第190回国会 厚生労働委員会 第14号
平成二十八年四月二十七日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 渡辺 博道君
   理事 秋葉 賢也君 理事 江渡 聡徳君
   理事 小松  裕君 理事 後藤 茂之君
   理事 白須賀貴樹君 理事 西村智奈美君
   理事 初鹿 明博君 理事 古屋 範子君
      赤枝 恒雄君    大串 正樹君
      勝沼 栄明君    木村 弥生君
      新谷 正義君    田中 英之君
      田畑 裕明君    田村 憲久君
      高橋ひなこ君    谷川 とむ君
      中川 俊直君    中谷 真一君
      永岡 桂子君    長尾  敬君
      丹羽 秀樹君    丹羽 雄哉君
      比嘉奈津美君    福山  守君
      堀内 詔子君    牧原 秀樹君
      松本  純君    三ッ林裕巳君
      村井 英樹君    山下 貴司君
      井坂 信彦君    大西 健介君
      岡本 充功君    郡  和子君
      中島 克仁君    柚木 道義君
      伊佐 進一君    角田 秀穂君
      中野 洋昌君    高橋千鶴子君
      堀内 照文君    浦野 靖人君
      松浪 健太君
    …………………………………
   厚生労働大臣       塩崎 恭久君
   厚生労働副大臣      竹内  譲君
   厚生労働副大臣    とかしきなおみ君
   厚生労働大臣政務官    三ッ林裕巳君
   厚生労働大臣政務官    太田 房江君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官付参事官)           中村裕一郎君
   政府参考人
   (厚生労働省医政局長)  神田 裕二君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  福島 靖正君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬・生活衛生局長)         中垣 英明君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    藤井 康弘君
   政府参考人
   (厚生労働省老健局長)  三浦 公嗣君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  唐澤  剛君
   厚生労働委員会専門員   中村  実君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十六日
 辞任         補欠選任
  浦野 靖人君     河野 正美君
同日
 辞任         補欠選任
  河野 正美君     浦野 靖人君
同月二十七日
 辞任         補欠選任
  牧原 秀樹君     勝沼 栄明君
  浦野 靖人君     松浪 健太君
同日
 辞任         補欠選任
  勝沼 栄明君     中谷 真一君
  松浪 健太君     浦野 靖人君
同日
 辞任         補欠選任
  中谷 真一君     牧原 秀樹君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 厚生労働関係の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
○渡辺委員長 これより会議を開きます。
 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官付参事官中村裕一郎君、厚生労働省医政局長神田裕二君、健康局長福島靖正君、医薬・生活衛生局長中垣英明君、社会・援護局障害保健福祉部長藤井康弘君、老健局長三浦公嗣君、保険局長唐澤剛君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○渡辺委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大西健介君。
○大西(健)委員 おはようございます。民進党の大西健介です。
 冒頭、熊本の地震でお亡くなりになられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災をされた皆様に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
 実は、私、先日、熊本市、それから益城町、南阿蘇村に行ってまいりました。そして、自治体の皆さんや、避難所で避難者の皆さんから直接お話も聞いてまいりました。
 そこで、きょうは、冒頭は地震に関する質問を幾つかさせていただきたいというふうに思っております。
 私が訪れたのは二十一日の日ですけれども、例えば益城町の総合体育館、大きな避難所には、その時点では水や食料というのはかなり充足をしてきておりました。ただし、その日は非常に雨が降っておりましたけれども、避難所は、通路やロビーまで避難をしている人であふれていて、一人一人のスペースというのは非常に限られていて、大変な状況でありました。プライバシーというのも十分に確保されていないという状態です。
 そういう中で、自閉症など発達障害を持つ子供やその家族がトラブルを恐れて避難所に入らないということがあるようであります。車や自宅での生活を強いられている、また、例えば、食料や支援物資を受け取るために行列に長時間並ばなければいけない、それができないので食料や水の配給を受けられないというようなことも起こっているようであります。
 被災による環境変化に対応できない発達障害者は、避難所での共同生活になじめずに、パニックを起こしたり、あるいは大声を上げてしまったりするということで、発達障害者への周囲の理解や支援というのが不可欠だというふうに思います。
 東日本の大震災のときにも同様のことがあって、厚労省におかれても、その後、パンフレット等を作成したりとかということをされたということでありますけれども、残念ながら、少し、今回の熊本地震でその教訓が十分に生かされていない部分があるのではないかなというふうに思います。
 発達障害の子供の家族が、支援物資が欲しければ避難所に入ればいいと言われたりとか、あるいは、先ほども言いましたけれども、なかなか列に並んでいられないけれども、やはり不公平になるので、支援物資が欲しければ列に並べと言われる、そういうケースが少なくないと聞いております。
 熊本地震での発達障害者への配慮について、政府の対応をお答えいただきたいというふうに思います。
○塩崎国務大臣 障害者、なかんずく発達障害につきましては、世の中の理解や注意事項についての周知が十分ではないということもございまして、今御指摘のように、東日本大震災でもいろいろ課題がありましたし、そういうことを踏まえて、今回、発災当初から、私どもは、発達障害の問題を含めて、厚生労働省としても、県あるいは市町村と連携をとって動いてきたところでございます。
 自閉症を初めとする発達障害のある方々は、音とか光とかの刺激の多い場所であったり、それから通常と異なる生活パターンに変わるとか、そういうことに対して非常に御不安を抱かれるという方が多いわけでございまして、このために、避難所においては、間仕切りを設けるとか環境面の配慮、それから、先の見通しが立つように相談の実施をできる限りするといったようなことで、また、周囲の方々の理解も深めるような努力をしなければいけないという課題があるということを認識しながら、厚生労働省として、熊本県それから熊本市の発達障害者支援センター、県が二つ、市が一つ持っておりますが、ここと毎日のように連絡をとりながら連携をいたしまして、対応しているところでございます。
 例えば、被災直後の十五日から、避難所に「災害時の発達障害児・者支援について」と題する配慮事項をまとめたポスターを配付いたしました。
 同時に、先週十九日から、配給などに並ぶことが難しい発達障害者、そういう方がおられる御家庭に、発達障害者支援センターの職員が、必要な水や食べ物をこちらからお届けするという形をとっております。
 さらに、二十日からは、在宅や、車中泊、車の中で泊まっていらっしゃる方、こういう方や御家族に向けて、発達障害者支援センターへの相談を促すラジオ放送を同センターの依頼によって実施を既にしてきているわけでございます。
 それから、二十一日、先生は二十一日にお入りになられたということでございますが、避難所におられる方で周囲の音を苦手とされている発達障害のある方に利用していただくように、防音用のヘッドホンあるいはデジタル耳栓などの機器の送付を民間企業に依頼いたしまして、既に現地の発達障害者支援センターが配付を開始しているところでございます。
 今後とも、被災地の発達障害のある方、その御家族に対しまして、よりきめ細かな支援が行われるように、自治体そして発達障害者支援センターなどとしっかり連携をしながら、避難所における配慮の徹底や相談に関する継続的な情報提供など、必要な支援に全力で取り組んでまいりたいと思っております。在宅の皆様方についても、当然、配慮をしっかりやっていかなきゃならないというふうに思います。
○大西(健)委員 いろいろとやっていただいていることは、よくわかりました。ほかの避難者の皆さんもやはり通常と違って気持ちの余裕がなくなっているというふうに思いますので、在宅にて避難生活をされている方にも食料とか物資を届けるようなことというのはぜひお願いしたいというふうに思います。
 高齢者や障害者といったいわゆる災害弱者の方については、本来は福祉避難所に入っていただくということを想定しているのではないかなというふうに私は思うんですが、しかし、残念ながら、今回の地震では福祉避難所が余り機能しなかったということが指摘をされています。
 資料として毎日新聞の記事をお配りしましたけれども、例えば、熊本市では、百七十六施設が福祉避難所に指定をされておりました、そして、百七十六施設で災害時には千七百人を受け入れるということになっていたんですけれども、実際には、施設の損壊や職員不足で受け入れができない施設が続出をして、二十四日時点では、受け入れができている施設は三十四施設、避難者も百人強にとどまっている。また、周知不足で、要支援者の方々もどこに行っていいかよくわからないというふうな指摘もあります。
 福祉避難所が機能していないことについて、きょうは内閣府に御出席いただいていますが、政府の対応をお聞きしたいというふうに思います。
○中村政府参考人 お答えいたします。
 通常、災害救助法を適用いたしました場合、福祉避難所を含みます避難所の状況につきましては、実務を行っております市町村から県、県から内閣府というように状況の情報が来ることになっておりますけれども、今般の熊本地震におきましては、現場で実務の取りまとめに苦労されているということなのか、なかなか系統立った情報が上がってこないといった状況にございます。そういった中で、御紹介いただきました報道等もございますので、なかなか現場でスムーズにいっていないのだろうという推察はいたしております。
 内閣府におきましては、発災当初より、熊本県に対しまして、高齢者、障害者等の要配慮者の方々のニーズを把握して、福祉避難所を設置するなどの措置を講ずるように通知するですとか、数日後には、さらに、そのために必要な事務手続の資料、参考情報などもあわせて送付をいたしております。
 さらに、当座の対応ということにはなりますけれども、ホテルや旅館を活用して、これを福祉避難所と位置づけて、災害救助法を適用させて、要配慮者の方に移っていただくというような取り組みも業界や地元の熊本県と連携しながら進めておりまして、こちらは順次受け入れが始まっている状況にございます。
 熊本県におきましても、各市町村からの情報が、ようやくではありますけれども、徐々に集約されつつあるということでございますので、そちらの状況も踏まえながら、県と協力しながら、さらに必要な策がとれないかということを考えてまいりたいと思います。
○大西(健)委員 当面の現状に対しては今言われたような柔軟な対応をぜひやっていただきたいと思いますし、情報が上がってきていないということですけれども、落ちついたら、やはりこれはしっかり検証すべきだと思うんですね。百七十六施設が指定されて、うち三十四施設しか機能しなかったというのが、これがもし事実ならば、やはり平時に想定していたようにはうまくいかなかったということですので、そこはしっかり検証していただきたいというふうに思います。
 私たちは、初鹿さんと山井議員と一緒に行ったんですけれども、山井さんと私は老健施設にも行ってまいりました。その施設でも、地震の影響で自宅や避難所での生活が困難な方を緊急入所という形で受け入れをされていました。
 そうした場合に、介護報酬については利用定員を超過した場合でも特例的に減算は行わないという措置が行われていると思いますが、その件を確認したいのと、また、施設の方では、減算は行わないというのは当然だけれども、緊急入所を受け入れてくれた施設には何らかの財政支援をしてもらえないのかというお話もありました。そういうことが可能かどうか、お聞きをしたいと思います。
○三浦政府参考人 緊急入所につきまして御質問いただきました。
 今回の熊本地震におきましては、被災した要介護者などを介護施設などで柔軟に受け入れていただくということができますように、定員を超えた場合の利用を認めているところでございます。その利用につきましては介護報酬が支払われるということになりますので、間接的ではございますけれども、その施設に対する財政支援の一環というふうにも考えられると思います。
 また、超過した分について、今御指摘ございましたように、定員の超過分についての減算は行わないという取り扱いとしておりまして、四月の十七日に各都道府県に周知しているところでございます。
 一方で、今後、避難期間が長期化するに伴いまして、介護職員の確保などという課題が考えられる、あるいは実際に発生しているというようなこともございますので、他の地域の介護職員の被災地の介護施設などへの派遣を行うというような準備をしているところでございます。
 引き続き、被災地の介護施設などのニーズを酌み取った対応をしていきたいと考えているところでございます。
○大西(健)委員 定員オーバーした分も介護報酬が支払われるからいいだろうという話ですけれども、やはり、大変な中で受け入れていただくインセンティブというのは、私は検討をすべきじゃないかなというふうに思います。
 あわせて、今御答弁にあったように、ただでさえ、平時でも非常にぎりぎりの人員配置でやっている。特に私が訪問した老健でも、職員の多くの方が被災をして、職員も避難所から通勤をしてきているというような状況であります。ですから、この先ずっとこういう状態が長引いていくと、職員自体がもう限界に達するんじゃないか。だから職員も休ませてあげたい。
 その点、今御答弁があったように、ほかの地域から介護職員を派遣するというのはぜひやっていただきたいんですが、そのときに、ほかの地域でも介護現場というのは慢性的な人手不足です。どこでもぎりぎりの人員配置でやっている。
 そこで、熊本に職員を派遣したことによって職員が一時的に不足して人員基準を満たさなくなるような場合も出てくると思いますが、こうした場合も柔軟な取り扱いをすべきと考えていますが、いかがでしょうか。
○三浦政府参考人 職員の派遣に関して御質問いただきました。
 今回の熊本地震におきましては、他の地域の施設などから被災地に介護職員などを派遣したことによりまして職員が一時的に不足し、人員基準を満たすことができなくなる、こういうような場合も想定されます。例えば、介護職員などを被災地に派遣したことによりまして基準上の必要な人員を満たさないというような場合であっても、介護報酬の減算を行わないなど、柔軟な取り扱いを可能としているところでございます。
