第186回国会 予算委員会 第4号
平成二十六年二月四日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 二階 俊博君
   理事 上杉 光弘君 理事 金田 勝年君
   理事 塩崎 恭久君 理事 萩生田光一君
   理事 林  幹雄君 理事 森山  裕君
   理事 長妻  昭君 理事 山田  宏君
   理事 石田 祝稔君
      あかま二郎君    秋元  司君
      伊藤 達也君    今村 雅弘君
      岩屋  毅君    うえの賢一郎君
      越智 隆雄君    大島 理森君
      金子 一義君    小池百合子君
      佐田玄一郎君    菅原 一秀君
      関  芳弘君    薗浦健太郎君
      田畑 裕明君    高橋ひなこ君
      武村 展英君    東郷 哲也君
      豊田真由子君    中川 郁子君
      中山 泰秀君    永山 文雄君
      西川 公也君    根本 幸典君
      野田  毅君    野中  厚君
      原田 義昭君    藤原  崇君
      船田  元君    細田 健一君
      堀井  学君    三ッ林裕巳君
      宮内 秀樹君    宮川 典子君
      宮路 和明君    保岡 興治君
      山本 幸三君    山本 有二君
      大串 博志君    岡田 克也君
      奥野総一郎君    篠原  孝君
      玉木雄一郎君    古川 元久君
      遠藤  敬君    小沢 鋭仁君
      坂本祐之輔君    重徳 和彦君
      杉田 水脈君    中山 成彬君
      西野 弘一君    伊佐 進一君
      高木美智代君    浜地 雅一君
      柏倉 祐司君    佐藤 正夫君
      中島 克仁君    柿沢 未途君
      小池 政就君    赤嶺 政賢君
      宮本 岳志君    畑  浩治君
      村上 史好君
    …………………………………
   内閣総理大臣       安倍 晋三君
   財務大臣
   国務大臣
   (金融担当)       麻生 太郎君
   総務大臣
   国務大臣
   (国家戦略特別区域担当)
   (地方分権改革担当)   新藤 義孝君
   法務大臣         谷垣 禎一君
   外務大臣         岸田 文雄君
   文部科学大臣       下村 博文君
   農林水産大臣       林  芳正君
   経済産業大臣
   国務大臣
   (原子力損害賠償支援機構担当)          茂木 敏充君
   国土交通大臣       太田 昭宏君
   環境大臣
   国務大臣
   (原子力防災担当)    石原 伸晃君
   防衛大臣         小野寺五典君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     菅  義偉君
   国務大臣
   (復興大臣)       根本  匠君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長)
   (防災担当)       古屋 圭司君
   国務大臣
   (沖縄及び北方対策担当)
   (科学技術政策担当)
   (宇宙政策担当)     山本 一太君
   国務大臣
   (消費者及び食品安全担当)
   (少子化対策担当)
   (男女共同参画担当)   森 まさこ君
   国務大臣
   (経済再生担当)
   (経済財政政策担当)   甘利  明君
   国務大臣
   (行政改革担当)
   (公務員制度改革担当)
   (規制改革担当)     稲田 朋美君
   財務副大臣        古川 禎久君
   厚生労働副大臣      佐藤 茂樹君
   衆議院法制次長      橘  幸信君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  菱山  豊君
   政府参考人
   (外務省欧州局長)    上月 豊久君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房年金管理審議官)       樽見 英樹君
   政府参考人
   (厚生労働省政策統括官) 唐澤  剛君
   参考人
   (日本銀行総裁)     黒田 東彦君
   予算委員会専門員     石崎 貴俊君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月四日
 辞任         補欠選任
  衛藤征士郎君     田畑 裕明君
  越智 隆雄君     三ッ林裕巳君
  大島 理森君     高橋ひなこ君
  小池百合子君     宮川 典子君
  菅原 一秀君     細田 健一君
  西川 公也君     中川 郁子君
  船田  元君     武村 展英君
  篠原  孝君     奥野総一郎君
  杉田 水脈君     小沢 鋭仁君
  中山 成彬君     遠藤  敬君
  浜地 雅一君     高木美智代君
  佐藤 正夫君     中島 克仁君
  柿沢 未途君     小池 政就君
  宮本 岳志君     赤嶺 政賢君
  畑  浩治君     村上 史好君
同日
 辞任         補欠選任
  田畑 裕明君     東郷 哲也君
  高橋ひなこ君     大島 理森君
  武村 展英君     野中  厚君
  中川 郁子君     永山 文雄君
  細田 健一君     菅原 一秀君
  三ッ林裕巳君     越智 隆雄君
  宮川 典子君     小池百合子君
  奥野総一郎君     篠原  孝君
  遠藤  敬君     中山 成彬君
  小沢 鋭仁君     杉田 水脈君
  高木美智代君     浜地 雅一君
  中島 克仁君     柏倉 祐司君
  小池 政就君     柿沢 未途君
  赤嶺 政賢君     宮本 岳志君
  村上 史好君     畑  浩治君
同日
 辞任         補欠選任
  東郷 哲也君     根本 幸典君
  永山 文雄君     宮内 秀樹君
  野中  厚君     船田  元君
  柏倉 祐司君     佐藤 正夫君
同日
 辞任         補欠選任
  根本 幸典君     豊田真由子君
  宮内 秀樹君     西川 公也君
同日
 辞任         補欠選任
  豊田真由子君     藤原  崇君
同日
 辞任         補欠選任
  藤原  崇君     堀井  学君
同日
 辞任         補欠選任
  堀井  学君     衛藤征士郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 平成二十五年度一般会計補正予算(第1号)
 平成二十五年度特別会計補正予算(特第1号)
 平成二十五年度政府関係機関補正予算(機第1号)
 予算の実施状況に関する件(安倍内閣の基本姿勢)
     ――――◇―――――
○二階委員長 これより会議を開きます。
 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。
 本日は、安倍内閣の基本姿勢についての集中審議を行います。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁黒田東彦君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として内閣官房内閣審議官菱山豊君、外務省欧州局長上月豊久君、厚生労働省大臣官房年金管理審議官樽見英樹君、厚生労働省政策統括官唐澤剛君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○二階委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○二階委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。萩生田光一君。
○萩生田委員 おはようございます。自由民主党の萩生田光一でございます。
 十五分という限られた時間でございますので、オリンピックに関連して、何点か総理の思いをお尋ねしていきたいと思います。
 二〇一六年の招致に失敗をした後は東京都も国もかなり意気消沈をして、一度は諦めかけたオリンピック・パラリンピック招致でありましたけれども、足らざるところをもう一度再点検し、そして、本当にみんなで力を合わせて二〇二〇年招致をかち取った、私はそんな思いがいたします。
 ラスト九カ月は、安倍総理が強烈なリーダーシップを発揮され、各国を訪問していただいたりする中で、また関係者も大変な御努力をいただいて、総理もいつもおっしゃっているように、日本という国は、心を一つにみんなで力を合わせれば、本当に大きな力を発揮できる国なんだ、そのことを国民にも証明する大きな出来事だったというふうに私は思います。
 あのブエノスアイレスの地にともに出席をさせていただいたことに私も責任を感じながら、六年後の大会の成功に向け、皆さんとともに頑張っていくことを改めてお誓い申し上げたいと思います。
 そこで、ブエノスアイレスでの国際社会との約束を六年間という時間軸の中で果たしていかなくてはなりません。最高のオリンピック・パラリンピックを提供するのはもちろんですけれども、この機会に、震災から復興した東北の姿をしっかりと世界の皆さんにも見ていただかなくてはなりませんし、あわせて、我が国の文化、環境、あるいは建築技術、科学技術など、改めて世界に日本の魅力を発信する最高のチャンスであると思っております。
 過日、我が党の野田総務会長が提案しましたように、パラリンピックに重点を置いて、全ての障害者に優しいユニバーサルデザインの公共施設、まちづくりを進め、その先に、超高齢化社会に対応できる強く優しい日本、これをつくっていこう、こんな提案もさせていただいたところでございます。
 八月の東京というのは暑いです。猛暑に対して、日本の打ち水の文化に技術を加えた、例えば地下水を利用した散水ですとかミストですとか、ヒートアイランド対策をしっかりやって、そして、クーラー以外の冷却システム、いろいろな技術が今はあります。あるいは、クールダウングッズというのは日本が最も先進的に取り組みをしておりますので、こういったものを各メーカーや研究機関の皆さんにも大いにビジネスモデルを発表してもらい、日本の技術力をアピールする機会にするべきだと私は思います。また、成長戦略の一つの大きなファクターにもできるというふうに思っております。
 そして、その技術力は、亜熱帯の地域、例えば四十周年を迎えたASEANの国々ですとか、中東の国々、なかなか夏季のオリンピックはできないんじゃないかと言われていた国々に対して、北京オリンピックは暑くてしようがなかったけれどもということで終わりましたけれども、さすが日本、東京のオリンピックは、ああいった技術をもってすれば暑い地域でもオリンピックができるんだということをしっかり証明できれば、これは国際社会にも大きな貢献になると思います。
 日本という国は、期限が決まると、時間が決まると物すごい底力を発揮することができる国だと自負をしますが、改めて、総理は、この六年間という時間軸を使って、このオリンピック・パラリンピック、どんな大会に位置づけて開催したいとお考えなのか、お尋ねしたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 私たち政府としては、あと六年というよりも、もう六年しかないという気持ちで、世界のアスリートがやってくる東京オリンピック・パラリンピックにおいて、彼らが最も力を発揮しやすい、まさに世界に誇る大会にしていきたい、こう思っているわけであります。
 特に、日本においては、今、萩生田委員が指摘をされたように、太陽光発電を初め環境エネルギーがあります、そうした技術、あるいはまたITを活用した交通システムの技術もございます。こうした技術を駆使しながら、世界じゅうからたくさんの人たちがやってきます、この東京オリンピックはすばらしかった、そう思っていただけるようなオリンピックにしていきたいと思いますし、また、パラリンピックでもあるわけでありまして、世界の方々がやってきて、障害者の皆さんにとって、まさに日本というのは障害者の方々にもチャンスのある、いわゆるバリアのない東京であり日本であるということを認識していただく大会にもしていきたい。
 そして、技術だけではなくて、日本にはすぐれた文化、芸術もありますし、おいしい、世界遺産となった和食もございます。そして、何といっても日本人の心のこもったおもてなしがございますから、こうしたものを駆使しながら、日本の伝統にも触れていただく。そして、東京だけではなくて日本全体が盛り上がっていく、活力を得られるような、それとともに、世界の皆さんに支援をしていただいた東北がしっかりと復興したということをお示しできるような、そういう大会にしていきたいと思っております。
○萩生田委員 ぜひ、今総理のおっしゃったオリンピック・パラリンピックに向けて、みんなで心一つにさらに頑張っていきたいと思います。
 総理は二月七日のソチ五輪の開会式に行かれるとお聞きをしました。直近のIOC総会で多くの御支援をいただいたIOCの皆さんが集まる開会式に出席をし、お礼を申し上げることは、国際社会の儀礼としても当然と私は評価をしますが、一方、日本における二月七日は北方領土の日であり、毎年、北方領土返還要求の大会が各地で行われる日でもあります。
 もっとも、この日はもともと一八五五年に当時の江戸幕府と帝政ロシアとの間で日露通好条約が結ばれた日であり、これは別名日露和親条約とも呼ばれ、両国にとっては平和的に国境を定めた前向きな記念の日でもあります。
 当初は大会中盤での出席を検討していたというふうに漏れ聞いておりましたけれども、その総理があえてこの日にソチへ出向くに至った経緯と、翌日の首脳会談に臨む決意をお尋ねいたします。
○安倍内閣総理大臣 昨年の十月に行われましたバリでのAPECの首脳会合の際に日ロ首脳会談を行ったわけでございますが、この際、プーチン大統領からソチ・オリンピックへの招待がございました。招待の中でも、やはりロシア側としては開会式という思いがあったんだろう、このように思っているところでございますが、今回、開会式への出席によって、プーチン大統領との個人的な信頼関係をさらに強固なものにしていきたい、こう考えているところでございます。
 日ロ関係は最も可能性に富んだ二国間関係だ、こう思っています。アジア太平洋地域の戦略環境が大きく変化をする中、日ロ関係の強化は、両国の利益に合致するのみならず、地域の安定にとっても重要であろう、こう考えているわけであります。
 こうした観点から、国会日程の合間を縫いまして、七日に行われます北方領土返還要求大会で御挨拶を行った後、ソチ・オリンピックの開会式に出席をいたしまして、八日にプーチン大統領との間で首脳会談を行うことを決断させていただいたところでございます。
 私が総理に就任をいたしましてから、この首脳会談が実現すれば、首脳会談としては五回目となるわけでございますが、プーチン大統領との信頼関係を深めつつ、ロシアとの協力をあらゆる分野で進めながら、日ロ関係を全体として高めていくことによって、今後の平和条約締結交渉の前進を図っていきたい、このように思っております。
 また、この際、オリンピックにおいて御協力をいただいたIOC委員の皆さんにもお礼を申し上げたいと思っておりますし、もちろん、日本人選手を激励してきたい、このように思っているところでございます。
○萩生田委員 二月七日の返還要求大会に出席をされて、その後にソチに向かわれるということでございますので、歴史上、新たな一ページを刻む二月七日にしていただきたいなと思います。
 文科大臣にお尋ねします。
 一九六四年のファンファーレは、公募によりまして、長野県の今井光也さんという方の作品を採用したそうです。古賀メロディーとしても有名な東京五輪音頭ですとか、開会前からかなりオリンピックムーブメントをつくってきました。
 昨年、国民体育大会の開会式では、その何年も前から啓蒙してきたゆりーとダンスというものを多くの市民団体の皆さんが踊ってくれました。東京の小学生では踊れない人はいないというぐらい、体育の授業でも採用したようです。都内の高校生のダンスパフォーマンスも、本当に、これだけの学校の生徒がどうやって練習したんだろうかと思えるぐらいすばらしいものでありまして、大臣も一緒に拝見をされたというふうに思います。
 ややもすると、組織委員会の皆さんも多忙の中で、どうしても広告代理店ですとかPR会社に依存してしまって、そして、プロやノンプロの皆さんが行う開会式ですとかパフォーマンスになる傾向があるんですけれども、せっかく六年間という時間軸があります。本当に、さまざまな国民の皆さんに参加をしていただいてすばらしいオリンピックをつくっていくべきだと思いますけれども、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○下村国務大臣 貴重な御提言をいただきまして、ありがとうございます。
 おっしゃるとおり、ぜひ、二回目の東京オリンピック・パラリンピックでありますから、都民だけでなく国民、そして、開会式には、テレビを通じて二十億とか三十億とか、世界じゅうの方々が見ていただくものでもあるというふうに思いますから、できるだけ大勢の方々が参加できるような、一九六四年の東京オリンピックを参考にしながら、まさにオール・ジャパン、そして、世界全体で、一般の方々も共有できるような、そういうことについて、今提言されたことを踏まえまして、私もこの調整会議のメンバーでもございますし、新都知事が誕生したら、連携しながら、提言を踏まえてしっかり対応してまいりたいと思います。
○萩生田委員 ぜひ、アスリートだけじゃなくて、多くの国民がいろいろな機会に、オリンピックに参加をした、こう思っていただけるような大会を目指してやっていきたいな、やっていただきたいな、そんなふうに思っております。
 時間がなくなってしまいましたので、ちょっとはしょって国交大臣にお尋ねします。
 東北の復興も大切です。また、これでオリンピック関連の整備も進めなきゃなりませんし、国土強靱化、震災に備えた安心、安全の公共事業もやっていかなきゃならない。
 現在、何が起こっているかといいますと、技術者不足による不調、不落が続いているわけでございます。
 アベノミクスのおかげで、国も非常に考えて、きょうは伊藤会長もいらっしゃいますけれども、中小企業にもぜひ国の事業に参加していただこうというので、去年一年間、かなり分離発注や地元優先発注というものをやってきました。
 それはいいことなんですけれども、わかりやすく言いますと、一億円の工事を三つに分けると、確かに中小企業の出番が出てくるんですけれども、その三つに分けた三カ所に一人ずつ専任の技術者を置かなきゃならないルールになっております。その結果どうなったかといいますと、また日本じゅうで技術者が足りなくて現場の管理ができないという負のスパイラルになっているところであります。
 私は、確かに、そういうルールを決めた背景というのは十分承知をしておりますから、劣悪な工事が進むことのないようにきちんと一級施工管理士を置く、これは大事なことだと思うんですけれども、例えば、道路施工のように平たんなところで、五百メートルだから金額的に二級の人で管理していいけれども、これが一千メートルになるから一級を置かなきゃならないんだというのは、現場の実態とはかなり違うんだと思います。
 要するに、金額的なもので頭打ちをしているものですから、一級の施工管理士をどうしても置かなきゃいけないという事態が延々と続いているわけです。道路舗装などは、同じ作業をするんだったら、私は、金額が膨らんだとしても二級の皆さんで責任を持ってきちんとできるんじゃないかというふうに思っております。
 この際、試験的にでも、あるいはエリアを限定しても結構ですし、技術困難な工事などはやはり当然一級の皆さんにやってもらうべきでしょう。しかしながら、ある程度安全管理が確保できるような公共事業については、私は、これは思い切って金額の上限を外して、二級の施工管理士の皆さんに現場を責任を持って見ていただくことによって、今日のミスマッチはある程度解消できるんじゃないかというふうに思っておりますけれども、御所見を伺いたいと思います。
○太田国務大臣 御指摘のとおり、技能者、職人さん、技術者、いわゆる現場監督をする人、これらの人が不足をしているということがございます。とにかく、今まで、何とかしよう、こうしてきまして、具体的には、主任技術者一人で兼任できる工事の範囲につきまして、従来五キロであったものを十キロまでできるということをことしのこの二月から全国的にスタートをさせていただいたり、発注ロットの大型化等の工夫も進めさせていただいております。
 今後、御提案も含めて、関係者の意見も伺いながら、さらに検討を深めたいと思っております。
○萩生田委員 終わります。
○二階委員長 これにて萩生田君の質疑は終了いたしました。
 次に、高木美智代君。
○高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。
 私は、軽減税率と女性が輝く社会につきまして質問をさせていただきます。
 まず、四月に消費税が八%に上がります。中小企業、小規模事業者は価格転嫁を心配していらっしゃいます。それがうまくいかなければ、一〇%はないと思います。
 また、軽減税率につきまして、国民の期待は大きいものがあります。八%のときは制度設計が間に合わないということでできませんでしたが、平成二十六年度与党税制改正大綱では、「関係事業者を含む国民の理解を得た上で、税率一〇%時に導入する。」と合意をいたしました。中小企業の事務負担がふえるとの懸念に対応するため、公明党は、現行の請求書と帳簿を活用する比較的簡易な経理方式を提案しておりまして、この課題も十分にクリアできていると思っております。
 多くの国民が望んでいらっしゃる軽減税率の導入に向けまして、準備を急ぐべきです。まず、対象品目をどうするのか、また、納税事務のあり方など詳細な制度設計につきまして、与党間で協議を急ぐべきだと考えます。
 一方、政府におきましても、与党の結論をただ待つのではなく、与党大綱に沿って何ができるのか、財務省内で前向きに検討を進めるべきです。
 総理、財務省にそのように指示をされてはいかがでしょうか。総理、また財務大臣の御見解を伺います。
○安倍内閣総理大臣 政府としては、財務省より、これまで与党税制協議会や同軽減税率制度調査委員会における軽減税率の議論において、例えば、海外の事例や制度、各種調査や統計、あるいはまた法制上の執行上の論点などについて、資料の提出や御説明を行ってきたところでございます。
 いずれにいたしましても、軽減税率については、二十六年度与党税制改正大綱において、引き続き、対象品目の選定や区分経理等のための制度整備を含むさまざまな課題について与党税制協議会において検討する、こうされているところでございます。これはもう御承知のとおりでございます。
 政府としては、これを踏まえた与党における検討をまずは見守っていきたいと考えております。
○高木(美)委員 恐らく同じ答弁だと思いますが、前向きな答弁を期待いたします。国民の期待は大きいです。
○麻生国務大臣 今総理から申し上げられましたとおり、これは政府といたしましても、事務方に対してさまざまな資料の提出を既に行ってきたところでございます。もうごらんになったと存じますが。
 なお、昨年十二月の二日に行われました政府税制調査会におきましても、軽減税率について、さまざまな課題というものにつきまして指摘する御意見があったと承知しておりますが、いずれにしても、この軽減税率制度につきましては、よく言われるように、イクラはいいけれどもキャビアはだめとか、どこでどう線を引くかというのはなかなか難しいという対象品目の設定、それから、区分処理をするために、いわゆる法整備をいろいろやっていかないかぬ。当然のこととして、それは、中小零細企業に対しましても、細かなことをやっていただくことになります。また、これをやりますと、対象範囲にもよりますけれども、どれぐらい税源が減るか、税収入が減るかというのに対して、安定税源を確保する等々の問題があります。
 いずれにしても、これは、政治的な判断というのが一番最後のことを決めることになるところが多いと思いますので、政府としても、与党の御意見をよく尊重、拝聴させていただいた上、必要な対応はきっちり行ってまいりたいと考えております。
○高木(美)委員 欧米にできて日本にできないわけがないと考えます。ぜひとも、国民の強い期待を背に、解決策を準備していただきたいと思いますので、強く求めて、次に移らせていただきます。
 総理の応援団である安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会のメンバーで、NHK経営委員である長谷川三千子氏が、ある新聞のコラムで、要約しますと、女性は家で育児、男性は外で仕事ということをおっしゃいまして、男女雇用機会均等法以来進められてきた女性も働くことができる今の社会は、誤りを反省して方向を転ずべきとされておりまして、今、大論争になっております。
 総理お考えの男女共同参画と相入れない話だと思いますが、総理はどのようにお考えでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 長谷川三千子先生も、御本人も女性として、埼玉大学の教授であられて、現在は名誉教授ですが、大変な活躍をしておられるんだろう、このように思うわけでございます。
 仕事で活躍している女性も、また家庭に専念している女性も、全ての女性がその生き方に自信と誇りを持って輝ける社会、これが私の目指す社会でございます。
 安倍内閣では、女性の活躍を成長戦略の中核と位置づけているわけでございまして、女性が輝く社会をしっかりとつくっていきたい、日本は世界の中において最も女性が輝いている国だ、そういう日本をつくっていきたいと考えております。
○高木(美)委員 乙武洋匡さん、「五体不満足」で有名な方ですが、次のように反論していらっしゃいます。
 フランス、イギリス、スウェーデン、デンマークなどはかなり高い出生率を保っている、実は、これらの国も女性の社会進出に伴って出生率が低下してきた歴史がある、その危機感に対して、まずは、女性が働き、仕事によって自己実現を図ることのできる社会を肯定することからスタートをしたんです、そして、保育施設の拡充、産休後の地位を保障するキャリア制度など、まさに今我が国が進めていることですが、女性が仕事と育児を両立できる社会を再構築してきた、結局、ワーク・ライフ・バランスに注意が払われ、仕事も育児も両立できる社会において出生率が上がっていることが確認できる、このように簡潔に述べていらっしゃいます。
 全く私はそのとおりだと思います。今女性が、育児か仕事か、こうした二者択一を迫られない社会、今総理がおっしゃった、全ての女性が輝く社会、また、それはワーク・ライフ・バランスに配慮されなければならないと思いますし、そうした社会は、ひいては男性も高齢者も障害者も働きやすい社会と私は考えております。総理が昨年七月に会われたフェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグさんの話にも共通することではないかと思います。
 さて、総理にお伺いいたします。
 どうも、総理がおっしゃる女性が輝く社会というのは、トップクラスの女性の話で、女性全体を支えて底上げする話とちょっと違うんじゃないかというお声がよく聞こえてまいります。トップランナーも大事、全体が働きやすい環境づくりをしっかりとしておくことが大事かと思います。
 具体的にどのようにお考えか、総理のお考えを伺います。
○安倍内閣総理大臣 私が目指している社会は、先ほど申し上げましたように、全ての女性が生き方に自信と誇りを持ち、そして、持てる可能性を開花させることができる社会でありまして、これは、先ほど例として挙げられたフェイスブックのCOO、あのような方々だけを対象としているわけではございません。まさに全ての女性がさまざまな生き方の中においてその可能性を開花できるということでございまして、そのためには、政府としては、さまざまな選択肢をしっかりと用意していくことが大切であろう、こう考えているわけであります。
 昨年四月に、私から経済界に対しまして、子育てに専念したい方には最大三年間の育児休業の選択肢を認めること、全上場企業で役員に一人は女性を登用することの二点を要請したところでございます。
 また、育児休業給付の引き上げ、待機児童解消加速化プランの展開など、子育てと仕事の両立に取り組んでいるわけでございまして、さらに、テレワークなど多様な働き方への推進、再就職に向けたインターンシップや起業への支援なども推進をしている次第でございまして、さまざまな分野で活躍をしようとしている、あるいは、いろいろな生き方をしようとしている女性の皆さんをしっかりと支援をしていきたい、こう考えているところでございます。
○高木(美)委員 総理は、先日の御答弁の中で、社会政策としてではなく、女性の成長戦略として位置づけるといった趣旨の御発言をされました。
 ちょっと公明党の今までの取り組みを御紹介したいと思います。
 公明党の全議員の約三割は女性議員でございます。国会は一二%と少ないものの、全体では二〇二〇・三〇、いわゆる二〇二〇年には社会のあらゆる分野で指導的立場の三〇%は女性にしていこうという政策につきましては、既に公明党は達成したということになるわけでございます。
 私は、実は十年前に「輝け!女性」とスローガンを掲げまして初当選をいたしました。総理が今おっしゃっていることと実に共通していると思っておりますが、そのとき、先輩議員たちが、各党で初めて女性マニフェストというのをつくりまして、一気に女性政策を進めてまいりました。それらをまとめて、二〇〇八年、公明党女性サポート・プランを策定いたしました。その概略がこれでございます。
 女性の一生を丸ごとサポートしよう。全ての女性が活躍するためには健康がベースになるわけでございますが、当時はまだ性差に基づく医療も我が国はおくれているということから、健康、生活、就労、こういう順番となっております。
 これらの政策はほんの一部でございますが、例えば、健康につきましては、女性専門外来の拡大、また、乳がん検診にマンモグラフィーの導入、また、乳がん、子宮頸がん検診の支援。
 また、生活におきましては、不妊治療費助成の拡充、妊婦健診の公費助成、児童手当の拡充、これにつきましては、今回、消費税八%引き上げ時には、影響緩和のために一人一万円の一時金をお渡しする、こういう形にもなっております。出産育児一時金の増額、待機児童の解消等。
 また、労働につきましては、女性の起業支援、ストーカー、DV防止対策、育児・介護支援の拡充等々進めてきたわけでございます。
 こういう中にありまして、私たちは、与党のときも野党のときも、各党と折衝しながら実現をしてまいりました。六年たって、今見ますと、これらの政策が社会に定着をしているという実感があります。各地の女性議員が、苦しんでいる方のお声を聞いて、国につなげてくれて、一緒に実現をしてきたものです。地に足ついた、生活実感に根差した成果と言えると思います。
 こうした公明党の取り組みを総理としてどのようにお感じか、また、具体的に今後これをどのように進めようとされるのか。総理、いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 公明党の女性サポート・プランは、女性みずからが納得する生き方ができる社会を目指すため、特に健康、今、政策の中身について一部を御紹介いただきましたが、健康、そして子育て、仕事の分野について女性をサポートする政策提言でありまして、これらはまさに安倍政権が掲げる女性の活躍推進に当たっても大変参考になるものである、このように思います。
 今後は、待機児童解消や女性の活躍を促進する企業の支援など、日本再興戦略に基づく施策の着実な実施を図っていく考えであります。
 また、先月、産業競争力会議において決定をしました成長戦略進化のための今後の検討方針に基づいて、女性が輝く社会の実現に向けてさらに検討を進めていきたい、このように思っておりますので、また今後とも御指導いただきたいと思います。よろしくお願いします。
○高木(美)委員 今、新サポート・プランを五月、六月めどに策定する予定でございまして、古屋さん、山本香苗さんを中心に、全国の女性議員が結束して今取り組んでいるところです。
 ここは、ICT、科学技術分野とか農水、またエネルギー、環境分野など、そこに女性の視点を反映させ、活躍することをサポートしたいと思っております。六月に策定される新成長戦略にしっかりと盛り込んでいただきますように要請をさせていただきます。
 ただ、課題は多いです。総理がおっしゃる、全ての女性が輝くためには、今、子育てとの両立に目が向きがちですが、子育てが終われば、すぐ介護が始まります。そして、非正規の問題、賃金格差をどうするか、また老後の貧困など、解決しなければならない課題が多くあります。そうした課題解決を含めまして、これはきめ細やかに社会をむしろ変革していくという強い決意を持って進めなければならないと思います。
 最後に、総理の御決意をお伺いいたします。
