第190回国会 文部科学委員会 第5号
平成二十八年四月二十日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 谷川 弥一君
   理事 青山 周平君 理事 池田 佳隆君
   理事 石田 真敏君 理事 木原  稔君
   理事 山本ともひろ君 理事 太田 和美君
   理事 長島 昭久君 理事 浮島 智子君
      安藤  裕君    池田 道孝君
      石原 宏高君    尾身 朝子君
      大西 宏幸君    大見  正君
      門山 宏哲君    金子万寿夫君
      神谷  昇君    神山 佐市君
      工藤 彰三君    小林 史明君
      櫻田 義孝君    田中 英之君
      谷川 とむ君    豊田真由子君
      長坂 康正君    鳩山 邦夫君
      福井  照君    船田  元君
      古川  康君    古田 圭一君
      宮路 拓馬君    宗清 皇一君
      簗  和生君    若狭  勝君
      金子 恵美君    菊田真紀子君
      郡  和子君    坂本祐之輔君
      平野 博文君    松田 直久君
      柚木 道義君    笠  浩史君
      伊佐 進一君    國重  徹君
      吉田 宣弘君    大平 喜信君
      畑野 君枝君    宮本  徹君
      伊東 信久君    吉川  元君
      松本 剛明君
    …………………………………
   文部科学大臣       馳   浩君
   国務大臣
   (東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当)       遠藤 利明君
   文部科学副大臣      冨岡  勉君
   厚生労働副大臣      竹内  譲君
   文部科学大臣政務官
   兼内閣府大臣政務官    豊田真由子君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  吉岡てつを君
   政府参考人
   (内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局総括調整統括官)   芦立  訓君
   政府参考人
   (内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局企画・推進統括官)  高原  剛君
   政府参考人
   (内閣官房新国立競技場の整備計画再検討推進室総括審議官)         中川  真君
   政府参考人
   (総務省大臣官房審議官) 内藤 尚志君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房文教施設企画部長)      山下  治君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          小松親次郎君
   政府参考人
   (スポーツ庁次長)    高橋 道和君
   文部科学委員会専門員   行平 克也君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十日
 辞任         補欠選任
  安藤  裕君     田中 英之君
  石原 宏高君     金子万寿夫君
  尾身 朝子君     神谷  昇君
  大見  正君     長坂 康正君
  神山 佐市君     池田 道孝君
  下村 博文君     簗  和生君
  谷川 とむ君     宗清 皇一君
  古川  康君     宮路 拓馬君
  宮川 典子君     若狭  勝君
  郡  和子君     金子 恵美君
  平野 博文君     柚木 道義君
  國重  徹君     伊佐 進一君
  畑野 君枝君     宮本  徹君
同日
 辞任         補欠選任
  池田 道孝君     神山 佐市君
  金子万寿夫君     石原 宏高君
  神谷  昇君     大西 宏幸君
  田中 英之君     安藤  裕君
  長坂 康正君     大見  正君
  宮路 拓馬君     古川  康君
  宗清 皇一君     谷川 とむ君
  簗  和生君     下村 博文君
  若狭  勝君     宮川 典子君
  金子 恵美君     郡  和子君
  柚木 道義君     平野 博文君
  伊佐 進一君     國重  徹君
  宮本  徹君     畑野 君枝君
同日
 辞任         補欠選任
  大西 宏幸君     尾身 朝子君
    ―――――――――――――
四月十五日
 教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(額賀福志郎君紹介)(第一四六六号)
 同(古本伸一郎君紹介)(第一四六七号)
 同(中村喜四郎君紹介)(第一五〇四号)
 同(梶山弘志君紹介)(第一五三五号)
 国の責任による三十五人以下学級の前進、教育の無償化、教育条件の改善に関する請願(阿部知子君紹介)(第一四六八号)
 国の責任による三十五人以下学級の前進、教育の無償化、教育条件の改善を求めることに関する請願(鈴木克昌君紹介)(第一四六九号)
 学費負担の大幅軽減と私大助成の増額に関する請願(長島昭久君紹介)(第一五〇三号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一五一五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 独立行政法人日本スポーツ振興センター法及びスポーツ振興投票の実施等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三一号)
     ――――◇―――――
○谷川委員長 これより会議を開きます。
 議事に入るに先立ちまして、委員会を代表して一言申し上げます。
 このたびの平成二十八年熊本地震の被害によりお亡くなりになられた方々とその御遺族に対しまして、深く哀悼の意を表します。
 また、負傷された方々及び被災者の皆様方に心からお見舞いを申し上げます。
 これより、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。
 御起立をお願いいたします。――黙祷。
    〔総員起立、黙祷〕
○谷川委員長 黙祷を終わります。御着席をお願いします。
     ――――◇―――――
○谷川委員長 内閣提出、独立行政法人日本スポーツ振興センター法及びスポーツ振興投票の実施等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官吉岡てつを君、内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局総括調整統括官芦立訓君、企画・推進統括官高原剛君、新国立競技場の整備計画再検討推進室総括審議官中川真君、総務省大臣官房審議官内藤尚志君、文部科学省大臣官房文教施設企画部長山下治君、初等中等教育局長小松親次郎君及びスポーツ庁次長高橋道和君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○谷川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○谷川委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。菊田真紀子さん。
○菊田委員 おはようございます。民進党の菊田真紀子でございます。
 まず、冒頭、熊本地震の影響についてお伺いしたいと思います。
 今回の地震で、東海大学農学部の学生さん二人を含む死者四十七人、負傷者は一千百人を超え、今なお九万人以上の被災者が避難生活を送っています。また、土砂災害で崩落した阿蘇大橋付近で足取りが途絶えたと報道のある熊本学園大学の学生さんの安否も大変心配です。
 お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、被災された皆様に対して心よりお見舞いを申し上げます。
 一連の地震で、学校施設等文部科学省関係の被害状況について、人的被害、物的被害、どのような状況であるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○山下政府参考人 お答え申し上げます。
 文部科学省関係の被害につきましては、昨日九時時点で、人的被害につきましては、アパートの倒壊により学生三名が亡くなられましたほか、熊本県で児童生徒八名、教職員一名が重傷との報告を受けております。
 また、物的被害につきましては、昨日九時時点で、学校施設や社会教育、体育、文化施設等では、天井、ガラス、配管等の破損、外壁等のひび割れなど、また、文化財等では熊本城における石垣崩落など、計九百一件との報告を受けてございます。
 文部科学省としては、引き続き関係機関との連絡を密にし、被害状況の把握に努めてまいります。
○菊田委員 ありがとうございました。
 学校等の施設は現在避難所になっているところも多くあり、避難生活が長期化することも予想されます。現在、熊本県初め各県におきまして避難所となっている学校は何校あるでしょうか。
 一日も早い復旧に向けて国として総力を挙げて被災地を後押ししなければなりませんが、同時に、児童生徒がひとしく教育を受ける機会、学習の場を確保していかなければなりません。文科省としてどのような対応を考えていますか。
 また、今後、被災した児童生徒の心的ケアが極めて重要だと考えますが、どのように対応していくのか、あわせてお聞かせください。
○小松政府参考人 お答えを申し上げます。
 まず、お尋ねのうちの、避難所となっている学校の関係でございます。
 私ども、教育委員会から聞き取ったりしているところ等によって把握しておりますところを申し上げますと、まず、熊本県におきましては、公立学校で申しまして約二百五十校でございます。このうち約半分ないし半分強は熊本市でございます。それから、熊本県以外でおおむね百校強が避難所に充てられているというふうに把握をいたしております。
 それから、その次のお尋ねで、学校の今後の修学機会や再開等に向けてのことでございます。
 これらにつきましては、全体といたしまして、まず、学校の必要な教員の加配とか、それから、心のケア等になりますとスクールカウンセラーの方の派遣とか、そういった部分。それから、ほかの学校へとりあえず行かれるということがもし生ずれば、その場合、他の設置者、市町村等ですね、あるいは他県等に対しましても、受け入れがスムーズにしていただけるようにお願いをしていくこと。その他、補充のための授業等の必要な措置ということを主に考えておりまして、このために、被災県等と連絡をとっております。
 そして最後に、三つ目のお尋ねでございますけれども、子供たちの心のケアの問題でございます。
 現在、県の方で、被災の大きかったところを中心に既にスクールカウンセラーの派遣等が行われております。私どもとしては、県と密接に連絡をとり合いますとともに、臨床心理士に係る全国団体等とも連絡をとりまして、その派遣等につきましても御協力いただけるようにお願いをいたしております。
 これらを通じまして、状況をよく見て、また、被災地の状況あるいは住民の方々、お子様方の安全を第一としつつも、その再開等に支障がないようにしっかり対応してまいりたいというふうに考えております。
○菊田委員 現在休校している学校がいつから授業再開できるのかどうか、今はなかなかはっきりと言えないような状況だというふうに思いますし、まだ余震が続いておりますので、これが安定するまでかなり長期化するのではないかということであります。
 心的ケアは初期のケアが一番大事だと思いますので、ぜひしっかりと対応していただきたいとお願いしたいと思います。
 続きまして、先ほどもお話がありましたけれども、文化財の損害についてお伺いいたします。
 熊本県のシンボルであります熊本城は、今回の地震で天守閣の屋根瓦が落ち、石垣は崩れ、国の重要文化財になっている塀が百メートルにわたって倒壊したと報道されています。また、ほかにも、日本三大楼門の一つとされ、国の重要文化財であります阿蘇神社の楼門と拝殿が全壊する等、大きな被害が出ています。このような国の重要文化財等の被害状況について、全体をお聞かせいただきたいと思います。
 また、これらの文化財の復旧に当たりましては、国として財政支援をするのか、あわせて御説明ください。
○馳国務大臣 おはようございます。よろしくお願いします。
 九州各県の教育委員会からは、国指定文化財等の被害について、四月十九日時点で、熊本県四十四件、大分県十五件、福岡県十一件、長崎県五件、宮崎県二件、佐賀県一件の計七十八件の被害が報告されております。
 熊本城については、国指定文化財として特別史跡の熊本城跡、重要文化財の長塀、平やぐらなど、十四の建造物があるところ、石垣の崩落及び十三の建造物の被害が報告されております。また、阿蘇神社については、重要文化財として六棟の建造物が指定されているところ、楼門が全壊したほか、いずれの建造物にも被害が報告されております。
 国指定文化財の修理事業については、原則的に所有者または管理団体が行うこととしておりますが、国が総事業費の五〇%を補助し、さらに所有者の財政状況等に応じて最大八五%まで補助できることとなっております。さらに、災害復旧の場合、通常の修理事業の補助率に加え、八五%を上限に二〇%のかさ上げ措置を講じております。
 文化財は地域の宝でもあり、被災した国指定文化財については、文化財の所有者等と連携し、早期に修理するように努めてまいりたいと思います。
○菊田委員 ありがとうございました。御支援のほど、よろしくお願いいたします。
 それでは、法案の質問に入っていきたいと思います。ちょっと順序がいろいろ入れかわりますけれども、御理解をいただきたいと思います。
 その前に、オリンピック・パラリンピックというのは、大臣も常々言っておられますように、全ての日本人に夢と感動を与える一大事業であってほしいと私も思っておりますが、しかし、東日本大震災の復興は順調に進んでいるとは言えず、今なお仮設住宅や親戚、知人のお宅に身を寄せるなど避難生活を余儀なくされている方々が大勢おられます。さらに、このたびの熊本地震で甚大な被害が出ており、とてもオリンピックどころじゃない、オリンピックに金をかけるより、こうした被災地の復興や被災者の生活再建を優先すべきではないのかという声も出てくるのではないかと懸念をいたしております。
 本当にオール日本で、心一つになって開催できるのでしょうか。たび重なる震災により国家財政が逼迫する可能性もある中で、オリンピック開催に影響はないのでしょうか。オリンピック開催に係る全体の予算について、一体どれくらいなのか、お示しをいただきたいと思います。
○遠藤国務大臣 おはようございます。
 お答え申し上げます。
 まず、熊本県等では、四月十四日に震度七を観測した地震以降、今なお地震が頻発し、人的、物的被害が拡大をしております。お亡くなりになられました方々に心から御冥福をお祈り申し上げるとともに、負傷された皆様あるいは避難しておられる方々を初め災害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げる次第であります。
 今回の震災の被害額はまだ把握する段階にないと承知しておりますが、いずれにしても、二〇二〇年東京大会については、安全、安心かつ安定した大会運営が実施できるようにしていくつもりであります。
 また、大会経費につきましても、現在、組織委員会において、東京大会成功に必要な業務の全ての洗い出しを行っているところであると承知をしております。このため、現時点において、東京大会全体に係る経費についてお示しすることがまだできませんが、大会に関してさまざまな要望がある中、組織委員会において、必要性の有無や、さらに効率的、効果的なものはないかなどについてしっかり精査をし、大会に対する国民の信頼を損なうことがないように取り組む必要があると考えております。
 一昨日、仙台市に行きまして、東北地方の皆さん方と、オリンピック・パラリンピックの機運醸成について話をしてまいりました。いろいろな意見を聞いてまいりました。その中からも、まだ仮設住宅の中からオリンピック・パラリンピックを見るんですよ、そういう御意見もありました。大変重い課題だと思っております。
 しかし、同時に、そうした皆さんにこそなおさら、こうしたオリンピック・パラリンピック大会を通じて、世界の皆さん方との交流、あるいは多くの皆さん方からいただいた義援金や、あるいはボランティア、そうした皆さんに対し、復旧復興の状況をしっかりお示しし、スポーツの持つ力、そうした力によって復興復旧をなし遂げていきたいと考えております。
○菊田委員 今洗い出し作業をやっている最中なのでということでしたけれども、たしか、大臣は前に、六月中には全体の予算についてお示しできるのではないかと発言したような気がするんですけれども、六月中ということで大丈夫ですか。
○遠藤国務大臣 組織委員会では、リオの大会が八月にありますが、八月をめどに洗い出し作業を進めているというふうなことであります。
 ただ、同時に、IOCの方からは、オリンピック・パラリンピック、今回のリオでの大会がありますが、その大会の運営を見て、例えば、さらに必要なもの、あるいはこれは要らないよというふうなことがありますから、そういうことを踏まえて提案をしていただければよろしいのではないかというようなことを承っております。
○菊田委員 ありがとうございました。
 LGBTについてお聞かせいただきたいと思います。
 東京オリンピック・パラリンピックでは、世界のアスリートやオリンピック関係者が日本の性的マイノリティー、いわゆるLGBT対応に注目をしています。ロンドン・オリンピックの際、イギリスはLGBT支援を積極的に打ち出し、国際的評価をさらに高めたと承知をしていますが、こうした配慮は世界の潮流であって、二〇一四年十二月、国際オリンピック委員会も、総会において、オリンピック憲章に性的指向による差別禁止を盛り込むと決議をしています。
 多くの外国人観光客に来日してもらい、日本の魅力を発信する際にも、LGBTの視点は必要ではないでしょうか。二〇二〇年に向けて、この問題に関する啓発を含め、政府としてどのような施策を考えているのでしょうか。また、この問題に取り組んでいるNGOがありますけれども、そうしたNGO等とどのように連携していくおつもりですか。遠藤大臣にお伺いします。
○遠藤国務大臣 菊田委員御指摘のように、平成二十六年十二月のIOC総会において、オリンピック憲章の中の「オリンピズムの根本原則」に、性的指向による差別の禁止が盛り込まれております。また、組織委員会においては、大会ビジョンにも、性的指向を含む「多様性と調和」というコンセプトを掲げ、東京大会を、世界じゅうの人々がそのことに気づく契機となる大会としたいと考えていると承知をしております。
 政府においては、人権啓発活動の一環として、性的少数者の問題に関する人権啓発活動を実施しているところであります。
 現状で、今委員から御指摘ありましたが、LGBT問題に取り組んでいるNGOとの連携はまだ承知をしておりませんが、オリンピック憲章や大会ビジョンを踏まえ、NGOを含め、幅広く意見を伺ってまいりたいと思っております。
○馳国務大臣 ちょうど昨日、NGO団体のヒューマン・ライツ・ウオッチ代表とお会いをしてお話を伺いました。
 文部科学省としては、昨年の四月三十日に通知を発出しておりますし、ことしの四月一日に必要な資料を既に発表し、またホームページでもオープンにしておるところであります。
 改めて、学校教育においても、まずは理解の促進、そして個別への対応、こういったことで、LGBTの問題、文科省としては、今、SOGI、いわゆる性的指向と性的自認の問題ということで、まず理解が進むように進めているところであります。
○菊田委員 馳大臣はこの問題にかねてより大変熱心にお取り組みをいただいておりましたし、遠藤大臣も前向きな御答弁をいただきましたので、ぜひ、NGO等とも、また当事者の皆さんともよく連携をしながら、この問題に対応していただきたいというふうに思います。
 それでは、法案について質問いたします。
 財源についてでありますけれども、きょう、皆様に資料を配らせていただいておりますが、二枚目の資料でございます。これは、これまでの国会での審議、議論を通じて、私の事務所の方で作成をさせていただきました。
 財源スキームについてですが、国が負担する七百九十一億円のうち、既に確保した三百五十九億円を除く四百三十二億円については、税金で負担するのではなく、今回の法改正により国庫納付金が三分の一から四分の一に減額されるため、本来は国庫に納付されるはずであった減額分を新国立競技場の建設費に充てる国負担分とみなし、totoの収益金から四百三十二億円を拠出することとしています。
 つまりは、toto負担分三百九十五億円と、残りの国負担分四百三十二億円は、全てtotoの収益から出されるのです。よって、実際には、分担対象経費千五百八十一億円のうち八百二十七億円、約五二%の財源はtoto頼みとなるのです。
 大臣、私のこの理解は間違っていますか。
○馳国務大臣 昨年十二月に関係閣僚会議により決定された財源スキームにおいて、新国立競技場の整備に係る財源負担については、国の負担、スポーツ振興くじの特定金額、東京都の負担の負担割合を二対一対一としているため、単純に計算すると、スポーツ振興くじの特定金額の負担額は三百九十五億円となります。
 しかしながら、特定金額の一部は国庫納付金の減少を財源として生み出されていることから、財源スキームでは、特定金額のうち国庫納付金の減少見合い分の額である四百三十二億円を国の負担として計上しているところであります。
 このため、スポーツ振興くじの負担額と国庫納付金の減少見合い分の金額を合計すると、スポーツ振興くじの売り上げによる特定金額が実質的に負担する金額は、御指摘のとおり八百二十七億円となります。
○菊田委員 今大臣の御答弁にありましたように、新国立競技場整備計画再検討のための関係閣僚会議において決定をされた「新国立競技場の整備に係る財政負担について」、第一項に「新国立競技場の整備は、「新国立競技場の整備計画」に基づき、国が責任を持って進める。」と明記されています。
 しかし、実態は、今私がお示しをさせていただいたとおり、その時々の売り上げに左右されるtotoに頼る財源スキームとなっているように私には見えます。果たしてこれで国が責任を持った計画と言えるんでしょうか。懸念を持ちます。
 また、toto購入者の理解をどのようにして得るのでしょうか。大臣の見解をお聞かせください。
○馳国務大臣 新国立競技場等の整備については、平成二十三年の閣議了解において、多様な財源の確保に努めることとされております。これを踏まえ、昨年十二月に関係閣僚会議で決定した財源スキームでは、特定金額による国庫納付減少分も合わせ、分担対象経費千五百八十一億円の半分である七百九十一億円を国が負担することとしており、国として相応の責任を果たしていると考えております。
 また、スポーツ振興くじの収益の一部を新国立競技場の整備に充てることについては平成二十五年の議員立法により創設されたものでありますが、スポーツ振興くじの収益が、今回の法改正による新国立競技場の整備も含め、日本のスポーツ振興のために有効に活用されていることについて、くじの購入者等に対し、さまざまな機会を活用して周知してまいりたいと思います。
○菊田委員 さまざまな機会を通して周知をしていくというお話ですけれども、これだけ多くの財源がtotoから支出されるということは事実ですので、本当にどのように理解を得ていくのか、これは私は大事なことだというふうに思っております。
 具体的にはどういうふうに理解を得ていくんですか。
○馳国務大臣 そもそも、totoが導入された背景には、国の財政健全化の流れの中で、大変厳しい国家財政において、しかしながら、スポーツ基本法にも示されているように、こういう国際大会に対する国の支援の必要性も求められているところから、ある意味では苦渋の決断でtotoの制度を導入したところもございます。