 この旨は、四月の十九日に各都道府県に周知しているところでございまして、御指摘いただいたような、柔軟かつ迅速な対応を進めていきたいと考えているところでございます。
○大西(健)委員 介護現場というのは、先ほど来申し上げているように、平時においても非常に人手不足でぎりぎりの状態でやっている、そうすると、こういう災害が起こると一気に破綻をするということだというふうに思いますので、やはりそういう意味でも、介護職の処遇改善を初め、人手不足の解消というのは私は必要だと思います。
 続けて、熊本市内、発災当初は全域で断水が起きていました。現在、断水は解消されつつありますけれども、依然として、水圧が低くて水がちょろちょろしか出なかったり、あるいは、濁水、水が濁っているということがまだ続いているようであります。
 そこで、資料の次のページの新聞記事をごらんいただきたいんです。
 断水の原因というのは幾つもあるんですけれども、一つは、今回も、水道管が破損するということで断水をしたというケースがやはり多かったです。
 水道管の法定耐用年数は四十年ですけれども、多くが高度成長期に整備をされて、老朽化をしています。今、総延長の約一割が四十年を過ぎているということであります。
 一方で、人口減による減収の影響等から、管路の更新率というのは低下を続けておりまして、二〇一四年度は〇・七六%にとどまっている、このままのペースだと、耐用年数を過ぎる水道管は二〇四三年度には五六%、半分以上になってしまうということであります。
 今回のような大きな地震があれば、老朽化した水道管が破損して大きな影響が出る可能性があるというふうに思います。また、この問題というのは、人口減少はこれからまだ続いていくわけですから、先送りすればするほど対応が難しくなるというふうに思いますけれども、政府は、この水道管の老朽化についてどのような対応、方針で臨んでおられるのか、お聞きしたいと思います。
○竹内副大臣 お答えいたします。
 施設の老朽化が進行しておりますことは、委員の御指摘のとおりでございます。
 そこで、厚労省といたしましても、水道事業者の財政が厳しい中、計画的な施設の更新を図るためには、それぞれの水道事業において、水道施設の更新が必要となる時期と費用を的確に把握し、財源確保の方策を講じながら計画的に更新を行う、いわゆるアセットマネジメントが有効であると考えておるところでございます。
 このため、厚生労働省では、水道事業者に対してアセットマネジメントに円滑に取り組むことができるようにするための手引や簡易支援ツールを提供するほか、立入検査や全国水道関係担当者会議などの機会を通じまして、水道事業者がアセットマネジメントの必要性を認識し、必要な財源を確保して水道施設の適正な更新を行うよう助言を行ってきたところでございます。
 加えて、さらに、水道料金の収入が減少してまいりますので、水道事業者が更新や耐震化を着実に行っていくために、水道事業の経営基盤の強化がどうしても必要でございます。その実現方策について、厚生科学審議会生活環境水道部会のもとに専門委員会を設置しておりまして、検討を今進めているところでございます。
 今後とも、水道事業を将来世代に引き継ぐべく、老朽化対策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○大西(健)委員 いざ大きな地震が起これば問題になることがもうわかっているわけですから、手を打たなきゃいけないと思います。
 水道管の話もそうですけれども、今回、例えば、現地の対策本部が置かれることになる各市役所の庁舎なんかが被災をして使えなくなるみたいなケースも多くありました。これはわかっていることなんですが、なかなか、後回しになっているということですので、ぜひそういうところはしっかりやっていただきたいと思います。
 被災地のニーズは、先ほど申し上げましたように、刻一刻と変化をしておりますので、私が行く直前までは本当に水や食料が届いていないというような話もありましたけれども、現状においてはかなりの、物資の受け付けももう今とめているみたいな感じであります。ですから、その変化をしっかり我々もこれからも酌み取りながら、また引き続きこの委員会の場でも質問していきたいというふうに思います。
 きょうは地震の質問はここまでにいたしまして、次の質問に移りたいと思います。
 私は、以前、本委員会で、パソナの子会社、日本雇用創出機構の問題を取り上げました。人材ブリッジバンクという名目で在籍出向の受け入れサービスをやっている、しかし、これはいわゆる追い出し部屋のアウトソーシングじゃないかということを申し上げました。
 また、本委員会では、労働移動支援助成金を活用したリストラ支援の問題がたびたび取り上げられて、その中で、厚生労働省から、自分の再就職先を探すことを業務命令とすることは不適切だという考え方が示されました。
 私の手元に、実は、田辺三菱製薬が退職勧奨を行った人に向けて四月一日に行った説明会の録音したものを書き起こしたものと言われるものがあるんです。これは、中身を読みますと、こういうことが書いてあります。
 今、機構がそういう違法なやりとりをしているというところが国会で取り上げられて、今、機構がそういう中で、やり玉ということではないですけれども、そういう中で、MTPCからの、MTPCというのは田辺三菱製薬のことですけれども、出向を受け入れをするということに対して、当社に迷惑をかけるということを機構から言ってこられたということですと。
 また、日本雇用創出機構への出向はなくなったということでいいんですかという出席者の質問に対して、次のように答えています。
 実はそこが、一切ないということではなくて、当面はまず見合わせたということ、受け入れはちょっと難しいというふうに言われまして、ただ、日本雇用創出機構という、つまり、先方の機構の方は、こういう形で在籍出向の者の受け入れを再開できるというか、受け入れをまたできるというふうなめどが立って、会社としても、そこに再度皆様方に行っていただいて、そういったケアができるということであれば、可能性としては、また出向をお願いするケースもあるということですと。
 さらに、機構の活動そのものは違法だというところではないと思っております、今後、皆様方に出向いただくことも可能性として捨てていないとも述べているんですね。
 つまり、田辺三菱製薬は、国会で取り上げられたので当面は見合わせるけれども、でも、日本雇用創出機構への出向はほとぼりが冷めれば再開するということを言っているわけですよ。
 これを読む限り、自分たちが間違っていることをやっているというふうな自覚もなければ反省もない。
 塩崎大臣、これでいいんですかね。こんな、とりあえず、国会で取り上げられたから当面は見合わせるけれども、また再開するんですと平気で言っちゃっている。これでいいんでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 出向などにつきましては、労働契約法で、人事権を濫用、つまり権利を濫用したものと認められるような場合には命令は無効となるということでございますので、企業にあっては、こういうようなことをよく踏まえた上で人事政策には臨んでいただかなければならないというふうに思います。
○大西(健)委員 重ねて言いますけれども、今聞いていただいたとおり、国会で取り上げられたから当面は見合わせるけれども、ほとぼりが冷めたらまたやると言っちゃっているんですよ。
 しかも、次の資料として朝日新聞の記事をつけておきましたけれども、この記事の中でも、田辺三菱製薬のコメントとして、「希望退職は適法に実施している。」というふうにコメントが載っていますし、また、先ほどの説明会の中で、別の部分ではこんなふうにも言っています。
 通常の出向命令というのは、会社都合、状況で従業員の方々に異動をお願いする、今までもやってきているわけですので、大臣がそう答えて、全て従業員の意に反する異動ができないというふうな理解をしておりませんと。
 大臣が何か言おうが、そんなことは関係ないと言っているんですよ。
 だから、これでは厚労省はなめられているんじゃないですか。田辺三菱製薬は、まさに、ほとぼりが冷めたらまたやると言っているんですよ。厚労省は、再就職先を探してこい、あるいは出向先を探してこいという業務命令は不適切だとはっきりこの委員会でも言っているのに、それを、当面見合わせるけれども、また日本雇用創出機構に皆さん行ってもらいますからと言っているんですよ。こんななめられた状態でいいんですか。
○塩崎国務大臣 何度も申し上げますけれども、労働契約自体は民民のお話でございますが、私どもは、厚生労働省として働く人たちの権利を守るということが大事でございますので、出向などの人事政策については、先ほど申し上げたように、労働契約法第十四条に「出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は、無効とする。」こういうふうになっているわけでありますので、それらについて、しっかりと企業がこの法律を踏まえて対応していくことが大事でありますから、民間の方がどうおっしゃるかは存じ上げませんが、法律にのっとって人事政策も行うということが大事だというふうに思っているところでございます。
○大西(健)委員 民民のことでありますけれども、この労働移動支援助成金の問題を最初に取り上げたときに取り上げた王子ホールディングスの件でも、厚労省は王子を呼んで説明を求めています。
 ぜひ、私が申し上げたように、田辺三菱は、国会で取り上げられたので日本雇用創出機構への出向はとりあえずはやめるけれども、また行ってもらうかもしれないなんてことを言っているわけですから、厚労省が言っている、出向先を探してこい、就職先を探してこいというのが不適切だということを全くわかっていないわけです。ですから、呼んで、そこを徹底していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 個別企業への対応について厚労省がどうするかというようなことについては、お答えは差し控えたいというふうに思います。
 一般論で申し上げれば、先ほど申し上げたとおりであって、労働者保護を使命とする私ども厚生労働省としては、使用者が人事権を濫用して、みずからの再就職先や出向先を探させるというような業務を命じることは不適切だというふうに考えております。
 こうした考え方を企業に対する啓発指導に用いるというのが基本であって、パンフレットに参照すべき裁判例などを明記した上で、通達を既にいたしております。これは三月に通達を行っております。
 あわせて、この通達の内容を経済団体に対しても徹底をいたしました。これは三月の二十五、二十八、それぞれ、経団連と、それから中小企業団体中央会と日本商工会議所、ここに直接、説明の上で、要請を強くいたしたところでございます。
 今後とも、このパンフレットを活用してまいりたいというふうに考えております。
○大西(健)委員 個別の企業への対応についてはお答えいただけないんだと思いますが、王子ホールディングスもちゃんと厚労省は呼びましたので、ぜひ田辺三菱についても厳しく指導していただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 田辺三菱製薬は、今言ったように、日本雇用創出機構の受け入れができなくなったので、四月一日に、もともと出向させる予定だった人を集めてこの説明会をしているんですけれども、そこで次のように説明しています。
 先ほどのテープ起こしですけれども、今度は、当初、今お話ししました予定を変更しまして、皆様方には人事総務部の所属で職域の開拓ということに取り組んでいただきたいということであります、雇用創出機構というところは使えなくなるんですけれども、後で少しお話が出ます産業雇用安定センターという、こちらもそういう支援をしていただける組織なんですけれども、そういったところの力をかりて、当初から計画しておりました職域の開拓というところは進めてまいりますという説明をしているんです。
 そこで、先ほどの朝日新聞の記事をごらんいただきたいんですけれども、ここにもあるように、田辺三菱製薬は、日本雇用創出機構が使えなくなったので、かわりに公益財団法人の産業雇用安定センターの支援を受けてみずからの出向先開拓を続けるんだということを言っているんです。
 この産業雇用安定センターというのは、記事にもありますけれども、理事長の太田俊明さんという人は、元厚労省の審議官です。平成二十六年度、約二十五億円の国からの運営費補助を受けている、そういう公的な団体なんです。
 そういう団体が、つまり、国の補助を受けている公益財団法人が、厚労省が不適切だと言っている、みずからの出向先を探させる業務命令を出した企業を支援するというのは、これはいかがなものかというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 公益財団法人産業雇用安定センター、ここは、個別の企業からの依頼を受けて、その企業の従業員の他社への出向とか移籍のあっせんを行う、そしてもう一つは、再就職を考える働く方々全般を広く対象としたセミナーというのを実施しているという組織でございます。
 このうち、出向や移籍のあっせん、この業務については、対象となる方が出向や移籍することについて同意をしていることを、あっせんを依頼した企業と対象者御本人の双方に確認した上で行っているというのが実態でございます。
 それから、転職を考えている方を広く対象とするセミナー、二番目のタスクでございますが、これについては、同センターのホームページで案内を行って、広く受講者を募っているために、受講者の方が出向や移籍することについて同意をしているかどうかの確認は行っていなかったというのが実態でございます。
 労働者保護を使命とする私ども厚生労働省は、働く方々が安心して働ける環境を整備する観点から、人事権を濫用してみずからの出向先を探させるような業務命令を出すことは、先ほど申し上げたとおり、適切ではないというふうに考えております。再就職を検討している方を対象としたセミナーが、結果としてそうした企業を支援することとなることも適当ではないというふうに考えているところでございます。
 産業雇用安定センターは、既に、セミナーの実施に当たって、受講者が出向や移籍について同意していることについて、退職する方御本人及び企業に対する確認の徹底を図っているというふうに承知をしているところでございます。
○大西(健)委員 ちょっといま一つ、今の答弁のトーンがよくわからなかったんですけれども。
 というのは、この朝日新聞の記事を読むと、少なくとも、「厚生労働省は「チェックが甘かった」と平謝りだ」、あるいは、厚生労働省の担当者は「チェックが甘く、結果として退職強要と誤解されるようなセミナーになってしまった。是正指導する」というふうに話しているんですけれども、ちょっと今の大臣の答弁だと、そこまでの話ではないような感じですけれども、これはやはりまずかったということでいいんですよね。確認です。
○塩崎国務大臣 先ほど申し上げたように、いわゆる出向や移籍のあっせんの場合には、対象者御本人と会社双方に出向や移籍に同意をしているということを確認していたわけでありますけれども、転職全般を対象とするセミナー、これについては同意をしているかどうかの確認を行っていなかったという意味において、これからはそれについてもしっかり確認をしますという意味で、これまでの足らざるところがあったということを申し上げているわけであります。
○大西(健)委員 先ほど来言っているように、厚労省が言ったことを田辺三菱はある種無視している、田辺三菱は、今度、日本雇用創出機構が使えなくなったら、財団法人を使っている、そこには国のお金も入っているし、理事長は厚労省から行っている人だということでいうと、私は、これは反省が必要だというふうに思います。
 最後に、資料の最後に訪販ニュースというものの記事をつけているんですが、女性用の下着等を代理店や特約店による訪問販売形式で提供しているシャルレという会社があります。ここのシャルレの代理店契約解除問題というのが起こっています。
