第189回国会 経済産業委員会 第23号
平成二十七年六月十七日(水曜日)
    午前八時五十分開議
 出席委員
   委員長 江田 康幸君
   理事 佐藤ゆかり君 理事 鈴木 淳司君
   理事 田中 良生君 理事 三原 朝彦君
   理事 八木 哲也君 理事 中根 康浩君
   理事 鈴木 義弘君 理事 富田 茂之君
      青山 周平君    穴見 陽一君
      井上 貴博君    石川 昭政君
      大見  正君    岡下 昌平君
      梶山 弘志君    勝俣 孝明君
      神山 佐市君    黄川田仁志君
      佐々木 紀君    塩谷  立君
      白石  徹君    関  芳弘君
      武村 展英君    冨樫 博之君
      野中  厚君    比嘉奈津美君
      福田 達夫君    細田 健一君
      宮崎 政久君    若宮 健嗣君
      神山 洋介君    近藤 洋介君
      篠原  孝君    田嶋  要君
      渡辺  周君    落合 貴之君
      木下 智彦君    國重  徹君
      藤野 保史君    真島 省三君
      野間  健君
    …………………………………
   経済産業大臣       宮沢 洋一君
   経済産業副大臣      山際大志郎君
   経済産業大臣政務官    関  芳弘君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  向井 治紀君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           黒澤 利武君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           谷  明人君
   政府参考人
   (経済産業省経済産業政策局長)          菅原 郁郎君
   政府参考人
   (経済産業省貿易経済協力局長)          宗像 直子君
   政府参考人
   (経済産業省商務情報政策局長)          富田 健介君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        住田 孝之君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      多田 明弘君
   政府参考人
   (中小企業庁次長)    小林 利典君
   政府参考人
   (環境省地球環境局長)  梶原 成元君
   経済産業委員会専門員   乾  敏一君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月十七日
 辞任         補欠選任
  宮崎 政久君     比嘉奈津美君
同日
 辞任         補欠選任
  比嘉奈津美君     青山 周平君
同日
 辞任         補欠選任
  青山 周平君     宮崎 政久君
    ―――――――――――――
六月十七日
 官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第四〇号)(参議院送付)
同月十六日
 直ちに原発ゼロを求めることに関する請願(堀内照文君紹介)(第二〇八四号)
 即時原発ゼロに関する請願(畠山和也君紹介)(第二一八九号)
同月十七日
 即時原発ゼロを求めることに関する請願(志位和夫君紹介)(第二三一〇号)
 即時原発ゼロに関する請願(志位和夫君紹介)(第二三一一号)
 同(畠山和也君紹介)(第二三一二号)
 原子力発電所の稼動の是非に関する国民投票の実施手続を定める法律制定に関する請願(玉城デニー君紹介)(第二六九六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 貿易保険法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五二号)
     ――――◇―――――
○江田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、貿易保険法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官向井治紀君、経済産業省大臣官房審議官黒澤利武君、経済産業省大臣官房審議官谷明人君、経済産業省経済産業政策局長菅原郁郎君、経済産業省貿易経済協力局長宗像直子君、経済産業省商務情報政策局長富田健介君、資源エネルギー庁資源・燃料部長住田孝之君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長多田明弘君、中小企業庁次長小林利典君及び環境省地球環境局長梶原成元君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○江田委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡下昌平君。
○岡下委員 自由民主党の岡下昌平でございます。
 実は、大臣がいらっしゃる前での質問は初めてなので大変緊張しておりまして、ぜひ、その点、加味していただいて、御答弁いただけたらと思います。よろしくお願い申し上げます。
 きょうは貿易保険法改正についての質問なんですけれども、昨年四月に貿易保険法は制度の大改革が行われました。まず、戦争やテロによる事業の中断で発生する人件費、貨物の保管費などを貿易保険の対象にすること、そして、海外で日本企業が参加する大型プロジェクトに日本の銀行の海外支社や外国の銀行が融資をする際、貿易保険の対象とすること、さらには、中小企業が外国企業と取引する際、民間の損保会社とNEXIが連携し、保険を掛けることなどが法律に盛り込まれ、昨年十月一日から施行されております。
 そして、今回の法改正は、特別会計改革、独立行政法人改革の一環で、日本貿易保険、NEXIを一〇〇%政府出資の株式会社にし、貿易再保険特別会計を平成二十八年度末までに廃止するための改正であります。
 今回の法改正につきましては、特殊会社とはいえ、株式会社にするのにNEXIの資金調達が困難な場合、政府が必要な財政上の措置を講ずるなど、国の関与が強過ぎるのではないかという意見もあると伺っております。独法改革はせざるを得ませんけれども、形だけ株式会社にして中身は今までと変わらないというのでは意味がないと思います。
 そこで、まず大臣にお聞きいたしますけれども、NEXIが株式会社になるに当たりまして、どのような経営方針で臨んでいくべきであるとお考えか、ぜひお聞かせください。
○宮沢国務大臣 岡下委員とは初めてこうやって議論をさせていただきますけれども、たしかお母様が衆議院で私の同期当選でありますし、また、お父様は大蔵省の先輩で、たしか、私が若かったころに東京税関の成田支署長として辣腕を振るわれていたのを今思い出しておりまして、これからもよろしくお願いをいたします。
 まず、NEXIにつきましては、大型、複雑な案件が増大している、そして専門技術的な経営判断が求められている事業環境の変化に対応できるよう、例えば取締役による相互牽制を働かせるなど、今後の貿易保険事業にふさわしいガバナンスを確立するため、独法から株式会社に組織変更することといたしました。
 独立行政法人というのも、二〇〇一年以降、順次導入されてまいりまして、新たな形態でありますけれども、一方で、独立法人の通則法というものに縛りがあったり、また予算的な縛り、また人員的な縛り等々というものがありまして、NEXIのような急速に重要性を増している機関からしますと居心地が決してよくなかったということは確かであります。
 そういう中で特殊会社化するわけでありますけれども、その後においては、内部ガバナンスの強化や専門人材の確保などによって、リスク審査、管理体制の強化を図りつつ、国の政策実施機関として、インフラ輸出、資源確保、中小企業の海外展開支援などの成長戦略に掲げられた政策の実現に、より一層貢献していくことを期待しております。
○岡下委員 ありがとうございます。
 母と父とそのような御関係があったと全然知りませんでしたので、質疑が終わりましたらすぐに母に電話して、何で言うてくれへんのやと言っておきます。
 NEXIが株式会社化されれば、経営環境はより一層厳しいものとなると思います。採算の合う経営をしていかなければならない一方で、民間では対応できない輸出支援や、資源やエネルギーの安定供給の確保、大規模プロジェクトへの投資、そのための資金調達などに保険を掛け、支援していかなければならないと考えます。
 自民党政権下におきましては、二〇一三年五月にインフラシステム輸出戦略を決定し、二〇二〇年に約三十兆円のインフラシステムの受注を目標に掲げ、総理あるいは閣僚によるここ二年間のトップセールスの実施件数は二百九十五件にもなり、インフラ輸出に力を入れられております。
 さらに、五月二十一日に安倍総理は、今後五年間で約一千百億ドルをアジアのインフラへ投資する、質の高いインフラパートナーシップという施策を発表し、経済産業省におきましては、これを活用して、インフラ輸出を通じて、日本の高効率な石炭火力発電技術の輸出など、エネルギー産業の国際展開を進める体制づくりを強化するとしております。
 そこでお尋ねいたしますけれども、このような壮大なプロジェクトには、もちろん貿易保険の役割は重要でありますけれども、ただ保険を掛けるのではなくて、チームの一員として、一丸となって、民間企業やJICA、ジェトロあるいはJBIC、JOINなどとこれまで以上に情報を共有し合いながら連携して、インフラ輸出を率先して成功に導くようにするべきであると考えますが、その点どのようにお考えか教えてください。
○宮沢国務大臣 今、インド等アジア、また中近東等、新興国におきましてインフラ整備というものは非常に進んできております。我が国の企業が海外の旺盛な需要を獲得していくに際しては、輸出や海外向け投融資に伴い生じ得るカントリーリスクや相手方のリスクが大きな障害となるため、こうしたリスクを填補する貿易保険制度の果たす役割は大変大きいと考えております。
 政府関係機関の中には、日本企業のインフラ輸出を支援するものとして、NEXIのほかに、今お話しになりましたJBICとかJICAがございますけれども、委員御指摘のとおり、インフラ輸出を支援していく上で、これらの政府関係機関と連携を図っていくことは極めて重要だと考えております。
 政府といたしましても、官房長官を議長とする経協インフラ戦略会議を中心として活用して、政府及び関係機関で横断的な連携体制をとってまいりたいと考えております。
○岡下委員 次に、人材育成という観点でお尋ねさせていただきたいと思います。
 民間損保会社に勤務する私の知人に保険業務についていろいろと聞いてみました。民間は主に中小企業の輸出支援をしておりますけれども、その保険内容あるいは契約条件というのは、小口であったり短期であったり小リスクであったり。しかも、外国での取引相手先が数十社なければなかなか契約は成立しないという非常に厳しいものであります。大手民間損保会社の保険料総額は約六兆円でありますけれども、そのうち貿易保険の保険料は約三十億円と非常に規模が小さいのが現状であります。
 民間損保で条件を満たす貿易保険の案件が少ないということは、それだけ目ききが難しいということをあらわしているのではないでしょうか。
 そこでお尋ねをいたしますけれども、既に各国で活躍されておりますNEXIの職員の方もいらっしゃると聞いておりますけれども、NEXIの保険の引き受け実績は二〇一三年に八兆五千億円、これだけの規模の仕事をしていくには、専門知識を兼ね備えた優秀な人材を育成していかなければならないと思います。
 今回、国が引き受け基準を定めるとのことでありますけれども、保険業務を成功に導くかは、最終的には個人の目きき、能力にかかっていると思います。したがって、今後どのような点に重点を置いて人材育成をされていくお考えなのかをお聞かせください。
○宗像政府参考人 お答えいたします。
 NEXIは、平成十三年の設立当初、出向職員が大半であってNEXI採用の職員がわずか四名だったところを、NEXI採用の職員の採用を進めつつ、その専門的能力の向上を図ってまいりまして、現在では八割以上がNEXI採用というふうになってきております。
 今後とも、案件の大型化、複雑化に対応したリスクの審査、管理のための専門人材や、中小企業支援などの政策的ニーズの高い分野の専門人材を確保、育成していく必要があると考えております。
○岡下委員 最終的には人でありますので、ぜひそこの部分を重要視してやっていっていただきたいと思います。
 最後の質問でありますけれども、NEXIでは中小企業の海外事業の支援に力を入れておりまして、地銀と業務委託契約を結んで中小企業海外事業支援ネットワークを創設し、専門部署、中小企業支援・地銀等連携チームを設置しています。
 大阪にも支店がありますので、地元大阪の中小企業の経営者の方々に貿易保険のことをいろいろと尋ねてみますと、何となくということで、具体に御理解されている方というのは少なかったというのが実際のところであります。私も、今回質問の機会をいただくまでは正直言ってNEXIのことは余り存じ上げませんでしたので、いろいろと調査をさせていただきました。
 NEXI東京本店は西神田の雑居ビルの三階にあります。まず初めに受けた印象は、非常に入りにくいんです。受付は無人で、ぽつんと電話が置かれているだけでありまして、その電話の前に担当部署が記載された番号案内があって、その横にはパンフレットが置かれているだけなんですよね。中小企業の相談窓口は何番に連絡したらいいか、それは自分で探さなあかんのです。それを探し出すのが非常に難しい、わかりにくい。
 何とか担当部署の番号を見つけて連絡し、恐る恐る入ると、相談カウンターに通されたんですね。どのような対応をされるのか非常に心配だったんですけれども、応対していただいた職員さんからは非常に親切でわかりやすい説明をしていただきました。
 貿易保険の内容を知るにつけて、やはりこういった無機質な受付はどうなのかなと。もうちょっと、人が顔と顔を合わせて、わかりやすい受け付けをされた方が、範囲が広いので、よろしいんではないかなというのが率直な感想でありまして、さらなる広報宣伝活動に力を入れていっていただきたいというのが私の思いでございますので、よろしくお願い申し上げます。
 そこで、いろいろとNEXIの保険について調べていきますと、その掛金は、貿易相手国のリスクがございます。NEXIがリスクマップを作成されておりまして、これは、大臣、赤いところがリスクが非常に高いところ、薄い緑色のところがリスクが低い安定しているところということで、こうして見ますとアフリカ、中東が真っ赤っかであるという非常にわかりやすいリスクマップを作成されております。
 保険の掛金を掛ける際に、その掛金に、貿易相手国のリスクのほかに、テロや洪水といった不可抗力、あるいは倒産など、契約相手側の責任なのかによっても異なってきます。そして、何%補填してもらいたいかによってもその掛金は変わってまいります。大体一%ですね。一千万円のビジネスなら十万円といったところが相場だと聞いております。この額は、中小企業にとってはやはり負担に感じられるかもしれません。
 一〇〇%政府出資の株式会社という特徴を生かすのであれば、しっかりとした目ききは当然のことでありますけれども、保険料の値下げやあるいは中小企業への何らかの支援があればより周知がなされて、さらにその内容が充実していくのではないかと考えますけれども、その点、どのようにお考えなのか、質問させていただきます。
○宗像政府参考人 お答えいたします。
 NEXIの今御指摘のあった無機質な受付という点に関しましては、先ほど大臣からも申し上げたとおり、人件費、業務費の抑制が厳しい中でぎりぎりの効率化をまさに進めているという証左でございまして、応対した職員が懇切丁寧にお話し申し上げたという点が救いでございますけれども、引き続き頑張ってまいりたいと思います。
 その上で、今御指摘のあった保険料率を初めとする中小企業のための御支援ということでございますけれども、今までの御支援としましては、中小企業向けにまず手続を簡素化する、そういう商品を提供してみたり、あるいは、NEXIだけではなかなか手が届かないので、全国に五十五あります地方銀行や二十二の信用金庫、そういうところと中小企業支援のネットワークをつくらせていただきまして、そういうお力もおかりして貿易保険の紹介をするとか、あるいは委託販売で協力させていただくというようなことをしております。
 その上で、お客様の大半が中小企業である地方銀行との提携を進める中で、提携先の地方銀行さん経由で保険を引き受ける場合には料率を割引するというようなこともしております。
 中小企業の国際展開支援というのは日本再興戦略上も非常に重要な課題でございますので、引き続き積極的に対応してまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
○岡下委員 受付の件も含めて、対応をどうかよろしくお願い申し上げ、私の質問を終わりにさせていただきます。
 ありがとうございました。
○江田委員長 次に、國重徹君。
○國重委員 おはようございます。公明党の國重徹でございます。
 本日は、貿易保険法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について質疑をさせていただきます。
 今日、我が国を取り巻く国際情勢、経済環境は大きく変化をしております。ISILの活動の活発化、また二〇一三年一月のイスラム系武装集団によるアルジェリアの天然ガス精製プラントにおける邦人拘束事件は記憶に新しいところでございます。国際展開する企業が安定して、また安心して事業を進められるよう、以下何点かお伺いいたしますので、よろしくお願いいたします。
 まずお伺いしたいのは、成長戦略を実行する上での貿易保険の果たすべき役割についてでございます。
 先月二十七日、太田国土交通大臣とタイのプラジン運輸大臣は、タイの高速鉄道計画に日本の新幹線技術を導入する方針等を内容に盛り込んだ覚書に調印いたしました。そのほか、インドやシンガポールなども高速鉄道に我が国の技術を導入することを検討していると聞き及んでおります。
 これはOECDによる二〇一〇年時点での予測値になりますが、世界全体で必要なインフラ投資額は二〇三〇年までに年平均一兆六千億ドル、アジアでは二〇二〇年までに年平均七千五百億ドルになると見込まれております。
 二〇一四年、昨年十一月に矢野経済研究所から発表されました調査結果によりますと、世界のインフラ投資の規模は二〇一三年度には二百六十五兆円、そして二〇二五年には三百六十兆円にも上ると予測されております。
 こうした世界、アジアの動き、また予測の数字を見ますと、インフラ事業への需要の増大、潜在市場の大きさは明らかでございます。日本としてはこういったインフラ事業への需要を積極的に取り込んでいくことが成長戦略を進める上で極めて重要になってくると考えます。
 そこで、インフラ輸出を含め、成長戦略を推し進める上で貿易保険が果たすべき役割について、宮沢大臣にお伺いいたします。
○宮沢国務大臣 私も五月の初めにインドに参りまして、モディ首相ともお目にかかってまいりまして、日本の新幹線というのが五十年を超えて重大事故を一回も起こしていない、そして千キロの距離を走って一分おくれることの方が珍しいというようなことを宣伝してまいりましたけれども、まさにインフラ輸出というのは成長戦略の一つの柱でございまして、そのインフラ輸出につきましてもやはり貿易保険制度というものが必要不可欠な制度であります。
 今回の法改正の意義につきましては、これまでの独立行政法人及び特別会計改革の議論を踏まえまして、平成二十五年の十二月二十四日に閣議決定されました独立行政法人改革等に関する基本的な方針に基づきまして、独立行政法人であるNEXIを特殊会社化するとともに、貿易再保険特別会計を廃止することによって、貿易保険制度をより効率的かつ効果的に運営することでございます。
 具体的には、NEXIを全額政府出資の株式会社に移行させ、貿易再保険制度を廃止し、その資産、負債を新会社に承継する、貿易再保険特会の廃止後も将来の保険金支払いのための財務的基盤を確保する、さらに、特殊会社への移行後も貿易保険の引き受けについて国との政策面での一体性を確保するということを主な内容としております。
 また、平成二十五年に閣議決定された日本再興戦略においては、貿易保険を含む公的金融の充実を図り、中小企業、小規模事業者等の海外展開をさらに進めることがうたわれております。
 このように、まさに日本の成長戦略、また中小企業を含めた成長戦略のために大事な法改正だと考えております。
○國重委員 ありがとうございました。よくわかりました。
 さて、総理の指導のもと立ち上げられました経協インフラ戦略会議では、一昨年五月にインフラシステム輸出戦略が取りまとめられております。この中で、二〇二〇年に約三十兆円のインフラシステムの受注が政策目標として設定されました。それから二年が経過いたしました本年六月二日の改訂版におきましても、この目標値は継続して維持されております。
 こうした国の政策がNEXIの事業運営にしっかりと反映されること、そのために両者が一体性を保っていることが重要になってくるわけですけれども、具体的に、国の政策との一体性をどのように確保していくのか、また、国の政策意図をどのようにNEXIの事業運営に反映させていくのか、お伺いいたします。
○宗像政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のとおり、貿易保険が再保険を廃止するがゆえに引き受け姿勢が消極的になっては国の政策が果たせないということでございまして、国の政策との一体性を確保するために、国は、NEXIが保険の引き受けに当たって従うべき引き受け基準を定めるとともに、一定の重要な案件につきましては、政策的な観点から意見を述べることができるということにしております。
