第190回国会 予算委員会 第20号
平成二十八年五月十六日(月曜日)
    午前八時五十九分開議
 出席委員
   委員長 竹下  亘君
   理事 石田 真敏君 理事 金田 勝年君
   理事 菅原 一秀君 理事 鈴木 馨祐君
   理事 関  芳弘君 理事 平沢 勝栄君
   理事 石関 貴史君 理事 細野 豪志君
   理事 赤羽 一嘉君
      秋元  司君    井上 貴博君
      石原 宏高君    岩屋  毅君
      衛藤征士郎君    小倉 將信君
      小田原 潔君    越智 隆雄君
      大西 宏幸君    奥野 信亮君
      加藤 鮎子君    勝沼 栄明君
      門  博文君    工藤 彰三君
      小池百合子君    小林 鷹之君
      佐田玄一郎君    佐藤ゆかり君
      坂本 哲志君    鈴木 俊一君
      長坂 康正君    根本  匠君
      野田  毅君    原田 義昭君
      古屋 圭司君    保岡 興治君
      山下 貴司君    山本 幸三君
      山本 有二君    井坂 信彦君
      緒方林太郎君    大串 博志君
      大島  敦君    大西 健介君
      岡田 克也君    後藤 祐一君
      重徳 和彦君    階   猛君
      篠原  豪君    玉木雄一郎君
      西村智奈美君    福島 伸享君
      松野 頼久君    山尾志桜里君
      浮島 智子君    江田 康幸君
      吉田 宣弘君    田村 貴昭君
      高橋千鶴子君    藤野 保史君
      馬場 伸幸君    松浪 健太君
      丸山 穂高君
    …………………………………
   内閣総理大臣       安倍 晋三君
   財務大臣
   国務大臣
   (金融担当)       麻生 太郎君
   総務大臣         高市 早苗君
   法務大臣         岩城 光英君
   外務大臣         岸田 文雄君
   文部科学大臣       馳   浩君
   厚生労働大臣       塩崎 恭久君
   農林水産大臣       森山  裕君
   経済産業大臣
   国務大臣
   (原子力損害賠償・廃炉等支援機構担当)      林  幹雄君
   国土交通大臣       石井 啓一君
   防衛大臣         中谷  元君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     菅  義偉君
   国務大臣
   (復興大臣)       高木  毅君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長)
   (消費者及び食品安全担当)
   (規制改革担当)
   (防災担当)       河野 太郎君
   国務大臣
   (経済財政政策担当)   石原 伸晃君
   国務大臣
   (少子化対策担当)
   (男女共同参画担当)   加藤 勝信君
   国務大臣
   (地方創生担当)     石破  茂君
   国務大臣
   (東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当)       遠藤 利明君
   内閣府副大臣       松本 文明君
   財務副大臣        坂井  学君
   環境副大臣
   兼内閣府副大臣      井上 信治君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    横畠 裕介君
   政府参考人
   (内閣府宇宙開発戦略推進事務局長)        小宮 義則君
   政府参考人
   (総務省行政管理局長)  上村  進君
   政府参考人
   (総務省自治行政局公務員部長)          北崎 秀一君
   政府参考人
   (総務省自治行政局選挙部長)           大泉 淳一君
   政府参考人
   (国税庁次長)      星野 次彦君
   政府参考人
   (中小企業庁長官)    豊永 厚志君
   政府参考人
   (観光庁長官)      田村明比古君
   参考人
   (公益財団法人日本オリンピック委員会会長)    竹田 恆和君
   参考人
   (独立行政法人都市再生機構理事長)        上西 郁夫君
   参考人
   (日本銀行総裁)     黒田 東彦君
   予算委員会専門員     柏  尚志君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十六日
 辞任         補欠選任
  秋元  司君     大西 宏幸君
  井上 貴博君     坂本 哲志君
  小池百合子君     工藤 彰三君
  緒方林太郎君     山尾志桜里君
  大串 博志君     岡田 克也君
  階   猛君     後藤 祐一君
  福島 伸享君     大島  敦君
  松野 頼久君     篠原  豪君
  濱村  進君     江田 康幸君
  赤嶺 政賢君     藤野 保史君
  足立 康史君     丸山 穂高君
  松浪 健太君     馬場 伸幸君
同日
 辞任         補欠選任
  大西 宏幸君     勝沼 栄明君
  工藤 彰三君     加藤 鮎子君
  坂本 哲志君     井上 貴博君
  大島  敦君     福島 伸享君
  岡田 克也君     大串 博志君
  後藤 祐一君     階   猛君
  篠原  豪君     井坂 信彦君
  山尾志桜里君     緒方林太郎君
  江田 康幸君     濱村  進君
  藤野 保史君     田村 貴昭君
  馬場 伸幸君     松浪 健太君
  丸山 穂高君     足立 康史君
同日
 辞任         補欠選任
  加藤 鮎子君     小池百合子君
  勝沼 栄明君     秋元  司君
  井坂 信彦君     松野 頼久君
  田村 貴昭君     赤嶺 政賢君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 平成二十八年度一般会計補正予算(第1号)
 平成二十八年度特別会計補正予算(特第1号)
     ――――◇―――――
○竹下委員長 これより会議を開きます。
 平成二十八年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十八年度特別会計補正予算(特第1号)の両案を一括して議題とし、基本的質疑に入ります。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、参考人として公益財団法人日本オリンピック委員会会長竹田恆和君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として内閣府宇宙開発戦略推進事務局長小宮義則君、総務省行政管理局長上村進君、総務省自治行政局公務員部長北崎秀一君、総務省自治行政局選挙部長大泉淳一君、国税庁次長星野次彦君、中小企業庁長官豊永厚志君、観光庁長官田村明比古君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○竹下委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂本哲志君。
○坂本(哲)委員 自由民主党の坂本哲志でございます。
 今回、熊本大地震の発生に伴いますこの予算審議に、皆さんたちの御協力を得て、被災地、被災者の一人として質問の機会を与えていただきました。委員長、理事の皆様方を初め関係者の各位に心から感謝を申し上げたいと思います。
 熊本大地震は、四月の十四日午後九時二十六分に、まず第一回目の激震、震度七が走りました。そして、その二十八時間後、十六日の午前一時二十五分、二回目の震度七の地震がございました。
 私は自宅で寝ておりましたけれども、一斉にガラスや水槽が割れる音がいたしました。そして、真っ暗になった中を家族五人で、あかなくなったドアをこじあけて外に出て、近くの中学校のグラウンドに避難をいたしました。それから車中泊を女房は二週間続けたところであります。
 一夜明けて、熊本城が崩壊した、あるいはあの阿蘇大橋が落橋した、そういう信じられないニュースが飛び込んでまいりました。車を各地に走らせますと、本当に変わり果てたふるさとの山や川や集落、神社、その姿を目の当たりにいたしまして、茫然となったわけでございます。
 しかし、安倍総理におかれましては、いち早く現地に災害対策本部を設置していただきまして、専門家を次々に派遣していただきました。みずからも、四月の二十三日と二十九日、二回にわたって熊本入りをされました。二十五日には激甚に指定をしていただきました。引き続いて、村道あるいは県道を国の直轄で代替復旧工事をしていただくという非常災害の措置もとっていただきました。そして、今回の七千七百八十億円の補正予算の提出でございます。
 素早い対応、あるいはこの非常時の判断力の確かさ、また果敢な行動力、そして指揮命令系統がしっかりと迅速に立ち上がること、このことを実感いたしましたし、安堵感も覚えたところでございます。
 各地から、ボランティアの皆さん方、そして自衛隊、警察、消防、各自治体の職員の皆さん方が駆けつけてくださいました。各分野で本当に献身的な活動をしていただきました。感謝の限りでございます。
 そして加えて、十九日には天皇皇后両陛下が熊本入りされるという報道がございました。熊本県民にとりまして、どれだけ勇気づけられるかわかりません。
 私たちは、こういった多くの皆様方の互助の精神、御協力に応えて、強い気持ちで、これから一刻も一日も早く本格的な復興をなし遂げなければならないと決意をしているところでございますので、どうか全国の皆さん、そして議員各位の皆さん方、変わらぬ御支援と御協力と御指導をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 質問に入ります。
 今回の七千七百八十億円の補正予算措置、この中で使途が決まっておりますのは、仮設住宅一万五千戸の補助金でございます四百六億円、被災住宅の応急修理費百二十億円、さらに被災者生活支援法に基づきます支援金の二百一億円、こういったものが措置されておりますけれども、まだ余震が続いております、もう千四百回に及ぶ余震であります。全壊、半壊の家屋は八万件を超しました。これからまだまだ被害がふえていくということは確実でございますので、ぜひ、その後の予算、財源措置もよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 そして、今回の地震は、政令指定都市である熊本市、そのベッドタウンでございます益城町、さらには中山間地の阿蘇郡の西原村や南阿蘇村、そして阿蘇市、非常に多様な地域を巻き込んでおります。しかし、この中で、共通の悩み、共通の課題は、それぞれの自治体のやはり財源難でございます。
 いち早く激甚に指定していただきましたので自治体の負担は一割でございますけれども、一つの村で五百億、六百億の総被害額ということになりますと、それだけでも五十億、六十億円の負担ということになります。どうしても財政の破綻という不安が拭えません。そのことが次の対策をちゅうちょさせている、そこにもつながっております。
 どうか、安倍総理におかれましては、阪神・淡路大震災あるいは東日本大震災と同じような形の自治体を支援する特別措置法をやはりつくっていただきたい。
 そして、一方で、やはり、県が中心となってつくります復興基金も創設をしていただきたい。国の支援で届かない部分は、県が裁量権を持って、事細かな生活や、あるいは神社の再建、文化財の再建、そういったものに手が届くようにしていただきたいと思うところでございますけれども、今後の特別措置法の制定につきましてどのように考えていらっしゃるのか、安倍総理にまずお伺いをいたしたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 住宅の確保や生活再建支援金の支給などの被災者支援に要する経費については、現時点で明らかになっている被害に対応するだけではなく、今後の被害拡大にも十分対応できるよう、七百八十億円を見込んでおります。また、熊本地震復旧等予備費として七千億円を計上しており、今後、新たに支出が必要となった経費については、これをしっかりと活用していく考えであります。
 そして、このように本補正予算は、余震が続き、被害状況が拡大する可能性にも配慮しつつ、被災地に必要な支援を行う上での十二分の備えを整えるものであります。被災された方々が笑顔を取り戻し、安心して暮らすことができるその日がやってくるまでできることは全てやる、そうした決意で、被害状況を的確に把握しながら、財政面も含め、今後もしっかりと取り組んでまいります。
 その際、政府としては、被災自治体が安心して復旧復興を進めていくことができるよう、できる限りの支援を講じ、全面的にバックアップしていくこととしています。
 今後については、まずは、提出をさせていただいた本補正予算を活用して復旧に万全を期すこととしています。その上で、個別具体的な被害状況や必要となる復旧事業等の内容を詳細に検討し、精査し、各自治体の財政状況に丁寧に目配りをしていく中において、国庫補助の拡充強化や、これに伴う地方負担に対する地方財政措置の充実等も含め、さらにどのような対応が必要となるかを検討し、必要な財政支援をしっかりと行っていく考えであります。
 各自治体におかれては、どうか安心して復旧事業に取り組んでいただきたいと思います。
○麻生国務大臣 自治体がどれだけ負担をという点が一番、坂本先生の益城町を初めいろいろ、あっ、坂本先生は益城町じゃないか……(坂本(哲)委員「大津」と呼ぶ)阿蘇の方でしたね、済みません。そういうところが一番御心配なんだと思いますが、激甚災害の指定を受けておりますので、基本的に八、九割というものがそれできちんとなりますが、残りの負担の場合、一〇〇%起債を認めさせていただくことになりますので、それで一〇〇%参ります。
 起債された場合には、元利償還というのがついてきますが、その元利償還につきましては、九五%というものにつきましては交付税措置をさせていただこうと考えておりますので、結果として、地元負担は〇・五から一%というぐあいに御理解いただければと存じます。
○坂本(哲)委員 総理そして財務大臣の、安心してほしい、全面的に支援をする、一%あるいは起債ということで、自治体も安心できるだろうというふうに思います。しかし、自民党といたしましても、総務会で特別措置法の制定を決議しているところでございますので、今後のことになりますけれども、どうかその点の御判断をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 現在の復旧復興で最も急がれるのは、やはり国道五十七号の復旧と復興でございます。これは熊本と大分を結ぶ大動脈であります。ここに、観光、経済、あるいは医療を初めとする生活インフラ、全てが集中しておりますが、これが大規模な山腹崩壊によって完全にストップをいたしております。
 国土交通大臣も現場をごらんになった、あるいは総理も現場をごらんになったと思いますけれども、私たちが見ても、どういうふうに復旧していくのか、どういうふうに復興していくのか、全く皆目見当がつかないような、そういう惨状であるわけです。
 当面の現路線による復旧作業は必要だと思いますけれども、今後、本格的な復興にはどのようなことが考えられるのか、まず石井国土交通大臣にお伺いいたしたいと思います。
 そして、一帯は、橋梁あるいは河川、そして山腹、さまざまな形で崩壊をしております。一体的に復興活動をしていかなければなりません。それには一定の期間がかかります。そして、一定の期間に対する一定の財政措置というものもやはり必要でございますので、この一定期間に係る財政措置につきまして、九州のことを一番御存じの麻生財務大臣に、ぜひ特段の配慮をお願いしながら、御答弁をお願いいたしたいと思います。
○石井国務大臣 国道五十七号の阿蘇大橋付近におきましては、五十七号上部の山側の斜面が崩壊をするとともに、下部の黒川に沿った川側の斜面についても複数の崩壊が確認をされておりまして、今後の余震や降雨によって崩壊が拡大する可能性もあると認識をしております。
 したがいまして、まずは現在のルートにおいて復旧を模索していくわけでありますけれども、現在のルートにおいて復旧が困難な場合には、別の位置に国道五十七号を復旧する方法があると考えております。例えば、斜面崩壊箇所を避けて、現在のルートの北側を通るルートが想定をされるところでございます。
 国道五十七号は阿蘇地域においては非常に重要な役割を果たしておりますので、早期復旧に向けまして、国土交通省、全力を挙げて取り組んでまいりたいと存じます。
○麻生国務大臣 今答弁があっておりましたけれども、五十七号線につきましては、これは大分と熊本とをつなぐ大動脈でもありますので、阿蘇地域の生活を支える重要な基盤である。坂本先生の住んでおられる地域がそこの地域に当たろうかと思います。
 この復旧方法につきましては、今、国土交通大臣の方の話があっておりましたけれども、これに対します予算等々は、まずは復旧等の予算の中から予備費を活用させていただくことになろうかと存じますが、その後、いわゆる阿蘇大橋が続くんだと思います。
 これは、御存じのように、三桁国道というのは国ではなくて県でやることになっておりますけれども、県からの要望も踏まえまして、国土交通省が県にかわって直轄事業として整備されることを決定したというぐあいに伺っておりますので、今後、その方向で事は進んでいくんだと思っております。
 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、先ほども申し上げましたように、復旧が早急に進むように、しっかり財政の支援をいたしてまいりたいと考えております。
○坂本(哲)委員 幹線道路の復興のために、あらゆるルート、あらゆる手段を通じての今後の再開、そして財源的な措置をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 現在、各自治体で一番頭を悩ませているのは、やはり罹災証明の発行でございます。膨大なる数に上ります。スピーディーに行われていません。そして、どうしても住民の方々のいらいらは募ります。それはやはり、調査に時間がかかること、そして、絶対的な応援体制が足りないこと、また、余震がなお続いていること、こういうことなどが原因と見られます。そして、罹災証明を発行してもそれに不満を持つ方が多い、そして再度審査を要求される、そのことが、さらなる混乱あるいはおくれ、こういったものを招くという結果になっております。
 そこで、やはり、迅速にするためには、どうしても現場で柔軟な判断、そして被災者の側に寄り添った判断が必要であり、それが発行作業に結びついていくと思っております。この罹災証明が発行されなければ、仮設住宅の入居など、次のステージに移ることができません。できるだけ早く発行できるような体制をお願いいたしたいと思います。
 それぞれの職員の皆さんに対して、その調査に対してどういう判断をするか、被災者の立場に立った判断というのは、やはり大臣の言葉で職員の皆さん方に言っていただかなければなりません。柔軟なる判断につきまして河野防災担当大臣に、そして、さらなる支援体制、各自治体からの支援体制の強化につきまして高市総務大臣にお伺いをいたしたいと思います。
○河野国務大臣 委員おっしゃるように、罹災証明の発行、これが極めて大事でございます。
 今、政府といたしましては、五月中に一次調査による罹災証明の発行業務が終えられるように、各自治体に、必要ならば応援人数を要求してほしいということを申し上げております。
 軽微なものにつきましては写真で判定ができるようにしておりますし、また、調査が終わったものについては順次発行することもできるということを申し上げておりますが、自治体によっては、まず全部調査をして一気に発行する、合理化をしてやりたいという自治体もございますので、それでも構わないというふうにしているところでございます。
 また、罹災証明が後からになっても構わない、事務によっては罹災証明を後から出してもいいということを申し上げておりますし、みなし仮設につきましては、これを避難所の扱いにすることも可能でございますので、罹災証明がなくともそうした住宅に移れるように、できるようにしているところでございます。
 また、被災者の想定と実際の罹災証明が違っているだろうなというところは、被災者ときちんとお話を申し上げて御理解をいただいて出すように努めているところでございます。
 いずれにいたしましても、五月中には、罹災証明、一次調査に基づいてしっかり発行ができるようにしてまいりたいと思っております。
○高市国務大臣 五月二日に、益城町、そして委員のお地元の南阿蘇村、熊本市を訪問いたしました折にも、市町村長、そしてまた知事にも、必要な人員の確保について、引き続きしっかりと支援をするのでおっしゃってくださいということを申し上げました。
 被災自治体に対しましては、昨日現在で千三百九十名の地方職員が派遣され、災害対応を行っております。このうち、罹災証明事務に係る応援職員としては、五百八十八名の職員が派遣されています。本日は、これが計千四百二十二名、罹災証明については六百十一名ということで、派遣人数がふえる見込みになっております。
 この職員の派遣に当たりましては、熊本市については指定都市市長会が支援を行い、その他の市町村については九州知事会が支援を行っております。それでも対応が困難な場合には、総務省が全国知事会、全国市長会、全国町村会と連携して、全国の自治体にお願いをしております。
 今回は、被災市町村ごとに担当の県を定めまして、その県がワンストップで各市町村の派遣ニーズを把握して、派遣職員の調整を責任を持って行う形にしています。あわせて、本日現在で百五十六名の総務省の職員を現地に派遣しておりますので、引き続き、しっかりきめ細やかにニーズを把握しながら、必要な人員の確保に努めます。
○坂本(哲)委員 本当にありがとうございます。
 各都道府県、そして市町村の職員の皆様方は本当に献身的にやっていただいている、このことはまず御礼を申し上げたいと思います。
 そして、その上で、河野大臣が言われましたように、さまざまな柔軟性を持って、五月中の罹災証明の発行、ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 県内で被害を受けました医療機関は四百五十施設でございました。この中には、熊本市民病院、そして立野病院といった大型の救急病院が含まれております。
 被災者の立場を考えますと、この被災を機に、さらなる治療のあり方、こういったものが少し変わってまいります。在宅医療をしなければならない、そういったものになってくると思います。しかし、さらなる耐震化とか、あるいは在宅医療に対応できる訪問看護ステーションなどの新たな施設の整備に伴うものは、現在、補助の対象になっておりません。
 この震災を機に、医療体制の変化に応じたさらなる新しい形の復旧復興ができるように、ぜひ厚生労働大臣の方でそのお考えをお取りまとめいただきたいと思います。それは医療施設だけではなくて、保育園など社会福祉施設も同様でございますので、この辺のところをぜひお願いいたしたいと思うところであります。
 それから、教育施設につきましても、四百校が被害を受けました。全てが休校となりました。現在はそのほとんどが再開をしておりますが、県の試算で、その損害額は五百億円でございます。
 今回の震災を通しまして改めてわかりましたことは、学校がやはり避難の拠点になる、いろいろな形での拠点になるということであります。そういう意味では、さらなる耐震化が必要であります。そして、やはり備蓄機能を持った施設、体育館を備蓄機能を持ったものにする、こういった取り組みも必要であります。トイレの洋式化も必要であります。こういう新たな課題が出てまいりました。
 いわゆる改良復旧でございますけれども、その改良復旧について、どうしても、自治体で対応できるというような財政状況ではございません。新たな改良復旧につきまして、ぜひ馳文部科学大臣の御配慮をお願いいたしたいと思うところであります。御答弁をお願い申し上げます。
○馳国務大臣 災害復旧事業としては、被災施設を原形に復旧することが原則です。
 これまでも、耐震性がなかった被災施設については、耐震改修促進法を踏まえて、原形復旧が著しく不適当な場合は、耐震性の確保を図るための経費も災害復旧費の対象としております。また、公立学校施設の備蓄倉庫の整備、トイレの洋式化など防災機能の強化については、現行の制度では実施できないことから、これとは別に、既存の国庫補助制度で対応してきておりますので、今後とも、これらによって引き続き支援してまいりたいと思います。
 また、私立学校につきましても、復旧に要する工事費の二分の一を国庫補助となっておりますけれども、さらに日本私立学校振興・共済事業団の長期低金利の貸付制度などを活用するなどして、できる限りの支援をしてまいりたいと思います。
○塩崎国務大臣 一昨日、私も、熊本、二回目行ってまいりました。その際に、熊本市民病院、そして御船町にございます精神科の病院でございます希望ケ丘病院、いずれも見てまいりましたが、中を拝見させていただいて、大変激しい被害を受けているところでございます。
 医療施設の復旧支援につきましては、医療施設等災害復旧費補助金というのがございまして、工事費等について補助をすることになっておりまして、激甚災害に指定をされておりますから、公立病院、日赤などの公的医療機関については、この補助率を二分の一から三分の二に引き上げるとともに、民間の医療機関につきましては、補助額の上限を撤廃するという形になっていますし、また、医療機器の購入費についても補助対象に追加するという対応をとっております。
 しかし、今御指摘がありましたように、補助対象になっていない施設があるじゃないか、こういうことでございまして、これまで、必要に応じて在宅医療実施診療所とか時間外診療実施診療所などを対象として広げてきておりまして、今後、必要に応じて、復旧対象施設を拡充するために、関係省庁ともしっかりと調整をしながら、被災地における被害状況に合った対応をしてまいりたいというふうに考えております。
○坂本(哲)委員 このことは医療、教育だけに限らず、きょうは質問しませんでしたけれども、農業分野でも、再起を期そう、この機に大規模化しようという多くの後継者の方がいらっしゃいます。改良復旧、こういったものに対して、さらなる温かい支援の措置をお願いいたしたいと思います。
 それから、女性の視点に立って、やはり子育て世代の方々、乳幼児を抱えた方々、妊婦の方々、こういった方々に対するさまざまな支援措置が新たに必要であるということもわかりました。
 どうか、さまざまなところから出てくるいろいろな課題を丁寧に取り上げていただいて、今後対処していただくことをお願い申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○竹下委員長 これにて坂本哲志君の質疑は終了いたしました。
 次に、江田康幸君。
○江田(康)委員 公明党の江田康幸でございます。
 私の地元である熊本地震の発災より一カ月がたちました。改めて、お亡くなりになられた方々に対して心より哀悼の意を表するとともに、被災された皆様に謹んでお見舞いを申し上げます。
 二度にわたる地震とたび重なる余震によりまして、益城町や阿蘇地方を初めとして、熊本県全域に甚大な被害が生じたわけでございます。
 公明党は、発災後直ちに対策本部を設置いたしまして、国会議員と地方議員が一丸となって救援活動を展開してまいりました。不足する水、食料などの救援物資を送り届け、そしてまた、避難所の環境改善に奔走し、被災者の一人一人の声に耳を傾けてきたところでございます。
 本日は、被災された皆様や被災市町村からの声をもとに質問をさせていただきます。
 まず、熊本地震復旧等予備費七千億円を含む七千七百八十億円の補正予算の早期成立と、そして市町村負担の軽減について総理にお伺いをいたします。
 復旧事業の国庫補助率を九割までかさ上げする激甚災害の指定を迅速になされたことにつきましては、総理、深く感謝を申し上げます。
 総理、これから復旧復興に向かう市町村にとって一番の心配は何だと思われますでしょうか。それは、巨額の市町村負担にあります。財政規模が小さい市町村が数多く被災を受けました。そのインフラ復旧に莫大な費用がかかる中で、仮に一割負担するとしても、年間予算にも匹敵する規模でありまして、いかに市町村負担を軽くしていくか、これが今最も重要でございます。
 東日本大震災では、特例として地方負担分の全額を震災復興特別交付税で賄ったわけでありますが、我が熊本の市町村は、熊本地震でもこうした適用を受けられるよう、特別の措置を望んでおります。それが長期にわたる復旧復興への安心感にもつながるからでございます。
 総理、この特別措置を含めた市町村負担の軽減措置を強く求めたいと思いますが、被災市町村に負担をさせない、必要な財源は国がしっかり持つと明言をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 復旧事業における地方負担分につきましては、御指摘の激甚災害指定によって補助率かさ上げで地方負担を軽減することに加えて、その地方負担分についても手厚い地方財政措置を行っており、実質的な地方公共団体の負担は相当程度軽減されると承知をしています。それに加えまして、財政面での支援として、今般の補正予算等により、当面の復旧対策に万全を期すこととしています。
 その上で、個別具体的な被害状況や必要となる復旧事業等の内容を詳細に点検、精査、各自治体の財政状況に丁寧に目配りをしていく中において、国庫補助の拡充や強化、これに伴う地方負担に対する地方財政措置の充実等も含めまして、さらにどのような対応が必要となるかを検討し、必要な財政支援をしっかりと行ってまいりますので、どうか自治体の皆様には御安心をいただきたいと思います。
 被災された方々が笑顔を取り戻し、そして安心して暮らせるその日が来るまで、できることは全てやるとの考え方のもとにおいて、財政面も含めてしっかりと対応してまいります。
○麻生国務大臣 補足説明させていただきます。
 御心配の点は、八、九割行って、残りの一割、二割の分の自治体の負担がどうなるかというところが一番心配ということで聞いておられるんだと思いますが、元利償還金部分の一〇〇%につきましては、これはいわゆる起債を認めますので、元利償還金としては、地方交付税措置を九五%するということになりますと、地方負担の実質は〇・五から一%というぐあいに、五百億と思えばそれぐらいに逆算していただければと思います。
○江田(康)委員 今、麻生財務大臣からもありましたけれども、その地方負担分、一%程度ということでございますけれども、それも、財政力が弱い市町村にとっては大変な死活問題でもございます。また安心感にもつながるというところも踏まえれば、特別措置法の制定も引き続き検討していただきたいと思います。
 また、今後、補正を超える予算が必要になった場合には、さらなる予算の措置もしていただくという強い決意であろうかと総理の発言はお聞きいたしました。
 次に、被災地では今もなお一万人以上の方々が不自由な生活を余儀なくされております。公営住宅や旅館などの提供、また民間賃貸住宅などのみなし仮設住宅の確保、そして応急仮設住宅の建設が始まったものの、現場は、全ての被災者が新たな住まいを確保して安心して生活するまでには至っておりません。
 市町村ごとにいつまでにどれだけの仮設住宅が建設されるのか、政府は、民間仮設住宅などのみなし仮設の確保や応急仮設住宅の建設計画の見通しなど、工程計画の全体像を早急に明確にしてもらいたいと思います。
 そして、さらに続いて御質問をいたしますが、被災者が一日も早くもとの生活を取り戻すためには、やはり住宅の確保、被災者の生活再建支援が極めて重要であります。県内の被害住宅は、全壊、半壊を含めて八万棟以上に上ると推計をしているところであります。
 応急仮設住宅の建設とともに、被害家屋の再建が最大の課題となっております。国の被災者生活再建支援制度は、罹災証明で全壊や大規模半壊と判定された世帯を対象に最大三百万円の支援金が支給されるわけでございますが、私、幅広く被災地を回る中で、例えば熊本県の阿蘇市の一部地域では、この地震の影響で地盤が二メーターも沈下しているんです。そして、道路や宅地そして田んぼも甚大な被害が出ているところがございます。
 その沈下した地盤の上にある住宅の中には、建物だけ見れば全壊もしくは大規模半壊と判定されないものもございます。しかし、地盤が沈下して周囲のインフラに甚大な被害が出ておるわけでありまして、住民の皆さんは、もうそのまま住むことはできないというお声を上げておられます。
 このような地割れや地盤沈下は、阿蘇市に限らず、今回、熊本県全域にわたっても見られておりまして、益城町や西原、そして熊本市でも数多く起こっているんです。
 このような場合、建物が全壊または大規模半壊でなくても、住宅の敷地に被害が生じて、その住宅をやむを得ず解体した世帯などの構成要件に相当して、私は被災者生活再建支援制度の対象になると考えますが、いかがでしょうか。
 そして、今回の地震は、建物だけではなくて、地盤が液状化しているんですよ。地割れが、陥没が、沈下が起こっているのが特徴でありまして、したがって、被災者の生活支援については、従来の建物の損壊だけで評価するのではなくて、地盤や土台を含めて幅広く評価していただくことが極めて重要になってくると思います。
 総理、被災を受けた住宅の再建については、国民の、市民の最も重要なところでございまして、可能な限り幅広く支援をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 地震によって自宅を失い、あるいは大きな被害があり、そして相次ぐ地震の中で大変不安な思いで避難所で生活をしておられる方々にとっては、毎日が精神的にも肉体的にもつらい日々であろうと思います。そういう皆さんにとっては、一日も早く安心して暮らせる住まいに移っていただかなければならない、それは、まさに江田委員が御指摘になったとおりだろうと思います。
 そのため、高齢者の方や障害を持たれている方など特に配慮が必要な方々などに、ホテル、旅館等に一時的に宿泊していただくとともに、発災当初から、被災自治体と一体となって応急的な住まいの確保に全力を挙げてまいりました。
 これまでに、九州内で約五千戸、さらに全国で約五千戸、計一万戸を超える公営住宅等の公的な住まいや、熊本県内で、借り上げ型の仮設住宅として活用可能な民間賃貸住宅を業界の協力も得て既に二千戸以上確保し、順次入居をしていただいているところであります。
 現在、被災された方々のニーズとのマッチング、罹災証明事務を早めるため、全国の自治体からこうした事務のため五百八十八名の職員の応援をいただき、入居の迅速化に全力を挙げて取り組んでおります。
 建設型の仮設住宅については、一日も早い入居に向け、益城町、西原村、南阿蘇村、熊本市など十三市町村において千百戸を超える建設を急ピッチで進めているなど、全ての被災自治体において取り組みの加速化に全力を挙げています。
 政府としては、引き続き、被災されて自宅に帰ることが困難な方々の、住みなれた土地をできる限り離れたくないといった思いにもしっかりと寄り添いながら、被災家屋の認定や罹災証明書の交付も含めて、被災自治体による住まいの整備の取り組みを国を挙げて全面的に支援し、対応に万全を期していく考えであります。
 そして、もう一問御質問いただきました。
 被災者生活再建支援制度は、自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた方に対し、全都道府県の相互扶助及び国による財政支援により、最大三百万円の支援金を支給するものであります。
 この著しい被害は、住宅の被害認定方法を定めた、国から全国自治体に発出した通知により、住宅への直接的な被害をもとに判定を行うことを原則としていますが、その通知の中で、地盤の液状化等が生じた場合の判定方法も定められており、委員御指摘のような、必ずしも外観には大きな被害が見られないものの、実質的には被害が甚大であるような場合においても、損傷と判定することが現行の制度の上で可能であります。また、敷地の被害により住宅を解体せざるを得ない場合においても、制度上全壊と同様の支援を受けることができるほか、仮設住宅についても提供可能となっています。
 政府としては、被災自治体と一体となって、現行の被災者支援制度を被害の実態に応じ適切かつ柔軟に運用することによって、被災された方々の住宅再建の支援に万全を期していきたいと思っております。
○江田(康)委員 ありがとうございます。
 次に、石井大臣にお伺いをしたい。それは、インフラ復旧と観光の復興についてでございます。
 南阿蘇村の大規模な土砂崩れによりまして、国道五十七号線が寸断され、また、阿蘇大橋の国道三百二十五号線も崩落をいたしました。また、県道俵山バイパスもトンネルや橋梁の損壊で通行不能となっております。熊本県の阿蘇観光エリアの、これは玄関口なんですね。そしてまた、この二本の大動脈が失われたことで、生活や観光への打撃ははかり知れないものがございます。
 今般、石井国交大臣の迅速な決断で、国が直轄代行して復旧することが決定をいたしました。今進めております中九州横断道路の活用も含めて、一日も早い復旧をお願いしたいと思います。
 そして、熊本観光のシンボルは、何といっても、雄大な阿蘇と、そして熊本城でありましたけれども、そのいずれもが甚大な被害を受けました。熊本県を初め、九州各県の観光業が大打撃を受けております。熊本では三十三万泊、大分で十五万泊、九州全体で七十万泊以上の宿泊キャンセルが相次ぎまして、観光業者の皆様は悲鳴を上げている、そういう状況であります。
 九州全体が元気になることが熊本の復興加速にもつながります。政府主導で、九州観光応援キャンペーンやプロモーション事業を積極的に行ってもらいたいと思います。そしてまた、さらには、正確な情報発信で風評被害対策にも全力で取り組んでいただきたいと切に願うわけでございますが、石井大臣、いかがでしょうか。
○石井国務大臣 今回の熊本地震で大きな被害を受けました国道五十七号の復旧や、国道三百二十五号阿蘇大橋、並びに俵山トンネルを含む県道、また村道につきましては、直轄代行制度も活用しながら、国の技術力の総力を結集して、一日も早い復旧に努めてまいります。
 さらに、中九州横断道路は、熊本と大分を連絡いたしまして、阿蘇地域への観光による地域振興を図る重要な路線と認識しておりまして、地域の協力を得ながら、その整備に積極的に取り組んでまいります。
 一方、今回の地震被害を受けまして、熊本県を初め九州地方の広範囲にわたり多くの宿泊キャンセルが生じております。今後、夏の観光シーズンに向けまして、スピード感を持って観光需要を回復させていく必要があります。そのため、今般、九州の観光復興に向けての総合支援プログラムを策定いたしまして、実行してまいりたいと思っております。
 まず、現地の状況を正確に知っていただくことは何よりも重要でありますので、引き続き国内外の観光客へ正確な情報を発信してまいります。また、さらなる観光需要を喚起するために、被災地域を中心とする観光プロモーションなどをしっかりと行ってまいります。
 いずれにいたしましても、インフラの一日も早い復旧整備と九州の観光の復興に全力で取り組んでまいりたいと存じます。
○江田(康)委員 観光復興、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 最後に、やはり熊本の経済や雇用を支えてきました中小企業が危機的な状況にございます。
 製造業、旅館業では設備や施設が損壊しておりますし、また、商店街では、アーケードや店舗が損壊して三割以上が営業停止、売り上げも激減しているという状況にもございます。そして、例えば食品の総合卸の商社などの売り上げが半減するなど、サプライチェーンにも大きな影響が出ておるところであります。
 こうした中、政府では、低金利の資金繰り支援を速やかに実施されてはおりますけれども、復旧を直接支援する補助金がございません。これだけ大きな被害となると、融資だけで立ち直るには限界があります。被災した施設や設備の復旧を直接支援する補助制度がどうしても必要不可欠だと考えております。
 東日本大震災のときに実施しましたグループ補助金のような効果的な補助制度をぜひとも講じていただきたいと思いますが、林経産大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○林国務大臣 中小企業への対策につきましては、被災直後より相談窓口を設置するとともに、政府系金融機関による災害復旧貸し付けの実施や、通常の保証とは別枠での一〇〇%保証などの措置を早急に講じたところでございます。
