第189回国会 文部科学委員会 第20号
平成二十七年十二月一日(火曜日)
    午後一時開議
 出席委員
   委員長 福井  照君
   理事 青山 周平君 理事 池田 佳隆君
   理事 石原 宏高君 理事 丹羽 秀樹君
   理事 宮川 典子君 理事 郡  和子君
   理事 初鹿 明博君 理事 浮島 智子君
      安藤  裕君    尾身 朝子君
      大串 正樹君    大見  正君
      門山 宏哲君    上川 陽子君
      神山 佐市君    工藤 彰三君
      小林 史明君    櫻田 義孝君
      下村 博文君    谷川 とむ君
      豊田真由子君    鳩山 邦夫君
      船田  元君    古川  康君
      古田 圭一君    堀内 詔子君
      山田 賢司君   山本ともひろ君
      中川 正春君    平野 博文君
      本村賢太郎君    笠  浩史君
      坂本祐之輔君    牧  義夫君
      中野 洋昌君    吉田 宣弘君
      大平 喜信君    畑野 君枝君
      吉川  元君    松本 剛明君
    …………………………………
   文部科学大臣       馳   浩君
   国務大臣
   (東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当)       遠藤 利明君
   財務副大臣        坂井  学君
   文部科学副大臣      義家 弘介君
   文部科学大臣政務官    豊田真由子君
   政府参考人
   (内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局企画・推進統括官)  高原  剛君
   政府参考人
   (内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局企画・推進統括官)  岡西 康博君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房文教施設企画部長)      中岡  司君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          小松親次郎君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長)            常盤  豊君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局私学部長)         杉野  剛君
   政府参考人
   (文部科学省研究開発局長)            田中 正朗君
   政府参考人
   (スポーツ庁次長)    高橋 道和君
   政府参考人
   (原子力規制委員会委員長)            田中 俊一君
   政府参考人
   (原子力規制庁長官官房緊急事態対策監)      大村 哲臣君
   参考人
   (国立研究開発法人日本原子力研究開発機構理事長) 児玉 敏雄君
   文部科学委員会専門員   行平 克也君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月七日
 辞任         補欠選任
  萩生田光一君     上川 陽子君
  馳   浩君     下村 博文君
同月九日
 辞任         補欠選任
  冨岡  勉君     丹羽 秀樹君
  義家 弘介君     豊田真由子君
同月二十二日
 辞任         補欠選任
  牧  義夫君     井出 庸生君
同日
 辞任         補欠選任
  井出 庸生君     牧  義夫君
十二月一日
 辞任         補欠選任
  前田 一男君     大串 正樹君
  菊田真紀子君     本村賢太郎君
同日
 辞任         補欠選任
  大串 正樹君     山田 賢司君
  本村賢太郎君     菊田真紀子君
同日
 辞任         補欠選任
  山田 賢司君     堀内 詔子君
同日
 辞任         補欠選任
  堀内 詔子君     前田 一男君
同日
 理事萩生田光一君十月七日委員辞任につき、その補欠として青山周平君が理事に当選した。
同日
 理事冨岡勉君及び義家弘介君十月九日委員辞任につき、その補欠として宮川典子君及び丹羽秀樹君が理事に当選した。
同日
 理事牧義夫君十月二十二日委員辞任につき、その補欠として初鹿明博君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
九月二十五日
 一、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案(平野博文君外三名提出、衆法第三四号)
 二、文部科学行政の基本施策に関する件
 三、生涯学習に関する件
 四、学校教育に関する件
 五、科学技術及び学術の振興に関する件
 六、科学技術の研究開発に関する件
 七、文化、スポーツ振興及び青少年に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 政府参考人出頭要求に関する件
 文部科学行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
○福井委員長 これより会議を開きます。
 理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い、現在理事が四名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福井委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、理事に
      青山 周平君    丹羽 秀樹君
      宮川 典子君 及び 初鹿 明博君
を指名いたします。
     ――――◇―――――
○福井委員長 文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局企画・推進統括官高原剛君、企画・推進統括官岡西康博君、文部科学省大臣官房文教施設企画部長中岡司君、初等中等教育局長小松親次郎君、高等教育局長常盤豊君、高等教育局私学部長杉野剛君、研究開発局長田中正朗君、スポーツ庁次長高橋道和君、原子力規制委員会委員長田中俊一君及び原子力規制庁長官官房緊急事態対策監大村哲臣君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 なお、本日は、参考人として国立研究開発法人日本原子力研究開発機構理事長児玉敏雄君に御出席をいただいております。
    ―――――――――――――
○福井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石原宏高君。
○石原(宏)委員 質問させていただきます。
 安倍内閣が掲げる一億総活躍社会、地方創生、いずれも教育がその根幹になると私は考えております。何よりも安倍政権は教育再生を最重要施策として掲げており、その実現に向けて政府が一丸となって全力を挙げていかなければなりません。人材こそが資源である我が国にとって、公教育において未来を担う子供たちをどのように育んでいくのか、このことが我が国の未来を左右すると言っても過言ではありません。
 そうした中、学校の先生の数、いわゆる教職員定数について、来年度予算編成に当たって、少子化に伴って教職員の数を機械的に削減すべきであるといった主張があるという新聞報道が連日のようにされています。私としても非常に危惧をしております。
 本日は、この教職員定数の問題に焦点を絞って質問をしたいと思います。
 私は、教育というものは、現場での教員と子供との触れ合いがよりよい環境の中で行われることが最も重要だと考えております。教員定数のあり方についても、まずは現場の実態を踏まえたものでなければならないと考えています。
 今の学校現場の実態について、馳大臣がどのように認識されているのか、お伺いいたします。
○馳国務大臣 まず最初に、衆議院の文部科学委員会が開催されるのは、私が大臣を拝命して初めてでありますので、改めて、職責をしっかりと果たしていく気持ちをお伝えし、また、誠意を持って答弁させていただくことをお誓い申し上げたいと思います。
 教育の現場の話でありますけれども、確かに、少子化ということで、児童生徒の数は残念ながら減りつつある状況はよく承知をしております。同時に、とはいいながらも、障害児の割合はふえております。また、小学校の加配ということを考えると、専科教員を求めていたり、また、不登校や子供の暴力に関する事案、ふえております。さらに、この十年で非常にふえているのが、日本語教育を必要とする外国人児童生徒の所属でありまして、こういったきめ細かい、一人一人の子供に対する配慮は、むしろ児童生徒が減っているという実情よりも、必要性が高まっているというふうに感じております。
 都道府県や市町村によっては、県単費、市単費で加配の教員を配置しておるのも実情でありますので、そういった実情を踏まえた対応が重要だと思っています。
○石原(宏)委員 少子化に合わせて教職員を減らせばよいという議論がなされている一方で、今、馳大臣の御説明にあったように、現場はとてもそのような状況ではないということだと思います。むしろ、少子化であるからこそ、一人一人の子供たちの能力を教育を通じて最大限に伸ばしていくことが必要であるのではないか、それが安倍内閣が掲げる教育再生ということではないかというふうに私は考えるところであります。
 政府の財政制度等審議会、財政審では、学校がいじめや不登校等の個々の課題に対応するための定数、いわゆる加配定数を少子化に合わせて削減し、増加させたいのであれば、その教育効果に関するエビデンスに基づく要求をしなければならないといった、いわゆるエビデンス論が主張されています。私も、エビデンスに基づいた教育政策は非常に重要だと思いますが、一部の数値のデータのみに基づいて教育の成果をはかるということは困難ではないかというふうに思います。現場の実感とは大分かけ離れた議論になっているのではないかというふうに懸念をしているところであります。
 教育の効果については、数値的なデータのみならず、各自治体の取り組み事例や、子供や保護者の方の声なども十分加味して、全体像としてとらえていく必要があるのではないかと思いますが、大臣の見解をお伺いいたします。
○馳国務大臣 石原委員御指摘のとおりだと、私も同様な認識を持っております。
 確かに、今財務省の方からも、予算折衝の中で、エビデンスに基づいた配置が必要ではないかというふうな指摘がありますが、それもまた一つの方向性として必要だともちろん思っております。
 しかし、教職員の配置と、学力とかあるいは学習状況の実態とか、また子供たちが落ちついて学校教育に取り組むことのできる環境整備といったものは数字だけではかり切れるものではないということは現場の教職員がよく存じておりますし、これまでの実態調査ももちろんそうではありますが、私も現場の視察などでも必ず言われるところであります。
 例えば、総理の御地元の山口県においても、学力テストの結果が余り思わしくないということで、独自に県単費で加配を加えて、以前と以降と比べて、学力テストの成果も実際に上げておられるところもございます。そういう自治体は、全国探せば枚挙にいとまがありません。
 そういった現場の声を十分に把握しながら、そういったエビデンスも活用しながら、機械的に削減することが全くナンセンスである、こういう決意を持って今後予算折衝にも取り組んでいくべきだと思っています。
○石原(宏)委員 大臣が山口県の事例を紹介していきましたが、私の地元の東京都においても、国による加配措置に加えて都独自の加配措置を行い、習熟度別の少人数指導を推進し、個に応じた指導の充実を行っています。その結果としまして、例えば、都の学力調査結果における上位層の割合の増加を見てみますと、加配を配置していない学校では三〇%しか上位層の割合が増加していないにもかかわらず、継続して加配を措置した学校では七〇%増加しています。また、習熟度別少人数指導の実施によって子供の理解度が高まっているというデータも示されているところです。
 他の自治体でも、こうした事例研究や、教育効果を示すデータや事例は多くあるのではないかと思いますので、文部科学省としても、ぜひ積極的に発信していただきたいというふうに考えております。
 それから、大臣が紹介された山口県の例でも東京都でも、国の加配措置だけでは足りず、自治体独自で、実態に合わせた加配措置を行っているという状況であります。加配は、学校が対応せざるを得ない課題に対して措置されているものであり、仮に国が加配措置をやめてしまったとしても、地方は引き続き措置をしなければなりません。
 こうしたことから、少子化に合わせた加配定数の機械的な削減という主張については、教育関係者のみならず、全国知事会など地方六団体からも、かつてないほどの強い反対の声が上がっているというふうに聞いております。
 先日の経済財政諮問会議の委員会でも、長野県の飯田市の市長から、国による加配措置の削減がなされれば、そのしわ寄せは地方が負うことになり、義務教育に対する国の責任を放棄するものであるといった懸念が表明されたと伺っております。
 加配定数の削減は国から地方への財政負担のツケ回しではないかという、地方の懸念や、そういった声について、どのように大臣が受けとめられているか、お考えをお伺いいたします。
○馳国務大臣 義務標準法の改正をしたときは、私も委員席におりましたが、多分これは全会一致で改正したと思います。
 その趣旨はやはり、都道府県が当時取りまとめておりましたけれども、その前に市町村において必要な加配等をメニューを出して、それを都道府県が取りそろえた上で、最終的に全体像の数字を見ながら文部科学省で決定をする、こういう方式に変えたということを覚えております。それも全会一致で法改正したということの意味を、私は今こそ、財務省、財務当局には理解を求めなければいけないと思っています。
 特に、加配については我々もやみくもにふやせと言っているのではなくて、戦略的に、現場の実情に応じて、ただし、財政には限りもありますから、そこを調整しながら、戦略的な充実、拡充、こういう表現で遠慮深く申し上げているつもりでありまして、このことについては、都道府県知事会からも、市町村会からも、また議会からも、しっかり文部科学省頑張れ、こういうふうなお声もいただいておりますので、そういった声を踏まえて交渉に臨んでいきたいと思います。
○石原(宏)委員 ぜひ地方の意見をしっかりと踏まえていただき、教育再生に向けて政府が一丸となり、子供たちの教育環境の充実に取り組んでいただくことを期待申し上げまして、まだ質疑時間が残っておりますけれども、私の質問を終わらせていただきます。
○福井委員長 次に、浮島智子君。
○浮島委員 公明党の浮島智子でございます。よろしくお願いいたします。
 本日は、坂井財務副大臣にもお出ましをいただき、ありがとうございます。
 また、馳大臣、御就任おめでとうございます。これまでも、教育行政、そして文化、スポーツ等、先頭に立って闘ってこられた方でございますけれども、これから文科行政の本当のかじ取り、先頭に立ってかじ取りをしていただくこととなりました。
 まず初めに、大臣の決意、そして抱負をお聞かせいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○馳国務大臣 浮島委員、いつも御指導ありがとうございます。
 実は私、参議院で当選させていただいて五年間、参議院の文教科学委員会に所属をし、衆議院にくらがえさせていただいてから十五年間、文部科学委員会にずっと在籍をさせていただいております。その間、政務官や副大臣も拝命をいたしました。
 終始一貫して、自分自身が高等学校の教員であったということも踏まえて、我が国の教育行政と科学技術、文化、スポーツ、この分野はまさしく日本の未来を占う重要な役割を持った役所であるという認識を持って取り組んできたつもりであります。さまざまな議員立法にも超党派で取り組ませていただきました。
 こういった経験も踏まえながら、またきょうお見えの委員各位の御指導もいただきながら、一つ一つの懸案を正面から見据えて課題を解決していくという前向きな姿勢で取り組んでいきたいと思いますので、また御指導よろしくお願いいたします。
○浮島委員 ありがとうございます。
 本当にたくさんの課題があると思いますけれども、一つ一つ真摯に闘っていっていただきたいと思います。私たちも全力でサポートしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 今、現在、政府全体で財政健全化に取り組み、本当に厳しい予算編成が強いられるということが予想されております。
 私が今、現状で大変危惧していることがございます。これから文部科学省として当面全力で取り組まなければならない点について、きょうは質問をさせていただきたいと思います。
 まず初めは、先ほど石原委員からもございました、教職員定数の確保についてでございます。
 先般、財政審におきまして、義務教育予算については、少子化に合わせて加配定数も含めた教職員定数を機械的に削減すべきとの考えが示されたことは、まことに遺憾でございます。
 また、公明党は、これからの時代に応じた新しい教育を実現することが喫緊の課題であるという認識のもとに、少人数学級の指導、そしてそれを推進していく、そして、小学校の専科教育、特別支援教育、いじめ問題、学校の組織運営改善など、教職員定数の充実を強く求めてきたところでございます。
 教職員定数は既に自然減をしています。また、加配の削減や、自然減をしている現在の教職員の定数をさらに機械的に削減していくということは、断固反対であります。
 また、この問題にどのように取り組んでいくのか、大臣の考え、決意をお聞かせください。
○馳国務大臣 義務標準法で、基礎定数と加配定数、こういうふうな言い方をして、これまで定数の拡充に取り組んでまいりました。このことは、公明党にも随分と御支援いただいて充実をしてきた、こういうふうに認識をしております。
 そして、今般、財政審、そして財務省の予算編成の方針について、非常に懸念を持って現場でも交渉に当たっております。
