第189回国会 厚生労働委員会 第8号
平成二十七年四月十五日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 渡辺 博道君
   理事 赤枝 恒雄君 理事 後藤 茂之君
   理事 高鳥 修一君 理事 とかしきなおみ君
   理事 松野 博一君 理事 西村智奈美君
   理事 浦野 靖人君 理事 古屋 範子君
      大岡 敏孝君    大串 正樹君
      岡下 昌平君    加藤 鮎子君
      木村 弥生君    小松  裕君
      白須賀貴樹君    新谷 正義君
      田中 英之君    田畑 裕明君
      谷川 とむ君    豊田真由子君
      中川 俊直君    長尾  敬君
      丹羽 雄哉君    橋本  岳君
      比嘉奈津美君    堀内 詔子君
      牧原 秀樹君    松本  純君
      松本 文明君    三ッ林裕巳君
      村井 英樹君    阿部 知子君
      小川 淳也君    緒方林太郎君
      大西 健介君    中島 克仁君
      長妻  昭君    山井 和則君
      足立 康史君    井坂 信彦君
      柿沢 未途君    初鹿 明博君
      吉田 豊史君    伊佐 進一君
      輿水 恵一君    角田 秀穂君
      高橋千鶴子君    堀内 照文君
    …………………………………
   厚生労働大臣       塩崎 恭久君
   厚生労働副大臣      永岡 桂子君
   厚生労働副大臣      山本 香苗君
   外務大臣政務官      中根 一幸君
   厚生労働大臣政務官    橋本  岳君
   厚生労働大臣政務官    高階恵美子君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房総括審議官)         宮野 甚一君
   政府参考人
   (厚生労働省医政局長)  二川 一男君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  新村 和哉君
   政府参考人
   (厚生労働省労働基準局長)            岡崎 淳一君
   政府参考人
   (厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部長)  坂口  卓君
   政府参考人
   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       安藤よし子君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    藤井 康弘君
   政府参考人
   (厚生労働省老健局長)  三浦 公嗣君
   政府参考人
   (厚生労働省政策統括官) 今別府敏雄君
   政府参考人
   (厚生労働省政策統括官) 石井 淳子君
   厚生労働委員会専門員   中尾 淳子君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十五日
 辞任         補欠選任
  谷川 とむ君     岡下 昌平君
  岡本 充功君     小川 淳也君
  井坂 信彦君     柿沢 未途君
  牧  義夫君     吉田 豊史君
同日
 辞任         補欠選任
  岡下 昌平君     谷川 とむ君
  小川 淳也君     緒方林太郎君
  柿沢 未途君     井坂 信彦君
  吉田 豊史君     初鹿 明博君
同日
 辞任         補欠選任
  緒方林太郎君     岡本 充功君
  初鹿 明博君     牧  義夫君
    ―――――――――――――
四月十四日
 持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二八号)
 厚生労働関係の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
○渡辺委員長 これより会議を開きます。
 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として厚生労働省大臣官房総括審議官宮野甚一君、医政局長二川一男君、健康局長新村和哉君、労働基準局長岡崎淳一君、職業安定局派遣・有期労働対策部長坂口卓君、雇用均等・児童家庭局長安藤よし子君、社会・援護局障害保健福祉部長藤井康弘君、老健局長三浦公嗣君、政策統括官今別府敏雄君、政策統括官石井淳子君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○渡辺委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大串正樹君。
○大串(正)委員 自由民主党の大串正樹でございます。
 本日は、貴重な機会をいただきましてありがとうございます。本日は、一般質疑といたしまして、主に厚生労働行政における広報のあり方についてお伺いしたいと思います。
 まず最初に、広報という言葉の定義を少ししっかりと共通認識をしたいと思うんですけれども、一般に広告と呼ばれるものは、告知であるとか説得的なメッセージを提出するというふうな意味合いで広告は使われるんですけれども、本日お伺いしたい広報というのは、いわゆるPR、パブリックリレーションズという言葉がありますけれども、PR。
 もともとこのPRという言葉は政治的なところから出てきて、一八〇〇年代にアメリカのトーマス・ジェファーソンが教書の中で初めて使ったとされる言葉でして、本来の意味は、ステークホルダー、いわゆる利害関係者との信頼関係の構築を目指す、利害調整のための民主的な対話や相互理解という意味で、もちろん、広報という伝えるだけではなくて、広聴、聞くという両方の、双方向の意味合いを込めた、そういう意味でPRという言葉が使われていたということで、これは現在も非常に重要な概念として用いられるものでございます。
 今回、この広報、PRのことを取り上げた一つの理由は、厚生労働行政の扱う制度というのは、特徴としては、やはり国民生活に身近なものであるし、当然、皆さんに対して正しい理解をしてもらう努力というのはほかの政策以上に必要なのではないかなというふうに思いまして、そのためにも、やはり政策として広報戦略というものをしっかりとつくっていかなければいけないのではないか、その意味でちょっときょうはお伺いをしたいなというふうに思います。
 さらに、制度の理解がしっかりと進めば、制度への参加というのも促されることにもなりますし、逆に、制度に対する誤解が広まっているようであれば、それが結果的には制度離れの原因にもなってしまうのではないかという意味で、大変重要なのではないかなというふうに思います。
 まず最初に、概略として、広報にどれぐらいお金を使っているか、広報予算のことをお伺いしたいと思います。
 調べますと、政府の広報というのは大きく分けると三つのパターンがあって、内閣府の政府広報室という、各省庁の要望を受けて実施される広報の部分、そして、各省、厚生労働省であれば厚生労働省の広報室で行われる、主にはメディアの対応というふうに言われておりますけれども、そういう部分と、あとは各部局ごとの事業としての広報、実際の広報活動の三つがあります。
 まず最初に、厚労省の広報予算というのがどのようになっているか、その経緯も含めまして、広報予算がどういうふうな推移で動いているか、広報室あるいは各部局がどのような広報の予算を使っているかという点についてお教えいただきたいと思います。
○宮野政府参考人 お答えいたします。
 まず、広報室の広報予算でございます。
 過去十年間の推移で申し上げますと、平成十八年度、十年前の予算が約六千八百五十九万円、それから、五年前で申しますと平成二十二年度の予算で約五千五百七十万円、それから、平成二十七年度の予算で約五千八百三十一万円となっております。
 続きまして、各部局の広報予算でございますけれども、各部局の広報予算につきましては、各部局が実施しておりますそれぞれの事業の中に少しずつ含まれております。したがいまして、これは、それぞれの事業の中に広報予算に該当するものがあるのかないのか、どのくらいあるのかというのを精査する必要がございますので、恐縮でございますが、直ちに複数年間の推移を把握することは難しいということを御理解賜ればと思います。
 なお、平成二十六年度の予算につきまして、一般会計のみでございますけれども、広報に関係する各部局の予算、あらあら集計をしてみましたところ、約九億七千万円となっております。
○大串(正)委員 ありがとうございます。
 各部局それぞれの事業ごとで広報、宣伝をされているということですので、それが一概に、どれぐらいの予算がとられているかというのはわからない、それは承知いたしました。
 ただ、ここ十年ぐらいで六千八百万円ぐらいから五千八百万円ぐらいと、徐々に少し減ってきているのではないかなというふうに思いますし、私がちょっと調べましたところ、やはり政府の広報予算も全体としては大きく削られている。特に、平成二十二年の事業仕分けのときに半減したといういろいろな情報もあります。
 ですから、もちろん事業仕分け自体が悪いとは言わないんですけれども、減らしたことによって、実際は、中身ですね、広報の質の問題。要するに無駄な広報を減らして、だけれども効率的な広報のあり方というのをしっかりと考えなければいけないということで、具体的にはどういうことをやるのか。
 ちなみに、その予算の額が多いか少ないかという議論、多分いろいろあると思うんです。
 大体、政府広報の予算があらあらで四百五十億円ぐらいとまとめてみるとすると、一般会計予算九十兆円ぐらいの中では〇・〇五%、広報予算の占める割合というのはそれぐらいなんですけれども、一般の企業で見ると、売り上げに対しての広報予算というのが、例えば自動車産業だと一%ぐらい。これは、企業間の差、体力差もありますし、企業の売上高に大きく差があるので一概に言えないんですけれども、大体一%ぐらい。食品業界だと二%ぐらい、金融業だと五%ですね。目立って多いところが、例えばゲーム産業であるとか健康食品とか、あとは、おもしろいところで、男性用のかつらなんかが売上高に対して広報予算を非常にたくさん使っているんです。
 今の政府の広報予算というのは、決して私は多くないと思っておりまして、もう少し予算があってもいいと思うんですけれども、それでも、いろいろ時代の要請もありますし、あるいは財政的な問題もあって大きく削られてきたわけでございますが、実際に、予算が減らされていく傾向にある中で、広報の効果を向上させる取り組みというのは一体どういうことがされてきたか、あるいはどういうふうに向上させてきたかについてお伺いしたいと思います。
○宮野政府参考人 お答えいたします。
 一点、先ほどの答弁を訂正させていただければと思います。
 広報室の二十七年度予算、五千八百三十一万円と申し上げたかもしれませんが、五千三百八十一万円でございます。
 それから、私どもの広報についての取り組みでございますけれども、近年、新聞ですとかテレビなどのマスメディアに加えまして、インターネットあるいはソーシャルメディアの利用者がふえております。こうしたことを踏まえまして、厚生労働省のホームページを平成二十四年三月にリニューアルして利便性を向上する、あるいは、平成二十二年九月からツイッターによる情報発信を開始するというような取り組みを行っております。現在、ホームページのアクセス数は一日当たり約九十八万件、ツイッターを閲覧できるフォロワーの数は約二十四万人となっております。
 また、限られた予算の中で効果的な広報効果を得るために、無料の広報誌等に無料による記事の掲載の提案を行っております。例えば、国民年金保険料の前納制度、あるいは、食中毒予防のポイントといったようなものが掲載をされております。
 さらに、職員の広報力の向上、あるいは、発表資料等がわかりやすく、報道されやすいものになるように、民間の有識者、報道関係者を講師に招いて、職員の広報力の向上を図ります広報力向上研修というものを実施しております。また、平成二十二年九月からは、民間の専門家を招いて、分かりやすい広報指導室というのを設置しております。これによって、発表資料ですとかリーフレットをわかりやすいものに修正するというような取り組みも行っております。
 今後とも、こうした取り組みによりまして、効率的、効果的な広報発信に努めてまいりたいと考えております。
○大串(正)委員 ありがとうございます。
 近年では、昔のようなテレビとかあるいはラジオというメディアだけではなくて、インターネットを通じた情報発信、さらには、新聞とネットをうまく連携させるようなクロスメディアといった、いろいろな情報発信の仕方があると思いますので、ますます工夫をされて、いろいろな取り組みをされていっていただきたいというふうに思います。
 では、ちょっと具体的な部局の話というか、具体的な事業単位でもう少し掘り下げてみたいと思います。
 いろいろな政策がありますけれども、きょうはひとつ年金に関する広報のお話をしたいと思います。
 年金制度というのは、私もいろいろ厚生労働の関係の政策を拝見する中では、制度のいい悪い以前に、やはり制度が難し過ぎるのではないかなというところに大きな問題があると思っております。そこで使われている用語、年金の制度の中で使われている用語が非常に難しくて、実際に一般の方々にどこまで理解されているのかなというのは実はすごく疑問に思うところがありまして、恐らく皆さんも、地元に帰られていろいろな有権者の方々とお話しするときに、やはり年金に関する質問とか問い合わせは非常に多いと思うんですね、私もそうなんですけれども。
 通告等はしていないんですけれども、大臣、もしよろしかったら一つちょっと教えていただきたいんです。
 地元を回られて、年配の方々のいろいろな要望を聞く場面というのはあると思うんです。私なんかすごく多いんですけれども、年金はもうこれ以上下げないでくれという要望というのは、よく立ち話とかで言われると思うんです。そういったときに、例えば大臣でしたらどんなふうにお答えしているかというのを、ちょっと模範解答的に教えていただければと思います。
○塩崎国務大臣 先生御指摘のように、一番言われるのは、年金を下げるなというふうに言われます。なかなかいわく言いがたい言い方をしないといけないわけでありますが、やはり年金というのは、今の若者が今の高齢者を支えるということでもありますけれども、将来のことも考えていかなきゃいけないので、できる限り皆様方の生活水準は守れるように考えていきたい、そんなふうに言っています。
○大串(正)委員 ありがとうございました。
 私も、いつも聞かれて、一番困って、一番ずるいのは、その辺に歩いている子供がいたら、子供を指さして、この子たちのためにということを言うと、割とみんな納得をしてくれるというか、それ以上は言わないというか。
 やはり、我々の世代、年配の方も、自分も含めて、我々はとにかく何とか頑張って、この子供たちのために何とかいい制度を残しましょうという話をするんですけれども、ただ、実際に、そういうふうに言われて、いきなりマクロ経済スライドがとか、そういう話は多分されないと思うんですね。
 だけれども、年金が上がる下がるという話を正確にやはり知ってもらおうと思うと、物価スライドであるとかマクロ経済スライドというのをきちんと理解しないとその仕組みというのは理解できない、ここに実は年金制度の不幸があると思うんです。
 一番重要なのが所得代替率ということで、多くの方が多分誤解されていて、将来は、自分の所得がなくなった分、全部年金で補ってもらえるというふうにもし誤解しているとしたならば、今の年金制度に対しては非常に大きな不満を持ったままで、これは解消されないと思うんですけれども、それでも、所得代替率、モデルケースがあって、五〇%ぐらいの所得代替率を目指して制度設計をしていますと言っても、多分、そこまで理解されていないのではないかなということを思うんです。
 実際に、年金制度のそういった要望、所得代替率であり、マクロ経済スライドや、もっと言うと、財政検証の中に出てくるいろいろな経済用語も含めて、ほとんど周知されていないのではないかなというふうに思うんですけれども、その点、用語の意味も含めて、どういうふうな理解の周知をされているか、その辺の認識についてちょっとお伺いしたいと思います。
○高階大臣政務官 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、制度改正もたびたび行われておりますものですから、なかなかわかりにくい。特に制度の趣旨とかそれから仕組み、こういったところについては丁寧に説明を申し上げまして理解をいただく、それがとても大切だと考えております。また、そのことを徹底していくことできちっとこの制度に参加をしていただく、こういったことに取り組んでまいりたいと思っております。
 具体的に、少しずつ伝達の方法についても工夫をしてきておりまして、例えば、若者の関心に沿った形で情報提供していくとか、そういったこともしてまいっております。先ほどのやりとりにございましたホームページでの周知、これはもちろんでございますが、地域に根差した啓発活動の一環といたしまして、日本年金機構において地域年金展開事業というのを実施してございまして、例えば、出張相談あるいは制度の説明会、あるいは、高校や大学、専門学校などと連携をいたしまして出前教室などを実施しております。この出前教室、年金セミナーと申しておりますが、年間で延べ二千四百七十九回実施しておるところでございまして、細かな用語などについてもここでお伺いいただける状況となっております。
 また、日本フランチャイズチェーン協会の御協力を得まして、昨年は、全国五万店舗のコンビニエンスストアへの啓発ポスターの掲示、これを行っていただいておりまして、若い方々への周知というのを促進しようとしているところでございます。
 また、本省といたしましては、十一月三十日を年金の日と定めまして、シンポジウムを開催し、わかりやすい情報発信とあわせて、制度改正に関する意見の聴取も行っております。
 いずれにいたしましても、若い世代から早くにこの知識を得ていただきまして、こうした取り組みを積極的に進めていくことで年金制度の理解と参加を促してまいりたいと思います。
○大串(正)委員 ありがとうございました。
 いろいろなやり方、いろいろな方法、本当に総動員してやらなければいけないと思うんですけれども、言葉の意味も含めて、現状どれぐらい理解されているか、そういった調査もしていただきたいなというふうに思いますし、最終的なユーザーである国民の皆さんがどういう理解をして、どういうところがわかりにくいかというところを含めて、しっかりとした広報戦略を立てていっていただきたいなというふうに思います。
 あともう一つ重要なのではないかなと思うんですけれども、教育の中で社会保障についての理解をもっともっと深めていただきたいなということで、学習指導要領をちょっと拝見する中では、文科省の中でも、小学校六年生の社会の中で社会保障という言葉が出てきて調べ学習をしてみたりとか、あるいは中学、高校でも少し制度の理解とか、高校レベルになると少子高齢化なんかもあるんですけれども、文部科学省とのそういう連携の中で、社会保障への理解の深まりをどのように検討されているか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○今別府政府参考人 今先生に御指摘をいただきましたように、教育において社会保障をきちんと意義づけるというのは極めて重要だと考えております。
 社会保障と税の一体改革の中でも、国民の理解と協力を得る、とりわけ次世代の若者について、社会保障の意義を正しく理解してもらう、それから、問題意識を持ってきちんと考えてもらうことが重要だということで、今先生御指摘のような文科省との連携に加えまして、私どもで二十三年の十月に研究会をつくりまして、この研究会では教材までつくり込むということをやりました。それも、一回つくってモデル校で実際に使ってみて、またそれを改善するということを繰り返しまして、去年の七月に教材が完成をしましたので、映像教材も含めまして全国の全ての高校五千校にこれを配付いたしました。
 それから、県の教育委員会あるいは先生方の研究会で、実際にそれをどうやって使っていくのかという研修も今やっております。
 それから、先日、医学会が神戸で開かれましたけれども、ここで、未来医エキスポという催しに医療保険の広報をパネル展示していただきました。医学会というのは、明治三十五年から百年以上、四年置きで二十九回目ですけれども、政府が直接参加をするというのは初めてでございました。
 こういう研究会でも指摘をされておりますいろいろな取り組みを、一つ一つ丁寧にやっていきたいというふうに考えております。
○大串(正)委員 ありがとうございます。
 省庁をまたがるお話になって、なかなか難しいところもあると思いますけれども、我々もぜひ協力をしていきたいと思いますし、教育の中で、そういう具体的な教材もつくられているということであれば、ぜひ支援をしながら進めていきたいと思います。
 最後に一つだけお伺いしたいことがございます。
 年金みたいな、長期的な視点で広報活動を続けていくことも大事なんですけれども、厚労省の分野の中には、緊急を要するもの、早く周知しなければいけないものもあると思います。
 例えば、記憶に新しい、昨年の三月にベビーシッターに子供を預けて殺されてしまった事件がありましたけれども、ああいった場合、そういう危険なサイトを通じたマッチングで安易にそういうベビーシッターを選ばないでほしいということで、そのときの厚労省の対応は、ウエブサイト上に注意喚起が促されたわけですけれども、その後、いろいろ議論を経て、どういう周知方法が検討されたかだけ、最後にちょっとお伺いできればと思います。
○安藤政府参考人 昨年の三月十七日に、ベビーシッターを名乗る男性の自宅から男児が遺体で発見されるという痛ましい事件が発生しました。このときは、同様の事件の再発防止に向けまして、利用者への注意喚起を急ぐという必要がございましたので、厚生労働省としては、直ちにベビーシッターなどを利用するときの十項目の留意点を取りまとめて、三月十九日、二日後に公表いたしました。
 具体的に行いましたのは、ホームページへの掲載、ツイッターを活用した注意の呼びかけ、それから消費者庁や地方自治体、関係団体、インターネットのマッチングサイトの運営者など、さまざまな主体に、窓口での周知はもちろんでございますが、メール配信やホームページへの掲載といった形で協力を要請いたしまして、留意点の周知を、直接そうした情報が必要な方々に届くような工夫を行ってきたところでございます。
○大串(正)委員 ありがとうございました。
 命にかかわるものでもありますので、これからいろいろなことが起こると思いますので、できるだけ、日ごろからいろいろな広報のチャンネルを持っていただければというふうに思っております。
 本日は、どうもありがとうございました。
○渡辺委員長 次に、新谷正義君。
○新谷委員 自由民主党の新谷正義でございます。
 本日は、質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
 社会保障制度、労働法制の改革など課題が山積する中で、また多方面からさまざまな御意見がある中で、日々調整をしながら厚生労働行政に当たられている塩崎大臣初め先生方、厚生労働省の皆様に、厚く御礼申し上げたいと存じます。
 社会保障費が国の財政を大きく圧迫する中で、少子高齢化は、本日もあすも確実に進んでまいります。これからさらに増大していく社会保障費にどのように向き合っていくか、我々は、近視眼的な議論だけではなくて、長期的な視野に立って真摯に議論を深めていかなければならない、そのように考えております。
 今国会も、引き続き御指導のほどよろしくお願いいたします。
 それでは、早速質問に入らせていただきます。
 今国会では医療制度改革が進められていくことと思いますが、医療制度を含む社会保障制度は、財源なくしては成立しません。国が借金をすることで、後の世代に負担を先送りして財源を確保しているこの現状は、強い決意を持って改めていかなければならない、そのように考えております。
 そのためにも、景気に左右されにくい、安定した財源となる消費税によりまして国民の皆様に広く御負担をお願いすることは、我が国の財政状態を考えれば、避けることはできないと認識しております。しかし、経済が大きく失速してしまえば元も子もないということで、昨年の衆議院総選挙では、国民の皆様に信を問いまして、消費税増税は一年半延期させていただくことになりました。
 いずれにしろ、この消費税増税は避けられない流れになると考えておりますが、その前に、消費税のありようにおける議論も進めていかなければならない、そのように考えております。
 その中で、一つ、消費税の課題として、医療機関のいわゆる損税の問題がございます。
 輸出企業などには消費税還付の仕組みがございますけれども、医療機関にはそのような制度はございません。保険診療をしている多くの医療機関は、収入の大部分を占める保険診療報酬におきまして、患者さんから消費税を払ってもらうことはできません。一方、医療機関は、自分が医療材料を仕入れるとき、あるいは、これはかなり大きな負担となるんですけれども、増改築を行う、設備投資を行う、こういったときにはしっかりと消費税を払っております。
 これでは医療機関が最終消費者の形になってしまい、よろしくないということで、現在は、診療報酬によりまして、医療機関が消費税として負担した分を補填する、こういった形になっております。
 昨年も、このような考え方のもと、診療報酬の改定が行われたところでございますけれども、医療側からは、わかりにくいとか、医療の質を高めるために積極的な設備更新を行えば行うほど消費税による損が大きくなるとか、こういった御意見が出ているのも事実でございます。医療関連の各団体からも、次回の消費税改定時に抜本的な解決をお願いしたいとの要望も出ています。
 これに関しては、調整は大変難しい問題だと認識はしておりますが、医療機関の消費税に関する課題に関しまして、政府の今後の方針をお伺いしたいと思います。
○橋本大臣政務官 消費税が非課税とされております社会保険診療におきまして、医療機関が医薬品等を仕入れる際に支払う消費税分は、今委員御指摘がありましたとおり、診療報酬により手当てされているというのが現状でございます。
