第187回国会 厚生労働委員会 第2号
平成二十六年十月十五日(水曜日)
    午前九時一分開議
 出席委員
   委員長 上川 陽子君
   理事 赤枝 恒雄君 理事 高鳥 修一君
   理事 とかしきなおみ君 理事 松野 博一君
   理事 松本 文明君 理事 山井 和則君
   理事 清水鴻一郎君 理事 古屋 範子君
      秋葉 賢也君    穴見 陽一君
      今枝宗一郎君    大久保三代君
      大串 正樹君    黄川田仁志君
      小林 茂樹君    小松  裕君
      古賀  篤君    今野 智博君
      佐々木 紀君    斎藤 洋明君
      白須賀貴樹君    新谷 正義君
      田中 英之君    田畑 裕明君
      豊田真由子君    中川 俊直君
      永山 文雄君    丹羽 雄哉君
      橋本  岳君    船橋 利実君
      堀内 詔子君    松本  純君
      三ッ林裕巳君    村井 英樹君
      山下 貴司君    大串 博志君
      大西 健介君    中根 康浩君
      長妻  昭君    柚木 道義君
      井坂 信彦君    浦野 靖人君
      重徳 和彦君    伊佐 進一君
      輿水 恵一君    今村 洋史君
      宮沢 隆仁君    中島 克仁君
      高橋千鶴子君    阿部 知子君
    …………………………………
   厚生労働大臣       塩崎 恭久君
   厚生労働副大臣      永岡 桂子君
   厚生労働副大臣      山本 香苗君
   厚生労働大臣政務官    橋本  岳君
   厚生労働大臣政務官    高階恵美子君
   政府参考人
   (厚生労働省医政局長)  二川 一男君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  新村 和哉君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬食品局長)            神田 裕二君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬食品局食品安全部長)       三宅  智君
   政府参考人
   (厚生労働省労働基準局安全衛生部長)       土屋 喜久君
   政府参考人
   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       安藤よし子君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局長)           鈴木 俊彦君
   政府参考人
   (厚生労働省老健局長)  三浦 公嗣君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  唐澤  剛君
   政府参考人
   (厚生労働省年金局長)  香取 照幸君
   厚生労働委員会専門員   中尾 淳子君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月十五日
 辞任         補欠選任
  金子 恵美君     斎藤 洋明君
  田畑 裕明君     今野 智博君
  村井 英樹君     黄川田仁志君
  柚木 道義君     大西 健介君
同日
 辞任         補欠選任
  黄川田仁志君     村井 英樹君
  今野 智博君     田畑 裕明君
  斎藤 洋明君     佐々木 紀君
  大西 健介君     柚木 道義君
同日
 辞任         補欠選任
  佐々木 紀君     小林 茂樹君
同日
 辞任         補欠選任
  小林 茂樹君     穴見 陽一君
同日
 辞任         補欠選任
  穴見 陽一君     金子 恵美君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 厚生労働関係の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
○上川委員長 これより会議を開きます。
 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として厚生労働省医政局長二川一男君、健康局長新村和哉君、医薬食品局長神田裕二君、医薬食品局食品安全部長三宅智君、労働基準局安全衛生部長土屋喜久君、雇用均等・児童家庭局長安藤よし子君、社会・援護局長鈴木俊彦君、老健局長三浦公嗣君、保険局長唐澤剛君及び年金局長香取照幸君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○上川委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。赤枝恒雄君。
○赤枝委員 皆様、おはようございます。
 塩崎大臣の最初の委員会での質問に立たせていただきまして、この機会を与えていただきました同僚の皆様、先輩の皆様、本当にありがとうございます。
 私は言葉が非常に危険だというふうに言われていまして、片仮名用語の難しいのが今まで出ておりました。直球で攻めていましたが、きょうは、においの同じ塩崎大臣のことですから、私はスローカーブで御質問をさせていただきたいと思います。どうかよろしくお願いをいたします。
 三部に分かれておりまして、第一部は私のボランティア活動を中心にお話をして、第二部では子育てについて、第三部では地域創生についてちょっと語らせていただきたいと思います。どうかよろしくお願いします。
 まず、私は、一九九九年に六本木の夜のカフェで女性の街角相談室というのを始めました。それは、六本木ではお産がなくなっちゃったから夜暇になって始めたら、そこで知った子供たちの実態は、これは別の機会にしないと非常に危ない話なのできょうはそこには触れませんが、そこで知った当時の子供たちは、ヤマンバとかギャルと言われた、口紅を白く塗って、目の周りも白、それで、ドン・キホーテで買ってきた長いつけまつげをつけて、不特定多数の男性とのそういう交渉があったり、非常に危険な時代であったわけです。
 そこで、私は、知った子供たちに、ぷらぷらしているものですから、日曜日に老人ホームで、当時はやっていたパラパラという音楽、パラパラをやってくれないかと思って、それを勧めたんですね。そうしたら、やる、やるというわけで、最初、四人ぐらいの女の子がついてきて、横浜の老人施設でパラパラをパラパラ体操として名づけてやったら、これが大受けなわけです。
 特にお年寄りは、車椅子に乗っているので、パラパラの体操自体が上半身の運動なんですね、これが非常にいいのと、耳が遠いお年寄りに、あの大きな爆発するような音がちょうど心地いいんですね。それでお年寄りも喜んでくれて、それはよかったんです。
 その後、時間もあるので、お年寄りの散歩のお手伝い、車椅子を押してくれないかということをお願いしたら、喜んでやってくれる。車椅子を押しながら、おばあちゃんと孫に当たる若い子がいろいろ会話をしているわけですけれども、そこには、すばらしい、とにかく実のおばあちゃんであり実の孫であるような思いやりのある会話がいろいろ生まれていました。
 最初は、あなたたち日本人なんておばあちゃんに聞かれていましたけれども、洋服が非常にかわいいとか、洋服がきれいだとか、どこで買ったんだとか、おばあちゃんもファッションにやはり非常に興味があるというところで、三世代住宅が育児には一番いいんだとか、介護にはとかといいますが、私は、三世代で住む、そしてお年寄りの介護は孫がする、これが見ていて本当に一番うまくいくんじゃないか。父親と口をきかない子供はいっぱいいますが、おじいちゃん、おばあちゃんとは口をきくということで。そういうような実体験をしたわけですね。
 その後、今度は、この近くの赤坂のサン・サン赤坂という老健施設で、また美容師になった若い子を連れていって、老人コスメというのを始めたんですね。棺おけコスメというのもあって、棺おけに入るときに死に化粧をしてもらっても何もうれしくないので、毎月のお誕生日にそこの施設は、いつも二人から五人ぐらいの同じ月の誕生日の方がいて、そのお誕生日のプレゼントにお化粧をしてあげる、ネイルをしてあげる、これをやったんです。
 そうしますと、そこにいた精神科医もびっくりです。全然口をきかなかったおばあちゃんが、化粧水のにおいとか、口紅をつけてあげたら、唇をなめるように口を動かす。それで、不思議と、わかるんでしょうかね、周りの人に見せたがって、立ち上がろうとするんですね、それを見せようとするんです。女性がきれいになったら、またいいことにおじいちゃんの手が動くんですね、これは皆さんも御存じのとおり。そういう自立支援のためにも非常に、おばあちゃんもきれいになる。
 今、自民党は全ての女性が輝く社会というふうに言っていますから、ぜひその中には、おばあちゃんの美容、輝くおばあちゃんにしていただきたい。ですから、介護施設にそういう美容師がいるとか、介護施設にもリハビリがあるのと同じように美容というのも何か入れてもらえば、これは非常に効果があるんじゃないかというふうに思いました。
 時間があれなものですから、ちょっと先を急ぎます。
 子育てのことは、今まで何かと、待機児童を解消すればいいとか、働く女性が育児をするには、両立をするにはどうしたらいいのかみたいな話がほとんどでしたが、実は私は、その前にもう一つあるだろう、妊娠があって出産がある、今まで子育てと言われたところに、最初の妊娠と出産がどうも落ちていたんじゃないかということを部会で言い続けていて、このたび妊娠・出産包括支援事業というのが立ち上がりました。
 これは、多分フィンランドのネウボラの原型みたいなものを取り入れたんだと思うんですが、妊娠から出産、そして産後ケア、そして産後ケアの後に就学児までの子育て。一貫した、つながった事業、これがやはり理想的に、フィンランドでも高い出生率を維持しているということになっております。私もこれは大賛成で、非常に期待するところが大きいわけですが、その中に、私は産科医ですが、やはり抜けているのが、精神的なケアをするような事業が余りない。
 つまり、妊娠すると、産むか産まないかの選択についていろいろな心配が出てきて、妊娠と同時に、もう六週からはつわりというのが始まりますね。つわりがひどくなったら、重症のつわりはもう会社も全然行けませんし、人様にばれたくない結婚前の女性もいるわけですし、それから、妊娠中にはおなかが張って出血する場合もあるし、精神的にいろいろな悩みを持つ妊婦さんが多いんだろうと思うんですが、そのメンタルヘルスについてはどこにも触れられていないんですね。
 だから、私は、今十四枚の妊娠の健診券がついてきます、その上に、できたら二枚、ゆっくり産婦人科の先生とお話ができる、産婦人科医も忙しいですからまともに十分以上お話しするということは余りないと思うんですが、その無料のメンタルヘルス券を持っていけば三十分以上のお話が、悩みが聞いてもらえるというような券をぜひそこに入れていただき、妊娠から育児までの一貫したその事業の中の中心部にやはり産科医というものを置いてほしいなというふうにお願いをしたいと思います。
 大臣、今までのところで中間御意見を。
○塩崎国務大臣 赤枝先生には、実際の経験に基づいたいろいろな御提案をいただきまして、ありがとうございます。
 先ほどの、まず、高齢女性にお化粧とかいろいろな刺激、音楽とかで元気になってくる、それでまた男性も元気になるということでありました。
 介護保険を導入する前に、いろいろな議論を私たちはしました。そのときに、当時は、とかく日本の高齢者の収容されている施設では、ベッドに縛られているとか、それから髪の毛ももう面倒なので散切り頭に切っちゃっているとか、そういうことが女性についてもあって、海外の介護、あるいは高齢者の生活パターンについてよく御存じの方から、例えば北欧などでも、やはり女性は、まず起きたらお化粧をして、ちゃんとしたドレスを着て、ひとり住まいの在宅であってもそういう形で生き生きと生きているにもかかわらず、日本は手足を縛られて散切り頭の女性がいるんだという話を聞いたことがありました。
 やはりそこは、生きる力というか、そういうものを持ってもらうために、おっしゃったような、もともと御自分で持っていたその力を、どこかで失ってしまったものをもう一回回復するというのはとても大事だし、最近、人工頭脳のロボットを高齢者施設で、会話をすることによって認知の方々も大分会話が上手にできるようになるとか、そういう話も聞いておりますので、先生が今おっしゃった現場での知恵を学びながら、我が国における高齢者のケアについても考えていかなきゃいけないなというふうに思いました。
 それから、メンタルヘルスのケアの問題でありまして、妊婦が、十四枚の券にプラス二枚というお話がありました。
 これは、当然財政的なバックアップがないとなかなか難しいことでありますけれども、メンタルケアが必要だということは間違いないことでありますので、何らかの形で前向きに取り込んで、メンタルヘルスもちゃんとケアしながら、立派な子供を産んでもらうようになるということが大事かなというふうに思いました。
○赤枝委員 ありがとうございました。
 できるだけ大臣に負担をかけないようにと思って、私は思いやりのつもりで、もう少し走っちゃおうかなと思ったんですが、ありがとうございました。
 そこで、地域創生、地域の創生の問題は、これからの日本の抱えている超高齢社会と人口減少の中で、これはもしかしたら一番今急いであらゆる手を打たなければいけない重大な問題だというふうに認識をしております。
 そこで、私は医療従事者として、また一開業医として思う、それから全国のいろいろな医師との話し合いの中で出てくるのが、やはり准看護師が欲しいなということです。
 唐突なようですが、この准看護師というのは二年で資格が取れる。それで、准看護師の生徒さんの二分の一は二十五歳以上で、子育ての終わったお母さんであったり、それから他の職業をやっていたけれども資格を取りたいということで入ってくる方であったりするわけですね。多様な働き方を助ける一つの大きな職業じゃないかというふうに思ったりします。また半分は二十五歳以下で若い方々がいるわけですが。
 この准看護師、我々のところで、地域で一番特徴的に助かるのは、准看護師さんだけは地域に根づく地域定着率が九〇%なんですね。地域に皆さんが、九〇%の卒業した看護師さんが地域にいてくださるというところで、そうするとその医療機関に就職できますし、医療機関も助かり、またそこで、いろいろな事業、事業じゃなくても、恋愛があり結婚があり出産がありということで、地域が若返るに違いないというふうに私は考えたわけですね。
 今、日本では百五十万人の看護師さんがいらっしゃいますけれども、三分の一が准看護師さんで、我々の開業医レベルでは、器具の消毒とか手術の準備、手伝い、シーツ交換とか、今持っていらっしゃる准看護師さんの知識や能力で十分お仕事していただける、助けていただけるという現状であるわけです。
 ですが、今全国百八十八カ所ある准看護師の養成校が、去年は六校閉鎖しておりますし、ことしも二校閉鎖の予定です。どんどん減ってきているという現状にあるわけですね。
 これは、学校経営者に、学校経営者というのは大体地区の、郡市の医師会が附属としてやっているわけですけれども、聞いてみましても、これも調べてほしいんですが、全く国の補助金はないと言っている。地方の補助金が少しというようなことで、国からの補助金が全くないというのが現実らしいですね。そこで経営難に陥って、結局は医師会の持ち出しということで、やめてしまっております。我々港区の医師会も、訪問看護ステーションを始めたんですが、年間七百万円の赤字が続いてとうとう閉鎖したという思い出がありますけれども、やはりここには補助金が入らないものかというふうに思うわけです。
 それで、どうして地方創生になるかといいますと、女性が、輝くかわいい女性が、看護師さんというのは一応人気の職業ではあるんですね。男性が結婚したい女性の絶えずトップの方に、トップというか上位にいますね。客室乗務員とあとアナウンサーとか看護師さん、これはいつもトップの方にいる。人気ですね。その人たちが地方にいて定着してくださるということで、そういう恋愛、結婚が生まれる。
 恋愛、結婚が生まれるというのは、これは非常に大きなことで、私のおいの話をしたらすぐ、やはりと思いますが、私のおいは地域医療をやるために東北大学の医学部に入ったんです。それで、卒業しました。今、研修医制度があって、東京の聖路加病院に研修で出てきて、研修をしていましたが、そこで看護師さんと知り合って、看護師さんと結婚しちゃいました。とうとう東京に根づいちゃって、仙台に帰らないんですね。これを考えてみると、彼が研修制度で東京に来ないでずっと仙台にいて研修していれば、そこでまた恋愛が芽生えて、仙台に定着する可能性もあったわけですね。
 そういう例があって、やはり女性の力というのは、吸引力、女性の引力はすごいものですね、男性をそこに引きつける。
 東京に行きたい若者を東京に行かせない、彼女たちが引きつけちゃう、そういう効果が准看護師の養成によって生まれるんじゃないかというような、短絡的な発想ですが、これは実際、私のおいのことを考えたら、えっと思ったんですね。地域医療を目指して、崇高な理想を持って行ったのに、たまたま東京に来たら、そんなことで東京に定着しちゃった。女性の力は強いなと思ったわけです。
 それについて、大臣のお考えを。
○塩崎国務大臣 赤枝先生のまず地域創生にかける思いと、それから女性の吸引力に対する尊敬の念ということについての卓見を聞かせていただきまして、ありがとうございました。
 准看護師を含めて、看護職員の確保というのは、あるいは養成というのは極めて重要であって、看護師不足ということが随分いろいろなところで言われています。偏在ももちろんあります。
 そういうことでありまして、特に、先生今、准看護師の問題についてお触れをいただきましたが、診療所など地域における看護職員の充足にこの准看護師は貢献をしている。あるいは、短期間で資格を得られることから、今先生御指摘のとおりでありますが、社会人が看護職員になる道の一つとなっている。そして、准看護師の学校や養成所の新卒業生の約三割が看護師の学校や養成所へ進学をしておりまして、看護師になるルートの一つになっていることなどから、その養成というのは地域の活性化にもつながって、今、定着率が高いという御指摘でありましたが、必要な看護職員の確保、特に地域で偏在しているところに確保することについては大変有益かなというふうに思っているわけであります。
 厚生労働省としては、今後とも、准看護師を含めて、看護職員のしっかりとした確保に取り組んでいかなきゃいけないというふうに思っております。地域でどのように偏在をし、また今後の養成がどうあるべきか、また先生の御意見も聞きながらやっていきたいというふうに思います。
○赤枝委員 ありがとうございました。
 とりあえず、准看護師の方々は、地域医療、これから大事になってくる地域医療の分野で活躍の場が大いにあるのではないか。高度な技術を持った看護師さんはもちろんこれから養成の必要がありますが、二〇二五年問題で看護師が五十万人足りないというこの現実に向かって、数の問題はどうするんだという議論が必ず出ているわけですけれども、それに対して、やはり准看護師の養成促進ということは大事なツールではないかというふうに考えますので、今後ともどうかよろしくお願いをいたします。
 どうもありがとうございました。
○上川委員長 次に、永山文雄君。
○永山委員 自由民主党の永山文雄でございます。
 大臣所信の内容に沿い、社会保障、とりわけ医療、健康、福祉分野を中心に御質問したいと思います。どうかよろしくお願いをいたします。
 過日、大臣からもお話がありましたとおり、厚生労働行政の基本は、大変厳しい財政状況の中ではありますが、困っている方々に対してどのように適切に支援の手を差し伸べるかということであろうかと考えております。
 二〇二五年には三人に一人が六十五歳以上、五人に一人が七十五歳以上になることが予想されており、我が国は超高齢化社会を迎えます。高齢になりますと、疾病、認知症、生活など、さまざまな不安が生じます。
 もし脳卒中で入院するということを考えてみますと、適切な急性期医療を受けることはできても、リハビリが必要となれば他の医療機関に転院する必要が出てまいります。適切な転院先を探せるか不安になります。リハビリを進めて円滑に在宅生活に戻ることができるかという不安もあります。在宅でもしっかり医療・介護サービスが受けられなければいけません。医療、介護の安心は、今後の我が国においては非常に重要だと思われます。
 そこで、まず初めに、医療、介護についてお尋ねいたします。
 さきの通常国会で、医療から介護まで一連のサービスを地域で総合的に確保するという観点から、医療介護総合確保推進法が成立いたしました。その中で、特に、地域における医療、介護の提供体制を確保するための基金を都道府県に置くことや、国で医療、介護を総合した基本的方針を作成し、各都道府県がその基本方針に基づいて施策を展開することなど、非常に重要な施策が既に動き出しております。
 改めてお伺いいたします。団塊の世代が七十五歳以上になる二〇二五年を見据え、医療・介護サービス提供体制の一体的な改革を進めていくための基本的な視点や今後の方向性について、わかりやすくお話をいただきたいと思います。
○永岡副大臣 永山委員にお答えいたします。
 二〇二五年、これは団塊の世代が七十五歳以上となるわけでございますが、これを見据えました医療、介護の提供体制を進めていくに当たっては、サービスを利用する国民の視点に立ちまして、急性期の医療から在宅医療・介護まで一連のサービスが切れ目なく提供できるようにしていくことが重要でございます。
 このために、各都道府県におきまして地域医療構想を策定していただいて、急性期から慢性期、そして在宅復帰に至ります医療機能の分化ですとか連携を進めるということとともに、医療や介護が必要な状態になっても、できるだけ住みなれた、そういう自分たちが住んでいる地域で生活が継続できるような、在宅医療・介護の連携などを通じた地域包括ケアシステムの構築に積極的に取り組んでおります。
 こうした施策を進めていきますために、この九月でございますけれども、医療、介護の一体改革を進めていくための基本的な考え方を、医療介護総合確保方針としてお示ししたところでございます。
 今後、地域医療構想の策定などによりまして、地域において目指すべき医療・介護提供体制の実現に向けた取り組みを進めますとともに、消費税の増収財源を活用しました地域医療介護総合確保基金を通じまして、地方自治体などに対します財政支援を行っていくこととしております。
 こうした取り組みを通じまして、地域において限られた医療と介護の資源を有効に活用し、また、国民一人一人が安心して医療や介護サービスを受けられる体制を整えてまいりたいと考えております。
○永山委員 ありがとうございました。
 医療に関しては、急性期医療、回復期医療、慢性期医療が地域の実情に応じてバランスよく提供されることが重要であると思います。
 このため、今回の改正では、病床の機能分化として、各都道府県で、二次医療圏ごとに地域医療構想を作成することとされています。今後、二〇二五年に向けて、病床の機能分化を確実に実行していくためには、各都道府県でしっかりと地域医療構想を作成し、そして、単に作成するだけでなく、これを実現してもらうことが極めて重要になります。
 そこで、お伺いいたします。
 国は、地域医療構想を具体的にどのように実現しようと考えておられるのでしょうか。また、地域医療構想作成のために、国はガイドラインを作成するとのお話でありましたが、このガイドラインが都道府県にとって重要になります。今後の作成スケジュールはどうなっているのか、あわせてお答えをお願いします。
○二川政府参考人 地域医療構想についてのお尋ねでございます。
 地域医療構想は、各都道府県が平成二十七年度から策定をしてまいるものでございます。
 地域医療構想の策定に当たりましては、地域の医療提供体制の将来の姿につきまして関係者が共通認識を持っていただいて、その実現に向けましては、急性期から、リハビリなどの回復期、あるいは慢性期、それから在宅復帰に至る各過程におきまして、それぞれの医療機関が自主的に機能分化とか連携を図っていくように、自主的に取り組んでいただくことが重要だというふうに考えておるところでございます。
 そういった観点から、さきの国会で成立いたしました医療介護総合確保推進法におきましても、都道府県が協議の場を設置し、地域医療構想の実現に向けた協議を行う、こういったことを規定しているわけでございます。
 厚生労働省におきましては、地域医療構想の策定につきまして、今後ガイドラインを作成していこうと思っておりまして、都道府県にお示しをいたしますように、現在検討会におきまして内容を検討しておるところでございます。
 今後、今年度内のできるだけ早い時期にガイドラインを取りまとめてまいりたいと考えているところでございます。
○永山委員 ありがとうございました。
 高齢の方々は、できる限り住みなれた地域で生活することを望んでおられます。先ほど副大臣も申されたとおり、今後ひとり暮らしの高齢者や高齢者の夫婦だけといった御家庭がふえていきますが、このような御家庭のニーズとして、配食や見守りなどのサービスや支援が必要となってくると思われます。
 かつては、どの地域にも、お互いに隣近所が助け合う習慣というか文化があったと思います。しかし、人口や家族構成の変化などにより地域社会が変わってきている現在では、お互いに助け合う活動を誰かが支援することが必要であると考えますが、私は、市町村にそれを期待したいと思っております。
 そこで、お尋ねをいたします。
 高齢者の多様な生活ニーズに応えるためには、具体的にどのような取り組みを進めていくのか、特に、市町村の取り組みをどのように支援するのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○三浦政府参考人 団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年に向けまして、高齢者が要介護状態になっても住みなれた地域で暮らし続けるように地域包括ケアシステムを構築する必要がございます。特に、高齢者の多様なニーズに応えるために、見守り、ごみ出しなど、生活支援の充実を図ることが求められております。
 このため、第六期の介護保険事業計画期間におきましては、生活支援サービスにつきまして、認知症施策、医療との連携とともに、必要な取り組みをより一層発展させていくこととしているところでございます。
 具体的には、計画の基本指針において、市町村が策定する介護保険事業計画において、地域包括ケアシステム構築のため重点的に取り組むことが必要な事項として、また、都道府県が策定する介護保険事業支援計画では、地域包括ケアシステム構築のための支援に関する事項として、それぞれ生活支援・介護予防サービスの基盤整備の推進を位置づけることとしております。
 さらに、今般の制度改正により新たに設けられました生活支援体制整備等事業の活用などを通じまして、ボランティアの養成やその活動の場づくりなどを行うコーディネーターの配置や、NPO、民間企業などの多様な関係機関の定期的な情報共有また連携を図るための協議体の設置などを推進いたしまして、地域における生活支援・介護予防サービスの体制整備に努めてまいる所存でございます。
○永山委員 続きまして、認知症についてお伺いをいたします。
 認知症施策では、御本人を、医師による診療やホームヘルパーの支援など、プロフェッショナルの支援につなげることが大事であることは言うまでもありません。
 しかし、それだけではなく、例えば、認知症の方が商店街に買い物に行き、お金をうまく出せないときに店員さんがさりげなく助けてあげるなど、温かみのある気配りが広がることで、これまでどおりの地域生活を手助けすることができます。また、もしかしたら徘回しているのではと思う人がいたら声をかけてみるとか、そのような地域全体での支え合いも大切と考えております。
 そのような意味で、大臣の説明にもありましたとおり、認知症について国民の皆様に理解を深めていただくような取り組みを進めていくことが必要だと思いますが、今後どのように取り組んでいくのかをお聞かせください。
 また、あわせて、我が国の取り組みを世界に発信するための具体的な取り組みについてもお聞かせください。
○塩崎国務大臣 今、永山先生から、認知症の方が地域で安心して暮らせる、そういう社会を構築することの重要性、そしてまた、その基盤として、認知症に関する正しい知識や理解を国民全体に広めていくということが大事だという御指摘がございました。そのとおりだと思います。
 厚生労働省といたしましては、地域住民やさまざまな職域の方を対象といたしまして、認知症に関する正しい知識と理解を持って、できる範囲で認知症の方やその家族を手助けしてもらうための認知症サポーターの養成を今やっておりまして、近日中にも、厚生労働省内において認知症サポーター養成講座を開催する予定でございます。今、全国で大体五百四十五万人の方々が認知症サポーターになっていただいております。
 そして、認知症の方やその家族が地域の人や専門家と相互に情報を共有いたしまして、理解を深める認知症カフェというのを設置すること。これは、実は川越とか宇治市とか、そういうところで既に先駆的に取り組んでおりまして、それに対する事業への財政支援を行っているところでございます。
 そういったことを計画的に進めておりまして、認知症の方に優しい地域づくりのためには、医療や介護だけではなくて、生活しやすい環境の整備、それから消費者保護、こういった観点を含めた幅広い取り組みが重要だというふうに思っておりまして、今後とも、関係省庁とも連携をしてまいりたいというふうに思っております。
 先般、認知症高齢者等にやさしい地域づくりに係る関係省庁連絡会議というのを、実は、一年ぶりに、九月の二十五日に開催いたしました。こういった関係省庁との連絡会議をこれからさらに頻繁に開いていきたいと思っています。
 さらに、この認知症施策は今や、今先生おっしゃったように世界共通の課題で、昨年の十二月にイギリスのキャメロン首相が認知症サミットというのをロンドンで開催いたしました。私ども厚生労働省からは土屋当時の副大臣が参加をいたしましたが、その後継イベントというのがこの十一月に日本で開催をされます。新しいケアと予防のモデルというテーマでこの会議を開催する予定でございますが、この国際会議で日本のすぐれた取り組みを世界に発信してまいりたい、こういうふうに思っております。
○永山委員 ありがとうございました。
 次に、地域で介護や福祉を担う主な主体である社会福祉法人についてお尋ねをいたします。
 社会福祉法人については、多額の内部留保を持っているとか、他の事業主体、とりわけ株式会社と比較して優遇され過ぎているのではないかとの声も聞かれます。
 一方で、地域を見ますと、福祉、介護サービスの担い手としては社会福祉法人が中心であり、また、誰もやらないようなサービス、支援まで行っている法人も多くあります。社会福祉法人にもいろいろあると思いますが、とりわけ困っている人たちの生命、生活を預かるのが仕事なのですから、営利を目的とする会社と必ずしも同列には扱えないと考えています。
 社会福祉法人も、みずからの置かれている立場に安住をせず、支えを必要としている人がいるのであれば、それが公的な制度となっていないようなサービスであったとしても、積極的に取り組んでいくような姿勢が必要だと考えます。
 こうしたことを踏まえて、今後の社会福祉法人の役割、あり方について、厚生労働省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○鈴木政府参考人 社会福祉法人でございますが、社会福祉事業を主たる事業といたします、公益性の高い非営利法人でございます。したがって、厳しい規制のもと事業を行うということにされております。
 今後、人口の高齢化でございますとか、人口減少社会の到来、あるいは地域社会の変容などによりまして、福祉ニーズが多様化、複雑化してまいります。そうした中で、生活困窮者への対応でございますとか、あるいは地域における支え合いなどの面におきまして、あるいはまた営利法人が敬遠しがちな収益性の低い事業、地域、こういったものにおきまして、社会福祉法人が果たしていく役割はますます重要になる、こういうふうに考えてございます。
 そうした観点から、社会福祉法人がこうした役割をしっかりと果たしていくためには、公益性でございますとか非営利性を担保する観点で、経営管理体制の強化、運営の透明性の確保、財政規律の確立等を図っていく必要がございますし、また、社会福祉法人には、地域における公益的な活動に取り組んでいただく必要があるというふうに考えております。
 こうした考え方のもとに、厚生労働省におきましては、社会保障審議会に福祉部会を設置いたしまして、社会福祉法人制度の見直しに関する検討を進めておりまして、年内を目途に取りまとめをしてまいりたいというふうに考えております。
○永山委員 次に、国民の健康、安全の観点から、感染症対策と食の安全についてお尋ねをいたします。
 この夏、デング熱が大きな話題になりました。デング熱という感染症自体聞きなれないものであったことに加え、身近な公園で蚊に刺されたことにより感染が広がったこともあり、国民の間に不安が広がったことは確かであります。
 また、地理的には遠い西アフリカで広がっているエボラ出血熱につきましても、もし感染しているものの発症していない方が入国すれば、我が国でも発生することもあり得るわけです。
 このように、国際的な物や人の移動がより広く、より速くなっていく中で、私たちも、世界で発生している感染症に対して十分な備えをしておくことが必要となります。
 今、国会においても、我が国ではまだまだ発生していない新しい感染症を法律上の感染症に位置づけるとともに、感染症に関する情報収集体制を強化するための感染症法の改正法案が提出されています。感染症法改正案について、その趣旨、狙いと、そこに今回のデング熱の経験を経て得た感染症対策に関しての教訓がどのように反映されているのか、御説明をお願いいたします。
○新村政府参考人 お答えいたします。
 今般のデング熱の発生もございましたし、海外ではエボラ出血熱の発生もございます。また、鳥インフルエンザH7N9など新たな感染症の発生もあり、感染症によるリスクが高まっております。
 こうした中、効果的な感染症対策を講じる上では、確実にその発生状況を把握すること、また、病原体の種類、特性や感染経路など、感染症に関する情報を迅速かつ的確に収集することがますます重要となっております。
 このため、今般の感染症法の改正法案におきましては、都道府県による検体の入手を容易にするための改正を行うなど、感染症に関する情報収集体制の強化を行うこととしております。これによりまして、デング熱やエボラ出血熱を含め、我が国の感染症対策全体が一層強化できると考えております。
 さらに、今般のデング熱への対応におきまして、多くの自治体で感染症に関する検査体制が必ずしも十分でないということも明らかになってございます。このことを踏まえて、改正法案では、新たに都道府県等が検体や病原体の検査を実施する義務を規定するとともに、国におきましては検査の質を確保するための基準を策定するということにしておりまして、自治体における検査体制の強化にも資するものと考えてございます。
○上川委員長 永山君、申し合わせの時間が経過しておりますので、御協力お願いいたします。
○永山委員 わかりました。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○上川委員長 次に、古屋範子君。
○古屋(範)委員 おはようございます。公明党の古屋範子でございます。
 まず、塩崎大臣また副大臣、政務官、御就任おめでとうございます。
 本日は、災害医療、それから医薬品の関連の質問をしてまいりますので、よろしくお願いいたします。
 その質問に入る前に、このたびの大阪・泉南アスベスト判決につきまして、塩崎大臣の受けとめをお伺いいたします。
 大阪・泉南地域の元工場労働者からの石綿被害をめぐる泉南アスベスト訴訟で、最高裁から、国の賠償責任を認める初の判決が出されました。今回の判決のポイント、第一陣に係る最高裁判決は、昭和三十三年以降、局所排気装置の設置を義務づけなかったことが国家賠償法一条一項の適用上違法とされる余地はあるとして、この点の審理を尽くすため、大阪高裁に差し戻し。また、第二陣に係る最高裁判決は、昭和三十三年から四十六年までの間、局所排気装置の設置を義務づけなかったことを違法としたという判決でございます。