 こうした措置を通じまして、再保険の廃止後もNEXIの保険引き受け姿勢が変わることなく、日本企業の輸出、海外投融資の促進、ひいてはインフラ輸出目標の達成というところに貢献していけるように担保してまいります。
○國重委員 続きまして、先ほど岡下委員から、NEXIによる中小企業支援に対する取り組み内容の質疑がございました。
 特殊な技術を持っている、また、サービス面でも有能な力を発揮している、こういった中小企業が今ふえております。こういった中小企業を支援していくことも、日本全体を引き上げていくために非常に重要になってくると思われます。
 NEXIでは、中小企業向けの商品開発等に取り組んでいるというお話がありましたけれども、その一方で、中小企業支援の課題は一体どこにあるのか、山際副大臣にお伺いしたいと思います。
○山際副大臣 先ほどの岡下議員の御質問にもありましたように、これまで独立行政法人という枠の中で、まさにぎりぎりのところで業務を続けてきたというのが正直なところだと思っております。ですので、中小企業の支援に必ずしも十分な人員を割くことができないということが最大の課題だというふうに考えております。
 また、特殊会社化後のNEXIにおける具体的な体制のあり方そのものは、一義的には経営陣が主体的に判断する課題だと思ってございますが、これまで独立行政法人一律の取り扱いの中で人件費、業務費の削減を行ってきた結果、各国の貿易保険機関と比べても一人当たりの引受金額が突出してございますので、利用者からは質量の両面でさらに体制を強化してほしいというふうな要望があることも事実でございます。
○國重委員 今の副大臣の答弁にもございました。中小企業に対する支援を充実させる上では、NEXIの組織体制にも課題があります。
 理事会での了承を得て配付させていただきました資料、これは二〇一三年十月末の経済産業省の資料でありますけれども、これによりますと、二〇一二年のNEXI職員一人当たりの年間相談件数は、その五年前の二〇〇七年に比べて約二・五倍に増加している、既に限界水準であると言われております。中小企業支援を充実させるために、このような人員不足の状況を改善する必要があると考えます。
 特殊会社に移行した後のNEXIの人員、組織体制のあり方についてどのようにお考えか、山際副大臣にお伺いいたします。
○山際副大臣 繰り返しになりますけれども、具体的な体制のあり方は、一義的には経営陣が主体的に判断することになろうと思いますが、経済産業省といたしましても、日本企業の競争力やリスク管理の観点から、先ほど申し上げた、質、量の両面でさらに体制を強化してほしいという利用者の期待に応えて、専門人材の充実等、体制を強化すべき、このように考えてございます。
○國重委員 ぜひ前向きな取り組みをよろしくお願いいたします。
 最後の質問をさせていただきます。エネルギー輸入にかかわる貿易保険の充実についてお伺いいたします。
 東日本大震災での福島原発事故以降、電力需要は不安定化し、LNGや原油等を初めとする鉱物性燃料の購入量は増加の一途をたどっております。財務省貿易統計によりますと、震災前の二〇一〇年の輸入燃料費は十七兆三千九百八十億円であったのに対して、昨年の輸入燃料費は二十七兆六千九百二十四億円、実に十兆二千九百四十五億円、約一・六倍の増となっております。貿易収支にも大きな影響を与えております。
 このような貿易収支の構造変化を踏まえ、輸出だけではなくてエネルギーの輸入にかかわる貿易保険の充実も必要だと考えますが、これに関する副大臣の見解をお伺いいたします。
○山際副大臣 今委員御指摘のとおり、エネルギーを輸入するに当たってたくさんのお金が必要な状況になっているということを踏まえまして、海外からの安定的な資源供給の確保のために、通常の商品と比べて保険料が低く、さらにリスクの補填範囲を拡大した資源エネルギー総合保険というものを二〇〇七年に創設してございました。
 こうした制度を活用いたしまして、米国のシェールガスの液化プロジェクトや、あるいはオーストラリア、インドネシアのLNGプロジェクトなど、我が国の電力、ガス会社が引き取り権を有するエネルギー関連のプロジェクトへの融資も積極的に支援してございます。
 また、これも御指摘ありましたとおりですが、二〇一二年から二〇一四年の間に、日本は輸入する側ですけれども、カナダからエネルギー資源を輸入する際の支援のために、カナダの貿易保険機関であるカナダ輸出開発公社が輸出者に付保する貿易保険の一部について、再保険を受けていたところでございます。
 エネルギー資源の確保はNEXIの重要な役割の一つでありまして、今後ともニーズを踏まえて積極的に対応してまいりたいと存じます。
○國重委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○江田委員長 次に、中根康浩君。
○中根(康)委員 民主党の中根康浩でございます。
 全ての法律は、憲法の枠の中で、許す範囲で決められなくてはいけない。この貿易保険法も当然そういうことだろうと思いますが、安保特で審議をされている安全保障にかかわる法案の幾つか、憲法違反ではないかという疑義が示されているわけでありますので、まずは、憲法に違反しているかいないか、ここから議論が進められるというのは当然のことである、憲法違反であるならば、これは速やかに撤回をして、出し直していただかなくてはいけない、こういうことであろうと思います。
 憲法違反の疑いのある法案を大幅な国会の延長をして議論していくということは、ある意味、時間の無駄であるかもしれないし、ということになりますので、ここは、内閣の一員である宮沢大臣におかれましても、閣議等でその辺を十分慎重に御対応いただきたい、こういうことでございます。
 そしてまた、先週末、金曜日には、労働者派遣法の厚労委員会における審議のあり方、つまりは、職権による委員会立てが繰り返し行われて、強引な委員会運営であるということ、そして、十分な審議が尽くされていない中で質疑の終局を行ったり、あるいは採決をもくろんだり、こういう強引で乱暴な委員会運営のあり方をめぐって、一時、国会全体が不正常化したということでありまして、これが当経済産業委員会にも波及をして、経済産業委員会も落ちついて審議できる状況にはない、こういうことで私たち民主党は先週の委員会を欠席させていただいたということでございます。
 私たちが欠席をする中で貿易保険法の趣旨説明が行われたということにつきましては、十分納得できているわけではありません。今後の経済産業委員会の運営におきましては、全ての会派が冷静で落ちついた環境で審議できるように、ぜひ今後とも、委員長あるいは与党理事の皆様方におかれましては御配慮をいただきたい、このようにお願いを、要請を申し上げるところでございます。
 派遣法につきましては、改めてこの委員会で申し上げるべきことではないかもしれませんけれども、派遣という働き方を私たちは決して否定しているわけではなく、今回の法案の中で、派遣はあくまでも臨時的、一時的な働き方であるということがないがしろにされかねないということ。あるいはまた、今正社員の方々が担っている仕事も派遣という形に置きかえられてしまう、常用代替防止という考え方が、これも置き去りにされかねないということ。そして、専門二十六業種ということの中で働いている方々も、三年がたったときに雇いどめに遭ってしまうというようなこと。こうしたことによって若者に生涯派遣で低賃金という厳しい状況を押しつけ、そのことが、今、非正規という形で働く方々と正規で働く方々の賃金の状況を見ると明確に大きな格差があるということで、そういう状況の中において派遣という働き方が野方図に広がっていくということは、今、安倍内閣が掲げている少子化対策あるいは女性支援、こういったものにも逆行するのではないか。
 こういう観点から、派遣という働き方に対して私たちは大変慎重な姿勢を持っておりますし、今回の派遣法の見直し案が、派遣を含めた非正規労働者の拡大ということになり、それが少子化や女性支援に逆行することにつながりかねないということで慎重な審議というものを求めさせていただいているということは、ぜひ経済産業委員会の皆様方におかれましても御理解を賜りたいということでございます。
 質問に入らせていただきますが、法案の審議に入る前に、前回の一般質疑で取り上げたことの続きを若干させていただきたいと思います。
 マイナンバーなんですけれども、企業は、従業員とその家族のマイナンバーを税や社会保障の情報とともに管理することになるわけであります。公的年金情報の漏えい問題を目の当たりにいたしますと、マイナンバー制度を本当にこのままスタートしてもいいかというような不安を持たれている国民あるいは企業経営者も少なくないということであります。
 マイナンバー制度の導入に伴って、中小企業において情報漏えいのリスクは高まるのかどうなのか。これは安全保障の議論ではないんですが、マイナンバー制度の導入に伴って、中小企業における情報漏えいのリスクがどうなるかということについて御答弁を賜りたいと思います。
○向井政府参考人 お答えいたします。
 委員御承知のとおり、マイナンバー制度は主に税、社会保障で使われるわけでございますが、中小企業にとりましては、従業員、家族のマイナンバーをつけて、例えば源泉徴収票に書いて出すということでございます。こういった事務手続そのものは変更があるわけではございませんので、マイナンバー制度の導入に伴います情報漏えいのリスクが高まるとは考えておりません。
○中根(康)委員 リスクは高まらないと。この経済産業委員会でもやはり、リスクは高まらない、こういう答弁が出てくるわけでありますけれども、リスクが高まるかどうか、私は、普通に考えて、高まるんじゃないかなという感じはいたします。
 実は、高まっちゃいけないというふうに思っているわけじゃなくて、高まったことに対してどう対応するか、あるいは、中小企業庁あるいは経済産業省として、中小企業の負担をどのように支援するかということの議論を前回からさせていただいているわけであります。社内規定をつくらなければならないとか、セキュリティー対策をする、会計システムの改修をする、こういう負担がふえるわけでありますので、改めて、こういった負担が中小企業の経営を圧迫することのないように、中小企業庁としても十分な支援体制を今から御検討賜りたいと重ねてお願いを申し上げたいと思います。
 マイナンバー制度導入が原因で中小企業から情報が流出して犯罪に悪用された場合に、その流出元になった企業の責任が問われることがあるのかどうか、この点についてもお尋ねをしたいと思います。
○向井政府参考人 お答えいたします。
 マイナンバー法におきましては、マイナンバーのつきました個人情報につきまして、情報を故意に漏えいさせるとかそういう場合には罰則がつきます。ただ、過失では罰則がついてございません。
 そして、マイナンバーつきの個人情報が中小企業から流れるというのはいろいろなパターンがあろうかと思いますが、企業にとって罰則がつき得るものは、例えば従業員が故意にそういう、悪用した、情報を漏えいしたという場合に、監督責任を問われることはございます。一方で、今回の年金の事件のように、外部から侵入したような場合については、犯罪等に問われることはございません。
 ただ、民事につきましては、いずれにしても、過失があって損害が出た場合に、民事上の損害賠償責任が生じることはあり得るものと考えております。
○中根(康)委員 マイナンバー制度導入を契機として、サイバー攻撃とかネットワーク侵入ということについての国民の意識が高まった、こういうことだろうと思いますけれども、ある意味、今回の年金情報漏えいのように表に出てくるものもあれば、サイバー攻撃とかネットワークへの侵入というのは日常的に行われていて、企業の信用を損ねてはいけないということの中で、外に出てこない、表に出てこないということもある、こういうことだろうと思います。
 いずれにいたしましても、こういうサイバー攻撃の対応に際して、例えば、私たち国民の日常生活でいえば、火事が起きたときには消防車を呼ぶ、病気になったときには、体調が悪いときには救急車を呼ぶ、こういうようなものと同じように、中小企業が常時対応チームを持っているとか、あるいはどこか外部に委託するというようなことは、コスト面でもとても大きな負担になりかねないということでございます。
 サイバー攻撃に遭ったときにすぐに相談できるところ、あるいは被害を最小限にとどめるために、どこか、例えばそれぞれの地域の経済産業局などにサイバー攻撃対応の緊急部隊、消防隊みたいなものを置いておいて、何か相談があったときにはすぐにそこに駆けつけて、必要最小限のことをまずやるというチームのようなものをつくることができないかという提案なんですけれども、いかがでしょうか。
○宮沢国務大臣 お答えをする前に、中根委員におかれましては、昨今、各方面で御活躍の御様子でございますが、ぜひともこの経産委員会におきましても、貿易保険法の成立に御支援をいただければと思って、心からお願いを申し上げます。
 そして、経産省におきましては、従来より、中小企業の情報セキュリティーの確保のため、情報処理推進機構、いわゆるIPAを活用して、中小企業向けの対策ガイドラインの策定、また商工会議所等と連携したその普及、中小企業を含めた企業向け相談対応をしてまいっております。
 また、来年以降のマイナンバー導入も控え、中小企業が適切にマイナンバー制度に対応できるよう、制度の内容や必要なセキュリティー対策について、確実な普及、広報が重要と認識しておりまして、このために、本年三月に商工会などの中小企業団体に制度周知の協力要請を行うとともに、四月には内閣官房と連携して中小企業団体を含む業界向け説明会を開催するなど、マイナンバー制度の広報に努めてきたところでございます。
 その上で、万一、おっしゃいますように中小企業がサイバー攻撃を受けた場合に備えて、各地域において情報提供や専門的な助言を受けられることが大変重要だと思っております。
 救急部隊的なものになるかどうかはともかくとしましても、各地の経産局や全国の商工会、商工会議所とも連携しまして、中小企業が適切に相談できる体制の構築、そういうものも含めてこれから検討してまいりたいと思っております。
○中根(康)委員 そういう攻撃に遭ったときに、本当に時間を争うということでもあろうと思いますので、できれば、救急車のように何分以内ということはないと思いますけれども、何時間以内とか半日以内、あるいはその日のうちに必要最小限な対応をしていただけるというような迅速な対応策をぜひ経済産業省として御検討いただければ、中小企業の方々の安心にもつながるということでございますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 貿易保険法関連なんですけれども、株式会社NEXIの取締役の選任についてということでございます。
 これは、法案によりますと、経済産業大臣の認可が必要だというふうになっているわけであります。独法としての日本貿易保険には、例えば理事長あるいは理事、こういったところに旧通産省の御出身の方々がいらっしゃるということでございます。
 経産大臣が認可する株式会社NEXIの取締役、どんな顔ぶれになるかということでございますけれども、経産大臣の認可の判断基準として、いわゆる天下りの方が含まれているかいないかということが判断の材料の一つになるかどうかということについてはいかがでしょうか。
○宮沢国務大臣 おっしゃるように、役員の選任方法につきましては、法律上は、株主総会による決定の後、経産大臣の認可を得ることとされております。そして、その認可に当たりましては、これは平成二十二年でございますから民主党政権時代の閣議決定がございまして、特殊会社の役員選任については、第三者が評価を行う委員会を設け、当該委員会から役員として適任であるとの評価を受けることを、役員任命に関する所管大臣認可の条件とするということが求められておりまして、これは現政権でもそのまま継続しております。
 そして、特殊会社の役員選任につきまして、これまた民主党時代の平成二十二年の閣議決定で、特殊会社の常勤役員に占める公務員OBの割合は全体の三分の一以内とするとされていることを踏まえて、経産大臣の認可として対応することになるということであります。
 具体的な役員構成につきましては、実際の選任過程、まさに第三者委員会を含めた選任過程で検討されることになりますけれども、日本企業の国際展開を効果的に支援できるようにするため、能力や識見等を総合的に勘案し、出身組織にかかわらず適材適所で選任されるべきものと考えております。
○中根(康)委員 適材適所ということであれば、経産省を初めとする国家公務員出身の方であってもあり得る話かもしれないという御答弁であったと思います。それぞれ公務員の方は、それぞれのもともとのお役所で、ある意味重要な役割を担っておられるわけでありますし、先ほどからの質疑の中でも、NEXIそのものにおける、それ自体における人材の育成というようなことも必要なことであるものですから、できれば、やはりいろいろな疑いが持たれやすい天下りの方々を登用するというよりも、それ以外の方々のところで優秀な人材を求めていく、あるいは育成していくというようなことに重点を置いた人材の登用ということがやはり望ましいのではないか。
 あるいは、現職の、例えば経産省の方が株式会社NEXIに出向というような形で行かれる場合には、出向ということではなく、ある意味、覚悟を決めて、片道切符でその任に当たっていただきたい。これが、重要な役割を担う貿易保険の仕事を責任を持ってやっていただくというようなことでもあろうと思います。
 天下りを含めた人材の登用ということにつきましては、大臣が十分その監視の目を光らせていただく、これが認可が必要だということの趣旨であろうと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 続きまして、今回の法案の中に、一定の海外事業を行うための国内事業者への融資を貿易保険の対象とするということが貿易保険の充実の中に入っていて、具体的に、MRJ、三菱リージョナルジェットのリース事業が想定をされていると我が党の経産部門会議などでも御説明をいただいているということでございます。
 MRJという特定の案件を想定しての法改正は、政府により特定の企業を全面的に支援するということで、外国から批判されたり、あるいは貿易紛争の火種になるようなおそれはないかどうかということについて、まず確認をしたいと思います。
○宗像政府参考人 お答えいたします。
 外国との貿易紛争ということで、特に政府の支援につきましては、WTOの補助金協定というものがこれを規律することになっておりますけれども、貿易保険の提供につきましては具体的な規定がございまして、保険期間や保険料率等の条件がOECDの輸出信用アレンジメントの規定に合致する場合には輸出補助金とはみなされないということになっております。
 そして、特に航空機につきましては、OECD輸出信用アレンジメントの中に航空機セクター了解という特則がございまして、今後、貿易保険によって航空機の輸出を支援するに際しましてはこの規定に従うこととしておりまして、外国との貿易紛争につながることはないと考えておりますし、仮にそういう指摘をする国があったとしても、十分に反論できると考えております。
○中根(康)委員 MRJにつきましては、私ども地元の愛知県の期待産業でございますので、早く空を飛んでほしいという思いでございます。
 春に初飛行が予定されていたものが秋に延期をされたということでございます。一体、この期待の高いMRJはいつデビューしてくれるのかということになりますが、ほかの国もどんどん技術革新をしておりますので、例えば燃費だとかあるいは快適な居住性だとか、いろいろなMRJの優位性があるわけでありますけれども、遅くなればなるほど、この優位性が徐々に失われていってしまうことにならないかという心配をしているところでございます。この点については、経産省としてどのように考えておられるか。
 あるいは、MRJがいつ飛ぶかということと今回の改正法案の施行日との関係についてきちんと整合しているかどうか、こういうことについてはいかがでしょうか。
○山際副大臣 MRJがいつ飛ぶかということに関して心配しているのは私たちも実は同じでございまして、現在の発表されている予定では、今委員から御指摘がありましたように、ことしの秋に初飛行が行われて、平成二十九年の四月から六月に初号機が全日空に納入されることとされてございます。
 おっしゃるように、これがおくれればおくれるほどMRJの持っている優位性というものが損なわれるということに関しても我々は危惧してございまして、現在のスケジュールを遵守できるように、進捗を注視するとともに、必要な協力は行ってまいりたいと思います。
 この法との整合性につきましては、また答弁をさせていただきます。
○宗像政府参考人 法律につきましては、二年後にNEXIが発足できるように準備期間を用意しておりまして、MRJの商用化が二〇一七年ということで、まさに今国会で承認いただけるということで具体になっていくと思っております。
○中根(康)委員 ということは、二〇一七年よりも早く商用化されるということはないということだと。もっと早く商用化してほしいな、実際に空を飛んでほしいなという思いなんですけれども、ちょっとこの辺、もしかしたら通告していなかったかもしれませんので、済みません、この辺にとどめておきます。
 MRJのリース事業が貿易保険の対象となることで、受注数がふえるということになればいいわけでありますけれども、このあたりは経産省としてどのように期待をしておられるんでしょうか。
