第185回国会 農林水産委員会 第2号
平成二十五年十月三十日(水曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 坂本 哲志君
   理事 北村 誠吾君 理事 齋藤  健君
   理事 谷川 弥一君 理事 宮腰 光寛君
   理事 森山  裕君 理事 大串 博志君
   理事 村岡 敏英君 理事 石田 祝稔君
      井野 俊郎君    池田 道孝君
      小里 泰弘君    加藤 寛治君
      勝沼 栄明君    川田  隆君
      菅家 一郎君    熊田 裕通君
      清水 誠一君    末吉 光徳君
      鈴木 憲和君    武井 俊輔君
      武部  新君    津島  淳君
      中川 郁子君    橋本 英教君
      福山  守君    堀井  学君
      簗  和生君    山本  拓君
      湯川 一行君    渡辺 孝一君
      後藤  斎君    玉木雄一郎君
      寺島 義幸君    鷲尾英一郎君
      岩永 裕貴君    木下 智彦君
      鈴木 義弘君    村上 政俊君
      稲津  久君    中野 洋昌君
      樋口 尚也君    林  宙紀君
      畑  浩治君
    …………………………………
   農林水産大臣       林  芳正君
   文部科学副大臣      櫻田 義孝君
   農林水産副大臣      江藤  拓君
   環境副大臣        井上 信治君
   内閣府大臣政務官     小泉進次郎君
   内閣府大臣政務官     福岡 資麿君
   農林水産大臣政務官    小里 泰弘君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  澁谷 和久君
   政府参考人
   (消費者庁審議官)    菅久 修一君
   政府参考人
   (総務省大臣官房審議官) 平嶋 彰英君
   政府参考人
   (文化庁次長)      河村 潤子君
   政府参考人
   (農林水産省消費・安全局長)           小林 裕幸君
   政府参考人
   (農林水産省食料産業局長)            山下 正行君
   政府参考人
   (農林水産省生産局長)  佐藤 一雄君
   政府参考人
   (農林水産省経営局長)  奥原 正明君
   政府参考人
   (農林水産省農村振興局長)            實重 重実君
   政府参考人
   (農林水産技術会議事務局長)           雨宮 宏司君
   政府参考人
   (林野庁長官)      沼田 正俊君
   農林水産委員会専門員   栗田 郁美君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月三十日
 辞任         補欠選任
  津島  淳君     熊田 裕通君
  徳田  毅君     湯川 一行君
  岩永 裕貴君     木下 智彦君
  樋口 尚也君     中野 洋昌君
同日
 辞任         補欠選任
  熊田 裕通君     津島  淳君
  湯川 一行君     勝沼 栄明君
  木下 智彦君     岩永 裕貴君
  中野 洋昌君     樋口 尚也君
同日
 辞任         補欠選任
  勝沼 栄明君     徳田  毅君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律案(内閣提出第八号)
 農林水産関係の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
○坂本委員長 これより会議を開きます。
 農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として農林水産省消費・安全局長小林裕幸君、食料産業局長山下正行君、生産局長佐藤一雄君、経営局長奥原正明君、農村振興局長實重重実君、農林水産技術会議事務局長雨宮宏司君、林野庁長官沼田正俊君、内閣官房内閣審議官澁谷和久君、消費者庁審議官菅久修一君、総務省大臣官房審議官平嶋彰英君及び文化庁次長河村潤子君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○坂本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森山裕君。
○森山委員 おはようございます。
 きょうは、TPPに関してお尋ねをしてまいりたいと思います。
 総理は、ことしの三月十五日にTPP交渉参加を表明された際に、あらゆる努力によって、日本の農を守り、食を守ることをここに約束しますと述べられました。また、党は声明を出して、「国益を第一に「守るべきものは守る、取るべきものは取る」との強い決意で臨みます。わが党は国民の皆様との約束を破ることは決してありません。」と党声明で表明しました。いずれの言葉も非常に重い言葉だと思います。
 その後、七月の参議院選挙においては、「守るべきものは守り、攻めるべきものは攻めることにより、国益にかなう最善の道を追求します。」という公約を掲げて我々は参議院選挙を戦ってまいりました。
 また、この農林水産委員会でも、政府に対しまして、農林水産分野の重要五品目などについて、除外または再協議の対象とし、十年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も認めないこと、これら重要五品目などの聖域の確保を最優先することを求め、聖域が確保できないと判断した場合は脱退も辞さないものとすることとした決議を行ってまいりました。同じような決議は、参議院でも農林水産委員会で決議をされました。
 林大臣におかれましては、農林水産委員会の決議を守るという方針は全く変わっていないんだろうと思いますし、また、その気持ちは微動だにしていないのだろうというふうに私は認識をしております。しかしながら、先日のバリ島での西川自民党TPP対策委員長の発言の真意が伝わらなかったこともあり、国民の一部に不安が生じていることも事実でございますので、TPP交渉に当たっては、誤りなき対応を進めていただきたいというふうに思いますし、信頼をさらに確実なものにしていくべきだというふうに私は考えております。
 最近の新聞報道では、TPP交渉において、あたかも日本が妥協するような、具体的に言えば、ある品目とある品目は関税を撤廃することを決断したというような報道がなされております。
 このような報道は、私は事実ではないというふうに思っております。また、このことは国益を害するものではないかというふうにも思っておりますが、そもそも、この報道が出てくる原因の一つは、TPPの機密保持契約にあるのではないかというふうに思っています。この機密保持契約のために、国民に対して十分な情報提供がされていない。そして、情報提供が足りないことによって、農林水産業の現場が不安に陥っているのではないかというふうに思います。現場の不安に対処するためには、政府からの情報発信が非常に大事だというふうに思うわけであります。
 一方、情報公開を進めた結果、交渉相手に我が国の手のうちが明らかになってしまっては、交渉上、不利益をもたらすだけであり、この点は十分留意をすべきではないかというふうに思います。例えば、五百八十六のタリフラインの内訳を明らかにすべきだという主張もありますが、これは交渉相手に弱みを見せるだけであり、私は行うべきではないというふうに考えています。
 このような点も含めて、今後、農林水産業の現場に対してどのように正確な情報の提供に取り組んでいくのか、まず、大臣のお考えをお示しいただければと思います。
○林国務大臣 お答えいたします。
 まずは、森山先生におかれましては、先国会で委員長としての重責を担われて、農政に御指導いただいたことにお礼を申し上げたいと思います。
 今おっしゃられたとおり、情報公開の難しさというものが、端的におっしゃっていただいたとおりでありまして、ここで私が責任者として申し上げたことは交渉の相手にも伝わる、そういう大前提のもとで情報公開を考えていかなければならない、認識を大変共有するところでございます。
 そういった意味でも、TPP交渉にかかわる情報の提供については政府対策本部のもとで全体として対応しているところでございまして、これまでも交渉会合の結果等については、あるいは党の会合、あるいは関係団体への説明会等々で情報提供してきたところでございます。
 今おっしゃっていただきましたように、TPP交渉、守秘義務規定というものがございまして、公表できること、できないことがあるわけでございますが、公開できることは、TPP政府対策本部のもとで、政府全体として、状況の進展に応じて情報提供していきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○森山委員 大臣、情報提供すべきものについては、国民に不安を与えないようにするということが大事だというふうに思いますし、最も大事なことは、やはり国民から信頼をされ、政府に任せると言ってもらえるような状況を醸成していくことが肝要ではないかというふうに私は思います。
 そのためにも、日本はあうんの呼吸といういい文化を持っていますから、そういうことを含めて、できるだけ農林水産業の現場に混乱が生じないように、さらに御努力をいただきたいというふうにまずお願いを申し上げておきます。
 次の質問に移ります。
 現在、自民党では重要五品目などの検証が行われていると聞いております。この中には、米、小麦、大麦、乳製品などの国家貿易の対象品目、砂糖や甘味資源などの価格調整制度の対象品目、牛肉、豚肉などのセーフガードの対象品目など、国内の需給調整上、重要な品目が含まれております。また、これまでのEPAで守ってきた加工品、調整品も同様に重要であります。さらに、我が国が守るべき重要品目は、五品目に限らず、それぞれの地域で重要な作物があります。重要五品目さえ守ればいいということではバランスを欠いてしまうというふうに考えております。
 そこで、交渉の中で重要五品目などについてどのように主張をしていかれるのか、農水省の考え方をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○江藤副大臣 私の方からお答えをさせていただきたいと思います。
 国民に不安を与えることのないように、情報を的確に提供してほしいと。まさに、私も地元に帰りますとたくさん言われますし、同僚、先輩の議員の皆様方からも同じような御指摘をいただくわけであります。
 私は、引き続き副大臣をやることになりました。その要請を受けたからといって簡単に受けるわけではなくて、林大臣に十カ月余りお仕えをしてきて、この方が本気で農林水産行政のトップとして委員会決議を守り、農林水産行政のトップとして守り抜いていく決意がひしひしと感じられる方である、そう確信しましたので、この方を引き続きお支えしたいという気持ちがありましたので、これから非常に厳しい、いろいろな場面があるかもしれませんが、それでも大臣のおそばでお仕えしたい、別によいしょを言っているわけじゃないんですよ、そういう気持ちがあって、私は今ここに立っております。
 ですから、国民の皆様方も大臣をぜひとも御信頼いただきたい。この大臣は、私は、微動だにしないというお言葉を先ほど森山先生がお使いいただきましたけれども、そういうお気持ちは持っていただいていると思います。
 さらに、この五品目についてのお尋ねでありますけれども、もう内容については先生が今おっしゃっていただきました。特に、国家貿易等にかかわることでありますので、とりわけ重要な品目ばかりであります。しかし、この五品目に限られるものではなくて、「など」という書き方がされているわけでありますから、それ以外にも重要な品目はあるという御指摘は、森山先生のおっしゃるとおりだと思います。五品目の聖域の確保につきましては、これが引き続き国内で再生産可能になるように、その決議を踏まえた、タフな、そして国益を守り抜く、全力を尽くした交渉をやっていきたいというふうに考えております。
○森山委員 私も、参議院の六年の時代、林大臣とは一緒に仕事をさせていただいた時代もあります。私は、個人的には林大臣を全面的に御信頼申し上げておりますし、この方が農林水産省の代表としてTPPの交渉に当たっていただくということは大変力強いことだというふうに思います。そこは御信頼を申し上げていることを、まず申し上げておきたいと思います。
 ただ、週末、やはり現場を歩きますと、びっくりするような不安があるんだなと思います。
 バリ島での西川委員長の真意が伝わっていないと冒頭申し上げましたが、あの発言は、五品目が四品目になるんじゃないか、どの品目が外されるんだという質問を受けたりいたしますと、ああ、これは本当に真意が伝わっていないなということを実は強く思います。
 そういうことを西川委員長が言っておられるわけではなかったと思います。私は、その席におりましたから、前後の西川委員長の発言もよく理解をしております。むしろ、今まで守れなかったものも、TPPでは関税で守らなきゃいけないものもあるんじゃないかというところから話が始まったことを思い返してみても、なかなか真意が伝わっていないんだなということを思います。
 ただ、常に政府はできるだけ努力をいただいて情報を提供していただかなければならないというふうに思います。先ほど申し上げましたように、我々はどこでどう守っていくのかということは非常に大事な課題でありますから、ぜひそのことを強く受けとめていただいて、お願いをしたいというふうに思います。
 最近の報道等では、関税撤廃の影響がない品目について関税を撤廃するとか、また、そのことによって自由化率を引き上げるとか、非常に形式的な議論が目につくわけであります。
 TPPの関税交渉の状況は明らかにされておりませんので、具体的な交渉状況は承知をいたしませんが、過去のWTO交渉やEPA交渉などに与党の一員として議論に参加をしてきて思いますに、国際貿易交渉では、まず二国間交渉において、こちらの要望を伝え、そして相手国の要望をよく聞いた上で、双方が受け入れ可能な着地点を探っていくべきだと思っておりますし、そういう交渉が行われてきたのではないかなというふうに思います。
 今回のTPP交渉においても、重要五品目などの聖域を確保するためには、単なる数字の問題ではなくて、お互いの関心事項について二国間交渉を行っていくということが非常に大事なことだと考えておりますけれども、現在の二国間交渉の状況と二国間交渉に臨む農林大臣の御決意をお聞かせいただければと思います。
○林国務大臣 お答え申し上げます。
 今、森山委員からお話がありましたように、これはTPPのみならず、あらゆる交渉において、やはり相手の関心、我々が何を欲しているかということと相手が何を欲しているか、このことを見きわめた上でやっていくということが大変重要なことだ、こういうふうに思っております。
 例えが適切かどうかわかりませんが、孫子の兵法でも、おのれを知り相手を知れば百戦危うからずという言葉がありますので、こういう気持ちでしっかりとTPPについても臨んでいきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
 TPP交渉については、先ほど江藤副大臣からも、衆参両院での農林水産委員会、重要五品目などの聖域を確保することを最優先にするという決議がありましたが、それに加えて、日米共同声明においても、我が国の農産物のセンシティビティーが明確に認識をされた、こういうことでございますので、こういうものをしっかりと踏まえて、国益を守り抜くよう全力を尽くす考えでございます。
○森山委員 やはり、今から二国間交渉というのは非常に大事になってくると思いますし、そこで重要五品目等をどう守り抜いていくかということが一番の課題であろうというふうに思いますから、どうか決議をしっかりと踏まえていただいて、間違いなき交渉で成果を上げていただけるように、まずそのことをお願い申し上げておきたいと思います。
 次に、少し懸念していることをお尋ねしてみたいと思います。
 安倍総理がバリ島での会合に出席をされて、その中で、TPP交渉が完了に向かっている、年内に妥結することを目的に、残された課題の解決に取り組むことに合意したという環太平洋パートナーシップ首脳声明が出されました。
 一方で、アメリカの事情を見ると、本当にTPP交渉が年内に妥結するのか、妥結が可能なのかという疑問を持たざるを得ないところもあります。農業団体がアメリカに行かれて、各農業団体との協議をされたようでありますが、その中で、年内の妥結は難しいのではないかという発言もあったように聞いております。
 林大臣は、アメリカの議会のスタッフとして御活躍をされた貴重な経験を持っておられますので、よく御承知のことと思いますけれども、アメリカの行政府は、議会との関係で、TPAを取得しておりません。これまで、アメリカが主要な貿易交渉を妥結する際には、ほぼ全てTPAが取得されていたと私は承知をしております。アメリカの行政府がTPAを取得されないまま交渉が妥結した場合、アメリカの議会がTPP協定の内容に対し修正を求める可能性があると私は思います。したがって、アメリカではTPP妥結の条件が本当に整っているのかどうか、私はそこに少し疑問を持っているところであります。
 年内妥結という目標ばかりが先走って、拙速な交渉になってしまわないか、早く妥結するために安易な妥協をするのではないか、何かそんな心配をしています。
 そこで、お尋ねをいたしますけれども、こういう状況の中で、TPP交渉の年内妥結の見通しをどう思っておられるのか、また、その見通しを踏まえて、農林水産大臣として今後の交渉にどのように当たっていこうとしておられるのか、お伺いいたします。
○林国務大臣 今お話がありましたように、十月八日のTPP首脳会合におきましては、年内に妥結することを目的に、これから交渉官は残された困難な課題の解決に取り組むべきであることに合意した、こういう声明が出されたということでございます。
 一方で、今、森山委員からお話がありましたように、いわゆるTPA、トレード・プロモーション・オーソリティー、大統領貿易促進権限、こういうものですが、かつてはファストトラックなどと呼ばれていたことがございましたけれども、この間予算委員会でも齋藤委員から御指摘があったところでございますが、これは、森山委員からお話があったように、二〇〇七年に失効しております。したがって、今、アメリカ政府は議会からこの促進権限をもらっていない、そういう状況にあるわけでございます。御指摘があったように、過去、ヨルダンとの協定等々で例外的なこともありましたが、ほぼ、大体の交渉においてはこういうものを持ってやっている。
 これは、御案内のように、大統領府と議会との関係で、我々と違いまして、妥結したものを批准するかしないかという我々の仕組みと比べまして、向こうは、この権限がない場合は、政府が妥結したものを議会が一字一句修正することが可能である、こういう原則になっております。この権限をとることによって、一括してイエスかノーか、こういうことを、ある意味ではあらかじめ権限をもらってその選択をしてもらう、こういうものでございますので、今、アメリカ議会において、このTPAに関する議論が行われていると承知をしております。
 先ほど、敵を知ればということを申し上げましたけれども、そういう意味では、アメリカの議会がどういう状況であるかということをしっかりと我々としても把握しておく。そういう意味では、この間、十月の前半でございましたけれども、財政の問題をめぐって、かなりぎりぎりのところまであの問題も行っておりまして、これは一時的には回避をされましたが、新しい期限が二月の七日になった、こういうことでございますので、そういうことも頭に入れながら、しっかりと対応をしていく。
 そういう意味で、アメリカの動向を引き続き注視していくというときには、政府のみならず議会の動向もしっかりと頭に入れながら、冒頭申し上げましたように、首脳会合において共有をされたこの目標に向けてしっかりと努力をしていくということではないかと思っております。
○森山委員 大臣の認識と私の認識は全く同じでありますが、ぜひ、そういうことも少しにらみながら交渉をお願いしたいと思います。
 もう一つ気になりますのは、チリの動きであります。
 P4の一員であるチリが、このところ二回ほど閣僚会議に出席をしていないという事実があります。
 また、チリでは大統領選挙が行われておりますが、右派の大統領から左派の大統領にかわるのではないか、かなり世論調査でも支持が離れてきているという報道にも接しています。
 もし右派から左派にかわるようなことがあれば、チリのTPP交渉へのスタンスというのは私は大きく変わるのではないかなというふうに思いますし、このところ二回ほど閣僚会議に出席をしていないということも非常に気になるところでありますが、このTPP参加国の中でのいろいろな動きというのも我々はよく見ておかなきゃいけないのだろうと思います。
 農林水産委員会の視察でベトナム、マレーシアに参りましたときにも、いろいろな事情をそれぞれの国は持っているようでありますから、そういうことをしっかり見ていくことが大事なことではないかというふうに思いますので、どうかその点もよろしく御配慮いただくようにお願いをしておきたいと思います。
 最後の質問に入ります。
 現在、政府におかれましては、TPP以外にも、日・EU・EPAやRCEP、日中韓EPAなど、大変大きなEPA交渉を並行して進めておられるところであります。
 一方、林大臣は、農林水産省内にみずからを本部長とする攻めの農林水産業推進本部を設け、官邸の農林水産業・地域の活力創造本部の検討とも連携をしつつ、農林水産業の成長産業化や農山漁村の活性化に積極的に取り組んでおられ、私はこのことは評価をしています。
 さらに、林大臣が先頭に立って推進をされている国別、品目別目標を設定して日本産の農林水産物や食品の輸出推進、今国会に関連法案が提出をされましたが、農地中間管理機構の整備、六次産業化のためのA―FIVEによる支援の本格展開等々、農林水産省の取り組みは農林水産業の活性化に向けた大きな一歩になると私は考えます。
 もちろん、これらの政策は貿易交渉のために行っているわけではないと理解をしておりますが、貿易交渉のいかんにかかわらず、日本の農林水産業の体力強化が図られ、さらなる発展を遂げていくためには大変重要な課題であると思います。
 そこで、林大臣に伺いたいのでありますが、今後、さらに農林水産業の活性化に取り組んでいかれると思いますけれども、その方針と今後のスケジュールについてお聞かせをいただければと思います。
○林国務大臣 今お話がありましたように、国内農林水産業の活性化を図っていく、このことは、TPP交渉いかんにかかわらず、待ったなしの極めて重要な課題である、こういうふうに考えております。
 今お話しいただいたように、このため、攻めの農林水産業推進本部をことしの一月に省内に設置いたしまして、省内横断的に検討を進めるために、私みずから本部長になって検討をやっております。
 お話しいただいたように、三つの柱、すなわち、生産現場の強化などの供給サイド、それから国内外の需要拡大などの需要サイド、そして供給と需要をつなぐバリューチェーン、この中に六次産業化ということが入ってまいります。
 こういう柱を立てて、そして、やり方として、やはり現場でいろいろな取り組みが先進的に進んでおります。先生方のお地元でもいろいろなことを工夫しながらやっておられる取り組みというのは御存じだと思いますが、こういうものを現場の宝ということで集めまして、うまくいっていることを横展開していくためには我々がどういう施策でそれを応援していかなければならないか、こういう視点で展開をしておるところでございます。今お触れいただいた農地中間管理機構は供給サイドの一つの大きな柱でありますし、国の外の需要拡大という意味で、輸出の戦略というものが大変大事になってくる、こういうふうに思っております。
 官邸に、農林水産業・地域の活力創造本部、総理を本部長とするものを設置していただきましたので、強い農林水産業や美しく活力ある農山漁村をつくり上げるための具体策を加速化し、そして、今後の政策の方向性を、農林水産業・地域の活力創造プラン、これは仮称でございますが、こういうことで、十一月末を目途に取りまとめてまいりたい、こういうふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○森山委員 終わります。
○坂本委員長 次に、後藤斎君。
○後藤(斎)委員 大臣、きょうは五十分という時間を与えられていますが、冒頭、消費者庁並びに文科省の方に、最近の食の偽装の問題も含めてちょっと整理をさせていただきながら、先ほど大臣がお触れになったような、これからの農林水産行政のあり方についてお考えをお伺いしたいと思います。
 まず冒頭、消費者庁からお答えをいただきたいと思います。
 最近、おにぎりの偽装の問題や、高級ホテルでの、誤表示なのか偽装なのかは別としても、たくさんのいわゆる食にかかわる消費者を欺くような事象が多発をしています。そして、これを過去にさかのぼってみると、五年とか十年とか、何となくそういう周期でこの偽装の問題、食の誤った、消費者に対するプレッシャー的なものが出ているような感じがいたします。
 最近、消費者庁が把握しているもので、食の偽装にかかわるものが消費者庁関係のもので国民生活センター等から事象としてお寄せいただいているのか。そして、消費者庁として、それについてどのような対応をとっているのか。まず冒頭、端的にお尋ねをしたいというふうに思います。
○菅久政府参考人 お答えいたします。
 今、一番報道されておりますホテルに関する件、これにつきましては現在いろいろ調査中ということでございます。
 最近の消費者庁が食品に関しまして措置をとりました例ということで申しますと、昨年度でありますと、食品に関しましては三件の措置命令を出しております。また、二十三年度でございますと四件、二十二年度には九件でございます。
 メニューに関するものといたしましては、ホテルの宿泊プランにおきまして提供されます食材、これはアワビでございますが、これについて誤認を与える表示に関しまして措置命令を行いました。また、平成二十二年度には、これも飲食店で提供されます料理、これはお弁当でございますが、これの原材料に関する不当な表示ということで、これについても措置命令をとっているという実態でございます。
○後藤(斎)委員 今、件数は一桁で何となく少ないような感じもするんですが、いわゆる内部告発的に消費者庁に事象が来て、それから立入検査等をするんでしょうか。それとも、消費者庁みずからが立入検査をして今の事象の行政命令を出すんでしょうか。どちらでしょうか。
○菅久政府参考人 お答え申し上げます。
 事件に至るまでの最初の情報源というのはさまざまなものがございますが、一般的には、どちらかといいますと、関係の方々からの情報提供をいただきまして、そこから調査をするというものが多い実態にございます。
○後藤(斎)委員 消費者庁として、この表示にかかわる体制については、現在、中央組織も含めて何人体制で対応されていますか。
○菅久政府参考人 お答え申し上げます。
 申しわけございませんが、手元に正確な数字を用意しておりませんが、景品表示法で申しますと、消費者庁の中に表示対策課という課がございます。ここが四十人、五十人ぐらいの人間で調査を行っております。
 また、景品表示法に関しましては、地方事務所が消費者庁にはございませんので、公正取引委員会の地方事務所が調査を担当しているということでございます。
 また、その他、JAS法などにおきましては、農林水産省とも協力して調査を行うという体制になっております。
○後藤(斎)委員 消費者庁菅久審議官にもう一度お尋ねをしますが、阪急阪神ホテルズのこの問題については、現場で料理をされている調理人の方の意識と経営者の方の意識というのが全然交わっていないという、社長も含めていろいろな御発言があるようですが、消費者庁として、これはこれからどのように対応していくのか、そして、この問題は組織ぐるみという判断になっていくのか、この二つについてお尋ねします。
○菅久政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、今あります件につきましては、当事者等からよく話を聞くなどいたしまして、必要な調査を進めているところでございます。これにつきましては、調査の結果に基づきまして、その次第によりまして、必要な措置をとっていきたいというふうに考えております。
 また、その結果を踏まえまして、その後、いわゆる業界全体での表示の適正化というものが図られますよう適切な対応をとっていくということも必要になる場合もあり得るかと思っておりますので、そのようなことも並行して考えていきたいというふうに思っております。
○後藤(斎)委員 今お答えいただいた後者の部分について、この阪急阪神ホテルズの問題がメディア等で報道されてから、ほかのホテルやいわゆる老舗のレストラン等で同様の指摘の事象があったという報道が、この数日間繰り返しされています。その原因は何ですか。
○菅久政府参考人 お答え申し上げます。
 ホテルの場合だけではなく、いろいろな不当表示の場合でも同様でございますが、一つこういうケースが出てまいりますと、同業の方々はそれぞれ自社内で点検をされるということが多くございます。点検をされた結果、違反が見つかった場合には、みずから自主的に報告し、また公表するということがよく見られることでございますので、今回のケースも、そういうことで、皆様方がある意味では自主的な取り組みをされているということかなというふうに考えております。
○後藤(斎)委員 JAS法関係でちょっと農水省にお尋ねします。
 JAS法関係で、最近の違反の実態、件数、そして行政命令等はどのように出しているのか。さらに、取り締まり体制について、農水省はJAS法関係でどのような人数で対応なさっているのか。あわせてお答えいただけますか。
○小林政府参考人 ただいま、違反の実態と取り締まり体制ということでお尋ねいただきました。
 違反の実態でございますが、二十四年度の場合について申し上げますと、まず私どもで検査を実施したのが、年間で約二万七千件の立入検査を実施しております。
 この中で、JAS法違反ということで、過失による比較的軽微な違反、うっかりとかそういうものですね、そういうものにつきまして、文書によって指導しましたのが五百件、それから、意図的な違反だというふうに判断をして指示、公表に至ったのが二十三件、さらに、指示に従わなかった場合の命令が一件というのが二十四年度の実績になっております。