 このアスベストは、吸い込むと肺に刺さり、がん、中皮腫などを引き起こす、発症までに数十年の潜伏期間がある、静かな時限爆弾と呼ばれております。
 私の地元横須賀も造船の町ですので、このアスベストを原因とする患者が多くおりました。その専門医もございます。二〇〇五年のアスベスト健康被害の議論のときも、私も当委員会で議論をした記憶がございます。
 これまで公明党としても、原告団から何度もヒアリングを行ってまいりました。当時、アスベストの撚糸工場、紡績工場で、もうもうたる粉じんの中で仕事をしていた。朝、それが舞いおりて、窓をあけて、それを外に掃き出してから仕事をしていたというような、リアルな体験も伺いました。
 この原告団また弁護団とも意見を重ね、政府に対しまして、被害者救済を最優先にすべきだと速やかな解決を求めてまいりました。先日も、公明党アスベスト対策本部として、塩崎大臣に、一日も早い全面解決を申し入れたところでございます。
 二〇〇六年以来八年がたち、十四名の原告が亡くなられています。現在、原告被害者の方々も高齢化が進み、また病状も悪化をしている。命あるうちの全面解決、これは被害者全員の願いだと思います。
 この最高裁判決によって、国の過去の不作為が違法だと判断をされた意味合いは非常に大きいと考えます。塩崎大臣も、国の責任が認められたことは重く受けとめる、判決に従って対応したい、このような談話をされています。
 ぜひ、この被害者の方々の声に耳を傾けていただきたい。働く方々の生命また健康を守るのは国の仕事であります。時間をかけずに、一日も早く全面解決をしていくことを望みますけれども、これについて御見解をお伺いいたします。
○塩崎国務大臣 古屋先生から今御指摘がございましたように、今回の判決によって、国の不作為の責任というものが認められたことでありまして、これは本当に極めて重たい事実だというふうに受けとめております。そしてまた、判決で国の責任が認められた原告の方々に対しては、まことに申しわけないという思いであり、また、これまで本当に御苦労されて裁判を続け、あるいは途中で他界された方々もおられるわけでありますので、本当に頭の下がる思いだということでございます。
 今、全面解決というお話でございました。早期解決ということについては、私も全く同じ思いでおるわけであります。
 第一陣の訴訟というのが大阪高裁に差し戻しになっております。そこで審理をすることになっておりますが、最高裁の今回の判決内容を踏まえてどのようなことができるのか、関係省庁とも協議をしながら今考えているところでございまして、できるだけ早期にという今の先生の御指摘については、できる限り実現をしてまいりたいというふうに思っております。
○古屋(範)委員 今大臣からも、最高裁の判決を踏まえて、できる限り早く、関係省庁とも協議をしながら進めたい、そのような御答弁がございました。ぜひとも一日も早い解決をしていただきたい、このことを再度申し述べておきたいと思います。
 次に、災害医療についてお伺いをしてまいります。
 このところ、広島の土砂災害、それから御嶽山の噴火、また台風十八号、十九号と、大きな災害が相次いでおります。この災害に対する医療、災害医療の充実にぜひとも力を入れていただきたいと考えております。
 阪神・淡路大震災を契機といたしまして、災害拠点病院の整備、あるいはDMAT、災害派遣医療チーム等の体制整備、また広域航空搬送計画の構築、また広域災害救急医療に関する情報システムの整備などが行われてまいりました。また、厚労省では、災害医療等のあり方に関する検討会を設置して報告書を取りまとめるなど、これまでも対応されてきたと承知をしております。
 災害医療は、政府全体でぜひとも取り組んでいただきたい重要課題であると思っております。
 内閣府及び厚生労働省を中心とする関係省庁横断的な災害医療合同検討チームが設置をされると聞いております。ぜひこれを一日も早く設置していただきたいと思っております。
 災害時に必要な医療が十分かつ適切に提供される実効性ある体制の整備について、お伺いをいたします。
○橋本大臣政務官 古屋議員から災害医療について御質問をいただきました。
 御指摘をいただきましたとおり、災害時におきましては、短時間で多数の傷病者が発生することが想定をされます。したがいまして、そうした場合に備えて、平時から必要な医療が十分かつ適切に提供される体制を整備するということは大変重要でございます。特に近年、あるいは最近と言ってもいいと思いますが、集中豪雨あるいは噴火の災害もございました。ますます重要になってくるものというふうに認識をしております。
 このため、厚生労働省といたしましては、先ほど議員からも御指摘をいただきましたけれども、災害拠点病院の整備、これは現在で六百七十六病院の指定をしております。また、災害派遣医療チームであるDMAT等の体制整備につきまして、現在で千三百二十三チームの養成を行っておりまして、一旦緩急あらばということで待機をしていただいている。また、医療機関の被災状況や患者受け入れ可否などの情報を共有するための広域災害救急医療情報システムの整備などを行ってきております。これも四十七都道府県に用意がされております。
 引き続き、厚生労働省といたしましては、DMATの養成を着実に行いチーム数の増加を図るなど、災害時に必要な医療が十分かつ適切に提供されるように、災害医療体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
○古屋(範)委員 随時、さまざまな災害医療の体制整備に取り組んでこられたということでございます。
 災害医療におけるトリアージの問題についてお伺いしてまいりたいと思います。
 トリアージとは、災害発生時に搬送能力を超えた多数の傷病者が同時に発生をした場合に、その傷病者の緊急度また重症度に応じて適切な処置、搬送を行うために傷病者の治療優先順位を決めることであります。
 具体的には、このタグをつけて、色別になっておりますけれども、ここを切り離して、本人にこれをつけて搬送をするというシステムでございます。緊急度に応じて、赤、それから黄、緑、黒ということで四種類に分類をされておりまして、優先順位に従って病院に搬送されていくということでございます。
 このトリアージなんですが、今まで、阪神・淡路大震災でトリアージの重要性が認識をされました。このときにタグの様式が標準化をされたということであります。ただ、実際、例えば東日本大震災などですと、多くの方が溺死をされていて、なかなかトリアージをするという段階には至らなかった。また、今回の広島の土砂災害でも、窒息死をされていて、救急医療を行う、そういう状況でもなかったということも伺っております。
 最もこのトリアージのタグがたくさん使用されましたのが、JR福知山線の脱線事故のときであります。平成十七年でございました。現場で約三百枚のトリアージタグが使われたそうであります。
 このような形でトリアージが現在も行われているわけなんですが、先日、御嶽山の救助活動の際にも、御嶽山から腕に添え木をして自力で歩いて下山してこられた方は緑色のタグをされているのをテレビで拝見いたしました。
 噴煙の上がる過酷な現場で、数十名にも及ぶトリアージを行った医療、消防関係の方に、私も心から敬意を表したいと思っております。
 まず、このトリアージの意義についてのお考えをお伺いしたいと思います。
○二川政府参考人 災害時のトリアージの意義についてでございますけれども、これまでも、委員御指摘のとおり、大規模な災害におきましてトリアージが実施されているところでございます。そういった観点から、災害拠点病院の指定要件に、ただいま御指摘がありましたトリアージタグの保有をすることということを要件に定めておりますし、災害派遣医療チーム、いわゆるDMATでございますけれども、そのDMATの研修にもトリアージ訓練というものを取り入れているところでございます。
 そういったことで、大規模事故や災害時には、処置や搬送が必要な傷病者の数に対し、医療従事者等が不足する場合が想定されるわけでございまして、より多くの命を救うためにトリアージを実施することの意義は大変大きいものだというふうに考えているところでございます。
○古屋(範)委員 このトリアージ、非常に重要なシステムなんですが、その課題について質問していきたいと思います。
 今、日本弁護士連合会、日弁連の災害復興支援委員会の永井幸寿前委員長、それから、東京大学医学部附属病院災害医療マネジメント部の中尾博之先生から、このトリアージの課題について御意見を伺う機会がありました。
 東大の中尾先生は、トリアージは、治療の優先順位を決めて、死者、被害を最小限にすることが目的だが、医療従事者の精神的負担が大きい、このように指摘をされています。
 さらに、永井弁護士は、トリアージの判定は一〇%から三〇%程度誤りが発生をすると。実際に、福知山線脱線事故で兵庫医大の行った調査によりますと、八一・六%が正しい判断であったということが当時の読売新聞にも出ております。ですので、やはり一定数の過誤が生じるということであります。トリアージに関する法的整備が必要だという御主張でございます。
 トリアージの法的整備の必要性について、私もこれは認識をするところでございます。
 平成二十五年、地域における疾病並びに医療に関する研究調査というものが行われました。また、二〇一三年一月、第十八回日本集団災害医学会総会・学術集会で行われたアンケート調査がございます。
 この調査は、日本集団災害医学会総会の出席者であって、災害医療に関しては最も見識の高い医療集団の調査というふうに考えられます。
 災害現場に先着した場合にトリアージ活動を開始するかという問いに対して、九二・四%が実施をすると回答しています。看護師、救急救命士は実施をするという意向を示しています。看護師、救急救命士が黒判定をすることに問題はないかという問いに対して、七九・九%は問題がないということで、医療従事者はトリアージを肯定している。
 しかし、看護師また救急救命士の判定に家族が過誤を主張した場合、当事者は守られるかという問いに対しまして、派遣組織の責任で守られている三一・一%、法律で守られる二二・七%。しかし、全く守られていないというのが一五・五%、医師の責任で守られる八・八%というふうになっていまして、二割は法律で、三割は組織で守られるというふうに答えています。
 それから、過誤があると主張された場合、刑事事件として逮捕や起訴される場合があると思いますかという問いに対して、可能性は低いが四二・九%、しかし、可能性は高いという方が三四・九%、間違いなくそうなるという方も二・一%いらっしゃいます。
 このようなアンケート結果からもわかるように、現在、幸いなことに訴訟事件というのは起こされていないんですが、そういう可能性を考え、また、トリアージをしっかり普及、定着させていく意味でも、一旦、刑事事件として起訴され、または損害賠償請求が提起される、災害医療から撤退をする、あるいは萎縮をしてしまうような危険性がある、また、患者の権利意識が年々高まり、そのリスクは高くなっていると考えられます。また、今後、広域災害の発生が予想されて、トリアージを含む災害医療の重要性が増加をするということになりますと、法的位置づけがなく、医療従事者の精神的負担が大きい。これについては、法的整備が必要なのではないかと私は考えます。
 これについてのお考えをお伺いしたいと思います。
○橋本大臣政務官 古屋議員から、トリアージに関する法整備について御質問をいただきました。
 御指摘をいただきましたように、特に法律関係者の方々から、そうした法整備を求める御意見がある、あるいはそういうお持ちの方々がおられるということは、私たちも承知をしているところでございます。
 ただ、現時点におきましては、災害時の現場において適切にトリアージは実施をされていると考えております。また、災害医療や救急医療の関係学会等からも、要望という形では、法整備の要望は出されていないというのが現時点であります。
 ただ、御指摘をいただきましたことは、トリアージを行う医療関係者等の責任について、貴重な問題提起を受けたというふうに受けとめております。
 私自身も、過去、議員として、医療関係者の過誤についての法整備について質疑をしたこともございますので、問題意識としては共有をしているつもりでございますが、今後、関係学会等から必要に応じ御意見を伺うなど、動向を注視してまいりたいと考えております。
○古屋(範)委員 ありがとうございました。
 私も、さらに立法の課題を整理しながら取り組んでいきたいというふうに考えております。
 次に、バイオ後続品とジェネリック医薬品の違いについてお伺いをしてまいりたいと思います。
 本年五月なんですが、がん研有明病院の畠清彦血液腫瘍科部長より、バイオ後続品の安全性、効果についてという講演をいただきました。そこで、バイオ後続品とジェネリック医薬品の違い、安全性の担保、効果の差、抗がん剤治療の課題などについてもわかりやすくお話をいただきました。
 バイオ医薬品は、生命維持のための人体に自然に備わっている仕組みを活用して、体内で生成されるたんぱく質に倣ってつくられている。バイオ医薬品の登場によりまして、多くの重篤な疾患で、従来の医薬品では得られなかった治療効果が得られるようになってきました。また、比較的新しい分野の医薬品ではありますけれども、バイオ医薬品は既に日本でも多くの患者に使用されております。
 少し専門的な話になるんですが、このバイオ医薬品というのは、分子量が大きくて、その構造も複雑である。化学合成でつくられる従来の低分子の医薬品とは大きく違っています。専門家の言葉をかりると、部品またその構造の複雑さは、自転車と自動車ぐらいの差がある。最近では、さらに自転車とジェット機ぐらいの落差があるのだということでございました。
 製造においても、化学合成でつくられる従来の医薬品は、同じ方法に従うことで正確に同じものをつくっていくジェネリックになる。バイオ医薬品では、多くのプロセスを厳格な手順に従って精製しなければならない。製造工程のわずかな変化によって最終産物が変わってしまうということでございました。
 医薬品市場で特許が切れると、競合他社がジェネリックを製造してくる。バイオ医薬品でも同じことが起きてまいります。その複雑さから、先行の製剤と同じものを複製するということが難しいバイオ医薬品の世界では、それを後発品と呼ばず、バイオ後続品というふうに区別をしております。
 バイオ後続品の開発では、複数の機能部位から構成されるといった複雑な構造、生物活性、不安定性、免疫原性等の品質特性から、化学合成医薬品とは異なって、先行バイオ医薬品との有効成分の同一性を実証することが困難な場合が少なくない。基本的に、化学合成医薬品の後発品と同様のアプローチは適用できないというふうに考えられる。このように、厚生労働省も平成二十一年、バイオ後続品の品質・安全性・有効性確保のための指針というところで通知を出されています。
 ジェネリックとバイオ後続品、この呼称の違い、取り扱いについて一線を画していく必要があるのではないか、このように思いますけれども、いかがでしょうか。
○神田政府参考人 バイオ後続品につきましては、国内で既に承認されたバイオテクノロジー応用医薬品と同等、同質の有効性等を有するものとして、異なる製造販売業者が開発した医薬品ということでございます。
 化学合成品でございます後発品は、先ほど先生おっしゃいましたように分子が小さく単純であるため、先発品と同じ構造のものを製造することができますけれども、バイオ後続品は、一般に分子構造が巨大かつ複雑であるため、先行バイオ医薬品と同じ立体構造のものを製造することが困難という性格の違いがございます。
 このため、審査におきましても、後発品の承認審査では、一定の品質を担保するための安定性のデータ、先発品と後発品を人に投与して時間の経過とともに有効成分が血液中にどの程度含まれるかなどを比較したデータに基づき同等性を評価しておりますけれども、バイオ後続品の承認審査におきましては、同じ立体構造のものを製造することができませんので、今申し上げたような後発品におきます同等性の評価に加えまして、実際に治験を実施しまして、有効性等について先行バイオ医薬品との比較による評価を行っているところでございます。
○古屋(範)委員 そのように、バイオ後続品、ジェネリック、性質が違っているということでございます。ですので、バイオ後続品をジェネリック医薬品使用促進のこの枠組みの中で扱っていくことの妥当性についてお伺いをしたいと思っております。
 政府は、平成三十年三月までに後発医薬品数量シェアを六〇%まで持っていくという目標を掲げていらっしゃいます。そのためにもさまざまな促進策を講じていらっしゃる。これは非常に重要なことであります。そこにバイオ後続品も含まれているということになっています。
 そこで、ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ有効成分を同一量含んで同一経路から投与する製剤で、効能、効果、用法、用量が原則的に同一である、化学的に同一であることを伝えて、医療関係者の不安を払拭することに厚労省も努めていらっしゃいます。
 これは低分子のジェネリックであれば言えることであって、バイオ後続品については、なかなかこれは難しいというふうに考えます。現場で混乱が起きてしまうようでは、患者の信頼も失ってしまう。後発品の数量シェア目標については、やはりバイオ後続品については、いきなりこの六〇%目標に入れてしまうというのはいささか乱暴な議論なのではないかというふうに思います。
 バイオ後続品時代の幕あけを前に、患者の安全また安心を最優先に考えるのであれば、ジェネリックとバイオ後続品、この呼称の違いのとおり、取り扱いについても一線を画していく必要がある。この六〇%の枠組みから外すべきではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○永岡副大臣 古屋委員にお答えいたします。
 先生御指摘のとおり、バイオ後続品というものは、国内で既に承認されておりますバイオテクノロジー応用医薬品と同等、同質の有効性などを有することが治験によって確認されております医薬品でございます。
 全て全く同じではないというのも、今、古屋委員の御指摘のとおりでございますけれども、このバイオ後続品につきましては、先発品に比べまして格段に開発費用が少ない、その結果として価格が安いということから、医療費の効率化の観点から、ジェネリック医薬品と同様に使用の促進が重要と考えております。
 しかしながら、臨床上の必要性に応じまして、医師の判断のもとで適切に使用するべきであるというふうに考えております。
○古屋(範)委員 ぜひバイオ後続品については再考をお願いしたいというふうに思います。
 最後になりますけれども、iPS細胞技術の普及促進についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 再生医療を推進するための法律、さきの国会で、再生医療推進法が昨年施行されました。残りの二つの法律、改正薬事法また再生医療安全確保法、この十一月に施行される予定となっております。世界の最先端を進む再生医療、これが安全かつ速やかに普及する法的環境も整いつつあるというところでございます。
 このiPS細胞研究については、大きく二つの流れがあると思っております。
 一つは再生医療ということで、実際にこれは理化学研究所、高橋政代プロジェクトリーダーのところで、もう既に臨床研究が着手をされたということでございます。私も実際に網膜の移植の細胞を見てまいりました。コーヒー色のようなものをしていて、これを網膜に移植していく。これは非常に今世界じゅうで注目を集めております。
 また、もう一つが、難病の治療薬の研究開発であります。六月には、慶応大学で、脊髄損傷の新しい治療薬の臨床実験を始めると発表しております。こうした脊髄損傷になる患者は、日本でも年間約五千人おります。リハビリ以外に有効な治療法がない。薬による治療が大変期待をされております。また、ALS、筋萎縮性側索硬化症、筋ジストロフィー、アルツハイマー、このような病気でも同様な取り組みが進んでいるということでございます。
 iPS細胞により病態をつくり、それが創薬につながっていく。山中教授も、このiPS細胞の真価は創薬への貢献だというふうにおっしゃっています。薬が主役だけれども、その開発をiPS細胞が裏で支えている、そうなるのが私のビジョンだ、創薬をもっと強力に推進したいというふうに語っていらっしゃいます。
 大臣、このiPS細胞技術の普及にぜひとも力を入れていっていただきたいと思います。これについて、最後、御所見をお伺いします。
○塩崎国務大臣 今先生御指摘ありましたように、再生医療等安全性確保法というのが十一月に施行になるわけであります。薬事法もセットで改正をされました。そういうことで、細胞培養加工の外部委託化等によって、再生医療の普及推進の環境整備が図られたということになります。
 また、再生医療の実現化ハイウェイ構想に基づきまして、文科省や経産省とも連携をして、iPS細胞を用いた臨床研究や創薬研究等に対して積極的な研究費助成を行ってまいりました。
 こうした取り組みによって、本年九月に初めて、今先生もごらんになったというiPSの細胞を用いた、患者への初めての移植手術があったわけでありまして、大きな成果を上げていると言っていいのではないかなというふうに思っております。
 再生医療の実用化につきましては、日本再興戦略などでも位置づけられておりまして、これは重要課題ということで、政府を挙げてやっていく予定でございますし、研究開発への助成あるいは体制整備等の取り組みを通じて、再生医療の実用化が円滑に進むように政府としてしっかりと取り組んでいきたいというふうに思います。
○古屋(範)委員 ありがとうございました。
 以上で質問を終わります。
○上川委員長 次に、中根康浩君。
○中根(康)委員 民主党の中根康浩です。
 大臣、この国会の最重要案件は、申し上げるまでもなく、この厚労委員会で審議することになる労働者派遣法の見直し、改悪法案でございます。こうした、国民の暮らしや健康や命、あるいは産業に重大な影響をもたらす法案を審議するのにふさわしい大臣かどうかを私たちが国会の立場でしっかりと見定めさせていただくのが、きょうの大臣所信に対する質疑だということになる、そういう意味合いで、大臣のさまざまな御所見を承ってまいりたいと思います。
 まず初めに、資料の一ページから二ページでございますが、これは先ほども古屋議員が御質問をされたことにもなるわけなんですが、大臣は、最高裁の判決を踏まえて、どのようなことができるのか、こう答弁をされておられるわけなんですが、被害者の皆様方が望んでおられることはもうはっきりしているわけであります。資料に書いてありますように、一つは真摯な謝罪、二つ目に政治的な一括解決、そして三つ目に全ての被害者の協議の場の設置ということであります。
 私ども民主党も、近藤昭一議員が議連の会長として被害者の皆様方のお声をこれまでもしっかりと受けとめさせていただいてまいりましたが、大臣、原告の皆様方のこうした御要望に、命を守る、健康を守る厚労省として、きちんとお応えをすべきだと思います。
 しかし、まず第一の謝罪ということについて言えば、大臣はぶら下がりという形で、安易な形で、きちんとした謝罪をしていないという受けとめ方を被害者の皆様方は持っておられるわけであります。まず、この謝罪というところから、きちんとした謝罪というところから始まって、二つ目、三つ目の御要望、三点セットの御要望に厚労省としてお応えになるお気持ちがあるかどうか、ここで明確に御答弁をいただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 先ほど古屋先生にもお答え申し上げたとおり、今回は、国の規制行政における不作為が最高裁によってその責任が認められたということでありまして、極めて重いことだというふうに受けとめております。
 ぶら下がりでというお話がございましたが、あの場は、判決が出て直ちに対応したということで、この判決で国の責任が認められた原告の皆様方に対して、まことに申しわけないという謝罪の気持ちをあらわしたところでございます。
 これは、判決に従って、国の責任が認められた原告の方々に対しては対応をしっかりとやっていくということが、賠償のお支払い等についてきちっとやるということが大事なことで、既にその手続はとっているところでございます。
 それから、もう一つ言わなきゃいけないことは、先ほど申し上げたとおりでありますけれども、やはりこの長い裁判の過程でどれだけの苦労があったかということについて私たちは本当に思いをいたし、そして、途中で道半ばで亡くなられた原告の方々もおられたということでありますので、我々としては、本当に頭が下がる思いでいっぱいであります。
 そして、今、一括解決とそれから協議の場、こういうお話がございました。
 先ほども申し上げましたけれども、今回の判決では、第一陣の訴訟というのが大阪の高裁に差し戻しをされているわけでございます。そして、他にもいろいろな訴訟が係属中ということでございますので、そういったことも踏まえて、何ができるかを我々として考えていかなければいけないということを申し上げておりますので、ここはしっかりと政府としての対応をやっていかなきゃいけないし、早期の解決ということに関しても、それはさっき古屋先生に申し上げたとおり、これは共通の認識に立っているということでございます。
○中根(康)委員 資料の三ページでございます。
 厚労省に対して、塩崎大臣の保有する株の銘柄と数、その取得日、取得時の価格、配当金額、これらについて資料の提出をお願いいたしましたが、提出をされたのは株の銘柄と数のみということでございました。
 この三ページの資料は、それらに基づいて、昨日、大分下がっておりますけれども、十月十四日の終わり値を掛けて、それぞれの金額を計算したもの、うちの事務所で行ったものでございますが、これを見ると、上場分でも六千四百五十万円余りの合計額ということになるわけであります。大臣は相当な資産家ということになると思います。
 塩崎大臣は、大臣就任会見でも経済最優先と述べておられたり、かねてから、年金積立金の株式投資をふやしたり、あるいは、ベンチャー育成のために年金積立金を活用すべしと考えておられるということでございますが、厚労行政と直接関係いたしますし、また、経済同友会の代表幹事でもあり、政府の産業競争力会議で、ホワイトカラーエグゼンプションつまりは残業代ゼロ制度、こういったことを強く主張しておられる長谷川閑史氏が会長をしている武田薬品工業の株も相当数保有しておられる。こういったことも含めて、今後の国会でも議論の公正性を確保していくためにも、大臣御自身の株式投資の実態を透明にしておいた方がよいと思われます。
 改めて、大臣、今回提出をされなかった取得時の価格、つまりは、今、大臣がどれだけの株の含み益、あるいは場合によっては含み損、こういったものを持っておられるか、あるいは銘柄別の配当金額、こうしたものを明らかにしていただくわけにはいかないでしょうか。いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 今、株式保有の実態を明らかにすべきではないかというお話がありましたが、これは、適切に私どもは資産公開を国会議員全員やらなきゃいけないということで、既に実態は明らかになっているわけであります。
 きょう、計算までしていただいて、私の資産がどれだけあるか、ちょっとわかりましたが、もともとどういう経緯で私が株を保有するに至ったかといいますと、これは実は、私の母方の祖父が生前贈与などをして、私の子供のころからずっと手にしてきたものでございまして、正確な取得時期とか、それからそのときの価格というのは、私としては今、現段階では把握をしておりません。
 我々も国会議員はずっと、私は二十年ちょっとやっていますが、資産公開をしていますけれども、少なくとも、確認をいたしたところでは、直近十五年間には一度も取引、売買はやっていないし、私の記憶の限りでは、本当に国会議員になってから取引をしたという記憶も私はありません。
 それが実態でございますので、取引の実態といいますか、これは毎年見ていただければわかりますけれども、変わっていないというのが実態だと思います。
○中根(康)委員 資料の四ページ、五ページは、大臣の所信挨拶文です。介護とか、あるいは障害者福祉にも言及をしておられます。
 来年の介護報酬改定に向けて、大臣の挨拶文では、「介護職員の処遇改善などの課題に取り組みます。」と、甚だ弱々しく述べておられるわけです。資料六ページのように、これは委員長提案で、全党全会派一致で成立をさせた介護・障害福祉従事者の処遇改善法を踏まえれば、処遇改善をするのは当然です、こう大臣挨拶の中でお述べになるべきだったのではないでしょうか。何よりも、社会保障の安定と充実のために、国民の皆様に御理解をいただいて、この四月に消費税を五%から八%に引き上げたわけであります。「取り組みます。」では、国民の不信を招く、介護従事者、障害福祉従事者の皆様方から不安を抱かれるということになるのではないでしょうか。
 大臣、改めて伺いますが、介護従事者の処遇改善は、大臣としては、すべきだと考えておられるのか、する必要はないと考えておられるのか、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 その前に、先ほど、経済最優先ということを就任会見で言ったということをおっしゃりましたが、これは、安倍総理が、この改造内閣でも変わらず経済最優先ということを言ったことを私はそのとおり繰り返しただけの話で、私だけが経済最優先と言っているわけでは全くないということをまず言っておきたいと思います。
 処遇改善の問題については、これはもう国会の共通認識として皆さん同じように、処遇は改善せないかぬということを思っているはずですし、そもそも人材不足で、本当に困っているのはこの処遇の問題であることは誰しもがわかっておりますし、養成学校などもだんだん人が来なくなって、閉めざるを得なくなっているというところも、実は私の地元でも、親しい人がやっていた専門学校も閉じるということになってしまいました。
 そういうことを考えてみれば、これからさらに高齢化が進み、二〇二五年の、団塊の世代が皆七十五を超えるような、そういう時代を迎えるときに当たって、私たちが今どういう手を打つのかということを考えてみれば、当然この処遇改善は必要ですし、弱々しいとおっしゃいますけれども、それは結果を見てから御判断をいただくことであって、この年末に向けて、介護報酬の改定というのが行われる予定でございますので、この中で先生方ともよく議論をしながら、この処遇改善の問題について答えを出していきたいなというふうに思っております。
 当然、審議会で議論を重ねてまいりますので、また先生方にいろいろ御指導いただきたいというふうに思います。
○中根(康)委員 結果を見てからとおっしゃいますけれども、さきの通常国会でも、介護保険につきましては、要支援切りと言われるようなものを政府・自民党は行ったではありませんか。結果を見てからでは遅いんですよ。だからこの国会審議を行っているわけでありまして、結果を見てから判断をしろということは、これはだめだということがもうわかり切っておりますので、今こうして結果が出る前に大臣のお考えをお伺いしているということであります。
 安倍総理が経済最優先と言ったから、自分も同じように言ったんだと。つまりは、安倍内閣全体が命や健康よりも経済を優先する。つまりは、大臣は、年金の積立金を株式投資に、あるいはベンチャー投資に使うために、厚生労働省に安倍総理から派遣をされたということを図らずも今表現されたということではないでしょうか。
 健康や命よりも株式投資だ、年金の積立金は、国民の財産であるにもかかわらず、株価維持のために、株価維持はすなわち内閣支持率の維持のために使うということを意味することを図らずも今表現されたのではないかと受けとめさせていただきました。
 それで、大臣が、当然処遇改善を行うべきだということであるならば、来年の報酬改定においては当然プラス改定が行われるということで受けとめさせていただいてよろしいですね。
○塩崎国務大臣 まず、経済最優先と言ったことが、命や健康を犠牲にしてやるだのようなことを意味するわけでは決してないということをまず言っておかないといけないと思います。
 それは、運用の話は運用の話でこの世界の中でやる話であって、経済最優先にすることが実は持続的な社会保障を生み出すことにもなりますし、それから、財政再建も、経済再建なくして財政再建なしということも言ってきた。
 今回、民主党の皆さん方とも一緒に決めた消費税の引き上げも、これは全て社会保障に使うということで一緒に決めてきたことでありまして、全て消費税収の増分は社会保障に回すということでやっていることでありますので、命の重要性と、この年金資産の、言ってみれば、安全かつ効率的に運用するという、法律に書いてあるとおりのことを私は言っているだけの話であって、特に命や健康を犠牲にして経済を大事にしていこうだのようなことは言っているわけではないことを申し上げておきたいと思います。
 介護職員の処遇の問題については、これは今申し上げたとおり、これからの議論でありますから、財政審といえどもこの介護職員の処遇については考えていかなきゃいけないということを言うぐらい、この問題については答えを出さないといけないということでありますので、どういうことになるかは、これは皆さん方と一緒にこの場でも議論を多分していくと思いますし、それから、審議会で議論をしてまいりますので、今からどうこうというのは、まだ審議をお願いしている段階でありますから、答えはなかなかそんなふうに私は一方的に言うわけにはいかないというふうに思います。
○中根(康)委員 今の答弁では、余りにも厚生労働大臣としての使命感が感じられない。処遇改善をするならば、当然、これは介護報酬をプラス改定しなければできないじゃないですか。
 大臣、もう一度お答えください。プラス改定しますか、しませんか。
○塩崎国務大臣 何度も申し上げますように、改善をしようと言っているんですから、それが何を意味するかは、皆さん、心の中できっと同じだと思います。審議会などでこれから議論をお願いするというところでございますので、ぜひ御一緒に、この場を含めて議論をしていただきたいと思います。
○中根(康)委員 審議会などで議論をする上で、大臣の意思はどこにあるのか、大臣の気持ちはどうあるのか、介護保険を充実させていく、消費税を有効に使う、処遇改善をする、そういう気持ちが、そういう意欲があるのかどうかということを、きょう、大臣所信に対する質疑ということでありますので、そこをお尋ねしているわけでありますので、大臣、介護報酬改定に対する大臣の意思というものをお示しください。
○塩崎国務大臣 繰り返して恐縮でございますけれども、改善をしようと言っているわけですから、改善は改善であります。
○中根(康)委員 処遇の改善をするということはわかりました。処遇改善をするには、報酬のプラス改定をしなければできないのではないかと私たちは考えているわけです。
 大臣、プラス改定するのかしないのか、お答えください。
○塩崎国務大臣 もともと、もう言わずもがなではございますけれども、介護保険の財源構成は、これは保険料と税と自己負担、この三つしかございません。これをどういうふうに割り振っていくのかということを考えなければいけませんし、負担増を考えるとかそういうことも含めて、これは財源を皆で考えていかなきゃいけないことでありますので、今から私がその数字的なことを言うわけにはいきません。
 何しろ、思いとしては、やはり処遇を改善する、そして人手不足を解消していく、このことを共通の認識として、答えをどう出すのかというのはまた議論をしていかなければいけないということで、むしろ先取りをして結論を私が言うのはいかがなものかなというふうに私は思います。
○中根(康)委員 大臣じゃないですか。大臣としてどうしていくか、厚労行政をどうするか、介護保険制度をどうするか、ここでお答えになるのは当然のことじゃないでしょうか。
 大臣、それこそ処遇の改善をするとおっしゃっているのですから、これはプラス改定が当然の話になってくるわけであります。報酬をプラス改定しなければ、まさに今大臣おっしゃった人材不足の解消にもつながりません。老老介護の実態、あるいは介護離職の実態、認知症対策、こういったことも放置をしておくつもりなんですか。
