第185回国会 国家安全保障に関する特別委員会 第5号
平成二十五年十一月一日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 額賀福志郎君
   理事 今津  寛君 理事 岩屋  毅君
   理事 城内  実君 理事 左藤  章君
   理事 中谷  元君 理事 大島  敦君
   理事 藤井 孝男君 理事 上田  勇君
      池田 道孝君    大塚  拓君
      大野敬太郎君    小池百合子君
      鈴木 馨祐君    瀬戸 隆一君
      薗浦健太郎君    津島  淳君
      辻  清人君    寺田  稔君
      中谷 真一君    中山 泰秀君
      西銘恒三郎君    野中  厚君
      橋本  岳君    星野 剛士君
      牧島かれん君    町村 信孝君
      松本 洋平君    山際大志郎君
      後藤 祐一君    近藤 昭一君
      長島 昭久君    渡辺  周君
      今村 洋史君    丸山 穂高君
      山田  宏君    大口 善徳君
      遠山 清彦君    畠中 光成君
      林  宙紀君    赤嶺 政賢君
      玉城デニー君
    …………………………………
   外務大臣         岸田 文雄君
   防衛大臣         小野寺五典君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     菅  義偉君
   内閣府副大臣       後藤田正純君
   内閣府副大臣       岡田  広君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    小松 一郎君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  武藤 義哉君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  北崎 秀一君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  林   肇君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  能化 正樹君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  鈴木 良之君
   政府参考人
   (総務省人事・恩給局長) 笹島 誉行君
   政府参考人
   (外務省大臣官房外務報道官)           佐藤  地君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 金杉 憲治君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 岡   浩君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 五嶋 賢二君
   政府参考人
   (外務省総合外交政策局長)            平松 賢司君
   政府参考人
   (外務省北米局長)    冨田 浩司君
   政府参考人
   (外務省国際法局長)   石井 正文君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房長)   黒江 哲郎君
   政府参考人
   (防衛省防衛政策局長)  徳地 秀士君
   政府参考人
   (防衛省運用企画局長)  中島 明彦君
   衆議院調査局国家安全保障に関する特別調査室長   室井 純子君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月一日
 辞任         補欠選任
  牧島かれん君     瀬戸 隆一君
  近藤 洋介君     後藤 祐一君
  畠中 光成君     林  宙紀君
同日
 辞任         補欠選任
  瀬戸 隆一君     牧島かれん君
  林  宙紀君     畠中 光成君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 安全保障会議設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出、第百八十三回国会閣法第七五号)
     ――――◇―――――
○額賀委員長 これより会議を開きます。
 第百八十三回国会、内閣提出、安全保障会議設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りをいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官武藤義哉君、内閣官房内閣審議官北崎秀一君、内閣官房内閣審議官林肇君、内閣官房内閣審議官能化正樹君、内閣官房内閣審議官鈴木良之君、総務省人事・恩給局長笹島誉行君、外務省大臣官房外務報道官佐藤地君、外務省大臣官房審議官金杉憲治君、外務省大臣官房審議官岡浩君、外務省大臣官房審議官五嶋賢二君、外務省総合外交政策局長平松賢司君、外務省北米局長冨田浩司君、外務省国際法局長石井正文君、防衛省大臣官房長黒江哲郎君、防衛省防衛政策局長徳地秀士君、防衛省運用企画局長中島明彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○額賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○額賀委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。近藤昭一君。
○近藤(昭)委員 おはようございます。民主党の近藤昭一でございます。
 きょうは、こうして質問の機会をいただいたこと、まずお礼を申し上げたいと思います。
 この国家安全保障会議設置法案、この間も審議が進められておるわけであります。国の安全、国の、世界の平和をつくっていく、非常に重要なことであり、こうしたことに対して、政府として、国一体となって対応していく、そのためのきちっとした機関をつくっていく、このことは大変に重要なことだ、こういうふうに思っておるわけであります。
 ただ、一方で、今回の会議の設置法案について審議をしている中で、いささか必ずしも十分にわからないというところがあるわけであります。
 つまり、現行の制度、いわゆる現在の安全保障会議のどこに不都合があるのか。法案の提案理由には、「国家安全保障に関する機能等を強化する」とあるわけでありますが、現行制度のふぐあいを必ずしも明らかにせぬまま制度改変を、いろいろと形骸化であるとか決まり切った発言が多くなってしまっているとか、そういう話を聞くわけでありますけれども、十分な説得力がないのではないか。
 仮に現行制度にふぐあいがあるとして、その問題は本法案の新NSCの設置でどのように解決されるのか、より具体的に改めて御説明をいただきたいと思います。
○菅国務大臣 今日までの安全保障会議は、九大臣が国防に関する重要事項について審議を行うことによって、文民統制機能というものをしっかり果たしてきたというふうに思っています。このような安全保障会議の機能に関しては、特段の問題があったということではないというふうに考えています。
 しかしながら、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中にあって、総理大臣を中心として、関係閣僚が平素から戦略的観点を持って審議を行い、政治が強力なリーダーシップを発揮する環境を整えるということが必要になってきているというふうに思います。
 そのような考え方のもとで、現行の安全保障会議を発展的に改組して、四大臣会合を中核とする国家安全保障会議を設置することによって、外交・安全保障政策をこれまで以上に機動的に、また戦略的に進めていくことが可能になるというふうに考えています。
 四大臣会合の構成は、機動的な審議を確保する観点から、外交防衛政策に特に関連の深い少人数の大臣に限定されるべきという観点から、総理、外務大臣、防衛大臣、そして官房長官としたわけであります。
 ただし、必要がある場合はその他の大臣を会合に出席させることができるということになっておりますので、案件に応じて四大臣以外の大臣も参加をして、機動的に、戦略的に行うことができるというのが従来の安全保障会議と違うところであります。
○近藤(昭)委員 官房長官、改めて一つ確認をしたいわけでありますが、そうすると、今おっしゃった、今までの機能に必ずしも問題があるわけではない、ただ、それをさらに強化していく、そういう形をつくるということ、そして、そういう中に四大臣会合、特に四大臣会合がリーダーシップを発揮していくんだ、ここが違うんだ、こういう理解でよろしいでしょうか。
○菅国務大臣 委員の御指摘のとおりであります。
 四大臣会議というのは二週間に一回程度行って、常に、安全保障、外交に対して、さまざまな問題について総理を中心に意思疎通を図っていく、そういうことであります。
○近藤(昭)委員 ありがとうございます。
 ただ、私は、逆に少しそのことについて懸念を持っておるわけであります。
 四大臣会合、総理を中心にして行われていく、少人数、また、必要に応じて大臣の出席を求めるということでありますが、ただ、逆に、官房長官がおっしゃったように、四大臣で、少数で、そこでコアをつくっていくということなんだと思うんです。
 ただ、昨日の参考人の質疑の中にもあった、柳澤さんのお話の中にもありましたが、さまざま情報が上がってくる、その情報が必ずしも十分でない、あるいは矛盾する情報があることがある、こういうような御指摘がありました。
 そうすると、私は、四人を中心にということが、逆に言うと、少人数過ぎることによって、また、今申し上げたような、情報が必ずしも十分でない、あるいは矛盾するような情報が上がってきている、こういうところに、失礼な言い方を申し上げれば、判断が偏ってしまうことがあるのではないか、こういうふうに思うことがあるわけでありますが、いかがでありましょうか。
○菅国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、基本方針というのは、四大臣会合でお互いに意思疎通を図りながら、また、案件において必要な場合については四大臣以外の大臣も出席することができるということになっていますので、情報が偏ることなく、適切な判断が行われるというふうに考えております。
○近藤(昭)委員 ただ、繰り返しになりますが、そうした、ましてや基本的な方針といいましょうか基本的な方向性を定めるというところ、基本方針は、文民統制機能を維持しながら九大臣会合で決めていくんだと思いますけれども、ただ、その基本の方向性を四大臣会合で決めていく。つまり、方向性が決まった後に九大臣会合にかかっていく。つまり、肝は四大臣会合で決まっていくということは、私はやはり、そこにもっとさまざまな、より広い意見交換が必要ではないかというふうに思うんですよ。
 そしてまた、総理が中心になって行われる。もちろん、日本の大事な安全保障ということを議論していくわけでありますから、総理が出席をなさるその重要性。ただ一方で、総理のもとで全ての方がイエスマンになる、こんなふうには思うわけではありませんけれども、やはり首相の前で必ずしも全ての率直な意見交換ができないのではないか、こういうふうな懸念も抱くわけでありますが、いかがでありましょうか。
○菅国務大臣 それぞれの閣僚が、安全保障や外交等についてみずからの状況を総理の前で説明をして、お互いに意見交換するということは、内閣にとって極めて大事なことであるというふうに思っております。
 二週間に一回程度行う予定でありますので、そういう中でしっかりと自分の考えを総理に気兼ねすることなく述べられるように、逆に私はなるのではないかというふうに思います。
○近藤(昭)委員 ただ、これはきのうの参考人の方の指摘の中にもあったことでありますけれども、いわゆる政策と情報が一致しないことがかつてあった。
 例えばイラクのことのようなことを念頭に置いてその参考人の方も発言されていたのではないかというふうに思うわけでありますけれども、つまり、当時、例えばイラクのことで申し上げますと、米国に協力をしていく、関係を密にしていくという中で、一つの政策的な判断がまずあった。総理の強いリーダーシップというか、強い意向、判断があった。そういう中で、必ずしもその政策的な方向性に一致をしない情報あるいは意見、これが上がりにくかった、あるいは上がらなかった、こういうことがあったのではないかと思うわけであります。
 そういう意味で、首相を中心にして、逆に言うと、二週間に一回ですね、そういう中で基本的な方向性が決まっていき、そしてその後、九大臣会合で基本方針が決まるというところの、大変失礼ですが、危うさがあると思いますが、そこはいかがか、改めてお伺いしたいと思います。
○菅国務大臣 今回のこの国家安全保障会議は、常設の国家安全保障事務局というのを設置します。そこでさまざまな情報も集約をすることができるわけでありますし、そうした情報を集約する中で分析等をしながら、四大臣会合にさまざまな状況について資料提供もありますので、かつての体制よりも、はるかにそうした情報というのがそれぞれの大臣に伝わるようになっているというふうに思っています。
○近藤(昭)委員 この間の審議の中でも、官房長官の御答弁の中で、この会合によってそうしたことが進んでいくんだという御答弁をいただいて、私も委員の一人として聞かせていただいているところであります。
 今おっしゃった、きちっと情報が上がってくるんだ、そして、そういう中で判断がなされるんだ、このことについてももう少しお聞きをしたいと思うんですが、その前に一つ、そうしたリーダーシップを発揮していくんだ、いけるんだ、こういう機構をつくったということでありますが、ただ一方で、その論議の中身とは別に、この四大臣会合が国家安全保障に関する司令塔にもなるんだ、こういう御説明もあるわけであります。
 ただ、ここが司令塔といいながら、閣議決定が必要だと思うんですね。そうすると、閣議決定を経ない決断に法的な効力はないのではないか、そういう中でどのように司令塔としての実効的な担保ある働きができるのか、こういうことはまた一方で懸念を持つわけでありますが、いかがでありましょうか。
○菅国務大臣 内閣として決定をしない、しかし、あらゆる行政事務を遂行するために必ず閣議決定を経なければならないということでもないわけでありますから、国家安全保障会議の審議を踏まえて関係機関が行政事務を遂行することは可能になるというふうに思います。
 また、国家安全保障会議で審議した中で、必要に応じて閣議決定をすることにもなっております。
○近藤(昭)委員 今、官房長官がお答えになられた、閣議決定を経なくても動いていくところがある。そうすると、閣議決定を経るものと、経なくてはならないものと、そうではないものというのは、何らかルールのようなものがあって分けていかれるということでしょうか。
○菅国務大臣 そこは、法律に書かれているものは閣議決定をして、しっかり対応していきたいと思います。
○近藤(昭)委員 そうしますと、また先ほどのことに戻るのでありますけれども、官房長官がたびたびお答えになっている、情報はきちっと上がってくるんだ、そして、そこで十分な意見交換ができて、そこがまさしく司令塔として、今お答えになったような、閣議決定をするもの、そうではなくても動いていくものという中で動いていくんだということでありますけれども、ただ、先ほどもちょっと言及させていただいたことでありますが、イラク戦争のときのことでありますけれども、そうしたことがきちっとなされているのか。あるいは、なされるために、この間の委員会でもたびたび質問が行われておりますが、検証する必要があるんだというふうに思うんです。
 会議の途中の中で、秘密としてすぐにはオープンにできないもの、プロセス、過程にある中で、何でもかんでも出してもいいというふうには私も思いません。しかし、検証が必要だ、あるいは、将来の検証にきちっとたえるようにという、ある種の緊張感というものがやはり必要なんだというふうに思います。
 そういう意味で、会議内の議事録、資料の取り扱い、開示規定についてはどうなっているのか、四大臣会合や九大臣会合における政策プロセスについて、透明化、後の歴史的検証がどのように担保されるのか、確認をしたいというふうに思います。国家機能を強化するために、民主主義の手続を犠牲にするようなことがあってはならない、こういうふうに思うわけであります。
 言うまでもなく、官房長官もよく御存じだと思いますけれども、二〇〇四年に米国は、イラク戦争に関して、大量破壊兵器は存在しなかったと。当時、戦争を始めるときには、大量破壊兵器は存在するんだ、こういうことで始めていった。しかし、後の検証で、なかったんだと断定する約五百ページの報告書を公表しておりますし、米国、あるいはオランダでも、議会を中心に開戦や参戦をめぐる緻密な検証がなされております。
 特に、英国では、二〇〇九年六月に、当時のブラウン首相がイラク戦争の独立調査委員会を設置して、〇一年から九年までの八年間、こういう時間を使って、対イラク政策を検証しているということであります。
 そのメンバーには、政治的に中立なスタンスから専門家、有識者を選ぶことが前提とされておりますし、機密文書を含む公文書を精査しながら、公聴会などから得られた証言を一つ一つ照らし合わせて裏づけをとって事実確認していく、こういう手法がとられたわけであります。