 シャルレは、代理店の契約延長に関する内規を一方的に変更して、年間仕入れ額が六百万円未満の代理店との契約を解除するという方針を示しました。これがもし実施されれば、全部の代理店数が約千七百三十、その約三割に当たる五百の代理店が契約解除になる。そこで働いている人も含めると、大変な雇用への影響ということも懸念をされるわけであります。
 本件については、代理店ユニオンが、シャルレの団体交渉の応諾などを求めて二〇一五年の六月に東京都労働委員会に不当労働行為の救済の申し立てを行っています。そして、この記事にも出ていますが、昨年の十二月には、東京都労働委員会で本件を担当する三人の委員が、申立人組合との懸案事項について丁寧に対処されたいとする異例の要望書をシャルレ側に提出しているということであります。
 ここで一つ論点になっているのは、代理店の労働者性という問題です。この点、最近では、大手コンビニチェーンのフランチャイズ店長に労働者性があるのかというようなことについて、労働者性を認めた救済命令というのが相次いで出ております。
 また、形式的な独立事業主にも団体交渉の道を開いたソクハイ事件、ソクハイというのはバイク便みたいなものですね、ソクハイ事件の東京地裁判決というのがあります。
 この中では、労働者性判断の六つの要素として、事業組織へ組み込まれ必要不可欠な労働力となっているか、二つ目として、個別交渉の余地がなく契約が一方的、定型的に行われているか、三つ目として、報酬が業務量や稼働時間に比例したもので労務対価性があるか、四つ目として、業務の依頼に応ずべき関係があるか、五つ目、広い意味での指揮監督下の労務提供があるか、そして六番目として、顕著な事業者性がないかという、そういう六つの判断基準というのが東京地裁の判決では示されています。
 個別の事案については御答弁いただけないと思いますので、一般論としてお聞きをしたいんですが、例えば、こういうフランチャイズの店長とか代理店みたいなものであっても労働者性が認められる場合というのはあるのか、また、それはどういう場合なのかについて、政府のお考えをお聞きしたいと思います。
○塩崎国務大臣 今先生、地裁の判決について言及をいただきましたけれども、労働者性については、やはり解釈がいろいろあり得るということで、裁判が幾つかあるわけでございますけれども、労働組合法上の労働者であるかどうかということについて、最高裁の判例をまとめてみますと、まず第一に、使用者の事業組織への組み入れ、二番目に、契約内容が一方的、定型的に決められているかどうか、三番目には、報酬が労務の対価と評価できるか。先生がさっきお触れになった六つの項目とほぼ一致するわけでございますけれども、こういったことがやはり判断要素として個別の事案ごとに、千差万別でございますので、そこでこの物差しで判断をするということでございます。
 お尋ねの代理店主などの労働組合法上の労働者性が認められる場合について、先ほど申し上げた最高裁の判例などを踏まえて、労働委員会とか裁判所において個別に判断される筋のものでございますけれども、私どもが何らかの形で申し上げるとすれば、今申し上げた最高裁の判例による判断要素が労働者性の考え方になるんだろうというふうに思っております。
○大西(健)委員 昔は想定されなかったこういう新しいビジネスモデルというのが出てきていますので、私は実は、フランチャイズ基本法みたいな、そういうものが要るんじゃないかなというふうにも思っております。
 この話はここまでにして、あと少しだけ時間がありますので、通告していませんけれども、一点お聞きしたいんです。
 最近、自民党の若手の中から厚労省の分割論というのが出ていると。これは稲田政調会長も検討に値するみたいなことを言ったというようなことも聞いておりますけれども、厚労省の分割論ということについて大臣はどういうふうに受けとめておられるか、ぜひお聞きしたいというふうに思います。
○塩崎国務大臣 橋本行革で今の行政組織は固まったわけでございますけれども、それについていろいろな御意見があることは私も承知をしておりますし、私自身もいろいろな考えがないことはないというふうに考えております。
 したがって、自民党の中でいろいろな議論が行われるということは、自民党は自由で民主的な政党でありますからいろいろなことを言う人がいるわけであって、それはそれとして、しかと受けとめ、どうするかは、これは政府で決めることでございますので、政府として、これはひとり厚生労働省だけの問題かどうかも含めて、絶えず考えなければいけないのではないかというふうに思いますが、どうするかは、これは総理がお考えをまとめられるのではないかというふうに思います。
○大西(健)委員 もう少し踏み込んだことを言っていただけるのかなと思ったんですけれども。
 記事では、厚労省だけが狙い撃ちされるというのに不快感を示したというふうになっていますけれども、ぜひこのことは我々野党としてもしっかりまた議論をしていきたいというふうに思いますし、ぜひまた大臣の率直なお考えというのも示していただいた方が議論が活性化するんじゃないかというふうに思いますので、そのことを最後にお願いして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○渡辺委員長 次に、中島克仁君。
○中島委員 民進党の中島です。
 本日、一般質疑ということで、私からも質問させていただきますが、前回に引き続きまして熊本地域震災関連、また、前回、児童扶養手当法の改正、法案の質疑だったんですが、子供貧困に対して質問がちょっとできなかった部分がございますので、その点について御質問させていただきたいと思います。
 四月の十四日に発災をいたしました熊本地域を中心とした地震による災害、発災から約二週間がたったという時点でございます。
 私も、先週、熊本に行かせていただきました。民進党の、医療チームと言うとちょっと変なんですが、阿部知子先生初め、主に医療体制について、現場に迷惑をかけないように自己完結型で行ってまいったということでございます。南阿蘇村、益城町、御船町の避難所での様子、支援に入っているTMAT、DMAT、それぞれの方を通して、避難所の方にもお話を聞かせていただきまして、現場の様子等々について気がついたことを何点か確認または質問させていただきたいというふうに思います。
 先ほど大西議員も質問されておりましたので、重複するところが多少あるかと思いますが、御容赦いただきたいと思います。
 前回の質疑で私が取り上げさせていただいたトイレの問題であります。
 南阿蘇村初め、私が行った避難所は比較的大規模な避難所でございまして、大きな体育館等が避難所になっておりました。私たちが行ったときは、前日の大雨の影響で、先ほど断水の話も出ましたが、水が出ていない状況でした。そして、前日までも出たり出なかったり、水圧の関係もあったということなんですが、出ても濁った水が出るということで、そういう状況の中で、やはりトイレの衛生環境、私どもが行ったときは、大分から来られた行政の支援者の方々が、くみ上げた水を、ずっと流水を流して清潔を保とうというふうに努力をしておられまして、おかげで特有のにおいなどは感じませんでしたけれども、これはやはりそういった地道な努力がないと、あっという間に衛生環境が悪化しそうだなというふうに感じたわけです。実際、実は、その翌日、我々が行った避難所からノロウイルスの集団発生が報道されたわけです。
 そういう状況の中で、これは決して誰がいいとか悪いとか言うつもりはないんですが、体育館のトイレ、これは、私どもが行ったとき、五百人規模の避難されている方がおられました、そして、トイレは、体育館設置のトイレでは足りないということで、仮設のトイレも設置されていたわけですが、近くではなくて、階段の下の方に仮設トイレが設置をされ、九個設置されていたんですが、そのうち五つが使用禁止という状況になっていて、やはりこれも、いろいろ諸問題あるなというふうに感じました。
 また、御高齢の方は、外の仮設トイレではなくて、体育館に設置されているトイレを使用してくださいというふうな誘導がされていたわけですが、広い体育館の中で、御高齢の方には、やはりトイレまで随分距離がある。そして、これは夜間は特に危険だなというふうに感じた次第です。
 ここで、前回も質問させていただいているんですが、トイレに関しましては、衛生問題、さらには、この後段で話をいたしますが、震災関連死との関係というのが非常に重要になってくると思うんです。
 まずお聞きしたいのは、避難所生活が長くなってまいりました。ただでさえ体力が落ちている、特に御高齢の方また子供の感染症対策は、今後も最も重要だというふうに思います。前回は、発災から六日目、それに対して取り組みはお聞きいたしましたが、現段階、約二週間たった現在、先日はノロウイルスの集団発生も報道されたというふうな現状を踏まえて、現在の状況をどのように認識して、今後どのように取り組もうとしているのか、まずお聞きしたいと思います。
○塩崎国務大臣 先生も御同道いただいたというDMATでございますが、最初のこの救急医療段階では、DMATが活動を活発にやっていただきました。それが、今、だんだん少し、急性期、救急から、内科医の先生方中心のJMATなど医療チームになっておりまして、その数も、今、DMAT以外が百五十チームぐらい県下を回っていただいております。
 あと、保健師のチームも、これも六十チーム以上が回っていただいておりますし、その他に、薬剤師の皆さんにも百名ほどが巡回をしていただいているということで、もちろん、DPAT、精神の面も回っていただいております。
 そういうことで、万全の体制を組まなきゃいけないということで、健康チェックを、避難所、そして車の中におられる方々がたくさんおられる、それと、あと、家庭に取り残されているという方々、こういう方々にも訪問で聞いていくということをやっています。
 それで、感染症の問題、おっしゃるとおり、これから特に気温が上がっていく中で、そういうことが起きる可能性が高まるわけでありますので、二十二日にノロウイルスの集団発生が起きました南阿蘇中学、ここが最初でありました、ここにつきましては、日赤の医療チームと保健所の職員が、患者をまず医療機関へ入院をさせるか、避難所の中で別室をつくってそこで隔離をするということで、ノロウイルスにはやはり一番隔離が必要ということでございますので、そこをまず対処をいたしました。
 それから、国立感染症研究所の専門家の派遣を行って、避難所の衛生状況などの確認、そして適切な消毒方法などについての避難所の管理者や保健師への指導助言、これを行ってまいりました。
 熊本県から、当然、ペーパータオルとか消毒薬などの衛生材料を避難所に送っていただいております。さらに、私どもとしては、ノロウイルス検査キット、これを日赤病院と熊本大学医学部附属病院、ここには特に重点的にお送りをしたということで対応しているんですけれども、一番大事なのは、今御指摘をいただいたトイレであります。
 きのう、柚木先生が、南阿蘇のトイレがバケツで一々やらなければ流せないというお話でありましたが、それは先生がそちらに行かれたときの状態で、今は水が出るようになっておりますので、一々バケツでやらなくてもいいということで、きのう写真をお配りいただきましたけれども、今はそういうことはないように。
 何しろ、水の供給が大事だということで、これは、市内もまだ通水はしても出が悪いというようなところ、マンションなども含めてあるようでございますので、そういうところは手配をしていますが、トイレについて、不衛生な避難所もございますので、保健師が避難所を回って、健康状態の把握とトイレの清潔保持、指導などに努めています。
 また、避難者に対して、やはり手洗いの励行というのが、これは医学的にもそれが一番ということでございますので、それと、トイレの清潔な使い方、個人個人がやはり清潔に使っていただくということ、この感染予防策についてポスターの掲示を徹底しておりまして、あわせて衛生資材等も避難所ごとに配布をしているということでございます。
 それから、患者が発見された場合には、速やかにJMATなどの医療チームなどにつなげて、症状に応じて適切な医療を受けられるように、入院そしてまた避難所内の別室での隔離、先ほど申し上げたとおりですが、これも他の避難所などで起きた場合には、やはりそれを徹底してもらうようにしていただいて、医療関係者以外の方が素人判断はしないようにしていただくということで、避難所の環境改善も含めた感染症の発生予防、そして患者の早期発見、治療、感染の拡大防止、これがしっかりと行われるように、必要な支援を引き続きやっていきたいというふうに考えております。
○中島委員 DMAT、保健師チーム、薬剤師さん等々、あと国立感染症研究所の専門家による指導ということ、また、水道に関しては、今大臣おっしゃったように、我々が行ったときはそういう状況だったんですが、今は改善されておるということで、私も承知をしております。
 ただ、政府がそういう対応をされておるということは評価をしたいというふうに思うんですが、やはり体力の問題ですね。どんなに衛生環境を維持しようと思っても、同時に、避難所生活が長くなる高齢者の方は、避難所、私もお話を聞きました、夜はやはり寝られない、昼間皆さんと話をしていながら、余震も震度一以上がもう九百回を超えておるということで、相当なストレスだなというふうに感じました。
 これはどういう対応をしても、やはり、体力が落ちるということは、易感染症、感染性が高まるということで、私は、誤解を招かず言うならば、やはり、あの避難所の状況を見ていたら、感染症は起こるものだという認識が非常に重要なんじゃないかなと。
 そういう意味では、私、前回も言ったんですが、やはり避難所単位ごとに全ての方の問診をきっちりやる、その上で、要注意な方々をちゃんとリストアップして、まめに毎日毎日フォローしていく。これはやはり、避難されている方、早期発見というのは重要なんですが、早目に自分の体調が悪いことやぐあいが悪いことを言い出しづらい状況だと思いました。結果、熱が出てから、もしくは下痢がひどくなってから申告するという状況をやはり防いでいかなきゃいけないなと。これはもう、一定程度起こるものだという中で対応していかなければ、後手後手になってしまうんじゃないかなというふうに感じました。
 そういう意味では、各団体、私が行った南阿蘇村の避難所は、日赤が、仮設の診療所はもちろんのこと、仮設の手術室、仮設の分娩室までありました。そして、お風呂もあったり、薬剤師会がさまざまなお薬を用意していた。おっしゃるとおり、急性の対応については、これはもう十分されていたというふうに思うわけです。
 一方で、私がよく話を聞いた、これは徳洲会のチーム、TMATでありましたが、主に周辺の介護施設等を往診診療したりとか、あとは順番を決めて夜間の対応をしたりということだったんですが、これは率直な感想として、それぞれの団体が役割分担をしてやっていることは大変いいことだと思うんですが、やはり先ほど言った、その避難所にいる方々の情報の共有というところで、もう少し共有化ができるといいなと思ったのは率直なところです。
 私、東日本大震災のときも行って、それぞれ思いのある方々が支援に入っているわけで、思いがあればあるほど、どんどんどんどん前へ進んでしまう。そこを、それぞれの支援に来られている方の能力を最大限発揮させるためのコーディネーター役という人の存在というのは非常に大きいわけです。
 そういう意味では、もちろん、各種支援の団体、毎朝毎夕ミーティングをして、情報の共有というふうにはしているんですが、そこでやはりある程度権限がある方が指揮官として、それぞれのコーディネート、役割をする。いつも災害のときの現場でそのことを感じるわけであります。
 ちょっと考え方としてお聞きしたいんですが、特に災害時の医療体制について、このコーディネーター役、ある意味では指揮官となるべく人材、大変重要だということは今申し上げましたが、状況に応じた迅速な対応ということで、その後の感染症やさまざまな事態を未然に防ぐ上で大変重要というふうになります。災害時の医療コーディネーター、このあり方、育成について、現在厚労省としてどのように考えているのか、また今後どのようにしようとしているのか、お尋ねしたいと思います。
