第186回国会 本会議 第15号
平成二十六年四月八日(火曜日)
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 議事日程 第九号
  平成二十六年四月八日
    午後一時開議
 第一 中心市街地の活性化に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 港湾法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 著作権法の一部を改正する法律案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
 日程第一 中心市街地の活性化に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 港湾法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 著作権法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時二分開議
○議長(伊吹文明君) これより会議を開きます。
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 日程第一 中心市街地の活性化に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(伊吹文明君) まず、日程第一、中心市街地の活性化に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。経済産業委員長富田茂之君。
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 中心市街地の活性化に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔富田茂之君登壇〕
○富田茂之君 ただいま議題となりました法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、少子高齢化の進展や公共施設の郊外移転等により、中心市街地における空き店舗や未利用地の増加に歯どめがかからない状況の中、民間投資の喚起を通じた中心市街地の活性化を図るための措置を講じようとするものであります。
 その主な内容は、中心市街地活性化基本計画に盛り込まれた事業のうち、中心市街地への来訪者を増加させるなどの効果が高い事業の認定制度及び中心市街地の商業の活性化に向けたまちおこし事業の認定制度を創設し、これら事業に対する支援措置を講じること、認定中心市街地において道路の占用許可に際して許可の基準が緩和される特例や、中心市街地区域において通訳案内を行うことが認められる特例通訳案内士制度の創設などの措置を講じること等であります。
 本案は、去る三月二十六日本委員会に付託され、二十八日に茂木経済産業大臣から提案理由の説明を聴取し、三十一日に、滋賀県長浜市において、藤井市長や大塚商工会議所会頭、高橋長浜まちづくり株式会社代表取締役など、関係者の方々との意見交換及び中心市街地の視察を行いました。四月二日には質疑を行い、四日に討論、採決を行った結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(伊吹文明君) それでは、採決を行います。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(伊吹文明君) 起立多数。したがって、本案は委員長報告のとおり可決をいたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 港湾法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(伊吹文明君) 次に、日程第二、港湾法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。国土交通委員長梶山弘志君。
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 港湾法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔梶山弘志君登壇〕
○梶山弘志君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、国際戦略港湾の国際競争力強化及び災害時における港湾の機能の確保のための措置について定めようとするもので、その主な内容は、
 第一に、国際戦略港湾の港湾運営会社に対して、政府の出資を可能とすること、また、無利子貸付制度の対象施設に、国際戦略港湾の近傍に立地する倉庫を追加すること、
 第二に、民間事業者が所有する護岸等の改良に対する無利子貸付制度を創設すること
などであります。
 本案は、去る三月二十八日本委員会に付託され、四月二日太田国土交通大臣から提案理由の説明を聴取し、四日、質疑を行い、質疑終了後、討論を行い、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(伊吹文明君) それでは、採決をいたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(伊吹文明君) 起立多数。したがって、本案は委員長報告のとおり可決されました。
     ――――◇―――――
 日程第三 著作権法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(伊吹文明君) 次に、日程第三に移ります。著作権法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。文部科学委員長小渕優子君。