 医療に係る消費税のあり方につきましては、これもお話しいただきましたけれども、さまざまな御意見があり、医療機関等の消費税問題の抜本的解決を図ることという御要望を医療界からいただいているということも承知をしております。
 昨年末に取りまとめられました与党税制改正大綱におきましては、医療に係る消費税等の税制のあり方につきまして、抜本的な解決に向け、個々の診療報酬項目に含まれる仕入れ税額相当額分を見える化することなどにより、まずは実態の正確な把握をしようということ、それから、税制上の措置については、医療保険制度における手当てのあり方の検討等とあわせて、関係者の御意見も踏まえ総合的に検討し、結論を得るということとされております。
 いずれにいたしましても、平成二十四年の三党合意による税制抜本改革法におきまして、医療に係る課税のあり方については引き続き検討することとされておりまして、また、税については与党にて御議論いただくのが通例ということにもなっておりますから、与党の御議論の状況等を踏まえつつ検討してまいることになると考えております。
 以上です。
○新谷委員 ありがとうございます。
 次に、労働法制に関してお伺いしたいと思います。
 少子高齢化の進展、また仕事に対する考え方が変わっていく中で、労働法制のあるべき姿も大きく変わってきていると考えております。人口もGDPも右肩上がりにふえていく時代には整合的であった制度も、現在では整合的でない、こういったような、言うならば制度疲労といったことが生じてきています。既成概念で新しい制度を全否定してしまうのではなくて、さまざまなニーズに即した多様な働き方を支援していく体制に労働法制も変わっていかなければならない、そのように考えております。
 昨今、非正規、この言葉がひとり歩きをしているように思われます。国全体で労働力不足が今後大きな問題となっていく中で、健康寿命を延ばしていく一方、高齢者の方々にもどんどん社会参加をしてもらわなければなりません。高齢者の方々は、働くに際しては、非正規と分類される働き方をむしろ望むことも結構多いんじゃないかと思います。このようなことを考えると、非正規と分類されていても、ニーズに合った働き方ならば、むしろ望ましいこととして当然広がっていくべきと考えております。
 一律に、非正規はすなわち悪である、こうしてしまうのではなくて、望んで非正規となっている本意非正規と、望まず非正規となっている不本意非正規を、まず分けて考える必要があると考えております。
 特に、これからの大きな課題は、若者の不本意非正規をどのように解決していくか、あるいは非正規を望んでいる本意非正規の場合においても、どのようにスキルアップを実現していくか、こういったことが大きな課題になってくるんじゃないかなと考えております。
 本来ならば、青年、壮年期の方々は、知識の吸収力とかあるいは実行力、こういったものは充実しておりまして、スキルアップ、キャリアアップの可能性も大きくて、それを望んでいる方も多いだろう、このように考えるからでございます。
 若者の雇用問題も含めて、どのように多様な働き方、あるいはスキルアップ、キャリアアップを支援していくか、そして、どのように労使双方のニーズに合った働き方を実現していくのか、今国会における取り組みをお伺いしたいと思います。
○坂口政府参考人 ただいま委員の方から御指摘ございましたように、非正規問題については、本意非正規、不本意非正規という問題がございますように、非正規労働者の中には、育児、介護等の理由で、いわばワーク・ライフ・バランスの面といったようなことから自分の都合のよい時間に働きたいという方がおられる一方で、やはり、正規の雇用が仕事がないということで非正規雇用で働く方がおられるということで承知しております。
 非正規を取り巻く面ではいろいろな課題もあるということもございますので、私ども厚生労働省といたしましては、正社員実現加速プロジェクトということを推進しております。
 この中で、わかものハローワークなどにおける、フリーターなどに対する担当者制によるきめ細かな支援を行いましたり、あるいはキャリアアップ助成金、トライアル雇用奨励金というようなものの活用促進、それから、就業経験等に応じた公共職業訓練等の実施などを通じまして、正社員を希望する若者の方にはその道を開く、柔軟な働き方を選択する若者に対しては働きに見合った処遇の改善を進めていくということを進めておるところでございます。
 また、こういった取り組みに加えまして、この国会には若者雇用促進法を提出させていただいておりまして、その中では、若者の適職選択の支援でありますとか、能力開発などを推進するための取り組みを盛り込ませていただいておるところでございます。
 こうした取り組みを通じまして、多様で柔軟な働き方を進めて、働く若者が個々の状況に応じて生きがいを持って働くことができるようにするとともに、企業にとってもすぐれた人材の確保、育成ということが図られるような環境を整備してまいりたいと考えております。
○新谷委員 ありがとうございます。
 ぜひ、ニーズに合った働き方、あるいは希望が持てるような制度改革、このようなものを進めていただければと思います。
 次に、医療関連産業に対する取り組みに関してお伺いしたいと思います。
 国内では、医療・介護費は年々上昇しておりまして、国民全体でこれらをどのように負担していくかは大きな問題となっておりますが、一方で、視点を変えてみますと、我が国の医療関連産業としては、大きな国内市場があるとも考えることができます。今だからこそ、逆に、大きな国内市場をばねにして、海外に医療関連の製品やサービスをどんどん売り出して稼いでいく、そのようなたくましさが我が国に求められていると考えております。
 総理の施政方針演説でも、革新的ながん治療薬の開発やiPS細胞の臨床応用のお話がございました。年間二兆円を超える医薬品、医療機器の輸入超過を覆して、我が国の富を我が国に引き戻していく、こういったことが非常に大きな課題になるんじゃないかと考えております。
 日本の市場に出る再生医療製品は、まず、人工皮膚、人工角膜から走り出しました。この製品を開発した企業は、数年間、かなり大きな赤字に耐えていらっしゃったようでございますけれども、現在、ようやっと、この商品の利用も広まってきているところでございます。まさにこれから海外市場にも展開をして売り上げを伸ばしていただきたい、そのように考えております。
 こういった企業は、一度軌道に乗りましたら、大きな利益を生んでいくのだろう、そのように考えております。世界に先駆けて製品やサービスを開発して、付加価値の高いところを我が国の産業がしっかりと押さえていく、つまり、イノベーションから先行者利益をしっかりと確保していく、この王道を行くことが極めて重要である、そのように考えております。
 再生医療に関しましては、理化学研究所の高橋政代先生が、iPS細胞を使った世界初の臨床治療に取り組んでおられるところでございます。これも大きく報道されているので、国民の皆様もよく御承知だと思います。
 再生医療関連産業だけではなくて、製薬、医療機器などに関しましても、どんどん我が国発で海外に売り出していっていただきたい、そのように考えておりますし、また、国としてもこれを後押ししていかなければならない、そのように思っております。
 今月より、日本医療研究開発機構、新しい独法が始動しております。臨床研究の活性化も大いに期待されるところでございます。
 医療関連産業を今後どのように後押ししていくか、経産省、外務省などとの連携、あるいはPMDA、日本医療研究開発機構、これら独法との連携も欠かすことはできないと思いますけれども、今後の厚生労働省の取り組みをお伺いしたいと思います。
○二川政府参考人 医療関連産業についてのお尋ねでございますけれども、この医療関連産業は、国民の保健医療水準の向上に資するとともに、高付加価値、知識集約型産業でございまして、昨年六月に閣議決定されました日本再興戦略におきましても我が国の成長産業の柱として位置づけられているところでございまして、今後の経済成長を担う重要な産業として期待されるところでございます。
 厚生労働省におきましては、革新的な医薬品あるいは医療機器の実用化を推進するために、研究開発から実用化に至るまでの各ステージにおきまして、途切れることのない支援を行っているところでございます。
 具体的には、基礎的研究成果を革新的医薬品として実用化に導くための研究開発への支援、それから、共同研究を促進する税制上の措置、臨床研究、治験環境の整備、それから、御指摘のPMDAにおける薬事戦略相談の拡充、こういったことを行ってきているところでございます。
 また、日本の医薬品の産業育成、国際社会の保健衛生の向上への一層の貢献を目的といたしまして、今後、まだ仮称ではございますけれども、国際薬事規制調和戦略を策定し、薬事規制に関する国際調和や国際協力を戦略的に推進したいと考えているところでございます。
 今後とも、厚生労働省が主催する政府機関と業界のトップ同士の意見交換の場である官民対話、こういった場を活用することを初めといたしまして、内閣官房の健康・医療戦略室、文部科学省、経済産業省等の関係府省と連携を強化してまいりたいと考えております。
 また、今月設立されました日本医療研究開発機構を初めといたしまして、PMDA、あるいは国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所等とも密接な情報交換等により連携を強化しながら、我が国の医療関連産業の国際競争力を維持強化していくために適切な支援を続けてまいりたいと考えているところでございます。
○新谷委員 ありがとうございます。
 次に、地域包括ケアシステムという考え方に関してお伺いしたいと思います。時間が押しておりますので、少し早口でお話しさせていただきます。
 団塊の世代が全て後期高齢者となる二〇二五年を見据えて、地域の限られた医療資源、介護資源の中でどのように医療と介護に向き合っていくか、その方向性を示すものとして出てきたのが地域包括ケアシステムの概念であったと認識しております。
 住みなれた地域の中での医療と介護サービスの一体的な提供を目指すとの考え方が根底にありますけれども、私は、ここでいま一度概念の整理をした方がよいのではないか、そのように考えております。
 本来は、それぞれの地域が、地域を基本としながらも、実情に即して計画を立てていくのが地域包括ケアの本旨ではないかと思います。資源の優位性といいますか、医療、介護、いずれかが不足している場合、地域横断的に、資源のあるところを活用するのは本来合理的なことだと考えております。
 今後、都心部では介護サービスの大幅な不足が予想されています。その状況は恐らく何十年かは続くんじゃないか、そのように予測しているところでもございます。既に都心在住で介護施設に入る必要がある方は、都心周辺地域の施設を利用していることも多いです。これは、三次医療圏も超えてしまっているのが実情でございます。都心部では、施設に入所する前でも、独居高齢者あるいはマンションの老朽化など、今後、より一層こういったことが問題化してくると思われます。
 こういった一連の流れを見ていると、都市部の住人の方が地域ということにこだわる必要があるのだろうか、そのように思うことがございます。都心周辺の地域は逆に医療が不足していますし、例えば、東京でいえば、関東全体で医療、介護のニーズを満たしていけばよいのではないか、この場合、地域という言葉は関東全体を指し示すことになるのではないか、そのように思うことがございます。
 都心部では、医療の方は、集積の経済性といいますか、さまざまな医者が一カ所に集まることで高品質の医療サービスを提供することもできております。
 こういった機能分担を考えますと、超急性期病院へのアクセス時間は長くなってしまうことは御了解をいただきながら、都市部高齢者の方が地方の集合住宅や施設を利用していただくことなども、むしろ推奨していくべきではないかと考えているところでございます。
 そういった合理性の観点から、今後の地域包括ケアの考え方を一度整理をする必要があると思っているんですけれども、考え方に関して簡潔にお伺いしたいと思います。
○三浦政府参考人 地域包括ケアシステムについてのお尋ねがございました。
 大都市と地方など、地域の実情に応じてそれぞれシステムが異なると考えておりまして、市町村が中心となり、都道府県と連携しつつ、地域の実情、特性に応じてつくり上げていく、こういうことが必要であると考えております。
 その際、隣接する地域では、互いに連携協力するということも有益だと考えております。
 例えば医療におきましては、都道府県間の患者さんの流出入ということもございます。地域医療構想の策定に当たって、都道府県間で役割分担を話し合い、医療提供体制を構築するということでございます。
 また、介護におきましても、例えば厚労省が主導いたしまして一都三県の連絡会議を開催するということで、各都県において適切な介護基盤整備などが図られるよう、情報提供、施策の連携協力ということを進めるための議論を行っているところでございます。
 今後も、こうした取り組みを推進するということによりまして、高齢者が安心して医療・介護サービスを利用できるように努めてまいりたいと考えております。
○新谷委員 ありがとうございます。
 あと一問ちょっと通告しておりましたけれども、大変恐縮ですけれども、時間が参りましたので、質問を終了したいと思います。
 どうもありがとうございました。
○渡辺委員長 次に、古屋範子君。
○古屋(範)委員 おはようございます。公明党の古屋範子でございます。
 本日は、B型肝炎の関連、特に予防、また早期発見という観点から質問してまいりますので、よろしくお願いいたします。
 本年一月になりますが、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会におきまして、B型肝炎ワクチンの定期接種化に向けた意見が取りまとめられました。
 このB型肝炎ウイルスに一旦感染をいたしますと、一部の人は、キャリアと言われる、ウイルスを体内に持ち続ける状態になりまして、このうちおよそ一〇%の方が慢性肝炎を発症して、肝硬変、肝がんに進行するリスクがあると言われております。特に三歳未満の乳幼児はキャリアになりやすいことがわかっておりますので、ワクチンを接種するということが重要になってまいります。
 WHOでは、一九九二年、全世界の国々に対して、生まれた子供全員にB型肝炎ワクチンを接種するように勧告をしております。二〇一三年までで、百八十三カ国が乳幼児の予防接種にこのB型肝炎を取り入れております。
 また、日本におきましては、一九八六年から始めました母子感染防止事業、これが大変大きな成果を上げております。これによりましてB型肝炎が大きく減ってきた。
 しかし、母子感染防止だけでは防ぐことができないということで、特に、B型肝炎は乳幼児期に感染すると慢性化しやすい、主な感染経路というのは出産の、母親の血液でありますけれども、それだけではなくて、そのほか、家族であるとか保育園の子供同士でも感染をするということがわかってまいりました。これは、すぐに赤ちゃんにワクチンを接種するということが有効であると思われます。
 このB型ワクチンが定期接種化されますと、ほとんどの感染が予防できる可能性が高まってまいります。子供たちの命を守るために、一日も早く定期接種化を実現すべきと考えます。
 この定期接種化には、およそ百九十億円必要とされるという試算がございます。しかし、国民一人当たり約百五十円程度の負担で、子供たちを、このキャリア、慢性肝炎、肝硬変、肝がんから守ることができるというわけでございます。財務省当局あるいは総務省等、関係省庁とも調整を進めていただいて、ぜひとも定期接種化を実現していただきたいというふうに思っております。この御所見を伺いたいと思います。
○塩崎国務大臣 今先生御指摘のB型肝炎ワクチンについてでございますけれども、世界のほとんどの国で小児に対して接種がなされておりまして、平成二十四年の厚生科学審議会においても、これまでの議論を踏まえて、医学的、科学的観点から広く接種を促進していくことが望ましいという提言をいただいているわけであります。
 先般、厚生科学審議会において、これは一月の十五日でございましたが、国民に対して広く接種機会を提供する場合の技術的な課題の検討を終えたところでございまして、厚生労働省としては、今後、B型肝炎ワクチンの供給・実施体制の確保、必要となる財源の捻出方法等の検討を行った上で、関係者の御理解を得るとともに、予防接種施策に対する国民の理解が得られるように協議を行ってまいりたいというふうに考えております。
○古屋(範)委員 ぜひ定期接種化に向けて御努力をお願いしたいと思います。私も、できることはしっかりさせていただきたいというふうに思っております。
 次に、もし定期接種化が実現した際の対象について聞いてまいりたいと思います。
 このワクチン分科会の検討結果では、対象として出生後十二月までというふうになっております。全体では三回の接種が必要ですので、生後二カ月、そして三カ月、七、八カ月という接種が標準的というふうになっております。三回接種するのに全体で五、六カ月かかってしまうということでございます。
 ですので、例えば二〇一六年四月から定期接種化が開始をされたとしますと、四月の時点でもう既に七カ月を過ぎているお子さんの場合には、一回目を接種しても、十二月までに三回の接種を終えることが難しいという事態が起こりますので、ぜひ、ここの件に関しては、三回目の接種が完了するまで、十二月を過ぎてもできるような検討をお願いしたいというふうに思います。
 また、このB型肝炎ワクチンの有効性について、続けてお伺いをしたいと思います。
 これにつきましては、急性B型肝炎の多くが青年期に発症してくるということで、ワクチンを赤ちゃんのときに接種しても、青年期以降も有効かどうかということであります。一旦免疫ができたとしても、時間が経過するにつれて徐々に薄れていくのではないかということで、厚生労働省の資料によりますと、抗体の量そのものは時間とともに減っていき、十五年から二十年くらいで半減するということが書かれております。諸外国でも、それぞれ民族が違うと思うのですが、ガンビア、台湾、米国、中国などでも、これに関する研究がされております。
 ぜひ、このB型肝炎ワクチンの効果持続性、また追加接種についても、あわせて研究をしていただきたいというふうに思っております。この点、いかがでございましょうか。
○新村政府参考人 お答えいたします。
 ことし一月に開催されました厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会におきまして、予防接種の対象となる年齢、今お話ございましたように、出生後から生後十二月までとすることとされております。現在、広く接種機会を提供する具体的な方法を含めて関係者と必要な調整を進めているところでございまして、御指摘の点も含めまして、今後、詳細を検討してまいりたいと考えております。
 また、ワクチンの効果の持続性の点でございますけれども、これまでの厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会における技術的な課題の検討におきましては、長期間にわたりワクチン接種によるB型肝炎の発症予防効果が証明されているということや、B型肝炎の定期接種を導入しているほとんどの国で追加接種を実施していないということから、現時点におきましては、予防接種を終了した者に追加接種を実施する必要性は低いとされておりますが、御指摘の点も踏まえまして、諸外国における知見などを引き続き収集してまいりたいと考えております。
○古屋(範)委員 ぜひ、この対象についても御検討をお願いしたいのと、持続性についてもさらに研究をしていただければというふうに思います。
 次に、肝炎ウイルス検査体制の整備についてお伺いをしてまいります。
 平成二十七年度の予算におきましては、この肝炎対策関連で百七十二億円の予算が盛り込まれました。肝炎ウイルス検査体制等の促進に三十四億円の予算をとっているところでございます。
 三月二十七日には、塩崎大臣の方から、B型肝炎訴訟における除斥、死亡、肝硬変の和解金額の合意について発表がございました。
 B型肝炎訴訟については、B肝の特措法に基づきまして、当委員会でも当時かなり議論させていただきましたけれども、和解手続が進められておりますけれども、死亡、肝がん、肝硬変の方々については、法制定当時、提訴者がいなかったために、法律に給付金の金額が定められておりませんでした。
 現在、裁判所の仲介のもとに、国と全国B型肝炎訴訟原告団、弁護団の協議が進められた結果、札幌地裁において、和解金額について合意がなされたということでございます。今後、この合意した内容に基づいて、迅速に和解手続を進めていただきたいというふうに考えます。
 あわせまして、肝炎ウイルス検査の状況を見てみますと、感染を知らないまま潜在しているキャリアの方々というのが、二〇〇〇年の時点で二百四十万人から三百五万人、二〇一一年は七十七・五万と減少しておりますけれども、検査の普及はまだまだだというふうに思います。問題は、検査結果が陽性であったとしても精密検査を受けない方々が、推定ですけれども、五十三万人から百十八万人もいるということでございます。
 厚生労働省も、検査促進のためにさまざまな取り組みをされていることと思いますけれども、これらの方々にぜひ継続的に受診勧奨を行っていただきたいというふうに思います。
 全ての都道府県、保健所設置市、また特別区の保健所等におきまして、無料でウイルス検査を実施できるようにする必要があるのではないかというふうに思います。また、お仕事している方などは、夜間ですとか土日、祝日など、検査をする時間帯も拡大をして、人員体制も拡充をしていく必要があるのではないかというふうに思います。
 この検査の体制整備についてお伺いをしたいと思います。
○永岡副大臣 先生御承知のとおり、肝炎ウイルス、これは感染していましても直ちに体調が悪くなるということではございませんで、やはり大変多くの方が感染していらっしゃるということがあるかと思うんですね。
 そこで、肝炎対策の基本指針というものがございまして、全ての国民の方が、少なくとも一回は肝炎ウイルスの検査を受ける必要があると定められております。しかしながら、なかなかそういうことができないというので、検査を受ける方が利用しやすいように考えまして、肝炎ウイルスの検査体制の整備、積極的な受検勧奨に努めているところでございます。
 都道府県とそれから政令市、特別区が実施するものにつきましては、全ての自治体で、保健所または委託しました医療機関のいずれかにおきまして、無料で検査を受けられることになっております。
 また、市町村ですけれども、市町村が実施します肝炎ウイルスの検査につきましては、ある一部の自治体におきましては費用を徴収しているという現状が実はございます。
 それと、これは利便性のことでございます。これは先生が先ほど御提案いただきました、肝炎ウイルスの検査が無料で受けられますように自治体に働きかけてまいりますとともに、土日、夜間の検診、また、出張型の検診の実施ですとか医療機関への委託の検診、それから検診の場の活用など、多様な選択肢を用意いたしまして、受診を受ける方の利便性に配慮してまいりたいと思っております。
 また、さらに、「知って、肝炎プロジェクト」といいまして、肝炎の総合対策国民運動事業というものがございます。これなどをもとにいたしまして、普及啓発を行うことに全力を尽くしてまいります。
○古屋(範)委員 御丁寧な答弁、ありがとうございました。さまざまな形で、ぜひとも検査体制の拡充を図っていただきたいというふうに思っております。
 最後の質問になりますが、きょうは中根外務大臣政務官においでいただいております。ありがとうございます。途上国に対するワクチン支援について、その資金協力についてお伺いしていきたいと思います。
 三月の初めなんですが、貧しい国に暮らす子供たちに向けてのワクチン調達のために、各国政府などが出資をしております国際組織、GAVIアライアンスが募る二〇一六年から二〇二〇年までの活動資金に関して、先進七カ国、G7の中で日本が唯一拠出を表明していないという報道がございました。日経を初め、それぞれの金額が出ておりまして、貧困対策に非協力的だとして、国際社会から非難の声が上がりかねない事態だという記事が出ました。
 もともと我が国はこの拠出が非常に低くて、ただ、今年度は、昨年度に比べまして約二倍の十七億確保していただきました。これは、外務省に対して大変感謝をしております。ただ、余りにも桁が違う額でございまして、これもやっとやっと、エボラ出血熱の問題があり、今まであった公衆衛生のインフラが壊れかねないということで、それに絡めて十七億、二倍の資金供与をお約束いただいたということでございます。
 年々に予算を組んでいくという日本のルールでは、長期で拠出額を明示することができないという、これは確かによくよくわかるところでもございます。しかし、今まで、長期的な資金供与を前もって宣言して、後に予算編成に反映させていくということもあったやに伺っております。
 このGAVIアライアンスというところは、所得の低い国々にワクチン供与していく組織でありまして、特に下痢、肺炎で亡くなる子供が非常に多い、このワクチンを配分して、そして、驚くほど安価な額で大量に購入して、より効率的に供与しているという国際組織でございます。
 この増資会合では、英国では約二十三億ドル、米国が八億ドルというような拠出、中国、韓国も拠出を決めております。途上国の予防接種の支援、保健システム強化の支援のために、ここへの資金供与をぜひとも頑張っていただきたいと思いますので、外務省、この宣言をしていただきたいと思います。
 あとまた、厚労省におきましても、世界の保健衛生の観点から、ぜひとも内閣においても働きかけていただきたいと思います。
 両省にお伺いしたいと思います。
○中根大臣政務官 ありがとうございます。
 我が国は、GAVIワクチンアライアンスに対して、初拠出の二〇一一年以来、御承知のように、過去四年間にわたりまして毎年拠出を継続してまいりました。
 古屋先生が御指摘のとおり、二〇一六年から二〇二〇年について、一月にドイツで開催されたGAVI第二次増資会合において、複数年度にまたがる形での資金約束は行ってこなかったものの、二〇一五年の拠出については前年比倍増ということで、これも額的にはまだまだというような御指摘もいただきましたが、発表をいたし、今後もGAVIへの関与について続けていく旨を表明させていただいております。
 GAVIワクチンアライアンスは、ポスト二〇一五年開発アジェンダの柱の第一、一番大きな柱の一つでもあるわけでございますので、保健分野での我が国の重要なパートナーであり、現下、大変厳しい財政状況であるものの、適切に貢献していきたいと思っております。
