第183回国会 経済産業委員会 第14号
平成二十五年五月二十四日(金曜日)
    午前九時十八分開議
 出席委員
   委員長 富田 茂之君
   理事 石原 宏高君 理事 塩谷  立君
   理事 鈴木 淳司君 理事 宮下 一郎君
   理事 渡辺 博道君 理事 近藤 洋介君
   理事 今井 雅人君 理事 江田 康幸君
      秋元  司君    穴見 陽一君
      石崎  徹君    越智 隆雄君
      大見  正君    勝俣 孝明君
      佐々木 紀君    白石  徹君
      白須賀貴樹君    平  将明君
      武村 展英君    津島  淳君
      辻  清人君    冨樫 博之君
      根本 幸典君    福田 達夫君
      細田 健一君    宮崎 謙介君
      宮崎 政久君    八木 哲也君
      山田 美樹君    吉川 貴盛君
      枝野 幸男君    大島  敦君
      菊田真紀子君    後藤 祐一君
      馬淵 澄夫君    木下 智彦君
      重徳 和彦君    丸山 穂高君
      國重  徹君    井坂 信彦君
      三谷 英弘君    塩川 鉄也君
    …………………………………
   経済産業大臣       茂木 敏充君
   農林水産副大臣      江藤  拓君
   経済産業副大臣      菅原 一秀君
   内閣府大臣政務官     山際大志郎君
   文部科学大臣政務官    義家 弘介君
   経済産業大臣政務官    平  将明君
   政府参考人
   (農林水産省食料産業局長)            針原 寿朗君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           中山  亨君
   政府参考人
   (経済産業省商務情報政策局長)          永塚 誠一君
   政府参考人
   (観光庁次長)      志村  格君
   経済産業委員会専門員   乾  敏一君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十四日
 辞任         補欠選任
  穴見 陽一君     白須賀貴樹君
  福田 達夫君     津島  淳君
  岸本 周平君     後藤 祐一君
  馬淵 澄夫君     菊田真紀子君
同日
 辞任         補欠選任
  白須賀貴樹君     穴見 陽一君
  津島  淳君     福田 達夫君
  菊田真紀子君     馬淵 澄夫君
  後藤 祐一君     岸本 周平君
    ―――――――――――――
五月二十四日
 小規模企業の事業活動の活性化のための中小企業基本法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出第五八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 株式会社海外需要開拓支援機構法案(内閣提出第三二号)
     ――――◇―――――
○富田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、株式会社海外需要開拓支援機構法案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として農林水産省食料産業局長針原寿朗君、経済産業省大臣官房審議官中山亨君、経済産業省商務情報政策局長永塚誠一君及び観光庁次長志村格君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○富田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○富田委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。辻清人君。
○辻委員 自民党の辻清人でございます。
 本日、この法案審議のトップバッターを務めさせていただきます。本委員会では初めての質問でございます。この法案にふさわしい、クールな質疑を行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 さて、私は、人生の三分の二を海外で過ごしましたが、外から見て、日本の漫画、アニメ、ファッション、食など、やはり、日本文化が育んださまざまなコンテンツは、世界のどの国にも負けない魅力があると思っていますし、海外の需要を取り込むための成長戦略の柱の一つになると思っています。
 そして、私の地元は、銀座、築地、浅草、日本橋、文京区の印刷出版業など、日本でも有数の文化コンテンツの集積地でございます。そういう意味では、本法案は、私自身、今後、ライフワークとして手がけていきたい取り組みでございます。
 官民ファンド設立の際の過去の失敗例に鑑み、官が創設し、資金を供給し、規制でがんじがらめにしては、失敗するという懸念があります。
 本機構に関しましても、平政務官が以前、いみじくもおっしゃったように、クールでない我々政治家や官僚が主導権を握るべきではないというのは私も同感ですし、以前から本委員会、本会議などでの茂木大臣ほか政務三役の御答弁を通しましても、その点に関しては、茂木大臣も同様の見解であると思っています。
 さて、地元の、コンテンツビジネスに従事している講談社さんやバンダイさんにヒアリングして御意見を伺いますと、しかし、そうはいっても、やはり政府の後押しは必要だという声が多いです。限られた時間でございますので、地元でのヒアリングを通して得た本機構への要望を、具体的な事例を交えて質問をさせていただきます。
 今、インドでは、「巨人の星」のリメーク版がヒットしています。昨年の十二月に放送されて、ことしの六月で終了しますが、再放送も決定しています。私も、先日、講談社さんのDVDを拝見しましたが、舞台は荒川区からインドのムンバイに変わり、そして種目がインドの国民的スポーツのクリケットに変わりましたが、本質的なスポ根魂、いわゆるこれは「巨人の星」だなと納得できるできでございます。
 それ自体は珍しくございません。過去にも、私が海外に住んでいるときにも、日本のアニメはさまざまな形で放送されましたが、私が注目したいのは、いわゆるマッチング、その中での海外に「巨人の星」を持っていった際のムーブメントでございます。
 大臣も御存じだと思いますが、これは講談社を中心に、博報堂、そして経済産業省の指導のもと、スズキ、コクヨ、全日空、ダイキン、日清食品など、オール・ジャパンでインドに売り込みに行ったその成果のたまものでございます。そして、今インドでは、日清のカップラーメンが、この「巨人の星」に便乗して非常に売れ行きが芳しいと聞いております。
 そして、こういったパッケージ化、ローカライズ化、本機構が担える一つの役割として、こういった業界横断的なマッチング、ローカライズ化、そして現地での支援を取りつけるようなスキームメーキング、これは非常に有意義だと思いますが、このような展開方法に対しては、どのような御用意があるでしょうか。
○茂木国務大臣 政治家がみんなクールではないというと戸惑うところもあるんですけれども、「巨人の星」がインドでヒットしている、やはりローカライズというのは極めて重要なことなんだと思います。
 日本でいえば野球でありますけれども、インドでいいますとクリケット、野球の原型になるスポーツが非常に盛んでありまして、そういった意味では、まさにローカライズをうまくした典型ということになってきますし、そして、カップヌードルを星飛雄馬がすするかどうかはわかりませんが、それに関連してやっていく、そういうローカライズとパッケージングというのは、クール・ジャパン戦略を展開していく上で、極めてこれから重要な視点である、このように考えております。
○辻委員 ありがとうございます。
 今後、本機構の中でも積極的にこういった取り組みに取り組んでいただけたらと思います。
 そして、関連してでございますが、現在、コンテンツの急速なデジタル化が進む中で、私は、一つ非常に危惧していることがございます。それは、デジタルコンテンツのプラットホームとなるデジタルOSの偏在でございます。
 具体的に申し上げますと、いわゆるガフマと言われていますが、グーグル、アップル、フェイスブック、マイクロソフト、アマゾン、これは全て米国に本社を置く会社でございます。今、私自身もアイフォンユーザーでございます。今後デジタル化が急速に進む中で、こういったプラットホームの偏在というのがさまざまな形で、世界の規格統一に向かうという点ではいいことかもしれませんが、やはり今既に各社の要件で、例えば日本のアニメや漫画などの配信規制が行われるという事実を私もヒアリングしています。相手の土俵で相撲をとるのではなく、例えば日本にもニコニコ動画ですとか楽天ですとか、そういったプラットホームメーカーとして優秀なところがあります。
 今後、本機構を通じてオール・ジャパンで海外展開する際に、あわせて世界のデジタルコンテンツの枠組みづくりに積極的に参入することが有意義だと思いますが、この点について御意見を伺わせてください。よろしくお願いします。
○永塚政府参考人 御答弁申し上げます。
 今委員御指摘の、プラットホームを確保するということの重要性につきまして、お答えをさせていただきたいと思います。
 今、私ども、この海外展開支援事業を行う上で、さまざまな事業者の方々からお話をお伺いしていますと、海外に展開しようとした際に、特にこの分野では中小企業の方々も多く、個別企業で海外に展開する足がかりがどうしてもないんだというようなお悩みを聞くことが大変多くございます。
 したがいまして、この機構の支援対象といたしましては、日本の魅力ある生活文化の特色を生かした商品、サービスなどを売り込む場として、例えば海外の放送枠、ジャパンチャンネルのようなものを確保いたしまして、そこで継続的に日本のコンテンツを流す、そこに多くの方々が連携をし合いましてビジネスをしていただく、そのような手法というのがとれると思っております。
 それから、もう一つは、デジタルコンテンツではないケースでございますけれども、物理的な商業施設などのようなプラットホームが海外にないということで、海外の販路がなかなか確保できないという中小企業の方々が非常に多くいらっしゃいます。そういう方々は、商業施設の方々と一緒に組みまして、海外にそのような物理的なプラットホームをつくり、ビジネスをされるというのが効果的だと思っております。このようなものも、今回の機構が設立されれば、支援の対象となるのではないかというふうに考えているところでございます。
○辻委員 ありがとうございます。
 これは、今後十年、二十年後の世界のデジタルコンテンツも含めて、コンテンツ市場のことを鑑みれば非常に重要なことですので、今後も取り組みをよろしくお願いいたします。
 次に、海賊版対策でございます。
 例えば、アニメに関して言えば、外務省の統計によれば、大体、中国では一国で年間二千億円以上の海賊版が今売られている現状でございます。私もびっくりしたんですけれども、例えば日本の漫画週刊誌についても、日本で発売直後に既にネット上に翻訳された海賊版が掲載されている、そういう状況でございます。
 このような中で、オール・ジャパンで、今後、日本のコンテンツ市場を海外で開拓していくことに関しましては、各国と連携をして、今現在でも取り組んでいるとは思いますけれども、例えば、イタチごっこになりがちな、そういった海賊版対策だけではなく、正規版をリリースするような形で積極的に取り組んでいくような試みも含めて、今後の海賊版対策について本機構としてどういうふうにお考えでございますか。よろしくお願いします。
○永塚政府参考人 海賊版対策についてのお問い合わせでございます。
 委員の御指摘につきましては、全くそのとおりだというふうに私ども考えてございます。すなわち、コンテンツの海外展開に当たりましては、デジタル化された状況の中で、海賊版の存在というのが大変大きな障害の一つとなっております。したがいまして、この海賊版対策の強化というのは、官民挙げて取り組むべき重要な課題であるというふうに考えてございます。
 具体的なアクションといたしましては、経済産業省といたしましては、文科省と協力をいたしまして、二〇〇二年に、社団法人の組織、コンテンツ海外流通促進機構、通称CODAというものでございますが、これを設立いたしまして、特に被害が深刻な中国や韓国、台湾などを中心に、現地の司法当局とも連携して、日本のCD、DVDなどの侵害物品の摘発など、海賊版対策に取り組んできたところでございます。
 また、政府間交渉におきましても、さまざまな場を通じまして、著作権侵害あるいは特許、商標など、知的財産権の侵害対策の強化を要請してきているところでございます。
 また、議員の御指摘になりましたように、このような海賊版対策とあわせまして、正規版のものを流通させるといったことも大変重要なことでございます。このため、私ども、平成二十四年度の補正事業で、日本のコンテンツを海外に展開をする際のローカライズの支援、あるいはプロモーションをするための支援を実施しております。また、日本のコンテンツ、特に映画であるとか、音楽であるとか、アニメだとか、ゲームだとか、こういった国際見本市を日本で開催しております。JAPAN国際コンテンツフェスティバル、通称コ・フェスタというものでございますが、今申し上げましたこのような場、あるいは補正予算による支援、こういったものを通じまして、コンテンツの正規版の海外流通を積極的に促進する取り組みをしていきたいと考えてございます。
 引き続き、コンテンツの輸出、そして海賊版対策の両面から、関係省庁とも連携をとりながら、強力に進めてまいりたいと考えてございます。
○辻委員 ありがとうございます。
 次の質問でございます。
 今後、日本が海外展開をして、そしてさまざまな形で需要を開拓していくという中で、やはり日本のブランドの、それこそコンテンツ市場の担い手の方々に利益を還元する仕組みが私は必要だと思います。
 先日、地元のアニメーターの方々と会を開かせていただいた際に、やはり給料が低い、非常に技術は高いんですけれども、これだけでは食べていけないという方々が非常に多かったんですね。
 それで、私も調査したんですけれども、例えば、二〇〇八年に、日本アニメーター・演出協会の調査によると、アニメ制作の現場で働く二十代の方の平均収入は、百十万円なんですね。これは非常に低くて、私も愕然としたんですけれども、日本にそういった還元をする際に、こういった担い手の方々の育成も含めて還元することが重要なのではないかと思います。
 この件に関して、本機構設立の際に、そういったお考え、スキームはございますでしょうか。
○永塚政府参考人 アニメのクリエーターの方々の待遇等についてのお問い合わせでございます。
 今御指摘のように、我が国には大変すぐれたアニメーターの方が多数存在していらっしゃいますが、その若手を中心といたしまして、その平均給与は大変低水準になっているのが実態でございます。
 アニメーターの発注元に当たりますアニメ制作会社には中小企業が多いため、売り上げが低く、アニメーターに高い水準の報酬を支払う能力がないというのも、一つの要因となっていると思います。また、アニメーションには多くの下請事業者が関与して制作をされておりまして、多重構造になっております。こういったことで、取引の透明化も求められてきたところでございます。
 このような状況を踏まえまして、ことしの四月でございますけれども、アニメーションの制作を委託する親事業者と下請事業者との間の公正な取引を促進し、下請事業者の利益の保護を図るためのガイドラインというものを策定させていただきました。このガイドラインの普及啓発をすることで下請事業者の方々の利益の保護を図り、適正な取引が行われるという環境をつくりまして、クリエーターの制作環境の向上につながるように努めてまいりたいと思っております。
 また、アニメーターに収益を還元させるという観点からいたしますと、何といっても、アニメーターの発注元であるアニメ制作会社の売り上げが確実に拡大していくことが重要でございますので、この支援機構を通じまして、このようなアニメーターの方々の活動の場をしっかりと拡大していきたいと考えてございます。
○辻委員 私は、やはり日本人の精神性、そして柔軟な対応力こそが、このスピリット、エスプリが、まさにクール・ジャパンの源泉なのではないかと思います。
 本機構を、安倍総理そして茂木大臣のもと、先人たちの努力に恥じぬような、すばらしいものにしていただくことを心からお願い申し上げ、私の質問を終わります。
 ありがとうございます。
○富田委員長 次に、國重徹君。
○國重委員 公明党の國重徹です。
 本日は、いわゆるクール・ジャパン推進機構法案について質問をさせていただきます。
 世界のクリエーティブ産業市場は急速に拡大して、二〇二〇年には九百兆円以上になる見通しと言われていますが、その中で、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、日本、各国の調査によりますと、日本が世界で一番クリエーティブな国だというような評価を受けております。また、ミシュランの格付では、日本の外食レストランの星つきの数は世界一。日本のアニメ、漫画は海外で高い評価を受けております。そして、これらのコンテンツ産業、この経済波及効果は極めて高いというふうに言われております。
 しかし、このように世界から高い評価を受けているにもかかわらず、残念ながらそれを企業の収益に結びつけられていないという日本の現状がございます。イギリス、韓国などの諸外国は、クリエーティブ産業の振興を国家政策として推進しています。例えば韓国は、官民挙げたコンテンツの海外展開によって有名な韓流ブームをつくって、そのイメージを生かして輸出産業や環境産業を促進しています。
 海外にいらっしゃる方も、政府の支援が全く違う、驚くほど違うとおっしゃる方もいらっしゃいます。日本でも、国を挙げてクール・ジャパン政策を推し進めて、海外需要を獲得して、経済成長に結びつけて、また雇用を拡大していくということが非常に大切なことになってくると思います。
 他方で、クール・ジャパン機構のような官民ファンドに対してはさまざまな批判もあります。我々の血税を使って事業をするのでビジネスの姿勢が甘くなるんじゃないか、また、誰が意思決定したのか、責任の所在が曖昧になる、このような声もあります。だからこそ、これまでの官民ファンドの反省点をしっかりと検証して、今回の機構の成功に結びつけないといけないというふうに思います。
 そこで、大臣にお伺いします。
 官民ファンド、第三セクターの中には、所期の目的を達していないものも数多くあります。なぜこれらが所期の目的を達することができなかったのか、その原因と、それを踏まえた本機構の留意すべき点はどのようなところにあると考えているのでしょうか。答弁を求めます。
○茂木国務大臣 これまでの第三セクターの失敗について、委員御指摘のように、さまざまな問題点が指摘されておりますけれども、第三セクターの場合、財団等、公益法人の人員が実質的に経営をつかさどるポジションに位置しまして、事業の進捗に応じて適時適切な経営判断を下すことができなかった、このことが失敗の原因である、このようにも言われております。
 こうした失敗を繰り返してはいけないということで、今回は、民間のノウハウを最大限に活用して、民間人を起用することで、事業の進捗に応じたきめ細かな対応ができる体制をとっていきたい、国の関与は最低限のものにしていきたい、民間のノウハウを最大限活用する。
 そういった中で、個別の事業の投資判断に当たっては、民間人を中心といたします機構の経営陣が判断することとし、現地マーケットに通じ、事業を見きわめる機能と、冷静な投資判断を行う機能をバランスよく働かせて、機構内の専門家集団から成る海外需要開拓委員会において意思決定することとしております。
 そして、なかなか収益の見通しが立たない、こういう事業もやはりあるわけでありまして、いつエグジットするのか、そういったことも含めて、ある程度の計画を立てておくということが必要だと思うんです。
 南米のある国ですと、韓国なんかがテレビをスポンサーでやっているんですよ。そうすると、主人公で格好いいやつはヒュンダイの一番新しい車に乗っているんです。それで、悪人の方は日本車の型落ちに乗っているんです。そこまでやるのがいいかどうかは別にしまして、役人的な発想だとなかなかそうしないと思うんですよ、バランスをとって両方とも日本車を使うとか。そういうことではなくて、もっと民間のアグレッシブな発想、こういったことが重要だと思っております。
○國重委員 ぜひともよろしくお願いします。
 続きまして、今週の月曜日、五月二十日になりますが、官民ファンドの運用を点検して、民間資金の呼び水として官民ファンドを効果的に活用するために設置された、官民ファンド総括アドバイザリー委員会の初会合が開催されました。
 経済産業省からは、経済産業政策局長、商務情報政策局長、中小企業庁長官がこの委員会の構成員となっておりますが、この初会合でどのようなことが報告されたのか、また議論されたのか。また、この委員会での意見交換、議論の取りまとめ等を、クール・ジャパン推進機構の今後の運営にどのように役立てていこうと考えているのか。答弁を求めます。
○永塚政府参考人 お答え申し上げます。
 五月二十日に、内閣官房副長官を座長とした官民ファンド総括アドバイザリー委員会が設置されました。
 この委員会は、既存の官民ファンドに加えまして、新規の官民ファンドの設立が準備される中で、政府が一体となりまして、既存の官民ファンドの運営状況についていわゆる横串チェックを行うとともに、現在設立準備中の官民ファンドの制度設計についての意見交換を行うために設置されたものと理解しております。