 全般に、ここ五年、十年のタームで見ますと、店頭での表示につきましては、不適正な表示というのはかなり減少してきておりますけれども、意図的な原産地偽装だとかそういったものにつきましては、年によってでこぼこはございますが、引き続き発生している実態にございます。
 監視体制につきましては、農林水産省では、地方農政局などに約千三百名の食品表示Gメンを配置しておりまして、こういった職員が業者への立入検査、あるいは、表示一一〇番というのを置いておりますので、そういったものへの対応、事業者への周知活動などに取り組んでいるところでございます。
 そのほかに、私どもの所管しております独立行政法人農林水産消費安全技術センターというのがございますが、こちらがDNA分析あるいは元素分析などによる科学的な分析を行っているということでございます。
 また、もし不適正な表示が見つかった場合には、その旨は、もちろん消費者庁とも連絡いたしますし、必要に応じて警察などとも連携をとって対応しているところでございます。
 以上でございます。
○後藤(斎)委員 後ほど食の文化遺産についてもちょっと話をしたいと思うんですが、大臣、今、レストランの高級店、老舗の方、そして、おにぎりに外国産米が入っていたのを国産にしたというのは、食の流通、小売の部分も、以前も議論をさせていただいたように、激しい競争の中で少しでも利益を上げようという、これは資本主義の国ですから当たり前のことかもしれませんが、それが、料理をつくる現場と経営者の方が本当に組織で相談したかどうかはまたちょっとおいておいても、まず、そういう食を取り巻く環境というものが、日本では、ほかの産業よりもはるかに厳しい状況にあるというところ。
 そして今、消費者庁と農水省の食品偽装を取り巻く職員の配置、取り締まりの体制を見ても、消費者庁も新しい組織ですから、四、五十人体制でもやむを得ないというふうにも思いますけれども、やはりここは、農水省が千三百人体制、せっかく地方組織をお持ちになって、年間二万七千件という、まあ、多いのか少ないかは少しおいておいても、そういう取り締まり実績があるわけですから。
 六月に食品表示法という法律も新たにできて、二年以内に施行ということで、今、政省令を含めて詰めの作業をしているというお話は聞いていますけれども、五年、十年単位の中でこういう食にかかわる偽装の問題が起こるというのは、忘れたころに、何となくそういうものを、現場でも、激しい競争環境であれば、利益を出さなければ、現場は経営者に当然怒られるわけです。そういうものが、何となくという形で現場の部分での誘発をしてしまうということも、大臣、当然あると思うんです。
 これは、ちょっと文化庁、文科省も来ていただいています。私の尊敬する櫻田副大臣にも来ていただいていますから、和食が年内にも世界無形文化遺産になるというふうなことをお聞きをしています。
 この和食の部分について、キムチも、今回は日本の和食とあわせて無形文化遺産に指定をされるような流れ、見通しだというお話も聞いているんですが、そもそも世界無形文化遺産というのはどういう環境の中で指定をされているのか。日本国政府も、農水省が主体になって、昨年の三月にユネスコの方に指定申請を出されていますけれども、どのような基準でこの無形文化遺産というのが指定をされ、その基準はどうなのか、おわかりになる方、ちょっとお答えいただけますか。
○河村政府参考人 お答え申し上げます。
 ユネスコの無形文化遺産代表一覧表というものがございますが、これは、本年十月現在、世界全体で二百五十七件が登録をされております。このうち、我が国からの登録は現在二十一件でございます。
 この代表一覧表への登録基準は五項目ございます。概要を申し上げますと、第一に、ユネスコの無形文化遺産保護条約に定義された無形文化遺産であること、すなわち、芸能、社会的慣習、儀式及び祭礼行事、伝統工芸技術などが条約上の無形文化遺産の定義として挙げられておりますので、これに該当すること、第二に、登録されることで、世界全体における無形文化遺産の認知向上が期待されること、第三に、十分な保護措置が図られていること、第四に、関係する人々、コミュニティーが同意していること、第五として、国内における無形文化遺産の目録に含まれていることとなっております。
○後藤(斎)委員 次長、だから、日本の和食はどういうふうな基準に対応して、今後どういうふうに評価をされて指定される見通しなんですか。
○河村政府参考人 和食、日本人の伝統的な食文化ということで、我が国からユネスコに提案をいたしているわけでございますけれども、今月、最終的な審査の前に、補助機関からの勧告というものがございまして、この提案が登録相当ということで勧告を受けております。
 今後、十二月二日から開催される無形文化遺産保護条約の政府間委員会において、この勧告を踏まえた審議が行われ、正式に決定される見通しというふうに考えております。
 登録をされますと、自然の尊重という日本人の精神に基づく伝統的な食文化が世界に広く認められるとともに、栄養バランスにすぐれた健康な食生活の次世代への継承に寄与する、このあたりが評価されておりますので、これらがさらに普及していくことが期待されるものでございまして、私どもとしても、十二月の政府間委員会においても万全の対応に努めてまいりたいと存じます。
○後藤(斎)委員 林大臣、今のような話で、今、偽装が五年ぶりに、ブームというよりも、たくさん件数が出てきてしまったということと、和食も世界無形文化遺産に登録される可能性が高いという中で、消費者庁と連携をしてもらうのは当然のことなんですが、今、文化庁次長が話をされたように、新鮮で多様な食材とその持ち味の尊重であるとか、健康的な食生活であるとか、文化行事との密接なかかわりであるとか、当然、これからの農林水産業、食というのを農林省で考える際の非常に大きなテーマであることは言うまでもないんだと思うんです。
 ただ、調理方法であるとか、やはりもうけ主義に走っているであるとか、そういうことがあると、せっかく和食が世界無形文化遺産に登録をされても、それをどう生かしていくのかというのが、消費者庁も含めた消費者の皆さんから支持をされなければいけないということはさることながら、やはり無形文化遺産になれば、富士山の文化遺産と同じように、観光客にたくさん来てもらうということを考えることだけではなくて、それをどう保全していくのか、どう守っていくのかという大きな責任、義務がかかるというのが当然だと思っているんです。
 今度キムチが、和食とあわせて、十二月にも無形文化遺産になるというふうな報道もあります。韓国も数年前に韓国の宮廷料理を無形文化遺産に登録をしようとしたらしいんですが、やはりそれではだめで、たくさんの方から支持をされるということが望ましいということで、キムチという一番韓国の食材で国民的な支持を集めているものに特化をしてやられて、和食と同じように指定を受けるかどうかという部分に入っているという話なんですが、キムチも、大臣御案内のとおり、私も好きなんですが、自家消費をする部分はほぼ国産の白菜で手づくりでつくる。でも、私も韓国は余り行ったことがないのでよくわかりませんけれども、飲食店、レストランで出すキムチは、ほとんど無料で、食べ放題みたいな形で、ほぼ輸入の方が多くて、中国からの輸入が多い。そして、韓国産と称して中国産を、やはり偽装の問題で韓国政府当局の取り締まりをしているところが、食の偽装で年間数百件ずつ摘発をしているという話もあるようなんです。
 ですから、これからどういうふうに、後ほど生産調整等の問題についてお話をさせてもらいますけれども、和食が世界無形文化遺産に登録をされる見通しになったところで、偽装の問題を含めて、そういう現場の問題を払拭していかないと、せっかくのものが国内外から支持をされないものになってしまう、それは決してあってはいけないことだと私は思うんです。
 大臣、その点、消費者庁や関係省庁の連携も含めて、偽装の問題は行き過ぎたもうけ主義みたいなものではなく、食というのは、人間生活をする上で一番必須なものであるということは誰も文句は言わないことなので、それも含めて大臣が、無形文化遺産に和食が指定されることと、これからの農林水産行政と、そして今、消費者庁が熱心に景表法も含めてやられている、そういういろいろな表示や消費者問題にかかわる部分の連携等についてどのようにお考えになりますか。
○林国務大臣 今、後藤先生からお話があったポイントは非常に大事なところだと思っておりまして、この提案をしたときに、和食を、自然の尊重という日本人の精神を体現した食に関する社会的慣習として提案している、こういうことですから、先ほどちょっと触れていただいたように、いろいろな、新鮮で多様な食材とその持ち味の尊重等々、日本人が長年かけてつくり上げてきたものである、こういうことで社会的慣習ということになっているわけでございます。
 先ほど来お話のあった偽装みたいなことは、先輩たちが長年培ってきたものをある意味では汚す行為だ、こういうことになるわけでございますから、無形文化遺産に登録される見通しが出てきたわけでございますので、世界じゅうにこの社会的慣習というものがきちっと誇れるように、何だ、来てみたら全然違うじゃないのということにならないようにしっかりと対応していく必要がある、こういうふうに思っております。
 多分これは、消費者庁、農林水産省、当初消費者行政の司令塔としてつくったときに、振興するところと取り締まるところ、一番よく御存じだと思いますが、やはりこれは同じところではという議論があって今のような体制になった、こういうスタートはあったというふうに認識をしております。
 そういう意味では、JAS法についても、食品表示制度の企画立案及び執行に関する業務を消費者庁にやってもらって、我が方は、食品の生産、流通、消費に係る施策を所掌する立場ということで、ただ、地方組織を我々は活用して、JAS法に基づく監視、取り締まりをやっているということでございます。
 消費者庁に寄せられたJAS法違反に係る疑義情報、これに対しても、我が省が立入検査を実施して消費者庁に連絡するということ。そして、消費者庁を中心として、我が省や警察、厚労等々と連携して、情報を共有するということで連携を図っておるところでございます。
 先ほどお話があったように、食品表示法が施行になりますので、これに向けて、役割分担それから監視業務の実施方法等を検討しているところでございます。御指摘が今後藤先生からもありましたので、情報共有の迅速化をするとかいうことを含めて、消費者庁を初め関係機関との連携の一層の強化に取り組んでまいりたい、こういうふうに思っております。
○後藤(斎)委員 大臣、消費者庁も少ない人数の中で御苦労されていますから、人数、中央組織がしっかりしている農水省が、それと連携協力し合いながら、きちっと体制整備を、違反事由はきちっと取り締まるぞという姿勢は常に持たないと、何のための法律か。さっき消費者庁みずからがお答えになったように、自主点検したら出てきたということなのか、私はここは若干疑問があります。そこは法律というものがどういう効果等を持つかという本質論だと思うんですね。そこはぜひよろしくお願いしたいと思います。
 櫻田副大臣、副大臣の御地元も農業が非常に盛んな地域でありますし、この間、生落花生の大きいものを千葉県産ということで食べさせてもらいました。
 私は、実は自分の思いなんですが、大臣がきのうお話をされたように、これから需要をどうつくるかというよりも、実は需要というのは、特に国産材をどう使っていくのかというのは、食料自給率、それぞれの品目別に、一〇〇を切っているものというのは、基本的には日本はもう全てが一〇〇を切っているわけですから、一〇〇を切っているものというのは、少なくとも国内マーケットを見ても、基本的には国産材、国産の農産物がまだ頑張れるというものだと思うんです。
 これも繰り返し大臣にもお話をし、大臣もうんうんといつもうなずいてくれているんですが、やはりエネルギーや飼料や、今一番日本の農業が需要に対して苦手なところ、これは実は価格差が一番あるというところとイコールでもありますけれども、そういうところの技術開発、品種改良というものをもっと大事に、集中的にしなければ、きょうも森山先生がお話をされた、いわゆるTPPも佳境に入る、そして減反政策も廃止をする、いろいろな事象が、この四十年、五十年続けてきたものが、どすんと百八十度変わってしまうかもしれないという不安感が実は農家の方はすごく強いです。
 でも、農家の方は、もし需要がきちっと目の前にあって、たくさんつくっていけるのであれば、昔のように二毛作でもやるし、耕作放棄地もなくしていくという強いお考え、意思を持った方もたくさんいらっしゃいます。
 そこで、櫻田副大臣、文科省も、科学技術の総本山として、大学も所管されている省庁として、研究、技術開発的にやはりもっと熱心に農業にサポートをしてもらいたい。副大臣、現状が今どのようになっているのか。そして、例えば落花生も、一反当たり倍か三倍収量がとれれば、あの味と品質をもってすれば、多分中国産にも勝てると私は思うんです。そうでないから中国からバタピーがいっぱい輸入をされてしまうという、これは消費流通の実態とのバランスなんですから、ぜひそういうことを私はやってもらいたいというふうに自分が担当したときから心から思っているんです。
 櫻田副大臣、今の産官学の研究の実態と、そしてそれに農業がどの程度、予算が文科省として農業関係に傾注しているのか、さらに、いわゆる多収穫米や多収穫農産物みたいなものの開発努力というのはどのようにお支えしているのか、あわせてお答えいただけますでしょうか。
○櫻田副大臣 研究の成果の実用化において、事業化、新事業、新産業創出に貢献する産学官連携施策は、科学技術イノベーションを推進する上で極めて重要であると考えております。
 そのため、成果の実用化のための研究開発や地域のすぐれた構想に係る事業化等の支援を実施しているところでございます。
 文部科学省におきましては、これらの施策に対して、主として科学技術振興機構が実施する多くの競争的資金事業と本省が実施する地域イノベーション創出の事業等に分かれておりますが、それぞれにおいて、ライフ、情報通信などの分野ごとの予算措置等を把握しているところでございます。
○後藤(斎)委員 櫻田副大臣にしたら歯切れの悪い答弁なんですが、最後に、林大臣にもお尋ねしながら話をまとめていきます。
 林大臣、私は何度もこの委員会でお尋ねをしたりしているんですが、いわゆるお米も需要というところに応じてという形でこれからかじを大きく切るという報道が連日されて、私も農家の方と、今二十町歩、三十町歩、若い職員の方を常勤で採用しながらやっている農家の方がいらっしゃるんですが、TPPで関税が全部なくなってしまったら自分たちもやめちゃおうとか言うんですよね。その話に、私は、いや、そうではない、ちゃんとおいしくて適正な値段でつくれば必ず日本の消費者はそれを理解するし、ただ、もっと二毛作、三毛作も含めて考えようよという話を実はしています。
 そのときの大きなヒントというのが、いわゆる多収穫米というのは、今まで何度もこの委員会でこの話はさせてもらったように、減反政策がスタートをしてもう四十年以上たっていますから、農林水産省も品種改良や研究開発の努力も当然してきませんでした。むしろ、おいしいものをつくれば売れるんだということに特化をしてきました。今、櫻田副大臣が、珍しくというと怒られますけれども、歯切れが悪かったのも、文科省も実はやってきませんでした。
 アメリカは、例えば大豆の単収、アメリカは世界一の大豆輸出国でもあり、生産国でもありますけれども、平均二百九十キロから、日本の倍か五割から七割増しくらいの単収を一反当たりつくっているというふうに言われていますが、ある農家の方はその三倍以上の、十アール当たり一トンのトウモロコシや大豆をつくる、そういう数字が実は出ています。
 私は何が言いたいかというと、もし価格が日本農業の一番のネックであれば、口に入る食の部分は、品種改良も含めてこれからきちっとやっていくにしても、やはりたくさんつくって、生産量を上げて、新しいニーズをつくっていく。これは、もう既にお米屋さんが中国産やアメリカ産をみずから入れて、それがある一定程度スーパーマーケットでも売られているという実態から見ても、これからそういうふうなことが当然起こってくるでしょう。
 でも、そのときに、たくさんつくって、マーケットがあるというのは多分この二つしかなくて、一番は飼料米、そしていわゆるエネルギーに使うというふうに思っています。これはいろいろな統計があると思いますけれども、やはり五倍の価格差でこわければ、五倍の収量を上げる努力がどうできるかということだと思うんです。
 櫻田副大臣、実は今、九州大学がバイオ燃料原料になるトウモロコシ、サトウキビの光合成フル回転で成長を三割増にしていくという研究開発をしているようです。あわせて、これは少し時間がかかるようですけれども、人工光合成という形で、新しく、太陽の光と水を原料として水素やアルコールをつくっていくというふうな技術開発も実はされています。やはりこれからの日本の農業が、少なくとも農地というものを守っていくのは基本的なものとして、そこに資本が投入されなければ再生産ができないというのは当たり前のことなんです。
 一つだけ。大臣、医福食農連携というのをまとめた冊子を見せていただきました。非常にいいことだと思います。医も福祉も、これから高齢化が進めば需要が拡大していきます。ですから、拡大し、安定した需要というところに食料生産、農業というものをどう位置づけるかというのは、ある意味で非常に正しいと思います。ですから、もう一歩踏み出して、多収穫米や多収穫トウモロコシや多収穫サツマイモとか、そういうものをもっと熱心にやってもらいたいんです。
 これは、近畿大学でも鈴木先生が数年前からその研究をし、もう鹿児島では芋発電というのをやっていますよね、副大臣。芋発電をやっているんです。でも、それは価格の問題なんです。価格が安ければ、日本じゅうの耕作放棄地を幾ら使っても、少なくとも芋発電に使える。あと二十分の一にしたいというのが鈴木先生のお考えだそうです。ですから、それは価格差だけなんです。
 ですから、一挙に二十倍つくれというのではなくて、例えば二毛作をすればまず十分の一になるし、そして東京農工大学で、ブドウの三毛作、四毛作、一年に三回とれるよう、ブドウの品種改良を今しています。ですから、そういうたくさんつくるというところで単価を下げるというのは、その前提がなければ。
 大臣がせっかくおやりになっていただいた医福食農連携というのは私たちのときも実はやったんですが、ここまできれいにまとめることはできませんでした。ただ、先ほどの和食の世界無形文化遺産についても、実は今青森にいる当時の田名部政務官が非常に熱心にやって、去年の三月にユネスコの方に提案書を出したということなのです。
 僕は、どこの政権がどうとかじゃなくて、特に食、農にかかわる部分は、与野党を問わず、やはり建設的に議論をし、そしてその中で、大臣、いいものをやり切っていくということしかもうないと思うんです。
 これから減反政策を本当に廃止するということであれば、その前提条件もつくらなきゃいけませんし、ぜひ大臣、多収穫米や多収穫農産物というものを、もっと文科省にも、共同研究云々と言わずに、予算をきちっと投入しながら、やはり、素材になるものはいっぱい大学が持っているはずなんです。それを引き出してやるのが農林水産大臣の役割でもあると私は思っているのです。
 これは以前から農林省と文科省が事務方でも話をしていますが、なかなか進みません。幾つかのシーズ、特におもしろいシーズについて、大臣のリーダーシップで、私の尊敬する櫻田副大臣も連携をしながら、ぜひそれをやり遂げてもらいたいんですが、いかがでしょうか。
○林国務大臣 大変建設的な、興味深いお話をいただきまして、先ほど、一〇〇を切っているものは需要があるんだというような、大変、目からうろこの話でございます。
 私も、この間、山形県へお邪魔したときに、ある豚をつくっていらっしゃる方が、やはり米を食わせた方がうまい豚ができるんだ、こんなようなお話をして、かなり大きな契約栽培で、飼料用米、豚に食わせる飼料米専用の田んぼというのに連れていってもらいましたが、こういうところ、すなわちカロリーベースでいうと、餌が自給されていないのでという部分がまだあるわけでございますから、こういうところをどうやって品種改良で補っていくかということは非常に大事なことである、こういうふうに思っております。
 例えば、飼料米に適する多収品種では、海外の多収インド型品種と日本品種の交雑をやって、七百から八百、これは玄米ベースでございますが、きたあおば、北陸193、モミロマンですか、先生は御専門ですからよく御存じだと思いますが、寒いところから暖かいところまで、いろいろなところに適合したものをつくっているということでございます。
 それから、餌米でいうと、今、十アール当たりの玄米で一トン以上になる飼料用米品種の開発もやっている、こういうことでございますので、一〇〇になっていないところをどうやって数字を上げていくかということにしっかりと取り組んでいきたいと思いますし、私も尊敬する櫻田副大臣、いらっしゃっておりますので、しっかりと文科省にお願いして、この分野は非常に、ある意味では大きな潜在力を持っているということですから、研究開発に対する投資というのは、会社でいえば先行投資でございますので、大きなリターンが見込まれるよということで、櫻田副大臣、下村大臣にもしっかりとお願いをしていきたい、こういうふうに思っております。
○後藤(斎)委員 大臣、口に入るものは、今のおいしいものを堂々と手をかけてつくっていただく、そうではないものは、済みません、TPPは後で時間があったらお聞きしますけれども、多分減反の部分でいえば、何となく、TPP交渉が進んで関税化も可能性がありだなということで減反廃止みたいなことが出てきたような、この数週間の、私の、報道だけしか見ていない人間の思いなんです。
 大臣、実は米の減反政策というのは、もう四十年以上前から続き、そして、それも需要に応じたというところから当然始まっているわけです。需要が、消費が減退をするから、それにつくり過ぎた部分が過剰になって、政府が全部買い切れない、財政負担も上がるということで、米の減反政策というのは四十三年前から始まったということです。
 この間、消費は一貫して下がり続けました。特に、ウルグアイ・ラウンドの後の、ミニマムアクセスをつくり、そして、七〇〇%以上かけて関税化をしても、米の国内価格は下がり続け、国内生産、消費量は下がり続けました。消費者の方から見れば小売価格が下がったので、当然プラスもありました。でも、その小売価格が下がったから、消費はふえていないんです、大臣。ここが、米が非常に難しいところ。
 野菜であれば、台風で野菜生産地がやられた、そうすれば供給量が足りない、市場の競りをすれば上がる。ですから、この一カ月くらいは野菜は非常に去年に比べて高いです。それは、消費者の方はきちっと自然環境の中でということで、不承不承の部分もあるかもしれませんが、のみ込んでもらって、消費をして野菜を食べています。米は、だから違うんです。
 ですから、米は、できるだけ早く多収穫米というものをつくっていかなければ、二割、三割では、大臣、実はだめなんです。価格差に対応できないんです。ですから、そこで二毛作、三毛作ができるようなフレームを、僕はそこに全部政府介入しろとは言いませんけれども、フレームをやはりつくっていくべきなんです。それがバイオの力かもしれませんから、文科省の持っている研究素材を使い切っていくということなんです。好きな研究をしていることもこれは大切なんですけれども、そうではないということを私もずっと言い続けていたんですけれども、なかなか現場は直りません。ですから、それはやり切っていただきたいと思います。
 大臣、やはり昔のように、農家の方から見れば、食管法があって、流通管理もし、政府米の価格も決まっていた方が安心してつくれたんです。でも、それを全部取っ払って一どきに丸裸にするということは、大臣、これは酷ですよ。少なくともこの数日間の新聞報道は、米の減反政策を農水省、政府・与党は廃止をしてしまえという前提で報道されているとしか思えないんです。
 大臣、この真偽はいかがなんですか。
○林国務大臣 とてもいい機会でございますので、今委員まさにおっしゃっていただいたように、報道しか見ていないとそういうふうに見えるという言い方をしていただいたわけでございますが、まだ我々として、もう全部、今委員の言葉をかりれば丸裸とおっしゃいましたけれども、そういうことではなくて、しっかりと選挙公約をしたことをやっていこうと。
 それは、経営所得安定対策の見直し、これに生産調整。私はどうも減反という言葉は余り好きではなくて、生産調整、水田フル活用ということを言っているわけですから、この言葉をいつも使っておりますが、経営所得安定対策の見直しということになると、これは生産調整とかかわってくるということと、もう一つの柱は、多面的機能に着目した日本型直接支払いの検討、これをずっと選挙でも訴えてまいりましたので、この検討をずっとやってきたわけでございますので、その総合的な検討という中で我々は進めてきた。
 産業競争力会議の方ではそういう議論があったということも聞いておりますけれども、これも我々としてはしっかりと受けとめながら、経営所得安定対策と多面的機能に着目した日本型直接支払いをきっちりと総合的にやっていきたいと思います。
 今おっしゃっていただいたように、この見直しに当たっては、やはり、私はここでも何度も申し上げておりますが、現場が混乱しないということが非常に大事でございますので、現場の方が安心を持って、そして中長期の展望を持ちながらやっていけるような仕組みをしっかりつくるとともに、その仕組みをきっちりと、ある意味では定着に丁寧に、時間も必要ならかけてやっていくということでやっていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○後藤(斎)委員 大臣、もしその議論を産業競争力会議なるものがするのであれば、TPP交渉が始まる前からしていただかなきゃいけなかったんです。
 TPP交渉が佳境に入り、先ほどお話があったように、今後の見通しというのはなかなか、大臣は全部開示はできないというスタンスをもちろんおとりになられるんでしょうけれども、十二月にもまとまっていくんであろうという報道が、これも報道ですから、報道機関の皆さん方がどう報道するかはまた別の問題として、それがあった中で、二週間ほど前にその会議の委員の方が出したものがひとり歩きをして、生産調整、米の減反政策廃止だと。これは余りにも乱暴だ。メディアしか情報がない人は、当然連動して政府・与党は考えているんだというふうに思うのは当たり前ですよ、これは。
 ですから、今大臣がおっしゃったようなことが本当に事実であれば、これは拙速じゃなくて、いつまでにやるという目標観というものが、何かばたばたっと今月末にもうまとめちゃうということを、だって与党の皆さんや政府の中でお決めになっているんでしょう、これも報道ですけれども。
 だって、この四十年の中で、大きく、大臣、政策転換を半月や一カ月でやっちゃだめです、これは。むしろ、大臣がきちっと、六月の私の議論の中で、私は実は生産調整というものをなくしていきたいと個人的には思っています。
 ただ、その大前提として、私は、収入保険という、農家の方がどの品目を、どの農産物をどの地域でつくろうが、自分の経営体力に合ったものをつくって、少なくともこのくらいの収入が確保できればいいなというものを当然念頭に置いてやっているわけですから、そういうフレームがいわゆる収入保険方式で出てくれば、僕はそれが大前提になった議論をするんだったら幾らでも構いません。ただ乱暴に、その地べたの部分だけ全部自由にしろ、もう流通規制も買い入れ規制も全てのものをなくしながらやるというのは絶対だめです、それは。
 メディアの皆さん方は過保護農政と言いますけれども、確かに保護をしています、日本の農業は。ただ、それは過保護ではないんです。せざるを得ないような状況、そして景観や国土保全という機能を持っているということは、これはこの委員会の委員の先生方は全てそう思っているはずなんです。国民の全ての皆さんがそう思っているはずなんです。だから瑞穂の国なんです、日本は。
 大臣、私はそういう収入保険をやるという明確な意思表示を大臣も二、三日前に記者会見でしてくれたそうなんですが、それをまずやる、設計を必ず品目横断でやるということを言っていただいて、そして減反政策というのは、生産調整でも別にいいですけれども、その上に立って議論をするんだというふうに明確に御答弁いただけますか。
○林国務大臣 たしか六月の十九日ですか、後藤委員からもお話があって、そのときもお答えをしたと思いますが、いわゆる収入保険制度のようなもの、これは自民党の、先ほど私が申し上げました公約にも検討をうたっておるわけでございます。やはり加入者の負担を前提とした保険の仕組みというのは非常に大事なものであるというふうに考えておりまして、農業共済制度、これは昭和二十二年から、これは委員御専門でございますが、やっておりますし、それから担い手経営安定法、これは十九年に導入したもので、米、畑作物の収入減少影響緩和対策、これもやってきたところでございます。
 共済制度の問題点を今るるここで申し上げることはいたしませんが、中期的に、農業経営全体に着目した収入保険導入についてやはりこれはやるべきだろう、こういうふうに思いまして、平成二十六年度の予算概算要求で調査費を要求しております。三億二千百万ほどでございますが、これを、設計をやはり検討していかなきゃいかぬ、こういうことであります。
 この設計においては、これも釈迦に説法でありますが、加入者の収入をどうやって捕捉するか、こういうこと、それから過去のデータを踏まえて保険料や保険金、こういうものをどうやって設定していくか、こういうことについてやはり十分な検討が必要であって、一定の期間の検討というのが必要になってくると思っております。
 前段のお尋ねですが、先ほど申し上げたように、経営所得安定対策の見直し、それから多面的機能に着目した直接支払い、もうずっとこの二月から検討してきておりまして、そもそも、もう政権交代したんだからことしからやるべきじゃないかという意見もある中で、それは現場が混乱するだろうということで、ことしは名前を変えさせていただきましたけれども、大枠、先生方がおやりになった仕組みの上でやってきておりますので、これでも遅いとお叱りを受けるところもあるわけでございますので、二月からずっとやってきて、しっかりとこれをやっていきたい。
 その中で、今おっしゃっていただいたように、収入保険の検討というのも来年の概算要求に入れさせていただいた、こういうことでございます。
