第189回国会 我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会 第14号
平成二十七年六月二十六日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 浜田 靖一君
   理事 今津  寛君 理事 岩屋  毅君
   理事 江渡 聡徳君 理事 松本  純君
   理事 御法川信英君 理事 長妻  昭君
   理事 下地 幹郎君 理事 遠山 清彦君
      青山 周平君    赤枝 恒雄君
      安藤  裕君    小田原 潔君
      小野寺五典君    大西 宏幸君
      大野敬太郎君    勝沼 栄明君
      神山 佐市君    木原 誠二君
      笹川 博義君    白石  徹君
      武井 俊輔君    中谷 真一君
      中山 展宏君    橋本 英教君
      原田 義昭君    平沢 勝栄君
      星野 剛士君    宮川 典子君
      宮崎 政久君    宮澤 博行君
      武藤 貴也君    盛山 正仁君
      山口  壯君    山田 賢司君
      若宮 健嗣君    緒方林太郎君
      大串 博志君    岡田 克也君
      後藤 祐一君    辻元 清美君
      寺田  学君    長島 昭久君
      本村賢太郎君    青柳陽一郎君
      井坂 信彦君    太田 和美君
      木下 智彦君    吉田 豊史君
      伊佐 進一君    上田  勇君
      佐藤 茂樹君    浜地 雅一君
      赤嶺 政賢君    塩川 鉄也君
      宮本  徹君
    …………………………………
   内閣総理大臣       安倍 晋三君
   外務大臣         岸田 文雄君
   防衛大臣
   国務大臣
   (安全保障法制担当)   中谷  元君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     菅  義偉君
   内閣官房副長官      加藤 勝信君
   防衛大臣政務官
   兼内閣府大臣政務官    石川 博崇君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    横畠 裕介君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  前田  哲君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  土本 英樹君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  藤山 雄治君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  槌道 明宏君
   政府参考人
   (外務省総合外交政策局長)            平松 賢司君
   政府参考人
   (外務省国際法局長)   秋葉 剛男君
   政府参考人
   (防衛省防衛政策局長)  黒江 哲郎君
   政府参考人
   (防衛省運用企画局長)  深山 延暁君
   衆議院調査局我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別調査室長     齋藤久爾之君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月二十六日
 辞任         補欠選任
  橋本 英教君     青山 周平君
  宮澤 博行君     赤枝 恒雄君
  若宮 健嗣君     安藤  裕君
  緒方林太郎君     本村賢太郎君
  長島 昭久君     岡田 克也君
  青柳陽一郎君     井坂 信彦君
  太田 和美君     木下 智彦君
  丸山 穂高君     吉田 豊史君
  浜地 雅一君     上田  勇君
  志位 和夫君     宮本  徹君
同日
 辞任         補欠選任
  青山 周平君     神山 佐市君
  赤枝 恒雄君     宮澤 博行君
  安藤  裕君     若宮 健嗣君
  岡田 克也君     長島 昭久君
  本村賢太郎君     緒方林太郎君
  井坂 信彦君     青柳陽一郎君
  木下 智彦君     太田 和美君
  吉田 豊史君     丸山 穂高君
  上田  勇君     浜地 雅一君
  宮本  徹君     塩川 鉄也君
同日
 辞任         補欠選任
  神山 佐市君     中山 展宏君
  塩川 鉄也君     志位 和夫君
同日
 辞任         補欠選任
  中山 展宏君     橋本 英教君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 委員派遣承認申請に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案(内閣提出第七二号)
 国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案(内閣提出第七三号)
     ――――◇―――――
○浜田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案及び国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官前田哲君、内閣官房内閣審議官土本英樹君、内閣官房内閣審議官藤山雄治君、内閣官房内閣審議官槌道明宏君、外務省総合外交政策局長平松賢司君、外務省国際法局長秋葉剛男君、防衛省防衛政策局長黒江哲郎君、防衛省運用企画局長深山延暁君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○浜田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。今津寛君。
○今津委員 自由民主党の今津寛です。よろしくお願いを申し上げます。
 去る六月二十三日、沖縄糸満市の平和祈念公園で開催された沖縄全戦没者の追悼式に安倍総理が出席をされました。報道によりますと、一部の出席者に心ない言動があり、残念で悲しく思いますけれども、全国民とともにこの地に倒れた人々に思いをいたし、胸に迫りくる悲痛の念とともに、静かにこうべを垂れたいとの慰霊の言葉を述べられました。
 総理とともに、我々自由民主党は、悲劇を二度と繰り返さない、そのために最善の努力を続ける、今改めて国民の皆さん方にお誓いをするものであります。
 さて、言うまでもないことでありますが、安倍総理を初め政府・与党が一丸となって平和安全法制を整備しようとしている目的は何でしょうか。それは、厳しさを増す安全保障環境を踏まえて、日本の国の独立と平和、国民の生命財産の安全を将来にわたって守り抜いていくためであると断言します。
 日本が国際社会の荒波を乗り越え、平和と繁栄を保っていくには、当たり前のことですが、安全保障上の努力が欠かせません。世界各国の動向、科学技術の進展など、年々歳々変化していく国際情勢、戦略環境、安全保障環境を総合的に捉え、国を守る、国民を守る方策を立案し、実行に移さなければなりません。その務めを果たすことこそ政府、政党の責任であります。
 備えあれば憂いなし。備えがなければ平和を保つことはできません。そのための努力を、どのような理不尽な批判があろうとも、私たちは貫こうとしております。国民を守るための法案であるということを、私は国民の皆さんに声を出して言いたいのであります。
 ただ、憲法の前文に「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」と書かれています。憲法第九条において前文の平和主義を具体化しています。周辺諸国の公正と信義に信頼するだけで果たして我が国の平和と安全を守れるのか、私はいつも疑問に思っていました。
 世界のほとんどの国に平和主義条項があり、また国防について規定のない国はほとんどないとのこと、すなわち、一方で平和をうたいつつ、他方、みずからの努力で国防をきちっと国民のためにやるというのが世界の常識であります。みずからの身をみずからの手で、また他国と協力して守る、これもまた憲法の許容するところであります。
 みずからの身はみずからの手で守る、このための組織が自衛隊、そして我が国の平和と安全を一層強固なものとするためのものが今回の法制整備だと考えます。
 これまでの我が国の憲法解釈において、集団的自衛権については、国際法上これを有しているものの行使することは許されないという立場であり、個別的自衛権と集団的自衛権とを区別して論じているのも恐らく世界の中で日本ぐらいであるとの指摘もあります。
 外務大臣にお聞きをいたしますが、諸外国において、個別的自衛権と集団的自衛権を区別して、一方は行使していいけれども、しかし他方がだめだというような整理をしている国は現にあるのかどうか、お聞きをしたいと思います。
○岸田国務大臣 国際法上、一般に、まず個別的自衛権は、自国に対する武力攻撃を実力をもって阻止することが正当化される権利をいいます。一方、集団的自衛権は、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を自国が直接攻撃されていないにもかかわらず実力をもって阻止することができる権利、このように解されております。よって、国際法上、個別的自衛権と集団的自衛権は、自国に対し発生した武力攻撃に対処するものであるかどうか、こういった点において明確に区別されております。
 このように、個別的自衛権と集団的自衛権を厳密に区別し、なおかつ個別的自衛権を認め、そして集団的自衛権について制限を課している国についての御質問ですが、これは網羅的に確認しているものではありませんが、例えば永世中立国であるスイスあるいはオーストリアにおいては集団的自衛権を行使することは想定していない、このように承知しております。また、コスタリカという国においては、集団的自衛権の行使を妨げる法的根拠は存在いたしませんが、そもそも軍隊を保持しておりません。よって、集団的自衛権の行使を想定していない、このように承知をしております。
 ただし、それ以外に御指摘のような国があるということについては、承知しておりません。
○今津委員 日本は本当に特異な国の中の一つに入っているということだと思います。
 そこで、どうしてこうした従来からの憲法解釈を一部変更してまで今回の法制整備が必要となるのか。それは、国家国民全体に対する安全保障上のリスクが、憲法制定当時、昭和二十二年と比べて、今は全く大きく異なるものとなってきているからにほかならないと思います。
 時間の関係で余り多くを語りませんが、パネルで御説明をさせていただきたいと思います。資料を見ていただきたいと思います。
 まず、我が国を取り巻く周辺の地域に絞ると、パネル二のように、安全保障環境は極めて厳しいことが一目瞭然にわかります。
 このうち中国について申し上げますと、中国の軍事力の急速な近代化、これが、国防費は過去二十七年で何と四十一倍、我が国は十年で〇・九八に減っているんですが、過去十年で約四倍、これによる海洋進出の激しい活発化、力を背景とした現状変更の試み。御承知のとおり、二〇一二年に空母遼寧を就役、新型潜水艦発射弾道ミサイルJL2の開発が進展、対中国機のスクランブル回数は、平成二十二年度以前は年間で数十回だったのが、昨年、二〇一四年度は四百六十四回と、急激にふえております。
 次に、北朝鮮を見ていただきたいと思います。
 北朝鮮の弾道ミサイル、これはノドン数百発を所持していると言われておりますが、射程一万キロ以上のものも保有し、そして非常に極めて重大な核開発というものを行い、二〇〇六年から三回核実験を実施いたしております。二〇一四年に、ノドン、スカッド級の弾道ミサイル、過去最多の年六回発射。過去に例のない地点から、早朝、深夜に、移動式発射台を用いて発射。練度が向上しております。先般、潜水艦発射弾道ミサイル、SLBMの試験発射をしていると公表されたところであります。
 また、北朝鮮は、我が国に対してこんな動きを見せています。次のパネルをお願いします。
 平成二十五年四月十日、労働新聞、東京、大阪、横浜、名古屋、京都の地名を挙げた上で、日本の全領土は我々の報復攻撃の対象になることは避けられないと恫喝をしているのです。
 次に、ロシア。ロシア軍の活動も近年、再度活発化の傾向にあり、昨年度のロシア航空機に対する緊急発進回数は四百七十三回であり、一昨年度比で百回以上の増加、突出した伸びです。
 加えて、新たな脅威として、サイバー、宇宙、テロ、世界の各地で許すことのできないテロの動向。ことしの春、我が同胞も二名犠牲になったところであります。
 こうした状況が今回の安保法制整備の背景にあることを、どうか広く国民の皆様方に理解していただきたいと思います。
 総理にお伺いをいたします。我が国及び国民全体に対して、現在、このようなリスク、そして将来においてどのような安全保障のリスク、課題があるとお考えになっておりますか。
○安倍内閣総理大臣 かつては冷戦構造が存在をしたわけでございまして、米国とソビエト、この超両大国のパワーバランスがございました。その後、冷戦構造が崩壊をして米国一強と言われた時代もございましたが、近年、アジア太平洋地域を含むグローバルなパワーバランスの変化が起きているわけでございます。
 そしてまた、今委員が紹介をされましたように、北朝鮮は、日本の大半を射程に入れている数百発もの弾道ミサイルを配備しています。そして、それに載せる核兵器の開発を進めているという状況であります。
 そしてまた、自衛隊のスクランブルの回数は十年前と比べて七倍にふえておりますし、我が国周辺における中国軍やロシア軍の活動が大いに活発化しているのも事実でございます。
 また、東シナ海においては中国が公船による領海侵入を繰り返していますし、南シナ海においては、中国が活動を活発化し、大規模かつ急速な埋め立てを一方的に進行しているわけでございます。
 こうした中におきましては、まさに各国が協力をしていかなければならないわけであります。協力をしていくことによって、法の支配を確かなものとし、紛争を未然に防いでいく、そのための抑止力を確かなものとしていかなければならないと思います。
 また、アルジェリア、シリアそしてチュニジアで日本人がテロの犠牲となるなど、ISILを初めとして暴力的な過激主義が台頭しております。
 このような日本を取り巻く安全保障環境は、昭和四十七年に政府見解がまとめられたときから大きく変化をしているわけでありまして、今や脅威は容易に国境を越える時代になっている、であるからこそ、各国がお互いに協力し合う、自分の能力を生かして協力し合うことが求められているわけでありますし、そのことによって我が国はより安全になっていくということではないかと思います。
 例えば、日本のため公海上で警戒監視の任務に当たっている米艦が、米軍が武力攻撃を受けても、日本自身への武力攻撃がなければこれを守ることができない。我が国近隣で紛争が発生し、取り残された多数の邦人を米国の船舶が輸送している際に、その船舶に対して武力攻撃がなされても日本人を守ることはできない。また、PKO参加中に自衛隊の近傍で我が国のNGOが武装集団に襲われた場合でも、自衛隊は駆けつけて救援できないということであります。
 果たしてこれでいいのか。常に私たちは、日本国民の命、幸せな暮らしを守る、その義務の中において何をすべきか、何が可能かということを考え抜く責任があるわけであります。
 その中で、十分な時間をかけて党内で、そして与党内で議論を重ね、昨年七月の一日に閣議決定を行い、今般法律を提出させていただいたところでありますが、まさに切れ目のない対応を可能とし、そしてそのことによって国民の命と幸せな暮らしを守る、領土、領海、領空をしっかりと守り、未然に紛争を防ぐ、そのための法制でございます。
○今津委員 極めてわかりやすい御説明だったと思うんですね。
 自衛官のリスクにおいて随分語られておりますけれども、しかし、自衛官のリスクのことももちろん大切なことですけれども、何といっても、安全保障環境が極めて劇的に変わって、そのことによって我々日本人一人一人の国民の生命と存在が危うい、リスクが増大をしている、だから平和安全法制なんだということだと思います。
 しかも、大事なことは、一国のみで日本の国民を今守ることができないという事実であります。ガイドライン、アメリカとの新しい協定を改定いたしましたけれども、そのように、一国で守られない日本の国は、同盟国と力を合わせて日本を、国民を守っていく、そのために安全法制をきちっと整備しなければならないという御説明、よくわかったのであります。
 さて、合憲かどうかという議論も随分あるんですよね。憲法に違反するものを私どもが、あるいは政府が提案するわけがないのでありまして、ここできちっと総理のお考えを聞かせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○安倍内閣総理大臣 平和安全法制について、憲法との関係では、昭和四十七年の政府見解で示した憲法解釈の基本的論理は変わっていないわけであります。これは、砂川事件に関する最高裁判決の考え方と軌を一にするものであります。
 そこで、砂川判決とは何かということであります。この砂川判決とは、我が国が自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとり得ることは国家固有の権能の行使として当然のことと言わなければならない、つまり、明確に、必要な自衛の措置、自衛権について、これは合憲であるということを認めた、いわば憲法の番人としての最高裁の判断であります。
 そして、その中における必要な自衛の措置とは何か。これはまさに、その時々の世界の情勢、安全保障環境を十分に分析しながら、国民を守るために何が必要最小限度の中に入るのか、何が必要なのかということを我々は常に考え続けなければならないわけであります。そして、その中におきまして、昭和四十七年におきましてはあの政府の解釈があったわけでございます。
 今回、集団的自衛権を限定容認はいたしましたが、それはまさに砂川判決の言う自衛の措置に限られるわけであります。国民の命と平和な暮らしを守ることが目的であり、専ら他国の防衛を目的とするものではないわけでありまして、それは新たに決めた新三要件を読めば直ちにわかることであります。
 我が国の存立が脅かされ、これは我が国でありまして、米国でもなければ他のどの国でもないんです。我が国の存立が脅かされ、国民、これは日本国民です、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合であり、しかも、これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないときに限られるわけであります。それはつまり、外交手段をまずは当然とり、その外交的な努力を重ね重ねてもこれはもう防ぐことができないという段階になって初めて必要最小限度の武力の行使をする。
 今の文脈でもおわかりのとおり、まさに我が国自身の存立が危うくなっているときに、そのときこそ我々はまさに自衛の措置をとる。これは、最初に申し上げました砂川判決に書かれている国家固有の権能の行使である。国の存立が脅かされているというわけでありますから、まさに私は、憲法のこの基本的な解釈、憲法の基本的な論理、砂川判決の基本的な論理の中において我々は現在の安全保障状況を見ながら当てはめをした、常にこうしたことを、我々は常に努力を行うべきであって、考え抜かなければならない、こう思うわけであります。そして、繰り返しになりますが、行使する場合も、必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと、こうあるわけであります。
 このように、平和安全法制の考え方は砂川事件判決の考え方に沿ったものであり、判決の範囲内のものであります。この意味で、砂川事件の最高裁判決は、集団的自衛権の限定容認が合憲である根拠たり得るものであると考えているところでございます。
 そして、憲法の解釈を最終的に確定する権能を有する唯一の機関は最高裁判所であり、平和安全法制は、その考え方に沿った判決の範囲内のものであると考えております。
○今津委員 難しい言葉がたくさんあって、そしてやはり聞いていてもわからないところがあって国民の皆さん方も戸惑うと思うのですけれども、しかし、今のように丁寧に丁寧に、我々の方も国民の皆さん方にわかっていただく努力をします。私は、きっと御理解をいただけるものだと思っています。
 最後に、自衛隊の皆様方の安全についてお聞きをします。
 このように、パネルに出ているように、今度の法制で自衛隊の安全についてはあらゆる配慮をしております。
 私の尊敬するある自衛隊のOBの方から私に手紙がありましたから、御紹介を申し上げたいと思います。かなり長い手紙なんですけれども。
 自衛隊と他機能との違いは、まず、利潤を考慮しないという点で民間のガードマンなどと違います。自衛官は武器を持つという点で警察官や海上保安官などと同じですが、装備する武器は破壊力が大きく、護身用ではなく、国民と同僚を守るためのものです。また、危険を伴うことは消防員や警備員などと同じですが、危険が迫ったときには、危ない、退避ではなくて、自衛隊は、危ない、一歩前へ、これが自衛隊の精神です。わかりやすく言いかえるならば、見ず知らずの国民の生命や財産を守るため、代償を求めることなく、一つしかない命をかけるのが自衛隊員であると言うことができます。
 私は、自衛隊の皆様方のこのような、危険ではあるけれども、しかし、国家国民のために誇りを持って任務に当たっていく、その自衛隊の皆様方のお気持ち、大臣から一言いただきたいと思います。
○中谷国務大臣 自衛隊員の任務というのは、国を守る、国のリスクを下げ、そして国民の命と平和な暮らしを守り抜くことでありまして、今後ともこの任務には一切変わりがございません。
 これは、我が国有事は言うに及ばず、自衛隊員は、PKOや災害派遣などにおいても、これまでの任務で命がけのリスクを日ごろから負っております。きのうも、ジブチそして南スーダンから派遣隊員が帰ってまいりました。私、隊長から聞きましたけれども、やはりリスクというものは管理できるものでありまして、運用等においても極小化できる。
 例えば、海賊対処におきましても、防弾ガラスを張ったり、また指向性の拡声機で海賊を威圧したり、やはりこのような装備と情報、教育訓練、そして過去の事例等の教訓を生かしたルールづくり、こういうものでしっかりとリスクを管理して、運用で極小化をする。
 そして、法律においては、資料にもありますように、さまざまな形で隊員の安全管理に関する規定も設けておりますので、しっかりとこの法律を成立することによって、隊員が活動できる環境もつくりますが、先ほど今津委員が御指摘をしたように国全体のリスクを下げていくこと、これこそ自衛隊の任務でございまして、隊員の安全を確保しつつ、任務達成が行われるように、この平和安全法制によってしっかりと整備をして、確実に対処できるようにしてまいりたいと思っております。
○今津委員 安保法制懇の議論も閣議決定も、そして平和安全法制も全て、私は、尽きるところ、目的は、国民の平和と安全のために、そして日本国の名誉のためであると思います。
 総理以下、私どもも頑張ってまいりますので、ぜひこれからも、体に御注意をいただきながら、御健闘をお願い申し上げたいと思います。
 ありがとうございました。
○浜田委員長 次に、上田勇君。
○上田委員 おはようございます。公明党の上田勇でございます。
 きょうは、初めに、安倍内閣の外交、安全保障政策の基本方針、基本的な姿勢についてお伺いをしたいというふうに思います。
 地元で町の声を聞きますと、非常に残念なことではあるんですけれども、安倍内閣の外交や安保の政策というのが防衛、軍事面に偏っているのではないかというようなことを言う人が結構多いのが現実であります。
 国の平和、国民の安全を守る、今、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中で、適切な防衛力によって抑止を図るということは必要なことではありますけれども、それだけで不十分なことは当然のことであります。他国との間の紛争をやはり未然に防ぐための平素からの信頼を醸成しなければなりませんし、世界のいろいろな国々との対話、協力を強化もしていかなければなりません。また、国際社会の安定がなければいけないわけでありますので、経済開発であるとか人間の安全保障、そういった分野での協力といったことも、我が国の平和と安全のために必要不可欠なことであるというふうに考えております。そうした多角的なアプローチによって初めて、世界の平和そして日本の平和が達成をできるものだというふうに考えております。
 安倍内閣におきましては、ちょっとパネルを用意させていただきましたけれども、平成二十五年、おととしの年末に、安全保障政策の基本方針を定めた国家安全保障戦略を閣議決定いたしました。
 この戦略の策定に当たりましては、自民党、公明党の与党としても十分な協議を重ねてつくり上げてきたわけでありますけれども、この戦略というのは、我が国としては初めて策定したものとなりました。内外に日本の外交、安全保障の基本的な姿勢を明らかにして、透明性や予見性を高めることができた。そして同時に、国内の各種政策が相互に整合性を持って実行できる、そういう指針となった重要なものだというふうに考えております。戦略では、我が国の安全保障の基本理念を明らかにするとともに、安全保障環境の課題であるとか、我が国がとるべき戦略的なアプローチなどについても記述をされております。
 このパネルに示しました左側のところに戦略的なアプローチの要旨を示しておりますけれども、その中には、我が国の能力、役割の強化、拡大、あるいは日米同盟の強化、国際社会の平和と安定のためのパートナーとの外交、安全保障協力の強化、国際社会の平和と安定のための国際的努力への積極的寄与、地球規模課題解決のための普遍的価値を通じた協力の強化、国内基盤の強化と内外の理解促進、こういう六章立てを行いまして、内容としては、自衛隊が行う活動、それだけにとどまらず、安定した国際環境を創出して脅威を未然に防ぐ外交の強化、あるいは国連外交、軍縮・不拡散を主導していく、PKOへの参加やODAを通じた国際平和協力の推進、地球規模課題解決と人間の安全保障の実現、あるいは自由貿易体制の維持強化、そういった非軍事的な政策を含めた非常に広い分野にわたっての方針が示されております。
 今この委員会で議論されております法制整備は、そのうちの主として自衛隊が行う活動を可能にするための必要なものだというふうに理解をいたしております。
 そこで、お伺いいたしますが、安倍内閣は、防衛力による抑止の役割を認識はしつつも、防衛、軍事に偏重することなく、戦略に示された幅広い分野にわたる多角的なアプローチが必要であるとの認識に立って外交、安全保障政策を展開しているものだというふうに考えておりますけれども、総理の御見解を伺いたいというふうに思います。
○安倍内閣総理大臣 今、上田委員に御紹介をいただきましたように、安倍内閣としては、国家安全保障戦略を策定しまして、国の基本的な安全保障、外交の考え方を内外に示すことによって透明性を上げ、日本が何をやろうとしているかということについて理解していただくということでございます。
 私も、海外に出張した際あるいは海外の首脳が日本を訪問した際においては、今我々が進めようとしている積極的平和主義のもとにおける外交について説明をして、支持や理解をいただいているところでございます。
 この国家安全保障戦略におきましては、まさに自衛隊、日米同盟等を活用した部分もございますが、未然に紛争を防いでいく、これも大きなポイントでございまして、我々はそこにも重点を置いています。
 紛争の種をあらかじめ除去していく。例えば、過激主義が台頭する中において、その温床となっている貧困を除去していく、また教育の問題、やはり中庸が第一であるということも尊重しながら、教育において人材を育成していくということではないだろうかと思っております。
 我が国自体が、七十年前、国土が灰じんに帰し、しかし、その後多くの国々の支援によって今日の経済大国の今の状況を享受しているわけでありますが、同時に、そうなったことによって、世界に私たちは、また国連の活動においてもそうですが、貢献する立場になっている。
 我々もこれからそうした支援をすることによって、多くの国にそうした立場に回れるような国になっていただくことによって世界はよりよい世界に変わっていく、こう考えているわけでございまして、力強い外交の推進を初め、国際社会における民主化支援、法制度整備支援、人権分野での支援や開発途上国の人材育成、そして双方向の青少年の交流の拡大など、多角的なアプローチを掲げているわけでございます。
 そうした多角的なアプローチによって、我々は、紛争を未然に防ぐだけではなくて、途上国も含め、不安定な地域がより未来に向かって歩みを進めていけるような状態にするためにも、しっかりとその役割を果たしていきたい、そのことによって日本もより平和で安定そして繁栄した国となっていく、このように考えているところでございます。
○上田委員 やはり外交、安全保障政策の基本というのは、紛争にならない、それを未然に防いでいくということが第一義だというふうに思います。防衛力による抑止力というのも本来それが目的なわけでありますので。ただ、やはりそれだけでは、今世界を見渡したときに、世界の安定、平和というのは実現できない、この戦略に示されているような多角的なアプローチが必要だというふうに考えております。
 このパネルの右側の欄には、今申し上げました戦略の基本理念の中の抜粋を表示しております。そこに書かれているのは、「我が国は、戦後一貫して平和国家としての道を歩んできた。専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならず、非核三原則を守るとの基本方針を堅持してきた。」若干中略をいたしますが、「平和国家としての歩みを引き続き堅持し、」「国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、」「国際社会の平和と安定及び繁栄の確保にこれまで以上に積極的に寄与していく。」これが基本理念として明示をされております。
 これが安倍内閣の外交、安全保障政策の基本的な姿勢であるというふうに理解をしておりますけれども、総理のお考えを伺いたいというふうに思います。また、今論議されている法案もこの理念に合致していると考えておられるのか、総理の御見解をあわせて伺いたいというふうに思います。
○安倍内閣総理大臣 今、上田委員が指摘をしていただいたように、我が国は、戦後一貫して平和国家としての道を歩み、そして専守防衛に徹し、他国に対して脅威を与えるような軍事国家とはならず、非核三原則を堅持してまいりました。この平和国家としての歩みは、これからも決して変わることはありません。
 同時に、我が国を取り巻く安全保障環境は大きく変わっております。大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散、アルジェリア、シリア、チュニジアでの邦人テロ事件を初めとしたテロの脅威など、ますます厳しさを増しています。そして、脅威は容易に国境を越えてやってくるわけでありまして、もはやどの国も一国のみでは自国の平和と安全を守ることはできない時代になりました。
 その中で我が国の平和と安全を守るためには、アジア太平洋地域の平和と安全、安定を確保し、さらには国際社会の平和と安定を確保しなければならないということであります。それはまさに、未然に紛争を防ぐ、紛争の種を未然に除去していくということも極めて重要であります。
 そのために、我が国は地域と国際社会の平和と安定にこれまで以上に積極的に貢献をしていく必要があるということでありまして、これが国際協調主義に基づく積極的平和主義であり、我が国の国家安全保障の基本理念であります。
 そして、今般の平和安全法制についてでございますが、このような理念に基づいて日本の平和と国民の幸せな暮らしをさらに確かなものにするためのものでありまして、国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、国際社会の平和と安定及び繁栄の確保にこれまで以上に積極的に貢献をしていく、その結果、日本の平和と安全と繁栄が維持されるというものでございます。
○上田委員 やはりこれまで我が国が平和国家として歩んできた道というのは、世界各国からも非常に高く評価をされているし、信頼を得る根拠となっていると理解をいたしております。
 したがって、今の基本理念にのっとって、これからも我が国としては平和国家としての歩みをしっかりと進んでいかなければいけないというふうに考えております。
 今読み上げました中に、「専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならず、」というふうにありました。法制上のことは今回の法改正も含めて遵守されているというふうに考えておりますが、さらに防衛力という観点からは、従来から、攻撃的な兵器というのは憲法上持てないし持たないという物的な形で担保もしてまいりました。
 これまでの国会答弁では、さまざまな方から、例えば長距離弾道弾であるとか長距離の爆撃機であるとか空母等は、他国に脅威を与える、そういう可能性がある、だから保有しないという方針を示してまいりました。今後もこの方針に変わりはないのか、御見解を伺いたいというふうに思います。
○中谷国務大臣 昨年の七月一日の閣議決定におきましても、委員が言われるような原則につきましては明記をしているわけでございます。
 今回の法整備におきましても、憲法の精神にのっとった、受動的な防衛戦略の姿勢であるこの専守防衛は、我が国の防衛方針の基本的な方針となるために、いささかも変わることはございません。
 したがいまして、政府として、従来から、性能上専ら相手国の国土の破滅的な破壊のためのみに用いられるいわゆる攻撃的兵器を保有することは、直ちに自衛のための必要最小限度の範囲を超えることとなるために、例えばICBM、長距離戦略爆撃機、攻撃型空母の保有はいかなる場合にも許されないと考えてきておりまして、このような考え方に一切変更はございません。
○上田委員 ありがとうございます。
 もちろん、こういう法制上の担保と同時に、やはり形の上でもそういう平和国家であるという姿勢を示すことが国際社会に対する信頼に役立つものだというふうに思いますので、ぜひ引き続きよろしくお願いをいたします。
 次に、機雷の除去の問題について、ちょっとお伺いをしたいというふうに思います。本委員会の質疑で、公海上等での自衛隊による機雷の除去への対応がたびたび取り上げられておりますので、この点について若干お伺いしたいというふうに思います。
 過去にも自衛隊は、一九九一年、湾岸戦争停戦後に海上自衛隊の掃海部隊を派遣して、アメリカ、イギリス、フランスなどの欧州各国、あるいはサウジアラビアなどと協力をいたしまして、三十四個の機雷を処分しているというふうに伺っております。そのとき派遣をした根拠というのは、自衛隊法八十四条の二を、当時は法改正の前で九十九条ということでありましたけれども、根拠として派遣された。これは、我が国を含む船舶の安全の確保を目的とした、いわば危険なものを取り除くという一種の警察行動という位置づけで、武力の行使に当たらないとの考えに基づいて行われたというふうに理解をしていますし、政府もそのように説明をしてきております。
 先日、中谷大臣は、実際この機雷を除去するオペレーションにおいては、掃海部隊というのは防御能力が低いから、戦闘行為が行われているような状況下では能力の面から実施できないということを御説明いただきました。したがって、この除去作業の間というのは、戦闘が行われていない状態または予想されない状態である、すなわち停戦となっている状況下でしか実際には実施できないということだろうというふうに理解をいたしました。
 そうなると、そのシチュエーションというのは九一年のときとどこが違うのかな。わかりづらい面があります。九一年のときには、武力の行使に当たらない一種の警察行動というふうに位置づけられたのに、今までの議論を聞いていますと、武力の行使に当たる可能性があるんじゃないかというようなことがたびたび議論に出てくるので、それが少しわかりづらいのではないかというふうに思います。今後想定される事態に対しても、自衛隊法八十四条の二に基づいて対応できるのではないだろうか。
 法的な側面と実際のオペレーションの面から、ひとつわかりやすくこの違いを御説明いただきたいというふうに思います。
○中谷国務大臣 九一年の、湾岸戦争後に海上自衛隊がペルシャ湾で除去した機雷は、正式停戦が成立した後、海上に遺棄されたものとして認められたということでありますので、武力行使には当たらずに、御指摘のとおり、一種の警察活動としての機雷の除去として実施が可能になりました。
 しかし、停戦合意がいまだされずに、この機雷の除去が国際法上武力の行使に当たると解釈される段階であって、今回、法律の中で、存立危機事態において新三要件を満たす場合におきましては機雷の除去を実施することが可能になるわけでございます。
 この機雷の実施作業は、地雷の処理と同じく、どこに埋められたかわからない、どこの海底にあるかわからない、それを探し出して一つ一つ処理をする非常に地道な作業です。また、一回の通過で破裂する機雷ではなくて、二、三回通った後爆発する機雷もありまして、非常に最近変わってきた作業で、非常に地道な作業であります。
 掃海艦艇というのは外部からの攻撃には非常に脆弱でありまして、戦闘が現に継続しているような現場におきましては掃海活動を円滑に行うことができないという、この点は、一種の警察活動としての機雷の除去でありましても、武力の行使に当たる機雷の除去であっても、変わるものではないということでございます。
○上田委員 もう時間がないので、本当はもう少し議論したいところでございますけれども、普通に考えると、正式な停戦が結ばれる前であったとしても、実質停戦であれば、危険なものを取り除くという意味において、九一年に実施をしたものとそう変わることではないんじゃないのかなという感じを受けます。そうなると、武力の行使ではなく一種の警察行動とも言えるのではないかというふうに思うんですが、しかし、今御説明で、国際法上の分類とか評価を厳格にするとそうなるということでございました。
 どうも、いきなり武力の行使に当たる場合もあるということになると、その辺、実質停戦になっていない段階でも行うことがあり得るのかなという疑念を抱くんじゃないかと思うんですね。だから、その辺をもう少し丁寧に御説明を今後いただければというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。
 時間ですので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
○浜田委員長 次に、岡田克也君。
○岡田委員 民主党の岡田克也です。
 本題に入る前に、いろいろな各種の世論調査がございます。それぞれ調査によって少しの差はありますが、おおむね八割ぐらいの国民が政府の説明は不十分だというふうに答えています。それから、半分以上の方々が、この法案に反対だ、あるいはこの国会で成立させることに慎重な意見を述べておられます。
 今こういう状況にあることについて、総理はどういうふうにお感じでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 私も、世論調査等において、まだ十分に政府は説明を果たしていないという御意見の方が多い、あるいは国会での議論が不十分であるという御意見が多いということは十分に承知をしております。
 その中におきまして、私どもは、国会の会期、過去最大幅の会期の延長をいたしまして、じっくりと国会で議論をしていく、十分な審議の時間をとったところでございまして、こうした国会また委員会での議論を通して国民の皆様に御説明をしていきたい。また、国会の議論だけではなくて、与党において、また自民党において、各地域において説明会を開催していくということも通じて、さらに理解を深めていきたいと思います。
 そうした説明の機会をいただければ必ずや御理解がふえていくのではないか、御理解をいただけるのではないか、このように考えているところでございます。
○岡田委員 総理から、十分な議論の時間、審議の時間をというお話をいただきました。私もそれは非常に大事なことだというふうに思います。この委員会での議論も十分に行って、国民の理解、どういう理解かはともかくとして、国民の理解を得られるようにしていかなければならないと私も思っています。
 そこで大事なことは、審議時間が何十時間たったから採決しますよということではなくて、やはり国民がどれだけ理解したかということでその適否を決めていくべきである、そういうふうに私は基本的に考えるわけですけれども、そこは総理、御同意いただけますか。
○安倍内閣総理大臣 今まで、さまざまな国の判断あるいは議会の判断がございました。そのたびごとに、残念ながら国民の支持が十分でなかったものもございます。典型例が、六〇年の安保改定もそうではなかったかと思いますし、またPKO法案が成立をしたときもそうではなかったかと思います。しかし、今ではそれぞれが十分に国民的な理解を得ている。法案が実際に実施される中において、これはやはり国民のためのものなんだなという理解が広がっていくという側面もあるわけでございます。