 この委員会におきましては、投資先が適切かどうか、投資実績は透明かどうか、民業圧迫にならないかなどの観点を中心に議論が行われておりまして、さらに継続されていくことになっていると理解しております。
 経済産業省といたしましては、この委員会における議論を踏まえまして、クール・ジャパン推進機構の運用に適切に反映してまいりたいと考えてございます。
○國重委員 しっかりと委員会の内容も反映して、よりよい本機構にしていただきたいというふうに思います。
 続きまして、先ほど茂木大臣も答弁の中で、本機構に関しては、国の関与は最低限、最小にして、民間の活力を引き出していく、民間主導で行っていくとおっしゃられましたけれども、本法案では、投資事業への関与について、民間のノウハウを生かすという本機構の設立趣旨に照らして、国は、支援基準の策定や、所管分野に関する知見を持つ立場から意見を述べるにとどめて、個別の投資事業の判断を行わず、海外需要開拓委員会が行うこととされています。
 どのような案件にどのような支援を行っていくのか、どの国をターゲットにするのか、そのことが機構設立後の民間出資やクール・ジャパン関連事業に参加しようとする事業者の意欲に大きく影響すると考えられます。つまり、本機構の成否の鍵は、目ききとなる人材を集められるかどうか、ここにかかってくると思います。
 そこで、お伺いします。
 本機構の人材、なかんずく海外需要開拓委員会、この委員をどのような基準で選ぶのか、また、およそどの程度の人員を集めようと考えているのか。答弁を求めます。
○平大臣政務官 お答え申し上げます。
 まさに委員が御指摘のとおり、人材が極めて重要になってまいります。
 経営陣には、クール・ジャパン政策及びクール・ジャパン・ビジネスに対する十分な理解をしていて、なおかつすぐれた企業経営実績を有する人材が望ましいと考えます。
 経営陣以外の人材では、現地マーケットに通じた事業を見きわめる能力、冷静な投資判断を行う能力などが求められていると思います。現地マーケットに通じた事業を見きわめる能力を持った人をイメージでいえば、コンテンツ産業の最前線で活躍している人や、海外市場に通じたビジネスを経験している人ということになると思います。
 投資においては、冷静な事業判断をする役割が期待される人材として、投資実務の経験のあるベンチャーキャピタルや金融機関等の出身者が想定されております。
 まずは、案件の目きき機能と、それが投資として合理性があるかどうかというもののせめぎ合いを、先ほど言った企業経営実績を有する人材がボードで判断して決めていく、そういう体制になろうかと思います。
 あと、規模でございますが、こちらは専ら機構により判断されるべきものと認識しております。国としては、予算の認可等を通じて、案件規模に応じて確認していきたいと思います。ざっくりイメージだけでいいますと、三十から百、スタートはそのぐらいの規模かと思います。
○國重委員 本当に人材確保が鍵になると思いますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
 最後の質問になりますが、本機構に対しては五百億円もの国費が投入されます。個別の投資事業に関しては、先ほど来ありましたように、民間に任せるとはいっても、国の機構に対する一定の監督があることは当然です。お金を出して、はい終わりということではなくて、やはり結果を出してこそ成功です。
 本法案では、経済産業大臣が、機構を監督して、機構の年度ごとの業務の実績について評価を行って、その結果を公表しなければならないと規定されていますが、具体的に、どのように機構を監督していくのか、その評価をどのように公表するのか、また、評価が悪い場合にはどのような措置を講じていくお考えなのか、大臣の御所見を伺います。
○茂木国務大臣 この機構は、委員がおっしゃるように、民間のノウハウを活用するということで、株式会社の形態をとる、そして国の関与は最低限にする。しかし、そうはいいましても、公的な資金が入るわけですから、きちんとしたチェックの体制もつくっていかなきゃならない。
 国といたしましては、まず、取締役及び監査役の選任等の認可を行います。同時に、予算の認可も行います。さらに、機構の財務諸表の経済産業大臣への提出を求めることになっております。こういった規定によりまして、適切な経営陣の選任であったりとか支援基準の策定等の関与を行い、機構の経営に対する適切な監督を行ってまいりたいと思っております。
 機構の業務実績の公表でありますが、事業年度ごとに評価を行いまして、その結果を対外的に公表することといたしております。
 そして、評価の結果が悪い場合でありますが、機構に対して業務の報告徴収さらには監督上必要な命令等を行うことによりまして、適切な管理監督を行ってまいりたいと考えております。
○國重委員 ありがとうございます。
 公表等も、対外的に公表とありますけれども、例えばインターネットに載っているだけであれば、見過ごすとか、また意識を持たないということもあると思いますので、こういうような委員会の場、質疑の中でもどんどん取り上げていくことも必要かと思いますし、また、評価が非常に悪い場合は、二分の一以上の株主ということにもなりますので、経営陣を入れかえるとか、さまざま辣腕を振るっていただいて、本当にこの本機構をしっかりと成功に導いていただくことを期待して、私の質疑を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○富田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前九時四十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○富田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。近藤洋介君。
○近藤(洋)委員 民主党の近藤洋介であります。
 本日は、株式会社海外需要開拓支援機構法案の審議であります。
 このいわゆるクール・ジャパン戦略は、我々民主党政権時代も、成長戦略の一つの柱になる、こういう思いで、さまざまな施策に取り組んでまいりました。自民党政権下になって、新しい機構をつくるというさらに踏み込んだ構想が打ち出されたこと、クール・ジャパンを広げる意味では、私は、大きな推進力になるだろう、こう期待をしておりますし、これからまた質疑を経るわけでありますけれども、基本的には、この法案の方向に対して、あえて申します、大賛成でございます。
 その上で、きょうは、この方向は大賛成とした上で、ちょっと具体的な一つのプロジェクトについてお伺いをしていきたい、こう思います。
 クール・ジャパンというと、アニメーションだとかファッションだとか映画産業だとか音楽だとか、または格好いいデザインであるとか、こういったものが目につくわけでありますけれども、きょうお伺いしたいのは、日本産のお酒の話であります。
 大臣は栃木県で、おいしいお酒、酒蔵、多分たくさんあろうかと思います。私の地元は山形県でありますが、この委員会の場でどの酒蔵がおいしいと言うと問題になりますので、あえて申し上げませんが、大変おいしい日本酒の産地でもございます。また、ワインも、地域のブドウ園を活用した大変おいしいワインがとれるところでもございます。
 お酒、国産酒でありますけれども、私は、日本の気候風土、それぞれの地域の気候風土に基づいて、また文化などに基づいて、日本人の丁寧さであるとか繊細さだとか、ある意味では日本らしさが、お酒、国産酒というものに凝縮されているのではないか、それこそ、ジャパン・ブランドの代表選手になるのではないか、こう思っておるわけであります。
 こういう問題意識の中で、実は我々も旧政権下で、「ENJOY JAPANESE KOKUSHU」推進協議会、国酒を楽しもう推進協議会というものを設立して、政府の中で検討を進めてまいりました。
 委員長のお許しを得て資料を配付させていただいておりますが、一枚目の、日本の酒の輸出額の推移であります。ちょっと字が小さくて恐縮ですが、合計で、いわゆる清酒、ビール、地ビール、ウイスキー、リキュール、焼酎、ワイン、全部込みで、二十四年度の実績で二百億円強、こういうことであります。平成十四年と比べて五割ふえているとはいうものの、全体の二百億、国内のお酒の市場から比べるとまだまだごく一部、こういうことであります。
 私は、日本産のお酒を出す、海外に展開するということは、まさに日本そのものを売り込む大きな一つの柱になり得るのではないか、こう考えておりますし、民主党政権下でも、当時は古川元久国家戦略担当大臣、国家戦略室に事務局を置きながら、議論のスタートを切ったということであります。
 さてそこで、きょうは内閣府の政務官に来ていただいております。政府全体として、このプロジェクトを今も引き継いでおられるというふうに聞いております。現在の政府の取り組み状況、そして、具体的に、全体の輸出戦略、何がしかの数値目標みたいなものを掲げて取り組まれておられるのか、我々のときはまだ目標を掲げるまでには至りませんでしたけれども、今どのような状況か、お答えいただけますか。
○山際大臣政務官 委員が御指摘いただきましたように、日本産の酒類の輸出というのは、本当に可能性の高いものだ、かつ大変重要なものだというふうに認識をし、引き続いて、私が座長を務めておりますが、日本産酒類の輸出促進連絡会議というものをクール・ジャパンの一環として開催してございます。
 かなり会議を続けておりまして、総論で申し上げますと、今まで各省それぞれに取り組みはしてまいりました。外務省は大使館や、あるいはいろいろなイベントにおいて、日本酒に限らず日本産の酒類を提供するものであったり、あるいは、農水省は農水省で、経済産業省も経済産業省で、それぞれに頑張ってきたんですが、各省の連絡調整、あるいは一緒にやるというようなところがかなりまだ足りないという部分もございまして、今回、そういう全体を見るような会議をつくって、各省がやるものに一緒に取り組んでいこう、それで、今御指摘がありましたように、どうやって海外に売っていくかという工夫もその中から出てまいりますので、イベントやら、あるいはBツーBという形で、メーカーとバイヤーをつなぐような催しやら、かなり今突っ込んでやろうとしております。
 そして、数値目標というお話がございましたけれども、先般、総理の方から、これは農の分野ではございますけれども、農産品の輸出を一兆円まで高めたい、そういうお話もございました。当然、日本産の酒類というものもその中の一部だというふうに認識をしておりまして、その内数ではありますけれども、一兆円に貢献できるように頑張ってやってまいりたいと思っております。
○近藤(洋)委員 山際政務官、ここは政治の出番だと思うんですね。
 今までの酒類の輸出というのは、所管官庁が国税庁、財務省でございます。ここにポイントがあると思うんですけれども、国税庁が所管ということになると、これは税金を取るのが仕事ですから、輸出は税金にかかわらない、どうしても力が入らなかったんじゃないか、こう思うわけですね。財務省はそれなりに一生懸命やっていると思いますけれども、基本的に力が入らない。
 一応、もっと真剣にやってほしいということを財務省事務方に申し上げたら、いや、財務省設置法にも酒業の健全な発展というのがございますと、設置法を持ち出されてこられたんですが、しかしながら、やはりいま一つでございました。ここはやはり、政務官を中心に推進をしていただきたい、こう思うわけであります。
 その上で、経済産業省、ぜひこれは大臣にお伺いしたいと思うんです。
 今、内閣官房に事務局があり、山際政務官が座長でまとめられる、こういう話でございますが、やはりエンジンとなるのはきょう来ていただいている経済産業省、農林水産省さらには観光庁、こういうことになると思うんです。
 酒蔵は、酒販店というのはやはり中小企業がほとんどでありますから、中小企業の海外展開という点からも重要ですし、また、ジェトロという大きな、手足と言ってはあれですけれども、拠点を経済産業省は持っているわけであります。輸出振興といえば経済産業省のお家芸、こう思うわけであります。
 大臣、このお酒というものは本当に裾野が広くて、場合によっては、お酒を売ることによって食器が売れる、グラスが売れる、容器が売れる、こういうことも含めて考えますと、されど国酒、こう思うわけであります。ぜひ、大臣に積極的に取り組んでいただきたいと思うものですけれども、いかがでしょうか。
○茂木国務大臣 近藤議員御指摘のように、日本酒を初め日本のお酒を海外展開していく、中小企業政策としても、そして、クール・ジャパンを進める上からも極めて重要だと思っております。
 先生の御地元の山形、庄内平野はまさに米どころでありまして、非常においしい日本酒もあり、また芋どころには焼酎もあるということで、国酒という言葉は恐らく大平総理が初めてお使いになったんじゃないかなと思うんですけれども、この国酒を初めとする日本産の酒類は日本の風土や生活文化の特色を反映したものであります。こういったものの海外展開をしていく、実は、日本食ブームとあわせて非常に日本酒もブームになってきておりまして、こういったものを広げていきたいと考えております。
 そして、日本酒の認知度を高めるだけではなくて、御指摘のように、これを単品だけではなくてさまざまなものと組み合わせる。とっくりであったりとかおちょこ、切子であったり、さらに、日本食、関連の商材と連携をしていく。また、これがファッションとかほかの分野とも組み合わさると思いますし、さらに言いますと、アニメでも、今、ワインの方は「神の雫」ということですけれども、日本酒でいいますと「夏子の酒」というのがかつてありまして、すばらしい漫画だったと思うんですけれども、そういったものもやっていけるのではないかな、こんなふうに考えております。
 これにつきましては民主党政権時代も予算をつけて推進していただいたわけでありますが、現政権におきましても、それを引き継いで、しっかりとやっていきたいと思っております。関係省庁、そしてジェトロとも連携をとりながら、オール・ジャパンでしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○近藤(洋)委員 力強い発言をいただきました。ぜひ経済産業省としても頑張っていただきたい、こう思うわけであります。
 今、茂木大臣からお話がございましたように、お酒というのは、まさに食文化の一つ、中心であろうかと思うわけであります。
 お許しを得て、資料を配付させていただいておりますけれども、ジェトロが調べた日本料理への好感度調査というのがございますが、米国を除く全ての国で好感度一位は日本食、こういうことであります。健康ブームとも相まって、日本食の人気は大変高い。
 次のページが日本酒、これは清酒ですが、この経験はどうですかと聞くと、一度は飲んだことがあるよ、こういうことを海外の方々には答えていただいている。これも非常に意外な結果であります。
 そう考えますと、やはり食の輸出戦略、もちろん、我が山形県のおいしい米、おいしい牛肉、そのものを単品で海外に出す、これはこれで非常に大事な取り組みかとは思うんですが、日本国酒ということ、ワイン、泡盛といったものも含めて、焼酎、清酒も含めて、これは、山際政務官から御答弁があった食料輸出の一兆円計画の中で、やはりお酒を相当重く位置づけていただきたい。
 農林水産省は、まさに食の輸出戦略の中核をなすわけでありますけれども、ぜひ農水省としてもこの分野に取り組んでいただきたい、こう思います。あわせて、今回、法案が成立すれば、海外需要開拓支援機構という新しい機構ができるわけですけれども、農水省においては、もう既に六次産業化のファンドもできているわけであります。
 こうした地域の日本国酒の取り組み、食と一体となった取り組みについて、例えば、六次産業化ファンドの活用ということも現場としてはあり得るか、こう思うわけであります。
 きょうは副大臣に御出席いただいていますが、副大臣、いかがでしょうか。
○江藤副大臣 先生がおっしゃることは、まさにごもっともだと思います。
 民主党政権下で出されたファンド法は、私も、その当時は自民党の農林部会で部会長を務めておりまして、いろいろけちはつけさせていただきましたけれども、最終的には合意をいたしまして、ブラッシュアップされて、結果として非常にいい法律にできたと思います。
 これはやはり、単品で出すよりも、付加価値を加えて、そして食文化、一貫した文化として出していこう、そのことが一兆円の早道になるということでありますから、このファンド法におけるスキームというものは当然生かされるというふうに思います。
 今回、総理の随行でロシアに行かせていただきましたけれども、やはり、もう今までみたいに財界と政界が一線を画しているような状態ではなくて、競争の時代ですから、政界と商社、そういった方々がタッグを組んで日本の食文化を売り込んでいく。そういった意味でも、ファンド法を生かしながら、これから海外展開を考えていきたいというふうに考えております。
○近藤(洋)委員 ぜひ、今の考え方に基づいて頑張っていただきたい。
 この国酒の議論というのは、実は、地域振興という観点からも極めて重要であろう、こう思うわけであります。すなわち、観光であります。各地域にワイナリーもありますし、酒蔵もそれぞれの地域にある。フランスなどは、私は余りフランスを旅したことはございませんが、ワイナリーを観光していくというのも、一つの大きな観光のルートになっているわけであります。
 そう考えますと、日本の、とりわけ地方、地域における酒蔵を元気にするということからも、国酒の輸出プロジェクトの中に酒蔵をめぐるツアーをつくって、観光と結びつけるということもあり得るのではないかと思っておるわけでありますが、既に政府においてもその動きがスタートを切られたという話を聞いております。
 観光庁、きょう来ていただいておりますが、その辺の取り組みと今後の展開について、ぜひ御答弁いただけますでしょうか。
○志村政府参考人 お答え申し上げます。
 今御指摘のように、観光庁は三月二十六日に、日本産酒類を観光資源として活用するために酒蔵ツーリズム推進協議会を立ち上げました。これは、酒造関係業界のみならず、観光関連業界、地方自治体、国も入っております。今後は、この酒蔵ツーリズム推進協議会を中心に、地域における酒造業者と自治体、観光協会などが一緒に盛り上がって、酒蔵ツーリズムの推進を進めていくということを期待しております。
 このツーリズム推進協議会でございますが、先進的な取り組みの情報収集、相互に参照、あるいは関係者の連携強化を目的としておりまして、日本産酒類を観光資源として活用した地域活性化の起爆剤として活用してまいりたいと思っております。
○近藤(洋)委員 スタートしたばかり、こういうことでありますけれども、ぜひスピードを上げて、具体化、さらに地域の成功例をつくっていただきたい、こう思うわけであります。重ねて申し上げますが、やはりお酒というのは地域の文化そのものでもあります。ぜひ観光庁も力を注いでいただきたい、こう思います。
 地域の文化という中で、一つ、ジャパン・ブランド、日本国酒、日本食、こういうことであります。今、政府において、無形文化遺産、世界遺産はこの間また新たに候補が挙がった、富士が挙がったと大変いいニュースが飛び込んでまいりましたけれども、無形文化遺産としても登録の動きが今進んでおるわけであります。
 お手元の、三枚目であります。これまで日本の無形文化遺産というのは、能楽であるとか、歌舞伎であるとか、雅楽であるとか、アイヌの古式舞踊であるとか、そういったものがどちらかというと多かったわけでありますが、今、政府において取り組みをされている動きとして、和食を文化遺産にしようとユネスコに対して取り組みをされております。
 近年では、韓国が宮廷料理でトライをして、残念ながら漏れた、こんな話も聞いております。既に食に関する無形文化遺産は、二〇一〇年に、フランスの美食術、この美食術というのは何かよくわかりませんが、いずれにしろフランスの美食術、メキシコの伝統料理、地中海料理等々、世界では登録をされている。現在、アジアで登録をされるとすると初めて、こういうことであります。
 ことし、一つの大きな局面を迎えると聞いておりますが、担当省庁は農林水産省ではないですけれども、担いでいるのは農林水産省と聞いておりますので、副大臣、見通し等を含めて、お答えいただけますか。
○江藤副大臣 これは私どもではないんです。文科の方が中心になっております。
 これは、あくまでも文化ということを極めて学術的にどうも審査をされるようでありまして、オリンピック招致運動のように、例えば来ていただいて運動するとか、そういうこともできませんし、書類選考であるとか、極めて学術的な検討を加えられるそうです、専門的な方々が。そして、商業的な目的にこれをつなげないということが一つの眼目となっているようであります。
 さはさりながら、委員がおっしゃるように、一つのきっかけとして、ユネスコに登録されれば世界の注目を集めるわけですから、ぜひ、我々のところが主体となっていないとしても、文科と私たちとそれから外務省一体となって取り組んでまいりたい、そう考えております。
○近藤(洋)委員 今御答弁があったように、何か招致活動して人を呼んでどうのということではないようなんですね。だとすると、やはりなおのこと、日本産酒を中心に、世界にどんどんPRをしていって、かつ、さまざまな事業で、先般、大使館で江藤副大臣もジャパン食フェアをやられておりましたけれども、ああいった外務省と農水省一体となった取り組み、また政府一体となった取り組み、また、国税、大吟醸とか吟醸とかさまざま表示の問題、これも非常にわかりにくいので、海外に行くときにどうやって表示をわかりやすくするかといった話、関税の話等々、たくさんございます。
