第190回国会 環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会 第8号
平成二十八年四月二十日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 西川 公也君
   理事 笹川 博義君 理事 菅原 一秀君
   理事 鈴木 馨祐君 理事 福井  照君
   理事 吉川 貴盛君 理事 柿沢 未途君
   理事 近藤 洋介君 理事 上田  勇君
      井野 俊郎君    井上 貴博君
      小田原 潔君    勝沼 栄明君
      木内  均君    北村 誠吾君
      小島 敏文君    坂本 哲志君
      瀬戸 隆一君    関  芳弘君
      田中 良生君    武井 俊輔君
      寺田  稔君    中川 郁子君
      橋本  岳君    原田 義昭君
      福山  守君    古川  康君
      堀内 詔子君    前川  恵君
      御法川信英君    務台 俊介君
      渡辺 孝一君    井出 庸生君
      黒岩 宇洋君    佐々木隆博君
      篠原  孝君    玉木雄一郎君
      原口 一博君    福島 伸享君
      升田世喜男君    村岡 敏英君
      稲津  久君    岡本 三成君
      中川 康洋君    笠井  亮君
      斉藤 和子君    畠山 和也君
      椎木  保君    丸山 穂高君
    …………………………………
   外務大臣         岸田 文雄君
   厚生労働大臣       塩崎 恭久君
   農林水産大臣       森山  裕君
   国務大臣         河野 太郎君
   国務大臣         石原 伸晃君
   内閣官房副長官      萩生田光一君
   農林水産副大臣      齋藤  健君
   防衛副大臣        若宮 健嗣君
   防衛大臣政務官      藤丸  敏君
   政府特別補佐人
   (原子力規制委員会委員長)            田中 俊一君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  澁谷 和久君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  田中 勝也君
   政府参考人
   (内閣官房内閣人事局人事政策統括官)       若生 俊彦君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官付参事官)           林  俊行君
   政府参考人
   (公正取引委員会事務総局経済取引局長)      松尾  勝君
   政府参考人
   (消防庁次長)      西藤 公司君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    林  眞琴君
   政府参考人
   (外務省経済局長)    金杉 憲治君
   政府参考人
   (財務省主税局参事官)  田中 琢二君
   政府参考人
   (文部科学省研究開発局長)            田中 正朗君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           吉田  学君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬・生活衛生局長)         中垣 英明君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部長)           福田 祐典君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         佐藤 速水君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         大澤  誠君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房審議官)           丸山 雅章君
   政府参考人
   (農林水産省生産局長)  今城 健晴君
   政府参考人
   (農林水産省農村振興局長)            末松 広行君
   政府参考人
   (農林水産省政策統括官) 柄澤  彰君
   衆議院調査局環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別調査室長      辻本 頼昭君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十日
 辞任         補欠選任
  武部  新君     木内  均君
  寺田  稔君     堀内 詔子君
  宮川 典子君     瀬戸 隆一君
  緒方林太郎君     原口 一博君
  岸本 周平君     井出 庸生君
  玉木雄一郎君     佐々木隆博君
  笠井  亮君     斉藤 和子君
  丸山 穂高君     椎木  保君
同日
 辞任         補欠選任
  木内  均君     武部  新君
  瀬戸 隆一君     宮川 典子君
  堀内 詔子君     寺田  稔君
  井出 庸生君     岸本 周平君
  佐々木隆博君     玉木雄一郎君
  原口 一博君     緒方林太郎君
  斉藤 和子君     笠井  亮君
  椎木  保君     丸山 穂高君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 環太平洋パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件(条約第八号)
 環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案(内閣提出第四七号)
     ――――◇―――――
○西川委員長 これより会議を開きます。
 環太平洋パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件及び内閣提出、環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案の両案件を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案件審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官澁谷和久君、内閣官房内閣審議官田中勝也君、内閣官房内閣人事局人事政策統括官若生俊彦君、内閣府政策統括官付参事官林俊行君、公正取引委員会事務総局経済取引局長松尾勝君、消防庁次長西藤公司君、法務省刑事局長林眞琴君、外務省経済局長金杉憲治君、財務省主税局参事官田中琢二君、文部科学省研究開発局長田中正朗君、厚生労働省大臣官房審議官吉田学君、厚生労働省医薬・生活衛生局長中垣英明君、厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部長福田祐典君、農林水産省大臣官房総括審議官佐藤速水君、農林水産省大臣官房総括審議官大澤誠君、農林水産省大臣官房審議官丸山雅章君、農林水産省生産局長今城健晴君、農林水産省農村振興局長末松広行君、農林水産省政策統括官柄澤彰君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○西川委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。福山守君。
○福山委員 おはようございます。自由民主党の福山守でございます。
 本日は、このような機会をいただきまして、ありがとうございました。
 まず冒頭に、熊本、また大分両県を初め、このたびの地震の災害に遭われた皆様方には心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復興復旧を目指してできる限りの力を出しまして頑張ってまいりたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
 それでは、早速質問に入りたいと思います。
 実は、きょうの日本農業新聞を見てちょっと私もびっくりしたんですけれども、政府は今まで米などのいわゆる重要五品目を中心に農林水産品の約二割を関税撤廃の例外としてきたところであります。つまり、守られたと説明してきました。ところが、きのうの委員会では、あたかも何一つ守られたものがないように指摘する向きもありました。
 森山大臣にお伺いいたしたいと思います。何ラインが守られたとお考えでございますか。お願いいたします。
○森山国務大臣 福山委員にお答えをいたします。
 TPP交渉につきましては、関税撤廃を求める輸出国からの強い圧力など非常に厳しい交渉が行われた中で、農林水産物の約二割の四百五十八ラインのうち、重要五品目四百二十四ラインについて関税撤廃の例外を確保しており、これらのラインが守られたラインであると考えております。
 その中には、関税をWTO水準のまま維持したものが百五十五ラインあります。関税割り当てを設定することにより無制限に輸入が増大することを防いだものが百五十八ラインあります。関税削減などにとどめて関税を守ったものが九十五ラインございます。その他、ラインごとに関税水準の維持や関税割り当て等を組み合わせて守ったものが十六ラインございます。
 この四つのパターンであり、それぞれが機能を果たしていると考えており、単に関税を維持しただけで守ったというものではないというふうに考えております。
 なお、全てのラインごとの取り扱いは、昨年十月二十日に既にホームページ上で公開をしているものであります。
 昨日の答弁において、関税に変更を加えなかったものを単純に数え上げると幾つになるか、または、強いて単純に枠内関税も枠外税率もともに変更を加えていなかったものがあったかなかったかについて答弁をいたしました。これらは、いずれも、質疑者から問われたことに対して真摯にお答えしたものであります。
 しかしながら、政府として、あくまで関税に変更を加えなかったかどうかだけで守ったかどうかを判断するのではなく、関税割り当ての設定や関税削減にとどめたものを含め、農林水産物の四百五十九ライン、うち重要五品目の四百二十四ラインを関税撤廃の例外として影響を最小限にとどめたことを踏まえ、総合的に判断すべきであると認識をしております。
 以上であります。
○福山委員 今、御答弁いただきました。この後、いろいろさらに質問をしたいと思っております。
 今、それら政府が守られたと考える品目は具体的にどのような理由で守られたと考えるのか、これを御答弁をお願いしたいと思います。
○森山国務大臣 訂正をまずお願い申し上げたいと思いますが、四百五十九ラインと申し上げるべきところを四百五十八ラインと言い間違えましたので、まず訂正をさせていただきます。
 ただいまの御質問でございますが、同じ品目について枠内と枠外の二つのラインが設定をされている場合においては、枠外税率と枠内税率の双方を維持しなければ当該品目を守ったことにならないとの主張がありますが、そうした主張は必ずしも実態を反映していないのではないかと考えております。
 具体的にとの御質問でございますので、米を例にして説明をさせていただきたいと思います。
 米につきましては、玄米、精米などの国家貿易対象の十七品目と、ビーフン、あられ、煎餅など民間貿易の調製品等二十四ラインに大別されております。
 国家貿易対象の十七品目三十四ラインのうち、国家貿易で輸入をする十七ラインは国別枠の設置にとどめ、国家貿易以外で輸入する十七ラインは高い関税水準を維持しております。
 現在、枠外税率を支払って行われる輸入は極めて限定的であります。おおむね年間百トンから二百トンぐらいでございます。この水準がそのまま維持されることにより、安価な輸入品の無秩序な流入が防止されると考えております。
 また、設定をされる国別枠は国内生産量の一%にとどめております。
 加えて、この国別枠の輸入量に相当する国産米を政府が備蓄米として買い入れ、国別枠の輸入量の増加が国産主食用の需給及び価格に与える影響を遮断することとしております。
 調製品等の二十四ラインについても、あられ、煎餅のように、わずか一、二%関税を削減するにとどめたものや、関税撤廃したものも、ビーフンのように、国産米を原料として国内で製造している製品がもともと限定的であり、輸入が増加しても国産米生産への影響が見込まれないものに限定したところであります。
 以上の措置を総合的に御検討いただければ、国会決議を後ろ盾に、相当の措置が講じられたことが御理解をいただけるのではないかと考えております。
○福山委員 御答弁ありがとうございました。
 この後、枠外税率の機能について、もう一度はっきりと詳しく教えていただきたいと思います。
○森山国務大臣 国家貿易で輸入する十七ラインは国別枠の設置にとどめ、国家貿易以外で輸入する十七ラインは高い関税水準を維持しております。
 現在、枠外税率を支払って行われる輸入は極めて限定的でございまして、先ほど申し上げましたとおり、大体年間百トンから二百トンでございます。この水準がそのまま維持されることによりまして、安価な輸入品の無秩序な流入というのは防止されると考えております。
○福山委員 守られたものが一つもないというのは根拠がないことである。きょうの日本農業新聞に出ておりますけれども、そういうふうに考えていいですね。それを御答弁いただきたいと思います。
○森山国務大臣 福山委員にお答えをいたします。
 今までの御説明で御理解をいただけるのではないかと考えますが、一つ一つのタリフラインを精査し、全体として影響が出ない措置をしており、守られたものが一つもないという主張は当たらないのではないかと考えております。
○福山委員 大臣のしっかりした御答弁をいただきまして、私も安心をいたします。
 重要五項目については……(発言する者あり)人が質問しておるときは黙ってください。
 重要五項目については、本当に非常に大切な国会決議で進めたものであります。各団体ともいろいろな思いの中で、今回のTPPの締結を進めております。
 私自身、きのうも大臣が答えておりましたけれども、酪農家の方の指定制度の問題、これについてもしっかり守る。また、肉牛関係の方であれば、ここまで来たら早く締結してほしい、いろいろな思いでやってきております。また、同じ養豚関係の方は、チェックオフ制度を早くどうにか進めてほしいとか、いろいろな思いの中でこのTPPの特別委員会があると私は思っております。
 まさに今大臣が言われたことで、私は、きょうのこの新聞で出たのを安心させていただいて、これからまた議論を進めてまいりたいと思います。
 そういう中で、一つの例として、ぜひとも進めていただきたいのが、チェックオフ制度の関係がございます。