 したがって、こういう国会審議もそうですし、私たちは発言する場面がございますので、totoの収益に頼らざるを得ない国家的な財政状況もありますし、同時に、スポーツ振興を通じて、国際大会などを開催することによって、その成果を享受できるのもやはり国民自身でありますし、そういったことを丁寧に説明していく必要があると思っています。あらゆる場面を通じて、totoの制度が導入された経緯、今我が国が抱えている国家財政の状況、財政健全化に向けての道のり、そういった総合的な判断の中で丁寧に説明する必要があると考えております。
○菊田委員 新商品百円BIGが発売されました。初回の売り上げは約二億七千四百五十万円、二回目が約二億八千七百万円となり、上々のスタートを切ったとも思えますが、売り上げ向上に向けた努力が実を結び、仮に平成三十五年度を待たずとも財源を確保することができた場合は、特定金額の一〇%の上限を五%に戻すんでしょうか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 スポーツ振興くじの平成二十六年度の売り上げ実績一千百八億円を前提といたしますと、特定金額を売上金額の五%から一〇%に引き上げた場合、特定金額として年間百十億円を確保できることとなり、平成二十八年度から三十五年度までの八年間で八百三十億円程度を負担できることとなります。このため、この引き上げの措置は平成二十八年度から平成三十五年度までの八年間と規定しているところでございます。
 今後、賃金または物価等の変動、消費税率一〇%の適用など追加的な費用が生じる可能性もあり、現時点で平成三十五年度以前に財源を確保できることとなることを想定はしておりませんが、仮に御指摘のような状況が生じた場合には、その時点での特定業務の状況等を踏まえ、適切に判断することとなると考えております。
○菊田委員 そういうことを想定した方がいいと思いますよ。いろいろな変化があるわけだし、なかなか先が見えない世界でありますので、それは、プラスに上向いていくこともあるし減少していくこともあるでしょうし、その際にどうするのかということは、いろいろな局面を想定しておくべきではないかなというふうに思います。
 法律上は、平成二十八年度から三十五年度までの間、特定金額の上限を五%から一〇%に変更するとなっています。これは上限を変更するのですから、例えば八%にするとか、七%にするとか六%にするとか、こういう変更があることもあるんだというふうに解釈してよろしいでしょうか。
○馳国務大臣 そもそも法律にかかわる問題ですし、パーセンテージを規定するのはこういう立法によってすることでありますから、まず基本的には、この特例期間というものをしっかりと対応していくということが政府としての責任でありますし、委員御指摘のように、時々において、売り上げが上がるときもあれば、残念ながら売り上げが下がるときもあるわけでありまして、そのことを想定しながら、その時々で最善の判断を下していく、それが政府の責任だと考えております。
○菊田委員 では、仮に売り上げが大幅に減少した場合の対応と、八年間の特例期間内に必要な財源を確保できない場合にはどのように対応するんでしょうか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 本法案においては、平成二十八年度から三十五年度までの間、特定金額の上限割合を一〇%に引き上げることを盛り込んでおりますが、この結果として、スポーツ団体等への助成財源が減少しないよう、国庫納付の割合の引き下げ等を行うとともに、くじの運営費をおおむね二十億円程度削減することとしております。
 JSCにおいては、現在、組織体制や業務内容の見直し、広告宣伝方法の工夫など、運営費の削減に取り組む一方で、先ほど御指摘いただきました百円BIGをこの四月から新たに販売するほか、インターネット販売の拡充など、売り上げの拡大に努めているところでありまして、大幅な売り上げの減少を生ずることのないよう、引き続き努力に努めてまいりたいと考えております。
 なお、八年間の特例期間に必要な財源が確保できなかった場合には、法律上は、平成三十六年度以降、現行の附則第八条の三に規定されておりますように、特定金額の上限五%の範囲内で特定金額を確保することになりますので、それによって対応することになるものと考えております。
○菊田委員 今、運営費についても言及がありましたけれども、特例期間が終了した後は、二十億円削減されたこの運営費は、省令でどのような措置をするのでしょうか。またもとに戻すのでしょうか。二十億円削減されても運営できているのですから、もとに戻す必要はないのではないかとも思えるんですが、いかがでしょうか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま御答弁いたしましたように、特定金額の上限割合の引き上げに合わせまして、くじの運営費をおおむね二十億円程度削減することを予定しております。
 具体的には、発売総額が二千億円に達しない事業年度のスポーツくじの運営費について、現在は、省令によりまして、くじの売上金額の一〇%に百億円を加えた金額を上限としております。これについて、二十億円削減を制度上担保するため、くじの売上金額の一〇%に八十億円を加えた金額を上限とする、こういった省令改正を行うことを検討しておりまして、この期間は、法律に合わせて、平成二十八年度から平成三十五年度までの間の特例措置として省令に規定することを予定しております。
 したがいまして、平成三十六年度以降については、省令上は現行の仕組みに戻ることになりますが、売り上げや運営費の状況を踏まえて、またその時点での判断を行うことになると考えております。
○菊田委員 その時点での判断というのが非常に多いなというふうに思うわけでありますけれども、政府は、新国立競技場に係る整備費を、国とtoto財源と東京都で二対一対一の割合で分担するとしておりますけれども、中身は、財源の半分以上をtotoに依存する計画であり、本当に大丈夫なんだろうか。その時々で判断するという今の答弁もあります。そういう意味で、私は、いろいろな問題意識を持っているところでありまして、もっとしっかり国が責任を持って、不安定にならないようにしていただきたいというふうに思います。
 そして、ちょっと法案の審議とは違いますけれども、バドミントンの男子のトップ選手の賭博問題がありました。非常に多くの国民が衝撃を受けております。東京オリンピックを控えて大事なときでありますのに、大変残念ながら、オリンピックやスポーツに対するイメージの低下が懸念されておりますけれども、両大臣の受けとめと、どのようにして再発防止に取り組んでいくのか、その点、お聞かせをいただきたいと思います。
○馳国務大臣 まず、バドミントンの日本代表選手による違法賭博行為の疑い、このことが発覚をして、所属であるNTT東日本において調査がされ、その結果が日本バドミントン協会に報告され、その上で処分が下された、こういうふうに承知しておりますし、私自身も、事案の重要性を踏まえて、オリンピックに派遣するにふさわしくないと考えております。まず、これが事実関係に基づく一点目、大変残念なことであります。
 同時に、私もそうでしたが、スポーツ選手にとって、スポーツは勝つために頑張っているところもありますが、メダルよりも大切なことはまさしくルールを守るということでありますし、同時に、スポーツを通じて得られる社会的な効果、こういったことを多くの国民が、また関係者が期待しているところでありますから、それを裏切ったことになるわけであります。
 再発防止に関しては、私は、まず処分を厳粛に受けとめると同時に、処分をして社会的に抹殺をするという意味ではないと考えております。本人みずからが反省をし、社会貢献活動をしたり、やはり、処分の期間中、できることとできないことはありますが、むしろ、私自身は、こういう思いでこんなことをしてしまいましたと多くの人の前に、特に子供たちに直接語りかけることで、恥をかいてもいいですから、本人が、自分がしでかしたことの重大性と、そして、法律を守る守らない以前に、スポーツ選手はルールを守らなければいけないわけで、その姿を多くの国民や子供たちが期待をして憧れを持って見ているわけでありますから、その子供たちを裏切ってしまったということがいかに重大なことであるかということを気づかせるためにも、私はぜひ、本人がみんなの前に出ていって、私はこういう思いでこういうことをしてしまいましたと、そういうことを重ねることが必要だと思っています。
 同時に、随分と社会的な制裁を受けておりますが、当然だと思いますけれども、一定の処分を終えた後は、そのときの判断によりますが、所属チーム、所属団体、協議の上、私は復活することもあるんだろうな、こういうふうに思って、見ております。
 以上です。
○遠藤国務大臣 ことしはリオの大会で、多くの選手諸君が大変努力をし、オリンピック、パラリンピックとも出場選手がかなり多くなってきつつある、そして、これまで以上にメダルの確保もできる、そう思っておりました。特にバドミントンについては、男女とも大変活躍をしておりますし、世界でも有数のプレーヤーがいる状況でありますから、国民の皆さんからも、そして私たち関係者も、何とかしてメダルをとってほしい、とれるんだろうと期待をしておりました。
 そうした最中の出来事ですから、残念ということと同時に、これだけ国民の皆さん方が期待をし、そして青少年の憧れの的であったわけですから、当初は私も怒りさえ覚えた状況でもありました。
 競技団体そして企業とも処分をし、そうした処分を尊重したいと思いますが、同時に、先ほど馳大臣から話がありましたように、人間、過ちがあるわけですから、そこは人間としてしっかり、社会人として皆さんに尊敬されるような、また若い青少年の皆さんに尊敬されるような活動をしていただいて、そして改めて出直して頑張っていただきたいと思っております。
○菊田委員 JSCからアスリート助成金として、桃田選手には計百八十万円、田児選手には計七百二十万円の助成金が支給されていました。この返還を求めていくとの報道がありますが、事実でしょうか。
 また、日本バドミントン協会にも、昨年度、国から競技力向上事業として約一・五億円支出されていますが、今回の不祥事を受けてどうするんでしょうか、お聞かせください。
○高橋政府参考人 今回の事案を受け、スポーツ庁においては、四月十五日に、JSC、JOC、JPC、日本体育協会、五者共催で、各競技団体を招集し、スポーツ界におけるコンプライアンスの徹底に関する会合を開催いたしました。
 その際、スポーツ庁長官からは、アスリート助成は、優秀なアスリートをたたえ、競技活動に専念した選手生活の継続を奨励し、競技水準の向上を図るものであることに鑑み、アスリートへの助成金の取り扱いについてはJSCにおいて厳正に対応する必要がある旨発言をいたしました。
 また、JSC理事長からは、日本バドミントン協会における全体の調査結果を待って判断する必要があるが、当該選手に対する助成金の返還も含め厳格な対応を検討せざるを得ない旨の発言があり、現在、JSCにおいて助成金の取り扱いの検討を行っているところでございます。
 一方、昨年度JSCから交付された競技力向上事業につきましては、アスリートに対する直接的な助成ではなく、競技団体が行う強化合宿等の強化活動に対して助成するものでありますので、今後、JSCにおいて、法令にのっとり適正に執行されたかどうかを確認した上で判断していくことになると考えております。
 スポーツ庁といたしましては、今後ともJSCとしっかり連携をして対応してまいりたいと考えております。
○菊田委員 本当にこのようなことが二度と起こらないように、しっかり対応していただきたいというふうに思います。
 きょうは、聖火台についていろいろお聞きしたくて、冨岡副大臣にもお忙しい中御出席をいただいたんですけれども、ちょっと時間がなくなりまして大変申しわけございませんでした。心からおわびを申し上げまして、また別の機会に改めて御質問させていただきたいと思います。
 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。
○谷川委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午前九時四十二分休憩
     ――――◇―――――
    午前十時二十分開議
○谷川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。郡和子君。
○郡委員 おはようございます。休憩を挟んでの委員会の再開、民進党の郡和子です。
 まず、私からも冒頭、熊本地震について、亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 まだ活発な地震活動が続いているということです。文科省は、学校設置者に対して、所管の学校などを、地域住民の方々の避難所として活用するようにという要請をされていると承知しています。ホームページでは、被災された熊本、福岡、大分、佐賀、長崎の五県で三百九十八施設が避難所として利用されているというふうに報じられていました。
 ですけれども、熊本県の教育長からは文教施設の応急危険度判定士の派遣要請もあったということで、昨日ですか、送られたということです。
 二次被害ということに万全の対策をとっていただきたいと思いますし、私どもも、東日本大震災の折に、天井の落下ですとか、これまた大きな心配を被災された方々にさせてしまったこともございましたし、また、長引く避難生活で、学校施設は教育現場としての構造ですから、避難生活される方々と必ずしも一致しない構造になっていて、ふぐあいも大変生じたというふうに承知しています。それらの教訓を、ぜひ今回生かしていただきたいというふうに思います。
 このことも冒頭申し上げて、それでは質問に入らせていただきます。
 今月の五日になりますか、政府は、官邸で国際的な感染症対策の関係閣僚会議を開かれて、リオ・オリンピックを前にして中南米を中心に感染が広がっているジカ熱、この日本での感染拡大を予防するために、媒介する蚊が活動する夏に向けて追加の対応策を決定したということでありました。
 安倍総理は会見で、ジカウイルス感染症は蚊が媒介します、蚊が多く発生する夏の季節に備えるとともに、リオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピックの開催に備えた対応の強化が必要です、六月を広報強化月間として、集中的な広報、普及啓発を行うなど、国民運動を展開していきます、さらに、妊婦の方からの電話相談体制を全国的に整備しますと、この後の会見で述べられておりました。
 御承知のように、WHOは、ことしの二月二日でしたけれども、ジカ熱による小頭症に関する緊急事態宣言を発表されておりまして、それを受けて、リオ・オリンピック開催国もすぐに反応されました。リオデジャネイロ市の保健局長がすぐに会見を行って、リオ・オリンピックの開催時期は、南半球だから蚊の媒介、活動が活発化する夏ではない、だけれども、それまでに万全の対策をとるというふうに緊急会見を行われたわけです。
 総理は、オリンピックへの影響、リオ・オリンピックを想定されているんだけれども、私は、リオ・オリンピックじゃない、東京オリンピック・パラリンピックの方がもっと深刻な問題があるんじゃないだろうかというふうな心配をしておりまして、その観点から質問をさせていただきたいと思います。
 ジカ熱というのは、改めて言うまでもないわけですけれども、この感染症は蚊が媒介するものでして、ヒトスジシマカ、ネッタイシマカというヤブカの仲間が感染媒体となって広まる病です。初期の妊婦の感染でなければ、蚊に刺されて一週間近く潜伏期間があって、発熱、それから発疹、関節痛、一週間ほど苦しむ病でして、これで済むというふうなケースが多いんですけれども、先ほど申しましたように、妊娠初期の女性が感染しますと大変大きな影響があるということです。
 蚊の活動期間というのは、私が改めて言うまでもありません、初夏、夏、秋にかけてでありまして、まさに東京オリンピックの開催時期と重なっているわけです。
 ジカ熱についてですけれども、これまで感染症法上位置づけがなされておりませんでしたが、このほど位置づけられることになったんですか。厚労省にお尋ねします。
○竹内副大臣 お答えいたします。
 ジカウイルス感染症につきましては、先生御承知のとおり、本年二月一日にWHOが、ジカウイルス感染症との関連が指摘される小頭症等の中南米での多発につきまして、いわゆるPHEIC、国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態を宣言したところであります。
 こうした状況を踏まえまして、本年二月五日に感染症法施行令を改正いたしまして、ジカウイルス感染症をデング熱やマラリアなどの蚊媒介感染症と同様に感染症法上の四類感染症に位置づけまして、患者を診断した医師による保健所への届け出を義務づけたところでございます。
○郡委員 第四類の感染症に指定をされたということです。今御紹介いただいたように、マラリア、デング熱などと一緒だということですけれども、デング熱については、これも皆さん、議員の先生方、御案内のことだと思いますけれども、致死率の高い重症型デング熱の罹患者が、地球規模の温暖化によって感染が世界規模で拡大しているということであります。
 一九七〇年以前は、この感染が確認されたところは世界で九カ国だけだったそうですけれども、それが二〇一四年度には百カ国以上で発生して、五十万人がこのデング熱に罹患をし、そのうち、死者も罹患した患者さんの二・五%に上るということです。WHOは、この点についても、デング熱感染拡大で、世界規模でこれからますます増加するのではないかと警告を発しています。
 実は、先日、毎日新聞の記事で、「ヒトにとって危険な動物は?」ということで、国立国際医療研究センターの感染症対策の専門家でいらっしゃる堀さんが寄稿されているんですけれども、人にとって一番危険な動物は何であるか。大臣、えっという顔をなさっていますけれども、蚊だそうです。
 年間の死亡者数は、この記事によりますと七十二・五万人。人、四十七・五万人、殺人などのことでしょう。蛇が介在して五万人が亡くなっている。蚊が介在して亡くなっているのは七十二・五万人、断トツの一位なんですね。たかが蚊だと思っていらっしゃるかもしれませんけれども、大変恐ろしいということの認識を持っていただきたいと思うんです。
 蚊が媒介するウイルス感染症は、日本脳炎ウイルスやデング熱、ジカ熱にとどまりません。海外からの帰国者が持ち込んだウエストナイル熱、それから、今東南アジアやアフリカで広がっているチクングニア熱というんですか、この媒介もヒトスジシマカが媒介をしております。つまり、蚊による感染症の拡大は、今や世界の脅威であると言っても過言ではないと思うんです。
 さらに、厚生労働省に伺っていきたいと思うんですけれども、これは大変神経をとがらせていることだと思うんですけれども、官邸の会議で、蚊が媒介する感染症に対する追加の対応策が話し合われたということですけれども、具体的にどのような対応策でしょうか。お伝えいただきたいと思います。
○吉岡政府参考人 委員御指摘のジカウイルスの感染症でございますけれども、先ほど厚生労働副大臣が御答弁されましたように、本年の二月の一日にWHOがPHEICを宣言したことを受けまして、その翌日に関係省庁の審議官級で構成されますジカウイルス感染症に関する関係省庁対策会議というものを速やかに設置しまして、当面の対応策、また追加的な対応策というものを順次取りまとめて、逐次実施に移してきたところでございます。
 ただいま御指摘の追加の対応策でございますけれども、今後、国内において、このジカウイルス感染症を媒介する蚊の活動時期に入っていくこと、それからまた、八月にはリオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピックが開催され、多くの帰国者、渡航者が見込まれることから、こうした状況に備えた対応策を取りまとめまして、今月五日に開催された関係閣僚会議に報告をしたところでございます。
 具体的には、まず第一に、蚊の活動時期に備えた対応といたしまして、各省庁、地方自治体、企業を初め国民全体で夏の蚊対策国民運動というものを展開し、特に六月を夏の蚊対策広報強化月間として、一つには、公園などの広い敷地において、蚊の発生を防止するための下草刈り、水たまりの除去等を徹底するということ、二つ目には、国民お一人お一人に対しまして、自宅周辺の水たまりの除去であるとか、蚊の多い場所に行くときには肌を露出しないようにすることを徹底するということ、それから三つ目には、妊婦の方々からの電話等相談体制を全国的に整備するなどとしております。
 また、リオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピック等に向けた対応といたしまして、渡航者、帰国者等への防蚊対策のきめ細かな周知等を図ることとしているなど、万全を期していきたいというふうに考えております。
○郡委員 きょう皆さんにお配りいたしました資料の一と二、そのときの提出された資料だと思いますけれども、公園等における下草刈り、水たまり、不要物の除去、蚊の監視調査及び駆除等の予防対策、蔓延防止対策等の徹底を各地方自治体に依頼するというようなことが書かれているわけです。
 蚊、これらの深刻な感染症を媒介しているネッタイシマカとヒトスジシマカですけれども、幸いなことに、ネッタイシマカは、日本の、それも首都圏には生息しておりません。
 ところが、ヒトスジシマカというのは、首都圏、また東京、神奈川、千葉などで圧倒的に多く生息しているんだそうで、公園や神社、墓地を初めとして農村地域まで、さまざまな環境に対応できる蚊で、家の周辺でも、昼間、真っ先に激しく吸血に来る種類の蚊だそうでございます。
 そして、特に七月、八月は成虫発生の最盛期になって、この数年間の東京都における蚊の発生状況は、捕獲された蚊の八〇%近くがこのヒトスジシマカであったということでございました。
 なお、このヒトスジシマカというのは、温暖化で既に青森にまで生息をしているということが確認をされているそうです。
 二〇二〇年の東京オリンピックの開催は七月から八月、ちょうどヒトスジシマカの発生のピークと重なっているわけです。同じ時期に、東南アジアなど世界じゅうの人々が多くこの首都東京に集まってこられる、そして日本各地にも観光で訪れることが予想されます。不測の事態にならないように、今からでもヒトスジシマカに対する防除対策を講じておかなくちゃいけないというふうに思います。
 今御紹介いただいたことしの六月の集中月間はもとより、二〇二〇年のオリンピック開催に向けて、私は、特に準備が必要だと思われるスタジアムのことで一つ伺いたいんです。
 世界に開かれたスタジアムである以上、そのありようというのは、地球温暖化がいかに進もうが、国民はおろか全人類に安心、安全をしっかりと確約できるスタジアムでなければならないというふうに思っているわけです。
 しかし、緑のスタジアムの緑を演出するために設けられる植栽ゾーン、前にも私、この委員会で取り上げさせていただきました。この植栽ゾーンは、残念ながらヤブカにとって最高のねぐらになるのではないかと警鐘を鳴らす研究者がおります。いたずらに不安をあおっているわけではありません。
 蚊にもいろいろな種類があるんだそうで、日本で人を刺す蚊は、こんなことを長々申し上げて申しわけないんですけれども、数十種類いるんだそうです。
 例えばイエカという蚊ですと、これは夜、ちょっと外に出て、プーンという音とともに刺してくる、夜活発に移動して吸血をする蚊、これがイエカの仲間なんですけれども、ヤブカの仲間、ヒトスジシマカなどもそうですけれども、特にこれは明るい時間帯に活動して吸血をするということなんです。受精卵を少しでも多く育てるために人間や家畜を襲って吸血行動をするんですけれども、成虫は一カ月程度は陰湿な暗がりに隠れていて、その機会をうかがっているんだそうです。
 もし、その場に適当な水たまりがなければ、いろいろなところに飛んでいって生息地を探すことになるんでしょうけれども、残念ながら、今回、この国立競技場、緑のスタジアムの植栽ゾーン、これは都会の中でも格好の蚊の隠れ家、すみかになり得る。まさにこれは天国になり得るんじゃないかとまで言う人もいるんです。
 国際派環境生物学者の江刺洋司東北大学名誉教授らは、このスタジアムの北側半分の三層にわたる植栽域を注目しておられます。日中はスタジアムに多くの方々が集まる、その人たちが呼吸をすることによってCO2濃度が高くなる、これをヤブカは敏感に感じ取る。産卵のために餌、これはもう、すぐそこに人がいるわけですから、十分だということになります。スタジアムの直射日光の当たりの悪い北側の三層の植栽域、ブッシュに潜んでいれば、容易に吸血のチャンスが到来するんじゃないかということであります。