○塩崎国務大臣 自然災害が多い日本にとって、今先生御指摘になった、医療面でのコーディネートをそういう危機時、災害時にきちっとできる人を育てるということは極めて大事なことだというふうに思います。御指摘のとおりだと思います。
 大規模災害のときに、全国から多数の医療チームが派遣をされて、医療現場の状況あるいは支援ニーズも変化をするということで、ある意味、当初は多分カオス状態という中で医療活動をしていただいているということだと思うので、情報の伝達それから連携というのが極めて大事で、整理をされて、そして、きちっとした、それにフィットした指示が出せるかどうかというのが大変重要な、それも全般にわたってできるかどうかということだと思います。
 具体的には、発生後の急性期では、DMAT調整本部が設置をされておりますが、そこにおいて医療チームを通じた情報を集約、評価して、DMATなどの配置調整を行っております。その後の、慢性期に近づいていく、急性期から脱していく中では、今回でも、県の医療救護調整本部が調整機能をDMAT調整本部から引き継いで、そして、現場の保健所等からの情報を集約、評価して、JMATなどの医療チームの配置などを行っているわけであります。
 その際に大事なのがリーダー、コーディネーターでありまして、厚労省は、東日本大震災の経験を踏まえて、被災地内の病院、避難所における医療ニーズを把握して、全国からの被災地に集まる医療チームを適切に配置そして活動していただけるような人材を養成するために、平成二十六年度から災害医療コーディネート研修というのを実施してございます。
 これは、名称としては都道府県災害医療コーディネート研修と呼んでおりますが、平成二十八年度の予算額でも一千万ほどつけておりまして、例えば、二十六年は百八十名の方が修了していただいております。うち、熊本県は四名。それから、平成二十七年度も百七十九名。熊本県から四名。今回の熊本地震では、この研修修了者の中で七名が現場に急行していただいております。
 こういったリーダーの中で特に活躍されている方について、私ども、去年十月にベルリンでG7の保健大臣会合があった際に、WHOのマーガレット・チャンから、日本のDMATが災害対応として大変素早い、よい活動をしていただいているようだけれども、リーダーを送ってくれないかということで、たしか十二月だったと思いますが、DMATの指導者のうちのリーダー格が、WHOで、他の国々に対して日本のDMATの活動ぶりについての報告をさせていただいた。その方も、実は、すぐに熊本に今回も入っていただいて指揮をとっていただいた、こういうことでございます。
 今後も、災害時における医療支援チームの連携が円滑に行われるように、先生が御指摘になったとおり、人材の育成に努めてまいりたいというふうに思います。
○中島委員 都道府県ごとの医療コーディネーター研修等、さまざまこの重要性は認識されておるということで、やはり災害時、先ほども言ったように、例えば長期になって慢性期の方を診る、今後JMATに移行ということもございましたが、例えば、DMATが診ていてJMAT、慢性期の方を診る、そこでの治療方針が急に変わったり、私、東日本のときには、行く医者によって褥瘡の治療方法が違ったり、やはりそういう治療方針の統一化とか、さまざまな部門をある意味客観性を持って対応していく、さらにそこに必要なのは、従来その地域がどういう医療体制だったかということも念頭に置きながらしっかりと対応できるか、そういう人材の育成というのは本当に重要だと思います。
 そういう意味では、例えばこの国会にも厚生労働省にも医療系の方がいたり、ある意味、KMATと言うのかどうかわかりませんが、そういう災害時に、我々、先ほど権限という話も出ましたが、そういった指揮官たるもの、ある程度そういう権限もなければ、なかなか指導力を発揮できないという一面もあると思います。
 この点については、東日本のときもそうであったように、今回の熊本震災、今後もそういったことが起こり得る可能性も否定できないわけでありまして、これについてはしっかりと対応していただきたいというふうに思います。
 もう一点、トイレの衛生状況に関して、プラス設置の場所について、前回もお尋ねをして、そのときには、これは内閣府さんの方ですが、トイレの確保・管理ガイドラインというものを示して、高齢者の方へ優先的に、場所の配慮というか、あとは、洋式便器にするとか、使い勝手のよいようにするというふうな対応をされておるというふうに聞いたんですが、実際、正直申しますと、行った避難所三カ所ではそのような対応はされておりませんでした。
 これは、現場が混乱をしておるということで、いたし方ない部分ではあるとはいえ、やはり先ほど言ったように、トイレを我慢しなきゃいけないということは、持病を持っておられる患者さん、これは震災関連死に直結する可能性もある。これも実際、避難されている方にお話を聞きましたが、わかってはいるんだけれども、やはり、トイレまでの距離とか、多くの方がいる中で、水分や食事をセーブしてしまうというお話が実際にありました。
 そういう意味では、国はガイドライン等を示しておるんですが、なかなかそのとおりにはなっていないということは認識をしていただいて、今後の体制に反映をさせていただきたい。これは御指摘だけにさせていただきたいと思います。
 加えて、先ほど来言っている震災関連死、これは、先ほど感染症の話でもあったように、どんなに感染症予防、対応をしても、やはり日に日に体力が落ちていくということであれば、もうこれは、根本的な問題解決としては、避難所生活を一日でも早く終結させる、これに尽きると私は思います。
 ただ、実際に余震が続いていて、今回の地震災害の特徴でもあるかと思いますが、活断層に沿って帯状に、川沿いに家の崩壊が多い。一方で、その周囲は、全壊まではいかない、だけれども、やはり本震が夜中の一時過ぎに起きたということで、夜、御自宅で眠るのは大変怖い、そういう理由で避難所で生活される方も多い。
 避難されている方、一週間で半分ぐらいには減ったわけですが、依然として四万人を超える方が避難をされておるということで、やはりこれは、仮設住宅のことも検討されておるということでもありますが、私は、今回の震災、地震の特徴、さまざまな状況を考えて、震災関連死、これは一週間目、そして三カ月後、この時点がそれぞれ非常に高くなるというデータも出ております。そうであれば、私は、いたずらにとかだらだらにという言葉は不適切かもしれませんが、このまま避難所生活を長引かせるよりも、早期に広域避難を判断するべきではないかなと実際に行って思いました。
 現段階で、広域避難のタイミング、現在どのように考えておられるのか、お尋ねしたいと思います。
○中村政府参考人 お答えいたします。
 御指摘の広域避難の必要性でございますけれども、具体的なタイミングといたしましては、それぞれの地域の状況ですとか個人個人の健康状態等によって異なる部分もあると思われますので、具体的には、熊本県内の自治体ないし現場において判断されるということではないかと考えております。
 ただ、国におきましても、広域避難等が必要な方がスムーズに行くことができるように環境を整えるということは重要と考えております。
 したがいまして、例えば、先ほどもお答えいたしましたけれども、旅館やホテル等の協力を得まして、福祉避難所としてこちらを提供して移れるようにする。この点につきましては、先ほどは熊本県ということで申し上げましたけれども、熊本県からは既に九州各県への対応の依頼もしているところでございまして、順次こちらの受け入れも進むものと考えております。
 さらに、避難所そのものから移っていくという意味では、むしろ、住まいの確保というものも急ぎ考えておりまして、応急仮設住宅のほかにも、公的な住宅などの確保も全国的に進められておりまして、今後とも、関係省庁や全国の自治体が一体となって、広域避難のニーズに応えられる体制を整えてまいりたいと考えております。
○中島委員 私は、このタイミングがやはり早ければ早いほどいいと思う。確かな分析も必要だと思いますし、広域避難したら避難したで、情報の伝達とかその後の不安とかがあることは間違いないと思います。ただ、震災関連死は確実に防げるものなわけです。
 であるならば、これは東日本大震災のとき、復興庁が調べたものですが、やはり六十六歳以上の方が九割を占める震災関連死であって、自治体の統計、データというか、原因別では、避難所生活での疲労が圧倒的に高くなっておるというデータが出ています。また、亡くなった時期では、地震発生から一週間以内が全体の一八%、それに対して一週間から一カ月が三〇%、さらに一カ月から三カ月が三〇%で、この三カ月以内が全体の約八割を占めているという結果になっているわけです。
 先ほど言ったように、それぞれの災害で特徴はあると思いますが、今回、余震がこれだけ長く続いて、御自宅へ戻れそうな方でも戻れないということ、いたずらにという言葉は適切ではないかもしれませんが、こういうさまざまな要素、災害によって特徴があると思います、しかし、この震災関連死は確実に防げるものでありますので、このタイミングは、やはり政府として早く対応して早く判断するということが必要だということを御指摘させていただきたいと思います。
 福祉避難所について、その機能については先ほど大西議員の方から質問がございましたので、私の方からは省略をさせていただきたいというふうに思います。
 あと、御船町において、福祉避難所が逆に大変機能していた姿も見せていただきました。一週間目に、小さいお子さんを抱えておられる方、一般の避難所にいたんですが、町の対応で家族避難所というものを設置して、そこには、ゼロ歳児の方から家族全てを受け入れるという体制を整えた施設もありました。一方で、本来であれば、妊婦さんであれば福祉避難所の適用ということになると思うんですが、一般の避難所にいた方が、御船町では、一週間目に家族避難所、五月二日が出産日だということだったようですが、本当に安堵をされておりました。
 その福祉避難所は、観光施設を早期に福祉避難所に変えたということで、話を聞きますと、やはり総合事業への移行もいち早く御船町は取り組まれていたということで、平常時の対応がやはり災害時にも迅速に対応するんだなということを改めて感じましたし、先ほどの介護の問題であれば、もともと介護人材が足りない中で、こういう災害時になかなか確保しづらいという現状もあると思います。
 今回の災害でも、そういう好事例を私は見ることもできました。やはり、今後のことも踏まえて、そういう好事例を参考もしくは事例として、しっかりとしたマニュアル、対応を今後もしていただきたいということを御指摘させていただきたいと思います。
 そして、もう時間もなくて、また質問できないんですが、子供貧困の問題で、前回も質問させていただいたんですが、政府は、この子供貧困対策、掲げた二十五項目、総合的に評価をするということでございまして、それに対して私は、その総合的が非常に危ういということを前回指摘させていただきました。
 私は、この二十五項目の中で、やはり気になるところがございまして、これは資料にも出してあるんですが、貧困と栄養状態、健康の影響、また食育との関係ですね、これの項目がこの二十五項目の中に入っていないのは非常に残念だ、ぜひ入れて評価するべきだということで、これは資料の一枚目ですが、世帯収入と生活習慣等との関連です。
 これは世帯収入と生活習慣との関連の調査ですが、二十歳以上の成人を対象としたものですが、収入が二百万未満と六百万以上とで明らかに有意差が出ます。肥満率は約一二ポイント、朝食欠食は七ポイントということ。その次の資料でございますが、世帯収入と子供の食生活との関連の結果です。これもやはり貧困家庭で有意差が出るということで、これはやはり、子供の食育、発育に家庭の貧困状態が確実に影響している。これは新潟県立大学の村山教授等も指摘をしております。
 こういった実態はなかなか見えづらいということで、その次の資料、子供食堂が広がるとか、私の地元の山梨では、フードバンク山梨が、本来は生活困窮者に対する支援ということで始めたんですが、実際にしてみたら、その六割は貧困家庭の子供たちへの食料支援だったということであります。
 そういった意味では、私が調べた限り、子供の貧困と食育、栄養状態に関する調査、これは内閣府でも厚生労働省でもやられていないというふうに認識しています。ぜひ、このことをしっかりと把握するような調査研究、さらには、二十五項目も総合的にはちょっと物足りないというか、評価できないと私は思いますが、ぜひこのことを御検討いただきたいと思います。
 大臣に一言いただいて、質問を終わりたいと思います。
○塩崎国務大臣 栄養とか健康そしてまた食育が子供にとって極めて重要であることは先生御指摘のとおりでありまして、子供の貧困との関係においても、これを指標としてよく見るということは大変大事だというふうに思っております。
 子供の貧困対策に関する大綱においても、今後の子供の貧困対策の推進に資するように、子供の貧困の実態等を把握、分析するための調査研究、子供の貧困に関する新たな指標の開発に向けた調査研究、子供の貧困対策に関する情報の収集、蓄積、提供に取り組むこととされておりまして、現在、厚生労働省で、我が国における子供の貧困に関する公的データの整理や、それから諸外国における子供の貧困指標の調査などを内容といたします子どもの貧困の実態と指標の構築に関する研究というのを、平成二十六年度から二十八年度までの厚生労働科学研究として実施をしております。
 こういうことで、子供の貧困の実態等を把握、分析することは重要であると考えておりますので、御指摘のような指標も含めて、幅広く、どういった指標が子供の貧困に関する新たな指標として有効か、また開発が可能かなどについて、関係府省とも連携しながら、さまざまな角度から調査分析を進めたいというふうに思います。
○中島委員 質問を終わります。ありがとうございました。
○渡辺委員長 次に、井坂信彦君。
○井坂委員 井坂信彦です。
 本日は、一般質疑ということで、五点お尋ねをいたします。
 まず、お配りしております配付資料の一枚目に、長時間労働規制法案ということで、先週、我々野党共同提案で出させていただきました法案の概要図を載せさせていただきました。
 長時間労働の規制が必要だと考える理由は三つあります。
 一つは、過労死をゼロにするということ。これは、一昨年理念法は通りましたけれども、やはりそろそろ過労死をゼロにするということに対して実効性のある法律が必要だというふうに考えています。
 そして二つ目に、ワーク・ライフ・バランス、あるいは仕事と介護、仕事と育児の両立、こういったことにも長時間労働の規制ということが大変効果的だというふうに考えています。
 そして三つ目に、これも予算委員会などで昨年から大臣とずっと議論をしておりますが、労働生産性。今の日本経済の一つ弱点になっております労働生産性を上げるということに対しても、長時間労働をなくすことが一番の近道だ、これはもう科学的データでも明らかだ、こういうふうに考えております。
 そして、これら三つの目的のために、大きく二つの規制を我々は長時間労働規制法として提案しております。
 一つは、残業時間。これは、現在は、労使で三六協定というものを結べば、事実上、月の残業時間は百時間に設定しようが百五十時間に設定しようが違法にはならない。こういう中で、残業時間の延長にやはり法律で本当の上限を定めるべきだというふうに考えています。
 この一つ目の残業時間の上限規制について、大臣は現時点でどう考えておられるのか、お伺いをいたします。
○塩崎国務大臣 今、労働時間の上限規制についてのお尋ねがございましたが、長時間労働の是正につきましては、三月二十五日に開かれました一億総活躍国民会議でも、総理から、この法規制の執行強化について直ちに実行に移すよう指示がなされるとともに、現在提出中の労働基準法改正法案に加えて、三六協定における時間外労働規制のあり方について再検討を行う、こういう方針が示されまして、五月に策定をされますニッポン一億総活躍プラン、これに向けて検討を今私どもしているところでございます。