 委員が先ほど心配しています、日本の支援がきちんとしていないのではないかと国際社会から御指摘を受けないように、しっかりとやってまいりたいと思っておりますので、今後とも御指摘、御指導をよろしくお願いいたします。
○橋本大臣政務官 お答えをいたします。
 御質問をいただきましたGAVIアライアンスの件、私も直接、あるNGO団体の方からお話を伺っております。
 それも含めまして、子供向けワクチンの普及につきましては、国連ミレニアム開発目標に挙げられておりますそのものに資するわけでありまして、政府一体として推進しているところでございます。
 厚労省といたしましても、感染症対策について、WHOを通じた技術支援などを行っておりますとともに、やはりユニバーサル・ヘルス・カバレッジというものが推進されることが不可欠でございまして、WHOなどを通じてユニバーサル・ヘルス・カバレッジ達成の取り組みを積極的に進め、保健医療分野における国際貢献にさらに努めてまいりたい、このように考えております。
○古屋(範)委員 意気込みを伺わせていただきました。政務官、ありがとうございました。
 途上国における子供の命を守る。我が国では医療機関も整っておりますし、健診などもあります。しかし、途上国においては、いざ感染してしまった場合でも、そういう機会がないかもしれませんので、ワクチンの重要性というものが我が国とは格段に違うということが言えようかというふうに思っております。また、水平感染ということを考えますと、途上国の感染を防止していくことが、ひいては我が国の公衆衛生にも資するということになろうかと思います。
 ぜひともこの増資に対しまして積極的なお取り組みをお願いして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○渡辺委員長 次に、大西健介君。
○大西(健)委員 民主党の大西健介でございます。
 きょうは、一般質疑ということですので、なかなか法案質疑では聞きにくい細かなこともちょっと聞いていきたいと思います。盛りだくさんですので、ぜひ大臣には簡潔な御答弁をお願いしたいというふうに思います。
 まず最初に、山井委員が本委員会で企画業務型裁量労働制の拡大について質問されたことに関連してお聞きをしたいというふうに思いますが、資料として、そのときの会議録を配付させていただいております。
 ここにもありますように、例えば年収二百万とか二十代でも対象になり得るのかという山井委員の質問に対して、大臣は、報酬の低い人が対象になることは常識的にあり得ない、多分、指針で、三年ないし五年程度の職務経験が必要となるので、入った翌年の人が対象になることはあり得ないというふうに答弁しています。
 しかし、私たちは、失礼ですけれども、多分なんといういいかげんな、無責任なことでは、それを信じることはできないというふうに思っております。
 なぜなら、現に、自律的に労働時間を管理することができないような、会社に入ったばかりの若い人が、低い報酬で長時間こき使われて過労死をしているという、まさに常識的にはあり得ない、そういうことが起こっているんです。起こっているから、我々は、しっかりこれは厳密にやる必要があるというふうに思っております。
 仮に、大臣が言うように、年収や職務経験に関する要件を指針で書いたとしても、それは法律に書いてなければ、指針なんというのは後で幾らでも緩和することができるわけです。
 ですから、この点、同じような指摘を受けて、高度プロフェッショナル制度については、年収要件を法律の中に書きましたよね。平均給与額の三倍を相当程度上回る額という形で、年収要件を法律に書き込んだ。私は、同じように考えると、何でもかんでも、重要な年収の要件であったりとか職務経験みたいなものを全部、国会審議を経ない指針に丸投げするんじゃなくて、ちゃんと法律の中に一定程度の枠をかけていく必要があるんじゃないかというふうに思いますけれども、大臣、この点いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 企画業務型裁量労働制というのは、一日の労働時間を一定の時間にみなすということでありますけれども、労働時間規制は全て適用されて、また、みなし時間については、労使同数の委員会で話し合って決議をされるということになっています。
 対象業務を初めさまざまな要件や手続が設けられているものの、おっしゃるように、対象となる方の年収要件までは今の裁量労働制でも定められていないものでありますけれども、それでも、実は、裁量労働制についてどう考えるかということを、それを適用されている方についてアンケート調査をやってみますと、七六・四%の方が、満足、やや満足と回答しておられまして、新たに年収要件まで法律で定められなければ……(発言する者あり)肝心の答えを言っているときに、聞こえないようなことはちょっとお控えいただきたいと思います。年収要件まで法律で定められなければならない状況にはなっていないというふうに考えております。
 また、職務要件、今お話がありました。これについては、法律に基づく指針において、現在でも、全く職務経験がない者は客観的に見て対象労働者となり得ないなどの留意事項を示しているわけで、今後とも、こうした指針の考え方を維持して、企画立案を中心とした業務をみずからの裁量で遂行できないような人は制度の対象とならないようにしていきたいというふうに考えているところでございます。
○大西(健)委員 さっき言ったように、今も、二十代とかで企画業務型裁量労働制で過労死している人がいるんです、現実に。
 それからもう一つは、幾ら指針で書くと言っても、そんなものは後で幾らでも、この国会審議を経ずに変えることができるんです。それに対して、大臣は、ちゃんと会議録に残っているように、多分、三年とか五年とか、そういうことになると思うから入ったばかりの人は適用されませんとか、そんな多分とかじゃ困るんですよ。そうでない、実際にそれで過労死している人がいるんですから。
 だから、そういう人を生まないためにも、しっかり法律に書くべきじゃないですかということを言っているんです。簡潔に答えてください。
○塩崎国務大臣 この指針は当然労政審にもかかりますし、それから、今お話し申し上げた、指針の中で、少なくとも対象労働者は三年ないし五年程度の職務経験を経ることが必要というふうに書くように考えているところでございますから、多分という言葉は不適切だったかもわかりませんので、それは撤回しても結構でございますが、そういうふうに、いきなり新人で何も経験がない人がなるということは、この三年ないし五年程度の職務経験を経るということで明らかにしていきたいというふうに考えているところでございます。
○大西(健)委員 今しっかりと会議録に残る形で、多分じゃない、三年、五年というような、しっかり書くということを言っていただきましたので、これはぜひやっていただきたいと思いますが、それでもなお、私たちは、やはり指針というのは幾らでも変えられると思っているんですよ。
 ですから、例えば、高度プロフェッショナル労働制の方は法律にちゃんと書いたわけですよ。我々は、高度プロフェッショナル労働制というのは残業代ゼロ制度だと言ってきていますけれども、ただ、百歩譲って、もし一千七十五万という年収ラインが将来にわたって絶対変更がないんだったら、これは対象というのはかなり限定される、影響もそんなに大きくないかなということも思っているわけです。ですから、ここをちゃんと法律に書いて、変更するには国会の審議を経なきゃいけないということが私は非常に重要な部分だというふうに思っているんです。
 むしろ、そういう意味では、企画業務型裁量労働制の拡大の方が、今のままの状態で法律にも何の枠づけがないままで悪用されれば、これがむしろ私は過労死に拍車をかけることになるんじゃないかということを懸念しております。
 そういう意味で、このことについて聞いていきたいんですけれども、資料の二として、労政審の建議の該当部分というのをお配りしていますけれども、特に問題なのは、この新たな枠組みのうちの1の部分、課題解決型提案営業、これが拡大解釈されるおそれがあるんじゃないかと私は思っているんです。
 そこで、ちょっと具体的に聞いていきたいんですけれども、例えば私の事務所にも、よくコピー機とか印刷機のリースの営業の方が来られます。そして、大西先生のところでは、駅立ちでどれぐらい、週何回ぐらいやってどれぐらいの枚数をまかれますかとか、あるいは、どういうものをまかれているんですか、うちの新しい印刷機だったらこういうカラーのビラが配れて、こういうふうに簡単に、単価どれぐらいでできますよというようなことを、我々のニーズを聞いて、提案書を持って営業に来るんですよ。
 これは、ここで言う課題解決型、私たちの課題が今どこにあるのかということを聞き取って、それにはこうしたらいいですよというソリューションを提示して営業をかけてきているわけですけれども、この法改正が行われると、こういうコピー機のリースみたいなものは当たることになるんですか。簡潔にお答えください。
○塩崎国務大臣 今回の法案におきましては、法人である顧客の事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析を行うものと規定をしており、取り扱う商品やサービスが法人全体にとって重要であって、これは、御指摘のコピー機のリースの営業みたいなものについては、法人である顧客の事業の運営に影響を及ぼすような事項であると一般的には私は言えないというふうに思いますので、対象業務とはなり得ないというふうに考えているわけです。
 個別の対象となり得ない業務については、労使委員会の適切な判断の基準となるように、労政審議会において具体的に議論の上で、法律に基づく指針において具体的に例示をしていきたいというふうに思っております。
○大西(健)委員 法律には何も書いてないですし、そうはおっしゃいましたけれども、例えばうちの事務所でいえば、毎日の駅頭で配るものとか、いろいろな印刷物、広報物というのは、これはもう結構事務所の中核的な命運をかけたもので、それに対して、どういうものを配るのか、どういうものをつくるのか、それにはどういう印刷機があった方がいいのかというのを、我々のニーズを聞き取って、そして課題解決を提案するというのは、まさにこれで読めてしまうおそれがあるんじゃないか。
 大臣がここで、多分そういうふうにはならないと思うと言っても、それは何の保証もないわけです。何の保証もないんです。
 では、もう一つ具体的な案をちょっと聞きたいんです。
 資料の三というのを見ていただきたいんですけれども、これは私が普通にネットで検索して、大手の求人情報サイトです。誰でも見ることができる。ここに、「会計システムの課題解決型営業(経験業界不問)【正社員】」という募集があるんです。下の方に月収を書いておきましたけれども、二十二万円です。これは経験不問ですよ。経験不問で月収二十二万円でも、課題解決型営業なんです。
 では、法律改正になったら、これは裁量労働の対象になるんですか。簡潔に答えてください。
○塩崎国務大臣 まず第一に、経験不問であれば、先ほど言ったように三年から五年の経験が要るわけでありますので、それは外れるというふうに思います。
 それと、大事なことは、先ほどコピー機の営業は対象になるんじゃないかというふうにおっしゃいましたが、法人全体にとってどういう影響を与えるかということが大事なので、だからこそ、さっきの、法人である顧客の事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析を行い、かつ、これらの成果を活用した商品の販売または役務の提供に関する当該顧客との契約の締結の勧誘または締結を行う業務、こうなっているわけであります。
 したがって、これについても、恐らく、今あるような、言ってみれば会計の既存のソフトの販売、これは法人である顧客の事業に影響を及ぼす重要な事項だとは考えられないので、なかなか対象と、一般の既存のソフトを売るということであればですね、ということであって、ただ、例えば銀行の全体のシステムそのものについて、企画立案を一緒にやりながら提案をしていくというような、大きな法人全体の事業の運営に影響を与えるような場合には、これは対象となり得るわけであります。
 それは、さっき申し上げたように、最終的には、法律に今書いてあるようなことがまずあって、それに基づく指針で、例えば店頭販売とかルートセールスとかいう……(発言する者あり)ちょっと聞いていただけますか。単純な営業の業務である場合や、そうした業務と組み合わせる場合は、対象業務とはなり得ないということを指針に書く予定でございますので、そこのところは今後、指針で明確にしていきたいというふうに思います。
○大西(健)委員 今も言われましたけれども、三年とか五年だから、経験不問だからこれは当たらないと言うけれども、法律にはどこにも書いてないわけですよ。では、法律に書いてくださいよ。例えば、一定の職務経験を要することと。その一定を三年にするか五年にするかを指針で書くというのならば、百歩譲ってあれですけれども、経験不問の人は当たらないんだ、つまり、入ったばっかりみたいな人は当たらないんだ、一定の職務経験を要するということを法律に明示をしていただきたい。
 それから、結局、今の話を聞いていても、具体的には、では、これが当たるか当たらないかもよくわからないわけですよ。そんないいかげんな法律で、もし何でもかんでも拡大解釈されて、使用者側が都合よく、これは課題解決型営業なんですと言えば、全部、企画業務型裁量になってしまって、大臣、聞いてくださいよ、質問しているんですから。それで、残業代を払わないなんということになってしまったら、過労死がふえるんじゃないかということを我々は懸念しているわけです。ですから、厳密に。人の命がかかっているんですから。
 ですから、何でもかんでもこうやって拡大解釈して、裁量労働に入れて残業代を払わない、過労死にするということにならないようにしてください、そのために法律にちゃんと明示をしてくださいということを言っているんです。
○塩崎国務大臣 何度も申し上げますけれども、先ほど、三年から五年というのを法律に書けということでありますけれども、まず第一に、法律には、事業の運営に関する事項について書いてありまして、業務の性質上、その遂行の方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要があるためということでやって、その裁量の中に、まあ、裁量ができるということはやはり経験がなければ裁量ができないわけでありますから、定義上そういうふうになっているわけでございます。
 それと、制度導入の際の企業の中の手続として、労使委員会というのが必ず労使同数で構成をされて、なおかつ、対象業務も対象労働者も、誰にするかということ、それから、みなし労働時間についても、健康確保措置についても、五分の四の多数で……(発言する者あり)いや、聞いている、だって過労死の話をしているわけですから。五分の四以上の多数で決議をして、ということは、労働者側の委員の過半数が賛成をした上で決められる条件でありますので、それに従って行われる。
 我々も、当然のことながら、過労死が起きるようなことはいけないし、まず第一に、一番大事なことは、労働時間規制というのは全て適用になるということを明確にしていただきたいと思うんですね。ただ一点、みなし時間だけがあるわけで、しかしこれも、八時間を超えれば三六協定は結ばなきゃいけないし、時間外の割り増し賃金も必要であることは何も変わらないということでありますので、法律違反をすれば、当然、指導監督をしなきゃいけない、こうなるわけですね。
○大西(健)委員 まず、資料の四というのをごらんいただきたいんですけれども、これは、あるコンサルティング会社のホームページに載っている「なぜソリューション型(問題解決型)営業が重要か?」というコラムなんですけれども、これを見ると、問題解決型、課題解決型営業というと何か特別な類型のように思いますけれども、別にそんなことはないんですよ。一般的に社会で使われている用語としては、単純取引型の古いタイプの営業ではなくて、課題解決型営業というのにしていかなきゃいけないんだと。だから、今大体どこでも、多かれ少なかれ、課題解決型営業、ソリューション型営業に移行しているんです。
 ですから、要は、先ほど来言っているように、拡大解釈されるおそれがあるんですよ。ですから、厳格に法律でちゃんと要件を、三年とか五年とか数字までは指針でもいいですよ、でも、やはりできるだけ厳格にしないと、これは拡大解釈させるおそれが私はあると思っています。
 それから、今大臣が御答弁の中で、労使委員会で決めて、労使の合意があるからいいんだということを言っているんですけれども、私は、これもちょっとくせ者じゃないかと思っているんですよ。
 派遣法とかでもこの労使委員会という仕組みが入っているんですけれども、ただ、中小企業になれば労働組合がないところも多いんです。あるいは、小さいところだと、会社側が過半数代表を指名している、そういう企業も多い。だから、そこで合意しているから、労使自治なんだから問題ないんだ、こういう理屈は、中小企業では私は通用しないんじゃないかというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 前段の御指摘については、改めてこの法律を、さっきちょっと読み上げましたけれども、もう一回読んでいただきたいというふうに思います。
 それで、今の中小企業の問題でございますが、確かに、拡大解釈というのはやはりまずいと思うんですね、いずれの場合においても。
 それで……(発言する者あり)静かに聞いていただけるとありがたいんですが、労使委員会の労働者側の委員の選出に当たって、対象事業場における過半数組合か、おっしゃるように、対象事業場の労働者を代表する者ということで、これが指名をすることになっていますけれども、過半数組合がない場合を今先生御指摘になりました。
 会社側が指名をするなどの不適切な選出が見られるという実態があり得ることは私どももよく認識をしているわけでありまして、今般の労働時間法制の見直しにおきましては、使用者の意向による選出というのは手続違反に当たるなど、通達の内容を、今まで通達だったんですけれども、これを省令に規定することとあわせて、監督指導等によって通達の内容に沿った運営を徹底するということを考えておりまして、企業規模にかかわらず制度の適正な運営がなされるように取り組んでいくということを、私たちの基本的な考え方で推し進めてまいりたいというふうに思います。
○大西(健)委員 ちょっと時間がないので、またこの問題はこれから引き続きやっていきたいと思いますけれども、きょうのことでも明らかになったように、やはりかなり曖昧なんですよ。ですから、かなり悪用される危険があるというふうに私は思っています。
 高度プロフェッショナルの話についてはまた聞きたいと思いますが、一問だけ。
 きょう、資料として、資料の五という新聞記事をお配りしましたけれども、これは、労働基準監督官、実際現場で労働行政をやっているプロです、この人たちが、アンケートの結果、半数以上が導入に反対をしている。残業させ放題になる、指導監督の根拠を失うと。
 現場を知っている監督官の声、私は、これをしっかり真摯に受けとめるべきじゃないかと。身内からの反対ですよ、ある意味。この身内からの反対、大臣、現場を一番よく知っている身内がこんなものはだめだと言っているのをやるんですか。どうなんですか。
○塩崎国務大臣 御指摘のアンケートの結果については私どもも承知をしておりますけれども、このアンケートは、高度プロフェッショナル制度における健康確保措置を初めとした具体的な制度設計が固まっていない去年の十一月時点のものでございまして、このことにまず御留意をいただきたいというふうに思います。
 いずれにしても、高度プロフェッショナル制度には対象となる方の健康を確保するためのきちんとした規制を盛り込んでおりまして、こうした内容について、国民はもとより、第一線の職員に対しても丁寧に説明をしてまいりたいというふうに思っております。
○大西(健)委員 これは労働組合がやった話ですよ。十一月だからちょっと内容がまだ固まっていないとおっしゃるならば、もう一回聞いてみてくださいよ、労働基準監督官の皆さんに。自分たちの身内なんだから。もう一度、省内で公平中立なアンケートをして、現場の皆さんに、これは大丈夫かと聞いてみてください。多分、私は、問題があると言われるんじゃないかと思います。まあ、この問題はまた今度やらせていただきます。
 次に、東京都北区の高齢者向け制度外ホームにおいて居住者に対する身体拘束が行われていた事案、これについては、我々も非常に問題を重く受けとめて、去る三月の九日、西村理事を初め我々は現地を訪問して、区から直接話を聞きました。
 資料の六というのをごらんいただきたいんですけれども、東京都の北区においても、特養の入所申込者というのは、常時、大体約千名の待機者がいる。ただ、北区によると、複数のところに申し込みをしていて実際には入居を辞退される方もいるので、ここまではひどくないということではありますが、ただ、やはり入居待ちが多い、これは事実だと思います。
 マスコミも、今回の北区の事案に対して、こういう制度外ホームが出てくる背景には、特養は入居待ち、そして有料老人ホームは高くて入れない、そういうのがあるんじゃないかということを指摘しています。
 しかし、実際に区の担当者のお話を聞いてみると、では、特養をふやせばこれで問題が解決するのかというと、そうじゃないとおっしゃるんですね。
 それは、この表の左の下の方にもありますけれども、例えば、医療行為が必要な申込者数という数字が出ています。特養では、医療行為を必要とする新規の申込者というのは、新規では基本的には受け入れをしていないそうなんです。ですから、結局はどこが問題かというと、低所得でかつ医療的ケアが必要な人の受け皿がない、これが問題だというふうに現場の担当者は言っていました。
 この問題をどう解決するかについて、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○塩崎国務大臣 特別養護老人ホームにつきましては、低所得者の方も含めて中重度の方の、言ってみればついの住みかとしての役割を果たしておるわけで、一定の医療ニーズへの対応を前提として、医師、看護師などの必要数を配置することを求めるとともに、今回の介護報酬の改定においても、みとり介護加算なんかは重点的に充実をさせているわけでございます。
 一方で、低所得で医療サービスが必要な方があったとしても、今御指摘がありましたが、可能な限り、住みなれた地域でみずからが自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるように、在宅での医療、介護の充実を図ることが重要で、この点、今回の介護報酬改定でも、医療と介護を組み合わせたサービスである定期巡回・随時対応型のサービスや、看護小規模多機能型の居宅介護のさらなる普及促進を図っておりまして、引き続いて、中重度の要介護者の在宅の限界点を高めるために、この取り組みを進めてまいりたいと思っております。
 いずれにしても、医療サービスが必要な方がふえているという今の先生の御指摘は、しっかりと押さえていかなきゃならない大事なポイントだというふうに思っております。
○大西(健)委員 聞くと、やはり、入居者で医療ケアが必要になった人については対応するけれども、新規で初めから医療的なケアが必要な方というのはなかなか受け入れられないということなんですね。それで、低所得で医療的ケアが必要な人がやはり受け皿がないというのが現実だと思います。
 他方で、特養の不足ということに関しては、北区では、定員二百名を超える大規模な特養の建設計画が昨年の秋に突如として中止になった、このことが今回の事案にも影響しているんじゃないかという指摘があります。
 資料の七というのをお配りしているんですが、これは、当該特養が都に対する補助協議の取り下げをしたときの説明資料なんですけれども、線を引いておきましたけれども、この取り下げの理由として、介護報酬の引き下げと人材確保の困難を挙げているんです。
 大臣、待遇の問題も含めて、人材確保ができない、それから介護報酬を引き下げるから経営が成り立たない、この二つが理由で結局特養がやめちゃうんですよ。だからこういう事案が起こる。まさに理由として明確にここで書いてあるんです。このことをどう受けとめられますか。
○塩崎国務大臣 お配りをいただいたものに書いてあるとおり、財政審がこういうことを言ったということがまず第一に書いてあるわけでありますけれども、その次に、人材確保の問題が書いてあります。
 結論から言いますと、このケースは、調べてみましたけれども、十一月に既に取り下げ書を提出されておりまして、介護報酬の決定よりもはるか前にお決めになっているということがまず第一……(発言する者あり)
○渡辺委員長 静粛に。
○塩崎国務大臣 もう一つは、東京都の中で、この地域も非常に施設の充実には力を入れていって、他に取り下げの案件はないというふうにこの地域では私どもは聞いているわけでございます。
 もう今さら介護報酬の中身については御説明は申し上げませんけれども、しっかりと計画的な整備を特養ホームについても我々としてはやっていかなきゃいけないと思っていますし、今回、今年度から地域医療介護総合確保基金が活用できるわけでありますので、施設整備と人材確保について、さらにこれをしっかりとやっていかなきゃいけませんし、繰り返し言いますけれども、今回の介護の待遇の加算を、処遇改善についてしっかり活用していただきたいというふうに思います。
○大西(健)委員 でも、まさに介護報酬が引き下げになるんじゃないかという予測のもとに、ああ、これじゃ経営が成り立たないなと思って、やめているわけです。あるいは、人がやはり集まらない。だから、この部分をちゃんと解決しないと、今後、特養も建たないわけですよ。ですから、ここはしっかり重く受けとめていただきたいと思います。
 それから、北区は、今回の事案を受けて、高齢者虐待防止法に基づいて行政指導しているんです。改善を指示しました。ところが、資料の八、新聞記事をつけておきましたけれども、この指摘を受けた施設は何と言っているかというと、区の指導には一切協力しないと言っているんです。他方、東京都は、シニアマンションという形で募集を行っていた当該制度外ホームは実質的には有料老人ホームに当たるということで、立入検査を行いました。