 二〇一四年の夏の代々木公園封鎖と同じような悲劇が、二〇二〇年の夏には神宮の森全体を閉鎖せざるを得ないような事態を招かないように、十分に考えていかなくちゃいけないと思うんですね。
 そこで伺うんですけれども、今回、このコンペでA案、B案がありましたけれども、木を植える、植栽を用いるこの緑のスタジアムに対して、そのような評価の指標というのはあったんでしょうか。コンペのときにリスク評価はなされたんでしょうか。私は、選考の際にも重要な視点ではなかったかというふうに思うんですが、いかがだったでしょうか。
○馳国務大臣 郡委員お尋ねの、新国立競技場整備事業における蚊が媒介する感染症のリスク評価については、JSCの技術提案等審査委員会が、大成建設等企業共同体の技術提案書に係る審査の過程において、蚊の発生等による衛生面の課題を確認したと承知をしております。
 その部分をちょっと読み上げさせていただきます。確認事項として、こういうふうな表現をしております。
 「「せせらぎ」の計画について、水の汚れ、子供の水遊び、蚊の発生など衛生上、起伏ある地面や濡れた路面での転倒など安全上、水循環システムの電気代やメンテナンス費用などランニングコスト上、それぞれの課題の解決策を具体的にお示しください。」このように指摘をしています。
 それに対する回答として、申し上げます。「1循環系統でろ過及び逆洗を行い、」「(浮遊物質)などの汚れを系外に排出します。また水生植物を定期的に刈取ることで水中の有機物を排出します。循環を行って停滞水域を無くすことで蚊の発生を抑制します。」「2子供はせせらぎで遊ばせない想定をしており、衛生上の課題はありません。子供が入れる水質基準となると滅菌・殺菌の処置が必要となり、生物多様性とは相いれません。」等々、このように回答を出して、リスク評価をしておるということをお伝えいたします。
○郡委員 今、リスク評価されているということでしたけれども、蚊をふやさない対策というのは、ブラジルのリオでも、びっくりしましたけれども、軍の兵士二十万人以上を派遣して取り組むんだということだそうです。
 リオは八月は冬ですから蚊の活動というのは比較的停滞するんだというふうに思いますけれども、今いろいろな、浄化装置の組み合わせだとか水中生物を取っていくんだとかというふうなことがありましたけれども、かなりの負担になるということは間違いないことだと思うんです。
 私は、やはり、もともとそういうふうな危険性があるのであれば、そういう場所をつくらないようにすることの方が重要だったんじゃないだろうか。ちゃぶ台返しをするわけじゃありませんけれども、最大限の配慮を図ってもらわないと、やはり心配は拭えないというふうに思います。
 オリンピックで来日する海外からの観光客の中には、既に感染症に感染をされている方もいらっしゃるかもしれません。ウイルスを持っておられても発症せずに、潜伏期間であれば入国時の検疫をすり抜ける可能性も高いわけであります。
 ウイルスを国内に入れないためには水際で感染者を見つけることが重要であって、厚生労働省は、空港の検疫所で、中南米から入国する人に対して発熱や頭痛などを訴える人がいないかどうか確認する水際対策を強化されていると承知をしておりますけれども、ジカ熱の潜伏期間は、WHOによりますと、二日から七日、デング熱は蚊に刺されてから二日から十五日という大変長い幅もあるように記述で見せていただきました。感染したばかりで症状が出ていない人を水際でとめるのは大変難しいことであります。
 万一、ウイルスの潜伏期間で、感染症に罹患をしていた方々が日本国内で発症した場合のシミュレーションというのはできているんでしょうか。治療ができる医療機関の情報を得ることや、検疫や保健所に相談できる体制が整っているのかどうか、専門医療機関や、検査、治療ができる最寄りの医療機関の情報の周知というのはできるのかどうか。ここについて伺いたいと思います。
○竹内副大臣 お答えいたします。
 我が国における感染症対策につきましては、地方自治体と連携をとりながら、そもそも発生動向調査や医療体制の充実など、従前から取り組んできているところでございます。
 例えばジカウイルス感染症につきましては、全国八十カ所の地方衛生研究所における検査体制を整備しております。また、全国の医療機関に対する臨床情報、診療ガイドラインの提供による適切な患者治療の確保などにも努めているところでございます。さらにまた、検疫所や都道府県等における相談体制の整備なども行っているところでございます。
 先ほども内閣府からもありましたが、夏の蚊対策国民運動などもしっかりとやってまいりたいと考えておりますし、また、東京オリンピック・パラリンピック競技大会における対策につきましては、本年開催されるリオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピックにおける感染症対策の教訓をまずしっかりと踏まえつつ、内閣官房東京オリンピック・パラリンピック推進本部事務局その他の関係省庁とも連携をして、来日外国人に対するさまざまな、言語対応も含めて、しっかりと対応してまいりたいというふうに考えております。
○郡委員 副大臣、やはり多言語で、ちゃんと対応できるところをつくっておかなきゃいけないんですよ。もう急いでいただかないと間に合わなくなっちゃうと思いますので、十分な対応策をとっていただきたいというふうに思います。
 それから、今お話しいただきましたけれども、遠藤大臣も、リオデジャネイロ・オリンピックから得られる経験も踏まえて、これから関係する閣僚と連携して取り組みたいというふうにお話しになっておられました。具体的に何にどのように取り組むのか、スケジュールについてもお話しいただけたらと思います。
○遠藤国務大臣 今、委員御指摘のとおり、海外からの多数の関係者が来日する二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、感染症対策の強化は非常に重要でありますし、昨年十一月に閣議決定された、いわゆるオリパラ基本方針においても、感染症対策を推進することとされております。
 国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議は、リオ大会における対応も含め、二〇二〇年東京大会に向けた感染症対策の検討に資する部分が多いことから、四月五日の会議から私も構成員として参画することとしたところであります。
 今後、オリンピック・パラリンピック大臣として、二〇二〇年東京大会の成功に向けて、関係省庁、大会組織委員会、東京都等と緊密に連携をして、今後、そうしたスケジュール等も含めて、大会固有の課題を整理するとともに、諸施策を推進してまいりたいと思っております。
○郡委員 つまり、具体的なことはまだこれからで、スケジュールについても全く今お答えがなかったわけですけれども、もう少し具体的なところをお答えいただけませんか。
○遠藤国務大臣 先ほど申し上げましたように、これまで実は私は関係閣僚会議に入っておりませんでした。しかし、こうした重要性に鑑み、ぜひ関係閣僚の中の一員として参画をして対策をさせていただきたいということから、四月五日からこの会議に参画をさせていただきました。
 それに基づいて、今、厚労省あるいは東京都、そして組織委員会等と連携をとりながら、この後どういうふうな形で進めていくか、そのスケジュールも含めて、今検討している最中であります。
○郡委員 つまり、全てこれからだということなんだと思うんですけれども、やはり遠藤大臣にリーダーシップを発揮していただいて、ちゃんと取り組んでいただかないと恥ずかしいことになるんじゃないかと思って私は心配をしているんです。
 次は、熱中症について伺いたいと思います。
 きょうは資料をつけさせていただきましたけれども、これは、熱中症の患者がいつ多く発生するかという、国立環境研究所の資料なんですけれども、新しい国立競技場には冷房施設、空調施設がありません。これは間違いないでしょうか。
○馳国務大臣 新国立競技場整備事業の業務要求水準書においては、座席空調設備の設置は盛り込んでおりません。
 熱中症対策等の暑さ対策として、観客席の観戦環境、フィールドの競技環境の向上等のため、通風等の採涼に配慮した計画とするとしております。
○郡委員 今皆さんにお配りした資料の三ページです。東京特別区の熱中症患者情報というふうにありますけれども、これは昨年の、二〇一五年の患者発生の速報値を伝えているものでして、七月の中旬以降九月の初めぐらいまで、この間がやはり患者の方が多いわけですね。地球の温暖化というのも進んでおりまして、このスタジアムに、冷房機能について、やはり熱中症対策としては重要なのじゃないかということが言われてきていたわけです。
 今、馳大臣が座席空調というお話をされましたけれども、当初、ザハ案では座席空調を設置する計画であった。基本設計の概要書には、夏季日中のイベント時の観客の熱中症対策として取り入れるのだと説明されていて、各座席の足元から冷気が吹き出されて、前の座席の背もたれに当てながら冷やしていく仕組み、これが図解で示されておりました。広い競技場の中で客席だけを局所的に冷やす効率的な省エネ技術であって、日本の先進技術を世界にアピールするんだというふうな記述もあったわけですけれども、何しろ金額がかさんだということもあって、この案がそもそも白紙に戻され、今回新しくコンペが行われて、しかし、その金額上、やはり空調は難しいということになったんだろうというふうに思います。
 しかし、本当にそれでいいのかどうかということもやはり考えていかなきゃいけないんじゃないかという問題提起を私はさせていただいているんですね。
 木と緑のスタジアムの設計の原案を見ますと、風の通り道というような形で風が送られるような道筋を描いていらっしゃったけれども、そういうことは、それこそ誰かが大きなところで送風機を回して送らない限り、自然の中で風の通り道ができるのかどうか、それは本当に明らかなことではないとやはり私は言えるというふうに思うんです。
 この座席空調、一九九〇年代から開発が進んでいて、大阪市の大阪シティドーム、京セラドームがこれを導入しているんだそうです。行かれた方は経験されているかもしれませんけれども、かなりいいものだそうです。これを設けるとすれば、さらに追加でどれぐらいお金がかかるのかも含めて、もう一度、やはりちょっと計算をしていただけないかというのが私のお願いでもございます。つまりは、観客席でばたばたと熱中症で倒れる方々が出てくる、競技をされる皆さんたちも真夏の暑い中で競技をする、これが本当にいいのかどうかということでございます。
 私は、異常気象の中の真夏の蒸し暑さというのがどんな気象になるのか、これは誰も明らかにできないと思うんですね。しかも、盛夏でも、日本以外の外国の方々というのは乾燥した気象の方々、多くが湿った日本に来られるわけです。その難しさも含めて、IOCにしっかりと訴えておくべきじゃないだろうかと思うんです。
 大会組織委員会は、改めてIOCに過去の経緯の見直しを求めて、二〇二〇年の真夏に予想される異常気象を視野に入れた開催時期の変更を求めることが許される、そういう時代ではないかということも申し上げたいんです。その努力が報いられなければ、全ての競技用の建屋の構造と時間帯、これについて再考せねばならないのではないかと。
 幾つも聞かせていただきましたけれども、そういう心配をし、御提案をさせていただきますが、いかがでしょうか。
○遠藤国務大臣 まず、先ほどのザハ・ハディド案の冷房につきましては、当時は屋根つきの建物でありましたので、これは必ず必要だという認識でおったと思っております。
 今、委員から御指摘がありました、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催日程について、移動できないか、IOCに交渉すべきじゃないかという御意見でございます。
 IOC理事会が、他の国際競技大会のスケジュール等を総合的に勘案して、七月から八月の間での開催を決めているものであることから、その変更は極めて困難ではないかと承知をしております。
 しかし、一方で、七月から九月という大変暑さが厳しい時期に開催する東京大会でありますから、競技者や観客、特に観客の皆さんに対する過ごしやすい環境をつくることは極めて重要であると思っております。このために、昨年五月に、内閣官房オリンピック・パラリンピック推進本部を中心として、暑さ対策に係る関係府省庁連絡会議を設置して、競技会会場等の暑さ対策を初め、関係省庁、組織委員会及び東京都等が取り組むべき対策について幅広く検討を行っており、昨年九月にその中間取りまとめを行いました。
 この中で、新設会場、仮設会場等の暑さ対策に関しましては、新国立競技場につきましては、新国立競技場等の整備計画を踏まえ、JSCと組織委員会が連携し早急に検討、また、東京都が建設する新設会場等については、基本設計及び実施設計の中で検討、組織委員会においても、仮設物、オーバーレイ等で対応可能な取り組みについて検討するということとされております。
 なお、競技スケジュールについては、組織委員会がIOC、IFと協議の上、大会の二、三年前に決定される予定でありますが、競技種目の特性を踏まえ、委員御指摘のように、暑さ対策については特段の配慮をしていくことは不可欠であると認識をしております。
○郡委員 せっかくの大会が熱中症の患者続出ですとか、蚊による感染症の患者が続出なんということになってはいけないというふうに思っているものですから、あえて質問させていただいています。
 次は、新国立競技場のバリアフリーについてお尋ねしたいと思います。
 大会関係施設やアクセス経路などについて、大会に向けたハード、ソフト両面でバリアフリー化を図るとして、大会組織委員会、東京都、そして国が主催するアクセシビリティ協議会がおととしの十一月に設置されて、これまで数々協議を重ねてこられたというふうに聞いております。この春ごろまでにガイドラインを取りまとめるということだったと承知をしております。
 国際パラリンピック委員会による承認が必要になるので、競技場の工事に入る前に、ハードの部分については、もう全て暫定的なものとしてこれを取りまとめて、既に出されたというふうに伺いました。そして、ことし一月にはIPCから承認を受けたということだそうです。
 そこで、新国立競技場の車椅子の座席について確認をさせていただきたいと思います。
 新国立競技場の標準基準は、オリンピックの大会会場は車椅子の座席〇・七五%、パラリンピックの大会会場では一%、車椅子競技場は一・二%で、同伴者は同比率で横に設置することというふうになっております。しかも、座席は、複数の位置から座席の選択が可能となるよう分散して配置というふうにされているわけです。
 きょうお配りした資料の四枚目に、暫定的に取りまとめて、そしてIPCから承認を受けた基準というのが載っておりまして、「競技会場のアクセシブルな座席比率」というふうに書かれているところを今読み上げさせていただいたわけです。
 採用された当初の設計案は、設計者御自身が、車椅子の方々の席は一番いい場所に持ってきたというふうに胸を張られました。およそ七割が、一番下の一階の層、一層スタンドに集中をしておりました。つまり、これは、国際パラリンピック委員会が、水平方向だけじゃなくて垂直方向にも均等に置くように求めているんだ、さまざまな場所から試合を楽しめる上に、観客席の料金もさまざまな選択肢が広がってくるんだ、障害者にそのような提示をするのが国際標準だというふうに言っているわけです。
 今回は、当初の設計者の案の、一層部分に七割車椅子を設置ではなく、新しく、標準的な基準に基づく車椅子の設置ということに変えられるのですね。確認です。
○馳国務大臣 IPCのアクセシビリティーガイドにおいては、車椅子席は会場のさまざまなエリアに組み込むこと、同伴者席は同じ割合で車椅子席の横に提供することなどと規定されております。
 ちなみに、英文でちょっと読みます。「アクセシブル シーティング シュッド ビー インテグレーテッド イントゥー イーチ オブ ザ ディファレント エリアズ オブ ザ シアター アリーナ オア ベニュー」、こういうふうな表現をされております。したがって、委員御指摘のように、垂直方向の均等な配置とは、具体的には規定はされておりません。
 このIPCのガイドラインを踏まえた上で、新国立競技場整備事業の業務要求基準書では、「ユニバーサルデザインに関する性能」として、IPCアクセシビリティーガイドを踏まえ計画することとされており、大成建設等共同企業体の技術提案書では、車椅子席の配置計画について、パラリンピック開催時においては、一層目スタンドに三百三十席、二層目スタンドに三百三十三席、三層目スタンドに四十席の、計七百三席を配置することとなっております。
 また、大成建設等共同企業体において、多様な利用者ニーズの把握のため、車椅子使用者や高齢者、障害者団体及び子育てグループ等とユニバーサルデザインワークショップを実施しながら事業を進めております。
 新国立競技場が全ての人にとって快適に楽しむことができる施設となるように、世界最高のユニバーサルデザインの実現に努めてまいりたいと思います。
    〔委員長退席、山本(と)委員長代理着席〕
○郡委員 もう時間がなくなりましたからあれですけれども、つまり、設計者自身がそういうユニバーサルデザインの国際標準というのを御存じなくて、そして、それを決めた選考委員の皆さんたちもその点についての問題意識というのは欠落していたということ。これは後づけで変えていくんだというふうなことになっているようですけれども、私は、この選考のあり方ももう少し考えていくべきじゃなかったかということを最後に申し上げたいというふうに思います。
 これで質問を終わります。ありがとうございました。
○山本(と)委員長代理 次に、坂本祐之輔君。
○坂本(祐)委員 民進党・無所属クラブの坂本祐之輔です。
 初めに、熊本地震によってお亡くなりになられた方々に心から御冥福をお祈り申し上げます。また、被災に遭われた多くの皆様方にお見舞いを申し上げます。
 私どもも、政府の取り組みに対し全面的に協力を申し上げさせていただきたいと存じます。
 それでは、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて日々御尽力をいただいておりますことに心から敬意を表する次第でございます。法案の質問をさせていただきたいと存じます。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの成功に向け、私も、全力で協力をさせていただきたいと考えております。
 しかし、残念ながら、新国立競技場の建設費やエンブレム、聖火台などさまざまな問題が起こっており、これらの問題を解決して大会を成功に導くためにも、国会において、今後、より一層プロセスや情報をオープンにしていくとともに、しっかりとチェックを重ねていくことが必要だと考えております。
 そこで、質問に入らせていただきます。
 平成二十五年九月七日、安倍総理は、IOC総会でのプレゼンテーションで、ほかのどんな競技場とも似ていない真新しいスタジアムから確かな財政措置に至るまで、二〇二〇年東京大会はその確実な実行が確証されたものとなりますとの発言をされました。
 しかしながら、このたびの法案を見ると、また、新国立競技場の建設費をめぐる経緯を見ていると、この総理の御発言にある、確かな財政措置とその確実な実行については非常に不安にならざるを得ません。
 まず、確認でありますが、新国立競技場の建設は本来どこが担うものなのでしょうか、お答えをいただきたいと存じます。
○馳国務大臣 基本的には、国立ということでありますから日本スポーツ振興センターが担うべきものと考えておりますし、日本スポーツ振興センターを所管しているのは私、文部科学大臣であります。
○坂本(祐)委員 しかしながら、今回の法案は、国が本来担うべき新国立競技場の建設費用一千五百八十一億円のうち、四分の一をtoto財源から、そしてさらに四分の一を東京都に負担してもらうようにするための法案であるということであります。
 既に指摘されているところでもありますが、それだけでなく、平成二十五年には、totoの売上金の五%を特定金額として新国立競技場の建設費に充てる法律が成立をしており、今回は、さらにtotoの売上金から五%上乗せして、特定金額を合計一〇%にする、そして、この一〇%を特定業務として新国立競技場の建設に充てるというものであります。
 そうなりますと、文科省からの法案説明資料によりますと、御配付をさせていただきました資料の一枚目でございますが、totoの売り上げを一千百八億円とすると、年間の特定業務にかかわる金額、特定金額でありますが、これは約百十億円になります。そして、今回の法案で平成二十八年度から平成三十五年度までの八年間の期間が定められているため、売り上げが変わらないとすれば、約八百八十億円を新国立競技場の建設費に充てることが可能となります。
 したがって、実態は、建設費総額一千五百八十一億円のうち八百八十億円をtotoの財源から、すなわち、およそ二分の一をtoto財源に依存することになるということでありますが、このような理解でよろしいでしょうか。
○馳国務大臣 そのとおりであります。
○坂本(祐)委員 しかし、平成二十七年十二月二十二日の新国立競技場整備計画再検討のための関係閣僚会議、資料の三枚目のスキームでありますが、ここで示された新国立競技場整備に係る財源スキームの資料によりますと、建設費用一千五百八十一億円の中で、toto財源からは八百八十億円ではなく三百九十五億円であり、国の負担は七百九十一億円、東京都の負担は三百九十五億円となっており、国、東京、toto財源の比率は二対一対一と説明されています。
 実態としては、国、東京、toto財源の比率は一対一対二であるにもかかわらず、なぜあえてこのような資料にするのでしょうか。私は、ありのままを示すべきでありまして、このような説明は改めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 今委員から御指摘いただきました昨年十二月の関係閣僚会議の財源スキームの中には、分担割合の注釈といたしまして、「スポーツ振興くじの特定金額をJSCの特定業務勘定に繰り入れること及び収益の一定割合とされている国庫納付金の割合を見直すことについては、いずれも国庫納付金の減少につながる。このため、「スポーツ振興くじの特定金額」のうち、国庫納付金の減少見合いの額については、「スポーツ振興くじの特定金額」ではなく、「国の負担」に含める。」ということが書かれております。
 この金額が約四百三十二億円ということでございますので、その四百三十二億円と、実際に国が予算措置を行う三百五十九億円の合計を今委員御指摘の資料には明記したところでございます。
○坂本(祐)委員 この財源スキームにつきましては、建設費用の一千五百八十一億円のうち、既に平成二十五年の法改正で決定しておりますtotoの売り上げの五%とされている金額と、国の負担分三百五十九億円については既に財源が確保されております。したがって、この法案は、建設費用一千五百八十一億円のうち、これらを除いた金額を、本来建設を担うべき国ではなく、東京都とtotoに負担をさせてしまう法案であると説明できるのではないでしょうか。
 今回の法案が成立することで、今後建設費が変わらなければ、国の負担は既に支出済みの三百五十九億円のみで、今後新たな予算措置は必要ないということになりますが、これもこのような理解でよろしいのでしょうか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、今後金額の上昇がない場合には、国の負担はこの三百五十九億円ということになります。
 これは、繰り返しの話になって恐縮でございますが、国庫納付金の減少分については国の負担とみなすという閣僚会議の決定を受けたものでございます。
○坂本(祐)委員 また、既に支出が決まっております国の負担分の三百五十九億円の中身を見ますと、国の予算措置二百三十四億円と、ほかにスポーツ振興基金の取り崩し百二十五億円という項目が入っております。
 このスポーツ振興基金は、競技水準向上の観点から、トップアスリートの強化事業などに対する助成を行う基金でございまして、主にハードではなくソフト事業を中心に助成する基金とのことでありますけれども、この基金を新国立競技場の建設費に充てるということは問題ないんでしょうか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘いただきましたように、スポーツ振興基金は、スポーツの競技水準の向上及びスポーツの裾野の拡大を図る活動に安定的、継続的な助成を行う制度として、政府の出資金を原資に平成二年に創設され、その後、民間の寄附金を加え、総額約二百九十五億円で運用されてまいりました。