 厚生労働省としては、重点的に監督を行う対象を、従来の月百時間超の残業が行われている事業場から月八十時間超の残業が行われている事業場に拡大し、また、監督、捜査体制を本省及び全労働局で強化するということと、ニッポン一億総活躍プランを踏まえて、時間外労働規制の実効性をどう高めていくか、しっかりと検討してまいりたいと思っております。
○井坂委員 今大臣がおっしゃったとおり、ことしに入って総理も、残業時間の上限規制のあり方の再検討ということでおっしゃっている。ちょうど一月前です。そして、それを受けて大臣も、上限規制について実効性ある規制を考えたい、こういうふうに述べてこられました。
 今大臣が答弁されたのは、今あるルールをきっちりと厳しく、よりチェックをしていく、こういう話でありますが、上限規制のあり方をどう再検討していくのか、あるいは上限規制について実効性ある規制とはどういう方向性で考えておられるのか、そこを、通告しておりますのでお伺いいたします。
○塩崎国務大臣 今申し上げたのは、私どもの基本的な考え方は、まずできることからやっていくということが大事であって、それで、私どもは、具体的な検討は、今申し上げたように、今あることをやるとおっしゃいましたが、それが執行も十分ではないのではないかという問題意識からやっているのと、それから、例えば三六協定の問題についても、時間外労働規制の実効性としてどうだろうかということを虚心坦懐に見てみようということを申し上げているわけでございます。
 このプランを五月に決定いたしますけれども、その後、その内容を踏まえて行っていくことを先ほど申し上げたわけで、我が国の長時間労働を変えていけるように、言ってみれば文化を変えていくということでありますから、真剣に規制のあり方を検討して、その実効性を高めていきたいと思いますし、その規制のあり方の中に今お話しのような御提案ももちろんあることはよくわかっているわけでありますので、この罰則つきの上限規制ということだと思いますが、そういうことも可能性の一つとして御提案がいろいろな方々からある、皆さん方からも今回こうして出てきたということは踏まえた上で考えていくということを申し上げておるわけです。
 私どもとしては、まずやれることから、執行が十分でなければそれもきちっとやるし、考え方を今の枠内でも変えなきゃいけないことは変えなきゃいけないというふうに考えているわけでございます。
○井坂委員 今あることをよりしっかりやる、それはもちろん否定はしませんが、せっかく総理もあそこまでおっしゃって、そして大臣も実効性ある規制を考えたいとおっしゃっているわけですから、この規制の部分をどういう方向性で変えていこうとしておられるのか、そこについてお答えをいただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 これはもう既に労政審でも随分御議論いただいて、罰則つきで上限規制をするということについての考え方は、いろいろな意見があって、今はまだそういうところでの合意がなされていないというのが現状でありますし、実際、私どもがいろいろな御意見を聞いてみても、まだそこまではまとまるかなという思いを持っているので、今申し上げているのは、それをやる、やらないのことも大事でありますけれども、今やれることでやっていないことをどうやるかということも同時に重要だということを申し上げているわけであります。
○井坂委員 大臣、少し残念だなと思いますのは、事前に担当の職員の方ともお話をしたんですけれども、やはり最後は、労政審の議論だ、こういうことになるわけであります。
 ただ、私は、やはりせっかく国会で議論をしているんですから、しかも、総理がああいうふうに意思を持って発言をしておられるわけでありますから、大臣、これは厚生労働大臣として、それは最後は産業界側の意見に押されることもあるでしょう、ただ、労働者の保護をする厚生労働大臣としては、こういう規制を強化していきたいと考えていると意思を持っていただきたいというふうに思います。
 何か、一億総活躍プランが出たらそのとおりやりますとか、労政審の議論が現状ここまでしかいっていないのでそれ以上無理ですとか、そういうことではなくて、どうお考えなのか、どういう意思をお持ちなのかと何度お尋ねをしても、そこはお持ちでないようであります。そこは少し残念だなというふうに思います。
 もう一つ、インターバルについてお伺いをいたしますが、インターバル規制というのは、会社を、夜、仕事を終えて出てから、また翌日会社に出社をするまでの間に最低何時間あけなければいけません、こういう規制であります。
 ヨーロッパでは、これがEU指令で、インターバルは十一時間ということになっているわけでありますが、もちろんこの時間数には、各国、現状に合わせて議論があるというふうに思います。
 ただ、このインターバルという考え方、この規制のやり方を日本でも導入するということについては、大臣はどうお考えでしょうか。
○塩崎国務大臣 先ほど残念に思っていただいたようでありますけれども、私は、企業の文化、経済の文化を変えようということを申し上げているので、そこに言外の意味を酌み取っていただければ大変ありがたいなというふうに思っています。
 インターバル規制の導入についても同じであって、これは罰則つきのものを導入せいというのが今回の御提案だろうというふうに思いますが、労政審のせいにするとか一億総活躍プランのせいにするということでありますが、まず第一に、一億総活躍プランは私ども厚生労働省を含めてつくるものでありますから、誰か、天から降ってくるようなものでも決してないということでありますので、それを待つということは、みずからが決めたことをどうするかということを言っているのであって、それもちょっと必ずしも的確な解釈ではないんじゃないかなというふうに思いました。
 労政審でこのインターバル規制についても議論があったことはもう御案内のとおりであって、罰則つきで規定することについての合意を得るには至らなかったというのは、これは現実であります。労政審の言うとおりにするかどうかということについて、それはいろいろ考え方があろうかと思いますが、しかし、まとまらないとなかなか法律にはならないということであるということは御案内のとおりであります。
 インターバル措置によって、働く方の生活時間とか睡眠時間を確保していくということは、当然のことながら重要だろうというふうに考えます。このために、勤務間のインターバルの確保の取り組みを推進するべく、労働時間等設定改善法というのを提案して改正をした上で、この法律に基づく指針を見直して、インターバルの確保措置を労使で検討すべき旨を明記して、各企業の自主的な取り組みを促すということが書かれているのが今回の改善法であります。
 厚労省としては、導入している企業も少ない中で、勤務間のインターバルについて罰則つきで義務づけた場合の、多くの企業の事業運営に与える影響をどう考えるのか、それから、その他、働く人たちにとってはどういうことに働き方としてなるのかなどについて、いろいろ考えなければいけないというふうに思います。
 まずは、政府提出法案にありますように、指針を活用して労使への働きかけを強めて、インターバル措置の普及促進を図っていくということであって、今申し上げたように、インターバル規制を入れておられる企業というのを見てみると、必ずしもそうたくさんあるわけではないというふうに理解をしておりますので、考え方は大変重要で、インターバルを置かないと能率も上がらないし、健康にもよくないということはそのとおりでありますから、これをどう実効性のある労働法制として組み立てるのかということはよく考えていかなければいけないというふうに思います。
○井坂委員 今回、我々が提出した法案でも、例えばインターバルが非現実的な業界は除外をできるであるとか、あるいは今回のような災害時にはインターバルの時間を短縮できるとか、考え得る限り相当現実的に法案をつくったつもりでありますので、ぜひこのインターバルに関しても我々の提案を取り入れていただきたいというふうに思います。
 三つ目ですが、がらりと変わりまして、最低賃金の引き下げについて伺いたいと思います。
 これは、ある工場に行って、工場の社長に、井坂君、最低賃金引き下げられへんかなと相談を受けました。何ということを言うんや、この社長はというふうに思ったわけでありますが、よくよく聞いて、なるほどと思ったんです。
 そこは野菜のカット工場です。野菜のカット工場で、年配の女性がたくさん野菜を朝から晩までずっとトントン切っておられます。
 長年そこで働いておられた女性、恐らく八十前後になるんでしょう、そういう方が、やはり年齢とともに切れる量は相当減ってしまうんですが、ただ、非常に機嫌よく働いておられて、おうちもすぐ隣で、年金ももらっているから生活は成り立っている。社長はその人をずっと最後まで雇いたいんだけれども、切る量が余りにも減ってしまって、最低賃金を払った場合には、これはもう完全に会社側の持ち出しになってしまう。経営だけ考えれば、この高齢の女性を首にせざるを得ない。ただ、雇い続けたいし、御本人も、別にお金、ここだけで稼いでいるわけじゃない、年金プラスアルファがあって、毎日仕事があればそれでいいんだと高齢の女性御本人もおっしゃっている。こういう場合、特例的に最低賃金を引き下げるようなやり方はないのかな、こういう相談を受けたわけであります。
 大臣にお伺いいたします。
 最低賃金、大事です。むやみに引き下げるべきではないと思います。ところが、例えば障害者雇用では最低賃金の減額特例というようなものも、今私が申し上げたのと同じような理由で既にやっているわけであります。超高齢者、しかもちゃんと生活は年金で成り立っていて、御本人も別に最低賃金以下でも働きたい、こういうごくごく限定的な場合にはすべきと思いますが、障害者と同様な、高齢者向けの新しい最低賃金を現実的に運用する制度、何か考えられないでしょうか。
○塩崎国務大臣 井坂先生からこういう提案を受けるというのは、いささか私は予想外でございました。今のような労使の関係でということになると、働く側の人は弱い立場で、何をやられるかわからないじゃないかといって怒られるのかなと思っておりましたが、逆だということがわかって、井坂先生の柔軟性に改めて敬意を表したいというふうに思います。
 その上で、最低賃金は、全ての働く方に適用される賃金の最低基準であることでございますので、労使当事者間の合意があるからといって、働く方の賃金額を最低賃金より低い額とすることはできない法律の組み立てになっています。
 最低賃金法の第七条の、精神または身体の障害のある特定の方に対する最低賃金の減額特例、これは年間に約四千件ぐらいあるようでございますが、これは、最低賃金をそのまま適用すると、これらの働く方の雇用の機会を奪ってかえって不利な結果を招くことになることから、都道府県労働局長の許可を条件として減額を認めているものでございます。
 この障害のある方に関する特例以外にも、例えば、屋内の植木の手入れとか片づけを適宜行うなど、いわゆる軽易な業務に従事する方についても、同様に都道府県労働局長の許可を条件とする特例がありまして、必ずしも実際の許可件数は多くはございませんけれども、高齢者の方も、この軽易な業務に従事することと認められる場合には当該特例の適用があるわけでございます。
 仮に、高齢者の方に対して一定の要件に基づいて最低賃金の減額特例を認めた場合、高齢者以外のみずからの収入によって生計を維持している方、例えば母子家庭のお母さんとか、こういう方の雇用が失われるおそれがあるということも考えられるわけでございます。
 このほか、雇用形態による就業ではなくて、軽易な業務について、生きがいを持って活躍することを希望する高齢者については、先般も議論をいたしましたけれども、シルバー人材センターにより請負で働くことなども活用しつつ、多様な就業機会を確保していくべきではないのかというふうに考えているところでございます。
○井坂委員 きのう、担当の方と大分じっくり議論させていただいたんですが、ちょっとやはり大臣、御認識に間違いがあるのかなと思うのは、私が今申し上げたような方を最低賃金以下で雇ったとしても、それは、おっしゃったような、ほかの方の雇用を奪うことにはなりません。なぜなら、そのおばあちゃんは四百円分しか野菜が切れないんですよ、一時間で。その人を最低賃金で雇うと赤字だけれども、その切った野菜の分ぐらいの値段だったら社長も喜んで雇い続けたいと言っているわけであります。四百円分しか野菜が切れない人を四百円で雇うって、別にそれは、安いから、ではこれからこういう八十歳の方ばかり雇うみたいなふうには絶対なりません。そこは御認識を改めていただいて。障害者は、まさに同じ理屈でやっているわけです。これは件数も、精神障害の方で五百件、知的障害の方で四千三百件と結構なボリュームでやっているわけであります。
 一億総活躍とか、高齢の方がより社会に参加をする、労働参加をしていく、こういう政府の方向性に合う話だというふうに私は思いますし、柔軟だとお褒めをいただきましたけれども、現実的に、こういうケースは決してレアケースではないと思いますよ。ぴんぴんころりという言葉もありますけれども、やはり最後までみんなとわいわい働きたい、社会に対して価値を提供し続けていきたい、これは人間の根源的な欲求でありますから、ここに応える柔軟な最低賃金の取り扱いを、やりますとはお答えできないでしょうけれども、初めての御提案なので一遍検討してみますというぐらい言っていただけませんか。
○塩崎国務大臣 今初めて伺ったわけでございますので、それはそれとして受けとめて、今後、当然のことながら最低賃金の重要性というのはますます大きくなってきて、これは千円まで上げるということまで言っているわけでありますので、そういった、働く人たちを守るということ。
 これから人生八十年がもう少し長くなるかもわからない中で、高齢者というのは何歳からをお指しになっているのかわかりませんが、先ほどの四百円であっても、必ずその四百円分については労働代替が起きているんだろうというふうにも思いますから、そういったことで、働くことについての最低賃金という保障されていることと、今お話しのような柔軟な働き方と柔軟な賃金ということについてのあり方ということは、御提案も受けて、考えていきたいというふうに思います。
○井坂委員 ありがとうございます。
 次に、特区のことについてお伺いをしたいと思います。
 ちょうど、私、きのう、ふだんは行かない委員会で特区の質疑を石破大臣とさせていただきました。その中で、厚生労働省関係二件、おかしいな、納得いかないなと思うことがありましたので、これは大臣もおかしいと言っていました、石破大臣も、おかしいですね、厚生労働大臣に聞いてくださいとおっしゃっていましたので、お聞きをします。
 議事録をお配りいたしましたが、議事録の下に六ページと書いてあります。特区法改正案で、医療機器の開発を迅速化するということで、特区内の臨床研究中核病院では、PMDAという機関の相談を、現地に行って出前相談までしますよ、こういうサービスの拡大。しかし、これはなぜか特区内限定なんですね。
 臨床研究中核病院、これはほとんど特区の中にみんなあって、一カ所だけ特区外、柏の病院だけが特区外にあるんです。この一カ所の病院だけのけものにして、仲間外れにして特区限定にする理由は、きのう現場で議論していても、そんな理由ないよねという雰囲気に議場全体がなりましたので、大臣、考え直していただけませんか。
○塩崎国務大臣 特区についての議論に御参加をいただいたようでございますが、御指摘の特区薬事戦略相談というのは、国家戦略特別区域内の臨床研究中核病院を対象としたものだということで、必要に応じてPMDAの職員をこちらから出張させて、臨床試験などの承認申請に必要な試験の実施に関するアドバイスを行うということでございまして、それによって、革新的な医療機器の効率的な開発計画の立案、スピードアップですね、その円滑な実施を支援するということでございます。
