第185回国会 経済産業委員会 第2号
平成二十五年十一月一日(金曜日)
    午前九時三十一分開議
 出席委員
   委員長 富田 茂之君
   理事 塩谷  立君 理事 鈴木 淳司君
   理事 宮下 一郎君 理事 山際大志郎君
   理事 渡辺 博道君 理事 田嶋  要君
   理事 今井 雅人君 理事 江田 康幸君
      秋元  司君    秋本 真利君
      石崎  徹君    越智 隆雄君
      大見  正君    勝俣 孝明君
      國場幸之助君    佐々木 紀君
      白石  徹君    田中 良生君
      武村 展英君    辻  清人君
      冨樫 博之君    根本 幸典君
      福田 達夫君    細田 健一君
      宮崎 謙介君    宮崎 政久君
      八木 哲也君    山田 美樹君
      枝野 幸男君    近藤 洋介君
      辻元 清美君    中根 康浩君
      伊東 信久君    上西小百合君
      丸山 穂高君    國重  徹君
      青柳陽一郎君    三谷 英弘君
      塩川 鉄也君
    …………………………………
   経済産業大臣       茂木 敏充君
   経済産業副大臣      松島みどり君
   経済産業大臣政務官    田中 良生君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁長官) 上田 隆之君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      高橋 泰三君
   参考人
   (東京電力株式会社代表執行役副社長)       山口  博君
   経済産業委員会専門員   乾  敏一君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月一日
 辞任         補欠選任
  穴見 陽一君     秋本 真利君
  菅原 一秀君     國場幸之助君
  岸本 周平君     中根 康浩君
  木下 智彦君     上西小百合君
同日
 辞任         補欠選任
  秋本 真利君     穴見 陽一君
  國場幸之助君     菅原 一秀君
  中根 康浩君     岸本 周平君
  上西小百合君     木下 智彦君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 電気事業法の一部を改正する法律案(内閣提出第一号)
     ――――◇―――――
○富田委員長 これより会議を開きます。
 この際、松島経済産業副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。松島経済産業副大臣。
○松島副大臣 おはようございます。
 前回はアブダビへ出張中だったもので、大変遅くなって申しわけございません。
 経済産業副大臣を拝命いたしました松島みどりでございます。
 着任からおよそ一カ月になりますが、茂木大臣を補佐し、中小企業政策、クール・ジャパンの推進、資源外交、そして製造業の復活支援など、幅広い分野の仕事をさせていただいております。
 この委員会には、さまざまな経験、さまざまな経歴をお持ちの方々がいらっしゃいます。富田委員長を初めとする委員の方々に御指導いただき、企業だけでなく、そこで働く人や消費者も皆豊かさや幸せを共有できる、そんな日本をつくってまいりたいと存じます。
 よろしくお願い申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
○富田委員長 内閣提出、電気事業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、参考人として東京電力株式会社代表執行役副社長山口博君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として資源エネルギー庁長官上田隆之君及び資源エネルギー庁電力・ガス事業部長高橋泰三君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○富田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○富田委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。近藤洋介君。
○近藤(洋)委員 おはようございます。民主党の近藤洋介であります。
 きょうは電気事業法の一部を改正する法律案の質疑であります。この大改革の大きな一歩を示すこの法案は、前国会で、自民党さん、公明党さん、そして我々民主党としても、修正を提案し、それを与党に受けとめていただきながら衆議院において成立を見、参議院の方でも本当に直前まで成立に向けた努力を進めたわけでありますけれども、さまざまな国会事情の中において残念ながら廃案になってしまった、こういうことでありますが、今回、臨時国会で再提出をされました。
 政府におかれては議会の場で修正をされた内容を踏まえて再提出されたということについて、まずもって大臣の御判断に敬意を表したい、こう思うわけであります。一刻も早くこの法案を成立させることが肝要、このことをまず冒頭に申し上げたいと思います。
 その上で、きょうは十分間と本当に限られた時間でありますが、ポイントのところといいましょうか、法案の中身というよりは、エネルギー政策全般にかかわる話で、大臣に幾つか確認といいましょうか伺いたい、こう思います。
 この法案の議論の際に私も指摘をさせていただきましたが、電力システム改革は国のエネルギー基本計画、長期的なビジョンと平仄を合わせて進められるべきだということを申し上げ、大臣もそのとおりだというふうな認識をお示しになりました。
 エネルギー基本計画は年内に取りまとめる御予定と伺っております。そこで、電力のことを考えると、やはり原子力の位置づけということを抜きに電力システム改革は語れない、こう思うわけであります。
 大臣は、記者会見等で、具体的な電源構成の比率について年内に示すことはなかなか無理があるのではないかという趣旨の御発言をされています。私は、その御発言については一定の理解を示すものであります。と申しますのも、規制委員会で各プラントの具体的な安全基準、それに基づく判断が示されない中で、いたずらに数字だけを年内に出しても、それは絵に描いた餅だということは理解できます。