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 著作権法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔小渕優子君登壇〕
○小渕優子君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文部科学委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案の主な内容は、インターネットを用いた無断送信等の差しとめを可能とするよう、紙媒体による出版のみを対象とする出版権制度を見直し、公衆送信等を行うことを引き受ける者に対しても出版権の設定を可能とするほか、視聴覚的実演に関する北京条約の実施のため、所要の措置を講ずるものであります。
 本案は、去る三月二十七日本委員会に付託され、翌二十八日下村文部科学大臣から提案理由の説明を聴取した後、四月二日から質疑に入り、同日参考人から意見を聴取し、四日質疑を終局いたしました。質疑終局後、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(伊吹文明君) 採決をいたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊吹文明君) 御異議なしと認めます。したがって、本案は委員長報告のとおり可決をされました。
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 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
○議長(伊吹文明君) それでは、この際、内閣提出、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。環境大臣石原伸晃君。
    〔国務大臣石原伸晃君登壇〕
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま議題となりました鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 近年、ニホンジカやイノシシなどの鳥獣については、急速に生息数が増加し、生息域が拡大しております。その結果、希少な高山植物の食害等の自然生態系への影響、農林水産業や生活環境への被害が、大変深刻な状況となっております。
 また、これまで鳥獣の捕獲等において中心的な役割を果たしてきた狩猟者は、この四十年間で、四割以下に減少しています。さらに、六割以上が六十歳以上となるなど、著しく高齢化が進んでおります。そのため、捕獲等の担い手の育成、確保が喫緊の課題です。
 我が国の美しい自然環境を守り、農林水産業や生活環境への被害を防止するためには、積極的に鳥獣を管理し、その管理体制を構築することが求められております。
 本法律案は、こうした状況を踏まえ、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化の一層の推進を図るための措置を講じようとするものです。
 次に、本法律案の主な内容を御説明申し上げます。
 第一に、生活環境、農林水産業及び生態系に関する被害の防止に向けた積極的な鳥獣の管理を図るため、法の題名を、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律に改めるとともに、法律の目的に、鳥獣の管理を図ることを加えます。
 第二に、都道府県知事が、地域における種の状況に応じて策定する計画について、目的を明確化し、保護に関する計画と管理に関する計画に分けるなど、法における施策体系を整理いたします。
 第三に、管理を図る鳥獣のうち、特に集中的かつ広域的な管理の必要があるものとして環境大臣が定める鳥獣について、都道府県または国が捕獲等をする事業を実施することができることとしました。この事業として行われる捕獲等については、捕獲等の許可を不要とすることや、一定の条件のもとで、夜間の銃による捕獲等を可能とする等の制限の緩和を行います。
 第四に、鳥獣の捕獲等をする事業を実施する者が、その事業が安全管理体制等について一定の基準に適合していることにつき、都道府県知事の認定を受けることができる制度を導入いたします。
 第五に、住居集合地域等における麻酔銃による捕獲等の許可制度の導入や、網猟免許及びわな猟免許の年齢制限を、二十歳未満から十八歳未満へ引き下げることを行います。
 以上が、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
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 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(伊吹文明君) ただいまの環境大臣の趣旨の説明に対し質疑の通告がありますので、順次これを行います。まず、吉田泉君。
    〔吉田泉君登壇〕
○吉田泉君 民主党、吉田泉です。
 ただいま議題となりました鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律案について、民主党を代表して質問をいたします。(拍手)
 「ぼくは猟師になった」という本を御存じでしょうか。著者は、千松信也さん。京都大学在籍中に狩猟免許を取得し、先輩猟師から伝統的なわな猟、網猟を学んで、運送会社で働きながら、今も猟を続けている方であります。
 その彼の本の中に、山に入ってけだものの気配がしても、大抵は鹿、今度こそイノシシかと思って近づいてみると、鹿、鹿、鹿、以前はイノシシの方が多く、鹿がとれるのは珍しかったそうだが、それが最近では全く逆の状況になってしまっていますと書かれています。