 ただ、まさに制度の谷間に落ちているようなこのシニアマンション、制度外ホームというのを、要は厚労省として実態をどう把握しているのか。どれぐらいあると見ているとか、どういうふうに具体的な実態を把握しているのかということと、こういうふうに、区の指導に対して、指導なんか従うかと言っているわけですよ。都は立ち入りしていますけれども、今のこの枠組みの中で十分、こういう制度外ホームとかシニアマンションというのを指導監督する体制として、今のままでいいと考えておられるのかどうなのか、このことについてお聞きします。
○塩崎国務大臣 今御指摘いただいたように、立入検査には協力をしてもらっているので、この記事のように、協力をしないということではないということでございます。
 この実態についてどう把握しているのかということでありますが、平成十八年度以降は、広く有料老人ホームの対象ということを、介護サービスなどの提供を行うところについては、これはかつては食事の提供ということだけでしたけれども、食事か介護か健康管理か、あるいは家事、このうちのどれか一つやっていれば有料老人ホームということで届け出をしなければいけなくなるということでございまして、これを平成十八年度の改正で広く有料老人ホームの対象にして、この届け出の促進等によって、都道府県がそのことによって実態把握をするということが極めて重要であるわけでございます。
 また、虐待に関しては、早期発見の観点から、居住する場が有料老人ホームであるか居宅であるかは関係なく、高齢者虐待防止法において、身近な自治体である市町村による対応が求められているわけで、先ほど先生のお話がありましたように、老人福祉法、介護保険法、高齢者虐待防止法、こういった関係法令にのっとって、都道府県それから市町村、自治体が連携して対応することが必要だということで、厚労省としても連携をしっかりととっているところでございます。
○大西(健)委員 今答弁の中で虐待の発見という話があったんですけれども、介護保険が始まったときに介護相談員派遣等事業というのをつくりました。
 これは、介護相談員という人が事業所を訪問したり、あるいは利用者から聞き取りをする。そのことによって、例えば、介護相談員が訪問したことで虐待が早期発見できたとか、あるいは、施設と介護相談員が一緒になって身体拘束をなくすことに取り組んだ事例みたいなものも報告されているんです。
 サービス利用者や家族から直接話を聞くこの介護相談員というのは、今回問題になったシニアマンションのような、第三者の目が入りにくいこういう居宅系のサービス、外から見れば普通のマンションにしか見えないわけですから。ただ、利用者の話を聞けば、そこで行われていることとかがわかるわけです。
 ですから、そういう意味で、介護相談員事業というのはこういう虐待を発見するのに非常に有効だというふうに私は思うんですが、ただ、この介護相談員派遣等事業というのは、地域支援事業のその他事業、市町村事業に位置づけられているために、自治体の方も財政負担がありますので、なかなか拡大をしていない、残念ながら。
 私は、これはうまく活用すればいいんじゃないか、もっと普及させていくべきだというふうに思いますが、そのためにはどうしたらいいと考えておられるか、大臣のお考えをお聞きいたします。
○塩崎国務大臣 今先生御指摘のように、発見をしていくということが極めて大事で、先生の御指摘、そのとおりだというふうに思います。
 この介護相談員派遣等事業というのは、今お話があったように地域支援事業の一部でございますけれども、これは、財源は介護保険の中から出てくるわけでありまして、市町村が一定の研修を受けた市民を介護サービスの現場に派遣して、利用者の疑問や不満等を酌み取りながら、事業者や市町村にフィードバックをする。こんな中で、サービスの質と、それから今言っているような問題事例をえぐり出してくるということにフィットしているわけでございまして、この事業は、従来、施設への派遣が中心であったわけですけれども、二十四年度から、居宅サービス事業者についても、介護相談員との連携に向けて努めることにいたしました。
 また、本事業の未実施市町村が多い都道府県、これは高知県と和歌山県、秋田県あたりでありますけれども、こういったところについて理解促進のための説明会を開催していこう、それから、関係機関のホームページでも介護相談員の活動に有益な情報を積極的に公開するなど、取り組みを強化しておりまして、引き続き、この介護相談員派遣等事業の普及拡大に努めて、先生が言っておられるような問題事例もやはりしっかりと探し出してくる、そして是正するということにいたしたいというふうに考えております。
○大西(健)委員 ぜひ、今の御答弁のようにお願いをしたいというふうに思います。
 次に、障害福祉サービス等報酬改定についてお聞きをしたいんですが、今回の改定の中で、就労継続支援のA型における短時間減算の強化というのが行われています。
 これについては、障害者のニーズに反して、利用時間を短時間に限って、不当にと言うと言い過ぎかもしれませんが、基本報酬を受け取っている事業者、こういうものを排除していこうというその趣旨自体は私も理解をしております。
 ただ、現場の声を聞くと、これでは、例えば精神障害などで長時間勤務が難しい利用者というのは断らざるを得ない、あるいは、長時間利用が可能な人を選別するということにどうしても事業者としてはなってしまう、そういう声が聞こえてきます。また、やはりこういうことをやっていくと、A型としてはやっていけないからB型に変わろうかとか、ちょっともう事業所の継続が難しいねというようなところまで出てきているということなんですね。
 ですから、趣旨はわかりますが、そういう実態をぜひしっかりきめ細やかに把握をして対応していただくことが私は必要だというふうに思いますが、この利用者の選別につながるんじゃないかという御指摘に対して、事業者に納得のいく、大臣、どういうふうに説明をされますでしょうか。
○塩崎国務大臣 今回、報酬改定に当たって財務省との間でも大議論になったのが、この制度でありました。これがあるがゆえにマイナスになるような話すらあったぐらいでございまして、それは我々としては押し戻したところでございますが。
 このA型事業においての短時間減算、これを、二十四年度の報酬改定で、短時間利用に係る減算を導入してまいりました。それは、不適切な運営を行っている事例が若干見られていたということがございました、それをいろいろ批判されたわけでありますので。しかし、二十七年度の報酬改定においては、事業所の全利用者の平均利用時間に応じて減算する仕組みに見直したのはもう御存じのとおりで、今回、今まで二段階だったのを五段階にして、実態に合うようにした。
 他方、サービス提供時間が短い場合には、一般的に、長時間利用する障害者に比べて支援にかかる手間や費用が少ないことから、減算を行ったとしても、必ずしも労働時間による利用者の選別にはつながらないと考えております。
 実は、私の地元からも心配がありました。それは、この減算について、利用開始時には予期していなかった状況によって短時間利用に結果としてなってしまった場合、こういうこともあるので、何とかそういうことで困らないようにしてもらわないと、みんな困るぞという話がありました。
 これは、やむを得ない障害者に配慮をして、これらの障害者については、平均利用時間の算定に含めないということにしたところでございます。
○大西(健)委員 ぜひ、大臣の地元からもお声があったということですけれども、現場の声をしっかり聞いていただきたいと思います。
 時間がないので次の問題に移りますが、資料としてお配りした新聞記事の九ですけれども、シェアハウスなどに住む一人親の女性に対して、児童扶養手当の支給が一部自治体で打ち切られていたという問題がありました。
 厚労省は、全国関係部課長会議で、生活実態を反映した適正な支給の徹底を要請するとともに、一部の自治体のホームページに支給要件に関する不適切な説明があるとして、修正を求めたということであります。
 この問題は、児童扶養手当の支給対象にならない事実婚に関して、一九八〇年に厚労省が出した課長通知というのがあるんです。これが発端になっている。その課長通知には、共同生活と認められる事実関係が存在していれば、それ以外の要素については一切考慮することなく、事実婚が成立しているものとして取り扱う、こういうふうになっているんです。
 この点、自治体側からは、改めてくれと言われても、では事実婚の判断基準というのを厚労省から示してもらわないと、自治体としてはなかなか対応できないと。
 ですから、この一九八〇年の課長通知というのを、やはり時代に合わせて、こういうシェアハウスみたいなものもある、あるいは家族のあり方というのも多様になってきている、時代に合わせてこの課長通知を見直して、ちゃんと判断基準を厚労省として明示をするつもりがあるのかないのか、このことについてお聞きします。
○塩崎国務大臣 児童扶養手当は、離婚による一人親家庭などにおいて、もう一方の父または母と生計を同じくしていない児童を対象に手当を支給する制度であることは、御案内のとおりであります。
 その際に、今先生御指摘の事実婚については、今の五十五年の課長通知に基づいて、当事者間に社会通念上夫婦としての共同生活と認められる事実関係が存在するかどうかにより判断をするということで、社会通念上の夫婦としてというのがあるわけでございます。
 今回、シェアハウスに異性が入居していることを理由として、事実婚による受給資格喪失の取り扱いを国立で行われてしまったわけでありますけれども、それはまたもとに戻したと聞いておりますが、こうした場合にも、この通知に沿って、受給資格者の生活実態をきちんと確認の上、判断することが重要でございました。
 二月二十四日の全国厚生労働関係部局長会議がございましたが、このときに、受給資格者がシェアハウスなどに入居している場合には、事実関係を十分確認する、つまり、社会通念上夫婦としての共同生活と認められるかどうかということでございまして、これを十分認識して判断してもらうように要請をしました。
 五十五年課長通知において既に事実婚の判断基準を示しているわけでありますので、この通知の見直しが必要であるということは考えておりませんが、今後、通知に基づいて各自治体で適切な判断がなされるように、生活実態の確認方法や具体的な事例に即した考え方などについて情報提供をしてまいりたいというふうに思っているわけでございます。
 国立は、たしか三月に支給停止措置を取り消したと聞いております。
○大西(健)委員 時間になりましたので、本当は子宮頸がんワクチンによる健康被害の救済についてお聞きしたかったんですが、この部分については、後ほど阿部委員から御質問があるというふうに聞いておりますのでお任せをしたいと思いますが、この健康被害の救済は、申請が上がっているのに、全然、昨年十月以降、ずっと審査中でたなざらしになっている。
 ですから、国の動きが余りにも鈍いので、私の地元の碧南市なんかも、横浜市が先頭を切ってやっておられたと聞いていますけれども、自治体で独自に治療費の助成とかを行っているところがどんどん広がっているんです。でも、これは国の動きが鈍いからで、やはり現に健康被害が出て困っている本当に大変な方々がいるわけですから、ちゃんとそこは迅速に、救済の申請が出ているのだったら、それを審査していただきたい。
 このことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
○渡辺委員長 次に、阿部知子君。
○阿部委員 民主党の阿部知子です。
 ただいま大西委員からも最後に少し問題提起がございました子宮頸がんワクチンの副反応問題について、この件については本日が初めての塩崎厚生労働大臣への御質問になるかと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 大臣には、既に御存じと思いますが、この子宮頸がんワクチンの接種事業というのは、二〇一〇年の補正予算で、緊急な促進すべき事業として、この会全会で、衆議院では全会一致でございまして、賛成をして、開始されたもので、実際には二〇一〇年の十一月から接種が始まっております。その後、事業という形でやるよりは、定期接種、予防接種法にのっとったものとしてやるべきだということで、二〇一三年の四月には通常の予防接種法にのっとって行われている接種でございましたが、定期接種になる以前から副反応の報告が大変多く上がりまして、定期接種になって二カ月で、積極的な勧奨は中止、積極的に打つことをお勧めすることは中止という判断をなさって、これは厚生労働省、私は迅速だったと思いますけれども、今日に至っております。
 その後の作業が迅速かどうかということ、特に実態把握、被害救済、そして、実はこれは予防接種行政への信頼にもかかわりますので、そういう部分でぜひ塩崎大臣にも御尽力をいただきたいと思い、質問をさせていただきます。
 まず、よく子宮頸がんワクチンで被害が起きたというふうに少女たちが訴えておられますが、お母さん、お父さんも。その内容というか、一体どんな訴えがあるのかということを大臣なりに御存じでありましょうか。テレビ朝日などでよく報道されておりますが、お忙しいから見ておられないかもしれませんし、どんな被害実態が言われているのか、ちょっと大臣の言葉でお願いをいたします。省庁じゃなくて、大臣の言葉で。
    〔委員長退席、高鳥委員長代理着席〕
○塩崎国務大臣 実際に、私もあるところで、お嬢さんがこの副反応で苦しんでおられる方と、親子でお目にかかったことがございます。ですから、直接お話を聞きました。
 どういう症状なのかというのは、以前からもちろん聞いておりますし、疼痛あるいはけいれんなどが起きておられるということで、悪いケースの場合には学校を休まなければいけない、休学をしないといけないというぐらい、場合によっては退学があるのかもわかりませんが、そのくらい重症な方もおられるというふうに聞いているわけでございます。
○阿部委員 私は、実は小児科医になって四十年たつんですけれども、予防接種はいろいろなものにかかわってまいりました。しかし、正直なところ、かほどに、この子宮頸がんワクチンほどに、ある意味で多彩な症状を訴えてこられる副反応の事例というのはこれまで経験がありませんし、また、接種してから二年も三年もたっても訴えが上げられるということも経験したことがないわけです。
 そこで、やはり一人の医師としても、また政治にかかわって、これは国会で決めたことですから、先ほど言った実態の解明や被害救済にきちんとかかわらねばいけないだろうと思って、さきの田村厚生労働大臣の折にも質問をさせていただきました。
 ついせんだって、被害者の方たちがワクチントークという会を持たれて、集まってこられている中で紹介された事案、簡単にお話をして、皆さんに共有していただきたいんです。
 この方は、二〇一一年の中学一年生のときに、十月、十二月、三月と、三回の接種をなさいました。サーバリックスであります。
 一回目の接種の比較的直後から、うずくまって体を抱え込むような、それも押し入れの中に入ってというような、ふだん見られない行動が見られて、お母さんもちょっと御心配をされていて、そのとき実は保健センターに電話をされまして、副反応は大丈夫でしょうかとお尋ねになったそうです。そうしましたら、保健センターは、副反応は三万本から五万本に一本ですので、ありませんというふうにお答えになり、引き続いて十二月と三月に接種を受けられましたが、体育座りといって、座ってしまって頭を抱え込むというような症状が繰り返し見られて、お母さんの方でも、これはやはり何かワクチンの関係かなと。
 そして、中学二年になりましたころ、足首や腰の痛みを強く訴えられ、中学三年になると、覚えていたはずの物を覚えていない、忘れやすさ、何か記憶が悪くなったんじゃないのと思うような事態が起こり、続いて、高校には入学されましたが、その六月から後頭部の痛み、手足のしびれ、七月にはけいれんというふうに、相次いで症状が出てきて、お医者さんを何軒と回った結果、免疫性の脳炎だと言われて、そこから治療がまた一段、パルス療法というステロイドを使った療法になっていくわけですが、余り格段の効果はない。去年の夏のことであります。
 そして、その秋には目が見えなくなるという症状が出まして、右半身の麻痺も出てきて、記憶障害も著しいということで、今度は二〇一五年の二月に、厚生労働省と保健センターにまたお電話をされたそうであります。厚生労働省の方では、うちに言われても困るんだというふうにおっしゃって、自治体に言いなさいというふうにこのお母さんにお答えになったそうであります。
 厚生労働省に電話しましたが、副反応報告が上がっているかを確認したかったのですが、厚労省は、追跡調査と物すごい数のファクスが届いているのでチェックはできない、役所を通しての電話が欲しいというふうに、お母さんは窓口で切られてしまったと。
 役所にまた、保健センターに電話したら、オウム返しで三万本から五万本に一本だと言われて、いまだに被害をどこに訴えていいかわからない状態が続いているということを、まず大臣には現状認識として押さえていただきたいと思います。
 そうした上で、実は、この接種事業は、先ほど申しました定期接種という予防接種法に基づけば、私たち医者は、患者さんに接種するときに問診票を書いて、その写しを自治体にも出して、それの保管義務がございます。ところが、定期接種になる以前の緊急の補正予算で行われた事業では、これが必ずしも義務づけられていない。となると、それは自治体ですから大体は保管しているんですけれども、一体、正確に何人に打たれたかということが出てはこない体制になっています。
 今後もこういう事業接種等々が行われる可能性はなきにしもあらずですので、定期接種と同様な、資料をきちんと残す作業を義務づけないと、非常に混乱のもとになる。急いで事業接種を接種事業としてやりました、ところが、予防接種法にはのっとっていないという、ここにすき間ができました。何人に打ったか正確にわからないなんということは本当はあり得てならないんだと思います。
 この点について、大臣の御認識を伺います。
    〔高鳥委員長代理退席、委員長着席〕
○塩崎国務大臣 当時のことは私も覚えておりますが、確かに、定期接種という予防接種法に基づく接種ではなかったがゆえに、今のような、御指摘のような、記録の保管の義務がないがゆえにきちっとしたものが残っていないということがあるということは、先生御指摘のとおりだというふうに思います。
 これが予算措置、基金事業でのそういった不十分さということになるんだろうと思うので、そこで、しかし、医師にかかって診ていただいたことについては、これは記録は当然残っているわけでありますので、今、それをつてにして実態を調べているというのが現状でございます。
○阿部委員 私は、政治にかかわる者は、こういう制度設計についても、特に予防接種ですから、後々のことを考えておかねばならない教訓として、やはり、資料を残す、記録を残す、実数を把握するということの重要性に鑑みて指摘させていただきましたので、今後の私たちの共通の課題と大臣にも認識していただければありがたいと思います。
 さて、ここで、いわゆる副反応、先ほど申し上げました、けいれんしたり、目が見えなくなったり、歩行障害がきたり、あるいは痛みがきたりと、もろもろの副反応が出て、その副反応を、先ほど大西先生がお取り上げですが、PMDAに報告されたものの分析というものがお手元の資料の一枚目でございます。
 接種が開始されてから、途中で定期接種に変わりますが、定期接種はすぐ中止ですので、その事業接種のものが大半ですが、二千四百七十五症例がPMDAに上がっております。ちなみに、PMDAに上がるということは、製薬メーカーか医師から副反応ですよという報告が上がったという意味でございます。
 この二千四百七十五の症例のうち、今、厚生労働省の方で検討されていますが、特に重要なものとして、ここに、「広汎な疼痛又は運動障害を呈する症例」百七十六例というものを中心に分析をしておられます。
 一方、下にお示ししたのは、この病態が、ヒトパピローマウイルスワクチン接種後の関連神経免疫症候群、HANSと申しますが、ではないかということをお考えになって、御自身たちで研究班というか研究を立ち上げられている西岡先生たちの分析の結果でございます。
 母集団はほぼ同じ、二千五百例と二千四百七十五ですから同じですが、ここでの分析によれば、いわゆる重篤症例、千二百三十一例となっておりますし、かなり、今厚生労働省で分析しているものと数値が違ってまいっております。
 見方が違えば当然結果は違うのですが、この副反応を検証していくときに、これだけ差がありますと、実は、一体何が起こっているのかがわからなくなると思います。
 なぜこれだけの乖離があるのか。これは当局の方からのお答えだということで、いかがでしょう。
○新村政府参考人 お答えいたします。
 予防接種の副反応報告制度におきましては、予防接種との関連性が既に知られている症状、例えばアナフィラキシーやギラン・バレー症候群がございますが、これらのほかに、実際に診療した医師の方が予防接種との関連性が高いと認められる症状につきまして報告の対象といたしておりまして、その際、診療に基づいて判断した重篤度をあわせて報告いただいております。
 HPVワクチンにつきましては、これにつきましても接種後に生じた症状の報告を受けておりまして、平成二十六年三月末現在で、報告総数は、お話ございましたように、二千四百七十五件となっております。そのうち、実際に診療した医師が重篤と判断したものは六百十七件となっております。
 また、御指摘の百七十六件につきましては、必ずしも重篤な症例として集計されたものではなく、二千四百七十五件の報告のうち疼痛や運動障害が見られた症例として報告を受けたものの合計と承知しております。
 一方で、御指摘の、専門家による報告につきましては、厚生労働省が公表しているHPVワクチン接種後の副反応報告のリストがございますが、それをごらんになって、専門家七人がその公表情報に基づき独自に評価した結果として、重篤と考えられる症例が千百十二例あるとされたものと承知しております。
 このように、当該専門家の解析と副反応報告に基づく解析とは方法が異なるものであると考えております。
 厚生労働省といたしましては、百七十六件の副反応報告も含めまして、副反応報告のあった症例の原則全てを対象として改めて追跡調査を実施しているところでございますので、現在、その結果の集計、分析を行っているところでございます。
○阿部委員 遅いんですね、一言で言うと。実はもう二年たっているわけです、こういう制度になってから。
 おっしゃったように、百七十六例は一部で、痛みとかについてだけですから、全体像はつかまえられていないということを今御答弁だと思うんですね。
 一方、西岡先生たちは、次のページ、研究班というか、御自身たちで財団法人難病治療研究振興財団というものの中にHPVワクチン副反応病態究明チームというものを立ち上げられて、余りに厚生労働省の歩みも遅い、被害はどんどん患者さんたちが訴える、何とか救済したいということでやっておられるんだと思います。
 ここのメンバー各位は、例えば黒川先生などは塩崎先生もよく御存じですし、やはり医療というのはいろいろな副反応とか想定できなかった問題が起きるものですから、それについて迅速に、現在の医学の、医師たちの総力を挙げて、患者さんによりよい治療なり救済に持っていかなければいけませんから、大臣としては、こういう学者たちの研究チーム、原発事故でいうと民間事故調でありましょうか、それと、政府の方が行う事故調、両方ございましたね。私はあっていいと思うんですけれども、これらをきちんとクロスして実態をさらに迅速に究明する必要があると思いますが、大臣、いかがですか。
○塩崎国務大臣 先ほど局長から答弁申し上げたように、全ての副反応報告のあったケースについて今追跡調査をやっているということで、これはこれで大変大事でありますし、政府としての責任においてこれはしっかりやっていかなきゃいけないと思っております。
 西岡先生たち、あるいは医療関係者、黒川清先生もおられるようでありますから、こういったことについてやっていただいている専門家の皆様方の知見も私どもはしっかり参考にさせていただきたいというふうに思っております。
 いずれにしても、何が真実で、どうしたらいいのかということを、原因究明からまず図っていくということ、実態解明から入って、原因、そして治療というふうになっていくんだろうと思います。
○阿部委員 何度も申しますが、それが遅いがゆえに、先ほど御紹介したような、今でも保健センターに連絡してもそういう返事しか返ってこない、厚生省には山のようにファクスが来ているからうちに言わないでと。それでは、患者さんの迅速な救済にも病態解明にもならないのです。
 血の通った厚生労働行政というものをぜひ大臣には肝に銘じていただきたいし、私が考えるに、なぜこういう事態が起きているか。
 次の資料、三枚目を見ていただきたいのですが、これまでのいろいろなワクチンの副反応報告というのは、上段にございますように、大体一カ月以内、二十八日以内とかで、そこまでに起きたもので事が済んでいた。そんなに後々長くというのはなかったわけです。
 ところが、これは田村先生の時代に改正していただきましたが、子宮頸がんワクチンについては、長く、何年とたって症状が出る子供がいるということがわかった結果、赤線で囲ってある「予防接種との関連性が高いと医師が認める期間」、例えば二年でも三年でもよいというふうにここに枠を新たに設けて、しかし、これにアプローチするのは正直言って非常に大変なわけです。
 日々の診療で、打った直後だったり近々であれば医師も気づきます。でも、ずっとめぐりめぐって、先ほど私が御紹介したような、中学生のときで、高校生になって、そしてその後また症状がどんどん出てくるというような事案が大変多い。それが、子宮頸がんワクチンの、親御さんたちの、被害の会の方に多く寄せられているわけです。
 大臣には続いて下をごらんいただきたいんですが、これは、昨年の秋に、田村大臣の当時になされた、子宮頸がんワクチン接種に係る診療、相談体制ということで、こういう事案があることも含めて、接種を受けた方が心配だったら、市町村に言う、地域の医療機関に言う、そして、協力医療機関にも行けるようにというふうに、こういうチャートにはなりました。
 ところが、ここに行くにはお金がかかるわけです。子供さんの治療に、相談に、医療機関に行くには交通費もかかります、医療費もかかります。これは、なかなか実は患者さんたちにとっては、というか、被害かもしれないと思っている方には、非常にハードルが高くなっているのが現状であります。