 私自身も現地で被災された中小企業の方々から直接お話を聞いたわけでございますけれども、資金繰り支援だけでは立ち直るのは限界だという声を聞いております。
 直接被災された中小企業、あるいは間接的に影響を受けている方々に対しても、一刻も早く事業を再開して復興していただくことが、仕事が戻り生活が再建できるわけでございまして、このためにも、被害状況や支援ニーズに応じて、江田議員御指摘のグループ補助金のような施策を含めまして、補正予算案に計上されている予備費を活用した支援策を検討してまいりたい。
○江田(康)委員 大変前向きな御発言でございます。どうぞ財務大臣、よろしくお願いを申し上げます。
 時間が参りました。
 最後に、我が党は、国会議員また地方議員が一体となって被災地を駆け回り、被災者一人一人の声に耳を傾けてきました。被災者を誰一人置き去りにしないというその決意のもとで、どこまでも被災者に寄り添って、その復旧復興に全力を尽くしていくことをお誓いいたしまして、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
○竹下委員長 これにて江田君の質疑は終了いたしました。
 次に、岡田克也君。
○岡田委員 民進党の岡田克也です。
 まず、熊本の地震、補正予算について、簡単に二つ御質問したいと思います。
 第一に、地震の発生から一カ月、そして今なお一万人を超える皆さんが避難所で厳しい生活を送っておられます。障害者、高齢者、子供、弱い立場にある人たちに対してしっかりとした対応を求めたいと思います。
 その上で、私、特に今回気になったことが一つあります。つまり、地震が発生した直後の基本的な食料や水あるいは毛布などの供給が滞ってしまった、それが届かない避難所があったということであります。県庁には届いているけれども、県庁の方でなかなか人手がなくて仕分けができない、あるいは、県庁から市町村の役所には行っているけれども、そこでとまってしまっているということが間々見られました。
 これはやむを得ない面もあります。人命救助が最優先で、そこに人手をとられる。さまざまなことが起こりますから、役所の公務員たちは必死で頑張ってきたわけであります。しかし、絶対的に人手が足らない。
 そういうために自衛隊やあるいは民間の力を活用する、そういうことが当然考えられるわけですけれども、この点について、私は、やはり今回反省をして、そして次回よりよい制度を考えるべきだというふうに考えていますが、総理の御見解を問いたいと思います。
○河野国務大臣 今、岡田委員御指摘をいただきましたように、熊本県が防災協定を結んで各自治体からいただいた物資ですとか、あるいは民間からいただいた物資が県庁に滞留をしたということはございました。それは、御指摘のように、仕分けをし送り届ける人手がまず救命救急その他にとられてしまったということがあるんだろうと思います。
 国は、そうしたことがあるだろうと想定をしておりましたので、九十万人分の物資をまずプッシュ型で送りました。佐賀県の物流センターに集めて、自衛隊あるいは民間企業に直接避難所にそれを送っていただくというオペレーションをいたしまして、最終的には二百三十万食を超える物資を送ることができました。一旦それを行った後、避難所に物資が行き渡りましたので、今度は逆にニーズを吸い上げて、プル型で物資を送るということをしっかりやらせていただいたところでございます。
 やはり、こうした大きな災害が発生をいたしますと、どうしても被災をした自治体の行政能力は一時的に低下いたしますし、職員の皆様も被災をするわけですから、自治体だけあるいは都道府県だけにそこを任せるわけにはいかないと思いますので、今後とも、国のプッシュ型が有効だということが証明をされましたので、国のプッシュ型の支援というものをきちんとやっていくように努めてまいりたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 概略については河野大臣から答弁をさせていただきましたが、国といたしましては、被災自治体と一体となりまして、水や食料、トイレ、医薬品等の生活物資を確保して被災者一人一人にお届けしようということで頑張ってきたわけでありますが、もちろん発災直後は混乱期がございました。同時にまた救命救急に全力を挙げている、そして被災自治体自体が傷んでいるということもございまして、お一人お一人全ての方々に届いていたわけではない、こちらが送ったものが滞留していたことも事実であります。
 その中で、自衛隊により直接持っていくということも含めまして全力を尽くしてきたところでありまして、二百六十万食を超える食料や二十万本を超える水を初めとした必要な物資を被災した方々にお届けしたところでございます。
 また同時に、指定した避難所以外の避難所のニーズの把握という課題もあったわけでございますが、ボランティアの方々が入れる状況ができて以降は、そういう方々にも細かく情報を発信していただき、SNS等も多用しながら、また民間企業の協力も得て導入したタブレット端末を活用するなど、できる限りきめ細やかな情報の収集をしながら、即時対応できる体制を整えていったところであります。
 いずれにいたしましても、どういう課題があったかということについてはこれからもしっかりと精査していきたいと思います。
○岡田委員 私が申し上げましたのは、やはり初動なんですね。プッシュ型、その初動が一瞬おくれたんじゃないかと私は思っています。これは、まだ春だったからよかったけれども、厳冬の中だったら大変甚大な影響が出た可能性もありますね。そういうことで、今回の反省、その反省に立ってしっかりとしたよりよき制度を組み立てていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 もう一点、今回の補正についてでありますが、復興予備費が計上されています。七千億円、復旧等予備費ですね。
 この七千億円の予備費というのは、かなり私は異例のことだというふうに思うわけです。本来であれば、今ある予備費を使いつつしっかりと歳出を確定して、補正予算に歳出項目を立てて、そして国会に問うというのが本来のあり方だと思います。
 それが、七千億円という、ある意味では色のついたようなお金をどんと国会に出して、我々も審議のしようがないわけですね。私は今回のことをやむを得ないというふうには思っているんですが、そのやむを得ないのは、国会の延長がそう長くはできない、参議院選挙もある、そういう中で補正予算の審議は難しい、そういう状況も勘案して、我々としては今回の措置についてやむを得ないというふうに判断しました。
 ただ、これはかなり異例の措置である、こういうことを前例にして、同じように災害が起こったときに、同じような状況がないにもかかわらずどかんと予備費だけ計上する、そういうやり方が一般化してはいけない、私はそう思うわけですね。当然、法律に基づいて予算というのは立てなければいけないということになっているわけですから、財務大臣、当然そういうふうにお考えだと思いますが、いかがでしょうか。
○麻生国務大臣 御存じのように、余震がけさ七時現在で一千四百六十回ですかね。本震が終わった後、余震が一千四百六十回、まだ続いておりますので、そういった意味では災害の確定ができないという状況で、倒壊という判断がされなかったものが余震によって倒壊、崩落とは認められなかったものが余震によって崩落というような事態が続いておるのが現状であります。
 したがいまして、個別の内容とか予算額を見込みがたいというような状況にありましては、必要が生じた時点で迅速に対応していくということをやらざるを得ぬというのは当然のことです。
 それを考えますと、今回は熊本地震の復旧等の予備費として七千億円を計上させていただいて、迅速に対応ができるように考えたという次第でありまして、被災地に必要な支援を行う上で私どもとしてはこういう方法というのを考え、今御指摘のありましたように、決まりましたのが参議院の選挙の最中とか解散していたとかいうことになれば、なかなかまた対応が難しいことになろうと思いますので、私どもとしては現時点でどれぐらいの総額になるかということがあらかじめ念頭にあるわけではありませんが、いずれにいたしましても、一日も早い復旧復興というのを考えたときには、このような方法というのを私どもとしては最良の方法と考えております。
○岡田委員 憲法では、予算の事前議決の原則というものが決められているわけです。それに対して今回のことは、私はかなり疑問は残るけれどもやむを得ないという判断をいたしました。こういうことが一般化しないように。そして、東日本大震災のときには我々は第一次補正予算をかなり裏づけを持ったものとして出しておりますので、そのことも申し上げておきたいというふうに思います。
 さて、残りの、この熊本の地震に関しては、松野議員初め同僚議員が具体的に質問したいというふうに思います。
 私の方は総理にお聞きしたいと思うんですけれども、連休中にヨーロッパを訪問されました。そして、そこで総理が言われたことは、機動的な財政出動の重要性ということであります。英国で共同記者会見を行われました。そこで総理が言われたのが、多くの専門家はことしさらなる景気悪化と世界的な需要の低迷を見込んでいるというふうに発言されました。総理のことしの世界経済の認識は、この多くの専門家と共通なんでしょうか。つまり、さらなる景気悪化と世界的な需要の低迷というのが基本的な認識でしょうか。
○安倍内閣総理大臣 現在、世界経済は不透明性を増しているわけでありまして、まず一つは、中国の景気減速に対する懸念であります。
 同時に、現在中国が抱えている過剰設備の問題もあります。特に鉄を中心とした過剰設備がございまして、これに対してはEUはダンピング提訴も考えているところでありますが、一億トンから一億五千万トン程度縮小していくということについてはコミットしているところでございますが、実際には六億トン、七億トンが過剰設備ではないか、こう言われております。
 日本の鉄鋼の生産量は一億トンでありますから、その数倍が過剰設備となっているという現状があるわけでございまして、そうした中における構造改革が進まなければ、不良債権化をしていく中において経済にも大きな打撃があるであろう、こういうことも指摘されているわけであります。
 また、油価の低下があるわけでありまして、原油価格の低下によって、原産国だけではなくていわば新興国の経済がそれによって大きく傷んでいるのも事実であります。
 そうした影響等がある中においては、金融政策とともに、金融政策は既に、日本銀行だけではなくてECBも米国のFRBも金融緩和政策はとっているわけでありますが、その中でやはり需要をつくるための財政政策も必要ではないか、私はこのように考えているわけでございます。
 当然、今申し上げましたような、世界的な構造改革もその中で進めていかなければ成長していかない。これはある意味では我々が申し上げてきた三本の矢の政策と相通ずるところがありますが、こうした対応を国際社会で行っていく、もちろん各国にはそれぞれの事情があるわけでありますが、そうしたクリアなメッセージを出していくことが今のこの経済状況では求められているのではないか、このように考えております。
○岡田委員 私は、経済認識、世界の経済に対する認識にかなり食い違いがあるんじゃないかというふうに思うわけですね。例えば、ドイツやイギリス、メルケル首相やキャメロン首相と総理の間にあるんじゃないかというふうに思っているわけです。
 確かに総理がおっしゃったようなリスクはある、あるいはリスクが高まっているということですけれども、基本はやはり世界経済の回復が続いているというのが、これは二十カ国財務大臣・中央銀行総裁会議やIMFでの認識であります。
 基本は世界経済の回復が続いているんだがリスクがある、あるいはリスクが深まっているというのと、総理が先ほど私が引用しましたように学者の議論ということで言われているわけですけれども、ことしはさらなる景気悪化と世界的な需要の低迷が見込まれるというのは、かなり現状認識において乖離があるというふうに思うんですね。現状認識において乖離があれば、それに対してどういう対応をとるか。機動的財政出動が必要なのか、あるいはやはり構造改革が中心なのかということで、とるべき対応も変わってくるわけであります。
 総理は、キャメロン首相やメルケル首相と、今おっしゃったような専門家の意見、ことしさらなる景気悪化と世界的な需要の低迷が見込まれるという認識では一致したんでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 今回は、メルケル首相あるいはキャメロン首相だけではなくて、イタリアのレンツィ首相あるいはフランスのオランド大統領、そしてまたEUのトゥスク議長とユンカー委員長とも議論させていただいたところでございます。
 まず、現状認識につきましては、今申し上げましたような現状認識も含め、私の考え方の一端をお話をさせていただきました。現状認識については大体一致していると言ってもいいと思います。とるべき手段につきまして、今申し上げました金融政策と財政政策そして構造改革というものをバランスよく行っていく必要がありますねということについても、これは大体、メルケル首相あるいはキャメロン首相も含めてできたのではないかと思います。
 しかし、財政政策について、それは各国においてさまざまな状況があるということ、あるいは考え方があるということについての議論があったのは事実でございます。これは特にドイツそしてまたイギリスであったのは事実でありますが、現状認識におきましては、事実、私ども、相当長い時間をかけてそれぞれお話をさせていただいたところでございます。キャメロン首相とは、首脳会談はダウニング・テンでも行いましたし、そしてまたチェッカーズでも夜の十時まで行ったわけでございますが、相当時間をかけてゆっくり話をさせていただいたわけであります。
 構造改革というのは、構造改革の必要性ということについて、いわば構造改革を行っていくときに、中長期的には構造改革が成果を上げてきますが、構造改革を行う、例えば設備を廃棄していくというときには失業者が出てくるわけでありますし、負荷が経済にかかるのは事実でありますから、それに対してどのように対応していくかということも当然必要になってくるわけであります。
 そういうことも含めまして、世界経済の認識については私は大体一致をしているのではないかと。ただ、その処方箋につきましては当然さまざまな議論があった。しかし、サミットに向けて極めて有意義な議論を行うことができたのではないか、このように考えております。
○岡田委員 総理が先ほど言われた金融、財政、構造改革、各国の実情に応じてバランスのとれたものにする必要がある、こういうことですが、私はこれは何にも言っていないに等しいと思うんですよね。それでは一定の方向性を出したということにはならないわけです。私はやはり前提の認識が違うんじゃないかと。
 ここにIMFの世界経済見通しを持ってまいりました。四月のものです。
 世界全体では、二〇一六年は三・二%、二〇一七年は三・五%、そういう成長の見通しであります。もちろんリスクがあるとかリスクが高まっているということは言っているわけですけれども、数字としては、二〇一五年に比べて二〇一六年、一七年とふえるということになっています。そして、その中で日本は、二〇一五年が〇・五、二〇一六年も〇・五、二〇一七年は消費税の影響が織り込まれているということもあると思います、マイナス。つまり、日本だけが〇・五で、アメリカやユーロ圏は一%台後半あるいは二%台の成長というものを見込んでいるわけですね。
 日本だけが成長ができない、そういう構図がここにあらわになっている、その中で日本が財政出動と言っている。しかし、ほかの国は、直ちに財政出動するということについて特にイギリスやドイツは首をかしげているというのが現状じゃないですか。
○安倍内閣総理大臣 財政出動の重要性については、米国もそうですし、カナダもそうですし、イタリアもそうですし、フランスもそうですし、そして先ほど申し上げましたEUのユンカー委員長もそうでした。つまり、財政による需要の創出については、むしろそれを行った方がいいという国々の方が多いわけでありまして、認識においてもそちらがいわば多数派と言われていると言ってもいいんだろうと思います。
 ただ、G7は多数決でやるわけではありませんから、G7の中ではまさに首脳がお互いに率直な意見交換をしながらコミュニケをまとめていく。と同時に、今、世界経済に対して、国際社会に対して、世界に対して力強い明確なメッセージを出していく必要はありますねということについては、キャメロン首相とも、またメルケル首相とも一致をしているところ……(発言する者あり)済みません、ちょっと、今大事なところですから、バックシートからやじるのはやめていただけますか。大切な議論ですから、こういう中身のある議論のときには静かにしていただきたいと思います。
 そこで、大切なことは、お互いが自分の考え方を披瀝し合う中で、ではその中でどういうメッセージを出していこうかということをしっかりと議論していくことが大切であります。そのために、前もって今言った国々を回りまして、その前にはオバマ大統領とは既に核セキュリティーサミットの際に首脳会談を行ってこの話もしているところでございますし、またトルドー首相ともその前に首脳会談を行い、こうした現下の経済状況についての認識あるいはとるべき対策についてお話をしているところでございます。
 大切なことは、どの国も自国の雇用や経済をしっかりとよくしていきたい、もちろん財政状況もよくしていきたいし、また世界経済に対してG7としてやはり責任は持っていますねと、その責任をどういう形で果たしていくべきかということについて議論していくことが大切なんだろうと思います。
 そして、今申し上げた三つの政策ということは、今まで殊さらこの三つの政策をG7で言ってきたということはないんだろうと思います。
 今回は、まさに三つの政策。金融政策については、緩和的な金融政策を今まで行っています。今申し上げました。これは大体そろっているわけであります。と同時に財政政策の有効性について議論を行う、そしてそれをそれぞれの国が事情に応じてやるということは当然のことであろうと思うわけであります。同時に今申し上げました構造改革を進めていくわけでございまして、この構造改革の重要性については、G20が杭州であるわけでありますが、そこに向けてさらにそれははっきりと主張していくべきであろう、こう考えているわけであります。
 いずれにいたしましても、現状認識におきましては大体一致をすることができたと思うわけでありまして、繰り返しになりますが、その手段についてさらに今度のG7においてじっくりと話をしていきたい、こう考えているところでございます。
○岡田委員 委員長、聞いたことに的確に答えるように、しっかりとやってください。こんなに長く答弁されたのでは、私、やるべきことができなくなってしまいます。
 結局、この数字を見ても日本が落第生だと、その落第生が財政出動をしなきゃだめなんだというふうに騒いでいる、そういうふうに見られても仕方がないと私は思います。
 そこで、アベノミクス、三年半たちました。いろいろな数字があります。お互い自分に有利な数字を出し合えばそれだけで時間がたちますので私は言いませんが、しかし、三年半たって国民の大半が景気回復を実感していないというのは現実だと思いますね。三年半たってそうなっていることについて、総理はどういうふうにお考えですか。
○安倍内閣総理大臣 三年半が経過いたしました。
 我々は、政権を奪還する際に、国民総所得、GNIの失われた五十兆円、これはまさに、デフレが続いている中においてそれを取り戻します、こう宣言をしました。もう既に我々は四十兆円取り戻しているんです。ことしじゅうにはそのお約束を果たせそうな状況になってきているということは申し上げておきたいと思います。
 同時に、我々が政権をとる前は三四半期連続のマイナス成長であったわけであります。同時にまた、実質成長と名目成長が逆転、名実逆転をしていたわけであります。名実逆転というのはまさに、実際は経済が収縮しているのと同じであります。ですから、税収は落ちていくことになってしまうわけであります。
 我々は、デフレから脱却をする、この目標のもとに、名実逆転していたものをまた正常に戻すことができたわけでございます。
 先ほど例として〇・五、〇・五ということを挙げておられましたが、これはまさに消費税の引き上げによる消費の低下等があったわけであります。しかし、名実逆転にはなっていないわけでありまして、いわば名目成長はしっかりと実質成長を上回っているわけでございますし、実質賃金におきましても、この三月、足元においては一・七%ですか、上がっているわけでありますし、国民総所得におきましての実質賃金というのはずっと回復をしているわけでありまして、名目についてはもちろんそうでございます。
 そして、ベアという言葉すらなかったわけでございまして、このベアにつきまして三年連続で行っているわけでございます。そして中小企業におきましてもこれは上がってきているわけで、賃金が上がって……(岡田委員「そんなことは聞いていないです」と呼ぶ)今、そんなことは聞いていないと言われましたけれども、アベノミクスはどうしたんですかと言われましたから数値でお答えするのが、まあ、よくなった数値を挙げられると不愉快かもしれませんが、それはちょっと聞いていただかないと、経済は指標で説明しなければいけないわけでありますし。
 一番大切なことは何かというのは、政治が求められていることは、やはりしっかりと働く場をつくっていくことではないでしょうか。働く方については、我々はこの三年半で百十万人近い雇用をつくったんですが、民主党政権下においては約マイナス十万人だったわけでありまして、倒産件数も三割減少しているわけでありますから、こういうことをしっかりと見ていただきたい。
 こういうことを見ていただければ、決して失敗はしていない。まだもちろん道半ばであります。デフレから完全に脱却をする上においてしっかりと政策を進めていきたい、このように思う次第でございます。
○岡田委員 お互い有利な数字を挙げ合うのはやめましょうというふうに私は申し上げて、先ほど質問しました。
 私が聞いたのは、国民は景気回復を実感していない、このことについてどう思っているのかと聞いたんです。別にべらべらと数字を挙げてくれと言ったんじゃなくて、実感ですから。
 では、総理は、国民は景気回復を実感しているというふうに思っているんですか。メディアの調査でも、八割前後の国民が景気回復を実感していないと答えていますよ。そのことをどう考えているかと聞いたんです。数字を並べろと言っているんじゃないですよ。
 もう答えなくていいですよ、国民に対してあなたは答えなかったんだから。
 そこで、このアベノミクス、私は、最初に金利を下げたことで為替が円安に振れた、そして株高になった、これが事実上の牽引車だったと思うんですね。しかし、この動きが今変わってきた、だんだん円高に振れてきた。これは望ましいことではありません。しかし、日本の政府だけではこれは左右できない。円高になり、株も乱高下している、つまり牽引車が今失われつつあるということですよ。
 私は、特に去年一年間、総理がアベノミクスを問うと言って、この道しかないと言って解散・総選挙を一昨年の十一月にした、だから国民は一年間経済政策をしっかりやってくれると期待したと思いますけれども、総理が現実にやったのは安全保障法制の、そこにエネルギーを注ぎ込んで経済がおざなりになった。気がついたらいつの間にか円安が円高になり、そして株が乱高下して牽引車が失われた、これが今の姿じゃありませんか。そのことに対して総理はどういう責任を感じておられるんですか。
○安倍内閣総理大臣 違います。
 確かに、世論調査上、実感している方のパーセンテージがまだ低いということは我々も認識をしておりまして、もっと多くの方々に認識をしていただくべく努力を進めていきたいと思います。しかし、四十七の都道府県のうち、有効求人倍率、民主党政権のときは八つでありましたが、今、四十七の都道府県のうち四十六が一を超えているわけであります。私は事実を出していて、この事実はやはりしっかりと見ていただかなければ経済政策は議論のしようがない、感じだけではだめだということを申し上げておきたい、このように思います。
 同時にまた、内閣府が調査をしている社会に対して満足をしているかということについては、これも民主党政権のときを挙げて恐縮ですが、満足をしていないという方の方が満足をしているを上回っていたんですが、現政権では満足の回答が満足をしていないという回答を上回りまして、満足は過去最高の六二%となっているということは一応申し添えておきたいと思います。
 そこで、金融政策と株価についてお話をされたわけでございます。
 金融政策については、日本銀行が行っている政策を私は支持しております。考えていただきたいのは、もしこの政策を行っていなかったらどうなっていたかということなんですね。それをよく考えていただきたい。やっていなければ、まだ、皆さん、デフレのままですよ。あえてどこが適正な為替水準とは申し上げませんが、行き過ぎた円高が是正されたということは皆さん大体わかっていただけると思いますよ。それは事実であります。
 確かに乱高下がございますが、世界的なリスク回避の動きの中で、世界じゅうの株式市場において乱高下が見られたのは事実であります。国際社会とつながっているグローバルな経済でありますから、そこを断絶して考えてはならないんだろうな、このように思うわけであります。ですから、最初に申し上げましたようなそうした状況のリスクについてまさに世界各国と共有できたわけでありまして、そういうリスクの中で今経済において不透明さが増している、こういう中で我々もしっかりと政策を進めていかなければならない、こう考えているわけであります。
○岡田委員 一つだけ数字を挙げておきましょう。実質賃金は、我々の政権のときと比べて五ポイント落ちています。最近二、三カ月はいいかもしれません。しかし、五ポイント落ちています。そのことだけ言っておきます。
 さて、私は、安倍総理の言われる金融政策を今批判したつもりはないんですけれども、最近の金融政策はやり過ぎだという認識を持っています。いずれにしろ、金融政策、財政政策は時間を稼ぐための政策であると総理も言っておられたと思うんですね。大事なことは三本目のやはり構造改革である、そこは私も全く同じ認識ですよ。構造改革の中身について、例えば労働規制とか、そういったところについては意見は違います。しかし、基本的に民間投資を喚起するための成長戦略という考え方は一致です。そもそも、成長戦略を国家として最初につくったのは民主党政権です。だから、その流れで総理がやっておられることは、私は批判をしているつもりはありません。
 ただ、大事なことは、それだけじゃだめだということですね。そういう形でサプライサイドの改革も大事ですけれども、やはり一人一人の普通の人たちが安心して生活できる、そして豊かになるという見通しを持つことができる、そういう政策が私は非常に重要だと思うんです。車の両輪として、サプライサイドとともにそういった普通の人たちが豊かになる政策をしっかりやっていくということが重要だ。
 総理も最近、一億総活躍社会ということでいろいろなことを言われています。私は、民主党が言っていたことと今の民進党が言っていること、それと同じようなことを総理が言われたことにちょっと驚きを隠せません。同一労働同一賃金などは、一年前は明らかに違ったわけですから。しかし、我々の言っていることの大切さが認識されたのであれば、その点は評価します。
 問題は、それが本当にやられるかどうかです。参議院選挙の前に、いろいろ言葉を並べられるだけじゃなくて、具体的にこういうふうにするということを明確に述べていただきたいんですね、これから選挙までに。そうでないと、やります、やりますと言って、選挙が終わったらまたそれができないということでは困るわけであります。そのことはまず申し上げておきたいと思います。
 そこで、我々は所得の再分配とか格差の縮小ということを非常に重視しています。一億総活躍の中では、所得分配という言葉は出てくるんですが、再分配とか格差の縮小という視点は私は余り見受けられないと思うんですけれども、ここについて総理はどういうふうにお考えでしょうか。私たちは、格差を縮小し所得を再分配することがまた経済成長につながっていく、そういう意味での循環ということを考えているわけですけれども、総理は同意されますか。
○安倍内閣総理大臣 我々が今進めているのは、成長と分配の好循環をつくっていくということであります。経済をしっかりと成長させ、この果実を子育ての支援あるいは介護離職ゼロ、社会保障にも使っていく。安心感を与え、社会的な基盤を強化していく上において、さらには成長のためにも投資をしていく。それは新たな成長につながり、多様な社会を実現していく中において、イノベーションを起こしていく中で成長し、さらなる果実が生まれる。そして、この果実によってまたさらにしっかりと分配を行っていくことができるということでありまして、私は分配を否定したことは一度もないわけでありまして、まさに成長と分配の好循環をつくっていくということであります。
 再分配につきましては、今既に例えば日本においては税あるいは社会保険料等も含めまして再分配機能というのがあるわけでございまして、その中で、例えばジニ係数の中においては、日本は再分配後のジニ係数については各国で格差が広がっていくと言われている中においてはずっと横ばいでありまして、経済学者等からはこれは日本の独自の分配の結果であるという評価があるのも事実でございまして、そこのところはよく見ていただきたいと思います。
 大切なことは、しっかりと経済を成長させていくということと、適正な分配を行う中において次の成長につなげていくということ、そして安心感を高めていくということではないか、このように思います。
 あと、先ほどの足元の数字でありますが、実質賃金については一・七とお答えしましたが、一・四でございましたので、訂正させていただきたいと思います。
○岡田委員 総理の成長の果実を介護とかあるいは子ども・子育てに充てるというのは、時々総理がおっしゃるんですが、どうも聞いていると、成長した結果、税収が膨らむ、その税収を介護や子育てに使う、そういうふうに読めるわけです。
 私は、成長したから税収が上がる、その分を使うということじゃなくて、やはり介護とか子ども・子育てというのは一番基本のところですから、そういった成長がある、ないにかかわらず、しっかりこれは予算で手当てする。そういう考え方でいかないと、成長したときだけということになると、例えば先ほどのこれから円高とか株安になってくると、所得税やあるいは法人税だって見込んでいるよりも下振れするかもしれませんよね、そうすると介護とか子ども・子育ての予算はつかないんですか。私はそれはそうじゃないと思うんです。しっかりとそれは本予算の中で手当てしていくという考え方に立たなければいけないというふうに思います。
 そこで、総理、所得税の話をされましたので、ちょっと資料をつくって持ってまいりました。
 日本の所得税、かつては住民税と合わせて九三%、所得税としては七五ですが、そういう時代もありました。これはかなり極端、稼いだお金の九三%が税金、所得税で持っていかれるということです。それからずっと下げてまいりまして、今は所得税と住民税を合わせて五五ですね。所得税だけだと四五。実は野田政権のときに四〇から四五に上げて、それが今実施されているという状況です。最低三七までいきました。
 私はこれはちょっと、過去二十数年間、下げ過ぎたと思うんですね。その結果として、所得税、相続税というのは所得の再分配機能があるわけです、その再分配機能がその分損なわれてしまっている、やはりもう少しこれを考え直すべきじゃないか。別に七五%にしろと言っているんじゃないですよ。しかし、今の所得税四五よりはもう少し上げてもいいんじゃないかというふうに私は考えるわけです。
 それから、金融取引、株に対する課税は、分離課税で従来ずっと一〇でした。これを野田政権のときに二〇に上げて、今は二〇になっていますね。だけれども、所得の多い人から見れば株の取引が本来であれば四五%の所得税がかかるにもかかわらず二〇で済んでしまっているというのも、やはり私は違和感を禁じ得ないわけですね。
 こういうところをもう一回見直していくというお考えはありますか。そうして、これを見直すことで財源を得て、それを子ども・子育てやあるいは介護に充てていく、こういう考え方について総理はどうお考えでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 先ほど、いわば果実を分配するということについて岡田代表の方から異論を呈されたわけでございますが、そもそも予算を編成する際に我々は当然社会保障の予算を確保しているわけでありまして、ふえたらふやし、減ったら減らすということではなくて、基礎的なものは当然税収の中に入れ込んでいるわけであります。しかし、同時に、それは成長していくことを前提に、例えば、成長していくのであれば成長していくということを前提に見積もりをして、弾性値を掛けて税収を出して、そしてそれを割り振っていくわけでございます。
 当然、また、例えば年金の運用についてもそうですが、成長していくということを前提に年金の運用も考えられているわけでありますから、成長を否定してしまっては大切な財源も確保できないわけでありますから、そういうことも含めて私は申し上げたわけであります。しっかりと成長していかなければ財源も確保できない、成長していかないのに税率を上げれば税収がふえると思ったらこれは大間違いであるということははっきりと申し上げておきたい、こう思う次第でございます。
 そこで、所得税につきましてどう考えるかということについては、しっかりと議論していく必要があるんだろう。高額所得者にいわば高い税金をかける、これは考え方としてはあるんだろうと思います。ただ、同時に、それは経済に対するどういう負荷があるのかということも含めて考える必要もあるんだろうなと思います。
 そういう中において、あるべき税率の問題については今後も党の税調あるいは政府税調において議論がなされていくだろう、このように思います。
○岡田委員 結局、所得の再分配とか格差の是正という観点が私は総理には余り見受けられないと。そこは非常に大きな違いだなということは認識しました。
 それから、今総理は成長の話をされましたが、先ほど言いましたように、成長戦略によって経済が成長することは重要だと私は申し上げています。成長戦略を初めてつくったのは民主党政権だということを申し上げました。それをいろいろ受け継いでおられるのは結構ですけれども、そのことを申し上げておきたいと思います。
 さて、時間も非常に限られてきました。安全保障法制について一つだけ確認しておきます。
 総理、集団的自衛権行使の憲法解釈を変えるに当たって、歴代総理の意見は聞かれましたか。つまり、歴代総理は集団的自衛権の行使は憲法違反だと言ってきたわけですよね。それを変えるときにやはり御意見をお伺いして、自分の考え方を説明するというのは当然だと思いますが、そういったことをなされましたか。
○安倍内閣総理大臣 歴代の総理には、いろいろな場において、私の考え方はもう既に説明をしてきているところでございます。
○岡田委員 総理のこの国会答弁、私は非常に気になるんですよ。
 要するに、多分、中曽根総理の発言は、フルスペックの、つまり限定のない集団的自衛権の行使は憲法違反だと言ったものであって、限定した集団的自衛権の行使について言ったものじゃないと言われていますよね。当時、中曽根総理は本当にそういう意味で、限定した集団的自衛権の行使は憲法違反じゃないとどこかで言われていますか。
 私は、集団的自衛権の行使を一般的に憲法違反だと中曽根総理が言われた、そうであれば、フルスペックであろうが限定的なものであろうが集団的自衛権の行使は憲法違反だ、その言葉以上にないと思うんですよ。それを勝手に総理がこういうふうに言いかえているのは私は非常におかしなことだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 勝手に変えているということはないわけでございます。
 数年前、中曽根総理のお誕生日の会に出席をさせていただいたことがございましたが、その際にもお話をさせていただいたわけでございます。その中におきましては、私が今進めている政策については基本的に御支持をいただいているのではないか、こう思うわけでございます。
 そして、いわば三要件がかかるこの集団的自衛権につきましては、まさに、新三要件の中における集団的自衛権の行使である以上、憲法上それは許されるというのが我々の考え方でありまして、それについては御理解をいただいているのではないか、このように思います。
○岡田委員 中曽根総理のこの発言、国会、本会議における発言ですが、こういうふうにも言われているんですね。日本の防衛は憲法のもとに個別的自衛権の範囲内に行うものであり、集団的自衛権の行使は否定されている。昭和五十八年三月十八日の衆議院の本会議です。はっきりと、個別的自衛権の範囲内に行うものでありと中曽根総理は言われているわけですよ。
 その後の個人的会話で何を言われたかわかりませんよ。だけれども、総理大臣として国会でこういうふうに言っておられるものを、総理が勝手に解釈を変えて、個別的自衛権だけじゃなくて限定した集団的自衛権も認めていると。私は信じられないんですよ、こんなことを総理大臣がやられるということが。国会って一体どうなるんですか。そのことは申し上げておきたいというふうに思います。
 最後に、安倍政権を見ていて、いろいろなことが説明責任を果たされていないというふうに私は考えます。
 もう時間も限られていますが、それぞれ仲間の議員がこれから質問しますが、例えばUR問題。甘利大臣は説明責任を果たされていないと思いますが、総理、甘利大臣とこの間、電話かお会いになって話をされたことはありますか。そのときに、説明をちゃんとすべきだと言われましたか。
○安倍内閣総理大臣 捜査当局によって捜査中であると承知をしておりますので、現在、電話等で話すことはいたしておりません。
○岡田委員 これは内閣の中の問題なんですよ。URも国土交通省所管の独立行政法人ですよね。そこが補償額を上積みしちゃったかもしれない、そこに甘利さんのスタッフが関与していた可能性があるということです。つまり、税金が無駄に使われたかもしれない。
 全部これは安倍内閣のもとでの話なんですよ。甘利さんも有力閣僚だったし、一方のURも安倍内閣のもとでこの補償額を決めたということです。ですから、他人事では困る、もっときちんと国民に対して説明責任を果たすべきだというふうに申し上げておきたいと思います。
 あと、時間も限られていますが、集団的自衛権行使について閣議決定に至る議論の記録。内閣法制局長官は議論したということは認められている、議事録はありませんということですけれども、これも全くおかしな話で、今までの国の解釈を根本的に変えるということであれば、当然そこは内閣法制局の中でも、あるいは内閣の中でも議論しているはずだし、まあ、議論はしていると言われたわけですね、そうしたらそれを記録に残さないのはおかしい。
 議事録は、それはなくてもいいかもしれません。しかし、少なくとも記録は残さなければならない。そうでないと、これは公文書法の明らかな違反なんですよ。そのことについて、総理、どう考えていますか。
○横畠政府特別補佐人 記録がないという御指摘でございますけれども、記録はございます。
 内閣法制局においては、平成二十六年七月一日の閣議決定に関して当局が行った意見事務に関しまして作成または取得した文書については、公文書等の管理に関する法律の規定に基づき適正に管理しております。
 具体的に申し上げますれば、まず作成文書といたしましては、内閣官房国家安全保障局から正式に送付を受けた当該閣議決定の案文について回答するに当たって決裁を行った際の原議、決裁文書がございます。これは当局の事務の意思決定の手続過程そのものでございまして、責任の所在を明らかにするものとして作成しております。これはまさに公文書管理法に従って整理し、保存しております。
 さらに、その前提として検討した資料としての取得文書、安保法制懇に関する資料それから与党協議に関する資料等も、あわせて公文書管理法に基づいて保存しているところでございます。
○岡田委員 そんなことを聞いているのではなくて、法制局の中あるいは政府の中で当然議論があったでしょう、その中身について記録は残っているはずだということを申し上げているわけです。
 もし記録がなければ、ちゃんと再生してください、つくってください。
 東日本大震災のときに、確かに我々は記録をつくる時間がなかった。これは指摘をいただいて、私は担当大臣として、それぞれ個別にヒアリングをして記録を再生しましたよ、公表しましたよ。そのぐらいのことはやるべきでしょう、これだけ大きな話なんだから。それがないというのは全くおかしいということを申し上げます。
 あとは同僚議員がいろいろやってくれますが、報道の自由の話なんかも、私は本当にこれは恥ずかしいと思うんですよね。ランキングはどんどんどんどん落ちるばかりじゃないですか。外国のメディアやあるいは独立系のジャーナリストからは、政府に非常にアクセスしにくいという話が聞こえてまいります。