 政治家は、いわば国民の代表としてこの議会で有権者を代表して議論を闘わすわけでありまして、そしてそれぞれの見識において、どこかの時点で議論が尽くされたという判断を委員会においてあるいは議会においてなされれば、決めるときには決めるということになるのではないかと思います。
○岡田委員 ぜひ、内容のある議論をしていきたいと思います。私も今回、中身をかなり事前にお知らせして、そして議論したいというふうに考えているわけです。
 そして、国民の安全と平和な暮らしを守る、ここは共通の認識ですね。私たちは、日米同盟は重要である、強くそういうことを考えているわけです。ですから、そういう前提の中で、しかし政府のおっしゃることにさまざま問題があるし、もちろん違憲の問題も含めてありますので、一つ一つしっかりと議論していきたいと思います。
 その第一ですけれども、前回、党首討論で申し上げました重要影響事態と存立危機事態の違いです。重要影響事態、我が国の平和、安全に重要な影響を与える事態、ここから存立危機事態、我が国の存立が脅かされ国民の権利が根底から覆される明白な危険がある事態に移行する一番のポイントは何なのか。前者は米軍等に対する後方支援、後者は我が国自身の武力行使、大きな違いがあるわけです。
 今までの総理の御答弁を見ていても、その判断基準、これは五月の答弁をそれぞれ引きましたけれども、重要影響事態と存立危機事態でほとんど同じですよね。この赤字で書いたところだけが違う。重要影響事態は後方支援ということになりますから、その前提となる米軍等の活動というものが一つ入っておりますけれども、そのほかのところは一緒ですよ。
 だから、同じ配慮要因、考慮要因の中で、では一体何が違うのか。日本のすることは決定的に違います、後方支援と武力行使ですから。そこをわかりやすく総理に説明していただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 今、岡田委員が指摘されたように、重要影響事態と存立事態。重要影響事態については、後方支援をするわけでありまして、武力行使はしない。存立危機事態については、まさに我が国の生存そして国民を守るために武力行使をする。これは大きな違いがあるわけであります。
 この重要影響事態と存立危機事態の両者は、異なる法律上の概念として、それぞれの法律に定める要件に基づいて該当するか否かを個別に判断するものでありますが、我が国にどれくらいの戦禍が及ぶ可能性があるのか、そして国民がこうむることとなる被害はどの程度なのかといった尺度は共通するわけでありますが、存立危機事態は概念上は重要影響事態に包含されるものであります。したがって、事態の推移により重要影響事態が存立危機事態の要件をも満たし、存立危機事態が認定されることもあり得るということは、今までの委員会でも何回か答弁をしてきたとおりでございます。
 どのような状況がこのような場合に当たるかは一概に申し上げることは困難でありますが、その一例をあえて申し上げるといたしますと、我が国の近隣で武力紛争が差し迫っている状況で、米軍も事態の拡大を抑制し、その収拾を図るために活動をしている、我が国も重要影響事態法のもとで対応措置を行っていたが、状況がさらに悪化し、我が国と密接な関係にある他国、例えば米国に対する武力攻撃が発生した。
 さらに、その時点ではまだ我が国に対する武力攻撃が発生したとは認定されないものの、攻撃国は我が国をも射程に捉える相当数の弾道ミサイルを保有しており、その言動などから我が国に対する武力攻撃の発生が差し迫っている状況にある。
 当該他国の弾道ミサイル攻撃から我が国を守りこれに反撃する能力を持つ同盟国である米国の艦艇への武力攻撃を早急にとめずに、我が国に対する武力攻撃の発生を待って対処するのでは、弾道ミサイルによる第一撃によって取り返しのつかない甚大な被害をこうむることになる明らかな危険がある。
 このような場合であれば、いわば重要影響事態からさらには存立危機事態に認定されていくということになるわけであります。
○岡田委員 やはり存立危機事態の定義が甘いんだと思うんですよ。我が国の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される、非常にわかりにくいですよね。しかも、明白な危険がある事態。
 私は、武力行使の要件でなければ政府の判断には多少の幅があっていいと思います。だけれども、武力行使するかしないかでしょう。そのことによって国民の権利が守られる部分もあるかもしれませんが、例えば反撃を食ったり、命が失われたりするリスクもあるわけです。これは重大な判断ですよね。それを基本的に政府に白紙委任する、そういう結果になるんじゃないか。いろいろな抽象的な要素は書かれていますけれども、あるいは発言されていますけれども、最後はいろいろな情報を総合して政府が判断するんだというふうにも答弁されていますから、私はやはり、武力行使のあるいは防衛出動の要件としては甘過ぎる、もっと明確にならなければならない、そういうふうに思っております。
 そこで、今、総理、具体例を挙げられました。随分長くお話しになったので、党首討論のときにも総理は同様の例を挙げて御説明いただきました。
 あのとき総理が言われたのは、既に日本の同盟国、例えばアメリカが周辺有事でどこかの国と戦闘が始まっている、そのときにそのある国が、あえてある国と言いますが、ある国が東京を火の海にするなどの発言をどんどんエスカレートさせる、さまざまな状況、日本に対してミサイル攻撃するかもしれないという状況が発生している、その中において米艦船が攻撃される、こういう具体例を挙げられました。
 今言われた例とほとんど同じだと思うんですけれども、この御説明を聞いて私よくわからないのは、どこまでいったら存立危機事態と認定して防衛出動するんですかということをお聞きしたいと思うんですね。
 大きく言って三つあると思うんです。一つは、米国がその国と戦闘に入った、こういう時点です。もう一つは、総理のおっしゃる、さまざまな状況、日本に対してミサイル攻撃をするかもしれないという差し迫った状況が発生している、これが第二点。第三点は、米艦が攻撃を受ける。この一、二、三の中のどこで存立危機事態だと認定し、防衛出動されるんでしょうか。これは基本的な問題なので、ぜひお聞かせください。
○安倍内閣総理大臣 重要影響事態という中においては、まさに例えば近隣国の中において紛争が発生し、その中で米軍あるいは米軍を含む他国の軍隊がこの対応に当たっているという状況の中において、そこで我々も重要影響事態の中において後方支援をしているということであります。
 そこで、しかし、その中において、単に米国に対しての武力攻撃、そもそも武力攻撃が発生しているという中において、我々は、例えば米国に対しての武力攻撃が発生している中において後方支援をしている状況において、いきなり存立危機事態にはなっていない中において重要影響事態と認定しているわけであります。もちろん、そのまま放置すれば我が国にも重大な戦禍が及んでくる危険性等もあるという中において後方支援をしていくわけでございますが、いわば存立危機事態については、これは何回も申し上げておりますように、三要件に当てはまっていく理由が必要でございます。
 三要件というのはすなわち、我が国の存立が脅かされなければならないわけでありまして、そして国民の生命や自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があることというのがあるわけでございます。それがまさに判定の基準でありますし、その中で、例えば、先ほど申し上げましたように、相手国が東京も火の海にすると既に言っているという状況があります。そして、例えばその中で、彼らの態勢、日本に直接攻撃を加えようとしているという態勢がある程度さまざまな状況から情報として入っているという状況もあるわけでございます。
 こういうことは、まさにこれは日本の手のうちを今明かしているわけでありますから、手のうちを明かしているわけでありますから余り詳細に申し上げることは控えさせていただきたいとは思うわけでありますが、しかし、わかりやすく説明をしなければならないということにおいて、たびたび、ではほかの例、ほかの例と言われても、それはそれほど説明するわけにはいきません。
 しかし、そこで米国の艦船がミサイル防衛において重要な役割を果たしているという中において、その艦艇が攻撃されるということについては、まさにこれは我が国に対する攻撃のための攻撃となる可能性というのは十二分にあるわけで、我が国を攻撃する上における米国に対する攻撃、つまり、我が国を攻撃する上においては、我が国が攻撃されれば日米で共同対処をします、共同対処をするわけでありますから、一緒に行動する米軍の力をあらかじめそいでおく、あるいはまたイージス機能を落としておく、そういう作戦上の可能性というのは十分にあるわけでありますから、そこで判断をするわけであります。
 しかし、その判断はもちろん、そのときの政府が総合的に最終的には判断するわけであります。いわば法律事項において自動的に決められるということではもちろんないんです。さまざまなことを総合的に判断しなければならないわけでありますから、しっかりと政府がそういう高い情報収集力と判断する能力を持たなければならないわけでありまして、幾ら法律をちゃんとつくっても、能力のない政府であれば……(発言する者あり)
○浜田委員長 静粛に願います。
○安倍内閣総理大臣 ちゃんとした法律を用意しておいても、能力のない政府であっては当然正しい判断はできない、残念ながらそれはできないわけであります。いずれにせよ、ですから、法律を正しく活用しながら状況を正しく分析し判断するということが時の政府には当然求められるわけでありますが、その中においてこの三要件に当てはまるかどうかということに全てかかっているのではないか、このように思います。
 それではわかりにくいとか、そういう批判をする方がおられますが、世界じゅうで、細かく、これで、これで、これで、こういう状況であれば武力行使をするなんということを決めている国はあり得ませんよ。もちろん、ルール・オブ・エンゲージメントというものはありますよ。でも、その中においてまさに最終的な政府の判断を具体的に全て判断して、これでなければだめだということというのは基本的にはない。しかも、個別の想定される相手との関係においてそれを定めている国というのは、相手を定めてそんなことを決めている国というのは基本的にはないんだろう、このように思います。
○岡田委員 総理、私も時間がありますので、もう少し端的にお話ししていただきたいと思うんですね。やはり、頭の中をちょっと整理していただきたいんですよ。
 一番目の話、先ほど言った一、二、三の一ではないということはわかりましたが、二か三かと私は聞いているんですね。だから、我が国に対してミサイルが飛んでくるかもしれないという状況が発生している、そこで存立危機事態と認定して防衛出動をするのか、その段階ではまだできなくて、実際に米艦が襲われたときに存立危機事態で防衛出動するのか、どちらなんですかと。
 これは考え方の問題ですから、事前に言えないとか、そういう話じゃないです。お役所に十分レクを受けてください、それはもう決まっているはずですから。考え方として、ぜひお答えください。
○安倍内閣総理大臣 それはもう既に何回も御説明をしているとおりであって、まさに第一要件の中にあるように、我が国か、我が国と密接な関係にある他国に武力攻撃が起こらなければ当然何もできません。それは第一要件で明らかなんですよ。
 つまり、武力攻撃が発生して初めて、ですから武力攻撃が発生していないときに、さっき申し上げたような、ある国が日本を火の海にしてやると、そして攻撃する態勢をとっていたとしても、これは切迫事態にはなるかもしれませんが、武力攻撃は発生していませんから、個別的であれ集団的であれ自衛権を行使することはできない。これは着手ではありませんから、切迫事態でありますが、まさに我々は自衛権を行使することはできない、このように考えております。
○岡田委員 私が聞いているのは、第一要件、国の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険、これは、相手の国のリーダーの言動あるいは準備の状況などを見て、ミサイルが我が国に飛んでくる可能性がある、そのことをもって国の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆されると考えるのか。いや、それではまだその要件は満たしていないと。実際に日本を守っている米艦が攻撃を受けるというときに初めてこの第一要件に該当するのか。どちらなんですかということを聞いているわけです。
 明確にお答えください。
○安倍内閣総理大臣 もう既に明確にお答えをしていると思いますが。
 まず最初に前提として、我が国か、我が国と密接に関係のある他国に武力攻撃が発生しなければならない。その上において、今申し上げましたように、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があって、そしてこれを排除するために、国の存立を全うし国民を守るために他に手段がないということを確かめなければいけないわけでありまして、外交的手段等も尽くしたのかということも問われるわけでございます。その上において必要最小限度の実力行使にとどまるべきことと書いてあるわけでありまして、この三つとも満たさなければ武力行使はできないということになるわけであります。
 ですから、これが常に三つとも満たされているかどうかということになるわけでありまして、一つでも欠けたらこれはこの法律上できないということになるわけであります。一つでも欠けてはならないということになるわけであります。
○岡田委員 形式論を聞いているんじゃないんです。具体的な事例で、総理自身が挙げられた事例ですよ、これは。だから、総理大臣として、どこで存立危機事態だとして防衛出動するんですかということを聞いているわけです。
 三段階あると申し上げました。一段階は米軍がどこかと戦っている、この段階ではないようだ。しかし、二番目の段階なのか、三番目の段階なのかということを総理は全くお答えにならない。これは一番基本的なところですよ、議論のスタートですよ。それを総理がきちんとお答えになって初めていろいろな議論が展開できるわけですよ、我々の考え方も御披露できますよ。そこをきちんとお答えにならなかったら、国民にわかるはずないじゃないですか。
○安倍内閣総理大臣 まず、近隣諸国で紛争が起こり、この対応に当たっている米軍との関係において、そこで米軍に武力攻撃が発生したとしても直ちに存立事態になるわけではないわけでありまして、ここでは重要影響事態において我々は後方支援をしている。しかし、その中において先ほど申し上げたようなことが生起してくる。例えば、東京を火の海にすると。そして、さまざまな情報において、我が国に対するミサイル攻撃を準備している可能性があるという状況が発生してきます。
 そういう言動等、あるいは彼らが持っている海軍力をある点に結集し始めているということになれば、これは例えば切迫事態になりますから、防衛出動が可能になってくるわけであります。この段階で切迫事態として防衛出動が可能になりますが、武力攻撃はまだ発生しておりませんから武力行使はできないということになるわけであります。
 そこで、いよいよ実際に、ミサイルの発射を警戒している米軍の艦艇に対して艦上ミサイル、艦対艦ミサイルが発射されたという段階において、例えばその艦対艦ミサイルを我が国のイージス艦は能力上撃沈する能力があるという段階において発射された、そして今までの態様、進展ぶり、彼らの発言等からすれば、これを撃沈した後に攻撃がこちらに向いてくる、そしていわばミサイル防衛体制、日本のミサイル防衛の能力の一角を崩そうとしているという可能性というのはあるわけでありますから、そのときにおいては国の存立が危うくなったという判断をすることもあり得る。これは限定的ではありませんけれども、総合的判断をしなければなりませんが、そういうこともあり得るということではないか、このように思います。
○岡田委員 今の御説明だと、二番目だけじゃだめで、三番目、実際に攻撃されたかどうかはともかくとして、攻撃される、そういう状況になったときに存立危機事態を認定して防衛出動する、こういうお話だったと私は理解しました。
 しかし、それでは間に合わないですよね。それから存立危機事態を認定して防衛出動するんですか。間に合いませんよね。向こうがミサイルを撃ってくるときにそういう手続をしていて自衛隊が防衛出動する、それは論理的に成り立たない説明をしておられると私は思います。
 いずれにしても、ほかにもやるべきことがありますので、きょうはこの辺にしてまた次回やりたいと思いますが、基本的なことなので、しっかりと国民にわかりやすく説明していただきたいと思います。
 次に行きます。(パネルを示す)この「新三要件と旧三要件」で、それぞれあるわけですけれども、これは法制局長官にお聞きしたいと思っております。
 旧三要件のときの第三要件、必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと、これは何に対して必要最小限度かといえば、それは第一要件である我が国に対する急迫不正の侵害がある、これを排除するための必要最小限だというふうに私は理解しております。新三要件についても、これは赤で書いたところですね、存立事態、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある、この状況を排除するための必要最小限がこの第三要件の意味だというふうに理解しておりますが、それでよろしいですね。
○横畠政府特別補佐人 御指摘のとおりでございます。
○岡田委員 そういうふうに考えますと、例えばホルムズ海峡の例を挙げたいと思うんですけれども、ホルムズ海峡でこの新三要件、まず第一要件、私はこういうことはないと思いますが、国民の生死にかかわるような深刻、重大な影響が油がとまることによって起きている、そういうことがあると政府は御説明になっているわけですね。この第一要件を満たしたときに、第二要件、第三要件。第三要件で必要最小限の実力行使ということですから、波静かなときにその機雷を排除する、掃海する。これが、政府の言っておられるホルムズ海峡における限定的な集団的自衛権の行使です。
 私がお聞きしたいのは、この第一要件、今言ったような国民の生死にかかわるような深刻、重大な影響が生じている場合に、もし波静かでなかったらどうなんですか。波静かでなくて、まだ戦闘が時々起きているような状況。そのときの必要最小限というのは、必要最小限を満たしていないということじゃなくて、第一要件がもう既に起きているわけですから、それを排除するための第三要件ということで、必要最小限度のそういった排除行動、戦闘行為の排除行動もしながら機雷を除去するということも憲法上は可能である、この新三要件のもとで可能である。そういう考え方でよろしいですね、法制局長官。
○横畠政府特別補佐人 いわゆるホルムズ海峡の機雷の問題でございますけれども、どのような状況を私自身として考えているかといいますと、まず、そのような機雷の敷設というのが、我が国に対する武力攻撃の意図があるならば、それはまさに我が国に対する武力攻撃そのものになり得るんだというのが前提でございます。もしそうであるとするならば、それを放置するのであればまさに国民の生死にかかわるような深刻、重大な被害が生じて、他に手段がなく、まさに座して自滅を待つということになるのであれば、それは他国の領海に敷設されたものであるとしても、これまで申し上げている誘導弾等の基地をたたく場合と同じことになるということで、個別的自衛権の発動によってその機雷を処理するということはあり得るだろう。
 ただし、あくまでも必要最小限ということでございまして、いわゆる海外派兵をしないという原則がありますので、本格的な戦闘まで及ぶということは、個別的自衛権の場合でもそこまではできないという解釈をしているわけでございます。そのことは、まさに自国を守るために限定した今般の集団的自衛権というものを行使する場合も同様であろうということを申し上げているわけでございます。
○岡田委員 いや、長官、ごまかさないでくださいよ。私、個別的自衛権の話は全くしていませんから。
 今まで政府が御説明になっている集団的自衛権行使のとき、つまりホルムズ海峡に機雷がばらまかれた、それは別に日本をターゲットにしたものではない、しかし日本のタンカーが現実に通れない、そういう状況のもとでそれを排除することはできる。それは波静かなときにできるということは今までるる説明されていますが、波静かでなくても、実際やるかどうかは別ですよ、しかし憲法上はできるというような答えじゃないですか。ごまかさないでくださいよ。
 総理も今までの答弁の中でそういうことは言っておられますよ。戦闘行為が行われる中では事実上オペレーションできない、事実上できないとおっしゃっているんですね。これは憲法の問題ではなくて、憲法との関係ではなく政策的な判断であると、五月二十七日、松野さんの質問に対してお答えになっています。
 つまり、憲法上は可能なんです。政策的にやるかどうかは別です。法制局長官、どうですか。個別的自衛権の話じゃないですからね。
○横畠政府特別補佐人 今パネルでお示しいただいています第三要件の必要最小限度といいますのは、先ほどお答えしたとおり、新三要件のもとにおきましても我が国を守るため、国民を守るための必要最小限度ということで、個別的自衛権を発動する場合と変わっていないのでございます。
 すなわち、先ほどホルムズ海峡の機雷の例を我が国に対する武力攻撃と認定できる場合には個別的自衛権を発動すると申し上げましたけれども、その認定ができないときでも、実際に我が国に対する武力攻撃が発生した場合とまさに同様な深刻、重大な被害が生じている、そういう状況なのでございます。そのときには、国際法上は集団的自衛権と言われるものでございますけれども、一定の必要最小限度の武力の行使というのがあり得るということを申し上げているわけでございます。
 そこで、その必要最小限ということでございますけれども、我が国が武力攻撃を受けているときですら、まさに本格的な戦闘まではいたしません、他国の領域に入っていくのは例外中の例外で、まさに他に手段がない、本当に他に手段がないという場合に限るんだということを申し上げているわけでございまして、そのことは、自国防衛にまさに限るというこの新三要件のもとでの、いわゆる国際法上は集団的自衛権の行使として正当化される武力の行使であっても、全く同じであるということを申し上げているわけでございます。
○岡田委員 私の論理的な説明に対してちゃんとお答えになっていないですよね。
 この赤い字で書いたところ、例えば政府の説明だと国民の生死にかかわるような深刻、重大な影響が生じている事態、そういう事態が現にあるときに、波静かなときはその機雷を静かに除去するということですが、波静かでないときだってそういう国民の生死がかかっているような状態であれば、そしてそれが個別的自衛権では説明できない、そういう事態であれば、当然、憲法上は、戦闘を排除し、例えば制空権を確保して機雷を除去するということは憲法上できますねという質問なんです。総理、どうですか。
○安倍内閣総理大臣 今委員がおっしゃった例えば制空権を確保してということにおいて、いわば我が国の戦闘機等々が相手の領土に行って基地を攻撃している、こういうことはまさに必要最小限度を超えることになるのではないか。正確には法制局長官に答弁をしていただきたいと思うわけであります。
 基本的に、いわば制空権を支配するという目的を持って部隊を送ってそうした施設を壊滅するということについては、従来から申し上げております一般に海外派兵は禁じられているということに当たる可能性があるのではないか。もし必要であれば、詳しくは法制局長官から答弁をしていただきたい、こう思うところでございます。
 その上において申し上げれば、先ほど既に御紹介をいただいているように、そこで機雷を掃海するということについてはまさに限定的、受動的な行為でもあるという中において、三要件に当てはまればこれは一般に認められていない海外派兵の例外に当たる、こう申し上げているわけであります。そして当然それは受動的、限定的なものになるわけでありまして、受動的、限定的になるわけでありますから、いわば事実上受動的、限定的になる中において、であるにもかかわらず相手の領空に行って空爆を行って施設を破壊していくということについては、その前の段階で既に一般に認められていない海外派兵に当たる可能性は高いのではないか、こう思うわけでございまして、法制局長官からこの点については答弁をいただきたい。
 どの道、政策判断としては、事実上の停戦合意が行われていないところにおいて、そこに木やプラスチックでできている攻撃能力のない掃海艇を送ることは事実上考えられないということは繰り返し申し上げているとおりでございます。
○岡田委員 総理、政策判断の話を聞いているんじゃないんです。政策判断は総理大臣がかわったら変わるじゃないですか、状況が変わったら変わるじゃないですか。大事なのは憲法上どうなのかということでしょう。
 先ほど必要最小限を超えるとおっしゃいましたが、最初に私が説明したように、必要最小限というのは、第一要件、これのための必要最小限なんですから、だから超えないんですよ。ほかに手段がなければ必要最小限の範囲に入っちゃうんですよ。そのことを、もうこれ以上やっても仕方がありませんから、次回またやりたいと思いますが、長官にはぜひお願いしておきたいんですけれども、やはり法制局長官、日本国政府の法律解釈の最後のとりでです。ですから、誠意を持ってしっかりと、ごまかさずにお答えいただきたいというふうに思います。
 次に、もう時間もありませんが、日韓関係について総理にお聞きしたいと思います。
 ことしは日韓基本条約五十年という非常に重要な区切りの年ですけれども、総理は朝鮮半島における植民地支配ということについてどういうふうに基本的にお考えになっているのか。例えば朝鮮総督府における統治とか、それから参政権の制限とか日本語の強制とか、あるいは、これは全てではありませんが創氏改名とか国家神道の普及とか、非常に自由を制限され、そして歴史と伝統のある国家である朝鮮半島の例えば韓国が非常に大きな制限のもとに置かれた。
 総理は朝鮮半島の植民地支配についてどうお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 安倍政権としては、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいるわけでありまして、今後も引き継いでいく考えであります。
 そして、戦前のさまざまな出来事、日韓間の出来事につきましては、一九六五年の日韓基本条約で完全かつ最終的に解決しているものと認識をしておりまして、安倍内閣として植民地支配を否定したことは一度もないわけでありまして、また、累次申し上げてまいりましたように、基本的には歴史の個々の問題につきましては歴史家に任せるべきであろう、このように考えております。
○岡田委員 植民地支配については、村山談話、小泉談話、小渕総理と金大中大統領との日韓共同宣言、あるいは北朝鮮との平壌宣言、それぞれ触れられていることですね。だから、否定したことはないという言い方は私は非常に不十分だと思うんですけれども。
 そこで、菅談話、それも引き継がれているというふうに理解しますが、この菅談話は私も外務大臣のときに深くかかわったわけですが、この中で「当時の韓国の人々は、その意に反して行われた植民地支配によって、国と文化を奪われ、民族の誇りを深く傷付けられました。」ということを書きました。総理もこれは共通の認識でしょうか。
 やはり私自身は日本人であることに誇りを持っていますし、日本の文化に誇りを持っておりますので、立場を置きかえてみたときに、そういうものがいろいろな意味で制限される、限定されるということは、私がもしそのときに朝鮮半島の、あるいは韓国の人の立場だったら絶対我慢できなかったと思うわけですね。そういうことを我々が強いてきた、過去に強いたということについて総理はどうお考えですか。
○安倍内閣総理大臣 もちろん、岡田代表が今おっしゃったように、相手の立場、相手の国の立場に立つ、国民の立場に立って考えるということは大変大切なことではあろうと思います。また同時に、そのときの世界史的な意味、状況等についても思索をめぐらせていくということも大切だろうと思います。
 いずれにせよ、今申し上げましたように、安倍内閣としては歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいるわけでありまして、今後も引き継いでいく考えであります。そして、個々の歴史認識につきましては歴史家や専門家に任せるべきである、このように考えております。
○岡田委員 総理、個々の認識は歴史家あるいは学者に任せるべきだというふうにおっしゃいましたが、総理はこの談話について、総理大臣としてではありませんが、過去にコメントしていますよね。総理が会長を務めておられる創生「日本」の中で、この談話を出したときに、出す前にまず反対の署名運動を試みられましたが、出したときに、「あまりに自虐的であり、日本国民と日本の歴史に対する重大な背信である。」これが安倍さんが会長を務められる創生「日本」のそのときのコメントですよ。
 私はこれは本当に残念でした。いろいろな苦労をして日韓関係を何とかよくしていこうと、当時は日韓併合条約百年だったんですよ、そういう厳しい中でいろいろ苦労しながらやっているときに、当時野党だったかもしれませんけれども、こういう言葉を投げつけられる。今まで歴代総理大臣が日韓関係を、これは日韓関係にとどまりませんけれども、何とかよくしよう、そういう努力をしてきても、有力な政治家がそれを否定するような発言を繰り返されることでそのことが無に帰してきた、そういうことの歴史じゃないですか。
 総理も過去にはそういうことをされたんですよ。反省はありますか。
○安倍内閣総理大臣 まさに日韓関係においては、その時々の政権が改善すべく努力をしていくわけであります。
 ただ、改善をしていく上においてはお互いの努力も必要であって、そこは単に我々がどんどん主張すべきことを主張せずに国益を削っていけばいいということではなくて、ここはやはり外交でありますから、我々の国益を守るために主張すべき点はしっかりと主張していくということも求められているんだろう、このように思うわけであります。その中においてお互いが相手の立場に理解を示しながら、改善に向けて一歩一歩今努力をしている最中であるわけでございます。
○岡田委員 それぞれ主張すべきはきちんと主張するというのは当然だと思います。
 しかし、この菅談話に対して安倍さんが、総理とは言いません、当時安倍議員が会長をしておられるその団体が示したその中身は、私は、これは決して褒められたものじゃないし、日韓関係を非常に悪くした、今の韓国側の安倍総理に対するいろいろな不信感、その一つがここにあるということは申し上げておきたいと思います。
 ですから、総理、七十年談話を御検討中だと聞きます。これから七十年談話、その形式をどうするのか、閣議決定するのかしないのか、中身をどうするのか、いろいろな言葉を入れるのか入れないのか。私は、今まで使われた言葉をきちんと踏まえて、そして内閣の決定という形で出すべきだと思いますが、しかし、最終的にはこれは総理に委ねられていますよね。ですから、私は総理にぜひお願いしておきたいし、考え方を聞かせていただきたいんです。この七十年談話は非常に重要ですよ。この七十年談話によっては、せっかく今まとまりつつある、少しいい方向に進みつつある近隣の国々との関係、これがまたおかしくなりかねない。
 韓国との関係はどうですか。総理、北朝鮮の脅威、いろいろ具体的に周辺の安全保障環境が変わった中で北朝鮮のミサイルの話を言われますけれども、これは韓国のいろいろな協力がなければ対応できない話でしょう。そういうときに、お互い歩み寄っていかなきゃいけないときに、それに水を差すような結果になっては絶対いけないと思いますね。もちろん、アメリカとの関係もそうですよ。ですから、ここは非常に大事ですから、十分考えてやっていただきたいし、そしてその結果について責任を負うのは総理ですから、そのことも踏まえて、いい談話を出していただきたいと思います。一言ありましたら。
○安倍内閣総理大臣 まさにこれはお互いが努力することが必要でありまして、民主党政権時代に李明博大統領が竹島に上陸しましたね。これは初めてのことであります。そして、そのことによって関係は悪化していくわけであります。かつての自民党政権時代にはそれはなかったことと言えるわけでございます。ですから、そういうことについて、あらかじめ、上陸すれば大きな問題になるということを果たして先方に伝えることができたかどうかという疑問も出されているわけでございます。(発言する者あり)
○浜田委員長 静粛に願います。
○安倍内閣総理大臣 これは委員会ですから、場外の方まで参加されるとやはり委員会としての統率がとれていないということになりますから、よろしくお願いをさせていただきたいと思います。
 そこで大切なことは、まさにこれは両国が努力を積み重ねていくことであろう、こう思っております。
 そして、七十年の談話につきましては、まさに日本というのは、さきの大戦の痛切な反省の上に平和国家としての道のりを歩んできたわけでございます。こうした歩みについて、七十年を迎えることしに、総理大臣として、国民の皆様あるいは世界に向けて談話として発表したい。今、有識者の皆様に議論を積み重ねていただいております。この有識者の皆様の御議論もしっかりと踏まえて、また耳を傾けながら考えていきたい、こう思っているところでございます。
○岡田委員 総理、日韓関係を初めいろいろな国との関係は、与党も野党もないと私は思っているんです。ですから、我々は野党として、しっかりと野党なりに努力したいというふうに思っているんです。
 今、大統領の話をされました。いつもされるので一言だけ言っておきますけれども、確かに、李明博大統領が竹島に行かれたことは私は驚きましたし、本当に残念に思っています。しかし、そのことを、これは民主党政権で初めて行ったと総理は言われます。それはそのとおりですが、しかし、あのときに大統領が行った竹島に建っている石碑、これは自民党政権のときにできて、そして首相がその除幕式をやっているんですよ。だから、そのことも言わないとバランスがとれていないじゃないですか。
 私はこれを言うのは初めてですよ。だから、余りつまらないことで野党攻撃をするんじゃなくて、私は、いい七十年談話をつくってくださいということを申し上げているわけですから、よろしくお願いをしたいと思います。
○浜田委員長 岡田君、どうぞ続けてください。
○岡田委員 それでは、もう一つ申し上げたいと思いますが、これからどういう国を目指していくのかということについて、残された時間で少し議論していきたいというふうに思います。
 私は、前にも申し上げましたように、日米同盟、その抑止力によって日本の七十年の平和は保たれたというふうに思っています。しかし、同時にやはり憲法九条の存在も大きかったというふうに申し上げました。最初の党首討論です。総理も平和憲法、憲法の平和主義という確固たるものがあるというふうには言われましたが、この憲法が七十年の平和に果たした役割について具体的に御説明がなかったんですね。
 もう一度聞きたいと思います。平和憲法があることでこの七十年の日本の平和にどういう効果があったか、あるいはなかったのか、そのことについて率直にお聞かせいただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 世界の多くの国々の中においても、憲法の中において平和主義を明記している国は多数あるわけでありますが、日本もその一国であります。
 まさに、さきの大戦の反省の上に平和国家としての歩みを進めてきた、その中におきましては、もちろん憲法の中における平和主義、基本的人権、そして国民主権、この三つの大きな原則があるわけでございます。こうした原則の中においていわば多くの国々の信頼もかち得ている、このように思うわけでございます。しかし、同時に、かつてはソビエト連邦が存在したわけでございまして、その脅威の中におきまして、自衛隊の設立、そして日米同盟というものがしっかりと機能している中において抑止力が存在したことによってまさに日本の平和と安定は守られてきたんだろう、こう思うところでございます。
○岡田委員 明快にはお答えいただけなかったんですけれども、憲法九条があることで海外における武力行使を事実上禁じてきた。我が国が攻撃を受けたときはそれに対して断固反撃するけれども、みずから海外で武力行使することはない、それは今までの憲法解釈ですよね。そういう中で、つまり、武力行使と一線を画することで日本の平和が保たれてきた部分は私は確実にあると思っています。
 例えば、同盟国アメリカのベトナム戦争やイラク戦争。もし限定的な集団的自衛権じゃなくてフルサイズの集団的自衛権を日本が持っていたとすれば、そこに参加することは、少なくとも要請があった可能性は高いと思うんです。イエスと言うかノーと言うかは、それは最後は日本の主権です。しかし、そういったことに参加を求められた可能性は私はかなり高いんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 これは仮定の質問でございますから、しかも日米両国にかかわることでございますから、お答えは控えさせていただきたい、こう思うところでございます。
 まさにイラクのときには、その後、復興の支援を日本は行っているわけでありますし、そのことはまた大きな評価にもつながった、こう思うわけでございます。
 そしてまた、これは集団的自衛権の行使とはかかわりがないわけでありますが、PKO法案のときにも大きな議論が行われたわけであります。あのときも、戦後の国是を大きく変えるものである、憲法の解釈改憲であり立法府の自殺であるという社説すら当時はあったわけでございます。しかし、その後、このPKOについてはそういう社説を書かれた新聞ですら評価をされるに至っているわけでございます。こうした活動等も行うことによって地域の平和と繁栄は保たれていくし、また日本に対する信頼も高まっていくんだろう、こう思うわけであります。
 そこで、岡田代表が挙げられた、ベトナム戦争に参加したのではなかったか、あるいはイラク戦争に参加したのではなかったか、あるいは要請があったかどうか。これは、今の段階から、そのときのいわば政府と政府との関係にもよるわけでございますから、今ここで軽々に推測することは控えさせていただきたいと思います。
○岡田委員 PKOは武力行使ではありません。PKO法のときは私、中谷さんと一緒にここで野党の抵抗を排除して委員長を守ったことを記憶しておりますけれども、それはともかくとして。
 私は、先ほどのアメリカの話、申し上げました。もちろん、アメリカは大事な国です。しかし、非常に強い国です。国民の中にはやはり、そういった事態の中で、もしできるということになったときにアメリカに言われて断り切れないんじゃないか、そういう漠然とした不安感があるんですね。それが巻き込まれということの話なんですよ。もちろん最後は日本が決める話だ、そのとおりなんですけれども、本当にきちんと判断できるだろうか、現実を見たときにそれができるだろうかということで多くの国民は不安に思い、この集団的自衛権の問題について異を唱えているというのが実態だというふうに私は思います。
 そして、武力行使を、もし限定した集団的自衛権の行使であってもいろいろやっていく中で、国際的な評価がどうなるのかということも大事だと思います。先ほど公明党の方からの質疑を聞いていて私は思ったんですけれども、戦後の日本に対する国際的な高い評価、それはやはり武力行使をしないということに対する評価でもあったと私は思っています。少なくとも外務大臣として、そういうことを痛感しておりました。
 いろいろな人道復興支援あるいは経済開発、いろいろな支援を日本はしてきましたが、しかし、武力行使とは一線を画してきたということが日本の評価につながっている。それは、NGOの関係者なんかにも随分そういう声はありますよ。それを今度変えてしまうということが、日本に対する評価を変えてしまう。(発言する者あり)いや、武力行使を、集団的自衛権の行使を、限定で行使とはいえやるわけですから、そういったことにつながりかねないというふうに私は思っているわけですけれども、総理はいかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 議論は正確にしていかないといけないと思うんですが、武力行使ということにおいては、まさに海外で武力行使、これは我々は今でも認めていないわけでありまして、例外として、限定的なものとして危険物の除去に近い機雷の除去を挙げております。つまり、海外における武力行使は今度もしないわけでございます。結果として武力行使はしなかった。個別的自衛権としては武力行使はできるんですけれども、幸い我々はしっかりとした抑止力の中において武力攻撃を受けることがありませんでしたから、武力行使をすることもなかったわけでございます。
 そして、今後もまさに海外派兵というのはできないということは何回も申し上げているとおりでありまして、まさに三要件の中において我々は限定的な集団的自衛権の行使は行えますが、この三要件の中に書いてあるように、まさに国の存立、我が国の、日本の存立が脅かされるわけでありまして、その中において国民の生命や自由や幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があるわけでありますから、そういうときが来たときに果たして国民を守るために対応しなくていいのかどうか。これについては、政治家というのはやはりとことん突き詰めて考える責任があるんだと私は思いますよ。そういうことをしっかりと我々は考え抜かなければならない、こう思うわけでございます。
