第189回国会 本会議 第9号
平成二十七年二月二十六日(木曜日)
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  平成二十七年二月二十六日
    午後一時 本会議
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○本日の会議に付した案件
 情報監視審査会委員の選任
 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
 高市総務大臣の平成二十七年度地方財政計画についての発言並びに地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明並びに質疑
    午後一時二分開議
○議長(町村信孝君) これより会議を開きます。
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○議長(町村信孝君) 御報告することがあります。
 永年在職議員として表彰された元議員阿部昭吾君は、去る一月四日逝去されました。痛惜の念にたえません。謹んで御冥福をお祈りいたします。
 阿部昭吾君に対する弔詞は、議長において今二十六日贈呈いたしました。これを朗読いたします。
    〔総員起立〕
 衆議院は 多年憲政のために尽力され 特に院議をもってその功労を表彰され さきに環境委員長の要職にあたられた正四位勲一等阿部昭吾君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます
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 情報監視審査会委員の選任
○議長(町村信孝君) この際、情報監視審査会委員の選任を行います。
 衆議院情報監視審査会規程第三条の規定に基づき、情報監視審査会委員に額賀福志郎君、岩屋毅君、平沢勝栄君、松本純君、大塚高司君、松本剛明君、井出庸生君及び漆原良夫君を
選任するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(町村信孝君) 起立多数。よって、いずれも選任することに決まりました。
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 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
○議長(町村信孝君) この際、内閣提出、所得税法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。財務大臣麻生太郎君。
    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 本法律案は、デフレ脱却と経済再生、地方創生への取り組み、経済再生と財政健全化の両立、国境を越えた取引等に係る課税の国際的調和、震災からの復興支援などの観点から、国税に関し、所要の施策を講ずるものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、デフレ脱却と経済再生に向け、法人税について税率の引き下げ並びに欠損金繰越控除制度及び受取配当等益金不算入制度の見直し、住宅取得等の資金に係る贈与税の非課税措置の延長・拡充、非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置の拡充等を行うことといたしております。
 第二に、地方創生に向け、地方創生に資する投資促進税制の創設、外国人旅行者向け消費税免除制度の拡充、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設等を行うことといたしております。
 第三に、経済再生と財政健全化を両立するため、消費税率引き上げの施行日の変更等を行うこととしております。
 第四に、国境を越えた取引等に係る課税の国際的調和を図るため、国境を越えた役務の提供に対する消費税の課税の見直し、国外転出をする場合の有価証券等に係る譲渡所得等の特例の創設等を行うことといたしております。
 第五に、震災からの復興を支援するため、福島で事業を再開するための投資費用を積み立てやすくするための準備金制度の創設等を行うことといたしております。
 このほか、財産及び債務の明細書の見直し等を行うとともに、土地の売買等に係る登録免許税の特例等について、その適用期限の延長や整理合理化等を行うことといたしております。
 以上、所得税法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。
 以上です。(拍手)
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 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(町村信孝君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。鈴木克昌君。
    〔鈴木克昌君登壇〕
○鈴木克昌君 私は、民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案につきまして質問をいたします。(拍手)
 まず、大変残念なことでありますが、安倍政権の国民への不誠実な対応について申し上げなければなりません。
 先日、西川農水大臣が突然辞任されました。大臣の辞任はこの四カ月で三人目であります。しかも、政治と金の問題に対し、何ら説明責任を果たさないままの辞任であります。安倍総理は、任命責任を感じているとおっしゃっていますが、もしそうであるならば、国会に資料を提出した上でしっかりと説明責任を果たすよう、本人に促すべきだと思います。
 しかし、当の安倍総理自身が、予算委員会での事実無根のやじを飛ばされるなど、問題のある態度をとっておられます。昨年末の総選挙で圧倒的多数の議席を確保したからといって、国民が総理に白紙委任をしたとでもお考えであるならば、それはおごりにすぎません。総選挙における自民党の絶対得票率は二割弱にすぎず、投票率は戦後最低を記録しました。そのような事態に至ったのは、国民が今の政治にあきれているからだと私は思います。
 思い起こせば、二〇一二年の党首討論で、衆議院解散と引きかえに当時の野田総理と議員定数削減を約束されたのは、当時の安倍自民党総裁でありました。しかし、総理になってから二年以上たった今も、議員定数削減という国民との約束は一向に果たされていません。
 一方で、国民と約束もしていない特定秘密保護法を強行採決したり、集団的自衛権の閣議決定を強行したり、TPP交渉をろくに説明もせず推進したりするなど、安倍総理は、国民に対し、不誠実な態度に終始してきました。
 そして、消費税増税の延期を口実に、野党の選挙体制が整っていないと見るや否や、急に民意を問うと言われて衆議院を解散し、約六百三十億円もの費用をかけて選挙を実施しました。
 そもそも、消費税引き上げを安易に先延ばしできるような財政状況にはないにもかかわらず、延期せざるを得なかったのは、政府の政策が富める者をより富ませただけで、過度な円安、悪い物価上昇、実質賃金の低下、格差拡大を招き、国民生活を悪化させたからではありませんか。
 以下、所得税法等一部改正案について具体的にお伺いしますが、論点をずらさず誠実に御答弁をいただき、国民にきちっと説明責任を果たしていただきたいと思います。
 今回の税制改正において、消費税増税の際の景気判断条項をなくすということは、再来年四月に必ず増税をするという宣言にほかなりません。事実、安倍総理は、確実に実施すると繰り返し発言をしておられます。
 さらに、三本の矢により消費税増税が可能な経済状況をつくり出すことができるとも断言されております。その自信には、一体どのような根拠があるのでしょうか。
 昨年十一月の消費税増税の延期を表明した際の安倍総理の発言を引用いたします。消費税を引き上げることによって景気が腰折れしてしまえば、国民生活に大きな負担をかけることになります、そして、その結果、税率を上げても税収がふえないということになっては元も子もありません、経済は生き物ですと発言されています。
 まさに、御指摘のとおりであります。経済は生き物です。だから、景気判断条項があるのです。安倍総理は背水の陣をしいたおつもりなんでしょうが、そうであるならば、それに巻き込まれる国民は、アベノミクス破綻処理に伴う被害者にほかなりません。
 総理に就任されてから約二年間、極端な金融緩和のもと、さんざん公共事業を初め財政出動を行ってきたにもかかわらず、それでも消費税増税を行う経済状況にできなかったのに、この先どうやって消費増税を行う経済環境を整えていくというのでありましょうか。総理に明確な答弁を求めます。
 逆進性対策についてお伺いいたします。
 複数税率は、一見単純かつ効果的に見えますが、高額所得者ほど負担軽減額が大きくなるため、効果に疑問が呈されています。また、食料品を例えば五%に軽減するだけで三兆円もの巨額の財源が必要になるばかりでなく、対象品目の線引きが極めて不明瞭、困難であり、適正な申告のためにはインボイス制度の導入が必要となり、徴税コストに逆進するものであります。加えて、帳簿の複雑化等大きな事務負担を与えるため、特に中小企業や小規模事業者に不安の声が上がっています。
 他方、消費税の払い戻しである給付つき税額控除は、必要な世帯だけに対象を絞れる制度であり、軽減税率導入に必要となるような巨額の財源も必要とせず、また利権も生じにくい、より公正なものであると有識者からも評価されています。所得捕捉が課題でありましたけれども、マイナンバー制度もいよいよ導入されます。
 何よりも、格差是正に有効な税制であると思われますが、なぜ税制抜本改革法第七条に基づき検討を進められないのか、財務大臣に答弁を求めます。
 次に、法人税改革についてお伺いいたします。
 経済の好循環の着実な実現に資する措置として、稼ぐ力のある企業の税負担を軽減するため、法人実効税率を引き下げるとしています。
 一見正しいことのように思えますが、稼ぐ力という面では必ずしも強くはないけれども、地域の雇用や、そして地域を支えている企業も数多くあるのであります。また、これから成長し稼ぐ力をつけていくと思われる企業も多くあります。
 そうした企業に対して、法人事業税の外形標準課税の拡大、特に賃金が大宗を占める付加価値割を倍にして増税を行うことは、経済の好循環と矛盾をしませんでしょうか。
 一応、賃上げをした企業には配慮するとして、法人税の所得拡大促進税制要件緩和をしたり、給与等支給額の増加分を付加価値割の課税ベースから控除する措置を入れたりするとしています。
 しかし、そういった措置を入れたとしても、外形標準課税の拡大は、例えば人材を重視し、リストラなどをなるべく行わずに、多くの雇用を抱えて頑張ってきた企業の足を引っ張ることになりませんか。総理の答弁を求めます。
 法人実効税率は二〇%台まで引き下げることを今後目指すとされていますが、そのために、中小企業への対象拡大も含め、これ以上外形標準課税を拡大させたり、中小企業の軽減税率を縮減、廃止したりすることは、成長戦略に反し、実施すべきではないと考えますが、総理のお考えを伺います。
 そもそも、復興法人特別税を前倒し廃止して、法人実効税率を昨年四月から既に引き下げていますが、目に見える効果があったのでしょうか。総理の明確な答弁を求めます。
 次に、贈与税について伺います。
 民主党は、一部の高齢者に滞留している資金を若年世代に移転し、経済を活性化する観点から、生前贈与を進める贈与税の非課税措置を拡大する一方、相続税の増税を進めてきました。
 しかし、その際に配慮してきたのは、世代内格差とのバランスであります。世代を超えた格差の再生産を促し、ひいては格差の固定化につながるような税制のあり方は、到底公平なものとは言えません。
 今回、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税について、一千万円の非課税措置を創設し、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置を三千万円に拡充するとしています。もともと、贈与税には年間百十万円の非課税枠もあります。
 相続や贈与については、世代内格差の是正を図る機会としても捉えるべきであり、今後、そういった視点から税制措置を講じていくべきと考えますが、総理のお考えを伺います。
 次に、自動車関連税制について伺います。
 本改正案において、自動車重量税については、いわゆるエコカー減税について、燃費基準の移行を円滑に進めるとともに、足元の自動車の消費を喚起することにも配慮した経過的な措置を講ずるとされております。
 引き続き、手厚い配慮を期待するところではありますが、例えば、昨年の軽自動車税の見直しによって、自動車ユーザーに大きな負担増加となっている状況は看過できません。とりわけ、地方においては、自動車はぜいたく品ではなく、まさに生活の足として日々の暮らしに欠かせないものであります。
 安倍内閣が地方創生を目指すのであれば、補助金や商品券をばらまくのではなく、まずは、地方で暮らしている皆様の負担をできるだけ軽くすることを考えるべきではありませんか。にもかかわらず、軽自動車税の増税は堅持したまま、自動車取得税廃止は延期するなど、地方に配慮した内容に全くなっていません。
 与党の税制改正大綱においては、消費税率一〇%の段階の車体課税の見直しについては、平成二十八年度以後の税制改正において具体的な結論を得るとされておりますが、自動車取得税は速やかに廃止し、車体課税の抜本的見直しを行うべきであります。
 総理とともに、地方の現状を踏まえた地方創生大臣のお考えを伺います。
 今国会に提出された税制改正法案からは、経済再生、財政健全化という言葉は躍っていますけれども、個々の措置には矛盾が多く見られます。
 決定的なのは、格差是正の観点がすっぽりと抜け落ちているところであります。頑張った人が報われない、それどころか、頑張ろうとすることさえかなわない人が多く存在するような社会では、真に活力ある社会たり得ません。
 民主党は、機会の不平等を解消する税制改革に取り組み、格差是正と経済成長、財政再建を同時に実現していくことを国民の皆様にお約束し、私の質問とさせていただきます。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 鈴木克昌議員にお答えをいたします。
 消費税率引き上げに向けた決意についてお尋ねがありました。
 この二年間、全力で射込んできた三本の矢の経済政策により、確実に経済の好循環が生まれ始めています。
 昨年四月の消費税率の引き上げ等を背景に、個人消費等に弱さが見られたものの、先日公表された昨年十―十二月期のGDP速報では、三四半期ぶりに実質GDPが前期比プラス成長となるなど、景気回復の兆しも見られます。
 こうした動きを確かなものとするため、まずは二十六年度補正予算を迅速かつ着実に実行してまいります。
 平成二十九年四月の消費税率一〇%への引き上げについては、世界に冠たる社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、市場や国際社会からの国の信認を確保するため、景気判断条項を付すことなく確実に実施します。
 そうした経済状況をつくり出すという決意のもと、三本の矢の政策をさらに前に進め、経済再生と財政健全化の両立を目指してまいります。
 法人事業税の外形標準課税などについてのお尋ねがありました。
 今回の外形標準課税の拡大は、法人所得に係る税率の引き下げとあわせ、企業の稼ぐ力を高め、法人課税を成長志向型の構造に変えていく法人税改革の一環として行うもので、資本金一億円以下の中小法人を対象外としております。
 中小法人課税につきましては、実態を丁寧に検証しつつ、全般にわたり、各制度の趣旨や経緯も勘案しながら、引き続き幅広い観点から検討を行ってまいります。
 復興特別法人税の廃止についてのお尋ねがありました。
 復興特別法人税の廃止は、経済の好循環を早期に実現する観点から、所得拡大促進税制の拡充や政労使会議での取り組みとともに、足元の企業収益を賃金の上昇につなげていくきっかけとするため実施したものです。
 これらの取り組みにより、経済の好循環が生まれ始めたものと考えています。昨年の春闘では、賃上げ率が過去十五年で最高となりました。
 また、経済産業省の調査によれば、中小企業、小規模事業者でも六五%で賃上げが実施されました。
 今後とも、経済の好循環を拡大してまいります。
 相続税と贈与税についてのお尋ねがありました。
 現在の我が国においては、長引くデフレからの脱却と経済再生の実現が喫緊の課題です。
 需要の安定的拡大を図る観点から、高齢者層から若年層への資産の早期移転を促すため、今般、贈与税の非課税措置の拡充を行うこととしたところです。