 例えば、外務大臣がおられますが、私が外務大臣のときには、独立系とかあるいは外国メディアに対して外務省本省で必ず記者会見をしておりましたので、毎回毎回参加をいただいていました。外務大臣は、ほとんど官邸で記者会見をやっておられますよね。そうすると、独立系の人はすごく参加しにくいんですよ、官邸に入れないわけですよ。
 そういうことも考えて、きちんと本省で定期的に記者会見をされたら、私はまた印象が変わってくると思うんですね。そういう配慮が非常に欠けているということを最後に申し上げて、あとは同僚議員に議論していただきたいと思います。
 終わります。
○竹下委員長 この際、松野頼久君から関連質疑の申し出があります。岡田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。松野頼久君。
○松野(頼)委員 民進党の松野頼久でございます。
 まず冒頭、今回の熊本の震災で亡くなられた方に御冥福をお祈りいたしますとともに、被害に遭われた方に深くお見舞いを申し上げたいと思います。
 また、本日は、被災地の議員としてこのように予算委員会におきまして質疑の時間をいただきましたことを心から感謝申し上げます。
 まず、総理、今回のこの地震ですけれども、ちょうど本震からきょうが一カ月目、二回目の大きな地震からですね。今までに、震度七が二回、震度六が二回、震度六弱が三回、震度一以上の余震が千五百回を超えようとしている。現在もまだ地元は非常に不安におびえているという状況です。また、気象庁の発表では、今後一カ月以内に震度六級の地震があることに注意を今呼びかけているという状況であります。
 また、避難所への避難者のピーク、十八万人、これは車中泊とか独自に避難された方の数字は入っておりませんので、その避難者は本当にはかり知れなかった。今現在でもまだ一万人の方が避難をしているという状況であります。また、県内の倒壊家屋、全壊、半壊、一部損壊が約八万四千八百十七棟、これはふえる可能性もまだまだあります。
 こんな状況の今だということを、まず冒頭お伝えしたいと思います。
 そういう中で、実は過去の例を見ると、阪神・淡路大震災、これは平成七年にありました。これは当初、気象庁は兵庫県南部地震というふうに発表して、約一カ月後の閣議におきまして、阪神・淡路大震災というふうに名称を閣議了承しているんですね。いわゆる東日本大震災も、平成二十三年三月十一日に発生をしまして、当初、気象庁は東北地方太平洋沖地震というふうに発表したのを、これもやはり約一カ月後、四月一日の閣議におきまして東日本大震災というふうにしているんです。
 今回、熊本のこの地震ですけれども、これはいまだに熊本地震という名称を政府は使われていますが、これも、地元熊本からすると、できれば熊本という名称を外してもらいたい。やはり、地域を限定されると今後、例えば観光客等の風評被害があるので、これは私の意見だけではありませんけれども、中九州大震災とかいう名称にできれば変えてもらった方が地元の風評被害は避けられるのかなというふうに思います。
 まず、このことについてお伺いしたいんですけれども、これは多分閣議を取り仕切る官房長官ですかね、官房長官にお伺いしたいと思います。
    〔委員長退席、菅原委員長代理着席〕
○菅国務大臣 平成二十八年熊本地震については、通例に従いまして、今般の地震震源地の地名ということで、気象庁において命名をしております。
 今委員から御指摘をいただきました、平成七年一月十七日に発生した兵庫県南部地震、また平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震、これについて、当初、気象庁が付した地震の名称でありました。その後、これらによる災害を捉えて、阪神・淡路大震災や東日本大震災と呼称することにいたしました。
 今回の地震は熊本県を中心として被害をもたらしていることから、現時点においてはそのような名称になっております。今後、被害の全容が明らかになった時点で、過去の例も踏まえながら対応を検討していきたいと思います。
○松野(頼)委員 要は、最初になぜ名前を取り上げさせていただいたかというと、阪神・淡路大震災のときは、基本法を定めて、そして財政の特措法を含めて特別立法をしているんですね。東日本も同じなんです。基本法を定めて特別立法をして、地元の負担がほとんどないような形で財政の負担をしている。例えば激甚災害のままだった中越地震は、やはり激甚災害のままで、激甚災害だけの負担で終わっているという状況なんです。
 ですから、これは資料でつけさせていただきましたが、資料の二ページを見ていただければ、熊本の県知事は総理に対して、東日本並みの支援をぜひしてもらいたい、でなければ本当に小さい町の財政は破綻するということを訴えているんです。ですから、八万件余りの家屋が倒壊、全壊、半壊、一部倒壊、これだけの被害が出ているので、ぜひネーミングもきちんと大震災ということをつけていただきたいのと同時に、東日本並みの支援をお願いしたいというふうに思います。
 では、どう違うかというと、ちょっとパネルをつくりました。資料の三ページ目をぜひ見ていただきたいと思います。
 今回、激甚災害に指定していただきましたが、具体的に申し上げると、例えば道路、漁港、港湾、下水道、公営住宅、入所福祉施設などは、激甚災害が指定されると、通常の原則の例えば十分の七とか二分の一がかさ上げされて、二分の一から三分の二の地元の負担に減るということなんです。
 その下の赤いところ、ここですね。例えば街路とか改良住宅、上水道、工業用水道等、あと、例えば町が独自でつくる庁舎なんかもそうですけれども、これは、現行の原則の補助の二分の一とか百分の四十五から、激甚だけだと変わらないんです。東日本のときには、これは特別立法をし、財特法をつくって、十分の八、十分の九まで国が面倒を見、そしてさらに交付税で負担して、全額国が面倒を見てくれたというふうに違いがあるんですね。
 社会福祉施設なんかもそうです。介護老人保健施設もそうです。激甚災害ですと、二分の一、三分の一の補助のまま。これが、東日本のときのように立法されると、三分の二、二分の一にかさ上げされるということなんですね。
 ですから、実は、呼称と立法、地元の負担、これはワンセットに過去なっているんです。ですから、ぜひこれはきちんと、これだけの被害が出ているわけですから、やっていただきたい。
 総理は至るところで、今後とも、できることは全てやるとの決意で、政府一丸となって対応していきたい、被災者の皆さんの生活を支援し、不安な気持ちに寄り添う対応を進めていきたい、できることは何でもしたいとおっしゃっていただいているわけですから、まだ激甚災害以上にできることは私はあると思いますので、ぜひその対応をしていただきたい。御答弁いただけないでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 先ほど来お答えをさせていただいておりますが、被災自治体が安心して復興を進めることができるように、できる限りの支援を講じ、全面的にバックアップをしていく考えであります。
 まずは、この提出をさせていただいた補正予算を活用して復旧に万全を期していきます。その上で、個別具体的な被害状況や必要となる復旧事業等の内容を詳細に点検そして精査し、各自治体の財政状況に丁寧に目配りする中で、国庫補助の拡充強化や、これに伴う地方負担に対する地方財政措置の充実等も含めて、さらにどのような対応が必要となるかを検討し、必要な財政支援を行っていきます。
 いずれにせよ、各自治体におかれては、安心して復興事業に、復旧復興に取り組んでいただきたい、このように思います。
○松野(頼)委員 その地元が安心して復興に取り組めていないからお願いしているんですよ。できることは何でもするとおっしゃっていただいているじゃないですか。まだできることは十分あるんです、過去の例を見ても、東日本や阪神大震災の例を見ても。
 地元の負担がないようにというふうにおっしゃいますけれども、例えば今回被害に遭った西原村。人口七千人です。予算規模は幾らか知っていますか。三十七億しかないんですよ。そこで庁舎が潰れているんです。その庁舎を、三十七億しか単年度の予算規模がないところで独自に建てろと言われても、今、激甚のままだったら、庁舎なんて、負担は全く出ないんですよ。これでどうやって安心して建てられるんですか。避難所にいる皆さんにどうやってこれを説明するんですか。
 例えば南阿蘇村。人口一万一千六百人。七十四億円しかないんですよ、一年間の予算が。全ての予算がですよ。この中で、これだけの負担を、例えば上水道、二分の一、これだけしか今の激甚の状態では、半分は地元が負担しなければいけない、県と町が。とてもとてもできる範囲ではないと思います。
 だから、これは東日本また阪神大震災並みの、国で全部、全額見てもらいたいということをこの場でお願いしているんですけれども、もう一回御答弁いただけないでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 ですから、これは繰り返しになるんですが、まず、被災自治体の皆さんには、私は総理大臣として申し上げているわけでありますから、安心してしっかりと復旧復興に取り組んでいただきたい。我々は全面的にバックアップをしていきます。
 しかし、その際、財政状況を国としてもしっかりと詳細に見ていくのは当然のことであります。その上において、この規模が果たしてどれぐらいになるのか、そして必要な額がどれぐらいになっていくかということを見た上でしっかりと判断をしていきたい。
 いずれにいたしましても、地域の皆さんがこれからもその地域にとどまって安心して生活ができていくように、我々としては、国として全面的にバックアップしてまいります。
○松野(頼)委員 要は、安心できないんですよ。幾ら自分たちが負担しなきゃいけないか、三十七億しか年間の予算がない町が、どこまで自分たちでやって、きちっと財政が破綻しないでやっていけるかというその確証が一カ月たった今の段階でないんですよ。
 例えば阪神にしても東日本にしても、基本法を定め、特別立法がなされていますから、予算措置だけではなくて、きちっと何年間も同じ負担でいける、国が交付税できちんと負担してくれる、こういう安心感を持って地元は対応できたと思います、財政的な面におきましては。
 ただ、今のこの状況で、今は地すべりだとか水害と同等の激甚災害の状況の中で、半分の負担があるという状況の中で、県と町が安心して復興のメニューをつくれないんですよ、今。だから、知事は切実な要望を総理にされたと思います。そのときもきちっとした色よい返事はなかったという報道がなされていますけれども、ぜひそこはしっかりやっていただきたい、このことをお願いいたします。もう一回答弁いただけないでしょうか。
○麻生国務大臣 重ねて申し上げると言葉をあれなので、私の方から。
 先ほどどなたかの質問にありましたように、激甚災害を指定しておりますので、九割程度の、いわゆる激甚後の地方負担というのは一〇〇%、これは知っていますわね。(松野(頼)委員「裏負担ですね」と呼ぶ)元利償還金の九五%の交付税措置がつきますわね。よろしいですね。それで、被災自治体の負担は、結果としては〇・五%から一%ぐらいになるということになります。まずこれを……(松野(頼)委員「委員長」と呼ぶ)ちょっと待ってください。焦らぬと。聞きたいんだから、答えているんだから、ちょっと、しっかりゆっくり聞いて。
 その上で、まだ余震が、けさ何回目。一千四百……(松野(頼)委員「一千五百回」と呼ぶ)まだ行っていない。一千四百六十回ね。一千四百六十回ですよ、けさ七時現在で。一千四百六十回に、後の余震が一含めましてなっておりますので、今、最初のときの七、六、五のときには崩れていなかったところが、その後の三とか二で崩落してきたというようなところはまだ続いていますから、道路も、今は一本でもっているところ、あの熊本のお城の角も外れるかもしれぬとか、いろいろな話がよくありますでしょう。そういったようなことになっていますから、これが問われたときのことを考えると、まだ最終で決まっていないから予算が決められないわけです。わかりますか。予算の規模は最終的に決まらなきゃ出せませんから。したがって予備費なんです、今回は。
 だから、今回も、今総理としてあれ以上答えられないのは、予備費でやるしかほかに方法がない。最終的にできた段階できちんと対応するということを申し上げておる。
 したがって、自分としてこういった計画があるというんだったら、その計画をさっさとつくられたらいかがですか。
    〔菅原委員長代理退席、委員長着席〕
○松野(頼)委員 東日本にしても阪神にしても、それは予見できないときにきちんとやっているじゃないですか。では、全部積算しなければ出さないというのなら、きょうのこの予算委員会自体がおかしな話じゃないですか。七千億、何にも中身がないままに丸ごと予算だけ通せというのがこの予算委員会じゃないですか。積算によってやっているわけじゃないんですから、今の段階でできることはしっかりやっていただきたい。このことはお願いします。
 あと五分しかありませんので、次に行きます。
 もう一点お願いしたいのが、資料の四、五をちょっと見ていただきたいと思います。
 要は、熊本というのは城下町で、今回お城が崩れて、これも大変な被害に遭いました。ただ、このお城の状況の周りに、城下町というのが広がっているんですね。そこに歴史的建造物というのが結構あって、この歴史的建造物は、国の重要文化財とかには指定されていないけれども、景観を、非常に町の雰囲気をつくり出している。例えば百三十年前の町家があったりですね。また、橋もそうなんですけれども、明八橋といって、明治八年に橋本勘五郎という方がつくった。これは、皇居の二重橋の石橋をつくった、要は肥後の石工たちがつくった石橋があったり、そういう風光明媚な、歴史を感じる町並みがあるんですね。
 ただ、これは全部個人所有になっているんです。実際には、今回、例えば全壊だと三百万のお金が出るとか取り壊しの費用が出るということで、もしかしたら壊したいという思いもある。でも、このままの状態でやはり保存してもらいたいという多くの声もある。こういう状況の中で、個人所有の歴史的建造物というのが非常に被害を受けているんですけれども、こういうものに対してきちっと補助を出していただけないんだろうかというお願いであります。
 例えば、資料の五を見ていただければありがたいと思うんですが、この資料の五に、まちづくりの人たちが言っている中で、熊本市の景観条例景観形成建造物、こういう市の条例によって指定している建造物や、国登録の有形文化財に登録しているものがある。ぜひこれの補助をちょっと考えていただけないだろうかということできょうは質問させていただきたいというふうに思うんですが、これは誰か御答弁いただければありがたいと思います。
○馳国務大臣 歴史的な町並みをこうやって指定して、また保存していくということの重要性というのは国ももちろん理解しておりますし、そして、それをふだん支援するということと災害のときに支援するということは当然分けて考える必要があると思っております。多分、そういうことを前提の御質問だと思います。
 現状だけちょっと報告いたしますが、災害のときの取り組みとして、東日本大震災のときと同様に、官民連携で、寄附金も活用しながら、文化財レスキュー、ドクターを被災地に派遣しております。そして、指定、未指定にかかわらず、まず技術的な指導を行うように、これは今現在、地元と相談をしております。
 それを受けて、今後は、国交省などの関係省庁と、また関係自治体とともに連携しながら、歴史的な町並みの保存、そして災害の復旧に向けた取り組みを進めていくにはどういうメニューが必要なのか、そのためにはどういうふうな仕組みが必要なのか、そういうことをやはり検討していかなければいけない、こういうふうに今現状考えております。
○松野(頼)委員 ありがとうございます。
 これも、東日本大震災のときは、真壁町というところで、例えば国が三三%、県が二五%、市が三三%、個人は八%という過去の例もありますので、本当に莫大なお金がかかる復旧だと思います、持ち主にとっては、とてもこれは持ち切れないから、もう壊して普通の家にしてしまおうというお気持ちになることも十分わかるぐらいのお金がかかることでありますので、ただ、やはり町としては、非常にそこは歴史的建造物の価値というものがありますので、ぜひそこはしっかり支援をしていただければありがたいというふうに思います。
 最後に、ちょうど時間となりました。今回、本当にいろいろな支援を政府がしていただいたことを心から感謝申し上げたいと思います。
 本当に地元の自治体は、いまだに一万人の方が避難をしているという状況、また、例えば益城町の職員一人当たりの避難者二十・六人、東日本大震災のときの十三・四人を実は上回るぐらいの避難者に対するケアを今でも続けているという状況です。関係の自治体、八代市、宇土市、人吉市、大津町などはいまだに庁舎が使用できない状況で、小中学校には避難者があふれているという状況なんですね。ですから、本当に自治体の職員は、今、昼夜を問わず、寝ずにケアをしている、こんな状況でありますし、まだまだ避難所には一万人の人があふれ、車中泊をしている方も多数いるという状況であります。
 そんな中で、本来は参議院選挙も熊本は延ばしていただきたいというふうに思いますが、それはさすがに全国の比例がありますから無理なのはわかりますけれども、まさか、よもや、いろいろなうわさで、メディアの記者なんかに聞くと、いまだにダブル選挙があるなんということを言われているんですね。どっちが有利、不利という問題じゃないんです。これは、我々はおととしの十二月に四年間で選ばれて、ダブル選挙だとしても、まだ一年半ですよ。それだけのテーマがあればそれは仕方がない、国民に聞かなければいけないという状況ならば私もわかりますけれども、何か大きなテーマもないのに、特に地元熊本の立場からすれば、こんな状況の中で、とても職員の皆さんは選挙の管理や選挙の事務や立ち会いができる状況ではない、このことだけはしっかり申し上げたいと思います。
 本当に、被災地を置き去りにしないで、ダブル選挙みたいなことは、どっちが有利、不利、関係ありません。地元の被災者、地元の職員の立場から、ぜひそれはやめていただきたい、このことは一言申し上げたいと思います。
 余りお答えにならないかもしれませんが、ぜひ御答弁をお願いします。
○安倍内閣総理大臣 熊本そしてまた全ての被災地の復旧復興のために、これまでもそうでありますが、今後とも全力を尽くしていく、政府一丸となって全力を尽くしていく決意でございますし、まずは安心できる住まいに移っていただくために力を尽くしていきたいと思います。
 解散については、私は今まで一度も申し上げたことはないわけでございますし、解散のカの字も考えておりません。
○松野(頼)委員 終わります。ありがとうございました。
○竹下委員長 この際、山尾志桜里君から関連質疑の申し出があります。岡田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。山尾志桜里君。
○山尾委員 民進党の山尾志桜里です。
 今回の熊本そして大分などの震災、亡くなられた方の御冥福をお祈りし、御遺族には心からお悔やみ申し上げます。そして、今なお先の見えない中で、厳しい環境で被災されている皆様にお見舞いを申し上げます。
 先週の五月十二日、熊本に行ってまいりました。そのとき、被災者の方々からじかにたくさんの不安と要望を聞いてまいりましたが、きょうはこの場では、一点総理に御提案申し上げたいと思います。被災者生活再建支援法の対象要件と金額を拡大していただけませんかという要望です。
 このままの法律でいきますと、半壊というふうに認定されたり、あるいは、液状化の被害も今回起きているんですね、こういった液状化の被害が起きても取り壊しまでは必要ないというふうに認定されれば、例えば取り壊さずにジャッキアップをして補修することが可能であるという場合にはこの支援金の対象から外れてしまいます。なぜなら、この法律の要件は、住宅が半壊、または住宅の敷地に被害が生じ、その住宅をやむを得ず解体した世帯に限られているからです。そして、仮に解体やむなしとなって対象になっても、上限は三百万です。
 これは厳しい。被災者の方からすれば理不尽と感じる面も多々あると思います。何とかおうちを取り壊しせずに補修できるとなれば、お金はもらえない。一方、泣く泣くおうちを取り壊さざるを得ないとなったら、三百万では足りない。
 こういう状況を打開して、総理が今おっしゃっている、本当に安心して生活の再建に取り組んでいただきたいから御提案を申し上げています。
 私たちは、十三日、民進党、野党四党で被災者生活再建支援法改正案を既に提出しました。支援金の額を三百万から五百万に上げる、そして、検討事項として、解体などの条件をつけずに半壊家屋も支援の対象とする、こういうことです。
 これは実は、四月二十八日付で私から稲田政調会長宛てに申し入れた補正予算に対する提言書にも入れていたことです。
 今回の補正予算で被災者の皆さんの生活再建に最もきく私たちの提案を受けとめていただいていないことが大変残念ですが、なぜ入っていないのでしょうか。総理、お答えください。
○安倍内閣総理大臣 被災者生活再建支援制度は、自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた方に対し、全都道府県の相互扶助及び国による財政支援によって、最大三百万円の支援金を支給するものでございます。
 このような制度の趣旨からすれば、被災者生活再建支援金の増額や支給対象の拡大については、東日本大震災を初め過去のさまざまな地域で、これは互助システムでお互いに助け合っているわけでありますが、ほかの地域においてもさまざまな災害が今でも発生しておりますが、東日本大震災も典型的な災害であったわけでありますが、そうしたもの等も含めて過去の災害の被災者との公平性、他の制度とのバランス、国や都道府県の財政負担などを勘案して検討すべきものであると考えております。
 他方、住宅に半壊の被害を受けて、みずからの資力では応急措置ができない方に対しては、災害救助法に基づく応急修理の支援が行われます。また、一部損壊の住宅等についても、耐震性等を向上させる改修を行う際には、社会資本整備総合交付金等によって必要な支援が行われることになっています。
 そして、当然、大切なことは、被災者の側に立つ、柔軟な、そして機動的な対応だろうと思います。機動的かつきめ細やかな支援策を行っていく。被災された方々の住宅の再建を後押しして、被災者生活再建支援金の、これは迅速な支給も必要でありますが、きめ細やかな対応が必要だろうと考えています。
○山尾委員 私の手元には、平成二十三年、自民党が野党のときに「復興への道標」としてお書きになった提言書があります。ここには、「被災者生活再建支援法を改正し、国の負担を大幅に引き上げること。」こういうふうに書いてあるんですね。野党の時代に、法改正をして大幅に引き上げる、そういう提言をされているのですから、やはりぜひ、これは与野党関係なく、私たちの議員立法を真摯に検討していただいて、受け入れていただきたいというふうに思います。これが成立すれば、東日本大震災を含めた、以降の震災ということで、今回の被災した方にも適用することができるんです。
 今、政府の方はやらないという御答弁ですので、私どもは諦めずに、しっかり立法府として全力で被災地を支えていきたいというふうに思っております。
 次に、今国会、まだもう少し時間があるわけですけれども、冒頭一月六日、本会議場で安倍総理はこうおっしゃいました。それぞれの政党が政策を国民に提案することから逃げて逃げて逃げ回っているようでは国民の負託に応えることはできません、ぜひ、この通常国会において、それぞれの具体的な政策を国民の前に明らかにしながら正々堂々の議論を行っていただきたい、こうおっしゃいました。
 私たちは、これまでも、そして今回の国会でも、具体的な政策を、対案そして議員立法という形で国民に、そして与党の皆さんに提案してきました。
 これはごく一部です。例えば保育。三月二十四日に私たちは保育士給与五万円アップ、この法案を提出し、三十日には付託をされています。きょうは五月十六日です。一カ月半たなざらしにされています。
 総理、正々堂々と議論を私たちはしたいんです。なぜ私たちの提案から逃げて逃げて逃げまくっているのですか。
○安倍内閣総理大臣 国会のことでございますから、それは国会で議論していただきたいと思います。
○山尾委員 総理、TPPの議論のときは、私たち民進党が震災対応、人命救出に専念すべきだと主張したにもかかわらず、どうやら総理が一歩でも前に進めたいと言って、無理やり審議をやったじゃないですか。それも結局、TPPでは、黒塗り、ノリ弁当、こう言われた資料で、実のある議論ができなかったじゃないですか。あげくの果てに今国会断念で、被災地にとっても、この国日本全体にとっても結局マイナスしかない判断だったのではないですか。
 そうやって、総理、自分の意向で、やりたいときはやりたい、やりたいとおっしゃって、保育みたいに本当はやりたくないときは委員会が決めることというふうに逃げる。どうしてそういうふうに、御自分のやりたいこと、余りやりたくないこと、姿勢が違うんでしょうか。
 堂々と、逃げずにこの場で、保育も一歩でも前に進めたい、対案があるなら受けて立つ、今国会で議論しよう、そういう心意気をおっしゃっていただければ、総理が意思を示せば、あさって水曜日、厚労委員会もあります、社会が求めているこの待機児童問題、保育士さんの給与をどうするのかという問題、議論をこの国会でしっかり与野党が前向きにできるんですよ。この場でぜひ、一歩でも前に進めよう、対案を議論するべきだとおっしゃることはできないんですか。
○安倍内閣総理大臣 山尾委員は、議会の運営ということについて少し勉強していただいた方がいいかもわかりません。
 議会については、私は行政府の長であります。国会は国権の最高機関としてその誇りを持って、いわば行政府とは別の権威として、どのように審議をしていくかということについては、各党各会派において議論をしているわけでございます。その順番において私がどうこう言うことはないわけでありますし、TPPの議論においても、国会に一度付託したからには、当然これは国会において、どのように議論していくかということは委員会でお決めになることでありまして、今の御発言は委員会のまさに権威そのものを傷つけているのではないか、このように思います。
 我々はこれまでも、これまでの保育についての議論を逃げたことはございませんし、しっかりと我々は議論を進めていきたい、こう考えているところでございます。
○山尾委員 総理の席からたびたびやじを飛ばして立法府の、国権の最高機関としての権威をしっかりとわきまえているとも思えない振る舞いを続けてきた総理から立法府と行政府の役割を教えていただかなくても、私はわかっています。
 保育について、ちゃんと対案を示せと言ったんですから、私たちは対案どころか、むしろ私たちの方から提案をしているわけですけれどもね。これは議論すべきだ、そう思う、そういう心意気を示してくれと。それを受けて、また与党の皆さん、もしかしたら審議拒否の態度を変えるかもしれないじゃないですか。どうですか、総理。
○安倍内閣総理大臣 審議拒否という言葉についても、それは違うのではないかと思います。
 それはまさに厚労委員会において、厚労委員会でお決めになることでありまして、全ての委員会のさまざまな法案の進捗ぐあいを総理大臣である私が日々つまびらかに知っているわけではないんです。それは当然、先ほど十分に知っているというふうにおっしゃったんですから、例えば与党においてはどのように国会の審議の順番あるいは審議の仕方について決めているかということも、自民党の議員に聞いていただければいいのではないか、こう思うわけでございます。
 自民党の総裁だからといって、そういうことに一々指示することは自民党ではほとんどないんですよ。総裁も、総理になったら総理としての職務に基本的に専念するわけでありまして、私もかつて幹事長を務めておりましたから、小泉政権時代。党のことは党に任されていた。あるいはまた、国会の運営においては、党とそして国会がしっかりと協議をして決めていくことになるわけでございます。
 ですから、今ここで審議をするのであれば、その中身についてここで今御質問になっても結構でしょうし、そうしたことをしながら議論を深めていくべきではないか。審議の進め方等については、まさにそれは国会の委員会の場で御議論をいただくべきことではないか、このように思います。
○山尾委員 今、保育の問題は自分が指示するほどの案件ではない、こういうふうに受けとめさせていただきました。
 このパネル、民進党が、ともに生きる社会をつくるために、今国会を初め、さまざまな議員立法を提出し、あるいは前向きな提案をしてきたごく一部であります。
 この与党の対応の欄ですけれども、今回、与党の方からパネルから消してほしいというふうに言われましたので、先ほど消しました。黒塗りは残念ですけれども、状況を私の方から説明させていただきたいというふうに思います。
 保育ですけれども、これは一カ月半たなざらしですから、そして私たちの理事が審議を公の場できっちり求め続けていますから、それでも審議に応じていただけないというのは審議拒否以外の何物でもないというふうに私は思います。
 では、総理に中身のことをお尋ねしましょう。
 総理、四月二十六日の一億総活躍国民会議、ここで、新たに二%、保育士の給与を上げる、こういうことをおっしゃいましたね。一億総活躍国民会議、名前が私は戦争中みたいで好きではありませんけれども、中身を問いたいと思います。新たに二%、あえて聞きますが、まさか、四年前の二〇一二年に民主党政権で決めて、そしてその後に閣議決定された、その二%のことを言っているんじゃないでしょうね。
○塩崎国務大臣 御案内のように、一体改革の際に、子育てにつきましては、一兆円ということで予算を想定し、そのうちの七千億については消費税で財源を賄うということで、残りの三千億は、これは自公民の間で宿題として残っていたわけであります。
 この二%について、先ほどお話が出ましたが、ニッポン一億総活躍プランにおいて、今月中に取りまとめる予定でございますけれども、保育士の処遇改善を盛り込み、これまでの取り組みに加えて、財源を確保しながら、平成二十九年度予算において、今申し上げた従来からの課題である二%相当の処遇改善をまず行う。これに加えて、保育士として技能、経験を積んだ職員について、全産業の女性労働者との差が月額四万円程度あることも踏まえて、賃金差がなくなるようさらなる処遇改善を行っていくというふうに申し上げているところでございます。
 こうした処遇改善とともに、多様な人材の育成、高齢者等の活用あるいは生産性の向上を通じた労働負担の軽減、あるいはやりがいを持って安心、快適に働ける環境を整備するといったような、言ってみれば総合的な対策を打たない限りは人材確保というのは有効に機能しないということでございますので、単に処遇だけで人材確保ができるわけではないことはよく御理解を賜った上で御議論を賜れればありがたいと思っております。
○山尾委員 びっくりしました。今、厚労大臣、自分がおっしゃったことの意味が、もしかしたらわかっていないかもしれません。
 まず一点は、これは御存じだと思います、今総理がおっしゃった新たに二%というのは、二〇一二年、四年前に社会保障と税の一体改革の中でやりましょうと決めた二%のことであって、これは新たにとは言いません。
 総理、御存じでおっしゃったのかどうかわかりませんが、四年前にやると決めたものを、たしかこの予算委員会でも私は総理と随分やりとりしました。一兆円の軽減税率の横入りで三千億の財源がさらに見えなくなってくる中で、これを本当に財源をつけてやれるのかやれないのか、こういう意見交換をしましたが、この二%、四年前の約束の二%をやはりやることにしましたというのが、この新たに二%というものの意味です。これは新たにとは言いません。
 もう一つ、塩崎大臣は今、女性労働者との差額を基準に出されましたね。
 総理にお聞きしたいと思います。
 今の塩崎大臣の答弁、保育士の給与が全産業から十一万円も低くて問題だという論点を話しているときに、女性の平均を物差しに出されました、そうであれば四万円だと。私は大変問題だと思いますよ。適切だと思いますか。
○安倍内閣総理大臣 後で塩崎大臣から答弁しますが、その前に、安倍政権がまるで処遇改善に興味がなかったかのような発言を先ほどしましたが、それは全く違うのであって、我々は政権交代直後、平成二十五年度及び二十六年度に、保育士等処遇改善臨時特例事業として二・八%の改善をまず行いました。そして、平成二十七年度は、消費税収を活用し、三%相当引き上げる処遇改善を行いました。そして、人事院勧告に従った処遇改善も実施しており、平成二十七年度は一・九%引き上げているんです。
 民主党がお決めになったお決めになったと言われていますが、民主党政権の三年半は処遇改善は行われていません。このことをまず認識した上で、我々もそんなことは言いたくないですよ、こういうものは一緒にお互いにやっていこうということであって、これはふやしていきたいとみんな思っているんです。ですから、まるで私たちが後退させるかのごとくの御発言でございますが、ここまではそれは私は申し上げてこなかったんですが、民主党政権時代には処遇改善は行っていない。しかし、私たちは、今申し上げましたように、二十五年、二十六年度は二・八五%、そして二十七年は三%相当、そして二十七年度は一・九%。
 さらには、今回私たちは、しっかりとした経済政策を進めてきた結果、二十九年度において、従来からの課題である二%相当の処遇改善を行い、さらには、これに加えて、ここが大切なことなんですが、保育士として技能、経験を積んだ職員、なかなか給料が上がっていかないという問題があった。つまり、その中において、長い間その職業を続けても未来がないなという中において、短期間でやめられる方が多かったのも事実であります。そこで、保育士として技能や経験を積んだ職員については、月額四万円程度であることを踏まえて、賃金差がなくなるよう、さらに処遇改善を行っていくわけでございます。そこで、まずは全産業の女性労働者の差ということで大臣は説明をしたわけであります。
 確かに全産業の男女と比べるのがもちろん一番いいわけでございますが、そもそも保育士の場合は、保育士の男女差は全産業における男女差よりも大分少ないわけでありまして、そもそも保育士という職業の中においてそういう課題があるわけであります。ですから、まずはそこまで行って、一気にそれを全てなくしていくということは難しいわけでありますから、まずはそこまで行くということであります。
 我々は、このようにしっかりと順次処遇改善は行ってきているということははっきりと申し上げておきたいし、これからもしっかりと、保育士の皆さんが生き生きと誇りを持って仕事ができるように、そういう環境を整えていくべく努力を重ねていきたい、このように考えております。
○山尾委員 総理、民主党政権時代だからとか、自分の政権になってからとか、本当にそういうのはやめた方がいいと思いますよ。私たち民主党政権時代だって、子ども・子育て支援に大きくかじを切って予算はふやしてまいりました。でも、今この保育の問題が大きくクローズアップされて、やはりお母さんや当事者の皆さんは、そういった話ではなくて、ここから先、新たに何をしてくれるのかしっかり示してほしい、こういう声なんです。
 私も、厚生労働大臣は御存じかもしれませんが、待機児童の数のカウントの仕方、これも民主党政権時代でも全部を出してこなかった、そして今もそれを出してきていない、これはお互いによくないことだからちゃんとカウントの方法を変えましょう、こういうふうにこの待機児童の問題は私はお話ししてきたんですよ。
 新たにとおっしゃるから、これは新たにではないですよね、では本当に新たに何をしてくれるんですか、こういう議論をしているんです。
 今、ベテランの方とおっしゃいましたけれども、この前ヒアリングをしたら、ではそれは一%カバーできるんですかと聞いたら、それも決まっていないとおっしゃっていましたよ。そもそも、給料が低過ぎるところから始まって、ベテランになるまで続けられないんですよ。総理、当事者の声を本当にお聞きになっていますか。
 そしてもう一つ、ここはちょっとこだわりますけれども、私はびっくりしました。塩崎大臣が、まず女性の平均を基準にすると。総理も今上書きされましたね。まず女性の平均を基準にする、そこまで行くのがまず目標だと。今、議事録に記されたと思います。
 ほかの大臣の皆様、多分、ちょっとまずいんじゃないかな、私から見るとそういうお顔をされている方も散見されます。
 二つの点でまずいですよ。一つ、保育は女性の仕事なんですか。もう一つ、男女の賃金格差があるという大きな社会問題を認めるんですか。物差しに使うということは、この二点をまず前提とするということです。
 そもそも保育や介護の賃金が全産業に比べてとても安いのは、保育の仕事、介護の仕事、これは歴史的に女性が家でやる仕事、あるいはその仕事が社会化されても女性が担う仕事、こういう歴史的なさまざまな背景や価値観があって、それが今の賃金格差になってあらわれているから、それをやめなきゃならない、こういう問題なんですよ。
 総理、それでも女性の平均賃金と保育士の平均賃金の差を捉えて、まずはそこまで引き上げる、この発言、撤回されますか。
○安倍内閣総理大臣 こういう問題は、給料を幾ら上げるか、例えば七万円、八万円、十万円、言うのは簡単なんですよ。しかし、それはなかなかできない。だから、先ほど、言いたくはなかったけれども、民主党政権時代はできなかったじゃないですか。それは事実なんですよ。処遇改善はあなたたちはやってはおられないんですよ。しかし、私たちはこつこつとずっとやり続けてきているんですよ。
 平成二十九年度において二%ということで、それが新たにですかという議論をされたけれども、その前に、二十五年度、二十六年度は二・八%、私たちは上げているんですよ。そして、二十七年度には三%相当の引き上げを行ったのも事実ですよ。そしてさらには、二十七年度は一・九%の人勧の勧告によって上げているのも事実であって、さらに二%上げる。そしてさらに、その上において四万円ということを申し上げているわけでございます。
 そこで、まずは、これは別に差別をしているとかそういうことでは全くないんですよ。確かに低い水準だからちゃんと段階を追って上げていこうということでありまして。今、まずはここまでは追いついたけれども、でも、一気に全部やる、それがそう簡単なことであれば、皆さん、民主党政権時代におやりになればよかったじゃないですか。なぜそれができなかったんですか。それは、そう簡単なことではないからですよ。それはそう簡単なことではない。
 ですから、私たちはまずはそこまで上げていくということでありまして、この問題は、ただ単に相手をののしったり誹謗中傷する話じゃないんですよ。これは、みんなで保育の現場をよくしていこうということなんですよ。そこで地に足のついた議論をしていくべきではないでしょうか。
 また厚生労働大臣からも答弁させます。
○山尾委員 総理、撤回されないんですね。女性の平均賃金まで保育士の賃金をまず上げることを目指すと、この予算委員会で多分総理が初めて発言されたと思いますけれども、総理が発言された。撤回しないんですね。
 私が申し上げたいのは、一気に十一万、難しいですよ。なぜ、徐々に上げていこうというときの途中の物差しが女性の平均賃金である必要があるんですか。私たちは、あり得ないと思いますよ。だから……。まだ私がしゃべっています。五万円上げましょう、こういう法案を出しているんです。
 女性の平均賃金にまず合わせていくということに対して、私が今批判をしています。これを総理はののしっているとおっしゃいました。あるいは誹謗中傷だとおっしゃいました。日本の人から見ても国際的に見ても恥ずかしいことだと思いますよ。それを指摘されて、おかしいと思わないんですか。
 今この場で、もし、女性の平均賃金という物差しが適切なんだと、だったら、なぜ途中の物差しとしてそれが適切なのか、しっかり答えていただきたいと思います。このままいったら、女性活躍政権どころか男尊女卑政権だと言われますよ。
○安倍内閣総理大臣 まさに今のが、山尾さん、誹謗中傷なんですよ。私は全くそんなことは言っていないじゃないですか。全く議論をすりかえています。
 まず、落ちついて聞いていただきたいと思います。
 つまり、保育士として働いている女性の皆さんが全産業の女性の皆さんよりも低い、まずは低いという問題があります。それとプラス、保育士においては男女の差が他の全産業と比べてそれほど大きくはない中において、まずはそれを上げていく。
 しかし、私はそれを肯定しているわけではないんですよ。男女差、私は一度もそれを肯定したことはないんですよ。それを、はっきりと意図的に山尾さんは、それを混同しているかのごとく。そういう議論をしているから軽薄な議論になってしまうんですよ。
 ですから、はっきりと申し上げておきますが、我が国の男女間の賃金格差については、傾向としては縮小傾向にありますが、いまだ格差がある状況であるのは事実であります。