 どういう懸念かというと、少子化である、子供の数が減る、当然学級数が減る、それに従って先生も減る、一定の理解はいたしますけれども、加配の役割といったことについての認識がやはり財務省当局は十分ではないのかなという懸念を持っておることは、先ほども申し上げたとおりであります。
 残念ながら、対応すべき障害児は、少子化とは反比例してふえておるのが現状です。
 先ほども申し上げましたように、この十年で外国人児童生徒に対する日本語教育、当然、日本語さえ指導すればいいというものではなく、日本文化になじんでもらうための基礎教育としての義務教育の役割を果たさなければなりません。
 また、いじめ、そして不登校の事案といったものは、残念ながら、これはふえる、減るという問題ではなくて、さまざまな事案がある中で、課題を解決する多様性、複雑さというものは増してきております。この一つに、やはりスマホとかゲームとか、こういったものの普及があると思っています。
 また、小学校では、特に専科教員の配置によって、とりわけ現場から要望の多いのは理科とか体育、また、もちろん美術とか音楽であります。より専門的な知識、技能を持った教員が指導する方が、より子供たちにとっても伸び伸びと教育活動に取り組むことができるなどなど、そういう課題があるからこそ、県単費で、市単費で加配の教員を配置してきたわけでありまして、こういったことをやはり踏まえた上で、教職員の配置、定数の改善について取り組んでいくのが必要だと思います。
 その観点で、やはりエビデンスを活用すべきだという御指摘は、それは私もそのとおりだと思います。学力テストや学習状況調査は悉皆でやっておるわけでありますから、何らかの工夫をして、この結果、傾向、これをやはり踏まえていくことも重要だと思っています。そういったことは、当然、現場に蓄積されたものがございますので、したがって、やはり総合的に取り組んでいく、その姿勢が私は必要だと思っています。
○浮島委員 ありがとうございます。
 今大臣がおっしゃったように、本当にさまざま複雑化してきている中で、十一月二十七日にも行われました全国知事会の会議において、山田会長を初めたくさんの知事さんから、安倍総理に対して、教職員定数の削減については反対という声が上がりました。
 また、財政審では、基礎定数は少子化に伴う自然減をそのまま削減し、標準学級当たりの加配定数の割合を固定し、加配定数を少子化に伴う学級数の減に応じて削減するという考え方であると私は認識をしております。
 また、教育の強化のエビデンス、今お話もございましたけれども、この基づく予算の考え方というのは、教育という日本の未来を担う人材、この育成をする特別な分野は、今もお話ございましたけれども、実態に即した多角的な検証が必要であり、特定の研究の結果で得られた数値のデータのみに基づいて政策判断するということは、私は不可能だと思います。
 このようなことから、加配定数は学校現場が立ち向かう課題のそれぞれの実情に沿って算定されるものであるため、少子化に沿った削減は理論にも現実にも合わず、学校現場の教育力が低下すると私は考えております。
 財務省はこの加配定数の機械的な削減をするべきではないと私は思いますけれども、坂井副大臣の御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
○坂井副大臣 今のお尋ねでございますけれども、財務省が今お示しをしておりますのも、単に機械的に、単に削減をしておしまいという話ではなくて、その後に、先ほど大臣からも御指摘がありましたように、エビデンスに基づいて議論をした上で、加配の定数、加配の数についてはその中で決めていきましょう、こういうことを御提案させていただいております。
 例えば、経済財政諮問会議におきましても、データや実証研究の分析のもとで教職員定数の中期見通しを示し、エビデンスに基づくPDCAサイクルを確立し、予算要求を考える、こういったことが指摘をされております。
 また、先日、河野大臣のもとで行政改革推進会議が行われたレビューでございますが、そこの取りまとめに関しましても、さまざまな政策と同様に、教育政策についても、客観的、科学的なエビデンスに基づいて議論すべきであるという一文から始まる取りまとめが出ている、こういう状況でございます。
 あくまで、日本の教育を損ねてだめにしてしまうということを求めているのではなくて、日本の教育を守りつつも、しかし、今申し上げたような観点からしっかり議論をさせていただいて、議論のやり方を変えて、議論の仕方を、まずはベースラインというものをつくり、その上でプラスアルファというものをしっかり議論をした上で考えていきましょう、こういうことを今提案させていただいているということでございます。
○浮島委員 今の御答弁を聞いておりますと、機械的ではなく実態に即した検証が必要ということで、私の理解では、加配はただ単に切っていくことではないというふうに理解をさせていただきましたけれども、それでよろしいでしょうか。
○坂井副大臣 ただ切っていくだけではないということの意味が、ちょっと私が十分捉えているかどうかわかりませんが、まずはベースラインということで定数を下げていきますけれども、その時点その時点で、こういう状況があって、こういうことで必要だということで、今申し上げたような議論があれば上積みというのは当然考えるということでございます。
○浮島委員 ベースラインのお話もございますけれども、大臣も御答弁していただきたいと思いますけれども先ほどもありました、本当に、基礎定数によって削減するというものと違いますので、しっかりとそこのところは認識をしていただきたいと思います。やはり現場に即して、しっかりと加配というものをつけていかなければいけません。
 私も、今回、委員長もともどもに委員会派遣に行かせていただきました。トルコのイスタンブール日本人学校に行きましたけれども、ちょうど日本人学校の入り口の校門に行くまでにマフィアの家があるんです。そこを通っていかないと学校に入れません。そこに、入っていくところに銃弾の穴がいっぱいありました。子供たちが下校した後に銃弾がいろいろあって、それで学校の校舎に穴があいているということで、子供たちは非常に怖い中、授業をしているという状況を、私は行き、現場の声を聞きました。
 そこの現場の先生も、この加配というのがどれだけ重要であるか、子供たちの精神面でもというお話もされておりましたので、しっかりとそこのところを踏まえて、ただただこの自然減で切るということではないということで決意をしていただきたいと思います。
 では、馳大臣にもお伺いさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○馳国務大臣 先ほどの坂井副大臣の話を聞いていて、認識は十分にお互いにまだすり合わせされていないということを申し上げたいと思うんですが、科学的なエビデンスとか知見に基づいてというのを私も否定しているわけではありません。プラス現場の実態を踏まえてというこの一文がなければ全く意味がないということを、まず一点目で申し上げたいと思います。それがなければ、結局は、今、県単費、市単費でつけている部分という現場の実態を無視することになりますから。
 したがって、二つ目、ベースラインで、坂井さんは何かこうやって右肩下がりのような手の動きをしましたけれども、ベースラインというのは普通は平行にするものでありまして、ベースラインからさらに下げるということは、結局、地方にツケ回しをするということにほかならないわけでありまして、ここの考え方は、別に今けんかをしているわけじゃありませんが、ここの考え方、基盤的な考え方はやはりお互いに、実態を踏まえた、県単費、市単費でやらざるを得ない実態があるということを踏まえて、財務当局とやはりそういうしっかりとした交渉が必要だと私は思っています。
○浮島委員 ありがとうございました。ぜひとも全力で頑張っていただきたいと思います。全力で応援をさせていただきます。
 時間も限られてきましたので、もう一点だけ質問をさせていただきたいと思います。
 きょうは資料をお配りさせていただきました。写真にもありますけれども、学校の老朽化対策、これについて御質問をさせていただきたいと思います。
 今、耐震化の方はほぼ、復興特もありましたので、終了しているというところが多くございますけれども、これから老朽化対策、これをしっかりとしていかなければなりません。
 この写真にありますのは、川崎の学校を視察に行かせていただきました。そして今、子供たちがトイレに行くのを我慢しているということを聞きましたので、まずトイレの老朽化ということで視察をさせていただきましたけれども、この写真にありますように、この「トイレ」と書いてあるところは、入り口が一つで男女一緒になっております。入り口を入ると男性の方が見られて、女性の方があるというんですけれども、この女の子の方も、ドアではなくてアコーディオンカーテンになっております。それと、手を洗うところも、私がしゃがまなければ洗えないということにもなっておりまして、今生まれた子供たちというのは、生まれた家でトイレに行くというのもウォシュレットがある中で暮らしている中ですけれども、こんなところに行ってトイレをすることができないということで、すごくおなかが痛くなって授業も受けられないという影響が出てきております。
 今回、この老朽化対策、とても厳しいと思いますけれども、ぜひとも、子供たちがしっかりと学校に行って学べる、それも、トイレも行きながら、安心して学べる体制、ここは雨が降ると雨漏りがして、もう天井がぶくぶくして、いつ落ちてくるかわからないんです。ただ、耐震化は終わっているんです。そういう状況なので、子供たちの安心、安全のためにも、しっかりと老朽化対策をしていただきたいと思いますけれども、最後に坂井副大臣の決意をお聞かせください。
○坂井副大臣 学校が、特に公立学校で老朽化が進んでいるところがあるということは、私も、私は地元が横浜でございますが、地元の中学校のPTA会長もやっておりましたので、あちらこちらの学校に行って、その中で、体育館が雨漏りをしたりとか、学校のトイレもそうでございますが、いろいろな状況は私も見させていただいておりまして、老朽化対策は必要だ、このように思っておりますし、また、財務省といたしましても、児童生徒の学習、生活の場である学校の安全確保であり、そして、老朽化対策が重要だという認識はいたしております。
 このような観点から、御指摘いただきましたように、公立学校の耐震化につきましてはかなり進みまして、一部の例外を除き、完了する見込みとなっております。大体九八%ということでございますが、老朽化対策についても、限られた財源でございますので、しかし、その財源の中で優先順位をつけて、緊要性のあるものから順次対応していきたいと考えております。
○浮島委員 ありがとうございました。
 教育の柱は子供たちの幸福のためにあると思っております。我々公明党も全力で闘ってまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○福井委員長 次に、平野博文君。
○平野委員 民主党の平野博文でございます。
 きょう、改めて質問をさせていただきたいと思いますが、委員長にまず冒頭お聞きをしたいと思います。
 我々野党は臨時国会を召集してもらいたいということを強く再三求めているにもかかわらず、与党のどういう都合かわかりませんが、なかなか開かない。今、与党の先生方の質問を聞いておりましても、やはりそれぞれ所属の部隊においても、課題が山積をしている、こういう認識のもとに今質問をされておりました。
 私は、改めて、きょうは閉会中ということの中でも委員会を開いていただきましたが、我が筆頭にも、三時間やそこらでは到底だめだ、もっと回数をふやして諸課題に対応する委員会を開いてもらうように、委員長を初め与党の皆さんに強く求めてもらいたいということを私申し上げておったんですが、委員会を束ねる委員長としては、どうでございますか。それに対する御意見、回答があればお願いしたいと思います。
○福井委員長 お答えする立場でございませんけれども、今、平野大先生のお言葉につきましては、国会対策委員会にそのままお伝えをさせていただきたいと存じます。
 平野博文君。
○平野委員 国会対策というよりも、所管を預かる委員長としては必要なんだということで、委員長の職権でよく開くじゃないですか。そういう立場で、これからある時間軸の中でさらに開いていただくことをぜひ強く求めておきまして、私、何点か御質問をしたいと思います。
 まず、馳大臣、大臣御就任おめでとうございます。初めてでございますから、同じネクタイをしておりますが……(発言する者あり)三人、遠藤大臣も一緒でありますが。私は今、野党であります、お二人は大臣という重責を担っておられますが、私もいっとき文科省にいた、思いもございまして、その当時と比べて極めて残念なところと、先ほど自民党、公明党の議員の皆さんが御質問しておられる、このことについては非常に共感を得るところもあるし、もっと求めていかなきゃならない、こういう点もございます。そういう視点も含めて少し御質問をしたいと思っております。
 先ほど来からお話がございました教職員定数の改善と少人数学級、こういうことでございますが、先ほどの、財政審、少子化に伴って三万七千人を削減できるという建議が出されました。昨年の少人数学級の効果を否定するような建議であると私は思って、極めて残念に思います。
 その結果として、先ほど石原さん、浮島さん含めて、強く与党の立場で求めておられました。私は野党の立場でありますが、我々が政権のときにやってきたことは一体何なんだ、こういうじくじたる思いで私は思っています。文科省の皆さんも、そういう思いのもとで努力をしてこられたわけであります。私どもは、三十五人学級、二学年まで、何とかこぎつけてまいりました。しかし、二十六年、二十七年度の部分におきましては、もう文科省ですら政策目標にその部分を掲げていない。これについては極めて残念でなりません。
 したがいまして、まず、文科省が新しく旗印にしておりますチーム学校という、チーム力で頑張ろう、こういうことも出ておりますけれども、私はやはり、少人数学級の教育上の効果がないということについては断じて認めるわけにいかないし、あるんだという思いで今日まで進めてきたわけであります。
 そういう視点で、きょうは、財務省、副大臣がお越しでございますが、財務省にお聞きをいたします。
 財政審がエビデンスという言葉をよく使っておられますが、今、文科省を含めて、それぞれの事例を含めてエビデンスは示されていないというふうに認識をしてああいう数字が出てくるのでしょうか。まずそこをお聞きしたいと思います。
○坂井副大臣 数字に関しましては、これは、生徒の数が減少することが予想され、その結果、クラスの数も少なくなることが予想されるという中で、一定の基礎定数の割合、そして加配定数の割合というものを勘案して出てきたものであります。
 その上で、当然のことながら、必要な教職員の数をその後プラスしていくという議論の中で、先ほど申し上げているエビデンスという、科学的な議論をしていきましょうということを申し上げているところでございます。
○平野委員 では、財政審でそういう議論、ただ単に数合わせの議論だけでそういうことを言っておられるのか、どんな数字、データに基づいてそういう結論を財政審の中で導き出したのか。その具体的な資料というのはどういう資料で出しているんですか、それは。
○坂井副大臣 今現在、平成二十七年度、基礎定数割合が十六・三人となっておりまして、これを平成三十六年度も十六・三人のまま一定にする、そして、加配定数割合に関しましては、一・六人となっておりますものをそのまま維持いたしまして、平成三十六年度も一・六人にする、こういうことで、先ほど申し上げたベースラインと言われるような数字を出しております。
○平野委員 そこで、そのベースラインというところの認識の違いがあるし、単純に、私も出身は田舎でありますが、田舎でいいますと、ここのところ、統廃合ばかりやっているわけですよ。だから、子供、生徒が少なくなりましたからといって先生を減らしていいということにはなかなかなりにくいんですよ。
 加えて、今の教育環境に伴う、時代が複雑になっている中でいろいろな事案が一方ではたくさん起こっている、三十年前には考えられない事案がたくさん起こっている、そのことに対してもしっかりと対応する。誰が対応するんですか。やはり教育現場がしっかりそのことに対応していくことが新たな課題として起こっていることは事実なんです。
 それに対して、財政審は現場の実態を把握して物事を論理構造として出してきているのかというのが私は甚だ疑問でなりません。
 現場をわかっているのは、私は文科省だと思います。文科省も、現場を十分把握しているか、私は、これについては文科省はしているだろうと期待をしておりますが、一番現場で苦労しているのが地方公共団体であり基礎自治体なんです。そのところを十分に吸い上げた議論として財政審も同じように財政構造の観点から指摘するならば私は理解をいたしますけれども、そういう視点が余りにも欠落しているんじゃないでしょうか。
 十分やっているというふうに認識していますか。
○坂井副大臣 十分かどうかという点に関しましてはそれぞれの御判断があろうかと思いますが、現場の声、現場の実態といったものも勘案して議論をされているものと思っております。
 そして、先ほど申し上げましたように、ベースラインはあくまでも、教職員定数を議論する際の、その議論の仕方を変えましょうということでありまして、ベースラインというものの数字を決めた上で、その上で、より必要な、現場の実態に合わせて、必要な教職員に関して必要な理由や必要な条件、そしてその結果、得られる結果というものもそこでしっかり議論をして数をふやしていきましょうということでございますから、その議論の中に、いわば財務省と文科省とのやりとりの中に、現場の声や実態であるとか、そういったものが十分反映をされて、そしてその結果、最終的な加配の人数というものが出てくるものと考えております。
○平野委員 副大臣、ちょっともう一回、言葉をかえて言いますよ。
 機械的試算による配置が子供の教育に影響しないというエビデンスを財務省は持っているんですか。言っている意味、わかりますか。逆に言ったんですよ、今、質問は。
 文科省が示している少人数学級の効果のエビデンスがどうなんだと。我々は一生懸命示してきたけれども、認められない。
 財務省が、今度は逆に、機械的に計算をして、人数が減っていきますからどうなんですか、このことについて、減らしますよと言うところのエビデンスは何なんですか。
○坂井副大臣 正直申し上げまして、逆のエビデンスというものを今財務省が持っているかどうかということは定かではありません。