○安倍内閣総理大臣 我が国最大の潜在力であるのは女性の力なんだろう、このように思います。それを最大限発揮できるようにすることは、少子高齢化で労働力人口が減少していく中において、新たな成長分野を支える人材を確保していく上においても不可欠である、このように思います。先週には、若き女性研究者である小保方さんが、柔軟な発想で世界を驚かせる万能細胞をつくり出したといううれしいニュースもございました。
 日本再興戦略の着実な実施及び成長戦略進化のための今後の検討方針に基づく検討を通じて、女性の力を最大限発揮させていく取り組みをしっかりと進めていく決意でございます。
○高木(美)委員 ありがとうございました。以上で終わります。
○二階委員長 これにて高木君の質疑は終了いたしました。
 次に、玉木雄一郎君。
○玉木委員 民主党の玉木雄一郎です。
 補正予算に絞って質問をさせていただきたいと思います。
 今国会中に、四月、消費税が上がります。その意味では、これまで以上に税金の使われ方については厳しい説明責任が求められると思います。
 総理は、昨年十一月二十日の行政改革推進会議の場で、消費税を引き上げる厳しい決断をした、税金が無駄な歳出や優先順位が低い施策に使われているとの批判は絶対に招かないようにしなければならないと発言されました。私も全く同感であります。
 しかし、資料一を見ていただきたいと思います。ちょっと心配なんですね。
 麻生財務大臣、昨年の参議院の予算委員会で、この二十五年度補正予算の前提となる経済対策の規模について問われた際に、このようにおっしゃっています。
 民間統計の消費税増税に伴う反動、平均するとマイナス一・八兆円なので約二兆円、それを埋める部分が倍返しで四兆円、プラス一兆円等々を乗っけて大体五兆円というところだという答弁をされておられます。
 麻生大臣、倍返しとはどういうことでしょうか。随分大ざっぱな根拠のように聞こえるんですけれども、まず、この補正予算の五・四兆円、規模の根拠について教えてください。
○麻生国務大臣 倍返しの言葉は、当時はやっておりましたので、使わせていただきました。
 昨年の十月一日に決定をしております経済政策パッケージでは、これは消費税の引き上げによります来年度四―六の反動減が、民間シンクタンク四十一の平均をとらせていただいて一・八兆、アバウト二兆円というのが試算されていることを踏まえて、経済対策の規模としては、それを大きく上回る五兆円程度というのをしたところであります。
 好循環実現のための経済対策の策定に当たりまして、こうした観点を踏まえつつ、個々の事業について、その効果とか執行可能性とかいうものを検証させていただいて、結果として、五・五兆円の平成二十五年度補正予算を編成させていただいたというところであります。
○玉木委員 余りよくわかりませんでした。
 五兆円、消費税に換算すると二%分であります。国民の皆さんからお預かりをした税金の使い方、そのことに対しては、予算編成の最高責任者として、私はもっと丁寧な説明があってしかるべきではないかと思います。
 去年の補正予算の際にも財務大臣に質問をさせていただきましたけれども、財政法で規定する補正予算の編成要件、つまり、緊要な歳出を積み上げて、その結果できているものだと私は信じます。
 しかし、あえて、この二十五年度の補正予算の話に入る前に、ちょうど昨年の同じ時期、二月でありました。二十四年度の、今回よりも大規模な補正予算の編成、そして審議に当たって、質問させていただきました。その中身については、全て緊要性なもの、緊急で、そして経済対策として必要だというお答えをいただきましたけれども、あれから一年たちました。
 その幾つかの事例について、本当にその当時の説明どおり、急ぐものを集め、そしてしっかりと執行が行われたのかどうか。二十五年度の補正予算の審議をする前に、決算は確定しておりませんけれども、年度はほぼ終わりに近づいておりますから、昨年の二十四年度の補正予算の幾つかの事業の執行状況について、まず確認をしたいと思います。
 大変お忙しい中、お越しをいただいて恐縮でございます。岸田外務大臣、去年、この質問をされたことを覚えていらっしゃると思いますが、アジアとそして北米の中学、高校、大学生、いわゆる青少年の交流を行うJENESYSという事業がございます。当初予算で六十六億円計上していたものを補正で倍の百五十億にし、三万五千人の青少年を日本に来てもらったり、あるいは日本から海外に行って交流を深めるという事業であります。
 このときに、大変すばらしい事業であると私は申し上げました。ただ、問題は、これを経済対策としてやるんだと。当時の説明を覚えておりますけれども、予算のうち約八割が、例えば宿泊をしたりお土産を買ったりすると国内に落ちるので、経済対策としても効果があるという説明を大臣からいただきました。
 三万五千人、もう年度末に迫っていて本当にこんな交流事業ができるんですか、こういう質問をしましたけれども、あれから一年です。百五十億円、三万五千人の規模で交流を図るこの事業、一年たちましたけれども、三万五千人の青少年は日本に訪日してくれたでしょうか。経済効果とあわせて、お答えください。
○岸田国務大臣 御指摘のJENESYS二・〇の事業ですが、この事業につきましては、青少年交流という内容とあわせて経済効果が期待できるということで、二十四年度の補正予算に計上させていただきました。
 今御指摘にありましたように、事業費の約八割が国内で消費をされる、また招聘者が国内において消費をする、さらには、この事業に伴って訪日外国人がふえ、経済波及効果も期待できる、こういった御説明をさせていただきました。
 この事業ですが、こうした経済効果が期待できる事業ではありますが、問題点は、今御指摘がありましたように、これは実施率が現状、まだ大変低いということであります。実施人数ですが、約七千三百人にとどまっております。
 この要因ですが、資料の中にも少し表を入れていただきましたが、大きな人数を予定しておりました中国、韓国の実施率が低いというのがまず一つ挙げられます。中国に至っては、現状たしか七百二十二名、六・七%にとどまっていると存じます。
 一方、同じく大きな人数を予定しておりますASEANは一万二千六百人を予定しておりますが、ASEANに関しましては、ASEAN十カ国と東ティモールを合わせて十一カ国の調整を行い、まとめて今、手続を進めております。よって、四月以降、この一万二千六百のうち、作業が進みまして、二十六年度中には一万人を超える実績につながる作業が今、実際行われております。
 そして、韓国の四千六百人の目標も、おくれてはおりますが、今具体的に作業が進んでおります。
 こうした実績が積み上がる具体的な動きが今ありますので、ぜひそれも見た上で、この事業自体の評価をしていただければと考えております。
○玉木委員 繰り返しになりますけれども、三万五千人のうち約七千人、執行率でいうと二〇%ぐらいですね。ここに指標がありますけれども、今大臣がおっしゃったように、ASEANも、目標は高いですけれども、実績はまだ非常に低いですし、この青のところがその実績でありますけれども。
 私は、繰り返しになりますけれども、この事業はいい事業だと思います。問題は、これを補正予算に計上し、経済対策として急いでやらなければいけない義務をこの事業に課していることが問題なんです。
 きょうはこの補正予算に限ってお話をしますけれども、当初予算に比べて補正予算は、ある意味、査定が極めて甘くなります。これは財務大臣も、かつて私の質問に対してお認めになりました。財政規律をしっかりと保ちながら政策を効率的に推進していくという中で、この補正予算、大変便利な財布ではありますけれども、時として、財政規律を緩め、そして使い切れない予算を積み上げる、その温床になっている可能性があります。
 こうした交流事業をやっているそれぞれの団体がありますけれども、残念ながら、優秀な方もいますけれども、大使経験者でありますとか、いわゆる天下りの方がいらっしゃいます。そして、一度出したものは、これは基金とは呼びません、拠出金と言いますけれども、事実上基金化して、それぞれの組織にたまったままになります。
 こういうことについて、やはり私は問題が多いと言わざるを得ないと思いますし、補正予算を使ってこういう事業を、無理やり経済対策といって青少年事業をやることは、やはり慎むべきではないかと思います。
 もう一つ、同じようなお話をしますけれども、商店街のにぎわい補助金というものがあります。これも私は、事業としては、うまく使えば効果的な事業だと思います。いろいろなイベントをするときに、四百万円ぐらいの補助をして、チラシをつくったりとかイベントを支援するものです。
 ちなみに、私の地元に坂出市というのがありまして、商店街があるんですけれども、例えば全国のお雑煮、これを全国から集めてお雑煮祭りをするんです。ちなみに香川県は、麻生大臣、白みそにあんこの入ったお餅を入れる雑煮なんですね。これは県外の人は非常に気持ち悪がるんですけれども、大変おいしいのでぜひ召し上がっていただきたいと思うんですが、そういうものも含めて地域おこしのイベントをするんです。
 そういったものに対して補助が出ないかといってアプローチしたんだけれども、うまくもらえなかったと言ったんです。私は、では、人気があるのでこれはもう使い切ったのかなと思って調べてみたら、百億円、補正でつけたうち、半分ぐらいしか使っていないんです。でも、実際使いたいなと思う人が、なかなかそういうマッチングができない。
 問題は、使い残しがあるのにもかかわらず、二十五年度補正予算で、またこれを積み増すんですよ。悪いとは言いません。こういう事業は私はやったらいいと思いますし、本当にやる気のあるところには速やかに出してあげればいいんですが、積み残しが半分もあるのにさらに乗せることよりも、今あるものの円滑な執行とか、あるいは政策効果を分析して、本当にこれをまた五十三億円新たに積み増す必要があるのかないのか、貴重な税金の使い方ですから、そういうことも私は考えるべきではないのかなというふうに思うわけであります。
 いずれにしましても、このように、補正予算、これは去年の話です、つい一年前の話。氷山の一角で、同じようなことがいっぱいあると思うんですね。ということは、これから議論しようとしている二十五年度の補正予算にも同じようなことが入っているのではないかということで、これから質問をしたいと思います。
 岸田大臣、お忙しいと思いますので、もうこちらで結構でございます。
 行革の観点から質問いたします。
 稲田大臣、私、ちょうど去年の予算委員会で稲田大臣に、行革の旗手として、エールを送ったことを覚えています。ぜひ頑張っていただきたい。そんな中でも、民主党政権時代にやった行政事業レビュー、これは残してほしいということをお願いし、そして残していただきました。
 そして、先般、報道で見ましたけれども、二十六年度の当初予算の概算要求、これを、そのレビューの仕組みを使って四千八百億円削減したということが報じられておりましたし、そう承知をしております。
 私は、これは率直に評価をしたいというふうに思います。安倍総理も、この秋のレビューで五十五の事業について的確な指摘を有識者の方からいただいて、麻生副総理のもとでしっかりと予算に、これは二十六年度の当初予算ですけれども、反映できたというふうにおっしゃっております。これは率直に評価をしたいと思います。
 しかし、補正予算の中身を見て、私はちょっとがっくり、びっくりしたんです。
 というのは、資料の六をごらんいただけますか。
 我々の調査によりますと、先ほど四千八百億、二十六年度、つまり来年度の当初予算で削減をして、有識者の皆さんから、これはちょっと無駄じゃないのか、効果がないのかといって指摘を受け、それを踏まえて四千八百億円削減したんです。その四千八百のうち、主な九事業をここに並べましたけれども、それぞれ削減をされています。レビュー削減額という欄でございます。
 しかし、二十六年度の当初でよくぞきっちりと削ってくれたと思ったんですが、二十五年度の補正予算を見ると、何と、最低でも、四千八百のうち、ここの九事業のうちでいいますと、三千六百七十二を削減したと思いきや、そのうち三千六百四十六億円が補正予算の中で復活しているんです。
 私は、これは、せっかく努力されたレビューが形骸化して、完全な骨抜きになっているのではないかと思うんですよ。
 二つ、具体例を挙げます。
 まず、地域若者サポートステーション事業というものがございます。見てください。
 これはどういうことかというと、ニートなんかの若者の就労支援の事業でありますけれども、これは二十六年度当初予算の中では四十四億円要求していて、百六十カ所でやるということでした。ただ、この秋のレビューで、有識者の、第三者の皆さんが五人います、費用対効果が不明とか、位置づけ、対象が曖昧だということで、五人全員からだめ出しを食らったんです。その結果、これはやめようということで、レビューの結果、ゼロ億円、つまり計上見送りになっています。
 私は、ここまでよく行革努力ができたと思います、税金の無駄遣いをできるだけなくそうと。
 しかし、実は、当初予算と同じ時期に編成された補正予算の中で、名前を変えて、若者育成支援事業として、四十四億円が三十五億円になって復活しているんです。
 もう一つ言います。
 次の事業、総務省の事業です。スマートプラチナ社会構築事業ということです。
 スマートプラチナというと何かきらきらした感じがするんですが、これは、ICTの技術を使って豊かな高齢化社会を支えようというような事業でありますけれども、二十二億円、二十六年度の概算要求では要求されていました。これも同じく秋のレビューで、有識者全員から、だめだ、コストと便益の計算がされていない、普及のためのビジョンが不明、いろいろなことを言われて、これも、これをしっかり受けて二億円まで削り込んでいるんです。二十億円カットしています。
 しかし、これも同じです。それが補正予算の中で十六億円として復活しているんです。しかも、この場合は素直ですよ。さっきのは名前を変えて計上していましたけれども、名前もそのまま素直に出しています。わかりやすい。
 ここで、質問です。
 当初予算で、行革努力を積み重ね、削減したと見せかけて、同じ事業を補正予算に計上する。まるで、一度死んだ人間が墓場の中からよみがえってくるような、いわゆるゾンビのような予算が復活しているのではないですか。
 当初予算の編成を担当された麻生財務大臣に、この点について御見解を伺いたいと思います。
○麻生国務大臣 今、主に二つの例を挙げて聞かれたんだと思います。
 まず最初に、若者のサポートステーションの話ですが、これは、ニートなどの若者の職業的自立というのを支援するために専門的な相談やコミュニケーション訓練を行う事業であって、若者の就労促進を促し、経済の好循環につなげることが、反動減対策とか、いわゆる成長軌道への早期回復のために必要であるためということで、補正予算に計上したものなんです。
 これは、今言われましたように、秋のレビューにおいては、生活困窮者自立促進支援の枠組みが進められる中、事業が有効とは言いがたいなどの御指摘があったところであります。
 この御指摘を受けて、この団体が生活困窮者自立促進支援モデル事業を実施している場合には、いわゆる総務業務を行う総括コーディネーターを共有するなどとして委託額を減額するといったことで、レビューの指摘事項に対応した予算計上を行ったということだと記憶いたしております。
 もう一点の、ICTの高度活用の方、きらきら何とかという方ですが、これは、ICTを利用した防災訓練、新産業創出のための実証を行う事業でありまして、これによって、例えば、衛星による情報を活用した避難誘導システムとか、ビッグデータを活用した新たなサービスなどに投資が動き出す可能性が見込まれるということでありました。このため、いわゆる反動減対策とか成長軌道への早期回復、復帰といったものに必要として、今回の補正事業に計上をさせていただいたものであります。
 これは、秋のレビューにおきましては、事業の成果が普及、活用されていない、事業の目的が明確ではないなどの指摘があったところであります。
 この御指摘を受けまして、継続プロジェクトであっても、成果の普及、活用が見込めないものについては計上は見送る、また、新規プロジェクトについては、他の地域や対象にも活用可能と見込まれる部分に限定して計上するということにした上で、レビューの指摘事項に対応して予算計上を行ったところであります。
 例えば、継続プロジェクトであります、ICTを利用したものですけれども、個別の地域や取り組みの支援にすぎないもので、成果の普及とか活用が見込めないということで計上を見送らせていただきました。新規プロジェクトでありましたもので、ビッグデータ、オープンデータの活用の促進ということで、これは実証プロジェクトの受託者以外の人でも活用できる標準的、共通的な仕様やルールの策定といった部分に限定して計上されるということにさせていただいております。
○玉木委員 大臣、今の大臣がおっしゃったことは、まさに、そういった修正を加えて、必要なら当初予算に計上すべきなんですよ。なぜそれを補正に計上するのか。
 今、例えば生活困窮者自立促進支援、このダブりがある、そこはのけて計上しましたという話がありましたけれども、だったら、まさにそういうダブりをきちんと取り除いた上で、当初予算に計上すればいいんですよ。
 今聞いても、事業の必要性はよくわかりました、でも、なぜそれを補正予算に計上しなければいけないかという説明は全くわかりませんでした。
 稲田大臣にお聞きします。
 四千八百億円の削減はよくやられたと思います。しかし、こういうものがゾンビとして復活している。
 予算案を決めるときには閣議でサインされると思います。きちんとした削減が入った当初予算については、多分、堂々とサインされたと思います。しかし、これはちょっとどうかなといって指摘をして、それが当初予算からは外れたものが補正予算に入っている。そんな補正予算を、本当に自信を持って、その補正予算案にサインされましたか。補正予算の編成に関して、行革大臣はどのような役割を果たしましたか。
○稲田国務大臣 まず、行政事業レビューですけれども、私は、民主党がおやりになったことの中で、この行政事業レビューは画期的なものだったと思います。自民党政権下で無駄撲滅に取り組んでいたけれども、民主党政権下で、行政事業レビューについて、全ての事業をシート化して、それをオープンにしてまたチェックをするという仕組みは、私も大変いいものだということで引き継ぎました。
 その上で、改善を加え、一つは、基金シートをつくって、そして、基金をその年だけではなくて次の年にもチェックできる仕組みをつくりました。それともう一つは、今話題になっている、秋のレビューによって事業の公開検証の実施を行いました。そして、この行政事業レビューの画期的なところは、各府省がみずから事業を見直してPDCAサイクルを回すということだと思うんです。ですから、予算の削減ありきではなくて、削減することだけが目的ではなくて、事業内容の改善というところに主眼を置いて議論を行ったところであります。
 また、二十五年補正予算、二十六年当初予算を通じて、秋のレビューにおける指摘事項は反映されているものと考えておりますし、今御指摘の、補正予算を組む際、そして当初予算の際に、この行政事業レビューの視点については夏にきちんとその視点をまとめておりますので、その視点で横串を刺すことを関係閣僚にお願いをしているところでございます。
○玉木委員 冒頭に、当初予算というのはいろいろな意味のチェックが働く、それに対して、相対的に補正はいろいろなチェックが弱い。行革のチェックも弱いんですよ。当初予算についてはレビューの仕組みをつくって何カ月前からやろうということになるんですが、その全く同じ事業が、補正に行った途端、これは主計局もそうです、財政当局もそうだし、行革部局もコントロールが弱くなってしまうんですね。
 私は、これは総理に少しお伺いしたいのは、予算編成をしていく際に、もちろん財務大臣は担当大臣です、予算編成閣僚会議などを編成して、もちろん今、諮問会議でそういった役割を果たしておられると思いますけれども、行革部局の観点、あるいは甘利大臣がやっておられる経済財政の観点、こういった行革や財政規律を担当しているような関係閣僚を入れて、その中で、もちろん財務大臣が中心となって、予算編成を一度、行革の視点でチェックをするような仕組みを、予算編成過程の中で私はぜひ入れていくべきだと思っています。
 これは、我々も与党を経験した中で、やはり補正予算が緩んでしまうということは我々自身も感じました。その意味では、少し補正の見直しの方向性を書いておりますけれども、資料十ですが、レビューの結果については、当初だけではなくて補正予算にもしっかりと適用して、補正でのゾンビ復活を許さないということ。あるいは、今申し上げましたけれども、行革大臣、経済財政大臣を入れた予算編成関係閣僚会議のような仕組みをつくって、行革の視点をもっと補正も含めた予算編成自体にしっかりと入れていくこと、財務省だけに任せておくと、財務省は枠だけ入れればいいと思って中身をよく見ないことがありますから、そういう意味では、しっかりと行革の視点を予算編成に入れてほしいと思います。
 三つ目は、財政法の改正も私はそろそろ検討すべきではないかと思います。これは何度も議論していますけれども、財政法に出てくる補正の編成要件、特に緊要となった経費ということで全部一応認めることになるんですが、ここをもう少し厳格にしたらどうかなということを思います。
 かつて、塩川正十郎元財務大臣は、一般会計と特別会計の関係を評して、いわゆる一般会計は母屋でおかゆをすすりながら、特別会計という離れですき焼きを食べているということを、非常に表現が上手だなと思いましたけれども。
 私は、当初予算と補正予算の関係も実は非常に似たような関係にあって、つまり、当初予算という母屋では、おかゆじゃない、白い御飯を食べていて、離れという補正予算に行ったら、そこはもうすき焼きがどんと置いてある、幾らでも食べられるということになっていて、でも、お金を払うのはいずれにしても国民の皆さんなんです。ですから、当初予算と補正予算の間のこの関係、私は、やはり見直していかないと、財政再建の道のりも遠のくのではないかと思っています。
 そこで、総理にお伺いします。
 今るるやりとりをさせていただきましたように、削減したはずの予算が補正で復活をし、そして結果として、稲田大臣は頑張ったと思いますけれども、レビューでの指摘が無視されるということになっております。一番最初に申し上げましたけれども、消費税増税を国民の皆さんにお願いするに当たって、総理がまさにおっしゃったように、厳しく見直していかなければならないと思います。しかし、きょう私がいろいろと説明申し上げたように、安倍総理、行革を進めていくという、その発言はありましたけれども、でも実際はそれが、済みません、言葉は悪いですけれども、見かけ倒しで、どうも歳出のカットについては、安倍総理、安倍政権は消極的なのではないのかというような疑念が生じると思います。
 そもそも、安倍総理がおっしゃっているように、安倍政権になってからプライマリーバランスは六兆円を超えて改善したというふうにおっしゃっておられます。私は、景気がよくなって自然増収がふえていく、これは本当に安倍総理の一つの政策の成果だと思います。しかし、この六兆円を超えるプライマリーバランスの改善は、幾つかの要素で成り立っているはずです。財政再建は主に三つの方法でやります。一つは歳出をカットすること、もう一つは増税を含む歳入の見直し、そして三つ目は、景気をよくして自然増収をふやしていく。
 総理にお伺いします。
 安倍政権になって六兆円強、プライマリーバランスが改善したと。そのうち、歳出の見直し、歳出のカットで実現した分は一体どれだけになるのか教えてください。
○安倍内閣総理大臣 安倍政権になって六兆円強改善したということでございますが、正確に言いますと六・九兆円でございますから、七兆円弱と言ってもいいんだろう、こう思うわけでございます。
 安倍内閣は、発足後、歳出増要因〇・八兆円でありますが、中には、消費税率の引き上げによる増収分が充てられる社会保障四経費の充実等や、交付税法定率分の増といったやむを得ざる支出増が含まれているために、単純に歳出カットが不十分というのは当たらない、こういうふうに思うわけでございます。
 しかしながら、二〇一五年度の基礎的財政収支の赤字、対GDP比につきましては、二〇二〇年度における黒字化目標の達成に向けて、今後とも歳出削減の取り組みを行っていかなければならない、こう思っているところでございますが、今後とも、そういう意味においてしっかりと無駄の削減に力を入れていきたい、このように考えているところでございます。
○玉木委員 今、よくわからない答弁だったんですが、総理のお言葉を耳を澄まして聞いていると、歳出削減の効果はむしろマイナスで、いろいろ理由はおっしゃっておられましたけれども、〇・八兆円、むしろ歳出はそれが増要因になっている。もちろん、ほとんどが消費税の増税と自然増収によってプライマリーバランスの改善がなされているということでありますけれども、逆に言うと、総理、歳出のカットによってさらにプライマリーバランスを改善していく余地がまだ残されているということでもあると思っています。
 ですから、私は、ぜひ総理のリーダーシップで歳出のカットをしっかりと進めていただきたいと思いますし、総理が責任野党という言葉を言われましたけれども、私は、立法府に身を置く人間として、行政の税金の使われ方をしっかりとチェックしていく、これは与野党を超えた責任議員の役割の一つだと思っております。
 予算を使うことに熱心な人は多いです。英語でタックスイーターという言葉があります。つまり、税金を食べる人。それに対して、税金を払う人はタックスペイヤーといいます。我々は、タックスペイヤーの視点に立って、苦しい中で税金をお支払いし、日本国を支えてくれている、そういった納税者の立場に立って、しっかりと予算の使われ方をチェックしていきたいと思います。それが我々の考える責任野党としての矜持であり、立ち位置であるということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○二階委員長 この際、大串博志君から関連質疑の申し出があります。玉木君の持ち時間の範囲内でこれを許します。大串博志君。
○大串(博)委員 おはようございます。よろしくお願いします。民主党の大串博志でございます。
 きょうは、質問の機会をいただきましたので、安倍政権の基本姿勢ということで議論させていただきたいというふうに思います。
 まずは、農業のことに関して議論させていただきたいと思います。
 ダボス会議での総理の発言、今回の予算委員会でも古川議員の方から多々言っていました。そのことで、私、ちょっと注目したのが、減反のことというよりも、ダボスにおける総理のこの発言です。四十年以上続いてきた米の減反を廃止します、ここは議論になりました。民間企業が障壁なく農業に参入し、つくりたい作物を需給の人為的コントロール抜きにつくれる時代がやってきますと。民間企業が障壁なく農業に参入し、つくれる時代がやってきます、こういうふうに言われています。
 私は、農業を強化しなきゃならないという立場でもあります。しかし、農林水産のことを考えると、やはり企業参入に関しては、地域との一定の調和要件みたいなものは私は絶対に必要だというふうに思っています。
 そういう立場からお尋ねするんですけれども、民間企業が障壁なく農業に参入し、つくれる時代がやってくる、これは総理、何を意図して言われたことですか。
○安倍内閣総理大臣 ダボス会議において、安倍内閣が昨年終盤に決定いたしました改革について紹介をしたところでございますが、その一例として、企業の農業参入についても、民間企業が障壁なく農業に参入できる時代がやってくる、このように確かに申し上げました。
 この趣旨は、農業への企業参入については、平成二十一年の農地法改正によるリースの解禁で、株式会社のままでも自由に参入できることとなっておりますが、昨年の臨時国会で関連法が成立をした農地集積バンクとの組み合わせによって、さらに効率的な農業経営を展開できるようになったことをわかりやすく述べたものであります。
 これは、集積するのがなかなか企業では大変でありますが、いわば県という単位、地域によって信用されている都道府県という単位によって農地が集積されることによって、非常に効率的に土地が活用できるようになった、こういうことでございます。今後、この農地集積バンクの活用によって、リース方式による企業参入を積極的に推進して、農業構造改革を加速していきたいと考えています。
 また、私が主宰をしております農林水産業・地域の活力創造本部において、規制改革会議や産業競争力会議の検討も踏まえて、現場での実効性と制度の安定性に配慮をしながら、さらに必要な見直しを行い、農政改革を前進させていく考えであります。
○大串(博)委員 私は、ダボスでの総理の発言、元気いいなと思ったんですよ。過度に元気がいいんじゃないかというふうに思ったんです。
 というのは、民間企業が障壁なく農業に参入し、つくれる時代がやってきます、あたかも全ての参入障壁がなくなるかのごときの発言でございました。ところが、今発言があったのは、リース方式による参入、あるいは農地中間バンクによる参入、これは私たちも賛成をしてきたところでございます。
 しかし、そこには一定の障壁がまだ残っているというふうに言う人もいらっしゃいます。リース方式においては、役員の一人以上が農業に従事することという要件がまだ残っています。さらには、規制改革会議等においては、リース方式ではなく所有方式において、構成員、役員の要件が厳し過ぎる、これを撤廃すべきだという議論も行われておるところでございます。
 それが行われておる中で、先ほど申しましたように、ダボスにおいて、民間企業が障壁なく農業に参入し、つくれる時代がやってきますというふうに国際社会に向けて言われている。これは私は、看板に偽りあり、過度に期待値をあおる言葉だったんじゃないかというふうに思います。
 なぜこれを問題視しているかというと、内容的にはいいんです。リース方式、私たちも賛成しました。しかし、私、政策というのは、国民の皆さんの期待値と実現とのバランスだと思うんですね。国際社会に対して、民間企業が障壁なく農業に参入する時代が来たんだというふうな印象を与えてしまっているのは、私はミスリードだったと思うし、その期待がはじけたときには大きなしっぺ返しが来る可能性が日本にとってはある、それを非常に心配しているわけです。
 農業政策は地を地でいく政策でなきゃいかぬと思います。ですから、ぜひ地に足のついた発言をしていただきたいというふうに思う次第でございます。
 もう一つ、農業政策に関して。
 農政改革が言われています。いわゆる減反廃止というものがどういうものなのかということに関して、必ずしもこれまでのこの予算委員会でもはっきりしていません。
 農家の方々は、今回の農政改革、減反の廃止に関して、要するに、この間、林大臣がおっしゃったように、八万トンの需要が少ない、つまり、主食米に関しては供給の方が八万トン多い状況であります。ですから、これを減らしていかなければならない。
 この八万トン主食米の供給を減らすということに関して、要するに、価格が下がることを許容して、それによって退出する農家が存在することを許容する、それによって需給がマッチすることを考えているか、もしくは、飼料用米への、餌米への誘導をより強化して、そちらの方に主食用米から移ってもらうことで需給がマッチすることを考えているのか、その二つのどちらかなんだろうというふうに農家の方はほとんど思っていらっしゃいますよ。そのどちらにしても、農家にとっては、うまくいくかな、厳しいな、こういうふうに思っていらっしゃると思うんですね。
 ですから、林農水大臣におかれても、はっきりしたメッセージを出された方がいいと思うんです。この点に関して、いかがでしょうか。
○林国務大臣 生産調整の見直し、また、いわゆる減反の廃止ということですが、米を減らすという従来の政策を転換しよう、こういうことです。
 したがって、米の生産数量目標を達成した農業者に支払われる米の直接支払い交付金、例の一万五千円のものですが、これを平成三十年産から廃止しようということと、その五年後を目途に、行政による米の生産数量目標の配分に頼らないで、農業者がマーケットを見ながら、みずからの経営判断で需要に応じた生産ができる環境整備を進めよう、こういう大きな方向転換でございますので、どっちかといえば後者ということになりましょうか。
 というのは、水田をやはりフル活用しよう、これは大事な生産設備でございますので。つくるなということになると、水田を使うなということになってしまってはいけませんから、飼料用米、それから麦、大豆等にも転作の支援、御案内のとおりでございますが、水田のフル活用をやり、自給率、自給力の向上を図りながら需給をマッチさせていこう、こういうことでございます。
○大串(博)委員 この点は、去年の秋から農林水産委員会でもるる議論させていただきましたが、今、重要な答弁をいただきました。どちらかといえば後者、すなわち、飼料用米等へ主食用米の供給をスイッチしていくということの方なんだということでございました。
 ただ、それにしても、農家の皆さんは相当な不安を覚えていらっしゃいます。というのは、飼料用米にスイッチしたところで、それだけの加工を行う場所があるのか、あるいは需要があるのか。例えば、飼料用米の加工工場、御案内のように、これまで輸入してきたものを加工してきていたので、ほとんどが太平洋側にしかございません。そういう中で、日本全国で飼料用米をつくり出したときに、本当に順調に需要先に流れていくようになるのかという心配が絶えずある。
 農家の方々にしてみると、また農林水産省の机上の空論のような世界の中でつくられたものが実行されて、その結果、負担を負うのは農家になるんじゃないかという心配の声が絶えません。ですから、ぜひそこのところは、農家の実態に応じた政策にしていただきたいというふうに思います。
