第185回国会 本会議 第1号
平成二十五年十月十五日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第一号
  平成二十五年十月十五日
    午前十時開議
 第一 議席の指定
 第二 会期の件
 第三 常任委員長の選挙
    …………………………………
  一 国務大臣の演説
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 議席の指定
 日程第二 会期の件
 内閣、総務、法務、外務、財務金融、文部科学、厚生労働、農林水産、国土交通、環境、予算、決算行政監視及び懲罰の各常任委員長辞任の件
 議院運営委員長外十四常任委員長の選挙
 災害対策を樹立するため委員四十人よりなる災害対策特別委員会、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する調査を行うため委員四十人よりなる政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会、沖縄及び北方問題に関する対策樹立のため委員二十五人よりなる沖縄及び北方問題に関する特別委員会、青少年問題の総合的な対策を確立するため委員二十五人よりなる青少年問題に関する特別委員会、北朝鮮による拉致等に関する諸問題を調査し、その対策樹立に資するため委員二十五人よりなる北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会、消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策を樹立するため委員四十人よりなる消費者問題に関する特別委員会、科学技術、イノベーション推進の総合的な対策を樹立するため委員四十人よりなる科学技術・イノベーション推進特別委員会、東日本大震災からの復興に当たり、その総合的対策を樹立するため委員四十五人よりなる東日本大震災復興特別委員会及び原子力に関する諸問題を調査するため委員四十人よりなる原子力問題調査特別委員会を設置するの件(議長発議)
 海賊行為への対処並びに国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等の諸問題を調査するため委員四十五人よりなる海賊行為への対処並びに国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別委員会を設置するの件(議長発議)
 安倍内閣総理大臣の所信についての演説
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の成功に関する決議案(遠藤利明君外十三名提出)
    午後零時二分開議
○議長(伊吹文明君) 同僚の皆さん、第百八十五回国会は本日召集されました。
 これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 議席の指定
○議長(伊吹文明君) まず、日程第一、議席の指定を行います。
 衆議院規則第十四条によりまして、諸君の議席は、議長において、ただいまの仮議席のとおり指定をいたします。
     ――――◇―――――
 日程第二 会期の件
○議長(伊吹文明君) 日程第二、会期の件につきお諮りをいたします。
 今回の臨時会の会期は、十二月六日まで五十三日間といたしたいと思います。これに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊吹文明君) 御異議なしと認めます。したがって、会期は五十三日間とすることに決まりました。
     ――――◇―――――
 常任委員長辞任の件
○議長(伊吹文明君) 常任委員長辞任の件につきお諮りをいたします。
 内閣委員長平井たくや君、総務委員長北側一雄君、法務委員長石田真敏君、外務委員長河井克行君、財務金融委員長金田勝年君、文部科学委員長松野博一君、厚生労働委員長松本純君、農林水産委員長森山裕君、国土交通委員長金子恭之君、環境委員長吉野正芳君、予算委員長山本有二君、決算行政監視委員長谷畑孝君及び懲罰委員長近藤昭一君から、それぞれ常任委員長を辞任いたしたいとの申し出があります。これを許可するに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊吹文明君) 御異議なしと認めます。よって、許可することに決まりました。
     ――――◇―――――
 常任委員長の選挙
○議長(伊吹文明君) つきましては、内閣委員長外十二常任委員長の選挙を行うのでありますが、既に議院運営委員長及び安全保障委員長が欠員となっておりますので、この際、議院運営委員長外十四常任委員長の選挙を行います。
○あべ俊子君 各常任委員長の選挙は、その手続を省略して、議長において指名されることを望みます。
○議長(伊吹文明君) あべ俊子君の動議に御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊吹文明君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決しました。
 議長は、各常任委員長を指名いたします。
        議院運営委員長 逢沢 一郎君
           〔拍手〕
          内閣委員長 柴山 昌彦君