 大臣、プラス改定せざるを得ないのが我が国のこの介護をめぐる情勢ということにはなりませんか。プラス改定するということでなければ大臣の責務は果たせない、介護をめぐるさまざまな問題は解決しない、放置されるということにつながると思いませんか。
○塩崎国務大臣 認知症対策とかいろいろなことを今おっしゃいましたが、これらについても所信の中で触れています。
 やや淡泊な触れ方だというような御印象かもわかりませんけれども、淡泊かどうかは結果で判断していただければいいことでありまして、何度も繰り返しますけれども、やはりいろいろな方々の御意見を聞いた上で結果は決まるものであって、私が一人で決められるんだったら審議会も国会も何も要らないということになってしまうので、この厚生労働委員会の先生方の御意見もしっかりと委員会の過程の中でお聞きをさせていただいて、結論を出していきたいなというふうに思っております。
 皆さん方も、選挙区に戻られて、いろいろな御意見があると思うんですね。それを、民主党の皆さん方も政権を担った経験をお持ちですから、自分たちで勝手に決めることができることはまず民主主義ではないということであって、皆さんの御意見を聞いた上で方向性として改善をしようということであれば、結果はおのずと出てくることだというふうに思います。
○中根(康)委員 大臣は、処遇改善のことに話をすりかえて、報酬のことについては全然答えていないんです。
 資料の七ページから十二ページは、財務省が介護報酬を六%も大幅に引き下げようということを示している新聞記事であります。
 例えば七ページの、これは日経の記事なんですけれども、この下の方に、塩崎厚労大臣は記者会見で、財務省の提案について真剣に受けとめないといけないと述べておられたというふうに書いてあります。つまりは、財務省が六%引き下げを行うということを受けとめるということでありますので、認めるということになるわけであります。
 大臣、財務省の意見を真剣に受けとめる前に、介護現場の声をしっかりと受けとめていくべきではないでしょうか。
 大臣、あと、読売、朝日、毎日と、ずっと同じような記事があるんですけれども、例えば十二ページです。財務省がなぜ六%の引き下げを、そういう具体的な数字の根拠となることがあるんですけれども、これは、内部留保が多過ぎる、社会福祉法人などの内部留保が八%あるけれども、中小企業は利益率が約二%だ、八マイナス二で、六%の引き下げを行うべきだというようなことを財務省は言っているわけなんです。
 ただ、資料の十三に、会計検査院の意見をきょうは添付しておきましたけれども、内部留保というのは、必ずしもこれは必要ないものではないというか、むしろ継続的に事業を行っていくためには必要性があるものであって、この積立金、内部留保というものを、透明性や、計画的に有効に使っていくということについては配慮しなければならないけれどもというような会計検査院の意見があるわけであります。
 こうした会計検査院の意見等も踏まえて、六%の大幅引き下げというものを大臣は認めるつもりなんですか。大臣、いかがですか。
○塩崎国務大臣 財政審は厚労省の審議会ではないので、どういうお考えでやっていらっしゃるかは、私どもが答える立場にはないというふうに思っています。
 今先生の御指摘になった点について、中小企業の二%と八%の差の六%という話でしたね。これは財政審がそのようにグラフをつけていたと思いますが、それが本当に適切なのかどうかということは、これは議論のスタートラインであって、私どもは、そういう指摘もあったということは踏まえますけれども、我々は我々でしっかりと考えていかなきゃいけません。
 財政審の方が、この介護職員の報酬について引き上げるべきだという声があることは認識している表現をされていますが、一方で、その他の基本的なサービスの費用についてふやすべきではないみたいな感じのことが書いてあったように記憶をします。
 そういうことを考えてみると、問題提起をいただいたということでありますから、これはこれとして、我々は我々で、この間の調査の結果も踏まえて議論を重ねて、何が本当に一番いい答えなのかということを考えていかなきゃいけませんし、それには財源が当然伴ってまいりますから、さっき申し上げたように、この三つの組み合わせの中でどうするんだということを考えていかなければいけないというふうに思っております。
○中根(康)委員 大臣、財政審とか財務省とかの考え方は、これはもう完全につじつま合わせなんですよ。予算が削減できればそれでいいと思っておられる方々に健康や命のことを預けるわけにはいかない、その立場で厚生労働行政の最高責任を担っていただきたいと私たちは期待をしているわけであります。
 つまりは、厚生労働大臣としての塩崎大臣が財務省と闘ってもらえるかどうかということを今私たちはここで問いかけているわけであります。もちろん、大臣、六%の引き下げと財務省が言っていたものを三%の引き下げぐらいに押しとどめて、それで大臣が闘ったということではありませんよ。
 処遇改善をする、認知症対策をする、老老介護、介護離職、あるいは人材不足を解消する、このためには、この介護の分野が魅力ある職場にならなければならないわけであります。そして、働く人たちが正当に報われる職場でなければならないわけであります。だから、大臣、そういう意味合いで大臣が財務省と闘っていただけるかどうかということを今質疑をさせていただいているということであります。
 大臣、けさの読売新聞の朝刊のトップ記事は、介護資格要件を緩和するという話であります。外国人も活用すると。厚労省で検討されているこういった内容は、賃下げ要因にもなってしまうわけでありますし、介護労働が魅力ある職場とならないということになってしまうわけであります。これは今までも、通常国会でも、要支援の方々に対するケアをボランティアの方々に丸投げするということと同じような発想であるわけでありまして、介護分野で働く人たちの専門性を否定するような考え方だと思っております。とんでもない考え方を厚労省は方針として打ち立てようとしているわけであります。
 こうしたことも含めて、大臣になってから介護の現場が崩壊する方向に向かっていってしまうのではないかということを大変私たちは心配をさせていただいております。その意味でも、大臣、処遇改善を行うということであるならば、介護報酬はプラス改定せざるを得ない、介護現場の実態をにらみ合わせたときに、プラス改定以外にはあり得ないということを私たちは強く求めてまいりたいと思います。
 そして、この介護報酬の改定というのは、今までセットで行われてきた障害福祉サービスにも連動していくわけであります。障害福祉分野で働く人たちの頑張りのおかげで、どれだけのハンディを持つ子供たちの笑顔がつくり出されてきたかということを思うときに、介護報酬のマイナス改定が障害福祉サービスの報酬の引き下げということにつながってしまうということであるわけでありますので、大臣、ここは相当慎重に、真剣に考えていただいて、財務省の考え方を押し返していただくという力強いメッセージをこの委員会で発信をしていただかなくてはならないと思いますけれども、今までのやりとりの中で、それが余り期待できないということがわかってまいりました。
 つまりは、この大臣所信の質疑の中で徐々にわかってきたのは、大臣はやはり経済最優先で、弱い人たちの立場に立って厚労行政を行っていただく見込みがないということ、厚生労働大臣としては余り適性のない方ではないかという疑問を感じざるを得ないということであります。
 もう時間が余りありませんが、資料の十四ページ、十五ページをごらんいただければわかりますけれども、政府・自民党が行おうとしているのは、労働者派遣法の改悪、これは、一生派遣で結婚できない、少子化が助長される。残業代ゼロ制度で、成果主義のブラック企業や、あるいは過労死が続発をするということにつながる。年金の株式運用拡大、これは、失敗しても誰も責任をとらない。法人税減税は、中小企業に対する課税の強化で穴埋めをする。介護・障害福祉報酬の引き下げ、これも法人税減税の穴埋めにされてしまうのではないか。そして、あげくの果てに経団連の献金の再開ということで、全ては自民党にお金が還流をしていく仕組みがつくり上げられようとしているわけであります。
 消費税を引き上げて、あげくの果てにそのお金が自民党に吸い込まれていく、こういう仕組みは何としてでも私たちはストップをかけないといけない、そういう思いでこれから厚生労働委員会での議論をしてまいりたいと申し上げさせていただきます。
 消費税を引き上げておいて介護報酬の引き下げをする、そして、一%で五千億円だと言われる法人税の減税を行う、残業代ゼロ制度は導入する、労働者派遣法は見直して、改悪をして、一生若者が派遣でしか働けないような労働市場をつくってしまう。大臣、これを推し進めるようであるならば、大臣はまさに厚生労働大臣としてこれから仕事をしていく資格がない大臣ということになると思います。
 まさに国民の命と健康とそして雇用を守っていく、そのために厚生労働省があり、厚生労働大臣がいらっしゃるということだと思いますので、大臣、そのあたりのところを最後に御見解を伺いたいと思います。
○塩崎国務大臣 まず、経済最優先で立て直して、生活水準が下がらないように、むしろ上がっていくようにするということに反対する人はまずいないと思いますね。それをやろうと言っているのが、今、安倍内閣がこの一年余りやってきたことであり、その前の民主党政権のときを思い出していただきたいんですね、閉塞感という言葉しかなかったと思うんです。ここで、よし、やってやろうという気分にしたのは、やはりアベノミクスであると思います。
 経済が強くなって初めて、さっきの三つの財源である保険料、それから税金、自己負担、これは全て、個人が負担をするか企業が負担をするか、どちらかであります。どちらも、所得は下がるわ、収益は落ちていくわで負担をしていただくことは無理だと思います。
 そして、消費税を引き上げて介護の従事者の処遇を悪くするかのようなことをおっしゃいますけれども、消費税は皆さんと御一緒に上げてきたものであって、この財源は社会保障に全て使うということは共通の認識でありますから、それはやはり少し言い過ぎではないかなというふうに思っています。
 そして、労働者派遣法の問題については、ぜひ審議入りをしていただいて、中で議論をするということで、改悪か改悪ではないのか、むしろ改善かということをしっかりと議論していただきたいというふうに思います。
 残業代ゼロ制度と書いてありますが、我々の考えは、むしろ残業ゼロの気持ちでやろうということがあって、残業なんかしないで、残業という概念そのものが意味がないということを念頭に入れながら、新しい制度を柔軟な形でつくっていこうじゃないかということを我々は考えています。
 GPIFの問題についてはまた議論があろうかと思いますけれども、問題は、デフレから若干のインフレになるかもわからない新しい時代、これはまさに政権交代によって起きたわけでありますけれども、この中でどうやって利回りをきっちりと守っていくのか、つまり、安全かつ効率的に運用するかという問題であります。
 法人税の問題についてはもうさんざん議論があって、我々は、今下げるべきだ、国際競争を考えてみて、国内への直接投資をふやすこともそうだということでやってまいったことでもあります。
 介護それから障害福祉報酬の引き下げと、事前にお決めをいただいているようでありますが、我々はそんなことは言っていないわけであって、先ほど申し上げたとおり、改善をしていこうじゃないかということを言っているわけでありますし、障害者のこの問題、福祉報酬についても、これからまた議論があると思いますが、改善をしていくことが大事だということはよくわかっています。それは何をといえば、それは障害者の皆さん方の暮らしをどう改善していくかということだと思います。
○上川委員長 中根君、申し合わせの時間が経過しておりますので、御協力を願います。
○中根(康)委員 資料十二にもありますように、介護報酬の六%大幅引き下げは、介護事業者の方々からも大きな、強い反発があるじゃないですか。
 そういった中においても、大臣はプラス改定をするとおっしゃらない。むしろ、マイナス改定をにおわせるような御答弁ばかりであるということがわかったわけであります。これでは介護現場が崩壊すると警鐘を鳴らさせていただいて、私の時間を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○上川委員長 次に、大西健介君。
○大西(健)委員 民主党の大西健介でございます。
 今、中根委員からは、消費税を引き上げておいて、そして全額、消費税については社会保障に充てるはずなのに、それでももし介護報酬が引き下がるならば、これは言語道断だ、こういうお話がありました。
 同じく介護の分野で、塩崎大臣が地元選挙区の特別養護老人ホームの開設に当たって口ききをしたんじゃないか、こういう疑惑が上がっています。この問題は、きのうの本会議でも取り上げられました。
 本会議での答弁というのを皆さんのお手元にもお配りをしていますけれども、昨日の本会議で、大臣は、法令の解釈を確認するために所管省庁に照会する通常の議員事務所の活動の一環である、しかし、報告を受けて、厚生労働大臣としての立場等を考慮すれば、松山市に連絡すること自体が誤解を招くと考え、松山市に連絡を行わないよう即座に指示をした、こう答弁をされています。
 また、週刊誌の記事というのもつけさせていただいていますが、この取材に対して大臣自身がしたコメントというのが引用されていますけれども、その中では、このように言われています。「秘書の軽率な行動は直ちに取りやめさせ厳重に注意した。教育・監督が不十分であったと反省しており、再発防止に向け内部管理を徹底したいと考えている」と。
 そこで、改めてお聞きをしたいというふうに思いますが、大臣は、一連の秘書の行動というのが誤解を招くものだった、そして軽率なものだったということを認めた上で、監督が不十分だったことを反省して、この国会の場で謝罪をされますか。
○塩崎国務大臣 きのう本会議でも申し上げたとおり、今回、特別養護老人ホームを二十九人の定員でスタートをしようと思って、三人のユニットリーダーが必要だったけれども一人しか確保できないということになって、部分的な開所はできるかという法令解釈を尋ねられたのが我が事務所でありました。
 それを厚労省にこの法令解釈はどうなんだということを聞くことは、多分きょうここにお集まりの先生方はみんな毎日のようにやっておられることでありますし、そういう中からいろいろな改善提案が出てきて、私もいろいろな、例えば障害者のみだり診療についての通達を変えてもらうのに一年かかりましたが、これについての解釈はどうなんだ、つまり、かかりつけ医に診てもらいたいのに契約医でないとだめだというのでは、それは余りにもかわいそうだろうということであったわけでありまして、そういうような、ごく通常の議員事務所の活動の一環としてお尋ねをしたわけであります。
 ただ、今回の問題は、それを松山市に厚労省から、内容がどうなっているのか、では聞いてみますと言ったときに、いや、それはやめてほしいと言うべきだったところを言わなかったところが監督不行き届きで、私どものスタッフの至らぬところだったということを私は思っているわけであります。
 ということで、しかしながら、私が、それをやるのはふさわしくないということで、厚労省からは松山市に何も話が行っておりませんので、私どもが言ったことによって動いたことは何もありません。
 したがって、口ききをしたという事実もないし、ごく通常の事務所の活動としてやったということで、私の指示によってそれがとまったということでもありますから、そこら辺は御理解をいただきたいというふうに思います。
○大西(健)委員 誤解を招く行為だったということは本会議でも言われていますけれども、その部分については非があったというのはお認めにならないんですか。全然問題なかった、全然、正常の行為で何の問題もないんだというふうに開き直られるのか。誤解を招く行為で、軽率だったことは認めて、その部分については監督が不十分だったということを反省しているのかということを聞いているんです。
○塩崎国務大臣 今申し上げたように、法令解釈を尋ねた相手方である厚労省の担当の補佐が松山の市役所にもし電話をすれば誤解を招いただろうということを言っているのであって、その手前でとめていますから、誤解は何も起きていないということであります。
○大西(健)委員 私は、本当に、その部分は誤解を招く行為だったということを認められるのかと思いましたけれども、完全に開き直られているので非常に唖然としましたけれども、ただ、今後、この話をさらに詰めていきたいというふうに思います。
 実は、この特養を運営している社会福祉法人の理事長の夫というのは、ことしの十一月に予定されている松山市長選挙で、現職への対抗馬として塩崎大臣が推薦をされている候補者、滝本候補の後援会長を務めている人物なんです。この辺の事情は、資料にも配付してありますけれども、大臣自身のブログ、これは誰でも読めるものですけれども、ブログの中にも書かれております。
 資料四の三というのをつけているんですけれども、これは九月の二十八日付の文書ですけれども、この理事長が大臣の元秘書である松山市議会議員に泣きついて、市議から話を聞いた大臣の秘書が今度は厚労省に働きかけを行ったということであって、これは私は、先ほど大臣が説明された単なる法令解釈云々という話じゃないというふうに思っているんです。
 本来、特養の開設許可というのは、これは最終的に松山市が判断されることなんです。二十八日付のこの文書を皆さん見ていただきたいんですけれども、この中にも書いてありますけれども、市は何と言っているかというと、市は当初、補助事業の当初計画は三ユニットであるため、二ユニットの開始は不可であると判断しているんです。その理由としては、平等性に欠けるということを述べられています。
 私は、この理屈というのは、ある意味ごもっともだなというふうに思うんです。それは何でかというと、この事業というのは、補助金を受ける公募事業なんです。二十九の事業者が応募をして、この社福を含む五事業者が選定をされているんですけれども、当初の計画と違っていても後で許されるというんだったら、ほかの公募した事業者もみんな同じことをしますよ。公募時点ではいいことを書いておいて、いや、結果、開設のときになっては、できませんでしたという話になるわけですよ。そんなことが許されるんだったら、ほかの事業者は怒るに決まっていますよ。ですから、私はこれはやはり不平等だというふうに思います。
 ですから、本来、市が判断されることに厚労省が口を挟むこと自体が、これはもはや法令解釈云々という話じゃないんです。松山市長選挙に関連して、大臣の地位を政治的に利用して、本来、松山市が裁量で決めることに対して何らかの圧力をかけようとした、そういう働きかけをしようとしたということなんじゃないんですか。大臣、いかがですか。
○塩崎国務大臣 厚生労働省から松山市役所には、私どもが法令解釈を尋ねた結果として、連絡をしたことはありません。だから口ききはないと言っているのであって、口ききというのは、やはり決定権を持っている方に働きかけることを口ききと多分言うんだろうと思うんです。今、先生御指摘のように、決定権があるのは松山市でありますから、松山市が最終的な判断者。
 ただ、松山市もみずから、これを本当に、では三人要るべきところを一人でやれるかどうかということについては自信がなかったからこそ、どうも松山市の方から厚労省に尋ねて、そして、実はそういうことが、最近のことですから、先ほど来、中根先生からも御指摘があったように、介護の処遇が余りにも厳しいものですから人手が集まらないということで、スタートしようと思っても、待機高齢者がたくさんいる中でスタートできないで困っているというところがあって、部分的な定員でもってスタートするということが実は一般的にあるようでございます。
 例えば、千葉の茂原で、やはり同じように、ユニット型で二十九床、これを、介護職員の確保が困難であったために二十床のみで部分開業したということがありましたし、江東区でも、認知症対応型共同生活介護、十八床の定員のところ、これを九床のみで、やはり同じように介護職員の確保が困難であったということでやっています。
 それで、こういうことを松山市としてはどうするのかということを松山市も多分悩まれて、何でかというと、もうスタートする寸前になっているのになかなかスタートできないということになれば、実は四百人余りの待機高齢者が松山市もいるんです、そういう人たちが入れないで困ってしまうというので、どうしようかということだったわけでありますから。
 最終的には、何度も申し上げますけれども、厚労省から松山市には働きかけも何もしていませんから、口ききは全くないということであります。
○大西(健)委員 口ききどうだ、口きき云々だけではなくて、この行為が、大臣の地位を政治的に利用して地元に利益誘導しているんじゃないですか、そう疑われる行為じゃないですかということを私は今この中で問題にしようとしているんです。
 そして、今、答弁の中で大臣は、処遇が悪いから人が集まらなくて云々ということを言われたんですけれども、この二十八日付の文書を皆さんごらんください。この中で、当初予定されていた二名のユニットリーダーのうち、九月に突然辞退することになった一名は、何と塩崎大臣の元秘書なんですよ。この人が突然やめなければ、こんなことは今回起こらなかったんですよ。どういうことなんですか。
 今回こういうことになっていなかったはずなんですけれども、元秘書が突然辞退した、だから二人のところが一人しかいなくなったということですけれども、この元秘書がやめた経緯について、大臣、何か御存じですか。
○塩崎国務大臣 まず第一に、お示しいただいている松山市議会議員宛ての社会福祉法人理事長からのお手紙というのは、私と全く関係ないところで出されているものであります。
 たまたま、また今の、元秘書と書いてあるこの人がやめたということですけれども、私は全く今関係もない、かつて、昔いたことがある人であって、なぜやめたかというのを、では先生、御確認されたんでしょうかねと聞きたくなるぐらいであって、私は全く知りません。
 ほかのケースで、さっき申し上げたような千葉や東京のケースは、これは、介護職員が集まらないで困って、それでスタートできないから部分スタートをしたいということで、やはりそれは、地域益とか高齢者の方々のことを考えたら、ゼロよりは三分の二でスタートするとか半分でスタートするというのは、当然、社会のニーズに対応した賢明な行政判断だというふうに私は思うんですね。
 これは厚労省が決めているわけではなくて、定員に対して規制が決まっているわけではなくて、何人入るかということに関して規制が決まっているというこの法体系を、多分、皆様方は厚生労働行政の御専門でしょうからよくわかっておられるはずなので、そういう形で市役所なり区が判断をすることでありますから、それは、先ほどのような御指摘は、大臣としての圧力を加えるなんて、だって、口ききというか、厚労省から市役所に話が行っていないんですから、だから全然それは意味がない。解釈を聞いただけですから。
○大西(健)委員 お手元には、きのう私が厚労省に事前に質問したこととその回答というのを配付しているんですけれども、それをもとに私の事務所で経過を整理しました。資料六というのをごらんいただきたいんです。
 まず、九月二十八日に、先ほども言ったように、社福の理事長から松山市議、この人は大臣の元秘書でもありますけれども、この人に陳情があって、恐らくその松山市議からも話があったんでしょう、二十九日には、松山市から老健局の高齢者支援課に電話で、もともと三ユニットの予定だったものを二ユニットで開設しても法律上問題ないのかという質問があったんです。その時点で、厚労省は、法令上問題ないものと考えると回答しているんですね。ですから、法令の解釈云々だったら、もうここまでで決着はついているんですよ。ここでもう解決している問題なんです。
 ところが、翌三十日の十六時三十八分に、松山市より三ユニット分のユニットリーダーを確保するまで開設を認められない旨言われている、何とかならないかという相談が国会連絡室にあって、そしてその後、十七時三十分ごろに、老健局の高齢者支援課長補佐と塩崎事務所の秘書が面談をしているんですよ。そこで課長補佐は何と言ったかというと、松山市にこちらから事情を確認してみたいと答えているんですよ。厚労省は答えているんですよ。
 ただし、そこにもつけましたけれども、翌十月一日の午前中に塩崎事務所より、松山市への連絡は不要である旨、電話により連絡があったため、松山市には結果としては連絡しなかったとなっています。それは大臣のさっきの説明ですけれども。
 ただ、最終的に電話したかどうかはまずおいておいて、塩崎事務所の秘書は課長補佐に対して、二ユニットでの開設を認めようとしない松山市に圧力をかけるために、厚労省から電話してくれるように頼んだんじゃないですか、大臣。ですから、結局、電話をかけたかかけていないかじゃなくて、塩崎事務所の秘書は厚労省に対して、松山市に電話してくれと頼んだんでしょう。そうじゃないんですか。
○塩崎国務大臣 何度も申し上げているように、皆様方もよくおやりになる、要するに法令解釈として、これはやっていいことか、やって悪いことかということを、法律違反かどうかということを聞いているということであって、恐らく、課長補佐さんは、よかれと思って、では、どういうふうになっているのかを聞いてみましょうということだったんだろうと思います。
 だけれども、それは誤解をされるとまずいので、それはまずいということを、私は報告を受けた秘書に対して即座に、翌朝一番で、そんなことはもう忘れてくださいというふうに言いなさいということを言って、ですから、全く厚労省は動かなかった。
 ここに、二十九日にあった話が、では厚労省の補佐はなぜ知らなかったのかということでありますけれども、それは、中で電話対応で聞いたような話であって、それを補佐は知らなかったということでもありましょうし、そもそも私のところに直接上がってきた依頼でもなかったのでよくわかりませんが、少なくとも、私の秘書が動いたのは、市会議員のこの話を聞いてすぐに動いた話であって、その間に厚労省に対して松山市役所の職員が尋ねたかどうかなんということは全く知る由もないわけであって、法令解釈を尋ねられたら、当然、地域の代表として我々は出てきているわけですから、その法令解釈をどうするのかということを聞くのはむしろ我々の責務であって、それをやらないというようなことでは選挙におっこっちまうんだな。
 だから、そんなことはあり得ないことであって、圧力をかけたと言われないようにするために、私は、もう動かないように、すぐやめてもらうように言いなさいということを指示した。そういう意味において、教育不行き届きで私は申しわけないなとは、そこの点については思います。
○大西(健)委員 法令の解釈だけだったら、課長補佐はその解釈だけを示して、でも、最終的な判断はこれは松山市が決めることですからと言えば済む話であって、何で電話しましょうかなんてわざわざ言うんですか。これは頼んだに決まっているじゃないですか。大臣の秘書が頼んだから、電話しようかという話をしたわけですよ。
 それともう一つ、大臣は先ほど来、三十日に報告を受けて、翌一日の早朝に秘書に厳重注意をして、松山市には電話しないように自分が指示したから結果的に電話しなかったんだ、だから問題ないんだという説明を繰り返されていますけれども、これも私は怪しいと思っています。
 ここに、塩崎事務所の秘書が三十日二十時四十七分に発出したメールというのがあるんです。このメール、メールというのは本当によく本物なのかという話がありますから、これは厚労省にきのう、本物かどうか確認してもらいました。皆さんのお手元に配っている資料の中にも、厚労省はこのメールの内容については事実であるというふうに文書で回答しています。
 これは、「大臣へ」という書き出しで始まっているんですけれども、「大臣へ」ということで、おとといメールしました、滝本さんの後援会長の奥さんが理事長をされている特養の件について、特別養護老人ホームの開設準備はできているものの、ユニットリーダーが一人足りないので施設をオープンできない、法律で規制しているものではなく、市の裁量なので、どうにかならないだろうかというものです、本日夕刻、厚労省老健局の高齢者支援課○○課長補佐と相談しましたところ、あすにでも課長補佐から松山市の担当者と話してみるということになりました、○○市議にも経過を伝えていますと書いてあるんですね。
 これを見ると、法令解釈の問題じゃないことはこの秘書も理解しているんですよ。法令解釈の問題じゃなくて、松山市の判断だけれども、何とかならないのかと。つまり、松山市の判断を何とか覆せないのかということを言っているんですよ、このメールは。
 それともう一つは、おとといのメールで、「おとといメールしました、」と書いてありますけれども、ここで言うおとといというのは二十八日になるんですけれども、つまり、松山市議が社福の理事長の陳情を受けた直後に、塩崎事務所から大臣に対してメールで報告されているはずなんですよ。秘書も、大臣に報告をしながらこのことを進めてきているんですね。
 そうなると、秘書が勝手にやったことで、自分は後で報告を受けて、厳重注意して、松山市にも電話しないように注意したという先ほど来の大臣の説明と食い違っているんですよ。大臣は、二十八日時点で秘書からこのことをちゃんと報告を受けて、自分もハンドリングしながら進めたんじゃないんですか。先ほど来の説明と全然食い違うんじゃないですか。
○塩崎国務大臣 全く違います。
 先ほど来私が説明しているとおりであって、おとといのメールというのは、前日に地元から相談を受けたときの第一報を言ってきたんだろうと思いますけれども、私はその中身は全く記憶にありません。本当に見たのかどうかもわからないし、よくわかりません。
 いずれにしても、私が見て驚いたのは、大体、皆さんも多分与党のときに経験されたと思いますが、野党のときも同じかもわからない、つまり、現場でどうなっているのかということを役所の人は確認をすることはしょっちゅうあります。でも、それをやるということが向こうにとっては実は圧力と感じるときがあるということを、私も、乏しい経験でありますけれども知っていますから、今回、前の晩に、三十日の晩ですか、秘書からこういうことで尋ねて、翌日に厚労省から連絡をするということを言われると、どうなんですかというのを向こう側が圧力と感じるかもわからない。これは、私の大臣の立場として、こんなことをやったら大変だというので僕は即座にとめたわけでありますから。
 そこは私が繰り返し御説明しているとおりでありまして、大体、親切な方は、では様子を聞いてみますよということはよくあると思いますね。ですけれども、それをやって大丈夫な場合と大丈夫じゃない場合というのはやはりよく理解をしてやらないといけないので、今回は、私は、こんなことをやったら大臣の立場としては非常にまずいと思ったので、即座にとめさせて、おまけに、このスタッフは陳情はほとんどやったことがない者であります。
 これがわからないからこそ連絡室なんかに言っているわけで、私どもの事務所は、普通は、親しい、関係の深い役所であれば、当然、担当の課長とかそういうところにお話を持っていきますよ。皆さんだって多分そうしていると思う、ここの人たちは。それをやらないということは、いかに陳情なれしていない者が市会議員に言われたからといってやってしまったかということであって、そこのところは余り、繰り返しお尋ねになられても出てくるものは全く同じでありますので、そういうことで御理解いただきたいというふうに思います。
○大西(健)委員 私、二点問題があると思っていまして、一つは、法令解釈云々じゃないんです。このメールに書いてあるように、法令上は問題ないことはわかっているけれども、松山市がかたいのでどうにかならないのかということを言っているんですよ。ですから、まさに松山市に圧力をかけてくれという話なんですよ。
 それからもう一つは、大臣が先ほど来言っているように、後で知ったんじゃなくて二十八日時点に知っていたんでしょうということを言っているんです。ですから、だったら、そこまで言われるなら、この二十八日、おとといのメールというのを出してくださいよ。
 それから、先ほど来大臣は、秘書に、松山市に電話するなと指示したと。そのメールもあるということですけれども、松山市に電話するなと一日の早朝に大臣が秘書に指示した結果、秘書は厚労省に、松山市に電話しないでくれということを言ったんでしょう。
 そのときのメールを、その二つのメールを出していただきたいんですよ。出してください。これを出さないと、先ほど来の大臣の説明が正しいのか正しくないのかが判断できないんですよ。大臣が正しいことを言っているという自信があって、何もやましいところはないんだったら、この二つのメールをぜひ委員会に提出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 そもそも、先生お持ちの「大臣へ」というこのメールそのものが、不正アクセスでとられたものだと私は思っています。なぜこういうものが出てしまったのかわからないわけであって、それは、ですから、先生が御自分のスタッフあるいは御家族とやっているメールを、それをなぜか公開されて週刊誌に売られるというか、そういうことになって気持ちのいいはずがないと思うんですね。
 今、そういう形で不正に入手されてしまったこのメールを、たまたまこの週刊ポストが手に入れているということでありまして、これは行政文書ならお出しをすることになると思いますが、これは行政文書ではございませんので、全くの私信という扱いだと思いますので、出すつもりはございません。
 説明は何度でもいたしますが、今の説明とは変わりませんので、よろしくお願いいたしたいと思います。
○大西(健)委員 大臣が先ほど来説明されている、知ったのは後なんだ、秘書がずっとやってきて、後で報告を受けて、それで、これは誤解を招くような行為だから電話するようなことはさせるなということを指示したと言っている説明の前提としては、大臣は後で知ったということですけれども、このメールの前提に立てば、このメールの中身は本物だと、これは厚労省を通じて我々確認させていただいているわけです。このメールを前提にすれば、おととい、つまり二十八日に知っていたんじゃないですかと私は言っているけれども、それを否定されているわけですから、じゃ、おとといのメールを出してくださいよ。
 それから、後で大臣は電話しないように指示したんだ、それで結果的に電話しなかったんだから何が悪いんだと先ほど来言っているんですけれども、そうであるなら、その指示したメールも出してくださいよ。やましいことがないなら、それを出せば全てオールクリアで解決するじゃないですか。何で出せないんですか。
○塩崎国務大臣 何度も申し上げますけれども、今回は、これは不正に入手されてしまったプライベートなメールが事の発端になっているわけですね。
 そういうことでありますから、私は誠心誠意説明をしているわけであって、私が私信をまた新たに出す必要は全くないというふうに思っております。
○大西(健)委員 では、改めて別の聞き方をしますが、三十日のメールの中で書いてあるおとといのメールという、前々日に報告を受けているはずなんですけれども、そのメールの中身は何が書いてあったんですか。
○塩崎国務大臣 私は全く記憶にありません。
○大西(健)委員 記憶にないならメールを出してもらうしかしようがないじゃないですか。そうじゃないと審議できないですよ。記憶にないんですから、じゃ、メールを確認してくださいよ。そうじゃないと、記憶にないと言われてしまったら、我々確認しようがないじゃないですか。メールを出してください。
○塩崎国務大臣 さっき申し上げたように、恐らくこういう陳情を受けたという第一報が書いてあるんだろうというふうに推測をしています。
 問題は、アクションが問題なので、受けたときのメールを見ても、何もアクションは起こしていませんから、何の問題にもならない。
 いろいろな要請、要望を受けるということは皆さん方は政治家としては幾らでもあるはずで、その受けたことが何か問題になることは私はないんだろうと思うんです。
 それに対してどういう行動をとるかということが問題になるのであって、それが、今私は、即座に、これは対応しないで、もう忘れてくださいというふうに朝一番で言えということで指示をしたので、それ以上でも以下でもないということを申し上げていきたいというふうに思います。
○大西(健)委員 違うんですよ。いつ知ったかということが重要なんですよ。二十八日時点で知っていたということであれば、これは大臣が先ほど来説明をしているように、秘書がずっと勝手にやってきて、後で報告を受けて、これはまずいと思ってやめさせたという話、そのロジックが崩れる話なんですよ。そのおとといのメールが何で出せないんですか。全然やましいところがなくて潔白ならば、メールを出していただきたいと思います。