 さらに、なぜこれを申し上げているかというと、やはり、最終的には農家の所得がどうなるかというところは、農家の皆さんは大変心配していらっしゃいます。
 米の価格に関してもそうですけれども、例えば私たちの戸別所得補償、米の定額部分一・五万円、これを半額にし、四年間の後にこれをなくすということになっています。これは明らかに農家の所得が下がる方向に働きます。一方で、新しい補助金もつくるということでございます。農地維持払いという、農地を維持するコストに着目した補助金をつくるということでございました。
 しかし、よくよく聞いてみると、この農地維持払い、農家の皆さんが集落で農地を、あぜ道を、あるいは水路を維持する共同作業、これを行われたことに対する、共同作業に対して集落に届けられる予算だということでございます。直接農家の所得をサポートするものではないことは明らか。日本型直接支払いというふうに銘打っていらっしゃいますが、この直接支払いというのも、私は看板に偽りありというふうに思います。農家の所得は下がってしまうんじゃないか。
 その意味において、今回のこの戸別所得補償の見直しも含めたところは、私は農家にとっては打撃だと思います。いかがでしょうか、農水大臣。
○林国務大臣 これは、きのう、少し村岡委員のときにも御説明させていただきましたが、大事なことでございますので。
 飼料用米は、そこに転換していってもらおうということで、一層の生産、利用拡大のためには、やはり、低コストで省力的な栽培技術や、それから多収性品種の導入、これは、メリット措置も入れましたけれども、それだけではなくて、この品種を導入する、それから需要先の確保、流通体制の整備等をやっていかなきゃいかぬ、こういうふうに思っておりまして、多収性専用品種それから直まき栽培の導入、飼料用米栽培の団地化等の実証、普及をやろう。それから、多収性の専用品種の種子、種ですね、種もみの確保に向けた取り組みを全国でやっていこう。例えば、過不足を全国で調整するということをやっていこう。
 それから、耕種側における乾燥の調製貯蔵施設の整備、それから今度は畜産側、買う方で必要となる加工、保管施設の整備、粉砕機、混合機等の機械導入への支援。それから、耕種農家と畜産農家との間のマッチング活動。それから、配合飼料工場での長期的、計画的な供給、活用のための情報提供。こういうものを一体的に推進していくことによってしっかりと取り組んでいきたい、こういうふうに思っております。
 それから、後段のお話でございますが、日本型直接支払いは、今お話がありましたように、集落などの活動組織に対して支払われるわけでございますが、交付金を活動組織の共同活動にまず充当するということで、従来、農家御自身が負担していた負担が軽減をされる。それからもう一つは、共同活動に参加した農家に日当として支払う、これもできるようになっておりますので、農家の実質的な手取りの向上にもつながる、こういうふうに考えております。
 またさらに、現場の力を最大限引き出して、先ほど総理からもお話ししていただいたように、農地集積等をやっていきます。こういうことによって、生産性が向上する、また流通も合理化する。それから、高付加価値化を図っていく。こういうことによって農業本体からの所得を増大するということに加えて、輸出を増大する、それから観光業、医療、福祉産業との連携による六次産業化ということで、市場規模増大そのものも図っていって農村の所得を増大していきたい、こういうふうに考えております。
○大串(博)委員 集落に払う経費が所得をサポートするかということに関しては、これまでも例があります。中山間地直接支払い制度やあるいは農地・水・環境保全対策、これらにおいても、農家の所得をどれだけサポートしているかというと、歩どまりがあるというのはもう結果として出ています。ですから、農家の所得が下がるということに関する不安は、農家の皆さんの実感からすると、極めて大きいです。
 私たちは戸別所得補償政策というものをやってきました。いろいろな意見を言われましたけれども、これは全国一律の単価で行ってきました。全国一律であるがゆえに、これは強力な、ある意味、構造改革にインセンティブを秘めていました。すなわち、大規模であればあるほど利益が出る。よって、集落営農の数も一割以上進みましたし、全体で一割しかいらっしゃらない二ヘクタール以上の方々に六割の予算が届けられる、こういった性質のものでございました。
 かつ、私たちの代で既に、ある意味選択的減反制、すなわち、戸別所得補償を受けないのであれば幾らでもつくっていただくのはつくっていただいていいですよ、こういうふうにしていたものですから、逆にメリット措置となって、生産調整への加入、つまり、米の過剰作付も二万ヘクタール以上下がるという結果も出ていました。
 林農水大臣は経済のこともよく精通していらっしゃるから、わかっていらっしゃると思います。このような一律的な補助金の支払いが一番マーケットをゆがめない、市場をゆがめないで誘導効果を持つんだということ。私たちは、この戸別所得補償政策はやはり柱になるべきだというふうに思っています。その意味で、議員立法も提出させていただいて、この国会でもまた議論させていただこうというふうに思っています。
 このことは、さらに予算委員会でも農林水産委員会でも、また議論させていただきたいというふうに思います。
 さて、次に、安倍総理の経済政策、アベノミクスに対して議論をさせていただきたいと思います。
 このアベノミクスに対して議論するときに、私、しっかり議論をしておかなければならない点が一つあると思っています。これは、いわゆる株が上がった、円安になった、こういう面もある。そういう中で、一方でリスク、危うい点、要注意な点も増大している。この辺に対する目くばせが非常に必要だというふうに思います。
 農水大臣、済みません、もう御退席いただいて結構でございます。お忙しい中、ありがとうございました。
 このアベノミクスのリスク。そのうちの一つは、金融政策及び金融政策とリンクした形での財政政策の危うさ。もう一つは、好循環実現国会と銘打たれていることからもわかるように、賃金や雇用に本当に波及してくるのかという点。この二つが大きなリスクだというふうに思っています。
 まず一番目の金融政策に関して、きょうは日銀総裁にもおいでいただいておりますので、若干議論させていただきたいというふうに思います。
 黒田総裁、どうもお久しぶりでございます。財務省の大先輩でいらっしゃいまして、これまでも、いろいろなところに一緒に財務省時代に出張に行かせていただきましたり、あるいは、アジア通貨危機のころには国際局長でいらっしゃって、私は、IMF、国際通貨基金の日本理事室におりました。大変な苦労をしながらアジア通貨基金構想を担いで、結局うまくいきませんでしたけれども、国際金融の世界で大舞台を打たれていた姿、それを若干ながらサポートさせていただいた、そのころからのおつき合いでございます。
 私も、安倍総理や黒田総裁が言われる量的・質的緩和、わからぬではないんです。というのは、私自身も、金融に関しては金融緩和を行っていかなければならないという派です。与党時代に代表質問で、日銀法を改正してインフレターゲットを入れるべきだ、こういうふうに主張したこともあります。
 ただ、リスクとして、私、今の政策に関して心配なのは、二年で二%の物価上昇、これは若干行き過ぎた、あるいは無理のあるところがあるんじゃないかという思いがあるんです。この無理がどこかに波及してくる可能性があるというふうに思います。
 まず、黒田総裁にお尋ねします。
 二年で二%の物価上昇を達成する、これは可能でしょうか。
○黒田参考人 御案内のとおり、昨年の四月四日に、日本銀行は量的・質的金融緩和を導入いたしました。これは、一月に決定されました二%の物価安定目標を、二年程度の期間を念頭に置いてできるだけ早期に実現する、そのために必要にして十分な金融緩和を行うということでございました。
 この量的・質的金融緩和は、これまでのところ、その効果を着実に発揮しておりまして、我が国経済は二%の物価安定の目標の実現に向けた道筋を順調にたどっていると思います。すなわち、実質金利が下がるというもとで、民間需要を刺激し、生産から所得、支出へという好循環が始まっているということでございまして、結果的に、我が国経済は緩やかながら回復を続けております。
 こうしたもとで、御案内のとおり、消費者物価、いわゆる生鮮食品を除くベースでも、前年比が昨年の十二月には一・三%のプラスになりました。
 先行きについては、しばらくの間、一%台前半で推移して、それから、二〇一四年度の終わりごろから二〇一五年度にかけて二%の物価安定目標の実現に向かっていくというふうに私どもは考えております。
○大串(博)委員 今お話がありましたように、物価に関しては、しばらく上昇の足踏みがあるけれども、一四年度の後半に向けて二%の経路に達していく、二年間で二%を達成していく、こういうことでございました。
 二年間で二%を達成していく、私、非常にそこは難しいところ、難しいところというか、よくわからないところもあると思うんです。というのは、最近、日銀の方々あるいは総裁にも、いろいろなところで、どうやって金融緩和が物価上昇につながるのかということをお尋ねすると、幾つかのルートがあると言われています。
 これは日銀の資料ですけれども、一つは、一番左側にある、長期金利が低下することによって景気がよくなって物価が上がる。これは、ただ、長期金利はもともと非常に低いですから、余り効果はなさない、こういうふうにも言われています。
 もう一方で、ポートフォリオリバランスと言われているところ、つまり、金融緩和をすることによって、貸し出し手なんかがよりリスクの高い貸し付け等々を行おうとする、スイッチする。ただ、これも余り効果があらわれていない、こういうふうに言われています。
 三番目、一番右側ですけれども、よく最近言われているのが期待ですね、期待の抜本的な転換、エクスペクテーション。これが、日銀が一生懸命バランスシートを大きくすることによって、予想インフレ率が上昇して物価が上がるんだ、こういうふうに言われています。ただ、これは、なぜ日銀が一生懸命バランスシートをふやせば物価が上がるのかという直接的な、具体的な、経済学的なリンクは、なかなか証明されていません。ですから、なかなか、本当に個人がそういうふうに動くかということがわからない。
 実際、この量的緩和を行ってきたバーナンキ前FRB総裁は、二〇一二年の記者会見の中ではっきり言っています。中央銀行のバランスシートは人々のインフレ予想には全く関係はないと明らかに言っています。
 そういった危うさのある中で、さらに、先ほどおっしゃったように、二年間で二%の物価上昇に至るというふうに言われています。二年間で二%というと、来年のちょうどこのころです。つまり、一年後。一年後に二%の物価上昇に上がるということは、そのころに出口としてどういうふうな世の中になっているのかというのが非常に心配なんです。
 すなわち、物価が上がるということは、当然、いろいろな物事の金利も上がっている可能性があります。日本は非常に財政赤字の多い国、かつ、日銀は大変な国債を買っています。そのときに、国債の金利がどうなっているのか、どういうふうにして国債の金利が上がらない形で出口を実行していくのか、この辺についての黒田総裁の御認識を伺いたいと思います。
○黒田参考人 委員御指摘のとおり、この量的・質的金融緩和というものについては三つのチャネルを考えておりまして、実質金利を抑制していくということで経済にプラスの効果が出るというふうに考えております。
 その意味では、期待が非常に重要な要素であるということは御指摘のとおりでありまして、その点は、量的・質的金融緩和を始めて以来強調している点でございますけれども、やはりこの期待というのは、日本銀行が、二%の物価安定目標を二年程度をめどにできるだけ早期に実現するためにやるということを言ったということだけで期待が転換するということは考えておりませんで、そうしたもとで、毎月毎月大量の国債を購入する、あるいはETF、J―REITなどリスク資産も購入していくということを続けていく中で、先ほど申し上げたように、経済が緩やかに改善していく、そのもとで物価も少しずつ上がっていく。物価が実際に上がっていくことを見て、期待物価上昇率も上がっていく、あるいは経済の先行きに対する期待も上がっていくということでございまして、いわば、強いコミットメントで期待を一挙に上げるということだけではございませんで、実際に経済がよくなっていくという中で期待物価上昇率も上がっていく。現に、物価上昇率が上がっていく中で、さまざまな指標を見ますと、予想物価上昇率も全体として上がってきております。
 御指摘の出口につきましては、昨年の四月に始めたばかりで、まだ十カ月ちょっとたったところでございまして、出口について具体的に今申し上げるのは、やはり時期尚早だろうと思います。
 といいますのは、具体的な出口の議論ということになってきますと、そのときの経済あるいは金融の状況、さらには国際経済の動向なども勘案して具体的に決めていかなければならないと思いますので、今具体的に申し上げるのは時期尚早だと思いますが、私ども、常に将来を見据えて、さまざまな事態を想定して、それぞれに十分対応できるようなことを考えておりますので、今具体的に申し上げることは差し控えさせていただきますけれども、適切な出口というものは十分議論し、かつ、それを実施することができるというふうに思っております。
○大串(博)委員 なぜこれを聞いているかというと、単純な経済の理屈で、物価が上がると金利は上がります。金利が上がったときに、日本は国債をどうするのかという問題がある。
 財務省でつくられている後年度影響試算においては、金利が一%上がると財政負担は一年後に一兆円、二年後に二・五兆円、三年後には四・一兆円上がるという計算も、財務省でもされています。それぐらい激烈な影響があるんです。
 それぐらい激烈な影響が起こり得ることが、一年後に黒田総裁が本当に二%を達成されたときには起こり得る。一年後のことなんです。時期尚早とおっしゃいましたけれども、一年後に一体どうするんだろうという問いを、みんな心の中に思っている。
 しかも、金融緩和が大きければ大きいほど、出口戦略がいかに難しいかというのは、今回のアメリカの例でも証明されています。今回、出口戦略を、アメリカは十二月から実行し始めています。その影響で、新興国からマネーが流出し、新興国経済が大きく揺れて、きのうのオーバーナイトのニューヨーク市場でも、大きくまた株が下げています。
 こういった極めて難しい中、特に日本の場合は、財政とリンクした形で、一体どういうふうにして金利が上がらない中で物価だけ上がるのか、この矛盾した解を、どうやって解くのか、みんな不思議に思っているんです。識者によっては、日銀は人為的に金利を抑え続けるんじゃないかとまで言う人すらいるんです。その解をどういうふうに出していくのかというところ、総裁の方からは、まだ時期尚早だという答えがございました。しかし、最後で、極めて微妙な、適切に考えていきたいという答えもございました。
 そして、この二%を早急に達成するという目標は、総理、総理御自身が日銀の方にずっと言い続けられてきた。黒田総裁も、去年四月四日、それを踏襲されて行われてきています。
 私は、総理にも、この二年二%というものが達成した後の出口戦略をしっかり語る責任があると思うんです。総理自身は、物価が上がる、金利も上がる、その中で国債市場、財政が破綻しない、どうやって達成するおつもりでいらっしゃるんですか。
○安倍内閣総理大臣 十五年以上続いたデフレ、このマインドを変えるのはそう簡単なことではないんですよ。事実、なかった。だから、ずっとデフレから脱却できなかったんですね。
 これはそう簡単なことではないわけでありまして、いわば、その中において、確かに政策というのはある種のリスクが伴います。しかし、そのリスクの前で立ちすくんで前に出られなければ、ずっとこのデフレが続いていく。デフレが続いていくということは、市場経済がしっかりと機能しないということですから、財政再建なんかもちろんできないですよ。どんどんどんどん税収は減少していくわけですから。
 いわば、今度、予算を審議していただく、この来年度予算については、まさに五十兆円の税収が確保できる見通しとなりましたが、一時は三十数兆円まで落ちたわけですからね。ですから、だからこそデフレから脱却しなければいけないという中において、私たちはこの道しかないと思っています。
 そこで、物価安定目標二%ということについては、いわば二%という目標をしっかりと設けることによって、これはインフレ期待が起こる。事実、今、そのインフレ期待が実際に、生鮮食料品を除いたコアにおいてプラス一・三%ということになってきたわけでありますし、エネルギーを加えたコアコアにおいてもプラスに転じたわけでございまして、まさに政策の効果が出ているということでございます。
 そして、出口戦略ということについては、まさにこれは黒田総裁がおっしゃったとおりでありまして、金融政策そのものについては日本銀行において適切な判断をしていかれる、このように期待をしております。
○大串(博)委員 金融政策は、もう今や財政政策とリンクしているとみんな思っています。
 日銀が最近出した生活実態アンケートの中で、日銀を信頼できないという理由を問うたところ、政策の中立性がないからというふうに答えた割合が急増しています。そういう中ですから、総理にお尋ねしているんです。
 かつ、マーケットとは極めて丁寧に対話をする必要があると思います。特に、先ほど申しましたように、普通にどう考えても、物価が上がったら金利が上がる、金利がちょこっと上がっただけで、もう日本の国債市場は大荒れになる、財政は大荒れになるというのがわかり切っている。それが、しかも、黒田総裁のおっしゃることが実現すれば、一年後にはやってくる。それに対して、今何も言わないということでいいのか。これは財政に対して極めて無責任な立場ではないのかということを私は言わざるを得ないというふうに思っています。
 これが私はリスクの一つだというふうに思っています。
 もう少し財政に関するリスクを敷衍させていただきますと、(パネルを示す)これは財政の中期見通しですね、この上の方のあれです。
 これは甘利大臣にお尋ねしたいんですけれども、今回、経済再生ケース、つまり経済が順調に成長するケースで、一五年度のプライマリーバランス赤字半減、これが達成されるというふうに言われています。
 民主党政権のときは、実は、この下の方のケース、すなわち、より経済を慎重に見通したケースでも達成する道のりを描いていました。ところが、安倍政権になったときに、上の赤いグラフ、すなわち経済が実質二%、名目三%成長するという楽観的な見通しのもとで達成するか否かということを考えるようになりました。
 なぜ慎重な見通しのもとに判断するという慎重な道のりをとらなかったんですか。甘利大臣、お願いします。
○甘利国務大臣 民主党では慎重なケースでも達成という話がありましたけれども、その後、経済が急激に落ちたというのはカウントされていなかったと思います。それを織り込んでいくとどうなのかなということが一つあります。
 それから、私どもは、まず、十五年続いたデフレを脱却させる、ずっと名目成長率が落ちてきて、ついに五百兆を割ってきたということを逆に取り戻していかなければならないということで、三本の矢によるアベノミクスを掲げたわけであります。
 時の政権は、自分の政策を掲げて、それに基づいて各種プランをし、指標をつくり、予測をしていかないとしたら、仮に、ではそれがうまくいかないという前提にプライマリーバランスの話をしたら、恐らく先生は、では最初からアベノミクスはうまくいかないということを前提にこれをはじいているのかと質問をされると思います。
 私どもは、向こう十年間、平均で名目三%、実質二%の成長を掲げて、政策をしっかり遂行していきますということを国内外に知らしめている以上、それに基づいて経済の再建の図式を描くというのも政権の責任だというふうに思っております。
○大串(博)委員 名目三%、実質二%、こういう目標を目指して成長戦略をやっていらっしゃるのはわかります。それを達成する責任を政府として負うというふうに考えるのもわかります。
 しかし、財政は非常に日本は今際どい状況にあるというのは、みんなの目に明らかだと思います。であるがゆえに、絶対に破綻するようなことがあってはならない。よって、慎重な上にも慎重に政策を行っていくのが私は筋だと思うんです。
 先ほどの出口戦略もそうです。一年後に訪れると黒田総裁がおっしゃる物価が二%になった時代に、長期金利がどうなっているか。先ほど申しましたように、一%長期金利が上がれば、三年後には四兆円の国債費の増額になるんです。それだけじゃなくて、恐らくいろいろな金融機関の行動も変わってくるでしょう。大変な状況になる。
 私は黒田総裁と一緒にアジア通貨危機を体験しましたけれども、九七年、韓国は、アジア通貨危機の中で破綻するまで、一週間前まで、あのIMFでさえ、大丈夫だ、韓国みたいな大きな経済が破綻することはあり得ないと言っていたんですよ。それが一週間でマーケットにやられて破綻したんです。それぐらい怖い状況がマーケットにおいてはあり得るということ、これを考えると、私は、慎重な上にも慎重を重ねて財政政策に関しては及ぶべきだと思います。
 その上で、先ほどの楽観的な見通しでのみ達成していこうという態度に変わったこと、これは私は非常に問題があるというふうに思っています。
 さらに、今回の補正予算、先ほど来、各個別の議論もございました。この補正予算も、私は、財政規律という観点からすると、非常に問題があるというふうに思っています。(パネルを示す)
 この補正予算に関しては、るる麻生大臣の方から、緊要性の高いもの、緊急に必要なものを盛り込んだんだというふうに言われました。しかし、見てみると、一番左側、「補正予算・実事業分」と書いています。これは、五・五兆円ですけれども、うち一・四兆円ぐらいは復興に係る繰り入れと債務の償還分なので、実際の事業分は四・一兆円です。
 各省の資料から、本予算とどれくらい重なっているんだろうと調べてみたところ、何と、本予算をとってきているというものは三・六兆円。補正予算の実事業分四・一兆円に対して、本予算を単にとってきているというのが三・六兆円なんです。割合にして、何と八六%。これは、ほとんど本予算を単に前倒しで持ってきているだけなんですね。
 これは本当に正しい予算編成のあり方なんでしょうか。麻生大臣、どうでしょうか。
○麻生国務大臣 これはもう大串先生よく御存じのとおりで、基本的には、補正予算をやりますのは、その時代時代に補正予算を組む名目、目的が明確になっておかないといかぬのだと存じます。
 大分前でしたけれども、リーマン・ショックのときたまたま担当しておりましたけれども、リーマン・ショックのためのというのが一点ございましたし、第二次安倍内閣の一回目の補正予算、前回の話です、昨年の話ですけれども、これは、選挙が終わって内閣がかわっておりますので、予算の組み替えを全部やっております。したがいまして、一―三月で予算を編成するという今までに例がないようなことをやりましたので、やむを得ず、一―三月で補正予算を四―六用に組んで、そしてその後、本予算をやらせていただいた。
 本予算がずっと後になるとどうなったかといえば、細川内閣が、本予算ができ上がったのが六月。あれが決定的に経済を悪くしていったというのはもう御存じのとおりなので、私どもとしては、何としてもそういったことは避けたいということで、させていただきました。
 今回は、四月からいわゆる消費税が上がるに伴いまして、どんと景気が落ちるであろうという予想が立っております。それにあわせまして、私どもとしては、反動減というものに対応するきちっとした予算を今のうちから組んでおかないと、おっしゃるように、本予算で組んでもおかしくないじゃないかと言われますが、本予算を組んだ場合は、本予算を組んで、決まってからそれが地方におりて、地方におりてからその地方で議会を通して、それがまた行って、現実問題としてそれが発注されていくには大体三カ月ぐらいかかるということになりますので、その間のブランクが大幅にあくというのは、経済、景気というものを考えたときには非常に問題が多い。
 したがって、一―三月の補正で組んでおいて、四月からすぐ執行に回せる。地方もそれを見て予算を編成しますので、そういった意味では、私どもとしては、補正というものは極めて重要な要素を持っておると思って、補正予算を編成させていただきました。
○大串(博)委員 緊要性が高いというふうに言われますけれども、中身はほとんど、先ほど申しましたように、本予算を前にすき取ってきただけの話なんですね。それがなぜそんなに問題になってくるかというと、財政の中期計画との話です。
 つまり、私たち民主党政権のときには、中期的財政計画は、毎年七十一兆円に歳出を抑えるという厳しいシーリングを持っていました。すなわち、歳入がどうであろうと七十一兆円に抑える。ところが、安倍政権になってからこれが変わりました。すなわち、歳出と税収の差を毎年四兆円減らしていこうということになっています。
 これはどういう意味を持つかというと、税収が伸びれば楽になるんですね。実際、来年度の税収は、私は、一%ほど民間に比べて高い見積もりになっていると思います。つまり、六千億ほど税収が過剰に見積もられていると私は思っています。
 さらに、歳出面において、歳出を補正予算に回せれば歳出がそれだけ減る。すなわち、五・二兆円今回赤字を減らすことができたんだというふうに言われていますけれども、先ほど見ていただいたように、補正予算の方に三・六兆円回していらっしゃるわけです。これをもって、五・二兆円を達成することが楽になっている。これで本当に財政再建をしているという図式になるのか。
 先ほどから、安倍総理、申し上げておりますように、財政というのは絶対に破綻してはいけないもの。であるにもかかわらず、補正予算において飛ばしのようなことをやって、達成したかのような見え方をつくっている、かつ、日銀政策に関する出口戦略は言わない。これでは、私は、財政に関して十分責任のある態度だとは言えないと思います。リスクが非常に大きい態度だというふうに思いますけれども、安倍総理の所見をお願いします。
○安倍内閣総理大臣 先ほど、出口戦略を私は言わないという御指摘がございましたが、同時に、いわば日銀の政策の中立性を政府が侵しているのではないか。つまり、日本銀行がとる金融手段について私が言うこと自体が、これは間違いなく日銀の中立性を侵すわけでありますから、その出口戦略について私が述べることは適切ではない、こう考えたところであります。
 そして、財政政策についても、安倍政権においては、大胆な金融緩和と機動的な財政政策によって、そしてもちろん成長戦略、この三本の矢によってデフレから脱却をして、経済を成長させていくという政策をとっているわけでありますが、その中において、やはり機動的な財政政策をしっかりととっていくことによって、いわばデフレからの脱却をより早めていく。そしてさらに、それを、速やかに景気回復の実感を地方に届けるためにも、財政政策をとっているわけでありますし、同時に需要を創出しているということであります。それが相まって、今、確実に景気は回復しつつあるんだろう、こう思うところでございます。
 もちろん、同時に、我々、財政状況というのは累積債務を抱えているわけでありますから、その中においてしっかりと、まずは二〇一五年に、一〇年比、GDP比のプライマリーバランスを半減していくという目標、これは四兆円という目標を一・二兆円超えているわけでありますから、こうした形で私たちは確実に前進をしている、このように確信をしているところでございます。
○大串(博)委員 この辺は、さらに議論させていただきたいと思います。
 終わります。
○二階委員長 これにて玉木君、大串君の質疑は終了いたしました。
 次に、小沢鋭仁君。
○小沢(鋭)委員 日本維新の会の小沢鋭仁でございます。
 本日は、集中審議、安倍内閣の基本姿勢ということで、本会議で松野幹事長からも質問をさせていただきました安倍内閣の憲法改正についての考え方について、この予算委員会の集中審議で深掘りをさせていただきたいと思います。
 まず、御案内のとおり、維新の会は、時代に合わなくなった我が国の国の仕組み、地方自治のあり方、そういった統治構造を抜本的に変えたい、こういう思いでつくった政党でございます。でありますので、そういった意味においては、国の大もとの規範である憲法改正、これは避けて通れない、あるいは、これを進めることによって国の形、地方の形を大きく変えていく、これを目指している政党でありますので、この憲法改正は必要不可欠、こういう認識でございます。
 一般的に、補完勢力などと言われておりますが、我々はそんな思いはありません。補完勢力ではなくて、安倍内閣の、あるいは自民党の改革をさらに引っ張っていく、我々はそういう政党でありたいと思っておりまして、そういう思いで、本日は私どもの思いも申し上げながら質疑をさせていただきますので、どうぞ真摯な議論をお願いしたいと思います。
 まず冒頭、各国の憲法改正に対するこれまでの歴史をちょっと見てみたいと思います。国民の皆さんにもぜひ見ていただきたいと思います。
 主要国における憲法改正の回数と改正手続、こういうフリップでありまして、お手元に資料をお配りさせていただいておりますが、戦後、アメリカは改正を六回、フランスは二十七回、ドイツは五十九回、イタリアは十六回、カナダは十九回、デンマークは一回、お隣の韓国でも九回、こういう数字ですね。日本はゼロ回でございます。
 これを見ていただいておわかりだと思いますけれども、この憲法改正、我が国、戦後、必要なかったのでありましょうか。だからゼロ回だったのでありましょうか。憲法改正の必要性について、改めて安倍総理の御見解をお伺いしたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 憲法というのは、国の形、あるいは未来、そして理想を語るものであろう、このように思うわけであります。
 私は、従来から憲法改正を主張してまいりましたが、その理由として三つ挙げてきたところでございます。
 一つは、現行の憲法は、やはり、いろいろな議論がございますが、基本的に占領軍の強い影響、同時に、原案については、事実上、占領軍がつくったものであるということであります。
 そして二つ目は、もう憲法が成立をしてから長い年月がたちました。時代にそぐわない条文もございますし、新たな、大切な価値観、権利も出てきているわけであります。
 そして三つ目は、やはり私たちの国の憲法は私たち自身で書いていく、この精神こそ未来を切り開いていくんだろう、こう信じるからでございます。
 その中において、残念ながら、今委員御指摘のように、日本においては一度も憲法改正がなされてきていなかった。これは、憲法について、指一本触れてはならないんだ、そういういわばある種の気持ちに国民全体が陥っていたということもあるのではないか、このように思うところでございます。
○小沢(鋭)委員 既に、総理、二つ目の質問にも入っていただいておりますが、まさに、なぜそれでは我が国憲法は改正できなかったのか。そこの理由について、もう既に一点目はお話しになりましたけれども、改めて総理の見解をお伺いしたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 この長い年月の間、自由民主党は、立党以来、憲法改正を掲げてまいりましたが、なかなか、現実問題として、自由民主党がそれを真っ正面から掲げるということは、長い年月なかったわけでございます。
 それは、先ほど申し上げましたように、国民的な気持ちが醸成されていなかったということもあるんだろう、そして、憲法改正ということ、これはやはり指一本触れてはならないんだ、そういう気分が醸成されていたということもあるんだろう、このように思います。
 同時に、この憲法改正の規定が、国会議員の三分の二以上の賛成がなければ発議できないということ、この条文も、九十六条も大きな要因であったのではないか、このように思います。
○小沢(鋭)委員 まさに、今の御答弁、私もそのとおりだと思います。
 ここで改めて確認をしておきたいのは、今総理がおっしゃった二番目の、改正手続の問題です。
 ここに、フリップの方にも出ておりますけれども、例えばアメリカは、各院の三分の二以上の賛成、それに四分の三以上の州議会の承認、こうなっておりますけれども、日本も各院の三分の二以上の賛成で発議、こういう話になっているんですが、ここは意外と知られていないんですが、日本はいわゆる総議員の三分の二なんですね。アメリカは出席議員の三分の二なんですね。でありますので、ここは、日本の憲法は、世界で本当に一、二を争うほどの大変改正が難しい憲法だ、こういう話だと思います。
 でありますので、総理がおっしゃったように、憲法に対する国民の見方、ある意味では不磨の大典、そういう受けとめ方、指一本触れてはいけない、こういうふうなムードがあったことも事実でありますが、同時に、この改正手続が余りにも難しいということを私たちは認識しなければいけない、こういうふうに思うわけであります。
 でありますので、先ほど総理もおっしゃいましたけれども、憲法を我々国民の手に取り戻す、憲法を国民自身が真剣に考える、そういうことが大事でありまして、そのためには、これももう総理も一歩踏み込んで先ほど答弁でありましたが、我々は、九十六条の改正という話を維新の会は選挙公約でうたって戦ってまいりました。
 九十六条改正については、改正議連というのが超党派でできておりまして、きょうお越しいただいております古屋大臣が現在の議連の会長であります。かつては、私と古屋大臣が共同代表を務めさせていただいておりました。安倍総理も顧問で入っていただいているわけですね。