○後藤(斎)委員 大臣、私がいつも言いたいのは、どの政権が何をやったからいい悪いじゃなくて、それは一つの大きな時代の流れとしてやむを得ない部分があると思います。
 ただ、私の持論でもあるんですけれども、やはり収入が安定する、収入がこの程度だと思うことで農家の方が現場で頑張れるんです。ですから、その環境をつくることがなぜ遅々として進まないのか、僕はよくわからないんです。それで生産調整、減反廃止ということがどんどん出て、過保護だ過保護だと言って、メディアからたたかれるというのはどうも納得がいかないんです。
 ですから、委員長にぜひお願いをしたいのは、この生産調整、減反をめぐる状況と、そしてTPPの問題、後ほど玉木さんも話をすると思いますが、農業団体の中央会の会長を初め、町村会、地方の首長さんも含めて、集中審議をこの場で必ず時間をとってやることを委員長にぜひお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○坂本委員長 後日、理事会で協議いたします。
○後藤(斎)委員 時間がなくなりましたので、以上で終わります。
 ありがとうございます。
○坂本委員長 次に、玉木雄一郎君。
○玉木委員 民主党の玉木雄一郎です。
 きょうは、TPP中心に質問したいと思います。
 TPPの担当の政務官であります小泉政務官にもお越しをいただいておりますので、まずお聞きをしたいと思います。
 小泉政務官は、復興担当の政務官でもおられます。何度も被災地に足を運ばれておられることはメディアでもよく承知をしておりますけれども、被災地は農林水産業が大変盛んな地域であります。私の地元もそうです。今、地元を歩いていますと、先ほども話がありましたいろいろな農政の大転換が出てきておりますけれども、やはり、TPPも年内に妥結だという話が連日のように報道されていて、大変現場は不安、心配を持っています。特に、それは被災地でもそうだろうというふうに思います。
 まずお聞きをしたいのは、TPPを推進していく立場でもあると思うんですが、被災地の復興に対して、TPPはそもそもどういうプラスの影響があるのか、どういった影響があるのか、政務官のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○小泉大臣政務官 ありがとうございます。
 被災地の方のTPPとの関連ですけれども、先週も宮城県の沿岸部をずっと回りまして、例えば今、亘理の方ではイチゴ団地と言われる大変大きな水耕栽培でのイチゴを始めました。宮城県でオリジナルの「もういっこ」という品種をつくりまして、宮城県でのオリジナルのイチゴがようやく初出荷を迎える、そういったことになりました。こういったさまざまな、今までの被災地ではなかったような取り組みも後押しをしなければいけない。それが復興庁としてもやらなきゃいけないことだと思っています。
 その関連で、私は、内閣府の政務官としても甘利大臣のもとでTPPや産業競争力会議も担当していますので、今の御質問に答えるとすれば、年内の妥結に向けて日本が交渉の中で役割を果たす、そういった思いの中で、それが国益をしっかりと守ることにつながるんだ、そしてその国益の中には被災地の復興も含まれる、そういった認識でいます。
○玉木委員 いつも歯切れのいい小泉政務官ですが、今は少し歯切れが悪かったように印象を持っています。
 イチゴの話をされました。私も亘理町は何度も行きました。施設園芸は関税率も低いです。問題は、土地利用型作物と言われる米、麦、大豆。こういったことをどう考えていくのかといったことは、また施設園芸とは違った観点が必要だというふうに思います。
 まずお聞きをしたいのは、自民党のJ―ファイル二〇一三には、農林水産分野の重要五品目等の聖域を確保するというふうに書かれていました。これは何度も予算委員会等でも取り上げられましたけれども、甘利担当大臣は、十月二十二日の予算委員会でこの聖域に関して質問をされて、具体的に聖域を日本として特定したことはないという答弁をされています。聖域が特定されないと、今政務官もおっしゃった、何を守るのか、全くわからないと思うんですけれども、いま一度、今政府として考えている守るべき聖域とは一体何なのか、お答えください。
○小泉大臣政務官 きょう委員の方からもお配りのこの資料の中に甘利大臣の発言もありますが、この五百八十六品目というのが聖域なのか、そういったペーパーの方が……(玉木委員「いや、聖域は何なのかとまず聞いているんです」と呼ぶ)
 聖域の方は、委員が今御指摘をされた自民党のJ―ファイルの中にも聖域を守ると書いてありますが、今まで政府の方から五百八十六品目と特定したこともありません。
 ただし、守るべきものを守る、それが国益につながりますので、そういった方向でしっかりと交渉の中で努力をしていきたいと思います。
○玉木委員 いや、政務官、私、五百八十六品目については聞いていません。まず、聖域が何なのかということを……(発言する者あり)いや、あえてこれはTPP担当部局に聞いています。農林水産大臣とは、林大臣とは何度もやらせていただきましたけれども、甘利大臣がお答えになっている、聖域については我が国として特定したことはないというふうに言っていますけれども、一方で、自民党のJ―ファイルでは、重要五品目等の聖域を確保するというふうに書いております。
 もう一度お聞きしますけれども、守るべき聖域とは何ですか。
○小泉大臣政務官 たびたびで大変恐縮ですけれども、政府として、今交渉を進めている段階において、日本は非常に重要な役割をこの交渉の中でも担っています。そういった中で、少しでも交渉の中で日本が不利益をこうむるようなことがないように、本日の委員会も含めて対応しなければいけない。そういった立場は委員も御承知だと思います。
 そういった中で、聖域とは何なのかと言われれば、守るべきものを守るのが聖域である、そういった認識でいます。
○玉木委員 いや、お答えいただいていないと思います。
 少なくとも、これは自民党の先生も含めていらっしゃいますけれども、衆議院、参議院の農林水産委員会で、この資料の裏側に大きくつけていますけれども、我々は、院の意思として、立法府の意思として、この農林水産委員会の決議というものをまとめたわけであります。そこには、一で、米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物など例示があるわけでございますけれども、こういったいわゆる五品目については、先ほど私が申し上げました自民党のJ―ファイルにも同様の記載がありますし、こういったことが確保できない際には脱退も辞さないというところまで書かれています。
 改めて聞きます。守るべき聖域は何ですか。
○小泉大臣政務官 はっきり言えたら楽なんですけれども、交渉というのはなかなかそういうわけにもいかないものですから。
 聖域というのは、衆議院、参議院のこの委員会で決議をされたこと、そして、自民党の方でTPP対策委員会でされた決議も三月にあります。その中には、委員がおっしゃったような品目が項目として挙げられていることも承知をしていますので、そういったことを念頭に置きながら、政府としてはしっかりと交渉をやっていきたい、そういう思いです。
○玉木委員 皆さん、お聞きになって、どうですか。地元で、これは与党の先生方も含めて質問をされていますよね。私もそうです。一体何を守るのか。昨年の衆議院選挙、そして本年の参議院選挙も含めて、これはやはり守ってくれるという期待が、被災地の方も含めて、農家の皆さんにはあると思います。
 私は、総務省に登録されているのが公約だとか、そこに書いているから、書いていないからではなくて、今、将来に対して不安を感じている農家の思いに対してどれだけ正面から誠実に向き合うことができるのか、政治が問われているんだと思います。そのことに対して、言葉でごまかしたり、レトリックを駆使したりすることを農家の方は求めていないと思います。
 そこで、改めてお聞きをしたいと思いますが、重要五項目については、やはりこれは守るべきものだと思いますし、ここにいらっしゃる農林水産委員の皆さんは、この認識は同じだと思います。
 その上で、次の質問に移りたいと思いますけれども、きょうお配りしている資料の中に、いわゆるタリフラインという、この五項目を細分化したものがあります。いわゆる関税率表というところに出てくるものでありまして、これは農林水産省からいただきましたので正確な数字だと思いますけれども、いわゆる五百八十六品目というのは、米であれば五十八あります、牛肉であれば五十一あります、こういったいわゆる重要五項目に該当するものを足すと五百八十六になるということだと思います。
 そして、西川TPP対策委員長、御党の委員長でありますけれども、この五百八十六品目等の一部が関税撤廃の対象にならないかどうか検証するということを発言され、実際、甘利大臣も二十二日の予算委員会で、精査の作業をされていることはよく承知している、党から資料要求等があれば協力をしていきたいというふうに述べておりますけれども、お伺いしたいと思います。
 この五百八十六品目の詳細情報について、甘利大臣がおっしゃるように、西川対策委員長には情報を出しておられるんでしょうか。
○小泉大臣政務官 委員お尋ねの西川委員長に対しての情報提供、そういったことですけれども、これは自民党の検証にかかわることですので、政府としてはお答えできません。
○玉木委員 二十二日の予算委員会で甘利担当大臣は、精査の作業をされていることはよく承知している、党から資料要求等があれば協力していきたいと述べておりますけれども、担当部局から、あるいは大臣から資料を出しているのかどうか、このことについてはお答えできませんか。
○江藤副大臣 西川委員長のもとで検証作業が行われているというふうに私も仄聞で聞いてはおりますが、農林水産省として資料を提供しているということはございません。
○玉木委員 五百八十六品目は、ここでちょっと説明を省きましたけれども、これまで関税撤廃の対象になっていない、そういったものを全部集めると九千近くある、農林水産関係だけで八百三十四あって、その中からさらに絞り込むと、いわゆる重要五品目に関係する細目が五百八十六あるということであります。
 農林水産省から出ていないことは、今副大臣からよく答弁をいただきましたのでわかりましたけれども、この五百八十六品目が一体何なのか、このことについて出さないと、西川委員長も検証できませんよね。牛タンが外れるとかそういったことをよく新聞では見ますけれども、この五百八十六品目が何なのか。
 これは、私は外交交渉にかかわる情報じゃないと思います。客観的に関税率表を見れば、しっかり集めれば、数は多いですけれども、出てくる話なので。これについて、西川委員長に出しているかどうかもお答えできないんでしょうか、どうですか。
○小泉大臣政務官 西川委員長は自民党の方の対策委員長でありますので、その党の検証作業のことについて政府としてお答えすることは、申しわけありませんが、できません。
○玉木委員 随分歯切れが悪いですね。では、ちょっと違う観点から聞きます。
 この五百八十六品目が何なのか。それを譲ろうとしているのか交渉材料にのせようか、そういう情報は要りません。五百八十六品目はこういうものですよという客観的なデータは、決議をしたこの農林水産委員会に出していただけますか。
○小泉大臣政務官 今の御質問ですけれども、この委員会で五百八十六の品目をしっかりと出してくれということですけれども、この内訳は、農水省の方で決められた五百八十六ですので、そこに関しては、私たちとしては、農水省とそして政府の対策本部とで、交渉上、これを公にすることは不利益になる可能性もある、そういった認識を共有しています。
○玉木委員 どうして不利益になるんですか。
 これは関税率表上のデータであって、過去、関税が撤廃されていないものを集めて、我々の農林水産委員会でも決議をした五項目にかかわるものとして、それを単に列挙していただければいいんです。それさえも出せないんですか。
○林国務大臣 先ほど来、内閣府の小泉政務官からも御答弁しているとおりでございますが、ここで我々が政府として申し上げれば、それは相手にも伝わるということを森山先生のときに申し上げました。
 したがって、委員も五百八十六の、例えば米が幾つ、麦が幾つという表は多分お持ちだ、こういうふうに思いますし、それは我々共有をしております。そこから先に、どれがその五十幾つに該当するのかという詳細をお示しするということになりますと、今、小泉政務官が答弁したように、交渉上、不利になるおそれがあるということで、その内訳をお示しすることは控えさせていただきたい、これが我々の考え方でございます。
○玉木委員 納得できません。
 一定の政策的な意図が入っている資料なら、それは当然、私も外務省にいましたから、外交交渉にもいろいろな形で携わったことがあります、よくわかります。しかし、客観的に関税率表の中にあって、そして、これまでかつて関税を下げたり抜いたことがないようなものについて、この五百八十六というこれをつくっているわけでしょう。これを出してもらいたい。
 そのうちどれを譲るか譲らないかは、それはもう政府の一義的な判断で決めるものだと思いますけれども、もっと言うと、この五百八十六は、外国であっても、一般人であっても、誰であっても、作業さえすればある程度は絞り込んでつくれますよ。
 このことも出せないんですか。もう一回答弁してください。
○林国務大臣 したがって、今委員がおっしゃったように、これは公表された一ライン、こういうラインがあって、これはどういうものであるというのは、輸入をやったことがある人ならわかるように、これは公表された当たり前の情報でございますが、我々が、米といった場合に幾つあるか、それがこれとこれとこれであるということを指し示すことが交渉に不測の影響を与えるのではないか、そのことを先ほどから申し上げているわけでございます。
 逆に言えば、玉木先生から、このラインについて例えば関税率や輸入実績を示せ、こういうことであれば、そのラインについては客観的な数字がございますので、そういう数字をお示しすることはできる、こういうことであります。
○玉木委員 出していただけない理由がまだわかりません。
 公表された資料ですよ。そこから実際こうやって五百八十六ということを資料までつくられているんです、これは政府が。私がつくったんじゃありません、これは。この内訳、例えば米の五十八が何ですかということを客観的に教えていただきたい、それを並べたものを教えていただきたいということを申し上げているんです。
 もっと言うと、それがなければ、少なくとも、自民党で西川委員長は検証できていないですよね。だって、何がこれに入っているかわからなければ、検証不能じゃないですか。それは、検証していることを甘利担当大臣は認め、そして、資料を出すことについてはやりますということを言っているわけですよね。では、与党には出すけれども、野党には出さない、そういう整理なんですか。それならそれで、言ってもらったらいいんです。でも、今の答弁ではそうじゃないですね。ないですね。
 ちょっと、これにちゃんと答えてもらわないと、私はこれ以上質問できませんよ。
○林国務大臣 委員もお持ちの、米が五十八、小麦、大麦百九、これは皆さんお持ちでございますから、これは与野党の違いはございません。
 したがって、我々が、米は五十八ある、こういう資料をお示ししておりますが、これが具体的な関税表の中でどのラインになるのかということを示すのが交渉に不測の影響を与えるという判断を我々がしているということでございます。
 委員御案内かもしれませんが、このタリフラインを見ていただきますと、いろいろ細かく分かれているわけでございますので、我々としてこれを米として数えているということが交渉相手に伝わる、このことが不測の影響を与えるということを考えている一つの理由ということであります。したがって、内訳をお示しするわけにはいかない、こういうふうにお答えをしております。
○坂本委員長 時間が経過をいたしております。質疑を終了していただきたいと思います。
○玉木委員 答えていただいていないので、質問を終われないと思います。
 皆さんも、さっき笑っておられましたけれども、このTPPの異常なほどの情報の秘匿性について、年内に妥結しようとしていて、これで本当にいいんですか。
 それと、我々はそう判断しましたということを言いましたけれども、今ちょうど特定秘密保護法案が議論されていますけれども、こんな曖昧な理由で秘密なんだと言われたら、何でもかんでも恣意的に秘密になって、出てこなくなるじゃないですか。
 私も外交のことはわかります。ですから、外交の機微に触れることまで出せと言っているんじゃないんです。世の中に、誰も知っている、今も五百八十六ということは出ていて、これが細目は何かという、その表だけ出してくれと言っているんです。それさえ外交上の秘密で、本当に出せないんですか。
○林国務大臣 ですから、先ほど来お答えしていますように、我々として、特定のラインが米に当たるという判断をしているわけでございますので、その判断のところは、先ほど委員がおっしゃるように、客観的な情報と我々の判断という部分が分かれるところでございますので、委員からそういう御質問があったので、あえてお答えをしたわけでございます。
○坂本委員長 申し合わせの時間は既に終了しております。そこで、質疑を終結いたしたいと思います。
○玉木委員 最後に一言だけ申し上げますが、外交上の、非常に手のうちを明かすようなことになるので出せないという御説明でしたよね。政務官、それはいいですね。ということは、この五百八十六のうち、一部は譲る可能性があるということを前提にしているから出せないんですよ。つまり、この五百八十六の細目については、その一部については関税撤廃の対象になる、そういうことが前提になるから出せないんですよ。そういうことでしょう、論理的に言うと。
 こういう秘密交渉を続け、そして、国会の決議として、我々として七に書いています、「国民への十分な情報提供を行い、幅広い国民的議論を行うよう措置すること。」ということが入っているにもかかわらず、これほど情報を出さないようなことを続けて、我が国国益を守れる、冒頭申し上げました、被災地も含めて農家の方は将来に対して不安を感じています。本当に彼らの気持ちを納得させる、国益を守れる交渉ができるのかどうか甚だ疑問でありますので、情報公開をもっと進めることを強くお願いして、質問を終わりたいと思います。(林国務大臣「最後に一言」と呼ぶ)
○坂本委員長 林大臣、簡潔にお願いします。
○林国務大臣 その思いは共有しております。したがって、ゆえに、交渉上、不測の、我々が不利になるようなことはここでは控えさせていただきたいということを申し上げました。譲るということを前提にして申し上げているわけではございません。
○玉木委員 終わります。
○坂本委員長 それでは、次の質問に移ります。
 畑浩治君。
○畑委員 生活の党の畑浩治でございます。
 本日は、まず、いわゆる新マルキンについて議論させていただきたいと存じます。
 平成二十二年度から行われておりますこの新マルキン、正確には肉用牛肥育経営安定特別対策事業というわけですが、これは基本的には、全国一律で経常収支を算定して、収益性が悪化した場合には補填金が交付されるというシステムであります。
 実は、それによって肉専用種が一本になっているというのが今の新マルキンでして、従来は、地域の肥育牛の飼育状況を勘案して、品種区分は可能であった。いわゆる地域特定品種を分けることができたわけです。
 岩手県の場合には、日本短角種が従来設定されていたということになります。これが肉専用種一本になると、いわゆる日本短角種なんかの地域特定品種は、御存じのとおり、経営安定を図ることが困難になるわけですね。拠出金も肉専用種一本に引っ張られますし、補填の場合も、結局、赤字の補填割合が下がってしまうということになります。
 地域を回っていますと、そこにかなり改善の要望がありまして、肉専用種一本ではなくて、地域特定品種、これは日本短角種だけではありません。熊本なんかだと、褐毛和種、いわゆる赤牛がありますね。こういうものも含めて地域のそういうのがあるわけですが、ここは現場の意向を踏まえまして、そういう地域特定品種を救うような形で制度を見直すべきだというふうなことはいかがでしょうか。ちょっとその点をお伺いしたいと思います。
○江藤副大臣 お答えさせていただきます。
 政権交代をして全国一律のマルキン制度ということになったんですが、自民党政権時代は地域マルキンが認められていて、いろいろな議論がありました。宮崎は地域マルキンを利用しておりまして、都合のいい数字ばかり出しているんじゃないかというような批判を浴びた時代もあります。
 政権交代後の一つのお約束として、地域の自主性も生かすということで、地域マルキン制度に実は戻っておりますので、褐毛の話もしていただきましたけれども、そうした地域特定品種、今おっしゃった短角、そういうものも現行制度のもとで地域算定に取り組むことは可能となっております。
 ただ、その条件として、客観的に、批判に耐えられるように、八割程度の数字を出していただくということが条件になっておりますけれども、ぜひ、地域でもお取り組みをいただいて、この制度を利用していただければというふうに思います。
○畑委員 まさに地域算定のモデル実施のメニューがあることは私も知っております。
 ただ、それはハードルが高いんですよね。つまり、今八割とおっしゃいましたけれども、論理的には分けられるわけです。そして、各県を見ても、地域特定品種を入れて算定する県もありますが、地域特定品種を単独に分けているわけではない。なぜかというと、八割をとるのが難しいからです、そこの地域特定品種だけで。地域特定品種をとる場合に、素畜費とか市場取引価格の八割以上ということだと思うんですが、そこの取引価格が難しいんですよね。透明で客観的な価格づけが必要だと言われております。
 これは市場価格じゃなきゃいかぬのだろうと思うんですが、こういう日本短角種なんかだと、相対取引が多い。だから、そこで客観的な値づけ、取引価格ではないと言われてしまう。八割をとれていないと言われてしまうわけです。もし、この制度によるとした場合には、その値づけというか価格のとり方を柔軟に見なければいけないんだろうと思います。
 過去の経緯があるのは知っておりますけれども、例えば相対取引がいかぬのは、価格に客観性がない、勝手に地域でやっているんだろうということになると思うんですが、であれば、相対取引を前提とした上でも八割のとり方はあるんだろうと思います。
 例えば、客観的な相対取引。例えば、岩手から出荷する場合には、地域の中だけじゃなくて、大地の会とか生協とかインターネット販売とか、あるいは業者の流通に乗って出しているものもあります。そういう価格をとっていって、まあ、そこで八割にならないという議論もありますが、八割にならないとすれば、そういう価格を中心に構成しながら補正すればいいんじゃないでしょうか。
 そういう価格の値づけの方法というのを工夫すべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
○江藤副大臣 先生、お気持ちはよくわかるんですよ。お気持ちはよくわかるんです。非常によくわかります、私も畜産をずっとやってきた人間でありますから。
 しかし、今お話がありましたいろいろな、相対も含めて透明性が確保されないと、この事業に乗っていただくのはなかなか難しいです。前向きに検討しますという答弁を私はきょうは実はしたいなと思っておって、部内でも若干勉強もさせていただいたんですけれども、現状の状況のもとでこれはいけますよということはちょっと難しいと思います。
 今、くしくも言っていただきました、価格をとらなければなりません、いろいろなデータをとって。それが八割に到達するというのがやはり一つのルールでありますので、ここはやはり地域で、県畜産協会だけじゃなくて、あらゆる関係する方々とぜひ御協議をいただいて、そこを目指して御努力いただくということでいかがでございましょうか。
○畑委員 今八割とおっしゃいましたが、八割は難しくないんですよ。当たり前です。だって、実際取引しているんだから。その八割が、客観性がないと言われることが問題なわけです。八割をとる場合に、そこは客観性がある価格だという構成をしていただけないかということを申し上げているんです。
 つまり、地域内でやるのは客観性がないと言われるのはわかりますが、今度は、全国に卸しているものが客観性がないと言われたら、市場取引はおかしいんだと思うんですが、客観性のある価格というのはどういうものかというのを答弁いただけますでしょうか。
○江藤副大臣 これは非常にコアのお話になってくると思います。市場を通しているのであれば客観性はあるのだ、しかしそれが全体流通分のどれぐらいのロットを占めているのかというところが議論の対象になるわけでありまして、この部分については市場をきちっと通して価格が把握されているから客観性がある、一部については確かにそうかもしれません。全体像にとって、それがどれぐらいの割合を占めているか、そこが議論されるところでありますので、そこのところは御理解をいただきたいと思います。
○畑委員 まさに、どれぐらいの割合がそういう取引を占めているのか、そこの部分を考えながらやっていくべきであって、八割全部がそういう客観性のある市場取引をしていろというのは、私は酷だと思いますよ。
 岩手県の方は、そこの部分は単独事業でやっておりまして、岩手県の場合も、これは当然公費が入るわけですから、その価格というのはそんなにいいかげんなものをやっているわけではないと思います。
 そこのとり方を含めて、ちょっと議論はかみ合いませんが、今後、価格のとり方、あるいは客観性があると言えるのかどうか、そしてそれが何割ならいいのかというのは議論を深めなきゃいけないと思いますので、引き続き、議論をよろしくお願いします。
○江藤副大臣 先生のおっしゃることはごもっともだと思いますので、地域算定について、地域の実態がより反映される、地域の独自性が生かされる農政というのは我々が求めている農政の姿でありますので、今後、価格や生産コスト等の調査、これは必要になってきます。こういうことについては、ぜひ県の方から、具体的にこういうアシストであるとか支援であるとかアドバイスであるとか、そういうものが必要だという御要望を上げていただければ、全面的に我々としては御協力させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○畑委員 そこは、まさに価格のとり方がどうあるべきかという根本的な議論も含めて、引き続き、議論させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それで、この議論をしましたのが、いわゆる牛というのは、黒毛和牛、サシが入ったものが競争力があるんだ。大臣も攻めの農林水産業とおっしゃいますが、実はそういう競争力、黒毛和牛と違う部分が田舎ではあるということも含めて議論しなければいけないと思っているわけでございます。
 環境時代に即したヘルシーで低コストな肉ということで、これはブランド化も含めて、どうやって販路拡大してやっていくかということは課題だと思っておりますが、そこに当たって、今の和牛というのは、格付規格は脂肪交雑を重視した格付になっております。これはこれで価値はあるわけで、いいとは思うんですが、ちょっと別の観点の価値判断、ブランド化が必要ではないのかなという思いを持っております。
 例えば、これは赤身が多い肉ですから、格付等級も今のものじゃなくて、飼料や飼育方法に基づく独自の評価基準によって価値の差別化ができないか、ブランド化ができないかも含めて考えていかなければいけない問題だと思いますが、その方向性についてはどのようにお考えでしょうか。
○小里大臣政務官 お答えします。
 おっしゃるとおり、日本短角種などの特定品種、これにつきましては、例えば粗飼料の利用性が高い、あるいは良質な赤身肉の生産能力が高いといった特徴を有しております。その付加価値を生かして、しっかりと販売戦略としてこれを図っていくことが大事であると思います。
 このために、肉用牛経営安定対策補完事業におきまして、まず、日本短角種などの牛肉の特徴、ブランドイメージを明確にした生産、販売計画の策定をすることにしております。例えば計画販売です。特に、需要期の冬場にこれが出ていくような、そういった仕組みを構築していくことがまず考えられます。
 また、計画に基づく放牧地の利用拡大、能力の高い繁殖雌牛の導入、また、牛肉の特徴をアピールするための牛肉の成分分析等により、短角種などの特徴を生かした生産の取り組みを支援するということにしております。
 また、脂肪交雑以外の品質、霜降り以外の品質に着目をして、良質な赤身肉の需要を創出するためのニーズ調査、販路の開拓等を支援していくこととしております。
 平成二十六年度におきましても、品質、ブランド化など強みのある畜産物の創出を図るための支援を行っていくこととしております。
○畑委員 引き続き、ぜひともしっかりとした対応、支援をお願いいたします。
 それで、TPPとの関連で、ちょっと牛肉の部分の状況をお聞きしたいと思うわけでありますけれども、先ほど来議論があった、聖域とされる重要五品目の中に牛肉がある。これは聖域なので守られるだろうというか、しっかりと交渉していただけるだろうとは思いますが、関税が撤廃されたり関税が下がったりすると、黒毛和牛は競争力はあるかもしれない。しかし、短角種を初めとする赤身の肉、これはもろにオーストラリアなんかの外国産の肉と競合にさらされまして、大変なことになると思います。
 実はこういう赤身肉をつくっているところというのは、田舎の中山間地で、かなり条件のよくないところが多いわけです、正直言って。このようなTPPで競争にさらされて壊滅すると、単にこれは赤身肉の話だけでとどまらずに、集落が崩壊するというか、かなり集落の危機になる、維持できない、そういう悲鳴を、実はTPPの交渉の絡みで聞いているところであります。しかも、過疎地だし、零細的な酪農家が経営しているところが多いものですから、そこの心配がかなり高まっております。
 こういうことを踏まえてお伺いしたいんですが、牛肉の関税について、交渉はどのような交渉方針で臨んでいるか、そして今の交渉状況はどんなものか、改めて大臣から総括的にお伺いしたいと思います。
○林国務大臣 交渉の話の前に、赤身のお話がありました。
 私も、最近エージングビーフというのを食する機会がございまして、年齢のせいか、ちょっと脂肪交雑種が余りたくさん食べられなくなったということもございまして、これは、言ってみましたら、大変おいしゅうございまして、やはりいろいろな食べ方、外国でもやっておられるようですが、工夫をして需要をつくっていくということが、先ほど来御議論のあったことに加えても大事だ、こういうふうに思っているわけでございます。