 おとといのメールというのと、大臣が秘書に、では電話をしないようにということで指示をしたという先ほど来説明しておられるそのメール、この二つのメールをぜひ委員会に提出するように理事会で協議をお願いしたいと思いますが、委員長、いかがでしょうか。
○上川委員長 塩崎厚生労働大臣。(大西(健)委員「委員長に言っているんですよ」と呼ぶ)
○塩崎国務大臣 その前に、指名を受けましたので申し上げますが、私がいつ知ったのかという問いがありました。私が知ったのは、この三十日の、先生がお持ちの、これを見て初めて知ったわけであって、その前は私は全く認識をしておりません。
 繰り返し申し上げますけれども、それは真実でありますから、それ以上何も出てきませんので、よろしくお願いします。
○上川委員長 ただいまの件につきましては、理事会で検討いたします。
○大西(健)委員 この二つのメールというのは、大臣がいつから知っていたのか、それから、本当に松山市に電話しなかったのかどうか、このことにかかわる重要な証拠になりますので、ぜひ委員会に提出をしていただきたいと思います。
 また、本件の関係者、塩崎事務所の小泉仁秘書、原俊司松山市議会議員、社会福祉法人鷺月福祉会の末光ちさと理事長、松山市の尾崎富士夫介護保険課長、厚生労働省老健局高齢者支援課の懸上忠寿課長補佐の五名に、参考人として本委員会に出席をいただいて、私は事実を明らかにすべきだと思います。
 委員長、理事会で協議してください。
○上川委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議いたします。
○大西(健)委員 塩崎大臣が大臣として適格性を欠くということについては、ほかにも理由があると私は思っています。それは、塩崎大臣は労働者の権利を本当に守ることができるのか、私は不安を感じているんです。
 資料として、塩崎さんが参加したパネルディスカッションの内容を掲載した雑誌の記事というのをお配りしたんですけれども、この中で大臣は、労働市場改革は厚生労働省が最大の抵抗勢力なんですと述べているんです。塩崎大臣、大臣が率いている厚労省は、労働市場改革の敵、抵抗勢力なんですか。
 そして、大臣は、経済同友会執行役の菅原晶子氏を補佐役に抜てきされました。菅原氏は、労働者保護ルールの改革案をまとめた通称長谷川ペーパーを中心になってつくった人物であります。お配りした雑誌記事では、菅原氏のことをミズ首切りと書いています。
 一方の代弁者だけを補佐官に登用するのは余りにもバランスを欠いていて、これでは厚生労働大臣として労働者の権利を保護することはできないと私は思いますが、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 まず、後に出てきた、大臣補佐官として今補佐官の役をやっていただいております菅原さんについては、いろいろ今ネーミングをしていただきましたけれども、経済同友会の事務局にずっと長らくおられて、寸前には執行役までなった極めて有能な女性でございます。
 政府にも、国家公務員制度改革推進本部の事務局にも出向していましたし、ついこの間までは内閣参事官としてお仕事をされていた経験を持つ方で、幅広いテーマについて知見の深い方でございます。
 そういうことで大臣補佐官になっていただいているわけで、特にこれから女性の活躍というものが大事だという中で、女性の視点から厚生労働省の中でも貢献をしてもらおうということで菅原さんに大臣補佐官になっていただいたということであります。
 それから、労働市場改革は厚生労働省が最大の抵抗勢力という話は、私、自民党の政調会長代理をやって、むしろ、政府の特区とか、あるいはいろいろな規制改革とか、そういうものを受ける側でありました。客観的に見て、問題になっていることの半分ぐらいは厚生労働省にかかわる案件だったなということも印象としては持っておりまして、それで随分、自民党の中をまとめるのに苦労いたしました。
 そういうことをもってこういう発言をしているわけでありまして、私は、厚生労働省を守るために仕事をするわけではない、日本が繁栄するために、皆さんの暮らしがよくなるように、そして、健康と命を守るという厚生労働省に与えられた任務を果たしていくために最善を尽くすというのが私の仕事だろうと思っていますので、決して省益のためにやるわけではない。そのことを踏まえて、国民益のために私は厚生労働大臣として汗をかいていこうというふうに思っておりますので、御理解を賜れれば幸いでございます。
    〔委員長退席、高鳥委員長代理着席〕
○大西(健)委員 私も相当、田村大臣にいろいろ厳しいことを言わせてもらいましたけれども、田村大臣は少なくとも、産業競争力会議等の場で、省益ではなくて労働者の保護というところで、ある程度抵抗してくれた部分もあると私は思いますが、今の大臣の答弁を聞いていて、私は、とても大臣は労働者の方を向いているんじゃなくて、別の方を向いておられるんじゃないかなということを実感いたしました。
 きょうの質疑の中で、改めて私は、口ききがあったかどうかではなくて、一連の行為が大臣の地位を政治的に利用したんじゃないか、この疑いは全く晴れていないというふうに思っています。この疑いが晴れない限り、労働者派遣法の審議入りは到底認められない、このことを申し上げて、私の質問を終わります。
○高鳥委員長代理 次に、長妻昭君。
○長妻委員 長妻でございます。よろしくお願いいたします。
 さっきのやりとりを聞いておりまして、ちょっとそれに関連して、GPIFの質問の前にお伺いしたいんですが、そもそも、この特養で職員が足りない、実際約束した職員が確保できない、だから開設を延期してくれ、あるいは延期するしない、これはやはり市の裁量ということですか、それとも厚労省が決めることなんですか。
○塩崎国務大臣 それは松山市がお決めになることです。
○長妻委員 ちょっと私も不可解なので、引き続きこれに触れさせていただきたいと思うんです。
 役所もこれは本物のメールだというふうに大臣に確認をして、きのう確認させていただいた、さっきと同じメールなんですけれども、不可解なのは、大臣の秘書が大臣に出したメールで、この松山市の特養について、ユニットリーダーが一人足りないので施設をオープンできない、これは法律で規制しているものではないんだということをメールの中に書いてありますから、この秘書はもうわかっているわけですね、法律の問題ではないと。それで、御丁寧にここにも書いてあるんですね。法律で規制しているものではなく、市の裁量なので、どうにかならないだろうかというものですと。
 市の裁量でどうにかならないのかというのは、厚労省に聞くのはどう考えてもお門違い、だって厚労省の権限じゃないわけですから。そう思われませんか。
○塩崎国務大臣 いや、全くそんなことはなくて、松山市は、だめなものだと多分思っていらっしゃったんでしょう、最初は。だからこそ、二十八日か二十九日かに、厚労省に対して問い合わせをしているわけですね。ですけれども、この秘書が聞いたのは、まだそういうことで厚労省に対して問い合わせをする前の松山市の担当者の言っていることを聞いているこの社会福祉法人の方から多分市会議員が聞いて、それが回り回ってうちに来たんだろうと。だから、タイムラグが大分あるんだろうと思いますね。
 ですから、そういうことで、多分、松山市のこの市会議員やあるいは福祉法人の理事長は、これは法律で規制されているわけではないんだけれども、松山市が三人そろっていないとだめだと言って、待機高齢者がいるにもかかわらずスタートできない、あるいは、ほかの職員はみんなもう雇ってしまったのにスタートできないのでは、地域のためにもならないし、自分たちも一体どうしたらいいのかということを相談してきたんだろうなというふうに私は推測しております。
 したがって、これは法令解釈として、一人では部分開業をすることはいけないのかということを聞いているんだろうというふうに思うんですね。だから、これは法律じゃない、法律じゃないということは市会議員もうちに言ってくるときには知っていたんだろうと思います、おっしゃるとおり。ですけれども、それが本当にそうなのかどうかということを、解釈を聞いてみたところ、そうでもないということがわかったわけですね。そういうことだと思います。
    〔高鳥委員長代理退席、委員長着席〕
○長妻委員 ちょっとわからないんですけれども、このメールというのは、大臣の秘書が大臣に宛てたメールで、この秘書の方はもう知っているわけですね、法律ではできるんだよ、規制はしていないんだ、でも、市の裁量だから、どうにかならないだろうかというものですと。それで、ここのメールで、本日夕刻、厚労省老健局高齢者支援課○○と相談しましたところ、あすにでも厚労省から松山市の担当者と話してみるということになりましたと。
 つまり、市の裁量とわかっている秘書の方が厚労省に相談をするということは、それで松山市の担当者と話してみるということになったということは、先ほど大臣はアクションを未然にとめたんだとおっしゃいましたけれども、既にアクションがあった可能性があるんじゃないかということで私も大西議員も質問している部分なんですね。
 アクションというのはどういう意味かというと、この秘書が厚労省の高齢者支援課の方とお話をした。実際に厚労省にも確認すると、九月の三十日の十七時三十分ぐらいから一時間、この秘書と厚労省の方がお話をしている。
 そうすると、仮に、ここのお話の中で、厚労省の書類によると、この課長補佐が、では松山市に問い合わせてみましょうというような趣旨のお話をされているんですが、それ以上のものは厚労省から出てきていませんが、仮にの話、この秘書の方が、松山市にちょっと問い合わせしてもらえないだろうか、こういうような働きかけがあったとすると、そこで既にアクションというふうになるのではないのか、これは断定するつもりはありませんけれども、そういう疑念なんですよ。一応疑念なんですよ、これは。
 だからこそ、我々はこれを、国会という税金で運営している場でこういう質問をさせていただいておりますので、ぜひ、ここのメールにもあります、おとといメールしました件です、大臣へということで、おとといということは、これは九月三十日ですから、九月の二十八日がおとといなんですね。ですから、そのメールも含めて、先ほど大西議員が要請をした資料を、やましいことがないのであれば出していただければありがたいということなんです。いかがですか。
○塩崎国務大臣 あくまでも松山市役所が決定権を持って、その裁量でもって判断をするわけですね。それを私はよくわかっているがゆえに、厚労省から何らかの声がけをしたり問い合わせをしたりするのはやめてほしいということで、直ちに、とめるようにという指示を秘書に出したわけです、一日の明け方に。
 ということでありまして、それで、先ほど来申し上げているように、ここで初めて中身が出てきたわけです。その前の、おとといのメールというのは、私は、何度も申し上げますけれども見ておりませんので、何が書いてあったのかわかりませんが、いずれにしても、アクションは、ここで初めて私に対して報告があったわけですから、これをやれば、裁量であるところを、全国がどうなっているのかということを実は二十九日に松山市は問い合わせているんですね、厚労省に。それで、こういう例は幾らでもありますということを厚労省から聞いて、もう頭の中は少し変わっていたと思うんですね、彼らは。やっちゃいけないものだと思っていたけれども、ああ、いいのかということに多分なっていたんだろうと私は推測をするんです。
 しかし、いずれにしても、アクションは、私どもは松山市役所に、普通だったら直接やるかもわからないけれども、それもやっていない。厚労省には相談をして、どうなんだという解釈を聞いたけれども、それを松山市に言うのは、それは誤解を招くのでやめろということを私は即座に言ったわけであって、今言っていることはこれ以上でも以下でもないわけでありますので、御理解を賜りたいというふうに思います。
 おとといのメールというのは私は見ておりませんので。しかし、先ほど来申し上げているように、そもそも、これを皆さんがお持ちなのも私は不愉快な話であって、何でこんな私信が出ているんだろうかと。皆さんが、プライベートな会話をしているメールを見られて気持ちがいいわけがないと思うんですね。不正アクセスをされたわけですから、私はこれは徹底的に調べないかぬというふうに思っていますよ。
 だから、そういう意味で、私信を表に出す理由は私は全くないし、今の一件については、ここで十分書かれているわけで、私のアクションもそういうことでやっているわけですから、そして、ちゃんと厚労省も、アクションは起こさなかったということを明言して、書面で出しているじゃないですか。ですから、そこで御理解をいただきたいというふうに思います。
○長妻委員 いや、別に何にもやましいところがなければ、おとついのメールというのを出して問題ないんじゃないですか。むしろ、それで疑念が晴れる可能性だってあるわけですから。そこが不思議なんですね。
 もう一つ不思議なのは、松山市の課長さんともお話しすると、特養はやはり開設しないということで、今開設されていないんですね。市としては了解していないようで、来年二月に研修があるので新しい人物を入れるとか、いろいろな検討をされているということで、これは、今回問題になったからそういうことがあったということなのかどうかとか、いろいろな疑問が出るわけで、ぜひ理事会でこれらを議論していただきたいと思います。委員長、お願いします。
○上川委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議いたします。
○長妻委員 それと、不正アクセスというふうにおっしゃいましたけれども、これは逆に、不正アクセスが大臣のメールにあるとすると、また別の問題として、非常にセキュリティーの問題にかかわる話だと思いますので、これは調査された方がいいんじゃないのか。
 これについて、異例なことですが、私がこのメールをどうして入手したのかということをお話しいたしますと、私の事務所には怪文書から何からいろいろなものが来ます。この文書は、名前の書いてない方から、私の事務所のホームページからメールで来たんですね。初めは、このメールを見て、こんなことはガセだ、これを私に質問させて何か混乱させるつもりなのかどうかとか、こんな危ないことはあるわけないと。ところが、役所にこれを送って本物かどうか大臣に確認をしたらば、これは本物だというので、それで驚いたわけです。
 これが経緯なので、ですから、大臣も、ぜひ包み隠さず、そういう経緯を知っていただいて、不正アクセスなのか内部告発なのか、どういうことなのか、これも確認をするというのがセキュリティー上大変重要だと思いますので、理事会で、その流出経路も議論、解明するということを検討いただきたいと思います。
○上川委員長 塩崎厚生労働大臣。(発言する者あり)
○塩崎国務大臣 委員長に指名されましたので申し上げますが、この私のメールは、役所のメールではありませんので、私の個人のアドレスに来ているものでありますし、見てのとおり、ほかの関係者も、個人のものでありますから、それを出すのは当たり前だと言われても、なかなか難しいので、それはやはり私信はなかなか出せないということでございます。
○長妻委員 委員長、私が委員長にさっき言ったこと。セキュリティー。
○上川委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議をいたします。
○長妻委員 塩崎大臣が今答弁されたのは、私の質問はそうじゃなくて、セキュリティーで、不正アクセスについて原因究明をされると。これは個人のメールとはいえ、今は大臣という立場ですから、そういう趣旨で聞いておりますので、ぜひそれもしっかりと解明をする必要があるんじゃないかと思います。
 これ以上……(塩崎国務大臣「答えますよ」と呼ぶ)では、どうぞ。
○塩崎国務大臣 御心配をいただいてありがとうございます。
 予算委員会で一緒にやってきた仲間として心配をしていただいているんだろうなというふうに思いますが、実際、なぜこういうものが出たのか。内部告発という話がありましたが、私の事務所の内部告発だと言っているんですか。そういうことではないんだろうと私は思っています。そうではなくて、やはり不正アクセスだろうということで、これは調べるということで、もう既に手続をとっております。
○長妻委員 これはまだ腑に落ちないと思うので、委員長、今、大西議員、私が要請したことは、ぜひ実行していただきたい。これによって疑問が解けるということがあれば一番いいわけでありますので、よろしくお願いします。
 そしてもう一つ、GPIFについてお尋ねをしたいわけでございます。
 配付資料の一枚目でございますけれども、これは改めて塩崎大臣に確認をさせていただきたいんですが、「GPIFの二つの箍」というふうに書かせていただきましたが、今現在は、私の理解では、この二つのたががかかっていると思っております。
 まず一番目といたしましては、GPIFの利回りの目標値、これは決まっております。名目賃金上昇率プラス一・七%を確保せよ、これが目標です。
 二番目、では運用に当たってはどういうリスクか、国内債券並みのリスクを維持せよと。全額日本国債を持っている並みのリスクを維持しなさい、そのリスクを維持した上で、株とかいろいろ分散投資効果。リスクを高めずに、分散投資効果によって最大〇・四%リターンをとれ、こういうふうに理解しているんですが、大臣の理解もこれでよろしいんですか、今現在。
○塩崎国務大臣 年金積立金の運用につきましては、社会保障審議会の専門委員会において検討を行って、目標とする運用利回りは名目賃金上昇率プラス一・七%とすること、そして、全額国内債券で運用した場合に名目賃金上昇率から下振れするリスクを超えないことをリスク許容度として示す等の報告がまとめられておりまして、GPIFにおいて、この報告を踏まえた運用が行われるものと承知をしております。
 具体的な運用手法については、この報告書や財政検証の結果を踏まえてGPIFで検討されるものと理解をしております。
○長妻委員 私が聞いたのは、それの棒読みというのではなくて、つまり二番目ですね、国内債券並みのリスクを維持する、これは今現在もこれでやっているのかということなんですよ。
○塩崎国務大臣 繰り返しますけれども、全額国内債券で運用した場合に名目賃金上昇率から下振れするリスクを超えないこと、これをリスク許容度として示すということでございます。
○長妻委員 ですから、このリスク許容度については、ことしの三月、ちょっと考え方が変わったわけですね。これまでは、国債のボラティリティーの振れの範囲内というのが国債のリスクだったものを、今おっしゃったように、名目賃金上昇率よりも下振れするリスク、こういうリスクの評価には変わったものの、国内債券並みのリスクというのは維持をしている、こういう理解でいいわけですね。これは役所にも確認していますから。
○塩崎国務大臣 そういう表現ぶりではなくて、先ほど私が繰り返して申し上げた表現で報告書には書かれているというふうに思います。
○長妻委員 そうすると、国内債券並みのリスクの維持というのは、今現在はそうではないということなんですね。
○塩崎国務大臣 理論的になかなか難しい話でありますのであれですけれども、報告書には、先ほど書いてあるとおりのことが書いてあるということでございます。
○長妻委員 この報告書はここに示しています、十七ページとか十八ページ。十七ページには、「「国内債券並みのリスクの維持」等の意見に鑑みれば、長期金利に、分散投資により得られる超過収益を加える現行の算定方式を維持すべき。」と書いてあるわけですね。それで、そのリスクの評価について、十八ページ、上の丸が下に変わったということでありますので、これは、大臣、国内債券並みのリスクの維持というのをこれから変えるおつもりがあるんですか、今の答弁というのは。
○塩崎国務大臣 先生よく御理解しておられるとは思いますが、リターンとリスクと両方決めると運用はもう決まってしまうわけであって、我々、リターンを財政検証にのっとって示しているというのが、目標とする運用利回りは名目賃金上昇率プラス一・七ということを言っているわけであります。
 ここの、今先生が御指摘のことにつきましては、リターンの算定方法であってリスクの基準ではないというふうに我々は理解しておりまして、専門家からすれば、全額国内債券で運用した場合に名目賃金上昇率から下振れするリスクを超えないことをリスク許容度ということで示されているということは、これ以上でも以下でもないということだと思います。
○長妻委員 ですから、この十七ページにあるように、今現在は、国内債券並みのリスクの維持ということで運用しているわけなんです。
 ここからが質問なんですけれども、この国内債券並みのリスクという考え方を、現行の考え方を大臣は変えるんじゃないのかなというふうに私は思っております。
 といいますのは、いろいろなこれまでの発言で、例えばこの四ページ以降、これは現代ビジネスという講談社のネットメディアに投稿された、去年の四月十二日の大臣のものでございますけれども、ここにいろいろ書いてありますが、例えば六ページの上のところに、今大事なことは、市場に回るべき貴重なマネーを国債漬けにすることではなく、例えば冒頭に挙げたような日本の企業再生ビジネスや、民間ベンチャーキャピタルによる起業促進へと資金を回すことだ、こういうふうに書いておられて、非常に、国内債券並みのリスクの維持という発想は、ちょっと違う方向から御議論をされているのではないのかというふうに思います。
 もしこの国内債券並みのリスクということを変えるのであれば、こういう乱暴にベンチャーだ何だというふうにおっしゃらないで、やはりちゃんと専門家にきちっと議論を委ねる、あるいは、大臣の意思でリスクを変更するということであれば、国民の意見を広く聞いて、それで指示をする、こういう手続があってしかるべきだと思うんですが、いかがですか。
○塩崎国務大臣 さっき申し上げたように、リスクとリターンと両方を指示して、これで運用してくださいということになると、相手はなかなか動きがとれなくなるわけですね。
 我々にとって一番大事なのは、年金が長期的に、ちゃんとリターンを得て、持続可能な年金制度であるかどうかということが最も大事なことであって、通常、どこの年金運用委託機関も、受託機関に対してはリターンを示して、それをちゃんとやってくださいということで、リスクに関しては、つまり、これは座標軸のリスクとリターン、まあリターンとリスクといいましょうか、そういうことでやりますから、両方を決めるわけではなくて、リターンを提示して、そこで、リスクについては、例えばカナダの公的年金の運用に当たっては、不要なリスクはとらないようにということは法律で定められていまして、そういう形で決めているわけです。
 ですから、最後に先生おっしゃったように、運用の中身は専門家がお決めになることですから、我々は、大事なことは、これだけでちゃんと回してくれないと年金が将来回っていかないということを、最低限回していただくリターンを示すということが最も大事でありまして、その両方を一遍に決めるということにはならないというふうに私は思っております。
○長妻委員 ちょっと大臣、わかっておられるのかどうか疑問なんですが、リスクというのは、さっき大臣が読んでいただいたように、ことし三月の専門委員会で、こういうリスクの考え方というのを出しているわけです。リターンは名目賃金上昇率プラス一・七%というふうに出ているわけなんです。その範囲内できちっとやりなさいというのが今のGPIFなんですね。ですから、ベンチャーをやれとか、何をやれ、あれをやれとか、外野から政治家がアバウトな議論をする、しかも責任ある立場の人が言うということになると、これは市場が混乱する、長期的にもよくないということを申し上げているわけです。
 これは、大臣、今もそういうふうにお考えなのか。例えば、この七ページ、大臣がおっしゃっておられるのは、GPIFのみならず、ほかの年金、あるいは大学の基金など準公的資金運用者には、インベスト・ジャパン、すなわち、自分たちは国内産業の成長に大きな責務を負っており、育成の義務を果たさなければならないのだという、半ば公的な使命感をしっかり持ってもらうと。つまり、後段の言っていることはそのとおりなんですけれども、GPIFが国内産業育成の義務を果たせ、ベンチャーに投資しろというのは、余りにもアバウトな議論じゃないのか。そういうお考えを今も持っているのかどうかということをお聞きしたいんですね。
 国内産業育成の義務がある、ベンチャーキャピタル、ベンチャー育成、これをGPIFがやりなさい、こういうお気持ちはもう今はないんですか。
○塩崎国務大臣 繰り返し申し上げますけれども、何に投資をするのか、どういうポートフォリオの組み合わせがベストで、その与えられたリターンを達成して年金が回っていくようになるのかというのは、やはり専門家に決めていただくしかないんだろうというふうに思います。
 今私がベンチャーについて触れたことがあるということでありますが、私は、ゼロベースから考え直すべきであって、今まで分散投資という言葉は、実は去年、日本再興戦略の前に自民党で出した中間提言というところで初めて出てきたものなんですね。(長妻委員「今もこの発想ですか」と呼ぶ)まあまあ、順を追って話をしますから聞いてください。
 資産運用をするということの意味合いというものをもう少し考えていただきたいと思うんです。これは、委託する者にとっては、やはりリターンを確実に得るということが大事であって、最低限のリターンを示して、それ以上に回してくれということをやるわけですね、リスクも含めてですけれども。
 そこで、我々は、資産運用を通じてどういう結果を得るかということは、実は、何によって結果が出るかというと、それは経済によって決まるんですね。つまり、企業がもし株に投資をすれば、あるいは債券でもいいんですけれども、それがどういうリターンを出してくれるかというのは経済活動そのものによって決まってくるわけであって、今回、去年の日本再興戦略で、スチュワードシップ・コードをつくれということで、ことしの二月に金融庁がスチュワードシップ・コードをつくりましたが、これにGPIFは応じるということをはっきり言っているわけです。
 これは何かというと、それは資産運用を通じて、建設的な対応をもって相手のパフォーマンス、つまり収益力を上げることによって、投資の、機関投資家としてのリターンを上げていくということで……(長妻委員「ちょっと委員長」と呼ぶ)今ここが一番大事なところですから、長妻先生、聞いてください。(長妻委員「聞いているのと全然違うじゃない」と呼ぶ)いや、そういうことですよ。
 つまり、対話を通じて経済を活性化することによって、みずからの資産運用にプラスにしていくというウイン・ウインのことを考えるのがスチュワードシップ・コードの原則でありますから、これにちゃんとGPIFも応じることになりましたから、受け入れることになりましたから、そういう意味で、結果として経済のプラスになることになるということであります。(長妻委員「ベンチャーのことですよ」と呼ぶ)
 ベンチャーの問題については、ですから私はゼロベースで考えて、専門家の皆さんに、どういう分散投資が必要なのか、そして、どういう組み合わせであれば与えられたリターンを達成することができるのかということを議論していただくということであって、私が投資をするわけでは決してありませんから、私は今、最終責任を負う厚生労働大臣ということで、安全かつ効率的に運用してもらうということを受託者たるGPIFにお願いをする、そういう立場であります。
○長妻委員 今の御答弁は、若干、大臣に就任前のお考えとちょっと変えたような御答弁だったと思うんです。いや、変えたというのはいいことなんですよ。変えるのがいいことなんですよ。
 つまり、失礼ながら、前はアバウトに、ベンチャーだ、日本の再生ビジネスだ、これにGPIFもやらなきゃだめだと。リターンとリスクが決まっているものを変えるというんだったら国民的議論をしていかないといけないのに、今はそういうふうに決まっている。大臣も変えるおつもりがないわけですよね。そこもちょっと確認したいんですけれども、もし変えるおつもりがなければ、こういうアバウトな議論というのはしていただきたくないわけです。
 もう一回ちょっと確認すると、では、さっきお読みになった、何度もお読みになったこの下振れリスクという考え方、ことし三月に決まったリスクの考え方、これは変えないということでよろしいんですね。今後も変えない。
○塩崎国務大臣 国内債券に全てを投資した場合のという先ほどの話は、あそこの報告書に書いてあるとおりであります。
 ベンチャーの話については、何度も申し上げますけれども、日本ではプライベートエクイティーに投資をすることは今はできませんけれども、こういうことを含めて、分散投資によってどうやってリターンを確実に効率的にしていくかという観点から専門家にお決めをいただくというのが私の立場であって、私が一つ一つ決めていく話では決してございませんので、それは、今だったらば運用委員会がまず提起をしてくるということであります。(長妻委員「リスクは。それを質問しているんですよ」と呼ぶ)
 それは、ですから、さっき申し上げたとおりでございます。
○長妻委員 これが一番重要なところなんですよね。みんな心配しているところなんです。
 つまり、ことし三月の、十七ページ、十八ページにある考え方、リスクの考え方、さっき何度も答弁されたもの、これは今後も変えないということで、大臣、よろしいんですね。
○塩崎国務大臣 先ほど来申し上げているように、全額国内債券で運用した場合に名目賃金上昇率から下振れするリスクを超えないことをリスク許容度として示すということがこの報告書の中でまとめられていて、GPIFにおいて、この報告を踏まえた運用が行われるものだというふうに理解をしています。
○長妻委員 それは今後も変えないわけですね、大臣。
○塩崎国務大臣 今申し上げたとおりの、「リスク許容度として示す。」と書いてある、このことがGPIFの運用委員会で守られるものだというふうに思っております。
○長妻委員 であればというか、今まではそういうルールで、これからも変えないということなんですが、二ページ目を見ていただきますと、非常に、これまで、内閣、閣僚の発言で株価がいろいろ影響を受けているのではないのかというような報道があるわけです。
 これは調査室につくっていただいた資料なんですけれども、例えば、麻生大臣が四月十六日、衆議院の財金で発言をすると、株が反応したのではないかという報道もありました。
 そして、何と、塩崎厚生労働大臣が大臣に就任したということで株が上がったという報道がありました。厚労大臣が塩崎大臣に決まって株が上がるというのは、過去、例がないんじゃないかと思うんですが、どんな御感想ですか。
○塩崎国務大臣 全く予想外のことで、びっくりしました。
○長妻委員 私は、笑い事ではないと思うのが、株についての関連する期待が非常に高くて、安倍総理も、ダボス会議での発言、そしてロンドンのシティーという証券の中心部での発言、GPIFについて百三十兆円だ、こういう金額もお出しになった発言、こういうことで、内閣が意図したか意図せざるかは別にして、何か株価を支えるように公的資金が動くのではないのか、そういう推測を市場が持ってしまったということなんです。皆さんはそうじゃないとおっしゃると思いますけれども、それはそういうふうにおっしゃるかもしれないけれども、市場がそういうふうにもう認識してしまった部分があるということは、それはそれで、私は、もう悪影響が出ているのではないのかと。
 今の相場は、GPIFが株、例えばこの基本ポートフォリオをかなり上げる、そういう前提で高値に一時的になったり、下がったり。そういう状況だと、健全な投資家、長期保有の投資家が長期的には逃げていってしまって、短期狙いの投資家が集まってきて、非常に市場全体の健全性が失われて、最終的に日本の国益にも反することになるんじゃないか。
 既にこの発言は、意図があるかどうかは別にして、市場はそういうふうにとって見ている部分もあるわけでありますから、これは本当に厳重にやはり注意をしていただく必要があるし、さっき大臣がおっしゃったように、今のリスク、ことし三月に出た専門委員会の、全額国債並みのリスク、これを変えないということをおっしゃいましたけれども、そうであれば、いきなりぽんぽんぽんぽんこういう発言を総理もほかの大臣もするのはやめた方がいいというふうに、大臣、これは閣議でちょっとくぎを刺した方がいいんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○塩崎国務大臣 年金積立金の運用というのは、法律、厚生年金保険法に、専ら被保険者の利益のために安全かつ効率的に行うものというふうにされているのはもう先生よく御存じのとおりであって、被保険者の利益以外の他事考慮をするということは法律で禁止をされています。
 したがって、私どもがGPIF改革をする際にも、この原点は決して外すことなく、全国民が皆保険で年金に入っているわけでありますから、当然のことながら、国民益のため、被保険者の利益のために専ら運用を図るということでございます。
 どういう発言がどういうふうに株価に反映されるのかは、それは株式市場に聞いてみないといけないので、そちらをとめることは私どもはできませんので、意図的に何かやっているわけでは決してないのは今の法律からいっても当然のことであります。経済は生き物でありますから、いろいろな反応が出てくるのはそれはそれであるかもわかりませんが、そういうことを念頭に年金の積立金運用のことを改革しようとしているわけでは決してないということをはっきり申し上げておきたいと思います。
○長妻委員 ですから、意図があるかどうかは別にして、市場に、市場の一部にそういうふうにとられちゃっているということが大問題なんですよ。もう株がそれを織り込んで上がっていて、それで、これから株を買って高値づかみということにもなりかねないわけです。
 これは十一ページに書いてあります。GPIFの法律に、「年金積立金の運用が市場その他の民間活動に与える影響に留意しつつ、」留意しなさいということがきちっと書いてあります。
 あと、厚労省はいつも、アメリカの運用、世界の運用というとカルパースを出してくるわけですね。カリフォルニア州の職員の年金なんですが、これは二階建ての部分なんですね。一階建てのアメリカの公的年金は二百兆円ありますけれども、全額国債で運用しているわけですね。
 これは八ページにありますけれども、クリントン政権のときに、国債じゃなくて株をやったらどうかというときに、グリーンスパンが議会で反論したわけですよ。政府による市場運用は、政治的な投資判断により非効率な投資が行われ、収益率が低下するおそれがあるとか、政府の介入のために、市場の効率性に反する偏った資金の投入がなされる可能性があるんじゃないかということで、結局、アメリカの一階建て部分は、年金は全額国債なんですね。
 よく政府が有識者会議で出してくるのは、カナダ年金プラン投資理事会、これも市場運用は二階建て部分だけなんですね。そして、オランダ公務員年金基金も、これも上乗せの企業年金のようなものでありますし、スウェーデンの国民年金は、御存じのように最低保障年金部分は全部税金でありますし、ノルウェーの政府年金基金グローバルについても、これは原資は原油関連収入で、年金じゃないわけでありまして、一階建て部分まで丸ごと運用している日本と、上乗せ部分を運用している国で、ほかの国は年金は株にいっぱい運用しているというのは、これは比べ方が違うんじゃないのかということも申し添えておきたいと思います。
 そして、大臣……
○上川委員長 長妻君に申し上げます。
 申し合わせの時間は既に経過しておりますので、御協力をお願い申し上げます。
○長妻委員 わかりました。
 最後、大臣は、この現代ビジネスの中で、「ポートフォリオの七割を国内債に割いている公的年金基金は日本以外にない。」と断言されているんですが、アメリカがあるじゃないですか、二百兆円。ということを申し上げて、御反論があれば。
○上川委員長 既に長妻君の持ち時間が経過しておりますので、質疑を終了いたします。
 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時六分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○上川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。清水鴻一郎君。
○清水(鴻)委員 維新の党の清水鴻一郎でございます。