 我が国におけるフルタイムの男女労働者間の賃金格差の二大要因は、まず一つは……(発言する者あり)これは大切なことですから説明をさせてください。管理職比率と勤続年数の差異となっています。したがって、女性の管理職への登用が進み、出産と子育てと仕事とを両立しやすくすることなどにより女性の勤続年数が伸びれば、男女間の賃金格差は相当程度解消されることとなると考えているわけであります。
 そこで、先ほど申し上げましたように、勤続年数が長くなり経験を積めば四万円という新たな制度をつくることによって、だから、塩崎厚労大臣が申し上げたとおり、こういう総合的なアプローチをしなければそういう差は縮まっていかないということはそういうことでありまして、そうしたことをしっかりと説明していくことが大切であって、先ほど、私がまるで男尊女卑であるかのごとくの発言をねじ曲げてされましたから、しっかりと今説明をさせていただいたところでございます。
○山尾委員 びっくりしました。
 問題はとおっしゃいましたね。この保育士の給与が低いという問題は、女性の平均よりも低いということが一つの問題だとおっしゃいましたね。問題はそこじゃないんですよ。保育士の給与が女性の平均よりも低いなんということが全く問題ではないし、それを問題にすることはおかしいんですよ。
 問題は、保育士の給与が低過ぎて女性が社会に羽ばたけないハードルになっていたり、あるいは子供が居場所がなくて育ちの場がなかなか与えられず、この両方をちゃんと解消しなければこの国の未来は築けない、そういうことが問題なんですよね。
 それを、またあえて、女性の平均賃金、四万円を埋めていく。この答弁を、厚労大臣と総理大臣がこの予算委員会で繰り返し繰り返しきょう答弁されたことに私は断固抗議をして、この政権が男尊女卑政権だということがよくわかりました。しっかり追及していきます。
○竹下委員長 この際、玉木雄一郎君から関連質疑の申し出があります。岡田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。玉木雄一郎君。
○玉木委員 民進党の玉木雄一郎です。
 まず、熊本を中心とした地震で亡くなられた方に心からお悔やみを申し上げますとともに、今なお被災されている多くの方々に対して心からのお見舞いを申し上げたいと思います。
 その上で、我が国の名誉と尊厳に関する重大な問題が先週から報道または発表されておりますので、きょうはその点について質問したいと思います。
 二〇二〇年東京オリンピックの招致をめぐる買収疑惑であります。
 私も、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの成功を祈る一人でありますが、このオリンピックに関しては、新国立競技場の建設計画の見直し問題、またエンブレムの見直し問題、また、新しい国立競技場には聖火台がない、こういった問題、さまざまな問題がこれまでも取り上げられてきましたが、今回の問題は極めて私は深刻であると思っています。
 資料一をごらんください。
 そもそも、これは一部の報道ではなくて、フランスの検察当局が公式にこの件に関して捜査を行っている旨を五月十二日に発表しております。また、ガーディアンというイギリスの新聞を初め、海外の各紙メディアもこれを報道しております。まさに日本の名誉にかかわる問題だと思っています。
 資料二をごらんください。
 事案の概要、これはそのガーディアン紙の報道の表をそのまま持ってきましたけれども、少し複雑なので順を追って説明します。
 この一番上にあるラミン・ディアクさんという国際陸連の会長さんがいます。彼はあわせて、IOC、国際オリンピック委員会の投票権を持つ委員でもありました。今回報じられている疑惑は、この国際陸連の前会長であるラミン・ディアクさんの息子さん、パパマッサタ・ディアクさん、英語ではクロースフレンドと書いていますが、親友とされるイアン・タン・トン・ハン氏、このタン氏の経営する会社の口座、これはブラック・タイディングス社といってシンガポールにあると言われていますが、この口座に日本の招致委員会から多額のお金が送金をされ、そしてそのお金が招致にかかわるIOCの委員の買収と、そしてまた成功報酬として使われたのではないか、こういう疑惑であります。
 そこで、まず総理にお伺いします。
 先週の本会議で、同僚議員の福島議員からの質問に対して、本件に関して、早急に東京都及びJOC、日本オリンピック委員会、ここに確認をし、調査するなど事実関係の把握に努めると総理は明言されましたけれども、その後の調査結果はどうなっていますか。
○安倍内閣総理大臣 詳細については文科大臣から答弁をさせたいと思いますが、御指摘の件については、招致委員会の理事長であったJOC竹田会長が先週ステートメントを私の答弁の後発表し、正式な業務契約に基づく対価として支払いを行ったとの見解を示したと承知をしています。
 当時の招致活動の具体的な内容については、招致委員会の主体となっていたJOCと東京都が説明責任を果たしていくべきものであり、政府としても、スポーツ庁を中心に、引き続き事実関係の把握に努めてまいりたいと思います。
○玉木委員 資料一をごらんください。
 総理、これは危機感と緊張感が少し少ないのかなと思うので、改めてこれを見ていただきたいんです。
 フランス検察当局も文書の中に書いていますが、これはなぜ問題かということは、フランス当局が、短いステートメントですけれども、その中に幾つかの要素を書いています。
 一番大事なポイントは何かというと、金銭の送金、授受が、皆さんも、全国の皆さんも大変感動したと思いますが、二〇一三年九月のあの感動的な、東京に開催地が決まった九月、この九月を挟んで前後に二回、合計二億円を超えるお金が、先ほど申し上げたシンガポールのブラック・タイディングス社に送金されているということです。
 この時期的な近接、つまり、開催決定の二カ月前に約一億円がまず振り込まれ、そして開催が決定した次の月に残りの一・三億円が振り込まれている。この決定にかかわる極めて近接した時期に多額の資金が移動していることについて、フランス当局は、それを捜査を始める一つの理由と掲げて、このステートメントを発表しているわけであります。
 改めてお伺いします。
 この送金については、フランス当局やあるいは外国のメディアが報道しているような疑惑は一切ないと、これは自信を持ってお答えになりますか。総理、改めて。
○馳国務大臣 報道がありましてから私も大変びっくりいたしまして、事実関係については、招致委員会、しかしながら当時の招致委員会はもう解散しておりますので、そこの理事長であった竹田さん、JOCの今は会長でございますけれども、その方々、また、スポーツ庁としては、何か大変重大な事案ではないかということで、当時の担当しておられた水野さんと、また招致委員会事務局の樋口さん、この方々に直接お会いをして確認をし、そして、当面いただいている情報について今からお伝えしたいと思いますし、きょうは参考人としても竹田さんをお呼びでありますので、ぜひ事実関係をお聞きしていただきたいと思います。
 実は、私も、当時八月に、招致の最終段階に入りまして、一番最終的な票読み、またそのための情報収集、どのような方にどのように働きかけをした方が最終的に票を獲得できるかということで、モスクワの世界陸上選手権、ここの方に私も参りました。
 と同時に、招致委員会においても、ここが大きな山場だと。このときの時点において、御記憶にあると思いますが、大変日本は厳しい状況にありました。理由は、汚染水の問題であります。私も、七月、八月とこの問題について官邸ともかけ合いながら走り回ったことを記憶しておりますが、そのときに、最終的に、コンサル会社と調整をした上で、適切な情報を踏まえて対処しなければいけないという判断をされたようですが、その際に、自薦、他薦、あまたのコンサル会社がどうですかと言ってくる中で、十分に対応するためにも、招致委員会のメンバーはコンサル業務に関してはプロではありませんので、電通に確認をしたそうであります。そうしたら、電通の方から、こういう実績のある会社としてはこの会社はいかがでしょうかということの薦めもあって、しかしながら、最終的には、招致委員会の方において判断をされて、この会社と契約をされたということがまず一点目であります。
 ただ、その契約のときに、契約交渉の中で、コンサル料を払わなければいけませんが、残念ながら、向こうから指定された金額を、当時、招致委員会は財政的に厳しい状況で、持っていなかったそうです。したがって、まず払うべき金額を払い、また、この後、最終的に招致を成功させなければいけませんから、成功までの間のことも含めてその後また払いますというふうな状況で、契約を二回に分けた、こういうふうに報告を聞いております。
 最終的には招致をかち取ることができて今日に至っているわけでありますが、八月の段階のモスクワでの世界陸上選手権、これに向けて、より強い、情報を収集し、対策を練る、そのための戦略を持つに当たって、必要なコンサル、そのコンサルが今回御指摘されている会社であった。
 ただ、そのコンサルがラミン・ディアクさんと関係する会社であったということは、残念ながら、当時の招致委員会においては知る由もなかった、こういうふうな報告を受けております。
○玉木委員 電通からの推薦でお願いすることになったコンサルティング会社だということはわかりましたけれども、今大臣からもありました、きょうは、竹田会長、招致委員会の前理事長にもお越しをいただいておりますので、お伺いしたいと思います。
 最初の振り込みが七月です。招致決定が九月です。二カ月間、実質働いたのは二カ月間だと思いますが、そこで二億円を超えるお金。具体的に、どういう情報収集をいただいて、どういう報告をもらって、どういう業務活動書のレポートを受けているのか。具体的に、どのような活動をして、どのような成果があったのかという、その報告はどのようなものを受けておられるのか、御説明をください。
○竹田参考人 ただいま御指名いただきました日本オリンピック委員会、JOCの竹田でございます。
 先生方には、日ごろから我が国のスポーツ振興に多大な御支援、御協力を賜り、また、この八月に開催されますリオデジャネイロ・オリンピック大会、二〇二〇年の東京オリンピック大会に向けて多大な御支援をいただいていることを心から感謝申し上げたいと思います。また、大会の招致活動につきましても、皆様方には多大な御支援そして御協力をいただいたことを改めて御礼を申し上げたいと思います。
 本日は、日本オリンピック委員会の会長の竹田でございますが、二〇二〇年東京大会の招致活動にかかわる問題でございますので、特定非営利活動法人東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック招致委員会の元理事長として説明をさせていただきたいと思います。
 二〇二〇年の招致委員会は、二〇一一年九月にJOCと東京都で立ち上げ、そして招致活動をスタートいたしました。同年十二月には、衆参両議院の招致決議、そして閣議了解をいただき、本格的活動となりました。
 その活動に当たっては、民間資金の調達として、各界各層からの寄附、そして協賛金をベースとして、税金を一切使わないでこの活動を行ったということをまずお伝えしたいと思います。
 また、オリンピック招致活動で海外コンサルの契約を結ぶことは、国際的に見ても極めて一般的でありまして、むしろ海外コンサル契約なしでは招致は成功しないとまで言われているほどであり、これは事実であると思っております。
 今回、どのような契約が行われたかということを御説明申し上げたいと思います。
 まず、経緯でありますが、先ほど馳大臣からもお話がございました。この各種大会イベントを行うに当たって、代理店あるいはコンサルというのは自薦、他薦、多くありますが、今回は本人から売り込みがありました。そして、株式会社電通さんにその実績を確認いたしましたところ、十分その業務ができる、そして実績があるということを伺い、事務局で判断したということを報告を受けております。特に、アジア、中東地域において活動実績が強いこと、この地域を中心とした活動に期待したところであります。
 敗れた二〇一六年の東京招致の際には今回の倍近い多数のコンサルを雇っておりましたが、残念ながら余り機能させることができなかったため、二〇二〇年には絞り込んで活動をいたしました。
 招致活動最終段階においては、特に実績のあるコンサルタントを探しており、契約するに至ったと報告を受けております。特に、陸上関係については影響力があると各方面からも聞き、PRすべき重点競技として考えていたところでございます。世界陸上協会の会長の親族が関係しているということは全く認識していなかったということを申し添えます。
 このIAAF、世界陸上競技連盟とブラック・タイディングス社は業務の実績はあるということは伺っておりますが、ラミン・ディアク氏そしてその息子さんたちとこの会社が関係があるということは、全く我々は知る由もなかったということをお伝え申し上げます。
 ただし、いずれにいたしましても、いずれのIOC委員あるいはその親族がブラック・タイディングス社との資本関係や役員として関係していないということを認識しております。IOC委員として、そしてその親族が、経営者ではなく、あくまで知人の範囲であれば問題はないということも認識しているところであります。
 この会社の実績はいろいろございまして、決してペーパーカンパニーではございません。二〇一五年の世界陸上北京大会の招致コンサルタント、マーケティング、二〇〇八年北京オリンピックのホスピタリティーサポート、博鰲アジアフォーラムの協力、そして二〇一二年イスタンブール世界室内陸上競技の大会等が挙げられます。
 また、この契約の内容でありますが、先ほども御質問ありました。ブラック・タイディングス社との契約は、異なる業務内容で二つの契約を行い、それぞれの業務対価として二回にわたって支払ったものでございます。これは、招致委員会の正式な手続に基づき、そして契約を交わし、行ったものでございます。
 この契約支払い行為につきましては、国際会計基準により、招致委員会にて適切な会計処理をし、新日本有限責任監査法人等により正式に監査を受けたものであり、そして、IOCにも決算報告をし、承認を受けたところでございます。
 内容といたしましては、一回目は、最終段階に入った国際ロビー活動を効果的に、そして効率的に行うため、ロビー活動コミュニケーション戦略の確立、IOC委員の動向、周辺情報の収集、大会関係の情報収集などを業務といたしました。
 国際関係のプロモーションは二〇一三年の一月から解禁でありまして、ですから、一月から、実際この契約は七月でありますが、七月から九月までの最後の一番大事なときに契約をしたわけでございます。
 二回目の、招致決定後のIOC総会や東京招致の要因についての情報収集、分析を委託し、招致に関する報告や今後の活動などのために基礎資料とすべく業務をしたものでございます。
 ここで、よろしいですか。(玉木委員「簡潔にお願いします。時間がないので」と呼ぶ)はい、わかりました。
 まず、業務内容ですけれども、そして、成果物のことについてお話し申し上げます。
 当該業務の成果物はロビー活動そのものであり、アポイントメントの実施や業務報告、情報分析などの有形無形の各種報告が成果であります。これらの成果は、最終段階までの情報収集と効果的なロビー活動の詰めに大いに役立ったものであり、まさに最後の票読みと票獲得には欠かせないものであったというふうに確信をいたしております。
 招致活動の特殊性とその契約の実態について少し御説明をさせていただきたいと思います。
 招致決定の一カ月前、二〇一三年八月十日から十八日まで開催されましたIAAF世界陸上選手権ですが、同時にIOCの理事会が行われました。三十名以上のIOC委員が来ることがわかっておりました。
 二〇一六年のオリンピック・パラリンピック招致のときにも、二〇〇九年ベルリンで行われました同選手権が招致の決定一カ月前に開催されました。その決戦の場であり、そこでの活動が十分でなかったということが敗因の一つとなっておりました。
 二〇二〇年の招致では同じ失敗は許されず、モスクワの世界陸上の選手権で、活動は決戦の場であり、そのための招致戦術を策定すべく、二〇一三年四月から六月にかけて全力で取り組んでおりました。しかし、世界陸上の関係者へのアプローチの点での人脈が脆弱であるとの結論に至ったわけであります。
 そこで、事前アプローチを受けていた数名のコンサルタントのうち、国際競技連盟大会に……(玉木委員「質問ができないです」と呼ぶ)
○竹下委員長 竹田会長、申しわけございません、時間が迫っておりますので、手短にお願いをいたします。
○竹田参考人 はい、わかりました。
 まず、招致決定した際の収入の確保状況も踏まえて、そして成功報酬的な意味合いもある、新たな追加業務委託もあるということを話し合ったということも聞いておりました。
 そして、結果として、二〇一三年九月七日、ブエノスアイレスのIOC総会で東京決定を受け、日本国内で盛り上がりも大きく、日本国民の全体に活気をもたらすことができたと思っております。
○玉木委員 いろいろ今説明いただきましたけれども、私の質問には答えていただいておりません。
 どういう結果が成果物、有形無形のというふうに言いましたけれども、では、文書として、この二億円を超えるものに対する対価として何らかの報告書はあるんですかないんですか、この点についてはもう一度お答えいただきたいのと、ちょっと資料三を見てください。
 実績の大変あるブラック・タイディングス社ということで、例えば二〇一五年の北京国際陸上などを招致した実績があるというふうにありましたけれども、これは一部欧米のメディア、日本のメディアも報じていますし、私もグーグルアース等で住所を確認すると同じところが出てきますけれども、アパートの一室で、しかも、今は会社がもうないということです。
 このもとになる、世界反ドーピング機構の独立委員会の報告書の中に、一番最初にこの東京招致についての疑惑が出てくるんですが、実はそこにもこのブラック・タイディングス社の口座というのが出てくるんですね。ロシアのマラソンランナーのドーピングのもみ消しに失敗したので、そのお金をリファンド、うまくいかなかったので、戻すときの口座にここが使われているんです。
 そこの報告書の中の注書きにおもしろい記述を見つけました。このブラック・タイディングスというのは、英語をそのまま訳すと黒い文書とか情報とか通知ということだと思いますが、そのヒンディー語は、黒い金を洗浄するという意味だそうです。
 これはペーパーカンパニーではないと今お話がありましたし、そういう認識はなかったということであれば、証拠を出してもらいたいんです。招致委員会は既に解散しておりますけれども、残余財産は組織委員会にも引き継がれていますし、ましてや、竹田前理事長、今JOC会長は、ある意味、同じ人物で当事者でありますから、先ほど話があった、こういう二億三千万円に対する対価としての活動報告書及び財務諸表は、今、誰が、どこで管理をされていますか。
 そして、もう一つ伺います。
 こういう問題が発覚した後に、ブラック・タイディングス社あるいはタン氏に接触をとって、渡したお金をおかしなことに使われていませんねという確認はとりましたか。
○竹田参考人 まず、関係書類についてでありますが、これは、法人清算人であります招致委員会元専務理事水野正人氏が責任を持って管理をしております。
 この契約書につきましては、その存在と内容は、昨日、五月十五日に現物を確認いたしました。そして、条約事項には守秘義務事項があることを御理解いただきたいと思います。守秘義務事項によりまして、契約相手側の確認など、法的な論点の検討を経ずに、直ちに開示をできるものではないと認識いたしております。
 また、これが、先ほども御質問がございましたが、ペーパーカンパニーではないかということでございますが、契約時は、実績もあり、そしてペーパーカンパニーではないということを確実に認識しております。しかし、現在はどうなっているか、正直、把握しておりません。
 そもそも、この世界でのコンサルタントは、個人事業も非常に多く、個人経営ですね、そして、海外を回って活動することも多いため、自宅を会社として登記している例も珍しくなく、多くのコンサルタントもそのようにしております。
 我々としては、あくまでも、ブラック・タイディングス社の実績を踏まえて今般の契約に至ったということをお伝え申し上げたいと思います。
○玉木委員 二番目の質問は、この事案が、事前にはわかりました、信頼あるところと信じてやったということなんですが、こういうことが取り上げられて、大きな世界的な疑惑になっておりますから、そういうことが出た後、改めて、ブラック・タイディングス社あるいはタン氏そのもの、こんなにたくさんのお金を払っているわけですから、連絡先は当然わかっていると思いますが、確認はされましたか。
○竹田参考人 確認はいたしておりません。
○玉木委員 では、正しいということはどのように、妥当性について、今、確かに払ったことは払ったとお認めになっていますが、それが今、不正なものに使われたのではないのかということが、国際的な疑惑が生じているわけですから、その使途について確認は、では、それが適正なものであったかというのはどういうふうに確信をお持ちなんですか。
○馳国務大臣 今回の事案は、フランスの捜査当局が指摘をしたことから始まったというふうに認識しておりますから、私も大臣の立場で、ある意味では、そういう指摘を受けた以上は、きちんとフランスの捜査当局に協力をしなさいというふうな指示はもう出しておりますので、それを踏まえて、どのようにそのお金が使われたのかといったことも、フランス捜査当局との、関係捜査機関との調査によって明らかにされるべきものだと考えております。
○玉木委員 大臣、それは違うと思います。
 この前、ロンドンで腐敗サミットが行われて、そこで、伊勢志摩サミットでは日本が主導してスポーツにおける腐敗対策の文書を取りまとめるということをもう言っているわけですね。しかし、ホスト国自身がオリンピックの招致にかかわって大きな疑惑を抱えたままでは、そんな文書を取りまとめるなんてできないと思いますよ。それこそブラックジョークですよ、これは。
 だから、私がお願いしたいのは、まず委員長、サミット前までにもう一度、この件に関する集中審議を求めたいと思います。そして、先ほど大変重要な答弁があったのは、これは水野氏が報告書等を全て管理しているということでありますから、この水野氏と、そして前事務局長の樋口氏の参考人招致を求めたいと思います。
 あわせて、最後、総理にお願いしたいんですが、これはやはりサミット前までにきちんとした、我が国独自にしっかり調査をして潔白だということを明らかにすべきだと思うんです。その意味でお願い申し上げたいのは、本件に係る契約書、活動報告書、そしてブラック・タイディングス社が本当に実績があるのかというその実績を記した文書、また財務諸表を、これは例えば党首討論がまた行われますから、その日の正午までに公表するようにぜひ促していただきたいのと、それと、第三者委員会、独立の調査委員会を立ち上げて、サミットまでに徹底した真相究明をすべきだと思いますけれども、総理、いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 先ほど馳大臣から答弁したとおりでありまして、フランス当局がまさに今捜査をしているわけでございますから、我々としては、このJOC側に対しては、旧招致委員会側に対しましてもしっかりと協力するように馳大臣から申し上げているところでございます。(玉木委員「いや、総理、最後に」と呼ぶ)
○竹下委員長 玉木さん、ちょっと待ってください。
 先ほど要求がありました集中審議の件、それから参考人質疑、それから財務諸表の提出、後刻、理事会で検討をさせていただきます。
○玉木委員 はい。よろしくお願いします。
 もう終わりますが、もともとこれが、国際的に取り上げたのは、一月に発表された世界反ドーピング機関の報告書です。その報告書の中にこういう記述があります。マーケティングコンサルタント業とは何を意味するのかについて、捜査当局間の共通認識として、それは不正な賄賂を隠す便利な言葉だというふうにされています。
 ですから、コンサルタント契約の対価として公式に払ったといっても、まさにそれが不正を隠す一つの隠れみのになっていて、その使途が本当に適正だったかどうかについては、これは日本の名誉をしっかりと保つためにも徹底的に日本独自で自主的に調査すべきだと考えますので、このことを強くお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○竹下委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○竹下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
 この際、後藤祐一君から関連質疑の申し出があります。岡田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。後藤祐一君。
○後藤(祐)委員 民進党の後藤祐一でございます。
 まず、パナマ文書に端を発したタックスヘイブンに関して議論をしたいと思います。
 きのうの新報道二〇〇一で、スターバックスが、イギリスの法人が十五年間で一度しか税金を払っていない、これについてイギリスの議会で大変問題にされている、あるいはアップルが、アイルランドの子会社に利益を集中させる、こういった手法で八兆円近い資産を蓄えていた、これがアメリカの議会で問題になっていたりします。
 こういった国際的な租税回避スキームだけではなくて、日本国内でも租税特別措置というやり方がいろいろあります。これはもちろん合法なんですが、さまざまな租税特別措置等を使うことによって、こちらの「税金を払わない巨大企業」という本を拝見しますと、二〇一三年、ちょっと古いデータなんですが、このデータで見ますと、税引き前純利益が千四百八十億円ある、ある金融機関のグループは、法人税等の支払い額はたった三百万円、税の負担率は〇・〇〇二%だそうです。あるいは、ある通信系の会社は、税引き前純利益は七百八十九億円、それに対して法人税等の支払い額は五百万円、実質的な税の負担率は〇・〇〇六%。どうも金融関係に多いようでございまして、三つ目、四つ目、五つ目、六つ目、こういったところを金融機関が占めているようでございます。
 これは総理に伺いたいと思いますが、こういったタックスヘイブンを活用したり、あるいは国内的な租税特別措置を活用したり、いろいろなやり方はあると思いますが、大幅な利益を上げているのに納税額は極めて少ない、こういった企業はずるいと思いませんか。総理に伺います。
○麻生国務大臣 税に対する信頼性を欠くというのが一番の問題です。
○後藤(祐)委員 総理に聞きます。ずるいと思いませんか。
○安倍内閣総理大臣 ただいま財務大臣が答弁したように、まさに税に対する信頼性であり、多くの方々は被用者として給与を天引きされているわけでありまして、まさに透明化されている中においてきっちりと税金を払っておられるわけでありまして、そうした払うべきと思われている税金を回避するということについては、多くの方々が疑問を持たれるだろう。また、税の信頼性ということについて、これは財務大臣が述べたとおりだと思います。
○後藤(祐)委員 きのうの新報道二〇〇一ですと、萩生田官房副長官が政府としてどうお考えかとこの点を聞かれて、真面目に納税している国民や企業にしてみれば、そんなずるいルールがあるのかという当然不信感を持ってしまう問題だと思いますと。これは政府としてどうですかと聞かれて、官房副長官はこうお答えになられています。
 少なくとも総理は、税に対する信頼性というお言葉を使われましたが、今、透明性というお言葉もありました。
 我々民進党は、租税特別措置については、特定の会社が、これを上手にというか大幅に活用することによって、非常に法人税額を下げているのではないかということから、まさに税に対する信頼性を回復するための透明性確保として、この租税特別措置を透明化する法案、つまり、この措置でこの会社はこれだけ税がまかっていますというようなものを、何年にもわたって、ちゃんとわかるような、こういった法案を出しておりますが、ぜひこれは成立させるべきだと思います。
 先ほどおっしゃった透明化という観点からも、ぜひこれは実現していただきたいと思いますが、総理、いかがでしょうか。
○麻生国務大臣 租税特別措置につきましては、これまでも何回となく議論されたと思いますが、租税特別措置をやられるに至る経過等々もありますので、一概には申し上げられないのが一点。
 また、租税特別措置の効果がもう既に終わっているのではないかというものについては見直しておるというのは、御存じのとおりです。
○後藤(祐)委員 透明化について御答弁ありませんが、やはり法人税というのは実効税率を下げるべきだという議論が今まで行われてきました。アベノミクスの中心課題だと思います。ですが、この法人税の実効税率が三〇%台から二〇%台と言っておりますが、それ自体はいいことだと思いますが、実は、多くの会社が、さっき言ったような〇・何%とか、ここを改めないとしようがないと思うんですね。やはり、ずるい会社をきちっと捉まえて、透明性を増していくということをしていかなきゃいけないと思います。
 その上で、この法人税の引き下げというのは、安倍総理が官邸でお聞きになったスティグリッツ教授も、法人税の引き下げというのは今の時点においては余り効果がないのではないかという趣旨のことをおっしゃっていたと伺っています。
 むしろ、法人税の引き下げよりも、我々民進党は、中小企業が新たに正社員をふやしたときに、なかなか難しいのが会社側の社会保険料の負担なんですね、この社会保険料負担の半額を国が予算で支援をするという法律を提出しています。法人税を下げるよりも、会社の社会保険料負担を応援することによって正社員がふえていく、これによって正社員になった方が、結婚したい方は結婚ができ、子供を産みたい方は子供が生まれ、好循環につながっていくと思うんですね。
 ぜひ、こういった経済政策について、これからも問うてまいりたいと思います。
 それでは続きまして、ずるいのではないか、透明性を増すべきではないか、このあたりに関して、では政治家はどうかということについて聞きたいと思います。
 政治家に関しては、どういうことがほかの方に比べてできるかというと、相続税なんですね。これは財務省、きょうは国税庁の次長にお越しいただいておりますけれども、お金をいっぱい持っていらっしゃるある方が、選挙に出るという意思を持って政治団体を設立したとします。これは誰でもできます。政治資金としてこの団体に対して寄附を続けていって、あるときこの方が亡くなりました。この政治団体を息子さんなりに引き継ぐ、その場合、相続税はかからないということになると思います。相続税を回避できるんですね。
 このようなことは誰でもできる、そしてこれは合法であるということでよろしいでしょうか。
○星野政府参考人 お答え申し上げます。
 相続税は、原則として、死亡した人の財産を相続によって取得した人に課される税でございます。したがいまして、ある資金管理団体の代表者が死亡し、その子供が代表者に就任したとしても、その資金管理団体が保有する財産は代表者個人に帰属するものではありませんので、相続税の課税関係は生じないということでございます。
○後藤(祐)委員 政治家だけ認められた特別ルールなんです。政治家はこのやり方をすれば、政治家にまだなっていなくてもいいです、これから選挙に出ますという意思を持って政治団体を設立すれば、誰でもこのやり方で、政治資金を通じて相続税を回避することはできてしまうんですね。
 それで、これは安倍総理に伺いたいと思いますが、ただ、これは違法だということではないです。合法なんです。そのことを前提にお聞きします。
 総理のお父様である安倍晋太郎元外務大臣、きのうが御命日であったというふうに聞いておりますけれども、この故安倍晋太郎元外務大臣のところに、安倍晋三総理は一九八二年に外務大臣秘書官になられたと伺っておりますが、この八二年から安倍晋太郎先生がお亡くなりになった一九九一年までの十年間にわたって、晋太郎会、晋和会、夏冬会、この三つ、当時、指定団体という制度があって、御本人に対して企業なんかが寄附することができました。今はできません。それで、安倍晋太郎先生御本人がこの三つの団体に対して寄附をしています。六億四千万というお金が寄附されているわけでございます。
 この政治団体がどうなったかといいますと、これを調べるのは大変でした。安倍晋太郎先生の関係政治団体、つまり、安倍晋太郎先生を応援する政治団体というのは恐らくこのほかにもいっぱいあって、私が確認できた分だけ、いわゆる収支報告書は官報に掲載されておりますので、それで確認できた分だけここに掲載しましたが、一九九〇年末、つまり、まだ御存命であられた最後の年の段階でこれだけの繰越金がございます。つまり、安倍晋太郎先生の残された政治資金の合計額と思われるものが五億二千万程度あったわけでございます。
 それで、その次の年、一九九一年の五月十五日にお亡くなりになっています。それで、安倍晋三総理がその後を引き継いで、一九九一年末に、これらの団体の繰越金というのは三億三千万程度になっている。
 安倍総理に伺いたいと思いますが、このお父様、安倍晋太郎先生の五億二千万の、これは全部とはもちろん言いませんが、かなりの部分を安倍晋三総理が引き継がれたのではありませんか。
○安倍内閣総理大臣 今お尋ねのような政治団体の収支については、法令の規定に基づき官報等に公表されているものでありまして、収支報告書についても、法令の規定に基づきそれぞれ三年間公表されていたものと承知をしているところでございます。
 政治団体等、資金団体等につきましては、これはそれぞれ、それを管理する会計責任者等が安倍晋太郎である場合もありますし、そうでない場合もございます。いわば私が後継者として、彼らが、当時父を応援していた人々が、後継者として安倍晋三を応援しようと。ついては、こうした政治団体等についても、資金的に応援をしてもらおうというところについては、その後も応援を続けていただいたわけでございますが、他方、そうでないところもあったのも事実であろう、このように思います。
 もう随分昔のことでございますから、つまびらかには覚えておりませんが、いずれにせよ、法令にのっとってきっちりと処理をさせていただいているところでございます。
○後藤(祐)委員 違法とは申し上げておりません。その当時のルールにのっとっているとは思いますが。
 今御否定されませんでしたので、やはりかなりの部分を引き継がれたということだと思うんですが、安倍総理は、安倍晋太郎元外務大臣がお亡くなりになったときに、相続税は幾らお支払いになられましたでしょうか。これは通告しております。
○安倍内閣総理大臣 私が個人として納付した相続税については、私人としての活動に関するものであり、お答えする必要はないと考えております。
○後藤(祐)委員 お亡くなりになられた一九九一年から九三年ぐらいまでの安倍晋三総理がどっちに住んでいたのかわかりませんが、東京側あるいは山口側の高額納税者リストというのを私は全部調べました。これは所得税なんかも合わせてですが、一千万円以上の納税をされていればこの中に載るはずなんですが、お名前は見当たりませんでしたので、一千万以上の相続税は少なくともお支払いになられていないのではないかというふうに思われます。
 では、この相続税、仮に、先ほどの、安倍晋太郎先生が五億二千万残していた、これを現金でお持ちだったとしたならば、それを普通の相続があった場合、当時、奥様と総理と御兄弟の方がおられたと思うんですけれども、総理の場合のケースについては言いません。
 国税庁次長、一般論としてで結構です。五億二千万円の現金資産をお持ちの方で、一九九一年五月にお亡くなりになりました、妻と実の子供お二人がおられて、債務免除や葬式費用の控除等がなくて、他に財産を取得した者もない、法定相続分を相続し、遺産分割も全て終わっている、配偶者に対する相続税額の軽減以外の税制上の優遇措置もない、こういった条件をつけないと答えていただけないそうなので、という場合の、当時の計算式で計算した場合に、幾らの相続税をお支払いすることになりますでしょうか。
○星野政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま先生から、一般論として相続税額は幾らかというお尋ねがございましたけれども、相続財産に含まれる不動産、金融資産の種類ですとか、債務の状況ですとか、法定相続人の数、また相続放棄の有無といった個々の事情によりまして課税価格、課税状況が変わってまいりますので、やはり一概にお答えすることは難しいということを御理解いただきたいと思います。
○後藤(祐)委員 今、条件をつけて、事前に国税庁と打ち合わせをして、これだけの条件がきちっと示されればお答えできるということなので聞いたんですが、お答えいただけないようなんです。
 一億円弱になるそうなんですね、事前に聞いた計算によりますと。これがまさに政治家だけに許された租税回避策なんですね。タックスヘイブンだけではなくて、租税特別措置だけではなくて、政治家だけに許された租税回避措置なんです。
 総理、これは政治家、特に世襲の政治家だけに許されているんです。ずるいと思いませんか、総理。
○安倍内閣総理大臣 今、何かまるで私が相続税を払うことを回避しているようにおっしゃっているわけでありますが、当時は、政治資金については、個人と指定団体に寄附ができました、個人及び法人は。しかし、個人に対してしても、いわばこれは政治献金でありますから、政治の目的のために使わなければいけませんし、政治資金規正法上の対象になります。
 そして、今委員が挙げられたものは、安倍晋太郎の個人と指定団体。しかし、それを当時、平成六年以前の法改正において指定管理団体に統一すべきという方向が示されましたので、個人に行っていた政治資金を指定団体に移しているわけでありまして、これは個人の財産ではそもそもないわけであります。個人財産として相続税を払って私がそれを相続するというのは、むしろ、これは大変な公私混同であろうと思います。ですから、個人のお金と政治団体に対する寄附は別であります。
 そして、政治団体に行ったものの中において、私が、その団体を構成する後援会の関係者等の方々から、後継者として頑張ってもらいたい、その中で応援をしていこうという了解を得る中において、私がこれを受け継いでいるものもあれば、そうでないものもあるわけであります。
 ただ、今、後藤委員が言われたように、私の父が政治家であったがために、かなり私が優位な立場において、そうした政治資金を持って政治活動をスタートできた。確かに、大きなハンディキャップをいただいたということについては、私自身、肝に銘じなければならない、このように思っております。
○後藤(祐)委員 今認められていないんですが、当時は、会社から安倍晋太郎元外務大臣に対して寄附をして、その寄附を安倍晋太郎元外務大臣がこういう三つの団体に対して寄附をするという形ができました。
 つまり、これはお父様のお金なんです。少なくとも一旦はそうなっているんですね。安倍晋太郎先生のお金を、流れ流れて、いろいろな団体を通じて今安倍総理が、政治資金としてだと思いますが、扱うことができているというのは間違いない事実だと思いますし、そもそも、今ハンディキャップ、まあ逆ハンディキャップだと思いますが、これが認められているというのは、やはりちょっとおかしいと思うんです。
 政治団体というのは、ある特定の政治家を応援するためのものです。言ってみれば、読売巨人軍を応援する後援会というのがあって、あるとき、阪神タイガースを応援する後援会に名前を変えます、目的も変えます、こんなのはあり得ないですよね。
 何で、政治家を応援する団体が政治団体なのに、安倍晋太郎先生を応援する会が、安倍晋太郎先生がお亡くなりになったら、一度その政治団体を畳んで、別途、安倍晋三先生を応援する会に変えるべきなんじゃありませんか。
 つまり、政治団体の世襲は認めるべきじゃないと思うんです。俗に、地盤、看板、かばんと言われます。後援会、これは地盤ですね。知名度というかお名前、これが看板ですね。これにもいろいろな議論があると思いますが、ここを引き継ぐのはある程度仕方がない面があると思いますが、かばんの、つまりお金の引き継ぎは、余りそういう方を認めてしまうと、私なんかもう全くないところから始めましたけれども、非常に逆ハンディキャップが大き過ぎると思うんです。
 まあ、肝に銘じてということでございますけれども、やはり政治団体は、その目的とする政治家の方がお亡くなりになった場合には、一度畳んで別の政治団体を立ち上げるという形でやり直すべきだ、このようにルールを変えるべきだというふうに思いますが、これについての総理の御見解をいただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 これは、最初は相続税を回避しているかのごとくの質問でございましたが、どうやらそうではないようでございますが。