 この本が出版されたのは、平成二十年。そのころには既に鹿の数が相当ふえていたことがわかります。
 そのまた十年ほど前、平成十一年には、既に鳥獣保護法が改正され、特定鳥獣保護管理計画制度が導入されていました。
 これは、地域的に個体数の減少が見られるツキノワグマのような野生鳥獣がある一方で、イノシシやニホンジカなど、特定の鳥獣や外来生物の生息数増加や生息域拡大等により、生態系や農林水産業等への被害が深刻化している、野生鳥獣と人とのあつれきを解消するためには科学的なデータに基づく個体群管理事業を計画的に実施する必要があるとして、導入されたものであります。
 であれば、十五年前に導入されたこの制度が効果的に運用されていれば、現在の深刻な状況は避けられたのではないでしょうか。
 まず、この特定鳥獣管理計画制度の何が問題で、なぜ十分な成果が上がらなかったのかを伺います。そして、今回の改正ではその原因がしっかりと改善されているのかについても、答弁をお願いいたします。
 また、環境省所管の鳥獣保護法とは別に、平成十九年、農林水産省所管の鳥獣被害防止特措法もつくられました。現場に最も近い市町村が被害防止計画を策定し、実施隊を設置し、国の財政支援を受けながら、被害防止施策を総合的かつ効果的に推進しようというものであります。
 施行後五年がたちましたが、その成果はどの程度上がっているのか、また、環境省の特定計画との連携はうまくなされているのか、お伺いします。
 先ほどの千松信也さんは、猟師という存在は豊かな自然なくしては存在し得ない、自然が破壊されれば獲物もいなくなる、乱獲すれば生態系も乱れ、そのツケはじかに猟師にはね返ってくる、狩猟しているとき、僕は自分が自然によって生かされていると素直に実感をしていると述べています。
 豊かな自然を守り、生態系を乱さないことが、基本中の基本であります。
 しかし、人間が一度手を入れた自然は、自律的なバランスの回復が困難になり、その場合は、科学的な根拠に基づき、人間が管理をしなければなりません。そして、そのためには、十分な科学的知識と経験を身につけた人材がそれぞれの地域にいることが必要であります。制度だけを変えたり充実させたりしたとしても、人材がいなければ、解決は難しいと思います。
 鳥獣管理における人材育成や人材確保の方策について答弁願います。
 特定計画についてお尋ねします。
 今回の法改正で、特定計画を一種と二種に区分することとなりました。これは、保護すべき鳥獣と減らすべき鳥獣の計画を分ける趣旨かと思います。
 しかし、ある場所では保護すべき鳥獣が、別な場所では数を減らすべきという場合も生じ得ます。この場合、どのような計画を立てることになるのでしょうか。煩雑になり、計画自体が立てられないようなことにはならないのでしょうか。答弁を求めます。
 農作物被害の防除策についてお尋ねいたします。
 近年の農作物被害の増加については、さまざまな原因が考えられます。減反政策により耕作放棄された田んぼ、さらには、利用されなくなった薪炭林が草やドングリを提供する格好の餌場になり、そこに鳥獣がおりてくるということもあると思います。その草むらをヤギに食べさせたらイノシシの被害が激減したという事例が報告されております。
 こういう事例を見ると、やみくもに捕獲するのではなく、被害の未然防除の手だてを考えることも大変効果的と思います。そういった取り組みに対して、何らかの支援を行っているのでしょうか。被害防除策への取り組みについて答弁を願います。
 捕獲した鳥獣の処理についてお尋ねします。
 鹿については、捕獲しても、その場で埋めてしまう場合が多いと聞いております。北海道のエゾシカの場合で、食肉利用される割合は、わずかに一四%とのことであります。
 一方、フランス料理では、これらの野生鳥獣の肉は、ジビエと呼ばれ、高級食材とされています。
 千松さんも、きちんと処理されれば、においもなく、かたくもなく、肉自体にびっくりするほどのうまみがあると述べています。
 資源の有効利用の面からも、人間としての倫理の面からも、感謝の気持ちを持ってしっかり食べるべきものと思います。
 日本で鹿肉などがなかなか流通しない理由は、安定供給が難しいということのほかに、国による衛生管理基準がないなど、食肉利用のルールがいまだ確立されていないことが指摘されております。
 諸外国の例も参考にしながら、ジビエを流通しやすくするような制度の作成に早急に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。検討状況と今後の見通しについて答弁をお願いします。
 また、野生鳥獣を食するという機会を学校でも設け、環境教育の一環としてもいいのではないかと考えます。その際には、野生鳥獣の管理の話や、地元の猟師の話などを聞きながら、命をいただくことの意味を考えて食べることが重要だと思います。殺し、解体し、食料にする、そういう我々が生きていく上での根源的なプロセスを子供たちに実感させる格好の教材であります。
 学校で、野生鳥獣を食しながら、人間と野生鳥獣の関係性についての教育を進めれば、鳥獣保護管理に関する国民の理解も進むと考えますが、いかがでしょうか。答弁をお願いします。
 人間の歴史は、自然を改変し、多くの種を絶滅に追い込み、生態系のバランスを崩し、結果として自然から反撃されてきた歴史でもありました。鹿の増加の一因として、天敵であるオオカミが人間によって絶滅させられたことを挙げる方もいます。
 人間が壊してしまった生態系バランスを回復するためには、生息環境の管理、被害の防除、そして個体群の管理、この三角形を常に念頭に置きながら、科学的根拠に基づいた管理計画を立てていく姿勢が必要であります。
 民主党は、これからも、生物多様性の保全、そして人間と野生鳥獣の共存、この二つへの取り組みを積極的に進めてまいることをお誓い申し上げて、質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣石原伸晃君登壇〕
