第189回国会 文部科学委員会 第18号
平成二十七年九月二日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 福井  照君
   理事 池田 佳隆君 理事 石原 宏高君
   理事 冨岡  勉君 理事 萩生田光一君
   理事 義家 弘介君 理事 郡  和子君
   理事 牧  義夫君 理事 浮島 智子君
      穴見 陽一君    安藤  裕君
      石川 昭政君    尾身 朝子君
      大見  正君    門山 宏哲君
      神山 佐市君    菅家 一郎君
      工藤 彰三君    櫻田 義孝君
      瀬戸 隆一君    高木 宏壽君
      谷川 とむ君    中村 裕之君
      馳   浩君    鳩山 邦夫君
      福田 達夫君    船田  元君
      古川  康君    古田 圭一君
      宮川 典子君    山下 貴司君
      山本ともひろ君    菊田真紀子君
      中川 正春君    平野 博文君
      松本 剛明君    笠  浩史君
      木内 孝胤君    坂本祐之輔君
      鈴木 義弘君    初鹿 明博君
      中野 洋昌君    吉田 宣弘君
      大平 喜信君    畑野 君枝君
      吉川  元君
    …………………………………
   文部科学大臣       下村 博文君
   国務大臣
   (東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当)       遠藤 利明君
   文部科学大臣政務官   山本ともひろ君
   政府参考人
   (内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局総括調整統括官)   芦立  訓君
   政府参考人
   (内閣官房新国立競技場の整備計画再検討推進室総括審議官)         中川  真君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房総括審議官)         伊藤 洋一君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房文教施設企画部長)      中岡  司君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          小松親次郎君
   政府参考人
   (文部科学省スポーツ・青少年局長)        高橋 道和君
   参考人
   (独立行政法人日本スポーツ振興センター理事長)  河野 一郎君
   参考人
   (公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会副事務総長)           布村 幸彦君
   文部科学委員会専門員   行平 克也君
    ―――――――――――――
委員の異動
九月二日
 辞任         補欠選任
  青山 周平君     福田 達夫君
  小林 史明君     山下 貴司君
  船田  元君     高木 宏壽君
  前田 一男君     穴見 陽一君
  宮川 典子君     中村 裕之君
  坂本祐之輔君     木内 孝胤君
同日
 辞任         補欠選任
  穴見 陽一君     石川 昭政君
  高木 宏壽君     船田  元君
  中村 裕之君     瀬戸 隆一君
  福田 達夫君     菅家 一郎君
  山下 貴司君     小林 史明君
  木内 孝胤君     坂本祐之輔君
同日
 辞任         補欠選任
  石川 昭政君     前田 一男君
  菅家 一郎君     青山 周平君
  瀬戸 隆一君     宮川 典子君
    ―――――――――――――
八月七日
 旧国立競技場にあった壁画を新競技場に戻すことに関する請願(畑野君枝君紹介)(第三七四九号)
 教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(江崎鐵磨君紹介)(第三八三六号)
 国の責任で小中学校の三十五人学級早期実施に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第三八六七号)
 同(池内さおり君紹介)(第三八六八号)
 同(梅村さえこ君紹介)(第三八六九号)
 同(大平喜信君紹介)(第三八七〇号)
 同(笠井亮君紹介)(第三八七一号)
 同(穀田恵二君紹介)(第三八七二号)
 同(斉藤和子君紹介)(第三八七三号)
 同(志位和夫君紹介)(第三八七四号)
 同(清水忠史君紹介)(第三八七五号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第三八七六号)
 同(島津幸広君紹介)(第三八七七号)
 同(田村貴昭君紹介)(第三八七八号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第三八七九号)
 同(畑野君枝君紹介)(第三八八〇号)
 同(畠山和也君紹介)(第三八八一号)
 同(藤野保史君紹介)(第三八八二号)
 同(堀内照文君紹介)(第三八八三号)
 同(真島省三君紹介)(第三八八四号)
 同(宮本岳志君紹介)(第三八八五号)
 同(宮本徹君紹介)(第三八八六号)
 同(本村伸子君紹介)(第三八八七号)
同月二十六日
 旧国立競技場にあった壁画を新競技場に戻すことに関する請願(畑野君枝君紹介)(第三九三一号)
 私立幼稚園教育の充実と発展に関する請願(畑野君枝君紹介)(第三九三二号)
 新国立競技場建設計画に関する請願(初鹿明博君紹介)(第三九八四号)
 同(逢坂誠二君紹介)(第三九九四号)
 同(玉木雄一郎君紹介)(第三九九五号)
 同(長妻昭君紹介)(第三九九六号)
 同(辻元清美君紹介)(第四〇三三号)
 同(河野太郎君紹介)(第四一三九号)
 日本学生支援機構奨学金の高利子化及び教育ローン化に反対し、無償教育に向けた公的奨学金の拡充を求めることに関する請願(宮本岳志君紹介)(第三九九二号)
 学費の負担軽減、高等教育予算増額を求めることに関する請願(宮本岳志君紹介)(第三九九三号)
 教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(三ッ林裕巳君紹介)(第四〇八五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 文部科学行政の基本施策に関する件
 公認心理師法案起草の件
 心理専門職の活用の促進に関する件
     ――――◇―――――
○福井委員長 これより会議を開きます。
 文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として独立行政法人日本スポーツ振興センター理事長河野一郎君及び公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会副事務総長布村幸彦君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局総括調整統括官芦立訓君、新国立競技場の整備計画再検討推進室総括審議官中川真君、文部科学省大臣官房総括審議官伊藤洋一君、大臣官房文教施設企画部長中岡司君、初等中等教育局長小松親次郎君及びスポーツ・青少年局長高橋道和君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○福井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。池田佳隆君。
○池田(佳)委員 皆さん、おはようございます。自民党の池田佳隆でございます。
 昨日発表されたエンブレムの白紙撤回の件、大変遺憾に思うところでございますが、本日は、国民の大変な関心事であります二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の新しい整備計画について、下村文部科学大臣並びに遠藤オリンピック・パラリンピック担当大臣に御質問をさせていただきたいと思います。
 世界最大のスポーツの祭典でありますオリンピック・パラリンピックにとって最も重要な競技施設といえば、言うまでもなくメーンスタジアムであります。メーンスタジアムの良否がオリンピック・パラリンピックの評価を左右すると言っても過言ではありません。
 五年後の二〇二〇年の東京大会も同様でございます。千駄ケ谷に整備する新国立競技場は、大会の成功を左右する最重要事項と言っても過言ではないと考えております。それだけに、七月の安倍総理の果敢な決断によって、非公表部分百三十一億円も含め、総額二千六百五十一億円の整備計画が白紙撤回されるまでの新国立競技場をめぐる迷走は、多くの国民に言い知れぬ不安を与えたことだと思います。
 先月二十八日に開催されました関係閣僚会議において、工事費の上限を千五百五十億円とする新しい整備計画案が発表、決定されました。従来の計画を振り返りますれば、さまざまな要望を、その全てを受け入れた結果、膨らみ続けた工事費はもとより、建設に責任を持つ主体及び責任者が不明確である、社会や国民に対する情報の開示が不十分である、競技施設なのかコンサートホールなのか、その性格がはっきりしない、建設経費が次々に大きく変動して不信感を持つに至ったなど、国民からはさまざまな批判、指摘がなされているところでございます。私自身もうなずくような指摘が少なくありません。
 安倍総理が言われたように、オリンピック・パラリンピック東京大会は、日本国民に心から祝福されて開催される大会でなければならないと考えております。こうした社会の厳しい批判、指摘に謙虚に耳を傾けながら、慎重に、かつスピーディーに計画を進めることが必要であると考えておりますが、いかがお考えでしょうか。
 また、五年後の二〇二〇年七月二十四日の開会式まで、残り時間はもう五年を切っております。失敗が絶対に許されない状況のもとで、どのように新国立競技場の整備に取り組もうとされているのでしょうか。関係閣僚会議の議長であります遠藤大臣の率直かつわかりやすい御所見をお伺いしたいと思います。
○遠藤国務大臣 お答えいたします。
 去る八月二十八日、私が議長を務めております関係閣僚会議におきまして、ゼロベースで検討を進め、新国立競技場の整備計画を決定いたしました。
 一カ月余りの新整備計画の策定の中で、広く国民の御意見を伺うように努めてきたところでありまして、競技団体はもちろん、アスリート、有識者への個別ヒアリング、あるいはインターネット意識調査、あるいは首相ホームページでの意見募集などを実施してまいりました。
 新整備計画におきましては、これらの結果も踏まえ、アスリート第一、世界最高のユニバーサルデザイン、三つ目は周辺環境等との調和や日本らしさを基本理念としておりまして、性能を大幅に見直し、コスト抑制の観点から原則として競技機能に限定、また、施設の水準はオリパラのメーンスタジアムとして適切に設定といたしまして、観客客数は、七万二千人であったものを六万八千人に縮小いたしました。この結果、新整備計画で決めた工事費の上限額は千五百五十億円であり、従前案より約一千百億円の削減を行うことができました。
 工期の期限につきましては、新国立競技場の完成が大会に確実に間に合うよう、平成三十二年、二〇二〇年四月末とし、国際オリンピック委員会等の要請を踏まえ、同年一月末を工期短縮の目標として、工期を極力圧縮するものといたしました。
 今後、新国立競技場を二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック開催までに間違いなく完成させることができるよう、今後も、この閣僚会議において具体的な整備プロセスを点検し、必要に応じ、その進捗状況を国民の皆さんに公表しながら、プロセスの透明化を図りつつ、しっかり取り組んでまいります。
○池田(佳)委員 ありがとうございました。
 今回策定された整備計画によれば、コストの上限は千五百五十億円とされております。安倍総理の英断によって白紙撤回された従来の整備計画において、総工費二千六百五十一億円という巨額の経費が厳しい社会的批判にさらされていたことを考えれば、千百一億円という工費の圧縮は、乾いた雑巾をさらに絞るような、相当なコストの見直しが行われたと私自身は感じております。我が国の厳しい財政状況を考えれば、新国立競技場の建設コストの抑制はもちろん大切な課題であります。
 しかしながら、その一方で、新国立競技場は、二〇二〇年の東京大会の記憶を日本国民が長く語り継ぐ、日本国にとっての貴重な遺産、レガシーにもなるわけであります。世界の人々に日本の伝統や日本の最新の技術、そして日本らしさを発信し、また、日本人が誇りを持てるような建物であるべきだと思います。
 大会終了後、民間に運営委託する方針とのことでありますが、その大まかな方向性を含め、五十年先を見据えて、新国立競技場が国民から親しまれるよう、どのような建物であるべきとお考えか。また、今回の新整備計画によって、何を将来へのレガシーとして日本国民に残そうとお考えなのでしょうか。国民の心に響く、遠藤大臣ならではのお考えをお尋ねしたいと思います。
○遠藤国務大臣 新整備計画におきましては、国民あるいはアスリートの声を、与党からの提案も踏まえ、周辺環境等との調和や日本らしさを基本理念として挙げております。さらに、アスリート第一、あるいは世界最高のユニバーサルデザインもこの理念として掲げております。
 具体的には、我が国のすぐれた伝統や文化を世界じゅうに発信し、内外の人々に長く愛される場とするため、日本らしさに配慮した施設整備を行うとともに、木材の活用を積極的に図ることを求めております。また、日本の先端技術の活用として、環境負荷の抑制あるいは自然エネルギーの活用等を図ることを求めてまいります。
 今後、新国立競技場が、日本の伝統文化とあわせて日本の最新技術を発信する拠点として、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックのレガシーとして内外の人々に長く愛される場となるよう、しっかり努めてまいります。
○池田(佳)委員 ぜひ、新国立競技場は日本らしさを前面に出していただきたいと思います。
 次に、下村文部科学大臣に御質問をさせていただきたいと思います。
 下村大臣は、文部科学大臣着任後、直ちに戦後教育政策についてさまざまな改革を断行されてまいりました。歴代大臣の中でも、その情熱と実行力は比類なきものと心から敬意を表するところであります。
 そんな下村大臣も、新国立競技場の整備計画について、さまざまな立場の多くの方々の御意見を聞いて研究されるとともに、見直しに向けた検討を安倍総理に御提言されるなど、整備計画をよりよいものにするよう奮闘、御尽力されてきたお一人であることは周知の事実でございます。
 新国立競技場の整備は、今後、具体的に業者の選定や工事という段階に入り、今回の整備計画の策定で、白紙になっていた新しい国立競技場の建設もいよいよ再スタートを切ることになったわけであります。
 文科省では、旧計画の経緯を反省し検証するための第三者委員会の活動も、まさに進んでいるところと聞き及んでおります。これまでのさまざまな批判、御指摘は謙虚に受けとめ、改善していく必要があることは言うまでもないことでありますが、下村文部科学大臣は、関係閣僚会議の副議長でもあり、また、整備主体となる日本スポーツ振興センター、JSCの所管大臣でもいらっしゃいます。国民の大多数、国民の多くの方々が、まだまだ今回の新整備計画の見直しについて不安があるのも事実であると感じます。安かろう悪かろうにならないだろうか、大会後の民間運用は本当に大丈夫なんだろうか、いろいろな不安があろうかと思います。
 新国立競技場の整備並びに大会後の運用も、そして東京オリンピック・パラリンピックも、遠藤大臣と二人三脚で国民の不安を払拭していただき、その期待を大いに実現していただかなければなりません。そのためにも、遠藤大臣と協力して、新しい計画の実行に、改革断行大臣としてのその手腕をぜひとも発揮していただきたいと考えております。
 下村大臣の、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックにかける思い、新国立競技場整備に対する御決意を吐露していただければ幸いに感じます。よろしくお願いいたします。
○下村国務大臣 池田委員から激励をいただきまして、ありがとうございます。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に当たっては、東京だけでなく我が国全体が盛り上がり、国民が感動していくようなイベント、ムーブメントをつくっていくことが大変重要であります。文部科学大臣として、選手の競技力強化やオリンピック・パラリンピック・ムーブメントの推進等に力を入れて取り組んでまいりたいと思います。
 新国立競技場は、御指摘のように、大会のメーン会場として、また、大会のレガシーとしても非常に重要であります。今回、新たな整備計画が策定され、整備主体である日本スポーツ振興センターを所管する文部科学省としても、これまで以上に重要な役割を果たしていく必要があると考えております。
 現在進めていただいている旧計画の経緯の検証など、これまでの教訓を謙虚に生かしながら、整備計画に示されたコストの上限と、そして竣工期限の範囲内で、国民の皆様に祝福されるオリンピックスタジアムになるよう、遠藤大臣と連携しながら全力を尽くしてまいりたいと思います。
 あと五年しかないということですが、五年あるわけであります。きのうのエンブレムの問題もありましたが、ぜひ、二〇二〇年に向けて、国民全てが明るい展望になるような施策を政府一体となってやっていくということが大変重要でありまして、そういう意味での流れをこれからしっかりと、さらにつくってまいるように努力してまいりたいと思います。
○池田(佳)委員 下村大臣、力強い御決意ありがとうございました。
 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックは、戦後七十年を経てつくり上げた日本の平和と安全性、そして繁栄を世界に見せる絶好のまたとないチャンスであります。ぜひとも大成功に導いていただけるよう両大臣に心からお願い申し上げ、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○福井委員長 次に、浮島智子君。
○浮島委員 おはようございます。公明党の浮島智子でございます。
 時間が限られておりますので、早速質問に入らせていただきたいと思います。
 新国立競技場の新たな整備計画、この策定に関しましては、下村大臣そして遠藤大臣、関係の皆様、本当に大変な御苦労があったことと承知いたしております。また、昨日、エンブレムの白紙撤回ということで、本当に驚いているところでもございます。
 しかし、来年の二〇一六年のリオの大会が終われば、いよいよ準備も本格化します。新国立競技場というハード、これをしっかりと整備し、これからは、特にソフトの部分、この比重が大きくなり、とても重要、大切になってくると考えております。今後準備が本格化していくに当たって、準備体制、これについてきょうは御質問をさせていただきたいと思います。
 これまでオリンピック・パラリンピックを開催してきた関係者の方々に伺いますと、特にメーンスタジアムの運営やオペレーション等が一番大変で、課題が山積しているとお伺いをしております。
 そこで、メーンスタジアムである新国立競技場の管理者となるJSCに質問ですが、さきのIOCの総会、クアラルンプールで行われましたけれども、ジョン・コーツ副会長は、組織委員会、JSC、IOCによる各種のモニタリングや調整等が重要であるとの旨の発言をされております。また、理事長は直接お会いになられていると思いますけれども、JSCはどのような役割を期待されていると認識しているか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○河野参考人 クアラルンプールでのIOC総会での日本のプレゼンテーションの直後に、コーツ氏から呼ばれてお話をお伺いしました。
 IOCは、新国立競技場の整備に関しまして、それまで東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会を通じましてJSCと詰めてきたことが無駄になるのではないかとの懸念を示されまして、計画が固まる前に来日して直接政府に伝えたいので、調整をしてほしいとのことでございました。