 一方、近年の低金利により運用益が減少し、助成規模が縮小していることから、基金の有効活用の方策を検討するよう、会計検査院から指摘を受けたところでございます。
 これを踏まえて、平成二十七年度予算編成において、スポーツ振興基金のうち国費分の二百五十億円を取り崩すことを決定いたしました。
 この取り崩し分二百五十億円の使途につきましては、選手強化事業に百二十五億円を充てるほか、国際スポーツ競技大会の招致や開催を円滑に行うための緊急の財源として、新国立競技場の整備に同じく百二十五億円を充てる方針としておりまして、スポーツの振興に貢献するという観点から、検査院の指摘に沿った資金の有効活用が図られることになると理解をしております。
○坂本(祐)委員 御説明をいただきましたけれども、本来であれば、このスポーツ振興基金につきましては、主にハードではなくソフト事業に助成をする振興基金であるのではないかというふうに私は思っておりますので、この使途につきましても幾つかお伺いしたいところもあるわけでございますけれども、本題からそれてしまいますので、次の機会にさせていただきたいと存じます。
 以上からいたしますと、結局は、国の予算措置による負担は、文科省が説明するいわゆる国の負担七百九十一億円から、toto財源四百三十二億円とスポーツ振興基金の取り崩し百二十五億円を差し引いた二百三十四億円のみということになります。文科省は、二百三十四億円のみの負担で、およそ一千六百億円かかる新国立競技場を建設するという仕組みをつくったと言えるのではないかと思います。
 また、平成二十七年十二月二十二日の新国立競技場整備計画再検討のための関係閣僚会議で示された財源スキームの資料の注釈、これは御配付をさせていただきました資料の二枚目の一番下に掲載をされておりますが、ここでは、「スポーツ振興くじの特定金額をJSCの特定業務勘定に繰り入れること及び収益の一定割合とされている国庫納付金の割合を見直すことについては、いずれも国庫納付金の減少につながる。このため、「スポーツ振興くじの特定金額」のうち、国庫納付金の減少見合いの額については、「スポーツ振興くじの特定金額」ではなく、「国の負担」に含める。」とあります。
 ということであるならば、私は、法改正をせずに現行の割合のままで国庫納付金を納付して、その後、必要額を予算措置するということでもよいのではないかと考えるものであります。もちろん、国庫納付金は一般財源となってしまいますから、国の一般財源に入ってしまうと予算措置をしてもらうのは難しくなるという考え方もあろうかと思います。しかし、国庫納付して一般財源になっても、その後しっかりと予算折衝して必要額を予算措置をして、それを国の負担とすればよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○高橋政府参考人 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会招致に係る閣議決定においては、大会の開催に係る施設の新設、改善、その他の公共事業については、その必要性等について十分検討を行い、多様な財源の確保に努めることとされております。
 この多様な財源の確保に努めるといった趣旨を踏まえて、新国立競技場の整備に係る財源負担については、国と東京都の間で実務的な協議を行い、昨年十二月の関係閣僚会議において、国、東京都、スポーツ振興くじの特定金額の負担を二対一対一とすることとされたところでございます。
 今回の法改正は、この財源スキームを実現するものであるとともに、東京都の要請に応じて、東京都が負担する根拠規定を定めるものでもありますので、御理解を賜りたいと存じます。
○坂本(祐)委員 冒頭にも御答弁いただきましたけれども、国立競技場の建設費は本来は国が負担をするということであります。しかし、実態は違ったわけであります。そのほとんどをtoto財源とスポーツ振興基金、そして東京都に頼るというものでありました。
 本来であれば国が責任を持ってしっかりと財源を確保する、確保する努力をする、そしてそれでもできない場合にはほかに財源を求めるということが当然の手順であるというふうに思いますが、今回はその努力を見ることができない。そのような中において、東京都やtoto、スポーツ振興基金に安易に依存するのはいかがなものかと考えざるを得ません。
 国と東京都の負担額につきましても、先ほど申し上げましたが、国の予算措置は二百三十四億円、これに対して東京都の負担は三百九十五億円。東京都の負担分は東京都の皆様の大切な血税によって賄われるわけでございますから、このスキームで三百九十五億円を負担する東京都民の皆様からの御理解が得られるとお思いでしょうか。お答えをいただきたいと存じます。
○高橋政府参考人 お答えの前に、先ほど私、閣議決定と申し上げましたが、閣議了解の間違いでございましたので、大変恐縮でございますが、訂正をさせていただきたいと思います。
 ただいまの御質問でございますが、新国立競技場は、先ほど大臣からも答弁のあったように、独立行政法人の施設であり、国が責任を持って対応することが基本であります。
 一方で、新国立競技場の整備は、東京都が招致した二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を開催するために必要不可欠なものであること、当該競技大会の開催などにより地域の振興や経済活性化が図られること、東京都の意向も踏まえた周辺環境の整備や防災機能の強化が行われることなど多大な利益を東京都民にもたらすものでもあります。
 こうした点を踏まえ、関係閣僚会議において、舛添都知事御出席のもと、整備費用の一部を東京都が負担すること、及びこれに関する根拠規定を法律に盛り込むことを決定したところであります。
 また、都道府県の負担額や負担方法について協議が調わない場合には文科大臣が裁定を行うことになりますが、今回の財源スキームの決定に当たりましては、国と東京都で事務的な協議を行うとともに、昨年十二月一日、馳大臣、遠藤大臣、舛添都知事が意見交換をするなど、東京都の意向をできる限り踏まえたものとなっております。
 現時点で新国立競技場以外の施設に係る負担を当該施設が存する都道府県に求めることを想定しておりませんが、仮に今後そのような状況になった場合には、今回同様、丁寧な対応をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○坂本(祐)委員 協議の過程は理解できるわけでございますけれども、本当に都民の皆様がその税負担をどう思われるかということを考えたときに、いかがなものかと思います。
 また、今回の法案の中におきましては、都道府県の負担につきましては、負担する費用の額及び負担の方法はJSCと都道府県が協議して定めるとするとともに、協議が成立しないときは文部科学大臣が裁定するとありますが、まさにこの条項は中央集権的な考え方によるものであると思います。
 この条文によって、都道府県側が受け入れられないものを、最終的に国が強引にでも押しつけることができるようになる、そのような危険性があるのではないかと思いますが、この条文については削除すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○馳国務大臣 財源の問題については、政府内でも大変、ある意味でいえば苦渋の決断をしたところでありますし、この条項については、当然東京都の意思を尊重しながら判断をする、そういうふうな思いで規定したものでありまして、改めて、やはり都民に対しても、国民に対しても丁寧な説明が必要だと思っております。
 もう一点、申し上げさせていただきたいんですが、そもそも、このスポーツ振興投票制度、toto法というのは、超党派のスポーツ議員連盟において、残念ながら、なかなか財政状況が厳しい我が国の財政においてスポーツ振興にかかわる予算を確保できない中で、ある意味でいえば苦渋の決断で、諸外国の事例も参考としながら、超党派で制度設計をし、共産党さんにはもちろん反対をされましたけれども、何とかスポーツ振興のために、また国際大会招致の基盤整備のためにということで成立をいただいたものであります。
 スポーツ振興予算には本来国が責任を持ってすべきでありますし、一九六四年の東京大会のときはそうであったわけでありますが、改めて申し上げますが、国家の財政状況を踏まえてこういう制度設計に至ってきた、このことも申し上げさせていただきます。
○坂本(祐)委員 地方の声をよくお聞きいただくということでございますけれども、そうであるならば、また、今回、特定業務に充てる金額の上限の変更や国庫納付する金額の変更につきましては、平成二十八年度から平成三十五年度までの時限措置となっております。都道府県の負担制度については時限措置となっておりません、恒久措置となっております。なぜ都道府県の負担制度は恒久措置となっているのか。この部分につきましても平成三十五年度までの時限措置とすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 特定業務勘定につきましては、八年間の特例期限が終了した後も、五%を上限ということで一応継続することになっておりますので、将来的にそのような事例が生じたときのことを勘案して、今回、都道府県の負担規定については、時限措置とせずに恒久的な規定としているところでございます。
○坂本(祐)委員 将来的にこのような事例が生じたケースというのはどういうことをおっしゃっておられるんでしょうか。
○高橋政府参考人 現在、直ちに具体的な事例を想定しているのではございませんけれども、特定業務というものは、国際的なスポーツ大会の招致や開催に必要な施設についてということでございますので、将来、我が国においてそのようなものが開催され、それについてJSCが施設整備を行う場合があり得るということを申し上げたものでございます。
○坂本(祐)委員 やはり、我が国の経済発展あるいは成長に、構造改革をするということが必要不可欠だと私は思っておりますが、地方分権を推進されるという大きな流れの中にあっては、余り地方を縛ることがない方がよいと思います。特に国際大会等においては、大会の必要性、それは国を挙げて行う大会がほとんどだと思いますので、会場の設営や、また新たなるスポーツイベントの大会の設置等は、やはり私は、大臣がおっしゃったように、国が責任を持って行う、この姿勢はしっかりと貫いていただきたいというふうに思います。
 また、今回の法案によりまして、地方公共団体への補助あるいはスポーツ団体への補助は減らさないよう、運営費につきましても二十億円程度削ることで、そこに充てるとしておりますが、この運営費の削減に広告費の削減も含まれているとお聞きしましたが、いかがでしょうか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 現在、くじの運営費をおおむね二十億円程度削減することとして、JSCにおいてその削減について検討しておりますけれども、そのうち、広告宣伝費について、二十億円のうちの約十五億円分を削減することを今検討しているところでございます。
○坂本(祐)委員 これから、財源確保のために、totoの売り上げを維持、またはふやしていかなければならないと考えますけれども、それだけ多くの広告費を削っていくということで、totoの売り上げに大きな影響が出てしまうと思いますが、この点についてはいかがお考えでしょうか。
○馳国務大臣 JSCにおいては、組織体制や業務内容の見直し、広告宣伝方法の工夫など、運営費の効率的な削減に取り組むとともに、本年四月から新商品である百円BIGの販売を開始するなど、売り上げの維持向上の取り組みをしていくところであります。このほか、対象競技の拡大については、超党派のスポーツ議員連盟における議論の動向を注視しているところであります。
 文科省としては、今後とも、これらのJSCの取り組みや売上金額の状況についてしっかりと把握をし、安定的な財源が確保できるように努めてまいりたいと思います。
○坂本(祐)委員 また、今後においてでございますけれども、資材の高騰やあるいは消費増税等によってさらに国立競技場の建設費がふえることも想定をされます。このままでいくと、また財源が不足をして、その際に、さらにtotoの売り上げが当てにされるのではないかと考えます。
 ましてや、totoの収益金は地方公共団体への助成あるいはスポーツ団体への助成に活用されております。我が国のスポーツ振興、競技力の向上に非常に重要な役割を担っております。今回の法改正による影響はほぼなかったというものの、二億円程度の若干の減少はありました。
 今後、新国立競技場の建設費がさらに増加したり、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックにかかわる新たな国の支出が発生した場合に、さらにtotoの売り上げが利用され、地方公共団体やスポーツ団体への助成部分が減らされる可能性はありますか。
○馳国務大臣 昨年十二月に関係閣僚会議で決定した財源スキームでは、本体工事などの分担対象経費千五百八十一億円について、国、東京都、スポーツ振興くじが二対一対一の割合で負担することといたしました。
 あわせて、これらの経費については、消費税率が引き上げられた場合や、賃金または物価の大幅な変動に伴い、公共工事標準請負約款に準じた規定により請負代金が増額された場合に、追加負担が生じたときには同様の割合で負担することとしております。
 また、スポーツ振興くじについては、さきに政府参考人から述べましたとおり、新国立競技場の整備により国際的なスポーツ競技会の招致や開催が円滑になされるようになることから、その費用の一部を負担するとともに、追加費用が生じたときに同様の割合で負担することには十分な理由があると考えております。
 今後とも、スポーツ助成財源が十分確保されるよう、くじの売り上げの維持拡大に努めてまいりたいと思います。
○坂本(祐)委員 ぜひ、地方公共団体への助成あるいはスポーツ団体への助成につきましてはしっかりと御支援をいただきたいと存じます。
 ここで法案に関連した質問をさせていただきますけれども、さらに二〇二〇年オリンピック・パラリンピックに向けて、総額で二、三兆円の費用がかかるとも報道されております。二〇二〇年東京大会に、全体としてどの程度の費用がかかって、国としてどの程度の費用を負担するのか、お示しをいただきたいと存じます。
○遠藤国務大臣 お答えいたします。
 まず、大会経費につきましては、現在、組織委員会において、東京大会成功に必要な業務の全てを洗い出しを行っているところであると承知をしております。
 先ほどもお答えいたしましたが、業務の洗い出しを踏まえ、大会開催経費の見直しについて、ことしの夏ごろ、リオのオリンピックのぐあいを見ながら、IOCと調整できるよう作業を進めているところであります。
 二〇一三年一月にIOCへ提出した立候補ファイルにおいては、大会組織委員会予算については大会組織委員会が、そして、非大会組織委員会予算のうち公的資金については国、東京都が対応することとされております。
 大会開催経費に関係して大会組織委員会が赤字になった場合の対応については、IOCに提出した立候補ファイルでは、大会組織委員会は、二〇二〇年東京大会を確実に実行できるよう東京都及び国と協議をする、その上で、万が一大会組織委員会が資金不足に陥った場合は東京都が補填することを保証しております。東京都が補填し切れなかった場合には、最終的に日本国政府が国内の関係法令に従い補填するとされております。
 このため、大会組織委員会が赤字に陥らないようにするため、大会組織委員会のコスト抑制への取り組みについて、政府として厳しく目を光らせてまいります。
○坂本(祐)委員 組織委員会、JSC、文科省、東京都と、それぞれの役割はあると思いますけれども、そういったことが全体の把握をするところになかなかつながっていないのではないかと思います。二〇二〇年の東京大会まであと四年というところで、準備に残された時間は少ないと考えますが、その中においてもいまだに費用の全体像や国としての費用が、この夏とおっしゃいましたけれども、つかめていない状況でよいのかというふうに懸念を申し上げます。
 二月の六日の東京新聞の記事によりますと、さきのロンドン・オリンピック・パラリンピックでは、開催の五年前には、政府から、必要となる公的資金の金額約一兆五千億円が発表されていたとのことであります。
 我が国では、二〇二〇年東京大会にかかわる総費用について、それでは誰が責任者で公表することができるのかということを明確にしていただきたいと存じますが、お願いします。
○遠藤国務大臣 まず、ロンドン大会ですが、ロンドン大会は、オリンピック開催に合わせてその地域の再開発をしたということもありまして、そうした観点から、東京大会とは違う形づくりをされたものだと思っております。
 先ほど申し上げましたように、これからの費用につきましては、まずは組織委員会が夏までに洗い出しをし、そしてその上で、必要なものについて、赤字が出た場合には東京都が補填をする、その上で、どうしても東京都が補填し切れなかった場合には国が責任を持つというふうな形になります。
 どちらにしても、これから、例えば、暑さ対策、先ほどのジカ熱、あるいはテロ対策もこれまで以上に手厚い対策をとらなきゃならないかと思っております。二〇二〇年までそうした新たな課題がたびたび出てくる懸念もありますし、そうしたことを踏まえ、組織委員会としっかり連携をとりながら対策を進めてまいりたいと思っております。
○坂本(祐)委員 総費用につきましては、当初の想定より大幅に膨れ上がる可能性も指摘をされております。そのようになった際には最終的には国民の税金が使われる可能性がある以上、幾らかかるかわからないというような状態だけは早く脱していただいて、しっかりとした算定をしていただきたいと存じます。
 今回の法案の議論をしていて、まさにこの法案は安倍総理の政治姿勢を示しているものになってしまっているのではないかというふうに考えております。冒頭にも申し上げましたけれども、安倍総理はIOCで、ほかのどんな競技場とも似ていない真新しいスタジアムから確かな財政措置に至るまで、二〇二〇年東京大会はその確実な実行が確証されたものとなりますと発言をされましたが、言うだけ言って、結局は、その財源の確保のためにみずからが努力をするのではなくて、東京やtotoの売上金などほかのところに努力を求め、国が財源を確保したかのごとく、実態とは異なる説明をしていると思います。
 また、地方に負担を求める中央集権的な要素もここでかいま見ることができます。
 さらには、現在において費用の全体像すらつかめていないということだと思います。
 財源の捻出につきましては、厳しい財政状況の中、難しいことは私も十分に理解をいたしております。しかし、安易に地方や、あるいはtotoの売上金に財源を求めるのではなくて、厳しい財政状況の中にあっても、政治改革や、国の歳出削減などの行政改革などの努力をした上で財源を捻出するべきではないでしょうか。そして、どうしても捻出できずに、他にその財源を求めるのであれば、きちんと国民の皆様方に説明をした上で確保するべきだと考えます。
 私は、もちろん、国立競技場の建設に反対をしているものではありません。二〇二〇年東京大会をすばらしい大会にするためにも、本当にすばらしい新国立競技場を建設していただきたいと願っております。二〇二〇年東京大会の成功こそ、与野党関係なく我々の最終目標でございますので、これからも、協力できることは全力で協力をさせていただきますが、よりよいものにするためにも、問題点については私どももしっかりと指摘をさせていただきたいと存じます。
 終わります。
○山本(と)委員長代理 次に、松田直久君。
○松田委員 民進党・無所属クラブの松田直久でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 まずは、このたびの熊本そして大分を含めた九州エリアでの地震で亡くなった方にお悔やみを申し上げますとともに、たくさんの方々がまだ避難をされているということでございますので、心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 冒頭、学校、教育現場の、震災における現場はどうなっているのか、状況を少しお聞きしようということで質問を用意しておりました。
 同僚議員が先に質問等々をさせていただきまして、数字、データ等々は今お示しをいただいたわけですけれども、一番懸念をするのが、やはりこれだけ頻繁に地震が起きますと、教育現場が再開されたとしても、その構造物等々が、かなりこれだけ何回も揺れていると、問題がある、危険箇所があるのではないかな、こういうチェックをやはりきちっとしていただく、もちろん、現場は現場で考えていただいていると思うんですけれども、やはり考えていただきたいなということと、もう一つは、通学路をやはりしっかりと考えていただかなくてはならないというふうに思いますけれども、まずお答えをいただきたいと思います。
○馳国務大臣 実は、四月十八日から学校施設の応急危険度判定を開始したばかりと伺っております。
 こうした中で、今後、二次被害防止のため、学校設置者がみずからの責任として被害等の状況を適切に把握し、避難者等の利用に際し安全性の確保に万全を期していくことが重要である、こういうふうに認識をしておりまして、四月十七日、熊本県教育委員会から文科省に対し応急危険度判定士派遣の正式要請があったことから、この県の要請を受けまして、四月十九日に文科省として三名派遣したところであります。
 今後、応急危険度判定を着実に行うことで、専門家による安全性の確認をしっかり進めるとともに、必要な建物については復旧事業等に取り組んでまいりたいと思います。
 また、多くが休校していたり、あるいは学校を再開するといたしましても、運動場、体育館、一部校舎などが避難所として活用されております。
 あらゆる観点から児童生徒の安全と安心を守っていくということを前提にして、専門家の判定であったり、あるいは御意見であったり、他の都道府県からの応援をお願いするなど、万全の体制を関係省庁と連携をしながらとっていきたいと思っています。
○松田委員 ありがとうございます。現場は大変だと思いますけれども、ぜひしっかりとサポートをしていただきたいと思うんです。
 今、通学路について少し質問をさせていただきまして、ちょっと大臣から御答弁はなかったんですけれども、いわゆる通学路ですけれども、いろいろなところで交通閉鎖になっていると思うんですね、道が。そうすると、今までの通学路を、当たり前でいつも走っている人と違う人が走ったり、交通量がふえたり、僕はものすごくその辺のところが危ないと思うんですね。特に通学の関係では、子供たちが何人か並んで、そこへ車が突っ込んだとか、痛ましい事件が本当に必ず年に一回か二回、報道されているわけですけれども、僕は通学路の問題を一番心配、危惧しているんです。
 そこら辺のところ、一遍しっかり御対応をいただければと思うんですけれども、何かございますでしょうか。
○馳国務大臣 答弁が不十分で申しわけございませんでした。
 通学路の安全確保については、学校設置者において、道路の陥没、地割れなどの危険箇所の把握に努めること、学校再開の折には必要に応じ通学路の変更を検討するなど、児童生徒の安全確保に万全を期すように要請をしてまいりたいと思いますし、こういう観点からも、道路管理者やあるいは警察等と情報を共有しながら、その危険度をやはりきちんと評価をした上で、その上で学校設置者の方から指示が出るように促してまいりたいと思います。
○松田委員 通る方も通行どめ等々で初めて走る道なんかが多いものですから、ぜひとも大臣、よろしくお願いをいたします。
 次に、さきにも少し質問が出ましたけれども、今回の不祥事の事件であります。
 一流のスポーツ選手は、子供たち、ファンにとっても憧れの存在である。そこに至る過程には、選手本人しかわからない絶え間ない努力や数々の苦労があると思います。小さいころからひたすら競技漬けといいましょうか、勝負の世界に没頭し、その結果、若いときからトップに上り詰めてしまう、注目を集める、本人が知らず知らずのうちに甘えやおごりが生まれる。周りからはさまざまな誘惑が近づいて、危険が伴うということであります。一種の弱さや孤独、悩みがあると今回のような事件につながってしまう。