 きょうは、塩崎大臣が厚労大臣に就任されて初めての一般質疑ということでありますので、過去にも質問したり、あるいは前の田村大臣にも確認をさせていただいたこともありますけれども、やはり大臣がかわられて改めてまた確認をさせていただきたい点もあるので、質問をさせていただきたいと思います。
 塩崎大臣は、第一次安倍内閣では官房長官という政府の中枢を担われて、いわば安倍総理とは肝胆照らす仲、一番信頼される大臣のお一人だと思いますし、今では懐かしいNAISの会というのもありまして、きっと塩崎大臣がこうしようと言えば安倍総理も、何でもとは言わないけれども、かなりのことは聞いていただけるということで、私は塩崎大臣が厚労大臣になられたことに対しては大変期待をしていますし、これから厚生労働行政の充実、発展について御一緒できるのかなというふうに思っています。
 ただ、一点だけちょっと、さっき午前中の質疑で、もちろん塩崎大臣がおっしゃったように、大臣が厚労大臣になられたからといって厚生労働省を守るということでは、省益といいますか、悪い意味での省益ではなくて、国家国民を守るという立場だということは、私も当然のことだと思います。
 しかしながら、やはりそれぞれの大臣になられた以上、その省庁の持つ役割というものは十分認識していただいて、つまり、財務大臣であれば、もしかしたら財政再建というのが最大のいわば任務というふうになるのかもしれませんけれども、厚生労働行政については、ある意味ではそことも戦っていただいて、財政再建はできたけれども、いわゆる医療難民、介護難民、あるいは障害者の方々が大変困った状況があって、日本国じゅうにいわばしかばねが散らばっている、だけれども財政再建は成ったよということでは、これはやはりだめだと思うんですよ。
 もちろん、そのバランスというのは大変難しいものがあって、日本が大変な少子高齢社会を迎えて、確かに今までのように財源が豊かでない中で、どういうふうにやっていくのかというのは難しい問題だと思います。
 しかし、ある意味では、憲法で保障されました基本的人権、我々が健康で、みんなが幸福を追求できる権利というのは当然あるわけでありますから、そこのところ、先ほど大臣の、いわゆる本質論としてはわかるんですけれども、やはり厚生労働大臣になられた今のお立場の中で厚生労働省の、先ほどの資料の中にありましたけれども、ある立場からいえば厚生労働省が抵抗勢力であったということもあるでしょう。だけれども、今の大臣の立場として、厚生労働行政の代表として、内閣に入られたら例えば多少違う考えがあっても仮に安倍内閣のある程度方向性に従うということもあるでしょう。しかし、厚生労働大臣という立場になって、やはりそういう意味で日本の国民の社会保障をしっかり守っていくということについて、ちょっと決意だけを、先ほど少し心配といいますか、あったので、改めて、これは通告していませんけれども、決意をお聞かせ願いたいと思います。
○塩崎国務大臣 清水先生とはかねてよりじっこんにおつき合いをさせていただいて、自民党におられたときも御一緒にいろいろと行動させていただいたので、大変懐かしく思っているわけであります。もちろん医学の道をきわめた先生でもありますから、いろいろまた御指導いただきたいと思います。
 先ほど答弁をした中で、若干舌足らずで誤解を招いたかもわかりませんので、改めて申し上げますけれども、当然のことながら、厚生労働省に与えられた使命、責任については、これはもう全精力を挙げて私もその使命、責任を果たすべく力を尽くしてまいりたいというふうに思っております。
 その際に、狭い意味での組織益とか、そういうようなことは最優先するのではなくて、むしろやはり国民益が最優先するという意味で申し上げただけの話でありまして、当然、他の役所とぶつかることもあろうかと思いますが、その際にはやはり、厚生労働省に与えられた使命と責任を果たすためには、戦うべきときは戦わなきゃいかぬというふうに思いますので、また先生の御指導をよろしくお願いいたしたいと思います。
○清水(鴻)委員 ありがとうございます。
 今、決意を聞かせていただいて、ある意味では、やはり厚生労働省の代表として、厚生労働省の持っている立場、役割をしっかり果たしていただくという決意を述べていただいたというふうに思います。
 私も、自民党時代には、塩崎大臣とは同じ政策グループということもありまして、大変懇意にさせていただいた仲でありますだけに、非常に期待をしているということを、ぜひとも、確かに塩崎大臣は財務、金融とかに強いし、ある意味でそういう立場での考えもあると思いますけれども、そこは厚労大臣ということをしっかり頑張っていただきたいなということを改めてお願い申し上げて、質問に入らせていただきたいと思います。
 この春に、いわゆる医療、介護の一体改革といいますか、十九の法案が一遍に通っておる。大変なことでありました。
 その中で、私が一番懸念するのは、今、厚労省をしっかり守ってくださいと言ってすぐまた言うのもなんですけれども、厚労省もちょっといいかげんなところがありまして、二〇〇六年に例えば診療報酬改定で、いわゆる急性期の病院をもっと充実させようということで、七対一というような、そういう急性期のジャンルをつくりました。そうしたら、思ったより病院がみんな頑張って、やはり急性期にやらなきゃいけないなと、七対一と看護師さんのとり合いをしながら、そしてまた、ハード面もしっかり整えて、実に三十六万床が急性期を選んだ。これは頑張ったわけですよ、国の施策の中で。
 そうしたら、今度はちょっと多過ぎるなと。きょうは資料はもう有名ですので出していませんけれども、こんな、いわゆるワイン形というこういう有名な、急性期めちゃくちゃあるやん、それを支えるところあらへんやんという、こういうパターンになって、患者さんは、急性期は何とかアクセスはよくなった、いいんだけれども、そこから、もう急性期は終わりました、出てください、そろそろ退院してください、行くところがない。だって、このアンバランスじゃ、行くところがないのは当然なわけですね。
 ということで、今回は、ちょっとこれは商品名で言ったらあれかもしれないですが、ヤクルト形というのか何というか、ちょっとこんな感じですけれども。急性期が適当にあって、急性期というのは確かに急患の人が多いけれども、仮に平均在院日数が例えば十日余り、十四日とか十三日になりましたら、どんどんある意味で回転していきます。
 だけれども、回復期やあるいは慢性期になると、回復期リハビリテーションは、運動器疾患でも三カ月、九十日、脳卒中を初めとする病気では百八十日、六カ月間、そういう期間リハビリをやれる。そうすると、もちろん回転が悪いわけですから、やはりたまってくる。さらに、だけれども、どうしても在宅に行けない、いわゆる慢性期というものもあります。だから、こういう形にしようという、このこと自体は、僕は間違っているとは思いません。
 ただ、やってすぐまた五年ぐらいで変わっちゃうというと、病院、医療関係のものとかというのは大変なわけですよ。そのたびにハードもソフトも、看護師さんの数も変えなきゃいけない。たくさん雇ったけれども、今度はやめてもらうのもあれだ、あるいは、廊下幅もこうだからしっかり頑張った、だめだと。これは後でまた質問しますけれども、介護療養病床なんかのこともそうなんです。
 そこで、今回、一番最初に通告しています、いわゆる医療報告制度。それで、病床を今後はどういう形でしっかり、例えば積み上げです、都道府県の積み上げで結果的に高度急性期、急性期、回復期、慢性期を決めていくというんですけれども、イメージとして、大体どういう割合にしようという、それがなかったら、これは行き過ぎたなとまた法律を変えるということになるので、その辺のところ、大臣に細かい数字は聞きませんけれども、医療報告制度、医療ビジョンについて、これからどういう方向性で取り組んでいくというふうに大臣としては考えられているか。
 細かい点はまた参考人から答えていただければいいと思います。
○二川政府参考人 病床機能報告制度についてでございますけれども、医療介護総合確保推進法により改正されました医療法に基づきまして、この十月一日から既に施行されているところでございまして、本年につきましては、十一月の十四日までに病床を有する病院、診療所から報告をいただくということになってございます。
 それで、どういった機能を持つところ、どのぐらいの分量していくのかというお尋ねでございますけれども、これにつきましては、今年から報告制度の導入ということでございまして、病棟単位の医療の情報が現在時点でいえばまだ不足をしているところでございまして、具体的な数値等を示すことは困難でございます。四つの医療機能、高度急性期、急性期、回復期、療養期がございますけれども、四つの医療機能の定性的な基準を参考にお示しいたしまして、医療機関が自主的に選択していただく、こういった仕組みにしておるわけでございます。
 今後、報告をいただいた内容を分析いたしまして、今後は定量的な基準を定めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○清水(鴻)委員 では、今現在は大体百二十七万床ということでいいんですか。精神を含めたら百六十万床が現在ある、そういう認識で。
 それで、その病床数全体としてはどうなんですか。減るんですか、ふえるんですか、あるいはそのままですか。
○二川政府参考人 まず、病床機能報告制度に基づきまして、来年度、二十七年度から、都道府県におきまして、地域医療構想というものを立てていただくということでございます。
 地域医療構想におきましては、患者の発症率とか平均入院期間とか、そういったようなことをデータ解析いたしまして、どのように医療需要を予測していくかといったことも含めてガイドラインにお示しをしていきたいと考えているところでございます。
 そういった過程を通じまして、各県あるいは各地域、二次医療圏がベースになろうかと思いますけれども、そういったことをベースに、この地域ではどのくらいの医療需要があるのかということを推計をいただいた上で医療機能構想を立てていただくということになろうかと考えております。
○清水(鴻)委員 一番現場でなかなかわかりにくいなと言われているのが、高度急性期と一般急性期の違い。さらには、回復期というのは、いわゆる回復期リハと考えていいのか、それともそれ以外のものも含めて回復期というジャンルに入れるのか。それから、慢性期は慢性期として後でちょっと質問したいと思います。
 お願いします。
○二川政府参考人 この四つの機能につきましての定性的な基準でございますけれども、まず、高度急性期機能、これは、急性期の患者に対して、状態の早期安定化に向けて、診療密度が特に高い医療機能を有する機能。それから急性期は、急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて医療を提供する機能。こういうふうに定性的な基準をお示ししているところでございます。
○清水(鴻)委員 では、例えば、私が肺炎になって、高熱で、今ここで質問中だけれども倒れた、もうそろそろ清水も終わりかなみたいな状況のときは、これは高度急性期に行くんですか、急性期に行くんですか。
○二川政府参考人 ただいま申し上げましたように、診療密度が特に高い医療を提供する場合には高度急性期ということでございまして、それよりは密度が高くないといった場合には普通の急性期機能、こういった形でございます。
○清水(鴻)委員 大臣、わかりましたか。はっきり言って、高度急性期と急性期の違い、大臣としておわかりになりましたか、今ので。大臣にちょっとお願いします。
○塩崎国務大臣 先ほど局長の方から答えたこの病床機能報告制度については、今回初めて医療機関から出していただくようにして、どういうことをやるということも含めてやっていこうというわけです。
 今の先生の仮定のお話は、先生がそこでもし倒れられたらどっちに行くんだという話ですが、今の急性期、高度急性期の話は、この類いの分類というのは、病床をどういうふうに構成していくのかということを今やっているわけで、医学でどっちに行くのかというのは、それは私にはよくわかりませんが、ぐあいによってお医者さんが判断することで。
 今、高度急性期か急性期か慢性期かとかそういうものは、むしろ医療政策としてどうするかというそっちを整理しているんだろうと思うので、今の御質問で、倒れたらどうなるかは、ちょっと私には、現場のお医者さんが判断されるんだろうと思うので、先生、倒れる前にまず自分でどっちに行くか決めてから行ってください。
○清水(鴻)委員 いや、倒れるときに言える状況ならいいんですよ。だけれども、実際問題、例えば、大臣がおっしゃるように実際お医者さんが決めるんだけれども、決めるのかもしれませんけれども、そこにまず行かなきゃいけないわけですよ。どっちの病院に行くんですか。それを運ぶのは医者じゃないでしょう。では救急隊員が決めるんですか。だけれども、救急隊員は非常に困っているんですよ、高度急性期と急性期、どっちに運べばいいのかなと。
 まあ、いいですよ。しつこく聞いても、同じことしかないですから。
 だから、その辺のところが現場で混乱のないように、自分たちが高度急性期がやれるということになるのか、一般急性期なのかということをしっかりガイドラインを示して、そしてそれはもっと親切にやっていただきたいなと思います。
 それから、亜急性期に関して、回復期リハを意図しているんですかということに対して、ちょっと答弁漏れがあると思うんです。
○二川政府参考人 亜急性期の点につきましては、この制度の検討の過程では、高度急性期、急性期、そのほかに亜急性期といったものが検討された過程もございましたけれども、亜急性ということにつきましての位置づけが必ずしも明確にできないのではないか、こういった意見があったと承知をしております。
 そういった意味で、高度急性期か急性期の方に分類され、また、回復期の方は、急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供する機能、特に急性期を経過した脳血管疾患や大腿骨頸部骨折等の患者に対し、ADLの向上や在宅復帰を目的としたリハビリテーションを集中的に提供する機能、こういったような形で定性的にお示ししているところでございます。
○清水(鴻)委員 わかりました。しっかり明確にしてください。
 それから、さっき、まだまだ積み上げていくので全く病床のイメージがないということなんですけれども、一応、厚労省からいただいている二〇二五年のイメージというのでは、高度急性期十八万床、一般急性期三十五万床、亜急性期二十六万床、長期療養二十八万床、全体で百三十一万床。このほか、精神が、三十三万床から二十七万床に減らす。合計で百五十九万床で、約一万床ぐらいは減るだろうというイメージ。これは誰かが勝手につくったんだと思うので、二川さんが、局長が知らないのに私が知っているのもおかしな話なので、これはたまたまの話なんだと思うので、これ以上聞きませんけれども、こういうイメージもあるのかなというふうに思います。
 次の質問に入ります。
 慢性期ですけれども、ここの中にも長期療養というふうに書いている、あるいは慢性期と言われているもので、介護療養病床というのは今大変大きな問題になっています。
 これも、二〇〇〇年の介護保険のできるときに、介護保険制度の中の目玉として、介護療養病床が介護保険で入れる三施設の一つとして、介護療養病床、老人保健施設、特別養護老人ホームというような形で示されて、面積要件も特養は一人頭十平米、老健は八平米、療養病床は六・四平米とか非常に細かく決めて、そしてスタートしたんですけれども、五年後にはこれはもうやめてしまおうということにアドバルーンが上がったわけですね。
 つくった人は、老健に変われと言われたんですよ。面積は一人頭六・四平米でつくっているんですけれども、老健に変わると八平米だから、四人部屋を三人部屋にしなきゃいけない。使い勝手もめちゃめちゃ悪いし、百人入っているところが七十五人しか入れない。これはある意味で、経営的にも運営的にも大変厳しい。こういうことが頻繁に行われたら困るわけですね。
 介護療養病床については、今、あと三年ですか四年ですかの経過、二〇一七年ですかね、末まで延長ということになっているかと思いますけれども、大臣、介護療養病床の役割についてはどのように御認識をお持ちですか。
○塩崎国務大臣 その前に、先ほどお話が出ていました地域医療構想の策定と実現のために、ガイドラインというのを今役所の方でつくっております。地域はそれぞればらばらでありますから、どういうふうに柔軟にその地域に合ったものをつくるかというのがとても大事なので、先生がおっしゃっているようないろいろな御心配のことも含めて、ガイドラインの方でちゃんと定義をしていきたいというふうに思っております。
 今の介護療養病床の件でありますけれども、今お話がありましたように、転換期限を平成二十九年度末までの六年間延長したところでございます。
 現在、介護療養病床は、他の介護保険施設と比較して、要介護高齢者のみとりとかターミナルケアとかを中心とした長期療養を担っているとともに、喀たん吸引、経管栄養等の医療処置を高頻度で実施する施設として機能を担っているわけでありまして、社会保障審議会の介護給付費分科会では、介護療養病床が担うこれらの機能については、慢性疾患や認知症を有する医療ニーズの高い中重度の要介護者の増加が見込まれる中で、今後とも確保していくことが必要ではないかという意見もございました。
 介護療養病床の今後のあり方については、平成二十三年に成立をいたしました介護保険法等の一部改正法の附帯決議、これに基づいて、実態調査結果等を踏まえ、必要な見直しをこれから検討するということでございますので、先生方の御意見もしっかりと聞きながら見直していきたいというふうに思います。
○清水(鴻)委員 実は、田村前大臣は、介護療養病床の持つ機能については必要だということで、今後ともその機能は維持しなければいけないという答弁をいただいているんですけれども、大臣はどうですか。
○塩崎国務大臣 おっしゃるように、今私も申し上げましたが、やはり、今果たしているわけでありますので、この機能は大事にしていきたいというふうに思っております。
○清水(鴻)委員 大事にというのがちょっと微妙ですけれども、大事に残すという意味で、そういう機能は。
 ある意味で一番現場で、大臣も、それこそきょうも午前中に特養の問題等ありましたけれども、やはり介護、つまり、医療はあるところで完結するというか、だけれども、そこからは、医療と介護のはざまというのは本当に大変なんですよ。
 介護になるには、当然持病があって介護になるわけですね。だから、介護だけ純粋にあるんだ、病気はないんだという人は余りいないわけですよ。そのバランスですから、より介護が中心であれば、それはいわゆる介護施設になるでしょうし、若干病気の方が中心であれば、医療療養病床とか、いわゆる医療中心になるし、そのはざまにちょうど本当にあって、ある意味では大変大きな役割を果たしているのが僕は介護療養病床ではないのかなというふうに思っています。
 ぜひとも大臣もその辺のところは共有していただいて、今、大事だということをいただきましたので、大事だということは、大事だけれども残さないということは理論的にはないんだろう、大事だったらやはりそれはちゃんと残そうねということだというふうに理解をさせていただいて、この質問については終わらせていただきます、時間がありますので。
 次に、いわゆる介護について、今度いよいよ、来年ですか、先ほども議論がありましたけれども、介護保険の改定もあるんですけれども、いわゆる在宅介護というものについて、大臣のイメージされる在宅介護というのはどういうものですか。
○塩崎国務大臣 置かれる状況というのはさまざまで、単身とか夫婦のみの高齢者世帯、あるいは、認知症あるいは重度の高齢者がふえていくんだろうと思うんですね、これから。
 介護が必要な状態となってもやはり地域で住めるということが大事で、そういうことで地域包括ケアシステムというふうにしているわけでありまして、できる限りその地域の中で、どういうふうにおうちで暮らしていけるのかということを、国民のニーズに応える形でこれから用意をしていかなきゃいけないなというふうに思っています。
 在宅介護サービスの充実というのが当然そうなると必要になってくるわけでありまして、私の母も、それから私の妻の両親も今老健施設に入っていますが、時々戻ってきて在宅で一緒に暮らすわけでありますが、これは大変なことでありまして、やはりこのサービスをどこまでちゃんとやっていくか。
 日中、夜間を通じて訪問介護とか訪問看護とかを提供できる定期巡回・随時対応サービスとか、通い、訪問、泊まりを柔軟に組み合わせる小規模多機能型居宅介護とか、生活全般を支えるサービスの普及がやはりないとやっていけないということでありますので、先生がおっしゃるように、在宅はいろいろなパターンがありますが、これを基本でやらないといけないというふうに思っています。
○清水(鴻)委員 わかりました。
 私の申し上げたいのは、確かに大臣がおっしゃったように、住みなれた地域で暮らす、これは大事なことですけれども、私の母も大臣と同じで、九十二歳なんですけれども、もうさすがに、在宅というか住みなれた地域に住んでも、誰も、友達もほとんどいないし、お互いにいても絶対行き来できない。だから、今大臣がくしくもおっしゃったように、実は私の母も老健に入っているんですよ、入っているからこそ、そこで、日常同じ境遇の方々と会話もあるし、もし仮に一人でずっと家にいたら会話も成り立たない。
 だから、いわゆる自宅、在宅というイメージの、在宅神話、自宅にいるのが幸せだということではなくて、ベストミックスに、施設等をうまく活用することが僕は一番大事だと思うので、これは安倍総理にも前の代表質問で申し上げたことなんですけれども、ぜひそれはよろしくお願いしたいと思います。
 時間がないので次へ行きます。
 今、災害が起こっています。おとついの未明からきのうにかけても、東京も台風が来ました。
 大変大型の台風が来ている状況の中で、実は、福知山で、台風が来たときに浸水した。災害拠点病院というのがあるというのは大臣御存じと思いますが、災害拠点病院の福知山市民病院は、少し盛り土といいますか高いところにあったのでよかったんですけれども、その周りの市道が全部冠水して、救急車が六時間応需できないということがあったんですね。それから、停電があった。これも、いわゆる消防法とかいろいろな絡みがあって、なかなか燃料を保管できない。そういういろいろな縛りのある中で、六時間、実際、救急車が入れない状況があった。
 だから、もう一度全国で災害拠点病院を見直していただきたいというのは、実は、閉会中審査の災害特で、維新の党からも三木委員から質問していただいて、それを見直すということで、全国の調査をして、一度ちゃんと精査するということを二川局長がそのときに答弁されているんですけれども、きのう私が事前通告をしたときに、まだなされていないと。
 もう台風いっぱい来ているんですよ。もうちょっとスピード感を持ってやっていただきたいなと思うんですけれども、どうですか。
○二川政府参考人 この八月の豪雨によりまして、福知山市民病院で、救急車が入れなかったとか自家発電機の発電容量不足で十分な診療ができなかったとか、そういったケースが生じたことを受けまして、全国の災害拠点病院に同様のケースが起きないのかといったことにつきまして調査、点検をいただくといったようなことにつきまして御答弁申し上げたところでございます。その点につきまして、全国に点検をお願いする通知を発出する準備をしてきております。準備をしてきたところでございますけれども、ちょうど本日発出したところでございます。
 今後、厚生労働省としましては、災害拠点病院の十分な傷病者の受け入れや診療体制の充実強化に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○清水(鴻)委員 その資料を私の方にもぜひ届けてください。きのう言って、けさ出したというのは、何か、もしかしたら僕が言わなかったらけさも出なかったのかなという感じもするので、もしもそうならまた質問のしがいもあったということになるんですけれども、ぜひその資料もいただきたいと思います。
 時間がなくなりかけていますので。
 きょう、大臣に、午前中いろいろな、いわゆる特養のことにありましたけれども、実際、特養の開設、そして開業の権限といいますかは、基本的には市町村にもあるということでいいと思うんですよね。それはもう確認されました。
 だけれども、確かにおっしゃるように、僕は先ほど聞いていてちょっと不思議だったのは、松山市ぐらいの市が、部分開業というのは当然、大臣も答弁でされましたけれども、仮に百床なんかのレベルだと、大体、百人一遍にもし仮にそろったとしても、百人どっと要介護の人が入ってきたら、もう混乱してやれないわけですよ。だから、ある意味では部分開業といいますか、順次ユニットごとに開設をしていく。もちろん、人も、一遍になかなか百人単位の人を介護、だから、当然あるんですよ、そんなのはもう日常あるんですよ。
 にもかかわらず、松山市ぐらいのところだったら、そういう大規模のところもあるだろうし、それを知らなかった、それでそれを問い合わせたというのも、若干、そのこと自体何か不自然だなという気がするし、もうちょっと松山市の方も、お勉強が足りないのかな、もしも本当に知らなかったらですよ。それで、問い合わせたと。
 ただ、大臣がおっしゃるように、そういうことは我々は厚労省にお聞きをして、実際、地元の方がお困りになっていたらその相談に乗るのは当然でありますけれども、やはり、残念ながらというか、いいというか、大臣であります。だから、大臣が出られてその地域は逆に損するのかもしれませんけれども、大臣がそうされると、結局、何かというふうに疑われてしまう。
 ただ、大臣も、仮に、一昨日に何かそういうことがメールであったといったら、もし目を通されていないとしたら、忙しいけれどもやはり目を通して、これはだめだよとかいうことを早くやらないと、ぎりぎりその早朝にされたということになると、何となく、いや、何かちょっとどうなの、その前に連絡があったのというような疑念が挟まれてしまうと思うんですよ。
 ただ、大臣が本会議でもこういうふうに答弁されているんだから、これは間違いなくそうだというふうに理解しようと思いますけれども、後で、例えば二十八日に若干御存じであったというようなことがないということだけは、明確にこれで、きょう答弁されたことで、大臣、間違いないですね。
○塩崎国務大臣 二十九日に秘書から来たメールを見て初めて知ったところでございまして、全く間違いございません。
○清水(鴻)委員 どうもありがとうございました。
 もう時間が来ていますのでこれで終わりますけれども、ぜひとも大臣には、職務をしっかり果たしていただくためにも、この疑念はしっかり、疑念というのか、ちょっとそう言うのもおかしいかもしれませんけれども、晴らしていただくようにお願いをして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○上川委員長 次に、浦野靖人君。
○浦野委員 塩崎大臣になって初めての質問をさせていただきます。よろしくお願いをいたします。
 まず最初に、虐待の通知番号について、これは非常にいい判断をしていただいた、本当にありがたく思っております。判断をしていただいたのは、当時は、多分まだ田村大臣の時代だったと思うんですけれども、これは私は、大阪府議会、地方議会にいてるときから、実は三桁にするべきだということをずっと言わせていただきました。とうとう今回、その運びとなります。
 ただ、報道によると、少しまだ、私が想像していた姿ではないというのはちょっとありますので、三桁にするというふうには決めていただきましたけれども、今現在はどういうふうな進捗になっているのか、教えていただけたらと思います。
○安藤政府参考人 お答え申し上げます。
 児童相談所全国共通ダイヤル三桁化につきましては、本年二月十三日の衆議院予算委員会での御議論を踏まえ、厚生労働省として検討を開始したところでございます。
 現在、三桁化に向けて、各通信事業者において必要となる設備改修等に係る経費約三・八億円につきまして、平成二十七年度予算に概算要求としてのせておりまして、また、並行して、三桁化の仕様の詳細につきまして、各通信事業者と調整を行っているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、必要な予算の確保に努めるとともに、予算成立後は、平成二十七年度のできるだけ早い段階から児童相談所全国共通ダイヤル三桁化をスタートできるように、検討を進めてまいりたいと考えております。
○浦野委員 この時代に三桁にするというのは、非常に珍しいというか、恐らく初めての試みだと思うんですね。
 一一〇番とか、ああいった今ある三桁の番号なんかは本当に初期の時代に設定をされていますので、その当時どういうふうにしたのかというのは、手繰り寄せれば資料はあるんでしょうけれども、きのう聞いたところでは、ちょっとわからないということでした。ほぼ新たな試みみたいな感じのことになるとは思うんです。
 私が今、もう少し頑張っていただきたいなと思っているのは、これは今有料ということになっております。緊急を要する番号であるからこそ三桁なんですけれども、普通、そういったものは有料ではありません。私は、虐待通知も、予算の関係もあるでしょうけれども、すぐには無理でも、やはり最終的には無償化という形をとっていただきたいと思います。その点についてはどうお考えでしょうか。
○安藤政府参考人 お答え申し上げます。
 国が提供する各種の相談ダイヤルの利用者負担につきましては、それぞれのダイヤルの利用目的、内容、対象者、財政負担の状況などに応じて定められていると承知しております。
 児童相談所全国共通ダイヤルにつきましては、児童虐待の通告のほか、子育てに関する悩みの御相談など、利用者に役立つ情報提供も行っているということから、これまで有料としてきたところでございまして、三桁化の後も通話料は利用者に御負担いただく方向で検討しているところでございます。
○浦野委員 虐待通知だけではなくて相談等も含まれるということですけれども、そもそも三桁化というのは、それと切り離して、子供の命が危ない、そういったことを緊急に通報する番号であるべきであって、それとは分けないといけないと私は思いますので、それと含めて無償化ということを、ぜひ厚生労働省として検討していただけたらなと思っております。
 これからまだまだいろいろと厚生労働省内でも議論をされていくと思いますので、ぜひ、私の今お願いしたこととかをちょっと考えていただいて、つくっていっていただけたらと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 二つ目、次に、社会福祉法人制度改革の具体策についてということ。
 大臣の所信表明の中に、社会福祉法人制度改革について書かれております。もちろん所信表明ですから簡単に触れている程度ですけれども、この内容を少し掘り下げてお教えいただけたらと思います。
○鈴木政府参考人 社会福祉法人につきましては、社会福祉事業を主たる事業といたします非常に公益性の高い非営利法人ということで今活動していただいております。
 そうした中で、一方で、社会福祉法人につきまして、例えば、内部留保の問題でございますとか、あるいは一部ガバナンスに欠ける運営の問題、こういったものが諸方面で指摘をされてきたところでございます。
 一方で、今後の人口構造の高齢化とか、人口減少社会の到来とか、あるいは地域社会の変容、こういうことで福祉ニーズが多様化、複雑化してまいりますので、そういたしますと、生活困窮者への対応でございますとか、あるいは地域における支え合い、こういった面におきまして、社会福祉法人が果たしていく役割はますます重要になるだろう、こういうふうに考えているわけであります。
 したがって、こういった観点から、今いただいている指摘に対応いたしまして、社会福祉法人につきまして、しっかりと使命を果たしていただけるような仕組みを整える。そのために、例えば、経営基盤の強化でございますとか、あるいは運営の透明性の確保、こういったものを視点に検討を進めて、社会福祉法人制度を全般にわたって改革してまいりたい、こういうことで現在検討を進めているということでございます。
○浦野委員 規制改革会議等で、社会福祉法人の内部留保の金額が問題になっていました。恐らく、そういった問題も含めてこういった話が出てきているんだろうと思っていますけれども、この件に関しても、我が党の井坂委員が過去に委員会で指摘をしております。
 内部留保が悪いのかどうかというのは、これは、厚生労働省、国がそういう制度をつくって、その制度にのっとって、社会福祉法人は皆さん経営努力をされて内部留保をつくってきた、自然とためてきた、これがあるべき姿なんですね。平成十八年に、厚生労働省が、局長の諮問機関という形で、法人の自主性をもっと発揮しろということで、経営努力をしなさいということも言ったわけですね。
 だからこそ、法人はみんな経営努力をして、一生懸命内部留保をためて、将来の建てかえに使えるようにとか、いろいろな、これから起こるであろうリスクに備えて、永続的な社会福祉法人の運営をするために内部留保を置いてきたわけですよね。
 国がやれと言ってやってきたことを真面目にやった法人が、そうやって指摘を受けて、今度は逆に批判をされる、これは私はおかしいと思います。井坂委員が当時指摘したように、逆に、本来はためておかないといけない内部留保をためていない法人もあるはずなんですね。
 私は、そういったところはきっちりと、本来、法人が持つべき内部留保は幾らなのか、そして、こういったものはちゃんと積み立てて、例えば、特に特養なんかを抱えている法人は建てかえの費用も莫大です、そういったものも含めて積み立てていかなければいけないというふうなルールをもう一度精査する、そういったことをするんだと思うんです。
 社会福祉法人の置かれる状況が、確かにどんどん変わってきました。介護保険が入って、そのころからちょっと変わっていっているんですけれども、でも、それも国が定めた制度の中でやっているわけですよね。
 私も社会福祉法人の理事で保育園を経営していますけれども、保育園しかない社会福祉法人なんかは、ためたくても、ルールがあって一定以上はためられないわけですね。きっちりと、非営利だからということで内部留保も制限されている、積み立ても制限されている。もし、その上限以上に運営費が余った場合は、国庫に返納されます。一年間の内部留保も、一年間の経営努力ですね、前期積立金と言っているんですけれども、それも今は、三〇%以上残したらだめですよというふうな制限をかけているわけですね。私は、非営利である以上、それは当たり前だと思っています。
 ただ、今、厚生労働省が、検討をしていく、具体的な改革をしていくと言っていますけれども、大臣の所信で、公益性や非営利性を徹底する観点からとおっしゃるのなら、特養を持っていたりする、介護保険等が入っている社会福祉法人も、改めて、そういった会計基準をまた昔に戻す、全てキャップをはめてきっちりとやっていくんだというふうになると思うんですけれども、その点についてはどうですか。
○鈴木政府参考人 お答え申し上げます。
 今先生が御指摘いただきましたように、内部留保が一概に悪いということではないというふうに私ども承知をいたしております。しかしながら、今現在、社会福祉法人につきまして、内部留保をめぐりましていろいろな御指摘をいただいております。
 なぜこういうような事態に立ち至ったかということを考えてみますと、その要因といたしましては、いわゆる社会福祉法人の内部留保につきましては、実は確立した定義がない、余裕財産をあらわす仕組みがないということが一点ございます。もう一点目に、仮にこの余裕財産がそういうことで明確化されたといたしましても、今御指摘いただきましたように、その活用方法に明確なルールがない、このあたりが問題であろうというふうに考えております。
 したがいまして、今回の法人制度の見直しにおきましては、まず、社会福祉法人みずからがきちんと仕事をしているということを説明責任を果たしていただけるように、余裕財産の具体的な状況を見える化する仕組みを構築いたしたい、これが一点でございます。
 その上で、仮に余裕財産が生じましたらば、必要に応じてこれを福祉サービスあるいは地域の公益的な活動に活用する、こういった仕組みは検討できないかということで、今考えているところでございます。
 こういった見直しを通じまして、社会福祉法人が、自主的な運営を確保しながら、地域の多様なニーズに対応して国民の信頼に応えていける、こういった仕組みが実現できるのではないかということで、検討を進めているところでございます。
○浦野委員 この二・五兆と言われる内部留保の話から、今、社会福祉法人に対する課税の話まで飛んでいってしまっていますよね。