 しかし、それを議論のスタートとして、先ほど委員もおっしゃられたように、最も現場を熟知して、最もいろいろなデータを持って、もちろんいろいろなことをよく知って御存じなのは文科省でありますから、議論のスタート点、出発点として、そこからそういった議論を加えることによって現場の実態に合わせた教職員の定数増というか、そこからプラスアルファを議論していきたいということで、その議論、いわばその決めるときの議論の仕方をこうやって変えましょうということを提案させていただいているということです。
○平野委員 馳大臣に御答弁いただいて結構ですが、やはり、エビデンス、エビデンスと言われて、文科省は一生懸命現場の声を吸い上げてきて、こういう効果があります、こういう事案もありますと言っているのに、財政審は言うだけですか。根拠を持って言わなきゃかみ合わないじゃないですか。
 ましてや、教育現場というのは、そういう政治的な云々要素よりも、しっかりとした我が国の次の世代、国益を担うゾーニングであります。そこにもっと投資をする、このことこそ、私は、これからの日本をさらに発展させる原動力になると思っているんです。そういう意味で、しっかりと、そういう現場でやっている声を十分に踏まえて財政当局としても考えていただきたい。
 私も、大臣のときには、財務省との予算の折衝を含めて、力のない大臣はだめですねみたいな批判ばかりされる。これは違う。もっとやはり現場を見ていただきたいと思いますし、今度の大臣は力もありそうだし、私は期待をしておりますし、何か大臣、言いたいそうでありますから、どうぞ。
○馳国務大臣 先ほどから平野委員と坂井副大臣のやりとりを聞いていて、ベースラインの設定の仕方がそもそも違うんじゃないんですかというのが、私というか文部科学省の主張なんです。
 なぜかというと、加配というふうな表現を副大臣もやっとしていただいておりますが、そもそも加配の中には、県単費、市単費で、やむを得ずつけざるを得ないという人件費が入っているんですよ。そこをベースにして積み上げるという議論をされた場合に、結局そこに穴があいてしまうわけでありますから、これは地方へのツケ回し以外の何物でもないというのが私どもの主張であります。
 ベースラインというのであるならば、そもそも、県単費、市単費で、本来必要なものをやっておる現場の声を踏まえた上で、その上での戦略的な加配の数字のつけ方といったことを議論し合うのが本来の財務省のあるべき姿だ、私はそう思っておりますので、まずベースラインの設定の仕方が、考え方が違う。地方にツケ回しをしてどうするんだ、このことをやはり議論のスタート地点にするべきだと思っています。
○平野委員 全く馳大臣とは同感であります。そうあらねばならない。財務省だけがよくなって、どこかがむちゃくちゃ負担を強いられる、これは本来のあるべき姿ではありません。
 したがって、大臣、ぜひ、そういうお考えのもとに、ベースラインをしっかり合わせていただいて、結果の帰趨として、教育環境がさらなる我が国の国益のために充実していくことを強く求めておきたいと思います。
 なおかつ、加配という制度設計で、やむなく加配をしてきた、あるいは加配をせざるを得ない環境に置かれている、こういうところもあると思うんですが、加配というのはなかなか、数字を決められる時期と、現場との、配置とのギャップがあるんですね。これをもっとギャップのないように。といいますのは、地方自治体を含めて、本当にくれるのかな、くれないのかな、なかなか決まらないということでは、現場の教員配置の調整が非常に難しい、こういうことでありますから。
 私はやはり、加配ということは大事だと思っておりますが、基礎定数をしっかり持つことだというふうに思っていますので、そのこともあわせて、馳大臣、力がある大臣でありますから、よろしくお願いしたい、こういうふうに思っております。
○馳国務大臣 やはり予算折衝でありますし、当然、私も内閣の一員として財政健全化に向けて努力をしなければいけないメンバーであることは重々承知をしております。その立場を踏まえた上で、やはり、基本的な考え方、またエビデンスに基づく加配のあり方といったものは、お互いに資料を突き合わせながら交渉していくべきだと思っています。
 何度も申し上げるんですけれども、残念ながら少子化ですけれども、対応を必要とする障害児の数はふえています、随分ふえています。先ほど申し上げたように、外国人の児童生徒への対応をする、日本語指導、日本文化といいますか、日本で生活する上での普通教育を指導する教員の数も、要求は本当にふえております。いじめもしかり、不登校の問題もしかり、また小学校における専科教員の配置もしかりといったように、また、習熟度別の教育で、やはり学力を引き上げたり一人一人の課題に応じた指導ができる環境は十分に成果が上がっております。
 そういった数値を財務省が出せと言うのであるならば、全国の自治体からたくさん今お寄せいただいておりますので、お示しをすることは十分可能です。
 したがって、そういったことを踏まえて、エビデンスや科学的知見というだけではなくて、そこに現場の実態を踏まえた教職員定数の適切な配置、このことについて取り組むべきだと思っています。
○平野委員 大臣とは、課題、思い云々につきましては、我々としても認識は共有化しているつもりであります。
 きょうの朝から、与党の議員の御質問、我々も含めてこの委員会、やはり教育現場におけるこの問題については危機感を持っていることは事実であります。また、私、与野党の筆頭を含めてこの委員会で、つい先日の財政審が極端な内容の建議をしたという思いがあるものですから、何とか委員会でこの思いを決議してもらいたいということで、筆頭間で調整をお願いしておりました。最終的に結論が出たというふうに聞いておりませんが、四時まで委員会があるわけですから、四時までの間に与党の中でもしっかりとそのことを含めて取りまとめをしていただきたいと思っておりますので、この点はつけ加えてお願いをしておきたいと思っております。
 時間が短いものですから、次の問題に行きたいと思います。
 次は、奨学金の問題でございます。
 これも、どうでしょうか。今、学生を取り巻く環境を含めて、奨学金のあり方というのは本当に、昔よく言われました、所得が上がらないために、あらゆるローンを借り切って大変貧困の連鎖に陥っているという生活環境になっている国民が多いという時期もありました。今もそうかもわかりません。この問題が今度は学生の生活環境の中に大きくのしかかっているのが今の現実の姿ではないでしょうか。
 少しデータでとってみました。今の大学の環境というのは、授業料が大きくはね上がってきました。一方、親御さんの家計の収入というのはずっと低迷をしている。こういう状況の中で、我が国で奨学金を利用している学生がかなりのウエートを持って高まってきた。学部の学生でも五二%が奨学金を受け取っている、大学院生においては六〇%を超えている、すなわち、過半数の学生が何らかの奨学金を利用している、こういうことであります。
 その九割が、今、現行の日本学生支援機構の貸与型の奨学金を利用している、こういうことであります。機構の年間の事業費は、大体、一兆円を超えて一兆一千億円、無利子、有利子合わせてそういう規模になっているわけであります。
 一方で、奨学金を返済できないで困っている学生さん、これも結構おるわけであります。滞納三カ月以上の方については、二十一万人の方が滞納している、滞納額は二千六百億円にもなっている、これが今現実の姿であります。
 そういう状況に鑑みて、減額をする制度や、あるいはいろいろな意味で、所得連動型に変えていく等々を含めて若干の改善の余地は見ておりますけれども、なかなか、高等教育における学生の負担、これは軽減にまだまだ行っていない、こういうことでございます。
 したがいまして、私はきょう、我が国の奨学金のあり方、高等教育の無償化への方向性をしっかりと見出しながら、若干の質問をしてみたいと思います。
 まず、大臣、奨学金というのは、どういう目的で奨学金制度ができ上がったんでしょうか。
○馳国務大臣 奨学金は、まさしく、意欲と能力のある学生が経済的理由で進学を断念せざるを得ない、こういうことのないように、意欲と能力のある若者に学ぶ機会を十分に保障するためにこの制度がとられ、また継続してきているものと承知しております。
○平野委員 おっしゃるとおりだと思います。
 しかし、これは奨学金を受け取る本人の受益だけの問題なのか。結果として、すばらしい人材をつくっていくための、教育機関で学ばせる、学んでもらう、そのことが国の、国家の受益にもなるんだという概念というのがこの今の奨学金制度にあるんでしょうか。
○馳国務大臣 基本的にはまさしく個人に対しての奨学金というものでありますが、制度と考えた場合に、また文部科学省もやはり、有利子から無利子へとか、所得連動型の返還猶予型の制度とか、また給付型の奨学金制度、こういったメニューを取りそろえて検討している状況を考えると、国家としてやはりこういった有為な人材を育成し続ける責任があるという側面も私は否定できないと思います。
○平野委員 側面というよりも、やはり、本人の人材、本人の能力を高めていくと同時に、その方が次の日本を担っていく人材だということであれば国の国益にもなるわけでありますから、個人の負担、ある意味国の負担も含めて、そのことが結局、負担ではなくて国に返ってくるんだ、この社会に返ってくるんだという概念をもっと強めていただかなきゃいけない。これが今奨学金における悲鳴を上げている姿の声だと私は思っています。
 ある意味、そもそもこの奨学金ができたのは、戦時中にでき上がった奨学金制度であります。これは、大日本育英会という、一九四三年でしたかにでき上がった奨学金制度であります。これは有利子ではないんですよ、無利子なんですよ。無利子で発足したのが奨学金制度の最初なんですよ。
 ところが、石油ショックとか、いろいろな意味で財政事情という概念だけが先行されて、教育というのは親の責任、個人の問題だ、こういうことで、銀行ローンと同じ制度設計につくり変えていったんです。そこに大きな矛盾と大きな課題が今日起こってきているというのが現実の姿ではないでしょうか。
 大臣、認識は同じですか。
○馳国務大臣 奨学金制度についての歴史をひもとけば、確かに、国家として必要な人材を経済事情にかかわらず支援していくという理念といったものは昔も今も変わらぬものでなければいけないとは思っています。
 と同時に、財政事情ということは、これもやはり、我々は将来の子供たちには借金のツケ回しをしてはいけない、そういうことはやはり念頭に置かなければいけないので、そういった意味での財政事情を踏まえて奨学金制度も変遷をたどってきたもの、こういうふうに思っています。
○平野委員 我々の二、三十代のころというのは高度成長時代で、奨学金を借りても、景気がよくなり所得も上がっていく、ある意味インフレになっていく。今借りておっても、結果的に、十年後、二十年後の返済時期の負担というのは実態的には軽減される、こんな思いのもとに多分奨学金制度ができ上がって、それに甘んじてきたんです。
 ところが、実質所得はどんどん下がっていく、なかなかインフレで上がっていかない、そうすると、全部そのままスライドで、負担増だけが残っている、こういうことであります。
 その一例を少し申し上げますと、アメリカで、奨学金の部分でいきますと利息は大体四%を超えているんじゃないでしょうか、利息の部分でも。日本は〇・六とか〇・一とか言っていますが、日本は利率が低いじゃないかとよく言うんだけれども、実態は、本人の負担感からいくと、アメリカは何%ぐらい成長して、実際は、日本の負担感から言えば、日本の返済を強いられる方々から見ると、その二分の一、三分の一以下になっているんですね。日本は相変わらずそのまま引きずってずっといっている、この二十年ずっといっている。負担増だけが残っている。
 これが現実ですから、この際に思い切って、国の宝を、次の国の繁栄を担う大きな中心でありますから、改めて、個人の負担ということよりも、もっと国がそのことを分かち合う、負担を分かち合う制度に私は切りかえていくべきだと思っております。
 特に、なぜそう言うかといいますと、やはり諸外国と我が国の教育予算を、よく言われる事例でありますが、OECDの中でも日本が一番先進国では低い。ある冗談で言う人は、低い中でもこれだけ頑張っているんだからよく頑張っているということを文科省の中でも言う幹部の人がいますが、ばかなことを言うな。倍にすればさらに、私は、世界に冠たる日本の教育機関としての機能を持つんだと思っています。
 昨今、大学の、アジアにおける位置づけが随分下がってまいりました。この点を含めて、財政の事情はいろいろあると思いますが、国の税金の再配分ですから、配分の仕方をもっと人に配分をしていく、こういうことで、特に教育、人材を育成する、こういう視点のところに私はもっといくべきだ、こういうふうに思っておるわけであります。
 文科大臣、先ほど大臣も、衆参合わせて二十年この文教でおられたとおっしゃっておられました。教員の経験もあるとおっしゃっておられました。私も文科省にいた時期がございます。
 改めて、奨学金という、教育ローンではないんです、奨学金という立ち位置を、やはり人材を育成する、特に所得の低い人、この方については、私は、無償でやるどころか、やはり給付型の奨学金にしていく等々を含めて、今の現実で、七割が有利子、三割が無利子、一部、給付型につきましてはもう民間しかやっていない、こんな現実を抜本的に改めていく、こんな考え方はありませんでしょうか。
○馳国務大臣 充実をしていく、そんな考え方は十分持っておりますが、先ほど来申し上げておりますように、有利子から無利子へ、この事業を、数字を見ますと、平成二十四年度で三十八・三万人だったものを平成二十七年度で四十六・七万人、実にこの三年間で八・四万人もふやしてきております。来年度の概算要求においても、より一層の拡充を要求として出しております。
 加えて、所得連動返還型奨学金制度を平成二十九年度進学者から適用することを目指しておりまして、そのために、本年九月に有識者会議を設置し、制度設計を進めるとともに、システムの設計、開発に着手しております。
 加えて、給付型奨学金については、将来的な導入を目指し、検討を進めているところでありますが、これら三本の矢の充実を図っていく必要があると思っています。
 前の下村文科大臣も、OECD諸国の中でも教育に対する公財政支出の割合が極めて脆弱な我が国の財政構造を憂えて、やはり教育投資のためのしっかりとした財源を確保すべきという提言もお出しになって、そのための制度設計についても文科省としても今取り組んでいるところであります。
 とりわけ、その中でも、高等教育への支援と、また幼児教育の無償化に向けての支援というのは、私は、これこそ、一億総活躍社会とうたっているこの政権において真っ先にやはり取り組んでいかなければいけない課題である、こういう認識を持っておりますので、改めてそういう決意で取り組まなければいけない、そう思っているということはお伝えしたいと思います。
○平野委員 ぜひお願いをしたいと思います。
 ただ、その中で、今新しい制度設計を考えておられる、こういうことですが、今現実に、新しい人はそういう制度設計のもとにやられるわけですが、既存の奨学金を今受けておられる方も同じように苦しんでいるわけであります。
 特に、第一種の無利子の対象になっておられる方、あるいは資格対象であるんだけれども、やむを得なく、財政事情が許さないから有利子に行かざるを得ない人、これが七割もおるわけですから、七、三で見たときに、七割の方の中で、本当は無利子の対応ができ得る人もやむを得なく有利子で受けている、この方々も救ってあげなきゃいかぬ問題だと思っていますので、新規の制度設計をするときには、既存の受けておられる方々についても何らかのやはり対応をぜひその中に組み込んでいただきたい、かように思います。
 そうしなければ、私はこうなると思います。社会に出て、最長二十年で返済をしていきました、結婚して云々をしていきました、その子供が今度また同じように奨学金を受けていく。エンドレスのように、奨学金の返済が生涯にわたる、二世代にわたっていく、こんなことが必ず起こってくると思いますし、現実に起こっているところがあると思うんです。
 したがって、新規に今大臣がおっしゃるような仕組みをつくろう、将来的には無償化だ、こういうところも含めて考えておられることは結構なことだと思いますが、現実的な、今苦しんでおられる人をまずどう救うか、こういうことをぜひ早期に、優先順位をそこにつけてぜひやっていただきたいと思います。
 既存の受給者への適用拡大、特に、有利子でおられる方を無利子にしたときの利子補填を例えばした場合、これはどれぐらいの金額、財源になるんでしょうか。
 文科省、誰か来ていませんか。大臣が全てお答えされると思って、言っておりませんが。登録していなくてもいいんですか。
○常盤政府参考人 お尋ねは、今の有利子を無利子に転換するということでございますが、その点についてはいろいろな試算の考え方があろうと思いますけれども、利子補給の観点に立ちますと、年間で八百億が毎年継続をするという試算があるということでございます。
○平野委員 大体八百億ですね。
 これは、知恵を絞ればその部分は出てくるんじゃないでしょうか。八百億全てとは私申し上げませんが、既存の方々に対する対処と、今大臣がおっしゃった、次に向かっての理屈をあわせて、ぜひ前向きに、優先をつけてお考えいただきたい。我々も今検討しておりますので、知恵を絞って、やはり子供のために、我が国の将来のための人材をつくる、こういう視点でぜひ御指導もいただきたいと思いますし、今一番やれる立場の大臣ですから、ぜひ、御検討を強く求めておきたいと思います。
 時間がないので次に参りたいと思います。
 耐震についてのお話でございました。私のときにも、まず耐震を優先する、こういうことで、先ほど浮島先生の方からありましたが、耐震ばかりが優先されて、施設の老朽化という視点にやはり軸をもっと移していかなきゃいけない時期に来ているのではないか。
 加えてもう一つは、そのベースの財源を復興財源で今日までやってきた。そうすると、これから老朽化のところがあるんですが、その復興財源が打ち切られる。そうなったときの原資をどこで見出すのかということが、私が文科省にいたときにも、必ずこれは起こってくる問題だろうというふうに思っておりました。
 しかし一方では、国公立の部分については大方耐震は終わった。私学についても九十数%まで来ている。しかし、老朽化という問題についての対処はこれから必ず来るわけでありますので、これについても、先ほどの御質問の中にありましたが、私も全く同感でございますので、ぜひこの点については強く求めておきたいと思います。