 この九十六条改正をやらなければいけない、これは、改正手続を変えることは邪道だ、こういう意見があるんですけれども、先ほど申し上げましたように、世界で最も厳しいと思われる改正手続を変えて、国民の手に取り戻す、これは邪道でも何でもない、時代に合わせた憲法改正を行っていくためには必要不可欠だと我々は思っているんですが、古屋大臣、議連の会長でもあります、どうかその辺の御意見を聞かせていただきたいと思います。
○古屋国務大臣 小沢委員とともに、今から二年半ほど前、九十六条の改正の議員連盟を立ち上げさせていただきました。当時は、共同代表という形で立ち上げさせていただきました。もう既に、私たちは法案もその時点でつくり上げて皆さんにお示しをして、実は、それ以来、総会だけで四回やっていますね。あとは、役員会はたびたび開会をいたしました。
 それで、やはりポイントは、国民の皆様が憲法の改正について賛成なのか反対なのか、このことについて国民の皆さんが主体的に参画する機会を増大する、要するに、国民投票に参画する機会を増大するというのが私たちの議員連盟のつくった法案の一番大きな趣旨でございまして、一方では、やはり硬性憲法の性質、この性質はしっかり維持をする。ですから、私たちは、二分の一の、衆参両院の総員の過半数とともに、それができれば今度は国民投票に付することができる、こういう形で、しっかり硬性憲法の性質は維持しながら取り組んでいく。
 今、総理もおっしゃったように、三分の一の国会議員が反対しただけで、国民の皆様に主体的に参画する機会をも残念ながら奪ってしまっている、これは非常に問題だろう、こういうことで私どもも提案をさせていただきました。
 もちろん、自民党も、我々の公約の中に、この九十六条の改正を入れております。
 私は今国務大臣でございますので、当然、国務大臣である以上は憲法の遵守義務があるということは、これは申し上げるまでもないことでございますけれども、私は、議員連盟の会長として、小沢委員ともども、この取り組みをして、現時点では三百七十名ぐらいの会員になっておりますが、七百二十四名の三分の二というと四百八十二でございますので、まだ数は必要だ、こういうことでございます。
 引き続き、この問題については、国民の皆さんにしっかりと九十六条の改正の必要性というものを真摯に説明しながら、そういった機運が盛り上がっていけばな、こんなことを望んでいる次第でございます。
○小沢(鋭)委員 ありがとうございます。
 今おっしゃっていただいたように、とにかく憲法を国民の手に取り戻す。国民のところまで憲法改正の議論が届かない、ここはやはり変えなきゃいけないんじゃないか、こういう思いで我々はいます。
 ところで、総理には大変申しわけないんですが、このフリップを見ていただいておわかりのように、まず、平成二十四年十二月十八日の記者会見、こういうことで、総理の発言ですが、国民投票法で憲法を変えていくための橋をかけた、いよいよ橋を渡って最初に行うことは九十六条の改正だ、こういう発言をされています。
 例えば、平成二十五年の二月二十六日、参議院の予算委員会でもそれに類した議論がありまして、先ほど古屋大臣からも話がありましたように、三分の一をちょっと超える国会議員が反対をすれば議論すらできないというのはおかしいだろうというのが我々自由民主党の考え方であります、こう総理は述べております。
 さらに、これは結構話題になりましたですよね。平成二十五年四月二十二日、街頭演説に行って、私は九十六代の首相で、九十六条を変えたい、こうおっしゃったのは、テレビでも放映されて話題になりました。
 ところが、昨今、去年の恐らく連休のころからトーンが一気に落ちるんですね。
 例えば、平成二十五年五月十一日、フジテレビ番組、無理にやろうとすれば元も子もない、国民的議論が高まっているかといえばそうではない、国民投票で過半数をとらないと意味がない、最初の改正は、ある意味、慎重にやらなければいけないと。
 確かに、だめになっちゃえば元も子もない、そのとおりだと思います。ですから、わからないわけではありませんが、要は、国民に対してもっと議論を巻き起こしていく、こういう意味でいえば、現在の総理のお立場というのは、かなりトーンダウンした、何かあったんだろうかと思うわけでありますが、何かその辺について、反対のことをおっしゃっている人がいるのか、あるいは何なのか。この辺の経過について、総理から直接お伺いができればと思います。
○安倍内閣総理大臣 先ほども古屋大臣がお話をさせていただきましたように、この憲法、改正条項の九十六条なんですが、憲法の改正というのは一般の法律と違いまして、ここは誤解されている点なんですが、一般の法律については、衆参それぞれ二分の一の、過半数によって、賛成されれば成立をするわけでありまして、この国会で終結をするわけでございますが、憲法というのは、決めるのは国民なんですね。まさに国民の過半数が賛成して初めて憲法は改正できる、新しい憲法がつくられるわけであります。決めるのは国民、これが法律と決定的に違う点なんだろうと思います。
 しかし、その決める国民が実際に決められないではないか、たった三分の一の国会議員が反対すれば、それを議論する、国民投票で参加する機会を全く奪っているからこそ、九十六条を変えようということでございます。
 同時に、九十六条を改正するということについては、残念ながら、まだ世論調査等で十分な賛成を得ていない中において、いかに国民的な支持をこの九十六条においても得る努力を進めていくかということについて、私はさまざまな議論を呼びかけているわけでございまして、この必要性については今後とも私は訴えていきたい、こう思っている次第でございます。
○小沢(鋭)委員 改めて確認でありますが、九十六条から入るかどうかは別にして、この九十六条を変えなければいけない、こういう思いに関しては変わりはないということでよろしいですか。
 もう一回、お願いします。
○安倍内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、三分の一で拒否権を持ってしまう。いわば、国会議員はたった三分の一で、国民の六割、七割がもし望んでいたとしても、それを拒否してしまうのが果たしていいのか。これは、やはりおかしいと思うのが普通なんだろうと思うんですね。
 つまり、そういう意味において、私は、九十六条の改正、自民党も既にその案を出しているわけでございまして、改正すべきだ、このように思っているところでございます。
○小沢(鋭)委員 ぜひ、この議論を深めたい、盛り上げていきたい、こういうふうに思います。
 繰り返しになりますが、これは総理も、あるいは古屋大臣もおっしゃっていただきましたが、最後に決めるのは国民であります。ただ、こういう制度改正みたいな話というのは、残念ながら、国民の皆さんには直接響かない。
 例えば年金の話もそうですけれども、年金の額がふえる、減るという話は直接響きますから、それは国民の皆さんも物すごく敏感に反応されるんですが、では、年金の制度をどうしたらいいか。例えば、我々は積立方式というのを言っている、あるいは、ある党はスウェーデン方式というのを言っている。そういった制度論というのは直接響かないので、なかなか国民の皆さんはそこに反応していただけないんですよね。ですから、世論調査なんかの数字も私はそういう数字になるんだろうと思います。
 だからこそ、プロの議論が必要なんですよ。制度論に関しては、本当にプロの議論が必要で、プロが徹底的に議論をして、最後は国民の皆さんに判断を仰ぐ、これが大事な話だと思っておるものですから、私どもとしては、ぜひそうした議論を今後も深めさせていただきたい、こう思っております。
 次に移らせていただきます。
 憲法改正を行っていくために不可欠な環境整備、こういうことで国民投票法の話がございます。
 国民投票法、総理も今回の所信表明の中で、与党が案を出せそうなので協力をお願いしたい、こういうお話がたしかあったと思います。
 私どもは、御案内のとおり、既に国民投票法の改正案を国会に出しているんですね。そのことを総理は、まず御認識があったでしょうか。維新の会として国民投票法改正案を提出しております。これは御存じでございますか。
○安倍内閣総理大臣 維新の会として、国民投票法案を議員立法として出しておられる、それは承知をしております。
○小沢(鋭)委員 そうなりますと、この国会議論を進めていくに当たって、政党間協議という話もあるんだろう、こう思います。
 ここは総理というよりも自民党総裁というお立場で結構でありますけれども、この国民投票法をどうやって進めていくのか、それについて、例えば共同提案という話もあり得るのかどうか、総裁としてのお考えがあったらお聞かせいただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 これまでも、御党を含めて、各党各会派で御議論をいただいているところでございまして、私としては、与党のリーダーシップにおいて議論を加速させていきたい、こう考えております。
 今後とも、国民投票というのは、憲法改正に対する、国民の主権行為に関する、いわば憲法改正の土俵をつくっていくものでありまして、極めて重要な議論でございますから、各党各会派によってしっかりと議論がなされることがふさわしい、このように思っております。
○小沢(鋭)委員 我々も積極的に協議には参加をしてまいりますので、ぜひそういった姿勢でお願いしたいと思います。
 ちなみに、これも、せっかくの機会ですから国民の皆さんにも申し上げておきたいんですが、国民投票法の最後の附則のところで三つの宿題というのがあって、この三つの宿題に関しては、平成二十二年五月十八日までに、平成二十二年ですよ、仕上げなければいけない、措置しなければいけないという規定があるわけですね。全くそういう意味では国会は不作為なんですね。法律違反とまでは言えないかもしれません。少なくとも不作為であります。こういった話をしっかり国会として対応しなければいけない、こう我々は思っておりますことも申し上げたいと思います。
 それでは、これからそういう議論を進めていくに当たって、憲法改正のいわゆる道筋といいますか、これは意外と国民の皆さんもわかっていらっしゃらないところがあるので、その問題をちょっと詰めておきたい、こう思うんです。
 国会法六十八条の三というのがございまして、憲法改正原案は、内容において関連する事項ごとに区分して個別に発議するものとする、こういう議論があるんですね。
 これは、例えば、御党の方は憲法改正草案というのを出していますね。維新の会も、中間報告ですけれども、全体像の論点整理をもう既に発表させていただいております。これはもうホームページを見ていただければ載っておりますから、ぜひごらんをいただきたい、こう思うんです。
 この国会法六十八条の三があると、これは個別にしか議論できないんじゃないか、こういう意見があるんです。ここの部分、要は、一条ごとにしかやれない、こういう意見があるんですね。
 ちょっとそれの解釈について聞きたい、こう思いますが、総理ではなくて、では衆議院法制局でも結構です。それについての解説をお願いします。手短にお願いします。
○橘法制局参事 憲法改正国民投票法案の立案、審議の際にお手伝いさせていただきました事務方の立場から御答弁させていただきます。
 もう先生読み上げられましたように、個別発議の原則は、国会法において定められた実定法上の原則でございます。先生、象徴的に、逐条、条文ごとというふうにおっしゃいましたが、先生先ほど条文を読まれましたように、あくまでも、逐条ではなくて、内容において関連する事項ごとということでございます。
 この趣旨につきましては、当時、提出者でいらっしゃった公明党の斉藤鉄夫先生が、個別の憲法政策ごとに民意を正確に反映させるという要請、もう一つは相互に矛盾のない憲法体系を構築するという要請、この二つの要請を調和させたものであるというふうにおっしゃっておられます。何が内容において関連する事項であるかにつきましては、憲法改正の発議権を有する国会自身が個別具体的に判断するべきものともおっしゃっておられます。
 また、同じく法案提出者でいらっしゃった自由民主党の船田元先生は、この原則の適用場面について、次のような御答弁をされております。
 すなわち、例えば、第九条の改正と環境権の創設という全く別個の事項について、それを一括して国民投票に付するということは明らかに好ましくない、こう述べられた上で、では、憲法の全面改正の可否についてはどう考えるのだということについては、それが全て相互に密接不可分である、内容の上で分かちがたい、そのように国会が判断するのであれば、一括して発議される場面も論理的にはないことはないというふうに思うけれども、しかし、さまざまな内容の改正を含むということであれば、現実問題として、また政治論としても、一括して発議することは難しいと答えざるを得ないと御答弁もされています。
 ちょっと、蛇足ですが、もう一つだけ付言させてください。
 このような規定が設けられた経緯につきましては、国民投票法の制度設計に関する先生方の御議論の過程で、一般の国民が政策選択に関して参加する国民投票においては、何が論点となっているのかを一般国民の方々に正確に理解してもらえるように、明確かつ平易な形の質問とするべきであるとの趣旨に基づく、いわゆるシングルサブジェクトルールなるものが諸外国の幾つかにおいて採用されている事例が御紹介されました。これをめぐって日本国憲法の全面改正の是非を含めた活発な御議論がなされた結果、このような条文に落ちついたものと拝察されます。
 以上でございます。
○小沢(鋭)委員 橘さん、ありがとうございました。
 というような話でして、決して全体を一括してやれない話ではないけれども、それは決して好ましいことではない、こういうような話が現在のある意味ではコンセンサスですね。でありますので、先ほど申し上げましたように、我が党が出しております全体像の姿を幾ら提示しても、国民投票にかけるときには部分的にしかかけていけない。
 例えば、「憲法改正に至る道筋のイメージ」、これは私、小沢鋭仁案ですけれども、先ほど申し上げた九十六条、皆さんのお手元に、これはイグザンプルとして見ていただければいいんですけれども。
 九十六条改正を先行してやるべきだ、こういうふうに私どもは主張しておりますし、緊急事態の規定が今の憲法にないですから、これは今も憲法審査会で、各党とも、こういったものは必要だ、こういう議論になっていますから、一次改正でそういう話をやる、今度は、我々のまさに主張している統治機構改革、地方自治とか、新しい環境権とか、そういう話を二次改正でやる、三次改正でいわゆる安全保障の話とかをやる、四次改正で全体の字句整理をやるみたいな話になりますと、これは一つ一つ国民投票をやっていくわけですから、大変な実は時間がかかるんですね。
 今、いろいろな新聞社や、いろいろな機関や、そういったところが多くの提言をしていただいておりますが、そういった提言をしていらっしゃる皆さんたちも、この改正のイメージというのを持っていないんだと思いますよ。
 諸外国を見ますと、もちろん、シングルイシューでという話は先ほど事務局からありましたが、例えば大幅変更、そういうものは、例えば、フランスは二〇〇八年、統治機構改革ということで大幅改正をやりました。韓国は一九八七年、第五共和国憲法が全面改正されて、第六共和国憲法という形で大幅改正になりました。
 等々、あり得るわけですけれども、国の仕組みを大きく変えていくということでいえば、私はやはり、国会法六十八条の三のあり方も検討し直すべきだ、こう思っておるんですが、総理のお考えはいかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 国会法と、国民投票に憲法改正案を付していく中において、いわば内容において関連する事項ごとに区分していくかどうか、全体でいくのかどうかということでございますが、基本的には、憲法改正については一つ一つが大変重い課題でありまして、時間がかかっても、丁寧に一つ一つ審議をしていくことも重要ではないかと思います。
 まずは、各党間でおおむね了解を得られたものから事項ごとに憲法改正を行うこととなるんだろうと思うわけでございまして、基本的には三分の二でございますから、現行憲法の改正規定にのっとって改正を行うわけでありますから、衆議院、参議院、おのおの三分の二。多数を形成するというのはそう簡単なことではないわけでございます。
 その中においては、いわば全体として、憲法改正案を幾つか重ねていくということは、相当、現実の政治の問題として、これは我が党の船田議員が答弁したことだと思いますが、現実の問題としては大変難しいのではないか、このように思います。
 ですから、現実の政治論としては、大体、現在の国会法で定められている形で、内容において関連する事項ごとに区分して改正を行っていくということになるのではないか、このように思います。
○小沢(鋭)委員 今までどおりの解釈の方向で、こういう御答弁だったと思います。
 ただ、本当にそれでこの時代のテンポに合うんだろうか、こういう思いがありまして、これは我が党の中でももう一回議論をして、改めて、必要であれば、国会法改正のまた提案もさせていただきたいと思っています。意外とこれは国民の皆さんも、あるいはまたメディアの皆さんも知っていない部分だ、こう思っておりまして、重要な論点だということをぜひ共通認識で持たせていただきたい、こう思います。
 時間も大分経過してまいりました。具体的な中身はいっぱいあるんですけれども、道州制の問題とか、我々は先ほど申し上げましたように統治機構の改革を掲げておりますので、あるのでありますが、一つ、国会でありますから、国会のあり方ということに関してテーマを絞って、残りの時間は申し上げたいと思います。
 一言で言うと、一院制の国会、これを我が党は選挙公約で出させていただいているわけでございます。衆参を対等合併して一院制にしよう、こういう話でありまして、これは御党の衛藤征士郎議員が会長を務める議連のある意味では提案でもあります。私はそれの副会長を務めております。ちなみに、総理もこれに入っていらっしゃいますよね。麻生副総理も入っていただいておりますよね。新藤大臣も古屋大臣も入っていただいている、こう承知しております。
 それで、戦後、いろいろな憲法改正の議論は山のようにされてきておりますけれども、国会に憲法改正議論が、入っていませんか、失礼しました。古屋大臣は入っていない、こういうことであります。失礼しました。
 国会に憲法改正原案が出されたことは、今まで一回あるだけなんですね。憲法改正原案は、実は国会に一回だけ提出されているんです。世の中でこれだけ多くの憲法改正の議論があるけれども、一回しかないんですよ、国会に出されたのは。
 二〇一二年四月二十七日、一院制国会を実現する、こういう憲法改正原案を私が実は筆頭提出者で出させていただきました。賛同者には安倍総理も入っていただいているんですよ。名前を連ねていただいています。麻生副総理も賛成者に名前を連ねていただいているんですね。
 これは、今、〇増五減、定数是正の議論があります。〇増五減なんていうちまちました話じゃなくて、一院制にすると一気に二百人ぐらい議員は減るんですよ。あるいはまた、選挙制度の議論がなされています。一院制にすると、一気に選挙制度を変えなきゃいけないんですよ。こういう話を、我々はまさに抜本的な制度改正だと。
 そんなの夢物語だ、こう皆さんお感じになるかもしれませんが、総理は、今国会の冒頭で、南アのマンデラ大統領の言葉を引用して、実現するまでは全てそれは困難なことであるという話だ、こういう話がありました。
 一院制、総理も賛成者で名前を連ねていただいて、国会に提案になっているんですが、これはどうですか、いかがお考えでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 この一院制の議連には、私は名前を連ねておりまして、その賛成者にもなっておりますが、他方、我が党として改正原案を既に決定しておりまして、今私は自民党の総裁でございますので、その中において、我が党の考え方としては、憲法が採用している二院制は、衆議院、参議院の両院が特性を生かし、それぞれの役割を果たすことによって民意を的確に反映させ、そして、議事の公正、慎重を期すとともに、衆議院が解散しているときには参議院においてそれを代替するという機能を有しているものと理解をしているわけでございます。
 国会のあり方については、いずれにせよ、国会等においてしっかりと議論されることが望ましいのではないか、このように思います。
○小沢(鋭)委員 我々は、目の前の国会のあり方を、国会改革という形で既に維新の会は提案させていただいております。さらに、そういう現実的な対応をしながら、同時に抜本改革、こういう意味では、理想の姿を提示している、こういうことでありまして、ぜひ、総理も一旦は賛成者で名前を連ねていただいたんですから、前向きな御検討をこれからお願いしたい、こういうふうに思います。
 最後に、安全保障の話、もう一つ、時間がありましたので申し上げたいと思います。
 総理は、答弁の中で、我が国は、現状を見まして、このような状況のもとでは、もはや我が国のみでは我が国の平和を守ることはできません、こういう答弁を最近されているんですね。我が国だけでは本当に国を守れないのかと。私は、一瞬どきっとする表現ですよ。
 ですから、そこの議論は意外となされていないので、またこれは担当委員会で詰めたい、こう思っておりますが、その後、いわゆる国際の平和と安定にも寄与していく、こういう言い方をしていて、大きな枠組みの話をされているんですね。
 これは集団的自衛権の問題だ、こういうふうに受け取られているんですが、私がここで総理に一点聞いておきたいのは、集団安全保障の議論が最近低調なんですね。
 かつて、自民党の宮沢元総理は、まさに総裁選のときに、いわゆる国連常設軍、集団安全保障を追求していくべきだ、具体的には国連常設軍をつくるべきだ、こういう話を一九九一年にしていますね。こういった話が低調になっている。
 日本が、ある意味では各国からいろいろな評価がありますけれども、いわゆる一国だけで何かするという話ではなくて、まさにそういったグローバルな枠組みで安全保障を考える、こういう話は提唱していくのにふさわしいと思いますよ。
 ですから、総理のおっしゃっている、もはや我が国のみでは我が国の平和を守ることができない、国際の平和と安定に寄与していく、ここから出てくる話は集団安全保障ですよ。この議論をもっとやったらどうですか。そうすると、日本のイメージは変わると思いますよ。まさに国際政治の先頭に立ってやられたらどうでしょうか。いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 まさにこの集団安全保障、集団的自衛権とともに、集団安全保障というのは、一国のみでは自国を守ることができないという時代の中において、これは、国際社会全体で平和と安定を維持していこうということでもあります。
 その中で、特に国連が果たす役割は大きいわけでありますが、安保法制懇においても、集団的自衛権とともに集団安全保障についてもこれはしっかりと議論がなされているわけでございまして、具体的な例に沿って、さまざまな議論を行っております。
 例えば、イラクのクウェート侵攻のような国際秩序の維持に重大な影響を及ぼす武力攻撃が発生した際、国連安保理決議が採択された場合においても、我が国は、攻撃された国を救援する国々の海軍艦船を防護はできないということになっているわけでございますが、果たしてこれでいいのかということでもありますし、そもそも、今、我々はPKO活動等も行っておりますが、その際、同じ地域で活動する他の部隊が襲われた場合、我々はその部隊を救援することができないという状況になっているわけでありますが、それでいいのかということも含めて、今、議論を深めているところでございます。
○小沢(鋭)委員 時間でございます。終わりますけれども、維新の会は、これからも改革案を次々と出させていただきたいと思っております。改革を引っ張る政党として頑張りたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 ありがとうございました。
○二階委員長 この際、重徳和彦君から関連質疑の申し出があります。小沢君の持ち時間の範囲内でこれを許します。重徳和彦君。
○重徳委員 日本維新の会の重徳和彦です。
 ベテランの先輩方ばかりのこの予算委員会でございますが、私は、新人議員といたしまして、日々地べたをはいつくばって、毎週末、何十人、何百人という市民、町民の皆さんと地道に活動を続けている、こういう立場から、まさに市民、町民の声を安倍総理初め閣僚の皆様方に届けてまいりたいと思っております。
 ところで、昨年九月、東京オリンピック・パラリンピックの招致が決定をいたしました。不肖私も、七月に超党派の議員団でスペインのバルセロナへ、世界水泳の大会があったときを活用しまして、招致活動に行ってまいりました。皆様方と喜びを分かち合いたいと思います。
 特に私が思いますのは、この東京オリンピック開催に向けまして、今後、首都圏のインフラ整備が進むことは、これは間違いないことですし、きちんと進めなければならないことだと思います。ただ一方で、これを単に東京だけのお祭りで終わらせてしまってはいけない。
 これはやはり、地方の方々からいろいろ伺いますと、一九六四年の前回の東京オリンピックのときには、若い方々がどんどん地方から東京へ行って、東京で活躍をされる。それでも、地方にも若い方々がたくさん残っていて、全国が非常に盛り上がったということでございますが、昨今の状況ですと、地方が下手をすると疲弊していってしまうことにもつながりかねない、こういう懸念の声も耳にすることがございます。
 その意味で、東京のオリンピック、パラリンピックの前年には、二〇一九年、ラグビーのワールドカップが、これは日本全国津々浦々で試合会場が置かれるということになりますし、それから、さらには、さまざまな地域のスポーツやさらに文化、こういったものを世界に、国際的に交流を発信していくようなことが必要なんじゃないかな、このように思うわけでございます。
 地域でも、オリンピック種目以外にいろいろなスポーツがあります。太極拳とかグラウンドゴルフとか、子供たちはドッジボール、これもかなり高度な小学生のスポーツの域まで達している、そういうチームもあります。そういうような国際大会を開く。
 あるいは、文化的な行事でいいますと、私の場合は地元が愛知県の岡崎市、西尾市、幸田町というところなんですが、例えば三河万歳という伝統芸能もあります。鳥羽の火祭りだとか、一色の大ぢょうちん、幸田のたこ祭り、本当に枚挙にいとまがありません。中には、国指定の無形民俗文化財に指定されているものもあります。
 また、歴史的な記念行事もあろうかと思います。岡崎市でいいますと、徳川家康公生誕の地なんですが、家康公没後四百周年、あるいは、過去に大正天皇が御即位をされるときのお田植えが行われた地域、これは悠紀斎田というんですが、そういったところも百周年を迎えるとか、さまざま、これから五年、六年の間に全国各地であると思います。日本の歴史、あるいは皇室の歴史、こういったものを国際的に発信あるいは交流していく、こういうことも非常に重要なことではないかと思うんです。
 これは、下村文部科学大臣に、今後のこうした文化、スポーツ、ラグビーワールドカップ、こういった取り組みを後押しいただきたいと思うんですが、御所見をお願いいたします。
○下村国務大臣 御指摘のように、二〇一九年にはラグビーのワールドカップがあります。また、二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピックがあるということで、それに備えて国立競技場も建てかえをするということであります。
 御指摘のように、一九六四年に東京オリンピックがありまして、東京は二回目でありますが、単に東京一極集中を加速させるようなことではなくて、招致もオール・ジャパンで獲得できたわけでありますし、やはり日本全体が活力を取り戻すような、そういう企画をぜひしていきたいというふうに思います。
 愛知県もそうですし、また九州や北海道を含めて、オリンピックそのものは、競技は都市開催ですから東京でするということですが、事前合宿は、できたら四十七都道府県で二百カ国、そうすると、一県で四つか五つぐらいの国の事前合宿や、あるいは各種スポーツの受け皿を事前に対応していただく。
 それから、御指摘のように、単にスポーツの祭典だけでなく、文化芸術立国として、昨年は和食が世界無形文化遺産、富士山も世界遺産になった。このときに、ぜひ世界じゅうの方々に日本各地を訪れてもらって、同時に、全国津々浦々、いろいろな文化芸術イベント等をされております。そこに、アスリートも世界じゅうから一万人ぐらい来られますけれども、できたらトップアーティストの方々が日本を訪れて、そして、いろいろなところで我が国の伝統行事とジョイントするような形で、日本じゅうで二〇二〇年を通じたイベント、吸引力をすることによって、昨年一年間で外国人観光客が初めて一千万人を超えましたが、二〇二〇年には二千万人、二〇三〇年には三千万人にするという計画がありますけれども、二〇二〇年をターゲットイヤーとして、その先の、二〇二〇年以降の日本全体が元気になっていくような、ラグビーのワールドカップ、それから二〇二〇年のオリンピック、パラリンピックを位置づけて、日本全体を活性化する、そういう取り組みをぜひしてまいりたいと思います。
○重徳委員 ぜひとも、全国、国民挙げて、この平和の祭典を盛り上げていく、このようなこと、そして地域活性化に結びつけていく、こういう視点で取り組んでいただきたい、このように思います。
 さて、話はかわりますが、今申し上げました東京パラリンピック・オリンピック、そしていわゆるアベノミクスによりまして、リーマン・ショックで非常に苦悩にあえいでいたこの日本の状況、世の中の雰囲気はかなり変わってきた、このように思います。しかしながら、残念ながら、こうした雰囲気に隠れて、全然変わっていない部分、改革が進んでいない部分、これもまたたくさんあるということを本日は御指摘をさせていただきたいと思います。とりわけ、この四月には消費税が増税されるというタイミングであります。
 まず最初に指摘をしたいのは、官僚任せの予算編成、これは全然昔から変わっていない、このように思います。消費税増税で負担は全ての国民が負うんですが、その使い道は相変わらず官僚任せ、こういう状況は私は変えていかなければならないと思っております。
 消費税増税というのは、景気に対しまして、それそのものはマイナスであるということは間違いありません。
 近年、特に、物価は上がり、賃金は今のところごく一部を除いてまだまだ上がっていない、そして年金は下がるというようなことで、やはり、地元でも中心街で、これまでは何とかぎりぎりお店を続けてきたけれども、この四月、いよいよきついからもう店を閉じざるを得ない、閉めてしまおう、こういうことでありますから、もうみんな本当に戦々恐々なんです。それでも、これからの高齢社会で、年金、医療、介護、本当にお金がかかる、そして借金も、子供たち、孫たちにいつまでも多額の借金を残すわけにいかない、こういう本当にぎりぎりのところで納得せざるを得ない、これが多くの方々の率直な感覚だと私は思います。そういう状況ですから、私は、政府は一円たりともこれは無駄遣いを許すべきではない、このように思います。
 まず、政府は、消費税の増税分、今回は、二十六年度は五兆円ということになりますが、この五兆円全て社会保障にのみ充てるという約束をされておりますが、これは間違いないですね、総理。
○安倍内閣総理大臣 ただいま委員が御指摘になったように、消費税引き上げ分の増収分は約五兆円でございますが、これについては、全額社会保障財源化いたしまして、社会保障の充実、そして安定化に充ててまいります。また、国分の消費税収の使途を法律や予算に明記するなどにより、このことを明確化していく考えであります。
 具体的には、基礎年金の国庫負担割合の二分の一の恒久化などにより、社会保障の安定化を図るとともに、待機児童解消加速化プランの推進を初めとする子ども・子育て支援の充実、そしてまた、医療、介護が必要になっても住みなれた地域で暮らしを継続できる仕組みの構築、そしてまた、所得が低い世帯の保険料のさらなる軽減、そしてまた、医療費助成の対象疾患の大幅な拡大など、難病及び小児性の特定疾患対策の大胆な強化といった社会保障の充実に充てていくこととなっております。
    ―――――――――――――
○二階委員長 議事の途中でございますが、ただいま、後方の傍聴席にヘスス・ポサダ・モレノ・スペイン下院議長御一行が御到着になっております。この際、御紹介を申し上げます。
    〔起立、拍手〕
○二階委員長 ありがとうございました。
    ―――――――――――――
○二階委員長 それでは、議事を続行します。重徳君。
○重徳委員 私も、図らずも去年の七月にスペインのバルセロナに行って五輪の招致をしてまいりましたが、今、その下院議長さんがお見えになったということで、歓迎をいたしたいと思います。
 スペインは、バルセロナは、サマランチ元会長の生まれ故郷でもありますし、それから首都のマドリッドは、言うまでもなく、東京とオリンピックの招致を競ったライバルでもございました。結果的に東京が会場となりましたけれども、マドリッドに仮になったとしても、これはお互いたたえ合うという関係、これがスポーツの祭典、平和の祭典だと思います。
 そういうようなことも含めまして、総理から下院議長さんに対してもし一言ありましたら、お願いいたします。
○安倍内閣総理大臣 しっかりと通訳をしていただきたいと思います。