○宮沢国務大臣 航空機の販売につきましては、近年、リース方式というものが大変活用が進んでおります。今回の法改正によりまして、国内のリース会社の力を生かし、輸出保険を含むファイナンスのスキームを海外の航空会社に提案することが可能となりますので、航空機販売の基盤というものが整備されることとなります。
 もちろん、これで何機売れるようになるということは、これからの努力次第ということでございますので、なかなか申し上げにくいわけですけれども、ファイナンスといった意味ではかなり基盤が整備されますし、また、これまでもいろいろ議論がありましたように、やはり、日本の輸出についてトップセールスをしていくという方向の中で、私自身も強力な働きかけをしていきたいと考えております。
○中根(康)委員 大臣からトップセールスというお言葉をいただいて、本当にこれはぜひよろしくお願いいたしたいと思います。
 自動車も基幹産業なんですけれども、飛行機はまた部品点数が百万点ぐらいあるということで、裾野の広い産業でありますので、これは、愛知県地方、東海地方だけではなく、日本全体の産業の振興に大いに貢献していただけるものだと期待しておりますので、ぜひぜひ大臣のトップセールス力に心から期待を申し上げたいわけなんです。
 MRJ関係、関連ビジネス、今申し上げましたように部品とか補修とか、こういう飛行機そのものではなくアフターサービス的なところで、これまた多くの波及効果があったり、雇用を生み出したりというのがMRJだということを伺っているわけでありますけれども、MRJ関連ビジネスというようなところの市場規模、あるいは雇用創出効果、こういったものを経産省としてどのように把握して、考えておられるか、お答えをいただければと思います。
○山際副大臣 MRJそのものにつきましても、まだ研究開発中、初飛行がまだということでございますので、その関連ビジネスともなりますと、試算をするための前提として置く変数が余りにも多過ぎて、現段階においてその見通しを試算することは難しいと考えてございます。
 一方、雇用につきましては、現段階におきましても、開発と試験機の製造だけでも協力会社を含めまして約三千人の雇用というものが確保されてございまして、当然、これから量産体制というものに入っていけば、さらにそれが広がるものというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、委員御指摘のようにこれは基幹産業でございまして、大変裾野の広い産業でございますから、我が国の航空機産業の拡大と、また国際競争力の強化の牽引役となることを期待してございます。
 補足の答弁をさせていただきます。
○宗像政府参考人 先ほどの、この法律の施行日に関しての御質問の中で一点お答え申しそびれた点がございまして、MRJの条文につきましては、その点だけ一年早く、平成二十八年四月一日ということで一年早めておりまして、その点お答え申しそびれたことをおわび申し上げます。
○中根(康)委員 ありがとうございました。終わります。
○江田委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午前九時四十五分休憩
     ――――◇―――――
    午前十一時十九分開議
○江田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。田嶋要君。
○田嶋(要)委員 おはようございます。よろしくお願いします。
 きょうも少し服装が似ているような感じがしますけれども、まあ、どうでもいい話ですが。
 大臣、質問通告はないんですけれども、国際エネルギー機関、IEA、二〇一四年の報告が出まして、昨年、二〇一四年は、エネルギーにとって画期的な年になったなと私も思っておるんですが、大臣、どんな年だったかというのはわかりますか。これは通告はしていませんけれども。
○宮沢国務大臣 エネルギーにとって画期的な年、なかなか思い当たりません。教えてください。
○田嶋(要)委員 これは、私が本会議のときも申し上げた、たしか第二回の電力システム改革のときの本会議だったかなと思うんですけれども、要は、経済成長は三%、しかしエネルギー消費はふえなかったという初の年らしいんですよ。経済危機のときを除けば、過去四十年で初めて、デカップリングといって、何かやじられた記憶がありますけれども、そういう言い方をドイツではするようですが、発展はするけれどもエネルギーはふえない。今までの常識、二十世紀は常にどっちも右肩上がりでしたけれども、ようやくそこが分かれてきたということで、私としては大変心強く思います。
 いろいろ理由はあるんでしょうけれども、やはり再生可能エネルギーが世界じゅうで広がってきたということでありまして、もう一つ、私が愛読している、これはデンマークの本でございますが、デンマーク、化石燃料ゼロ社会。
 デンマークは、二〇五〇年に再エネ一〇〇%、そういう目標を、化石をもう一切使わない社会をつくっていこうということで、二〇五〇年に化石依存率〇%、そういう国を目指しているわけでありまして、まさにデンマークやドイツやオーストリア、こういう国が引っ張ってくれている中で、私は、やはりこういうのを見聞きするたびに、大臣、今の日本に危機感を感じます。
 私は、同じ方向を向いているという大臣のお言葉にもかかわらず、やはり大分危機感に差があるということをいつも申し上げておりますけれども、大臣の次の次の次の次の大臣ぐらいが振り返って、当時の大臣が危機感が足りなかった、私はそういうふうに言われてほしくないと本当に思うんですね。そのことをまず前提で申し上げて、きょうの質問に入らせていただきます。
 きょうは貿易保険法でありますが、貿易保険法とも密接なつながりのある資源戦略、そして、エネルギー安全保障と言われることに関して、少し振り返りながらの質問もさせていただきたいというふうに思います。
 振り返るということは、PDCAと俗に言われますけれども、プラン・ドゥー・チェック・アクション。最近は、PDCAじゃなくてPDLAA、プラン・ドゥー・ラーン・アセスメント・アクション、そういうことのようでございますけれども、プラン・ドゥー・チェック・アクション。
 プラン、ドゥーは、霞が関は得意ですね。だけれども、やはりチェック、アクションが苦手だと私は思うんです。これは多分、人間のさがだと思います。新しいことは何となくわくわくするけれども、やった後、振り返るのはなかなかつらい、面倒くさいということで、これは予算と決算の話でもあると思うんですが。
 要は、そういう中で、レアアースについてまずお尋ねをします。
 これは、私の政務官時代にかなり頭の痛い問題として、中国に首根っこを押さえられるような経済では困るということで、二度とそういうことをされないようにするにはどうしたらいいのかということを当時悩んでおったわけでございます。
 まず最初にお尋ねしますが、レアアースを輸入していたピークのころと直近の年、それぞれ日本のレアアースの輸入量、そしてそれに占める中国原産の比率をまずお尋ねします。
○住田政府参考人 日本のレアアースの需要のピーク年でございますが、これは二〇〇七年でございました。この年のレアアースの輸入量がちょうど四・〇万トンでございまして、中国から直接輸入されますものと、中国の鉱石を使用したものがよその国から入ってくるものを合計しまして、中国産がおよそ九四%ぐらいであったというふうに推計をされます。
 直近、二〇一四年でございますが、我が国の輸入量は二・二万トンでございまして、そのうち中国の鉱石を使っていると思われるものが約八五%というふうに推計をされております。
○田嶋(要)委員 資料の一をごらんいただきたいと思います。
 全体の輸入量はこのグラフに出ておりまして、今おっしゃっていただいたとおり、中国依存ということが、九四のピークから九ポイント下がって八五%という今御答弁でございましたが、これは当時の危機感からすると、余り下がっていないという印象を私は持っております。もっとこれは劇的に下がることを期待しておりました。
 次のページをごらんください。
 これは、私が政務官のときに政務官室で見せてもらった役所の政策の立案ですね。古い資料を、きちんと保存されていますから引っ張り出してきていただきました。
 一千億円の補正予算を組んだんですね。非常に大きいですね。こういう四つの対策を講じるということを行っていただきましたけれども、それはその後どうなったのかということは、私としてはきょう初めてお尋ねをするわけでございます。
 そこで、次の質問でございますが、当時のこうした一千億の対策、どのぐらいの執行をされたか、どのような成果と問題点があったのか。そして、先ほどの数字、かなりレアアースの使用量が全体量では減っておりますけれども、この全体量の削減にこういった政策はどの程度貢献をしたというふうに評価しているのか、お尋ねします。
○谷政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の資源確保対策事業の執行率は、全体として八七%となってございます。
 資源確保対策の具体的な成果について申し上げますと、レアアースの資源開発につきましては、JOGMECを通じて豪州のレアアース開発プロジェクトに二百億円出融資しておりますが、二〇一四年には同プロジェクトから日本へのレアアース供給量の少なくとも八・四%が供給されており、供給源の多角化に貢献しているものと認識しております。
 また、レアアース使用量削減及び代替材料開発等につきましては、歩どまり率の大幅な向上によりますレアアース使用量削減のための設備導入や、使用量削減技術、代替材料開発等に対する補助事業を実施させていただきました。
 こうした取り組みの成果につきましては、事業終了後五年間提出することとされております対象事業者からの報告によれば、二〇一四年度末の時点で、使用量削減等の技術開発事業では、補助を受けた七十社のうちの六十社、八六%が目標を達成し、また、設備導入等事業につきましても、二百十三社中百十四社、五四%が目標を達成しており、レアアース等の需要低減に一定の効果をもたらしているものと認識しております。
 今後とも、対象事業の進捗状況を把握しつつ、チェック、アクションを大事に、本レアアース対策の成果と課題の調査分析を行い、もって今後の対策に生かしてまいりたいと存じます。
○田嶋(要)委員 だから、このお配りした資料の一ページの、ピークが四万トンでした、直近が二万二千トンでした。この一万八千トンの減ったものは、どのぐらいがこうした政策の成果なんですかということを聞いているんです、PDCAということは。
○谷政府参考人 お答え申し上げます。
 レアアースを使用している主体は、民間事業者でございます。民間事業者は、レアアースの価格を上げますと、自助努力として使用量を削減するように行動を起こしますが、それを強力に後押しする施策としてこのような施策が機能したというふうに存じております。我々も、民間事業者の方々を訪問すると、非常に多くの方から、国の補助と自助努力に基づきまして大きな成果を上げたというふうにお答えが返ってくる次第でございます。
 御指摘いただきましたように、定量的な分析は残念ながらまだできておりませんが、今後、二十九年度までこの五カ年調査を続けていき、定量的な分析も含め調査させていただきます。
○田嶋(要)委員 一千億を使って、大きな成果がなかったでは困ると思うんですよね。これはやはり、レアアースのことは最近聞かれていないようで油断もしておるのかもしれません。私の事務所に来てもらったときも、大した資料も持ってこずに、何を聞いても答えがないんですよ。これでは本当に困りますよね、一千億も国民の税金を使った対策を講じたんだから。
 やはり、難しいところもあろうと思いますが、旧来のテクノロジーに比べたら、これだけレアアースを使うのを減らす技術の使用が始まっているんだったら、予測が立つじゃないですか、どれぐらいこれで削減できているのか。そういう具体例も何にも出てこない状況は、私は非常にお粗末だろうと思います。
 大臣、この資料一の、これは今回いただいた資料なんですけれども、上のところをちょっと読んでいただけませんかね。三行目、「一〇年に一旦需要が回復」と言っているんですね。一番最後に、「足元需要が低迷」と言っているんですけれども、需要が減ることが悪いんですかね。私は、この書きぶりを見て、経産省は、レアアースがふえてもらった方がいいと思っているのか、減ってもらった方がいいと思っているのか、わけわからないなと思ったんですよ。
 この資源は、一千億かけて、できるだけ依存しない社会をつくろう、それが日本のサプライチェーンの首根っこを隣の国に押さえられないためにも大事だということで、理想を言えば、レアアースなんというものは使いませんよ、だけれども同じものが日本にはつくれますよということにしたかったわけじゃないんですか。何でこの資料は、「需要が低迷」なんて書くんですか。こういうところに、何のために一千億円を使っているかがよくわからないんですよ。大臣、どうですか。
○宮沢国務大臣 レアアースにつきましては、二〇一〇年、本当に中国がいろいろな措置を講ずるということで、かなり社会的問題になったことは記憶しておりますけれども、民主党政権下で、こんな一千億の予算でこういう対策を講じられていたのを実はきのう初めて知りまして、対策としてはまさにPDCAをしっかり回さなきゃいけないわけでありますけれども、いろいろな政策の中ではかなり成果のあった政策だという実感を持たせていただきました。
 まさに、おっしゃるように、その後、新聞紙上等々で、レアアースを使わない技術が、こういうものが開発されたというのが多々新聞に載ったのは今でも記憶をしておりまして、おっしゃるように、レアアースの使用量全体というのは、恐らく、まず一つは経済の状況といったものに引っ張られるわけですけれども、その中において、まさにレアアース以外の代替物がふえていって、レアアース自体の割合、そういう種類の、物質としてはレアアースの割合が減っていくということが最も望ましいことだろうと思っておりまして、若干この三行には違和感を覚えております。
○田嶋(要)委員 いずれにしても、レアアースの問題を今回取り上げたのは、当時、私がかなり悩んでいた課題だということもございますが、かつてのオイルショック、あるいは、これからも、天然ガスにしても何にしても、やはり当面、我々のアキレス腱でありますから、こういったことから学んで、やはりPDCAをしっかり確立する。それが次に、このレアアースだって二度とこういう問題が起きないとは限りませんよね。今はいいかもしれないけれども、今はさっぱり話題になりませんけれども、またやってくるかもしれないということで、ぜひこういった一個の経験からしっかり学ぶべきだと私は思っております。
 それでは、今後どういったアクションをこれに関しては考えていくのか、そして、ピーク年に比べて、大臣としては、どういったところまでこのレアアースを下げていこうとお考えか。その辺に関して、御所見ございますか。
○宮沢国務大臣 まさに二〇一〇年度の補正の予算措置に加えまして、米国、欧州と連携したWTO提訴など、官民一体となった取り組みを行った結果、本年一月、中国は輸出制限措置を撤廃したわけであります。
 現在、おっしゃるように、レアアースの話というのは余り巷間に上ってこないという状況。日本また霞が関の悪い癖で、喉元過ぎると熱さ忘れるということがあることは間違いないわけでありまして、今後とも、過去のレアアース対策の成果と課題をしっかり分析し、必要な対策を講じていかなければいけないと思っております。
 具体的には、供給源の多様化とか、使用量をまさに削減する、別途で代替する技術、また削減する技術といった技術開発、さらにリサイクルの推進、他国との協調など、さまざまな施策をこれから講じていきたいと思っております。
○田嶋(要)委員 この後触れます天然ガス等でも、応用のきくようないろいろな課題がやはり今後もあろうと思いますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 そして、一千億円という巨額の税金でございますので、私も、きのう、おととい、経産省に、例えば総務省行政評価局あるいは会計検査院の、要は、いろいろなチェックが入って、何か問題が指摘されたのかということもお伺いをしました。それはどうだったんですか。
○谷政府参考人 お答えさせていただきます。
 御指摘の会計検査院の平成二十四年度決算検査報告書において指摘された案件につきましては、一件ございます。
 一般社団法人環境パートナーシップ会議、以下EPCと称させていただきますが、こちらに造成した希少金属の低減に資する製造設備の導入を補助する基金事業におきまして、株式会社三徳の行うリチウムイオン電池材料の製造設備の導入を補助したものに関しましては、株式会社三徳が、必要な事前申請を行わずに補助目的外に使用しておったという行為が発覚した次第でございます。その後、株式会社三徳は、補助金交付額二・一億円を全額返還済みでございます。
 また、会計検査院の御指摘を踏まえ、我々もEPCを指導いたしまして、補助事業者に対する再周知の指示等、事務局に対する指導監督を行い、また、みずから抜き打ち検査を実施する等の再発防止措置をとらせていただいたところでございます。
 本件指摘は大変残念ではございますが、この一件をもってして基金設置法人として適格性を欠く団体であると考えてはおりませんが、今後、このような事例を参考に、さらにアクションを強化していきたいと存じております。
○田嶋(要)委員 たまたまですけれども、今申し上げたようなレアアースのPDCAを自分でやったら、話の中からそういうことがわかってしまいまして、やはりあったんですよ。一応会計検査院の方に確認をしてみましたら、経産省の補助金案件、過去十年で十四件、六億円、目的外使用があるんです。六億円。そのうちの今回の二億円というのが最大の金額のものなんですね。そういったことがやはり起きているんですね。
 それは全体一千億の中でパーセンテージとしては小さいかもしれませんけれども、補助金適正化法ということもございます。やはり国民の税金でありますので、ここは大変重要な目的で造成された基金でございますが、使途目的でないものに補助金が使われれば、当然、レアアースの戦略上も十分効果が発揮できないわけですから、そこは、こういったことをしっかりと反省していただいて。
 そして、私が気になったのは、やはり会計検査院は陣容上も悉皆調査ができるわけじゃないですね。今回確認したところ、本件に関してのうち、一千億のうち最大の、資料の二をごらんいただきたいんですが、資料の二の二番と三番を合わせて四百二十億円という形で予算がついておりますけれども、その四百二十億円の、先ほど二百数十社に補助金が出たという話でしたね、そのうち百六十四社、会計検査院は見ていただいているんですね。
 しかし、それはやはり氷山の一角になってしまってはいけないので、会計検査院の御尽力でこういうことが一つわかったのであれば、責任主体である経済産業省が、同じ補助金で同じような間違った使われ方をしていないかどうか、そこはしっかりとチェックをしないといけないと思います。
 再発防止ということをおっしゃいましたけれども、大臣はこのことを多分今回初めて御存じになったと思いますので、レアアース自体も初めてということですので、改めて、こういったこと、これは補助金政策、補助金行政全般にかかわる問題であると思いますので、一言、御所見をいただきたいと思います。
○宮沢国務大臣 まさに税金をいただいて使っている補助金でありますから、それが制度の趣旨にのっとってしっかり使われているということは大事なことでありまして、その確認作業ということもこれから我々を含めてやっていかなければいけない。
 特に、ここのところ、ある程度の制限は加えられておりますけれども、基金事業というもの、また基金でなくても、国のある意味では行政が肥大化しないように、外で補助金を配るということも多々行われておりまして、そういう間接的なものの中にいろいろ問題が生じるおそれがありますので、それを起こさないようなシステムを、国の方のチェックが入るシステムをどうつくっていくかということは大変大事なことでありまして、今後検討してまいりたいと思っております。
○田嶋(要)委員 今、今後検討とおっしゃっていただきました。
 一応情報として共有させていただきますが、今回の補助金を受け取った、受け取ったというのは、何か我々の普通の理解とは違うようでございまして、まず、基金として全額受け取るというのが補助金を受け取るということのようでございますが、先ほどの環境パートナーシップ、過去十年で八件指摘を受けているようでございます。そして、そのうち目的外使用の関係では一件、本件だけのようでございますが、残念ながら、たまたまレアアースに関してはその一件だったということでございます。
 資料の四、その環境パートナーシップから、おわびのお手紙がホームページ上には上がっております。
 こういった事例でまことに残念だったということで、さらに対応の強化を図ってまいるということでございますが、下から二行目の「事務局を通じて」ということなんですけれども、この事務局というのは、実は環境パートナーシップじゃないんですね。これはよくある話でございますが、事務局というのは、さらに業務を委託している民間企業なんです。つまり別会社です。民民ですね。この環境パートナーシップも民間に位置づけられていますから、民民ですから、そこはよくわかりません、どういうルールで合意がなされているのか。
 ただ、やはり、こういった事務局の形の場合に、では、一件あったときに、残りも全部ちゃんと調べることになっているのかとか、補助金適正化法の中には、どうもその辺はきっちりと法文の中には明文化されていない。したがって、補助金の不適切な利用が一個見つかったからといって、それによって、ほかも二度とそういうことが起きないようにもう一度チェックをさせるとか、そういう仕組みに関しては今できていないような感じがします。だから、たまたま検査院に指摘をされたら、運が悪かったねみたいな話で終わっている可能性がある。