 そして、ヒアリングは、御承知のとおり、ブレア首相やストロー外相から、イラク帰還兵や戦死者遺族に至るまで、多数から行われております。特に、幾つかの機密を扱う秘密公聴会を除いて、原則的には公聴会は公開をされました。当時の政策責任者たちの内情を吐露する姿が、テレビによって国民にも伝えられたわけであります。二〇一〇年一月末に行われたブレア元首相に対する公聴喚問は六時間に及んだ。行政府に対する英国議会によるチェック機能の強さを示したわけであります。
 検証手段の弱い日本で、機密性の高いNSCだけがつくられることに、そういうふうになってしまうことに懸念を覚えるわけでありますが、そうならないようにどのような仕組みがつくられているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○菅国務大臣 委員御指摘の検証というのは、極めて私も大事だというふうに思っています。例えばアルジェリア事件が発生した後に、民間の有識者の方もお願いをして検証作業を行わせていただきました。イラク戦争において、我が国の対応については、外務省内で検証を行ったという事実があります。
 今回でありますけれども、従来の安全保障会議においては、審議内容というものが機微にわたる、そういう形の中で、また関係閣僚の闊達な意見交換を確保する必要があるということで、議事録は作成をしておらなかったわけであります。そういう中で、安全保障会議の審議の概要は、事後の官房長官の会見でできるだけ公表をしておりました。新たに今回設置をされる四大臣会合を含む国家安全保障会議、これは、審議内容、ここも機微な情報も含むわけでありますから、公表のあり方や関連文書の作成及び取り扱いについて、国家安全保障会議の性質を十分に勘案しながら、国の安全保障を損ねない形でしっかりとこれから検討していきたいというふうに考えます。
○近藤(昭)委員 官房長官、そうならないようにしていきたいということでありますが、そのために具体的にどのようにお考えになっておられるのか、もう少しお話をいただきたいと思うんです。
 そして、イラクのことの検証も外務省内ではしたということでありますが、私は、今回のNSC、この国家安全保障会議が設置をされる、冒頭質問をさせていただきましたが、今までの制度よりそれを強化していく、そして米国のNSC制度を参考にしているところがある。ただ、先ほども申し上げたイラクのことで申し上げますと、NSCはある種機能しなかった。だから、そのことを、逆に言うと米国は検証しているわけでありますけれども、そのことの検証が日本では十分になされていないのではないか。
 そして、今回、いろいろと質問もさせていただきましたが、米国のその反省に立って、では、その間違いを日本版の新NSCでは起こさないという担保がとれているのか、アメリカでうまくいかなかったことに対する反省はどうなのかということに対して、担当の方からは、十分きちっとした検証をしていない、十分に検証できていないんだ、こういうお答えもあったわけですね。
 そうすると、それでも米国は検証をして五百ページにも及ぶ報告書を公表している、しかし、日本は外務省内の中では検討した、それでは本当にきちっとしたNSCになるのか、こう思うわけであります。
 改めてお答えをいただければ。
○菅国務大臣 まず、私が外務省で検証したと申し上げましたのは、そういう事実だけを申し上げたものでありまして、必ずしも適切であったかどうかということについては、やはり委員の指摘のように、それはもっと公の場でやるべきだったというふうに私は思っています。ですから、アルジェリアの人質事件があった際に、私は、民間の有識者の方等も含めてお願いをして検証を行って、そしてまた次に備えるための報告もしっかり書かせていただいたということをぜひ御理解いただきたいというふうに思います。
 それで、今、今回の法案作成に当たって、諸外国の制度を私たちは勉強しながら法案を提出したということは事実であります。ただ、アメリカは大統領制でありますから、アメリカそのものを全てモデルにしたということではありません。
 いずれにしろ、国家安全保障会議は、今まさに御審議をいただいております設置法に基づいて、国会の指名に基づいて任命された総理大臣、そして、総理大臣に任命された国務大臣がメンバーになって審議を行うわけであります。そういう中で、先ほど申し上げましたように、会議の性質等を十分に勘案しながら、国の安全保障を損ねない形でしっかり、審議内容という、どうするかということを検討していきたいというふうに思います。
○近藤(昭)委員 今、官房長官がお答えになった、外務省での検討が適切ではなかった、だからアルジェリアの事件の際には新たな方法でやったということでありますが、ただ、改めて私は、私どもも政権にあった時代があるわけでありますけれども、イラクのことはやはり改めての検証が必要ではないかと思います。
 そして、今、逆に、官房長官は、各国の制度を参考にしたが、米国の制度も参考にしたが、米国は大統領制度であり日本と違う、だから、そこから全部を倣ったわけではないと。まあ、そうだと思うんです。まさしくそのとおりだと思うんですね。そこが問題だと思うんです。問題というか、大きな課題だと思うんです。アメリカと違う、だからこそ余計に、日本の場合は、よりチェックをどうしていくかということが必要なんだと思うんです。
 つまり、大統領制である米国というのは、先ほど米国のイラク戦争に対する報告書の話をさせていただきましたけれども、米国では、大統領そして連邦議会、こういう二元があって、大統領府を厳しく連邦議会が監督をしてきた、そういうことだと思うんです。
 ただ、やはり日本の場合は、議会の多数を政権党が占める、そういう中で、監督機能がどうしても二元制より、二元制といいましょうか、大統領と議会との関係よりも弱まるところがあるのではないか。少数の野党が、内閣官房のもとにあるNSCの組織や活動について検証しようとしても、政権党が反対すればなかなかこれは実現しないのではないかと思うんですが、そこはいかがでありましょうか。
 私はやはり、制度が違う、だからこそ余計に、日本の場合は、しっかりとしたチェック、いわゆる行政府そして立法府、この立法府によるきちっとした検証が、検証というかチェック機能というか、これをできるシステムがより必要なんだと思うんです。そこが今、官房長官のお答えの中にも、そうしたことに注意をして検討していかなくてはならない、こういうお話があったわけでありますが、検討ではなく、やはりこの時点で、どうしていくのか、こういう仕組みがなければ、なかなかこの会議というものを設置することの課題というのは私はすごく大きいと思うんです。
○菅国務大臣 先ほど私申し上げましたけれども、我が国の国家安全保障会議は、今まさに審議をいただいている設置法に基づいて、国会の指名によって任命された総理大臣、そしてまた、総理に任命された国務大臣がメンバーになって審議を行うわけであります。
 そして、国家安全保障局も、内閣法によって付与される権限に基づいて、官房長官の統括のもとにその業務を遂行する。さらに、諸活動については、国会において我が国は議論される中でありますから、政府から意見聴取をするということも、これは当然可能なわけであります。
 以上のとおり、我が国の議院内閣制度のもとで、国家安全保障会議というのは適切に運営をされるだろうというふうに思います。
○近藤(昭)委員 官房長官、冒頭にも申し上げましたように、ずっとこの間の質疑の中で官房長官がおっしゃるのは、そういうふうに運用されるだろうとか、そう信じている、こういう御答弁が多いんですね。そうではなくて、それがどう担保されるのか、このことが重要だと思うんです。いかがでありましょうか。
○菅国務大臣 そこははっきり申し上げますと、今の組織でありますから、国会に審議を通じて私たちはさまざまな情報等も提供するわけでありますから、当然、この問題については、議院内閣制のもとでありますから、それはしっかりと行われることができるというふうに思います。
○近藤(昭)委員 国会にもさまざまな資料が提供されるということであります。そうすると、現在進行形の中での情報の提供、あるいは先ほど申し上げた、後の検証、これは両方必要だと思うんですね。
 そうすると、先ほどに戻ります、会議の議事録そして資料の取り扱い、このことはいかがになるのか、こういうことをもう一度お伺いしたいと思います。
○菅国務大臣 従来の安全保障会議においては、審議内容が機微にわたることがあることや、関係閣僚の闊達な意見交換を確保することが必要だという形で、議事録は作成せずに、この終わった後に、審議概要については官房長官が公表をいたしておりました。
 新たに設置される国家安全保障会議においては、四大臣会合を含む会合の審議内容については、公表のあり方や関連文書の作成及び取り扱いについて、国家安全保障会議の性質などを十分に勘案しながら、国の安全保障を損ねない形でしっかりとここは検討していきたいというふうに思います。
○近藤(昭)委員 官房長官、何遍も申し上げて恐縮でありますが、検討していきたいではだめなんです。検討した結果こういう形でやるということでないとだめだと思うんですが、いかがでありましょう。
○菅国務大臣 この議事録を含めた問題については、総理も国会で答弁していますように、国の安全保障を損ねない形でしっかり検討していきたいというのが政府の考え方であります。
○近藤(昭)委員 そうすると、検討していきたいというお答えしかないわけでありますが、ただ、その官房長官のおっしゃる中でいうと、国の安全保障をきちっと、機微に触れることがある、しかしながら、きちっとした検証は必要だよねと。あるいは、これは官房長官もおっしゃっている、いろいろな情報も上がってくる、それは信じているということ。
 では、検討する、それはやはり、きちっとつくるということで検討していく、こういうことなんでしょうか。いかがでありましょう。
○菅国務大臣 何回か申し上げておりますように、国家安全保障会議の性質を十分に配慮して、国の安全保障を損ねない形でしっかり検討していきたいというのが政府の考え方であります。
○近藤(昭)委員 官房長官、私が思うのは、そういうところに差しさわりがない中でつくっていくというならわかるんですよ。プロセスの中で、さっき申し上げましたように、何でもかんでも公表して、それがやはり結果的に国の安全保障を阻害するようなことがあってはならない、それは当然なんです。だから、そういうふうにならないような形でつくっていく、こういう答えならよくわかるんですが、いかがでありましょうか。
○菅国務大臣 先ほど申し上げました、例えばアルジェリアの人質事件がありました。この問題については、民間の有識者の皆さんの御協力もいただきながら、しっかり検証して、その結果、また対策等も公表してきたところであります。
 この国家安全保障会議というのは、その会議の性質等を十分に勘案しながら、やはり国の安全保障を損ねない形でしっかりと検討していきたいというのが今の政府見解でありまして、個別の例えば事件が起きた場合、そうしたものについては、対応策というのは検証して、発表していくのは当然だと思います。
○近藤(昭)委員 官房長官、やはり、検討していくではなかなか納得ができないんですよ。
 そして、今、アルジェリアの事件をされて、専門家にも加わっていただいたと。ただ、先ほど申し上げたように、日本は、三権分立の中で、行政府と立法府があるわけであります。司法もあるわけであります。司法がチェックをしてきた、イラクのことでも検証をしてきた、こういうことがあるわけであります。だからこそ、専門家の検討ももちろん重要でありますけれども、立法府の、検証ができるシステムが必要ではないかということであります。
○菅国務大臣 立法府のことは立法府で決めるわけであります。現に、あの原発事故については、事故調査委員会というのを、立法府の皆さんの判断で国会に検証委員会が置かれたという事実もあります。
 今私が申し上げておりますのは、今日までのいわゆる安全保障会議、民主党政権のときもそうだったと思いますけれども、それは、審議内容が機微にわたる、あるいは関係閣僚の闊達な意見交換というものを確保するために、ここは議事録は作成していなかったわけです。そして、終わった後に、官房長官が会見の中でできるだけその議事の内容を公表してきたというのが、これは、私たちの政権だけではなくて民主党政権もそうだったというふうに思います。
 そういう中で、今回は、国家安全、国の安全保障を損ねない形でこれからのことについては検討していきたいということを私は申し上げていることであります。
○近藤(昭)委員 もう質問時間が来ましたのであれですが、検討しますではなく、そうしたさまざまな状況を勘案しながらつくっていくということだと思います。つくるべきだと思いますし、立法府がチェックをするためには、やはり議事録、資料がないといけないということだと思います。
 そして、きのう参考人も指摘をしておられましたけれども、防衛白書のような、国家安全保障白書のような、立法府のチェックだけではなく、一般の人、多くの国民が、そこで何が公開できるのか、そうしたことの一つのラインもできてくるところだと思いますし、そうしたことが必要だと申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○額賀委員長 次に、後藤祐一君。
○後藤(祐)委員 民主党の後藤祐一でございます。
 今、議事録の話がせっかく出ましたので、その続きから始めたいと思います。
 きのうの柳澤協二参考人も、「その情報の中には、当然、国の安全上、秘匿すべきものが含まれているわけでありますから、そうすると、それを理由にして、その政策決定のプロセスが一切公表されないということになってくるおそれがあるということを指摘しなければいけないと思います。」という懸念を述べておられました。
 まず、議事録をつくるつくらないという話と、それが公表されるされないという話を分けていきたいと思いますが、まず、つくるつくらないに関して言うと、今、つくっておられないということでしたが、実はつくっているんじゃないですか。個人メモとして、そこの後ろにこうやって座っておられる役所の方々が実はつくっておられるんじゃないですか、個人メモとして。
○菅国務大臣 つくっていないのが事実だと思っています。
○後藤(祐)委員 行政文書としては存在しませんが、個人メモとしても存在しないかどうかを確認していただけませんか。
○菅国務大臣 それは、ありません。
○後藤(祐)委員 個人メモとしても存在しないかどうかを確認していただくよう、理事会で協議していただけないでしょうか。
○額賀委員長 御提案ですから、理事会で相談はします。
○後藤(祐)委員 個人メモとしても本当に議事録が存在しない場合、例えば防衛大臣と外務大臣が意見が違うことを闘わせたとします。そのときに、言った言わないとか、そういった議論に後ほどなることがあり得ます。
 検証するときに、外には出せないけれども実はこういう議論があったという記録を残しておくことは、私は本当に大事なことだと思うんですね。これは、外には見せられないけれども実はこうだったということは、例えば官房長官、総理が、ああ、これは確かにこのとき防衛大臣が言っていたよなということを確認することは、後で検証するときに、例えば、きのうあった大量破壊兵器のような話のようなことが日本で起きたときに、これは大変重要になってくるわけです。
 言った言わない論が起きたり、あるいは、そのときの議事を確認したいようなことが行政執務上起きた場合、一体どうするつもりですか。
○菅国務大臣 先ほど来申し上げていますけれども、この国家安全保障会議、これは安全保障会議のときもそうでしたけれども、それは機微にわたる内容であって、そしてまた、それぞれの閣僚が闊達に議論する、そのことを確保するという観点から、今までこれをつくってこなかったことは事実であります。
 その中で、例えば安全保障会議については、官房長官が、どのような内容のことが話されたかということは事後の会見で公表してきた。今度、新たにこの会合をつくる中では、国家安全保障について損なわない程度に検討したいというのが、今の政府の正式な見解であります。
○後藤(祐)委員 私は、今の話は公表するしないの話に移ってしまっていますけれども、今言っているのはそうではないんです。議事録を残すか残さないかという話で、行政執務上、後で、確かにこのとき防衛大臣が言っていたことの方が正しかったなとか、ああ、このときのこの発言がやはり情報収集において間違っていたんだなとかいう検証を、政府の中で、特に官邸の中でしていただく必要が発生することがあると思うんですよ。
 アメリカもイギリスも間違えたわけです。そのときに、ああ、確かにこれはどこかの段階でよく検証して、政策判断を変える必要があるなというような決断というのは、国家にとっての大きな決断なんです。そのときに、安全保障会議においてどういう発言があったかを後から検証することは大変重要だと考えますが、いかがですか。これの重要性についてお伺いします。
○菅国務大臣 議事録は作成しないということに今回もいたしております。
 そういう中で、自由闊達な議論を確保する必要性とか、あるいは機微にわたる問題がという形で、従来の安全保障会議でそうしたことを行ってきたわけでありますから、そこは民主党政権でも同じだったというふうに思います。
 ですから、議事録についてはつくらないということであります。
○後藤(祐)委員 答弁としてはわかるんですが、やはりこれは、立法府としてこの問題をどう考えるかということをぜひ与党の皆様方もお考えいただきたいんです。
 つまり、議事録を作成することの是非、そしてそれを公開することの是非、これについては、行政府側に任せておくと、どうしてもネガティブな対応になります。これは、後ほど我が党からも修正提案をさせていただく予定でございますけれども、議事録を残すことについては、立法府として法律で位置づけるべきだというふうに考えておりますので、ぜひ御検討をいただきたいと思います。