 TPPについては、これは先ほども玉木委員ともいろいろ議論させていただきましたが、重要品目の聖域の中にしっかりと、米、麦、牛肉・豚肉ということで明記をしていただいております。
 したがって、先ほど森山委員のときにもお話をしましたように、相手国の関心というものはどの辺にあるのかということを丁寧に見きわめながら、しっかりと委員会決議を踏まえて、国益を守り抜くように交渉していきたい、この考え方は変わっておらないということを申し上げておきたいと思います。
    〔委員長退席、森山委員長代理着席〕
○畑委員 細分化しようがどうしようが、ぜひとも牛肉全体で守るということでよろしくお願いしたいと思います。
 TPPの議論について、私の立場から、引き続き議論させていただきたいと思います。
 牛の話とはかわりまして、重要五品目の中の検討をこれからしていくか、していかないか、これは議論が分かれたし、かみ合わない議論がきょうは続いたと思います。全体の話ですが、重要五品目の中で仮に検討するとすれば、報道ベースでよく言われているのが、加工品、調製品、これは今輸入の数量が少なくて、実害は少ないんじゃないかということで、そこが可能かどうか検討していくというような報道もございます。
 これについて、結局、今はこういう加工品、調製品だから、そして輸入数量が少ないからいいんだという検討は私はされないと思いますが、そうなってしまうと、結局、米調製品と称して入ってきたものが米粉として使われる。あるいは、砂糖なんかもそうですね。砂糖製品が入ってきて、そしてそれを日本において精製して、より分けて砂糖にできる。今の技術だとできると思います。あるいは、ピラフ米として入ってきた半完成品が、米としてより分けて米製品になってしまう。いろいろあるんだろうと思います。抜け穴がたくさんある。だから、加工品、調製品だからいいということでは全くないし、これはアリの一穴になってしまうというふうに思います。
 この点、そういう検討がされるとすれば、その弊害はどうなのか、どうお考えになっているか、大臣にお伺いしたいと思います。
    〔森山委員長代理退席、委員長着席〕
○林国務大臣 これはたしか参議院の予算委員会でも、先生からもまた、あるいはちょっと記憶違いかもしれませんが、自民党の山田委員からもお話があったところでございます。
 一般論として申し上げますが、五品目の加工品、調製品の関税が、加工品、調製品ということで撤廃されたということになりますと、国内市場において国産品が安価な輸入品に代替される、こういうことが起きる可能性が出てまいります。したがって、加工品、調製品以外の品目の関税が維持されたとしても、原料としてのこれらの品目は需要が減るわけでございます、すなわち加工品、調製品が入ってきてしまう、こういうことですから。
 したがって、原料としての生産が減少して、結果として国内の農畜産業に影響が及ぶおそれがある。こういうふうに考えておりますので、そういうことも念頭に置いて、しっかりと交渉に当たっていきたいと考えております。
○畑委員 さすがは農林水産大臣としての真っ当な答弁だったと思います。
 一回そこを加工品、調製品だからいいといってあけちゃうと、まさにそういうことになると思います。一回あけると、もうそこはだめだと政府が指導したり、外国企業に対して指導できないだろうと思うんですよね、それはいいんだからと言われて。だから、そこを入れておいた上で脱法行為を指導するんだということも当然あり得ないし、そんなことはできるわけがない。だから、最初から入れるべきじゃない、そういう危惧がありますから。そういう形で検討されるのが本当に合理的だし真っ当だと思います。よろしくお願いしたいと思います。
 引き続き、TPPの議論でございますけれども、小泉政務官に来ていただいていますので、TPP全体の議論をさせていただきたいと思います。
 実は、守秘義務という部分、秘密保持協定の部分なんですけれども、協定発効後四年間は守秘義務がかかるとかなんとか言われておりますけれども、結局、これはメディアに対しては話しているわけですよね、秘密保持協定の内容を言えないと言いながら、発効後四年間は秘密保持ですよと。何回も新聞に載っていますからね。私も、役所からも聞いたような気がします。答えられないのかと言ったら、いや、四年間はだめなんですと。今さらちょっと、四年間答えられないという答えは私はないと思って期待しておりますが、これは問題だと思います。
 そこのところの事実はいかがでしょうか。そこからお伺いしたいと思います。
○小泉大臣政務官 畑委員には、被災地の方でも大変御尽力をいただきまして、ありがとうございます。
 TPPの今の秘密の保持の部分についてですけれども、日本が交渉参加をするときに、交渉参加国と、手続に基づいて、秘密保護に関する書簡を交換しております。その書簡の内容については、TPPの交渉参加国との信頼関係に基づいておりますので、その具体的な内容というのは、申しわけありませんがお答えすることはできませんが、先ほどの玉木委員の御質問にあったように、決議の中で皆様方から出されています情報に対する要求に対して最大限お応えできるように、政府としても丁寧に努力をしていきたいと思います。
○畑委員 実は、そこは何を明かせるか、明かせないかという議論は別途またしたいと思いますけれども、四年間明かせないという前提でちょっと議論したいと思います。
 四年間じゃなくてもいいんですが、協定発効後、一定期間明かせないとすれば、国会で協定文の審査は当然ありますよね。協定文の審査をする場合には、これは法律もそうですけれども、一義的に解釈が曖昧な部分が出てくるはずです、文書にした場合。そこの解釈がどうなんだと議論する場合には、当然、交渉経緯を聞かなければとても判断できない部分が出てくると思います。これは審査の常識であります。
 そういう場合には、そういう交渉経緯も含めて明かせるんでしょうか。お答えとしては、信頼関係があるとおっしゃるんだと思うんですが、特定の国名は出さなくていいんです。ただ、全体として、こういう議論があったからこういう条文になったということは言わなければ、とても審査ができないと思いますが、いかがでしょうか。
○小泉大臣政務官 今委員も、仮にこのTPP交渉が妥結をされた後の話だと思いますけれども、今のところ、この協定に署名した後、協定本体や附属書などが公表されて、それについて国会での御審議をいただく形になるのではないか、そういった形に考えております。
 なお、今委員から御指摘があった交渉の経緯、これについては、委員も今おっしゃったとおり、公表できること、できないこと、それはありますが、最大限努力をしていきたいと思います。
○畑委員 公表できること、できないことというのが、かなり委員会及び国会の議論でされていますが、端的にお伺いします。
 公表できること、できないことの基準は何なんでしょうか。
○小泉大臣政務官 その基準というのは、今どこまでお答えできるかわかりませんが、そういったことも含めて、まずは交渉の妥結に向けて、日本は国益のために年内妥結に向けて努力をするという、そういった方針を維持していますので、それに向けて最大限努力をし、仮に、委員がおっしゃるように、協定がサインをされ、その後国会審議に付される、そういった段階で、可能な限り丁寧に説明していきたいと思います。
○畑委員 今の基準、全くお答えになっていないです、小泉政務官。
 では、ちょっと質問をかえましょう、具体論で。
 この四年間の件を引き続き議論、また戻りたいと思うんですが、この四年間というか、秘密保持契約の内容、これはなぜ明かせないんでしょうか。
 これは玉木委員もきょう配付資料で配られておりましたし、私も予算委員会でニュージーランドの秘密保持に係る書簡のひな形をお配りしましたけれども、交渉過程だから明かせないというのは、百歩譲ってわかるかもしれないとしても、秘密保持協定がどんな内容になっているか、これを明かせないというのはなぜでしょうか。つまり、こういう内容になっているからここの部分は明かせないんですよと根拠づけに使えばいいんじゃないでしょうか、政府側の人は。そこを明かせないという理由は何なんでしょうか。お伺いしたいと思います。
○澁谷政府参考人 お答え申し上げます。
 鶴岡首席交渉官がマレーシアにおいて正式にTPPの交渉会合に参加する際に、確かに秘密保持協定、書簡にサインをしたわけでございます。国会でも御指摘いただいておりますけれども、ニュージーランド政府のホームページの中にそのひな形と称するものが掲載されていることは承知しておりますけれども、それが具体的な各国が署名した書簡と同一のものであるかどうかということについて、各国、いずれもそこは明らかにしていないものでございます。
 秘密保持協定あるいはその書簡の中で何が書かれているかということも含めまして、各国との信頼関係の中で現在交渉を行っているところでございますので、これは各国とも、いずれも、その書簡の内容も含めて、これは公表しないという形で対応させていただいているところでございます。
○畑委員 では、お伺いします。
 なぜ信頼関係が崩れるんでしょうか。一般的な信頼関係が崩れるということは、そういうお答えは結構です。出すことによって、秘密保持協定にこういう抜け穴が書いてあるとか、秘密保持協定はこうだからちょっとこれは日本から漏れたらまずいとか、何か一般的なものじゃなくて、具体的なところで致命的な信頼関係に係る部分があると思うんですが、もうちょっとお答えいただけますか。信頼関係がなぜ崩れるかというところのもっと具体的な根拠を。
○澁谷政府参考人 お答え申し上げます。
 私ども、交渉に参加した後、他の十一カ国といろいろな形で協議をさせていただきまして、具体的にどうした情報について、これは外に出すのかどうなのか、各国のさまざまな運用なり実態なりもお聞きしたところでございます。
 各国とも、サインをした書簡の中身につきましては、その中身まで公表するということになりますと、ほかのものも含めてどんどん公表すればいいではないかというようなことも言われるという心配をしている国があるのは事実でございまして、私どもとしては、他の国がそのような運用をしているんだということも含めて対応させていただいているところでございます。(発言する者あり)
○畑委員 どこの国が言っているんですかという声があって、そこも聞かなきゃいけないのでありますが、ちょっとこれはおいておいて。
 では、まず、農林水産委員会の決議というのは四月十九日ですね。秘密保持協定に署名したのはその後だと思います、七月に参加しましたから。
 決議の中で、国会に速やかに報告するということが書いてあります。こういうことを踏まえて署名したと思われますが、国会決議をどのように解釈しているのかということと、それから、審議になった場合に、出せるもの、出せないものはあるけれども、誠心誠意出すという精神論じゃ困るんです、国会の審議権、これを制約しますから。だから、そこは、そういうことだったら、とても手続上瑕疵が多くて認められないということの議論にもなっちゃうんですよ。
 だから、そこの国会の審議権を制約するものじゃないか、そこも含めてお答えいただけますか。
○澁谷政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど御指摘いただきました院の決議の中に国会への報告ということが書かれていることは承知しておるところでございまして、私ども、このような形で、先週の予算委員会も含めまして、先生方から国会で御質問があればきちんと御説明をさせていただいているところでございます。
 また、各ステークホルダーなり関係者の方々に対しても、恐らく他の十一カ国のどの国よりも丁寧に説明をさせていただいているつもりでございます。先生方の御質問等に対しては、これからも真摯に対応させていただきたいと思っております。
○畑委員 しかし、ニュージーランドとかアメリカはああいうことをホームページで公表しているのに、そのひな形さえも日本は云々をコメントできないというのは、私は公表のレベルが、いや、開示されているかもしれませんが、公表の内容の本質としては劣っていると思います。
 ここでまた改めて、ちょっと逃げられたようなので、やはり詰めておかなきゃいけないというのは、質問の原点に戻りますが、協定発効後、これは四年間とは言いませんが、何年間かはやはり秘密になっているんでしょうか。これは別に各国との信頼関係は関係ないですよね。国会審議にかかわることだし、ここは言ってもらわなきゃ困るのが一点と、そして、そうなっているとした場合に、国会の審議権との関係はどうなんだということをもう一回お答えいただけますか。
○澁谷政府参考人 確かに、サインをした書簡の中には一定期間そういう制約があることは事実でございます。ニュージーランドのホームページに載っているひな形には確かに四年間と掲載されているところでございます。
 また、先ほどから、畑委員の方からいろいろ御指摘いただいておりますけれども、この一定期間の中の制約というのは、交渉過程において、どの国がどういう提案をして、それに対してどの国が反対をして、結果的にこういうふうになった、そういうつまびらかな経緯については公表を控えるということでございます。TPPはWTOプラスと言われております。通常のWTOの協定にないさまざまな新しい協定内容が盛り込まれておりまして、例えば、これがどういう理由で、どういう目的で、何を狙ってこういう規定が入っているのかということにつきましては、国会審議の中で当然御説明をさせていただくことになろうと思います。
○畑委員 ありがとうございました。
 特定の国が、どういう国が主張して、どういう国が反対してだめになったかということは言えない、これは百歩譲って当然だと思いますが、そういう特定の国名を抜きにして、どういう交渉過程で、まさに今おっしゃったように、どういうやりとりの中でこういうふうな考え方に落ちついたか、そういう特定の国名を除いた部分で言うということは言うべきだと私も思っておりました。そういう答弁だったと理解させていただきます。
 国会決議は、改めて言うまでもなく、私たちは、例えば、守秘義務があるから出せないということじゃなくて、基本的には出すというスタンスの中で、しかし、外国との信頼関係があるからだめだという判断なんだと思います。
 最近の議論を聞いていると、いや、守秘義務があるからだめですという形で七割、八割来ちゃう。ちょっと思考の考え方が逆なんだろうと思います。民主国家における審査というのはそういうものですから、国会決議もこれありですから、そういうところを踏まえて、原則出す方向で検討する。
 しかし、守秘義務がかかっている部分は限定的な解釈で出さないようにするということは、私はそういう言い方の方が正しいと思いますが、そのことを申し上げまして、時間が参りましたので、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○坂本委員長 午後一時十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時十分開議
○坂本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。鈴木義弘君。
○鈴木(義)委員 日本維新の会、鈴木義弘です。
 午前中の質問に引き続きまして、多少、おなかがいっぱいになると眠くなるかもしれませんが、眠い質問を続けますので、ぜひリラックスして聞いていただきたいと思います。
 残念なことに、交渉中だから守秘義務があって情報が開示されないままのTPPに対して、私たちは、将来の農政を語らなければならない立場に今います。
 私たちの住む社会は、今、ストック社会と言われています。
 ストックは、公共財を指すのではなく、富。現代では、人間がつくった社会にある金や銀の時代を経て、その国が発行する通貨を蓄えることが価値の社会に生きているわけであります。
 そのストック社会の起源は農耕。すなわち、農業を行うことで食料を安定的に供給することができ、それによって子孫をふやし、やがてそれが力の源泉になっていく時代を経て、富を蓄えることに腐心をしているのが現代の人間社会ではないかと言われています。
 では、私たちが狩猟採集の民から、なぜ農耕に至ったのか。一万年前、氷河期が終わり、気候が温暖化になると、人口が急増して四百万に達したと言われています。現在からすれば圧倒的に少ない数字ですが、狩猟採集で支えられる人口の上限だったのではないかと考えられています。人口密度の高い地域や、季節によって食料確保に何らかの努力をしなければならない地域があったのではないかと考えられています。
 現在の世界の国の人々の中で、狩猟採集をなりわいとして生活している人が現存していることを見れば、進歩から取り残されたのではなく、農耕を行う必要がない地域に暮らしているからとも言われ、逆に、農耕は効率的な土地利用の観点からはすぐれていて、ハードな労働が必要な分、狭い土地で多くの食料が確保でき、多くの人々を養うことができている。農耕が行われている地域の人口密度は、狩猟採集の行われている地域の二十倍から百倍に達するとも言われています。
 作物の起源はどうでしょうか。トウモロコシは北アメリカ、ジャガイモは南アメリカ、モロコシはアフリカ、麦、豆は西アジア、バナナ、タロイモ、ヤムイモは東南アジア、アワ、キビ、稲は中国。しかしながら、現在の有力な新説では、稲は、東南アジアから中国に渡り、栽培しやすいように改良されて日本に入ってきたと推測されています。現在では、DNA鑑定すれば稲の履歴がわかりますから、どこから日本に伝わってきたかはすぐにわかるとも言われています。日本で栽培している稲は、遠い昔、外来種で、野生の稲は日本に存在しなかったということです。
 今の農業に至るまでには長い年月がかかりました。しかし、現在は、世界的なグローバルで、時間軸が短い時代です。現在の農耕、すなわち農業のあり方に対する考え方を大きく変えるときに来ていると考えますが、まず大臣にお尋ねいたします。
○林国務大臣 委員は眠くなる質問とおっしゃいましたが、大変目の覚めるようなお話をいただきまして、非常に歴史的なパースペクティブといいますか、なるほどなと思って今聞かせていただいたわけでございます。
 まさに、そういう歴史的な経緯をDNA鑑定するとわかるんだ、こういうことを今おっしゃっていただきましたけれども、ある意味では、そういう時代を経て、縄文時代から弥生時代になるときに農耕文化が始まったんだ、定住して収穫して冬に備える、こういうことを我々は習ってきたわけでございますが、そういう時代からずっと息づいてきた食文化というものが、先ほど午前中にもあったように、今度は無形文化遺産にもなる見通しが出てきた、こういうことでございます。
 一方で、これだけグローバライゼーションが進んで、いろいろなものが、情報は瞬時に駆けめぐりますし、物や人も流通してくる、こういうことになりますと、やはり我々としては、単に物を生産するというサプライサイドだけではなくて、消費者がどういうものを欲しているか、これをきちっと受けとめて、言葉があれですが、マーケットインといいますけれども、プロダクトアウトではなくてマーケットインという発想で生産、流通を展開していく、こういう意識を常に持っていく必要がある、こういうふうに思っております。
 そういう意味で、私が立ち上げました本部でも、需要サイドの取り組みというのを供給サイドの取り組みと並ぶ柱として位置づけて、いろいろな需要サイドの施策も展開していきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○鈴木(義)委員 次に、私は、応援してくださっている農家の方に、律儀で義理がたく、野菜の作付で連作障害が起こって、他県から視察に来た農家の方にその解決方法を伝授してしまい、翌年から東京の市場に同じ作物が並んで価格が下がったという話を聞きました。
 先ほど大臣が答弁された、ニーズに合ったものをつくるんだというのは、それは当たり前の話だと思うんですけれども、今までの農政のあり方からいったときに、いろいろな問題を情報開示していって、お互い仲よくやっていきましょうじゃないかというのが日本の農政のあり方だったと思うんです。でも、それをやることによって、結局価格が暴落してしまえば、その農家の人を幾らサポートしようとしても成り立たないのが現実だと思うんです。
 特に、リアルタイムで、市場の情報はその日のうちに、インターネットを使えば、幾らで何の作物が取引されているかがわかるわけですから、その中で農業をやっていかなければならない。ですから、先ほど、あり方に対して考え方を変えていく時代に入ってきているんじゃないかというお尋ねをしたわけです。
 それらを、これから幾つかの点に基づいてお尋ねをしていきたいと思います。
 いつもいつも同じようなことを言います。製造業、商業、サービス業も同じです、ノウハウがあって、それを開発、維持することで競争力をつけてきたんだと思うんです。農業も同じだと思います。
 しかし、農業は今までどうでしたでしょうか。今私が例示を挙げさせてもらったように、聖域だから、日本の伝統だからということに固執してしまって、本当に次のステップに踏み出している時代に入ってきているのか、そこのところをもう一度お尋ねしたいと思います。
○林国務大臣 今委員が例として挙げていただきました、連作障害にならないようなつくり方ということも一つのノウハウということかもしれませんが、大変大事なところでございまして、多分、製造業の分野でも、知的財産、特許ですとか商標といったものでそういうものをきちっと守っていくことによって、みんなが全部同じものをつくって価格が下がるということにならないような、イノベーションに対する報酬ということをやっているのではないかというふうに思っております。
 農業の分野でも、例えば、山形でつや姫というお米のブランドを開発するときも、品種改良のときからブランド化を視野に入れて、やる。これは、北海道のゆめちからという小麦でも福岡のラー麦という小麦でも同じようなことでございますけれども、やはり、どうやって付加価値をつけ、それを努力をしてつくり上げてきた人にきちっと還元させるか、これは非常に大事なことである、こういうふうに思っておりますので、そういうものをきっちりと、知的財産の保護という形で守っていくということ。
 一方で、非常にベテランの農家の方のたくみのわざというのを最近はICTの技術で、そのベテランの農家の方に特殊な眼鏡をしていただいて、その方の視線が作物の中のどの辺に行っているか、田畑の中のどの辺を見ていろいろな判断をされておられるかというところまで記録をして、そういうものをICTによりデータ化する。こういうものは、ノウハウということでもありますし、当然その方の了解を得てということだと思いますが、広くみんなで共有する、こういうこともあっていいのではないかと思います。
 そういうところをめり張りをつけて、結果として品質やブランド力という強みのあるところをつくっていくというのは、委員のおっしゃるとおり、大事なことである、こういうふうに考えております。
○鈴木(義)委員 先日、NHKの番組で、「世界同時食糧危機」と題して、穀物価格の高騰が資金力のない輸入国に飢餓をもたらしている状況が報告され、中部のエルサルバドルの国民が口にする食物の摂取量が二年前の半分に減っている事実が紹介されたという話を聞きました。
 米国によるグローバルな穀物支配が世界を覆う歴史過程を追いかけ、戦後の米国が、国内で余剰生産された穀物を海外市場に売りさばくために、日本を皮切りに世界の国々の人々の食習慣を巧妙に改造し、米国の穀物輸入に頼らざるを得ない貿易構造に組みかえる戦略を実行してきた内実を説明していました。
 御案内のように、一九五四年に制定されたPL四八〇法案からと言われています。
 一例を申し上げます。
 日本では、一九六〇年ごろまでは約十一万トンの飼料用コーンの生産をしていました。その後、年々生産量が減少して、現在では、日本の米国からの輸入量は一千六百万トン、米国の生産量の五%になり、国内の飼料用として九〇%、一千二百万トン輸入しています。年代によってちょっと数字のばらつきがありますが、お許しをいただきたいと思います。
 国内では、食料自給率は食の安全保障の問題だとたびたび取り上げられますが、この米国から輸入している飼料用トウモロコシなどが自給率を引き下げているとも言われています。カロリーのない野菜を幾らつくっても自給率が上がらない数字のマジックはあったとしても、どうでしょうか。
 大臣、約二十七万ヘクタールの不作付地にトウモロコシを作付して、米国等からの輸入を少しでも減らしていく考えはありますか、お尋ねをいたします。
○佐藤政府参考人 鈴木先生の御質問にお答えします。
 今、鈴木先生の方から御指摘がありましたように、我が国の畜産につきましては、飼料を輸入に頼っておりますものですから、やはり、国産の飼料の増産によりまして、輸入飼料に依存しない畜産経営を実現するということが非常に大事かというふうに考えておるところでございます。
 このため、自給率の向上に向けまして、我が国の気象条件に適した牧草、あるいは青刈りトウモロコシ、こういったものを水田に作付したり、あるいは餌米、あるいは稲WCSなどの自給飼料の生産を今振興しているところでございます。
○鈴木(義)委員 何か答えになっていないんですけれども。
 なぜトウモロコシかといえば、海外から輸入するものは水分が約一三%、国内でもし栽培した場合だったら約一六%の水分があって、それを飼料として育成すると飼料吸収率が増加するというデータもあると聞いています。
 これまでの日本では、酪農でも養鶏でも、コストを抑えるために、規模の拡大で生産性を上げて収益の確保に努めてきました。それが裏目に出て、ここのところの円安も含めて、自営努力では吸収不可能なコストに見舞われて廃業した農家が多くいると聞いております。私の選挙区でも、養鶏業の方が飼料の高騰で廃業を余儀なくされました。
 なぜ、世界同時食料危機が叫ばれている中で、飼料の供給を国内にシフトできるようなトウモロコシの種の開発、飼育方法の研究開発に取り組んでこなかったのか、お尋ねをいたします。大臣でも、どなたでも。
○雨宮政府参考人 お答えいたします。
 農林水産省におきましては、飼料自給率の向上に向けまして、各地域の栽培条件に対応した飼料作物や飼料用稲の品種開発、あるいは給与技術の体系化というものに取り組んできているところであります。
 御指摘のありましたトウモロコシの品種などでございますけれども、我が国では、子実を含む作物全体をサイレージ化する青刈り用トウモロコシの品種とその利用技術の開発、あるいは日本の気象条件に適した形で濃厚飼料として利用する技術として、トウモロコシの実のみならず、芯や皮を含む雌穂、穂全体をサイレージ化するイアコーンサイレージの生産利用技術の開発を進めているところでございます。
 これまでに寒冷地のため青刈り用トウモロコシを栽培できなかった北海道の根釧あるいは道北地域でも栽培可能な耐寒性の新品種たちぴりかなどの品種開発や給与技術の開発がなされているところでございます。
 今後とも、国内の飼料自給率を向上させるような研究開発に取り組んでまいりたいと思っております。
○鈴木(義)委員 先ほど、例示で、一九六〇年代は約十一万トン生産していたという実績があるわけですね。今、研究開発して、新しい品種を開発したり、作付の仕方を変えたり、いろいろ研究しているんですと言っているんですけれども、では、実際、それが何万トンまで上がってきたのか。ゼロとは言わなくても、ほとんど競争力のないものしか今できていないわけです。だから、そこのところを今後どうやっていくのか、大臣でも結構ですから、お尋ねしたいと思います。
○江藤副大臣 私の方からお答えをさせていただきたいと思います。
 非常に戦後の日本の食文化を変えるようなタクティクスを持って、アメリカが、トウモロコシ、いわゆる米主食からの転換を、学校給食も含めて戦略的にやってきたというあの番組を私も見ました。それは非常に的を得た質問であると思います。
 飼料用のトウモロコシというのが特に採卵鶏では非常に経営の圧迫要因になっておりまして、これを何とかしたいということで、我々は、飼料用の米であれば鶏に食べさせることができますので、飼料用米という形で対応しようと思っておりますけれども、日本の気象状況からいくと、どうしても、トウモロコシをつくるとなると、飼料用というよりもスイートコーンというような形で、人間がそのまま食べるトウモロコシの方が当然価格も高いものですから、農家の方々がそちらの方向をやはり余り向いていただけない。だから、今、技術会議から説明がありましたように、青刈りのトウモロコシでサイレージするというような形が模索されているところであります。
 しかし、委員の御指摘もごもっとも、しかも、さらに我々自由民主党としましても、飼料自給率を、五〇%、今の一・五倍に上げていくんだということを国民にもお約束して選挙をやっておりますので、米だけじゃなくてトウモロコシについても、さらに技術開発も含めて努力をしてまいりたいと考えております。
○鈴木(義)委員 ありがとうございます。
 ですから、そもそもの農業のあり方を考えなければならない時代に来ているのではないでしょうかというお尋ねが最初なんです。
 二〇一二年の話ですが、約一年前です。日本の商社もやるなと思いました。日本の商社が、史上最大の投資案件として米国の穀物企業を買収した、昨年話題になったんだと思うんです。
 その担当者のコメントを目にしました。穀物輸出の数量が安定的に供給できる国は極めて限定されていて、政策的に左右されず、当社が安定した販売量を誇る国へ安定的な供給量を持っていることが重要になる、農地ではなく流通へ投資するのは、最終的には取り扱う量をふやすからである、農業への投資は、天候や病害リスクなど主体的にコントロールできないリスクが多大にあるため、安定供給につながるかどうかは疑問に思っていると述べています。
 現在、この企業と全農がタイアップしてトウモロコシの輸入を行って、飼料として供給しています。農業を考えたら、何かいま一つしっくりこないように感じるのは私一人でしょうか。
 育成率が国産のものの方が高いのであれば、飼料のトウモロコシの生産高が上がるように補助金の額を変えて国内生産を拡大させ、十分に経営が成り立つようにして、安い価格で畜産農家に供給できれば、対抗できると考えられます。農家と畜産家が安定的に事業を行ってもらうために、現行制度を見直しして、農業者に規模の基準を設けてでも直接支払い制度に移行してはと考えますが、大臣にお尋ねいたします。
○江藤副大臣 委員の御指摘も、非常に私としても共感する部分はあります。
 現在でも、飼料用のトウモロコシ、これは水田でつくる場合ということになりますけれども、十アール当たり三・五万円の交付金を直払いしているという実績があります。