 特にコーツ氏からは、これまで議論をしてきた中で数字や文面からは読み取りにくい、IOCとして重視しているポイントについて挙げられました。
 例えば、テレビ放映権のIOCにとっての重要性や、VVIPと呼ばれる各国の皇室や首脳などへの対応、また、その動線などへの配慮です。そして同時に、世界記録が出せると同時に、ドーピング問題が起こらないようなスタジアム運営への尽力も要請されました。
 これらのことは、IOCが考えている、オリンピックをビジネスとして捉えているという観点を踏まえてのものと思います。
 また、ドーピング関連では、IOCの副会長であり、世界アンチ・ドーピング機構会長のリーディー氏から、森喜朗組織委員会会長との会合を総会中に設定するようにと要請されました。リーディー氏からは、組織委員会とJSCが連携をし、早期の対応方策の検討を開始するよう、コーツ委員長とともに要望するということでありました。同時に、昨今のドーピング対応には法的側面が極めて重要であるということも強調されました。
 JSCといたしましては、IOCがスタジアム要件として重視してきたポイントを、組織委員会と連携いたしましてしっかりと建設及び大会運営のプロセスに反映していく役割が期待されているというふうに感じております。
 ドーピング対応につきましても、JSCの業務として位置づけられておりますので、組織委員会、日本アンチ・ドーピング機構及び政府等関連機構と連携をして取り組んでまいりたいと思います。
○浮島委員 コーツ副会長のお話ですと、IOCとJSCが一体となってプロセスを踏んで進めてきた、そして、今もお話しありましたJSCの業務であるドーピングの対応、そして関係者との調整、JSCは組織委員会等としっかりと連携をしてやっていってほしいという旨だと私は理解をしております。
 私も、文部科学大臣政務官のとき、そして招致議連の一員として、二〇一六年、二〇二〇年のときの招致に携わらせていただきました。理事長とも、そしてまたIOCの関係の方々ともロビー活動をさせていただいたところでございますけれども、これまでオリンピック・パラリンピックの招致などにどのように携わられてこられたか、教えていただきたいと思います。
○河野参考人 二〇〇七年からの二〇一六年招致に関しましては、事務総長として活動させていただきました。その活動に際しましては、私も創設にかかわりました世界アンチ・ドーピング機構にかかわっておりますIOCの理事やIOCの委員の方との信頼関係を重視いたしました。
 また同時に、国際ラグビー協議会の技術委員そして理事を長くやっておりましたので、その知己に、ラグビーネットワーク、特にヨーロッパ、あるいは英連邦を中心とした委員の方がおられましたので、そういった方々の関係を重視させていただきました。特に、現在のラパセ会長とは十五年来の仲間でありますので、七人制のラグビーをオリンピックに戻すという活動の裏側で、東京オリンピック・パラリンピックの成功に随分と御協力をいただきました。
 二〇一六年から二〇二〇年の招致の間にはざまの時間があったというふうに理解をしておりますけれども、その前回の経験からいくと、スポーツを通じた国際貢献が日本はアピール度が少ないというふうに感じましたので、国連のスポーツ担当部局、そしてIOC本部、それから世界アンチ・ドーピング機構に働きかけまして、現在政府において推進していただいているスポーツ・フォー・トゥモローのアイデア固めをさせていただきました。
 二〇二〇年の招致に入りましてからは、一六年招致のときにバックヤードをまとめる人の役割は重要と思いましたので、今回は、いろいろなネットワークを活用いたしまして、舞台裏をまとめる役割をさせていただきました。
○浮島委員 水面下で極めて重要な活動を長くされてきたと思います。
 私がIOCの関係者との活動の中で強く感じましたことは、よくスポーツサロンとも言われておりますけれども、スポーツ界におきましては、信頼関係、そして人脈、これが非常に大切であるということを私は実感してまいりました。信頼関係というのは、もうすぐそのときにできるのではなくて、とても長い時間がかかるものだと私は思っております。
 私も、政務官のときに、常任理事といたしましてWADAのドーピングの会議に出させていただきました。一番初めに出たときに海外の方々から言われた言葉は、また新しい方かと「また」がつきました。私はとてもそれがショックで、できる限りこの会議に出させていただき、そして議論に携わらせていただきたいということで、何回か続けて出させていただきました。
 その中で、一回一回、回を重ねるごとにどんどん信頼関係が築かれていく。そして、会議も重要ですけれども、会議の合間合間にある十分、十五分のティーブレーク、このコーヒーブレークにいろいろな会話をしていく、そこで信頼関係をつくっていくということも今回学ばせていただいたことの一つでございます。
 今も理事長の方からもお話がございましたけれども、現在はワールドラグビーと名称を変更いたしましたけれども、国際ラグビー評議会の理事も歴任をされていた。そして、オリンピックのときの日本選手団の本部におけるチームドクターとしても活動をされ、大会、競技会の運営だけではなくて、国際統括団体や国際連盟関係者との人脈を築き上げてこられた。また、日本のスポーツ界を代表するJSCとして、IOC、国連各国、政府の関係者ともしっかりと連携をとり、大変重要な活動をされていると、私はお話を伺って認識しているところでございます。
 私が聞いておる一例でございますけれども、二〇一六年の招致活動のときでございますけれども、東京はパラリンピック競技大会が初めて二回開催される都市ということで、事務総長をその当時されていたと思いますけれども、世界で初めて組織委員会の名称にオリンピックだけではなくてパラリンピックを追加し、オリンピック・パラリンピック組織委員会とされた。そして、パラリンピアンを積極的にJSCに採用し、パラリンピック競技力の向上に向けた支援活動をされた。そして、パラリンピックの発展などスポーツの発展に尽力をされ、二〇一六年の招致のときから、IPC会長のフィリップ・クレイブン卿を初め、パラリンピック関係者からも非常に信頼をされているということを伺っております。
 また、現在IOCの副会長である、二〇二〇年東京大会の際の調査委員会の委員長で、かつWADAの会長を務められているクレッグ・リーディー卿、そして、同じく副会長のジョン・コーツ氏、これまでの国際活動の中で強い信頼関係を築かれており、これまで、国際スポーツ界におけるさまざまな課題に関しまして、個人的な連絡を密にとり合うほどの仲だということも私は承知をいたしております。
 先ほど申しましたように、多くの課題や重要なソフトの部分について、これからが本番になってまいります。私も、実は直接クレッグ氏から、河野理事長の力は成功のために必要であるということを先日伺いました。
 今後ともしっかりその力を発揮していただきたいと思っておりますが、決意をお聞かせいただきたいと思います。
○河野参考人 ありがとうございます。
 オリンピック・パラリンピック東京大会の成功のために、スポーツを通じて、国際貢献等を含めて、精いっぱい努力したいと思います。ありがとうございます。
○浮島委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 建物は白紙撤回されたとしても、信頼関係、そして人脈というのは白紙撤回できるものではございません。しっかりと成功のために御尽力いただきたいとお願いをさせていただきたいと思います。
 次に、新国立競技場の新たな整備計画の内容についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 競技場の新しい計画では、壁画等の秩父宮殿下の御遺品につきましては、具体的にどのように整備をされる予定か。
 また、秩父宮記念スポーツ博物館・図書館は、故秩父宮妃殿下を初めとした関係者が、スポーツの宮様を記念して、スポーツ博物館、そして図書館の設置を御希望され、旧国立競技場に設置、運営されてきたと聞いております。私も行かせていただきましたけれども、非常にすばらしいところでございました。ウィンブルドンでは、博物館と図書館を一緒に設置し、さまざまな活動に使われていると聞いています。この機能はとても重要であると考えますが、今回の計画では博物館、図書館は整備されないと聞いております。どうして整備されないと判断されたのか。
 また、本日はお手元に資料を配付させていただいておりますけれども、同館には、教科書にも記載されているような友情のメダル等、寄贈品や貴重な資料を所有しています。これらはどのようにこれから保管し、後世に伝えていく予定なのか、また、寄贈者等の関係者の意見は伺ったのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○下村国務大臣 八月二十八日に決定されました新国立競技場の整備計画におきまして、新国立競技場の施設について、原則として競技機能に限定するという方針のもとで、スポーツ博物館などの、スポーツ振興を目的とした施設は設置しないということになりました。
 一方、JSCが昨日開始した事業者選定の公募におきまして、一つは、旧国立競技場の敷地内に存在していた聖火台、壁画等の記念作品等二十五作品については、新国立競技場内及び敷地内への再配置や保存等を行う場所を検討すること、また、御指摘の秩父宮記念スポーツ博物館・図書館に収蔵、展示していた秩父宮雍仁親王殿下の御遺品、これはスポーツ用品とか書籍などでありますが、これは、収蔵、展示スペースを整備することを求めております。
 なお、秩父宮記念スポーツ博物館・図書館に収蔵、展示していた資料のうち、新競技場内の展示スペースに収蔵、展示できない資料については、今後、JSCにおきまして、関係者の意見を聞きつつ、適切な展示等の方法を検討していくというふうに聞いております。
○浮島委員 今の御答弁ですと、整備はされない、しない、そして、あとはJSCが適切に対応するという御答弁だったと思いますけれども、それで終わりではなくて、この保管場所、内閣で責任をしっかりと持ってやっていただきたいと私は思っております。
 海外のアスリートの方に聞きますと、トレーニング施設でトレーニングをしていると、そういう施設がきちんとある。そこに行くと、国民の方々が、皆さんがスポーツを理解して応援してくださる。国民の皆様方もそこに行かれる。そして、スポーツ、競技を見るだけではなくて、スポーツを勉強できる、学べる、そして夢を皆さんに与えてくれる。こういう場所をすごく身近に感じることは必要だと私は思っております。そして、大切なものがたくさんありますので、しっかりとこれを整備していただきたいとお願いをさせていただきたいと思います。
 また次に、最後になりますけれども、遠藤大臣に御質問させていただきたいと思います。
 公明党から先日、八月十日、安倍総理大臣とそして遠藤大臣の方に、六点から成る提言を出させていただきました。きょうはその中の二点についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 一つ目は、プロセスの透明化です。例えば、各プロセスを、スケジュールを事前に確認をして、進捗の状況、進行の状況を国民の皆様へ明確に説明をしていくこと、これをお訴えさせていただきました。
 もう一つは、アクセシビリティー、障害のある方々への配慮です。障害のある方々への配慮にしっかりと取り組んでいただきたいということでお訴えをさせていただきました。これはIPCの要望をしっかり入れていくこと。IPCからの要望は、車椅子の座席数、これをオリンピックのときには〇・七五%、そしてパラリンピックのときに一から一・二%入れてもらいたいという要望があると思います。
 この点につきましてどのような計画になっているか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○遠藤国務大臣 浮島委員を初め公明党の皆さんからいただきました御提言も踏まえ、八月二十八日、関係閣僚会議において新国立競技場の整備計画を決定いたしました。
 今、御提言にありましたプロセスの透明化につきましては、整備計画において、JSCは、整備の進捗状況を関係閣僚会議に報告するとともに、定期的に公表を行うものとしている。また、整備計画において、整備スケジュールについてもお示しをしてあります。
 さらに、パラリンピックへの配慮につきましては、整備計画において、基本理念の一つに世界最高のユニバーサルデザインを掲げまして、車椅子使用者、障害者、あるいは高齢者など、誰もがオリンピック・パラリンピックを円滑に楽しめる競技場にすることとしております。
 競技場のスペックにおいても、例えば、今委員御指摘ありましたように、車椅子席及び同伴者席については、国際パラリンピック委員会のアクセシビリティーガイドにのっとり、パラリンピック開催時に総数の一・二%以上まで増設することを業務要求水準書に掲げるなど、特に配慮すべき事項として具体的に示しております。
 今後、整備計画を踏まえ、新国立競技場の完成が二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会に確実に間に合うよう、全力を尽くしてまいります。
○浮島委員 ありがとうございます。何よりも、国民の皆様に御理解をいただき、喜んでいただける大会にしなくてはなりません。私も全力を尽くしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
○福井委員長 次に、笠浩史君。
○笠委員 おはようございます。民主党の笠浩史でございます。
 きょうは新国立競技場の整備計画についてもお伺いをするつもりでございますが、まずは、昨日、二〇二〇東京オリパラのエンブレムを使用中止ということで、昨日からのニュースや、あるいはけさの朝刊等々も、新国立競技場に次いでまた白紙撤回ということで、本当に多くの国民の皆様方に対する信頼を失う、同時にまた、海外においても厳しい報道もされているところで、このことは私どもやはり重大に受けとめていかなければならないし、この信頼回復へ向けてしっかりと遠藤大臣、これは確かに組織委員会とIOCとの間での決定事項ということでございますけれども、やはりオリパラ大臣として、私はこの組織委員会の責任、極めて大きいというふうに思っております。
 昨日、武藤事務総長が会見をされたようですけれども、やはりそこで責任の問題について、ともすれば非常に曖昧であって、誰がどうこうということも大事だけれども、なぜこういうことが起こったのかということについてのしっかりとした検証と、そしてまた組織委員会の責任というものを、やはり認めていただかなければならないというふうに思っております。
 まず、その点についてオリパラ担当大臣としての見解を聞かせていただきたいと思います。
○遠藤国務大臣 今、笠委員から御指摘ありましたように、昨日、私も、四時に調整会議が開催され、出席をいたし、そして、そういう報告をいただきました。組織委員会、審査委員会、デザイナー、三者三様、それぞれの立場で責任があるんだろうと私は思っております。
 今御指摘いただきましたように、今後こうしたことが起こることのないように、組織委員会においてしっかり対応されることを期待をしております。
○笠委員 大臣、もちろん審査委員会等々もあろうかと思います、もちろん本人が果たしてどうだったのかということは、そのことも問われる部分があろうかと思いますけれども、やはり、組織委員会の責任のもとでこういったことが決定をされていくということですから、私は、三者三様ということではなくて、組織委員会の責任が最も大きい、そういうやはり認識を持って大臣には、時にはそこを指導していく、監督をしていく責任があると思いますけれども、いかがでしょうか。
○遠藤国務大臣 今御指摘いただきましたように、組織委員会が最終的にIOCと協議の上決定をするということでありますから、こうしたことに、大変私も深刻に受けとめておりますし、今後こうしたことが起こることのないように、組織委員会との連携協力をしっかりと進めていきたいと思っております。
○笠委員 きょうは組織委員会から、きょうは事務総長が出張ということで副事務総長の布村さんにおいでをいただいていますけれども、ちょっと幾つかお伺いをしたいと思います。
 今回、公式スポンサーにかなり大きな影響がこれはあると思います。テレビCMを初めとする広告、あるいは機内誌であったり、いろいろとこれは、東京都、関連の自治体などでもこの新しいエンブレムでいろいろなものをつくったり、もう既に掲示をしたりというような影響が出ているようでございますけれども、このことによって例えば損害賠償の請求等々が行われたときには、これは、組織委員会としてしっかりとそれに対応していく準備というのはあるんでしょうか。
○布村参考人 御説明いたします。
 お騒がせいたしましたけれども、昨日、オリンピック・パラリンピック東京大会エンブレムの撤回を決定をさせていただきました。
 七月二十四日の公表以降、スポンサー企業の方々には、オリンピック機運を盛り上げるという観点から、このエンブレムを活用した営業活動を展開いただいておりましたけれども、撤回することによりまして、大変な御迷惑をおかけするということに相なってしまいました。また、国民の方々にも、オリンピック・パラリンピックへの機運がどうしても下がってしまうという形で御迷惑をおかけしたところでございます。
 国民の方々には、きのう、記者会見で御説明を最初の段階としてさせていただきました。
 また、スポンサー企業の方々にも、今後、丁寧に状況、事情を御説明をし、何とか御納得をいただける、あるいは、今後とも引き続き御協力をいただけるようにお願いをしていきたいというふうに考えているところでございます。
○笠委員 いや、布村さん、私が伺っているのは、これからやはりこれはもうかなりの金額になると思いますよ、この損害というのは。そこに対しては組織委員会がきちっと善処していく、それとも、それは全て佐野さんのせいなんだ、そちらに負担をさせる、そこはどのようにお考えなんでしょうか。
○布村参考人 エンブレムを撤回することを通して、スポンサー企業の方々にも、直接的な撤回にかかる費用、あるいは、それまで使われた関係におきまして法的には損害賠償の問題が出てくるというふうに私どもも受けとめているところでございますが、まずはスポンサー企業の方々に今回の撤回に至りました状況をきちっと御説明することが最優先というふうに今受けとめておりまして、今後、各企業の方々とよく相談、調整をさせていただきたいというふうに考えております。
○笠委員 そこは、説明としっかりとした対応をやはりしていただくようにお願いを申し上げたいと思います。
 ただ、こういった事態を受けて、これからどうするのかということが最も重要なことだと思います。
 ただ、昨日、武藤事務総長が直ちに新しいエンブレムの選考に入りたいというようなことをおっしゃっているんだけれども、急ぐだけだと、また同じことが起こる可能性というのが十分にあると私は思っているんです。
 グーグルを初めとするいろいろなインターネット上でもう今は誰でもすぐに検索ができる、そういう時代に入っているので、例えば、このデザイナーの方が仮に意図的にまねたりとかそういうことをしなくても、やはり似たデザインになったりという可能性はあるし、それは相当な何かやはり対策を選考過程も含めて考えていかなければ、私は、二度目、また同じようなことが起こる危険性というものは、これは否定できないというふうに思っているんです。二度あったらもう終わりですからね、本当に。
 そして、これは一つぜひ検討していただきたいんですけれども、きょう私はこれをしているんですけれども、招致のときの桜をモチーフとしたこのエンブレムというのは、バッジですけれども、多くの国民の皆様方が本当に親しんでおられる。このバッジを皆さんもたくさんお配りになったでしょうし、お持ちだと思います。本当に日本的なすばらしいデザインだと思うんですよ。
 だから、わざわざもう一度一から慌てて選考し直すということじゃなくて、やはりこのデザインをベースにしながら、本番の二〇二〇東京オリンピック・パラリンピックへ向けてエンブレムを作成することができないか。
 布村さんにちょっとお伺いをしたいんですけれども、IOCと話せば、実際にはこのデザインを使うことはできるんですよね。いかがですか。
○布村参考人 御説明いたします。