 ただ、その具体的なプラントがどう稼働するか、できるか、安全基準に適合しているかという話とはまた別の次元で、政府において原子力というものをどのように位置づけておられるのか、これをお伺いしたいわけであります。
 すなわち、現行のエネルギー基本計画は民主党政権がつくった計画でありますけれども、このときは三・一一前の計画でありました。原子力については、基幹エネルギーということで位置づけたわけであります。その位置づけに基づいて具体的な電源構成を別表で示したわけであります。
 民主党政権では、三・一一の状況を踏まえて、これは大きな変化だということを踏まえて、三〇年代原発稼働ゼロを目指し、あらゆる資源を投入するという方向感を示し、しかしながら、少なくとも当面はやはり原子力は重要電源であるという考え方もお示しをさせていただきました。大きな方向としては減らすけれども、当面は重要な一つの電源である、こういう認識でありました。したがいまして、当時の政権では、大飯原発の再稼働ということにも踏み切ったわけであります。
 茂木大臣は現時点において、原子力について、基幹エネルギーだという認識をお持ちなのか、はたまた重要電源だというお考えをお持ちなのか、お伺いしたいと思います。
○茂木国務大臣 まず、この電事法の改正、近藤理事にも大変お世話になりまして、前国会で衆議院で可決をしていただきました。その際、何点かにつきまして修正をいただき、その修正した案で今回御審議をお願いしているところであります。
 その上で、原子力につきましては、委員の方からもありましたように、あらゆる事情より安全性を優先して、その安全性については、新たに設置をしました原子力規制委員会において判断をする。この規制委員会の判断、政策的にオーバーライドすることはできない、このように私は理解をいたしております。
 その上で、今、総合資源エネルギー調査会におきましてエネルギー基本計画の検討を進めておりまして、年内をめどに取りまとめを行うということであります。
 どんな議論が行われているかということを若干紹介させていただきますと、この総合資源エネルギー調査会におきまして、原子力について、石油依存、中東依存を引き下げる準国産エネルギーであること、燃料コストが低いこと、二酸化炭素を排出しないことなどの観点から、引き続き重要なエネルギー源とすべきとの指摘がある一方で、国民からの信頼が失われていること、高い安全性を確保するためのガバナンスのあり方などといった課題を解決しなければいけない、こういう指摘もなされているところであります。
 今後、エネルギー基本計画の中で、原発の性格づけも含めて、エネルギー源ごとのいわゆる位置づけを明示していきたいと思っておりますが、例えば、おっしゃった基幹エネルギーと位置づけるかどうか。基幹エネルギーということになりますと、一定のやはり比率がなければ基幹エネルギーとは言えないと思います。再稼働が全く進んでいないこの段階で、しかも、それについての判断は原子力規制委員会が行うという中で、これを基幹エネルギーです、そういう位置づけはなかなかしにくいのではないか。
 今後の議論の中で原子力についての性格づけはさせていただきますけれども、その上で、どこまで再稼働等々が進むか、同時にそれは、どこまで安全性に対する取り組みが、また技術が進むかどうか、こういうことにもかかってくる、このように考えております。
○近藤(洋)委員 率直に御答弁いただいて、ありがとうございます。
 まさに現時点で原子力を基幹エネルギーですと言うのはなかなか難しいんだろうな、こう思うわけであります。
 ただ、もう一点、今の政府において、原子力発電所を海外に輸出するということもされている。とするならば、それを積極的に進めているということから考えますと、一定の重要電源といいましょうか、技術の可能性も含めて位置づけをされているんだろう、こうも見てとれるわけであります。
 そこでお伺いしたいんですが、もう時間が参りましたので最後になりますけれども、小泉元首相が原発ゼロの発言を繰り返しおっしゃっています。内閣総理大臣として自民党政権下で非常に原子力政策を進められてきた方が、かつ、政府において今議論を進めているさなかにおいて、こういった発言を繰り返すということに私は違和感を相当感ずるのですが、率直に言って無責任ではないかという気すらするわけであります。
 一部の政党は、一緒に共闘しましょう、こういうふうにおっしゃる方もいます。それぞれのお考え方はあろうかと思います。ただ、その政治姿勢は私は無責任ではないか、こう思うわけですが、茂木大臣、違和感は感じられませんか。
○茂木国務大臣 小泉元総理、さまざまな功績を残された大先輩だと思っております。以前、公約なんて大したことないという発言をされたこともあった、こんなふうに記憶もいたしておりますが。
 自民党の政権公約、そして現政権の連立合意におきましては、二〇三〇年代に原発稼働ゼロを可能とするという前政権の方針は実現の根拠が不十分であり、ゼロベースで見直す、こういうことに我々はさせていただきました。その上で、原発については先ほど申し上げたとおりでありますが、エネルギー源の多様化、調達先の多角化、需要のスマートなコントロール、さらに電力システム改革を通じた需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大を図りながら、可能な限り原発依存度を引き下げていく方針であります。
 原発については、さまざまな経歴や立場の方々、国民の間に多くの議論があることは確かでありますが、我々としては、国民の皆さんに選挙でお約束したことをしっかり守っていきたいと思っております。
○近藤(洋)委員 少なくとも、総理大臣を経験された方が軽々に、今まで政権としてやってきたことを棚に上げて発言されるというのは、私は政治家として強い違和感を感じます。まず国民に対する謝罪をきちんとした上で、反省をした上で、発言はされるべきであって、大変強い違和感を感ずるということを申し上げて、政府においてはきちんとした議論を進めていただきたいということを申し上げ、時間ですので質疑を終わりたいと思います。
○富田委員長 次に、丸山穂高君。
○丸山委員 日本維新の会の丸山穂高でございます。