 そこで、一流選手の育成と同時に、若いときから自己を律する強靱な精神を培うため、スポーツ教育について、大臣はそういう意味でいくと十二分に御承知をいただいておると思いますので、御自身の経験を踏まえて少し御答弁をいただきたいと思います。
○馳国務大臣 今回のバドミントンのトップ選手の違法賭博問題については、言語道断の行為であるということをまず申し上げなければいけないと思います。
 その上で、所属のNTT東日本からの調査、処分、それを受けて日本バドミントン協会からの処分がなされたものと思っておりますし、さらに、この状況を報告を受けたJOCにおいて適切な判断をされたもの、まずそれを認識しております。
 その上で申し上げたいんですけれども、そもそも、オリンピック代表として送り出す、この派遣業務というのはJOCの業務でありまして、JOCが派遣にふさわしくないという判断を最終的にされたことは正しいと思います。と同時に、ここで終わっては教育的な意味もないと私は思っておりまして、彼らが今後やはりいかに社会人として、人として更生をしていくか。
 これまで、競技力強化だ、頑張れ、トップアスリートだとちやほやして国費も投入してまいりましたが、一旦こういう事案が起きますと、処分をして、そして、言葉は悪いんですけれども、もう後は知らんぷり、こういうふうな事態が多かったと思います。私は、それではいけないと思っております。彼らが改めて自分がしでかしたことの事の重大さを認識し、その上で反省をし、そして二度とこういうことをしてはいけないというふうな立場で、ある意味でいえば、処分の期限を見た上で復帰をさせる、やはりそういう姿勢を示すことも必要ではないかと思っています。
 こういう総合的な観点から、鈴木スポーツ庁長官とも話をし、またJOC、JPC、日体協、JSC、それぞれの代表者とも協議をした上で、こういうふうな方針を示したところであります。
 一つには、まず、デュアルキャリアの考え方を浸透させてほしい。競技力向上とともに、スポーツ選手としてルールを守る、また、人として模範となるような、リーダーシップを発揮できるような心身の育成に努める、集団においてそういうふうな立場をやはり維持していく。デュアルキャリアというのは、競技力だけではなく、同時に、社会人として、人として生きていくために必要なモラルなどを育成し、また、社会人として、専門的な職業人として生きていくキャリアも身につける。こういう考え方をスポーツ庁としても徹底し、トップアスリートばかりではなく、中学校、高校などの段階からやってほしい。
 二つ目には、トップレベルの、国費を使った競技力強化の支援などでありますが、これからは、評価、判断の中に、今回の事案も踏まえて、明確に、スポーツ団体のガバナンスのあり方、また、競技者が本当にスポーツのインテグリティー、ルールを守っているか、不正をしていないか、アンチドーピングの問題はどうか、こういうことに取り組んでいるかどうか、こういう観点を入れてほしい、そのための情報公開もきちんとやってほしい、それをやっているかどうかということを強化費の配分の基準にしてほしいということも申し上げたところであります。
 また、JOCの竹田会長とも、このことがあって、私、直接JOCに出向いてミーティングをさせていただきました。非常に竹田会長も謝っておられましたが、いやいや、私に謝るというレベルの話ではなくて、JOCの幹部の皆さんも、競技団体の役員ばかりではなく、現場の監督、コーチ、選手と直接ミーティングを持って、こういうふうなことになったときにどう考えて行動しなければいけないのかというやりとりを直接していただきたい、上から物を言うだけでは意味がない、やはり現場に出ていって、JOCの強化本部の皆さん方も、現場を督励し、システムをしっかりつくると同時に、どういう心持ちで臨まなければいけないのか、多くの国民がどのように見ているのか、このことをやはり意識しながら自分自身も高めていただきたいし、スポーツの価値観を高めていただきたい、このように申し上げてきたところであります。
 鈴木大地長官においては、こういう私の考えもともに共有をしながら今後のスポーツ行政の推進に取り組んでいかれる、そういうふうに認識をしておりますし、折に触れて意見交換をしながら進めていきたいと思います。
○松田委員 今回の不祥事は私も断じて許せない、こう思うんですけれども、やはり、出てきた芽を摘むだけではいけない、そういう風潮だけではいけないというふうに思います。大臣、しっかりと今、思いというか、そういう対処を語っていただきましたが、ぜひともよろしくお願いをいたしたいと思います。
 次に、質問に入らせていただきますが、JSC及びtoto、サッカーくじ法、今回の法案は、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会の成功のための法案だ、このように思っております。
 一九六四年十月十日、前回の東京オリンピックが開幕をいたしました。大会に合わせて高速道路や東海道新幹線が開通をし、都市機能が飛躍的に発展をするとともに、日本は高度経済成長の足がかりをつかみ、国民が一丸となって、一つの気持ちになって、世界に戦後の復興アピールができました。
 また、日本人選手の活躍は目覚ましく、開催国として、金メダルが十六個、銀メダル五、銅八、計二十九、獲得をしました。アジアでの初めてのオリンピックだったということであります。
 それから半世紀を経て、二回目となる今回、東京大会を迎えるに当たりまして、世界の中で日本の置かれる立場や環境は内外的に劇的に実は変わった、変化した、こう思っています。また、スポーツをめぐる状況も、非常に目的が多様化し、地域におけるスポーツクラブの成長や、競技技術の向上、プロスポーツの発展、スポーツによる国際交流やビジネスの活発化など、時代とともに大きく変わってきたんだろうなと思います。
 そこで、前回の東京大会前に制定したスポーツ振興法を五十年ぶりに全面改正し、施設整備やハード的な主眼から、スポーツが人格形成、健康増進、地域活性に役立つことを定義して、ソフト面も含んだ、裾野の広い、総合的なスポーツに関するスポーツ基本法が二〇一一年に超党派の議員立法で制定された。「スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利」であるとするスポーツ権を踏まえて、全ての国民が自主的に参加、全ての地域が連携、夢と希望を国民全体で共有し、気持ちを一つにできる大会にぜひしていただきたい、このように思います。
 そこで質問なんですが、前回の東京大会と比較して、昨年十一月に閣議決定をされましたいわゆるオリパラ基本方針の考え方は私ども十二分に承知をしておりますけれども、今回の開催に向けた、日本におけるオリパラ大会の意義や効果、大きな意味でどのように捉えているのか、また、そのことを踏まえてどのような大会にしたいか、遠藤大臣からお聞きをしたいと思います。
    〔山本(と)委員長代理退席、委員長着席〕
○遠藤国務大臣 私、前回の大会のときは中学校三年生でした。今でも、十月十日の青い空にブルーインパルスの五輪の輪と、そして赤と白の日本選手団の鮮やかな入場行進を鮮やかに覚えております。あのとき、日本は戦後復興しようと皆の気持ちが一つになって、すばらしい大会をされたんだと思っております。
 今度は二回目の大会でありますし、まして、今委員御指摘のように、成熟した社会、そういう中で、どういうふうな意義を持ってこの大会を運営していくか、最も大事な問題だと思っております。
 今、日本という国、まさに若干低迷をしていると言われておりますが、しかし、それでも世界有数の大国でありますし、それだけ、世界の中で貢献をしなきゃならない国だと思っております。
 そういう観点から、二〇二〇年大会は、環境技術、新しい技術、また、オリンピックとパラリンピックを一体として運営する、同時に、パラリンピックの振興によって、障害者も健常者も、そして高齢者も共生できる社会、いわゆるユニバーサル社会などの先進的な取り組みを世界に示す機会でもありますし、また、日本の持つ伝統文化、こうしたものを世界の皆さんに発信する。
 さらには、東日本大震災を初めとする被災地が、多くの皆さん方の御支援によって、今、一生懸命復旧復興作業をしておりますから、見事に復興をなし遂げた姿を世界へ発信していく上で大変意義深い大会だと感じております。
 同時に、二〇二〇年大会は、単に東京オリンピック・パラリンピックだけではなくて、東京やあるいはその近県の皆さん方だけの大会ではなくて、日本オリンピック・パラリンピックとして位置づけ、ホストタウンの推進あるいは文化プログラムの展開を通じた日本や日本文化の魅力の内外への発信に改めて努めることが重要だと思っております。
 そうした観点から、私は昨年六月に就任をいたしましたが、早速七月には岡山において開催された全国知事会議に参加をし、オリンピックの意義、また皆さん方からの協力、そして一緒になってオリンピック・パラリンピック大会を成功させていただきたい、こんなお願いをすると同時に、地方六団体の代表、あるいは全国市長会、全国町村会とも意見交換を行ってまいりました。
 また、地方の経済界の皆さん方あるいは地方の皆さんの意見もぜひお伺いしたいということから、先般、仙台市で、地域の経済界の皆さん方の代表と意見交換を行う、こんなことも第一回目を開催し、これからも適宜、各地域でそうした取り組みをしていきたいと思っております。
 何よりも、多くの皆さん方に参加をし、協力をし、一緒になって喜んでもらえる、いろいろな取り組みがあるかと思いますので、委員からもまた御意見をいただきながら、すばらしい大会に皆さんの力でしていきたいと思いますので、御協力よろしくお願いしたいと思います。
○松田委員 前回のオリンピックは、馳大臣は三歳、今、遠藤大臣にお答えいただいて、ちょうど中学生、十四歳ということで。聖火が日本じゅうをぐるっと回ったんですね。僕は十歳だったと思うんですけれども、聖火がずっと回って、国民の気持ちが一つになったんですね、わあっと高揚して。ぜひとも、私は、もちろん成功は当然ですけれども、そういった面で国民の気持ちが一つになってもらえればな、こう思うんです。
 JOCは、金メダルの獲得を世界三位、また、全二十八競技で入賞八位以内というようなことを言われていますけれども、もっと大きな、世界で一番というぐらいのことを言ってもええんちゃうかなと思うんですよね。どうぞ大臣、そこは先頭となって、思い切り、そういうことだったら大きく言っていただいてもいいと思いますので、ぜひともよろしくお願いいたしたいと思います。
 大臣は、何かございますか。
○遠藤国務大臣 今、メダルの話がありました。オリンピックの成功は、安心、安全の運営もありますしレガシーも大事ですが、やはりメダルをとらないと一体感が出てきませんし、皆さんに改めて喜んでいただける大会になるんだろうと思っております。
 実はこれまで、十六個というのが東京オリンピックあるいはアテネのオリンピックのときの金メダルの数でありまして、今の三位以内あるいは八位以内、もうちょっと大きいことを言えというふうな話でありますが、最初、JOCは二十二個から三十個と言っておりましたので、私は就任以来、絶対三十個いこう、やはり希望は大きくというふうなことを申し上げておりますし、同時に、前回のロンドン大会、イギリスは二十九個の金メダルなんです。人口は日本の六割しかありません。
 ですから、もう少しやはり戦略的な強化を考えて、より高みをきわめてメダル獲得に、これは担当は馳大臣そして鈴木長官でありますが、連携をとりながら私たちも努力をしていきたいと思っております。
○松田委員 両大臣の熱い思いをいただいたものですから、少し時間がオーバーしてきましたので、少し順番を変えて質問させていただきます。
 二〇二〇年の東京オリパラ大会に向けた地域のスポーツの振興について、少しお尋ねをさせていただきたいと思います。
 前回の東京大会で日本人の活躍が目覚ましくて、知らない方もいらっしゃるかもわかりません、例の東洋の魔女とか、女子バレーボール、あの対戦は僕も目に焼きついているんですが、日本じゅう熱狂されました。それがいわゆる一つの点火剤となって、全国へのいわゆるママさんバレー、家婦バレーの普及はその一つの例だと思っています。
 地域におけるスポーツの振興は、地域活性化を図るという観点からも重要であり、地域のきずなや結びつきを再発見するなど、地域コミュニティーの核となることにもつながり、これは前回、大臣にも質問させていただきましたが、馳プランの核でありますコミュニティースクールの推進、加速化になる、こう思っています。
 そこで、地域スポーツの拠点であり、スポーツ基本計画でも各市町村に少なくとも一つ設置することを目標としている総合型地域スポーツクラブのさらなる活用支援が大きな鍵になる、こう思っています。
 ただ、文科省の実態調査によりますと、現在の課題として、会員、財源、指導者の確保が挙げられています。また、現在、toto、サッカーくじの助成先であるクラブの現場からは、事業ごとに二年から八年の助成期間をもう少し延ばしてくれぬかというような声、助成金に係る事務手続がちょっと複雑だから何とかもっと簡素にしてくれないかという声も上がっています。
 今後、会員を確保し、会費収入の拡充のためには、各市町村の人口規模や高齢化、過疎化等の地域事情に応じて、総合型地域スポーツクラブが多様で質の高い魅力あるプログラムを地域住民に提供できるよう、地方公共団体、大学、NPO、企業と連携をして、人材、施設を活用していくことが重要だ、こう思っております。
 そこで、まず、JSCや文科省は、今私が申し上げたことを、現場の声ですから、認識をしていただいているのか。また、そのことを踏まえた上で、今後のクラブ活動における質の充実や、助成終了後の自立的発展に向けて、どのように考えて対策を打たれるのか、伺いたいと思います。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 総合型地域スポーツクラブは、住民が自主的、主体的に運営し、子供から高齢者まで誰もが、いつでも、どこでも気軽にスポーツに親しめる地域密着型のスポーツクラブであります。地域コミュニティーの核として、地域スポーツ環境において大変重要な役割を果たしていると認識をしております。
 スポーツ基本計画においては、各市町村に少なくとも一つは総合型クラブが育成されることを目指しておりまして、現在、スポーツ振興くじ助成により、総合型クラブの創設や自立等に関する財政的な支援を行っております。
 ただ、財源的な限りもありまして、この財政的な支援には一定の期限がついておりまして、これについて、その撤廃や延長を求める声もあるところではございますが、できるだけ多くの団体に支援をするということで、現状はそういった形になっております。
 今後、スポーツ庁におきましては、総合型クラブが、totoの支援が終わった後も引き続き財政的に安定的な活動を発展させることができるように、総合型地域スポーツクラブの全国協議会というのがございます、この全国協議会の協力も得て、各クラブが、PDCAサイクルの観点から、評価指標を活用した自己点検、評価を継続的に実施して、財政的な自立を含めて質的な充実を図っていくことができるように、また、各団体の御意見も踏まえながら、しっかりと支援に取り組んでまいりたいと思っております。
○松田委員 いろいろと答えていただきました。
 要するに、私が思うのは、マンパワーだと思っている。指導者をいかに育てるかということが、地域活性とかいろいろな意味においても、やはりリーダー、熱意のあるリーダーをどう育てていくかということ、僕はこれに尽きるんだと思います。ですから、いい指導者には、やはり次の順というか、それを見て私も頑張ろうという形でそこには人が寄ってきて、一つ輪ができていきますから、一人の力が十倍にも百倍にも実はなってくるんだろう。
 ぜひとも、マンパワーの、人の育成、教育者といいましょうか指導者の育成というものに関して、僕は、もうそれ一つに尽きるのではないかな、こう思いますけれども、通告にはございませんでしたけれども、大臣、いかがでしょうか。
○馳国務大臣 御指摘ありがとうございます。
 オリンピック・パラリンピックさえ無事に終わればそれでよいというものでは全くありませんで、今の委員御指摘の点は極めて重要なポイントです。
 例えば、青年海外協力隊で海外でスポーツ指導をしてきたような人材が地域においてコーディネーターの役割を果たす、それも、やはりきちんとした収入を得て働くことができることは大いに地域活性化に役立ちますし、そういう人材を育成するという目標を持って地方自治体と連携しながらやっていくこと、そして、先ほども委員おっしゃっていただきましたけれども、地域と学校の連携協働事業というのは、これは今、馳プランとしても、実際に社会教育法の改正等も含めて法案も準備をして、体制を整えていこうとしているところでありますから、やはり地域が生涯スポーツの拠点となる、学校も活用しながら拠点となっていく、そこに一定の人を配置していく、こういうふうな構想をきちんと定着させていくことが、オリンピックやパラリンピックを開催してよかったと言える本来の意味だと思っておりますので、また丁寧に制度設計をして取り組んでまいりたいと思います。
○松田委員 ありがとうございました。
 それでは一つ、ここでちょっとJSCの実務業務について、質問をかえさせていただきたいと思います。
 私は、JSCの地域にいろいろな面での貢献、それはもうこれからも絶対必要ですし、しっかり頑張ってもらいたい、そう思いながらの質問なんですけれども、平成二十四年から二十六年にかけて、先般も質問に出たと思いますが、会計処理のうち四十七件について不適切な会計処理が指摘をされた。その中で、いろいろ評価をする中で、第三者機関が検証したところ、五段階の評価で、トップの評価から一番下の評価にどんと今回、二〇〇一年度に独法制度が導入されて以来全省庁で初めて、それぐらいぼんと落ちたんですね。前年度は、認定基準の違いがあるとはいえ、全てA評価で、今回の最低評価というのは、新国立競技場の整備計画だけではなくて、この問題だけではなくて、組織的に何か問題があるのか、まずお尋ねをさせていただきます。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 白紙撤回となった従前の国立競技場の整備事業について検証を行った第三者委員会は、昨年九月の報告におきまして、JSCにおける問題として、国家的なプロジェクトを既存の組織で対応してしまったプロジェクト推進体制の問題があったということ、あるいは、国民理解の醸成が図れなかったということで情報発信の問題があった、こういった指摘が行われたところでございます。
 こういった第三者委員会の指摘も踏まえまして、平成二十六年度に行われました独立行政法人の業務実績評価においては、抜本的な改善を要すると判断されまして、総合評定で五段階中最低のD評価とするなど、厳しい評価結果となったところでございます。
○松田委員 私は、どういう組織も、民間の感覚の意識というんでしょうか、そういうのをやはり持たなくてはいけないと思うんですね。常に、どこかに問題があるか、改善するところがあるかというような気持ちでお取り組みをいただきたいと思いますけれども、一つお伺いします。
 今、JSCですが、海外にロンドン事務所を持っております。二〇〇九年に設置しているので、当然、二〇一二年度ロンドン大会前から、次期オリンピック招致を目指す日本の、現地調査や情報収集、分析をするために設けられているということだろうと思います。
 このロンドン事務所が現在何をしているのか、どういう役割をしているのか、これからどうするのかということをお尋ねさせていただきたいと思います。
○高橋政府参考人 日本スポーツ振興センター、JSCが設置するロンドン事務所は、現在、ロンドンを中心とする欧州のスポーツ政策関連情報を収集、分析、提供することを基幹業務としており、欧州や英国の関係機関、関連団体とのネットワークの強化を図っております。
 これまでの実績でございますが、平成二十一年に開設されまして、それ以来、平成二十四年のロンドン・オリンピック競技大会に向けて、日本の競技団体の英国や欧州での強化育成活動の支援、ロンドン・オリンピックの際のマルチサポートハウスの設置支援、また、オリンピック関連準備状況に関する情報収集、提供を行うなど、日本選手団の競技力向上に貢献してまいりました。
 また、昨年開催されたラグビーワールドカップ英国大会においては、次回大会開催国として、関係機関とのネットワークの構築を進めております。
 また、こういった収集した情報につきましては、スポーツ庁全体に毎週月曜日にメール配信をするなど、こういった情報提供も継続して行われております。
 ただ、ロンドン・オリンピック以降は、行革の指摘もありましてやや縮小傾向にありまして、現在、平成二十八年度においては、派遣職員が三名、事業費予算三百万円程度ということになっておりまして、英国の関係機関、関連団体と、より連携した事業計画を現在作成しているところでございます。
 今後も、二〇二〇年東京オリパラ大会の成功に向けて、ロンドン・オリパラ大会の有形無形のレガシーなどについて、効果的、効率的な情報収集、提供をしていただくことを期待しております。
○松田委員 現在は三人で三百万の事業費で、細々とは言わないけれども、引くに引けないからやっておるという、僕はその感じで思えるんですね。
 僕は、やるならもう少ししっかりとやる、やめるならやめる、どっちかの方がいいと思うんですよね。その辺のところをやはりしっかりと見きわめをつけていただいて、せっかくいい仕事をしてもらっているわけですから、めり張りをつけてやっていただきたいと思いますけれども、何か思いがありましたら、大臣、よろしくお願いいたします。
○馳国務大臣 いわゆる民主党政権の事業仕分けでばっさりとやられたというのは一つの事実でありますが、それはそれとしても、いいことをやっているんですよ。
 情報収集というのは、ネットワークをつくって、日本のJISSなどと海外の、例えばフランスのINSEPなどと提携をして、交流事業、特に情報戦略など、非常によい成果を上げてきておりますし、それを我が国のスポーツ行政、スポーツ庁の指針などに生かしていただいておりますので、やはり、事業を絞ることは必要ではありますが、ロンドンを拠点としながらも、ヨーロッパ全体のスポーツ関係者と連携をとり、我が国の競技力強化だけではなくて、これは本音で言いますけれども、本音といいますか、本当の狙いを一つ言いますけれども、外交に資する部分が大変多うございます。
 私も、今大臣という立場で、ヨーロッパ、イギリスの、フランスの、ベルギー等の大臣と直接やりとりしておっても、スポーツにかかわる案件というのは極めて外交的にも効果を発揮しております。
 改めて、そういう観点からも、スポーツ行政の推進、また国と国のバイの関係であったりマルチの関係においても、非常に大きな役割と成果を上げておることは事実でありますので、そういう目的の趣旨にのっとった適切なロンドン事務所の役割、そのための予算措置は、これはこれでしっかりやっていきたいと思います。
○松田委員 何にいたしましても、東京オリンピック、次回の成功に向けて、我々も一丸となって協力をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 終わります。
○谷川委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○谷川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。
 まず初めに、このたびの熊本・大分大地震で亡くなられた皆様の御遺族の皆様にお悔やみ申し上げると同時に、被災された全ての皆さんに心からお見舞い申し上げます。
 私たち日本共産党としても、被災者の支援、救援に全力を挙げる決意をまず初めに申し上げたいと思います。
 そして、JSC改正法案について質問いたします。
 オリンピックに一体幾ら税金がかかるのかと国民、都民の中で大変心配が高まる状況にあります。総費用について、オリンピック組織委員会の森会長は二兆円を超すかも、こう言い、舛添都知事の方は三兆円ぐらい、こういう数字も口にしております。そして、東京都が分担してつくると言っていた競技施設の建設費だけでも、立候補ファイルの時点の一千五百三十八億円から二千二百四十一億円へ、一・五倍に今膨らんでおります。さらに、組織委員会が建設することになっていた仮設の会場についても、東京都が税金で負担する話が出てきているわけですね。そして、新国立競技場は一千四百九十億と、国民の批判で見直しましたが、それでもこれまでのオリンピックに比べて桁が一つ多いということになっております。