 昨年十一月に政府が決定したTPP政策大綱における検討項目の一つに、森山大臣のテレビでの御発言を踏まえ、チェックオフ制度の導入について掲げられております。これを受け、農水省において海外の制度などの調査を行っていると聞いております。先月には、文献調査の中間報告をまとめられたものと承知をしております。
 まず、これまでの調査でわかった諸外国で実施されているチェックオフ制度の目的や特徴などの概要と、今後の検討スケジュールについてどのように考えているか。また、国内における各団体においてチェックオフに対する動きがあれば、あわせて伺いたいと思います。
○丸山政府参考人 お答え申し上げます。
 チェックオフ制度につきましては、昨年決定した政策大綱におきまして検討の継続項目に位置づけられたことを受け、これまで農林水産省で諸外国の制度等について文献調査を実施してきたところでございまして、こうした調査の中間報告につきまして、三月末に取りまとめを行ったところでございます。
 この中間報告におきまして、米国等の諸外国で実施されているチェックオフ制度は、農産物の消費拡大のために、該当品目全体の販売促進、調査研究等の事業を実施することを目的として、法律に基づき、牛肉や豚肉などの品目ごとに、取引時や輸入通関時に全ての生産者の売上額や輸入業者の輸入額から拠出金を強制的に徴収し、これを原資としてその品目に係る事業を生産者が主体となって実施するものであること、その一方で、国、品目によって生産者の拠出方法や資金使途等の点で相違が見られること等をお示ししたところでございます。
 今後につきましては、これまでの調査結果等を踏まえまして、米国やカナダなど諸外国への現地ヒアリング調査や、国内で販売促進活動に取り組んでいる酪農や養豚などの団体等へのヒアリング調査を行っていくことにしております。
 こうした調査を通じまして、今夏を目途に、生産者の特定をどのように行うのか、生産者からの拠出金をどのように徴収するのか等の整理すべき論点の洗い出しを行いますとともに、導入する場合の目的を明確にして制度の検討を進めてまいりたいと考えております。
 また、これまでに、生産者団体である日本養豚協会や日本花き生産協会からチェックオフ制度の創設について要望いただいているほか、全国農業協同組合中央会から、農畜産物に関する総合的な需要拡大対策スキームの構築に向け、法制度の検討を進めるよう要望いただいているところでございます。(発言する者あり)
○西川委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○西川委員長 速記を起こしてください。
 福山守君。
○福山委員 時間の都合で、ちょっとはしょりながら御質問させていただきます。
 私は、チェックオフ制度は、国が主導して導入するのではなく、品目ごとの業界団体が生産者みずからの問題として捉えて取り組むことが極めて重要だと考えております。
 先日も、チェックオフ制度の導入に向けた要望を熱心に出している養豚団体から話を聞きましたが、彼らは十年以上前からチェックオフ制度導入を全国の生産者に訴えておりますが、現在のところ六〇%程度の組織率で、それ以上は伸びていないそうであります。
 これは、チェックオフの金を出さなくても、その団体が要請して得た成果をひとしく享受できるからであって、いわゆるフリーライド、ただ乗りを許していることであります。
 海外でも、フリーライドに対する不満と不公平感から国がチェックオフ制度を制定したと聞いておりますが、この点をどう考えておられますか。
○齋藤副大臣 福山委員おっしゃいますように、生産者みずからの課題として国産農林水産物の需要拡大に取り組むということは極めて重要だろうと思っております。
 委員御指摘のチェックオフ制度については、海外において生産者から消費拡大のために任意の課徴金徴収を行ったところ、フリーライダーの防止を求める声があったと聞いております。それから、我が国で同様の仕組みを検討する場合にも、フリーライダーの扱いが論点の一つになると考えております。
 こういったことから、導入に当たりましては、御指摘のとおり、生産者を初めとした関係者の合意形成が何よりも大事ではないかと認識をいたしております。そういう生産者の合意形成や努力を、国としても後押ししていきたいと考えております。
○福山委員 力強い御答弁を本当にありがとうございます。
 畜産団体というのは、自分たちで、例えば日比谷公園の方で、「俺たちの豚肉を食ってくれ」とか、既にいろいろな活動を積極的にやられております。そして、このTPPによって安い豚肉が入ってくる、そういうことも鑑みて、宣伝広告費等々の問題も考えてやられております。そういう意味で、このチェックオフというのは、今、齋藤副大臣が御答弁いただきましたような形をしっかりとよろしくお願いいたしたいと思います。
 これは総論的に最後にまた副大臣におまとめいただきたいんですけれども、チェックオフ制度は、品目別にその生産者全てから拠出金を徴収し、生産者が主体となって事業を行う仕組みと私は理解しておりますが、円滑にチェックオフ制度を実施していくには、導入したい業界団体が、加入している生産者だけでなく、団体の枠にとどまらず、広く業界内の生産者の意見を集約するなど、各品目の生産者団体がみずから導入に向けて汗をかく必要があると考えております。
 チェックオフ制度の導入に向けて、国として、団体にどのようなことを期待し、またどのように検討を進めていくのか。これは大臣の方でいただけますか。それでは、大臣の方からお願いいたします。
○森山国務大臣 福山委員にお答えいたします。
 チェックオフ制度については、委員御指摘のとおり、制度導入を志向しております業界団体におきまして、団体に加入していない生産者の意見も含めて、業界全体の合意形成に向けて取り組んでいただくことが大事なことではないかというふうに考えております。
 農林水産省といたしましては、諸外国の制度等も十分に調査した上で、生産者を初め関係者の意見をよく聞きまして、しっかりとした検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○福山委員 それぞれ御答弁ありがとうございました。
 きょうの新聞に出ているのを見てちょっと心配したんですけれども、安心してこれから私もTPP問題に取り組んでまいりたいと思っております。どうかよろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
○西川委員長 次に、中川康洋君。
○中川(康)委員 おはようございます。公明党の中川康洋でございます。
 皆さんこの委員会室にお戻りいただきましたので、安心して質問をさせていただきたいというふうに思っております。大変ありがとうございます。
 冒頭、私からも、今回の熊本県地方での地震でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りさせていただきますとともに、御遺族、御家族、またおけがをされた方々、さらには今も困難な生活をされておられる皆様に、心からのお見舞いを申し上げさせていただきたいと思います。
 きょうは、主に主要五品目を中心に、その関連内容も含め、何点かお伺いをさせていただきます。
 政府は、この重要五品目について、厳しい交渉の結果、全体を守るという観点から、約三割の品目、厳密には二割八分ですが、この三割の品目について関税撤廃をされたと聞いております。
 私は、この約三割という数字が、その品目の種類など具体的な説明もなしに今後ひとり歩きをすると、生産現場などはその数字そのものに不安を感じてしまうのではないかと危惧をいたしております。
 政府は、今回の交渉の中、この重要五品目全体を考えて、生産者や市場に極力影響が出ないように個別に判断をされてきたものと思いますが、ここでは、少し具体的な内容について森山大臣にお伺いをいたします。
 大臣は、昨日の答弁の中で、今回、関税撤廃の対象となっておりますビーフンを例に挙げられまして、このビーフンについては、関税を撤廃しても国産米への影響は見込まれないと答弁をされております。
 確かに、主にインディカ米でつくられておりますビーフンについては、日本で主食とする習慣はなく、国内需要は極めて低いと思われますが、大臣は昨日、どのようなお考えから国産米への影響は見込まれないと答弁をされたのか、具体的な数字を挙げてその理由を御説明願います。
○森山国務大臣 中川委員にお答えを申し上げます。
 御指摘のとおり、重要五品目につきましては、全体のライン数五百九十四ラインのうち四百二十四ラインを関税撤廃の例外として、残りの百七十ラインは撤廃をしております。
 ただし、それはタリフラインごとに一つ一つ精査を行いまして、国内生産への影響という観点から影響が少ないものに限定をして判断してきております。
 具体的には、三つの基準をもとに判断をいたしました。一つは、カッサバ芋、非処理ヨーグルトなど輸入実績が少ないもの。牛タン、ビーフンなどの国産農産品との代替性が低いもの。三つ目が、関税撤廃がかえって生産者のメリットとなるもの。この三つを基準にして判断したところでございます。
 御指摘のビーフンにつきましては、もともと関税率も高くないこと、十一年と比較的長期間を経た撤廃であること、特定の料理に利用する食材でありますので、主食用米との代替性が低く、今後、国内需要が大きく増加することは想定をされないこと、国産米を原料として国内で製造している製品はもともと限定的であること等から、輸入が増加する等の影響や国産米の生産への影響は特段見込まれないと考えております。
 このように、一つ一つのタリフラインを精査させていただきまして、全体として影響が出ないように措置しているところでございます。
○中川(康)委員 ありがとうございました。
 先ほどの大臣からの答弁にもありましたように、ビーフンの例を挙げていただきましたけれども、この重要五品目の中には、タリフラインで五百九十四品目ですけれども、仮に関税撤廃となっても、関税撤廃となったのはタリフラインで百七十品目と今答弁をいただいたわけですが、その品目の性質上、例えば貿易そのものになじまないものでありますとか、これまで輸入実績がほとんどないもの、そういったことによって、国内の生産現場や市場にほぼ影響を及ぼさない、こういったものが多く含まれているというふうに聞いております。先ほどの大臣の答弁のとおりでございます。
 ぜひ、せっかくの機会でございますので、そのような品目、これはちょっと具体的な例を、国民の皆様にわかりやすく、こういったものがさらにあるんだよ、こんなところを少し御答弁いただけますでしょうか。
○森山国務大臣 お答え申し上げます。
 例えば、甘味資源作物のうちカッサバ芋につきましては、十一年目に関税を撤廃するということになっております。カッサバ芋をでん粉原料として輸入し、国内ででん粉に加工すると高コストとなりますので、経済合理性がないことから、近年、TPP参加国からの輸入の実績はありません。
 また、乳製品のうち非処理ヨーグルトにつきましては、十一年目に関税撤廃をするということにしておりますが、非処理ヨーグルトは滅菌、冷凍等の保存処理がされておりませんので、長期間の輸送が困難であることから、TPP参加国を含め、近年、輸入の実績がありません。
 以上でございます。
○中川(康)委員 ありがとうございます。そのとおりだと思うんですね。
 今大臣はキャッサバ芋をカッサバ芋とおっしゃいましたけれども、私はキャッサバ芋かなと思っておるんですが、その例でありますとか、例えば非処理ヨーグルト、これは輸入実績がないんです。そういったものもこの百七十の品目の中には入っておりまして、そういったところをしっかりと見きわめながら今回交渉していただいたのかなと私は感じるところがあるわけでございます。
 一昨日あたりから、この委員会では、例えば除外とか再協議とかという言葉が飛び交っておりますけれども、今回の交渉結果で大事なのは、米など重要五品目が引き続き再生産可能となるような結果や状況をいかにつくり出すか、さらにはつくり出していくか、これが私は大事だというふうに思っております。
 TPP協定は相手国がある交渉事でありますから、最終的には国内に影響が出ないように、また実害が極力出ないようにすることが重要でありまして、具体的には、単に形をとるのではなくて、実際に実をとることができるのか、またとったのかということが私は大事だというふうに思っております。
 そのような意味から考えますと、先ほど大臣が挙げられた具体的な例などは、実際に実をとった形として評価できますし、今回、我が国は、相当努力の上で交渉をなし得たなというふうに私は感じているものでございますので、そのことを皆様にお伝えさせていただきたいというふうにも思っております。
 次に、重要五品目に対する国内対策と予算について幾つかお伺いをいたします。
 政府は、昨年十月のTPP交渉の大筋合意を受けて、十一月二十五日に総合的なTPP関連政策大綱を決定するとともに、平成二十七年度の補正予算では三千百二十二億円のTPP対策予算を組まれております。
 しかし、大臣、大事なのはこれからでありまして、この政策大綱の中身や予算など国内対策がこの重要五品目を中心に今後現場でどのように機能していくのか、これを注視していかなければなりません。
 そこで伺いますが、政府としては、この政策大綱に掲げた主要施策や予算については、例えば、決めたから終わり、さらには、つけたから終わりではなくて、今後、それぞれの対策について不断の見直しを図り、また政策効果を見きわめながらその対策の有効性や妥当性を検証していくこと、これが大変に重要であるというふうに思いますが、大臣の御答弁を願います。
○森山国務大臣 中川委員にお答えを申し上げます。
 現在、農林水産省におきましては、行政機関が行う政策の評価に関する法律等に基づきまして、各施策、事業について、あらかじめ目標を設定した上で、その達成状況を把握し、外部有識者による意見を聴取するなど客観的な評価を実施し、その評価結果を予算の概算要求や執行等に反映させる仕組みをとっているところでございます。
 TPP対策については、生産現場の懸念と不安をきっぱりと断ち切るとともに、農政新時代を確実に実現するものとなるように、その実行に万全を期すことが不可欠であると考えております。
 そのために、政策大綱において、効果的、効率的に実現するという観点から、定量的な成果目標を設定し進捗管理を行うとともに、既存施策を含め不断の点検、見直しを行うこととしているところでございます。
 その効果が十分に発揮されるように、この仕組みをしっかりと実行してまいりたいと考えております。
○中川(康)委員 ありがとうございました。
 農政新時代に向けて、息の長い対策でございますので、常に見直し、検証、さらには妥当性、これを図っていっていただき、さらにはその内容をブラッシュアップしていっていただきたいというふうにも思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 次に、国内対策における協議の場の設置についてお伺いをいたします。
 今回の重要五品目についての交渉結果の中には、例えば牛肉の十六年など、これから長い期間をかけて関税が引き下げられていくような品目がございます。また、今後の生産現場の状況は時々刻々と変化をしていくというふうに私も考えておるところがあり、またその可能性もあるというふうにも思っております。