 それでは、情報提供の話に移りたいと思います。
 きのうの柳澤協二参考人も、「私も官邸で仕事をする中で一番大変だったのは各省の抵抗排除でございましたので、そういうところを、やがては大きな、もう一段の法的、制度的な手当てが必要になってくる」というお話がございました。
 これに関して、おとといの情報提供義務に関する私の質問について、官房長官は、提供しないといったことは起こらないと考えますというふうに答弁しておりますけれども、もしそうであるならば、我々が提案しようとしている、各行政機関の長は必要な協力を行わなければならないと規定したとしても、特段困ることはないんじゃないんですか。どこが困りますか。
○菅国務大臣 これは立法上の問題でありますので、事務方から答弁させてください。
○北崎政府参考人 お答えいたします。
 第六条の関係の規定ぶりの件でございます。
 私ども、今回、「提供するものとする。」という規定をさせていただきましたのは、行政機関同士の資料や情報等の提供を義務づけるに当たっては、法制上、提供しなければならないと規定するのではなく、提供するものとすると規定することが通例でありますことから、今回、こういう御提案をさせていただいたところでございます。
○後藤(祐)委員 役人答弁は全く必要ありませんので、官房長官、お答えください。
 そういうことが起こらないと政治家として判断されておられるわけです、官房長官として。であれば、起こらないと自信を持たれるのであれば、先ほど申し上げたような、行わなければならないという規定にしても何ら困ることはないと思いますが、いかがですか。
○菅国務大臣 私も、後藤委員の言われるとおりだと思います。
 しかし、この立法の中でそれは十分担保されているということでありますので、今のままでいきたいということであります。
○後藤(祐)委員 前段は、政治家としての発言として非常に、官房長官としての発言でももちろんありますが、さすが菅さんという、立派な政治家のお言葉だと受けとめさせていただきます。
 この前段と後段の違いはなぜかというと、各省協議をしなきゃいけないんです。つまり、この法案というのは、各省協議をして、全省庁が賛成しないと閣議決定できないわけですね。
 ですから、恐らく、この六条のところが最後ふにゃっとなっているのは、そうでないと各省協議が通らないからこうなって出てきていますけれども、ここは立法府ですから、立法府において、今、官房長官から力強い御答弁がございましたけれども、何ら困らないということであるならば、ぜひともこれを明確に位置づける。協力を行わなければならないという規定に、この立法府で、修正提案を我々もこれからさせていただきますので、きょう出しますので、御検討をいただきたいというふうに思います。
 それでは、ちょっと話が別のところへ行きますが、特定秘密に関連して、先日、通商交渉に関する情報は特定秘密に含まれないという御答弁がございましたけれども、きょう、配付資料がお手元に行っていると思いますが、では、ほかの交渉はどうなんですかと事務方に伺ってみました。
 まず、ここに掲げられている二十種類の交渉について、「通常、安全保障が関連しない」というふうに挙げられていますが、この二十については、特定秘密は含まれないというふうに考えてよろしいですか。
○岡田副大臣 お答えいたします。
 資料をいただきましたが、この資料の中にある交渉については、含まれていないと考えます。
○後藤(祐)委員 ありがとうございます。
 ただ、この資料をよく見ると、変わっているんです。
 例えば、十三の「漁獲割り当てに関する交渉」というのは、その上の「社会保障に関する交渉」に比べて狭くありませんか。つまり、漁業に関する交渉は全て特定秘密を含まないのか。あるいは、十六については、こういう狭い書き方じゃなくて、エネルギーや鉱物資源に関する交渉は全て含まないのか。あるいは、十八は「航路開設」とすごく狭く書いてありますけれども、航空に関する交渉は全て含まないのか。あるいは、ちょっと戻りますが、二で「為替に関する交渉」とありますけれども、金融に関する交渉は全て含まないのか。
 これについても、これは通告してあります、御答弁いただきたいと思います。
○岡田副大臣 お答えいたします。
 特定秘密の指定となる情報は、特定秘密の保護に関する法律案の別表に掲げる事項に関するものであることが要件とされるわけであります。
 同別表第二号イは、「外国の政府又は国際機関との交渉又は協力の方針又は内容のうち、国民の生命及び身体の保護、領域の保全その他の安全保障に関する重要なもの」と規定しておりますが、ここで言う安全保障とは、外部からの侵略等の脅威に対して、国家及び国民の安全を保障することを意味し、また、国家及び国民の安全とは、国家の構成要素である国土、国民及び統治体制が害されることなく、平和で平穏な状態に保たれていることを意味していると思います。
 後藤委員御指摘のように、交渉の対象範囲をより一般的なものとすれば、さまざまな議題が含まれ得ることとなるので、各議題についての交渉の方針または内容が特定秘密の保護に関する法律案の別表第二号イに該当するか否かは、個別具体的に検討する必要があると考えます。
○後藤(祐)委員 つまり、含まれ得るということですね。そのように受けとめました。
 これから特定秘密の基準を有識者の意見を聞いてつくっていくことになりますが、今のあたりに境目があるということを、ぜひこれからの法案の審議に生かしていきたいと思います。
 次に、NSCの所掌事務について、これも前回少し議論をさせていただきました。お手元に、その後ろ、二つ資料があると思いますが、まず、大きいA3のものの今回出ている法案、一番上の段の二条一項八号、「国防に関する重要事項」、この書き方が余りに、文民統制の観点から九大臣会合に全部かけるのは広過ぎではないか、現行規定では、一番下の段、「内閣総理大臣が必要と認める国防に関する重要事項」と限定されている限定を外す必要はないのではないかというお話を前回させていただきました。
 では、どういったものが新たにふえる可能性があるのかと考えまして、もう一つのA4の横紙ですが、防衛省の設置法上の所掌事務、第四条の、三十三挙げられている所掌事務のうち、この中で国防に関する重要事項に該当し得るものはどれですかと伺ったところ、そこにあるように、これは国家安全保障会議設置準備室の資料ですが、当たり得る可能性があるものは全てであると。防衛省設置法四条の一号から三十三号まで全ての事務について、この中には「職員の保健衛生に関すること。」なんというものも入っているんですが、こういったものも含めて全て国防に関する重要事項に該当し得るというふうに事務方から伺っております。
 この三角、つまり、この所掌事務全てになるわけですけれども、この三角をつけられたという意味は、設置法四条の全ての所掌事務が国防に関する重要事項になり得る。安全保障会議設置法、現行法における、ですから、A3の方の紙の一番下の段の「国防に関する重要事項」、「総理大臣が必要と認める」という修飾を外した国防に関する重要事項になり得るということなのかということと、そして、その中から総理が必要と認めたものを九大臣会合にかける、つまり、必要と認めるという部分に総理の裁量の幅があるのであって、国防に関する重要事項という部分には裁量の幅はないというふうに理解してよろしいですか。
○北崎政府参考人 お答えいたします。
 その時々の政策案件が「内閣総理大臣が必要と認める国防に関する重要事項」に当たるかどうかの判断は、この文言の一部ではなくて全体を踏まえて判断すべきであると考えておりまして、つまり、各案件を会議に諮るかどうかは、その案件が重要かどうか、また、内閣総理大臣が必要と認めるかどうかという二つの要素を考慮して判断すべきであると理解しております。
 したがいまして、この条文につきましては、今回の法案では、内閣総理大臣の諮問を前提とすることなく国家安全保障会議が審議を行うことができるとしたことから、内閣総理大臣が諮問に当たって一定の判断を行うことを前提とする「内閣総理大臣が必要と認める」との文言を削除することとしただけでございまして、現行法と新法の「国防に関する重要事項」に概念的な違いはございません。
 いずれにいたしましても、国防に関する重要事項に基づく具体的な審議事項は、議長たる内閣総理大臣が、従来どおり、個別具体的な案件の重要性を評価して判断いたします。国家安全保障会議の審議対象が、特に重要性のない事項にまで拡大することとはならないものと理解しております。
○後藤(祐)委員 非常にアバウトな、曖昧な答弁なんですが、法制局長官、きょう来ていただいておりますが、これは法制上の言葉として、現行法の解釈を伺いたいと思います。
 現行法の安全保障会議設置法二条の解釈として、ここの八号、「内閣総理大臣が必要と認める国防に関する重要事項」という概念と、今の言葉の中の一部、「国防に関する重要事項」とを比べた場合に、前者の方が狭く、後者、すなわち「国防に関する重要事項」が広い概念で、その中に、「内閣総理大臣が必要と認める国防に関する重要事項」というのが狭い概念として存在すると考えてよろしいですか。つまり、逆に言うと、内閣総理大臣が必要と認めない国防に関する重要事項も概念上存在すると考えてよろしいですか。
○小松政府特別補佐人 お答え申し上げます。
 委員のおっしゃるとおりだと思います。
○後藤(祐)委員 差分があるということでございました。
 そうしますと、新しく今回出しているNSC法案の八号に言う、裸で出ている「国防に関する重要事項」というのは、どちらに一致するんでしょうか。
○額賀委員長 どなたですか。
○後藤(祐)委員 法制局長官に聞けるものなら。これは閣議決定しておりますので、法制局長官に伺いたいと思います。
○小松政府特別補佐人 現行法の安全保障会議設置法でございますが、第二条の柱書きにおきまして、「次の事項については、会議に諮らなければならない。」ということで、内閣総理大臣が諮問をするということを前提にしている規定だというふうに読めるわけでございます。
 これに対して、今回の国家安全保障会議設置法第二条でございますが、これは、会議の方から、必要に応じ、その会議の方の意思といたしまして、内閣総理大臣に対し意見を述べることができるということでございます。
 したがいまして、「内閣総理大臣が必要と認める」という文言がないということをもって、そこの会議の議題になるところが、広さが変わると考える必要はないものでございまして、会議の方から意見を述べたものに対して、内閣総理大臣が御判断になって、必要だということであれば、そこで審議をするということであるというふうに考えます。
○後藤(祐)委員 そういうことを聞いているわけじゃなくて、純粋にこの八号の言葉の解釈を聞いておるんです。先ほど、差があるとおっしゃいましたので、今度の法案の八号の「国防に関する重要事項」は一体どっちなんですかということだけを聞いております。作用部分は聞いておりません。もう一度、答弁を。
 時間がかかるなら、とめてください。
○額賀委員長 では、時間をとめてください。速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○額賀委員長 では、速記を始めてください。
 小松長官。
○小松政府特別補佐人 お答え申し上げます。
 繰り返しの御答弁になって恐縮でございますが、先ほど申しましたように、新しい法律、国家安全保障会議の設置法では、会議が、必要に応じ内閣総理大臣に意見を述べることができるということになっているわけでございます。
 ただ、あらゆる問題についてこの会議に提起をしていいかというと、そういうことではない。例えば、国防に関する重要事項について会議の方から意見を述べたいということもあろうかと思うわけでございますが、実際に会議で議論をすることになるかどうかということは、内閣総理大臣が御判断になって、必要と認めるかどうかということで決まるわけでございますので、この文言の問題としましては、委員がおっしゃいますように、新法案と現行法の間に同じことが書いてあることはないということでございますけれども、実質において違うことはないということを申し上げているわけでございます。
○後藤(祐)委員 その実質は、政権がかわってほかの党が総理をやった場合には、変わる可能性があると言ってよろしいですか。
○小松政府特別補佐人 国防に関する重要事項と総理が御判断になる事項というのは、日々刻々、その事態によって変わるわけでございまして、そのときの総理大臣がどのように御判断になるのかということは、当然に変わり得ると思います。
○後藤(祐)委員 だからこそ、新しい法案の八号には「総理大臣が必要と認める」という修飾をつけた方がいいと思うんです。それをつけて実質的意味内容が変わりますか。
○小松政府特別補佐人 繰り返しの答弁になって大変恐縮でございますが、委員の御懸念になっている、内閣総理大臣が会議で取り上げる事項というものを、みずからが必要だというふうに判断をする余地が残るのか残らないのかということにつきましては、現在の法文のままで十分それは確保されていると考えますので、現在の法案で目的が達成されているというふうに考える次第でございます。
○後藤(祐)委員 答弁になっていません。今出している、修飾がついていない形と修飾をつけた形で意味が変わりますかと聞いております。(発言する者あり)
○額賀委員長 では、速記をとめて。
    〔速記中止〕
○額賀委員長 では、速記を始めてください。
 小松長官。
○小松政府特別補佐人 毎度繰り返しの答弁になって恐縮でございますが、内閣官房からもう既に御答弁があったところでございますけれども、このたびの改正法案において、国家安全保障会議が内閣総理大臣の諮問を経ることなく審議を行うこととしたことに伴い、「内閣総理大臣が必要と認める」との文言を削除しておるものであるにすぎず、国防に関する重要事項の範囲や国家安全保障会議の審議対象を変更するものではないと内閣法制局として認識してございます。
○後藤(祐)委員 一応、閣議決定して通していますから、プライドがあって認められないということなんですが、これは政治家として立法府で議論している場でございますから、実質的に意味内容が変わらないのであれば変える必要はないと思うんですね。
 この内閣総理大臣が必要と認める国防に関する重要事項については、もう今までの運用がずっと固まってきていて、文民統制の範囲というのは、九大臣にかけなきゃいけないのはこういう事案だということは、広過ぎず狭過ぎず、運用の世界で私は適当だと思うんです。
 これを条文を変えてしまうと、では、ふやそうじゃないかという議論が出てきかねないんですよ。御党がずっとやっていればいいかもしれませんよ。いろいろなことが起き得るわけですよ。それは、私はこの国にとって決していいことじゃないと思うんです。
 機動的にいろいろなことをやるというのは、別途幾らでもできるんですから。しかも、総理がやりたいと思えば、総理が必要と認めると書いてあるんですから幾らでもできるんですから、やりたいときは。でも、義務的にやらなきゃいけないところは、今の運用をきっちり守るために同じ条文にしておくことを、我々、これから提出する修正案に盛り込んでおりますので、きょうの法制局長官をしてもなかなか苦労する苦しい解釈をしておられるということを、政治家である与党の皆様はぜひしんしゃくいただいて、御配慮いただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○額賀委員長 次に、山田宏君。
○山田(宏)委員 おはようございます。きょうはまた官房長官、防衛大臣においでいただきまして、ありがとうございます。
 まず、本法案とは関係ないのでございますけれども、昨日、官房長官がコメントをされておりましたので、改めてお聞きしたいと思いますが、昨日の秋の園遊会におきまして、山本太郎参議院議員が、天皇陛下に対しまして自分の思いを記したものを渡したということで、今の国政の現状、とりわけ、議員のお話を聞くと、原発事故にかかわって、さまざまな状況について陛下にお知らせしたかったということでありますけれども、まことに不適切、非常識な行為であり、非常に憤慨にたえません。
 国会議員は、やはり国権の最高機関である立法府において、さまざまな政治問題を議論していく、決めていくという責務があるのでありまして、天皇陛下は、やはり国の元首として、国民統合の象徴として、こういった問題におかかわりにならないということで、これまでずっと、憲法上も、また皇室の方針としてもやってこられた。これをまことに逸脱することを立法府の議員がやるということは甚だ私は問題である、こういうふうに考えております。
 かつて、一九〇一年十二月に、田中正造氏が当時の明治天皇陛下に、馬車をとめて、そして、足尾鉱毒事件にかかわってさまざまな被害が出ているということを直訴された事件がありました。これは、田中正造議員も、議員を二カ月前に辞職して、そして直訴に及んだということでございます。
 当時は天皇に主権があるという帝国憲法の時代でございましたけれども、今日は国民主権の時代でありまして、昨日の行為は、日本のこの国の現在の柱というものを侵すようなことを立法府の議員がやっているということは本当に問題だ、こう思っておりまして、官房長官から改めてコメントをいただきたいと思います。
○菅国務大臣 官房長官としてのコメントかというのはどうかですけれども、私も、やはり園遊会の席で、あの雰囲気の中でその行動がどうかということは、参加された立法府の人間が、それはみずからの判断で、私は考えるべきだというふうに思います。
○山田(宏)委員 昨日、官房長官もコメントされておりましたので、きょう質問させていただきました。
 それでは、本法案、NSC法案について質問させていただきます。
 いろいろと十分、議論が委員会でも進められておりまして、私、きょうは、主にNSCの組織というよりも、これを成り立たせるための情報の収集、分析というものが非常に重要でありまして、このことを中心にお聞きしていきたい、こう考えております。