 他方、格差が固定しない、あるいは、許容し得ない格差が生じない社会を構築していくことも重要な課題です。
 このため、再分配機能の回復を図る観点から、相続税については基礎控除の引き下げ等の改正を行い、本年一月から適用されています。
 また、贈与税の非課税措置についても、再分配機能が大きく損なわれることのないよう時限措置として導入したものであり、その効果や影響をよく見きわめた上で、必要に応じて見直しを行ってまいります。
 車体課税の見直しについてお尋ねがありました。
 平成二十七年度税制改正では、消費税率一〇%への引き上げ時期の変更に伴い、自動車取得税の廃止等も延期するとともに、経済情勢にも配慮して、軽自動車税におけるグリーン化特例の導入や二輪車の新税率適用の延期等の措置を講ずることとしたところであります。
 今後の車体課税における見直しについては、平成二十七年度与党税制改正大綱等を踏まえ、地方の声も十分伺いつつ検討してまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕
○国務大臣(麻生太郎君) 冒頭、先ほど趣旨説明の中で、外国人旅行者向け免税制度の拡充と言うべきところを免除と申し上げましたが、正しくは免税であり、訂正をさせていただきたいと存じます。
 給付つき税額控除についてのお尋ねが鈴木先生からあっております。
 税制抜本改革法におきましては、低所得者向けへの配慮として、給付つき税額控除と軽減税率がともに検討課題とされております。
 与党におきましては、このうち、軽減税率に関して検討を進めることとなっているものと承知をいたしておりますが、政府として、こうした与党における状況等を十分に踏まえながら、低所得者への配慮について必要な検討を行ってまいりたいと考えております。(拍手)
    〔国務大臣石破茂君登壇〕
○国務大臣(石破茂君) 鈴木克昌議員より、車体課税の抜本的見直しを行うべきではないかとのお尋ねをいただきました。
 自動車が地方の生活や経済にとって重要な役割を果たしていることは、十分理解をしておるところであります。
 他方で、地方公共団体が地域の課題に適切に対応していくためには、必要な財源を確保していくこともまた重要であります。
 車体課税の見直しにつきましては、以上のような観点も含め、所管の総務省及び財務省において検討がなされるものと考えております。(拍手)
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○議長(町村信孝君) 丸山穂高君。
    〔丸山穂高君登壇〕
○丸山穂高君 維新の党の丸山穂高です。
 維新の党を代表して、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案に関連して質問させていただきます。(拍手)
 今週、西川農水大臣が献金問題で辞任するというゆゆしき事態が発生しました。そして、西川前大臣は、事もあろうに、記者団に対し、私が幾ら説明してもわからぬ人はわからぬ、だから大臣を辞任してきたと発言したとのこと。全くもって言語道断です。安倍内閣は、わからない人には幾ら説明してもわからないから説明を放棄する、そのような方針なのでしょうか。
 今回のこの法案、税制の改正は、国民の生活に直結する重要な課題であり、国会での慎重な議論と国民の皆さんへの丁寧な説明が必要不可欠です。
 そこで、まず何よりも初めに、安倍総理にお伺いしたい。
 安倍総理は、この前農水大臣の御発言をどのように考えていらっしゃいますか。また、今回の税制改正に当たっても、安倍内閣では、わからない人には幾ら説明してもわからない、そういう立場なのでしょうか。お答えください。
 さて、今回の法改正で一番に注目すべき大きなものは、消費税増税延期の問題です。
 この点、さんざん各所で議論されておりますが、一七年四月の一〇%増税時に、いわゆる景気条項なしで必ず実施するとされていることについて、我が党は反対ですし、景気条項を外す理由について何度聞いても、総理からは、市場や国際社会からの国の信認を確保するためとの紋切り型の御回答しかありません。
 去年末の一〇%への増税延期決定時には、四半期GDPや消費動向の悪化はアベノミクスの失敗ではないとした上で、しかしながら一〇%に上げられる状況ではないので増税を一年半延期するという話でした。その一方で、一七年四月のタイミングでは、今度は景気がよかろうが悪かろうが必ず消費税を上げるとおっしゃっています。そして、そのための環境をつくるために安倍内閣は頑張ると。
 もちろん、私たちも、景気浮揚のために、安倍総理には全力で頑張っていただきたい。しかしながら、総理もたびたびおっしゃっているように、景気は生き物ですから、頑張っても難しい場合もあります。
 総理は、一月二十九日の本会議で、リーマン・ショックのような事情の変更があれば別だという答弁がありました。ならば、なぜ景気条項を外して必ず上げると言い切るのですか。景気次第では上げない可能性もあるが、法文から景気条項を外すというのは、非常に矛盾しているのではないですか。さらに、万が一増税しない場合についての具体的な御説明が余りないことは、逆に、市場や国際社会、何よりも国民への説明として不誠実ではないでしょうか。
 既に何度もこの本会議場でも御答弁いただいているように、市場や国際社会からの国の信認を確保するため、そのために景気条項を外したいというのはわかりました。しかし、逆に、その信認を確保するには、より具体的に、どのような状況であれば再度延期する可能性があるのか、増税しない場合の想定についてもっと丁寧な御説明をいただかなければ、到底、市場や国際社会からの信認は得られず、逆に不信感を生じさせてしまいます。
 総理の想定されている、消費税を一〇%に上げない場合の状況について、その他の具体的事例をお答えください。
 リーマン・ショックのような外生的要因でなければ延期はしないというのでよいのでしょうか。天変地異についてはどうでしょうか。さらには、その場合に、景気指数や株価の変化などの客観的な数値に基づいて判断されるのか、また、前回と同じく、有識者のヒアリングに基づいた上で総理が判断するのか、それとも、総理の主観に基づくものなのか、最終判断のタイミングはいつなのかについてお答えください。
 歳入と歳出は一体であり、歳入である税の改革を考える上では、歳出改革のこともしっかりと考えなければなりません。特に、我が国における財政赤字が大きく膨らむ中での、まさしく歳出削減が待ったなしの状況です。
 が、しかしながら、政府に毎回毎回この点を問いただしても、いつも、二〇二〇年度の財政健全化目標についても堅持し、夏までにその達成に向けた具体的な計画を作成いたしますと、これまた紋切り型の役所答弁しかなさいません。
 財政再建時における歳出削減と増税のバランスについては、さまざまな研究でもあるように、財政再建に成功したのは歳出削減の割合が多い国であり、何より歳出削減が必要不可欠なはずです。一体、どのように考えているのでしょうか。
 財政再建のために経済成長を重視するのは、維新の党も同じ考えです。しかしながら、財政再建の手法については、安倍政権と考え方が違います。
 安倍政権は、三年連続で歳出を増大させながら、消費税の八%への増税に踏み切りました。歳出削減より増税先行で財政再建をしようとしており、その一方で、公共事業費のうち二兆円から四兆円を使い残し、翌年に繰り越しているのが現状です。にもかかわらず、国民の負担を求めるというのは筋が違うんじゃないでしょうか。まずは、議員、公務員自身の身を切る改革、そして歳出削減、その先に、それでも足らないのであれば増税をお願いするということでなければ、国民の納得は得られないのではないですか。
 身を切る改革と歳出削減、増税の順序のあり方、さらには財政再建に向けてのそれらの具体的なバランスのあり方について、総理の見解を伺いたい。また、消費税再増税の前に歳出の削減と身を切る改革を行わないのか、重ねてお伺いしたいと思います。
 軽減税率についてです。
 与党の税制改正大綱では、一七年度からの導入を目指すとなっていますが、オープンな議論も現状は先送りです。
 今月始めたという自民、公明両党の消費税軽減税率制度検討委員会においても、一貫して導入に積極的な公明党と、税収減や企業の事務負担増につながるとして慎重な自民党との温度差は大きいようで、肝心の導入時期をめぐっても、一七年四月からの早期導入を主張する公明党に対して、自民党は、一八年三月までの一七年度中とする声がまだまだ強いようです。
 与党内での議論がまとまらないのは早くどうにかしていただきたいですが、それよりも、与党内ではなく、国民にオープンな国会での議論も早く始めていただかなければ、一七年度の導入を目指すと言われても、国民の皆さんへの説明が間に合うのでしょうか。いつも、与党の検討を見守るとの答弁を繰り返すばかりですが、年内に与党案をまとめてもらって、出す場合には、来年の通常国会に法案を出すという認識でいるのでしょうか。
 一七年四月に消費税増税を迎えるに当たっての、政府としてのスケジュール感についての見解をお伺いします。
 そして、そもそも、税を含めて地域のことは地域で決めるべきだという観点が根本的に欠落しています。
 地方の独自性を発揮するために、地方分権と、そのための財源移譲の改革が急務であり、消費税の地方税化なども含めて、将来的に抜本的な制度改革が必要だと思いますが、それらの税の地方分権改革について、政府内の議論はどうなっていますか。
 全く進んでいないというよりも、やる気がないのではないですか。政府の見解をお聞かせください。
 また、今回の法改正案では、さらに細かい税制でも幾つかの課題が先送りにされています。
 例えば、政府税調では、専業主婦世帯の所得税を軽減する配偶者控除の見直しと夫婦の控除額が一定となる家族控除の導入、また高齢者世帯の税負担を軽減している公的年金等控除の見直し、さらにはビールや発泡酒などビール系飲料の酒税見直しなどが議論されたということです。しかし、今回の税制改正では、こうした改革も先送りのままです。
 なぜ、議論に上がっているのに今回見送られたのですか。その理由と、これらの制度についての政府の見解をお聞かせください。
 次に、法人税についてお伺いします。
 今回の税制改正の目玉の一つは法人税率の引き下げということですが、グローバル企業を呼び込むにはインパクトが足りません。目標とする、一五年度に二・五一%、一六年度に〇・七八%引き下げ、法人実効税率を二〇%台後半まで下げたとしても、まだまだ法人税率の下げ幅について諸外国は日本の先を走っています。
 英国は本年四月に二〇%に下げますし、中国や韓国は二〇%台半ばで、日本が二〇%台後半へこの先に下げたとしても、諸外国のレベルに満たない税率の引き下げでは、効果は限定的ではないですか。
 その観点から、さらに将来的な法人税率の見通しについてお伺いしたいと思います。
 そして、国家としての企業立地競争力の問題は、税制だけではないはずです。
 例えば、言語面での不安、少子化に伴う人口減での市場性の不安要素など、その他の面でも法人の不安を拭い、ニーズを満たしていく必要があると思いますが、税率以外の面での政府の見解と対策についてお伺いしたい。
 企業は、税制のみで立地を選ぶわけではありません。ビジネスの機会や情報、利便性も非常に重要な要素です。その意味で、今回の税制改正における本社機能の地方移転促進のための税制にも疑問が残ります。
 東京二十三区、大阪市、名古屋市などの都市圏から本社機能を地方に移した場合に、新社屋などへの投資額最大七%を法人税から差し引く措置が盛り込まれていますが、東京一極集中の是正は、これまで何十年と言われてきてできていないものであり、いきなり企業に対して、税制を少しだけ優遇するから、東京からインフラの整っていない地方へ行けというのは限界があります。
 まずは、多極化に向けて、二極目、三極目の世界と競争できる都市を成長のエンジンとしてつくっていくことこそ、国家的な優先課題ではないでしょうか。
 その意味で、まさしく今回の税制も、長期的な視野に立った実質的に効果のある政策だと思えず、毎回同じように繰り返される統一地方選挙前の選挙対策のようにすら感じられてしまいます。
 この税制改革で、どれぐらいの企業の移転を見込んでいるのでしょうか。政府の見解と移転の達成目標などをお示しください。
 さらに、今回の税制改正で目立つのは、非常にもうかっている大企業や資産のある富裕層には恩恵が大きい一方、そうではない大多数の企業、そして大多数の国民の皆さんにとっては、非常に不公平感の残る内容が多いということです。
 例えば、住宅贈与非課税枠の拡大や子育て資金の非課税制度の拡充などは、一見、子供や若者への資産移転を促すよい政策のように見えますが、資産の多い富裕層からその子孫へ資産がそのまま引き継がれる。格差の固定に多分につながりやすいものです。この点についてどのように考えているのでしょうか。
 ことし一月の相続税の基礎控除額の引き下げは一定の所得再分配につながると思われる一方で、このような格差の固定を促す相反する税制改正を今回行う。世代間格差というより家と家の世帯間格差の点について、何か政府の目標があってこの税制の改正を行っているのですか。
 世帯間の格差の固定や拡大についての政府の考えと、もしそれが好ましくないというのであれば、そのための税制も含めた具体的な政策や、政策達成を図る数値目標について、政府の見解をお伺いしたいと思います。
 そして、若者支援、世代間格差の是正、さらには人口減少対策というのであれば、今回の税制措置に含まれている結婚・子育て資金非課税制度について、時限措置ではなく恒久措置とすべきです。今回の制度を時限措置にした理由は何ですか。
 また、小手先の制度変更ではなく、もっと根本的に子供をふやすことにインセンティブの生まれるような、子供をふやす、いわゆる増子化政策、その抜本的な税制措置が必要不可欠ですが、政府の税制改正を見ていると、子供をふやす増子化社会をつくろうといった思い切った政策が感じられません。総理の見解をお伺いしたい。
 税は国家とも言われます。国民の代表として国会の場でわかりやすい審議を進めることが不可欠であり、最初に申し上げたように、わからぬ人にはわからぬ、そういう姿勢では政府の説明責任の放棄になってしまいます。明快な御答弁をお願いいたしまして、私、丸山穂高の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 丸山穂高議員にお答えをいたします。
 西川前農林水産大臣の発言と税制改正の国民への説明についてお尋ねがありました。
 西川前大臣は、みずからの政治資金について違法性がないことを繰り返し説明してきたものと承知しています。その上で、今般の辞任に当たっても、西川前大臣からは、国民の皆様にはなかなか御理解をいただいていない部分もあるが、これからも一生懸命説明していきたいとの考えを聞いているところであります。
 いずれにせよ、政治活動については、内閣、与党、野党にかかわらず、一人一人の政治家が、国民の信頼を得られるよう、みずから襟を正し、説明責任を果たすべきことは当然であると考えております。
 また、今般の税制改正を含め、各般の政策については、国会審議などを通じ、国民の皆様に私たちの考え方を丁寧に説明し、御理解を得るべく最大限の努力を続けながら、一つ一つの政策を確実に実現してまいりたいと考えております。
 消費税率一〇%への引き上げについてお尋ねがありました。
 平成二十九年四月の消費税率一〇%への引き上げについては、社会保障を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、市場や国際社会からの国の信認を確保するため、景気判断条項を付すことなく確実に実施します。再び延期することはありません。したがって、今回のような景気判断は行いません。
 ただし、リーマン・ショックや大震災のような重大な事態が発生すれば、そのときの政治判断において、新たに法律を出して国会で議論をお願いするということはあり得ると考えております。
 財政再建と消費税再増税、身を切る改革についてお尋ねがありました。
 安倍内閣としては、経済再生と財政健全化の両立を目指しております。
 このため、二〇二〇年度の財政健全化目標はしっかりと堅持し、その目標達成に向け、デフレから脱却し、経済再生により税収をふやす、無駄の削減など徹底した行財政改革もしっかりやるなど、歳出歳入両面にわたり取り組んでまいります。社会保障についても、効率化、合理化や重点化を進めてまいります。
 本年夏までに、目標達成に向けた具体的な計画を策定いたします。
 また、平成二十九年四月の消費税率一〇%への引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施いたします。そうした経済状況をつくり出すという決意のもと、三本の矢の政策をさらに前に進めてまいります。
 なお、議員の定数、歳費、政治活動の諸経費に関する問題は、議会政治や議員活動のあり方、すなわち民主主義の根幹にかかわる重要な課題であり、国会において、国民の代表たる国会議員が真摯に議論を行い、国民の負託にしっかりと応えてまいるべきものと考えております。