○岡田委員 海外派兵ができないという話も新三要件、三要件の中から出てくるとおっしゃいましたが、私は総理はトートロジーに陥っていると思うんですよ。これは別途やります。もう時間がありませんから。海外派兵ができないというのは、第三要件、必要最小限度を超えるから他国の領土、領海、領空でできないということであって、新三要件になったときにはそれは変わる、変わり得るということを私は前から申し上げているわけで、海外派兵はできませんというその概念をまた持ってきて議論しているというのは一種のトートロジーであります。
 総理、今いろいろおっしゃいましたが、自民党の憲法改正草案、ここには自衛権を持つということが書いてありますね。何の限定もつけておりません。ということは、自民党が目指している日本というのは、今のような限定した集団的自衛権の行使ではなくてフルスペックの、制限のない集団的自衛権の行使ができる国を目指している、そういうふうに理解していいですね。
○安倍内閣総理大臣 まず、今ここで御議論をいただいている法案については、現行憲法の中において砂川判決と軌を一にする昭和四十七年の政府見解の中の、基本原理の中の解釈から導き出されてきた当てはめの中における集団的自衛権の行使、これは国民の命と幸せな暮らしを守るためには必要であろう、我々はこのように解釈の当てはめをしたわけでございます。そしてまさにこの範囲内で我々は国民の命を守るべきである、こう考えて今回の法案を提出させていただいたということであります。
 それとは別に、これは谷垣総裁のときに自民党の中において大いに議論をした結果、自民党案として提出をさせていただいたものでございます。しかし、当然これは発議する上においても三分の二の賛成が衆参それぞれ必要でありますし、また国民の過半の支持がなければ到底無理なわけでございます。その中におきまして、党としても、まずどの条文から変えるべきかということについて議論を重ねているところでございます。
○岡田委員 総理、手続を聞いているんじゃなくて、党として立派に出された自民党の憲法改正草案について、憲法草案九条についてお尋ねしているわけです。その中で、自衛権の行使については限定をつけておられませんねと。それはそのとおりですよね。ということは、違法な戦争はしない、だけれども集団的自衛権の行使は基本的にフルスペックでできるようになるということになると、いわば普通の国になるということだと思うんですね。普通の国になる。
 我々は違うんですよ。やはり、海外における武力行使、これについて抑制的に考える。今の憲法の平和主義、これをしっかりと守り抜いていく。もちろん、現実の中で解釈が将来的に少し変わることはあるかもしれませんが、基本的に私たちは、海外における武力行使をしない、この考え方の中で物事を考えていく。
 その憲法の平和主義を守り抜いていくという私たちの立場と、普通の国を目指す自由民主党の立場と、どちらをとるかという、この法案はそれ以前の問題、その手前の問題ですから直接は関係ありませんけれども、やがて目指す方向というのはそのどちらをとるかという、そこを視野に置いて議論されている問題だ。だから、国民の皆さんから見たときに、一体どっちの道を選ぶんだということが今問われているということを申し上げておきたいと思います。
 以上です。
○浜田委員長 次に、大串博志君。
○大串(博)委員 おはようございます。民主党の大串博志でございます。
 早速質問に入らせていただきたいと思います。
 まず、先ほどの岡田委員との議論に出ておりましたけれども、七十年談話のことに触れられましたので、少し私もフォローアップさせていただきたいと思います。
 もともと総理は、七十年談話に関して、閣議決定したもの、これをしっかり出していきたい、未来志向のものを出していきたいと強い意欲を示していらっしゃいました。最近の報道を見ると、それを、閣議決定した七十年談話、つまり六十年談話、五十年談話に匹敵するものではなくて総理の談話として格を変えて出していきたい、立場を変えて出していきたいというような報道もあります。これは、現下の国際状況、今岡田委員もるる述べられました韓国や中国との関係も含め、非常に私たちの国益にかかわる問題だと思います。
 この報道がある中で、この七十年談話、総理として閣議決定したものを出していこうというこれまでの意欲を貫徹される方向になるのか、それともそれとは違った形、立場、ステータスの、例えば総理の談話みたいな形で出していこうとされているのか、どちらなんでしょうか。お答えいただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 これは従来からお答えをさせていただいておりますように、戦後七十年を迎えて、安倍内閣としての考え方、過去の日本の歩み、そしてこれから日本はどのような貢献をしていくかということについて発信していきたい、こう申し上げているわけでありまして、どういう形式で談話を出していくかということについては今の段階ではまだ何も決めていないということでございます。
○大串(博)委員 形式に関してはこれまで決めていなかったということですけれども、並々ならぬ総理の意欲から、六十年談話、五十年談話に匹敵するものをつくっていきたいというような意欲があられるやに私たちは感じる。近隣諸国も感じる。その中で、六十年談話、五十年談話にあらわれていたような歴史認識がきちっとあらわせるか非常に注目が集まる。どういう形式になるのか、七十年談話として出されるのであれば。
 いろいろな見方もあるんですね。総理の談話というステータスの違ったものになるのであれば、そこは自由だということで、より安倍総理色が出るのではないか。未来志向はいいと思うんですよ。未来志向はいいと思うんですけれども、例えば歴史認識等々についてもより安倍総理色が出るんじゃないかというふうに、いろいろな見方をする国あるいは人もいるんじゃないかと思うんですね。そういう懸念があること自体がやはり不安を呼びます。不安定を呼びます。そういう意味で、私たちとしてはやはり、どういう形式であろうとも、先ほど岡田委員が述べたように、国として近隣諸国との関係をしっかりと紡いでいけるようなもの、これを出していただきたいということを改めて申し上げておきたいというふうに思います。
 それでは、次の質問に入らせていただきます。
 集団的自衛権を含む安保法制の問題ですけれども、憲法との関係の問題が非常に大きく議論をされてきました。自民党が呼ばれた憲法学者の方も含めて、憲法審査会の審議において違憲だという声が相次いだ。それを契機として、全国の憲法学者の皆さんの中でも声を上げられた方が非常に多くなった。今や何百人という方々が、今回の集団的自衛権を含む法案は違憲だというふうな意見になっている。
 しかも、先般月曜日にはこの委員会において参考人質疑も行われました。元内閣法制局長官の方々お二人にも参加していただいて、いろいろな論点が整理されてきたんじゃないかというふうに思います。これを少し整理すると、今回の集団的自衛権はなぜ憲法違反かということ、幾つか政府の方でこれだから合憲なんだというふうに言われている論拠がことごとく否定されてきているというふうに私は思うんですね。
 一つは砂川判決。これに関しては、宮崎元長官もおっしゃいました。日本の防衛力の不足をどう補うかということが論点、すなわち駐留米軍の合憲性が問題だったわけであって、そこに集団的自衛権の議論が入り込む余地なんかなかったはずだと。自衛権というものが認められた、それはそのとおりです。しかし、集団的自衛権あるいは個別的自衛権、それを区別して論じているところはない。実際、中谷大臣も六月十五日の当委員会での審議において、直接の根拠ではないということは明らかにおっしゃっています。したがって、これが合憲の判断につながるものではないということも明らかになっていると思います。
 さらに、昭和四十七年政府見解の基本的な論理。これが合憲の基準なんだ、つまりこの基本的な論理を踏襲しているから合憲なんだというふうにも言われます。しかし、この中に、外国からの武力攻撃を含むと。外国からの武力攻撃という言葉がこの基本的な論理の中にあります。それを、我が国に対する武力攻撃のみならず他国への武力攻撃も当時から含んでいたんだと、勝手に解釈することによって合憲だと言い募る。これについては宮崎元法制局長官も、前後の圧倒的な経緯からしてこれはあり得ない、黒を白と言いくるめる類いの話だというふうにおっしゃっていらっしゃいました。よって、これもバツ。
 三番目に、歯どめ。新三要件で厳格な歯どめがあるというふうに言われています。しかし、先ほどの岡田委員との議論でもありましたように、一体どこが歯どめなのかはっきりしない。ましていわんや、そういうことは言えないんだという言辞すらある。そういう中で、これは阪田元法制局長官ですけれども、ホルムズ海峡での機雷掃海の事案に触れて、ホルムズ海峡に機雷が据えられた、よって石油がなくなった、この石油がなくなったことをもって日本の国が大変になった、だから集団的自衛権を行使して外国に武力の行使を及ばせていくんだというようなことは満州事変のときの自衛と同じことになってしまうというふうに言われています。これもバツ。
 こういった形で政府がこれまで論拠としてきたものを一つ一つ検証していくと、それぞれが論拠たり得ないものであることが非常によくわかります。これだけ国民の中でも違憲だという意見がある。
 すなわち、先般、ある通信社が世論調査を行っていました。私非常に驚いたのは、この法案が適切でないという意見ではなくて、この法案が違憲であるという世論調査が五六%。半分以上の方が違憲だと、そこまでおっしゃっている。この委員会室の中では、政府を初め与党の皆さんはこれは合憲だという立場で議論されています。しかし、この国会議事堂の中を一歩出れば、外においては違憲だ、憲法違反だという意見が大半だ。
 この現状を踏まえると、やはりこの法案は一度撤回して、もう一回考え直して出し直してくるべきだと思いますが、総理、いかがでしょうか。
○中谷国務大臣 まず、そのパネルの一の部分に私の発言で、憲法の直接の根拠でない、バツとなっておりますが、私が申し上げたのは最高裁の判決が判例として法的拘束力を持つという意味での根拠ではないという趣旨でありまして、法制局長官もそのことは前提である旨を述べております。
 私はその後、最高裁の判決で、まず国連憲章は全ての国が個別的及び集団的自衛の固有の権利を有することを承認していると述べたこと、そして判決は、憲法九条によって我が国が主権国として持つ固有の自衛権は何ら否定されたものでなく、我が国の平和主義は決して無防備、無抵抗を定めたものではないとした上で、「わが国が、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとりうることは、国家固有の権能の行使として当然のことといわなければならない。」と述べておりまして、憲法上認められる自衛の措置について個別的自衛権、集団的自衛権と区別をして論じているわけではないと。したがって、新三要件のもとで認められる限定的な集団的自衛権の行使は我が国の自衛の範囲に限られるものであり、砂川判決の範囲内のものであり、その意味で砂川判決は限定容認する集団的自衛権の行使が合憲であるとの根拠たり得るものです、こう発言をいたしておりますので、それは一方的な、部分的な記述でございます。
○安倍内閣総理大臣 まず一番目については、今既に中谷大臣が答弁をしておりますように、私からも申し上げますが、まさに砂川判決は合憲としての根拠たり得る、これは当然のことであろう、このように思うわけでございます。
 それと、二番目につきましては、砂川判決の中において、今、中谷大臣からも答弁をさせていただいたように、最高裁判決は、国連憲章は全ての国が個別的及び集団的自衛の固有の権利を有することを承認しているというふうに述べているわけでありますから、集団的自衛権を念頭に置いていないという主張が一部には見られるわけでありますが、そうではないということは既に判決の中に書いてあるということで明白ではないか、こう思うわけでございます。
 そして、歯どめがないという、満州事変、これは余りにも飛躍ですね、これはひどい話でありまして、ちょっとどういうことなのかなと驚きを禁じ得ないわけであります。これはまさに、どこかの国にかいらい的なものを、国をつくっていこうということでありまして、日本がそんなことを今するということは考えられないわけでありまして、この法制でそういうことをしようとしているわけでは全くないわけでございます。
 まさにホルムズの例を挙げたのは、あそこを通って八割の石油が来る、ガスの四分の一が日本に入ってくるという状況の中において、ではどうするんだという話であります。いわば停戦合意ができていないという中においては遺棄機雷とも言えないわけでありますから、その中においては、まさにこれは受動的であり限定的であれば必要最小限度の中にとどまる可能性がある。そして三要件に当てはまれば、これは当てはまればですね。そう簡単には三要件というものには当てはまらないわけでありますが、当てはまれば、いわばこれは外国の領海ではありますが、例外的にそうした措置は行うことができる。
 大体、この議論の中において、それをやるべきだという議論が多いんですよね。機雷掃海はやるべきだという議論は結構多いんですが、それが個別的自衛権ならオーケーで集団的自衛権ならだめだという議論でしかないわけでありますが、これは国際法的にどう見られるかというものであります。ここで我々が議論をして決められることではなくて、国際法的にどう見られるかということが議論の中にあって、これは国際法的には集団的自衛権の行使として判断される、され得るという中においては、我々もそういう例外としての解釈は持つべきだろう、こう考えているわけであります。
 それがいきなり満州事変、これは違和感を感じざるを得ないということでございまして、結論として、この三つともバツというのは誤りであるということでございます。
○大串(博)委員 今、総理の御発言を聞いていて、やはり随分世論と乖離があるなというふうに思いました。ホルムズでの機雷掃海、結構やるべきだという人の意見が多いんですよねと、すかっと言われましたけれども、私の周りではそういうふうな声は余りありません。
 もちろん、日本に向けた機雷が敷設されて、それが日本の国民の権利を根底から覆すのならというようなことはあるかもしれません。しかし、このホルムズの事例をもってして、これはやるべきなんだ、あとは個別的自衛権か集団的自衛権かの位置づけの問題なんだ、そういうふうな考え方をされている人は私はほとんどいないと思います。
 満州事変の話もありました。総理はそうおっしゃいます、確かに事案は違うかもしれない。しかし、どこまで行くんだろう、自衛という言葉でどこまで行っちゃうんだろうというような漠然としたおそれ、不安を持つからこそ、国民の皆さんはこれだけ反応されているんだと私は思いますよ。
 砂川判決のこと、砂川判決に関しては、今おっしゃったことはこれまでもずっとおっしゃっていたことです。しかし、その中に一つとして直接の根拠だというふうにおっしゃったことはありません。個別的自衛権、集団的自衛権、その区別はなかったということはおっしゃいます。確かに自衛権は認めている。しかし、個別的自衛権か集団的自衛権かの区別はなかった。よって、軌を一にしているという言葉だけであって、これを直接の根拠だというふうに言われたことは一度もないというふうに私は思います。
 さらに、きょう少し議論を進めさせていただきたいのは、今総理があえて触れられませんでした四十七年政府見解の基本的な論理、ここであります。これは今回の議論の根幹でありまして、昭和四十七年政府見解の基本的な論理、これを踏襲しているがゆえに今回のこの考え方は合憲なんだ、こういうふうに言われます。
 資料二ページを見ていただきたいと思いますけれども、四十七年見解がここにございます。
 第三段落目、これが第一ブロック、第二ブロック、第三ブロックに分かれていて、第一ブロックは、これが砂川判決と軌を一にすると言われている、憲法上においても自衛の措置をとることは許されているということが書かれているブロック。第二ブロック、ここは、若干それを制限しなきゃならぬということで、外国の武力攻撃によって国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される急迫不正の事態に対処して、さらにこれらの権利を守るためにやむを得ない場合、しかも必要最小限度の範囲でなら自衛の措置はいいんだよという限定をかけた部分。この第一ブロックと第二ブロックをあわせて基本的な論理だ、これを今回踏襲しているからいいのだ。第三ブロックの当てはめだけ、事実認識が変わったから。第一ブロック、第二ブロックの基本的な論理は踏襲しているからいいんだというふうに言われています。
 第二ブロックの外国の武力攻撃、ここが問題なんです。
 これは、日本に対する外国の武力攻撃か、それとも他国への武力攻撃も含むのか。これに関して法制局長官は、日本に対する武力攻撃に限らないという答弁を既に行っていらっしゃいます。そのはずでしょう、恐らく政府の論理としてはね。そうじゃなければ、第三ブロックで、新たな事実認識が生まれたから集団的自衛権は限定的に可能なんだという理屈は生まれてきません。恐らく政府としてはそういう論理なんだろうというふうに思います。
 しかし、先般の参考人質疑のときもいろいろな議論があり、外国の武力攻撃というのは、これをつくった四十七年当時の議論の前後の圧倒的な経緯からしても、日本に対する武力攻撃としか読めないというふうに宮崎法制局長官も言われていました。
 もう一枚資料をめくってください。それは何かといいますと、三ページであります。
 これは、四十七年の政府見解をつくられる一カ月前、参議院での議論です。まさにこのときの議論が前提となって、このときに政府見解を出してくれと言われて、この四十七年政府見解が出ました。このときの法制局長官吉国さんの答弁、特に下の段を見ていただきますと、繰り返し繰り返し、我が国が侵略されて我が国民の生命、自由、幸福追求の権利が侵されるというときに、この自国を防衛する必要な措置をとると。左側の方も、「わが国が侵略された場合に、わが国の国民の生命、自由及び幸福追求の権利を守るためにその侵略を排除するための措置をとるというのが自衛行動だ」というふうに繰り返し言われています。
 一ページ戻ってもらうと、まさにこの二ページ目のところの第二ブロック、外国の武力攻撃、ここのところに対して我が国に対する侵略ということを繰り返し既におっしゃっている。既にこれをおっしゃった上で、これは九月でございます、紙にまとめてくれという要請をされて、それに対して吉国長官が十月にまとめたのがこの四十七年政府見解。この経緯からしても、外国からの武力攻撃というのは、日本に対する武力攻撃、これだったというふうに言わざるを得ないと私は思います。
 この外国からの武力攻撃というところを、他国へというものも含められると考える積極的な理由があったら、法制局長官、教えていただきたいと思います。
○横畠政府特別補佐人 昭和四十七年の政府見解の二の部分の御指摘でございます。そこの、外国の武力攻撃という文言が表示されているわけでございます。
 四十七年見解の全体の構成につきましてはこれまでもるるお答えしているとおりでありまして、一、二は基本論理。三の結論が出ていますが、その当時の前提の認識といたしましては、一、二に該当する、むしろ二に明示されている国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態というのは我が国に対する武力攻撃が発生した場合、それしか考えられないんだという事実認識に基づいて三の結論に至っているというふうにまさに書いてあるわけでございます。
 端的に、二の部分の外国の武力攻撃がなぜ我が国に対する武力攻撃に限られないのかというお尋ねでございますけれども、あえてそこで限るとしてしまうと、結論として三、すなわち「そうだとすれば、」という結論に至らない。三のところでまさに、我が国に対する急迫不正の侵害に対処する場合に限られるということで、そこで初めて我が国に対するということが出てくるということでございます。その過程において、なぜ憲法九条のもとで例外的に我が国は武力の行使が可能なのか、まさに基本論理のところにおいてはその限定がないというふうにしか読めないわけでございます。
 裏から申し上げますと、二の部分の外国の武力攻撃というのが我が国に対する武力攻撃に限るんだ、仮にそうだとしますと、今回政府が考えておりますように、外国に対する武力攻撃の場合であっても国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるおそれがある、そういう急迫不正の事態というのがあるんだという前提に立ちますと、では、その場合に国民を犠牲にするのか、国民を犠牲にしろと憲法が言っているのか、そういう解釈をするのかという問題になるわけです。そんなことはないだろうというのが結論でございます。
○大串(博)委員 今の答弁ではよくわからないので、きちんと答弁していただきたいと思います。
 先ほど申しましたように、事前に、一カ月前に、我が国が侵略された場合に、国民の権利が根底から覆されたその場合に自衛の措置をとることが可能だと、繰り返し吉国長官は言った上でこの四十七年見解をまとめられている。普通に考えると、当然それは言ったことをそのまま書いた、あらわした。外国の武力攻撃というのは自国に対する、つまり日本に対する武力攻撃だというふうに考えるのが普通ではないのかということなんです。
 今の説明だと、第三ブロックに「そうだとすれば、」と結論が書かれているので、第三ブロックと第二ブロックに同じことが書かれていることになっちゃうじゃないですかと。だから、違うことが第二ブロックと第三ブロックに書かれていなければいけないので、第三ブロックは我が国に対すると書かれているけれども、第二ブロックは我が国とは書かれていないんですよ、こういうふうな説明でありました。
 しかし、第二ブロックと第三ブロックは違うことが随分たくさん書かれているんですよね。第三ブロックは、第二ブロックに書かれていない、集団的自衛権は使えないということが書かれているんですよ。そこだけで随分違うんですよ。
 だから、そうだとすればという言葉をもってして、第二ブロックと第三ブロックは違うことが書かれていなければならない、よって第二ブロックは我が国に対するとは書かれていない、ここはあえて書かれていないんだ、その積極的な理由にはならないと思うんです。加えて言いますと、何度も言いますけれども、これだけ法制局長官が、一カ月前、この紙をまとめてくださいと言われたときに、我が国に対する武力攻撃、侵略と何度も言った上でこの紙をまとめているんですよ。それを覆して他国も含むというふうにあえて答弁する、あえて考える積極的な理由を教えてくださいということなんです。
 なぜこれがこれだけ大切かというと、長官はこの場で述べられているんです。第一ブロック、第二ブロック、ここが変えられない基本論理なんだ、ここを変えるようなことは憲法改正をしなきゃならないんです、そこまでおっしゃっているんです。ところが、過去の経緯に照らしてみると、外国の武力攻撃というところの読み方に関して、吉国長官は日本に対する武力攻撃だと言っていた。
 それを都合よく勝手に、他国も含むと勝手に読みかえているじゃないですか。まさにここに憲法違反の読み方の根源があるじゃないですか。だから、ここの説明は極めて厳格にやってもらわないと困るんです。どうですか、長官。お願いします。
○横畠政府特別補佐人 何度もお答えしているとおりでございまして、基本論理の部分を変えるというのはまさに憲法改正を必要とすることであろうということでございます。
 三の結論の部分に至っていますのは、まさに当時の事実認識として、繰り返しませんけれども、根底から覆される急迫不正の事態、これに当たるのは我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみである、そういう事実認識に基づいているということでございます。
 御指摘の吉国法制局長官も昭和四十七年九月十四日の参議院決算委員会におきまして、引用されている部分とは別の箇所でございますけれども、「集団的自衛の権利ということばを用いるまでもなく、他国が――日本とは別なほかの国が侵略されているということは、まだわが国民が、わが国民のその幸福追求の権利なり生命なり自由なりが侵されている状態ではない」というふうに述べています。まさにその事実認識を前提にして、当時の議論がなされていたということでございます。
 加えて、当時の集団的自衛権というものについては、吉国長官は、「他国の侵略を自国に対する侵略と同じように考えて、」「その侵略を排除するための措置をとるというところは、憲法第九条では容認しておらない」、そのような答え方をしているところでございます。
○大串(博)委員 法制局長官にいま一度確認、答弁を求めたいと思いますけれども、長妻委員に答弁されたように、外国の武力攻撃、これは他国への武力攻撃も当時から含んでいたという理解でよろしいですね。
○横畠政府特別補佐人 当時から含んでいたというお尋ねの趣旨でございますけれども、当時、他国に対する武力攻撃を意識、認識してそのように述べていたものとまでは言い切れないと思いますけれども、論理として示されている根拠、理由としてはそれも含み得るものであるということでございます。
○大串(博)委員 今おっしゃった、論理としてここに他国への武力攻撃も含み得るというのはどういう意味ですか。
○横畠政府特別補佐人 先ほどもお答えしたとおり、憲法第九条のもとにおきまして、九条そのものが、まさにその文言からしますと一切の武力の行使を禁じているかのようにも見えるわけでございます。ですから、自衛隊の違憲論等々いろいろあったわけでございますけれども、今もございます。ですが、九条のもとにおきましても例外として我が国が武力を行使できる場合があるんだということでございます。
 では、なぜかということでございます。それは、我が国の存立とか国民が他国の武力攻撃の結果まさに危機に瀕する、そのような、まさに権利が根底から覆されるという事態に陥るときに何もするなというふうに憲法が命じているはずがないだろうというのが基本的な論理でございます。
○大串(博)委員 国民の権利が根底から覆されるときに、それが日本に対する武力行使だろうと他国に対する武力行使だろうと何もするなということを憲法が考えているはずがないから、他国への武力攻撃もここに含めて考えるんだ、そういうことだと今おっしゃいました。そうすると、まさに今、横畠長官がおっしゃった理屈は、政府が今回この第一ブロック、第二ブロックの基本論理を用いて、第三ブロックの事実認識を当てはめることによって集団的自衛権は可だというふうに言ったこと、それをそのまま繰り返しているだけにすぎないんですね。
 もう一つお尋ねさせていただくと、論理的にそうだと言っても、本当にそれは論理的にそうか。
 四ページを見ていただきますと、これは長妻委員に対する横畠長官の答弁です。これは今おっしゃったようなことそのものなんですけれども、波線のところ、左上です。外国の武力攻撃という部分は必ずしも我が国に対するものに限定されないと。今おっしゃいました。そこをおっしゃっている。次に、棒線が引かれています。当時におきましては、そのような国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆るような急迫不正の事態というのは我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限られるという認識を持っていたと。
 すなわち、当時の吉国長官はどういう認識であったかというと、横畠長官の認識では、我が国の権利が根底から覆されるのは我が国に対する武力攻撃が行われるそのときだけだという認識を吉国さんは持っていらっしゃったということですね。吉国さんはそういう人です。横畠さんの認識を代弁させていただくと、吉国さんの頭の中は、我が国に対する武力攻撃が行われたときにのみ国民の権利が根底から覆るんだという頭を持っていらっしゃる方です。
 その方が書かれた文章が二ページ。そこに「外国の武力攻撃によつて」と書かれている。吉国さんは、繰り返しになりますけれども、我が国に対する武力攻撃が行われたときのみ国民の権利が根底から覆されるという頭を持った人であると横畠さんはおっしゃっています。
 吉国さんがそういう人であれば、外国の武力攻撃、ここに他国へが入り込む論理的な根拠はないじゃないですか。吉国さんは、だって、海外の武力攻撃で我が国の権利が根底から覆されるということは頭にないわけですから。外国の武力攻撃と書いた場合に、日本に対する、これのみしか論理的にあり得ないじゃないですか。いかがですか。
○横畠政府特別補佐人 当時の担当者が具体的にどういう場合を想定していたかという話と、現に文字で書かれ、言葉として、文書として残されている論理の中身というのは必ずしも同じではない。つまり、当時の担当者が考えていたことしかそのとき示した論理というのが適用にならないということではないということでございます。
 例えば、憲法は通信の秘密というのを保障してございます。憲法が制定された当時はインターネットなどなかったんです。ところが、Eメールとかそういうインターネットの通信も当然やはり通信の秘密として保護されるというふうに我々は考えております。学説もそうでございます。
 すなわち、論理というものは、その当時に担当者が何を考えていたかということとはちょっと違う。論理は論理としての意味を持ってその後につながってきている、現在残っているということでございます。
○大串(博)委員 例を言われたので私も例を挙げますと、世の中に花があります、花がある。この花は、赤い花と青い花の二つしかない。四十七年当時、吉国さんは、花は赤いものだけであるとしか頭の中になかった。同じく四十七年当時、花はきれいだなとおっしゃった。しかも一カ月前に、赤い花はきれいだな、赤い花はきれいだなと何度もおっしゃっている。その一カ月後に、花はきれいだなと繰り返しおっしゃった。
 当時、吉国長官は赤い花しか世の中にはないと思っていらっしゃる。その吉国さんが花はきれいだなと言ったときに、青い花もきれいかもしれないなというふうに思っているとはあり得ないじゃないですか。そのことを言っているわけです。いかがでしょうか。(発言する者あり)
○浜田委員長 静粛に願います。静粛に。
○横畠政府特別補佐人 例えばバラの花というのがございます。昔、青いバラというのはなかったんです。いろいろな遺伝子技術その他で青いバラというのが開発されました。バラがきれいだなと思っていた人であるならば、やはり青いバラもきれいだなと思うことがあるんじゃないでしょうか。
○大串(博)委員 今の例えを前提とすると、長官、吉国さんは後世になって、他国への武力行使にも国民の権利が根底から覆される可能性があるというふうに思うに至る可能性があり得たのではないかということをおっしゃっているわけですか。もしそうであれば、これは合憲であるということですか。そういうことを今判定されておっしゃっていたわけですか。もう一度きちんと答弁してください。
○横畠政府特別補佐人 論理といいますのは、それを考えた人、個人の頭の中にもともとあります。しかし、それが言葉となって外に出れば、これはもう社会的な存在でございます。そういうものとして今、論理として生きているもの、それを論じているわけでございます。
○大串(博)委員 その論理が、横畠さん、花というものは赤いものだという論理だったんですよ。それは、横畠さんもおっしゃっているように、当時は我が国に対する武力攻撃だけが国民の権利を根底から覆す、だからそれに対して自衛の措置をするのはよいという論理だったんですよ。だからこそ、第三ブロックにおいても集団的自衛権はだめだという結論になっているわけです。
 それが、後追いで見て、いやいや、吉国さんは当時、日本に対する武力攻撃だけじゃなくて他国への武力攻撃も排除していなかったんだと積極的に言える理由がどこにあるんですか。積極的にそう言える理由がどこにあるんですか、そういうことなんです。それを答えてくださいということなんです。
○横畠政府特別補佐人 何度もお答えしているとおり、当時におきまして、その後も実はそうなのでございますけれども、長い間やはり、国民の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態といいますのは我が国に対する武力攻撃が発生した場合、それに限られるんだという事実認識、それを持っていたということでございます。
 その事実認識が変わるんだということであるならば結論が変わる、結論が一部ですけれども変わるということで、まさか集団的自衛権の全部が認められるということを申しているわけじゃなくて、まさに限定的、三要件で限定されるその場合に限って、国際法上は集団的自衛権と言われるもの、それも認められるのではないかということを申し上げているわけでございます。
○大串(博)委員 そのことを聞いているわけじゃなくて、当時の吉国さんが日本に対する武力攻撃のみが国民の権利を根底から覆すというふうに考えていたにもかかわらず、その後、いやいや、あれは違うんだ、他国への武力攻撃も含んで考えていたんだと積極的に考えを変えられる理由はどこにあるんですかということなんです。
 この積極的な理由を説明していただかないと、この一ブロック、二ブロックの基本的な論理は変えていません、これは変えていないから憲法改正は必要ありません、憲法の範囲内ですという説明が完結しないんです。だから言っているんです。
 他国への武力攻撃も含まれるという頭が当時なかった人が書いた文章であるにもかかわらず、なぜ他国への武力攻撃もここに含めて考えられるかという積極的な理由を言ってください、そういうことなんです。
○横畠政府特別補佐人 その論理といいますのは、だから、当時の担当者の頭から出て紙として今に残っているということでございまして、当てはめの問題につきましてはまさに現在の事実認識がどうかということでございまして、そこがなぜ変わるのかということは、まさに論理ではなくて、安全保障環境がどのように変化したのか、そういうことによるわけでございます。
○大串(博)委員 今、横畠長官がおっしゃったように、当時の論理というのは当時の書いた人の頭から出てとまさにおっしゃいましたから、そこなんです。当時の書いた人の頭の中は、我が国に対する武力攻撃のみが国民の権利を根底から覆されるという論理だったんです。それをなぜ他国へも含めるというふうに言えるのか、その積極的な理由を教えてください、その端的な問いに答えてください、そこだけなんです。どうぞ。
○横畠政府特別補佐人 御指摘の部分は論理ではなくて事実認識であるということを繰り返し申し上げているわけでございます。
○大串(博)委員 私は第二ブロックの話をしているんです。まさに論理のところです、横畠長官。第二ブロックの外国の武力攻撃、ここを議論しているんです。吉国さんはその一カ月前、何度もここに関して我が国に対する侵略と繰り返し言っている。かつ、吉国さんは当時、我が国に対する武力攻撃のみが国民の権利を根底から覆すというふうに考えている人であった。これを前提とすると、外国の武力攻撃というのも我が国に対する武力攻撃としか考えられないじゃないですかということなんです。
 つまり、基本的論理として、我が国に対する武力攻撃のみが我が国の権利を根底から覆されるという基本論理だった、それを今回勝手に変えているじゃないですか、勝手に変えていないと言うんだったら、当時からここは他国というのを含んでいたんだと言える積極的な理由を言ってくださいというふうに言っているんです。どうですか。
○横畠政府特別補佐人 まさに三の結論、我が国に対する急迫不正の侵害というのが結論の部分でございまして、基本論理の二のところの外国の武力攻撃というのはその前提としてのまさに論理でございまして、二の外国の武力攻撃というのが我が国に対する武力攻撃のこととして限定して読むべきではないということをるる申し上げているわけでございます。
 その意味で、結論の部分、つまり我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限って我が国として武力の行使をすることができるという部分は結論なのでございまして、それ自体が基本論理そのものではないということを申し上げているわけでございます。
○大串(博)委員 この議論ばかり長々とやっているわけにいかないんです。ほかにもやりたいことがありますので。
 ただ、端的に答えてもらいたいのは、第三ブロックの当てはめのところではないんです。第二ブロックの基本的な論理のところが、当時から既に、日本に対する武力攻撃だけが我が国の権利を根底から覆すというふうなことになっていたんじゃないか、それを他国へのものも含むと考える積極的な理由があるかということを端的に答えていただきたかったんです。
 それはなかなか答えられないので、ここが鍵なんです。これは鍵なので、さらにこの委員会でまた議論していきたいと思います。委員長におかれても、これはしっかり答弁していただくように御督促いただきながら、また議論させていただきたいというふうに思います。
 さらに、歯どめの部分の話ですけれども、他国領域、先ほどのホルムズの話です、総理。
 新三要件を満たせば認める、法理的には新三要件を満たせば他国領域での武力行使も認められる、こういうことですね。しかし、必要最小限という限定要因、三要件のうちの一つから一般的には認められない。しかし、例外的に認められるものもある。しかし、政策的には例外というのはホルムズだけである、こういうことですね。
 そうすると、私が理解するところは、他国領域での武力行使というのは図であらわすとこういう感じかなと。すなわち、法理として新三要件を満たせば認められるという部分があって、その中を分解してみると、一般的には認められないという部分があって、しかしそれを、何がしかの基準があって、でも認めようという例外部分がある。しかし、その例外も認められないという部分がある。はてなと書きました、この部分の差はある。こういうことかなというふうに理解しましたけれども、こういう理解でよろしいですか。
○安倍内閣総理大臣 この図がいいか悪いかというのは直ちには申し上げることはできませんが、基本的には新三要件が満たされれば認められるわけでありますが、しかし、従来から申し上げておりますように、基本的には一般には海外派兵は認められない。なぜ認められないかといえば、これは必要最小限度を超えていく。これは従来からの政府の一貫した考え方であります。
 では、その中で、例外としては、例えば個別的自衛権のときにも議論として敵基地の攻撃ということは、座して死を待つべきではないという考え方で例として挙げています。しかし、実際問題としては我々にはその能力もないわけでございまして、日米の役割分担の中で我々は盾に徹しているということもございます。そこで、今回の例外としては、例外はほとんどないのではないか、こう考えておりますが、しかし、その中で今念頭に唯一あるのがホルムズである、こう申し上げていいのではないか、こう思っているわけでございました。
 そこで、まさにこの例外というのは、分量がちょっと多いんじゃないかというふうに思うんですね。だから、量的な概念もやや示しているところがありますので、これが果たして正しいかどうかということは私は言えないと思いますけれども、ただ、もちろんそういう可能性はあるということでございますから、しかし、可能性があるものについても、これは種々の状況を見て三要件に当てはまらなければ、今例として挙げたものについても実際に起こったときに条件に当てはまらなければならないというのは当然のことであろう、このように思います。
○大串(博)委員 政府は、新三要件というのは非常に厳密な歯どめであって明らかだ、こういうふうに言われますけれども、ここが非常に不明確なんですよ。つまり、一般に認められない海外での武力行使はというふうに、非常に大きな言葉として言われます。だから中東への戦争に飛び込むことはないんだ、こういうふうに言われます。
 では、例外が認められる基準は何か。あるいは政策的にはホルムズ、これが唯一の例だろうというふうに言われます。ホルムズは認めて、ホルムズ以外は認めない、そのときの基準は何か。この基準の二つ、ここが今当然のようにこの委員会の中でも語られているけれども、どういう場合に一般には許されないけれども例外的に海外に行くのか、あるいは例外的に認められたけれどもこれ以上はさすがにもう行かないんだ、この基準。総理、どういう基準なんでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 大変いい質問をしていただいたと思います。
 つまり、それは、機雷の除去、これは極めて受動的で……(大串(博)委員「一般例」と呼ぶ)一般論としてですね。しかし、一般論として私が挙げているのはホルムズしかないわけでございますから、ホルムズの例に限って申し上げます。つまり、機雷の除去という極めて受動的なものに限られるわけであります。
 まず、機雷の除去というのは、機雷を不法に敷設するという行為がまずあって、後であります。そして機雷の除去をする。かつ、これは国際法的にはいわば武力攻撃として集団的自衛権の行使に当たりますが、まさに危険な機雷を除去する、そこを航行する、安全に通りたいという多くの商船、タンカー等のために除去をするわけでございます。これは日本一国のみではなくて多くの国々にとって、ホルムズ海峡を通過する、平和な暮らし、国民の安全な暮らしを維持するためにも必要なものであります。それはまさに受動的、限定的なものであるということでございまして、その中において必要最小限度の中に考えられ得るということでございます。