 エンブレムにつきましては、使用の中止の決断によりまして空白ができてしまいました。その空白ができるだけ長くならないようにということで、きのう、事務総長の方からも、できるだけ速やかにオープンな形で、かつ、先生御指摘のとおり、ネット社会で映像検索ができる、そういうシステムのもとで、オリジナリティーがあり、また、国民の方々あるいは我々にも元気が伝わるようなエンブレムをできるだけ速やかに選んでいきたいというふうに考えております。
 それで、今回の経過も十分踏まえて、それを教訓として、できるだけ二度と撤回ということが起こらないように努めてまいりたいと思っているところでございます。
 また、先生から御指摘のありました招致の段階に使いましたエンブレムにつきましては、既に無償で多く配布されているという状況のもとで、有償のライセンス商品として展開する面ではなかなか難しい面がある。
 それから、招致の段階と招致決定後のエンブレムは原則として違うものがこれまで用いられてきたという状況下にありますので、我々としては今、公募の形で、招致の段階のエンブレムをおつくりになられた方にも御参加いただくような形で、できるだけオープンな形で、公募のもとで、また、国民の方々にわかりやすい、御参加いただくような公募のシステムのもとで新しいものを、早く、速やかに策定につなげていきたいというふうに考えております。
○笠委員 いや、私が聞いているのは、その選択をするかどうかは別として、招致のときのこのデザインを実際にエンブレムとして使うことは、これは可能なんですよね。それだけ答えてください、イエスかノーか。
○布村参考人 今、オリンピック委員会の規定のもとで、新しいエンブレムができましたので招致の段階のときのエンブレムは使わない、そういうルールのもとで我々も使っておりませんでしたけれども、今、エンブレムが空白になっているという状況のもとでは、一応、招致の段階のエンブレムを暫定的に使うことができる、そういうルールになっております。
 あとは、新しいエンブレムをどう決めるかというのは、組織委員会あるいはIOCの判断で行っていくことになります。
○笠委員 いや、使えるんですよ、今おっしゃったように。だって、もう今はホームページもこれに差しかえているじゃない。そうでしょう。(布村参考人「はい」と呼ぶ)
 ですからそれは、使うという決断をするかどうか、決めるかどうかは別として、これは使うことができるし、これに決めることもできるんですよ。ですから、そのことも検討したらどうですかと。
 いや、私、きのう実はたまたま若い学生の皆さん方と会う機会が夕方あったんですけれども、何でこのバッジにしないんですか、これいいじゃないですか、結構そういう声は多いんですよ。一度本当に、インターネットでもいいですよ、国民の皆さんの声を聞いてみたらどうですか。だって、今からまたデザインを公募して、お金がかかるんですよ。そして、きのう、武藤さんはおっしゃっているじゃないですか、商標登録されていない類似のデザインを確かめるのは困難だと。同じことがまた起こりますよ。
 だったら、国民の皆さんに無償で提供して、だからいいんですよ。(発言する者あり)後で聞きますから。本当にそうですよ。
 逆に言うと、確かにスポンサーからすれば、大きなお金を広告費として出しているわけだから、協賛金を出しているわけだから、だから、そのためには特別に自分たちだけがそのデザインを独占したいというのはわかる。しかし、いいじゃないですか、東京らしい新しい道を開けば。もっと違った形でそういったスポンサーさんには、特典というかいろいろな形での何かメリットというか、そういったものをまた考えていけばいいじゃないですか。
 ですから、私は、そのことはぜひこれは組織委員会の中で検討していただきたいというふうに思っています。
 遠藤大臣、御見解はいかがでしょうか。
○遠藤国務大臣 今、笠委員からお話しありましたこれまでのピンといいますかエンブレムにつきましては、大変好評だったと認識をしております。私もきのう調整委員会の中で、そうした御意見もあるよということを申し上げました。
 ただ、今さらに委員の御指摘があったように、スポンサーとの関係があって可能かどうかというようなこともありますので、組織委員会として、そういうことを踏まえて対応されるものと思っております。
○笠委員 ぜひ大臣、強くそのことは主張していただきたいと思います。
 それともう一点、では、少なくとも私がお願いをしておきたいことは、もし今度新たに選考をやり直すとしても、今のインターネットの時代に対応していくということを考えたときには、やはり、できるだけ幅広い方々にまずは参加をしていただく。それを、全てか、あるいは幾つか専門家の方々、審査員の方に絞り込んでいただいた後に、少なくとも、インターネットを通じて国民の皆さんの投票をすべきですよ。
 そして、その中に、このデザイナーの方はもう今は社会人になられていると思うんですけれども、当時たしか美大の四年生の方だったと記憶しているんですけれども、この方にももしあれだったら手を挙げてみないかと、あるいは、例えばその契約をし直して、それも候補の一つとしてそういうネット投票の中で、やはり国民の皆さんに参加していただくような形でエンブレムを決定していくというような透明なプロセスをぜひ踏んでいただきたいというふうに思いますけれども、そういったことについて、改めて大臣の御所見をいただければと思います。
○遠藤国務大臣 見える化といいますか、透明性を保つことが最大のポイントだと思っておりますし、それをしなければならないと思っております。
 今委員から御指摘がありましたこれまでのピンバッジ等につきまして、こうしたいろいろな御意見があったということについては、私からも組織委員会に報告をさせていただきます。
○笠委員 ぜひ遠藤大臣には、オリンピック・パラリンピックを成功させていくためにも、また、本当に国民の皆さんに親しまれるエンブレムを間違いなくそのデザインを決定をしていくことができるように、組織委員会に対しても、もちろん一緒に連携をしてということですけれども、やはり組織委員会を指導監督できるのは私は担当大臣だと思っておりますので、その点でのリーダーシップを期待いたしたいというふうに思います。
 それでは、次のテーマに移らせていただきたいと思います。
 まず、ちょっと新国立競技場の話の前に、この一環として、今この委員会でもいろいろな、あるいは他の予算委員会等々でも指摘があった、いわゆる日本青年館とJSCの本部棟の建設についてですけれども、これは、新国立競技場については白紙撤回をするけれども、ここは予定どおりに進めていくということでございました。
 日本青年館の方は、なかなかこれは移転をするということは、宿泊施設もあってそのことは既定路線だとは思うんですけれども、JSCの事務所がこの新しくできる棟に三フロア入るということが現在の計画であるというふうに承知をしておりますけれども、これをやはり再検討していこう、そしてしっかりとこの予算を節約していく、経費を削減していくということにつなげることができないかということを今検討しておられますか。
○下村国務大臣 御指摘のように、国立競技場の改築に伴い、日本青年館及びJSC本部事務所は移転が必要であるため、日本青年館とJSCは共同で代替建物を建築することとし、ことしの六月に工事請負契約を締結して、建設工事が進められているというふうに承知をしております。
 この日本青年館ビル、仮称でありますが、整備計画につきましてこれは維持するものの、御指摘のように、JSCの持ち分の利用方法については、国民負担をできる限り低減していくよう、例えば有償貸し付けすることなど、JSCが入居しない選択肢も含め、柔軟に検討してまいりたいと思います。
○笠委員 局長にお伺いしたいんですけれども、北区のナショナルトレーニングセンター、これの今後の整備状況はどういうふうになっていますか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 北区のナショナルトレーニングセンターにつきましては、現在、隣接地に拡張の計画を持っておりまして、二十七年度には基本設計を、そして、来年二十八年度は実施設計ということで、所要の予算を概算要求させていただいているところでございます。
○笠委員 今度、新国立競技場が完成をしてオリンピック・パラリンピックが行われた後は、先般、政府の方で、これは民間委託というようなことも、運営を託していくというようなことを基本方針とされていることを発表されています。
 であるならば、JSCがあの一番いいところに事務所を構える必要はありませんし、むしろ私は、北区の西が丘のナショナルトレーニングセンターのそういった増築あるいは整備の中で、その一環でそこに拠点を移していくということも検討していいんじゃないか。
 もちろん、今回できるこのビルにどれぐらいの賃料が入ってくる、どれぐらいの収益が上がるのか、それに対して、今度例えばナショナルセンターに持っていくにしても、それはお金がかかるわけですから、その収支が、コストがどうなのかということは検討はしないといけないというふうに思いますけれども、そういったことも含めて、やはりしっかりと経費の削減ができるように、そこを下村大臣、ぜひお願いをしたいんですが。
○下村国務大臣 この日本青年館ビルにおきましては、日本青年館とJSCが共同で建設するものとして、先ほど申し上げましたように、既に契約を締結しておりまして、今から設計そのものの変更をするということになりますと、工事のおくれに伴い、日本青年館の運営に大きな影響を与え、損失補償も発生するということで、この設計変更は非常に困難であると思いますが、今御指摘がありましたように、また、先ほど答弁させていただいたように、JSCの持ち分の利用方法におきましては、国民負担をできるだけ低減していくということから、この場所は有償で他者に貸し付けて、そして、JSC本体が新たにできる西が丘のナショナルトレーニングセンターの一部に入るというのも一つのお考えだというふうに思います。
 そういうことも含めて柔軟に、いかに国民の税金をコストダウンできるという観点から、多角的に考えていきたいと思います。
○笠委員 遠藤大臣にお伺いをしたいんですけれども、この新国立競技場、上限が千五百五十億円、先ほど来、一千億円以上コストを削減したんだとか、あるいは総理自身が八月二十八日の関係閣僚会議で、従来の案より一千億円以上削減し、大幅なコスト抑制を達成できたとおっしゃっているんですけれども、当初はこれは千三百億の予定であったわけで、やはりこの千五百五十億円というのは、とてつもない、大きな予算になるわけですね。
 ですから、この上限を、この千五百五十億円が適切かどうかというのはいろいろな議論があると思います、スペックとの兼ね合いで。ただ、これは絶対に上限なんだ、これを超えることは、上振れすることはないということは、大臣、お約束できますか。
○遠藤国務大臣 工事費の上限の千五百五十億円につきましては、新整備計画で掲げておりますスペック等を前提に、その建設に必要なコストを積み上げて算定した結果を踏まえて設定したものであります。今後、この範囲内で適切に整備を進めてまいります。
 ただ、新整備計画においても明示しておりますように、賃金または物価等の変動が生じた場合は、公共工事標準請負契約約款第二十五条に準拠し、工事請負代金額の変更を行う可能性があります。
 また、千五百五十億円につきまして、消費税率につきましては八%で計算をしておりますので、平成二十九年四月以降の消費税率が一〇%と適用される場合には、八%で計算した金額との差額が別途必要になることもあり得ると思っております。
○笠委員 やはり今の大臣の答弁を聞いていますと、本当に大丈夫かなと。これは前のときもそうでしたよね、消費税も五%で計算したり。だから、本当だったらもう一〇%で計算すべきところはしておいて、きちっとした形で、それより抑制されることはいいことなんですから。だから、もう上限と言うからには、本来絶対にこれは超えてはならないということを、大臣、もう少ししっかりやはり約束をしていただきたい。
 もう一点、本当に何かが起こったときに、これが上回りそうだ、あるいは上回る可能性があるというときには、これまでの反省の上に立って、しっかりとこれを国民の皆様方に対して、あるいは議会に対してもその都度やはり報告をしていくというような、そしてまた、議論もさせていただくというような形のことをしっかりと義務づけていただきたいというふうに思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
○遠藤国務大臣 整備計画の中でお示ししました工程スケジュールにおいては、建設の請負契約につきまして、来年の十二月前後を想定しております。その当時は消費税が八%かと思いますので、そこで策定をいたしております。
 なお、今お話にありましたように、千五百五十億円ということで公募をいたしましたし、当然、競争入札をされた中で、この金額について、より低く提示したことについての評価を高くしてありますので、千五百五十億円を下回った形で入札されるものだろうと思っております。
○笠委員 そこはしっかりと進めていただきたいと思います。
 それでもう一点、これはそれぞれこの委員の中でも、どういうスペックが必要なのか、どういう機能が必要なのかということについては、考え方はさまざまあろうかと思います。そして遠藤大臣自身が、いろいろな関係者、アスリートの皆さん方からも意見を聞きながら今回の決定に至ったということだと思うんですが、どうしても自分が個人的にこだわっているのは、やはり陸上のサブトラックなんですね。これが常設ではなくて仮設でということで、やはり競技場ですから、陸上競技というものをメーンに考えていただきたかったなというふうに思っているんです。
 この常設のサブトラックの必要性というものについて大臣自身が、この間、どれぐらい、どういう形でいろいろな検討をされたのか。あるいは、二〇二〇年までに何とかこの常設のサブトラックをつくることをまだ諦めていないんだ、まだこれは検討していくというようなお考えなのか。その点をお伺いしたいと思います。
○遠藤国務大臣 アスリートの皆さんの御意見の中には、とりわけ陸上競技連盟、そしてまた陸上界の皆さん方からは、どうしてもサブトラックを常設化してくれ、大変強い御希望もありました。私も、せっかくつくる施設でありますし、オリンピック・パラリンピックのときの陸上競技に使うというふうに設定をされておりますので、サブトラックを常設化できないかどうか。周辺の土地の所有者、もちろん東京都や神宮、そうした皆さん方との協議の上で仮設になったと承っておりますし、それに基づいて今回対応いたしました。
 ただ、気持ちとしては、これからいろいろな計画の中で可能であれば、そういう思いはこれからも持っていきたいと思っております。
○笠委員 この国立競技場の当初、これは我々が政権のときでしたけれども、まだ、新しくつくるのではなく、大幅な改修をしていこうというときには、実は地下にサブトラックをと。ただ、地下でその高さが確保できるのか等々の技術的な面はいろいろと検討課題はあったかと思いますけれども、ただやはり、何とかこの近隣、この一帯の開発の中でどこか近くに常設のサブトラックをつくることができる、大会をやっていないときはもう本当に都民の皆さん方が活用できるようなスペースとしておくことも、いろいろな活用の仕方はあると思いますので、ぜひ御検討をいただきたいというふうに思います。
 最後にお伺いをしたいのは、財源についてでございます。
 政府としてこれまで約六百二十六億円トータルで確保していた。しかし、もう既に百億円以上執行されていて、恐らく今、財源については五百億円ぐらいしかめどは立っていないというふうに思います。一千億ぐらいが、これから東京都の負担も含めてどうしていくのかということになるわけです。
 東京都と近く協議もされるということですけれども、財源確保について東京都にどれぐらいの負担をお願いをされるつもりなのか、あるいは、そのほかの財源を、totoの五%から一〇%というような問題もありますけれども、どういうふうに確保していくおつもりなのか、お伺いをできればと思います。
○遠藤国務大臣 新国立競技場の工事費等の財源につきましては、「平成二十三年十二月の閣議了解を踏まえ、多様な財源の確保に努める」とされております。
 今、委員御指摘のように、東京都等、いろいろな御協力をお願いするという部分がございますが、先日も舛添知事とお会いをして、まず、一旦新しい計画になったので、ゼロからでありますが、しっかり連携をとって協力していきたい、こういう話もいただいておりますので、そうしたことも踏まえてこれから対応してまいります。
○笠委員 時間が参りましたので終わりますけれども、やはり財源の見通しがまだ立っていないという状況は変わっておりませんので、これについてもしっかり対応をお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○福井委員長 次に、菊田真紀子君。
○菊田委員 おはようございます。民主党の菊田真紀子です。
 両大臣におかれましては、連日の御公務、大変御苦労さまでございます。
 まず最初に、三十五人以下学級について質問させていただきたいと思います。
 先月の二十七日、私たち民主党は、議員立法、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案、いわゆる三十五人以下学級法案を衆議院に提出をいたしました。
 この議員立法は、公立小中学校の一学級の編制の標準を四十人から三十五人に引き下げるものですが、民主党政権時の平成二十三年に三十年ぶりの見直しを行いまして、小学校一年生の学級編制標準を三十五人に引き下げ、小学校二年生についても予算措置において三十五人以下学級を実現しました。
 今回の法案は、小学校二年生から段階的かつ計画的に改定を行いまして、六年かけて中学校三年生まで進めるとしております。衆参両院の文科委員会では、ことし六月に、教育現場の実態に即した教職員定数の充実に関する決議を行っています。ぜひ、与党の皆さんを初め、各党の御理解と御協力をいただきたいと思います。
 私たちのこのような考えについて、下村大臣は同じ思いを共有されているかどうか、お尋ねをいたします。
○下村国務大臣 現在、小学校一、二年生で実現している三十五人以下学級は、よりきめ細やかな指導が可能となること等で学校現場からの要望も多く、少人数学級の推進は望ましいことだと私どもも考えております。
 一方、限られた財源のもと、障害のある児童生徒やいじめ、不登校への対応、家庭環境などによる教育格差の解消など、今後も増加が見込まれる喫緊の課題に対し的確に対応する必要性や、時代の変化に対応した新しい教育への取り組みなど、授業の質向上に向けた多様な取り組みを進めていく必要性についても総合的に判断をし、戦略的に定数改善を図っていくことが必要であるとも考えております。
 このような考え方のもと、平成二十八年度概算要求におきましては、アクティブラーニング、これは現行のクラスよりももっと少ない人数でないとなかなかうまくいっていないという状況がございます。また、学校現場が抱える深刻な課題への対応、あるいはチーム学校の推進等に向けた三千四十人の定数改善を、追加的な財政負担を要しない範囲内で計上しているということもございます。
 今後、予算編成過程におきまして、今回の民主党の提案等も参考にさせていただきながら、教育環境の充実に向けて総合的に検討してまいりたいと思います。
○菊田委員 大臣、ありがとうございました。
 それでは、東京オリンピック・パラリンピックに関する質問に入らせていただきますが、質問通告と順序が変わっております。大変恐縮ですけれども、まず最初に、地域活性化推進首長連合に関しての質問をさせていただきたいと思います。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックは、東京のみならず日本全体の魅力を世界に発信し、地方を活性化するチャンスであると遠藤大臣も述べられております。過去ほかの国で開催されたオリンピックの例を見ましても、開催が決定した直後から外国人観光客の来訪が増大をし、長期にわたって継続をする傾向がございます。
 きょうは委員の皆様にも資料を提出させていただいております。ぜひごらんをいただきたいと思いますが、資料の一でありますけれども、開催が決定するとその国を訪問する観光客がふえている、こういう傾向が示されているわけであります。
 例えばイギリスは、ロンドン・オリンピック開催年の前から、イギリス全土におきましてカルチュラル・オリンピアードと呼ばれる文化行事を開催し、国全体の活性化につなげたと承知をしております。
 これは資料の二をごらんいただきたいと思うんですけれども、二〇〇八年から四年間、英国全土におきまして約十万件のイベントが開催されたということでありまして、イギリスを訪問する外国人あるいはイギリス人も含めまして延べ四千三百万人がイベントに参加をした、うち二千五百八十万人がロンドン以外の地域の地方のイベントに参加をした、こういうことが推計されております。
