地方交付税をめぐるさまざまな課題があって、それは交付税の算定の仕方だとか、そういうのも累次にわたって変えてきているわけであります。
 ですから、委員のおっしゃるように、制度を思い切って変える、これも重要だと思います。その制度を思い切って変える場合には、それによってもきちんとしたナショナルミニマムが維持できる、そして、現状よりもよくなる自治体、全部の自治体がそうなるんだ、こういう状況、環境をつくらなければ、これはなかなかそこに踏み込めませんね。ですから、例えば特区のようにしてみたり、どこかでテスト的にやってみたり、そういったことをしながら進めてきているわけなんであります。
 でも、何よりも、今おっしゃられますように、地方自治体の皆さんが国を向いていて、そして、仕事がふえるのは嫌だ、国から面倒を見てもらえばいい、私はそういうふうに思っているとは考えていません。そうではなくて、多分地方の本音は、今人が減っているんだよ、うちの町に越してくる人がいないんだよ、そしてサービスしなきゃいけなくて、職員だってこれから維持できるのは大変かもしれない、こういう状況の中で、やってください、これをどうぞ差し上げますと言っても、それはうちでは賄い切れないという、自分たちの責任を果たせるかどうかという責任感からそういうお話をされることもあるかもしれません。でも、何よりも、国から何か面倒を見てもらえばいいや、それが望ましいと思っている人は誰もいないと思います。
 それは企業も同じで、企業活動も、立派な会社、しっかりとしている会社は、大きい小さいにかかわらず、国から金を出してもらおうなんて思っている会社は、自分でどんどんとやってしまっている会社は、そんなことは思いませんよ。俺は一生懸命働いて国に貢献するんだ、税金で貢献するんだ、こういうふうに言ってくれる会社はありますけれども。
 ですから、補助金や補助制度がないと維持できない、そういう状態を改善しなきゃいけないというのが本質的な解決だと思うんですね。ですから、私は、地域の活性化とか地方分権というのがそこにかかわってくるわけなんでありますけれども、今の状態を変えつつ、それぞれの町でどうやったら自立、自治が図られるのか。それは一つのやり方では進まないと思います。それぞれの地域に合った、地理性や歴史性や文化性、そして現状の環境、こういったものをそれぞれの町なりの工夫をして自分たちが自立できる、そういう町の経営を実現させなければいけないと思っているんです。
 私が今ここで地域の元気創造本部を立ち上げましたのは、そういうそれぞれのまちづくりを幾つかのカテゴリーでアシストできるような、そういう幾つかのパターンをつくって、全国の市町村に参考にしてもらいながら、それぞれの地域でそれぞれの独自のまちづくりが展開できるように、そして、それは国からの依存それから借金、そういったものからの脱却の一助になればと思って、そういう取り組みも進めているところでございます。
○東国原委員 地方、基礎自治体を含めて、都道府県、地方団体が、国からお金をもらえる、交付税とか補助金等々に依存している、国からお金をもらえばいいやと思っている自治体はないと大臣今おっしゃいました。それはちょっと認識不足だと思いますよ。
 国からお金をもらえるから自治体運営ができるんだと、国に依存している自治体というのは結構あります。そうじゃないモチベーションを持った自治体もありますが、どうせこれは国から補助金が出るんだ、交付税措置されるんだということで、国におんぶにだっことは言いませんけれども、そういう依存体質の自治体はあります。確実にあります。そういう自治体ばかりじゃないですよ。その温度差があることが私は問題だというんですね。隣の自治体は一生懸命自立しよう、自主自立していこうと。でも、こっちは依存していこうというような自治体もあるんですね。混在しているんですよ、それがこの国に。それをどうにかしなきゃいけないんじゃないか。
 先ほど、大臣からナショナルミニマムの話が出ました。その前に、私の質問で大臣はこうおっしゃいました。この時点でナショナルミニマムはある程度達成された、変えていかなきゃいけないと。そういうことなんですよ。ある程度達成されたんです、本当に今。やはりこれまでの政治行政がよかったんじゃないかなと思うんですけれども。
 ですから、その現状認識に立つならば、経済基盤のある自治体で交付税に依存する必要がないように、地方税源の充実がなされるべきではないかと思うんですね。できるだけ不交付団体をふやして。そうはいってもやはり交付税に頼らなきゃいけない自治体はあります。でも、不交付団体をだんだん多くする、その努力というのは必要じゃないか。だから、そのためにも地方税の拡充とか強化が必要だと思うんです。分権化というのはそういうことだと思うんです。
 国に依存、国による支配から脱却をして、地方の一層の自立を可能とするような仕組みに変えていかなきゃいけない転換点なんですね。大きく変えていかなければいけないと思うんですが、それについてどうお考えでしょうか。
○新藤国務大臣 まず、委員と見解が違っているわけですが、国に依存して、国がやってくれるんだからそれでいいやと、そこに甘んじていようと思っている自治体は、私はないと信じています。また、そういう地方に対して信頼のないままで、地方に分権などを進められるわけがありません。そのような程度のことである自治体が現存するならば、そういう状態でそこの自治体にさらなる権限、財源を移譲して、やってくれといったって、我々はそれは責任を持てないし、そんなことを望んでいる人は誰もいない、こういうことになりますから。
 実態として、そういうお気持ちは、そういう発言があるかないかは私は申し上げません。しかし、各町、特に自治体の人たちは物すごい努力をして、もがきながらも、何とかやろう、こういうことをおやりになっているわけでありまして、そこは、私は総務大臣としても、自治体の皆さんの努力というのは前向きに、また大いに敬意を持って評価をしているということで、改めて申し上げたいと思います。
 そして、地方の税財源の拡充というのは、今ある制度を拡充することも重要です。しかし、本来、その税率や制度の中で自治が確立できない原因は何かといえば、自治体の財政を健全化させるなら、まず第一に、市民、住民の一人当たりの所得が高くなれば、当然、今のままの税率でも税収は上がりますね。それから、その地域に存在する法人が利益体質を強化して、そして企業の体質が強化することになれば、それによる法人税収も、地方の分も含めて入ってまいりますよ。
 それから、何よりも、町が社会減の状態になってしまっている。人口動態が社会減の状態で幾ら税財源を移譲しても、もともとの担い手である人が少なくなっている町では、私は、それを埋めるためのものになれば、これは制度の改善を超える範囲になってしまうと思います。
 ですから、委員と私ども、維新の会も、また各党、みんな同じだと思うんですけれども、結局、つまるところ、その地域の自立を果たすためには、そこの地域で活躍する人をふやさなければならないわけですよ。それが移動してしまっていて偏在しているところに、しかも、その見込みがなかなか立たずに、サービスを受けたい人がふえる町がどんどんふえてしまっていて、全体の住民は減っていて、そこに住んでいる人はサービスを求めている人がふえている状態、この地域の実情を変えていかなければ、私は解決にならないと。
 ですから、そういう努力をしつつ、制度的な改変は必要に応じてできるところからやっていかなければならないし、時には思い切ったことも必要だろうと思いますが、総体的に、やはり、この日本の国と日本に住む人たちが、自分はこの日本の国に生まれてよかった、そしてこの町に住んでいてよかった、この町にずっと住んでいたい、こういうふうに思ってくれる人、そういうふうに思う人をふやしていくのが我々政治の務めだと思っています。
○東国原委員 おっしゃるとおりです。この町に住んでみたい、この町に住んでよかった。
 でも、最近、この町に住めないという方が多くて、人口減を招いている。人口減と高齢化、限界集落という言葉はちょっと不適切かもしれませんが、それについても質問したかったんですけれども。
 大臣おっしゃったように、やはり地域の活性化というのは、僕は人材づくり、人づくりだと思います。そこで活躍する人をどうやってやる気にさせるか。景気も気、今アベノミクスで非常に気、気持ちが高ぶっているんですけれども、あれがやはり基本だと思うんですね。そのやる気にするということをやはり政治、行政はやっていかなきゃいけない。そのためには、制度がそれを阻止しないとか、足を引っ張らない。制度が今足を引っ張っている部分をやはり多少散見するので、私はそれをちょっと指摘したいと思っているんです。
 今後もそういった視点で議論させていただきたいと思いますので、よろしくどうぞお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○北側委員長 次に、佐藤正夫君。
○佐藤(正)委員 みんなの党の佐藤正夫でございます。
 今の議論を聞いていますと、やはり何かを変えないといけないときがまさに来たんだということだと思います。そういう意味では、自民党も道州制、みんなの党も道州制、維新さんもそうですが、一つの目的に向かって一緒に頑張っていきたい、このように思います。
 それでは、皆さんに今資料を配付させていただいておりますが、資料にも基づきながら質問をさせていただきたいと思います。
 せんだっての総務委員会でも私は話をさせていただきましたが、地方税のいわゆる徴収業務に向かって、各団体も一生懸命頑張っております。そこで、私のふるさとであります福岡県がどういう取り組みをやったのかなというのを少し、今資料を配付させていただいています。
 福岡県というところは、二つの政令市を抱えた、五百万人を超える大きな都市でありますが、その中で地方税の徴収をやる、それぞれの能力を生かしてお互いに協力し合ってやろうということで、県、両政令市含め、各市町村、徴収に向かって、それぞれの得意分野で協力をしながら徴収業務をやっております。
 こういう事例もありますが、総務省においても全国各地を網羅されておりますので、こういう事例でいい結果が出ているよというようなところがあれば、ぜひお示ししていただいて、そしていいものはどんどん褒める、これがまさにやる気が起きる要因だと思いますので、そういうものがあれば、ちょっとお示ししていただきたいと思います。
    〔委員長退席、伊藤(渉)委員長代理着席〕
○株丹政府参考人 事例ということでございますので、事務的に少し御紹介させていただきたいと思います。
 今委員から御指摘ございましたように、地方税は地方自治を支える基本的な財源でございます。さらに、それぞれの地方団体で取り組みを進めてございます。
 取り組みの中はいろいろございまして、例えばでございますが、制度的に徴収の方法を多様化する。これは、地方税の方がむしろ国税よりも進んでいる面がございますけれども、クレジットカードで納めていただく、それからコンビニで納めることができるようにする、こういうものがございます。
 それから、徴収それ自体について新しい手法を取り入れていく。卑近な例かもしれませんけれども、自動車税を納めていただかないときに、昔はレッカー車で移動するというようなことをやってございましたけれども、最近は、むしろその場で動かないようにするような機材を用いて納税を慫慂する、こういうこともやらせていただいております。
 さらに、今御指摘ございましたのは、地方団体が共同してともに取り組んでいくということでございます。私ども、ただいま申し上げましたような取り組みを含めまして、毎年、全団体、どのようなことをしているか調査をさせていただいております。その中に、共同で組織化をするというもの、制度的にきちんとしたといいましょうか、法的な枠組みで、一部事務組合、広域連合、これは十五の取り組みがございます。
 今御指摘ありましたのは任意的な取り組みで、必ずしも十分私ども承知していないところがありますが、今後はそういう部分も含めましてよく調査をし、さらにフィードバックもさせていただきたいというふうに思います。
○佐藤(正)委員 頑張っているんですよね、各団体は。
 そして、先ほどの地方分権の話もありましたけれども、実は、地方はかなり努力して、いろいろな知恵を絞っている。ですから、地方に期待をしていただきたいと思いますよ。と同時に、これをやらないと、こういう地方の努力を認めてやることによって、地方がやる気を持って、そして、先ほど言った地方分権、道州制に向かっても、どうぞ御心配されずに地方に税の調整機能は任せていただければ、できるようになりますよ。そのことをまず一点。
 それからまた、それでもなかなか、景気が悪くなると、税金も一遍にぼっと取れない。それで、いろいろな地方でも努力をされて、法的には二年間の猶予というふうになっていますけれども、それでもなかなか取れない。そういう中でも徴収を、二年を少し延ばしてやろうとか、地方はそれぞれやっているんですが、本来これは法的には二年というふうになっていますけれども、こういった事例について、地方税法上の何か問題点があるのかないのか、お尋ねをしたいと思います。
    〔伊藤(渉)委員長代理退席、委員長着席〕
○株丹政府参考人 お答えいたします。
 税は、それぞれ課税をいたしました後に、いつまでに納めていただくというのはあらかじめ決まってございます。ただ、御指摘ございましたように、納税をされる方について、いろいろな御事情があるという場合もございます。
 そこで、地方税法の場合でいきますと、十五条という総則の関係の規定がございますけれども、その中で、納税者の方が災害あるいは病気などによりまして一時的に納税をすることができないという場合においては、まず、一定期間徴収を猶予するという規定がございます。さらに、同じ条文でございますけれども、適宜分割をして納付をすることを妨げないという規定もございます。さらに、その先、例外的な場合についてはもう一年、トータルで二年いわば待って、その間に分割をして納付をいただく、こういう法的な根拠がございます。
 法的にはこういうことでございますので、その期間を過ぎますれば、基本的には滞納という状況に移るわけでございますけれども、それぞれの地方団体において適宜適切に徴収、あるいは、その方の事情に応じて、場合によっては減免というようなことも含めて対応させていただいているというふうに理解をしてございます。
 トータルでの滞納の状況等は、毎年、これは当然各議会にも御報告されるわけでございますが、私どもの方でもデータを頂戴して取りまとめをさせていただいております。
○佐藤(正)委員 実際、徴収業務は大変だと思いますね。徴収できない方はそれぞれいろいろな理由があるんでしょうけれども、大体、払わない方は払わないですね。大体固まってくる。となると、そこにまた徴収業務で行く。実は、もう相当の労力。費用対効果を考えたら、本当に無駄がたくさんある。そういうことも指摘しながら、また、地方の税務の方を担当されている、徴収業務で一生懸命頑張っている方々に心から敬意を表したい、このように思います。
 今申し上げたように、本当に地方は、血のにじむような税収確保に頑張っています。ただ、景気が悪いのでなかなかふえない。先ほどの大臣の答弁でも、景気が上がって地方の収入が上がる、企業ももうかる、給料も上がる、とすれば、当然、地方税も上がりますよ。ところが、今、現状そうではないということも事実です。と同時に、こういう状況で、今のままでいいのかというのが道州制の議論に発展していっているわけですから、そこはぜひ、先ほどの東さんの話ではありませんけれども、思い切った仕組みを変えるときが来たと私は思っております。
 それで、今回の、今議会やこの総務委員会でも、地方交付税の議論が至るところで出ました。とりわけ臨財債については、自民党の委員さんの方からも、そして私も、ほかの方々も、同じような質問が出たんですよね。臨財債は誰の借金なんだ、臨財債は本当に返してもらえるのかな、こういうのはもう各党派から出たんですね。臨財債、もともと折半ルールで、基本的に地方なんですよとなっているのに、これはどっちの借金なんですか、こんな質問が出ているわけですよ、現実として。
 そこで、総務大臣、なぜこんな質問が出ると思われますか。
○新藤国務大臣 これは想定でございますけれども、やはり、そういうような声が全国であるんだろうと思います。ですから、議員が地元に戻り、自治体関係者やそういう人たちと話をするときに、そのような危惧というか話が出ている、だからそれを確認しなければいけないと。
 恐らく、自民党の議員からも御質問いただきましたけれども、御質問された御本人はわかっているわけですね、制度として。しかし、町の中で、それがそうでもないんじゃないかとか、もしかしたら戻ってこなくなると大変だとか、そういうような心配があるので、そういうことが質問となって来ているのではないか、このように思います。
○佐藤(正)委員 基本的に、臨財債というのは、借金で借金を返していって、地方自治体は、返すときになったら臨財債で来るから、実は中身が一緒なんですね。ところが、地方交付税というのは膨らんだ形には見えるんですね。これが、現実に使えるお金となると違ってきているという状況があるんです。
 先ほどの質問でもありましたけれども、実は、平成六年に、いわゆる景気対策でどうも、公共工事、投資をやってよ、それは裏を見てあげるからということから、随分お金を使っちゃったんですね。それで、その借金がやはりどんどん地方は膨らんだ。だから、地方のモラルハザードができたのはそこら辺から。いわゆる借金してでも返してもらえるんだから。これが実は地方の大きな勘違いというか間違いだった。ところが、ぱっと後ろを向いてみたら、あらら、こんなになっちゃったよと。そこで、それまでは国がいわゆる借金をしていただいていたわけですね。ところが、これがこのままずっといくと、平成六年からずっと延ばしていくと、平成十三年ぐらいになると、うわ、これは大変だ、もう五十兆円を超えるぞ、だから、ここでちょっと切りかえなきゃといって出てきたのが、実は臨財債。これが臨財債の正体ですよね。そこで、その臨財債を発行しつつ来たんですけれども、先ほど私、佐藤が言ったように、自転車操業になっている。
 ここに、例えば、鳥取県知事の片山さんが取り組んできた改革の本がいろいろあるんですね。この方もたしか総務大臣をやられたんじゃなかったですかね。ここに臨財債のことが書いてあるんですよ。何て書いてあるかというと、鳥取県の臨財債発行額は、二〇〇一年、最初、九十九億円、それからだんだん膨らんでいって、何と二〇〇四年には二百八十三億円になりました。その返済は、最初、六億円から始まっていって、最後、五十九億円まで返済が臨財債で戻ってきて、こういう状況になってきて、おいおい、これは大丈夫かということになったんですね。その中身は、先ほど私が言ったように、結局自転車操業をやっている。
 これは、今国会の中でも私言いましたけれども、交付税が地方をコントロールしている、これはある意味では否めないですよ、財源がないんですから、そこで補填するわけですから。
 ところが、国がやっている、コントロールをやっている地方交付税が、実はもう自転車操業になっていて立ち行かなくなってきた。今年度でこの臨財債も終わる。では来年どうしようか。先ほどもいろいろな議論がありましたけれども、民主党の方からも言われましたけれども、それにかわるものというのは何かあるのかな、みんなそういう思い。しかも、地方もそうなってきた。そして国がこれだけ大きな借金があって、地方も二百兆円。だから、本当にとめられたらどうしようかというのが地方の生の声なんです。
 そういう意味もあって、いろいろな党派を超えて地方を代表してきた各委員がお聞きしているんですよ。大丈夫なんだろうか、これが僕は本当の声だと思っています。だから、今の状況でやっていけないことは間違いない。できない。
 そこで、先ほどの東委員の話に戻るわけですけれども、法定五税の法定率を上げて、いわゆる臨財債を減して、そして、その分追加の部分で国でやった方が結局トータル変わらないんじゃないか、借金は借金なんだということだろうと思います。
 レクを聞いたところによると、平成六年から十三年度に変えたときは、なぜ変えたのかというと、地方の借金が見える化するために変えたんだ、臨時財政債にすれば地方はこれだけ借金があるとわかるでしょう、これが国の本音なんでしょうね。ところが、地方はそれはなかなか理解できなかった。必ず返していただけるものだ、こう思っているのも事実。ここが物すごく今地方と国との思い違いがぶつかり合っている現状でありますので、これも、総務大臣、ぜひこれから各地方に行ったときにはしっかりとまた説明もしていただかなきゃならないし、逆に言ったら、地方からすれば、返せない、裏づけがないんだから。おまえら頑張れと言った方が地方は頑張るかもしれませんよ。そこを私はまず指摘させておきたいと思います。
 ですから、本会議でも申し上げたように、もう地方は本当に自立をしなきゃならないときが来た、もう国にお任せするときではない、だから、調整にしても何にしても地方がやるんだ、また、逆に言ったら、国が、それぐらいやれよということを言わないといけないときが来たと思っています。
 ですから、地域主権型道州制、人、物、お金をしっかりと国から地方に移譲する、そういう道州制をぜひ実現させていただきたいと思いますし、お互いにその方向に向かってやりたいと思いますが、大臣、どうですか。
○新藤国務大臣 まず、地方交付税によって国が地方を支配しているというような御発言がありましたけれども、私は一概にはそうとは思っておりません。
 大体において、地方交付税の算定基準というのは法定のものであります。これは、国にかわって、機関委任事務ですとか、法律に基づいて教育や社会保障を行ってください、行いましょう、こういうものに基づいて大半のものは算定していますから、これは裁量の余地で、よし、ここにはたくさんつけてあげようとか、そういう世界ではないんですね、もともとが。
 そして、だから、国が一度預かった中から法定率によって地方の財源として使っていただく。地方の財源だけでも経理をやっている。そこには、それぞれの地域の偏在性があるものだから、それを調整しましょうと。しかも、国税でお預かりすることによって、財源も保障する、こういう段取りになっているわけですから、私は、物事はゼロ、一〇〇ではありませんので、委員のおっしゃる、そういった部分が、感情的な部分において、また受け取る側において、そういったものがあることも否定はいたしませんけれども、制度自体はそうではないし、ましてや、今、この国、その交付税を預かる総務省は、私以下、そういったことでこの地域を自分たちの思いどおりにとかなんというような気持ちでやっている人は一人もいない、このように信じております。
 その上で、その臨財債を、やはりこれは地方の責任なんですよということで明確に交付税の加算とは分けたのは、今委員がおっしゃったような、そういう責任を持っていただく、それから明確にしよう、こういうことだと思っています。
 なので、そういったことを含めつつ、道州制が一つで、その道州制を入れるといったときにどういう道州制にするのかが問題だし、道州制を入れたときの日本の国家統治、運営はどうしたらいいのかも含めてやらなければいけないことでありますから、これは何度も申しますけれども、精緻な議論、それから国民的な議論が必要である、それぞれの立場での議論が必要なんだと思いますが、私は、その道州制を担当する大臣でございますし、これはぜひ一歩ずつ前に進めていきたい、このように考えています。
○佐藤(正)委員 臨財債でやった分は、実は財政需要額に入っているんですね。だから、必ずそこで返ってくるんですよ。
 せんだっての委員会でも質問があったように、その財源、ちゃんとまた充ててくれますかと自民党の議員がお尋ねをしました。間違いなく充てますよ、いわゆる財政需要額で見ていきますよということですから、返ってくる、そういうことなんです。
 次に移りたいと思いますが、平成二十五年度総務省所管分のこういう明細書をいただいています。皆さんもいただいていると思います。これをずっと一項目ずつ目を通してみたんですね。
 そこで、実は資料にも挙げてあるとは思うんですが、国家公務員共済組合負担金という内訳があります。たしか載っている、出ていると思います。裏を返してもらえばあると思いますが、この中で、長期負担金、追加費用というのがあるんですね。
 長期負担金というのは、いわゆる共済年金の負担部分。国が事業主に当たりますから、当然二分の一の負担は行う。民間の言葉で長期負担金とかいう言葉が出ないので、なかなかわかりにくいので、私が聞いてみたらそういうことでした。
 では、追加費用というのは何なのか。追加費用というのは、工事を請け負って、追加代金が出たから追加費用なのかな、普通、国民はそう思うんですよね。
 そこで、ちょっとお尋ねしたいんですけれども、この追加費用というのは何を意味するんですか。
○坂本副大臣 昭和三十四年十月までは、公務員の年金は、いわゆる恩給と言っておりました。国が全て負担をしておりました。それ以降は、国家公務員共済法ができまして、国家公務員の、いわゆる年金ということになりました。
 ですから、追加費用といいますのは、恩給と言っていた時代に採用されて、そのまま法改正を経て、新しい年金、国家公務員の年金制度に移ったということで、昭和三十四年十月以前の恩給公務員期間を有する職員に支給される共済年金に係る負担金のことであります。
 そういうことで、平成二十五年度の総務省の一般会計の総務省本省分の追加費用は、二十億五千七百五十七万円ということで計上をいたしております。算出の基礎となりましたのは標準報酬額の総額、これは財務省の協力によって算出しているわけですけれども、四百七十三億八千六百五十二万円を基礎として、そして総務省分を算出しております。
 ですから、恩給と言っていた時代と新しい国家公務員の年金の時代の、国の方の負担の、さかのぼって負担をしなければならない部分が追加費用ということになっております。
○佐藤(正)委員 要は、国が昭和三十四年、地方は昭和三十七年、いわゆる恩給から年金に変えた。そのときに、それまでは掛金を払っていませんから、その掛金を払っていない方々に年金を払うために負担をしなきゃならない。そのお金が、実は、国、地方を合わせて、何と一兆円以上のお金が毎年払われているんですね。しかも、これは誰が払っているか。副大臣、これは誰が払っているんですか。
○坂本副大臣 予算上は国であります。
○佐藤(正)委員 国民が払っているんですよ。納税者が払っている。そこをしっかりと明確にしていただきたいんですよね。しかも、一兆円を超える。このお金が、毎年、毎年、昭和三十四年ですから、もう何年たつんでしょうか。五十三年。五十三年たっても一兆円を超えるお金が、国民がいまだに負担をしているということなんです。余りよく知られていないのではないかと思いますが、これは地方も同じですよ。地方も同じ制度になっています。
 そこで、最近どうも、この追加費用についても、年金支給額についても、見直しをやろうという声が上がっているようにも聞いております。ぜひこういう一兆円以上を超えるこのお金については、先ほど来から総務大臣が言われるように、国、地方をあわせて大変苦しい思いをしている。あのJALも、企業再生をするときに、年金についていろいろな騒動がありましたよ。しかし、そこは、再建するために年金についてはこれぐらい削減してくれといって、今やすばらしい会社に戻ってまいりました。日本を再生する上においても、こういう追加費用たるものをしっかりと議論させていただかなきゃならないときが来たと思っておりますので、大臣、その点はしっかりこれから検討をしていただきたいと思います。
 そこで、時間が余りありませんので、次に、先日私が総務委員会の場で、現役出向はどういう団体に行っていますかという御質問をさせていただいたところ、四つの団体があると。独法の情報通信、平和祈念、郵便貯金・簡易生命保険、それから統計センターというところに現役出向、行かれています、こういうお答えをいただきました。
 そこで、ちょっとこれをまた見てみたんですね。では、こういう団体にどれぐらいのお金がどう行っているのかなと見てみたら、これはもう本当にびっくりしますよね。二百億円を超えるお金がぽこっと、ぱっと載っているだけなんですよ。これで、このお金がどうなんだ、こうなんだと予算を審議しようと思っても、こんなのではよくわからない。
 そこで、一番大きな運営交付金について、少し中身を教えていただけませんか。
○坂本副大臣 平成二十五年度におきます独法の情報通信研究機構の運営交付金の予算案は、約二百八十七億円であります。その内訳は、事業費が約二百七十一億円、それから一般管理費が二十二億円であります。
 それから、独法の統計センターの運営費交付金の予算案は、約七十六億円であります。その内訳は、人件費、これは八百人分でありますけれども、約六十三億円、業務経費が約十一億円、一般管理費が約三億円となっております。
 郵便貯金・簡易生命保険管理機構につきましては、運営費交付金は要求しておりません。なお、同機構の運営費につきましては、保険契約者からお預かりした保険料の運用益等から支出をされております。
 平和祈念事業特別基金につきましては、平成二十五年の四月一日で解散をするということになっております。
○佐藤(正)委員 もっと詳しく、中を含めて質問したいんですけれども、時間がないんですね。
 本当に何百億円というお金、何兆円というお金が、平気でぼんぼんぼんぼん飛んでいますけれども、すごいお金ですよ、国民から見たら。もっとしっかりとした資料をこれから出していただきたいと思います。
 次に、この資料の中で、独立行政法人統計センターというのにも現役出向で行っていますが、と同時に、この理事長さん、戸谷さんでよろしいんでしょうか。この方は総務省出身なんですよね。この方は天下りとはいわないんでしょうか。どうなんでしょうか。
○新藤国務大臣 独法の統計センターの理事長、これは、平成二十三年の四月に、公募により採用いたしました。そして、公募においては、外部の有識者から成る選考委員会が設立されて、十五名が応募ということであります。大規模組織の運営経験、組織統率力、判断力、業務遂行能力等の基準によって、書類選考と面接によって理事長が選任された、このようになっております。
○佐藤(正)委員 公募といいながら、再任用ですよ。国民から見たら、皆さん、どうなんでしょうかね。これが、再任用されるのに公募で決まっちゃいましたというのは、本当に納得できるかどうか。
 次に行きたいと思います。
 そして、総務省の管轄の中で一般社団法人電波産業会という団体があります。これも資料をつけておりますが、その資料を見ていただければ、総務大臣指定電波有効利用促進センターという位置づけ、認定をいただいているんですね。ここの中を見てみますと、もう時間がないのでちょっと端折りますけれども、ここに天下りと見える、天下りと言っていいのではないかなと思いますが、やはり総務省関係の方が行かれています。