 国家戦略特区は、そもそも特区自体については、国際競争力の強化とか拠点の形成を図る目的で指定をされている地域でございまして、その目的のために、民間企業それから研究機関、行政など関係者が互いに連携をして革新的な製品を生み出していく土壌が形成をされているというのがこの特区の特徴でございます。これをさらに後押しするために、国家戦略特区内の臨床研究中核病院を本措置の対象にしているわけでございます。
 柏市において、この革新的医療機器の開発による国際競争力の強化のために、関係者の連携を初めとした構想を整備する御意向があるのであれば、特区制度や本措置の活用についてのお考えをよく確認した上で議論していくべきではないのかなというふうに考えているところでございます。
○井坂委員 全国で一カ所だけ病院を除外する合理的な理由は私はないと思いますから、ぜひよろしくお願いいたします。
 最後、もう一つ、特区で、これはもっと意味不明なことなんですけれども、障害者雇用、LLPという組合で、そこに参加している企業が障害者雇用した人数を全部足して障害者雇用の率に合算していいですよ、こういうこともなぜか特区限定でされるというんですね。
 私、いいことは全国でさっさとやればいいというのが基本的な立場です。なぜ特区限定にしたのかと聞いたら、いや、前回、水産業組合とか商工組合で全国一律でやったんだけれども、誰もやってくれるところがなかった、だから今回は最初から特区にして、手を挙げてくれたやる気のあるところをまず公募して、そうしたらゼロ件なんという恥ずかしいことにならないから特区でやったんだと。
 手を挙げたのは徳島市なんです。ところが、徳島市は結局、特区じゃないですから、徳島市は手を挙げたのにさせてもらえずに、手を挙げていない、やる気があるかないかもわからない特区内にこの特例がメニューとして追加をされている。これまたゼロ件になると思いますよ。
 こんなことをやるのではなくて、特区限定ではなくて、最初から全国でやるべきだ。これまではずっと全国で水産業組合も商工組合もやってきているんですよ、この同じ仕組みを。なぜ今回のLLPだけ特区限定にしたのか。全国でやるべきだ。
 これは議事録七ページをごらんください。私がおかしいじゃないですかと言ったら、石破大臣が、釈然としないですね、しません、何か変だねという感じが当然しないではない、何か不思議な感じがしないわけではありませんと。私、初めて行った委員会なので余り詰めませんでしたけれども、ほとんど答弁不能な状態になったんですよ、これは。だって、大臣も帰り際に、井坂君、おかしいよね、あれと。与党の筆頭理事の方も、よく言ってくれたと。与党筆頭理事の方は徳島の方だったので余計なんですけれども。
 そういう状態ですから、こんなものは特区限定にしてはだめです。全国一律でやってください。お願いします。
○塩崎国務大臣 地域限定保育士の試験のときも、実は特区で始めて、翌年全国展開ができるようになりました。特区でする、やはり地域限定でやるということを、いきなり全部やるというのはなかなか難しかったと思います。
 中小企業が複数で事業協同組合などを設立して障害者を雇用した場合に、一つの企業とみなして障害者雇用率を算定する特例を設けているのが今お触れの件でございます。
 御案内のように、これを特例で国家戦略特別区域内で認めようということでございますけれども、内閣府の所管でありますから、私が直接国家戦略特区の問題についてどうこう言うわけにはまいりませんが、特例の提案をいただいた徳島県などは国家戦略特区への指定がなされていないということで、今御指摘のとおり、当該特例の対象となっていないわけでありますけれども、指定がなされた場合には、特例措置の実施についてしっかり協力をしてまいりたいと思っています。(井坂委員「違うんです。全国でやるべきメニューだと言っているんです」と呼ぶ)
 有限責任事業組合、LLPを活用するニーズが全国的にどの程度あるかということはまだ明らかではないことから、今回は国家戦略特別区域内で実施の道を開いて、障害者雇用の促進に効果があるかを検証することとするわけでございますが、特例措置の活用状況を踏まえ、今後全国展開することについても検討をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○井坂委員 ぜひ、皆さん、この議事録の七ページのところをごらんいただきたいと思いますけれども、ほとんどコントみたいなばかばかしいやりとりになっていますよ。論理的じゃないとかそういうのを超えて、もう、何だこれは、何でこれが特区限定なんだという話になっておりますから、こういういいことは、思考停止でとりあえず特区じゃなくて、全国で始めていただきたい。このことを申し上げて、私の質疑を終わりにいたします。
 ありがとうございます。
○渡辺委員長 次に、堀内照文君。
○堀内(照)委員 日本共産党の堀内照文です。
 きょうは、看護師の夜勤問題について質問したいと思います。先ほども長時間労働の問題がございました。
 この間、一九九二年、看護師確保法ができ、その基本指針には、夜勤は月八日以内と明記をされました。また、二〇一一年には、「看護師等の「雇用の質」の向上のための取組について」という、いわゆる五局長通知が出されるなどしてまいりましたが、看護師の夜勤を初めとする労働の実態というのは依然厳しいものがあります。
 この間の参議院でも、我が党の倉林明子議員もこの問題を取り上げて、国として初めて、病院の勤務環境に関するアンケート調査も行ってまいりました。その中で、看護師の夜勤についても聞いております。
 大臣に、初め、この夜勤の実態、アンケートの結果がどうだったのか、それに対して大臣はどのような認識をお持ちになったか、そのことをお尋ねしたいと思います。
○塩崎国務大臣 厚生労働省としては、平成二十六年に改正をされました医療法に基づいて、医療分野で働く方々の勤務環境の改善に取り組んでいるわけでございまして、その一層の推進方策を検討する際の資料とするために、昨年度、病院の勤務環境に関するアンケート調査を初めて実施したわけでございます。
 この調査結果を見ますと、看護師の方につきましては、三交代勤務が約三七%、二交代勤務が約六〇%となっておりまして、二交代制の方で、一回当たりの勤務が十六時間を超えるケースが約六割に上る、そして、夜勤一回当たりの勤務が長時間にわたるなどということが判明をしたところでございます。
 医療分野で働く方々がこのような大変厳しい勤務環境にあることを認識させていただくとともに、その改善の必要性を改めて強く実感したところでございます。
○堀内(照)委員 この調査では、今、長時間になっているという二交代の夜勤の数が月平均四・六回と。これを三交代に換算すると九・二回になるわけでありまして、月八回以内とする基本指針を超えているという実態です。月平均の総夜勤時間も七十二時間近くに上り、七十二時間を超えている人は四八・三%にもなります。
 ただ、この調査は、一病院につき最大三名までを、病院施設の方から対象者を選定して回答させるというものでありまして、回答数の四分の一以上が管理職の方なんです。ちょっとサンプルに偏りがあるのかなと。それでも深刻な実態の一端が浮き彫りになっているのかなと思います。
 大臣にもう一点お聞きしたいのは、この調査、今年度も予算が確保されているということでありますが、より実態を正確につかむという点で、どういう方法や内容がいいのかということを、労働組合など現場の方々の意見を聞くなどして、この調査方法の改善が必要じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 調査方法についてのお尋ねでございますけれども、本年度も病院を通じたアンケート調査を行うこととしております。やはり、より多くの働く方々から、偏りのない形で回答が得られるようにしたいと思っています。一つは、管理職でない方々からの回答を多くする、促すということが第一点。第二点は、一病院当たりの回答者数の上限を見直すなど実施方法の改善について検討をしてまいりたいというふうに思っています。
 また、医療機関からの勤務環境の改善に関する相談に応じて、好事例等の情報提供、あるいは労務管理面での助言、啓発活動などを行っている都道府県の医療勤務環境改善支援センターなどを通じて、医療機関で働く方々のよりきめ細かな実態の把握に努めてまいりたいというふうに考えておりまして、やはりバランスのとれた調査をするべきかなというふうに思っております。
○堀内(照)委員 厳しい実態が浮き彫りになる一方で、この調査では、仕事の満足度を聞きますと、七割を超えて、満足、どちらかといえば満足と答えておられまして、管理職が多いからかなと思うところもありました。今ありましたように、結果にやはり傾きがあるようになってはいけませんので、ぜひ改善を求めたいと思います。
 日本医療労働組合連合会、医労連が独自に調査も行っております。
 二〇一五年度夜勤実態調査によりますと、二交代勤務がやはり増加しているということや、十六時間以上の長時間夜勤が二交代勤務で五五・一%と、政府が行った調査とほぼ同じような傾向であります。この長時間勤務の二交代というのが急性期、高度医療の病棟でも進んでいるんだということでありました。
 夜勤回数、月九日以上というのが三交代で二五・二%、驚きましたのが、ICUでは四九・四%にもなる。二交代の勤務では、三交代換算で月九日以上の夜勤が三三・一%、ICUでは五四・四%。本当に過酷な勤務になっているんだなと思いました。
 こういう中で、同じ医労連の別の調査なんですが、看護職員の実に七五%が、仕事をやめたい、そう思いながら仕事をしているんだということであります。
 夜勤が何をもたらすのかということであります。
 日本看護協会が看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドラインを作成しております。
 その中では、長時間夜勤における安全面の問題として、労働時間と事故の発生についての研究では、昼間の八時間勤務より夜間の八時間勤務の方が事故を起こす可能性が高い、この事故は医療事故のみならず看護師さん自身のけがなども含むということですが、さらに同じ夜勤でも八時間勤務より十二時間勤務の方が事故を起こす確率が高いという結果が出ていますと書いてありました。
 私は読んでいて衝撃的だったのが、「これらの研究が主に行われている欧米では十二時間を超える勤務が行われていないため、日本で多く行われている十六時間勤務の事故リスクについては検証されていません。」と書いてあったんです。いかに日本の看護師さんの夜勤の長時間というのが異常な実態なのかということだと思います。
 ILOの看護職員条約百五十七号勧告では、一日の労働時間は八時間以内、時間外を含めても十二時間以内、インターバルは十二時間以上などを定めています。こういう規制が必要だと思いました。
 また、ガイドラインでは、看護師さん自身の心身にどういう影響、負担があるのかということも明らかにされています。これは資料で一枚目と二枚目につけておきました。
 サーカディアンリズム、人間の持つ生体リズムというんでしょうか、睡眠、覚醒のリズム、これが変調することによって、睡眠の質の低下、疲労回復効果の低下、負の情動ストレスの解消機能の低下、それからまた、高血圧や心疾患、糖尿病、がんなどの健康障害のおそれも指摘をされております。
 夜勤がもたらすこうした安全面での問題、それから看護師の心身への負担について、厚労省として把握をされているのか、また、これについてどういう認識をお持ちなのかということをお尋ねしたいと思います。
○神田政府参考人 お答えいたします。
 今先生が御指摘されました日本看護協会が策定しております看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン、これを作成する際の実態把握のために、看護協会で看護職員の夜勤、交代制勤務に関する実態調査が行われております。
 それによりますと、一カ月の夜勤回数が多いほど慢性的な睡眠不足の自覚症状がより高い割合で見られること、また、勤務間隔が短い勤務シフト、具体的には、準夜勤から日勤へのシフトがある者で、そのシフトがない者に比べていわゆるヒヤリ・ハットを起こした者の割合が高いことなどが示されております。
 このような実態から、厚生労働省としては、夜勤が看護師の心身面への負担、医療安全上の懸念の要因になっているものというふうに認識いたしております。
○堀内(照)委員 先ほど紹介しました医労連の調査でも、慢性疲労があると答えた方が七三・六%、強いストレスがあると答えた方が六七・二%、健康に不安があると答えた方が六〇%です。驚きましたのは、妊娠されている方の三分の一が夜勤免除をされていないんだ、二九・八%が切迫流産、九・二%が流産だと答えておられます。これは本当に深刻だと思いました。
 事は、安全な医療、看護の提供、それから患者や国民の命にかかわる重大問題だ。そしてまた、看護師さん自身の命と健康が本当にこれでは守られないということだと思います。
 大臣にお尋ねしたいんですが、こういうことであれば、本当に看護師さんが続けたくとも続けられないということでもありますので、本当に、直ちに改善が求められると思いますけれども、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 先生御指摘のとおりに、看護師さんたちが、特に夜間で大変厳しい勤務環境の中で頑張っていただいているということは、私どももよく認識をしているところでございます。
 これに対して、厚労省としては、看護師の勤務環境を改善しなければならないということはひとしく思っているわけでありますが、例えば、現在できることとしては、各都道府県の医療勤務環境改善支援センターなどにおいて好事例の周知とか専門的な助言等によって支援する、あるいは、平成二十八年度の診療報酬改定において、一部の看護師に夜勤負担が偏らないように、夜間の看護師の配置等に関する評価を行うとともに、看護師の夜間の勤務負担軽減に資する取り組みを、評価を診療報酬上したということでございまして、こういったことなどの取り組みを進めることによって看護師の勤務環境の改善に目下取り組んでいるわけでございます。
 しかし、深刻な状況で、厳しい中で働いていらっしゃるということについての認識は持っておりますので、引き続いて何ができるかを考えていかなきゃいけないというふうに思っております。
○堀内(照)委員 今大臣からございました支援センターは強制力がありません。あくまで事例紹介や、今言っていただきましたように周知、助言等でありまして、医療機関の自主的な取り組みを支援するというものであって、限界が私はあると思います。
 その点で、もう一点言われた診療報酬上の手当てというのは非常に大事だと思っております。
 では、今度の改定でどうなっているのかということを幾つか具体的に見ていきたいと思うんです。
 例えば、資料の三枚目につけておきましたが、月平均夜勤時間数に係る要件と評価が見直されました。月平均夜勤時間数七十二時間以下というのが基準なんですが、その時間を計算するに当たって、月当たりの夜勤時間数が十六時間以下の者は計算にこれまで含めてきませんでした。十六時間以下ですから、例えば八時間の夜勤を月二回されているというような方は計算に入れなかった。これはなぜかというと、短い夜勤時間の人までどんどんカウントし出しますと、それが平均になりますので、夜勤での労働時間が多い労働者の実態がやはり正しく把握できないからだということだと思います。
 その十六時間以下は含まないというものを、今度は十六時間未満は含まないということに変えられております。これでは、先ほど言いました八時間勤務を月二回している、そういう程度の方々も含まれてしまいます。こうなりますと、これまでと同じ労働実態があっても平均値が低く算出されることになります。つまり、夜勤時間が多い人がいても、平均でならされてしまって実態があらわれない。
 こうして要件が緩和されると、夜勤時間の多い人の夜勤がさらにふえることにもつながるのではないか、こうなっては夜勤の改善とは逆行するのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○唐澤政府参考人 お答え申し上げます。