 政務官、私は野党ですから、余り与党質問的なことはこの場では厳に慎みたい、こういう思いであるんですが、この件については別でございます。ここは本当に政治が頑張らなきゃいけない。財務省任せでは決してだめです、このプロジェクトは。ぜひ、ここは政治家が立っていかなきゃいけないので、政務官、本当に大臣になったつもりで。政務官だって相当なことができるんです、本当に。政務官だって相当なことができます。これは我々、民主党政権下で本当にそう思いました。
 大臣は忙しい、それぞれ忙しい、海外に行ったりする、だけれども政務官がこれを命がけでやる、こういうことでぜひやってもらいたいと思います。財務省もある意味で張り倒して頑張るという気持ちが必要かと思いますが、政務官、いかがですか。
○山際大臣政務官 大臣になったつもりでという話でございますので。
 もう委員もおわかりのことですけれども、財務省は決して後ろ向きなわけでは当然ないんですね。必死になってやろうという思いがございますし、また、今、各省から御説明申し上げましたとおりに、新しいアイデアも含めて、とにかくみんなでやる気になっています。これをきちんと連携をとって、情報を共有して、さらによいものにしていくために、命がけにというのかどうかはわかりませんけれども、とにかく私の持っている力を全部使ってでも頑張ってやってまいりたいと思います。
○近藤(洋)委員 政務官、このお酒のプロジェクト、たかがお酒と思わずに、やはり、これは日本の食文化が世界にどう展開するか、食材がどう展開するか、これは一つの切り口だ、こう思っていますし、我々も、野党の立場ですけれども、いい提案をし、後押ししていきたい、このことを申し上げておきたいと思います。
 続いて、がらっと変わって、コンテンツの輸出なんですが、新たな機構ができることによって、プラットホーム、放送会社等にも出資ができるようになる、こう聞いております。
 今回、安倍総理の成長戦略第二弾スピーチでは、権利関係の一本化のことをおっしゃいました。これはいいことだと思います。我々も研究してまいりました。放送の番組の権利、権利者団体もなかなか意見が強うございますし、大変だったわけでありますけれども、この複雑な権利を一本化して、輸出しやすいようにする、この取り組みは非常にすばらしい。
 ただ、問題はそこから先、日本の番組をよく見てもらうこと、これが大事なわけでありますが、この機構において、こうした事業への出資ということで大きな一歩が踏み出せる、こう思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○茂木国務大臣 クール・ジャパンの戦略、三段階で考えている最初の段階が、ローカライズしていろいろな発信をしていく。そこの中で、平成二十四年度の補正予算で百七十億円を確保しておりまして、ここで、日本の番組に字幕をつけたり吹きかえということで、日本の番組のローカライズを図っていくということをやっております。
 同時に、第二弾として、関連する商品であったりとかサービスを売っていく。この呼び水にするために、委員御指摘のように、現地の、海外の放送枠を買う、こういった事業も手がけておりまして、まさにこれをジャパンチャンネルとしていろいろ流していければというふうに考えております。
○近藤(洋)委員 ぜひ、前向きに取り組んでいただければと思います。
 最後に伺いたいのですが、今回、この機構ができ上がります。具体的な出資先、機構ができ上がれば、これからどこにどう出資をするかということになろうかと思うんです。その際、ぜひ大臣、頭の隅に置いておいていただきたいことがございます。
 この機構は、できるだけ多くの方々に、民間の方に出資をいただきたい、こう思うわけであります。結果として、スタートラインとして半分以上、官が多くなるかもしれません。そこは呼び水機能として、出資金の半分以上、もしかしたら官が多くなるかもしれない。できれば半分以上民になってもらいたいなと私は思いますが、結果としてそうなるかもしれない。
 その際に、この機構が成功するかどうかのポイントは、でき得る限り運営についてやはり官が口を出さないことなんだろう、こう思うんです。成果については国会もきちんと報告を受けたい、だけれども、運営についてはやはり、何がいい投資先かというのは、でき得る限り民の発想でやっていただきたい。
 もっと具体的に言うと、産業革新機構というのがございました。自民党政権下でできて、我々も、政権のときに見てまいりました。最初の一年は成果が上がりませんでした。一年半ぐらい、なかなか出資先が出なかったような気がします。我々もいろいろ、じりじりした部分はありましたけれども、少なくとも、民主党政権下でも、多分自民党政権下でもそうだったと思いますけれども、具体的な投資先についてはやはり任せたんだ、こう思うんです。余り政治も行政も言わずに、そこは産革機構の経営陣に委ねて、やってくれと。そうしたら、三、四年後、今は私はかなり花が開いてきた、こう思うんですね。
 何を言いたいかというと、あえて申します、できる限り、官や政治も含めて、具体的な投資先についてはやはり民の発想に全て任せるということが実は極めて重要だ、産業革新機構の五年間、六年間を見て改めて思うのですが、大臣、いかがでしょうか。それを伺って、質問を終わります。
○茂木国務大臣 委員、おっしゃるとおりだと思っております。
 これは、株式会社としてつくります。民主導で行っていきたい。そして、具体的な投資の決定も、社外取締役等から構成されます海外需要開拓委員会において個別の案件は決定をしていくということになっていまして、最近、官僚の中でも政治家の中でもファッショナブルな人がいないとは言いませんけれども、民間と比べると、やはりこういうクール・ジャパンを進めるのは民の世界にいる人が私はふさわしいんじゃないかなと思っています。
○近藤(洋)委員 終わります。ありがとうございました。
○富田委員長 次に、大島敦君。
○大島(敦)委員 民主党の衆議院議員の大島です。
 きょうは、株式会社海外需要開拓支援機構法案について、何点か質問をさせてください。
 先ほど、近藤委員からの国酒に対する熱い質問を聞いておりまして、そういえば萌え酒サミットがあったなということに今気づいたわけなんです。萌え酒サミットは、去年は茨城県の筑西市で行われていまして、毎年秋葉原のUDXの中で行われるんですけれども、秋葉原の会場がとれなかったので、去年は茨城県、ことしは九月にまた秋葉原で、大体四回目か五回目だと思うんですけれども、毎年人がふえています。
 私は、二〇一〇年の萌え酒サミット、私の地元の小さな小売店の方が実行委員長だったものですから、いろいろとお話をさせていただいた。萌え酒というのは、日本酒のここのラベルが萌えキャラなんです。日本酒があって、ここのラベルが、秋葉原でよくあるような萌えキャラが張ってあるんです。これは売れるんです。大島さん、オタクの人たちは豊かな家庭の人たちが多いんだよと言うんです。三本買うそうです。一本は自分で飲むため、もう一本は自分で保管するため、もう一本は同好の士と交換するため。
 おととしの二〇一一年は秋葉原で一万人集まっています。その前の年が六千人でした。中小企業庁さんあるいは観光庁さんの後援もついておりまして、聞いてみたんです。政府の後援をつけると何かメリットがあるんですかと聞いたところ、大島さん、この会場を借りる家賃が半分になる、これがメリットだと言っていました。
 経産省の方と話したときには、萌え酒サミットという感じで、最初は若干引きぎみだったんです。でも、ある程度、六千人、一万人が集まってくると、多分、観光庁の後援の方が早かったと思うんですけれども、同じタイミングで出していただいた。今、やはり政府の後援がありますと、多くの方が集まります。これは、まずは酒造メーカーにとってもプラスです。
 日本酒を飲む方がどんどん減っている。大学の先生もそういうサポートをするメンバーに入っていて、大学の先生のお話ですと、学生のコンパでも日本酒はもう飲まない。ですから、どうやって学生に飲んでいただこうかなということを考えると、そういう萌えキャラ。
 もう一つは、聖地みたいなものができるそうです。萌え酒をつくっている酒蔵がある近くの神社が萌え酒の同好の士たちの聖地になると、そこに巡礼というのが始まって、多くの方がそこに行き始めるそうなんです。
 これは結構大きな広がりがありまして、おととし聞いたところによりますと、フィレンツェで日本フェアがあるので、そこに出店したいと。外国の人たちもこのお酒を買いたがるそうなんです。ですから、いろいろな販売のやり方というのを、私たちのように政治の側、私たちが気がつかない領域で、多くの方がそうやって市場を開拓している。
 プラスアルファ、痛車というのも聞きまして、痛車というのは、普通の車に萌えキャラのステッカーを大きく張るわけなんです。これでも、痛車が、集まれと言うと、すぐに三千台とか五千台とか集まって、人が集まってくる。
 ですから、今のマーケットというのは、多分私たちが知らないところで、日本の社会の中でも広がりを持っていると思っていまして、今回、株式会社の支援機構法案を伺ったときに、どういうイメージの株式会社かなかなかまだつかめていないというのが実感なんです。
 特に、五百億円ですから、小さな金額ではありません。たしか、石垣の新空港が三月に開港したんですけれども、あそこの飛行場が四百五十億円です。あるいは、準天頂衛星、閣議決定をして、今四機なんです。七機を目指すと書いてあって、多分五百億円あればあと三機は打ち上がるんじゃないかなとか、結構な金額のことは確かなんです。
 前回、岸本さんが本会議場で、今回の機構法案につきまして、推進をするという立場もあるんだけれども、この五百億円の責任の所在、あるいは使い方について質問をいたしました。私も同感です。ですから、この五百億円をどうやって使っていくのか。
 今回は、クール・ジャパンということが前面です。クール・ジャパンというと、意外と狭い概念に捉えられるかもしれない。いろいろな日本の文化とか、あるいは食とか、もう少し広がりを持たせて、海外に直接出ていくのも必要なんですけれども、国内を充実させるということも必要だと思っています。
 まずは、クール・ジャパンという名称が適切なのかということと、もっと広がりを持った概念で機構が担うビジネス領域を考えた方がいいかと思うんですけれども、その点についてのお考えをお聞かせください。
○菅原副大臣 大島委員から、萌え酒、痛車という言葉、実は私、初めて聞きました。萌え酒で秋葉原に人が集まるということは、アキバ系の十代だけじゃなくて二十以上の方もそういう広がりにある。また、痛車という、本来の車にそうしたステッカーをつけただけで広がりができる。極めて産業の拡充には大事なことかなと今感じておりました。
 そして、クール・ジャパンという名称についてでございますが、本来的にこの法案、あるいは私ども政府がお訴え申し上げたいのは、やはり、今お話があったように、日本の魅力、商品、サービスを含めて多岐にわたるものを海外にどんどん発信して、これを成長戦略につなげていきたい、こう考えております。
 クールを、世の中で連想ゲームをすればビズとなる、こういう状況はあるかもしれません。それだけ、このクール・ジャパンという言葉自体は、この国会での審議を通じてこれから広がりができてくると期待をし、また、私どももそのように努めていきたいと思っております。
 トニー・ブレア・イギリス首相がクール・ブリタニアという言葉を一九九七年に使って、当時、英国病から立ち直って経済が上向きになり、そして国力をしっかり強くしようということの中でこうした言葉を使ったわけでございます。
 したがって、クールというのは、涼しい、冷たいという以外に、格好いいとか、粋だとか、いけている、こういった意味合いがありまして、まずは国内で、今お話があったような商品やサービス、そしてそのものも、先ほど近藤委員の御質問にもありましたけれども、コンテンツ、ファッション、日本酒、アミューズメント、観光、サービス、お酒を初め、そうしたものに特化しておりませんで、海外に出せる日本商品、サービスであれば、いかなるものもターゲットにしていこう、このように考えている次第でございます。
○大島(敦)委員 ありがとうございます。
 私も、今回の法案の勉強をさせていただく中で、さまざまな方にお会いをさせていただきました。二十代、三十代の方、独立している方で、結構スマートに仕事をされている方が多いなという実感を受けました。私も二十七から三十まで、デュッセルドルフに駐在して、パリも、ブリュッセルも、あるいはウィーンも、大体ヨーロッパを庭のように普通に出張する。その感覚で、今の三十代、四十代ぐらい、特に三十代ぐらいの独立しているコンサルタントの方とかビジネスをやっている方は、普通に上海に行ったりシンガポールに行ったり、あるいはジャカルタに行ったり、庭のように移動しながらビジネスをされている方が非常にふえているなと、頼もしく思います。
 今回、やはり人の問題があると思います。新しくビジネスを起こすというのは、これは相当のスキルが必要だと思っています。
 私も、一九九四年から九五年にかけて、鉄鋼会社で新規事業の案件の撤退をやっていたものですから、ここの日本の経営人材。三枝匡さんが二十五年ぐらい前に「経営パワーの危機」という本を書かれて、三十代、大企業で、業績の悪い会社の社長になってそれを立て直すというストーリーでした。三年ぐらい前に三枝さんとお話ししたときに、日本の現状は変わっていませんねというお話をさせていただいたところ、そうだねと。やはり、日本の中で一番欠けているのは経営人材です。要は、どうやって仕事をつくっていくのか。
 ですから、私は、最初から五百億円ありきという考え方には余りくみしていないんです。これだけ金は余っているわけですから、ちゃんと自分でビジネスプランをつくって、そして、銀行なり投資家なりを口説いて金を引っ張ってきて自分でやるくらいの、そのくらいの器量がないと、外国の陣営と伍してビジネスを行っていくのは難しいと思っています。日本全体の営業力が相当落ちていると思っています。
 ですから、今回のこの法案の審議、法案を勉強させていただく中で、これは別にクール・ジャパンというよりも、日本の中でこの五百億円を使って経営人材を育てていくそのツールにしたいなと思っているんです。ですから、一番最初、誰を社長にするかというのがまずポイントだと思っています。
 会社の社長を誰にするのか。いろいろと話してみると、大臣があなたやれと選ぶことも可能です。もう一つは、コンペの方法もあるわけです。五百億円のファンドがある。この五百億円のファンドを、民間から引っ張ってきて、そして君たちに任せたい、君たちのそういうようなグループでちょっとプレゼンしてくれと、コンペ方式で経営陣を選ぶ方法もあるかと思います。
 ですから、今回のまず一つのキーは、誰を経営陣にするのか、どうやってそれを任せるのか。そこは今、茂木大臣がおっしゃったとおり、なかなか私たち政治の領域ですと、ビジネスマンではありませんから知らないところが非常に多いと思います。コンペでやるという方法もあるかと思います。
 どうやって経営人材、まずはこの機構の経営陣をそろえていくかについて、具体的なお考え、あるいは一つのお考えがあればお聞かせください。
○茂木国務大臣 機構を担う経営陣、民間人、極めて人選は重要だと思っておりますし、これはある意味、国としてクール・ジャパンを進めていくということですから、クール・ジャパン政策についても理解がある、同時にクール・ジャパンのビジネスについて経験とかノウハウを持っている、こういった方を、委員の方からも御指摘いただきましたいろいろな選び方はあると思いますけれども、やはりトップのすばらしい人材を選びたい、こんなふうに思っています。
 同時に、経営陣と一緒に、実務を担う責任者であったりとか中核になる方というのも私は非常に重要だと思っておりまして、例えば、萌え酒のお話をされましたけれども、萌えという言葉が流行語大賞をとったのが恐らく二〇〇七年か二〇〇八年だったと思うんですけれども、あれをつくったチームというのは、一人が四十代で、それ以外は二十代の人間でああいうコンセプトをはやらせたということでありまして、やはりトレンドに対して極めて敏感で目ききの能力がある、こういったタイプの人間が一つ必要である。
 その一方で、やはり、かなりな投資を行うわけでありますから、冷徹な、収益性から見てどうなのか、こういう判断を行う人間も必要でありまして、恐らく、前者でいいますと商社であったりとか、メーカーであったりとか、百貨店のバイヤーであったりとか、さまざまな分野があると思いますし、後者でいいますとベンチャーキャピタルをやっていたりとか、スペックだけで全ては決まりませんけれども、経営陣と同時に、実務を機構の中で担っていく人材、これも極めて重要だなと私は思っております。
○大島(敦)委員 ただいまの茂木大臣の御意見は、私もそのとおりだと思います。
 まずは、これはいけると直観する能力ですよね、ビジネスを起こすためには。これは理屈じゃ説明できない領域なんです、これはいけるというのは。この領域を持っていらっしゃる方と、もう一つ必要なのは、MBA、あるいは大企業の中でマネジメント層として鍛えられている、この二つ。この二人は残念ながら用語が違います。ビジネスでいけるという直観力と、理屈でしっかりそれをサポートできる、この両方の言語がわかる人が本当は必要だと思っている。要は、この両方の言語がわかって、これをチームとして推進できるタイプ。
 例えば本田技研ですと、本田宗一郎と藤沢武夫です。藤沢武夫が全部、マネジメント、経営はつくりました。ですから、昭和四十年代に藤沢武夫はこういうことを言っているんです。現代の経営というのは現代音楽を指揮するようなものだ、パート、パートがそれぞれの旋律を奏でながら全体としてハーモニーになる。これが現代の経営だということを四十年代に言って、研究所を分けて本田技研をつくっていくわけなんですけれども、彼は恐らく、そのブリッジのところとマネジメントが両方できたと思う。ブリッジのところ、この言語体系、本田宗一郎の技術屋としての直観力と、マーケティングあるいはマネジメントとしての藤沢武夫が持っている能力、これがうまくいったわけです。
 ですから、機構から会社に出資する場合には、この三つのタイプの人間をうまく組み合わせるということが必要だと思っています。
 もう一つは、最初から五百億円ありきではなくて、私は人材をつくりたいと思っているんです。ですから、最初は一億とか三億とか五億、これは物すごく大きい金額です。そうやって十人とか五十人とか若い人たちを試してみて、その中で育った人にもう十億かけてみるかとか、もう五十億かけてみるかとか。
 この間も、金融円滑化法が切れた後どうなるのかなということで、株式会社地域経済活性化支援機構にちょっと取材に行ったんですけれども、企業再生ビジネスの日本の中でのソサエティーは大体三百人ぐらいだと言っていました。そんなに多くのソサエティーではない。
 恐らく、今回のこのソサエティーもそんなに多くないと思うんです、担う人材としては。でも、今潜在的に眠っている人材から発掘するためにも、ぜひそういうビジネスモデルをやってほしい。これをお願いしたい。
 もうあと五分しかありませんから、私の方から一方的にしゃべって、最後にお考えを伺いたいと思います。
 もう一つは、どこに人材があるかというと、大企業だと思っています。大企業は人材を囲い込んでいます。日本は、寄らば大樹の陰ですから、私も大企業をやめたいという人にはやめておけと言います。大企業というのは、ここは、柵の中ですくすくと育っている羊の群れのようなところだ。その外、自営の仕事というのは、ジャングルの中で生息するような仕事です。
 ですから、この大企業の人材を、もう少しこちらのビジネス、激しいビジネスの方に持っていくためには、ぜひ積極的に、公募するよりも、その機構の人から、要は直接ヘッドハンティングとか声をかけて大企業の人を入れてほしいんです。
 ぜひそのことをお願いしたいと思いますので、そのことについてちょっと御所見があれば、大臣のお話を伺わせてください。
○茂木国務大臣 恐らく二点について御指摘をいただいたと思うんですけれども、実際に個々のプロジェクトに出資をしていくとなりますと、最初に一遍に五百億入れるわけではなくて、ある程度、物によっては少額から始まって、事業の拡大に伴って出資の額をふやしていくということもありますし、当然それは、このファンドの中の、民間であったり、もしくはその事業のためだけにファンドとは別に投資をする、こういう方にも出てきてほしい、こんなふうな思いを持っているところであります。
 ただ同時に、クール・ジャパンといっても、本当に国として、イギリスのように、韓国のように進める気持ちがあるのか。本気度をやはり、これにかかわっている多くの皆さんに知ってもらうということが私は必要なんじゃないかなと思っています。
 一方で、大企業で眠っている人材、本当に外で活躍してもらいたい人材、スピンアウトであったりとかカーブアウト、こういった形で、そういう大企業の中からこういう新しいビジネスに、出てきてもらうような仕掛けもつくっていきたいと思っております。
○大島(敦)委員 ありがとうございました。
 今回の機構の社長、経営者の人たちを当委員会に呼べるかどうか、ちょっと調べてみたんです。
 そうすると、一応これは、もちろん理事会で決めるんですけれども、政府の出資の金額が結構多いものですから、当委員会に呼んで意見を聞こうと思うと、聞ける可能性も多分にあるんです。でも、これがいいかどうかというのがあって、呼ばれるとなると、経営陣としては説明することを考えながら投資とかビジネスモデルを考えがちになってしまうんです。
 ですから、ここはなかなか難しい領域で、どうやってこの五百億円をふやしていくか。この間岸本さんが本会議で質問したときも、政府系ファンドはほとんど燃えてなくなっちゃったというものが多いものですから、そのためには本気度。