 これだけ高いのは、もうこれは東京都の負担を当て込んで巨額にしたんじゃないか、こう疑念を抱かざるを得ません。そして、国立の競技施設であるにもかかわらず、こんなに高額にしておいて、足りないから都民の税金を出せ、こういうのは、幾ら舛添都知事がよしと言ったとしても、納得できない都民は多いというふうに思います。
 きょうは、幾つかの角度から改正案の問題点についてただしたいと思います。
 まず、一番目の問題は、地方財政法の精神にもとるという点です。
 地方財政法は、十二条でこう定めております。「地方公共団体が処理する権限を有しない事務を行うために要する経費については、法律又は政令で定めるものを除く外、国は、地方公共団体に対し、その経費を負担させるような措置をしてはならない。」こう書いてあるわけですね。
 まず、一つずつ確認したいと思いますが、今度の新国立競技場の建設、運営というのは、地方公共団体が処理する権限を有しない。これはそうですよね。
○高橋政府参考人 このたびの新国立競技場の建設は、国の独立行政法人でありますJSCにおいて行われるものでありますので、先生御指摘のとおり、「地方公共団体が処理する権限を有しない事務」に該当するものでございます。
○宮本(徹)委員 つまり、地方公共団体が処理する権限は有しないというのははっきりしているわけですよね。
 その上で、十二条がなぜ設けられているのかというのが非常に大事だと思うんですよね。
 きょうは総務省に来ていただいておりますので、なぜ地方財政法十二条でこういう規定があるのか、解説していただけるでしょうか。
○内藤政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほどお話がございましたように、地方財政法第十二条は、地方公共団体が処理する権限を有しない事務につきましては、国が地方公共団体に負担させることを原則として禁止しておりますけれども、法令または政令に基づいて地方負担を義務づけたものは、第十二条の適用が除外されるところでございます。
 この第十二条につきましては、地方公共団体が処理する権限を有しない事務に要する経費の負担を法令上の根拠なしに地方公共団体に転嫁することを法律上禁止しようとする規定でございますけれども、その趣旨は、国と地方公共団体との地位の優劣が、国の予算不足を地方に転嫁し、そのために、国と地方公共団体の合理的な財政秩序の確立に支障となる場合があることによるものでございます。
 また、本条によりまして、法律または政令において地方負担を義務づけたものにつきましては本条の適用が除外されますけれども、これは、地方公共団体が処理する権限を有しない事務でありましても、当該事務の遂行の結果が当該地方公共団体の住民の利益を増進するものについては地方公共団体に負担を求めることもまたやむを得ないと考えられる場合があるという考えによるものでございます。
○宮本(徹)委員 今の総務省の説明で明確だと思うんですよね。
 地方財政法逐条解説という、総務省の皆さんのバイブルの本がありますけれども、この中でも、「地方公共団体以外の国等の処理する事務に要する経費は、全額国等において負担すべきであるという負担区分の原則を黙示している」と。これは原則なんですよね。そして、国の予算不足を地方に転嫁してはいけないということからこの十二条というのは設けられているわけですよ。
 まさに今起きているのは、国がつくるのが大変だから東京都に負担してくれという、この地方財政法にもとる考え方で東京都に負担を求めようとしていると言わざるを得ないというふうに思いますが、大臣、そう思いませんか、地方財政法との関係で。
○馳国務大臣 地方財政法第十二条第一項においては、「地方公共団体が処理する権限を有しない事務を行うために要する経費については、法律又は政令で定めるものを除く外、国は、地方公共団体に対し、その経費を負担させるような措置をしてはならない。」と規定されております。
 同法の解釈として、本項の「法律又は政令で定めるものを除く外、」という適用除外に係る規定が設けられたのは、地方公共団体が処理する権限を有しない事務のうち、住民の利益を増進するものについては地方公共団体が負担することもやむを得ないと考えられる場合があるとの考えによるものと承知しております。
 本法案において都道府県に負担を義務づけることとなる費用は、「地域の発展に特に資するものとして政令で定める施設の整備に要する費用」の一部であり、これは当該地方公共団体の住民の利益を増進するものと考えられます。
 したがって、本法案の規定は、地方財政法第十二条第一項の適用除外の趣旨に沿うものであり、御指摘は当たらないものと考えております。
○宮本(徹)委員 いや、地方財政法の趣旨はやはりそうじゃないんですよね。
 まず、そもそも、「国等の処理する事務に要する経費は、全額国等において負担すべき」だ、これは負担区分の原則なわけですよ。その上で、「地域の発展に特に資する」ということを法律に書き込んだら何でも地方自治体に負担を求めていいかといったら、そうはならないというのが地方財政法の趣旨ですよ。
 先ほど紹介ありましたけれども、適用除外がある「法律又は政令で定めるものを除く外、」というものの解説の中で、「地方公共団体の住民の利益を増進するものについては、地方公共団体に負担を命ずることもまたやむを得ないと考えられる場合があるからである。」というふうに書いてあるわけですね。
 今までこの考え方でやってきたのは何かといったら、国道ですよ、河川改修ですよ、公営住宅ですよ。つまり、直接、その地方公共団体に住んでいる住民の利益を増進する、そのことを目的にしているわけですよ。住宅だってそうでしょう、国道だって、その人たちが使うためというのが直接の目的になっているわけですよ。
 ところが、新国立競技場というのは、直接の目的は違いますよね、明確に。それがどうして国道や河川改修や公営住宅と同じなんですか。
○馳国務大臣 なかなか、ここはやはり丁寧に解釈をしていった方がいいと思います。
 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会を招致したのは日本ではありません、東京都が招致をしたものであります。そして、その東京都が招致の際にIOCに対してお示しをした招致計画の中に明確に位置づけられておりましたのが、国立競技場を新しく、ザハ・ハディドさんの案ではありましたが、こういうふうな位置づけをして、オリンピックを開催する準備をいたします、そういう計画を持って、IOCの総会において、最終的に、選挙の上、投票の上、東京都がオリンピックを招致したものでありますから、したがって、東京都民にとりまして、新国立競技場はまさしく利益に資するものだと私は考えられると思っております。
 しかしながら、まさしくここからが議論だと思いますけれども、国立競技場自体は国が責任を持って整備すべきものであります。
 そういった中から、お互いの協力関係の中で、こういうふうな、今回私どもが提出いたしました法律の趣旨になっていったものであります。舛添都知事と、そしてオリンピック・パラリンピック大会を所管する遠藤大臣と、そして私と、三名において、新国立競技場の建設に当たっての計画内容や、あるいは財源のあり方については、やはり十分に意見交換をした上で最終的にこのような財源の配分になったもの、こういうふうに承知をいたしております。
○宮本(徹)委員 そういう話にはならないんですよね。
 先ほど言いましたが、国道だとか河川改修だとか公営住宅は、これは直接、地方公共団体の住民の利益に属するものなんですよね。(発言する者あり)運動場は、これは東京都民のためにつくる運動場じゃないですよ。何を言っているんですか。東京都がオリンピック招致のためにという話しか出されないわけですけれども、これが直接、地方公共団体の住民の利益の増進のためというのとは違うでしょう、明らかに。どうして住宅と国立のスポーツ競技場が同じなんですか。全く説明になっていないですよ。
 それで、地方公共団体に負担を命ずることもやむを得ないというものでなければならないわけですよね。
 もう一つ聞きますけれども、旧国立競技場はオリンピックのためにも使われましたけれども、旧国立競技場のときも東京都に負担を求めたかといったら、そんなことないですよ。もし、国立の競技場が地方公共団体に負担を命ずることもやむを得ないというものであれば、旧国立競技場だって、当然、法律のもとで負担を求めるべきものだったわけですよね。
 旧国立競技場が新国立競技場になったら、なぜ地方公共団体に負担を命ずることもやむを得ないものになるんですか。説明してください。
○馳国務大臣 なかなか御納得いただけていないようでありますが、そもそも、オリンピック競技大会・パラリンピック競技大会の招致に手を挙げたのは東京都であります。そして、こういう国際競技大会を招致する場合には、当然、開会式、閉会式そして陸上競技場等、こういった施設を備えていなければなりません。これは御理解いただけると思います。
 しかしながら、東京都が招致計画においてお示しをすることのできる、いわゆるIOCの規定に準拠するような競技場といったものは、自前でつくるか、あるものを活用するか、どちらかの選択肢になるわけであります。そうすると、自前でつくるよりも、五十年前に建設をされた国立競技場を活用することの方が、ある意味でいえば、東京都のオリンピックを開催しようとする財政的な負担をやはり和らげるものになる、私はそのように理解をしております。
 ただ、かつての国立競技場は耐震化の問題もありますし、このことが検討された時期は、ちょうど、二〇一九年のラグビーワールドカップ招致の事業もございまして、ワールドラグビーボードといいましたか、IRB、ラグビーの世界連盟からも、ワールドカップを開催するにふさわしい、そういったものも求められているというふうな時期でありました。
 したがって、オリンピックを招致しておる東京都といたしましては、自前で莫大な建設費をもって建設するよりも、やはり、国と協力をして国立競技場を再整備することによって、招致の一つの象徴とする、つまり規定を整えることが重要であるという認識に当時の東京都知事は至ったのだと思います。
 したがって、これに対して国として何らかの支援が必要ではないかということで、国としては、今お示しをしている法案にもありますとおり、国立競技場を建てかえることによって協力をすることができる、こういう判断に至ったものでありますから、私は、そういった、まずオリンピックを招致するに至る経緯も踏まえて、東京都民にとっては、都民の便益にならないとは私は言えないと思います。
 同時に、今回建設をするに当たりましては、やはり、首都直下型地震が今後三十年以内に非常に緊迫感を持って心配されている状況においては、あそこは新宿区と港区と、あと渋谷区に隣接する土地でありまして、万が一首都直下型地震があった場合には、あの神宮の森エリアは恐らく数万人の避難者を受け入れなければいけないエリアになると思います。そうすると、区民といいますか都民といいますか国民といいますか、十分な広さと、そして耐震性に基づいた避難所、避難場所がやはり必要であるということ、これは言をまつものではないと思っています。
 そういう総合的な観点からも、私は、東京都民にとってはある意味では非常に求められている施設となるのではないか、こういうふうに思っております。
 こういう議論を舛添都知事とも、オリパラ担当の遠藤大臣とも、そして私は、JSCが国立競技場を所管しておりますので、そのJSCを所管しておる担当大臣として協議の上、最終的に、財源の分担論についても議論をし、こういう内容を今皆さん方にお示ししている、こういうことであります。
○宮本(徹)委員 結局、私はさっき聞きましたけれども、何で、旧国立競技場でやられていなかったのに、新になったら、国立競技場が地方公共団体に負担を命ずることもやむを得ない施設になるのかということに対して、回答はないわけですよ。先ほど長々長々と。なぜ変わったんですか。
○馳国務大臣 旧国立競技場の建設については、まさしく国が負担をして建設したものであります。
 同時に、私たちは政治の場におる者として、また、私も文科省の行政を担当する者として、国の財政状況を考えた場合になかなか厳しい状況にあることは、まず言うまでもありません。
 スポーツ振興予算の財源の確保については、非常に長い、数十年の経緯のある中で、スポーツ振興投票制度を議員立法でスポーツ議員連盟につくっていただいて、今日のスポーツ振興予算に資し、また地方自治体のスポーツ施設の建設に支援をするということの体制をとらせていただいたわけであります。
 本当に、全額、国で全部やれればよいというような、財政当局との交渉ができればよいのでありますが、ここは、スポーツの効果、スポーツに対する支援のあり方、こういったものがスポーツ基本法においても規定されている中で、財源のあり方については、最終的には、やはり多様な財源を確保して新国立競技場の建設を行うということで政府内においても理解をされたものであります。
 こういう経緯をたどっておりますので、五十年前の国立競技場の建設に至った状況と、今日の新国立競技場の建設に至る財源の確保策については、こういう違いがあるということはお伝えしたいと思います。
○宮本(徹)委員 つまり、結局、旧でやらなくてなぜ新でやるのかということになりますと、国の財政状況のお話しか出てこないわけですよ。
 初めに地方財政法十二条を、総務省にも来ていただいて紹介してもらったのは、そういう財源不足を理由にして地方自治体に求めるということがあってはならないということが地方財政法の本来の考え方なんですよ。ですから、今のやりとりを聞いても、なぜ旧でやらなかったものを新でやることになったのかということを考えても、地方財政法の考え方からすればやはりおかしな問題になっているということを認識していただきたいと思います。
 それから、二つ目の問題は憲法との関係です。
 憲法九十五条は、「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。」というふうにされているわけですよね。
 今回、法改正で、JSCが所有する国際大会のためのスポーツ施設というのが対象になるわけですけれども、これは全部東京都にありますよね。確認したいと思いますけれども。
○馳国務大臣 憲法第九十五条では、「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。」とされております。
 今回の法案による改正後のJSC法附則第八条の十における都道府県に負担を求める規定については、一つの地方公共団体のみに適用される規定ではありません。将来、他の地方公共団体にも適用され得ることから、憲法第九十五条の住民投票は不要であると考えており、御指摘は当たらないものと考えております。
 なお、仮に、今後、国際的な規模のスポーツ競技会の招致などのため、地域の発展に特に資するスポーツ施設の整備をJSCが行うこととなった場合には、本規定に基づき、今回と同様に都道府県に負担を求めることがあり得るものであります。
○宮本(徹)委員 一つ一つ確認しようと思ったんですけれども、国立競技場も秩父宮ラグビー場も代々木第一、第二体育館も、いずれも東京都にしかない。これはそうですよね。今JSCが現に所有している国際的なスポーツ大会に使えるものは東京都にしかありません。
 もう一つ聞きますけれども、国際大会のスポーツ施設として今後具体的に建設を予定しているものというのはありますか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 現時点においては、今委員が御指摘の施設以外に予定しているものはございません。
○宮本(徹)委員 つまり、今東京都にあるものしかない、今後つくる予定も具体的には何もないというのが実態になっているわけですよね。
 ですから、今度の法律というのは、形の上では一般法を確かに装う形になっておりますが、事実上は、一つの地方公共団体にのみ現時点では適用される特別法的なものになっているわけですよね。
 憲法では、特別法の場合は、住民投票における過半数の同意という手続を求めているわけですけれども、なぜ、不思議なんですけれども、都民がこの税金の負担をするのかどうか、やるべきかどうかというこの選択の機会をあえて奪って、特別法ではなく一般法という形で今回法律にしたんですか。
○馳国務大臣 先ほど高橋次長が答弁をさせていただいたのは、今、きょう、今日現在はありません。今後、このオリンピック・パラリンピックの大会を契機に、各スポーツ団体において世界的な規模の競技会を招致する機運が生まれる場合には、一般法としてこの法律が適用される可能性があるということを、先ほども私が申し上げたとおりであります。
 きょう、今、この段階では、まさしくその対象となるのは東京都の新国立競技場のみであります。
○宮本(徹)委員 つまり、可能性をおっしゃるわけですけれども、可能性だと、特別法ではなくて一般法にするという立法事実にならないと思うんですよ。やはり法律をつくるためには立法事実が必要なわけですから。
 なぜ特別法ではなく一般法にしたのか、その立法事実はないんじゃないですか。
○馳国務大臣 今回の新国立競技場を建設するという計画の経緯の中において、例えば日本サッカー協会もワールドカップ招致について言及をされておられますし、ほかの競技団体においても世界的な競技会の開催について言及をしておられます。例えば陸上競技連盟などもその一つであります。
 したがって、一般法としてお示しをすることの方が、私は、政府としての責任を果たしているもの、このように考えております。
○宮本(徹)委員 ワールドカップというのは二〇三四年ですよね、たしか招致の目標というのは。えらい先の話であります。現時点であるものは新国立競技場しかないわけですよ。なぜ都民に審判の機会を与えないのか、この説明には全くなっていない。私は、憲法九十五条の考え方に今回の一般法という出し方は反しているということを厳しく指摘しておきたいと思います。
 三つ目の問題は、一般法の形式をとったために、先般の国と東京都の合意以上の負担を東京都に求め得る枠組みになっていることです。法律によりますと、都道府県が三分の一以内の負担、そして費用の額、負担の方法はJSCと都道府県が協議するというふうになっています。
 確認しますけれども、今回一般法という形をとっていますので、新国立競技場の今回の建設以外にも、今後の可能性としては、東京オリンピック後、六万席から八万席にふやす改修というのが出てくるわけですけれども、この改修費もこの法案では対象にし得るというものですよね。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 この法律の規定は対象を今回の新国立競技場の建設に限定するものではありませんが、実際に負担を求めるに際しては、事前に、事務的にも、そして大臣、知事レベルでも東京都と協議をしておりまして、そして十二月の財源スキームを決めております。その中には、オリンピック終了後行われる改修などについてはそのスキームには含めないということとしております。
○宮本(徹)委員 時間がないからちゃんと答えてほしいんですけれども、この法律のたてつけを聞いているんですよ。東京都と国の合意は、負担は、改修は求めないということになっているわけですけれども、法律のたてつけ上は対象にし得ることになっているんじゃないですかと聞いているんです。
○高橋政府参考人 若干繰り返しになって恐縮でございますが、法律上は、この場合において、「当該都道府県が負担する費用の額及び負担の方法は、センターと当該都道府県とが協議して定める。」ということになっておりまして、その協議に委ねられておりますが、昨年十二月の関係閣僚会議においては、オリンピック・パラリンピック終了後の改修については含めないということとしております。
○宮本(徹)委員 もう一つ聞きますけれども、秩父宮ラグビー場だとか代々木第一、第二体育館の建てかえや改修の費用も、その際、これは国際大会で使うという名目で、地域に特に資する、そういうふうになった場合は、この法案の対象になり得るということですね。
○高橋政府参考人 法律上は対象になり得るというものでございますが、実際に政令を定めて負担を決めるときには各地方公共団体と協議を行うことになっております。
 そして、今回は、東京都と実務的な、そしてまた閣僚、知事レベルの協議を踏まえた上で、新国立競技場のみにする、代々木の第一、第二体育館は対象としないということで合意をしておるところでございます。
○宮本(徹)委員 つまり、法律上は対象となって、現時点での合意には含まれていないけれども、今後それ以上の負担がいろいろな形で東京都に求め得るたてつけになっているわけですね。
 しかも、そういった場合に都道府県に対して、東京都に対して幾ら負担を求めるかというのは、法律上は、文部科学大臣が最終的には決めるという仕組みになっていますよね。
○馳国務大臣 最終的には文部科学大臣が決めるとなっております。
○宮本(徹)委員 つまり、話し合いがまとまらなかったら文部科学大臣が最終的には決めちゃうという、大変問題のある仕組みですよ。東京都と国が現在合意したものを、今後さらに、いろいろなものだ、いろいろなものだ、いろいろなものだということで覆していくことができる仕掛けが今度の法律の中にたてつけとしては入ってしまっているんですよ。これは大変問題だというふうに思います。
 しかも、似たような法律じゃないですけれども、これは直接住民の利益に資するものだからあれですけれども、防災街区の整備の促進に関する法律や、あるいは大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別法、これも負担金を地方自治体に求め得るものになっていますけれども、これも「国土交通大臣が裁定する。」となっていますけれども、その際、「総務大臣と協議しなければならない。」という規定が入っているんですね。
 今回の法律には、「総務大臣と協議しなければならない。」という、ほかの法律にある規定も入っていないということになっているわけですよね。ですから、そういう点でも大変おかしなことになっていると思います。
 それと、私がお伺いしたいのは、国が東京都に対して、あるいは一般論でいえば都道府県に対して、現在合意している以上のものを押しつけられる仕組みに今度の法案はなっているわけですけれども、こういう仕組みをつくるということについて、東京都との合意というのはあるんでしょうか。
○馳国務大臣 今般の法律をつくるに当たっては、昨年十二月に、私と舛添都知事と、そして遠藤大臣、新国立競技場をどうするか、その財源をどうするかということで、三者において事前の協議の上、合意をした。その上で、法律を準備し、こうして提示をしておるわけであります。したがって、当然、都知事だけではなく都議会のやはり了解も今後しっかりと得られることになると思います。
 改めて申し上げますけれども、文科大臣が決めることができるというこの条文を、私自身は、金科玉条のように捉えてはいけないと思っております。当然、地方自治体との合意を踏まえて今後対応すべきものである、こういうふうに考えております。
○宮本(徹)委員 合意を踏まえてやりたいということをおっしゃるわけですけれども、合意ができなかったときに文部科学大臣が決められるというのが今度の法律のたてつけになっているわけですよね。
 都は、三月八日の都議会で、東京都と国の合意以上の負担というのは想定してございませんということを言っているわけですよ。ですけれども、今度の法律では、都が想定していないものまで含めて今後負担を求めるものになっているわけですよね。
 これはやはり国と自治体の間の信義則にもとると思いませんか。
    〔委員長退席、山本(と)委員長代理着席〕
○馳国務大臣 まさしく国と自治体の信義則に基づいて、最終的に文部科学大臣が決めるべきものと考えております。
○宮本(徹)委員 信義則にもとるんじゃないかという話をしているわけです、私は。
 時間になりましたので私の質問はこれで終わらせていただきますけれども、地方財政法の考え方からいっても、憲法の考え方からいっても今度の法律というのは問題が大変多い、こういう法律の出し方はすべきでない、そして、将来にわたってJSCが管理する国立のスポーツ施設の改修、建てかえにまで東京都民に財政負担を負わせるべきでないということを強く申し上げまして、質問を終わります。
○山本(と)委員長代理 次に、伊東信久君。
○伊東(信)委員 おおさか維新の会の伊東信久です。よろしくお願いいたします。
 本日は、前回に引き続き、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの成功に向けて、今回の改正法案について質問させていただきます。