 安全保障に関する重要、緊急な問題に対しての司令塔をつくるということ、それがNSCの設置理由でありますが、私は大変結構なことで、好ましいことだと思います。
 これまでは日本も、冷戦時代はアメリカに事実上、情報も防衛も依存をしていたという時代から、冷戦が崩壊し、そして多極化し、アメリカの力も相対的に下がってくるという流れの中で、東アジアの情勢を見ればわかるように、非常にいろいろなパワーが錯綜してくる。そういった中で、日本は、自国の防衛を、安全保障上の問題を、アメリカだけに頼っているわけではなく、みずからの足で決定をしていく、こういった体制が必要になってきているというのは、まさに時代の要請だ、こう思っております。
 これまでばらばらでやれたものも、今回は、やはり意思をなるべく中心部で決定して即座に対応していくということで、なるべく早く設置をしていただきたい、こう願っております。
 しかし、この決定に当たっては、もうこれまでも各委員が御指摘になられましたように、情報を集めるということが、またそれを分析するという能力が高くないと、意思決定は間違った方向になってしまう。ですから、このNSCの組織と情報の組織というものは両方相まってやはり強化をしていく、充実をしていく必要があるというふうに考えております。
 官房長官も、アルジェリア事件に関して、兆候を把握する必要があったという御答弁を先日されておりました。兆候を把握していけば先手が打てるわけであります。
 ちょっと話が長くなって申しわけないんですが、日本も、日露戦争のときまでは情報の価値を十分重視しておりました。有名な例を挙げれば、当時は、明石元二郎大佐がヨーロッパまたはロシアに潜入して、ロシアの中を、ある面では戦っている相手の中から崩していく、こういう行動を起こしておりました。
 こういった情報将校は、明石元二郎大佐が大将になりました。しかし、この後、情報畑の軍人で大将になった人は一人もいないんですよ。全部中将で終わったんです。やはり情報というものをだんだん軽視していって日本が敗戦に追い込まれたということを、私は大変象徴的だと思います。
 やはり、情報を集めてくる、情報を分析していくというところの部署にもっともっと重点を置いて価値を高めていかないと、おまえらはただ集めてくればいいんだというような下働き、下積みのようなことをやらせると、結局日本の戦前のようなことになってしまうということで、情報こそ最も大事なことなんだということを考えていただきたいと思います。
 小池委員もお話しになりましたが、中野学校も、陸軍の諜報将校をつくろうということでつくられたんですが、つくられた年が一九四〇年ですから、もうぎりぎりになってやってもだめなんですね。やはり、そこまで日本が情報というものを軽視してきたツケが多くの犠牲を払う結果になった、私はこう思っておりまして、NSCの組織をつくっていくという前提として、情報というものに対してやはり相当強化をしてもらいたい、こう思っております。
 さて、NSCができたということで、国家安全保障会議ができたということになって、その後、これをワークさせる、動かすためにどのような情報収集・分析体制になるのかということを、まずお聞きしておきたいと思います。
○能化政府参考人 お答えいたします。
 国家安全保障会議におきまして実質的な審議を行い、また、国家安全保障局において国家安全保障政策の企画立案、総合調整を行うに当たりましては、質の高い情報が必要不可欠でございますところ、ただいま御指摘のとおりでございます。
 その上で、国家安全保障会議及び国家安全保障局に関係省庁から有益な情報が適時適切に提供されるためには、政府全体の情報収集・分析能力の向上を図ることが必要不可欠であります。
 現在も、インテリジェンスコミュニティーの活動はしっかりと機能しているものとは考えておりますが、国家安全保障会議設置後におきましては、国家安全保障に関する情報のインテリジェンスコミュニティーに対する発注が、より効果的に行えるようになりますので、インテリジェンスコミュニティーの活動がより一層活性化されるものと考えております。
○山田(宏)委員 コミュニティーといいますけれども、本当にどこまでコミュニティーになっているのか。
 今、内閣の中にある情報部局としては、外務省、防衛省、内閣情報調査室、またさらに警察、公安調査庁、幾つもの部署がそれぞれのところで情報収集、分析に当たっているわけです。これが効果的にと、今、答弁がちょっと長いので、要は、それらの幾つもある組織にNSCから、あれを持ってこい、これを持ってこいといったときに、かえって活性化されていく、これはわかりますよ。わかりますが、やはり本当にこのばらばらなところが一体性を持って情報を上げられる仕組みになるのか。
 もっと言えば、内閣情報調査室に情報官がおられますよね。やはりそのもとに全部情報が集中していくような体制にすべきじゃないか、こう思っているんですけれども、いかがでございましょうか。
○能化政府参考人 お答えいたします。
 現在の情報コミュニティーは、内閣直属の情報機関として内閣情報調査室が設置され、また、コミュニティー、各省庁が、内閣のもとに相互に緊密な連携を保ちつつ、情報収集・分析活動に当たっております。
 具体的には、官房長官が議長であります内閣情報会議や、そのもとに置かれております合同情報会議を通じるなどして、情報コミュニティー、各省庁が収集、分析した情報が集約され、総合的な評価、分析を行う体制となっておりまして、情報コミュニティーとして機能しておると考えておりますが、国家安全保障会議設置後もそのような関係のさらなる強化に努めてまいりたいと存じます。
○山田(宏)委員 今お話ありましたけれども、内閣情報会議、これが官房長官を中心に行われる。そのもとで合同情報会議というのがあって、これは次官級ですね、副長官。
 内閣情報会議という官房長官の主宰される会議は、これまでどのような頻度で何時間ぐらい行われたんでしょうか。
○能化政府参考人 内閣情報会議につきましては、原則年二回開催されることとなっておりまして、開催時間は、その場合にもよりますけれども、おおむね一時間程度となっております。
○山田(宏)委員 合同会議はもう少し頻繁に行われているようなんですけれども、年に二回ですからね、これは秋と春の運動会みたいなものです。何というか、まあ一応やったということですよね。だから、これはほとんど機能していないなと私は思いますよ。
 こういったものもやはり、もちろん官房副長官のもとでやっていますけれども、これから官房長官が事実上NSCの担当の大臣として辣腕を振るっていかなきゃいけない立場でございますので、こういったものも活性化をしていく必要があると思うんです。
 さらに、内閣情報調査室、ここは情報官がおられて、調査室には何人かの分析官がおられるわけですが、今、この内閣情報調査室の分析官というのは何人いらっしゃるんでしょうか。
○能化政府参考人 現在、内閣情報分析官は六名の体制となっております。
○山田(宏)委員 数年前につくられた英国のNSCは、分析官というのは何人ぐらいいると把握されていますか。
○能化政府参考人 英国の内閣情報分析官の人数ということと理解いたしましたけれども、いわゆる英国合同情報会議の評価スタッフの数というものは公表されておらないようでございますが、数十名程度と認識しております。
○山田(宏)委員 私が調べたところだと四十名前後、こう聞いております。
 防衛省にも外務省にもさまざまな分析にかかわる方々がいらっしゃいますが、しかし、みんなで共同で分担をしながら分析をしていく人数、人数だけじゃなくて質も大事なんですけれども、やはり、どんどん仕事がふえてくるということになると、この六名という体制で大丈夫かということがあります。またさらに、分析官だけではなくて、リサーチャーとしていろいろな情報を集めてくる、分析官に収集してくる、こういった人たちも恐らく少ないんだろう、こう見ております。
 今後、内閣情報調査室をさらに充実すべきだと考えておりますが、官房長官、いかがでございましょうか。
○菅国務大臣 まず、先ほどの議論の中でつけ加えさせていただきたいことは、会議は二回でありますけれども、週に一回、内閣情報官から私は情報提供を受けてしっかりと取り組んでおることを申し伝えたいというふうに思います。
 その中で、分析官が少ないという御指摘であります。
 とにかく、これから、この法案を成立させていただいて、スタートさせていただくことがまず肝心だというふうに思っていますので、これからの段階において、そうしたことが極めて大事になってくるというふうに思います。
 まして、今日は情報の時代と言われるほど、情報収集というのが極めて大事な時代になってきていると思っていますので、委員から今いろいろな御議論の中で、私ども、必要なものはしっかり対応していけるようにしたいと思います。
○山田(宏)委員 よろしくお願いします。
 情報コミュニティー、先ほども幾つか、外務省やら防衛省やら、いろいろなところがかかわっているわけですけれども、コミュニティーとして一緒に仕事をしているということがわかりました。
 しかし、例えば、やはりこの情報、それぞれの部署、防衛省、外務省、公安調査庁など、そういう情報にかかわる方々はかなり専門的な職種として養成されているんだろうと思いますけれども、ここも省庁の枠を超えて人事交流をしたらどうか、私は今後そういうことも検討したらどうかと思うんですけれども、いかがでございますか。
○能化政府参考人 情報コミュニティー内の人事交流ということでございますが、例えば内閣情報調査室におきましては、警察庁、公安調査庁、外務省、防衛省、経済産業省、海上保安庁等、さまざまな関係省庁より幅広く人材を得ておりまして、また、民間からも専門的な分析能力を有する人材を得るなど、人的な体制の充実に努めておるところでございます。
○山田(宏)委員 そんなことを言っているんじゃなくて、外務省から防衛省、防衛省から外務省の情報部局とか、そういうことを言っているんですよ。それぞれの、自分のふるさとを背負ったまま、内調に集まるということではないんです。
○菅国務大臣 そこは十分に考慮したいと思います。
 その上の中で、的確な情報を共有できるような、そんな体制もしっかりつくっていきたいと思います。
○山田(宏)委員 今、分析のお話をしましたけれども、今度は収集能力なんです。
 情報収集ということになりますと、例えば信号などを傍受する、通話を傍受するシギントと言われるものとか、またはスパイ、ヒューミント、または衛星などのイミント、衛星とか偵察機ですね、そういった形でやる、または公開情報などオシント、さまざまな情報収集のあり方があるわけですけれども、日本はこの部分はもう、今までアメリカに頼ってきて、やっと偵察衛星なども四基か五基か上げていますね。大分よくなってきた、こう思っているんですけれども、この辺もさらに充実していかなきゃいけないんですが。
 現状、この辺は機微にわたるところなので、それほど細かいお話はできないとわかっておりますが、日本の情報収集能力についての課題というのは何なのかということを教えていただきたいと思っております。
○能化政府参考人 我が国情報コミュニティー、各省庁の情報収集活動はそれぞれ機能していると考えておりますけれども、我が国を取り巻く国際情勢が一層厳しさを増す中、国民の生命財産、我が国の領土、領海、領空をみずからの手で守るためには、ただいまいろいろな分野についての御指摘ございましたけれども、収集能力の向上が必要不可欠であると認識しています。
○山田(宏)委員 ちょっと、大事な会議なんだから。
 私が収集能力の向上が必要だと言っているわけですよね。必要でございますって、そうですよ。私の質問なんですよ、それは。
 だから、何を課題と考えているのかということです。収集能力の向上が必要と考えていますって、当たり前です、それは。その中で、どういうものを向上させていく、今後どういう分野を充実させていかなきゃいけないというふうに考えているのかということをお聞きしております。
○額賀委員長 能化審議官、明確に答えてください。
○能化政府参考人 四つの分野、御指摘ございましたので、それぞれ。
 課題がいろいろあるわけでございますけれども、例えばヒューミントとおっしゃいました対外人的情報収集機能につきましては、もちろん安全保障、国民の安全に直接かかわる情報収集は喫緊の課題でございまして、特に、テロ、大量破壊兵器拡散等、関係する国や組織の内部情報の収集は極めて重要でございます。
 一方、それらの国、組織は閉鎖的ということで、情報収集活動は相当困難を伴いますので、より専門的、組織的な対外人的情報収集の手段、方法、体制のあり方について研究を深めているところでございます。
 それから、公開……(山田(宏)委員「もういいです」と呼ぶ)はい。
○山田(宏)委員 今までこういった組織もなく、日本が矢面に立たされることもなくやってきましたから、なかなかこの分野はこれから一朝一夕で強化されるわけではないと思いますが、私は、こういう情報分析、情報収集などを含めた情報関係の人材養成の機関か何かをつくられたらどうか、こういうふうに思っております。
 そういったものを、各省庁に入って、それぞれそこの部署に入ってやるのではなくて、全体的なそういう情報関係のいろいろなスキル、または能力、知識、そういったものを高めていくための教育機関というんですかね、養成機関というんですか、そういったものをやはり検討されてはどうかと思うんですけれども、いかがでございますか。
○菅国務大臣 極めて大事な御指摘だと受けとめさせていただきます。
 現在もさまざまな、これは機微に関するものでありますからなかなか具体的なことは申し上げることはできないんですけれども、海外との連携とか、さまざまな形で、そうした専門家育成はしてはおりますけれども、御指摘のとおり、情報の育成というのは日本はおくれているというふうに思っていますので、そこはしっかり対応していきたいと思います。
○山田(宏)委員 よろしくお願いします。
 それでは、防衛大臣、お待たせしました。
 情報収集ということにもちょっとかかわるんですが、おいでいただいたのは無人機について、きのうもちょっと触れたんですけれども、お聞きをしておきたいと思います。
 渡辺委員の方からも御質問がありました。重なるところがあるかと思いますけれども、その答弁もお聞きをしております。それを踏まえた上でお聞きをしておきたいと思うんですが、まず、九月にありました無人機の防空識別圏の侵犯事例について御説明いただきたいと思います。
○小野寺国務大臣 今回、九月九日、東シナ海の我が国防空識別圏内を飛行する無人機に対して航空自衛隊の戦闘機を緊急発進させるなど、必要な対応を行いました。
 この際、領空侵犯は発生をしておりません。
○山田(宏)委員 その無人機というのはどこの国の飛行機なんですか。
○小野寺国務大臣 私どもは、その無人機の映像を撮影し、公開をしております。
 その中に明確にどこの国ということの識別はなかったと思っておりますが、その後、中国から、先方の発表という形であったということは承知をしております。
○山田(宏)委員 今、アメリカも相当飛ばしていまして、全世界的にこういった無人化というものが進んでいるわけですけれども、この無人機の目的というか、一般的にどういう目的があると認識されていますか。
○小野寺国務大臣 それぞれ役目はあると思いますが、一般に使われている無人機というのは、偵察、監視、あるいは一部攻撃にも使われているというふうに承知をしております。
○山田(宏)委員 これも情報収集の一つなんですけれども、我が国防空識別圏に入って、スクランブルがあったということなんですが、今後こういった無人機に対する対応というものは、一般のスクランブル事例と同じだ、この前はこういうふうな答弁でしたけれども、一般のそういうのとちょっと違うのは、無人機にはパイロットが乗っていないわけです。
 信号で、ここは日本の防空識別圏へ入ったので出なさいといったって反応してくるわけでもなく、飛行機にどこの国とマークがついているわけでもなく、そういうところで、本当に一般機と同じような対応ができるんですか。
○小野寺国務大臣 まず、無人機かどうかというのは、これは、逆に言えば、目視で、そこに人が乗っているかいないかというのも確認しなければいけませんし、それから通常の航空機に対しての対応をとるということでもあります。対応については、かなり注意を要するものだと思っております。
○山田(宏)委員 注意を要しながらぐるっと回って、攻撃にも使われる可能性があって、それで、注意しながら後をくっついていって、あっ、出ていった、多分こんなふうになっちゃうんですよ。これでいいのか。
 外務省の方が来ておられると思うんですが、どこの国かわからない無国籍機の不審機、UFOですね、一体どこの持ち物かもわからないようなものが、事実上、我々の領空、領土に入ってくるということに対して、一定の条件のもとでこれを、この間もお話ありましたけれども、処分する、撃墜する、何かの形で無能力にするということは、国際法上、許されるんじゃないですか。
○石井政府参考人 一般的な国際法上の位置づけの話でございますので、私の方から答弁させていただきます。
 まず、基本的な考え方といたしましては、国際法上、国家は領空について完全かつ排他的な主権を有しておりまして、無人機を含めまして、他国の航空機は、領域国の許可を得ないでその領空を飛行することは認められていないということがまず基本でございます。
 その上で、何ができるかということでございますが、それは、領空侵犯の状況、領空侵犯機の対応ぶりなどの具体的な事情によりまして異なるものでございます。国際法上も、具体的なものが確立しているということはございません。