 私も一回会社で怒られたことがありました。情報システムのときに、当時日本で最初のインターロップを見せていただいて、これはいける、これは世の中が変わると思って、部長、私も出資しますから会社も出資してくださいと言ったら、おまえいいかげんにしろとか言われました。でも、自分で金をかけないと本気になりません。
 この経営者の方、あるいはファンドが投資する方、そこの若者、三十代の人に、家一軒分、あるいはその半分ぐらいの金額は投資させてほしい。やはり自分で金をかけないと、朝から晩まで真剣にやらないんです。
 ぜひそのことをお願いしたいので、最後にそのことについての御所見を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○菅原副大臣 先ほど来、大変示唆に富む、また、クール・ジャパン機構法案の中身を拡充する議論であると思って聞いておりました。
 コンテンツにしてもアニメにしても、さまざまな、いわゆる売れ筋のものをつくるというのは、とりわけ大企業の人材だけではなく、中小、小規模あるいは個人でやっている方が、例えばアメリカのグーグルにしてもフェイスブックにしても、当時大学生でした。そうした一人一人の個々の日本人の持つ力、それを商品化、サービス化して、これをまた海外に発信するということがあります。
 しかしながら、往々にしてそういう方々というのは財政力あるいは資金力に欠ける傾向が多いわけでありまして、そうした中で、今般、まず機構をつくり、株式会社として、経営陣が五百億を投ずる、そして第一弾として百億円を民間から集めることになっております。他方で、機構においても二分の一までは民間からの出資を受けることも可能でございますので、今、この百億は第一弾として、先生お話のあったように、意思のある者は一定の努力をしていただく、そういったこともこれから必要になってこようかと思っております。あくまでも第一弾ということで、御理解をいただきたいと思います。
○大島(敦)委員 ありがとうございました。
 繰り返しになるんですけれども、出資する場合の、向こう側、出資される方も、その方は、多分、一千万とか三千万とか、ある程度の金額を出資させた方が、本気度が違うと思っております。これが最大の、ここに機構の社長を呼んだときに、安心してください、ちゃんと出資されていますからといったとき、一番わかりやすい説明を果たすやり方だと思うので、その点だけ最後に申し上げさせていただいて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○富田委員長 次に、木下智彦君。
○木下委員 日本維新の会、木下智彦でございます。
 きょうは、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 クール・ジャパン推進機構ということで、きょうの午前中に三十代の委員お二人、それから私の後も二十代、三十代のお二人が質問に立たれるということで、私も負けないようにクールにいきたいと思いまして、お昼に着がえてまいりました。なるべくクールに、そして、ちょっと意味合いがあるんですけれども、業界人っぽくちょっと振る舞ってみたいと思いまして、そういう意味では、きょうここに稲田大臣がいらっしゃらないのがちょっと私は残念です。
 そういうことで、なぜ業界人っぽくと言ったかといいますと、私は、以前もこの委員会でお話しさせていただいているんですけれども、大手の総合商社に昨年の十二月まで勤めておりまして、二十年ぐらい勤めておりました。前回の消費税の円滑転嫁法案のときもちょっと経験を述べさせていただいたんですけれども、実は、コンテンツビジネスというふうに言われるものに相当長い間かかわってまいりました。
 余りたくさん言ってしまうとあれなんですけれども、もともとは情報産業系の仕事をしておりまして、最初は、ポケベルであるとかPHSとか携帯電話の一次代理店ということで、総卸元というふうなことをやり、携帯電話ショップの店長をやり、その後、携帯電話のインターネット市場ができてきたので、携帯電話のコンテンツプロバイダーという事業をさせていただきました。
 その後に、今度は、プレイステーションというゲームソフトが相当売れまして、私どもの会社としてもビジネスチャンスがあるんじゃないかということで、事業化して、ちゃんとした会社をつくって、私はその中でソフトウエアのプロデューサーという形で、例えば、ゲームを最後までやるといろいろな人の名前が映画のロールのように出てくるんですけれども、そういうところに私がプロデューサーという名前で出てくるような仕事をしておりました。
 ちょっと長くなるのであれなんですけれども、今度は、インターネットと携帯電話を融合させるためにインターネットゲートウエーサーバーというものが携帯電話事業者では必要だということで、このシステムインテグレーションをして、それをまた海外の方に持っていって、海外ではそういう情報産業技術を、すぐれたものがあればファンドとしてファンドマネジメントしていくというふうな仕事をしておりました。
 その後は、欧州の最大コンテンツプロバイダーと言われるところを一つアグリゲート、つかまえてきて、共同出資という形で、香港であるとかロシアであるとか、そういったところで共同で、コンテンツ配信事業というプラットホーム事業みたいなことをして、最後は、日本最大の携帯電話事業者に出向いたしまして、言ってしまうと、あの当時、日本で物すごく威力のあったiモードを世界に持っていこうということで、そのビジネスモデルを使って、各国にビジネスモデルのコンサルテーションをして、プラットホームをつくって、彼らの生活文化の中に入っていこう、そういうふうな事業を手がけておりました。
 そういう経験から、きょうはちょっといろいろと本件について質問させていただきたいので、何とぞよろしくお願いいたします。
 まず最初ですけれども、先日、本会議場で私どもの党の今井議員の方から数点、茂木大臣に質問させていただいた中から、もう少しちょっと詳しく聞かせていただきたいことがあるので、お話しさせていただきます。
 まず最初に、中小企業の海外展開に関してということで、中小企業基盤整備機構や日本貿易振興機構が、国内外の見本市の開催や出展の支援、海外の市場動向などの情報提供を、また金融面では、日本政策金融公庫が海外展開に必要な資金の融資を行っているが、新たな機構を設立する政策的な必要があるのかというふうなことを聞かせていただきました。その際に大臣の方から、中小企業基盤整備機構は、中小企業を主な支援対象とする民間ファンドに対する出資を行うこととしており、個別事業に対する出資は行っていないというふうなお話をいただきました。
 私は、ちょっとここがやはり問題だと思っていまして、官民ファンドにする必要があるのか。個別事業を民間ファンドに任せてなぜいけないのかというところが、どうしてもそのお答えからは理解ができなかったので、その点について、もう一度ちょっと詳しく説明いただけるでしょうか。
○茂木国務大臣 確かに、木下委員、午前中と服装がかわっていらっしゃいまして、お昼に何かこぼされて着がえたのかなと思ったら、このクール・ジャパンの質問のためにクールな服装ということなんですけれども。
 私も、民間で全てできればそれにこしたことはない、こんなふうに思っております。ただ、残念ながら、今の状況を見ますと、クール・ジャパンにかかわっているさまざまなビジネス、関係者、大きな企業もありますけれども、比較的中小企業、個人、またクリエーターということもあって、なかなか資金の手当てができない、新しいビジネスモデルがつくれない、そして民間の金融機関からの融資が受けにくい。ポテンシャルはたくさん、委員のおっしゃるコンテンツにしてもそれ以外の分野でもあるんですけれども、出てこないということで、その呼び水となるような形で、今回、官民ファンドということで立ち上げさせていただいた、こんなふうに思っています。
 もちろん、これからジェトロが果たす役割といったものもございます、出資ではなくても。実は、これから中小企業の海外展開をしていくときに、社員が海外に行って、実際にその商品を売ったりとかいうことになりますと、相当コストがかかってしまうということで、これからジェトロの方で、企業のOBの方を短期的に雇い入れまして、まさにそのOBの人たちが代理店になって、この二年間で中小企業一千社ぐらいを対象にして、代理店的な機能を企業のOBの人が担って、中小企業の海外展開といったこともやってまいりたいと思っておりますが、クール・ジャパンという大きなくくりで考えて一つの呼び水をつくることが必要である、こんな意味から、今回、法案を提出させていただいた次第であります。
○木下委員 ジェトロの話までしていただいたんですが、私、ジェトロの件についても御答弁いただいているので、ちょっとここでお話しします。
 ジェトロは、情報提供や見本市の開催といった海外事業展開の側面支援は行っているが、出資機能は有していない、また、日本政策金融公庫などの既設の機関の機能拡充では、これまでと異なる機能や人材を持つ組織をその中につくることになって、組織の複雑化や意思決定のおくれなどの懸念があって適当でないというふうなお話がありました。
 こういう考え方で区分けができているとは思うんですけれども、そういいながらも、どんどん同じようなものを、端的に言うと、ちょっとずつは違うんですけれども同じようなものをつくっていくということが、逆に物事を複雑化してしまうんじゃないかというふうに私は考えておりまして、ましてや、そうなると、どうしても省庁側も監督が行き届かなくなってきて、世の中で言われているところの天下りの温床になっていくんじゃないかというふうな懸念もやはり出てくると思うんです。
 だから、私が思っているのは、それぞれの役割があるとは言うんですけれども、総合的に、お金も出資する、情報もちゃんととってくるというふうにして、日本の中小企業をしっかりと下支えするような、大きな一気通貫の組織をつくっていくことに力を注いでいただきたいと私は思っております。
 そうすれば、これを言うとあれですけれども、今回の法案で一つファンドをつくりますと言ったらこういう審議が行われ、また違うものをつくると言ったら審議が行われというふうな形にならず、ある種の一つの方向性、日本はこれからこうやって中小企業を支えていくんだ、そういう思いを一つのものに統合して進めていっていただければ、それが一番理想的なんじゃないかと思っているので、その辺について大臣の御所見をいただければと思います。
○茂木国務大臣 一つの考え方であると私は思うんですけれども、本会議でも、例えば既存の組織の中にこういった新しいクール・ジャパンの機構を埋め込んだ場合に、組織が複雑化する、またそれによって組織内での意思決定がおくれる、こういう話も申し上げたんですが、さらに言うと、事業によって文化というのは違うんです。
 私は、このクール・ジャパンはさまざまな領域にわたると思います。やはり、独特の文化、日本で培われた文化の中から生まれてきているコンテンツであったりファッションであったり日本食であったり、さまざまなものが出てくる。
 例えば、おもちゃでいいますと、バンダイとタカラという会社があります。バンダイは、ガンダムであったりとか、平さんはいるのかな、非常に男児玩具が得意なんですね。それに対して、タカラというのは女児玩具が得意なんですよ、リカちゃんとかジェニーちゃんとか。バンダイも女児玩具をやっていますが、うまくいかないんです。タカラも男児玩具をやっているんですけれども、逆にうまくいかないんです。男児玩具というのは、人間から遠ければ遠いほどいいんです。そういう強い文化を持っていると、人間に近い、こういう女児玩具はつくれないんですね。どうしてもその文化というのは弱くなっちゃうんです。
 同じように、クール・ジャパンの世界、多分、これをジェトロの中でやるとか中小機構の中でやったら、クール・ジャパンという新しい文化は育ちにくいのではないか。もちろん、これから何か事業をやるたびに新しい機構を立ち上げようとは思っておりませんけれども、このクール・ジャパンについては新しい組織で思い切って推進する、こういったことが正しいんじゃないかなと私は思っております。
○木下委員 一論であると私は思っております。
 ただ、先ほどの私の経験から言いますと、おもちゃはあれですが、特にコンテンツ事業に関しては相当苦労しました。なぜ苦労したかというと、やはりどうしても、クリエーターであったり、例えばマーケティング手法であったり、そういったところがブラックボックス化しているんですね。中で、いやいや、この業界ではこうだからこれが常識なんです、この値段なんですというふうに言うんですよ。それを私が持って帰ってきて、社内で説得するんです。でも、ビジネスライクな目線がちゃんと働かないんですね。どうしても、そのときは話をしても全く通じないという状態で。
 これは何でかというと、私はこれが一番の問題だと思っていて、こういった産業も、しっかりとビジネスの標準、常識と言っていいんですかね、そういったものの土俵の上にのせてこないといけないと思っているんです。
 これは、もう十五年以上そういうふうな仕事がありましたけれども、何度も挫折しています、何度も挫折して、一番の大きな問題は何かというと、収益を上げるときに、そのブラックボックスになっているところが全く見えず、そこに湯水のようにお金を使ってしまう、どうしてもそうなって、十本やって一本当たれば十本分の利益を回収できるんだという形で、何とか細々とやっていくんですけれども、こけてしまうと次へつながらない。
 そういう状態にあったので、ここにお金を入れるといったときには、やはり産業自体を育成するために、ちゃんとしたビジネスを彼らにしっかりと根づかせるような取り組みというのが私は一番重要なんじゃないかと思っております。
 時間がないので、どんどんお話しさせていただきます。
 次に、もう一つ、今井委員の方から質問があった件なんですけれども、民間金融機関が将来性を感じる分野であれば、なぜ官に頼らずみずからリスクマネーを提供しないのかというふうなことを聞いております。その理由として、これらの分野の将来性に疑問を持っているからではないかということで、これは民間金融機関というふうに区切って言っておりますが、これは企業という捉え方をしてもいいのかなと思っております。
 そこに対して、大臣は、アジアなどの新興市場を獲得していくことは我が国の有望成長分野であるが、多くの民間企業にとっては、短期的に収益を上げることに注力しがちで、ターゲットがどうしても国内市場中心になっているのが現状だというふうにおっしゃられていました。
 多くがそうだということは否定しませんが、そうでもないんじゃないかなと。というのは、私がいた会社を見ていたら、もともとは右から物を買って左に売る、素材産業、鉄鋼であるとか化学品であるとかいったものを仕入れて、それを例えばトヨタさんであるとか、そういったところに売るというふうにして、その売買差益でもうけていた。この事業が、やはりビジネスモデルがもう成り立たない、そうなったときに、ちゃんと投資して事業をつくっていくんだ、そこから生まれる利益をとっていくんだというふうな形に変わっていったんです。
 それでやったのが何かというと、今最高益をどんどん更新しているような状態になっていますが、一番収益源になっているのがブラジルなんですね。ブラジルに、投融資それから保証などの残高を全部合わせると五千七百億、一社で、グループ会社も全部合わせて投資しています。会社としても、二千二百人ぐらいブラジルに従業員がいる。
 これをつくっていくのは、短期的な視野ではなくて、長期でやはり物事を考えているんだと思うんです。それを源泉にしながら、もうけをどんどん出してきている。
 これを考えたときに、どうしてそういうふうなことをしておきながら、彼らがコンテンツビジネスをそういう国でやっていかないのかというと、やはりリスクが高いという判断だと思うんですね。それだけお金を入れて、それだけ長期的な視野でやっていったとしても、そこに手を出すのは相当厳しいんだという考え方を彼らは持っているんです。
 全然やっていないわけではないんです。例えばインドネシアとか香港であるとか、そういったところに、テレビ放送のプラットホームを買ってやっています。ただ、これはやはり芳しくないんですね、私が言うと怒られてしまうかもしれないですけれども。
 例えば、皆さん、日本国内ですけれども、BSで、十二チャンネル、BSトゥエルビというんですけれども、これを見たことがある方はいらっしゃらないんじゃないかと思うんですね。何をやっているかも、ああ、何となく知っているなということだと思うんですけれども、あれも一〇〇%出資で、その会社が出資しております。そこで放送を流して、そこのコンテンツで収益を上げていこうとしている。
 これは、一社で十五億円、まず最初に、設立するときにお金を入れています。ただ、その後ろにあるのは何かというと、その中のコンテンツでどんなことをしているかというと、QVCというショッピングチャンネルがありまして、それは別でケーブル放送なんかでやっているんですけれども、そこでは数百億円入れているんですね。それだけのプラットホームを持ってBSチャンネルをやっていても、全くと言っていいほど、単体で見るとペイしていないんです。
 それを考えたときに、この五百億円、民間から百億円、それから先も入ってくると思うんですけれども、これだけで、私は本当に、生活文化がちゃんと海外に入っていくのかというと、ちょっと疑問を感じざるを得ない。
 しかも、もう一つ言わせていただくと、一カ国じゃないんですね、いろいろな国にそういうふうなプラットホームをつくって、番組を買って、やっていくんだとおっしゃられているんですけれども、そこまでの波及効果が本当に期待できるのか、その辺をしっかり考えているのかどうかということについて、質問させていただきたいんです。
○茂木国務大臣 委員御指摘をいただきましたチャネルの話でありますけれども、全体としてはもうかっていません。ただ、私も関係者をよく知っていますけれども、個々のビジネスとしては相当もうけているのもあるという形であります。
 それから国を選ぶ。委員がかつてお勤めであった企業、これはブラジルに決定的に強いんですね、日本の中でも。やはり、どこかの、満遍なくいろいろな国というよりも、アジアであったりとか新興国を含め、ある程度ターゲットを絞りながら、クリティカルマスを超えないといけないんだと私は思います。そういうところまで持っていけるような戦略を考えていきたいと思っております。
 そして、このクール・ジャパンの世界も、きちんとビジネスモデルとして全て成り立つということが重要なんですけれども、ある意味遊びの部分というのが必要です。ブラックボックスがいいとは思わないんです、ただ、それが全部なくなってしまったらつまらないんですね。
 例えば、ある京都のゲームの会社、ここは大体、入っている人は、京都の老舗の次男が入っているんです。大学なんかで余り成績がよくなくて勤めるところがないから勤めたりしているんですけれども、遊んでいるんですよ、すごく。遊び方を知っているから、ゲームをつくるのもうまいんですね。そういう世界もクール・ジャパンの中では必要なんじゃないか。日本の豊かさとかいろいろ、感じるもの、感性が出せるというのは、全部が数字では割り切れない、こういった部分も必要なんじゃないかなと私は思っています。
○木下委員 まさしくおっしゃるとおりだと思うんですね。それを本当に我が国政府としてやっていくのかという、どうしても判断の難しいところがあると思っているんです。私は、正直言いまして、それを国がやっていくのはナンセンスだと、私の意見ですけれども、思っております。
 もう一つちょっとお話しさせていただきますと、投資した会社の財務諸表の開示ということについて、今井議員が質問されております。経営状態をちゃんと開示してくれないかということを話しているんです。
 その中でお話があったのが、個別の事業の経営状況まで全てつまびらかにすれば、出資先企業を、ほかの企業との競争上、不利な状況に置くおそれが生じるほか、機構から支援を受ける事業の組成にも悪影響を及ぼしかねず、それが機構の経営にも悪影響を及ぼすおそれがあるということで、慎重に対応したいというふうなお話がありました。
 ただ、さっきのブラックボックスの話になるかもしれませんが、これは普通はやはり開示しなきゃいけないと思っているんです。なぜならば、彼らは、経営マネジメントということで、先ほど大島委員がおっしゃられていましたけれども、そういった部分が合わさってこないとビッグビジネスにはならないと思うんですね。
 それを考えたときに、ここで財務状況とか経営のやり方であるとかをしっかりと共有化して、日本でチームになって海外市場を開拓していくということをやはりするべきだと思うんです。ある程度の財務諸表の開示の制限はしてもいいとは思うんですけれども、やはりなるべくそこは共有化できるような考え方というのを、しかも、この機構の中だけではなくて、投資されているような事業体も、お互いがそうやって見比べられるような競争をつくっていくということがいいんじゃないかと思っておるんですけれども、その辺についてはいかがでしょうか。
○茂木国務大臣 恐らく、この機構を運営していく上で、経営陣以外の人材でいいますと、一つは、先ほどから議論させていただいております、事業を見きわめる目ききであったりとか流れを読む力、こういった才能のある人が求められると思いますけれども、もう一方で、冷静に事業の収益性等々を判断して、どこにどれだけの投資をするか、こういった全く違った能力を持っている人も必要なんだと思っております。
 そういった中で、当然、国が出資をするわけでありますから、ファンド全体としての事業がどういっているか、このことについても開示してまいります。