 そこで、もう時間が余りないので申しわけないんですが、この電波産業会というのは、総務省がそういう指定をするとどういう役割になるんですかね。簡単にちょっと言っていただければ。どういう役割があるのか。
○新藤国務大臣 電波有効利用促進センター、これについては、無線局の開設、周波数の指定の変更、そういったものに当たり、照会、相談業務を行う、こういうことでございます。
○佐藤(正)委員 こういう促進センターというのは、何カ所も指定されているんですかね。
○新藤国務大臣 一カ所であります。
○佐藤(正)委員 独占なんですよ、皆さん。一カ所だけ。何か不思議ですよね。そして、その一カ所しか指定されていないところに総務省の関係が、OBが行っているんです。
 そこで、実は、孫正義さんがここの理事に入ったときに、その理事会で実は問題にしたことがあるんです。これも資料に載せてありますよ。ちょっと見ていただければと思います。
 退職金の問題でもめたんですよ、理事会で。どういうもめ方をしたかというと、これまでの退職金よりも三割ぐらいアップしよう、そして、何と六千万退職金を上げよう。もう官僚で退職金をもらっているのに、何を考えているんだよ。そして、孫さんが私と同じような感情になったんですよ。冗談じゃない、おかしいぞと。結局それは否決をされたんですけれども、現実には四千万円余の退職金が出るという仕組み。まさに国民から見れば、増税、増税、そして復興増税までやられる、いまだにこういうことが起きているのかというのが真実なんです。
 もう時間がありませんので、また後日、こういう問題については取り扱っていきたいと思いますが、ぜひしっかりと監視委員会さんも頑張っていただきたい、このように思います。それを述べまして、もう時間がありませんので、質問にかえさせていただきます。
 ありがとうございました。
○北側委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 きょうは、被災者支援、復興の問題について質問をいたします。
 東日本大震災から二年であります。被災者の生活となりわいの再建なしに復興はあり得ません。被災者の住宅再建なしに生活再建もありません。住民が住み続けるようにするためには、住宅再建が欠かせません。
 安倍総理は、三月七日に行われました東日本大震災の復興推進会議の場で、復興を加速させ、震災後三年目となる次の冬は希望を持って迎えていただかなければならない、被災地の方々が一日も早くもとの生活に戻れるよう全力を尽くしたいと述べております。
 そこで、大臣にお尋ねいたしますが、ここで総理も述べておられるような、被災地の方々が一日も早くもとの生活に戻れるようにするためにも住宅再建は欠かせません。被災者の住宅再建にとって大きな障害となっているのが、個人負担が大きい、この問題だと思いますが、大臣としてのお考えをお聞かせください。
○新藤国務大臣 まさに私も復興担当大臣である、というよりも、今この日本の政権は復興担当の政権だ、こういうことであると思いますし、私も、数を何とかと言うつもりはありませんが、折々で直接、被災地の皆さんとは触れております。また、何度かボランティアを募って一緒に現地に行って、向こうでいろいろな支援もさせていただきました。以来、友達になって、被災地の人たちとのおつき合いも続いております。ですから、あれだけの被害に遭いながら、前を向いて頑張ろう、こういう東北の人たちの思い、同じ日本人として同胞の思いに応えるべきことが政治の務めであり国家の務めだ、このように思っています。
 しかし現状では、未曽有の災害であって、しかも数十年かけてつくられていた町が一瞬にして壊れ、そして流されてしまったわけでありますから、これの復興が並大抵のものでない。そういう中で、むしろ被災直後よりもさらに苦しみが増している場合もあると思います。精神的にはその方が、また別の意味でのつらい思いをされている方もいらっしゃると思うんです。
 ですから、あらゆる手段を見直して、今までの、前政権がやっていただいたことに加えて、さらにそれを加速するための手だてを考えなければいけない。
 特に、今御指摘いただきました住宅再建はかなめであります。自分の住む場所すら確保できないまま生活を立て直すことは、これは極めて至難のわざだというふうに思います。
 ですから、そういうことの支援を私たちもやりたいと思っていますし、特に今回は、今まで対象でありませんでした災害危険区域の区域外における住宅の移転についても制度として支援の対象にさせていただきましたし、それから、これはどなたでもおっしゃることなのでありますが、土地のかさ上げを見ることができなかったわけですね、今までの政府では。ですから、そこを私どもは工夫して、総務省だからできたと思いますが、地方自治体の支援に総務省が支援するという形で、新たな支援スキームもつくらせていただきました。
 ですから、とにかく住民の皆さんに、住宅再建が可能となるように、あわせて、やはり生活再建が必要だと思います。被災地において暮らしていく、もしくは自分の生活をどのように再建していくか、そのことがきちんと立てられるように、我々はいろいろな支援をさらに考えなければいけないのではないか、このように思っています。
○塩川委員 住宅再建に支援が必要、新たな支援策もこの間行ってきているというお話でありました。
 そういう点で、これまでの国の支援策がどうなっているのかについて、ただしていきたいと思っています。
 政府は、東日本大震災の復興推進会議において、復興交付金の運用の柔軟化の方針を決定いたしました。そこで、使い勝手のよい、自由度の高い交付金としての復興交付金、及びその復興交付金の各基幹事業と関連し、復興のためのハード、ソフト事業を実施可能とする、使途の緩やかな資金としての効果促進事業の活用、この点についてお聞きします。
 現在、復興まちづくりの根幹をなす五事業については、幅広い関連事業が存在することから、交付手続を簡素化するために、事業実施主体である市町村に対して、効果促進事業等の予算の一定割合を先渡し、一括配分をしております。
 そこで、谷復興担当副大臣にお尋ねいたしますが、この一括配分した効果促進事業の配分総額及び使途が決まっている額が幾らとなっているのか、この点についてお答えください。
○谷副大臣 お答えいたします。
 今委員御指摘のように、交付金の四十事業のうち、面的な整備の五事業については二〇%の一括配分を行っております。二月末時点において、復興交付金で一括配分された効果促進事業の配分額は約一千百七十億円でございまして、使途が決まっているものは約九十億円でございます。
○塩川委員 一括配分の額が一千百七十億円、使途が決まっているものは九十億円ということで、一割にもならないわけであります。
 効果促進事業の一括配分の額が大きい自治体に直接聞いてまいりました。一括配分額とその使途実績額を確認しますと、例えば、陸前高田市は約九十億円の一括配分に対し使途実績が一億一千六百万円、大槌町は七十四億円に対して五億四千三百万円、山田町は八十三億円に対して一億円、仙台市は百十二億円に対し五千五百万円、石巻市は七十三億円に対し一億七千七百万円、気仙沼市は百八億円に対し七億四千九百万円、百億円前後の配分がされているにもかかわらず、一億円前後しか使われていないというのが実態であります。ほとんど使われておりません。
 もともと効果促進事業は、基幹事業と関連し、復興のためのハード、ソフト事業を実施可能とする使途の緩やかな資金のはずであります。しかも、交付手続を簡素化し、一定割合の先渡しを行って、自治体にとって使いやすいように配慮しているはずなのに、使われておりません。
 一千億円を超える配分がされているのに活用されていない、この現状は極めておかしいんじゃないかと思うんですが、その点についてはいかがですか。
○谷副大臣 一千百七十億円の配分で、現在使途が決まっているのが九十億円、大変低い状況にあるということは仰せのとおりであります。
 しかし、これは事業の進捗もあわせて考えなければならないと思います。例えば一括配分でも、宮城県の石巻、大変、三千名以上の方が亡くなられましたけれども、突出して被害の大きい、また、さまざまな復興事業も山積しておりますけれども、まだ一括配分の額はそんなに多くない、そこまで進んでいない、そういう状況にあるということが一つです。
 それで、この仕組みをもっと被災自治体の自主性を重んじて変えなければならないということで、先般、この一括配分も、より使い勝手がいいように、今まではネガティブリストというのが三つあって、役場の人件費とか市役所の経常的な経費はだめよ、あるいは既に補助制度のあるものについてはだめですよ、三つ目に、専ら法人とか個人の負担軽減とか資産形成に資するものはだめですよと。
 この三つ以外に、こういうものはいいよというポジティブリストというのもありましたけれども、それをなくしました。なくして、自治体の自主性を、ネガティブリスト以外は創意工夫で使える、そういうふうに大きく仕組みを変えましたので、事業の進捗、そして制度の相当思い切った弾力化によって、今後、一括配分した効果促進事業について、被災自治体によるさらなる活用ということが大いに期待できるのではないか、私はそのように考えております。
○塩川委員 効果促進事業について、自治体の自主性を重んじた、そういう改善策を行った。そういう点では、今、ポジティブリストで示していたものを、それに縛られることはないんだよということで、あくまでもそれは例示だということを踏まえた、そういう運用の柔軟性を持たせるという話がありました。
 確かに、公共などへの活用の自由度の向上も必要ですから、そういう取り組みに使えるようなことを求めていくことが必要であります。そもそも現状で十分使えないから、自治体の側からはもっと取り組みが進むように柔軟に対応してもらいたいという要望があったからこその改善策ということだと思います。
 ただ、幾らまちづくりを整備しても、肝心の被災者の方の住まいができなければ復興にはなりません。そういう点でも、被災者の住宅再建に資するような支援にこそ効果促進事業の活用が図られるべきだと考えます。
 ネガティブリストの話もされたんですけれども、私、本気で復興を考えるのであれば、まちづくりの根幹である、人が住み続けるということを整える上でも、住宅再建に踏み込むべきだ、効果促進事業も使えるようにすべきだと考えます。
 例えば、仙台市は丘陵地の造成を行ったところが崩れる。盛り土造成宅地の崩落に対して、こういう被害の復旧支援事業として東日本大震災被災宅地復旧工事助成金制度、こういうものを一昨年もう既につくりました。その際に、こういう市としての独自の事業について効果促進事業が使えないかというふうに要望を出したんですけれども、残念ながら、そのときには国の方からだめだと言われたということであります。
 今回の効果促進事業の見直しによって、仙台市などが計画をしていた造成宅地に対する復旧への支援、こういう事業というのも効果促進事業で行えるようになるんでしょうか。
○谷副大臣 効果促進事業は、使途は広げました、相当広げました。しかし、先ほど御答弁させていただきましたように、ネガティブリストというのは廃止したわけではありません。
 市役所の人件費、経常的な光熱水費に使ってもらったり、あるいは公債費の償還に使ってもらう、これは勘弁してください。また、既にほかの補助制度があるものに使うというのも勘弁してください。それから、今御質問の住宅ということについては、個人とか法人の資産形成のための事業。
 住宅については、今さら私が申すまでもなく、塩川委員十分御存じのように、住宅再建の支援制度というのがございます。平成十年にできて、今アッパー、最大限三百万円です。そういう制度があるということも十分踏まえた対応も必要だと思っておりますので、現在のところ、ネガティブリストに該当し、それへの使途というのはいかがなものかなという考え方でございます。
○塩川委員 ネガティブリストを廃止したわけではないと。専ら個人、法人の資産形成に資するようなものはだめという話ですけれども、専らというのがついているわけです。
 要するに、個人の資産形成に資する、そういうものはだめという話ですけれども、実際には、被災者の皆さんというのは、何もこれによって資産が実際にふえるというよりは、マイナスの生活なんです。それをせめてゼロにしてあげようじゃないか、そういうことに対して公的な支援を行うというのは、これは国民的な合意がある話なんじゃないのか。だから、そういう住宅再建につながるような支援に公費を充てるということに何ら制限を設ける必要がないのではないのか。
 こういうネガティブリスト、特に、専ら個人の資産形成に資するものはだめ、こういったものについて、改めて見直す必要がある。逆に言うと、住宅の再建というのは、まちづくり、復興という観点でいえば公益性があるわけです。公益性、公共性があります。そういう被災地域の維持、再建という公益性の観点で柔軟に効果促進事業の活用を図る、これこそ今必要なんじゃないかと思うんですが、重ねてお尋ねします。
○谷副大臣 先ほど御答弁させていただきましたように、専ら個人、法人の負担軽減や資産形成に資するものはいかがなものかなという基本的な考え方は堅持すべきだと思います。
 それで、専らというのをどう解釈するかということは、それは若干幅があるかもわかりません。しかし、この原則を崩してしまうと被災者生活支援制度は一体何なのかということにも行き着いてまいります。
 もともと、被災者生活支援制度は、国が全額持つ制度ではありません、全国の都道府県と国が一対一で持つ制度でございますので、そういう全国知事会の意向、それから他のいろいろな制度、例えば、災害弔慰金は、世帯主が亡くなった場合五百万円でございますけれども、そういうこととのバランス、将来の国、自治体の財政負担、そういったこともあわせて今後検討していかなければならない、そういうふうに思っております。
○塩川委員 復興交付金も地方の負担というのがあるわけです。ただ、それは、被災地が甚大な被害を受けているという点では、被災自治体の負担をゼロにしようという立場で震災復興特別交付税で手当てをするという、特別な対応をしているというのが現状であります。
 そういう点でいっても、地方が自主的に事業を行う際にそれをしっかりとサポートするといったときに、私は、この復興交付金、そして効果促進事業のスキームを使って、被災自治体が住宅再建あるいは宅地の再建に資するような、そういう支援策を行うというのを大いに背中を押すということこそ本来国がやるべき仕事なんじゃないでしょうか。
 被災者生活再建支援制度の話もありましたけれども、もともと鳥取西部地震の際に、当時の鳥取県が五百万円で住宅再建を支援する制度をつくりました。それというのは、中山間地で被害を受けた、そういう地域で人が住み続けなければ、中山間地そのものを維持することができないじゃないか。だから、そこに住まいを確保することに公的な支援を行うということがまさに公共性、公益性があるという観点でスタートした。そういう流れというのがあるわけであります。
 そういう点でも、私、踏み込んだ取り組みとして、復興交付金または効果促進事業を行うということであったわけですから、やはり人が住まなければ復興まちづくりはあり得ませんから、こういう点でも活用を積極的に図る、これこそ求められている。新藤大臣、いかがですか。
○新藤国務大臣 今の話が、被災地の皆さんの切実な御要望だというふうに思います。それは住宅だけじゃないんですね。商店街も、それから工場も、これは、共同事業ならば制度がありますが、単体で何かをやろうとすると支援措置がなかなか厳しくなっちゃうんですね。商店街といっても、では七つ、八つの商店があった中で、例えば二つ、三つは共同でやるけれども、まだ私たちはそこまでいかないよ、こういう人たちもいるわけで、そこでまた取り扱いが別になってしまうんです。
 それから、委員も御承知だと思いますけれども、今の仮設の商店街はまさに仮設であって、本設商店街に移行しなきゃならないんですね。そのときの支援をどうするかというのは極めて大きな問題なんです。ですから、いろいろな工夫をしていきたいと思っています。
 今の住宅再建の話は、委員がいみじくもおっしゃいましたが、仙台では、仙台市の独自の助成金としてこういったものを出していますね。私はここに着目したわけです。ですから、自治体が独自に支援するものに対しては総務省がお世話できる部分が出てきます。
 ですから、例えば今の、仙台市で、自治体がそういうことをやっているのであれば、既に我々の方で出しておりますけれども、復興基金です。一回出しました。この復興基金は自由にお使いできるんです。ですから、自治体が自分の判断でこの復興基金の活用というものをお考えいただくならば、我々は制度の範疇で支援をできる、こういうこともあるというのは御承知おきいただきたいと思います。
○塩川委員 復興基金について、実際に、二十三年度に交付され、配分されています。執行状況を見ても、多分、総務省としても把握されているのは二十四年度の当初予算までのところだと思うんですよね。それで見れば確かに一部かもしれませんけれども、しかし、その後に活用されている例というのもふえておりますし、さらに言えば、例えば宮城県で三十五の市町村に配分されていますけれども、そのうち十二はもう既に五割超えているんですよ。十六の市町村で四割超えているんです。ですから、活用しているところは大いに活用しているんです。
 ただ、被害が大きいところではどうするかという全体像も検討中ということで、その段取りが進んでいないだけで、復興基金をふやすということをはっきり示すということが、本来の意味で被災地、被災自治体の支援策を具体化する、そういう力につながると思うんですが、その点について、いかがですか。
○新藤国務大臣 これは、思いは同じものがあります。ただ、制度としてどう運用していくかというと、この復興基金は、震災復興の特別交付税をつくる前に、まず千九百六十億円でありますが、積み立てました。それは、地域の実情に応じて、住民生活安定、コミュニティーの再生、それから地域経済の振興、雇用、いわゆるきめ細やかな事業も含めて、どうぞ自治体の実情に応じてお使いください、こういう制度であります。
 しかし、その基金は必要に応じて使われつつあるわけでありますけれども、今もう二年たちまして、今度は、自治体が自由に何でもということもありますけれども、具体的な財政需要というのが明らかになってきております。ですから、我々は、被災団体への財政措置としては、具体的な財政需要に応じた補助制度、それから、今、震災復興特交というのがありますから、そういう措置を充実させていこうという方向で取り組んでおるわけであります。
 ですから、復興基金をまず活用していただく。その上で、今度は、具体的に財政需要が生じた、その実情に応じて、復興特交も含めて、さまざまな要求に対して、我々としても、必要性、また、お手伝いにどういうことができるか検討していきたい、このように考えています。
○塩川委員 最後に、被災者生活再建支援金の増額の問題です。
 今、谷副大臣もお答えになったように、上限三百万円というふうになっているわけですが、実際、この間の支援策を見ると、国や自治体にとってみると、さまざまな線引きになって、被災者の負担軽減策について、市町村でも結構差が出ているような状況があります。私は、全体の底上げの上でも、被災者生活再建支援金の増額こそ必要だと考えています。
 そういう点でも、自民党は、野党時代に、緊急提言という形で、被災者生活再建支援金五百万円の増額というのを提案しているわけです。ですから、本会議でもお聞きしましたけれども、政権についたというのであれば、ぜひこの五百万円の増額というのをやっていただきたい。
 その点では、亀岡内閣府の担当大臣政務官と、あわせて谷副大臣も、この間、野党時代は中心で頑張ってこられたわけですから、一言コメントをいただいて、質問を終わりにします。
○北側委員長 簡潔に御答弁よろしくお願いいたします。
○亀岡大臣政務官 済みません、塩川先生はもう御存じだと思いますけれども、平成十年に議論されて、十一年から被災者生活再建支援法ができまして、百万円ということが決まったわけですけれども、平成十六年に、法改正によりまして、百万円という性質が、被災者の当座の生活資金に充てるための生活経費として支払われたわけですけれども、それプラス住宅再建の初期費用としてローン関係経費など居住関係経費として最大二百万円、合計して三百万円支払うことが決まりました。
 さらに、平成十九年には、年収、年齢要件を撤廃した上で、生活関係経費を基礎支援金として、居住関係経費を加算支援金として、見舞金的な性格を有するものとして申請をさせていただくことになりました。
 確かに、いろいろな議論があるんですけれども……
○北側委員長 時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いいたします。
○亀岡大臣政務官 これは補償するためのものではなくて、見舞金という性質の関係上、どうしても、バランス、国、地方の財政負担などを勘案して慎重に検討させていただかなければいけないということを十分考えておりますので、その辺を検討させていただきたいと思います。
 よろしくお願いします。
○谷副大臣 現行の三百万円が十分だとは思っておりません。ですから、あくまでも、その額なり内容を含めて、今後とも充実するように努力していく、その姿勢は変わりはございません。
○塩川委員 終わります。
○北側委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○北側委員長 これより両案を一括して討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。塩川鉄也君。
○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、地方税法改正案及び地方交付税等改正法案に対する反対討論を行います。
 まず、地方税法改正案についてです。
 東日本大震災からの復興支援として、津波被災区域における固定資産税や都市計画税の課税免除等の延長や延滞金の引き下げなどは、当然の措置であります。
 しかしながら、金融税制の一体化として、現行の上場株式等の配当・譲渡所得に対する損益通算特例を債券、公社債等の利子益、譲渡所得にも拡大することは、多くの金融資産を保有する資産家ほど税制面での恩恵を受けるものであります。資産家、富裕層への優遇策の拡大であり、反対であります。
 また、国際バルク戦略港の荷さばき施設等に対する固定資産税等の軽減措置の対象となるのは大手の荷主や商社などであり、十分な担税力を持つこれらの大企業に従来型の税制優遇策を拡大する必要はありません。
 次に、地方交付税法等改正案についてです。
 東日本大震災の被災地の復旧復興、被災者の生活となりわいの再建のために、震災復興特別交付税の増額とその有効な活用は当然であります。
 しかし、来年度の地方財政計画の最大の問題は、社会保障費の自然増分の支出として約五千五百億円を見込むとしながら、地方への一般財源総額を前年度並みに抑え込んだことであります。政府は、生活保護、地方公務員人件費などの適正化、見直しを重点化に挙げ、地方公務員の給与や生活保護費などの社会保障関係費の大幅な削減を狙っているのであります。
 とりわけ、国家公務員給与の削減分七・八%と同様の地方公務員給与の削減を前提に、一律の削減をかけて地方交付税の引き下げ算定をしていることは前代未聞のやり方であり、しかも、条例の提出や給与削減の実施など地方自治体の取り組み状況を調査、公表するとし、さらに新藤総務大臣は、給与削減をしない地方自治体に対して、特別交付税の削減などでのペナルティー措置についても否定はしていないのであります。
 地方の固有の財源を勝手な基準で削減し、地方自治体の給与決定にも手を出す、こうした強要のやり方は、きっぱりとやめるべきです。
 全国で住民生活を支え、被災自治体でも懸命に奮闘する地方公務員の生計費を乱暴なやり方で削るのは間違いであり、政府が唱えるデフレ不況脱却にも逆行するものであります。
 以上を述べて、反対討論といたします。
○北側委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○北側委員長 これより両案について順次採決に入ります。
 まず、地方税法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○北側委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○北側委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○北側委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
○北側委員長 次に、地方自治及び地方税財政に関する件について調査を進めます。
 この際、山口泰明君外五名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、日本維新の会、公明党及びみんなの党の五派共同提案による地方税財政基盤の早期確立及び東日本大震災への対応に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。徳田毅君。
○徳田委員 ただいま議題となりました決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。
    地方税財政基盤の早期確立及び東日本大震災への対応に関する件(案)
  現下の厳しい経済環境の下において地方の疲弊が極めて深刻であり、デフレから早急に脱却し、日本経済の再生を図るためにも地方の経済財政基盤の再構築が急務であることに鑑み、政府は次の諸点について措置すべきである。
 一 地方交付税については、本来の役割である財源調整機能と財源保障機能が十分発揮できるよう、引き続き、地方税等と併せ地方公共団体の安定的な財政運営に必要な総額の充実確保を図るとともに、法定率の引上げを含めた抜本的な見直しを検討し、特例措置に依存しない持続可能な制度の確立を目指すこと。
 二 地方税については、地方財政の自主性・自立性を確立するとともに、今後見込まれる地方の社会保障給付の費用の増加などに適切に対応できる、税源の偏在度が小さく、安定的で充実した財源の確保を可能とする地方税制の構築を図ること。また、地方税収の減収が生ずる地方税制の見直しを行う場合には、適切な財源補填措置を講ずるとともに、税負担軽減措置等の創設や拡充に当たっては、真に地域経済や住民生活に寄与するものに限られるよう、慎重な対処を行うこと。
 三 巨額の借入金に係る元利償還が地方公共団体の財政運営を圧迫し、諸施策の実施を制約しかねない状況にあることに鑑み、計画的に地方財政の健全化を進めるとともに、臨時財政対策債をはじめ、累積する地方債の元利償還については、将来において地方公共団体の財政運営に支障が生ずることのないよう、万全の財源措置を講ずること。
 四 地方財政計画において、本年七月から地方公務員の給与について国家公務員の臨時特例的な給与減額支給措置に準じた措置がとられることを前提とした歳出額の計上が行われていることに関しては、地方公務員の給与は各地方公共団体が地方公務員法の規定に基づき自ら決定するものであることを基本として対処すること。また、地方公務員の給与制度及びその運用については、地方の意見を十分反映させるよう努めること。
 五 地方債制度及びその運用については、平成二十四年度から導入された民間資金に係る地方債届出制度の運用状況を踏まえ、財政基盤が脆弱な市町村に対しては、地方公共団体金融機構の機動的な活用を含め、公的資金の確保と適切な配分に最大限の配慮を行うなど、地方債の円滑な発行と流通、保有の安全性の確保を図ること。
 六 地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金の今後の活用については、活用額が当初想定していた額に達していること及び金融政策の変更に伴う長期金利の変動も想定されることを踏まえ、十分慎重に判断するとともに、これを行う場合も、機構の財産が地方公共団体の寄与により形成されたという経緯を踏まえ、機構及び地方公共団体の意見を尊重して行うこと。
 七 東日本大震災に係る復旧・復興対策については、被災団体の意向を十分に踏まえ、国、地方の連携の下、機動的・弾力的な対応が図られるよう、引き続き、万全を期すこと。特に、震災復興特別交付税については、復旧・復興事業の実施等に伴う財政需要の動向に応じ所要額の確実な確保を図るとともに、適時適切な交付に努めること。
  右決議する。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○北側委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○北側委員長 起立多数。よって、本動議のとおり、地方税財政基盤の早期確立及び東日本大震災への対応に関する件を本委員会の決議とするに決しました。
 この際、総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。新藤総務大臣。
○新藤国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○北側委員長 お諮りいたします。
 ただいまの決議についての議長に対する報告及び関係当局への参考送付の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○北側委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○北側委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、審査に入ります。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件審査のため、本日、参考人として日本放送協会の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○北側委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、お諮りいたします。
 本件審査のため、本日、政府参考人として総務省情報流通行政局長吉崎正弘君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○北側委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○北側委員長 まず、趣旨の説明を聴取いたします。新藤総務大臣。