 まさにきのう下院議長とはお目にかかったわけでございますが、伊吹議長と非常に有益な会談を行われたということでございます。
 昨年、日本とスペインは国交がスタートしてから四百年の節目となったわけでございまして、皇太子殿下が訪問をされた際にも、大変な歓迎をいただいたわけでございます。
 その昨年、まさにマドリードと東京が競い合ったということは大変光栄に思うところでございまして、マドリードとともに競い合ったこの東京オリンピックをぜひとも我々は成功させていきたいと思いますし、スペインの選手にも大いに活躍していただきたい、このように思います。
○重徳委員 消費税の話に戻ります。
 消費税財源を社会保障に全部充てる、これはもちろん重要な公約でありますが、これを実現するというのは、むしろ当然のこと、あるいは、少し語弊があるかもしれませんが、大したことではないと私は思っております。
 つまり、社会保障費というのは、毎年、一般会計で三十兆円規模なんですね。これは、毎年の税収では足りないものですから、赤字国債で、赤字国債こそ四十兆円以上発行しているわけですから、これを少しでも減らさなきゃいけない。そこの中に、今回でいえば、二十六年度、五兆円分をはめるだけといえばそれだけのことですので、それ自体は、言ってしまえば実現して当然だと私は思います。
 では、問題は、その五兆円分、財政は丸々五兆円分だけ健全化されたんだろうかということであります。答えはノーだと思うんですね。ノーです。
 なぜかというと、それは、その他の予算をふやしているからですよ。もちろんこれは必要な予算もありますから、別に、それ自体を全部否定するわけではありませんが、やはり私は、各省庁の姿勢に非常に疑問を感じます。
 来年度当初予算、これは、昨年の夏に概算要求を各省庁が行うわけですけれども、税収でお金がどんどん入るというふうに思ったんでしょうか、概算要求は九十九兆二千億円という史上最高額に上りました。そこから査定をして現在の政府案になっているわけでありますけれども、この姿勢、どんどん要求してしまう、欲しいものはどんどん国民の税金でやってしまう、こういう姿勢というのは、私はただしていかなければならないと思います。
 それから、今回の二十五年度補正予算につきましても、その規模は五・五兆円でございます。これは景気対策というふうに一応の説明を受けてはおりますが、やはり、この委員会で各委員から厳しい指摘があったように、中身は、景気対策につながるとは思えないような予算のオンパレードという状況でございます。これは、本当に政治のリーダーシップが問題なんだと思います。
 景気のためという名目で五・五兆円、何でもいいから積めと言われれば、官僚もいろいろやりたいことがありますからどんどんお金を積んでしまうわけです。これをやはり容認しちゃいけない、これを官僚任せにしちゃいけないと私は申し上げているわけであります。
 先ほど玉木委員からも、昔、塩じいと言われました大蔵大臣が、母屋でおかゆをすすっているときに離れですき焼きを食っていると。これは一般会計と特別会計の例えでありましたけれども、今や一般会計はおかゆじゃないと思いますよ。一般会計そのものがすき焼きになっているじゃありませんか。そして、今回の補正予算、例えて言えば、すき焼きを食べた後にデザートにステーキが出てきたみたいな補正予算だと私は思います。その意味で、本当にカロリー過多、もっとカロリー計算した財政運営を行っていただきたいと思います。
 こういうことになるのは、やはり理由があるんです。仕組み上の理由があります。
 当初予算というのは、各省庁ごとにいわゆるシーリングがあります。省庁縦割りであるんですね。だから、文部科学省なら文部科学省は、昨年度、五%カットあるいは一〇%カット、この範囲内でしか予算要求できませんとか、各省庁ごとに決まっているわけです。
 ですから、当初予算では、新しい大規模な要求は非常にしづらいんです。その分を、上限の決まっていない今回のような補正予算でどんと要求するわけですね。こういう説明を、役所なんかは常識のように説明をするわけです。国会議員の中にも、じゃしようがないよなという納得をしてしまうような議員もいるわけですよ。だから、筋のいい事業も悪い事業もどんと入ってしまう、年度末のこんな時期に入ってしまう。
 こういう仕組みは、そもそもの当初予算のシーリングの仕組みを変えていかなければならないと思います。これは役所に任せていてもだめなんです。役所はみんな各省庁に所属しているわけですから、そこでのシーリングを守るしかやり方はないんですね、役人の立場からは。
 ですから、それは、全体を見渡せる総理、全体のリーダーシップをとっていただいて、ぜひとも、前年度比、各省庁ごと、あるいは省庁の中の各局のシーリングなんということじゃなくて、全体の中で割り振りを大幅に大胆に変えるということを、リーダーシップを持ってやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○麻生国務大臣 シーリング、これは一番、あなたの大先輩に当たる、まだ御存命ですけれども、相沢英之先生という方が、このシーリングこそ役人を堕落させた、三十年ぐらい前にそう言われたと思うんです。これは、青天井にしておいて、そのかわりばさばさ切るということになる方がよほど苦労が多いというお話を聞かされておりましたので、今回の概算要求は、各省別の基準ではなくて、いわゆる年金、医療にかかわる経費、地方交付税交付金等、また義務的経費、裁量的経費、また復興対策による経費など、経費の性質に応じて区分をした上で、それぞれのあれについて、めり張りのついた一定のルールを定めますというやり方をやらせていただきました。
 したがって、先ほど、九十九兆、約百兆近いものが出たんですが、結果としては、御存じのように九十五までということになっておりますが、そういうときに、新しい日本のための優先課題推進枠というのを設けさせていただいて、これは、安倍政権としてこれだけは絶対に優先すべき課題について、各省の枠を超えて配分できる仕組みというものとしていろいろやらせていただいたんです。
 したがって、平成二十六年度予算の概算要求基準は省別のシーリングというような基準になっておりませんで、予算編成に当たっても、枠を超えてかなり大胆な予算編成ということになったのではないか。
 例えば、地方交付税等々を例に挙げれば、お詳しいところでしょうけれども、地方交付税は、地方税がふえましたものですから、ふえた分だけ、その分だけ減らさせていただきます、地方交付税を。こちらから出ます特別交付税を減らさせていただきます、そのかわり、科学技術とか、また公共事業とか防衛関係などに別に配分させていただきますというような形をやらせていただきましたので、各省庁一律何とかというような形ではなく、まあ第一歩かと思っておりますけれども、そういった御疑問、また御提案、我々としてもまことにもっともなところだと思っておりますので、その方向で、小さな第一歩と御理解をいただければ幸いです。
○重徳委員 私も、こういう思い切った改革が必要だという思いを持って、役所を飛び出して政治家になったというところがありますので、この予算編成の問題は本当に重要な問題だと思います。
 時間があればもう少しやるんですが、次に移らせていただきます。
 今回の消費税増税による景気の腰折れ対策としまして、やはり本質的には、アベノミクスで言うところの第三の矢、これをしっかりと打ち出していく、実施していかなければ、増税に負けない産業構造というのはなかなかできないと考えております。いわゆる成長戦略です。ここの部分が、今のところ安倍政権においては一番弱いところだという指摘がなされております。
 そういう中で、総理はダボスでこのように御発言をされました。向こう二年間、国家戦略特区ではいかなる岩盤規制、すなわち既得権益も、私のドリルから無傷ではいられない、このように力強くおっしゃいました。
 それを受けまして、先週は国家戦略特区の諮問会議がありまして、民間議員から、岩盤規制と言われる規制のリスト、これが挙げられました。医療、労働、教育、農業といった分野で挙がってまいりました。もっとも、これは目新しいものではないんです。私も、もう十数年前からよくよく見てきたものであります。だけれども、これがなかなか穴をあけられない。だからこそ、岩盤規制と言われているんだと思います。
 でも、逆に言うと、だからこそ、今から一から検討する内容ではないと思うんですね。やる気になれば、スピード感を持ってすぐできるはずなのに、先週の塩崎委員からの質問に対しまして新藤総務大臣が、では今国会中にこの特区法の改正があるのかということについて、非常に煮え切らない御答弁がありました。
 具体的な場所とテーマ、そして事業内容が詰まっていかないととか、作業を進めていく上で必要であれば私どもは即座に対応したいと思いますが、それはあくまで作業の進捗状況によるなんということで、こんなことでは、やる気があるのかどうかと問われるような御答弁だと思います。
 このことについて、新藤大臣がどう言おうとも安倍総理はこうされるんだということを、力強く総理から御答弁いただきたいんですが、今国会中の法案提出についていかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 前回は、新藤大臣は、いわば要件等についてしっかりと御説明しようと思って、そういう答弁になったんだろうと思いますが。
 国家戦略特区に盛り込んだ規制改革事項に加え、新たに必要となる規制改革事項についても改革のスピードを上げる。今委員がおっしゃったように、改革を進めていく上においてはスピードが大切でありますから、スピードを上げるため、できる限り速やかに取り組んでいく必要があると考えています。
 このため、国家戦略特区諮問会議などにおいても、これまでの自治体、民間提案の洗い出しや、指定された区域からの改革ニーズ等による追加の規制改革措置の検討を進めて、今国会も含めた法的措置の必要性についても検討していきたい、このように考えております。
○新藤国務大臣 まず、答弁の前に、私がインフルエンザにかかりまして、この委員会の運営に多大な御迷惑をおかけしたことはおわびを申し上げたい、このように思います。
 その上で、ただいまの御質問でありますが、消極的にとられた、私の答弁がそのように思えたとするならば、ぜひそれはきちんと聞いていただいて、認識を改めてもらいたいと思います。
 私たちは、最大限のスピードを持ってあらゆることにチャレンジをする。それが、今まで全般ではできなくても、特区であるからやるんだ、そういう強い意思を持って、それが必要とあれば国会中であっても追加の法案も出しますよ、そういう覚悟を持ってやるということです。
 でも、これは、手段の目的化になってはいけないんです。何のためにやるのか、どんな効果を出すのか、そのことをきちんと目的を明確にした上で、その手段としての規制緩和をやっていかなければならない。
 だから、メニューは今までもそろっています。でも、できなかったのはできなかった理由があるんです。それを打破するためのきちんとした目的と成果を設定して、その上で、これは断固たる決意で進める、こういうことでございますから、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
○重徳委員 インフルエンザから立ち直った力強さで、ぜひとも本当にやっていただきたいと思います。総理からも、今国会を含めというお言葉をいただきましたので、ぜひとも今国会でこの特区の法案を提出いただきたいと改めてお願いを申し上げます。
 次に、やはり消費税を増税する以上は、私たち税金で給料をもらったりしている人間としては、これは国会議員も公務員も、身を切る覚悟を持たなければならないと思います。
 国会議員の定数の削減につきましても、これまで委員会でも質問が出まして、総理からも一定の御見解があったと思います。これから各党の協議を早急に進めていかなければならないと思いますが、もう一方で、公務員の給与を、これまで二年間、七・八%、国家公務員はカットしていたということでありますが、これが今度の四月から、七・八%、そのままもとへ戻してしまう、こういう状況であります。
 私も、元公務員ですから、給与をカットされてうれしいことは何もないという気持ちはわかるんです。しかしながら、やはり、この増税の局面におきまして、大企業だって、まだ賃上げを、ベースアップはやるかどうかも決定はしていないわけです。やるとしても、全ての企業が大幅にアップするということは、私は現実的にはなかなか難しいなと思いますし、まして中小企業は、その兆しもまだ見えていない。
 来年度は税収が五十兆円を超えるということでありますが、これはもちろん景気回復の影響もありますけれども、うち五兆円は消費税の増税によるものですから、景気がよくなったということもありますが、しかし、これは国民の痛みを伴う税収なんだ、この点に思いをしっかりといたさなきゃいけないと思います。
 七・八%、そのまま丸々戻すんじゃなくて、ほかにもいろいろ、例えば半分だけ戻すとか、何年間かかけて少しずつ戻すとか、当面は据え置くけれども必ず何年後には回復させよう、それまで公務員は歯を食いしばって頑張ろうじゃないかとか、いろいろなやり方があるはずなんです。簡単に給料をぽんと、約束だからということで戻すのでは、国民の納得はなかなか得づらいと私は思います。
 さらに言いますと、国家公務員については、今、公務員制度改革の法案が前国会から継続審議となっておりますけれども、政府案は非常に内容が甘いと思います。
 私たちは、維新の会とみんなの党で共同提案で、官僚の天下りのあっせんを禁止いたしまして、さらに罰則をつける、こういう内容の法案を提出させていただいております。これは役所から見ると非常に厳しいと思われるかもしれませんが、実は、自民党の皆さんは御存じと思いますが、平成二十二年に野党自民党が出していた法案と丸々同じ内容なんです。これが政権に戻ると全部骨抜きになるんですか。
 これは、よく責任野党という言葉を総理もおっしゃいますけれども、一体、野党時代の自民党は責任野党だったのか何だったのか、このように思います。与党に戻ったら野党のときと違うことを言うというのは、私はおかしいと思います。
 なぜこのような、天下りに対して甘い仕組みに逆戻りし、給与ももとに完全にすぐ戻しちゃって、このタイミングでどういう御判断だったのか、このあたり、総理の基本姿勢をお伺いしたいと思います。
○新藤国務大臣 まず、公務員の給与の問題であります。
 表現が、いろいろな言い方があるんだなと、今、委員の話を聞いていて私は思いましたが、これは簡単に戻したわけではありません。政権の中で、本当に慎重な、そしていろいろな議論がありました。
 もともとが、東日本の震災に対する臨時異例の措置であります。そして、法律で二年の期限を切って、その中でやったものが、その期限が来る状態で、社会の情勢、それからさまざまな人事院の勧告の尊重ということもありました。そういったものを含めて我々は検討して、この問題は、二年間で臨時異例の措置を終了させるということにいたしました。
 でも、公務員の人件費の改革は引き続きやります。このほかの細かなことはまた別の機会があると思いますが、公務員の給与問題の改革は続けていきます。それから、公務員の定数管理は、厳しく削減を、これまでの目標以上のものを達成する。
 そういう前提でもって、総合的な対策として今回措置をしたということでありますから、これは、私たちは、一片のすきもなく、また、甘えを持ってこのようなことに取り組むつもりは毛頭ありませんから、厳しくやった上での、しかし、皆さんが士気を高めてしっかりと仕事をしてもらいたい、このように思っているわけであります。
○稲田国務大臣 政府案が後退であるという御指摘でございますけれども、天下り規制に関しては、平成十九年に、既に国家公務員法の改正によって、癒着につながりかねない行為を直接的に規制するとともに、再就職等監視委員会を整備したところでございます。
 御党との差は、刑事罰を入れるかどうか、その一点でございます。しかも、不適切な、天下りの不正行為の見返りとしてあっせんをした場合には、もう既に刑事罰は入っております。そのほかについては懲戒処分という仕切りにしているわけですけれども、あっせんにも刑事罰を入れるのについては大変議論があって、昨年の臨時国会で提出をいたしました、国家公務員法の改正法案の三党合意に添付しておりますところの附帯決議の案においても、そこは検討することとなっております。
 そして、何よりも、私は、この国家公務員法、公務員制度改革をして内閣人事局を設置することによって、縦割り行政の弊害を排することにより、省益ではなくて国益のために官僚が働く、そして、そういった内閣一体となった人事戦略ができるという、本当に今までずっとやりたくてもできなかった内閣人事局を設置することによって、縦割り行政の弊害を排することによって天下りは根絶されるものと考えております。
○重徳委員 私は、元官僚として十六年半働いた人間として、やはりこれからの時代というのは、今までと違うんですね。
 過去にはいい時代もありました。高度成長を支えてきた、引っ張ってきたのは当時の通商産業省とか大蔵省、こういう時代もありました。だけれども、一連の官僚バッシングを受けました。これは私は、時代の要請と言うとちょっと変な言い方ですけれども、やはりこれからの官僚のあり方というものは、根本的に霞が関を分割して、地方分権、道州制にする、そういう根本的な根っこからの改革も必要だと思っております。こういう時代におきまして、国の統治機構の形を変えていかなければならない、こう思って取り組んでおります。
 最後に総理のお言葉を、統治機構改革も含めて、これからの官僚の仕組みなどについて総合的なコメントをいただければと思います。
○安倍内閣総理大臣 まさに委員も含めて、私たちは国民によって選ばれたわけでありまして、私たちは国民によって選ばれた国会議員、そして我々はその中から選ばれた政府でございまして、政治主導でもって、しっかりと理念に基づく方向性を定め、その中でしっかりと政策判断をしていきたい、その中において、官僚機構は、さまざまな分析、そして政策の立案、選択肢を示すという仕事をしっかりとやっていっていただきたい、このように思います。
○重徳委員 どうもありがとうございました。
 引き続き議論をしてまいりたいと思います。ありがとうございました。
○二階委員長 これにて小沢君、重徳君の質疑は終了いたしました。
 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○二階委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。中島克仁君。
○中島委員 みんなの党の中島克仁です。
 質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
 本日は、安倍内閣の基本姿勢についての質疑ということでございまして、私からは、医療、介護を含みます社会保障制度、その公平性についての質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 言うまでもなく、日本の高齢化社会、世界に類を見ない今の現状、団塊の世代の方々が七十五歳を迎える二〇二五年ももうすぐ控え、その後も少子化の進行も伴って、社会保障の今後のあり方については、国民の多くの方が生活に密着した問題として関心を持つと同時に、大変不安を感じていることと思われます。
 高齢化に伴う社会保障費の増大、これに対応するために税と社会保障の一体改革を進められ、その中心である消費税増税、安倍総理はことし四月からの消費税増税を決められました。
 我が党は、増税の前にやるべきことがある、終始一貫訴え続けておりまして、まず第一には、デフレからの脱却が先、二番目に、不公平の是正が先、そして第三番目には、無駄の削減、行政改革が先ということでございます。
 こういった観点からいきますと、今後の社会保障のあり方、持続可能な社会保障制度の確立をしなければならない中で、増税をして国民の皆さんに負担を求めるわけですから、不公平があっては絶対にならない、まずは、不公平があるのであれば徹底的に是正をしなければならないというふうに思うわけです。
 まず、私からは、総理は、現在の社会保障制度について、公平性が保たれているとお考えになっておられるのか、また、不公平があるとすれば徹底的に是正していかなければならないと思いますが、どのように取り組まれるおつもりなのか、お考えをお聞かせください。
○安倍内閣総理大臣 ただいま委員がおっしゃったように、年金を初めとする社会保障制度は、国民の方々が納める保険料や税によって支えられているわけでございます。その観点から、公平性というのは極めて重要であろう、このように考えております。
○中島委員 いや、今現状で公平性が保たれておるかどうか、その認識をお聞かせください。
○安倍内閣総理大臣 その中において、恐らく、事業所等において、その支払いにおいて公平性があるのかという問題意識も持っておられるんだろうと思うわけでありますが、保険料を納める事業所等がその責任を果たさないという状態を放置していくことは公平性の観点からも問題であると我々も考えているわけでございまして、これまでも、厚生労働省を中心に、事業所に対する加入奨励などに取り組んできているところでございますが、依然として、本来厚生年金に加入すべき事業所が加入していないといった問題があるのも事実でございます。
 このため、昨年、厚生労働省において実施した法人登記簿との突き合わせ調査の結果を踏まえて、今後は、さらに調査を進め、適用促進にしっかりと取り組んでまいらせることとしたい、このように思います。
○中島委員 先にちょっと答えられてしまったかもしれませんが、私自身は、社会保障の問題、これはさまざまだと思います。医療、例えば、同じ税金を払って保険料を払っていても、私の地元、山梨県北杜市でございますが、産婦人科も何十年もいない。高齢化率が高い地域においては、特別養護老人ホーム待機高齢者は年々年々ふえていきます。多いところですと八百人近い方が待機している。
 そういう現状の中で、今先に言われてしまった年金の問題ですが、世代間格差、こういったことも不公平につながる、そういったことも一般的には周知されてきておるような感じでございます。
 そういった意味で、この社会保障制度、きょう、年金の件についてこの後御質問させていただきたいと思うのですが、まずは、やはり国民の皆様に十分な理解をしていただいた上、そして、この信頼性というのは非常に大事な観点だと私は思っておるわけです。
 先に総理から厚生年金のお話が出ました。年金制度では、先ほど申し上げましたように、世代間格差もさることながら、その徴収体制、今もう取り組まれておるというお話もございましたが、昨年の臨時国会、予算委員会の冒頭で、我が党の浅尾幹事長が厚生年金の徴収漏れについて取り上げさせていただきました。
 私も、その後、厚生労働委員会でたびたび、きょうは田村大臣、休養ということでいらっしゃいませんが、御質問をさせていただきまして、本来厚生年金に入る資格があるのに雇い主が手続を怠り加入できずにいる人が、我が党の試算では一千万人、約十兆円徴収漏れがある、そのように御指摘をしました。これに対して、政府の方は、昨年十一月中に、今総理からもございました、法務省の法人登記簿情報と日本年金機構の適用事業所の情報を突合させて、出すということでありました。
 この結果が、これは厚生労働大臣も厚生労働委員会で答弁をいただいていたわけですが、この突合作業、十一月中に終了するということで、その終了した結果について私も何度か問い合わせをいたしました。そして、十二月二十四日にいただいたのは、きょう、資料としては配っていないんですが、ペーパー一枚で返ってきました。
 この結果、要約いたしますと、法務省から提供を受けた法人登記簿情報と日本年金機構が保有する厚生年金の適用事業所とのシステム上での単純な突合を十一月中に実施し、一致しなかった法人の情報について、現在、目視等による確認作業を進めているところ、単純な作業はすぐできたが、トラブルケースについては目視、訪問等で確認しなければならないので時間がかかるということでございます。一致、不一致の判断がつかないものについて、目視等で、今後五年間集中的に取り組むと回答がありました。
 私どもは数字として試算を出しておるわけです。それが違うというなら、せめて、十一月中に突合したのであれば、何%が一致していて、どのくらいの割合のものがトラブルケースとして認めているのか、せめてそこはすぐに出していただきたい。これはたびたび年金局の方にもお伝えしてあるのですが、いまだに出されていないんです。何か出せない理由があるんでしょうか。
○樽見政府参考人 お答え申し上げます。
 法務省から平成二十五年十月末までに提供を受けました法人登記簿情報が四百四十九万件ございます。日本年金機構が保有いたします平成二十五年十月末時点の厚生年金の適用事業所情報が約百七十八万件ございます。これにつきまして、事業所名称と住所をもとに、平成二十五年十一月に、システム上の、機械的な突合でございますけれども、いたしました結果、百三十九万件が一致ということになってございます。
 しかしながら、これは、したがいまして、一致しないものもあるわけでありますが、システム上の突き合わせということでいいますと、同一名称の法人が存在するというのがあります。それから、厚生年金の適用事業所の所在地というのが法人登記簿上の住所と必ずしも同じではないというケースもございますので、一致、不一致の判断がつかないものも多く存在しているということでございます。
 そうしたものにつきまして、さらに目視により確認をしているということでございまして、それに基づきまして、事業所数が膨大でございますことから、今後五年間で集中的に調査を、回って確認をしたいというふうに考えているところでございます。
○中島委員 その数字は、では、すぐ私のところへ、持ってきて見せていただけるということですか。最低限、突合されたものとトラブルケース、大体、今何百万件と言いましたけれども、その数字はもう私に見せていただけると。
○樽見政府参考人 今お答え申し上げたとおりでございますので、ちょっと紙で、では、後ほどお持ちいたします。
○中島委員 今聞いただけでも、やはり結構差があるんですね。
 今もおっしゃったように、法人登録してあるところと各事業所、その差、そのギャップに徴収漏れがあるということを私たち指摘しておるわけでして、一千万人、十兆円というのを我々が試算した。その後の厚生労働大臣の答弁も、少なくとも三百五十万件ぐらいあるんじゃないかとか、その後、また訂正をしたり、そして、以前の総務省から出されたデータによりますと、二百六十万件ぐらいあるんじゃないかと。そのように、はっきりとしたデータが出ないんですね。
 先ほども言ったように、真面目に納めている事業所、法人、それぞれの方にとっては本当に不公平な状況になってしまう。これは、二〇〇七年の消えた年金問題、その教訓が全く今生かされていない、そんなことも危惧されるわけです。もし、本当に試算どおり、そうではないとおっしゃいますが、一千万人、十兆円の徴収漏れということであれば、これは大変なことだと思うんです。
 私どもといたしましては、これは厚労大臣には何度も質問させていただいておるわけですが、今年度もこの徴収作業について二十二億円の予算が出ております。来年度はこれが百億円になっておるわけですね。そういった実態も含めていきますと、今後五年間、年金の中間目標を目安としてのことだと思うんですが、先ほども申し上げましたように、増税をして国民の皆さんに負担を求めていくわけですから、こうした不公平の是正を徹底的にやっていただかなければならない、そのように思うわけですが、総理、いかがでしょう。
○安倍内閣総理大臣 最初に申し上げましたように、日本の社会保障制度は保険料そして税金から成り立っているわけでありますから、正直に納めた人が損をするということがあってはならないわけでございますので、まだ加入をしていない事業所等についてはしっかりと加入するように、その前にこの突き合わせ等の調査を進めていくわけでございますが、しっかりと進めていきたい、このように思っております。
○中島委員 この件は、今、年金局の方からはっきりと、きょうじゅうに持ってきていただけますね。わかりました。厚生労働委員会、また予算委員会等でも、引き続きその問題については議論させていただきたいと思います。
 そして、今少し触れましたが、二〇〇七年、第一次安倍内閣の消えた年金問題、宙に浮いた年金問題ですが、今までにかかった経費が約四千億円、いまだなお四割に当たる約二千万件が未解明となっております。
 一方で、政府の積極的な解明作業、集中期間が一三年度末をもって終了予定になっております。そのことに関する審議会、特別委員会も開かれておりますが、一方では、もうこれ以上はなかなか難しいのではないか、そして、今後、一三年度末をもって集中的な作業が終了して、国民に記録の確認を促すような、そういう作業に変更していくということになっております。
 総理は当初から、最後の一人まで徹底的にチェックして全て支払うと言ってこられましたが、時間もございませんが、今でもそのお気持ちにお変わりはないのか。
○安倍内閣総理大臣 年金記録問題につきましては、平成十九年七月に政府・与党で決定した方針に基づきまして、約五千万件の持ち主のわからない未統合記録や、台帳の記録とコンピューター記録の不一致の問題の解明に取り組んできたわけであります。
 この結果、約五千万件の未統合記録については三千万件が解明されました。そしてまた、紙台帳とコンピューターの記録の突き合わせも今年度でほぼ終了する見込みであります。
 しかし一方で、こうしたさまざまな取り組みを行っても、なお約二千万件の記録が持ち主の手がかりが得られないことなどによって残っているのも事実でございまして、このため、昨年一月から、インターネット上でこうした記録を検索できるサービスを開始いたしました。
 そしてさらに、本人からの申し出を促すために、引き続き、これは第一次安倍政権でスタートしたことでございますが、ねんきん定期便などで国民の皆様に働きかけを行うわけでありまして、こうした取り組みを今も行っているわけでありますが、さらに一人でも多くの方の記録の回復につなげていきたい、この思いに、決意に変わりはございません。
○中島委員 きょうはちょっと短い時間ですので、余り多く突っ込んだ質問はできませんが、消えた年金問題については、まだ総理は最後まで徹底的にやるということでございましたし、不公平の是正には全力で徹底的に取り組まれるということでございますので、今後、先ほどの厚生年金徴収漏れの問題については、私も、これからまた次回の質疑でも取り上げさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○二階委員長 これにて中島君の質疑は終了いたしました。
 次に、小池政就君。
○小池(政)委員 結いの党の小池政就です。
 きょうは、新しい会派でこのような予算委員会での質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。また、控室におきましても、ここから少し離れておりますが、衆議院の別館にいただきまして、まことにありがとうございます。
 きょうは、十五分という大変短い時間でございますが、総理に大きく二つの点について御質問させていただきたいと思います。
 まず一点目でございますが、ことしの四月から消費税の増税が始まります。このデフレ脱却の大事な時期に、この消費増税、私たちは立ちどまるべきだというスタンスでございますが、ただ、その際に、もう一つの懸念というものがあります。それは、総理がおっしゃる、社会保障のためだけにしっかりと使われるかどうかということでございます。
 といいますのは、これまでも、国民にその目的をしっかりと示してお約束をしてまいりました復興増税というものがありました。住民税、また所得税、これからまだ十年、二十年続きます。復興法人税は今回で前倒しの廃止となりましたが、国民はまだこの負担が続くわけでございます。
 その復興増税がこれまで一兆円以上流用されておりまして、それは民主党政権で発覚したわけでございますが、政権交代の後もそれが続いてきたわけでございます。この点につきましては、財務金融委員会でこれまで問題を提起させていただきましたが、そもそもの問題というのが、この復興増税の使途を何で定めているかという問題でございます。
 こちらのパネルをごらんください。資料を皆さんにお配りさせていただいております。
 こちらには、復興基本法にあります理念、使途を明記したものでありますが、自民、それから民主、公明の三党合意によりまして、この理念、目的、使途というものが大変拡大していきまして、被災地復興のため限定だったものが、東日本、それから日本という形で広がっていきまして、また、項目につきましても、このように何でもありというような状況になっているわけでございます。
 このざるの穴を埋めるべきではないかということで、修正案も提出させていただいているわけでございますが、消費税も同じようなことが言えるのではないかと思います。抜本基本法では確かにその目的は限定されていますが、ただ、消費税法の附則の第十八条二項によりますと、まだこの消費税についても、その使途が拡大するような条項になっております。これが生きております。
 その点につきまして、私は、ここをしっかりと埋めるべき、この条項について、修正もしくは廃止するべき、しっかりと直すべきだと思っておりますが、総理の見解をお聞かせいただけますでしょうか。
○麻生国務大臣 消費税率の引き上げに関する増収分についての使途についてのお尋ねなんだと思いますが、これは、全額社会保障財源化して社会保障の充実また安定化に充てるということで、これは使途を法律や予算に明記することなどによってこれを明確化しておると思っております。