           〔拍手〕
          総務委員長 高木 陽介君
           〔拍手〕
          法務委員長 江崎 鐵磨君
           〔拍手〕
          外務委員長 鈴木 俊一君
           〔拍手〕
        財務金融委員長 林田  彪君
           〔拍手〕
        文部科学委員長 小渕 優子君
           〔拍手〕
        厚生労働委員長 後藤 茂之君
           〔拍手〕
        農林水産委員長 坂本 哲志君
           〔拍手〕
        国土交通委員長 梶山 弘志君
           〔拍手〕
          環境委員長 伊藤信太郎君
           〔拍手〕
        安全保障委員長 江渡 聡徳君
           〔拍手〕
          予算委員長 二階 俊博君
           〔拍手〕
      決算行政監視委員長 松浪 健太君
           〔拍手〕
          懲罰委員長 高木 義明君
           〔拍手〕
     ――――◇―――――
 特別委員会設置の件
○議長(伊吹文明君) 次に、特別委員会の設置につきお諮りをいたします。
 災害対策を樹立するため委員四十人よりなる災害対策特別委員会
 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する調査を行うため委員四十人よりなる政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会
 沖縄及び北方問題に関する対策樹立のため委員二十五人よりなる沖縄及び北方問題に関する特別委員会
 青少年問題の総合的な対策を確立するため委員二十五人よりなる青少年問題に関する特別委員会
 北朝鮮による拉致等に関する諸問題を調査し、その対策樹立に資するため委員二十五人よりなる北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会
 消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策を樹立するため委員四十人よりなる消費者問題に関する特別委員会
 科学技術、イノベーション推進の総合的な対策を樹立するため委員四十人よりなる科学技術・イノベーション推進特別委員会
 東日本大震災からの復興に当たり、その総合的対策を樹立するため委員四十五人よりなる東日本大震災復興特別委員会
及び
 原子力に関する諸問題を調査するため委員四十人よりなる原子力問題調査特別委員会
を設置いたしたいと存じます。これに御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊吹文明君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
 次に、海賊行為への対処並びに国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等の諸問題を調査するため委員四十五人よりなる海賊行為への対処並びに国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別委員会を設置いたしたいと存じます。これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(伊吹文明君) 起立多数。よって、そのとおり決まりました。
 ただいま議決されました十特別委員会の委員は追って指名をいたします。
     ――――◇―――――
○議長(伊吹文明君) 御報告することがあります。
 永年在職議員として表彰された元議員戸田菊雄君は、去る七月十三日逝去されました。痛惜の念にたえません。謹んで御冥福をお祈りいたします。
 戸田菊雄君に対する弔詞は、議長において去る八月二十九日既に贈呈をいたしております。これを朗読いたします。
    〔総員起立〕
 衆議院は 多年憲政のために尽力し 特に院議をもってその功労を表彰され さきに物価問題等に関する特別委員長の要職にあたられた正四位勲一等戸田菊雄君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます
     ――――◇―――――
○議長(伊吹文明君) この際、暫時休憩いたします。
    午後零時十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時二分開議
○議長(伊吹文明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
     ――――◇―――――
 国務大臣の演説
○議長(伊吹文明君) 内閣総理大臣から所信について発言を求められておりますので、これを許します。内閣総理大臣安倍晋三君。
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、冒頭、過去に経験したことのない豪雨や台風、竜巻により、亡くなられた方々に心から哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた方々に対しお見舞いを申し上げます。