 文科省も、多分、施設を御担当されている部署においても、予算措置をどうしていくんだ。今までは補正でとってきたりいろいろしておったわけですが、そういういろいろな知恵を絞ってこの原資をぜひ見出していただきたいな、このことを強く、まず求めておきたいと思います。時間がないので、では最後に答えてください。後で聞きますから。
 さて次に、時間配分を間違えますと残っちゃいますものですから、せっかく遠藤大臣が来られていますから、質問せずに空振りに終わると大変失礼になりますから、二、三しておきたいと思います。
 国立競技場、エンブレム等々、二〇二〇年に向けていろいろな、国民から見たときに、何をしているんだと御批判をいただいた部分もありますが、何としても二〇二〇年に向かってしっかりと頑張っていただきたいと思っております。
 特に、今回スポーツ庁ができ上がりまして、障害者スポーツと健常者スポーツの問題というのは、やはり、健常者であろうが障害者であろうが、スポーツにはその垣根はございません。今まで、役所が違う、生い立ちが違う、イギリスから発祥したものだとか、いろいろなことを言われましたけれども、今回スポーツ庁ができて一緒になった、こういうことであるわけであります。
 したがいまして、報奨金の問題であります。
 私も、官房長官のときに随分御要望をいただきました。文科大臣のときにもいただきました。随分関係者に御努力をいただきましたが、なかなかまだ差が縮まってきません。報奨金のためにオリンピックをやる、スポーツをやる、こういうことではありませんが、ロンドンでのときには、金メダルは三百万、銀メダルは二百万、銅メダルは百万。パラリンピックについては、金メダルが百万、銀メダルが七十万、銅が五十万。努力があって、ソチからは、今度は金が百五十万、銀が百万、銅が七十万とふやしていただきましたけれども、まだまだやはりオリンピックの半額でございます。
 私は、障害を持つ方々、健常者、一緒なんだ、一緒の思いでやるんだということでございます。しかし、出し方の原資、スポンサーを含めてそれぞれ違いますが、これこそまさにスポーツ庁が、遠藤大臣が、馳大臣が、両方答えてもらったらいいと思いますが、違う答えをしてもらったら困りますけれども。この際に、一緒にする、いろいろな環境整備も含めて一緒にすると、私は強く求めたいのでありますが、両大臣にお一言ずつ。
○遠藤国務大臣 先日ロンドンに行ってまいりました。そのときに、パラリンピックの発祥の地であるストークマンデビル病院に行って、そして、一九四八年に、戦傷者の皆さんのリハビリをスポーツを通じてやっていこう、これが第一回のストークマンデビル大会、結果的に後のパラリンピック大会につながるわけでありますが、そうした施設を見ながら、また、そうしたところで活動しているお医者さんや選手の皆さんを見て、改めて、オリンピックはもちろん大事でありますが、パラリンピックを成功させることが結果的に、オリンピック、パラリンピック一体として、国民の皆さんに、あるいは世界の皆さんに、いい大会だったねと。同時に、それが次の時代、これは高齢者も含めて、ユニバーサルデザインの社会、いわゆる共生社会をつくる大きなレガシーとなることだなと思っております。
 平野先生、いろいろな努力をされて、特に官房長官時代の話を私も何回も聞かせていただきましたし、私もそんな思いを強くしております。
 もちろん先生御存じのように、これは国が報奨金を出しているわけではなくて、例えばオリンピックでしたらJOCそして各競技団体、あるいは、もちろん、障害者、パラリンピックの皆さんでしたら障害者スポーツ団体、こういうふうな形で報奨金を出されているわけでありますし、また、いろいろな有志の皆さん、企業の皆さんが支援をされていらっしゃいます。
 特に、障害者スポーツについては、平野先生にも議員連盟の中で御協力いただき、そしてスポーツ庁の中に障害者スポーツも一体ですよと盛り込んで、十月一日からスタートをいたしました。ようやく端緒についたのですが、しかしまだまだ障害者スポーツあるいはパラリンピック体制は、しっかりと支援をしていかないと進んでいかない。
 この前、ある財団に協力をしていただいてサポートセンターができたり、あるいは、企業は大変今熱を入れて支援をしてくれておりますから、ようやく熱が高まってまいりました。
 おとといですか、駒沢の競技場でパラの駅伝大会があって、馳大臣と一緒に行ってまいりましたが、私も、初めてパラの大会が観客満員の会場でなされた、もちろんいろいろな支援をする仕組みもあったわけでありますが、こういうことを考えますと、やはり先生がおっしゃるように、何とか知恵を出して、そして報奨金も同じなような取り組みをぜひしていきたい。簡単ではありませんが、ぜひ先生からも御指導いただきながら、馳大臣と協力して進めてまいりますので、どうぞ御協力よろしくお願いしたいと思います。
○平野委員 もう時間があと十分ぐらいになりましたので、きょう、機構の理事長並びに原子力規制委員会の委員長、わざわざお越しをいただきましたので、「もんじゅ」について御質問をしたいと思います。
 実は、十一月の十三日に原子力規制委員会から、原子力機構にかわる「もんじゅ」の運営形態を示すようにという趣旨の勧告が出されたわけであります。長年、国会でいろいろ議論をしてまいりました。また、私も所管大臣としてかかわってきた立場からすれば、大変残念な勧告だと思っています。しかしながら、やはりそういうところまで来たのかなという、残念さと無念さと、いろいろな複雑な思いでございます。
 「もんじゅ」については、九五年のナトリウムの漏えいの問題から、細かい事案を含めていろいろな問題がありました。今回の勧告そのものについては、私は、中身を少し見ましたが、大変驚いている視点があります。
 特に、運営主体の変更を求める、こういうふうにあの勧告は私は読めたのであります。この点について、私は改めて、運営主体の選定は文科省に委ねられていると思っておりますけれども、原子力規制委員会の設置法の四条二項、勧告権限、そういう四条二項をベースに求めているのか。私は、運営主体を、今の「もんじゅ」の運営主体ではだめなんだ、こういうところまで意図した意味を持つ言葉なのか、その点について、ぜひきょうは委員長にお聞きしたいなと思います。簡単にお願いします、時間もないので。
○田中(俊)政府参考人 まず、お答えさせていただきます。
 今回の勧告の骨子は二つあります。
 まず、機構にかわって「もんじゅ」の出力運転を安全に行う能力を有すると認められる者を具体的に特定していただきたいということであります。つまり、運転を行うということが前提になります。
 それから、二番目として、こういった「もんじゅ」の出力運転を安全に行う能力を有する者を具体的に特定することが困難であるならば、「もんじゅ」が現実に持っております安全上のリスクを明確に減少するよう、「もんじゅ」という発電用原子炉施設のあり方を抜本的に見直していただきたいといったことをお願いしております。
 これについて、おおむね半年を目途として、措置の内容を示していただきたいということであります。
 どうしてこういう厳しい勧告を出さざるを得なくなったかということでございますが、これは先生も御存じのように、「もんじゅ」については、平成七年十二月のナトリウム漏れ事故以降、繰り返しこういったことが行われて、是正措置が求められてきたわけですけれども、なかなかそれが具体的に実現していないということであります。私どもが発足してからも、この三年間に、保安規定違反等がありまして、是正措置を求めてまいりましたが、それもいまだ解決の見通しが得られないということであります。
 同時に、それについて、監督官庁である文部科学省にも御指導いただくよう文書でもって二度ほどお願いしたけれども、効果をあらわしていないということで、これは基本的に、私どもの中で随分議論をさせていただきましたけれども、やはり資質の問題。
 要するに、普通の施設でございません。「もんじゅ」というのは非常に大きな原子力発電所で、新しい原子炉ですので、そういったものを運転していく、運転管理するということについては、それなりの資質を持っていただかないと、私どもとしては安心してこれを任せるわけにいかないということでございます。
○平野委員 ということは、今、委員長から御発言ありましたが、実質、「もんじゅ」の運営主体をするのは機構ではもうだめだと。何回も言ってきた、それでも相変わらず同じことをやっていると。
 では、しからば、文科省に代替を出してこいと言うけれども、あれだけ長い歴史の中で技術を蓄えてきた部分で、それ以外に逆にできないことを、改めて運営主体を考えてこいというけれども、実態的に、それ以上の、ここだったらできますよということも含めて頭の中にあってああいう勧告を出されたのか。
 いやいや、もうこれは、「もんじゅ」については廃炉なんだということを想定してやっておられるのか。僕は、どっちかといったらそっちしかないんじゃないかと、この勧告の中身は。法的拘束力は私はないと思いますが、そういう趣旨でしか受けとめられない、こういうふうに私は認識しました。
 加えて、これは、時間がないのでもう一つ質問をいたしますが、このことによって、我が国の原子力の平和利用を進める、こういうことで核燃サイクルの事業を推進してまいりましたが、もし、「もんじゅ」を廃炉にする、こういうことになったときに、我が国の世界における信用の失墜を含めた問題で大きな問題が起こらないのかどうか。私は起こるだろうと思っていますが、その点については、最初は委員長に質問します。
 最後に、もう質問時間が来ましたので、大臣に、これだけのリスクはあるよ、もし「もんじゅ」を廃炉にしたときにはこういう問題があるよ、廃炉にしても大きく問題はないよというところを含めて、二点御質問をして、私の質問を終わりたいと思います。
○田中(俊)政府参考人 繰り返しになりますけれども、私どもの勧告では、「もんじゅ」を廃炉にするということまでは求めておりません。廃炉にするかどうかという判断は、私どもが判断する立場にありません。
 求めていますのは、たび重なる、保守管理、こういったものについて的確に速やかに対応していけるような、適正な保守管理ができるような組織ということが大事であります。ですから、そういったこと、つまり、言いかえれば、間違いを速やかに是正して、きちっと施設の保守管理ができる、あるいは運転にたどり着く、そういったものであります。
 ですから、くれぐれも申し上げます、繰り返しになりますけれども、廃炉については何ら私たちは言及しておりません。
○馳国務大臣 今回の勧告は廃炉を前提とした勧告とは考えておりませんし、これは今ほど田中委員長からもお示しいただいたとおりであります。
 昨年閣議決定されたエネルギー基本計画において核燃料サイクル政策の推進を定めておりますが、「もんじゅ」は核燃料サイクルに関する研究開発において重要な施設であります。「もんじゅ」を含めた高速炉は、限られたウラン燃料をできるだけ有効に使い、また、放射性廃棄物をより少なくすることが可能となるなどの特徴を有しており、その研究開発は、我が国のみならず世界のためにも重要であります。
 こういう認識のもとに、今回原子力規制委員会がお示しをいただいた勧告の内容を十分吟味して、また、限られた期日もお示しをされておりますので、速やかに専門的な検討の場を設けた上で、安全に運転をする、保守点検をしっかりする、そのことを踏まえた対応を進めたいと思っています。
○平野委員 もう終わります。
 そうやって文科省はずっと言い続けてきたんだわ。私も、ずっとがっかり感ばかり味わわされましたよ。だから、田中委員長はもうしびれが切れているんだよ。
 さりとて、では、ここだったらできるということは、私、ほぼ六カ月で出せなんて言われているけれども、出るはずがないと思いますよ。出るんだったら、これだけ十何年、何とかしなきゃ、何とかしなきゃ、でき上がっているはずですよ。できていないのに、いや、廃炉ではない。僕は、事実上廃炉を勧告しているような気がしてなりませんよ。
 したがって、ふんどしを締め直してと何回言ってきましたか。さらに締めてやるんですね。
○馳国務大臣 私も、平野大臣当時、野党ではありましたが、同様な質問をしたことを今実は思い出しておりまして、やはり、まさしく今回の勧告の趣旨を重く受けとめて取り組まなければいけない、そのことを申し上げたいと思います。
○平野委員 終わります。ありがとうございました。
○福井委員長 次に、初鹿明博君。
○初鹿委員 維新の党の初鹿明博です。
 私からも一言、質疑に入る前に言わせていただきたいと思います。
 まず、きょう、このように、閉会中にもかかわらず委員会を開催していただいたこと、委員長を初め与党の理事の皆様には心から敬意を表します。
 ただ、御承知のとおり、憲法五十三条では、四分の一以上の議員からの求めがあれば国会は開会をしなければならないという規定になっているわけであります。今の現状、開いていないという状態は、憲法を無視している、憲法違反をしているということであり、これは立憲主義の国家にとってゆゆしき事態であるということをぜひ与党の皆様には肝に銘じていただきたいということを、まず冒頭申し上げさせていただきます。
 では、質問に移らせていただきます。
 まず、馳大臣、御就任おめでとうございます。大臣と私は、私が一期生のときに、たしか、障害者虐待防止法の与野党の調整の中で協議を一緒にさせていただいたところから始まり、いろいろな議連で御一緒させていただいています。フリースクールの議連やLGBTの議員連盟など、余り自民党の先生方が興味を示さないんじゃないかなというような、そういう分野にかなり馳大臣は関心を持っていただいていて、一緒にそういう活動をしている中で、私と非常に近い感覚を持っているのかなと勝手に思っております。それゆえに非常に期待をしておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 ああいうフリースクールとかLGBTとか、そういう問題に非常に力を入れているということは、馳大臣は画一的な社会よりも、多様性を求める共生社会というんでしょうか、そういうものを重んじているというふうに私は感じているんですけれども、そういうことでよろしいんですよね。
○馳国務大臣 初鹿委員は、本当に、日ごろからともに議員連盟の活動や障害者政策について御理解をいただいて推進役になっていただいていることに、まずお礼申し上げたいと思います。
 私自身は、日本社会において、障害を持っているとか、あるいは家庭の所得、そういった課題とか、やはり社会的弱者が排除されるような状況は全く間違っている、こういう根本的な認識の中で、人権問題はもちろんございますが、どんな人にも教育を通じて可能性をもたらす、そういう機会を保障する、そういう役割があるという考えのもとに、いろいろな政策課題に取り組んできた、まずこのことを申し上げておきたいと思います。
○初鹿委員 ぜひその考えをもとにこれからの教育行政を進めていただきたいということを、まずお願いをさせていただきます。
 では、具体的な質問に入っていきます。
 皆さんのお手元に資料を配付させていただいているんですけれども、当然文科委員の先生方はこれを目にしていて、恐らくびっくりしたのではないかなと思います。
 十一月二十二日付のこの東京新聞の記事ですけれども、茨城県の教育委員会の委員を務めている女性の方が、子供の障害の有無について妊娠の初期にわかるようにできないかと発言したということです。
 なぜ妊娠の初期にわかった方がいいかといったら、特別支援学校に視察に行かれた後の発言だそうなんですが、そこで、子供の数に対して教員の数が多いわけですよね。それを見て、すごい教職員が多いなということで、すごい人数が従事しており、大変な予算だろうと思う、意識改革しないと、技術で障害の有無がわかればいい、生まれてからじゃ本当に大変、茨城県では減らしていける方向になったらいいという発言をしたということなんです。
 この発言を受けて、私、さらに驚いたのは、この発言について、橋本知事、茨城県の知事に記者が質問をしたようなんですね。そうしたら、問題はないという認識を最初示したということなんですね。後で、予算がかかるから出生前診断をやれという意見には同意できないと強調したということですけれども、最初は問題ないと言っていたということで、知事が問題ないと言ってしまうのは、非常に私は問題ではないかなと思います。
 恐らく、私は長谷川さんという人には会ったことがないのでわかりませんけれども、確認もしていないのでわかりませんけれども、きっと裕福な家柄の方ですから、多分私立の小学校、中学校とかを出て、そのまま大学に行って、そのまま経営者になってという方で、もしかしたら、ほとんど障害を持っている方や御家族と接したことがなかったんじゃないかなと思うんですね。
 それで初めて特別支援学校に行って、そうしたら、子供の数と大人の数と同じぐらいとは言わないけれども、かなり大人の数が多くてびっくりして、経営をしているという観点から、こんなに人件費をかけていたら大変じゃないかというコストのことが頭に上って、こういう発言をしたんじゃないかなというふうに想像をします。
 私は、この発言自体、大変な問題だと思うんですが、何でこういう発言が出てしまったのかな、そういう背景も考えないといけないと思うんですね。個人を攻撃しても、こういう問題というのは解決しないと思うんです。
 そこで、まず大臣に率直に伺いたいんですが、この委員の発言と、その後に肯定的な見解を述べた知事の発言、この両方を聞いて、それぞれについてどのようにお感じになりましたか。
○馳国務大臣 障害者に対する配慮の全くかけらもない発言と、私も正直びっくりいたしました。こういう発言をしてしまう背景に、長谷川さんという方も知事も、何をもってこういう言葉を口にしてしまったのかということをむしろ聞いてみたいぐらいに、正直、大変残念に思いました。これが率直な思いであります。
○初鹿委員 先ほど少し述べましたけれども、恐らく、発言をした委員の方は、今までに障害を持っている方と触れ合う機会がなかったのではないかと想像します。これが仮に、小学校や中学校のときに同じクラスに障害を持っているお子さんがいて、同級生で六年なり九年なりを、同じ時間を過ごしていたら、こういう発言は出なかったんじゃないのかな、その家族のことを知っている、そういう人がいたら、きっと違った感覚を持って大人になったんじゃないかなと思うんです。