 そのため、まずは各党各会派において議論を深め、国会において合意を得る努力を行わなければならないと考えております。
 消費税の軽減税率についてお尋ねがありました。
 消費税の軽減税率制度については、平成二十七年度与党税制改正大綱において、関係事業者を含む国民の理解を得た上で、税率一〇%時に導入する、平成二十九年度からの導入を目指して、対象品目、区分経理、安定財源等について、早急に具体的な検討を進めることとされております。
 国民の御理解を得るとともに、事業者の準備期間も十分確保する必要があることも踏まえつつ、大綱に沿って、与党において検討が進められているものと承知しており、引き続きこれを見守ってまいりたいと考えております。
 法人税改革についてお尋ねがありました。
 今回の法人税改革は、稼ぐ力のある企業等の税負担を軽減することにより、法人税を成長志向型の構造に変えていくものであります。
 今回の改正では、平成二十七年度に二・五一%、平成二十八年度に三・二九%の税率引き下げを行うこととしておりますが、平成二十八年度税制改正においても、課税ベースの拡大等により財源を確保して、税率引き下げ幅のさらなる上乗せを図り、その後も、引き続き、数年で税率を二〇%台まで引き下げ、国際的に遜色のない水準とすることを目指して改革を継続してまいります。
 企業立地競争力についてお尋ねがありました。
 アベノミクスを通じて、日本の投資先としての魅力は格段に上がっています。
 例えば、外国企業から見たアジアの投資先の関心度調査では、二〇一一年度には全ての項目で中国が一位でした。しかし、我々が政権を奪還し、二〇一三年度は、RアンドD拠点、販売拠点で日本が一位を獲得しました。また、全世界での競争力に関する指標で見ても、二〇一二年の十位から、二〇一四年には六位にまで上昇しています。
 我が国の立地競争力をさらに高めるため、法人税改革のみならず、農業、雇用、医療、エネルギーといったいわゆる岩盤規制の改革の断行、グローバルに通用する人材育成、TPPなど経済連携の推進、イノベーション創出力の強化など、内外一体となった成長戦略を実行してまいります。
 格差に関するお尋ねがありました。
 安倍内閣では、経済再生に取り組む中で、格差が固定化しないよう、あるいは許容し得ない格差が生じないよう政策を進めてきているところであります。
 雇用環境については、最低賃金を二年連続で大幅に引き上げ、パートタイム労働者と正社員との均衡待遇を推進してきており、さらに、非正規雇用労働者のキャリアアップや処遇改善に向けた取り組みを今後も進めていくこととしています。
 税制については、再配分機能の回復を図るため、所得税の最高税率引き上げ、相続税の見直し等を講じ、随時実施しているところであります。
 そして、世界に冠たる社会保障制度を次世代に引き渡していく責任を果たすとともに、子供たちの誰もが、家庭の経済事情に左右されることなく、希望する教育を受けられるように取り組んでおります。引き続き、しっかりと対応してまいります。
 なお、格差に関する指標はさまざまであり、格差が拡大しているかどうかについては一概に申し上げられませんが、例えば、我が国の場合、当初の所得に比較して、税や社会保障による再分配後の所得の格差は、おおむね横ばいで推移しています。
 いずれにせよ、格差の状況については、引き続き幅広く検証していくことが重要であると考えております。
 また、御指摘の贈与税の非課税措置は、デフレ脱却・経済再生に向けて時限的に講じているものであり、必要に応じて見直しを行ってまいります。
 少子化や人口減少に対応するための税制措置についてお尋ねがありました。
 安倍内閣においては、少子化は我が国の社会経済の根幹を揺るがしかねない深刻な問題であるとの危機意識のもと、育児休業給付の引き上げや本年四月からの子ども・子育て支援新制度の実施に加え、地方創生による、若者が安心して仕事や結婚、子育てができる地域づくり等、少子化に歯どめをかけるための総合的な取り組みを推進しています。
 こうした中、税制上の措置については、平成二十七年度税制改正において、急速な少子高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯どめをかけるため、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設、学校法人等への個人寄附に係る税額控除制度の拡充等を盛り込んだところであります。まずは、これらの取り組みを確実に実施していきます。
 税制については、少子化や人口減少といった経済社会の構造変化に対応して、そのあり方を引き続き検討していく必要があると考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕
○国務大臣(麻生太郎君) 税制と地方分権の改革についてのお尋ねがあっております。
 地方分権の推進に当たっては、税源の偏在が小さく、税収が安定的な地方税の体系を構築することが重要であります。
 このため、平成二十六年度税制改正において、税収の偏在が大きい法人住民税の一部約五千億円を地方交付税の原資といたしておりますほか、平成二十七年度税制改正におきましても、法人税改革の一環として、税収が安定的な外形標準課税を拡充するなど、改革を進めているところであります。
 なお、消費税につきましては、社会保障・税一体改革におきまして、社会保障財源に充てることとされております。
 したがって、仮に、御指摘のような、消費税を地方に移譲するということになると、地方が社会保障に関して大きな責任を担う必要が出てまいりますが、その場合、社会保障について大きな地域間格差が生じかねないため、極めて慎重な検討が必要であろうと考えております。
 配偶者控除、公的年金等控除、酒税の見直しについてのお尋ねがありました。
 まず、配偶者控除につきましては、昨年十一月の政府税制調査会の論点整理において、家族のあり方や働き方に関する国民の価値観に深くかかわることから、今後、幅広く丁寧な国民的議論が必要とされております。今後、政府税制調査会や与党税制調査会において、国民的議論を行いながら検討してまいります。
 次に、公的年金等控除を含めた年金課税の見直しにつきましては、税制抜本改革法や社会保障制度改革プログラム法において、今後の年金制度改革の方向性も踏まえつつ、検討を行うこととされております。この趣旨に沿って、今後の年金制度改革の議論も踏まえつつ、検討してまいります。
 また、酒税につきましては、与党において、同一の分類に属します酒類間の税率格差を縮小、解消する方向で見直しを行うこととし、具体的な見直しの内容につきましては、引き続き検討課題とされました。政府としては、今後の与党の御議論を踏まえつつ、検討してまいりたいと考えております。
 本社機能の地方移転などを推進するための税制についてのお尋ねもあっております。
 今後の本社機能の地方移転や拡充を促進するには、税制だけで対応できるものではなく、各地域における計画的、戦略的な企業誘致など、幅広い取り組みが必要であります。
 このため、お尋ねの地方拠点強化税制だけを取り出して具体的な移転等の目標や見込みをお示しすることは困難であります。
 なお、昨年十二月に閣議決定をいたしましたまち・ひと・しごと創生総合戦略では、企業の地方拠点強化に関する今後五年間の目標として、拠点強化、移転、拡充の件数で約七千五百件、雇用者数につきましては四万人増とされていると承知をいたしております。
 結婚・子育て資金に係る贈与税の非課税制度についてのお尋ねもあっております。
 御指摘の贈与税の非課税制度は、デフレ脱却・経済再生に向けて、高齢者層からの資産移転を促進し、経済の活性化と若年層の結婚、子育てを後押しすることを目的として導入するものであります。
 仮に、この制度を、御提案のように恒久化した場合には、高齢者にとりまして、早期に資産を移転するインセンティブが失われ、施策の効果が損なわれるおそれがあること、また制度の恒久化が格差の固定化を招きかねないなどから、平成三十一年三月末までの時限措置として導入し、その効果や影響をよく見きわめた上で必要な措置を行ってまいりたいと考えております。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(町村信孝君) 伊藤渉君。
    〔伊藤渉君登壇〕
○伊藤渉君 公明党の伊藤渉です。
 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案について、総理並びに関係大臣に質問いたします。(拍手)
 昨年末の衆議院選挙において、公明党は、国民の皆様から多大な支持をいただき、引き続き連立与党として国政に携わる重責を担うこととなりました。その一員として、国民の期待に応えられるよう決意を新たにするとともに、この選挙戦の中で強く実感した国民の期待の一つが、八%から一〇%への消費税率引き上げに伴う軽減税率の導入であります。
 平成二十七年度与党税制改正大綱には、消費税の軽減税率については、「関係事業者を含む国民の理解を得た上で、税率一〇%時に導入する。平成二十九年度からの導入を目指して、対象品目、区分経理、安定財源等について、早急に具体的な検討を進める。」とされており、この大綱の趣旨にのっとり、与党は、本年秋口までに制度案をまとめることで合意し、具体的な制度設計に着手しました。
 消費税が社会保障財源であることに留意しながらも、消費税の逆進性及び痛税感を緩和し、多くの国民がわかりやすく納得のできる軽減税率の制度設計に向けて、政府においても必要な作業を着実に進めていただきたい。安倍総理の答弁を求めます。
 内閣府が先週発表した平成二十六年十月から十二月期のGDP速報値は、名目が前期比一・一%増、年率四・五%、物価の影響を除いた実質GDPは同〇・六%増、年率二・二%と、昨年四月の消費税率引き上げ後で初のプラスになりました。これ自体は歓迎すべきことですが、牽引役は米中向けの輸出の外需であり、個人消費や設備投資など、内需の回復は鈍いまま。内需主導の安定成長軌道に乗せるための取り組みが欠かせません。
 そのための大きな取り組みの一つが法人税改革です。税制改正大綱では、課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げることにより、法人課税を成長志向の構造に変えるものとしております。この改革は、企業の税負担を軽減し、収益力の改善に向けた投資や技術開発を後押しし、継続的な賃上げや株主への適切な還元が可能になるよう、各企業のより一層の体質改善を促していくことを目的としていると承知をしております。
 もちろん、この改革による企業の体質改善は、中小企業、小規模事業者が原材料価格などの上昇分を適正に取引価格に転嫁できるようにするなど、取引価格の適正化にも反映されるよう、政府において万全を期していただきたいと思います。
 この法人税改革の効果を十分に発揮させることにより、課税ベースの拡大等による影響があるとしても、経済の好循環をより力強いものにするよう、経済界に対して法人税減税の目的をしっかりと周知するなど、期待した効果が得られるよう、政府にはしっかり取り組んでいただきたい。安倍総理の答弁を求めます。
 内需主導の安定した成長軌道に乗せるための取り組みにおいて、続いて重要なことは、GDPの約六割を占める個人消費の拡大。その点に的を絞った、平成二十六年度補正予算における地域住民生活等緊急支援のための交付金によるプレミアム商品券の発行支援等が速やかに実施されるよう、引き続き政府のサポートをお願いしたい。
 こうした予算措置による消費の下支えとともに、賃金の上昇による家計の消費意欲の増大、それによる企業業績の押し上げという経済の好循環を本格化させることが最も重要となります。
 昨年の春闘は、二%超の高い賃上げ率となりましたが、それでも、消費増税分を含む物価上昇率に賃金の伸びは追いついていません。本年の春闘においても、大きな影響力を持つ大手自動車労組が前年以上の要求を提出しました。ぜひとも、この賃上げムードに弾みをつけていかねばなりません。改めて、安倍総理の賃金上昇に向けた労使の取り組みへの期待をお伺いいたします。
 平成二十五年度税制改正から盛り込まれた所得拡大促進税制。平成二十四年度に対し五%以上の給与等総支給額を達成した場合の税額控除を用意しましたが、その適用状況に鑑み、平成二十六年度税制改正において適用条件を緩和。平成二十七年度税制改正ではさらに条件緩和を施し、賃上げへのインセンティブを強化しています。
 重要な改正であり、速やかな成立を期すと同時に、経済界への周知、その適用状況の把握に努め、さらなる改善も視野に入れながら、経済の好循環がしっかりと定着するまで継続的に実施すべきと考えます。麻生財務大臣の答弁を求めます。
 賃金の上昇を実現する上で大切な要素の一つが、生産性の向上による企業利益の増加です。特に、雇用の七割を占める中小企業、小規模事業者、中でもその大半を占める中小のサービス業を中心に、生産性の向上を図っていくことが重要と考えます。
 ものづくり・商業・サービス革新補助金を初め、平成二十六年度補正予算においても生産性向上の取り組みを支援する仕組みを用意し、税制では平成二十六年度から生産性向上設備促進税制が導入されております。
 こうした仕組みを積極的に活用いただくために、さきの所得拡大促進税制と同様に、経済界への周知徹底、その適用状況の把握、生産性の向上につながった好事例の紹介などの水平展開にも努め、中小企業、小規模事業者の生産性の向上を強力にサポートすべきと考えます。宮沢経済産業大臣の答弁を求めます。
 経済の好循環を考えたとき、約千六百兆円の家計の金融資産をより使いやすい環境を提供していくことも検討の必要があり、今回の税制改正には、住宅取得資金の贈与非課税枠の拡大や、結婚・子育て資金の贈与非課税枠の創設が含まれております。
 こうした制度は、資産格差が固定化するとの批判を受けることがありますが、あくまでも、贈与された資金は住宅取得や結婚、子育ての資金として活用されることを前提としており、家計の金融資産の有効活用により、消費を拡大し、経済の好循環に資するものであることを十分に周知する必要があると考えます。麻生財務大臣の答弁を求めます。
 私は、和をたっとぶ日本だからこそ、終身雇用制度と年功序列賃金をベースに、一億総中流と呼ばれる一時代を築くことができたのだと考えます。
 格差社会が懸念されるこれからの時代は、地方創生、なかんずく被災地を初め各地域において安定した雇用を確保することが重要であり、そのために、グローバル経済圏での競争にしのぎを削る企業群とローカル経済圏で競争する企業群への対応を整理、区分して考えていくべきです。
 その意味で、法人税改革における、課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げることにより、法人課税を成長志向の構造に変えるという考え方においても、グローバル経済圏で活動する企業群とローカル経済圏で活動する企業群を混同しないよう、注意が必要だと考えます。
 その上で、特に、雇用の七割を占める中小企業、小規模事業者、中でもその大半を占める中小のサービス業を中心に、着実かつ地道な生産性向上への努力をサポートすることにより、緩やかでも安定した国内経済の成長を実現し、何としても経済の好循環を家計へ、中小企業へ、地方へと行き渡らせていかなければなりません。
 安倍総理の御決意を最後にお伺いをして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 伊藤渉議員にお答えをいたします。
 消費税の軽減税率についてお尋ねがありました。
 消費税の軽減税率制度については、これまでも与党税制協議会の議論の場において、政府より、海外の事例や制度、各種調査や統計、法制上、執行上の論点などについて、資料の提出や御説明を行ってきたところであり、引き続き、与党での議論に資するよう必要な作業を行ってまいりたいと考えております。
 いずれにせよ、二十七年度与党税制改正大綱を踏まえ、与党で議論が進められているところであり、引き続きこれを見守ってまいりたいと考えております。
 法人税改革についてお尋ねがありました。
 今回の法人税改革は、稼ぐ力のある企業等の税負担を軽減することにより、法人税を成長志向型の構造に変えていくものであります。
 こうした改革と、コーポレートガバナンスの強化や政労使の連携といった取り組みとが相まって、企業の積極的な投資、さらには賃上げや下請企業の価格転嫁といった取り組みにつながっていくものと考えております。
 政府として、経済界にはこのような法人税改革の目的を説明してきているところでありますが、引き続きしっかりと取り組んでまいります。
 賃金上昇についてのお尋ねがありました。
 一昨年の政労使合意を踏まえた昨年の春闘では、賃上げ率が過去十五年で最高となりました。