 ゆえに、政府といたしましては、これらの変化に今後も遅滞なく対応し、これまで以上に生産現場の状況を的確に把握するためにも、私は、今回のTPP協定を機に、政府と生産者団体の定期的な協議の場を設置するべきではないかというふうに思っておりますが、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○森山国務大臣 中川委員の御指摘のとおりだと思っております。
 農林水産省では、日々の業務の中でも関係団体と情報交換や意見交換を行うほか、平素からお互いに問題意識の共有を図り、連携を強化するために、昨年十月から農林水産関係団体と農林水産省との定期的な意見交換の場を設けたところでございます。
 今後、TPPの国内対策の実施に当たっては、このような関係団体との定期的な意見交換の場を初め、地方参事官の活用も含めて、さまざまな機会を捉えて現場のニーズの把握に努め、きめ細かな施策の展開を図ってまいりたいと考えております。
○中川(康)委員 今の大臣の御答弁を聞きましたら、やはり生産者団体の方は一定程度安心したというふうに思います。
 状況は時々刻々と変化をしていくんです。その変化に対して適切な対応をしていかないと、やはりもう手おくれになるということもあると思うんですね。そういった意味において、私は、やはり定期的に協議の場を持ちながら政府がしっかりとその情報をキャッチしていく、そしてそれに対応していく、こういった体制をおつくりいただきたいなというふうにも思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 次に、TPP対策予算の基金化、これの政策目的とその効果、さらには予算の継続性についてぜひともお伺いをいたします。
 今回のTPP対策の補正予算では、これまでの畜産クラスター事業だけではなくて、今回新たに、例えば産地パワーアップ事業での新たな基金化など、合計、私が見る限りでは、六つの事業が基金として造成をされております。
 私は、今回の重要五品目など、国内対策が今後も息の長い対策であることを考えると、今回は多くの事業が基金化されたこと、これについては評価をさせていただいておる一人でございます。
 そこで、改めて伺いますが、今回のTPP対策予算の基金化の政策目的とその目指すべき効果についてお伺いをしたいというふうにも思っておりますし、またさらには、五品目に対する国内対策、これはさきにも述べたように、息の長い対策であること、これはもう必然であるために、その予算については今後も継続性を持って十分に措置されていくこと、これが私は必要であるというふうに思っておりますが、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○森山国務大臣 中川委員にお答えをいたします。
 TPP関連対策におきまして、産地パワーアップ事業や畜産クラスター事業など七つの事業につきまして基金を設けさせていただき、事業を実施することといたしました。平成二十七年度補正予算におきまして、七つの事業で千七百六十三億円の基金化を図ったところでございます。
 これらの事業につきましては、機動的、効率的に対策が実施されることにより生産現場で安心して営農等ができるように、弾力的な執行が可能となる基金化を行っているところでございます。
 農林水産省といたしましては、TPP関連対策について、今後とも事業の着実な推進を図っていくこととしております。その財源につきましては、既存の農林水産予算に支障を来さないよう政府全体で責任を持って毎年の予算編成過程で確保するものとするとされているところでございますので、現場における要望をしっかりとお聞きしながら、必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
○中川(康)委員 ありがとうございました。
 今回のTPP対策、単年度で終わる内容なんてほとんどないわけですね。そういった中で、畜産クラスター事業、これは以前から基金化されていまして、非常に人気の高い事業だったわけです。そこから、今回、例えば産地パワーアップ事業なんかも新たに基金化をされて、六つの事業が基金化されているわけです。
 一般的に国会では基金についてはさまざまな御意見があるわけですが、私は、今回のTPP対策については、基金にする。やはり、補助金とか補正予算ですと、単年度ですし、すぐに申請しろとか内容を決めろみたいなことがあるわけです。基金ですと、やはり経年的に安心した対応ができる、さらには継続的な対応ができる、また、その変化に着実に対応していける。
 こういった意味において、基金を積み過ぎているんじゃないかとかどうとか、そういった意見はありますけれども、そこも的確に判断をしながら、やはり現場が使いやすい、こういった状況の予算化、この方向性と、さらには継続性を持ってそれをしっかりと担保していく、このことを、大臣、陣頭指揮のもとで、現場の皆さんが安心するような、そういった仕組みをおつくりいただきたいというふうにも思っておりますので、この点についても御要望をさせていただきたいと思います。
 最後、残された時間、石原大臣にお伺いをしたいと思います。
 今回、TPP協定の第二章、物品市場アクセスの附属書二―D、これは関税に係る約束におけるところですけれども、ここに再協議規定の考え方が入っております。
 この附属書には、七年目以降及び第三国とのFTA締結による再協議規定というふうに示されておるわけですが、この七年目以降の再協議につきましては、我が国と豪州、カナダ、チリ、ニュージーランド及び米国との間で相互に規定をしておりまして、これは明確であるわけです。
 次の、第三国とのFTA等を締結した際との表記、これは少しわかりにくいところがあるんですけれども、私が資料を見た中で該当するもの、考えられるものは、例えば、日・EU・EPA、さらには日中韓FTA、さらには現在交渉しておりますトルコとかコロンビア、こういったところとの交渉が該当するのかなというふうにも思っております。
 私は、この再協議規定については、間違っても譲歩を前提としたものではないというふうにも思っておりますし、この規定を含めて考えても、今後の国内における、特に重要五品目の持続的な再生産は大丈夫であるというふうに捉えておりますが、この再協議規定に対する我が国の考え方と、重要五品目を今後も守り続けるという我が国の強い意思を確認したいと思いますので、石原大臣、どうぞ御答弁を願いたいと思います。
○石原国務大臣 まさに中川委員が今御指摘されたとおりだと私も認識をさせていただいております。
 新たにFTAを結んだときとの関係は、これまで、ここの委員会でも議論になっておりません。初めての論点でございますので、若干御説明をさせていただきたいと思うんです。
 関税撤廃に合意しております品目については、物品貿易章、二章に、要請があれば撤廃の時期について再協議するとの規定がございます。ただし、その規定は関税撤廃に合意している品目のみに関するものとなっております。
 一方、我が国は、多くの品目につきまして、これまで中川委員と農林水産大臣の間で御議論いただいたようなものにつきましては、関税撤廃の例外となる措置を確保させていただいたところでございます。そうした関税撤廃の例外は、第二章の第四条における再協議の対象にはならない、これがまさに委員の御指摘のとおりであるということの裏づけでございます。
 そして、次の話でございますけれども、そうした事情から、関税撤廃の例外となる措置についても、七年目の再協議、そして第三国とのFTA締結後に相手国からの要請に基づき協議を行うことに合意した国との間で再協議の規定を相互に設けること、こういうふうに解釈をさせていただいたことでございます。
 TPP交渉は、もう御存じのとおり、関税だけではなくて、多くの分野で同時並行的に審議をやってまいりました。全体を通じたぎりぎりのバランスのところで、今タリフラインの話もされておりましたけれども、ぎりぎりのところで国益を確保するという形でまとまったわけでございます。したがいまして、再協議をしたとしても、そのバランスが崩れてしまったら、協定自体が優位性を保てなくなる、日本の国益を害するようなことは行わない、まさに委員の御指摘のとおりだと私どもも政府として理解をしております。
○中川(康)委員 ありがとうございました。
 今回は、さまざま具体的なところを各大臣に御答弁をいただきました。この委員会の審議が、生産者の皆さんにとりまして、また国民の皆様にとりまして、より安心が広がるような、そういった議論をしていくことが私はこれからも大事であるというふうにも思っております。
 公明党は、これからも生産者の皆さんや国民の皆さんに安心をしていただけるような、そういった議論を重ねてまいることを最後にお約束させていただきまして、私の質問を終わります。
 大変にありがとうございました。
○西川委員長 次に、佐々木隆博君。
○佐々木(隆)委員 民進党・無所属の会の佐々木隆博でございます。
 最初に、委員長にお願いを申し上げたいというふうに思います。
 私は北海道でございますけれども、TPPには、経済界もあるいは消費者団体も含めて、北海道を挙げてずっと反対をしてきたところであります。きょうはテレビ入りではございませんが、道民の皆さん方は、まさに固唾をのんでこの答弁に聞き入っているという状況でございます。だからこそこの特別委員会も設置をされたんだというふうに思いますが、そういった重要な中で、よもや定足数が割れて延期するなどということがないように、ぜひ委員長にはお願いを申し上げておきたいというふうに思ってございます。
 一昨日、この委員会で、熊本を初めとする大分の震災についての議論が随分行われました。私もテレビでそれを拝見してございましたけれども、議論を通じて、少し違うなというふうに思ったことがあります。
 それは、総理が答弁で、政府は一生懸命に取り組んでいるということを盛んに説明をされて、それはそのとおりだろうというふうに思うんです。政府が一生懸命やっている、だから、あとは国会の論議は要らないんだということではないと思うんですね。国会で議論をするということは、与野党が同じ思いになるということや、あるいは国民の皆さん方に、どういうことを今政府とあるいは国会は取り組もうとしているのかということをわかっていただくのが国会の議論だと思うんですね。
 そういった意味でいうと、少し、政府はやっているからいいんだという答弁だけでは、これは国民の皆さん方を納得させることはできないというふうに思いますので、その点、申し上げておきたいというふうに思うところであります。
 そこで、このTPPの議論にも私は同じようなことが言えるのではないかというふうに思っております。
 私も二〇一〇年からこの課題にかかわってまいりました。しかし、出てくる資料、あるいは、いまだタリフラインの資料については出てきていないようでありますが、何か隠さなければいけないことがあるのではないかというような、そういう姿勢というのは、決して国民の皆さん方に共感を得ることはできないというふうに思うんですね。
 そういった意味からすると、ぜひ、できるだけ出そうという姿勢をしっかり示していただくことが必要なのと、上手な答弁は必要ないんです。政府がどういうことをやりたいのかということをこの場で語っていただくことが何よりも必要だというふうに思います。
 政治は結果責任だとよく言われますが、私はそれは間違いだと思っております。経済でも結果責任ということは問われますが、経済だって途中のプロセスがどうでもいいということではありません。ましてや、政治にはプロセス責任というものがあるというふうに私は思っております。
 そういった意味では、一連のやりとり、情報を共有するということは責任を共有するということですから、だからこそ情報の開示を求められているわけでありまして、同時に、情報が開示されるということは、後世の人々がそれを参考にして、そういう間違いは起こさない、そういうときはそうしなければならないんだということを学ぶためにこの場での議論があるというふうに思っております。
 そうしたリアルな議論というものが私は必要だというふうに思うのでありますが、まず石原大臣にそのことをお伺いしたいと思います。
○石原国務大臣 佐々木委員が、お地元の北海道で、また北海道は、大変農業、特に乳産品、あるいは漁業において、日本の生産の大なるところを占めていらっしゃる、そんな中で、道民の方々がこのTPPに対して御懸念を持たれている、こういうものにしっかりと説明をしていく上で、委員の御指摘のとおり、このような開かれた場でこのような形で議論をさせていただくことということは重要でございます。
 また、その前提となりますTPP交渉につきまして、政府側も二百回以上説明会も開かせていただいておりますし、これも先般、同僚の丸山議員でございますかとの間で御議論になった点でございますけれども、できる限り、千七百ページにわたる資料、またこの資料についても、膨大であるだけでは利用ができないということで、ホームページ等々で細かく整理をさせていただきまして、また昨日、政府委員の方からも、しっかりとした、よりわかりやすい資料にするということで、ホームページをさらにブラッシュアップしていくというような御答弁もさせていただいたところでございます。
 しかし、その一方で、外交交渉でございますので、その経過については、互いに信頼関係の上に外交交渉を行い、このTPP協定が成就をしているという観点からも、制約があるということにつきましてはぜひ委員にも御理解をいただきたいと考えております。(発言する者あり)
○佐々木(隆)委員 議員の仲間ではあるかもしれませんが。
 今、石原大臣から御答弁いただきましたが、特に、資料をきょうつけさせていただきましたが、自民党の参加をするための判断基準とか、あるいは衆参の農水委員会の決議などを見ても、ここにも、自民党の基準であれば、聖域なき関税撤廃には応じられないということやら、あるいは委員会の決議で特に重要なのが、重要五品目の聖域確保を最優先して、確保できないときは脱退も辞さない、そしてまた、情報の国会報告あるいは国民への情報提供に努めるというふうになっているわけで、全てを開示できないことは私も承知をしておりますが、できるだけ出そうという姿勢がどうも感じられないというところに非常に多くの不安と不満があるわけであります。
 このことについて、私はどう考えても衆参の委員会決議に違反をしていると言わざるを得ないというふうに思うのでありますが、このときには、決議をしたときには、大臣も同席をして、これをしっかり踏まえてやります、こう答えるわけですから、それに沿って、内閣としてどう判断をしてこの事態になっているのかということについて、もう一度説明いただきたいと思います。
○石原国務大臣 先ほど来、御同僚の議員とのやりとりの中で、農林水産大臣の方から、いわゆる米、小麦、あるいは豚肉・牛肉、乳製品、甘味といったような重要五品目のタリフライン、いわゆる五百九十四ラインのうち、関税撤廃の例外は四百二十四ライン確保した、そして、何をもって守ったかというような御説明があったと思います。