 電気事業法の一部を改正する法律案ということで質疑させていただきます。
 この法案は前回の国会で廃案になったということで、我々としても非常に残念に思っているところでございます。あの三・一一以降、先ほど来お話ありましたけれども、エネルギーの需給構造が大きく変化している中で、電力のシステム改革は時間がどうしてもかかってしまうわけでございますから、最初でつまずいているわけにはいかないところでございます。
 しっかり大臣はリーダーシップを持って、自民党さんが参議院も衆議院も占められているということでございますので、必要なことに関しては速やかにやっていただいて、ただ、国会の審議におきましては、きちんと詰めるところは詰めていくという形で御審議におつき合いいただきたいと思います。
 そういった形で、きょうは十分ということでございますので、簡単に気になる点だけにつきまして御質問させていただきたいと考えております。
 一つは、残念なことに常会では成立をしなかった、そしてこの臨時国会に上げられてきているということでございますけれども、今回のこの電力システム改革は三段階の改革プログラムのスケジュールを組まれていたと思います。
 一段階目につきましては、今回のこの法案にある、広域系統運用機関を平成二十七年をめどに設立したいということ。そして、二番目は小売参入の自由化。二十六年、来年の常会に法案を提出されるということで御準備されていると思います。そして、それを二十八年をめどに実施したい。三番目は、法的分離によって送配電の中立性を一層確保したい、そして電気の小売料金を全面自由化していきたい。それを平成二十七年常会に法案で出して、三十年から三十二年までを目途に実施したいということでございます。
 この改革プログラムの実施スケジュールに関しましては、常会で流れてしまったけれども臨時国会で成立を目指したいという点、スケジュールに変更や影響はありませんでしょうか。
○茂木国務大臣 スケジュールに全く変更はございません。
 残念ながら通常国会では衆議院で可決をいただきましたが参議院で審議未了、廃案ということになりましたが、この第一ステップ、第二ステップに向けての準備は着実に進めておりまして、この国会できちんと電気事業法の改正を行っていただきまして、スケジュールどおりに大胆な改革を進めていきたい、このように考えております。
○丸山委員 先ほど来申し上げているように非常に大きな改革ですので、スケジュール感というのが重要になってくると思います。そのスケジュールどおりやられるということで、しっかりやっていただきたいと思います。
 そして、もう一つ、先ほど近藤委員からも御質問がありましたエネルギー基本計画について少しお話を伺いたいと思います。
 この電事法の改正の質疑で、私からも幾つかこのエネルギー基本計画に関しまして御質問させていただいた中で、どうしても、年内に取りまとめということで、なかなか前回の通常国会では大枠が見えてこないところがございました。
 一部報道でもエネルギー基本計画はどういったものになってくるのかという形で上がってきておりますし、先ほどの大臣のお話でも、エネルギー源としての位置づけを明示したいと踏み込んだお話をされました。また、原発を基幹エネルギーととるのかどうかという点に関しては、比率というものは電源構成の中で大変大きいだろうと。その比率がなければ基幹エネルギーと言えるかどうかは非常に考えるところがあるという形で大臣から御発言がありました。
 また、先ほどお話しさせていただいた報道を見ると、例えば原発の新増設の話、もちろん電源構成のお話もあるんですけれども、特に原発は国民の中でも最大の関心事でございますので、かなり報道されているところでございます。
 一部報道によりますと、自民党さん、与党の部会でもかなり御議論がされているということが書かれておりますけれども、特に電源構成は先ほど近藤委員とのお話でもありましたので、触れていただけるなら触れていただいても構いません。特に原発の新増設という点に関しまして、大臣、こういった御議論を踏まえられてどのようにお考えなのか、そのあたりをお聞かせいただきたいと思います。
○茂木国務大臣 実は、昨晩、エネルギー基本計画の議論をいただいております基本政策分科会の中心メンバーの方とかなり長い時間、議論もさせていただきました。現在検討する中で、特に安定供給そしてコスト削減、これに重点を置いて検討いただいているところであります。
 原発そのものにつきましては先ほど答弁をさせていただいたとおりでありますが、原発の新増設について申し上げますと、まずは既存の原発、現在、七原発十四基につきまして、新規制基準に基づく安全性の向上が各事業会社において行われたということで安全審査の申請がなされているところでありますけれども、この既存の原発の安全確認から進められることになっておりまして、原発の新増設はその次のステップになる、このように私は考えております。
 その際、電力の安定供給、エネルギーコスト、世界の化石燃料リスクの情勢判断、原発事故の検証と安全技術の進歩の動向などなど、今後の我が国のエネルギーをめぐるさまざまな情勢を踏まえながら検討していくということになると思います。
○丸山委員 ありがとうございます。
 もう一点だけ詳しくお伺いしたいのは、具体的に言うのは難しいと思うんですが、スパンの話で、どれぐらいの期間に検討がなされていくのかというところに関しましては、大臣、どのようにお考えでしょうか。
○茂木国務大臣 ベストミックスということで申し上げますと、三年以内にベストミックスの目標を設定して、十年以内に責任あるエネルギー政策を構築していきたい、このように考えております。
 三年以内に目標を設定ということでありますが、実現可能なものが見えてきましたら、この三年以内というのはできる限り前倒しをしたいと思っております。
○丸山委員 つまり、原発の新増設も含めて三年から五年というスパンをめどに、短くできるならできる限り短く考えていくという形でよろしいですか。
○茂木国務大臣 今ベストミックスということで申し上げました。その中に新増設が入ってくるかどうかは、先ほど答弁で申し上げた、さまざまな状況を勘案した上で決まってくると考えております。
○丸山委員 御答弁ありがとうございます。