○国務大臣(石原伸晃君) 吉田議員にお答え申し上げます。
 特定鳥獣保護管理計画制度についてのお尋ねがございました。
 特定鳥獣保護管理計画は、平成十一年に、長期的な観点から特定鳥獣の保護を図ることを目的として導入されたものであります。
 この制度においては、保護のためという位置づけの中で被害対策も行うこととしたため、減らすべき鳥獣に対する取り組みが不十分であったと考えられます。
 具体的には、捕獲規制の緩和にとどまっており、積極的な捕獲のための措置が位置づけられておりませんでした。
 このため、改正案においては、保護と管理を明確に区分し、管理を実現する手段として、都道府県等が実施する捕獲事業を創設する等の改善を図っているところでございます。
 鳥獣対策における人材の育成、確保についてのお尋ねがございました。
 科学的、計画的な鳥獣行政を推進するためには、地域における、鳥獣の保護及び管理に関する専門的知見を有する人材の育成と確保が重要であると認識をしております。
 このため、環境省では、地方自治体の鳥獣行政担当職員を対象に、専門的な知見の習得や技術の向上を目的とした研修会を開催するなどにより、人材の育成、確保に努めてまいります。
 また、今回の改正案では、捕獲等の担い手を育成、確保するため、鳥獣の捕獲を行う法人に対する認定制度を創設することとしております。
 こうした取り組みを通じて、引き続き、鳥獣の保護及び管理にかかわる人材の育成、確保に努めてまいります。
 特定鳥獣保護管理計画を区分することについてのお尋ねがございました。
 改正案では、特定鳥獣保護管理計画を、保護のための計画と管理のための計画の二つに区分し、生息数を減らすべきものについてはしっかり減らすなど、明確な目標を設定することとしたものです。
 御指摘のとおり、同じ鳥獣であっても、地域によっては、著しく減少している場合と、著しく増加している場合があります。しかしながら、各地域で、保護すべき鳥獣は保護し、減少させるべき鳥獣は管理しますので、煩雑になって計画立案が困難になることはないと考えております。
 被害防除対策に関するお尋ねがございました。
 鳥獣被害対策は、捕獲により生息数を適正にする個体数管理に加え、御指摘のありました、防護柵の設置等による被害防除対策も重要であると考えております。
 被害防除対策については、政府として、鳥獣被害防止特別措置法に基づいて、市町村等の対策に財政支援を行っております。
 また、環境省では、鹿、イノシシに関する特定計画策定のためのガイドラインを策定しております。この中で、耕作地周辺のやぶを刈り払う、取り残しの農作物を放置しないといった、被害の未然防除の考え方を示し、普及に努めているところでございます。(拍手)
    〔国務大臣林芳正君登壇〕
○国務大臣(林芳正君) 吉田議員の御質問にお答えいたします。
 鳥獣被害防止特措法に基づく取り組みについてのお尋ねがありました。
 平成十九年に成立した鳥獣被害防止特措法に基づきまして、被害防止計画を作成している市町村は千三百六十九まで増加するとともに、被害対策の中核を担う鳥獣被害対策実施隊、これは七百四十五まで増加をしております。
 農林水産省では、これらの鳥獣被害対策に取り組む市町村に対して財政支援を行っておりまして、平成二十三年度の有害捕獲等によるイノシシ、鹿の捕獲頭数は、平成十九年度の約十八万七千頭から、平成二十三年度には約四十五万三千頭と、二倍強まで増加しているなど、一定の成果を上げているものと考えております。
 なお、鳥獣被害防止特措法において、市町村が被害防止計画を定めようとする場合には、あらかじめ都道府県知事と協議しなければならないとされており、鳥獣保護法に基づいて都道府県知事が定める特定鳥獣保護管理計画と十分整合性のとれたものとなっていると考えております。
 以上です。(拍手)
    〔国務大臣田村憲久君登壇〕
○国務大臣(田村憲久君) 吉田議員からは、野生鳥獣肉の衛生管理基準についてのお尋ねをいただきました。
 食用に供される肉については、適切な衛生管理が求められておりますが、野生鳥獣は、飼育環境が管理されておらず、また、屠殺される場所が屋外であることなどから、一般の家畜とは異なる、独自の衛生管理が求められます。
 このため、厚生労働省において、野生鳥獣肉の安全性の確保のための研究を進めており、その中で、病原微生物による汚染実態調査や、諸外国の調査を行っているところであります。
 今後、これらの研究成果を踏まえ、野生鳥獣肉の衛生管理に関するガイドラインの作成を進めていくことといたしております。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣下村博文君登壇〕
○国務大臣(下村博文君) 吉田議員から、学校給食における野生鳥獣の利用についてお尋ねがありました。
 学校給食に地域の農林水産物を使用することは、子供たちに地域の自然や文化、産業等に関する理解を深め、生産者の努力や食に関する感謝の念を育む上で有意義であると考えております。
 御指摘の野生鳥獣については、一部の地域において、学校給食の中で、地元で捕獲した鹿やイノシシを使用した献立を取り入れ、環境教育や自然及び生命の尊重について教える取り組みが行われていると承知をしております。
 文部科学省としては、こうした取り組みの実施については、地域の実情を踏まえ、関係機関との連携のもと、地域ごとに適切に判断されるべきものと考えております。(拍手)
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○議長(伊吹文明君) それでは、次の質疑者、河野正美君。
    〔河野正美君登壇〕
○河野正美君 日本維新の会の河野正美です。
 ただいま議題となりました鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、日本維新の会を代表して質問いたします。(拍手)