 ただ、企業もそうだと思いますけれども、個々具体的なプロジェクトについて、内部的にはその情報を共有しても、外に対して、ブラジルのこの事業はもうかっています、インドネシアのこの事業はちょっと赤字です、こういうものは恐らく出さないんだと思うんですね。出せる範囲で出したいとは思いますけれども、それがクール・ジャパンを展開していく上で阻害にならない、こういう範囲で、できる限りの情報開示を行っていきたいと思っております。
○木下委員 次の質問です。
 今回の目的の中で、我が国の生活文化の特色を生かした魅力ある商品やサービスの海外における需要の開拓というところが一つというふうに言われているんですけれども、生活文化を広めるというふうに考えたときに、日本の企業が外に行って、そこでやらなきゃいけないんだと最初の説明で言われたんです。
 そのときに一つ説明を受けたのが何かというと、例えば、イギリスにすし屋のチェーンがあるんです。ただ、すし屋のチェーンの経営者が韓国人だ、だからやはり日本人がやらなきゃいけないんだ、そういう事業をやっていきたいんだ、そういう目的がこの中にも入っているというような説明を受けたんですけれども、私は、なぜ韓国人じゃだめなんだと思うんです。韓国人じゃなくても、イギリス人でも誰でもいいと私は思っているんです。
 というのは、私は、このままやっていると、生活文化を押しつけることにしかならないと思っていて、そういう考え方でやっているとどうしようもないと思っています。
 なぜそう思うかというと、先ほど言いましたが、私は、ある携帯電話事業者のビジネスモデルを海外へ持っていったんです。その当時、通産省が後押ししてくれました。そのときに何を言ったか。日本発のモデルなんだ、日本のモデルは絶対成功体験を持っているから、そのままやればいいんだ、そういうふうな言い方をされたんですね。
 でも、それをやって失敗したんです。なぜならば、彼らの文化にちゃんと入っていけなかったんですね。本当に工夫するところは、彼らがこれはいいなと思ったことに対して変化をつけて、自分たちの生活文化の中に取り入れていく、やはりそういう考え方を持たなきゃいけないと思っているんです。
 そう考えたとき、このファンドでは、海外展開で、海外にプラットホームを置くためにお金を出す、そういう形になるんだと言っているんですけれども、私は、それよりも先にやることがあるんじゃないかと思っています。
 それは何かというと、今、ほかでもちょっといろいろ言われているインテグレーテッドリゾートというふうな形で、例えば見本市会場をもっと大きなものにして、ホテルも整備して、その中に娯楽施設もつくってという形で、海外からどんどん人に来てもらう。ましてや、そこ自体を保税地域にして、パスポートなしでも気軽に来てもらえるようなものをつくっていって、そこの中に場をつくって、日本を感じて帰ってもらう。
 そうやっていれば、どんどん彼らの工夫で、いいと思ったものを持っていくと思うんです。そこで広まっていったら、やはりこれでいいんだと思ったら、だあっと日本の企業が入っていくような素地もできる。しかも、日本でそれをやると、今まで、海外で事業を展開するんだと思っていた企業は二の足を踏んでいたんですね、それが、そうではなくて、あの見本市会場に出店するんだという形でやっていける。
 これはすごく効率がいいやり方だと思っていて、こういうことをめり張りをつけてやっていただきたいというふうに考えているんですけれども、その点いかがでしょうか。
○茂木国務大臣 最終的には、そういったIRを日本で展開して、そこに海外のお客さんも呼び込んで、エンターテインメント、それからショッピング等々をしてもらうということも重要だと思っております。
 もちろん、段階を完全にきれいに分けてスリーステップということではないんですけれども、まず第一ステップは、日本のよさを知ってもらう、第二ステップは、実際に現地でそういった商品、サービスに触れてもらって、そのよさを実感してもらう、最終的に第三ステップで、そういった方に実際に日本に来てもらって、さらにそういうものを深掘りしてもらう、こういったことで考えております。
 実際に、例えばシンガポールに今IRの大きなものを二つ持っております。セントーサ島の方もそうなんですけれども、サンズの三階のレストランは、ほとんど日本のレストランですよ。やはりそういうものは出ているわけでありますから、まずは日本のよさを海外に展開して、よさを知ってもらってから航空チケットを買ってもらうというのが一般的な順番なのかなと思います。
○木下委員 時間になっておりますが、私は逆だと思っております。
 なぜならば、海外の会社を口説き落とすときに一番最初にやるのは何かといったら、日本に連れてくるんですよ。日本に連れてきて私が何をやったかというと、朝の電車に乗ってもらうんです。端からみんなが携帯電話をさわっているんですね。こんな世の中に自分たちがしたいと思って帰っていくんです。意欲が湧いて、どんどん物事をやっていく、日本と同じような村を彼らの国でつくってというふうなところからやっていくのが一番効率的だと私は思っております。
 そういう意味で、クール・ジャパンという戦略自体は全然私は反対しておりません、ただ、クール・ジャパンを推進するということで官民ファンドをつくること自体がナンセンスなんじゃないかなというのが私の結論でございます。
 ありがとうございました。
○富田委員長 次に、丸山穂高君。
○丸山委員 日本維新の会の丸山穂高でございます。
 本日は、株式会社海外需要開拓支援機構法案について審議させていただきます。
 まずもちまして、十九世紀に黒船が日本に来航した折、そこから日本は大きく変わっていって、文明開化だとか、また脱亜入欧という言葉があるように、ヨーロッパに追いつけ追い越せという形に日本の歴史が大きく動いたときに、逆に、ヨーロッパにおいては、歌川広重のヒロシゲ・ブルーだということで、日本の浮世絵や日本の文化が見直され、まさしくゴッホやモネといった印象派、またアールヌーボーの美術家たちも、日本のことを、すごいな、こんな国があるんだという形で、いわゆるジャポニズムというものが起こったというふうなことを考えますと、百五十年後のこの二十一世紀に新たなジャポニズムを起こすんだという方向性につきましては、非常に私も大事なことだと。
 なおかつ、我々日本人が見失いかけている、我々が持っているよいものを外から見ていただいたときに、実はこれは我々独特のものでよかったんだという形で新たな発見につながっていく、ここまで日本の中で失ってきた大事なものを見直すいい機会になるんじゃないかというふうに考えております。
 しかしながら、私も二十代でございますけれども、二十代の私でも、最新の流行の話を聞いていますと、本当に移り変わりも速くて、きゃりーぱみゅぱみゅだとか原宿文化だとか、アニメにしても漫画にしても本当に新しいスピードで、ゲームにしても、今は「パズドラ」というのがはやっておりまして、落ちゲーという、落ちていくゲームなんですけれども、「ぷよぷよ」という昔すごくはやったゲームと何が違うのかということで、まさかまた新たに落ちゲーがはやるかと想像できたかというと、想像が難しい中で、どうしても、先ほど来の委員の先生方のお話にあります、官が枠をはめていくことに対して警戒していく、やはり民にできることはきちんと任せていくという姿勢が一番大事な部分だと思います。
 そこで、まずお伺いしたいんですが、第二十三条の一項で、経済産業大臣が支援基準を定めるというふうに定められておりますけれども、この支援基準につきまして、政府として現時点でどういったものを想定されているんでしょうか。
 そして、木下委員からも少しお話がありましたけれども、いわゆるインバウンドの案件、外国人旅行者を自国へ誘致するようなこと、もっといけば国内でのプロジェクト、国内にいる外国の方、もしくは国内の日本人でもいいんですが、国内でのプロジェクトについても出資の対象に含まれているという認識でよいんでしょうか。また、その場合に条件等がありましたら、お教えいただければと思います。
○永塚政府参考人 支援基準についてのお尋ねでございますけれども、経済産業大臣は、機構が行う出資等の事業を通じまして、政策目的であります海外の需要の獲得を実現することを担保するために、あらかじめ機構が投資判断を行うに当たって従うべきガイドラインとして、支援基準を定めることとしております。
 その具体的な中身でございますけれども、一つは、日本の魅力の発信や生活文化の特色を生かした商品、サービスの海外における需要獲得という本来の政策的意義が認められるということ、二番目といたしまして、収益性がきちっと見込まれるということ、第三に、個別の企業の海外展開の支援にとどまらず、他企業や他産業への波及効果が見込まれること、こういったことを支援基準として盛り込むことが適当ではないかと今考えているところでございます。
 個々の事業の投資判断につきましては機構の経営陣が当然行うことになるわけでございますけれども、このような基準を満たすような事業であれば、今委員が御指摘になられました国内で行われるような事業につきましても、支援の対象となり得るもの、そのように考えてございます。
○丸山委員 今お伺いしても、やはり国の方で決めていくというのはいかがなものかというのを強く感じます。
 特に、この法文を読んでいきますと、二十四条、二十六条等で、経済産業大臣に意見を述べる機会を与える旨を規定していたり、また二十七条等その他の条文でも、必要な助言その他の援助を行う、予算措置の認可を受けなければならない、経済産業大臣が監督する、法施行のために必要なときには立ち入りや検査ができる等々、国の関与や判断が、この法文を見ていると、かなり大きいような気がするんです。
 先ほどのお話にもありましたけれども、以前、政務官が、クールでない行政がクールかどうかを決めるのはいかがなものかという懸念をおっしゃいましたけれども、この法文をごらんになられて、そのあたりの整合性をどのようにお考えになりますか。
○平大臣政務官 委員のおっしゃるとおりで、クール・ジャパンですから、クールでない政治家や行政が主導するのは間違いだ、まさにそのとおりだと思います。
 その一方で、政府出資をしているわけであります、財投からお金を出していますから、これについては、我々政府また国会に対する説明責任もございます。
 今御指摘がありましたけれども、例えば、二十四条は意見ですね。かなり軽目です、意見ということは。二十七条は助言であります。二十九条の予算の認可は、政府保証をつけた融資などが出てきますから、これは事前に予算の枠をはめておかないと、政府保証ということで無制限にできるわけではありませんので、そのための措置。そして、三十八条の立入検査は、現実の世界は、どんなにすぐれたガバナンスの制度をつくったところで暴走するときは暴走しますから、そういうときにはしっかりと立入検査を行って、国の責任を果たしていく、そういうことだと思います。
 ですから、投資案件の、クール・ジャパンの、ビジネスの目ききは当然民間人がやるし、それに対しての投資の合理性も民間人がやる。そのせめぎ合いを見て、CEOとボード、これも民間人、恐らく経営である程度実績を上げた経営者などが入るんだと思いますが、それがまさにCIO、COOのせめぎ合いを見て、CEOを初めとしたボードが判断するという仕組みでありまして、そこは我々政治家が口を出すことにはなっていないということでございます。
○丸山委員 まさしく本当に、今回の法案及びこの分野の一番のポイントは、大臣が本会議場でもおっしゃった、呼び水にいかにとどめられるかどうかというところが論点でございまして、大きな大事な部分でございます。
 そういった意味で、先ほどお話のあった、産投で五百億という大金をつぎ込んで、予算を投入することに対して、果たしてそれが本当に必要なのか、もっといけば、民業が圧迫されるんじゃないか、過剰介入によって市場がゆがむんじゃないかという批判の声ももちろんお聞きになっていると思います。
 そうした中で、ではどこまでやるのかという話なんです。特に、二十八条で財政上の措置が規定されていますけれども、この財政上の措置について確認しておきたいと思います。
 この条文は、機構だけでなく、政府としても、機構ができないようなその他の周辺部分に関しても予算上の措置をさらに講じていくような形の努力義務という認識でよいのでしょうか。つまり、その分さらに予算を国として要求していく可能性があるという理解でよろしいんでしょうか。
○永塚政府参考人 二十八条に関してのお問い合わせでございますけれども、クール・ジャパン関連事業の海外展開を促進するためには、単にクール・ジャパン推進機構を通じた資金面での支援で十分ということではないと考えてございます。
 例えば、海外にコンテンツを持っていった場合にしっかりと海賊版対策を講じるとか、あるいは若手のクリエーターの人材育成をしっかりと国内で行っていくとか、さまざまな施策と相まって、このクール・ジャパンの展開を政策として総合的に推進できるというふうに考えているところでございます。
 こうしたクール・ジャパン関連事業の裾野を広げる取り組みが私どもとしては重要だと考えてございますので、この法案の第二十八条におきましては、こうした要請を踏まえ、クール・ジャパン関連事業に対して、予算を初め各種の政策措置により支援することを規定しているということでございます。
○丸山委員 やはり、さらに積み上げていく可能性があるということでございます。
 そうした中で、最終的に赤字になる可能性もあるということでございます。もちろん、赤字にしないように努力していくということでございますけれども、ただし、赤字の可能性もある。その中で、追加の予算措置、もしくは解散時の処理等で、最終的に税金から、赤字が出てしまった場合には補填されるという認識でいいんでしょうか。さらに、損失が生じた場合に責任の問題がやはり大事になってくると思いますけれども、その場合は政府に責任があるのか、それとも機構にあるんでしょうか、両方にあるんでしょうか、どのようにお考えでしょうか。責任体制についてお伺いしたいと思います。
 そしてまた、やはり国の予算をつぎ込むということで、きっちり見ていくのが大事だという政務官のお話でございました。その場合、国民に対してどのように情報開示がされていくのか、それも踏まえまして、お話を伺えればと思います。
○平大臣政務官 御質問の件でございますが、まず、一般的に、株式会社でございますので、所有と経営の分離の原則のもと、企業経営陣が適切に経営していただくということになります。
 そして、民間を中心に目ききをしていくわけでありますが、もし仮に経営に失敗して、機構が損失をこうむった場合、これはまず第一義的には、経営陣は株主総会で経営責任を問われることになります。必要があれば、経営陣の責任、また、取りかえる、再任するということになる。これは一般的な株式会社の処理の方法と同じでございます。
 そして、最終的に損失があった、解散時期において資本を毀損しているということになれば、株式会社ですから、資本が減って、解散で、残ったお金を分配ということになろうと思います。
○丸山委員 つまり、税金が消える可能性があるということでございます。
 もちろん、可能性の問題なので、私も野党ではございますが、これがもし通った場合に、赤字になるよりは黒字になって、税金で補填、税金が消えるということがないようにしていただきたいんです。やはりそういったリスクがあるということをきちんと御説明していく中で、きちんと情報公開していただいて、本当にそれが国のお金を使って出資する、投資に値する案件なのかどうかというのも、何かが起こってからではなくて、オープンにしていく方向できちんとやっていただきたいと考えております。
 少し話をかえまして、株式会社産業革新機構の法のフレームを今回のクール・ジャパンの機構に当てはめているということでございます。
 革新機構の方を見てみますと、その存続期間につきまして十五年と定められている形でございますけれども、今回のクール・ジャパン機構につきましては二十年というスパンで見られているということなんです。この十五年と二十年は、なぜここに違いが生じているのか。このあたり、二十年に定められた理由とその比較について、御見解を伺いたいと思います。
○永塚政府参考人 期間についてのお問い合わせでございますけれども、本来は、このクール・ジャパンは、民間によって行われることが望ましいわけでございます。したがいまして、機構が支援する事業の実施においては、民間企業からの出資等の資金供給を最大限引き出すこととするとともに、機構の存続期間を二十年間という時限的なものとして、その後は民間資金のみで自立的に運営されていくということを期待しているものでございます。
 産業革新機構との差でございますけれども、今般、この機構の投資案件として考えているものの中には、例えば海外でのショッピングモールなど不動産の取得を伴うものも想定されております。こういった民間で行われている事業につきましては、収益を出し始めるまでの期間が二十年あるいは二十五年程度と大変長期間にわたるケースも多いというふうに理解しております。こういう事例も参考にいたしまして、機構の存続期間としては二十年間と設定したものでございます。
○丸山委員 なるほど。となると、施行の状況の検証につきましては、今回は七年スパンということでございますけれども、どうしてここは七年スパンということになっておりますでしょうか。
○永塚政府参考人 まず、国といたしましては、この法案に基づきまして、機構のチェックはしっかりとやっていきたいというふうに思っております。具体的には、機構の財務諸表を経済産業大臣に提出してもらい、毎年その事業の業績の評価を行うこととしているわけでございます。
 その前提として、クール・ジャパン推進機構において、経営陣が常に機構の運営状況をチェックしていることが基本となっているわけでございます。
 委員御指摘の検討につきましては、この法律の制度全体についての施行状況をある段階で見直ししようということで、七年後にその時点での状況をアセスして検討しようとしているものでございます。あくまでも法律全体のたてつけ、制度設計についての検証ということで、個別案件の検証は毎年しっかりとやっていきたいというふうに考えてございます。
○丸山委員 この七年というのは産業革新機構と同じというふうに伺っておりますが、産業革新機構の方は十五年ということで、ちょうど真ん中のところでの七年というのは理解できるんですけれども、今回、クール・ジャパンは二十年なのに七年ということで、ある部分では革新機構と同じようにして、一方でその期間に関しては二十年ということで、今のお話では、なぜ二十年なのかという点に関しましては、聞いていらっしゃる方も、どうしてなんだというふうに思いかねないと考えます。
 ほかの法案でも申し上げているんですけれども、どうしてその数字になるのか、また、なぜその政策を打って、目標はどこにあって、そしてスケジュールはどれぐらいで、やる中でPDCAを回していって検証していく、最後は政策評価につなげていくという形を、きちんと検証を積み重ねていただかないと、こうした国民の税金で補填する可能性があるというところでは、きちんと積み上げていただけるようにお願いしたいと思います。
 そうした中で、過去例を調べていくというのは大事な点だと思います。
 例えば、先ほど申し上げた産業革新機構でも、実は、同様の出資案件で、一一年の八月十五日に支援決定されているそうなんですが、株式会社オールニッポン・エンタテインメントワークスという会社、同じようなクール・ジャパン関係のコンテンツを扱っていらっしゃる会社さんということなんですけれども、この案件に関しまして、現状、どのようになっているんでしょうか。このクール・ジャパン機構法案をつくる中で、過去例として検証されておりますでしょうか。
○中山政府参考人 お答えいたします。
 ただいま御指摘のありましたオールニッポン・エンタテインメントワークスでございますけれども、御指摘のとおり、一一年八月十五日に、国内の企業、個人が保有するストーリーやキャラクターなどのコンテンツを、ハリウッドを経由して、当初から海外展開を視野に入れた大規模な企画開発を行うということで、その事業の革新性が認められて、産業革新機構からの出資案件として認められてございます。
 実際に事業を開始したのは一一年の十二月でございまして、それから一年、現状でございますが、昨年十二月に、第一号案件といたしまして、東映アニメーションが保有しておりますオリジナルアニメーションであります「ガイキング」、これはもともとは一九七六年にフジテレビで放映されたロボットアニメだそうでございますけれども、これをハリウッドの会社と共同して実写版の映画にするということでお話がまとまりまして、現時点で、企画開発また撮影の準備中というところに来ているところでございます。
 以上です。
○丸山委員 つまり、産業革新機構においても同様の出資案件がある、そして、先ほど木下委員からもお話がありましたけれども、政策金融公庫などもある、海外の情報収集や相談先としてはジェトロや中小企業基盤整備機構などもある中で、どうしてまた新たな支援スキームが必要なのかという点に関しましても、どうしても疑問が拭い去れないんじゃないかというふうに思います。
 そのあたりに関しましてもう一度きちんと御説明していただく中で、さらに、今ある既存の部分との、デマケだけではなく、連携等も含めまして、そのあたりの御見解、政府としてどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○平大臣政務官 今委員から御指摘をいただいたのは、産業革新機構、日本政策金融公庫、ジェトロ、中小企業基盤整備機構だと思います。
 まず、機能別にいきますと、ジェトロは金融機能はありません。日本政策金融公庫、これは専ら間接金融でございます。比較的、直接投資ということで、ファンド機能ということで競合するのは産業革新機構と中小企業基盤整備機構であると思いますが、御承知のとおり、中小企業基盤整備機構は、ファンドに出資をするというファンド・オブ・ファンズの機能であって、みずから直接投資をする目きき機能は持っていません。