 昨年は、総選挙の後、直ちに政労使会議を開催し、私から今春の賃上げをお願いしました。経済界の皆さんには、賃上げに向けた最大限の努力と、原材料費高騰に苦しむ下請企業の価格転嫁といった取り組みに合意していただきました。
 これを受け、経団連は、春闘の基本方針である経労委報告において、雇用の拡大などとあわせて、賃金の引き上げを前向きに検討することが強く期待されるとの昨年より踏み込んだ方針を表明しました。
 本格的にスタートしたことしの春闘においても、労使の間で真摯な議論が行われ、賃上げがしっかりと実現することを強く期待しております。
 中小・小規模事業者の生産性向上についてお尋ねがありました。
 経済の好循環を全国津々浦々にまで届けていくためには、地域雇用の過半を支える中小・小規模のサービス事業者を活性化させ、付加価値の向上を図ることが重要です。
 昨年末に取りまとめたまち・ひと・しごと創生総合戦略でも、サービス産業において若い世代の安定した雇用を創出することを重視して取り組むこととしています。
 このため、ものづくり・サービス補助金や生産性向上設備投資促進税制に加え、中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン策定や成功事例の紹介などを通じて、中小・小規模のサービス事業者の生産性向上のための支援に万全を期してまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕
○国務大臣(麻生太郎君) 所得拡大促進税制についてのお尋ねがあっております。
 御指摘のように、平成二十七年度税制改正において、企業が賃金アップへ踏み出す一歩を後押しするため、所得拡大促進税制の要件を緩和することといたしております。
 経済界において、こうした税制を活用して賃金アップに積極的に取り組んでいただくよう、関係省庁とも連携しつつ、制度の周知徹底などに努めているところであります。
 また、この制度は平成二十九年度末を期限としており、経済の好循環の定着状況などを踏まえつつ、その取り扱いについて検討してまいりたいと考えております。
 贈与税の非課税制度についてのお尋ねもあっておりました。
 御指摘のとおり、今回の贈与税の非課税制度の創設、拡充は、デフレ脱却・経済再生に向けて、高齢者が保有する資産の若年層への早期移転を促すことを目的といたしております。
 こうした資産移転の結果、若年世代の消費が拡大することにより、経済の好循環につながっていくことを期待しておるところです。そのためにも、本制度の趣旨、目的などについて、引き続き十分な説明、周知を徹底してまいりたいと考えております。(拍手)
    〔国務大臣宮沢洋一君登壇〕
○国務大臣(宮沢洋一君) 中小サービス事業者の生産性の向上についてのお尋ねがありました。
 全国で二百九十五万社に及ぶ中小サービス事業者の生産性の向上は、我が国の経済成長の鍵となるものです。
 平成二十五年度補正予算で実施したものづくり・商業・サービス革新補助金において、千九百七十四件の革新的サービスを支援いたしました。
 また、本年二月には、IT利用など、生産性向上に資する十の手法を示したガイドラインを策定いたしました。この中で、生産性向上の具体例として十五業種四十五事例を紹介しております。
 平成二十六年度補正予算で実施するものづくり・商業・サービス補助金においては、このガイドラインに沿った革新的サービスを支援することで、成功事例の水平展開をしっかり進めてまいります。
 さらに、平成二十六年に創設した生産性向上設備投資促進税制などにより、中小企業の行う生産性の高い先端的な設備投資を手厚く支援してまいります。本税制の利用申請は本年一月末までで既に十四万件に上っており、税制の効果的な活用を水平展開する観点から、好事例を公表しています。
 経済産業省として、御指摘のあった予算や税による支援策の周知広報について、全国の商工会、商工会議所などを通じて徹底するとともに、その実施状況の把握、好事例の水平展開などを積極的に行い、中小企業、小規模事業者の生産性の向上を強力にサポートしてまいります。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(町村信孝君) 宮本徹君。
    〔宮本徹君登壇〕
○宮本徹君 私は、日本共産党を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)
 本法案は、景気がどうであろうと、逆進性のある消費税を二〇一七年四月から何が何でも一〇%に引き上げ、一方で、地方税と合わせ、法人実効税率を二・五一%も引き下げようとしています。このような極端な大企業優遇、庶民いじめは、断じて認められません。
 本来、税制度は、利益や所得の大きなものに応分の負担を求め、生活に困っている庶民の負担を軽くする所得再分配の機能を果たすものです。
 ところが、法人税の実質の負担率は、国税庁の統計でも、資本金階級が大きくなればなるほど低くなる不公平が生じています。所得税の実質負担率も、年一億円を超えると、所得階層が高いほど下がっていきます。
 総理、やるべき税制改革は、円安で過去最高の利益を上げている大企業や、株式の運用で大きなもうけのある富裕層へ、担税力にふさわしい負担を求める抜本的改革ではありませんか。本法案は、全く逆であります。
 総理は、多くの国民の声を無視して、昨年四月、消費税率を八%に引き上げました。総理は、十七日の衆議院本会議で、昨年四月の消費税率引き上げが個人消費に影響を及ぼしたのも事実と答弁しましたが、国民生活はどのような状態になったでしょうか。
 同じ日に発表された総務省家計調査によると、勤労者世帯の全ての収入階級で、二〇一四年の可処分所得、消費支出はともに実質減少となり、高齢単身無職世帯の可処分所得は実質一一%ものマイナスと、個人消費の冷え込みは惨たんたるものです。国民の暮らしは、食費を削り、教育費を削り、洋服代を削り、医療受診の抑制まで広がっております。
 総理、国民の暮らしに重大な影響を及ぼし、個人消費を冷え込ませた責任をどう認識しているのですか。
 中小零細企業の経営も深刻です。全国の中小業者から、昨年四月から売り上げが落ちたまま戻らず、先の見通しが立たない、仕入れ単価がアップしたが、販売価格に乗せられず、生活が苦しいとの悲鳴が上がっています。
 衆議院経済産業調査室が一月に出した、最近の企業動向等に関する実態調査によると、中小零細企業は、売上高の低迷を初め原材料品の仕入れ価格の上昇など、円安がマイナス面に働いたとする回答が大企業を上回っています。
 総理が進めた円安と消費税増税が、大企業には莫大な利益を、中小零細企業にはアベノミクス不況と言われるような経営悪化をもたらしたことは、明白ではありませんか。
 貯蓄ゼロ世帯は三割を超え、深刻な貧困が広がりを見せています。内閣府がことし一月にまとめたミニ経済白書では、消費税増税後に低所得者の収入と消費が最も大きく落ち込んだと分析しています。その原因が、低所得者層での非正規労働者の拡大と消費税増税の影響であることは明白です。
 総理、低所得者ほど負担が重く、逆進性の強い消費税のさらなる増税が、一層の格差と貧困を広げるという認識はありますか。
 消費税率を引き上げるとき、総理は、財政再建のため、社会保障充実のため、こう言ってきました。総理は、今国会でも、社会保障制度の財源としては消費税がふさわしいと何度も繰り返していますが、なぜ消費税なのでしょうか。
 社会保障制度とは、所得を再分配し、全ての国民に健康で文化的な最低限度の生活を保障するものです。低所得者ほど重い負担となり、健康で文化的な最低限度の生活を壊す消費税増税は、社会保障制度の財源としては最もふさわしくないと言わなければなりません。
 総理、消費税増税のたびに、国民の暮らしと中小零細企業の営業を壊し、景気を後退させてきました。二〇一七年に消費税率一〇%を強行するならば、この過ちを繰り返すことになります。消費税一〇%は、きっぱり断念すべきです。
 次に、法人税について質問します。
 来年度の税制改正は、企業は収益力を高めれば継続的な賃上げが可能となるとし、稼ぐ力のある企業への減税を進めるとしています。しかしながら、輸出企業を中心とする大企業は、円安を背景に巨額の利益を稼ぎ、内部留保も二百八十五兆円にまで膨れ上がりました。
 総理、大企業だけがもうかることで、どうして全国の労働者の継続的な賃上げになるのでしょうか。しかと説明していただきたいと思います。
 本改正による法人税率の引き下げは、黒字大企業中心に一兆六千億円もの減税をもたらすものです。
 与党税制大綱は、二〇一六年度以降も法人実効税率をさらに引き下げ、数年で二〇%台にしようとしています。これは、財界の身勝手な要求にほかなりません。大企業優遇を一層拡大する税制措置は、断じて容認できません。
 総理、法人税率の引き下げ競争は、各国の財政事情を悪化させ、世界で大問題になっております。今必要なことは、法人税率の引き下げ競争をやめさせることです。
 総理、国際的な協調で法人税率を引き上げるために、日本政府こそ、積極的な役割を発揮すべきではありませんか。
 政府は、法人税率引き下げの財源として課税ベースの拡大を行うと言い、その一つとして、研究開発減税の縮減を挙げています。ところが、本法案では、研究開発費がふえなくても減税される総額型の拡充をしているではありませんか。
 研究開発減税は、その九二%が大企業に恩恵をもたらすものです。二〇一三年度で見ると、前年度比一・六倍近い六千二百四十億円に膨らみ、何とトヨタ一社で一千二百億円もの巨額な減税の恩恵を受けています。研究開発減税の二〇%を一社で享受していることになります。
 総理、このような大企業優遇制度こそ縮減するべきではありませんか。
 外形標準課税の拡大が重要な財源と位置づけられていることも大問題です。
 外形標準課税は、給与総額にも課税するものです。赤字企業まで増税となるのがこの税制です。外形標準課税が拡大すれば、税負担を避けるために、派遣や請負への置きかえが進むのは明らかではありませんか。
 また、外形標準課税の中小企業への拡大の検討が与党税調の税制改革大綱に盛り込まれているのは重大です。中小企業は、七割が赤字でありながら、懸命に地域の雇用を支えています。総理は、国会質疑の中で、外形標準課税の中小企業への拡大は慎重に検討と述べましたが、中小企業の廃業や倒産をさらに広げる外形標準課税の拡大は断念すべきであります。
 日本共産党は、消費税増税に頼らない道を提案しています。富裕層や大企業を優遇する税制を改め、国民の家計を応援する政治に抜本的に切りかえることを求めて、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 宮本徹議員にお答えをいたします。
 税制改革の考え方についてお尋ねがありました。
 御指摘の消費税率の引き上げは、世界に冠たる社会保障制度を次世代に引き渡していく責任を果たすとともに、子育て支援を充実させるためのものです。引き上げによる増収分は、全額、社会保障の充実、安定化に充てることとしており、所得の再配分にも資するものと考えています。
 また、今回の法人税改革は、稼ぐ力のある企業等の税負担を軽減することにより、法人税を成長志向型の構造に変えていくものです。こうした改革と政労使の連携などが相まって、企業の積極的な投資、さらには、賃上げや下請企業の価格転嫁といった取り組みにつながっていくものと考えております。
 なお、先般開催した政労使会議では、特に、円安のメリットを受けて高収益の企業には、賃上げなどの取り組みについて積極的対応をお願いしたところであります。
 また、平成二十五年度改正において、金融所得課税の見直しを行い、平成二十六年一月より実施しているところであります。
 消費税率引き上げの影響についてお尋ねがありました。
 三本の矢の政策により、経済の好循環は確実に生まれ始めている一方、御指摘のとおり、昨年四月の消費税率引き上げが個人消費に影響を及ぼしたのも事実です。だからこそ、アベノミクスの成功を確かなものとするため、一〇%への引き上げを十八カ月延期する決断をいたしました。社会保障を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、我が国の信認を確保するため、平成二十九年四月の一〇%への引き上げについては確実に実施します。
 先日公表されたGDP速報では、三四半期ぶりに実質GDPが前期比プラス成長となり、また、二四半期連続で個人消費がプラスになるなど、景気回復の兆しも見られます。こうした動きを確かなものとするため、平成二十六年度補正予算の迅速かつ着実な執行を初め、三本の矢の政策をさらに前に進めることにより、経済再生と財政健全化の両立を目指してまいります。
 円安と消費税率引き上げによる、中小企業に対する影響についてのお尋ねがありました。
 安倍政権発足以降、中小企業の業況や資金繰りは改善し、昨年の倒産件数は二十四年ぶりに年間一万件を下回るなど、改善の兆しが見えています。
 他方で、円安方向の動きが輸入価格の上昇などの影響を及ぼすことや、消費税八%への引き上げ後、駆け込み需要の反動減により、中小企業、小規模事業者の中には、景気回復の実感が得られていない方がおられることも認識しております。改善の流れを本格的なものにできるか、まさにこれからが正念場と考えております。
 このため、政労使の連携による下請企業の価格転嫁の取り組みに加え、中小・小規模事業者に対し、地域資源を活用したふるさと名物の開発、販路開拓を応援するとともに、原材料高に苦しむ事業者への支援や、ものづくり・サービス補助金による事業者のイノベーションの後押しを通じ、アベノミクスの温かな風を全国津々浦々の中小・小規模事業者に届けてまいります。
 消費税引き上げの低所得者への影響と社会保障財源のあり方についてのお尋ねがありました。
 消費税は逆進性があるとの議論がある一方で、今般の社会保障と税の一体改革においては、消費税率引き上げによる増収分は全額社会保障の充実、安定化に充てることとしており、所得の再配分に資するものであります。
 八%の引き上げに当たり、低所得の方々に対して、国民健康保険における低所得者の保険料軽減の拡充、高額療養費制度に係る自己負担限度額の引き下げといった配慮を行っています。さらに、消費税引き上げによる低所得の方々への影響を緩和するため、臨時福祉給付金を支給しています。
 税率一〇%への引き上げ時には、年金を受給している低所得の高齢者等への福祉的給付を実施するなど、さらなる施策を講じることとしております。
 いずれにせよ、消費税には、税収が景気や人口構成の変化に左右されにくく安定している、勤労世代など特定の者への負担が集中しないといった特性があり、年々増加する社会保障費の財源としてふさわしいと考えています。
 消費税率の一〇%への引き上げについてお尋ねがありました。
 繰り返しになりますが、年々増加する社会保障費の財源としては消費税がふさわしいと考えており、消費税率一〇%への引き上げは避けて通れない課題であると考えています。
 社会保障を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、我が国の信認を確保するため、平成二十九年四月の消費税率一〇%への引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施します。
 そうした経済状況をつくり出すという決意のもと、三本の矢の政策をさらに前に進めてまいります。
 法人税改革と賃上げについてお尋ねがありました。
 今回の法人税改革は、より広く負担を分かち合い、稼ぐ力のある企業等の税負担を軽減することにより、法人税を成長志向型の構造に変えていくものであり、大企業に単なる減税を行うものであるという御指摘は、全く当たりません。
 今回の成長志向型の法人税改革と、コーポレートガバナンスの強化や政労使の連携といった取り組みとが相まって、企業の積極的な投資、さらには継続的な賃上げや下請企業の価格転嫁といった取り組みにつながっていくものと考えております。
 こうした取り組みにより、経済の好循環を定着させ、経済成長の成果が広く国民に行き渡るよう、引き続き改革を継続してまいります。
 法人税率の引き下げ競争と税率引き下げの財源についてお尋ねがありました。
 税率を含め、法人税制をどのように組み立てるかは、基本的に各国の責任に属する事柄であると考えますが、他方で、税源獲得を目指した税負担の軽減競争を避けるため、各国が協調して税制の調和を図ることは必要であり、日本は、国際会議を通じて議論を主導していきます。そして、議論を主導してきています。
 今回の法人税改革においては、我が国の税率を国際的に遜色のない水準とすることを目指しておりますが、その際には、課税ベースの拡大等により財源をしっかりと確保することとしております。
 御指摘の研究開発税制については、二十七年度税制改正において、共同研究などに支援の重点をシフトするといった見直しを行っており、引き続きさまざまな観点からその取り扱いについて検討してまいります。