 いわば、政治団体あるいは後援会、例えば後援会もございますが、後援会の方々については、それはそう簡単に、別に安倍晋太郎の息子だからすぐおまえだということにはならないわけでありまして、そうであればそういう人たちはみんな当選しているわけでありますが、必ずしもそうはなっていないわけでありまして、その中において、応援してやろうということになれば応援をしていただけるわけでございます。
 また、政治団体、資金管理団体については、では、それまで集まっているものをどうしようかということで議論をするわけでございますが、その中において、では、ほかの候補をということもあるでしょうし、みんなで、これはそれぞれに戻そうかと。しかし、それぞれに戻そうかということも、実態、実務上はなかなか難しい課題もあるわけでございます。
 そういう中におきまして、私の場合は、一つ一つお話もさせていただきまして、応援していただければありがたいということでお話をさせていただき、応援していただいたところもあれば、そうでないところもあったということでございまして、今後も、恐らく、そういう急死された場合、亡くなられた場合、政治団体がどういう行動をとるかということについては、その政治団体の役員なりが話し合って決められることではないか、このように思います。
○後藤(祐)委員 残ってしまったお金をどうするのかというところが恐らく最大の課題なんだと思うんですよ。その問題がなければ、別のものをつくったっていいはずなんです。一度畳んでもう一回立ち上げるとした場合、その残金は国庫納付とかいうことになった場合、もったいないじゃないかというのは恐らくその背景にあると思うんです。
 では、百歩譲って、存続を認めたとしましょう。ですが、それは実質的な相続税の回避になっている可能性があるんです。
 ですから、ある団体から別の団体に立て直しをした場合に、では、税がどうなるのかということを考えると、例えば、今、政治団体間の移動は五千万円までは自由にできることになっていますけれども、そもそもこの場合というのは別の団体から別の団体に移す話ですから、相続税だったらどうなのだろうかということを計算に入れるとか、あるいは、今言ったように五千万円を上限にするですとか、いろいろなやり方があると思います。
 この存続する場合のお金の処理について、もう少し考える必要があるんじゃないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 いや、これは相続してはいけないんですよ、そもそも。相続税の対象になる私有財産ではないですから。これは政治献金として、例えばうちの父の場合は政治献金として来たお金ですから、当時は安倍晋太郎個人という形で来ますけれども、これは政治献金なんです。
 そして、かつ、その政治献金については、先ほど申し上げましたように指定団体に入れるということになって、これは届け出も指定という、指定、マル指 安倍晋太郎という形で区分されて、そこに出されているわけでありますから、これは当然、政治団体に行った政治資金として、かつ、これは政治資金規正法の、使途についても対象となるわけでありまして、個人のお金であればどう使おうが個人の勝手でございますが、ここはむしろ、ちゃんと峻別をしなければいけない点なんだろうな、このように思います。
 大切なことは、政治資金規正法上ちゃんと処理をしていく、法に求められる透明性をしっかりと確保していくということが求められているのではないか、このように思います。
○後藤(祐)委員 逆ハンディキャップがあるので肝に銘じてという先ほどのお言葉が、非常に寂しく感じられます。少なくとも、この安倍晋太郎先生の、御本人からですよ、御本人から寄附された、これについては御本人のお金なんです。(発言する者あり)御本人のお金なんですよ。これは法的に確認をしました、御本人のお金なんですよ。ですから、相続税の回避という意味合いがどうしても出てくるんです。だからこそ、特にその当時のルールが適用されている安倍総理におかれましては、やはり責任が大きいんじゃないのかなというふうに思います。
 きょうは、熊本地震、先ほどの話でいうと中九州地震という言い方の方がいいのかもしれませんが、これに関する補正予算の審議なので、少し最後に申し上げたいと思いますが、山尾志桜里政調会長からも、被災者生活再建支援法の改正案と提出の話がございました。住宅が全半壊した被災者の方に対して今最大で三百万円出ますけれども、これを五百万円に上げるべきだという話は、自民党が野党のときも提案されていたことであります。
 こういった租税回避策を厳しくすることによって税収を確保する、こういった形を別途講じれば、いろいろな財源が出てくるわけです。ぜひこれを五百万円に上げるべきだということを申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○竹下委員長 この際、大西健介君から関連質疑の申し出があります。岡田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。大西健介君。
○大西(健)委員 民進党の大西健介でございます。
 私も、先月の二十一日、二十二日と、午前中質問に立たれた松野委員とともに熊本に入りまして、避難所を回り、また、関係者の皆さんの声を聞いてまいりました。そこでお聞きをした声をもとに、厚生労働委員会等でもこれまで何度か質問をさせていただいております。地震の対応に与党も野党もありませんので、私どもとしても、しっかりと熊本地震の対応には協力をしていきたいというふうに思います。
 さて、会期末まで二週間余りとなりましたけれども、いまだに、甘利前大臣、一月二十八日の辞任会見以来、一度も国会に出てきておられません。
 自民党は、議院運営委員会理事会に、睡眠障害で一カ月の自宅療養が必要という診断書を出されて、そして、その後、三月の十五日ですけれども、さらに二カ月加療が必要であるという説明をされました。まさに、きのうがちょうど二カ月目に当たります。
 先ほど一時から議院運営委員会の理事会が開かれておりましたけれども、この場でも私どもの理事からこのことについて与党に御説明を求めましたけれども、与党からは、きょうの本会議の欠席届は出ているけれども、それ以降どうなのかはまだわからない、甘利事務所に確認をしたいということでありました。
 また、本日、私は、この委員会が開かれるに当たって、甘利前大臣に参考人としてこの委員会に出席をしていただきたいということをお願いいたしましたけれども、これも与党の反対で実現をいたしませんでした。
 睡眠障害というのは、前にも申し上げましたけれども、たった数時間も国会に出てこられない、そんな病気なんでしょうか。このまま、国会に一度も出てこないまま国会が終わってしまうということになれば、これは国会議員としての職責を果たすことも難しいということではないかというふうに私は思います。そういうことであれば、一旦おやめになって、そして病気を治すことに、療養に専念をすべきじゃないかなというふうに私は思います。
 総理は、繰り返し、自分に任命責任があるんだということをおっしゃっていますけれども、先ほども議運の理事会で確認させていただきましたけれども、きょうの欠席届は出ているということでありますけれども、もう国会は終わります。総理、何で甘利前大臣は出てこられないんでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 これは恐らく、甘利議員の方から国会に対して理由について述べておられるものと承知をしております。
○大西(健)委員 いや、繰り返し、総理は、私に任命責任があるんだ、そして、甘利さんはちゃんと説明してくれるはずだということを何度もおっしゃってきたわけです。そのことを言っていたのは、この一月二十八日の辞任会見のときはまだそれでもよかったのかもしれませんけれども、それから大きく状況が変わっているんですよ。
 今回、東京地検特捜部は関係先の家宅捜索を行いました。公的機関であるURに真夜中に捜索が入って、明け方まで大変たくさんの資料が押収をされた。これは、何もなければこんな捜索は行われないというふうに思います。
 それから、甘利氏の公設秘書であった清島氏、また政策秘書であった鈴木氏も、東京地検特捜部の聴取を受けました。
 これまで、一月二十八日の会見で甘利氏は何と言ってきたか。秘書がやったことだからということで責任転嫁することはできない、それが政治家としての美学だと、ここまで大見えを切られたわけです。それで、総理は、自分が任命責任を負っているんだとおっしゃった。そして、甘利さんにはちゃんと説明をしてくれるというふうに期待をしていると言ってきたけれども、この間、その秘書が聴取を受けているにもかかわらず、秘書に司直の手が伸びているにもかかわらず、甘利氏は雲隠れをしたまま、そしてだんまりを決め込んでいるんです。
 では、その甘利さんは、実は、一方で元気な姿が目撃をされています。我が党の議員の親族も、ニット帽にマスクをした甘利前大臣が赤坂の議員宿舎を出かけようとしているところを見た、そういう証言も得ております。
 そんな中で、四月十一日の週ですけれども、これは、十一日の週というと、まさに熊本地震が起きた週でありますけれども、甘利前大臣の地元の有権者のもとに手紙が届いた、こういう証言を私たちは複数得ております。
 私、ここに今、その手紙というのを持っているんですけれども、こういう、便箋のような小さいサイズのものです。この便箋のようなものですけれども、ぱっと見ると直筆のような感じでありますけれども、恐らくこれは直筆の手紙を便箋の用紙にコピーしたものというふうに思われますけれども、こういうものが、我々が知る限りでも複数の方に届いている。これは後ろには、平成二十八年四月吉日、甘利明拝と書いてありますけれども、こういうものが届いております。
 これは少し内容を御紹介したいと思うんですけれども、冒頭部分で、あっせん利得処罰法に当たるような事実は全くありません、その点は御安心いただきたいと存じますと書かれています。まあ、無実だというならば、堂々と出てこられて、私は説明されればいいんだというふうに思います。
 そして、後半部分にはこのように書いています。ここで、道半ばで倒れるわけにはいかないのです、皆様には現在いろいろと納得いただけないことがおありだと思います、よく承知をしております、そこは何とぞ初当選以来の私の三十三年間の歩みを信じていただき、引き続きの御支援をいただければと切に願う次第ですと書かれています。
 これは、まさにダブル選挙を想定して、支援のお願いを自分の地元の選挙区で配って歩いているわけですよ。国会をサボっているのに、ちゃっかりその選挙活動はしている。
 これはまさか、総理、今言われているように、解散をした瞬間に元気な甘利さんが出てきて、選挙運動をされるんじゃないのか。そうではないのかというふうに我々は思わざるを得ないんですけれども、そういう状態で、総理、甘利さんというのは自民党は公認されるんですか。これで国民の理解を得ることができるとお思いかどうか、総理にお尋ねしたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 今、委員はいろいろ想像で質問されておられますので、私も答えようがないわけであります。
 いずれにせよ、甘利元大臣は説明責任を果たしていかれる、このようにおっしゃっておられますから、そのようにしていかれる、このように思います。
 これは、政府であろうと、与党であろうと、野党であろうと、こうした政治資金の問題等については、しっかりと説明責任を果たしていくことが求められているんだろうな、このように思います。
○大西(健)委員 その説明責任を果たしていかれると思いますという答弁は何度もされているんですけれども、さっきも言いましたように、もう東京地検特捜部は強制捜査に入ったんですよ。そして、秘書も、公設秘書、政策秘書が聴取を受けているという状況です。
 ですから、全くその認識では私は甘いと思いますし、また、説明責任を果たしていないから、そして、果たさないまま、もう今、国会は終わろうとしているわけですよ。終わった瞬間に、何かしれっと気づかれないように出てきたりとか、今言ったように、解散した瞬間に元気に選挙活動するなんということになったら、これはやはり都合が悪いから甘利さんを隠していたということに私はなるんじゃないかというふうに思います。
 これは、これまでも何度もここで、ぜひ参考人あるいは証人としてこの委員会に呼んでいただきたいということをお願いしました。そしてまた、過去には、どうしても国会に出てこられない場合には、そのいらっしゃるところに委員が出かけていってお話を聞くということもできます、そういう先例もありますので、委員長、再度、もう国会は終わってしまいます、このままでは。説明責任を果たさせると総理は言っているんですから、ぜひ委員会としても甘利さんに説明責任を果たさせるべく、参考人要求をしていただきたいと思いますけれども、御検討いただけますでしょうか。
○竹下委員長 後刻、理事会で検討いたします。
○大西(健)委員 ちょっとURにもお聞きをしたいというふうに思っています。
 URは、甘利前大臣に現金を渡して口きき等の依頼をしていたと言われる交渉相手からURの職員が接待を受けていたという新たな事実を公表されました。
 そこで、まず確認をしたいんですけれども、この一色氏から接待等を受けていた職員というのは、交渉の内容とか金額を知る立場の者であったんでしょうか、いかがでしょうか。
○上西参考人 お答え申し上げます。
 当機構の職員二名がS社総務担当者から飲食の提供を受けていたことが、本人からの申し出等により、明らかとなりました。本人からの申し出によりますと、飲食代については、相手方の分も含めて既に返済しているということでありますが、こうした行動は、コンプライアンス上、極めて不適切であり、まことに遺憾だというふうに思っております。
 飲食を受けた二人は、補償担当と工事担当ということで、S興業との交渉の当事者でございました。
 以上でございます。
○大西(健)委員 今、御答弁があったように、交渉の当事者、つまり補償の内容とか金額を知り得る立場にあった人だということが明らかになりました。
 報道によると、今、御答弁にも一部ありましたけれども、飲食の提供を受けていたのは、千葉ニュータウン事業本部事業部工事チームのA氏と首都圏ニュータウン本部千葉業務部業務推進チームのB氏と言われています。
 特に、このうち工事担当のAという人は、私は、平成二十七年十一月十二日に千葉業務部で行われた一色氏との協議に同席をしたと思っているんですけれども、UR、これで間違いありませんか。
○上西参考人 御指摘の平成二十七年十一月十二日のS社との交渉記録におきまして、当機構の対応者を含む一定の情報を既に公開しているところでございます。
 御質問にお答えすることは、公表している協議録と合わせますと個人の特定が可能になるおそれがあるということでございます。国家公務員の場合も、人事院の公表指針により、処分が決まった後に所属、役職等、被処分者の属性に関する情報を個人が識別されない内容のもとにすることを基本として公表するものとされております。当機構においても、これに準じた取り扱いになるということでございます。
 現時点において、個人の特定が可能になるおそれのある質問については、お答えを差し控えさせていただくことで御理解いただきたいと思います。
○大西(健)委員 ここに至っても隠すんですか。うそをつかない方がいいですよ。A氏は、ここの十一月十二日にいたんです。この十一月十二日というのはどういう会合かというと、甘利氏の政策秘書の鈴木秘書がサトウという偽名を使ってこの席に同席をしていたのが十一月十二日なんです。そこに、この工事担当者Aがいたんですよ。
 週刊誌に一色氏が証言をしているところによれば、その四日後、十一月の十六日にA氏は一色氏に対して、ネットで鈴木氏の画像を調べて、工事チームの中で、この人、さっきやりとりした人に似ているという話になったと述べたそうです。この部分のやりとりはテープが残っていると書いてありますから、ですから、テープが公表されたら、うそをついたことはばれますから、そういううそはつかないでいただきたいというふうに思います。
 URは、これまで我々のヒアリングに対しても、この十一月十二日に同席していたのは、サトウと偽名を名乗った人が甘利氏の秘書だった方かどうかはわからないと言っていましたけれども、今申し上げましたように、その場にURの工事担当職員のAがいて、そしてAは、これは甘利さんの秘書だと気づいていたんですよ。
 つまり、こういうことなんです。パネルをちょっとごらんいただきたいんですけれども、これは、ここに三者書いてありますけれども、つまり、薩摩興業の一色氏はURの職員を飲食等の接待をしていた。接待をして、そしてそのURの職員からまさに金額の上積み等が可能なのかといった情報を得て、そしてそれを甘利氏の秘書に伝えて、かつ現金の供与等を行って、そしてURへの働きかけをしてもらっていた。
 つまり、ここに書いてある三者というのはみんなぐるなんですよ。ぐるなんです。ですから、この三者が十一月十二日に同席していた交渉というのは全くの茶番ですよ、みんな、ぐるの人間が一緒になって交渉しているという。これは全くの茶番で、上西理事長は、これまでこの委員会でも何度も補償交渉は適正に行われたと言っているけれども、これは、ぐるの人たちがやっているのがどうして適正な補償交渉というふうに言えるんでしょうか。
 先ほども言いましたように、一色氏から接待を受けていた職員は、私はこれは収賄罪に問われる可能性があるというふうに思いますよ。準公務員がその職務に関して飲食の接待を受けて秘密事項等を漏えいしていた場合は、これは収賄罪になるんです。
 仮に収賄罪で職員が捕まるなんということになったら、これは、上西理事長、どう責任をとられるつもりですか。
○上西参考人 最初の件にちょっと触れさせていただきたいと思いますが、甘利事務所と折衝していたのは当社の国会担当ということでありまして、千葉の担当者は面識は一切なかったということであります。
 十一月十二日にはサトウという人が同席していたということは事実なようでございますけれども、これは事後的にひょっとしてそうかもしれないというのを写真で確認しただけで、最初からぐるになってやったということではないというふうに思っております。
 それから、責任問題でございますけれども、これはいろいろな問題がありますが、全く仮定の問題でございますけれども、現在、我々、この問題については第三者の調査をお願いしておりますし、捜査当局の捜査を受けている、あるいは会計検査院の検査を受けているというその結果を見て考えていくということではないかというふうに思っております。
 以上です。
○大西(健)委員 先ほども言いましたように、これは三者はぐるなんです。その人たちが一緒の席にいた。
 私は、捜査の結果が出るのはもう間もなく、特に、二十五年八月に行われた二・二億円の補償というのはこの夏に時効を迎えるわけですから、間もなく何らかの判断が下されると思いますが、まず、そのときにはしっかりとけじめをつけていただきたいと思いますし、上西理事長は今までこれは適正な交渉だと言ってきたけれども、今私が言ったように、三者はぐるじゃないですか。これらのどこが適正な交渉なんですか。今まで国会でしゃべってきたことは、私は全くの虚偽だったと言っても過言ではないと思いますよ。
 上西理事長、どう責任をとるんですか。やめることもお考えなんでしょうか。いかがでしょうか。
○上西参考人 当委員会でも前から御説明していましたとおり、既に契約済みの三件につきましては、それ以前に甘利事務所と接触したのは、内容証明の確認ということで一回だけでございます。したがって、それでもって甘利事務所が我が社の補償金額に影響を与えたというのは考えにくいということでございます。(発言する者あり)いや、考えられないということでも同じことですけれども。
 今現在交渉中の件について、介入とか関与とかいろいろ言われているわけですけれども、これは一概には言えないわけでございまして、定義が明らかじゃないものですから。
 ただ、今まで甘利事務所から補償金の考え方の確認や面会の要請があったということは事実でございますが、補償金額を上げろというような御発言はなかったということで、そういうふうに認識しているというふうにこれまで委員会でお答え申し上げてきておりますけれども、現時点でそれを変更すべき新たな事象というのは、私どもとしては確認していないということでございます。
○大西(健)委員 まさに三者がぐるだということが私は新たな事実だと思いますよ。これまでの説明は破綻していると思います。
 時間がありませんので、これは間もなく、八月には時効を迎えますから、一定の結論が出ると思いますので、そのときには、上西理事長、URにもけじめをつけてもらわなきゃいけないし、甘利氏にもけじめをつけてもらう必要があると思います。
 次に、年金積立金の運用の問題。
 パネルをごらんいただきたいんですけれども、国民の虎の子の年金積立金が、株式に運用するのを倍増させたことによって、ここにありますけれども、専門家によると五兆円の損が昨年度出ているんじゃないかということが言われています。私どもの試算によれば、運用割合を変えなければプラス・マイナス・ゼロで済んだはずなんです。つまり、これは、五兆円というのは、まさに運用を変えたアベノミクスによる損が五兆円ということなんですね。
 総理は、この話をすると必ずこう言うんです、安倍政権になってからの方が運用益がいっぱい上がっているんだと。それは、株が上がれば運用益は上がります。下がれば損が出ます。私たちはそういうことを言っているんじゃなくて、まさにこの比率を変えたことによって損が膨らんだんです。プラス・マイナス・ゼロで済んだものが五兆円マイナスが出たということを問題にしているんですね。
 今回、まさにここに書いてありますけれども、これを例年七月の頭に公表してきたのを、七月二十九日にならないと公表しないと言っています。参議院選挙が終わるまで公表しない。
 そこで、まず総務省に確認したいんですが、独立行政法人通則法三十八条一項というのはどんなことを定めた条文か、また、これはGPIFに適用されるのかどうなのか、時間がないので簡潔にお願いします。
○上村政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘の独立行政法人通則法第三十八条は、毎事業年度の貸借対照表、損益計算書等の財務諸表等を作成し、各事業年度の終了後三月以内に大臣に提出する、そしてその承認を受けなければならないということを定めたものでございます。これは一項でございます。
 それから、御指摘のとおり、この条項は年金積立金管理運用独立行政法人にも適用されるものでございます。
○大西(健)委員 今の御答弁にあったように、年度終了後三月以内、つまり六月末までには、ここにも書きましたように、実は過去もちゃんと、運用委員会に報告をした上で、その後、主務大臣、厚労大臣に提出されているんです。過去三年度を申し上げますと、六月二十四日、六月二十日、六月二十一日に運用委員会に財務諸表が提出をされています。そして、六月二十四日、六月二十六日、六月二十七日と、いずれも六月末までに厚労大臣にちゃんと提出されているんですよ。ということは、昨年度分についても六月末には塩崎厚労大臣のもとにちゃんと提出されるんです。それで間違いないはずなんですけれども、それをなぜ参議院選挙が終わるまで隠すんですか。
 昨年度は、先ほど来申し上げているように、通年で運用比率を変えた最初の年度であって、プラス・マイナス・ゼロで済んだのが五兆円損したんです。ですから、これは年金の持ち主である国民にしっかりとそのことを、この運用割合を変えたことによって五兆円損した、五兆円に損が膨らんだ、プラス・マイナス・ゼロで済んだのが五兆円損したということをちゃんと参議院選挙の前に報告をすべきじゃないんですか。何で隠すんですか。
○塩崎国務大臣 これは何度も申し上げますけれども、年金資金の運用というのは長期的な視点でもってやっていくというのが基本でございまして、いつも、五年に一遍行われている財政検証、これも踏まえて二十五年先まで見通す、こういうことであります。
 とりわけ、安倍内閣になってから、今回の第二次安倍内閣になってから、経済政策がすっかり変わって、経済状況も変わりまして、デフレからの脱出を目指して、おおむねそれを脱するところまで来ているわけでありますが、当然のことながら、そういうことになれば経済前提は変わってきますから、名目賃金上昇率プラス一・七で、今、回していますけれども、その前の三年間、民主党政権のときはまさにベアなんていうのはなかったほど賃金は上がらなかった。しかし、今は賃金は上がるようになって、名目賃金プラス一・七で回すということは、やはり長い運用をよく考えた上でのポートフォリオを組むということで、新たなポートフォリオを組んだわけでございます。
 それで、今お話しになった独法の財務諸表の公表につきましては、確かに三カ月以内に届け出ということになっております。しかし、それは今答弁があったとおり、主務大臣の承認というのも当然要るわけでありまして、財務諸表等の公表については独立行政法人通則法において主務大臣の承認後に官報、公報等の手続を行わなければならない、こうなっています。
 平成二十六年の財務諸表は、平成二十七年八月四日に公表をされているわけでございまして、二十七年度のGPIFの財務諸表等の公表、そして公表も従来どおり独法通則法の定めにのっとって行われるものと考えておりまして、大臣の承認を受ける前の未確定の財務諸表を公表することは適当ではないというふうに考えているところでございます。
○大西(健)委員 今、承認して公表していると言っていましたけれども、その日付より前に、二十六年度だったら七月十日に公表しているんですよ。だから、承認して公表するより前にもう公表しているんじゃないですか。ですから、公表できるんですよ。
 私は、さっきも言いましたけれども、ちまたでは、熊本地震の被災者をよそに衆議院を解散してダブル選挙を打つんじゃないかなんてことが言われているわけですよ。国会が終わったら甘利氏は元気に出てきて選挙活動する、そして、選挙が終わったらこの七月二十九日にも五兆円の損をしれっと出してくる。総理、そういうことなんですか。そういうことじゃないというならば、そういうことじゃないということをおっしゃっていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
○竹下委員長 厚生労働大臣、手短にお願いします。時間が参っております。
○塩崎国務大臣 先ほど申し上げたように、長期的な視点で運用していますから、我々は別に隠すわけでも何でもない、隠す必要もないということは総理が答弁しているとおりです。
 そこで、今、大西先生の正しくないのは、業務概況書というのを七月二十九日に公表するとGPIFは言っています。これと財務諸表とは全く別物であって、概況ですから、概況は……(大西(健)委員「その前に出しているじゃないですか」と呼ぶ)もちろん、いつも財務諸表をこちらに提出してきますが、その後、概況書を公表して、そしてその財務諸表は有識者会議にかけ、大臣が承認をかけるんです。例えば、去年だったら有識者会議は七月十七日に行われて、承認は八月三日に行われています。
 したがって、こういうものは淡々とやるわけであって、我々は隠しもしませんし、隠す必要も全くなく、長期的な、年金財政上必要な資金をしっかりと確保するということでやっておるわけでございまして、概況書は例年どおり七月いっぱいに出すということで、ことしは七月二十九日に出すということを私どもに届け出をしているところでございます。
○大西(健)委員 終わります。
○竹下委員長 これにて岡田君、松野君、山尾君、玉木君、後藤君、大西君の質疑は終了いたしました。
 次に、藤野保史君。
○藤野委員 日本共産党の藤野保史です。
 このたびの震災で犠牲となられた方々の御冥福をお祈りし、御遺族の方々に謹んでお悔やみを申し上げます。また、被災された全ての皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 日本共産党は、四月十四日、発災当日に対策本部を立ち上げて、現地の党組織などと連携して復旧支援に全力を尽くしてまいりました。緊急に解決を必要とする課題については、この間、三次にわたって政府に申し入れも行ってまいりました。
 私も、四月二十四日と五月七日に現地に入りまして、直接被災者の方からいろいろな御要望をお聞きしてまいりました。その中で、被災者の皆さんの命と健康を守ることはいまだに緊急課題だと強く感じております。
 そこで、きょうは被災対応に絞って質問をさせていただきたいと思っております。
 避難所、あるいは避難所以外、さまざまな状況があります。それぞれの課題はあるわけですが、例えば食事一つとりましても、指定されている避難所でさえ、おにぎり一個とか菓子パン一つ、こういうところがまだ残っている。余震が続く中、気持ちは本当に落ちつかないわけですが、間仕切りがある、パーティションがある避難所は一部にとどまっていて、本当に精神的にも落ちつけない。私も、避難所やあるいは車の中でぐったりされている方の姿を何人もお見かけいたしました。
 政府は、発災翌日の四月十五日に通知を出されまして、被災者に対するプライバシーの確保、暑さ寒さ対策、入浴及び洗濯の機会の確保等、あるいは、食事ですね、メニューの多様化、適温食の提供、栄養バランスの確保、高齢者や病弱者に対する配慮等などを求めております。これが実現すれば、私は被災者に対する大きな支援になると思うんです。
 総理にお聞きしたいんですけれども、総理は、四月の二十三日と二十九日ですか、現地に入っていらっしゃる。益城、西原、熊本市など被災場所を、私も大体同じようなところに行かせていただきましたが、回ったとお聞きしております。二度現地をごらんになったわけですが、温かい食事の提供とかプライバシーの確保とか、いわば政府自身が出した通知が現場で実現しているとお感じになったでしょうか、総理。
○安倍内閣総理大臣 発災後、四月二十三日には益城町、南阿蘇村、熊本市を、そして二十九日には西原村、熊本市、大分県由布市をそれぞれ訪問するとともに、上空から被災状況を視察いたしました。
 そして、避難所にお伺いをいたしました。ボランティアの方々が既に入っておられまして、そうした方々の支援もあり、食事そして水等については改善もされておりましたし、警察から成るきずな隊の女性の職員がいろいろと、何か問題がありますかということを聞いておられました。また、DMATあるいは精神科の先生によるチームによるケアも行われていたと承知をしております。
 ただ、それぞれ体育館の中でプライバシーが確保されていたかといえば、そういう状況ではまだなかったわけでございまして、その後、避難者の数が、当時はまだ相当、十五、六万、十七、八万ぐらいが全体で避難をしておられた状況であったわけでありますが、今一万人ちょっとまで減ってくる中において、避難所をよりプライバシーも確保しやすくするよう、パーティション等についてきめ細かな対応を進めている。ただ、それは全てではございませんし、指定されていない避難所等もございますから、そういうところも含めて、きめ細かく対応していくべく努力をしていきたいと思います。
○藤野委員 今お話がありましたように、プライバシーの確保など、まだやはり政府自身が出された通知と現実、被災者が置かれている現状との間には大きなギャップがある。多少のギャップがあるのはよくあるといいますか、わかるんですけれども、私が現地で感じましたのは、このギャップが大変大きくて、これを放置すると被災者の命と健康を危うくするほどのギャップがあるというふうに感じたもので、質問をさせていただいております。
 例えば食事も、おにぎり一個と言いましたが、カップ麺とか、要するに炭水化物中心なんですね。一カ月たっても野菜とか肉がほとんどない。問題はやはり、糖尿病の方だとか高血圧の方だとか、そういう方も一律に同じ避難所なら同じメニューということで、本当にこれではむしろ健康状態が悪化していくという声もお聞きしました。
 入浴についても大変暑くなってきて深刻でありまして、今多くの被災者の方が家探しで大変苦労されていて、一日歩きづめで足が棒になって戻ってくるわけですけれども、避難所に戻ってもお風呂に入れない、あるいは家に帰っても給湯器が壊れたままという状況で、この一カ月で二回しかお風呂に入れなかったという方のお話もお聞きしました。
 きのうは熊本市は二十八度を超えておりましたけれども、衛生面から見ても、あるいは精神面から見ても本当にきつい状況、こういう状況を放置していてはやはりいけないというふうに思います。
 総理、このギャップを埋めるために政府自身がさらなる抜本的な対策をとる必要があると思うんですが、この対策についてどのように今後考えられているでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 詳しくは防災担当大臣から答弁させたいと思いますが、今御指摘になられたように、高齢者とか、あるいはまた障害者、あるいは障害のあるお子さんを持っておられる御両親、乳幼児等、特に配慮が必要とされた方々を初め、被災された方々お一人お一人の要望に応じたきめ細かな支援を実施するためには、避難所以外の駐車場などに避難されている方々も含めて、被災された方々のニーズを的確に把握することが重要でございます。
 そこで、私ども、民間企業の協力もいただきまして導入したタブレット端末を活用しながら、オンタイムで要望を出していただき、そしてそれに直ちに応えていくということをやっているところでございます。また、職員やボランティアによる丁寧な聞き取りも進めているところでございまして、障害者の方々が直面されている課題なども含めて、それぞれの避難所等のニーズの把握にも全力を挙げているところでございます。
 食事等も相当改善をしてきているのではないかと思いますが、個々に見るとまだそうではないところがあるかもしれませんが、そういうところがもしあれば、どんどんこれは直接政府の方に言ってきていただいてもいいのではないかと思います。
 今後、エアコンや扇風機等の設置による熱中症対策や、あるいはトイレの清潔保持等による感染予防対策、また手洗いの励行等による食中毒の予防、防止や、先ほど申し上げました間仕切りの設置等によるプライバシーの確保等、さらにしっかりと取り組んでいきたいと思います。
○河野国務大臣 かなり余震も続きましたし、市役所、町役場、村役場の方も被災をされましたので、当初、行政機能がかなり低下をしていたというのは事実でございます。
 物資については、何度も申し上げますが、国の方でプッシュ型の支援を行わせていただきまして、二百三十万食を超える食料を送ったところでございます。ようやく国、熊本県の職員あるいはほかの自治体からの応援の職員の方々に被災された自治体に入っていただいて、今行政を支援しているところでございます。ようやく避難所の個別のニーズが吸い上げられるようになってまいりましたので、この週末、十四日からはプル型の物資を送るということで、熊本県に今ようやくバトンを渡せるようになった、国はしっかりそれをバックアップしてまいりたい、そういう状況になったところでございます。
 そんな中で、いよいよ気温も上がってまいりましたし、梅雨入りも間近でございますので、そこの対応はしっかりやっていきたいと思っております。ホテル、旅館を用意して、支援が必要な方にはなるべく早く二次避難をしていただきたいと思っておりますが、やはり住みなれたところを離れたくない、なるべく近くの避難所にいたいという気持ちが強いのも事実でございますので、そこは被災された方々にしっかり寄り添って、今後の対応をやってまいりたいと思います。
○藤野委員 総理や大臣の答弁を聞いていますと、言っていらっしゃることや通知を出されている中身は今までの経験を踏まえたものになっていると思うんですが、現場がそうなっていない、このギャップがやはり認識されていないんじゃないかと改めて強く感じました。
 後ほど同僚議員も質問すると思うんですが、現実とのギャップというものをどう埋めていくのか。それを県や市町村任せでは、もう成り立たないことになっている。あるいはボランティアとかいうこともおっしゃいましたけれども、もうもたない。
 例えば、私も四月二十四日に益城町の総合体育館に行かせていただいていろいろな方に聞いた中で、京都からいらっしゃっている介護の専門職の女性の方がいらっしゃって、その方がボランティアで来られていたんです。いても立ってもいられないということで仕事を休んで来たけれども、もう少ししたら京都に戻らないといけない、こうおっしゃっておりました。
 ところが、五月七日にもう一回同じ場所に行きましたら、その同じ女性が働いていらっしゃって、どうしたんですかと聞いたら、一度京都に戻ったけれども、ここのことがどうしても気になって仕事をやめて来ました、こうおっしゃっていたんですね。ですから、こうした方々に支えられていると胸が熱くなりましたけれども、現場はそうやって何とか維持している状態で、通知で言っている、あるいは今答弁されたような水準までには到底達していないということで、これは早急に対応する必要がある。
 とりわけ、今回の震災の特徴は、阪神のように火事で大変になったとか、東日本のように津波で面的にやられたとかいうことではなくて、見た感じは益城とか大変なところはあるんですが、住宅に対する被害というのが大変大きなもとで、家にいられない、車中泊やテント泊という形で避難されている方が大変多い。
 私、熊本市長の大西一史さんからもお話を聞いたんですが、今避難所から自宅に戻る方もふえているというお話が総理からもありましたが、そうなってしまうと被災者の実態が途端にわからなくなる、こうおっしゃっていたんですね。
 今総理はタブレットでとかおっしゃいましたけれども、そういうやり方の問題ではなくて、実際に多くの方が車中やテントの中でどういう状況にあって、どういう要求を持っていらっしゃって、行政がどういう支援をすべきなのかという、その中身は現時点でどの程度把握されているんでしょうか。
○河野国務大臣 自治体もかなり行政能力を回復してきておりますので、かなり丁寧にニーズを吸い上げることができるようになっていると認識をしております。
 当初は二十万人弱の方が避難をしていらっしゃいましたが、今は一万人を少し超えるぐらいまで落ちついてまいりましたので、それぞれの避難所においてプライバシーをしっかり保つ、あるいはさまざまな支援の必要な方に福祉避難所と同じような支援をするようなことができつつございますので、五月の末までにしっかりと罹災証明を出し、六月中には仮設住宅を御用意申し上げてしっかりと新しいところへ移っていただく、そういうスケジュールを立てて、それを実現するべく自治体に頑張っていただいております。
 熊本県と国はそうした自治体の御努力を支援するためにかなりの人をお送りして支援をしているところでございますので、目標をきちんと実現できるようしっかりやってまいりたいと思っております。
    〔委員長退席、菅原委員長代理着席〕
○藤野委員 私が言っているのは、避難所にいる人が少なくなったからいいというんじゃなくて、逆に少なくなったもとで行政が把握できなくなっている、市長自身がそう言っているんです。だからニーズが何なのかそのものがわからないじゃないかという話をしているわけで、今の答弁は全く的外れだというふうに思います。
 それだけの方が誰の支援も得られない状況で暮らされている。私もお話を聞きましたら、一階と二階のアパートの真ん中がずこんと震災によって穴があいてしまったと。そういうところに、一階にも二階にもつい最近まで住まわれていたという方がいて、熊本の生活と健康を守る会の方はびっくりして転居先を探したというお話もお聞きしました。ですから、避難所にいないからとかいうことではなくて、やはり本当に被災者全体を視野に入れた支援が強く求められる、それが今回の震災の大きな特徴だというふうに思います。
 その上で、次に、住宅の再建についてお聞きしたいというふうに思います。
 安心して暮らせる住まいの再建というのは復興の鍵を握っている。とりわけ、今回は震度七が二回、その後も千四百六十回を超える余震が続いている。率直に言って、日本の建物の耐震基準はこういう事態を想定していない。ですから、多くの建物が被害を受けているというふうに思います。
 朝日新聞の五月十五日の被災地のアンケートを見ますと、避難している理由で一番多かったのが、自宅が壊れて住めない、これが百人中七十八人。生活再建をする上で不安に感じていることは、七十五人が住宅で、五十五人が資金ということでありました。そして、今行政に最も力を入れてほしいことは、住宅の支援が断トツで七十人という状況であります。ですから、やはり住宅と資金への支援、これが本当に求められている。
 にもかかわらず、今回の補正予算を見ますと、私たちも提起しております被災者生活再建支援法、この支援金のお金が三百万円に据え置かれたままになっております。大変残念なわけですけれども。
 私たち日本共産党そして野党四党は、五月十三日にこの改正案を共同で提出しております。支援金の上限を三百万円から五百万円に引き上げる、あるいは支援対象も半壊世帯に拡充することを検討して速やかに答えを出していく。ぜひ実現して、熊本にも適用したいと思っております。