 そこで、我が国におきましても、多くの地方自治体が東京オリンピックを、これは東京のことだからといって傍観するのではなくて、むしろ地方活性化のチャンスと捉えるべきであります。私の地元の新潟県三条市の國定市長さんの発意で、全国三百四十六の市町村が参加をしまして二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを活用した地域活性化推進首長連合が設立をされるなど、既に具体的な提案が始まっております。大臣の御地元の山形市も参加をされております。
 政府は、こうした地方の取り組みをどのように支援し、どう連携していくおつもりか、遠藤大臣にお伺いいたします。
○遠藤国務大臣 この委員からいただきました資料、これもしっかりとして文部科学省等と連携をして進めてまいりますが、昨年七月から、大会参加国等との全国の自治体の相互交流を促進するホストシティ・タウン構想の具体化に向けて検討も行ってまいりました。
 七月二十八日にはこの構想の方向性について私から直接発表をさせていただきたいということで、二十九日には岡山市で開かれた全国知事会議で、全国の自治体がこの構想に参加していただくようにお願いをしてまいりました。
 参加する自治体に対しましては、事前合宿の誘致、運営費用や選手と住民との交流費用などについて特別交付税が措置されることとなるほか、関係府省庁による各種支援についても取りまとめることとしております。
 お話のありました首長連合の皆さんからは、七月三日に直接大臣室においでいただいて御要望いただいたところでありますし、私ども、大変心強く思っております。
 こうした意欲ある自治体をしっかり支援することによって、東京オリンピック・パラリンピックでありますが、日本オリンピック・パラリンピックというふうな位置づけをもって開催効果を全国津々浦々にまで波及させてまいります。
○菊田委員 大臣、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、新国立競技場について質問をいたします。
 先般、新たな整備計画を策定し、コストを千五百五十億円まで削減したことは評価をしたいと思います。一方、国民の皆様の間には依然として高過ぎるという声が根強くあります。言うまでもなく、オリンピック・パラリンピックの成功は、国民の皆様の広範な支持があってこそであります。ぜひ、政府におかれましては、これまでの混乱と迷走を反省して、今後は情報公開を徹底していく、きめ細かく説明責任を尽くしていただきたいと考えます。
 こうした問題意識に立って、以下、具体的に質問いたします。
 まず、遠藤大臣に確認をいたします。先月二十八日の新整備計画を決定された後の大臣記者会見において、記者の方から、検証委員会の結果が出ない前に新しい整備計画を策定して作業を進めることの是非に関して質問が出ました。これに対して大臣は、こう答えておられます。そのまま議事録を読んでみたいと思います。検証委員会が今開いた、開かれておりまして、進めており、先ほど下村大臣から、当面の検証の取りまとめといいますか、中間の報告についてのメモをいただきました。それを踏まえて対応していきたいと思っていますと述べられました。
 遠藤大臣、このとおりで間違いないですか。確認します。
○遠藤国務大臣 今委員御指摘のことは事実であります。
○菊田委員 下村大臣に伺います。検証委員会の委員長から報告があったそうですが、その内容を説明してください。
○下村国務大臣 今、菊田委員からも一番最初に御質問、御提言がありましたが、この新国立競技場整備計画に資するようなことについて、今まで経緯検証委員会の中でもしあればという中で、柏木委員長がこの新整備計画の参考にしたらどうかということでの私的メモをいただき、それを遠藤大臣に直接お渡しをいたしました。
 ですから、検証委員会の正式な中間取りまとめとかいうことではないということでありまして、このメモの内容については、柏木委員長の私的なメモということでありますので、内容を公表することについては柏木委員長の御了解が得られていないと伺っておりますので、公表は差し控えさせていただきたいと思います。
○菊田委員 検証委員会全体の議論の中でまとめた内容ではなくて、あくまでも委員長の個人的なメモなので公表はできない、こういうお話でありますが、意味がわかりません。
 そもそも下村大臣は、この検証の対象者であり、ヒアリングを受けている最中です。検証が終わらないうちに、検証委員会の委員長とその対象者が世間に公表できないメモをやりとりするなんていうのは、普通は考えられません。検証委員会とその対象者が癒着をしているのではないかと言われても仕方がない行為ではありませんか。検証委員会というのは、客観性、信頼性が求められるわけでありますが、それを損ねる行為ではないかと私は思います。
 遠藤大臣に二点確認したいんですが、大臣の方から、ぜひ検証委員会の意見や要望を聞きたいということを下村大臣に申し出をされたんでしょうか。もう一点は、遠藤大臣にメモが渡された日は、関係閣僚会議が開催された二十八日で間違いないでしょうか。だとすれば、その要望を反映させるにしては、時間的に無理ですよね。整備計画案にどう反映されたんでしょうか。御説明いただきたいと思います。
○福井委員長 まず下村大臣。
○菊田委員 遠藤大臣がお答えください。
○福井委員長 まず下村大臣。
○下村国務大臣 ちょっと御質問が事実関係と違っておりますので、事実関係だけ申し上げたいと思います。
 新国立競技場整備計画経緯検証委員会、この中で、経緯がどうであったのか、そして、その責任はどうだったのかと。このための検証委員会ですから、当然、それをやっていただくために、ある意味では独立したような存在として、文部科学省の中であっても、これは私が特別いろいろな形でお願いするとかいうことはもちろんできない位置づけの委員会であります。
 ですから、そういう内容についてメモをいただいたということではなくて、これは新国立競技場整備計画に関係する、資する部分、ですから、経緯とか責任問題とかは全然別の問題として、議論の中で新整備計画についてこういうことも念頭に置いた方がいいのではないかということについてのみ、柏木委員長からメモとしていただいたということでありまして、この経緯検証委員会そのものの位置づけを阻害する、あるいはゆがめるということでは全くございません。
○遠藤国務大臣 メモについて、私から求めたということではありません。
 それから、八月二十八日にいただいてすぐに反映できたかということでありますが、もともと、ゼロからの作業を進めるに当たって、これまでのJSCが作業を進めてきた過去の経緯等の確認も行いながら作業を進めてまいりましたし、また、検証委員会も公開の場で議論されておりますから、そうした内容についても事務局から聞いておりますので、そうしたことを踏まえて対応をさせていただきました。
○菊田委員 だから、遠藤大臣が、新しい整備計画に反映をさせたいから、どうしてもこの柏木委員長の、これまでのいろいろな議論の中で参考になることがあれば欲しいと言って望んだわけではないんですよね。
 そして、二十八日にそのメモが出てきているけれども、もともと、その決定には影響されない、反映されないということでありますから、どう考えても、私は、下村大臣は検証の対象者であるという自覚が足りないと思いますよ、それは。私はそう思います。やはり局長さんは、皆さん、更迭されたんだなと思っていますよ。
 そして、これまでの迷走ぶりから見ても、千五百五十億円に削減したからいいということではなくて、では、これまでの混乱は何だったんだ、文科省も責任をとっていない、JSCも責任をとっていない、誰も責任をとらないのかという声は、圧倒的にまだ国民の皆さんはお持ちです。
 そういう中で、第三者委員会が独立性を持って、そして客観的にこの検証をしっかりと進める。それを、もちろんそこには自分も含まれるということを大臣もたびたび国会の審議の中でおっしゃっています。そういう大臣が、その委員長から、たとえ個人的メモと言われても、私は、特段、常識的な内容なら別に出していただいても構わないと思うんですけれども、こういうものをやりとりをするということ自体が自覚が足りないというふうに思います。
 先ほども言いましたけれども、国民への情報の開示、情報の公開という観点から、この委員長のメモを当委員会に出していただきたいと思います。福井委員長にぜひ善処を求めます。理事会で協議をしてください。
○福井委員長 その件につきましては、理事会で協議をさせていただきます。
○菊田委員 お願いします。
 これまで、新国立競技場の旧計画では、建設費は二千五百二十億円と公表されていました。ところが、二十八日の発表では、なぜか総額が二千六百五十一億円に変わっていました。遠藤大臣に御説明いただきたいと思います。
○遠藤国務大臣 これまで、ゼロからの作業を進めていって、その上で関係閣僚会議の事務局が中心となってこの作業を進めてきたわけですが、新計画の工事費を積み上げた上で、旧計画と比較検討する中でこの百三十一億円という数字がわかりましたので、費用の見える化、全体をしっかり出した方がいいだろうという判断のもとで、比較グラフの形で八月二十八日の関係閣僚会議で資料をお示しいたしました。
○菊田委員 この百三十一億円の中には、別途必要な工事費として八十一億円があったわけですけれども、これが必要不可欠な工事費であるならば、本来、従来の計画にきっちりと計上されるべきだったのではないでしょうか。
○遠藤国務大臣 私がお伺いしていたのは、たしか、二〇一九年の春に完成するということを想定して、その後に作業する、あるいは二〇二〇年の完成後に作業する、そういうことで計上しなかった部分もあると。詳細について承知をしておりませんが、そういうふうな中で、この八十一億円、そして新たに大会組織委員会から要望のあった五十億円、これがありましたので、それを加えたということであります。
○菊田委員 これまで、予算委員会、それからこの文科委員会、参議院での審議もそうですけれども、あるいは我々民主党の部会においても、この説明がなかったわけであります。
 二十八日の公表で初めて知ったということでありますが、これは、あえて隠していたんじゃないかというふうな疑念を持たれることはもうやめていただきたいというふうに思います。実はこうなんです、調べたら後からこういうのが出てきましたということは、今後は絶対にないように、正直に公表していただきたい、国会に対しても説明をしていただきたいというふうにお願いをいたします。
 そこで、政府は、この新国立競技場の建設費の上限を千五百五十億円としたと繰り返し述べておられますが、これも先ほど笠さんもおっしゃっていましたけれども、これはプロポーザルを公募する際の基準値であって、二〇二〇年に競技場が完成した段階における総工事費の積み上げを千五百五十億円以内に抑制することを意味しません。この理解は正しいでしょうか。遠藤大臣、お答えください。
○遠藤国務大臣 先ほど言いましたように、公募をするときの上限額として千五百五十億円と設定をしております。
 ただ、先ほども申し上げましたように、賃金または物価等の変動が生じた場合は、公共工事標準請負契約約款第二十五条に準拠し、工事請負代金の変更を行う可能性があります。
 また、消費税につきましては八%で計算をしておりますので、二十九年四月以降の消費税率一〇%が適用された場合には、八%で計算した金額との差額が別途必要になります。
○菊田委員 整備計画の二の(三)において、今般決定した性能以外に必要となるスタジアムの性能については、JSCが技術提案等審査委員会の審議を経て適切に設定するとされています。
 これは、追加的にどのような性能が必要となるか、これをJSCが決定するということでしょうか。これでは、JSCの一方的な判断によって工事費が変動することになりかねないと懸念しますが、遠藤大臣にお伺いします。
○遠藤国務大臣 新整備計画におきましては、新国立競技場の主要な性能とともに、コストの上限についても明示しておりまして、JSCはその枠内で詳細なスペックを決定しているものと承知をしております。
 詳細なスペックは、昨日発表した新国立競技場の設計、施工の事業者公募に係る業務要求水準書に盛り込んでいるところでありますが、あわせて、公募に係る説明書においてコスト上限額を明確にお示ししており、工事費はその範囲内で設定する必要があります。
 今後とも、新整備計画に基づき、内閣全体として責任を持って整備を進めるため、私が議長である関係閣僚会議において、JSCによる整備プロセスをしっかりと点検をし、着実な実行を確保してまいります。
○菊田委員 整備計画四の一において、先ほど来御説明がありましたが、賃金または物価等の変動があった場合の工事代金の調整は、公共工事標準請負契約約款第二十五条に準ずるとされております。
 そうしますと、二〇二〇年までの間、この条項によって幾らほどの増額改定が必要になると見積もっているんでしょうか。また、この条項は賃金と物価の変動に対応するものであるのに対し、整備計画では「賃金又は物価等」となっていますが、遠藤大臣に質問いたします。賃金と物価以外に何が契約変更の対象となるんでしょうか。
○遠藤国務大臣 委員御指摘のように、公共工事標準請負契約約款第二十五条に準拠いたします。その上で、この「賃金又は物価等の変動が生じた場合」とは、賃金水準または物価水準全般の変動、二つ目は特定の資材価格の上昇、三つ目には特別な事情によるインフレーションまたはデフレーションのことを指しておりますので、賃金または物価以外のものとは、後者の二つを指しております。
 なお、これらの事象が発生していない中で今この増加額をお示しするのは困難であると承知しております。
○菊田委員 再来年四月に消費税率の引き上げが予定されております。現在は八%で計算をしているわけです。そうすると、さらに金額がふえる可能性があるということであります。また、今ほどの説明のとおり、予期することのできない特別な事情によって請負代金額が不適当となった場合には、請負代金額の変更が認められるということであります。
 しかし、大臣、二十八日のこの千五百五十億円の発表以来、多くの国民の皆さんは、今度は千五百五十億円でできるんだと思っています。そこは誤解のないように、しっかり国民の皆さんに説明すべきではないかと私は思うんですけれども、いかがでしょうか。
○遠藤国務大臣 今御指摘いただきましたように、千五百五十億円で価格を、上限を設定して、それで公募を行いました。先ほど言いましたように、これは入札ですから、この中で、もちろん総合的な判断でありますが、価格が低くなる可能性も十分にあると思っております。
 しかし、今委員御指摘のように、こうした公共工事の約款でそうしたスライドがされるということについては、しっかりと説明してまいります。
○菊田委員 どうしても数字がひとり歩きしますから、そこは、下がるのはいいと思うんですけれども、ふえるとなると、結局何だったんだという話になりますので、しっかりと説明をしていただきたいというふうに思います。
 最後の質問です。
 報道によりますと、下村大臣と遠藤大臣は、日本の夏にふなれな外国人客や障害者の方々への配慮として冷房施設の設置を訴えておられましたが、安倍総理が、暑さ対策ならかち割り氷だってあるとして、冷房施設の断念を指示したということでありますが、オリンピックのメーンスタジアムと甲子園を同列に論ずるのは余りにも単純に過ぎるし、体温調整がうまくできない障害者にとっては非常に過酷だというふうに私は思います。また、お年寄りや小さな子供たちへの影響を含めまして、もう少し丁寧に検討してもらってもよかったのではないかなというふうに思いますが、この冷房施設について再考の余地はないのかどうか。
 これは、遠藤大臣と下村大臣にもお伺いをしたいと思います。
○遠藤国務大臣 お答えいたします。
 ことしの夏の暑さを見ましても、五年後、七月二十四日から開催されるオリンピック・パラリンピック、暑さ対策は私にとりましても主要な課題の一つだと思っております。
 それで、どういう対策をするか。きょうも朝、関係府省庁会議で、私も臨んでまいりましたが、世界の皆さん、まあ、日本の皆さんは比較的こういう状況になれておりますが、世界の皆さんやあるいは障害者の皆さんのことを考えて、アスリート第一という言葉もありますが、同時に観客の皆さんの対応をしっかり考える、これも大事だと思っております。
 そこで、いろいろ検討した中で、コストを削減しようと。そして、いろいろな議論をした中で、総理がというよりも、いろいろな議論の中で出てきた。そこで、最終的に、これは私の判断で、まず座席空調の設置については、きっちり検討した結果、効果が、上もあいているものですから、二度から三度ぐらいしか下がらないだろう、そして、年間、使う日もそう多くないだろう。また、世界的に見ても、屋根が開放した状態で座席空調を使用しているスタジアムはほとんど例がない、また、維持管理コストが、使用回数の割にかなりかかるだろう。そういうことを勘案して、そして別に、熱中症対策については予防対策、またスタジアム内の医療施設の充実、医療機関との連携強化等、そしてまた、その大会当日のいろいろなグッズ等を使うとか、そうしたことを踏まえてしっかりと対応してまいります。
○下村国務大臣 私の方からもお答えをさせていただきたいと思いますが、その前に、新国立競技場整備計画経緯検証委員会の名誉のために私の方からちょっと申し上げたいと思うんですが、私も検証を受ける立場でありますが、これについては謙虚に受けとめたいと思います。
 一方で、私は、新国立競技場整備計画再検討のための関係閣僚会議の副議長でもあることから、新整備計画をよりよいものとするための意見、要望等について検証委員会委員長にアドバイスをお願いし、私的なメモをいただいたというのが実態でございます。
 メモについては、非常に常識的な内容であり、検証作業にも影響を及ぼさない範囲の中で委員長が作成されたものであるというふうに伺っているところでございます。
 また、我が国は、八月は非常に他国に比べても湿度の高い国でもあります。そういう意味で、障害者の方への体温調整等の配慮も必要だと思いますし、また、観客席における熱中症対策というのが必要であるというふうに思います。
 ただ、今、遠藤大臣からもお話がありましたが、費用対効果の問題もございますので、今後、五年間ありますので、新たなイノベーション等を駆使しながら、ソフト面における熱中症対策等について、大会組織委員会、関係省庁とも連携して、しっかりとした対応をとっていくように文部科学省としても努力をしてまいりたいと思います。
○菊田委員 時間が来ましたのでもうやめますけれども、先ほどの件は委員長によって理事会協議をしていただけるということでありますので、善処をお願いしたいと思います。
 そこで、遠藤大臣、日本の湿気の多さそして暑さというのは、外国の人からしたら、本当にちょっと異様な、特別なものだというふうによく聞くんですけれども、遠藤大臣が会見の中で、もし体調不良になった方に対しては、休養するとか、あるいは介護する部屋をつくりますとか、それから医療体制をしっかり整備します、そういう対策費も十億円用意しているんですよというお話がありましたけれども、やはり、この日本で体調不良者が続出した、あるいは選手が倒れたというようなことが仮にニュースとして世界に配信をされると、これは日本に対する大変な信頼の失墜とイメージダウンになるというふうに思っていますので、ぜひそこは御再考、よりよい方法を考えていただきたいというふうに思います。
 終わります。
○福井委員長 次に、初鹿明博君。
○初鹿委員 おはようございます。維新の党の初鹿明博です。
 私は、新国立競技場についての質問を準備しておりますが、その前に、きょうは九月の二日でありまして、新学期が始まったところですので、どうしてもきょうこのタイミングで、本当は夏休みの最中にしたかったんですけれども、その間、委員会が開かれなかったので、きょうどうしてもこの質問をしたいと思いまして、質問をさせていただきます。
 大臣、子供のころ、夏休みが終わりに近づいて新学期が始まるなというとき、どういう気分でしたか。私は、余り学校は嫌いじゃなかったんですけれども、やはりそうはいっても夏休みが終わって九月の一日とか本当に憂うつで、ああ、これからまた学校が始まっちゃうんだなという気分になったんですけれども、下村大臣はどうでしたか。
○下村国務大臣 実は私は逆で、楽しみにしていました。理由というのは、群馬の非常に山の中で暮らしておりまして、一番近くの近所まで五百メートルぐらい離れているような、そういう孤立したところでもあったものですから、夏休みは余り友達に会う機会がなかったので、新学期は逆に私自身は楽しみにしていました。