 そこで、ちょっと質問を後段のものとまぜて行かせていただきますが、例えば横浜市や、先ほどの大西先生のお地元などでは、やはり患者さんたちというか、そういう被害を受けた方たちが医療機関を受診しやすいように、原因が明らかとならない症状を呈していても日常生活に支障が生じている方への医療支援、医療費支援というものを既に開始しておられます。何とか患者さんに受診してほしい、お金の問題があるなら費用も出しましょうという自治体の先んじた取り組みであります。お手元の資料では、後ろから二枚目であります。
 私は、こういう体制をもってしてでも、早くに被害の実態、実際の救済に向けるべき費用負担の問題、大臣は、受診するときにお金がかかるんですけれども、どうお考えですか。
 このチャート、厚生労働省が出したものです。でも、協力医療機関は大体県に一つですから遠いです。それから、近くの窓口、ここでももちろんお金もかかります。より、そうした症状を持って不安な方がお金の心配をしなくてかかれるようにするのが、せめてもの、実態把握、救済の近道だと思いますけれども、大臣、いかがですか。
○塩崎国務大臣 これは、田村前大臣の時代に、協力医療機関というのを四十七都道府県に、今七十ありますけれども、これを設置するということで、窓口となっていただくということにしたわけでありますけれども、今先生から、同じ県にあってもやはり遠いんじゃないか、こういうことで、交通費もかかるというような話がありました。それは、そのとおりだと思います。
 それから、幾つか医療支援をやっている自治体があるということも今御指摘をいただきましたが、政府としては、予防接種法に基づく予防接種健康被害救済制度が適用され得るのか、あるいはPMDA法に基づく医薬品副作用被害救済制度の枠組みでいくのかということでありましょうが、いずれも、因果関係がやはりはっきり認定をされないとなかなか支援ができないということでございまして、だからこそ、今追跡調査を実施中で、全ての副反応の事案について今集計、分析を急いでいるところで、その結果を踏まえて、その後の救済に係る審査を行う関係審議会で、HPVワクチンに係る個々の申請の審査を速やかに進めていかなければならないと思っております。
 いずれにしても、今大変な御苦労をされているということについてはよく理解をできるところでありますが、税金を使って何ができるのかということでございますので、この法律にのっとって早くできるようにするように、私どもも集計、分析を急ぎたい、こう思います。
○阿部委員 確かに、税金を使って、よかれかしと思ってやったんですね、この予防接種。だけれども、被害かもしれないですよ、それは。大臣、確定はなかなかできないんです。被害がすぐわかるようだったら問題がない。ただ、そうかもしれない、否定はできないという方々が今問題になっていて、そして、例えば、半身が麻痺した、失明した、動けない子供を抱えて遠くに行くとき、タクシー、自分で運転していくといったって、子供が途中でけいれんを起こす、そういう危険だってあるんですね。生活丸ごとかかってしまっている。
 大臣はさっきおっしゃいました。PMDA法か予防接種法によるのかで、これはおっしゃったように、医療費の補償が違うんですよ。でも、これは、予防接種法じゃなくて事業でやっちゃったから、この医療費についても実は補償がないんですね、今かかりたくても。わかってからといって、そこまでにどれくらいのお金がかかり、親御さんは、わらをもつかむ思いであちこち行かれるわけですよ。
 先ほど、制度設計に問題があったなら、こういう形で始めてしまった、だけれども、申しわけないから、せめてかかってわかるように。原因を調べるにもお金が要るんです。ただでわかるわけじゃないんです。そこを大臣が自覚していただいて、横浜市は、それゆえに、原因が明らかとならなくても出しているんですね。先ほどの大西先生の自治体もそうだと思います。愛知県の碧南市とかあるいは北海道の美唄、東京の杉並、幾つかあります、独自の医療支援。
 そして、これは当然、この制度設計に抜け穴が幾つもあったんです。定期接種でやればこうではなかったと思います。
 しかし、こういう形で始めてしまって予想外の被害が出ているという現実の中で、きょう、即座に御答弁、それ以上できないのであれば、後ろの官僚の皆さんとも話をして、これは政府側の、政治の責任だと私は思っていますので、この次、またいい答弁を待ちたいと思います。
 引き続いて、ワクチンの被害の救済。
 PMDAに上がっていて、これはお医者さんや薬屋さんが上げるんですけれども、急性散在性脳炎とかギラン・バレー、これは、重いと言える、脳炎とか、手足が麻痺するギラン・バレーですから、こちらには例えば十件とか十九件とか件数が上がっているのですが、四枚目の下の図、被害の救済は、先ほど大西委員も指摘したように、遅いんですね。全くと言っていいほど被害救済に結びついていない。普通は、ADEM、散在性脳炎とかギラン・バレーと言われれば、これは救済に結びつけるような疾患なんだと思います。なぜ救済に結びつかないか。
 副反応報告はPMDAの方に上がって、患者さんが自分で申請しないと救済はないんですね。ここにもずれがあるんです。症例集積しても、患者さんが、自分が申告して、救済してくださいと言わなきゃできないんですね。ここにも大きな問題があると思うんです。
 患者さんたちに配られている「ご存知ですか?健康被害救済制度」、これは配られているというより自治体にあるんですけれども、それを見ると、ここには、救済の対象とならない場合というのがまず書いてあって、法定の予防接種を受けたことがある場合というのがあるんですね。
 そうすると、大臣、普通、庶民にとって、あの受けた予防接種は国の予防接種だよねと思っていますから、救済をなかなかしないんです。丁寧な説明が必要なんです、患者さんにも医療機関にも。ぜひこの点、改善していただきたいが、いかがでしょう。周知徹底どころか、誤解もしています。こういう書き方になっていて、制度もそうなんです、実際に。
 本当にこの制度設計は問題だらけですが、せめて善処するために、患者さんたちが申請しやすく、そして、申請されたら迅速にこれを審査する、この二点について、最後の御答弁を伺います。
○塩崎国務大臣 御指摘のとおり、丁寧な説明が国民になされるということ、それから、申請が上がれば至急やるという手続のスピード感、それについては、御指摘のとおりだというふうに思います。
○阿部委員 私が言いたかったのは、被害を受けた患者さんが知るすべがない、それから、自治体のこれを読んでも理解できないということです、定期の予防接種だと思っているから。
 よくもう一回打ち合わせてください。
○塩崎国務大臣 御指摘のとおりというのは、そのとおりだと思って、そのとおりいたしますという意味で申し上げたので、そのとおりやりたいというふうに思います。
○阿部委員 ありがとうございます。迅速にお願いします。
 終わります。
○渡辺委員長 次に、中島克仁君。
○中島委員 中島克仁です。
 前回の所信の質疑に引き続きまして、本日も質問をさせていただきます。
 前回、介護報酬のマイナス改定について、その改定が現場へどのような影響を及ぼすのか、今回の介護報酬のマイナス改定が、地域包括ケアシステムの構築どころか、介護崩壊への引き金を引いてしまったんじゃないか、回収率五割に満たない経営実態調査をもとに、しかも平均値をもって今回の介護報酬改定の根拠とすることに、とても地域包括ケアシステム構築を真剣に考えているとは思えない今回の改定ではないかというようなことは、御指摘をさせていただきました。
 改めて確認ですが、前回の大臣の答弁で、今回の介護報酬の改定、保険料の上昇を抑制して、利用者負担も軽減され、事業所にはきめ細かく、必要な、質の高いサービスには手厚く配慮をしていますとお答えになりました。
 今回の介護報酬の改定によって、今後、特養を初め小規模な事業所など、介護報酬のマイナス改定の影響でなくなる事業所はないと、大臣、言い切れるのか。はっきり、端的にお答えいただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 これは、前回御答弁申し上げたとおり、やはり、介護保険制度全体の持続可能性をしっかりと守りながら、一方で、現場のニーズにも合うように、そしてまた、国民負担もできる限り抑制をしていく中で、皆さんがこの制度のメリットを感じられるようにしていくということが大事なんだろうというふうに思っております。
 それで、介護崩壊が起きるのではないかということでございますけれども、今御指摘もいただいたように、我々としては、やはり、重点的な報酬の改定を行って、よりニーズに合ったように、つまり、必要とされている適切なサービスが確保されるようにしていくということを念頭に入れながらの報酬改定であったわけでございますし、何よりも、今回の一番の重点は、人材の確保ということで、少しでも介護の仕事が現場でやりがいのあるように持っていくための処遇改善というものをやっていったわけでございます。
 全体として、先ほど申し上げたように、改定後も安定的な経営に必要な収支差は残るようにということでやっているつもりでございまして、事業運営の見直しも行いながら、ぜひ事業を実施していただいて、地域包括ケアシステムの中での大事な役割を果たしていっていただきたいなというふうに思います。
○中島委員 お答え、端的にと言ったんですけれども、もちろん、我々としてはとか、これから持続可能なということは前回も聞いておるわけですが、とにかく端的に、この介護報酬の改定によって、きめ細かい、加算とかだと思いますけれども、なくなる施設が出るのか出ないのか。
 そして、時間もないのでもうまとめて質問してしまいますけれども、そのきめ細かい、加算もということになるわけですが、そもそも人員配置が基準になることが非常に多い加算制度の中で、そういった加算制度がとれないところも含めて、今回の介護報酬の改定で、なくなる施設が出るのか出ないのか、そこだけ端的にお答えください。
○塩崎国務大臣 もともとこの介護保険制度は、多様な参加者が事業者として参加できるように設計をされておりますので、参入は自由ということになっておりますので、出入りがあるということは、これは事実として認めておかなければいけないことだというふうに思っています。
 加算の問題を今いただきましたが、やはり介護人材の確保というのが重要で、そのために、参入の促進とか労働環境の改善、あるいは資質の向上といった取り組みを我々としては総合的に、計画的にやっていかなきゃならないというふうに考えておりますけれども、今回の介護報酬の改定では、特に介護職員の確保が大事で、一人月額一万二千円相当の処遇改善加算の充実については、事業者には、今回の改定の趣旨を御理解いただいて、やはり加算などをしっかりと活用しながら人材を確保してもらいたい、そして事業を実施してもらいたいと思っておりますし、その他もろもろ、新たな加算もつくっております。
 今先生御指摘のように、人員的にふやさなければいけないようなものもありますけれども、それはやはりニーズに合った形の、重点化すべきサービスについて、人の配置も含めてやっていただくことによって加算がついて、加算によってそれが賄われるようにということで考えているところでございます。
○中島委員 要は、ふえるのか、なくなるのかどうかわからない、結局、事業者任せという答えになるんじゃないかと思うんです。多分大丈夫だとか、大丈夫なはずだとか、これはやはり無責任だと私は思うわけです。
 資料の一枚目ですが、これは三月二十七日の東京新聞。二〇一四年に倒産、休廃業した介護サービス事業者は全国で百七十五件と過去十年で最多だった、これは帝国データバンクが調べた結果でありますが、以前からの人手不足がさらに深刻化して、都市部では競争も激しく、小規模の事業者が淘汰されている、事業者に支払われる介護報酬が四月から引き下げられる、もう四月に入っておりますが、倒産などの件数は今後も高どまりが予想されると言っているわけです。
 そしてまた、二枚目の資料、これは西日本新聞ですね。これは九州でございますが、福岡では三月末までに廃止すると届け出を提出したデイサービスの事業所はもう二十一カ所に上っていると。これは福岡県であります。
 今回の介護報酬以前から、もう既に、過去十年間で、介護事業者倒産、もしくは廃業していく事業者も過去最高になっているわけです。この原因は、やはり介護人材不足というふうに言われているわけです。
 昨日も本会議で同僚議員の方が質問をしておりましたが、現在までに介護報酬のマイナス改定によって閉鎖、倒産の届け出があった事業所を把握しているのかと。きのうの答弁ですと、把握していないというふうな答弁をされておられましたが、先ほどの資料でも示しているように、介護人材の不足で、もう既に廃業、倒産する施設がふえているわけです。
 今回の介護報酬の、物価上昇も勘案すれば、ほぼ最大幅のマイナス改定、これが伴って、そもそも、何度も言うようですが、人材が足りないんです。先ほどから言っているように、効率化、重点化はいいんですが、人材が足りない中で、それがやりたくてもやれない、そういう事業所がやはり地域にたくさんあるわけです。
 これは、都道府県、市町村通じて、しっかりとした実態調査、新規サービス事業所の取り下げの数とか、既存の事業所の廃止、閉鎖するなどの調査、しっかりするべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 これは釈迦に説法でありますけれども、もともとこの介護保険制度は、社会保険制度でありますから、保険料と、税と、そして自己負担で成り立っているわけで、このサービスをふやすということになれば、どれかをふやさなきゃいけないということになるわけでありまして、そういう中で、ニーズはふえていく、そしてニーズの中身も変わっていく、そういう中での今回のぎりぎりの我々の選択だったというふうに私は考えております。
 先ほどお話があった事業所、施設の廃止、倒産の件数の問題でありますけれども、これについては、特に調査をして件数を調べていることはないわけでありますけれども、介護事業者の動向については、当然のことながら、言ってみればレセプトともいうべき介護給付費実態調査というのが定期的にございまして、サービスごとの請求事業所数の月別の推移をしっかり厚生労働省としても把握しているわけでございます。
 それは医療と同じことであって、引き続いて、介護サービスの事業者数の動向を把握するなど、全国の介護サービスの運営状況については、今回の報酬改定はこの四月の一日からでございますから、これがどういう状況になっていくのかということはしっかりとフォローをしていきたいというふうに思います。
○中島委員 いや、それでは遅いと思うんですよ。
 今既に、さっき、先日の質問のときにも言いましたが、私も何軒か、何度も何度も回ってきました。そして、小規模のデイサービスであれば、もちろん今現在利用者さんがいるわけですから、すぐにはやめません。ただ、一年後には、一年間の収支を見てやめるところがふえてくるんです。おっしゃっているのは月別のトレンドを見ていくということだと思うんですが、そんなことをやっていると、本当に地域で頑張っている事業所、社福も含めてですけれども、介護事業所は本当になくなってしまうかもしれませんよ。
 地域包括ケアシステムという目標を掲げておられるわけですが、一方で、今、統一自治体選挙も行われていて、与党の方は地方創生と高らかに言っているわけですが、そういう地域に密着した、今まで介護保険制度の中で頑張ってきた、そういった施設を切り捨ててしまう可能性もあるわけですよ。だとしたら、これは地方創生と全く逆行する話じゃないのかと私は非常に思うわけです。
 先ほどから、介護従事者の処遇改善、大変強調されていました。多くの事業所が人材不足にあえいでいる。今や、有効求人倍率も二倍、そして東京においては四倍、四・五倍ぐらいになっている。そういった現状の中で、とにかく、今回、全体の介護報酬は下げたけれども、処遇改善に一万二千円出したじゃないか、そのことをしきりに強調なさるわけです。
 ただ、これは、全ての介護職員、本当に処遇改善されるのか。運用の問題等もあるという御答弁をいただいておりますが、今回、全体がマイナスされていく中で、人材確保のための処遇改善、介護職員の処遇改善、一律、全ての方にできるのか。これはできるのかできないのか、端的にお答えください。
○塩崎国務大臣 処遇改善、一人当たりの月額一万二千円相当の処遇改善を加算として実現するということは、もう申し上げているわけでございますし、また、事業者の経営に必要な収支差が残るように配慮をしながら、基本サービス費の適正化を図っているわけであります。
 加算の運用の見直しというものも同時にやっていくということで、今まではボーナスなどが必ずしも加味されていないレベルでの改善だけが報告をされたりしておったわけでありますけれども、今回は、それらを含めてしっかりと御報告をいただく、事前に計画もいただくということで、合理的な理由がないにもかかわらず賃金水準全体を引き下げるようなことは認めないというふうに考えているわけです。
 今申し上げた賞与等を含めた賃金改善の額を正確に把握する、あるいは、やむを得ず賃金水準を低下せざるを得ないようなケースがあった場合には、その取り扱いについて、適切に労使の合意を得るなど、適切な運用がなされているかを確認するということで、新たにきっちり紙ベースで届け出を求めるといった運用改善をしているわけでございます。
 処遇改善がしっかりなされるように、都道府県などと連携をしてやっていきたいというふうに思います。
○中島委員 理由があればということで、今、大臣からも御説明がありました。
 今回の処遇改善加算、資料の三枚目になりますが、これは老健局から各自治体に、介護職員処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示というものが送付されて、通告されております。
 この中に、特別事情届出書という項目がある。今も大臣が言ったように、この項目の一番目、サービス利用者数の大幅な減少等により経営が悪化し、一定期間にわたって収支が赤字であり、資金繰りに支障が生じる等の状況にあることを示せば、介護職員の賃金水準を下げてもいいというふうにされているわけです。これは要するに、収支が赤字であれば介護従事者の賃金水準を下げてもいいということを正式にうたっているわけです。
 資料の五枚目、これは私の地元の山梨県です。全ての事業所から回答をまだ得ていないわけですけれども、これを見ていきますと、施設の経営予想、黒字維持は二十五施設中七施設、そして黒字から赤字への転換は十施設、そして赤字拡大は四施設。割合でいくと、黒字維持はたったの二八%、赤字はトータルで五六%になるわけです。
 そして、資料の六枚目、これは一番上が特養です。二番目が老健、そして、デイサービス、ショートステイというふうになりますが、これは、政府がこれをもとに今回の改定率を決めた経営実態調査をもとにしているデータでございますが、これを見ていきますと、今回の二・二七%の減額、それぞれの事業所によって、さらに大きくなる事業所もある中で、特養でいけば、ほぼ収支差率が五%以下のところは、今回の改定でマイナスに転落する可能性が非常に高いわけです。その幅は、特養で二五から三七%、老健では三〇から四〇%、デイサービスでは三三%から四二%、そしてショートステイでは四〇から四六%が収支が赤字になる、その可能性が高いわけです。
 だとすれば、今回の通告、その内容を見ていくと、この届出書を出したことによって、そもそもの給与水準、半分近くの施設が、提出をすれば、半分ぐらいの介護従事者が処遇改善されないということになるんじゃないですか。いかがですか。
○渡辺委員長 三浦老健局長。(発言する者あり)私の指示です。
○三浦政府参考人 御質問いただきましたことでございますけれども、収支差率の分布などで一定の赤字のグループがあることは事実でございます。
 これらの施設につきましても、先ほど大臣の方から御説明申し上げましたとおり、例えば中重度者、あるいは認知症の方々に対するサービス、これらを行うことによって加算をとっていくというような施設も当然考えられると考えておりまして、そういう意味では、この収支差率をもって今後の報酬改定の影響がそのまま出てくるという性格のものではないと考えております。
○中島委員 もちろんそうかもしれませんが、今現在のもので見ていったときに、何度も言っているように、人員不足で加算もとれない、そういう施設もたくさん出てくる可能性が否定できないわけですね。だったら、今回、加算をとって一万二千円をしっかり処遇改善できる見込みのあるところ、もしくは、加算をとるが経営状態の中で給与水準を下げなきゃいけないところ、一方では、加算もとれず給与水準も下げられてしまうところ、今後一年間もしくは半年の間にしっかりと調べる必要があると思いますよ。いかがですか、大臣。
○塩崎国務大臣 責任ある政権を運営しなきゃいけないときに、いろいろ、どこに焦点を一番当ててやらなきゃいけないかは、多分、政権を経験された民主党の皆様方もよくわかっていらっしゃると思います。
 今のこの分布の図を拝見しましても、一番弱いところに合わせて報酬改定をするわけにはまいらないわけであって、私どももいろいろケースを考えた上で、今回、ニーズがどういうふうに変わっていくのか、そしてそれをどう質の改善につなげていくのかというようなことを考えた上で、今回の加算を考えながら、全体の基本的な報酬についても決めたわけでございます。
 今回、随分、内部留保の問題でいろいろ御指摘のあった老施協の書いている紙などを見てみても、加算取得が生死を分けるというふうに書いて、とれていない加算の再チェックをしようとか、そういうことも書いてございますし、何といっても、人こそが決め手、やはり人件費は目いっぱい手厚くするんだということも言っていただいているわけであります。
 こういうようなお声ともちゃんとコミュニケーションを図りながら今回こういう結論に至ったわけで、やはり新しいニーズに合った形でサービスが、何も変わらないで今までどおりいくというわけには、むしろそれを後からまた批判されることに結果として私はなると思いますので、やはり、できる限り全体のニーズの変化にはしっかり応じながら、経営についても一定の収支差を確保すべく今回の報酬改定をしているわけでありますから、そういうところを、しっかりバランス、全体を見ながらやっているということで御理解を賜れればありがたいというふうに思います。
○中島委員 私が言っているのは、何度も言っているように、高齢化社会のピークを今後迎えるに当たって、重点化、効率化が悪いなんて言っていないんです。ただ、その前に、大前提として、今しっかりと人材の確保、介護従事者の処遇改善、それを同時進行でやるというのは相当無理があると思うんです。
 今回、介護報酬全体をマイナス、先ほど山梨県の例も出しましたけれども、ここから読み取れるものはたくさんあるんです。きょうはこれについては詳しくはやりませんが、やはり、全体の介護報酬、その経営状態の中で、給与水準を下げてしまうところ、私は、この届け出を出すところはたくさん出てくると思いますよ。
 そういった中で、これは先ほどから、最初の答弁から、いや、そうじゃないんだ、介護従事者の処遇は改善しているんです、しているんですということを強調されますが、これはある意味だまし討ちとも言える、一体どれくらいの介護職員が本当に処遇を改善して、これからあと三十万人、五十万人、七十万人足りないかもしれない、そういった介護人材をどうやって確保していくのか、それが今回本当にできるのかどうか。
 これはしっかりと調査をして、そして、私だって山梨においては一軒一軒歩けるわけですよ。都道府県や市町村に行って、多分大丈夫ですとか、そういう中途半端なやり方をしていると、介護崩壊と言いましたが、これは本当に大変なことになると思いますが、いかがでしょうか、大臣。
○塩崎国務大臣 おっしゃるように、加算をとるのが、何もしないでとるということはできませんから、今までのやり方と少し変えていただかなきゃいけないというときに、それを乗り越えられないんじゃないかという御懸念を、今、中島先生の方からいただいているわけであります。
 我々としては、やはり加算をつくって、方向性をはっきりしながら、中身も変えて、質も上げていこうということをやり、なおかつ処遇改善も、先ほど申し上げたように、今までのような形で結果報告だけでいくというようなことでもなく、それも、計画とそれから結果もきちっと紙で出してもらいながら、チェックをしながらやっていくということであります。
 加算についても、先生おっしゃるように、どういうふうにちゃんととっていただけるかどうか、さっきの老施協は、とるということが生命線だと言っているわけですけれども、やはり、我々としても、これがどういうふうにとっていただけるのかということもフォローをしっかりやらなきゃいけないというふうに思いますので、そこは細心の注意をしながらやっていきたいと思います。
 いずれにしても、四月一日から始まったばかりでございますので、よく見てまいりたいというふうに思います。
○中島委員 これはもう時間もないので繰り返しませんが、やはり今やるべきは、しっかりと将来に向けての整備を今果たさないと、今回、中途半端な、こういうやり方をした結果が、十年、二十年後に二倍、三倍になって返ってくる可能性を非常に危惧するわけです。
 先ほどから、介護崩壊の引き金とか、介護崩壊元年になるんじゃないかというようなことも、きのうの質疑の中でもありましたが、私、先週の土曜日ですか、小規模事業所に行って、今の実態がこれからどうなるのかという話を聞いたら、何を言っているんですか、もう既に介護は崩壊していますよ、そんな大変ショッキングな話も聞くわけです。
 例えば、特養の待機高齢者、先ほども少しお話が出ましたが、既に五十二万人、重複している方もおられますが、一方では、NPOが調べた虐待の数、これもやはり全体でどんどん報告数はふえている。その理由が、理由というか、現状を見ていくと、施設職員の人数が不十分と答えたところは、十分と答えたところの二倍、虐待の数がふえている。在宅の現場でも、孤独死の現状。さまざまな状況の中で、その小規模デイサービスをやっている方の、もう既に介護は崩壊しているんだという言葉は、私も大変ショックだったわけです。
 大臣が、介護崩壊、そういう現場の声に対して、そういった認識をどのように持たれるか、そして、どういう状態を介護崩壊と、今現在が、どこが基準で、どういう状況を防がなきゃいけないのか、その認識について、ちょっとお考えをお聞かせください。
○塩崎国務大臣 先ほど来、虐待の話も出ておりました。それから、入所がなかなか難しいというお話もございました。そういうことで、介護が崩壊しているというお話を今御提起いただいているんだろうと思います。