 五百万円に増額しても効果は大きくないというような主張もありますけれども、そんなことはないと思うんです。支援金の上積みは、東日本大震災の被災地で実際に大きな効果を発揮しました。総理も東日本大震災の被災地には何度も足を運ばれている。お聞きしますと、総理就任後だけで陸前高田には二回、宮城の石巻には四回行かれているということで、よく御存じだと思うんです。
 例えば陸前高田では、震災後、国の支援金三百万円では家は建てられないということで、独自の支援制度をつくられて、県もつくられて、例えば、家をつくるだけじゃなくてそれをバリアフリー対応にすれば県から上限で九十万円支援されるとか、気仙地域の森林材を使えば今度は市から上限五十万円が来るとか、そういう制度がたくさんあります。
 オーダーメードのような制度なので、実際に受ける額というのは個人でそれぞれですけれども、大変効果は大きい。陸前高田でも、上乗せ分の百万円の違いで、それまでは公営住宅に入ろうと思っていた人が自宅の再建を決意した、こういう方がいたと聞いております。
 こうした制度は自治体ごとにたくさんあるんですが、総理にお聞きしたいんですけれども、被災自治体が震災後、国の三百万円に上積みする制度をつくっていることをどういうふうに感じられますか。
○安倍内閣総理大臣 今委員が御紹介をされたわけでございますが、それはまさにそれぞれの県が独自の判断で、もちろんこの三百万円についてはいろいろな議論があることは承知をしておりますし、家を建てかえようという思いの方々にとっては、これが多ければ多いほどありがたいという思いに当然なられるだろうと思いますし、再建しようという気持ちにもなられるんだろうなと思います。
 その中で、今の御質問は、そうした観点も含めまして、各県の独自色、地域の木材を使ったり等々について対応していく、あるいは耐震構造等も完備し、そうしたことも含めて支援をしていくということであろう。それは当然地域が独自でやっていくことでありまして、そうしたニーズに応えているものだろう、このように思います。
○藤野委員 やはり三百万円では足りないから、それぞれの自治体が独自の支援制度を上積みしている、その上積みによって被災者の背中を押そうということだと思うんですね。
 これは東日本だけではなくて、もう全国に広がっております。全国で実に三十三の都道府県が、国の制度に上乗せする、あるいは横出しする、こういう形で生活再建を支援する制度をつくってきているというのが到達点です。
 私、先日、岩手県の陸前高田のある水産会社の社長さんからお話を聞く機会がありました。その方はこうおっしゃっておりました。銀行は五十歳を超えるとなかなかローンを新しく組んでくれない、だからこういう支援金は本当に助かった、これがあったから自宅を再建する決断ができた、こうおっしゃっておりました。
 ほかのさまざまな業者の方も、困難があってもこれによって陸前高田のために頑張ろう、地域のために頑張ろう、こういう気になったとか、やはりこの土地で頑張らないといけないと思ったとか、こういう声が相次いだ。ですから、支援金を上乗せすることによって住宅再建をその土地でやろうという被災者の決断が促され、励まされた、これがこの間の教訓だと思うんですね。
 総理、やはり三百万円では足りないと上乗せした支援制度が各地で大きな役割を発揮しているわけです。これがやはりこの間の全国の震災の教訓じゃないでしょうか、総理。
○河野国務大臣 被災者生活再建支援法の増額は、ほかの制度とのバランスですとか、かつての災害とのバランス、あるいはこれは半額は都道府県が出している財源でございますので、そうしたことを考えると対応は慎重にせざるを得ないと思っております。
 これまでの災害を振り返ってみると、見舞金という性格を持っているこの支援金で住宅を再取得することはできないわけでございますので、我々がここから学ばなければいけないことは、やはりきちんと災害に備えた保険に入っていただく、そしてその保険に入っていただくのをふやすための制度を政府としてしっかりやっていくことが必要なんだというふうに思っております。
 これからの我が国の災害状況を考えれば、まずしっかりと三日分の備蓄をしていただくことと経済的に備えをしていただくこと、これをやはり国民の皆様にしっかりと考えていただかなければいかぬというのがこれまでの教訓だろうと思っております。
○藤野委員 今の答弁はとんでもないというふうに思うんです。
 ちょっとパネルを出させていただきますけれども、今二つおっしゃいました。見舞金だ、あるいは過去の震災とのバランス、公平性とかいろいろおっしゃいました。これはいずれも、私は、支援の増額を行わない理由にはならないと思うんです。
 例えば、見舞金とおっしゃいました。大体、この間の経過を知っていたら、こういう見舞金なんという言葉は使えないというふうに思うんですね。
 といいますのは、このパネルを見ていただきますと、これは、この間被災者生活再建支援法は二度改正されてきたわけですが、二度目の改正の際の附帯決議の抜粋であります。「被災地における住宅再建は、単に個人レベルにおける再建だけではなく、地域社会の迅速な復興のためにも極めて重要である。」と。ですから、個人レベル、いわゆるお見舞いだけではなくて、地域社会全体を速やかに復興していくためにも極めて重要だと。これは自民党も公明党も全会一致で賛成した附帯決議であります。
 この法律の目的、第一条にも、個人の再建だけではなくて地域の速やかな復興ということが明記されている。ですから、この法律の成り立ちから、あるいはこの間の改正の経過からいって全く当てはまらない。
 総理、総理にお聞きしたいんですが、この法律というのは、単に個人レベルにおける再建だけではなく地域社会の迅速な復興のためにも重要だ、これは同じ認識だと思うんですが、認識をお願いします。
○安倍内閣総理大臣 まさに生活を再建していくためのものでもございますので、当然、それぞれが住居をしっかりと構えて生活を再建……(藤野委員「地域、地域」と呼ぶ)再建していくということは、地域が成り立っていく上においても重要だろうと思っております。
○藤野委員 ですから、住宅再建というのは単に個人レベルの問題ではなくて地域社会全体の問題、つまり、支援金というのは単なる個人への見舞金ではないということであります。
 そして、もう一つおっしゃったのは、過去の災害との公平性とかバランスとかいろいろおっしゃいました。しかし、これも理由にならない。
 なぜなら、この法律自身が、阪神・淡路大震災の被災者の皆さんの粘り強い運動で、当時から過去との公平性とかいろいろ言われていた、それを乗り越えて、まさに乗り越えてつくられた、生まれた法律がこの法律だからであります。阪神大震災まではこうした制度はありませんでした。被災者の皆さんが先頭に立って、党派の違いを超えて、まさにこの法律ができた。
 その後も、全国のさまざまな被災、震災の経験を受けて二〇〇四年、二〇〇七年と法律が改正されて、当初百万円でした、それが三百万円に増額され、当時全壊だけだった対象、支援範囲が大規模半壊にも拡大される、あるいは世帯年収などの要件も撤廃されていく。ですから、この法律自身がどんどん拡充されてきた、まさに被災者の願い、被害の実態に対応する形でこの法律が変わってきた。
 ですから、公平のバランスとかいうものを乗り越えて、それを大きく前に動かしてきたのがこの法律であって、これが上限を引き上げない理由なんかには全くならないと強く言わなければならないというふうに思うんですね。
 もう一点紹介したいのは、過去の災害とおっしゃいましたけれども、その過去の災害の被災者の皆さんは何とおっしゃっているかということなんです。
 先ほど陸前高田の社長さんのお話を紹介しましたけれども、この方はこうもおっしゃっていました。熊本を見ていると私たちの経験が全然生かされていない、私たちの経験を生かして少しでもよくなってほしい、これが東日本大震災を経験した私たちの願いでもあるんですと。
 総理、過去の災害の被災者たちは公平性なんて言っていないんです。むしろ自分たちが味わった苦しみをこれから先の被災者に味わってほしくない、これが思いなんです。私たちの経験を生かして少しでも制度をよくしていってほしい、これが過去に災害を受けた人たちの声じゃないでしょうか。
 総理にお聞きします。過去との公平性というのは、上限を引き上げる、それを否定する理由にはならないんじゃないでしょうか。いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 この被災者生活再建支援制度は、自然災害によってその生活基盤に著しい被害を受けた方に対して、都道府県の相互扶助及び国による財政支援によって、最大三百万円の支援金を支給するものでございます。
 その意味におきましては、まさに国の財政支援だけではなくて都道府県の相互扶助も入っているということでありますが、このような制度の趣旨からすれば、被災者生活再建支援金の増額や支給対象の拡大等については、東日本大震災を初め、過去の災害の被災者との公平性、他の制度とのバランス、国や都道府県の財政負担などを勘案して検討すべきもの、このように考えております。
○藤野委員 全く答弁になっていないと思うんです。
 私が聞いたのは、まさに今幾つか挙げられたことがそうではないじゃないかと。とりわけ、過去の災害の被災者との公平性とおっしゃった部分については、当事者が、そうではない、むしろ私たちの経験を生かして少しでもよくなってほしい、これが東日本大震災を経験した私たちの願いでもあるというように言っているわけなんです。
 ですから、過去の災害の被災者たちと言うのであれば、むしろ増額を否定するのではなくて増額の方向に行くのがこの声に応える道じゃないですかという質問なんです。いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 過去の災害につきましても、最近起こった災害におきましても、まさに自力で自宅をこれから再建されようという方もおられるわけでございます。そういう方との公平性ということについては当然考えざるを得ないわけでございます。
 もちろん、多くの方々は、もしこれが増額されたらそれはよかったねという思いかもしれませんけれども、しかし、政府としては、税金あるいは都道府県の相互扶助の中で行っていく上においては、そこはやはり公平性という観点も忘れてはならない、このように思います。
○藤野委員 何度聞いても全く納得できないというふうに思います。
 財源とおっしゃいましたけれども、要はやはり税金の使い方の問題であって、税金の使い方を変えていく、何を優先的に使うのか、ここが問われる問題であって、これは全く理由にならないというふうに思います。
 例えば、今でも復興についての特別税というのを国民はずっと払い続けております。しかし、例えば法人税については一年前倒しでもう払わなくてよくなっているわけですね。同じ復興という課題について、例えば財源としてこういうものを考えるのはどうなのかということも含めて、税金の集め方、税金の使い方、ここにしっかりメスを入れれば、財源問題は何の障害にもならないというふうに思っております。
 そして、もう一点お聞きしたいんですけれども、二〇〇〇年十月には鳥取県西部地震というのが起きまして、当時は片山善博元総務大臣が知事をされていらっしゃいました。これは被災者再建支援法の第一次改定の前に起こった大変大きな地震で、大変大きな被害もあったわけですけれども、そのとき知事をされていた片山元大臣は国会でその後、参考人で発言をされております。
 といいますのも、当時知事が、当時非常に珍しかった住宅再建支援金、これを鳥取県独自につくられて、しかもその額も三百万円という、当時の国の制度よりもかなり思い切った額の支援をされたということもあって、その教訓や、なぜやったのかということを国会でお話しいただいたわけです。それをちょっと御紹介したいんですが、片山氏はこうおっしゃっております。
 住宅再建支援を発表した段階から被災地における不安というものがどんどん解消していきました、後で精神科のお医者さんに伺いますと、住宅再建支援を発表したそのアナウンスメントが被災者にとっては最大のメンタルケアになった、こうおっしゃっているんですね。最大のメンタルケアになったと。つまり、お金だけの問題ではなくて、将来の不安、どうなるんだと、いろいろあると思いますが、その大きな一つである住宅に対する不安が本当に解消された。
 総理はよく、被災者の方々の心に寄り添いながらとおっしゃいます。被災者の心に寄り添うというのであれば、不安の一番大きな柱になっている住宅再建支援、この問題でやはり大きなメッセージを出していただく、そのことが被災者の皆さんの心の負担を軽くしていく最大のメンタルケアになるんじゃないのかと思うんですが、総理、いかがでしょうか。
    〔菅原委員長代理退席、委員長着席〕
○安倍内閣総理大臣 住宅の再建というのは極めて重要である、このように考えております。
 例えば、住宅に半壊の被害を受け、みずからの資力では応急修理ができない方に対しては、災害救助法に基づく応急修理の支援が行われます。また、一部損壊の住宅等についても、耐震性等を向上させる改修を行う際には、社会資本整備総合交付金等によって必要な支援が行われます。
 いずれにせよ、政府としては、引き続き被災された方々の住宅再建を後押しするため、被災自治体と一体となって、被災者生活再建支援金の迅速な支給、これは、先般はこの支給がさきの地震においては迅速に行われなかったという反省も踏まえながら、今般は迅速な支給に心がけていきたいと思います。また、機動的かつきめ細かな支援策を講じてまいりたい、このように考えております。
○藤野委員 片山元大臣はこうもおっしゃっております。
 県で住宅支援制度を発表したときから、本当に見る見る皆さんが元気になった、顔つきが変わってきた、こうおっしゃるんですね。三百万円でさえこうなわけですから、これが増額されていけばその効果はもっと大きなものになるというふうに思います。その点でも、ぜひこれは決断していただきたいというふうに思います。
 そして、もう一点お聞きしたいんですが、先ほども指摘がありましたけれども、被災地の首長さんにも私はお話をお聞きしました。県知事、そして益城町長、熊本市長、西原村長ともお話をしました。四人全員の方がおっしゃっていたのが、やはり将来の財政負担が心配だ、こういう声であります。
 西原の場合は財政規模が三十数億円ということでありまして、もう既にあそこは仮設が一番進んでいるところですので、いろいろ工事はやっているわけですけれども、しかしそれが今後の負担になるとすれば、とてもじゃないけれども一般予算が三十数億では対応できない。
 あるいは、益城町長、西村町長にもお話をお聞きしました。益城の場合は大体予算が百億円であります。しかし、あそこは本当に大変なところですから、私が行ったときは、今百六十戸の仮設に着工していると。今後、少なくとも当時で千二十六の全壊がありましたので、それだけの規模の仮設が必要になる、こうおっしゃっておりました。
 熊本市も熊本県も同じように、自分たちの体力を超える事業が今後必要になると。熊本市長がおっしゃっていたのは、本当に何でも被災者第一、最優先でやりたいけれども、やはりちゅうちょする要因としてこの財政問題があるんだというふうにおっしゃっておりました。
 やはりここは、一刻も早く政府が、全額国庫補助する、地元負担はゼロだ、こういうメッセージを出すことが、今まさにさまざまなことを被災者最優先でやろうとする、そのちゅうちょを取り除いていく、これにとって一番大きな支援になると思うんです。
 この全額国庫補助、やり方はいろいろあると思うんですが、これをメッセージとして総理に一刻も早く出していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 住宅の確保や生活再建支援金の給付などの被災者支援に要する経費については、現時点で明らかになっている被害に対応するだけではなくて、今後の被害拡大にも十分対応できるように、今般の予算でも七百八十億円を見込んでおりますが、さらに七千億円を計上しておりまして、今後新たに出資が必要となった経費についてはこれをしっかりと活用していきます。このように、本補正予算は、余震が続き被害状況が拡大する可能性にも配慮しつつ、被災地に必要な支援を行う上での十二分の備えを整えるものであります。
 そしてまた、今後、安心した生活が戻るまで全面的に我々はバックアップをしてまいりますが、被災自治体にも安心して復旧復興を進めることができるように、できる限りの支援を講じていきます。その自治体、自治体の財政能力を超える負担を負わすようなことは絶対にありませんから、まずは、やらなければいけないことはちゅうちょせず、自治体にはちゃんとやっていただきたい、しっかりとやっていただきたいと思います。我々はしっかりとバックアップしていく考えであります。
 今後、まずは提出させていただいた本補正予算を活用して復旧に万全を期すこととしておりますが、その上で、個別具体的な被害状況や必要となる復旧事業等の内容を詳細に点検、精査して、各自治体の財政状況に丁寧に目配りする中において、国庫補助の拡充強化、またこれに伴う地方負担に対する地方財政措置の充実等も含めて、さらにどのような対応が必要となるかを検討し、必要な財政支援はしっかりと行ってまいります。
○藤野委員 最後になりますけれども、被災者生活再建支援金の問題ですが、政府は、上限を増額する、これを否定する理由として幾つか挙げておりました。見舞金だとか、過去との公平性とか。しかし、これはいずれも理由にならないということが明らかになったと思います。できないという理由が説明できない。できないという理由がないわけですから、これはできるということだというふうに思います。
 総理はできることは全てやると繰り返しているわけで、この決意に間違いがないというなら、この上限引き上げに踏み出すべきだということを強く求めて、質問を終わります。
○竹下委員長 これにて藤野君の質疑は終了いたしました。
 次に、馬場伸幸君。
○馬場委員 提案型実行政党、おおさか維新の会の馬場伸幸です。
 質問に先立ち、このたびの九州での大震災、被害に遭われました皆様方全てに心からお悔やみを申し上げたいと思います。そして、一日も早い復興に関しましては、我が党も与党と協力をして、一分一秒でも皆様方の生活が完全に復旧されるよう協力をしていきたい、このことを申し上げておきたいと思います。
 まず、震災対応補正予算、こういった質問、本題に入る前に、民進党の政調会長であります山尾議員さん、きょうも大活躍を予算委員会でされておられましたが、安倍政権が男尊女卑政権だという発言がございました。
 これは本当にひどい発言で、私は懲罰に値するんじゃないかなというぐらいひどい発言なんです。我々の政党のある議員のことをいろいろおっしゃる前に自分たちの発言もまずきちっと正していく、そういうことを申し上げておきたいと思います。
 そして、山尾議員の件に関しましては、先般から、有権者への花代また香典、こういうものが支出をされているという報道がございました。
 この山尾議員を初め、東京都の舛添知事、高額な出張と政治資金の使い方はおかしいんじゃないか、こういうことも言われておりまして、こういう政治家とお金の問題というのは古くからたくさんある問題でございます。このことをやはり根本的に解決しなければ、私は国民の政治への信頼というものがますます低下をしていくのではないだろうかというふうに考えております。
 そして、山尾議員は、自身の選挙区内の有権者に対して花代や香典というものを合わせて四万四千円余り支出していたと記者会見でこの間説明をされました。加えて、山尾議員は、自身が支部長を務める政党支部であれば花代や香典を支出しても公選法では禁止をされない、こういうことが民主党の、民進党の、名前がころころ変わってよくわかりませんが、民進党の統一見解でありますというふうにおっしゃいました。これは後に岡田代表が、いやいや、それは民進党の統一見解ではない、民進党の、何と言ったかちょっとはっきり覚えていませんが、弁護団の見解であるというような説明を記者会見でされた、そういう報道もあります。
 そこで、きょうは総務省選挙部の方から御出席をいただいておりますが、この山尾議員の選挙区支部、選挙支部による有権者への支出、これは公職選挙法上何も問題がない、そういう見解をお持ちなのかどうか、まずお聞かせいただきたいと思います。
○大泉政府参考人 お答えいたします。
 総務省としては、個別の事案につきましては実質的な調査権を有しておらず、具体的な事実関係を承知する立場でございませんので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
 その上で、一般論として公職選挙法について申します。
 公職選挙法第百九十九条の二におきましては、公職の候補者等、これは公職にある者を含みます。それから後援団体、公職選挙法百九十九条の五で、特定の候補者等を推薦、支持することが政治活動のうち主たるものと定義されております。これらにつきましては、当該選挙区内にある者に対して原則として寄附してはならないとされております。
 一方、一般の政党の支部につきましては、政党の一分枝でございます。候補者等の関係以外の諸般の政治活動を行うとも考えられますことから、後援団体には一般に当たらないものと解されております。公職選挙法百九十九条の三につきましては、公職の候補者等が役職員または構成員である団体に関する規制がございまして、これには、当該選挙区内にある者に対し、これらの者の氏名を表示し、または氏名が類推されるような方法で寄附をしてはならないということが書いてございます。政党の支部の方はこちらの方に当たるというふうに解されております。
 いずれにいたしましても、具体の事例につきましては、公職選挙法に抵触するか否かにつきましては、個別の事案ごとに、具体の事実に即して判断されるべきと考えております。
○馬場委員 違法なのか適法なのか、よくわからない御説明でございますが、山尾議員が会見でおっしゃったように、政治家本人とか後援会が有権者のために寄附をするということは違法であると。党の支部、今の御説明では何か、グレーだけれども黒に近いかなと。でも、この場ではなかなか、はっきりとしたことはお聞かせいただけない。
 通常、私もそうですけれども、私がつくる名刺とかポスターまた機関紙、こういうものには大体、おおさか維新の会大阪十七選挙区支部とか、大概ここにいらっしゃる国会議員の皆さん方は、ほとんどの方がそういうことをされていると思います。したがって、長期間政治家をしますと、ああ、あの方は愛知県の第何とか選挙区支部の支部長さんなんだなということは有権者に浸透してくるわけでございまして、名前を出す出さないということもあるかもわかりませんが、そこは私はなかなか有権者の理解は得られないのではないかと。
 これは、総理、はっきりと、政党の支部では寄附はできない、こういう明文化をするべきだと思いますが、総理の見解はいかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 公職選挙法においては、お金のかかる選挙を是正するために寄附禁止の規定が設けられ、順次強化されてきたと思います。すなわち、当該選挙区内にある者に対する寄附は政治家本人によるものは原則として禁止されている、他方、政党支部によるものについては原則禁止されていないが、政治家本人の氏名を表示し、または氏名が類推されるような方法による場合には禁止されているということでもあります。
 これは政党支部は政治家個人の後援団体には当たらないと解されているためではありますが、いずれにせよ、政党支部からの寄附の規制のあり方を含め、選挙運動や資金のあり方についてはまさに選挙制度の根幹にかかわる事柄でありまして、各党各会派において御議論をいただきたいと思います。
○馬場委員 名前が出なければいいという考えは、今総理がおっしゃいました。この立法精神からしますと、やはりお金のかからない政治を目指していくんだということから鑑みて、名前が出なければいいというものではないと思いますし、愛知県民進党第何とか選挙区支部の支部長となりますと、一人しかいないんですね。支部長が二人も三人もいるような選挙区支部はありませんので、誰なのかということはすぐに類推ができるということになると思います。
 ぜひ、総理、これはリーダーシップを発揮していただいて、きちっと明文化すればいいだけの話ですから、きちっと禁止されるように、段取り、手配をお願い申し上げたいと思います。
 あわせて、これは出る方の話ですけれども、私たちは入りの方も、企業・団体献金の廃止というものも訴えておりますし、過去において法案も提出をいたしました。我々は、この法律が通る通らないという以前に、もう既に企業、団体からの献金を禁止しております。このことについても、やはり冒頭に申し上げました政治への信頼という観点から検討をお願い申し上げたいということを、まず冒頭に申し上げておきたいと思います。
 それでは、本題の方の熊本地震への対応についてお伺いをしていきます。
 地震が起こりまして、我がおおさか維新の会は、翌日に、福岡選出の河野代議士、沖縄の下地代議士、そして参議院の室井参議院議員、この三名を熊本の方へ派遣いたしました。日帰りで帰ってまいりましたが、いろいろな状況を見て被災者の方からお話をお聞きして、早速、パネルをつくっておりますけれども、提言をまとめまして、四月二十日に安倍総理に対して、復興に関する緊急提言というものをお届けさせていただきました。
 七項目ございまして、上の三つが復興対策の内容でございます。そして、次の二つが復興のための財源ということでございます。最後の二つは防災における地方分権の必要性という観点で、この提言をまとめております。
 全部質問させていただきますと到底時間が足りませんので、この中から、本日は財源問題についてお聞きをさせていただきたいと思います。
 この予算委員会も七千七百八十億円という補正予算の審議をするということでございますが、まず、財務大臣、この七千七百八十億円の調達方法、どういうふうに予定をされているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○麻生国務大臣 今回の補正予算におきましては七千七百八十億円ということを今審議をお願いしておりますが、この財源に関しましては、現在出しております九十六兆七千二百十八億円の今年度予算の国債費のいわゆる金利、国債費という勘定科目になっていますけれども、その辺から減額させていただくことをもって財源として確保させていただこうと思っております。
○馬場委員 片方、東日本の際の復興財源の調達について、財務大臣、御記憶にあればお答えいただきたいと思います。
○麻生国務大臣 野党でありましたので、明確なことを申し上げる立場にないと存じます。
○馬場委員 それでは、東日本の際の復興財源ですが、調達方法というのはいろいろございます。
 その中で、先ほど共産党の委員の質問にもございました、復興所得税というものがございます。これは、企業と国民にお願いして所得税を割り増しして、それを復興に充てていくというものでございます。また、国会議員の報酬も二年余り二割前後カットをしたり、国家また地方公務員の給与も削減をして、この議員と公務員の給与削減で一兆千四百億円の予算を生み出しております。
 問題は、企業また国会議員の方はもう既にこの削減というものが終わっているんですね。企業は当初三年の予定でスタートをしましたが、一年前倒しをして既に終了しております。国会議員もなぜか、いつの間にか、平成二十五年度で削減を終了してもとの給与に戻っているということなんですが、国民側だけが何と平成四十九年まで二十五年間にわたって所得税から復興に対する財源を徴収されている、一年間で何と三千億円のお金を国民から徴収しているということなんですね。
 片方、国家公務員のもとに戻したそのアップ分、この金額が年間で二千九百億円。これは、国民の所得税のアップ分を先に前倒ししてやめて、そして国会議員とか公務員の給与の削減をずっと続ければ、同じだけの財源が確保できるという計算になります。
 また後で消費税の増税の話もしますけれども、私はこれは集めやすいところから集めているんじゃないかと。所得税も源泉徴収で徴収をしています。したがいまして、毎月の給与明細書をじっと見る方でないとこの仕組みにはなかなか気づかない。最初、えっ、何ということをするんやというふうに思われた方もたくさんいらっしゃったと思いますが、もうあれから五年近くたって、そういうことには記憶がなくなってきているということになっているんじゃないかなと思います。
 九州の復興財源もこれから一体幾ら要るのか、きょうの委員会の議論を聞いてもよくわからないということでございます。総理は、午前中の答弁の中でも、できる限りのことを震災に遭われた方々の心に沿う形でやっていきたいということを再三再四答弁されておられました。
 私は、そういうお心があるのであれば、まず隗より始めよで、国会議員の給与の二割カットを復活させる。与党自民党さんであれば、自民党さんから発案すれば、過半数あるわけですから、これはすぐに通るわけなんですね。
 ですから、心というのはなかなか見えませんので、お金か何か、物であらわさないと私は心というのは見えないと思いますので、総理、ぜひこれは決断してやっていただきたいと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 議員歳費についてでございますが、これは政治活動に係る費用の問題でございまして、議員活動、ひいては民主主義の根幹にかかわる重要な問題でありまして、そのあり方については、歳費のみならず費用全体について多角的な観点から、これはいつも申し上げていることで恐縮なんですが、各党各会派において議論して結論を得るべき問題であろう、このように思います。
 また、国家公務員の総人件費につきましては、国家公務員の総人件費に関する基本方針において、職員構成の高齢化等に伴う構造的な人件費の増加を抑制するとともに、簡素で効率的な行政組織、体制を確立することによって、その抑制を図ることとしているところでございます。
 なお、ちなみに、総理大臣である私はもう既に三割カットしておりまして、これはまだカットしたままでございますし、閣僚も二割カットしているところでございます。
○馬場委員 総理もよく議会の方でという答弁をされますが、総理は自民党総裁でございますので、党の最高責任者というお立場であります。総理が幹事長さんなり財務大臣に指示を出せば、物事が前を向いて動いていくということになるわけでございます。
 また、公務員の人件費というのは、どこの地方自治体も年々下がっていっております。そういう努力を地方自治体はしています。しかし、国の方では毎年ふえるという傾向になっておりまして、数百億円単位で、五百億円とか四百億円とか、そういう単位でどんどんふえていっているというのがここ五、六年の傾向なんですね。
 ですから、ぜひ我々のこの提言をよくお考えいただいて、我々は実は既に、給与の二割分掛ける所属議員、二十二名おりますので、二十数万円掛ける二十二名で五百万円を熊本と大分に義援金として寄附させていただきました。
 私は、この通常国会の冒頭でも代表質問に立たせていただいたときに、先憂後楽という言葉を使わせていただきました。我々政治家は、やはり国民より先に憂う、まず国民のためにいろいろな手だてを考える、施策を打っていく、国民の不安を少しでもなくすようにする、そしてそれが解消されれば先に国民にそれを楽しんでいただいて、後で我々政治家がその楽しみを享受するという意味の言葉です。
 まさしく復興対策はこの言葉が当てはまるのではないかというふうに思いますので、自民党さんも何か寄附を集めているということは仄聞をいたしました。一人一万円以上と。子供の小遣いじゃないんですから、一人一万円以上というそんなみみっちいことをせずに、企業、団体からも献金を受けているんですから、ぜひ大きい金額をばんと被災地に送っていただいて、そして……(発言する者あり)失礼じゃないんですよ。失礼じゃないんですね。これは事実でありますし、震災の皆様方の心に添うためにはそういうことを行わないとだめではないかということを提言しているわけでございまして、一人一万円以上というのは事実でございますので、全く失礼ではないということを申し上げておきたいと思います。
 最後に、消費税の問題でございます。
 これは再三再四、総理もいろいろと会見等でもおっしゃっておられますし、関係閣僚も会見でいろいろな御発言がございます。
 我が党の河野代議士が、先般のこの補正予算を審議する代表質問で、このことについて総理にお聞きをいたしました。もう一度私の方から御質問をさせていただきたいと思いますが、この状況で消費税の増税は延期すべきではないかということを再三再四我が党は申し上げておりますが、これに対するお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 来年四月の消費税率一〇%への引き上げは、世界に冠たる社会保障制度をしっかりと次の世代に引き渡していく、その責任を果たすためのものであります。と同時に国の信認を確保するためのものでありまして、リーマン・ショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り予定どおり引き上げていくという従来の方針には変わりはありませんが、いずれにせよ適時適切に判断してまいります。
 また、世界経済の下方リスクと脆弱性が高まる中、伊勢志摩サミットでは、G7がリードして世界経済の持続的かつ力強い成長を牽引するため、力強いメッセージを打ち出したいと考えています。その中で、世界経済の現状についても議論していきたいと考えております。また、そのための材料として、これまで開催してきた国際経済分析会合の議論を精査してきたところでございます。
 いずれにせよ適時適切に判断をしていきたい、このように考えております。
○馬場委員 本会議のときと同じような御答弁でございますが、リーマン・ショックか、もしくは大震災、大災害が起きない限りは実行するという御答弁なんですが、この九州の地震というのは総理のお考えでは大震災、大災害ではないという御判断なんでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 熊本地震については、被災者の生活再建と被災地の復旧に全力を尽くしてまいりますということに尽きるわけでありまして、いまだこのお尋ねについてお答えする段階ではないと思います。
○馬場委員 現在の国民の平均給与、これは我々の試算によりますと四百十五万円ということでございます。いわゆる国民負担、税と社会保険料等の負担、こういうものは百八十二万円ということになっておりまして、実際手元に残る可処分所得というんですか、これは二百三十三万円が平均という状態でございます。
 こういう中で消費税を上げる、また復興所得税も、公務員さんは先に削減をやめたり国会議員は二割カットをやめたりしているにもかかわらず、平成四十九年まで二十五年間も御負担いただき続けるという状態なんですね。ですから、どうしてもやはり国民側からすると、取りやすいところから取っているんじゃないんですかというのが率直な感想だというふうに思います。
 震災による経済への影響、九州はしばらく経済の成長というものが見込まれない状況が続くだろうということは衆目の一致するところでございますし、可処分所得がどんどんどんどん、これも何年も減っていっているんですね。平均給与は落ちていく、税と社会保険の負担がふえていく、そして可処分所得が減っていく。
 私は、地元を回ってみて、やはり景気がよくならない、大阪も景気がよくないんですね、地方は全然景気がよくないと思います。こういう状態が続いているのは個人の可処分所得がふえないから、これはもう間違いのない事実だというふうに思いますので、消費税の増税、これは三党合意があるとかいろいろな理屈もあるんでしょうけれども、ぜひ総理の英断でこの消費税の増税再延期ということで、解散をせずに、これは国民がみんな喜びますから。安倍総理、何してくれるんやと言うような国民は一人もいませんので。
 解散で信は一度問いかけましたので、結論も出ています。したがいまして、解散をせずに、消費税の増税、ぜひ延期をしていただきたいということをお願い申し上げまして、私からの質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○竹下委員長 これにて馬場君の質疑は終了いたしました。
 これをもちまして各会派一巡の基本的質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○竹下委員長 これより締めくくり質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩屋毅君。
○岩屋委員 自民党、大分の岩屋毅でございます。
 まず冒頭、今回の熊本、大分の地震において亡くなられた方々に心からお悔やみを申し上げたいと思います。また、被災をされた方々に心からお見舞いを申し上げます。
 安倍総理には、早速二度にわたって被災地にお越しをいただきました。本当にありがとうございました。
 また、発災以来、昼夜を分かたぬ御努力で対応していただいている関係大臣、また役所の皆さんに、きょうは大分は衛藤征士郎先生と私がこの委員会室におりますが、被災地大分県を代表して、心から敬意を表し、お礼を申し上げたいというふうに思います。
 また、早速に激甚災害の指定をしていただきまして、七千七百八十億円の補正予算も編成をしていただきました。ありがとうございます。
 予算のつくり方についていろいろ議論もありましたが、麻生大臣がおっしゃったように、まだ千四百六十回の余震が完璧に終わったわけではありません、現在進行形の災害でございますから、こういう形で機動的に対応できる予算をつくっていただいたことにもお礼を申し上げたいと思います。また、そのことに理解をし、協力をしていただいた野党の皆さんにも敬意を表したいと思います。
 しかし、きょうの質問を聞いていて、ちょっと残念に思いました。被災県の方々は非常に残念な思いで一部の野党の皆さんの質問を聞いていたのではないかなと。今回の予算は復興一本でございますから、まさにこの問題に終始をして、国会全体として被災地、被災者にエールを送ると言うべきではなかったかなということは申し添えておきたいと思います。
 ところで、総理、被災地の皆さんが一番頼みにしているのは、やはり政権の強い意思でございます。総理は、湯布院に来ていただいて、由布院駅から出発して町を歩いていただいたんですが、総理がヘリで立たれた直後に、また震度五ぐらいの地震がありまして、由布院の駅のガラスが割れました。そういう進行形の中を総理が来ていただいて、みんなを励ましていただいたということに本当に県民は勇気をいただいたんですが、いま一度、熊本、大分の地震の復興にかける総理の決意を聞かせていただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 二回にわたり被災地を訪問させていただきました。また、湯布院にもお邪魔をさせていただきました。いまだ、被災地全体では困難な避難所生活を強いられている方々がおられます。一日でも早く安心して生活できる住まいを確保するために全力を挙げていきたいと思います。
 また、湯布院を訪問した際には、別府の皆さんもお越しをいただいておりました。これからまさにたくさんの海外からの観光客がやってくるので、しっかりと湯布院あるいは別府に来てもらいたいという意気込みであったときにこの地震があって、それぞれの施設も被害を受け、かつ大変な風評被害的なものもあるのも事実である、しかし、そういう中でも何とか雇用を頑張っていこう、守っていこう。そしてまた、温泉町を中心に商店街もありますから、しかしそういうところもやはり観光客の皆さんが来なければなかなか成り立たないという中において、どうしようかという不安を抱えておられました。
 私たちも、そういう不安を抱えている皆様の気持ちに寄り添いながら、しっかりと皆さんの笑顔が戻るまで全力を尽くしていきたい。全力で国としても支援をしていく決意でございます。
○岩屋委員 今総理もお話しいただいたように、当面、一番心配なのは、特に観光面での風評被害なんですね。
 観光業というのは、年末、正月、ゴールデンウイーク、お盆、夏休み、ここらがまさに稼ぎどきなんですが、このゴールデンウイーク、熊本は八五%の宿泊者減、大分県は七〇%の減、九州全体でも四割の減ということで、大変なダメージを受けました。これは夏休みまでに何とか取り戻していかないと、観光事業者のドミノ倒産、失業者の発生、あるいは九州経済全体の失速ということにつながりかねないと心配しております。
 当面は資金繰りが一番大事なので、これも積み増されていく可能性があるので、今どういう対応を政府はとっていただいているか、経産大臣、ぜひお願いしたいと思います。
○林国務大臣 御指摘のように、宿泊施設への被害が大変大きい熊本県、大分県はもとより、九州各地において、書き入れどきであるゴールデンウイークに宿泊予約のキャンセルが相次いでおりまして、観光産業にかかわる事業者の方々が大変苦しんでいるというふうに承知しておるところでございます。