 非常に難しい問題で、諸々の事情を勘案した上で最後は大きな決断になってくると思います。そのあたりはいろいろな議論がございますので、また国会でもいろいろ審議がなされると思いますのでしっかりと御審議いただいて、最後どうするかというのは大臣そして総理の決断だと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 今回、電事法はまさしく非常に難産になっておりますけれども、先ほど来申し上げているように非常に大事な案件でございますので、大臣の御決意だけお伺いしたく存じます。最後に大臣の話を伺って、私の質疑を終わりたいと思います。よろしくお願いします。
○茂木国務大臣 三・一一以降の新たなエネルギー制約に直面する中で、この電気事業法の改正そして電力システムの改革は、まさに待ったなしの改革だ、日本を変えていく、前に進めていくために必要な改革だ、そういう思いで取り組みをさせていただきたいと思っております。
○丸山委員 以上で私の質疑を終わります。ありがとうございました。
○富田委員長 次に、三谷英弘君。
○三谷委員 みんなの党の三谷英弘です。
 本日は、電気事業法の改正案の質疑ということで時間をいただいております。
 電気事業法の改正に関しましては、発送電分離のあり方ですとか、系統接続にまつわる諸問題、競争促進政策など議論に値する重要な論点は山ほど、それこそ星の数ほどあるとは思いますけれども、そういった問題についてはさきの通常国会において質疑を行わせていただいたこと、そして本日割り当てられた時間はわずか十分と非常に短いことから、詳細な論点にわたる議論は本日は行わず、そもそもに立ち戻った質問をさせていただきたいというふうに考えております。
 まず、これは一般的にお伺いしたいんですけれども、今回の電気事業法の改正において、いわゆる電力システム改革を行うというふうにされておりますけれども、この電力システム改革の目的は一体何でしょうか。
○茂木国務大臣 電力システム改革、これはまさに六十年ぶりの改革ということになってまいります。三・一一以降の新たなエネルギー制約に直面をする中で、電力の安定供給、そしてコスト削減を進めていく上で避けては通れない、待ったなしの改革がこの電力システム改革だ、こんなふうに考えております。
 改革の目的につきましては、委員もよく御案内のとおりだと思いますけれども、改革を通じてエネルギー制約の克服を行っていく。そして、エネルギーコストの低減を行っていく。さらには、我が国の成長といった点。これは新たな高みを目指していくという点からも必要だと考えております。
 一九七〇年代に日本は二度のオイルショックを経験しました。それを乗り越える中で、日本は世界ナンバーワンの省エネ技術そして省エネ製品も生み出し、省エネについては世界第一位の国になりました。また、今回の電力システム改革を通じて、新たなエネルギー制約を乗り越えることによって日本経済そのものを再生する、新しい質の日本経済をつくっていく、こういったことが求められていると思っております。
○三谷委員 ありがとうございます。そういった国を目指していくという大臣の御決意かというふうに考えております。
 我々みんなの党といたしましては、昨日、電力自由化推進法案を、衆議院にはなかなか出せないものですから参議院で提出させていただきました。その中で脱原発そして再生可能エネルギーの普及というものを重視させていただいているわけですけれども、どうしてそういった脱原発そして再生可能エネルギーというものを進めていくのかというのは、実はこれ自体が目的ではないんですね。脱原発をすること自体が目的ではない。
 何が目的かといいますと、簡単に言うと三点あります。
 一つは、安全保障の観点。今わずか四%と言われているエネルギー自給率をこれから向上させていくということ。
 そして、地産地消型のエネルギーシステムというものをつくることによって、地域社会から、そこで流れているお金が外にこぼれていかない。そういう意味では、循環型の社会をつくっていく。地域社会で電気をつくればつくるほど、東京や大都市にそういった電力を売って、それによって地方が潤っていく、そういう豊かな地域社会を実現すること。
 そして、三つ目として、例えば核廃棄物の処理の問題ですとか温暖化の問題というものが数多くございますけれども、そういったものから次の世代を救っていく。そういう意味で、持続可能な社会への転換というものを進めていかなければならないのではないか、このように考えているところでございます。
 先ほど大臣が、この国の経済の再生というものを電力システムの改革を通じてやっていくということをおっしゃいましたけれども、今、我々みんなの党が電力システム改革を通じて実現したいと考えている国の姿ということについて、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○茂木国務大臣 我々としても、今後三年間で、再生可能エネルギーの最大限の導入、さらには省エネの最大限の普及、こういったものを進めてまいりたい、そんなふうに考えております。
 そこの中でエネルギーの電源構成をどうしていくかということを考えると、必要な量を十分に確保するということは極めて重要であります。同時に、安全で、コストが安く、環境にも優しい、しかも安定的に調達できる、こういうエネルギーが最も望ましいんだと思います。
 ただ、お考えいただきますと、今私が申し上げた四つなり五つの条件を完璧に満たす一つのエネルギー源というのは存在をしないんだと私は思います。ですから、どういうエネルギー源を組み合わせていくかということを今後考えなければならない。そして、現時点においては、そこの中で安定供給そしてコストの低減ということに、当然、日本の現状を考えると重点が置かれるものだ、このように思っております。
○三谷委員 ありがとうございます。
 今、ちょうどエネルギーのベストミックスの話をいただきましたけれども、先日、エネルギー基本計画会合というものが開かれたということです。率直に言いまして、今回の電力システム改革というものは、こういう電力の構成にするんだという目標をまず設定して、それに向けてどういう改革が必要なんだというような形で、それをブレークダウンして政策に落とし込んでいく形をとるのが適切ではないのかなというふうに考えております。
 そういう意味では、今まさにおっしゃいましたけれども、エネルギーのベストミックスというものが現時点で決まらない中で電力システム改革の具体案を決めて進めていくというのは、ある意味、ゴール設定がない中でマラソンを走るようなものではないかと感じるわけですけれども、この点はいかがお考えでしょうか。