 冒頭、熊本地震の震災でお亡くなりになられた方にお悔やみを申し上げるとともに、震災に遭われた方にお見舞いを申し上げます。
 この熊本地震の復興に、熊本県並びに周辺自治体そして政府も一丸になって取り組んでおられることに敬意を表します。
 東京オリンピック・パラリンピックの震災対応についても、今、改めて見直しが必要になっているのではないかと思います。そこで、新国立競技場の計画における震災対応についてお伺いします。
 先ほど大臣の答弁の中に、周辺住民の方における、新国立競技場は避難地区になるとおっしゃっていたんですけれども、開催期間中に大きな地震があった場合、どのような避難誘導、そこでプレーをされている場合もありましょうしプレーを行っていないときもあると思うんですけれども、どのような避難誘導を想定されているでしょうか。
○馳国務大臣 新国立競技場の整備に当たっては、施設利用者の安全、安心を確保するために、業務要求水準書において、スタンドからの避難については、災害に備え、十分な安全性とすぐれた防災設備の整備を行う、緊急時の観客の避難安全性について確認する等の規定を置いております。
 これを踏まえ、災害発生時の観客の避難経路について、大成建設等共同企業体の技術提案書においては、観客席から外部まで十五分以内で避難できるよう座席の配置等を行うこと、各階ごとに専用の避難階段を置き、十分な広さの踊り場を設けるなど、安全でスムーズな避難を実現すること、車椅子利用者が安全に避難するため、十二台の非常用エレベーター等を設けることなどが記載されております。
 また、避難場所については、東京都において、新国立競技場を含む明治神宮外苑地区が避難場所として指定されているほか、技術提案書において、避難シミュレーションの結果に基づき、スタジアムの外構等に約二万八千人の観客が一時的に滞留できるスペースを確保することが記載されているなど、利用者等の安全性に配慮したスタジアム計画になっていると理解しております。
 今後、消防等の関係機関や関係自治体などと連携して避難訓練を実施するなど、ハード、ソフトの両面から、新国立競技場の利用者や競技者などの安全、安心の確保に努めてまいりたいと思います。
○伊東(信)委員 それでは、震災が起こった後の避難場所にもなると思うんですけれども、毛布や食料などを備蓄するスペースというのはどのあたりを計画されているでしょうか。
○馳国務大臣 新国立競技場の整備に当たっては、業務要求水準書において、地域の防災性向上の観点から、東京都帰宅困難者対策条例などを踏まえ、防災機能を整備するとしたことを踏まえ、大成建設等共同企業体の技術提案書では、防災備蓄倉庫を約四百五十平米整備することとしております。
 また、委員御指摘の毛布や食料などの備蓄については、新国立競技場を含む明治神宮外苑地区は東京都が避難場所に指定していることから、今後、JSCと関係自治体とが協議を行い、必要な物資や機能を整備することとなると承知しております。
○伊東(信)委員 ありがとうございます。
 三月九日の、大臣の所信に対する質問の際に、救急医療体制について質問させていただいたんですけれども、新国立競技場での震災のときの医療体制について、その後、何か具体化されたのでしょうか。観客スタンドの安全性に関しては今答弁されたと思うんですけれども、とはいうものの、不測の事態もありましょうし、競技によっては、スタッフを合わせると十万人ほどの人間がそこに集中することもあり得るわけなんですけれども、その場合の救急医療体制について何か具体化されていますでしょうか。
○馳国務大臣 従前の国立競技場においては、医師、看護師等は配置しておりませんでした。スポーツ大会などの開催の都度、それぞれの主催者が医療従事者を確保し、けがや急病などの応急処置を行うとともに、症状に応じて救急車の要請等を行ってきたと聞いております。
 新国立競技場においては、従前の国立競技場の約三倍の床面積の医務室を設置することとしており、これまでと同様に、大会などの主催者が医療従事者を確保して必要な対応を行うこととなります。
○伊東(信)委員 その際ですけれども、震災に関して、ドクター、そこの、新国立競技場に配備しているドクターも駆り出されると思うんですけれども、震災に関しての医療体制に対しては大体わかりましたので、ドクターに関して言いますと、それぞれの競技中のドクターに関して前回も質問させていただいたと思うんですけれども、現場では、フィールドドクター、ピッチに立っているドクター、ゲームに関してのドクターが少ないという声はやはり届いております。
 この状態を把握されている上で、例えば、日本体育協会で運営をされている公認スポーツ指導者制度においてスポーツドクターというのがあるのですけれども、現在は、スポーツデンティスト、歯科の先生にも広げて、歯科医の先生たちが脳振盪についての講習を受け、競技場の医療関係者としてサポートできるようになっております。
 競技において、スポーツデンティストも含め、スポーツドクター以外の活用も現在視野に入れているか、教えてください。
○馳国務大臣 医療従事者の確保は大会等の主催者の責任において行うこととなっております。どのような医療従事者を確保するかについては、当該主催者の判断によるものと考えられます。
 なお、日本体育協会が加盟団体と連携して実施している公認スポーツ指導者育成制度により、アスリートの障害予防、治療などに当たる公認スポーツドクター、現在五千六百五十六名おります。歯科口腔領域の障害予防、治療等に当たる公認スポーツデンティストが養成されているところであります。公認スポーツデンティスト認定者数は現在まだ六十七名であり、日体協においては毎年のように認定研修をしておられます。
 こうした有資格者が広く活躍できる環境の整備にも努めてまいりたいと思います。
○伊東(信)委員 ありがとうございます。
 現在、ラグビーに関して言いますと、スポーツドクターとスポーツデンティストによって、広く、ピッチに立っているアスリートの健康を管理していることを御存じいただきたいということと、あと、震災対応についてですけれども、きちっと御対応していただいておると思うんですけれども、あくまでも確認ですし、注意し過ぎることはないので御了承くださいということです。
 次に、前回、JSCの関連についても御質問したんですけれども、私自身もやはりシニアDCOを持っていますので、このあたりの、ドーピング検査体制の整備が大会を成功に導くか否かの非常に重大な問題だと思っております。日本のアスリートを守る上でもドーピングの啓蒙活動というのは非常に大事になると思うんです。
 先日、テニスのシャラポワ選手の、新しく禁止の薬物、メルドニウムという薬を常用して陽性反応が出たという案件がありましたけれども、その後の、シャラポワ選手の処分や、現在の彼女の状況について情報があれば教えてください。
○馳国務大臣 ことし一月に発効した、世界ドーピング防止機構の禁止表に禁止物質として追加されたメルドニウムについて、WADAから、競技者が一月一日以降に摂取したと明らかに認められない場合であり、かつ、三月一日より前のドーピング検査で一マイクログラム以下の検出量である場合はドーピング違反の対象にならないと発表されたことは承知しております。
 シャラポワ選手など、これまでメルドニウムの使用によってドーピング違反となった選手への対応については、WADAからの通知及びWADA認定分析機関による分析結果を踏まえ、ドーピング検査の主体である国際テニス連盟、その他国際競技連盟及び関係国のアンチドーピング機関によって適切に決定されるものと思われます。
○伊東(信)委員 ありがとうございます。
 今大臣が御答弁いただいたように、これはWADAの資料で昨年のものなんですね、昨年のものには確かにメルドニウムは記載されていません。
 WADAの方から、微量である場合、資格停止処分を解除するというような通知も私の方にも情報として来ておるんですけれども、ここでやはり、今までの常用薬であれば、TUEという、医師が発行する、そういった常用薬を使っているという証明書もありましたでしょうし、二つに分けて、A薬とB薬ということで二本尿をとるわけなんですけれども、もし検査に間違いがあってはいけないということで、B分析といって、もう一つのところも使えたりするわけです。
 ここで本当に感じていただきたいことは、万が一資格停止処分が解除されるようになったときに、やはりシャラポワ選手の知名度、いろいろなことも含めて、もしくはこういった状況が何らかの方法によって解除できるのではないかというような誤解を与えないように、きちっと、これはもう提言だけにさせていただきます。実はもう、きょう午前中の大臣の御答弁の中に、メダルより大事なものはルールを守ること、これに私は深く感動いたしましたので、そのことを踏まえて、日本の国益のために、選手を守っていくのはやはり我々だと思いますので、選手自体は本当に知らないという場合もありますので、しっかりとよろしくお願いいたします。
 そういった意味で、日本のアンチドーピング活動は国際的にも高く評価されています。実は「PLAY TRUE」という、アスリートの方に配るこの冊子の中に、スポーツファーマシスト、こういった資格もありまして、日本のアスリートは禁止薬品に詳しいスポーツファーマシストが常駐する薬局で薬を処方してください、そういう約束になっております。
 この公認スポーツファーマシストがどれぐらいおられるのか調べたんですけれども、情報量が多いのか、私の持っているPCに問題があるのか、重たくて、迅速に検索ページになかなかアクセスできなかったんですね。スマホで検索することも多いと思うんですけれども、きのうのことなんですけれども、五回アクセスして二回しか検索ページが開けなかった。
 加えて、スポーツファーマシストも六十四件なんですね。これが日本全体なので、やはりちょっと少ないかと思うんですけれども、現在のスポーツファーマシストの現状と、人数が足りている状況なのかどうかということを、事実を教えてください。
○馳国務大臣 スポーツファーマシストは、日本アンチ・ドーピング機構が実施する基礎講習会と実務講習会の二種類の講習会を受講し、受講後の試験で所定の成績をおさめた場合に認定されるものであります。認定は四年間有効であり、三年目もしくは四年目に基礎講習会を受講した後、試験で所定の成績をおさめた場合に認定更新が行われます。
 JADAにおいては、平成二十一年から認定を開始しており、平成二十八年四月一日現在、日本全国で六千九百四十九名が認定されていると聞いております。現在、JADAにおいて、スポーツファーマシストのさらなる増員を計画中であると聞いております。
 文科省としても、薬剤師や競技者への周知等について必要な支援を行ってまいります。また、競技者が必要なときにスポーツファーマシストを検索し相談できるよう、文科省としても、競技者や薬剤師などの意見を聞きながら、JADAと連携し、競技者等に対して相談方法のさらなる周知を行うとするなどの対応に努めてまいります。
○伊東(信)委員 ありがとうございます。
 新国立競技場においての設備なんですけれども、やはり、外観に関するところとか基礎的な部分での建築に関するデザインとかが優先されているような気がするんですけれども、中のインフラ設備、特に、今ドーピングの話なんですけれども、ドーピング検査のインフラ設備についてお伺いしたいと思います。
 またこれも、午前中の馳大臣の答弁で、IRB、今はWR、ラグビーワールドカップの統括責任者のアラン・ギルビン氏が花園の方に来られたわけでして、新国立競技場も、ラグビーも含めての話を大臣おっしゃっていただいたわけなんですけれども、その統括責任者であるアラン・ギルビン氏は、やはり、WRとしては、まずはメディア室の確保、そしてもう一つ、ドーピング検査室の確保と充実が大会を運営できるところで大事だ、そうおっしゃっていました。
 IOCにおきましても、このドーピング検査室のインフラ設備、新国立競技場において、かなり細かく聞かれると思うんですけれども、どのような内容で整備されると計画されておりますでしょうか。
○馳国務大臣 新国立競技場におけるドーピング検査施設の整備については、業務要求水準書において、プライバシーや快適性に配慮したドーピングコントロール機能を整備すること、競技を終了した選手等がフィールドからドーピングコントロール室へスムーズにアプローチできる動線とすることなどとされております。
 これを踏まえ、大成建設等共同企業体の技術提案書においては、作業室十室、トイレ五カ所、シャワー二カ所等を備えたドーピングコントロール室約百九十平米と、これに隣接してドーピング待合室約三百七十平米を整備することとされております。ちなみに、旧国立競技場におけるドーピングコントロール室は約四十七平米でありますから、格段の広さを確保している現状であります。
 このような検査施設整備や動線の確保については、あらかじめJADAの確認を受けることとされ、既に事業者とJADAとの間で協議が行われているところであります。
 文科省としても、ドーピング検査体制についてはその充実にしっかりと努めてまいりたいと思います。
○伊東(信)委員 ありがとうございます。
 改めて、数年前まで現場でドーピング室の中にこもっていた者としては、かなり大きな規模になっているというのは実感いたしております。
 最後に確認なんですけれども、そのあたりの整備のアドバイス、これからは、JADAでしょうか、文科省でしょうか、どこが責任担当部署になりますでしょうか。
○高橋政府参考人 国立競技場の整備につきましては、独立行政法人日本スポーツ振興センター、JSCが責任を持って関係機関とも相談をしながら実施していき、また、スポーツ庁、文科省としてはそれをしっかりと指導監督してまいりたいと考えております。
○伊東(信)委員 よろしくお願いいたします。
 さて、四月六日の委員会で私が質問させていただいた際なんですけれども、新国立競技場の周辺ですけれども、その周辺に関してまだ計画は明確になっていないとの答弁でございました。
 平成二十七年度、昨年末のJSCのホームページに、調査室が作成した資料というのを見たところ、国立競技場周辺地図で、秩父宮ラグビー場が駐車場、神宮、神宮第二球場に大会運営用倉庫や関係者の待機場所が設置されるというようにやはり書いていたわけなんですね。ですので、六日のときには計画は明確になっていないとの答弁があったのですけれども、この計画の変移と経緯を時系列で御説明いただければと思います。
    〔山本(と)委員長代理退席、委員長着席〕
○遠藤国務大臣 お答えいたします。
 組織委員会によりますと、神宮球場や秩父宮ラグビー場の大会期間中の使用期間や使用方法はまだ現時点では未定であります。その上で、組織委員会として交渉に着手したところであり、昨日、組織委員会が日本野球機構に説明したと聞いております。プロ野球や大学野球等の関係者の方々とは十分に協議、調整していきたいと聞いております。
 大会の成功に向けた準備が周辺の方々の理解を得ながら進むよう、組織委員会においてもこの点十分配慮しながら丁寧に取り組んでいただきたいと思っております。
○伊東(信)委員 そろそろ時間となってきましたので、もうそろそろ終わらせていただきたいと思うんですけれども、二〇一五年の七月二十四日の新聞報道では、構想によると、やはりラグビー場を解体して五輪用の駐車場に活用し、大会後は明治神宮が二二年度末までに野球場をつくるとか、神宮を解体して跡地にJSCが二五年度末までにラグビー場を完備するなどとなっております。
 私はどうしてもラグビーをひいきにしてしまうんですけれども、やはり各スポーツ団体に関しても、団体だけではなく、プレーヤーも、オリンピックを目指すこれからの若い世代のためにも、そのあたりの計画を早急にしていただけるようにお願いいたしまして、ちょうど時間となりました。私の質疑を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございます。
○谷川委員長 次に、吉川元君。
○吉川(元)委員 社会民主党の吉川元です。
 まず冒頭、熊本県そして大分県に多大な被害をもたらした断続的な地震、まだ今も続いているようでありますが、多くの方々が犠牲になりました。被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げますと同時に、政府として、ぜひ行方不明者の捜索に全力を挙げていただきたいと思いますし、それから、避難を余儀なくされている方々への万全なサポート、エコノミー症候群で亡くなった方もいらっしゃるということでありますので、全力を挙げてサポートをお願いしたいというふうに思います。
 私も地元が大分でありまして、今回被害が出ました湯布院あるいは竹田市というのは、私の選挙区でもございます。
 何点か最初に質問させていただこうと思ったんですけれども、他の委員の方が同様の質問をされておりますので、とにかく、子供たちの心のケアについて、あちらの方は余り地震の経験がなくて、あっても震度三とかそのぐらいのものですけれども、今はもう震度五を超える地震が断続的に起こっております。とにかく、家の中にもいられない、怖くていられないという状態になっておりますし、学校も、一部は、湯布院なんかは少し再開されたということでありますけれども、通えない子供たちもたくさんいると思いますので、心のケアに万全を期していただきたいということを最初にお願いしたいというふうに思います。
 それでは、質問に入らせていただきますけれども、最初に一点だけ、ちょっと指摘をさせていただきたいと思います。
 新国立競技場の旧建設案、ザハ案というふうに言っていいのかもしれませんが、これが昨年、総理の判断で白紙撤回となりました。これは、建設コストが当初見込みよりも大幅に増加したことが直接の原因ではあります。しかし、国民が不信感を抱いた理由というのは、この建設をめぐる経過が非常に不透明であったこと、それから、一体誰にその責任があるのかというのが非常に不明確であったこと、この二点に集約されるのではないかというふうにも思います。これは、旧計画の検証を行った第三者委員会の報告書でも指摘されている点であります。
 ところが、新計画では聖火台の設置場所がなかった点、誰に責任があったのかという点、またぞろ、前と同じようなやりとりが繰り返されているという印象があります。
 これはやはり、こういうことが続きますと、国民の不信感が助長されるということにもなります。政府、組織委員会、東京都の間の責任体制、しっかりと国民の目に見える形で明確になるように努力をしていただきたいということを、まず最初に申し上げたいと思います。
 では、法案についてお聞きをしたいと思います。
 今回の法案、totoの売り上げのうち、現状五%を、八年間、二〇二三年度まで一〇%に引き上げることが柱の一つとなっております。オリンピック・パラリンピックが開催されるのは二〇二〇年ですから、totoの売り上げからの建設費充当は、三年間分は後払いというふうになるわけです。
 なぜこのような後年度負担になるようなスキームを選択したのか、そして、三年分の財源が後払いになるということですけれども、これは実際に、建設、ゼネコンも含めて、支払うのを、終わった後も三年間、完成した後も三年間払うのか、それとも先に国が立てかえるのか、あるいは、どこからか融資を受けて支払うのか。この点も含めて答弁をお願いします。
○馳国務大臣 昨年十二月に関係閣僚会議が決定しました財源スキームにおいて、新国立競技場の整備に係る財源負担については、国の負担、スポーツ振興くじの特定金額、東京都の負担の負担割合を二対一対一としているため、単純に計算すると、スポーツ振興くじの特定金額の負担額は三百九十五億円となります。
 しかしながら、特定金額の一部は国庫納付金の減少を財源として生み出されていることから、財源スキームでは、特定金額のうち、この国庫納付金の減少見合い分の額である四百三十二億円も国の負担として計上しております。このため、スポーツ振興くじの負担額と国庫納付金の減少見合い分の金額を合計すると、特定金額で実質的に負担する金額は約八百三十億円となります。
 平成二十六年度の売上実績一千百八億円に基づけば、特定金額を売上金額の一〇%に引き上げた場合、特定金額として年間約百十億円を確保できることとなり、平成三十五年度までの八年間で八百三十億円程度を負担できることとなるため、今回の法案では、特定金額の上限を引き上げる措置を八年間としたものであります。
 なお、大会開催までに確保できない新国立競技場整備費については、JSC法附則第八条の六において、特定業務について、長期借入を行ったり債券を発行したりすることができると規定されているため、工事の進捗状況に応じて、これらの方法を活用しながら必要な財源を確保し、特定金額でこれを償還していくことが想定されるところであります。
○吉川(元)委員 では、ちょっともう一点、今まさに大臣おっしゃられました国庫納付減少分、これは国費として、私はこれは国費じゃない、totoのお金だろうというふうに思いますけれども、ここの部分についても同様の形をとるということですか。それは、JSCが借金を、借金といいますか、債券を発行するということになるんでしょうか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 現在の財源スキームでは、この一〇%への引き上げを八年間、平成三十五年度までで一応必要な財源は、売り上げが変わらなければでございますけれども、確保できることを想定しております。
 ただ、三十五年ということになりますと、オリンピック・パラリンピック大会が終わった後、三年後でございますので、その三年間については、今、大臣から答弁申し上げたとおり、JSCが借り入れ、ないし債券の発行によって調達し、それを三十五年度までにかけて償還していく、そういうことを想定しております。
○吉川(元)委員 私の質問をわかっていますか。このスキームでいうと、このtotoの財源については、それはそういうことになるんだろうと思いますが、いわゆる国費の中の国庫納付減少分四百三十二億円、これは国費ですよね。これは誰が用立てるんですか。
○高橋政府参考人 toto財源及び国庫納付充当分につきましても、JSCの方が借入ないし債券発行によって調達して、それを三十三年、四年、五年の三年間のtotoの売り上げ等において償還していく、そういうことでございます。
○吉川(元)委員 これは国費でしょう。国費でしょう、これは。合わせると七百何十億という、これは国費ですよね。何で国費をJSCが肩がわりして、債券を出して払わなきゃいけないんですか。その利息とかはどうするんですか。
○高橋政府参考人 これまで御説明しておりますように、国庫納付金の減少分は国の負担とみなすということで今回のスキームは策定されております。そして、その借り入れの金利等について、必要があれば、特定財源の中で対応していくということになります。
○吉川(元)委員 一方でこれは国費だというふうに言いながら、残り三年間、ないときにはJSCに払わせるというのは、それは国費じゃないでしょう。国の借金ですよね、簡単に言えば。それをなぜJSCが負担できるようになるわけですか。
○高橋政府参考人 今回の国立競技場の整備は、法律に基づく特定業務と位置づけられております。そして、同じくJSC法の附則におきましては、この特定業務については長期借り入れを行ったり債券を発行することができるという規定がございますので、この規定を踏まえて措置をするということでございます。
○吉川(元)委員 質問に答えてください。
 これは国費ですよね、国費なんですよね。国のお金なんでしょう、整理としては。私がわからないのは、その肩がわりをなぜJSCが、国が借金をしてやるというんだったらまだわかりますよ、何でそれをJSCという一独法が背負わなければいけないんですか、国費の部分を。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の新国立競技場の整備主体はJSCということになっております。そして、JSCが行う工事費については、国、東京都、スポーツ振興くじで二対一対一という形になっておりますが、その国の二に当たる部分、七百九十一億円のうち、三百五十九億円は国が歳出で対応する、そして、四百三十二億円は、この八年間で国庫納付金が減少する分を負担見合いということで国の負担とみなして、合計で国が七百九十一億円という整理になっておりますので、国は今後、基金を取り崩す分百二十五億円を含めまして、三百五十九億円をJSCの特定業務勘定に入れるということになっております。