 そこは、ぜひ大臣、検討していただくということでございますので御答弁は必要ございませんが、ぜひとも、今の補助金適正化法を含めて、あるいは会計検査院との連携を含めて、こういったことを未然に防止する、そして、氷山の一角で一つ見つかったら、ほかに同じようなことが起きていないかをしっかりチェックする体制、あるいは民間に当然補助金を渡す、あるいは委託するときに、彼らの責任ということも大事でありますので、そういった責任がしっかり担保できるような法整備の検討もお願いしたいと思いますが、大臣、もう一度お願いします。
○宮沢国務大臣 基金の場合、今おっしゃったような形態が多いわけでございまして、基金設置法人と事務局とが違って、事務局は大体、多いのは何とか総合研究所といったところが多いわけでありますけれども、実務、そういう審査を事務局が担って、そして、基金設置法人はある意味ではお金の管理をするというのが一般的であります。
 恐らく、今回見抜けなかったのは事務局の方の審査が甘かったということだろうと思っておりまして、もちろん悉皆ではないにしても、ラストリゾートとして会計検査院はあるわけであります。やはりそれなりに、同種のものがあるかどうかというようなことを含めて、その事務局自体はそれぞれかなりちゃんとした会社のはずでありますけれども、しっかり、どういうチェックができるか、検討していきたいと思います。
○田嶋(要)委員 会計検査院はラストリゾート、そのとおりだと思います。責任は経済産業省にあると思いますので、そこはしっかりお願いいたします。過去十年でかなりあったということでございます。
 それでは次の質問でございますが、天然ガス、LNGについてでございます。
 四月二十四日の委員会で、私の質問に対して、なぜLNGはベースロードたり得ないか、その弱点として三つ、大臣が御指摘をされました。価格面、備蓄が難しいこと、調達先がホルムズに集中していること。
 私は、最初の価格面に関しても、そんなことはないんじゃないかという疑問を持っておりますし、将来、そういう前提に立つと経営者が苦労するんじゃないかなということは改めて申し上げたいと思いますが、きょうは二点目、三点目についてお伺いします。
 LNGは備蓄ができないということで大臣は御答弁されました。LNGということでおっしゃったわけでございます。しかし、LNGも、洋上在庫、船ですね、それと三十三基地あるわけでございますので、何カ月分の備蓄に今なっていますか。
○多田政府参考人 お答え申し上げます。
 これはあくまで電気事業者あるいはガス事業者への聞き取りということでお聞きいただきたいと思いますが、我が国の場合、一般に、電気事業者、ガス事業者が、みずからの事業の運営のために、基地の中に約二週間分、それから洋上、これは船、タンカーの中ということでございますが、一、二週間前後の在庫を保有している、このように認識しております。
○田嶋(要)委員 石油の、いわゆる国家備蓄等によって半年分ですか、それに比べたら、一カ月ということが現状であるわけでございますが、では、その弱点というのはどうしようもない弱点なのかなということでございます。
 資料をお配りしました。六ページをごらんください。
 そう思ってちょっと調べてみますと、JAPEXですね、ちょっと懐かしい名前ですけれども、ついこの間も出てきましたJAPEX、それからINPEX、それからJOGMEC、その辺、頑張っていただいている独法の皆さんですが、結構皆さんそれぞれに、ガス、液化じゃなくて天然ガスの方ですね、天然ガスをやはり地下貯蔵はそれなりにしているという現状があり、そして、ポイントは、海外からLNGで輸入してきている、タンカーで輸入してきているものを気化して、そしてそれも同じように地下に貯蔵できればいいよということを異口同音におっしゃっている。
 一番力が入っていたのは、この資料のJAPEXの紫雲寺ガス田、こういうのがあるそうでございます。こういう既存のガス田のところに、今、国産のものは入れているよという話。それから、そのすぐ上の岩船沖油ガス田、こういったところを新たにという話をしています。
 次の、資料七ページをごらんください。
 現在、日本での貯蔵は、天然ガスは国産天然ガスに限ってしまっているということでございますけれども、国産を、やはり石炭ほど簡単ではないかもしれないけれども、かつてからいろいろこういう指摘があるようでございますが、ついせんだって衆議院で議論しましたガスシステム改革、ガス導管もこれから延ばしていき、設備投資をやってもらって、パイプラインを強化する、その中には、当然、こういう貯蔵ということも出てこようかと思います。
 現状に関して全部調べ切れてはおりませんけれども、やはりLNGの今後の重要性を考えたときに、まず、弱点と大臣が御指摘した備蓄困難性をなくしていくために、今後、天然ガスの地下貯蔵、これはやはりしっかりもう一回研究して実現していったらどうかと私は思うんです。
 したがって、今計算上一カ月のものを二カ月、三カ月、それはできるということでJAPEXさんたちがおっしゃっているんですよ。私、きょうはJAPEXさんを応援するような質問ですけれども、どうですか、大臣。
○宮沢国務大臣 できるかどうかということであれば、できるわけでありまして、現状におきましても、JAPEX等は、枯渇ガス田を活用して天然ガスの地下貯蔵というものをやっております。ただし、これは、備蓄というよりは、生産量の季節間の調整のために一定程度活用している、こういうことのようでございます。
 では、石油に近い備蓄というような形でこれが利用できないかということになりますと、問題は、枯渇ガス田を全て足し合わせてそこにLNGを貯蔵するということにした場合であっても、概算のようでありますけれども、年間消費量の三日分ということでございまして、量的には多くのものは期待できない。
 では、今後、枯渇ガス油田がどんどん出てくるかといえば、日本全体でのLNGの今の生産量を考えましても、枯渇ガス油田に莫大な地下貯蔵ができるようなものが出てくるというふうな見通しではないと考えております。
 そして、もちろん、導管につきまして、今後導管の整備が進むということを考えれば少し状況は違ってくるにしても、ガスの導管網という現状を考えますと、例えばJAPEXと東京ガスと、熱量が少し違うものを調整するということをすれば、東京ガスの圏内はそれが運んでこれますけれども、一方で、では、今の状況では、東邦ガスのところ、大阪ガスのところということにはなかなかつながっていかない。
 したがって、今使えるとしたらば東京近辺までというような地域的な問題というものもあると考えております。
○田嶋(要)委員 枯渇ガス田の話がございましたが、それ以外に、技術的には、新たにつくる二つの選択肢ということも有力視されているようでございまして、そのうちの一つに関しては日本でも可能性があるというような資料もございました。
 改めて、ガスの自由化ということも行われるわけでございますので、これから設備投資を増強していく方向であることは間違いありませんので、ぜひとも、大臣のおっしゃる天然ガス、LNGの弱点に関して、克服できる可能性を探っていただきたいと思います。
 そして、もう一点はホルムズ集中ということで、資料の五ページでございます。よく見る資料でございまして、せんだっても委員からこの関係の御質問がございましたけれども、現在、二五%ホルムズ依存ということでございますが、これも限りなく小さくするというようなことを私は考えるべきだと思います。
 これはもともと石油がほぼ一〇〇%近くということがあるわけですが、石油とプロパンはともかく、天然ガスは石炭と同じように中東依存脱却、こういうことをちゃんと設定してやるべきだし、今新たに予定されているプロジェクト、例えばオーストラリアに七件あるそうでございますが、大体、日本の資本が入って、これからオーストラリアとアメリカ発の輸入が相当ふえる。恐らく、ほっておいても中東依存は二五から、三・一一前はたしかもっと。幾らでしたか。
○住田政府参考人 二〇一〇年度のLNGのホルムズ海峡への依存度というのは約一八%でございます。
○田嶋(要)委員 一八%ですけれども、私は、二〇三〇年までに五%とか、それは中東のこういう国とも仲よくやっていかなきゃいけないですけれども、しかし、我が国のアキレス腱でありますので、だからLNGはだめなんだみたいなことをおっしゃると、では、これを克服しましょうよと。これは死活問題ですから、別にここだけに頼っていなくてもいいし、石炭以上に世界に散らばっているのが天然ガスですから、そこは私は、ゴールを設けて、どういう選択肢ができるのか。全体量を削減することも大事ですが、多様化、どうしていったらいいかということを、大臣、検討いただきたいと思いますが、いかがですか。
○宮沢国務大臣 おっしゃいますように、LNGの輸入先の多様化ということは、これまでも努力をしてきておりまして、昨年からパプアニューギニアからの輸入が開始されております。また、おっしゃいますように、ことしから豪州からの輸入が拡大をしております。また、来年以降、順次、米国からシェールガスの輸入が見込まれる、こういう状況でございます。
 そういう中で、まさに今おっしゃった二五%というものを引き下げていかなければいけない。ただ一方で、おっしゃった産油国との関係というのも実はございます。LNGの二番目の輸入先はカタールですけれども、カタールというのは、油についても、またLNGについても、大変日本と協力をしてきた国ということにもある程度は配慮していかなければいけないだろうというような中で、どう下げていくのか。なかなか、正直五%以下というのは難しいけれども、それに近いものを目指していくということは、我々が努力していかなければいけないということだろうというふうに考えております。
○田嶋(要)委員 他国との関係は良好にしていきたいと思いますが、まさにホルムズ海峡というのは集団的自衛権の話も飛び出してくるような問題でございますので、そこはやはりホルムズを通らないようなパイプラインを延ばしてくれるのかどうかにもよりますけれども、いろいろな選択肢をやはりちゃんと研究していただいて、やはり今の二五をもう少し下げていく方向で御検討いただきたいというふうに思います。
 それでは、法案についてもお伺いします。
 要は、海外にかかわるさまざまな保険をやっておられるNEXIに関しまして、今回の法改正は仕組みを変えるということでございまして、これはかつての政治判断に基づいた実行ということで私はそれほど異論はないわけでございますけれども、再保険をやっていたときに、再保険を掛けずに保険をNEXIが引き受けるということはこれまであったんでしょうか。
○宗像政府参考人 お答えいたします。
 現行法の五十七条で、政府は、NEXIが負う保険責任について、政府とNEXIとの間に再保険関係が成立する旨を定める契約を締結することができるとされておりまして、制度上は、国が再保険を引き受けない案件をNEXIが単独で引き受けることも可能でございますが、なかなか、NEXIが単独で全てのリスクを引き受けるというところまで踏み込むことは難しゅうございまして、実際のところ、そのような事例は皆無でございます。
○田嶋(要)委員 だから、できる規定にはなっているけれども、実際上は過去に一件もそういう例がないんですね。つまり、再保険と保険は常にセットでやってきたということでありまして、逆に言えば、再保険するかどうかで、ここで政府がおっしゃっている国の政策との一体性というのは確実に担保されていると私は思うんですね。
 ところが、今回、再保険というものをなくして、NEXIだけでやってくださいよ、しかし、債務何とかという言葉でありましたけれども、違うスキームに変えると。だから、私は、政府がおっしゃっている国の政策との一体性が高まるというのは本当かなと。逆に高まらないんじゃないかなという感じもするわけでございます。
 この点に関して若干懸念がございますけれども、どのようにそれは担保されるのか。そしてまた、国が意見を述べることになっておりますが、述べたって、それでどういうふうに強制力が働くのか。その辺に関して確認をさせていただきたい。
 そして、もう一点、ちょっと時間の関係で。機動性、標準処理期間ですね。
 これまでは、再保険との関係ですから、ある程度スピード感をコントロールできましたけれども、今回は相当の期間を定めて意見を述べると書いてあるだけですね。これは、だらだらとほったらかしにされるようなことがないようにどのように対応されていくのか。最後に大臣にお尋ねします。
○関大臣政務官 ただいまの御質問でございますが、国の政策との一体感を高める、その具体的な方法ですけれども、役員の選任、解任及び毎年度の事業計画を主務大臣の認可としますほか、国が引き受け基準を定めて、NEXIはこの引き受け基準に従いまして保険の引き受けを決定しなければならないこととするとともに、一定の案件の引き受けにつきましては、国の意見陳述の機会を確保することとしているわけです。これは、引き受け基準に従いまして保険の引き受けを決定しなければならない、その内容におきまして、国があらかじめ意見を言える、その機会を必ず確保してくださいというのを、制度上きちんと明確化したというところでございます。
 もう一つの御質問のスピードのところにつきましては、事務方からお答えさせていただきたいと思います。
○宗像政府参考人 お答えいたします。
 スピードの点につきまして、先にお答えさせていただきます。これは、法改正の前後で、特殊会社化を契機に、国側の手続の理由によってスピードが遅くなることがないように努めてまいるということでございます。
 それから、その前に、国の意見が違った場合ということでございますけれども、ここにつきましては、仮に、経産大臣が意見を述べたにもかかわらず、NEXIが引き受け基準に反するような不適切な引き受け判断を行おうとするときには、経産大臣は監督権限に基づきまして是正のための必要な措置をとることができるということでございます。
○田嶋(要)委員 海外システムインフラ輸出みたいなことで、重要性は高まる一方だと思いますので、ぜひ、今回ようやくこういった政治判断に基づいた改正が行われますけれども、それによって実務上おかしな形にならないように、しっかりと確認をしていただきたいというふうに思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
○江田委員長 次に、神山洋介君。
○神山(洋)委員 神山洋介でございます。
 午前中、これで終わりかと思いきや、もう一こまありますので、おつき合いをいただければと思います。
 午前中はどちらかというと貿易保険を踏まえた資源開発の話であるとかインフラ輸出の話というアウトプットの話が多かったかと思いますが、私の方は、この貿易保険そのものであり特会についてということで議論させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 まずは大臣にお伺いをさせていただきたいと思っておりますが、そもそも貿易保険とは何ぞやという話の基本的な御認識をいただければというふうに思っております。
 歴史をひもといて調べてみましたら、そもそも、この貿易保険法の原型である輸出補償法というのが、昭和五年、第五十八回帝国議会というところですので、八十年ないし九十年ぐらいの歴史を有しているという意味では、やはり貿易保険であり、この貿易保険が担保している、基本的にまずこれはカントリーリスクだと思っていますが、カントリーリスクに対しての国家の補償というものは、やはり重要性が高いがゆえに、これだけ存続をしているものであろうというふうにも思うわけです。
 一方、その間、それ以後ここに至るまでで、そもそもカントリーリスクを前提としてこの枠組みがつくられてきた中で、そこに順次コマーシャルリスクに対しての対応というものが入ってきていて、今の形になっているということであるわけです。
 私は、そういう意味でいうと、今後もこの貿易保険というものは、国家の関与というのは、これはもう当然抜けないものだというふうには思っていますし、やはりその最大の眼目はカントリーリスクであるというふうにも思うわけです。
 同時に、このコマーシャルリスクへの担保というところは、これは通商政策の観点で、どこまでそれを見るのか見ないのかということは決まってくるものだというふうに私は思っているわけですが、この点、大臣はどういう御認識をお持ちでしょうか。
○宮沢国務大臣 戦前の話は今初めて伺いましたけれども、戦後、貿易保険につきましては、一九五〇年でございますから私が生まれた年、ちょうど朝鮮動乱直前だと思いますが、制度が創設されまして、当初は、おっしゃいますように、戦争、テロ、外貨送金停止などのいわゆるポリティカルリスクを填補するものとしておりました。そして、制度創設の翌年、五一年に、填補の対象として、取引の相手方の代金支払い不能などのコマーシャルリスクを追加でカバーすることといたしております。
 コマーシャルリスクといいましても、民間の保険ではなかなか引き受けられないものがあることは確かでありまして、一方、そういうことでありますから、ほかの国の貿易保険機関においても全てコマーシャルリスクの保険引き受けを行っておりまして、日本企業が国際展開を図るに際して他国企業と同等の競争条件を確保する観点からも、我が国においても、国の制度としてコマーシャルリスクについて貿易保険を提供する必要があると位置づけております。
 例えば、インフラ輸出などであれば、いろいろなスキームがありますけれども、JBICとNEXIが相まっていろいろな輸出案件を手がけているというものが多いわけでありまして、そういう、政府機関がある程度関与しながらリスクがそこそこある案件に対応していくということが、国の政策として大変大事なことだと思っております。
○神山(洋)委員 ありがとうございます。
 私は今、ニュートラルな観点で大臣の御認識を伺いましたので、コマーシャルリスクを担保するのが悪いだとか、そういうことを申し上げるつもりはありません。
 国益を追求する通商政策の中で、やはりコマーシャルリスクに対して国が一定の担保をするということは、これからも一定程度必要であり続けるだろうと思っていますが、やはりそこにはある程度のつつましさというか、そこも必要ではないかという観点も含めて、貿易保険への民間参入の関連で、この後、数点お伺いをさせていただきたいと思っております。
 これに関連をして幾つか資料を探したり調べ事をしていたら、もう十年以上前になりますが、平成十六年に取りまとめられた、貿易保険分野における官民のあり方検討会というもののペーパーが出てきて、ざっと読ませていただきました。
 これは小泉政権の時代だと思いますが、これを読ませていただくと、かなり力強くて、特に、「終わりに」の一番最後のところ、貿易保険に対してですが、「今後、民間参入が進展することに伴い、我が国の輸出企業にとっても、そのニーズに応じて民間保険会社とNEXIとのサービスを柔軟に選択できるようになり、全体として一層の便益がもたらされることが望まれ、その結果として、我が国の国際競争力が強化されることが強く期待される。」というようなことも書いてあったりして、かなり力強いなという気がしたわけです。
 それ以後、平成二十二年あたりにも、貿易保険関連分野に対して民間保険会社がどう参入をしているのかという調査ペーパーも公に提出をされているところではあります。
 まずは、事実関係というところで、端的にファクトベースでお答えをいただければいいんですが、現状で、貿易保険に関連をして、民間がどの程度参入をしていて、事業機会の拡大がどの程度進展をしてきているかということに関して、参入者数、取扱件数、金額、あとは委託販売等という観点で、ファクトベースでまずは御答弁をいただければと思います。
○黒澤政府参考人 お答えいたします。
 平成十六年のあり方検討委員会以来の推移ということでございますが、まず一点、民間保険会社の参入状況でございますが、平成十七年時点では七社でございましたが、平成二十五年度末時点では十二社にまでふえております。
 収入保険料につきましては、若干推計によらざるを得ない部分はございますが、平成十七年時点では約五億円であったものが、昨年度では約三十億円前後まで増加しているものと認識しております。
 それから、NEXIは民間の損害保険会社への保険の委託販売を積極的にするようにしておりますが、平成十七年度時点では八件、引受金額にして約三億円であったものが、昨年度は百六十七件、十三億円まで増加しているものでございます。
○神山(洋)委員 ありがとうございます。
 どの程度かというスピード感であるとか、そもそもどこがゴールなのかというところはいろいろな議論があろうかと思いますが、進展はしてきているということだと思うわけです。
 この後お伺いをさせていただきたいのは、では、そのために具体的にどんな措置をとられてきたのかというところです。
 これも、いろいろな資料であるとか、これは民間も含めてさまざまな議論があるようではありますが、特にその中でやはり気になるのは、貿易保険というお話でも、先ほど前段で大臣ともお話をさせていただいたように、何でもかんでも民間ができるかといえば、それは無理な領域の方が多くて、あえて、逆に言えば、では、民間でどういうところにだったら参入できるかという話であれば、比較的カントリーリスクを担保する要素の少ない短期のものであるとか、投資だとか、そういったことには絡まないところでのいわゆる貿易一般保険というところだと思うわけです。
 貿易保険全般を短期と中長期にある程度区分をして、特に、短期のものであり、かつ民間でも担保し得るようなリスクについては、やはり民間参入を促した方がいいのではないか、そのことによってユーザーの側が複数の選択肢を持つということもやはりいいことではないかという議論がここまでのベースにあったんだと思うわけです。
 そういう意味で、では、今はどうなっているかということを、いただいた資料、NEXIの保険種別責任残高という資料を今手元で見ているわけですが、貿易一般保険に関しての責任期間一年以内という要素が、要はNEXI全体が受けている保険に対して、どの程度、何割を占めているかという構成比の部分なんですが、今の一年以内の一般保険で二四・九%という数字があるわけです。