○茂木国務大臣 実現可能な目標が見えてまいりましたら、エネルギーのベストミックス、三年以内と言っておりますが、前倒しも含めて目標設定をしたい、そのように考えております。
 電力システムの改革によりまして新たな参入者がふえる。そしてまた、需要の側の選択肢も広がる。そういう中でマーケットメカニズムも広がって、さまざまな動きが出てくるのではないかなと思っておりまして、恐らく私以上にみんなの党は、一つのエネルギー源を決めるというよりも、そういったことは市場に任せる、そこの中でさまざまなことが自由競争の中で決まっていく、そういうお考えなのではないかな、このように理解をいたしております。
○三谷委員 我が党の立場を御説明いただきましてありがとうございます。
 本当にそのとおりだと思っておりまして、我々といたしましては、まずはしっかりと電力の自由化を進めていく。そして、その中で、需要者においてどの電力会社から電気を買うのかということを選べるような仕組みが不可欠だろうというふうに考えているわけでございます。
 電力システム改革の歴史を見ますと、電力の自由化は二〇〇〇年代初頭には議論されていたという話でございますけれども、その後はそういった話はなくなっていた。三・一一を受けて、やはり東京電力やその他、今の電力会社以外の電力会社から電気を買いたいというような強い要請もある中で、電力の自由化という話が復活してきたと仄聞しているところでございます。
 そういう意味では、世論によって大きく左右されがちでございますし、電力の自由化をされてしまっては困ってしまうというような方々も恐らくはいらっしゃると思うんですね。そういう意味では、これからいろいろな力に屈せずに、ぜひとも茂木大臣には電力自由化というもの、改革というものを進めていただきたいというふうに考えております。
 時間がそろそろ迫っておりますので、最後に一点お伺いしたいというふうに思います。
 本当に、せっかくの改革派大臣ということで、さまざまな期待も強い中ではございます。そういう意味で、先ほど無責任ではないかというような意見も出ましたけれども、ここは、小泉元首相が言うとおり、政治決断、脱原発というものを進める気はございませんか。
○茂木国務大臣 原子力につきましては、あらゆる事情より安全性を優先してまいります。そして、その安全性につきましては、独立した原子力規制委員会が判断するものだ、そのように考えております。
 電源構成の中で原子力をどう位置づけるか。これは、さまざまな要因を考えながら最終的に判断をしていきたいと思っております。
○三谷委員 ありがとうございます。その検討の結果、脱原発もあり得るというふうに理解させていただきました。
 本日はありがとうございました。
○富田委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 電力システム改革は、東日本大震災と福島原発事故を契機としたものであり、その教訓を踏まえたものでなければなりません。今、何よりも最優先すべきは、原発事故の収束であり、汚染水対策であります。
 十月二十八日、田中原子力規制委員長は、福島第一の廃止措置の現状は、安全を確保する観点から極めて憂慮すべき事態、早急にこの状況の解決策を講じる必要があると述べ、広瀬東電社長は、福島第一に必要な要員がしっかり確保できるように、柏崎刈羽や他の火力、水力からも含めて、東電全体として人員を回転させていくと述べたとされております。
 広瀬社長は御都合でお越しいただけないということで、山口副社長においでいただきました。
 お尋ねいたします。
 柏崎刈羽の東電社員の在籍者数についてお尋ねしたいんですが、事故が起こる前の二〇一一年三月時点と、ことし十月時点の数をそれぞれ教えてください。
○山口参考人 この場をおかりしまして、福島の原子力事故から二年半がたつ今なお、社会の皆様に多大な御迷惑をおかけしていることを改めておわび申し上げたいと思います。
 御質問にお答えしたいと思います。
 柏崎刈羽の要員でございますけれども、震災前は千百名でございます。現在は、数字でありますが、同じく千百名ということでございます。
○塩川委員 柏崎刈羽の在籍者数は千百人のまま、全く変わりがないわけであります。一方、福島の第二においては七百人が五百人になっている。
 そこで、重ねてお尋ねしますが、福島第二は減っているのに柏崎刈羽が変わらないというのはなぜなのか。
○山口参考人 お答えいたします。
 柏崎刈羽は、定期点検中ではありますけれども、燃料が装荷されている発電所でございまして、発電所の維持管理業務に要員が必要でございます。
 これに加えまして、ことしの七月には新たな規制基準が策定されまして、これに適合した形で安全対策を着実に進めるための要員も確保しなければならないということで、人数は変わっていないということでございます。
○塩川委員 福島第二であれ、七百人が五百人に減っているわけであります。それでも回している。一方で、柏崎刈羽は人数が変わらない。その理由としては、もちろん維持管理も当然あるでしょうけれども、新しい規制基準に対応するためのさまざまな諸準備があると。つまり、再稼働に向けた準備があるために人手がかかっているからだという話になるわけであります。
 私は、これが、福島第一の事故収束対策、汚染水対策に全力を挙げる、力を集中する、このことの妨げとなっていると。柏崎刈羽の再稼働準備の作業というのが福島第一の事故収束の妨げとなっているんじゃないのか。再稼働の準備をやめれば、福島第一の要員をふやすことができるんじゃありませんか。お答えください。
○山口参考人 お答えいたします。
 まず、柏崎でございますが、ことしの九月に新規制基準への適合申請を行っておりますけれども、これまで当社が自主的に取り組んでまいりました安全対策が新しい規制基準に適合しているかどうか、規制委員会に審査いただくことで柏崎の安全性向上に資する、そのために鋭意取り組んでいるということでございます。
 福島の第一につきましては、社長の広瀬が申し上げましたとおり、必要な人員はタイムリーに投入するとともに、全社的に、水力、火力からも人を回して、適切に精力的に対応していきたいというふうに思ってございます。