 具体的に、基礎年金国庫負担金、例の二分の一の分ですけれども、これは恒久化するということで社会保障の安定化を図りますと同時に、よく言われます待機児童の解消加速化プラン等々につきましては、これを子育て支援の充実、また、医療や介護が必要になっても住みなれた地域で暮らせる、先ほど中島先生の御質問と関係するところですが、できる仕組み、地域包括ケアの構築、また、所得が低い世帯の保険料の一層の軽減、そういったものを含めまして、医療費助成の対象疾患の大幅拡大、いわゆる難病対策などなど、そういったものは、大胆な強化といった形で社会保障の充実を図るということ、これははっきりしている、私どももそう思っております。
○小池(政)委員 私は、総理が常々おっしゃるように、しっかりと法律で、政権がかわってもその方針を担保すべきだと思っておりまして、例えば、日銀法の改正でありますとか、まだこれからであると思いますが、安全保障基本法というものも総理はおっしゃっているわけでございますから、このざるの部分を法律でしっかりとこれから規定していただきたいと思います。
 時間がありませんから、次の点に移らせていただきたいと思います。エネルギーについてでございます。
 エネルギーにつきましては、総理は、本会議また予算委員会におきましてもよくおっしゃるのは、火力発電所の燃料費がかなり上がってきている、ことしでは約三・六兆円の試算となっている、だから大変なんだ、そのときに原発のことを考えないということは無責任なんだということをよくおっしゃいます。
 原発ゼロは責任ゼロじゃないか、そのようなことにも聞こえるわけでございますが、この三・六兆円につきましては、これは疑義があるところもありまして、当委員会におきましても、民主党の長妻委員から、この三・六兆円、そもそも原発のコスト、例えば使用済み核燃料の問題でありますとか、それから原発の賠償のコスト等を含めたらもっと大きいんじゃないか、そのような重要な指摘もありますし、また、自民党の内部におきましても、この三・六兆円、過度に見積もっているんじゃないか、そのような声もあると聞いております。
 私は、三・六兆円の金額そのものよりも、きょう皆さんにお示しをさせていただきたいのは、その燃料費に関連する実績はどのような推移を経ているかということをお示ししながら、ちょっとお話をさせていただきたいと思います。
 資料をごらんになっていただけますでしょうか。こちらは、経済産業省が示しております燃料費の高騰、二〇一〇年、震災前を一としまして、二〇一三年までにどのような経緯を経ているかということを示したものでございます。
 皆さんには白黒でちょっと申しわけありませんが、赤の太い線が、経済産業省の試算でございます。それに対しまして、資料でいうと左側のグラフというのが、主に内部的な要因によるものでございます。これは、火力発電所の燃料の消費がどのような推移を経ているかということでございます。
 最初は供給余力の問題から重油が多く使われておりますが、これがだんだん落ちついてまいりまして、また、LNGの使用につきましても、全体の電力消費というものが少し、思ったよりも下がってきたものでありますから、今落ちついている状況でございます。
 そして、その右側をごらんになっていただきますと、これは外部的要因であります。例えば為替でありますとか、または燃料の価格そのものの推移でございまして、これは上がっているわけでございます。そして、これが大きくきいているということも言えるわけでございます。
 これらは、原発の事故があったから上がっているわけではありません。為替というのは、当然、国際経済によって動くものでありますし、また、LNGの価格につきましても、よく言われるのは、原発事故が起こったから日本は買いたたかれているんじゃないかということを言われますが、LNGの価格というのは、原油の国際価格と連動しておりますので。
 次のパネルをごらんになっていただけますでしょうか。
 こちらのように、国際的な情勢、需給、それから政治状況によって動く原油によってLNGの価格も動いているわけでございますから、このような外部的要因というものもあるということを認識していただきたいと思います。
 ただ、それでも、やはり内部的な、消費量そのものがふえているということは間違いないわけでございますから、それを減らしていかなくてはならないということは私たちも認識しているところでございまして、その点に関しまして総理にお伺いさせていただきたいのは、そのような燃料費の高騰対策、また、そこの消費を下げるような対策、これは十分と言えますでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 徹底した省エネ社会の実現と、再生可能エネルギーの最大限の導入を進めていく考えであります。
 当面は火力発電への依存が避けられないわけでございまして、このため、燃料調達コストの引き下げや火力発電の高効率化を進めていくことが重要であると考えています。
 政府としては、LNG等の燃料調達コストの引き下げに向けまして、シェールガスの生産拡大で価格が低下をしている北米からのLNG輸入の実現、そして、日本企業による資源開発の権益獲得への支援を通じた供給源の多角化、さらには、LNG消費国間の連携強化による買い主側の価格交渉力の強化などに取り組むこととしております。
 また、火力発電の高効率化に向けまして、石炭火力やLNG火力の高効率化のための技術開発、高効率な発電設備導入に関する税制、そして、発電所の建設に係る環境アセスメントの迅速化などに取り組んでいく考えであります。
○小池(政)委員 ありがとうございます。
 方針はおっしゃるところでありますが、ただ、対策としてはまだ、私どもは、もう少し迅速にできるものもありますし、そのような対策を次々に打っていかなくてはならないということを考えております。
 次のパネルをごらんになっていただけますでしょうか。
 例えば、これは案でありますが、まだまだ即効性のある対策というものは考えられるわけでございます。
 これは委員会でこれから議論させていただきたいと思いますが、例えば一つ目の点につきましては、これは通信の自由化でも行われたんですが、NTTの通信設備を新規の事業者に開放しまして、KDDIとかソフトバンク、彼らがその設備を使って、機器をNTTの局庁舎に持ち込んで、競争の条件を最初、高めるというような取り組みをされております。電力におきましても、例えば、電力会社の敷地内におきましてはアセスメントも非常に楽ですし、また、ここはガス管も、それから送電の設備というのもしっかり整っております。この敷地におきまして、例えば新規の事業者に開放するといったことも考えられるわけでございます。
 また、今、原発とセットで揚水発電というものが、これは活用されないわけでございますが、これと風力をあわせて調整電源として使うということもあり得るわけでございまして、このような取り組みということをぜひこれからも進めていっていただきたいと思います。
 今回の補正予算につきましては、五・五兆円ついている中で、経済産業省がエネルギー対策につけているのが九百億円、そのうち防災対策というものを除けば約五百億円でありまして、一%もいかないわけでございます。予算措置だけつければいいというわけではありませんが、規制緩和でありますとか、また税制でありますとか、そのような取り組みはまだまだできるわけでございますから、しっかりとそのような取り組みをしていただきたい、そのように思います。
 燃料費が高騰するというのが、これは必ずしも原発の事故のためだけでもなくて、原発が全部とめられているからでもなくて、また、原発を再稼働すれば全て解決する問題でもありません。
 総理は、ぜひこの点をしっかりと認識していただいて、もと来た道だけを見詰めて、もはやこの道しかないということで戻るのではなくて、しっかりと前に進んでいただきたい。その決意を最後にお伺いさせていただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 我々は、二〇一一年に過酷事故を経験したわけでございまして、その経験を生かしながら、できる限り原子力発電に対する依存を低減していく。その中で、再生可能エネルギーを、新たなイノベーションとともに、その分野におけるイノベーションを起こし、そして、さらには省エネ化をしっかりと進めていくという中において、ベストのエネルギーミックスを構成していきたい、このように考えております。
○小池(政)委員 ありがとうございました。よろしくお願いします。
○二階委員長 これにて小池君の質疑は終了いたしました。
 次に、赤嶺政賢君。
○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 きょうは、米軍普天間基地問題について総理に質問をいたします。
 一月十九日、名護市長選挙が行われ、現職の稲嶺進市長が当選をいたしました。今回の選挙は、従来とは異なり、基地受け入れの是非が明確な争点となりました。名護市辺野古への新基地建設をめぐって、相手候補の末松文信氏が受け入れの立場を明確にしたことに対して、辺野古の海にも陸にも基地をつくらせないとする稲嶺市長が、四年前を大きく上回る、四千百五十五票差で圧勝いたしました。
 総理に伺いますが、今回の選挙結果は、基地建設に反対する名護市民の意思を明確に示したものだと思いますが、総理はどのように認識しておられますか。
○安倍内閣総理大臣 住宅や学校に囲まれまして、住宅地のいわば真ん中に位置をします普天間飛行場の固定化は、絶対に避けなければなりません。これは、安倍内閣の基本的な方針でありますし、政府と地元の皆様の共通の認識であろうと思います。
 地方自治体の首長選挙について政府としてコメントすることは差し控えたいと思いますが、いずれにせよ、普天間飛行場の危険性を除去して、沖縄の基地負担を軽減するための取り組みについて丁寧に御説明をし、地元の皆様の御理解を求めながら、返還に向けて全力で取り組んでいく考えでございます。
○赤嶺委員 選挙の結果の受けとめを聞いたら、普天間基地は固定化してはいけないという話が出てきて、結果についてはコメントしない。これはちょっと、総理の立場としては容認できないと思うんですよね。
 今度の市長選挙というのは、いわば国策の是非を真っ向から相争う選挙であったわけです。そこで示された民意について政府が認識を示すのは、これは当然だと思います。
 ところが、官房長官は、投票日翌日の記者会見で、基地の建設に向けて、法的な手続に基づいて淡々と進めると言いました。実際、その次の日には入札の手続を開始いたしました。投票日の二日後であります。
 コメントしないと言いながら、まるで現実には選挙などなかったかのような、こんな態度で基地建設を推し進めようとしています。
 総理は、選挙で示された民意というものを一体どう認識しておられるんですか。
○安倍内閣総理大臣 もちろん、選挙の結果は結果として、私たちは真摯に受けとめたいと思っております。
 一方、先ほど申し上げましたように、普天間基地の固定化は断じてあってはならないわけでありまして、一日も早い基地の移転を進めていく上において、私どもは、米軍の再編計画の中においてしっかりとその危険性を除去していく、同時に、地元の皆様に対する説明もしっかりと今後とも丁寧に行っていきたい、このように決意をしているところでございます。
○赤嶺委員 真摯に受けとめるというのであれば、基地建設の手続はやめるべきであります。
 基地の固定化は避けたい、このように言っておりますけれども、こういうことを繰り返しておりますが、政府が沖縄県内への基地の移設に固執してきたことが普天間基地の固定化を招いてきたのであります。戦後六十八年余にわたり米軍基地に苦しめられてきた沖縄で、新たな基地の建設を受け入れられるはずはないのではありませんか。
 知事は、県内移設の承認をいたしましたが、これも、名護市長選挙できっぱりノーという態度を示しました。
 そもそも、名護市民は、一九九七年十二月に行われた名護市民投票で、基地受け入れに反対の意思を示しました。ところが、政府は、その結果を受け入れずに、この十六年間、振興策という金の力で受け入れを迫ってきました。
 二〇〇〇年以降、毎年百億円、十年間で総額一千億円という巨額の北部振興策が用意されました。さらには、米軍再編のもとで、基地を受け入れた自治体だけに交付される再編交付金が追加されました。あろうことか、今回の選挙では、選挙最終盤で、自民党の石破幹事長が、五百億円の名護振興基金をつくる、このように言いました。
 それでも、名護市民は圧力に屈しなかったんですよ。市民の誇りにかけて稲嶺市政を選択したわけであります。
 投票日の翌日の地元紙には、市民の見解が紹介をされております。
 ある六十代の男性は、米軍基地の問題で、本土の人から沖縄の人はお金で動いていると思われてしまっている、そうではないということを名護市長選挙で意思表示した、このように語っております。
 また、三十代の女性は、自分には小さな子供が三人いる、子供たちが大人になったときに基地があることを考えると子供の将来が不安だ、基地建設は私は絶対反対、このように言っております。こういう声がるる紹介をされているわけですね。
 民意を無視して、そして基地を押しつけようとしてきたところに問題の根本があるわけです。それが普天間基地の固定化を招いてきたわけであります。
 総理は、まず民意を受けとめるべきです。名護市民の意思を正面から受けとめて、辺野古への新基地建設を断念すべきだと思いますが、いかがですか。総理ですよ。
○小野寺国務大臣 総理がたび重ねてお話をされておりますように、私どもとしては、普天間の固定化はあってはならない、その思いで、今回、沖縄県が、恐らく重い決断ということで、埋め立ての承認をいただきました。
 また、委員がお話がありますが、名護市の特に今回埋め立てを予定しております辺野古、キャンプ・シュワブの辺野古に位置します漁協の皆さんからも同意をいただいております。
 私どもとしては、普天間の固定化の一日も早い除去、危険性の除去のために、これからもたび重なり説明をさせていただきますが、ぜひ御理解をいただきたい、そう思っております。
○赤嶺委員 知事が容認をしたことは振興策予算とリンクしているということで、お金で基地を認めた、このような知事の態度を容認するわけにはいかないというのが名護市長選挙でも大きな争点になりました。首を振っておりますが、知事は毎日、名護に出かけてきていたんですよ。そして、自分の立場の承認を求めましたが、これも拒否されたんですよ。
 つまり、県内のたらい回しはだめだというのが名護市民の民意なんです。この民意を受け入れない限り、普天間基地は固定化してしまう。そうではありませんか、総理。
○小野寺国務大臣 今回、沖縄県で埋め立てについての重い決断をしていただいたのは、これは普天間の危険性の除去を一刻も早く進めたいということであります。
 今回、普天間の代替施設がキャンプ・シュワブ沖、辺野古に埋め立てをして移駐することになりますが、面積は三分の一になります。普天間の基地が返還されるということは、危険性の除去だけではなく、あの市街地に大きな新しい可能性が出てまいります。沖縄振興にもプラスになると思います。知事が御決断していただきましたのは、あくまでも普天間の危険性の除去、これが大きなことがあり、その重い決断をしていただいたんだと私どもは受けとめております。
○赤嶺委員 知事がどんなに言葉で重い決断と言おうとも、あの普天間の移設先として辺野古の海を選ぶということについて、名護市民はそれに明確にノーの答えを出しました。
 私は、辺野古の海について、衆議院の安全保障委員会で、超党派で視察に行ったことがあります。キャンプ・シュワブの丘の上からきれいな辺野古の海を見ました。ある党の方が私に、こんなきれいな海、見に来なければよかった、こうつぶやいていたんですよ。
 こういう誰が見ても本当にきれいな自然、観光リゾート地にすれば基地なんかにするよりはもっと経済的に発展するだろう、財界もそのようにおっしゃっている。これが負担の軽減になるはずもないし、こういう立場に固執している間は絶対に普天間基地の固定化は避けられない。普天間基地の固定化を避ける道というのは県内移設を断念することだということを強く申し上げたいと思います。
 知事が承認したからといって、圧倒的多数の沖縄県民はノーの立場を維持しております。知事が埋め立てを承認した日、雨の中、大勢の県民が県庁を取り巻きました。これは、全国紙の一部のメディアが言っているように、活動家が集まってきたなどというものではありません。子連れのお母さん、経済界の方々、みんなが涙をこらえながら、涙を流しながら、こんなことがあってはいけないということで県庁を包囲いたしました。仲井真知事の埋立承認は県民の反対の大きな世論に包まれているということを絶対に忘れるべきではありません。
 今、県民への共感の声が本土でも海外でも広がっております。先月七日、映画監督のオリバー・ストーンさんや、あるいはマイケル・ムーアさん、言語学者のノーム・チョムスキーさん、そして歴史学者のジョン・ダワーさんら二十九名が呼びかけ人となって、辺野古への新基地建設に反対する声明を出しました。その後、呼びかけ人は百三名となり、インターネット上で賛同署名が始まっています。
 彼らの声明にはこう書かれています。
 普天間基地はそもそも一九四五年の沖縄戦のさなか、米軍が本土決戦に備え、住民の土地を奪ってつくりました。終戦後返還されるべきであったのに、戦後七十年近くたっても米軍は保持したままです。したがって、返還に条件がつくことは本来的に許されないことです。
 これは、沖縄の歴史を、沖縄の基地形成、普天間基地形成の歴史をよく知っている人でなければ書けない文章ですよ。海外の人がこういう沖縄の歴史を調べて、そして、あの普天間基地の返還は無条件で返還されるべきもの、このようにおっしゃっているわけです。
 私も、無条件撤去をこの場で何度も取り上げてまいりました。沖縄県民は屈しません。沖縄頑張れ、沖縄県民負けるなという声が広がっております。私たちは、この普天間基地は無条件で撤去すべきだということを申し上げて、質問を終わります。
○二階委員長 これにて赤嶺君の質疑は終了いたしました。
 次に、村上史好君。
○村上(史)委員 生活の党の村上史好でございます。
 きょうは、安倍内閣の経済政策について、何点か質問をさせていただきたいと思います。
 その前に、一点、総理に御見解、また御感想をお聞きしたいのです。
 きょうの報道でもございますように、橋下大阪市長が、辞任をされ、選挙を実施するということを昨日表明されました。私自身、大阪市民でございますので、無関心ではおられません。自民党さんの方では、きょう、立候補、擁立をしないということを決定されたようでございますけれども、この一連の動きについて、総理の御感想、御見解をお伺いしたいんです。
○安倍内閣総理大臣 大阪市長選挙について、橋下市長が選挙を行うという判断をされたということでございますが、地方選挙については、政府としてコメントするのは控えさせていただきたい、このように思います。
 そして、自民党が候補者を立てるかどうかということにつきましては、大阪市連の皆様の考え方を……(発言する者あり)大阪府連ですね、大阪府連の考え方を党本部として聴取しながら判断をしていくということでございます。
○村上(史)委員 ちょっと際どい話だと思いますので、これ以上質問はいたしませんけれども、大阪市民としては、また選挙があるということだけは事実でございますので、大阪都構想の内容は、それを聞く必要はないと思いますけれども、いずれにしても、大阪市民が今後判断をしていくということになると思います。
 引き続きまして、経済政策についてお尋ねをいたしたいと思います。
 先般、一三年度の貿易収支の統計が発表されました。これも御承知だと思いますけれども、輸出総額では九・五%増ということになっております。この理由は、いわゆる為替、円安効果の結果だと思いますけれども、問題なのは、輸出量が一・五%減少して、三年連続、輸出量が減ってきているということです。また、その一方、経常収支も、昨年の十月から赤字に転じている、十一月にはおよそ六千億円の赤字が出てきているということで、危険な兆候も見られます。
 そういうことも含めながら、総理にお伺いをしたいのですけれども、貿易収支から見て、国内の生産がなかなか上がらない、そして輸出が伸びていかないというその理由、原因はどこにあるとお考えでしょうか。
○甘利国務大臣 御指摘のとおり、二〇一三年は、これは年度というかカレンダーイヤーでありますけれども、三年連続の貿易赤字、特に二〇一三年は、過去最大、十一・五兆の赤字となりました。
 原因は、まず一つは、これは実はいいことなのですが、アベノミクス効果で、消費が拡大し、内需が拡大しています。つまり、外から引き込む力がついておりますから、輸入がふえました。しかも円安でありますから、しかも輸入はたしか八割ぐらいが外貨建てでありますから、円に換算をしますと、金額でかなりふえるということが一つの原因であります。
 一方、輸出が思うように伸びないという理由は、幾つか理由がございます。
 一つは、輸出先の経済がここへ来て陰りを見せていること。政治的な不安定ということも含めて、輸出先が、輸出を吸収するだけの力がなかなかついてこないということ。
 それから、輸出企業が、本当は、円安になりますと外貨建ての価格は安くできるはずでありますけれども、利益を確保する動きがあって、価格を据え置いたままでありますから、競争力が前から変わらない。本当は、円安だと競争力がついてシェアをとるはずなんですけれども、外貨建ての相手の金額を下げないで利益を確保しているものですから、競争力がついてこないという理由があります。
 あわせて、輸出の柱であった電機が、競争力が落ちてきている。これは深刻な問題と受けとめなければならないと思います。生産拠点が海外に移転してしまっているということと、それから、国内の電機産業の競争力が以前ほど強くない。ですから、価格競争力がつくはずなのに、思うように伸びていない。
 それらの理由があって、いわゆるJカーブ効果というのが出てこない。本来ならば、最初は輸入がふえるけれども、次に輸出がふえて、その赤字をオーバードライブするというはずなんですが、その効果がなかなか出てこないのが現状だと思います。
○村上(史)委員 私が特に問題にしたいのは、いわゆる国内の企業が生産性が上がっていないということ。貿易、輸出輸入は、外的な要因ももちろんありますけれども、やはり国内の経済に大きな問題点があるんじゃないかということで、きょうはその関連で質問をさせていただきたいと思います。
 今、大臣もおっしゃいましたように、産業の空洞化、メーカー各社が生産地を海外に求めていくということで、空洞化が起こっている、これは共通した認識だと思います。そういう認識に立つならば、経済対策として、やはり内需型に大きくかじを切る必要があるのではないか。
 昨年、この予算委員会でも、アベノミクスの説明の中で、異次元の金融緩和をします、そして円安に誘導します、そして輸出を拡大して雇用をふやします、そして賃金を上げます、そういう説明を繰り返されてまいりました。
 ところが、現実には、消費は今伸びているとおっしゃいますけれども、いわゆる消費増税の駆け込み需要も含めて、一部の裕福な方々の消費は伸びているけれども、大多数の国民の消費というものは決して伸びていない、それは現実だと思います。
 そういうことを考えるならば、より一層、今後の経済対策として、国内に目を向けた対策を打つべきではないか、内需型に大きく政策転換すべきではないか、そのように思いますけれども、御見解を伺います。
○甘利国務大臣 内需を喚起するというのは大事なことだと思います。
 ただ、日本の内需は、投資にしても消費にしても、人口とかかわってきます。全体の人口が残念ながら減っていく中で、国内需要だけに依存している経済というのは、かなり危ないと思います。
 その一方で、近隣諸国、特に日本が先進国の中で一番国境が近いASEAN、東アジアの地域は、人口が拡大して、中間層が今ふえているわけであります。所得もだんだん上がってくる。つまり、ここは、東アジアというのは、二十一世紀の成長のセンターというふうに言われています。GDPは大きく伸びていきます。ですから、そこの伸びるものを日本に取り込んでしまう。輸出で取り込むのもあれば、配当で取り込んでいく、GNIという発想もあると思います。つまり、これから世界の経済を牽引していくところの伸びていく部分の大宗を日本が取り込んでしまうという発想は、内需を喚起すると同等、あるいはそれ以上に大事な政策だというふうに思っております。
○村上(史)委員 まさに世界に目を向ける、取り込んでいくということももちろん、当然必要ではありますけれども、世界が今注目しているのは、やはり安倍内閣の成長戦略がどういうものなのかということが注視の的になっていると思います。
 ただ、どうしても問題になるのが、やはり国民生活です。もちろん、海外の投資を呼び込むとか、さまざまな対策が必要でしょうけれども、肝心かなめの国民の生活が潤わなければ、政治の役割というものは果たせないと思います。といいますのは、数字だけよくても、国民の実体経済、そして生活が向上しなければだめだということです。数字上はよくなっても意味がない、そのことを強く申し上げたいと思います。
 そのためには、やはり、国内の産業の中で新しい産業をつくり出していくということも大きな課題ではないかな。特に、私は常々申し上げておりますけれども、いわゆる再生可能エネルギーを中心としたエネルギー政策の大転換を図る、脱原発から新エネルギーの産業を創出していく、そのことが新たな雇用を生み出して、また、廃炉ビジネス等を含めて、原子力を克服するための技術を獲得して新たな産業に結びつけていく、そのことも大きな課題ではないかなというふうに思いますが、その点について、御見解を伺います。
○甘利国務大臣 御指摘のとおり、国民の生活が第一、どこかで聞いた言葉でありますが、それはそのとおりであります。そのために、国内では新しい技術を開発していく、イノベーションが極めて大事だと思います。
 成長戦略の中ではエネルギーの革新ということも柱の一つに据えておりまして、新エネルギー、これは、従来型の新エネルギーの効率をよくするということとあわせて、在来の化石燃料を主とする発電の超高効率化を図るということも大事であります。
 ただ、原子力については、総理からもお話をさせていただいていますとおり、ベース電源、ベース電源というのは、安定的にぶれなく供給できるという意味でのベース電源という意味です。そういう意味では化石燃料もベース電源ですけれども、それを担うものとして、安全第一で、世界最高水準、一番厳しい水準をクリアしたものについては活用すべきだという方針に変わりはございません。
○村上(史)委員 この点については、もう少しやりとりをしたいんですけれども、時間の方が参りましたので、最後に総理にお伺いをしたいと思います。
 内需型、内需を拡大していく、その第一歩は、消費をふやしていくということだと思います。ただ、消費をふやすためには、国民負担の軽減策というものが必要だと思います。
 四月から消費税が八%に上がります。それは決定をいたしております。ただ、我々としてはあくまでも、景気が回復してそれが確かなものになるまで、あるいは賃金が明確に上昇するまでは、今はやるべきではないというのが私たちの主張ではありますけれども、ことしの十月に、一〇%への再増税の決定を総理がなさるというふうに聞いております。恐らく総理は、あらゆる経済指標を勘案しながら決定をするんだという御答弁になると思いますけれども、今申し上げましたように、国民の所得が上がらない、賃金が上がらない、そういう状況がある、上がっていない状況で消費税再増税をしないんだということを、ぜひこの場で明確にしていただきたいと思います。
 これ以上、国民の生活を厳しくする状況をつくることは、国内の景気を回復させるためのブレーキにもなります。そのためには、今申し上げたように、国民所得の引き上げがない限り再増税はしないということを明確にお示しいただきたい。御答弁をいただいて、私の質問を終わらせていただきます。
○安倍内閣総理大臣 消費税一〇%への引き上げについては、税制抜本改革法にのっとりまして、経済状況等を総合的に勘案しながら、本年中に適切に判断してまいりたいと考えております。
○村上(史)委員 終わります。ありがとうございました。
○二階委員長 これにて村上君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして集中審議は終了いたしました。
     ――――◇―――――
○二階委員長 平成二十五年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十五年度特別会計補正予算(特第1号)、平成二十五年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題といたします。
 これより締めくくり質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。金田勝年君。
○金田委員 自由民主党の金田勝年でございます。
 極めて限られた時間でありますので、総理に主にお聞きしたいと思いますし、端的なお答えをお願い申し上げたいと思います。
 安倍内閣の発足以来、デフレ脱却、経済再生を最重要課題としまして、大胆な金融緩和、機動的な財政政策、成長戦略と、矢継ぎ早に経済政策を実施してきております。
 結果、これまでの審議でもごらんいただいたように、実質GDPは四四半期連続のプラス成長、株価は一年数カ月で七〇%も上昇、マクロ経済は確実に上向いている状況にありまして、前政権のときの閉塞感がようやく打破されつつあります。夜明けの朝の光がようやく見えてきた、そういった状況だと思います。
 本年四月からの消費税率の引き上げが控えており、税率引き上げによって景気回復の流れが腰折れとなってはいけない。この平成二十五年度補正予算を一日も早く成立をさせ、早期に執行していくことが、人々の安心感を確保する意味でも何よりも重要だと考えております。
 そこで、改めて総理の御見解をお示しいただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 私どもの政策によってやっと景気が回復し始めているわけでありまして、デフレ脱却への道を歩み始めることができました。
 その中において、四月から消費税を引き上げる。これは、伸びていく社会保障費に対応し、しっかりと社会保障制度を次の世代に引き渡していくためでもあり、さらには子育て支援等社会保障制度を充実させていくため、さらには国の信認を維持していくためでありますが、同時に、せっかくつかんだデフレから脱却できるかもしれないチャンスを逃してはならない、この考え方のもとに、平成二十五年度の補正予算は、消費税引き上げによる反動減の緩和と成長軌道への早期の復帰を目的とする、好循環実現のための経済対策を実施するためのものでございます。
 したがって、経済対策の趣旨を踏まえて、来年度前半に需要拡大効果が適切に発揮されるよう、年度内から事業に着手することも大切でございまして、早期の執行を図っていくことが重要である、このように考えております。
 また、二十六年度の予算につきましては、経済再生と財政健全化の両立を実現すべく、日本の競争力強化につながる未来への投資や、生活の基盤を守る暮らしの安全、安心といった事項に予算を重点化していく一方、基礎的財政収支の前年度比五・二兆円改善や、新規国債発行額の一・六兆円減額を実現したところでございまして、我々、しっかりとこうした予算を早期に適切に執行していくことによって、今のつかんだチャンスをこの実現に向けていきたい、このように思っている次第でございます。
○金田委員 安倍総理は、昨年の秋、大きな決断をされたわけであります。経済政策パッケージの果断な実行であります。消費税率を引き上げて、その税収を社会保障の安定的財源とする。そして、国民の安心と我が国財政の信認を確保する。そして、政労使における賃上げの取り組みや大胆な投資減税などを通じて経済の好循環を実現していこうという決断をされたのであります。総理の言葉をかりれば、この道しかない、その道を邁進するとの決意であります。
 ただ、現状の景気回復の実感は、いまだ、円安の恩恵を受ける大企業、あるいは株などの資産を持つ富裕層などが中心と言わざるを得ず、日本全国の地域の隅々までアベノミクスの成果が行き渡っているとは言いがたい状況であります。これからの経済政策は、第二幕として、景気回復の果実を、総理の言葉をかりれば、全国津々浦々、中小零細企業にもしっかりと行き渡らせる段階に入っていくのであります。
 日本の経済社会の屋台骨を支えているのは地方であり、中小零細企業で必死に頑張る人たちであります。こうした人たちが、長いデフレ不況を越えて、本当に景気回復の実感が得られるようになったときこそ、アベノミクスは完成するのではないでしょうか。
 平成二十五年度補正予算に続いて、二十六年度、そして税制改正と、さまざまな努力を重ねられ、地方の元気や中小零細企業の意欲を沸き立てるようなきめ細かい施策を打つとして、具体的にどのような配慮をされるおつもりか、財務大臣にお伺いしたいと思いますが、簡単にお答えください、時間の関係で。
○麻生国務大臣 今おっしゃられたとおりなのであって、これを全国に円滑に、津々浦々とよく使われますけれども、これを執行していくに当たって、なかんずく中小零細業者等々、きちんとしたものを絡めて広めていくというところが、これから腐心していかねばならぬところだと思っております。
 また、公共事業につきましても、これは、規模の大型化とか、また労務単価の引き上げとか、資材のところ、いろいろな細かいことをいっぱい取り決めさせていただいておりますけれども、これらを含めまして、きちんとやっていく。