 本法案は、保護によりふえた鹿やイノシシによってもたらされた農作物被害の視点から、頭数管理の概念を加えて、いわゆる鳥獣保護法から鳥獣保護管理法に改めようとするものであります。
 まず第一に、人間が生命のコントロールを試みることは、極めて重大な問題であり、必要最小限にとどめなくてはならないものと考えます。
 改めて鳥獣行政の取り組みを振り返れば、明治六年に制定された鳥獣猟規則以降、その時々の社会の要請に応じて、私たちの暮らしの平穏や、秩序の維持、鳥獣の保護や管理、それぞれに重点を置きながら、バランスをとりつつ、制度が定められてきました。
 しかしながら、結果として、鹿やイノシシを初めとする個体数が激増し、生態系が危機に瀕することとなっています。
 たび重なる法改正や新法の制定にもかかわらずこうした結果を招いたことについて、その理由をどのように捉えていますでしょうか。これまでの取り組みを振り返って、石原環境大臣がお考えになっている反省点や課題などをお示しください。
 また、今回の法改正によって危機的な状況が本当に回復できるとお考えでしょうか。重ねてお伺いいたします。
 本改正案では、これまで都道府県が策定してきた計画が、第一種特定鳥獣保護計画と第二種特定鳥獣管理計画の二種類に区別して策定されることとなります。保護と管理の見きわめ、線引きは、難しい問題と思います。何を根拠に、誰が、どのように判断するのか。これまで一本だった計画をあえて二種類に分ける意味はあるのでしょうか。
 保護も管理も、鳥獣の生態系を管理する観点では一体的に進めるべきものであり、わざわざ計画を二つつくる意味は薄いと考えますが、石原環境大臣の見解を伺います。
 平成十九年に、議員立法で、鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律が制定されています。この法律に基づいて農林水産省が中心となり鳥獣被害対策を進めていますが、鳥獣保護法の法体系とは別に鳥獣被害対策の法制度がつくられたことで、国、都道府県、市町村の役割分担が不明確になったのではないかとの指摘も聞かれます。
 鳥獣保護管理については、環境省が所管し、国が基本指針を作成して、それに即して都道府県が鳥獣保護管理事業計画を策定することになる一方で、鳥獣の被害対策については、農林水産省が所管し、国が基本指針を作成し、それに即して市町村が被害防止計画を策定する。つまり、鳥獣保護管理計画は都道府県、市町村は被害防止計画と、主体となる自治体が異なる上に、環境省と農林水産省の縦割りも存在します。
 それぞれ、整合性をとるために、どのような取り組みをされているのでしょうか。石原環境大臣、林農林水産大臣、それぞれの見解をお尋ねいたします。
 次に、管理を行う上でコントロール機能はどうするのか、お尋ねいたします。
 兵庫県では、平成十九年四月に、森林動物研究センターを開設しています。
 このセンターは、兵庫県立大学自然・環境科学研究所の教員を中心とした研究部と、技術系の兵庫県行政職員から専任された森林動物専門員などによる業務部が、一つの機関のもとで連携しています。これにより、野生生物の生息地管理、個体数管理、被害管理を科学的、計画的に行う野生鳥獣の保護管理、いわゆるワイルドライフ・マネジメントが推進されています。
 国全体のレベルでも、こうした取り組みが必要ではないかと考えます。
 国としても、本法案の実効性を確保するために、専門的知識を有する管理官の育成や活用など、専門職員の配置制度を設けるつもりなのでしょうか。加えて、年次計画や予算立ては、どのように考えておられるのでしょうか。本法案の運用管理の実際について、石原環境大臣の見解をお聞かせください。
 現在、捕獲した鳥獣の大部分は焼却処分等にされています。食肉としての利用は、わずか七%程度との報告があります。
 生命に感謝するという観点や、生命の連鎖という観点から、いわゆるジビエ料理などの食材として普及させることや、あるいは飼料などにすることを促進する考えはあるのでしょうか。捕獲した鳥獣の有効活用に関する政府の取り組みについて、石原環境大臣、林農林水産大臣にお尋ねいたします。
 そもそも、中央環境審議会自然環境部会は、鳥獣被害問題の背景には、産業構造の変化、都市部への人口集中などに伴う里地里山地域の無居住化などがあると答申しています。
 里山が荒廃し、生態系が乱れ、人間の住む領域に鳥獣が来ることで農作物被害をもたらしていることから、水際の対策だけではなく、生育環境管理、自然環境を適切に保全するという観点はあるのでしょうか。今後の、高齢化社会や人口減少が進む中で、人と鳥獣との共存について、政府の考えている方向性を石原環境大臣にお尋ねいたします。
 私のふるさと福岡県でも、さまざまな鳥獣被害が発生しています。
 福岡県は、独自品種を活用したブランド化による、競争力ある産地の育成に取り組み、収益性の高い園芸農業への転換や、安定した水田農業の実現に努めています。そのため、被害額が大きくなります。平成二十四年度の農林水産物の被害額は、十四億三千四百万円に及び、イノシシ、鹿、カラスによる被害が七六%を占めています。
 そこで、カラスによる被害についてお尋ねいたします。
 福岡県では、鳥獣被害防止緊急捕獲等対策事業を活用した対策が進められています。
 しかしながら、捕獲経費の補助単価が、大型獣類は一頭当たり八千円なのに対して、鳥類は一羽当たり二百円と、極端に差があります。駆除に用いる銃弾が一個二百円以上するため、実費負担が補助を上回ってしまいます。また、補助の条件が鳥類の回収となっていますが、鳥類の場合、全てを回収することは極めて困難であります。
 こうした実態を踏まえ、制度を、より地域の実情に応じた形で見直すべきと考えますが、林農林水産大臣はいかがお考えでしょうか。
 また、こうした事業を実施するに当たり、捕獲、回収した鳥獣の確認や、補助金の申請、支払い業務など、市町村の事務作業が発生しているにもかかわらず、事務経費の補助がない状況にあります。