○塩川委員 現にやろうとしている話としても、二十人を移すという程度の話なんですよ。それで本気で解決するという立場なのか。
 大臣にお尋ねします。
 田中原子力規制委員長も、委員会の議論の中で、柏崎刈羽の職員を福島第一の対応に充てるべきではないかというのはもっともな指摘だ、このように述べておられます。大臣も、その点についてどのようにお考えなのか。
 柏崎刈羽の再稼働の準備をストップし、福島第一の事故収束、汚染水対策に柏崎刈羽の人員を投入するように東電に指導を行う、このことこそ大臣に求められているのではありませんか。
○茂木国務大臣 東京電力におきましては、現下の最優先課題は、御指摘のように、福島第一原発の廃炉・汚染水対策を確実に速やかに実行すると同時に、三・一一以降のエネルギー制約のもとで電力需給の安定に万全を期すことであります。
 九月の二十七日に広瀬社長が、柏崎刈羽の六号機、七号機の新規制基準への適合申請を行った旨、私のところに報告に来たときも、福島第一の廃炉・汚染水対策がゆめゆめおろそかになることのないように、それに最優先で取り組むように、こういう指示を行っております。
 東京電力全体として、関係企業も含めて、また電力業界も含めて、どういう人の回し方をするかというのは、現場のいろいろなやりくりもあると思っておりますが、いずれにしても最優先で、しっかりした体制で臨むこと、これは既に要請しておりますし、今、山口副社長もこちらにいらっしゃいますから、改めてこの場でも要請したいと思っております。
○塩川委員 最優先というのであれば、事故収束、汚染水対策に全ての人員を投入するような構えでこそ行うべきことであって、東電が今行うべきことは、再稼働の準備ではなくて、事故収束、汚染水対策だ、そのためにこそ全力を注ぐべきだということを強く求めておくものであります。
 今回の電力システム改革においては、送配電部門の中立性確保を法的分離によって実施することを前提として進めるとしております。法的分離の場合には送配電部門を別会社化する、その場合、持ち株会社形式をとり、子会社として発電、送配電、小売をつくることが想定されております。
 そこで、山口副社長にお尋ねします。
 東電においては、総合特別事業計画、総特におきまして、組織改革としてカンパニー制を導入することとし、ことし四月に移行しております。また、今後の電力システム改革の動向を踏まえつつ、グループ内分社化や持ち株会社制への移行等についても検討するとしております。現状において、発電、送配電、小売などに分けるとそれぞれどの程度の人員の規模になるのか、この点について教えていただけますか。
○山口参考人 お答えいたします。
 現時点では、電力システム改革の各事業のライセンスの詳細でございますとか、送配電部門に求められる行為規制の詳細といった、制度の詳細が固まっていない段階でございますので、ライセンスに合った形で要員を分けるというのは難しゅうございます。
 ことしの四月から導入いたしました社内のカンパニー制に基づいて要員を分けますと、まず火力の発電事業、これは社内的にはフュエル&パワー・カンパニーと申しておりますが、約二千八百人でございます。送配電事業、パワーグリッド・カンパニーと社内では呼んでいるものですが、約一万五千四百名でございます。小売事業、社内的にはカスタマーサービス・カンパニーと申しておりますが、約七千四百人になってございます。これに加えまして、原子力部門並びに原子力の損害賠償対応等を含めましたコーポレートの扱いになっている部門は一万七百人でございます。
 なお、今申し上げました数字は、ことしの九月三十日時点の在籍者ということでございます。
○塩川委員 燃料、火力部門が二千八百人、送配電部門が一万五千四百人、小売部門が七千四百人。それから、経営陣の補佐ですとか、あるいは総務、労務、経理など社内共通サービス、さらには原子力部門、また賠償関連の福島復興本社などがコーポレートということで一万七百人程度というお話でありました。
 法案に即して、分離した発電会社、送配電会社、小売会社を持ち株会社のもとにぶら下げる、そういう形の想定というのが総特でも見てとれるわけですが、これは法案もそうだからでありますけれども、資本分離ではなく、グループ一体経営となることへの懸念があります。
 大手電力の独占的なガリバー支配を考えると、発電と送配電網を完全に分離することなしには、再生可能エネルギーの発電事業者への系統接続など、確実に確保される保証がないのではないのか。
 大臣にお尋ねします。
 発送電分離に当たっては、法的分離ではなく、所有権分離、資本分離まで踏み込んで行うべきだ、このように思いますが、大臣のお答えをいただきます。
○茂木国務大臣 電気事業の分離の仕方は、一般的には機能分離、法的分離、所有権分離という三つのタイプがあると言われておりますけれども、機能分離、これは一つの形態でありますが、法的分離と所有権分離は、概念としては私は比較的近いものだと思っております。
 そこの中で、オプションのとり方でありますけれども、所有権分離を行った場合に、現実的に、それぞれの会社の資金調達等々がうまくいくのかどうか。場合によってはさまざまな経過措置といったものも講じていかなければならないということでありまして、一般担保つき社債の発行であったりとか連帯債務等の取り扱いに、グループ一体としての資金調達をこれまでと同様に一定期間行えるような経過措置を講じることが所有権分離の場合は難しい、こういう側面がございます。
 また、現在の一般電気事業者の株主が保有します株式価値の毀損などを懸念して、一般電気事業者やその株主が所有権分離に反対したにもかかわらず、実際に当該株式の毀損などが発生した場合、これが憲法二十九条で保障されております財産権の侵害に当たる可能性も否定できない、このように考えているところであります。
 ただ、逆に申し上げると、法的分離は持ち株会社また親会社のもとに送配電部門を子会社化することを求めることでありますが、各会社及び株主の自主的な判断によって、資本関係を解消する所有権分離を選択することをこの法的分離が妨げるものではありません。
○塩川委員 所有権分離を妨げるものではないという話と同時に、所有権分離についての幾つかの懸念のお話がございました。