 もう一点は、中小零細企業に関しては、税制改正というのをやらせていただいて、減税効果が及ばない中小零細企業に対しましても、きちんとやらせていただく。
 また、ものづくり・商業・サービス革新補助金等々、一千四百億円などやらせていただいておりますけれども、こういったものを補正に盛り込ませていただいておりますので、これを、いろいろな、農業の地域活力創造プラン等々を含めまして、現場に対して丁寧な説明に努めるということでありまして、基本的には、今回の税制改正を通じまして、景気回復の実感を、中小零細業者を含めまして、農村を含む全国津々浦々までしっかり届けさせていただきたいと思います。
 一分五十秒、ありがとうございました。
○金田委員 ありがとうございます。
 ここで、私の思いなんですけれども、理念なんですが、私は、十二年前、小泉さんが総理になりました際、また、七年前は安倍総理に対しまして、当時は参議院の予算委員会の場だったんですが、質問させてもらったんですが、いつも申し上げていることがございます。
 第一は、食料も水も自然も電力などのエネルギーも労働力も地方がつくって都会に供給しているんだということ、地方の農山村があって都市があるんだということ、そして、ふるさとの心の支えがあって都市の発展があり日本の発展があるんだということですね。そしてまた、水と農というのは国の財産である、心であって哲学であって国の大もとだから、産業としての農業と心のふるさととしての農業、この二面性を持つ農業については、我が国の指導者は情熱を注ぐべきであるということですね。
 そして、もう一点が大事なんですが、これは経済運営の基本ですから、財政政策の三つの機能、これは誰しもがわかっていることだと思います。一つは資源の配分機能、二つは景気調整機能、三つは所得の再分配の機能、この三つであります。
 中でも、我々政治家にとって最も大事な役割を持つのではないか、この委員会でも持つのではないかと思うのは、第二番目の景気調整機能と三番目の所得の再分配機能。これは、我々政治家にとって、景気をよくしながら、格差の拡大を阻止して、これを是正するために取り組むんだ、最も大切な役割だ、こういうふうに不肖私はいつも言っているのであります。
 以上のことを申し上げているのですが、この二つの言葉を引き続き大切にしていただいて、大都市と地方、大企業と中小零細企業、高所得者と低所得者や社会的弱者との間で格差が拡大することがないように常に配慮していただかなければいけない。こうした点に配慮しながら経済運営をして、ぜひ真のデフレ脱却と経済の好循環を実現していっていただきたい、このように思うのであります。
 そして、本当はこれについても総理のお考えを一つ一つ確認したかったんですが、あと一分半しかありませんので、最後に、平成二十五年度補正予算というのは赤字国債に頼っておらずに編成されております。とともに、プライマリーバランスが改善されている平成二十六年度予算、この二つで、ともに経済再生と財政健全化の両立を果たすための政策を集めた、バランスのとれたものになっているというふうに私は考えます。
 したがって、この補正予算と今後審議する二十六年度予算の早期成立と着実な執行をベースにいわゆる経済の好循環を実現していっていただきたいというこの決意、どうか、総理から最後に一言、安心のメッセージを、今申し上げたことに対して簡単におっしゃっていただければ時間内に済むわけであります。よろしくお願いいたします。
○安倍内閣総理大臣 まさに今、金田委員がおっしゃった理念で私も政策運営を進めていきたい、このように思っている次第でございます。
 日本は、古来から、朝早く起きて、額に汗して田を耕し、ともに水を分かち合い、秋になれば皇室とともに五穀豊穣を祈ってきた瑞穂の国。この瑞穂の国らしい市場主義経済を目指していきたい、このように決意をいたしておる次第でございます。
○金田委員 終わります。
○二階委員長 これにて金田君の質疑は終了いたしました。
 次に、大串博志君。
○大串(博)委員 民主党の大串博志でございます。
 午前中の質疑、どうもありがとうございました。フォローアップも含めて、少し議論させていただければというふうに思います。
 総理、午前中の審議を終えて官邸にお戻りになって、午前中の東京株式市場の状況を確認されたのではないかというふうに思います。五百円を超す下げを一時記録しておりました。日本時間の昨晩、昨日のニューヨーク市場も、株式、三百ドルを超える下げを記録しています。
 これはどこからこういう不安心理なり市場の揺れが来ているかというと、一週間強前、先ほども申しましたように、アメリカFRBの出口戦略が十二月、一月と実行されてきている、これで新興国から資金が流出して、新興国経済が非常に今厳しい状況にある、ここから来ている。誰が見ても、超金融緩和政策をとった後の出口戦略は非常に難しいということがよくわかるわけでございます。このことは日本でも肝に銘じなければならないということを午前中議論させていただきました。
 午前中の最後に、総理は、出口戦略は日銀のことですということをおっしゃいました。もちろん、金融政策の専管、これは日銀でございます。ですから、どういうふうに現在の金融政策を今後運営していくのかというのは日銀の専管事項。
 しかし、日本の場合は、先ほど申しましたように、金融緩和が出口を迎える結果、金利が上がる可能性がある。それに対して国債市場はどうなるかという、財政政策あるいは国債管理政策、こういった面も大きく影響してくるということを忘れてはならないというふうに思います。非常にそこに大きなストレスを抱える日本経済だからこそ、財政政策や国債管理政策には慎重にも慎重を重ねて臨んでいかなければならないというのが私の趣旨でございました。
 午前中の最後の総理の答弁、金融政策は出口も含めて日銀のことなのでということでございましたけれども、財政政策も含めて考えれば、しかも、二%の物価上昇率を早期に達成してもらうというのは総理から出た言葉でございます。それに対して、総理自身、アベノミクスの今後のリスクに対して責任を負われると私は思います。
 この点に関して、財政政策をしっかり責任を持ってやっていくんだという決意を聞かせていただけたらと私は思います。
○安倍内閣総理大臣 もちろん、私は総理大臣として、日本の財政政策、そして日本の経済に対して最終的な責任を負っているのは言うまでもないわけであります。
 その中において、金融の果たす役割も極めて大きなものがあるわけでありまして、デフレから脱却をしていく上において、金融政策は極めて重要であります。その中において、政府と日本銀行において二%という政策目標を共有したことは大きな成果であったろう、このように思うわけでありますし、いわば政策手段としては日本銀行が独立してその手段を実行していくわけでありますが、政策目標をしっかりと共有していくことは当然重要であろう、このように思うわけであります。
 そこで、二%の物価安定目標に向けて、黒田総裁のもとに適切な金融政策を実行していただいている、このように思いますし、その中において、デフレから脱却していく方向に向けて、やっとデフレ状況ではなくなりつつあるわけでございまして、デフレ脱却はまだ道半ばではありますが、やっとデフレという状況からは、デフレではないという状況になりつつあるわけでございます。
 そこで、今後、当然、さまざまな課題、リスクがあるのは事実でございます。そういうものも認識しながら、日本銀行においては金融政策をしっかりと実施をしていく、私どもの方においてはしっかりと財政政策も実施をしていくわけでございますし、国債の管理については財務省においてしっかりと注視をしていく、これは当然のことであろう。同時にまた、日本銀行と政府が意思の疎通をしていくことも重要ではなかろうか、このように思っているところでございます。
○大串(博)委員 ありがとうございます。目標を共有していくと。
 例えば、イギリスの中央銀行も、目標の設定は政府が行い、オペレーショナルインディペンデンシーという意味において、手段の独立性を中央銀行が持つ。そのことに関しても触れられたんだと思います。
 目標を設定したのは政府、だから、その目標に到達したときにどのような事象が起こってくるかということに対しての最終的な、国民に大きなリスクを負わせない形での結論を出していかなきゃならない。この点は、時期がまた移るに従って、この委員会の中でもしっかり議論させていただきたいというふうに思います。
 補正予算について、その観点から、若干幾つかの点を麻生副総理に確認させていただきたいと思いますけれども、簡素な給付措置、三千六百億円、ことし補正予算に措置されています。
 この簡素な給付措置、低所得者対策として絶対必要だと私は思います。だけれども、補正予算で措置されてよかったのかなという気もやはりします。
 というのは、消費税が持つ逆進性を排するという意味においての政策です。ですから、確かに、今回のスキームを見ると、ワンショットでの給付を前提としているので補正予算ということだったかもしれませんけれども、一〇%になったときの、軽減税率かどうかという議論は続いていますが、何がしかのいわゆる低所得者対策、逆進性対策は必要になってくるわけですね。
 通常予算というのは枠です。枠をどうとっておくかというのが一般予算、通常予算に関しては非常に難しい。だけれども、基本的には、低所得者対策として今後やっていく以上は、来年度予算においては、その低所得者対策分の財源枠をとっておくべきだったんじゃないかなというふうに思うんです。この辺に関してはいかがでしょうか。
○麻生国務大臣 臨時福祉給付金、正確にはこう言うんですけれども、簡素な給付措置につきましては、今言われたとおり、これは負担の影響を緩和するために四月からスタートします。その段階で市町村が実際実施をされますので、それに当たりましては、三月に予算が通りました、それからお願いしますでは、とても市町村は対応し切れないということだと存じます。
 したがいまして、こちらの方も、きちっとした形であらかじめ準備をしておいてもらうためには、三月までに全部でき上がっておくということにならないととても、個別にやられることになりますので大変時間も要しますので、そういった点も考えますと、準備は早急に整えておくという意味からいきますと、この簡素な給付金につきましては、補正予算でやらないと物理的なことからいってなかなか対応し切れない、私どもとしてはそう考えてやらせていただいたところなんです。
 市町村は一体いつできるんだと必ずみんな聞かれるんですが、これは市町村によってかなり差が出るということもある程度考えておきませんといかぬと思いますので、なおさら早目に対応しておく必要があろうかと思っております。
○大串(博)委員 早目の対応というのは必要だと思いますけれども、あわせて、やはり財源を毎年きちんと確保するというのも、消費税が上がる世の中において、低所得者対策として必要だと私は思うんですね。私はこの点の配慮も必要になってくると思います。
 そして最後に、今回、補正予算の議論、いろいろ議論させていただきました。今、補正予算のあり方をもう一回、先ほどの玉木委員じゃないですけれども、考える必要があるんじゃないかと思うんです。
 というのは、最近の補正予算の財源を見ていると、一つは税の上振れ、あるいは公債金を発行するなら公債金、そしてもう一つ大きな財源は、国債費の金利を、そのときの市場金利よりも大体一%ほど上に見て通常予算の国債費は算定しています。これが、年度後半になってくると、そうならなかったということが明らかになってくる。これによって、毎年、兆円オーダーの剰余金が生まれてきます。これを財源とするということが非常に多い。しかも、これが年々続いているものだから、役人さんたちにしてみると、毎年、補正予算は絶対あるんだ、非常に格好なお財布みたいになっているんですね。
 そうすると、それで補正予算を組むと、一体、毎年の財政が拡張的なのか緊縮的なのか、財政健全化が進んでいるのか進んでいないのか、非常にわかりづらい、分析もしづらい、そういった予算になっている可能性があると思うんです。
 確かに、一%上乗せして通常金利を見積もるというのは理のないことではないかもしれません。すなわち、過去一年の間に一%分だけ金利が振れたことがあったという理由に基づいていますけれども、そろそろこの辺も見直す時期に来ているのではないかなというふうに思うんです。
 この辺に関して、財務大臣の所感をお願いします。
○麻生国務大臣 御指摘が今ありましたとおり、大体一%、一・一%。何でその数字がとってあるかというと、これは、平成十年で〇・九でやってあったところが二・〇になりました。それから、平成十五年のときも、これは〇・五で組んであったものが一・六になりましたということでえらい騒ぎになりましたものですから、少なくとも一・一ぐらいは、これまでの、過去一番開いた例なものですから、それを前提にしてこういった形になっておるんです。
 これがもしなかったらえらいことになりますので、ちょっと正直、もっと減らせるはずではないかという御意見は、我々として、心構えとして持っておかねばならぬとは思いますけれども、もし足りなくなったときのことだけはちょっと、慌ててまた国債を発行するなんというのでは、とてもじゃない、みっともなくて話になりませんので、きちんとした対応だけは心構えとして持っておきたいと思っておりますが、御指摘のありましたとおり、毎回一%余裕があると思われたら、財布があるみたいなものじゃないかと思われないように心したいと思っております。
○大串(博)委員 今の点、理屈はわからぬでもないんです。一%以上金利が振れたことがあったということ。
 ただし、いろいろなやり方があると思うんですね。金利が振れたときに予備費を使う、あるいはそのときに補正予算をそれこそつくる、そのときに国会も協力するというようなやり方も、私は、どちらかというと、そちらの方が正常なのではないかなという気がします。
 今回、これだけ補正予算のあり方が議論された機会ですから、これを機会に一石を投じられたらなというふうに思いますし、ぜひ検討していただけたらというふうに思います。
 以上で私の質問を終わります。
○二階委員長 これにて大串君の質疑は終了いたしました。
 次に、坂本祐之輔君。
○坂本(祐)委員 日本維新の会の坂本祐之輔です。
 平成二十五年度補正予算について質問をさせていただきます。
 この補正予算五・五兆円のうち約一・二兆円を占める基金の問題に関しましては、昨日、桜内議員から御指摘をさせていただきました。基金以外にも、私は問題があると考えております。
 補正につきましては、財政法第二十九条におきまして、特に緊要となった経費の支出について補正予算を組むことができるとされております。この法律に照らして、今回の補正予算を見ても、ふさわしくないものが多い、問題点が多いと私は考えております。昨年も、この予算委員会において、補正予算について同様の指摘をさせていただきました。
 例えば、本年度の予算の中には、地域における少子化対策の強化、三十・一億円の中に、その目的として、地域の実情に応じたニーズに対応する、結婚、妊娠、出産、子育ての、切れ目のない支援を実施するとありますが、女性の一生にかかわる大きな政策、この内容については反対をするものではありません。しかし、この内容について、この政策を一体、補正予算で行うべきか。私は、本予算でじっくりとしっかりと推進をするべきものではないかと考えております。
 また、結婚に向けた情報提供等とありますけれども、これは例えば、高校生に対して、将来結婚すると楽しいことがあるぞというような啓発活動などを行う事業でもあるようでございます。一体、補正にふさわしいかどうか、甚だ疑問でもあります。
 補正と本予算でトータルをすると百兆円を超える。まさに、百兆円を超えぬように操作するための補正ではないのかと私は考えておりますが、補正の編成のあり方について、総理のお考えをお伺いいたします。
○麻生国務大臣 補正の編成に当たりまして、私の記憶しているところで、自分がやりましたときの補正、これはリーマン・ショックの直後でもありましたので、補正を組まざるを得ぬというときにやらせていただきました。
 昨年の場合は、これは御存じのように、選挙が終わってすぐでありましたので、一月に予算を編成せねばならぬということで、これは四月からの本予算の執行がほぼ無理ということになりましたので、私どもとしては補正予算を組ませていただいて、四、五、六の対応をやらせていただいた。
 今回の場合は、補正予算を組んだ主たる目的は、今年の四月から消費税が三%アップいたしますので、それに伴いまして反動減が起きるということはほぼ確実。どれぐらい起きるかといえば、一・八兆とか二兆前後のものが言われておりますので、それに対して十分な対応をということで私どもは補正予算を組ませていただき、それに当たっては、公共工事等々は、とにかく土地代に金が消えるとかいうことではなくて、補修とか修繕とかメンテナンスとか、そういった直ちに地方に仕事が出るようなもの等々を十分に勘案する。いろいろ細かいことを申し上げれば切りなく出てきますけれども、そういったものを主に組ませていただいたということです。
 補正予算というものは、基本的に、組まずにずっと流れればそれはよかったということになろうかと思いますが、緊急というのがあるかといえば、今回は、間違いなく消費税の値上げに伴います反動減というものが一番大きな要素になろうかと存じます。
○坂本(祐)委員 地方自治体の予算会計の中で補正予算を組むとなると、もっと身近なところ、非常に市民にわかりやすい政策の実現ということになろうかと思います。国と地方自治体がそれほど違うのかなというところにも、私は疑問を持っているところでございます。
 次の質問でございますけれども、総理は、施政方針の中で、女性の社会進出の推進と待機児童解消を重点施策に挙げておられます。女性の社会進出の推進、これは私どもも大いに賛成をするところでございます。
 しかしながら、改めて子育て支援という観点から御質問をさせていただきますけれども、赤ちゃんや子供の幸せとはどのようにお考えでしょうか、総理にお伺いをさせていただきたいと存じます。
○安倍内閣総理大臣 赤ちゃん、そして子供の幸せということでございます。
 赤ん坊のころのことは覚えておりませんが、私が子供のころは、これは委員のお父様も市長であったということでございますが、政治家の家というのは、お父さんが政治家であった場合は、いないんですね、ほとんど。そして母親も、一緒にずっと地元を回っていて、いないんですね。ちょうど私が子供のころは父親が落選をしておりまして、となると、ほとんどいないわけです。そうすると、やはり非常に寂しいわけですね。
 そういう意味においては、子供というのは、ある意味、一家団らんにおいて大変幸せを感じる、これは親よりも実は子供の方が感じているところもあるのかな、こんなようにも思います。
○坂本(祐)委員 総理おっしゃるように、私は、小さな子供にとって、何よりも、親と一緒にいることなのではないかと考えております。
 総理は、全ての女性が活躍できる社会をつくる、これが安倍内閣の中核だとおっしゃっておられますし、もう一方、子育てに専念したい方には最大三年間育休の選択肢を認めるよう、経済界に要請をされていらっしゃいます。
 しかし、総理の子育て支援に対する方向が待機児童対策に偏っているのではないか、みずからの手で子供を育てたい人の支援の政策をもっと充実するべきではないかと私は考えております。
 例えば、保育所の基準額でいきますと、年収四百七十万円の御家庭の方がゼロ歳児を保育所に預けたときには、一年間で、ゼロ歳児に対して百八十万かかります。そのうち、国、県、市の補助を百四十四万円、ゼロ歳児に使うわけですけれども、個人的には三十六万円払う。一人に対して国、県、市等が百四十四万円を払うのであれば、家庭で子供を育てたい女性に対しても、同じ金額をということではありませんけれども、同様に厚い政策の推進をするべきなのではないかと考えております。
 働きたい女性、育てたい女性、ともに重要な政策であります。この点に関して、ゼロ、一、二歳の間は、子供の心を母親や父親の愛情でいっぱいにする、そういった政策をぜひ側面から支援していただきたいと存じますが、総理のお考えがあればお伺いをいたします。
○安倍内閣総理大臣 私は、親の就業状況いかんにかかわらず、子供がひとしく心身ともに健やかに育つことが重要であろう、このように思います。
 もちろん今、委員がおっしゃったように、ゼロ歳、一歳、二歳のときに親が寄り添っていられる、これは、赤ちゃんあるいはお子さんにとって大変必要なことかもしれませんが、他方、何らか、それは仕事の関係で難しい方もおられるわけでございます。
 そこは大変バランスが難しいところなんだろうと思いますが、平成二十七年度四月から施行を予定している子ども・子育て支援新制度において、保育を必要とする子供に関する取り組みのみならず、在宅での子育て家庭も対象にして、親子の交流の場の提供や子育てに関する相談支援など、多様な支援メニューを充実することとしております。
 また、育休におきましても、家族のきずなを大切にしつつ、男性の育児参加も促すわけでございますが、育休を半年間、五〇%から六七%に引き上げていくこととしているわけでございますし、また、企業に対しましては、三年間育休がとれるような、そういう取り組みをするようにも促しているところでございます。
○坂本(祐)委員 子供の健やかな成長こそ、日本の発展に資するものだと思います。ぜひ、赤ちゃんや子供の視点に立った子育ての支援の政策を充実していただきたいと御指摘をさせていただきます。
 さて、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックが開催を決定されました。我が党石原共同代表が都知事就任時に諦めずに手を挙げていただいた、勇気を持って挑戦をさせていただいた、そのことを原動力として、総理、文部科学大臣、政府関係者の皆様方に、オリンピック誘致に向けての熱い、温かい御尽力をいただいたものと、心から敬意と感謝を申し上げる次第でございます。
 オリンピックムーブメントで日本を元気に。我々もその成功のために御協力をさせていただきたいと思います。
 そこで、下村文部科学大臣にお伺いをいたします。
 子供たちの夢の実現のために、全国にいらっしゃるオリンピアン、パラリンピアンの方たちが全国の小中学校で子供たちに接する機会をぜひつくっていただきたいと存じますが、お考えをお伺いいたします。
○下村国務大臣 御指摘のように、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック招致は、石原都知事の時代から、その後のオール・ジャパン体制で獲得できたものであるというふうに思っておりますし、そのためにも、東京だけではなくて日本全体が元気になる。
 そして、今御指摘がありましたが、ぜひ、オリンピアン、パラリンピアンと子供たちの交流をさらに促進するようなことをしていきたいと思います。
 今、文部科学省では、トップアスリートによるジュニアアスリート支援等を行っておりますし、また、JOCもオリンピアンふれあい推進事業、オリンピックふれあいアンバサダー、東京都もパラリンピアン出前授業等を行っておりますが、ぜひ、全国の子供たちが、継続的にスポーツに親しみ、そしてトップアスリートやパラリンピアンの影響で、もっと自分も頑張ろうと人生に前向きに取り組んでもらえるような環境づくりのために、オール・ジャパンで対応していきたいと思います。
○坂本(祐)委員 ありがとうございます。ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思います。
 最後になりますが、昨年の補正予算成立時に、我が党から、全国の都道府県、市町村など地方公共団体の繰越明許について、その簡素化を図るように求め、麻生財務大臣からは、この要請について肯定して約束をいただきました。実際、繰越明許手続の簡素化は実現し、地方からは大変喜ばれました。
 今年度も多額の予算の来年度への持ち越しとなりますので、この点、昨年同様の措置を麻生財務大臣に御要望させていただき、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○二階委員長 これにて坂本君の質疑は終了いたしました。
 次に、柏倉祐司君。
○柏倉委員 みんなの党の柏倉でございます。
 時間がございませんので、早速質問の方に移らせていただきたいと思います。
 我々みんなの党は、消費税増税には反対の立場をとっております。しかし、四月からは上げられてしまうということで、今回の補正は、やはり消費増税による景気減速に歯どめをかける、そういうものの合理性が非常に必要であるというふうに考えております。
 しかし、今回の補正を見ますと、ターゲットの不明瞭な財政支出が多いのではないかという危惧を我々は持っております。やはり即効性を持って四月、五月、六月の消費を刺激する、減税を中心とする補正が望ましいというふうに我々は訴えております。
 ゴルフに例えて言うのであれば、バンカーショット、これをドライバーで打つような政策ではなくて、やはり減税というサンドウエッジをぜひ使っていただきたいということでございます。
 内容に関してでございますが、即効性を持たせるはずの補正予算に、好循環のための経済対策の美名のもと、多くの基金が積まれてございます。我々はどうしても、なぜ補正に基金が積まれているのか、これはもう再三、どの党からも指摘されていることではございますが、ここに危惧を抱いております。
 私ごとで恐縮ですが、私は文部科学委員会で、この後、ImPACTというものについての議論をさせていただきます。
 このImPACTというのは、日本版DARPAというものをつくるということで、ハイリスク・ハイリターンの研究をやっていくという、日本では新しく始められるような、非常に野心的なプロジェクトだと思うんです。それを成功裏に進めるためには、やはりそのスキームを十分に議論して、そして進めていくということが我々は必要ではないかというふうに思います。その議論もなく、いきなりお金がどんと積まれる、これにはやはり違和感を覚えざるを得ません。こういった百年の大計を、まずもって、即効性と申しますか、計画と申しますか、毎年の本予算でしっかり議論を積み重ねて、軌道修正をしながら練っていくべき研究プログラムだというふうに思っております。
 補正を積むのも、その論拠が乏しい。そして、積まれる側も、どうやって短い期間で計画をつくってキックオフしていくのか、積まれる側からしても非常に使いづらい、そういったものになってしまうのではないかという危惧がございます。
 こういった基金の類いを一切、本予算の方に回すという観点で削っていきますと、八千億円ぐらい出る形になります。
 そこで、ぜひ総理にお伺いしたいんですが、この基金に関して、これをやはり一切カットオフするという選択肢がないのかどうか。そして、そういったカットオフした財源をもとに、我々常に訴えております減税、法人税減税、所得税減税、自由償却税制、こういった実のある経済活性化策に役立てていくということをお考えになっていただく、これに関する総理の御見解をお聞かせいただければと思います。
○麻生国務大臣 一つだけ。
 私、直接担当ではありませんけれども、今、ImPACTの話が出ましたが、これは、少なくとも政府内部で、文科大臣、科学技術大臣等々は、これは多分、何百回はオーバーでしょうけれども、何十回、そのうち私も十回ぐらい出たと思いますので、結構議論をさせていただいた上での話が一点。
 もう一つは、このImPACTの前に、五年前、私のときにFIRSTというのをさせていただいて、あのときに、今の細胞の話が出てきたのもあの予算でしたので、そういった意味では、こういったものは、あれはたまたま目玉が、当たったものが出ましたものですから、よかったじゃないかと言うけれども、お医者をやっておられたのでよく御存じかと思いますけれども、これは何百回に一回しか当たらぬような話はいっぱいあります。こういった話は、あれは当たったからよかったよかったという話になっているけれども、当たっていなかったら、多分今ごろ、ぼろかす言われているところだったんだろうと思っています。そういうものですよ。私は基本的にそんなものだと思っております。
 今回も、何となく、あのエプロンのお嬢さんが出てきてよかったなという感じで、あれと二つ重なって……(発言する者あり)失礼しました。英語じゃなくて、あれは割烹着ね。そういった意味では、あれはよかったなということになっているんだと思いますけれども、あの話は、今度はナショナル・インスティテューツ・オブ・ヘルスという、NIHの方に多分集中させていかれる予算になっているとは思います。
 いずれにいたしても、こういったものは、幾ら、いつまでに、どれぐらいの期間がというのがなかなか予測ができない、予算が立てにくいものは、基本的に基金という形で、ああいったような形にさせていただいていると御理解いただければと存じます。
○柏倉委員 御答弁ありがとうございます。
 時間もございません。一言だけ、言い切りで終わらせたいと思います。
 あと一つ、復興特会への一般会計の繰り入れも、やはり復興公債発行減を最小限にするという観点から圧縮する、そういったことも含めて、我々、この後、組み替えの動議を出させていただきたいと思います。そこのところでの真摯な議論をよろしくお願い申し上げまして、質問とさせていただきます。
 ありがとうございます。
○二階委員長 これにて柏倉君の質疑は終了いたしました。
 次に、小池政就君。
○小池(政)委員 結いの党の小池政就です。
 先ほどに続きまして、六分、時間をいただきましたので、御質問させていただきます。
 私たちも、今回の補正につきましては、財政法二十九条にあるような緊要になったものと思われない支出が多く含まれているということからも、大変、これからの財政に対して懸念を持っているところでもあります。
 先月の一月二十日に行われました、総理が議長を務めていらっしゃいます経済財政諮問会議におきましても、アベノミクスが成功し、平均成長率が実質二%程度となった実質経済再生ケースの場合ですら、二〇二〇年度のプライマリーバランスの対GDP比は一・九%程度の赤字ということが示されております。まして、より緩やかな成長経路となる参考ケースの場合には、二〇一五年度の目標も達成できないということを示しておりますが、これは、経済財政諮問会議の方からも、やはり成長戦略または財政改革の取り組みというものがまだまだ足りないんじゃないかということを示しているのではないかと思っております。
 特に、財政の改革におきましては、今政権が金融緩和という形で期待値を上げようとされておりますけれども、その期待値にもやはり影響するということでございます。
 将来の負担がどれだけふえていくか、その不安がある中で、なかなか消費というものはふえていかないわけでございますから、財政改革をしっかりとやっていただきたいと思っております。
 その中で、昨年八月に政府が定めました中期財政計画では、残念ながら、歳出の総額の上限について明確な規定というものはなされておりませんでした。
 過去におきましては、小泉政権、これは安倍総理もいらっしゃいましたけれども、骨太の方針で、また、民主党政権におきましても中期財政フレームという形で、歳出改革というものを示してはおります。また、自民党さんも、野党時代に議員立法で財政健全化責任法案というものを示しているところでもあります。
 安倍総理は、昨年の本会議の答弁におきまして、この財政健全化におきまして、法案の提出も含めてこれから取り組んでいくということをおっしゃいましたが、その点も含めて、覚悟をお示しいただけますでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 我が国の財政については、GDPの二倍程度という巨額の公的債務が累積するなど、厳しい状況にあるのは事実であります。こうした中におきまして、急速な少子高齢化により年々ふえていく医療、年金、介護などの費用を賄っていかなければなりません。
 こうした中で、政府としては、経済再生が財政健全化を促し、そして財政健全化の進展が経済再生の一段の進展に寄与する、これは大体委員の御指摘と沿うのではないかと思いますが、好循環を目指して、持続的成長と財政健全化の双方の実現に取り組んでいく考えであります。
 具体的には、平成二十五年度補正予算については、国債の追加発行を行わず、消費税率を引き上げる反動減の緩和や、成長軌道への早期復帰に資する政策を実施することとしておりますし、平成二十六年度予算については、基礎的財政収支は中期財政計画の目標を上回る五・二兆円の改善を実現したわけでございます。
 今後とも、まずはしっかりとデフレから脱却して、経済を成長させる中において税収増を図り、そして無駄遣いを慎む中において財政健全化を目指していきたい、このように考えている次第でございます。
 こうした取り組みを法定すべきかどうかについては、財政健全化に向けた施策の中身を検討していく中で、その要否も含めて十分検討する必要があると考えていますが、いずれにせよ、政府として、現時点で具体的な検討をしているわけではありません。
○小池(政)委員 もう時間ですので終わりますが、しっかりとコミットメントを示していただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
○二階委員長 これにて小池君の質疑は終了いたしました。
 次に、赤嶺政賢君。
○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 先ほどの質疑に引き続いて、普天間基地問題について総理に質問をいたします。
 総理は、昨年十二月二十五日、仲井真知事と会談をいたしました。そこで、総理は、知事からの要望に沿って、沖縄振興策や基地負担の軽減について発言を行いました。