 そして、当然、同時に三要件に当たらなければならないわけでありまして、この三要件は非常に高い。ホルムズ海峡が封鎖されれば直ちにということを私は申し上げているのではありません。国の存立が脅かされ、国民の生命や自由や幸福追求の権利が根底から覆されるまさに明白な危険ということでございまして、そういう状況になるのかどうかということを示していくわけでございまして、それをさらに説明するというのは、今までも説明をしておりますよね、そのままにしておけば我が国が武力攻撃を受けたと同様の深刻、重大な被害が生じる、これは申し上げているとおりでありまして、これが基準であります。これは何回も何回も皆様にお話をさせていただいているとおりでございまして、これが基準ということでございます。
○大串(博)委員 最後の新三要件のことは私は全く聞いていないんです。それはこの範囲の中ですから。基準一と基準二、これを聞いているんです。それに対して受動的、限定的という答えがありました。これが一般的な基準なのかについてさらに議論させていただきたいと思いますし、それが一体どこから導き出された基準なのか、これについてもこれからさらに議論させていただきたいと思います。
 ありがとうございます。
○浜田委員長 次に、寺田学君。
○寺田(学)委員 民主党の寺田です。
 質疑に入る前に、一点だけちょっと委員長にお願いがあるんですが、今回、NHKの中継を入れながらという質疑をするときに、聴覚障害の方から依頼がありました。NHK中継を見ているけれども手話通訳がない、本当に大事な議論が行われているということは認識しているが、実際、何を議論しているのかわからないんだと。衆議院のホームページの方で議事録が上がるとは思うんですが、かなり時間がたってから上がることになります。
 本当に大事な議論でもありますので、委員長のお取り計らい、お知恵を絞っていただいて、聴覚障害の方々にもできる限りリアルタイムでこの議論の流れというものが見られるように、しっかりと把握できるようなお取り計らいをしていただきたいと思います。
○浜田委員長 検討させていただきます。
○寺田(学)委員 午前中二十八分、午後二十分の質疑をさせていただきます。
 安倍総理、まず一点お伺いしたいんですが、先ほど我が党の岡田の方からも話がありましたが、世論調査が全てではないですけれども、種々の世論調査の結果を見てみますと、今回の改正案、この安保法案に関して賛成か反対かということは、圧倒的に反対の方々が多い。そして何より、政府は十分説明しているかという問いに関しても、共同通信であれば八四%の方が十分に説明しているとは思えないというようなお答えがあり、他の世論調査も大きなトレンドとしては一緒です。
 総理、説明が十分ではないと国民の皆さんが思われる原因はどこにあるというふうに総理としてお考えになられていますか。
○安倍内閣総理大臣 一つは、今回の安全保障法制については、例えば年金の法案とか税の法案と違って、国民の生活に非常に密接にかかわっている、つまり自分の身の回りのものに置いて理解しにくい、そういう課題もあるわけでございます。
 今回の法制については、憲法との関係、そして国際法との関係、また政策的な、いわば安保政策としての側面があるわけでございまして、それらが相互に関連をしているわけでございます。個々の質問については、憲法との関係を聞かれることもありますし、国際法との関連について聞かれることもありますし、政策判断としてどうだという質問もあるわけでございまして、そしてまた同時に、今回、切れ目のない対応を可能とするために、グレーゾーンから集団的自衛権の行使に至るまでの法案を取りまとめて御審議をいただいているわけでございます。
 そこにおいては、例えばPKO法における活動もございます、あるいは後方支援の活動もございます、そしていわば集団的自衛権における武力行使もあるわけでございまして、そうしたものが、これはまさに説明の中においてそれぞれ混同されやすいということもございまして、後方支援における自衛隊の活動と、実際に集団的自衛権を行使したときの自衛隊の活動が混同されやすいということもございまして、そうした点を我々もわかりやすく御説明していきたい、こう思っております。
 これは、ただ委員会で議論するだけではなくて、党としてもしっかりと説明する場を設けていきたい、このようにも考えております。
○寺田(学)委員 委員会での議論がさまざまな分野にわたるからという理由がありましたけれども、それは、政府がこんなものを十本まとめて出してきたからそういうような話になるんだと私は思いますよ。
 岡田委員に対する答弁として、戦後最大の延長を行って十分な審議時間を確保したいという、ある種量的な視点でお話をされましたが、野党側としての質問はどうあるべきかというのは野党側自身で考えますけれども、政府及び党としての説明の質としての問題点はあるかどうか、そういうような御認識はあるかどうか、御答弁いただけますか。
○安倍内閣総理大臣 我々は誠心誠意お答えをさせていただいております。
 ただ、委員会における答弁ということになりますと、どうしても、いわば憲法との関係、そして今までの答弁の積み重ねの中においての答弁になってまいりますので、言い回し等あるいは用語等で国民の皆様にとって多少わかりにくいこともあるのかなということも反省をしながら、なるべくわかりやすい答弁を心がけていきたいと思います。
○寺田(学)委員 さまざまな理由があると思いますが、例えば憲法に合致するかどうか、違憲か合憲かという議論ですが、政府の皆様、与党の皆さんは、特に自民党ですけれども、自分たちが呼んでおいた憲法学者が違憲だと言ったことを、真摯に受けとめることもなく、人選ミスだったという評価の仕方をし、かつ、憲法学者に世の中を任せたら大変なことになるというような与党の方もいらっしゃり、彼らは素人だというようなことをおっしゃられる方もいらっしゃいました。
 さまざまな異論があることに関して、何か都合が悪いことがあると、人選ミスだ、彼らには任せておけない、素人だといって、そこから正面に向き合わないというところが私は問題点であると思います。
 その上で、私、きのうの夕方、そしてきょうの新聞報道を見て、ちょっとあいた口が塞がらなかったんですが、昨日、自民党本部で、文化芸術懇話会、代表は木原さんという党の青年局長を務められている方が代表らしいですが……(発言する者あり)木原稔さんだそうです。総理、笑い事じゃないですよ。その場で、さまざまなことがお話をされたそうですけれども、議員からは、マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番だ、経団連に働きかけてほしい、悪影響を与えている番組を発表し、そのスポンサーを列挙すればいいと。ある種、自分たちの意に沿わない報道をしているところを広告料収入を減らして干上がらせて、そして言うことを、私たちと同じような圧力をかけようではないかととられかねないような発言があったという報道がありました。
 どなたが出席されているのかということをいろいろ聞いてみたところ、報道によると、官房副長官の加藤さんが御出席されていたというような報道がありました。
 まず確認しますけれども、加藤副長官、この文化芸術懇話会に御出席はされていましたか。
○加藤内閣官房副長官 寺田委員にお答えしたいと思います。
 文化芸術懇話会は、政治家に求められる教養と創造力を得るため、芸術家と共通する創作手法と成果の普遍性を追求し、世界の中で輝ける日本を創造し、デザインする上で必要不可欠であり、心打つ政策芸術を立案し、実行する知恵と力を習得する、これを目的として開催されたものでありまして、そもそも自民党の正式な組織ではなく、いわゆる有志による内々の勉強会でございます。(発言する者あり)私自身も、今、官房副長官とございましたが、官房副長官としてではなく、一自民党の国会議員として出席したところでございます。
○寺田(学)委員 党のことだから関係ないだろうというやじがありましたけれども、先ほど総理が、今回の法案の理解が進まない理由というのを岡田委員に聞かれて、政府初め党の人間たちも含めて、しっかりとこの法案の審議を十分国民の皆さんにわかっていただけるように努力するべきだというような御発言がありました。まさしく政府と与党側の方がしっかりと説明をしなきゃいけない部分において、では、この懇話会、どのような議論だったか。
 簡単にでいいですが、なぜ官房副長官は御出席されたんですか。(発言する者あり)
○浜田委員長 静かに。静粛に願います。
○加藤内閣官房副長官 先ほどこの文化芸術懇話会の趣旨を申し上げましたけれども、まさにその趣旨に賛同し、また当日は、ミリオンセラーを多く輩出されている方も講師になっておられる、ぜひお話を伺いたいということで出席をさせていただきました。
○寺田(学)委員 どのような御感想をお持ちになりましたか。
○加藤内閣官房副長官 やはり作家としてのお立場でお話をされていた、非常に我々にとっても、そうした視点からの御意見は大変拝聴に値するなと思いました。
○寺田(学)委員 出席された議員から、マスコミを懲らしめるという言い方でしたけれども、そういうような御発言があったという報道がありました。
 では、その講演をされた百田さんがお話しされた内容というものを報道からお伺いしたんですが、正直、この場でお話しするのは控えた方がいいんじゃないかと思われるような発言があるんです。このような発言があったとしたら私は本当にゆゆしき問題だと思いますので、御紹介申し上げます。
 まず、沖縄の件について、自民党の議員の方が御質問をされました。その中において、その講演をされた方は、沖縄の二つの新聞は潰さないといけない、沖縄のどこかの島でも中国に乗っ取られたら目を覚ますはずだがというような物騒な御発言もありました。
 その後、沖縄についての発言が続くんですが、違和感を感じるのは、もともと普天間基地というのは田んぼの中にあった、周りになんて何にもない、民家はありましたけれども田んぼの中にあった、そこに、基地の周りに行けば商売になるということで、みんなどんどん何十年もかかって基地の周りに住み出して、一九七〇年ぐらいの普天間基地の航空写真がある、基地の周りは田んぼだらけだ、そういうようなお話でした。そこを選んで住んだのは誰やねんと言いたくなるんですけれどもというお話と、基地の地主さんが六本木ヒルズとかに住んでいる、大金持ちなんですよというような御評価を披露されている。
 沖縄は本当に被害者なのかと疑問を呈された上で、信じがたいんですが、テレビを聞かれている方は不快な思いをされるかもしれませんが、御発言があったとしたら重大なので申し上げますが、沖縄の米兵がレイプ事件を犯したことがある、過去何例もある、けれども、沖縄に住む米兵が犯したよりも、沖縄県全体で沖縄県自身が起こしたレイプ犯罪の方がはるかに率は高いです、こういうことは絶対言わないですねと。
 その後、最後は、本当にそういう左翼の扇動に対して立ち向かう言語とデータをもって対抗しないといけないということで締めくくられているそうです。(発言する者あり)
 私はこういうことにやじる方の神経がわからないんですが……(発言する者あり)
○浜田委員長 静粛に願います。
○寺田(学)委員 副長官、お伺いしたいんですが、このような発言があったということの事実確認をしたいんですが、副長官としていかがですか。
○加藤内閣官房副長官 今の御質問の趣旨の、副長官としてという趣旨がちょっと私にははかりかねて、先ほど申し上げたのは、議員個人として出席をさせていただいたと申し上げたところでございます。
 それから、百田氏が講演をされる前提として、内々の勉強会という前提で御講演をいただいたものでありますから、同氏が講演された内容について私から発言をするのは控えたいと思います。
○寺田(学)委員 講演をされた後の質疑応答も含めて、講演部分、質疑応答部分がありますが、全てお話をお伺いされましたか。
○加藤内閣官房副長官 私は、ちょうどほかの予定もございましたので、百田さんが講演をされたところで退室をいたしました。
○寺田(学)委員 この後、このような発言があったということを今まで確認はされましたか。
○加藤内閣官房副長官 私はそこで退室いたしましたので、その後の議論については承知しておりません。
○寺田(学)委員 このような発言がなかったというような確認はされましたか。
○加藤内閣官房副長官 今申し上げたように、講演が終わったところで退室をしておりますので、その後の様子については一切承知しておりません。
○寺田(学)委員 総理、政府・与党でこの法案に対してしっかりと議論しよう、そしてまた沖縄に関して言うと、先日総理が行かれて、慰霊の日、沖縄の皆さんにメッセージを発した直後ですよ。
 総理が総裁を務められている自民党の中において、法案に関しては、自分たちの意に沿わないような報道に対し、広告料収入を減らせ、経団連に言ってくれというような発言があり、かつ、沖縄に関しては、私は、本当にこれが事実だとしたら、しっかりと処分をし、議員でいる身分ですらないと思うんです。
 総理、お伺いしますけれども、このような発言があった、そして報道になった、そういうことは御認識されていますか。
○安倍内閣総理大臣 まず、私は報道を承知しておりません。そしてまた、今委員は伝聞を事実としてここで述べておられるわけでございますが、私は、まず報道自体を知らないわけでございます。
 そしてまた、党においてさまざまな議論が行われるわけでありますが、私は、基本的には、まさに自民党というのは自由と民主主義を大切にする政党でありますから、当然、報道の自由というのは民主主義の根幹であるという中においての議論である、このように思います。
○寺田(学)委員 総理、お願いです。この後ろに座っている議員の中で御出席されている方がいらっしゃいます。お昼、一時間あります。午後、一番は私の質疑の時間です。それまでの間に、そのような発言があったかどうか確認をしてください。よろしいですか。(発言する者あり)
○浜田委員長 静粛に願います。
○安倍内閣総理大臣 私は政府の立場でありまして、ここに立っているのはこの法案の審査でございまして、党においてはさまざまな会合が開催をされるわけでありまして、その一々の会合について、出席者は誰か、あるいはどういう発言をしたかということをこの委員会において、私がいわば政府の立場としてここでお示しするという立場にはない。
 もちろん、委員会としてそれを調査するということであればまた別の話でございますが、まさにこれは委員会にお任せをしたい、このように思います。
○寺田(学)委員 法案の審議じゃないという話を一刀両断に言われますが、この法案の審議に関して、マスコミに対して、懲らしめろ、経団連に言えという話もされていますし、沖縄だって、今回の問題は十分関与しますよ。(発言する者あり)
 不見識な発言だけれどもというようなことを岩屋理事もお認めになられましたが、総理、もしこれが本当だとしたら、私は本当にゆゆしき問題だと思いますよ。それが事実と異なって報道されているとしたら、しっかりと抗議しなきゃいけないじゃないですか。
 私は別に、今答えろという話ではないです。お昼、一時間あります。その後に、後ろに出席されている方々がいますので、このような発言はなかった、捏造だ、レッテル張りだというのであれば、午後、しっかりとそういうお話を御答弁ください。もしお話があるとすれば、それはしっかり、どのような発言があったのかということを総理に御答弁いただきたいと思います。
○浜田委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○浜田委員長 速記を起こしてください。
 安倍内閣総理大臣。
○安倍内閣総理大臣 そういう報道があるということについて私は存じ上げませんが、今、寺田委員が指摘されたような報道がもしあって、それが事実であるとすれば大変遺憾ではありますが、当然、党に、これは党の正式な会合ではないわけでありまして、有志が集まった会合でありますし、その中の発言がどのような形で報道されたかということについてもこれは確認をしてみる必要はあるんだろう、このように思います。
○寺田(学)委員 報道は、ほぼ全ての新聞社、もちろん沖縄タイムスも琉球新報も、そして全国紙も大方報じられています。ごらんになられていないとすれば、ぜひお昼休みの間にごらんになられた上で、御出席されている方々がいらっしゃるので……(安倍内閣総理大臣「忙しいんです」と呼ぶ)いや、これは党の名誉にかかわりますよ、報道されてしまっているんですから。ちゃんとこの報道自体が誤りだったら誤りだと言わないと、党としてのレッテル張りになりますよ。
 総裁、総理、お昼休みは一時間あります。もう私ここで質疑を切り上げてもいいですから、しっかり調べて、お昼一番、一時から御答弁ください。
○安倍内閣総理大臣 先ほど申し上げたとおりでございます。
○寺田(学)委員 いや、簡単な話ですから、確認をして、そういう話がなかったのであればなかったと、一時の委員会再開時に御答弁ください。何かそれが確認できない理由があるんですか。総理、ぜひ御確認をしてください。総理、確認できない理由があるのであれば、確認できない理由をお述べください。
○安倍内閣総理大臣 まず、私は総理として、行政府の責任者としてここに立って、まさにこの法案の審査において私はきょう出席しているわけであります。まさにこの集中審議に対して、この法案に対して答弁する上においてここに出席をしているわけでございまして、その中におきまして、党において行われた会、これはまさに党の正式な部会等々でもないわけでございます。自民党においては、さまざまな会が開催されることもございますし、あるいは党本部以外でも開催されることもございます。
 それを、今総理である私は行政府の長としてさまざまな仕事がございます。十二時から一時、ずっと休んでいるわけではないんですよ。ですから、そこでこれに集中してやれと言われても、行政府の長としての仕事もございますから、それはそう簡単には、直ちにここで、間違いなくそれを把握して、誰がどう発言したかということについてつまびらかに皆様に報告することはなかなか難しいのではないか、こう思うわけでございます。
○寺田(学)委員 僕は何でもかんでも調べてくれと言っているわけではなくて、けさの新聞にかなり書かれていることなんです。ですので、しっかりと調べてください。御自身が調べられないのであれば、誰かに指示をした上で、午後の質疑再開のときにはしっかりと事実の関係をお話ししてください。(発言する者あり)
○浜田委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○浜田委員長 速記を起こしてください。
 寺田君、我々、理事会がこの後ございますのでまた検討させていただきますので、質疑を続けていただければと思います。
○寺田(学)委員 次の質問に移るんですが、総理、別に何かインターネットの掲示板に書かれたとかいう話じゃなくて、全国紙、そして潰すべきだと言われた沖縄の二紙の方々が大きく報じられて、自民党議員はこんなことを言っているんだぞと報道になっているわけですよ。ですので、しっかりとそこは、事実と違うのであれば、報道されている以上、しっかりと早急に事実を確認し、事実であるならばそれなりの対応をし、事実でないのであれば毅然とした態度で報道した側に対する対応をするべきだと私は思います。
 お昼の間にしっかりと対応されるという話でしたので、次の質問に移ります。
 国民の理解が高まらない理由は何なのかということを質問する中で、政府と与党の中での説明のあり方という議論をしました。政府案が違憲だと考える人の割合というのも、本当に驚くべき数字ではありますけれども、かなり高く、合憲だと判断する方よりも違憲だと考えられている方の方が多い。
 総理、政府が出した、合憲だと信じて出している法案がなぜ違憲だというふうに国民の方々に判断されているのか、その原因というものをどのようにお考えになられていますか。
○安倍内閣総理大臣 我が国には憲法第九条があるわけでありまして、その二項の中におきまして、自衛隊の存在が違憲と言われたこともございます。そして、日米同盟も違憲である、こう言われてきたわけでございます。その中において昭和三十四年に砂川判決が出されまして、いわば国の存立を全うするために必要な自衛の措置をとり得ることは国家固有の権能の行使として当然のことと言わなければならない、こういう判断が示されたわけでございまして、そこで、自衛隊においても、また日米同盟においても、これは合憲であるという判断が示されたわけでございます。
 そして、そこにおいてはまさに必要な自衛の措置に対する解釈、その時々の解釈を行ってきたところでございますが、いわば憲法の解釈の中において、憲法上、明文に集団的自衛権の行使も個別的自衛権の行使もできると書いていないわけでありますから、解釈においてどういう解釈がなし得るか、そういう議論でございますから、なかなかこれは短時間に御理解をいただくというのは難しいかもしれない。そしてまた、憲法学者の方々からもこれは違憲であるという議論が出ているのも事実でございます。
 しかし、同時に、今でも憲法学界においては自衛隊そのものが違憲だという議論も根強いのも事実でございます。また、PKOの法案が審議されたときにも、自衛隊の海外派遣は違憲であるというのが、当時、アンケートをとった憲法学者のうち八割が違憲だというふうに答えているわけでございます。そういう状況もあったんだということも踏まえていく必要があるんだろうと思うわけでございます。
 そこで、まさに私たちには必要な自衛の措置とは何かということをとことん突き詰めて考えていく、それはまさに国民の命と幸せな暮らしを守っていくために我々の果たすべき責務ではないか、こう考えているところでございます。(発言する者あり)
○浜田委員長 静粛に願います。
○寺田(学)委員 今、総理はなぜ合憲なのかということをるるお話しされましたが、私がお伺いしたかったことは、そのような政府の合憲であるという説明自体がうまく国民に伝わらない理由はどこにあるんですかということをお伺いしたんです。
 時間になりましたので、午後、先ほど申し上げた件を御答弁いただいた上で再開したいと思います。
 終わります。
○浜田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時七分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○浜田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 午前中の寺田委員の指摘にありました点について確認いたしましたところ、そのような趣旨の発言があったことがわかりました。私といたしましては、甚だ遺憾であると存じておる次第であります。
 以上です。
 寺田君。
○寺田(学)委員 民主党の寺田です。
 午前中に引き続き、質疑をしたいと思います。
 今、小野寺委員の方から、午前中の審議を見ていない方もいるのでちゃんと簡単に概略をというお話だったので、申し上げます。
 今、午前中の議論で、お昼休みを挟んで持ち越している案件ですけれども、昨日、文化芸術懇話会というのが自民党本部で行われまして、代表の木原稔党青年局長が主宰されている会の中で、きょう報道にもありましたけれども、出席された議員から、マスコミを懲らしめるには広告収入がなくなるのが一番だ、経団連に働きかけてほしい、また、悪影響を与えている番組を発表し、そのスポンサーを列挙すればいいというような御発言があったということを問題視する報道がありました。
 それとともに、講師として呼ばれた作家の百田さんがその中で、沖縄にある二つの新聞は潰さなきゃいけないということ、そしてまた本当に沖縄は被害者なのかという御疑問を持たれたり、そしてまた沖縄の米兵が女性に乱暴したことに関して、過去あるけれども、それは沖縄県全体で沖縄県自身が起こしたそれの方がはるかに率は高いんだ、左翼の扇動に対して立ち向かう言葉とデータをもって対抗しなければならないというような御発言をされた。そこに、今官房副長官の加藤さん、あとは、党でありますけれども、総裁特別補佐の萩生田さんが御出席されていたという記事がありました。
 午前中、総理に、これが事実だとすれば本当にゆゆしき問題だと。広告料収入を干上がらせろというのは報道の自由に対するいわば圧力ともとられかねない問題でもありますし、百田さんがお話しされたことは、沖縄に対する本当に失礼という言葉では言い尽くせないほどひどい発言だったと私は思います。
 もしこの報道が事実でないとすれば、しっかりと事実関係を調べて御訂正された方がいいですと総理に申し上げたのと、もし事実であれば、それは適切なお言葉をもって対処していただきたいということを申し上げました。
 委員長から冒頭ありました。正確を期すためではあるんですが、どのような御発言があったのか、私、ちょっと報道を読み上げる形で言っていますので、その点に関して、どの部分ということをお話しいただければ、それをもって審議を続けたいと思います。
○浜田委員長 我々とすれば、今、報道にあったことも含め、確認をさせていただきました。どの部分ということではなくて、そういったことがあったということを今御報告したわけでありますので、よろしくお願いします。
○寺田(学)委員 済みません。私も読み上げた形ですので、私が読み上げた部分で間違いはない、言っていない発言はないということでよろしいですか。
○浜田委員長 そのとおりです。
○寺田(学)委員 それでは、総理にお伺いしたいんです。
 まず一点、メディア、報道に対する非常に大きな御発言があったというふうに委員長が確認されました。
 この質疑の端緒自体は、今政府が提案している改正案自体が国民になかなか伝わらないというのはなぜですか、政府と党の広報のあり方、説明の仕方というものに問題があるんじゃないですかというお話をしていました。憲法学者の方が違憲だ何だということが一つの大きなうねりになっていることは事実ですが、政府として、党としてしっかりと批判にも向き合って説明をしてほしいという趣旨で申し上げたところであります。
 委員長のお話によりますと、沖縄の二つの新聞は潰さなきゃいけない、ないしは、マスコミを懲らしめるには広告料収入をなくせばいい、そういうところに関しては、経団連に言って広告料を召し上げたらいいじゃないかという趣旨の御発言があったと確認されました。
 この発言を受けて、総理としてどのようにお考えになられているでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 浜田委員長の発言を踏まえまして、いずれにせよ、報道の自由、民主主義のまさに根幹をなすものであり、尊重されるのは当然のことであろう、このように思います。
 その上で、今、寺田委員からも御紹介がございましたが、平和安全法制について国民の理解がなかなか進んでいかないという中において、国会においてしっかりと審議をしていく、あるいはまた党として説明会を開くなど、そういう努力をしていくべきだ、こう申し上げているわけでございまして、これからその努力を重ねていきたい、こう思っておるところでございます。
 また、報道の自由については尊重するというのは、一貫した私の立場でもございますし、党としてもその立場を貫いているところでございます。
 また、今回の件において、幹事長からもそうした趣旨の発言がなされたものと承知をしております。
○寺田(学)委員 前提をちゃんと確認しますけれども、委員長に調べていただきました、このような発言があったと委員長がお話をされましたけれども、総理としてもこのような事実があったことを確認はされたということの認識でよろしいですか。
○安倍内閣総理大臣 私は、総理大臣でございますので、総理という立場でございますので、確認をしておりませんが、委員長からの御発言を受けて答えたところでございます。
○寺田(学)委員 事実をお認めにはならないんですか。このような御発言が党所属議員からあった、そしてお招きになられた百田さんから発言があったということをぜひ確認してくださいということを午前中に申し上げました。御多忙だというお話でしたから、委員長の御配慮で、委員長がお調べになられ、委員長が遺憾の意を示されました。
 総理大臣だからというお話をされていますけれども、総理・総裁ですよ。都合のいいときには党の話を持ち出し、都合の悪いときには私は総理だから党のことは知らぬというのは、私はけしからぬと思います。
 もう一度お伺いします。このような発言があったと委員長が確認されましたけれども、総理も確認されましたか。
○安倍内閣総理大臣 今、寺田委員は、けしからぬ、私にけしからぬとおっしゃった。
 でも、私は、あの後、委員会が終わった後から、オリンピック・パラリンピック推進室の事務局がスタートしたわけでございます。そして、そのスタートのときに看板かけを行って、そしてまさにそこで訓示を述べなければいけない。そしてまた、官邸に戻ってからも、さまざまな午前中の出来事について、いわば国政全般、あるいは国際情勢等もありますから、そういう報告も受けるわけでございます。
 その中において、私がいわば名簿を取り寄せて一人一人に確認するということは当然不可能なことでございます。午後の委員会におけるさまざまな質問に対する準備もしなければならないわけでございまして、とても、けしからぬと言われても、なかなかその時間はないということでございます。
○寺田(学)委員 委員長が、国会の役職の中において、この委員会を取り仕切る意味において、汗をかいていただいてお調べになっていただいた。
 総理がお忙しいということは十分わかります。別に、誰が何を具体的に言ったのかということを総理自身がお電話して聞いてくれと言ったわけではありません。どなたかに指示をした上で事実を確認してくださいというお話をしました。
 どういう流れかわかりませんが、委員長がお調べになっていただいた。単純に、そういう事実があったということを総理自身として把握されていますかということを聞いているんです。午前中、質疑しました。なぜそれをお認めにならないんですか。
 総理・総裁として、今お立場はありますけれども、所属議員がそういう話をされて、報道では、朝、多くの紙面が割かれたわけですよ。その事実はあったかどうかということを確認してくださいとお話をし、委員長が汗をかいて確認していただいたにもかかわらず、その事実をまだ認めていないというのは、私はどういうお考えなのかわからないんです。
 今、委員長がそのような事実がありましたとお話しになりました。そういうことで、総理自身としてもこのような発言があったということをまずお認めになっていただいて、その上で、総理・総裁としてどのようなお考えかを聞きたいと思います。
 もう一度お伺いします。総理、このような発言があったということを認識されていますか。
○安倍内閣総理大臣 最初に、冒頭申し上げましたように、浜田委員長の御発言を踏まえというふうに申し上げたじゃないですか。私自身は、そういうことで、残念ながら一々調べるという時間がなかったわけであります。そのことをけしからぬと言われても、私は総理大臣としての仕事がありますから、それは。
 委員会が終わった後の四十五分ぐらい、またここに来るまでに十分ぐらいかかりますから、三十分ちょっとの間で、準備室のいわば看板かけ及び訓示も行わなければいけない、国政についての状況についての報告も受けなければいけないわけでありますし、私からも指示をしなければいけないという中において、事実において、では誰がどういう発言をしたかということについて確かめるということについて、私自身がとてもそれはできないということでございまして、その上において、委員長がまさに委員長の職権として調べられて、先ほど御発言がございました。それを受けて、先ほど申し上げましたように、安倍内閣としての立場、党としての立場を申し上げたところでございます。また同時に、今党を預かっている谷垣幹事長から既に党として記者会見をされているというふうに承知をしております。
○寺田(学)委員 党の立場として発言申し上げたとお話しされていますので、党の立場として御発言されるんだと思います。
 特段難しいことを言っていません。委員長がそのような事実があったとお調べになっていただいたことを、なぜお認めにならないんですか。委員長が御報告されていることに関して、お認めにならない理由は何なんでしょうか。
 総理大臣として、委員長がお話をして、そのような事実があったと確認していることを、なぜ素直に認識されないで、私はまだ確認していないと言われるのかわかりません。そのような発言があったということを委員長にお調べいただきましたけれども、確認したんですよね。発言があったということは、総理として認識されているんですよね。
○安倍内閣総理大臣 寺田委員の質問は、なぜこの昼休みの時間に、総理は何をやっているんだ、何で自分で確認しないのかというふうにおっしゃったじゃないですか。そういうことを自分で確認しろとおっしゃったから、私はそれは確認できないという理由を、私自身がそういう時間が残念ながらなかったという話をさせていただいたところでございます。
 その上において、この委員会のまさに委員長の権限の中においてその確認をされましたので、当然、その確認を踏まえて、委員長の確認でありますから、その認識の上において私が先ほど発言したわけでございます。
○寺田(学)委員 今、委員長がお調べになられたことを御認識されて、その上で御発言があるとは思うんですが、おわびの一言もないんでしょうか。
○浜田委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○浜田委員長 速記を起こしてください。
 寺田学君。(発言する者あり)
○寺田(学)委員 おまえこそ謝れと今やじがありました。理事のお一人からは、何で謝らなきゃいけないんだというような御発言もありました。そのお考えであれば、そのお考えをお述べいただきたいと思うんです。
 私は、このような報道に対する圧力そのもののような発言が党の所属議員から出ていることに関しては、党の責任者として責任があると思っています。それとともに、幾ら党の正式な会議ではないとはいえ、党の青年局長の方がお招きされ、官房副長官もおり、総裁特別補佐の萩生田さんもおった上で、沖縄に対するこのような侮辱的な言葉を話しているような勉強会があったことに対して、おわびすべき問題だと私は思います、私の価値観では。そこに関して、この事実を踏まえた上で、総理としてどのようなお考えでしょうかということをお伺いしたい。
 そして、おわびするべきではないでしょうか。私にではないです。報道に対しても、そして何より沖縄の方々に対してもおわびしてしかるべきだと私は思っています。総理はいかがですか。
○安倍内閣総理大臣 最初に寺田委員は、私が調べたのか、この休みの間に何で調べていないんだ、それはけしからぬじゃないかと言われたから、私は最初にそのように申し上げたわけであります。
 私が最初に申し上げましたように、委員長が委員長の職権としてお調べになられた、この発言を承知した上において、安倍内閣として、また自由民主党としての立場を言えということでございましたから、我々は、まさに言論の自由こそが民主主義の根幹であり、当然尊重されるべきものであるということを申し上げたわけでございまして、今後ともその方針には変わりがないわけでございますし、その考え方は党内において徹底していく考えでございます。
○寺田(学)委員 おわびは強制するものじゃないので、そこは総理の御判断だと思いますが、私自身としては、自分が責任者であったとすれば、このような発言があった場合には、私は沖縄に対して、報道に対して、本当に申しわけない気持ちになります。
 私は、それなりに自分自身として、価値観として考えれば、おわびしたいと思いますし、発言した方、そしてまた発言をある種黙認されていたその場の環境を含めてしっかりと調べた上で、今後そういうことがないように、今後そういう誤解が生まれないように、しっかりと責任者としてやりたいなというふうに思います。
 もう一度お伺いしますが、強制をするつもりはありません。こういうような発言があったという事実を前にして、おわびするというお考えはないんですか。
○安倍内閣総理大臣 自民党にはさまざまな講師の方が来られて、いろいろなお考えを述べられます。我が党の考え方と大分離れた考え方のことを述べられる方も往々にしておられるわけでございまして、百田さんだけではなくて、さまざまな方々がいろいろな発言をされるわけであります。その方々が発言された、その場にいないにもかからず、その方になりかわって勝手におわびをするということは私はできないわけでありまして、わびるかどうかは、まさに発言した人物のみがその責任を負うことができるだろうと思います。
 そして、その後のやりとりということについては私も詳細には知らないわけでありまして、恐らく寺田議員もその後のずっとのやりとりを全て知っているということではないんだろう、全てのやりとりを知っているわけではないんだろう、このように思うわけでございます。その上において、報道の自由は尊重される、これは当然のことであろう、こう思うわけでございます。
 と同時に、我々は、沖縄の歩んできた苦難の歴史に思いをはせながら先般も式典に出席をさせていただいた次第でございますし、まさに普天間基地は住宅街の真ん中にある基地であって、固定化は断固としてあってはならない。これは寺田さん初め私たちみんなの責任なんだろう、こう思うわけでありまして、その中で、十九年ぶりにやっと動いているわけでございますから、負担軽減も進めながら普天間基地の移設、負担軽減をしっかりと進めていくことによって沖縄の皆様に対する責任も果たしていきたい、こう考えているところでございます。
○寺田(学)委員 私自身その場にいませんので、つまびらかにそこの場で何が議論されていたかわからないので、報道を引用して質問いたしました。その結果として、委員長が正式にお調べになられて、私が紹介したそのような事実があったということなので、その限りにおいて質問しているというのが今の現状です。
 百田さんがお話をされた内容に関して総理が何か述べるということが直ちに必要かということに関してはいろいろ議論はあるかもしれませんが、広告収入を経団連に言ってなくしてもらえというような、報道に対する圧力ととられるような発言をされたのは御党の議員です。そのことに関しても何かしら、私は責任者であればおわびしたいと思いますけれども、それに対する責任をお感じになることはないんでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 自由民主党が、いわば企業に圧力をかけてスポンサーをおりろとか、そんなことは考えられないわけでありまして、それは当然それぞれの企業が判断されるわけであります。当然その考え方については共有されているんだろう、私はこのように思います。
○寺田(学)委員 時間が来ましたので終わりますが、総理の背中を見てほかの議員はいろいろ考えていると思いますよ。最初からそういうようなことを発言する議員だったのかどうかは私が述べることはできませんけれども、総理として、きょう長官がいらっしゃっていますけれども、長官として、沖縄に対する態度または報道に対する態度、さまざまなところを見て一年生議員、二年生議員の方々は御発言されているのではないかなと思います。
 いずれにせよ、この法案自体が国民の十分な理解が伴っているとは言えない状態です。しっかりと、質疑時間のみならず、答弁内容も含めて練り直して、質疑を充実させたいというふうに思います。
 以上です。
○浜田委員長 次に、辻元清美君。
○辻元委員 民主党の辻元清美です。
 今の寺田委員と総理のやりとりをお聞きしておりまして、総理、これは普通、会社の社長だったら、自分のところの社員が本当におかしなことを言ったり、そして会社が呼んだ講師とか、そして話を聞こうと。普通は、社長だったら自分のところの社員に責任を持つんですよ。
 だから、私はやはり、自民党の議員が、報道、もう一回申し上げますよ、見過ごせないですよ、これ。でしょう。(発言する者あり)いや、これは今、一部のはね返りとおっしゃいましたけれども、この文化芸術懇話会という議員の集まりは、安倍総理大臣の応援団の集まりだと私は思っております。そして、ここに呼ばれた百田さんは、後で質問したいと思いますが、安倍総理と百田さん、呼ばれた講師の本がここにあります。この中で、お互いに意気投合して、総理が非常に同じような意見だということで評価し、そして総理がNHKの経営委員に安倍政権として選んだ人じゃないですか。
 ですから、単なる、いろいろな話を聞くし、自民党にいろいろな人、意見が違う人も来ますという話じゃないんじゃないですか。総理がもしもそのように思っていらっしゃるとすれば、安倍政権そのものの体質が本当に劣化している。
 総理、仮に百田さんに来てもらって、総理ととても仲のいいと書いてありますよ、来てもらってお話を聞いて、そしてその中で、経済界に言ってメディアに圧力をかけろとか、そして私はここは見過ごせませんよ、この百田さんが、沖縄の米兵がレイプ事件を起こしたことがある、過去何例もある、けれども、沖縄に住む米兵が起こしたことよりも、沖縄県全体で沖縄県自身が起こしたレイプ犯罪の方がはるかに率が高いです、こういうような信じられない発言をしたのかと。委員長はこの発言があったということを確認したというさっきのお話なんですよ。
 総理が本をお出しになって、それも国から予算が出ているNHKのメディアの経営委員にお選びになった、その人が発言している。これは普通のことではないという危機感は総理はないんですか。いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 先ほど申し上げたとおりでございます。
 また、講師がどのような話をされたか、これは議事録が残っているわけでもないわけでございまして、私自身はこれを確認のしようがないわけでございますし、そもそもお話しになった内容は、外に出すということは前提にしていない中において話をされた、このように先ほど加藤副長官も紹介をしておられたわけでございます。