 これは、制度設計の問題も当然ありましょう。ヨーロッパのEU電力指令などにおきまして所有権分離まで踏み込む、こういうことで、イギリスやイタリア、またドイツ、スペインでも所有権分離に踏み出すということでありますし、そういう中では民営会社においての所有権分離なども現に行われているわけですから、そういう点でいって、財産権の侵害に当たる云々ということが実際に問題となるのかということが当然ございます。
 また、さまざまな資金調達の問題をいいましても、それ自身も制度設計の問題だと思いますけれども、いや、グループ一体でないと確保できないということであれば、逆に言うと、グループ一体だからこそ資金調達ができるような親会社に対する配慮ということも含めて懸念をされるわけで、それこそグループ一体経営としての問題点にもなるということを言わざるを得ません。
 もともと、電力システムの改革におきましては、例えば二〇〇二年に、東京電力としても、発送電一貫体制の堅持の一方で、小売の全面自由化を要求するような提言なんかも出しているわけで、今回はそういう方向に行くのではないのかという懸念もあるわけであります。
 私は、こういった電力改革についてはさらに踏み込んだ対応を強く求めるということで、聞きませんでしたけれども、東電の広瀬社長が朝日のインタビューで、国に支援拡大を求める考えはないのかという問いに対して、「とても我々では負担できない。電力自由化を見据えると、巨額の負担を負って自由競争していくのは無理だ。これから見直す総合特別事業計画は、その点が焦点になる。」と述べております。
 電力自由化を口実として、自由競争のために負担を軽くしてほしいというのは、理屈としてそもそも成り立たない、国の支援を当たり前の前提とした自由競争などは、国民利用者の理解を得られないということを申し上げ、質問を終わります。
○富田委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○富田委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。三谷英弘君。
○三谷委員 みんなの党の三谷英弘です。
 本日は、電気事業法の一部を改正する法律案に対して反対の立場で討論をさせていただきます。
 本法案は、電力システム改革を進めていこうとするもので、安倍首相も代表質問の答弁において言及されたとおり、方向性において大きく違うわけではありません。しかしながら、みんなの党が目標としている電力システム改革のあり方とは大幅な差異があると言わざるを得ません。
 まず、発送電分離の形態についてです。
 本年の通常国会において既に議論を行いましたが、財産権の保護という憲法上の要請から慎重意見もあるところですが、今後、本当の意味で電力の自由化を進めていくということであれば、発送電の分離は最終的に所有権分離にまで踏み込むべきです。それにもかかわらず、最初からこの点を諦めるだけでなく、逆に単なる機能分離にまで後退できる余地を認めていくということ自体、電力システム改革を本当に進めようと考えているのか疑わしくすらあります。
 次に、競争促進政策についてです。
 我が党としては、電力システム改革には時間を要する部分もあることを認めつつも、それでも、卸電力市場の活性化などを含め、その改革を待たずに実行できる競争促進については具体策を速やかに実行すべきと考えており、その期限を法律に明記するべきと考えております。
 これに対し、本法案では逆に、競争が進まずに電気使用者の利益を阻害するおそれがあるときは実施時期を見直すと、先送りの規定すら置かれていることからも明らかなとおり、競争促進政策への強い意欲を感じることはできません。
 そして、本法案の最大の問題点は、その到達点が不明であるがゆえに、そもそもこの電力システム改革が進むのかが不明であるという点です。
 電力システム改革の目的の一つ、需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大については、今後の世論の動向や業界団体の巻き返しによって覆されかねず、また、電力の安定供給の確保や電気料金の抑制という目的を重視すれば、ほぼ現状維持に近い結果を容認することさえ考えられるものとなっております。
 我が党は、安全保障の観点から、エネルギー自給率の向上の実現、地産地消型エネルギーシステムを完成させることによって、資金が外部に流出しない、循環型の豊かな地域社会の実現、そして、放射性廃棄物やCO2を減らすことによる将来世代のための持続可能な社会の実現という大きな目標をまず設定し、そのために脱原発と再生可能エネルギーの増大を行うことが不可欠であって、それに向けて必要な改革は何かという観点から具体的な電力システム改革の中身を定めています。かかる観点からいえば、本法案はその出発点から不明確、当然の帰結として、電力システム改革の具体的な中身も不十分となっております。
 以上のとおりですので、本法案における電力システム改革は我が党が目指すものと残念ながら大幅な乖離が見られるため、十月三十一日付で参議院で対案として電力自由化推進法案を改めて提出させていただきましたが、それとともに、本法案には反対をさせていただきます。
 以上です。御清聴ありがとうございました。
○富田委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、電気事業法の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行います。
 電力システム改革は、東日本大震災と東電福島原発事故を契機とするもので、その教訓を踏まえたものでなければなりません。
 改革すべきは、戦後六十年にわたる、主要国では特異な地域独占、民営の発送配電一貫体制という電力独占によるガリバー支配です。この電力システムを根本的に転換することが求められています。
 ところが、本法案は、こうした大方向への改革方針を具体化するものとは言えず、以下三つの理由で反対します。
 第一に、エネルギー政策の全体像を示さないまま、破綻が明らかな東電と原子力損害賠償スキームを温存し、電力改革だけを切り離して進めるものだからです。
 広瀬東電社長は、自社への税金投入を前提にした電力自由化のもとでの自由競争まで求めています。国民は、原因者負担原則を投げ捨てた、手前勝手なこのような要求を決して許さないでしょう。
 東電福島事故は、汚染水問題の深刻化を初め、到底収束したとは言えません。十四万人を超える避難者や事故被害者の存在を忘れたかのような経産省のエネルギー基本計画の改定議論は、エネルギー政策を検討する上で、その立脚点を危うくするものと言わざるを得ません。