 要は、NEXIで受けている保険の四分の一は一般保険の短期のものであるということかと思うわけです。全部が全部とは言いませんが、そうはいっても、もうちょっとこれは少ないのかなというふうにも私は思っていました。
 この点も絡めて、では、この間、民間の参入のために具体的にはどういう措置がとられてきたのかということであり、今の短期のところへの食い込み、民間へシェアを移行していこうという関連で、民間シェアは、短期の、一年以内の貿易一般保険に関してはどういうふうに変化をしてきているのかという点についてお答えをいただきたいと思います。
○黒澤政府参考人 お答えをいたします。
 まず、あり方検討会ではどのような措置をとられてきたかということからお答えいたしますと、たしか三点ほど勧告があったかと思います。
 一つは、NEXIが民間保険会社への業務委託をより広げた方がいいということですが、これは平成十五年四月から既にやっておりまして、現在ではかなり拡大しておるというところでございます。
 それから、もう一点指摘を受けましたのは組合包括保険制度の見直しということでございますが、これは平成十九年四月に見直しを行いまして組合単位でないと入れないといったような制度を改めまして、個々の企業が民間保険かNEXIの保険かを選択できるような制度に改めております。
 それから、再保険制度の見直しということでございますが、これは昨年改正いただきましたけれども、国内の保険会社がNEXIに再保険をできるようにするという制度が導入されて、その具体的な取り組みがことし五月から始まるということになっております。
 以上のような制度改正等を行いまして、その結果、どのような状況になっているかということですが、短期貿易一般保険における民間のシェアにつきましては、平成十七年度時点では約二%でございましたが、平成二十六年にはこれが約一六%まで高まってきております。
○神山(洋)委員 二%から一六%ということで前進があったという御答弁もいただきました。
 それで果たしていいのだろうかということも思いますし、そういう意味で、NEXIの今の構成比二四・九%を一年以内の貿易一般保険が占めているということは、恐らくこれは、今後もまだ民間への、先ほど委託は前進をしてきたというお話がありましたけれども、そういったことのみならず、さまざまな工夫を通じて、民間ができることはやはりやってもらうんだという方向の中での一定の政策的なプッシュはないといけないのかなとも思います。
 これは、きょうではありませんが、商工中金の議論をさせていただいたときも、できれば民間にやってもらいたいんだ、だけれども、民間がやってくれないから、しようがないから公がやっているんだという話があって、それにも類するような話かなとも思います。ただ、やはり、ほっておくと、それはこのままの状況が固定化をされてしまうのではないかという懸念を私は持っているがゆえに、今この点を取り上げさせていただいたわけです。
 この後、大臣に一点お伺いをさせていただきたいのは、先ほど申し上げたように、貿易保険の全部が全部民営化できるわけはなくて、そのうちのごく一部の部分は民間がやれるということで、そうじゃないところはやはり今後も公が関与する、株式会社日本貿易保険がやるというその基本的な構図は私はそれでいいと思うわけです。
 ただ、それが行った先に、例えば今のシェアの話も含めてですが、結局、民業のところだけシェアが高まっていきませんでした、場合によっては、今後の通商政策の変化の中でさまざまな商品がふえてきて、本来は民間がそこに食い込まなきゃいけないのに、NEXIは私は大変優秀だと思っていますけれども、優秀なNEXIが頑張り過ぎたがゆえに、民間が本来はマーケットとして拡大をしなきゃいけなかった部分を食っちゃいましたということはやはり避けなきゃいけないと思うわけです。
 加えて、これは明確な御答弁をいただこうとは思いませんけれども、今の国際的な貿易保険のマーケットでいえば、欧州系の三社がビッグスリーだというふうにも言われるわけです。アトラディウス、コファスジャパン、ユーラーヘルメスという固有名詞はありますけれども。
 そういった意味では、では、日本のマーケットを民間にもできる部分を開放しますといって、全部、外国の保険会社さんどうぞというのも私はどうかなとも思っています。
 そのことも申し上げた上で、もう一回戻りまして、株式会社化された後の日本貿易保険会社が民業圧迫に至らないためには、やはり今後もずっとウオッチをしていく必要があると思いますし、適時適切な政策的な判断というのは私は大事じゃないかなというふうにも思っています。
 大臣、この点、御認識をいただければと思います。
○宮沢国務大臣 まさに、民でできるものは民でやってもらうというのは基本的な方向でありますけれども、一方で、民間の損保のやっております貿易保険類似の保険というのは、まさに短期、一年であるということ、また、引き受けの金額が大き過ぎるものも小さ過ぎるものもなかなか対象に入ってこない、ある意味では適当な大きさだということ。それから、経済環境が急変した場合に、保険会社が一方的に保険引き受け上限を引き下げられる条項というのがついているというようなことで、なかなか、ある意味では使い勝手が悪い部分があるということは、逆に言うと、損保会社の方からしますと、それほど魅力的なマーケットと思っていないという部分が実はあるんだろうと思っております。
 もしもそういうことであれば、私ももともと財務省、金融関係等々やってきた人間でございますから、経産大臣になったとなったら、損保会社の方が来て、こういうことをやりたいんですなんということはすぐありそうなわけですけれども、今までのところ実はそういうことが余りない、余りというか一切ない。
 こんな状況の中で、では、今後どうしていくか、こういうことだろうと思いますが、まず、NEXIにつきましては、貿易保険の内容や種類は法律で限定されている。
 近年、日本の損害保険会社とNEXIが協力関係を結んで、損害保険会社が可能な限りリスクをとるように促してきております。
 具体的には、日本企業の海外子会社での取引につきまして、民間損保会社の海外拠点が引き受けた保険をNEXIが再保険するとか、地方の中小企業への貿易保険の普及を図るために、損保会社の地方に及ぶ販売網を活用して保険を販売するというようなことをして、それをNEXIが当該損保会社から再保険を引き受けるというようなことをやっております。
 民業圧迫にならないように、経産省の立場で民間保険を育てるというのは、恐らくこれは金融庁の立場になると思いますけれども、金融庁とも協力をしながら、そういった方向で、民間につきましても、こういう貿易保険類似の商品を拡大していくような方策というものを私どもとしてもやっていきたいというふうに思っております。
○神山(洋)委員 ありがとうございます。それはぜひ、今お話をいただいた線にてよろしくお願いをいたします。
 残り時間がもう十分ほどとなりましたので、続いて、今回の法案で廃止をされる貿易保険特会そのものと、あとは、それを承継する日本貿易保険会社の財務であり会計であり運用についてということで、数点お伺いをさせていただきたいと思います。
 今回の質問をするに当たって、これは平成二十五年度のものですが、貿易再保険特別会計の財務書類ということで、一通りざっと見せていただきました。なかなかの数字が並んでおりまして、大どころだけなぞると、これは特会の方の資産では、現預金が九千百七十億あるわけです。負債の方には異常危険準備金というところで、大きいところでいうと六千百九十億積んである。資産から負債を除いたときに、これは純資産ということになるのかもしれませんが、五千七百八十億あります。
 ちなみに今申し上げたのは特会だけの話でして、特会、NEXIが今回統合されるわけですから、NEXIの分まで差し込んだ連結の方を見ると、現預金は九千二百億あります。負債の方で、これは異常危険準備金は変わりませんけれども六千億超、資産から負債を抜いた差し引きのところでいうと六千四百五十億ありますということで、これは総資産でいうと一兆三千億というなかなかの数字があります。
 これまでは、NEXIはNEXI、当然、特会は特会という形でしたが、今回の法改正を受けて、これをがっちゃんこしますという話なわけです。その意味でいうと、今までは、特会の中である意味ではいろいろな形での財務を回していた部分も含めてNEXIの中に一元化をされるという意味では、特会そのものの今後の収支の見込みというのは、NEXIの経営状況に対しては極めて大きなインパクトを持つことになるんだろうと思うわけです。
 それで、昭和五十六年からの特会そのものの決算も全部見てみましたけれども、かなりやはり出入りは大きいわけです。当然これは、貿易保険というものの特性上、湾岸戦争がありました、三千五百億すっ飛んじゃいましたというのもわかるわけですし、そもそもそういうものだろうなと思うわけです。
 今回これでがっちゃんこするに当たって、当面見通せる範囲で、では、今の特会が、今後承継されるわけですけれども、どういう収支見込みにあるのかということ、事実関係、これは端的で結構ですが、まずは御答弁いただければと思います。
○宗像政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のとおり戦争、テロといった危険は見通せないものですから、しっかりした見通しというのはなかなか難しゅうございますけれども、そういう中で試算をしてみますと、貿易再保険特会の過去五年間の収支は、平均いたしますと、再保険料が二百八十八億円、回収金が百三十六億円、再保険金八十二億円でございまして、必要経費を除くと三百四十四億円の黒字となっております。
 今後二年間、あくまで異常あるいは巨額な保険事故が発生しないと仮定すればということではございますけれども、過去五年間と同様の収支で推移するとすれば、承継される時点で六百億円余りの剰余金が積み立てられるということが見込まれます。
○神山(洋)委員 ありがとうございます。
 続いて、今度は、これまでの特会でいえば、毎年一般会計からの繰り入れを行ってきました。ここ数年は約十六億円というのが定着をしています。これはもう委員の皆様御案内のとおりかもしれませんが、当然これは貿易保険ですから、国の判断の中で債務の削減をするという判断に至った場合は、その削減された債務に対して一般会計から手当てをするという形で、行って来いの数字でやっているという、若干の例外は数年間あったということではあるんですけれども、基本的にはそういうスキームになっているわけです。
 改正法案を見ても、三十六条のところに、「全部」、これは要は債務削減分に対してですが、「全部又は一部に相当する額の交付金を交付することができる。」というのが明記をされているわけです。
 まずは、この解釈の仕方として、できるということは、しない場合もあるのかという話の確認が一点。それで、交付する際に、要は交付するのかしないのか、するとしたときに、金額が満額なのか半額なのか、幾らなのかという基準はどこに書いてあるのかなというところがちょっとわかりませんので、この基準を明確にしていただきたいと思います。
○宗像政府参考人 今お話のありました債権の放棄等があった場合の国からの拠出でございますけれども、これはあくまでも、債権の放棄等は国の援助政策の一環として行われているものでございますので、国からお金が出るということでございまして、現在は一般会計から特会への繰り入れ、法改正後はそれが拠出、交付金ということでございます。
 毎年の交付金の具体的な金額につきましては、御指摘のとおり、必ずしも債務削減額と一致をするものではございませんで、それは、貿易保険の方と一般会計の方の双方の財政状況等を踏まえてその都度判断をするということになりまして、それが国会の議決を経た上で予算として定められるということでございます。
○神山(洋)委員 都度判断をするということであれば、では、必ずしも満額で、イコールでやるわけではないという理解でよろしいですよね。
 あえてこの点を伺ったのは、一般会計から貿易再保険特会に対して繰り入れられてきた金額の累計を試しに全部カウントしてみたんですけれども、全部で四千四百二十五億、この間ずっと入ってきているんですね、昭和六十年過ぎあたりからですけれども。これは、債務削減の分を除けば二千億とかそういう金額になるわけです。
 先ほどもちょっと触れたように、今の段階で積立金九千億円ぐらいのキャッシュがあるという状態の中で、果たして一般会計から毎年毎年、ここ数年でいえば十六億という金額ですけれども、それを必ずしも国民の血税から投入する必要がどこまであるのだろうかということは、私はちょっと疑問に思っています。
 貿易保険という特性上、九千億あるからといって、では、これで大丈夫ですという話ができないのはわかります。しかし、過去の事例を見ても、湾岸戦争のときに三千五百億、中南米の何かの危機のときに三千四百億とか、そういうロットで来ているわけですね。九千億ありますというのは、それなりに準備できているという状況にもあるんだと思うわけです。
 これがかつかつであれば、やはりどんどん財務をよくしなきゃいけないというのはわかるんですけれども、株式会社化された日本貿易保険会社に、これまでと同様、毎回毎回債務削減分、しかも、単位でいえば小さい、十六億とか十億円みたいな金額を必ずしも入れる必要はないんじゃないかということを思っていますので、ここは、時間の関係でちょっと御答弁は求められませんが、ぜひ大臣、御記憶にとどめておいていただければありがたいなというふうに思います。
 あと、もう二つぐらいが限度かなと思うわけですが、もう一個、今度は責任準備金の話です。
 今度の新法によって、省令で定めた事項によった算出方法書に基づいて、そして責任準備金が算定をされて積み上げるという形になるということですが、では、この責任準備金の妥当な数字というのはどう判断をするのかという話です。
 民間保険会社であれば、いろいろな保険数理なり大数の法則の中で、計算に基づいて出てくるでしょう。ただ、出てきませんよねという話だと思うんですね、そもそも貿易保険の場合は。カントリーリスクは、ある程度数字はできるにしても、それなりの数字にしかならない。どういう基準でこれを設定しようとしているのかというところ。加えて、その結果、日本貿易保険会社がスタートした段階での民間会社で言うソルベンシーマージン比率というのは、どういうラインに想定をしているのか。この二点についてお伺いをさせていただきます。
○黒澤政府参考人 お答えします。
 委員御存じのとおり、民間の保険会社でございますれば、通常の保険リスクは責任準備金で、それを超えるような予想外の損失は資本金などのソルベンシーマージンで確保するということになっております。
 ただ、今御指摘がございましたように、貿易保険がカバーしておりますのは戦争、内乱、革命といった通常でないリスクが大宗でございますので、そういった貿易保険特有のリスクプロファイル、それから、貿易保険の場合ですと、中長期的に収支が相償うようになればよいということでございますので、そういった経営方針、こういったことを勘案しながら、あるべきソルベンシーマージンなり責任準備金というものを今見出そうと鋭意研究しているところでございます。
 一つの方法ということで今研究中のものなんですけれども、通常の保険数理では確かにこれはできませんで、恐らく、今最先端と言われております確率論的なアプローチによる方法になるかと思います。これは銀行などが自己資本を算出する際に使われているもので、一定の確率分布を前提とした上で、それが最大損失、例えば九五%の信頼区間で起こるようなものをカバーできるかどうかという算出の仕方をしようと思っております。
 これによれば、あくまでも試算でございますが、例えば七十年に一度のリスクに耐え得るため、どのぐらい必要かということなんですが、恐らくそれは一兆を超えるというふうに我々は今見ております。ただ、ここら辺もこれから詰めようと考えております。
○神山(洋)委員 そこは、妥当な線を探るというのはなかなか大変な話だと思います。しかし、先ほどの一般会計の繰り入れの話も関連をする話ですので、ぜひ、きちんとした妥当な線、ラインを引いてやっていただければと思います。
 もう一点、最後は運用の話なんですが、今回合併をすると、もともとのNEXIの資産と特会が持っていた資産が合わさって一兆三千億ぐらいになりますと、運用の部分がすごく大事になると思うんですね。
 ちなみに、現状はどうなっているかというのを調査室の資料で見ていましたら、特会に関してはここ数年、大体〇・一%程度の利回りです。九千億とかそういう金額に対して大体十億ぐらいしか収益は上がっていない、〇・一パーという話です。NEXIの方は、三千億ぐらいに対して大体二%ぐらいの利回りを持っている。
 これは、法案を読めば、基本的に両方が持っていた今までの運用方法を踏襲しますというふうにも読めるわけですが、この運用方針をどうするかというのは私は極めて大事だと思うわけです。ここをどういうふうに今考えていらっしゃるでしょうか。
○宗像政府参考人 お答えいたします。
 余裕金は、NEXIが利用者からの保険料を将来の保険事故発生に備えて積み立てるものでございまして、貿易保険が引き受ける戦争、テロなどのリスクが仮に顕在化をしますと、これはもう保険事故の発生が集中したり、あるいは、債務危機などの場合は相場も下落してしまっているというような非常に難しい状況でございますので、できるだけ安定的、しかしながら、かつ有利な運用に努めてまいりたいということで、このため、特殊会社化された後は、まさにこの資産運用を含めた専門人材の充実を図りたいということでございます。
○神山(洋)委員 ありがとうございます。
 もうちょっと頑張りましょうという数字かなと思いますが、時間がありませんのでもう大臣には質問できませんが、そういう運用面を考えても、今後の新会社のガバナンスというのは極めて大事だと思います。
 私は、余りステレオタイプの、天下りが何だかんだという質問をしたくありません。しかし、やはりそう指摘されてもおかしくないという現状も散見をされますので、ぜひその点も含めた適切なガバナンスをいただきますようにお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○江田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○江田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。落合貴之君。
○落合委員 維新の党の落合貴之でございます。
 本日も、維新の党のトップバッターで質問をさせていただきます。
 今回の貿易保険法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案では、貿易保険事業を行っている独立行政法人NEXIを全額政府出資の特殊会社に移行させて株式会社NEXIに、そして、NEXIから再保険を引き受けている貿易再保険特別会計もこのNEXIに統合されます。
 ことしの四月十五日の私の一般質疑で、この改正案のことを取り上げさせていただきました。その中で、国による再保険をなくせばNEXIがリスクをとりにくくなってしまうのではと指摘をしたところ、関政務官より、再保険をなくすことで保険の引き受け姿勢が消極的にならないように、十分な財政基盤を整備して、責任準備金を積み立てることを要請したり、必要な場合には国の財政上の措置を講じることも考えているとの答弁がありました。
 国の再保険をなくすことについて改めてお伺いしたいのですが、この再保険の問題、いろいろと調べましたところ、ちょっと前の総務省のホームページに資料がありました。独立行政法人日本貿易保険の事務及び事業に関する経済産業省の見解等という資料で、経済産業省の見解として、国の再保険の重要性がこの資料で強調されております。
 「再保険スキームは、資金的な裏付けではなく、国の無限の信用力を担保としたゼロコストの信用補完をベースとした事業運営であり、コスト・ベネフィットの観点から非常に優れたものとなっている。一方、貿易保険事業をNEXI単体で実施する場合は、その信用の裏付けに見合った資本力が必要となり、一般会計から多大な追加出資を必要とするものと考えられる。」と書いてあります。
 また、「再保険による信用補完システムがなければ、全てがNEXI単体のリスク判断を優先せざるを得ないという事態になりかねず、貿易保険を通商政策ツールとして活用することは困難となるおそれがある。」これは、総務省の質問に対して経産省が出した文書にこう書いてあるんです。
 これは国による再保険の必要性を一生懸命説明して書いているわけですが、ここで経産省みずからが指摘をしている、「貿易保険事業をNEXI単体で実施する場合は、その信用の裏付けに見合った資本力が必要となり、一般会計から多大な追加出資を必要とするものと考えられる。」この一点目と、それから二点目、「再保険による信用補完システムがなければ、全てがNEXI単体のリスク判断を優先せざるを得ないという事態になりかねず、貿易保険を通商政策ツールとして活用することは困難となるおそれがある。」というふうに、二点、経産省がおっしゃっているんです。
 今回の法改正、国による再保険がなくなりますが、この二点は大丈夫なんでしょうか。
○宮沢国務大臣 役所というものは基本的には保守的でありまして、現状維持を好むものでありますので、まさに、安倍内閣におきましては、今国会を改革断行国会ということで、役所の尻をたたきながら改革を進めているところであります。
 そしてまた、貿易保険について言えば、もともと国の業務としてやっていたわけでありますけれども、二〇〇〇年代の初めに、イギリスのエージェンシーというものを見習って、国なんだけれどももう少し独立して機動的に運営できる機関が必要だろうということで、独立行政法人というものをつくり、貿易保険につきましても独立行政法人で担うことになったという経緯があるわけであります。