 私は、非営利であるならば、公共性がある社会福祉であるならば、これは課税すること自体間違っていると思います。もし課税をされるのであれば、ほかに非課税のところなんか幾らでもあるんですよ。まずそこに課税をしていただいて、最後に、やむを得ず社会福祉に課税をするというのだったら、僕らは理解できます。しかし、社会福祉がまずやり玉に上がって、ほかの非課税のところに全くそれが行かない。そのこと自体は、私はもう絶対にあってはならないと思っていますので、社会福祉は絶対に最後です。皆さん、よろしくお願いをいたします。
 次に、医療費の抑制削減案についてお伺いをしたいと思うんですけれども、大臣の所信表明には、この件に関しては一言もお触れになっていなかったので、この件についてどうお考えか、お聞かせください。
○唐澤政府参考人 高齢化が進展してまいりますので、医療費がふえていくことについては避けられないことでございます。ただ、他方で、我が国の国民皆保険を堅持していくという観点から、予防や健康づくりの推進、効率的な医療提供体制の構築などにより、医療費の効率化、重点化に取り組んでいくことが重要だと考えております。
 具体的には、都道府県が、医療介護総合確保法に基づきまして、平成二十七年度から地域医療構想を作成することになりますけれども、これと整合的な医療費の水準の目標を設定するような検討を骨太方針でも求められております。
 具体的には、内閣官房に専門調査会が設置をされておりますけれども、こちらの方の検討の議論も踏まえつつ、医療費の適正化について、私どもとしては、医療費適正化計画という制度を持っているわけでございますけれども、この見直しについて検討を進めてまいりたいと考えております。
 また、レセプトや健診情報のデータを活用していく、ICTを活用したデータヘルス事業というものも推進してまいりたいと考えておりまして、この事業によりまして、糖尿病の重症化予防、後発品の使用促進など、こうした保険者による医療費適正化の取り組みについても推進をしてまいりたいと考えているところでございます。
○浦野委員 午前中の議論の中にも、介護報酬を引き下げるという話も財務省の方から出てきているという話がありました。もちろん、このままでいけば、毎年毎年医療費も何もかもが上がっていく、これも誰もが認識している事実です。医療費とかこういうのを抑制していくために、やはりいろいろと手を打っていかないといけない。シーリングのように全部ばさっと、何%ずつやっていくというのは非常に難しい話だと思うんですね。
 ですから、我々も、削減しろ削減しろと口で言っているだけじゃなくて、もちろん、これからいろいろと皆さんに、提言といいますか、こういうことがあるんですけれども行ってはいかがですかということを言っていきたいと思っています。
 きょうは時間の関係で深くは触れませんけれども、例えば、我々今研究中なんですけれども、抗がん剤の感受性試験というのがありまして、どういうものかというと、がんの手術をされた後に、がん細胞をなくすために抗がん剤治療をしますね、多くの場合。その場合、その人によって、合う合わない抗がん剤が実際あるわけですね。それを今どういうふうにしているかというと、とりあえず使ってみようというふうにしている場合もある。
 その前に、その人に合った抗がん剤は何かというのを検査する。検査をして、この抗がん剤、種類がいろいろあるそうですので、この抗がん剤なら効き目があるというのが今はわかるようになっているらしくて、効く抗がん剤だけに絞ってやっていく、それを調べるのが抗がん剤感受性試験というものなんですね。
 これは、実は研究をしている大学がありまして、直近、ついこの間ですけれども、最新の学会の発表は、スペインの方で学会があったらしくて発表がされていましたけれども、それによると、胃がんの患者の方で、いろいろデータをとって、これを全国に当てはめると、それだけで百四十三億円の医療費が削減できるという研究結果が出ているんですね。
 我々は、そういったことをしっかりと、こういうのがありますよというのを皆さんにもきっちりとまたいろいろ提言をさせていただいて、本来使わなくていい医療費、そして、これは患者さんにとっても負担が減る話ですね、患者さんが自分にとって一番いい医療が何なのかというのを選べることにもつながります。
 こういったことも皆さんに提言をしながら医療費の削減とかをしていきたいと思っていますので、これはまた質問していく中でぜひ協力をいただけたらと思っていますので、よろしくお願いをいたします。
 最後になりますけれども、きょうも、午前中、公明党の古屋委員、民主党の中根委員からも泉南アスベストの件に関して質問がありました。
 私は大阪ですので、泉南アスベスト、地元は丸山穂高議員なんですけれども、きょうは、ちょっと委員会の関係で、私がかわりに質問に立っております。
 午前中の議論を聞いていますと、それ以上の答弁というのは、それは別に厚生労働省の皆さんから聞けないとは思うんですけれども、今、二時から実は厚生労働省で原告団にお会いになるということをお聞きしているんですけれども、今現在、厚生労働省の立場というかお考えをいま一度お聞かせいただけたらと思います。
○土屋政府参考人 お答え申し上げます。
 これまで大臣から御答弁申し上げていますように、今般の最高裁判決におきまして、国の規制行政における不作為の責任が認められたことにつきましては、極めて重いものと受けとめておるところでございます。
 判決で国の責任が認められた原告の方々には、まことに申しわけないという気持ちでございます。
 以上でございます。
○浦野委員 実は、今、原告団の方々が後ろにお見えいただいております。厚生労働省としては、今のような答弁が精いっぱいだとは思います。ここからはやはり政治の力だと思うんですね。
 午前中、大臣も答弁されていましたけれども、塩崎さんが官房長官のとき、第一次安倍内閣のときですけれども、実は、同じようなことで政治決断をされて、和解というか解決をしたことがありました。
 それはトンネルじん肺の件だったと承知をしているんですけれども、そのときも二つに、今回も第二陣と第一陣の判決が分かれて、第一陣が差し戻されたので、国としてはまだその経緯を見守るんだということなんですけれども、トンネルじん肺もたしか一陣と二陣に分かれましたね。分かれて、最初に片方のじん肺訴訟が最高裁で勝訴しました。その後、もう片方の北海道の石炭じん肺の方も国として和解に応じているんですね。
 だから、その二陣、一陣の結果はまだ片一方しか出ていないけれども政治的判断で話し合いに応じた、そういったことは過去にも実はあるわけですね。私は、ここは、厚生労働省としての答弁はもうあれが限界です、これ以上はやはり大臣が答弁をされるべきだと思うんですね。
 今、原告の方々がお見えになっています。皆さんの前で、今の大臣の率直な思いと、もしできるならば、安倍総理と担当大臣として政治判断するかどうかということも含めて検討されたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 今も部長から話があったとおり、規制行政の不作為が最高裁で確定をしたということでありますので、極めて重い判決だというふうに思っています。国の責任が認められた原告の方々には本当に申しわけないし、そしてまた、これまでの長い間の御苦労が本当に大変だったろうなと思いますし、亡くなられた方々も原告の中でおられて、それらに対して本当に申しわけないという気持ちでいっぱいでございます。
 それで、今お話がありましたように、今回の第二陣の方々についてはもう賠償の手続を国としてもとるということでやっているわけでありますが、今お話がありました政治決断ということでありますけれども、今申し上げたように、この第一陣については高裁の方に差し戻しになっております。高裁がどう判断するのかということもありますが、今、国賠の担当をしている法務省などといろいろ話し合いをして、いろいろな意味合いがございますので、我々としては一体何ができるのかということを今鋭意検討しているところでございますので、御理解を賜れればありがたいなというふうに思っております。
 早期の解決ということについては、さっきも繰り返し申し上げましたけれども、当然同じ思いでございますので、その点も理解をしていただければありがたいなというふうに思います。
○浦野委員 官房長官のときは非常に英断をされたこともありました。
 私は、安倍総理と検討、相談をしていただけますかという質問もしましたけれども、その部分に関しては御答弁いただけていないので、もう一度お願いいたします。
○塩崎国務大臣 今申し上げたように、法務省や他の省庁とも今鋭意検討中でございまして、総理のところに御相談するにせよ、まずそこの問題を整理して、その上で何ができるのかということを考えるという意味でございましたので、明確な答弁をしなかったことは申しわけなかったと思います。
○浦野委員 ここは本当に早期の解決をしていただく、それができるのは政治の力で、今その担当をされている大臣は塩崎さんだということで、私も期待を持って、過去に英断をされた実績もありますし、非常に期待をしておりますので、ぜひよろしくお願いをいたします。
 大臣の所信表明ということで、厚生労働行政は非常に多岐にわたる課題を抱えている省庁ですので、我々維新の党も、いたずらに反対をするのではなくて、前向きな、いろいろな検討課題について議論をしていきたいとこれからも思っています。
 いろいろとこれからも波の高いときもあるでしょうけれども、ぜひ大臣には頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 質問を終わります。
○上川委員長 次に、重徳和彦君。
○重徳委員 維新の党の重徳和彦です。
 塩崎大臣、これからよろしくお願いいたします。大臣と金融の休眠預金の関係でいろいろと勉強させていただきましたが、引き続きよろしくお願いいたしたいと思います。
 ところで、きょうは午前中から、私は、地方創生特別委員会の理事をやらせていただいておりまして、石破大臣の所信を伺ったわけなんです。その中で、本日は、各常任委員会も大臣所信への質疑ということで、なかなか御足労を願うことはできなかったわけなんですけれども、以後、地方創生につきましては、今回、特に今国会の内閣の重要課題であるということに位置づけられておりますので、特に、まち・ひと・しごと創生という、その中の人と仕事は厚生労働大臣の所管であるということでございますので、別の委員会ではございますけれども、理事といたしまして、厚生労働大臣にも御出席をお願いしたいということをまず冒頭申し上げたいと思います。
 それに加えて、実際、今回の厚労大臣の所信におきましても、地方の創生と人口減少の克服に向けた取り組みというふうに明記されておりますし、「国民が安心して働き、希望どおり結婚や出産、子育てができ、」「魅力あふれる地方の創生に向け、各府省と連携し、総合的な対策に取り組みます。」このように明言されておられるわけですので、ぜひとも力強くこの議論をリードしていっていただきたい、このように申し上げます。
 私、これは議員になる前から日本の閉塞感についてずっと問題意識を持っておりまして、何をおいても、やはり子供の数がどんどんどんどん減っている、このことが日本の先行きについて非常に暗いというか先細りというか、不透明な状況を生み出しているというふうにひたすら申し上げてまいりました。
 少子化対策なんという言葉がありますけれども、私は、本会議や予算委員会なんかでも申し上げておりますが、少子化という寂しい言葉に対して、辛うじて対策を講じるんだ、こんな寂しい政策じゃなくて、子供の数を増やしていくんだと書きまして、増子化政策を進めていこうではないか、こういうことを申し上げ続けております。
 下手な捉え方をされると、何か、産めよふやせよで、昔の政策じゃないかと言う方もいなくはないですけれども、それはむしろ言うために言っているぐらいの話で、子供の数をふやす、少なくとも今の減り方を少しでも緩める、こういうことについては、私、今まで、その政策には反対だという方は一人も聞いたことがありませんし、増子化という、明確な、末広がりな政府、国家の方針を示すためにも、言葉というのは本当に大事なことだと思いますので、これはぜひとも言葉として、ワーディングとして採用していただけるように、改めてお願いを申し上げます。
 そこで、本日は、増子化のためにはさまざまな政策が考えられますし、それは国によって違うかもしれない、また地域によって違うかもしれませんけれども、しかし、その中で私は四点、現時点で大臣がどのようなお考えであるかということにつきまして、お伺いしたいと思います。
 まず一つ目は、保育サービスの充実でございます。
 大臣の所信の中でも、子ども・子育て支援新制度が来年四月から施行されるということで、待機児童解消加速化プラン、二十九年度末までに待機児童ゼロを目指しますといったようなお言葉もございました。
 私は、特に保育所の整備もそうですけれども、とりわけ事業所内保育施設、やはり民間の企業に御協力をいただくということによりまして、今、安倍内閣、輝く女性ということも掲げておられます。輝く女性、これも私は、もう少し幅が広くていいんじゃないかなと実は思っておりますけれども、それはちょっと後ほど議論させていただくといたしまして、この保育サービスの現状と今後の取り組みにつきまして、大臣の所信をお願いいたします。
○塩崎国務大臣 今、増子化政策が大事だ、ワーディングがとても大事だということで、私もそのとおりだと思います。やはり、気分をどう持って、前向きの気分でやっていくかということだろうと思うので、そのくらいの勢いがなければいけないという先生のお気持ちはよくわかるところでございます。
 保育所、保育施設の整備については極めて大事だということは、私も、留学でアメリカに行ったときに、大学の家族寮の一階は全部保育園になっているというのを見て、それから、家族寮の中では、お互いに、ベビー・シッティング・プールというのがあって、時間をつけて年度の最後に精算をするという、ですから、そのぐらい子供を預けたり預けられたりということが当たり前のように行われるということがあって、やはりああいうものを見ていると、子育てフレンドリーな国に変わらないとだめだな、それが、今おっしゃった事業所内保育所というのは、経営者側の発想がそういうふうになっていないとなかなかできないわけであって、そういう意味では、みんなのマインドセットを変える、さっきの少子化を増子化に変えるのと同じように、そんなところが大事なんだろうと思います。
 もちろん、今、施設整備に加えて、家庭的な保育とか事業所内保育施設などで、多様な保育資源の活用ということで保育の受け皿を確保していくことを目指しているわけでありますが、新制度のもとでも、家庭的な保育とか小規模保育、事業所内保育、こういったものは給付の対象として支援をしていくことになっています。
 それから、昨年四月に策定した待機児童解消加速化プランでは、平成二十五年、二十六年度の二カ年で約二十万ということでありましたが、大体、今十九万人分を確保することが見込まれていて、引き続き、自治体の保育所整備等を推進して、安心して子育てができるような環境を整備していくことに尽力してまいりたいというふうに思っております。
 今おっしゃったように、地方創生の中で、人と仕事という意味で厚労省が大事な役割を担うことはそのとおりでありますが、特に、もともと、二十代、三十代の女性が安心して結婚して子供を産めて育てることができるということが、実は人口減少に歯どめをかける最大のポイントだということになっているのがスタートの認識だと思うので、そのためにもこの保育施設はしっかりとやっていかなきゃいけないし、それは官がやるだけじゃなく、やはり民の発想も変えていくということが大事だと思います。
○重徳委員 ありがとうございます。
 私は、増子化という言葉を言うときに、必ず、その意味するところは、子供を産み育てたくなる温かい地域社会づくりというふうに定義づけてお話をさせていただいております。子育てフレンドリーという言葉も、英語まじりでありますけれども、そういうニュアンスがあるのではないかというふうに思っております。
 二つ目に、働き方です。
 働き方改革につきましては、塩崎大臣、これも所信の中でさまざま挙げられております。特に、長時間労働削減推進本部というものを厚労省内に設置して、年内に結論を出すということ。それから、過労死等防止対策推進法、これも昨年来、議員立法でやらせていただきました。それから、時間でなく成果で評価される新たな労働時間制度の創設とか年次有給休暇の取得促進とか、労働市場全体としてのマッチング機能、これによりまして失業なき労働移動を実現するなどなど発言をされています。
 今国会では、特にこの委員会では、派遣制度につきましても改正案が出されております。これにつきましてはさまざまな意見がありまして、維新の党内でも今議論をさまざま交わしているところでございます。
 派遣制度というのは、大きく言って、正規、非正規のうちの非正規の、その中の一部というふうに位置づけられておりますけれども、私あるいは維新の党内の議論では、今の正規、非正規の二分法しか選択肢がない、両極端の選択肢だという状況にもやはり危惧を覚えておりまして、より幅の広いさまざまな働き方を選べるようにしていくべきではなかろうか、法律で規制するのはなかなか簡単ではないかもしれませんけれども、そういった努力をするべきではないか、そういう議論をしております。
 つまり、非正規社員の働き方あるいは処遇の問題点というのはよく取り上げられる点ではございますけれども、一方で、正社員についても、正社員イコール、とりもなおさず、それはこの仕事を選ぶんだというよりはこの会社を選ぶんだということで、一たび会社を選んだら、よくも悪くも終身雇用、年功賃金で、いい面もあって安定もする面もあるんですが、一方で、この会社の社長あるいは上司のために本当に徹夜で朝方まで働くとか、ばりばりやらされる。あそこへ行け、ここへ行けと言われるままに転勤を命じられたり、あるいは、好きな仕事も嫌いな仕事も得意な仕事も苦手な仕事も全部選ぶことができずに、ただひたすら会社のために勤め上げる、それに耐え抜いた方が会社の中で出世をしていく、端的に言えば、そういう側面はあったと思います。それが猛烈サラリーマンなんというふうに表現されたりしてきたわけですが、そういう中で、子育てをしながら、家事もやりながら、特に、女性の方が輝くなんといったって無理なんですよね。男性だって人によっては無理かもしれない。
 本当に、やはりもっと、職務給という言い方がありますけれども、会社に対して長時間労働をするということが評価されるということではなく、自分の磨いてきた特定の職務、特定じゃなくてもいいんですが、多少幅広があってもいいんですけれども、職務に対してどのような仕事の仕方をするかということが適切に評価されるような仕事の仕方、こういうことによりまして、恐らく失業なき労働移動というものも実現されると思いますし、どこの会社でも通用するようなことになるだろう、こんな考えでいるわけでございます。
 その意味で、特に個別に細部についての質問というわけではないんですが、こうした働き方、とりわけ職務給的な働き方、あるいは長時間労働の改善、こういった点につきまして大臣のお考えを述べていただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 北欧とかそれからフランスなどで出生率が回復している国を見てみますと、一つは、子供を育てる最初の一、二年、三年ぐらいは大変、子供と一緒にいる時間がどうも長いという感じでありますが、しかし、女性がいろいろな形で働かれるときもあれば、一部働いて、家庭もあるいは地域の活動もといろいろなことがあって、見てみると、やはりかなりいろいろな働き方の選択肢を持っているということを我々は学んできたんだろうと思います。
 そういうこともあって、我が国は、さっきおっしゃったように、いわゆる正社員と非正規雇用労働者ということで二分化をしてきた発想でやってまいりましたけれども、今お話がありましたように、いわゆる多様な正社員というような発想もかなりこれから出てきておりまして、我々としては、今先生がおっしゃった職務あるいは勤務時間等が限定された多様な正社員の普及促進というのは非常に大事で、それも図ってきたところでございまして、いわゆる職務給、職能給というのがありますが、特定の能力に着目をしてそこをお願いする正社員とか、そういう形のものというのはやはり意味があって、そうするとワーク・ライフ・バランスの観点からもいろいろな選択肢がふえるということだろうと思います。
 これまで、パートタイム労働法とか労働契約法、それから労働者派遣法、今回も改正をお願いしておりますが、こういったもので、さまざまな、いわゆる非正規、有期契約等々の条件というものを改善する、あるいは身分を守る、働く人を守るというようなことをやってきたわけでありますし、今の過労死等防止対策推進法が実際成立をして施行になるわけであります、十一月一日からだと思いますが。それから、今御指摘いただいたように、厚労省内に長時間労働削減推進本部というのを設けまして、この間、経団連にも長時間解消を依頼に行ってまいりました。これから指導監督も現場で強化しますし、働き方の見直しについても企業への働きかけを強めていこうというふうに思っております。
 いずれにしても、選択肢をふやして、希望の自分のライフスタイルに合った働き方を選べるということを大事にしていかなければいけないというふうに思っておりますので、引き続いて先生の御意見を賜れればありがたいというふうに思います。
○重徳委員 あっという間に時間が過ぎてしまいまして、四点と言ったうちの残りの二つについてまとめてお話をしたいと思いますが、これは実は、厚生労働省においても、あるいは政府全体においてもほとんど議論されていないことが二点ございます。
 一つは、大家族への税制優遇です。これはフランスで導入されておりまして、N分のN乗方式なんて言われますけれども、家族の数が多くなればなるほど、例えば一千万円が家族全体の収入だったとした場合に、一人だけの場合と五人家族だった場合、一旦、五人だったら五で割るわけですね。五で割って二百万ずつになれば税率は下がりますので、そこで税をかけた上でもう一回集めてというと、相当、税に差が出るんです。そういった、大家族への税制優遇措置。
 それからもう一つは、いわゆる子供手当というとちょっと語弊があるかもしれませんが、三人目以降の、今で言う児童手当、子供手当的なものを、もっとふやしていく、厚みを増していく。例えばですけれども、一人目、二人目は薄くていいんですが、三人目は五万円とか、四人目は十万円とか、そのぐらいめり張りをつけて、たくさんの子供をお持ちの家庭はそういうインセンティブというか、それだけ苦労しないで子供を育てられるような、そういった財政面、税制面での支援につきまして、大臣の見解をお願いいたします。
○塩崎国務大臣 大家族への税制優遇、これはフランスのN分のN乗方式というのが先生の御念頭にあることだろうと思いますし、我々も、今まで何度となくこのN分のN乗方式でやってみたらどうだということは議論をして、特に主税局とやり合うわけでありますが、世帯の子供の数が多くなるほど所得税の負担が緩和されるということで、子育て世帯の負担を軽減させる効果があるということはわかっているわけでありますが、一方で、専業主婦、要するに片働きの世帯にとって有利になってしまうということがよく指摘をされるわけで、女性の活躍促進とは逆だというふうに言われるときがございます。それと、課税最低限が日本は高いものですから、なかなかきかないということもよく指摘をされるところでありまして、それらをどう乗り越えていくかということだというふうに思います。
 そうなると、児童手当で何か工夫できないかということで、今先生のみずからの御持論が示されたわけで、特に第三子以降手厚くというお話であります。
 結論から言いますと、民主党政権のときにはいわゆる現金給付で子ども手当をとてつもなく大きな額で御提案をされていましたが、やはりこれは現物給付と現金給付、両方、つまり、冒頭おっしゃったように、保育施設とか、そういう現物への支援と、現金の支援のバランスというものをどうとっていくのかなということで、もちろん、第三子に厚く、第一、第二子よりもずっと厚くということでありますが、既に今も第三子には若干厚目になっているわけですけれども、それをさらにということになると、やはりその財源をどうするのか。
 あるいは、第一子、第二子を削るとなれば、またいろいろな御意見が出てくるということなので、ここのところは、今お話があったようなアイデアを含めて、現金給付とそれから現物給付、このバランスをどう考えて改善していくかということだろうと思いますし、働く夫婦にとって、例えば家事を誰が、家の中の労働というものが家事ですね、家事労働、これをどう負担していくのかということで、私ども自民党の中では、家事支援税制というのを提案していました。
 それは、イギリス、アメリカ、フランス、ドイツ、ここは全部、税額控除で、家庭内で手伝ってもらった人に支払うお金、報酬は個人所得税から控除するという制度を持っているんですね。日本だけがないんです。
 ですから、これはもう使途が明らかなものの税制優遇ということで提案をしていますが、なかなか、正面から厚労省としてまだ取り上げるところまで行っていませんけれども、要するに、女性にしわ寄せが行かないようにするために、そういう手だても含めてやらないといけないという意味で、今のN分のN乗の御発想と、それから手当についても、そんなようなことを組み合わせながらやっていくべきかなというふうに思います。
○重徳委員 また改めてこの議論は深めていきたいと思っております。
 働いて輝く女性ももちろんもっともっと輝いていただきたいですけれども、専業主婦として子育てを本当に一生懸命やっておられる方もおみえになりますので、そういったバランスの議論は大事なことだと思います。また今後ともよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
○上川委員長 次に、今村洋史君。
○今村(洋)委員 次世代の党の今村でございます。
 きょうは、主に医療における消費税ということでお聞き申し上げます。
 まず、国民皆保険である保険診療は、現在、非課税であります。非課税であるその根拠、医療が非課税になっている根拠というものをまずお聞かせいただくのと、あともう一つ、この非課税とゼロ課税の違いというものがいかなるものであるのか、お教えください。
○二川政府参考人 社会保険診療は、国民に必要な医療を提供するという高度の公共性を有し、可能な限り国民の負担を抑えながらサービスを提供する、そういった政策的配慮から消費税が非課税とされているところでございます。
 ゼロ課税につきましては、保険局長から御答弁申し上げます。
○唐澤政府参考人 非課税につきましては、これは課税に当たらないということで、一番違うところは、控除ができないというところが非課税の問題でございます。もちろん、還付をするとかいうことを議論する余地はありますけれども、仕組みとしては控除ができない。
 それから、ゼロ課税になりますと、これはいわゆるゼロ税率ということになりますので、一応扱いとしては課税の扱いになりますから、仕入れ控除ができるという点が一番大きな違いでございます。
○今村(洋)委員 そうなんですね。非課税とゼロ課税というのは、お金の動きは似たようなものなのですけれども、今おっしゃったように、もう文字どおり、課税するかしないかというところが、税率がゼロということはありますけれども、大きな違いということですね。
 非課税の中には、今おっしゃったように、公共性が高いものが非課税になっているということもおっしゃいましたが、例えば、医療とか教育とかそういうものがありますし、あと、葬儀屋さんもそうですかね、たしかそうだと思いますけれども、医療と例えば教育、これの違い、同じ非課税でもどう違うのか、それをお教えください。
○唐澤政府参考人 消費税の非課税で、医療と教育、厚生労働省ではあと介護とか福祉がございますけれども、一番大きな違いは、医療の場合は非課税であって公定価格であるということが違います。教育の場合は、例えば私学でございますれば、入学金の水準でございますとか授業料を自分で決めることができますので、転嫁をしやすいということがございますが、医療の場合は、保険診療でございますので、公定価格というところが一番の違いだと考えております。
○今村(洋)委員 そうなんですね。私も病院を経営しておりますけれども、一番悩ましいのは公定価格。つまり、もう価格が決まっているので、消費税というのは物価に影響されたりしますけれども、そういったものを簡単に転嫁できない、補填できないというところが医療は最も苦しいところでございます。
 次に行きますけれども、税制大綱では軽減税率について、「国民の理解を得た上で、税率一〇%時に導入する。」とありますけれども、これは保険診療における軽減税率というものも含むのでしょうか、お答えください。
○唐澤政府参考人 これは与党の御検討でございますので、私どもがそんたくするのはいかがかという面がございますけれども、医療関係者におきましては、これはやはり課税の取り扱いということを医療関係団体で求めております。あるいは非課税で還付をするというような形で、いずれにしても、仕入れの税額というものを控除できるような仕組みにしてほしいということを求めておりまして、そういう御要望も踏まえまして与党で検討がされているというふうに承知をしております。
○今村(洋)委員 例えば、今、これは医師会のことだと思いますけれども、いろいろな提案をされていまして、その中に軽減税率ということも提案されております。
 現実に、税率が低いとはいえ課税が医療に持ち込まれた場合、低所得者、つまり経済的困窮を来している方、それでも生活保護とかそういったところに該当しない方の負担というものがふえて、受診抑制につながるという可能性もあると思いますけれども、そこは、三役どなたか、それに関して御検討なさっているなら、お考えをお聞かせください。
○唐澤政府参考人 先生の御指摘いただきましたように、例えば、医療について通常のものと同じ税率の消費税が課されますと、今は、仕入れに係る分について診療報酬に一部上乗せをするという方式をとっておりますけれども、全額のを通常の税率で課税をされますと、現在よりは患者負担もふえる、保険料負担もふえるという形になります。
○今村(洋)委員 そうですね。この話はまた後でもうちょっとお聞きします。
 来年十月から消費税が一〇%になる可能性が非常に高いと思いますけれども、その際、各医療機関が抱える控除対象外消費税問題、つまり、これはどういうことかというと、損税と言われているものがあるんですけれども、まず、損税の意味についてお教えいただけますか。
○唐澤政府参考人 いわゆる損税、医療関係団体は控除対象外消費税というような言い方をされておりますけれども、いわゆる損税と言われておりますものは、医療機関におきまして、仕入れの物品には消費税がかかります。例えば、医薬品でありますとか医療機器でございますとか、あるいは委託した事業でありますとか建物とかいうようなものはかかってくるわけでございますけれども、そういうものを全体として勘案をいたしまして、それに対応する額を診療報酬で上乗せをするということで、消費税の平成元年の導入時、それから九年の引き上げ時ということで手当てをしてきたわけでございますけれども、その手当て分というものが実際の仕入れに係る消費税に対応していたものなのかどうかということが、いわゆる差があるのではないかという御主張が損税問題の御主張だと思います。
 これは、実際にはいろいろな面が先生御承知のようにございまして、医療機関によっても、規模もさまざまでございますし、仕入れの構成も違っております。病院と診療所では大分違いますので、そこで、個々の医療機関ではぴったりとはなかなかそれはどうしても一致しない面がございまして、そういう中の、例えばある方については少し補填が少ないというようなことも御主張されていたのではないか、そういうような背景の議論であったというふうに理解をしております。
○今村(洋)委員 これは今おっしゃられたとおりで、つまり、経営的な構造が大きく、大病院であるとか、あるいは小さな診療所であるとかというふうに違いがあるわけなんですね。
 各医療機関においてそういう違いがあるものですから、私は今損税と申し上げましたけれども、その実、逆の意味で得税となっている医療機関もわずかながらあるわけです。ですが、全国的に見ますと、いわゆる損税というものが、医療機関には、これは私の病院も含めて存在しているものというふうに考えます。
 といいますのは、消費税が五%だった時代に、厚労省の方は、診療報酬への消費税該当分という、補填という意味で一・五三%上乗せして、これで控除対象外消費税の問題は解決済みであるというふうにおっしゃっていたと思うんですが、そのときに、これは医師会の調査ですけれども、診療報酬全体の約〇・六七%がいわゆる損税、持ち出しになっているということが言われております。
 この〇・六七%が日本全体で幾らになるか、大体年間幾らぐらいになるか、これは御存じでしょうか。
○唐澤政府参考人 私ども、その金額を計算したわけではございませんけれども、仮に、現在では医療費約四十兆円でございますので、一%が四千億円という金額ですから、〇・六%ですと二千五百億円くらいではないかというふうに、その計算をしますとそうなります。
 先生御指摘のように、元年と九年のときには、厚生労働省の課税仕入れの調査あるいはデータというものはかなり少ない面がございまして、それに基づいて、財務省とも相談して、消費者物価を使って消費税の補填の算式というものをつくっておったわけでございますけれども、ただ、それで十分だったかという御議論がございまして、先生御指摘のように、厚生労働省は、この問題は決着済みだということをつい先日まではそういう主張をしておりましたけれども、医療関係団体からさまざまな御指摘がございまして、今のような御指摘がございまして、きちんとデータをとって課税の状況というのを把握すべきである、それから、従来の点数というのは現在どうなっているのかというようなことも把握すべきであるというようなことに基づきまして、分科会をつくって検討してきたというのが今日の状況でございます。
○今村(洋)委員 まず、金額の話から申し上げますと、消費税五%時に日本全国で医療機関が出している損税というのは、トータル約二千四百億円ぐらいだと言われています。一番冒頭申し上げましたゼロ課税、ゼロ税率課税、課税対象にして、そこからは税を取らなくて控除対象にするということですと、この差額の二千四百億円というものがそのまま税の減収になるというふうに考えられると思うんですね。
 一番最初に、なぜ医療が非課税になったかというと、公共性が高いというところで非課税対象になっておるわけですから、課税にせよ非課税にせよ、そこに持ち出しが生じたり、あとは、今もおっしゃられた診療報酬に消費税分が補填されている、つまり、これは実際にはユーザーというか国民の負担なんですよ。負担になっているわけです。今般、消費税増税されて、四月には一・三六%診療報酬に上乗せされていますけれども、これも実は隠れた国民負担なんです、補填ですから。
 そもそもの趣旨が、消費税をなぜ上げるかというと、社会保障に用いるために消費税を上げるわけですから、その社会保障の中から実は補填していますよ、持ってきていますよというのは、これはちょっと理に合わない気がするんですけれども、その点についてお答えください。
○唐澤政府参考人 消費税につきましては、先ほど来のような御議論が医療関係団体からございまして、この分科会では、課税仕入れの状態というものを細かく項目をふやして調査しまして、その結果、従来よりは細やかに一・三六%という率を算出したわけでございます。
 先生御指摘のように、これは医療費がその分だけ膨らむわけでございますので、国民の皆さんの負担になるわけでございますけれども、ただ、医療機関として見ますれば、その補填がなければ本当にその分が経費として補填されないことになってしまいますので、それはもう経営上の大問題ということで、適正な転嫁という観点からこれは必要なものだと思っております。
 それから、この財源につきましては、実は、社会保障・税一体改革の中で、国民の皆さんにはちょっとわかりにくいんですけれども、一〇%時には、〇・八兆円くらいだったと思いますけれども、その財源というものを、社会保障四経費の消費税のはね返り分、これは予算の分もいろいろ含めてですけれども、そういうものとして手当てをされているところでございます。