 高齢化や過疎に直面する被災地域も多く、そうした実態も踏まえながら、早期の復旧に向け、全力で取り組んでまいります。
 この道しかない。
 三本の矢は、世の中の空気を一変させました。ことしに入って、二四半期連続で年率三%以上、主要先進国では最も高い成長となりました。昨年末〇・八三倍だった有効求人倍率は、八カ月で〇・九五倍まで来ました。
 景気回復の実感は、いまだ全国津々浦々まで届いてはいません。日本の隅々にまでこびりついたデフレからの脱却は、いまだ道半ばです。
 この道を、迷わずに進むしかありません。
 今や、世界が日本の復活に注目しています。ロック・アーンでも、サンクトペテルブルクでも、ニューヨークでも、そしてバリでも、そのことを強く実感しました。
 日本は、もう一度力強く成長できる、そして、世界の中心で再び活躍することができる、そうした未来への希望が確実に芽生えています。
 皆さん、ともにこの道を進んでいこうではありませんか。
 強い経済を取り戻すことは、被災地にも大きな希望の光をもたらします。東日本大震災からの一日も早い復興に向けて、取り組みをさらに加速してまいります。
 あわせて、将来の大規模な災害に備え、強靱な国づくりを進めてまいります。
 被災地では、今も二十九万人の方々が避難生活を送っています。高台移転は、ほぼ全ての計画が決定し、用地取得や造成工事の段階に移りました。今後、市町村ごとの住まいの復興工程表を着実に実行してまいります。
 福島の皆さんにも、一日も早くふるさとに戻っていただけるよう、除染やインフラ復旧を加速してまいります。
 私は、毎日、官邸で福島産のお米を食べています。折り紙つきのおいしさです。安全でおいしい福島の農水産物を、風評に惑わされることなく、消費者の皆さんに実際に味わってほしいと願います。
 汚染水の問題でも、漁業者の方々が事実と異なる風評に悩んでいる現実があります。しかし、食品や水への影響は基準値を大幅に下回っている、これが事実です。
 抜本解決に向けたプログラムも策定し、既に着手しています。今後とも、東京電力福島第一原発の廃炉・汚染水対策を全力でやり抜いてまいります。東京電力任せにすることなく、国が前面に立って責任を果たしてまいります。
 福島出身の若いお母さんから一通の手紙をいただきました。
 震災の年に生まれたお子さんへの愛情と、ふるさとの福島に戻るかどうか苦悩する心のうちをつづった手紙は、こう結ばれていました。「私達夫婦は今福島に帰ろうと考えています。あの土地に家族三人で住もうとしています。私達のように若い世代が暮らさないと、福島に未来はないと考えたからです。」
 福島の若い世代は、しっかりと福島の未来を見据えています。
 被災地の復興なくして日本の再生なし。その未来への責任を、私は、総理大臣として果たしてまいります。
 チャレンジして失敗しても、それは前進への足跡であり、大いに奨励すべきもの、しかし、失敗を恐れて何もしないのは最低だ、本田宗一郎さんは、こう述べて、社員たちに奮起を促したといいます。先人たちのこうしたチャレンジ精神が、日本を高度成長へと導きました。
 しかし、日本人は、いつしか自信を失ってしまった。長引くデフレの中で、萎縮してしまいました。
 この呪縛から日本を解き放ち、再び起業、創業の精神に満ちあふれた国を取り戻すこと、若者が活躍し、女性が輝く社会をつくり上げること、これこそが私の成長戦略です。いよいよ、日本の新しい成長の幕あけです。
 果敢にチャレンジする企業を安倍内閣は応援します。日本の持つ可能性を最大限引き出すことこそが、競争力を強化する道であると考えます。
 新たに企業実証特例制度を創設します。あらゆる分野において、フロンティアに挑む企業には、新たな規制緩和により、チャンスを広げます。
 事業再編を進め、新陳代謝を促し、新たなベンチャーの起業を応援します。研究開発を促進し、設備投資を後押しして、生産性を向上します。
 そのために、今後三年間を集中投資促進期間と位置づけ、税制、予算、金融、規制・制度改革といったあらゆる施策を総動員してまいります。
 その目指すところは、若者、女性を初め、頑張る人たちの雇用を拡大し、収入をふやすことにほかなりません。その実感を必ずや全国津々浦々にまで届けます。そのことが、さらに消費を拡大し、新たな投資を生み出す。
 経済の好循環を実現するため、政労使の連携を深めてまいります。
 将来の成長が約束される分野で、意欲のある人にどんどんチャンスをつくります。
 電力システム改革を断行します。
 ベンチャー意欲の高い皆さんに、自由なエネルギー市場に参入してほしいと願います。コスト高、供給不安といった電力システムを取り巻く課題を同時に解決できる、ダイナミックな市場をつくってまいります。
 難病から回復して再び総理大臣となった私にとって、難病対策はライフワークとも呼ぶべき仕事です。
 患者に希望をもたらす再生医療について、その実用化をさらに加速してまいります。民間の力を十二分に活用できるよう、再生医療に関する制度を見直します。
 外国訪問では、私は、安全でおいしい日本の農水産物を紹介しています。どこに行っても、本当に驚くほどの人気です。かつて農業が、産業としてこれほど注目されたことがあったでしょうか。
 意欲のある民間企業には、この分野にどんどん投資してもらい、日本の農産物の可能性を世界で開花させてほしいと願います。