 その中身について伺いますが、仲井真知事は、埋め立てを承認した際の記者会見で、普天間基地の五年以内の運用停止について総理から確約を得ていると述べました。ところが、首相官邸のホームページに掲載されている総理の発言を見ても、その点について具体的な言及は見当たりません。
 総理に伺いますが、普天間基地の五年以内の運用停止を確約したのですか。
○安倍内閣総理大臣 仲井真知事との面談におきましては、普天間飛行場の五年以内の運用停止を含む御要望をいただいております。移設されるまでの間の危険性の除去が極めて重要な課題であるとの認識を知事と共有したところでございます。
 このような仲井真知事の御要望は、県民全体の思いとしてしっかりと受けとめまして、できることは全て行うというのが安倍政権の基本方針でございます。
 具体的には、沖縄の基地負担を軽減するためには、沖縄県外における、それに向けた努力を十二分に行うべきであると考えております。米国を初め、これは相手があることではありますが、政府として、普天間飛行場の五年以内の運用停止を含む仲井真知事の御要望については、政府を挙げて、その実現に向けて全力で取り組んでいく考えであります。
 その具体的な取り組みとしては、現在、普天間飛行場に所在する空中給油機KC130、十五機については、本年六月から九月の間に、全機、岩国飛行場へ移駐を進めます。
 そして、オスプレイにつきましては、まずはその訓練等の約半分を県外で行うこととしたいと考えております。
 防衛副大臣をヘッドとする沖縄基地負担軽減推進委員会を設置しまして、具体化に向けた作業を精力的に今進めているところでございます。
 また、環境に関しては、日米地位協定を補足する新たな政府間協定を作成するため、日米交渉を開始することで米側と合意をいたしました。これは、地位協定発効後五十年を経て初めての取り組みになるわけでありますが、引き続き、負担軽減に向けて政府一丸となって取り組んでいく考えでございます。
○赤嶺委員 私が聞いたのは、普天間基地の五年以内の運用停止について総理が確約したと仲井真知事は繰り返しているんですね。だから、総理は、五年以内に普天間基地が運用停止になることを確約されたんですか。イエスかノーかでいいですよ、答えてください。
○安倍内閣総理大臣 今お話をいたしましたように、これは米国と交渉しなければいけません。ですから、相手があることでありますが、まさに全力を挙げて我々は取り組んでいく、先ほど申し上げたとおりでございます。
 そして、事実、先ほど、大きく言って三点、今実施をしている、あるいは実施をしようとしていることについてお話をしたところでございますが、空中給油機については、六月から全て岩国に移るわけでございます。こうしたことを確実に実施していくべく、全力を挙げていきたいと思います。
○赤嶺委員 私、普天間基地の運用停止を聞いているんですよ。
 KC130が岩国に移って、岩国に移ったKC130は普天間で訓練しませんか。訓練しませんか。やはり沖縄で訓練するんですよ。本籍地が岩国に移って、現住所普天間という、こんなのは負担の軽減にならないですよ。
 普天間飛行場の五年以内の運用停止というならば、去年の四月の統合計画で、普天間基地の返還は二〇二二年度またはその後とされています。当然、五年以内の運用停止については、去年の統合計画の中では何も書かれていません。
 総理は、仲井真知事の要望の実現に向けて全力で取り組むと言います。ならば、アメリカに対して、統合計画の見直しを求めるんですか。
○小野寺国務大臣 総理がたび重なりお話をされておりますが、私どもとしては、普天間飛行場の五年以内の運用停止を含む仲井真沖縄県知事からの御要望については、米国を初め、相手のあることでありますが、政府を挙げて、その実現に全力で取り組んでまいります。
○赤嶺委員 運用停止は総理が明確に約束していないことだけはわかりました。
 質問を終わります。
○二階委員長 これにて赤嶺君の質疑は終了いたしました。
 次に、畑浩治君。
○畑委員 生活の党の畑浩治でございます。
 安倍内閣の十五カ月予算というベースでちょっと比較して議論させていただきたいと存じます。
 前回のベース、これは二十四年度補正と二十五年度当初、今回の補正と次年度予算、この比較で見てみると、当然のことながら、昨年の補正予算はかなり積んでいますので、来年の、次回の歳出は一兆四千六百六十五億円の純減になる。足してみて、今回のベースでやるとですね。
 平成二十六年度当初予算はかなりふえているという話で、これはこれで財政規律の方から議論になっておりますが、ただ、十五カ月ベースで見ると、公共事業費は約七千億減少、これは社会資本整備特会が廃止になって、その部分を勘案すると、実際には約一兆三千億円減少になっております。社会保障費だって、約一兆四千億減少になっている。この一兆三、四千億、公共事業と社会保障、これは内需を拡大してしっかり支えるために必要な支出ですが、実は減少になっているということがございます。
 GDPの実質成長率は、四四半期連続プラスだとおっしゃっていますが、二〇一三年七月から九月期は年率換算で一・一%にとどまっていまして、一月から三月期の四・五、四月から六月期の三・六%からだんだん下がって、大幅に下がってきているということがあります。減速傾向であることは明らかなんだろうと思います。
 こういう中で、四月から消費税増税を行おうとするということ、そして今申し上げた歳出削減、この二つがダブルでかみ合うと、私は、来年の今ごろの日本経済というのはかなり厳しい、がたがたになっているんじゃないかということを危惧します。
 いや、そうじゃないというのはもちろんわかります、民需に転換していくと。ただ、景気対策としての財政支出は私は否定するものではありません。やはりまだデフレ脱却していない中で、財政支出はしっかりやっていかなきゃいけない、私はそう思っております。
 これは、いい悪いは別として、去年、個人消費が伸びない中で景気を支えてきたのは、何とか支えたのは、このデータの寄与度を見てもわかるように、経済統計を見ましたが、公共投資なわけですよね。一・一%の中で、七月から九月の中で、一・二%は公共投資の寄与度があるということであります。
 来年度、経済見通しで公需を低く見積もって、そしてこういう実際の財政支出を減らす、十五カ月ベースで減らしたとすれば、これは公共投資以外の条件が二〇一三年の七月から九月期から変わらないとすれば、そして来年の見方もちょっとこれは楽観的だという見方もありますが、現実的な経済の見方をすれば、一四年度の実質経済成長率はマイナスになるはずだという厳し目の見方もあります。
 そういうことでお伺いしたいんですが、公共投資の実質的な減額の経済的な影響についてはどう評価しているか、お伺いしたいと思います。
○甘利国務大臣 確かに、前回の補正、その後の年度予算、そして今回のそれと比べますと、前回の補正が大きい分だけ今回減っているというのは御指摘のとおりであります。
 しかし、前回は、その前に急激に景気が落ち込んで、底割れが起きるんじゃないかという不安が日本じゅうを包んだわけですね。でありますから、例えば政権交代がないとしても、前政権下でも確実に相当規模の補正を組んだであろうということが言われていたわけであります。
 その私どもが組んだ補正の効果があって上向きになってきて、あわせて、アベノミクスがしっかりときいてきて、全体の水位が上がってきた中でのことでありますから、今回の補正については、消費税を引き上げる、そこの駆け込み需要、反動減、それを精査しまして、それをしっかり埋め戻す、プラス、成長軌道にしっかりと経済全体を戻していく、そういう計算のもとではじいたものでありますから、公共事業費で比較をすれば確かに少ないのでありますけれども、それをカバーするような民需でしっかりと経済を底上げしていきたいというふうに思っております。
○畑委員 そこの民需がしっかり伸びればいいんですけれども、要は、二〇一三年は四月から六月期には設備投資は確かに比較的高い伸びになっておりますが、それは住宅駆け込み需要の影響で不動産業における設備投資が増加したからだと言われております。結局、消費税が増税されて住宅建設がスローダウンすれば、それは減少する可能性が高い。そして一方、必要なのは製造業の設備投資なんですが、これは減少し続けているわけであります。
 そういう状況を見ると、来年民需が高まる、設備投資が高まるという状況、これはうまくいけばいいんですが、実質四・四%だという政府経済見通しですが、これはあり得ないほど高い数値じゃないかと心配しております。
 だから、デフレ脱却がしっかりするまでは、私は、減らすのはどうかというか、一定の水準でいくべきだという考えを持っておりますが、そのことを申し上げて、これは本予算でも引き続き、経済見通しとともに議論させていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○二階委員長 これにて畑君の質疑は終了いたしました。
 これをもちまして締めくくり質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして平成二十五年度補正予算三案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○二階委員長 ただいままでに、みんなの党佐藤正夫君から、平成二十五年度補正予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。
 この際、本動議について提出者より趣旨の弁明を求めます。佐藤正夫君。
    ―――――――――――――
 平成二十五年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十五年度特別会計補正予算(特第1号)及び平成二十五年度政府関係機関補正予算(機第1号)につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○佐藤(正)委員 私は、みんなの党を代表して、ただいま議題となりました政府提出の平成二十五年度補正三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、その趣旨を説明いたします。
 みんなの党は、そもそもデフレからの脱却も達成できていない、また賃金上昇局面にも至っていない現下の経済状況を勘案すれば、とても四月からの消費税増税は実施する状況にないとの立場には変わりありません。
 それでも、政府がどうしても消費増税を予定どおりに実施するということであれば、増税後の景気の腰折れを防ぐための対策は当然に講じられるべきでありますが、本来、そうした対策は、今回政府が実施しようとしている好循環実現のための経済対策という名のもとに大規模な財政支出を行う方法ではなく、所得税や法人税の減税により可処分所得を確保するという減税措置により講じるべきであります。
 こうした観点から、経済効果につながらない支出は廃し、より効果のある内容にするため、以下の理由から編成替えが必要だと考えます。
 編成替えを求める第一の理由は、本補正予算では、経済効果がすぐには発揮されないような多くの事業に使われているということであります。
 政府案では、本来三月までに執行すべき補正予算について、初めから四月以降の支出を前提として予算を計上しているものも数多くあり、財政法に定める補正予算の原則に違反しております。
 その上、本来は当初予算で確保すべき不要不急のものが経済対策の名のもとに入り込んでいるどころか、行政改革推進会議にて無駄と指摘された来年度当初予算の項目が補正予算でしっかりと復活するといったものも散見されます。
 総額一・二兆円にも上る基金の積み増しの中には、景気対策としての効果がすぐには出現しないような長期間にわたるプロジェクトのためのものも含まれており、また、毎年執行残が二割から三割程度発生している公共工事について、実際に執行可能かどうかの検証も十分になされずに積み上げられております。
 第二の理由は、復興法人税を前倒しで廃止する財源を一般会計に求めている点であります。
 今年度の復興特会における税収増や前年度剰余金、復興予算流用の返還金を足し合わせれば五千三百億円、それに復興特会における既定経費の減四千九百億円を足せば、それだけで復興法人税廃止に必要な原資八千億円は賄うことが可能であります。
 本来、法人から徴収するはずで、税金を廃止するからといって、一般会計からの繰り入れにより、さらに追加して広く国民一般に負担を求めることは、何ら合理性はありません。
 一般会計から復興特会への繰り入れは、特別会計に関する法律附則第五条で復興特会に繰り入れると定めている、平成二十三年度第三次補正予算不用分の七千三百十二億円を含めた一・二兆円を繰り入れれば、約五千六百億円の復興事業費の執行や、財政法、復興財源確保法にて求められている約八千五百億円の復興債償還には、何ら支障はありません。
 第三の理由は、本来、増税後の景気対策で必要なのは財政支出ではなく、減税であるべきということであります。
 一般会計から復興法人税廃止の原資を拠出するのであれば、そうした原資は、競争力強化の観点から、法人税の実効税率を一層下げていくための抜本的な税制改正の原資に使っていくべきであります。抜本的な成長戦略のためのアベノミクス第三の矢がなかなか放たれない中で、第二の矢の財政出動に頼るばかりでは、真の経済成長にはつながりません。
 以上の理由から、みんなの党は、平成二十五年度補正予算三案を撤回し、編成替えを行うことを求めます。
 次に、編成替えの概要について申し上げます。
 まず、即効性のない不要不急の経済対策を見直し、〇・八兆円を削減します。
 次に、一般会計から東日本大震災復興特別会計への繰り入れを、平成二十三年度第三次補正予算不用分の〇・七兆円を含めた一・二兆円とし、〇・七兆円減額します。
 次に、真の経済成長を促すための経済対策への振替を行い、〇・八兆円を計上し、設備投資促進のための自由償却制度の導入や減損処理加速を行います。
 財源の見直しでは、今年度税収上振れ分のうち、一・一兆円の削減を行います。
 以上が、みんなの党の組み替え案の概要です。
 何とぞ我々の動議に委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げ、趣旨の説明といたします。
 ありがとうございました。
○二階委員長 これにて本動議の趣旨弁明は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○二階委員長 これより討論に入ります。
 平成二十五年度補正予算三案及びこれに対する撤回のうえ編成替えを求めるの動議を一括して討論に付します。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。上杉光弘君。
○上杉委員 自由民主党の上杉光弘でございます。
 私は、自由民主党を代表し、ただいま議題となっております平成二十五年度一般会計補正予算、平成二十五年度特別会計補正予算、平成二十五年度政府関係機関補正予算、以上三案に対しまして、賛成の討論を行いたいと思います。
 政権交代後、安倍総理は、三本の矢による力強い経済政策をスピーディーに展開することで、経済再生を推し進めてこられました。その結果、経済状況は足元で確実に上向いてきております。
 こうした経済再生への動きと、我が国の課題である財政健全化、安定した社会保障制度の維持を同時に達成していくため、安倍総理は、昨秋、大きな決断をされました。消費税率の来年度からの引き上げと経済政策パッケージの果断な実行です。
 本補正予算は、このような経済政策パッケージに基づく好循環実現のための経済対策を実行するものとして、消費税率引き上げによる反動減の緩和とその後の経済の成長力の底上げを目的として、予算措置を講じるものです。
 本補正予算を少しでも早く成立させ、消費税率引き上げへの対応に万全を期することが重要です。
 以下、補正予算政府案に賛成する主な理由を申し述べます。
 本補正予算には、競争力強化に資する設備投資等の促進や科学技術イノベーションの推進、地域経済に配慮した社会資本の強靱化、老朽化対策といった施策が盛り込まれており、消費税率引き上げによる反動減の緩和、その後の成長力の強化が十分に期待されます。
 また、すまい給付金や簡素な給付措置、子育て世帯に対する臨時福祉給付金といった低所得の方々や子育て世帯への手厚い政策も盛り込まれております。
 さらに、本補正予算は、アベノミクスによる税収の上振れ、つまり成長の果実を活用し、国債の追加発行を行わずに、反動減対策として十分な規模と考えられる五・五兆円の規模を実現しております。
 以上、本補正予算政府案に賛成する理由を申し述べました。
 一刻も早く本補正案を成立させ、ここに盛り込まれている施策の実行を進めていくことが経済再生と財政健全化の両立につながります。
 本補正予算を一日も早く成立させることを期待し、賛成の討論とさせていただきます。
 なお、みんなの党提出の編成替え動議については、見解を異にするため、反対することを申し述べ、私の討論を終わります。(拍手)
○二階委員長 次に、玉木雄一郎君。
○玉木委員 民主党・無所属クラブの玉木雄一郎です。
 私は、民主党・無所属クラブを代表し、平成二十五年度補正予算関連三案について、反対の立場から討論を行います。
 我々民主党は、四月の消費税率の引き上げに備えて、低所得者への影響緩和や、駆け込み需要と反動減の緩和のために、補正予算の編成の必要性は認めているところです。
 しかしながら、このたびの補正予算のうち、真に必要な予算は簡素な給付措置やすまい給付金など一部に限られ、多くは、本来当初予算に計上すべき予算の前倒しや公共事業の積み増しで成り立っています。
 とりわけ、東日本大震災の後、民主党、自民党、公明党の三党で合意して導入した復興特別法人税をなぜ一年前倒しで廃止する必要があるのか、理解できません。国民の連帯ときずなの精神を損ね、被災地の復興に向けた前向きな努力に水を差すような政策に賛同することはできません。
 また、公共事業への過度な依存によって、かえって公共事業の円滑な執行ができなくなるという事態が発生しています。人件費や資材費が高騰し、不調、不落が増加しています。それにもかかわらず、今回の補正予算でも約一兆円超の公共事業を積み増しています。これが特に被災地の復興の歩みをおくらせるおそれもあります。
 さらに、予算委員会の審議でもたびたび指摘されたように、内閣自身が無駄だと判定して当初予算からは削った事業の多くが今回の補正予算で復活しています。補正予算と当初予算とを合わせると、夏の概算要求以上の予算が計上されている事業すらあります。
 こうした予算では、財政再建どころか、かえって、今後の財政運営に大きな禍根を残すことになりかねません。
 以上を踏まえれば、我々民主党としては、補正予算に賛成することはできません。
 なお、政府・与党におかれては、補正予算制度そのものの見直しに係る我々の提言にも前向きに耳を傾けていただくことを期待し、反対討論といたします。
 なお、みんなの党提出の組み替え動議については、その趣旨については理解するものの、見解を異にするため、賛成しかねます。
 以上です。(拍手)
○二階委員長 次に、西野弘一君。
○西野委員 日本維新の会、西野弘一です。
 私は、ただいま議題となりました平成二十五年度補正予算案三案に対して、反対の討論を行います。
 昨年、日銀による大幅な金融緩和の実施で、景気も徐々に回復傾向にあります。まだ、十五年以上続いてきたデフレからの脱却の前という時期に、本年四月の消費税増税を実施する決定が下されました。
 消費税増税で懸念される景気腰折れ対策のため、また、好循環実現のための経済対策として、政府は全体で五・五兆円の本補正予算を組んだと説明をされています。ところが、五・五兆円の二〇%を超える一・二兆円が、基金の新設や積み増しに充てられています。基金は、数年にわたって使われるため、経済政策としての即効性がなく、腰折れリスクを考えると、貴重な資金を基金に入れることには問題があります。経済に対する即効性が見込めない基金に補正予算を充てるくらいなら、累積赤字解消のために、国債の償還に充当すべきと考えています。
 消費税率引き上げによって景気が後退するのではないかと多くの国民が心配しています。それに対する予算として、本補正予算案は危機感がなさ過ぎます。景気腰折れ対策が不十分である政府提案の補正予算には反対いたします。
 復興予算について申し上げます。
 復興予算には、中央官庁からの各種規制がかけられ、交付金が使いにくいという声が地方から上がっています。このような事情を背景として、予算執行状況が上がらない中、復興予算の剰余金八千億円を、平成二十六年度に前倒しして廃止される復興特別法人税に対する補填に使用するという、会計原則に反する予算運営がなされています。
 震災復興というラベルさえつければ何でも許されるというものではありません。この点についても強く反対いたします。
 最後に、昨年、補正予算成立時に我が党が要望し実現した地方公共団体の繰越明許手続の簡素化ですが、本年度も多額の予算が繰り越されることが想定されますので、本年度も昨年同様の配慮をいただきますようにお願い申し上げます。
 以上、補正予算の問題点を指摘するとともに、来年度予算の審議に当たりましては、この補正予算の審議以上に精緻で建設的な議論を闘わせてまいりますことをお誓い申し上げまして、日本維新の会を代表して、私の反対討論といたします。(拍手)
○二階委員長 次に、浜地雅一君。
○浜地委員 公明党の浜地雅一でございます。
 公明党を代表しまして、ただいま議題となりました平成二十五年度補正予算案について、賛成の立場から討論をいたしたいと思います。
 今年度の補正予算のポイントは、四月からの消費税率引き上げに対応しつつ、景気回復と復興の加速化を進める予算であるということです。
 第一に、四月からの消費税率引き上げに対応する予算である点です。
 日本経済が着実に回復に向けて動き出している今、消費税引き上げによる景気の腰折れを防ぎつつ経済成長を軌道に乗せていくためには、企業の競争力強化策は欠かせません。
 今まで製造業だけが対象であったものづくり補助金の対象を商業やサービス業にまで広げ、小規模事業者向けの補助枠も今回新設をされております。セーフティーネット貸し付けの貸付規模を前年度の五兆円から六兆円に拡充するなど、資金繰り支援も充実をしております。
 消費税率引き上げに伴う家計の負担軽減にも対応をしている予算と言えます。
 公明党は、低所得者とともに中堅所得層への配慮も必要であると主張をしてまいりました。補正予算案では、低所得者に対する臨時福祉給付金、いわゆる簡素な給付措置に加えまして、中堅所得者、特に子育て世帯を支援するため、子育て世帯に対する臨時特例給付を実施することも盛り込まれております。
 さらに、住宅ローン減税の拡充とともに、住宅ローン減税の恩恵を十分に受けられない中低所得者の負担を軽減するためのすまい給付金や、また被災者の住宅再建のための給付金も評価に値するものです。
 第二に、復興を加速化させる予算である点です。
 東日本大震災からの復興の加速化は、経済の再生と並ぶ自公連立政権の最優先課題であります。まちづくりや産業再建、そして、原発事故からの再生を目指す福島への支援は欠かせません。
 特に、福島再生加速化交付金を創設することで、これまでばらばらであった交付金事業を一括化し、全国各地での長期の避難、また、早期帰還に至るまで、被災者の状況に即して柔軟に支援をしていくことができます。
 また、地方自治体向けの防災・安全交付金についても、公明党の推進で、昨年度の補正予算、本年度の当初予算に盛り込まれてきましたが、今回はさらに一千八百億円を超える上積みがされ、これにより、インフラの長寿化、そして通学路の交通安全の対策など、地域の取り組みが加速化されることが期待される予算でございます。
 第三に、女性や若者の活躍を推進し、頑張る人の雇用を拡大するための施策が盛り込まれている点でございます。
 景気回復の兆しが見えてきた今こそ、女性や若者の力を最大限に引き出せる環境を社会全体でつくり出すことが、今後の持続的な経済成長には不可欠です。
 地域人づくり事業の創設により、所得拡大促進税制等の対象にはならない中小企業においても、女性、若者等の雇い入れ、処遇改善を支援する仕組みがつくれます。
 最後に、本補正予算は、税収及び税収外の収入の増加を見込むほか、前年度の剰余金を活用することで、今回は国債の追加発行をせずに財源を確保している点も評価に値します。
 以上、主な賛成理由を申し上げましたが、本補正予算と平成二十六年度当初予算が連動しまして、経済の好循環が全国に広がり、また、これが加速化することが日本経済にとって重要であることから、本補正予算の速やかな成立を期待いたします。
 なお、みんなの党の提出の撤回のうえ編成替えを求めるの動議につきましては、見解を異にするため、反対をいたします。
 以上でございます。ありがとうございました。(拍手)
○二階委員長 次に、小池政就君。
○小池(政)委員 結いの党を代表いたしまして、ただいま議題となりました政府提出の平成二十五年度補正予算案に反対の立場から討論を行います。
 今回の補正予算案は五・五兆円規模となっておりますが、四月に予定される消費税率八%への引き上げ、この増税の負の影響を緩和することを目的の一つとして編成されましたが、予算書の内容を見ますと、そのような効果の見込める歳出項目となっているとは見受けられません。
 予算委員会での質疑でも明らかになったように、全体の二割に上る一・二兆円が基金の造成や積み増しであります。しかも、費用対効果の算定について会計検査院から疑義が投げかけられたばかりの森林整備加速化・林業再生基金、巨額の基金を使い切れず国庫返納している緊急人材育成・就職支援基金のように、本当に精査したのかと思えるような基金に、さらに数百億円も積み増しを行っております。
 しかも、緊急人材育成・就職支援基金は、基金を管理する中央職業能力開発協会の職員人件費や事務所賃料といった経常経費に充てられており、理事長初め理事九人が中央省庁OBという天下り団体に対する資金供給に事実上なっていると言わざるを得ません。こうした中央省庁のOBや現役出向者の勤務しているいわゆる天下り団体への支出が、五十八法人、六千五百億円を占めております。
 これらの支出項目が本当に、財政法上、補正予算の編成理由として認められる「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となつた経費の支出」に当たるのでしょうか。そして、消費税増税の影響緩和に本当につながるのでしょうか。疑問に感じざるを得ません。
 このような基金に金を積む補正予算の編成のやり方は、平成二十一年度補正において行われ、その後も、補正のたびにその手法が延々と繰り返されてきたものです。アベノミクスという今までと違う斬新なアプローチを行い、目覚ましい成果を出しているように見えながら、今回の補正を見ますと、今までと変わらない旧来型の経済政策のパターンを踏襲しているようにも見えます。
 今までの繰り返しの延長線上に日本経済の抜本的な復活があるわけではないということを改めて確認しつつ、今後も私たちの立場から建設的な提案を行っていくことを申し述べて、結いの党を代表しての討論といたします。
 なお、みんなの党提出の、撤回のうえ編成替え動議につきましては、その趣旨や内容に賛同できる点もあるものの、考え方を異にする部分もあり、反対いたします。
○二階委員長 次に、宮本岳志君。
○宮本委員 私は、日本共産党を代表して、二〇一三年度補正予算三案に反対、みんなの党提出の予算組み替え動議に反対の討論を行います。
 政府は、消費税増税に伴う景気後退を防ぐために補正を組んだといいますが、内容は国民の消費を冷やすものとなっています。
 反対の理由の第一は、補正予算フレームで、大企業に対する復興特別法人税を一年前倒しで廃止し、復興財源八千億円を補填するとしていることであります。
 被災地復興の財源スキームは、もともと、大企業が一切負担をしない仕掛けでした。大企業は、今後、年八千億円、二十三年間で約二十兆円もの恒久減税が実施され、他方では、国民には、二十五年間、八兆円の復興特別所得税が課税されます。安倍総理は、今を生きる世代が連帯し負担を分かち合うと言いながら、負担能力が高い大企業だけを前倒しして廃止するのは、極めて不公平ではありませんか。
 第二は、社会保障プログラム法の成立を受けて、国民多数が懸念する社会保障給付減、国民負担増の実行を本格化する予算だからです。
 既に、子ども手当減額、年少扶養控除廃止、年金保険料引き上げ、医療・介護保険料引き上げを施行し、特例水準解消のためと称し年金を毎年減額し、国民の負担増は約二兆円を超えています。加えて、二年後、さらに年金保険料や医療・介護保険料を引き上げようとしています。
 消費税を導入して、社会保障制度の切り捨てと国民負担増の連続、放漫な財政運営との悪循環は、歴史的に明白です。大企業優遇税制の是正、資産家に対する累進課税など、消費税に頼らない道に転換すべきです。
 第三は、三千億円以上の国費を、三大都市圏環状道路や、港湾、空港建設などの新規大型開発事業に大盤振る舞いすることです。これは、旧来の大型開発事業の復活そのものです。国民にさらに巨額の負担を押しつけることになりかねません。
 第四は、千二百億円計上の軍事費です。
 昨年度の補正予算に続き、輸送防護車の取得や、南スーダンPKOとソマリア沖派遣の経費を計上しています。これは、憲法に照らして、認めることはできません。
 以上、指摘して、反対討論を終わります。
○二階委員長 次に、畑浩治君。
○畑委員 生活の党の畑浩治でございます。
 私は、生活の党を代表いたしまして、ただいま議題となりました政府提出の平成二十五年度補正予算三案に反対の立場から討論を行います。
 GDPの実質成長率は、平成二十五年七月から九月期は年率換算で一・一%にとどまり、一月から三月期の四・五%、四月から六月期の三・六%を大幅に下回り、経済の減速傾向が明らかとなっています。このような中、税率アップ以上の負の経済効果を持つ消費税増税を行うことは不適切でありますが、であればこそ、適切な内容、規模の補正予算の必要性自体は認めるところであります。しかし、残念ながら、内容に問題があり、反対せざるを得ません。
 以下、その理由を述べます。
 補正予算の編成の理由は、消費税増税による景気反動減対策、経済好循環実現のために即効的な手を打つためだと考えます。しかし、基金のための予算が、本補正予算約五・四兆円中、一・二兆円計上されています。基金は、一定期間の中で使われるものであります。平成二十年度から二十四年度の基金約五・五兆円中、約一兆五百億円が国庫に返納されているという実態もあります。このような基金の性格及び実態から、基金は当初予算で議論して措置すべきものであります。
 また、競争力強化策として約一・四兆円計上されています。この必要性については認められる部分も多いものの、それは反動減対策の次の段階の恒常的施策であり、補正予算として措置することが適切とは言えません。
 一方、増税の悪影響を緩和するというのであれば、個人消費を下支えする政策、家計への手当の充実が必要でありますが、その部分は、低所得者・子育て世帯への影響緩和、駆け込み需要反動減の緩和として、約〇・六兆円しか計上されていません。アンバランスな予算だと考えます。
 また、復興特別法人税の一年前倒し廃止にはそもそも反対でありますが、その補填が必要なのは当然としても、八千億円がその補填として計上されている点が問題だと考えます。補填の予算は廃止年度の来年度予算で行うのが筋である中で、即効的に具体的に必要な支出に回さずに、この段階で補填に回すのは、補正の必要性から見て理屈に乏しいと考えます。
 私たちは、財政支出は否定するものではありませんが、不急の支出ではなく、補正の必要性に鑑みた、即効性のある、真に必要な予算に回すべきという考えを持っています。
 以上の諸点を指摘して、政府の二十五年度補正予算案への反対討論といたします。
 なお、みんなの党提出の動議については、傾聴すべき内容もあるものの、見解を異にする点もあり、反対といたします。
 以上で、私の反対討論を終わります。ありがとうございました。
○二階委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○二階委員長 これより採決に入ります。
 まず、佐藤正夫君提出の平成二十五年度補正予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○二階委員長 起立少数。よって、佐藤正夫君提出の動議は否決されました。
 次に、平成二十五年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十五年度特別会計補正予算(特第1号)、平成二十五年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して採決いたします。
 三案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○二階委員長 起立多数。よって、平成二十五年度補正予算三案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました平成二十五年度補正予算三案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○二階委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○二階委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時三十四分散会