 法人事業税の外形標準課税についてお尋ねがありました。
 来年度税制改正においては、外形標準課税の拡大は資本金一億円以下の中小企業を対象外としており、また、新たに所得拡大促進税制を導入し、賃上げへの配慮を行うこととしております。
 外形標準課税の適用対象法人のあり方については、地域経済、企業経営への影響も踏まえながら、引き続き慎重に検討してまいります。(拍手)
○議長(町村信孝君) これにて質疑は終了いたしました。
    〔議長退席、副議長着席〕
     ――――◇―――――
 国務大臣の発言(平成二十七年度地方財政計画について)並びに地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
○副議長(川端達夫君) この際、平成二十七年度地方財政計画についての発言並びに内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。総務大臣高市早苗君。
    〔国務大臣高市早苗君登壇〕
○国務大臣(高市早苗君) 平成二十七年度地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 まず、平成二十七年度地方財政計画の概要について御説明申し上げます。
 本計画の策定に際しては、通常収支分については、極めて厳しい地方財政の現状及び現下の経済情勢等を踏まえ、地方創生に対応するために必要な経費を計上するとともに、社会保障の充実分等を含め、社会保障関係費の増加を適切に反映した計上を行う一方、国の取り組みと歩調を合わせて歳出抑制を図ることとしております。
 あわせて、引き続き生じる財源不足については、適切な補填措置を講じることとして、地方の一般財源総額について、前年度の地方財政計画を上回る額を確保することとしております。
 また、東日本大震災分については、復旧復興事業について、直轄・補助事業に係る地方負担分等の全額を措置する震災復興特別交付税を確保することとしております。
 以上の方針のもとに、平成二十七年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出総額の規模は、通常収支分については、前年度に比べ一兆九千百三億円増の八十五兆二千七百十億円、東日本大震災分については、復旧復興事業が、前年度に比べ四百四十三億円増の二兆六十億円などとなっております。
 次に、地方税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 現下の経済情勢等を踏まえ、デフレ脱却と経済再生の観点から、法人税改革の一環として法人事業税の所得割の税率引き下げと外形標準課税の拡大等を行います。
 また、経済再生と財政健全化を両立するための地方消費税率引き上げの施行日の変更等、地方創生に取り組むための地方団体に対する寄附金に係る個人住民税の寄附金税額控除の拡充、環境への負荷の少ない自動車を対象とした自動車取得税及び軽自動車税の特例措置の見直し等を行うこととしております。
 さらに、平成二十七年度の評価がえに伴う土地に係る固定資産税及び都市計画税の税負担の調整を行うほか、猶予制度の見直し等の納税環境の整備、税負担軽減措置等の整理合理化等を行うこととしております。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 地方交付税の総額について、地方交付税の率の変更等を行うとともに、平成二十七年度分の通常収支に係る地方交付税の総額を十六兆七千五百四十八億円確保することとしております。
 また、地方創生に要する経費の財源を措置するため、当分の間の措置として、人口減少等特別対策事業費を設けるほか、普通交付税の算定に用いる単位費用の改正を行うこととしております。
 さらに、平成二十七年度分の震災復興特別交付税について、新たに五千八百九十八億円確保するとともに、公営競技納付金制度の延長を行うこととしております。
 以上が、平成二十七年度地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 国務大臣の発言(平成二十七年度地方財政計画について)並びに地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○副議長(川端達夫君) ただいまの地方財政計画についての発言及び二法律案の趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。坂本哲志君。
    〔坂本哲志君登壇〕
○坂本哲志君 私は、自由民主党を代表し、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案について質問をいたします。(拍手)
 初めに、地方の一般財源総額の確保についてお伺いいたします。
 リーマン・ショックにより大幅に減少した地方税収は、アベノミクスの三本の矢の効果によって回復基調に転じました。この流れを着実なものにするため、それぞれの地方自治体が地域の特性を生かし、産業振興や雇用の創出などに努め、自立した地域経済を構築することが求められております。
 また、人口減少という我が国最大の課題を克服するため、国、地方が一丸となって、地方創生実現に向けての取り組みがスタートしたところであり、各地方自治体の創意工夫を国がしっかり支援していく必要があります。
 さらに、高齢化の進展を踏まえた医療、介護の充実や、待機児童解消に向けた少子化対策など、我が国の社会保障の大半について、実際の仕事は地方自治体が担っております。加えて、先日、農地転用許可に係る画期的な権限移譲を含む、平成二十六年の地方からの提案等に関する対応方針が閣議決定されたところであり、こうした地方分権改革が進展する中で、地方自治体が果たすべき役割はますます重要になってきております。
 このような中で、地方自治体がみずからを取り巻くさまざまな課題に積極的に取り組むためには、さらに安定した地方税源として充実させるとともに、地方交付税の所要額を確保することを通じて、地方が自由に使える一般財源の総額をしっかりと地方財政計画に計上する必要があると考えます。
 そこで、平成二十七年度の地方財政計画において、地方一般財源総額の確保についてどのように対応されたのか、また、最も力を入れられた点は何か、高市総務大臣にお伺いをいたします。
 次に、公共施設の老朽化対策についてお伺いいたします。
 現下の財政状況や今後の人口減少を踏まえると、公共施設等の老朽化対策は喫緊の課題であります。公共施設の総合的かつ計画的な管理を行うことは、将来の財政負担の軽減、平準化につながるだけでなく、地域社会の実情に合った将来のまちづくり、さらには国土強靱化の観点からも極めて重要であると考えます。
 総務省においては、自治体に対して公共施設等総合管理計画の策定を要請するなど、この課題に積極的に取り組んでおられることを高く評価いたします。しかし、地方自治体が実際に計画に基づいて公共施設の集約化や転用を行おうとすると、一時的に多額の経費が必要となります。
 このため、公共施設の老朽化対策に取り組む自治体に対する支援の充実が必要と考えますが、平成二十七年度においてはどのように対応されるのか、高市総務大臣にお伺いいたします。
 次に、法人事業税の外形標準課税の拡大についてお伺いをいたします。
 デフレ脱却・経済再生をより確実なものにしていくためには、企業が収益力を高め、積極的な賃上げにより景気の好循環をつくり上げることが肝要であります。そのため、課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げることにより、法人課税を成長志向型の構造に変えていく法人税改革を進めていくことは、極めて重要であります。
 特に、地方税においては、行政サービスの対価を広く公平に分かち合うという応益課税の考え方を根本に置いていることを踏まえれば、法人事業税の所得割の税率を引き下げ、外形標準課税を拡充することは、法人税改革の趣旨に合致するとともに、今後の地方税制にとっても非常に重要な意義を有するものであると考えます。
 また、今回の改正では、外形標準課税の拡大にあわせて、法人事業税の外形標準課税においても、新たに賃金をふやせば事実上一定の減税となる所得拡大促進税制を導入することとされております。
 国税である法人税では、平成二十五年度税制改正において既に所得拡大促進税制が導入されているところでありますが、この所得拡大促進税制を法人事業税の外形標準課税にも導入する趣旨とその内容について、高市総務大臣にお伺いいたします。
 次に、車体課税の見直しについてお伺いいたします。
 車体課税については、平成二十六年度の与党税制改正大綱等において、消費税率一〇%の段階で、自動車取得税を廃止するとともに、自動車税に環境性能課税を導入すること等の抜本的な見直しを行うこととされております。
 今回の税制改正では、消費税率一〇%への引き上げを、平成二十七年十月一日から平成二十九年四月一日に一年半延期することが盛り込まれておりますが、そのことに伴い、地域の足である軽自動車やバイクを含め、車体課税の見直しについて、今回の改正ではどのような措置を講じたのか、お伺いをいたします。
 あわせて、平成二十九年四月の消費税率一〇%引き上げに向けて、今後、どのような方針とスケジュールに基づいて車体課税の抜本的な見直しを行っていくのか、高市総務大臣にお伺いをいたします。
 御答弁をよろしくお願い申し上げます。
 終わります。(拍手)
    〔国務大臣高市早苗君登壇〕
○国務大臣(高市早苗君) 坂本議員から、五点お尋ねがありました。
 まず、地方の一般財源総額の確保等についてお尋ねがありました。
 地方団体が地方創生に取り組みつつ安定的に財政運営を行うためには、地方が自由に使える一般財源総額を適切に確保することが重要です。
 平成二十七年度においては、地方創生等の財源を上乗せして、平成二十六年度の水準を一・二兆円上回る一般財源総額を確保したところです。
 また、平成二十七年度の地方財政対策に当たっては、地方創生と財政健全化の両立に向けて力を入れて取り組んだところであり、まち・ひと・しごと創生事業費を、新規の財源を含めて一兆円確保するほか、地方税が増収となる中で、地方交付税の減少を前年度比〇・一兆円減と最小限にとどめ、赤字地方債である臨時財政対策債を前年度比一・一兆円減と大幅に抑制し、一般財源の質を改善することができました。
 今後とも、地方が安定的に財政運営を行うことができるよう、必要な一般財源を確保してまいります。
 次に、公共施設の老朽化対策に取り組む自治体に対する支援の充実についてお尋ねがありました。
 地方公共団体が、御指摘の公共施設等総合管理計画に基づき公共施設の最適配置を実現するためには、公共施設の集約化、複合化や転用を進めていくことが重要です。
 総務省では、これらの取り組みを後押しするため、平成二十七年度から、集約化・複合化事業については新たに公共施設最適化事業債を創設し、これらの事業に充てた地方債の元利償還金に対して交付税措置を行うとともに、転用事業についても地域活性化事業債の対象とすることとしております。
 これらの措置により、地方公共団体において、効率的かつ効果的に老朽化対策の取り組みが進められるものと考えております。
 次に、外形標準課税の所得拡大促進税制についてお尋ねがありました。
 外形標準課税の付加価値額は、給与の増減に対し中立的な課税標準でありますが、これに加え、雇用に配慮して、雇用安定控除が設けられております。
 今回、外形標準課税の拡大に際し、政府としても賃上げを要請していること、経済団体から企業の賃上げに対する配慮の要望があったこと等も踏まえ、賃上げを促進し、経済の好循環の実現を後押しするため、所得拡大促進税制を導入することとしたところであります。
 具体的には、法人税と同様の要件を満たす場合、給与の増加額を付加価値割の課税標準から控除し、賃上げ分について実質的に付加価値割の負担軽減を行おうとするものであります。
 次に、車体課税に関する今回の改正内容についてお尋ねがありました。
 消費税率一〇%への引き上げ時期の変更に伴い、自動車取得税の廃止及び環境性能割の導入等の消費税率一〇%段階の措置についても延期されることになったため、平成二十七年度税制改正では、自動車取得税におけるエコカー減税の基準の切りかえ等の見直し、軽自動車税におけるグリーン化特例の導入、二輪車に係る新税率適用時期の延期等の措置を講ずる内容としたところです。
 最後に、車体課税の見直しにおける今後の方針等についてお尋ねがありました。
 平成二十七年度与党税制改正大綱においては、消費税率一〇%段階の車体課税の見直しについて、平成二十八年度以後の税制改正において具体的な結論を得るとされたところであります。
 その際には、税制抜本改革法第七条において、「国及び地方を通じた関連税制の在り方の見直しを行い、安定的な財源を確保した上で、地方財政にも配慮しつつ、簡素化、負担の軽減及びグリーン化の観点から、見直しを行う。」とされていることを基本として、与党税制改正大綱を踏まえ、関係者の意見を聞きつつ、環境性能割導入の具体的内容等について検討してまいります。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(川端達夫君) 逢坂誠二君。
    〔逢坂誠二君登壇〕
○逢坂誠二君 逢坂誠二でございます。
 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案及び地方財政計画について質問をいたします。(拍手)
 イギリスのブライスが指摘しましたように、自治は民主主義の源泉であります。また、フランスのトクヴィルは、自治の諸活動が活発化すれば、国家全体の民主主義の担い手、すなわち主権者である国民の力を高めるといったような指摘をしております。自治は、民主主義を考える上で極めて重要なものであります。
 安倍内閣は、地方創生を掲げており、いかにも自治に配慮した政策を実行するかのように思われます。しかし、その一方で、農業者の皆さんから批判の強い農協制度の改悪を進めております。来年度は介護報酬の引き下げが実施されます。また、一定規模に達しない公立義務教育学校の統廃合も進めようとしております。こんなことをやれば、地域の振興どころか、逆に地域の衰退に拍車がかかってしまいます。
 安倍内閣は、言葉では地方創生を唱えておりますが、現実の政策は、地方の衰退を助長する、バックにギアを入れているのではないかと感じられてなりません。
 そこで、各論に入る前に、自治や地域振興に対する基本的な認識を、財務大臣、総務大臣、地方創生担当大臣に伺います。
 日本の自治体は、人口状態、面積、気候、地理的条件、歴史文化、産業構造など、それぞれに違っており、多様性に富んでおります。この多様な自治体のさまざまな資源を地域の実情に応じて利活用することによって、地域の個性が磨かれます。
 ところが、これまでも、地域の自主性の尊重などを標榜しつつも、例えば平成の大合併などのように、全国画一的な価値観や手法で地域政策が推進されました。その結果、地域の個性が失われ、経済的にも文化的にも魅力を失いつつある地域が少なくないと思われます。
 私が重視をするのは、密度の濃い自治の取り組みであります。
 自治の特性は、住民同士の親密さであり、政治や行政と住民の距離の近さです。親密で近いという密度の濃さが、その地域に暮らす人々に対して、地域の公の諸活動に、他人事ではない、私のものであるとの現実味を与えています。この現実味が、国全体の民主主義とは違った、自治の真髄なのです。
 ところが、昨今の国の画一的な地方政策によって、この親密さや近さを失わせる結果となっております。活力ある地域を取り戻すためには、自治本来の密度の濃さを失わせることなく、地域の実態に即した多様な自治のあり方を地域みずからが創造することが肝要です。
 そのために、国には、自治体に対する過度な関与を排し、地域の自主性と自律性を最大限に尊重することが求められます。また、自治体には、密度の濃い自治を維持し、適切な行政サービスを提供するため、それぞれの地域の実態に即した自治のあり方をみずからの知恵と力で創造することが求められます。
 こうした観点から、今般の地方創生関連施策は問題が多過ぎます。
 まず、対応が遅過ぎます。
 民主主義を支える自治や地域を元気にする政策は、アベノミクスが失敗したからといって、慌ててつけ焼き刃のように行うべきものではありません。どんな政権であっても、極めて重要なものとして継続的に常に行われているべきものです。その意味で、安倍政権の地方創生への取り組みは、政権発足と同時に着手すべきだったのです。
 予定どおりに機能しないアベノミクスを取り繕うため十分な準備がないままに着手をしたため、安倍内閣の地方創生は拙速でもあります。
 平成二十七年度予算に計上することもできたはずの地方創生関連予算を平成二十六年度補正予算に計上し、地方団体に対し事業計画の提出を求めておりますが、このような短期間で、地域の実情に応じた肉厚の施策ができるとは思われません。