 しかし、狭い農地がばらばらに散在する現状では、意欲ある農業者ですら、コストを削減し、生産性を向上することはできません。都道府県ごとに、農地をまとめて貸し出す、いわば農地集積バンクを創設してまいります。
 あわせて、成長する世界の食市場への農水産物の輸出を戦略的に倍増し、一手間かけて付加価値を増す六次産業化を進めます。
 これらによって、今後十年間で、農業、農村全体の所得倍増を目指してまいります。
 競争の舞台は、オープンな世界。日本は、世界で一番企業が活躍しやすい国を目指します。
 七年後には、東京を初め日本じゅうの都市に世界の注目が集まります。特異な規制や制度を徹底的に取り除き、世界最先端のビジネス都市を生み出すため、国家戦略特区制度を創設します。
 TPP交渉では、日本は、今や中核的な役割を担っています。年内妥結に向けて、攻めるべきは攻め、守るべきものは守り、アジア太平洋の新たな経済秩序づくりに貢献してまいります。
 公務員には、広く世界に目を向け、国家国民のため能動的に行動することが求められています。内閣人事局の設置を初め、国家公務員制度改革を推進してまいります。
 やるべきことは明確です。
 これまでも同じような成長戦略はたくさんありました。違いは、実行が伴うかどうか。もはや作文には意味はありません。
 実行なくして成長なし。この国会は、成長戦略の実行が問われる国会です。
 皆さん、しっかりと結果を出して、日本が力強く成長する姿を世界に発信していこうではありませんか。
 経済政策パッケージを果断に実行し、日本経済を持続的に成長させる、その上で、私は、来年四月からの消費税率三%引き上げを予定どおり実行することを決断しました。
 これから実行に移す経済政策パッケージは、かつてのような、目先の景気を押し上げるための一過性のものではありません。賃金上昇と雇用拡大などを実現するための、未来への投資です。
 世界に誇る我が国の社会保障制度を次世代に安定的に引き渡していく、そのためには、財源確保のための消費税率引き上げと同時に、保険料収入や税収の基盤である強い経済を取り戻さねばなりません。こうした取り組みのもと、中長期の財政健全化目標の実現を目指します。
 あわせて、大胆に改革を進め、持続可能な制度を構築しなければなりません。
 少子化対策を充実し、全世代型の社会保障へと転換してまいります。医療、介護保険、公的年金について、受益と負担の均衡がとれた制度へと、具体的な改革を進めてまいります。高齢者の皆さんが安心して暮らせる社会を構築します。
 心志あれば必ず便宜あり。
 意志さえあれば、必ずや道は開ける。中村正直は、明治四年の著書「西国立志編」の中で、英国人スマイルズの言葉をこのように訳しました。
 欧米列強が迫る焦燥感の中で、あらゆる課題に同時並行で取り組まなければならなかった明治日本。現代の私たちも、経済再生と財政再建、そして社会保障改革、これらを同時に達成しなければなりません。
 明治人たちの意志の力に学び、前に進んでいくしかない。明治の日本人にできて、今の私たちにできないはずはありません。要は、その意志があるかないか。
 強い日本、それをつくるのは、ほかの誰でもありません。私たち自身です。
 皆さん、ともに進んでいこうではありませんか。
 相互依存を深める世界において、世界の平和と安定に積極的な責任を果たすことなくして、もはや我が国の平和を守ることはできません。
 これは、私たち自身の問題です。
 戦後六十八年にわたる平和国家としての歩みに、私たちは胸を張るべきです。しかし、その平和を将来も守り抜いていくために、私たちは、今、行動を起こさねばなりません。
 単に国際協調という言葉を唱えるだけでなく、国際協調主義に基づき、積極的に世界の平和と安定に貢献する国にならねばなりません。積極的平和主義こそが、我が国が背負うべき二十一世紀の看板であると信じます。
 石垣島で漁船を守る海上保安官、宮古島で南西の空をにらみ、ジブチで灼熱のもと海賊対処行動に当たる自衛官、極限の環境でも高い士気を保つ姿を目の当たりにしました。彼らは、私の誇りです。御家族にも感謝の気持ちでいっぱいです。
 彼らは、現場で、今この瞬間も現実と向き合っています。私たちも、安全保障環境がますます厳しさを増す現実から、決して目を背けてはならない。
 私は、現実を直視した、外交・安全保障政策の立て直しを進めてまいります。
 国家安全保障会議を創設し、官邸における外交・安全保障政策の司令塔機能を強化します。これとあわせ、我が国の国益を長期的視点から見定めた上で、我が国の安全を確保していくため、国家安全保障戦略を策定してまいります。
 さらに、日米同盟を基軸とし、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった価値観を共有する国々と連携を強めてまいります。
 在日米軍再編については、抑止力を維持しつつ、沖縄を初めとする地元の負担軽減を図るため、現行の日米合意に従って着実に進めます。
 拉致問題については、私の内閣で、全面解決に向けて全力を尽くしてまいります。
 総理就任から十カ月間、私は、地球儀を俯瞰する視点で、二十三カ国を訪問し、延べ百十回以上の首脳会談を行いました。これからも、世界の平和と繁栄に貢献し、よりよい世界をつくるため、一層の役割を果たしながら、積極果敢に国益を追求し、日本の魅力を売り込んでまいります。
 東京、ロゲ会長のアナウンスで、ブエノスアイレスの会場は歓喜に包まれました。みんなが頑張れば夢はかなう、そのことが証明された瞬間でありました。