 やはり、それぞれの法律があるわけでございまして、虐待の問題については、これは高齢者虐待防止法の法令にのっとって、自治体と、まあ自治体が一義的にやることでございますけれども、厚労省としても連携しながらやっていかなきゃいけないと思っています。
 待機の問題については、先ほど申し上げたように、今年度から地域医療介護総合確保基金が医療に加えて介護についても適用になるということで、この施設整備と、それから人材確保もやれるということになりますので、ぜひこれは都道府県単位でしっかりと活用してもらわなければならないというふうに思っております。
 それと、さっきの人材確保でありますが、これはもう先ほど申し上げたとおりでございますので、先生が御懸念のようなことにならないように、さらなる努力をしていきたいというふうに思います。
○中島委員 大変私は不安に感じるわけです。
 先ほど、労働法制の問題もそうですが、昨年財務省といろいろな経緯の中で闘ったという話もございますが、結果的にこういう現状を招いて、そして、今後の介護の現場は大変危惧するところが多い中で、私は、先ほど介護崩壊という話をしましたが、医者で在宅医療をやっていました。一番その象徴的だったのが、東日本大震災のときです。私はその直後に東北、気仙沼に医療支援に入りました。そして、二週間にわたって、取り残された、そして停電して介護が受けられなくなった御高齢の方々、介護サービスを受けていた方々を、保健師さんとかとともに歩いて回りました。
 あっという間なんですよ。二日間介護サービスが受けられなかった、そして停電で電動ベッドが動かなくなってしまった、それだけで、認知症はたった二日間の間にどんどん進行していくんです。そして動けなくなって褥瘡ができてしまったり。あっという間にそういう現象が加速するんですよ。
 それを、今回の介護報酬の改定、月々のトレンドを見て、その状況によって後手後手になってしまった結果、十年後、二十年後、二倍、三倍、もしかしたら五倍、十倍になって今回のツケが返ってくる可能性があるわけです。しっかりと、そんなことはできませんとかという話ではなくて、この一年の間に、この一年、手をこまねいていたら、まさにそういう状況になってしまいます。
 とにかく、すぐにでも、やはりこの実態、もっと詳しい実情調査、各都道府県、市町村にしっかりと指示を出してやっていただく必要があると思います。そうでないと、何でも効率化、重点化、そういう話をすれば、皆さん、それはしようがないと言うに決まっているんです。ただ、今回の介護報酬の改定で、本来残さなければいけない施設が淘汰されて、もしかしたら、いいかげんと言うと失礼かもしれませんが、残らなくてもよかったような施設だけが残ってしまって、本末転倒のような結果になる。そのことは十分認識をしていただきたいと思います。
 最後に御答弁いただいて、終わります。
○塩崎国務大臣 先生が御懸念のようなことが起きないように、最大限の努力をしてまいりたいというふうに思います。
○中島委員 また質問いたします。
○渡辺委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時四十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○渡辺委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。柿沢未途君。
○柿沢委員 維新の党の柿沢未途でございます。
 長く厚労委員会にいらっしゃる方は、私がこの厚生労働委員会で毎日のように質問していたことを思い出す方もいらっしゃるんじゃないかと思うんですが、久しぶりにこの厚生労働委員会で一般質疑の時間をいただきました。御質問させていただきたいと思います。
 統一地方選挙の前半戦が終わって、十九日から後半戦ということで、区市町村長と議員の選挙が行われることになります。今週はその合間の一週間なわけですけれども、区市町村の首長、議員にとって大変大きな問題が、やはり子育て支援、待機児童の問題ではないかと思います。
 私は東京の江東区ですので、江東区でも区議会議員選挙があるんですけれども、うちのような都市部では、やはりこの保育園の待機児童問題は大変深刻であります。四月の入園を前に入所申請を出したけれども入れなかった、何とかしてくれ、こういうお話をお聞きする皆さんも多いのではないかと思います。
 特に、うちの江東区というのは、豊洲に高層マンションが次から次へと建ち並んでいて、そこに共働きの若い夫婦が住んで、子供がいたり、生まれてきたりしますので、毎年人口が今一万人弱ずつぐらいふえていまして、したがって子供の数もどんどんふえていて、新しくこの四月から豊洲西小学校というのがことし開校されたばかりであります。当然、保育園を幾らつくっても足りない、こういう状況になっています。
 一方で、待機児童ゼロということを達成したと高らかに宣言した自治体があります。御存じ横浜市であります。第二次安倍内閣が始まって初めての通常国会のさなか、二〇一三年の五月に、横浜市の林市長が待機児童ゼロになりましたということを発表したわけです。
 二〇一〇年には千五百五十二人の待機児童がいたワーストワンの自治体がわずか三年で待機児童ゼロを達成したというわけですから、これは大変大きな注目を集めました。横浜が地元の菅官房長官も、人口三百七十万人の横浜市で待機児童がゼロになった、やればできるということだ、安倍内閣としてもできる限り横浜市の方式を全国に展開していきたいと称賛をしておられます。
 まず、大臣にお伺いしたいと思いますが、この横浜市の待機児童ゼロということに関してどのように御評価をされているか、見解をお伺いしたいと思います。
○塩崎国務大臣 私も、初めにゼロになったというのを聞いてびっくりしたわけでありますけれども、待機児童というのは今まだ約二万人ぐらい依然としておられて、四年連続で減少はしていますけれども、それだけまだいるということで、喫緊の課題であることは変わりがないというふうに思っております。
 この横浜でありますけれども、本当に精力的に保育の受け皿を確保して、個々の利用者と保育サービスとのきめ細かいマッチングもやっているというふうに聞いておりますけれども、平成二十五年四月でしょうか、待機児童ゼロを達成したことは、本当に、今、子育て支援を全面バックアップをしていこうということでやっている我々政権にとっても大変意義深いというふうに思いますし、また全国的にも意味があるというふうに思います。
 この横浜の取り組みが刺激となって、全国的に待機児童解消が非常に進みました。平成二十六年、去年の四月において、七カ所の政令指定都市において待機児童がゼロになったと聞いています。
 待機児童の解消に向けた取り組みを進めるためには、各自治体の取り組みが、やはり、それぞれ抱えている問題に応じて対応していくことが重要であって、横浜市においては、引き続き保育の受け皿の拡大、利用者への支援に取り組んでいただいているというふうに聞いているわけでありますので、厚労省としても、積極的な取り組みが全国で行われるように、横浜に対してもできるだけの応援をしたいというふうに思います。
○柿沢委員 ありがとうございました。
 この待機児童という定義なんですが、今回、我が党所属の地方議員である田中朝子東京都議会議員と小田理恵子川崎市議会議員、そして嘉悦大学の和泉徹彦准教授が、「待機児童解消に向けた施策要望とその背景」という調査報告書及び提言書をつくりました。全国の政令指定都市や東京二十三区における保育園の入所申請の状況を一つ一つ丹念に調べて、それぞれの待機児童の実情を正確に把握して、その上で、潜在的ニーズを含めた保育需要を満たすための地方自治体の施策に対する国の支援の拡充を求める、こういう内容になっております。
 待機児童といいますと、これは普通に聞くと、入所申込数があって、実際に入所できた子供の数があって、それを引き算すれば待機児童、こういう計算だと誰もが思いますが、実はそうなっていないわけです。
 親が職探し中で実際には就職をしていないという場合、あるいは入園できなくても親が育児休業を延長して対応できる場合、こういうのは待機児童から今の定義では除外をされているわけですね。それと、一園のみに希望を出しているというのも、これは一園のみでほかはいいですということだから、えり好みしているというか、自分の勝手でしょうということなんでしょうか、これも待機児童としてはカウントをされないということになっています。ただ、これらも、保育園の入所申請を出して入れていないわけですから、れっきとした待機児童に間違いないのではないかと思うんです。自治体から、入れていませんと言われて、宙に浮いちゃっている状況でありますので。
 これを簡単な図にしたのが、一枚目の資料であります。ごらんをいただければと思います。
 申請者がいて、入所決定すればいいわけですが、入所保留になって、今度、自治体の独自施策、横浜の保育室みたいなものですね、東京でいえば認証保育所というのがありますが、こういうのに対応して入所できた人、サービスを利用できるようになった人は待機児童から外れる。そこにも入れなかった方が待機児童となるわけです。
 この下の「求職中、育児休業延長、一園のみ希望等」、これが待機児童の中から除外をされて、数に入っていないわけですね。これをいわば隠れ待機児童、こういうふうに定義をすると、この隠れ待機児童というのが一体どのぐらいいるのか、これが、先ほど申し上げた、嘉悦大学の和泉准教授、そして田中都議会議員、小田市議会議員が調べたテーマなわけです。問題意識を持った自治体議員の調査として、私、よい仕事をしたなというふうに思っています。
 調べてみると、二枚目の資料なんですけれども、非常に興味深いデータが出てきました。
 平成二十六年四月の時点での全国の政令指定都市の待機児童数、公称数字で見ますと、左側の数字のようになっています。最も多いのは仙台市五百七十人、次いで広島市四百四十七人、札幌市三百二十三人、こんなことになっています。
 一方、千葉、新潟、名古屋、京都、岡山、北九州、福岡、この七市が待機児童ゼロと言っていて、横浜市は、ゼロから少し待機児童がことしは出たんですけれども、しかし、人数を見ると二十人、大変少ない人数になっています。先ほど塩崎大臣が政令指定都市の七市で待機児童がゼロになったというのは、この数字を引用されてのことであると思います。
 ところが、先ほどの一枚目を見ていただくと、入所申込数から、認可園や、あるいは横浜保育室みたいな独自施策、こういうのを含めて入所できた人数を引いた人数と、公称されているこの待機児童数というのは違うんですよね。
 これを比べてみると、何と、右のような隠れ待機児童数が発見をされてくるわけです。
 その数を見ますと、右側の方ですけれども、大阪市が最も多くて千三百九十四人になります。そして、何と、第二位が横浜市で千二百二十四人。次に川崎市千八人ということで、千人以上の数がここに出てくる。さらに、待機児童ゼロと称している京都市で八百二十六人、名古屋で七百三十三人、福岡で六百六十人、岡山で六百二人、北九州四百七十九人、千葉二百十五人、新潟二十四人、こういうことになっています。
 注目すべきはこの矢印でして、要するに、公称データでは待機児童がゼロまたは少ないと表向き言っている都市ほど、隠れ待機児童数ではワーストランキングの上位に上がってくるんですね。これは何を意味しているのかと思います。
 もともと、この隠れ待機児童というのを生み出すような待機児童の定義というのは、小泉内閣で待機児童ゼロ作戦というものが始まった後の二〇〇三年に、厚生労働省から示されたものです。それまでは、単純に入所申請数から入所できた数というのを引き算して出てきた人数を待機児童と一般に称していた。二〇〇三年以降、こういう形で、一部を除外した、いわば加工されたデータが待機児童として公表されるようになったんです。
 要するに、待機児童ゼロというのが政治的な目標として大々的に掲げられていったので、にもかかわらずどんどんふえていますというわけにはちょっと、これは格好つかない、こういうことで、ある種、作為的なデータを出し始めたんじゃないかと私は疑いたくなります。
 さらに、これは問題があって、隠れ待機児童数、つまり、入所申請数から認可園や自治体施策で何らかの保育サービスを受けられた児童数を引いた単純な待機児童数と、自治体の公表する数字、これがどれだけ乖離しているかというのをデータでそもそも出していない、出してくれないという自治体もあるんです。これは、調べた当事者は大変苦労したところのようで、知り合いの地元議員に頼んだりもしたようですけれども、時間の関係もあって、全ての資料を完成させることができなかったと聞いています。
 これは、政令指定都市といいつつ、これを見ていただければわかりますが、さいたま市や浜松市のデータはないんですね。こういうのが表からないのはそういう事情があるからなんです。ちなみに、私の地元の江東区もどうやら調査に対してきちんとデータを出さなかったようであります。
 これでは、結局のところ、待機児童数の発表数というのは、このように、自治体のさじかげんでどうにでもなってしまいかねない、住民から見ても私たちから見ても本当の実情がわからない、こういうものになってしまっているのではないかと思うんです。
 横浜市は、待機児童ゼロと大々的に報道された結果、あそこなら預かってもらえるんじゃないかというので、子育て世帯のファミリーの流入が増加したとも聞いています。そのつもりで引っ越したら、だめですと言われてしまったら、そのファミリーの人生設計も狂ってしまうと思うんですよ。
 厚労省は、子ども・子育て新制度のスタートに当たって、四月から待機児童の統一された基準を定めました。待機児童とカウントするのかしないのかが自治体の裁量次第でばらばらだったのが、それに比べれば今回前進したと思います。
 ただ、前進したんですけれども、しかし、育休が延長できる場合とか、預けた上でこれから職探しをというような場合とか、こういうものは待機児童数からやはり除外ができる、こういうことになっているんですね。
 私は、申し上げたいと思うんですけれども、自治体のデータが整わない、しかも、それぞれの裁量によって、何か、どれが実態だかわからないような公表の仕方になっている、こういうことがないように、先ほど申し上げたように、保育施設、サービスの利用保留者のうち、産休・育休中とか、または職探し中とか、一園のみ希望しているとか、こういうものを除外しない隠れ待機児童数、こういうものをやはり同時に公表していった方がいいんじゃないかと思うんです。
 これは単純な引き算で出てくるはずの数字ですから、公表することは何も難しいことではないと思います。ぜひ、この件について御答弁をいただければと思います。
○塩崎国務大臣 結論的には、広い意味での潜在需要を含めて保育施設を用意しなければいけないということが重要であって、それで今後三年間で約二十万人の受け皿を拡大するということを我々は言っています。
 それで、今の、先生から御指摘のあった待機児童の定義でありますが、この四月からは、厚労省も改めて定義を、今求職中とか、それから育児休業延長とか、こういうことについては、こういうふうにすることにしています。保護者が求職活動中の場合には待機児童数に含めるということにした上で、求職活動を休止しているということが確認できたら、それは待機児童数には含めないということで、ですから、基本的には、求職活動中の場合にはやはりこれからちゃんと含めようというふうにしています。
 それから、小規模保育等を含めて他に利用可能な保育所があるにもかかわらず、特定の園のみを希望している場合、これについては、これまでの取り扱いも踏まえて待機児童に含めないことにしようというふうに考えています。
 それから、保護者が育児休業中の場合には、市町村の判断によって待機児童には含めないことができることを明確化していく、こういうことであります。
 いずれにしても、二十七年四月、私どもの待機児童の定義については、必要な見直しを今行ったところでございます。
 待機児童というのは、保育の必要性が認められて、保育所等の申し込みをしても保育所等を利用できていない者でありますけれども、地方単独の保育施設を利用している場合など、一定の理由がある場合はやはり待機児童の数に含めない取り扱いとしております。
 待機児童数は、保育を必要とする子供に適切な保育の受け皿が確保できているかを見る上で極めて重要であることはもう間違いないんですけれども、保育の受け皿拡大に当たっては、今申し上げたような四月一日時点で顕在化している待機児童数以外にも、女性の就業率上昇というのはこれから女性の活躍支援とかいろいろなことをやることによって出てくるわけでありますので、それに対応した潜在需要も含めて確保することが重要でありますので、今後三年間で約二十万人の受け皿拡大を進めていくというふうにしているところでございます。
○柿沢委員 この数値を見ていただければわかりますけれども、そして今、塩崎大臣が御答弁をされた内容というのは私は前進だということを申し上げた上で、しかし、部分的にはやはり隠れ待機児童の問題というものの余地を残す、そういう可能性のある、そうした定義になっていると思いますし、また、自治体が要は除外することができるみたいなことで、誠実に対応するところ、そうでないところということで、ばらつきが生じてしまうことにもなりかねないと思うんですね。
 このグラフ、待機児童ゼロと称しているところが隠れ待機児童でランキングが上になっているということを申し上げました。逆に言えば、正直に言っている仙台とか、こういう自治体はある意味では公称された待機児童の数がやたら多いことになってしまっていて、非常に不名誉な状況にもなっていると思うんです。
 いずれにしても、これから潜在的なニーズも踏まえて対応を講じていくということであれば、やはりここの部分については私は広くとるべきではないかと思いますし、また、あえて言えば、ここは大議論になるからきょうは踏み込みませんけれども、そもそも、保育に欠ける要件に対してこのサービスを提供していく、そういうことが今後も前提となった制度の仕組みで本当にいいのかなということも私自身は考えているぐらいです。
 そういう意味で、これからも改善の余地もあると思いますし、また、利用者、あるいは市民、住民にとって、本当に実像が把握できるものにしていただきたい。これは地方議員にとっては大変重要な、一番大きな課題だと言ってもいい問題だと思いますので、ぜひ適切な対応をお願いしたいというふうに思います。
 次に、保育士の不足の問題なんです。
 横浜市が待機児童ゼロを宣言した二〇一三年に、安倍総理は、今後五年間で四十万人の受け皿をつくる、こういうお話をされたわけです。
 しかし、現場では保育士が足りないと悲鳴が上がっているわけです。二〇一三年時点で保育所で働く保育士というのは三十八万人と言われていまして、保育のニーズがピークを迎えると言われる二〇一七年には約四十六万人が必要になると言われていて、これからふえる分を差し引いたとしても七万人ぐらいが不足するんじゃないかと言われています。
 これは介護についても全く同じ状況で、二〇二五年度には三十万人足りない、こういうことが言われているわけです。
 そこで、何と、保育士と介護福祉士の資格を統合してかけ持ちできるようにしたらどうか、こういう議論が出てきているんですか。
 報道によると、厚生労働省内でそのための検討チームも設置されたということでありますが、保育も介護も、子供とお年寄りの違いはあっても、どうせ対人生活支援サービスだから同じなんだから、こういうわけなのかもしれませんが、これは報道されて、出だしの評判はすこぶる芳しくないものになっています。
 現場の従事者からこんな声が噴出しています。
 介護の末端から言わせてもらうと、高齢者の介護と乳幼児の保育と同時にできるはずがありません、厚労省は何を考えているんでしょうか、現場を知らない机上の理論だと。ばかにもほどがあるとか、これはちょっと口汚いですが、ネット上では、このニュースを見た人たちで軽い炎上状態になっちゃっています。
 この介護福祉士と保育士の資格の統合というのは、本当にやるんですか。検討状況について伺いたいと思います。
○塩崎国務大臣 今御説明しますけれども、いかに報道がミスリーディングかというのの典型みたいな話でありまして、必ずしも報道の見出しどおりのことが進んでいるわけではないということは、少し言っておかないといかぬと思うんです。
 いずれにしても、人口が減っていく中で、そしてまた、東京一極集中ということで今地方創生を我々やっていますが、人口減少が特に地方で起きている、先生の御地元は大分ふえているようでありますけれども。
 福祉サービスの担い手不足ももちろん、高齢者、障害者、児童、こういったところでいろいろと支援をするサービスを一体的に提供したり、福祉の人材をできる限り有効に活用していくということは、そういうようなところでは大変重要な課題になっていることは、先生も多分お認めになると思うんです。
 こういう問題意識から、先日、厚生労働省まち・ひと・しごと創生サポートプランという、橋本政務官がまとめたものがございまして、その中で、介護、福祉サービスを融合させる推進方策とともに、これらのサービスの担い手となる専門職種を統合、連携させる方策を検討するための検討チームというのを省内に設置する必要性が提案をされました。
 これを踏まえて、十四日、昨日、省内に介護・福祉サービス・人材の融合検討チームというのを設置いたしたところでございます。
 このチームは、現場のニーズや、保有するさまざまな資格がありますけれども、こういう資格の活用方策などの課題や論点の整理を行って、すぐにできることを中心に五月中に一次的な取りまとめを行う。そして、今御指摘のあった資格の統合については、やはりこれは、試験がばらばらだし、養成課程もそれぞれでありまして、そういうところにも大きく影響をするわけでありますので、これは中長期的な課題として認識をしているというところでございます。
○柿沢委員 その報道を否定されたように聞こえて、そうでもないようにも聞こえる答弁なんですけれども、私はこのことを一概に否定するつもりは実はないんです。フィンランドのラヒホイタヤをモデルとした、こういう例がヨーロッパにあることも知っているつもりです。
 しかし、これは打ち出し方を、今回みたいに序盤の段階でこういう書かれ方をすると、介護の人も保育の人も、自分たちの仕事の専門性を何か軽く見られたような印象を持つ、そういう可能性があるんじゃないかというふうに思います。
 そういう意味で、この場において真意というものを広く御説明する、そういう必要もあるのではないかというふうに私なりに考えて御質問させていただいていまして、橋本さんがうずうずされているようですので、ぜひ御答弁いただければと思います。
○橋本大臣政務官 お酌み取りをいただきまして、ありがとうございました。
 この資格統合ということで大きく報道に出たのは、私も、報道に出たなというのは認識をしております。
 大臣から答弁をしましたように、厚生労働省まち・ひと・しごと創生サポートプランというものを三月に取りまとめをしておりまして、その中で、こうした検討も必要ではないかという提言をしております。
 タイトルから御理解をいただけるように、もちろん中もごらんいただければと思いますが、まち・ひと・しごと創生、要は、地方創生という、二〇四〇年とかそうした先のことを考えたときに、いずれ地方部等でそうしたサービスをきちんと提供していくことがだんだん難しくなってくるようなことが考えられる状況で、先ほど取り上げていただいたようなことも検討をいずれしていく必要があるのではないかという問題意識に立ったものでございまして、議員が冒頭おっしゃったような、今介護士が不足しているとか保育士が不足しているとか、そうしたことの問題解決に対しては、また別の、今取り組むべき取り組みがあるんだろうというふうに思っております。
○柿沢委員 どうもありがとうございます。
 もうあと五分しかないんですね、いろいろ御質問を用意していたんですが。
 ネットで、今回のことについて、こういう反応もありました。介護も保育も潜在有資格者が多数いるのになぜ離職しているか、ここのところを考えなきゃいけないとか、不足しているのは人でなくて給与じゃないか、こういう話であります。
 保育も介護も、処遇改善の給与加算措置を国として講じているわけです。しかし、現場から、これで安心して人を雇えるという話は余り聞こえてこない感じがします。
 そこで、もともと参議院議員で厚労政務官も務められた医師の梅村聡さんが書いていたコラムがちょっと目にとまったんですが、これは何を書いてあるかというと、介護従事者の悩みというのは、給与の低さもあるけれども、ほぼ半分がパートやアルバイトで非正規、雇用の不安定やあるいは社会保険の不安、社会保障の不安、こういうものが悩みとして挙がっていると。一方、事業者にとって正規雇用をためらう理由の多くはコストの問題である、ならば、介護事業者が介護職員の社会保険料や雇用保険料というものを払ったら、事業所負担分の幾らかを国が負担する措置を講じれば、就労促進、人手の確保、こういうことにもつながるのではないか、こういう内容であります。
 簡単に計算してみると、不足すると言われている人員の三十万人を雇ったとして社会保険料の事業所負担分を計算すると、給与月額を多目に見積もって平均三十万と仮定しても、年およそ大体一千六百億円、こういう支出になります。保育で不足する七万人と言われましたが、この七万人を入れて計算しても年二千億円程度。これならできるのではないかという気もするんですね。
 私は、正規、非正規という二分法の議論を好まない立場ですけれども、しかし一方で、やはり同じ職場で同じ仕事をしているんだったら、同一労働同一待遇であるべきだとも思います。社会保険料の事業主負担がなくなれば、あるいは軽くなれば、より多くの人が同じ正規雇用で安定就労ができるようになると思います。これは働いている者同士のイコールフッティングにもつながることになるのではないかと思います。
 どうしても必要な仕事であって、どうしても必要な担い手で、しかも大幅に足りないわけです。資格を持っている人はいるのにその仕事を選ばない、これが問題になっているわけなので、選ぶようにする、そのためには、やはり私は処遇だと思います。
 介護職員、あるいは保育士もそうですけれども、こうした職種の安定雇用を進めていくために、社会保険料の事業主負担の軽減措置を国として講じることが考えられると思いますが、それに関して見解をお伺いして、これが最後の質問になるかと思いますが、御質問させていただきます。
○塩崎国務大臣 今、社会保険料負担を事業主の負担分を軽減したらどうかという梅村先生の御提案なんですかね、それを柿沢先生も御提案されるということであります。