 これに加えて、産地資金によって、地域の実情に基づいてこれを増額することができるということでありますから、やはりこれからの農政の行く先として、農家の方々がつくりたいものをつくれるようにしたいということも一つの方向性としてありますので、先ほど申しましたけれども、飼料用のトウモロコシをつくったら所得が上がると判断されれば、そうされますでしょうし、やはりスイートコーンのような形で生食用をつくった方がいいということであれば、そうなると思います。
 ですから、その三・五万円が生産刺激に不十分だという議論は、これは当然我々も含めてやっていかなければなりませんが、これから私たちが考えているのは、この産地資金、これは非常に有効な、地域の特性を生かす資金でありますので、前政権からしっかり受け継がせていただいて、名称は若干変わるかもしれません、ほんのちょっとだけですね、内容はやらせていただいて、さらに我々は振りかえ、拡充という方針をとっておりますので、少しでも飼料に回るトウモロコシができるような努力はさせていただきたいというふうに考えております。
○鈴木(義)委員 御答弁いただいて、ありがとうございました。それについては、後段でもう少し議論をさせていただきたいと思います。
 海外では、日本食がヘルシーで健康によいと、大臣も御答弁をされていますし、私もそう思っております。
 しかし、戦後一貫して、日本人は脂質を大量にとる食味がもてはやされています。肉でいえばサシが入っているとか、マグロでいえばとろがうまい、確かにうまいと思うんです。でも、テレビでは大食い大会の番組や、町場では食べ放題をうたい文句にする店がたくさんあります。生産者のことを考えて消費するより、浪費するのがそんなによいことなんでしょうか。それを考えるときに来ていると私は思います。
 その価値観を変更するように食生活を見直し、成人病の予防も含めて栄養バランスを考えられる価値観にシフトしていくことと、農林水産業を維持するのにはコストがかかるんだということを常に消費者に考えてもらうように自粛や規制を取り入れられる考えは、ちょっと大臣はお答えづらいかもしれないんですが、お聞かせいただきたいと思います。
○林国務大臣 今、お話を聞きながら若いころのことを少し思い出しておりまして、やはり十代、二十代の前半ぐらいまではおなかがすくんですね。そうしますと、千八百円、焼き肉食い放題みたいな看板がありますと、ついついふらふらとそういうところへ行ってたらふく食うということは私自身もあったなと思いながら、その自分がおなかがすいているということと、今委員がおっしゃっていただいた大食い大会みたいなものをテレビでやるということはちょっと違う次元ではないのかなというふうに思いながら聞いておりました。
 やはり、我々は食前にいただきますという挨拶をするというふうに子供のときからやっておりましたが、そのときに、食卓にのっているもの、ここに至るまでに生産者の皆さんから流通の皆さん、全てに感謝をしながらいただく。ありがたいことである、あるのが難しいことであるということを言いながら食べる、こういう気持ちを持ってやはり食をしなければいけない。こういう年になると、しみじみそういうふうに思うわけでございます。
 それをどういうふうに個々のそれぞれの年齢、それぞれのライフサイクルのところにおられる方に理解していただくかということは、なかなか、一律に義務を課すとかそういう問題ではなくて、いわば食育というようなところでしっかりとそういう認識を深めていく、これが大事ではないかというふうに考えております。
○鈴木(義)委員 次に移らせていただきたいと思います。
 先日の委員会でも質問したことを再度確認していきたいと思っています。
 どの業種も、私は、種と工法が一番大切であるというふうに思っておりますし、それが競争力を発揮して生き残る最大のすべであるといつも思っています。
 世界の種苗会社のうち、種子を持っている企業は、米国のモンサント、デュポン、スイスのシンジェンタ、それが断トツで、日本のサカタやタキイ種苗が国内では大手であっても世界との比較の中では下位に位置します。特に、米国やスイスの企業は穀物の種を持っていて、日本ではほとんど野菜と花卉の種子のみということになっています。
 日本やヨーロッパの国では、遺伝子組み換え作物には大変なアレルギーがあり、開発した作物を生産するのには抵抗があると思います。先ほどのトウモロコシも同じだと思うんですね。海外から入ってくるものは、遺伝子の組み換えをされたトウモロコシが入ってきて、動物に食べさせるんだからそれはいいでしょうということで輸入しているわけです。
 なぜ国内で遺伝子組み換えの作物を動物に食べさせることがなかなか難しいのか、それは別として、日本で開発だけして、作付するところだけは理解が得られる国でやって、今アメリカがトウモロコシを売れているのと同じ理屈です。その種苗を作付けていく国に、日本で開発した種苗をほかの国で作付して、安く入れさせられる、それが競争力にもなっていくという考え方。
 過去にも、大豆が米国から入ってこなかった時期に、ブラジルで大豆を作付して急場をしのいだということがあったと思います。今後は、今申し上げたようなことを積極的に推進していく考えはあるのか。
 遺伝子組み換えがいけないのであれば、俗に言うF1、ハイブリッド、これは、鶏でも大豆でもトウモロコシでも小麦でも、みんなあります。それを日本が積極的に開発していく考えを持って国が後押ししていく考えがあるのか、お尋ねしたいと思います。
○小里大臣政務官 おっしゃるとおりに、海外、特に欧米の大手種子メーカーは、トウモロコシ、菜種等に見られますように、土地利用型作物の遺伝子組み換え種子を売り上げの大きな柱としております。これは、特に害虫とか防草剤、除草剤に強い種子を大きな柱としているわけであります。これに対して、我が国の種苗メーカーは、F1種子、交雑種子、これを売り上げの柱としております。ここに大きな違いがあるわけです。
 そこで、委員御指摘のように、遺伝子組み換え種子をもっと開発すべきじゃないか、売り込んでいくべきじゃないかという御指摘でございますが、これは、まず、国民への理解というものが必要であります。そのために、科学的、客観的な情報提供に努めながら、国民の理解を図っていこうとしているところでございます。
 また、御指摘をいただきましたF1品種、これをやるべきじゃないか、仰せのとおりでございます。親よりもすぐれた形質を示すのがF1品種であります。これを有力な育種技術として認識して、特に、野菜類等では大半の種子が我が国の種苗会社が開発したF1品種であります。こういったところをしっかりと、育種素材の提供を通じながら、支援をしてまいりたいと思います。
○鈴木(義)委員 例えば、お米でいえば、みつひかりというのはF1でできているんですけれども、国内では一種類しか流通していないんです。先ほど午前中でもお話がありましたように、反当たり千キロとれるお米なんです、多少ばらつきはあったとしても。通常の品種だったら、四百八十キロから五百キロ、五百キロから六百キロの間とれるんですけれども、倍とれるお米もあるんです。それだったら、もっともっと開発をしていけば、二倍、三倍までいくかどうかはわかりませんけれども、そういったことを考えてやっていっていただければなと思います。
 既に国内の種苗メーカーに外国資本が入っているという話も聞きます。国家戦略上、国内の種苗会社をどのように保護していく考えがあるのか。なかなか日本では難しいかもしれませんが、お尋ねをしたいと思います。
○小里大臣政務官 我が国の種苗産業は、さまざまな特色を有する優良な種苗の供給を通じまして、国内の農業生産を支える大変重要な役割を担っております。事業規模が小さい会社が多数存在する構造にあるのが、我が国の種苗産業であります。
 近年、新品種の育成に必要な遺伝資源、かけ合わせの種を途上国から仕入れるといったようなことが大変困難な状況になっております。海外の種苗会社との育種競争の激化など、種苗をめぐる環境は非常に厳しく、大きく変化をしてきております。こういったことに対応するために、種苗会社との懇談会を開催し、また、種苗産業の競争力強化、輸出促進に向けた取り組み強化を図ってきたところであります。
 これらを踏まえまして、特に、世界一の種苗生産国であるオランダ、ここを大きなモデルとして、国内種苗生産体制の強化、海外遺伝子資源の導入円滑化、知的財産権の侵害対策など、総合的な対策を講じてまいりたいと思います。
○鈴木(義)委員 種の種類によっては、お米だとか主要穀物と言われているものは、国や都道府県がその開発をしているところがあります。先ほど申し上げたように、それ以外の、花卉だとか野菜については民間の種苗会社が持つんですけれども、その辺がやはり弱いんだと思うんですね。だから、国がきちっと後押しをするなりサポートをしてやるような体制をとらないと、外国との競争には勝てないんじゃないかというのがあります。
 その一つとして、私の地元の農家の方のところに種苗会社の人が訪ねてきて、三十年前の種がありませんかというようなお尋ねなんです。種苗会社さんも、交配をし続けたがために、もう結局、何だかよくわからなくなっちゃっているんです。
 そういった意味で、やはり企業を保護するというような考え方、情報交換したりはするという御答弁を今いただいたんですけれども、せめて在来作物の種子を国がきちっと管理して、そこから価値を生み出してもらうように、企業なら企業にやってもらう。なぜ、都道府県だとか国だけは主要穀物の開発はしたとしても、民間にはそういうのをやらせないのか、そこですみ分けができちゃっているのか、そこのところをきちっと位置づけてもらいたいなと思います。
○小里大臣政務官 確かに、御指摘のとおりに、国におきましては、品種改良等々の支援、また、みずから開発をしておりますが、これは穀物、果樹を中心とした、長期的な取り組みを必要とする分野にどっちかというと特化をしてまいりました。一方で、御指摘のとおりに、民間においては、野菜、花卉とか、短期的に効果のあらわれる、そういったところを特にやってきていただいているという現状があります。
 しかしながら、民間企業においては、置かれている厳しい環境を考慮しながら、しっかりとまた委員御指摘の趣旨を踏まえて取り組んでまいる必要があると改めて思っているところでございます。
○鈴木(義)委員 コシヒカリだとかササニシキだとかあきたこまち、種苗法で言われる保護する年数が過ぎちゃっているんですけれども、それまでの間、今御答弁いただいて、国は、主要な穀類だとか果樹、あとは畜産の関係だと思うんですけれども、それを担当してやってきたにもかかわらず、なぜ今まで、コシヒカリだとかササニシキだとか新しい品種をつくって、それを種苗法で守って、種を外に出さないようなやり方をしてこなかったのか、そこのところなんです。
 どこの国だって、やはり自分のところで種を持っていて、それを戦略上、どんどん作付をして、安い価格なりいい付加価値をつけて売っていきたいというのは、同じようなことを考えると思うんです。なぜ日本はそれをとってこなかったのかということなんです。
○林国務大臣 種の植物遺伝資源の確保、これは新たな品種開発によって国内農業の競争力強化を図る上で大変重要である、こういうふうに認識をしております。
 したがって、独立行政法人の農業生物資源研究所というのがございますが、ここで昭和六十年度から農業生物資源ジーンバンク事業というものを実施しておりまして、在来品種を含む植物遺伝資源約二十二万点等を保存しまして、国内の試験研究機関、民間企業等に配付をしております。私も、国会が始まる前にちょっと時間をとりましてここを訪れまして、実際自分で操作をして取り出してみるということをやってみましたけれども、随分簡便なやり方でサンプルが出てくるようになっておりました。
 したがって、こういう仕組みを通じて、お申し込みがあれば、こういうものをしっかりと提供できるような仕組みというものはやってきたわけでございますが、さらにこれが、先ほど冒頭に申し上げましたように、競争力の強化というものにつながっていくように、例えば、施設を大幅に拡充していく等々やりまして、努めていきたいと思っております。
 それからもう一つ、実は、百八十三回通常国会で食料・農業植物遺伝資源条約というものの批准を承認いただきましたので、国内の種苗会社がこの条約の枠組みの中で海外のジーンバンクにもアクセスできる環境も整ったということも申し上げておきたいと思います。
○鈴木(義)委員 御答弁ありがとうございました。
 私がお尋ねしたのは、なぜお米を品種改良してこなかったのかということなんです。コシヒカリだとかササニシキだとか、おいしいと思って私たちがいただいていたものが三十年で保護する期間が切れてしまうというのはわかっているわけですから、それを三十年、三十年、三十年やれば、九十年、百年、百二十年と保護できるわけですね。
 だから、前の委員会でも御質問したように、あきたこまちはベトナムの方で五分の一の値段でつくられている、それが問題なんですというふうに林大臣は御答弁されておられたんですね。だから、なぜ今までお米に関しての品種改良を積極的にやってこなかったのかというお尋ねなんです。
○雨宮政府参考人 国あるいは都道府県の試験場におきまして、これまで多くの新しい米に関する品種の育成がなされております。
 新しい品種につきましては、種苗法に基づく品種登録をして知財権保護をするとともに、先生御指摘のとおり、品種保護の育成者権には期限がありますので、あわせて商標登録などの知財権を新たに付与することによって知財保護を図っているような動きが出てきておりまして、国としてもこのような取り組みを進めていきたいというところでございます。
○鈴木(義)委員 何か答弁がよくわからないんですけれども、次に行きます。
 攻めの農業を推進していくのであれば、過去のさまざまな制度の検証をしていく中で、どの制度は有効に機能して、どの制度は機能していなかったのか、検証していく必要があると私は思います。
 現在、私たちは飽食の中で暮らしています。先ほどありましたように、おなかいっぱい食べさせてもらっているし、おいしいものも食べられる時代であります。でも、外国では、きょうもどこかで飢餓で亡くなる人たちがいるのも事実です。
 日本がとってきた農政は、いろいろな事態の変遷を経て今日に至ったものと思います。
 減反政策の見直しを、大臣も自民党の幹事長も表明されました。私も同感です。特に、日本維新の会では、夏の参議院選挙のときに、減反の見直しを一つの公約に掲げておりました。
 そこで、現在行われている経営安定化策の名前で農家の戸別補償制度を行っていますが、一九七〇年から減反政策を推進してきたことで、農家は生計が楽になったんでしょうか、意欲が増したんでしょうか。私には、そうは思えないのであります。私の地元では、既に二町歩の稲作をつくっている農家がやめ始めました。その農家の方に話を聞きますと、コストがかかり過ぎて赤字になるからやめるんだよ、こういう話です。
 政権がかわってまだ一年たたないわけでありますが、もともと自民党がずっと取り入れてきた減反政策、二十二年度からは戸別補償制度が、名前を変えてことしも存続しているわけでありますが、本当にそれが効果があったのかどうか、まずお尋ねをしたいと思います。
○林国務大臣 午前中も御議論していただきましたけれども、旧自公政権の時代、今お話があったように、いわゆる減反という時代がございまして、その後、私が午前中に申し上げたように、水田のフル活用という意味では、ある意味では、生産調整という言葉をあえて使わせていただきますが、そういうこと。そして、今お話のありましたように、二十二年ですか、政権交代後、今の仕組みになって、それを経営所得安定対策ということでことしはやっている。
 こういうことでございまして、その時代時代でその時代時代の背景に合ったことをやってきた、大ざっぱに言えばそういうことかもしれませんけれども、今委員がおっしゃったように、その結果、非常に望ましい状況に全てなっているかといえば、今御指摘のあったような声も聞かれるわけでございます。
 したがって、我々も、去年の十二月の衆議院選挙の公約で、やはり経営所得安定制度の見直しということと、それから多面的機能に着目した直接支払い、これを車の両輪として見直していこうという公約を掲げて選挙を戦ったわけでございますので、この検討を与党と議論をしながらまとめていきたいというのが今の状況でございます。
○鈴木(義)委員 関連して、農水省から、米の所得補償交付金の作付規模別支払い状況の平成二十三年の資料をいただきました。これは農水省からいただいた資料です。〇・五ヘクタール未満から二ヘクタール未満、小規模で農業をされている、水稲の作付をしている面積の対象者が全体の九〇・一%、支払い額が六百二十三億円で、全体の四〇・七%になるわけです。
 一方、もう一つの統計である経営の状況と分析指標、この経営体別の一覧表を見ると、水田作の作付面積規模別の資料では、〇・五ヘクタール未満の経営体は、農業所得が十万一千円の赤字なんです。〇・五ヘクタールから一ヘクタールで一万九千円、一ヘクタールから二ヘクタールで四十九万円の農業所得なんです。
 確かに前年比で所得が増加したのでしょうが、これで経営が安定化したと言えるのでしょうか。私は疑問に思います。減反政策の見直しに着手したのであれば、これからのもうかる水田農業を目指すためにも、面積の集約化、コストの縮減に取り組むような施策を推進していかなければならないと考えます。
 次に、畑作や果樹、酪農等の畜産を生業にしている経営体も、同じようなことが言えると思います。
 それでは、せっかく経営状況と分析指標を載せているわけでありますから、分析指標のうち、収益性のどの項目を基準に規模の適正化を図る考えか、付加価値額としての生産性のどの項目に着目して規模の適正化を図っていく、誘導していく考えなのか。
 また、資料は農水省のホームページからずっともらってきたので、細かく見ただけの話なんですよ。誰でもわかる資料ですよ。ただ、これをどう読み解くかということなんだと思うんです。
 別の統計資料では、農業経営関係者数と労働力と労働時間の一覧表に目をやると、水田作経営は、農業関係関与者の時間数が年間で七百五十三時間なんです。酪農が五千三百七十八時間、約七倍の差があるんです。
 実際に、一人当たりの、農業関係者、経営者が関与していて、面積であったり、頭数であったり、羽数であって、どのぐらいもうかっているか、もうかっていないかという数字まで出ています。
 では、どこに規模を集約化していくといったときに、どこにベンチマークを置くのかということなんです。それは、個人であろうが共同体であろうが法人化しようが、それは別だと思うんです。そこのところがきちっと示せない限り、やはり、では、自分たちどうしようか、やめるのはやめる、いや、自分たちで自家消費する分だけはつくる、その選択をしなければならない時期に私は来ているんだと思うんですね。牛を飼っている人だって、鶏もそうです、先ほどお尋ねしたように、飼料が高過ぎて経営が成り立たないから廃業するんです。何とか商売になれば、やめる人はいないと思うんですね。だったら、どこまでの規模だったらもうけが出るかというのは、農水省が出しているこの数字をどこの時点で見るかということなんです。
 あとは、もう一つ、同じ農業収益を上げるのであれば、労働時間が短い方を選択するのは当たり前です。国を挙げて、大きな声で、働き過ぎだ、働き過ぎだと言っているんですね。だって、それじゃ農業を続けられないでしょう、五千三百七十八時間も今かかっているわけですから。だから、逆に、労働時間が一緒であれば、収益性の高い方を農家の方も選択すると思います。私がもし農家をやっていたら、そうします。
 現場の声ですが、梨農家の跡取りがいなくて、病害虫の消毒もままならないために、根元から樹木を伐採している。もうそこまで来てしまっているんです。社会構造が大幅に変化する時代に入りました。農政のあり方を根本的に変えられるぎりぎりのところに私は来ているんだと思います。
 特に、生産労働人口が減少していっている今の時代の中で、現場仕事に携わる人は、景気がよくなれば減ってきます。これは自明の理だと思うんです。そうなったときに、幾ら補助金を出したからやってくださいよと言っても、すぐには復活できないと思うんですね。
 水田農家だけの対応ではなくて、各経営体、申し上げましたように、畑をやっている人、果樹をやっている人、酪農をやっている人、花卉をやっている人、そういった各経営体の適正規模の指針を早急に提示していただき、それに基づいた、農家に直接補助をするような支払い制度にしていかなければ、経営は安定化しないと思うんです。
 今申し上げましたように、各経営体の規模に応じて、どのぐらい一人当たり収入があるかは歴然として数字が出ているんです。ただ、それをデータとして集約している個体数のばらつきがあるかもしれません。酪農なんかを見ていると、個体数自体が二十とか三十しかとっていないんです。だから、本当にこの数字を見て全体を見据えることができるかというのは、疑問点が残ると思うんです。
 でも、そのぐらいのきちっとしたデータに基づいて経営の安定化を図っていかなければならない時期に来ていると私は思います。ぜひ御答弁をいただければと思います。
○林国務大臣 大変全体的に大事な視点を今お聞きいただいた、こういうふうに思っております。
 まさに、経営所得安定対策という以上は、今委員がおっしゃっていただきましたように、どういうことを、例えば畜産、酪農なのか、果樹なのか、水田、畑作等の土地利用型なのかということや、どれぐらいの規模なのか。それから、生産投入量、労働力をどれぐらい投入しているか。したがって、生産性ということになってくるかと思いますが、こういうものを見ながら、最終的には、こういうこと、こういう仕組みならもうかるのでやっていこうというふうに個々の農家なり経営体の方が判断をしていただけるような仕組みということが大事である、こういうふうに思っております。
 委員も今少しおっしゃっていただきましたけれども、大きく分けて、畜産、酪農、これは定期的に年に何回も出荷をされまして、価格変動もかなりいたしますので、こういうものと、基本的に収穫期が年一回の水田、畑作というものではやはりかなり形態が異なってくると思っておりますので、ここは異なる仕組みということが原則としてあるのではないかと考えております。
 その上で、畜産、酪農については、今おっしゃっていただいたように、サンプル数が非常に少ないというのは、裏を返せば、規模の拡大がかなり進展をしているということもあるのではないかというふうに思っておりますし、ほとんどの方が専業で経営をされておられるということでございますので、余り対象者を限定せずに今までやってきております。
 一方、水田、畑作の方でございますが、これは平成十九年度に、畑作物の生産条件不利補正対策、いわゆるゲタでございますが、それから、米、畑作物の収入減少影響緩和対策、いわゆるナラシ、こういうものをやってきておりますが、これは対象者を認定農業者、集落営農のうち一定規模のものとしてきたという経緯がございます。二十二年度からの例の戸別所得補償制度については、全ての農家になったということは、先ほどちょっとおっしゃっておられたかもしれません。
 したがって、水田、畑作の方の直接支払い、これは対象者要件をどうするかも今まさに検討しておるところでございますが、構造政策の推進に資するということを工夫しながら、面積規模の要件を課すか課さないかということも含めて今まさに検討しておるところでございまして、大きな視点を今委員から御指摘いただきましたけれども、そういうものがきちっと反映されるような検討をしていきたい、こういうふうに考えております。
○鈴木(義)委員 最後に、一つだけお願いしたいと思います。
 国内の状況では、山から材木を切り出して製材しても、その後の流通、販売、建設と各省庁が違い、川上から川下、川下のニーズが川上にスムーズに流れないために、コストが下がらず、最終消費者のニーズに合致しないために衰退しているという話も聞きます。
 林大臣は、委員会のきのうの大臣発言の中で、他産業の知識やノウハウの活用が必要であることから、農業界と産業界とが連携した取り組みも進めてまいりますと発言されました。
 農林水産物の売り込みを一省庁だけで行うのでなく、経産省などのほかの省庁とも連携していくというお考えもあるんだと思うんです。でも、どうしても、今までの国の省庁のあり方を見ていると、縦割り行政の弊害がところどころに出てくると思うんです。
 将来、産業省として二つの省を一つぐらいに、経産省をのみ込むんだというぐらいな意気込みで、国家戦略の位置づけとしての農業を推進していくお考えがあるのか、最後にお尋ねをして、終わりたいと思います。
○坂本委員長 林大臣、時間が経過しておりますので、簡潔にお願いいたします。
○林国務大臣 そもそも、明治の初めには農商務省ということでスタートしたわけでございますので、どちらがのみ込むかは別にして、これは連携をしてやっていくことが大変に大事だというのは委員の御指摘のとおりであります。
 したがって、今輸出の話をしていただきましたが、今年度予算からは、経済産業省所管のジェトロとの連携を通じまして、ジェトロの中に専門の部局を置いていただいて、輸出しようとする事業者の育成、商談会の開催、海外見本市等々のビジネスサポート体制の構築を積極的に進めていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○鈴木(義)委員 ありがとうございました。
○坂本委員長 次に、村岡敏英君。
○村岡委員 鈴木議員に続きまして、維新の村岡敏英です。
 久しぶりの農水委員会で、この休会中に質問したいことがたくさんあったんですが、なかなか国会を開いていただけない、また閉会中審査をしていただけないということの中、その間にどんどん農政の方向性が変わる、質問をする前にどんどん変わっていくということで、きょうは、大臣初め幹部の皆さんにお聞きしたい、このように思っております。
 この間に、休会中も含めて、ことしは大変台風そして集中豪雨が多く、被害が出ております。直近では、伊豆大島で多くの方が亡くなられ、大変御冥福をお祈りします。また、被災している方にはお見舞いを申し上げたい、このように思っております。
 災害自体の復旧ももちろんあると思いますが、農業の被害もたくさんあると聞いております。その部分は、今のところ、激甚災害で指定されたところ、それから査定しているところがあると思いますが、どのような状況把握をされているでしょうか。
○實重政府参考人 農地、農業用施設の災害の状況について、まず申し上げさせていただきます。
 委員御指摘ございました激甚災害の指定、三回についてございました。
 六月八日から八月九日までの山口県、島根県、岩手県、山形県、秋田県等が広範に被害を受けた梅雨前線を含む豪雨災害、これは激甚災害に指定されまして、現在、三百九十六億円の被害額を把握しております。
 それから、八月二十三日から二十五日までの島根県江津市、邑南町を中心とした豪雨災害につきましては、七十三億円でございます。
 それから、九月十五日から十七日までの京都府を初め広範な地域で被害が生じました台風十八号を含む豪雨災害につきましては、三百億円。
 合計でございますが、全国で四万六千四百九十七カ所、約七百六十九億円の甚大な被害となっているところでございます。
○村岡委員 ぜひ、農地を含めて大変な被害に遭っているので、大臣の方もしっかりと把握して、復旧対策をお願いしたい、このように思っております。
 久しぶりの農水委員会、朝、来ましたら、テレビカメラがたくさんあって、もしかしたら今のTPPの問題そして減反の問題だといろいろ興味があるのかと思いましたら、一人政務官が帰られましたら午後は誰もいないという状況で、残念なことだと思っております。
 それは別にいたしまして、やはり農産物とかそういうのは、林大臣、江藤副大臣を初め、たくさんの方々が国産を勧めるとした中、私は、このごろ国会を歩いていますと、国会に名物の食べ物ができたということで、私がネーミングしているのは林ライスと言っていますが、牛重であります。秘書が連れていくときに、ここが有名な牛重があるところです、こういうふうなことを言われます。
 そういう意味では、別に民間企業に押しつけるわけじゃなくて、各省庁にも国産を使った目玉商品というものはやはり内閣全体で考えていただきたい、こう思いますが、林ライスをつくった林大臣から一言お願いいたします。
○林国務大臣 林ライスというと、いわゆるレストランで出ているハヤシライスが出るかと思って行かれると残念に思われるかと思いますので、牛重ということでお話があったというふうに聞いております。
 これは、そもそも村岡委員が、たしかこの場か予算委員会か、ちょっと記憶は定かではありませんが、お聞きいただいて、そのときに私からは、院内の食堂でありますから議院運営委員会の方できちっと対応していただく、ただ、私の立場からすれば、国産のものをお使いいただくとありがたいななどという答弁をした経緯がございまして、多分、いろいろなところをお考えになってああいうメニューというのをおつくりになったのかなと私は思っております。
 ああいう形で非常に、今委員がおっしゃっていただいたところによりますと、人気メニューみたいなものになっているということですから、たしか値段もかなりお高い値段だったと思いますけれども、新しい需要の一つのあらわれがああいう形で出てきたという意味では、非常に歓迎すべきものであろうか、こういうふうに思っております。
 やはり、おいしいものをいい価格で提供していただくということが食料産業の重要な使命であろう、こういうふうに私も思っておりますので、ますますそういう形でいろいろなものが出てくるということを後押ししていきたい、こういうふうに思っております。
○村岡委員 ぜひ、各省庁にもそして出先の機関にもやはり国産を使ったおいしいメニューというのを推進していっていただければ、こう思います。
 こういうお話ばかりで終われればいいんですが、やはりTPPなんですね。
 このTPP、先ほど午前中の議論を聞いていますと、タリフラインを五百八十六項目で、その中身をという議論も大切かと思いますが、私は、むしろTPPの交渉はしっかりと進めていくべきだと選挙前から言っておりましたので、外交交渉として、中身の問題で品目だとかというのは余り追及したくはないとは思っております。しかし、外交交渉の中で秘密だというよりは、私は多分国内対策だと思っております。それぞれの項目がわかるということは、国内でやはり大きな騒ぎが起きてしまうという中で、なかなかそれは発表できない。これはいたし方ない、こう思っております。
 しかし、どうしても過去を振り返らなければならないことがあります。