○初鹿委員 そういう楽しみだなという人もいれば、中には、学校に行くのが本当に地獄のように苦しい、いじめられて苦しい思いをされているお子さんもいて、そういう子たちにとってみれば、やはり夏休みが終わってまた学校が始まるというのは本当に憂うつだし、苦痛なんじゃないかなと思うんです。
 今、お手元に資料をお配りさせていただきましたが、これは六月に公表になった、内閣府がつくりました自殺対策白書をもとにした記事なんですけれども、子供の自殺、九月の一日が突出をしているという記事です。
 この記事を見ますと、一九七二年から二〇一三年までの四十二年間の、十八歳以下の小中高生の自殺について日にちごとに調べたものなんですが、九月一日が百三十一人で突出をしている。これだけじゃないんですよね。四月十一日が九十九人、四月八日九十五人、九月二日九十四人、八月三十一日九十二人。つまり、長期休暇が終わるにつれて大きくなっていって、その始まる日がピークを迎えて、その後も続く。
 これは九月と四月が抜けていますけれども、下のグラフを見ていただければわかるんですが、一月も、一月が終わって学校が始まるぐらいのところで一つ山がありますし、また、五月もゴールデンウイークが終わったぐらいにまた山があるというように、学校をちょっと長く休んでまた始まるというときに自殺が多くなっている、こういうデータであります。
 このデータを見て、大臣、率直にどのようにお感じになりましたか。
○下村国務大臣 御指摘のこの資料は、六月に閣議決定された自殺対策白書において明らかにしたものでございます。
 児童生徒の自殺が後を絶たないこと、これは大変憂慮すべき事態であって、子供が自殺する、もちろん大人もそうでありますが、本当にこういう状況は大変に残念な、憂慮すべきことだと思います。
 特に、御指摘の点でありますが、長期、夏休み明けの時期は児童生徒の心身の状況や行動に変化があらわれやすいと考えられてきておりましたが、このたび、初めて日付別のデータが明らかになりました。さまざまな理由が考えられますけれども、学校の長期休み明けの直後は、生活環境等が大きく変わる契機になりやすく、大きなプレッシャーや精神的動揺が生じやすいことが要因として考えられるのではないかと思います。これを踏まえ、児童生徒の変化を適切に把握し、学校や地域あるいは家庭において、見守りの強化、相談等の対応を集中的に、特にこういう時期に行うことが重要であるというふうに考えます。
 今後とも、関係府省庁と協力して、児童生徒の自殺予防、しっかりと政府として取り組んでまいりたいと思います。
○初鹿委員 私もこの数字を見て、政治に携わって、私も都議会議員からスタートして、もう十五年目になりますけれども、自分は今まで何をやっていたのかなというのを本当に感じるぐらいショックですよ。学校に関係している方も、こんなにまで学校が嫌で亡くなっちゃう、自殺をしちゃう子が多かったのかなというのはショックじゃないかと思うんですよね。
 そして何よりもやはり、そういう子供たちがいるということに気がつかずに自殺に追い込んでしまったというのは、本当にどうにかしなければならない問題だと思います。
 このデータが六月に出ました、それを受けて、では、ことし、このデータを受けて、何か新しく文科省として取り組んだことというのはあるんでしょうか。
○下村国務大臣 この自殺対策白書を踏まえまして、文部科学省では、学校の長期休み明けに児童生徒の自殺者がふえる傾向を示したグラフを添付した通知を発出し、学校に対し、児童生徒の見守りを強化すること、及び、自殺に関する教師用の手引を活用して研修等を実施することを求めるとともに、PTAの全国大会で地域での見守り隊を要請したほか、これは私自身が行って要請いたしました。内閣府と連携し、ツイッターを活用した二十四時間子供SOSダイヤルの周知徹底などを実施いたしました。
 今後とも、教育委員会担当者や校長などの管理職等に対する研修会を実施するなど、児童生徒の自殺予防について一層尽力してまいりたいと思います。
○初鹿委員 きょうは具体的なことは触れませんけれども、岩手の中学生の自殺の事件がありましたよね。あの事件を見てみても、生徒の側からいろいろなシグナルを出していたにもかかわらず、やはり現場の先生方がそこに非常に無関心というか無頓着であったというか、結果として痛ましいことになってしまったということを考えますと、教育関係者は子供たちの状況についてもっと敏感になるべきだと思うんです。
 今、通知を出してきめ細やかに対応するというような指示を出されたということですけれども、夏休みの期間でありますから、子供と教師が接する機会というのが非常に少ない、もしくは全くないことが考えられるわけですよね。大臣もさっきおっしゃっていましたが、友達とも会えなかったというような、そういう地域の人もたくさんいるわけで、ケアをしようにもケアのしようがなかなかない場合もあるということもやはり考えなきゃいけません。そのときに、本当にこの子心配だなという子がいたら、家庭訪問をするとか何か別の方法をするとか、やはり丁寧に対応していくということが一つ必要なのではないかと思います。
 それと、もう一つ、私の方から大臣にお願いしたいんですけれども、夏休み前と夏休みの明けたときに自殺が多いというのは、実は、私は三年前に聞いているんですね。ちょうど私が一期目のときに、東京シューレの奥地さんから、御存じですよね、夏休みの前後で子供たちの自殺がふえるんですよという話を聞きました。
 それで、今隣に平野大臣がいらっしゃいますけれども、ちょうど二〇一二年の八月三十一日の日に、東京シューレなどフリースクールのOBの方や、また通っている学生、みんな不登校を経験した子たちですけれども、そういう若者を連れて平野大臣のところに、学校に行かないでもいいんだ、本当につらかったら休んでもいいんだよというようなことを何とか発信してもらえないかというお話をしに伺ったんです。
 残念ながら、そのとき、大臣もいろいろ子供たちのことを配慮する発言はしていただいたんですが、なかなかやはり、大臣という立場で学校に行かないでいいよというのは言いづらかったんだと思いますが、非常に丁寧に対応をしていただいたし、フリースクールに通っていた学生が文部科学大臣に会うのはそのときが初めてだったらしいんですよ。
 そんなこともあって、私もずっと、この問題は本当に気になって、気にかけてきたので、大臣にお願いしたいんですけれども、資料を一枚めくってください。ここに鎌倉の図書館の司書が書いたツイッターの記事を載せました。「学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、学校を休んで図書館へいらっしゃい。」
 この書き込みがあって、鎌倉市の教育委員会は、不登校を助長するようなことが書いてあって不適切じゃないかというので、削除も検討したようなんですが、書いた司書の意図を考えてこれは残すことにしたということで、大反響があったということであります。
 この記事を見て、大臣はどのように感じますか。
○下村国務大臣 この司書のつぶやきというのは、子供一人一人のことを念頭に置いた率直な思いであるのではないかと思います。
 基本的には、学校そのものは安心して通える場となることが重要なことであり、さまざまな事情により学校がつらい子供には、安心して相談したり過ごしたりできる学校外の場所も必要でありますが、ぜひ学校に行ってもらうような環境づくりをするということも大切であって、バランスをとる必要はあると思います。個々の子供の状況に応じた適切な判断をする必要はあると思います。
 文科省は、緊急避難として欠席を柔軟に認める通知の発出、それから、教育委員会等が設置している教育支援センター、適応指導教室ですね、これのさらなる整備促進、それから、フリースクールで学んでいる子供への支援の検討などに取り組んできているところであり、学校がつらい子供に対する支援は、家庭、地域社会、医療等が協力して取り組むことが重要であるというふうに認識しております。
 子供にとって緊急の居場所の提供につながるということで、この鎌倉市の図書館の職員が発信したということは、子供の視点の呼びかけだというふうに思います。
 今後とも、学校だけでなく、家庭や地域や関係機関が相互に連携して、子供の居場所を確保することが重要であるというふうに考えます。
○初鹿委員 この一枚目の記事に奥地さんのコメントが載っているんですけれども、「いじめられても、学校は行かなくてはいけない場所だと思っている。「逃げてもいいんだよ」と知らせてあげるべきだ」と書いてあるんですよ。これは本当にそうなんだと思います。
 今大臣おっしゃったように、フリースクールについては、大臣も非常に理解もあって、今議連で法案の作成が進んでおりますが、そういうことに文科省もこれから積極的に取り組むという姿勢を下村大臣も示していただいているので、これは非常によいことだと思います。
 ですので、やはり、本当につらくて、死んじゃいそうなぐらいつらい、もう学校に行くのが死ぬほどつらいという子は学校に行かなくてもいいですよね。それで、ほかに選択肢が、フリースクールだとか、そういう選択肢があるんだよということをきちんと示してもらいたいと思うんです。
 大臣、本当につらくてつらくてしようがなくても、学校を安全な場にするから来てくださいと言いますか。それとも、本当につらいんだったらちょっと休んでもいいよと言いますか。どちらですか。
○下村国務大臣 それは、初鹿委員のおっしゃるとおり、命あっての人生でありますから、子供にとって自殺に追い込むようなことを強要するようなスキームであってはならないと思います。
 まず、子供の居場所を考える。その中で、またあるときになったら学校に行きたいとみずから思うような時期も訪れるかもしれませんし、行くか行かないかだけで選択をするということではなく、子供にとって居場所がどういうふうにベストなのか。
 ただ、追い込むということではなくて、そういう意味では、これは学校の先生だけではやはりとても無理な話だと思います。家庭も大切だと思いますし、また、家庭だけでは対応できない部分について、地域を含め、文部科学省も、来年からはさらにチーム学校ということでトータル的に、一人一人の子供に応じた支援体制をさらに強化するような体制を概算要求でもお願いしているところでありますが、一人一人のまずは居場所を確保しながら、そして子供に対して、人生を諦めないで前向きに頑張ろうと思ってもらえるような環境づくりをするように努力をしていきたいと思います。
 フリースクールも、今、超党派の議員連盟で法制化に向けて取り組みをされておられますが、命を自分自身が絶つか絶たないかというような子供に対して、そこまでは追い込まないような状況ということについては、これは多様に、柔軟に考えていくべきだと思います。
○初鹿委員 ありがとうございます。
 本当に追い込まれるような学校に来いというようなことは今後一切しない、そういう理解をいたしました。
 では次に、JSCの河野理事長にお伺いしたいんですけれども、JSCの主要事業の一つに災害共済給付制度がありますが、この災害共済給付制度では、小中学生が、学校が起因する、そういう原因で自殺をした場合には、無条件に死亡見舞金が支払われております。ところが、高校生になると、それが無条件に支払われることにならないということなんですが、それはどのような理由からそうなっているんでしょうか。
○河野参考人 災害共済給付制度は、昭和三十五年の日本学校安全会の設立以降、昭和五十七年に日本学校健康会、昭和六十一年に日本体育・学校健康センター、そして平成十五年に独立行政法人日本スポーツ振興センター、JSCへと組織が変換する中で、本制度がずっと継続されております。本制度の発足当時から、高校生の場合に限り、故意による死亡を給付の対象としないと政令上定められており、JSCとして、この政令を遵守して業務を行っているところでございます。
 災害共済給付制度は、学校管理下で発生した児童生徒の偶発的な不慮の災害による負傷や疾病につきまして、国、学校の設置者及び保護者の負担による独立した災害共済給付勘定に共済を図ろうとする互助共済制度でございまして、御指摘のように、小中学生の場合には、一般的に、みずからの意思といっても死や自殺ということに十分な理解と判断を下すのは難しいということに鑑みまして、政令上は、高校生や高等専門学校生の場合に限り、故意による死亡を給付の対象とせず、中学生以下をその対象としてきております。
 しかし、高校生の自殺の場合でも、個別のケースごとに政令の範囲内で給付の可能性、可否を判断しているところでありまして、具体的には、学校の管理下におきまして精神的に極度に追い詰められ、精神障害を負い、正常な認識や行為選択能力が著しく阻害された状態で起きた自殺につきましては、故意とは言えずということで給付の対象になり得ると考えております。
 過去五年間に、高校生の自殺の案件に関しまして、四件の給付をさせていただいているところです。
○初鹿委員 今、故意による自殺は対象にならないというような言い方をされているんですけれども、河野理事長、自殺総合対策大綱を読んだことはありますか。そこに何て書いてあるか、皆さん御存じですよね。
 自殺というのは、その多くが追い込まれた末の死なんですよ。ここに資料をお配りしていますが、ちょっと時間がないので最後のところだけ読みますが、「個人の自由な意思や選択の結果ではなく、「自殺は、その多くが追い込まれた末の死」ということができる。」となっているんですよ。
 個人の自由で、個人で自分で勝手に自殺したんだからこの共済給付はしませんよという今お答えですけれども、自分の意思でするのではなくて、追い込まれて、追い込まれた末に自殺しか選択するものがない、そういうせっぱ詰まって自殺するのが自殺だと、この自殺総合対策大綱でも書いてあるんですよ。これは政府の方針でしょう。これと真っ向から反対をするような基準をつくっているということは、私はいかがなものかなと思います。違いますか。
 下村大臣も、自殺総合対策会議でしたか、そこのメンバーですよね。当然、文科省としては、自殺対策、いろいろさまざまやっておりますが、全て自殺は追い込まれた末の結果だということで対策を組んでいるんだと思います。そのことを踏まえたら、JSCがこんな、国の閣議決定までした方針と反するような基準で死亡見舞金の給付をするかしないか判断しているのはおかしいと思うんですよ。
 全ての自殺が学校が原因だとは私は思いません。だから、学校が原因か原因じゃないかで判別をするというのは、私はそれはありだと思います。しかし、学校が原因で追い込まれて自殺をしたのに、個人の判断でしたんだから見舞金は払いませんよ、精神疾患になっちゃって病院に通っている場合は払いますよ、これは違うと思います。
 今JSCは、新国立競技場の問題で、こんな二転三転して国民からも批判を買っているわけですよ。計画がどんどん変わっていって、結局、ザハさんに支払った契約金はもう戻らないで無駄になっているわけですよね。確かに、災害共済給付とはお金が全然違いますから、これを関連づけるつもりはありませんけれども、国民から見たら、一方でそんな無駄遣いをして、二十年もたったかたたないかの本部ビルを壊して新しいビルを建てるなんていうことも計画しておいて、高校生の自殺は個人でやったんだから、自分の意思でやったんだから見舞金は払いませんよというのは、多分国民は理解できないと思います。
 大臣、いかがでしょうか。見直すつもりはありませんか。
○下村国務大臣 JSCの立場は、政令を遵守し、独立行政法人として求められている業務を着実に行っているという立場でありますから、これは政府で考えるべきことだと思います。
 御指摘のように、自殺総合対策大綱が出た中で、「自殺は、その多くが追い込まれた末の死」というのは、まさに大綱に書かれているとおりでありますし、こういう視点から、この政令についても柔軟な見直しということについて検討してまいりたいと思います。
○初鹿委員 この自殺総合大綱が出てもう十年たって、法律の見直しが今行われようとしているときなわけですから、十年今まで放置していたということをちょっと考えていただいて、ぜひ政令の見直しをしていただきたいと思います。
 本当は新国立競技場の問題をやりたかったんですが、時間がなくなってしまったので、これで終わります。ありがとうございます。
○福井委員長 次に、木内孝胤君。
○木内(孝)委員 維新の党、木内孝胤でございます。
 本日は新国立競技場についていろいろお伺いをしたいのですが、その前に、オリパラエンブレムの白紙撤回の件についてお伺いをいたします。
 昨日午後一時に質問とりの会議をしておりましたところ、ちょうどこのエンブレムの質問、なぜ白紙撤回をしないのか、もう無理筋ではないかというような質問をし始めたところ、御担当の方から、きょうの午後、何か記者会見があるみたいだ、あるいは、その前に会議がどうも入ったらしい、もしかしたらこれは白紙撤回する可能性もあるねというような話を伺いました。
 私、きょうはできれば新国立競技場について集中して質問したかったので、これは私の考えている方向性と一緒でしたので質問は取り下げようかなと思っていたのですが、ちょっと、昨日の武藤事務総長の記者会見を拝見しておりまして何点か気になった点がありましたので、それについてお伺いをしたいと思います。
 意思決定をした主体は組織委員会でございますが、その報告が恐らく遠藤大臣の方にもいろいろ上がっているのではないかと思いますが、昨日、武藤事務総長がおっしゃっていたのが、この白紙撤回した理由が、デザイナー本人からの申し出であるということ、一般国民の理解を得られない、こういう話をされました。私は、これは極めて無責任ではないかなと思うんです。
 これはそもそも盗用、転用疑惑ということなんでしょうが、こういう事実があったのかないのか、こうした認識は大臣としてはどういうふうに受けとめ、あるいは報告を受けていますでしょうか。
    〔委員長退席、義家委員長代理着席〕
○遠藤国務大臣 私がこのエンブレムの取りやめを聞いたのは、昨日、臨時の調整会議が開かれました、夕方四時にお伺いしたときに聞いております。
 今お話がありましたが、組織委員会がIOCと協議の上決定をするということでありますが、これまでも、審査委員会あるいはそうした手続をしっかり踏んで行った、そして、それもIOCも了解をしているというふうなことを報告を受けておりましたので、きちっとした形でなされたものと承知をしておりました。
○木内(孝)委員 これは新国立競技場の問題とも相通ずるところがあるんですが、要は、責任の所在が極めて曖昧。これが今いろいろ検証委員会等でも検証されているんだと思いますけれども、我々、党内でもいろいろ議論しているときに、余り責任問題の追及よりも、今後の建設的な提言というか、そちらに集中をしたいというような話をしておったんですが、今回も、このデザイナー、選定した際の問題ですね、例えば商標登録については確認をしたけれども、転用、盗用があるとは恐らく認識はしていないけれども、それはそれとして私は責任があったと思います。
 それを、何かさもデザイナー本人からの申し出だからやめたとか、あるいは一般国民の理解を得られないという物言いというのは、次の展開に全くつながらない、責任を回避している発言だと思うんですね。ここら辺を曖昧にしたまま、あるいは誰も責任をとらないまま進んでしまいますと、恐らく、無責任体質の組織委員会、組織としてのガバナンスがきかない組織がずっと続いてしまうんだと思うんです。
 これはもしかして下村大臣も、今後の責任のとり方等々、検証委員会の結果が出てきたらお考えなのかもしれませんが、新国立競技場もそうですけれども、どう考えてもこれは大臣に責任がありますよ。どう考えても、JSCの理事長にも責任があります。あるいは担当の局長等々もあるでしょう。
 それを、担当の局長がやめたのは、四十年間勤め上げて、残りわずか一年半で定年という時期にそれをやめさせておいて、これが定期人事と言い張り、私は、責任から逃れていないという大臣の答弁も聞いておりますし、ここの部分は仕方ないなとかいろいろありますけれども、結局、誰もこれは責任をとっていないじゃないですか。今後のこのエンブレムの問題についての責任のとり方、どなたがどういう形でとっていくのか。
 あるいは、この補償だって、先ほど笠委員からも質問が出ておりましたけれども、相当な損失になると思うんです。これは金額的な損失以上に、国の恥を世界にさらしてしまったという恥にもつながっております。
 大臣としては、これが盗用であったか転用であったか、そういう認識なのか。あるいは先ほど、武藤事務総長がおっしゃった、デザイナーからの申し出だから、あるいは一般国民の理解を得られないから、そういう理解で白紙撤回したのか。どちらの認識なのか、それだけお聞かせください。