 ただ、その上で、一般論として申し上げますと、領空侵犯機に対しては、領空外への誘導を行ったり退去を命じたりすることができ、侵犯機が指示に応ぜず、なお領空の侵犯を継続するときには、発砲の警告、威嚇射撃をもって命令を強制することもできるというふうに考えられております。
 さらに、もちろん、必要やむを得ざる場合、特別な場合だと思いますが、例えば侵犯機が実力で抵抗するような場合においては、撃墜をも含む緊急実力手段に訴えることもできる、そういうふうに考えられております。
○山田(宏)委員 だから、それは人間が乗っている場合でしょう。人間が乗っていないんだから、応答するわけないじゃないですか。どこの国かわかっていないんだから。
 それは、やはりどこまで認められるか、ちょっといろいろ注意深くやる必要があるんですが、同盟国ともよく相談をしながら、相談というか、どういう対応をするのか、それぞれあると思うんですよ。ですから、私は、やはりこの無人機につきましても早急に対応策を定めて発表してもらいたい、こう思っております。
 今回の侵犯、聞くところによると、単に防空識別圏に入っただけではなくて、高度が大変危険な高度であるんじゃないかということで、一般の民間旅客機等が活用している空域に侵入しているというようなことではなかったかというふうに聞いておるんですけれども、やはりそうなると、なおさら、どこかで事故が起きたら大変なことになるということでございますので、この辺のものも含めてどう対応するかということは喫緊の課題だと思うんですけれども、防衛大臣、どうでしょうか。
○小野寺国務大臣 まず、今回の無人機の高度でありますが、これは、委員が御指摘のように、民間航空機が利用する高度の可能性がありますので、この際、通常であれば大変危険だなということを感じざるを得ない状況だと思っております。
 その中で、無人機といっても何らかの形で誘導されているわけですので、私ども、例えば仮に領空に入ってきた場合には、対領空侵犯措置を通常の形で行うということは、これは重要なことだと思っております。
 その上で、どのような対応をするかということは、これは、必要なことを必要に対応するということであります。
○山田(宏)委員 ありがとうございました。ぜひお願いします。
 それでは、無人機はこれぐらいにして、いろいろと情報収集、分析についてお聞きをしてまいりましたけれども、やはり、これは意思決定、政策決定をするNSC、それから、それに対応する危機管理監、そして、それに情報を上げる情報官、この三つが、情報を上げて、政策、意思を決定して、実行する、このパターンだと思うんです、内閣の中で。
 この情報の部分が少し今までばらばらだったので、もう少しやはりきちっと統合していくべきじゃないか、こういうふうに考えているんですけれども、今後、対外的な情報機関として、これらを情報組織としてまとめていった方がいいんじゃないか、こういうことを検討すべきだ、こう思っているんですけれども、この点についてはいかがでございましょうか。
○菅国務大臣 我が国の情報体制を、国家安全保障会議、今後成立する中で、事務局もしっかりできるものでありますから、そこと従来の内閣情報官で、それぞれの省庁も含めて共有しているわけですけれども、この国家安全保障局長と内閣情報官がそれぞれ連携をしながら、我が国のそうした情報というものを集約し、会議に上げることのできる、そういう体制というものをしっかりつくり上げていきたいと思います。
○山田(宏)委員 よろしくお願いします。
 すぐそういう大きな組織をつくるということは無理でしょうけれども、今後、日本の情報能力を高めていくためには、当然、同盟国である米国や、またその他、日本と共通の守るべき価値を持っている国々との連携というものは欠かせない、こう思っております。
 私、聞くところによりますと、五つの目、ファイブアイズというグループがある。それは、NSCを持っている、イコール情報機関をきちっと備えている国々、特に、米国、英国、そしてカナダ、オーストラリア、ニュージーランド。これらが、お互いNSC同士が十分な協議をしたり、またはジョイント・ストラテジー・ボードというものをつくって、事務レベルでの会議も頻繁に行っているというふうに聞いております。
 この事実は、御確認はいただいておりますでしょうか。
○能化政府参考人 ただいまお話のありましたファイブアイズとおっしゃられた経緯については、各国政府ともこの存在を公式に認めたことはないと承知しております。
○山田(宏)委員 私のところに文書があるんですけれども、ちょっと持ってこなかったけれども、オーストラリアとアメリカのジョイント・ストラテジー・ボードの文書があります。結構オープンになっているんですよ。
 そういうファイブアイズという、オープンにはなっていない、もちろん、情報共有の機関というか、何か組織や建物があるわけではないんですが、サークルというんですかね、ネットワークというんですかね、私はやはり、そこにということではないけれども、米国、英国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダとも、よく、NSC同士、連携をしていくことを考えていったらどうかというふうに考えておりますけれども、いかがでございましょうか。
○菅国務大臣 いずれにしろ、我が国を取り巻く環境が極めて厳しい中で、国民の生命財産、そして、我が国の領土、領海、領空をみずからの手で守るために、政府全体の情報収集・分析能力の向上を図ることというのは、これは極めて大事だというふうに考えております。
 その際、今御指摘をいただきました、我が国自身の能力の向上はもちろんですけれども、できる範囲において、同盟国、友好国と連携を深めていくこと、このことも極めて大事だというふうに考えています。
 もちろん、その情報収集活動については法令遵守というのは当然でありますけれども、そうした法令遵守を適切に行いながら、しっかりと、同盟国も含めて、情報体制というものを充実していきたいと思います。
○山田(宏)委員 人間関係もそうですけれども、秘密を共有すればするほど密接になっていきます。そういった意味では、こういった価値観を同じくする国々とそれぞれ情報をお互い共有していくということは、日本の安全保障にとって極めて私は有効なことだというふうに思っております。
 それに関して一つ、スノーデン事件というのがございました。CIAの諜報活動が同盟国の国民にも及んでいる、または政府の関係者にも及んでいるということで、安倍首相の携帯電話は大丈夫かということもありまして、大丈夫だというお話もありました。官房長官、防衛大臣のお電話も大丈夫ですよね。
 そういうことなんですけれども、私は、同盟国のリーダーの諜報をするなんていうのは、やはりエチケット、ルールに反しているというふうに思いますよ、それは。ですから、日本はそういうことはないというふうに答弁なさっておられます。
 また、我が国の国民に対しても、外国の諜報機関によるさまざまな個人情報の収集ということが、特に、インターネットの機器がどんどん発達してきますと、クラウドとかそういったところに集められた個人の情報、または検索ソフト、検索エンジンをやっている会社、そういったところが例えば米国籍ということになると、やはりアメリカの法律で、米国籍のそういう企業に対して、どこどこの国のこういう国民の情報を上げろということをやることができるということを法律で持っているということを聞いております。
 我々国民にとってみれば、同盟国でありますけれども、やはりこれも、やっていいことと悪いことがあるだろう、こう思っているんですが、今後、このスノーデン事件を一つのスタートとして、私は、こういう同盟国同士でもいいし、OECDでもいいんですけれども、やはりこの技術進歩、大きなコンピューターのネットワークで集積されてくる情報、この利用方法について一定の国際的なガイドラインをつくっていかないと、野方図になっていくんじゃないかということも心配しておりまして、やはり、一方では秘密の保護、一方では収集、このバランスを今後どうとっていくかということが、収集を進めていく上でも私は必要だと思うんです。
 ぜひ、OECD等でも、こういった個人情報のプライバシーと、こういった形での技術進歩との中で、どれぐらい個人情報が守られる必要があるのかというガイドラインをぜひ検討していただくようにお願いしたいと思います。
 この点についてはいかがでございますか。
○菅国務大臣 現在、OECDの国際機関において、個人のプライバシー保護と国家による情報収集との関係を規定する国際的なガイドラインは存在をしておらず、また、そうした議論も行われていないということであります。
 しかし、国家が自国の国益のために情報収集活動を行う際には、法令遵守というのは当然のことでありますし、その上に立って、こうした国際機関においてもそうしたガイドラインを検討することは大事だというふうに思います。
○山田(宏)委員 自国民にはちゃんと保護する体制をとるんです。ところが、他国はもう野方図になるんです。そうすると、スパイ行為の、クロスみたいにして、例えばA国はB国の個人情報を集める、B国はA国の国民の個人情報を集めて、お互い同士が交換すれば、集めたことになっちゃうわけですね。ですから、私は、今後そういうことが頻繁に起きてくる、こう思います。やはり、こういった点については、ぜひ今お話しのとおり、国際的なガイドラインづくりに日本が主導権をとって頑張ってほしい、こう思っております。
 お互い、多国間で、同盟国や協力をする国々で情報を共有していくということを進めていくときには、やはり情報というのはギブ・アンド・テークでして、こっちがギブするものが余りなくて、いいものだけくれというわけにはいかないんですね。やはり、こちらが何をギブできるのかという体制は、連携をしていくには絶対必要なんですよ。日本の強みは何なのかということをつくっていかないと、きちっとした情報交換にはならない。相手の一方的な都合のいいものだけが我々に提供される可能性がある、こういうふうに考えております。
 そういった意味では、私は、日本は、西太平洋地域とか東アジアとか、こういったところについては、やはり、さっきのファイブアイズじゃないけれども、そういう国々は、やはりこの情報については一番欲しいところだと思うんです。やはり、こういったところについて日本がある程度強化をしていくことが、日本がいろいろな有効な情報をほかの国から提供を受ける前提になってくるんだろう、こういうふうに思うので、ぜひ、そういう一つの日本の特色を出した情報体制というものをまずはつくっていただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○菅国務大臣 政府としては、日ごろから、諸外国の政府また関係機関を含めて、あらゆる情報源から情報の収集、分析に努めておるところであります。
 そういう中で、具体的な情報交換を行っていることについては、事柄の性格上、ここは答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにしろ、我が国の情報収集能力を高めると同時に、できる範囲内において同盟国、友好国との連携強化を図っていくことも極めて大事だというふうに思っていますので、そうした方針のもとに対応していきたいと思います。
○山田(宏)委員 ありがとうございます。
 それでは、情報を他国から受ける場合、やはりその情報が漏れないということが大事だということの中で、もう一つ、流れの中で、今回、特定秘密保護法というものが定められていくということでありまして、その必要性については私も理解するところであります。
 しかし、昨今いろいろと、法案はこれから上がってくるわけでございますが、ここでも多少議論になったので、ちょっと今の流れの中でお聞きをしておきたいと思います。
 尖閣ビデオについて、官房長官の方から、あれは特定秘密には当たらないと。さっきも後藤委員の方から、これはどうか、これはどうかと質問がありました。TPPについては入るのか入らないのかとかあったんですけれども、これから秘密保護法の中で議論されますが、安倍内閣では確かに尖閣ビデオは特定秘密にならないかもしれないけれども、ひょっとすると菅内閣ではなったかもしれない、安倍内閣がまたかわってほかの内閣になったときにどうなるのか。本当にこの辺はかなり、この恣意性というものに対して、みんな国民は不安に思っていると思うんです。
 なので、私は、政府の恣意的な情報隠しというものが行われない、安倍内閣はないとは思いますが、今後行われないという、そういう担保のために、やはり秘密指定については、一定の、裁判所なり第三者機関なりのチェックを受けていくべきだ、こう考えておりますけれども、その点については御検討されますでしょうか。
○鈴木政府参考人 特定秘密につきましては、本法案に従いまして、法律の別表に限定列挙された事項に該当するものに限って大臣等の行政機関の長が指定するものであり、かつ、その指定は外部の有識者の意見を反映させた基準に基づいて行われることになっております。
 また、指定の有効期間が満了した際には、そのときの行政機関の長が指定の要件を満たしているか否かを確認して判断することになっておりまして、特定秘密の恣意的な指定が行われることがないよう重層的な仕組みを設けておりまして、本法案の適正な運用が確保されるものと考えております。
 先生御指摘のような第三者機関のチェックにつきましては、特定秘密の内容が非常に専門的、技術的にわたるものでございますので、その内容の性質からして適当でないかと考えておりますが、先ほど申し上げましたように、指定の基準につきましては、外部の有識者の意見を反映させて作成していきたいと考えております。
○山田(宏)委員 我々は、第三者機関また裁判所その他、そういうチェックの機構が大事だというふうに考えておりまして、今後、そういうことをやはり議論させていただきたいと考えております。
 今回のこの秘密保護法で、指定された後、例えば民主主義的なチェックはどうなのか。例えば、尖閣ビデオと言えば一番わかりやすいので、これが、仮に、あるものが特定秘密になった、そうなったときに、その特定秘密を議会で、これはどんなものが秘密に指定され、その内容はどうかということをチェックできる仕組みにはなるんでしょうか。
○鈴木政府参考人 特定秘密保護法案の十条の第一項に基づきまして、国会に行政機関から特定秘密を提供できる仕組みが盛り込まれておりまして、本法案が施行されたならば、国会の求めに応じ、特定秘密を提供することになりますので、国会の必要な議論ができるようになると考えております。
○山田(宏)委員 そうですね。秘密会できちっとした守秘義務をやはり国会議員にも課していかないといけないというふうに思います。
 そして、情報公開法上のチェックというものも、特定秘密は可能なんですか。
○鈴木政府参考人 特定秘密が記録されている文書につきましては、情報公開法の対象となりまして、当該文書に対しまして情報公開請求がなされた場合は、情報公開法に基づきまして、開示、不開示の決定を行うことになりますが、特定秘密に係る部分は、その性格からしまして、不開示と判断されるものと考えられます。
 そして、当該不開示決定について不服申し立てがなされた場合、行政機関の長の諮問に応じ、情報公開・個人情報保護審査会が調査審議を行うこととなりますが、本法案におきましては、審査会がいわゆるインカメラ審査を行う場合には特定秘密を提供できる旨の規定を設けているところでございます。
 したがって、同審査会が不開示決定の適否を調査審議する過程で特定秘密が記録されている文書自体が調査審議され、情報公開の観点からチェックされることがあり得ると考えております。仮に、審査会の調査審議の結果、特定秘密を開示するべきとの答申がなされた場合には、答申を踏まえまして、特定秘密の指定を解除し、開示をすることになろうかと思います。
○山田(宏)委員 そうすると、情報公開法上も、チェックは審査会にかかるという可能性がやはりあるということですよね。
 特定秘密というのは、行政上の、国家公務員が守らなきゃいけない、守秘義務のある秘密があって、その中の芯みたいな形で特定秘密が指定されるんですけれども、その芯の周りですね、普通の秘密。今度はこれなんです。
 多分、尖閣ビデオはそういうふうに考えられたんだろうと思うんですが、あれも半ば、海上保安官のところで結構見られておりましたから、秘密とは言えなかったのかもしれませんが、この特定秘密までいかない秘密、ここが、今お話があったような議会でのチェックとか情報公開法上のチェックというものがちゃんときく体制になっていますか。これはどうでしょうか。
○笹島政府参考人 お答え申し上げます。
 国家公務員の守秘義務につきましては、国家公務員法第百条におきまして、一般職の国家公務員の服務に関する規定としまして、「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。」と規定されているところでございます。
 ここに言う秘密とは、一般に知られていない事実であって、実質的にもそれを秘密として保護するに値すると認められるものを言い、秘密に当たるか否かについては、まずは各府省が個別具体的にその実質的な秘匿の必要性を判断することとなり、最終的には司法により判断されるということでございます。
 どういうふうに管理するかということでございます。
 これは、服務の問題というよりも文書の管理、情報の管理ということであろうかと思います。これについては、それぞれで、服務規律に責任を持つ各府省において、秘密文書の取扱責任者、秘密の管理方法等について適切な措置を講ずるということになっているところでございます。
 それから、議会との関係でございます。
 これは国政調査権との関係というのがあろうかと思います。これにつきましては、国会法第百四条におきまして、各議院等が内閣または官公署に報告または記録の提出を求めたときは、その求めに応じなければならないとされておりますが、内閣等がその求めに応じないときは、その理由を疎明しなければならないという規定がございます。また、内閣等が国家の重大な利益に悪影響を及ぼす旨の内閣の声明を出した場合には、その報告または記録の提出をする必要がないとされているところでございます。