 当然、農業に従事されている方々にとりましては、全て今のままという現状というものが好ましい。しかし、その一方で、さまざまな農家の方にも私はお会いさせていただきましたけれども、こういうものを利用して、TPP協定が発効するということを利用して、東南アジアに自分たちのつくったものを輸出していきたい、また、輸出をもう既にしている、そういう方々もいらっしゃるということも事実でございます。そういう両方の方々に丁寧に、委員は、この情報についてはどうも開示する姿勢が見えないじゃないかと。
 もちろん、外交交渉というその交渉の過程等々についてはお示しできない、こういうところがあるわけでございますけれども、これからそういう不安にしっかりと応え、また意欲のある方々にもしっかりと応えられるものをつくっていく上で、やはりこの審議というもので多くのことにお答えをさせていただければ、こんなふうに考えているところでございます。
○佐々木(隆)委員 そう考えているのであれば、ぜひ、情報をできるだけ、ペーパーで出せるものはペーパーで出すという姿勢を見せていただきたいというふうに思います。
 そこで、私も六年近くこれにかかわってきて、なぜ日米FTAやEPAではなくてTPPになったのかということについて、少し考え方を聞かせていただきたいというふうに思うんですね。
 ガットというのは一九四八年にできているわけでありますが、このガットができたいきさつというのは、世界の経済がブロック化をして、そのことによって大戦を引き起こした、そういう間違いをもう二度と繰り返さないために、世界じゅうが協議の場をつくろうではないかというのがそもそもガットの始まり。それがWTOになってきたわけでありますが、そのことからすると、このTPPというのは、その危険性をはらんでいないとは言えないわけですね。
 そういう意味で、なぜ、数あるいろいろな交渉の中でTPPに決断をしたのかということ。もっと言えば、日米FTAでもよかったのではないか。このTPP、十二カ国ですけれども、この中で最も大きな割合を占めるのはアメリカの六〇・四%と日本の一七・七%ですから、それでもよかったのではないか。なぜTPPでなければいけなかったのか。
 あわせて、きょう外務大臣もおいででございますので、APECの目標というのは、FTAAPへの道というのが最終的な方向であります。それからいうと、この先、このFTAAPについてどうしようとしているのか。そして、このTPPはその中の一つでありますけれども、それとどう関連づけてこれからそれら一連のものをやっていこうとしているのか。
 このTPPに至った経過はぜひ石原大臣から、そして、その他について外務大臣からお答えをいただきたいと思います。
○石原国務大臣 ただいま佐々木委員の方から、歴史観に沿って、なぜガットができたのか、そして、そのときの第一次、第二次という世界大戦の人類の教訓、これは以前、福井委員との間でもこの御議論をさせていただきましたけれども、大変歴史的考察に立った御指摘であると今聞かせていただきました。
 そんな中で、私からは、なぜ、TPP協定、ある意味では環太平洋のブロック経済、ブロック経済というのは適切な言葉ではございませんが、地域経済連携を行っていくのかということでございますけれども、やはりアジアというものは人口も大変多いわけでございます。このTPPの人口で申しますと、アメリカも含めまして八億人、GDPで申しますと世界全体の四割、三千百兆円、大変大きな市場でございます。
 そこに生活をしている私たちは、自由、民主主義、そして基本的人権、法治主義、法の支配といった普遍的な価値観を共有している国々でございます。その国々が地域の連携を深めて、その輪を広げていくことの戦略的意義、経済的意義、二つの面があると承知しております。
 委員の御指摘は、総理がもう既に国会等々で御答弁させていただいているわけでもございますけれども、TPP協定のルールづくりは、単にTPP協定の中だけにとどまらず、その先にある東アジア地域包括的経済連携、RCEPや、もっと大きな構想であるアジア太平洋自由貿易圏、FTAAPのたたき台になっていく、日本がこのような世界のルールづくりをリードしていく必要があると総理も本会議で述べさせていただいているわけであります。
 こうした大きな戦略的観点を踏まえて、我が国としては、委員が御指摘のような日米のFTAや日中FTAといったようなものの枠を超えましてTPP協定に参加をさせていただくというふうに御理解をいただきたいと思います。
○岸田国務大臣 FTAAPに対する取り組みについて御質問いただきました。
 委員も農水副大臣をお務めになられましたので、FTAAPについては大変お詳しいと存じますが、御案内のとおり、二〇一〇年の横浜APECにおきまして、FTAAPへの道筋という文書が採択をされています。その中において、ASEANプラス3、そしてASEANプラス6、そしてさらにはTPP、こうした現在進行されている地域的な取り組みを基礎として追求されるべきである、こういった旨が規定をされています。
 これは、二〇一四年、一昨年の北京APECにおいても同趣旨が確認をされているということであります。
 そして、その中のうち、ASEANプラス3とASEANプラス6、この部分につきましては、RCEPという形で、二〇一二年からこの交渉が立ち上げられて交渉が行われているということであり、そして残りのTPPの部分につきましては、御案内のとおり、大筋合意が行われ、そして署名が行われたということであります。
 このように、FTAAPを支えるそれぞれの取り組み、それぞれしっかり進めていくべきであるというふうに思っています。
 そして、FTAAPそのものについては、二〇一四年の北京APECにおきまして、戦略的な研究を進めるということが確認をされておりますので、FTAAPそのものについても議論が行われています。
 ぜひ、我が国としましては、FTAAPそのものの研究、そしてそれを支える協定についてしっかり貢献をすることによって全体を進めていきたいと考えます。
○佐々木(隆)委員 なぜこのことをお伺いしたかというと、TPPにのみ今余りにも精力を注ぎ過ぎて、ほかのアジアとか、TPPにもアジアは入っていますけれども、ほかの協議が、TPPが始まるときも、ほかのものに乗りおくれちゃいけないという意識が〇六年あたりからあったというふうにも聞いておりますので、そういった意味では、やはり広角でしっかりと海外との経済連携を進めていくべきではないかというふうに思っておりますので、あえて聞かせていただいた次第であります。
 時間が限られておりますから、次に移らせていただきたいんです。
 資料のナンバーツーとナンバースリーをちょっと見ていただきたいんですが、TPPの中では紛争処理という分野というか項目が必ず各章にわたってあるわけでありますが、適用されないのは十六、二十一、二十二、二十三、二十四、二十五の章、ナンバーツーの黒丸の印がついているところにはありませんけれども、ほかの章には全て紛争処理というのがあります。
 その紛争処理なんでありますが、次のナンバースリーのところを見ていただくと、WTOの紛争処理と今度のTPPの紛争処理は若干違うんですね。
 WTOの場合は議長が指名をした人たちによってパネルの紛争の処理が行われるんですが、TPPの場合にはそのときに当事国が意見を言えるというふうになっているんですね。ですから、ある意味で、当事国の意向がかなり入ってくるというのがTPPの、WTOとの違いなんですね。
 そうすると、このTPPは、結果として、訴えられるのは圧倒的に経済力の強い国が多いわけですのでアメリカ、日本ということになりますが、その当事国の意向が反映されるパネルになってしまうのではないかという危険性がかなりあるわけであります。
 そのことについて今まで明快な説明がありませんので、ぜひこのことについて、紛争処理、しかも、それはひょっとしたら国内法に優先するのではないかという危惧もあるわけであります。その点について、石原大臣の答弁をお願いします。
○石原国務大臣 ただいま佐々木委員が資料で御提示いただきましたいわゆる二十八章、国と国との紛争手続、これ以外にも、民事に当たります投資家と国の紛争解決、いわゆるISDS、第九章の方でございますけれども、二種類の紛争手続がTPPでは定められております。
 委員がお示しされましたこの二十八章の方でございますけれども、TPP協定の解釈、適用をめぐる国と国との間の紛争を解決するための方法が提起されております。これらの協定を効果的かつ安定的に実施する制度であり、我が国がこれまで結んできましたEPA等々でもこのような紛争解決方法というものは持たされているわけでございます。
 そして、これとはまた外の九章に規定されております、投資に規定されている、投資家と国との間の紛争解決、いわゆるISDS手続は、投資先の国がTPP協定投資章の違反などを疑われることにより、そこに進出していった投資家が被害をこうむった場合に、その投資家が投資先の国に損害賠償を求めるための制度といって、この二つのラインになっているんだと思います。
 いずれにしても、TPP協定に規定される国と国との紛争解決手続も、民事であるところのISDS手続も、我が国がこれまで締結してきたEPAや投資協定にも設けられております一般的な協定でございます。そして、我が国が過去に締結した投資協定において、実は、民事、相手企業が日本国政府を訴えたことはございません。
 我が国は、これらの規定について、みずから交渉し合意しておりますので、この制度をもってして国の主権侵害ということには必ずしもならないのではないかというふうに私どもは理解をさせていただいているところでございます。
○佐々木(隆)委員 ISDSの話ではなくて、先ほどお見せをしたこの三十章にわたる中で、六つ以外は全部それが規定されているんですね。だから、紛争のパネルのときに、TPPの場合は当事国の意向が入ってしまうおそれがある、この規定からすると。それはWTOの方はかなり厳格になっているわけでありますが、それからすると、TPPの場合はそこが少し決め方が違うので、当事国の意向が入る、もっと言えば、当事国が推薦した国がパネルになる危険性もあるのではないか。
 そういうことは、それこそ交渉経過がわかりませんからその全てを言えとは申しませんけれども、そんなことはないという担保がちゃんとあるのかということについて、もう一度お願いします。
○石原国務大臣 WTO協定そのものについては専門の外ではございますけれども、WTO協定においても、当事国が互いに言い合うということはあるわけでございまして、それに準じてTPP協定のこの紛争解決手段というものができ上がっている。
 そして、委員の御指摘のとおり、三十章の分野のうち、印のついている六を除いては、紛争の解決手段の、国と国との争いの中に上がってまいりますけれども、これはWTOに準ずるものでございますので、先ほども御答弁させていただきましたけれども、我が国の主権を侵害するというような事態は想定しておりませんし、互いに、これまでの、WTOに準ずるという形でTPP協定の紛争解決手段ができているということで御理解をいただければと思います。
○佐々木(隆)委員 理解をしろと言われても、この課題はほかも質問したいのでやめますけれども、要するに、締約国、当事国の意見を聞いてつくるというところの項目が非常にひっかかるということを言っているのであって、それは、日本もその中の一員だとするならば、そういう仕組みではない、限りなくWTOに近い仕組みできちっとパネルは設置されるべきではないかということをあえて申し上げておきたいというふうに思います。
 次に、これは本当は総理に聞きたかったんですが、総理はおられませんので、石原大臣が全権委任されていると思いますので、あえて聞かせていただきます。
 総理が、一三年三月、いわゆる交渉に参加するときに、世界に誇る国民皆保険とともに、息をのむほど美しい田園風景は絶対に守る、そして、一五年の十月、大筋合意したときに、美しい田園風景、伝統あるふるさと、助け合いの農村文化、日本が誇るこうした国柄をこれからもしっかりと守っていくと言っているわけであります。
 皆保険の方はわかります、具体的ですから。美しい田園風景というのは、具体的にどう守っていこうとしているのか、これについてお願いをいたします。
○石原国務大臣 大変難しい御質問をいただいたと思います。
 私も、実は党の方の総合農政戦略調査会の顧問をさせていただいておりまして、委員が御指摘されるような中山間地域の美しい棚田とか、御苦労されている姿というものは見てまいりました。その姿を見たときに感じますことは、農は国のもとである、そういうことを忘れちゃいけないなと。その景色、風景というものを守っていくということは、そこで働く人たちの生活を守ることであるというふうに考えております。
 第一次産業就業者の割合が多い中山間地域の農業振興というのは、地域を守っていくという上で大変重要である。先ほど農林水産大臣も、御同僚の委員との討論の中で、地域政策としてしっかりと中山間地域の農業は守っていかなければならない、こんな御答弁をされておられました。TPPが、今御議論はいただいておりますけれども、仮に御承認をいただき発効したとしても、この考え方に変わることがあってはならない、そういう視点に立たれて佐々木委員は御質問をされているものと聞かせていただいておりました。
 そんな中で、私、今政府の方で、農業ワーキンググループという、日本の農産品をどのように海外に輸出していけばいいのかというような検討会の座長を務めさせていただいております。その検討を通じて改めて認識しているのでございますけれども、農業の持つ意味というのは、多分、国土の保全、自然環境の保全、そして委員が御指摘された良好な景観の形成、そしてそこに伝わる文化の継承といったような多面的な機能があるのではないかと思っております。
 そこに、今回議論をさせていただいておりますようなTPPによりまして攻めの農業というものが加わることによって、農業がさらに魅力のあるものになりまして、中山間地域でも農業を守っている方々に対してプラスに働くようにしていくということが肝要ではないか、こんなふうに考えております。
○佐々木(隆)委員 お話としてはわからないわけではありませんが、今回のこのTPP関連予算というものが、補正含めて出されているわけでありますが、ナンバー4のペーパーであります。
 では、具体的に、この美しい田園風景を守るという予算はどこにどういうふうに予算化されているのかということについて、私が見る限り、どこにもそういう予算はありません。今までの中には、それは農村対策というのはあるわけでありますが、今回、このことについて、総理がわざわざ触れたそのことについて、これは農水大臣にお伺いしたいんですが、どういうふうに具体的にそのことが出てきているのかということについて、ぜひ説明をいただきたいと思うんです。
○森山国務大臣 佐々木委員にお答え申し上げます。
 やはり我が国の農政というのは、国や環境の保全など、農業、農村の有する多面的な機能を維持するという地域政策というのは本当に大事なことだと思っております。また、農業を成長産業化させるという産業政策も大事なことでございますが、こっちをバランスよく車の両輪として進めていくということが大事なことではないかというふうに思っております。