○今村(洋)委員 医師会の方は、一〇%に消費税がなったときに、抜本的改革をしてほしいと消費税に関して要望しておって、一がゼロ税率。今私が申し上げたものです。これは課税対象にする。もう一つが、課税するけれども軽減税率で実施してもらうというもの。三番目には、非課税で全額還付。これは、実質的に動くお金というのはゼロ課税と変わらないものだと思います。次に四番目が、非課税で一部還付する。これは、たしかカナダとかそういったところがそういう方式を取り入れているやに思います。この四つを挙げていますけれども、この四つに共通して言えることは何だと思われますか。
 この四つに共通していることは、つまり、診療報酬に消費税の補填を乗せない、乗せていない、乗せることを想定していないということです。
 私も医師の一人ですけれども、私どもが申し上げたいのは、いろいろな経営的な構造がある医療機関の中で、診療報酬に補填したからといって損税とか得税とかという話が出るのがそもそも不合理なんですよ。ですから、もう診療報酬にそういう補填を盛り込むのはやめて、すきっとした形にしていただきたいというのが私どもの気持ちだと思います。
 これについて政府がどのようにお考えなのか、お聞かせください。
○塩崎国務大臣 今村先生御指摘のように、医師会も幾つかの選択肢を念頭に今検討されているということでございますけれども、おっしゃるように、今までは診療報酬という形で上乗せをしてやってまいりましたけれども、本当に大きな病院にとってはなかなかこれではもたないというのもありましょうし、一方で、今回のように初診料、再診料を引き上げたことによって、診療所の先生方は比較的これをのみ込めるというところに来ているのかなというふうに思うんですね。
 ですから、どういう答えが一番丸くおさまるか。一番は、先生がおっしゃるように、受診をされる方、つまり国民にとってどうなのかということだろうと思うんです。診療報酬に上乗せすれば国民負担だということでありますが、何らかの形で、例えばゼロ税率であろうとも非課税であろうとも、どこかでやはり財源は必要なわけでありますから、これはやはり何らかの形で回り回って国民負担ということになってくるので、そうなると、かなりいろいろ考えていかなきゃいけない。
 先ほど複数税率の話がありましたし、例えば給付つき税額控除のことも、これは一体改革のときの法律の中に可能性として入っているわけでありますが、それらを含めて、特に医療に係る課税のあり方については引き続き検討するというふうに抜本改革法には位置づけられておりますので、我々、今与党の中でも議論しておりますし、こうやって先生方からもこの委員会を通じていろいろ御意見を賜りながら、厚生労働省の中でも今議論を深めているところでございますので、ぜひ、大いに議論して、年末に向けて決めなきゃいけないことも幾つかありますので、よろしくお願い申し上げたいというふうに思います。
○今村(洋)委員 ありがとうございます。
 一〇%に上がるかもしれぬという事態がもう一年後には訪れるわけで、これに対しての抜本的な対策というものをとっていただかないと、医療機関は相当、八%に上がった時点でもう苦しくなっています。
 先ほど、消費税を補填した今回の四月から上がっている一・三六%、これは今回八%に上がったときの補填ということで、医師会などが主張している五%時の〇・六七%の損税というものは相変わらず残っている上に、今回の一・三六の上乗せですから、ここでまた損税が出ているのか、得税になっているのか、こういった検証というのは分科会の方では行われているんですか。
○唐澤政府参考人 分科会におきましては、現在、与党における議論が間もなく本格的な山場を迎えようとしているところでございますので、分科会自身は現在は、やめたわけではございません、ちゃんと存続しておりますけれども、審議はちょっと与党の状況を見ているというのが現在の状況でございます。
 ただ、先生のお話のように、今回の引き上げというのは八%に上げたときの手当てとして分科会で御議論されたものでございますから、抜本的な御議論がこれから行われると思いますので、それを踏まえて、また我々の方も検討してまいりたいと考えております。
○今村(洋)委員 我々医師は、国民皆保険を維持するために、本当に丼勘定でやっているところが多いです。町場の診療所の先生方、今大臣がおっしゃられたように、今回の上乗せで多少息をつかれたところはあるでしょうけれども、それでもまだ苦しい思いをしている。課税、非課税、もし抜本的な改革が導入されたときには、今度は会計上の事務的な問題がある、小さな診療所では事務的負担が大きくなるということも考えられますので、そういったところもぜひ御勘案いただければと思っております。
 きょうはどうもありがとうございました。
○上川委員長 次に、宮沢隆仁君。
○宮沢(隆)委員 こんにちは。次世代の党、宮沢隆仁です。よろしくお願いいたします。
 私は、昨年の通常国会のときは厚生労働委員で、いわば出戻りですけれども、当時言いたいことはかなり言ったかなと思って、安保委員会、今は外務委員会にも所属していますけれども、やはりそろそろまた、医療関係、いろいろな事件が起こっていますので、厚労委員も希望して、希望がかなったという次第です。
 きょうは二十分しかありませんので、以前、三回ほどここで扱った問題をちょっと議論させていただきたいんですが、商品名でいうとディオバン事件、一般名でいうとバルサルタン事件。
 ちょっと簡単に復習させていただきますが、この薬は、ノバルティスファーマ社が製造して、降圧剤としてはかなり切れがいい薬で、かなり売れていたんですね。ある時期から突然、脳梗塞にも効く、心筋梗塞の予防もできるというようなことをいわゆるMRの方々が言い始めまして、当時、私は脳外科医だったんですが、実は私も高血圧があったもので、そのディオバンを自分で飲んでいたんですね。そんなにいい効果があるんだったらといって、患者さんにもぼんぼん出していたわけです。
 だから、そういう意味で、このいわゆるディオバンに関する論文が捏造だったというのは私にとっては二重の怒りで、切れまくって、去年は三回ほど扱ったんです。刑事告発すべきだと田村大臣に言ったら、三、四カ月後に刑事告発していただきまして、厚生労働省もやるなと思って、珍しくそのときは褒めたんですけれども。
 そんなこともあって、これは別にディオバンだけの問題ではないんですね。当時いろいろ調べましたけれども、結局、これは医療界の構造上の問題だろうと僕は思っています。その後に例のSTAP細胞実験が出てきて、もちろん、きょうは扱いませんけれども、一つの愚痴なんですが、科学界も同じかよというところですね。
 最近、物理関係のノーベル賞をとりましたが、医学関係のノーベル賞というのはなかなか出ないですよね。やはり、そういうところにも影響しているんじゃないかと僕は思っています。
 それからもう一つは、後でちょっと触れますが、日本の薬の臨床研究というのは、本当にいつまでたってもまともにできないし、それから世界からも評価されていないですね。そんなことをちょっとディオバンを通して見ていきたいと思います。
 まずはそのディオバンについてですが、この虚偽広告問題、それから、ディオバンだけじゃなくて、実は白血病治療薬についても妙なことがあったんですが、ここ直近の半年ぐらいの間の厚生労働省としての対応を参考人からお願いしたいと思います。
○神田政府参考人 お答えいたします。
 ディオバン錠の虚偽広告問題につきましては、先ほど先生御指摘ございましたように、厚生労働省から刑事告発をいたしました後に、本年七月一日にノバルティス社及び同社の元社員が起訴されております。また、七月二十二日に追起訴が行われているところでございます。
 この問題に関します行政処分につきましては、今後の公判の状況を見つつ、厳正に対処してまいりたいというふうに考えております。
 さらに、副作用報告漏れにつきましては、七月三十一日に同社に対して行いました改善命令の中で、報告漏れの調査結果を報告するよう命令いたしましたことに対しまして、九月三十日までに、報告漏れの可能性のある全ての副作用症例について、社内情報に基づく評価を行いまして、三千八百七十八例の副作用報告が医薬品医療機器総合機構に提出されたところでございます。
 ノバルティス社から提出されました副作用報告の中には、情報が不十分であって、重篤性や医薬品との因果関係が未確定の症例が多く含まれております。このため、同社では今後、医療機関等への聞き取り等の詳細調査を実施することとしておりますので、その結果をPMDAに報告してもらうこととしております。
 厚生労働省としては、PMDAによる評価結果を踏まえ、処分の要否を含めて対応を検討してまいりたいというふうに考えております。
○宮沢(隆)委員 これはちょっと質問には入れていなかったかもしれないですが、局長として、このノバルティスファーマ社というのは、ほかの外資系の製薬会社と比べて何かそんなに特徴がある会社なんでしょうか。それとも、ほかの会社でも似たようなところがあるでしょうか。印象だけで結構です。
○神田政府参考人 個人的な予断でコメントすることは避けたいというふうに思っておりますが、ただ、今回、改善命令をかけさせていただいたことにつきましては、この副作用情報が本来得るべきではない情報源からたまたま得たということではあったわけでございますけれども、医薬情報担当者が安全管理統括部門に対して、どんな情報であれきちっと報告をするということが守られていなかったということでございます。
 これは医薬品についての製造販売後の安全管理基準に違反する行為でございますので、同社からの報告にも来ておりますけれども、そういう意味での社員に対する意識が欠如していたということは、これは、他社がどうであるかはともかく、この会社にとっては非常に大きな問題であったというふうに考えております。
 その後、ノバルティス社から我々の方に対しまして、社員に対する研修をきちっと行うとか、あるいは、当日、副作用を報告したら必ず上司がそれをチェックするというような体制をつくるというような報告を受けているところでございます。
○宮沢(隆)委員 私が読んだり聞くところによれば、ノバルティスファーマの本社の方は相当怒っている、日本のノバ社の支社に対して。結局、これはもう日本人の特性だみたいなことまで言われているとちらっと聞いたんですけれども、それはやはりよろしくないですよね、日本人にとって。
 ですので、ぜひ、これは私の希望なんですけれども、ほかの外資系の会社もちょっとチェックを強化していただきたいんですよね。もちろん日本の会社もそうですけれども、可能であればよろしくお願いしたいと思います。
 それから、今度はちょっとお金の話に入るんですが、ノバルティスファーマ社は年間約一千億円前後収益を上げて、累積すると一兆円を超えているそうなんですね。その中で、降圧剤だけのもうけと、それから脳梗塞、心筋梗塞に効くよと言われて得ているもうけを分けることはもちろんできないと思うんですけれども、少なくとも、これだけ日本の保険医療の世界に悪影響を与えて、それだけ捏造した論文でもうけているわけですよね。それを何らかの形で返してもらうなり、何らかの形で還元させるなり、そのぐらいのことは僕はしてもいいと思っているんですけれども、その辺に対する検討はされているでしょうか。
○唐澤政府参考人 御指摘のように、このディオバンの事件、大変大きなマーケットで大きな売り上げを上げた医薬品に対する事案でございます。そして、ある意味、不正な広告によって、その売り上げによって医療保険財政に影響を与えたのではないかという御指摘をいただいておりまして、私どもは、去る九月十日の中医協の薬価専門部会におきまして、このディオバンとその類似薬の薬価の推移でありますとか、マーケットの規模でありますとか、そういう事実関係をもとに第一回目の議論を始めたところでございます。
 この九月十日の薬価専門部会におきましては、問題とされている臨床研究の影響というのはそのまま明らかではなかったわけでございますけれども、保険医療財政などへの影響について今後さらに中医協で議論を続けていく必要があるのではないか、さらに、ただいま先生から御指摘のございましたように、患者の医療に対する、特に国民の皆さんの医療に対する信頼でございますとか、医療保険制度への信頼を揺るがした極めて重大な事案であるという御指摘がございまして、引き続きこの件について議論を深めていくということが御指摘を受けているところでございます。
 私どもは、このディオバン事案につきまして、引き続き、中医協で精査をして検討させていただきたいと考えております。
○宮沢(隆)委員 もちろん、検討はぜひどんどん進めていっていただきたいんですが、実質的にどのくらい戻させるかですよね。そこはもう強硬にしていいんじゃないかと思います。最近、ちょっとマスコミもだんだんこれを取り上げなくなってきていますけれども、さっき言ったように兆の単位ですからね。これはちょっと何らかの、落とし前と言ったらちょっと言葉は悪いですけれども、何とかしていただかないといけないですよね。これは結局、患者さんから吸い上げているわけですから。ぜひよろしくお願いいたします。
 それから、今度はちょっとお医者さんの話に入っていくんですが、前回の質問でも言いましたけれども、総額にすると何千億でしたかね、奨学寄附金というのが製薬業界からお医者さんの方へ流れている。それは、ある意味、国の研究費が足りないからそれを補っているという意味もあるようなんですが、ただ、その奨学寄附金というのは非常に不透明らしくて、領収書も要らないということで、何に使われているかわからないんですよね。もちろん研究に使われているだろうと思うんですが、ただ、やった研究の結果がこれですからね。
 だから、恐らくそれなりの対策は練っていると思うんですが、では、それを最初にお聞きしましょうかね。よろしくお願いします。
○二川政府参考人 臨床研究におきます医師と製薬企業との金銭的な関係についての透明性のあり方ということでございますけれども、まずは製薬業界として襟を正していただく必要があるということで、この七月に、田村前厚生労働大臣から、業界の取り組みを一層徹底するよう要請を行ったところでございます。これを受けまして、日本製薬工業協会は、学術研究助成費あるいは原稿執筆料等々、いろいろな支払いがあるかと思いますけれども、そういった支払いにつきまして、医師名も含めまして全てホームページ等で公開するといったところを取り決めたところでございます。
○宮沢(隆)委員 これも前に申し上げましたが、医療界にはよろしくない慣習がまだ少し残っているように思います。例えば、うんと悪い時期、今から三十年以上前ですね、私がまだ研修医ぐらいのときは、先輩に無理やり連れていかれて飲んだり食ったりしたら、そこに製薬会社の人がいたとか、そういうことがしょっちゅうあったわけです。最近はそれは少なくともないと思うんですけれども、ただ、開業医の先生方についてはそれはわからない。
 だから、そろそろもうやめましょうよということですよね、そういうことは。それはもう医療界も、製薬会社の例えばMRさんが誘ってきても拒否するとか、製薬会社も、もう金は出さない、そういう接待だ何だというのは出さない。けれども、研究費には出す、ただし特定の医者には出さないとか、一つのプールする機関みたいなものをつくって、そこから優秀なところにお金を回すとか、幾らでも工夫はできるだろうと思うんですよね。
 そういうのは、どこかでえいやとやらないと、やはりとまりませんので、少なくとも私は医師会から全然援助を受けていませんので、別に医者は全然怖くありませんから幾らでも言いますけれども、とにかく医療界も問題が多いのは事実です。そうやって、もらっていた教授がいるわけですからね。だから、そこはもうどんどんメスを入れてください。お願いします。そこだったら私は幾らでも協力しますから。医師会からたたかれようが何しようが、協力します。
 それから、実はもう一つ、ちょっと意外なところにまたこれは利権があるんですね。
 ランセットという雑誌に、ほかにもいっぱい有名な雑誌があるんですが、研究者とか医者にとっては、ランセットとかニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンとかというのに論文が載ること自体がもう夢なんですよね。私なんかは、一本載っただけでもう本当に夢心地になっちゃうぐらいなんです。
 そこに例えば製薬会社絡みの論文が一個載ると、製薬会社は、その論文を使ってMRに宣伝をさせますよね。そうすると、別刷りというのが要るわけです。その別刷りというのは、一冊幾らで、その雑誌をつくっているところが売るわけですね。そうすると、多分、製薬会社が注文する別刷りの数というのは、僕は正確な数字は知りませんけれども、物すごい量ですよね。それは、そのままその雑誌社の利益になるわけです。余り言うとかわいそうかもしれないんですけれども、雑誌社は、捏造した論文の別刷りでもうかっているわけですよね。そういう構造もある。その辺を何か余りランセットとか有名な雑誌は賛成しているようには見えないんですけれども、そこも一つ念頭に置いておく必要があると思います。
 これは、厚労省は関係ないので質問にはしませんけれども、文科省とかも絡んでくるだろうと思います。日本にもそういう雑誌社がいっぱいありますけれども、そこもちょっと注意して見ている必要があるんじゃないかと思います。
 今のは質問じゃありません。
 それで、最後に、先ほどちらっと言いましたけれども、こういうディオバン事件とか、それから、ちょっと離れたところでSTAP細胞事件とかというのが起こるものですから、日本の科学界、医療界への信頼というのは今がた落ちだろうと思うんですよね。ノーベル賞で少し上がりましたけれども、あれはあくまで物理業界ですからね。ここはもう本当に何とかしないと、医療を産業にするどころじゃなくなると思うんです。こんなことをやっていたら絶対産業にはなり得ませんので、最後に大臣に、その辺の、臨床研究を含めて、この業界をどうしたらいいのかということでコメントをいただければと思います。
○塩崎国務大臣 先生御指摘のこの臨床研究制度、今回のノバルティス事件で、ディオバン事件で、本当に臨床研究に対する信頼を損なったとともに、医療制度そのものについても不信感を招いたということで、極めて遺憾であると言わざるを得ないと思っています。社会的な影響もとても大きかった、先生御指摘のとおりでございます。
 厚労省としては、やはり研究の質の確保や、それから被験者の保護、研究機関と製薬企業の利益相反の管理等の観点から、臨床研究に関する倫理指針というのを見直すということを進めるとともに、本年四月から臨床研究に係る制度の在り方に関する検討会というのを開催しておりまして、法制度を含めた臨床研究のあり方について検討を行っております。
 こういったところについて、現在、取りまとめに向けて議論を進めておりますけれども、この取りまとめは年内に行うということでやっていきたいと思っております。
 厚生労働省としては、これらの取り組みを通じて、我が国の臨床研究に対する信頼をどうやって早急に回復していくかということで、今の取りまとめは取りまとめとして、しかし、今御指摘がありましたように、我が国で活動している製薬メーカー、これは国内、国外両方とも、臨床研究に対してもう少ししゃんとした姿勢で臨んでもらうように、我々としてもさらに何ができるかということを考えていきたいというふうに思っております。
○宮沢(隆)委員 年内ということで、結構スピーディーだなという印象を持ちまして、結構だと思います。
 かといって、研究者や医者ばかりいじめていてもしようがないし、僕の昔の仲間もいますので、彼らの愚痴を言うと、日本は研究費の額、それからそのあり方、そこにもやはり問題があると。この間ノーベル賞をとった中村先生もおっしゃっていましたけれども、研究費をどのように、どの方に上げるかということも、やはりそこも根本的に考え直さなきゃいけないかなと感じております。
 以上、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
○上川委員長 次に、中島克仁君。
○中島委員 みんなの党の中島克仁です。
 本日は先日の塩崎大臣の所信に対する質疑ということでございまして、朝から質疑が続いておりましてお疲れだとは思いますけれども、私にも少々お時間を拝借させていただきたいというふうに思います。
 我々は、浅尾代表のもとで、しがらみのない立場で既得権益と戦い、そして規制改革を断行し、民間や地域の底力を最大限発揮していく、これがこれからの日本社会の中で不可欠だ、そういう認識で今までも言ってきましたし、これからも取り組んでまいる覚悟でございます。
 そういう点で、塩崎大臣、私、余り話をしたことがない、まだ新人議員でもございますけれども、その改革マインドについては、非常に前向き、積極的という印象を私は持っておりまして、その辺について御認識をきょう確認させていただくということになるわけですが、社会保障制度、年々ふえ続けます社会保障費、特に高齢化に伴います医療費の問題、その辺についてきょう御質問していくわけです。
 大臣、所信の中で社会保障制度改革にも触れられておりまして、急速に少子高齢化が進展し、雇用環境が変化する中で、安定財源を確保しつつ、誰もが安心できる持続可能な社会保障制度を確立しなければならない、そのため、残された課題について引き続き検討を行い、社会保障制度改革を着実に進めますとおっしゃっておりました。
 また、高齢化に伴ってふえ続ける医療費を念頭に、医療保険制度については、国民皆保険制度を堅持するとともに、広く国民の納得、信頼、安心を実現できる制度を構築することが重要であって、医療保険制度の財政基盤の安定化、国民の負担に対する公平性の確保を推進するとおっしゃっておられました。
 この点については、当然といえば当然ということでもありますし、大臣のおっしゃるとおり、その実現のためには弾力性のある改革が必要なのではないか、そのようにも認識しております。
 それでは、一体どのような改革が必要なのかということが問題になると思います。恐らく政府は、ことしの四月からの消費税増税を伴います税と社会保障の一体改革、そのもとにプログラム法に基づいてということが前提になるのだというふうに思いますが、全ては国民の皆さんに負担を求める内容、これは、これから迎えます高齢化のピーク、そしてさらに少子化が加わって、ある程度やむを得ないんじゃないかというような固定概念からその発想があるのではないか。
 ただ、私はそれは余りにも安易ではないかなと。我々、これもずっと言い続けておりますが、今回の消費税増税であれば、増税の前にやることがあるだろう、徹底した無駄の削減、そういった国民の皆さんに負担を求める前にやるべき、徹底した、それぞれの分野においてやることがまだなされていないんじゃないか、そのようなことは終始一貫訴えておりましたし、現在もその考えに変わりはございません。
 先ほど申し上げましたように、年々ふえ続ける社会保障費、特に高齢化に伴う医療費の増加ですね、今後、このままだとふえ続ける医療費が国家財政を大きく圧迫することが予想される中で、日本の医療制度の論点、改革の方向性について、大臣の御所見をいただきたいと思います。
 まず、医療費の増大の大きな原因、一般的には高齢化と医療技術、高度先進医療の技術の発達ということが大きな影響と言われておりますが、これは大臣の御見解で構いません、なければないでいいんですが、これ以外に医療費の高騰を招いた原因、要因について、お考え、御見解があればお聞かせ願いたいと思います。
○橋本大臣政務官 医療費の伸びの要因につきまして御質問をいただきました。
 最近の医療費の動向を見ますと、おおむね年二%から三%程度の伸び率で推移しております。この要因でございますけれども、御指摘をいただきました高齢化の影響というもの、そしてそれ以外にも、例えば人口増減の影響、これは最近減っているのでマイナスにききます。診療報酬の改定があれば、それも関係します。また、制度改正、そして医療の高度化などが挙げられるというふうに思っております。
 近年の動向から具体的に申しますと、人口高齢化による伸びが毎年一・五%程度、それから、人口による影響が毎年マイナス〇・二%程度となっております。残りの一%から二%程度について、その主たる要因が、新しい治療方法や新薬の開発等、いわゆる医療の高度化ということになるんだろうというふうに考えております。
○中島委員 高齢化に伴って医療費が伸びる。そして、もちろん二年に一回診療報酬の改定もございます。以前から、この高齢化、さらに少子化も加わって、さらに高齢者がふえる、さらにその高齢者の高齢化、そういった問題がこれから控えているという中で、今御答弁いただいたように、さまざまな理由があります。ただ、きょう、規制改革というか、そういった改革、制度自体、構造に何か問題があるんじゃないかということを私は認識しておりまして、そこについての大臣の御認識もいただきたいわけです。
 今御答弁いただいたことも大きな要因だということは、私も認識しております。ただ、それ以外に、日本はもちろん世界に誇る国民皆保険制度ということになっておりますが、その構造を支えるフリーアクセス、出来高払いの診療報酬制度、さらに、これは一般の開業医クラスになりますが、開業自由原則そして自由標榜原則、そして、これも私が勝手につけた名前でございますが、医療機器自由導入原則、恐らく、先ほども言ったように世界に誇る医療制度の中でありますが、そういったもろもろの要因が、大きくこの高齢化と絡み合って医療費の高騰に結びついているんじゃないかなと私は考えております。
 高齢化といえば、幾つも慢性疾患等々を抱える高齢者がふえていく。そこに、疾患ごとに自由にいつでもどこでも受診可能。もちろん、以前のような人口構成、平均寿命の中でなら成り立つことだったかもしれませんが、今後の高齢化のピーク、さらに二〇五〇年問題とかそういったことを考えたときに、果たして本当にこれで成り立っていくのかということを私は大変危惧しております。
 資料の一ですが、これは社会保障費の見通しということになります。厚生労働省が発表した社会保障給付費の見通しによりますと、二〇二五年には社会保障給付は百五十一兆円、二〇一一年ベースで百八兆円ですが、四十三兆円ふえる見通しになります。
 このうち年金が六二%を占めるわけですが、問題はやはりふえ方にあるんですね。そのふえていく百五十一兆円のうち、四十三兆円ふえるわけですが、そのうち、医療が二十兆円、そして介護が十二兆円となっています。医療、介護だけで四分の三を占めるということになるわけです。増加ベースで見ますと、医療、介護がやはり最大のポイント。これだけ見ますと、年金のふえ方はそれほどでもないと私は言えるんじゃないかなと。
 今後一番のポイントとなる医療の増加に対して、その構造的問題、先ほども言ったような、国民皆保険を支えている今の原則、そこの問題を是正する、これは本来まず第一に手をつけなきゃいけないんじゃないかと私は認識しています。
 大学病院などの高度医療を提供する医療機関と診療所など初期医療の外来受診を適正化することが、医療の入り口、プライマリーの部分ですが、そこを適正化していくのが第一歩であって、先日も、通常国会閉会後に厚生労働委員会の理事会メンバーでヨーロッパ視察に行き、私の希望で、家庭医制度、そういったところを見させていただいたわけですが、私は、その入り口の部分、欧州のように、一次医療を担う家庭医の普及、確立が今後絶対に必要になるというふうに考えておりますが、大臣の御見解をいただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 中島先生御指摘の社会保障費の見通し、資料で配っていただきましたが、これを見ますと、年金よりもやはり医療、介護だ、こういう御指摘で、そのとおりだと思っております。
 年金につきましては、マクロ経済スライドを入れるということで、キャップをかけながら持続可能性を追求するということで一つのメルクマールができたわけでありますが、医療、介護につきましては、先ほど橋本政務官から御説明申し上げたように、その中に、単に高齢化あるいは人口の増減だけではなくて、あるいは診療報酬の改定だけではなくて、制度改正というか、こういうものもあって、先生今御指摘の数々の提案がございましたが、そういったことも含めて皆で国民的な議論をしていかないといけないというふうに思います。
 基本的な考え方は、やはり、質を向上しながら、どうやって負担を過多にならないようにするか、過重にならないようにするかということが大事ではないかなと思いますし、そこのところをやることはなかなか難しいわけでありますけれども、しかし、やり遂げないと、どんどんどんどん社会保障のボリュームがふえていく一方だということです。
 今の家庭医のお話でございますが、先生、この家庭医を導入すべきだということで、ゲートキーパー機能を持った家庭医ということで、登録制度を持ったヨーロッパの家庭医については、社会保障制度改革国民会議においても、緩やかなゲートキーパー機能を備えたかかりつけ医の普及は必須だという指摘もされていまして、医療機関に応じた外来機能の分化を推進する観点からも、かかりつけ医は大変重要であるということは、この国民会議でも指摘をされて、私自身もかねがねそう思っていました。
 ニュージーランドやオーストラリアも、やはり同じような形で、かかりつけ医に行かないと大病院には行けないという格好になっています。
 一方、診療能力の観点からは、総合的な診療能力を有する医師を、総合診療専門医として新たな専門医の一つに位置づけて、平成二十九年度から養成開始を目指しておりまして、地域での活躍が期待をされているところでございます。
 今後とも、我が国が守ってきたフリーアクセスのもとで、地域におけるかかりつけ医の充実とあわせて、診療所や病院における総合診療専門医の充実を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○中島委員 かかりつけ医、総合診療医、家庭医と、何か同じようなニュアンスにとられる方が多いのかなというふうにも思うんですが、実際は全然違うわけです。
 私が言っている家庭医は、代表的なのは英国のGPということになると思いますが、ヨーロッパ諸外国は、若干制度の段差はあるにしても家庭医制度で、今大臣おっしゃったかかりつけ医、そして今後専門医制度となります総合診療医というのは、かかりつけ医は、ゲートキーパーとしての役割を果たすとはちょっと言いがたいというふうに思います。
 総合診療医の場合は、これはあくまでも、大きな病院の中で、例えばおなかが痛い、頭が痛いといったときに何科にかかればいいんだというときに、総合診療科的な、トータル、入り口の部分という意味での総合診療の専門医ということだというふうな中で、英国のGPというのは、まさにその入り口の部分です。プライマリーを重視して、しかも、その大きなメリットというか、社会保障費の効率化という観点からいきますと、やはり定額報酬制、そして登録制ということですね。
 これは、要するに入り口の部分の医療費の適正化を図っていくため、そして、後ほどもちょっと触れますが、在宅医療という、地域包括ケアシステムの中で今後それを構築していくという意味からいきますと、やはりそのゲートキーパー機能をしっかり果たしていくという意味でいきますと、日本のかかりつけ医、これはそういう確立的なものではない。ヨーロッパの、これは米国にもございますが、家庭医というのは、そのために六年なり長ければ八年ぐらい研修を受けて、精神科から産婦人科、皮膚科、それぞれのプライマリーをしっかりと診ていく、そういった医師を養成するということになります。
 ですから、私は、今政府が考えられている、厚生労働省が考えている総合診療医が、果たして本当にその家庭医に近いものになるのかなというと大変疑問があって、そういった意味では、やはり家庭医というもの、これは英国のGPがいいと言っているよりは、そこにも課題はございますが、日本版GPというか、そういったものをしっかりと確立して、一つの大きなメリットは、登録包括報酬制というものに一次医療を担っていく医者を確立していくということが必要なんじゃないかなというふうに思っております。
 二枚目の資料ですが、「医療の非効率性の指標」というふうにタイトルにあります。これは釈迦に説法かもしれませんが、医師数は、人口千人比で日本は二・一五人、OECD各国の中では少ないんだというふうな指標でございます。それに対しまして、病床数、在院日数は諸外国に比して圧倒的に高い、これももうよく言われている内容ではございます。
 御承知のとおり、日本の平均寿命は世界トップクラス、さらに健康寿命も世界トップクラスなわけですね。諸外国に比較して本来健康である、欧米諸外国に比べれば、肥満率等々、生活習慣病等も日本人は比較的少ないわけです。本来健康であるはずの日本人、日本において、なぜ病床数が極端に多くて、平均在院日数が極端に伸びてしまうのか。
 極めて健康なはずの日本人がこれだけ病院を利用して医療費がかかってしまうのは、何らかの無駄が多く存在しているからだ、その構造自体、やはり問題意識を持って取り組まなければいけないんじゃないか。この無駄が発生する要因が、やはり家庭医の比率の低さにあらわれているんじゃないか。もちろん、日本においては診療報酬上の家庭医というものは確立されておりませんので、報告することはできないにしても、諸外国の例でいきますと、お隣の韓国でも約四割が家庭医、欧州中心に大体三割から五割ぐらいが家庭医になっている。
 先ほども言ったように、この家庭医の確立が、無駄を示しているというのは、きょうは連続して医師の議員がやっておりますが、私も医師でございます。そして私の場合は、在宅医療をやったり、それこそど田舎の地元で今も土曜日に外来を続けておりますが、例えばですが、初期診療をするに当たって、足をぶつけましたと来た患者さんに対して、当然、今普通の一般の診療所でもレントゲンなんて当たり前にあるわけですね。それで、骨折が疑わしいとなったときに次のステップに行きます。そこでももう一回レントゲンを撮るわけです、ほぼ間違いなく。
 そういっただぶつきが、本来、一次医療を担う医者がそこでレントゲンを撮る必要があるのかどうか、何のために聴診器を持ったり手技を身につけているんだと。そういう観点から、やはりその家庭医というのは、先日ヨーロッパに行って、実際の現場を見ることはできなかったわけですが、恐らく多くの家庭医は、例えばマンションの一室で、設備投資は全くしない、そして話を聞いて、必要であれば次のステップへ送る。そういったものをしっかりと確立していく。そういったものを私はイメージして、こういう、今後の日本の医療にとって大事なのではないかという御提言でございます。
 これはちょっと頭の体操になるかもしれませんが、一次医療を担う医師ということになりますと、今、日本全国で開業医の数、開業されている診療所の数は約九万件というふうに言われております。これは、イタリアへ行ったときに、一人の家庭医の診る患者さん、登録人数はどのくらいですかと聞いたら約二千人とおっしゃっていたんですね。そうなってきますと、先ほどOECDの日本の千人当たりの医師数ということをお示ししましたけれども、そもそも、日本の一次医療を担う医師の適正数というのはどのくらいなんでしょうかということも、この家庭医の登録制にしていけば、これは単純計算ですけれども、例えば、イタリアのように一人の家庭医が二千人の登録患者さんを診るとすると、日本においては、約五万人の家庭医がいれば、ほぼ皆さん登録ができる。
 そうやっていって、仮に、イタリアの場合はその設定が千二百万ぐらいだと言っておりましたが、今、日本の開業医の平均収入は二千五百万だと言われています。これを、そこまで落とさないまでも、五百万円、定額落としたとしたら、それだけで年間約七千億円削減できるわけですね。
 そういった観点も、これは頭の体操みたいになってしまいますが、そういったメリットがありながら、先ほども言ったように、さきの国会では、地域医療介護確保法案で、病床規制とかDPC等々、医療の効率化を図りながら、現実にはその効率化を図れないまま、これから少子高齢化のピークを迎えてしまう。
 そういった中で、改めて家庭医制度の導入、御検討だけでも。先ほど言った、かかりつけ医、総合診療医とは全く別物の家庭医の創設、確立、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 裏側からいきますと、大病院にそう重症ではない患者さんが殺到して、そちらの方の待ち時間も二時間、三時間になってしまったりということもあって、これをどう地域のお医者さんにまず診てもらって来ていただくか、そういうところでは考え方が進んでいるわけでありますが、今先生がおっしゃっているような登録制というか、もっとはっきりしたゲートキーパー的な役割を持ったかかりつけ医にすべきだという考え方は、気持ちとしても私は個人的にはよくわかります。