○吉川(元)委員 余り繰り返しても時間がないので、もうここでやめますけれども、一方でこれは国費なんだと言いながら、一方で、あと残り三年間回収できない、まだ三年かかる回収のときに、国費にもかかわらずJSCに債券を発行をさせて払わせるというのは、こっちでは国費じゃないじゃないですか。国費だったらちゃんと国として手当てをすべきだということ、これを指摘させていただきたいと思います。
 ちょっと余り時間がありませんので、次の質問に移ります。
 今回、負担割合、国と都道府県、二対一にするというお話がございました。私自身、これはやはり地方財政法上も、先ほども指摘がありましたけれども、余り筋のいい、余りというか、筋の悪いやり方だろうというふうにも思います。
 例えば、大体オリンピックの開催都市を見ますと、何年か後にはいわゆる世界陸上が来ます、またワールドカップも誘致するというふうに言われております。その際には改修、当然どちらにしても必要になってくるわけで、これについては、先ほど、都の負担が出ないようにというような答弁、口約束なのか何かわかりませんが、一応されたということであります。
 そこで、それについては通告してあるんですが、それはとりあえずよいとして、維持管理費、これはどうなるのかということをお聞きしたいというふうに思います。
 国の直轄事業における都道府県負担の制度について、かつて全国知事会から、直轄事業負担金制度は見直しをして維持管理費負担金は廃止すべし、いわゆる裏負担だとか言われていたものだったというふうに思いますけれども、強い要望が出ておりました。〇九年の総選挙、政権交代が行われまして、我が党も連立政権に入りましたけれども、この直轄事業負担金制度の見直しが合意をされて、その第一歩として、二〇一〇年度から直轄事業における都道府県の維持管理費負担金は廃止をされました。
 そこで伺いますけれども、今回の新国立競技場建設に当たって国の直轄事業の負担スキームを利用するというのであれば、この維持管理費についても、二〇一〇年度の法改正を受けて、都道府県、具体的には東京都の負担はないというふうに考えてよろしいんでしょうか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 昨年十二月の関係閣僚会議で決定した財源スキームにおきましては、新国立競技場の整備に必要な業務として、本体整備、周辺整備、及びこれに関連する業務が規定されておりまして、議員御指摘の大会後の維持管理費は、東京都の負担には含めていないところでございます。
○吉川(元)委員 それと、先ほど一つ、少し聞き忘れたんですけれども、これから建設費はどういうふうに変化するのか。消費税が上がるのか上がらないのか、あるいは人手不足等々どういう状況になるのか、経済状況はどうなるのか。それから、totoの売り上げ、これも、去年ですか、昨年度になるんですかね、減少をしております。売り上げを確保するということだろうと思うんですが、もし、建設費それからtotoの売り上げ等々に変化があった場合について、国と地方、二対一の割合ということはそのまま行くんだろうと思いますが、いわゆる二対一対一という比率も、全てそのまま、その形で行われるという認識でよろしいんでしょうか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 今後、賃金、物価の上昇や、あるいは消費税の引き上げ等により総事業費が増加した場合の負担割合は、本体と同じように、国、東京都、スポーツ振興くじが二対一対一ということが昨年十二月の閣僚会議で合意をされております。
○吉川(元)委員 だとすると、先ほど少し議論になりましたが、これは一般法で特別法じゃないというお話がありました。そうすると、ほかの地域でもって、もしかしたら何か大きな競技場なりがつくられる可能性があるかもわかりません。その場合にも、いわゆる二対一対一、この比率というのは引き続きこの形でやるということですか。
○高橋政府参考人 まず、先ほども御答弁申し上げましたとおり、現時点で想定しているのは、この新国立競技場だけでございます。
 それから、今後、将来の可能性としては、そういったものが出てきた場合には、その負担の費用の額や負担の方法はセンターと当該都道府県とが協議して定めるということになっておりますので、今回はあくまで国と東京都が実務者チームをつくり、最終的には大臣、知事が合意して二対一対一となりましたが、また別のケースが出た場合には、その時点において協議をして定めるという法律の規定になっております。
○吉川(元)委員 だとすると、例えば、JSC、totoですよね、totoが、今回のものでいうと二対一対一の一の部分になるわけですけれども、totoの売り上げは引き続き同様の形になれば、この二対一対一でいくのか。それとも、totoは今回の国立競技場に限ってのことで、それ以外のものについてはtotoのものを除いて二対一にするということになるのか。その点についてはいかがですか。
○高橋政府参考人 今回の法律ではその点については規定をしておりませんし、現在、国立競技場以外の施設については想定をしておりませんので、仮にそういった事案が出てきた場合には、その時点で関係者が協議をして判断していくことになると考えております。
○吉川(元)委員 今のところ、この新国立以外にはそういう対象はないというのはわかるんですけれども、新しい競技場なりサッカー競技場なり、わかりませんけれども、体育館なりをつくる場合に、totoのお金というのはそれにも入れるということになるんですか。
○高橋政府参考人 現行法におきまして、国際的な規模のスポーツ競技会の我が国への招致またはその開催が円滑になされるようにするために行うスポーツ施設の整備については、まだ改正前の現行法でございますが、五%が一応totoからは特定業務ということで充てられることになっておりますので、その点については、三十五年度以降についても当分の間はそういう規定がありますので、その部分についてはそういうことになる可能性はあろうと思います。
○吉川(元)委員 だとすると、その二対一対一という比率自体は、例えば二対一対〇・五だとか二対一対〇・三だとか、国と都道府県の比率は二対一だけれども、totoについてはその都度その都度変わる。そうすると、結果的には総額が決まっていますから、都道府県の負担割合というのはtotoのお金が入るか入らないかで大きく変わる、そういう認識でよろしいんでしょうか。
○高橋政府参考人 失礼いたします。
 まず最初に、今回の特定業務は、先ほど申し上げました、国際的な規模のスポーツ競技会の我が国への招致またはその開催が円滑になされるようにするために行うスポーツ施設の整備に充てられるものでございますが、その全てについて地方公共団体に負担を求めるということにはなっておりません。今回の指定は、その中でも、特に地域振興に資するものということで、特定業務の中でも、法律ではより限定をかけております。
 今回、新国立競技場につきましては、オリンピックのレガシーが都民にも影響を与えるとか、都民の避難場所あるいは備蓄倉庫としての機能も有するとか、さまざまな都民の便益も勘案して、今回は東京都とも協議をして都の負担を求めることになったものでございます。
 地方公共団体の負担を求めるかどうかも含めて、その時点で協議がされるということで御理解賜ればと思います。
○吉川(元)委員 では、次の質問に移りたいというふうに思います。
 これは直接建設費にかかわる問題ではありませんけれども、東京都が新競技場の敷地に含まれる都有地を大会終了まで無償で貸し出す契約を結んだという報道を目にいたしました。東京都が実施をした鑑定結果に基づきますと、この都有地を有料で貸し出した場合には、貸付料は年間六億六千万、大会終了まで五年間ですから三十億を超えてしまう、かなりボリュームのある金額になります。
 新国立競技場での東京都、二対一対一のこの一の三百九十五億という負担に加えて、この三十億に達する土地の無償提供という事実、これは本当に都民の皆さんは納得されているのかどうか、私は疑問に感じます。
 地方財政法の第二十四条においては、国が地方自治体の財産を使用する場合には国が使用料を負担しなければならないというふうな規定があります。これはただし書きで、ただしということで、財産を提供する自治体の議会の同意があったときにはその限りではないという規定がありますので、東京都がそういう判断をしたとすれば、これはできるのだろうと思います。
 ただ、私は、これもやはり本筋からは外れている話だろうというふうに思いますし、地方財政法の考え方からもこれはかなり外れているのではないかというふうにも思います。
 ちょっとお聞きしたいのは、地方自治体が議会の同意を得て自治体の財産や施設を国に無償で提供できるとしても、今回のように、国の建造物の敷地の代金、しかも総額で三十億を超えるような貸付料をなしにして提供する、こうした事例というのはこれまでにあったのかどうか、お聞きします。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 限られた時間でございましたので、国の施設全てについて調査できておりませんが、文科省所管の、まず独立行政法人について幾つか聞いてみたところ、同様に自治体から土地の貸し付けを無償で受けた例はあると承知をしております。
 また、国の建造物という……(吉川(元)委員「今聞こえなかった」と呼ぶ)恐れ入ります。
 文科省所管の幾つかの独立行政法人においては、その施設について自治体から土地の貸し付けを無償で受けた例があると承知をしております。
 それから、お尋ねは国ということでございましたので、文部科学省所管の庁舎、宿舎を調べましたところ、調べた限りにおいては、無償貸し付けを受けた事例はなかったところでございます。
○吉川(元)委員 独法、私もちょっと調べましたところ、国立医薬品食品衛生研究所の移転に伴って川崎市が一部無償で貸し付けたという例はあるというふうには私も聞いておりますが、政府機関、国立競技場等々も含めまして、今回のこういう事案については、恐らく、東京都が初めての事例だろう。これは先ほども言いましたけれども、地方財政法の趣旨からいいますと、やはり本筋から外れているということを指摘させていただきたいと思います。
 次に、東京大会に係る総費用について伺いたいと思います。
 立候補ファイルでは、国立競技場の建設費の当初見積もり一千三百億円も含めて、主に公的資金で行われる会場整備費が四千三百二十七億、これとは別に大会組織委員会が民間資金で賄う大会運営費は三千十三億で、総額七千三百億というふうになっておりました。ところが、この金額が二転三転、しかも、二兆円だ、あるいは三兆円だというような、三倍、四倍に上回る金額が出ております。
 先般、三月三十一日の日に、森組織委員会委員長、遠藤大臣、それから舛添都知事の三者で、仮設は組織委員会、恒久施設は都といった従来の費用負担のあり方を見直すことで合意されたとも報じられております。
 現時点でどのぐらいオーバーをするのか、二倍程度でおさまるのか、それとも五倍ぐらいまでいくのか、大体どの程度なのか。あるいは、負担の割合の見直しについて、これは大会の組織委員会と東京都ということですけれども、国というのはこれに関係してくるのかどうなのか、この点について、今の時点でわかっていることを教えてください。
○遠藤国務大臣 お答えいたします。
 先ほど来お答えしておりますが、大会経費については、現在、組織委員会において、東京大会成功に必要な業務の全ての洗い出しを行っているところであると承知をしております。
 このため、現時点において東京大会全体に係る経費についてお示しすることはできず、また、御指摘のような、東京都と組織委員会で大会開催経費の負担割合の変更で合意したことはないと承知をしております。
 大会組織委員会が赤字になった場合の対応については、IOCに提出した立候補ファイルでは、大会組織委員会は、二〇二〇年東京大会を確実に実施できるよう東京都及び国と協議する、その上で、万が一大会組織委員会が資金不足に陥った場合は東京都が補填することを保証する、東京都が補填し切れなかった場合には、最終的に日本国政府が国内の関係法令に従い補填するとされております。このため、大会組織委員会が赤字に陥らないようにするため、大会組織委員会のコスト抑制の取り組みについて、政府としても厳しく目を光らせてまいります。
 なお、今、三者会談という話でありましたが、森組織委員会会長、そして舛添知事、私でお会いをして、今後の進め方について情報を共有しよう、そして事務的ないろいろなこれからの作業についても情報を共有しよう、そうした話をさせていただきました。
○吉川(元)委員 では、大臣、ちょっと確認させていただきたいんですけれども、報道では、仮設は組織委員会、恒久施設は都という、この負担のあり方を見直すということの合意はされていないということでよろしいんですか。
○遠藤国務大臣 有明体操場については、今まで仮設でありましたが、その後も使用するというふうな観点から、東京都が負担をするというふうに聞いております。その会合で森会長からそうしたお話がありましたが、そういうことも含めて今後情報を共有していこうということであります。
○吉川(元)委員 私が聞いたのは、費用の負担のあり方、今言ったように仮設は組織委員会、恒久施設は都という負担のあり方について、これ自体を見直すということで合意をされたんですか、それともされていないんですか。情報共有するというのは結構ですけれども、この点についてはどうなっているんですか。
○遠藤国務大臣 有明の体操場については、東京都でそういう判断をされたというふうに承っております。そして、その他の仮設等についてはそういう提案があって、それを今後協議していこうということで情報を共有しようということであります。
○吉川(元)委員 よくわからないんですが、確かに有明については、これは東京大会で仮設会場になるということなんですけれども、有明体操競技場の設計費五億円というのは、東京都の今年度の予算、国際展示場の運営費の中に組み込まれていて、都議会の中で質問を受けてようやく、いや、これは実はこういうものなんですというようなことが出てきたという話も聞いております。
 三月三十一日に合意されていないということなんですけれども、それ以前に、この原則というのは、私は、先ほども言いました仮設は組織委員会、恒久施設は都というのはもう既に破られているんじゃないかというふうにも思わざるを得ません。
 ちょっと時間がないので、最後に一つだけお聞きしたいと思います。選考過程についてです。
 今回、二者だけが、隈さんとそれから伊東さん、二者の提案があったということでありますけれども、この中で、審査員個別の評価点数、これは実は公表されていません。全体の合計は出されていますけれども、個別の委員が何点をつけたかというのは出ておりません。
 これはなぜ明らかにしないんですか。
○高橋政府参考人 新国立競技場の整備に当たっては、JSCにおいて、プロセスの透明性に最大限の配慮を行いながら進めているところでございます。
 このうち、優先交渉権者選定の審査については、技術提案等審査委員会の議事概要における発言者の氏名など、個々の委員が特定される情報は非公開とされており、個別の採点結果についても、同様の理由から非公開としていると聞いております。
 このような取り扱いの理由は、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第五条第三号の規定に基づき、公開することにより、委員が外部からの圧力や干渉等の影響を受け、審査の公正性が害されたり、率直な意見の表明、交換等が困難になるなどの支障が生じるおそれがあるとJSCが判断していることによるものと承知をしております。
○吉川(元)委員 もう時間が来ましたので終わりますけれども、透明性と言いますけれども、審査員にも教えていないんですよ、誰が何点つけたかなんというのは。それは、外に公表するかどうかというのはあるかもわかりませんけれども、審査員自身にも教えないなんというのは、これは全く、誰が何点つけたのか、審査員もそれぞれ知らない、これで透明性が確保できているなんというのはとんでもない詭弁だということを最後に申し上げて、私の質問を終わります。
 以上です。
○谷川委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○谷川委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。大平喜信君。
○大平委員 私は、日本共産党を代表して、独立行政法人日本スポーツ振興センター法及びスポーツ振興投票の実施等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論します。
 本法案は、新国立競技場をサッカーくじの売り上げと東京都民の負担で建設を進めるためのものです。
 新国立競技場の建設は、高額で豪華な施設の建設に多くの国民から反対の声が上がり、昨年七月に、政府は計画の白紙撤回に追い込まれました。しかし、その後、政府が改めて策定した整備計画は、建設費は縮小したものの、同規模の他の競技場と比しても高額であり、住民の立ち退きなどが問題となっている周辺整備計画もそのままで、簡素で無駄のない取り組みを求める国民の願いに応えた抜本見直しとはなっておりません。
 本法案は、新国立競技場の高額な建設費を前提とするものであり、簡素で無駄のない取り組みを求める国民の願いに反しています。
 政府は、新国立競技場建設費の負担割合を、国、サッカーくじ、都民負担で二対一対一とし、本法案で費用の確保、負担の根拠を定めています。質疑で明らかになったように、国費で負担するとされる七百九十一億円のうち、約半分をサッカーくじの売り上げ分から充当するとしています。結果として、建設費の大半をサッカーくじと都民負担に依存する仕組みとなっています。
 本法案は、新国立競技場の整備のみならず、日本スポーツ振興センターが所有あるいは今後整備するスポーツ施設についても、地方自治体に負担を求める仕組みになっています。本来、国立のスポーツ施設の建設は、国が責任を持ち、国費で賄うべきであり、サッカーくじの売り上げや地方自治体に負担を求めるべきではありません。
 スポーツ振興の財源をサッカーくじで賄うこと自体が問題ですが、本法案は、サッカーくじの売り上げの一〇%を新国立競技場の建設費に充てるもので、売り上げが低下した場合は、地域のスポーツ振興の財源が減少します。本法案で、サッカーくじの目的がスポーツ振興から公共事業の建設費に変質し、この点でも問題であることを指摘し、討論とします。(拍手)
○谷川委員長 次に、吉川元君。
○吉川(元)委員 社会民主党・市民連合を代表し、独立行政法人日本スポーツ振興センター法及びスポーツ振興投票の実施等に関する法律の一部改正案について、反対の立場から討論を行います。
 反対の第一の理由は、新国立競技場の財源がスポーツ振興くじの売り上げ頼みになっている点です。今回の改正によって、くじの売り上げのうち、一〇%を八年間、新国立競技場財源に充てることになりますが、分担対象経費一千五百八十一億円のうち、半分以上の八百二十七億円がくじの売り上げに依存することになります。安定性を欠く財源であると同時に、売り上げが減少した場合の負担のあり方も明確にはなっておりません。
 第二に、後年度負担について、国費部分も含めてJSCに肩がわりをさせるということは、みずから、これは国費であるとする主張と相反するものであるという指摘をせざるを得ません。
 また、新国立競技場建設の財政負担スキームでは、スポーツ振興くじの運営費を二十億円削減することになっております。運営費削減が、JSCが担う他のさまざまな事業に支障を来すのではないか、直営事業の外部委託で職員の雇用や労働条件に負担をかけるのではないかという懸念があります。そのようなことが生じないよう、JSCを所管する文科省にも適切な監督を要請します。
 さて、法案からは離れますが、旧競技場の建設計画が白紙撤回された原因は、単に建設費が当初見込みから膨れ上がったことにとどまりません。競技場建設の責任体制が極めて不明確だったこと、さらに、情報開示が決定的に不足していたことに対し、国民の不信が増幅したことも大きな要因です。
 ところが、新国立競技場計画に聖火台設置場所が盛り込まれていなかったこと、あるいは、大会開催費用に関し、立候補ファイル提出時の大会運営費、会場整備費を大きく上回る可能性があることについて、責任体制がまたぞろ不明確、かつ、国民への説明が不十分なままの印象を抱かざるを得ません。
 東京オリンピック・パラリンピックが大きな成果をおさめるための前提条件として、競技場建設や大会運営の責任体制を明確にするとともに、会場整備費、大会運営費などの総額並びに負担のあり方について、適宜国民に明らかにするよう求めます。
 以上を指摘しつつ、討論といたします。(拍手)
○谷川委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○谷川委員長 これより採決に入ります。
 内閣提出、独立行政法人日本スポーツ振興センター法及びスポーツ振興投票の実施等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○谷川委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○谷川委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、青山周平君外四名から、自由民主党、民進党・無所属クラブ、公明党及びおおさか維新の会の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。長島昭久君。
○長島(昭)委員 提出者を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。
 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
    独立行政法人日本スポーツ振興センター法及びスポーツ振興投票の実施等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、本法の施行に当たっては、次の事項について特段の配慮をすべきである。
 一 東京オリンピック競技大会及び東京パラリンピック競技大会の準備及び運営に当たっては、東日本大震災からの復興と日本の更なる発展の契機となるよう、国をはじめとする関係者間における連携・協働を図り、情報の効果的な活用や開催に向けた国民全体の参加意識の醸成などを通じて、大会を成功に導くよう努めること。
 二 新国立競技場の整備に当たっては、平成二十七年末の新国立競技場整備計画再検討のための関係閣僚会議において決定された財源スキームを確実に実行するため、国が責任を持って、東京都と十分な連携を図りつつ着実に進めること。
 三 大会終了後の新国立競技場の運営管理については、平成二十七年八月の新国立競技場整備計画再検討のための関係閣僚会議において決定された同競技場整備計画を踏まえ、周辺地域の整備と調和のとれたものとなるよう、その利活用の在り方や収益を上げる手法などに関して、十分な検討を行うこと。
 四 地方公共団体又は地方公共団体の出資等に係るスポーツ団体に対するスポーツ振興助成については、住民が主体的に参画する地域スポーツ環境の整備に重要な役割を果たしていることに鑑み、十分な助成がなされるよう配慮すること。
 五 東京オリンピック競技大会及び東京パラリンピック競技大会の準備及び運営の透明性を高め、国民の広範な理解と支持を得られるよう、積極的な情報発信を行うとともに、大会終了後においては、政府施策の全般にわたる評価を行い、その結果について国民に公表すること。
以上であります。
 何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○谷川委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○谷川委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいまの附帯決議につきまして、文部科学大臣から発言を求められておりますので、これを許します。馳文部科学大臣。
○馳国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
○谷川委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○谷川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○谷川委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時四十分散会