○遠藤国務大臣 組織委員会の責任という話がありましたが、組織委員会のチェックが甘かったのではないかというふうな部分にも重なるかと思いますが、昨日も武藤事務総長からも、羽田や渋谷の展開について、公開する際に権利関係に問題がないかを確認すべきだった、そういうことも説明していると承知をしております。
 組織委員会で決定をし、主体でありますから、そうした話を聞いて申し出を受けて、その上で、このままでは国民の皆さんの納得を得られない、盗用ではありませんが、国民の皆さんの納得を得られないというふうなことで判断をしたということでありますから、そのように承知をしております。
○木内(孝)委員 ぜひ、きのうのきょうですのでまだ状況が把握できていない部分はあろうかと思いますけれども、責任の所在をしっかりしませんとどうしてもガバナンスが崩壊してしまいますので、これは新国立競技場とも通じますけれども、今後の責任の所在を明確化すると同時に、今後の公募体制をしっかり努めていただきたいと思います。
 時間もありませんので、続きまして、新国立競技場の新整備計画についてお伺いをいたします。
 千五百五十億円という金額が出ております。先ほど別の委員からも、千億円も削減した、あるいは英断だというような評価もございましたけれども、千五百五十億円以外にもさまざまなコストがあるというふうに認識をしております。資料にも書いてあった部分と書いていない部分がございましたけれども、例えば、関連経費四十億円、解体工事費五十五億円、日本青年館・JSC本部移転費百七十四億円、埋蔵文化財調査費十四億円、これを足し合わせますと二百八十三億、合計でいいますと約千八百五十億円となります。
 笠委員からも説明ありましたけれども、例えば八%から一〇%に消費税が上がった場合、例えば単純に機械的に機械案分すると、一六年一月から一九年の十二月までこの千五百五十億円が機会に応じて使われたと仮定すると、約二十五億円ぐらい、消費税増税分の負担増が発生します。恐らく私の試算だともっとなんですが、慎重に見てその程度ではないかと思っております。千五百五十億円が前より減ったという言い方ですけれども、これは国民負担という視点が全く抜けていると思っています。
 といいますのは、これは千八百五十億円という話ですが、そこからtotoの資金百八億円を仮に引いたとしますと、国民負担は千七百五十億円です。なぜ今回の計画が見直しになったかというと、国民負担が厳しいから、そういう見方によってある意味見直しになった部分があろうかと思います。何でその千七百五十億円の財源についての手当て、全くこの間の資料では書いてありません。
 先ほども多様な財源とおっしゃいました。でも、例えばtotoのお金を、これは百八億円とおっしゃっていますけれども、年間五十四億円ですね。五十四億円のうち三十六億円、選手強化費等の費用がその分減るんです。あるいは、国庫納付している十八億円が減っているんです。今までアスリートファーストと言いながら、今後もしかしたら五%から一〇%にtotoの負担金がふえるというような話もございますけれども、そうしますと、その分選手の強化費が削減をされるということなんですね。
 東京都から云々とかいろいろ資料にも書いてありました。舛添知事が、ある意味、こんな理由で都民に説明ができない、私はもっともな判断だと思います。その後、東京都との財源の話し合い、その他と財源の話し合い、私は、国民の負担が固まらない限り、この千五百五十億円が高いのか安いのか、あるいは実際の千八百五十億円が高いのか安いのか、コメントのしようがないと思うんです。
 なぜ、これだけ時間がありながら、当初は大臣に就任されて間もないという話でございましたけれども、大分時間も経過しています。東京都との調整、財源のめど、これは一体どういうふうになっているのか。先ほどの多様化という話は聞いておりますので、それ以外の具体的な財源があればぜひお聞かせいただきたいのと、totoのお金を使うというのは選手強化費を削減させる、そういうことの認識があるのか否か、この二点をお伺いいたします。
○遠藤国務大臣 まず東京都との話でありますが、先日も舛添知事とお会いをして、これからも、これは負担を求めるということではなくて東京都から協力をしていただくということでありますが、そのための作業を一緒に進めていきましょうということで合意をしております。
 これから一つ一つ、これまでの、この整備計画をつくる段階で東京都からも職員の方に入っていただいて、そうした観点を踏まえて作業をしてまいりましたので、今後、具体的にそうした協力いただく金額について詰めていきたいと思っております。
 また、totoについては、これは所管は下村大臣でございますが、これはこれまで超党派の議員連盟の皆さん方が御努力をいただいて、そして多様な財源を確保する、そんな作業をしていただいておりました。私もかつては座長をしておったわけでありますが、今委員御指摘のように、新国立競技場の建設費を負担する、そうすれば強化費が減るのではないか、そういう懸念がありましたので、例えばサッカーくじの商品の多様化について進めていただきましたし、また、これからも多様な商品の開発について、強化費が減らないように、逆に、全体としてのサッカーくじの国に対する配当といいますか、国に対する協力がふえるように取り組んでいただいていると承知しております。
○木内(孝)委員 私も当然五輪の成功を願っている一人でございますし、できるだけこの財源の問題が片づくことが確実に工期に合わせてこの立派なスタジアムができるということだと思うんですが、やはりこの財源、国民負担が幾らかという問題から逃げていては国民の納得感は得られない。この状態で千五百五十億円、しかもこれは実質千八百五十億円程度のものでございますけれども、私は、こうした形ではきちっと前に進まないと思っているんです。どうかこの財源の問題をきちっと明示していただくことと、あともう一つ、私は国民負担についてお伺いしたいのです。
 これは初期投資が千五百五十という話をされていらっしゃるわけですけれども、やはり大切なのは、長期にわたっての維持管理、修繕費、そして競技場から発生する収入、大会後は例えば民営化するとか、いろいろな意見も出ております。私はここは評価しているところですけれども、アスリートの皆様からもいろいろな意見を吸い上げて、いろいろな意見が出ております。今大切なことは、どういう方向性で五輪大会後のスタジアムの用途を絞るかというのが非常に大切な論点だと思います。
 例えば、ラグビーの清宮選手やサッカーの選手、あるいは為末選手からも意見が出たかと思いますが、ラグビーは転用できるサッカー専用スタジアムの方向性なのか、あるいは陸上をずっと残すのか。一つの方向性としてあるのは、やはり、どちらか政治決断をして方向性を示すことだと思うんです。五輪の際はやはり陸上競技場があるということでしょうけれども、今回の公募をやる際に、大会後はサッカー専用を強く意識した設計も視野に入れてくれということを公募の条件に入れませんと、結局、終わった後、どっちつかずのいいかげんな、そういう形の、コストだけが高いスタジアムになってしまう。
 私は大臣にお願いしたいのは、そのどちらかの方向性を明示していただくことが、今後のライフサイクルコストがどの程度になるのかという金額もある程度出てくると思います。今、どっちになるのかさっぱりわかりません。民営化すれば、もしかして経営がうまくいくのかもしれません。そんないいかげんな形であると、国民の負担額はわからないんです。恐らく大会後も、totoの売上金からまたどんどん吸い上げるような形で運営されたりとすると、選手強化費とかソフトへの投資ではなくて、結局、箱物への投資の割合がいかにも多い。これは、アスリートファーストと言いながら、言っていることとやっていることは真逆の方向で、今、箱物にどんどんお金が吸い上げられてしまっているんですよ。
 そこの方向性というのは、アスリートの皆さんからも意見が明確に出ておりました。先ほども、冷房施設を入れるのかどうか、サブトラックを入れるのかどうか。大勢の方が多くの意見を入れて、それに対して答えを出すのは物すごく大変だと思います。
 そういう中で政治決断をしていかなければならないときに一つの大切な政治決断は、陸上競技を引き続きやる施設にするのか、あるいは、サッカー専用スタジアムにして年間三十試合程度のサッカーの試合、あるいは五試合ぐらいのラグビーの試合をできるようにするのか、この方向性というのをいま一度、この公募の際、大会後を視野に入れるということを、大臣の政治決断を、これは年内ぐらいまでにしていただければ多少は効果があると思いますが、それはいかがでしょうか。
○遠藤国務大臣 委員御指摘のように、多くのアスリートの皆さんの意見を聞いた中で、サッカーの関係者からは、球技専用グラウンドにしてくれという御意見もありました。また、陸上関係の皆さん方からは、ぜひサブトラックを常設化して、そして、引き続きあそこで陸上競技大会ができるようにしてくれ、そういう御意見もありましたし、また、民間の経営者の皆さん、とりわけPFIをどうするかというふうな意見をお伺いしたときには、むしろ、PFIができるような形でしっかりと整備していただいた方がありがたい、屋根がないと後がやりにくい、そんな御意見もありました。
 そうした大変な意見を踏まえて今回の決断をしたわけでありますが、少なくとも、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックにおいて、開会式、閉会式、そして陸上、サッカー、この大会をしっかりと運営できる形のスペックにさせていただきました。
 その上で、これから、今委員御指摘のように、今後の運営管理等につきまして、どのような形がふさわしいか。自民党、公明党の皆さん方からもそのいろいろな要望もいただいておりますし、先ほど言いましたアスリートの皆さんや、あるいは多くの皆さんから意見がありましたので、そういうことを十分踏まえてこれから検討していきたいと思っています。
○木内(孝)委員 今回、過去の施設との価格差、スタジアムの価格差ですけれども、やはり国外の施設と比べますと、当然、為替レートの変動とか耐震基準も違いますし、地震のある国とない国でも違うでしょうし、いろいろ前提が異なりますので、なかなか本来であると比較するのもどうかなと思う部分はございますけれども、その中でも比較できるのは、工事面積というのは一つ比較できると思うんです。シドニーだと八・一万平米、ロンドンですと十・九万平米、そして東京ですと、シドニーの倍以上、ロンドンの倍近く、十九・五万平米の建設面積となっております。
 ゼロベースで見直すとおっしゃるからには、やはり、VIPルームがあり、何とかの施設があり、レストランがあり、これもあり、当然私も意見を聞かれればそう申し上げます。しかしながら、再来年四月に消費税増税もあり、財政健全化の課題もあり、こうした中で我々は、倍以上の面積のものをつくる余裕があるんでしょうか。
 この間の北京の陸上大会を見ていましても、私は正直言って競技場を全く見ていません。選手を見ているんです。それなのに、なぜ倍である必要があるのか。ゼロベースで見直すとおっしゃるのであれば、ぜひここの工事面積、もちろん私も、ロンドンの場合は下が階段になっていてそこは工事面積に含まれていないとか何だとか、いろいろ説明は聞いています。それにしても、幾ら何でもぜいたく過ぎるスペックに私はなっていると思います。
 もう時間も過ぎておりますけれども、ちょっとこれはゼロベースと到底言えませんし、私は、与党の皆さんもこれは相当違和感があると思うんですよ、千五百五十億円。これは国民の声だと思います。誰もが大会の成功は願っておりますけれども、こんな千五百五十億円といういいかげんな数字では、私は前に進むのはかなり難しいと思っておりますので、ぜひこれは再検討をいただけないか。
 もちろん上限ということでございますけれども、価格面での見直し、スペックの見直し、もう少し踏み込んで御検討いただけたらと思いまして、それをお願いして、私の質問とさせていただきます。
 本日はどうもありがとうございました。
○義家委員長代理 次に、大平喜信君。
○大平委員 日本共産党の大平喜信です。
 私はまず、学校施設の整備事業にかかわって質問したいと思います。
 今年度、学校施設の整備にかかわる国の補助事業である学校施設関係改善交付金、これを活用したいと全国の地方自治体から希望のあった事業が何件あり、その採択件数、未採択件数を教えてください。
○中岡政府参考人 お答えいたします。
 今年度の学校施設環境改善交付金を活用したいと希望のあった主な事業件数は約一万二千事業でございまして、うち、採択された事業件数は約一万事業、未採択となった事業件数は約二千事業となってございます。
    〔義家委員長代理退席、委員長着席〕
○大平委員 約二千件の未採択事業の主な内容とその未採択の理由、あわせて、その中には入っていないとされる給食センターの希望のあった数、採用数、未採用数を教えてください。
○中岡政府参考人 お答えいたします。
 未採択となった主な事業の内訳でございますけれども、空調整備が約一千二百事業、トイレ整備が約七百事業、調理場整備が約八十事業となってございます。
 これらの事業が未採択となりましたのは、今年度の学校施設環境改善交付金につきまして、限りある予算の中で、子供たちの安全、安心を確保するための耐震化事業を中心に、緊急性の高い事業を優先して採択したためでございます。
○大平委員 耐震化事業を優先したという答弁でした。もちろん耐震化事業は重要です。ただ、それが、空調設備、トイレ、給食センターという、こちらもなくてはならない設備の改修ができないことの理由には私はならないと思います。しかも、二千件を超える未採択というのは、調べてみますと、この数年で見ても飛び抜けて多い数字であります。
 この間、この問題で私は、地元を初め全国各地からたくさんの問い合わせが寄せられています。
 例えば、山口県の下松市では小学校の給食センター建設事業の国の補助が未採択となり、その分、自治体の負担になっているとの訴えが寄せられました。
 空調設備でも、岡山県の津山市で中学校へのエアコン設置に国の補助がつかず、愛知県犬山市からは、ことし六月の議会で我が党の議員が小中学校のエアコン設置について質問したところ、市長からは、今年度、中学校の音楽室にエアコン設置の予算を計上しているが、国の補助金が交付されないことになったという答弁があり、担当課に聞きましたら、今年度は耐震工事を推進するため交付できないとの国からの通達があったと答えています。
 また、島根県のある市では、我が党議員が小中学校普通教室へのエアコン設置を求めたのに対し、市長は、厳しい財政状況では考えていないと言いつつ、子供たちの忍耐力を育むことも教育の役割として大切、こういう答弁もしたといいます。自治体の財政難の上に国の補助が期待できない中で、こうして子供たちに精神論にすりかえるようなそうした我慢を強いる、そんなことも行われています。
 いずれにしても、二千件を超えるような事業が未採択になったのは決して見過ごすことはできません。きっとその事業の多くが、ことしのこの夏休みのうちにやってしまいたいものであったと思います。
 ぜひ大臣、来年度と言わず、すぐにでもこの問題に手を打っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○下村国務大臣 御指摘のように文部科学省としては、子供たちの教育環境の改善を推進する観点から、地方公共団体からの要望にできる限り応えていきたいと考えておりまして、具体的な要望を踏まえつつ、必要な支援について努めてまいりたいと考えております。
 平成二十八年度の概算要求におきまして、地方公共団体の要望を踏まえ、二千八十九億円を要求したところであり、この要求額を確保できるよう、まずはしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○大平委員 ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、全国学力・学習状況調査、いわゆる全国学力テストの問題について質問したいと思います。
 八月二十五日、ことし四月に実施された二〇一五年度の全国学力テストの結果が公表されました。九年目となることしの調査では、全体として学力の底上げが図られ、地域格差が縮まる傾向にあることなどが報じられました。
 大阪では、学力テスト実施の十日前になって突然、テストの結果を公立高校入試の内申点に反映するという方針を決定し、府内はもとより、全国に大きな衝撃を与えました。そして、そのことを示した上で取り組んだ今回の大阪府の結果は、例えば、中学校の数学Aで昨年の四十二位から二十一位へと、数学Bで四十位から二十位へと大きく引き上がりました。
 文部科学省にお尋ねしますが、大阪府がここまで急激に平均正答率が引き上がったのはどういう理由からなのかと分析をしているでしょうか。
○小松政府参考人 お答えを申し上げます。
 本年度の調査結果における大阪府の状況を拝見いたしますと、中学校では全ての教科区分で、これは、国語、数学は昨年度との比較、理科は三年ぶりでございまして、平成二十四年度と比較になりますけれども、全国平均との差が改善をしているということが見てとれます。
 この状況につきまして、本調査の結果から大阪府の中学校における指導状況を分析してみますと、二十六年度と比べまして、授業の冒頭で目標をきちっと示す活動、それから、授業の最後に学習したことを振り返る活動といった、授業の目的を明確化した指導に取り組む学校の割合というのがふえております。
 それからまた、現在の学習指導要領ではいわゆる言語活動というものを重視しておりますけれども、各教科等の指導の狙いを明確にした上で言語活動を適切に位置づける、あるいは、さまざまな考えを引き出したり思考を深めたりするような発問や指導を行うといったような言語活動の重視がふえているわけでございます。こうしたことが寄与している可能性はございます。
 それから、大阪府教育委員会から昨年度からの実施とした事柄というのを伺ってみますと、課題の多い市町村について府教育委員会からの計画的な指導、助言を行う、それから、府独自の学力テスト等を通じた中学校一、二年生の総復習をやる、そして、調査結果を高校入試の調査書の評定の学校間調査に用いるといったような、さまざまな事柄が行われております。これがどのように影響したかは、今後それらの検証を行うと聞いております。
 いずれにしても、一つの項目を一対一で結びつけることは私どもとしても今の時点でなかなか難しいと思いますけれども、こうした学力調査につきまして、本来の目的に沿って、学校教育法上の目的を踏まえて、しっかりとした学力が身についていくということを期待したいと思っております。
○大平委員 さまざまな要因、いろいろな要因があるという御答弁でしたが、大阪の当人の皆さんは極めてはっきり述べておられます。結果が発表された翌日の新聞各紙によれば、松井大阪府知事は、内申点に反映されるので子供が本気で取り組んだんだろう、やればできることがはっきりしたと述べ、府教委の幹部と言われる方からは、従来は笛吹けど踊らずだった、組織的に学力テスト対策を徹底する自治体が多い中、大阪もやっと追いついてきたと述べておられるそうです。
 一体、全国学力テストというのは何のための取り組みなのかという根本的な疑問、疑念を感じずにはおられません。
 文科省にそもそもの確認なんですけれども、全国学力テストの結果を一人一人の子供たちの内申点に反映させるなどの、高校進学への合否に直結するような活用を認めているのでしょうか。
○小松政府参考人 お答え申し上げます。
 全国学力・学習状況調査は、国としては、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握、分析し、教育施策の改善充実に生かすということ、それから、教育委員会としては、自治体や学校の学力水準を検証し、教育委員会の施策の改善充実に生かしていくこと、そして各学校としては、個々の児童生徒の学習状況を把握して指導に生かすとともに、学校全体として指導方法の検証、改善につなげるということが目的で実施しております。
 そういうことで、調査結果の活用の方策として、高等学校入学者選抜など、生徒個人の進路にかかわる資料としても用いるということは認めておりません。
 このことは、平成十九年度に調査を開始するに当たりまして各都道府県教育委員会に示しておりまして、それを前提といたしまして、各教育委員会、市町村教育委員会等と一緒になりましてこの調査を実施してきているということでございます。
○大平委員 認めていないという御答弁でした。