 国会との関係については、この規定に基づいて適切な運用がなされるものだと思っております。
 それから、情報公開法との関係では、情報公開法の手続に基づきまして、公開請求があれば開示、不開示の判断がなされ、あるいは、それに基づいて不服申し立て等の手続があるということでございます。
○山田(宏)委員 情報公開についてはわかりましたけれども、やはり議会の方は、内閣の判断によっては提出されない、そういう規定になっております。
 特定秘密については、きちっとそれを、保護法の中にちゃんと、議会の方の要請があれば一定の条件のもとで提出しなければならないと書いているのにもかかわらず、特定秘密でない秘密については、内閣の判断でこれは出さない、出さない理由を付せ、こういったようなことで、かなりアンバランスだと思うんですけれども、この辺はやはりバランスをとって改正していく必要がある、こう考えているんですが、いかがでしょうか。
○笹島政府参考人 私ども、国家公務員法を所管する立場で、公務員の服務として申し上げているわけでございまして、国会法でどのような規定を設けられるかについては答弁を差し控えさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○山田(宏)委員 ぜひ、この点についても今後のやはり検討課題だ、こう思っております。つまり、秘密にした方が、尖閣ビデオについても、出さないという判断ができてしまうということなので、今後の我々の課題だな、こういうふうに思います。
 さて、昨日、柳澤参考人の方からいい提案がありました。NSCについても、一体何をやっているんだ、どういう事案があったのかというようなことについて、毎年、年次報告というか白書みたいなものを出せるところで出したらどうか、そして、そういったことをやはりきちっとPRし、オープンにしていく必要があるということは、なるほどな、こう思ったんですが、この辺は検討できるんでしょうか。
○北崎政府参考人 お答えいたします。
 昨日、参考人の御質疑の中で、柳澤参考人からそういう御意見の開陳があったと承知をしております。
 私ども、まだ具体の検討には入っておりませんけれども、参考人の意見として受けとめさせていただきたいと思っております。
○山田(宏)委員 ぜひやってくださいよ。
○菅国務大臣 そこは前向きに考えたいと思います。
○山田(宏)委員 そうですね。一年に一回、白書を、防衛省もいろいろなところも出しているわけですから、出していただいて、そして国民的な議論に付していくということも非常に大事だと思うんですね、オープンな政府としては。ぜひお願いしたいと思います。
 それで、小松法制局長官がいらっしゃっておりますので、ちょっと短い時間になって大変恐縮でございますが、集団的自衛権について何点かお聞きをしておきたいと思います。
 これは、参議院の方で、実はこの間の予算委員会で大塚耕平参議院議員との質疑がありまして、ちょっとそれを見ながら気になったのです。
 大塚議員は、集団的自衛権は自然権ではない、人為的につくられた権利であるということを主張したわけですけれども、小松法制局長官も、この答弁を見ておりますと、いわゆる中南米の諸国の中で、自国だけでは自国を防衛できないので、地域的取り決めをつくって侵略に対抗する、その協定を結んでいるけれども、その協定上の権利を行使できなくなると困るので、最終的に国連憲章第五十一条で集団的自衛権が明記されるに至ったという経緯を紹介されております。
 ということは、大塚耕平議員のように、個別的自衛権は自然権だけれども、集団的自衛権は人為的権利とお考えなんでしょうか。
○小松政府特別補佐人 お答え申し上げます。
 まず、委員の御質問は、集団的自衛権の性格といいますか本質といいますか、これは国際法の問題でございますので、本来これは外務省の所管でございまして、私の所管ではございません。
 それではなぜ予算委員会で私が答弁したかということでございますけれども、総理に対しまして、事前の御通告がない形で、集団的自衛権は自然権であるかという御質問がございました。そこで、私は、僣越ながら手を挙げさせていただきました。総理がお答えになりましたけれども、委員長の御指名がございましたので、私の方から、これは所管ではないのでございますけれども、私の理解している国際法学者の一般的な見解、これは、集団的自衛権というものは、国連憲章五十一条でつくられたものだという見方が一般的であるということを申し上げた次第でございます。
○山田(宏)委員 質問は、法制局長官は、集団的自衛権は人為的権利とお考えなのか、自然権とお考えなのか。
○小松政府特別補佐人 ただいま申し上げたとおりでございまして、法制局長官の所管ではございません。その上で、国際法学者の一般的な見解としては、自然権的なものではなくて、国連憲章によって創設されたものであるという見方が一般的であるということを、この前の予算委員会では申し上げた次第でございます。
○山田(宏)委員 今議論になっている集団的自衛権は、今まで、法制局の解釈は、権利はあるが憲法上行使できない、これが考えなんですよ。だから、集団的自衛権も、権利はあるが行使できない。なぜ日本に権利があるかというと、これは自然権だからでしょう。
 だって、国連憲章というのは、お話しになった五十一条は、英語の文章はインヒアレント ライトと書いてあるんです。インヒアレント ライト オブ インディビジュアル オア コレクティブ ディフェンスでしたか。
 インヒアレントという言葉は、固有の、生まれつき、もともとある、こういうことなんですよ。インヒアレントということは、個別的にしても集団的なものにしても、これはインヒアレントなものなんだ、つまり、生まれつきあるものなんだ、ある権利なんだ、これは自然権なんだ、こう表明しているんじゃないんですか。
○小松政府特別補佐人 繰り返しの御答弁になって恐縮でございますけれども、国際法、国連憲章の解釈ということになりますと、私の所管ではございませんで、外務省の所管でございます。したがって、外務省からお聞き取りをいただければと思います。
○山田(宏)委員 それでは、法制局はこれまで、権利はあるが行使は憲法上できない、こういった解釈でしたが、これまで法制局というのは、憲法解釈はなるべくこれまでのものを守るというのが法制局の基本的な姿勢だったように見えております。
 これまでの憲法解釈を法制局が変えたというような事例は、これまであるんでしょうか。
○小松政府特別補佐人 憲法の解釈を、行政府の解釈でございますけれども、変えたことがあるか、できるのかという御質問かと思うわけでございますが、一般的に、行政府の憲法解釈を変えたと言われている例としてよく挙げられますのは、これは憲法何条でございましたか、文民の解釈でございます。
 当初、自衛官は文民であるという解釈でありましたけれども、昭和何年かはちょっと失念いたしましたけれども、シビリアンコントロールの観点から、現職の自衛官は文民ではない、そういう、政府の解釈が変わった、ある意味では変わったという例があるように記憶してございます。
○山田(宏)委員 ちょっと質問時間がないんですけれども、ということは、内閣法制局も、これまで墨守してきた憲法解釈を時代の状況によっては変えるということもあるということですね。それは当然ですけれども。ということでよろしいですね。
 以上です。
○小松政府特別補佐人 時間がないところで大変恐縮でございますが、重要な問題でございますので。
 この点につきましては、従来、質問主意書等で答弁をしてございまして、余り長々と読まないようにいたしますけれども、憲法を初めとする法令の解釈は、当該法令の規定の文言、趣旨等に即しつつ、立法者の意図や立案の背景となる社会情勢等を考慮し、また、議論の積み重ねのあるものについては、全体の整合性を保つことにも留意して、論理的に確定されるべきものであり、政府による憲法の解釈は、このような考え方に基づき、それぞれ論理的な追求の結果として示されてきたものであって、諸情勢の変化とそれから生ずる新たな要請を考慮すべきことは当然であるとしても、なお、前記のような考え方を離れて政府が自由に憲法の解釈を変更することができるという性質のものではないと考えている。仮に、政府において、憲法解釈を便宜的、意図的に変更するようなことをするとすれば、政府の憲法解釈ひいては憲法規範そのものに対する国民の信頼が損なわれかねないと考えられる。
 このようなことを前提に検討を行った結果、従前の解釈を変更することが至当であるとの結論が得られた場合には、これを変更することがおよそ許されないということではないと考えられるが、いずれにせよ、その当否については個別的、具体的に検討されるべきものであり、一概にお答えすることは困難である。
 以上でございます。
○山田(宏)委員 終わります。ありがとうございました。
○額賀委員長 次に、林宙紀君。
○林(宙)委員 みんなの党の林宙紀です。
 本日は、ここまでのこの委員会の皆さんの御議論を拝見していて、大方の懸念される事項等々は大分議論されてきているのかなというところでしたので、改めて私から、非常に細かい内容になるかもしれませんが、お伺いしていきたいなというふうに思っています。
 まず、きょうまでの質疑におきまして、省庁からの情報提供、省庁による情報提供の義務を担保するような法律上あるいは制度上の規定が必要だというような御指摘も、何人かの委員の皆さんがなされていたと思います。
 例えば、長島委員なんかはイギリスの公務員規範の例を出されまして、助言を提供する際に不都合な事実や考慮すべき点について無視してはならない、こういう規定があるんですが、日本の場合はどうなるんですかというような御質問もありました。それに対しまして、官房長官の方からは、基本的にこの制度自体が情報が上がってくるようにするためのシステムであって、そこはまずできると信じてスタートをしたいというような趣旨のお話もあったわけなんです。
 改めまして、これについての政府の見解をお聞かせいただきたいと思います。
○菅国務大臣 今度設置をさせていただきます国家安全保障会議において、実質的な議論を行って、国家安全保障政策の企画立案、そして総合調整、これを行うに当たっては、質の高い情報というのは極めて大事であります。
 そういう中で、今回の改正によって、各省庁はこの国家安全保障会議に資料、情報を提供するという義務を負うことになって、会議の事務を担う国家安全保障局に情報が集約されることになるというふうに考えております。
 そして、議論のあった、今委員御指摘の点でありますけれども、六条第一項、六条二項においてやはり法的義務を負う、このように政府としては考えておりますので、条文の書き方とは、今までの議論の中で異なるものの、会議の求めに応じて各省庁が情報提供義務を負うことになる、こういうふうに考えておるところであります。
    〔委員長退席、岩屋委員長代理着席〕
○林(宙)委員 議論の内容というのは、結局は、情報を上げなくてはいけないと明記するのか、それとも、上げることができるということで、そのあたりは明記せずに今の状態でいくのかという話になってくると思うんです。
 そうすると、仮に、将来なんですけれども、省庁からの情報提供について、提供を怠った、あるいは、故意に、もっと言うと、そこに悪意があって情報を提供しなかったというケースがあった場合に、その延長線上で国益を害するような事件が発生してしまい、もしその上げてこられなかった情報を先に知っていたらその事件は回避できたんじゃないか、そのように判断されるような場合、これについては今の段階でどのように対応されるお考えかというのをお聞かせいただきたいと思います。
○菅国務大臣 提供しなきゃならないという先ほどの議論の中で、これはちょっと大事なところでありますから、これは書き方によるものだというふうに考えていますので、そこも含めて事務方から説明をさせていただきたいと思っております。
○北崎政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘の仮定の状況を想定した御質問に直接お答えすることは困難ではありますが、一般論を述べさせていただきますと、各省庁は、会議への情報提供義務を負っております。負っておりますことから、会議からの情報要求に対し、各省庁等が意図的に情報を提供しないようなことは、そもそも想定しておらないところでございます。
 また、六条の仕立てにつきまして、六条第一項によりまして、各省庁は、会議が提示する情報関心事項に基づいて、適時に法的義務を負うわけでございます。また、二項におきまして、各省庁は、会議の具体的な情報提供要求に対し、資料提供を行う法的義務を負います。
 したがって、条文の書き方としては、提供しなければならないと規定しているわけではございませんが、会議の求めに応じ各省庁が情報提供義務を負うことについては変わりがないものと思ってございます。
○林(宙)委員 次も、今の御質問とちょっと関連するというか、内容としては似ているんですが、ちょっと角度が違う聞き方になるんですけれども、今の場合は、怠慢とか、そういったことが原因で情報が上がらなかった場合ということでお伺いをいたしました。
 今度は、逆に、省庁によって、この情報はあえて今上げなくてもいいだろうという判断が当然あると思うんです。それは、もちろん、情報を提供してくださいね、これについて提供してくださいねと言われれば、それは出すんでしょうけれども、そうではない場合において、特に指定されてこの分野についてとないときに、あえてこれは今上げるべきではないというような判断をした場合に、そういう情報があった場合、先ほどと同じで、その延長線上で国益を害するような事件が起こった、省庁としては、いわゆる何らかの判断でその情報を上げなかったんだけれども、これを先に上げておけばその事件は回避できたんじゃないかというような事例が発生した場合にはどのように対応されるのか、お伺いしたいんです。
 ちょっと先に言いますと、例えば、これは民間企業なんかだとよくあるんじゃないかなと思うんですが、マーケティングなんかをして情報をとってきました、その情報チームの方でいろいろな分析をして、こっちの方向でいきましょう、こっちの方は売れないだろうから、だからこっちの方でいきますという判断をしたときに、いろいろな選択肢があって、選ばなかった選択肢はあえて上の社長クラスには特に伝えませんよというような状況というのはあると思うんです。
 結果的に、売ってみたらなかなか物が売れなかったというときに、もう一方の、そっちの情報があったらもっと深いことを上の方で判断できたんじゃないかということはたまに発生すると思うんですが、こういった場合に、処分等々を含めて対応はどのようにされるのかというのをちょっとお伺いしたいと思います。
○北崎政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のようなケースにつきまして、私どもといたしましては、一つは、国家安全保障会議はトップダウンで各省庁に対して必要な情報要求を行います。したがって、各省庁は提供する義務がございます。各省庁に対して提供を求める情報の内容については、御指摘のことが起こらないように、各種会議、あるいは随時、個別に、できるだけわかりやすい方法で示してまいりたいと思っております。
 また、今回の法案では、国家安全保障会議設置の趣旨、仕組みにつきまして、各省庁の政務三役、次官などを通じまして、各省庁の職員に対してこれを徹底しまして、職員が緊張感を持って職務を遂行できますようにお願いをしたいと思っております。
 以上でございます。
○林(宙)委員 ありがとうございます。
 そうしますと、今のところに関連してきますが、そもそも、今お聞きしたような状況において、いろいろな、本当に大きな情報から小さな情報まで、たくさんの情報がある中で、やはりどこかで、情報提供を求められたとしても、どこまでの状況を上げなきゃいけないのか、これは必要か必要じゃないかというのをある程度判断する瞬間というのが必ずあるはずなんです。そのときに、提供するかしないか、その判断が十分に合理性を有しているかどうか、それを判断する責任を負うというのは、省庁というくくりでいうとどなたになるか、これをお伺いしたいと思います。
○菅国務大臣 省庁ということであれば、それは省庁の大臣であると思います。
○林(宙)委員 ありがとうございました。
 なぜこういった質問を、大変細かいお話なので、この場で質問させていただいているかというと、そういった、もしかしたら余り起こり得ないようなケースだとはと思うんです。ただ、そういったところまで考えた上で制度設計をされているかどうかというのが非常に個人的に気になったというところが一つあります。
 それで、少し、私もふと思ったことがあったんですけれども、済みません、これは通告をしていないことなので、お答えいただける範囲でという形で結構なんですが、例えば、警察というのは非常に多くの情報をお持ちだと思うんです。捜査する上でいろいろな分野から情報を集めてきていると思うんですが、その中には、当然、私たち国民生活といったところに物すごく身近な情報というのもたくさん含まれているはずだと思うんですね。
 これを考えたときに、例えば、情報は全て上げなければいけないということになって、物すごく身近な情報まで含まれているということを考えると、非常に場合によっては問題が起こる可能性というのがあるんじゃないかなと思っていて、これというのは、国際的にも、このあたりの、警察の情報をどこまで上げるべきなんだというのは議論が大きくなされているというところも承知しております。