 こうした中、経産省は、中小企業の資金繰り支援として、通常の保証とは別枠で、借入額の一〇〇%を保証するセーフティーネット保証四号の措置を講じているところでございまして、熊本県を初めとして、大分県、鹿児島県、長崎県を順次対象としてきております。今後、九州地域のその他の県からも、地震の影響が大きいとしてセーフティーネット保証四号の指定について要請があれば、積極的に対応してまいりたいと思っております。
 いずれにしても、観光業の方々を含め、今般の地震により影響を受けた中小企業の資金繰り支援に万全を期してまいります。
○岩屋委員 大臣、ぜひ機動的な、柔軟な対応をお願いしたいと思います。
 それから、国交大臣に幾つかお願いがございます。
 資金繰りだけではこれはやはり解決しない。お客さんが戻ってこなくちゃいけないわけですね。お客さんを戻すための手だてを、ぜひ観光庁、国交省、しっかりやってもらいたいんです。
 例えば、九州観光推進機構という組織が今でき上がっておりますので、ここを通じて、これは熊本、大分のみならず九州全域に被害が及んでいますから、九州旅行クーポンみたいなものを発行していただいたり、あるいは、今、国道の一部はとまっていますけれども、高速は突貫工事でようやく復旧していただいたので、これが命綱ですから、期間を限定して高速道路を九州においては割安にするとか、あるいは、今、東北三県、沖縄で認めている中国人観光客に対する特別なビザを熊本、大分に認めていただくとか、そういうことをぜひやっていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○石井国務大臣 九州地方の観光団体や自治体から、宿泊費などが割引となるいわゆるプレミアム旅行券、クーポン券についての強い御要望をいただいております。私も昨日、熊本県の阿蘇市、大分県の由布市に参りまして、直接、業界の皆さんから御要望を伺いました。
 これは、九州の観光地への旅行需要を回復するための呼び水としての期待が高いというふうに聞いておりますが、現在、地域ごとのニーズの詳細を把握するとともに、どのような形で対応することが適切であるのか、関係省庁とともに検討しているところでございまして、地域の意向をしっかりとお聞きしながら、ことしの夏休みなど、お客様がたくさんいらっしゃる時期を逸することのないよう、速やかに対応してまいりたいと存じます。
 そのほか、高速の無料化あるいは費用の軽減等もいろいろ御要望を伺っておりますので、検討してまいりたいと存じます。
○岩屋委員 ありがとうございます。よろしくお願いしたいと思います。
 観光事業者の皆さんも、何でもかんでも国頼みでなんということは思っておりません。やはり、できることは自分たちでやろうと。このゴールデンウイーク中も、大分県なんぞは、外からなかなか来てくれなかったので、県民が地元の旅館、ホテルを使おうではないかということで何とか一定割合戻ってきたんですね。みんなこれからも一生懸命頑張りますから、地域が行う観光イベントにまた国が支援をしていただいたり、そういうこともぜひしっかりとやっていただきたいというふうに思います。
 政府がようやくインバウンドの目標を大幅に上方修正しました。観光立国を目指そうとみんな燃えているやさきに起こった今回の災害ですが、何とか力を合わせて乗り越えていきたいと思っておりますので、今後とも政府一丸となっての力強い御支援を被災地に賜りますように心からお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○竹下委員長 これにて岩屋君の質疑は終了いたしました。
 次に、赤羽一嘉君。
○赤羽委員 公明党の赤羽でございます。
 私は、二十一年前の阪神・淡路大震災で、私自身、住む家を失った被災体験から、以来二十一年間、政治家の原点として防災政策にかかわってきた一人でございます。そうした経験から一言だけ申し上げさせていただければ、災害からの復旧復興の一番の足かせは、実は平時のルールということが結構多いんですね。その平時のルールにこだわらずに、総理初め関係閣僚の皆様におかれましては、被災地域の実態、また被災者に寄り添いながら、被災地が抱えている、被災者が抱えている問題の解決のためにぜひ踏み込んだ解決をしていただきたいというのが、私からのまず冒頭のお願いでございます。
 具体的に言いますと、今は当たり前となっておりますが、瓦れきの処理、これは公費一〇〇%でやっておりますが、阪神・淡路大震災発災のときは、当時の政府の考え方は、私有財産に公金を入れることはできない、だから、個人の住宅の瓦れきの処理はその所有者がやるべきだということでございました。しかし、それを言っていては、阪神大震災では四十万の家が潰れましたので、神戸の再生なんということはあり得ないということで、あのときから初めて公費一〇〇%の瓦れき処理が始まったんです。これは画期的なことでありました。
 また、被災者生活再建支援法も出ておりますが、現金支給はまかりならぬというのが当時の状況でございましたが、私に言わせれば、国民として真面目に生きていた方が自然災害を受けて家族を失い、また自宅を失った、そこに、幾らかの国としての誠意、激励金というか見舞金を支給するべきだということで、今、使途が自由な百万円、全壊百万円、これを出すことができたわけですが、これは実は十三年かかったわけでございます。
 これは誤解されている方も多いですけれども、住宅の再建制度じゃありません。そういうことじゃないということです。
 この金額はいろいろあったんですけれども、災害弔慰金、世帯主の方が亡くなった場合は五百万円、御家族が亡くなった場合は二百五十万円、そうしたことからいろいろ考えた場合に、全壊が百万円、そして、家を建て直そうとする人には、わずかでありますけれども、プラス二百万円の激励金をするということでございます。これはいろいろ議論が出てくると思いますが、五百万円でも実は家は建たないのであって、住宅の再建についてはやはり別にちゃんと、どうするかということを議論されることが必要だ、こう思います。
 私は、五月六日に熊本市内と益城町へ行きました。大変ひどいところでした。
 国土交通大臣にお願いしたいんですが、今回ちょっと特徴的なのは、被災をされた方は大半が持ち家なんですね。世帯主は高齢者。ですから、瓦れきを処理しても、土地はあるけれども住宅ローンは組めない。これは今回の特徴的な状況であって、ここは相当知恵を出さないといけない。
 ですから、私が望みたいのは、応急仮設住宅というよりも、半ば恒久的な住宅をどうつくるかというときに、災害公営住宅というのは今まで公有地の上に建てていた、これが常識でありました。しかし、それにこだわっていると、公有地なんて限られていますから仮設住宅をつくる土地も探すのが大変なので、ですから、持ち家のところの私有地に戸建てのみなし公設住宅みたいなものをどんどん建てて、そして、公設住宅ですから最初は家賃を幾ばくか取って、そして数年たったら払い下げにする。そのスキームはお任せしますので、そこは踏み込んでやっていかないと、私は益城町や西原村や南阿蘇というのは無理だと思いますよ。
 住宅再建、ぜひ、本当に被災者に寄り添って、踏み込んで知恵を出してもらいたい。大臣、どうですか。
○石井国務大臣 現在、熊本県や各市町村において応急的な住まいの確保に最優先で取り組んでいる段階ですが、今後は恒久的な住まいの確保へと移行いたします。
 恒久的な住まいの確保に際しては、所得が低く、自力で住宅を再建、確保することが難しい方も出てくることが想定されまして、その場合、地方公共団体が災害公営住宅を整備することが考えられます。
 地方公共団体においては、被災者の意向や事情を丁寧に把握した上で、敷地の安全性や利便性、地域のまちづくりとの整合性なども考慮しつつ、どこにどの程度の規模の災害公営住宅を整備するかの計画を立案いたします。
 その際、公有地の活用だけでなく、民有地を購入あるいは借地して災害公営住宅を整備することも可能であります。例えば、東日本大震災の被災地におきましては、地権者の意向により民有地を借地して災害公営住宅を整備した事例がございます。
 国としては、被災者の皆様のニーズに合った災害公営住宅が供給されるよう、熊本県やまた各市町村に対してしっかりと支援を行ってまいりたいと考えております。
○赤羽委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 もう一つは、総理にお願いしたいんですけれども、私は被災地に行って、総理も同じことを感じられたと思いますが、大体、全国の市町村というのは、日常的には災害関連の行政というのはほとんど関知しないんですよ。実際起こったときに、慌てて、災害法制ってどうだったっけなとマニュアルを見ながらやるんですね。しかし、そのやっている職員の皆さんも大変な被害を受けていて、大変な負担をかけている。そこを何とかしなければいけないなと。
 私自身は災害庁みたいなことが必要だと思っているんだけれども、庁だとかいうとまたややこしい話なので、少なくとも、いざといったときにすぐ飛んでいくような専門家集団の人材育成というか、専門家集団、グループをつくって、常に、小さな村役場とか町役場に任せるんじゃなくて、飛んでいってそのことがさばけるようなグループをぜひ、どういう形でもいいからつくっていただきたい。
 人材育成ということをぜひ念頭に入れて、今回はそういう要望なので遅いわけですけれども、今後の災害対策について、ぜひ御検討を総理から指示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 今委員が御指摘になったように、平素から、発生した災害から得られた貴重な教訓をしっかりと踏まえて、ハード、ソフト一体となった総合的な防災・減災対策を不断に見直していくことも必要だろうと思います。
 政府としては、今般の地震が発生した直後に非常災害対策本部を設置するとともに、翌日に現地対策本部を設置して、さらに三日後には被災者生活支援チームを発足させまして、幹部職員を含めて、経験豊富でかつ熊本に勤務歴を有する土地カンのある職員を現地に派遣するなどして、被災自治体と一体となって、被災された方々の救命救助や避難誘導、必要な支援物資の供給などの災害応急対策、ライフラインや交通インフラの復旧や新しい住まいの整備などの生活支援策に全力を尽くしてきたところであります。
 また、政府においては、平素から、災害対応に関する専門能力を養成するため、さまざまな場面を想定した実践的な訓練を重ねるとともに、防災業務経験者を登録、そして共有する制度の活用などの取り組みも実施しているところであります。
 いずれにせよ、人材育成を含めた防災・減災対策は不断に見直しを行うことが重要であり、引き続き、いただいた御意見も参考とさせていただきながら、必要な体制の検討と実践を重ね、大規模災害への対応について国として被災自治体をしっかりと支援していけるよう、対応に万全を尽くしていきたいと思います。
○赤羽委員 内閣府の防災のところがありますけれども、結局は三年でもとの役所に戻るというようなことなので、プロパーの専門家をぜひ育てていただきたい。現地対策本部といっても、やはり各省の出向というか出先なんですね。ですから、いきなりは無理かもしれませんが、いざといったときの強力なグループをぜひ念頭に置いていただきたい。
 もう時間がありませんので、災害救助法。
 これは、先日の参議院の本会議で河野大臣から、現金支給なのか現物支給なのか検討していると。これは加速をしていただきたいんですね。現物支給にこだわっているこの法律があることが、結局、被災自治体の職員の相当な負担になっているんです。同時に、被災者の利便性も著しく低くしているんです。だから、ここはもう割り切った方がいいんですね。
 私、ちょっときょう資料をつけたんですけれども、もう時間はないんですが、二ページ目に応急仮設住宅のコストというのが出ているんです。これは、災害救助法に基づくのは二百五十万と出ているんですけれども、大体、今回も一戸六百万円の試算でつくるんですよ。
 これは二年とか、延長しても四年ですから。六百万円かけて応急仮設住宅をつくる、ない土地を探して、学校のグラウンドとかを使ってとか。それよりも、益城の町役場に行って町長に、同じ金額を選択できる、どっちがいいかと言ったら、それは現金でもらった方が多いに助かると。それは、実は被災自治体の職員も助かるんですよ。応急仮設住宅というのは、つくるとずっと管理しなきゃいけないし、修理しなきゃいけない。これは二年も四年も続くんですよ。
 私は、やはりそういった正しい合理性は絶対に必要だ、こう思いますので、今ここでということではないんだけれども、これから住宅建設は大変困難が出てきますので、こうしたこともぜひ念頭に入れて、昭和二十二年からの物すごく古い法律なんですよ、これを、通達行政でやってきたようなことを、何か大きなときにしか変えられないので、ぜひ政府一丸となってこの検討も御指示いただきたい。指示していただけるということで、時間もないことでありますので、ここで質問を終わりにします。よろしくお願いいたします。
 ありがとうございます。
○竹下委員長 これにて赤羽君の質疑は終了いたしました。
 次に、大島敦君。
○大島(敦)委員 民進党、衆議院議員の大島です。
 きょうは、締めくくり総括質疑ですので、被災関連の質問をさせていただきたいと考えております。
 私も、先日、五月四日、熊本を訪問いたしまして、被災された集落を訪れました。西原村です。地元の区長さんのお話を伺ったり、あるいは、市役所が倒壊したので仮設の市役所で執務をとられている市長さん、そして、宇城市、農協の職員からもハウスの中でお話を伺ったりして、地元の被災の状況を聞いてまいりました。
 冒頭、きょう松野委員が地元のことをこの場で訴えておりましたので、官房長官に、松野委員が気にされている熊本地震という呼び名について、やはり、熊本だと熊本全域、大分も入っていますから大分全域が被害に遭われているというふうな理解を皆さんされていて、風評被害が多いと思うんです。ですから、早急に、松野委員がおっしゃっている中九州大震災とかほかの名前で閣議決定されることが地元の復興につながっていくかと思いますので、その点につきまして御答弁いただければと思います。
○菅国務大臣 先ほども申し上げましたように、過去の事例を見てみますと、その中で、兵庫県南部地震が阪神・淡路大震災、また東北地方太平洋沖地震が東日本大震災、こういう呼称とすることを、これは閣議で、口頭了解ですかで決めたという事例があります。
 今回の熊本県を中心とした地震、気象庁では熊本地震ということになってはおりますけれども、今後、被害の全容、こうしたものが明らかになった段階で、過去の例も踏まえながらそこを検討していく必要があるだろうというふうに政府は考えております。
○大島(敦)委員 官房長官の御答弁、その点、ぜひ早急に御対応いただければと思います。
 もう一点が、松野委員がこだわっておりました被災に対する予算措置の問題です。
 松野委員は、基本法なり特別立法なりで手当てをした方が住民の皆さんが安心される、市役所あるいは町村で行政に携わっていらっしゃる首長の皆さんが安心して予算措置をとれるというお話がございましたので、その点につきましても官房長官からの御答弁をいただければと思います。
○菅国務大臣 先ほど総理も答弁をされていますけれども、政府として、熊本地震発生直後から総理が、できることは全てやる、そういう強い指示で私どもは今日まで取り組んでまいりましたので、復旧復興にもそういう思いでしっかり取り組んでいきたいというふうに思います。
○大島(敦)委員 震度七というのを体験したことは私もなくて、地元の区長さんにお話を聞くと、二回目の震度七を経験すると震度五がそれほどでもないというお話をされておりました。二回目の震度七ですと、突き上げるような実感と、あと、部屋の中でもたんすの引き出しが飛んでくるそうです。もう一つは、普通の車のタイヤの跡はとまっていてはつかないんですけれども、震度七で、特に今回のように断層が亀裂をすると、タイヤがとまっていて地面が揺れますからタイヤの跡が左右につくそうなんです。それほど厳しい地震の中で、一番最初の震度七でも本震と言われていたんですけれども、ひょっとしてということで、こたつの中で布団をかぶって、それで助かったというお話。
 もう一つが、二十六軒かな、二十六世帯八十人ぐらいの集落で、私が見ますと、ほぼ倒壊をしておりました。何人かの方が下敷きになってしまわれたそうなんですけれども、どこに誰が住んでいるのか、よく皆さん承知をしておりますので、ここの家にはこの方、この家にはこの方ということで無事に全員が助かったそうです。ですから、熊本の地域のコミュニティーがしっかりしていることを非常に実感したのとともに、ゴールデンウイーク中でしたから何人ものボランティアの方が入っていらっしゃっていて、住民の方と一緒に瓦れきの処理等をしていらっしゃいました。
 その中で、やはり、地元のお話を聞くと、まず農業のお話。
 この間は母の日でした。その前に熊本の震災が起きて、花卉、お花の生産者の全国の代表の方とお話ししたときに、熊本の花卉園芸農家が非常に被害を受けているというお話。
 そしてもう一つが、これは地元で農協の方と一緒に見せていただいたんですけれども、ハウスがあって、熊本は高潮災害があるんです。堤防があるんですけれども、高潮をかぶるとこれまでもハウスの上まで塩水が来てしまうということで、高潮災害に備えて、イチゴ農家についても、上の方まで棚をつくってイチゴを栽培する農家が非常に多いです。
 そのほか、カーネーションあるいはチューリップ、そういうハウス農家が多くて、その点につきまして、まずは農水大臣から、地元のハウス園芸農家の被害の状況について、手短に御答弁いただければと思います。
○森山国務大臣 大島委員にお答えをいたします。
 熊本県の農業産出額を見てみますと、やはりトマトが非常に大きくて、四百十億ぐらいございます。恐らく東京市場の三割ぐらいを占めているのではないかと言われています。また、スイカも百四億ぐらいございまして、ハウス物が非常に多いというのが特徴的なことだと思っております。
 今回の被害でございますが、イチゴや花卉などの農業用ハウスが、現在わかっているだけで百十九件でございまして、被害額は五億二千万ぐらいになっているのではないかと思います。あと、出荷施設などの共同利用施設がやはり二百二十五カ所被害を受けておりまして、これが大体二百億近くになるのではないかと思っています。また、ため池や用水路など農業用施設、これが非常に多くて、四千百七十カ所今確認をされておりまして、これが四百五十八億円ぐらいになっているのではないかなというふうに考えております。
 こういうところの復旧を急ぐということが大事なことだと考えております。
○大島(敦)委員 おととし、この関東でも二月に積雪災害があって、その際には、内閣委員会で官房長官に質問をさせていただいて、各党の協力、政府の協力もあって十分な対応がとれたと考えております。特に、ハウス農家については、稲作農家とは違って、後継者がしっかりといる農家が多いです。ですから、農水大臣からお願いしたいのは、被災農業者向けの経営体育成支援制度があるかと思います。これまで、十分の三が補助率です。その補助率を、おととしは十分の九まで国としては上げていただきました。農家の皆さん、特に、今後どうするか非常に悩まれている農家の皆さんが多いと思いますので、その点につきましての御答弁をいただきたいと思います。
    〔委員長退席、菅原委員長代理着席〕
○森山国務大臣 今我々がやらなきゃいけないことは、農家の皆さんが再生産意欲を失われることのないように、しっかりした対応をさせていただくということが大事なことだと思っております。
 経営体育成支援事業につきましては、既に発動しているところでございますが、これを、予算が決定いたしましたら、さらに、二十五年度の豪雪災害のことも参考にさせていただいて、しっかりお支えできるように頑張りたい、そう考えております。
○大島(敦)委員 ありがとうございます。
 おととしの豪雪災害に対する国の支援につきましては、各農家の後継者の皆さんは非常に安心して、次につながっております。今回につきましても、ぜひその点について、十分の九の助成、正確には、十分の五が国だと思います、交付税措置で十分の四のうちの七割ですかね、残りを県と市だと思いますので、その対策について十分な措置がとれるようにお願いいたしたいと思います。
 特に官房長官からも、やはり予算が絡んでおりますので、今財務大臣は席を外しておりますので、その点について一言お願いします。
○菅国務大臣 かつての大雪のときに、ビニールハウスが大変な状況になって、農業を営む方がこれからも継続できるかどうかで大変悩んでいる、そうした実態を大島委員が詳細に調べてこられる中で、確かに内閣委員会だったと思います、十分の九という形で、農家の方が引き続いて農業意欲を持って行うことができるように決着したことを思い浮かべております。
 今農林水産大臣からその趣旨のお話をされましたので、私ども内閣として、まさにできることは全てやるという総理の指示のもとに、しっかりと対応してまいります。
○大島(敦)委員 ありがとうございました。
 続きましてなんですけれども、農水大臣です。稲作農家。
 私たちの政権での稲作の政策は恐らくソフトランディング政策だと思っていて、今の稲作の政策は結構ハードランディングに近い政策かなと思っています。その点については議論はしません。
 やはり稲作農家でも、十町歩を超え、二十町歩を超える農家でようやく一家族が生活できるのが、まあ二十町歩ぐらい必要かな、専業で稲作をやるには。そのくらいが今の稲作専業農家の水準。十町歩だと、ほかの品種を兼ねながら一家族だと思うんです。
 熊本の実態を見ると、やはり高地ということと、余り水田にはふさわしくないところだと思います。ですから、それほど大きな面積がとれなくて、特に、後継者がいらっしゃる農家よりも後継者がいらっしゃらない農家が多いと思います。そうすると、今回の震災を受けて、やはりこれまでの五反とか一町歩ぐらいの農家ですと、関東でも、今の耕作機械の減価償却が終わって故障してしまえば、そこで農業をやめるという方が結構多いです。ですから、休耕田も今ふえていることも確かです。
 その点につきまして、熊本の地域に合った稲作の農家に対する支援が必要かと思いますので、その点につきましての御答弁をお願いいたします。
○森山国務大臣 大島委員にお答えいたします。
 やはり、農家にとりまして稲作というのは特別のことなのだろうと私は思っております。今回、田植えを目前にして、そのことがかなわなくなっているところもあります。また、麦をたくさんつくっていただいているところでもありますが、麦をやがて刈り入れしなきゃいけない時期に来ているものですから、そういうことに対しての不安が非常にございます。
 ですから、一つは、我々九州農政局とJAの熊本中央会とそれから県が一緒になりまして、水田をどう再生していくかという協議会を立ち上げさせていただきました。そこで米づくりがどの程度可能なのか、そこでないところに大豆をどうつくっていただくか、あるいはソバをどうつくっていただくかということをしっかり協議させていただきたいと思っておりまして、きょうから実は、そういう協議会が四十五ございますので、そこを全部回りまして情報を収集させていただいて、大豆がどれぐらいつくれるかというと種子の準備もありますので、そういう対応をしっかりやらせていただきたいと思っております。
 先生のお尋ねの米については、非常においしい米ができる地域も一部にございますので、そういうところはそういうところとして大事にしながら、あるいは、畜産の盛んなところでもありますので、飼料米等のお願いもしながらやっていくということが大事なことでございますが、今回、先生は現場を見ていただいておりますのでおわかりいただいていると思いますけれども、地割れと陥没がひどくて、まず農家の皆さんの御心配は、この自分たちの農地が復興できるんだろうかというところにございます。
 これはもう、我々が見ても本当にできるのかなと思うんですけれども、農水省の農業土木の人たちに聞きますと、大丈夫ですと言っておりますし、また、中越地震でそういう経験も積んでおりますので、まずそのこともよく御説明申し上げるということが大事なことだと思っております。
 今、九市町村から技術者の派遣の要請がありますので、既にもう二自治体には派遣をしておりますが、二名ずつ役場に派遣をさせていただいて、技術的な指導をしっかりやって、自分たちの農地は必ず復興できるんだという気持ちをまず持っていただくということが水田の農業については大事なことだろうというふうに思っておりますので、そこをしっかりまず取り組みをさせていただきたいと考えております。
○大島(敦)委員 御答弁ありがとうございます。
 震災については、ここにいらっしゃる委員の皆さんの気持ちは同じだと思います。国民の気持ちも同じだと思います。多くの方が募金活動に協力をしていただいて、募金活動をさせていただくと、高校生でも、余りエリート校に行っていない高校生の方がより多くお小遣いを募金してくれるんです。ですから、そういう温かい気持ちが皆さん必要だと思っていて、今回のこの予算についても民進党としては賛成をさせていただきます。ただ、納税者の立場ですと、より有効に活用されることが必要だと思いますので、その点は見守っていきたいと考えております。
 もう一つなんですけれども、さまざまなボランティア団体の中で、日本行政書士会、今、防災担当大臣が取り組んでいらっしゃる、きょうの質問にもございました罹災証明につきまして、受け付け業務の支援のために、これまで三百人を超える方が熊本に入っていらっしゃいます。やはり行政書士の皆さんは特に実務に秀でていらっしゃいますので、熊本、大分、あるいは入国管理局、消費者庁、中小企業庁などの支援をしたいという話があります。ぜひ、ここにいらっしゃる大臣の皆さんは、防災担当大臣を中心に、このことも踏まえて対応をとっていただければなと思うんです。
 特に、これまでもこの場での御指摘がありましたとおり、市の、あるいは町の職員の皆さんも同じく被災されている方ですので、そこの支援は、国の支援も必要だと思いますけれども、このように専門家の支援も必要だと思うものですから、その点につきまして、ある程度の予算措置も必要かもしれない、御答弁をいただければと思います。
○河野国務大臣 今回、さまざまな専門家の方にいろいろな面で御支援をいただきました。行政書士さん、建築士さんを初め、さまざまな方に御支援をいただきました。
 これは、自治体機能が、やはり委員おっしゃるように、みずから被災をしている中で行政をやらなければいけないというところを考えると、そうしたグループの支援というのはやはり的確に位置づけをしていかなければならないと思いますので、今度の熊本の地震を振り返ったところでしっかりと、どう位置づけられるか検討してまいりたいというふうに思っております。
○大島(敦)委員 一点、先ほどの募金は、全ての高校生とか中学生の皆さんが学校に関係なく募金していただいたので、その点はちょっと訂正をさせてください。
 続きまして、私たちの国は、本当に毎年大きな災害、数年に一回は大災害、大震災がある国です。ですから、その点につきましての国の対応につきまして御答弁いただきたいなと考えております。
 まず、国土交通大臣に伺いたいんですけれども、地震予知はできないと聞いているので、その点について確認をさせてください。
○石井国務大臣 国土交通省、気象庁を所管しておりますので、お答え申し上げたいと思います。
 今回の地震の件でお話ししたいと思いますが、今回の地震は、四月の十四日にマグニチュード六・五、震度七を観測する大きな地震が発生いたしまして、その後、四月十六日にはマグニチュード七・三、震度七を観測するさらに大きな地震が発生いたしました。
 内陸の地震において、マグニチュード六・五以上の地震の後、同じ地域でより大きな地震が発生した事例は、気象庁の観測史上、これまでございませんでした。
 また、現在の地震学では、ある地震活動から、その後さらに大きな規模の地震が発生するか否かを予想する手法は確立されていないのが、残念ながら現状でございます。
 いずれにいたしましても、気象庁においては、緊張感を持って地震活動の観測や監視に当たるとともに、適時適切な情報の提供に努めてまいりたいと考えております。
○大島(敦)委員 二〇一一年三月十一日の東日本大震災、ここの南三陸沖で大きな地震が起きると、貞観の地震があり、慶長年間、明治、昭和とあって、その前後には、首都直下型、あるいは東海、東南海、南海の地震が起きたと言われていて、私たちの国のリスクは高くなっております。そうすると、気象庁は地震予知が難しいと言うんですけれども、やはり地震予知について、私は国としてやるべきだと考えております。
 その点につきまして、官房長官は席を外しているので首相になってしまうんですけれども、きょうは科学技術担当の大臣もいらっしゃいません、今、国際会議で。
 それで、ぜひ検討してほしいのは、アメリカのDARPA、米国の国防高等研究計画局、日本のGPS衛星あるいはインターネット等々を開発した機関なんですけれども、DARPAチャレンジとして、懸賞金方式で、イベント型の研究支援プログラムで、決められた目標を短期間でクリアするためのアイデアを競わせるというのがあります。
 これは、前に防災担当の部局について、こういうさまざまな民間の地震予知、使えないかと聞いたところ、使えないと。やはり防災当局が使うと、それがオーソライズすることになるという話なんです。
 ですから、そうすると、国の予算の中で、こういうさまざまな民間の、地震学者とは違った研究があります、電波を使ったり、あるいは地盤の変異を見たり。こういうところで、ひとつチャレンジで競わせて、結果を出して、ある程度いい結果が出たら。そんなに金額的にはかからないと思います。その点につきまして、首相、質問通告していないんですけれども、我が国にとっては、一旦これはやるべきだと思っていまして、その点についての御所見をお聞かせください。
○安倍内閣総理大臣 こうした大災害が少しでも予見できれば、それに本当にこしたことがないな、こんなように思いますし、また、今回、ああいう前震という形であって、後で本震が来るということは今まで体験していなかったわけでございます。それがわかっていればまた別の対応もできるということでございますから、そうした、今委員が御指摘になった最新の科学的知見を常に取り入れていく、その取り入れていくときに、果たしてそれはオーソライズしているのかどうかという、もちろんそういう課題はありますが、そうした研究に対してどのように国として支援をしていくかということも含めて検討していきたい、このように思います。
 どちらにしろ、不断の、災害に強い、減災のための国土強靱化、あるいは防災、そしてまた防災訓練等、そしてまたソフトの整備等についてしっかりと対応していきたいと思います。
 また、今、委員の質問につきましては、少し勉強させていただきたいと思います。
○大島(敦)委員 地震が起きる可能性、おそれが非常に高い国なものですから、地震学者というのは極めてクローズドなソサエティーの皆さんですので、それ以外の方の意見を競わせて、競わせるということは国がオーソライズしているものじゃないものですから、ぜひ、その点につきましての今後の私たち国会、国としての責務を果たしていくための手法としていいのではないかと思いますので、御検討をお願いします。
 時間がもう少しなんですけれども、もう一点だけ。
 私たちの政権のときに、準天頂衛星については閣議決定をさせていただきました。四基ではなくて七基です。四基ですと、アメリカのGPS衛星の助けをかりる。七基ですと、日本独自に運用できるということ。
 当時、予算取りについては二つありまして、準天頂衛星に大きなアンテナをつけると携帯電話の電波が宇宙まで届くということで、これは防災の観点で、政権として準天頂衛星の予算取りをさせていただいた経緯があります。
 一つは、皆さんが、あの三月十一日のときに安否確認ができなかった。安否確認ができないので、メールを通して、宇宙を通して安否確認ができるんじゃないのかなというのが一つ。もう一つが、宇宙から直接私たちの携帯に、何時何分後どこそこに津波が来る、十五分後に補正して何メーターになった、それを地域ごとにという、この二つのことについて宇宙部局から聞いたものですから、そのことをお願いさせていただいて予算取りしていただきました。
 もう五年たっています。どういうふうになっているのか、その運用について手短に答弁いただければと思います。
    〔菅原委員長代理退席、委員長着席〕
○松本副大臣 先生御指摘の準天頂衛星は、米国のGPS衛星と同じく測位信号を発信するものでありますが、これに加えて、地震や津波等への備えとして、災害・危機管理通報サービス及び被災者の安否確認サービスを組み込むこととしているところであります。
 災害・危機管理通報サービスは、防災機関等による火山噴火や津波発生等の通報を、準天頂衛星を介して一斉に送信するものであります。
 これに対して安否確認サービスは、準天頂衛星を介して被災者の位置や安否情報の送受信を可能とするものでありまして、携帯電話の通信インフラが遮断された環境においても対応できるように、避難所を活用した防災機能の強化に向けて検討を進めているところであります。
 これらのサービスは、二年後の四基体制整備に伴って運用を開始する予定であるところでありまして、こうした準天頂衛星の機能を生かして我が国の防災機能の強化を図ってまいります。
○大島(敦)委員 準天頂衛星については、超党派の宇宙基本法があって、その後、超党派の議連の前原先生、野田先生は政権にいましたので、多分七基体制ということになったかと思います。今の国の成長戦略の中の一つにもなっております。
 そこで、もう一つ加えたいことがありまして、今、防災担当大臣から伺うよりも私から述べた方がいいかもしれない。
 三月十一日の地震のときを思い浮かべると、ちょうどこの時間だったと思います、もうちょっと前ですか。金曜日の決算委員会がありました。決算委員会ですから役所はみんな出勤しているし、皆さん、張り詰めた緊張感の中で地震があったので、そのときの対応ができたと思っています。
 これが、日曜の夜、地震が起きたら、国として対応をとれないはずです、これは。役所の人はみんな、自分の自宅に帰っている。防災担当の役所のごく少数だけが連絡がとれるのが今の日本の危機管理です。
 首都直下型があったときに、そうすると、役所の課長以上の皆さんが、それぞれ日曜日の夜あるいは明け方、対応をとれるかというと、恐らく携帯電話もつながらない中で、東京に来ることも不可能になってしまう、そういうふうに考えています。
 衛星携帯というのもあるかもしれない。でも、衛星携帯というのは、残念ながら天頂を飛んでいないですから、遮蔽物があると通じません。私も総務省で試したら、つながりません。今の総務省はつながるようにアンテナを立ててあるんですけれども、つながらないんです。
 そうすると、準天頂衛星で、要は、非常時の通話ができるかというのが一つテーマだと思っています。非常時の通話。これはいつも天頂にあるわけですから、携帯電話にカセットで出力を上げるものをつければ、そのままどこでも、役所間あるいは企業でBCPの担当の皆さんが情報交換しながら、我が国の非常時に当たっていくということは私は必要だと思っているんです。
 その点につきまして総理から。多分答えられる方が非常に少ないと思うので。では、財務大臣からお願いします。
○麻生国務大臣 昔、総務大臣をやっていたのと、今、予算を担当していますので、関係あろうかと思いますので。
 これは、全部がわかっている人はそんなにいらっしゃらぬと思いますが、おっしゃっていることは正しいです。
 これは実利的にできるかという話で、物理的にできるというところまでほとんどでき上がりつつあっていると思っております。あとは予算化の話と意識です。
 今言われたような意識をどれくらい持っていますかね、みんな。こんなものは必要ないよ、そんなものに予算、金をかけるなよと、こうやって言うんですよ、多分。違いますかしら。こっちは言わないと思うけれども。(大島(敦)委員「違う違う、震災については皆同じですから」と呼ぶ)絶対大丈夫でしょうね。そこのところだけちゃんとあらかじめ、オーケーだけ取りつけているようで恐縮ですけれども、これは僕は絶対に必要なものだと思っています。
 これは、技術的なものが一つと、もう一点は金の面とありまして、衛星の方はほぼでき上がりつつありますので、次の段階まで、行けるところまで行きつつあると思っております。
○大島(敦)委員 麻生大臣がおっしゃるとおり、金額面ではそんなに大きくないと思いますし、国の防災、危機管理に対する思いは、ここにいらっしゃる先生方は皆さん同じだと思います。
 それで、総務大臣に今後お願いしたいのは、電波というのは国際間のやりとりがあります。今、準天頂衛星の電波は意外と狭い領域なんです。ですから、音声をデジタル化して乗せたとしても、ちょっと使い勝手が悪かったりもする。今後のことを考えますと、電波の話もありますし、先ほどの麻生大臣からおっしゃられた予算の問題、あと技術的な問題は今宇宙部局が激しくやり合っていると思いますので、これは危機管理の問題です、ぜひ取り組んでいただくことを安倍総理からも指示していただければと思いますので、よろしくお願いします。
○安倍内閣総理大臣 危機管理のことでもございますので、しっかりと検討していきたい。財務大臣もこういうお話でございますので、しっかりと検討していきたいと思います。
○大島(敦)委員 ありがとうございます。
 話はかわりまして、同一労働同一賃金についてのお話をさせてください。
 これは結構難しい概念でして、同一労働同一賃金、同一価値労働同一賃金、均等待遇、均衡待遇、さまざまなワードがあります。その中で、安倍内閣総理大臣は、同一労働同一賃金に取り組むぞというお話をされておりまして、その文脈が、働き方、多様な働き方を後押しするために同一労働同一賃金を導入するという御発言があるんですけれども、その点について確認をさせてください。
○安倍内閣総理大臣 同一労働同一賃金につきましては、まさに働き方改革もそうですし、現在ある正規、非正規の収入の格差の問題もございます。その中におきまして、男女の格差もございます。こうしたものを是正していく上において、同一労働同一賃金は極めて有効ではないか、このように考えております。
○大島(敦)委員 同一労働同一賃金で一番大変なのは、中小企業の皆さんだと思います。中小企業の皆さんは、そんなにこれはたやすくないと思っています。
 私も、衆議院議員になるまで生命保険のセールスを五年間して、何千社という中小企業の経営者の皆さんとお話をさせていただいて、中小企業の経営者の皆さんは、自分の会社を存続することがまず第一です。物すごく大変なことです。その上に従業員のことを考えていらっしゃいます。ですから、同一労働同一賃金を国として貫徹するというのは、相当の説得を経済界にしなければいけないなと私は考えておりまして、そのことにつきまして、安倍総理、要はどう考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 今申し上げましたように、女性や若者などの多様な働き方の選択肢を広げるためには、非正規雇用で働く方の待遇改善をさらに徹底していく必要があると考えておりまして、そのためにも同一労働同一賃金の実現に踏み込むこととしたわけでございますが、しかし、踏み込む上におきましては、当然、民主党の皆様を初め皆様からこの考え方について質問がございました。我々は否定したことはないんですが、しばらく検討させていただきたいということを申し上げてきたところでございますが、その間、経済界とも話を進めてきたところでございますし、商工会議所等とも話を進めてきたわけでございます。
 今後、具体的にはどのような賃金差が正当でないと認められるかについてガイドラインを策定していきます。また、そのガイドラインの策定等を通じ、正当でない待遇差として是正すべきものを明らかにする考えでありまして、その是正が円滑に行われるように法改正についてもちゅうちょなく準備を進めていくところでございますが、中小企業の皆様等も含めましてよくお話し合いをしていきたい、このように考えております。
○大島(敦)委員 私たちの文脈は、きょうの議論にございました、もともとのヨーロッパ、これは大陸ヨーロッパの発想です、同一労働同一賃金。これは、男女の格差をなくす、あるいは労働界全体の格差をなくす。日本ですと社内組合、大陸ヨーロッパですと、社内組合ではなくて業界ごとの組合になっています。特に、考え方として一つあるのが公正競争という考え方。公正競争というのは、同じ産業の同じ職種であれば均等でなければならないという考え方。これは、日本の構造改革をする上でも結構、これは一つの考え方です。ヨーロッパ的な考え方を導入するかどうか、そういうお考えがあるかどうかについての首相の考え方を伺いたいんです。
 ここのところというのは、やはり日本の生産性をどうやって上げるかというところにもかかわってくる問題です。今、低金利の中で非常に多くの会社が存続をしているという状態です。ここの同一労働同一賃金の公正競争という考え方についての総理の御所見を伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 大切なことは、これは委員も同じ考え方だと思いますが、学問上の概念整理ではなくて、欧州において現実に今、正規と非正規の賃金差がどういう事例で正当化されていないかの事実、これは裁判の判例などがあるわけでありますが、そういった欧州での運用実態について、我が国では、制度のあり方を検討していく際、十分参考にしたいと考えているわけでございます。