 そうであるにもかかわらず、今回、大阪府教委が四月十日にこうした方針を発表しました。
 文部科学省として、これまでのこの約四カ月間、大阪府教委とどういうやりとりをしてきたのでしょうか。
○小松政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、大阪府教育委員会におきまして、ことしの四月十日、府内の公立高校入試における調査書の評定の学校間調整に全国学力・学習状況調査の結果を用いることを決定したということでございました。これを受けまして、その経緯や内容につきまして四月十五日に説明を受けたところでございます。
 その際、文部科学省からは、調査結果の使用の仕方につきまして調査の趣旨を逸脱する懸念があるということ、それから、調査の適切な実施や学習指導への影響に関する懸念があることをお伝えをいたしまして、説明を求めるとともに、今年度の調査が適切に実施されるよう必要な対応を行って、その状況について検証することをお伝えをいたしました。
 大阪府教育委員会からその後、七月一日に本年度調査の実施状況の検証結果について報告がなされまして、それとともに、大阪府教育委員会の、決定した調査結果の使用について、本調査の趣旨を逸脱するものではないと考える旨の説明がされております。
 文部科学省といたしましては、こうした大阪府教育委員会の御説明も踏まえつつ、七月十七日には、有識者会議の取りまとめで趣旨を逸脱するとの見解が示されましたので、七月二十八日に、それも踏まえて大阪府教育委員会と協議を行いました。大阪府としては意見は変えないとのお立場でございました。
 これらを受けまして、八月二十日に、府知事の御希望によりまして文部科学大臣との会談が持たれ、改めて大臣から、調査結果を高校入試に関係させて用いることは基本的に認められない旨を伝えたということでございます。
○大平委員 そうした経過も経て八月二十日、下村大臣が松井大阪府知事に会って、この方針を認める立場を表明されました。
 大臣自身も繰り返し、調査の趣旨を逸脱するおそれがある、専門家会議の意見を尊重する方向で検討するとおっしゃってきていたにもかかわらず、なぜ認めたのでしょうか。
○下村国務大臣 平成二十八年度につきましては、今年度の調査について、過去にあったような過剰な対応で学校教育がゆがめられているような事態や不正等はなく、適切に実施されたこと、また、各学校では既に大阪府教委が決定したルールに基づく基準などが進められていることなどを考慮いたしまして、学校現場における混乱を避けるためには、例外としてやむを得ないというふうに判断をいたしました。
 しかしながら、平成二十九年度以降については、認められないという旨を松井府知事については明確に伝えたところであります。
○大平委員 今度の大阪府教委の決定と文部科学省の対応に対して、多くの批判や懸念の声が広がっています。本来の趣旨を逸脱し、少なくない現場の先生方や保護者の皆さんの不安や反対意見があるにもかかわらず、耳を傾けず決定した大阪府教委とそれを容認した文部科学省に対して、私も強く抗議をしたいと思います。
 来年度以降は今回のような活用を認めないと大臣はおっしゃいましたが、具体的には、どういう方法で今回のような事態が生まれないように対応されるおつもりでしょうか。
○下村国務大臣 今申し上げたように、八月二十日に松井府知事が来庁された際に、平成二十九年度以降の入試で全国学力調査の結果を用いることについては、調査の趣旨に反するため認めないということは伝えておりまして、このことを守っていただきたいと考えております。
 なお、大阪府教育委員会は、高校入試における調査書のいわゆる絶対評価の公平性の確保のため全国学力調査を用いることとしていますが、他の都道府県においては、十年前までには高校入試の調査書に絶対評価を導入しているというところであり、これまで全国学力調査を用いたことはない。つまり、今回、大阪は、一人一人の生徒ではなくて学校ごとの絶対評価のためにこの全国学力テストを使うということであったわけですが、ほかの四十六都道府県は、十年前にそれはもう既につくっているということであります。
 そして、今月の三十日に開催する各都道府県の高校入試の担当者会議におきまして、各都道府県における取り組みに係る情報を交換、共有することとしておりまして、それを参考にすれば、大阪においても二十九年度以降は、これは全国学力テストを使う必要は全くない、そもそも趣旨に反するということで説明をいたしました。
 それらの状況を踏まえ、来年度の全国学力調査の実施に向けた必要な措置を、大阪の動向も踏まえながら検討していく必要があるのであれば、さらにきちっと検討していきたいと思います。
○大平委員 今の御答弁で来年度以降の歯どめになるのかということを極めて疑念に感じますが、私は、そもそもは、文部科学省のこの間の学力テストの結果の扱いについての姿勢に大きな問題があるのではないかと感じています。
 文部科学省は、学力テストについて、調査により測定できるのは学力の特定の一部分だ、学校における教育活動の一側面である、そして、序列化や過度な競争が生じないよう、教育上の効果、影響等に十分配慮することが重要だと実施要項で示しているにもかかわらず、都道府県ごとの平均正答率を公表し、さらには市町村ごとの公表、さらには学校ごとの公表まで認めてきました。
 なぜそうした公表を行い、認めてきたんでしょうか。
○小松政府参考人 お答えをいたします。
 まず、全国学力・学習状況調査のこの調査結果につきましては、国としては、一つには、国全体の学力水準の状況について説明責任を有しております。その観点からは、全国平均だけを示すのでは十分ではなく、地域的な状況等を確認する観点も必要でございまして、都道府県単位程度の状況について公表することは、これは必要であるというふうに考えているわけでございます。
 他方で都道府県は、その規模、例えば域内の広さとか児童生徒数とか学校数とか、そういったことを考慮いたしますと、規模が大きく、さまざまな地域を包含するということから、公表した場合に弊害が生じるおそれは小さいと考えられます。
 これら、説明責任やその影響等を総合的に勘案をいたしまして、都道府県別の結果を公表するということにしているところでございます。
 それから、この調査は、保護者の方や地域住民の方々の関心の高い、学校教育の改善のために実施をしているという性質でございます。保護者や地域住民の方々に対して、国、教育委員会、学校がそれぞれ説明責任を果たすということも重要である一方、序列化や過度な競争による弊害が生じないようにするといった教育以上の効果や影響等に十分配慮する必要がございます。
 その双方の観点を踏まえまして、平成二十六年度の調査から、市町村教育委員会は、それぞれの判断で学校の結果の公表を行うことができる、都道府県教育委員会は、市町村教育委員会の同意を得た上で市町村や学校の結果を公表できるということにいたしました。
 そして、学校の結果の公表につきましては、学校の設置管理者、かつ、調査の参加主体であり、学校の結果の最終的な責任と域内の教育の状況に関する説明責任を持っております市町村教育委員会が基本的には判断することが適当というふうに考えております。
 文部科学省といたしましては、各教育委員会において、教育上の効果や影響を踏まえて、地域の実情に応じて、適切にその説明責任を果たす方法を判断していただきたい、そのための留意事項等も付してお願いをしているという立場でございます。
○大平委員 いや、まさにそういう姿勢が、そして公表を進め認めてきた結果として、この学力テスト、回を重ねるごとに教育を大きくゆがめる弊害が生まれ、まさに、序列化や過度な競争が生まれているんじゃないでしょうか。
 今、各学校が教育活動の充実というお話がありましたけれども、この学力テストの平均点を上げるためにどんなことをしているのか、大臣、御存じでしょうか。今、現場では、学テ対策と銘打って、休み時間や放課後まで学力テストの過去問などをやらせています。
 八月二十六日付の中国新聞では、新学期が始まってもテスト対象となる小六は、四月下旬のテスト実施日まで前年度の復習をするのが年中行事になった、配られた真新しい教科書が学力テストの翌日まで一切使われず、机の中で眠ったままに、六年生の新学期はそんな光景が普通になった、また、校長から六年生だけ四月の家庭訪問を中止すると告げられ、校長は県教委から補習にはいい時期だと示唆され、従わざるを得なかったという、こうした現場の実態がリアルに紹介をされています。
 平均正答率が全国平均より上か下か、全国何位なのかに一喜一憂し、先生も子供たちもこんなことに何の意味があるのかと思いながら、何度も過去問をやらせて問題の解き方をたたき込むといったこうした学テ対策が、私は、むしろ子供たちの学習意欲を奪い、荒れにもつながりかねないという懸念すら感じています。
 趣旨そのもの、あり方そのものを問い直すべきだという声がさまざまなところから上がっている。平均点競争を激しくし、教育をゆがめてしまう全国学力テストはもうきっぱり廃止にすべきではないか。少なくとも、全員参加による毎年の悉皆調査という形態は来年度から直ちにやめるべきだ。全員を対象に毎年行うから、大阪のような、入試への活用も可能になってしまうし、地域別、学校別ランキングなどが行われて、過度な競争につながってしまう。
 教育指導の充実などに役立てるという理由だとしても、抽出調査で何年かに一回行うだけでも十分ではないか。そうしてこそ大阪のような事態も確実に防ぐことができると考えますが、いかがでしょうか。
○下村国務大臣 過度な、過当な競争は、これは是正すべきだと思いますが、全国学力テストは、国としては、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握、分析し、教育施策の改善充実に生かす、また、教育委員会としては、自治体や学校の学力水準を検証し、教育委員会の施策の改善充実に生かす、学校としては、個々の児童生徒の学習状況を把握して指導に生かすとともに、学校全体としての指導方法の検証、改善につなげることを目的として実施しているところであります。
 このように、それぞれ学校等の状況は毎年変わるものであり、学校における指導方法等の改善、個々の児童生徒の課題に応じた指導の充実や学習状況の改善を行うためには、毎年調査を実施することが適当であると考えます。
 特に、国語、算数・数学につきましては、日常生活やあらゆる学習の基礎となる内容を教える教科であることから、毎年調査を実施することが必要であると思います。
 また、抽出調査では一部の学校のみが対象となるため、市町村や抽出対象でない学校は全国平均と比較したみずからの教育状況について把握することができないことから、抽出でなく悉皆方式で行うことが重要であると考えておりまして、文科省としては、現在の方式で継続的に調査をしてまいりたいと考えております。
○大平委員 子供たち一人一人にどういう指導が必要なのかという問題は、誰に言われるまでもなく、今、学校の現場で、先生方御自身で考え、同学年の先生たちなどと話し合いながら日々考えておられます。そのことをもって、この全員調査を毎年やるという理由にならないと私は思います。
 全国学力テストは毎年約六十億円の予算が使われています。今こそ、一人一人の子供たちに目が行き届くように、このお金を教育条件の整備にこそかけるべきだということを求めて、私の質問を終わります。
○福井委員長 次に、吉川元君。
○吉川(元)委員 社会民主党の吉川元です。
 本日は新国立競技場の整備計画についてお聞きしようと思っておりますが、その前に、昨日、大会のエンブレムの白紙撤回というのがありましたので、これについて幾つか質問をしたいというふうに思います。
 非常に残念な結果であり、大変遺憾であるというふうに思いますし、同時に、遅きに失したのではないかというふうにも思っております。国民の間で、本当にオリンピックは大丈夫なのか、そういう不安の声、きのうニュースなんかでもそういう声が流れておりましたし、それから、国際的にも、日本の信用といいますか信頼というものも大きく損ねたのではないかというふうに思います。
 同時に、今回のエンブレムの問題を見ておりますと、非常に国立競技場の建てかえ問題と類似をしているようなところが多々感じられます。政府や大会の組織委員会と国民の感覚が大きくずれていること、それを無視して原案に固執した結果、多大な無駄な費用負担が生じてしまった、これは非常によく似ておりますし、また、誰が責任を持つのかということについても非常にわかりにくい状況になっております。
 今回のエンブレム、昨日、その記者会見が行われまして、事務総長が会見されました。私が非常に疑問に思ったのは、この手の話というのは、エンブレムを白紙撤回するというのは非常に重要な決定でありまして、本来であれば組織のトップがまず立って話をすべきなのにもかかわらず、事務総長のみが話をする。そういう面でいうと、またその事務総長も、これは責任は誰にあるんですかと言うと、何かふわっとした、全体にあるんだみたいな話でありまして、こういうのも非常によく構造が似ているのではないかというふうに思います。
 それで、まずこれは遠藤大臣にお聞きをしたいと思いますけれども、昨日の会見を見ておりますと、模倣ではないけれども国民の理解が得られないということで、デザイナーの方も同じ考えで、みずから取り下げの申し出があったということであります。
 しかし、八月二十八日に、原案と原案の修正図案を使って、これは模倣ではない、転用ではないということを説明したばかりでありまして、また、昨日の話によりますと、その二十八日の説明に使用したイメージ図、これが転用があったということで今回取り下げということになったというふうにも聞いております。
 だとすると、これはエンブレムそのものの問題ではなくて、本人の、本人といいますか、このデザイナーの方の信用の問題が大きな原因だったんだろう。だとすれば、もう既にかなり前に明らかになりました飲料メーカーの景品について盗用があった時点で中止を検討するなど、もっと迅速に対応できたのではないかと思いますけれども、この点いかがでしょうか。
○遠藤国務大臣 これまでもいろいろな皆さんの声があったことは組織委員会でもしっかりと受けとめているということを聞いております。ただ、模倣でないというふうな中で取りやめることはいかがなものかという判断だったと承知をしております。
 昨日夕方、臨時の調整委員会が開かれまして、その席で、その制定過程またオリジナリティーから全く別物であると考えており、このことについては八月二十八日に記者会見を行い改めて説明をしたと。しかし、委員御指摘のように、会見で使用した展開図において第三者の画像が無断で使用されていること、これは組織委員会としても確認すべきだった、こう説明しておりますが、このエンブレムの原案が国内で開催された展覧会のポスターと類似することが指摘をなされた。そして、組織委員会では、九月一日にデザイナーの佐野研二郎氏と審査委員代表の永井一正氏も交えて会談を行い、その上で、原案のデザインについてはオリジナルであった、しかし、説明が専門的であり、広く一般の皆さんの理解を得ることは困難ではないかというふうな懸念が示された。そういうことで、組織委員会としても、これらの説明を受け、デザイン的、法的な観点からの説明は理解するものの、専門家でない一般の方々の視点からすると十分な理解を得るのは難しいと判断をし、また佐野氏からも、国民の理解を得られないのであれば撤回をした方がいいという申し出があったので、永井氏の合意も得て昨日撤回を決定したということであります。
○吉川(元)委員 これは組織委員会に本来聞くべきことだろうというふうに思いますので、これ以上は言いませんけれども、だとするならば、逆に聞きたいのは、八月二十八日のあの記者会見をしなければ引き続きこのエンブレムを使用した、あの二十八日の会見で使用した図案がまずかったというのであれば、二十八日の会見をもしやっていなかったとすれば、これはもしの話ですからあれですけれども、そのままエンブレムは使用したということにも今の答弁だとなりかねないというふうに思うんですけれども、その点はまたいずれ別の機会にお聞きしたいと思います。
 ちょっと気になるのは、私、テレビ等を見ておりますと、既にコマーシャルでこのエンブレムが使われているCMを幾つか見させていただきました。また、新聞等々を見ますと、いろいろ最初から疑惑が出たということで、使用について少しまだ検討中というところもありますけれども、場所によってはそういうCMをつくったり、企業によってはCMをつくったりとか、あるいは、小さな話かもわかりませんが、名刺にこのエンブレムを刷り込んだりとか、そういうことをされております。当然費用がかかっているわけで、この費用については、組織委員会として、例えば損失、賠償が求められた場合には対応するということでよろしいんでしょうか。
 実は、派手な発表のシーンがありました、煙がぼわっと出て幕がばんと落ちる。あれについても、東京都が七千万円を上限に負担をする協定を結んでいるというようなことも報道されておりますけれども、こうした費用については一体誰が最後の負担をしていくことになるのか。もしおわかりになれば、お答えいただければと思います。
○芦立政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど組織委員会に確認いたしましたところ、現時点におきましては、そもそも昨日撤回を決定したこともございまして、具体的にどの程度エンブレムが使用されてきたかということについてはまだ把握していないということのようでございます。
 今後の取り扱いにつきましては、まず組織委員会といたしましては、スポンサーを初めとする関係者に御理解をいただくために丁寧に説明を行いたいという今現状だというふうに聞いているところでございます。
○吉川(元)委員 そうしますと、今後の費用負担についてはまだ何も決まっていないということでよろしいですね。
○芦立政府参考人 今後詰めていくというふうに聞いております。
○吉川(元)委員 これもどこが負担をするのか、一義的には組織委員会ということになるのかなというふうにも思いますけれども、しっかりそこら辺は協議をしていただきたいというふうに思いますし、関係者にはきちんとした丁寧な説明をお願いしたいというふうに思います。
 今回の問題、国立競技場とよく似ていると最初に言わせていただきましたけれども、密室での選考過程、それから国民の意識との乖離というところが私は非常に似ていると思いますし、それから、先ほども、どこが負担をするのかもまだ決まっていないということですけれども、責任がどこにあるのかもよくわからないというのも私は似ているというふうに思います。
 そういう意味でいうと、これから、どういう形でエンブレムを決めていくのかはあろうかと思いますけれども、笠委員がおっしゃられた招致のあれでいいんじゃないかというふうに私自身は思っておりますけれども、いずれにしても、その選考過程というものが国民に理解される、理解できるようなものでなければいけないと思いますし、明確な責任体制を構築していくことが必要になるのではないか。
 そういう面でいうと、今回の問題を検証して、その上で透明性の高い選考を行っていくことが必要だと考えますけれども、大臣のお考えを伺います。
○遠藤国務大臣 新たなエンブレムの選定に当たりましては、組織委員会において、今回の経験を生かし、より開かれた形の選考を検討し、広く国民の皆様に愛されるエンブレムを選定する旨、説明をしており、そのような対応がなされるものと承知をしております。
○吉川(元)委員 しっかりと国民の理解が得られるような選考をお願いしたいと思います。
 では、続きまして、次の新国立競技場の問題について伺いたいと思います。
 まさに同じ八月の二十八日の日に新国立競技場の整備計画が明らかにされました。私はこれを見て、正直、ほかの委員も指摘されておりましたけれども、大変失望いたしました。
 というのは、千五百五十億という総工費ではなくて、総工費の財源のあり方、それから、オリンピック以降の使途や維持管理費、さらには、財源負担のあり方などの骨格が全く示されていない。そういう意味でいうと、それを抜きにしてその総工費が妥当なのかどうなのかと言われても、これは判断のしようがないわけであります。総工費だけを示すというやり方、これはまさに上下動を繰り返した前の計画と全く変わっておりません。今回、白紙撤回されてゼロベースからの検討をするというふうに言っていましたけれども、これでは意味がないのではないかというふうにも思わざるを得ません。