 一方、独立行政法人も、通則法というものがあって、かなり行為について縛られていると同時に、NEXIの場合は予算は基本的には関係ありませんけれども、予算についても上限があって年々減らされるとか、また、NEXIの場合、これは大きく関係ありますけれども、行政改革の関係から、定員について大変厳しい査定が行われる。
 こういうような問題の中で、前回の自公政権のときに、NEXIについては特殊会社化という方向が打ち出され、たしか民主党政権におかれましても、その方向が維持され、そして今回、初めて法案という形でお示しすることになったわけであります。
 そして、再保険というものがなくなって、まさに利益優先というような形でNEXI自身が判断するかと言われれば、それはそうではなくて、大きな方向についてはしっかりと国が示すということが法律に書かれておりますし、もちろん、基本的に、具体的な案件については、基本はNEXIでありますけれども、一方で、大変国にとって重要な案件といったものについては、個別案件についても政府の目が行き届くようになっているというような運営をするということでございます。
 そして、まさに国がやっていたとき、また、独法でやって特会があったときには、最終的には国が責任を持つという形がとられていたわけですけれども、今回の法律でも、財源が一時的に不足する場合には、社債または借入金に係る債務については政府が保証契約をすることができるということに加えて、資金調達が困難な場合には、政府が予算の定める範囲内において必要な財政上の措置を講ずるということとしておりますので、NEXI自身が保険金を支払えなくなるという懸念はないわけであります。
 一方で、貿易保険は、利用者から支払われる保険料を原資として独立採算で運営するという原則は全く変わらないものでありまして、政府が必要な財政上の措置を講じたとしても、現行制度において貿易再保険特会の財源が不足する場合に、一般会計から特別会計への繰り入れを行うのに相当する措置でありますので、新たな制度においても、その後の保険料収入から政府に返済されることとしているため、新たに国民負担が生じるというものではありません。
 基本的に、最終的には政府の責任という中で、政府の大きな方針のもとで機動的にNEXIに対応していただくということでありますから、やはり、政策的に必要なものについてはしっかりと付保をしていただくという基礎はできている制度だと思っております。
○落合委員 国による再保険がなくなったことによる、信用補完していた部分は、ここにも履行担保を国がつけますということですので、同じような信用力の補完にはなると思います。
 今までは、貿易保険が受けた保険に再保険を掛けるということで二重にリスクヘッジをしていたわけですが、それが一重になるということで、しっかりと引当金を積んでいくためにも、リスクの計算、それから内部統制、外部統制、こういったものは大変重要な問題だというふうに思っています。
 前回の質疑でも伺いましたが、一時的に原資が不足した場合は一般会計から繰り入れるが、しかし、一時的な不足のときしか繰り入れないので、今回の制度変更によって新たな大きな国民負担が発生することはありませんという御説明でしたので、しっかりとこの組織が保険会社として機能するかどうか、ここは大変重要な問題であるというふうに思います。
 そこで、さらに質問ですが、新NEXIと同じように政府全額出資の株式会社化した金融機関の例として日本政策金融公庫が挙げられます。日本政策金融公庫は、予算は国会で議決をするということになっています。しかし、この法案では、新NEXIは予算の国会の議決は必要ない、特に書いていません。
 なぜ、今回、国会での議決というのを入れなかったのか、お聞かせいただければと思います。
○山際副大臣 全額政府が出資をしている会社という意味においては日本政策金融公庫と同じでございますけれども、その性質は大きく違うというふうに認識してございます。
 日本政策金融公庫は、毎年の事業予算が国の財政投融資特別会計からの借り入れによって賄われておりますので、国の予算と密接不可分な形で事業が運営されているということでございますが、これに対しまして、株式会社化後のNEXIは、財政資金によらず、保険料を原資といたしまして独立採算で事業運営を行うこととしてございます。そのため、予算の国会議決の対象外となってございます。
 なお、巨額の保険事故が集中するような非常時に保険金の支払い財源が不足する場合には財政上の措置を講ずることとしておりますが、この場合には、当該財政措置は予算の国会議決の対象となります。
○落合委員 ありがとうございます。
 なぜ日本政策金融公庫の例を挙げたかといいますと、これも七年前に経産省がつくった資料なんですが、この組織をつくる上で参考にする組織として日本政策金融公庫を挙げていまして、ほとんど、今回の法案の中身と公庫、これは明らかにまねして、これをたたき台にしてつくったんだなというふうに思います。ですから、これはどうしようかなと見たときに、わざわざ予算の議決というのは省いたわけですので、それで質問をさせていただきました。
 それでは、また会計の部分なんですが、前回私が質問させていただきました、余剰金が万が一余りにも多く積み上がってしまった場合、国庫納付できるのか、そういう仕組みをつくったり、検討しているのかという質問をいたしました。その質問に対して、関政務官より、責任準備金は十分積み立てなければいけない、その上で、余剰金が積み上がった場合は利用者に還元することを検討します、そして、具体的には、保険料率の引き下げや、より積極的に保険を引き受けることだとのことでした。
 改めてお伺いしますが、この余剰金、予想以上に積み上がった場合の国庫納付の仕組みをつくるのか、または検討しているのか、明確にお答えいただければと思います。
○山際副大臣 これは繰り返しの答弁になりますけれども、仮に、将来、保険事故が少なくて、NEXIの準備金が引き受けているリスクに対して過大になる場合には、利用者から徴収した保険料は利用者に還元すべきであるという考えに基づきまして、保険料率の引き下げや、より一層積極的な保険引き受け等を行うことになります。
○落合委員 それもそれで重要なことだと思うんですが、もう一つの手段として国庫納付するという、やるやらないは別にしても、その仕組みをつくっているのか、そして検討しているのか、お伺いできればと思います。
○宮沢国務大臣 国庫納付については当然規定がないわけでありまして、新しいNEXIは株式会社でありますから、恐らく、配当をするかしないかという判断で、一〇〇%株式を持っている国庫にある程度貢献するかどうかという判断は、株式会社でありますから、全く禁止されているわけではないんだろうと思います。
○落合委員 やろうと思えば可能である、配当金という手段を使って国庫納付は可能であるということではありますが、これはやろうと思えばできるというような段階、問題ではなくて、これも経産省の平成二十年四月十四日の小委員会の資料なんですが、ここに日本貿易保険の株式会社化に当たっての確認事項が五つ書いてありまして、四番目に「必要な準備金の積立を除き全額国庫納付する旨の規定を置く。」とはっきりと書いてあります。
 五個しか挙げていないポイントのうちの一つが、配当しようと思えばできますというぐらいの重さになってしまっている。これは何らかの理由で外したと思うんですが、どうしてこれを規定しなかったんでしょうか。七年前は、置くと経産省の資料にしっかり書いてありますが、どうなんでしょうか。
○宮沢国務大臣 その辺は財務省、財政当局との引っ張り合いというのが常にある話でありまして、もちろん、七年前にどういう趣旨でそういうことが書かれたかは別ですけれども、少なくとも、先ほど申し上げました、前の自民党、公明党の政権のときに特殊会社として、そして民主党政権においてもその方針が引き継がれ、今回、法改正をお願いしている。
 特殊会社という形式をとる限りは、まさに株式会社でありますから、配当をするかどうかということを役員会で方向を決め、株主総会に利益処分として提出する、こういうプロセスを経るという、通常の会社と同じプロセスが一応は用意されている、こういうことだと思います。
○落合委員 この株を全額持っているのは財務省であると思いますので、これは財務省がお金をある程度返してくれというか、国庫に入れてくれということもあり得るわけですね。株主の主張としてあり得るわけですね。
○宮沢国務大臣 株主の主張としてそういうことはあり得ると思いますけれども、まさに株主提案として出されてくれば別でありますけれども、取締役等々につきましては最終的に経産大臣の認可ということになっておりますので、私どもの方としてそういうことを提案する気は毛頭ございません。
○落合委員 そういう意味での引っ張り合い、そういう構図なわけですね。
 これは納税者としても重要な問題だと思います。これに限らず、政府系の機関がお金の使い方をどういうふうにしているのか、それはある程度国民それから国会議員が把握できるようにしておかなきゃいけませんので、こういった問題が七年前の検討事項には載っていたにもかかわらず今回の法案にはないということは、しっかり役所の方からも国会議員に説明するべきであると思います。
○宗像政府参考人 お答えいたします。
 七年前の資料というのは平成十九年のときの資料かと思いますけれども、この当時は、特殊会社化をするということは閣議決定でお決めいただいたんですけれども、特会についてはまだ廃止の御決断がなくて、特会を維持するという前提で独立法人のNEXIを特殊会社化すると。したがって、NEXIにお客様にお返ししてもなお余りあるようなものがあれば、むしろ国庫に返すということであったんですけれども、今回は特会ごとNEXIが引き取りますので、当時とは前提が変わっているという状況でございます。
○落合委員 わかりました。
 ちょっとほかにもいろいろ調べてきたことがあるので次に行きたいんですけれども、ちなみに、平成十九年ではなくて、私、最初に正確に言えばよかったんですが、平成二十年の四月十四日、産業構造審議会貿易経済協力分科会貿易保険小委員会の資料五を今取り上げました。
 それでは、ここから先、もうちょっと進めさせていただきます。
 監査、監督、やはりこれはかなり重要な問題だと思います。株式会社化しますので、自律的にしっかりと仕事が行われるようにしなくてはいけない。
 十八条に「会社は、毎事業年度の開始前に、経済産業省令で定めるところにより、その事業年度の事業計画を定め、経済産業大臣の認可を受けなければならない。」とあります。認可をするには幾つか注意しなきゃいけない要件があると思うんですが、認可をおろすために必要な要件はどのように考えていますでしょうか。
○山際副大臣 NEXIが作成する事業計画には、貿易保険の引き受け、保険金の支払い、リスク管理体制を含む業務実施体制及び収支計画等、事業運営の基本的な方針及び計画が記載されることを想定してございます。
 国がこの事業計画を認可する際は、リスク審査、管理体制が十分であるかどうか、引き受け方針が国が定める引き受け基準に適合しているかなど、貿易保険が健全なリスク管理を行いつつ効果的に国の政策を実現できる体制となっているかを考慮することになってございます。
○落合委員 それで、これは株式会社化するので、会社法の定めるところによって内部監査、外部監査を行っていくと思います。
 これは保険会社、金融機関ですので、例えば民間の金融機関であれば、金融庁が会計のあり方、それから業務、書類の管理の仕方までチェックをします。この金融庁が行っているような厳しい検査を、株式会社化することによって、監督官庁である経産省がNEXIに対して行うことをしっかり予定していますでしょうか。
○関大臣政務官 先ほどお話ありました事前の措置を講ずる、業務運営が適正に確保されるためにという事前の措置と同様に、それぞれ行われている運用状況につきましても、立入検査は適正な事業運営を確保するために必要と思っておりますので、これは行うこととしておりまして、帳簿、書類その他の物件を検査しよう、それは施設に立ち入って行おう、そのように考えております。
○落合委員 民間の金融機関ですと、抜き打ち検査というのも金融庁は結構厳しく行っています。今回も、そこまでやらなければ、リスクが適正に把握されているのか等、やはりそこがしっかりしていないと国民負担が発生する可能性が高まってしまうということで、しっかり抜き打ち検査まで踏み込む、そういうつもりでしょうか。
○黒澤政府参考人 規定上は抜き打ち検査も排されていないと思いますが、参考までに申し上げますと、金融庁の検査におきましては、リスク管理体制を検査する場合、基本的に予告を前提にしてやっていると思います。
○落合委員 予告を前提にしているので、今回もそれを基準にやっていくということでよろしいですね。
 それでは次に、国の再保険がなくなる、それにプラスして、安倍政権、アベノミクスはインフラ輸出なども強化していますので、果敢にそこに合わせてリスクをとっていくということでありますけれども、民間の保険会社ですと、地域ですとか業種が偏ってしまうと、しばらくここは少し引き受けをやめておこうですとかそういう経営判断ができますが、NEXIの場合はそういう行動もとりづらいというふうに考えます。
 その場合は、しっかりと引当金、準備金を、リスクを正確に評価して積んでいかなければならないということになりますので、今までのNEXIより新しいNEXIの方がリスクを管理する体制は強化をしていかなければならないと思います。
 これは、この法案が通ることによって、NEXIのリスクを管理する体制をより具体的に強化していくということでよろしいでしょうか。
○山際副大臣 これはもう委員御指摘のとおり、これまで以上にNEXIのリスク管理の強化は重要な課題だというふうに認識してございます。
 本法案が成立いたしますれば、引き受けリスク全体に見合った責任準備金額の定期的な算定と積み立てを行うとともに、内部ガバナンスの強化や専門人材の確保等によってリスク審査、管理体制の強化を図ることとしてございます。
 具体的なリスク管理強化の手法につきましては、本年四月にNEXI内に設けられましたコーポレートガバナンス委員会で今後検討していくことになります。
○落合委員 今の専門職をという話は、アクチュアリーですとか、リスクの計算をする理系の専門職を今までよりも多く採用していくというようなことも検討課題に入っているということでよろしいですね。
○山際副大臣 そのようなことも含めて検討していくことになると思います。
○落合委員 この改正案の第十五条、保険の引き受け基準を定めるというふうになっていますが、やはり、引き受け基準をどうやってつくるのかということが、これが指針になりますので、リスク管理の上ではかなり重要だと思います。
 これをどのようにつくるかが重要ですので、この基準の客観性ですとか専門性は、基準をつくる上で省としてどのように準備をされているのか、客観性、専門性はどのように担保しようとしているのか、お聞かせください。
○宗像政府参考人 お答えいたします。
 改正後の第十五条に基づきまして、特殊会社化後のNEXIが貿易保険の引き受けに当たって従うべき基準につきましては、具体的には今後検討することとなりますけれども、現時点におきましては、法目的、制度との整合性や財務データの確認など、NEXIが貿易保険の引き受けを行う際の基本的な要件、そして重点的に引き受けを行うべき分野、例えば資源開発、インフラ輸出、中小企業支援など、そして国に意見陳述の機会を与える場合の手続などを、貿易保険利用企業の声も踏まえつつ、定める予定でございます。
○落合委員 金融機関は、中小企業に広げていくですとか、そういう前向きな基準というのは重要ですけれども、この場合はやはり、厳しい、より正確な基準をどのようにつくるかということが重要だと思います。これは両方できなければ、収益も上がらないですし、健全性も高まらないですので、ここがかなり重要なポイントであるというふうに思います。
 時間が結構来てしまいましたので人事のところは質問はしませんが、歴代理事長が経産省OBということで、やはり、今後株式会社化する上では透明性ある人事が必要であるということは御指摘をさせていただきたいと思います。
 それでは、あと個別の条文の中身の確認ですが、第十四条に業務の委託というのがありまして、これは具体的に今何か委託をしているのかなというふうに思ったんですが、具体的には今どのようなことをやっているんでしょうか。
○黒澤政府参考人 お答えいたします。
 十四条に基づく業務委託といたしましては、地方銀行、信用金庫、あるいはメガバンク、損保に対しまして、保険の募集等の委託をさせていただいております。
○落合委員 募集の委託というのは、保険を受ける窓口業務も委託をしているということでよろしいでしょうか。
○黒澤政府参考人 正確に申し上げますと、貿易保険の紹介、相談案件の取り次ぎについて業務委託をしております。具体的な審査、引き受けというのはNEXIサイドで行うことになります。
○落合委員 ありがとうございます。
 ここも、しっかりとある程度見ておかないと、どんどんいろいろなところに業務委託が広がっていく可能性があるというふうに思います。ほかのいろいろな国の関係する団体では、そういったことで業務全体が見えないというような団体もありますので、それを伺わせていただきました。
 時間になりました。
 昨年、NEXIがいろいろな新しいサービスを始めまして、大手損保三社と提携して中小企業向けの年二十五万円の小口の貿易保険も始めますし、こういう試みは大変いいことだと思います。
 今回、貿易保険の歴史、それから今まで何か大きな事件、事故が起こったか、いろいろと調べましたけれども、ほかの団体と比べれば何も出てこなかった、細かい問題は出てきましたけれども。これは、今まではそこそこうまくいってきたんだと思います。この組織の変更によって新しい問題が起きないように、私も注視をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 本日はありがとうございました。
○江田委員長 次に、木下智彦君。
○木下委員 維新の党の木下智彦です。本日もお時間をいただきまして、ありがとうございます。
 では、また、ちょっと短いので、どんどんとお話しさせていただきます。
 今回、先ほどからお話がありましたとおりに、株式会社化する、特殊法人という形になることと、それからもう一つが特別会計というところを廃止するという話でありまして、先ほど落合委員からもありましたとおり、過去には経産省としてもいろいろなことを言われている。
 先ほど言っていたところでちょっと印象的だなと思ったのは、国の無限の信用力でというような感じのことをお話しされていたんですね。今そういう感覚は少ないようにはなっていると思うんですけれども、海外の会社と一般企業が契約をして、その履行云々についてこの保険がかかるわけですけれども、大概そういう会社はどう思うかというと、こういう保険がかかっているからということで、逆に、日本が輸出して代金を回収するような場合はそうでしょうけれども、そうじゃない場合も含めると、バックに日本政府がついているから取りっぱぐれがないだろうというような感覚が出てくるんじゃないかなと思って聞いていたんですね。
 それだけ我が国がしっかりしていれば、それだけ日本の企業が大手を振って大きな仕事をしていけるんだろうなというふうなことを感じながら聞いてはいたんですけれども、形式上、今回、特別会計を廃止するというようなことになるわけですから、それを考えれば、今までも一般会計が後ろにあるパターンですけれども、特別会計がない状態になってといいながら、後ろに一般会計が控えているという状態なので、理論的に見たときは、やはり特別会計ではなくて一般会計、もう国に直結しているというふうにみなされて、実質的に青天井の保証がなされているかのような、そういう見方もできなくはないというふうに私は思っているんですね。これは否めないかなと思っております。
 そうなったときに、これは全般的なことを聞きますけれども、ではどのような管理監督を国が行っていくか。いろいろと先ほどもおっしゃられていたんですけれども、その辺について、ひとつ教えていただければなと思います。
○宗像政府参考人 お答えいたします。
 一般会計からNEXIに対する財政支援は、あくまで巨額の保険事故が集中するような非常時に保険金の支払い財源が不足してしまうという場合を想定した措置でございます。
 NEXIとしましては、このような事態に至らないようにリスクを適正に審査し、リスクに見合った保険料率を設定するということが期待されて、そういう専門人材をしっかり育成していくということでございます。
 他方、国は、役員や事業計画の認可、引き受け基準の策定や意見陳述、事業運営に関する報告徴収、検査などを通じましてNEXIの指導監督をしてまいりますので、青天井ということはないと認識しております。
○木下委員 ありがとうございます。
 先ほども同じような話をされていたかなと思うんですね。相当危険性の高いようなものであった場合、多額の欠損が出るようなことがあった場合には、それは議決が必要だということなので、そこで歯どめはかかるのかなと。
 一方、そういいながら、今回の法案の趣旨というところで、国の政策意図の反映など国との一体性を高めつつ、経営の自由度、効率性、機動性を向上させるというふうに言っている。
 ただ、これは逆に言えば、独立性が高まって、自由度、それから効率性、機動性というのが向上させられれば、先ほど言っている、一般会計に欠損を引き起こすリスクは高まることにはなると思うんですね。欠損が出た場合には、議決をもって一般会計から繰り入れするかどうかということを考えることにはなるんでしょうけれども、理論上は、それだけのリスクが高まるということも言えないこともないんじゃないかなと私は思っていまして、その辺は、だからどうこうという話じゃなくて、やはり、先ほどからお話ししていますように、管理監督をしっかりしていってほしいなということでございますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 それに関連してきょうの質問を少しさせていただきたいと思うんですけれども、では、この法人の現在の財務内容、それから今後についてというお話をさせていただきたいと思うんです。