 つまり、何が言いたいかというと、こういう障害者に対する無理解な人がいる、そういう無理解な発言が出てしまうその背景にあるのは、障害者のことを知らない。その理由の一つとして、今までこの国がとってきた分離教育によって、障害を持っている人がどこかに隠されたままで、そうじゃない人たちと触れ合う機会がなかなかない、その結果ではないかなと思います。年齢を見ると七十代ですから、恐らく、小学校や中学校、仮に公立の学校に行っていたとしても、ほとんどクラスに障害者がいなかったんだと思うんですよね。そういう中でこういう発言が出ていると思うわけです。
 ですから、これからオリンピック・パラリンピックを招致していくわけですから、また、この国は障害者差別解消法も制定をしたわけですから、こういう国民の無理解な方々にきちんと理解を深めてもらうことも必要だし、特にこれからの子供たちについては、常に、この世の中には障害を持っている人たちも一緒に暮らしているんだということを学校教育の中で、日ごろ生きていく中で肌で感じてほしいと思うんです。そういう面では、私は、分離教育ではなくて、インクルーシブ教育にきっちりと切りかえていく必要があると思うんです。
 今、文科省としては、そちらの方に方向は向いてきておりますが、まだまだ歩みが遅いのではないかというふうに私は感じておりますので、馳大臣、今以上にこのインクルーシブ教育を進めていってもらいたいと思いますが、まずは御所見をお伺いいたします。
○馳国務大臣 やはり、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されるということは、私は、特に障害者との共生社会を目指すという意味で、一つの社会変革の大きな機会だと思っています。したがって、長谷川さんにも橋本知事にも、ぜひパラリンピックのボランティアとして参加していただきたいと思います。
 また、小中学校や高校、大学等においても、特にパラリンピックの競技を見ていただきたいし、その前段階として映像などを通して触れていただき、できれば会場にも足を運んでいただき、障害の種別に応じたその人なりの多様な生き方があるという根本的な考えを認識すべきだと私は思います。
○初鹿委員 済みません、インクルーシブ教育を進めるという点ではいかがでしょうか。
○馳国務大臣 したがって、インクルーシブ教育を進めるに当たって、私ども文科省としても、選択肢を示しながら、保護者の申し出、本人の申し出に応じて、特に本人に精神的な、身体的な負担のかからないような状況を踏まえてインクルーシブ教育の方向性を目指していく必要がある、こういうふうに思っています。
○初鹿委員 今大臣おっしゃるとおり、まさに選択肢を示して選べる状況があればいいんですけれども、必ずしもそうはなっていなくて、こちら側しか選ばざるを得ないという状況が今この国にはあるんだ、そういう認識をまず持っていただきたいと思います。
 そこで、私は今、放課後デイサービスという、障害児を放課後預かる施設を運営しているんですが、ことしの五月から二軒目を出したんですね。新しいところなので、小学校一年生の子がかなり多いんです、入ってきた子が。そうしたら、障害児が来る施設ですよ、半分以上が普通級に行っているんですよ。普通級にいながら、まあ手帳は持っている子と持っていない子がいるんですが、手帳を持っていない子もいます。でも、受給者証をもらって、障害児が来る私どもの放課後デイサービスに来ている。
 つまり、何が言いたいかというと、普通級の中にも、先ほど大臣も言いましたが、障害児がたくさんいるような時代になってきております。その子たちが、ではずっとそこにいるかというと、中には、通級ということで、通級学級に通っている子もいるんですね。
 ところが、今現状だと、江戸川区は今は二校あるんですけれども、通級学級がある学校にいる子だったら隣の教室に移ればいいんですけれども、そうじゃない子の場合は、一時間の授業を受けるのに一時間かけて行って、一時間授業を受けて、一時間かけて帰ってくる。午前中丸々潰れてしまいますなんていうことが現実で起こっているわけですよね。
 そうなると、それだったら、無理して普通学級じゃなくて特別支援学級に入った方が、移動する時間は教育が受けられないわけですから、配慮のある教育が必要だという子供が教育を受ける時間が削られる。本来だったら多く教育した方がいい子なのに、時間が削られている。おかしいですよね。ですから、親も判断として、それだったら支援級の方に入れて、ずっと同じ学校で学び続けた方がいいんじゃないかなという判断をせざるを得ない。選択肢はあるかもしれないけれども、その選択の幅が狭過ぎて、結局、支援級の方に行って、普通級に行かないということを選んでいる、そういう親御さんもいるということをまず頭の中に入れていただきたいと思います。
 その上で、東京都は来年度から、御存じだと思いますが、通級という学級を改編して、特別支援級ということで、全ての小学校に特別支援教室を設置していくということに決めたということです。先生の方が幾つかの学校を巡回して、各学校に、特別な配慮のある子供の教室に来てもらって、一時間なり二時間なりの授業を行うというようなやり方に変えるということなんですね。
 私は、これはすばらしい、いい取り組みだなと思います。全ての学校に通級があれば、時間をかけてどこかほかの学校に通う、その時間のロスがなくなるわけですから、教育の機会が失われるということがより少なくなるわけですから、ぜひこの取り組みを全国にも展開していただきたいなと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○馳国務大臣 今、私はちらっと横を見て、この話こそ、財務省の坂井副大臣に聞いていただきたかったと率直に思いました。
 したがって、障害のある児童生徒が拠点校に通ってきてもらうとか、そういうふうな形も今やむを得ずとっているようですが、本当は障害児のことを考えたら、そこに専門性を持つ教職員を派遣した方がよっぽどいいんですよ。しかし、これもまた財政事情もあってなかなかできないけれども、東京都はできるということが、まさしく加配の一つの根拠なんですよね。そういう実例は、千七百を超える全国の、特に義務教育の設置者である市区町村にはいっぱいありまして、まさしくそういう実態、エビデンスをこそ積み重ねた上で教員の加配定数のベースをつくっていくべきだと私は率直に思っています。
 改めて、東京都の取り組みは、本来インクルーシブな教育、インクルージョン教育を進めていくに当たって一つの課題解決のための重要な施策だと思っていますし、これはよい事例として多くの自治体にも参考にしていただきたいと思います。
○初鹿委員 大臣、気持ちはまさに一緒だと思いますが、本当にこれは、多くの自治体で参考にして、やりたいと思っても、やはり東京都は財政的にある程度余裕があるからできる話で、地方の自治体が同じことをやろうとするとなかなか厳しいというのが現実なんだと思います。
 そういう現実があるのに、先ほどから三人続けて同じことを言って、私も同じことを言いますけれども、財政審の建議で、あのとおりに本当に教職員を削減していくようなことがあったら、こういう取り組みは真っ先に切られていく対象になっていくわけですよ。そうやって、本来手厚い教育をすることによって将来社会に出て貢献できることになる可能性がある人たち、ある子供たちを潰していくことになりかねないんだ、そういう認識を持っていただきたいんです。
 エビデンス、エビデンスと言いますけれども、一年や二年、三十五人学級をやって、学力が上がる、上がらないでエビデンスがないというようなことを言われますけれども、教育とはそういうものなんですか。十年、二十年先、学校を卒業した後、どういう大人になっているかということの方が本来重要なんだと思うんですよ。特にインクルーシブ教育の場合、一年、二年、障害を持っている子供たちと過ごして、そうじゃない子供たちがどう変わるか、そんなにわかりません。ところが、二十年後、社会に出たときに、教育委員になったときに、先ほどの委員のような発言をしないような大人になる、これが最大の教育の効果なんだと思うんですね。
 そういうことを考えると、目先のエビデンス、エビデンスと言って、横文字ばかり使うのもどうかと思いますし、そうやって言って教職員の数を削減していくような方向は決して許されるものではないと思いますので、改めて、大臣、財政審の建議について、徹底的に闘うという決意を申し述べていただきたいと思います。
○馳国務大臣 本当に政府参考人として財務省の坂井副大臣も呼んでおいていただきたかったと思うぐらいに、気持ちは初鹿委員と一緒であります。
 エビデンスとか科学的知見とか統計とか、いろいろな表現はできると思いますけれども、一人一人の子供にやはり向き合うことのできる教職員の能力も必要です、数も必要です、両方必要であります。義務標準法に言う基礎定数の部分、子供の数が減り、学級数が減り、したがって教職員の数も減らざるを得ないという一定の理解はみんな持っているんですよ。そうではなくて、学校の規模に応じて加配の必要性もあるでしょうし、対応困難な児童生徒がいる場合には、事前に情報を仕入れてやはり配慮した体制を組むべきというのは、校長先生が当然考える課題であります。
 そういう現場の市区町村からの求めに応じて今現在も加配の配置がなされているわけでありますから、こういうエビデンスを財務省の皆さんとも共有して、機械的な削減には全く意味がないどころか、そもそも加配は県単費、市単費でつけているんですから、そこをベースにしてカットするような話は本当に地方切り捨てそのものでありますから、このことについてはやはり強く主張しなければいけないと思っています。
○初鹿委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 それでは、遠藤大臣にも来ていただいているので、ちょっとオリンピックの話題に移らせていただきます。
 オリンピック、さまざま問題があり、本当はオリンピックだけでもいろいろ質問したいんですが、きょうはオリンピックのたばこフリーについて質問をさせていただきます。
 先日、議員会館で、学生の団体が主催をして、「「私たちの声で「オリ・パラ三度目の過ち」を防ごう!」〜「タバコフリー、東京オリンピック、パラリンピック」の実現を目指して!〜」という会合がありまして、私も出席をさせていただきました。
 三度目の過ちというのはどういうことなのかと聞きましたら、一つは新国立競技場の問題、二転三転しましたよね。それで、もう一つはエンブレムの問題。そして、まさか三度目の過ちを犯さないかというのはどういうことかといったら、たばこフリー。たばこフリーというのが、またちょっとどういう意味かわかりかねる方もいるかもしれませんが、別にこれは、たばこを自由に吸えるようにということではないし、たばこがただになるという話でもなくて、全くその逆で、たばこの煙から我々が自由になる、つまり、たばこの煙を受けないようにするということで、禁煙のオリンピックにしましょう、そういうことなんですね。この三度目の過ちというのは、世界の国々がやっている屋内全面禁煙をやらずにオリンピック・パラリンピックを開催することにはなりませんよね、そういう趣旨のイベントでありました。
 私はたばこを吸いません。馳大臣、遠藤大臣、そして義家副大臣は、それぞれたばこを吸うんでしたっけ。
○馳国務大臣 私は、プロレスラーとしてカナダに遠征中にたばこを覚えてしまいまして、今でも一日三本から五本ぐらい、食事の後においしく一服いただいております。
○遠藤国務大臣 私は、ずっとスポーツをやっていたせいか、たばこは吸ったことがありません。
○義家副大臣 生活習慣として、たばこを吸ってしまっております。
○初鹿委員 いささか心配になるんですよね。二対一ですけれども、でも、遠藤大臣が喫煙者ではないということで、期待をさせていただきたいと思います。
 御存じだと思いますけれども、ここに資料をつけさせていただきました。最近のオリンピックの開催国がどうなっていたかという、その資料です。これを見ておわかりになるとおり、ほとんどの国が受動喫煙の防止法という法律を定めています。中国は条例になっておりますが、ほとんどが国法として法律で受動喫煙防止を定めております。これは全部、屋内完全禁煙になっております。そして、さらに罰則規定で、罰金が、ほとんどの国に、全ての国にあります。
 つまり、オリンピック・パラリンピックまでの間に、我が国も、受動喫煙防止のために屋内完全禁煙プラス罰金つきという法律をつくることが私は世界の水準に見合う対応ではないかと思うんですね。我が国は、たばこ規制枠組み条約を批准しているんですよ。その条約でも求められているのは、室内の職場及び屋内の公共の場を全面禁煙にするということでありますから、批准をしておきながらやっていないのは非常に恥ずかしいことであります。
 ぜひ大臣、もう一度聞きますけれども、たばこを吸わないんですよね。たばこを吸わない大臣なんですから、オリンピック・パラリンピックはきちんとたばこフリーのオリンピック・パラリンピックにする、法整備も含めてちゃんと検討するという決意をお聞かせいただきたいんですが、いかがでしょうか。
○遠藤国務大臣 初鹿先生を初め議員連盟の皆さん方が立法措置としていろいろな検討をされている等々伺っております。また、政府内でもそうした検討を今進めております。IOCあるいはWHOにおいて、二〇一〇年七月にたばこのないオリンピックについて合意をしておりますし、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会においても、この受動喫煙防止対策推進が当然求められることになると思っております。
 今回制定しましたオリンピック・パラリンピックの基本方針におきましても、「受動喫煙防止については、健康増進の観点に加え、近年のオリンピック・パラリンピック競技大会開催地における受動喫煙法規制の整備状況を踏まえつつ、競技会場及び公共の場における受動喫煙防止対策を強化する。」といたしました。
 これを踏まえまして、大会時に競技会会場等を管理する大会組織委員会、あるいは開催都市であります東京都、そして関係省庁、しっかりと連携して、競技会場ごとにおける効果的な受動喫煙防止対策を講ずるため、しっかりと取り組んでまいります。
○初鹿委員 もう一枚資料をめくっていただくと、オリンピックの会場になっている施設の一覧を出しているんですけれども、そこに、各施設がどうなっているのか、ちょっと調べてみました。大体、館内禁煙だったりしているんですが、喫煙所がある、喫煙スペースがあるスタジアムがほとんどなんですよ。
 これは、オリンピック・パラリンピックで言われているのは屋内完全禁煙であって、分煙ではないんですよ。喫煙所があるから、分煙になっているから、受動喫煙防止ができてそれでいいんだということでは、世界の国の人から見たら、あれ、おかしいんじゃないのと思われると思いますよ。
 ヨーロッパの国とかはほとんど屋内全面禁煙になっているわけですから、そういう国からたくさん見に来るわけですよ。その人たちがスタジアムに入って、喫煙所があって、馳大臣や義家副大臣はそういうところがあった方がいいかなと思うかもしれませんが、外国人の方からすると、ちょっとそれはおかしいんじゃないのかな、日本という国は随分おくれているねというふうに見られてしまうと思うんです。
 そこで、まず大臣、既存の施設、現在ある施設、喫煙所がありますが、オリンピック・パラリンピックまでに喫煙所の撤去を求めるつもりはありますか。設置者の判断ということに最終的にはなるんでしょうけれども、しかし、オリンピック担当大臣として、たばこフリーを実現するために、設置者に対して喫煙所を撤去するように求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○遠藤国務大臣 大会時に競技会場等において、そうした受動喫煙防止対策に取り組むことは大変重要な課題だと認識をしております。
 今、委員御指摘ありましたが、そうしたことを受けて、政府として、厚生労働省あるいは内閣官房を中心として、関係省庁あるいは東京都等の関係者と連携をして、基本方針に基づいて受動喫煙防止対策を強化するための検討体制を近く立ち上げることにいたしました。
○初鹿委員 ぜひこれはきちんとやっていただきたいと思います。
 今これから新国立競技場がつくられるわけですよ。これからつくるもので、まさか喫煙所をつくったりはしないでしょうねということを再確認させていただきたいんですが、新しくできる国立競技場には喫煙所はないということでよろしいですね。
○遠藤国務大臣 過般、整備計画をつくりました新国立競技場については、事業者公募のために九月に公表した業務要求水準書において、健康増進法にのっとり、「施設内は、原則禁煙とし、喫煙所については適切な場所に設置し、換気装置を設置する。」と書いてあります。そして、事業者にはこのように求めており、これに沿った公募プロセスを進めております。
 それで、今、いろいろ委員から御指摘もありましたように、近年、オリンピック・パラリンピック競技大会開催地における受動喫煙法規制の整備状況を注視しつつ、適切に対応してまいります。
○初鹿委員 原則だから、原則じゃないときもあるみたいなのはだめですよ。大臣が来たときだけ、喫煙者だから、そのときだけたばこを吸えるなんていうのは絶対だめですからね。よろしいですね。
 ところで、馳大臣と義家副大臣は喫煙者だということですが、文科省の庁舎の中は完全禁煙になっていますか。どうも、なっていないというふうに伺っているんですけれども、各フロアに喫煙スペースがあるというふうに聞いておりますが、文科省というのは、そもそも、子供たちにたばこの害を教えている、そういう省庁ですよね。であるならば、文科省の中も、私は全面禁煙にするべきではないかなと思います。
 庁舎の中の各フロアにあるということは、誰が吸いに行くんですか。職員の方ですよね。職員の方が勤務時間中に十分、十五分なり離席をして、そこでたばこを吸っている。たばこを吸わない人は、その時間も働いているわけですよ。これはやはりおかしいと思うんですよね。これは本当に、普通の国民から見て、勤務時間中に抜けてたばこを吸う、それが頻繁に何度も行くようなことだったら、これは問題だと指摘をされてもおかしくないと思います。ですので、私は、せめて文科省と厚労省は全面禁煙、庁舎内は全面禁煙にするべきだと思います。
 義家副大臣はかなりヘビースモーカーだというふうに伺っておりますが、まさか自分の執務室内でたばこを吸っているということはないと思いますけれども、文科省の中を全面禁煙にすることについて、義家副大臣、いかがでしょうか。