 市町村の事務負担に見合った補助金制度となるよう考慮する必要があると考えますが、重ねて、林農林水産大臣の見解を伺います。
 次に、海獣に関する水産物被害についてお尋ねいたします。
 北海道などを中心として、アザラシやトドなどによる水産物被害が報告されています。
 現在、アザラシは対象ですが、トドは対象外となっています。海洋哺乳類も鳥獣保護管理法の体系下に置くべきではないでしょうか。
 襟裳岬周辺では、絶滅危惧種に指定されたゼニガタアザラシが、漁網にかかったサケなどを食べてしまうため、漁業経営に打撃を与えています。そのため、一定数の捕獲なども検討されていますが、絶滅危惧種であるために、捕獲が許されない状況にあります。
 保護と駆除の二者択一で生態系を管理するのではなく、捕獲により個体数がどのように影響するかなど、科学的な評価、分析を進めながら取り組んでいくべきと考えますが、石原環境大臣、林農林水産大臣の見解を伺います。
 また、鳥獣保護法や水産資源保護法など、野生生物の法律での位置づけがばらばらになっているため、効率的な保護や管理が行えなくなっているのではないでしょうか。
 法体系を一体化した上で、各個体を初め鳥獣全体のバランスを見きわめながら対策を進めていく必要があると考えますが、石原環境大臣の見解を伺います。
 今回の法改正では、鳥獣の管理の視点が盛り込まれるとともに、民間事業者やNPO法人などが事業を実施できるようになることも、大きな政策転換だと思います。
 狩猟の担い手不足への危機感から、多くの主体が捕獲等の事業に参画できるようにすることで、人材を育成し、担い手をふやしていこうという趣旨と受けとめていますが、狩猟者数など狩猟を取り巻く状況と法改正後の見通しについて、石原環境大臣の見解をお尋ねします。
 現在、ライフル銃の所持許可要件の一つとして、空気銃などを十年以上継続して所持していることがあります。担い手不足の背景には、猟銃を所持するための厳格な規制の存在が挙げられています。
 例えば、東日本大震災で津波によりライフル銃を流された被災者の方々は、銃が見つからなかったり、さびなどにより登録した番号が読み取れないことから、亡失扱いとなり、失効となっておられます。再びライフル銃を所持するためには、散弾銃を改めて十年以上所持しなければなりません。このために、岩手、宮城、福島を中心に、狩猟の担い手が極端に不足し、捕獲圧が低くなって、生態系が危機にさらされています。
 被災された方々は銃の使い手として技能は変わりないにもかかわらず、このような規制を課している銃刀法には、問題があると思います。
 もちろん、猟銃所持者による犯罪も発生しており、猟銃の取り扱いが厳しいことは、銃の危険性を鑑みれば、否定するものではありません。しかし、狩猟者の減少を考慮すれば、銃刀法は、改正を含めて検討する必要があるのではないでしょうか。古屋国家公安委員会委員長のお考えをお聞かせください。
 次に、民間業者等が銃器使用をなりわいとすることについて、どのようにお考えでしょうか。
 委託する民間業者やNPO法人の選定に関して、利益追求に走る可能性はないのでしょうか。営利目的が行き過ぎると、鳥獣の乱獲を招きかねません。そうした事態を避けるために政府はどのような備えをしているか、石原環境大臣にお尋ねいたします。
 重ねて、猟銃を扱うこうした事業に反社会的な勢力が参入する危険性も懸念されます。これらの点にどのような対策を講じているか。果たして、委託する事業者の適格性が担保される法律となっているのでしょうか。認定鳥獣捕獲等事業者を認定する要件もお尋ねいたします。
 また、関係団体からは、夜間狩猟の解禁は、危険であり、時期尚早という意見があります。
 ライフルの到達距離は、八百メートルから一キロ以上、物によっては四キロにも及ぶと言われています。暗闇の中で、たとえ獲物が目視できたとしても、果たして、後方の安全性が確保されるのでしょうか。
 明治六年の鳥獣猟規則制定以来禁止され続けていた日没から日の出までの間の銃猟を、一定の条件下とはいえ、一部解禁するに当たり、安全を確保するための体制について石原環境大臣はどのようにお考えでしょうか、見解を伺います。
 住宅地での麻酔銃使用についてお尋ねいたします。
 猿が住宅地に出没して、子供や老人にかみつくなどの被害が生じています。麻酔銃の到達距離はおおむね十五メートルと言われていますが、捕獲の実効性は望めるのでしょうか。
 人家が密集する地域で麻酔銃を扱えるようになると、人に危害を与える可能性も高まるように感じられます。リスクを上回る効果が見込まれると考えておられるのか、石原環境大臣にお尋ねいたします。
 我々日本維新の会は、自立する個人、自立する地域、自立する国家を実現するため、統治機構の改革、道州制の実現を目指しています。
 例えば、鳥獣保護管理行政においては、九州が一つの道州となれば、農林水産省の九州農政局、九州森林管理局、環境省の九州地方環境事務所の機能が統合され、地域の実情に応じ、住民に、より近い立場から柔軟に対応できるようになります。
 鳥獣は、県境をまたいで行動しており、各県が緊密に連携して対策を進める必要がありますが、一つの道州がそれを担えば、広域的な対策もより効率的に実施できます。
 このように、地域のことは地域で決める行政を実現すれば、きめ細かい対応が可能になり、事務コストの削減にもつながると考えますが、新藤道州制担当大臣の見解をお尋ねいたします。
 最後に、我が国固有の生態系を崩すことなく、人類と鳥獣が平和に共存できる国家となることを願って、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣石原伸晃君登壇〕
○国務大臣(石原伸晃君) 河野議員にお答えいたします。
 これまでの鳥獣行政の取り組みについてのお尋ねがございました。