 恐らく、佐々木委員も現場をよく見ておられますから実感しておられると思いますけれども、農業生産の場である農村地域においては、やはり人口減少と高齢化が非常に進行しておりまして、集落の機能が低下するなどの厳しい問題に直面をしていると認識しております。
 このため、農林水産省といたしましては、日本型直接支払いによる地域の共同活動を通じて、農地等の資源の維持、継承というものをしっかりやらせていただく。また、六次産業化による農村の豊かな地域資源を最大限活用した雇用の創出と所得の向上を図っていく。あるいは、観光、教育、福祉等と連携した都市農村交流や農村への移住、定住というものを図っていくという政策をしっかり進めて、農村の活性化を図っていくということが大事なことではないかなというふうに思っております。
 こうした地域住民が主体となった活動を後押しさせていただきまして、農業者の声に寄り添いながら、地域政策を引き続き推進してまいりたいと考えております。
 また、私は、岩手県の遠野市に参りましたときに地域の方々と懇談をする中で、今からやはりこういうことも目指さなきゃいけないんだなと思いましたのは、遠野市が持っておりますすばらしい伝統や文化に外国人の方々が非常に憧れて、民泊を非常に行政の方々が頑張っておられまして、このようなことも今後は農村集落を支える一つの方向として考えて、政策を充実させていかなきゃいかぬと考えております。
○佐々木(隆)委員 時間がなくなってまいりました。
 車の両輪、車の両輪とよく説明されるんですが、片っ方の車がこんなに大きくて、片っ方の車がこんなに小さかったら、それは前に進みませんよ、同じところでぐるぐる回っているだけで。それが前進しないということのあかしになっちゃうわけで、両輪というのであれば、ちゃんと同じように農村政策としてこういうものをやっていますということがやはり明らかにならなければ、両輪という言葉は適切でないというふうに思うことを申し上げておきたいと思います。
 次に、一つ一つやりますと時間がかかりますので、このTPPの関税について、農林水産物で、総じて言えば、影響は極めて限定的という判断がずっと続くわけです。
 私の五番目の資料、ナンバー5を見ていただきたいのでありますが、例えば、黒丸がついているところです。ちょっと小さくて見づらくて申しわけありませんが、これは北海道が全体に占めるシェアです。生乳生産は五〇%、それから水稲が六%、肉牛一八%、小麦五九%、てん菜はもちろん一〇〇%ですが、豚六%、大豆で二一%と、二割から約半数、北海道がこのいわゆる重要五品目を担っているわけであります。
 極めて影響は限定的という表現というのは極めて不親切な話であって、限定的な地域にとっては壊滅的だということの裏返しでもあるわけですよ。だから、北海道にとっては、主要五品目をこれだけのシェアを持ってやっているところに、限定的だと言われても、必ず影響があるということなんですから、そういった意味からいうと、これは北海道にとっては壊滅的かもしれないという不安を農家の皆さん方はみんな抱いているわけですよ、重要五品目のウエートが高いだけに。
 そのことについて、やはりこの極めて限定的という不親切な表現をぜひおやめいただきたいということが一つ。
 もう一つは、合板、製材も北海道のシェアというのは実はかなり高くて、ここにも、実は山の方々は大変影響を心配しておられます。そういった意味も含めて、時間が余りありませんので、できるだけ総括的に、なぜこういう表現をしたのかということについてお伺いをいたします。
○森山国務大臣 佐々木委員にお答えいたします。
 現場の皆さんが不安を持っておられることは、私もよく承知をしております。一つ一つについてやはり詳しく御説明を申し上げるということが大事なことだと考えておりまして、その努力は今後も続けさせていただきたいと思っております。
 品目別に分析をしてまいりますと、やはり再生産にさらに取り組んでいただけるという形で合意ができているというふうに考えておりますので、今後説明はさらに続けてまいりますが、全体的に申し上げるとそういうことではないかと考えております。
○佐々木(隆)委員 時間が参りましたので終わらせていただきますが、実は、マクロ経済でこれは効果があるという表現をされても、地域地域によっては物すごいばらつきがあるわけですよ。やはり地域ごとにどういう影響が出るかということについて、GTAPでやれとは申しませんが、地域ごとにはどんな影響が出るのかということを、それこそ丁寧に説明したいと政府がおっしゃるんなら、ぜひそこのことをやっていただかないと、地域の不安を解消することはできないというふうに思うんですね。情報の共有もまだまだですし、あるいはその試算などについても丁寧な説明にはなっていないということからすると、まだまだこの議論は続けていかなければならないところがたくさんあるということ。
 それと、申しわけありません、塩崎大臣に来ていただきながら、時間が来てしまいまして質問できなくなってしまいまして、申しわけございません。
 そのこともおわびを申し上げて、終わらせていただきます。
○西川委員長 次に、原口一博君。
○原口委員 おはようございます。民進党の原口一博でございます。
 本日は、まず、熊本を中心とする地震で亡くなられた方、哀悼の誠をささげ、お見舞い申し上げます。
 きょう、河野防災担当大臣にも来ていただいて、お忙しい中、ありがとうございます。
 二点です。
 一点目は、まだ震源が動いています。この震災はまだ終息をしていません。特に、歴史を見ますと、寛政四年の地震のときには、前山が崩壊をして、そのとき大津波が出ています。津波についても十分な警戒をお願いしたいのと、激甚災害の一刻も早い指定。そして、ロジスティックを民間に頼んでいるんですけれども、マンパワーが足りません。そのために、水もそれから食料も足りていません。感染症にかかっておられたり、あるいはエコノミー症候群で亡くなる方がふえています。私の佐賀県でも、子供たちが車の中で寝ています。朝、学校に来て、暗い顔をした子供たちがおります。
 きょうは、規制委員会との議論を河野大臣にも聞いていただきたかったんですが、これから会議があるということで、津波に対する備え、それから感染症に対する備え、対策、この二つについてお答えいただいて、会議にお戻りください。
○河野国務大臣 まだ震源が動いているようでございまして、海に近いところで、震源で地震がありますと何らかの津波のおそれはあると思っておりますので、そこは、海岸部、しっかり警戒をしてまいりたいというふうに思っております。
 また、そろそろ気温も上がってまいりまして、夏日というような日も出てまいりますので、感染症対策をきっちりやっていかなければならないというふうに思っております。
 まず食料と水を一陣で送ることを頑張っておりましたが、トイレですとか生理用品ですとか、その他、次のニーズに対応するものを手配し、配送を始めたところでございます。
 また、厚労省の御支援をいただきまして、薬剤師さん、保健師さん、あるいはJMATといったものが続々と現地に入って避難所を回ってくれております。避難所だけでなく、車中で泊まっている方その他にもしっかり配慮をして対応してまいりたいと思っております。
○原口委員 やはり心のケアですね、子供たち。非常に強い地震、この地域は長く地震がございませんでした。ですから、海で起こる地震と、それから、先ほども申し上げた崩落による地震、火山崩壊による地震、これについてもぜひ目配り、警戒をお願いします。もうこれで結構です。
 文科省に伺います。
 委員長にお願いをして資料を配らせていただきますが、資料の七をごらんください。これは文科省の地震の調査の資料でございます。先日、益城の地震では、見えない、それまでわかっていなかった活断層が活動した、そして地震が起きたということがきのう学者さんによって発表されていますけれども、このちょうど線を引いたところ、「日奈久断層帯の全体及び布田川断層帯の布田川区間が同時に活動する可能性もあります。この場合にはM七・八―八・二程度の地震が発生する可能性があります。」と。
 文科省、二つ聞きます。
 今回の地震は二回大きなものがありました。その二つについて、どれぐらいの加速度がどこで観測されたのか。また、今私が読み上げたところについては、これは文科省の資料ということでよろしいか。二点について文科省から伺います。
○田中(正)政府参考人 お答え申し上げます。
 まず第一点の加速度の点でございます。
 四月十四日に熊本県熊本地方でマグニチュード六・五の地震が発生した際に、国立研究開発法人防災科学技術研究所の益城町の地震計におきまして千五百八十ガルの加速度を観測してございます。また、四月十六日のマグニチュード七・三の地震が発生した際には、同じく益城町におきまして千三百六十二ガルの加速度を観測しているところでございます。
 それから、先生が配付されております資料についてでございますけれども、これは、地震調査研究推進本部の地震調査委員会で、全国の主要な活断層において発生する地震の規模や発生確率についての長期評価を行っているものでございます。平成二十五年二月に同委員会が九州地域の活断層の長期評価を行いまして、その際、布田川断層帯の布田川区間から日奈久断層帯の全体に至る広い範囲が同時に活動する場合の地震の規模を、マグニチュード七・八から八・二程度の規模の地震が発生すると評価したところでございます。
○原口委員 文科省、ありがとうございます。
 前回の地震はマグニチュード七・三ですから、八・二というと、マグニチュードが〇・二上がると地震のエネルギーは二倍になるというふうに言われています。どれだけ大きな、二乗ずつ大きくなっていくわけで、大変大きな備えが必要だと思います。
 そこで、きょうは原子力規制委員長にも来ていただきました。
 川内原発の審査について伺います。
 川内原発では、先ほど河野大臣が津波についても触れられましたけれども、六メートルの津波を想定している、その震源は琉球海溝である、こういうことでよろしいでしょうか。
○田中政府特別補佐人 そのとおりでございます。
○原口委員 続きまして、先ほど千五百八十ガルというお話がございましたが、今回観測された最大加速度、これは地表ですね、地表で、原子力委員会は、川内原発においては何ガルの地震が起きると想定をしておりますでしょうか。川内原発で想定している基準地震動六百二十ガルは地下十八メーターのものであって、これは誰のデータによるものか、そして地表においてのガルは幾らと見積もっておられるのか、教えてください。
○田中政府特別補佐人 川内原発では、いわゆる解放基盤、岩盤のところでは六百二十ガル、それから、地表面といっても場所によって大分違います。原子炉建屋のフロアのところでは大体千ガル程度、それから、もう少し離れたいわゆる資材置き場とかそういうところ、地表、少し標高が高いところでは千六百ガル程度になるというふうに評価しております。
○原口委員 つまり、今回観測された最大加速度千五百八十ガルには届かない数字であるということがわかりました。だから不安だということを言っているわけではございません。ただ、被災地ではやはり大きなトラウマを抱えておられます。その中で、川内原発が大丈夫なのかということを毎日のように聞かれます。
 東日本大震災当時想定していた基準地震動は何ガルか、また、当時に起こった地震は基準地震動を超えていたのか、教えてください。
○田中政府特別補佐人 基準地震動についてのデータですけれども、号機によって少し違います。それで……(原口委員「一、二号機でいいです」と呼ぶ)
 一号機では超えていないんですが、二号機で、東西方向の水平方向の震動数が、基準値として四百三十八ガルだったんですけれども、二号機の場合、実際には五百五十ガルを記録しております。
 それから、三号機、五号機でも超えておりまして、それぞれ、四百四十一、四百五十二に対して五百七、五百四十八と、設計の基準地震動を超えているという実態があります。
○原口委員 委員長、ありがとうございます。
 これで最後の質問にいたしますが、先ほどお話しになった千ガル、それから千六百ガルというのは、当時、審査のときに五人の審査員はごらんになっていますでしょうか、教えてください。
○田中政府特別補佐人 審査書の途中の議論についてはユーチューブで全部出ていますので、それぞれの委員がそれを見たりしています。
 ただ、その審査の責任を担ったのは、当時、今おやめになりましたけれども、島崎委員、前の東大地震研究所の所長ですけれども、彼が責任を持って見ていただいて、その評価については我々もいろいろ学ばせていただいております。
○原口委員 ユーチューブで千ガルというのをごらんになったんですか。
○田中政府特別補佐人 ユーチューブというよりは、資料の中にいろいろそういうデータが出ておるというふうに理解しておりますが、今詳細にそれを持っているわけではないので、そういった評価の結果は、全て資料に残っているものでございます。
○原口委員 委員長、私の質問に正直に答えていただきたいんですよ。
 つまり、きのうのレクの中では、皆さん、五人の委員は、それはごらんになっていない、地表の千ガルも、千六百二十でしたか、可搬式、動く、そこのところも、それは委員には見せておりませんと。
 資料六の審査担当者の経歴、この方々が審査をしてくださいました。この中で、地震と津波の専門家はどなたですか、教えてください。
○田中政府特別補佐人 地震とか津波の専門家というディフィニションはいろいろあろうかと思いますが、島崎委員はもちろん我が国を代表する地震の大家ですし、それ以外にも、規制庁の職員も、こういったことについては相当の経験と知識、知見を持っている者たちでございます。
○原口委員 耐震担当六名のうち、経産省出身技術系職員、こういうふうに書いてあるわけです。
 つまり、何を申し上げたいかというと、これは大臣もよく聞いていただきたいんですけれども、データは、これは事業者のデータなんですね。それに対して反証をしているかというと、その形跡はないんですよ。
 ですから、私は委員長にお願いをして、この六名の方の経歴、これは出せますか。どういう専門で、そしてどういうことを審査されたのか、これは出せるでしょう。
○田中政府特別補佐人 個人情報に属するものもあろうかと思いますので、そうでなければ、ある程度、経歴みたいなものは出せるかとは思いますが、専門性は、どこの大学を出たとか、どういうことで決まるものではないというふうにぜひ御理解いただきたいと思います。
○原口委員 何をおっしゃっているんですか。私はそんなことは一言も言っていませんよ。本当に、ちょっと協議してください、今の不誠実な答弁。これは何ですか。
 地震や津波を、あなた方は、千五百八十ガルが川内原発では起こらない、地表で千ガルだとおっしゃっているから、それを立証できる専門家は誰ですか。あるいは、津波は琉球海溝でしか起きない、琉球海溝で起きた場合は津波は六メートルだとおっしゃるから、では、本当にそうですか、この地域で起きた津波はもっと大きいものもあったんじゃないのか。いや、今、活断層が動いている、活断層が動いている中で、複数の活断層が連続して活動をすればもっと違うことになるんじゃないか。それを立証できる人は誰ですかと聞いているんです。どこの大学を出たとかいうことを聞いているんじゃありません。