○義家副大臣 大変答弁しにくい質問であります。当事者として重く重く受けとめたいと思いますけれども、政治は、理想を掲げる、これは非常に大事ですけれども、目の前の現実と誠実に向き合って、改善すべきは改善する、そして対応すべきは対応するということがまず求められることであろうと思います。
 私が大学生のころ、初めて都会に来て、駅のホームでみんなたばこを吸っていました。しかし、今、駅の中は大体完全禁煙になっております。さて、喫煙スペースはどこかなと思って、私も電車を使って通っていますから、見ると一発でわかるんですね、もこもこっと、すごい煙で。あれは歩行者も、またかなり受動喫煙の影響があるのではないかというぐらい、灰皿からかなり離れた場所でたばこを吸って、そのままポイ捨てしているマナー違反の方たちもおります。
 そういう意味では、私は、今、文科省の中ではフロアの中で喫煙スペースを設けて行っておりますが、職員は一時間に何回も何回も行くとかではなくて、これはやはり節度を持って使用しているというふうに認識しております。
 厳格な禁煙社会を目指すのか、あるいは自由な喫煙社会を目指すのか、これは違うと思いますが、やはりまず我々が向き合っていくべきは節度ある分煙社会、マナーある分煙社会であろうというふうに思いますので、委員の御指摘も踏まえた上で今後の検討をさせていただければというふうに思っております。
○初鹿委員 節度ある分煙というのもわかりますが、だからこそ、文科省はせめて全面禁煙にした方がいいのではないかという指摘をさせていただいているということを御理解いただきたいと思います。
 それでは、次の質問に移らせていただきます。
 先日、隣におります平野元大臣、そしてこちらの笠議員、牧議員と私が呼びかけ人になりまして、学校管理下における重大事故を考える勉強会というものを院内で開催をいたしました。本当に、自民党の方も含めて、党派を超えて多くの議員の皆さんに出席をいただいて、認識を共有することができました。
 なぜ私、この勉強会を開いたかといいますと、資料にこま送りの画像を載せましたが、皆さんもこれを見た記憶があると思いますが、八尾市の公立中学校で十段のピラミッドを運動会でやっていて、これが崩落をして、そしてけが人が出た。この映像が繰り返しテレビで流され、そして組み体操の巨大ピラミッドについての危険性というものがすごく注目を浴びました。
 それと同時に、平野元大臣が大臣のときに、私は一期生でしたけれども、武道の必修化のときに、私は再三再四、大臣に対して、安全対策をしっかりやってくれということをかなり要請をして、その結果ガイドライン等ができて、安全対策が取り組まれていった結果、二年間は死亡事故がなかったんですが、残念ながら、ことし死亡事故が起こってしまった。
 こういう二つのことがありましたので、もう一度注意喚起をして、もう一度安全について考え直すきっかけをつくりたいということで勉強会を開催したんです。
 それと、実は私、この映像を見たときに物すごく反省したんですよ。なぜかというと、私の母校の中学校は、ピラミッドじゃなくて、立ちで、立って五段のタワーを中学三年生が毎年、十年以上やっています。立って五段ですから、大体七メートルから八メートルぐらいになるんですかね。
 それで、毎年、そこがメーンイベントですから、私もほぼ毎年行って、近所の人たちもたくさん見に来るんですよ。しいんと静まっているところでつくっていって、でき上がったときには、最後の一人が立ち上がれる年と立ち上がれない年もあるんですが、立ち上がって成功したときは、周りでビデオを撮っているお母さんたちはみんな大泣きですし、やった子供たちも、男の子たちは泣いているし、見ている同級生の女子まで泣いていたり、先生も涙ぐんでいたりと、本当に感動するんです。私も正直、感動していました。これによって、学年に一体感ができて、本当にいい学年になって卒業まで進んでいくということも聞いているし、実際にそうだなというのをいろいろな行事を見て感じましたから、そういう効果はあるなというのは感じていました。
 ただ、この事故を見て、私は素直に感動している場合ではなかったんだなということで非常に反省をしまして、この問題にきちんと取り組まなければいけないなということを感じたんです。
 馳大臣、映像を見ましたよね。この映像を見て一番最初にどう感じたのかというのをお聞かせいただきたいと思います。
○馳国務大臣 二つ、率直に思いました。危ないということと、エスカレートしたらいかぬなと。
 教育の現場において、今、初鹿委員がおっしゃったように、やはり学校には安全配慮義務というのがそもそもありますから、教職員が、それを忘れているわけではないと思うんですけれども、軽視をして、危ないと率直に感ずる感覚を忘れているのではないか。
 そういう意味では、教育の効果のところばかりに目が行ってしまって、エスカレートしてしまう、これは厳に戒められなければいけないと思います。
○初鹿委員 私も、やはり同じように、これを見て、こんなに危ないことだったのかと思ったわけですから、本当に、このまま続けさせることではいけないんじゃないかなと思うんです。
 一枚めくってください。
 ここに、二〇一二年度、小学校における体育活動時の負傷事故の件数ということで、各種目ごとにどれだけの事故があったかというのを載せていますが、跳び箱、バスケットに続いて、組み体操というのは三番目なんですよ。学習指導要領の記載のところにバツが書いてありますとおり、学習指導要領には記載がされていない、つまり、やらなくてもいい競技で三番目に事故が多いというのが現状なんです。これは小学校から高校までいくと八千五百件くらいに上っているということであります。
 もう一枚めくってください。
 これは私は衝撃だったんですが、名古屋大学の准教授の内田良先生が調べたというか計算をしたデータなんですが、一人の生徒に最大で二百キロ超の負荷がかかっているということなんですよ。一番下の、前から二番目の列にいる生徒が一番負荷がかかるということなんですが、二百キロですよ。仮に潰れていなかったとしても、この負担というのは大変ですよね。これを、一カ月近く前から毎日のように、二百キロの重みを何回も何回も負わされる、そういう役割になった生徒の負担というのは余りにも重いし、二百キロの負荷があるわけですから、潰れたときのけがの重大さというのは容易に想像ができるんだと思います。
 もう一枚めくっていただきたいんですね。
 これは、跳び箱、バスケット、組み体操で事故になったときに、どこの部分にけがをしたのかという資料なんですが、見てください、頭部と頸部のところをちょっと色を濃くしておりますけれども、跳び箱やバスケットボールが一・七%、一・六%で二%ないところを、組み体操は、頭部を八・二%ですよ、頸部でも五・九%。つまり、頭や首にけがをするリスクが高いということなんです。
 頭や首にけがをするということはどういうことかといえば、御承知のとおり、場合によっては死亡したり、または障害が残るような大きな事故につながったりという結果を生じかねないということなんですよ。そういう明らかにリスクが高い競技を、見ている人が感動するからとか教育的な効果があるからということで、どんどんエスカレートして巨大化していってしまって本当にいいのかなというと、私は違うと思います。
 もう一枚めくっていただいて、これはJSCが出している「学校の管理下における体育活動中の事故の傾向と事故防止に関する調査研究」という報告書の六十ページなんですね。いいことが書いてあるんですよ。「予見義務と回避義務 指導者が果たすべき注意義務とは?」ということで、大臣、後でじっくり読んでいただきたいんです。
 予見義務、つまり、そういう事故が起こることが予見できるかどうか。今回のケースでいくと、この中学校というのは、前の年も事故があって崩壊して、足首を骨折しているわけですよ。それで、ことしも練習期間中に四人も骨折しているんですよ。それだけ骨折しているんですよ。要は、事故があるのは予見できるわけですよ。
 それで、ここで回避義務ということが書かれていますけれども、それだけの事故があって、では、それを回避することができるかといったら、周りに先生がいても、崩落をしたときに中から潰れるわけですから、こっちに落ちてくるわけですから、支え切れるはずもないし、落ちてきたら重大な、二百キロがすとんと落ちていくことをとめることもできないわけですから、当然、本来なら回避すべき、つまりやめるべきだったんだと思うんですね、これだけのことがあるから。
 ここの六十ページに、最後に何て書いてあるかというと、「「無知と無理」がスポーツにおいて事故が繰り返される要因となっています。」と書いてあるんですよ。まさに今回のは、事故に対する無知さ、重大な事故になったとき、例えば頭を打った、首を打った、そのときに大変な重大なことにつながるということに対する無知さ、それと、多少骨折をしても、無理をしてでも感動させた方がいいという、または、一体感を持って無理をしてでもやり遂げた方が達成感があるんじゃないかという無理がたたってこういうことになったわけでありますから、こういうことがもう指摘をされているわけですから、私は、どうにかしてやめさせなければいけないと思います、大きなものは。
 でも、なかなかやめられない事情もあるんですよ、学校には。なぜかというと、やはり親、PTAや、またPTA会長のOBとか地域の町会長とかが、これはすばらしいねといって称賛をしていて、それになかなかあらがえない学校の現場もあるんです。私の地元の中学校もそうなんですよ。新しい校長先生が来ると、入学式のときに大体顔を合わせますけれども、地域のPTAの会長さんたちが何と言うかといったら、五段タワーだけは続けてくださいねと言うわけですよ。そうしたら、なかなかやめられませんよ。
 だから、私は、文科省として、何段以上のタワー、何段以上のピラミッドはやってはいけないという基準をつくるべき、制限を設けるべきだと思います。今、一部の自治体で制限を設けているところは出てきました。でも、これを全ての学校や全ての教育委員会が制限をつくるかというと、それもなかなか期待できないので、やはりエスカレートさせないためにも、これ以上はだめですよという基準を文科省でしっかりつくっていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○馳国務大臣 学校には設置者としての責任もありますし、教育委員会の責任もあると思いますから、私はそちらにまず任せたいと思います。
 ということを前提に話をしますけれども、前の年に骨折者を出しているのに、翌年も同じようなことをやろうとする、その指導者の感性をやはり疑いますよね。ましてや、それを黙認する、責任者である校長の責任も私は問われるべきだと思います。
 したがって、まず設置者である、義務教育ならば市区町村、高校ならば都道府県、また、学校の現場の責任者である校長、そして授業の責任者である体育の教員、それぞれに応じて、やはり十分に安全配慮義務に従った授業の方式といったものを考えるべきだと思います。それを文部科学省が全て上から指示を出してああしろこうしろというのは、私はちょっと違うと思っています。
 しかし、初鹿委員が今お示しをいただいたこの映像もそうですし、こういった二百キロの負担がかかってしまうという、まさしくこれこそエビデンスじゃないですか。子供たちだって、同じ一年生、二年生、三年生でも、発達の度合いによって違うわけですから、そういったことにこそ配慮すべきなのが教職員としての本来のやはり素養だと思います。
 また、これは体育ですから、担任の先生や体育の主任の先生方がそういうことを指摘し合って、これはやはりだめだよねと言い合える環境でなければいけないと思いますし、それを指導するのがやはり校長の責任だと思います。現場でもっとしっかりやっていただくべきだと私は思います。
○初鹿委員 現場でやるのもそうですけれども、なかなか現場の意識がそこに届いていないからこういうことが繰り返されているわけですから、基準、制限を設けることを文科省としてはしないとおっしゃいますけれども、私はした方がいいと思います。
 仮にしないとしても、これから安全対策の研修などがいろいろあると思いますが、そこでやはりこういう映像を見せたり、二百キロもかかるんだとか、そういうデータも示して、とにかくこんな危ないことを今までやっていたんだよということを再三再四、繰り返し繰り返し言い続ける、伝え続けるということをぜひやっていただきたいと思います。
 次に、事故が起こった後の対応についてお伺いをさせていただきます。
 この勉強会をやったときに、いろいろな被害者の保護者の方からいろいろお話を伺いました。その方々がやはり口をそろえて言っているのは、行ってきますと元気に家を出ていった子供が、楽しくて安全に暮らせるはずの学校で何があって、うちの子はしゃべらない状態になって戻ってきたんだろうか、何があったのか本当のことを知りたいということを口々に言っているんですよ。誰の責任だ何だということの前に、一体本当はそこで何があったのかということを知りたいと。
 ところが、事故があって、大体、学校の方も責任を逃れたいのかわかりませんけれども、なかなかきちんとした調査がされません。そこで親御さんとのトラブルになっていくということが再三あるわけです。
 ですので、まず、事故があったら初動調査をしっかりやるということを徹底していただきたいんですね。少なくとも、そこの現場にいた生徒や先生、関係者、全ての人にヒアリングをして、その当時の状況がどうだったのか、その情報を一元的にどこかに集めて、それを第三者の調査機関で検証をしていく。それが再発防止にもつながるし、本当の実態を解明していくことにつながると私は思うんです。
 この初動調査を直ちにやるということと、それを検証する場として第三者の機関を設けるということ、そして、そこには必ず保護者が入って、保護者も情報を共有できるようにするということが私は必要だと思います。これをきちんとルール化をして、それを各教育委員会、学校現場に落としていくことが私は必要だと思います。
 教育委員会や学校の判断だけに任せると、どうしても都合の悪いことを隠そう隠そうとするわけです。そうならないようにするためには、やはり文科省として、事故が起こったときの最低限のルールをつくってもらいたいわけですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○馳国務大臣 文部科学省では、学校の管理下で発生したさまざまな事故の教訓を踏まえ、昨年度から学校事故対応に関する調査研究を実施しております。
 今後同様のことが起こることのないように、再発防止と事故後の対応のあり方について、今年度を目途に指針を取りまとめる予定であります。
 御指摘のとおり、発生した事故の原因究明と事実確認を行うには初動調査が重要であり、学校が事故発生時に持っている情報及び調査によって得られた情報を迅速に整理する必要があると認識しております。
 今後、本調査研究の有識者会議において、初動調査のあり方を含めた学校事故対応のあり方について指針として取りまとめた上で、全国の学校に対し、取り組みを促してまいりたいと思います。
○初鹿委員 ぜひ、そのときに、第三者による調査機関を設置するということも取り入れていただきたいということをお願いしまして、ちょっと質問をしたいことがたくさん残っていたんですが、時間になりましたので、これで終わらせていただきます。
 ありがとうございます。
○福井委員長 次に、畑野君枝君。
○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。
 野党五党は、憲法五十三条に基づき臨時国会を召集するよう安倍首相に求めています。内閣が召集に応じないのは明確な憲法違反であり、国会として断じて容認することはできません。臨時国会を召集してしっかりと議論をするべきだということを初めに申し上げて質問に入ります。
 財政制度等審議会、財政審が平成二十八年度予算の編成等に関する建議を出しました。そこでは、国立大学は、「今よりも国費(渡しきりの運営費交付金)に頼らずに自らの収益で経営する力を強化していくことが必要」との文言があります。つまり、国に頼らず、みずから収入を上げよと言うんです。
 では、大学の自己収入とは何か。寄附金、産学連携の研究費、そして学生から集める授業料、つまり学費です。
 では、大学の自己収入という点でいうと、寄附金、産学連携の研究費を財務省の言うように今後大幅に増額していくことは可能なんでしょうか。それが難しいとなると、確実に自己収入をふやすためには、結局、授業料、学費を値上げしていくことになるのではないかと思いますが、いかがですか。
    〔委員長退席、池田(佳)委員長代理着席〕
○常盤政府参考人 国立大学の運営に当たりまして財源の多様化ということは重要なことであります。国立大学の法人化以降、各大学において寄附金や産学連携等収入等の自己収入の獲得に努力をしているところでございます。
 ただ一方で、十月二十六日の財政制度分科会の配付資料において示されました国立大学法人収入額の推移について申し上げますと、まず寄附金収入でございますが、自己収入に占める割合は約一割でございます。法人化直後に伸びがございましたが、その伸びに比べますと、現在頭打ちの状況にあるという状況でございます。
 また、産学連携等研究収入等でございますけれども、これも、その大半が国の予算を基礎としていることがございますので、今後も継続的に増加するということは必ずしも見込めないという状況にあるかと考えてございます。
 このほかに考えられる自己収入として、今御指摘ございましたが、授業料収入ということも考えられますが、授業料収入で自己収入の大幅な増加を賄うということは、金額の大幅な引き上げにつながりかねませんので、現下の経済状況や厳しい家計状況では困難であるというふうに考えてございます。
○畑野委員 本当におっしゃるとおりだと思うんですね。
 それで、伺いますけれども、私、資料を示したように、財務省の、十月二十六日の財政審分科会で示した内容です。今後十五年間に運営費交付金に依存する割合と自己収入割合を同じ割合にして、運営費交付金依存度を毎年〇・五%、運営費交付金を毎年一%減少させ、自己収入を毎年一・六%増加させるということなんですね。
 仮にこのように進めるとしたら、授業料は十五年間で幾らの値上がりになると試算されますか。
○常盤政府参考人 先般の財政制度等審議会の建議におきましては、授業料の引き上げの際に授業料免除の拡大とかそういうこともあわせて記述をされているところではございますけれども、十月二十六日の、今お示しをいただきました財政制度分科会の配付資料のとおり、自己収入を平成四十三年度時点で二千四百三十七億円増加をさせるということのためには、仮にこれを全て授業料収入で賄うとした場合におきましては、平成二十七年度の学生数をもとに試算を行いますと、授業料は約九十三万円となりまして、現在と比べて約四十万円の増加が必要となるということでございます。