 ニホンジカやイノシシの個体数の増加要因はさまざま考えられますが、耕作放棄地や放置された里地里山が、鳥獣の生息に適した環境となったこと、狩猟者が減少し、捕獲圧が減少したことなどが挙げられると思います。
 現行法は、鳥獣を保護することを中心とする法律となっており、積極的な捕獲のための措置が位置づけられていませんでした。このため、今回の改正案により、法目的に「管理」を加え、積極的に必要な捕獲を行う事業を導入するなどの転換を図ることとしております。
 環境省としては、現在の生態系の危機的状況を改善し、人と鳥獣の共生を図るため、改正法を活用した対策を進めていく所存です。
 保護計画と管理計画についてのお尋ねがありました。
 これまでの計画は、保護のためという位置づけの中で被害対策も行うこととしたため、減らすべき鳥獣に対する取り組みが不十分でした。
 そこで、改正案では、特定計画を、保護のための計画と管理のための計画の二つに、明確に区分しております。これにより、目的を明確化した施策を効率的に進めることができると考えております。
 環境省と農林水産省の施策の整合性についてのお尋ねがありました。
 それぞれの法律のもとで策定される基本指針や計画を整合的なものにするため、農林水産省と互いに協議をこれまで行ってきたところでもございます。
 また、都道府県に対して、都道府県と市町村の双方の計画の整合性を確認するよう、指導助言をしているところでもございます。
 専門職員の配置についてお尋ねがございました。
 鳥獣行政は、基本的に都道府県の自治事務であり、地方分権推進の観点から、その実施に必要な職員配置は、都道府県知事が個々に判断すべきものと考えております。
 一方、鳥獣行政の推進のためには、専門的人材の配置も含め、鳥獣の保護及び管理に関する専門的知見を有する人材の育成と確保が重要と認識しております。
 このため、環境省では、地方自治体の鳥獣行政担当職員を対象とした研修会の開催など、技術的支援を行っております。
 本法律の成立後は、改正法が効果的に機能するよう、都道府県への必要な支援を検討するなど、適切に対応してまいりたいと考えております。
 捕獲した鳥獣の有効活用についてのお尋ねがありました。
 環境省としても、可能な場合は、捕獲した鳥獣を食肉などとして活用することが重要だと認識しております。関係省庁と連携し、食肉利用を含む鳥獣の有効活用の方策について検討していきたいと考えております。
 人と鳥獣の共存についてのお尋ねがありました。
 社会の高齢化や人口減少が進む中で、生態系が乱れ、鳥獣被害の増加をもたらしている側面があるのは、事実として認識しております。
 今後も人と鳥獣が共存していくためには、生息環境管理の観点からも、自然環境の適切な保全が重要であると考えております。
 海生哺乳類の取り扱いについてのお尋ねがありました。
 海生哺乳類の保護管理に当たっては、御指摘のとおり、生息数などのデータを収集し、科学的な評価、分析を進めながら取り組んでいくべきだと考えております。
 また、法律により対策の所管が分かれていますが、これまでも、水産庁及び北海道庁と、検討会等を通じて情報共有を図っており、今後も、より一層連携を強化してまいりたいと考えております。
 鳥獣に関する法体系についてお尋ねがありました。
 生物多様性基本法に基づき閣議決定された生物多様性国家戦略において、それぞれの法律に基づく施策の連携、調整を図り、総合的かつ計画的に対策を進めることとしております。これによりまして、全体として生物多様性の保全が図られるようになると考えております。
 狩猟を取り巻く状況と法改正後の見通しについてのお尋ねがありました。
 狩猟者の数は減少傾向にあり、昭和四十五年度にはおよそ五十三万人であったものが、およそ四十年の間に六割減少して、平成二十三年度には、およそ二十万人となりました。また、現在、狩猟者に占める六十歳以上の割合は六割を超えており、狩猟者の減少と高齢化は深刻な状況でございます。
 生態系や農林水産業への鳥獣被害が深刻化している中で、これらの被害の防止のためには、鳥獣捕獲の担い手の育成は極めて重要な課題と考えております。
 このような認識のもとで、今回の改正案では、鳥獣の捕獲を行う法人に対する認定制度を導入します。これは、これまでの個人の狩猟者による捕獲に加え、法人による組織的な捕獲を推進するものであり、これにより捕獲数の増加を図っていきたいと考えているところでございます。
 鳥獣の捕獲等を委託する事業者についてのお尋ねもありました。
 鳥獣の捕獲等の事業は、鳥獣行政を担う都道府県などが、計画に基づいて、捕獲する数や地域を限定して事業者に委託するものであります。このため、鳥獣の乱獲を招くような事態は想定しておりません。
 認定要件でありますけれども、法人であること、安全管理体制や従業員の技能、知識が一定の基準に適合していること、役員が鳥獣法違反者でないこと等とし、詳細は環境省令で定めることとしております。
 事業者の適格性が担保されるよう、具体的な認定要件についても検討してまいりたいと考えております。
 銃による捕獲等の規制緩和についてのお尋ねがありました。
 夜間の銃による捕獲等の規制を緩和するに当たっては、安全確保の観点から、厳格な要件のもとで、限定的に実施を認めることとしています。具体的には、夜間の銃による捕獲等は、都道府県または国の機関の委託を受けた認定事業者に限定して認めます。
 さらに、認定事業者が夜間の銃による捕獲等を実施するに当たっては、実施日時、実施区域、実施方法、安全管理体制などが適切であることについて都道府県知事の確認を受けることとしており、これらの確実な実施により、安全を確保してまいりたいと考えております。
 最後に、麻酔銃の使用についてお尋ねがございました。
 麻酔銃は、有効射程距離が短いため、誤射の危険性が小さいとされております。
 改正案では、真に必要な場合に限って、人身に危害を加えることなく行われるよう、都道府県知事の許可制としたところでもあります。