 やはり社会保険料負担というのは、雇用される人が将来の年金や医療に心配がないように、安心して就労できる基盤を整備するというのは、言ってみれば、雇う方の責任としてやらなければいけないことであって、我々でも事務所でそういうふうにしていると思います、中小企業も皆そうですけれども。介護職員の安定雇用を進めることを目的として、社会保険料負担を介護に限って軽減するとか免除するとかいう類いのものでは私はないのかな。
 それはやはり、社会保障は社会保障で、なぜ介護だけ保険料負担を軽減するんだということになかなか説明がつかないのではないかというふうに思いますので、それはやはり、今回私どもが導入をいたしております処遇改善加算一万二千円相当というのも一つでありますし、その他もろもろ、働く環境を整えていくようなことも同時にやっていくということで、総合的、計画的に働く環境を整えていくことで人材確保を図るということが大事なので、社会保険料負担だけを介護に限って免除したり軽減するというのは少し難しいかなというふうに思っております。
○柿沢委員 終わりますけれども、そんなことを言っているうちに本当に足りなくなって、やはり介護士と保育士の資格統合が必要だみたいな話に中長期的になっていかないように気をつけていただきたい、このことを申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○渡辺委員長 次に、初鹿明博君。
○初鹿委員 維新の党の初鹿明博です。
 久しぶりに厚生労働委員会で質問をする機会をいただきまして、ありがとうございます。きょうは私の誕生日でありまして、誕生日に質問の機会をいただいたこと、ありがとうございます。
 まず最初にお伺いいたしますけれども、大臣、日本はILOの加盟国でありますよね。加盟国ということは、批准している条約、批准していない条約ありますけれども、基本的に、批准している条約を遵守して、ILOの根本原則を尊重する義務を負っていると思うんですけれども、我が国の政府として、ILOの根本原則にのっとって行動しているということでよろしいんでしょうか。
○山本副大臣 御指摘のとおり、ILOに我が国は加盟しております。
 御承知のとおり、ILOというのは、国際労働基準の設定及び監視、労働条件の向上、雇用機会の増進等のための国際的な政策や計画の策定、国際的技術協力等々の活動を行っているという機関でございますが、日本政府といたしましては、こうしたILOの趣旨に賛同いたしまして、これらのILOの活動に協力すること、また、我が国が批准した国際労働基準を誠実に遵守することなどを通じまして、しっかりと加盟国としての役割を果たしていると認識しております。
○初鹿委員 加盟国としての役割をしっかり果たしているということなんですけれども、今回、JALの不当解雇の問題を少し取り上げさせていただきますが、御承知のとおり、裁判で一定の判決は出ましたが、その前に勧告が出され、それに対して政府から見解を出しましたよね。そうしたら、それに対して、またさらに二度目のフォローアップということで、もう一回勧告が出されているという状況にあります。
 この二回勧告が出されているという現実について今どのように感じているのか、お聞かせください。
○山本副大臣 御指摘のとおり、ILO結社の自由委員会から二度ほど勧告を受けておりまして、このことにつきましてできる限り尊重いたしまして、我が国政府としての立場、すなわち、我が国におきまして、労使の自主的な協議を確保するために、使用者が正当な理由なく団体交渉を拒否することなどを不当労働行為として禁止し、労働委員会による救済制度を整備している、こうした立場を誠実に説明してきたところでございます。
 また、日本航空の整理解雇に関する件につきましても、ILO側に対しまして、裁判の状況等に関する情報提供というものを誠実に行わせていただいております。
○初鹿委員 今までも国会で何度かこのやりとりがあって、そのやりとりを見ていると、係争中だからコメントを差し控えますというのが非常に多かったわけですね。
 今回、裁判自体は終わったという段階になったので、ちょっと段階が変わっているということで、改めてここで質問をさせていただいているということをまず御理解していただきたいと思います。
 その上で言わせていただきますが、まず、ILOで勧告が出されるということになると、それはILOの監視下にその案件が置かれるということなんだと思うんですね。それで、きちんとその勧告に対して勧告どおりの実施がされないと、繰り返しこの勧告というものが出されるということになっていくんだと思います。御記憶にあると思いますが、国労の案件の場合は九回勧告が出されているわけですね。九回ですよ。それは、誠実な対応をされなかった、そういう見方をされているんだと思います。
 それで、お伺いするんですけれども、今、二回出ているわけですね。二回出ていて、そこで言っている内容というのは、個別の、不当解雇がどうだとか中身の問題ではなくて、まず裁判の情報を与えなさいと。それは、裁判の情報を与えてきました。もう裁判が終わったので、多分これについてはもう終わりなんだと思います。次に残っているのは、当事者間で話し合いをしましょうということですよ、簡単に言えば、丸めて言えば。そのことを政府も間に入ってやってくださいねというようなことが、この勧告では言われているわけですね。
 先ほどの答弁だと、労働委員会があるからそれでいいんだ、そういう言い方なんですけれども、労働委員会があっても、それがきちんと機能していないという見方をされているから、多分二番目の勧告が出されているんだと思うんですよ。
 そのこともちゃんと理解をした上で、では、政府として、このまま何にもしないのか、それとも、JALに対して、もう一度労使で話し合う場をつくるように要請するのか、どっちをするんですかということになってくるんですよ。
 ぜひ、政府として、JALに対して、きちんと協議の場をつくって労使でもう一回話し合えということを要請することはできないのかどうか、お伺いいたします。
○塩崎国務大臣 今、労働委員会については、もう先生も御理解をいただいておりますので、余り繰り返して申し上げませんけれども、仕組みとしては、労働委員会による救済制度は日本にしっかりあって、再雇用の問題についても、使用者が正当な理由なく交渉を拒否した場合は、労働組合が申し立てを行えば、労働委員会は、個別の事案に即して判断して、団体交渉の応諾等を命ずることが可能だ、こういう仕組みになっているわけですね。この仕組みによって、ILOの勧告についても対応ができているというふうに理解をしています。
 そこで、今の労使の当事者でありますけれども、労働関係に関する主張が一致しない場合には、自主的にこれを解決するように特に努力することが求められていて、今回のJALのようなケースの場合、整理解雇された職員の再雇用に関する事項についても、まずは労使の当事者が自主的に解決に向けて努力をしなければならないということに尽きると思います。
 会社側からは、再雇用に関する事項についても労働組合との間でやりとりを行っていると私どもは聞いておりまして、今後の状況を見守って、話し合いがしっかりされるものかどうかということも注視をしていきたいというふうに思います。
○初鹿委員 労使で協議がされていると聞いているということだったら、こういう問題が、国会で院内集会を開いたりして、取り上げられることはないと思うんですね。やはりそこは誠実な対応がされていないんだというふうに思います。
 二回目のフォローアップのところで書かれているのは、経済的理由による解雇の後に再び雇用される労働者に関して、彼らの見解が十分に重きを置かれることを目的として、今後の採用計画において、全ての労働組合との協議が確実に実行されることもまた期待をすると書かれているわけですよ。
 つまり、今回の整理解雇で解雇された労働者の側の意見も聞いて、その人を採用するかどうかを決めるのは、それは会社の判断だと思いますが、協議をするときにその人たちの話も聞くような場をつくれということなんで、今の段階だと、その対応がJALにはできていないと思いますので、ぜひそこは厚生労働省からも、見守るだけじゃなくて、もう少し強い姿勢で臨んでもらいたいなと思うんです。
 そもそもJALは、御承知のとおり、国の資金を使って再建したわけですよ。それで、人を減らして、新たに今、人を雇う段階になっているわけですね。そこで、国際機関であるILOから労働問題についてこういう勧告を出されるような状態になっているというのは、これは我が国の政府としても恥ずかしいことだと思うんですよね、ここを何にもしないということであれば。ですから、ぜひ、JALという企業がそういう状況にあるんだということも考えて対応していただきたい。
 あと、これは二度で終わらずに、三回目、四回目、五回目というふうに勧告が出され続けていく可能性もあるわけですよ。それで、こうやって議会でも質問がされ続ける可能性もあるわけですよ。そういうことを考えたら、政府の方からJALに対して要請をすれば、もうこれで勧告も出なくなるわけですから、その方が政府としても楽だと思うんですけれども、違いますかね。いかがですか。
○塩崎国務大臣 基本は、先ほど申し上げたとおりでありまして、労使で話し合いをするということが大事で、今申し上げたように、JALとおやめになった方々との間に話し合いが、やりとりが行われているというふうに聞いているわけでありますので、これが起きるように注視をしていくというしかないと私は思っています。
 先ほど御自身がおっしゃったように、話し合った後どうするか、それは使用者側が決めることだということでありますから、そのとおりでありますし、話し合いをしていると聞いていることが真実になって、ちゃんと話し合いが行われることを我々としても注視していきたいというふうに思います。
○初鹿委員 注視するだけじゃなくて、もう少し積極的に関与してもらいたいということをお願いして、次の質問に移ります。
 次に、障害者の優先調達推進法についてお伺いをいたします。
 平成二十五年度から施行されまして、ちょうど丸二年がたったところであります。ちょっと資料を出させていただきましたけれども、二十六年度の実績はまだまとまっていないということで、施行前の二十四年と施行後の二十五年との各省庁の比較を出しています。
 これは、法律ができたら明らかに数字が上がっていて、やはり法律をつくるということは非常に意味があるなというふうに思っています。特に厚生労働省は、ほかの役所に比べて断トツで頑張っているので、この調子で頑張っていただきたいなと思うんです。
 ただ、この資料だけだと、金額だけなので、どこの省庁が積極的にやっていて、どこが余り熱心じゃないのかというのがわからないと思うんですよ。例えば人事院が額的に少ないけれども、多分、予算規模自体が少ないから、もしかしたら割合としては大きいのかもしれないし、こう見ていって、例えば農水省とか文科省とか財務省とか、大きいですけれども、予算の規模が大きいから金額自体が大きいのかもしれないし、わからないんですね。
 ですので、ぜひ、全ての調達に対して障害者の施設等からの調達が何%あるのかという、割合でまず数字を出していただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
○永岡副大臣 初鹿議員にお答えいたします。
 厚生労働省におきまして、障害者の就労施設などからの物品そして役務の調達実績の概要を取りまとめております。
 障害者就労施設などからの全体の調達額、そして物品及び役務ごとの調達額、主な調達品目を公表することとしておりまして、先生御指摘のとおり、平成二十四年度には三・二億円でしたのが、平成二十五年度には、随分大きくなりまして、五・六億円まで各省庁ふえております。
 各省につきまして、調達実績の評価、分析につきましては、各省庁などにおきまして調達を推進していただくためにも大変重要なことであることから、委員の御指摘も踏まえまして、どのような手法が検討できるか、これからちょっと考えてまいります。
○初鹿委員 ぜひ、うまくやっているところと、なかなか進んでいないところとで、ではどんなものだったら調達できるのかという情報を共有してもらいたいんですね。
 恐らく、うちの役所はそんなに障害者の施設から買うものなんかないよと思っているような省庁もあったりすると思うんですが、例えば、私の地元の障害者の事業所では、中古のパソコンを全部引き取って、リサイクルして販売するというようなことをやっているところがあって、そこはデータの消去とかもやっているんですよ。
 例えば、病院のカルテのデータの消去とかを病院から請け負ってやっていたりするので、そういうデータの消去というのは、多分、役所は物すごい数があると思うんですね。パソコンを入れかえるたびに、特に厚生労働省だったら国立病院とかを持っていると思うので、そこのカルテのデータの消去とか、そういうこともできるような障害者の施設というのが今できてきているので、どんなことができるのかという情報をまず共有していただきたいなと思います。
 これは、省庁だけじゃなくて、やはり地方自治体にもそういういい事例をどんどん流していっていただきたいと思うんですね。
 その上で、また、地方自治体の状況を、もう一回資料の二枚目を見ていただきたいんですけれども、これは市町村の調達方針の策定状況の割合が書いてある資料なんです。
 この法律によりますと、地方自治体、そして地方の独立行政法人も含めて、調達方針を定め、その結果について実績を報告するということが義務づけられているわけです。二年たってこう見てみますと、いまだに市町村のうちの三〇%台しか策定していない都道府県が北と南にあるんですね。非常にばらつきがあります。かなり県が熱心にやって一〇〇%達成しているところもあれば、そうでもないところもあるんですね。
 ですので、もう二年たったわけですから、二年終わって今度三年目のスタートになるので、ことしは全ての自治体が調達方針を定めて、そして障害者の施設からの調達を進めていく、それによって障害者の所得を向上させることにつなげていくということを、これは国を挙げて積極的に取り組んでもらいたいと思うんです。
 この未策定の自治体に対して、厚労省としてどう働きかけていくのか、どういうおつもりなのか、お答えください。
○永岡副大臣 調達方針の策定と申しますのは、ハート購入法におきまして義務づけられているものでございまして、各市町村におきましては、平成二十六年度の調達方針の策定状況、これは平成二十七年一月九日、ことしの一月九日時点で七八・五%となっております。委員おっしゃいますように、ちょっと北と南の方、なかなか、三〇%台ということにはなっておりますけれども。
 この市町村の調達方針の策定が進んでいる都道府県では、やはり都道府県自体が市町村への積極的な働きかけがあるというのが大きいと考えております。
 このため、厚生労働省といたしましては、市町村におけます調達方針の策定状況を今後も定期的に把握いたしまして、公表してまいります。そして、その策定状況を都道府県にお示しいたしまして、市町村への働きかけを促してまいりたいと思いますし、また必要に応じまして、都道府県を通じて個別の市町村にも働きかけるということをしまして、市町村での策定が進むように取り組んでまいる所存でございます。
○初鹿委員 ぜひ、議員の皆さんも自分の県を見て、あれ、うちの県はまだ一〇〇%になっていないなというところがありましたら、地元の町村長さんに働きかけをしていただきたいなということをお願いさせていただきます。政務官方の地元もまだ一〇〇%になっていないようですので、よろしくお願いします。
 それでは、次に、障害福祉サービスの報酬について少し細かく質問をさせていただきます。
 実は、私、二年浪人をしている間に自分で障害者の事業を始めまして、今、相談支援と放課後デイサービスと居宅の介護の事業をやっているんですが、その中でも特に相談支援事業というのは、労力は物すごくかかるんですけれども、収入が、固定価格になっているので上がらなくて、なかなか収支を合わせていくのが難しい事業だなと本当につくづく痛感をしております。
 そこで、今回、この相談支援事業について、特定事業所加算というのをつくっていただいて、三百単位を乗せてくれるというのは非常にありがたいことではあるんですけれども、正直、実際にやっている者からすると、これでもまだ足りないんだよなというのが本音なんですね。
 まず最初に、この特定事業所加算の要件なんですけれども、常勤、専従の相談支援専門員の三名以上の配置、そのうち一名以上が現任研修を修了していること、それで、二名を除いた相談支援専門員は、業務に支障がない場合は同一敷地内にある他の事業所の職務を兼務することができる、そういう要件が事業所に配られているんですね。
 四月中にこの加算をとるためには申請を出さなきゃいけないということで、私の仲間の事業所からもすごく問い合わせがあって、同一敷地内にある事業所の兼務というのはどこまでが可能なのか、ほかの事業所の管理者と相談支援専門員の兼務でもいいのかとか、そういうことを非常に聞かれまして、区や都に聞いても区や都もはっきり答えてくれなかったりもして、混乱して、とりあえず出そうということで出したりしているんですよ。
 これは、この事業だけじゃなくて、ほかの事業をやっていればほかの事業の方の人員配置も変えなきゃならなくて、全部一遍に出さないと整合性がつかなくなるので、各事業所、四月に報酬の改定が決まって、この加算の要件が決まって、それから慌てて人員配置を決めて、それこそ職員の異動をしたりしなければならないというのは非常に大変な労力なんですけれども、それをさせられているんです。
 問い合わせをしたら自治体の方がわからないというのは困るので、もう少しわかりやすいようにきちんと自治体に対して示していただきたいんですが、いかがでしょうか。
○橋本大臣政務官 計画相談支援での特定事業所加算について、もちろんそれ以外にもかんでくる話だと思いますけれども、もっと周知をすべきというお尋ねでございました。
 大臣告示でお伝えをしていたり事務連絡で部長通知という形でお伝えをして、中身についてはもうお話しになったので触れませんが、ということでございまして、そうした疑義があればしっかりと対応してまいりたいと思いますし、今後、そういう混乱を生じているという今の御質問を踏まえまして、さらに適宜対応してまいりたい、このように思います。
○初鹿委員 加算をもらって、先ほど言ったとおり、これだけではなかなかまだ足らないよというお話をしたんですけれども、相談支援で、例えば新規に相談をつくると、まず利用者さんに来ていただいてアセスメントをとりますね、それでその後に計画をつくります。計画をつくったら、それが本人がいいかどうかの確認をとるために、もう一回利用者さんに来てもらうか会いに行ったりして判こを押してもらう、それを役所に持っていく。非常に労力がかかるんですよ。労力をかけてやらなきゃいけないんですね。
 この単価というのは、では、一人の相談支援専門員が一月に何件この計画、モニタリングも含めてですけれども、何件やるという想定で一万三千円とか一万六千円になっているんでしょうか。
○橋本大臣政務官 もう委員御案内のことだと思いますが、計画相談支援は、平成二十四年度から、原則として全ての利用者に対して提供されるサービスとして新たに位置づけられたものでございます。といいながら、二十七年三月末までは経過措置の期間中だったという事情も御理解いただいていると思います。
 そういうこともあって、その報酬の単位数につきましては、計画の作成数やモニタリングに要する時間数を、経過措置がついて、今後について勘案をするということが、これまでの例から類推をすることが難しかった、経過期間が終わるのはこれからなものですから。そういう事情もございまして、それまでのサービス利用計画作成費の報酬や、類似のサービス形態である介護報酬の、居宅介護支援の報酬を考慮しつつ設定をされたということが、設定の考え方ということになります。
 ただ、これにつきましては、検討、検証が必要ではないかという御意見もいただいておりますので、今後、例えばモニタリングの実施頻度についてだとか実態を把握しながら、必要な対応をさらに検討してまいりたいと考えております。
○初鹿委員 これは、例えば精神障害の方と身体障害の方で、かかる時間が全然違っていたりするんですよ。また、施設を持っている法人が、その施設の利用者さん、入所者さんを対象に相談支援事業所をつくって、まとめてその計画をつくるというようなところと、在宅で、一々来てもらったり一々出向いていったりということで計画をつくらなきゃいけない人とで、相当かかる時間が違うんですね。
 特に精神障害の方は、約束していてもその日に来られなかったりとか、また、話をしたら、もう三時間、四時間ずっと延々と話がなかなか終わらないで時間がたってしまうとか、あと、日中活動の場所を紹介するのに、連れていって、そこで合う合わないというのがあって、なかなか日中の場所を決めることができないとかで、一日や二日で終わらないケースがすごくあるんですよ。
 ですので、ぜひ、次の検討のときには、大体一件当たりどれぐらいの時間をかけて計画というのはつくられるのかというのをおおむね考えて数字をつくってもらいたいと思います。でないと、モニタリングとかそういう時間を長くかけて、結局、計画をつくるときに慌てて打ち込むだけで、ずさんな計画になるというのでは本末転倒だと思うんですよ。そうならないようにするためにも、ある一定の単価を与えて、とにかく数をこなさないと成り立たないような、そういう金額の設定じゃなくしていただきたいと思います。
 その上で、もう一つなんですけれども、先ほど言いましたように、精神障害の方だけじゃないんですけれども、地域移行をするときに、東京の場合、都外施設というところに知的障害者の方が住んでいる場合があるんですね。東京以外の施設に入所している。また、精神病の方だったら、精神病院も割と山の方にあったりします。そこに直接本人に会いに行こうとすると、交通費が物すごくかかるんですよ。
 今回、初回加算で五百単位つけてくれていますけれども、例えば、青森の施設に入っている人からうちの事業所も相談を受けたことがあるんです、地域移行をして江戸川に戻したいと。青森まで行ったら足が出るどころじゃないですよね。では、それを利用者に負担してもらうかといったら、それも現実的ではないわけで、そうなるとやはり断らざるを得なくなって、その方の江戸川区に戻ってきたいという思いがかなえられなくて、これはちょっと本当に残念だなと思った事例なんです。
 せめて、ある一定以上の距離の交通費をかけて行かなければいけないときは、その交通費の実費分ぐらいは公費で負担をしてもらえるような仕組みにしてもらえないかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○橋本大臣政務官 地域移行支援事業所の所在地から退院、退所後の居住予定地が離れている場合、青森と江戸川という話がありましたが、それはすごく離れていますけれども、そうした場合において、居住予定地周辺にあるほかの地域移行支援事業所に対して、住居の確保や行政機関との連絡調整などの支援を委託することが可能な枠組みということになっております。
 ですから、そういうことも御活用いただいて、地域移行支援事業所が遠隔地における支援を行う必要がある場合においても、利用者やほかの地域移行支援事業所と相談の上、適切に支援を行っていただくこともできるのではないかなと思っております。
 今後とも、障害者の方が円滑に地域生活に移行できるように、関係者の皆様の御意見も伺いながら取り組んでまいりたいと考えております。
○初鹿委員 確かに、そうやって委託することはできるんですけれども、やはり会ったこともない人の計画というのはつくれないと職員はみんな言うんですよね。それは当然だと思うんですよ。顔も見ないし会って話したこともない人の計画を、アセスメントシートだけ見せられてつくるというのはやはり難しいと思うので、何らかの対策を考えていただきたいなと思います。
 そろそろ時間がなくなってきたので、ちょっとはしょっていきますけれども、障害を持っている人たちの余暇について質問をさせていただきます。
 我々健常者は、仕事が終わった後、フィットネスクラブに行ったり、カラオケに行ったり、映画を見に行ったり、皆さんそうやって日ごろのストレスを解消されていますよね。だから、次の日、仕事にリフレッシュして行けるんだと思います。
 ところが、障害を持っている方というのはなかなかそれが難しいんですよ。友達と自分で約束して出かけるとか、なかなかそういうことができないんですね。だから、高校のときまで落ちついていた子も、卒業して就労支援の施設とか生活介護の施設に行くと、急に状態が悪くなってパニックを起こすようになったりという子が非常に多いというふうに私は見ているんですね。それなので、ぜひ障害を持っている人たちの余暇の支援をしていただけるといいなと。
 今、地域活動支援センターという市町村事業がありますけれども、それはあくまでも箱に対して公費が入るという形なんですけれども、余暇というのは、例えばサッカーチームに入るとかダンスを習いに行くとか、そういうのは別に決まった箱でやるわけじゃなくて、例えば公民館を借りてやるとか野球場を借りてやるとか、そうやってやるわけですよ。だから、箱に対しての支援じゃなくて、活動を支えているような団体に対する支援みたいなことができていくと、障害を持っている人たちも、もっと余暇を充実させていって、これからの生活が安定していくのではないかと思います。
 障害者の文化とかスポーツとか、そういうものをこれから進めていこうと言っているわけですから、ぜひ、この余暇活動に対する支援をもう少し充実させるような方策を考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○渡辺委員長 橋本大臣政務官、簡潔にお願いします。
○橋本大臣政務官 地域生活支援事業の中でレクリエーション活動支援というものがございまして、そちらの方で市町村が柔軟な形態で実施できるということにしておりますので、御対応いただけるのではないかと考えております。大事なことだと思います。
○渡辺委員長 もう終了していますので。
○初鹿委員 それだと一回ぐらいなんですよ。一回のイベントとかになるので、継続的にできるような制度も考えていただきたいと思います。
 終わります。
○渡辺委員長 次に、高橋千鶴子君。
○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 まず、昨日の本会議質問に関連して、二点伺いたいと思います。
 まず、乳幼児医療費無料化の問題なんですけれども、私が昨日伺ったのは、市町村が独自に窓口無料化をやっている場合に国庫負担を減額調整している、これをやめるべきではないかという質問でありました。