 自民党は、民主党が消費税を選挙の公約では言っていないのに上げると言った、そのとき自民党は消費税を上げると公約していた、そして民主党が消費税を上げると言ったら、公約違反、うそ、こういうような形で選挙前ずっと責めてきた。
 これは民主党さんのことをかばうわけではありませんが、自民党も振り返ると、このTPPに関しては、ほとんどの議員がTPP断固阻止という鉢巻きをして全国で選挙運動をされました。私は、秋田の農業県なのに巻いておりません。そして、意見もきちんと、TPPには参加するけれども、農業の今の現状は、TPPがあろうがなかろうが、これは衰退している、しっかりとした大転換をしなければならない、このように話しておりました。
 その中で、まず、安倍総理は二月の二十二日、私は選挙を通じて、聖域なき関税撤廃を前提とするTPPには参加しないと国民の皆様にお約束し、今回のオバマ大統領との会談により、TPPでは聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になったと。まず、ここに行きました。
 最初は、断固阻止の人が多い。今度は、聖域なき関税撤廃が前提じゃない。この時点で言葉は変わっているとは思いませんか。
○林国務大臣 ここでもたしか議論はさせていただいたと思いますが、自由民主党の昨年の十二月の公約、それのもとになる党内での取りまとめを、当時、野党時代、私が座長でございましたが、聖域なき関税撤廃を前提とする限り、交渉参加には反対する、これが文章でございました。そのとおりのことが公約になっていた、こういうふうに覚えております。
 したがって、その公約がある以上は、総理も首脳会談において、我々はこういう公約で政権を委ねていただいているという立場でこの共同声明をオバマ大統領との間でされた、こういうことでございます。その際、交渉参加に当たって、聖域なき関税撤廃が前提とならないことを確認できたということをおっしゃったということでございますので、事実関係としてはそういうことであるというふうに認識しております。
○村岡委員 そして、近ごろでは、西川委員長の中で、タリフラインを検証するということになりました。タリフラインを検証するということは、誰が考えても、それは交渉の中で何かそこに食い込まれるだろうということの前提がなければ、何も検証することはないわけであります。そして、八百三十四項目、そして聖域は五百八十六ですか、その中で検証するという作業になると、やはり覚悟を決めなければならないということにとられるんですけれども、大臣はどういう認識でしょうか。
○林国務大臣 これは、午前中の質疑の中で森山委員から、森山委員は、発言がバリで西川委員長からされたときにそこに一緒におられたという立場で御質問されておられましたけれども、森山委員の言葉をかりれば、西川委員長の発言が少し誤解を招いている、こういう発言でございました。
 したがって、我々としては、党の西川委員会で、また西川先生のところでいろいろと検証されるということをしっかりと見守っていきたいというのが今の政府の立場でございます。
○村岡委員 林大臣からはそういう答弁だろうな、こう思っておりましたが、実際には、農業者の方々もそう思っておりませんし、さらには、これは予想しちゃいけないですけれども、自民党の議員の方々も地域で説明するのが大変だと思うんですよ。
 ですから、ここは、一旦TPP交渉に参加するという中で、農業政策をしっかりと打ち出さなきゃいけない。その中で、産業競争力会議の中でいろいろな問題を打ち出しています。しかし、これも、林大臣や今の政府にいる人に聞くと、まだ党で検討している段階だというようなことをお話しされます。やはりこういう状況になると、しっかりとした対策と一緒にセットになって言わないと、農業者の人たちもこれは心配いたします。そして、それぞれ我々も説明するときに、政府の秘密交渉で何もわからない、対策もどれをやるのかわからない。
 やはり農業というのは、食は国民の健康と命を守る、これは大事な産業であります。そういう意味では、何か与野党が分かれてやる問題では農業はないとは思っております。しかし、隠し事があったり、変更したことを、それはこの過程の中だけでやっているんだということじゃなく、しっかりと真摯な態度で、農業政策を与野党ともに一緒にやるということが、農業も、そして食の安全も、日本全体の食品というものを守れると思っているんですが、どう思っていらっしゃいますか。
○林国務大臣 これも午前中も御議論させていただきましたが、昨年十二月の衆議院選挙の公約におきまして、経営所得安定対策の見直し、それから多面的機能に着目した日本型直接支払いの議論をやりますというふうに既に十二月にお約束をして、ずっと党内でも御議論をしていただいております。
 また、少し唐突感がある、こういうふうにおっしゃいましたが、これは産業競争力会議の第三回農業分科会で、経営所得安定対策に関する議論とあわせて生産調整が取り上げられた。そこだけ少し報道が大きくされたということもあるいはあるのかなと思いますが、我々としては、やはり十二月の衆議院選挙の公約をいたしました、この二つのことをしっかりと守っていくために検討していく。当然、経営所得安定対策の見直しという中に、今申し上げましたように、生産調整がかかわってくるわけでございますので、そこをしっかりとやっていくということ。
 そして、今申し上げているのは、まさに今議論をしておるところでございますので、逆に、まだ議論が生煮えで、いろいろなところが詰まっておらない段階で、急ぎ過ぎて、こういうふうになりそうだとかいう見通しを示すことの方が現場に混乱を招く、こういうふうに思いますので、しっかりとしたものをつくって、そしてその上でしっかりと周知をしていく。願わくは、仕組みがころころ変わる、猫の目農政だと言われないようにするためにも、しっかりと長く続く仕組みということにしていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○村岡委員 多分、TPPから産業競争力会議まではきちんとしたスキームがあったと思うんです。それを少し隠しながらやり過ぎることによって、やはり農業者に不安があったり、そして国民全体にも不安を与えていると思っているんです。
 このスキームというのは実は一つ意味があって、もちろん、スキームの中に、しっかりとした計画性を持ってあることをなし遂げるというのもあるんですけれども、実はたくらみという意味もあるんですね。
 だから、これがたくらみのように思われると、せっかく今農業の大転換のときなんです、たくらみのように思われないようにするためには、例えば表現でも、先ほど大臣が言っていました、経営安定大綱の見直し、言葉がわかりにくいですよね。戸別所得補償の見直し、それには減反の見直しはかかわらないと農業者は思っているんです。
 我々は、減反をしっかりと進めていく中で、農業を変えなきゃいけないと思っていますが、やはり言葉は正直にいきましょう。正直にいかないとわかりません。やはり、政治用語みたいな、霞が関用語みたいな形でこれは進めてはいけない、こういうふうに思っております。
 さて、今、産業競争力会議で出てきたいろいろな提案といいますか、自民党に対しての提案ですけれども、実は我々、先ほど鈴木議員からもありましたけれども、参議院選挙前に、公約は項目ですけれども、もう少し詳しくいきますと、企業の参入の促進、これは、今ちょうど経団連も農協ともいろいろな連携をしていこうということですけれども、このことの問題。それから、農協も進化していかなきゃいけない。やはり時代が変わっていく、その中で企業の土地の所有の問題も、我々は開放すべきだということを言いました。
 まずは、企業の参入促進ということに関して、大臣はどのように取り組まれようと思っていますでしょうか。
○林国務大臣 今お触れになっていただきましたように、また、きのうの所信でも申し上げましたが、やはり経済界と農業界の協力は非常に大事だ、こういうふうに思っております。
 全中と経団連の間で、来月にもこういうことを密接にやっていこうということで会合等をスタートさせていただけるというお話も聞いておるところでございまして、そういうふうにコラボレーションしていくことは大変大事なことであるというふうに思っております。
 そういう中で、今までもたびたび議論になっておりましたが、いわゆる企業が農業に参入するということも、リースという形ではマックス五十年だったと思いますが、平成二十一年の農地法で改正して以来、かなりの流入が今できてきておる。
 多分、そのことが経済界と農業界が協力してやっていこうという機運が生まれている一つの原因になっているんだ、私はこういうふうに認識しておりますが、そういうことを進めながら、お互いが納得できるいい環境をつくっていくということが非常に大事だと考えております。
○村岡委員 今、一つだけ、我々の衆議院、参議院選挙で公約なり農業政策として発表した一端を言いましたけれども、そのほかに、農地の集約、農業の成長戦略、そして中山間地域は環境農業として、さらには減反政策の見直し。さらに、農地集約というのは、やはり一ヘクタール以下ですとなかなか、赤字で利益は生まない、そういう中で、土地の賃貸の中で拠出してもらうことも考えなきゃいけない。こういったものが何か産業競争力のところに全部吸い取られたような感じですが、逆に、それは進めていきたい、こういうふうには思っております。
 しかし、減反政策の見直しは、我々は言ってはいるんですけれども、段階的な見直しをしなきゃいけない。来年だとか二年後だとかというのは、これはとてもついていけないことになる、こう考えております。
 昨日も全中の会長に、ころころ変わる農政はしてはいけないということを述べられておりましたけれども、その意味では、減反政策の見直しというのが、実は、企業の参入、農地の集約、それから成長戦略は六次産業化、そして環境農業、全部一緒くたになって、日本の大転換は、減反の見直しがスタートすることによって、これが全て有効に新しい大転換に進むと思っているんですが、大臣はどのようにお思いでしょうか。
○林国務大臣 午前中もちょっと申し上げたように、私は、どちらかというと、減反という言葉よりも生産調整という言葉を努めて使うようにしております。
 それは、減反ということが始まった時代には、確かに、まさにその名のとおり、面積を減らしていくということをやってきた時代もあったというふうに承知しておりますが、少なくともこの数年やっているのは選択制ですね。要するに、農家の選択によって、これに参加するかどうかは自主性に委ねるということと、それからもう一つは、水田のフル活用ということで、主食用の米以外のものを水田を活用してつくってもらおう、こういうことでございますので生産調整という言い方をしておりますが、先ほどのお言葉で言えば、正直に言えということでございますから、あえて、生産調整もかかわる経営所得安定対策の見直し、この言葉を使わせていただいております。
 それとあわせて、多面的機能に着目した日本型直接支払い、やはりこれはセットでなくてはならないということ。
 それから、やはり農政はころころ変わってはならないというのはもちろんでございますし、今までやってきたことを急に変えることになりますと現場が混乱するということもございますので、しっかりと理解を得ながら、長年続く制度というものをしっかりとつくった上で、じっくりとこれを実施段階においてやっていけるように、混乱なく実施していくようにしていく。大きな船でございますから、急にかじを切って転覆、座礁しないようにしていく、こういう観点も大事だというふうに考えております。
○村岡委員 ぜひ、林大臣を初め農林省の皆様も、これは大転換のときを迎えると思うんです。そのときに、先ほど言った、スキームがたくらみにならないように、しっかりと年月を重ねながら、日本の農業がしっかりとした成長産業になり、そして、所得も上がり、また、それがひいては農村社会につながるようにしっかりとやっていただきたい。そのときには我々維新はしっかり支えていきたい、こういうふうに思っております。
 先に言わせていただくのはいつでも言いますので、選挙で厳しくても我々はしっかりと将来の農業のためにやっていく覚悟のある人間ばかりですので、そういう意味では、ぜひ相談をさせてください。そうすれば、提案をしながら、大きな抵抗ではなくて、一緒にやっていくという意志を持った人たちとここは進めていかなければならない、こう思っております。
 一つ、その中でいけば、総理の所信表明に、心志あれば必ず便宜あり、意志さえあれば必ず道は開ける、スマイルズの言葉を言っていました。意志の力ということ。
 でも、信頼なくして全体には意志の力が伝わりません。ですから、このTPPの交渉も、そして新しい農政への大転換も、しっかりと信頼を得られて進めなければ、これはころころ変わると言われるのが当然だと思います。そのことを大臣には、今の大転換のときに大臣になられたということですから、ぜひ、意志の力をしっかりと発揮して、日本の農業を変えて成長産業にしていただきたい、そう思います。
 そして、中山間地域という大変不利な状況のところ、しかしながら、ここには水という大切なものがあり、山がありということですから、中山間地域に対しては、しっかりとした環境の分野で守っていくということも忘れずにいただきたい、こういうふうに思っております。
 大臣にも何回もこういうことをお聞きしましたので、副大臣にも、この日本の農業の大転換のときをどう思っていらっしゃるか、お聞きいたします。
○江藤副大臣 あくまでも私は大臣を支える立場です。
 ただ、私も産業競争力会議には出席をしておりまして、新浪さんとは直接随分激しいやりとりをいたしました。かなりきついことをおっしゃるわけでありますが、委員がおっしゃるように、今大臣もおっしゃっていただいたように、急に曲がれといったって、急に曲がれるものじゃない。私が申し上げたのは、巨大タンカーのようなものですから、方向転換するにしても、我々はタグボートとしてゆっくりと、きちっと着岸をさせないと、岸壁にぶつかって、結局のところは、逆に耕作放棄地がふえてしまったり離農者がふえてしまったり、そういったことになりかねませんと。本来の目的から大きく外れる。
 総理が言われたことは、所信表明演説でも、いろいろなところで言われていますが、日本の国柄を守る、美しい伝統文化を守る、田園の風景も守るということも総理の掲げる目標でありますから、それに沿って内閣にある人間は努力をしていかなければなりません。
 しかし、ここに至って、これから、オリンピックは七年後ですけれども、七年たつと就農平均年齢が七十歳を超えるわけでありまして、思い切って、覚悟を持って農政の転換をやるということであれば、余り時間をかけて遅くやっても、やるなら早くやらなきゃならないと思っています。しかし、それはやはり、まず与党の皆様方と議論を尽くして、そして農水委員会の場でも議論を尽くして、正直な議論を通じて、皆様方の英知を集めた形での新しい展開になれるように努力をして、大臣を支えてまいりたいと考えております。
○村岡委員 ぜひ、小里政務官にも。
○小里大臣政務官 御指名ありがとうございます。
 ついこの間まで、私は自民党の農林部会長としてやっておりました。
 細かいことは申し上げませんが、今の農政改革はまさに待ったなしであります。しっかりと新規就農者をふやして、担い手を育成して、それぞれの担い手が頑張っていただく。頑張って規模拡大をやれるところはやってもらい、効率化を図って、付加価値をつけて、所得が倍増する姿を目指していこう、そのために、政策を総動員して、現場と一体となってやっていこうということでございます。
 今まさに議論になっておりますことも、従来の経営所得安定対策の見直し、そして多面的機能の直払い制度の導入、そしてまたこれに関連する米政策、これを三点セットで進めていく。さらに申し上げれば、輸出拡大、六次産業化、そして、特に土地利用型水田作における農地集積、こういった関連する政策を含めて総合的にやっていく必要があります。
 しっかりと、じっくりと、しかし急ぎながら、皆様の御指導をいただきながら取り組んでまいりたいと思います。よろしくお願いします。
○村岡委員 そうなると、何か全部与党に賛成している応援の質問みたいになりますが、そうではなくて、その方向性をきちっと示していくために、党内も多分反対派の人もいると思います、しかし、ここは、大方針を決めたら、それはかじは急には切れないでしょうけれども、計画どおりに進めることを党内もまとめてください。そして、与野党で日本の農業を変えるという努力をしなきゃいけない。そういう時期の最後のチャンスかもしれないという気持ちでぜひ取り組んでいただきたい、こう思っております。特に、江藤副大臣、小里政務官も農業県でしょうから、信頼を得て、スキームが信頼という意味に変わるように、ぜひお願いしたいと思います。
 そして、我々農業県なんですけれども、まだ私は秋田県知事としっかりと話していないですけれども、新聞記事を見ると、秋田県の知事が減反見直し、こういうようなことで出ているわけです。それはやむなしで、ちゃんとした対策をということで。
 多分、中央が国全体の農政の方向を変えれば、農業県の人たちも少しずつ変わり始める。しかしながら、それは、急ぎ過ぎたら反対に全部変わる。しかし、逆にここでひよって全く計画を立てなければ、ただ単に十年過ごして、先ほど江藤副大臣が言った、七年後のオリンピックのときには、耕作放棄地がふえて、どんどん自然減になって、土地は集約できるかというと、逆に、農地として使えないところがふえるという現状が出てくると思いますので、ここは覚悟を持って、反対の方々にもしっかりと説明して、そして計画を立てて、この大転換を果たしていただきたい、それには協力をしていきたい、こういうふうに思っております。
 大臣、覚悟をもう一度お願いします。
○林国務大臣 副大臣、政務官からもそれぞれ答弁があったところでございまして、まさに今、村岡委員からも御指摘いただきましたように、ある意味では岐路に立っている。平均年齢が六十六歳ということでありますし、耕作放棄地も年々ふえているということでございますから、このまま座して衰退への道をたどるのかといえば、それではいけないということで、大きな改革になるということをしっかりと見据えた上で、国家百年の計であるこの改革にしっかりと取り組んでまいりたい、こういうふうに思います。
○村岡委員 ぜひそのようにお願いしたいと思っております。
 それで、やはりお米なんですけれども、私は前に、北海道から沖縄まで、いろいろな気候があり、そして風土がありと言いました。お米にしても野菜にしても果樹にしても、いろいろな面で生産を技術で高めていくということも、もちろんブランド化もあります。
 いろいろな地域によって、よく言われている適地適産という中で、いろいろな特区とかそういうものはこの生産調整の見直しの中で考えることはできるでしょうか、大臣。
○林国務大臣 今まで我々、特区というものは、構造改革特区ということで、いわゆる規制緩和の例外ということをやりました。これは、規制緩和を全国で一律にやりますと、影響がどのぐらいかまだわからないところがあって、やってみて、よろしければ全国に展開しよう、こういうようなことはやってまいりまして、その後、総合特区、また今の政権でも国家戦略特区というものを検討しておるところでございます。
 そういった意味では、農業の場合は、適地適作とか、先ほど来御議論になった産地資金、産地交付金的なものはございますけれども、一の行政区画を区切ってその中だけというものが、全くないとは申し上げませんけれども、ここでできるもの、そこでできるものというのを、まさに適地適作という言葉があるように、その地区地区に応じて、特区というよりは、自主性を重んじてその地区に合った施策をやっていただけるような、ある意味ではフレキシブルな仕組みを持っておくということが肝要なのではないかというふうに考えております。
○村岡委員 決して四十七都道府県なんという単位で考えているわけではないんですが、北海道には北海道、東北には東北の特性がある、そういう意味での大きな単位で考えていくこともしなければ、この大きな大転換のとき、全国一律競争と自由はいいんですが、しかしながら、それを任せたままでは農業は崩壊すると思います。
 スキームを立てたときに、ある程度の、北海道の部分、九州の部分、そういう大きい単位では特区的なことを考えていかないと、これは一挙に崩れてしまうと思いますので、そこのところもしっかりと考えてもらいたいと思っていますが、どうでしょうか。
○江藤副大臣 特区という考え方は、大臣がおっしゃったように、まず試験的にやるということが基本的にあるんだろうというふうに思います。
 これから、私たちが考えているのは、やはり地域でビジョンを作成していただくということをやっていただく。地域の自主性を生かすには、我々の地域はこういう方向性を向いて、この地域の活性化、そして特徴を生かした競争力のある地域づくりをするんだということは、あくまでも地域の主体性を土台としたものとするべきだと思いますので、このビジョンの作成を通じて委員のおっしゃるような思いは実現されていくのではないかというふうに考えます。
○村岡委員 というのは、これまでの農政の中で、もちろん日本の生産調整にしてもいろいろな農政にしても、一年ごとにいろいろな農政が変わったと言われていますけれども、その中で、今まさに江藤副大臣が言ったように、自主性にほとんど任せていない。経営者が国みたいな形だったんです、農業が。
 そういう意味では、いろいろなアイデアを出してきた大きな単位での地区に関しては、ある程度自由裁量の中でお金も使わせていただかないと、なかなか農業が成長産業にならないということがあると思います。
 やはり、農業を国が経営してきたような状況から農業者の手に戻すといいますか、農業者がしっかりと経営者になる、こういう意識で大転換をしなければならない。先ほど言った、技術的なものでは、減反の見直し、中間管理機構、輸出、そして農業の再生エネルギー、これはいいんです。しかし、農業者の気持ちが、また法人が、そういうところが、国が経営しているんじゃない、自分たちが経営しているんだということに変わっていかなければ、本当の大転換にはならない、こう思っているんですけれども、どう思っているんですか。
○林国務大臣 まさにいろいろな、経営所得安定対策を見直していく、また直接支払い等々の設計をする、こういうことになるときに、一つの大事な視点は、何をつくっていくか、適地適作の中で、どういうものを経営の中に入れていって、そして、先ほど鈴木先生の議論でもありましたけれども、所得を安定的に高めていくか。これを決めるのが経営者ということであれば、この経営者の自主性というものが最大限生かされるような仕組みにしていかなければならない。
 今までそうでなかったと言うつもりはございませんが、新しい制度を検討するに当たっては、その視点を非常に大事にしていきたいというふうに考えております。
○村岡委員 大臣、今まではそうでなかったというふうに言っておりましたけれども、今まではやはり、農業は経営という感覚は持たなくてよかったんです、経営という感覚は。それが、何年か前からは、持たなきゃいけないということで、もちろん法人とかそういうのはできてきましたけれども、根本的に変えなきゃいけないときなんです。国が経営している、親方日の丸という考えの中でやっている部分では、なかなかこれはうまくいかない。
 そこの中で、ただ、そこは先ほど言ったように、一挙にはいかないことはわかっております。ですから、経営者としてしっかりとした能力を発揮できるような部分の施策も必要です。そこの部分で、やはり大臣の認識は、経営者としての部分を生かせるようにという部分が、しっかりとそこの部分を対策としてもとっていただきたい、こういうふうに思っております。
 農業も、江戸時代とかそういうころになれば、いろいろなところの融合という中で、経営者だったんです。例えば、米や野菜をつくる、そしておけや何かを内職でつくる、それから酒をつくる、いろいろな意味で、経営者として農業が成り立っていた。しかしながら、食料不足だったり何かで、やはりつくっていただくという中で、ずっと農業は流通や販売にかかわらなくてもいいような国の政策があったから、こういう形の中でなかなか経営の方に行けなかった、こういう部分があります。
 そして、この大転換は、減反と言っちゃいけないと言っていますが、生産調整、そして先ほどのいろいろな仕組みのもので変えていく、この制度のことだけをバラ色のように伝えちゃいけないと思うんです。やはりここで、自己の責任がある経営という部分をもう一度、農業者なり農村社会に復活してもらわなきゃいけない。その二つが組み合わさってこそ日本の農業は変わるという意味で言ったんですが、大臣はどう思われますか。
○林国務大臣 これは、どこかの視察に行ったときに現場の方に言われて、なるほどなと思ったのは、今先生もおっしゃっていただきましたが、明治、またそれ以前の江戸時代に、百姓という言葉があって、百姓の言葉の意味というのは、百のことを同時にやるんだと。適地適作の中で、生産効率を上げ、売り上げを最大化するために、百もの、いろいろな作物をおつくりになっていたということだと思いますが、まさに、そういう言葉があるわけでございますので、そういうものをしっかりと捉まえてやっていきたいと思います。
 よく言われるのは、EUの共通農業政策、コモン・アグリカルチュラル・ポリシー、CAPというのがございますが、ここでよく出ていたのはデカップリングという話で、何と何をデカップルするか、外すかといえば、何をつくるかということと、いろいろなそれを支援する制度というものがなるべくくっつかないようにするというのがこのデカップリングの意味だ、こういうふうにも承知をしておるところでございます。
 まさに、何をつくってどう土地を最大限利用していくか、労働力を最大限活用していくかということを経営者という概念でやっていただく、この視点をやはり大切にしていく必要が、重要であると思っております。
○村岡委員 ぜひ、その認識のもとで進めていただきたいと思います。
 中には、ヨーロッパ型を目指そうとすると、日本は気候や環境が違うのでできないと言う人がいる。私は、そうは思っていません。日本もそれだけに、先ほど大臣が言ったように、いろいろなことができるのが百姓でありますし、やはり農家の方々は地域のこともよくわかっていますし、しっかりと経営の理念なり、そして経営の実践ができるようになれば、農村社会は変わってくる、こう思っております。
 例えば、農業県というと、我が秋田県や新潟県を思い浮かべる場合が多いんですけれども、本当は、産出額だったり、それから効率性の面積だったり何かを考えると、一番は北海道なのは、もちろん面積が大きいから当たり前なんですが、千葉や鹿児島や宮崎や愛知が上位に来るんです。
 やはり、そういう意味では、切磋琢磨しながら、決して農業県というイメージだけじゃなくて、経営をやっていけば、農業には観光もついてきます。そして、いろいろな面で、農村社会全体、その県が変わってきます。そういう意味では、農業というイメージよりも、ヨーロッパの場合の農業地帯というのは、観光という中の、一体となって農村社会ができているので、そういう方向性との組み合わせができるかどうかというところが大きな農業の大転換だと思っております。
 その包み込む地域の部分の中に、先ほど言っているのがつながっていくと、例えば、農業だけの特区じゃなくても、観光の分野やそういう中で、大きな視点でその地域を考えていくという方向の中で、ですから、大臣にはぜひお願いしたいんですけれども、農村社会を変えるというときに、農林省の分野だけではできないと思います。経済産業省もあるでしょう。そして、国土交通省の観光庁もあると思います。そういう意味では、地域全体、丸ごと農村社会が成長するというところにもうちょっと大きなプランを持ってぜひ示していただければと思っておりますが、大臣はどのように。
○林国務大臣 大変大事な視点だというふうに思っておりまして、与党の方でも御議論をいただいて、農業、農村の所得を倍増していくことを目指すと。農業、農村と言ったのは、今まさに委員がおっしゃっていただいた、観光等との連携等も含めた六次産業化と言われているものをやることによって、農村そのものがやはり発展していかなければならない、こういう意識でございます。
 したがって、農林水産省にとどまらず、官邸に農業それから農村活性化の本部も置いていただきまして、ほかの閣僚にも御出席いただきまして、例えば、総務省は地域政策を担当しております、ITも担当しておられますし、経産省、外務省、環境省等々、それぞれと連携して、寄ってたかってと言うと何となく悪いことをするようなイメージがありますが、寄ってたかって、やはり農業、農村の活性化を政府全体としてやっていく、こういう仕組みもできておりますし、午前中答弁したように、そこでの取りまとめは十一月いっぱいぐらいをめどにやっていきたい、こういうふうに思っております。
 今、我が省でも、各省にどういうことをやっていただくかということを具体的にして、ただみんなでやろう、寄ってたかってやろうというだけではなかなか施策に落とし込んでいけませんので、具体的に各省にこういうことを投げかけていこう、一緒にやっていこうということを、弾を出して実際に折衝していただいているというところでございますので、そういう施策を通じまして、農業、農村が活性化していくようにしていきたい、こういうふうに思っております。
○村岡委員 ぜひそのことを考えながら進めていただきたいと思っています。
 というのは、企業で、もちろん農村社会が一緒になって発展していくところもあると思います。しかし、家族経営でも絶対生きられないというわけじゃないと思っているんです。
 それは何かというと、例えば、全く農業ではないですが、京都とか浅草というのは、店を見ると家族経営の店が非常に多いんです。それは観光等、それから商売もいろいろな部分があると思いますが、そういう意味では、農業も家族経営の集合体のところでも成功する例をつくると、それはそういう地域もできると思うんです。
 だから、企業家のところで成長する農村社会、家族経営で農村社会が発展するところ、その部分もいろいろな組み合わせがあると思います。その中には、先ほど言った地域全体での特区もありますけれども、そういうモデル地域をつくっていく。家族経営は絶対に規模の拡大をしなきゃだめかというと、そうじゃないのはヨーロッパでもあります。そして、法人化もやっていかなきゃいけない。
 この二つの組み合わせでいくときには、成功事例でやはりモデルケースみたいなのをつくらないと、成功事例をつくっていかないと、時間をかけるといっても、時間を費やしただけではこれは成功できない、こういうふうに思っておりますので、その部分はどう思っていますでしょうか。
○林国務大臣 これは、どういう形態であるかというのは、先ほど委員からお話があったように、どういうものをきちっとつくって生産性を上げて所得を上げていくかということからすると、一つの手段でありますので、あるいは家族経営、あるいは集落、また、法人化された集落、企業の参入、いろいろな形態があっていい、こういうふうに思っております。