 まず、この千五百五十億の総工費、どのような計算に基づいて算出されたのか、文科省に、文科省というのかな、オリパラ室なのかな、伺います。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の新整備計画の策定に当たりましては、新しいスタジアムに必要不可欠なスペック、性能、機能をゼロベースから検討いたしまして、原則として競技機能に限定していく、あるいは、屋根は観客席の上部のみにしていく、それから、そのほかの諸施設の水準はオリンピック・パラリンピックのメーンスタジアムとして適切に設定していく。例えば観客席数については、大会時は六・八万人とか、そういう方針を決めまして、具体的なスペックを決定いたしました。
 工事費の上限の千五百五十億円についてでございますけれども、新整備計画で掲げているこういう性能、機能、スペックを前提に、その建設に必要となるコストを積み上げて算定した結果をお示しし、設定したものでございます。
○吉川(元)委員 資料を見させていただきましたけれども、古いといいますか、前の計画からここを削って、ここを削って、ここを削ってというふうな表が出ておりました。今言ったように、ゼロベースで考えるのであれば古い計画は関係ないわけで、そこからこれを引きます、これを引きます、これを引きます、床面積ですけれども。それは果たしてゼロベースというふうに言うのだろうかというふうにも私は思わざるを得ません。
 それで、ちょっと大臣の方にお聞きをしたいんですけれども、これはマスコミ等々に発表して新聞にも出ておりますが、それぞれのスタジアムとの検討比較ということが行われております。この検討比較も本当にそうなのか。
 例えば、国内だけでいいますと、味の素スタジアム、それから日産スタジアム、建設当時は横浜国際競技場ということでしたけれども。味の素スタジアムでいいますと、当時の建設費、二〇〇一年利用開始ですけれども、四・三倍。それから、横浜の方は一・九倍というふうになっております。
 いろいろと物の値段が変わったとかいうことが言われておりますけれども、例えば両スタジアム、味の素それから日産スタジアムですけれども、建設が行われた九〇年代後半でいいますと、例えば九八年の一月の消費者物価というのは二〇一〇年平均で一〇三・三、対ドル相場というのは一ドル百二十七・三円。それから、ことしの七月の消費者物価指数でいいますと一〇三・七で、対ドル相場は百二十四・二円と、ほとんど差がないという状況です。
 それから人件費、これはそれぞれの産業別でいろいろ違いはあるとはいいましても、九八年当時というのは日本の給与水準が最も過去高かった時期であります。これは国税庁の調査、民間企業所得の調査を見ますと、九八年については四百十九万円、それから二〇一四年は三百六十万円で、六十万円ぐらい下がっております。
 そういうことからしても、なかなかちょっと、ここまで高くなるというのは想定が私もしづらいところであります。
 それはさておき、今回の積算根拠について、再検討推進室というのは第三者の方々にその妥当性等々について検証してもらったのかどうか、この点について確認をさせてください。
○遠藤国務大臣 先に、先ほど、前回の二千五百二十から引いていったという話がありましたが、必要なものについて洗い出しをして、そして、それをゼロから積み上げていったということであります。
 それで、新整備計画の策定に当たっては、所要コストを的確に把握する観点から、従前案のスペックをゼロで見直し、計画の内容に即した所要コストの積み上げ、国内外の類似施設とのコスト比較、こうした三つのアプローチからコスト推計を行い、私たちは今回の上限額は妥当だと考えておりますが、今委員御指摘のように、専門家からの意見も必要というようなこともありまして、JSC内に設置された技術提案等審査委員会において専門家の見地からも御審議をいただいており、村上委員長からも、手法に関し、実現性があり妥当との評価をいただいております。
○吉川(元)委員 それともう一点、あわせて伺いたいんですけれども、今回、一千五百五十億、高いか安いかといろいろありますけれども、時期的な問題も含めて、既存のスタジアムを改修するという手段もあったのではないかと。例えば、先ほどの例に挙げました日産スタジアムでいいますと七万人が入るということでありますから、客席の規模でいうと十分対応できるということだろうというふうに思います。
 実際、与党内の検討の中でも既存の施設を使うというお話があったというようなことも私は報道等でちらっと見させていただきましたが、今回の白紙撤回、ゼロベースの検討という中にあって、既存スタジアムの利用という検討はされたのでしょうか。あるいは、もししていないとすれば、その理由も聞かせてください。
○遠藤国務大臣 二〇二〇東京大会の立候補ファイルにおいて、新国立競技場を開・閉会式、陸上競技、サッカーの会場となるようにして、その前提でIOCや国際競技団体等とも二〇二〇東京大会の準備を進めてまいりました。したがって、新国立競技場について、できる限りコストを抑制しつつ、オリンピック・パラリンピックのメーンスタジアムとして整備を図ることが適当と考えております。
○吉川(元)委員 既存の設備を改修して使うということは全く検討されなかったんですか。
○遠藤国務大臣 そういう御意見もありましたが、先ほど申し上げましたように、ファイルにおいて正式に提出をしており、また、IOCや国際競技団体とも協議をして進めてきましたので、適当だと考えております。
○吉川(元)委員 白紙撤回でゼロベースということであれば、私はそれも十分選択肢の中にあったのではないかというふうに思います。
 今回、当初二千五百二十億、当初といいますか白紙撤回の前ですね、二千五百二十億から一千五百五十億ということでありますけれども。ところが、これは先ほど他の委員も指摘がありましたけれども、あけてみると、この千五百五十億を発表する際に、この二千五百二十億が百三十一億円ぐらい膨れ上がっていたと。それこそ、後からしれっと述べられるわけですけれども、これまでの整備計画がいかにずさんだったのかということの私は一例だというふうに思いますし、こうしたことが国民の不信感をつくり出しているのではないか。
 今回、総工費一千五百五十億円、ここから追加の費用というのは発生をするんでしょうか。ふえる費用というのはないんでしょうか。
 先ほどから、大臣、消費税は八%で見ていると。ただ、一七年四月から、これは二%アップします。工賃といいますか、労賃等々の変化というのは、これはなかなか読み切れないところはあるかもわかりませんけれども、消費税に関しては、この間のところで景気条項を外していますから、どんなことがあっても一〇%にするというふうに政府は言っております。なぜこれを含んで計算をされないのか。そういうのも含めて千五百五十億で抑えるということでよろしいのかどうか。
○遠藤国務大臣 まず、昨日、公募の手続を開始しましたが、上限として千五百五十億円とうたってあります。当然、これを下回って応募、応札されるものと思っております。
 その上で、今、委員お話しありましたように、それ以上ふえないのかということでありますが、先ほど来申し上げております公共工事標準請負契約約款、この第二十五条については増額の可能性があります。
 それから、消費税につきましては、なぜ一〇%で計算しないのかということでありますが、少なくとも今、公募のときに私たちが想定しているのは、来年の暮れに建設契約を行う、当然その段階は八%でありますから、それに基づいて計算をし、そして、その後一〇%に上がった段階でその差額が生じれば、それは負担するということになると思っています。
○吉川(元)委員 ちょっともう時間が余りありませんので、少し飛ばして質問させていただきたいと思います。
 IOCの方は、これも先ほどどなたかが聞かれていたと思いますけれども、完成時期、二〇二〇年の四月では遅い、これは当然だと思います。オリンピックという世界的な大会の開会式が、ぶっつけ本番こけら落としというのは聞いたことがありませんから、当然、IOCは、一月には大会の組織委員会に引き渡すようにという要請をされております。
 この要請に対してどのようにお応えになるつもりなのか、また、このIOCとの調整というのはどなたがされるんでしょうか。
○遠藤国務大臣 二十四日だと思いますが、IOCのコーツ副会長、調整委員長でありますが、わざわざお越しいただきまして、そのときに、完成を、引き渡しを二〇二〇年一月末までにという御要請をいただきました。
 私としましても、可能な限り前向きに努力をしたいというようなお話をさせていただいた上で、このスペックの積み上げ、そして作業をする中で、これはJOCにお願いをして、少しでも早くできるような評価の方法はないですかという話をさせていただき、そしてそれを踏まえて、工期の期限は平成三十二年四月末としつつ、同年一月末を工期短縮の目標とした技術提案を求めるとともに、技術提案の審査基準においても工期短縮の提案に対しては加点することとするなど、工期を極力圧縮することができるよう取り組みをしたところであります。
 なお、IOCとの調整につきましては、組織委員会を通じて、関係閣僚会議の議長である私が、引き続き、東京オリンピック・パラリンピック担当大臣として当たってまいる考えであります。
○吉川(元)委員 二千五百二十億から百三十一億が何か知らない間にふえていた、それについて先ほど遠藤大臣は、これは工期を短縮するためにかかる費用だったんだ、恐らくラグビーに間に合わせるような、それが含まれていたというような答弁を少しされておられましたけれども、今回、その工期、例えば四月からできる限り早くということで、できれば一月にということで提案を受けるということですけれども、その際に、それをやるために千五百五十億を超えても、それは受け入れるということなんですか。
○遠藤国務大臣 先ほど、百三十一億について私が承知しておりますのは、二〇一九年の春に完成をするということで前の計画がなされて、その後にする作業、あるいは二〇二〇年のオリンピック後にまた追加しなきゃならない作業、こうしたものがありますねということがわかりましたので、それを加え、また組織委員会からの五十億円も加えて、そして百三十一億円としたものであります。
 それはきっちりここに踏まえましたので、これからさらにふえるものはないと思っております。これからふえるものはないと思っております。
○吉川(元)委員 だとすると、四月の完成も一月の完成も、それを三カ月前倒しをすることによって費用増は出ないということでよろしいんですね。
○遠藤国務大臣 少なくとも公募の段階で、評価点で、工期を短縮したものについては加点を、評価点を上げるというような仕組みにしておりますので、そういうことにはならないと思っております。
○吉川(元)委員 わかりました。
 次、財源について伺いたいというふうに思います。
 先ほど、その財源は全く明らかになっていないということですけれども、東京都の財源のあり方についてのみ、ちょっともう時間がありませんので、最後にお聞きしたいと思います。
 東京都の財源についてですけれども、から出る当初五百億円ということでいろいろと議論が行われました。六月九日の、当時、当時といいますか下村大臣、これは記者会見の場で、根拠法をつくりたい、準備をしたいと思っています、まず法律ですというふうに述べておられます。これについては、地財、地方財政法上も、割当的寄附金の禁止であるだとか、あるいは、自治体が処理権限を持たない事務に要する経費を負担させてはならないという規定がありますので、その上に立っての発言だろうというふうに思われます。
 この根拠法ということについてですけれども、今、まだ考えておられるんでしょうか。
○遠藤国務大臣 東京都とは、先ほどありましたように、最初の舛添知事との協議を進めた上で、改めて白紙撤回とした段階でいろいろな連絡を進めてまいりました。
 過般もお会いしたときに、この千五百五十億円ということを前提にどういうふうな協力をいただけるか、東京都からもこの私たちの推進室のチームに人を出していただいて、その協力していただく額について積み上げていきたいと思っておりますので、御指摘の点を踏まえ、早期に結論を得てまいりたいと考えております。
○吉川(元)委員 もう時間がないので終わりますけれども、ブエノスアイレスで総理が最終プレゼンでこういうふうに言っております。他のどんな競技場とも似ていない真新しいスタジアムから確かな財源措置に至るまで、その確実な実行が確証されたものとなるというふうに言っています。ところが、いまだに国立競技場の財源、どうするのか決まっていないということでいいますと、これは非常に私は大きな問題だろうというふうに思います。
 この後、サブトラック等々のお話も聞きたかったことがあります。常設のサブトラックがないと第三種になってしまって、第三種というのは、国際競技大会はもちろんのこと、国体やインターハイも開けなくなってしまう。そういうことでいうと、やはり私は常設のサブトラックというのは必要だと思いますし、このままいきますと、国立競技場なのか国立球技場なのか、これも全くわからなくなってしまう。こういうこともちょっときょうはただしたかったんですが、時間がありませんのでまたの機会に譲って、きょうは質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
     ――――◇―――――
○福井委員長 次に、公認心理師法案起草の件について議事を進めます。
 本件につきましては、山下貴司君外六名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、維新の党、公明党及び社会民主党・市民連合の五派共同提案により、お手元に配付いたしておりますとおり、公認心理師法案の起草案を成案とし、本委員会提出の法律案として決定すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。山下貴司君。
○山下委員 近年、我が国においては、みずから命を絶っている者が年間三万人近く存在しているという現状があることに加えて、東日本大震災の発生を受けて被災者に対する心のケアの重要性が改めて認識されたように、心の問題は、国民の生活にかかわる重要な問題となっており、学校、医療機関、福祉機関、司法・矯正機関、警察、自衛隊、その他企業を初めとするさまざまな職場における心理専門職の活用の促進は、喫緊の課題となっております。しかしながら、我が国においては、心理専門職の国家資格がなく、国民が安心して心理的な支援を利用できるようにするため、国家資格によって裏づけられた一定の資質を備えた専門職が必要とされてまいりました。
 そこで、本案は、近時における国民が抱える心の健康の問題等をめぐる状況に鑑み、公認心理師の資格を定めることにより、その業務の適正を図り、もって国民の心の健康の保持増進に寄与しようとするものであり、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、公認心理師とは、登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析等を行うことを業とする者をいうこととしております。
 第二に、公認心理師として必要な知識及び技能について、主務大臣が一定の受験資格を有する者に対して試験を実施することとしております。なお、主務大臣については、文部科学大臣及び厚生労働大臣としております。
 第三に、公認心理師においては、信用失墜行為を禁止し、及び秘密保持義務を課するとともに、業務を行うに当たっては、医師、教員その他の関係者との連携を保たなければならず、心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治医があるときは、その指示を受けなければならないこととしております。
 第四に、公認心理師でない者は、公認心理師の名称または心理師という文字を用いた名称を使用してはならないこととしております。
 第五に、施行期日は、一部の規定を除き、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日としております。なお、既存の心理職資格者等に係る受験資格等については、所要の経過措置を設けることとしております。
 以上でございます。
    ―――――――――――――
 公認心理師法案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○福井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 お諮りいたします。
 本起草案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○福井委員長 起立総員。よって、そのように決しました。
 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○福井委員長 この際、山下貴司君外六名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、維新の党、公明党及び社会民主党・市民連合の五派共同提案による心理専門職の活用の促進に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。郡和子君。
○郡委員 ただいま議題となりました決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。
    心理専門職の活用の促進に関する件(案)
  今日、心の問題は、国民の生活に関わる重要な問題となっており、学校、医療機関、福祉機関、司法・矯正機関、警察、自衛隊、その他企業をはじめとする様々な職場における心理専門職の活用の促進は、喫緊の課題となっている。しかしながら、我が国においては、心理専門職の国家資格がなく、国民が安心して心理的な支援を利用できるようにするため、国家資格によって裏付けられた一定の資質を備えた専門職が必要とされてきた。
  今般、関係者の長年にわたる努力もあり、「公認心理師」という名称で、他の専門職と連携しながら、心のケアを必要とする者に対して、心理的な支援を行う国家資格を創設する法律案を起草する運びとなったところである。政府は、公認心理師法の施行及び心理専門職の活用の促進に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。
 一 臨床心理士をはじめとする既存の心理専門職及びそれらの資格の関係者がこれまで培ってきた社会的な信用と実績を尊重し、心理に関する支援を要する者等に不安や混乱を生じさせないように配慮すること。
 二 公認心理師が臨床心理学をはじめとする専門的な知識・技術を有した資格となるよう、公認心理師試験の受験資格を得るために必要な大学及び大学院における履修科目や試験の内容を定めること。
 三 公認心理師法の施行については、文部科学省及び厚生労働省は、互いに連携し、十分協議した上で進めること。また、文部科学省及び厚生労働省を除く各省庁は、同法の施行に関し必要な協力を行うこと。
 四 受験資格については、同法第七条第一号の大学卒業及び大学院課程修了者を基本とし、同条第二号及び第三号の受験資格は、第一号の者と同等以上の知識・経験を有する者に与えることとなるよう、第二号の省令を定めるとともに、第三号の認定を行うこと。
 五 公認心理師が業務を行うに当たり、心理に関する支援を要する者に主治医がある場合に、その指示を受ける義務を規定する同法第四十二条第二項の運用については、公認心理師の専門性や自立性を損なうことのないよう省令等を定めることにより運用基準を明らかにし、公認心理師の業務が円滑に行われるよう配慮すること。
 六 同法附則第五条の規定による施行後五年を経過した場合における検討を行うに当たっては、保健医療、福祉、教育等を提供する者その他の関係者との連携等の在り方についても検討を加えること。
  右決議する。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○福井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○福井委員長 起立総員。よって、本件は本委員会の決議とするに決しました。(拍手)
 この際、ただいまの決議につきまして下村文部科学大臣から発言を求められておりますので、これを許します。下村文部科学大臣。
○下村国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
○福井委員長 お諮りいたします。
 本決議の議長に対する報告及び関係各方面への参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時十七分散会