 平成二十二年度から二十六年度までの財務諸表を見せていただきましたけれども、国の一般会計からこの法人に対して、毎年、二十二年から二十六年が十六億円程度ですかね。その前は二十数億円ずつ入っていたというふうに、これを見ていて、あったんですけれども、一般会計からここへ繰り入れられているのは、どういう目的のものであったかということをお答えいただけますか。
○黒澤政府参考人 お答えいたします。
 この繰り入れは、重債務国等に対する国の援助政策の一環として、NEXIの債権を放棄する場合に、その損失を貿易保険の利用者に寄せるのは筋が通らないということですので、これを国の一般会計からNEXIの上にある特別会計に繰り入れたということでございます。
 基本的には、パリ・クラブ等の国際合意に基づく債務削減額、これは国の政策でやっておりますので利用者に負担させるのはおかしいということで、事後的ではございますけれども、一般会計からこれを補填している、こういう趣旨でございます。
○木下委員 聞かせていただいたんですけれども、これは、過去に一番マックスでどれぐらいの債権放棄額がこの法人に対してあったか、それから、今のポジションについても教えていただけますでしょうか。
○黒澤政府参考人 平成元年以降で見ますと、平成十七年に債務削減損失額として六千八百三十億円、これは複数の国でございます。セルビア・モンテネグロ、イラク、ナイジェリア、ボリビア、こういったところをまとめて債務削減したということから、これだけの額が損失となっております。このときには、六千八百三十のうち二十億だけが繰り入れられているという状況になります。
 なお、累積ということでございますが、平成元年から全部累積いたしますと、債務削減の損失額は計として九千六十六億円、これに対しまして一般会計から繰り入れられたものの累計は二千五百三十三億円となっております。
○木下委員 今回これを特殊法人化するわけですね。今までは、国の政策でやったものを、債権放棄させたんだから、その分、言えば弁済金みたいな形で払っていると思うんですけれども、今後特殊法人化したときにどうしていくのかということが私はちょっと気になるんですね。
 そこで、聞きたいんですけれども、過去の弁済というのが、例えば二十数億円、二十二年度以前はそうだった。今、一般会計からですけれども、十六億円ずつ入っている。
 これの、毎年の予算にかかわる部分だと思うんですけれども、私は多分していないんだろうなと思っているんですけれども、今まで政府とこの法人との間でそういう弁済計画もしくは弁済にかかわるような契約をされていたのか。それから、今回特殊法人化することによって、もしもこれから先も弁済をしていくというのであれば、こういった契約がなされるのかどうかといった点について教えていただけますか。
○黒澤政府参考人 特にこれまでも弁済計画などというものはございませんし、今後もございません。
 一点申し上げますと、改正法の第三十六条におきまして関連する規定が置かれてございますけれども、やはり毎年一部ないしは全部このようなものについて弁済することを行うということですが、この際にも、その都度予算という形で国会の議決ということになろうかと思います。
○木下委員 そうですよね。今まで契約はない、当然そうでしょう。国だからそうだというふうに言えるんだと思いますけれども、本来であれば、今回特殊法人化する、株式会社化する、先ほど言われていたように、利益が余剰した場合には国庫に返納されるかどうかといったときには、株式会社ですから配当という形に通常の会社としてはなるだろう。
 こういうふうな考え方をするのであれば、今後もしも返済するようなことがあったときに、これまた毎年の予算にかかわることなので非常に難しいところではありますけれども、何らかの形でそういう弁済計画もしくは弁済の契約をするか。
 それとも、逆に言えば、この会社が保険引き受けに対するちゃんとした資本を持ち得ている状態だと判断されるのであれば、今言われていた、もう既に二千五百億円までポジションが下がっている状態、今までは一般会計が後ろにいてしかも特別会計が控えていた状態、そこから今回は特殊法人化したということであるならば、この時点もしくはある程度もう少し返済されたところで、この会社に一括償却、特別損失を出させてもいいようなときが来るのではないかなと。
 そうでなければ、毎年、何もわからない、契約もわからない、ただ予算で計上されたからということで十六億円払われるという形がこれから先も続いていくことを私はちょっと本当にいいのかなというような懸念をしておりますが、その辺は、どなたかお答えいただける方はいらっしゃいますでしょうか。
○宗像政府参考人 お答えいたします。
 ソ連が崩壊するとか、あるいは累積債務危機が起きるといったような八〇年代、九〇年代、激動の時期に、例えば合わせて二兆円ぐらいの政府からの繰り入れということが起きたことがございました。その後、保険料をいただいて国に返したわけでありますけれども、今の資産が一・三兆というのが十分かどうかというのは、非常に大きな中で慎重に判断していかなければならないと思っておりまして、そういう意味では、今のこの仕組みを直ちに変えるということにはなっておりません。
○木下委員 先ほど言われていました、今の資産が、今の特別会計にある部分とこの法人が持っている部分を合わせて一・三兆円ほどというところの中で、この二千五百億円というのがどれだけの割合でインパクトがあるのか、これを判断していかなければいけないので、そこはまず一つ考えていかなければいけないこと。
 それからもう一つは、今まで二兆円程度、ロシアの危機があったりとかいろいろなことがあったからと。これから先も、何かあったりして大きな欠損を与えるようなときには予算に対する議決が必要だというふうな話でありますので、本来であれば、この金額、二千五百億円を、今後法人の形式が移行するのであるわけですから、その辺についてももう少しクローズアップされた議論が私はなされてもよかったのではないかなと思っているんですね。それで、きょうこういうふうに取り上げさせていただきました。
 まだまだこれだけの話では実はないと思っているんです。先ほど、この会社、今の状態で、特別会計の部分も合わせて一・三兆円という形であるというふうに言われていましたけれども、では、逆に、今この会社が引き受けている保険の引受額、総額がリスクポジションだと私は思っていますけれども、これは幾らぐらいになっていますでしょうか。
○黒澤政府参考人 現時点でのNEXIの引受責任残高でございますけれども、十四兆円でございます。
○木下委員 十四兆円。すごい金額ですよね。これは、多分皆さんが聞いていて、え、十四兆円もあるんだと。それで、ここで先ほど落合委員が言われていたように、余剰金等々積み上がってきて一・三から一・四兆円持っている。これは、要は、ここの会社が持っている資産、資本ですね。流動性の高い部分が特にそこに当たると思うんですけれども、それと引受額が果たして妥当なのかどうかということを、ここでしっかりと本来であれば判断しなきゃいけないはずなんですよ。
 この会社が果たして、ちゃんと日本の企業が安心して貿易ができるようにする、そのためにあるんだというふうに言いながらも、今回、独法からこういう特殊法人化するわけですね。これだけ切り離すというんであれば、この会社が本当にどれぐらいのリスクを抱えて特殊法人化するのかという判断をしっかりしなきゃいけない。ただ、私がこれを見ていても、全く判断がつかなかったんです。
 確かに、その引受額だけ見たら、十四兆円、これは物すごい金額だと思います。しかも、一つの会社として、今も一・三兆円の資産を持っていると言っているのは、実は、特別会計の方が九千億円ぐらいだったと思うんですけれども、この会社自体が持っていたのが三千億円ちょっとという状態。これは合わせて一・三兆円。今度一緒になります。この会社が特別会計が持っていた九千億円をそのまま引き継ぎますという状態です。
 数字で見ていたら、ふんふん、なるほどと言いながら、よく考えてみたら、これだけの引受金額を持っていて、これだけの規模の会社で、本当に大丈夫なのかどうかというのはどうやって判断するんだろうというふうに思ったわけです。
 では、これを、普通であればどうやって判断するのかという問題が一つ出てくると思います。これは、一般の会社ならどういうふうにやっているか。損害保険会社、これは非常に難しい計算をしております。ここが確立されているかどうか。
 その経営として、その会社が健全であるかどうかということが、指標として何らかの形をとっているけれども、それが確立されているかどうかというと、私はそこはまだ疑わしいとは思いつつも、今一般的と言われているのが、ソルベンシーマージン制度という形で、そこの会社が持っているような自己資本と、それから引き受けの総額ポジション、そこを割合に当てはめて係数を掛けて、大体二〇〇%以上の数値が出ているようなところであれば健全だろうといいながら、リーマン・ショックのときに、二〇〇%以上のものでもばたばた潰れていますから、それが正しいかどうかはわからないけれども、一般的にはそういうふうな指標がつくられている。
 では、この会社、この会社というのか、今まで独法としてやっていた中で、そんなことをやっていたかというと、聞いていると、今までなかったと言うんですよ。先ほど落合委員から質問があったところで、責任準備金をどれぐらい持っているべきなのかとか、リスク管理の強化は今後やっていきますよ、四月にコーポレートガバナンス体制の強化みたいなことをしてどうたらこうたらと言われていましたけれども、四月になってからそうなったといいながら、今まで、何と一・何兆円も資産を持っていながら、そういうリスク管理がちゃんと制度化したものでやられていたかといえば、やられていないというふうに私は聞いたんです。
 今までのことを追及してもしようがないんですけれども、これは早急にそういうことを制度化していかなければならない。ただ、制度化するといいながら、これは学問の世界が相当必要だと。先ほど理系の人も必要ですねというふうに言っていましたけれども、これは学問の世界だと思います。
 ただ、いろいろな学者の方々がちゃんと集まって、本当に、特にこの政府系の損害保険、普通の損害保険会社ではなくて特殊な保険会社ですから、今言っていたような、ソルベンシーマージン制度をそのまま使えるとは私は思っていませんけれども、何らかのそういった指標を早く生み出すべきだと。それをもってして、今、例えば国の会計だった部分をこっちへ寄せて特殊法人化するんだ、一・四兆円になるんだ、それで引受額は十四兆円だ、これがちゃんとバランスがとれているかどうかということを、その指標があって初めて私は審議がされるべきだと思っているんです。これがなかったら、はっきり言ってここにいる国会議員、私も含めてですけれども、本当にこれで正しいのかどうか、まあ制度的にはどうかというのはありますけれども、やはり判断がつかないと思うんですね。
 その辺について、ちょっと今長々とお話ししましたけれども、その辺、御見解をいただければと思いますので、大臣、よろしいでしょうか。
    〔委員長退席、富田委員長代理着席〕
○宮沢国務大臣 委員、まさに大変難しいお話をされているわけでありまして、例えば銀行であればBIS規制というのがあって、最近は国債についてどうかみたいな議論をしておりますけれども、ある程度過去の経験を踏んで、株式の変動率とかマーケットリスク等々といったいろいろなリスクを換算して、リスクをカウントして、それに対してどの程度の資本を持っていればいいか、こういうことをやっております。また、保険についても同様なことをやっているわけであります。
 そして、今回、特殊会社化するわけでありますから、国がやっていた、またその後特会がやって独法がやったときに比べると、やはり特殊会社の中で、リスクについて相当な、ある意味では自分たちでリスクの管理をある程度できるということは大変大事なことでありまして、そうした意味から、今NEXIにおいて、専門家も含めて、民間の手法をいろいろ勉強しながら、いろいろ検討していただいているわけであります。
 一方で、例えば民間の保険であれば、同種の保険がたくさんあって、その中でどの程度のリスクになるというような、いわゆる大数の法則に近いような部分があるわけですけれども、恐らくNEXIの場合には大数の法則はほとんどきかないと思っておいた方がいい。また、テロとか戦争とかいう、通常計算ができない、過去も引き合いになかなかできないといったものに付保しているということでありますから、おのずから恐らく限界はあると思います。
 ただし、だからといって全くなしというわけにはいかないということ、やはりそれなりの蓋然性のあるものを今検討していただいて、それを意識した積立金の金額といったものを目標に運営をしていっていただくということが大事なことだろうと思います。
    〔富田委員長代理退席、委員長着席〕
○木下委員 ありがとうございます。
 そうなんですね。ぜひともここはしっかり制度を確立して、安心した保険制度にしていかなければいけない。これだけの金額を抱えている状態になっておりますので、やはりそこは、相当難しい判断はあるかもしれないですけれども、ここはぜひとも英知を結集して、それなりのリスク管理というのを、これは本気でやっていってほしいなと。特に、会社に分かれてしまうことによって、自由にやってくださいというふうに言いながらも、そこはやはり見ていく必要があるんじゃないかなと。
 あともう一つ、最後、今お話しされていて思ったんですけれども、これからまさしくそうだと思っていて、普通であれば、カントリーリスクといって国、地域ごとにリスクの係数というのがある程度設定ができるように今なっています。私も昔貿易をやっておりましたので、必ずカントリーリスクは勘案した状態で契約、それから保険の付保をやっていたわけですけれども、これから先、それだけでは多分なくなってくるんだろうなと。
 国ごともしくは地域ごとのリスクじゃないリスクも、いろいろな形で出てきています。世界各国いろいろなところで、同じ思想を持った人が同じようなテロを起こしたりとかいうこともあるわけですから、そういった世の中の変化にこれから先もっと対応していかなければいけない。
 しかも、取引の金額というのは相当はね上がってくるだろうし、はね上がっていかないと我が国の発展はないというふうに思っていますので、そのためにも、そのしっかりとした受け皿になるような、こういった保険制度の充実にぜひとも寄与していっていただきたいなと思いますので、その辺の制度設計をぜひともよろしくお願いいたします。
 以上です。
○江田委員長 次に、藤野保史君。
○藤野委員 日本共産党の藤野保史です。
 きょうは、各党理事の御理解をいただきまして、質疑時間を前回よりも若干長目にいただいております。ありがとうございます。
 それだけ当委員会としても大事な法案だというふうに考えているということの反映だと思いますので、大臣の方にも真摯な御答弁をいただければと思っております。
 今までずっと議論もされていたわけですけれども、今法案は、インフラ輸出というものをめぐって、これが政府の成長戦略の大きな柱だということで、NEXIも一つのツールとして大きく制度を変えていこうということだと思うんですけれども、安倍政権というのは、そういう意味では、総理自身が先頭に立たれて、このインフラ輸出、海外でトップセールスをなさっている。中でも、原発につきましては非常に力を入れられているというふうに認識しております。宮沢大臣自身も、二〇一五年一月にアブダビでカザフスタンの大臣とお会いしているということであります。
 そこで、原発の輸出についての現状をまず簡単に確認したいと思うんですけれども、二〇〇一年から現在まで、NEXIが引き受けを行った原子力案件の件数と実績についてお答えいただければと思います。
○黒澤政府参考人 お答えいたします。
 原子力発電関係の資機材等の輸出につきましては、NEXIが貿易保険を引き受けた件数は、二〇〇一年から二〇一四年までの累計で、件数にして五十四件、保険金額は千七百十六億円でございます。
○藤野委員 ありがとうございます。
 資料を配らせていただいておりますが、その一は、今累計をおっしゃっていただいたんですが、その各年度ごとの細かな中身、事業地ごとの中身を示しております。
 中身を見ますと、発電機とかポンプとか制御機器とか蒸気発生器とか原子炉容器、メンテナンス部品ということで、いわば単品輸出ということが中心になっていると思います。
 二〇〇一年からの累計で、五十四件、千七百十六億ということですから、単純に割りますと、一件当たりでいうと三十二億円程度ということで、そういうオーダーで、これまで原子力については付保してきた。
 しかし、安倍政権のもとで、原発についてはインフラシステムそのものを輸出しようということが大きくうたわれていると思うんです。インフラとなりますと、資材搬入の港湾整備とか送電網とか変電施設とか、あるいは、できた後の運転保守、人材育成、放射性物質の管理とか、まさに原子力発電をめぐる全体を一括して輸出するということになると思うんです。もちろん、金額も桁違いに巨額になりますし、期間も相当長期化する。報道では、トルコの場合ですけれども、一原発当たり大体二兆円というオーダーになってくるわけです。
 ここで大臣に確認したいんですけれども、今までは、原発に関する付保というのは単品輸出というパーツの付保だったわけですが、今回、システム全体ということでバージョンアップする、非常に大きく巨額に、しかも長期間になる、質が変わるというふうに考えるんですが、そういうことでよろしいでしょうか。
○宮沢国務大臣 まず、原発輸出に付保するということを今決めているわけではないということは、前提で申し上げなければいけないと思っております。
 我が国は、四年前の福島第一原発の事故、大変大きな災害で、まだ復旧途上にあるわけでありますけれども、一方で、原発事故から得られた教訓というものは、もう既に幾つかございます。そして、それらを国際社会と共有するということは、まさに原子力の平和利用に貢献していくという我が国の責務だと思っております。
 一方で、海外において、原子力発電所については、例えば、コストの観点から導入といったことを検討している国、ベトナムとかトルコでございます。また一方で、温暖化対応というようなことから原発を再度始めようとしている国、具体的には米国とかイギリスといった国でありますけれども、それらの国からは、事故後におきましても、我が国の原子力技術に対する期待の声が寄せられているということは事実でございまして、我が国といたしましても、こうした相手国の事情や意向を踏まえつつ、安全性の高い原子力技術を提供していく責任があると考えております。
 そして、最初の質問にまた戻るわけでございますが、今までの単体という形で協力をすることもあれば、また、発電所全体ということも可能性としてはあろうかと思っております。
○藤野委員 今大臣おっしゃったように、単体としてもあるだろうし、全体としてのシステムも可能性としてはあると御答弁いただきました。まさにそうだと思うんです。今回、それに対応するために、さまざまな制度変更というのを行っているというふうにも認識しております。
 そして、今、原発の話をさせていただきましたけれども、インフラ輸出というのは、先ほどMRJの話も出ましたが、さまざまな分野にわたっておりまして、しかも、それぞれやはり巨大だと思うんですね、単体、単品に比べると。こういう巨大なインフラ輸出というのは、やはり一握りの体力がある企業しか現状としてもできないというふうに思うわけです。
 この点でもちょっと現状を先に確認させていただきたいんですが、貿易保険のユーザー三十社で、保険金額、引受額に占める割合というのはどれぐらいのシェアになっているでしょうか。
○黒澤政府参考人 お答えいたします。
 保険金額の多い上位三十社の保険金額が全体に占める割合でございますが、二〇〇九年度で八五・三%、二〇一〇年で八二・二、二〇一一年で八二・二、二〇一二年で八二・四、二〇一三年で八一・一%であります。
 なお、付言いたしますと、貿易保険、今金額でございましたけれども、件数ベースで見ますと、中堅・中小企業の数は五割を上回っております。
○藤野委員 ありがとうございます。
 配付資料の二を見ていただきますと、ちょっと数字が粗くて申しわけないんですが、今御答弁いただいた数字が上の方の表に並んでおります。
 その中身、三十社と言いましたけれども、資本金別に見たものが(3)という形で出ておりまして、一兆円以上のものが四社、一千億円以上一兆円未満のものが十二社、百億円以上一千億円未満のものが十二社ということで、ほぼ大宗をこうした資本金百億円以上の企業が占めているということになっているのが現状だというふうに思うんですね。
 もう一つ確認したいんですけれども、主要国の公的保険におけるカバー率、いろいろな保険の中で公的保険がカバーしている割合というのは、主要国でいえば、それぞれどれぐらいになっているんでしょうか。
○黒澤政府参考人 主要先進国の貿易全体に占める貿易保険のカバー率でございますが、アメリカでは〇・三二%、イギリスでは〇・五六%、フランスで二・三五、ドイツ二・五五、これに対しまして日本は一〇・三一ということでございます。
 なお、このように数字が大きくばらつく背景でございますが、これは、各国における保険の対象が異なる、あるいは企業の経営判断の違いによるものと考えております。
 例えば、ヨーロッパにおきましては先進国向けの短期輸出保険が非常に発達しておりまして、基本的に民間によって提供されておるため、公的な保険は少ないと認識しております。
○藤野委員 ありがとうございます。