 先生から御指摘いただきましたように、看護の問題は医療問題の中で大変重要な課題でございます。
 今回のこの看護職員の皆さんの月平均夜勤時間の計算方法の見直しでございますけれども、御指摘のございましたように、これまでは、改定前は十六時間以下の者は含まない、そして、改定後は十六時間未満の者は七対一、十対一では含まないということで、御指摘のように、十六時間の人が計算の基礎に入るというようになったわけでございます。
 これを中医協で相当御議論がございまして、いろいろな御議論をいただきましたけれども、今回の見直しでは、少ない回数であれば夜勤を行うことのできる看護の方も含めて、より多くの看護職員で夜勤体制を支えるということを目指すということにしたわけでございます。
 そうはいっても、いきなり大きな改正などということは現実にもできませんし、実態にも合いませんので、今回は十六時間ということで実施をすることになったわけでございますけれども、この看護職員の皆さんの夜勤への影響については、中医協でもきちんと検証するということになっておりますし、その実態の把握を行いながら、引き続き検討しなければならないと思っております。
 目的は、看護職員の皆さんの勤務環境の改善でございますので、この看護配置の見直しだけの措置ではなくて、ほかの診療報酬上の評価等についてもあわせて検討しながら、この環境の改善を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○堀内(照)委員 より多くの人に担ってもらうのが目的だということでありますけれども、しかし、今言いましたように、夜勤をふやす方向に働かないという保証はないわけであります。
 多様な働き方と言われますが、それこそ、現場ではこんな危惧も、声も出されています。
 夜勤免除を申請している妊娠中の看護師さんなどに、回数が少ないからとか、これだけなら我慢して入ってくれとか、そういう夜勤要請が強まることになるんじゃないかという危惧も出されています。そんなことになったのでは、勤務の改善どころではないわけであります。
 それからもう一点、資料の四枚目なんですが、看護師の負担軽減ということで、看護補助の夜間配置を診療報酬で評価をされております。
 これは、看護師の増員ではなくて、看護補助の配置強化ということですので、これも現場から危惧の声が上がっております。
 例えば、これまでの看護職員夜間配置加算は、五十床を四人の看護師さんで看護していた場合、五十点でありました。今回の改定で、それを、看護師を三人体制にして補助を一人置くとどうなるか。右側の改定後のところでいうと、一番上のくくりの(新)二というところで、三人体制というのは十六対一になりますので、これは四十点。その下の補助のところで、五十対一で三十五点。合わせて七十五点になるわけなんですね。
 従来は、看護師さん四人で五十点。ところが、看護師さんを一人減らして補助にかえるということで七十五点。看護師さんの体制を後退させた方が評価が高くなるということになるわけであります。
 これでは、看護師さんから補助者への置きかえが進む。専門職たる看護師の人員が減らされて、どうして負担軽減になるんでしょうか。
○唐澤政府参考人 看護補助者の皆さんの活用につきましても、これは中医協の、今回の診療報酬改定の重要な項目として、御議論をいただいてまいりました。
 今回の診療報酬改定では、やはり現実に、病院の業務としては、看護師さんが非常にたくさんの、広い範囲の業務をされているということもございまして、できるだけさまざまな職種の皆さんを活用してチーム医療を評価していく、そして、医療従事者の皆さんの勤務環境の改善を図るということを今回の改定の目的にしているわけでございます。
 具体的に今先生から御指摘ございましたけれども、夜間の看護職員の業務の負担軽減を図るということで、看護補助者の配置等につきまして、診療報酬をより手厚く評価することとしたわけでございます。もちろん、看護職員の皆さんの配置につきましても、今回の改定により充実をするということをしているわけでございます。
 これによりまして、看護職員と看護補助者をさまざまな組み合わせで配置をする場合に、それに応じてきめ細かな評価が行われるということが可能になります。
 例えば、医療機関の業務の状況によりましては、看護職員を減らさずに、看護補助者を加配するというようなこともできるわけでございます。そうした場合は、より高い評価になるように設定をしております。
 また、御指摘のような、夜勤を行う看護職員を減らすような勤務形態をとった場合というようなことでございますけれども、そのときには、看護職員の方の夜勤時間も減らすということのメリットもこの場合はあるわけでございます。
 いずれにいたしましても、医療機関の業務の実情に応じまして、報酬上の仕組みを活用していただきまして、看護職員の皆さんの勤務負担の軽減を図っていきたいと考えているところでございます。
○堀内(照)委員 私が指摘した懸念というのは、今のお話ではなかなか払拭されないなと思うわけです。
 本当に負担軽減というのであれば、私は、もちろん、補助者をつけるということを一律に否定するものじゃないんですが、そういった無資格者の安易な導入ではなくて、看護師さんを手厚く配置する、これがやはり一番大事なんだと思います。そうやって補助者を置くことによって、本来そこで必要になる看護師さんの増員に向かわないということになったら、これはやはりいけないと思いますので、そこも指摘をしておきたいと思うんです。
 同じ資料なんですが、今回、夜勤の評価項目で、インターバル、勤務終了時刻と開始時刻の間を十一時間以上あけることや、それから、いわゆる正循環と言われる、勤務開始時刻が直近の開始時刻のおおむね二十四時間以降にすべきだということ、それから、夜勤の連続回数二回以下になるということなどが挙げられております。
 これは本当に評価できるんだと思うんですが、今回の診療報酬でなぜこれらの点が盛り込まれたのか、その理由を教えてください。
○唐澤政府参考人 ただいま御指摘いただきました夜間看護体制の評価に関する項目でございますけれども、これは、今回の診療報酬改定において、交代制勤務のシフトの適切な編成や休日の確保、医療機関内における業務量の平準化の取り組み等を評価することとしたものでございます。
 つまり、これは、今まではどうしても人員配置基準のみでやっておりましたけれども、実際の夜勤の内容でございますとか、あるいは病院の体制というようなものもやはりあわせて見ていく必要がございますので、先生からも御指摘ございましたように、例えば、勤務終了時刻と開始時刻の間を十一時間あけて、連続して近いような勤務にならないようにするとか、夜勤の連続回数というのを二回以下ということで、三回続けるというようなことがないようにするとか、こういうようなものを評価してまいりまして、夜間勤務を行う看護職員の皆さんの心身の負担の軽減を目的としているものでございます。
 これは今回初めて導入したものでございますけれども、今後、さらにこの実情を踏まえて御検討いただいて、看護職員の勤務環境の改善に役立つようなものにしてまいりたいと考えております。
○堀内(照)委員 より実態を見て、勤務環境改善のためにということだと思うんですが、それ自体は私もいいことだと思うんですが、実際には、その下にもありますように、この八項目のうち、六から七項目の中から三つか四つの項目を選択すれば加算がつくというものになっています。
 これでは、理屈の上では、例えば十二時間二交代も可能になるわけです。夜勤時間の長い二交代へ振りかえられていく、そうなったのでは夜勤の改善につながらないということにも私はなると思います。こういうことを本当に実効あるものにするということが大事だと思っています。
 大臣にお聞きしたいんです。
 実効あるものにするために、いま一つ、一勤務当たりの労働時間の上限、こういう規制がやはりここに必要じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 二十八年度の診療報酬改定では、勤務終了時刻と勤務開始時刻の間を十一時間以上あけること、それから、夜勤の連続回数を二回以下にすること、さらに、業務量の把握、部署間支援を行うことなど、看護職員の夜間の勤務負担軽減に資する取り組みを評価することにしたわけでございます。
 加えて、看護職員などを含め働く人の長時間残業に関する監督指導を徹底するとともに、一定の休息時間を確保する勤務間インターバルの措置が図られれば、おのずと一勤務当たりの労働時間も制限をされることから、この勤務間インターバルの確保に向けた労使の自主的取り組みを促すことというふうにしているわけでございます。
 これらによって、看護職員の一勤務当たりの労働時間の短縮に向けた医療機関における取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。
○堀内(照)委員 十四時間夜勤が六回にもなる、休みもとれない職場で、出勤しないスタッフを訪問したら自宅で亡くなっていたという実態ですとか、一年目の看護師さんが、看護記録を読むために一時間前の出勤を指導され、宿題も毎日出される、夜勤では終了まで二十時間拘束ということもあった、何も考えなくていいと思ったら幸せになりました、こういうメモを残して亡くなったと。本当に、命まで奪われる深刻な実態があるわけで、解決は待ったなしだと思います。上限規制をしっかりと加えていくということをぜひ求めたいと思うんです。
 忙しさの背景にあるのが、深刻な人手不足です。医労連アンケートの自由記載には、仕事が楽しくありません、人手不足で嫌になりますとか、帰宅が二十二時台の日勤が続き心身ともにダメージ、退職を考えていますですとか、悲痛な叫びがつづられております。
 看護師の離職を防止するとともに、今後どう絶対数を増員していくのかということも大事な課題だと思います。
 この点で、第八次看護職員需給見通しの策定に向け、検討会も始まっております。そこで出された資料に、看護職員の需給推計というのがあります。そこでは、「一般病床及び療養病床については、」つまり病棟の問題ですね、「地域医療構想と同様の手法で推計された、二〇二五年の医療需要に基づく。」とされております。これはどういうことになるんでしょうか。
○神田政府参考人 御指摘の看護師の需給の推計についてでございますけれども、現在、各都道府県で地域医療構想を策定いたしておりますけれども、地域医療構想は、二〇二五年に向けまして、病床の機能分化、連携を進めるために、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の医療機能ごとに、二〇二五年の医療需要と病床の必要量を推計して目標を定めるものでございます。
 この地域医療構想で求められました医療機能ごとの必要病床数をもとに、二〇二五年の入院部門における看護職員数の推計を行う方向で、現在、分科会で検討いただいているところでございます。
 一方で、入院部門以外の、訪問看護等の分野における二〇二五……(堀内(照)委員「病棟の看護師さんですからね」と呼ぶ)
 病棟の看護師については、今申し上げたように、医療機能ごとの必要病床数をもとに推計をするということにいたしておりますけれども、推計に当たりましては、看護職員の需給推計に先行して検討されております医師の需給推計では、医師の労働時間の適正化を勘案することにいたしております。看護師の需給推計においても、勤務環境の改善を勘案しながら、今後検討を進めていきたいと考えております。
○堀内(照)委員 病床機能分化ということで、今、国の方から二〇二五年のあるべき病床数が示されておりますが、三十万床減らされることになるんですね。
 資料の最後、五枚目に、その推計方法ということで、同じ、その中に載っていたのを載せておきました。機械的にこうやってしまいますと、ベッド数が減りますから、勤務環境など現状の水準のまま必要看護職員数を掛け合わせていけば、当然減ることになってしまうわけです。地域の実情を踏まえれば、もちろん、これはベッド数そのものも減らすわけにいかないという問題があると思います。
 看護師についても、国としては、看護師全体、二〇二五年には、今の百六十万人のところ、二百万人が必要だとしているわけですから、病棟勤務の看護師についても、勤務環境の改善、これをしっかり盛り込んでいく。医労連は、一日八時間以内、勤務間隔は十二時間以上、それから週三十二時間以内の勤務、こういうことを求めておりますし、二〇〇七年の国会決議では、日勤は患者四人に看護師一人、夜勤は十人に一人としています。
 そういった中身をしっかり第八次需給推計の前提に盛り込んで増員を目指す、これはもう当然だと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 先ほど医政局長の方から御答弁申し上げたとおり、看護職員の需給推計において、地域医療構想に基づく必要病床数を踏まえた入院部門の看護職員数や、病床の機能分化、連携によって在宅医療等で求められる看護職員の数など、二〇二五年における看護職員全体の必要数を推計することとしているわけでございます。
 このような看護職員の需給推計に当たりましては、先ほど来堀内先生から御指摘をいただいている看護職員の勤務実態、厳しい勤務実態や勤務環境の改善も十分勘案をして、また専門家の御意見も十分にお聞きをして、検討を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
○堀内(照)委員 時間なので終わりますけれども、今、七対一要件の厳格化ということで、七対一の手厚い看護を一部の急性期病床に限定するという動きなんですね。
 しかし、この間、認知症患者の増加とか高齢化や重症化、医療、看護技術の高度化など、求められている業務量というのは、別に急性期にかかわらず、慢性期病床でも本当に大変だ。やはり全体を通じて増員というのが求められていると思いますし、それから、今、インターバルなど、診療報酬では評価されている、そういう問題を法的に規制をかけていく、このことも本当に必要なんだ、この両面を求めて、質問を終わります。どうぞよろしくお願いします。
 ありがとうございました。
○渡辺委員長 次に、松浪健太君。
○松浪委員 おおさか維新の会の松浪健太であります。
 二期生、三期生のころはずっとお世話になった厚生労働委員会でありますけれども、三年以上たって、久しぶりに新鮮な気持ちで大臣には質問させていただこうと思います。
 今回、一般質疑でありますけれども、目前に障害者総合支援法の審議を控えているということで、まず一問、障害者の問題を取り上げさせていただきたい。
 この障害者の問題だけではなくて、先日から保育の問題が非常にクローズアップされております。保育所の問題では、面積の区分というのは、地方では、上書き基準といっても、厳しくはできるけれども、基準を緩和するのは大変難しい。
 また、高齢者の施設の問題でも、十年ほど前には個室ユニットをどんどん進めていった。当時は、入られる方の要介護度が低かったので、個室ユニットは非常に機能したわけですけれども、今、私たちの地元を見てみますと、要介護度の高い人を入れているので、自分で車椅子にも乗れない人たちは、隣の部屋の人と会話をすることもできない。そしてまた、介護をする皆さんは、個室、個室で大変非合理的だ。厚労省がもしこれだけ高齢者の要介護度が上がるということを考えていれば、ここまでの施設をつくったのかなと、私の地元の施設の施設長さんは大変嘆いていらっしゃった。やはり、未来を予見していくということは大事だと思うんです。
 つまり、現状に合わせてルールをつくるということ、これが大事でありまして、ルールに現状を合わせると、時として非常に滑稽なことが起きてくるということを、まず、私、きょうは大臣にもこの図を配らせていただいていると思います。
 これは、関東にある、近辺のある県の状況でありますけれども、当初、隣にデイサービスの生活介護施設をつくって、グループホームをツーユニットつくったということでありますけれども、これを見ていただくと、上が当初案ですね。