 これを来年度から毎年均等に引き上げるということにいたしますと、年間約二万五千円の値上げが必要ということになろうかと思ってございます。
○畑野委員 大変な額が言われたわけですね。十五年間で四十万円値上げになる、学費が年間九十三万円になる、今の私立大学よりも高い額になる、それは今三歳の子が十五年後にはそうなるということですよね。
 これまで政府は受益者負担とか私学との格差是正とか言ってきましたけれども、今回のように国の予算を削るために学生や保護者の負担を求めるというのは前代未聞です。
 かつて、私などは国立大学の学費は年間三万二千円の時代でした。今や五十三万五千八百円、初年度、入学金を合わせると八十一万七千八百円もかかる。これ以上はもう払えない、無理だということですよね。ですから、十年間、国立大学の学費は値上げされずに来た。ところが、こんなふうな、財政審が言うような方向になれば、国立、公立、私立、学費値上げの連鎖は極端なことになるわけです。
 きょう、国立大学協会にお話を伺ってまいりましたら、馳文部科学大臣には、国立大学協会と公立大学協会と、そして日本私立大学団体連合会の三者から、十一月十八日に、こんなことはよしてほしいと、国家予算における国公私立大学の基盤的経費拡充に関する要望書というのを出してきたというふうに言っておられました。
 それで、私は、このように国立大学の学費を値上げするということは、高等教育について段階的に無償にすると言って国際人権規約を日本政府は批准いたしました、こういう日本政府の国際公約に反することになると思うんですが、馳浩文部科学大臣の御認識はいかがでしょうか。
○馳国務大臣 国際人権A規約第十三条においては、「高等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること。」と規定されております。
 授業料の引き上げについてのお尋ねでありますが、国際人権A規約の当該条項は、授業料減免や奨学金事業などを含め、教育費負担軽減のための種々の施策により、教育の機会均等を図っていくことを求めているものであり、文部科学省としては、こうした条項の趣旨に鑑みて、学生の教育費負担の軽減に努力してまいりたいと思います。
○畑野委員 おっしゃるとおりに、国際公約の立場で、学費の値下げ、それから奨学金制度の充実に向かっていくべきときだというふうに思うんです。それが日本の政府の務めだと思うんです。
 国立大学協会の声明で、やはり「経済格差による教育格差の拡大につながる。経済条件にかかわらず、また我が国のすべての地域において意欲と能力のある若者を受け入れて優れた人材を社会に送り出すという国立大学の役割を十分に果たすことができなくなる」と、危惧の声が今回寄せられております。
 今、学生の過半数は、借金である貸与制の奨学金を借りざるを得ない。そして、その多くは有利子で、卒業と同時に、平均的には三百万円、多い場合は一千万円もの借金を負うことになります。大学院生も深刻です。その結果、多くの学生がアルバイトに頼らざるを得ない。そして、違法、無法な働き方を強いるブラックバイトから抜け出せないという状況になっております。
 私は、私の地元の首都圏の学生から聞いてまいりました、ぜひ馳大臣にお伝えしたいんですけれども、ある学生は、奨学金を返済することが不安だというので月五万円を三万に減らした、ところが親の仕送りも減った、バイトをふやそうと思ったけれども、条件が合うバイトがなかなかない、泣く思いでいると。また、学費免除の学生は、成績が下がると学費免除が打ち切られる、大学をやめなくちゃいけなくなるというので、学びたい授業もやめている、学べない。それから、ある学生は、来年、大学受験と高校受験の兄弟が二人いる、だから親が授業料を出せるのか本当に心配している、体も大丈夫か、一生懸命働いてくれているけれどもという声を寄せてくれました。それから、私立の女子大生ですけれども、高校生のときから奨学金を借りている、返済のためには相当返さなくちゃいけないので、教員になろうと思ったけれども初任給が低いのでやめて、給料の高い民間企業を志望することに変えた。また、私立の高校生は、兄弟がいるので四年制を諦めて短大に行くことにしましたと。
 馳大臣、国の予算を削るために学生にさらなる負担を強いる、こういう財務省のやり方は到底認めることはできないと思いますが、いかがでしょうか。
○馳国務大臣 基本的な考え方は同じでありますし、本末転倒であると私はまず思っております。
 その上で、基本的には、学生等に対してできるだけ教育費負担をかけないようにしていく必要があり、意欲と能力のある学生等が経済的理由で進学などを断念することがないように、安心して学ぶことのできる環境を整備していく必要があると考えています。
 教員や学生が安心して活動が行えるよう、平成二十八年度予算編成に向けて、基盤的経費である運営費交付金の確保が図れるようにしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○畑野委員 それで、あわせて、財政審の分科会で示された財務省の提案に対しては、国立大学協会はもちろんですが、中央教育審議会、それから国立六大学連携コンソーシアム、北陸地区国立大学連合、滋賀医科大学、お茶の水女子大学、北海道大学、横浜国立大学、秋田大学、神戸大学などが抗議声明を出されております。大学関係者のみならず、財界関係者や県知事、県医師会など、幅広い各界の方が抗議声明に名を連ねてくださっているんですね。きょうも、国立大学協会に伺いましたら、地域の国立大学、あるいは私立、公立を含めて、地域の経済界の人が本当に期待している。自分たちが思っていた以上の声が寄せられているということです。
 お話がありましたように、運営費交付金が法人化後十二年間で一千四百七十億円、一二%も削減されてきて、懸命の努力を現場はしてきている、しかし、消費税率の値上げや電気料金等の値上げによってそういう努力も限界に達しつつある、これ以上の削減などあり得ない、ふやしてほしいということを求めているんですね。
 毎年一律の削減係数を撤廃するとともに、物価等の動向に応じた所要の措置を講ずることを国立大学協会として要望しているということですが、こういう声にぜひ応えていただきたいと思いますが、いかがですか。
○馳国務大臣 国立大学法人運営費交付金については、一律の削減ありきという考え方は反対であります。また、物価動向等の社会経済情勢等及び教育研究上の必要性を総合的に勘案して対応することが必要であると考えています。
 なお、文部科学省では、各国立大学の機能強化を進めていくため、単純に一律削減する係数ではなく、その取り組みを支援することを目的とした機能強化促進係数、これは仮称でありますが、それにより一定の財源を確保した上で、運営費交付金を重点配分する仕組みを導入することを検討しております。
 国大協の要望も踏まえつつ、国立大学が現在進めている機能強化のための改革を後押しすべく、国立大学法人運営費交付金の確保に努めてまいります。
○畑野委員 地方も大変、そして首都圏も大変。だけれども、本当に地方が疲弊しているんですね。もう将来は学長のなり手がいなくなるんじゃないかという声も寄せられているんです。ですから、国立大学の役割あるいはそれぞれの地域の大学の役割、これをしっかり見て、どこかをふやしてどこかを減らすというんじゃなくて、抜本的に底上げをするというのが私は必要だというふうに思うんですよ。
 なぜなら、憲法は国民にひとしく教育を受ける権利を保障しております。教育の機会均等ということでいえば、経済的な理由で、あるいは地域の差によって教育を受ける権利が奪われるということはあってはならないということであるからです。そういう点では、大学の存続も含めて、本当に心配されているということです。
 私、資料で二枚目につけさせていただいたんですが、国際的な状況で、OECDの、二〇一二年度高等教育予算についてのGDP比各国調査が出ております。二〇一二年も、日本はGDP比〇・五で、先進国最低クラスです。OECD諸国の平均はGDP比一・二で、その前の年一・一から一・二に上がっているんですね。かつては一・〇というのが平均だったのが、もう一・二ですよ。
 ですから、もっと大学予算をふやして、大学教育、研究への支援や給付、奨学金の創設などの支援や、また、学費は抑制していく、下げていくということができる経済力はあるわけですよね。
 そういう点で、私は、きょう委員会に来られている各会派の、党の皆さんに、私たちは「学費の連続値上げは許さない」というアピールをお届けさせていただいたんです。国の大学予算を削減するために学費を値上げするという方針は、これは党派を挙げて撤回を求める必要がある。これは、国民や学生や、あるいは子育て中の皆さんとも力を合わせてその一点で頑張りたいというふうに思って、呼びかけさせていただきたいと思います。
 後でこのアピールは馳浩大臣にもお届けしたいと思います。委員会が終わったらお渡ししたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
 さて、先進国と比べても、日本の教育条件は大変立ちおくれていると言わなければなりません。OECDの平均と日本の平均で、小学校、中学校の一学級当たりの子供の数について伺いたいと思います。
○小松政府参考人 お答え申し上げます。
 OECDの調査によりますと、これは二〇一五年度版の発行物によるものでございますけれども、小学校段階では、お尋ねの件、OECD平均が二十一・三人、日本は二十七・四人。中学校段階では、OECD平均が二十三・六人、日本は三十二・五人となっているところでございます。
○畑野委員 OECD平均よりも日本の子供の方が一クラス当たり多くなっているということです。
 伺いますけれども、公立の小中学校の教職員定数をめぐっても、先ほどから各委員から発言があるように、九年間で約三万七千人もの削減を財政審の建議は打ち出しました。とんでもないことです。馳大臣はセンスのなさに愕然としたというふうにおっしゃったと新聞報道で読ませていただきましたけれども。
 既にこの文部科学委員会ではことしの六月に、当時の財政審が教職員大幅削減の議論を行っていることに対して、到底容認できない、全会一致で、大臣も当時委員としておられて賛成をして、決議をいたしました。
 この点で、今回の財政審の教職員定数削減に対してどのようにしていかれるつもりか、馳大臣の御見解を伺います。
○馳国務大臣 できれば財務省の坂井副大臣もお招きいただければよかったんですが、私は、先ほどの答弁を聞いていて、坂井副大臣のベースラインと言ったところを、加配の現状を踏まえたベースラインというふうにおっしゃったことに大変な違和感と、正直それは違うということを申し上げました。
 つまり、県単費で、市単費で、やむ得ず、必要だと思われる加配教員を配置している、そこをベースにして機械的に削るということは、地方の努力も一緒になって削って、では地方はどうするんだといえば、今までの自己負担しているような県単費、市単費部分をさらに自己負担で出さなければいけないということであって、これこそ負担のツケ回し以外の何物でもないと思っています。
 ただ、財務省が言っている、どこをベースにして議論したらいいのかという議論には私は応じたいと思っています。
 今実際に各自治体で取り組んでいる実態を踏まえた数字をもとにして、いや、これはベースとして守りながらも、今必要とされている習熟度別の教育の必要性とか、少人数教育の重要性であるとか、障害児に対するきめ細かな支援とか、また小学校の専科教員の課題もありました、また外国人に対する日本語教育の課題もありました。現場では、それぞれ必要と思われる加配を求めて、減ることはないんですよ、何でもっとよこしてくれないのかという声ばかりでありますから、その声を踏まえた交渉をすべきだ、こういうふうに考えています。
○畑野委員 少人数学級になって、掛け算、九九も一時間に二回ずつ聞いてあげられるし、漢字の学習でも授業の中で全員のノートを見て回ることができる、一番の問題は進級するときに四十人学級に戻らなければならないことなんだ、だから、クラスの規模を小さくして、一人一人の子供が自分の思いをゆったりと受けとめてもらえるような条件を整えることが必要じゃないかというのが現場の教員の声として上がっているんですね。
 この六月の委員会で上げた決議の中では、「教職員定数の計画的な改善に当たっては、義務標準法を改正し、」ということで、三十五人学級を法制化して実現しようと全会一致で決議を上げたわけですね。
 ですから、私は、そもそもクラスサイズを今よりも小さくしていくということをもっと正面から議論するべきだと思うんですが、いかがですか。
○馳国務大臣 少人数学級の教育効果を高める有効性というのは私ももちろん同じ考えであります。同時に、私、少人数教育という言い方も申し上げました。これはまさしく習熟度別の教育のあり方であります。
 同時に、三十五人を下回った場合に、これを定数にしてしまうと、分割をすると十七、八人のクラスになってしまうということが本当に教育効果上いいのかどうかということも考えれば、望ましいとは思いますが、財政状況も考えたらなかなか厳しい現実もあるということも踏まえる必要があると思っています。
 したがって、少人数学級の役割を全く否定するものではありませんが、少人数教育と組み合わせての役割といったことについても私はより一層検討する必要があると思っています。
○畑野委員 安倍首相が二月二十三日に、三十五人学級の実現に向けて努力していきたいと言っているわけですから、ぜひ政府として実現のために全力を挙げていただきたいと思うんです。
 最後に、高速増殖炉「もんじゅ」について質問して、終わります。
 これまで、建設に五千八百八十六億円、運転・維持費に四千三百三十九億円、合計一兆円以上つぎ込んだ結果が今の状況なんですね。大変な無駄遣いですから、これはどう馳大臣は総括するのか。
 私は「もんじゅ」の廃炉を決断すべきときだと思いますが、いかがですか。
○馳国務大臣 核燃料サイクル事業、この事業の重要性を考えた場合に、無駄という言葉で一刀両断することは私は適切ではないと思っています。
 ただ、今回の問題はやはり、安全運転そして点検の問題等についてのこれまでの原子力規制委員会の指摘を踏まえて、ある部分、運営主体をかえろという話でありますから、これは重大な意味を持っていると思っていますので、まずはこの勧告に従った対応を、これはこれで丁寧にするべきだと思っていますので、その点において取り組みます。
○畑野委員 国民の安全にとっても「もんじゅ」は廃炉にすべきだということを申し上げて、質問を終わります。
○池田(佳)委員長代理 次に、吉川元君。
○吉川(元)委員 社会民主党の吉川元です。
 本来であれば、通常国会の後に内閣改造があったわけですから、新内閣の方向性について総理がしっかりと所信を述べ、臨時国会を開会するのが本来の筋だというふうに思います。
 ましてや、現在、憲法五十三条に基づいて開会要求させていただいておりますけれども、政府はどうもこれを無視されるようであります。これは本当に、この姿勢というのは憲法そして立法府を愚弄するもの、そう厳しく批判をさせていただいた上で、質問に入らせていただきたいと思います。
 まず最初に、高速増殖原型炉の「もんじゅ」について質問いたします。
 十月に、日本原子力研究開発機構から、機器の点検に必要な安全上の分類で千三百八十七点の誤りがあったことが原子力規制委員会に報告されました。そのうちの十五点は、最重要クラスに位置づけられるべきものが最も低い段階に分類されていたと承知しております。
 「もんじゅ」は、二十年前のナトリウム漏れ事故以来、実質的に運転はされず、その間に八回の保安規定違反が指摘され、二〇一三年には運転再開準備の禁止命令が出されています。それに加えて、今回の分類の誤りや未点検箇所の発覚ですから、これはもう原子力研究開発機構の責任は免れるものではないというふうに思います。そして、規制委員会の方は、十一月に、「もんじゅ」の新たな運営主体を明示するよう文科省に勧告いたしました。
 この経過の中で、最初にお聞きしたいのは、「もんじゅ」の機器の点検のあり方についてです。
 「もんじゅ」は、約四万九千点の機器から成り立っているというふうに承知をしておりますが、そして、安全上の重要度を三段階に分類しているとも聞いております。この四万九千点から成る機器は、どのようなサイクルで定期的な点検を必要としているのでしょうか。
○田中(正)政府参考人 お答え申し上げます。
 「もんじゅ」の機器の点検間隔につきましては、機器の機能やプラントに及ぼす影響などを考慮いたしまして、保安規定のもとに定めます点検計画において設定されているものでございます。
 具体的に申し上げますと、シビアアクシデントを未然に防ぐ、あるいは、発生した後でも、周辺環境に影響を及ぼさないように閉じ込めるために必要な機能を維持する上で不可欠な設備や機器であるか、また、このような機器に影響する設備や機器であるか等の観点から、安全重要度というものを設定させていただきます。この場合、クラス1から3といったような分類をさせていただいております。
 またさらに、その設定した安全重要度や、「もんじゅ」に特有の機能を持つ機器であるか、他の機器に及ぼす影響が大きい機器であるか等の点を考慮しまして、保安規定上に保全重要度というのを設定させていただいております。この設定された保全重要度に従いまして、実際にどういう時点で保全をしていくのか、いわゆる点検をしていくのかということが定められているところでございます。
 以上でございます。
○吉川(元)委員 どのぐらいのサイクルで点検をしなければいけないのか、ちょっとお聞きしたかったんですが。
○田中(正)政府参考人 失礼いたしました。
 具体的には、個々の約四万九千個の機器の中には、非常に多様でございますので、一番頻度の高いものは毎日点検するというような機器もございますし、あるいは二十年に一度の点検でよいものまでということで、先ほど申し上げたような分類に応じて機器の点検頻度が設定されているところでございます。
○吉川(元)委員 それでは、実際にそういう機器の点検にかかわっている原子力研究開発機構の職員というのはどの程度いらっしゃるんでしょうか。
○田中(正)政府参考人 お答え申し上げます。
 「もんじゅ」に今実際に携わっていらっしゃる職員数は、平成二十七年十一月一日現在で四百三名でございますが、このうち、実際に機器の点検等に直接携わっていらっしゃる職員は百七十二名でございます。