 地方創生に関連し、政府は、予見可能性のある財源を保障すると同時に、地方が十分な期間と余裕を持って検討できるように進めるべきと思いますが、石破大臣の見解を伺います。
 また、二十七年度は一兆円枠の確保でありますけれども、地方の計画が示された後の二十八年度においては、予算は飛躍的にふえるのでしょうか、あるいは現状の地方財政のどこかを削って予算を増額するのでしょうか。
 地方創生を担当する石破大臣は、二十八年度以降の財源について、地方に迷惑をかけず、新たな負担を求めず、どうするのか、この場で地方に御説明をいただきたいと思います。
 また、地域の元気創造事業費四千億円のうち、百億円は特別交付税とされています。この特別交付税百億円は、ローカル一万プロジェクトなどの取り組み状況に応じての配分となっていますが、このような、国の言うことを聞く団体に対して御褒美的に配分をすることは、地方交付税制度の趣旨にかなうのでありましょうか。総務大臣の見解を伺います。
 実は、このような裁量的な配分は、二十六年度補正予算の地方創生先行型事業においても三百億円が上乗せ分とされており、配分の不透明性が問われるものとなっております。
 具体的な配分基準、配分団体数などについて決まっているのでしょうか。石破大臣の答弁を求めます。
 平成二十四年度まで、地域自主戦略交付金というものがございました。ひもつき補助金を徐々に縮減して、自治体の自主的判断で使うことのできる、使途の自由度の高い、いわゆる一括交付金であります。二十三年度五千億、二十四年度八千億円まで拡大しましたが、自民党政権が復活してから、使い勝手が悪いという理由で廃止されました。
 ところが、沖縄県に対する一括交付金は、いまだに制度が残っております。使い勝手が悪いとして廃止されたはずの一括交付金を沖縄県だけに残している真の理由は何なのでしょうか。
 実は、地域自主戦略交付金、いわゆる一括交付金は、本当は、使い勝手のよい、自治体の皆さんが望む仕組みだから、沖縄県に制度を残したのではないでしょうか。あるいは、もっと別の理由があるのでしょうか。石破大臣の見解を伺います。
 今回、地方消費税を含む消費税率一〇%への引き上げが一年半先送りされる法案が提出されておりますが、このことは、実質賃金の低下、GDP成長率のマイナスなど、アベノミクスの行き詰まりを政府自体が事実上認めたに等しいと思われます。
 地方消費税については、民主党政権が、国と地方の協議の場などを通じて地方六団体と精力的な調整を行った上で、国と地方の社会保障四分野の役割分担を踏まえて、消費税率換算で一%から二段階で二・二%まで引き上げることを、国と地方が共同して決めたものであります。このような経緯を踏まえれば、消費税率引き上げ先送りの判断は、地方財政にも大きな影響を与えるものです。
 そこで、こうした判断の先送りについて、地方団体に対し、その財源対応を含め丁寧に説明し、地方団体の意見も伺うべきと思いますが、総務大臣の見解を伺います。
 安倍政権は、法人税率を引き下げることを予定しておりますが、単なる法人実効税率の引き下げは、財政健全化に与える影響が極めて大きいと思われます。
 特に、国、地方を通じた法人関係税収の約六割が地方の貴重な税財源となっていることから、地方団体側は、かねてより、法人実効税率の引き下げの検討に際しては、地方税財源に影響を与えないようにすることを強く要望してきております。地域振興を考える上からも、地方団体の税財源に穴をあけるようなことがあってはならないのは当然であります。
 今回の法人税改革に関しては、このような地方団体の声にどのように応えたのか、総務大臣にお伺いします。
 また、今後、法人税の減税を継続的に進めていくとのことですが、そうなると、当然、その代替財源はどうするのでしょうか。税収の自然増を恒久財源と位置づけるのでは、余りにもお粗末です。
 財務大臣は、来年度以降の法人税減税において、地方税収、地方財源に負担を求めないと約束できるのか、お答えください。
 財務大臣には、この際、地方財政法第二条第二項の、「国は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自律性をそこない、又は地方公共団体に負担を転嫁するような施策を行つてはならない。」という規定も踏まえた上で、答弁をいただきたいと思います。
 また、今回の法人実効税率の引き下げは、一部の大企業や収益率の高い法人の税を減税し、赤字法人に増税するものだとの批判も数多くあります。この改正は、持てる者により有利に、持たざる者により厳しいものと思われますが、この改正は地方創生に資するものであるのか、石破大臣の見解を伺います。
 次に、ふるさと納税制度の拡充について伺います。
 このふるさと納税制度は、本来、ふるさとへの恩返しや地域への応援として、地方団体への寄附を税制上支援する制度であるにもかかわらず、寄附金を集めるために高額な返礼品を贈るなど、地方団体間の競争が激化しているようであります。
 この状況は、本来の趣旨から離れているものと思われます。ふるさと納税は、税を移転させる仕組みであり、トータルの税収がふえるものではありません。返礼品を贈る自治体間の競争が過熱しますと、税収の一部が政策に充てる経費ではなく返礼品の購入等に充てられ、事実上、税使途の自由度を失わせることになりかねません。
 こうした状況は是正すべきと考えますが、総務大臣の見解を伺います。あわせて、ふるさと納税制度のその他の課題、問題点についても見解を伺います。
 二十七年度の地方税改正、地方交付税改正は、過去に比べても非常に多くの改正点を含み、今後の地方財政にも多大な影響を与える内容です。禍根を残さぬよう国会で慎重かつ十分に審議をしていくことが必要であり、民主党としても、その審議内容、政府見解などをよく吟味して態度を決していくことを表明いたします。
 以上を申し上げまして、私、逢坂誠二の質問を終了いたします。ありがとうございます。(拍手)
    〔国務大臣高市早苗君登壇〕
○国務大臣(高市早苗君) 逢坂議員から、五点お尋ねがありました。
 まず、地方自治や地方振興に関する基本的な認識についてお尋ねがございました。
 地方自治には、地方自治体の運営は住民みずからの意思と責任において行う住民自治と、国から独立した地方自治体がみずからの事務をみずからの意思と責任において処理する団体自治の二つの要素があるものと理解しております。
 また、地方振興につきましては、地域の資源を活用して雇用をつくり、為替変動にも強い地域の経済構造改革を強力に進めるとともに、地方への移住、交流により人の流れを創出し、人生が豊かになる、夢や希望を実現できる、そういう地方をつくってまいります。
 次に、ローカル一万プロジェクト等に係る特別交付税の算定についてお尋ねがありました。
 普通交付税は、全国普遍的で標準的な財政需要を算定するものであるのに対し、特別交付税は、普通交付税の画一的な算定方法では捕捉できない特別の財政需要等を考慮して交付するものであります。
 地方創生を推進するためには、地域に新たなビジネスや雇用を創出し、地域を活性化させることが重要であることから、地域における起業を支援するローカル一万プロジェクト等について地方財政措置を講じることとしております。
 ローカル一万プロジェクト等については、財政需要が生じる団体が限られることやプロジェクトごとの金額が大きいことなどから、人口を測定単位とした地域の元気創造事業費では地方団体の財政需要に応じて適切に措置をすることができないという理由から、特別交付税により算定することとしております。
 以上のことから、ローカル一万プロジェクト等の取り組みにより生じた財政需要について特別交付税の算定を行うことは、地方交付税制度の趣旨にかなうものであると考えております。
 次に、消費税率引き上げ時期の延期と地方団体への説明についてお尋ねがありました。
 地方再生と財政健全化を両立し、アベノミクスの成功を確かなものとするため、地方消費税を含む消費税率の引き上げ時期を平成二十九年四月とすることとしております。
 これにつきましては、一月八日に開催された全国知事会議及び総務大臣と地方六団体との会合、一月九日に開催されました国と地方の協議の場で説明を行いましたほか、地方団体に対して、総務省主催の各種会議においても説明を行ってきたところです。
 なお、地方団体からは、平成二十九年四月において消費税、地方消費税の一〇%への引き上げを確実に行うことが必要であるといった御意見をいただいております。
 次に、法人税改革についてお尋ねがありました。
 今般の法人税改革は、課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げることにより、成長志向型の構造改革を目指すものでありますが、地方税においては、税収の安定性の確保の観点から、かねてより地方団体から要望をいただいておりました外形標準課税の拡大によって財源を確保した上で、法人事業税の所得割の税率を引き下げることとしております。
 また、国の法人税率の引き下げについても、課税ベースの拡大により代替財源を確保することとしています。
 このように、今回の改革は、地方財政に支障が生じないよう、地方の安定的な税財源をしっかり確保して行うものであり、地方団体からも御評価をいただいているものと考えております。
 最後に、ふるさと納税についてお尋ねがありました。
 ふるさと納税の返礼品については、地場産業の育成やふるさとの宣伝に効果がある一方で、過熱しているとの意見もあると承知はしております。
 この点について、一義的には、地方団体側で、良識のある判断のもと、制度の趣旨に沿った運用を進めていただきたいと考えており、地方団体からも節度ある運用の必要性が挙げられていることなども踏まえ、総務省としては、寄附金控除の趣旨を踏まえた良識ある対応を地方団体に要請いたしております。
 具体的には、返礼品の価格や寄附額に対する割合の表示など、寄附の募集に際し、対価の提供との誤解を招きかねない行為や、換金性の高いプリペイドカードや、高額または寄附額に対して返礼割合が高いものなど、ふるさと納税の趣旨に反するような返礼品の送付といった行為の自粛を要請するものです。
 今回の法案に、控除限度額の引き上げと、給与所得者等が確定申告を行わずに控除を受けられる特例の創設を盛り込んでおります。先ほど、ふるさと納税制度のその他の課題についてと御質問がございましたが、寄附をしやすい形をつくっております。
 この法案が成立しました際には、円滑な運用を進めるとともに、地方団体と力を合わせて、地方創生につながるよう取り組んでまいりたいと考えています。(拍手)
    〔国務大臣石破茂君登壇〕
○国務大臣(石破茂君) 逢坂先生から、五問御質問を頂戴いたしました。
 まず、地方創生関連予算への地方の対応と、財源確保のあり方についてであります。
 平成二十六年度補正予算では、地方創生先行型の交付金を含め、昨年末に策定した総合戦略のうち、先行的に実施し得るもので、かつ、緊急的に対応するものを計上したところであります。
 特に、交付金につきましては、迅速かつ円滑に執行できるよう、都道府県の担当者だけではなく市町村の担当者にも直接対象として説明会を開催するとともに、一月二十日に内閣府に地方創生推進室を設置し、地方公共団体からの照会等に対して、直接かつ丁寧に、できるだけの対応をしておるところであります。
 今後、地方版総合戦略が順次策定され、戦略に基づく施策の本格的実施の段階を迎えることになるため、安定的かつ必要な財源を確保していく必要があると考えており、関連予算などの確保に取り組んでまいる所存でございます。
 次に、平成二十八年度以降の地方創生に関する地方の財源確保についてのお尋ねを頂戴しました。
 国の総合戦略におきましては、地域の実情に応じたきめ細やかな施策を可能にする観点から、地方創生の取り組みに要する経費について、地方財政計画の歳出に計上するとともに、地方交付税を含む一般財源を確保することとされております。
 地方公共団体に対しては、地方版総合戦略の策定を求めておるところであり、平成二十八年度以降に地方版総合戦略に基づく施策の実施が本格化することが見込まれますので、必要な財源を安定的に確保することが重要であると考えております。
 したがいまして、平成二十八年度以降につきましても、総務大臣と連携しながら、必要な財源が確保されますよう努めてまいります。
 次に、地方創生先行型の交付金の上乗せ分についてのお尋ねをいただきました。
 地方創生先行型交付金の上乗せ分の交付基準につきましては現在検討中でありますが、基本的には、中堅・中小企業に対し、経営人材等に関する情報提供やマッチング等を行うプロフェッショナル人材事業や、中山間地域等において機能、サービスを集約化し、周辺集落とネットワーク化する小さな拠点の形成、広域観光や都市農村交流などの地方公共団体間の連携など、ほかの団体にとりましてモデルとなるような事業、先行して地方版総合戦略を策定した地方公共団体などを対象とすることを検討いたしております。
 交付基準は、決定後には公表し、また、実施計画についての外部有識者を含めた評価体制を整備するなど、交付に当たりましては、公平性、公正性、透明性を確保できますよう取り組みます。
 次に、廃止されました地域自主戦略交付金が沖縄県だけに残っている理由についてでありますが、本土復帰が昭和四十七年となりました沖縄県に対しましては、累次の沖縄振興法制に基づきさまざまな振興策を講ずるなど、本土とは異なる事情がございます。
 このため、沖縄振興交付金につきましては、沖縄県からの要望を最大限に尊重し、沖縄の実情に即してより的確かつ効果的に施策を展開するため、ソフト、ハードの両面から措置する必要があり、沖縄振興特別措置法の改正時、すなわち平成二十四年四月施行、民主党政権下でありますが、このときに新たに規定を設けて創設をされたものであります。
 一方、沖縄を除く全国を対象とした地域自主戦略交付金は、民主党政権下において、地域の自由裁量を拡大するため、投資補助金の一括交付金化に取り組むものとして創設される等、その政策的な位置づけ、成り立ちが異なるものであり、同時に扱うことは適当ではございません。
 最後に、法人税改革と地方創生の関係についてのお尋ねであります。
 法人税改革は、課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げることにより、法人課税の負担を広く分かち合う構造に変えるための改革であると承知をいたしております。
 こうした改革を通じまして、企業の稼ぐ力を高め、より積極的な賃上げへの取り組みや下請企業への価格転嫁といった取り組みを促すことで、経済の好循環の流れを全国津々浦々まで広げることにもつながるものと考えております。
 なお、今回の税制改正で決定されました、課税ベースの拡大策として行います欠損金繰越控除の控除制限の見直しや法人事業税の外形標準課税の拡大は、資本金一億円以下の中小法人を対象としないなど、地域経済を支える中小企業への影響に配慮した内容となっておるものであります。
 これらのことから、法人税改革は、地方創生を後押しする改革であると考えております。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕
○国務大臣(麻生太郎君) 地方自治や地方振興に対する基本的な認識についてのお尋ねがあっておりました。
 議員御指摘のように、地方自治は、民主主義を考える上で極めて重要なものであると認識をいたしております。
 また、地域の振興につきましては、各地域がそれぞれの特徴を生かして、自律的で持続可能な社会を形成することが重要な課題と認識をいたしております。
 次に、来年度以降の法人税改革についてのお尋ねもあっております。
 今回の法人税改革におきましては、制度改正を通じた課税ベースの拡大などにより、財源をしっかりと確保しつつ、税率を引き下げていくこととしております。
 来年度以降の税制改正でも、財源の確保に向けて、例えば、大法人向けの法人事業税について外形標準課税をさらに拡大していくことや、租税特別措置の見直しを進めることなどを初めとして、幅広く検討を行ってまいります。
 なお、地方の財政運営については、御指摘の地方財政法の趣旨を踏まえ、引き続き適切に対応してまいります。(拍手)
○副議長(川端達夫君) 石破国務大臣から、答弁を補足したいとの申し出があります。これを許します。国務大臣石破茂君。
    〔国務大臣石破茂君登壇〕
○国務大臣(石破茂君) 逢坂先生から、各論に入る前に、自治や地方振興に対する基本的な認識について私にもお尋ねがありました。失礼をいたしました。
 この点につきましては、財務大臣あるいは総務大臣から答弁があったとおりでありますが、国としてやるべきことは、外交であり、安全保障であり、通貨政策であり、国でなければできないことというのがあろうかと存じます。地方にできることはなるたけ権限も財源も移すというのは、共通した認識であろうかと存じます。