○西川委員長 田中委員長に申し上げます。
 今の原口一博君の質問に対し、的確な答弁をお願いいたします。
○田中政府特別補佐人 地震に耐えられるか、津波でこれでいいのかということについては、チーム全体、規制庁全体、規制委員会も含めて協議して、そういう判断をさせていただいていますので、個々人の専門性だけによっているわけではございません。
○原口委員 委員長、仕切っていただいてありがとうございます。
 全然答えていない。総合的にとかみんなでというのが一番いけないんですよ。
 きのうは一人一人呼んだんです。お見えいただきました。そのときに何を言っていたかというと、いや、私は耐震の専門家ですから、地震についてはわかりません、私は事故管理の責任者ですから、津波についてはわかりません。では、全部わかる人は誰ですかと聞いているんです。極めて不誠実な答弁だというふうに思います。
 そこで、ちょっとTPPに話を戻しますが、石原大臣、TPPは保秘義務がありますね。この保秘義務については、それが誰にかかっているか、そしてそれがどこまでなのかというのはわからないし、それも言ってはいけない、こういうことでよろしいですね。
○石原国務大臣 委員の御指摘のとおりだと思います。
○原口委員 石原大臣と、まだお互い若いころに、金融再生法の議論をしました。あのころ、ビッグバンということが起きて、日本はもう大変なことになりました。ルールを統一するんだということで、たしか政策新人類とか言われたときですね。
 だけれども、私は、ルールというのは、委員長が当初思われていたように、近いところ、自分たちが決めたものというのは守るんですよ。ところが、遠いところ、誰が交渉してどうなったかわからないようなルールは、これは守りにくい。
 自由貿易というのは大事です。しかし、それは、お互いがお互いの地域を責任を持って、あるいは、お互いの国の中で責任を持って経済活動をやって、いいところを交換すればいい。だから、こういうルールのつくり方については私はどうかと思います。みずからがつくったルール、あるいはみずからがオープンでやったルールについては守れる、それが経済の基本だというふうに思います。
 TPPでもう一個、私たちの懸念はやはり北朝鮮なんですね。外務大臣、北朝鮮について、今また中距離弾道弾ミサイル発射を失敗したとかいう話があって、被災地も一番近いので、大変なつらい思い、怖い思いをされています。
 そこで、私はちょっと防衛省に伺いますが、これは本当に大丈夫なのかなという事案がありました。
 防衛省に伺う前に、資料を皆さんにごらんいただくと、私の資料の一ページ目、きょうは法務省にも来ていただいています。特定秘密の指定、特に防衛上の秘密というのはとても大事だと思います。1をごらんになってください。別表該当性、非公知性、特段の秘匿の必要性、この三要件を充足することを要するとしている。きょうは法務省からも来ていただきましたけれども、特定秘密の指定についてはこの三要件を充足する、この理解でよろしいですか。
○田中(勝)政府参考人 特定秘密の指定につきましてお尋ねがございました。
 特定秘密保護法第三条第一項におきましては、行政機関の長は、三つの要件を満たす情報を特定秘密として指定するものとされております。この三つの要件でございますが、一つ目、当該行政機関の所掌事務に係る法別表に掲げる四つの分野の二十三の事項に関する情報であること。二つ目でありますが、公になっていない情報であること。三つ目でありますが、その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要である情報であること。
 以上であります。
○原口委員 ありがとうございます。
 資料二もごらんください。今おっしゃった該当性ですね。我が国の安全保障に著しく支障を来す。それから、三をごらんください。非公知性です。特定秘密であっても公知されているもの、これについては特定秘密ではないということですね。
 そこで、二月七日の、北朝鮮の人工衛星と称する弾道ミサイルの発射事案について、防衛省はこういう資料三にあるようなことを発表しています。
 藤丸政務官にも来ていただきましたので、藤丸政務官、この特定秘密に当たるようなことを佐賀での講演でお話しになったのではないかという疑いがございますが、佐賀で何をおっしゃったんでしょうか。北朝鮮のミサイルに対して、我が国の、まさか手のうちをさらすようなことはおっしゃっていないというふうに理解をしていますが、いかがでしょうか。
○藤丸大臣政務官 お答え申し上げます。
 講演において、我が国の周辺の安全保障環境の厳しさと自衛隊の活動状況を紹介する中で、北朝鮮によるミサイル発射への対応についても言及いたしました。(原口委員「言及した」と呼ぶ)はい。
 この御指摘の講演に、私の発言が、北朝鮮によるミサイル発射の対応をわかりやすく、安心してもらえるように、そして、この会は商工会のメンバーということで名簿も来ておりましたので、知人も多かったものですから、できるだけわかりやすく説明しようということで説明をさせていただきました。
 国の防衛の任に当たる者として不適切な発言をいたしまして、大変反省しているところでございます。深くおわびを申し上げます。
○原口委員 藤丸政務官、私は、あなたの仕えられた方に、かつて宏池会で大変お世話になりました。あなたにも大変、当時、自民党時代ですけれども、お世話になりました。
 だけれども、こんなことは言いたくはないけれども、あなたは、これは特定秘密に当たると僕は思うから言いませんけれども、北朝鮮がミサイルを発射して、何分後に我が国がレーダーで捉えたか、言っているでしょう。そして、それに対して、我が国がまず何で対応して、それがだめだったら、次、何で対応するかもおっしゃっているでしょう。どうですか、うなずいておられますが。教えてください。
○藤丸大臣政務官 お答えします。
 マスコミにも報道しているように、放物線のグラフをプロジェクターに映しまして、イージス艦SM3で撃つ、そしてパトリオットという話をさせていただきました。
○原口委員 法務省刑事局に来ていただいています。
 私は、公知のことを資料三で言いました。私は、このことをあなたがおっしゃっているのであれば、ここで取り上げません。しかし、我が国のレーダーが、北朝鮮が今もやはりミサイルを発射しているわけです。そして、こういう我が国の手のうちをさらすようなことは絶対に言ってはならない。
 私も、義父が自衛隊員で、おじも佐世保で海上自衛艦艦長をしておりました。もう烈火のごとく怒っています。
 あなたは政務官をやめるべきです。そして、防衛省は、我が国のこういう大事な機密が出ていったことについて対応をすべきだと私は思うわけです。
 法務省刑事局、特定秘密保護法の違反、これは、一般論で結構ですから、どのようなことになりますでしょうか、教えてください。
○林(眞)政府参考人 特定秘密の保護に関する法律の二十三条におきましては、「特定秘密の取扱いの業務に従事する者がその業務により知得した特定秘密を漏らしたときは、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び千万円以下の罰金に処する。」このような規定がございます。
○原口委員 刑事局まで呼んで私は聞きたくなかったけれども。
 もう一回、藤丸政務官に伺います。
 あなたは、北朝鮮が発射したミサイルが、我が国が何分後に捉えるかをここでおっしゃっていますね。教えてください。
○藤丸大臣政務官 はい。一応、プレス発表では、三十一分に発射した、それから三十三分にレーダーは捉えたという話を公表しておりました。ちょうど私はそのとき、何か、テープでは、正確に覚えていないんですけれども、三十二分と言ったような気がいたしまして、公表では、三十一分に北朝鮮からミサイルが発射して、三十三分に捉えたということを公表しております。
 いずれにしても、国の国防の任に当たる者としてはもう少し配慮して発言すべきだったと反省しているところでございます。
○原口委員 あなたがおっしゃったことは、ここで議事録に残したくないこともいっぱいあるんですよ。ですから、私、そこをわざと避けてここで質問しているんです。
 委員長に、この発言されたというペーパーをお渡ししますので、ぜひ精査をしていただいて、本委員会でも、何が秘密であって何が秘密でないかというのは今、石原大臣ともお話をしましたね。だけれども、やはりこれは、与野党関係なしに、国益というか、日本の国民の安全にかかわることですから、ないがしろにはできません。
 外交についてもあなたはおっしゃっていますね。私、驚きました。これは参議院でお認めになったので。
 なぜ佐賀にオスプレイという話になったかという根本の話をしたいと。民主党政権から三年前に自民党政権になった際に小野寺さんが防衛大臣になった。そのころ、ちょうど中国が東シナ海、南シナ海に進出し始め、ガス田が急増した。南シナ海を埋め立てて陸地をつくり、飛行場やミサイルの発射台を置いているようだと。そこで、防衛を見直す必要があるということで、日米安保法案、ガイドラインの見直しの際、小野寺さんがアメリカに、中国をどうにかしてくれと言ったと。
 外務大臣、よくお聞きになってくださいね。
 どうにかしてくれと。そうすると、アメリカが出ていって何かあったときに日本は助けられないじゃないかという理由で断られたと。
 これは、皆さんがここの委員会でおっしゃっている外交交渉の中身じゃないですか。
 そして、そこで、小野寺さんがアベさんと、このアベさんは多分安倍総理だと思いますが、安倍総理と相談して、多少はアメリカの後方支援をできるようにしないといけないというのが去年の平和安保法制と。
 そうですか、外務大臣。アメリカから断られて、アメリカが我が国に、困ったとき助けてくれないから、それでオスプレイを買うわけですか。そして、あの安保法があるんですか。
 そして、外務大臣に伺いますが、こういう外交のやりとりを、これは本当かどうかわかりませんよ、藤丸さんがおっしゃっている。
 これは参議院でお認めになりましたね、藤丸さん。お認めになりましたね。ちょっと、お認めになったかだけ教えてください。
○藤丸大臣政務官 そのような、わかりやすく、そういうことだったものですから、ちょっと言葉が過ぎたと思っておりますが、自分の推察を、概略をお話しさせていただいたところであります。
 いずれにしても、この見解、国の防衛に当たる者としてはちょっと軽率だったと思って反省しているところでございます。
○原口委員 外務大臣、今の答弁を聞いて、こういうことをおっしゃっているということが明らかになりました。本当ですか。
 我が国は、こういう外交交渉、特に日米同盟の、アメリカ側がこういうことを言って、そしてオスプレイも買うんですね。安保法制もアメリカから言われたからやるわけですね。事実について答えてください。
○西川委員長 防衛副大臣若宮健嗣君。(原口委員「あなたにやっていません。外務大臣」と呼び、その他発言する者あり)
○若宮副大臣 委員長の御指名でございますので、ちょっと概要につきまして原口委員にお答えさせていただければと思っております。
 先ほど来の藤丸政務官の講演の中身につきましては、我が国の周辺の安全保障環境の厳しさと自衛隊の活動を御紹介する中で、日米間のやりとりと誤解されてもおかしくないようなことについて言及してしまったというふうに承知をいたしているところでございます。
 御指摘の発言につきましては、あくまで藤丸政務官個人が推察した内容を発言したものと承知をいたしているところではございますけれども、このようなやりとりが日米間で行われたという事実はございません。
 その上で、一般論として申し上げますのは、委員も御指摘のとおり、外交上のやりとりにつきましては、相手国政府との関係もございますので、対外的な、具体的な御説明を行うということは差し控えるべきだと思っております。
 また、先ほどの北朝鮮の弾道ミサイルに関しましてでございますが、これはもちろん、私ども、防衛省・自衛隊の活動に関する情報につきましては、必要に応じて、部隊の運用に支障のない範囲で公表する一方で、我が方の手のうちを明かすようなおそれのある場合には秘密に指定をするというような情報の保全を図っているところでございます。
 藤丸政務官の発言の具体的な内容につきましては承知をいたしておりませんが、今のやりとりと、それからまた、御配慮いただきましたけれども、御発言を聞く限りは、公になりましても運用に支障のない情報でございまして、特定秘密には該当するというふうに考えてはいないところでございます。
○原口委員 あなたは指名もしていないのに出てきて。聴取しているでしょう、防衛大臣が藤丸政務官の発言を聴取していて、あなたは聴取もしていないのに、それが防衛機密に当たるか当たらないか、それはわからないじゃないですか。何をいいかげんな答弁をしているんですか。冗談じゃないですよ。具体的に聴取していないんですね。
 外務大臣、今のやりとりをお聞きになって、我が国は安保法制をアメリカから言われてつくった、そして、中国を何とかしてくれと言っても断られた、これは事実ですね。
○岸田国務大臣 ただいま委員の方から御指摘があったような日米のやりとりがあったということは全く承知しておりません。
○原口委員 つまり、その中身は、あったかどうかも言えないということで、それでいいですね。
○岸田国務大臣 基本的に、二国間の間でどのようなやりとりがあったか、こういったことについて、信頼関係において、明らかにすること自体、外交においては通常あり得ないと思います。
 ですから、私は、そういった原則について申し上げた上で、今御指摘のようなことについてやりとりがあったということは全く承知していないと申し上げております。
○原口委員 今外務大臣がおっしゃったように、でも、やりとりを明らかにしているじゃないですか。やりとりを明らかにしているじゃないですか。
 しかも、そのために、六月議会までに結論を持ってきてくれという意味のこともおっしゃって、三十五ヘクタールのアセス逃れのようなこともおっしゃって、百ヘクタールまで自分に言ってくれれば、藤丸さんだったら土地を買ってくださるのかなとみんな思うような御発言をなさったのではないのかと思っているわけです。こんなことをやっていいんですか、安全保障で。安全保障でこんなことをやっていいんですか。
 しかも、皆さん、佐賀にオスプレイの基地をお願いと言われているでしょう。私はとんでもないことだと思いますよ。
 政府全体としてのこの問題についての統一見解を、委員長、これは委員長にお渡ししますので、理事会で、これは読み上げられないところがいっぱいあるんです。ですから、これをもって委員長に政府の統一見解を求めていただいて、そして、TPPというのが秘密であって、こういう形でやっていくというのは、私は、どこかで破綻をしていくだろう。本当に開示すべきことが開示されず、漏れてはいけないものが漏れてしまうということは、決してあってはならない。藤丸政務官は一刻も早くこの責任をおとりになって、これは安倍内閣全体の話だと思いますよ。そのことを求めて、質問を終えたいと思います。
 ありがとうございました。
○西川委員長 次に、升田世喜男君。