    ―――――――――――――
 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○新藤国務大臣 日本放送協会の平成二十五年度の収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第七十条第二項の規定に基づき、総務大臣の意見を付して国会に提出するものであります。
 まず、収支予算について、その概要を御説明申し上げます。
 一般勘定事業収支につきましては、事業収入、事業支出がともに六千四百七十九億円となっております。
 一般勘定資本収支につきましては、資本収入、資本支出がともに七百十四億円となっております。
 次に、事業計画につきましては、平成二十四年十月より実施された受信料の値下げによる減収が見込まれる中、増収に向けた取り組みや経営の効率化により、収支均衡に向けて取り組むこととなっております。
 総務大臣といたしましては、この収支予算等について、おおむね妥当なものと認められるとした上で、その収支予算等の実施に当たっては、受信料を負担する国民・視聴者に対するサービスの低下を招かないよう配慮するとともに、経営改革の推進や新しいメディア環境への対応、大規模災害に備えた公共放送の機能の強靱化等の点に特に配意すべきであると意見を付しております。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
○北側委員長 次に、補足説明を聴取いたします。日本放送協会会長松本正之君。
○松本参考人 ただいま議題となっております日本放送協会の平成二十五年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして御説明申し上げます。
 平成二十五年度は、三カ年経営計画の二年目として、公共、信頼、創造・未来、改革・活力の四つの重点事項を引き続き着実に実施してまいります。
 昨年八月に東海・東南海・南海地震の被害想定が見直されたことを踏まえまして、いかなる災害時にも対応できるよう、安全、安心を守るための公共放送の機能強化を一層拡充します。あわせて、東日本大震災からの復興を支援いたします。また、確かなニュースや世界に通用する質の高い番組、日本や地域の発展につながる放送を充実するとともに、世界に向けた情報発信を強化いたします。さらには、放送と通信の連携が一層進展する時代において、スーパーハイビジョンやハイブリッドキャストなど新たなサービスを開発いたします。
 協会の主たる財源であります受信料については、二十四年十月からの値下げが一年を通して実施されるため、減収影響が大きくなりますが、契約の増加による増収と経費の節減による支出の抑制に全力で取り組んでまいります。
 次に、建設計画においては、災害時に備えた公共放送の機能強化のための放送設備の整備を一層進めるとともに、安定的な放送サービスを継続するための設備更新等を実施いたします。
 以上の事業計画に対応する収支予算は、一般勘定の事業収支におきまして、受信料などの収入六千四百七十九億円、国内放送費などの支出六千四百七十九億円を計上し、収入の範囲内で支出を賄う予算としております。
 また、資本収支は、収入として、減価償却資金など総額七百十四億三千万円を計上し、支出には、建設費七百十四億三千万円を計上いたしております。
 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に基づいて、資金の需要及び調達を見込んだものでございます。
 以上、平成二十五年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、そのあらましを申し述べました。事業計画の一つ一つの施策を着実に実行し、視聴者の皆様の期待に応えていく所存でございます。
 委員各位の御理解と御支援をお願いし、あわせて、何とぞよろしく御審議の上、御承認賜りますようお願い申し上げます。
○北側委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○北側委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山口泰明君。
○山口(泰)委員 自民党の山口泰明です。
 NHK予算に関連いたしまして質問するわけでございますけれども、我が党も、昨年の総選挙で百十九名の新人が当選をさせていただきました。その人たちの質問する機会も早く与えなければいけませんので、親心で、私は一問のみ質問をさせていただきたいと思います。
 第二次安倍政権も、発足をいたしまして本日で八十六日でございます。おかげさまで七〇%という高い内閣支持率であります。本日おられる新藤総務大臣を筆頭に閣僚の皆様が御努力をされているのはもちろんでありますけれども、安倍総理自身が、円高、デフレ不況の中、この国を取り戻すんだと強い信念で、経済、外交、教育等あらゆる分野で、みずからが先頭を切って強いリーダーシップを発揮していることが今日の結果になっているのではないかと思います。
 松本会長も、JR東海からNHK会長に就任をされて、はや二年が過ぎました。就任間もなく東日本大震災が発生し、昼夜を分かたず放送を続けることに非常に苦心されたと伺っております。また、昨年十月には、NHKの歴史上初めてと言ってよい受信料の値下げも決断をされました。さらに、今回、給与制度の見直しにも着手し、人件費の抑制にも抜本的に取り組まれると聞いております。民間経営で培った経験と知恵を活用されながら、安倍総理と同様に強いリーダーシップで事業運営を進めていただきたいと思います。
 ところで、ことしは、技術面も含め、NHKにとっては大転換期の年だと私は思います。このような状況の中、一万人トップの会長としてどのようなお考えで改革を進めていくのか、お伺いをしたいと思います。
○松本参考人 お答え申し上げます。
 就任から二年たちまして、やはり、放送法に明記をされました公平公正など、公共放送の原点に立脚するということを基本姿勢として取り組みを進めまして、今年度からの三カ年計画にお示ししております。
 この中では、四つの柱がございまして、公共、信頼、創造・未来、改革・活力。公共は、公共の福祉に貢献する、そして災害に強い、頼りになる公共放送として役割を果たす。信頼は、放送そのものの信頼、そして職員の対応を通じて視聴者の皆様の信頼を得ること。創造・未来は、スーパーハイビジョン、放送と通信の連携など、新しい時代への公共放送の存在感を示す。改革・活力は、効率的な経営、営業改革、そして活気ある職場づくりということに取り組みます。
 こうして新しい時代への転換を図りまして、安定的、持続的な組織へと改革を進めまして、日本における公共放送としての役割、存在感をきちっと確立させていきたいというふうに考えます。
○山口(泰)委員 ぜひ、山本五十六さんの精神で頑張っていただきたいと思います。ありがとうございました。
○北側委員長 次に、田中良生君。
○田中(良)委員 自民党の田中良生でございます。
 NHK予算の質疑に当たりまして、日本放送協会松本会長にお伺いをいたしたいと思います。
 まずは、NHKテレビ放送六十周年、おめでとうございます。くしくも、あす、三月二十二日は放送記念日に当たるわけであります。戦後の復興から高度成長期、この六十年間、NHKが放送を通じて多くの国民に夢、希望、そして勇気を与え続けてきたものと私は考えております。
 また、時代が変わった今でも、東日本大震災のときに、公共放送として大きな役割を担ってまいりました。今後とも、NHKは、公共の福祉に寄与する基幹放送として、被災者に寄り添った放送をもって東北の復興に貢献されることを期待するものであります。
 さて、それでは、質問に移りたいと思います。
 まずは、二年前の東日本大震災、それを教訓にした今後の放送や通信の体制についてお伺いしたいと思います。
 今週十八日の月曜日に、政府より、南海トラフの巨大地震に関する被害推計が公表されたところであります。それによりますと、インフラの損壊も、被害額にして約二百二十兆にも上るということであります。
 NHKは、これらを受けまして、放送設備の見直し、こうしたものを図っていくのか、また、いかなる災害時においても公共放送としての役割を果たせるように体制の強化を図っていくおつもりなのか、松本会長にお伺いしたいと思います。
○松本参考人 お答え申し上げます。
 NHKの公共放送としての役割の最も根幹のものは、こういう災害時にきちっとした役割を果たすことであるというふうに思っております。特に、三・一一のあの災害を受けまして、そのように深く決意したところであります。
 そこで、今回の予算でも、経費の節減という形でかなり圧縮をしたわけですが、災害については、必要なものは拡充、前倒しをしようという努力をいたしました。
 南海トラフ巨大地震等を想定いたしまして、例えば、津波の被害が予想される放送局は高台に取材拠点を設ける。あるいは、電源設備も、下にあるものを屋上に持ってくる。あるいは、沿川、沿岸のロボットカメラ、こういうものを増設し、かつ、太陽光あるいは風、そういうものを使ってエネルギーを蓄積する。そういうような対応をいたしております。
 また、首都直下地震、大停電で東京渋谷のセンターがもし万が一傷んだときに、この機能を大阪でやる、あるいは大阪でない場合は福岡でやる、そして取材拠点は埼玉とか首都圏の中心で代替する、そういうような手配をいたしております。
 その設備的な増強と同時に、やはり、設備をいかに生かすかというのは人であります。その人に対する訓練、それから、特別な場合に編成を組んですぐ出られるような、いわゆる機動隊的なもの、そういうものを含めて体制をとっております。
 そういうことで、先ほどお話ありました、いかなる災害時にも役割を果たすということをやってまいりたい、こういうふうに思っております。
○田中(良)委員 ありがとうございます。
 私は、もう一点危惧しているところがあります。このような深刻な被害想定が南海トラフではあるわけであります。その中で危惧している点、それは、やはり情報が錯綜することによって社会の混乱を招くということであります。
 震災時における迅速かつ正確な情報、これは重要なライフラインであると私は思っております。正確な情報を得ることによって、人が落ちついた行動をとることができるということであります。東日本大震災以上と言われますこの南海トラフ巨大地震、これに対応するには、何といっても人心の安定がより重要だと思っております。NHKに関しましては、国民の期待に応え、そして国民の生命財産を守る上でも、今後とも、盤石な報道体制を構築していっていただきたいと思います。
 それでは次に、もう一点、NHKの国際放送についてお伺いしたいと思います。
 いわゆるアベノミクス、三本目の矢においては、成長戦略として、クール・ジャパンというものの海外輸出を掲げております。私は、日本が発信するメディアは、有能な外交官、そうした一面を持っていると思っております。国際展開するメディアは日本の国益追求の手段として有効である、ソフトパワーの充実というものをぜひとも図っていくべきであろうと私は考えるものであります。そのソフトパワー外交としての国際放送について御質問させていただきます。
 NHKのワールドTVやワールドプレミアムは、衛星放送やケーブルテレビ、またIPテレビなどを通じて、世界各国に視聴世帯が今拡大しつつあるということを聞いております。各国の反応ですとか普及状況などの現状、そして国際放送の具体的な将来展望を、松本会長にお聞きしたいと思います。
○松本参考人 お答えいたします。
 国際発信力の強化ということにつきましては、現在の三カ年計画の中の重要な柱の一つということで掲げております。特に、英語のテレビ国際放送、ワールドTV、この充実に注力をいたしております。
 NHKの国際放送については、ここ四、五年、急速に強化されてきているというふうに思います。例えば、二十四時間の英語放送、これを世界各地にお届けしておりますし、また、二十四年度は、ニューヨーク周辺、それからミャンマーでもサービスを開始いたしております。世界の視聴可能な世帯は約二億五千万世帯。BBCが三億数千万と言われておりますので、それに近づいた。これも最近で倍増しているというところでございます。二十五年度は、オーストラリア、アフリカ、カナダなどを重点に位置づけまして、よりきめ細かな受信環境の整備に取り組んでまいります。
 また、インターネットでNHKワールドTVをライブストリーミングでするということで、NHKで専用アプリを開発いたしました。そして、それを無償で提供するという形でダウンロードできる、そういうことをやっておりまして、ネット環境さえあれば、いつでもどこでもごらんいただける環境を整えたところでございます。
 内容面では、英語ニュース、NEWSLINEを、今十五分サイズの時間帯があるんですが、これを三十分サイズに倍増いたします。それから、日本の産業とかあるいは観光、そういうようなところについても番組を新設、多くいたしまして、ラインナップをそろえるというふうにいたしております。
 NHKは日本の唯一の国際放送機関という自覚、責任というものを持ちまして、そして信頼される国際チャンネルとして認知されるよう、内容の一層の充実に努めてまいりたいというふうに思います。
○田中(良)委員 ありがとうございます。
 私は、NHKは将来的に、BBCですとかCNNに並ぶ豊富なコンテンツ、そして世界各地で視聴される、日の丸を背負った放送局として成り立っていただきたいと願っております。
 また、政府としても、国際理解あるいは国際交流を促進していくためにも、外国人向けの国際放送の拡充に力を注いでいくべきであろうと思います。そういった取り組みがソフトパワーとしての日本の力に必ずなり得る。そのためにも、政府主導で、民間を巻き込んだ、ソフトですとかハード面、両方兼ね備えた国家戦略的な放送、これをぜひとも展開していくべきだと思っております。我が国の国益そして国力を高めていくためにも、この分野におきまして、政府としての予算措置も検討して、全面的にバックアップしていくべきだと私は考えております。
 そして最後に、NHKに対しまして、国際放送に関して、国家戦略的な見地から、今後とも積極的に国際放送を展開されますことを御期待申し上げて、私の質問を閉じさせていただきます。ありがとうございました。
○北側委員長 次に、瀬戸隆一君。
○瀬戸委員 自民党の瀬戸隆一でございます。
 昨年、初当選させていただきました。本日、初めての質問となります。質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
 本日は、経営委員会委員長、会長初めNHK経営陣の皆さんにおそろいいただいています。浜田経営委員会委員長は、辞任された數土前経営委員会委員長の後を受けて、昨年九月に委員長に就任されました。それ以来、総務委員会にお招きするのは今回が初めてかと思います。簡単で結構でございますが、浜田委員長の抱負をお聞かせください。
○浜田参考人 経営委員会委員長の浜田健一郎でございます。
 昨年九月、委員長に就任した際、私は記者会見で、今NHKに求められているものは、いい番組をつくり、いい報道をして、いい経営をすることだと申し上げました。公平公正、自主自律といった原則を守り、公共放送の使命を果たしていくことはもちろん、視聴者の皆様からいただいた貴重な受信料を無駄にすることなく、効率的な運営を行っていくことは重要だというふうに思っております。
 また、放送と通信が融合した新たなメディア環境への対応、それから、ハード、ソフト両面での国際放送の戦略的強化など、放送事業の発展に先導的な役割を果たしていかなければなりません。
 私たち経営委員会は、執行部と適切な緊張関係を保ちながら、視聴者の皆様の信頼に応えるため、協力してNHKの経営に当たっていきたいと考えております。
 以上でございます。
○瀬戸委員 続きまして、まず、NHKの震災対応についてお聞きしたいと思います。
 先ほどお話はありましたけれども、特に南海トラフ地震が発生しました際に、大きな被害が想定されるところがあります。特に四国では、海に近い放送局もあるということでございます。そういったところで、やはり地方放送局は被災地域の取材、情報発信拠点であります。近隣放送局からの応援体制も含めて、対応策を早急に進めるべきではないかと思います。どのような対策を検討しているか、お答えください。
○松本参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、災害時にNHKがいかに役割をきちっと果たすかということは、生命線であるというふうに思っております。
 私も、南海トラフ巨大地震等のお話を伺いまして、津波の被害が予想される高知局とか各局、現地を見させていただきました。そういう中で、必要な設備整備、それから、もしもの場合は、津波の場合はどこに迂回してやれるかということを、計画をきちっと詰めてやらせるということにしております。これについては、担当の専門の役員を指定いたしまして、そこで詳細に詰めをやってきております。
 それから、地域ごとでもやはり連携が必要だということで、ブロックごとに毎年大規模な災害対策訓練を行っておりますが、この合同訓練は南海トラフ巨大地震を想定して今年度行いました。そういう中で、やはり課題が出てまいります。それを、洗い出した課題をきちっと手当てするということで対策を進めたいというふうに思います。
 三年前からNHKでは、東海、東南海、南海の巨大地震同時発生という想定で訓練をいたしておりますが、常に最新の情報、知見というものを踏まえて対策の見直し、練り直しというものをして高めてまいりたいというふうに思います。
○瀬戸委員 震災の際は、NHKの役割というのは非常に大きいものがあると思います。しっかりとよろしくお願いしたいと思います。
 次に、新たな放送・通信のサービスについて、お伺いしたいと思います。
 昨年度、日本の家電メーカー、ソニーとかパナソニックなどは、液晶テレビ部門での不振で過去にない赤字決算となりました。家電メーカーの収益の大部分は、液晶テレビの生産によって一時期得られていたということもありました。それが、現在ではサムスンに席巻されてしまっているということでございます。幸い、現時点、アベノミクスによる円安によって、日本の家電メーカーは息を吹き返しつつありますが、第三の矢、成長戦略の検討が必要となります。
 私は、家電メーカーにとっても、またインターネットと視聴者をとり合うことになっているテレビ局にとっても、今後のスマートテレビ戦略というのが大きなポイントになると考えています。スマートテレビの開発においては、スマートフォンの開発のときのように海外に先んじられるべきではないというふうに考えています。我が国の成長戦略にも大きく貢献するものというふうに考えています。その実用化、普及に向けて、放送業界、家電メーカーが連携して枠組みをつくる必要があると考えています。
 総務省において、スマートテレビの将来展望について検討を進めていると聞いておりますが、今後、どのように実用化、普及を図っていくのか、お考えをお聞かせください。
○柴山副大臣 お答えをいたします。
 この二月、総務省は、日本を元気にする成長戦略の策定を目標として、ICT成長戦略会議を設置しました。そのもとで、デジタル移行後の放送サービスの高度化の内容や進め方に関しまして、極めてスピードの速いデジタル技術の進歩の状況や、国際標準化の動向なども踏まえて検討を進めている、まさにそういうステージなんです。
 グローバルに見れば、ハイビジョンの4K、8Kといった高画質化、あるいは、今先生が御指摘になられたスマートテレビに見られる高機能化、これらが高度化の流れということなのではないかなというように思っております。
 この高度化の進め方を具体的に決めていくに当たっては、技術や国際標準など、グローバルな動きを踏まえることも重要なんですけれども、今後の実用化、普及を目指すサービスが視聴者からの支持を得られるものとなるのか、あるいはビジネスとしての採算性がとれるのか、こういったことも十分に考えていくことが必要になってくると思います。
 御指摘のとおり、日本のICT分野は、全体として、非常に厳しいグローバル競争の中で崖っ縁と言われるような状況にあると思いますけれども、今申し上げた要素を踏まえつつ、この競争にしっかりと勝ち抜いていくための戦略をつくってまいります。具体的には、この成長戦略、五月をめどに一定の取りまとめを行う予定でありますけれども、それこそ、官民が共同で、オール・ジャパンで取り組むべき目標をしっかりと打ち出してまいりたいと思います。
 以上です。
○瀬戸委員 ぜひ、オール・ジャパンとしてもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 スマートテレビが普及すれば、テレビ受信機とタブレット端末が連動したサービスになるというふうに思われます。そのような新たなサービスが期待されるところでございます。その際、テレビ放送のインターネット同時配信、それが実現されていることが重要な要素の一つになると考えています。
 つまり、手元のタブレットで同時放送を見ながら、タブレットからテレビ画面を操作したい、そういったニーズが出てくるというふうに考えられます。そのようなサービスを家電メーカーが提供できる土壌、つまり、同時放送がこういったタブレットで見られるかどうか、それが重要になるというふうに考えています。
 NHKは、東日本大震災のときに、一時的にテレビ放送のインターネット同時配信を行い、非常に有用だったというふうに聞いています。今後、大規模災害が発生した際、同様にテレビのインターネット同時配信を行うつもりはあるのでしょうか。また、大規模災害時に限らず、平時においてもテレビのインターネット同時配信を行うことは考えていないのでしょうか。また、そのとき、平時を含めてテレビのインターネット同時配信を行う場合、どの程度のコストがかかるのか、そこを教えていただきたいと思います。
○北側委員長 松本会長、簡潔にお願いします。
○松本参考人 お答えいたします。
 災害時に大変有用だということは、そのとおりでございます。
 実際に、いろいろな情報をNHKから出す、それを聞く、見るという時間を待つ必要がありますが、インターネットの通信機能だと、被災者の方から探りに来られる、こういうような能力もあります。そういう意味で、災害時にはやはりこういう機能を使うべきだろう、こういうふうに思っております。
 平時にどうかということでありますが、今通信と放送の機能が融合、連携していくという中で、そういうスマートテレビの開発というのを進めてまいりたいというふうに思っております。
 一般的に、平時に同時配送信という形については、受信料負担のあり方あるいは著作権の処理、制度上の課題など、そういうものを一体として検討していく必要があるというふうに思いまして、引き続き検討してまいりたいというふうに思います。
 なお、コストでございますけれども、そのシステムのつくり方とか規模によって相当違います。したがって、一概には言えないというふうに思いますので、大ざっぱに言えば、数十億、数百億、そういう範囲の中に入ってくるのではないかというふうに思います。
○瀬戸委員 いずれにしろ、NHKの動向というのは非常に左右する大きなものだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。民放テレビ局、家電メーカーとよく連携してやっていただきたい、そのように思っております。
 以上、終わります。
○北側委員長 次に、田所嘉徳君。
○田所委員 茨城一区の田所嘉徳でございます。
 水戸黄門のふるさとであります。水戸黄門は必ず決められた時間の中で事件を解決するということでございますので、明快な答弁をお願いしたいと思います。
 まず、地域情報の的確な提供体制の整備についてお伺いいたします。
 皆さんの御尽力によりまして、昨年の三月に全ての地上波のテレビ放送がデジタル化して、高画質で安定した放送の受信が可能になりました。しかし、これで一件落着、全て満足というものではありません。積極的な利活用が必要で、地上波の一定エリアの情報提供ができるという特性を生かした、より有用なものとしなければならないと思います。
 ところが、地元のニュースや気象情報、行政サービスなどに関する県域放送が、その県の範囲をカバーすることができないために、隣接する他県の放送は入るが、肝心な地元の情報が入らないという問題が生じております。例えば、私の地元の茨城県の県西では、スカイツリーからの電波に加えて、NHK宇都宮局、前橋局からの電波が混在して、肝心な地元の放送はアンテナが別途必要になるということであります。これらをどう解決するか。
 また、各地域に対応した情報提供の重要性を十分認識し、各県に放送局を有していて地域の情報収集能力が高いNHKがきめ細やかな情報発信をすべきと思いますけれども、今後の対応についてどのように考えるか、お伺いをいたします。
○松本参考人 NHKでは、二〇一一年七月のアナログ放送終了までに送信所を二千百二十四設置いたしております。また、デジタル化によりまして生じた新たな難視地区につきまして、二〇一三年二月末の累計で百二の送信所を追加で設置しております。
 現在、地上デジタル放送がごらんになれない難視地区の方々には、暫定的に衛星セーフティーネットで地上波の番組をごらんいただいております。これにつきましては、このセーフティーネットが終了する平成二十七年三月までに、国や自治体、民放と協力いたしまして、地上デジタル放送の難視対策を進めてまいる所存でございます。
○田所委員 4K、8Kなど次世代スーパーハイビジョン開発が進められておりますけれども、その概要が十分に示されておりません。地デジへの対応がやっと終わった現在において、どれだけ必要性があるのか、有用なものであるのか、理解ができないのであります。
 しかし、資源のない我が国の発展のためには先進的な技術開発は成長戦略として大変重要だと思いますので、市場のニーズがどれだけ見込めるのか、産業としての実用性あるいは価値、今後の負担等を考慮して、説明責任を果たしながら、実用化に向けた工程を示すべきであると思います。
 NHKの研究開発における役割とあわせて、どのように考えているのか、総務省にお伺いをいたします。
○柴山副大臣 大変貴重な御指摘をありがとうございます。
 ただ、昨年十月の韓国における4K試験放送の開始ですとか、あるいはこの一月のCES、国際家電見本市における多くの展示等でも明らかなとおり、4K、8Kといった高画質化は、これはもう世界の流れだと思っております。世界に先駆けてこういった新しいサービスの導入に取り組んでいくことが重要でありまして、委員御指摘のとおり、それが今後我が国の成長戦略の一つと位置づけられていくのかなというようにも思っております。
 総務省といたしましては、平成二十四年度の補正予算を活用して、この4K、8K、それぞれの放送サービスの実用化を前倒しすべく今取り組んでいるところであります。
 その際、今御指摘いただいたような市場ニーズあるいは事業者や視聴者の負担、こういったさまざまな課題ですとか、あるいは解決に向けたステップについて明確化を図って、説明責任を果たしていくことが必要なんですけれども、この点につきましては、この二月に設置をいたしましたICT成長戦略会議において、NHKさん、あるいは民間放送事業者、受信機メーカーさんなどに参加をいただいて検討しておりますし、私自身も問題意識を持っております。
 この春にロードマップを取りまとめて、それに沿って早期実用化を加速していきますけれども、その際、今御指摘のあった4K、8Kについては、先進的なサービスに対するニーズを持つ利用者が多い衛星放送から始めていくということを想定しております。
 それから、二番目のNHKの研究開発における役割ということなんですけれども、これら実用化の過程で、技術やサービス基盤の確立に向けて公共放送としてやはり先導的な役割を果たしていただくことによりまして、視聴者への還元を図っていくということが必要だと思っておりまして、そして、そういった需要を喚起して、それを通じて関係産業分野の成長と国際競争力の回復というものを図っていければというように思っております。
 以上でございます。
○田所委員 国家が世界の中でどのように理解されているかということが、グローバルな経済活動や、あるいは紛争を未然に防ぐ、そういう意味からも大変私は重要であるというふうに思っております。
 そういう中で、国際放送の世界比較を見てみますと、我が国はアメリカ、イギリス、中国、韓国などに比べて認知度が低く、およそ戦略的に国際放送を行っているようには見えません。すぐれた科学技術を有し、治安がよく、表現の自由が守られた民主的国家である我が国が、積極的に世界に情報を発信すべきであると思います。
 国際放送の活用について、一言決意をお伺いして、終わりたいと思います。
○新藤国務大臣 ごもっともな指摘だ、このように思うんです。
 そして、日本の国際放送分野でのプレゼンスを高める。それは、我が国の魅力それから我が国の考え方、そしてそういうものを広めながら日本を好きになってもらう、そういう意味で、これは国際的な、私たちとの外交にもつながってくる問題だと思います。ですから、直接我々のよさを世界に知らしめられるそういった国際放送の展開は、ぜひ強化をしていきたいと思います。
 現在、先ほど会長からも、昨今、ここのところで急激に向上したと言いました。実は、平成十九年度のテレビ国際放送への支援は、交付金三億円なんです。二十年度に十五億でありました。そして二十五年度、新年度は、我々は二十四・五億計上して、そういったことをしっかりと具体的に展開できるようにしていきたい、このように考えています。
○北側委員長 次に、大西英男君。
○大西(英)委員 自民党新人の大西英男でございます。
 山口泰明先輩を初め多くの諸先輩の御配慮によりまして質問をする機会をお与えいただきまして、ありがとうございます。
 まず、私は、NHK報道の政治的中立性についてお尋ねをしたいと思います。
 実は、先日、早朝の会議に急ぐために車で移動しておりましたら、うちの家内から、お父さん大変よ、今テレビでTPPはとんでもないということをやっているわよということで連絡がありました。私は、すぐ家内に録画を撮っておけよと言って、帰りましてから深夜見ましたら、まあとんでもないんですね。これはNHKじゃありませんよ。テレビ朝日、八時からの「モーニングバード!」なんですね。ちょうど安倍晋三総理がTPP参加を表明した直後の放送でございました。
 そこで、孫崎享という評論家、これは外務省出身ですけれども、この人が、TPPというのはもう交渉の余地はない、決まっているんだ、今からでは手おくれだ、あるいは、これはアメリカの国家利益に奉仕する枠組みであって、日本をアメリカの植民地化してしまう、こういうことをメーンコメンテーターとしてとうとうとやっているんですね。