 しかしながら、その際に、財源をどのように確保していくのかということに極めて配意が必要でございまして、その点について、地方が地方の創意工夫を最大限発揮できるような仕組みづくりということを念頭に置きながら、今後、政府といたしましても、地方分権を進めてまいる所存でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(川端達夫君) 水戸将史君。
    〔水戸将史君登壇〕
○水戸将史君 維新の党の水戸将史です。
 私は、平成二十七年度地方財政計画、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案について、党を代表して質問いたします。(拍手)
 質問に先立ちまして、二週間後の三月十一日で東日本大震災から丸四年がたちます。東日本大震災からの復興なくして日本の再興もなしと安倍総理も言われているように、一日も早い震災からの復旧復興、そして原発事故の早期収束を心より願うとともに、国会としてもさらなる取り組みを誓うものであります。
 また、きょうは二月二十六日。一九三六年、昭和十一年二月二十六日未明、雪降る帝都東京でクーデター未遂事件が起こった日であります。
 この二・二六事件は、高橋是清蔵相を殺害、鈴木貫太郎侍従長殺害未遂、さらには麻生太郎財務大臣の曽祖父に当たられる牧野伸顕内大臣殺害未遂事件などが起き、昭和天皇実録でも明らかなように、天皇御自身が激怒され、鎮定の意思も示されました。ようやく三日後の二十九日に鎮圧。事件後、岡田内閣が総辞職という事件のあった日であります。
 ことしは、戦後七十年の節目の年。改めて、平和の重み、とうとさをかみしめ、我が国の平和のみならず、世界の平和を実現すべく努力をしていくことを国民とともに誓うことが大切であると考えます。
 さて、地域主権改革に目を向ければ、去る二月二十三日に大阪府松井知事が大阪都構想案を府議会に提出、翌日の二十四日には大阪市橋下市長が同案を市議会に提出。これにより、五月十七日に都構想の是非を問う住民投票が実施される見通しとなりました。いよいよ、大阪から、住民を巻き込んだ形での地域主権改革が大きく動き始めようとしております。
 ところで、総務大臣は、大阪都構想という地域主権改革について、積極的に対応されるというお気持ちでしょうか。まず冒頭、その御所見をお聞かせください。
 そして、本題に入りますが、そもそも我が党は、地方交付税法の改正法案が前提としている地方交付税制度そのものに対して、大いなる疑問を呈しております。
 確かに、各地方において税源や財源は偏在しているため、地方間の財政調整自体を否定するものではありません。しかし、現在の地方交付税制度は、国税の一定割合を財源として地方に分配する形となっていますので、国税に依存する体質は従来から変わることなく、それが地方の財政規律を緩め、地方自治体の自立をも妨げております。
 また、地方交付税制度は、景気変動にも柔軟に対応できない欠点があります。
 地方交付税の財源は、所得税、法人税、消費税、そして酒税等ですが、このうち、所得税と法人税の税収は、景気が悪ければ減ります。そのため、地方が不景気で苦しいときにこそ交付税を求めたいのにもかかわらず、交付税がかえって減らされてしまうのであります。
 地方交付税率について、今回の改正案では、所得税三二%と法人税三四%をどちらも三三・一%にすることになっていますが、消費税は現行も改正後も二二・三%となっております。このように、景気変動によって大きく税収の変わる所得税と法人税よりも、地方への再分配の財源といたしましては消費税の方が望ましいと考えますが、いかがでしょうか。
 その上、制度上、地方の基準財政需要の算定方法を初め、国の裁量の余地が多過ぎます。地方の財政需要が一番よくわかっているのは地方のはずですが、需要を決めるための方法やその算定式は国が法律で決めており、その細部は総務省が決めております。こうした中央集権的な制度によって、毎年約十七兆円もの税金が地方に配られております。本当に必要なところに必要なお金が行き渡っているのか、適宜適切な分配方法であるのか、甚だ疑問であります。
 このように、現在の地方交付税制度は、さまざまな問題点を抱えております。
 のみならず、この方法で各地方間の格差が解消されるならともかく、戦後一貫して東京への一極集中は進んでいるではありませんか。そして、地方が国に依存すればするほど、みずからの地域に産業をつくって税収を上げようと試みないばかりか、公務員給与を初めとした歳出の削減にも手をつけようとはいたしません。
 かくして、地方の活力は失われ、どの地域の経済も低迷し、人口も減り続け、多くの自治体は、消滅の危機さえあると言われております。
 地方を本当の意味で再生させるためには、現在の地方交付税制度を前提とした小手先の改正では足りません。地方の活力を奪う地方交付税制度は、もうそろそろ廃止すべきときであります。
 もちろん、ただ廃止するだけでは地方によって財政格差が生じますので、そこで、各自治体が自立できるように、地方に徹底的に税源と権限を移譲して道州制を実現すべきと考えますが、大臣の見解をお伺いいたします。
 道州制導入によって、住民に一番近い基礎自治体に税源と権限を集め、広域的に行う必要のある事業は道州の権限とし、国は外交、安全保障やマクロ経済政策等のみに集中する、このように統治の仕組み自体を変えるべきであります。
 そして、税源については、所得税や法人税と比べて地域間の税収の差が小さく、景気の影響も受けにくい消費税を、地方の財源として移譲すべきではないでしょうか。
 こうして消費税と地方税で各自治体が自律的に財政運営を行うようになれば、どの自治体も、自分たちの地域で税収を上げるために地域での産業育成や人材の確保に熱心になり、また、歳出削減に対しても真剣に行うようになるでしょう。
 さらに、それでも残る税収の格差については、国が調整するのではなく、地方同士で水平的に再分配を行う制度にすべきであります。そして、各地方間の再分配については、各地方で上がった税収の一部を調整財源として、分配方法を地方が合議で決める地方共有税を創設すべきと考えますが、こうした構想についての大臣の見解も求めます。
 維新の党は、地方交付税を含む地方制度全体について、以上のように考えていますので、現行の地方財政計画の策定方法についても、基本的に変えるべきと考えております。
 なぜなら、地方財政計画は、地方自治体の予算に関する計画にもかかわらず、地方はその決定に関与できないからです。
 政府が決めた来年度計画案が二月下旬の今ごろになって国会に提出され、わずかの審議時間しか与えられておりません。その上、政府案は基本的には財務省と総務省の折衝で決まるわけで、決定の過程が極めて不透明です。地方の住民の声は全く反映されていませんし、国民全体にも見えにくく、国会が十分なチェックを行うのさえ困難ではありませんか。
 こうした計画案の策定及び決定過程について、さらなる中立性かつ透明性が必要と考えますが、大臣の御所見をお聞かせください。
 地方財政の個別の問題について言えば、地方公務員給与の削減がほとんどの自治体で進んでいないのが実態であります。
 民間給与との比較で公務員給与を決めると言ってはいるものの、五十人以上が勤める地方支社を持つような大企業の給与調査に基づいて官民給与比較を行っております。現業職については、そもそも民間との十分な比較さえ行われておりません。このため、地方では公務員の給与が民間の給与より高い状態が続いているのであります。
 このような公務員への厚遇などが相まって、その結果、地方の借金、すなわち地方債と借入金の残高は、約二百兆円にも上っております。
 まず、地方自治体の財政再建のため、人事院及び人事委員会の行う官民給与較差のあり方を総合的に見直すべきではないでしょうか。
 また、この地方交付税の収入を当てにして発行される臨時財政対策債、いわゆる臨財債もふえ続けています。
 臨財債は、平成十三年度に、文字どおり臨時の財政対策として導入されました。ところが、臨時のはずだったのに、毎年度発行が続いています。
 政府には、この臨時財政対策債につき、全て償還をし、発行を終了させる計画や見通しがそもそもあるのかないのか、あわせてお伺いいたします。
 そして、来年度地方財政計画には、地方創生に必要な歳出が計上されています。
 安倍総理がさきの臨時国会を地方創生国会と位置づけて新法をつくり、今年度補正予算にも、来年度予算案にも特別枠を設けております。
 ところが、出てきた政策は、中央に本部を設け、新しい補助金をつくってばらまくという、まことに残念ながら、旧態依然たる地方政策であります。政府が先月閣議決定した地方分権改革の対応方針も、私にしては、全く不十分なものとしか思えません。
 地方創生を目指すなら、なぜ、端的に税源と権限をさらに地方に移譲しないのでしょうか。御見解を求めます。
 最後に、空き家対策に関する固定資産税、都市計画税の措置についてお伺いいたします。
 空き家問題は今日的な喫緊の課題であり、我が党も、旧党の時代に、昨年の通常国会において、ごみ屋敷禁止法案を国会に提出いたしました。
 今回の改正の内容は、周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切な空き家、いわゆる特定空き家について、更地にしても税法上不利にならない、つまり、固定資産税の課税標準は変わらないとするものです。これでは、倒壊しそうだったり、著しく衛生上有害だったり、よほど問題のある空き家にしか適用されません。単に危険、不衛生な空き家だけではなく、そこまで至らない空き家でも、できる限り除去させる誘因を与えるべきではないでしょうか。
 更地にしたら固定資産税がもとに戻るというだけの理由で多くの空き家が放置されている現状は、地方における急激な人口減少と、それに伴う空き家問題の深刻さに対する政府の危機感のなさのあらわれではないかと危惧しております。御所見をお伺いいたします。
 以上、数点、両大臣に対する御見解、御所見を求め、私の質問を終わります。
 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣高市早苗君登壇〕
○国務大臣(高市早苗君) 水戸議員から、七点お尋ねがございました。
 まず、いわゆる大阪都構想についてのお尋ねがございました。
 いわゆる大阪都構想につきましては、大都市地域特別区設置法に基づき、大阪市を廃止して特別区を設置することにより、二重行政の解消と住民自治の拡充を図ろうとするものであり、その目的は重要であると認識しておりますが、その成否につきましては、法令の手続に従って、地域の判断に委ねられているものでございます。
 総務省といたしましては、大阪市、大阪府において、関係者の間での真摯な議論が行われるよう期待をするところであります。
 次に、消費税が地方交付税の財源として望ましいのではないかというお尋ねがございました。
 消費税につきましては、社会保障・税一体改革におきまして、引き上げ前の地方消費税収を除く消費税収を全額社会保障財源化した上で、社会保障における国と地方の役割分担に応じて引き上げ分の消費税収の国と地方の配分割合を決定し、地方分については、地方消費税の充実を基本としつつ、財政力の弱い地方団体における社会保障財源の確保の観点から、交付税法定率分の充実を図ることとして、消費税の地方交付税率を決定したところでございます。
 今後も、消費税の地方交付税率は、社会保障財源としての消費税の役割を踏まえて、社会保障における国と地方の役割分担や地方消費税の税率の水準とあわせて決定する必要があると考えております。
 次に、地方共有税の創設という御提案について感想を求めるお尋ねがありました。
 地方税収を財源として地方団体相互間で税収格差を調整するということにつきましては、他の地域の行政サービスに充てるために地方税を徴収することについてどのように考えるのか、また、他の地域に拠出する側の住民の理解が得られるのかなどの課題があるものと考えております。
 また、我が国では、多くの行政分野で国と地方の役割分担等を法令によって定めております。このため、地方団体間の財政力格差があるという中で、どのような地域であっても一定水準の行政サービスを提供できるように財源を保障することは国の責務であり、これを地方団体相互間の調整に委ねるということには課題が多いと考えております。
 このようなことから、地方交付税制度によりまして、地方団体への財源保障機能と地方団体間の財源調整機能を適切に発揮することが必要と考えております。
 次に、地方財政計画の策定過程についてお尋ねがございました。
 平成十七年度から、地方財政収支に係る地方団体の予見可能性を高めるために、夏の段階において翌年度の地方財政収支の仮試算や地方財政の課題について公表しておりまして、今年度におきましても、平成二十七年度の概算要求とあわせて公表いたしました。
 その後、平成二十七年度の地方財政対策について、昨年十月二十一日に開催された国と地方の協議の場、十一月七日に開催された全国知事会議、ことし一月八日に開催された全国知事会議及び総務大臣と地方六団体との会合、一月九日に開催された国と地方の協議の場などにおいて、地方の皆様から、地方一般財源、地方交付税の総額確保等さまざまな御意見が表明され、意見交換を行ってまいりました。
 平成二十七年度の地方財政対策につきましては、これらの意見を踏まえて決定したものでありまして、地方六団体からは、地方の一般財源総額を六十一・五兆円とし、前年度を大幅に上回る額を確保したことを評価する等の声明をいただいたところでございます。
 今後とも、国と地方の協議の場などを通じて、地方の御意見をお伺いし、適切に反映するよう努めてまいります。
 次に、官民の給与比較についてお尋ねがありました。
 労働基本権が制約されている公務員には、その代償措置として、第三者機関である人事院及び人事委員会による給与勧告制度が設けられております。
 勧告に当たっては、公務と同種同等の者を比較する観点から、企業規模五十人以上の民間企業が調査対象とされており、これは、人事院及び人事委員会が専門的見地から判断しておられるものと認識しています。
 次に、臨時財政対策債についてお尋ねがございました。
 地方の財源不足につきましては、国と地方が折半して補填することを基本としており、国は一般会計から地方交付税の臨時財政対策特例加算、地方は臨時財政対策債の発行により対応してきています。
 しかしながら、地方財政の健全化のためには、臨時財政対策債のような特例債に頼らない財務体質を確立することが重要であります。
 平成二十七年度の地方財政対策においては、臨時財政対策債の発行を大幅に抑制することができました。
 今後とも、アベノミクスの成果を全国津々浦々まで行き渡らせ、地方税収の増を図るとともに、めり張りをつけて歳出構造を見直すことで財務体質を強化し、地方財政の健全化を図る必要がございます。
 国と地方で折半すべき財源不足が解消され、折半分の臨時財政対策債を発行しなかった平成十九年度及び平成二十年度の状況をなるべく早期に実現することを目指してまいります。
 最後に、空き家対策に関する固定資産税等の措置についてお尋ねがありました。
 さきの臨時国会で成立した空家等対策の推進に関する特別措置法は、本日からその一部が施行されます。今回の地方税法等の改正案におきましては、関係省庁の要望も踏まえ、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく除却等の勧告を受けた特定空き家等に係る土地について、住宅用地特例の対象から除外する措置を講ずることとしているものでございます。
 まずは、その円滑な施行に努めてまいりたいと考えております。(拍手)
    〔国務大臣石破茂君登壇〕
○国務大臣(石破茂君) 水戸先生からは、まず、道州制についてのお尋ねを頂戴いたしました。
 道州制は、国家の統治機能を集約、強化いたしますとともに、住民に身近な行政はできる限り地方が担うことにより、地域経済の活性化や行政の効率化を実現するための手段の一つであり、国と地方とのあり方を根底から見直す大きな改革であります。
 このような大きな改革でありますことから、その検討に当たりましては、道州制のもとで地方がどのような仕事をいかなる財源で行うかという点も含め、具体的な姿を明らかにしつつ、国民的な議論を行うことが必要であり、与党におきまして、道州制に関して議論を前に進めるべく、精力的に検討が重ねられており、政府としても連携を深めて取り組む所存でございます。
 次に、税源と権限の地方への移譲についてのお尋ねでありますが、今回の地方創生の取り組みは、人口減少を克服し、地方が成長する活力を取り戻すという目標に向け、全ての政策パッケージに具体的な成果目標を設定し、その効果を検証するPDCAサイクルを組み込んでおります点で、今までの取り組みとは全く異なるものであり、ばらまきや旧態依然といった御批判は当たりません。