○升田委員 民進党の升田世喜男であります。どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 先般のこの機会でも述べさせていただいたんですが、改めて、このたびの熊本、大分の地震で亡くなられた方々あるいは被災された方々に対しまして、御冥福とお見舞いを心から申し上げたい、こう思います。
 そしてまた、改めて、今、国会はTPPの審議よりも震災対応に集中すべきだ、このことを申し上げさせていただきたいと思います。我が党からのこの申し入れに対して、政府は素直に聞き入れてくれなかった。まことに残念でなりません。
 また、残念でならないといえば、熊本市で五十代の方が車中泊を続けた、いわゆるエコノミークラス症候群でお一人が亡くなられた、こういう報道がございました。私は極めて残念であります。いわゆる震災があってから、その後で亡くなられるというのは、これは国として防がないといけない、こう思います。
 また、報道では、車中泊でエコノミークラス症候群があって、二十二名がまた搬送されたなどという報道もありまして、大変重大なことだな、こういう認識を持っております。
 そこで、一つ提案でありますけれども、私は、キャンピングカーあるいはトレーラーハウスというのを緊急の安全の住宅用として提供するということを我が国もやったらいいんじゃないかな、こんなふうに思っております。といいますのも、実は、アメリカの方では、いわゆるハリケーンが多発する地域でありますから、こういうことが正式に取り入れられているということでありますので、我が国もこのことを取り入れてはいかがかということでございます。
 このことに対して、これは総務省になるのかどこになるのかわかりませんが、御見解をお伺いしたいと思います。
○林(俊)政府参考人 お答えいたします。
 市町村におきましては、災害に備えまして、日ごろ避難所の指定を進めさせていただいております。また、それと同時に、災害の態様によりましては、避難者数の増加その他の状況の変化によりまして、指定をいたしました避難所以外のところの施設を利用する、こういった可能性も想定しておくことが望ましいと考えております。
 こうした備えの一つといたしまして、委員御指摘のエコノミークラス症候群などのリスクが高いと判断された方のための避難所機能を果たすものとして、いわゆるキャンピングカーやトレーラーハウスといったものを活用することも、コスト面等いろいろ課題はありますけれども、検討に値すると考えております。
○升田委員 私も、これは、今回いろいろ調べて初めてわかったことなんですね。
 これはネット情報で恐縮でありますが、「アメリカ発!大災害時にはキャンピングトレーラーが世界の常識!」、こういうのがありまして、ちょっと関係の記事を読ませていただきますが、「米国連邦緊急事態管理庁は、直ぐに住居として使えるキャンピングトレーラーを十五万台を購入しました。」「直ちにトレーラーパークとなる土地を確保し、被災者へ仮設住宅として提供したのです。」このように、我が国とはまた発想が違って、取り入れているということでございます。
 さらに、アメリカの連邦における災害対策法制、災害救助スタフォード法などというものがありまして、総則ですか、ここもちょっと朗読させていただきますが、「大統領は、個人又は世帯に対して、代替住宅、既存の賃貸住宅、プレハブ住宅、キャンピングカー、その他のすぐに居住することができる住居を賃貸するための財政援助を行うことができる。」こう明確にしているわけでありますので、これはぜひ、民間と連携をとって、あるいはアメリカで行っているノウハウを情報収集して、私はすぐ取り入れた方がいいと思います。キャンピングカーあるいはトレーラーハウスというのは、プライバシーも守られる、水もある、そして電気もあるということですから、命を守る意味においても非常に有効だ、私はこう思うんですね。
 そして、現地の声を聞きますと、車の中で眠っていますと、夜が特にまた不安になってしまうということなんですね。車というのはそう頑丈ではないというか、そう広い空間でもないし、車の外に人が夜遅くに立つかもしれない、そういう恐怖感の中でまた時を過ごさないといけない。
 キャンピングカーやトレーラーハウスでありますと、その辺は車よりははるかに安心感がありますので、ぜひこれは前向きに検討していただきたい、このように思います。
 次に、先般も質問させていただいたんですが、いわゆるスーパーアンビュランス、特殊救急車ということであります。
 私は、先般の質疑の中で、被災者にあるいは被災地域に病院がすぐさま駆けつける、こういう発想のもとで、これを広域に一台ずつ、あるいは北海道に一、二台、東北に一、二台、九州にも一、二台、こういうことでさらに国が国民を守る機能を高めるべきじゃないか、こういう質問をさせていただきました。
 実はきのう、東京の消防庁に行きまして拝見させていただきました。物すごくいいものでしたね。到着してから五分から六分ですぐ被災者を受け入れられるということで、私の目の前で実際やっていただきました。まさに五、六分で被災者をその救急車両の中に入れて、そして初期治療ができるということでありますので、これは改めてまた私は検討してもらいたいな、こう思っております。
 きのう、その現場を見させていただいた中で、非常に印象に残るコメントがございまして、東日本大震災のときに、東京の消防庁は、まずは火を消さないといけないということで、消防車両を持っていったんだそうです。しかし、現地に行って、いやあ、このスーパーアンビュランスもやはり持ってくるべきだったと。いわゆる、外で毛布を敷いてその上で初期治療をやっている。この車の病院を持っていきますと、しっかり箱の中で、病院そのものまではいかないにしても、ほぼ初期治療するのには十分な環境の中で治療が行えたということを生の声として述べておるわけであります。
 改めて、国が国民の生命と財産を守るための機能を高めるという上で、この車両を取り入れる方向性のお考えはないかどうか、これをお伺いしたいと思います。
○西藤政府参考人 お答えいたします。
 先ほど御質問のございました特殊救急自動車、いわゆるスーパーアンビュランスでございますが、全国の配備状況を申し上げますと、東京消防庁に二台、それから京都市に一台独自に配備をされておられます。
 委員御指摘のように、特殊救急自動車でございますが、テロ災害でありますとかあるいは大規模災害時、集団救急事故時などに多数の傷病者が発生したときに、速やかに応急救護所として開設できるという点がございます。そして、そこで応急処置をした上で、改めて救急搬送して、しかるべき病院に搬送する、そういう役割を担っているところでございます。
 一方で、整備費が高額であることに加えまして、広い保管場所が必要であり、また人員の配備体制でありますとか維持管理、運用コストなどの課題もあるということも事実でございます。
 全国でブロックごとに配備を進めていくべきとの御指摘につきましては、想定される災害や事故に即した車両の必要性や有効性を考慮しつつ、消防本部の意向なども踏まえながら、今後の検討課題とさせていただきたいと考えております。
○升田委員 ぜひ前向きに検討していただきたい、このように申し上げておきたいと思います。
 それでは、TPPに関する質疑をさせていただきたいと思います。
 改めて、私は、青森の農家の方々あるいは北海道の皆さん、全国の農家の方々に寄り添う気持ちの中で、残された時間、TPPに関する質疑をさせていただきたいと思います。
 冒頭、大変恐縮でありますけれども、石原大臣そして森山大臣に、朝食、けさ何をお食べになったか、お伺いしたいと思います。
○石原国務大臣 いつものように、青森のリンゴのリンゴニンジンジュース、本当でございます。ヨーグルト、これにバナナ少々、それにコーヒーでございます。
○森山国務大臣 おにぎりがありましたので、それをお茶漬けにして食べまして、鹿児島のかつおぶしとみそでつくっております、あれはみそ茶というんでしょうか、それを一杯飲んでまいりました。
○升田委員 とても正直に、全く秘密などない答弁をいただきましてありがたい、こう思います。
 特にまた石原大臣におかれては、リンゴの、しかもニンジンのジュース、これはなかなか、石原大臣がそれをお飲みになっているということはびっくりしました。ただ、お米の話がなかったのが残念でありますが、さすが森山大臣はお米を食べていただいたということで、これは全国の農家は安心したんじゃないかなと思います。
 西川委員長は、きょうは何をお食べになりましたか。
○西川委員長 お答えする立場にありませんので、控えさせていただきます。
○升田委員 これもだめなんですかね。
 言葉で言わなくてもいいです。お米を食べましたよね、きょう。はい、大きくうなずいておりますので。ありがとうございます。
 最後にまたこの関連で私はこのことに触れさせていただきたいと思います。
 それでは、まず、先般安倍総理にもお伺いをさせていただきましたけれども、昨年の十月五日、TPPの大筋合意がなされました。このことを受けて、農家の皆さんが今どういう心境でおられるか、これは石原大臣と森山大臣にお伺いしたいと思います。
○石原国務大臣 先ほども累次の御質問にお答えさせていただいたんですが、私も党の方の総合農政戦略調査会の顧問をさせていただきました関係で、さまざまなところも歩かせていただきました。そんな中で、今委員御指摘のとおり、昨年の合意の後、私どもも二百九十回にわたる説明会、あるいは説明等々をさせていただいておりますけれども、まだまだ農家の方々の中には不安があるということを肌で感じたところでもございます。これからもしっかりと説明をしていく。
 また、その一方で、先ほども御紹介させていただきましたけれども、若い農家の方々が、このTPPの発効によりまして、海外に出ていきたい、こういう意欲的な意見も聞かせていただき、まさに農政の転換点にあるなということを肌身で感じているところでございます。
○森山国務大臣 升田委員にお答えいたします。
 何回か申し上げてまいりましたが、現場を歩いていて感じますのは、やはり米農家の皆さんの不安というのが非常に高いなというのを実感いたします。それはTPPも影響していると思いますが、本当に飼料米の政策はずっと続いていくんだろうかという御心配もおありになると思っています。また、中山間地における集落の維持が大丈夫だろうかという御心配もあるように感じております。
 我々はこのところをしっかりと御説明申し上げ、また、新しい政策をどう組み上げていくかということは大事な課題だと強く認識をしているところでありますので、皆さんの御意見をしっかりと受けとめさせていただいて、そういう不安の解消に努めてまいりたいと考えております。
○升田委員 実は二十日ほど前、私はTPPの特別委員に選ばれたので、いずれ質問の機会は来るなと思いまして、地元に帰ったときに、急遽、農家の関係の方々にお集まりいただいたんです。夜遅く、急遽のお集まりであったので、十名ほどでございましたけれども、今、TPPが国会で審議が本格化されていきます、このTPPに対して、皆さん、正直に今どんなお気持ちですかとお伺いをさせていただきました。そのときの反応が極めて私は、意外という言葉は適切でないかもしれませんが、驚きもあったんですね。
 どんな反応かといいますと、こうであったんです。このように沈黙だったんですよ、しばらく。どうしたんですか、正直に、ありのまま答えてください、こう言いましたら、お集まり願った方がいわゆる五十代前後でありましたけれども、TPP、なるならなって、余り気にしていない、やってみてだめならやめればいいんだと。もう諦めの声であったのが事実なんです。そして、いいなら腹をくくってやるよ、あるいは、息子にもそれは伝えていくと。しかし、大方、今まで農政がころころ変わったという原因もあろうと思いますが、どうも、もう腹をくくっちゃっているんです。
 こういう状況でありまして、決して、海外に物を売れるようになればいいなとか、現場ではそういう空気感というのは全くないですね。
 私は農家の方々とお話をさせていただくと、日本というのはだんだん人口も減っていく、あと二十年で驚くなかれ一千四百万人人口が減るというデータもございますから、アジアを初め我が国を取り巻く隣国のいわゆる経済成長あるいは人口増加、これを我が国の需要に取り入れていくというのは、これは理屈上わかるわけでありますが、では誰が輸出できるんだ、そして、その輸出産業にしてどれだけの雇用が守れるんだという、現実に農業をやってきたならではの視点の声がその後どんどんどんどん出まして、最後は、だめならやめればいいんだと腹をくくっていますよというのが極めて意外であったんですね。
 ですから、決してTPPのお話は、農林漁業に関してはバラ色ではないということを私は再認識していただきたい、このように思います。
 時間の関係上、次に用意した質問というのは、国内対策によっての影響額についてただしたかったわけでありますが、そこは、三兆円から、最大で二千百億円に変わった。何もしなければ三兆円だ、あるいは国内対策がやられれば二千百億円だと。しかし、農家の皆さんは、本当にそうなのか、それを信じていいのかというお話があることは伝えさせていただきたいと思います。
 そこで、先ほど森山大臣が触れられておりましたけれども、今、米農家で安心感があるのは餌米、飼料米の所得なんですね。これが今回のTPPで、アメリカ、オーストラリアからやがて七・八四万トンが入ってくる。それは最終的に餌米に変わるという仕組みでありますので、現場で飼料米をつくれ、餌米をつくれといいながら、一方では、入ってくるお米の影響で、市場からその分を買い上げて、それを三年後に餌米にするということになりますと、意外と早く餌米の需要が頭打ちになって、またそこで途方に暮れるのではないかという不安が農家の中では広がっております。
 この辺について、森山大臣はどんな御見解ですか。
○森山国務大臣 米の特別枠の話でございますが、これはWTOと違いまして輸入義務を負うておりませんので、SBSでどれぐらい制約できるかというところがよくつかめません。
 七万八千トン、別枠を、十三年後にでき上がるわけですけれども、そのまま入ってくるのかどうかというのは少しつかみにくいところでありますし、日本の米の生産原価も随分下がってまいりましたから、今の傾向を見ておりますと、SBSでそんなに入ってこないのではないかという見方の方が正しいのではないかと思っております。
 ただ、升田委員、ぜひ御理解をいただきたいと思いますのは、日本飼料工業会から、二百万トンまでは需要が見込まれるので頑張ってほしいというメッセージも出されておりますし、また、備蓄米を一定の期間たちますと外に出すわけですけれども、その量というのはやはり飼料米としての需要に比べるとそう大きな数字ではありませんので、ここはまだまだ飼料米は頑張っていかなければいけないのではないかというふうに考えております。
 また、飼料米に対する交付金等についても、しっかりとした対応をしていくことはもちろん大事なことだと考えております。
○升田委員 大臣のただいまの答弁で、ただ、牛肉も相当安いのが入ってきますと、国内の畜産の生産者が減っていくと、果たしてまた飼料米がどうなるかというのが懸念されることもまた事実であろうと思います。