 その中で大事なことは、その経営体といいますか、やっている方々が一番うまくチームとしてできていくような仕組みをどう形づくっていくか、これが大事なところでありますので、そういうことを視点に置きながら、いろいろな施策を展開していく、こういうことが大事だというふうに思っております。
○村岡委員 最後になりますけれども、TPPの問題は、これは外交交渉なので、しっかりと外交交渉の中で、国益、そして守っていくものは守っていくということは大切なので、ぜひ政府の方で交渉を進めていただきたい、こう思っております。
 いつも言うように、それにはかかわらず、農業の政策をしっかりと、大転換だという意識を踏まえて、ぜひつくり上げていただきたいと思います。
 抵抗はたくさんあると思います。しかし、思いは、抵抗する人も、そして新しく農業を転換する人も、農業そして農村社会をしっかり守り育てるということは、目的は一緒だと思います。そのためには、先ほど言ったように、信頼をいただけるような形での資料の発表、政策の発表ということもきちんとやっていただきたいと思っております。
 我々日本維新の会も、ただ単に競争を農業に求めているわけではなく、農村社会、農業がしっかり発展していくこと、それを望んでおりますので、そういう政策で進めていかれるならばぜひ協力をしていきたい、こういうふうに思っております。
 きょうは、TPPのことだけに集中しようということの質問をしておりましたが、午前中は終わりましたし、そして、やはりこの産業競争力会議で言っていることの実践が実際に進むことを望みながら、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○坂本委員長 次に、林宙紀君。
○林(宙)委員 みんなの党の林宙紀です。
 大臣、副大臣、政務官、そして委員の皆様、国会閉会中は大分長かったなと思いますが、御無沙汰しております。今国会もどうぞよろしくお願いいたします。
 端的に言いまして、今の政権の、特にこの農林水産行政というところにおきましては、我が党としても大変今後を楽しみにしているところでございます。
 というのも、私たちがずっと政策の中に入れてきた農地の集約、大規模化というのは、もう既にこの政権が成立してから取り組んでこられておられることですし、最近は、きょうの質問の中でもさきの質問者の皆さんが挙げられていましたが、生産調整をどのように見直していくかというような議論も出されているようなので、私たちとしては、これをできる限りいい方向に持っていけるように、ぜひ協力をさせていただきたいなというふうに思っています。
 もちろん、TPPに関してですとか、いろいろな問題がこの閉会中にあったわけなんですが、悪いことばかりではなくて、いいニュースでいえば、農林水産とは直接関係ないかもしれませんが、東京オリンピックの開催も決まりました。本当に長い閉会期間だったなというふうに感じながら、しかし、いろいろなこと、いいことも悪いこともあったなというふうに思っています。
 そんな中で、きょうは、非常にピンポイントな話題での御質問をさせていただきたいと思っています。
 閉会中にふと気がついたことがありまして、私の地元の宮城県も、これはもう自信を持って農業県ですというふうに常日ごろ言っているわけなんですが、全国比例の方も入れて、国会議員が衆参合わせて十数人、とにかく地元を宮城にしている国会議員の方ということでいいますと十数人いらっしゃるわけなんですが、そのうち農林水産委員会にいますのが私だけなんですね。
 私のような経験の浅い新人がいいのかなと思いながら、しかしながら、責任を果たしていかなければいけないだろうということで、この閉会中、いろいろ宮城県各地に行って、農業あるいは農地に関してどんな問題を各自治体でお持ちなのかなというところを、できる限り行ってきたつもりであります。
 その中で、さまざま問題がある中で、今、非常に悩ましいというのが、皆さんのお手元にもお配りをさせていただいておりますが、ちょっと裏表なんですけれども、汚染稲わらという問題でございます。これは、皆さんも恐らく報道でごらんになっている方が多いんじゃないかなと思うんです。
 詳しい内容はこの記事、あるいはこの委員会が終わった後にぜひ調べていただいてということにしますが、簡単に申し上げますと、宮城県を含みます北海道プラス九県で、放射性物質、放射線に汚染されていますよと言われる稲わらとか牧草というのが、八月の末でまだ七万トン近く残っているわけなんですね。その左上の表にもありますけれども、そのうち宮城県がほぼ半分近い、そんな状況になっています。半分以上と言っていいですね。
 そのぐらいになっているわけなんですが、当然、地元では、この汚染稲わら、牧草をどのように処理していこうかというのが非常に懸案事項です。なぜならば、農地に影響するというのはさることなんですが、宮城県は実は牛もかなり有名なんですね、仙台牛。その牛を飼育するのに使っていた稲わらだとか牧草というのがこのように汚染されている形で、なおかつ、当然、風評被害みたいなものを恐れるところもあるので、この汚染牧草や稲わらがある近くでは農業もできないし畜産もできない、そういうことになっているわけです。
 具体的には、大体、各農家さんの農地のできるだけ人から離れたようなところに集積して置いておいていただくとか、あとは、一キログラム当たり八千ベクレル以上のいわゆる指定廃棄物になっているものについては、市町村でできるだけ集められるものは集める、集められないものについては、これも同じで、農家の軒先に何とか保管をしていただくというようなことになっています。
 実は、これは宮城県以外だと、例えば栃木とか岩手でも大変悩ましい問題ということで今まであったわけなんですが、とりあえず、一キログラム当たりが八千ベクレル以下の指定廃棄物ではない一般廃棄物、これは市町村で処分をしてくださいということになっています。先ほど申し上げた八千ベクレル以上の指定廃棄物は、これは国が責任を持って最終処分場をつくって、そこで処理をするということになっていますが、八千ベクレル以下だと市町村、各自治体でやってくださいということになっています。
 具体的にはどうするか。各市町村にある焼却場、ここで燃やして大丈夫ですよというわけなんですね。あるいは、農地にすき込んでも構いません。こういう方法が可能なんです。ということで、岩手では焼却が進んでいて、栃木ではすき込みがその処理の主流になっているということです。
 では、宮城もそれをできないものなのかなということで突き詰めていくと、宮城県はどうしてもそれができないということになりました。汚染牧草だけで二万八千トンあるわけですから、とにかく宮城県で進まないことには全体的に話がまとまってこないだろうというところはもちろんそうなんですけれども、処分場に搬入するというところで、いわゆる地元の住民の皆さんがこれは反対しているわけなんですね。要は、震災後の瓦れきの処理でもありました。東北の沿岸部の瓦れきを、いろいろなところでちょっと助けていただこう、処理をするのを助けていただこうといったときに、そういったものを地元に持ってこないでくださいという議論が確かにありました。それに近いものですね。それは、心情としては私もかなり理解できます。
 さあ、この稲わら、牧草をどうしようかなと思っていたところに、今度は今の記事の裏側の資料になりますが、我が党の参議院議員の中西健治議員が、この稲わらを牛の餌として活用できないかということを提案しました。当然、牛の餌といっても、通常の市場に流通する牛ではありません。
 実は、福島第一原発から二十キロ圏内で、今なお殺処分されずに飼育されている牛、いわゆる被曝した牛というものが存在しています。これは、当初、国の方から、畜産家の同意を得て殺処分をする方針ということで決めたんですけれども、同意を得られなかったところに関してはこのように残っている。これが大体七百頭ぐらい残っています。処分の前は三千五百頭ぐらいおりましたが、餓死あるいは殺処分ということで、今は七百頭ぐらいになっています。
 皆さんもお聞きになったことがあるかもしれませんが、福島・浪江町の希望の牧場というところで、その七百頭のうちの半分、三百五十頭ほどを今飼育しているような状態ですということですね。この希望の牧場は、現在、居住制限区域ということになっています。
 中西議員が提案し、私たちが提案をしているのは、要は、この生きている牛というのを、生体に対する放射線の影響を調べるということで、貴重な研究対象にするべきなんじゃないかというような趣旨でお話をさせてきていただいたんですが、この資料のとおり、実は我が党、渡辺喜美代表それから中西議員が、党を代表して、九月の六日に大臣にこの件についての要請をさせていただきましたということになります。
 ちょっと前置きが長くなりましたが、ここから質問になります。
 九月六日、要請させていただいたとき、ちょっと我が党もいろいろ大変な時期ではあったんですけれども、報道をいろいろ騒がせてしまいましたので、久しぶりにちゃんとした政策という形で報道に載せていただいたなということで、私も非常にうれしかったんです。
 要は、九月六日に大臣に要請をさせていただいたときに、大臣は、福島県と相談をして、何ができるか考えたいというようなことをおっしゃっていただきました。非常に、私としては、少しでも前向きなお答えだったかなというふうに思っています。
 そして、これは直近、十月十八日、参議院本会議ですが、同じく中西健治議員が、代表質問の中で林大臣にこの件を改めて問いかけたところ、心情的には理解できますがというような御答弁をいただいているんですね。
 ですので、ある程度一定の、これはやれるものならやった方がいいんじゃないのかなと御理解はいただいているのかなと思いますが、まずは、要請をしてからここまで、本件についてどのような進捗状況になっているのかというのを教えていただきたいと思います。
○小里大臣政務官 みんなの党、渡辺代表から要請をいただきました、その取り組み状況ということでございます。
 まず、九月十三日に、飼料の輸送費について東京電力へ要請内容を伝達しております。
 二つ目に、九月二十六日に要請全般につきまして福島県と協議をしております。
 また、十月十日には、畜産、獣医学の専門家を同行して、当該牧場の現地調査及び意見交換をしております。これは、特に白い斑点の牛が多々見受けられる、その原因調査のためということでございました。
 そして、十月二十八日に汚染牧草の移動等について福島県と協議をいたしまして、現在、現地調査等を踏まえた関係市町とのこの移動についての意見交換を行うための調整を今やっているというところでございます。
○林(宙)委員 九月の六日にその要請をさせていただいてから、少しずつ進捗というか進めていただいているのかなという感じはしますが、その当時に、我が党の渡辺代表からは、これは非常に緊急性の高い案件なんだと。緊急性というのは、危険度がという意味ではなくて、時期的に早目にやっていただきたいというようなお話なんですね。
 というのは、汚染された牛、汚染されたと言ったら変ですね、被曝した牛に飼料として汚染牧草を与えてはどうかというような趣旨の要請だったわけなんですが、実は、この牛に食べさせていた飼料というのが、間もなく冬を迎えますので、かなり減ってきている。この冬を越せないんじゃないかという危機感があります。
 そういう意味でいきますと、政府の中でもいろいろな捉え方があると思いますから、端的にお聞きしたいんですが、この問題のプライオリティーというのはどういう状態なのかなというところを聞きたいんですね。
 というのは、これはやはり、やれるものならやるべきだということで、進めていきたい重要なものだと考えているのか、いや、これよりももっと先にやるべきことはあるんだよ、後回しにした方がいいよ、そういうことなのかということについて、御見解をいただきたいと思います。
○小里大臣政務官 御指摘の趣旨はわからないわけでもありませんし、大変悩ましい問題でございます。
 また、後ほど御質問もいただくんだろうと思いますが、これを進めるに当たって地域住民の理解というものが必要になってくる。また新たな風評被害を生むかもしれない。いろいろな懸念が予想をされるわけであります。
 そこで、対応が遅いじゃないかということでございますが、要請のあった内容のうち、東京電力への要請内容の伝達、暫定許容値以下の飼料の活用、研究への活用等の飼料の調達以外の点につきましては、十月十日の現地調査の段階までに、事務方から要請者に対して説明を行っております。
 問題の飼料の調達につきましては、当事者間でまず調整をしていただくべきものであります。特に、暫定許容値を超える汚染牧草の移動につきましては、関係自治体、そして福島県内の生産者団体等の御理解を十分いただきながら進める必要があるわけであります。
 このため、現在、十月十日の現地調査等を踏まえた関係自治体との協議を行っているというふうに御理解をいただきたいと思います。
○林(宙)委員 今の御答弁の中で出てきた当事者同士というのは、具体的にどなたとどなたになりますか。
○小里大臣政務官 関係県、市町村、生産者団体、また地域住民の皆様だと思います。
○林(宙)委員 つまりは、その牧場の方が飼料として汚染牧草を欲しいというのであれば、まず最初に、その方々と市町村、あるいは県で協議をしていただくべきだという御趣旨でよろしいんですね。そういうことでよろしいでしょうか。
○小里大臣政務官 まず、この受け手、出し手はもちろんでありますけれども、これによって影響を受けるであろう住民の方々、また、関係生産者団体、そして県、市、自治体、こういったところも十分に御理解をいただきながら進める必要があるということでございます。
○林(宙)委員 そうすると、住民の方々というお答えも今出てきたのです。
 今は居住制限地域なので、常時的に住まわれている方というのはなかなか多くいらっしゃるわけではないというか、夜になったら、これはもう帰らなきゃいけないという状態なので、避難をされている住民の方々も含めて、お話を、協議をすべきだという趣旨でよろしいんですかね。それだと、かなり難しいんじゃないかと思います。
 あるいは、例えば、浪江町の町長さんと直接お話をして、それを住民の皆さんの代表とするとか、そういうことでよろしいんですか。今、うんと言っていただきましたので、大丈夫です。なるほど、わかりました。
 そうすると、今回の要請の肝というのは、実はそこをどうするかという細かい議論もそうなんですが、要は、この被曝した牛が、将来の家畜ですとか動物一般、あるいは、そのさらに先に行くと、人間に、生体に対して、放射線という意味での影響において、どんな影響が残るのかということを研究する貴重な調査対象になるんじゃないのかなと思っているわけです。
 まさに、生きている個体で、放射線被曝に関する研究を行っていくというのは極めて難しい。当然、世界のどこを探しても、そのような生体が存在するところはほぼないわけですね。今回は不幸にしてこういった状況にはなってしまっているわけなんですが、ならば、むしろ、それを今後のために生かすというのも一つ大事な視点なんじゃないかなと思うんです。
 実はその要請を大臣に行わせていただいたときに、同席をさせていただいた学者さんがいるわけですね。その方は放射線関係の研究をされている学者さんで、三・一一の後に、農林水産省さんの関係の研究にも従事をされていた方ですよというふうに私は理解しております。そういった学者さんも、この生きた牛というのは非常に大事だ、今後生かすべきだというふうにおっしゃっているからこそ、同席をさせていただいたわけです。
 それについて、それについてというのは、この研究が非常に貴重な機会なんだ。研究がというか、この生きている牛ですね。被曝しながらも生きている牛、これが非常に貴重だと私たちは考えていますが、農林水産省としてはどのようにお考えなんでしょうか。
○雨宮政府参考人 被曝牛の研究についてお答え申し上げます。
 被曝牛を使って家畜への放射線の影響を調査することにつきましては、研究の対象とされる以前に、どの程度被曝したかという放射線量の程度が不明でございます。したがって、有効なデータを得ることは難しいのではないかなというふうに考えております。
 一方で、屠畜前に牛肉中の放射性物質濃度を推定する技術の開発といった、被曝牛を用いても有効なデータが得られるものにつきましては、提案公募型の研究資金を活用して研究支援をしているものもございます。
 今後とも、大学等から具体的な研究の計画がございますれば、提案公募型の研究資金に応募していただければと思っております。
 以上でございます。
○林(宙)委員 ということは、この要請の肝ですよと言いましたが、要は、この個体に関しては、今おっしゃったように、被曝した時点での放射線量がわからないがゆえに研究対象にはなり得ないと考えられているということでよろしいんでしょうか。お願いします。
○雨宮政府参考人 先ほど申し上げましたように、被曝牛を用いても有効なデータが得られる、そういう研究もございます。ですので、そういう具体的な研究の計画が出てくれば、その時点で検討するということかと思います。
○林(宙)委員 ということは、それを用いても有効な研究ができますよという研究の申し出があれば、その時点で考えるということなんですか。それでよろしいんでしょうか。
○江藤副大臣 はるかに私の方が低レベルの理解度しかないんですけれども、あえてお答えさせていただきますが、私も野党時代にこの施設には行ったことがあります。そして、研究されている方にも直接お会いをしました。被曝したものに限らずに、例えばイノシシなんかの肉を検体としてとって、それを送って研究している方もおられます。
 そういうことについて資金の提供等をして後押しはしておりますが、しかし、大変かわいそうな牛ですよ、被曝をしてしまって。この子たちを、私は牛のことをこの子と言いますから、見殺すようなことは人道的にも心情的にもとても耐えがたいことでありますけれども、では、検体として今後の何に生かしていくのかということを考えると、なかなか、これは決して二度と起こってはいけない事例でありますので、将来につなげるような研究の材料的なことで捉えるのはちょっと難しいのではないかというふうに理解をしております。
○林(宙)委員 済みません。もし曲解していたら正していただきたいんですが、江藤副大臣の今おっしゃった内容の中心というのは、将来このようなことが二度と起こってはならないと思っている、その上で、万が一それが起こったときのことを考えて研究をするというのはけしからぬというような内容なのでしょうか。そのようなことではないのでしょうか。
○江藤副大臣 けしからぬということを言っているのであれば、例えば先ほど申し上げました、イノシシの肉を送って調べるなんということも我々は認めませんし、そういうこともやめなさいと、研究費の助成もいたしません。
 そういうことは、やはり学問的な知見を重ねるという観点では非常に有益かもしれませんが、我々は農林水産省でございますので、そういう観点では、この牧場にも、多分私は筆頭理事と一緒に行っております。現地の方と意見交換をし、その牛そのものもこの目で見ました。
 そういう経験をした者として、決して、けしからぬとか、そういう意味で申し上げたのではございません。
○林(宙)委員 それは大変失礼をいたしました。私の理解が恐らく間違っていたんだと思います。
 ただ、それを研究して今後につなげていくことが私たちは有効だと思ったがゆえに要請をさせていただいたというところだけはぜひ御理解をいただきたいんですね。
 そのお話をさせていただいているときに、要は、私のもともとの問題意識というのは、東北地方を含め、北海道と九県でそういった汚染牧草がまだ残ってしまっていて処分のしようがないというようなお話だったわけです。そこから始まって今の要請のところにつながってきたわけなんですが、実際にいろいろな理由があると思うんですけれども、その牧場の方々が言っていたのは、仮にそれを食べさせていいよということになっても、多分、では、宮城県からその稲わらあるいは牧草を運べるかとなったときに、実は運べませんというふうに言われましたということなんですね。
 これは、政府としての見解としての理由を教えていただきたいんですけれども、よろしいでしょうか。
○小里大臣政務官 宮城県、福島県は牛肉の出荷制限の対象地域であります。そのため、両県が厚労省の了解のもとに出荷検査方針というものを定めております。これは、暫定許容値を超える汚染稲わら等について、県と市町村はその処分、焼却とか先ほどのすき込みとか、これがまず前提にあるわけです。その処分までの間、関係団体等と協力し、定期的に適切な保管がなされていることを確認するということとしております。
 このような中で、畜産物の生産を目的としない場合であっても、誤給与の防止、また最初に申し上げた、新たな風評を生んでしまう必要もあるわけでありまして、そういったことも考えていかないといけない。そういったことで、福島県においては、暫定許容値を超える汚染牧草の被曝牛への飼料利用についても慎重とならざるを得ないという考えであると承知をしております。
○林(宙)委員 ありがとうございます。
 県境を越えてはいけないというのは、私も、地元で、宮城県の方でもいろいろ聞きました。ただ、私が持っていたイメージとちょっと違っていたなというのは、国は、特に、移動していいとか、してはいけないとかということじゃなくて、移動させるときはとりあえず報告だけはしてくださいねという立場だと思っていたんですが、県の方に聞いてみると、どっちかというと、どうやら国は移動させてくれるなという立場だと聞いたんですね。なんだけれども、もし万が一移動させなきゃいけないということになった場合には報告をしてくださいというような、ちょっと微妙なイメージの違いがあったんですね。
 これだと、自治体としても、それは、あとは自治体で決めてくださいと言われても、なかなか動けないというような事情があるということはおっしゃっていたというのを共有はしておきたいなというふうに思います。
 とにかく、県境を越えて動かすというのは、確かにいろいろセンシティブな問題があると思うんです。大臣も、十八日の中西議員の本会議での質問に対する答弁としては、今後、住民の帰還を進めようとしている中にあって、住民の理解が得られるのかどうか、そういった、慎重に対応する必要があると考えておりますということになっています。
 大臣の住民に対する懸念というのは、これは先ほどの議論でも出てきたところなので、ちょっと確認になるんですけれども、今ここは居住制限区域と帰還困難区域にまたがるエリアになっていますので、常時的にいらっしゃる住民というわけではないのかなと思うんです。要は、例えばそれを代表する町長さんとお話をしなければいけないというか、そういうぐらいでの意味なのかどうか、ちょっと確認だけさせていただきたいと思いますが、この住民というのはどなたを想定しておっしゃっているのか、教えてください。
○小里大臣政務官 御質問の趣旨に沿ってお答えをしたいと思いますが、御案内のとおり、旧警戒区域内の南相馬市と浪江町にまたがって御質問の牧場は存在をしております。
 平成二十五年四月一日及び十六日にそれぞれ再編をされまして、当該牧場の大半が居住制限区域に指定されていると承知をしているところでありますけれども、これらの自治体内には比較的線量の低い避難指示解除準備区域、すなわち、これから住もうという地域も存在をしております。今後、除染が進められた後には、地元に帰還し、営農再開を希望する住民の方々も存在すると考えられるわけであります。
 また、先ほどお触れになりましたように、汚染牧草を移動する際に、通過する地域の居住者が飛散等による汚染を懸念する可能性も考慮する必要があると考えられます。
 このため、さきの本会議では、再編後の区域区分や帰還の時期にかかわらず、これらの自治体の住民を想定して答弁をしたという次第であります。
○林(宙)委員 ありがとうございます。
 そこに、例えば県外から運び込もうというところに対していろいろな懸念事項があるというのは私も理解していますので、それは強引にそこを何とかしなければいけないということにはならないと思うんですね。
 ただ、そうすると、問題というか、要は、ここの牛たちに対して、今飼料がない、御本人さんたちも、賠償という形でお金はいただいたようですけれども、それは殺処分を前提とした、いわば経済的価値を捨てるために賠償されたものであって、そのお金だけでは到底飼育を続けていくことはできないよということになるわけです。ですので、では、それを飼料が手に入らないということで諦めてくださいというわけにもなかなかいかないんじゃないかなと私たちは思っているんですね。
 というのは、後々に、農水省としては、研究対象としてはというお話でしたけれども、放射線の価値、放射線を被曝した牛から生体への影響をとるというところに価値があるんだという立場で私たちは申し上げましたので、そこのところに関して、この牛を、では、今後全くデータとしては使わないということであれば、もう諦めてくださいと言うしかないのかもしれませんが、とにかく、一方では汚染された牧草というのが処分できないでいるので、それで、餌としてそこの牛たちに提供していくというのは、一つ考えられる措置としてはありなのかなと思うわけなんです。
 そのときに、畜産物の安全性というところから、最初の通達では、被曝した二十キロ圏内にいる牛に対しても正常な飼料を与えましょうというような通達だったわけなんですが、ここに対して、この基準を緩めて与えるということもだめなんでしょうか。
 というのは、宮城県、その県境を越える、越えないの話は別なんですけれども、当然、福島県内にもそういった牧草というのはありますので、そういったものを管理されている方から、与えていいですよ、そこは県をまたぐわけじゃないので、移動できるんだったら移動して与えていいですよということにしていただければ、まだ少しは楽なのかなと思うんですね。
 ただ、今は、百ベクレルを超える牧草を与えることは基本的にはだめですよと言われているので、ここを許容するということができるのかどうか、これについての御見解をお願いします。
○江藤副大臣 この牛たちを餓死させるようなことは、動物愛護の観点からも人道的にもあってはならないことだと私も思います。
 そうは思いますが、しかし、百ベクレルを、明らかに許容量を超えている粗飼料を与えるということは、当然、そしゃくをされて、尿とかふんという形で、または土壌還元のようなことも行われていくわけで、片っ方では除染を行っておりますし、あの牧場では食べさせているというような、例えば本当にリミットな世界で、本当にとどまることができるのかということも若干正直心配ですよ。
 やはり、こういうことというのは、一つを緩めると何かなあなあになってしまうような世界がありますので、やはり百ベクレル以上のものについては、定期的に適切な管理を確認するというルール、これはやはり守っていくべきだというふうに考えています。
○林(宙)委員 ここまでの質疑で、大体どういった御見解なのかというのは理解できました。
 ここまで、私たちも、いろいろ農水省の方々も含めてお話をさせてきていただいていますが、実は、当初から農水省は、口に入らないものの研究、これは対象にはならないんですというお話を伺っていましたので、ただ、その後に、とはいってもということで、一応、ほかは厚生労働省さんとか文科省さんにもこの問題については問い合わせをさせていただきました。厚生労働省は、人にかかわる研究ではないので対象外である、そして文科省では、将来的にそういうことが役に立つような研究なのかもしれないけれどもということで、ちょっと腰が重いというか、明確な回答は返ってきませんでした。
 ですので、これについては、スタートが汚染稲わらとか牧草、これをどう処理するかという中でのお話ということもありましたので、農水省さんにここ一カ月ずっとお話をさせていただいて、私の中では、きょうは最終的に確認をさせていただこう、そのような中で質疑をさせていただいたんですけれども、基本的に、牛を農水省としてほかの省庁などにも働きかけて研究対象にしていこうという気持ちはないんだということで私は理解させていただきました。
 そうすると、きょうの質問の通達の中で出させていただいていたもう一つなんですけれども、これは今の汚染、被曝牛からはちょっと離れますが、要は、この牛にこの牧草を食べさせたとしても、実は大部分の牧草というのはなくならないんですよ。何せ宮城県だけで二万八千トンありまして、この七百頭の牛に一年間食べさせても三千トンぐらいしか減らないんです。そうすると、根本的に解決策にはならないということも私は理解した上でお話をしています。
 では、ただ、それだからといって、そのまま、住民の皆さんの理解が得られないからといって、焼却処分もできなければ、農地にすき込むこともできないという状態でいいのかどうかというと、やはりそれも違うんじゃないかなと思っていて、今の話を裏返して言うと、住民の皆さんが焼却処分あるいはすき込みに同意をしていただければ話は実は一気に進むようなことでもあるといえばあるんですよ。ただ、そこは非常に難しい。
 そのときに、私はこの間の東京オリンピックの安倍総理のプレゼンを思い出しました。あのときの、日本にオリンピックが来るかどうかという中で非常に大きな懸念だったのは、いわゆるあの汚染水の問題です。あれに関して総理が自信を持っておっしゃいました、コントロールされていると。それがいいかどうかは私はここでは言いませんよ。だけれども、しっかりと自信を持って、だから東京でやりましょうと国のトップがはっきりとあのようにおっしゃると、国際社会も、ならばその点については大丈夫だろうというふうに理解されたからこその東京だったんじゃないかと思うんです。
 あれを見たときに、私はちょうどこの問題について非常に悩んでいました。ぜひ責任あるポジションの方が、これは農水省に限った話ではないかもしれません、問題の性質として環境大臣なのかもしれませんが、大臣でもいいですし、副大臣の対応でもいいのかもしれません。政府が、これは自信を持って大丈夫だと言っていただく、責任を持って最後までやりますよと言っていただくことで、地元の住民も、何かいまいち不安だなと思っていらっしゃるような人たちがたくさんいると思うんですけれども、そういった懸念を払拭していただくことはできないのかなと思うんです。今のところは、市町村の担当者が矢面に立ちながら、いろいろなことを言われながら説明に回っているわけなんです。
 これは最後の質問にしますけれども、そういうところに大臣が農水大臣として行くというのはまた違うかもしれませんけれども、例えば、政府内でこの問題を共有して、どなたかに解決を図っていただくとか、そういう動きというものはできないものなんでしょうか。お聞きします。