 国から地方への権限移譲につきましては、今般、長年地方からの実現要望が非常に強かった農地転用の許可権限の移譲等を図ることといたし、地方六団体からは、極めて異例のことではございますが、地方分権改革の力強い前進が図られたことを高く評価するとの声明をいただいたところでもあり、今後とも、熱意ある地方を応援する観点から、地方からの御提案を受けとめ、改革を着実かつ強力に進めてまいる所存であります。
 また、地方への税源の移譲につきましては、地方税源には偏在性があることに留意しつつ、各地方公共団体の仕事量に見合った形で地方税の充実を図っていくことが重要であります。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(川端達夫君) 田村貴昭君。
    〔田村貴昭君登壇〕
○田村貴昭君 私は、日本共産党を代表して、地方財政計画外二法案について、関係大臣に質問をします。(拍手)
 今、地方自治体に求められているのは、地域の産業と雇用をつくり、子育て支援や社会保障を整備して、地域の再生、活性化を図ることです。国が行うべきことは、地方交付税を拡充して、条件不利地域を初め、地方が自由に使える一般財源を十分に確保すること、そして、ナショナルミニマムの保障などをしっかり果たすことであります。
 ところが、安倍内閣が地方創生としてやろうとしていることは、これに逆行するものであります。
 以下、具体的に質問をします。
 第一に、まち・ひと・しごと創生事業費の創設です。
 安倍内閣が、熱意ある地方を応援するとして、自治体の頑張りぐあいに合わせて地方交付税の配分に傾斜をつけようとしていることは重大であります。
 地方財政計画に計上される一兆円のまち・ひと・しごと創生事業費のうち、六千億円が人口減少等特別対策事業費です。その算定は、人口を基本とした上で、まち・ひと・しごと創生の取り組みの必要度と取り組みの成果に基づいて、配分を順次、必要度から成果に移していくというのであります。
 これでは、成果が出ていないとされる地方自治体への地方交付税は減らされ、置いていかれた自治体は一層困難な事態に追いやられるのではないですか。
 高市総務大臣や石破地方創生大臣は、努力して成果を上げた自治体には地方交付税を配分すべきと繰り返し発言されています。しかし、地方財政の専門家、識者からも、地方自治体の頑張りぐあいを勘案して地方交付税の配分に有利、不利をつける手法を単純に拡大することは警戒が必要であるとの指摘が出されているのです。重く受けとめるべきではありませんか。
 地方交付税の趣旨をゆがめ、政府の政策へ地方を誘導するやり方は、きっぱりやめるべきであります。
 地方自治体が自由に使える一般財源総額の確保に対する国の責任を果たすべきです。財源不足を国、地方の折半ルールで行うのではなく、抜本的な法定率の引き上げに切りかえるべきであります。
 第二は、連携中枢都市圏構想です。
 従来から、医療、ごみ処理、し尿処理、消防などの業務を自治体間で広域的に連携する仕組みが展開されています。これまでの広域的な連携と連携中枢都市圏構想とは、一体何が違うのですか。
 政府は、連携中枢都市は、圏域全体の経済成長の牽引の役割と高次の都市機能の集積、強化の役割を果たし、そのために、圏域人口七十五万人の連携中枢都市に対して二億円の普通交付税を交付するとしています。これは、連携中枢都市に政府の成長戦略を担わせるということではありませんか。
 そして、中心都市への行政サービスと都市機能の集約は、周辺市町村の行政サービスの後退、格差の拡大をもたらすものであります。
 連携協約を結んだ自治体間で紛争が生じれば、知事や自治紛争処理委員による解決が図られるとされています。それは、行政サービスの後退、格差の拡大をめぐる紛争が予想されるからではありませんか。
 また、連携協約を結ぶ周辺市町村には、連携協約に基づく政策合意の実行が義務づけられています。政府は、圏域としての政策を継続的、安定的に推進するとしています。連携周辺市町村が離脱することは想定されていないのではありませんか。
 周辺市町村が連携協約から離脱する場合、離脱を望む自治体の議会の議決だけでできるのですか。
 以上、高市総務大臣に伺います。
 安倍内閣の言う地方創生は、人口減少への危機感をあおり、社会保障や地方交付税の削減は仕方がない、集約とネットワーク化を徹底して、足りない部分は民間投資を活用し、住民の自助、共助で賄えというものであります。安倍内閣の地方創生は、連携中枢都市の周辺地域や集落などの切り捨てをもたらすものです。答弁を求めます。
 平成の大合併によって、自治体周辺では大幅な人口減少となりました。九州では、実に、合併九十九市町村のうち八十八市町村で人口が減り、五割の自治体が、合併が人口減の歯どめにならなかったとする調査結果を西日本新聞が報じています。石破大臣、連携中枢都市圏構想は、その誤りを繰り返すものではありませんか。
 加えて、新たな市町村合併を伴う道州制導入には断固反対です。道州制導入に対する見解を問うものであります。
 第三は、地方自治体の行革努力の実績を地方交付税の算定に反映させる、元気創造事業費の継続です。四千億円のうち、三千億円が行革努力分となっているのであります。
 地方自治体の定数削減、人件費削減は限界を通り越しています。総務大臣にその認識はあるのですか。
 東日本大震災から四年、被災地では職員不足が一層深刻な事態です。被災自治体にも全国と同じように行革努力分を押しつけるのですか。
 高市総務大臣、被災自治体の再建、復興推進のためにも、人件費抑制路線を取り払うべきであります。
 最後に、被災者の住宅再建は待ったなしであります。住宅再建支援に必要な財源や震災復興特別交付税を含め、被災自治体にとって自由度の高い復興財源を確保するとともに、関係自治体にその見通しを早期に示すべきです。
 答弁を求め、私の質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣高市早苗君登壇〕
○国務大臣(高市早苗君) 田村議員から、十二点お尋ねがございました。
 まず、人口減少等特別対策事業費の算定についてお尋ねがありました。
 平成二十七年度の人口減少等特別対策事業費の算定に当たりましては、各地方公共団体がこれからまち・ひと・しごと創生に取り組むことを踏まえ、取り組みの必要度に応じて手厚く配分し、現状において指標の数値が芳しくない団体の需要額を割り増すこととしております。
 しかしながら、いつまでも指標の数値が芳しくないことを重視して配分することは、適切ではないと考えております。
 今後、各地方公共団体において地方版総合戦略の策定及びそれに基づく事業の実施が予定されておりますことから、地方版総合戦略に基づいた取り組みの成果を反映させるべく、そのための新たな成果枠を設けて、段階的に取り組みの必要度から配分額をシフトすることを検討したいと考えているところでございます。
 このように、御懸念のようなことを進めようと考えているわけではなく、各団体がまち・ひと・しごと創生に取り組むための財政需要を適切に算定してまいります。
 次に、成果に応じた交付税の配分についてお尋ねがありました。
 人口減少等特別対策事業費の算定に当たっては、取り組みの必要度により、現状において指標の数値が芳しくない団体の需要額を割り増すとともに、実際に、まち・ひと・しごと創生に取り組み、成果を上げた団体では全国標準以上の経費が生じていると考えられることから、取り組みの成果を算定に反映することとしております。
 このように、人口減少等特別対策事業費においては、全国各地で取り組まれるまち・ひと・しごと創生の幅広い取り組みについて、そのおのおのの財政需要に関連すると考えられる指標を用いて補正を行うものであり、国が地方団体の政策を誘導するという御指摘は当たらないものと考えております。
 次に、地方交付税の法定率引き上げについてお尋ねがありました。
 平成二十七年度において、交付税原資の安定性の向上、充実を図るため、地方交付税の法定率を見直しました。しかしながら、平成二十七年度の地方財政においては、今回の法定率を見直してもなお巨額の財源不足が生じており、国、地方の折半で補填している状況であります。
 国、地方とも巨額の債務残高や財源不足を抱えていることから、その実現は容易なものではないと考えておりますけれども、今後とも、法定率の見直し等による交付税総額の安定的確保について、政府部内で十分に議論をしてまいります。
 次に、連携中枢都市圏について、従来の広域的な連携との違いについてお尋ねがございました。
 一部事務組合など従来の広域連携は、ごみ処理などの事務を共同で処理するものでありました。これに対して、連携中枢都市圏は、経済成長の牽引等を行うことにより、人口減少・少子高齢化社会においても活力ある社会経済を維持するための拠点を形成するものです。
 連携中枢都市圏と政府の成長戦略についてもお話がございましたが、昨年閣議決定された日本再興戦略においては、連携中枢都市圏について、二〇一五年度から全国展開を図ることとされているところです。
 連携中枢都市圏の目的の一つには、経済成長の牽引も位置づけられており、総務省としては、地方の自主的取り組みが推進されるように支援をしてまいります。
 また、次に、連携中枢都市圏からの脱退について、議会の議決に関連してお尋ねがありました。
 連携中枢都市圏は、社会経済的に密接な関係にある市町村が中長期的に安定して連携することにより取り組むものです。したがって、連携の廃止には双方の市町村の議会の議決を必要としております。
 ただし、地域の実情によって離脱を求める市町村が想定されますことから、連携協約に、一方の市町村が議会の議決を経て失効を求めた場合、一定期間経過後に失効すると規定をすることは可能でございます。
 また、連携中枢都市圏内の周辺市町村での行政サービスの後退、格差の拡大についてお尋ねがございました。
 連携中枢都市圏の取り組みは、圏域全体の地域経済を活性化し、利便性を向上させていくことが主眼でございます。したがって、連携中枢都市圏の取り組みが、周辺市町村の身近な行政サービスの後退、格差の拡大につながるとは考えておりません。
 また、紛争解決の手続でございますけれども、連携協約の紛争解決手続は、例えば、協約締結当時想定していなかった事情の変化により協約上の取り組みを行わなくなったことなどを想定しているものであって、行政サービスの後退や格差拡大を予想したものでございません。
 次に、地方の定数、人件費削減の認識についてお尋ねがございました。
 地方公共団体においては、これまでも、適正な定員管理の推進や給与の適正化に取り組んでおりますが、なお課題のある団体もあると認識をしております。
 引き続き、効率的で質の高い行政の実現に向け、適正な定員管理の推進や給与適正化等に取り組むことが重要と考えております。
 次に、被災地における地域の元気創造事業費の算定についてお尋ねがありました。
 地域の元気創造事業費の算定においては、各団体の行革努力を反映するため、職員数削減率、人件費削減率、人件費を除く経常的経費削減率、地方債残高削減率などの指標を用いております。
 その際、東日本大震災に係る被災自治体の算定に当たっては、被災地の状況に鑑み、災害復旧等に従事させるために採用した職員数や復旧復興事業に係る経費を除外する特例措置を講じております。
 したがって、被災地にも全国と一律の行革努力分を押しつけるといったことにはならないと考えております。
 また、被災自治体における定員削減による人件費抑制についてでございますけれども、各地方公共団体の定員管理につきましては、地域の実情を踏まえて、自主的に適正な定員管理の推進に取り組むよう助言をしております。
 被災自治体におかれましても、引き続き、行政需要の変化に対応した適正な定員管理の推進に取り組んでいただくことが重要だと考えております。
 最後に、震災復興特別交付税等の確保についてお尋ねがございました。
 震災復興特別税につきましては、平成二十七年度までの集中復興期間中はその財源を確保することとしており、まずは、平成二十七年度までの復興の加速化に取り組んでいくことが必要と考えております。
 集中復興期間後の震災復興特別交付税のあり方につきましては、全体の復興財源フレームの中で検討されるものでございます。
 いずれにしましても、被災地の復興に真に必要な事業の実施に支障が生じないよう、適切に対応してまいります。(拍手)
    〔国務大臣石破茂君登壇〕
○国務大臣(石破茂君) 田村先生から、四問御質問いただきました。
 まず、地方交付税についてであります。
 国の総合戦略におきましては、地域の実情に応じたきめ細やかな施策を可能にする観点から、地方創生の取り組みに要する経費につきまして、地方財政計画の歳出に計上いたしますとともに、地方交付税を含む一般財源を確保することといたしております。
 今回の地方交付税の算定につきましては、先ほど所管大臣から答弁がございましたように、各地方の創意工夫に基づいて行われますまち・ひと・しごと創生の幅広い取り組みについて、そのおのおのの財政需要に関連すると考えられる指標を用いて補正を行うものでありまして、国が地方公共団体の政策を誘導するといった御指摘は当たりません。
 次に、地方創生は周辺地域や集落の切り捨てを前提としているのではないかというお尋ねでありますが、地方創生は、経済の好循環を全国津々浦々まで届けるとともに、その好循環を支えます町に活力を取り戻し、人々が安心して生活を営み、子供を産み育てられる社会環境をつくり出すことを目指すものでございます。
 少子高齢化や人口減少、厳しい財政状況を踏まえますと、このまま手をこまねいていれば、地域社会の安心な暮らしの基盤の維持が困難となるおそれがあると考えておりまして、今回の地方創生では、持続可能性のある地域社会を維持するため、中山間地、地方都市、大都市など、それぞれの地域の特性に即した地域課題の解決と活性化を基本的な考え方に掲げて取り組むことといたしており、特定の地域の切り捨てを前提としているものでは全くございません。
 次に、連携中枢都市圏についてでありますが、今回、これまでの重複する都市圏概念を統一し、進めていくこととした連携中枢都市圏構想は、人口減少・少子高齢社会におきましても一定の圏域人口を有しつつ、活力ある社会経済を維持するための、経済成長の牽引などの機能を備えた圏域を形成することを目的としておるものであります。
 雇用の創出や、高度医療や高等教育などの高次都市機能の集積、地域医療や子育て支援などの生活関連機能サービスの向上により、連携中枢都市圏が人口のダム機能としての役割を果たせますように取り組んでまいります。
 道州制についてのお尋ねでありますが、道州制は、地域経済の活性化や行政の効率化を実現するための手段の一つであり、国と地方とのあり方を根底から見直す大きな改革であります。
 この導入は市町村合併を前提とするものではなく、その検討に当たりましては、基礎自治体のあり方も含め、具体的な姿を明らかにしつつ、国民的な議論を行うことが必要であります。当事者であります地方団体の声を聞きながら、丁寧に議論を進めていくことが重要と考えております。
 与党におかれまして、道州制に関しまして地方団体とも意見交換を行うなど精力的に検討が重ねられており、政府といたしましても、連携を深め、取り組んでまいる所存でございます。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣竹下亘君登壇〕
○国務大臣(竹下亘君) 田村議員から、復興財源の確保についての御質問をいただきました。
 これまで、被災地の方々が一日も早く安心した生活を取り戻していただけるよう、住宅再建や産業、なりわいの復興に全力を尽くしてまいりました。集中復興期間の区切りとなる平成二十七年度予算におきましても、復興の加速化についての重点化をいたしました。まずは、この予算の成立に今全力を尽くしているところでございます。
 その上で、二十八年度以降の復興事業につきましては、それまでの進捗状況等を、しっかり事業のレビューをした上で、何ができているか、何が足らないかとしっかり見詰め直した上で、財源を含めてそのあり方を検討してまいります。
 集中復興期間が終わっても我々はとまりません。平成二十八年度以降についても、被災者の方々の心に寄り添いながら、しっかりと対応してまいります。
 以上です。(拍手)
○副議長(川端達夫君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
○副議長(川端達夫君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時十五分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣     麻生 太郎君
       総務大臣     高市 早苗君
       経済産業大臣   宮沢 洋一君
       国務大臣     石破  茂君
       国務大臣     竹下  亘君
 出席内閣官房副長官及び副大臣
       内閣官房副長官  加藤 勝信君
       財務副大臣    菅原 一秀君
       総務副大臣    二之湯 智君