 産業革新機構は比較的このクール・ジャパン推進機構と違うんですが、大きな違いは、産業革新機構は生産性の向上等を目指す事業活動を支援目的としていて、着目点は成長性と革新性です。その一方で、クール・ジャパンは、先ほどからの繰り返しになりますが、日本の魅力の発信や生活文化の特色を生かした海外の需要の獲得が見込まれる事業であって、さらに収益性が一定程度見込まれること、そして単なる海外展開にとどまらず他企業や他産業への波及効果が見込まれる事業ということで、私はこの波及効果が一番大きいんだと思います。
 ですから、産業革新機構は、投資した企業の中で全部、損得、リターンを考えなければいけないわけでありますが、クール・ジャパンは、そこから波及効果があるのであれば、その波及効果も視野に入れながらの投資ということになっていくんだろうというふうに思います。
 いずれにしても、クール・ジャパン投資は難しいと思います。かなり特殊な能力が要求されるんだと思います。ですから、これだけ機能として取り出して、その機能を集約化して組織化するというのは極めて合理的な判断だろうと思います。
○丸山委員 今、いみじくも政務官から、日本の魅力や我が国の生活文化の特色を生かしていくというお言葉がありました。
 この法案にも、我が国の生活文化の特色を生かした魅力ある商品または役務というふうにあるんですけれども、こうした中で、我が国の生活文化の特色というのを一体どのように政府として捉えられているのか、具体的に、法案立案者である政府としては定義をどのようにされているのか、このあたりについてお伺いしたいと思います。
○中山政府参考人 ただいま御質問のありました我が国の生活文化の特色という点でございますけれども、生活文化というのは、我々の自然環境でございますとか、宗教観でございますとか、歴史でございますとか、さまざまな要素によってつくられているものだと思います。こういうものを、海外で旺盛な需要が見込まれておりますコンテンツ、衣食住、サービス、レジャーその他、こういったものとうまく組み合わせて、魅力として付加価値をつけ、他国と差別化できるすぐれた性質というふうに捉えることができると考えております。
 具体的には、例えば食生活でいえば、我が国の四季折々の多様な食材を生かし、目で楽しみ舌で楽しむ、またヘルシーさ、それからうまみ、こういった部分が我が国の生活文化の特色ということになろうと思いますし、漫画やアニメの世界でいえば、例えば手塚治虫先生の「火の鳥」のように、日本独特の死生観や土着の風俗を織り込んだ漫画、アニメ、こういったものが我が国の生活文化の特色を生かしたコンテンツということになると考えております。
○丸山委員 非常に難しいのは、今おっしゃったような具体例はもちろん挙げられるんです、一方で、法なのでやはり具体的なきちんとした定義が必要ということで、きちんとこれは合っているのか合っていないのかという判断も必要になってくる、そうしてしまうと、官の方で枠組みをはめてしまうことになって、民間の自由な発想はできない。
 これは恐らく、ここで申し上げるまでもなく、例えば法律をつくられたときに法制局さんでもかなり詰められているとは思うんですけれども、やはりこのあたり、どうしても曖昧になってしまうところを、またこの後も質疑はあると思いますけれども、政府の方できちんと明らかにしていただく中で、国民の方から、これはお金をかけるに値するんだという理解を得ていく努力をいただけますようお願いします。
 そうした中で、特に、日本国民の需要というよりは海外における需要を開拓していくんだというのがこの法の趣旨だと思うんですけれども、やはり一番大事なのは、海外のニーズを把握していく、これをどう的確に把握していくのかというのは恐らく一番のキーになってくると思うんです。これは、この機構内でも人材や予算を投入して情報収集をしていくおつもりなんでしょうか。また、する場合はどのような方法でこれをなされていくのか、想定をお伺いしたいと思います。
○中山政府参考人 お答えいたします。
 我々、事前にいろいろな方から御意見を伺っているところでも、日本企業が海外需要を開拓していく上での大きなボトルネックの一つとしては、御指摘のとおり、海外でのニーズを含めた情報が不足しているという点が指摘されております。したがいまして、機構が今後事業に対して投資していくときも、必要な海外市場の動向の情報提供を行うということは強く期待されているところでございます。
 法律の中でも、第二十二条におきまして、業務に関連して必要な交渉及び調査を行うということを業務に規定してございますし、また、具体的に投資した対象事業に対しても、これを推進するために必要な調査及び情報提供ということを規定してございますので、機構としても、海外マーケットの最新の動向を初め必要な調査を十分に行って、ジェトロを初めとした関係機関とも連携しながら適切な支援に結びつけてまいりたいというふうに考えております。
○丸山委員 ちょっと詳しくお伺いしたいんですけれども、具体的には、ジェトロさん等にお任せするのか、それとも外注という形で調査会社さんにアウトソーシングするのか、そのあたりの今の想定をお伺いしたいと思います。
○中山政府参考人 お答えいたします。
 具体的には、独立した株式会社として事業を運営してまいりますので、経営陣の方々がどのように運営していくかということに左右されるとは思いますが、御指摘のとおり、我々の関連の独立行政法人でありますジェトロ、また大使館、領事館、そういったところのネットワークを使っての情報収集、また機構そのものから調査に海外へ出かけるということも想定されるというふうに考えております。
○丸山委員 しっかり情報を集めていただいて、なおかつ目標を定めていただいて、きちんとPDCAを回していただくようにお願い申し上げます。
 最後になりますけれども、二十一世紀のジャポニズムを新たに生み出していくんだという趣旨に関しましては、議員の一人としましても、また若い世代の一人としましても非常に共感するところではございます。この暗い時代においてなかなか明るい話題がない中で、この分野は一番の日本の攻めどころだと思いますので、しっかりやっていただきたいんですが、やはり一番難しいのは、どうやって呼び水にとどめるのか、国としてやっていきたいんだけれども、民間のクリエーティビティーを阻害しないようにしていくのかというところがキーだと思います。
 今の法案を見ていると、基準もつくるし、監督もしますと。執行のためのお金、まず五百億も出していく中ではやはりきちんと見なきゃいけないので、どうしても、チェック機能の中で、呼び水を超えてしまう懸念が強くあります。そのあたりに関しましては、もう釈迦に説法だとは思いますけれども、しっかりしていただけるようにくれぐれもお願い申し上げまして、私の質疑とさせていただきます。
 ありがとうございました。
○富田委員長 次に、三谷英弘君。
○三谷委員 みんなの党の三谷英弘です。
 本日、わずか三時間余りの審議のみで委員会の採決まで行われるということで、五百億円もの国民の税金がいかに使われるかを決める法案、しかも、日本文化を海外に展開する重要な役割を果たす、この法案の審議時間としては余りにも短いというふうに言わざるを得ません。国会審議のスケジュールの立て方を含め、改めて問題があるというふうにまずもって意見を述べさせていただきます。
 それでは、このクール・ジャパンについて、まずは名称について伺いたいと思います。
 このクール・ジャパン戦略というものはクリエーティブ産業課に位置づけられておりまして、また、経産省の英語版ホームページにも堂々とクール・ジャパンというふうに書いてあります。
 一般的に、自分のことをクールと言うことは、それ自体恥ずかしいというか、何を自分でクールと言っているのというような、格好悪いというような声もあるところでございます。もちろん、日本のことがもう既に好きな人に対してはそれで通用するかもしれません。しかしながら、今必要なことは、この日本文化の裾野を広げていくということですから、そもそも、最初からクール・ジャパンという名称でいいのかどうかというのも一つ議論があるところではないかというふうに考えております。
 また、このクール・ジャパン政策に関する資料を幾つか見ておりますが、それらの中でも、アプリオリに、この日本の製品やサービスが海外において高い評価を得られているというふうに記載されているわけです。経産省の官僚の方々とお話をして、どうしてこういうふうな高い評価を得られているというふうに書いてあるんですかと言ったら、別にそこについての調査は特にないというところでございます。
 私も、アニメや漫画というものを北米で販売することを手伝ってまいりました。もちろん、その中で、アニメや漫画の中でも人気のものもあればそうでないものもある。ファッションだってそうです。食品だってそうです。正直、物によるというところです。
 一般的に日本の文化が海外で人気だけれども、それがマネタイズできていないということでこのファンドをつくるということであれば、大きな失敗を犯してしまうように思うんですけれども、この点についての大臣の見解を伺いたいと思います。
○茂木国務大臣 まず、言葉ですけれども、ジス・イズ・クールとか、よく使います。欧米の方は、クールという言葉が格好いいということでよく使うんだと思います。
 それから、自分のことということでありますけれども、例えば、かつてはパクス・ロマーナとかパクス・ブリタニカとか、その国について、その国を中心にした物事の言い方もあります。また、川端康成先生、ノーベル賞をとられたときに、あの文学的に素養のすぐれた方が、美しい日本の私、こういった言葉も使っておりまして、自分に対する形容詞を使ったから、それだけでいかがなものかということにはならないんじゃないかな、そんなふうに私は思うところであります。
 例えば、日本の商品とかサービスに関する評価でありますけれども、昨年の七月にフランスで行われましたジャパン・エキスポでは、日本のファッション、ライブ、アニメなどのコンテンツ、それから日本食などを出展しまして、二十二万人の方に参加をしていただきました。
 また、ことしの三月にインドで行われましたクール・ジャパン・フェスティバル二〇一三では、日本のコスプレなどのファッション、それから和太鼓などのパフォーマンス、アニメコンテンツの放映などを出展したところ、約十万人が参加ということでありますし、日本の商品であったりとかサービス、海外においても非常に高い評価を得るポテンシャルがある、こんなふうに考えております。
 今、カンヌ映画祭もやられておりますけれども、日本からの出品二作品の主演男優であったりとか、海外から相当なインタビューを申し込まれているということでありまして、日本全体、今、新しくアベノミクスで変わり出しているということはあると思いますけれども、そういった文化的な面でも注目を集めていると私は思っております。
 結構、やはりなかなか、日本語にしていい言葉にならないというか、定着しているものもあるわけですね。いろいろなところで使うときに、多分、皆さんパソコンと言うと思います。パソコン以外使いにくい。ゴルフというのを、あれは何球と言うのだったか忘れましたけれども、普通使うものは使うんじゃないかな、みんながなれ親しんでいる言葉遣い、これを素直に使って、やるべきことは、それを具体的にどう展開するかということではないかなと私は思います。
○三谷委員 そのやるべきことという点について、続いて伺いたいと思います。
 本法案が通過すれば五百億円もの資金が日本文化の海外展開に使われていくという形になりますけれども、そこでその対象となるクール・ジャパンというものが示す範囲について伺いたいと思います。
 クール・ジャパンといいますと、どうしてもアニメや漫画というものを念頭に置かれることになるかと思いますけれども、いろいろな資料を読みますと、対象事業活動には、ファッション、食、コンテンツ、地域産品、住まい、観光、この六つが挙げられているものでありまして、アニメや漫画はそのうちのわずか六分の一の位置づけというふうにも見えるわけですけれども、こういうふうに、広くあまねく含むということでよろしいでしょうか。
 特に、経済産業省にはクリエーティブ産業課というものがありまして、このクリエーティブ産業の中にはデザインが含まれております。正直、デザインと全く無関係の製品というものはありませんから、このデザインをよすがにすれば、家電や自動車など、広くこの対象事業活動に含まれるということになりますけれども、そのような理解でよろしいのでしょうか。伺いたいと思います。
○平大臣政務官 今委員御指摘のとおり、アニメや漫画などのコンテンツだけではなくて、日本食、ファッション、アミューズメントなど、海外展開のポテンシャルを持ちつつ、さらに十分に発揮をされていないすぐれた商品、サービスが数多くありますので、そういったものが対象になります。
○三谷委員 クール・ジャパンというものを推進していくこの法案ですけれども、そういう意味で、コンテンツだけではなく広く含めていくということですから、世の中に埋もれた商品やサービス、こういったものを発掘するという側面ばかりが強くなっていってしまうと、言葉は悪いですけれども、単なる中小企業対策の延長ということになりかねないので、ぜひともそこは御留意をいただきたいというふうにお願いを申し上げさせていただきます。
 さらに、経済産業省が作成いたしましたクール・ジャパン戦略という資料の中で、今、皆さんのお手元に配られているかと思いますけれども、世界の文化産業の市場規模及び見通しという資料がございます。
 これを見ると、メディアコンテンツ及びファッション、それからフード・アンド・ビバレッジ、大きく三つに分けられておりまして、食品と飲料の占める割合がやはり多いんですね。メディアコンテンツ及びファッションが占める割合は小さくて、二〇〇九年には百三十兆円程度、二〇二〇年でも二百五十兆円程度というような産業です。
 そこに、現在二・三兆円のところ、二〇二〇年には八兆円から十一兆円というようなものを目指している。現在は世界のシェア二%というところを、七年間に産業規模が二倍になるところをシェアも二倍にしていくというようなことを目指しているわけですから、これはかなり野心的な目標だというふうに考えております。
 本件のクール・ジャパン推進機構法案、この法案は、戦略目標を達成するための重要な一つの位置づけというふうに理解してよろしいでしょうか。
○平大臣政務官 済みません、先ほどのクール・ジャパンの対象とする範囲の質問の中で、広くとって、それが中小企業対策にならないようにという御指摘がありました。それがために、政治家や行政が、これクールだろうと押しつけて投資案件にしないことが重要でありまして、そのために、投資判断をする機能とクールビジネスとして妥当かどうかという機能を両方持たせて、そのせめぎ合いをボードが判断するというやり方をしていますので、そのように御理解いただければと思います。
 今の質問でございますが、委員にいただいたこの資料を見ますと、いわゆるコンテンツ分野が、いずれにしてもマーケット自体が十年間で倍増するわけでありますから、恐らく、何も政策的な手だてをしなくても、マーケットシェアでいけば、横に行けば行く、それでは足りないということでクール・ジャパン戦略というものを立てているわけであります。このクール・ジャパンのいわゆる機構案は、その中の一つのツールであります。
 ほかにも、平成二十四年度の補正予算では、アニメなどのコンテンツの翻訳等の支援の予算を、総務省と合わせて百七十億円計上しているわけであります。あとは観光庁のビジット・ジャパンという、さまざまな政策もございます。
 そういった全ての政策を総動員して目指していくということでございます。
○三谷委員 クール・ジャパン推進機構法案、この法案の存続期間が二十年というふうにされておりますので、二十年たたないとこの政策が成功したかどうかよくわからないというふうな言われ方もするわけですけれども、実は、ここは平仄が合うところがございまして、この法案ができてから七年後に見直すというようなことがあり、そして、この七年後はちょうど二〇二〇年ということでございます。
 この戦略目標が八兆円から十一兆円。食ですと、六兆円というものを目指しているというふうに伺っております。ですので、食を含めて十四兆から十七兆円というものが二〇二〇年の段階で達成できているのかどうか。それにおいて、このクール・ジャパン推進機構法案、新しくつくる機構というものがどれぐらい寄与しているのかということで、まずは一つの成否というものを見ることができるのではないかというふうに考えておりますので、ぜひともまずはそこの目標を達成していただきますよう、これは心からお願い申し上げたいというふうに思っております。
 それでは、続きまして、クリエーターの保護という話にも移らせていただきたいと思います。
 先ほど述べましたとおり、この法案が通過いたしますと、五百億円もの資金が用いられる、コンテンツ産業が後押しされるということになりますけれども、ただ、日本コンテンツの強さを一つの突破力にしていくということでありながら、残念ながら、そこを支える人材への配慮というものが余りにも欠けているように思われるわけでございます。
 そこでお伺いをいたします。
 今のクール・ジャパンの根幹を支える、一翼を担っていらっしゃいますアニメーター、このアニメーターの現在の待遇、特に二十代、三十代の待遇について、どのようになっているか御存じでしょうか。
○永塚政府参考人 アニメーターなど、クリエーターの待遇の状況についての御質問でございますけれども、我が国にはすぐれたアニメーターが存在いたしておりまして、若手を中心として、平均給与を見てみますと、残念ながら低水準となっているのが実態でございます。
 具体的には、民間団体の調査でございますけれども、二十代のアニメーターの平均年収は約百十万円、また三十代の平均年収は二百十三万円というのが実態でございます。
○三谷委員 今お答えいただいた、これが今の日本のクール・ジャパンを現場で支えていらっしゃる方々のまさに待遇でございます。
 今回、五百億円を使うということによって、そのクリエーターの方々の待遇というものがよくなるという関係は計算に入っていらっしゃいますでしょうか。
○平大臣政務官 クール・ジャパン推進機構の出資金の五百億円がどのようにアニメーターの皆さんの待遇改善につながるかということでございますが、アニメーターの皆さんが日本のクール・ジャパン、特にアニメを支える極めて重要な皆さんであるという認識はありますが、しかしながら、この出資金が直接アニメーターの皆さんの所得に補填する形で行くことは当然ありません。
 我々は、しっかりとクール・ジャパンの推進をすることによって、そういったアニメ、映画などの売り上げをふやし、その結果として会社に利益が生まれる、それをしっかりとアニメーターの皆さんにも分配をしていただきたい。利益が出ているにもかかわらず余りにも所得が低いということになれば、また下請会社の手取りが少ないとなれば、これはまた、別の独禁法、公取の世界、公正な取引なのか否かといった方の政策で手当てをすることになろうかと思います。
○三谷委員 今お話しいただいた、会社に利益が出れば、そこでの従業員に利益として還元していただくということは一つの考え方だとは思いますけれども、実際の、今、アニメーターの方々は一枚幾らという形で、売り切りで仕事をしているわけでございます。実際つくったアニメが海外でどんどん売れましたということによっては、残念ながらその利益というものの分配にあずかることはできないわけでありますから、もちろん、今回のアニメが物すごく売れたということになれば次回の作品の総予算はふえていく、だからこそ、次回の作品での一枚当たりの単価が上がるということは関係はあるかもしれませんけれども、若干迂遠だというところもあります。
 もちろん、この五百億円というのは、ファンドとして予算としてとられていくわけですから、直接使われるわけではないと理解はしておりますけれども、ぜひとも、現場の方々にも目を向けていただきたい。日本のコンテンツを支えていらっしゃる方々、それをしっかりと支えていただくということも一つお願いをさせていただきたいというふうに思っております。
 それでは、続きまして、この法案の具体的な内容についてお伺いいたします。
 この法案の二十三条では、支援基準を定めるというふうにございます。経済産業省がつくられております同法案の概要というものを見ますと、この支援基準の中には、収益性、波及効果等の点から支援対象を決定するというふうにあるんですけれども、ここに言う波及効果というものは具体的に何を意味するでしょうか。
○永塚政府参考人 収益性と並びまして、波及効果といったことについて資料の中に盛り込ませていただいておりますけれども、これは当然、投資判断をする際に収益性の確保というのは必要となります。ただ、政策目的を達成するということ、すなわち外需の獲得を通じて日本経済に裨益するという観点に立ちますと、個別の企業の海外展開にとどまらず、他企業だとか他産業への波及効果が見込まれるということも基準として盛り込むのが適当だと考えてございます。
 具体的には、例えば放送枠を買い取りまして、それをいわばジャパンチャンネルという形で使うなどして、海外において日本のコンテンツを配信するとともに、関連商品を販売する事業、こういったものについては、単に放送配信事業者だけではなくて、放送、配信されるコンテンツの関連商品を製造、販売する事業者の海外展開にもつながる効果がございますので、こうした波及効果として見込まれるもの、そういったものを支援の対象として選んでいきたいというふうに考えているところでございます。