 今のところ、まずは、大病院に集中しないようにしていくために、どうして地域に行っていただくか。そして、かかりつけ医ということで、よりゲートキーパー的な役割をどう、何というか、制度化をしないとしても担っていただけるかということも考えていくのかなというふうに、今先生のお考えを聞いていて私自身は思いましたので、前向きに少し、どういうメリットがあって、どういう、逆のいろいろ問題も、お医者さんの中にはいろいろな意見があるでしょうから、よく聞いてみて検討していきたいというふうに思います。
○中島委員 よろしくお願いいたします。
 家庭医の確立と同時に、私も以前から、ナースプラクティショナー、NPという、特定看護師ですね。
 これも、さきの国会で、特定行為に係る看護師研修制度というものが盛り込まれておりましたが、当初は国の資格として始まって、NPと特定看護師研修というのは全く意味合いが違います、本来は国の制度、資格として検討されていたものが、最終的にはただの研修制度になってしまった。
 これも、やはり地域においてプライマリーを重視する、在宅医療、そして今後、介護保険、そういったものを見ていったときに、これは、アメリカでは医療資源の乏しい地域でNPが確立されてきた。一方で、外科領域医療現場では、一定の特化した部分に関しては、例えば、おなかを手術した後、閉腹する専門看護師がいたり、医師の過重労働を軽減する。そして、外科学会等々では、やはりそのNPの創設が要望されているわけですね。一方で、日本医師会等、そういったものは要らないという意見が交錯している状況。
 私は、在宅医療にかかわっておる中で、私の田舎も八ケ岳の麓で大変過疎な地域でございます、そこで在宅医療をやっているときに、やはり頼りになるのは訪問看護師さん。そのときに、私は、今の訪問看護ステーションの基準、二・五人以上というものを、一人からの開業、訪問看護ステーションもありじゃないかと。決してそれは一人からにしろと言っているわけではなく、一人からでも、資格を持っている看護師が隣のおじいさん、おばあさんを見に行った、よくあるケースなんです、そういったものに関して、やはり資格を持った人が行為をした以上、訪問看護と認めてあげるべきじゃないか。
 そういったところにもつながる問題でありまして、やはり、医療過疎な部分においてこのNPの確立も大変重要であるというふうに思っておるわけですが、大臣じゃなくてもいいですが、御答弁いただければと思います。
○橋本大臣政務官 御指摘のありましたように、医療の高度化あるいは在宅の推進でありますとか、そうしたさまざまな状況の変化に伴いまして、その中で質の高い医療を効率的にどう提供していくかというのは、大変重要な問題でございます。その答えの一つとして、多種多様な医療に関係する専門職が、それぞれの専門性を生かして、互いに連携、補完、補い合っていくというようなことは大事なことなんだというふうに思っております。
 そうした問題意識を認識しておりますし、さまざまな議論もいただきまして、御指摘のあったように、さきの通常国会で、医療介護総合確保推進法におきまして、医師等の指示を前提として、研修を受けた看護師が手順書により、一定の診療の補助である特定行為を実施できる仕組みを創設して、平成二十七年十月に施行予定ということになっております。
 NPという御指摘もあったわけでございますが、そうした新たな職種の創設ということにつきましては、我が国の医療従事者の教育体系のあり方そのものを見直すということにもつながってまいります。したがいまして、いろいろな方の御意見もいただいて検討を慎重にしていくべきであろうと。まずは、今回創設する特定行為に係る看護師の研修制度を活用していただいて、医療現場でのチーム医療を推進していくということでやってまいりたいと考えております。
○中島委員 検討をするだけだと、なかなか進まないんですね。やはり到達点を決めて、将来、二〇二五年問題もございますが、その先、二〇四〇年、二〇五〇年までも、少子高齢化というか、その影響は拭えないと思います。そのときに、後手後手になって、今現在でも医師不足というよりは医師偏在なわけですね。必要な場所に必要な職種の方をやはり配置していく、これは、地域包括ケアシステムの構築の中でも大変重要な観点だと思います。
 そういったことからいきますと、やはり家庭医のしっかりとした確立、NPの確立というのは、地域包括ケアシステムの中にもうまく組み込まれれば、非常に有意義なものになる。むしろ、それができないと、今でも医師不足の地域があったり、看護師不足の地域もある。そういった部分を、しっかり到達点を決めて議論を進めていただく必要があるんじゃないかなというふうにも思います。
 そういった前提がなかなか時間がかかるということなら、これは塩崎大臣に最後お聞きしたいんですが、先ほど冒頭に言いました、今の開業自由原則、さらに医療機器導入自由原則。
 私も十年前に開業したわけですが、今診療所を開業するとなると、レントゲンがあって、エコーがあって、そして、例えば脳外出身の先生であればMRIまで持つというのが、それが自由に設定できる。これは、開業するのに恐らく、先ほど言ったように、今開業医の先生方の平均年収は二千五百万と言いましたが、これが全て収入になるわけではないと思います。ただ、医療機器、いい制度があるんですね。高い医療機器でもリースを使って導入できる。
 そうしていきますと、先ほど言った家庭医の役割と、開業した先生たちのコンセプトというのはもうばらばらなわけです。高い医療機器を買ったら、その分、元を取らなきゃいけないですから、当然、せっせせっせと診療費を稼ぐ。その構図は、このままフリーアクセスと出来高制度の中で、これでは二次医療、三次医療で働いている医師たちがみんな開業してしまう傾向になってしまうわけです。これをこのまま放置したら、医療費は膨れ上がるに決まっている。そこにはやはり一定の規制をかけなきゃいけない。
 私、冒頭にも言ったように、規制改革、規制緩和は大前提だということですが、この医療・介護分野に限っては、何でも取っ払えというふうには思っておりません。ただ、あるところ、時代の背景を見て、しっかり、従来あった規制をまた組みかえていかなきゃいけない。この作業をしていきますと、俗に言われる、岩盤と呼ばれる規制は、二度手間になってくる。そういったことになりますと、岩盤規制の代表格と私は言っておりますが、医師会の構造的問題、これはしっかりと課題を見出して取り組む必要があると思いますが、大臣の御所見をいただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 先ほど先生からもお話が出ましたけれども、日本の医療は、結果として、長寿の国として健康寿命も世界一ということで、結果が出ているという意味において、日本の医療制度は、これまで皆保険のもとで相当やはり世界に範を示してきた一つではあろうと思うんですね。
 ただ、一方でいろいろな問題があることは事実で、今お示しをいただいた、社会保障費の中で医療費がどんどん伸びるということで、もちろん、医療の質がよくなることはいいし、高度化することもいいわけですけれども、それだけではない。
 また、医師の自由開業制度、これは、我が国の現行の医療水準を今申し上げたように支えてきたフリーアクセスを確保する上で重要なものということでまいりました。
 一方で、効率的な医療提供の観点ももちろん重要で、先般国会で成立した医療介護総合確保推進法において、病床の機能分化、連携を推進する、清水先生からも大分お話がありました。今度、地域医療ビジョンというのを各県でつくって、各医療機関から出てきた、自分たちはこれをこうやりたいという医療を出してくる中で、本当に医療、介護一体となって、地域でちゃんとケアをしていくことができる仕組みをどうつくるのかということを、もう一回それを出てきたところで考えなきゃいけないことに多分なると思うんです。
 今お話がありましたように、それぞれがMRIまで購入しておやりになると先生方にも大変な負担にもなるわけであって、しかし、その負担はどこに来るかというと、国民に来るということはやはり問題意識として持たないといけないので、では、どういうふうにやるのか。
 私が名古屋に住んでいたときに医療ビルというのがあって、こんな便利なものがあるんだなと。つまり、お医者さんは科ごとに部屋を持っていて、放射線科は真ん中にあって、そこに行けばいい。下は調剤薬局が二つあって、サービスを含め競争させるというようなこともあって、だから、そういうことで、フルスペックで全部持ちながら開業する、病院を持つということでずっとやっていけるかどうかということは、先生の御指摘のように、やはり考えていかなきゃいけないんだろうと私は思っています。
 ただ、急に、ではどうするということにはならないかもわかりませんが、今のような問題意識はしっかりと持って、今回特に、地域医療ビジョンを都道府県でつくっていくわけですから、医療機関の中で、地域ごとに何をどういうふうに編成していくことがその地域にとっていいかということと、それから負担を過分に国民に強いないということ、そして医療の質を、そして介護の質も一つの流れの中で達成できるようにしていくために何をすべきかということを考えていきたいと思います。
○中島委員 時間ですので、終わります。
 また機会がございましたら、私がきょう質問しようと思っていた、後期高齢者医療制度と介護保険の一元化というのも私どもが訴えていることなので、その件についてまた御質問させていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○上川委員長 次に、高橋千鶴子君。
○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 きょうは、塩崎大臣に初めて質問をさせていただきます。大臣の最も得意分野である年金の運用などについて、株には全く御縁のない私ではありますが、質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 第二次安倍内閣が発足したのは九月三日ですが、前日、塩崎厚労大臣就任が報道されるや否や市場は反応し、二日午前から株価が上がり始め、三日には七カ月ぶりの高値を記録しました。大臣が、世界最大級の機関投資家である年金積立金管理運用独立行政法人、いわゆるGPIFの改革と、公的年金の株による運用拡大を唱えていることに期待をした反応だと思われます。
 経済評論家の山崎元氏は、ダイヤモンド・オンラインのコラムで、塩崎氏の株式運用はうまいと書いておりました。大臣の個人の資産ポートフォリオを見たことがあったそうで、大変バランスがよい、そこで、どなたかは存じ上げませんけれども、別の閣僚のポートフォリオに対して、塩崎さんに投資を見習った方がいいとコメントをしたことがあったそうであります。それだけの運用通でありますから、市場が期待することはさもありなんというふうに思うわけであります。
 そこで、大臣は就任前、新GPIF法改正を今国会で成立させると言っておりました。これ自体は先送りになったわけですけれども、基本ポートフォリオの見直しについては、既に六月二十四日の日本再興戦略において、「適切な見直しをできるだけ速やかに実施する。」と決定されておりますし、秋にも前倒し実施などと報道されておりました。
 ですから、その中でさまざまなことが言われておりまして、例えば国内債券六割、この比率を二割は株式に移すということも言われていたりするんですけれども、そういうことも含めてどんなポイントがあるのか、伺いたいと思います。
○塩崎国務大臣 まず第一に、誤解を解かないといけないのは、私は運用が得意でも何でもなくて、小学校ぐらいに生前贈与をしてもらった株を持っているというだけが中心でありまして、私自身、みずからの意思で株式を買ったということは、日本銀行に入って、持っていると必ず株式欄というのを見るようになるから、おまえ、買えと上司に言われて、一銘柄だけ最低金額で買ったことがありましたけれども、それ以外は私は能動的に買ったことは全くございません。ということで、ダイヤモンド・オンラインにお書きになった方は、よほど、よくわかっていらっしゃらない方がそういうことを言った。
 もっと大事なことは、私が言っているGPIF改革は、株の比率をふやせだのというようなことは一度たりとも言ったことはございません。私は、どうやって国民の年金の大事な資産を安全で効率的に運用するか、翻して言えば、今までのが効率的じゃなかったということを申し上げているわけであって、それを国民の視点から国民の利益のために見直していくべきだということを言っているだけでございます。それに伴って、当然必要なのは、分散投資をするからにはリスク管理がきちっとできるガバナンス体制がなければいけない、こういうことで言っているわけであります。
 今御指摘の改訂日本再興戦略では、基本ポートフォリオについては、「適切な見直しをできるだけ速やかに実施する。」というふうにされているわけでありまして、年金積立金の運用は、必要な利回りをしっかりと確保しつつ、分散投資によって今申し上げたようにリスクを抑えていくことが重要であって、デフレからの脱却、適度なインフレ環境への移行など長期的な経済、運用環境の変化に即して、基本ポートフォリオの見直しについてしっかりとした検討を速やかに行うこととしたものでございます。
 株式運用比率を含む基本ポートフォリオの具体的な見直し内容については、財政検証の結果を踏まえて、GPIFにおいて検討を行っているというふうに私は承知をしております。
○高橋(千)委員 一つ一つ反論していると時間がありませんので、次の続きの中でお話をしていきたいと思うんです。
 株式がこれほど反応するということはどういう意味か。それは、大臣就任前にさまざまなことをおっしゃっていた、きょうも既に午前の部で出ていたわけですけれども、そこに反応したのではないかということであると思うんですね。
 少しずつ聞いていきたいと思うんですけれども、そもそもGPIFが委託されている基金が今、百二十七兆円。これを一%でも動かせば一兆二千七百億円。これは、東証一部市場の一日当たりの売買代金の、動いていますからあれですけれども、きのうでいうと半分に迫るくらいの大きな規模なわけですね。もしこれが十倍の一割であれば、日本の貿易収支赤字の一年分に迫る規模である。ですから、市場に与えるインパクトが大きいのは当然だと言わなければならないと思うんです。
 ことし三月に認可された中期計画は、「年金積立金が被保険者から徴収された保険料の一部であり、かつ、将来の年金給付の貴重な財源となるものであることに特に留意し、専ら被保険者の利益のために長期的な観点から安全かつ効率的に行う」のを基本方針としている。これは大臣も総理も何度も答弁をされていることと同じことだと思います。
 また、積立金の運用に当たっては、「市場規模を考慮し、自ら過大なマーケットインパクトを蒙ることがないよう努めるとともに、市場の価格形成や民間の投資行動等を歪めないよう配慮」するということが強調されております。やはり、ここの原則というのは変えないというのが大事だと思うんですね。
 そこで伺いたいのは、違うと言ってくださればそれでいいんですよ。政府の一部門である公的年金が企業の大株主になる、こうなってしまうとやはり利益相反になるという指摘があります。経営に口出しをする、一方では、その経営にかかわる制度を厚労省としてつくったりしているわけですから。そういう指摘がございます。また、運用を投資会社に委託するのではなく、GPIFが直接投資するインハウス運用になれば、重要な情報に接し得るインサイダー投資の直接的な主体になりかねない、こうした指摘もあるわけであります。
 大臣のお考えを伺いたいと思います。
○塩崎国務大臣 先ほど先生御指摘になった基本原則は全く変えません。これは何度も言ってまいりました。
 それで、今、インサイダー投資等々のお話、御指摘がありましたが、資金運用においては、御指摘のとおり、利益相反の防止というのが極めて重要でありまして、一般的には職員等のコンプライアンス規定によって担保するものだというふうに理解しております。年金積立金の運用についても、厚生年金保険法等において関係者のコンプライアンスの徹底について規定が定められております。
 厚生労働省の運用担当職員に対しては、全力を挙げてその職務を遂行しなければならない義務とか、あるいは秘密保持義務が課されておりまして、これらの義務に違反した職員は責任を負うということになっています。
 また、GPIFについても、その役職員に対して同様の義務が課されているほか、理事長や理事は受託者責任を負っているため、善管注意義務、忠実義務が当然課されておりまして、これらの義務違反があった場合には責任を負うということになっています。
 年金積み立ての運用について、利益相反の防止も含めたコンプライアンスの確保は重要であると考えておりまして、我々、当然、新しいGPIFはそういった利益相反防止の仕組みをしっかりと取り入れたガバナンスを確立しなければいけないというふうに思っております。
 なお、GPIFの株式運用は、民間運用機関に運用委託して行っているものでありまして、GPIFみずからが直接運用をすることは認められておりません。
    〔委員長退席、とかしき委員長代理着席〕
○高橋(千)委員 最後のところ、認められておりませんとおっしゃったわけですけれども、これについても、例えば米沢運用委員長などが発言をしているだとか、さまざまな報道があるわけです。ですから、否定していただきたいということを言いました。
 やはり利益相反に対して、大臣も非常に慎重であるべきだというふうな答弁をされた。すごく大事なことだと思うんです。個々の議案に対する判断を管理運用法人として行わないということ、要するに、株主権としての権利を行使しないということがこれまでも言われているわけですね。だけれども、企業との対話、もっともっと積極的に情報を得るべきではないかという議論が盛んにされてきたから、そこをあえて指摘させていただきました。
 そこで、大臣は、もちろんこれは年金を守ることが優先ですから株価対策ではないというふうにおっしゃっているわけですね。
 これについては、例えば九二年の宮沢内閣のときに、公的年金の積立金、当時二兆八千億円、株価対策に投入された株価PKO、平和維持活動をもじって価格維持活動と呼ばれたそうでありますが、二の舞になるのではというふうな指摘もあるわけです。
 こういう投入の仕方というのは、やはり即効性があるけれども一時的ではないか。当然、一時的には上がるんだけれども、買いがとまると、株価がだらだら下がってきたり、外国人投資家にも狙われやすいという指摘がございます。
 十月四日付の毎日新聞で、日本総研の西沢和彦上席主任研究員が、「企業価値を高めるわけでもなく、成長戦略に位置づけるべきではない。」こういう指摘をしているんですね。これと同じ趣旨のことを、実は麻生財務大臣が、六月三日の財務金融委員会で我が党の佐々木憲昭議員の質問に対して、やはり株というものは会社の実体が伴っていないと、要するに企業の価値が上がっていかないと安定したものにならぬと答えていて、やはりそういうのが基本なんじゃないかなと思うんですけれども、これは認識は一致できるんでしょうか。確認です。
○塩崎国務大臣 冒頭、PKOの話でスタートをされた御質問で、この問題について申し上げれば、こういうあらぬ誤解を招かないために、やはりどこの国も、こういった国の年金資金などの運用機関というのは、政府からの独立性というものを一定程度配慮してつくっているんですね。ですから、そういうことは、これからそういう誤解を招かないようにしていかなきゃいけないというふうに考えています。
 この年金積立金の管理運用は、さっきも申し上げたとおり、厚生年金保険法に基づいて専ら被保険者の利益のために安全かつ効率的に行うものであって、PKO、いわゆる株価の維持操作など被保険者の利益以外の他事考慮をすることは法律で禁止をされているわけであります。
 ですから、今後とも引き続き法令に基づき適切な運用を行うとともに、独立性、自主性というものを今後改革の中で実現していきたいというふうに思っております。
    〔とかしき委員長代理退席、委員長着席〕
○高橋(千)委員 昨年の十一月の公的・準公的資金の運用・リスク管理等の高度化等に関する有識者会議、この報告書の中では、「各資金は、」各資金というのは今GPIFが持っている「各資金は、コストをできる限り抑える観点から委託手数料等の縮減に努めて」いると評価をしているんですね。その上で、「その結果、かえって十分な情報を得られず、」私がさっき言った話ですよ、企業に、もっと情報を得ようという話、「十分な情報を得られず、貴重な運用機会を逃している」「金融・資本市場の発達を阻害する要因になっている可能性がある。なお、より高度な運用を行う結果、手数料を含むコストが上昇することもあり得る」と言っているわけですね。
 つまり、今、次のGPIFの報酬をどうするのかとかいうことが非常に議論になっているわけでありますけれども、本当に情報をもっともっとつかんで動き、企業と株価の状況をつかんで的確にリターンを得ようとするならば、もっとプロでなければならない。だから、手数料も、当然、今までではない、思い切ったものをやるべきなんだという趣旨で述べているんだと思うんですね。このときの有識者会議のメンバーが、米沢委員長を初め三名が今のGPIFの運用委員会に入っている、こういう状態なわけです。
 でも、私は、そこまでしてハイリスクなかけを、つまり、手数料をうんと弾んで、そして本当のプロを採用して絶えず株の動きを見ていなきゃいけない、そこまでしてやる必要があるんだろうかと思うんです。
 今でさえ分散投資をしています。ことし四月に日本株の運用先を見直しして、その委託先の七割は外資系会社十社。これはほとんど米国ですが、こういうふうになっているわけです、既に。つまり、国内株でありながら、顔ぶれはメード・イン・USA、こういう状態になっている。
 これが事実かどうかということをまず確認したいのと、その上で、やはりここまでリスクをとる必要はない、要するに、ここまでやっているんだから、もうこれ以上は必要ないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○香取政府参考人 御答弁申し上げます。
 先に運用機関の入れかえに関して御説明申し上げますが、御案内のように、今大臣からも御答弁申し上げましたが、GPIFは、国内外の運用受託機関に運用を委託するという形で資金運用を行っております。
 これは定期的に見直しを行っているわけでございますが、基本的には、国内、国外を問わず公募を行って、その公募に応募した運用機関の中から選ぶ。これは、GPIFにおきまして、それぞれ、GPIFの専門的な見地から、投資方針でありますとか運用のプロセス、組織、人材、コンプライアンス、あるいは今回御議論がありました株主議決権行使の取り組み等々精査をしまして、かつ運用手数料も含めて、総合評価を踏まえて運用委員会で御審議をいただいて決めるということになってございます。
 今回、結果として外資系の運用機関の増加がありましたけれども、これは、そのような見直しの結果ということでございます。
 それから、役職員の報酬の話でございますが、これも今大臣から御答弁ありましたように、GPIFとしては、あるいは私どもとしては、年金財政として必要な運用利回りを確実に確保する、かつ、同時にできるだけリスクを抑えていくということを行っていくということでございます。
 したがいまして、これは株式だけではなくて国債あるいは外国債等も運用しておりますので、広い意味での市場環境の変化を確実に押さえて、機動的で効率的な運用を行うことが必要だということ、特に、長いデフレから脱却をして、名目で経済成長をするという形で運用環境が大きく変わっておりますので、そういう中で、市場の運用を確実に行っていくという観点で必要な人材の確保も必要であろうということで、このことは、どのような運用方針で臨むかということにかかわらず、いわばハイリスク・ハイリターンのためにそういう人を雇うということではないということでございます。
 御指摘にあった閣議決定でも、高度で専門的な人材確保ができるように、職員数、給与水準の弾力化を行うということになってございますし、私ども、今回運用の見直し、あるいは財政検証に当たって設置いたしました専門委員会の報告におきましても、運用の専門組織としてふさわしい、高度な専門性を持った質の高い人材の確保と育成をしていくべきということになっております。
 ちなみに、運用手数料でございますが、私ども、GPIFは、史上最大、先ほどありましたように非常に大きい基金を持っているということで、実は運用手数料が〇・〇二%という水準でございます。これはもう世界最低水準の低コストの運用。通常、米国等の大規模年金基金ですと〇・四%程度、皆様方がお買い求めになる個人の運用ですと一%から最大三%ぐらいの手数料でございますので、非常に低い運用手数料で基本的には賄って運用を行っているということでございます。
 以上です。
○高橋(千)委員 年金の次の議論がもう一つありますので、ちょっとここは残念ながら問いを飛ばしたいと思うんですが、一言だけ指摘をして次に行きたいと思うんです。
 要するに、今までは、デフレのときは安定的な国債でやってきたんだ、だけれども、デフレから脱却する過程で、物価が上がって賃金が上がって、それは望ましいんでしょうけれども、運用が追いつかないとだめだからと、そういう答弁を大臣も、あるいは総理もされてきたと思うんです。
 だけれども、資料の二枚目を見ますと、運用利回りから名目賃金の上昇率を引いて初めて年金財政上の実質的な利回りというのを計算する方法になっているわけですね。そうすると、下が財政計算上の前提なんです。ですから、下はプラスが立っています。でも、上の方は、自主運用を始めて十三年間ほとんどマイナスである。賃金がマイナスであるから何とか利回りが上がってきた。
 だから、ここで利回りを上げることも大事かもしれないけれども、それ以上にやはり実質の賃金のところを上げていく、そこに本当に力を入れていくというのが大事なんじゃないか。要するに、物価が上がったところに運用が追いつかないなんて心配をしている段階ではないのだということを指摘しておきたいというふうに思っております。
 この問題は引き続いて、次の国会にも出されるということですので、次の機会で質問したいと思います。
 そこで、実際の年金給付がどうなっていくのか、局長、少し簡潔に答弁をお願いしたいと思います、答弁がちょっと長過ぎるので。
 資料の三枚目につけておいたんですが、これは非常に面倒くさい計算なので、仮定の数字、要するに、来年の四月どうなるかという話なんですよ。仮定の数字を入れるしかありません、まだ数字が出ておりませんので。
 そこで、うちの事務所で計算をしてみたわけですけれども、上は物価上昇率が二%の場合、特例水準の解消〇・五%は残っております。マクロ経済スライドが初めて一%発動される。そうすると、実質〇・五%ふえるのかな、それって、基礎年金満額の場合で三百二十二円、そういう水準なんだろうということ。それから、下は賃金上昇率が物価に追いつかなかった場合、これは、マクロ経済スライドは足切りになりますので、結局、ことしと一円も変わらない。
 こういう計算になるのかなと思いますが、いかがでしょうか。
○香取政府参考人 では、簡潔に。
 マクロ経済スライドの年金額調整は、特例水準を解消した上で、物価、賃金の変動に対して行うということになります。
 したがいまして、まず特例水準解消分の〇・五がございまして、それを引いた後の物価、賃金の上昇率に対してマクロスライドがかかるということになりますので、先生が置きましたような前提を置いて、マクロスライドの率が一%となりますと、このような結果になろうかというふうに思います。
 実際の数字は、御案内のように、最終的には総務省のお示しになる数字で年末に確定されるということでございます。
○高橋(千)委員 実質はどうかと言っちゃうとまたあれなんですけれども、少なくとも下がらないであろうということが今想像されるんだけれども、結局そこは、マクロ経済スライドが給付抑制ではあるんだけれども、マイナスにはならないというところが歯どめにはなっている。
 問題は、年金部会、きょう、たった今この時間やっておりますけれども、しかもそれを議題にしておりますけれども、デフレ下でもマクロ経済スライドを発動して調整を行うべきだという議論があるわけです。これが将来の年金水準を確保すると言うけれども、本当にそうなんだろうかということを聞きたいと思うんですね。
 それで、今の資料の四枚目を見ていただきたいんですけれども、先日やった財政検証で、八個のケース、経済成長のケースがあって、五つのケースが上昇する、残り三つは上昇しない。上昇しなければ所得代替率五割確保するというのはないだろうということが言われているわけなんですけれども、ケースEというのが、ここで示したのが大分現実に近いのではないかということがよく言われているんです。
 そこで、ここで比較をしたいんですけれども、比例年金の夫と基礎年金の妻という形のモデル世帯の所得代替率がどうなるかというものなんですけれども、ここは、平成三十一年、二〇一九年では、厚生年金の調整終了、つまりマクロ経済スライドが終了して、その後は代替率がずっと同じになる。だけれども、基礎年金は、その後ずっとおくれて、二十年以上おくれて、平成五十五年度、二〇四三年まで調整がかかっていくんですね。
 これは、終了年度がこんなに大きく違うのはなぜでしょうか。
○香取政府参考人 御指摘のように、マクロスライドの周期が厚生年金と国民年金で違っているということでございます。
 この原因はということでございますが、実はこれは、デフレの間、御案内のように年金はマイナス改定になるところを、特例的に年金改定を行わないということで、いわば年金水準が高どまりをするという状態が続きました。
 これがいわゆる特例水準でございますが、実は、この特例水準を置いたことによりまして、基礎年金は定額で給付をしておりますので、いわば国民年金の方が高どまりをずっとしたことによって、国民年金財政に非常に大きな負担がかかったということで、いわばこの分を最終的に調整するために、国民年金の方がより長くマクロスライドの期間がかかるということになったということでございます。
 その意味では、これは、この間、高い給付を、本来物価に応じた水準で行わないで、特例水準をずっと維持したということのいわば影響が将来の給付に出たということだというふうに御理解いただきたいと思います。
○高橋(千)委員 満額でも六万四千円という水準の国民年金に対して、高い給付だったという言葉は本当に当事者にとって冷たいせりふではないかなということを指摘したいなと思うんです。
 それで、基礎年金が減ることによって、それは当然比例年金の方も、厚生年金の方もそこに引きずられて下がっていくわけですね。
 それで、実際にどうなるかということで、5の資料を見ていただきたいんですけれども、仮に財政検証のとおりに、見込みのとおりに動いたとしても、所得代替率の五割確保できているというのは、それはあくまでも年金裁定時の水準なわけですね。
 この資料の見方ですけれども、例えば真ん中の人を見ていただくと、一九六四年度生まれで五十歳の方は、年金をもらう六十五歳と仮定すると五六・八%。これを横にずっと延ばしていくんですね。そうすると、八十歳で四三・一%、九十歳で四〇・四%ということで、どなたも五〇%というのは最初だけで、がっと減っていく。つまり、長生きすればするほど年金は減っていく、こういう仕掛けになっている。
 いかがですか。
○香取政府参考人 所得代替率は、法律上、年金を新しく受け取り始めたとき、いわゆる新規裁定年金について、現役世代の賃金との比較で比率をお示しする。この年金額が五〇%を下回らないこと、下回る場合には必要な制度改正を行うというのが法律上の要請でございます。
 この考え方は、これは法律制定時にも御説明していますが、高齢期の生活というのは現役生活の延長であるということで、高齢期となって新たに年金を受け取り始めているときに、その時点での現役世代との賃金のバランスということで考えるということでございます。
 基本的には、その後の年金については、購買力維持ということで、物価あるいは賃金の上昇による改定ということで行い、かつ現役との負担のバランス、負担と給付のバランスということで、先ほどからお話のあるマクロスライドというものが入っているということになります。
 したがいまして、ある意味、裁定の後、物価、賃金の動向あるいはマクロスライドによって少しずつ下がっていくというのは、いわば十六年改正で想定された基本的な制度の仕組みそのものだということでございます。
○高橋(千)委員 世代間格差とか現役世代とのツケ回しをしないということが、ですからバランスをとる必要があるんだと何度も言ってきたんだけれども、しかし、その中でも、五割、五割と言ってきたことでさえも、それは最初だけの話だったのねという状態の中で、本当にそれでいいのかということを考えなくちゃいけないんですよ。
 結局それは、世代内でいったときに、高齢者の貧困ががばっとふえるわけですね。そのままでいいのかということをちゃんと言わないと、考えないといけないわけです。
 資料の六枚目に、これはどのくらい減るかというのを書いたわけですけれども、基礎年金は最終スライドを終わったときには三割減るわけですね、三割。
 今、政府のモデル世帯はいつも夫婦で、片っ方は厚生年金でと。いつまでもそのパターンではないわけですね。当然ひとり暮らしの高齢者がふえます。今の若い人たちの状態からいっても、当然そういうことは予想されます。そして、今もらっている人たちもこれだけ減るんだということを、本当にどう見るのか。
 少なくとも私は、マクロ経済スライドはやめるべきだと思っています。少なくとも基礎年金にマクロ経済スライドをかけるべきではない、これは年金部会でさえも複数意見が出ていますね。大臣、そのことを御存じでしょうか。そして、そういうことを本当に考えなきゃいけないんじゃないでしょうか。どうですか。
○塩崎国務大臣 基礎年金の目減りについてのお話をされているんだろうと思いますが、基礎年金の水準については、昭和六十年の基礎年金導入当時においても、もともと老後生活の基礎的な部分を保障するという考え方から設定された経緯がございまして、こうした経緯からも明らかなように、基礎年金は、現役時代に構築した生活基盤や老後の備えと合わせて一定の水準の生活を可能とするものであって、必ずしも年金だけで老後生活を賄うという考え方で設計をしたものではないわけでございます。
 また、平成十六年の制度改正において、将来の負担を過重にしないように厚生年金、国民年金の双方について保険料の上限を固定した以上、基礎年金についてもスライド調整をかけて給付と負担の均衡を図ることは、これは最大の目的であります年金の持続可能性を担保する上で必要な措置であるわけであります。
 一方で、マクロ経済スライドによります基礎年金の調整期間が長く、そしてまた基礎年金の水準が低下するという問題については、今お示しをいただきましたけれども、認識をしておりまして、ことしの財政検証では、一定の制度見直しを仮定したオプション試算というのを実施しておりますけれども、短時間労働者の適用拡大などのオプションが、制度の持続可能性を高めて、基礎年金も含めて給付水準を確保する上でプラスの効果があることが、今回、オプションを初めて示して、確認ができたところでございます。
 それぞれのオプションというのは、もちろん、一定の痛み、そしてまた国民負担の増というものを伴うものでありますから、今回の結果を材料に、今後、国民の理解を得つつ、関係者との間で十分に議論して、制度見直しの検討を進めていきたいと思います。
○高橋(千)委員 そのオプションこそが、まさに制度の破綻を認めたものだと言わなければなりません。
 続きはまたやります。
 終わります。
○上川委員長 この際、塩崎大臣から発言を求められておりますので、これを許します。塩崎厚生労働大臣。
○塩崎国務大臣 先ほど清水先生の御質問、冒頭にあった、例の漏えいしたメールについて、日付を私、一日間違えまして、九月の三十日に私宛てに送られたメールが秘書から来たもので、それに対して、一日の朝、指示を出して、直ちにそれはとめるようにということを言ったので、さっき二十九日と申し上げましたが、三十日の誤りでございましたので、おわびして訂正いたしたいと思います。
 ありがとうございました。
     ――――◇―――――
○上川委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 厚生労働関係の基本施策に関する件、特に危険ドラッグ対策について調査のため、来る十七日金曜日午前九時三十分、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、来る十七日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時七分散会