 その上において、まさに沖縄の問題については、戦後七十年、沖縄の歩んできた苦難の歴史に思いをはせながらしっかりと沖縄の振興を図っていかなければいけませんし、米軍基地が沖縄に集中しているという状況を変えるために我々は全力投球してきたところでございまして、我々の考え方が先ほど紹介をされたような考え方とは大きく違うということは御理解いただけるのではないか。
 まさに普天間基地についても一日も早い移転を進めなければならない、こう思っているわけでございますし、負担軽減につきましては、十五機の空中給油機は岩国に移設されたわけでありまして、十七年間の懸案が安倍政権において解決したわけでありますし、西普天間の住宅地区につきましても、これも長い間の懸案でございますが、安倍政権のこの二年半において返還がなされたわけでございます。そして、普天間基地の辺野古への移転につきましては、まさに機能を三分の一にしていくわけでございますし、面積も三分の一になっていく。そして、防音が必要なお宅の数も、今は一万戸あるのでございますが、辺野古に移った段階ではゼロになる。
 こういうことを一つ一つ私たちは実行しているわけでございまして、今、辻元さんがおっしゃっているように、沖縄を米軍基地のままでいいような発想をしているということは、米軍基地が集中しているという状況を肯定するような考えは全くないということは申し上げておきたい、このように思います。
○辻元委員 今、総理は二つのことをおっしゃいました。内容は確認できないと。ところが、委員長が先ほど、午前中に寺田委員が言った内容を確認しましたと言っているわけですよ。わかりますか、総理。そして、公開で行われた会じゃないとおっしゃった。秘密の会だったらこういう発言をしていいと総理はお考えですか。自民党では公開じゃないような会議でこのように、メディアに圧力をかけろとか、沖縄の人たちの基地問題を。ほかでもこういうことを言っているのかしらと私は思いますよ、総理。違いますか。総理、委員長がこの内容は確認しましたという話なんですよ。
 ですから、私は確認していないとか、公開の会議じゃないんだからいいんだというような問題だとあなたは思っているのか。総理、るる言いわけされない方がいいですよ。そういう姿勢が安倍政権の体質だと国民が思いますよ。いかがですか。こんな会議をして本当に自民党として恥ずかしいとか、申しわけないと思うとか、何かそういう総理自身の言葉はないんですか。いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 先ほど私が話した言葉だけでも、辻元さんの紹介になると、秘密の会であれば何を言ってもいいんだと私が言ったかのごとくになりますね。実は違いますよ、全然。私はそんなことは言っていないじゃないですか。
 私が言ったのは、講師が、自分がしゃべった内容が公開されないことを前提にしゃべっているということであります。ですから、当然議事録も残っていないわけでありますし、内容について何をしゃべってもいいなんということを私は一言も言っていないじゃないですか。私が言っていないことを言ったかのごとく紹介して、私を批判されて答弁を求めても、これはなかなか答弁のしようがないじゃありませんか。
 私は、秘密の会だからといって何を言ってもいいということは一言も言っておりません。そして、その上で申し上げれば、委員長は先ほど確認をされたとおっしゃっていた、ですから私は、それはそういうことなんだろう、こう思っております。ですから、委員長が言われたことを踏まえて私は発言をしているわけでありますが、先ほど来の質問におきまして、まさに私自身はなかなか調べようがないという状況であるわけでございます。そのことについてお話をしたのであります。
 いずれにいたしましても、党としての立場あるいは安倍政権としての立場は先ほど申し上げたとおりでありまして、先ほど我々の立場は申し上げておりますから、まさに報道の自由というのは民主主義の根幹である、当然尊重されなければならないというのが安倍政権の立場であり、そして自民党の立場でもあるわけであります。このことはしっかりと確立されていることであり、今後も不変の姿勢であるということは申し上げておきたい。
 まさに、その上において、今後自民党は、誤解されることがないようにしっかりと襟を正しながら、報道の自由は守りながら、しかし主張すべきことはしっかりと主張していく、反論には耳を傾けながら議論を重ねていく上において我々は政策を推進していきたい、こう考えているわけであります。
○辻元委員 先ほど委員長が内容を確認しましたという内容について、それではお聞きしたいと思います。
 この百田さんと安倍総理は本を出していらっしゃいますね。そして、この本がなぜ出されることになったかといういきさつは、ここに書いてありますけれども、「WiLL」という雑誌で百田さんが総理のことを評価された。そして総理が携帯電話に電話をかけられた、百田さんに。そこからいろいろなことを一緒にやり始めたというようにこの本に書いてございます。
 総理はこの百田さんとは非常に、本もお出しになって、そしてこの後書きには「百田さんとは「WiLL」に掲載するため二回にわたって長い対談をしたが、」と。これは総理からの申し出ですよ、百田さんに。そして「近年、これほど楽しく対談したことは少ない。育った環境はまるで違うが、同年代ということもあろう。百田さんとは話が合うのである。」と物すごく意気投合しているんですよ、この対談の本。百田さんとは話が合うんですね、親しいんですね。いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 そのこととこの平和安全法制がどういうかかわりがあるかはなかなか理解が難しいのでございますが、私と百田さんとの関係においては、いわば対談でお話もさせていただきましたし、会食したこともございます。意気投合することもございますが、ただ、お互いに全ての主張が一緒ということではないわけでありまして、主張が違うけれども意気が合うということは、辻元さんはないのかもしれませんが、我々は、主張があるけれども意気投合するということはあるわけであります。
 岩屋さんとは政策的に違いはありますが、お互いに親愛、信頼し合って意気投合することもあるわけでありまして、岩屋さんが例えば言ったことを全部私がそれはそのとおりだと思っているわけではないし、また私が言ったことを岩屋さんが残念ながら全部そのとおりだとは思っていないということであります。
○辻元委員 今笑いが出ましたけれども、笑うような話ではないですよ、これは。
 では、総理にお聞きします。
 なぜかといいますと、後で沖縄の話をしますが、本法案と沖縄は密接に関係があります。というのは、沖縄には米軍基地があります。いわゆる集団的自衛権、一部で限定であろうが、これを沖縄の人たちはどう見ているか。基地の固定化につながるんじゃないかと。日本を守るだけじゃない、重要影響事態ということで世界じゅうに出ていく、沖縄の基地から米軍も行くということ。それから、後で議論したいと思いますけれども、一たび相手から敵とみなされたら、よく言うじゃないですか、ミサイルが飛んでくるかもしれない。米軍基地が狙われるんですよ。米軍基地はどこにありますか、沖縄でしょう。標的にされるんじゃないかと沖縄の人は思っているわけですよ。
 そして、その沖縄の意見をさまざまな角度から報道しているのがこの沖縄タイムスや琉球新報じゃないですか。これは一面トップですよ、きょうの話。ですから、この平和安全法制とどう関係あるのかしらという総理大臣の発言に私は愕然といたしました。
 今、総理と一緒に本を出している百田さんは、沖縄タイムスや琉球新報、沖縄の二紙ですよ、この二紙に対して、沖縄の二つの新聞は潰さないといけない、沖縄のどこかの島でも中国にとられれば目を覚ますはずだがと発言しているわけです。これは、浜田委員長が内容を確認したとさっきおっしゃった内容です。総理、こういう発言をする人を安倍政権はNHKの、報道の経営委員につけてきたわけですよ。不適切だったと思いませんか。
○安倍内閣総理大臣 私自身は発言について、つまびらかに承知をしておりません。そして、百田さんにつきましては手順を踏んで、国会の議決があり、そして経営委員に就任されたというふうに私は承知をしております。
 いずれにせよ、今紹介されたような意見に我々は全く賛同しているわけではないわけでございまして、沖縄につきましては、まさに我々は沖縄の負担を軽減するために努力を重ねてきているわけでございます。まさに十九年間全く動かなかったんですから、普天間の固定化、これは断じてあってはならないという考え方のもとに今、苦しいですけれども作業を進めているところでありますし、先ほど申し上げましたように、一つ一つ課題を解決していくしかないんですよ。ですから、それがまさに我々政治家に求められていることなんだろう、このように思います。
 皆さんも政権をとっておられたんですから、そのときにどれぐらい前進したかということを、それぞれが胸に手を当てて考えながら前に進めていくことが大切ではないか、このように思います。
○辻元委員 今総理は、内容をつまびらかに確認していないとおっしゃいましたね。おっしゃいましたね。
 委員長、委員長にお聞きしますが、委員長は内容を確認されたということでよろしいですね。
○浜田委員長 内容は、今お話がありましたように、寺田委員からの指摘のあった部分、これを確認させていただきました。
○辻元委員 ということは、今私が申し上げた部分は、寺田委員から午前中に指摘があったから確認したということでよろしいですね。
○浜田委員長 そうです。
○辻元委員 はい。確認しているわけですよ。
 総理、自分が確認していないって、委員長の言ったとおりですとさっきおっしゃったじゃないですか。憲法学者に対して、人選ミスだったとおっしゃった。この百田さん、沖縄の二紙を潰した方がいいというようなことを発言している人をNHKの経営委員に安倍政権はつけてきた。こっちが人選ミスじゃないですか。違いますか。
○安倍内閣総理大臣 私は、憲法学者について、人選ミスだと発言したことは一回もございません。
 ですから、まず、私の発言を正確に引用していただきたいと思います。私が発言していないことを発言したとして、それを前提に質問されてもまさにこれは答えようがないわけでありまして、まさに議論というのは正確な事実の上にお話をしましょうよ。
 ですから私も、確かに委員長が御確認をされたという事実は重たいわけでありますが、しかし、本来であればそういう論評を、しかも経営委員であったかどうかということについて私が今ここで論評をする上においては、実際にどういう意図かということも含めてこれは本来確認しなければならないことなんだろう、こう思うわけでありまして、いずれにいたしましても、国会の議決をいただいて選任されたというふうに承知をしております。
○辻元委員 今、議論を正確にするためにきちんと物事は確認してとおっしゃった。
 一方、総理は、午前中の寺田委員で、これは本当にマスコミに対してもですし、沖縄に対しても、本当に沖縄の皆さんが屈辱的な思いをお持ちになる話なんですよ、それが自民党の会合で出た。総理は正確に確認してから物を言えと言いながら、御自身は、あれだけ午前中問題になったのに、私はつまびらかに内容を確認していませんからと。あなた、自分の態度が矛盾していると思いませんか。
 総理、失礼ですよ、人にだけ言って。総理、そうしますと、正確に議論するために、この内容が事実であるか、やはり総理に確認をしっかりしてもらわないと。総理は今おっしゃいましたね、事実を確認して議論してくださいとおっしゃるのであれば、総理ももう一度確認していただけますか。
○安倍内閣総理大臣 まず、辻元委員は、この短い議論の間に、二つも私が言っていない発言を、言ったといって発言された。しかも、結構重要な発言であります。そういうことはお互いにやめましょう。だから、そういうことがありますねと。実際そうなんですから。
 私が言ってもいないことを、辻元さんは私がこう言ったと、秘密の会であれば何を言ってもいいんだと私が言ったと。こういうことは伝聞の恐ろしいところで、まさに辻元さんがそれをテレビで話せば、私がそう言ったということになってしまう。人選ミスだと私が言ったと。言ってもいないわけであります。ですから、やはりそれを前提として議論するのはどうかということを申し上げているわけでありまして、これがどこが失礼なのかということはあえて問いたい、こういうふうに思うわけでございます。
 その上において、いわば経営委員においては、先ほど申し上げましたように、手順を踏んで、国会で議決されて経営委員に選出されたものと私は承知をしているわけでございます。
○辻元委員 それでは、一つ一つ、先ほどの部分以外のところも総理の御意見を承りたいと思います。
 普天間の問題を百田さんはおっしゃっています。この普天間基地というのは田んぼの真ん中にあった、何にもない、民家もありましたけれども田んぼの中にあった、そこに、基地の周りに行けば商売になるということで、みんなどんどん何十年もかかって基地の周りに住み出してという発言をしています。そこを選んで住んだのは誰やねんと。そして、基地の地主さんが六本木ヒルズとかに住んでいる、大金持ちなんですよとおっしゃっているんですよ。
 これは間違った認識ですね。いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 今、一民間人の発言について、私がそれを間違っているかどうかと言う立場にはありませんが、政府の考え方は、先ほども申し上げましたように、普天間基地の固定化はあってはならないと申し上げているじゃないですか。
 危険性を除去しなければならないというのがまさに安倍政権の立場であって、民主党政権のときには一ミリたりとも動かなかったでしょう、それをまさに私たちは動かそうとしているわけでありますし、十五機の空中給油機だってそのままだったじゃないですか、民主党政権時代は。安倍政権においては、この十五機の空中給油機を全機、山口県の岩国基地に移駐させました。こういう実績を一つ一つ私たちは示しているんですよ。
 いわば民間人の発言を云々するよりも、どのように私たちは政治家として実際に具体的に負担を軽減させていくか、この実行力が私は問われているのではないかと思います。私たちがやってきたことを見ていただければ、我々は普天間基地をそのままにしていいと考えては全くいないということは明らかではないかと思います。
○辻元委員 先日、総理は、沖縄の慰霊の日、六月二十三日に行かれて御発言もされました。
 沖縄は本当に戦争の苦しい歴史がありますよね。沖縄ではさきの大戦でどれぐらいの方が亡くなったと認識されていますか。
○安倍内閣総理大臣 七十年前、沖縄の地において二十万を超える貴重な人命が失われたわけでございます。
○辻元委員 四人に一人とも言われているわけです。
 ですから、今回、今私が申し上げているこの問題というのは、単に一民間人という話ではなく、NHKの経営委員もされていて、安倍総理と一緒に本も出されていて、さらに安倍政権がNHKというメディアの経営委員、影響力がある人に選んでいた人だからこそ、そして沖縄にかかわることをこのような発言をされているから私は申し上げているわけです。
 そして、この沖縄の慰霊の日、残念ながら、先ほど自民党の議員が不本意な発言もあったとおっしゃいましたけれども、必ずしも大歓迎で総理が迎えられたわけではないということは皆認識しているわけです。今、総理は努力をしているとおっしゃったけれども、それでは、どうして沖縄では知事とも対立し、そして、この間の慰霊の日も私も悲しかったです、見ていて。いろいろな声が飛びました。どうしてだと思いますか、沖縄の皆さんのお気持ち。どうしてだと思いますか。総理はどのように御理解されていますか。
○安倍内閣総理大臣 翁長知事も自民党の県連の幹事長として、そしてまた市長時代も、普天間基地のいわば移設先は危険の除去のためには辺野古しかないということで、我々とともに汗を流していたのは事実なんですよ。なぜここまでになってしまったか。これは繰り返し申し上げたくはありませんが、民主党政権下において鳩山総理が、最低でも県外とおっしゃったじゃありませんか。これは人のせいということではなくて、事実であり、極めて重大な事実だからこそ申し上げておきたいと思います。
 その前に、我々はまさに辺野古という解決案について説得しながら、名護でも市長選挙に勝ち、あるいは県知事選挙も勝っていたわけでございますが、いわば政府自体がそういう発言をしてしまえば、当時野党であった自民党の沖縄県連も、自分たち自体、責任を持つ政府がそういう無責任な態度をとってしまっては、県連としてもこれはどう考えるべきか、政府自体が県外ということを恐らく責任を持って言っているのであろうということで、いわば県外ということに傾いていかざるを得なかったわけでございます。
 それが、一年にも満たない間において、やはり辺野古ということになったわけであります。その中において、県民としては、辺野古が唯一の解決策なんだろう、残念だけれどもそれはしようがない、まずは普天間の危険の除去だなという考え方のもとに、その方向で進んできた。しかし、なかなかそれは動きとしては前に進んでいなかったのは事実であります。
 そこで、我々はもう一度、もちろん、ずっと検証した結果、普天間移設という道しかないという中において今進めているわけでございます。この道をとらなければ残念ながら普天間に固定化されるというのも事実でありますし、普天間から辺野古に移設することによって、三つある機能のうち移るのは一つ、オスプレイの駐留という機能だけになるわけでありますし、同時になるべく訓練も本土に移そうという努力をし、そしてそれは成果を上げつつあるわけですよ。
 もとをたどればどこなんだとおっしゃったから、それは、もう繰り返し申し上げたくありませんが、当時の鳩山総理が最低でも県外とおっしゃったじゃないですか。最低でも県外とおっしゃったら、しかも、総理大臣がおっしゃった言葉というのはやはり重たい。みんなが我慢しながら前に進もうと思ってきた気持ちがやはり折れたんだろう、このように思います。
 政府と沖縄との信頼関係を取り戻すというのはそう簡単なことではないわけでありますが、そこで我々は一つ一つ丁寧に御説明をしながら、実際に今、沖縄全体では負担が軽減され始めているわけでありまして、この二年半で全く十数年の懸案というのが動いているのは事実じゃないですか。そして、事実上地位協定の改定ではありませんが、環境にかかわる協定を新たに結んでいくことになるわけでありまして、これは全く新しい、この地位協定ができて初めての出来事であります。そうしたことを今一つ一つ私たちは積み上げているんだということも御理解をいただきながら、沖縄の皆様のお気持ちに沿いながら、さらに我々が進めているこの普天間移設に対する御理解を高めていきたい、努力を重ねていきたいと思っております。
○辻元委員 私は、民主党政権のときの反省しなきゃいけないことはいっぱいあると思います。しかし、慰霊の日に総理大臣が行って、ある意味罵声のような声が飛ぶとか、それから今、自民党政権に対して、安倍政権に対して沖縄では支持率二二%ですよ。それは民主党政権が悪いから私は罵声を飛ばされたみたいな、そういうことに私には聞こえました。
 それで、総理、先ほど申し上げましたけれども、戦争に巻き込まれるかどうか。沖縄の皆さんは、米軍基地が来て日本を守ってくれると思った。ところが、基地があるためにむしろ攻撃の標的になって安全ではなくなる。これは安全保障の裏表なんです。
 総理は、この間の参考人招致のときに、もとの法制局長官がお越しになって、この法案について憲法違反であるという話をされたこと、議事録等もお読みになっていると思います。もとの法制局長官がこの国会に来られてそういう発言をされるというのは、ある意味決死の覚悟で来られたと私は思いますよ。非常に重い言葉だと思うんです。
 その中のお一人がこうおっしゃっています。集団的自衛権の行使は自分の国が攻められていなくても武力行使するということだから、敵となる相手国に我が国を攻撃する大義名分を与えるということ、国民を守ろうというより、進んで国民を危険にさらすという結果をもたらすこともあるとおっしゃっているんですね。私はこれは非常に重く受けとめなきゃいけない言葉だと思います。
 そして、沖縄の皆さんも、基地があるということでさまざまな被害を受けていらっしゃるだけではなくて、裏腹にこういう、むしろ自分たちがまず最初に戦争に、今まで戦争があった、そしてこれからも巻き込まれていく可能性がある。
 この法制局元長官の言葉、そして沖縄の皆さんの御懸念、私はそれは非常に正当な、そしてこの法案を審議するに当たって総理大臣として重く受けとめなければならない、そういう視点だと思いますが、いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 まず、先ほどの辻元さんの発言ですが、民主党政権が悪かったから罵声を浴びせられたと私が言ったかのごとくの発言は取り消していただきたいと思います。この短い間にもう三つも、私が言っていないことを言ったと言う、こういう姿勢はぜひ改めていただきたい、このように思います。
 そして、法制局長官の発言でございますが、今おっしゃった発言は、法制局元長官の発言ではありますが、憲法解釈との関係ではなくて、推測を述べておられるにすぎないわけですね。いわば政策的な選択肢の中における推測なんだろう。集団的自衛権を行使すれば攻撃されるかもしれないというのは推測だろう、このように思うわけでありますが、そもそもこれは憲法解釈との関係の議論ではないわけでありますから、それはそうなんだろうと思いますよ。
 そして、それに対する答えでありますが、私たちがいわば一部容認している集団的自衛権の行使というのは、我が国の存立が脅かされ、国民の生命そして自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険なんですよ。
 そのとき、例えば近隣諸国が日本に対してミサイルを発射するかもしれないという状況の中で、警戒に当たっている米国の艦船に対する攻撃を阻止できるのに阻止しなくていいのかという状況、あるいはまた近隣諸国で紛争があって、それから逃れようとする邦人を乗せている米国の艦船が攻撃を受けたときにこの邦人を守ることができなくてもいいのかということについて、私たちは国民から選ばれている国会議員として、国会として、またあるいは国会議員によって形成されている政府として責任を持たなければならないわけであります。
 それこそがまさに必要な自衛の措置とは何かということでありまして、我々はそこから逃れることはできないんですよ。むしろ逃れることは責任の放棄につながっていくわけでありますから、そこについては時々の安全保障環境をよく見ながら、しっかりと我々は責任を持ちながら判断していくことが求められている、このように思います。
○辻元委員 今、米艦船の話が出ましたので、中谷大臣にお伺いしたいと思います。
 我が国はまだ攻撃されていない、そして米艦船を守るために自衛隊が出た、この事例はよく出されますよね。米艦船を守っているときに、敵方、相手方が潜水艦など、一番危ないのは魚雷だと思います、攻撃されるのは。これは後ろにいる小野寺さんが防衛大臣のときに大分議論いたしましたが、米艦船を守りに行った自衛隊の艦船が魚雷を撃とうとしている相手国の潜水艦を見つけたら、これは撃沈するということでいいですね。そういうことですよ。
○中谷国務大臣 自衛権の話でありますが、我が国が自衛権を発揮できる場合におきましては、我が国に対する直接武力攻撃が発生また着手していないとできません。米艦の護衛等につきましては、現在、そういった権限については自衛隊にはないということでございます。
○辻元委員 何を言っているんですか。存立危機事態で、我が国はまだ攻撃されていないけれども、存立危機事態と認定された後に米艦防護に行った自衛艦、自衛隊の艦船が相手の潜水艦が魚雷を撃とうとするのを見つけたら撃沈しますねと言っているわけですよ。
○中谷国務大臣 まさにその部分がすき間のところでありまして、現在の体制ではできません。ところが、存立危機事態というのは、まさにそのまま放置すれば我が国が武力攻撃を受けたような状況になり得るということでございまして、まさに国の存立とか国民の権利が根底から覆されるという判断をした場合に、まず我が国と密接な国が攻撃を受けた場合に適用されるということでございます。
○辻元委員 もう一回お聞きしますよ。
 だから、存立危機事態が認定された場合ですよ、自衛隊は武力攻撃ができることになりますね。それで、米艦防護という事例がよく出ますね。米艦防護中に相手が船を撃沈しようとしたら、こちらも攻撃をかける。そして、P3Cが哨戒している。P3Cは潜水艦も見つけると言われていて、今フィリピンに送っていますけれども、またこれは質問しますが、警戒している。そして、潜水艦が来て米艦船を攻撃しようとしているのを見つけたら攻撃をかけることができるようになるということですね、存立危機事態。この法律ができたらできるようになるということですねと聞いているわけです。
○中谷国務大臣 存立事態におきましては新三要件というものが必要でございまして、そのまま放置すれば我が国の存立にかかわるような事態ということで、三要件がありましたら武力の行使ができるということでございます。
○辻元委員 ですから、もう一度具体的にお聞きしますが、米艦船を防護に行くというのは、米艦船の周りを自衛隊の船がぐるぐる回っていることでも何でもないんですよ。敵を見たら攻撃することができるようになる、潜水艦を撃沈したり、そして自衛隊の航空機で相手の船を攻撃したりできるようになるなということを確認しているわけです。はい、どうぞ。
○中谷国務大臣 無条件にできるとは言っておりません。三要件を満たす場合でありまして、総理も例示されましたけれども、そのままの状態にありますと我が国にたくさんのミサイルが落ちてきて大変な被害が出るというようなことで、存立危機事態と認定された場合においては武力行使をするということでございます。
○辻元委員 結局、限定と言っていても、現場に行ったらどうなるかということなんですよ、これは。現実世界ですよ、限定だからこっちの攻撃はちょっとにしておこうとならないのが戦争なんですよ。ですから、米艦防護と言われているけれども、実態的に米艦防護の中身は何かといえば、新三要件を満たして、日本は攻撃されていないけれども武力攻撃ができるということは、相手方の潜水艦を撃沈したり、それから公海上で相手方の船に空爆をかけたり、そういうことができるようになるということなんですよ、実態は。防衛大臣ですから。
 だって、それをしなかったら、ただやられるだけで、ぐるぐる回っているだけですか、自衛隊が船の周りを。違うでしょう。フル装備で行くわけですよ、どんな場合にも備えられるように。攻撃される前に、米艦を攻撃してくる敵を見たらこちらから攻撃する、そのフル装備で出ていくわけでしょう。限定であろうが何であろうが、新三要件を満たして、そして存立危機事態で防衛出動をかけたら。
 大臣、どうですか、もう一度。はっきり答弁してください。
○中谷国務大臣 新三要件というのは、まさに我が国の存立にかかわる事態でございます。
 現実に、ミサイル防衛といいますと、我が国単独でできるわけではなくて、米側の艦艇からいろいろな情報をもらい、またともに警戒し、そして実際にミサイルが飛んできた場合には共同で対処するわけでありまして、その米艦艇が攻撃を受けた場合に、そのままになりますと我が国にたくさんのミサイルが飛んできて大変な被害が出る、こう判断した場合、すなわち三要件に合致した場合におきましては、我が国としては米国を防衛するために自衛権というものを発動するということでございます。
○辻元委員 今、米国を防衛するために我が国の武力攻撃をする、武力行使をすると。今おっしゃったとおりのことをアーミテージさんがおっしゃっているわけですよ。四月二十八日にアメリカのアーミテージさんが、安倍総理がアメリカで演説されたりしたのを歓迎されてこうおっしゃっています。日本周辺でアメリカ人を守るため、自衛隊員も命をかけるという宣誓なのだというように、NHKのインタビューで。安倍総理は議会でそういう宣誓をしたというようにアーミテージさんは受け取られているようなんですね。
 これは安倍総理も別の本で、軍事同盟というのは血の同盟ですと。アメリカの兵士だけが死ぬんじゃなくて、日本の自衛隊も命をかけるんだということをおっしゃっていますね。ここに書いてあるよ、血の同盟と。ごらんになりますか。
 だから、結局、限定的にといっても、実際の現場に行ったら戦争なんですよ。限定だからちょっとだけの戦争で、日本の戦争はうちは限定ですから攻撃しないでねとか、うちは限定やから米艦船が来ても撃つのはちょっとにしておくわとならないんですよ。実際の戦争に行くということなんですよ。違いますか。大臣、大臣が先。
○中谷国務大臣 一言だけ申し上げますが、先ほど、米国を防衛するということではなくて、我が国を守っている米艦艇を防衛するということでありまして、この限定的な集団的自衛権というのはあくまでも我が国を守るという意味でございます。他国の防衛それ自体を目的とする集団的自衛権までは憲法上認めていないということでありまして、我が国の存立を全うして国民を守るための自衛の措置として許容されるということでございます。
○安倍内閣総理大臣 先ほど私の本を引用されました。確かに、血の同盟というのはまさに軍事同盟でありますから、日本の安全のために若い兵士が命をかけるのは事実であります。それは事実であります。しかし、我々は米国のために、彼らを守るために命をかけるということはないということはその本にも述べているとおりでございます。
 その中に、今回の限定容認については、まずはこれは三要件。まさに我が国、これは米国ではありませんから、我が国の存立が脅かされ、日本国民の生命と自由、幸福追求の権利が根底から覆されるということについて、まさに必要最小限度、またさらに他に適当な手段がないというときに行うものでございまして、そして、我々は限定的な武力の行使だから外国から攻撃を受けないなんということは、辻元さん、一言も言ったことはないですよ。それは違いますよ。武力の行使をするんですから、そのときには当然覚悟を持って武力の行使をする。
 なぜ覚悟を持つかといえば、国の存立が危うくなるからですよ、国民の命が危うくなるからですよ。私たちが享受している自由や幸福追求の権利が根底から覆されるからこそ、ここは覚悟して武力の行使をするわけであります。当然、相手も武力の行使をされたらこちら側に対して反撃するということもありますが、まさにその点においてはそういう状況になっているということでありますし、また、先ほど中谷大臣が答弁をさせていただきましたように、いきなり潜水艦を沈めるような行為は、いきなり行為をするということはあり得ないんですよ。つまり、三要件という状況の中になければならない。
 つまり、いろいろな状況等について、一つは例えばもう、先ほども少し例として挙げましたけれども、ある国が日本を火の海にすると言っている、そしてまさに日本にミサイルを撃ち込もうという準備が整ってきている、動員もかけましたよと。そしてその中で艦艇を集結して出撃の準備も始めているという、切迫状況に近い状況が来るわけでございます。そういう中においていわばどう判断をしていくかということになるわけでありますが、そういう中において米艦艇を攻撃するかもしれない、あるいは攻撃した潜水艦については、三要件に当てはまれば、そういう要件がそろえば我々は集団的自衛権の行使をするということになるわけでありまして、これはそういう状況であるということをやはり理解していただきたい。
 全く我が国の安全に関係ないのに、米国がどこかと戦争していて、それにかかわる国の艦船を私たちが沈めるということは全くないということは申し上げておきたいと思います。
○辻元委員 私は、新三要件と存立危機事態が認定された場合に潜水艦等を撃沈することがあるのかと問うたわけで、ちゃんとその前提を置いております。
 結局、限定と日本で言っていても、実際の現場に行ったら戦争に参画するということなんですよ。(安倍内閣総理大臣「それはそうですよ」と呼ぶ)それはそうですよと今おっしゃったでしょう。総理は、巻き込まれることは絶対ないと。戦後、安保条約が締結されたけれども戦争に巻き込まれてこなかったと、さっき岡田さんとの議論もありました。しかし、これは集団的自衛権の行使を認めてこなかったからだと思いますよ。朝鮮戦争のときに米艦防護だといって行っていて、戦争に巻き込まれなかった保証はありますか。実際にそういうことなんですよ。
 日本は、戦争と、そして我が国を攻撃されたとき以外、ここにドアがあったんです。鍵がかかっていた。そして、このドアの鍵は国民しか解除できないという国だったんです、憲法で。このドアの向こう、我が国が攻撃されていないのに、これは今度やりますけれども総理とかつての法制局長官との議論でもありますよ、幾ら我が国が攻撃されそうだからといって、それでもだめですよというのが日本の国だったんです。戦争という世界に行くドアには鍵がかかっていて、その鍵を外せるのは国民だけなんですよ。そのドアを今、勝手に解釈だといって総理大臣が蹴破っていこうとしているから、憲法違反だと言われているんじゃないですか。その向こうは、それこそ潜水艦が撃沈されたり、戦争の世界なんですよ。
 この続きはまたやります。終わります。
○浜田委員長 次に、井坂信彦君。
○井坂委員 維新の党の井坂信彦です。
 今国会は安全保障と労働法制が二大与野党激突テーマだというふうに言われておりますが、私は、ふだん厚生労働の方で、さきの派遣法改正については大反対、今後もまた労働基準法に関して、これも大変問題があるということで、徹底的に厳しく審査をしていきたいという立場であります。
 そんな中で、本日は安全保障の方で大事な質疑をさせていただくわけでありますが、まず、先立ちまして、やはり午前中から続いております自民党議員の不見識な発言について、端的に一問だけ聞かせていただきたいと思います。
 安倍総理に近い自民党議員の勉強会で、多くの不見識な発言が繰り返された。加藤官房副長官にお伺いをいたしますが、午前中に、作家の意見として拝聴に値すると答弁をされておられました。基地の地主は大金持ちでヒルズに住んでいる、あるいは米兵によるレイプは大した割合でない、こうした作家の発言もまた、反論もいさめもせずに、そうだそうだと拝聴しておられたのか。反論、いさめをしたのか、その点だけ事実確認をしたいと思います。
○加藤内閣官房副長官 午前中にも申し上げましたけれども、この懇話会の目的は、政治家に求められる教養と創造力を得るため、芸術家と共通する創作手法と成果の普遍性を追求し、世界の中で輝ける日本を創造し、デザインする上で必要不可欠であり、心を打つ政策芸術を立案し、実行する知恵と力を習得することを目的として行われたものでありました。
 先ほど、午前中申し上げた、作家として、物の……(井坂委員「該当発言はどうですか」と呼ぶ)いやいや、作家として、作家の観点からの発言という意味において私として傾聴に値する部分があったということを申し上げたのであって、全体について申し上げたわけではないということでございますし、また、そのとき申し上げましたように、この会議は内々の勉強会ということでございますから、作家の方の一つ一つのコメントについて私の方から申し上げるものでもないということを申し上げたところでございます。
○井坂委員 特に何もおっしゃらなかったということでありますが、総理にも一問だけお伺いをしたいと思います。
 マスコミを懲らしめるために広告料収入を減らせばいい、文化人から経済界にも働きかけてほしい、こういう発言をした自民党議員、これはやはり私は、総理としても確認をして何らかの処分をすべきではないかというふうに思いますが、コメントをいただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 まさにこれは党の中で、私的な勉強会の中にあって、いろいろな自由闊達な議論があります。党としては党としての考えがあるわけでありまして、まさに言論の自由というのは民主主義の根幹をなすものだ、尊重しなければならないということであり、実際我々は尊重しているわけでございます。一つ一つの意見、誰が何かを発言したことをもって処罰するということが果たしていいのかどうかということではないかと思います。
 いずれにいたしましても、党としての考え方は貫徹をされている、こう思うわけでございます。
○井坂委員 その気はないということで、大変残念に思うわけであります。
 本論に入りたいと思いますが、まず、専守防衛原則と集団的自衛権についてお伺いをしたいと思います。
 この委員会で、総理は初期の段階からこうおっしゃっています。今回の法整備において、憲法の精神にのっとった専守防衛の定義、またそれが防衛の基本方針であることにいささかの変更もない、こういうふうに言い切っておられます。
 しかし、今回の法改正で政府が拡大しようとしている集団的自衛権は、お配りしている一枚目の図をごらんいただきたいと思いますが、この図の左側、敵国が日本と密接な他国を攻撃し、これにより日本が存立の危機、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があると政府が判断すれば自衛権を行使できる、こういう今回の法改正であります。
 一方、この図の右側は、維新の党が今、憲法の枠内におさまると考えている自衛権。これは、日本を守る他国、例えば日本近海の米軍艦が武力攻撃を受けて、そして次は日本が攻撃されることがほぼ確実、蓋然性が高い、こういう場合に自衛権を行使できる。
 私は、専守防衛の原則を守り、また憲法の枠をはみ出さない自衛権ということでは、この右側の我々が今検討している案がぎりぎりではないかというふうに考えるんですが、総理のお考えをお伺いしたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 この概念図でございますが、我々が考えている案も、これは事実上、我々がそこで武力の行使をしなければ我が国がまさに多大の損害をこうむるというか、いわば国の存立が危うくなるという事態であります。
 国の存立が危うくなって国民の生命や自由や幸福追求の権利が根底から覆される、そういう状況を考えれば、それはまさにそこで我々が米側、密接な関係にある米国の艦船なりを防護しなければいわば日本にとって存立が脅かされるということになるわけでございまして、先ほども例として挙げさせていただきましたが、近隣国が日本、東京を火の海にすると言っている、そして弾道ミサイルの発射の準備を進めている、動員も行っている、そして海上戦力も集結をさせているという状況がある中において米艦艇が襲われる。いわば、ミサイル防衛については米国もその一翼を担っているわけでございます。
 つまり、そういう状況の中において、我々は、これはまさに三要件に当てはまる可能性は高い、こう判断をしているところでございますから、そもそもこの維新案も、日本の危機だけではなくて、いわばこういう状況も十分にあり得る、このように思うわけでありますが、この維新案においても、日本に攻撃が発生をしていなければこれは集団的自衛権に国際法的には当たるわけでございます。そこのところについては、維新の皆様にも御認識をいただきたいと思うわけであります。
 それはまさに国際法の世界でありますので、幾ら自衛、まさに事実上の自衛というか、日本国を守るための集団的自衛権、まさに我々の限定的な解釈はそこの範囲に入るわけでありますが、そこのところであったとしても、国際法的には集団的自衛権として解釈されるということは申し上げておきたい、このように思います。
○井坂委員 いろいろおっしゃいましたが、後ほどまた議論しますが、政府案ではまたどんどんいろいろなことができてしまうということが、大変我々は懸念をしているところであります。
 今回、政府は、日本を取り巻く安全保障の環境の変化を理由に、昨年、閣議決定だけで憲法の解釈を変更し、また今回の安全保障法制も、私から見れば憲法の枠を踏み越えているだろうなと思うような大幅な自衛隊の活動範囲の拡大であります。
 そこで、総理にさらにお伺いをいたします。
 今回、随分活動範囲が拡大をされるわけでありますが、今回の安全保障法制、法改正をもって当面は、例えばあと十年は今回の法改正で安全保障環境の今の変化には対応できると考えておられるのか、それとも、さらなる集団的自衛権の行使拡大が必要になってくる可能性があると考えておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 現在の憲法下で認められる集団的自衛権の解釈変更においては、我々の解釈が、私としてはこれが限界なんだろうと考えております。
 まさに、砂川判決があって自衛権は認められて、そしてその上において軌を一にする四十七年の見解がございます。この四十七年の見解の中において当てはめとした部分について、我々は今回変更を行ったところでございます。この当てはめの部分において、まさに四十七年見解では集団的自衛権は認められないということであったわけでございますが、我々は、今回は、安全保障環境が変わった中においていわばこの当てはめを変えたわけでございます。
 そこで、これは重要なことでございますから閣議決定、閣議決定しかとおっしゃったんですが、これは極めて重要でありますから閣議決定を行った。四十七年見解は閣議決定は行っていないということは付言しておきたいと思うわけであります。
 そこで、必要かどうかというよりも、憲法の解釈は、これ以上の解釈変更というのはないであろう、こう思うわけでございます。