○三谷委員 もうここの時点で、一般の、民間のファンドとは既に性格が異なってきてしまっているのでありまして、一般の、民間のファンドは、その投資をすることによって収益が上がるかどうかということでございます。官が出資するファンドですから、公益性を害するとか、公序良俗に反する、そういったビジネスにお金を突っ込めないのはもちろんそのとおりだとは思いますけれども、国民の税金を使って、それで収益を上げていく、できるだけ負担を国民に負わせないというような観点からいくと、収益性をあくまでも重視していくべきなのではないかというふうに考えております。
 そして、この二十三条に書いてあります支援基準という記載ですけれども、あくまでも文言の問題ですけれども、これは支援基準ではなくて投資基準とするべきではないかというふうに思います。
 そもそも、この法案の目的が、支援を目的にするのか、投資を目的にするのかということが、もうここの時点で腰が据わらないような形になってしまっているわけです。
 この二十三条、これは投資基準とするべきではないでしょうか。
○平大臣政務官 民間ファンドと今議題になっているファンドが違うのは当然でありまして、民間ファンドに任せていてブレークスルーできないというような案件に投資をしていく。一方で、韓国などはメディア産業を官民挙げて売り込みをして、それなりの成果を上げているわけであり、そして、日本のクール・ジャパンのコンテンツにはそれなりの価値があるという前提でそれを売り込んでいこう、そのためのファンドでありますので、多少性格が違ってくるということになります。
 そして、今の御質問でございますが、そもそも投資基準でいいんじゃないかという話でございますが、この法律を見ていただくと、そういったクール・ジャパンの展開をする事業活動に対して資金供給その他の支援等を行うということがその目的となっておりますので、その目的に沿って、言葉上は支援基準ということにさせていただいております。
○三谷委員 あくまでも文言上は支援ということであれば構わないんですけれども、その性格というもの、このファンドの、できるだけ官を排して、民によって運営していくという観点からいくと、やはり投資というものを重視するべきではないかというふうに考えております。これはまた、別途伺います。
 それでは、続きまして、日本の農産物の海外展開について伺いたいと思います。
 日本の農産物の海外展開というものについては、実は農水省が取り扱っております農林漁業成長産業化ファンド、いわゆるA―FIVE、この対象事業に当たるかと考えております。
 こちらでは、投資の実施に当たりまして農水大臣の認可が必要とされておりますけれども、これでは、投資判断に当たって、民間の投資にはない考慮要素がまざってしまうおそれがあるように思えるんですけれども、この点、いかがでしょうか。
○針原政府参考人 農林水産省でございます。
 ただいまのA―FIVEに関する御指摘でございますが、このA―FIVEは、いわゆる六次産業化の取り組み、農林漁業者が主体になって、地域の資源を生かして農産物を輸出するとか、そういうような事業に対して、出資の手法で投資をするものでございます。
 当然、日本の食文化につきましては、クールなものとして海外への展開を図っていくわけでございますが、このA―FIVEの投資対象としては、海外展開そのものを支援するのではなく、日本の国内の企業を支援して、その結果、海外に農産物の輸出が行われる。そのためには、日本の食文化が海外で展開する、このクール・ジャパン・ファンドと相まって効果が上がるものと考えております。
 今御質問の大臣認可でございますが、機構の実際の出資判断は、民間出身の職員により、A―FIVEの内部で投資判断を行った上で、大臣が、農林漁業者の主導性の確保等、支援基準に適合しているか否かについて審査を最終的に行うことになっております。したがいまして、投資判断自体に国が関与するものではございません。
 なお、この大臣認可は、普通のファンド法の法制ではとられておりませんが、昨年、この法案を国会で審議していただく過程で、全会一致の修正により追加されたという経過がございます。
○三谷委員 ありがとうございます。
 翻りまして、こちらのコンテンツファンド、クール・ジャパン推進機構ファンドの方ですが、食に関しては、本機構においても対象になるということになろうかと思います。こちらの推進機構においては大臣の認可という要件は課せられておりませんので、その意味では、より民間に即した判断がなされるのではないかというふうに考えているわけでございますけれども、私が懸念しておりますのは、この食というものを日本から海外に持っていくときに、農水省のファンドからも受け、そしてクール・ジャパンのファンドでも受け、両方のファンドからお金をもらっていく、ふんだんにお金が得られるということになると、モラルハザードが起きかねないというところがあるわけでございます。
 この点について、経済産業省としてはどのようにお考えでしょうか。
○茂木国務大臣 若干、委員と意見が違うところはあるかもしれないんですけれども、民間でできて、進んでいるものは、やっていただければいいんだと思っています。既にヤクルトは、ヤクルトレディーのシステムまで使って海外展開をしています。今、また、東南アジアでは、味の素が相当な人気になってきております。
 そういった民間の食であったりとか、そういうもので既に出ていっているものは、大いに民間の活力でやっていただきたい。ただ、まだまだポテンシャルはあるんですけれども、さまざまなネックがあって海外に出ていけないもの、こういうものに対して国として後押しをしていきたい、こういう思いを我々は持っております。
 当然、必要最小限の資金の提供をするといった中で、例えば、事業を拡大する中でさらに追加投資をする、こういったものも出てくると思います。何か、どこかのビジネスが、やれ農水省からも取り、経産省からも取り、二重取りで、ニッカ、サントリーだ、こんな世界にはしないようにはしていきます。
○三谷委員 ニッカ、サントリー、さすがですね。ただ、必要最小限というような言質をいただきましたので、その点、心強いお答えをいただけたのではないかというふうに考えております。
 続きましては、今回の支援対象となります一つとして、物理的空間の整備及び確保というものがございます。ただ、私もサンフランシスコに住んでおりましたけれども、サンフランですとかロサンゼルスにおきましての日本人街というのは、物すごく閑散としてしまっていて、非常に寂しい状況があるわけです。海外にいわゆる箱物という形で購入する、もしくは賃貸するでも構いませんけれども、そのことによって、直ちにいろいろなものが売れ出していくというふうに考えることはできません。
 この点について、どのようにお考えでしょうか。
○平大臣政務官 委員の御指摘、もっともだと思います。
 箱物は、投資金額が大きい割に、ただつくって、そこに日本のテナントを入れたからといって売れるものではありません。ですから、箱物よりはサイバー空間を活用するとか、いろいろなやり方があると思います。
 箱物でやる際には、繰り返しになりますが、どれだけの波及効果が認められるのかといったところをしっかり精査して、投資すべきものと考えます。
○三谷委員 まさに、その箱物を例にちょっと述べさせていただきたいと思うんです。
 こういった箱物は、実際、建物を買う、するとテナントを一生懸命集めてくるわけです。こういった箱物を買って、どうやって資金を回収するかというと、基本的には、レント、賃料を払ってもらって、それによってしっかり、何年の間にリクープしていくということを考えていくのではないかと考えているんです。
 ただ、一つ懸念材料がここにございます。今、さまざまな海外展開へのインセンティブというものをこれから検討していくというように、経済産業省のさまざまな施策の中に記載されているわけですけれども、一つ問題が、海外事業として展開する際に、借りた賃料を補助金で填補していくというような形を、このクール・ジャパン推進機構ファンドというものでつくった箱物においてそれを実施すると、何が起きるかというと、確かに、テナントは入ります、その賃料は入ります、なので、その箱物としては、結果は黒字になるかもしれないんですけれども、そこの賃料の源泉は全部税金だというような形があるわけです。
 そういう形もあるわけですから、ぜひともここで注意していただきたいといいますか、ファンドが関連する事業、箱物事業を含めて、そういったところに関しては、補助金を入れられないような仕組みというものをあらかじめ検討していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○平大臣政務官 タコが自分の足を食べるようなお金の循環は決していいことではないと思いますので、しっかりとその辺は、合理性があるような形で、整理をしてやるべきだと思います。そうしないと、この投資ファンド自体の成績も粉飾みたいになってしまいますので、たとえインセンティブの政策を使うにしても、明らかに、それが分けて考えられるようにすべきであろうと思います。
 また、箱物についても、何もニーズのないところにいきなり箱物をつくってニーズを発掘するということはあり得ませんので、まずは期待感を高めて、ニーズがあるからそこに箱物を、最後の拠点として、一気に爆発させるためにその箱物を用意する、多分そういう順序になろうかと思います。
○三谷委員 どうしても、サイバー空間ですとか物理的な空間というところで、できるだけ長い時間、その現地の方々に日本のコンテンツを目にしていただく、これを実行していく、これしかないというのは私も理解しているところです。それがしっかりとワークするような形で、支援対象を決めるなら決めていくという形にしていかないと、五百億円というものがあっという間に溶けてなくなってしまうということになりかねませんので、ぜひとも御留意いただきたいと心からお願い申し上げます。
 それから、次に、現在の法案のたてつけでありますと、結局、投資した金銭、五百億円なら五百億円の内容が毀損されたとしても、なかなか誰も責任をとらないというような仕組みとなってしまっております。
 先ほど、平政務官は、株主総会で株主から取締役が責任を問われ得るというようなことを述べていらっしゃいましたけれども、事実上、株主総会、一般的な会社法のもとでは経営判断の法則というものがあります、よほどのことがない限りは、取締役は自分の行った経営判断というものについて株主から責任追及をされないというようなところもあります。
 そういう意味で、五百億円が溶けてしまった場合に、誰がどのように責任をとっていく仕組みになっているのか、お答えいただきたいと思います。
○茂木国務大臣 この株式会社、機構の運営でありますけれども、当然その所有と経営の分離のもと、経営陣が行うということになります。
 それで、委員の方から、どうして責任を問われることにならないかということなんですけれども、当然、多額の損失が出たら、経営責任は問われます。そして、これは株主総会があるわけですから、そこでその責任を追及され、そして再任であったりとか、選任についての是非が議論される、当然のこととして、株式会社として行われることになります。
○三谷委員 今お答えいただきました、株式会社における責任のとり方というのは、あくまでも、その取締役としての地位を引き続き保持するか、それとも、その地位にいられなくなるかということにほかなりません。もちろん、結果が出せなかった取締役には退いていただく。その限度での責任のとり方というのは、当然ながら、株式会社ではありますけれども、それを超えて、損害賠償責任の一端を担っていただく等々というのはなかなか現実として難しいのが現在の会社法上の建前だと私は理解をしております。
 ですので、ぜひとも御検討いただきたいんですけれども、今回の取締役の方々、選任される方々には、全ての方に、幾分かの出資を求めるべきではないかというふうに考えておりますけれども、その点、いかがでしょうか。
○茂木国務大臣 いろいろな形があると思うんですね。例えば企業でも、ストックオプションを持ったり、また出資をしてもらう。これは、経営者だけではなくて、個々具体的な事業に参加される方にも、私は、先ほども大島先生だったか、御指摘いただきましたけれども、出資をしていただいて、そういった責任感を持っていただくということは必要だと思っています。
 それと、やはり何かの形で背任をやった、こういうことだったら、当然、それに対する罰則であったりというものは出てきますけれども、経営として赤字が出たということだけで、その分を補填させている、こういうふうには企業はならないわけですから、その点は同じような基準で考えたいと思っております。
○三谷委員 幾つかやり方があるというふうなことでございますから、ぜひとも、その一つの方法として、出資を求める。例えば、百万でも二百万でも構わないと思うんです、取締役として報酬を幾らいただかれるかわかりませんけれども。そういった自分の身が、自分が出した金額が削られるということを避けたいと思うのは、それはその金額の多寡にかかわらず、人情でございましょうから、ぜひとも、そういった方法も含めて考えていただきたいというふうに思います。
 続きまして、いわゆる官民ファンドというふうな名称が適切かどうか、これはわかりませんけれども、しかしながら、こういった機構というもので必ず出てくるのが公務員のいわゆる出向や天下りの問題です。そういったものは、現在、どのようにお考えでありましょうか。
○茂木国務大臣 官の側から働きかけて天下りをする、こういったことはいたしません。その上で、機構の経営陣、適材適所で、どういう方を使っていくかお考えになる中で、例えば、公務の経験を持つ人、人材が業務遂行上必要と判断された場合には、機構の意向を踏まえて、国家公務員法、また官民交流法に基づき検討することはあり得ると思っておりますけれども、いずれにしても、いわゆる天下りとか、そういった形をとるつもりはございません。
○三谷委員 そこは、李下に冠を正さずという言葉もあるわけですから、ぜひとも、明確に、そういった出向ですとか天下りは行わないというような禁止規定を、内部の基準でも構いません、そういったものを設置していただくことも考慮要素に加えていただきたいというふうに考えております。
 このクール・ジャパン推進機構法案につきましては、私も、ずっと一貫して、弁護士といたしまして、コンテンツ振興の立場から仕事をさせていただいてまいりました。その意味では、こういう五百億円というものをぜひとも有効に使っていただきたい。この予算を使うということでいえば、そうであるというところでございますけれども、今のファンドのたてつけというものには、それが有効に使われ切るのか、人材の育成という観点から、まだまだ考量、検討が足りていないのではないかというようなさまざまな懸念があるということを申し添えさせていただきまして、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
○富田委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 クール・ジャパン推進機構法案について質問をいたします。
 きょうの委員会でも議論になってまいりましたけれども、投資先の情報開示の問題についてであります。
 財政資金、国費を投入するわけですから、機構が出資する投資先の財務諸表など、情報公開が必要だと考えますが、この点についての対応はどのようになるんでしょうか。
○永塚政府参考人 情報公開に関するお問い合わせでございますけれども、この機構の運営につきましては、経済産業省としてしっかりと監督することとしております。
 具体的な方法といたしましては、財務諸表の提出あるいは業績の評価、こういったものを行い、その結果を公表するという形でチェックをしっかりしていきたいというふうに考えております。
○塩川委員 そんな質問はしていないですよ。機構の話じゃないんです。
 機構からの投資を行った出資先について、国費を使うわけですから、しっかりとした情報開示が必要なんじゃないかということを聞いているんですが、大臣、いかがですか。
○茂木国務大臣 普通の企業でもそうだと思いますけれども、全体の財務諸表の公表とかはいたします。その上で、個々の事業の採算性等々につきましては、社内ではいろいろな議論があると思いますけれども、一般的には外に公表しておりません。恐らくこれは、そういった情報を公開することによって、事業が他の企業と比べて競争上不利になるということもあり得るんだと思います。
 基本的な考え方は同じでありますけれども、そういった前提を置きながら、できる限りの情報公開には努めていきたいと思っております。
○塩川委員 会社法上の会社であれば、財務諸表の作成や開示義務などもかかるわけですけれども、この機構の対象事業者、出資等を行う対象事業者には投資組合も含まれているわけであります。
 例えば、民法組合、任意組合、匿名組合とか、LLP、LPSなどと書いてあるわけですけれども、匿名組合というのは、名前のとおり出資者は匿名ですから、そういう意味では、何をやっているのか外からはわからないということであるわけで、私はやはり、国民への十分な説明責任を果たすという点で、こういうことでいいのかなと率直に思わざるを得ないんですが、大臣はいかがですか。
○茂木国務大臣 国として、監督すべき点については、しっかりと監督していきたいと思っています。そこの中で、公開できる情報については公開してまいりたい。
 ただ、先ほども申し上げましたように、匿名組合であって開示していない部分もある、普通の企業でも、個々の事業についてまで全て、どういった形でやっているか、こういったことは開示いたしておりません、競争上不利にならないような形で、またクール・ジャパンが順調に進展するような形での情報公開に努めてまいりたいと考えております。
○塩川委員 条文を見ますと、この対象事業者の中には、外国の法令に基づいて設立された、日本の法令に基づく投資組合に似たものも含むというふうに書いてあるわけであります。
 例えば、タックスヘイブンで有名なケイマン諸島にもこういう法律があるわけですけれども、外国の法令といった場合に、ケイマン諸島の法律というのは、当経済産業委員会で昔質問したこともありますけれども、エグゼンプト・リミテッド・パートナーシップ法ということで、つまりファンド免税法、こういうものがあるわけですね。
 こういう外国の法令に基づく投資組合も対象事業者になっているという点でいいますと、もともと投資組合というのは、二重課税回避、租税回避等、リスク遮断ということが大きな趣旨としてあるわけですから、こういったものに対して機構が出資するということは、私は、国費を使うのであれば節度というものが必要で、こういうスキームをつくることの妥当性が問われているのではないか、この点を指摘しておくものであります。
 クール・ジャパンということであれば、やはり、その担い手をどういうふうに支援していくのかということが求められているわけであります。
 法案は、いわゆる文化を産業化する考えのものですけれども、海外展開を急ぐ余りに、我が国文化を薄利多売するようなことになりはしないか。その産業を担う中小企業や労働者の経営条件や労働条件の悪化につながるようなことがあってはなりません。
 我が国の映画、アニメ、漫画、テレビゲームなどは、既に海外でも高い評価を得ております。いわゆるコンテンツ産業について言えば、それらを育んできた作家やプロデューサー、現場の個人クリエーター、中小下請企業、業者の支えがあって初めて実現したものですけれども、その働きに対する正当な報酬がない、労働条件も劣悪だ、この結果、これらの分野において、下請作業工程の大事な部分が海外に流出して、後継者が質、量ともに育成できず、先細りになるなどの深刻な現状にあるということが指摘されております。
 文科省にお尋ねしますけれども、アニメーターの現状について、芸団協に委託して、文科省、文化庁として過去に調査を行っております。そこでは、アニメーターの所得が国民全体の収入との比較でどのようになっているのか、お答えください。
○義家大臣政務官 お答えいたします。
 文部科学省からの委託によりまして、五年に一度、委託事業を行っています。
 前回は、アニメーターのみに特筆していない、含まれるデータですが、その前にアニメーターのみのデータが残っているのは平成十六年であります。アニメーターの総収入は、サンプル数の少ない六十歳以上の年代を除く全ての年代において、全産業の平均額より下回っております。具体的には、二十歳から二十九歳が、産業全体の平均額が三百四十二万九千円に対してアニメーターは百三十一万四千円等々、全年代において下回っているというデータがあります。
○塩川委員 非常に収入が少ないということが実態調査でも明らかであります。
 経済産業省にお尋ねをいたします。
 日本アニメーター・演出協会がアニメーター労働白書二〇〇九というのをまとめておられます。その中で、アニメーターの年収等、待遇面がどういうふうになっているのか、そういう実態についてお答えいただけるでしょうか。
○永塚政府参考人 お答えいたします。
 日本アニメーター・演出協会の調査の結果によりますと、アニメーターの平均年収は、年代別に出ておりますが、二十代で百十・四万円、三十歳代で二百十三・九万円、四十歳代で四百一・二万円、五十歳代で四百十三・七万円、六十歳代で四百九十一・五万円となっております。
○塩川委員 いずれも、全体の平均の収入との関係でも大きく下回っているという現状があります。
 ある動画担当の元アニメーターの方のお話を紹介しますと、給料は完全出来高払い、カット一枚二百円、どんなに頑張っても描けるのは一日に十枚から十五枚くらいが限界で、月給は月五万から六万円でした、四年働いて月収が十万円を超えたのは四回だけです、周りを見ると同僚の多くは職場を去っていきました、私も体調悪化をきっかけに退職を決めました、お金も時間もない中で自分の感性がすり減っていくのが怖かったんです、こんなふうにアニメーターが貧困に苦しまないと作品が生まれない構造は健全とは言えないと思います、このように述べておられます。