 歓喜の輪の中に、成田真由美さんがいました。パラリンピック水泳で、これまで十五個もの金メダルを獲得した、日本が世界に誇るアスリートです。
 その成田選手が、かつて私にこう語ってくれました。私は、失ったものを数えるのではなく、得たものを数えていきます。
 意志の力に裏打ちされているからこそ、前を向いて生きていこうとする姿勢に、私は、強く心を打たれました。
 十三歳から車椅子での生活となり、その後も、交通事故など数々の困難を成田選手は強い意志の力で乗り越えて、すばらしい記録を生み出してきました。
 今の日本が直面している数々の課題、復興の加速化、長引くデフレからの脱却、経済の再生、財政の再建、社会保障制度の改革、教育の再生、災害に強く、安全、安心な社会の構築、地域の活性化、そして外交・安全保障政策の立て直し、これらも意志の力さえあれば必ず乗り越えることができる、私は、そう確信します。
 先般の参議院選挙で自由民主党及び公明党の連立与党を支持してくださった国民の皆様に、心より感謝します。この選挙により国会のねじれが解消されたことは、困難を乗り越えていけと、背中を力強く押していただいたものと認識しています。
 この選挙結果に、政策を前に進めることで応えてまいります。いや、応えていかねばなりません。
 定数削減を含む選挙制度改革について、現在の膠着状況を打破し、結論を得ようではありませんか。
 憲法改正について、国民投票の手続を整え、国民的な議論をさらに深めながら、今こそ前に進んでいこうではありませんか。
 皆さん、決める政治によって、国民の負託にしっかりと応えていこうではありませんか。
 国民の皆様並びに議員各位の御理解と御協力をお願い申し上げる次第です。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    ―――――――――――――
○あべ俊子君 国務大臣の演説に対する質疑は延期し、明十六日午後一時から本会議を開きこれを行われることを望みます。
○議長(伊吹文明君) あべ俊子君の動議に御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊吹文明君) 御異議なしと認めます。したがって、動議のとおり決まりました。
     ――――◇―――――
○あべ俊子君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 遠藤利明君外十三名提出、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の成功に関する決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。
○議長(伊吹文明君) ただいまのあべ俊子君の動議に御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊吹文明君) 異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の成功に関する決議案(遠藤利明君外十三名提出)
○議長(伊吹文明君) 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の成功に関する決議案を議題といたします。
 提出者の趣旨弁明を伺います。遠藤利明君。
    ―――――――――――――
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の成功に関する決議案
    〔本号(一)末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔遠藤利明君登壇〕
○遠藤利明君 ただいま議題となりました二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の成功に関する決議案につきまして、自由民主党、民主党・無所属クラブ、日本維新の会、公明党、みんなの党、生活の党を代表し、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の成功に関する決議案
  一九六四年の東京大会以来五十六年ぶりとなる二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催は、スポーツの振興と国際交流・国際親善、共生社会の実現、国際平和への寄与にとって極めて意義深いものであるとともに、我が国が元気な日本へ変革していく大きなチャンスとして、国民に夢と希望を与えるものとなる。
  国は、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催が円滑になされるよう、環境の保全に留意しつつ、競技場など諸施設の整備その他の受入れ態勢に関し万全の措置を講ずることはもちろん、国民のオリンピック精神の高揚とスポーツを通じた世界への貢献、広く国民すべての一層のスポーツ振興を図るとともに、東日本大震災からの復興を着実に推進することにより、これからの新しい日本の創造と我が国未来への発展のため東京大会を成功させるよう努めなければならない。
  よって、政府は、総合的な対策を確立し、国民の理解と協力のもとに、その推進を図るべきである。
  右決議する。
以上であります。