 しかし、政府というか厚労省の今までの政策の流れでは、かつては、大型ユニットがあって、そして、これをどんどん地域へという流れでグループホームというものを、当時は軽度でありましたけれども、つくっていった。地域に溶け込むから、ですから、同一敷地内にはグループホームは十名までというようなルールが地方では多くできております。
 しかしながら、厚労省はさすがに、先般の社保審の障害者部会では、今後、重症度の専門のグループホームを、これから政省令ではあるけれども整備されていかれる。この方向は私は正しいと思うんです。
 ただ、この図を見ていただいて、上は当初案なんですけれども、まず、同一敷地内に置くことができないので分筆したけれども、県は、これだけじゃだめですよということが起きた。その次にはどういうことが求められたかというと、では、グループホーム、ワンユニット十人までを同一敷地ですから、倉庫をつくって区切ってくださいと。不必要に、全く大きな倉庫で区切った。
 その次には何が起きたか。次は、横の生活介護施設、デイサービスとはやはり区切らないとだめですよと。下は川らしいんですけれども、無駄にこの間に市道を寄附して区切った。その次には、さらにはフェンスを建てて、この施設の皆さんは重症度ですから、このフェンスは要らない、かえって、言葉は悪いですけれども、収容所みたいな感じになるのでこれはつくりたくないので、本当は木なんかで囲うことも許してほしいと皆さん言ったけれども、しっかりとフェンスで囲ってもらわなきゃいけないよと。
 そして、さらにさらに何が起きたかといいますと、今度は出入り口ですね。これを見ていただくと、グループホーム二の方はこっちからしか出られないんですけれども、一の方は、やはり別の施設として見られないといけないということで、出入り口を別々につくった、ここまでのことをしたという、正直言って、これがもし民間の話であればすごく非合理的なことをしているなと。
 しかも、皆さん正門から通うというために、県からの指導は、まず出入り口から出て、ここのグループホーム、支援区分が平均五ですよ、この支援区分の人たちをわざわざ、この県道はすごいらしいです、大型トラックがぶんぶん通る大変な幹線道路、ここの危険な県道にわざわざ出てから正門に入ってくださいというんですけれども、この図をごらんになって、こうした運用というのが果たして、大臣、どういう御感想、これは政府が求めている流れに合致しているのかどうか、まず伺いたいと思います。端的に。
○塩崎国務大臣 門前薬局の問題について、規制改革会議から、やはり一回外に出てからでないといけないとかなんとかいろいろなことを言われておりましたが、この間の改定で、そういうものは、ばかばかしいことはやめるということで、やめたところでございまして、本来の医薬分業をどう実現して、そのメリットを患者本位で実現していくか、その観点から、いろいろな規制を見直すべきということで、この間全部やり直したわけであります。
 きのうの一億総活躍国民会議でも申し上げましたし、その前の諮問会議でも御提案を申し上げたんですが、これからは、高齢者、子供、障害者、こういった方々が共生をする形の例えば施設とか、そういう場をつくっていくことの方が現実に合った制度になるんじゃないかということで、今新しいことを提案しているわけでありますけれども、いずれにしても、現場と制度がうまく合っていないというふうに、今お配りをいただいたものを見てもそう思うわけでありますので、やはり原点に立ち返って、そこから何をすべきかを考えていくことが大事で、このようなことも含めて見直していかなければならないんじゃないかというふうに思います。
○松浪委員 大臣、門前薬局のことに触れられましたけれども、私は、重度障害者用のグループホームをつくられるということであれば、私の地元というか、関西の現場に詳しい方、現場の方に伺ったんですけれども、やはり施設から地域へといっても、一挙手一投足でそれでいかないし、特に重度の方は、地域へといっても、年間に、そういう地域のお祭りのときとかは出ていくけれども、これは現実的ではないと。やはり、この場合は生活介護施設が隣にありますけれども、この中間的な仕組みというものも私は整備をされるべきだと思います。
 その上で、大臣、端的に私さっき問うたのは、これはやはり県道に出るのは危ないですよね。どう思われますか。端的に。
○塩崎国務大臣 御指摘のとおりだと思います。
○松浪委員 ありがとうございます。
 ですから、やはり、私最初に申し上げました、ルールに現状を合わせるのではなくて、現状に合わせてルールをつくる、これが大事だと思います。
 そして、平成三十年四月に、今回法律が改正をされますけれども、これにあわせて重度障害者のグループホームを実現していくということでありますけれども、これは実は法律じゃなくて政省令事項だという説明を私も厚生労働省の方から受けております。
 こうしたときに、この施設でも、同じところが経営はしているわけですけれども、生活介護施設へデイで行っているから、グループホームは家ですから、県の方ではグループホームで一〇〇%御飯を食べてほしいと。しかし、皆さんは昼間こっちで生活、デイの方で実際御飯を食べているらしいんですけれども、そちらの方が施設としては笑顔が多いんだというような見方もあって、こういうところも非常にしゃくし定規になっているわけであります。
 こうした現状、例えば、食事のとり方とかこういった面もすぐに精査をして、政府には、重度の障害者、知的障害者のグループホームについては柔軟な運用を全国的に指導すべきだというふうに私は思いますけれども、これは、政省令を変えるというのもいいんですけれども、その前に、これをやはり何らかの形で厚生労働省の方から示していただきたいと思いますけれども、大臣、いかがですか。
○塩崎国務大臣 おっしゃるように、縦割りの制度をしゃくし定規に当てはめていくと、このような不都合がいろいろなところで起きてくるということだろうというふうに思います。
 かつて、B型の作業所で、例えば、障害者の皆さん方が農業をやろうというときに、外に会議室だトイレだをつくらないとだめだと言われていて、外ではB型はできないということでありましたが、そこはすぐ私が指摘をして、直してもらったことがあります。ですから、今、農福連携を我々は進めていますけれども、そういうこともできるようになりました。
 したがって、このことについても、現実をよく見て、それに合った形の柔軟な制度にすべきではないかと思いますので、よく検討してまいりたいと思います。
○松浪委員 以前、民主党政権時代でありましたけれども、私がここでワクチンの証紙の非合理性を問うたところ、細川大臣それから大塚副大臣は、これはもう変えるということをその場でおっしゃって、政令改正に結びつけたことがありましたけれども、最後に、これについても迅速にやっていただけるということでよろしいんでしょうか。
○塩崎国務大臣 そういう方向で考えたいと思います。
○松浪委員 ありがとうございました。
 それでは、次の問題に移りたいと思います。
 先般、HPV、子宮頸がんワクチンについても、十七の学術団体から成る予防接種推進専門協議会という、十七学術団体が、積極的な接種を推進すると。また、WHOは、日本は根拠のない予防接種の制限をしており、若い女性をがんリスクにさらしていると日本を名指しで指摘をして、一方で、このワクチンの接種後に健康被害を訴える女性らが、国と製造企業を相手取って集団訴訟を準備している旨の報道もある中で、私も、先般、娘が中学生になりまして、このHPVワクチン、どういうふうに見たらいいのかと、これは、非常に全国の親御さんも迷っていらっしゃるし、中高生の皆さんも迷っていると思うんです。
 これについては、政府の判断、今後どのようにされる、スキームというか、これについては今どのように受けとめればいいんでしょうか。
○塩崎国務大臣 まず、このHPVワクチン接種後に起きた、接種との因果関係は必ずしも明らかではないいわゆる有害事象によって長期間苦しんでいらっしゃる方々がおられることは非常に心を痛めておりまして、これらの方々に寄り添った支援をしていくことが重要だというふうに考えております。
 HPVワクチンにつきましては、平成二十五年四月から定期接種化されたわけでありますけれども、広範な慢性の疼痛または運動障害を中心とする多様な症状が接種後に見られたという報告がございまして、平成二十五年六月の副反応検討部会での議論を踏まえて、この症状の発生頻度等がより明らかになって、国民に適切に情報提供できるまでの間、定期接種の積極的な勧奨を差し控えるべきと判断をしたところでございます。
 厚生労働省は、昨年九月に方針を打ち出しました。それに基づいて、まず第一は、救済については、従来からの救済制度の基本的考え方にのっとって速やかに救済に係る審査を再開するとともに、Hibそれから小児用肺炎球菌ワクチンも含めて、PMDA法の救済も予防接種法と同等の範囲の救済とするという救済方針を明らかにしました。
 それから、医療については、受診者フォローアップを実施することとして、これまでの協力医療機関に加えて、協力医療機関と連携をして患者の方への相談、診療を積極的に行う医療機関に対象を拡大するなど、医療支援の充実も図りました。
 それから、生活面において十分な対応ができていなかったという反省のもとで、昨年十一月に、患者、保護者からの学校や医療など多様な相談に対応するということで、都道府県の衛生部門と教育部門に相談窓口を設置するといったさまざまな取り組みを進めておるところでございます。
 現在、日本では、ワクチン接種後に生じたとされる症状と同様の症状、患者が、接種していない状態でどのくらい生じているかについてのいわゆる疫学的データが不十分であることから、現在、HPVワクチン接種後に生じたとされる多様な症状に関する疫学調査を実施しておるところでございます。
 WHOや小児科学会を初めとする関係団体から、HPVワクチンの接種の推進に向けた意見などが出されていることは私どももよくわかっているわけでありますが、HPVワクチンの接種のあり方について、この疫学研究の結果など、さらなる科学的知見の収集、科学が大事でありますから、それを行った上で、総合的、合理的な判断をしていきたいというふうに考えております。
○松浪委員 疫学調査も三年間予算が出るそうでありますけれども、できるだけ早い段階で、二年ですか、疫学調査を早い段階でまとめていただきたいと思います。
 次、薬価の問題と、もう時間がないのでまとめていきたいと思うんですけれども、私も、予算委員会なんかでも、毎年薬価を改定すると、今、未妥結減算制度なんというのも厚労省は導入しているわけでありますけれども、妥結率が、薬価を改定した年、そしてその次の年で、当然二年目はこなれてくるわけですから妥結率が一気に上がってジグザグになる、つまり薬価を変えた年というのは非常に予見性が低くなるということを予算委員会などでも随分指摘をさせていただいて、この毎年改定の問題については私は大変問題がある、対日投資に対するブレーキにもなり得ると。
 さらには、昨今は、市場拡大再算定が巨額拡大再算定ということで、一千億円、一千五百億円を超えるものについては最大五〇%もこれを引き下げるというような、大変市場からは、私、ある製薬会社の社長さんがうちの部屋へ来られて、いや、一千億売らないために本当に努力しましたと、どう努力できたのかわかりませんけれども、それぐらい気をもんで、一千億を超えて一・五倍だと二五%カットされるということで。
 これは大変、対日投資という点からも、また国内の企業についても私は不確定要素があると思いますので、こうしたものは、治験の世界同時開発スキームにも悪影響を及ぼすし、ドラッグラグの拡大にもつながると思いますので。
 これについての知見をまず局長に伺うとともに、大臣には、もうこれが最後ですので、私は、診療報酬とか薬価については、大臣は日銀出身でいらっしゃいますので金融の問題はいろいろ御存じだと思いますけれども、もし長期金利がはね上がって日本のシステムが崩壊したら、やはり我々はゼロからこの薬価制度それから診療報酬制度をつくらないといけない。そのときには、やはりポイントは、治療なのかそれとも延命なのかということを峻別する、その練習をもう今からしておかないといけない、これが私は真の社会保障だと思うんですね。
 その点で大臣に御所見をいただくとともに、もう一つ大臣に、先駆け審査指定制度というのを今導入しています。この先駆け審査指定制度は試行的ということで、ちまたでは先駆け審査指定制度自体が試行的だと思われているんですけれども、私は、今改良を重ねていると聞いていますのでそこが試行的だと思ってはいるんですが、政府の戦略市場創造プランを生かすためにも、制度の継続性を担保する必要があると私は考えておりまして、この制度を継続する明確なお答えを、これは最後に大臣にいただきたい。
 局長に二問、大臣に二問ということで、最後に大変申しわけありませんが、手短によろしくお願いします。
○唐澤政府参考人 簡潔に申し上げます。
 まず薬価改定でございますけれども、これは二年に一度実施をしておりますけれども、私どもは、この改定の頻度を上げることにつきましては、一つには、革新的な医薬品の創薬意欲への影響がある、それから、特に卸それから医薬品の安定供給という流通現場への影響があると考えておりまして、薬価制度のあり方につきましては、こうした課題や診療報酬の本体にも留意しつつ、慎重に検討してまいりたいと考えております。
 それから、市場拡大再算定の特例でございますけれども、こちらの方は、今御指摘のように、年間販売額が当初の企業の見込みを超えて大きくなったものでございますけれども、こちらの方は、国民皆保険とイノベーションを両立するという観点からお願いをすることにしたわけでございますけれども、あわせて、新薬創出加算の試行を継続するというようなイノベーションの促進も実施をしているわけでございます。
 これにつきましては、引き続き中医協で議論をするということになっておりますので、メーカーの意見等も十分踏まえて検討してまいりたいと思います。
 また、費用対効果につきましても、今回、試行的に二十八年度から導入することにしておりますので、中医協でしっかりと検討させていただきたいと考えております。
○塩崎国務大臣 まず第一に薬価でございますけれども、昨年、「保健医療二〇三五」ということで、二十年先の保健医療ビジョンを出させていただきましたけれども、その中でもアウトカムを重視するということを提案しております。
 二十八年度の診療報酬改定においても、患者にとっての価値というものを考慮するアウトカム評価を推進するために、医薬品などの費用対効果評価を試行導入したわけでございまして、その実施状況も踏まえながら、引き続き薬価のあり方というものを検討していかなければならない。つまり、インプットしていくことだけではなくて、結果どうなったんだということが大事であって、それをどう評価するかということをこれから真剣に考えていかなきゃいけないというのが、薬価の問題に対する御質問のお答えでございます。
 それから、先駆け審査指定制度につきましては、昨年十月に六つの開発中の医薬品を初めて指定いたしました。今回は、募集方法や運用方法などに関して試行的に実施をしたものでありますけれども、革新的な新薬を世界に先駆けて日本で実用化して、国民、患者に届けることは極めて重要であると考えておりますので、今後もこの制度を継続してまいりたいと思います。
○松浪委員 小さい党で、大変短い質問時間で失礼をいたしました。
 ありがとうございました。
     ――――◇―――――
○渡辺委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣提出、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律案の審査のため、来る五月十日火曜日午前九時、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、来る五月十日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時三十八分散会