 それで、私は、孫崎享氏の今日までの政治的な発言について調べてみました。
 とんでもないんですね。これはみずからのツイッターや、あるいはテレビ報道でも言っておりますが、尖閣は中国の領土だ、竹島は韓国の領土だ、こういったことを主張しているんですね。これは相当前からでございます。
 そして、さらに調べていくと、何と何とNHKに何回か出演しているんですね。
 例えば、平成二十四年八月の「NEWS WEB24」、尖閣や竹島、日本はどう対応するというこの大事な問題に、孫崎享さんがメーンコメンテーターとして出席をして自説を言っているんですね。少しトーンダウンしたかもしれません。その後、何と、ことしの平成二十五年の一月、NHKスペシャル「二〇一三 世界とどう向き合うか」という、世界に向けて日本の公共放送であるNHKが基本的な姿勢を示さんとするその番組にもコメンテーターとして出ているんです。
 複数の人たちが出て違った意見を言うことを妨げるものではありません。しかし、NHKの番組において、主たる評論家として一方的に自己の、我々にとりましては正確を欠いている、正しい認識とは思えないような主張を延々と続けていく、こういうことが許されていいのかどうか。私は、こうした機会に、率直にNHKの見解を伺いたいと思います。
○松本参考人 お答え申し上げます。
 ただいま話が具体的に出ました領土問題でございますが、NHKは、日本政府の公式見解を踏まえましてニュース、番組を制作いたしております。例えば、ニュースの原稿で尖閣諸島や竹島に触れる場合には、沖縄県の尖閣諸島、島根県の竹島という形で日本の領土であることを明確に表現するということでやっております。
 また、この領土問題は国家の主権にかかわる重要な問題でありますので、今後ともニュース、番組できちっと伝えてまいりたいと思います。
 NHKは、放送法によりまして、政治的公平というものを求められております。一方で、意見が対立する問題についてはできる限り多くの角度から論点を明らかにする、こういうことも求められているところでございます。
 出演者についてでありますが、いろいろな論点を紹介する、そして判断の材料を提供するために依頼をするということでございますが、報道機関として、放送法の求める公平公正、不偏不党、こういう原点を踏まえて考えてまいりたいというふうに思います。
○大西(英)委員 会長からお答えがありましたけれども、NHKは日本の公共放送ですから、その公共放送において、こうした尖閣は日本の領土ではないということを発言して評論家活動を行っている人間が活動をしているということは、これはやはり、諸外国に対して、日本の世論は揺らいでいるのではないかということを思わせかねない状況があります。
 会長おっしゃるように、言論の自由です、公平、不偏不党、そういったことを守っていかなければいけませんけれども、この人だけをテレビ出演させて一方的な意見の表明をなさせたということは事実であるわけでございまして、これらについては十分注意をしていただきたいと思います。
 この孫崎亨さんのこうした一連の評論活動を受けて、朝鮮日報は、孫崎さんの本を読みなさい、日本人は頭を冷やしなさい。あるいは中国もそうした報道をしているんですよ。これは明らかに国益に反することです。これについてはぜひしっかりとした対応を今後ともお願い申し上げたいと思います。
 私は別にNHKが嫌いじゃないんですよ。私、テレビを見る大体七割はNHKですかね。そして、大河ドラマが大好きですね。今の「八重の桜」。それこそ、今東北の人たちが、あの大震災で、立ち上がろうとしている。そうすると、歴史の中に、あの会津の悲劇を乗り越えて、新島八重や多くの人たちが新しい日本をつくる礎になっていった。これがどれだけ復興を願う人たちの力になるかわかりません。
 これは政党を批判するわけではありませんけれども、ちょうど「坂の上の雲」が放送されていた時代ですね。これは、リーマン・ショックもありましたでしょう。経済は衰退の一途をたどっていった。そして、しかも政治は混乱をきわめていた。国民は、一体、日本のあしたはどうなるんだろうという大きな不安に駆られていた。そのときに「坂の上の雲」を特集してくれたんですね。まさに、明治の時代、西欧列強や外国の脅威の中から日本は独立を守り、そして、後発した国家として富国強兵で国の力を増大させよう、必死にあらゆる人たちが頑張っていた、その人たちの青春を見事描き上げて、我々に大きな勇気を与えてくれたわけでございます。
 先ほどの田中良生先生のお話じゃないですけれども、我々、海外へ行けば、頼りになるのはNHKの衛星放送ですよ。これからも、国際放送も大いに御努力をいただいて、NHKが国民の公共放送としてさらにしっかりとした信頼をかち得るように心からお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○北側委員長 次に、伊藤渉君。
○伊藤(渉)委員 公明党の伊藤渉です。
 私は、二〇〇五年の郵政解散で初当選でございますけれども、それまでは、現NHK会長である松本会長が率いるJR東海、当時社長でございましたけれども、十一年間お世話になっておりました。
 退職のために御挨拶に伺った機会がございますけれども、そのとき、当時社長の方からは、家族は、こうお聞きをいただきまして、家内と子供が三人おります、こういうふうにお答えをしたところ、社長の方からは、君がいかなる立場になろうとも、子供たちにとって父親は世界に君しかいない、そのことを忘れずに頑張れ、こう激励をいただいたことをきのうのことのように覚えております。社長からの言葉は、全ての肩書を取り払った一人の人間として、生涯自己の研さんに努めよ、こういう大切な御指導として、五体に今日も刻んでおります。十一年間育てていただいたお礼の思いを込めまして、ここに御報告をさせていただきます。
 話を戻しますが、ちょうど二年前の三・一一、二時四十六分、東日本の大震災が発災をした際、私は、地元の愛知、事務所で執務中でございました。非常に周期の長い揺れを感じまして、外に飛び出した記憶がございます。土木工学を少々学んでいる自分からしますと、もしこの揺れが遠隔地の地震であれば、すさまじい大震災になる、こう直観をいたしました。当時、NHKは災害に関する報道に直ちに切りかわりまして、この世のものとは思えない津波の襲来をテレビを通して日本じゅうに報道されておりました。この迅速かつ適切な報道を可能にする日ごろの取り組みに、冒頭、敬意を表したいと思います。
 NHKの目的は、放送法第十五条にあるとおり、「公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ、良い放送番組による国内基幹放送を行うとともに、放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行い、あわせて国際放送及び協会国際衛星放送を行うこと」とされております。
 先ほどの大西委員の質問とも関連をすると思いますけれども、立法、行政、司法の三権を監視する使命がマスコミにはございます。だからこそ公平で公正であるべきでございますけれども、マスコミ全体を見渡すと、一部ではございますけれども、偏った報道が気になるケースが見られます。木を見て森を見ず、そんな印象も持ちます。
 国民に正しい情報を伝え、さまざまな判断材料を提供するのがマスコミの使命だと考えますけれども、冒頭、会長の所信をお伺いいたします。
○松本参考人 お答えいたします。
 公共、信頼という理念を掲げた理由は、やはりそこにございます。公平公正を守るということがNHKの原点であるということであります。
 そのために、私は、まず、一人一人の職員にこの理念、考え方をきちっと体質化するということが、一つやっていることであります。それから二つ目は、みずからを律するというシステム、公平公正から外れない、こういうシステムを内部構築いたしております。それからもう一つは、外部からその立ち位置というものを評価していただく、そういうシステムを経営計画の中に取り入れております。
 NHKは、放送法に基づいて番組基準をつくっておりますが、この中でも、公平公正ということ、それから、意見の対立する問題はできる限り多くの角度から論点を明らかにする、その際も、公平にきちっと取り扱うということでございます。
 私は、そういう意味でも、一つ一つの番組が、たくさん、この時点でもう準備を含めて千本ぐらい発しておりますけれども、やはり原則として、個々の番組において、対立する意見があればその双方を伝えるように努める。ただ、その場合に、シリーズとかあるいは企画の形で順番に行くというような場合には、そういうときにはシリーズの中で公平に取り扱うように努めていく。個々の番組、それからシリーズ、そういうようなトータルとして、放送全体として公平を確保する、そういうような努力をしていくことが重要なのではないか、そのことが放送の信頼に結びつくというふうに考えています。
 また、外部の評価については、視聴者の皆さん三千六百人の方々から年に二回評価をいただきまして、それで、ずれているか、ずれていないかということについて、PDCAを繰り返して立ち位置を確認する。自分たちの中で努力しても、ずれる場合があるというふうに思いますので、そのことも含めてやってまいりたいというふうに思います。
 なお、第一回、昨年、調査、部外の評価をさせていただきました。十四項目があるんですが、その中で、公平公正への評価のところでは、約八割の視聴者の方から実現しているという評価をいただいたところでございます。
 いずれにしましても、この原点に立った姿勢というものをきちっと努力していくということをやってまいりたいというふうに思います。
○伊藤(渉)委員 公共放送だからこそ伝えられる、正確そして公正な報道ということをくれぐれもお忘れなく、お願いをしたいと思います。
 また、党の部会の方で予算説明をいただいたときに会長の方からございました、いかなるときも公共放送をとめないと。大変重要な言葉であると思います。公共性の高いNHKだからこそ非常に重要な理念であり、全面的に賛同をしたいと思います。
 また一方で、言うはやすく行うはかたしでございます。これを具現化するには、良質な人、物、金を確保していかなければなりません。いかなるときも公共放送をとめないための具体的な取り組みを会長にお伺いいたします。
○松本参考人 お答え申し上げます。
 先ほどのお話にありました、私、前任が鉄道をやっておりました。この鉄道も、いかなる場合にもとめてはならないということ、そして安全である、そのことを使命としてやってまいりました。
 そのことから考えますと、NHKの公共放送としての、特に災害時の使命というのははかり知れないものがあるというふうに考えます。その観点から、NHKの中でも、役員を指定して、そして全社体制で災害対策に取り組むということでやってきております。
 これについては、個別の事柄については先ほど申し上げたような事柄でございますけれども、やはり設備、それからそれを動かす人、それのマン・マシンがきちっと機能するということが大事ですので、設備増強、日ごろの訓練、それから毎日の仕事の中で常にそのことを頭に置きながら仕事をやるということを定着させてまいっているところでございます。
○伊藤(渉)委員 通告の順番と少し変えまして、四つ目の質問を先にお伺いしたいと思います。
 NHKは、財源のほとんどを賄っているのが受信契約者から徴収する負担金、受信料でございます。そして、昨年十月、NHKは受信料の値下げに踏み切りました。その上で、赤字を回避したことへの努力は高く評価をいたします。その上で、この受信料をめぐっては幾つかの問題点が指摘をされております。その一つに、事業所の受信料がございます。
 放送法によりますと、受信料とは、テレビを有する者に課せられた義務であり、NHKの番組を視聴する、しないにかかわらず支払うべきものと明記をされています。ただし、不払いに対する罰則規定はございません。
 また、受信契約は世帯単位で結ぶもので、個人の場合であれば、住居に複数のテレビを有していても一契約となります。ところが、これが個人宅以外になりますと、テレビが設置された部屋ごとの契約となります。したがって、ホテルなどで客室数の多い施設では、莫大な受信料が必要となってまいります。
 そこで、NHKも、二〇〇九年より、一台目のテレビは通常料金としますが、二台目以降は半額に割り引く事業所割引制度を新設し、費用軽減を図っておることも承知をしております。それでもなお、いわゆる英国BBC方式導入への要望が強くあるようにお見受けをいたしますけれども、この点についてのNHKの見解をお伺いいたします。
○福井参考人 ホテル、旅館の受信料につきましては、全数契約した場合、二台目以降、料金を五〇%割り引く事業所割引を二十一年二月から開始してございます。また、二十一年四月から、業界団体が受信料を取りまとめることによりまして一五%の委託料を支払う、業界団体取りまとめを導入しまして、さまざまな形で実質的に負担の軽減を図っております。さらに、昨年十月には受信料を値下げしまして、平均約五%下がってございます。
 それから、イギリスのBBCにつきましては、十五部屋までが一契約、それ以降は五部屋ごとに一契約となっておりますが、例えば、契約対象件数が百件の場合は、約八〇%の負担軽減となっております。
 その他の国と比較した場合でございますが、フランスは約三〇から三五%の負担軽減、韓国に至りましては、負担軽減の制度はございません。日本においては、ドイツとほぼ同程度の負担軽減となってございます。
 それから、イギリスのBBCにつきましては、法的にも罰則も整備されておりますし、公的機関からの住居情報が提供されるなど、九五%を超える支払い率を確保してございます。こうした状況の中で設定されている割引率でございまして、事業所に対する割引率の部分だけを比較して議論することは適当ではないと考えてございます。
 いずれにしましても、受信料体系につきましては、社会経済状況の変化に対応しまして、より公平で合理的なものにすることが必要でありまして、今後とも不断に見直しを行ってまいりたいと考えてございます。
 なお、ホテル、旅館の受信料の一層の割引につきましては、受信料収入全体が、減収が想定されることから、NHKの収支全体を考慮して、慎重に検討してまいりたいと考えてございます。
○伊藤(渉)委員 残り一問を残しますけれども、時間でございますので、これで終わりたいと思います。
 今のお話、よく理解もできますけれども、一方で、今質問で申し上げたような声が根強くあるのも事実でございますので、関係者の皆様としっかりお話し合いをいただきますことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○北側委員長 次に、原口一博君。
○原口委員 民主党の原口一博でございます。
 NHKの六十年にわたる公共放送としての営々とした営みを支えてくださった全ての皆さんに感謝をささげ、松本会長初め、この間、この総務委員会では、NHKのコンプライアンスあるいはガバナンス、大変厳しい意見が出て、そして、これをここまで立て直していただいたことを、まずお礼を申し上げたいと思います。
 やはり、長い伝統、これは大事です。総務委員会にも伝統があって、若い先生方がお入りになり、そして、与党と野党とは違いますけれども、お互いに建設的な意見を積み重ねてきました。
 橘政務官におかれては、毎回、もう八十首ぐらいですか、万葉集を、私が大臣のときも御披露いただきました。春ですので、まず一首、お願いをしたいと思います。
○橘大臣政務官 原口議員の御配慮に感謝を申し上げながら、お許しをいただきまして、では一首、披露させていただきます。
 きょう、この春の一日、皆様方には、NHK予算の審議、どうか引き続き花も実もある審議をしていただきたいという思いを込めて、梅の花の歌を歌わせていただきます。
 万葉集巻十、一千八百八十三番。
  ももしきの大宮人は暇あれや梅をかざしてここに集へる
 引き続き、御審議よろしくお願いいたします。(拍手)
○原口委員 橘政務官、本当にありがとうございます。
 梅をかざして。まさに、大臣とも、国家主権と国益を守るために行動する議員連盟で、いわゆる主権三法、さっき尖閣のお話がありましたけれども、法律を出させていただきました。国家を守り国益を守るというのは、まずは伝統や文化、みずからの国の歴史をしっかりと学び、知るということだと思います。そういう意味でも、先ほど国際放送に対する御要望もありましたけれども、やはり、世界に対して日本の伝統や文化をきっちり伝えていく、あるいは、国民に対して、私たちの誇るこの日本の文化をしっかりと公共放送を通じても御理解いただく、これが大事だと思います。
 大臣の御所見を伺い、そして、あわせて、松本会長には、NHKは国有放送でも国営放送でもないんです。受信料をもとにした公共放送です。この公共放送としての使命を、伝統文化というところでもしっかりと踏まえて、国際的な発信をしていただきたいと思います。お二人にまず御所見を伺いたいと思います。
○新藤国務大臣 まず、原口委員には、総務大臣経験者として適切かつ建設的ないろいろな御指摘をいただいておりまして、ともにいろいろ議論しながら、よりよい行政を行えるようにやってまいりたい、また、NHKにつきましてもそういったことで取り組んでまいりたい、このように思っています。
 そして、お話がありましたように、やはり、日本のプレゼンスを高める、極めて重要でありますが、それは我々の何か押しつけでやるものではなくて、要するに、日本というものを理解してもらう、それから、日本を好きな人というのは世界じゅうにたくさんいるわけで、その人たちの期待に応える、こういう意味合いも強いと思います。そして、何よりも、シンパシーを高めること、日本という国を好きになってもらう、そして日本人のいろいろな考え方を理解してもらう、これが重要だと思います。
 そして、お話にございましたような、領土や国家主権、こういった問題は国の基本の問題でありますから、そういうことをしっかりと世界に発信していく、これも重要です。
 その上で、コンテンツ、特に映像コンテンツの力というのは影響力が極めて大きい、このように思っておりますし、ぜひ、我々総務省としては、映像を中心とした放送コンテンツの海外展開、これも進めていきたいと思っています。
 そして、NHKに対しましては、国際放送について、今回の予算に付した大臣意見の中で、我が国の文化、経済等に係る情報発信の拡大に配慮すべき、このような意見を私も付させていただいております。
 そして、国が行う要請放送、この要請放送をやっていただいているわけでありますが、この放送事項の一つに、国の文化、伝統及び社会経済に係る重要事項を指定いたしまして、平成二十五年度予算では、この要請放送全体に係る交付金として三十四億円、これを政府予算案に計上させていただいております。
 さらに、放送コンテンツの海外展開であります。海外の放送局との共同制作や現地語字幕の付与、そういったものに対する支援といたしまして、これは経済産業省とあわせて、我々、二十四年度補正でありますけれども、百七十億円、こういったものを用意させていただいて、お願いをしているところであります。
 NHKワールド自体の事業規模は二百億でやっているわけでありますが、いろいろな工夫をしながら、しっかりと、日本が国際理解を得られるような、そういう活動を展開されることを期待しております。
○松本参考人 お答えいたします。
 私は、NHKブランドを大切にしようということを一つの旗としてみんなに言っております。これは、NHKしかできない、NHKらしいところを大切にする、こういうことでございます。
 国内番組基準の中に、我が国の過去のすぐれた文化の保存、それから、新しい文化の育成、普及に貢献するということを掲げております。このことは、やはりNHKしかできないというか、そういう誇りを持ってやろう、こういうふうに考えておりまして、来年度の編成計画の中でも、特に教育テレビにおいてそういうことをきちっと位置づけてしっかりやっていこう、こういう話をいたしております。
 また、国際番組基準でも、広く我が国の文化、産業等の実情を紹介するということになっておりまして、国際放送でも、日本の伝統文化の魅力を発信するためのコンテンツ、技能、文化、そういうものを含めたものを充実させていこう、こういう話をいたしております。
 そういうことの中で、先ほどのNHKブランドというものを大切にしてまいりたい、こういうふうに思います。
○原口委員 前向きな御答弁、ありがとうございます。
 NHKは、番組海外販売、二十三年度の実績ですけれども、三十六の国と地域に対して、三百四十二タイトル、四千六百二十三本を販売しています。さらに拡大をしていただきますように。
 これもまたお礼ですけれども、地上デジタル放送、これは、自公政権から私たち民主党政権に引き継がせていただいて、他国では半年延ばすとかやり直すといったこともあったんですが、この場をかりて、国民の皆様の御協力をいただいて、完全地デジ化ということも実施させていただきました。
 しかし、先ほどありましたように、東京スカイツリーへの移行、あるいは、まだ難視聴地域、衛星放送でやっているところもあります。これは答弁はいただきませんけれども、まだ終わっていない課題もあるということの認識を指摘させていただいて、一方で、海外展開、ISDB―T、日本方式、これは日伯方式といいます。日本とブラジルで地上デジタルの方式を決めて、世界展開をさせていただきました。大臣のお力のおかげでアフリカも第一号が、ボツワナですか、出ました。
 この方式は何かというと、太陽の光と同じで、谷に住む人も山に住む人も貧しき人も、全ての人たちが手元のターミナルで、端末でテレビが見られるというものであります。携帯とテレビとの融合ということで、世界にない方式でこれをさらに進めていただきたいというふうに思います。
 また、先ほど会長がお話しになりました、海外との共同制作、これも、一月十三日に放送されたNHKスペシャル、世界初の撮影でしたね、深海の超巨大イカ、ダイオウイカ。これは十年にもわたって、そして、一千メーターの深海に延べ百回、四百時間潜水して初めて撮られた映像であります。まさに、公共放送の真価だと思います。
 佐賀にも吉野ケ里遺跡というものがあります。吉野ケ里遺跡はNHKさんのおかげで残ったと思っているんです。当時、一番最初に赴任されていた出川さんという方が、NHKの放送を通して、縄文から弥生、それから大和に至るまでの環濠集落を紹介していただきました。そのことによって、歴史的な文化遺産が残ったわけです。私は、こういうものをNHKは大事にしていただきたいというふうに思います。
 ただ、全てがいいというふうに言うわけにはいきません。子会社との関係、経営の透明性をどう確保していくのか。あるいは災害報道、特に福島原発の事故報道についてどのように総括されているのか。
 また、今後の災害に備えて速やかな情報伝達、これは総務省でやらせていただきましたけれども、大臣、ツイッターと消防庁の情報を融合させて、そして、災害時において、通信が切れてもインターネットで配信できるようにしました。
 私は、先ほどスマートテレビに対しての答弁がありましたけれども、これは同時配信できるという状況を早くつくらなければいけないと思っています。と申しますのも、それは、災害時と常時を分けている理由はないです。それから、今私たちが見ているようなテレビで見る、携帯の方々もいらっしゃるけれども、ほとんどがこういう端末でごらんになるという若い人たちのライフスタイルの変化もあります。
 そういう変化に対応をしていく、世界に先駆けたNHKとしての基本的な考え方、特に災害時についてどのように総括され、どのようにこれから備えようとされているのか、重複部分もありますけれども、会長にお尋ねをしたいと思います。
○松本参考人 お答え申し上げます。
 三月十一日にあの大震災が起きたときのNHKの初動の運動神経というのは、私は、いろいろな危機管理の経験がありますが、大変すばらしいものであったというふうに評価できると思います。このことは、国内はもちろんですけれども、海外から特に評価が高く、その意味でさまざまな賞をいただきました。
 しかし、それを踏まえて、なおかつ、中ではもっと人命を救えなかったのかというような葛藤もございまして、そのために放送の出し方、アナウンスの仕方というものをさらに研究していこう、こういうふうにしております。
 原発の報道につきましても、やはりいろいろな努力をしたということでありますが、もっと幅広い、エネルギー問題あるいは安全の問題、さらには、これからの被災者の生活とかあるいは支援というものに寄り添うとか、そういうふうな形でさらに努力をしていく必要があるというふうに思っております。
 そういう中で、まず設備の対策、それから、それに対する人の対策ということを通して、NHKの機能を決してとめないという努力をしてまいりたいというふうに思います。
○原口委員 これからのNHKは放送事業者だけではないと思うんですね。公共放送、ハードを持ち、そして報道をする、膨大なコンテンツを持っています。ビデオ・オン・デマンドが振るわない。この予算を見ていると、甚だそこは残念であります。それは何か。やはり、多くの人たちに利用してもらう、これがとても大事だと思います。もうこれで最後の質問になると思いますが、そういう教育コンテンツもたくさんお持ちです。世界最大のコンテンツ保有会社と言ってもいいでしょう。あえて会社という言葉を使いますけれども。
 そこで、大臣に伺いますが、これから将来の学校において、子供たちがお互い教え合い、学び合う、そしてお互いが解決方法を共有するということによって、ICTを使って、それは何も電子教科書や電子黒板を配るということじゃないんですね。ノートを共有して、きずなを深め合い、感動を深め合い、解決方法を深め合う。まさにこれが、ICTを利用したフューチャースクールの理念です。NHKとも協力してこれをさらに前に進めていっていただきたい。
 これを大臣に御決意を伺い、そして、もう時間がありませんから、クロスオーナーシップ規制やあるいはNHKのCIO、これは放送法で私たちが一時入れました、これはまた別の機会に議論させていただくとして、このフューチャースクールの推進に向けた新藤大臣の御決意を伺って、私の質疑を閉じたいと思います。よろしくお願いします。
○新藤国務大臣 このフューチャースクール推進事業、これは、誰あろう原口大臣のときに始めたことであります。こういった先駆的な取り組みというのはしっかりと継承していきたいと思います。何よりも子供たちのためにあらゆる手段を使って新しい取り組みを進めていく、これが重要だと思いますし、それから、それが、我が国のコンテンツ産業、そういった中にも活用の道を見出せるものだ、このように思っています。
 そして、放送と通信の融合、こういったものがさらにこれから進むわけでありますから、そういう中で、利活用の一つとしてこういったものも注目をしていきたい、このように思うんです。
 そして、これは教育分野、文部科学省も一生懸命やってくれています。ですから、我々は、文科省とよく連携をとりながら、こういう取り組みはさらに前進できるように頑張っていきたい、このように考えています。
○原口委員 終わります。ありがとうございました。
○北側委員長 次に、小川淳也君。
○小川委員 民主党の小川淳也でございます。
 大臣、まず冒頭、ごめんなさい。大変、個人的に大臣は大好きです。非常に、御答弁っぷり、閣僚っぷり、すばらしいと思います。ただ、午前中のやりとりの中でどうしてもちょっと気になったので、一つだけ、あえて通告せずに。言い間違いであれば訂正していただきたいですし、認識が違うのであれば正していただきたい。
 みんなの党の佐藤委員の御質疑の中で、交付税が地方をコントロールしているのではないかという指摘に対して、そうではない、交付税は、機関委任事務を初めとした、国の法律に基づく事務を標準化して経費にしているので裁量の余地はないんだという答弁をされました。
 これは、単に言い間違いであれば訂正していただいたら結構です。もし御認識が違うのであれば、これはきょうでなくて結構ですが、違うことを次回の委員会できちんと御説明いただきたい。
○新藤国務大臣 私が申し上げたのは、全てがそうだとは申していないですよ。そうではなくて、機関委任事務だけじゃなくて、法定で定められたもの、標準財政需要は、法律で定められたいろいろな需要が発生している。ですから、そういうものがかなりの部分を占めるから、恣意的に交付税でもって地方をコントロールする、そういうようなことで交付税が使われているわけではないんだ、こういうことを申し上げたわけであります。
○小川委員 こういう場でこれ以上あれですけれども、一度ちょっとこれはきちんと御認識をいただくように、橘先生を初めとして、きちんと。次回で結構です。
 それでは、NHKの予算についてお伺いいたします。
 松本会長、二年間、前政権下以来、本当に大変困難な職務に当たっていただきました。深く敬意を表したいと思います。ちょっと二、三の観点から、この二年間を振り返って、御自身の御見識をお伺いしたいと思います。
 鉄道会社の経営と公共放送の経営は何が同じですか、何が違いますか。そして、外からお入りになった。仕事がわからない反面、しがらみがない。人もわからないが、そういう意味でもほかでの経験を生かすことができる。外から入られた会長としていかがか。最後に、経営委員会という、鉄道会社、JR、民間の会社にはなかなかない組織があります。最高の意思決定機関であり、協力提携機関であると同時に、緊張関係にある。
 この三点、鉄道と公共放送、そして外から来た、そして経営委員会という存在がある。これは、第一次安倍政権のもとでは、古森経営委員長との間で、非常に執行部はいろいろな緊張関係がありました。こういうことも踏まえて、現在うまくやっておられるのかどうかも含めて、ちょっと所感をいただきたいと思います。
○松本参考人 お答えいたします。
 鉄道とよく似たところは、やはり公共放送、公共的な使命ということですね。そして、たくさんの、鉄道でいえばお客様、放送でいえば視聴者の方々を相手にいろいろな仕事をしていく、こういうことだと思います。そういう意味では、鉄道ではそれを安全というふうに基本の価値観を定めております。それから、放送の場合ですと、やはり公平公正それから信頼というような事柄が基本になるというふうに思います。違うところというふうに今度は申しますと、鉄道の場合は、列車を走らせるという、一つのダイヤでみんなが集中する、放送の場合は並行で発している、こういうことであります。しかし、トータルとして仕事の質というものは似ているところがあるというふうに思います。