 今般の措置により、人家が密集する地域においても、より安全かつ速やかに捕獲することが可能になると考えております。(拍手)
    〔国務大臣林芳正君登壇〕
○国務大臣(林芳正君) 河野議員の御質問にお答えいたします。
 鳥獣保護法と鳥獣被害防止特措法に基づく取り組みの整合性についてのお尋ねがありました。
 鳥獣被害防止特措法において、市町村が被害防止計画を定めようとする場合には、あらかじめ都道府県知事と協議しなければならないとされておりまして、鳥獣保護法に基づいて都道府県知事が定める特定鳥獣保護管理計画と十分整合性のとれたものとなっていると考えております。
 また、鳥獣被害対策については、環境省とともに関係省庁連絡会議を開催するなど、関係省庁一丸となって取り組む体制を整えるとともに、農林水産省と環境省において、十年後までに鹿とイノシシの個体数を半減する目標、これを掲げまして、捕獲対策を強化することとするなど、環境省と連携して取り組んでおります。
 次に、捕獲鳥獣の有効利用についてのお尋ねがありました。
 農林水産省においては、鳥獣被害対策における捕獲後の処理の一環として、捕獲鳥獣の食肉処理加工施設の整備、販売面の強化を目指す取り組みを支援するとともに、狩猟者、加工事業者、販売事業者などの関係者が連携しながら行う、ジビエ商品の開発や販路開拓などの六次産業化の取り組みについて、支援しているところであります。
 引き続き、地域の実情に応じた野生鳥獣の食肉等の利活用について、各種支援を講じてまいります。
 次に、鳥獣被害防止緊急捕獲等対策における支援単価等についてのお尋ねがありました。
 農林水産省においては、深刻化、広域化する野生鳥獣による農産物被害の主な原因となっている鹿及びイノシシを中心に緊急的に捕獲を進めるため、捕獲経費の二分の一相当を支援する措置を平成二十四年度補正予算において講じております。
 議員御指摘のカラスを含めた鳥類については、本年四月に、特定の鳥類の捕獲強化が地域の被害軽減の促進に不可欠な場合に支援単価を弾力化できるようにするとともに、捕獲個体の回収等についても、地域の実情に応じた対応ができることを明確化したところであります。
 次に、市町村の事務負担に見合った補助金制度についてのお尋ねがありました。
 鳥獣被害防止緊急捕獲等対策において、事業実施主体である市町村や地域協議会が支払い事務に伴う捕獲現場での確認等に要した経費については、補助対象としております。
 今後とも、地域の実情を踏まえつつ、事業を実施してまいりたいと思います。
 最後に、ゼニガタアザラシ対策についてのお尋ねがありました。
 ゼニガタアザラシについては、環境省において、漁業との共存に向けて、今後、生息数などのデータの収集と分析等が進められるものと承知しております。
 農林水産省としても、環境省に対し、これまで蓄積したトド被害防除に関する情報提供、専門家の派遣等によって協力してきたところでありまして、引き続き連携をしながら、海獣被害対策に取り組んでまいります。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣古屋圭司君登壇〕
○国務大臣(古屋圭司君) 河野議員にお答えをいたします。
 銃刀法の改正を含めた検討の必要性についてお尋ねがございました。
 警察としても、鳥獣被害対策の重要性は認識をいたしておりますが、銃砲の規制は治安の根幹をなすものであることから、銃砲による事件、事故防止の観点からは、ライフル銃の所持許可要件を一律に緩和するなどの法改正を行うことは、適当ではないと考えております。
 他方で、警察としては、銃刀法の規定に基づき、市町村が設置をする鳥獣被害対策実施隊の隊員について、猟銃の所持期間が十年未満でもライフル銃の所持許可の対象としており、今回の鳥獣保護法改正案の認定鳥獣捕獲等事業者についても、同様の措置を講ずることが可能か、環境省と検討することといたしております。
 このほか、本年度より、各種講習の休日開催等を全国警察に指示したところであります。
 今後とも、銃砲の規制とのバランスを考慮しつつ、必要な措置を講じてまいります。(拍手)
    〔国務大臣新藤義孝君登壇〕
○国務大臣(新藤義孝君) 河野議員から、道州制についてのお尋ねをいただきました。
 道州制の導入は、国と地方の役割分担を見直し、住民に対する行政サービスの向上や行政の効率化を図るとともに、国家の統治機能を集約、強化することを目指すものであります。
 御指摘の鳥獣保護管理行政のように、都道府県の区域を超える広域的な行政課題に効率的に対応するために道州制も一つの有効な方策であると考えられますが、道州制の導入は、何よりも、国と地方のあり方を根底から見直す大きな改革であることから、その検討に当たっては、国民的な議論が必要です。
 現在、与党において、道州制に関する基本法案について、その早期制定を目指し、精力的に議論が行われているところでありまして、政府といたしましては、国会等における議論の動向を踏まえながら、取り組んでまいりたいと存じます。(拍手)
○議長(伊吹文明君) 以上をもって、予定されておりました質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
○議長(伊吹文明君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時五十九分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       文部科学大臣  下村 博文君
       厚生労働大臣  田村 憲久君
       農林水産大臣  林  芳正君
       経済産業大臣  茂木 敏充君
       国土交通大臣  太田 昭宏君
       環境大臣    石原 伸晃君
       国務大臣    新藤 義孝君
       国務大臣    古屋 圭司君
 出席副大臣
       環境副大臣   北川 知克君