 例えば、そういったことも政府の中ではある程度考慮された上での議論になっていたのか、官房長官、お答えいただける範囲で結構なので、その点はどうなのかというのを参考までにお聞かせいただきたいと思います。
    〔岩屋委員長代理退席、委員長着席〕
○菅国務大臣 最終的には、国家公安委員長が現場の捜査機関等の意見を聞きながら判断をするということであります。
○林(宙)委員 ありがとうございます。
 この情報をどのように取り扱っていくかということは非常に重要なところだと思っていて、ちょっと話がそれますが、私、学生時代にアメリカンフットボールというのをやっていたんですね。官房長官の御子息も実は私の後輩に当たったりするわけなんですけれども。
 アメリカンフットボールというのはおもしろいスポーツで、今はどのスポーツでもそうだと思うんですが、役割分担というのが物すごく明確になっています。大ざっぱに言うと、フィールド上でプレーをするプレーヤーと、そのための情報分析あるいは作戦を立案するスタッフというのは全く別になっていて、基本的には、プレーヤーというのは皆さん御承知のとおりムキムキマッチョな感じの人たちが多いわけなんですが、作戦スタッフ、戦略スタッフというのは必ずしもそうじゃない、そうじゃない人の方がむしろ多いと言った方がいいかもしれません。
 そのときに何を考えているかというと、情報、戦略スタッフからは、プレーヤーに対してどの程度の情報を上げるのかというのは物すごくクリティカルです。というのは、フィールド上で一瞬の判断が必要だとされているときに、余りにも余計な情報が多過ぎると迷う、こういうことがよく起こる、その迷いが結果的にはスポーツにおいては物すごく重大なところにつながりかねないということで、かなり吟味された情報を提供するような土壌ができています。
 もちろん、プレーヤーの方から、これについてはどうなっているんだ、あれについてはどうなっているんだという求めがあれば、それに応じて的確な情報を上げるということを考えたときに、今ここまでお伺いしたような内容がすごく気になったわけです。
 これまでの答弁で私が承知しているところでいいますと、要は、部下の皆さんですから、それはそういうことはないと官房長官も信じている、あるいは、制度上そうなっているから大丈夫であるといった趣旨の御発言だったものですから、そういう意味ではなくて、こういう思想で大丈夫だと申し上げております、こういう理由で大丈夫だと自信を持って言えますというようなことを、きょうは御答弁の中にかなりそういった要素が含まれていたので安心したんですが、今後もぜひそういった御説明をいただきたいなというふうに思いました。
 少し質問の毛色は変わりますが、今度は、国家安全保障局の組織の体制というか、そのあたりについて質問させていただきたいと思います。
 昨日、参考人の皆さんにお越しいただいて、当方の党の委員が御質問をさせていただいたわけなんですが、その中で、国家安全保障局はまず六十人程度の規模で発足しますよと、これは本会議の質問でもそのようにお答えいただいております。このうち少なくとも十数人から二十人程度が防衛省からのいわゆる制服組の皆さんで構成されるのではないかということが報道でも報じられておりました。
 きのうは、我が党の山内康一委員が、六十人のうちの二十名程度が同じ省からのスタッフ配置になるということだと大変バランス的にどうなんでしょうかという質問がありまして、参考人からは、そこについては、国が軍事あるいは非軍事の重要性のバランスをどう考えるかによるところが大きいんじゃないかという趣旨の御発言があったわけです。
 これについて、政府としてはどのようにお考えなのかというのをお伺いしたいというのと、その軍事、非軍事の重要性のバランス、そこは認識としては正しいと思うとなった場合に、そうすると、少なくとも、政府は、その発足当初においては、この軍事分野というところに比重を置いた政策立案を行っていきたいという意思だと解してよろしいかという質問です。
○菅国務大臣 体制については、現在検討中でありますけれども、極めて偏っているということはありません。バランスよく、ここはしっかり人員を配置したいと考えています。
○林(宙)委員 きのう山内委員からあったのは、例えばイギリスの場合、国が違いますのでその辺は思想の違いもあるんでしょうけれども、イギリスの場合は、大体百数十名から二百人程度に対して、いわゆる同じような制服組の人というのは十人程度だというような例を挙げていただいた上で、今回、六十名と想定しているうちの少なくとも十数名というのはほぼ三分の一なのでどうなんでしょうかというような質問だったと思うんですね。その辺については、今後、そのあたりのバランスが悪いとは思っていないという今御答弁でしたので、その辺も明確にお答えいただけるようにしていただきたいなというふうに思っています。
 一方で、これもきのう参考人に御質問させていただいた内容です。国家安全保障局というのは、班が幾つか置かれる。今六つと報じられていますが、その班長にそれぞれ、そのうち三つが防衛省、二つが外務省、残りの一つが警察庁というような報道もされておりました。
 私たちとしては、先にこういう、どこどこ省に幾つとかということではなくて、全体の中で、このポジションにはこういう能力を持った人がいいよ、だからこそこういう人材をぜひ提供してくださいといって、集まった結果が何々省が三つになりましたとかということだったらいいと思うんですが、この報道がそもそも事実なのかどうかもわかりませんが、ここに関するその認識と、それから、この報道が正しい場合には、先にこういった省庁の、きのうは宮家参考人が座布団なんというお話もされていましたけれども、こういうことが先に出てきてしまうというのは、やはりいわゆる縦割り弊害というものが先に出てきてしまっているんじゃないかなと思います。
 これについて、官房長官、御意見をお願いします。
○菅国務大臣 そもそも、この国家安全保障会議を設置するというのは、省庁の縦割りを排し、機動的に、戦略的に物事を進めることができるようにという考え方でこの法案を提案させていただきました。そういう意味で、いろいろな報道が出ています。日本は報道が自由の国でありますから出るんでしょうけれども、しかし、そうしたことが出ることはまことに遺憾だというふうに私は思っています。
 今委員御指摘がありましたように、まさにそのとおりでありまして、職員人事について、特定の省庁に偏ることなく、やはり多様なバックグラウンドを持った人、能力がある人を、私たちは、この国家安全保障局に職員としてしっかりと対応できる体制をつくり上げていきたいというふうに思います。
○林(宙)委員 今官房長官がおっしゃったことを本当にそのままやっていただくのであれば、非常に安心だなというふうに思います。
 例えば、イギリスの方にこういう話をすると、誰が何省から来ているかなんということすら知らないよというような答えが返ってくることも多いそうです。そのぐらい、要は、人の能力重視ということであって、当然、そのポジションによっては、このポジションは、基本的に、一般的に考えれば防衛省の方がふさわしいんじゃないかと思えるようなものもあるとは思うんです。
 ただ、それは、国際情勢、その時々の時代によって求められるものが違うんじゃないかな。今の時代は確かに防衛の方がふさわしいだろうポジションなんですが、例えば二十年ぐらいたつと、いや、今はむしろ外務省の方の方がいいんじゃないかとか、そういうことも当然起こってくるわけなので、ぜひ、このあたりのフィロソフィーというか、哲学というか、思想というものはずっと継続していただきたいなというふうに思います。
 では、時間が参りましたので、以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○額賀委員長 次に、赤嶺政賢君。
○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 法案について質問をいたします。
 官房長官に伺いますが、国家安全保障会議を設置することによって、政府内の審議と対応がこれまでと比べて具体的に何がどう変わるのか、その点についてまず御説明をいただきたいと思います。
○菅国務大臣 今回の法改正によって、まず、この国家安全保障会議に三つの会合ができるということであります。
 通常の安全保障等については、外務大臣、防衛大臣、そして私と総理大臣のもとで四大臣会合が行われて、内閣としての共通認識をしっかり対応していく。さらに、従来の安全保障会議、九大臣会議でありますけれども、これについては、従来と全く同じであります。そして、緊急事態のための大臣会合というものを、今回、四大臣会合と同じように新たに設けたわけであります。
 いずれにしろ、これまで以上に外交、安全保障に関する諸課題について審議を行うことによって、我が国の安全保障政策を機動的、戦略的に進めて、国民の皆さんの安全を確保するためにしっかりと努力をしていきたいと思います。
○赤嶺委員 それでは、ちょっと具体的に伺いますが、政府は、四大臣会合における具体的なテーマについて、TPPも審議を行うことはあり得ると答弁しております。
 四大臣とは、総理、官房長官、外務大臣、防衛大臣であります。農林水産業や食の安全、医療を初め、国民生活に重大な影響を与えるTPPをめぐって、なぜ四大臣で協議する必要があるのですか。それはどういう場合なんですか。
○菅国務大臣 四大臣会合について、総理大臣は、指名によって、その案件によって大臣を追加することが実はできるわけであります。
 TPPに関して、安全保障に関することがあれば、そこで総理は意見を聞くことが、それは当然可能になるということであります。
○赤嶺委員 TPPは農水省だと思うんですが、安全保障に関する問題があればと。
 答弁でいきますと、我が国の安全保障の根幹に影響すると考えられる場合、このように答弁されておりますけれども、具体的にどういう場合ですか。TPPに関して。
○菅国務大臣 安全保障は、前に私は委員に対して申し上げましたけれども、外部からの侵略等の脅威に対して国家及び国民の安全を保障することを意味するという形の中で、安全保障の言葉の意味というのは、それぞれの時代によって変わってくるわけであります。
 TPPに関して、事安全保障に関する部分があった場合には、総理が話を聞きたいということであれば、総理が指名すれば、そこの会合ができるということであります。
○赤嶺委員 新しくスタートする機構において、TPPもこれに入るというぐあいに本会議で答弁されておりますから、TPPと安全保障の関係、どんな場合かということを聞きたかったわけです。
 そこで、はっきりしないわけですが、ただ、安倍内閣で内閣官房参与を務める谷内正太郎氏が、TPPの戦略的意義なるものについて言及しています。タイトルは「TPP参加は「強い安保・経済」への分水嶺」、このようになっています。
 抜粋しながらちょっと紹介をいたしますけれども、このように述べております。「TPPを巡っては、市場開放による成長効果とか、衰退した日本農業への影響とか、経済面に焦点を当てた解説が多いが、その戦略的意義を見落としてはならない。」「西太平洋地域の力の実体は、大陸国家であり、旧共産圏であり、国連安保理常任理事国であり、核兵器保有国であり、強大な通常兵力を保有するロシアと中国である。」「これに対抗できる勢力は、米国の太平洋同盟網しかない。」「徹底した自由貿易を標榜するTPPに加盟することは容易ではない。しかし、衰退した農業の問題などを克服するための国内政治の痛みは、新生日本を生み出すための痛み」であり、「閉塞感に鎖され、内向き、縮み志向に陥った日本はこの痛みを覚悟し、敢えて突破口を開いて局面を打開する強力なリーダーシップが必要である。」このように述べておられるわけですね。TPP参加は強い安保と。
 このように谷内氏は述べておりますが、これは官房長官と認識は同じですか。それとも、違う部分があるとすればどこですか。
○菅国務大臣 個別具体的なテーマについては、事案の内容やその時々の情勢を勘案しながら、国家安全保障との関連性によって、審議されるか否かという判断が行われるんだろうというふうに思います。そのため、審議や検討のあり方については、一概にお答えすることは控えさせていただきたいと思います。
○赤嶺委員 内閣官房参与で、今官邸におられる方が、TPP参加は強い安保という角度から、谷内さん、幾つもそういう論文というか、出しておりますよ。一番の懸念事項なんですね。TPPが、四大臣会合によって、これは国家安全保障の核心的部分にかかわるといって、何かを決める。
 私は、国家の安全保障政策を国民生活に優先させる、日米同盟の強化のためなら国民生活への犠牲はやむを得ない、そういう流れの中で四大臣会合が制度化されていくことになるのではないか、このように指摘せざるを得ません。
 それで、沖縄では、そうした安倍内閣の姿勢による犠牲が既に顕在化しております。日台漁業取り決めであります。
 日台間の長年の懸案だった漁業取り決めがことし四月に合意をされましたが、その中身というのは、およそ互恵の精神とはかけ離れた、一方的に台湾側に譲歩するものでありました。沖縄県や県内漁業者の側が最大限の譲歩として示していた内容さえも全く無視して、台湾側の主張する海域よりもさらに広い海域での操業を認めるという内容でした。
 その理由として、指摘されたのが、尖閣問題で中台間の連携にくさびを打つ、こういうことでありました。沖縄の要望を踏まえながら交渉に当たっていた水産庁の担当者は、官邸から、国益のためとして早期妥結を迫られていたことを明らかにいたしました。
 官房長官に伺いますが、沖縄県内の漁業者の生活に大きな打撃を与える取り決めを地元の頭越しに締結しながら、なぜこのような取り決めになったのか、まともな説明はありません。どういう判断でこのような取り決めに合意したのか、官邸や水産庁や外務省の間でどのような協議が行われたのか、日米間ではどのような協議が行われたのか、明らかにしていただきたいと思います。
○菅国務大臣 委員御承知のとおり、日台の間の民間の窓口は、十数年、長年にわたってこの協議が行われてきました。いわゆる海洋生物資源の保存、利用、操業の秩序、こうしたものについて、お互いに交渉することによって共通認識を得られたから今回署名に至ったわけであります。この取り決めに至るまで、官邸と外務省、水産庁を含む政府内の機関が緊密に連携をとりながら取り組んできたということであります。
 さらに、本取り組みのもとに設置された日台漁業委員会において、沖縄県漁業関係者の意向というもの、そして懸念をしっかりと踏まえる中で、日台間で建設的な議論が行われ、本取り決めが円滑に実施されるように私どもは取り組んでいきたいというふうに思っていますし、また、本取り決め実施に伴う沖縄の漁業者の影響については、先般も知事を初め漁協の皆さんが官邸にもお越しになりました。そうした皆さんの意見を十分に聞きながら、しっかりそれぞれの省庁が連携をして対応していきたいというふうに考えています。
○赤嶺委員 官房長官、今私が質問をした点は、こういう取り決めが結ばれたけれども今後政府がどう対応するかという点ではありません。それは当然対応すべきですよ。
 しかし、日台間が、民間同士で、ルールも含めて、乱暴なマグロ漁場での台湾漁船の漁業について懸念が拡大しているもとで話し合いが進められていた。それが、先ほど官房長官もありましたように、官邸や外務省や、水産庁も加わったかもしれない。そのときに、官房長官は、この協定について、担当者に早期妥結を求めたことはありませんか。
○菅国務大臣 私は、日台の間の漁業に対しての交渉というのは極めて大事だというふうに考えておりましたので、それは、日本として努力をして締結をしようというのは当然のことだというふうに考えています。
○赤嶺委員 締結に向かう場合に、沖縄の漁民の皆さん方の懸念、不安、漁場でどんなことが起きているか、そういうことについても水産庁からもるる話があったと思うんですよね。結局、それらの問題があっても早期妥結がいいんだと官房長官が後押しをされたということですね。
○菅国務大臣 いずれにしろ、安倍内閣として、これは総合的に判断をし、たしか十七年だったと思います、お互いに交渉してきた漁業交渉というのは、私は、まとめる必要があるというような判断のもとに、先ほど申し上げましたけれども、外務省、そして水産庁、しっかりと政府で連携をして後押しすることによって締結に至ったというふうに思っています。
 いずれにしろ、先ほども申し上げましたけれども、沖縄の方々の声にはしっかりと耳を傾けて、意向を十分尊重して対応していきたいというふうに考えています。
○赤嶺委員 官房長官、いずれにしても結ぶのを急ぐべきだったんだというお話ですが、このいずれが大事なんですよ。沖縄の漁民や漁業を犠牲にして台湾に漁場を明け渡したようなものですから、実態としては。ですから、それは、結局ここでも具体的な交渉経過は明らかにされない、いずれにせよというぐあいにまとめられる、結論だけが押しつけられる。
 国家の安全保障政策を国民生活に優先する政府の姿勢をNSCの設置で制度化していくことに、日台漁業取り決めのように、いろいろ現場で問題はあっても、いずれにせよ国家として大事であればまとめる必要があるんだということで、今度は制度化された四大臣会合によって繰り返されるのではないかという危惧を強く持つものであります。
 次に、NSCの設置とイラク戦争とのかかわりについて伺います。
 昨日の参考人質疑において、小泉内閣の官房副長官補を務めていた柳澤協二氏が意見陳述し、大量破壊兵器の存在について、私も間違えていたが、当時みんなが間違えていたと述べ、誤りを認めました。
 政府も誤りを認めるべきではありませんか。
○岸田国務大臣 まず、イラク戦争における我が国の対応につきましては、既に外務省の中で検証を行っておりまして、事後的に言えば、イラクの大量破壊兵器が確認できなかったとの事実については厳粛に受けとめる必要があると考えております。