 それから、外から入った感じでありますけれども、やはり人の人材集団としては、知的労働集約集団という形で、一人一人は能力が高いというふうに思います。しかし、その能力が組み合わされて組織全体として発揮されているかというと、さらに発揮する余地があるというふうに考えます。
 それから、経営委員会との関係でございますけれども、これは、私は所与の条件というふうに考えております。したがって、そういう条件でそれぞれの立場、位置づけが法律づけられていますので、そこでお互いの立場を生かしながら、そして、トータルとしては、NHKの経営とか方向性というものを決めるわけなので、方向は一緒だというふうに感じて、いろいろな場を通じて意思交換をしております。
○小川委員 ありがとうございました。
 私のような若輩が申し上げるのもあれですが、やはり公共性と採算性、そして視聴率と質の高さ、こういうものの苦闘、苦悶の中からこそ、NHKさんというのはいい番組をつくられてくるんだろうなと思いますし、私も本当に大好きです。年齢を重ねるごとにNHKというのは好きになるものだなというふうに最近よく感じるんですけれども、ぜひ御活躍をいただきたい。
 そして、ことしの予算でやはり一番特筆すべきは、受信料の引き下げでしょう。それが平年度化する。契約一件あたりですと百二十円ですが、これが全体では二百億余りになる。これはいかにカバーしていくのか。これもちょっと極めて簡潔に御答弁をお願いします。
○松本参考人 収入が減るということですので、それをカバーするというのは、トータルとして赤字にしてはならない。収支均衡です。したがって、収入をいかに上げるか。それから、経費をいかに削るかということです。
 収入については、我が社は、副会長以下、プロジェクトチーム、全組織を挙げて、全員野球でこれを上げていこうというプロジェクトを組んでおります。これは、今成功して進んでおります。
 それから、経費の減は、これは人件費を含めそういうところを縮小していく。しかし、先ほど言いましたように、災害に関するものは減らさない、むしろふやす、こういう形の中で予算を組むということですので、かなりいろいろ議論はいたしましたが、そういう予算をつくっております。
○小川委員 おっしゃるとおり、経費を減らすか収入を上げるかしかないわけですよね。その収入を上げる方は、どう頑張っても収納率七五%でしょう、七五%前後。イギリスのBBCが九四%ですから、払っていない人たちに対して、これは本当に不公平が生じています。そのことは言うまでもないことだと思いますが。
 それから、これもかねてから言われていますが、ワンセグとかカーナビで見ている人が最近多いですから、こういうのをどうしていくのか。これはもしかしたら、もっと思い切って引き下げて薄く広く取るというのも、ひょっとしたら選択肢の一つかもしれません。
 それから、最近は、四千件近い民事申し立て、訴訟も辞さずということで積極的にやられている。これも私は、公平性を担保するためにも断固やるべきだろう、そう思います。それから、震災対策ももちろん頑張っていただかなければならない。
 しかし、人件費については若干危惧しているところもありまして、昔一万七千人ぐらいいた協会の職員の方が今一万人前後。しかし、世の中の実勢と大体合う数字だと思いますが、数千人単位、恐らく三千人ぐらい、どうでしょう、派遣、パート、アルバイト。非常に日本放送協会内部の雇用も流動化をし、不安定化しているということがあろうかと思いますので、公共放送体にふさわしい雇用体系、これについてはぜひ御留意をいただきたい。その点だけちょっと申し上げたいと思います。
 そして、収支の改善とあわせてなんですが、NHKさんが非常に国民にとって身近な放送局になるというのも一つの命題だと思うんですね。
 私も好きなんですけれども、例えば「のど自慢」とか「おかあさんといっしょ」とか、視聴者参加型番組というのがたくさんあると思います。事前に教えていただいたものですと、全国で、地域で実施しているものが六百本余り、放送センターで実施しているものが五百本余り。
 私、代表選手は年末の紅白歌合戦だと思うんです。こういう仕事をしていながらなんですけれども、大みそか、家族で見るのをすごく楽しみにしています。視聴率は四〇%ですから、今のこの時代にあって怪物ですよね。しかし、こういう視聴者参画公開型の番組で、どうやってその参加者を決めているのか。
 ちょっと気にとめていただきたい数字がありますので、これはお聞きする形で明らかにしたいと思いますが、紅白歌合戦、何人入れるんですか。そして、それはどうやって選んでいるんですか。何人応募してきているんですか。有料ですか、無料ですか。
○上滝参考人 上滝でございます。お答えいたします。
 平成二十四年度の応募者数は百十七万一千四百二十七通でありました。このうち当せん数は千三百二十四枚。当せん一枚につき二人まで入場可能ということで、もちろん無料でございます。
○小川委員 お聞きのとおりでありまして、代々木のNHKホールは入れるのが三千人弱ですよね。千三百枚、当たり券を出している。これに対して百十七万枚の往復はがきが来ている。もちろん、複数の人が出すわけですから、一人当たりではありませんよ。しかし、あえて単純計算すると、一人当たり八百八十六枚出している計算なんです。金銭換算すると、八万八千六百円ですよ。往復はがきをどうやって印刷しているのか、手書きしているのかは知りません。
 それで、ここで申し上げたいのは、いろいろな番組があるわけですよね、もうちょっと参画の機会を広げて、そして多少なりとも入場料なり応分の御負担をいただきながら、経営も改善し、そして参画の機会も広がるということがあり得るのではないかと私は思う。
 例えば紅白歌合戦、あんな番組はありませんよ。一年間活躍したアーティストをあれだけ並べて、数時間のうちに生で全部見せます。それをあの小さいホールでやるからこういうことになるわけでしょう。形式的には機会均等ですよ。しかし、武道館でやれば一万人ですか。東京ドームでやれば五万人。一人一万円取ったって、数億の話ですよね。
 こういうことも含めて、昔から伝統的にやってきたこと、それはそれでいいと思いますよ。しかし、イベントがあれだけ人気のある、中身のあるものなんですから、もっと多くの人に生で見てもらうこと自体が公益性に資する。そして経営にも資する。そして、一人当たり八百枚以上のはがきを出させて、当せんはがきが数十万円でネットで売られているなんという状況を放置することは、形式的には機会均等であっても、実質的には社会正義とは必ずしも言えない。
 この点、会長の御認識をいただいて、質疑を終えます。
○松本参考人 紅白歌合戦が大変人気のある一つのコンテンツであるということは、おっしゃるとおりでございます。
 そういう意味で、応募の方法とかそういうことについては、そういう疑義のないように努力をしているところでございます。それからまた、こういうことを一つの機会としてビジネスにしようという方もおみえになるようなんですけれども、そういうことについても、そういうことのないように私どもの方からも重ねて要請をしているようなところでございます。
 そういうことを含めて、紅白歌合戦が国民的な一つの年末の行事ということでさらにしっかりとしたものに根づくよう、努力していきたいというふうに思います。
○小川委員 ありがとうございました。
○北側委員長 次に、福田昭夫君。
○福田(昭)委員 民主党の福田でございます。
 初めに、私は、時間の関係で、予算の評価を一方的にさせていただいて、それから質問に入りたいと思います。
 今年度の予算を見ますと、平成二十四年から二十六年度の経営計画では、二十五年度は四十七億円の赤字を見込んでおりましたけれども、計画に対して受信料の増収を図るとともに事業支出を抑制し、収支均衡予算としたことは、私は評価してよい、そのように考えております。中でも、職員削減、職員の給与、基本給の一〇%を目安におおむね五年で引き下げる、地域職員制度の創設による地域水準給与の設定、手当の廃止など、内部の努力もよくあらわれていると思っております。
 しかしながら、先ほども小川委員からも話がございましたけれども、これ以上の職員の削減はどうかな、こう思っておりますので、今後とも、公共放送としての役割を果たせるかどうか、そういう観点から見て可能な改革にぜひ取り組んでほしいなと思っております。
 それでは、これから質問の方に入りたいと思います。
 まず、今回の予算の中で、国内放送重点事項として、国民の生命と財産を守る正確で迅速な報道ほか七点を掲げておりますけれども、そのうちの一つ、世界に通用する質の高い番組について御質問いたします。
 信頼される質の高い放送を通じて、社会や文化の発展に尽力するとありますけれども、中でも犯罪報道のあり方について、私は一考を要するべきだと思っております。
 今でも、御案内のとおり冤罪事件が絶えません。誤認逮捕も絶えません。私の地元でも足利事件や、あるいは鹿児島の志布志事件ですか、さらには茨城の布川事件、そして、最近では村木事件や陸山会事件と、本当にさまざまな冤罪事件が発生しておりますけれども、そうした中で、捜査報告書も偽造されることがあるんだ、そんなこともわかってきた中で、やはり取り調べの可視化、全面可視化というものをしっかりやるべきじゃないか。それが我が国の大きな課題になっている。
 そうした中で、最近のNHKの報道を聞いておりますと、警察によると何々だという報道が目立つようになってきたと思っております。ぜひこうした犯罪報道にあっては、まあ取材源は原則として秘密でありますけれども、やはり警察や検察とか、公的機関については取材源をしっかり明らかにしていくということが報道機関として必要なんじゃないか、私はこう思っておりますが、NHKとして何らかの検討をした上で、こういう警察によるとという枕言葉が入るようになったのかどうか、お伺いをしたいと思います。
○石田参考人 お答えします。
 犯罪報道に当たって被疑者の人権を守らなければいけないということは、これまでも守ってきたことなんですが、この間、裁判員制度を導入するときになりまして、改めて、裁判員に予見を与えるようなことは避けようということで、このとき幾つか決めたガイドラインの中に、容疑者、被告を犯人と決めつける報道はしないとか、情報の出所をできる限り明示するとか、幾つか検討してこういう方針をやり、実際に原稿で表現するときにはこういう原稿の表現になったというような経緯がございます。
○福田(昭)委員 考えた上でそうした枕言葉が入ったということは、一歩前進かなというふうに思っております。
 御案内のとおり、私が言うまでもありませんけれども、法の原則は、推定無罪、疑わしきは罰せずであります。しかしながら、報道されることによって、既にもう犯人だ、そういうふうに特定されてしまう、そういうイメージがついてしまうということは、そうしたことが冤罪事件を実は生んできたり、あるいは、仮に無罪となってもその人の人生が台なしになってしまう、そういうことがたびたび起きているわけでありますので、ぜひ、こうしたことに対しては、公共放送としてのNHKが先頭に立って報道のあり方というのを今後ともしっかり検討していってほしいな、このように思っております。
 次に、二つ目は、地域の再生、地域活性化への貢献についてであります。
 そのうち、まず、地域の安全、安心に役立つ情報を提供するんだということでありますけれども、人に優しい放送、サービスの拡充も重点事項の一つとなっております。
 私の地元栃木県でも、実は、私が知事のときに、平成十六年度に県域放送を要望いたしましたが、なかなか実現しませんでした。しかし、例の東日本大震災があって、やはりNHKの放送が必要だということで昨年の四月からスタートしたわけであります。これで栃木県と群馬県が、県域放送がスタートしたわけですが、北海道から沖縄までこうした県域放送が現在全て整備されて、それぞれの放送局から電波が発せられているのかどうか、その辺をちょっとお伺いしたいと思います。
○松本参考人 お答えいたします。
 今のお話のように、群馬県と栃木県では、平成二十四年の四月から県域放送を開始いたしております。これによりまして、南関東三局、神奈川、千葉、埼玉を除く全国全ての地域でテレビでの県域放送が開始されております。地域に密着した情報をよりきめ細かく届けるという体制が整ったというふうに思います。
 経営計画でも、地域放送局は、地域の安全、安心に役立つ放送を提供すると同時に、地域の再生、活性化に貢献という目標で取り組んでおりまして、引き続き取り組んでまいりたいというふうに思います。
 なお、南関東三県は、東京との結びつきが非常に強いということで、首都圏全体で放送サービスを行うということになっております。
 そういうようなことで、体制が整ったというふうに考えております。
○福田(昭)委員 私の地元栃木県も、実は、東日本大震災では大変な被害を受けました。しかし、津波がなかったために、ほとんど報道されておりません。
 私の栃木県では、大体、合併で二十三の市と町になっておりますけれど、西側の八つの市と町を除いて、十五の市町ですか、これ全て、実は特別地方被災公共団体として指定されておりますけれども、全く報道がされずに、復興の対応などがおくれておりましたけれども、しかし、政府を初め多くの皆さんの御支援で元気になってまいりました。
 特に、私の地元の日光、鬼怒川などは、一昨年の三月、四月はお客が九五%も減ってしまうという大変ひどい状況でありましたけれども、しかし、おかげさまでだんだん戻ってまいりまして、特に、昨年、NHKの県域放送が始まってからは、NHKを初め民放などが、日光、鬼怒川方面あるいは那須塩原方面などたくさん報道してくれて、たくさんのお客さんに来ていただいて、やっと元気が戻ってきた、そういう感じでございます。そういった意味では、NHKを初め、東京各局、民放の皆さんに非常に感謝している人がたくさんいる、そういう状況でございます。したがって、公共放送の果たす役割というのは非常に大きいので、今後とも、ぜひ頑張っていただきたいなと思っております。
 そうした中で、地域を舞台とした番組の充実について、こういうところがございますけれども、会長、恐縮でございますが、二宮尊徳翁を御存じですか。そうですか。
 実は、二宮尊徳翁は小田原生まれで、私の地元、日光今市が終えんの地で、眠っております。この二宮尊徳翁は、実は内村鑑三さんが日本を代表する五人の一人に挙げております。御案内のとおり、西郷隆盛公、上杉鷹山公、そして二宮尊徳翁、中江藤樹先生、日蓮聖人、五人挙げておりますけれども、そうした中で、内村鑑三先生はさらに、尊徳翁については後世への最大の遺物と評価をいたしました。後の世への遺跡のような人物だ、そういう高い評価を下しております。
 安倍内閣は、地方の自立と日本の経済の再生とそして財政の健全化、これを今追求しておりますけれども、しかし、尊徳翁は、実はそういうことを実際に江戸の末期にやってきた人なんですね。したがって、私は尊徳翁をNHKの大河ドラマとして取り上げてほしいなと思っています。
 それは、出生の地、誕生の地の小田原の市長さんとか、私の地元の、昔は今市市長でありましたが日光の市長とか、あるいは昔の新村、掛川の市長とか、団体で要望してきたんですが、実はNHKの答えは、当時、二宮尊徳翁は真面目過ぎてチャンバラとか女性が出てこない、これでは大河ドラマにならない、こういうことでお断りをされたような気がいたしておりますけれども、朝のドラマでも十分可能かな、こう思っておりまして、ぜひそういった意味では御検討いただきたいなと。
 ここに「二宮金次郎の一生」という本を持ってきましたが、俳優の加藤剛さんとか、それから元総理の中曽根総理も推薦をいたしております。本当に、これからの日本の再生に欠かせない人物だと私は思っておりますし、そういった意味で、まさにこれから検討していただければと思っております。
 それからもう一つ、質の高い番組ということで、たびたびお願いをしておりますが、ちゃんとした返事がないので、ここでお聞きしておきたいと思っています。経済財政関連のニュースについてでございます。
 専門的な情報の提供と解説を充実して報道番組を強化する、こうありますけれども、そうした考え方からすると、ぜひ、日本の国家財政が本当に破綻するのかどうか、あるいは日本の国債が大丈夫なのかどうか、そういうことの判断材料になる新発、新規発行の十年物の国債の利子、これをNHKは毎日報道すべきだと思うんですね。株価と為替は毎日報道していますよ。しかし、残念ながら、十年物の金利は報道していないんです。
 会長、会長の命令でこれはぜひ放送できるように、報道できるようにしてほしいと思いますが、いかがですか。
○松本参考人 お答え申し上げます。
 最初の二宮尊徳翁につきまして、私も何冊か本を読ませていただいておりまして、尊敬をする方だというふうに思います。特に、農家の出身でありながら、複利、そういうものまで編み出したという大変な方ですし、いろいろなところを再建するという信念も非常に強い方だと思います。
 大河ドラマですけれども、お話を伺っているのは事実でございまして、お話を伺っているすばらしい方が大変多いものですから、そういうところの中で総合的に検討をさせていただくということでお願いしたいと思います。
 それから、経済情報で、長期金利とかいろいろなものを、国債の長期金利についてもBS1で放送しているとか、いろいろやっていますが、株価と為替と少し違って、日々の変動幅が少ないということから、少し扱いを違えているところがあるというふうに思います。
 節目では随時ニュースとしてお伝えしているということなんですが、そういうような動向を慎重に見きわめながら、今後、対応については検討してまいりたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
○福田(昭)委員 そういう答えを何度もいただいておりますが、しかし、急に上がってからじゃ遅いんですよね。やはり十年物の金利が三、四、五と上がっていけば危ないなとわかるわけですけれども、これが一%を切っていれば安心だな、こういうふうになるわけですから、財務省が日本の財政は危ない、危ないと宣伝していますから、危なくないんだよという証拠は国債の金利ですから、そこをしっかり報道するということは大事なことだというふうに思います。
 実際、それこそ六大新聞も、我々の地元の地方紙でさえ、十年物の金利はちゃんと毎日毎日報道しているわけですよ。しかも、今話もありましたけれども、夜十一時半からのBizスポーツでは、ニューヨークの、アメリカの十年物の国債の利子を報道しているじゃないですか。アメリカの報道をして、何で日本の報道をしないんですか。これは全く逆転しているでしょう。ですから、会長は夜の番組まで見ていないかもしれないけれども、理事の皆さん、そこは真剣に考えていただきたい、そう思います。
 時間も来ましたので、そろそろ終わりにしますけれども、最後に、何人かの先生方から話がございましたが、難視聴地域、デジタル放送が始まって五年以内に一応そちらの対策もとるということでありましたが、私の地元でも、旧栗山村みたいに山間部がいまだに衛星放送で見ているわけでありますので、その点、ぜひ最後に現状と見通しをお答えいただいて、質問を終わらせていただきます。
○北側委員長 久保田日本放送協会理事、簡潔にお願いします。
○久保田参考人 地上放送のデジタル化に伴いまして難視となった世帯のうち、今衛星放送によるセーフティーネットを御利用になっている世帯は、昨年末の時点で約十万世帯でございます。利用していない世帯が約一万世帯ということになっております。こうした世帯には、中継局設置、共同受信アンテナの設置ということでずっと対策を進めております。
 二十七年三月には衛星セーフティーネットは終わりますので、それまでに対策を完了して、難視を解消していきたいというふうに思っております。
○福田(昭)委員 では、よろしくお願いします。ありがとうございました。
○北側委員長 次に、奥野総一郎君。
○奥野(総)委員 民主党の奥野総一郎でございます。
 昨日に引き続き、質問をさせていただきます。
 私は、放送というのは非常に大事なものだと思っています。それを見ることで国民が一つになれる、一つの文化を共有できる。安倍総理の言葉を使えば、国柄を育むのが放送だと思っております。そして、その放送をきちんと海外に発信していく、これもまた、日本の文化を、日本の国柄を外に伝えるために非常に大事なことだと思うんですね。
 しかるに、最近のテレビを見ますと、例えば、韓国のドラマ、韓流ドラマが氾濫している。あるいは、ケーブルテレビを押すと、外国のテレビ、CNNもそうですし、ドラマがいっぱい見られるんです。それに比べて、では、日本のテレビ放送番組は海外にきちんと伝わっているのか、発信できているのかということを私は非常に懸念しております。
 放送番組といいますけれども、これは経済に与える影響も非常に大きいんですね。韓国などは、二十一世紀に入ってから戦略的に放送番組の輸出ということに取り組んできています。国が何百億も予算をかけている。だから、韓流ドラマがあれだけ日本にも入ってきているわけです。そして、例えばベトナムなんかでは、韓流ドラマが浸透した結果、私はベトナムに行ったことはないんですけれども、車とかファッションとかは韓国のものがかなり幅をきかせているという現状であります。
 ですから、私も、そういう問題意識を持ちまして、民主党政権下で、政調の放送ワーキングチームの座長をさせていただきまして、そのときに放送番組の輸出ということで取り組みをさせていただきました。政府の方に御提言をさせていただいて、字幕スーパー、吹きかえの仕組みをつくったらどうか、あるいは、放送番組の輸出の妨げになっている著作権、今実験していますが、その予算をふやしたらどうかという御提言をさせていただきました。
 民主党政権下では、来年度予算に一応入っていた。そして、今度、三次補正で、ぼんとお金をつけていただいたということでありまして、我々のまいた種を大きく育てていただいているということだと思います。
 日本も、あらゆる手段、あらゆるメディアを使って放送という文化を輸出すべきなんですね。そういう意味で、このNHKの国際放送というのも、その一翼を担うものとして非常に大きな役割を担っていると思います。
 今回、国際放送の充実ということに取り組まれるようでありますけれども、会長の方から、その内容とそして決意を伺いたいと思います。
○松本参考人 お答えします。
 今お話しのように、日本で唯一の国際放送を出している公共放送ということで、その役割は重要だというふうに思います。そこで、このところ国際放送の強化をやってきておりますし、経営計画の中の柱にもいたしております。
 NHKワールドTVは、二十四時間英語チャンネルとして大幅に強化したのは四年前、こういうことで平成二十一年になります。したがって、CNNが一九八五年、BBCは一九九一年、CCTVは二〇〇〇年というふうに考えますと、やはりスタートが遅い、こういう状況がございます。
 しかし、今相当な勢いで受信環境を広げている、こういうことがありまして、さらに、インターネットでもアプリでとれるというような環境も整えましたので、こういうものを踏まえて認知度を上げる。同時に、やはり魅力のあるコンテンツを出していくということも必要ですし、来年度からはニュースの時間も倍増する、時間帯によってはそういうようなこともやりまして、価値のある放送、NHK国際放送というふうにしてまいりたいと思います。
○奥野(総)委員 今、ちょっと次の質問にかかるまでお答えをいただいてしまったようでありますけれども。
 ここに、国際放送の視聴実態調査というのがございます。これは、チャンネル名称認知度と、実際に視聴経験があるかないかということで調査をされているようでありますけれども、大体、BBCはともかくとして、中国のCCTVとか韓国のアリランTVに負けているところが多いんですね。欧米は大体中国に負けていますし、それから、韓国に負けているのは、やはりさっき申し上げたベトナムなんかは負けているんですね。認知度もそれから視聴経験も、ベトナム、シンガポールなんかは韓国に負けているということであります。
 今、英語のニュースをふやしていくということをおっしゃっていましたけれども、今回の改革でこういったところをちゃんと改善できるのか、もう一度伺いたいと思います。
○松本参考人 ニュースの番組、時間帯によって十五分というのを三十分にするということもありますし、また、ジャンルによって、例えば、技能とかデザインとか旅行、伝統文化、そういうようなものも広げていこうと。二十四年度は、それを十五ジャンル、三十の定時番組を放送しております。
 そのほかに、日本のアニメ、漫画の最新情報とか、かわいいファッションとか、そういうことも含めて、世界にこれらは根強いファンがいるんですけれども、そういうようなものもやってまいるということで、国際放送を通じまして日本のすぐれた文化の発信に努めたいというふうに思います。
○奥野(総)委員 今、いろいろなジャンルと。これが番組表でありますけれども、十五のジャンルに分けてさまざまな番組をこれから放送していくんだというお話でありますけれども、ちょっとこう言うといけないのかもしれないですが、やはり、BBCとかCNNというのにはなかなか今さら追いつけないと思うんですよ。BBCはもう大英帝国の放送局という長い伝統がありますし、CNNも湾岸戦争のような伝統があります。なかなか海外に、特派員の数もNHKは限られているでしょうし、CNNやBBCと二十四時間ニュースで戦おうとしても、なかなか厳しいと思うんですね。
 それより、今もおっしゃっていたように、日本の得意分野であるアニメを流すとか、もっと私は砕けていいと思うんですよ。例えばJポップなんかを流せばいいんですね。Kポップがこれだけ日本で受け入れられているわけですから、あるいは世界で受け入れられつつあるわけですから、Jポップなんかも流していく。もっと音楽とかドラマとかを、先ほども言いましたけれども、今般、そういう吹きかえの補助金なんかもできたわけですから、ドラマなんかもどんどん流されたらいいと思うんですが、いかがでしょうか。
○冷水参考人 お答えします。
 NHKワールドTVは、ニュースと情報番組を中心に現在編成しておりまして、ドキュメンタリー等につきましては、NHKスペシャルを英語化した番組ですとか、かなりの数を海外に発信しております。
 それから、番組のジャンルについては、今御紹介いただいたとおりなんですけれども、その中には、日本のアニメですとか漫画の最新情報ですとか、あるいはかわいいファッションといった世界が注目するポップカルチャーを紹介する番組も紹介しておりまして、これは世界でかなり根強いファンを獲得しております。
 今後も、日本のさまざまな魅力ですとか最先端の動きを多彩なジャンルの番組で紹介して、日本のすぐれた文化の発信に努めていきたい、このように考えています。
○奥野(総)委員 今、ドラマとか音楽というのはなかったような気がするんです。これは非常に大事なんですね。韓流ドラマというのは結構与えた影響は大きいですから、ワールドTVに限らないんですが、もっとドラマとか音楽の発信に努めていくべきだと私は思いますが、大臣、クール・ジャパンの観点から、こういうワールド・ジャパン・テレビなどを活用するといったことについてはどう思われるか。
○新藤国務大臣 私もこれは注目をしている分野なんです。そして、日本の経済成長戦略の中で、コンテンツ産業の海外輸出比率を上げる、これは重要だと思います。
 実は、コンテンツ全体でいうと、私たち日本は世界で第二位の市場を持っています。アニメが多いわけですが、しかし、コンテンツ市場そのものでは世界第二位なんですね。しかし、一位のアメリカが約二割近くの海外輸出を展開しています。我が国はそれが五%未満、こういうことでありまして、言いかえれば、海外輸出比率を高める余地がまだたくさんあるということだと思いますし、世界に通用するコンテンツを我々が持っているということも事実だと思います。
 しかし、それは、日本のすぐれた番組を、日本人向けにつくったものを、ただそれを海外に出す、字幕をつけるだけで飛躍的にこの比率が上がるとは私は思っておりません。ですから、まず今は、このNHKワールドもそうでありますけれども、放送コンテンツの海外展開を促すための百七十億、予算をつくりました。これは、まず今の番組を見ていただくようなものであります。しかし、委員も同じだと思いますが、そういう戦略的な取り組みをするんだとするならば、それにあわせて世界に通用するそういうコンテンツを、それも地域に合わせた戦略、こういったものもつくっていかなくてはならないんじゃないかと思うんです。
 私は過日、NHKワールドの番組制作現場に行ってまいりました。とても生き生きしていて、そして、いろいろな人たちが、外国の人たちも参加して、いい雰囲気でつくっているんです。わずか短期間でよくここまで来たなと。数年前には、もう困ったなというぐらいのところから始まったわけですから、そういう意味ではすごい発展をしていると思います。
 このNHKワールドTVはもっとみんなに見ていただきたいと思いますし、そもそも日本人が余り見ていないですから、私も、今、大臣室の自分のパソコンは一日じゅうそれを流して、ネットで見られるようになりましたから、ぜひこれは機会があれば見てもらいたい。そして、それをまた広めていただきたい、またそれを外国にしっかりと展開できるように、そういったことを応援していきたい、このように考えています。
○奥野(総)委員 今大臣から、いいコンテンツをという話がございましたけれども、NHKのドラマというのは、やはりいいコンテンツが非常に多いと思うんですね。ドキュメンタリーもそうですが。こういったものをもっとしっかりNHK御自身が積極的に海外に売り込んでいく、こういうワールドTVのようなメディアを使って売り込んでいくというようなスタンスが私は必要だと思っています。
 時間がだんだんなくなってきたんですが、今インターネットでこのワールドTVはリアルタイムで放送しているという話がございましたけれども、翻って、先ほども質問ありましたけれども、国内の放送については同時放送というのはなかなかできていない。特例的に、今オリンピックでありますとか災害時ということですね。特例的にしか認められないということでありますけれども、BBCなんかはもう解禁になっていて、リアルタイムで見られるということなんですね。これをタブレットとかスマホで見られるようになるとどれだけ便利かということだと思いますし、使いようによっては、これは受信料とかの関係で難しいかもしれませんが、海外の方がリアルタイムでNHKを見られるということにつながっていくと思うんです。
 この同時放送について、先ほど、制度的にいろいろ問題があると会長の答えがございましたから、大臣に伺いたいんですけれども、こうした著作権とか、あるいは多分、恐らく通信と放送の概念の整理というのが必要だと思うんですけれども、これについてどのように取り組まれるか。