 その上において、必要かどうかということでありますが、これはまさに、我々は新たな法制度の中においてしっかりと、国民の命を守るために、国土を守るために、国益を守るために努力を重ねていく必要があるんだろう、こう思います。この安保法制においてそうした具体的な努力を進めていくことによって、日本の安全というのは、努力を重ねていくということが前提でございますし、また当然、軍事力や軍事的選択肢だけで守れるわけではないわけでございまして、外交努力等々を重ねていく上においてしっかりと国民の安全を守っていかなければならない、そしてそうした努力を重ねていくことによって守り得ると考えているところでございます。
○井坂委員 お尋ねをしておりましたのは、今回法改正をしましたが、さらに安全保障環境が変化をすれば憲法を改正して集団的自衛権の行使の拡大をする必要が訪れる可能性があると思っておられるのか、今回大分拡大をしたので、まあ当面、あと十年ぐらいはこれで問題なくいけるだろうというふうに考えておられるのか。今後の、もちろん、これでぎりぎりと政府もおっしゃっていますから、さらなる集団的自衛権拡大の必要の可能性についてお伺いをしております。
○安倍内閣総理大臣 今私が十年後を軽々に予測することは避けさせていただきたいと思います。
 しかし、我々は、五年ごとに中期防の計画を立てているわけでございますが、その中においてしっかりと国の安全を守っていきたい、こう考えております。
 その中におきましても、今の現状の中において既にこの法制が私は必要であろう、こう考えているところでございますし、憲法との関係においては、今回以上の解釈を拡大することは、解釈において集団的自衛権の行使、例えば我が国を守ること以外のために行使をすることはできないということは明確であろう、こう思うわけでありまして、我々は四十七年見解の上において今回当てはめを変えているということでございます。
○井坂委員 今の政府案の集団的自衛権ではこんなことも起こるという例で、いつも政府が出されるホルムズ海峡のこと、二枚目の資料をごらんいただきたいというふうに思います。
 二枚目の図の左側部分が、政府がいつも説明をしておられる、敵国が中東ホルムズ海峡沿岸の仮にオマーンを攻撃して、そしてホルムズ海峡に機雷をまいたというケースであります。この機雷によって日本が中東の石油を輸入できなくなって、そして政府が、これは日本の存立の危機だ、こういうふうに総合的に判断をすれば自衛権の行使もあり得る、こういう説明がされてまいりました。
 オマーンが密接な他国に当たるのかとか、あるいは、中東の専門家から、ホルムズ海峡に機雷がまかれるような可能性はもうないんだ、こういう指摘がある、いろいろ突っ込みどころはあるわけでありますが、きょうはその細かいところは申し上げません。
 一方で、右側の図をごらんいただきたいんですけれども、これは、敵国が中東ホルムズ海峡のオマーンを直接攻撃せずに、ただホルムズ海峡に機雷をまいた、こういうケースであります。機雷によって日本が中東の石油を輸入できなくなり、政府が日本存立の危機だと総合的に判断をしても、今の政府案では自衛権を行使できない。
 このパネルの右と左を見比べますと、日本がホルムズ海峡の機雷封鎖で石油を輸入できなくなって国民生活が根底から覆される、日本の危機という意味では全く一緒であります。しかし、自衛権を行使できる場合とできない場合に分かれる。
 日本の存立の危機かどうかで自衛権が行使できるのかどうか決まるのではなくて、オマーンへの攻撃の有無、ここでもし決まるなら、これは専守防衛とは随分違う考え方になってしまうのではないかと思いますが、総理の御見解を伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 まず前提として、機雷の敷設自体が武力行使であります。ですから、武力行使のない機雷の敷設というのはないわけでありまして、いわば、機雷の敷設をしてしまったら、それが例えばオマーンの領海であれば、これは常識的にはオマーンとしては自国に対する武力行使と考えることもできるんだろう、こう思うわけでありますし、ここを航行する多くの国のタンカーに対してもこれは武力行使と多くの国々が考え得るんだろう、こう思うわけでございます。ですから、この図の前提は少しそこが違うんだろう、こう思うわけでございます。
○井坂委員 機雷の敷設がオマーンに対する明確な武力行使、さらにはオマーンが日本に支援を要請してくる、ここまでつながって初めて今の政府案では自衛権を発動すると思うんですが、そういうふうにならなかったら、結局、石油が来なくても自衛権を行使できないとなるのではないかと思いますが、いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 これは、今申し上げましたように、オマーンとイランの領海上ではございます。しかし、この海峡は国際海峡として多くの艦船が通るわけであります。ですから、日本が消費をしている八割の輸入はここを通っていく、ガスの四分の一はここを通ってくるということになるわけであります。
 具体的にどのような国がこれに当たるかについてはあらかじめ特定されているものではないわけでありますが、ホルムズ海峡についてはその沿岸国は確かにイランとオマーンでありますが、一方、多くの国の船舶が利用していること、また米国はこの地域に多くの拠点を有し、プレゼンスを示しているという事実も考慮する必要があるんだろう、こう思うわけであります。
 いずれにせよ、他国に対する組織的、計画的な武力行使、すなわち武力攻撃の一環として機雷が敷設される場合、当該武力攻撃を受けた国が我が国と密接な関係にある他国に該当するかどうか、個別具体的な状況に即して判断することになります。
 そして、最初におっしゃった、敷設されるということはないんではないかという議論をされる方がおられる。なければそれで、一番いいんです。なければこの法律を使う必要はないわけでありますから。いわば安全保障というのは、それを使う必要がなくなることが一番望ましいわけでありまして、自衛隊は一度も武力行使をもちろんしていませんが、では、実際に自衛隊は必要なかったかといえばそんなことはないわけでありまして、安全保障というのはそういうものではないか、このように思います。
○井坂委員 ちょっと話を戻しますが、機雷敷設が特定の国への攻撃だ、その国から要請があって初めて発動するので、そうならないケースもいっぱいあると思うんですが、そういう場合、要は自衛権を行使できない場合が私はあると思いますけれども、どうですか。
○安倍内閣総理大臣 それは、先ほど申し上げましたように個別の状況を見ながら判断するわけでありまして、状況に即して判断することになるわけであります。当然我が国と密接な関係にある他国の要請または領海ということが前提になるのは、もう何回も申し上げているとおりでございます。
○井坂委員 そこを議論したかったんですけれども、つまり、日本への甚大な影響は全く一緒にもかかわらず、要請の有無とか、そういう関係のないところで自衛権を行使できるできないが決まると、これは専守防衛の考え方と随分違ったことになるんじゃないですかということをお伺いしています。
○安倍内閣総理大臣 いや、専守防衛というのは、まさに日本の安全にかかわることに対して、いわば攻撃を受けた中において、武力攻撃が発生した中においてこれは受動的に武力を行使するということでございます。
 いわば機雷を敷設されてそれを除去するということについても、まさにこれは武力行使をされて、そしてもちろんこれは日本の安全や国民生活に重大な影響を及ぼし得るわけでございまして、まさに冬の中において灯油、石油が一切途絶えてしまえば人命にもかかわってくることもあり得るという状況でありますが、その中において、これは日本だけに向けられたものでなければ個別的自衛権の発動ということにはならないわけでございまして、国際法的に集団的自衛権ということになるわけであります。
 いずれにいたしましても、敷設をされてしまったら、誰かがその機雷を除去しなければ日本には石油が来ないという状況はずっと続いていくことも認識をしていく必要はあるんだろうと思います。
○井坂委員 ですから、政府案ではそれができないケースがあるんじゃないですかと。これはもうこの委員会でずっと議論をされてきていることでありますから、それを両方比較したわけであります。
 もう一点、存立危機事態に関して、もっとおかしなことになるんじゃないですかということが三枚目の図であります。
 アメリカがサイバー攻撃を受けた場合の集団的自衛権について、総理にお伺いをいたします。
 アメリカは、サイバー攻撃を自国が受けた場合、相手国に武力行使を含むあらゆる措置を講じる権利があると言っている国であります。この図の左側にあるように、アメリカが、武力攻撃ではなく、ウイルスが送られてコンピューターシステムが壊されるなどのサイバー攻撃を受けた場合でも、日本が集団的自衛権を行使する可能性は、場合によってはあり得るということなのか、どんな場合でもあり得ないということになるのか、お伺いをいたします。
○中谷国務大臣 アメリカでは戦略軍というところがこういったサイバー攻撃に対処するというようなことを受け持っているわけでありますが、非常に高度化とか巧妙化するサイバー攻撃の対応を踏まえましたら、今後、サイバー攻撃によって極めて深刻な被害が生じる可能性は否定できなくて、サイバー攻撃の対応は我が国の安全保障にかかわる重要な課題であると認識をしております。
 その上で、サイバー攻撃のみで武力攻撃と評価して自衛権を行使することができるかにつきましては、現在、国際的なさまざまな議論が行われている段階でございまして、各国で、サイバー攻撃にいかにあるべきか、これは議論を続けている状況でございます。
 今日においては、弾道ミサイルとか航空機の攻撃、こういった武力攻撃が行われる、その一環としてサイバー攻撃が同時に行われることも想定しておくべきものになりつつありますので、一般論としましては、サイバー攻撃が武力攻撃の一環として行われた場合に自衛権を発動して対処することが可能であると説明をしてきておりますが、他国に対する武力攻撃が行われて、その一環としてサイバー攻撃が行われた場合であって、仮に新三要件を満たすときは我が国としては武力行使を行うことができるというふうに考えております。
○井坂委員 ちょっと確認しますけれども、議員に配られている政府の説明資料では、別にそんな、武力行使と同時にサイバー攻撃が行われた場合なんて書いておりません。米国がサイバー攻撃を受けた場合に、仮に新三要件を満たすのであれば日本は武力の行使を行い得ると明快に書いてあるわけでありますが、そういう認識で間違いないですか。
○中谷国務大臣 従来から、一般論としては、サイバー攻撃が武力攻撃の一環として行われた場合には自衛権を発動して対処することは可能であると説明をしてきております。同時に、他国に対する武力攻撃が行われて、その一環としてサイバー攻撃が行われた場合にあっても、新三要件を満たす場合は我が国としては武力の行使を行うことができるということでございます。
○井坂委員 非常に拡大をし得ると。最後は結局、新三要件で政府が総合的に判断をして決める、大体この答弁に行き着くわけであります。私は、ここが大変、この基準が曖昧、歯どめが曖昧と本改正案について感じる部分であります。
 もう一点、南シナ海の問題についてお伺いをいたします。
 中国が、南シナ海のスプラトリー諸島の浅瀬を埋め立てて、滑走路やまた軍事施設の建設を続けているわけであります。日本も一昨日、南シナ海でフィリピン軍と合同演習をするなど、緊張が徐々にこの海域で高まっております。
 お伺いをいたしますが、仮にこの南シナ海において他国軍と自衛隊が合同演習中に他国軍が攻撃をされた場合、これは、今回の法改正では、重要影響事態と捉えて他国軍の後方支援をすることになるのか、それとも存立危機事態と捉えて自衛権を行使することもあり得るのか、お伺いをしたいと思います。
○中谷国務大臣 今般の平和安全法制の整備というのは、特定の国とか地域を念頭に置いたものではなくて、あくまでも、あらゆる事態に切れ目のない対応をつくることを目指すものでございます。
 お話がありましたように、中国は、急速な台頭をし、また一方的な現状変更の試みをしておりまして、尖閣諸島の周辺を含む東シナ海、また南シナ海を初めとするさまざまな地域に積極的に進出をしておりまして、我が国を取り巻く安全保障環境は確かに変貌していると認識をいたしております。
 こういった情勢は常に注視をしておかなければなりませんが、まず、このような対外姿勢、軍事的動向の指摘に対して、やはり透明性とか国際法上の根拠に関する説明不足などを、ASEAN諸国とか国際社会から中国に対してきちんと外交を通じてやっていくということでございますし、いろいろな形で、こういった事態が起こらないような努力を続けていくということでございます。
 お尋ねのことにつきましては、一般論といたしましては、特定の事態が存立危機事態、重要影響事態に当たるか否かにつきましては、実際に発生をいたしました事態の個別具体的な状況に即して、全ての情報を総合的に、客観的かつ合理的に判断をしていくということでございます。
○井坂委員 国民が今一番実際の脅威と感じているような南シナ海あるいは尖閣、こういったところで今回の法改正が実際どうきいてくるのか、ここになかなか具体的なお答えをいただけないわけであります。
 本日も、この存立危機事態に関して私は特にそう思いますが、結局、新三要件を満たせばということで、これは政府の判断というふうにも聞こえてしまうわけであります。
 例えば、もう一問お聞きをしたいと思いますけれども、尖閣は今回の法改正で実際何か新たにできることがあるのかどうか、お伺いをしたいと思います。
○中谷国務大臣 尖閣の場合におきましては、まず、武力攻撃に至らない侵害ということで、切れ目のない対応をするということで、今回は、海上警備行動また治安出動等の発令に係る手続の迅速化のための閣議決定を行いました。政府、各省庁がございますが、情報の共有とか連携をいたしまして、各分野における一層の取り組みを強化していくということでこういった事態に対して対応しているということでございます。
○井坂委員 ちょっともう一度。今回の法改正で実際新たにできる部分はどこになりますか。
○中谷国務大臣 あくまでも運用における手続の迅速化をしたということでございまして、現時点におきまして新たな法整備が必要であるということは考えていないということでございます。
○安倍内閣総理大臣 もちろん法整備との関係においては今大臣が述べたとおりでございますが、法整備によって何ができるかということではなくて、この法整備を行っていくことによって日米の関係が極めて緊密になるわけでございまして、いわば日米の同盟の効力が完全に機能していく、機能が完全に、しっかりと効力が発揮をされるということは、まさに抑止力が向上していくということにほかならない、このように思っております。
○井坂委員 南シナ海とか尖閣とか、我々が、現に起こっている、心配している部分については、法律でどうなるのか、なかなか具体的な御答弁がいただけない。一方で、説明は、ホルムズとかサイバーで集団的自衛権が使えるんだ、こういう話でありますから、私は、やはり今回の安全保障法制、このあたりは本当にわかりにくい、おかしなことになっているのではないかなというふうに感じる、こういうことを申し上げて、本日の質疑を終えたいと思います。
 ありがとうございました。
○浜田委員長 次に、木下智彦君。
○木下委員 維新の党、木下智彦でございます。
 きょうもお時間をいただきまして、ありがとうございます。
 冒頭なんですけれども、先ほどから、勉強会でいろいろな発言があってということで、それにたくさんの時間をかけてお話をされている、質疑の方もそうでしたし。我が党も端的に事実関係それから対処についてお話をさせていただきましたが、今回のこの法制、この法案にやはりもう少ししっかり時間をかけていくべきだと思っております。やはりこれは相当重要なことだと思うんです。とめることがあってはいけない。確かに、自民党内でそういうふうな発言があったこと、私も本当に残念だなと思っております。
 ただ、それに対して、きょう見ていれば、総理もそんなにいらいらされることなく淡々とお話しされていたかなとは思いますけれども、そうはいいながら、どうしてもとまってしまう、もしくは議論が拡散してしまうということがあるので、その辺はお気をつけになられて、ぜひとも本題の議論を展開していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本題に入らせていただきます。
 まず最初、安全保障環境の変化。総理は今までもいろいろなことを言われております。こういう変化があるから集団的自衛権の限定容認が必要なんだ、そういう帰結をある程度は話されているのかなというふうに私は思っておりますが、先ごろ行われました参考人質疑などでも、前の防衛大臣の方であるとか、あとは昔の内閣法制局の方であるとか、そういった方々も、説明が十分でないというふうに言われている方がほとんどなんですね。
 何が説明が不十分かというふうなところは、環境変化については、私が思うに、それなりのことは言われているんだろうと思うんです。しかし、その環境変化が実際の集団的自衛権の限定容認につながるような、そのためにこういう法制が必要だという部分についてがやはり少し、抜け落ちていると言うと失礼かもしれませんが、そこはもう少し丁寧に説明されるべきだと思います。
 そうはいいながら、今までの御答弁されているところを見ていると、それなりにそういった答弁はちりばめられております。ここで改めて、今の論理でどうして集団的自衛権の限定容認というのが必要なのかという部分も含めて、もう一度お話しいただければと思います。
○安倍内閣総理大臣 今までも安全保障環境の変化について申し上げてまいりましたが、例えば、北朝鮮というのは今や弾道ミサイルを数百発配備しているわけでございますし、それに核兵器等の大量破壊兵器を載せる技術についても進歩させているところでございます。これは昭和四十七年の見解を発出したときにはない状況であります。
 その中において、日本は、例えばミサイル防衛システム、海上で撃ち落とす、あるいは陸上で落とす、PAC3とSM3で対応しようとしておりますが、これはまさに米国との共同対処に近いものになるわけでありまして、米国からの情報をもとに対応していくわけでございます。そしてまた、例えば、日本もイージス艦を持っているわけでございますが、米国も日本近海にイージス艦を展開させていく、そしてこれはリンクすることができるわけでございまして、こうした日米のイージス艦がお互いにリンクしながらミサイル防衛網を張っていくことによって、日本はより安全になっていく。
 しかし、このリンクを突破しようとする上において、それを破壊していこうということは攻撃をする方の側は当然考えるわけでございます。こういう状況というのは昭和四十七年には全くなかったんだろう、こう思うわけでございます。そして、それを破壊することは次にはまさに我が国への攻撃につながってくるという判断も十分にできるわけでございます。
 また、この法制におきましては、海外にたくさん出ている邦人を救出する、保護するための法整備も進めるわけでございますが、現在、多くの国々で日本人の命が狙われるということも発生しているわけでございます。
 そうした状況の中において、また先ほども議論が出ておりましたが、南シナ海あるいは東シナ海における中国の公船の振る舞いというのもあるわけでございますし、そしてまた自衛隊のスクランブルも、緊急発進して対応する、そのことも十年前と比べて七倍にふえているのが事実でございます。私が先般沖縄を訪問した際にも、残念ながら、自衛隊がスクランブルをしなければいけないという状況は起こっているわけでございます。そうした状況に対応する上において、日本一国のみでそれには対応できないわけでありまして、米国あるいは世界の国々と協力して、地域や世界の平和と繁栄を確保していく、安定を確保していくことによって、日本の商船、タンカーも自由に日本に資源やさまざまな材料を運んでくることができるということではないか。
 例えば、海賊対処法というのをつくりました。これは武力の行使ではなくて警察行動ではありますが、かつては日本の自衛艦は日本人のみしか対応できなかったのでございますが、まさにこれはグループでゾーンディフェンス等をお互いに協力しながらやることによって効率的に海賊対処が可能になっている、今そういう新しい時代を迎えているということも大きな環境の変化ではないかと思います。
    〔委員長退席、御法川委員長代理着席〕
○木下委員 ありがとうございます。
 今お話しされたところは、割と端的にお話しされていると思います。ただ、いろいろ各省庁の内容を見てみますと、そこまでのことというのは明確にもっとやはり表へ出していかなければ国民の理解が得られない。これは幾ら説明してもなかなか、そういいながら浸透していかないものだろう。
 私も大阪の議員でございまして、前回の都構想の住民投票で、橋下徹最高顧問が何百回と説明をさせていただいて、私たち、それから地方議員なんかも合わせると千回、二千回、本当に回数を説明させていただいた中でも、全然説明が足りないであるとか、そういうふうなことは言われてしまうわけです。ですから、もっとそこを前面に出していただきたいなと思うんですけれども。
 そういいながら、今おっしゃられたようなことは、外務省の我が国を取り巻く外交・安全保障環境という分析で事細かに書いてありました。なるほどなと思われるところ、相当分析されています。ただ、私は見ていて、もう少し突っ込んだところが必要なんじゃないかなと。
 これは、一つが、アメリカのことについて書いてあるんですけれども、アメリカのことを書いてあるところはほとんどが、日米同盟を中心にしながらアジア太平洋の強化をしていくんだというふうな形のことで、割と、アメリカは日本に対して相当日米同盟を重視しているというふうに、自画自賛というのか、そういうふうな形のことしか書いていないんですね。
 確かにそうだろうとは思いますが、いろいろな海外の状況、アメリカの状況を見ていますと、今実際には、アメリカの民主党だけではなく共和党の中にも、日本の防衛に資するようなこと以上に中国との関係を密接に結んでいこうと。これは争いを避けるという意味では必要かもしれませんが、そういう形のことを言い、しかも、日本の防衛に資するような予算は削っていこう、そういった意見も見られるようになってきている。
 こういう状態の中で、私の解釈ですけれども、そういう中では日米同盟の強化を日本としてももっと積極的にやっていかなければ、言ってしまえば見捨てられてしまうというふうな状況もあり得るだろう、だから、これをどういうふうにして分析しているのかということも、もう少し話がされるべきなのではないかなと。これは私が言うような話ではなくて、本来であれば自民党の議員からそういうような質問が私はあっていいんじゃないかというふうに思っております。それについてはコメントをそんなにさせていただきませんが。
 もっとそもそも論からいうと、今置かれている状況の中、例えばアメリカの海軍、第七艦隊ですね。あの第七艦隊で実際に予算は五兆から七兆というふうに言われております。これは、今回の法制もしくはこういった日本の体制によってやっていかなければ、もしくはアメリカと日米同盟がまるでない状態。今反対しているような人たちはそういうことを言っているんだろうと私は思いますけれども、今回の状態をしなければ、日本が独自に何兆円も予算をとって、独自にやっていけるのかどうか、それとも今の世界的な安全保障体制の中でやっていくのか。この決断が迫られているということについても、これは政府からしっかりと発言していただきたいと私は思います。どうぞ。
○中谷国務大臣 まさに御指摘のとおり、日米同盟というのはこれまでも日本の安全にとって大事なものでありましたが、今後さらに日本の安全にとりまして抑止力となり、そして対処力を上げるという意味ではますます重要になってきております。
 せんだって、四月の末に日米防衛協力のガイドラインの見直しの合意をいたしましたが、改めて日米同盟の必要性を確認し、シームレス、グローバル、メカニズム、こういった点でさらに機能できるようにいたしております。先ほど七艦隊の話もありましたが、より密接に協力して我が国の安全また地域の安定を図っていく、またグローバルに対処していくということであります。
 もっと現状についてはっきり述べろということでありますので申し上げますが、防衛省としても、北朝鮮の核開発とミサイル、弾道ミサイルの増強、これはまさに我が国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威でありまして、三回核実験をしました。かなり核兵器の小型化、弾頭化が実現に至っている可能性は排除できておりません。また、通常ミサイルというと発射塔があって燃料注入というイメージを皆さんは持たれておりますが、もう移動式の発射台を使って、深夜とか早朝にわからないうちに準備をしてしまいます。また、車に乗せて移動しておりますので、かなり多数の、複数の弾道ミサイルを発射するなど、奇襲的な攻撃能力がふえてきておりますし、また精度も上がってきたというようなことでありますし、最近は潜水艦発射の弾道ミサイル、SLBMといったものも実験を重ねておりまして、こういった事態に対処するにはさらに日米同盟が機能的に発揮できるようにやっていかなければならないということで、今回、平和安全保障法制を提出しておりますが、こういった日米同盟がより機能して抑止力また対処力を発揮できるということで、非常に必要な法案だと認識しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
    〔御法川委員長代理退席、委員長着席〕
○木下委員 わかりました。ただ、そうであるからこそ、実際には戦争をするんじゃないんだ、自国の防衛のためにやっていくんだというふうなことが非常に重要だろうと思います。
 その中で、現実に発生した事態に対する対処ということで今回政府でいろいろ言われているのは、現実に発生した事態の個別具体的な状況に即して主に攻撃国の意思それから能力、事態発生場所、その規模、態様、推移などの要素を総合的に考えて、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性、それから国民がこうむることになる犠牲の深刻性、重大性などから新三要件を満たすか否かと客観的、合理的に判断するというふうな形で言われています。この客観的、合理的というところなんですけれども、ここがやはりちゃんと担保されなければ、国民が安心して任せておれないということだと思うんですね。今まで議論されているところはもうほとんどそれだというふうに思っていて、その客観性、合理性をどうやって担保するのかということだと思います。
 今までこの法案の中で言われているのが、国会の承認だというふうに言われております。ただ、これも我が党の橋下徹最高顧問がツイッターなんかで言われていますけれども、危なっかしくて国会議員だけに任せていられない、こういうふうに言われているのは非常に私たちも情けない話ではあります。ただ、実際にこの委員会で議論を尽くしているところを見ていても、全くもって結論が出せない。こういう状態でもしも実際にこういう事態が発生したときに早期に結論が出せるか、しかも専門性の高い領域に対して国会議員だけで判断ができるかというところは甚だやはり、私は国会議員でありながらも疑問を感じてしまう状態でございます。
 何度も言って申しわけありませんが、橋下徹顧問は言っています。これがいいかどうかは別として、実際に国会議員が前線に赴き、日本の国民の命を預かるような判断をしていくためには実際にそういう現場に行って、何が起こっているかということが判断できるようでなければ国民の納得は得られないのではないかと。これは一つの意見ではありますけれども、そういったことも含めて考えたときに、私が考えているんですけれども、本来、スピードもそうですし、それから結論もどうやって導き出すかと考えると、今の国会の承認というふうなプロセスだけで本当にいいのかどうか。
 私はちょっと提案させていただきたいんですけれども、本来であれば国会議員の中でも各党から、よりこういったことに対する知識がたけている人間を出し、そして第三者、有識者の人たちも集まった状態でフルオープンで議論され、より透明性が確保された状態で結論を出していく、こういった承認プロセスをやる方が国民の理解は得られるんじゃないかなと。これがないから国会議員の中で、こんな議論をしたって、もしかすると戦争が起こるんじゃないか、こんな人たちに任せていていいんだろうかというような意見が私は出てくるのではないかと思うんですが、その辺はいかがお考えでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 基本的には、私どもの案におきましては、政府として情報収集に努めながら客観的に判断をしていくわけでございますが、その上で、存立危機事態ということについては国会の承認を得ることになります。
 今御提案をいただいたのは、それは国会議員全部ではなくて少人数ということなんでしょうか。少人数で、そこにいわば対外秘のようなものも全てお見せしながら御議論をいただく、それはもちろん一つの考え方としてはあるんだろうな、こういうふうには思うわけでございますが、しかし、基本的にはやはり武力の行使をする以上国会決議は必要だろうと思うわけでございます。その上において判断をしなければいけない。
 しかし、当然、まず一義的に判断するのは政府においてです。全ての情報を集め、各国の考え方等も情報を分析しつつ、かつ外交手段も尽くしたかどうかという判断もそこでするわけでございますが、ここで正しい判断をするということが最も求められるんだろうなと思います。
 つまり、これは、存立危機事態でもないのに存立危機事態という判断をしてはいけませんが、専らその議論が多いんですが、存立危機事態になっているのにそういう判断をぐずぐずして出さない間に決定的な危機を迎えるということもあり得るわけでございまして、いわばそこはまさに、先ほども岡田代表と話をいたしましたが、法律をつくれば全て大丈夫ということではないわけでありまして、あくまでも最終的には政府の能力が高いかどうかということに尽きるわけであります。
 そのときの政府が絶対に自衛隊を動かさないという判断をもししていれば個別的自衛権についても発動されないわけでありまして、法律があるから自動的に発動されるわけではなくて、政府がその判断をしなければならないということにもなってくるわけでございます。だからこそ政治家そして行政府の責任はとても重たいんだろうな、こう思うわけでございますが、その中において行政府だけで自衛隊を動かして武力行使するべきではなくて、これはやはり国会の議決を経なければならないということではないか。
 その上において、今、維新の皆様が、特別の委員会で議論をしたらどうかという御意見、まだその具体的なものを私も見ておりませんから論評は控えさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、政府だけではなくて国会議員の皆様にも英知を発揮していただく必要はあるんだろう、このように思っております。
○木下委員 最後は国会の決議が必要だというところはわかります。ただ、そのプロセス、それが明確であれば国民も安心して、そういった議論に理解を示してもらえるようになるだろう。それと、やはり国会議員が自覚を持って、その自覚というのは何かというと、国民の命を預かっているという真剣な自覚を促せるような承認プロセスを確立していければなと思っておりますので、ぜひとも今後も御議論いただきたいなと思っております。
 もう一つ、ちょっと話が戻るんですけれども、先ほどの米軍との共同行動といったところなんです。
 今私が見ていて思うのが、例えば、日本近海も含めてですけれども、日本の防衛に資するような行動を共同行動として米海軍の第七艦隊とするというふうにしたときに、今欠けているのではないかと思われるのは何かというと、その共同行動の中の戦略の立案というところだと思うんです。これは現実問題、私が理解しているに、米軍にほとんど委ねられているというふうに言っても過言ではない。否定されるかもしれませんけれども、実際はそうだろうと思われます。
 ただ、今回の法制によって、法案によって、より明確に日本の防衛というものを主張して、そこがちゃんとその共同行動の戦略立案の中で反映される、そういったことをどうやって担保していくのか。本来はそういう話がこの法案の先にはあるべきだと思っておりますが、今まで見ていてそういう議論がなかったのが私は残念だと思っているんですね。だから、そういう意味で、どういった形でそういう戦略立案もしくは戦略に深くかかわっていくかというところについて、どういう御見解を持っていらっしゃるかというところをお願いします。
○中谷国務大臣 これはまさに、日米防衛協力のための指針、ガイドラインの協議でありますが、もう足かけ二年以上、小野寺大臣の前の森本大臣のころから日米間で協議をしてまいりました。
 今回のガイドライン等につきましては、やはり日米双方、国益また国家戦略がありますので、十分にそういったことで率直な話し合いをし、あるときは大臣同士、あるときは実務同士、あるときは制服同士、緊密に協議をして、ことしの四月に取りまとめがありました。
 これをもとに、これから二つのことをいたします。これは、やはり同盟メカニズムとしてきちんと機能できるような仕組みを平時からつくっていく。もう一つは、共同計画、こういった実際の計画をつくっていくというようなことでまさに機能し得る体制にしてきたということですが、この間に日米で双方の主張を述べ合って、双方が理解をしてつくり上げたということでございます。
○木下委員 いろいろお話をされています。ただ、現実、私が聞いているところによりますと、今の防衛大学のカリキュラムの中でも、そんなにたくさんのカリキュラムのこま数を戦略立案というものに割いていないというふうに聞いております。
 これから先、これをしっかりやっていかなければ、米軍の考える戦略の上に乗っていけば必ず、今政府が言われている集団的自衛権の限定の枠を超えるような形で、もともとを超えるもしくは超えてしまうようなことまで戦略の中に組み込まれていく。これをどうやってとめていくのか。それはやはり我が国が主体的になって、自国の防衛の部分に関しては戦略にしっかりと組み入れていかなければならないのではないかというふうに思います。ですから、ここはしっかりと、どうやってやるのかという具体的な話を担保できるような協議をやっていただかなければならないのではないかなというふうに思っております。
○中谷国務大臣 我が国の防衛の基本的な考え方、民主党の長島委員もおられますが、民主党のときも防衛計画の大綱という基本的な考え方をつくって、今、統合機動防衛力ということで、新しい時代に向けた日本の防衛のあり方というものをまとめて防衛計画の大綱といたしておりまして、これを中心に、では五年間どうするかということで中期防衛力整備計画をつくって逐次実施をしておりまして、かなり日本の防衛の体制というのは時代に合わせて変化をしてきております。
 日米間で、より機能的に対応しようということで、島嶼防衛とか、また共同訓練とか連絡のシステムとか、こういった面で今相当変化をしながら、あくまでも我が国が主導権をとりながら我が国の防衛計画の大綱に従って進めておりますので、こういった面で常時協議しながら日本の防衛というものを進めていきたいと思っております。
○安倍内閣総理大臣 まさにこの安倍政権になって初めて、国家安全保障戦略というものを定めたわけでございます。これはまさに国の防衛、外交も含めておりますが、戦略を定めている。この上に立ってさまざまな防衛のための戦略を進めていく、細部も決めていくということでございます。
 そして、その上に立って、先般決定いたしました日米ガイドラインにおいて今度は初めて日米共同で作戦計画をつくっていくということも決まったわけでございますので、これはまさに日本が組み込まれていくというのではなくて日米でつくっていく、日本や地域の平和と安定のために日米で戦略をつくっていくという方向に向かって今進み始めていると思います。
○木下委員 これから先、ぜひともそういう姿勢をもう少し前面に押し出していくべきだ、それこそが、戦争をするのではなくて平和のために資する防衛というものをつくり上げていくことになるのではないかなと思っております。
 それから、最後にお話をさせていただきたいことは、先ほど井坂委員もお話ししておりましたけれども、私の解釈するところによると、今回の法案は、憲法九条の範囲内で限定容認をしようというふうな流れだと思っております。
 しかしながら、今まで自民党さんの中でも憲法の改正案というのが出てきております。実際に見ていると、九条のところにも手を入れられている。そういう中で総理が考えられているところでは、今回のこの法案が通れば、当面と先ほど言っていましたけれども、当面の間、この九条を変更するもしくは改正するというふうなことをお考えになられているのかいないのか、これははっきりしていただいた方がいいと思うんです。
 というのは、連日この国会の前でプラカードを持っていろいろ、反対というふうに言われていらっしゃる方、九条を壊すなとかというふうに言われている方、その彼らの主張の根拠というのはわかる。ただ、九条をなくすなというふうに書いている人もいらっしゃるんですね。私が思うに、これは九条をなくすものでもない、九条を守りながら今現行できることだというふうに理解しておりまして、今うなずいていらっしゃいますけれども、それを前提にした上で、当面となるかもしれませんが、今後九条を改正していくこととこの法案との関連性も含めて、最後にコメントをいただければなと思います。
○安倍内閣総理大臣 もちろん、今御審議をいただいている平和安全法制は、憲法九条の範囲内であります。合憲のものであるのは当然のことでございます。そして、憲法改正につきましては自民党で、九条の一項は残しつつ、九条の改正案についても当時の谷垣執行部で憲法改正草案を出しておりますが、何といっても国民の過半の支持がなければ憲法改正はできないわけでございまして、現状ではとても、例えば九条について改正せよという状況にはなっていないと私は認識しているわけでございます。その中におきまして、我々は、今できることはやるべきだという中において、憲法の範囲内で今回の改正を行っているところでございます。
 繰り返しになりますが、憲法の改正については国民的な議論の広がり、深まりをしっかりと見ながら判断していく。そして、どの条項から改正していくかということについてもまさに今党内で御議論をいただいているところでございます。また、憲法審査会での御議論もいただいているところではないかと思います。
○木下委員 端的に申し上げると、当面の間はないという結論だなというふうに私は今理解させていただきました。といいながら、昨年の十月三十日に私予算委員会で総理にお話しさせていただいたら、解散はないかというふうに言ったら、全くないとおっしゃりながら二週間後に解散されておりますので、どこまで信じていいのかということはあります。
 しかしながら、今のコメントは非常に重要だと私は思っておりますので、ぜひともその姿勢で進んでいっていただければと思います。
 ありがとうございます。
○浜田委員長 次に、青柳陽一郎君。
○青柳委員 維新の党の青柳陽一郎でございます。
 本日も質疑の時間をいただきました。ありがとうございます。
 短い時間なので早速質疑と議論に入ってまいりたいと思いますが、この安保法制の改正は国民の間でも大変注目されている、そして本日はNHKの中継も入っておりますのでわかりやすい議論をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 まず、先般も申し上げたんですけれども、我が党の外交、防衛の基本方針というのは、安保環境の変化にもしっかり対応していく、そして我が国の主権、領土、領海、領空を守るための防衛力はしっかり強化していくべきだ、そして我が国の安全保障は日米同盟が基軸である、これは党の公約としてしっかり決めております。そして、重要なことは、自国防衛ということと日米同盟、この軸がぶれてはいけないということだと思います。
 今般、安全保障法制の改正、この政府案については、やはり不安が多い、あるいは政府の説明や国会対応が丁寧さを少し欠いているんじゃないか、何よりも国民の理解が全く進んでいない、これが現状であります。
 この最大の原因は、私は、この安保法制は何のためにやるのか、これは自国防衛なんだということがぶれているのではないか、この軸が少し拡大しているのではないかと。そのために、安保環境が変化したというのはわかりますけれども、だから、この環境の変化に対して、何を、どうして、どこまでやっていくのか、これが残念ながらいま一つ明確になっていないということだと思います。
 さらに、この安保法制、法案の法文上書かれている内容、法文上できることと政府の答弁、総理の答弁に大きな乖離が残念ながらあります。
 例えば、存立危機事態、この新三要件、これは、政権が幾らでも恣意的に行使できてしまうのではないか。また、我が国、日本の周辺こそ今、安保環境の事態が動いている。しかし、政府の答弁では、総理の答弁では、念頭にあるのはホルムズ海峡の事例だ、こういう説明をされるわけで、日本の周辺で起こっている事態よりもホルムズ海峡の事例を出して説明するので、本当に日本の存立にこれがかかわることなのか、我々国民にとっては実感しにくい事例で説明されている。
 こういうことがいま一つ、この安保法制が、目的は何なのか、あるいは歯どめがきかなくなるんじゃないかということが大きな不安であるのだと思います。
 そして、さらに言えば、連日、憲法学者、有識者、あるいはさらに言えば自民党の大物OBまでもが、これは違憲だ、撤回した方がいいという声を上げられているわけであります。そして、その声が日増しに大きくなっている、こういう状況であります。
 本日は、こうした点をいま一度しっかり確認させていただきたいと思います。