○吉川(元)委員 今回の原子力規制委員会は、原子力研究開発機構ではもはや「もんじゅ」の管理は不可能だという判断に基づいて、新たな運営主体の選定を文科省に求めたものだと思います。
 しかし、非常に気になるといいますか、果たしてそれで可能なのかどうかというふうに感じますけれども、今お聞きした人員の配置、百七十二人ということで、その人数で、そもそも五万点にも及ぶ機器の点検、機器によっては毎日点検しなければならないものもあるというお話でありますから、そういう機器の点検を滞りなく行えるような体制であったのかという点です。
 職員のお話、新聞なんかでも少し読ませていただきましたが、機構の職員のお話によりますと、何度もお叱りを受けてみんな疲れ切っていると語っていることも報じられておりますし、私も同様なお話を間接的にお聞きしたこともあります。
 もともと「もんじゅ」は旧動燃が運営主体で、九五年のナトリウム漏れ事故などを受けて核燃料サイクル開発機構に改組され、さらに二〇〇五年には日本原子力研究所と統合して、現在の原子力研究開発機構となった経緯があります。
 過去においても運営主体はかわっているわけです。そして、なおかつ、運営主体をかえたからといって機器の安全点検が問題なく進んでいたわけではない、これはこの間の経緯を見れば明らかだろうと思います。
 それよりも、まず、機器の安全点検に資する人的な体制がきちんと確保されているのかどうか、これが問題だというふうに思いますけれども、この点についてはどのようにお考えなんでしょうか。
○田中(正)政府参考人 お答え申し上げます。
 「もんじゅ」につきましては、もともと、原子力規制委員会から保安措置命令を受けました、そのきっかけとなりました平成二十四年の約一万点の機器の点検漏れということがあったわけですが、それ以降、原子力機構において「もんじゅ」の集中改革等に取り組んで、品質保証や保守管理体制の再構築に取り組んできたところでございます。
 その一環としましては、平成二十五年十月から平成二十六年四月までに、実務経験者の採用や電力会社等から指導的な技術者の追加支援、原子力機構の他拠点からの職員の異動によりまして、計七十六名を保守管理にかかわる要員として追加的に補充をし、保守管理に関する体制強化を実施したところでございます。
 またさらに、ことしの四月からは、こういったメンバーに加えまして、民間出身の児玉理事長のもとで、機器の設計、製作のノウハウを有するメーカーや、プラントの運転、保守経験、スキルを有する電力会社等、民間の知恵を集結したオール・ジャパンの体制で、さらなる課題の洗い出しと対策の実施を現在進めているところでございます。
 原子力機構は、これによりまして、現在の機器の点検、保守管理の根本的な問題を解決するとしておりますので、文科省としましても、今般発出されました勧告に対して回答するまでの間については、原子力機構が「もんじゅ」の適切な保守管理体制の構築に向けて改善努力を続ける必要があると考えておりますので、引き続き指導をしてまいりたいと考えております。
    〔池田(佳)委員長代理退席、委員長着席〕
○吉川(元)委員 維持費だけで一日に五千万円かかります。既にこれまで一兆円を超える国費が投入をされてきたのが「もんじゅ」であります。しかも、実用化、実用化といいますけれども、現実、非常にそこからはほど遠い状況にあるのも事実であります。
 高速増殖炉そのものについて、世界で研究開発が進められてから既に五十年以上が経過をしています。しかし、商業化に成功した例がないばかりか、私が承知している限りでは、主要な先進国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスといった国々は八〇年代から九〇年代にかけて高速増殖炉を閉鎖し、また、その事業から撤退をしております。
 高速増殖炉の開発から撤退した国々と、その理由について、どのように文科省は把握をしているのか、お答えください。
○田中(正)政府参考人 お答え申し上げます。
 イギリス、アメリカ、フランスなどは、現在稼働中の高速炉はございませんけれども、過去に高速炉の運転の経験を有しておりまして、技術を習得していると承知しております。
 まず、イギリスにつきましては、実験炉DFRが一九五九年に初臨界に達しまして一九七七年まで運転を行ったほか、原型炉PFRが一九七四年に初臨界に達しまして一九九四年まで運転を行い、高速炉の技術実証性を確認したと承知しております。しかしながら、イギリスの場合は、北海油田を初めとした化石燃料資源が豊富にございまして、高速炉の実用化が必要な時期が二十一世紀中ごろにずれ込むとの判断から、高速炉計画を中止したものと認識をしております。
 アメリカでございますけれども、アメリカは、一九四六年に世界初の高速炉であるクレメンタインが初臨界に達した以降、六つの実験炉を運転してまいりましたけれども、一九七七年に発足いたしましたカーター政権のもとで、商業用再処理とプルトニウムリサイクルの無期限延期が発表されまして、計画段階であった原型炉CRBRの中止を決定いたしました。
 現在、アメリカは、国際協力により、放射性廃棄物対策を主眼とした研究開発を実施していると承知しております。
 また、フランスでございますが、フランスは、実証炉でありますスーパーフェニックスを一九八五年から一九九八年まで運転をしておりましたが、軽水炉と比較して当面経済性が確立されていないなどの理由から、廃止を決定したと承知しております。
 その後、二〇一〇年には、スーパーフェニックス運転の経験を生かし、放射性廃棄物の有害度低減に特化した実証炉でありますASTRIDの開発の計画を開始いたしておりまして、二〇二〇年代中の運転開始を目指して、開発を今進めているところでございます。
 このASTRIDの開発につきましては、日仏両国で、「もんじゅ」の活用も含めた我が国との高速炉協力に関する取り決めを締結しております。
 一方、ロシアや中国、インドといった国々につきましては、今後のエネルギー需要の増大を見込み、高速炉の研究開発に積極的に現在取り組んでいると承知しております。例えば、ロシアでは、一九八〇年から原型炉BN600の運転を行っておりまして、二〇一四年には実証炉でありますBN800の初臨界を達成してございます。また、お隣の中国では、二〇一〇年に実験炉CEFRの初臨界を達成しまして、二〇二五年ごろの実証炉の運転を目指していると承知しております。また、インドでは、一九八五年より実験炉FBTRの運転を行っておりまして、二〇一五年中に原型炉であるPFBRの運転の開始を予定していると承知しているところでございます。
○吉川(元)委員 世界的に、いわゆる先進国と言われる国々では、もう高速増殖炉については撤退というのがトレンドになっている、しかも、全くもってうまく進んでいないわけです。
 高速増殖炉の「もんじゅ」を見ていると、デジャブ感が漂います。かつてあった原子力船「むつ」、あれと同じように、結局、全くもって実際には航行することもしないまま、最初から放射能漏れを起こして廃船、今はエンジンを積みかえているようでありますけれども、それと同じようなことになっているのではないか。
 実用化のめども立たず、それから使用済みの核燃料をどうするのかも決まっておらず、高レベルの放射性廃棄物の処理もこれからどうしていくのかも決まらない、それが今の日本の原子力発電の現状です。
 先ほども言いましたとおり、非常に巨額の費用、維持するだけでも、何にも運転していなくても一日五千万円、しかも大量の電気を食うこの「もんじゅ」というのは、やはり私は廃炉しかないというふうに思います。
 日本原子力開発機構の研究と労力というのは、私は、これは技術的に不可能なんだろう、どうやっても。だとすれば、その研究と労力というのは、これからどんどん老朽化して廃炉を迎える原発がたくさんあります。その原発について、安全に廃炉できるような、そういう方向に力を振り向けるべきだというふうに思います。
 原子力規制委員会にお聞きしたいんですけれども、今回、運営主体の変更ではなくて、「もんじゅ」の廃炉の検討というものを文科省に求めるべきではなかったのかというふうに私は思いますが、この点についてはいかがお考えでしょうか。
○大村政府参考人 お答え申し上げます。
 「もんじゅ」につきましては、保守管理等の不備に係る種々の問題が次々と発覚をしたということで、結果的に、現在に至るまで十分な改善が見られていないという状況でございます。
 こうした状況を踏まえまして、原子力規制委員会として、機構が「もんじゅ」の出力運転を安全に行う主体として必要な資質を有していないというふうに考えるに至ったということで、安全確保の観点から、今回、勧告を行うに至ったということでございます。
 委員が御指摘の、原子炉施設を廃止するか否か、こういったことにつきましては原子炉設置者が判断すべきものというふうに考えてございまして、原子力規制委員会が何か申し上げるということではないというふうに考えてございます。
○吉川(元)委員 権限がないということでありますから、では、権限がある文科大臣にお聞きしたいと思います。
 やはりこれは、先ほど例を、ずっと歴史を見ていきますと、運営主体をいろいろかえたりしても結局うまくいかないということは、技術的にこれは無理なんだということだろうというふうに思います。
 そういう面でいうと、この後、少し教職員の定数のお話を伺いますけれども、今、国はお金がないということを言っていますが、「もんじゅ」には全く、毎日のように五千万円のお金をかけているわけです。
 こういう施設について、やはり私は廃炉にしていくべきだ、そういう決断を今すべきだと思いますけれども、大臣のお考えを伺います。
○馳国務大臣 昨年閣議決定されたエネルギー基本計画において核燃料サイクル政策の推進を定めておりますが、「もんじゅ」は、核燃料サイクルに関する研究開発において重要な施設であると位置づけられております。
 今回の原子力規制委員会の指摘も、安全規制の観点からなされたものであり、「もんじゅ」そのものを廃炉にすべきとの指摘ではないと理解しております。
 文部科学省としては、原子力規制委員会から勧告を発出される状況に至ったことを重く受けとめて、可能な限り速やかに課題を解決できるように対応を進めてまいりたいと思います。
○吉川(元)委員 規制委員会から廃炉すべき勧告ではないというふうに、だから廃炉しないんだということにはならないと思います。今ほど、規制委員会の方は、廃炉をしなさいというような、そういう権限は持っていないんだというお話なんですよ。この間の再稼働もそうですけれども、誰が最終的に責任を持って判断をするのかがここでもまた曖昧になっている。
 今の大臣のお話だと、規制委員会が廃炉にというふうな勧告を出していないから廃炉にしないんだというのだったら、これはいつまでたっても廃炉にならないですよ。この点、どうなんですか。もう一回お聞きします。
○馳国務大臣 改めてエネルギー基本計画においての内容を申し上げたいと思いますけれども、「もんじゅ」を含めた高速炉は、限られたウラン燃料をできるだけ有効に使い、また、放射性廃棄物をより少なくすることが可能となる等の特徴を有しておるということで、核燃料サイクルに関する研究開発において重要な施設である、こういう位置づけをしておりますので、政府としてこの位置づけは変わるものではありません。
○吉川(元)委員 可能になると言っていて、もう二十年なんですよ。全く進んでいない。しかも、やるたびにいろいろな点検のミスがあったりだとかトラブルが発生をする。だから、これは可能じゃないんですよ、もう。不可能なんですよ。
 なおかつ、廃炉の決定については、先ほど大臣は、規制委員会から廃炉と言われていないからというような答弁をされましたけれども、そういう認識なんですか。
 規制委員会は、廃炉をすべきであると言う権限は持っていないと言っているんですよ、事前のレクでも。それはあくまで文科省、政府、国が判断をすべき問題だというふうになったときに、それは規制委員会から言われていないからというのは言いわけにはならないと思いますけれども、その点はどうなんですか。
○馳国務大臣 まず、今回いただいた原子力規制委員会からの勧告、この内容を踏まえて、安全管理に、そして保守点検に課題がありと。そして、原研機構にかわる新たな運営主体を探すべきであると。それについての検討を進めておるところでありますけれども、勧告の趣旨にのっとった対応をすべきであると考えています。
○吉川(元)委員 だとすれば、かわる組織が見つからない場合は廃炉も検討するということでいいんですか。
○馳国務大臣 勧告の趣旨にのっとった対応を、まずは検討の場を設けて詰めて、速やかに対応を進めていきたいと思います。
○吉川(元)委員 ちょっともう時間が余りないので、教職員定数のお話もお聞きしなければいけないところがありますので、これできょうのところは終わりますけれども、やはりそれはもう廃炉という選択肢をきちんと見据えて対応していくことがぜひ必要だということを最後に申し上げておきたいと思います。
 続いて、教職員定数の関係についてお話を聞かせていただければと思います。
 まず、十一月二十四日にOECDが「図表でみる教育」の二〇一五年版を公表いたしました。やはりここでも相変わらず、GDPに占める教育機関への公的支出の割合、日本は三・五%で、平均の四・七を大きく下回る、最下位ということであります。
 やはり公的支出の低さは大変大きな問題だというふうに思いますし、これから本番を迎えます来年度の予算案の策定においても、ぜひ大臣には体を張ってでもしっかりと予算を確保していただきたいというふうに思います。
 それに関連しまして幾つかお聞きしたいと思いますけれども、今回のOECDの報告によりますと、労働時間、法定勤務時間でいいますと、日本は小中高全てで大体年間千九百時間。OECD平均と比較すると、大体三百時間近く上回っております。教壇に立たれた経験のある大臣であれば、よく御存じの実態だろうと思います。私は、実際はもっとこれよりも長時間ではないかというような気もいたしますが、国際的に見ても非常に突出した長時間労働である。
 それから、私、これを見てちょっと驚いたんですけれども、初等中等教育の勤続十五年の教員の給与、加盟国平均では上昇しているんですけれども、日本の場合は、二〇〇五年から一三年までの八年間で六%減少をしたというふうに報告をされています。
 これはやはり大きな問題だと思いますし、教職員の定数や、あるいは処遇の改善は待ったなしだというふうに考えておりますけれども、大臣はどのように考えておられるのでしょうか。
○馳国務大臣 全く同感であります。
 勤務時間、OECD調査の結果を拝見しますと、授業時間はむしろ三十時間少ないんですね。逆に、それ以外の勤務時間が多いということは、言葉は悪いですけれども、やはり報告業務とか授業以外の対応業務、校務分掌で忙殺をされているということの実態だと、私は、この数字も表明していると思います。
 人確法の方針を踏まえた処遇の改善はやはり必要である、そういう認識を持っています。
○吉川(元)委員 ちょっと、もう時間が余りないので少し飛ばして、来年度の予算案に関連いたしますけれども、文科省の概算要求では、来年度三千四十人分の定数改善を要求しております。その土台には、来年から二〇二四年までの八年間で二万八千百人の定数改善を予定し、自然減の三万三千六百人を差し引いても、現状から五千五百人の削減ということの計画が策定されていると承知しております。
 そうすると、財政制度等審議会、もうこれは何度もお話に出ていますが、三万七千人削減と大きな差が生じるわけですが、その中で、この二万八千百人の定数改善を求める主要な根拠をお聞かせください。
 それから、これも何度も議論になっておりますけれども、義務標準法の改正をどのように考えておられるのか、お聞かせください。
○馳国務大臣 今回提示をいたしました定数改善計画においては、日本の成長を支える新しい知、価値を創造する教育への転換を図るため、主体的、協働的な学びであるアクティブラーニングを実施するための指導体制の充実などに一万四千四百人、特別支援教育やいじめ、不登校への対応など、学校現場が抱える深刻な課題への対応に七千七百五十人、多様な教育課題に対して学校が一つのチームとして力を発揮できるよう、教員と事務職員、専門スタッフ等が連携、分担して校務を担う体制整備に五千九百五十人、これを盛り込み、合計二万八千百人の教職員定数の改善を計上しているものであります。
 このうち一万七百五十人については、主として大規模校における体制整備を図るため、義務標準法の改正により実施する要求となっております。
 文部科学省としては、義務標準法の改正による基礎定数の改善と教育課題に的確に対応する加配定数の改善の両方を実施することにより、教育環境の充実を図ってまいりたいと考えております。
○吉川(元)委員 やはり、ぜひ義務標準法の改正でやっていただきたいと思います。
 ちょっとお話を聞くと、予算の確保ができないとなかなか難しいというようなことも漏れ伝わってきます。それをやると、いつまでたってもできないんですよ。やはり法律で、まず義務標準法を改正して、それに基づいてきちんと予算の確保をしていただくということが私は大切だと思いますし、閣法として出せないということであるのであれば、議員立法も含めてやっていかなければいけないというふうにも思っております。
 あともう一点、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの配置についてですけれども、これを今回概算要求の中で盛り込まれておりますが、今、現状を見ますと、スクールカウンセラーの配置、一人で複数校、あるいは嘱託や非正規というのが大変多いというふうにも聞いております。この点についての大臣のお考えを最後にお聞かせいただければと思います。
○馳国務大臣 スクールソーシャルワーカーの重要性というのは、先般の川崎市のあの中学校一年生が殺害された事件においても指摘をされた重要なポイントでもありました。適切な配置となるように、また交渉してまいりたいと思います。
○吉川(元)委員 本当はもうちょっと、免許更新制度、この点について大臣はどういうふうにお考えなのかというのを一度お聞きしたかったんですけれども、きょうはちょっと時間がありませんので、またの機会にお尋ねをしたいと思います。
 以上で終わります。
○福井委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後四時五分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