○新藤国務大臣 これも前向きに取り組んでいかなければいけない課題だ、このように思っているわけであります。また、ニーズというものも高まりを見せている。放送と通信の融合というのは、これはもう大きな流れができておりますから、その中で我々もこれを研究しなければいけないんだ、このようなことで思っております。
 そして、インターネットの同時配信に限らず、NHKが新たな業務を行う場合には、まずニーズを把握しなくてはなりません。それと、経費の問題が出てきます。著作権処理が、今放送用にしか処理しておりませんから、それを同時配信する場合にはまた新たなものが出てくる、こういった問題もありまして、まずはNHKにおいて経営判断がなされるということを考えております。また、それが必要だと思いますが、我々もこれについては前向きに捉え、いろいろな研究をしてまいりたい、このように考えています。
○奥野(総)委員 制度と同時に、NHKさんの前向きな姿勢も必要ということだと思います。ぜひ、NHKさんの方もしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、災害の問題で今回予算で本部機能のバックアップを要求されておるようでありますけれども、私はむしろ、本部、放送センター自体がもうぼろぼろじゃないかと思うんです。よく伺うんですが、もう老朽化していて、あそこは直下型の地震にでも襲われたらいきなり潰れるんじゃないかと思うんですよね。幾らバックアップがあっても、本部が潰れると恐らくなかなか報道がうまくいかないと思うんです。
 だから、まず、私は、放送センターの建てかえ、これはお金がかかりますよ。受信料を下げて苦しいと思います。だけれども、歯を食いしばってでも放送センターの建てかえを目指していくべきじゃないかと思うんですね。そうすると、職員の士気も上がり、いい番組もますますつくれるでしょうし、災害にも強くなるということで、ぜひそこを御検討いただきたいんですが、会長いかがでしょうか。
○松本参考人 お答えします。
 渋谷の放送センターの建てかえについては、大きなテーマとして意識をいたしております。大変大物ですので、経費もかかりますし、工期の時間もかかるということなので、経費については、できる限り経営努力をして、収支均衡の予算をさらにプラスに転化して、その分は工事費の貯金に回したい、こういうことで、先ほどお話がありましたように、その旗に向かって走れということで、みんなで頑張りたいというふうに思います。そういうことを含めて、新放送センターの建設を急ぎたいというふうに思っております。
○奥野(総)委員 以上で、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○北側委員長 次に、東国原英夫君。
○東国原委員 日本維新の会の東国原でございます。
 NHKにおかれましては、平素より公共放送としての社会的な使命、役割、そういったものを果たすために御尽力をされている、心から敬意を表し、また感謝を申し上げたいと思います。
 私も、実は、芸能界というところに三十年ぐらいいまして、放送業界に深くかかわらせていただいていたんですが、そのころは、ほとんどが民放でNHKさんの御出演というのはさほど多くなかった、理由は自分でわかっているんですけれども。ですから、きょうは、そういった意味でもしがらみもなく、非常に中立公正に質問ができるんじゃないかなと思いまして、そういう見地に立って質問をさせていただきたいと思っているところであります。
 さっき小川委員から話があったように、私も、昭和三十二年の生まれで今五十五歳なんですけれども、だんだん年を重ねていけばいくほど、どうもNHKさんの放送が何か肌に合うというかリズム感が合うというか、何か映像が合ってきて、テレビを見る比重がそっちの方に傾斜していくんです。
 そういった意味で、すばらしいコンテンツ、プログラムがこれまであったような気がするんですね。例えば「映像の世紀」だとかプロジェクトXだとかNHKスペシャルとか、ああいったものは、私は、永久保存版で残しているくらいすばらしいプログラムがあったんじゃないかなと思います。特に、復興予算のときの、復興以外に使われている、無駄な使われ方があるということを指摘されたのはたしかNHKスペシャルの番組だったんじゃないかなと思うんですけれども、ああいった番組は、さすがNHKだなという思いがしておりました。こういったところを今後も続けていっていただくことを御祈念しながら質問に移らせていただきたいと思います。
 受信料というのは、国営放送じゃない、公共放送であると、受信料体制で運営がなされていると思うんですが、この受信料制度というのはそもそもどういう意義、どういう意味があるのかという、そもそも論で申しわけないんですけれども、お聞かせ願えればと思います。
    〔委員長退席、徳田委員長代理着席〕
○松本参考人 お答えいたします。
 日本の受信料制度ですけれども、公共放送NHKの安定的な財源を保障する、こういうことで設けられている制度でございます。各国の公共放送でも、多くはその独立性を確保するために、仕組みはさまざまですけれども、何らかの形で受信料と同様の自主財源を制度で保障しているというふうに承知をいたしております。
 この受信料制度ですけれども、NHKが放送を行うための経費を、税金でもなく広告収入でもなく、広く国民により支えられる、こういう受信料で賄うことで、特定の利益とかあるいは視聴率、こういうのに左右されることなく、公共放送を安定的に維持発展させていくということが期待されているものだというふうに思っておりまして、そういう面での努力をしたいというふうに思います。
○東国原委員 ありがとうございます。
 受信料というのは、放送上、NHKの維持運営のための特殊な負担金という位置づけだと思います。放送法の第三十二条第一項にて、受信設備を設置したら、契約義務はあるが支払い義務がないということであります。ここの部分が私、昔からちょっと疑問でありまして、契約義務はあるのに支払い義務がないんですね。
 平成十九年の通常国会に提出された放送法改正案において、受信料の支払い義務化が盛り込まれなかった、盛り込まれるには至らなかったんですね。このときにどういう議論があったのか、そしてまたその理由について、大臣の方から御答弁をお願いしたいと思います。
○新藤国務大臣 これは、平成十九年当時にそういった検討がなされたわけであります。そして、当時、一連のNHKの職員の不祥事、こういったものがありまして、その中で、受信料の支払い義務化というのは、そのとき、支払い率が低下したんですね、これを回復させるための措置としての検討があったということであります。
 しかし、単に信頼が低下した状態でそれを支払い義務化するということになりますと、受信料の負担者である国民・視聴者の理解が得られないなどの判断をいたしまして、当時の総務大臣、これは今の菅官房長官でありますけれども、総務相としては、受信料値下げとそれからNHK自身の経営改革とセットでこういったことをやったらどうだという方針を表明したわけであります。
 しかし、当時、NHKの会長以下、NHKの経営陣が受信料値下げには難色を示したということでありまして、そういったことから、政府としては、支払い義務化を先行して実施することは不適当だ、このような判断から、支払い義務化の条項は法の改正案に盛り込まない、こういう判断をしたということでございます。
○東国原委員 その後、また支払いの義務化の議論は盛り上がらなかったんですか。どこかから出たりしなかったわけですか。
○新藤国務大臣 今、具体的なそういう議論というのは、それ以降、具体的なものというのはございません。
○東国原委員 世帯契約といいますか、先ほど小川委員が収納率が七十数%というような数字を出されたと思うんですが、これはちょっと私の認識とは違うんです。収納率は九十何%ではないかなと思っているんですが、世帯契約率が七六%、事業所契約率が六六%、これは合っていますか。
 これと、支払い率、収納率という言葉があるんですが、支払い率とは一体どういうことなのか、収納率とはどういうことなのか、それぞれどれぐらいの数字なのかというのをちょっとお聞かせ願えればと思います。
○福井参考人 まず、支払い率でございますが、受信料をお支払いいただく対象となります世帯と事業所のうち、実際にお支払いをいただいている割合を示した数値でありまして、これは受信料の公平負担の状況をあらわす指標として考えてございます。具体的な率につきましては、二十四年度は七三%、二十五年度は計画上七四%でございます。
 それから、収納率でございますが、これは受信契約を結んでいただいて支払い対象となっている世帯と事業所のうち、実際に受信料を支払っていただいている率でございまして、二十四年度が九六%、二十五年度につきましても九六%ということでございます。
 支払い率、収納率につきましては、ホームページ等で全て公表してございます。
○東国原委員 収納率というのは、契約をしている世帯が幾ら払っているか。九十数%で、これは地方行政を経験させていただいた立場からいうと住民税とか地方税の徴収率なんですが、問題は世帯契約率ですね。
 テレビを買ったら、それは契約をしなければいけない。ただ、実際に契約しているのは七十数%。契約率が低い理由について、どういう御見解を持っていらっしゃいますか。
○福井参考人 世帯契約率については七六%、事業所の契約率は六六%、これが低い理由ということなんですけれども、我々としては、契約率の向上に努めて、公平負担の徹底を図るために、受信料制度に対します視聴者の理解を深めることが重要だということを認識してございます。そのために、放送やイベント等によりまして、受信料制度の理解促進のために全組織、全職員で積極的に取り組んでおります。
 もう一つの理由としましては、受信料につきましては、電気とかガス料金のように使用した部分が課金されるという従量制とは異なり、協会の放送を受信できる受信機を設置した方から公平にお支払いをいただくものでありまして、こうした点について理解を得づらいという部分もあるのではないかと考えてございます。
 受信料を公平にお支払いいただくことで、NHKの自主性、自律性が財政面から保障され、特定の利益や視聴率に左右されることなく多様で良質な番組づくりができるということで、この受信料制度の意義について、いろいろな場面で積極的に周知を行ってございます。
○東国原委員 総務大臣の意見書にも書かれておりますが、未契約者や未払い対策、収納率の向上には、多様な手法を活用することとあります。実際、どのような手法を活用されて、どのような努力をされているのか、お伺いいたします。
○福井参考人 受信料の公平負担を徹底するために、三カ年の経営計画では、効率的な業務体制の構築に向けた外部委託化の拡大、民事手続の強化、それから、訪問によらない契約収納法の開発、各種法人、団体等との連携によります営業改革を推進することとしてございます。
 具体的には、訪問によらない契約収納法の開発としまして、BS設置確認のメッセージを活用した電話等での契約の手続、それから、住民票の除票を活用した住所変更の提出の省略、これらに取り組んでございます。それから、各種法人、団体等と連携しまして、郵便局の転居届とNHKの住所変更届が一度にできるワンライティング化などにも取り組んでいるところでございます。
○東国原委員 予算を見てみますと、契約収納費が、平成二十五年度、約五百八十二億円。これは収納促進に使う予算であるということであります。平成二十四年には約五百八十億円。二十五年に五百八十二億なので二億ふえておるんです。
 二億上がったというのはどういう理由で、これによってどれぐらい収納率というのは上がるものなのか、お答えいただければと思います。
○福井参考人 契約収納費が二億ふえたという要因は、主な要因としましては、当然、受信契約件数がふえてございますので、いろいろな手数料がふえたということが一つの要因でございます。
 それと、具体的な効果で申しますと、二十三年度末の収納率、これは有料契約のうち収納に至った率ですが、九五・三%でございます。今、二十四年度は九五・九%まで上がってきてございます。さらに二十五年度にはこの契約収納費を使って九六・三%まで上げて、着実に収納率を向上させることとしてございます。
○東国原委員 今の説明を聞くと、収納費が上がれば、ずっと収納率が上がるということですね。そういうことなんでしょうか。
 この約五百八十億の中の外部委託はどれぐらいのパーセンテージで、いかほどになっているか、お聞かせください。
○福井参考人 契約収納費をふやすことによって、収納率も上がりますし、全体の契約の増加数が上がります。これが一番大きな要因でございます。
 それで、法人委託のところでいきますと、契約収納費のうち、法人委託としましては百三億円の経費を計上してございます。
○東国原委員 まとめて聞けばよかったんですけれども、また出ていただきます。
 外部委託した場合、その教育とか研修なんですね。うちにもNHKの方が来られるんですけれども、私はコンビニで払う方なんですね。コンビニで払う、払うと何回言っても、自動引き落としの紙が来るんですよ。あれは非常に無駄じゃないかなと思っているんです。
 それは別として、教育、研修ですね。
 私がコンビニで払います、払いますと言うと、この間、ちょっと腹が立ったのが、ちぇっと言われたんです。コンビニで払いますと言っているのに、ちぇっと言われたんですよ。教育、研修というのはどうなっているのかというのをちょっとお伺いしたいです。
    〔徳田委員長代理退席、委員長着席〕
○福井参考人 そのコンビニの件はちょっと承知しかねますが、多分、伺った者は、口座にしますと五十円さらに割引があるので、そういうことがあったんじゃないかと思います。
 教育と研修につきましては、これは公開競争入札等により外部委託業者を決めてございますが、業務の開始までの準備期間に、初期段階におきまして、その法人の管理者を対象にしまして、NHKに関する知識、それからお客様との対応方法等について講習会をきめ細かく実施をしてございます。それから、日常的にも、法人の管理者の訪問スキルや管理ノウハウの習得状況をチェックシートにして把握しまして、必要な育成をきめ細かく行ってございます。法人への教育、研修につきましては、積極的に取り組んでいるところでございます。
○東国原委員 支払い率が低いのは、都市部がやはり低いんですね。平成二十三年度末で、大阪が五七・二%、東京が六〇・八%、都市部が大体低いんですね。そして、もっと低いのが沖縄なんです。沖縄が四二・〇%、断トツに低いんですよ。この理由についてお伺いします。
○福井参考人 都市部は、世帯の移動が非常に多くて、転居先の把握が非常に困難であるということ、それから、単身世帯、オートロックマンション等の割合が非常に大きく、面接が非常に困難であるということが要因でございます。NHKの契約収納活動が困難な環境にあることが影響して、そういう面で都市部が低いという状況になってございます。
 それから、沖縄につきましては、戦後二十七年間、米国の統治下にありまして、昭和四十七年に、沖縄の日本復帰に伴いまして、旧沖縄放送協会、OHKですが、これの業務をNHKが継承してございます。このために、受信料制度に対して非常になじみがない期間が長くて、民放が十年以上先行したということもございまして、そういう歴史的背景が影響しているものと考えてございます。それからもう一つ、沖縄は大小さまざまな島がございまして、それもありまして契約収納活動が非常に広範囲にわたるということで、そういう地域的な特性も影響していると考えてございます。
○東国原委員 米軍関係の話が出ましたけれども、米軍関係の方たちはたしか支払っていないと思うんですけれども、これもちょっと問題があるんじゃないかなと思うんですね。
 あと、こんなに都市部で住宅が密集して、オートロックがふえて、それでも面接方式に頼っているのかというのが、私は、何かやる気があるのかという感じがしないでもないんです。
 現在、受信料全額免除世帯はどれぐらいあるのか、その推移と減収について。そしてまた、生活保護の増加等によって受信料の免除はどれぐらいふえたのか、お聞かせ願えればと思います。
○福井参考人 まず、受信料の全額免除世帯でございますが、二十四年度末現在で百八十八万件となる見込みでございます。お支払いいただいていた方が全額免除になる件数としましては、ここ三年間、毎年十八万件発生してございます。
 それから、二十四年度の全額免除世帯に対します免除額は総額で二百九十九億円となりまして、ここ三年間では百二十四億円の増加となってございます。
 それから、生活保護等の公的扶助受給者の受信料の免除につきましては、二十四年度末で百九万件でございまして、金額にしますと百六十五億円となる見込みでございます。ここ三年間では三十七万件、六十八億円の増加ということになってございます。
○東国原委員 私は以前から思っていたんですが、私見なんですけれども、携帯電話を買ったら、使おうが使うまいが、有無を言わさずそこで契約しなきゃいけないですよね。テレビも今や、NHK受信料は同じ性質なんじゃないかなと思うんです。
 ですから、受信機器のある機器を販売、購入した時点で、もうそこで契約する、あるいは機器代の中に受信料を入れて販売するとか、そういった方法を考えないと、なかなか、先ほど言ったように面接方式で、ぐるぐるぐるぐる回って、委託費はかかるし、収納費に五百数十億もかかるわけです。例えばテレビにコンバーターなりなんなり機器を入れる、ちょっとお金がかかるかもしれませんが、それはそれとして、収納率、支払い率を上げるために、やはりこういう方法もこれからは考えていくべきなんじゃないかなと思っているんです。いかがですか。
○塚田参考人 お答えいたします。
 現在でも、電器販売店などの御協力をいただきまして、機器販売時に受信契約を取り次いでいただくことは行っています。しかし、受信機器の販売に特段の制約はないので、現行の法制度のもとでは、販売時に全ての受信機器について御指摘のように自動的に契約を結ぶというような仕組みにすることは難しいという認識を持っております。
○東国原委員 パソコン等に特別のチューナーをつけるとNHK放送を見られますよね。オンデマンドはパソコンで見られると思います、またワンセグつきの携帯電話からも視聴できますね。これはワンセグを持っている、携帯を持っている方たちにはそれなりに徴収の面接があると思うんですけれども、払っている人と払っていない人、携帯ですから、なかなかこれは難しいと思うんですけれども、この数と、受信料の支払い状況というのがもし把握されていたら教えていただきたいと思います。
○福井参考人 放送法の第六十四条では、協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者に対しまして受信契約を義務づけております。パソコン、ワンセグつきの携帯電話につきましても、当然、これはテレビジョン放送を受信できれば受信設備に該当することから、受信契約の対象にはなります。
 ただし、受信契約者の方から受信設備の形態まではお届けをいただいていないために、パソコン、ワンセグでの形態別の受信料の件数については把握できてございません。
○東国原委員 もう今や各家庭、一人に一台のパソコン時代、携帯時代になっているんですけれども、そういったところからも収納率を上げるとか、支払い率を把握して上げるというような努力も必要なんじゃないかなと思っているところであります。
 未契約者や未払い者に対する罰則、そしてまた強制的な徴収手続は放送法上規定されていないと承知しておりますが、最終的には民事訴訟の手続になると思っているんですが、この民事訴訟、今、何件ぐらいあって、どういうふうな現状になっているのか、また解決したのかどうなのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○福井参考人 民事の手続につきましては、受信契約があって受信料のお支払いが滞っている方を対象にします支払い督促、それから未契約の世帯や事業所に対する未契約訴訟を行ってございます。
 二十五年二月末現在で、支払い督促の申し立て総件数は三千七百六十五件でございます。そのうち八割を超す三千百二十八件が解決済みとなってございます。それから、未契約訴訟の件数でございますが、これは二月末現在で五十八件でございます。この内訳は、世帯が五十二件、事業所が六件。このうち解決済みは二十三件ということで、それ以外については訴訟係属中でございます。
○東国原委員 民事訴訟に至るまでのプロセスといいますか、どの辺まで払わない、あるいは拒否したら民事訴訟に行くのか、その基準みたいなものは明確にあるんですか。お願いいたします。
○福井参考人 民事の手続につきましては、何度も繰り返し訪問しまして放送法の趣旨を説明する等、誠心誠意、丁寧な対応を重ねてもなお受信料をお支払いいただけない方等を含めまして対象としてございます。
 そういう方を対象として、やむを得ず実施をしてございますが、基準についてはございませんで、民事手続につきましては、準備が整ったものから順次実施をしてございます。これは、受信料の公平負担を進める観点から取り組みをやってございます。
○東国原委員 何かこの辺がちょっと、中途半端といいますか手ぬるいといいますか、基準がはっきりしていない。でも、訴訟を起こす、そのままだらだらと何か解決していく。永遠にこれをやっていくのかという、未契約が二十数%いて、それだけの件数を民事訴訟の対象にできるのかどうか、これはちょっとどうなのかなと私は思っているんですね。
 受信料はどのように決定しているのか、お伺いします。
○塚田参考人 お答えいたします。
 受信料の料額につきましては、NHKの事業運営に必要な総経費、例えば番組制作費等の物件費だとか人件費だとか減価償却費等に対して繰越金の使用分を含む総収入が見合う、いわゆる総括原価方式を基本に算定しています。
 受信料は公共料金の性格を有するものでありますので、なるべく長期間にわたって安定した料額であることが望ましいと考えていまして、受信料額につきましては、三年から五年程度の期間で事業運営の総経費に対して繰越金の使用を含めた総収入が見合うような形で設定するという基本的な考え方で設定しております。
○東国原委員 総括原価方式ですね。総括原価方式というのは、東電のときにちょっと問題になったんですけれども、コスト意識が希薄になる、そういう欠点があるんでしょう。
 コスト意識について、私の体験なんですけれども、NHKの番組に出させてもらったときに、打ち合わせとかリハーサルがやたら多いんですね。そのたびに出向きまして、会議をとって会議費等々がかかる。リハーサルは何回もやったのに本番で違うことをやるんですね。まあ、我々がアドリブでやってしまったのでそうなったのかもしれませんけれども、一体リハーサル、打ち合わせは何日間もかけてやるべきだったのか。
 そしてまた、ロケとかに行きますと、カメラの数や機材、今はどうかわかりませんが、人員とかそういったものが物すごい、民放よりも倍ぐらい多いんですね。弁当がやたらいいんですよ。豪華だったんですね、ロケバスとかそういったものも。それでも出演料は民放より全然低いんですよ。この辺のアンバランスさが非常にわかりづらかったんです。
 このコスト意識のことを言いたいんですけれども、どうも総括原価方式というのはコスト意識が希薄になると思うんですが、その辺はどうお考えですか。
○塚田参考人 お答えいたします。
 コスト意識ということですけれども、NHKでは、平成二十四年度からの三カ年経営計画に基づきまして、去年十月からの受信料額の値下げを実施しております。こうしたことを含めて、効率的な事業運営と経費の抑制に努めております。
 この受信料額につきましては、国会の同意を得た委員で構成される経営委員会においても経営の効率化を徹底的に検討した後に算定したものであります。
 なお、NHKの総括原価方式の考え方ですけれども、昨年度、会計や法律などの有識者で構成する第三者機関のNHK受信料制度等専門調査会においても御議論いただきました。現在の仕組みは妥当であるということで答申を得ております。
○東国原委員 そのNHK受信料制度等専門調査会なんですけれども、このメンバーはどういったメンバーで、どういう構成をされておられるんですか。
○塚田参考人 受信料制度等専門調査会は、会計や法律などの外部の有識者八名で構成されております。
○東国原委員 平成二十三年七月のNHK受信料制度等専門調査会の報告書に、受信料額算定に当たっては、その時々の情勢に影響されて決まることのないよう、一定の手続ないし、決定当事者等から一定程度独立した第三者機関の審議を経て決定される仕組みを検討すべきとありますが、これはどういうことでしょうか。
○塚田参考人 平成二十三年七月の報告書ですけれども、会長の諮問機関であるNHK受信料制度等専門調査会で、受信料額の決定方式として現行の総括原価方式が妥当であるという、今申し上げましたような答申を得ております。その中で、将来の検討課題として、御指摘のような意見が出されたというふうに承知しています。
 現在の受信料の月額ですけれども、これは、放送法七十条で、国会が収支予算を承認することによって定めると規定されていますので、今後どのような対応をしていくのかということは幅広く考えていきたいというふうに考えております。
○東国原委員 おっしゃったとおりなんですね。電気やガスは認可制ですから、行政がチェックするということなんでしょうけれども、公共放送は言論にかかわることなので、国会同意人事の経営委員会、そしてまた、こうやって国会でチェックしているという構図だと思うんですが、やはりコスト意識でチェックされなきゃいけないんじゃないかなと思っているので、こういう質問をさせてもらっているんです。
 以前、松本会長がマトリックスコスト管理手法という言葉を発せられておるんですが、これは一体どういうことなのでしょうか。
○福井参考人 マトリックスコスト管理手法でございますけれども、NHKは、放送法の施行規則によりまして、国内放送とか契約収納、給与などの科目に従って予算管理を行っておりますが、二十五年度予算から、そのマトリックスコスト管理の視点を踏まえまして、初めての試みとしまして、チャンネル別経費を把握、公表してございます。
 具体的には、国内放送と国際放送の実施に要する経費を、地上波でいきますと、総合テレビ、教育テレビ、ラジオ第一、第二、FM、それから衛星放送のBS1、BSプレミアム、国際放送のテレビ、ラジオを合わせて九つのチャンネル別に経費を把握してございます。これにつきまして、この説明資料の十ページに記載をしてございます。
 今後、予算と同様に決算につきましても、このチャンネル別の経費を把握して公表していきたいと考えてございます。
○東国原委員 二〇一一年十月、経営委員会は二〇一二年からの三カ年経営計画を決められました。〇八年作成の現行の経営計画では、一二年度から受信料収入の一〇%の還元を打ち出されました。まず、これは当初、受信料一〇%値下げというイメージでありましたが、実際は、受信料の全額免除が予想以上にふえたことや東日本大震災による緊急災害対応の影響等がありまして、結局七%の値下げになったと伺っております。
 現在、受信料は地上波だけの契約で月千三百四十五円、平成二十四年の十月から最大で月百二十円。これは、口座振替やクレジットカード払いの契約者で月百二十円ですね、減額が。私はコンビニなので月七十円の減額なんですね。私は、この月七十円の減額、これは、どうもちまちました値下げみたいな気がするんですよ。
 この効果と契約者の反応等について、調査をされておられますか。もしおわかりだったら教えてください。
○福井参考人 値下げが決まってから、八月の十三日から十月の末まで、NHKに視聴者からの反響が一万五百九十四件ございました。この大半は、どういう意見かといいますと、自分の受信料が幾ら下がるかという質問とか、前払いした分がどうなるかという内容がほとんどでございます。月七十円なんですが、全体としては三カ年で千百六十億円の減収ですし、二十五年度につきましても、四百億を超す減収になってございます。
 それで、効果としましては、口座、クレジットの支払いが五十円値下げ額が大きいことから、口座振替、クレジット支払いの利用者数がふえてございまして、二十四年度末では、両方の利用率が七八・九%まで上がってございます。これは、NHKにとっては、受信料の安定収納に結びつくということで考えております。
○東国原委員 私は、一個人として、これぐらいの値下げより、受信料支払い率を上げるとか、増収努力とか、災害対策等を含む放送体制の強化とか、あるいは放送内容のさらなる充実だとか、そういったものに、公共放送の使命と役割、そっちの方に向けていただいた方が、個人的にはありがたいなと思ったりもするんですね。
 NHKは公共放送として良質な番組を提供する義務と責任というのがあると存じておりますが、顧客サービスの値下げというのも重要なんでしょうが、視聴率や広告料にとらわれなくても済むNHKしか制作できないような良質な番組、これが受信料の意義ですよね。だったら、その良質な番組を制作する方に努力をされていた方が、そちらの方にコストを向けられていた方がいいんではないかなと思うんですが、その辺のお考え、いかがでしょうか。
○塚田参考人 お答えいたします。
 委員の御指摘の点ですけれども、NHKとしては、効率的な業務運営をするとともに、公共放送としての使命を果たしていくということで、視聴者の皆さんの期待と信頼に応えていくことが大事だというふうに考えて、今の三カ年経営計画とか、今審議をいただいています二十五年度の事業計画の重点的な取り組みで掲げております。
 例えば、去年八月の東海・東南海・南海地震の被害想定が見直されたことを踏まえて、設備の強化対象の拡大など、公共放送の機能強化に早目に対応するということを行っていますし、新年度の番組編成では、国内外の課題を伝える公正で正確なニュースや、家族で楽しめて考える番組、NHKの高い技術で撮影に挑む大型シリーズ、それから文化、芸能、教養など幅広い分野で、NHKらしく質にこだわった多彩な番組を届けるということを目指しております。
 御指摘のように、NHKらしい、NHKだからできる質の高い番組の提供に努めまして、NHKブランドをさらに確固たるものにしていきたいというふうに考えております。
○東国原委員 ありがとうございます。
 東京タワーからスカイツリーに電波が変わると思うんですが、この一部地域の世帯で受信障害が起こる可能性があるんですね。私のところの携帯に、数日前に突然電話がありまして、受信障害が起こる可能性があるのでというような報告が来ました。今どのような受信障害が、どういう地域にどれぐらいの世帯起こる可能性があるのか、お知らせ願えればと思います。
○久保田参考人 お答え申し上げます。
 スカイツリーへ送信所が移転することに伴いまして新たに発生いたしますビル陰などの影響によりまして、一部の世帯で受信障害が発生するものと見込まれております。