 大臣、クール・ジャパンの担い手のアニメーターの置かれている実態とこういう訴えについてどのように受けとめておられるのか、お聞かせください。
○茂木国務大臣 先ほども答弁させていただいたように、まず所得水準も低いということでありまして、仕事としての安定性というのも少ないのではないかなと思っておりますけれども、アニメーターの存在というのは極めて重要だと私は思っております。そんな中にあって、アニメーションは多くの下請業者が関与しておりまして、取引の透明化というのが十分ではない、こういう側面もあるんだと思っております。
 こういった状況を踏まえまして、ことしの四月に、アニメーションの制作を委託する親事業者と下請事業者との間の公正な取引を促進し、下請事業者の利益の保護を図るためのガイドラインを作成したところであります。このガイドラインを普及啓発していくことによりまして、下請事業者の利益の保護を図り、クリエーターの制作環境の向上につながるように努めてまいりたいと思っております。
 同時に、先ほど塩川先生は薄利多売というお話をされましたけれども、海外にまで出ていっていないんですよ、売れるものが。売り上げを上げるということによって、ボリュームを稼ぐということによって利益も出てくるんです。そういった意味でも、このクール・ジャパンをきちんと進めていきたいと思っています。
 そして、付加価値の高いものがきちんとその価値で正当に販売されるためには、海賊版であったりとか、知的所有権の保護、こういったことも必要でありまして、そういったことも制度的に保持して、DVD、CD等の侵害物品の摘発等の対策も進めていくということが必要だと思っております。
 いずれにしても、やはりこういった産業が振興され、企業にも利潤が入り、そしてそれが現場、クリエーター、アニメーターにきちんと還元される、こういった仕組みをつくることが極めて重要だと考えております。
○塩川委員 必要な制度を整え活用していく、こういう取り組みというのが重要だ、そのとおりであります。
 同時に、今実態がどうなっているのかというのは、リアルにつかむ必要がある。
 例えば、このアニメーター労働白書二〇〇九の中でも紹介しているんですが、アニメーションをつくる場合にもいろいろな工程があって、それぞれに担当の方がいらっしゃいます。
 まず原画があって、その間を埋める動画をつくるわけですから、動画をつくる人が当然多いということですけれども、実際には、この調査によると、本来、原画担当者の倍近く存在すべき動画担当者の数が、逆に半分程度になっているということなんですね。なぜかというと、コストが安いからなんです。コストが安過ぎるために、もちろん原画の担当者の方も低い、それを下回るように動画担当者の方も低いために、こういうところがいわば外注に出ているのが実態であります。
 そういう意味では、まさに、クール・ジャパンというよりも、産業を振興すべき根幹の土台のところが実際には崩れかねないような事態にあるんじゃないか、こういうことを強く懸念せざるを得ません。こういった実態についてリアルにつかむ調査というのを改めてやる必要があるんじゃないか。この点どうでしょうか。
○茂木国務大臣 先ほども、非常にこの業界は複雑な下請の構造になっている、こういうお話を申し上げました。
 これからまさにクール・ジャパンを展開していく上で、国内の各産業の実態がどうなっているか、しっかり把握した上でないと、いい戦略も描けないわけでありますから、そういった努力をしてまいりたいと考えております。
○塩川委員 アニメーターの厚生年金の加入者が一二・八%、雇用保険の加入者は一〇・六%、不安定な待遇。つまり、実際にはアニメ労働者の大半が請負契約で、個人事業主扱いになっている、一枚幾らの出来高払いという実態があるわけですね。アニメ業界というのが、発注側のテレビ局を頂点に、下請、二次下請などの重層構造になっていて、テレビ局に対してアニメ制作会社の立場が弱いということもあります。
 そういう点でも、現場の声として、作品ごと請け負う場合でも、制作会社はテレビ局の言い値でつくるしかない、単価が低い上に、今、ハイビジョン化で、細密な作画を求められ、現場の負担感がすごい、こういう声も上げておられます。こういう声にしっかりと応えた支援策、こういった事態を改めるような打開策を改めて強く求めておくものであります。
 さらに、クール・ジャパンというのであれば、日本文化そのものの振興が必要であります。
 文科省にお尋ねいたします。
 国家予算に占める文化予算の割合、またGDPに占める寄附、この割合の国際比較を文化庁としてしていると思うんですが、その数字を紹介してもらえますか。
○義家大臣政務官 この点に関しましては、国によって文化行政の組織や制度、文化予算の範囲等を異にしておりますので、各国の文化に関する予算の単純比較は困難であるという前提のもとで、日本の国家予算に占める文化予算の割合は、二〇一二年においては〇・一一%、一千三十二億円である一方、例えばフランスは一・〇六%、四千四百七十四億円、韓国は〇・八七%、一千四百十八億円、ドイツが〇・三九%、一千三百四十九億円などとなっております。
 また、GDPに占める寄附の割合に関しても、日本は〇・一三%である一方、アメリカが一・六七%、イギリスが〇・七三%、ドイツが〇・二二%などとなっております。
 こうした数値を比較すると、我が国の文化に関する予算及び寄附額は諸外国と比して少ない状況にあると思われます。
○塩川委員 国際比較をした場合に、日本の文化にかけるお金が少ないという御答弁でありました。
 そういった点で、やはり一つ一つの文化を振興していくという取り組みも重要であるわけで、コンテンツの一つでもあります映画に関連して、フィルムセンターのお話をお聞きしたいと思います。
 国立美術館に附属しますフィルムセンターは、我が国唯一の国立の映画に関する専門機関として、日本における映画文化振興の中核となる総合的な映画保存所を目指しております。
 そこで、文科省の方にお尋ねしますが、国立美術館とフィルムセンターの予算額と人員の推移について、二十一年度と二十五年度の比較で紹介していただけますか。
○義家大臣政務官 委員御指摘のとおり、東京国立美術館フィルムセンターは、我が国唯一の国立の映画に関する専門機関でありまして、平成十三年度からは独立行政法人国立美術館内の一組織として、映画フィルムの収集、保存を中心とした事業を実施しております。
 このフィルムセンターの予算についてでございますが、平成二十五年度が七億三千万円、平成二十一年度の六億三千万円と比較すると一億円増となっております。一方で、独立行政法人国立美術館の予算は、平成二十五年度が四十三億一千万円であり、平成二十一年度の五十三億六千万円と比較して十億五千万円減となっているのが現状であります。
 また、フィルムセンターの常勤職員数でございますが、平成二十五年度は八名でありまして、業務の効率化により、平成二十一年度の十一名と比較して三名減となっております。独立行政法人国立美術館の常勤職員は、平成二十五年度は百七名であり、平成二十一年度の百二十五名と比較して十八名減となっております。
 文部科学省といたしましては、映画振興の観点からも、引き続き、東京国立近代美術館フィルムセンターの機能の充実等に向けて取り組んでまいりたいと思っております。
○塩川委員 フィルムセンターは国立美術館の附属ですから、国立美術館全体の運営費交付金の影響を受けるわけです。切り出した場合に若干ふえているような場面もあるかもしれないけれども、大もとの国立美術館の運営費交付金が削られる、独自資金を確保するといっても、では入場料収入をどんどん上げればいい、こういう話には当然ならないわけで、私は、やはりこういうところにこそ必要な国費をかけていくことが求められていると重ねて申し上げておくものであります。
 その点で、映画の保存の問題について要望が出されております。
 演劇や映画にかかわる映画演劇労働組合連合会、映演労連の要望書におきまして、二〇一二年の五月十六日、これは経産省の方にも出されているようですけれども、デジタル映画を含めた映画原版の保存への支援策についてです。
 そこでは、「映画の原版保存は、制作プロダクション任せになっています。また、デジタル制作される映画が増えていますが、デジタル原版の保存様式はバラバラです。富士フィルムが開発した保存専用アーカイブフィルムがハリウッドで評価されていますが、日本の中小プロダクションがそれを採用するには経費的に無理があります。 このままでは将来、日本映画のコンテンツが失われかねません。デジタル映画を含めた映画原版の保存方法について映画業界と行政が至急協議し、原版保存の標準規格を確立するとともに、原版保存について国の公的支援を強く要請いたします。」このようにあります。
 こういう要望に対して、国としてどのように対応されるのか。
○義家大臣政務官 御指摘のとおり、近年、デジタル技術の進展によりまして、フィルムを用いない、いわゆるデジタル映画が多数を占めるようになってきております。
 しかしながら、映画のデジタルデータを記録する媒体である磁気テープ、光ディスク、ハードディスク等につきましては、フィルムに比べて短命と一般的に言われておりまして、またハードウエア、ソフトウエアも、技術革新の速度が非常に速いため、定期的なデータ変換や機器の変更等に多額の経費を要するなどの課題の声が寄せられております。
 また、我が国の映画業界のみならず、国際的にも、映画のデジタルデータの記録媒体、長期保管の方法についての統一的ルールが現時点では確立されていないという実情もございます。
 このような観点から、国立近代美術館フィルムセンターでは、映画業界における映画のデジタルデータの長期保管の方法の確立に向けた動きを現在注視しているという段階でありますが、御指摘のように、しっかりと中身を精査し、世界の動きも精査しながら、国として、文化庁としてできることをしっかり進めてまいりたいと思っております。
○塩川委員 文化庁の予算そのものもこの十年ずっと同じですから、そういう点で考えても、しっかりとした支援策なしには文化の土台自身に大きく毀損が生じかねないということを指摘しておくものであります。
 大臣と、あわせて義家政務官の方にもお尋ねしたいんです。
 今議論になっているクール・ジャパン、コンテンツということであれば、やはりこういった文化予算そのものをふやしていく、それがコンテンツ産業の裾野を大きく広げていくことにつながるんじゃないか、こういう点での積極的な対応が求められている。そういう点で、経済産業大臣として、また文部科学大臣政務官として、お答えをいただきたい。
○茂木国務大臣 国内における文化の振興、これはクール・ジャパンを進める上でも極めて重要だと思っております。
 どこまでやるか、フランスのように、文化振興していますけれども、原発とルーブル美術館をパッケージで売る、そこまでやるのがいいのかどうかというのはあると思いますが、国内における文化の振興は極めて重要だと思っております。
○義家大臣政務官 まず、文化というものをどのような範囲で考えるかでありますけれども、伝統的文化の保持、これをしっかりと守るべきは守る、さらには日本のコンテンツ、日本の強みをどのように外に向けて発信していくかという二通りの考え方があると思います。
 守るべきは、断固守っていくために担保していく、そして選択と集中、進めるべきは、一斉に発信していくべきは、さらなる力を挙げて発信していく、このめり張りが今求められているのだろうと思っております。
 いずれにしても、予算ありきではなくて、方針としてこういう方向でいくんだ、方針としてこれは断固として守るんだということを、省内でもしっかりと検討した上で対応してまいりたいと思っております。
○塩川委員 予算ありきではなくてといっても、予算そのものが足りないんですから、やはりやるべきことはある。しかし、それがつけられていないというところが現状なわけです。
 そういう点でも、しっかりとした支援策につながるような予算の確保こそ必要で、OECD諸国中、最低水準、こういう汚名を晴らすような、政府としてそういった底上げこそ図るべきで、海外需要の確保というのはそういう中でより実りのあるものにもなってくる。安易に目先の収益拡大に走ることが、かえってつまずくことになることもあるということを指摘して、質問を終わります。
○富田委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○富田委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。三谷英弘君。
○三谷委員 みんなの党の三谷英弘です。
 株式会社海外需要開拓支援機構法案について、反対の立場で討論をさせていただきます。
 私も、法律家としてコンテンツ業界に携わってきた立場ですから、コンテンツ業界に支援がなされること自体は本当にうれしいところでございますけれども、本法案には解決し得ない問題があまたあり、反対せざるを得ません。
 まず、本法案で設立されるクール・ジャパン推進機構は、いわゆる官民ファンド。そもそも、民間のような適切な投資判断というものを行うことができません。
 すなわち、本法案の投資判断において、収益性に限らず、波及効果という民間ではおよそ考えられない要素が判断基準に含められていること、そして投資基準ではなく支援基準という文言を使っていることからすれば、純然たる投資とはなっておらず、仮に芳しくない結果が出た後も、波及効果が高かったから仕方なかった、支援としては有効だったというような言いわけができるたてつけとなってしまっています。
 また、利権の温床となり得る天下りや出向についても、残念ながら、大臣の答弁の中で、これを否定、禁止する旨の回答はございませんでした。
 その上、結果として投資が失敗したとしても、わずかその一部でも損失を填補するというような、責任をとるという仕組みがありませんので、その損害は全て国民に回されるということになるわけです。
 それだけではありません。
 今般、五百億円もの予算を使うということでありながら、強い日本コンテンツを現場で支えるクリエーターへの配慮というものがございません。海外での売り上げが伸びれば、次の作品以降総予算がふえるかもしれませんという程度のことで、きょう、あすの仕事、生活に苦しんでいるクリエーターの方々の明るい希望となり得るかどうか疑問です。
 他方で、海外展開を行うビジネスへの出資と一言で言っても、その海外展開を担い得る人材も日本に不足していることから、ビジネスが計画どおりに進まないということは容易に想像できるところです。
 五百億円も使うということであれば、こういった日本のコンテンツ産業を現場で支える国内外の人材の育成に予算を回すべきです。
 最後に、本法案は、コンテンツ産業の今後にも悪影響を及ぼしかねません。
 このクール・ジャパン推進機構が万一失敗に終わってしまった場合には、潤沢な資金と十分な体制を整えてもなおうまくいかなかったということで、産業としてコンテンツ産業が見捨てられてしまうというような結果にもつながりかねません。
 一時的なブームに終わらせるのではなく、日本のコンテンツが継続的に発展できる環境を保持するためにも、本法案にはあえて反対させていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
○富田委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、本法案の反対討論を行います。
 我が国の歴史的、社会的な土壌、生活文化や芸術から育まれたコンテンツ、ファッション、日本食、地域産品、観光サービス等が、海外において高い評価を受け発展していくことは、国民誰もが望むことです。こうした分野の発展を国が支援することは極めて重要です。
 しかし、国の関与のあり方と発展方向について、この法案は重大な問題があります。
 以下、反対理由を述べます。
 第一に、法案には、その目的である、機構が支援する対象の我が国の生活文化や魅力ある商品または役務に関する定義がありません。いわゆるクール・ジャパンの片仮名語表示に対する疑義も含め、無定義だと言わざるを得ません。
 経産大臣が決める支援基準の中身も定かでなく、支援対象事業が拡散していくおそれがあるとともに、機構の投資決定は、海外需要開拓委員会の面々に全て白紙委任するものであり、認められません。
 そもそも国が、多様な価値観に基づく商品、役務の中から特定のものを海外ビジネス上の価値判断で特別扱いすることは、国の関与のあり方として問題です。
 法案はまた、外国籍のものも含む投資ファンドに対する国費投入の仕組みとなっており、容認できません。
 匿名組合など投資ファンドは、出資者の秘密保持が厳重で、国会や国民への財務諸表や事業活動の報告及びその開示はそもそもできにくい仕組みであり、問題です。
 第二に、本機構の設立は、官民ファンドの乱立の一つとなるものです。
 補正予算と本予算合計で、全部で十一本、六千八百三十九億円ものリスクマネーを供給する官民ファンドがつくられ、しかもコンテンツの海外展開については既に産業革新機構があり、本機構との役割分担や異同も明確でなく、屋上屋を架すことになりかねません。
 巨額の損失を出した過去の政府出資法人の無責任経営や、最近破綻したエルピーダメモリへの血税による穴埋め等、これらのまともな検証や総括がないまま本機構を設立することは容認できません。
 最終的に、機構に対する出資金五百億円もの財政資金の無駄な投入につながるおそれが拭えないものであります。
 第三に、法案はいわゆる文化の産業化を進めるものですが、海外展開を急ぐ余り、我が国文化を薄利多売することになるおそれがあります。
 例えば、質疑で紹介したアニメ産業等の現場、足元の実態は、海外流出による空洞化と先細りの懸念など、深刻な状況にあります。
 政府はまず、いわゆる生活文化産業の足元の実態把握とその抜本的改善並びに文化予算等の拡充にこそ尽力すべきことを強調して、討論を終わります。(拍手)
○富田委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○富田委員長 これより採決に入ります。
 内閣提出、株式会社海外需要開拓支援機構法案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○富田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○富田委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、塩谷立君外三名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党の三派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。近藤洋介君。
○近藤(洋)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    株式会社海外需要開拓支援機構法案に対する附帯決議(案)
  政府は、クールジャパンの海外需要開拓支援の推進が単なる産業政策にとどまらず、日本特有の文化や流行を海外に発信するソフトパワー外交の基盤ともなりうることから、本機構がその役割を十二分に発揮することができるよう、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一 財政投融資特別会計より五百億円を支援機構に対し出資することに加え、民間からも相当額の出資が得られなければ、対象事業者がモラルハザードを生ずる懸念があることから、魅力ある機構の在り方を検討し、五十パーセント未満を限度として民間からの出資比率を高めるよう努めること。
 二 株式会社海外需要開拓支援機構については、民間の目利き人材の十分な確保及びその積極的活用等を図るとともに、早急に支援決定の具体的な基準及び手続を定め、他の類似組織との機能分担を明確にし、加えて出資対象の審査を継続的かつ厳格に実施する内部体制を整備するなど事業内容等に対する厳正なチェック機能を確立することにより、所期の目的を達成して、出資の保全・回収が確保されるよう努めること。
 三 クールジャパンを構成する優良なコンテンツ等を生み出す総合的な施策を構築するとともに、クリエイティブ関連企業の多くは中小企業であることに鑑み、下請振興等国内における支援措置を整備し、加えてこれからの海外展開を支援していくうえで機構による資金面での支援に止まらず、市場調査、販路開拓をはじめとする省庁横断的な支援策が必要となるため、関係省庁間で緊密な連携を図り、施策の効果的な実施に努めること。
以上であります。
 附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○富田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○富田委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、茂木経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。茂木経済産業大臣。
○茂木国務大臣 ただいま御決議のありました本法案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。
    ―――――――――――――
○富田委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○富田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○富田委員長 次回は、来る二十九日水曜日午前九時理事会、午前九時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時五十九分散会