 そこで、まず一点、最初に伺いたいのが、本日の議論でもありましたけれども、政府は今週、今国会の会期を、九十五日間という過去最大の延長をしたわけであります。この、あえて九十五日間会期を延長した理由と、そして安保法制を、九十五日あるわけですけれども、どのように進めていかれるのか、私からもお伺いをしたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 質問に答える前に、ホルムズを典型例として挙げているという御指摘でございますが、それは全く違うということは申し上げておきたい。
 それは……(発言する者あり)皆さん、エキサイトしないでくださいよ。ちゃんと今わかりやすく御説明をいたしますから、黙って静かに聞いていただきたいと思います。
 そこで、いわば外国の領土とか領海とか領空に入っていって集団的自衛権を行使する場合があるかということについて質問をされました。そして、その質問に対する答えとして、一般に海外派兵は禁じられているけれども、しかし、ホルムズの例えば機雷の除去については、これは例外的な可能性としてはあるという説明をさせていただいたわけでございまして、基本的には領土、領海、領空に入っていくものは許されていないと言っているんですから、これは典型例でないというのは、私の説明を聞いていただければ普通すぐわかるんだろうと思います。
 その上において、例えば公海上において攻撃をされた米艦、その米艦がかつ日本護衛のために、警備に当たっている米艦に対する攻撃が行われているときにまさに拱手傍観のままでいいのか、そういう趣旨を述べさせていただいた。これはまさに典型例として述べさせていただいたわけでございまして、いわば例外例として挙げさせていただいたのがホルムズであるということは申し上げておきたい、このように思います。
 どういうわけか、こちらばかりの議論がなされていて、先ほどの、私の方からは聞かれなければ答弁ができないということでございますから、聞かれるから私が答えているということでございまして、まさに典型例としては今申し上げましたような、近隣の紛争状況において警戒に当たっている米艦、残念ながら、なかなかこれについては撃破できないと思ったのか、余りこの質問はないわけでございます。
 その上において、今の御質問に対してお答えをさせていただきたい、こう思うわけでございます。
 九十五日間という最大の延長幅がとられたところでございますが、政府としては今後ともわかりやすく丁寧に説明をしていきたい、こう思っております。
 そして、もちろん、熟議を尽くした上においては、最終的には決めるときには決める。これは議会制民主主義の王道であろう。熟議に熟議を重ねる、そして決めるべきときには決める。我々は、国会議員として国民に選出をされている中において、そうした決議においても、次の選挙においていわば国民の信任、判断を仰ぐことになるわけでございます。
 いずれにせよ、政府としては、国会審議のあり方についてコメントする立場にはございませんが、与党の皆様のみならず、野党の皆様にも法案の趣旨を御理解いただきまして幅広い御支持がいただければ、このように思うところでございます。
○青柳委員 今まさに御答弁いただいたところが、法律上はできるんです。しかし、一般には海外派兵は行わない、武力行使は必要最小限度を超えるからやらない、しかし、念頭にあるのは、唯一の例外としてはホルムズ海峡が念頭にありますという答弁を続けられてきたわけですから、これがまさに私が先ほど申し上げました法文上と政府の答弁の大きな乖離である、これが理解をされないんです。この件についてはまた後ほど議論させていただきたいと思います。
 まず、今、会期の延長幅について総理から御答弁いただきました。まさに熟議を行う、丁寧に進める、国民の理解を進めるという答弁をいただいたので、その言葉を信じて議論をしていきたいと思いますが、間違っても、憲法五十九条の四、いわゆる六十日ルールは使わないということで、総理の意思としてお伺いしたいと思います。
 まず、間違っても……(発言する者あり)まあ総裁としても伺いたいと思いますし、この六十日ルールを使うのであれば参議院の議論は意味がなくなる、形骸化してしまうわけでありますから、この六十日ルールは使わないということを明確に御答弁いただけないでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 まさに今、この委員会においてはしっかりとこの法案について議論をしていくことが大切であろうと思います。議論をすることがまさに私たちの使命であって、委員会に出ていかないとかそういうことではなくて、まさに出ていって私たちに質問をしていただく、私たちは誠意を持ってお答えをしていくという中において、だんだんこれは、当然、これだけ会期をとったわけでありますから、議論は終結に向かっていくわけでありまして、そしてどこかの時点では決めなければいけない、良識が働いていくものであろう、このように思います。また、当然、参議院は良識の府でありますから、しっかりとした有益な議論が行われるものと私は確信しております。
○青柳委員 今、六十日ルールは使わないということは御答弁いただけなかったわけでありますけれども、どこかで決めなきゃいけない。会期を十分にとったということでありますけれども、これも本日議論にありましたけれども、共同通信の最新の世論調査では、これは総理も確認されたと思いますけれども、私も驚くべき数字でしたよ。
 安倍政権が安保法制について国民に十分説明できていると思うか。できていないが八四%です。しかも、前回の数字が八一%ですから、時間がたてばたつほど、この説明ができていないというのがふえているんです。しかも、十分説明できているというのは一三%しかいない。これは、前回よりも減っているんです。今国会で成立させるべきかどうか。賛成二六%、反対六三%。これも賛成が減って、時間がたてばたつほど反対がふえている。国民の理解は全く進んでいない。賛成より反対が圧倒的に上回っている。
 九十五日間の会期をとっていただいて、熟議をする、丁寧に進めると今おっしゃいました。今の現状の数字、そして時間がたてばたつほど、説明ができていないがふえている、そしてこの国会で成立することに反対する人がふえている。この数字を、総理、どのようにごらんになられますか。
○安倍内閣総理大臣 まさに委員会において法案そのものについて御議論をさせていただきたい、こう思っているところでございます。法案そのものについて御議論をさせていただかなければ我々はお答えのしようがないわけでございますから、理解は深まっていかないということになるんだろうと思います。
 世論調査というのは日々変わっていくこともあるわけでございますし、しかし、数字は数字として謙虚に受けとめつつ、いわば与党としてもしっかりと国民の皆様への説明を進めていきたい、こう考えております。
 先ほど木下委員からもお話がございました。大阪都構想についても、なかなか、説明が十分ではないという世論調査の結果だったというふうに承知をしております。このように、十分に説明したという御評価を得るのは大変でございますが、しかし、我々は努力を重ねていきたい、こう思っているところでございます。
○青柳委員 それでは、一つ御提案させていただきたいと思います。
 今、九十五日間延長して、審議時間はきょうで大体六十時間ぐらいになると思います。民主党さんの換算だともっと全然低いと思いますけれども。これで、自民党の国対委員長は、八十時間やれば審議は十分尽くしたということで、恐らく七月中には何らかの御提案、あるいは、先ほど総理がおっしゃられたように、決めるときには決めるということがあるのかもしれません。
 しかし、私は、審議時間だけを積み上げて採決するのではなくて、国民の理解が一定程度進んだ、あるいは、十分に安倍政権は安保法制の改正について説明責任を果たしているということが一定程度数字で明確になった時点で採決するべきではないかと思いますが、総理、質疑時間だけで採決をするということをやらないとぜひ宣言していただきたいと思います。
 審議時間だけで、一定時間で打ち切って、まさに数の力で採決するのであれば、これは総理が日ごろから批判している力による現状変更そのものじゃないかと思いますので、ぜひこの提案について総理からコメントをいただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 もちろんこれは委員も御承知だと思いますが、委員会で法案についてどのように処理をしていくかということは、政府ではなくて委員会でお決めになることでありまして、ここにはきっちりとした一線が引かれなければならないと思います。
 これはまさに委員会において、どれぐらいの質疑がふさわしいか、あるいは質疑の中身を見てきて、質問が繰り返されているのかどうかということももちろんあるでしょう、そういうことについて御判断をいただくことになるんだろう。私自身は八十時間とかそういうことを言ったことは一回もないわけでありまして、ずっと委員の皆様にお任せをしているということであります。
 それと、数の力、数の力ということで批判をされるわけでありますが、これはまさに選挙の結果であるわけでありまして、この選挙の結果を無視しては民主主義はそもそも成り立たないわけであります。選挙の結果もあれば、次の選挙に至るまでのいわば議員としての考え方、あるいはとってきた行動を次の選挙で問われる、これがまさに民主主義ではないか、こう思うところでございます。
○青柳委員 今のはおっしゃるとおりだと思いますよ、選挙の結果で政治は変わるんですと。これはおっしゃるとおりだと思いますが、昨年の選挙で問われたのは、消費税の増税を先延ばしにするということを総理みずから説明して国民の審判を仰いだわけでありますが、この安保法制をやりますよということについては、マニフェストに書いたかもしれませんけれども……(発言する者あり)それは説明には、私はならないと思います。
 そのこと自身を、では、ぜひ聞いてみたらいいと思いますよ。安倍政権にこの安保法制を改正することを去年の選挙で全面的に委任したのかということは、私は、聞いてみたら違う結果が出ると思います。
 ただ、今、現状は自民党が圧倒的多数を持っているので、それは政権が政策判断をしていく、これも当然だと思いますが、今の調査の結果、八割が説明できていないと。八割以上ですよ。しかも、時がたてばたつほどこの結果、数字はどんどん悪くなっているんですから、私は、もう少し謙虚に、丁寧に進めるべきだということを申し上げたいと思います。
 もう一点は、多くの国民の反対の中には、専門家である憲法学者、有識者、あるいは自民党OB、そしてさらに言えば現役の自民党の大物議員までも反対の声明を発出しているわけでございます。
 政治家は現実の課題に責任を持って政策判断を行うんだ、憲法学者とは違う、この意見に対しては、私も政治家ですから、一定の理解はあります。しかし、さすがに、今、安保法案に反対する憲法学者の声明というのがありまして、これに賛同する学者は、六月二十四日現在の数字でいえば二百三十三名が違憲だと言っている、安保法制に反対すると言っている。そして、違憲でないという見解を示しているのは、たったの二名しかいません。
 こうした憲法学者、研究者、こうした声は無視できないと私は思いますけれども、安倍総理は、この法案のままで、現在のこの法案、全く修正せずに、このまま採決に向けて取り組んでいくおつもりでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 先ほど、この平和安全法制について、これはマニフェストに書いただけだ、こうおっしゃっておりましたが、私が出た、選挙中に行われたほとんどのテレビ討論においてはこれが議題になりました、テーマになりました。
 私はそこで、七月の一日の閣議決定にのっとって次の通常国会において法制を進めていくということをはっきりと申し上げているわけであります。その上において国民の負託を得た、こう考えているところでございます。
 確かに今、世論調査上は厳しい状況にあるのは事実であります。しかし、政治において、世論調査が悪ければその政策はやめようということになれば、それはある意味では大変楽なんだと思いますよ。でも、事実、それはほとんど責任の放棄でありまして、しかし、こうした理解が高まっていくように私は努力を重ねていきたい、こう思うところでございます。
 そして、憲法学者の方々の御議論については真摯に我々も耳を傾けていきたい、こう思うわけでございます。しかし、繰り返しになりますが、必要な自衛の措置とは何かということについての判断は私たちに委ねられているわけでありまして、そのことについて我々は考え抜いていかなければならないんだろうと思っております。
 六十年前に自衛隊が創設をされたときも、ほとんどの憲法学者は憲法違反というふうに声明を出していました。そしてまた、PKO法案、これは武力行使ではありませんが、PKO法案においても、海外に派遣する自衛隊員、自衛隊の海外派遣はまさに憲法違反だ、ある新聞社がとったアンケートでは、八割は憲法違反だということを明確に述べておられた。
 しかし、そういう方々自体も結構変遷をしておられるんですよ。今まさに、自衛隊の諸君が頑張ってきた結果、多くの方々が信任をしているというのが現在ではないか、このように思います。
○青柳委員 我々も、先ほど来申し上げていますように、日米同盟が軸です、そして安全保障環境の変化に対応しなきゃいけない、でも一番軸になるのは、やはり自国防衛というところが肝だと思います。
 なぜこれを言うのかといえば、やはり現行憲法下で、解釈の変更によってこの安全保障法制を整備し直していくというのは、私はどう考えても無理があると思います。今回、合憲の根拠としている砂川判決や昭和四十七年見解についてもやはり無理があるわけであります。
 そして何よりも、中谷大臣は、このベストセラーになった御著書「右でも左でもない政治」で、憲法の拡大解釈は限界に達している、そして憲法の解釈変更はすべきでないと明確に言っているんです。憲法の解釈変更は憲法の信頼性が問われるんだ、これは明確に述べられているわけであります。さらに、憲法を整理し直して、国民の誰が読んでもしっかり理解できるような文言に改正し、国会で曖昧な答弁をしなくていいようにすべきだ、これは明確にこの御著書で述べられているわけです。私は全くそのとおりだと思うんです。ですから申し上げている。
 中谷大臣は、こうしたお考えは既に変わってしまったんでしょうか。
○中谷国務大臣 著書で述べたのは、集団的自衛権について、いわゆる国際的な集団的自衛権ということでございました。
 やはり時代が、この本を書いてもう十三年ぐらいになるわけでありますが、急激に変わって、いかに日本を守っていくのか、国民を守り暮らしを守る、そのために必要な政策を考える場合に、今の憲法の枠内でさらに検討を重ねた結果、今回、新三要件という形で、我が国の存立にかかわる、また国民の権利を根底から損なうようなそういった事態に際して、必要最小限度の自衛権という観点で考えてみると、従来は集団的自衛権にかかわる部分であったとしても、国を守る、国民を守る上において本当に必要な部分は何かと考えますと、我が国を守る上において必要な集団的自衛権の限定的な部分、これはやはり憲法から容認できて、またそのための権限をつくるということは憲法の容認の範囲であるという結論に達しました。
 ここに至るまでは、本当に真剣に考え、議論しました、自民党の中でも。その結果、昨年こういった結論に至ったということでございまして、私としては、憲法の許す範囲での今回の法案の提出であるというふうに認識しております。
○青柳委員 今大臣も御答弁いただきました。そして総理も御答弁いただきましたけれども、自民党の政権公約にはまさに憲法改正も入っているわけですから、それであれば、こうした法案は一旦取り下げて、堂々と憲法改正に取り組んだらいかがかなと。そして最後は国民投票にかけるわけですから、私はその方がすっきりするんじゃないかと思います。
 そして、ちょっと時間がなくなってしまったので、最後に、先ほど、法理上は海外派兵できる、武力行使できるという法理が読めるわけですけれども、総理は、それは必要最小限度を超えるからやらない、ホルムズ海峡は唯一例外の事例だという答弁はやはりあるんですね。
 なので、最後に、ちょっと法制局長官、きょうは整理の意味でお伺いしたいと思います。
 一般論として、憲法、法律、政府見解、政府答弁、これは重みの順でいけばどのようになるか。つまり、重みというのは、言いかえれば改正しにくい順です。変えづらい順。これは、憲法、法律、政府見解、政府答弁という順でよろしいでしょうか。そして、あわせて、政府見解と政府答弁を変えるときに何か必要な手続はあるんでしょうか。長官にお伺いしたいと思います。
○横畠政府特別補佐人 憲法と法律と政府見解の三者でよろしゅうございますね。(青柳委員「憲法、法律、政府見解、政府答弁、四つ」と呼ぶ)政府答弁。はい。
 憲法は、まさに憲法でございまして、憲法の改正規定に従って改正することができます。それのみによって改正することができます。
 法律は、まさに憲法によって、国権の最高機関、唯一の立法機関と定められている国会の御意思によって制定、廃止、改正がもちろんできるわけでございます。
 政府見解は、まさに政府の見解でございまして、正式には、閣議決定を経た内閣の決定というものが一番正式というか、そういう形で決定され示されるというのが政府見解でございまして、仮に何らかの事情でそれを変更するということがあるならば、それは同じ形式をもって変更するということは可能でございます。
 政府答弁、国会における答弁というものと、いわゆる質問主意書に対するお答えというのがございますけれども、質問主意書に対するお答えというのは閣議決定を経ておりますので、それだけの重みがございます。国会における内閣総理大臣、閣僚の答弁といいますのは、憲法第六十六条第三項において「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。」と規定されております。また、憲法第六十三条において内閣総理大臣その他の国務大臣の議院出席の権利及び義務が規定されており、これはまさに、議院に出席した場合に、内閣総理大臣その他の国務大臣が発言することができ、また答弁をしなければならないということを定めているわけでございまして、まさに内閣が国会に対して連帯して責任を負うという憲法の規定を前提としたお答えを申し上げているということでございまして、極めて重いものであるというふうに考えております。
○青柳委員 つまり、一番最後の部分、政府答弁は、手続なく、責任ある立場ではありますけれども、変えられるということなんです。
 ですから、私がきょう最初に申し上げましたとおり、法律上、法理上できる、しかし、政府答弁でやらないと言っている。でも、これでは国民の理解は到底得られないと私は思います。政権がかわれば、もっと広くとるかもしれない、あるいはもっと狭まるかもしれない、これまでやっていた事例が急にやれなくなる、こういうことだってあり得るのではないかと思います。
 ですから、今、我々維新の党は、独自案を作成中であります。これは、法律に明確に書き込むようにつくっているわけでございます。この軸となるのは、やはり自国防衛が軸になっているということでございます。これは、取り扱いについては我が党の執行部に一任しているわけでございますが、独自案ができればぜひ議論をさせていただきたいと思います。
 最後に、時間が来ましたので、憲法学者、有識者は、今現在、圧倒的に反対が多い。そして、憲法解釈の変更はもうこれ以上、限界に来ている。そして、今回の合意の根拠となった砂川判決や昭和四十七年政府見解を持ってくるのは無理がある。何よりも、国民の大多数が反対しているこの安保法制は、ぜひ一旦取り下げて、明確な目的と明確な歯どめのある法律に出し直して議論すべきだということを申し上げまして、私の質疑を終えたいと思います。
 ありがとうございました。
○浜田委員長 次に、太田和美君。
○太田(和)委員 維新の党の太田和美でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 早速質疑に入らせていただきたいと思います。
 国民の皆さんの中で、今回の法改正に対する不安が非常に高まっているというふうに思います。六月四日の衆議院憲法審査会で憲法を専門とする三名の憲法学者が安全保障関連法案に対し違憲を唱え、その後も政府から納得できる回答がないことで、国民の不安や不信は今ピークに達しているというふうに思っております。
 共同通信が六月二十日、二十一日両日に実施した全国電話世論調査によりますと、安全保障関連法案が「憲法に違反していると思う」との回答は全体の五七%にもなり、「違反しているとは思わない」というのは二九%でありました。安保法案に反対は五九%で、五月の前回調査から一一ポイントも上昇し、賛成はわずか二八%でありました。
 自民党の支持層ですら、違憲と思うというふうに答えた方が三五%です。そして、公明党支持層では、この法案に反対の方が前回の調査よりも一二%もふえて四七%となり、賛成の三七%を上回って、賛否が逆転してしまいました。
 安倍総理は、今回、しっかりと議論して御理解いただくためとして、国会の会期を戦後最大の九月二十七日までという形で、大幅に会期を延長されました。でも現状は、説明すればするほど、違憲とか反対とか、こういう意見がどんどんふえていってしまっているのではないかなというふうに思います。
 総理、これは、説明時間が足りないのではなく、もとの論理が間違っているのではないかな、私はそう思うんです。
 国会を延長して、ただやみくもに審議時間だけを確保して、矛盾を抱えたままの無理やりな説明を繰り返したところで、国民は到底納得しないというふうに思います。一度撤回して、一から出し直した方がいいのかというふうに思います。いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 ここで答弁に立って、出し直すかどうかについて答弁しても、なかなか国民の皆様の理解は広がらないわけでありまして、もとの理論に立ち返って、ぜひ私に、今ここで説明をさせていただいてよろしいでしょうか。理論について、なぜ合憲であるかということについて。
 これは既に、高村副総裁が憲法審査会に出席をさせていただきました。いわば三名の憲法学者の方々が意見を開陳された後でございます。
 昭和三十四年に砂川判決がございました。この判決において九条の二項において自衛権が認められているかどうかということについて判断をしているわけでございますが、ここで、我が国が国の平和と安全を維持し存立を全うするため必要な自衛の措置をとり得ることは、まさに国家固有の権能の行使として当然のことと言わなければならないと。つまり、ここで初めて自衛権というものについて最高裁が判断を示したわけでございます。
 この最高裁の判断の中には、国連憲章を引いて個別的自衛権、集団的自衛権にも言及があるわけでありますから、そのことも念頭に自衛権があるということを明確にした、つまり自衛隊の存在がそこで実は初めて合憲ということが判断されたのでありますが、その段階ではまだ、自衛隊に対しては憲法の学界においては、ほとんどの方々は違憲である、こう述べていたわけであります。
 その上において、では必要な自衛の措置について判断は誰がするのかということについては、まさに国民に選ばれている国会そして内閣がこの判断をするということでありまして、つまり、国の存立の基盤に重大に関係し、そして極めて政治性の高いものについては、一見極めて明白に違憲無効でない限り、今申し上げた国民の代表である国会と内閣が判断を行うわけであります。そして、その時々の必要な自衛の措置とは何かということにおいて昭和四十七年に判断を示しているわけでございますが、それからさらに時を経て、今日の国際社会の状況、安全保障状況を見ながら、我々は、必要な自衛の措置とは、我が国の存立にかかわることであれば必要最小限度の範囲の中に集団的自衛権の行使も入り得るといういわば当てはめを行ったわけでございます。
 このように、必要な措置とは何かということを私たちが常に考え抜くことが私たちの責任なんですね。国民から選ばれている私たちの責任であるということを忘れてはならない、このように思うところでございます。
○太田(和)委員 この法案は、ただ長く説明しただけでは、私は到底理解が進むというふうには思っておりません。
 今、日本は戦後七十年というふうになりました。この間、日本は、一度も海外派兵をせずに、外国人を殺傷することもありませんでした。そして、外国からの武力侵攻で日本人が殺傷されたこともありません。このように、私たちが長きにわたり平和な生活を送ってこられたのは、これは一因としてもちろん、日米安全保障条約に基づく米軍の抑止力もあったというふうに思います。しかし、やはり大きな要因として専守防衛というものが私はあるというふうに思っております。
 日本の平和憲法の精神を具現化した専守防衛をかたくなに守り、他国領域での武力行使を行わないとして、平和憲法の枠内で国際貢献に努めてきたからこそ、世界も日本を平和国家として認識してきてくれて、その結果、七十年もの長い間平和に暮らせてきたのだというふうに思います。
 長きにわたり不戦を貫いてきたこと、これは日本の誇りです。安倍総理は今それを壊そうとしているのではないでしょうか。仮に安倍総理がその意識がなかったとしても、今回この安保関連法案が成立することで、後の政権がそれを、平和国家日本の誇りを壊すことになりかねないということもあるわけです。
 歴代の政権は、専守防衛こそ我が国の防衛の基本方針であり、これを遵守するとしてきました。日本を取り巻く脅威が多様化して、自衛隊の役割がふえようとも、私は専守防衛の原則は絶対に堅持すべきであるというふうに考えています。
 そこで、お伺いをさせていただきたいのが、この安保関連法案を審議入りするに当たり、防衛白書を読ませていただきました。そして、ここ何年かの防衛白書を見比べることもさせていただきました。
 専守防衛について書かれている部分についてでありますが、これは平成二十五年度版です。専守防衛について、「専守防衛とは、相手から武力攻撃を受けたときにはじめて防衛力を行使し、」と説明されています。そして平成二十六年度版の防衛白書でありますが、これは二〇一四年八月のものでありますから、安倍内閣による集団的自衛権行使容認の閣議決定がなされた七月一日よりも後に発行されたものです。この平成二十六年度版の防衛白書は、ここにも専守防衛の説明が、「専守防衛とは、相手から武力攻撃を受けたときにはじめて防衛力を行使し、」とあり、二十五年度版と全く同じ文章となっておりました。
 しかし、次に英語版を見てみました。これは防衛省が発行している防衛白書の英語版でございます。その英語版の専守防衛のところを見てみますと、平成二十五年度版では、「アンレス アンド アンティル アン アームド アタック イズ マウンテッド オン ジャパン バイ アナザー カントリー」と説明されています。「オン ジャパン」というふうにあるように、他国による武力攻撃が日本に対して実行されるまではと、日本が攻撃された際というふうになっているわけですね。ところが、平成二十六年度版の説明を見ますと、「オンリー イン ジ イベント オブ アン アタック」と変更されていました。ただ単に、攻撃が行われる場合というふうに変更されていました。
 日本語では前年度から一言一句変更されていないにもかかわらず、英語版においては平成二十五年度版と二十六年度版で文章が変えられているんです。つまり、集団的自衛権行使容認の閣議決定前に発行された防衛白書では、武力攻撃を受ける対象が日本となっていたのに対して、集団的自衛権行使容認の閣議決定後に発行された防衛白書では、武力攻撃を受ける対象が日本に限定されなくなってしまっているんですね。こういう書きぶりに変更されていました。日本へだけの攻撃想定ではなくなっているんです。
 安倍総理、これは一体どういうことでしょうか。国民が通常目にする防衛白書の日本語版はそのままにして、英語版の方だけを変更するということは国民を欺く行為になるのではないでしょうか。総理、これはもはや、解釈を変えたとか当てはめの問題という次元の話ではないと思います。定義自体をこっそり変えたということだと思います。
 この件についてしっかりと御説明をお願いしたいんです。明らかに専守防衛の定義が揺らいでいるではありませんか。
○安倍内閣総理大臣 七月一日にまさに我々は閣議決定を行ったわけでございまして、この閣議決定を行い、まさに三要件を付して、そして三要件に当てはまれば武力行使をする。これは、我が国と、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生したこと、こう書いてあるわけでございまして、その中において我々は自衛権の行使を行うということでございまして、こっそりというよりも、我々はまさにそれを閣議決定したということでございます。
 防衛白書については、事前に質問通告がございませんので私自身確かめようがないわけでございまして、何か資料をもとに質問される際には質問通告をしていただかなければ、太田委員が今挙げられたことが本当かどうかというのを私自身が今確認のしようがないわけでありますから、お答えのしようがないわけでございます。
 七月一日の閣議決定においては、まさに基本的な考え方として申し上げている。しかし、同時に、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆されるおそれがある、まさに武力攻撃が発生して、しかもそういうおそれのある事態においてこれを排除するために、そして我が国の存立を全うし国民を守るために他に適当な手段がないときに必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと、これこそまさに私はこの考え方は専守防衛であろう、このように思うところでございます。
○太田(和)委員 では、確認をさせてください。安倍総理は、この英文の変更について御存じだったのでしょうか、確認です。知らなかったら知らなかったということで、確認をお願いいたします。
○安倍内閣総理大臣 事前にこれは通告をしていただかないと、一々全てを私は知り得ているわけではございませんから今お答えすることはできないということでございまして、それをしっかりと、まずそれが事実かどうかということも含めて、確かめさせていただきたいと思います。
○太田(和)委員 現時点では安倍総理は御存じなかったということですね。では、政府参考人を本日お呼びさせていただいておりますので、政府の方からお答え願えますでしょうか。防衛省の政策局長、よろしくお願いいたします。
○中谷国務大臣 防衛白書のことでございますが、今、本当に突然質問を受けましたので、これはやはりしっかりと確認をさせていただいて、お答えさせていただきたいと思います。
○太田(和)委員 では、これを確認していただいた上で、間違いであれば、総理が言っている専守防衛というものを、日本語版と同じように英語版を訂正されるおつもりはありますか、お答え願います。
○安倍内閣総理大臣 まず確認してからお答えをさせていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、昨年の七月一日に我々は閣議決定をしているということでございまして、この閣議決定にのっとって平和安全法制を作成したところでございますが、そこにおいては、まさに新三要件からも明らかなように専守防衛の考え方は貫かれている、こういうことでございます。
○太田(和)委員 では、委員長にお願いをさせていただきたいと思います。
 この件については大変重要な問題だと思いますので、理事会にお諮りいただきまして、政府の統一見解をお願いしたいと思います。
○浜田委員長 理事会にて協議させていただきます。
○太田(和)委員 ありがとうございます。(発言する者あり)
○浜田委員長 静粛に願います。
○太田(和)委員 私は、総理の本音がこういうところでちょこちょこ出てきてしまっているのではないかなというふうに思うんです。本当は自衛隊の活動範囲を際限なく広げたいというのが本音なんじゃないでしょうか。これは一事が万事で、今の政権はほかにもこのようなことがたくさんあるのではないか、こういう疑念すら浮かんでしまうので、きっちりとこのことを精査していただきたいというふうに思います。
 そして、次の質問に移らせていただきたいと思いますが、六月四日の衆議院の憲法審査会の参考人、憲法学者の三人全員が憲法違反を指摘したことを受けて政府は、先ほど総理も砂川判決のことをおっしゃいました。でも、この砂川判決というのはそもそも、日米安全保障条約のように高度の政治性を持つ条約については、一見極めて明白に違憲無効とは認められない限りその内容について違憲かどうかの法的判断を下すことはできないとし、最高裁は、国家統治の基本に関する高度の政治性を有する国家の行為については、法律上の争訟として裁判所による法律判断が可能であっても、高度の政治性を有するがゆえに司法審査の対象から除外するべきであるという姿勢をとってこられたというふうに私は理解しております。
 そこで、質問させていただきたいと思います。政府は、集団的自衛権の合憲性も、この統治行為論により、最高裁判所の司法審査権の範囲外のものとして、内閣及び国会、ひいては国民に委ねるべきものと考えていらっしゃるのでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 まさにこの砂川判決によって、自衛隊の前提である自衛権が最高裁によって、憲法九条があると同時に存在するということが認められたわけでございます。そして、その中において、先ほども例として挙げさせていただきましたが、いわば統治行為として、いわば必要な自衛の措置とは何かという解釈の中において我々は解釈してきたわけでございまして、その中において四十七年の解釈があるわけでございます。
 いわば憲法の中に自衛隊の存在が明記されているわけではないわけでございまして、憲法九条の二項の中において果たして自衛隊あるいは自衛権そのものが存在するのかどうかということが大きな議論になり、そしてそれを前提とする自衛隊が違憲であるかということについて議論がなされてきたわけでございますが、我々はその中において個別的自衛権ということについて、昭和四十七年の見解の中でまさに砂川判決と軌を一にする政府の解釈をお示ししているわけでございます。
 そして、あれから随分時を経た中において、状況が変わった中において、この四十七年の基本論理は維持しつつ当てはめを変えたということでございまして、まさに必要な自衛の措置とは何かということを考える中において、何がこの必要最小限度の中に必要な自衛の措置の中で当たり得るか、必要な自衛の措置ということを考えた中において今回解釈を変更したところでございます。
○太田(和)委員 この砂川判決の自衛権の措置とは、集団的自衛権のことに限ったわけでもないと思います。
 総理にもう一度確認をさせていただきたいんですけれども、今答弁の中にもございましたように、それでもなお、砂川事件判決における自衛権に関しての最高裁の判決が、解釈改憲が正しいと結論づける根拠たり得るというふうにおっしゃるのかということです。先ほど中谷防衛大臣も、その根拠たり得るというふうに御答弁いただきました。総理の方にも確認をさせていただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 解釈改憲はいたしませんので、解釈改憲の根拠たり得ません。
 その上で申し上げれば、まさにこの砂川判決の中で必要な自衛の措置という言及があります。先ほど申し上げましたように、国連憲章を引いて個別的自衛権、集団的自衛権について触れた箇所がございますので、これを認識した上において自衛の措置という言葉を使っているわけでございます。そこでまさに集団的自衛権ということを述べているわけではありませんし、我々はそう申し上げたことはない。そこに必要な自衛の措置ということが述べられていて、この必要な自衛の措置とは何かという中において、昭和四十七年の段階では、集団的自衛権はこれは含まれませんね、こう考えた。
 しかし、今、国際環境が大きく変わる、安全保障環境が大きく変わる中において、まさに我が国の存立にかかわること、国民の生命や自由や幸福追求の権利が根底から覆されるような、そういうとき、これは集団的自衛権と国際法上見られることであったとしても行使し得る、このように解釈を変更した、いわば当てはめを変えたということでございます。
○太田(和)委員 安倍総理が最高裁の判決に重きを置かれているということはよくわかりました。
 では、お伺いさせていただきたいのが、最高裁は、二〇一二年の衆議院において違憲状態であるという判決を出しました。それにもかかわらず、総理は違憲状態のまま解散・総選挙を行ったというふうに思います。
 このことについて、最高機関は最高裁だとおっしゃられたり、解釈改憲が正しいと結論づける根拠の一つだとされるなど、一方では重きを置いているような態度をとり、また一方では違憲状態の判決を軽んじて衆議院選挙を行う。矛盾していると思います。
 総理、最後にこのことをお聞きして、終わりにしたいと思います。
○浜田委員長 安倍内閣総理大臣、手短にお願いいたします。
○安倍内閣総理大臣 矛盾していないと思います。
○太田(和)委員 時間なので、次回、また質疑させていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○浜田委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 きょうの特別委員会は、会期延長手続後の最初の審議の場となります。通常国会最長の九十五日間もの延長によって憲法違反の戦争法案を何としても強行成立させようなど、断じて許すことはできません。連日、国会周辺で多くの国民が、憲法違反の戦争法案やめよの声を上げています。世論調査では、国民の大多数が成立を急ぐべきでないとしております。この声にこそ応えるべきであります。
 そこで、今回、そうした中で、先ほどから、作家の百田尚樹氏のとんでもない発言が問題になっております。
 昨日、自民党本部内で行われた勉強会で、安保法制や普天間基地問題にかかわって、沖縄の新聞は潰さないといけないなどと発言をし、出席した自民党議員からも、マスコミを懲らしめるためには広告料収入をなくせばいいなどというとんでもない発言がありました。報道の自由、言論の自由に対する許しがたい挑戦であります。また、沖縄県民を侮辱する許しがたい発言であります。
 総理にお尋ねします。自民党総裁として、この事実関係について、徹底した調査と謝罪を強く求めたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 自民党の考え方についてはもう既に申し上げているとおりでございまして、まさに報道の自由というのは民主主義の根幹をなすものでございまして、当然尊重されなければならない、今までもそうでありますし、今後ともそうあらねばならない、こう考えているわけでございまして、自民党の議員の中におきましてもこうした考え方が貫徹されなければならない、こう考えております。
○塩川委員 百田氏を呼んだのは自民党であります。百田氏の発言を何らいさめようとしなかったのも自民党であります。マスコミを懲らしめるためには広告料収入をなくせばいいと発言したのは、自民党議員自身であります。政権与党としての自民党の責任が問われている、自民党総裁としての総理に徹底した調査と謝罪を重ねて求めたいと思います。
 そこで、今回の安保法制は、ガイドライン改定と相まって、地球規模で、いつでも、どこでも、どんな戦争でも米軍支援を拡大しようというものであります。その一環として、これまで憲法上行えないとしてきた後方支援活動にも踏み出そうとしています。
 きょうは、米軍等に対する自衛隊の後方支援活動の内容について、まず中谷大臣にお尋ねをいたします。
 一九九九年の周辺事態法は、自衛隊が米軍に対して後方地域支援として物品及び役務の提供を行うことを定め、補給を初めとするその種類を別表に列挙しておりました。その上で、備考において除外するものを明記しております。
 今回の周辺事態法改定案、重要影響事態安全確保法案における後方支援活動では、この別表、備考部分はどのような変更が行われているでしょうか。
○中谷国務大臣 政府といたしましては、我が国の平和と安全を確かなものにしていくためには、重要影響事態というものを設けまして、こういった我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態に対処している外国の軍隊等に対して、我が国として、実施できる範囲で必要なあらゆる支援を行うことができるように法的措置を講じておくということが重要であると考えました。
 現行の周辺事態法制定時におきましては、米軍からニーズがなかったために、弾薬の提供、そして戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機への給油、整備につきましては支援内容から除いておりました。また、物品、役務の提供は、公海及びその上空で行われる輸送を除き、我が国の領域において行われるものとしたわけでございます。
 しかし、その後、日米で防衛協力の協議を行いまして、ガイドラインの見直しが進められた協議の中で、米側から、これらを含む幅広い後方支援への期待が示されております。
 また、実際に一昨年、南スーダンのPKOに参加している陸上自衛隊部隊が、国連からの要請を受けて、韓国部隊のために弾薬提供を求められまして行ったということで、想定外の状況によって弾薬を融通する必要性が生じる場面もありました。