 今後、まさに一億総活躍という考え方のもとに、それぞれが自分たちの可能性を求めて、あるいはさまざまな多様性のある社会になる中において、自分たちの働き方を求めておりますから、それに対して正当な評価がなされる社会であれば、やりがいがあって頑張っていこう、これは私は、ある意味生産性の向上にもつながっていく可能性もあるのではないか、このように考えております。
○大島(敦)委員 残り時間、もうすぐですので。
 私たちの考え方は、期間の定めのない働き方が一番だと思っています。期間の定めのない働き方、正社員です。
 私たちは、私も一回転職した経験があって、やはり安定した雇用は物すごく大切です。年収が高い、低いもあるかもしれないけれども、先が見える雇用です。
 私たちが、私の世代が会社員になったときは、大体、何も考えなくても、課長の後ろ姿を見れば自分の行く末がわかった社会。今の社会は、わかりません、来年、再来年、自分がどうなっているのか。ここが物すごく私は日本の雇用を傷めていると思っています。
 四割の非正規社員だから同一労働同一賃金というのは僕は本末転倒だと思っていて、まず、正社員とか、あるいは期間の定めのない雇用をしっかり入れた上での、その次の議論だと思っています。
 しかしながら、同一価値労働同一賃金、首相が問題提起していくことは幸いだと思っておりまして、これは労政審でこれから議論するという話を伺っております。でも、労政審で議論すると、労使の話し合い。それはいいと思うんですけれども、まず政治家同士がこの同一価値労働同一賃金についてしっかりと。
 多分、首相のスタンスと私たちのスタンスは大きく違うと思います。挙証責任をどうするのか、これを経営者側に持たせるというのが私たちの立場です。この不合理な労働条件の立証責任をどっちに持たせるかの議論、あるいは従業員の過半数を代表する代表者の選任の方法、ここの方法をしっかり確立することが、恐らく今財務大臣がおっしゃっている給与アップにつながるかと思いますので、ぜひ、その件、今後も議論させていただくことをお願い申し上げまして、ここで質問を終わります。
 ありがとうございました。
○竹下委員長 これにて大島君の質疑は終了いたしました。
 次に、田村貴昭君。
○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。
 避難所における被災者の生活環境の改善について質問をします。
 内閣府が四月十五日、熊本県に出した、避難所の生活環境の改善の通知と現実との間に大きなギャップがあることについては、先ほど藤野保史議員の質問でも明らかになったところであります。
 私も、発災直後から何度も熊本の被災地に入り、被災者の声を聞いて改善を求めてきたところでありますけれども、とりわけひどいのが食事の問題であります。
 河野大臣、食事のことについて最初にお伺いします。
 おととい、そして昨日と、熊本市の避難所で実情を伺いました。一カ月過ごして、毎日毎食インスタント食品ばかり、ただの一度も弁当など出してもらったことがないという避難所もあるわけなんですよね。なぜこういう状況になっていくのか。それは、インスタント物しか提供できないシステムがあるからなんです。
 熊本市のそれぞれの避難所が、毎日、日ごとに発注する物資搬送依頼書というのがあります。これはどういうシステムかといいますと、主食について、メニューは、パン、おにぎり、おかゆ、アルファ米、あるいはカップ麺だけなんです。おかずについては、缶詰、レトルト食品、レトルトシチュー、魚肉ソーセージ、これだけなんです。そして汁物は、インスタントみそ汁、インスタントスープとなっているわけです。こうしたものしか提供できないシステムとなっているわけなんです。
 このままでは体を壊してしまいます。こうした食生活で、こうした食事で、家と暮らしの再建の意欲が果たして湧いてくるでしょうか。熊本復興に向けての力が得られるでしょうか。直ちに自治体と連絡をとって食事の改善をするべきではないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
○河野国務大臣 当初はプッシュ型で、国の方が調達した食料を自治体にあるいは避難所にお届けをするというシステムでございました。この十四日から、それぞれ熊本で、現地で調達するものを国が財政的にバックアップするというふうに切りかえてございますので、それぞれの自治体のニーズに合ったものを届けることができるようになっております。
 今、さまざまな避難所には、避難所の運営にたけたボランティアの方々にも支援をいただいて運営をしているところがふえてきておりますので、きちんと避難所ごとの状況を把握して、どのように改善されているか、あるいはされていないか、現状を把握した上で、しっかりバックアップしてまいりたいと思います。
○田村(貴)委員 しっかり現状を把握して、きょう直ちに手を尽くしていただきたいというふうに思うわけです。
 総理にもお伺いします。食事の問題です。
 内閣府の通知では、炊き出し、それからメニューの多様化、適温食の提供、栄養バランスの確保、高齢者や病弱者に対する配慮を行うこととしています。そして、政府は、災害救助法での食品の給与は一日一人千百十円の一般基準にとどまらず特別基準での運用も、そして給与期間の延長も認めるとしているわけであります。ですから、改善は可能なわけであります。例えば、栄養のバランスのとれたお弁当を地元の業者さんと提携して出していくとか、あるいは野菜の入った汁物を避難所ごとにつくって提供するとか、そうした段取りは可能なはずなんです。
 総理、野菜が食べたいと本当に被災者の方は言われています。たまには違ったもの、たまには温かいものを食してみたい、その被災者の要望に応えるためにも、総理からも指示を出していただきたい。いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 先ほど河野大臣から答弁をさせていただきましたように、当初は、我々、プッシュ型で国からどんどん物資あるいは食料等を送っていたわけでございますが、今、要望を承りながら、プル型に変えたところでございます。しかし、現状等の把握についても常に努めているところでございますが、食事の状況がどうなっているかということにつきましては、今御指摘がございますので、よく自治体ともお話をさせていただきたい、このように考えております。
○田村(貴)委員 実は、発災から一カ月、私はこの問題をずっと言い続けてきたんです。委員会でも取り上げたことがあります。ただ、状況は変わらないんです。プッシュからプルに変わっても、これは政府が、やはり地元の自治体と、通知どおりにやりましょう、こういう手はずにしてみましょうと、もうちょっと入っていかないと変わらない、私はそう思います。ですから、総理それから河野大臣、ぜひきょうから動いていただきたい。お願いしたいと思います。
 それから、避難所全体における生活環境の改善が喫緊の課題になっています。
 おととい、十四日、熊本県の国の合同庁舎を私は訪ねました。ここが避難所になっているからであります。一階の共用会議室などで、約六十人の方が避難生活を送っておられます。塩崎厚労大臣も、おととい、合同庁舎の一階の被災者をお見舞いされたというふうに伺っております。御存じのはずだと思います。
 ある被災者が、私とお話しして、こういうふうにこぼされたんです、御飯の後でお茶が飲みたいんですと。これはどういうことかといいますと、晩御飯に出されたのが、おにぎりとそれからイワシの缶詰、あとはペットボトルのお水だけだったんです。お茶が飲みたい人はどうするかというと、その合同庁舎の自動販売機で買うしかないんですよ。どこの避難所にもある湯茶の用意さえされていないんです、ここでは。
 この合同庁舎、かたい床にジョイントマットが敷かれたのは、厚労大臣が行かれたその前日なんです。大体一カ月間、段ボールと毛布での暮らし。いまだに敷布団一つなし、間仕切りなし。暑いなと私はおととい感じて、きのう、温度計を持って同じ避難所を訪ねて温度をはかったら、午前の十一時の段階で室温が二十九・六度です。巡回の看護師さんにエアコンはどうなっていますかと聞いたら、エアコンが壊れていると言うんですよ。窓はあいても、網戸がないから、夜は閉めなくちゃいけない。被災者の方は、ゆうべも暑苦しくてなかなか眠ることができなかった、そういうふうに言われているんです。
 その熊本の合同庁舎は、総務省の出先機関もあります。厚労省もあります。国交省もあります。財務省もあります。農水省もあります。環境省もあります。そして、防衛省もあります。国の機関において、その一階において避難者がおられる。家を失った、財産を失った、仕事もなくなった、そして収入の道が閉ざされた人がおられる。そうした被災者の方々にお茶の一杯も提供できない。これはおかしな話です。扇風機の一つも、それから洗濯機の一台も、どうして置くことができないんでしょうか、通知どおりに。政府の言うきめ細かな支援というにはほど遠い現状ではないでしょうか。
 総理に伺います。
 プライバシー対策の仕切りがある、そうした避難所は、熊本全県的に見てもまだ一部にすぎません。それは多くの方が指摘しています。更衣所、シャワー、布団などなど、これからは夏向けの布団などが要ります。必要とされる備品が整っていないところが多数であります。
 安倍総理は、被災者の不安な気持ちに寄り添いながら、先手先手で、機動的な対応を進めるため、財政面でも万全を期していかなければいけないと述べられました。まさに、先手先手で、機動的な対応が必要ではないでしょうか。
 被災者のもはや人権にかかわる問題だと思います。相当疲弊されています。国、自治体問わず、これは政治の責任であります。内閣府の通達に基づいた避難所の生活環境の改善を、でき次第ではなく、いついつまでにやり上げるのか、早急にやり上げるべきだと思いますけれども、総理、いかがでしょうか。
○河野国務大臣 避難所も大分集約されてまいりましたので、これから気温が上がる、また梅雨入りを前にして、環境の改善というのは喫緊の課題だと思っております。
 先ほどお話がありました洗濯機、エアコンについても、きちんと避難所に、必要のあるところには設置できるよう今努めているところでございますので、全ての避難所、まだかなりの数がございますが、一万人を超える方が熊本県内で避難をされておりますので、一つずつ避難所を丁寧に見て回って、ニーズに沿った環境改善ができるよう努めてまいります。
○田村(貴)委員 今の食事の問題、それから被災者の生活環境の問題、このままでは不測の事態が起こり得るかもわかりません。
 私は十日間入ってまいりました、この目で見てまいりました。そして、改善を要求してきているんだけれども、なかなか遅々として進まない。だから、きょう、閣僚の皆さん、私は言いましたので、動いていただきたいというふうに思います。
 車中泊の問題も質問させていただこうと思ったんですけれども、少し飛ばさせていただきます。
 石井国交大臣にお伺いします。
 阿蘇外輪山を初めとする斜面の崩落それから崖崩れなどで崩れた土砂が相当量、河川に流入しているんじゃないかと私も考えますし、多くの熊本県民が懸念されています。また、今後、降雨等によって大量の土砂が例えば黒川、白川に流入する可能性が高くなっているのではないかと思いますけれども、大臣の御認識はいかがでしょうか。
○石井国務大臣 今回の地震では、阿蘇大橋付近を中心といたしまして斜面の崩落が発生をし、白川の上流域では多くの土砂が河川に堆積をしております。
 例えば、阿蘇大橋付近の斜面の崩落では、おおむね四十万立方メートルの土砂が河川に崩落しているものと推定をしております。現在、河川内におりる道路が寸断をされておりまして、詳細な調査ができない状況にありますが、現在のところ、下流に向かって大きな土砂移動の状況は見られておりません。
 国土交通省といたしましては、監視カメラの設置などによりまして、土砂移動の監視体制を強化しております。また、専門家の意見もお聞きしながら、これらの崩落土砂による下流河道への影響把握を行いまして、その結果を踏まえ、必要な対応について検討してまいります。
○田村(貴)委員 もっと詳細な、緻密な調査も必要ではないかなと思うんです。
 そこで、安倍総理に伺います。
 熊本県民にとって、二〇一二年の北部九州大水害は忘れることのできない大惨事でありました。この県民の不安な思いを総理は認識されておられるでしょうか。
 地震によって生じた白川などの堤防等の応急補修は完了したと伺いました。しかし、大雨でどんな事態が生じるかわからないと、危険水位を引き下げたところであります。余震が毎日続いています。きょうも熊本県は雨が降っています。崩落土砂流出の可能性があります。大惨事を招かないためにも、河川の調査、河床の調査、河道掘削、堤防の維持整備などを行って、河川流量の確保にあらゆる手だてを講じる必要があると思います。
 二次被害の防止に、安倍総理、決意をお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 今回の地震では、熊本県内の多くの河川において堤防の損傷などの被害が生じています。
 平成二十四年の九州北部豪雨により白川等で甚大な被害が発生したことは記憶に新しいところでありますが、間もなく迎える本格的な梅雨を前に、しっかりとした対策を講じていくことが必要であります。
 国が管理する河川においては、堤防のひび割れの補修など、応急対策をこれまでに全て完了させたところでございます。熊本県においても、本格的な梅雨期に備えるため、鋭意応急対策を実施しているというふうに承知をしております。
 また、河川の被害状況を踏まえたソフト面での対策として、河川巡視の頻度をふやすとともに、早目の水防活動や早目の避難に資するよう、水防警報や洪水予報の基準を暫定的に引き下げて運用しています。
 関係自治体と緊密に連携をして、引き続き洪水への備えに万全を期していく考えでございます。
○田村(貴)委員 国土交通省が行った土砂災害緊急点検箇所は、今すぐ手を打つ危険度Aから始まって危険度Cまで千数カ所にも上っています。二〇一二年の北部九州豪雨被害の再来を、多くの熊本県民が起こらないように心配しています。政府として万全を期していただきたいというふうにも思います。
 そして、この阿蘇付近でこれだけの崩落とこれだけの土砂崩れが起こったこの地域に、立野ダムなるものの建設はきっぱり中止する、そのことも強く要求して、きょうの質問を終わらせていただきたいと思います。
 終わります。
○竹下委員長 これにて田村君の質疑は終了いたしました。
 次に、松浪健太君。
○松浪委員 おおさか維新の松浪健太であります。
 締めくくり質疑の時間をいただきまして、ありがとうございます。
 この質疑のあり方でありますけれども、ふだんは我々は、お経読みから次の質疑まで時間をあけろ、こういうことは形式的だということを非難しているわけであります。
 形式的であると言っているわけでありますけれども、本来、締めくくり質疑というのは、基本的質疑を受けて、これをしっかりとそしゃくした上でやるべきで、これに関してはお経読みとは逆に、お経読みして基本的質疑をやって、その次に締めくくり質疑というような機動的なあり方が本来は私は国会の質疑を充実したものにすると思いますけれども、今後の運用をまた理事会でもお話をいただきたいと思いますけれども、委員長、いかがですか。
○竹下委員長 理事会で検討いたします。
○松浪委員 そういうことでありますので、きょうの基本的質疑を受けて通告に縛られない質問もあろうかと思いますけれども、よろしくお願いをいたしたいと思います。
 本日、基本的質疑五時間、そして私の質疑も含めて一時間半で計六時間半になるんですけれども、私もきょうの質疑で違和感を覚えるものがありました。
 今回の補正予算案七千七百八十億のうち七千億円がまさに予備費でありますので、中身の質疑というのは難しいのもわかります。そこで、政治資金とか保育とかその他の話題に、私は触れるなとは言いませんけれども、やはり予算委員会というのは、そもそも国の予算、経済、財政、こうしたものに集中すべきものだと思います。特に、先週末には大新聞が、政府の方が消費税増税を先送りするというような話もありました。
 こうした中で、私も一国民として、民進党さんもできてから初めての予算委員会だと思いますので、これも別に責めているようなわけではありませんけれども、こうした質問が出ないこと自体、そもそも私は、三党合意というものが今機能しなくなっているのではないか。民進党さんも、三党合意した方々と、消費税はこれからできるだけ遅延させていくべきだといういわゆるリフレ的な考えの皆さんが一緒になって、議論がまだこの党の中でもうまくまとまっていないんじゃないか。
 そういう意味では、総理もきょう、民主党時代はということで議論されていましたけれども、そもそも別の党なんだから、私は、三党合意というものが今どういうあり方にあるのか、まず総理の認識をいただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 三党合意につきましては、我々野党のときに、世界に冠たる社会保障制度を維持していく上において消費税の導入等、あるいは社会保障制度の充実を図るために消費税の導入について合意をし、そして我々は、野党ではありましたが法案に賛成したわけであります。その上にのっとって、我々は消費税を五%から八%に引き上げたところでございます。
 しかしその後、経済状況が、デフレ脱却に向けて強力に進めていく上において、消費が消費税の引き上げによって落ち込んだ中において十分に回復していなかったということをもって、我々は一年半延期したところでございます。
○松浪委員 今、三党合意についてのお話、直接的にはお答えいただけませんでしたけれども、逆に民進党さんの席の方では、もうこれはないんだみたいなお話も出ているぐらいでありますので、与野党も一度逆転したわけでありますので、もう一回大きな意味で、総理がおっしゃったように経済情勢もかなり大きく変わっておりますし、アベノミクスとともに、私は、景気循環とアベノミクス、本当にぴったりと合って、これはすばらしい政策だったということはあろうかと思いますけれども、今、この景気もピークアウトし始めているという学者もいる中で、まさに情勢が変わる中で、もう一度与野党の大きな枠組みというのをつくり上げていただきたいと思います。
 それでは、直接的な質問に移りますけれども、きょう、ちょっと、二月の十九日の予算委員会で私が皆さんにお配りをした表を出させていただきました。内閣府の中長期試算をもとにして、その数字を入れて私どもがつくった表であります。
 これは、あのとき御披露いたしました、中長期試算に従って消費税を上げなかったパターンを我々はこの赤い線で示して、前回並みの影響があった場合にはこの緑だと。実際、今の政府の、内閣府の試算というのは、前回が消費税三%だったら、今回二%上げるんだから三分の二ぐらいを見積もっているとか、とてもこれからの、総理がおっしゃるような景気のあり方、世界経済のあり方を織り込んだものとは言えないということを、あれから二、三カ月たって、それはますます深まっていると思います。
 そして、もう一枚おめくりをいただいて、これは私の方から訂正でありまして、当時我々もさまざまな試算を入れましたので、石原大臣にも、私もちょっと表をつくったときおかしいなと思っていたのは、最後の我々の試算が、ぴょこんと緑の部分が青を上回っていたところがあったんですが、あれは、税収弾性値の値を一・五のパターンというものも我々はつくっておりまして、それがたまたまちょっと計算違いでまじったものでありまして、あれを今回は内閣府と衆議院の調査局にしっかりと手伝っていただいて、修正した結果がこれであります。
 ただ、今回私たちが言えることは、増税をしないパターンで、そして仮想を前回並みに置くと、やはり結果は変わらず、前回並みの景気の落ち込みというものを、試算すると、やはりこれは増税しない方が、プライマリーバランスは二〇二〇年についてはこういうふうに逆転するということなんですけれども、石原大臣、やはりこれから、消費税なんかがあるときにはもうちょっと緻密に入ったこうした分析が必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○石原国務大臣 この表は、松浪議員と議論したことを覚えております。そして、今回修正されたので、モデレートな形になったのかなというのが率直な印象でございます。
 総理から御答弁させていただきましたとおり、消費税の五%から八%の増税によりまして、経済への影響ということを見ますと、私どもが予想したよりも消費の減というものが大きいということと、物価上昇による所得効果、これをやはり低く見積もっていた、委員はそういう御指摘をずっとされておりまして、その結果が、二〇一四年一月の政府見通しでは三・三プラスということであったけれども一・五で、ここに一・八%の乖離があるので、もう少しそのデータを小まめにして、今委員がお示しになった二枚目のこちらですか、こちらの方が正しいのではないかというような御趣旨での御質問だと聞いておりました。
 やはり考えられることは、先ほども申しましたように、駆け込みというものが予想以上に大きかった。それと、経済状況を見ますと、円安ですよね。当時は円安、輸入物価が上昇した。また、長雨、冷夏、こういう外的要因もあったと思っております。
 そういう中で、こういう資料がもっと正確であるべしという委員の御指摘は全く私どもも同じ考えを持っておりまして、中長期試算は年に二回ローリングオーバーさせていただいておりまして、結果として出てきた予想以上に反動効果が大きかったというようなものも入れさせていただいて、二〇一七年四月の税率引き上げに伴う駆け込み需要、反動減についても、前回のものよりも考慮して、新しくその都度その都度つくらせていただいているということもぜひ御理解をいただきたいと思います。
○松浪委員 この試算は、経済の世界では、これは狂った羅針盤だという表現もあるぐらい、外れるということが大きい。
 確かに、安倍総理が決断されて消費税を上げる前の一月の指標では、次の年は一・四%ふえるんだとあった。その次に出てみると、予測が二〇一五年は〇・五%マイナスだとなった。その次には何と、確定すると、一%マイナス。まず、二・四%も外れるということは、やはりこうしたことはしっかり反省しなければならないし、なぜこれがこれだけ数字が間違ったのか。これは安倍総理がこの数字にだまされて消費税を上げたと言われても仕方がない大きさでありますので、こうしたことの反省点という、ロールオーバーとおっしゃいましたけれども、それはしっかりあらわす必要があると思います。
 そして、それに加えて、私がこの質問をさせていただいた後に、ちょうど五月十四日のダイヤモンドが、まさに今申し上げたような、こういう表を載せた特集を組まれました。
 これは、私、バランスがとれていると思います。七名のエコノミストの皆さん、それぞれ消費税賛成派と反対派が四、三に分かれていて、著名な皆さんが意見を述べられている。その中で、こうした表が出ているわけですけれども、今の表と似ていますけれども、政府見通しでは増税しても経済成長率は大きく落ちないんだというのも描かれている。成長率が違うと基礎的財政収支も大きく異なるということも描かれている。こうしたことを政府の方もしっかり描くと。
 特にここで注目するのは、反リフレ派の意見は、そもそも再生ケースの成長率が高過ぎるという指摘、そしてリフレ派からは、一七年四月からの消費税を前提としているのに成長率が楽観視し過ぎていると。リフレ派も反リフレ派も、両方がこの数字は問題があるということを書かれております。
 私は、これは経済再生ケースというよりも、これはやはり名目三パー、実質二パーのこの数字を守らなければならないというところから来ていると思いますので、今まではベースラインケースというのはありませんでしたね。昔は参考ケースでしたけれども、これも経済再生ケースというよりも、一つは、私は、政府目標管理ケースみたいな、管理値ケースなんだというようなことを出していかないと、これからもし消費税を先に送った場合に、これはいいことばかりじゃありません。
 長期金利については、もしかして、海外から日本の長期国債が格付が下になるというようなことも考えられる。そうすると長期金利が上がるというような最悪の事態も考える中で、我々は、こうしたことを、消費税を先に送ったとしても、その方が実はプライマリーバランスにはプラスになるという指標があるんですよということを、世界のマーケットに対してこれを訴えていくことが、こうした私は不測の事態に対しての大きな大きな歯どめになるというふうに思います。
 こうした意味で、石原大臣、新たにこうしたことをしっかりと打ち出すような新たな指標の可能性というのはありますか。
○石原国務大臣 委員のお示ししていただいたこの資料というものが前回よりも精度を増してきたという率直な印象は申し述べさせていただきましたが、その一方で、先ほどもお話をさせていただきましたとおり、我々、財政の中長期の試算の中でローリングオーバーをしっかりとさせていただいております。ですから、ことしのものは去年のものに比べて現実経済を、消費税の増税によって起こったことを含有している、そういう捉え方をさせていただいておりまして、中長期試算よりも経済が落ち込んでPBが悪化するとも必ずしも言えませんし、上げなかった方が必ずしも経済が発展するということは、これは両方言えないのではないか、こんなふうに認識をさせていただいているところでございます。
 どちらになるかということを断定的に言えないのではないかと認識をしているところでございます。
○松浪委員 先ほど申し上げたことの繰り返しになりますけれども、リフレ派、反リフレ派のエコノミストが、この二〇一六年の指標に従って、これが高過ぎるということを両派がごらんになっているということを政府にはしっかりと御認識をいただいて、これから消費税増税についてお考えをいただくようにお願い申し上げまして、終わります。
 ありがとうございました。
○竹下委員長 これにて松浪君の質疑は終了いたしました。
 これをもちまして締めくくり質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして平成二十八年度補正予算両案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○竹下委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。野田毅君。
○野田(毅)委員 自由民主党の野田毅でございます。
 私は、自由民主党を代表し、ただいま議題となっております平成二十八年度一般会計補正予算及び平成二十八年度特別会計補正予算、以上二案に対しまして、賛成の討論を行います。
 賛成の理由の第一は、そのスピード感であります。四月十四日及び十六日に相次いで震度七を、さらに数日間で震度六を五回も記録し、今なお余震が続く未曽有の大地震に対し、政府は、地震の発生直後から現場主義で、必要なあらゆる手段をスピード感を持って講じてきました。
 三万人規模の自衛隊、警察、消防、海上保安庁、医療部隊による懸命の救命救助活動、プッシュ型での食料、水、各種生活必需品などの提供、本震から九日間という短期間での激甚災害への指定など、政府の対応は大変迅速なものであり、被災地の議員としても感謝いたしております。
 本補正予算はこのような政府の取り組みの延長線上にあるものであり、今後も復旧復興を迅速に進めることができるよう、先手先手で対応するものであります。二十八日間での国会提出は前例のない速やかなものであり、政治の責任で今国会の会期中にその後必要となる財政上の手当てに万全を期すという強い決意のあらわれであると考えます。
 賛成の理由の第二は、仮設住宅の建設や被災者生活再建支援金など、当面の被災者支援に必要な予算について、今後の被害拡大にも対応できるよう十分な予算を計上するとともに、熊本地震復旧等予備費により万全を期していることであります。
 賛成の理由の第三は、七千億円という極めて大きな規模の熊本地震復旧等予備費を計上するとともに、現時点で各省庁が検討している多岐にわたる施策について、これを積極的に活用して迅速に対応していく姿勢が見られることであります。
 政府には、予備費の使途が的確なものとなるよう留意いただきつつ、インフラ復旧や学校施設の復旧、瓦れき処理、医療や社会福祉、中小企業や農林漁業者の支援、熊本城を初め文化財の修理など、必要な経費についてはぜひ柔軟に積極的に対応していただきたいと思います。
 また、今後の本格的な復旧復興に当たって、被災した自治体の財政負担が能力をはるかに超えている状況に鑑み、県や市町村が安心して取り組みを進めていくことができるよう、ぜひともさらにしっかりとした支援をいただくことをお願いいたします。
 以上、本補正予算政府案に賛成する理由を申し述べました。
 議員各位の御賛同を賜りますことを強くお願い申し上げます。(拍手)
○竹下委員長 次に、石関貴史君。
○石関委員 民進党の石関貴史です。
 私は、民進党・無所属クラブを代表して、平成二十八年度補正予算案について、賛成の立場から討論を行います。
 まず、今回の熊本地震によってお亡くなりになった方々に哀悼の誠をささげますとともに、被災された皆様に対し心からお見舞いを申し上げます。
 災害時においては、被災者支援や復興のためには、与党も野党もなく、一致協力して対応に当たるべきと考えております。この観点から、民進党としても政府に協力を惜しまず、被災者支援と復興をさらに効果的なものとするため全力を尽くしてまいりました。
 民進党として、地震発生直後に平成二十八年熊本地震災害対策本部を立ち上げ、関係府省からのヒアリング、地元県連からの報告による被害状況等の把握に努めてまいりました。また、被災者の方々の声を踏まえた対策が重要であるとの観点から、被災地の状況を見据えつつ、岡田代表を初め我が党の国会議員、地元の地方議員などが被災地を訪問し、現場の声を聞いてまいりました。
 そして、四月二十日、対策本部長でもある岡田代表らが首相官邸を訪れ、安倍総理に熊本地震災害に関する緊急申し入れを行うとともに、補正予算についての要求項目の取りまとめを行い、四月二十八日、民進党政務調査会から政府及び自由民主党政務調査会に対して、補正予算に対する申し入れを実施するなどの対応をしてまいりました。
 このような中で提案された平成二十八年度補正予算案についてですが、政府が限られた時間の中で補正予算を編成したことは評価をしております。
 しかし、ほとんどが予備費であって、何に使用するかはフリーハンドとなっていることも事実です。また、七千億円の予備費積算根拠についても、正確な被害が把握できない状況ではやむを得ないかもしれませんが、不明確なままとなっております。
 一応、使途については熊本地震に起因するものに限定することを予算総則に記載していますが、実際の使用に当たっては、恣意的な使途とされる可能性も否定はできません。
 今回の補正予算が成立しても、課題は山積しています。政府等の災害対策に取り組む執行体制にも課題があり、この補正予算を効果的に執行するためにも、チェック体制を強化することが必要であります。
 民進党として、被災地のきめ細かな要求に沿った支出が行われるよう、補正予算の執行については精査をし、注文をつけていくことを申し上げて、私の討論を終わります。(拍手)
○竹下委員長 次に、吉田宣弘君。
○吉田(宣)委員 公明党の吉田宣弘です。
 私は、公明党を代表して、平成二十八年度補正予算案に対し、賛成の立場から討論いたします。
 熊本地震の発災から一カ月、いまだ余震が継続し、避難している多くの被災者のお気持ちに思いをいたせば、被災者に安心を届けるためにも、本補正予算の早期成立、円滑な執行を図ることが不可欠です。そうした観点から、本予算委員会において震災関連ではない質問が余りに多かったことは、被災地出身の議員としてまことに残念です。
 以下、本補正予算案に賛成する主な理由を申し述べます。
 第一に、避難所や車両に避難している被災者が安心できる住まいの確保が期待できる予算になっている点です。安心できる住まいの確保なくしては、被災者に復旧復興の光は差してきません。政府においても、避難生活を余儀なくされている被災者の方々に寄り添って、一日も早く安心な住宅が提供できるよう、あらゆる手段を行使することを改めて強く要請するものであります。
 第二に、道路や橋梁、砂防、港湾施設など、傷つき機能を停止したインフラの復興が加速化されると期待される点です。特に、地域の基幹道路であり、観光振興に重要な役割を担う国道五十七号線や阿蘇大橋、国道三百二十五号線の早期復旧を国直轄事業で行う方針が示されたことは、地元自治体の財政負担を大きく軽減できる意味からしても高く評価されます。ただ、地元自治体には、なお財政負担の不安が消えておりません。さらなる財政負担の軽減を求めます。
 第三に、中小企業、農林漁業、観光業を営む方々のなりわいの復興が期待できる点です。
 被災地には、熊本地震により事業存続の瀬戸際にある中小企業、小規模事業者が数多くあります。既存債務については政府系金融機関による返済猶予などの柔軟な対応が図られ、事業再開や継続するための資金繰りのための低利融資の充実や信用保証の拡大を発動、東日本大震災におけるグループ補助金のような補助金の導入も言明された点を評価したいと思います。
 次に、被災された農林水産業の再建支援も急務であるところ、農地など農業施設の復旧事業の補助率がかさ上げされ、被災者向け経営体育成支援事業の発動により畜舎、農業用ハウス等の再建・修繕支援が実施されている点は高く評価できます。加えて、同事業においては、被災し使い物にならない畜舎などの撤去費用も対象とすることを強く要請いたします。
 さらに、地震の影響で宿泊客のキャンセルが相次いだ九州全体の観光業への支援も急務であるところ、正確かつ積極的な情報発信、観光プロモーションの強化策などが示された点を評価したいと思います。
 最後に、予算は確保されますが、今後の的確な対応を機動的に行うためにも、現地との連携を最優先とすることを強く要請して、私の賛成討論を終わります。(拍手)
○竹下委員長 次に、高橋千鶴子君。
○高橋(千)委員 私は、日本共産党を代表し、二〇一六年度補正予算案に賛成の討論をします。
 このたびの補正予算案は、当面急がれる災害復旧等経費に充当するものであり、仮設住宅や被災者生活再建支援金など、見込まれる量に一定の幅を持たせている点、歳入について現行予算の枠組みの中から捻出している点などから、賛成といたします。
 この際、今回の震災対応について幾つか意見を述べます。
 熊本地震のいわゆる本震からきょうで一月。震度七の地震が二度もあり、今も大きな余震が続いています。発災時の恐怖にとらわれ、車中泊を続けている方が多数おられること、その中で震災関連死がふえており、せっかく助かった命をこれ以上犠牲にしないよう、政治の責任が問われています。
 今回の地震対策、被災者支援にとって最大の壁は、その被害の実態がつかみ切れていないことです。罹災証明書の発行が約三割にとどまり、再建へのプロセスが行政にも被災者にも見えてきません。ここに経験のある応援職員を派遣し、早く実態をつかみ、かつ円滑に進むよう、国のイニシアチブを求めたいと思います。
 二つに、従来の制度の枠組みにとらわれ、被災者を分断し苦しめていることです。仮設住宅に入るのに一部損壊はだめ、半壊だが入ってしまうと応急修理が受けられない、原状復旧が原則であることなどが壁となります。
 総理はきょうも、できることは全てやると述べられました。そのためには、支援が必要な量、実態を正確につかみ、そこにふさわしい予算を確保することです。
 また、予算が確保されても、制度の枠組みで結局使えないのでは意味がありません。これまでの阪神・淡路大震災の特例措置に学んで新潟中越地震で行ったこと、これらに学んで東日本でさらに拡充してきました。こうした必要な特例措置を早急に具体化すること、そして自治体の裁量に委ねる使い道自由の基金をつくるべきであります。
 被災者生活再建支援法も、被災者の要望に応えて、個人住宅再建に直接支援することが二〇〇七年の臨時国会で可能となりました。そのときの四年目の見直しがいまだに実現していません。過去の制度との公平感と言ってしまえば一歩も進むことはなく、阪神・淡路の被災者は遡及されなくても、自分たちと同じ思いをしないようにと後押ししてくれたのだということを受けとめ、早期改正を目指すべきです。
 最後に、長引く避難所での暮らしの深刻さが質疑の中でも指摘されました。仮設住宅の建設には時間がかかり、一方では避難所の集約が迫られる、やむなくみずから賃貸などを選択すればそれで自立とみなされ、支援の対象から外される。こんなことは絶対にあってはなりません。二次避難所に位置づけるなど、災害救助法を活用し、住みかえも柔軟に認めるべきです。物資が偏り、感染症など衛生状態も心配される事態からは、集中的な取り組みで一刻も早く抜け出すよう求めます。
 以上、住まい、暮らし、仕事となりわいが確保、再建され、一日も早く被災者が日常を取り戻すことができるよう政府に求めるとともに、日本共産党としても全力を尽くすことを約束し、討論とします。(拍手)
○竹下委員長 次に、丸山穂高君。
○丸山委員 おおさか維新の会の丸山穂高です。私で最後でございます。
 ただいま議題となりました補正予算案に賛成の立場から討論をいたします。
 討論に先立ち、このたびの熊本での大地震で亡くなられた方々に哀悼の意を表しますとともに、被災された全ての方々にお見舞いを申し上げます。
 大規模な災害への対応につき、与党も野党もありません。政府が速やかにこの補正予算案をまとめ提出したことは率直に評価できるものでありますし、我が党も迅速な審議に協力しているところでございます。提出された予算案につき、審議で幾つかの質問はいたしましたが、限られた時間の中でまずはまとめられた対策として、賛成できる内容です。
 補正予算経費に計上された熊本地震復旧予備費の七千億円は、事前に具体的な使途を限定せず、状況に応じたインフラ復旧や瓦れき処理あるいは被災者の事業再建に使えるというものであり、東日本大震災後に補正で同規模の予備費を計上したのと同じ対応です。この予算の今後の支出の内訳や実際の被害額については、これからも注視していく必要があります。
 被災地に何が必要なのか。そのニーズを国が適時的確に把握することは大変難しいものではありますが、しかし、今回の地震対応の初動でも同じく救援物資の極端な過不足が生じています。また、東日本大震災では未執行の繰り越しや不用となった復興事業予算が数兆円単位の巨額に上り、大きな問題となりました。
 我が党は、こうした復興事業こそ国が一律で決めるものではなく地域に任せ、自治体が大きな権限と財源を持って行うべきと考えます。そして、四月二十日と二十六日の二度にわたり、総理にこれらを含む緊急提言を行ってまいりました。
 東日本大震災時には復興特区法が制定され、現地の実情に合わない国の規制を条例で変えられる上書き権が認められているものの、要件が厳し過ぎて今まで利用例はありません。さきに述べた予算の不適切な執行とあわせて大いに反省、改善すべき点であり、今後の東北と九州の復興にこの教訓を生かすべきです。
 政府は、今後、我が党の提言に基づいて、被災都道府県の知事に国の出先機関に対する時限的な指示命令権限を与え、被災自治体の議会条例による法律、政省令の時限的な上書き権を認めるべきと考えます。
 被災自治体に今後一層の権限と財源が認められることで、それぞれの地域の実情に合った、そんな形での復興が一日も早くなし遂げられることを祈念して、討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○竹下委員長 これにて討論は終局いたしました。
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○竹下委員長 これより採決に入ります。
 平成二十八年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十八年度特別会計補正予算(特第1号)の両案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○竹下委員長 起立総員。よって、平成二十八年度補正予算両案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました平成二十八年度補正予算両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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    〔報告書は附録に掲載〕
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○竹下委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時五十二分散会