 地域とどれくらいの規模かという御質問でございますけれども、地域的には、スカイツリーの東、北の地域が比較的多いということがわかっております。それから、どれくらいかということでございますが、昨日までで四万五千件程度ということが判明しております。
 これはNHKと在京民放五社で、スカイツリーから試験電波を出しまして正しく受信できるかどうか確認していただく受信確認テストをずっとやっておりますけれども、これで障害が発生した世帯から電話をいただきまして、対策を進めております。その電話をいただいて、わかった数がこれまでに四万五千ということでございます。
 ことし五月の移転を目標に、できる限り丁寧に対策を進めていきたいというふうに考えております。
○東国原委員 次の質問です。
 日本放送協会平成二十五年度収支予算、事業計画及び資金計画に付する総務大臣の意見で、東日本大震災に関する災害映像や復興の記録、被災者の証言等のアーカイブ等、記録の伝承とこれらの公開に努めることとなっております。東日本大震災の災害映像とか復興の記録を残すことは非常に重要だと思うんですね。
 これについて現在の取り組み状況等々をお知らせいただければと思います。
○石田参考人 被災者の証言をもとにした番組制作を行い、この取材をもとに平成二十四年三月にウエブサイト、東日本大震災アーカイブスを公開しております。ことし三月現在、二百四十四人の証言と五百三十六本のニュース映像などを関連する記事とともに公開しています。大災害の記録を伝え、インターネットを通じて簡便に閲覧できる仕組みとして今後も継続させていく予定です。
 それから東日本大震災を記録した膨大な映像については、ニュース素材を中心に、今、発生から一カ月後までの保存、整理が進んでいます。未曽有の災害の記録を正確に体系的に保存するための取り組みを続けて、将来の防災、減災に役立つ番組制作に生かしていきたい、そのように考えております。
○東国原委員 ありがとうございます。
 続きまして、人件費、主に給与についてお伺いしたいと思います。
 平成二十四年度予算の給与総額から要員数を単純に割り算してみますと、平均給与額が一人当たり一千百万円を超えているんですね。二〇一一年度で一千百八十五万円。
 国家公務員や地方公務員も給与を下げ、我々国会議員も下げている時代であります。今回出された給与制度改革について、その内容等をお知らせ願えればと思います。
○吉国参考人 お答えいたします。
 基本的には、今のNHKの給与制度というのがまだ年功序列的な要素が残っておりますので、そういうものをできるだけ抑えまして、努力や成果をより反映させるように見直すことであります。
 そのために、まず基本給、賞与といったところ、こういった基本賃金を見直しまして、おおむね五年間で一〇%程度引き下げるということを見込んでおります。それから、管理職について登用資格試験を導入しまして能力主義を一層徹底させる。それから、地域水準を意識した給与とするために地域職員制度というものを新設いたします。さらに、いろいろな職員に与えている手当の中で、役割を果たしたものについては廃止するなど、支給項目を削減して整理していくというような形にしておりまして、また、これは、組合との交渉段階でありますけれども、この形で何としても実現していきたいと思っております。
○東国原委員 基本賃金の一〇%を目安に、おおむね五年で引き下げるということ。これの全体的なイメージ、五年でおおむね一〇%、具体的にどういう感じで五年で一〇%なのかというのを。
 そしてまた、もう一つ、地域職員制度の新設というのがありました。これは今まで地域地域が一律だったんですね。それを地域によってちょっと差を設けるということでよろしいんでしょうか。
 もう一つ、手当の廃止というのがありました。この手当というのは、今までどういう手当があったのかというのをお知らせ願えればと思います。
○吉国参考人 まず、基本賃金のところでありますけれども、今定昇とか賞与とかいろいろ決まったものがあります、全員が受け取れるもの、給与が上がっていくときに。この辺のところを抑えて、今まで賃金カーブ、年齢とともに上がっていく賃金の上昇のところは低くしまして、そのかわりに、努力した人とか能力を認められた人たちについては、そういったいろいろな加算ということで、めり張りをつけていくという形で。ですから、全体の賃金カーブを下げますので、その形で、五年間で一〇%程度の削減になっていくというものでございます。
 それから、廃止される手当については、クリエーティブ手当という、これは自己啓発のための手当なんですけれども、一定の金額を渡し切りにしておりますので、これは、当初の段階としては、放送業界というのはクリエーティブな産業であるということでありましたけれども、やはり目的をもっときちっとしたものに変えていく必要があるということで廃止させていただきました。
 それから、離島に勤務する人たちに対する特地手当というのもありまして、これについても、今そういう形の交通手段が発達してきていますので、必要なくなったということであります。
 それから、地域職員制度についてはそういうことでありまして、各地域ごとに分けるということではなくて、特定の地域、それぞれの地域を指定して、できるだけ転勤がないような制度をつくって、そこに全国職員と地域職員の間で一定の処遇の差をつけるという形を考えております。
○東国原委員 ありがとうございます。
 それでは、会長と役員の方々、そして経営委員の給与はそれぞれ幾らか。また、それは減額されるのかどうか、お聞かせ願えればと思います。
○浜田参考人 経営委員会委員、会長、理事の報酬は、放送法第二十九条に基づき、経営委員会で決定をしております。
 新年度の報酬は、毎年四月に議論し、議決をしております。二十五年度の報酬についても、この四月に経営委員会で議論することになっており、現時点ではまだ決定はしておりません。
 ちなみに、平成二十四年度の役員報酬でございますけれども、経営委員長が、非常勤の場合は六百三十三万円、委員が五百六万円。それから、執行部の方でございますけれども、会長が三千百九十二万円、理事が二千二百五十六万円になっております。
○東国原委員 済みません。会長と副会長、専務理事、普通の理事。それで、経営委員は常勤の委員と非常勤、今おっしゃったのは非常勤の方ですね。
○浜田参考人 全て申し上げます。
 経営委員長が、非常勤で六百三十三万円、代行が五百七十万円。非常勤の委員が五百六万円、常勤の委員が二千二百五十六万円であります。
 それから、執行部の方ですけれども、会長が三千百九十二万円、副会長が二千七百七十万円、専務理事が二千四百二十万円、理事が二千二百五十六万円となっております。
 以上でございます。
○東国原委員 済みません。経営委員長はお幾らですか。
○浜田参考人 非常勤の委員長は六百三十三万円であります。常勤であれば、会長の給与になるというふうに思っております。会長の報酬と一緒と理解しております。
○東国原委員 ちょっと聞こえない。経営委員長の給与ですよ。
○浜田参考人 経営委員長は六百三十三万円です。非常勤です。(東国原委員「常勤は」と呼ぶ)会長と同じ三千百九十二万円であります。
○北側委員長 一旦座ってください。
○東国原委員 整理しますね。
 会長の報酬は三千百九十二万円、副会長は二千七百七十万円、専務理事が二千四百二十万円、いいですか。(浜田参考人「はい」と呼ぶ)普通の理事が二千二百五十六万円。経営委員長が三千百九十二万円ですね、常勤。(浜田参考人「はい」と呼ぶ)
 ちなみに、総理大臣が二千七百二十七万円なんですね。これは三〇%カットされているんですね。閣僚クラスの方が二〇%カットをされております。国会議員が一二・八八%カットで、千八百四十二万円となっております。だから、総理大臣よりも高いんですね。恐らくこの会場にいらっしゃる中で一番お高いのが会長さんということになります。
 経営委員会はどのくらいの頻度で開催されているのか、お伺いします。
○浜田参考人 お答えいたします。
 原則として、毎月二回、定例会を開催しております。そのときの議題によっても変わりますけれども、定例会はおおむね三、四時間程度の時間を要しております。
 以上でございます。
○東国原委員 役員報酬とか経営委員の報酬も経営委員会で決まっているのでしょうか。
○浜田参考人 はい、そのとおりでございます。
○東国原委員 続きまして、退職手当・厚生費というのがありますが、これはどういう内容になっているのか、お伺いします。
○吉国参考人 退職手当・厚生費ですけれども、退職手当や年金、社会保険料の雇用主負担、それから福利厚生施策に関する費用であります。
○東国原委員 これは社宅費というのも入っているんでしょうか、お伺いします。
○吉国参考人 社宅に関する費用も退職手当・厚生費に含まれております。NHKの場合、各放送局の通勤圏内に社宅がありまして、転勤先に自家がなく一時的に住宅を必要とする職員に対して住宅を貸与し、使用料を徴収しております。
 NHKの場合、全国規模の転勤がありますことや、緊急報道ですぐに局に駆けつけなきゃいけないという問題もありますので、一定規模の社宅は必要でありますけれども、これについては、基本的には保有戸数を減らしていく方向で進んでおります。
○東国原委員 福利厚生施設とか保養施設、この状況はどうなっていますか。
○吉国参考人 福利厚生施策としましては、先ほども言いました、転勤者への一時的な住宅の貸与、それから職員食堂等の運営、それから保養所の運営などが中心となりまして、大体、他企業と同様の内容となっております。
 保養所につきましては、NHKの健康保険組合が運営しておりますけれども、順次廃止して縮減を進めておりまして、現在は全国で三カ所となっております。
○東国原委員 ちょっと時間もなくなったので、大分端折っていくんですが、NHKにはどれぐらいの関連団体、子会社がおありになるんですか。
○吉国参考人 まず、NHKが株式の過半数を有する子会社、これが十三団体、それから、NHKまたは子会社が他の会社の財務及び事業の方針の決定に対して重要な影響を与えられると認定される会社、これは関連会社、これが五団体、それから、関連の公益法人が九団体ということで、合わせて二十七団体が関連団体となっております。
○東国原委員 関連団体への業務委託費はそれぞれどうなっているのか、関連会社に業務委託することでどれぐらいの経費削減、人員の削減になっているのか、お知らせください。
○吉国参考人 お答えいたします。
 子会社等への業務委託費でございますが、二十三年度の決算で千二百三十億円となっております。さまざまな業務や委託形態がありまして、これは削減効果と一概に言えませんけれども、かなり効率的な運営が行われていると考えております。
○東国原委員 この関連団体がNHK職員の天下りになっているのではないか、あるいは出向先、あるいは収入の外部移転先になっているのではないかという指摘も一部にあるんですが、それについてのお考えをお示しください。
○吉国参考人 NHKとそれぞれの関連団体の関係でございますけれども、NHKが公共放送の業務をより効率的に実施するために、業務の一部を関連団体に移転しまして、そこで低コストで効率的に運営していくということが必要だということで、これまでずっとそういう形で、分業体制で進めてきております。
 NHKから確かに退職して関連団体に行く職員というのはいるわけですけれども、この人たちは、NHKで培った知識、経験、人脈を生かしまして、むしろ高いスキルを持った退職者が関連団体で引き続き能力を発揮してもらう、それで、その中で、技術とかノウハウをその関連団体の人たちに移転していくということが人材の活用の観点からも重要なことであると思っております。
 いわゆる天下りと言われるものは、省庁の公務員がその影響力を行使して、民間会社、団体等に再就職するものでありますけれども、私どもは、その天下りというのとは全く違って、双方の関連団体、NHK全体のグループ経営を進めていくために必要な制度だと思っております。
○東国原委員 人件費とか、この関連団体のことはもうちょっと深く質問したかったんですが、もう時間がなくなったのでこれぐらいにさせていただきます。
 いずれにしろ、NHK、すばらしいコンテンツですね。海外にも発信されておりますし、すばらしいプログラミングをされていると思うんですが、余り視聴率とかそういうのに左右されない、NHKらしい教養番組とかドキュメントだとかニュースだとか、そういったものをこれからも配信していただいて、社会的な役割を、使命を果たしていただきたいということを強く要望しまして、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
○北側委員長 次に、佐藤正夫君。
○佐藤(正)委員 みんなの党の佐藤正夫です。
 まず、質問をさせていただきますけれども、基本的にNHKの事業費は受信料で賄われていますね、九七、八%。そういう中で、受信料というのは国民が払っている、そういう意味で公共である、そういう観点から御質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 また、お断りしておきますが、声が大きいものですから、時々声が高くなったりするときは、余りびっくりされないようによろしくお願いをしたいと思います。
 今、東国原さんの方から質問がありましたけれども、大体ダブっちゃって困ったなと思ってはおるんですが、まず最初に、受信料を一〇%下げようというふうになった経緯をまたもう一度お教え願えないでしょうか。会長、よろしくお願いをいたします。
○松本参考人 お答えいたします。
 前回の経営計画は平成二十一年から二十三年度でございましたけれども、その策定に当たって、業務の一層の効率的な運用などを進める改革努力ということで、収支差金を生み出して、そして視聴者の皆様の負担の軽減に充てたい、こういうことでございました。
 この経営計画策定の際に経営委員会から、受信料収入の一〇%を原資にした値下げ、それから二十四年度、二十五年度の収入、支出、繰越金の明示、あるいは二十四年度の値下げを次期経営計画の目標の一つとして記載する、こういうようなことがございました。これは経営委員会と執行部で議論があったようですが、経営委員会からの修正動議とかがありまして、計画の内容を一部修正の上、賛成多数で議決された。
 その修正で、受信料の還元については、完全デジタル化への移行を見定めつつ、受信料の公平負担への取り組みを徹底して、構造改革を進めることで、収支差金を生み出す努力を続けて、平成二十四年度から受信料収入の一〇%の還元を実行する、こういう形になっております。
 ただ、還元の方法は幾つか具体的には考えられるので、前提条件として社会経済状況の変化等を考慮して最適な方法を決定する、こういうようなことになっておりました。
○佐藤(正)委員 社会情勢、それから震災があった、だから一〇%が七%ということを言われたいんだと思いますが、まず、そもそも、先ほど総務大臣の方からも話がありましたけれども、不祥事がずっと続いたでしょう。この不祥事をきっかけにして、受信料が毎年毎年減額に、受信料を払わない方がたくさんふえたんですよね。
 一つ考えてみたら、受信料を払っている方がNHKの株主だとしたら、こんなところに出資できるかと信頼を失ったんですよね。我々の出資金がどういうふうに使われているんだろうか、何でこんな不祥事ばかりするところに、こういうことなんですよ。そこでいろいろな議論が起きて、一〇%は、実は議事録を見ると大体二〇%から始まったような話もあります。そして、一〇%に落ちついたということなんですね。だから、いち早く信頼回復をやらなきゃいけないのは事実です。
 しかし、今回、今の議論を聞いていますと、例えば七%にしても、総括原価方式の中で経費をのけようとしたら、一番最初に人件費が来るんでしょう。そこで、人件費等を削減するためにどのような努力をされたのか、重複すると思いますが、お願いをいたします。
○松本参考人 お答えいたします。
 経営計画では二百八十人の減を見込んでおります。また、やはり不祥事をきっかけに信頼を失ったということがあると思いますので、その信頼をきちっと回復する、これは今度の経営計画の四本柱の中の一つに掲げております。そして、その信頼の中では、放送に対する信頼、それから職員の仕事の進め方とかそういうことに対する信頼というものをきちっとやっていこう、こういうふうにしております。そういう中で、全体のそういうものを落ちつかせようということですが、不祥事案件そのものは、私の見ているところ、比較的落ちついていると思います。
 そういう中で推移をしておりますけれども、人件費については、先ほど少し説明がありましたけれども、やはりNHKの体質改善というか、仕事をきちっとやる、それからやる人を評価する、そういう形の中で制度改正が必要だ、それから同時に賃金カーブも整理する、こういうようなことで、現在、組合に提示をして、交渉しているということであります。
○佐藤(正)委員 ちょっと小さな字で見えにくいでしょうけれども、お手元に資料を配付しておりますので、その資料を少しまとめてフリップにしました。
 先ほど来ありましたけれども、この資料で見ますと、実は、人件費の削減について、NHKからいただいた資料ですけれども、削減になっているのが職員給与の二十・六兆円。役員報酬は、棒線が引いてあって、今のところ、なしですよね。四月にどうも決められるということですが、先ほど聞いた役員の方々の報酬、受信料を払われている皆さんは恐らくびっくりされたと思いますよ、あの金額を聞いて。どうもやりとりを聞いていると、一遍にすぱっと言えばいいのに、何かしどろもどろしながら、少しずつ小出しで出すような、そんな答弁の仕方だったので僕はあれっと思ったんです。すぱっと出せばいいのにな、堂々とやればいいのになと思います。
 しかし、先ほど来ありましたように、確かに、総人件費、これは人数も出ていますけれども、割ってみると、言われるとおり、平均給与は一千百八十五万円なんですね。平均ですよ。採用された、幾つになるんでしょう、二十で採用されるかもしれませんが、大卒が多いということなので二十二としても、退職されるまでの全職員の平均が一千百八十五万円なんですよ。余りこういう企業はないんじゃないでしょうかね。総括原価方式でやっていた今までの電力会社よりも高い平均給与が払われています。そしてまた、先ほど来から福利厚生の話が出ましたけれども、これも、福利厚生費を単純に足して人数で割ると、会社が、事業主が負担している金額が一人頭大体千七百八十万円かかっているんですよ。
 そして、民間が大体どれぐらいなのかなということで民間を調べてみますと、税務署が調査した方が一番かたいかなと思って税務署の調査を引っ張ってきたんですが、税務署が調査した民間給与は、平成二十三年度で四百九万円。
 税務署が調査をした国民の平均給与が四百九万円。NHKの職員の平均給与が一千百八十五万円、福利厚生まで含むと一千七百八十万円。まあ、これを高いと見るか安いと見るか、ぜひ受信料をお支払いになっている方々が御判断をしていただいたらと思います。
 総括原価方式の中でやられていますので、これは決して高くないという御判断で経営委員会が決めたんでしょう。役員報酬にしても、決して高くはないということで経営判断をされたんでしょう。私も事務所で受信料を払っています。事務所から宿舎まで入れて大体月九千円ぐらい払っていますけれども、自宅に帰ったらまた自宅で払っていますが、払う方から見ると、ちょっと高いんじゃないかなと率直に思います。
 そこで、今私が言ったように、給与だけでも国民の所得の大体三倍ですよ。これを今見て、この表も見て、今私が申し上げた数字も勘案していただいて、率直にどう思われますか。どなたでも結構です、お答えできる方がいらっしゃったらお答えください。
○松本参考人 お答えします。
 いろいろな組織の給与の水準というのは、いろいろな形があると思うんですけれども、やはり、その組織の必要な人材を採用する場合に、どういう業界かということが一つあると思います。その業界の中で、競争条件の中で人を採用する、こういうふうに考えますと、NHKの場合はマスコミ業界ですね。マスコミ業界で在京の民放と比較しますと、NHKは一、二割低いということですね。それから、新聞と比べても低いということが、会社によって違いますけれども、一応そういうようなことだと。
 そういう中で、NHKは、先ほどお話がありましたようにほとんど大卒ですし、現在の場合は、全国一律同じような形で採用していますから、そういう中で、競争条件の中で決めていく。現在でも、内定をした中で逃げられるというのは結構いるんですよね。そういう中でいうと、やはり同じ業界の中でどれだけの競争力を持った給与水準を維持できるか、こういうことはすごく大事だと思います。
 NHKの場合は、私は、NHKという公共放送としての一つの役割がありますし、それから、NHKだから就職したいという人もいるわけですね。そういうブランド力というか、そういう力と、これは無形のものですけれども、それに給与水準と、あわせて、同種業界の中で競争できるということでないと、知的労働集約産業というふうに私は言っているんですけれども、人材が確保できなくなる、NHKの放送の質とかそういうようなものが保てなくなるのではないか。したがって、そういう水準のところの給与レベルというのが必要なのではないかというふうに考えております。
 そういう観点も含めて、現在、給与水準を含めた制度見直しというのを今進めようということで考えているところです。
○佐藤(正)委員 優秀な人材を確保するためには、それなりの給与が必要であるということなんでしょうね。
 しかし会長、では、あの不祥事は何なんですか。それほどまでの人材を集めておきながら、普通の民間会社で、ぼろを販売したりいろいろなことをやりながら利益をもうけている会社とは違うじゃありませんか。だから最初に申し上げたじゃありませんか。国民の受信料収入をもってやっているのがNHKじゃありませんか。その今言われた自覚がなかったからこそ、そういう不祥事が相次いだ。
 そして今、改革をされていることは評価をいたします。しかし、それを考えたときに、いま一度、一考すべきだと思いますよ、新規採用は別としても。
 先ほど来言ったように、受信料を払っている人が株主だとしたら、もう投資できなくなっちゃったんですよ。だから減っていった。今努力しながら上がっています。それは認めます。大いに努力をしていただいて、いい番組をもっとつくっていただきたいとは思いますよ。しかし、今の現状で見たときに、例えば、電力会社が総括原価方式で電気代を上げたい、通産省の方が、いや、ちょっとこれはだめだよ、もっと努力するべきところがあるんじゃないか。同じですよ。
 経営委員会の方に申し上げたい。そういう内輪の中で決めるお手盛りのような感覚であってはならない。このことは指摘をさせていただきたいと思います。
 そして、さらには、先ほど少し出ましたけれども、実はたくさんの関連団体を持っていらっしゃるんですよね。それから子会社も持っている。そして、先ほど言った、給与だけじゃありません、確かに人員の削減もされているとお聞きしておりますが、この人員の削減についてはどのような努力をされているんですか。
○吉国参考人 お答えいたします。
 NHKは、昭和五十五年以降、効率化に取り組んできておりまして、その後、平成二十三年度末までに六千四百四十一人の要員を削減しております。この間に、子会社等従業員の増は四千七百二十八人となっておりまして、NHKと子会社等を合わせた要員数は千七百十三人減少しております。
 ただ、全体として、この間の業務の流れを見ますと、NHKの業務量からすると、大体、放送時間、いろいろな衛星等の新しいチャンネルもできましたので三倍程度ふえておりますし、それから子会社は、NHKの、まず委託業務をやりますけれども、それ以外に番組の二次展開とかそういう自主事業を半分ぐらいのところの比率でやっております。そういう形で業務をふやしながら、この人数で抑えているというふうに我々は考えております。
○佐藤(正)委員 またちょっと大きなフリップが出ましたけれども、このフリップの一番下のところに書いてあるんです。お手元に資料があると思いますが、例えば関連団体を見てみますと、関連団体の総従業員数は平成二十三年度末で六千二百九十四名なんですね。そのうちNHKの出向者が一二・七%、NHKの転籍者が二〇・一%、足しますと三割以上の方々が実は関連団体に行っているんですね。
 人員削減もやっていますというふうにお聞きをしました。二十四年からの計画でいきますと、二十四年で大体八十名ぐらい、そして、二十五年、今回の計画の中では百名、二十六年でまた百名、こういう努力をするんですよということですね。大変な努力だと思います。しかし、その努力がどこに行っているか。この削減した努力が一体どこに行っているんだろうか。
 そうすると、先ほどのフリップで見ますように、実は関連団体はふえているんですね。関連団体の人は定数を削減したと言いながら、総数ふえているんですよ、総数が。ところが、どこに流れたかなんて、一目瞭然、わかるじゃありませんか。要は、つけかえているんですよ。つけかえている。そういう仕組みになっているんですよね。
 国の方では今天下りをやめようということで、現役出向という名のもとで天下りに近いことが行われていますけれども、それがまさにこのNHKは、お手本のごとく、昔の天下りシステムのようなものがいまだに温存をされて行われている現実なんですよ。
 これはみんなの党の柿沢委員が一昨年、そして昨年と質問をさせていただいたんですね。そのときに、NHKは基本的には役員は関連団体に直接天下りをして役員にはならないというような発言があった。当時の議事録を見ますと、原口委員がたしか委員長をされておりましたんですかね。その中の議事録を読みますと、やりとりが松本会長ともいろいろあったみたいです。その当時の方はいまだに、今もって理事長なり会長なりに、関連団体に行かれているのも事実です。
 そのときにやりとりをやられたことは、もう松本会長も御存じなので、ここであえて深く言いませんけれども、ただ一つ、そのときの議事録を見ますと、やりとりが終わった後に当時の総務大臣片山さんが何と言ったのか。
 例えば役所と関連団体との間の緊張感を欠く、今までのこの経緯がですよ。NHKさんがやっている、天下りではないと言っているけれども、退職をして、そのまま関連団体の会長さん、トップにおさまっている事例が二つあった。それをどう思うかと言ったら、いろいろな弊害があり、NHKの関連団体の方に余剰資金があるというようなケースもある。例えばそうなれば、本体、国ですね、国の方は痩せ細るけれども、外郭団体、いわゆる関連団体は非常に裕福に、肥満になっているよみたいなことをちょっと書いてあるんですね。基本的にこれで、もっと受信料をお支払いになっている方々に説明責任を果たした方がいいですよというようなことを言われているんですよね。これも議事録から見ていますから事実だと思います。
 そこで、NHKの方々は天下りとは言わないんでしょうが、我々から見ると天下りに見えるんですけれども、理事初めその方々が関連団体にトップもしくは役職、こういう形で行っている方というのは、今でもその仕組みは続いているんでしょうか。
○松本参考人 NHKの人と業務量というのを大きな流れで俯瞰いたしますと、さっき話がありましたように、一時、一万七千の職員がおりました。今は約一万です。それで、関連会社は大体六千ぐらい。関連会社とNHKと合わせて人が一割五分とか減っている、こういう状況ですね。その間に業務量は三倍になっているんですね、放送時間が。これはどういうふうになっているかというと、私が見る限り、業務量と人員の形がかなりいびつになっています。したがって、休める人が休めないとか、あるいは、例えば女性の育児だとかそういうのにも支障が出ているという状況が出ております。これは解決しなきゃいかぬというふうに思っています。
 それは別にしまして、仕事の効率化というのはどういうふうにやるかということを考えますと、これは、一つは、機械化とか設備、いろいろな技術の革新で人が設備に置きかわるということで、純減というのがあります。放送の仕事というような人がかかわってやる分野の仕事は、その装置化というのは大変難しい分野の仕事だと思います。でも、これは一つのやり方としてありますね。
 それから、もう一つは、業務をカットすること、やめるということですね。ところが、NHKの場合は、仕事は、ニーズが膨らんできますけれども、今までやってきた仕事をやめるということはなかなか難しいんですね。何でやめるんだ、そういう仕事をやるのがNHKじゃないかということがありますが、やめられないんです。やめられないところに、しかし新しいニーズが、インターネットにしろ何にしろ、そういうものが膨らんでいくわけですね。積み重なっていく。そういう構造にあるんですね。したがって、放送時間が三倍になっちゃっている。
 そういう効率化のツールと、もう一つ、外注化というツールは、効率化としてどこの企業もやっております。これは、外注化をするときに単価差が出るんですね。単価差が出ると同時にそこで要員を縮減する、こういう形で効率化をしていく。NHKの場合は、まさにそういう形の関連会社との形を進めているということなんですね。
 したがって、これは、さっき天下りというようなお話がありましたけれども、そうではなくて、そういう実質的な効率化として幾つかのパターンで形が進んでいる。しかし、業務量と人員との差にひずみが出ていて、仕事がよくできる人により仕事が重なる、あるいは管理者に仕事が重なる、こういうような状況が出つつあるんですね。それをほっておきますと、だれも管理者になりたくない、あるいは一生懸命仕事をしても同じか、こういうことになるので、そういうふうにしないようにしないといけない。そういうことなんですね。
 これからも業務はどんどん膨らんでいくという状況にあります。したがって、その業務を吸収するために、内部では効率化を続けながら、それを吸収するという作業が必要なんですね。NHKはそういうふうになっています。
 それから、今理事の人が関連会社に行って何をやっているんだという話ですが、これは一つの例を申し上げますと、NHKにはNHK出版という本を出す会社があります。ここは、本の業界というのは構造的な赤字業界なんです。NHK出版もずっと赤字でどうしようもない。そこで、関連事業担当の理事を送って、とにかくこれを黒字にしろとやらせました。彼は、業務量をカットしました。必要なものを整理して、そして在庫管理もトヨタ方式みたいな形でやって、そして、ことし黒字にしたんです。
 したがって、そういうような人材を送るということはすごく重要なんですね。だから、そういうために、理事の人の、能力のある向きの人をここに送る、そして、そういう管理を通じて、全体を通じてグループ会社を管理する、これはグループ管理の要諦だと思います。したがって、そういう中で今進めているということでございます。