 本年九月七日の国際オリンピック委員会総会において、東京が、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会の開催都市に決定いたしました。これは、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック招致委員会、東京都及び日本オリンピック委員会を中心に、スポーツ界、経済界を初めとする関係者と政府、国会とが一体となり、オール・ジャパン体制で招致活動に取り組んできた成果であります。
 オリンピック・パラリンピック競技大会は、世界共通の人類の文化であるスポーツの発展を通じて、国際親善や世界平和への貢献に輝かしい成果を上げてきました。
 昨年のロンドン・オリンピック・パラリンピックは、アスリートや観客だけではなく、多くのボランティアが大会運営に参画する姿が世界に発信され、オリンピック、パラリンピックの文化的、教育的価値のさらなる発展に貢献する大会でありました。
 一九六四年に開催された東京大会は、日本が戦後復興を見事になし遂げたことを世界に示すものでありましたが、それから半世紀を経た二〇二〇年に、再び東京が大会を開催する機会を得ました。
 スポーツの力を通じて、未来を担う子供たちに夢と希望を与え、国民を元気にし、また、東日本大震災からの復興を着実に推進することを通じて、我が国が自信と活力に満ちあふれた姿を世界に示す大きなチャンスであります。
 また、スポーツのみならず、日本の力の源泉となる文化、科学技術、教育など、ありとあらゆるソフトパワーを世界に示す好機でもあります。
 おもてなしを初めとした日本の精神で世界と交流し、オリンピック、パラリンピックの重要な価値である友情や尊敬を育み、我が国の豊かな未来の発展と世界の平和に貢献するため、政府、国会が一体となり、国民の理解と協力のもとに、大会の成功を図らなければなりません。
 何とぞ議員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(伊吹文明君) それでは、採決をいたします。
 本案を可決するに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊吹文明君) 御異議なしと認めます。したがって、本案は可決されました。(拍手)
 この際、国務大臣から発言を求められております。これを許します。国務大臣下村博文君。
    〔国務大臣下村博文君登壇〕
○国務大臣(下村博文君) ただいまの御決議に対し、所信を申し述べます。
 このたび、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会の開催都市が東京に決定したことは、国を挙げての精力的な招致活動と多くの国民の支持が一つの大きな熱意として国際オリンピック委員会に伝わった結果であり、政府としても大変喜ばしく思います。
 御指摘のとおり、二〇二〇年の東京大会を成功に導くためには、広く国民の理解と協力のもと、政府と東京都及び関係団体が密接に協力してその準備に当たらなければなりません。
 まず、大会の円滑な実施に向け、競技場などの諸施設の整備その他の受け入れ態勢に関して万全を期することはもちろんのこと、これを機に、広く国民の一層のスポーツの振興を図ることが必要であると考えます。
 その上で、さらに重要なことは、国民が、広くオリンピックの精神を共有し、おもてなしの心をもって世界じゅうの人々を迎え、スポーツを通じて我が国が世界へ一層貢献していく契機となる大会とすることであります。
 また、この際、東京大会を、一過性の行事にとどめることなく、日本社会を元気にし、さらなる発展に向かわせるための大きなチャンスとして捉え、オリンピック、パラリンピックの開催を契機に、新たな日本の創造を果たすような総合的な対策をオール・ジャパンで推進することが重要であると考えます。
 政府といたしましても、ただいまの御決議の趣旨を十分尊重いたしまして、大会の成功に向け最善の努力を図ってまいる所存でございますので、各位の一層の御努力と御支援をお願い申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
○議長(伊吹文明君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時三十六分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       内閣総理大臣  安倍 晋三君
       財務大臣    麻生 太郎君
       総務大臣    新藤 義孝君
       法務大臣    谷垣 禎一君
       外務大臣    岸田 文雄君
       文部科学大臣
       国務大臣    下村 博文君
       厚生労働大臣  田村 憲久君
       農林水産大臣  林  芳正君
       経済産業大臣  茂木 敏充君
       国土交通大臣  太田 昭宏君
       環境大臣    石原 伸晃君
       防衛大臣    小野寺五典君
       国務大臣    甘利  明君
       国務大臣    稲田 朋美君
       国務大臣    菅  義偉君
       国務大臣    根本  匠君
       国務大臣    古屋 圭司君
       国務大臣    森 まさこ君
       国務大臣    山本 一太君