 第二に、小売料金の全面自由化を初めとする附則は、小泉構造改革論者の失敗、エンロン破綻事件や米国の大停電など、市場原理主義、規制緩和の危険性を拭えないものだからです。
 欧米での電力自由化の経験を見ても、完全な全面自由化は少数派です。電気料金の総括原価主義、ブラックボックスの開示や最終供給責任の制度設計に当たって、全面自由化ありきの法案は問題があります。
 第三に、発送電分離を掲げながら法的分離の名で、持ち株会社グループ一体経営によるガリバー支配の実質を維持したい、電事連の望む規制なき独占にならない保証がないからであります。
 そもそも、本法案は、日米原発利益共同体の市場確保を最優先にした原発の再稼働、原発輸出と一体となった成長戦略の柱の一つとされております。
 今行うべきことは原発ゼロの決断であり、原発のような大規模集中型から再生可能エネルギーの爆発的普及、小規模分散、地域経済循環型の持続可能な電力システムへの転換であり、並びに完全な発送電分離によって東電と送電網を公的管理下に置き、電力独占への民主的規制と国民的監視による電力の民主的改革へ進むことを求めて、討論を終わります。
○富田委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○富田委員長 これより採決に入ります。
 内閣提出、電気事業法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○富田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○富田委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、塩谷立君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、日本維新の会及び公明党の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。田嶋要君。
○田嶋委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    電気事業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、電力システム改革を着実に推進するため、本法施行に当たり、以下の点に留意すること。
 一 電力システム改革の目的である「電気の安定供給の確保」と「電気の小売に係る料金の最大限の抑制」の実現のため、原子力発電の稼働が進んでいない中で海外からの化石燃料の輸入が増加し、国民負担の増大が懸念されていることにも鑑み、第三段階までの法的措置の期限を待つことなく、スマートメーターの普及、卸売市場の拡大、発電所の環境アセスメントの緩和等の施策を検討し、可能なものについては早急に措置を講ずること。
 二 原子力政策の抜本的見直しが求められる中、原子力発電所の廃炉に係る電力会社の負担の軽減策など競争環境下における原子力発電の在り方、原子力賠償の在り方の見直し及び我が国における核燃料サイクル政策の位置付けについて早急に検討の上、電力システム改革と同時並行的に適切に措置を講ずること。
 三 今後、第三段階の法的措置の実施を通じて達成するものとされている「送配電部門の中立性の確保」及び「電気料金の全面自由化」は、競争促進の効果と電力の使用者の利益を併せて実現する観点から同時に実施することを原則とすること。また、これらの事項を含む今後の電力システム改革の詳細な制度設計及び実施については、当該改革に当たっての課題検証とその結果に基づく課題克服のために必要な措置を講じて進めるとともに、今年中に策定される予定である新たなエネルギー基本計画の内容と整合性をもって進め、関係方面に十分な説明を行うものとすること。
 四 電力システム改革の遂行に際しては、今日まで電力の安定供給を支えてきた電力関連産業の労働者の雇用の安定や人材の確保・育成、関連技術・技能の継承に努めるとともに、改革の過程において憲法並びに労働基準法に基づく労使自治を尊重するものとすること。また、当該労働者について一定の形態の争議行為の禁止を定める「電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律」については、自由な競争の促進を第一義とする電力システム改革の趣旨と整合性を図る観点から再検討を行うものとすること。
 五 電力システム改革を推進する上で阻害要因となり得る地方自治体による売電契約や交付金の運用等に関する現在の行政規制及び事実上の慣行の有無に関して早急に検証を行い、可能なものについては前倒して是正し又は撤廃する等の適切な措置を講ずること。
 六 電気事業の規制に関する事務をつかさどる新たな行政組織は、実効性のある送配電部門の中立性の確保、電気の小売業への参入の全面自由化等の電力システム改革を推進する上で、必要な電気事業の規制に関するモニタリングを実施する等、必要最小限な組織とし、肥大化は極力避けること。
以上であります。
 附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○富田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○富田委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、茂木経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。茂木経済産業大臣。
○茂木国務大臣 ただいま御決議のありました本法案の附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重してまいりたいと考えております。
    ―――――――――――――
○富田委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○富田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○富田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十時三十二分散会