 今おっしゃったように、オーダーでいうと一桁ぐらい違うんですね。日本は、民間の保険というものよりも、公的保険でさまざまなリスクをカバーしている割合というのが全貿易保険の一〇・三一%に達しているということで、アメリカは〇・三二とおっしゃったと思うんですけれども、全然桁が違うわけですね。もちろん経営判断や背景に違いはあると思いますけれども、非常に幅広く公的保険がカバーしているのは間違いないと思います。
 もう一つだけ確認したいんですが、それに応じて、その国で結構なんですが、主要国の保険料率はどのようになっているでしょうか。
○黒澤政府参考人 保険料率は、保険商品がいろいろ違いますし、対象国、対象企業のリスク、あるいは保険機関によっていろいろ区々になっておりますから比較は非常に難しいのですけれども、試算といたしまして、主要先進各国の保険機関の一年間の引受保険額全体に対する総収入保険料の比率という形で見ますと、アメリカでは〇・八七、イギリスでは五・二八、フランス三・九九、ドイツ二・三四。これに対して、日本は〇・三八という数値でございます。
○藤野委員 ありがとうございます。
 ですから、これも非常に日本は特殊なんですね。日本は公的保険のカバー率が非常に広い。つまり、保険の中でほかの国なら民間保険が見ているような分野や契約でも公的保険がカバーしている。にもかかわらず、その保険料というのは非常に安い。アメリカは〇・幾つかですけれども、フランス三・九九とかイギリス五・二八、ドイツ二・三四に対して日本は〇・三八ということで、格安で保険が受けられるという状況になっております。
 そのもとで、一番初めに確認したように、利用企業の八割近くが資本金百億円以上の大企業ということになっている。ですから、これを今使っている八割以上の企業にとっては、広く見てくれるし保険料は安いしということで、現状で大変使い勝手のいい制度になっていると思うんです。
 問題は、今法案が、こうした一握りの企業が、インフラ輸出という大きな、ロットの違う巨額の保険、これは非常にリスクが大きい、しかしこれに取り組もうということで、さらにNEXIの経営の自由度を高めようという中身になっているということだと思うんですね。特に原発でいいますと、本当に全くやめちゃうというリスクがほかのインフラ輸出に比べても多いと思うんですけれども、そうしたことでも、いや、そのリスクを気にせずにどんどんいけるよ、こういう中身になっているんじゃないかということで、ちょっと具体的に見ていきたいと思うんです。
 先ほど来出てきておりますけれども、今回、貿易再保険特会を廃止して、履行担保制度を創設されると二十八条でなっております。しかし、これはどのようなものかということを聞いて本当にびっくりしたわけです。
 現行制度は、特会ですから、野方図な保険引き受けによって最終的な国民負担が生まれないようにさまざまな歯どめを設けているんですね。例えば、あらかじめ国会の議決を経た金額での再保険の契約締結義務を課して、契約はその金額を超えてはならないとされているとか、あるいは、さまざまな一時借入金をNEXIがやる場合も、野方図にできないように限度額が定められているとかいう取り決めが今の制度としてございます。
 配付資料の三は、その限度額の一つでありまして、普通貿易保険からさまざまな保険がだあっとあるわけですけれども、それぞれ上限が決められていて、それを超えるものはやってはならぬよというふうになっているわけであります。
 つまり、野方図な国民負担にならないような歯どめがあるわけですけれども、新設される履行担保制度というのは、条文を読みましても、「予算で定める金額の範囲内」「必要な財政上の措置」とあるだけでありまして、こういう限度額とかは全然ないわけです。
 大臣にお聞きしたいんですが、これをもしやってしまうと、国民負担がふえないための歯どめをなくしてしまうわけですから、これは歯どめがなくなってしまうということなんじゃないでしょうか。
○宮沢国務大臣 現行のNEXIは今、特別会計予算というものを背景にして限度額が抑えられているわけであります。
 今後の話といたしましては、大きな方向性については政府が決める、そして、まさにNEXIに機動的に運営をしていただく。個別案件は基本的にはNEXIが判断いたしますが、一方で、それぞれ国策的に必要なもの等々については、当然政府とも相談をして決めていく、こういうことになろうかと思います。
 そして、財政的な歯どめといった意味では二つありまして、政府が債務保証、要するに政府の保証をつけることができるということ、また、交付金という形で一般会計から支出をするという場合と二つありますが、そういう事態が生じて必要なときには、両方ともにこれは国会の議決対象ということでございますので、国会の縛りがかかっている範囲でしかできないということであります。
○藤野委員 それは、二十八条に確かに予算の範囲内でと書いてありますので、予算ということですから国会の議決がある、それはわかっているんですが、現行法にあるようなこういう限度額という形での明確な、非常に明確な、金額まで指定した歯どめというのがなくなるということで、これはやはり今までとは歯どめという点で大きな違いがある、抜け落ちていくということだと言わざるを得ないと思うんですね。
 特殊会社に変わるということなんですが、今ある特殊会社の中で、こうしたまさに予算の範囲内で幾らでもといいますか、先ほど青天井というお話がありましたけれども、見てもらえるような履行担保制度なるものを持っている特殊会社というのはほかにあるんでしょうか。ちょっとこれは通告していなかったかもしれませんが。
○宗像政府参考人 お答えいたします。
 森林保険、財団の形で行っているものはございますけれども、特殊会社というものでは、ほかには例はございません。
○藤野委員 ありがとうございます。
 そうなんですね。国立研究法人森林総合研究所というのがこの制度を持っているそうでありますが、いわゆる政府出資の特殊会社としては持っていないということであります。まさに唯一の機能がNEXIに与えられる。
 特殊会社というのが今二十四個あるうち、全額出資、要するに一〇〇%出資というのは十一ある。これは日本郵政とか、東日本、中日本、西日本高速道路会社とか、こういうところは一〇〇パーなんですけれども、この一〇〇パーやっている十一の中でも、資金面で優遇されているというのはさらに絞られている。どういうところかというと、例えば先ほど来出ているJBICとか新関西国際空港などは、いわゆる有名な一般担保つき社債というのが発行を認められる。だから、資金調達面で、いわゆる四つの会社がこの一般担保つき社債の発行を認められる。
 今回、NEXIも認められるということになるわけですけれども、NEXIは、この四つの会社すら持っていない新たな手当てとして履行担保制度というのが受けられることになるということで、ですから、多々ある特殊会社の中でもまさに唯一無二の存在になる。非常に手厚い、資金調達面でも最後の出口の面でもバックアップを受けられるということで、やはり極めて特殊な会社をつくろうとしているというふうに私は思うんです。
 問題は、問題はというか、もう一つこれとセットになるんですが、これだけ財政上の優遇が与えられるにもかかわらず、国民への情報公開という点ではむしろ後退するという側面が今回の改正で出てくると思うんですね。
 といいますのは、今NEXIは独立行政法人です。独立行政法人というのは、仕組みとして、大臣のさまざまな評価とか、あるいは中期計画、あるいは中期目標というのが公表を義務づけられております。これを通じて、業務内容や人件費などについて、こうしたさまざまな資料もつくられて、公表が義務づけられていた。
 しかし、改正案によって、独立行政法人じゃなくなります。会社法の適用を受けるそうでありますけれども、要するに、前回と同じレベルで公表が義務づけられるのは、先ほどお話があった引き受け基準とか再保険基準に限られてしまうということになって、これまで業務内容や人件費など、こうした内容が、公表していたものがなくなってしまうということで、財務面では非常に優遇されるし、経営の自由度も与えられるのに、国民への情報開示はむしろ狭まってしまう。大臣、これはちょっと逆なんじゃないでしょうか。
○宮沢国務大臣 財務面で優遇されるということをおっしゃっているわけでありますけれども、NEXIの場合は、基本的に保険料をいただいて、そして保険事業を営むということでありまして、国費が入る予定というものでなくて、通常はまさに保険料をいただいて事業を行っていくということでございますから、恐らく少し違うんだろうというふうに思います。
 そして、過去において、中南米債務危機等々ということで、相当な金額の保険を支払わなければいけなかったということがあったことも事実でありまして、それへの備えとして、まさに一般会計から交付ができるような制度で担保をしてある。しかし、この制度につきましては、まさに事前に、予算をもって国会で議決をしていただかなければそれが実行できない、こういう縛りがある制度であります。
○藤野委員 今二つのことをおっしゃって、それぞれがちょっとあれなんですけれども、まず前半の方について言えば、保険料をいただいているから民間に近いという趣旨なのか、ちょっとよくわかりませんでした。
 先ほど、田嶋委員の質問でしたか、お答えになったように、NEXIの案件では、要するに単独の付保というのはない、再保険と必ずセットだとおっしゃったんですね。ですから、単独だけでやっている世界をずっとやっているんなら今のお話は通るかもしれませんけれども、全案件が再保険とセットなわけですから、これは通らないと思うんですね。
 しかも、これからは、単品輸出じゃなくて、システム輸出という非常に巨額で、かつ、原発でも、いつ、はい、やめましたといってキャンセルになるかもしれない案件まで抱え込んでいくというもとでの話ですから、それは、一方ではそのリスクは見ますよと言うだけで、他方で国民への情報開示は後退しますよという話は通らないというふうに思います。そういう意味ではこれは問題だと思うんですね。
 大臣に具体例をちょっと御紹介したいんですけれども、これは事前にいろいろレクさせていただいたときに、配付資料の二で、資本金、(3)で兆が四社というふうにあるんですが、これは前回まで三社だったんですね。一社ふえたということで、これは一社どこがふえたんですかと言いますと、個社名は出せませんと言うので、個社名を出せないなら業種はどこなんですかというふうに聞いても、これは初めの方、なかなか出さなかったわけであります。頑として答えないということがありまして、やはり現在、独法の今でさえこういう状況なんですね。
 ですから、これが株式会社になれば、一層出てこないおそれというのが出てくるというふうに思うわけで、やはりこうした情報開示、巨額のリスクを負うことになれば、国民の負担が最終的にふえるリスクも高まるというわけでありますから、ここはやはりしっかり開示をすべきじゃないかと思うんですけれども、その方向性について、大臣、お願いします。
○宮沢国務大臣 やはり各会社側からすれば、まさに企業戦略の一つでありますので、名前を出してほしくないという意向というのは恐らくあるんだろうと思っておりまして、独法であれ、また株式会社であれ、なかなかそこまでお示しするわけにはいかないんだろうというふうに思います。
○藤野委員 しかし、民間・民間ならわかるんですけれども、最終的に公的な負担制度も一緒につくってセットでやっているわけですから、そこはやはり普通の話ではいかないし、これはNEXIが出されている年次報告書でも、主な引き受けプロジェクトといっていろいろ個社名が出ているんですね。個社名をばんばん出しているわけですから、一般論として、出せないというのは私はやはりおかしいと思います。やはり国会がそういった形で正式に資料請求をしているわけですから、これはしっかり出してほしい、大臣にもぜひ再考していただきたいというふうに強く求めたいと思います。
 そして、もう時間も大分なくなってきましたけれども、私が大事だと思うのは、先ほど来議論も出ております、積立金がかなりある、特別会計と自社の分を合わせれば一兆三千億円という話もあるわけです。
 今回、特別会計を閉じるという大変大きな改正であります。本来であれば、これまでの業務は一体どうだったんだろうということをしっかり総括なり検証なりして、その上で組み立てを考えられるなり、いろいろな会社にするなりということをやるべきじゃないかと思うんですが、そういう検証というのはどういう形でやられたんでしょうか。
○宮沢国務大臣 どんな検証を、もしもやっていたとすれば後ほど事務方から答えさせますけれども、基本的に、行政改革の流れの中で、特別会計というものは必要最小限にすべきだ、こういう流れの中でここ十年、二十年、いろいろな作業が進んできておりました。
 そういう中で、今回、NEXI自体で一括して経理をすれば、それである意味ではわかるわけでございまして、特別会計自身がなくても業務ができるということを判断して、廃止することになったということであります。
○藤野委員 廃止するのはいいんですけれども、要するに、これからの貿易保険は何を担うべきかという議論をした上で、検証を経て、それにはお金がどれぐらい必要だねという議論ならまだわかるんですけれども、そうしたことがやはり国民には見えずに、一兆三千億円が丸ごと引き継がれる。全く理由がよくわからないんですね。
 ほかの特別会計なら、締めるときに、例えば半分は国庫に、一般会計に返納しましょうとか、三分の一は国庫に返納しましょうとか、よくある話であって、そうした議論もなく、NEXIについては横滑りという形でこうした巨額のお金が行ってしまうというのは、やはり説明責任として十分じゃないというふうに思うんです。
 一兆三千億円というのは大きいように見えますけれども、先ほど、トルコの原発、一原発だけで二兆円というお話もあるわけで、そうしたことを一特殊会社が本当にやるのかということも含めて、一体どこで議論してどういう結論が出たのかということが全くわからない現状だというふうに思います。
 そして、再保険制度でいいますと、今までなら、海外への企業のいろいろな輸出、そもそも輸出を応援すれば、回り回ってといいますか、国内の中小企業の利益になっていくという経済構造はあったというふうにも思うんですね。しかし、今や、輸出を応援しても国内への波及というのが見られないということが、政府のさまざまな白書でもるる分析され、指摘をされている。要するに、経済構造が変わっているというふうに思うんですね。
 こういうもとで、では、輸出をざんざん、またこれから先、応援するんだという認識なのか。そういう認識だと、やはりこれは本当に時代に合わないし、構造変化に合わないというふうに思うんですが、大臣、この点についてはいかがでしょうか。
○宮沢国務大臣 先ほど政府参考人から答弁がございましたように、企業数でいいますと中小企業が半分使っているということでありまして、また今後につきましても、中小企業にまさに輸出の主役になっていただくといった意味でいろいろ政策的な支援をしていくということでありまして、大企業に偏ったということではないわけであります。
 一方で、まさに最近の円安にもかかわらず日本からの輸出がふえない等々といった問題があって、それは海外にかなり生産が行ってしまっている等々の問題もございますが、一方で、国内で生産しているものにつきましては、かなりのいろいろな関連の産業におきまして、やはり、納入業者があって、下請構造等々があってお金が回るということもまた事実でございますので、一概に日本の中小企業のためにならないというわけではないと思っております。
○藤野委員 最後になりますけれども、大臣がそう言ってもやはり納得できないんですね。経済構造が変わっているもとで、なぜ輸出を応援するのかという議論をしっかり積み重ねた上ならわかるんですけれども、そういうものが全く見えない。見えないにもかかわらず、さまざまなリスクをNEXIが負う、限度額も外す、そして国民への情報開示もなくしていくというもとで、結局、インフラ輸出という、これが先にあって、これをJBICと並んでNEXIもその一翼として大いに支えていこうじゃないか、それが先にあってのこういう法改正だと考えざるを得ないというふうに思うんですね。
 それでは、やはり再保険制度そのものの意義、再保険制度というのは私は重要な意義があると思うんですね。現在のNEXIの経営方針、一番目に掲げられているのは、いわゆる公共の立場から、事業を通じて、国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に資するというのがNEXIの経営方針に掲げられているわけで、こうした点から見て、今回のようなインフラ輸出ありきの改正というのは容認できないということを強く述べて、質問を終わります。
○江田委員長 次に、野間健君。
○野間委員 無所属の野間健です。
 きょうも質問の時間をいただきました。ありがとうございます。
 本法の改正で、日本貿易保険、NEXIを株式会社化、特殊会社化するということで、経営の自由度を上げる、効率性や機動性を高めるんだということがうたわれているわけですけれども、一方で、今回新設される条文で、国が貿易保険の引き受け基準を定める、あるいは十六条で、重要案件とか巨額案件については経産大臣が意見を述べるなど、国の政策意図を反映させるんだということもうたわれているんですけれども、その自由度を高める、機動性を高めるということと、国の政策意図を反映させるんだと、相矛盾する印象も受けるんですけれども、一体どちらが狙いなのか、御答弁をいただきたいと思います。
○宮沢国務大臣 現状を申し上げますと、これまでのこの委員会の議論にありましたように、全てについて再保険を掛けているということでありますから、ある意味では一挙手一投足を国がチェックするような、こういう体制であったわけであります。
 そして、今回の改正におきまして、まさに機動性を高めて、特殊会社という中で経営判断の幅を広げながら機動性を高めていく組織にしていかなければいけない。ただし一方で、貿易保険につきましては、日本からの輸出や海外への投融資を促進する公的な制度であるという性格は変わっておりません。
 貿易保険を担うNEXIがこうした国の政策実施機関であるという位置づけの中で、大きな方向については国がやはりお示しもしていかなければいけないし、重要案件についてはいろいろ御相談をしていかなければいけない場合も出てくる。大きな方向としては機動性を高めていただきますけれども、やはり政策金融機関であるという性格は変わらないという中で御提案をしている制度でございます。
○野間委員 ということは、従来よりは、多少、自由度、効率性、機動性は高まるんだということでよろしいわけですね。
 続いて、今回、第二十八条で履行担保制度が規定されましたけれども、きょうの質疑の中でも出ておりますが、要するに、この貿易保険が巨額の保険金支払いなどで最終的にどうしようもなくなった場合、国の予算からそれを払うということを規定しているわけですけれども、今までですと、再保険からの借り入れということで、一時、九〇年代も七千億近くの借り入れをして、これを順次返していっているわけですけれども、今回も、明文の規定はありませんが、これはあくまで借り入れて国に返していくんだということでよろしいんですね。
 ただ借りたまま、あるいは、もう国が全部、国民が負担するんだという結論ではなくて、必ずこれは返していくんだということでよろしいんでしょうか。明文の規定が二十八条にはないものですから、そこをちょっと確認したいと思います。
○宗像政府参考人 御指摘のとおり、結論としては、返していくと明文の規定はございませんし、それから、具体的な返済期限で幾ら幾らということが通常の債務のように決まっているわけではございませんけれども、収支相償の考え方のもとで、財政当局との調整を経まして返済をするということでございます。
○野間委員 わかりました。
 最後の質問になりますけれども、今回の改正で、海外事業資金貸付保険の適用範囲が本邦法人もしくは本邦人ということで適用範囲が広がるわけで、三菱航空機、MRJのリース事業が適用されるということが想定されているわけですけれども、このライバル社ですね、ブラジルのエンブラエル社とかカナダのボンバルディア、こういったライバル国、ライバル企業から、既にちょっとブラジルから、WTO協定が禁じている輸出補助金に類似するような、この輸出保険、こういうことがあるんじゃないかという問い合わせも既に来ているということも言われておりますけれども、これはそういうことはないということであれば、そうでないということの国際的な何か取り決めがあるのか、あるいはその反論の論拠はどういったものがあるのか。せっかくMRJ、日の丸航空機、世界にこれから羽ばたいていくわけですから、そういう疑義がない形で事業がいくといいんですけれども、教えていただきたいと思います。
○宗像政府参考人 お答えいたします。
 WTOの補助金協定におきましては、貿易保険の提供は、保険期間や保険料率等の条件がOECDの輸出信用アレンジメントの規定に合致する場合は、輸出補助金とみなされないということになっております。
 ブラジルのまさにエンブラエルとカナダのボンバルディア、この両社が航空機に対する補助金ということで長い間戦ったわけですけれども、その両社が、OECD信用アレンジメントの航空機セクター了解を改定するということで、しかも、その了解にブラジルが今まで参加していなかったのが参加したということで決着をいたしました。
 今後は、貿易保険によって航空機の輸出を支援するに際しましては、もちろんこの航空機セクター了解に従うこととしておりまして、仮に、他国から何かそういう指摘があったとしても、十分に反論できると考えております。
○野間委員 わかりました。
 ありがとうございました。終わります。
○江田委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
 次回は、来る十九日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時三十分散会