○林国務大臣 渡辺代表と中西先生がお見えになったときにこの話を聞いたわけですが、そのときに私からは、この牧場の方はこういうことをやっておられる、一方で、被曝した牛を本当に泣く泣く殺処分した方もいらっしゃる。そういう方がいらっしゃるということも踏まえた上で、やはりこういうことは進めていかなければいけないのではないでしょうかということを、そのときにも申し上げたわけでございます。
 したがって、今、安倍総理の御発言を林委員は引かれておっしゃいましたけれども、やはり責任ある立場にある者がきちっと安全ですと言うには、先ほど副大臣、政務官からるる御答弁をさせていただきましたけれども、疑念を抱かせるということも含めて、やはりこういうことがないというものをしっかりと押さえておらないと、トップとしては責任ある発言にはつながらないだろう、こういうふうに思いますので、したがって、私は、本会議でも、心情的には理解できるけれども、そういうところを全部考えると非常に慎重に検討する必要がある、こう申し上げたところでございまして、今もそういう認識でおります。
○林(宙)委員 では、最後に、これは質問ではなくて申し上げたいことは、被曝牛の問題はそのとおりなのかもしれません。ただ、一方で、そこから離れて、いまだに汚染された稲わら、牧草が残っています。それを、少なくとも一般廃棄物の分類になっているものについては、住民の皆さんの合意が得られればという前提で、焼却あるいはすき込みで処理をすることができるんだ、それについては、これは環境省の方になりますが、お役所の方ともいろいろとお話をして、実は、八千ベクレル以下だというふうに言われていますけれども、実際にはかってみると大体ほとんどが数百ベクレルぐらいの線量だということ自体はわかっているとおっしゃっていました。
 ですので、リスクとしてはゼロとは言えませんけれども、これは、そういった処分をしても適正に管理もできるし、安全なんですよ、皆さんに御迷惑をおかけすることはありません、だから早くこの問題を処理しましょうというふうに政府として問題意識を持っていただく、あるいはそのように行動していただくというのが大事なのではないかなというふうに私は考えていますので、ぜひ今後、この被曝の牛だけではなくて、そもそも、汚染された稲わら、牧草についても、全国的に見たら非常に狭い地域で問題になっていることなのかもしれませんが、実は農業や畜産に対して、風評被害につながりかねないものとしてまだ残っているんだということをぜひ御認識いただきたいなというふうに思います。
 非常にピンポイントな話題でしたが、以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○坂本委員長 次に、鷲尾英一郎君。
○鷲尾委員 民主党の鷲尾英一郎でございます。
 時間も余りございませんので、早速ですが、質問に移りたいと思います。
 先日、産業競争力会議で民間議員の方が、生産数量目標に従って米を生産する農家に直接支払う交付金を来年度に廃止するということを提言されたということでございます。その理由としては、一言で言えば、市場をゆがめるということが書かれてありましたし、米価変動補填交付金につきましては、これも著しいモラルハザードを引き起こすために極めて問題だ、平成二十六年産から廃止すべきとこれも提言をされております。また、産業競争力を強化する観点から、平成二十八年に生産数量目標の配分を廃止して、生産調整を行わないということを提言されました。
 この委員会でも議論されたと思いますけれども、この報道に接して、やはり地元の農家の皆さんは相当心配をされているわけでございます。生産調整廃止と大々的に、もう目に触れただけで、えっ、自分たちはこれからどうなるんだろうと。ただでさえ、いろいろなTPPの問題で世間が騒いでいるような状況の中で、まさに足元が揺らぐような、そんな話がぽんぽんと出てくることに対して、かなり心配をされております。
 大臣が記者会見でおっしゃっておられました。これは政府・与党と十分相談しながら対応するという発言をされております。
 生産調整の見直し、あるいはそのもっと前に、我々がやった戸別所得補償政策について、新たな考え方のもと、自民党の中で見直されているというのは聞いておりますけれども、生産数量目標の廃止、ここまでこの提言はされているわけですけれども、生産数量目標の廃止が、大臣がおっしゃった、政府・与党との相談に含まれるのかどうなのかということをお聞かせいただきたいと思います。
○江藤副大臣 御質問にお答えさせていただきたいと思います。
 自民党の方も、平場はまだ一回しかやっておりませんで、まだ十分に議論が詰まっている段階ではございません。
 さまざまな生産基盤を抱えている私のような余り米のないところで、今筆頭はおられませんけれども、米生産県の富山県の先生とは当然考え方は合わないわけでありまして、しかし、それを合わせていく努力はしなければならないと思います。
 そして、先ほども答弁させていただきましたけれども、競争力会議に私が出席をしているわけでありますが、かなりきついことを言いますよ、新浪さんはやはり。相当きついことを言いますが、私も相当激しく言い返したつもりです、それはできることとできないことはありますから。
 そして、新聞等が何を論拠にああいう報道の仕方をしたのかよく私には理解ができませんけれども、私の宮日にも共同通信配信ででかでかと出まして、すさまじいハレーションが起こっているわけでありますけれども、そのようなことを、まだ私たちの方で、生産数量目標そのものをいついつまでに全部やめてしまうというような、そんな乱暴な議論は今のところいたしておりません。
 ただ、皆様方も共有していただけると思いますけれども、将来のあるべき姿として、そういうものはなくても、農家の方々が自主的に、例えば飼料米であるとか、多収穫米であるとか、ほかの戦略作物であるとか、そういったところに耕種変更をしていただいて、生産調整がなくても自主的な需給のバランスがきちっととれるような世界が実現できれば、それがベストだという考え方そのものは持っております。
○鷲尾委員 端的に、生産数量目標の廃止が含まれるかどうかということです。見直す方向性はあるんでしょうけれども、最終的に廃止ということも含めて議論しているのかどうかというところのお答えがいただきたかった、一言だけでも。
○江藤副大臣 今の段階ではそこに至っておりません。
○鷲尾委員 そもそも、この産業競争力会議ですけれども、政府で議論されているということですが、この結論に、もちろん農水省も政府の一つですけれども、農水省がどこまで拘束されるのかについて、ちょっと原則論をお聞かせください。
○林国務大臣 この産業競争力会議、正確に言いますと農業分科会というのをつくっておられるようでございますが、産業競争力会議分科会は、我が国産業の競争力強化や国際展開に向け残された課題について分野別に集中的な議論を行うため開催するとされておりまして、農業については、新浪議員、秋山議員の二名の民間議員をメンバーとする農業分科会が設置をされております。
 農林水産業を成長産業にするため、経営所得安定対策等の見直しなどについて検討を進める、こういうふうにされております。
 したがって、我々としては、最終的には、午前中にも申し上げましたように、官邸にございます本部で、農林水産業・地域の活力創造プラン、これを政府全体として十一月いっぱいを目途にまとめてまいりたい、こういうふうに思いますので、そこに至る過程の中で政府・与党の間で議論をするということと、産業競争力会議における議論も含めて、関係方面と幅広く相談をしながら決めてまいりたい、こういうふうに思っております。
○鷲尾委員 今の時点では、それぐらいの御答弁になるのかなと思いますけれども。
 よく、市場をゆがめるとか、自由な経営判断を阻害するとか、経営者の方はこういうのが好きですけれども、そもそも農業において、市場というものの取り扱いというのは私は慎重であるべきだと思います。市場というのは何も万能な存在ではないし、それは、市場という抽象的な言葉が何を意味しているかというのは、正直申し上げて、そんな安易に使って、市場をゆがめるからなんという話をされても、農業の現場の実態から考えると、余りにも離れ過ぎているのかなと私は思っているところでございます。
 ですから、市場原理、競争というものが、果たして我々の目指すべき農業の姿、農業がどうあるべき姿としてあって、それがどう国益にかなうのかというところで初めて市場の取り扱いが決まってくるわけでありまして、正直申し上げて、経営者の方が市場をゆがめますよと。それで、ああ、そっちの方が格好いいなと私は安易には思えません。
 ですから、今政府部内でいろいろ検討されるということでしょうけれども、農水省として、やはりそこは冷静な議論を促すように御尽力をいただきたいと思いますし、何が国益で、我々として何を実現しなきゃいけないのかというところを誤ってしまうと、市場によって農業の現場は壊されてしまうという危険はあるということは強く認識していただきたいというふうに思っております。
 その上で、経営所得安定対策の見直しを行っておられるということでありますけれども、これも産業競争力会議の提言にもありましたが、もう来年度に廃止せいという提言が出ている。これは、大臣、実際どれぐらいの時間軸で、我々は戸別所得補償政策と呼んでいましたけれども、経営所得安定対策を変えるのかというところをお聞かせいただきたいと思います。
    〔委員長退席、齋藤(健)委員長代理着席〕
○小里大臣政務官 経営所得安定対策の見直しの議論がどういう時間軸でどのように進んでいくかという御質問でございます。
 この問題は、御案内のとおり、先ほどからまた議論にありますように、多面的機能支払い制度、そして米政策全般、この二つとともに、いわば三点セット、さらに言えば、水田作、土地利用型農業に係る話ですから、農地集積も含めた、周辺の政策も含めた総合的な議論が行われているわけです。
 先ほどからありますように、その中のごく一部を、しかも曲解をして報道されて、現場に混乱を来しておるということは大変残念に思っているところです。
 そういった中で、おっしゃるように、米の問題、農業の問題、TPPの問題もそうでありますが、やはり市場経済の原則とは相入れない部分があるんじゃないかなと私も昔から思ってまいりました。したがって、よく議論を尽くしながら、また、産業競争力会議の意見も注意する必要はありますけれども、同時にまた、党内、野党の皆さんの議論もお伺いをしながら、しっかりと検討を進めていく必要があると思っております。
 そういった中で、なるべくその議論も、慎重にしながらも急いでいかないといけませんけれども、その内容、方向性が固まったら、速やかに現場への周知を図っていかないといけない、そして、現場に対してソフトランディングをさせていく、そういう内容であり時間軸でないといけないな、そのように思っております。
○鷲尾委員 今の政務官の御答弁ですと、時間軸が具体的に聞こえてこないのでございますが、もうちょっと明示的におっしゃっていただきたいわけでございます。
 例えば、来年度の予算編成にはいろいろな措置を盛り込みたいとか。そのスパンなのかどうなのかということが目下現場の今の一番の関心事ですから、来年度はどうなのかというところをはっきりと言っていただいたらいいです。
○小里大臣政務官 自民党における公約では、経営所得安定対策を見直しして、一方で、多面的機能、すなわち日本型直接支払い制度の導入を図っていくと公約をしておるわけであります。
 二十五年度につきましては、先ほどから御指摘のある、現場に混乱を与えてはいけないということで、制度そのものの実施は、見送ったわけじゃなくて、今、慎重に制度設計を進めております。とりあえず名称を変えて、あるいは中山間地払いとか、あるいは農地・水保全管理支払いとか、そういったところを充実させてきたところであります。
 そして、いよいよ、二十六年度はどうするかということでありますが、今、制度設計を進めております。その中で、まずは予算措置でできるところから、そして現場に混乱なくスタートできるところからやっていこう、そういう理念のもとに、方向性のもとに議論が進んでいると認識をしております。
    〔齋藤(健)委員長代理退席、委員長着席〕
○鷲尾委員 今の答弁は非常に興味深く聞かせていただきまして、とりあえず名前を変えたというところが非常に耳に残ったんですけれども、それ以上に、現場に混乱のないところから予算措置でもって二十六年度からやられるということでありますから、現場に混乱を生じさせないと今おっしゃいました。
 先ほど大臣の答弁にも、猫の目農政と言われてきた農業政策をどう現場に徹底するか、理解を求めていくかということは重要な問題だとおっしゃっておられました。そのとおり、これは正直申し上げて、何か安倍総理もTPP年内妥結だという話もされています、生産調整廃止だという話もされています。いつも以上に、現場の相場観としては、皆さんは混乱されていますよ。
 その中で、余り荒れ球をぽんぽん、これから年末が押し迫る中で出されると、農業者の方は本当に困ると思います。ですから、そういうことも含めて、冷静に球出しをしていただきたいということをお願いしたいと思います。
 続きまして、農業の担い手についてお伺いをいたしたいと思います。
 農地の集積ということで、当然、我が党も政権与党時代に取り組ませていただきましたけれども、集落営農をさらに法人化していくですとか、大規模法人の育成を推進していくということで、将来的には、法人事業体で一万二千五百法人を五万法人にまで上げていこうということが政府としての目標であると聞いております。
 その中で、改正農地法以降、株式会社もリース形式でもって農地の利用がしやすくなったということでございまして、貸借により株式会社が農業に参入する、これはいろいろな心配もあると言われておりますけれども、この点について、担い手という部分で、株式会社のことを大臣からお話しいただきたいと思います。
○小里大臣政務官 これも、ここでずっと議論が行われてまいりましたし、また党内でも議論を行ってまいりました。
 企業はすぐれた販路、ノウハウを持っておりますから、これを最大限に活用を図ってまいりたい、その方向性で議論を進めてまいりました。
 その一方で、五年前でしたか、農地制度改革というものを自民党政権時代にやりました。その根本は、所有権から利用権への転換ということであって、利用権本位の農地制度改革を進めていこうということでありました。
 これに基づいて、企業には利用権において全面参入の道が開かれたわけであります。企業が農業に参入する方法としては、利用権による方法、そして農業生産法人に参加する方法、あるいは農業経営者と契約をしてそれにかかわっていく方法等々ありますが、そういった方法をしっかり駆使しながら企業の活用を図っていきたいと考えております。
○鷲尾委員 一方で、農地の集団化ですとか、農作業の効率化その他周辺の地域における農地の農業上の効率的、総合的な利用の確保に支障が生ずるおそれがある場合があるということで、改正農地法の議論のときも懸念されていたわけでありまして、実際に法が施行されてから、政務官がおっしゃったように数年たっておりますから、その中で、今どういう状況なのかというところを、今どういう懸念が生じているのかということをお聞かせいただきたいと思います。
○小里大臣政務官 御指摘のとおり、農地制度改革議論のときからその懸念はございました。すなわち、リース方式で行っても、企業が不耕作、あるいは転貸を目的として農地の利用権を取得するのではないか、あるいは担い手への農地利用集積に支障を来すのではないか、そういった懸念がございました。
 このため、不適正な利用があった場合には、所有者側からリース契約を解除して、所有者というのは農地の所有者、原状回復を行える制度としたわけであります。そこに、企業に利用権本位だけの農地、農業への参入の道を開いたという根本的な理由があるわけです。
 そして、平成二十一年の農地法改正後、約三年六カ月たつわけでありますが、千二百六十一法人がリース方式で参入をしているところであります。その中で、企業が不適切な農地利用によって契約解除をされたという例は承知をしておりません。一方で、本業の経営不振によって撤退してしまったという例はあるわけですけれども、その場合は、所有者側からのリース契約解除によって農地は原状に復されたという状況でございます。
 また、企業が農業参入することについてアンケートをとりましたところ、参入前は、周辺農業者の五割がこれを否定的に捉えておりました。しかしながら、今はそれが一割になっておるということで、地域における、農業者間における理解は大分進んできたかなと認識をしております。
 このように、リース方式での企業参入については、農業界も受け入れておりまして、また経済界とも連携してその動きが進んでおります。これからもこの延長線上で取り組んでまいりたいと思います。
○鷲尾委員 大変丁寧な答弁をありがとうございました。
 今申し上げたように、株式会社もリース方式で農地を利用することができるようになったということで、それに加えまして、農業者の所得向上ということで経営の多角化なり、農業の所得増進を図る目的として六次産業化が行われるようになり、農林漁業成長産業化支援機構、A―FIVEが設立されて、出資も始まっております。
 この点につきまして、幾つか質問したいというふうに思います。
 六次産業化ですけれども、これは、六次産業化、それからファンド、法律まで制定させてもらったということで、我々の、我が党が進めてきた中でも本当にいい政策だなと思っているわけでございますけれども、それでも、施行後、現場でもいろいろな混乱が生じているんじゃないかなというところを心配しているわけでございます。
 そのことにつきまして、ちょっと政策論的に議論させていただきたいというふうに思っているわけですが、例えばの話になってしまいます、一般的な形でるる申し上げたいと思いますけれども。
 農業者の立場に立ってみて、いろいろな所得向上の政策メニューがあるよということを政府が示してくる。そこで、では、そのうちの一つが六次産業化だよ、もう一つは六次産業化のファンドだよ、いろいろな政策メニューが農業者の立場に立つと提案されるわけですね。それは所得もふやしたいよということで、自分も創意工夫しながら、いろいろな人に手伝ってもらいながら、新たな事業に取り組もうとするとします。そのときに、六次産業化を使おうか、それともファンドを使おうか、当然いろいろな制度がありますから。アグリビジネス育成法人というものもあるし、幾つかの制度が重なっているわけですよ。
 その中で、例えば六次産業化の特色というのは、農業生産法人自身が六次産業認定事業者となって、それで補助事業を受けて新たな加工販売施設をつくる、それに当たっては国庫補助を受けられるという制度であります。
 では、それに加えて、六次産業化のファンド、A―FIVEを使おうということになるとどういうことになるかというと、A―FIVEの認定事業者となるのは実は株式会社であります。農業生産法人であるかどうかということよりは、農業者が株式会社に出資をする、そこでパートナー企業もあわせて出資をする、そこにA―FIVEから出資を受けるという形で新たに事業を行う、そういうスキームになっているわけです。
 六次産業化を使うか、六次産業化のファンドを使うか、A―FIVEを使うか。農業者の立場に立ってみると、六次産業化の補助事業というのは自分の生産法人でやることです。A―FIVEを使うとなると、新たな法人を株式会社として立ち上げて、そこで事業を行うということです。これは実は大きな違いがあると思います。
 それは何が違うかというと、自分たちの生産法人と新たな株式会社を設立するとでは、事業リスクが違うということです。生産法人でやる部分については、新たに加工販売施設をつくってやるとしても、それが失敗したらそれこそ悲劇ですけれども、失敗したリスクはその生産法人がしょうわけです。しかし、A―FIVEですと、株式会社を別につくりますから、そこで事業リスクが遮断されて、株式会社に出資した分が基本的にはリスクを負う対象になるわけです。ここまでは大丈夫ですよね。
 ちょっと制度の説明をしてしまいましたが、大臣、ここまで、私は、六次産業化とA―FIVEの違い、六次産業化とファンドの違いというのは、事業リスクの遮断が一番大きな違いだと思っているんです。そこの理解が正しいかどうか、一言コメントをください。
○林国務大臣 鷲尾委員は、金融は大変お詳しいので、今の話は、多分有限責任か無限責任かということで、まさに出資金の範囲内でリスクが局限されるというのがファンドによる出資ということで、別法人にする意味があるという意味ではおっしゃるとおりでありますが、私はさらに、六次産業化の補助金の場合は、やはり補助金でございますので、こういう目的のためにこういう事業をやるので補助します、こういう条件が一定の範囲でつくわけでございますが、出資金というのは、その会社のために運転資金から何から全て使ってもいい、そこは自由度が非常に高まる、これもあるのではないかというふうに考えております。
○鷲尾委員 大臣にいい答弁をしていただきまして、ありがとうございます。
 そのA―FIVEの出資なんですよ。
 普通、農業者が事業をやるという立場に立ちますと、例えばレストランを経営しますよ、レストランを経営している中で、そうだ、そうしたら新商品をこの会社で生産して、例えばワイナリー兼レストランをつくりました、そこでピザも出してみよう、そうしたらトマトとかバジルとか、これも当然その株式会社で生産をして、そのレストランで提供したらいいじゃないかということは、普通の農業者だったら、生産者だったら考えます。要するに、バリューチェーンとして二次、三次が先行するけれども、そこでもって一次の生産も行おうということは十分あり得る想定なんです。
 今大臣は、A―FIVEだと自由にお金が使えるとおっしゃった。しかし、もし、この株式会社が生産設備を持つということになると、今の制度では、この生産設備に対してはファンドのお金は使えないということになっているんですよ。御存じでしたか。
○林国務大臣 ここに支援基準というのがございますが、これは郡司大臣のときにつくらせていただいたものでございます。
 したがって、出資をするための基準というのは、この仕組みについてはこういうふうに決めていただいておりますし、それから、いわゆる一般の株式会社においても、会社の場合はこういうことをやるという事業目的を決めてやりますから、その範囲の広い狭いはあると思いますが、全く最初から意図せざるもの、結局は、最後はどこまで認めるかという範囲の問題だ、こういうふうに思っております。
 私が先ほど申し上げたのは、補助金と比して、出資金という性格上、自由度がある、こういうことを申し上げました。
○鷲尾委員 ぜひひとつ農水省内で検討してみてください。そういうことも、恐らくはこれからまた出てくると思います。利用しやすい制度をぜひ目指していただきたいと思います。
 その上で、最後に、小泉政務官に来ていただいておりますので、ちょっと質問したいと思いますけれども、TPPの話であります。
 政府統一試算が三月十五日に出ておりまして、さまざまな仮定が置かれる中で、TPPに参加した場合、さまざまな想定の中で、大体、経済構造調整が終わった段階、おおむね十年程度の将来で経済効果が約三・二兆円あるということでございます。
 一方で、四月十二日に日米協議の合意の概要が出ておりますが、ここには、自動車関税の取り扱いにつきまして、日米協議の中で、TPP交渉における最も長い段階的な引き下げ期間によって撤廃され、かつ、米韓FTAにおける米国の自動車関税の取り扱いを実質的に上回るものになることを確認したとあります。その上で、これが議会通知がなされまして、本格的に七月から我が国も条件交渉に入っている、そういう流れであります。
 三月のこの政府統一試算を見ますと、約十年後の姿という形で出ているわけですよ。この四月十二日の日米協議の概要では、米韓FTAよりも実質的に上回るですから、最低米韓FTAなんですよ。そうですよね、日本語としては。最低米韓FTAの内容を見ますと、例えば貨物自動車なんかは、アメリカの場合は発効後十年目に完全撤廃なんですよね、一つ取り上げて出していますけれども。
 私が申し上げたいのは、もう一度試算し直したらどうですか。だって、これは大体十年後の経済効果と出していますけれども、米韓FTAで十年後に完全撤廃される関税があって、それを上回るものがそもそもの日米協議の、既に条件交渉に入る前の条件ですから、改めて試算し直した方がいいと思いますけれども、いかがですか。
○小泉大臣政務官 御質問ありがとうございます。
 結論から申し上げれば、試算をやり直すという考えはありません。
 その理由としましては、今委員から御説明を丁寧にいただきましたけれども、統一試算、これは仮定として全てが関税撤廃をされた、そういった試算の中で、その後、四月に日米の協議が行われ、その中で、今自動車のことを出されましたけれども、その自動車について、アメリカも最終的には関税撤廃をするということが合意をされました。
 ですので、この統一試算の中でも、最終的に関税撤廃されたという部分において、今回の日米合意と結果として変わりがありませんので、以上の理由で試算のやり直しは行わない、そういった考えでおります。
○鷲尾委員 政務官、結果は変わらないと断言しないでください。それはわからないですよ、正直申し上げて。もう一度見直す、やり直す方が国民に対して誠実であると私は思っております。それは、恐らく自民党の議員さんも、そう思っている方がいらっしゃるんじゃないかなと思っております。
 もう時間も過ぎましたので、最後に、その日米協議、要するに条件交渉に入る前に、随分、我々も、自動車関税については妥協しているなという印象が拭えないわけです。
 だったら、これは大臣、しっかり日本の農産物を守ってもらわなきゃ困りますよ。一言、決意のほどをお願いします。
○林国務大臣 その事前協議の結果を決めたときも、それからその前の日米共同声明においても、我が国の場合、一定の農産物にはセンシティビティーを有するということを文書で明記をしております。
 したがって、これをしっかりと使いながら、この委員会の決議を踏まえて、しっかりとやってまいりたいと思います。
○鷲尾委員 ありがとうございました。
 質問を終わります。
     ――――◇―――――
○坂本委員長 次に、内閣提出、農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律案を議題といたします。
 これより趣旨の説明を聴取いたします。農林水産大臣林芳正君。
    ―――――――――――――
 農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○林国務大臣 農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 我が国の国土の大宗を占める農山漁村は、基幹産業である農林漁業の低迷等により、その活力が低下しており、地域の未利用の資源を生かした事業の導入による農山漁村の活性化が急務となっております。
 こうした中、平成二十四年七月に再生可能エネルギー電気の固定価格買い取り制度が開始され、再生可能エネルギー発電の事業性が大幅に改善されたこと等を踏まえ、農山漁村に存在する土地、水、バイオマス等の資源を活用した発電を促進し、その利益を地域に還元させ、地域の活力の向上及び持続的発展に結びつけることが重要な課題となっております。
 このような取り組みを進めるに当たっては、農山漁村において無計画に再生可能エネルギー発電設備が整備されることにより、農林漁業の健全な発展に必要な農林地等が失われ、食料供給や国土保全等の農林漁業が有する重要な機能の発揮に支障を来すことがないよう、農林地等の利用調整を適正に行うとともに、再生可能エネルギーの導入とあわせて地域の農林漁業の健全な発展に資する取り組みを促進することが重要であります。
 このため、農山漁村において農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電を促進するための措置を講ずることにより、農山漁村の活性化を図るとともに、エネルギーの供給源の多様化に資することを目的として、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、基本理念についてであります。農山漁村における再生可能エネルギー電気の発電の促進は、地域の関係者の相互の密接な連携のもとに当該地域の活力の向上及び持続的発展を図ることを旨として行われなければならないこと、また、その促進に当たっては、地域の農林漁業の健全な発展に必要な農林地並びに漁港及びその周辺の水域の確保を図るため、これらの農林漁業上の利用と再生可能エネルギー電気の発電のための利用との調整が適正に行われなければならないこととしております。
 第二に、農山漁村における再生可能エネルギー電気の発電の促進による農山漁村の活性化に関する計画制度の創設についてであります。主務大臣による基本方針の策定、市町村による基本計画の作成及び再生可能エネルギー発電設備の整備を行おうとする者に対する設備整備計画の認定等について定めることとしております。これにより、農林漁業の健全な発展と調和のとれた太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス等をエネルギー源とする発電設備の整備が計画的に行われるようにすることとしております。
 第三に、農地法、森林法、漁港漁場整備法等の特例措置についてであります。市町村の認定を受けた設備整備計画に従って行う事業については、これらの法律に基づく許可があったものとみなすこと等とし、これにより、再生可能エネルギー発電設備等の整備に必要な手続のワンストップ化を図ることとしております。
 第四に、農林地等の権利移転を促進する計画制度の創設についてであります。市町村が所有権移転等促進計画を定め、当該計画に定められた農林地等の権利移転等を一括して処理できるようにすることにより、再生可能エネルギー発電設備の整備に必要な土地の確保とあわせて、農業の担い手への農地の集約化など、周辺の農林地の農林業上の効率的かつ総合的な利用が確保されるようにすることとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○坂本委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 次回は、来る十一月六日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時六分散会