○佐藤(正)委員 グループの中で優秀な人がいたら、赤字を出しているところに補填をして、そこで経営改革をやってこい、結果的によくなったよということを今言われたんだと思いますね。
 実は、公務員の天下りにしても、例えば、昔だったら五十四、五になったら勧奨退職で出ていくんですね。いわゆる組織内の新陳代謝が必要だということもあってやっていたんですよ。しかし、実はそれがだめだとなったんですよね。
 では、私から言わせれば、NHKが持っている関連団体の数がどんどんどんどんふえていき、孫会社までできてきて、そこまでまた天下りを入れている、現実にそうなっている、こういう仕組みがおかしいんですと言っているんですよ。
 それと同時に、親会社から関連団体なり子会社にぽっと行ったときに、プロパーの職員は、その中でトップを目指している人というのはいるんですよ。逆に言えば、プロパーの意識を損なうことだってあるんですよ。幾らプロパーで頑張ったって常務しかなれない。プロパーの方が意識改革をしてやってもらわなきゃならない部分だってありますよ、松本会長。
 だから、そういう意味もあるし、また、NHKの事業費は受信料です、税金とは言いませんよ、だけれどもそれに近いものがあるんですよ、そこをもう一考していただけたらと思います。会長、ここはもう、言っても、行ったり来たりになるんだろうと思います。
 きょうはテレビが入っているということなので、テレビを見ていらっしゃる、受信料をお支払いになっている方々がどう判断するのかなと思っています。しかし、勘違いしないでください。NHKはいい番組はしっかりつくると言っていますので、しっかり受信料を払って見てくださいよ。
 ただ、今言うように、こういう実態は実態として開示をしなきゃならないと思っておりますので、そしてまた、みんなの党の柿沢委員が二年にわたって同じ問題提起をされておりましたので、ここはひとつお聞きをしておきたいと思って質問をさせていただきました。私も同じような問題意識を持っていますので、松本会長、ぜひ、しっかりまた御検討をしていただけたらと思います。
 そこで、そうやって天下った方は、天下りじゃないんですかね、優秀な方をそちらに配転したということなんでしょうかね。そうすると、一旦NHK本体から退職をしたときには、退職金というのは出るんですか。
○吉国参考人 そのとおりで、NHKから退職金が出ます。ただし、その人たちが役員になって関連団体をやめたときは退職金は出ません、関連団体の退職金は。
○佐藤(正)委員 NHKをやめるときに退職金をもらって関連団体の役員に行ったって、そこで退職したって退職金は出ないということでよろしいですね。(吉国参考人「はい」と呼ぶ)はい、わかりました。
 そうしたら、時間がもう二、三分になりましたので、質問をそろそろ終わりにしなきゃならないんですけれども、これまで、あの不祥事がなかった以前は、経営改革努力だとか、先ほどの手当にしても、福利厚生の部分の保健にしてもそうなんですけれども、その以前からそういう問題意識をNHKは持っていたんですか。わかりますか。
 削減をしなきゃならない。総括原価方式だったらなおさらのこと、原価を厳格にしなきゃならない。その中で、皆さんに受信料を払ってもらう。原価を見て受信料を決めるんでしょう。そういう意識だったら、不祥事があろうがなかろうが、実は、その前から改革をやる意識がなきゃならなかったんですが、その辺はどうですか。
○松本参考人 お答えします。
 やはり組織ですから、改革意識はあったというふうに思います。ただ、それが、実際の現場部門と、それから経営計画とか経理の部門とか、そういうところとの意識の差はあったと思います。今そういう改革意識を、実際に生産する、制作とか、そういうような部門も含めてそういう意識にしよう、人、物、お金というものをトータルとしてみんなで見ていこう、こういうふうに考えていこうというふうにしております。
 それから、収入についても、営業が収入を上げる分野だということですけれども、いわば全員野球でやろうと。制作部門でも営業にプラスするような、視聴者の皆さんに受信料を払ってあげようというようなことはできるんですよね。そういうことを考えてやることによって収入に自分の頭がいく、それが原価に結びつく、そういうようなことを今進めております。
○佐藤(正)委員 ぜひ前向きに頑張っていただいて、いい、すばらしい作品をつくってもらったらと思います。
 もう時間です。最後に、その関連団体、子会社についても、役員ばかりがやたらめったら多くて、それで役員の数を減そうということも決めましたよね。しかし、それがなかなかうまくいっていないことも事実だと思いますよ。先ほどの役員報酬の金額を聞いていただいただけでもわかるように、民間の企業は会社が苦しくなったらどうするか。値上げはしない。まずイの一番に、社長や、さらには個人主だったらその事業主、おやじさんが自分から身を削る。それでもだめだったらどうするのか。改革をやる。それでもだめだったらお客さんに何とか値上げをお願いする。これが民間の当たり前の常識であるということをお伝えし、質問にかえさせていただきます。
 ありがとうございました。
○北側委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 NHK予算案にかかわって、NHK及び総務大臣に質問をいたします。
 私、この間、地上アナログ放送から地上デジタル放送への切りかえについて、これは国策として行うものだ、視聴者の皆さんに手間暇かけるようなことがあってはならない、こういう立場で一貫して質問してまいりました。
 地上デジタル放送に切りかわりましたけれども、いまだに全国で十万世帯の方々が地元でデジタル放送が見られない。東京のキー局からの電波を地方の方が見ている、そういう世帯が十万世帯もある。ですから、台風が迫ってくるとうちの方はどうなるのか、テレビをつけてみても、テレビのニュースというのはキー局のニュースですから、東京の天気予報が流れる。こういうことではいけないという点でも、この地上デジタル放送への切りかえに当たって、一刻も早くしっかりとした対策を放送事業者と国の責任でしっかりと行え、こういうことを強く求めてきたわけであります。
 その点で、このアナログ放送からデジタル放送への切りかえに加えて、首都圏の皆さんは、東京タワーからスカイツリーへとデジタル放送が切りかわります。そのことで負担が生じることになる。いわば、二度手間になっているような状況というのが生まれているわけです。
 そのことに関連して質問をいたします。
 まず最初にお尋ねします。そもそも、視聴者の都合ではなくて、放送事業者の都合で東京タワーからスカイツリーへと送信所が移転をします。その際、このような東京スカイツリーへの移転に伴って視聴者に受信障害などの不利益が生じた場合には、一体誰が責任をとるのか、この基本についてお尋ねします。
○新藤国務大臣 御質問の、東京タワーから東京スカイツリーへの送信場所の移転、これは、一層安定した受信環境の確保を図るという意味から、放送事業者により実施されます。
 一方で、総務省は、受信者保護の観点から、アンテナの方向調整などの受信対策が必要な場合は、その対策を適切に実施するように放送事業者に条件をつけているということでございます。
 したがって、スカイツリーの移転による受信障害の不利益が発生した場合は、その受信対策は放送事業者の責任と負担で行っていただく、このように承知をしております。
○塩川委員 スカイツリーへの移転に伴い生じる視聴者の受信障害は、放送事業者の責任と負担のもとで行われるということであります。ですから視聴者は対策工事の費用を負担する必要はない、これは当然のことであります。
 そこで、対策がまだまだこれからということも当然あるわけですよね。そういったときに、受信障害世帯が全て解消されるということをもってスカイツリーへの移転を許可する、変更許可を行う、これが総務省の立場だと考えますが、この点を確認させてください。
○新藤国務大臣 移転による受信障害は、各施設の受信アンテナの方向それから受信設備の設定等、さまざまな要素が影響するということでありまして、試験電波の発射をやっておりますけれども、そういった中で視聴者の方々に実際の受信状況を確認していただく、こういうことが必要であります。
 そして、放送事業者は、こうしたために試験電波の発射回数をふやす、そして、移転前に受信障害が発生する施設をできる限り見つけて対策しておく、このことが重要であります。その取り組みの加速を我々もお願いしております。
 そして、受信対策が必要な施設を移転日時点までに大量に残したままでは移転を行うことは認められない、このように考えております。
○塩川委員 NHK会長にお尋ねします。
 NHKも、当然のことながら、受信障害世帯、これが全て解消されたことをもってスカイツリーへの移転を行うという立場でよろしいですね。
○松本参考人 デジタル化のときも同じような感じを持ったんですけれども、今、スカイツリー移転での受信障害は、試験放送を含む周知を拡大していまして、その周知を拡大することによって事前の手当てができるということを進めている、こういうことでございます。これはNHKだけじゃなくて民放も含めてやっていく、こういうことで、今急速にそれが実効的に進んでおります。
 これはちょっと余談になって申しわけないんですけれども、私は鉄道でダイヤ改正というのを何回もやりましたけれども、ダイヤ改正というのは、完璧に一日の、零時の瞬間をもって、ぱっと全く違うものに切りかえられるんですね。これはそういう性質のものなんです。
 しかし、デジタル化にしてもこの問題にしても、障害のある方がみんなおっしゃっていただければそれで済むんですけれども、おっしゃられない方がおみえになるというのを探すというのは物すごく大変なんですね。したがって、それをいかにミニマイズするかという作業をきちっとやるという必要があると思うんです。そのことを今やっておりまして、そして、それが最小限になるように、可能な限り事前の対策を行っていくということで今考えております。
○塩川委員 そもそも、アナログ放送からデジタル放送への切りかえについても、視聴者が地デジのテレビに切りかえるというサイクルでやればそんなに差しさわりがないんですが、実際には、多くの方々が、アナログのテレビをアナログ放送の打ち切りの時期に合わせて地デジのテレビに切りかえざるを得ない、新たに購入せざるを得ない、あるいは、アンテナを直すとかという工事をやらざるを得なかった。そういうのが一定程度負担になったわけであります。それ自身がおかしいということを私は言ってまいりました。
 今回の場合は、東京タワーからスカイツリーへの移転というのは、まさに放送事業者の都合だけなんですよ。私は、そもそも、地デジへの切りかえを行うのをスカイツリーへの送信所の移転を行ってからやる、そうすれば二度手間にならないじゃないかということを言ってきたわけですが、残念ながら、地デジへの切りかえが先にあって、さらに東京スカイツリーへの送信所の移転ということになってしまった。
 二度手間になるということが結果として起こったわけですから、こんな二度手間を起こすようなことに対して、視聴者が結果としてテレビが映らなかった、受信が悪かった、こんなことが残らないことをするのは放送事業者としての当然の仕事じゃないですか。NHK会長として、もう一度お答えください。
○松本参考人 アナログをデジタルに切りかえるということは、全ての仕組みを変えるわけですね。したがって、今のお話のようにスカイツリーにまずアナログを移して、それからそのアナログをもう一回切りかえるということは、工事的には大変難しいことじゃないかなというふうに想像いたします。そういう中でスケジュールが定められたというふうに思います。
 そういう中で、やはり障害のある、どれぐらいあるかというのはやってみないとわからないというところがありまして、実際にお宅に伺ったときにブースターのチャンネルをちょっと調整したらそれで全部いいとか、もうさまざまなんですね。したがって、そういうさまざまな形のものが出るということがわかりましたので、どういうふうに出るのかというのを、最初は朝の早いときとか夜の遅いときにやっていたんですが、今は昼間のいいチャンネルに、民放さんも本当はコマーシャル料とかそういうことに影響があって大変なんですけれども、みんなでやろうということで、その気持ちで今進んでいる。
 それで、どんどんどんどん障害があるということがわかった方がお話しいただいていますから、それで最小限にしていくという努力をやっている、こういうことであります。これは、そういうふうになっていくというふうに思っております。
○塩川委員 いや、基本の放送事業者の責任と負担で行うというところをゆるがせにしちゃいかぬよということを重ねて強調しているわけであります。ですから、周知すること自身も、実際に映りが悪いんだと視聴者が気がつくようにすることも放送事業者の責任であって、それがまさに変更許可を行う総務省が課している条件となっているということです。
 重ねて新藤大臣にお尋ねしますが、民放も当然同じような責任と負担を負っているわけですよね。
 三月十四日付の読売新聞の夕刊の記事を見ますと、ある民放幹部はある程度未対策世帯が残っても電波の切りかえを行わないとタイミングを逸してしまう、切りかえて映らなければその時点で対応すればいいと見ている、こんなふうに言っていると報道されております。つまり、受信障害の未対策世帯が残っても構わないという趣旨の発言を行っているというような報道ですから、こんなことは許されない。
 大臣も先ほど、大量に残されるようなことがあってはならないという言い方をしていましたけれども、そんな量の話じゃないんですよ。ゼロにするために全力を挙げる、放送事業者がそのために責任と負担を負うという立場で監督官庁の総務省がしっかりと、ゼロにするために頑張るということを民放にも求めるということだと思うんですが、その点について、ぜひお答えください。
○新藤国務大臣 これは、移転に係る無線局免許の変更許可における条件であります。ですから、私はそういう趣旨で先ほど申し上げたわけでありまして、これはもう最大の努力を尽くして、きちんとした形で対策を打つということであります。
 この移転日時点でそうした大量の受信対策が必要な施設を残したままで移転を行うということは認められないし、これは民放、NHKを問わず同じように我々は求めておりますし、それが条件であります。
○塩川委員 大量というのが率直に気にかかるわけです。
 要するに、視聴者は何の責任もないんですよ、瑕疵がないんですよ。ですから、気がつかないような場合があるというのに対してどこまで徹底してやるのかということが求められているわけです。
 NHK初め在京六社はこのスカイツリーへの送信所の移転の時期についてことしの五月ごろと言っているわけですけれども、NHK会長にお尋ねします。この移転の時期の五月ごろというのはもうそんなに遠くない時期でありますけれども、いまだに相談件数もふえているような状況で、視聴者の対応が間に合わないということであれば、当然この五月ごろの移転の時期も先送りをするということになりますよね。
○松本参考人 お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、障害世帯が最小限になるように、民放、NHKを含めて、可能な限り事前の対策を協力してやってまいりたいというふうに思います。
○塩川委員 ですから、視聴者が映らないという状況がある。準備が整わない場合は五月ごろという移転の時期を延ばすということも当然ありますよねという問いですが、改めてお答えください。
○松本参考人 スケジュールに向かって、最小限となるように努力をしたいというふうに思います。
○塩川委員 五月が来たら支援を打ち切るようなことがあってはならないということを重ねて申し上げます。
 それで、実際の障害がどの程度出ているかという問題ですけれども、東京スカイツリーへの移転によってどれだけの受信障害の世帯、事業所が生じると推定をしているのか。報道では、受信障害が十六万件とか対策費が百億円と報じられておりますけれども、その点、事実かどうかを含めて、お答えください。
○久保田参考人 移転に伴う障害の発生の規模でございますけれども、現在、サンプル調査、あるいは電話による聞き取り、それから、受信確認テストの電波を受信して御連絡をいただいた方、対策が必要な世帯、そういったものの状況等を総合的に考えて対策規模を推定しているところでございます。
 報道された十六万件というのがございましたけれども、そこまではいかないというふうに現在思っております。
○塩川委員 現時点で受信障害があると判明した件数が幾つか教えていただきたい。
 もう一つ、受信障害の対策です。その工事内容がどんな割合になっているのかについて、重ねてお尋ねします。
○久保田参考人 これまでに明らかになっております障害の件数は、きのうの時点でございますけれども、約四万五千件でございます。
 それで、どういう対策をしているかという御質問でございますけれども、原因は、大きく分けて二つございます。スカイツリーに移転することによって、例えば、これまでビル陰になっていたところがビル陰ではなくなって電波が強くなり過ぎるという原因、それから、逆にアンテナの向きが変わるということに起因いたしまして電波が弱くなってしまうという二つの原因がございまして、その割合と申しますか、電波が強くなる方が約八割、それから電波が弱くなる方が約二割ということで、それぞれに適した対策を今進めているということでございます。
○塩川委員 今、三月二十日、昨日までで四万五千件の受信障害があると判明した件数をおっしゃっておられましたが、その二日前の三月十八日の時点では四万件でしたから、どんどんふえているわけですよね。そういう点でも、周知の取り組みと一体に受信障害が発生していると判明した件数というのも伸びているわけですから、これが今後どうなるのかということが今問われてくるわけです。
 そういう点でも、対策について言えば、電波が強くなることによってブースターの調整が必要ですね、方向がずれることによって電波が弱くなるという場合にはアンテナの調整も必要ですね、そういうことについてしっかりと視聴者の皆さんにわかるような御支援ということが何よりも求められています。
 そこで、障害があると判明した四万五千件ですけれども、これは、地理的な、場所としての特徴はどんなふうになっているんでしょうか。
○久保田参考人 四万五千件のうち、約五割が東京都でございます。それで、さらに細かく見ますと、スカイツリーの東北の地域、ですから、東京の東の方あるいは千葉の東京寄りのところが比較的多いということになっております。
○塩川委員 そういった地理的な特徴がある、東京タワー側から見ればスカイツリーの裏側といいますか、そういった点で障害が多いと。それ以外にもかなり広がりがあると思いますけれども。
 私は、その点でも、今テレビを通じた試験電波の発射などでの周知もありますし、あるいはポストインの取り組みなんかも、各戸世帯に対しても行っているというふうには聞いております。その際に、地理的な障害が多く出るとわかるような地域には、そういう障害が出るよという地図も入れたようなそういうチラシを配布する。これは、以前、デジタル放送への切りかえの際に地域地域でそういったポストインなどもやったわけです。
 この地域ではこの路線に沿ったところで障害がいろいろ出ますよ、こういう取り組みなんかは必要だと思うんですが、それはやらないんですか。
○久保田参考人 チラシにつきましては一都三県全戸配布ということをやらせていただきましたけれども、その時点ではまだ、先ほど申し上げましたようなスカイツリーの東北サイドということはそれほどはっきりとした傾向として出ておりませんでしたので、そのチラシにそういう地図を入れるということはやっておりません。
 ただ、NHK独自の取り組みといたしまして、電話でいろいろとお知らせする、これも各戸に一軒ずつ電話をするという取り組みをやっております。これは何しろ数が大変多くございますけれども、それにつきましては、まず、先ほど申し上げましたその地域から電話をかけ始めるという取り組みはやっております。
○塩川委員 地デジ移行のときには、デジサポという組織をつくって、かなり組織立って行ったわけであります。
 それと同等のことがこの首都圏では必要だよということを改めて強調したいと思いますし、電話についても大いに結構だと思いますけれども、目に見えるものとして、やはりいろいろな視聴者の方がいらっしゃるわけですから、スカイツリーの東北方面で障害がある、そういう世帯が多いということが明らかになってきた現段階、そういった地域に、この地域で障害が多く出ますよというチラシを新たに配布するということについてぜひお考えいただけないですか。会長はどうですか。
○松本参考人 今各種の事前の対応を進めておりますけれども、その中で、効果のあることとか、あるいは、実際に障害のある場合で気がつかない方に気がつかれるような方法でできることがあれば、検討はしていきたいと思います。
○塩川委員 今、私、一つ提案しましたから、ぜひやっていただきたいと思います。
 それから、今東京タワーから地上デジタル放送が出ていますけれども、放送大学も東京タワーから地上デジタル波を発射しております。ただ、放送大学は東京スカイツリーに移らないんですよね。そうなると、この間行っているような、電波が来る方角が違うというようなことで障害が出るような世帯が生まれた場合に、東京タワーからの電波を今度はスカイツリーから受けるというふうにした場合に、東京タワーに残る放送大学が映らなくなるようじゃ困るわけですから、この点、実際にはどういうふうになるのか。その点、説明いただけますか。
○久保田参考人 スカイツリーからの試験電波による受信確認テストによって放送大学の受信に障害が発生した場合、これも当然のことでございますけれども、NHKと在京民放五社で対策を実施しております。スカイツリーからの電波も見えるように、同時に、東京タワーから出ている放送大学の電波も受けるようにという対策をしております。
 それと、今申し上げましたのは現在事前の対策として行っていることでございますけれども、スカイツリーへの移転後でありましても、現在東京タワーを受信している世帯で障害が発生した場合には、個別に受信の対策を実施するということでございます。
○塩川委員 事後の対策についての費用負担は放送事業者の責任で行うということでいいですか。
○久保田参考人 事後の対策につきましても、現在東京タワーを受信している世帯で障害が発生した場合は、NHKと在京民放五社のコスト負担で持つということでございます。
○塩川委員 ですから、電波が強くなる弱くなるとあるわけですけれども、いずれにせよ、要するに、東京タワーからの電波も映るし、スカイツリーからの電波も映る、そういう両方を兼ね備えた受信障害対策を行うということでよろしいんですね。
○久保田参考人 そういうことで結構でございます。
○塩川委員 スカイツリーへの移転だけをとっても、このようにいろいろな形での障害をめぐる問題があります。ですから、冒頭聞きましたように、そもそも放送事業者の都合による送信所の移転ですから、こういう点でも、放送事業者の責任と負担で行うということを強く重ねて申し上げると同時に、そもそも、こういうデジタルへの移行で衛星放送で見ざるを得ない、地元の地上波が見られないという方がいまだに十万世帯も残っている。
 そういう方と同時に、対策をとったという方の中でも、ケーブルテレビに移ったという方がいらっしゃるんですよね。ケーブルテレビに移った方というのは、ケーブルテレビの月額料金というのが発生するんです。これは総務省としても、価格を下げましょう、下げましょうという働きかけ、要請、助言を行っているわけですけれども、いまだに月額二千五百円を超えるような、そういった事業者も残されています。ですから、地上デジタルの番組を見たいというだけの方が、ケーブルテレビに入らざるを得なくて、月額二千五百円以上もの負担を強いられるというのは余りにも酷な話だ。
 そういう点でも、これは最後に要請だけしておきますけれども、私は、そういった視聴者の負担を軽減するための対策を総務省としても大いにやるべきだし、NHKも受信料を下げるぐらいのことをして、ケーブルテレビで地デジ対応せざるを得ない、そういう世帯への負担軽減策を行うべきだ、このことを求めて、質問を終わります。
○北側委員長 これにて本件に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○北側委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件について採決いたします。
 本件を承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○北側委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○北側委員長 この際、ただいま議決いたしました本件に対し、山口泰明君外六名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、日本維新の会、公明党、みんなの党及び日本共産党の六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。小川淳也君。
○小川委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。
    放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案)
  政府及び日本放送協会は、次の各項の実施に努めるべきである。
 一 協会は、受信料の値下げにより国民・視聴者に対するサービスの低下を招かないよう配慮しつつ、業務の確実な実施及びさらなる効率化等の取組を適切に行い、収支均衡の確実な達成に努めること。また、政府は、その取組が確実に実施されるよう配意すること。
 二 協会は、コンプライアンスの徹底に努めるとともに、公共放送を担う者として職員の倫理意識を向上させ、組織一体となって信頼確保に取り組むこと。また、その取組の状況を広く国民・視聴者に説明すること。
 三 協会は、グループとしてのガバナンスを強化し、子会社等からの適切な還元を推進するとともに、重複業務の整理等を推進し、透明性の高い効率的なグループ経営を推進すること。
 四 協会は、放送が社会に及ぼす影響の重大性を強く自覚し、国民・視聴者の多様な要望に応えるとともに、自律性、不偏不党性を確保して、正確かつ公平な報道に努めること。
 五 現状の放送では障がい者、高齢者に対し、必ずしも十分な情報が伝達されていないため、デジタル・ディバイドの解消が喫緊の課題となっていることから、字幕放送、解説放送等のさらなる拡充を図ること。
 六 協会が行う外国人向け映像国際放送については、我が国の文化・経済活動等に係る情報発信の拡大を図り、国際理解・国際交流に資するよう、番組内容の充実、認知度の向上等に努めること。
 七 地上デジタル放送への完全移行後の取組について、暫定的措置である衛星セーフティネットの終了に向け、混信対策及び新たな難視聴対策の着実な実施に努めるとともに、東京スカイツリーへの送信機能の移転に伴う受信障害に対し、万全の対策を講じること。
 八 協会は、公共放送の存在意義と受信料制度に対する国民の理解の促進と信頼感の醸成に努めつつ、公平負担の観点から、受信料支払率の向上に努めること。
 九 協会は、東日本大震災の経験や南海トラフ巨大地震に係る被害想定の見直し及び福島第一原子力発電所事故報道の総括と反省を踏まえ、いかなる災害時にも公共放送として対応できるよう、災害対応設備等の機能強化や体制整備の可及的速やかな実現を図るとともに、東日本大震災の復興に資する震災報道と震災の記録の伝承に特に配意すること。
 十 受信料で運営されている特殊法人である協会は、役職員の給与制度や子会社等の運営の状況、調達に係る取引等について、国民・視聴者に対しその説明責任を十分果たしていくこと。
 十一 協会は、デジタル放送への移行後の新しいメディア環境へ対応するため、スーパーハイビジョン、スマートテレビ等の実用化に向けた研究開発等に積極的に取り組み、新しい時代の放送の担い手として先導的役割を果たすこと。
 十二 協会は、番組アーカイブ業務について、単年度黒字化の見通しが立たない状況を真摯に受け止め、早期に収支の改善が図られるよう、あらゆる策を講ずること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○北側委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○北側委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、新藤総務大臣及び日本放送協会会長松本正之君から発言を求められておりますので、これを許します。新藤総務大臣。
○新藤国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたい、このように存じます。
 なお、午前中の佐藤委員、そして午後、小川委員の方からの地方交付税制度に関する質疑がございました。この中で、私は、地方交付税に関する構成が法令による基準づけをしている事務が多い、こういうことを趣旨で申し上げたわけであります。その中で、機関委任事務というのは、これはもう既に廃止されておりますし、今は法定受託事務でありますから、そういう趣旨で使っているということでありまして、そこの部分は御説明をし、訂正をさせていただきたい、このように思います。
○北側委員長 次に、日本放送協会会長松本正之君。
○松本参考人 日本放送協会の平成二十五年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして御承認を賜り、厚く御礼申し上げます。
 本予算を執行するに当たりまして、御審議の過程でいただきました御意見並びに総務大臣意見の御趣旨を十分生かしてまいります。
 また、ただいまの附帯決議は、協会運営の根幹をなすものでございますので、これを十分踏まえて、業務執行に万全を期したいと考えています。
 三カ年経営計画の二年目に当たります二十五年度も、引き続き公共放送の使命を果たし、視聴者の皆様の御期待に全力で応えてまいりたいと存じます。
 本日は、ありがとうございました。
    ―――――――――――――
○北側委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○北側委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○北側委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時十分散会