 さらに、安全保障環境が変化をして、脅威が世界じゅうのどの地域において発生しても我が国の安全保障に直接的な影響を及ぼし得るという状況になりまして、この重要影響事態という事態をつくりまして、我が国の平和と安全を確保していくために不測の事態に対応していくということで、弾薬の提供、発進準備中の航空機への給油、整備、外国領域などに限られない後方支援活動について実施するよう措置するという対応をしたということでございます。
○塩川委員 今大臣にお答えいただきましたように、ここに、今まではできないとされていたものが、武器の提供を除いてできるようになる、弾薬の提供もできるということです。今の御答弁にもありましたけれども、今回の法改正で、戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油及び整備支援もできるようになったわけであります。
 この戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油及び整備で言う整備というのには、一九九九年の周辺事態法の議論のときにもありましたけれども、修理だけではなく、武器の搭載なども含まれるものであります。また、戦闘作戦行動というものの中には、航空部隊による爆撃も入っているわけであります。
 そこで、大臣にお尋ねいたしますが、出撃準備中の戦闘機に対する給油及び整備支援とは、戦場で爆撃する米軍機に対する給油支援であり、戦闘機へのミサイルの搭載とかも含むものであります。米軍の戦闘行為と密接不可分となる活動であり、米軍の武力行使との一体化が問われたわけであります。だから、一九九九年の周辺事態法のときは、この出撃準備中の米軍機への給油支援については、米軍からのニーズがなかったということで除外するという整理にしたというふうに言われておりますが、いかがですか。
    〔委員長退席、御法川委員長代理着席〕
○中谷国務大臣 委員が御指摘のように、現行の周辺事態法の制定時は、米軍からの要望がなくて、このような支援を行うということが想定をされなかったことから、自衛隊の実施する物品提供の内容には含めないということにしたところでございます。
 先ほどお話ししましたが、今般、ニーズが確認をされたということで、一体化のお話がございましたが、発進準備中の航空機への給油、整備について慎重に検討した結果、まず、現に戦闘行為を行っている現場、ここでは支援活動を実施しないという今般の一体化回避の考え方が適用できる。そして、発進準備中の航空機への給油、整備は、その航空機によって行われる作戦行動と時間的には近いものであると言えますが、まず、地理的関係において、実際に戦闘行為が行われる場所とは一線を画する場所で行う。次に、支援活動の具体的な内容、これは補給の一種の整備でありまして、戦闘行動とは異質の活動である。そして、他国の武力行使の任に当たる者との関係の密接性につきましては、自衛隊は、他国の軍隊の指揮命令を受けるものではなくて、我が国の法令に従ってみずからの判断で活動するものである。そして、協力をしようとする相手の活動の現状においてはあくまでも発進に向けた準備中でありまして、現に戦闘行為を行っているものではないということを考慮すると、一体化するものではないと言うことができるというふうに考えておるわけでございます。
    〔御法川委員長代理退席、委員長着席〕
○塩川委員 ニーズの話はまた後で聞きますけれども、今お答えになったように、武力行使の一体化ではないという説明をされたわけですけれども、それはそもそも本当にそうなのかというのを、九九年の議論で改めてたどってみたいと思うんですよ。
 パネルにありますように、左手に、一九九九年のときの大森政輔内閣法制局長官の答弁を紹介しております。
 読みますが、こういう形態、これは発進準備中の航空機に対する給油等の支援の部分ですけれども、こういう形態における物品及び役務の提供というものは、やはり米軍との武力行使の一体化の問題について慎重な検討を要する問題ではないかということで問題にいたしまして、そして延々と議論を重ねたわけでございます、そのうちに、いや、そもそも米軍からの要請がないならばもう最後まで議論をし尽くす必要もないじゃないかということで、憲法上慎重な検討を要するということまでの共同認識を得て、それ以上の、絶対クロだというところまでの断定はしてないわけでございます、今もやはり憲法上の適否について慎重な検討を要する問題であるという認識には変わりございませんと述べていたわけであります。
 つまり、憲法上の疑義がある問題だったということを認める答弁というのがここに残っているわけです。
 そこで、お尋ねしますが、絶対クロだというところまでの断定はしていない、それは、憲法違反の疑義があるということへの留保が当然そこにあるわけですけれども、憲法違反の疑義が問われていたのに、今回どんな検討をしてクロじゃないということについて、もう一回説明してもらえますか。
○黒江政府参考人 今先生御指摘の、絶対クロではないという法制局長官の答弁が一月にあったわけでございますけれども、その後、同じ年の四月に、これにつきましてはニーズがないということで、「それ以上の検討を行うことはしなかったということでございます。」ということで、憲法上の疑義があるということまでおっしゃっているわけではないと私は思っております。
 その上で申し上げますと、今回の法案の整備の作業、検討作業の中で、先ほど中谷大臣から丁寧に御答弁申し上げましたけれども、四つの要因につきましてそれぞれ細部の検討を行った結果、この点につきまして、こういった行為については武力の行使と一体化するものではないという整理を、昨年七月一日の閣議決定を踏まえて行ったということでございます。
○塩川委員 大森四要素の話をされておられるんだと思うんですけれども、そもそもこのときの議論というのは、今答弁にもありましたけれども、ニーズがないという問題で整理はしたんです。しかし、ここに書いてあるように、憲法上慎重な検討を要する問題だ、憲法上の適否について慎重な検討を要する問題だから、これについては留保した上で、しかし現実にはニーズがないから外しましょうというのがこのときの経緯だったわけですよね。
 そこで、お尋ねしますけれども、そもそもこのときの理屈の話でいえば、給油という行為そのものは、実際にはいわゆる戦闘を行う現場と離れているということは自明のことであるわけで、安全を確保した場所で行うことになるわけであります。ですから、そもそも出撃準備中の戦闘機に対する給油は戦闘現場では行わない、これは当然のことですよね。
○中谷国務大臣 当然のことながら、実際に戦闘を行う場所とは一線を画する安全な場所でございます。
○塩川委員 ですから、実際に航空機に給油する場所というのは、基地ですとか艦船上ですとかあるいは空中給油ということになるわけで、安全を確保した場所で給油活動を行うのは当たり前であります。
 周辺事態法の場合も今回の場合も、戦闘現場で行わないということに変わりがありません。ですから、給油する場所の問題ではないということはいいわけですよね。
○中谷国務大臣 現に戦闘が行われている現場ではないというところでございます。
○塩川委員 周辺事態法のときの政府の説明では、日本の基地から出発する場合でも、戦闘準備中の米軍機への給油はだめということだったわけです。安全が確保されている日本の基地でも、出撃準備中の戦闘機に対する給油もだめだったということです。
 つまりは、安全を確保した場所で給油を行う場合でも、出撃準備中の戦闘機への給油はだめだった。武力行使と一体化しない根拠として安全な場所で給油するということはまさに説明になっていないという点で、先ほどの安全な場所の確保の話も一つありましたけれども、そういう理屈じゃないということははっきりしているわけですよね。
○黒江政府参考人 まず、正確に申し上げますと、先生は、だめというふうに周辺事態法のときに判断をされたとおっしゃいましたけれども、先ほど御答弁申し上げましたように、判断をしなかったということでございます。これは、ニーズがないので判断をしなかったということでございます。
 その上で申し上げますと、地理的な関係がまず第一の要素でございますが、第二の要素といたしまして、こちらが行います支援活動の具体的な内容がどのようなものであるのか、また、当該支援を行う相手方と我々との間の関係というものがどういうものなのか、さらに、相手方がそのときに、支援を受けている際に行っている行動というのはどういうものなのかといったことを総合的に判断するということを、政府が以前から累次申し上げておるところでございます。
 それぞれの要素につきまして先ほど中谷大臣の方からそれぞれ細かく御答弁申し上げましたけれども、今回の法制の検討におきまして政府部内での詳細な検討を行った結果としまして、一体化はしないという結論に至ったということでございます。
○塩川委員 具体的内容について、どういう説明をされたのか、もう一度お答えいただけますか。
○黒江政府参考人 大臣の答弁の繰り返しになりまして恐縮でございますけれども、まず、地理的関係につきましては、実際に戦闘行為が行われる場所とは一線を画する場所で行うものであること。
 二点目といたしまして、当方が行っております支援活動の具体的内容ということでございます。この点につきましては、補給の一種あるいは整備ということでございますので、戦闘行為、すなわち、物の破壊でありますとか人員の殺傷といったものとは全く異質の活動であるということ。
 三点目といたしまして、当方と支援を受けている相手方との関係ということでございますが……(塩川委員「もういいです。具体的な内容のところですか」と呼ぶ)はい。まさに具体的なことでございますけれども、自衛隊が他国の軍隊の指揮命令を受けるというような関係にはない、あくまでも我が国の法令に従ってみずからの判断で活動するということ。
 最後、四点目でございますが、協力しようとする相手の活動の現況については、これは当然のことでございますが、現に戦闘行為を行っているわけではない、そういうことでございます。
○塩川委員 それはおかしいんじゃないですか。今、具体的内容のところで、補給とか整備について、戦闘行為ではないとか人員の殺傷となるようなものではないとか言いますけれども、でも、皆さん、一九九九年の議論のときに大森長官が答弁をしているように、憲法上の適否の問題が残されている。
 これは、給油する場所の問題ではなくて、給油した戦闘機が戦闘作戦行動を行っているという問題なんじゃないですか。つまり、出撃準備中の戦闘機に対する給油がまさに戦闘行為と密接不可分なのでこれまで認めてこなかった、そこのところがまさに問われていたんじゃないですか。
○黒江政府参考人 今先生がおっしゃいました、実際の戦闘行為との密接不可分性といったものを判断する際に、先ほど私が御説明申し上げましたような四つの要素といったものを勘案するということは、政府は累次、周辺事態法のときから御答弁申し上げておるところでございます。
 これにつきまして、当時なぜこの点について実際の法律に盛り込まなかったのかということにつきましては、先ほど来申し上げておりますようにニーズがなかったということでございまして、憲法上の適否、その点について慎重な判断を要するという状態で、最後の結論までは至っていなかったということでございます。
 今回の法整備の検討の中で慎重な検討を重ねた結果といたしまして、一体化するものではないという結論を得たということでございます。
○塩川委員 いやいや、出撃準備中の戦闘機が給油を受けて戦闘地域に行って爆撃を行う、空爆を行う、これは、アフガンのときなどにも多くの民間人の犠牲が出ている大問題なんですよ。こういったことをやることについては、やはり憲法上の適否の問題があるということで、慎重な判断が必要だと言っていたのに、この辺を何か簡単に変えてしまうようなやりとりというのは絶対納得がいくものではありません。当時の議論を反映していないと言わざるを得ない。
 ジュリストの七月号に、大森元内閣法制局長官のインタビューが掲載されております。出撃準備中の戦闘機に対する給油、整備の問題について、当時の経緯を語っております。
 なぜ別表の備考が周辺事態法ではついたのか。あの部分は、武力行使の一体化として、はねるか、はねないか、外務省、防衛庁と内閣法制局の間でけんけんがくがく議論がなされました。武力行使の一体化を肯定するか否定するかは大変な議論で、向こうは向こうで折れないので、では、それは武力行使と一体化する類型だから、それを断定して追い払えと言ったことがあります。そうしたら、そのうちに備考で除くことになりましたと。備考で除くことにした理由が、米軍がそれを求めていないことにしますということになりましたと。このように述べて、まさに戦闘機が発進しようという準備段階で給油する、整備するというのは、一番典型的な武力行使の一体化の事案なのです、こんな改正案が出てきたら、本当は国会で直ちに御指摘を願わなければならない事態であるはずですと述べております。
 これが当時の議論なんですよ。まさに一番典型的な武力行使の一体化の事案というのが、このように、出撃準備中の戦闘機への給油の支援と言われていたわけです。
 総理にお尋ねしますけれども、当時の長官が一番典型的な武力行使の一体化の事案と述べている出撃準備中の戦闘機への給油を、どうして認めることができるんでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 既に黒江氏から答弁をさせていただいておりますが、まさにこれは検討を要すると当時の大森長官も述べているわけでございまして、今回、新たな法整備をする際には、まさに検討を行ったわけでございます。
 そこで、発進準備中の航空機への給油及び整備は、当該航空機によって行われる戦闘作戦行動と時間的に近いのは確かでありますが、そうとはいえ、地理的関係については、実際に戦闘行為が行われる場所とは一線を画する場所で行うものであること、そして支援活動の具体的内容としては補給や整備であり、戦闘行為とは異質の活動であるということであります。まさにこれは給油でありますから、給油そのものを戦闘活動とは言えないであろう、こういうことであります。
 そして、他国の武力の行使の任に当たる者との関係の密接性については、自衛隊は他国の軍隊の指揮命令を受けるものではなく、我が国の法令に従いみずからの判断で活動するものであること、協力しようとする相手の活動の現況については、あくまでも発進に向けた準備中であり、現に戦闘行為を行っているものではないことなどを考慮すると、一体化するものではないと言うことができると考えておりまして、そうした検討を重ねてきた結果、我々は判断したところでございます。
○塩川委員 いやいや、一番典型的な武力行使の一体化の事案と一九九九年当時の大森法制局長官が述べているという問題について、今の説明では納得いきませんよ。大体、武力行使の一体化の可否についてのこの政府の統一見解なるものについても、その部分というのは何にも書いてないじゃないですか。
 そういう点でも、一九九九年当時の憲法上の適否についての慎重な検討を要する問題、このことについてどういう整理をしたのかについて、改めて政府として見解を示していただきたいと思うんですが、大臣、いかがですか。
○中谷国務大臣 先ほどから御説明いたしますけれども、今回、新たに整理をいたしました。そして、大森四原則に従いまして、その場所、支援内容、そして指揮系統、そして相手の状況、この四原則に従って検討いたした結果、現に戦闘が行われていない現場におきまして、武力行使と一体化をするものではないという結論に至ったわけでございます。
○塩川委員 一九九九年の当時の議論と今のやりとりというのは本当に整合的なものなのか、こういうことについてしっかりとした政府の見解を求めたいと思いますが、お諮りいただきたい。
○浜田委員長 理事会で協議いたします。
○塩川委員 あわせて、当時の法制局長官であります大森氏について、当委員会、この問題についての参考人としての招致をお願いしたいと思います。
○浜田委員長 もう一回、済みません。
○塩川委員 大森政輔氏について。
○浜田委員長 理事会で協議させていただきます。
○塩川委員 次に行きます。
 先ほども米軍のニーズの話が出ましたけれども、米側からいかなるニーズが示されたのか。
 中谷大臣にお尋ねしますが、戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油と弾薬の提供について、米側はどういうニーズがあると言っておったんでしょうか。
○黒江政府参考人 ニーズの点につきましては、ことしの四月にまとまりました日米防衛協力のための指針、いわゆるガイドラインの検討作業の中で、日米間のやりとりの中で、幅広く米側からニーズに対する期待といったものが示されたということを受けたものでございます。
 この点につきまして、さらに細部ということになりますと、個別の事項につきましては日米間の細部のやりとりの内容になりますので、相手方との関係もございますので、これ以上つまびらかにということは御容赦願いたいと思います。
○塩川委員 ガイドラインの検討作業の中で出されたという点では、給油を含めて包括的な米側の要求の一環ということであろうと思いますが、こういう米軍の要求に応えるために、今回のような、九九年当時ともたがう、憲法上の判断を変えたような問題であり、従来やらないとした給油を可能とするということであり、どんなときでも米軍のニーズに応えるものとなっているということを指摘せざるを得ません。
 そこで、今回の周辺事態法の改定案で、戦闘作戦行動に発進準備中の航空機に対する給油支援を可能とします。
 中谷大臣にお尋ねしますが、これは、戦闘作戦行動に発進準備中の航空機に対する給油支援という点では、具体的には基地での給油や艦船上での給油とか空中給油機による給油、これも可能になるということだと思うんですが、その確認をお願いします。
○黒江政府参考人 具体的な給油支援等の形態でございますけれども、今先生からまさに御指摘がありましたように、基地における給油支援、艦船上における給油の支援、あるいは御指摘がありましたような空中給油機による支援といったものも含まれるということでございます。
○塩川委員 重ねて確認しますけれども、重要影響事態、国際平和共同対処事態、武力攻撃事態、存立危機事態において、この航空自衛隊による米軍機及び他国軍機に対する空中給油も法律上は可能になるということですね。
○中谷国務大臣 重要影響事態また国際平和共同対処事態並びに存立危機事態に際しましても、部隊の移動、警戒監視、情報収集、輸送等、さまざまな目的を持って運用される米軍等の航空機に対して自衛隊が給油支援を行うことが想定されます。そのときに空中給油機を使用することも法律上は排除されませんが、実際どのような場面で空中給油機が用いられるかどうかは、個別具体的な状況に即して、地上基地等の利用も含めまして、全体的な運用の合理性という観点から適切に判断していきたいと思っております。
○塩川委員 排除されないということで、いずれの事態でも、航空自衛隊による米軍機及び他国軍機に対する空中給油が可能になるということです。
 自衛隊の空中給油機部隊の運用開始というのは二〇一〇年度であります。現在、四機保有をしております。愛知県の小牧に配備されておりますけれども、さらに、今期の中期防衛力整備計画、中期防で新たに三機購入するということも承知をしております。
 そこで、お聞きしたいのは、自衛隊の空中給油機をそもそも導入した当初の目的というのは何だったんでしょうか。
○中谷国務大臣 導入をした理由といたしましては、まず、専守防衛のもとに、航空機のステルス化、また搭載ミサイルの長射程化といった航空軍事技術の進展に対応しつつ、我が国の防空を全うしていくために、空中給油機能によりまして戦闘機の滞空時間を延伸する、要するに待ち受けですね、滞空時間を延伸していく、空中待機、警戒待機、この体制を整えることが不可欠であるということ。第二に、空中給油・輸送機が保持する多数の人員また小型貨物を迅速に輸送できる機能を国際協力活動等に有効に活用するということ。第三に、戦闘機の訓練におきまして、空中給油によりまして訓練の効率化、航空安全の確保を図ることができるといった点が挙げられまして、平成十二年に閣議決定をされた中期防においてこの計画を整備しまして、現在、四機、小牧基地に配備をしているということでございます。
○塩川委員 たくさん理由を述べていただきましたけれども、当時の議論というのはやはり、大臣がお答えになった、滞空時間を延伸する、空中警戒待機のためということだったわけであります。
 そこで、今たくさん導入のときの目的を述べられましたけれども、空中給油機導入時には米軍への給油というのは想定していなかったわけですね。
○黒江政府参考人 導入時の導入理由につきましては先ほど大臣の方から御答弁申し上げたとおりでございますけれども、当然のことながら、同盟国であります米軍との間では、例えば日本有事の際には日米での共同対処といったことがございますので、その点につきまして、米軍との間での支援といったことを排除しておったわけではないと考えてございます。
○塩川委員 当時、そういう説明をしたんですか。
○黒江政府参考人 その点について、これは排除されていないということについては、我々としましては、当然の前提であるというふうに認識をしてございます。
○塩川委員 そういう説明があったという具体的な答弁はありませんでした。そういう説明はないんですよ、導入時というのは。
 目的、使い道は、あくまで日本の防空、つまり日本への武力攻撃に対処するため、自衛隊機のいわゆる空中警戒待機の用に供するためだと言ってきたわけです。当時の議論というのは、だから他国に脅威を与えるような兵器ではない、こういう説明をして議論が行われてきたわけです。米軍への補給の話というのは、その当時は全然出ていない話だったわけです。
 そこで、資料でも紹介をしておりますものですけれども、二〇〇四年に日米は、空中給油訓練の覚書を締結しております。これはどういう内容なのかについてお聞きしたいのと、あわせて、二〇一〇年に覚書を改定しております。その中身はどういうものなのか、違いはどこなのかについてお答えいただけますか。
○深山政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、二〇〇四年、平成十六年と二〇一〇年に覚書を結んでおります。
 まず、二〇〇四年、平成十六年一月のものでございますが、これは空中給油訓練に関する覚書でございまして、この覚書は、日米共同訓練における航空自衛隊及び米空軍の空中給油機及び受油機間の空中給油訓練の実施のための手順について定めたものでございます。
 次に、二十二年四月、二〇一〇年でございますが、これは、航空自衛隊の空中給油機KC767が本格的な運用体制を整えたことから、より具体的な手順を定める必要が生じたために、同年十月に新たな覚書を締結いたしました。四月から本格運用、十月に覚書でございます。
 この新たな覚書においては、日米ともに、NATOが定める空中給油手順書、ATP56を遵守すること、空自空中給油機から米軍機に給油する場合に必要となる事項につきまして追加をして定めたという内容でございます。
○塩川委員 二〇〇四年の覚書というのは、米軍の空中給油機から自衛隊機への給油訓練を実施するためのものでした。
 二〇一〇年の改定というのは、これは確認ですけれども、自衛隊の空中給油機から米軍機への給油訓練も可能とする、そういう中身が含まれているということですよね。
○深山政府参考人 御指摘のとおりでございます。空自の空中給油機から米軍機に給油する際に必要になる事項について、追加で定めたものでございます。
○塩川委員 自衛隊の空中給油機から米軍機への給油訓練を実施するということが、覚書の改定の大きなポイントだったわけであります。
 そこで、今答弁にもありましたけれども、この二〇一〇年度というのが、KC767の本格的な運用、つまり自衛隊の空中給油機部隊の本格的な運用が開始された重要な年でもあるわけです。
 中谷大臣にお尋ねしますが、この覚書の改定というのは米側からの要請があったものなんでしょうか。
○深山政府参考人 これは、今申し上げましたような運用体制が整ったことに伴いまして日米双方で協議したものでございまして、特に米側からだけ申し出があったというわけではございません。
○塩川委員 日米双方と言いながら、米側だけということではない、米側からも当然要請があったということであります。米軍の要請に応えて、自衛隊から米軍への給油を可能としたものであります。
 この改定覚書では、これは三枚目、二のところの「覚書の目的」ということでありますけれども、「本覚書の目的は、太平洋軍担任地域における航空自衛隊及び米空軍の空中給油機及び受油機」、給油を受ける側の航空機ですね、「受油機間の空中給油訓練を実施するために使用する手順を制定するにある。」というふうに書かれております。
 この米太平洋軍の担任地域というのはどこかといえば、アメリカの西海岸から太平洋、そしてインド洋に至るという大変広大な地域、エリアであります。
 日本防衛の空中警戒待機のためという空中給油機の導入の理由というのが、米太平洋軍の担任地域での米軍への空中給油支援、この訓練、こういう理由に変わってきたわけで、重大な変更と言わざるを得ません。
 大臣にお尋ねしますが、自衛隊の空中給油機部隊の本格的な運用が開始された途端にこの覚書改定を結ぶことで、なぜ、インド洋まで含む広大な地域での訓練を必要とする覚書を交わす必要があったんですか。
○深山政府参考人 お答え申し上げます。
 航空自衛隊と米空軍、他国も含めてでありますが、航空自衛隊の訓練はなかなか空域等の制約がありますので、アラスカ等他国において行う場合も含めて、広く訓練を行っております。そうしたことがありますので、このような覚書を結びまして、そうした訓練の際も含めて便宜を図ろうということで考えたものでございますが、必ずしもその地域全域において直ちに行うということを前提にしているわけではございません。
○塩川委員 ですから、米太平洋空軍のエリアで足を延ばして自衛隊の空中給油機も一緒に訓練をやりましょうということは、広大な地域で自衛隊の空中給油機が訓練をするということになる。
 この問題について総理にお尋ねしますけれども、今回の法案で、訓練に限らず、いずれの事態においても自衛隊空中給油機から米軍機への給油が可能となります。
 自衛隊空中給油機部隊というのは、私は率直に言って、この経緯を考えれば、米軍機への給油用のためにつくられたんじゃないのか。こういう率直な指摘というのは当然のことだと思うんですが、総理、いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 空中給油機が導入された経緯については既に大臣から答弁をいたしているとおりでありまして、いわゆるCAP、空中警戒待機のためであるということは明確でございますが、しかし、その中において、いざというときについては日米共同対処も想定、我が国の防衛でありますが、我が国の防衛において日米共同対処をするわけでございますから、航空自衛隊による空中給油活動は米軍の任務遂行にも資するものと考えているわけでございます。
 しかし、いずれにいたしましても、まずは、新たな空中給油機の整備は、今般の法制の整備を前提として進めてきたものではなくて、あくまでも、防衛大綱及び中期防衛力整備計画の方針を踏まえ、我が国の防空を全うするために必要不可欠な装備品として整備を進めるものでございます。
 その上において、いわば訓練等においてはこの覚書、これは二〇一〇年の覚書でございますから、我々自民党、公明党の政権時代のものではなくて、民主党政権時代に覚書を結んだということでございますから、当然、今般の法制が前提ではないわけであります。
 繰り返しになりますが、その上で、我が国の防衛においての日米共同対処も想定されるわけでございますから、航空自衛隊による空中給油活動は、その際、我が国の防衛のための米軍の任務遂行に資するものと考えております。
○塩川委員 もともと導入を決めたのは自民党政権ですから。そういう流れの中で、今回、実際に導入がされて、本格的な運用が開始をされた。その本格的な運用の開始と同時に、こういった米太平洋空軍のエリアでの共同の訓練を行えるような手順書がつくられたというところに、まさに日本の空中給油機部隊というのは米軍のために、米軍が育て上げてきたというのが率直な経緯だと指摘をせざるを得ません。
 現に、米軍の嘉手納基地ニュース、二〇一〇年の十二月二十一日付ではその当時のことを指摘し、覚書により、用意が整えば自衛隊から米軍に給油できるようになったと述べたとされております。自衛隊の空中給油機部隊の体制が整ったから、今回の法改正で、米軍からのニーズができた、そういうふうにしたんじゃないのかと言わざるを得ません。
 当時の朝日新聞は、今後、米軍の作戦運用で拡大されれば、憲法解釈で禁じられている集団的自衛権行使につながりかねないと指摘をし、共同通信は、長距離攻撃能力を重視する米空軍の作戦運用に空自が深く関与することにつながる、米軍の武力行使との一体化を懸念と書いたわけであります。アジア諸国への脅威を与えることにもつながりかねない問題だと言わざるを得ません。
 そこで、この覚書ですけれども、この覚書の三項のところに「一般条項」というのが書かれております。その中に、制定されるとしている空中給油訓練の手順、これは先ほど答弁でも紹介をされましたが、北大西洋条約機構、NATOが定める空中給油手順書、ATP56に基づくものとされております。
 では、このNATOの基準というのはいかなるものか。大臣にお尋ねしますが、この二〇一〇年の改定覚書が準拠するとするNATOの空中給油の戦術手順書、ATP56はいかなる経緯により策定されたものか。このATP56について説明をいただけますか。
○深山政府参考人 お答え申し上げます。
 お尋ねのATP56は、ATPというのはアライド・タクティカル・パブリケーションの略でございますが、NATO加盟国を中心とした国々が、空中給油の標準化、インターオペラビリティーの確保のために定めた空中給油手順書だと承知しております。
 この中には、標準手順、編隊飛行、安全手順、通信等、実際に給油する際に双方が共通で守るべき点が記述されているということになっておると承知しているところでございます。
 ATP56を採用した場合には、手順書の中の国別附属書に、各国が保有する空中給油機名と当該空中給油機から給油が可能な相手側の航空機、そういうふうなものが記載されることになっておると承知しております。
○塩川委員 NATO加盟国を中心につくった手順書ということで、このNATOの戦略手順書は過去六回改定をされております。それは、一九九一年の湾岸戦争や、二〇〇一年からのアフガニスタン軍事作戦で各国の給油の手順がばらばらだったために、標準化を図るためと言われております。
 この間でも、英国の空中給油機は米国の空母艦載機に給油が可能で、アフガン軍事作戦のときには、空爆は米国が行う、空中給油と偵察は主に英国が担当する、そういう役割分担が行われていたわけであります。ですから、戦術手順書で想定されるのも、そういった事態を念頭に置かれていることになる。
 ですから、重ねてお尋ねしますが、このNATOの空中給油手順書というのは、要するに、米軍が同盟国を動員した戦争の教訓に学んでつくったものじゃないですか。アフガン軍事作戦などの教訓に学んで米国がつくったのがこの空中給油の戦術手順書ではないか。大臣、どうですか。
○深山政府参考人 繰り返しで恐縮でございますが、先ほど申し上げましたとおり、ATP56というのは、NATO諸国間の相互支援を促進するために制定されたものと承知しておるところでございます。
 また、我が国がこうしたものを採用するということは、米軍との関係におきましては、日米安保条約を結び、これまでも有事の際には共同対処を前提としている関係でございますので、相互運用性、インターオペラビリティーを向上させるためには非常に有益なものではないかと考えております。
○塩川委員 このATP56の性格というのは、その中身を見れば明らかであります。NATO諸国間で、今あったように、作戦上の相互運用性を高めるためにNATO標準的手順を発展させるとして、目的を四つ明記しております。
 NATO及び各国の司令官及び参謀に対して、NATOの航空作戦における空中給油の効果的な運用を促進することを目的として、指導要領を提供する。二つ目に、NATO部隊間での各国の空中給油能力のよりよい理解につなげる。三つ目に、NATO部隊間で相互に空中給油支援を促進する。四つ目に、相互の空中給油戦術及び手順の発展を促進するとあります。全くNATO軍事作戦のためのものとなっています。
 さらには、戦闘作戦、コンバットオペレーションについても、この文書で述べる空中給油の手順及び原則は、可能な場合にはいつでも適用すべきということで、まさにこの戦術手順書というのは、NATOの戦闘作戦まで想定をしたもとにつくられているということであります。
 中谷大臣、こういうNATOの戦術手順を日本が取り入れるということになるわけですよね。
○中谷国務大臣 米国がNATOの中の一員であることは事実でございますが、あくまでも日本とアメリカは、安保条約の関係で日米というのが基本でございまして、やはり日米の共同対処とか共同訓練とか、そういうことがございますので、日米の関係からこういう協定をしたということでございます。
○塩川委員 湾岸戦争とかアフガンの軍事作戦などにアメリカがNATO諸国を動員した、それと同じような準備を自衛隊にも要求するということになるわけですよ。ですから、日米間の取り決めなのにNATOの基準を取り入れるということは、米国側からの要求でそうなっているということですかね。
○中谷国務大臣 先ほど御説明したとおり、協議の結果ということでございます。
○塩川委員 米国側からの要求もあって、そういうことが起こり得るということを言わざるを得ません。
 このATP56の中には国別附属書というのがあって、国別基準関連文書というものがあります。これは、自国の空中給油機の詳細に関する情報などを取りまとめたものであります。
 日米の改定覚書の条文によると、日本がNATOに対してこの附属書を作成、公表して初めてアメリカへの給油が可能になることと定められています。そのとおりでよろしいですか。
○深山政府参考人 御指摘のとおりと思います。
○塩川委員 日本はこの国別附属書を既に作成、公表していますね。
○深山政府参考人 日本側の手続は既に終了しておると認識しております。
○塩川委員 作成、公表しているということです。
 このように、NATO基準の戦術手順書に基づいて日本も加わって一緒にやりましょうと。まさにNATOの集団的自衛権の世界の中に、日本も一緒に、そういったルールに従って行うということであります。
 総理にお尋ねしますけれども、この法案との関係でも、他国軍隊への給油を可能とする今回のような戦術手順書、こういう協定が既に結ばれているのに合わせて、このように空中給油が他国軍隊にも行えるような法案の準備を行ってきた、こういうことに重なってくるんじゃありませんか。
○安倍内閣総理大臣 この覚書が結ばれたのは、附属書も含めまして、まさに民主党政権のときに結ばれたものでございまして、それは我々がまさにこの法制を進める前の話でございます。その中において、これが私は悪いと言っているわけではないわけでございまして、それは民主党政権時代に結んだものであって、まさにそこにおいては平和安全法制ということについては考えていなかったんだろうと思うわけでありますし、重要影響事態について想定していたものではないんだろう、こう思うわけでございます。
 まさに我々が空中給油機を導入したのは、先ほど来説明をしているとおり、コンバット・エア・パトロールのために導入した、こういうことであり、同時に、いわば我が国事態、我が国が侵略をされる、そういう状況のときに日米で共同対処する際に、空中給油機において、いわば一緒に日本を守る米軍に対して空中給油をして支援する、まさにこれは共同対処であろう、このように思うところでございます。
○塩川委員 実際には現場の方が先行していて、それに合わせるように法案をつくっているということが実態だということを言わざるを得ません。
 こういったATP56の国別附属書を明らかにしている国というのは紹介いただけますか。
○深山政府参考人 今手元にある資料ですと、先生お尋ねの国別の詳細なものをどこが出したかまでは明らかになっておりませんが、日本のKC767というものは既にそのリストに登載されております。また、アメリカでは、KC10、KC135が登載されております。(塩川委員「いや、その話じゃなくて、国別附属書の話」と呼ぶ)
 それにつきましては、現在、手元にございませんので、詳細はわかりかねます。
○塩川委員 NATOの国々がそっくり入っている、それに加えてオーストラリアとかシンガポールとか南アフリカとかスウェーデンという点でいえば、要するに、こういう数十カ国にわたって空中給油が可能となるようなものであります。
 既に日本は軍と軍との間で空中給油の手順を整えている、一体いつからNATOの一員になったのかと言わざるを得ないような事態になっているわけで、先ほども申しましたように、今回の法案で集団的自衛権の限定行使に踏み出そうとしているというのは、このNATO基準の戦術手順書の作成の動きが先取りとなっているんじゃないのかということを言わざるを得ません。
 今回の法案は、米軍だけでなく、他国の軍隊にも給油できるということになります。こういった、先ほど私が紹介したようなNATOやその他の国々にも当然のことながら給油できるようになる、そのことは大臣もお認めになりますね。
○中谷国務大臣 しかし、空中給油につきましては、先ほどお話ししたとおり、目的というのは我が国防衛。特に、航空優勢と申しますけれども、他国のこういった航空の能力が上がれば上がるほど、我が国の海空域等を守るためには、制空権を守るために、スタンドオフといいますが、CAPということで、やはり空中待機というのが必要でありまして、そのために空中給油機能が必要であるということでございます。その上で、日米共同対処をしていくということでございます。
○塩川委員 インド洋で空中警戒待機するわけないんですから、そういった点でも、まさに軍と軍との間での空中給油の仕組みづくりをすることによって、米軍が行ったアフガン作戦のような、こういう教訓を踏まえた戦術手順書を使うことによって自衛隊が現実に米軍と一体となった行動に移る、こういうことを先取りするものだということを改めて指摘しておくものです。
 憲法上疑義のある重大な施策というのが、日米間の覚書程度のもので進められてきている。既に実態が先行し、それに法律を合わせるような動きというのは極めて重大であります。アメリカに言われればNATOの基準にも関与し、これを取り入れる、こういうことはとんでもないということを言わざるを得ません。
 実態は着々と進んでいるわけで、資料でも日米の空中給油訓練について取り上げています。配付資料の一番後ろに挙げてあります。これは日米共同訓練、空中給油訓練の実績ですけれども、自衛隊の空中給油機KC767と米軍機が参加をした空中給油訓練が毎年のように実施をされております。
 そこで、お尋ねですが、米側の参加部隊や参加機種について、空欄の部分があります。これを明らかにしていただけますか。
○深山政府参考人 先生がまさにお配りになりました資料の下欄、注の二のところに書いてありますけれども、これにつきましては、米側から、参加機種を公表することについて了解が得られておりませんので、公表は差し控えたいと思っております。
○塩川委員 日米共同訓練ですから、どういう航空機同士でやっているかということを明らかにするというのは、本来、国民の求める中身であります。
 私の方が指摘をするのは、この共同訓練、例えばレッドフラッグ・アラスカなどで行われているわけですけれども、これは我が党の議員が以前も指摘をしましたが、二〇〇九年十月の米アラスカ州の多国間軍事演習、レッドフラッグ・アラスカにおいて、航空自衛隊のF15戦闘機の編隊が、核攻撃をも行う米軍のB52戦略爆撃機を援護する訓練に参加をしていた。米爆撃機の護衛というのは、憲法九条が禁じる集団的自衛権の行使を前提とした訓練そのものだ。こういった訓練実態が明らかになっていない。こういうことについての開示をぜひとも求めたい。いかがですか。
○浜田委員長 深山運用企画局長、時間が来ておりますので、手短に願います。
○深山政府参考人 レッドフラッグ・アラスカ、御指摘の訓練は、確かに空自戦闘機と米空軍爆撃機が参加して防空戦闘訓練等を実施いたしましたけれども、我が国が我が国以外の特定の国を防衛することを目的とするような訓練というのは行っておりません。これは、我が国防空のための、防衛のための戦術的訓練として実施したものでございます。
○塩川委員 資料の開示を求めます。
○浜田委員長 理事会にて協議いたします。
○塩川委員 終わります。
○浜田委員長 内閣総理大臣は御退席いただいて結構です。
    ―――――――――――――
○浜田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 両案審査のため、来る七月一日水曜日午前九時、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○浜田委員長 次に、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。
 両案審査の参考に資するため、来る七月六日月曜日、委員を派遣いたしたいと存じます。
 つきましては、議長に対し、委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 なお、派遣地、派遣期間、派遣委員の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、来る二十九日月曜日午前八時四十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時一分散会