 この問題は、非常に、これまでも何度も取り上げてきましたし、また多くの方が取り上げました。特に、ことしの予算委員会の分科会で我が党の梅村さえこ議員や斉藤和子議員が質問し、また、昨日は、参議院の厚労委員会で小池議員も質問をしております。
 そこで明らかになっているのは、国庫負担の減額調整をされているのは三百八十億円であるということ。一方、就学前までということをもし国が仮にやったとして、そのときの、就学前というのはほとんど市町村で実施をしているので、新たな波及増がない、新たに予算がうんとかかる、そういうことはないというのがこれまでの答弁、きのうの答弁でも明らかになったと思うんですね。
 それで、実際の十年間の変化の資料を一枚目につけました。
 左側を見ていただきたいんですけれども、都道府県で見ますと、十年間で、通院で見ますと、二〇〇五年十二から二〇一四年三十九。これは、就学前までとそれ以上、つまり、小学校六年生でもいいし中学生でも、全部入るわけなんですね。それが県の場合です。
 ところが、市町村の場合はもっと大きくて、十五歳年度末、つまり、中学校卒業までとそれ以上、高校生なども入るのが、二〇〇五年は四十二だったのが、二〇一四年は千百三十四で、実に六六%まで広がっているということが見てとれるかなと思っております。
 そこで、私が大臣に伺いたかったのは、自治体の取り組みをどう受けとめるかと聞いたんですね。その認識なんですよ。つまり、拡充していますねとか、適切に判断されているとおっしゃったんですけれども、そういうことじゃなくて、自治体の思いですね。なぜここまで広げてきたんだろう、頑張ってきたんだろうということを率直に評価してもらいたいなというふうに思って伺ったわけなんです。
 そのことでぜひお答えいただきたいなと思うのと、適切に判断してやっていると答弁をされたんですから、それを減額調整するというのはやはり理屈が通らないと思うんですね。やめるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 昨日の本会議で、地方の単独事業について、今御指摘の適切に判断されているというふうに答えた趣旨というのは、乳幼児などへの医療費助成が、各自治体の実情を踏まえて、まさに思いを持って、各自治体の判断によって独自に取り組まれているものであることを答えたつもりでございます。
 このような地方単独事業によって窓口負担が軽減される場合、一般的に医療費が増加するために、限られた財源の公平な配分の観点から、増加した医療費分の国庫負担を減額調整してきているというのが今までの話であります。
 いずれにせよ、この国庫負担の調整措置の見直しについては、地方公共団体の方からも要望が出ておりますので、現行制度の趣旨とか、あるいは国保財政に与える影響などをよく考慮して、引き続き議論をしていく必要があるというふうに考えているところでございます。
○高橋(千)委員 今までは医療費が増加するからと答えていたんだということでしたので、多分認識が変わったというふうに受けとめてよろしいのかなと思いますね。
 この問題は、私は何度も質問しているんですけれども、実はこの委員会に私が初めて来て、初めて来たというのは、委員になる前に差しかえで来て初めて質問したのがこの問題だったんです。そのときも、乳幼児医療費無料化を国の制度にせよ、ペナルティーをやめよということを質問したんですが、当時は坂口大臣でして、全ての自治体が何らかの助成制度をしていることをどう受けとめますかという問いに対して、それぞれお取り組みをいただいているということを私もよく承知している、大変敬意を表しているとお答えをいただいたんですね。だから、それから十年たっているので、十年間の変化を見たんです。
 そうすると、自治体の取り組みはこれだけ広がった。まさに思いなんですよ。実は私の地元の青森市でも、つい先月、中学生まで無料化するということが市議会で可決されまして、本当に市民が喜んでいます。出生率改善対策の目玉なんだと市長が言って、でも、最初は反対されたんですね。自公民に反対された。でも、それでも最後は可決まで来たわけなんですね。
 やはりそういう思いを持って自治体が取り組んできたのに、国はまだペナルティーと言っているのか。そういうことを思うと、もうこれは決断の時期だということを重ねて言いたいと思うんですね。
 多分、それは、きのうの参議院の答弁ぶりを聞いていても、引き続き検討すると言っていますので、ぜひ、もうステージが変わったのかなと受けとめさせていただきたい。そうでなければまた答弁をしていただければと思いますが、そういうことで、頑張っていただきたいということで、次に進みたいと思います。
 もう一つ本会議で伺ったのは、国保の県管理の問題なんですね。そのときに、市町村が決める保険料率には口を挟まないということをちゃんと答弁していただきたかったんですが、少し明確でなかったので確認をしたい。お願いします。
○塩崎国務大臣 今回の国保改革、保険改革によって、国保の財政運営の責任主体となる都道府県は、市町村ごとの医療費水準それから所得水準に応じて各市町村が負担する納付金を決定するとともに、各市町村が納付金を納めるために必要となる保険料の標準的な水準でございます市町村ごとの標準保険料率を示すこととしているわけでございます。
 各市町村においては、納付金の納付に支障のないように、都道府県の示す標準保険料率を参考に保険料の適切な設定に取り組んでいただくべきものと考えておりまして、都道府県と連携をしながら、適切に厚労省としても対応してまいりたいというふうに思います。
○高橋(千)委員 ですから、いろいろな思いがあると思うんですよ。
 というのは、きのうの大臣の答弁を読んでいても、一般会計からの繰り入れの必要性は相当程度解消するものと考えていますがと言っている。つまり、今、三千五百億、自治体が一般会計から繰り入れしている、そのこと自体をよくないと思っている。多分、国はそうですね。だけれども、そうやって保険料を下げる努力をしているということに対して、国はいろいろ思いがあるかもしれないけれども、しかし、それを一律にならして、やめろとか、県一律の保険料にするんだとか、そういうことを言うものではないんだということをとにかく確認さえできればいいんです、きょうは。
○塩崎国務大臣 さっき申し上げたように、標準保険料率を都道府県が示すわけでありますけれども、これは参考にしていただくということになっておりますので、保険料の適切な設定に市町村は取り組んでいただくべきものでございまして、そこは、市町村の御判断というのが最終的な、お決めをいただくところだというふうに思います。
○高橋(千)委員 きょうはそこだけをまず確認したかったんです。あとさまざまなことは、また法案の審議の中でやりたいと思います。
 そこで、きょうは、労働時間法制に関して質問したいと思います。
 サービス残業という言葉は今やポピュラーな言葉になっていると思いますが、このサービス残業という言葉を初めて国会で取り上げたのは、一九七六年五月六日の我が党の沓脱タケ子参議院議員、参議院の予算委員会の公聴会の中で、働く婦人の中にサービス残業という言葉が頻発している、そういう表現で指摘をしているんですね。それから、何と、日本共産党国会議員団が衆参でサービス残業について取り上げた回数は三百三十回以上に上ります。本当に執念を持ってやってきたわけです。
 そこで、いわゆる四・六通知、二〇〇一年、平成十三年四月六日に「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」が出されました。以降、資料の二枚目にあるように、この十三年間、この通知に基づいて、不払い残業があるという申告に基づいて是正をされた額、これが総額で二千百六十億五千五百九十八万円に達しております。直近の二〇一三年では、資料にあるように、支払い総額は百二十三億円です。
 内訳は、実は、一企業当たり百万以上の割り増し賃金が支払われた事案は千四百十七企業あります。百二十三億四千百九十八万円、十一万四千八百八十人に支払われているわけですね。どちらかというと高どまりしているというか、そういうことが言えるかなと思うんですね。
 この特徴、傾向について、大臣の所感を伺いたいと思います。
○塩崎国務大臣 今委員御指摘になられました是正額でありますけれども、この結果は、全国の労働基準監督署が各年度に賃金不払い残業、いわゆるサービス残業について是正を指導した結果、割り増し賃金が支払われたもののうちで、その額が一企業で合計百万円以上となった事案の状況を取りまとめたものでございまして、近年の傾向としては、企業数、働く方の数、それから是正支払い額について、平成十九年度以降減少傾向には転じておりまして、平成二十一年度以降はおおむね横ばいということで推移をしてきておりますけれども、直近、二十五年度は若干増加をしたというところでございます。
 こうした状況は、労働基準監督署が賃金不払い残業が疑われる事業場に対して優先的に監督指導を実施したということも一因でありますし、これは、今後とも、賃金不払い残業の解消を図るためにしっかりと監督指導を実施しなければならないなというふうに思うところでございます。
○高橋(千)委員 今、疑われる事業場を優先的に監督したということをおっしゃいました。これは、ブラック企業の重点監督のときもそういう取り組み方をされて、現場の苦労が非常に実っていると言えなくもないし、同時に、おおむね横ばいであるということにやはり深刻なものを感じるわけなんです。
 それで、一企業での最高支払い額というのは、実は四億円を超えているわけですね。そうすると、そもそも不払い残業代だけで四億円を超えているというのはどれだけ大きな企業かなということをまず想像するわけですけれども、是正勧告を繰り返し受けている企業もあるんじゃないか、そのことを確認したいのと、また、そういう企業があるとすれば、どのような対策をとっていくのか。お願いします。
○岡崎政府参考人 二〇一三年度分で公表した企業の中には、繰り返し是正勧告を受けている、こういう企業も存在しております。
 いずれにしましても、賃金不払い残業そのものがあってはならないということでありますので、しっかりと対応しているわけでありますが、繰り返し対象になるようなところについては、より厳しい指導をし、場合によっては書類送検を含めた厳しい対応をしていっているということでございます。
○高橋(千)委員 公表などはしないんですか。
○岡崎政府参考人 これまでの方針としましては、書類送検をした場合につきましては、その企業名を含めて公表しているということでございます。
○高橋(千)委員 では、過労死等防止対策推進法を受けて、過重労働解消キャンペーンが昨年十一月に取り組まれて、重点監督を実施いたしました。
 その概要について伺います。
○岡崎政府参考人 先生御指摘のように、過労死等防止対策推進法が昨年十一月に施行されましたので、この機を捉えまして、賃金不払い残業あるいは過重労働が疑われる企業に対します重点監督を行いました。
 対象事業場は、四千五百六十一事業場でございました。このうち、約八割の事業場で何らかの労働基準関係法令の違反がございましたが、そのうち、特に重点事項としました労働時間の関係で申しますと、約五割の事業場で違法な時間外労働が認められました。また、約二割の事業場におきまして賃金不払い残業が認められたということでございます。
 いずれにしましても、違反が認められた事業場につきましては是正勧告をし、その後、企業によっては継続的な指導を行っているという状況でございます。
○高橋(千)委員 八割で労基法違反があり、時間外労働だけでも五割ということが指摘されたと思うんですね。
 その監督事例について、幾つか資料につけました。資料の三枚目を見ていただきたいんです。
 驚いたんですけれども、この事例の一、最も長い労働者で月二百七十時間を超える違法な時間外労働を行わせていたほか、四十五時間分以上の残業代を支払わず、かつ、休憩時間がない実態も認められた。
 そうすると、これは、二百七十時間というのは違法な分ですから、八時間は入れない、四十五時間も、雇用契約にあるので入れないわけですよね。プラス二百七十時間といったら、一日何時間働いているんだろう。休まず働いても、二十時間くらい毎日毎日働いている計算になるんじゃないかなと思うんですよね。これは大変な中身じゃないか。
 事例の二は、月二百八十時間違法な働かせ方をしておきながら、労働時間を改ざんして、三六協定の上限の八十時間にほぼ統一されていた。極めて悪質な中身であると思っております。
 こういう、もう一刻の猶予もならないわけで対応したというのは書いているんですけれども、どのような対応をしたのか。それから、再発防止策として、当然、それは一般論ではなくて、フォローしていく必要があるんですけれども、どのようにされているのか。
○岡崎政府参考人 それぞれの企業につきまして、今先生からもお示しいただいております資料にあるような対応を、それぞれ、その時点ではしたところでございます。
 しかしながら、いずれにしましても、先生も御指摘のように、相当長時間にわたる、放置できない状況ということでありますので、一回是正指導したということではなくて、このような事業場につきましては、きちんと直っているかどうか、これをちゃんとフォローしている。そして、それぞれの事案によりますけれども、是正していただけない悪質な場合につきましては、私どもとしては、書類送検を含めてしっかりと対応していきたいというふうに考えているところでございます。
○高橋(千)委員 さっきのサービス残業もそうなんですけれども、同じ企業が繰り返している。つまり、見つかったら仕方ない、払うけれども、見つからなかったらもうけもんということが横行しては絶対ならないということなんですよね。それで、今、きちっと再発防止策、フォローをしていくというお答えがあったと思うんです。
 右の方は、事例の九なんですけれども、長時間労働などを原因とする労災請求、精神障害による自殺などがあった事業場において、被災した労働者の他の労働者に対しても、やはり百時間を超える違法な時間外労働などがあった、そういうことを見つけて指導しているということが、これは事例の九もそうだし、事例の十もそうなので、一つ二つじゃなくあったということも、これはすごく重要だと思うんですね。
 というのは、これは、私自身、何度か過労死問題を取り上げてきましたけれども、過労死あるいは過労自死が問題になったときに、その方が亡くなっても、周りの人は、同じ職場の人は亡くなっていないじゃないか、裁判でそういうことがよく議論されちゃうんです。だから、あなただけ何か特別に自分で好きなことを、命令されていないのに働いたんじゃないかとか、もともと持病があって病気になったとか、もともと心が弱くて耐えられなかったのであって、この仕事のせいじゃないんだとか、そういうことが何度も何度もあるんです、そういう裁判が。
 私は、そうじゃないと。やはりそれは、同じような寸前の人がいるんだという立場に立たなければ繰り返されるということだと思うんですけれども、大臣、ぜひこの点での認識を伺いたいと思います。
○塩崎国務大臣 先ほど局長からも説明したとおりであります。昨年十一月の過重労働解消キャンペーン月間において、相談等の各種情報から、長時間労働が行われており、労働基準関係法令違反の疑いがあると認められる事業場、それに加えて、長時間の過重労働による過労死等の労災請求が行われた事業場などに対しても重点監督を実施いたしました。
 この重点監督において、労災請求の対象となる方だけではなくて、今先生御指摘のように、事業場全体の働く方の労働条件を確認しました。違法な長時間労働等の問題が認められた場合には、改善を図るように厳しく指導したところでございます。
 さらに、本年一月から、月百時間超の残業が行われていることを把握した全ての事業場等に対する監督指導を徹底してきておりまして、さらに、この四月には、複数の労働局にまたがる過重労働に係る事案等に対応するための特別チーム、過重労働撲滅特別対策班、通称かとくと言っておりますが、これを東京と大阪労働局にそれぞれ新設をいたしました。私も東京の方は実際に行って、スタートのときに激励をしてきて、精励するようにお願いをしてまいりましたが、働き過ぎの防止に向けた監督指導の強化を図っているところでございます。
 こういう取り組みをあわせ行うことで、働く方が適切な労働環境のもとで働くことができるように労働基準関係法令の遵守に努めてまいりたい、こう思います。
○高橋(千)委員 頑張っている話をしておりましたけれども、問題は、この監督指導事例に書いてあるように、労働基準法第三十二条ですとか第三十七条、第三十四条、こうしたものを根拠として監督署が対応しているわけですよね。
 だけれども、今国会に提出されている労基法改正案では、いわゆる高度プロフェッショナル労働者、この方たちは、四十一条の二で、労基法第四章、年休を除く全てが適用除外とされている。まず、その意味を確認したいんです。
 つまり、いわゆるサービス残業も、今大臣が力を込めた過重労働の監督指導も、その根拠を失うということになりませんか。
○塩崎国務大臣 高度プロフェッショナル制度におきましては、労働基準法第四章で定める項目のうち、労働時間、休憩、休日及び深夜の割り増し賃金に係る規定を適用除外とする制度でございまして、同じく第四章にございます年次有給休暇に関する規定については、この制度の対象となる方にも適用されるものでございます。
○高橋(千)委員 ですから、年休を除くと言ったじゃないですか。
 年休を五日とれば、あとは全部要らないということになっちゃうんですよ。だから、根拠を失うことにならないかと言っています。
○塩崎国務大臣 この制度のもとでは、健康確保のための充実した措置を講じた上で、割り増し賃金等の労働時間規制を法律上、適用除外とするものであるために、先ほど来お話が出ていました、例えば賃金不払い残業といったものは想定もされなくなるわけでございます。
 そもそも、この制度は、制度の対象となる方の年収について、全ての働く方の平均給与額の三倍を相当程度上回ることを法律上に要件として定めると同時に、制度を選んだことで将来の残業代見合い分の年収が下がらないよう、法律に基づく指針に規定をし使用者の対応を促すことから、言ってみれば、残業代込みの制度とお考えをいただければというふうに思うわけでございます。
 一方で、この制度のもとで働く方が実際に長時間労働になった場合には、医師による面接指導の実施を使用者に対して一律に罰則つきで義務づけることとしておりまして、これに関する監督指導を行う際に、過重労働の状況を含めた確認を行ってまいりたいと考えているところでございます。
○高橋(千)委員 今答弁していて、やはり矛盾すると思うんですよね。
 だって、不払いが想定されなくなると言いながら、残業代込みだと言ったわけでしょう。だから、見えなくなるだけなんですよ。これは、払わないと言っているだけなんですから、必要なくなるわけじゃないんです。残業がなくなるわけじゃない。と言っておきながら、長時間労働の場合は健康確保措置をすると言っているわけでしょう。
 では、どこから長時間なんですか。時間に左右されない人だと言っているじゃないですか。全く理屈が通らないですよ。違いますか。
○塩崎国務大臣 これは、健康管理時間という考え方を導入いたしまして、在社時間、それから社外での労働時間の合計を健康管理時間として把握をするわけでございます。これは、一カ月当たり大体百時間をめどに、これを超えた場合ということで考えていきたいと思っております。
○高橋(千)委員 千七十五万を超す高収入の人が長時間労働している場合、ないとは言えないですよね、残業代は含まず、基本給で一千七十五万という意味でよいか。まず一つです。
 だとすれば、同意する文書を結ぶことになっています。建議によると、「法律上、対象労働者の範囲に属する労働者ごとに、職務記述書等に署名等する形で職務の内容及び制度適用についての同意を得なければならない」と書いているんですね。「これにより、希望しない労働者に制度が適用されないようにすることが適当」となっている。ですから、これに同意しないことで不利益取り扱いはしないということもちゃんと条文に書いている。
 問題は、では、その同意文書というのはどういうものか。仮に、一千七十五万が基本給だとして、何百万の残業代が出るんです。それはもう出なくなるよということもちゃんと理解して、説明する必要があると思いますが、いかがですか。
○岡崎政府参考人 これから省令で定めますが、一応千七十五万を想定している。その場合の対象の賃金でございますが、これは一年間に支払われることが確実に見込まれる賃金ということを考えておりまして、名称のいかんにかかわりませず、あらかじめ具体的な額が支払われることが約束されているという考え方でございます。
 したがいまして、基本的には労働時間と切り離してという制度でありますが、そういう要素が入った賃金制度が仮にとられたとした場合でありましても、それによって金額が変わるようなものはここには入ってこないという考え方でございます。したがいまして、基本給以外にも確実に払われることが決められているものを含めてその額を判定していくということでございます。
 そして、職務記述書の中で、業務、どういう成果を求めるかということとともに、それに対する報酬、賃金が書かれる、それで同意していただくというわけでありますが、その際に、それがどういう賃金であるかということが理解されていなければ、これはちゃんとした同意になりませんので、そこのところは、成果というか業務の中身とともに、それに対してどういう形で賃金が払われるか、それを十分に説明した上で同意していただく、こういう方法にしていく必要があるというふうに考えております。
○高橋(千)委員 では、残業代が何百万消えるよということもちゃんと理解した上でという話だと思います。
 そうすると、高度プロフェッショナルは、時間ではなく成果でと言いますけれども、成果主義賃金ではない。条文上はありません。そこを確認したいです。逆に、残業代が出ないかわりに、成果を上げれば賃金アップという意味ではないというわけですよね。実際に、成果主義賃金では収入が一定しないため本制度には向かないと思いますが、いかがですか。
○岡崎政府参考人 成果主義賃金ということの意味にもよるんですが、これは、職務記述書で、業務の中身としてこういう成果を求めている、それに対してこういう賃金を払いますということでありますので、仕事の仕方によってより成果が上がった場合に賃金が変わるという意味での成果型の賃金ということであれば、それを前提にはしていない。
 ただ、もちろん、最低が千七十五万円の上に、それをプラスアルファした、成果を含めた賃金制度ということであれば、そういうものが含まれないわけではないということだというふうに考えております。
○高橋(千)委員 次、またの機会に質問します。
 終わります。
     ――――◇―――――
○渡辺委員長 次に、内閣提出、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。塩崎厚生労働大臣。
    ―――――――――――――
 持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○塩崎国務大臣 ただいま議題となりました持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明いたします。
 我が国は、誰もが安心して医療を受けることができる世界に誇るべき国民皆保険を実現し、世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきました。しかしながら、急速な少子高齢化など大きな環境変化に直面している中、将来にわたり医療保険制度を持続可能なものとし、国民皆保険を堅持していくためには、たゆまぬ制度改革が必要であります。
 これを踏まえ、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律に基づく措置として、持続可能な医療保険制度を構築するため、国民健康保険の財政支援の拡充や財政運営責任の都道府県への移行等による医療保険制度の財政基盤の安定化、被用者保険者に係る後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入、医療費適正化の推進を行うほか、患者申し出療養の創設の措置を講ずることとし、この法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
 第一に、国民皆保険を支える重要な基盤である国民健康保険制度の安定的な運営が可能となるよう、国民健康保険への財政支援の拡充を行うことにより、財政基盤を強化することとしております。また、都道府県が、市町村とともに国民健康保険の運営を担い、国民健康保険の財政運営の責任主体として、安定的な財政運営や効率的な事業の確保などの事業運営において中心的な役割を担うことにより、国民健康保険制度の安定化を図ることとしています。
 第二に、後期高齢者支援金について、より負担能力に応じた負担とし、被用者保険者相互の支え合いを強化するため、被用者保険者の後期高齢者支援金の額の全てを標準報酬総額に応じた負担とするとともに、高齢者医療への拠出金負担の重い保険者の負担を軽減する措置を拡充することとしています。
 第三に、医療費適正化の取り組みを実効的に推進するため、医療費適正化計画において、医療に要する費用についての目標を定めるとともに、毎年度の進捗状況を公表し、目標と実績に差がある場合には、その要因を分析し、必要な対策を講ずることとしています。
 第四に、困難な病気と闘う患者からの申し出を起点として、安全性及び有効性を確認しつつ、高度な医療技術を用いた医療を迅速に保険診療と併用して行うことができるよう、新たな保険外併用療養費制度として患者申し出療養を創設することとしています。
 以上のほか、全国健康保険協会に対する国庫補助率の安定化、入院時食事療養費の見直し等を行うこととしています。
 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、平成三十年四月一日としています。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要でございます。
 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
○渡辺委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 次回は、来る十七日金曜日午前八時四十五分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時三十六分散会