 そして、さらなる情報収集能力、分析能力の強化等、今後の外交力強化の課題であると考えておりますが、当時の国会答弁、あるいは政府見解を確認してみますと、大量破壊兵器の有無は、日本が対イラク武力行使を支持した直接の根拠ではないと認識をしております。イラクにおける国連安保理決議違反が我が国の支持の根拠であるということ、これはいま一度確認をしておきたいと存じます。
○赤嶺委員 外務大臣、世界でそんなことを言って、あの戦争はイラクの側に責任があったと言うような国はもうないですよ。大量破壊兵器が存在するという当時のアメリカの情報が誤っていたということは、客観的な事実の問題です。
 当時のブッシュ大統領は、イラクの大量破壊兵器に関する情報機関の分析は誤っていたとはっきり認めました。大統領としてイラク攻撃を決定した責任は私にあると、みずからの責任にも言及しました。ブッシュ大統領自身が情報の誤りと責任を認めているのであります。
 当事者が認め、日本政府の元高官も認めているわけですから、情報が誤っていた、このようにはっきり認めるべきだと思います。大量破壊兵器が確認できなかった事実は厳粛に受けとめるという事後的な言いわけをするのではなくて、開戦当時の情報の誤りをきちんと認める。今の外務省の見解だと、開戦当時の情報の誤りは認めていないということになりますよ。
 誤っていたのかどうか、いかがですか。
○岸田国務大臣 先ほど申し上げましたように、日本が対イラク武力行使を支持した根拠、これは国連安保理決議違反であると認識をしております。
 実際の武力行使は、二〇〇三年に行使されたわけですが、それからさかのぼって、一九九〇年にはイラクのクウェート侵攻がありました。その直後、国連におきましては、国連決議六七八が決議されまして、武力行使容認決議が採決、可決をしております。そして、その後、一九九一年にイラクに対する武力行使が行われたわけですが、その後、国連決議六八七によって停戦決議が採択をされました。しかし、それには条件がついていたわけです。その条件をイラクがことごとく無視したことによって、結局、国連として重大な違反を決定する決議を行い、もともとあった武力行使容認決議六七八に、振り出しに戻ってしまった。
 こうした安保理決議を次々と破ってきたイラクの対応がこの問題の核心であるというふうに我々は思っております。
○赤嶺委員 同じような立場にまだしがみついている、聞いていて情けないなと思いました。
 結局、イラクに大量破壊兵器があるかどうかというのはアメリカの情報ですよ。日本政府は、そのアメリカの情報の真実性について確かめるすべはない。すべはないけれども、日米同盟を守るためにはイラク戦争を支持しなきゃいけないということで、イラク戦争を支持し、自衛隊まで送ったという結果、安全保障の核心にかかわるといいながら、その情報のやりとりについては、結局、大きなアメリカの情報によって我々日本の外交や安全保障が動かされていく、そして失敗を続けてきている。
 こういうことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○額賀委員長 次に、玉城デニー君。
○玉城委員 生活の党の玉城デニーです。
 私からもまた質問をさせていただきたいと思います。
 さて、昨日、十月三十一日、当委員会における参考人を招致して行った意見陳述では、国家の安全保障に関して、専門的、そして、諸外国の情勢なども含めて、さまざまな状況や方向性に関することなど、貴重な意見を伺うことができました。その参考人からの意見なども踏まえて、本法案の内容についてさらに明らかにしていくために幾つか質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、今回のこの委員会の質疑でも幾度となく強調されるように出てきた言葉があります。それは、政治の強力なリーダーシップという言葉なんですね。政治の強力なリーダーシップ。大体どういうことを意味しているのかなというのは、その語感からもうかがい知ることはできるんですが、本委員会における政治の強力なリーダーシップとは、国家安全保障会議においてどのような状況やあるいは動きを意味しているのかということを改めて伺います。
○菅国務大臣 この国家安全保障会議を通じて発揮される政治の強力なリーダーシップについてでありますけれども、国家安全保障に関する諸課題について、総理と関係閣僚が実質的な審議を行って、トップダウンで戦略的観点から基本的な方向性を示した上で、さらに省庁の縦割りを排して、政府全体として国家安全保障政策を機動的、戦略的に進めていく、そうした体制であります。
○玉城委員 私の非常に気になる言葉が、このトップダウンという言葉です。安倍内閣は、さまざまな政策や新しく出てくる法案にはこのトップダウンという形が色濃く出てきている。それは、とりもなおさず、今まで積み上げてきた日本型のボトムアップそのものがややもすると否定されかねないような、そういうニュアンスが含まれているような気がするんですね。ですから、今改めて官房長官にお伺いをさせていただいたわけです。
 それでは、この安全保障会議の核になるということで、この間も強調されてきております、内閣総理大臣、防衛大臣、外務大臣及び内閣官房長官と、法案ではさらに総理補佐官も加わる四大臣会合ですが、これまでも、総理の必要に応じるという形で、不定期ではあるが一定の情報をもとにして意見を交わすという会議及び会合は、この四大臣会議を今回新しく提案する前は開催されてこなかったのかどうか、その点についてお聞かせください。
○菅国務大臣 今度の設置をする前に、総理のもとへそれぞれの大臣が出向いてそのときの状況説明というのは、これは行われていることでありますけれども、全体、外務大臣、防衛大臣、そして私、総理大臣、この四大臣でそうしたことというのはほとんどなかったというふうに思います。
 例えば、私と外務大臣とか、私と防衛大臣というのはありますけれども、いずれにしろ、安全保障、外交、これはまさに極めて大事なものでありますので、今度の法案においては、二週間に一回、定期的に安全保障に対しての意思疎通を図っていくというのは、極めて厳しい我が国を取り巻く環境の中では必要だと思っています。
○玉城委員 それは、とりもなおさず、いわゆるアメリカ型のトップの会合というふうなことを意味しているのかな、想像するのかなというふうに思います。
 昨日、参考人から、イギリスのNSCについての、資料なども、お話がありました。イギリスは、二〇一〇年から、首相、外務大臣、国防大臣、財務大臣ほか九大臣と二人の担当官を置いて、十一名で会議を行うということになっております。そういうことを考えると、今までNSCがなかったイギリスにおいては、これができたことによって、首相のいわゆる個人的な、私的なアドバイスではなく、国家の中でのきちんとした判断、情報が上がることになったということも、昨日の参考人からの意見でありました。
 これは大変大きな意味を持つということは私も認識を同じくするわけですが、では、我が国において、従来の九大臣会合などのように時間をかけて合意形成を図っていく方法と比較をした場合に、四大臣会合の二週間に一度という定例開催、あるいは、そこで集約される意見など、その意見集約の迅速性を求め過ぎる余りに四大臣会合に主導権を委ねるというような傾向に偏ってしまうというおそれはないかということを伺います。
○菅国務大臣 従来のいわゆる九大臣会合というのはそのまま行うわけであります。当然、文民統制の極めて大事な部分について、あるいはまた法律で求められる部分については、そこの九大臣会合でしっかりと確定をするわけでありますけれども、いずれにしろ、この四大臣会議というのは、先ほど来申し上げていますように、月に二回程度、総理大臣を中心に、安全保障を中心とする当面の課題について意見交換をして、内閣としての基本方針を共有することは極めて大事だというふうに思っています。
 そういう意味において、拙速であるという御批判は当たらないというふうに思いますし、国家安全保障戦略のように中長期的な方向性を決める政策文書について審議する場合には、相当の時間をかけて、四大臣会合で行った上で、さらに、会議として決定をする際には九大臣会合で審査するわけです。そして、最終決定は閣議という形になるわけであります。
○玉城委員 では、国家安全保障会議を支えるポジションと位置づけられている国家安全保障局についてお伺いをしたいと思います。
 安全保障局のスタッフによって安全保障その他に類する情報を集積し、分析して行っていくことについて、情報を収集し、分析するチーム及びそのチームリーダーをどのように配置するという方向で考えていらっしゃいますでしょうか。
○菅国務大臣 まず、国家安全保障局は、国家安全保障政策の企画立案、そして総合調整を行う機関でありますので、みずからこのインテリジェンスの収集等を行う情報機関ではないということであります。
 一般に、情報機関は、収集したインテリジェンスを政策担当局に提供するに当たって、収集された情報に関するみずからの分析を付することが通例であり、内閣情報室には、特定の地域また分野に関する特に高度な分析に従事する内閣情報分析官が現在置かれております。
 そうした分析の機能が国家安全保障局に移るということではなく、そうしたところで上がったものについて、国家安全保障局には、各省庁から集められる情報をもとに、先ほど申し上げましたように、我が国としてとるべき国家安全保障政策の企画立案、総合調整を行う政策担当官を実は置くことになります。
 さらに、その政策担当官は、政策テーマごとやあるいは地域情勢、そうしたものについて、知識、経験を背景として、各省庁から集められたそうした情報というものをそこで吟味、評価をしながら政策の策定に従事していくわけであります。
 そうした人員については、やはり、先ほども質問されましたけれども、特定の部署に偏ることなく、多様なバックグラウンドを持った優秀な人材を集めてこの体制をつくっていきたいと思っています。
○玉城委員 国家安全保障局は、情報を集めるところではなく、集められた情報をもとに政策立案のための形を整えていくということだと思います。しかし、そこには、従来、防衛省や外務省が収集してきた情報をいかにして分析をつないでいくかということは、私は重要な任務にもなるのではないかと思います。
 そこで、きょうは外務大臣と防衛大臣にお座りいただいていますので、外務大臣にまずお伺いいたします。
 この国家安全保障局が入手し得る情報に関してですが、海外の、特にこの場合はカウンターパートになるでありましょう米国やイギリスなどの同盟関係国との緊密な連携、入手し得る情報についての連携体制をどのように構築できるというふうにお考えですか。
○岸田国務大臣 各国との連携ですが、国家安全保障局が、同盟国を含む各国のNSC事務局と緊密な意思疎通を図り、そして協力をしていくということ、これは、我が国がこの安全保障政策を進める上においても大変有意義なことであると認識をしております。
 ぜひ、こうした意思疎通、協力関係は進めていかなければいけないと思っていますが、具体的にどのように進めるかということにつきましては、人間関係等も大変重要な要素でありましょうから、今回、この法案を通していただき、国家安全保障局が実際に発足してから後、具体的にこうした体制がつくられていく、このようになると考えております。その際に、外務省としましても、しっかり協力をしていきたいと考えています。
○玉城委員 私は、ある程度、ビジョンというものがこういう方向性になるという、そのビジョンの先を少し見てみたいなというふうに思いまして質問させていただいたんです。
 では、防衛大臣。
 例えば、沖縄ですと各米軍関係の政策担当の専門官がいらっしゃいますが、特にきのうの参考人の皆さんも、やはり東アジア情勢については大変厳しい状況にあるというふうなお話も出ておりました。
 ですから、防衛大臣には、特に東アジア地域への安全保障に関する対応について、まずこれが喫緊の課題だというふうに捉えた場合、国家安全保障局は、現地の外国担当官、当然ですけれども、これは沖縄にとどまらず、現地にいる外国の担当官もしくは指揮責任者との連携についてどのように関与していくというふうにお考えでしょうか。
○小野寺国務大臣 防衛省・自衛隊は、常日ごろ、さまざまな情報について意見交換なり情報共有をさせていただいております。
 例えば、防衛駐在官については、必要な情報を外務省と協力しまして速やかに集めるようにしておりますし、防衛省と米国防省の間では、定期的に防衛協力部局がそれぞれ意見交換をしておりますし、自衛隊レベルでありますと、自衛隊の統合幕僚運用部が在日米軍司令部との協議をしております。また、沖縄を含めた駐留米軍に関しては、日米合同委員会の場を使って日々交流をしておりますし、また、必要に応じて、私ども職員、隊員を派遣し、情報交換に努めております。
○玉城委員 私が外務大臣、防衛大臣にこの二点をお伺いいたしましたのは、つまり、従来のように、外務省、防衛省が担ってきたそういう情報のみならず、さまざまなその運用や機能に関しての相互情報共有、あるいは、お互いの体制について、日々刻々変化している状況に今どのような対応をとっているというふうなことが、やはり今までは外務省、防衛省でそれぞれきちんとそれを入手あるいは検討されてきたと思うんです。
 それが、国家安全保障会議とその下に安全保障局が設置されることによって、このパイプが二つ、三つにふえてしまう、あるいは、パイプは一つだけれども、どういうふうな経路でそれぞれの省庁の協力と国家安全保障局との連携になるかということが、まだ少し不透明といいますか把握しづらい部分があって、それで今、外務省、防衛省のそれぞれの取り組みについてお話を聞かせていただいた次第です。ありがとうございます。
 さて、ここからは、国家安全保障戦略についてお話を聞かせていただきたいと思います。
 今後策定される国家安全保障戦略についてですが、官房長官、まず、この戦略がどの程度まで状況の想定と時間軸を置いて立案されるものだというふうに今捉えていらっしゃいますでしょうか。
○武藤政府参考人 お答えいたします。
 国家安全保障戦略につきましては、我が国の安全保障環境が一層厳しさを増しているということを踏まえまして、ことし九月に立ち上げました安全保障と防衛力に関する懇談会におきまして、外交防衛政策に深い見識等を有する有識者から、お尋ねの点も含めまして、さまざまな御意見をいただいているところでございます。
 安全保障と防衛力に関する懇談会における議論の今までの整理については、既に公表しているところでございますけれども、そのような議論を踏まえまして、現在、政府として、国家安全保障戦略の策定作業を進めているところでございます。
 なお、その懇談会におきましては、この戦略の内容をおおむね十年程度までを念頭に置いたものとする、そういう御意見を今いただいているところでございます。
○玉城委員 では、続いて伺いますが、今おおむね十年程度というスパンが示されたわけですね。しかし、この安全保障戦略を着実に実行させる場合は、刻々変化する状況への対応のために、その実施の過程における検証、それから変化した対応について、安全保障会議にもそれを検証するテーブルを置くことになるのかどうかについてお聞かせください。
○菅国務大臣 国家安全保障戦略が策定されれば、各省庁等がこれを踏まえて政策を施行していくことに当然なるわけであります。そうした中で、国家安全保障会議における審議や国家安全保障局における政策の立案企画、そして総合調整も、当戦略を十分踏まえて行うことになるというふうに考えています。
 国家安全保障戦略に沿った国家安全保障政策の実施状況については、国家安全保障会議でしっかりとフォローしてまいりたいというふうに考えます。
○玉城委員 やはり、国家の安全保障が相互に密に連携をするということは、これは本当に欠かせない関係になると思います。
 では、安全保障戦略の見直しなどの必要が生じた場合、安全保障会議における検証は、これからは、四大臣、九大臣、それから緊急事態の大臣会合というふうに三つ、ふえるわけですね。この三つにそれぞれ、各担当に対応させるのか、それともどこか中心になる部分を決めて対応させるのかについてお聞かせください。
○菅国務大臣 まず、国家安全保障戦略については、現在、政府として策定作業中でありますので、確たることを申し上げることは控えさせていただきたいというふうに思います。
 そういう中で、見直しの内容について、四大臣会議、そして九大臣会議、ここにおいては、適切に審議をするような形になるだろうというふうに思います。
 また、緊急事態大臣会合は、緊急事態に際して、高度に政治判断を行う必要がある場合に開催をされるものでありますから、国家安全保障戦略策定そのものは直接関与しないという形になります。
○玉城委員 ありがとうございます。
 このように、それぞれの役割が見えてくると、自然に、かかるさまざまな情報と政策の立案についての細かい部分までもっと明確になってくるのではないかと思います。
 最後の質問になると思いますが、安全保障戦略の見直しが、国家安全保障会議、特に四大臣、九大臣の会合にかかり、そしてそれが会議全体で共通の認識として認められるというふうに至る場合に、いわゆる迅速性と機動性というものもまた求められてくると思います。その場合にはどのように実行されるというふうにお考えでしょうか。
○菅国務大臣 まず、国家安全保障戦略については、先ほど申し上げましたように、現在策定作業を進めているところでありますから、確たることは申し上げるべきじゃないというふうに思います。
 ただ、いずれにしろ、見直しの内容については、戦略会議で適切に行っていくことになるだろうと思います。
○玉城委員 ありがとうございます。終わります。ニフェーデービタン。
○額賀委員長 次回は、来る五日火曜日午前八時四十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時八分散会