 その関連で、私はとても気になるのは、いわゆる七年後の再協議の規定があるということなんですね。まず、このことについて何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
 まず一番最初に、この規定に至った背景と目的についてお伺いしたいと思います。これは石原大臣にお願いしたいと思います。
○石原国務大臣 この点は当委員会でも何度も何度も議論になっておりますが、簡単に御説明だけさせていただきたいと思います。
 そもそも、見直し、再協議の規定というものは、その他の貿易交渉の中でもスタンダードなものであると認識をしております。
 関税撤廃に合意をしている品目につきましては、物品貿易章、いわゆる二章というところに、要請があれば撤廃の時期について再協議をするとの規定がございます。
 一方、これまで御議論になっているお米を含めます例外品目でございますけれども、その多くの品目については関税撤廃の例外となる措置を確保させていただきました。ですから、この二章の協議のものには当たらないということでございます。
 そうした事情から、関税撤廃の例外となっている措置についても、今委員が御指摘になりました再協議、TPP協定発効から七年がたった後に、相手国からの要請に基づき、協議を行うことに合意した国との間で再協議の規定を相互に、これはオーストラリア、カナダ、チリ、ニュージーランド、アメリカの五カ国と設けることとしたわけでございます。
 TPP交渉は、これもお話をさせていただいておりますように、関税だけではなくて、さまざまなルールやあるいは多くの分野で同時並行的な交渉をしてまいりましたので、一つのところで一つの成果を出すのではなくて、総合的にぎりぎりの交渉の結果、このパッケージになっているわけでございます。
 ですから、御懸念は、例外だ例外だと言うけれども、再協議でまた米のところももっともっと買えと言われるんじゃないかという御指摘でございますけれども、日本の国益を害するようなこと、これは相互主義でございますので、両方が合意しない限りは変更がないわけでございますので、今の委員のような御指摘が、また森山大臣との間でなされていることから鑑みましても、そういう事態は予見できないのではないかと認識をしております。
○升田委員 今、石原大臣の答弁の中でもございましたように、七年後にさらに緩和されて、今米は七・八四万トンだけれども、気がつけば十五万だ、あるいは二十万トンだ、こういうことになりやしないかというのが一番心配なんですね。そして、この七年後の再協議があるから何とかおさめた、繕った感があるのではないかという勘ぐりが、どうしてもこれが消せないんです。ここは、国益を守るという観点から、冒頭、正直に、朝食は何を食べましたというあの答弁のように、これは腹をくくって本当に守っていただきたい、こう思います。
 そこで、残された時間、私は県会議員も二期経験させていただいておりまして、一つ、今も忘れることのできないエピソードをお話しさせていただきたいと思うんです。
 あるとき、農家のお父さんから真剣なまなざしで、升田よ、わはいいんだ、息子に、自信を持って農業をやれ、こう言えるような農政にできないですかと本当に鬼気迫るような顔で言われました。私は言葉に詰まって何も言えなかったです。
 考えてみれば、国政選挙であれ地方選挙であれ、農業は国のもとだ、あるいは地域のかなめだと、与党、野党問わず、候補者が何十年も前から訴えています。しかし、今現在、またこういう大きな不安の中にいるということなんです。
 どうか、私は、この農業、農政について、あるいは農林漁業は、国益という観点で確かな財政支援をするという覚悟を持たないといけないと思います。何度もあえて大きな声で言う必要もないかもしれませんが、産業政策としての農林漁業、そして地域政策としての農林漁業、大規模だけがよいわけではなくて、兼業農家もすぐれた日本の知恵ですよ。ですから、佐々木委員からお話ございましたが、安倍総理が、美しい田園風景、そして農村の原風景も守る、こう述べておりました。これは心だけでできるものではありません。財政を投入してこそできる。
 アメリカであれヨーロッパであれ、相当直接支払いで所得補償をしているというふうに私はお伺いしております。日本はこの点は弱いんじゃないかなと思うんですね。このことをやらずして、あるいはそこの方向に政治が持っていく、いろいろな批判があっても、これは本当に国のもとなんだという、ここに「ブレない。」とありますけれども、そういうところをまさしくぶれない思いでやってもらいたい。
 私は冒頭、沈黙があったというお話をしました。それは、ぶれがあるから農家がしばらく私の問いに沈黙してしまったんです。
 この私の思い、今、支離滅裂なお話になってしまったかもしれませんが、本当に責任を感じるTPPの担当の大臣とそして農林水産大臣に、私のこの思いに対してお言葉をいただきたい、こう思います。
○石原国務大臣 升田委員の熱い思いをしっかりと受けて、やはり国益を害することのないように、農あっての日本である、そういう気持ちを持って取り組ませていただきたいと思います。
○森山国務大臣 お答え申し上げます。
 農は国の基であると教えられてきました。
 私は、日本の農林水産業に従事しておられる方々は、やはり日本の国民の食料を守り、あるいは山林を守ってこられたと思います。結果として、世界で最も信頼できる安心、安全な農林水産物を生産できるようになっていると思っています。ここは日本の農林水産業に従事しておられる方々の矜持としていただきたいと思いますし、そのことを中心に据えて我々は政策を進めていかなければなりません。
 また、委員御指摘のとおり、中山間地等における条件不利地域のところであっても、創意工夫をしながら、非常に所得につながる農業や林業や水産業を営んでおられる地域もあります。我々はそういうところもしっかりお支えをさせていただいて、小規模農家であっても大事な役割を果たしておられるわけですから、先ほどから申し上げますとおり、産業政策と地域政策をしっかりと進めさせていただくということが大事なことだろうというふうに考えておりますし、TPPを契機にして、さらにその努力が必要であるというふうに強く認識をしております。
○升田委員 時間が来たので終わります。ありがとうございました。
○西川委員長 次に、斉藤和子君。
○斉藤(和)委員 日本共産党の斉藤和子です。よろしくお願いいたします。
 昨日も熊本で繰り返し余震が続いております。熊本県を中心とした九州地方の地震によって犠牲になられた方々に心から御冥福を申し上げると同時に、被災された皆様に私からもお見舞いを申し上げたいと思います。日本共産党としても、引き続き救援、救済に全力を挙げることを申し上げて、質問に入りたいと思います。
 私は、TPPと食の安全の問題について質問をいたします。
 国民の皆さんにとってTPPと食の安全の問題は最大の関心事項だと思います。TPPで、自分たちの食べているものは大丈夫なのか、守られるのか、安心なのか、大きな問題になっています。
 昨年十一月の総合的なTPP関連政策大綱で、TPP協定により、我が国への海外からの輸入食品の増加が見込まれることから、食の安全、安心を守るため輸入食品の適切な監視指導を徹底するための体制強化に努めるとしています。
 そこで、お聞きいたします。
 TPPによって輸入食品の増加が見込まれるとありますが、輸入食品の増加がどれだけふえるというふうに見通されているのか、石原大臣にお聞きいたします。
○石原国務大臣 ただいま委員が御言及されました、私どもが昨年末に行いました経済効果分析によりますと、TPPによる関税削減といった貿易コストの低下に加えまして、経済全体に占める貿易の割合の増加によりまして、この中に当然食料品も入っております、販路や市場が拡大し、生産性が向上しという前提をモデルに組み込んだ分析を行わせていただきました。
 その結果、どの程度のことであるかという御質問でございますけれども、日本経済全体のマクロ試算ではございますけれども、GDPの〇・六一%、すなわち、二〇一四年度のGDPで換算すると三・二兆円程度の輸入が増加する、この中に食料品等々が含まれていると御理解をいただきたいと思います。
○斉藤(和)委員 全体の輸入がふえる、その中に食料品も含まれているということで、輸入はふえるということはわかることです。
 言うまでもなく、日本の食料自給率というのは三九%です。先進国の中でも最低と言われる食料自給率になっているわけで、その結果、世界最大の食料輸入大国に日本は現在なっている。全世界から三千二百万トン、国民一人当たり年間二百五十二キログラムの食品を輸入しています。一人当たりの年間の米の消費量が約六十キロですから、そこから見ても大量の輸入食品が入ってきていることはわかるわけです。
 さらに言えば、TPP加盟十一カ国からの輸入量は、現在の時点で、重量ベースで見れば、全世界からの輸入量の実に六一・八八%です。資料でもお配りさせていただいています。六割を超えるものがTPPに加盟する十一カ国から現在も入ってきているということです。
 つまり、輸入件数は増加傾向にあり、TPPでさらにふえる。TPPは九五・〇八%の関税が撤廃されるわけですから、増加というよりは、食品の面でも急増するということが懸念されるわけです。
 そのTPP十一カ国からの輸入食品の中で残留基準を超えているなどの食品衛生法違反の状況、TPP十一カ国から入ってきている輸入食品の中で食品衛生法違反の現在の状況はどうなっているでしょうか。厚労大臣、お願いいたします。
○塩崎国務大臣 二〇一四年度におきますTPP締約十一カ国からの輸入をされた食品について、今お話がありました食品衛生法違反、これがあった食品の数を多い順番から申し上げますと、アメリカ合衆国が七十四件、ベトナムが五十七件、マレーシアが十四件、カナダが七件、ニュージーランドが五件、オーストラリアが四件、ペルーが三件、シンガポールが三件、チリが三件、メキシコが二件、ブルネイはございません。合計いたしますと百七十二件違反がございました。
○斉藤(和)委員 現在の時点でもTPP加盟十一カ国からの食品衛生法違反の状況は百七十二件に上る。全違反件数の約二割ぐらいに相当するというふうになります。アメリカの違反件数は七十四件で、中国に次いで第二位です。ベトナムは五十七件で第四位。TPPで輸入食品の安全性が大変な事態になることは、現在の段階を見ても明らかだというふうに考えられます。
 そこで、輸入食品の検査率が現段階でどうなっているのか、これも表にしました。こちらのパネルにもありますとおり、輸入食品の検査率は、二〇一四年の、先ほど大臣からもありましたとおり、違反件数百七十二件が出た段階で、検査されているものは全体の八・八%です。二〇〇三年以来、最低の検査率になっています。実に九一・二%が検査がない状態で輸入されてきているということになります。
 輸入件数が年々増加する、その一方で、検査されている総数自体が減ってきているわけです。九一・二%が検査なしで輸入されている。この現状の中で、さらにTPPで輸入食品が急増すれば、この検査率というのはさらに低下するのではないかというふうに考えられるのですが、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 輸入食品の検査というのは、釈迦に説法ではございますけれども、検疫所において食品添加物とか残留農薬それから遺伝子組み換え食品等を検査するためにサンプルを取り出して行うモニタリング検査、それから、モニタリング検査等の結果を受けて、食品衛生法の違反の可能性が高いと判断された食品を対象に輸入者の経費負担で全量を検査する命令検査というのがございます。
 この二つから成っているわけでありますが、輸入食品の検査件数というのは、違反の可能性が高い食品を対象とした命令検査の件数が減少することによっても低下をするわけでございまして、食品の輸入量の増加のみが検査率の低下に結びつく要因ではないわけでございます。
 いずれにしても、今後の輸入食品の増加の可能性を踏まえて、検疫所の検査の体制強化を図るために、職員の研修による資質の向上や必要な職員の確保、それから検査機器の充実等によって、引き続き、我が国に輸入される食品の安全性の確保に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○斉藤(和)委員 検査率が下がるというのは輸入食品が増加するからだけではないというお話がありましたけれども、全体の輸入届け出件数は二百二十一万件です。そのうち検査されているのはたった十九万件なわけですね。そういう中で輸入食品がふえていけば、検査される数というのは今の体制のままではやはり低下する状況というのは拭えないというふうに思うわけです。
 輸入食品の検査というのは検疫検査ですから最も重要で、輸入食品、つまり私たち国民の口に入るものが安全かどうか、国民にとっては非常に関心があるし、逆に言えば、安全だと思って食べているものが実は検査されていないというのは、それ自体が驚きなわけです。
 そういう点で、TPPで輸入食品がふえていくという見込みがあるもとで、検査率そのものをやはりしっかりと上げていくことこそが食品の安全を確保する国民に対する責任だと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 先ほど申し上げたように、サンプルで検査をした後に、違反の可能性が高いというものを判断して全量検査するということを今やっているわけでありますが、我々としては、サンプリング調査をきっちりやって、疑いがありということであれば全量検査をやる、この体制をしっかりとやることが安全性を確保するということにつながるわけでございます。
 ですから、先ほどアメリカの数を言っておられましたが、中国に次いで二番目ということでありますけれども、全体としてそういった件数がそれぞれの国で下がっていくように私どもとしても検査をきっちりやっていくということをやることで、相手国もそういったことに大変厳しい国としての日本をよく見るということになれば、出す方もいろいろ考えざるを得ないというか、それでサンプリングで捕まるということになるわけでございますので、我々としては、先ほど申し上げたように、資質の向上を含めて、そして体制も含めてしっかりとやっていかなきゃいけないというふうに思っておりますし、まさに食の安全は国民の基本だというふうに思っております。
○斉藤(和)委員 食の安全は基本、しっかりやっていくというふうな御答弁でしたけれども、私は、サンプリング検査そのものについても抜け道があるというか、抜け穴があるというふうに思うんですが、それは別の機会に、もしあればやらせていただければと思うんです。
 やはり、食品の安全性を確認するという問題というのは、書類の上でチェックするだけではわからないわけです。残留農薬が基準を守っているかどうかというのは、実際にその検体を検査しなければわからない。それをやられているのが八・八%で、残りの九一・二%は、書類だけで、検査されずに輸入されているということなわけです。
 先ほども大臣からありました、そしてTPPの関連政策大綱でもありますとおり、「食の安全・安心を守るため輸入食品の適切な監視指導を徹底するための体制強化に努める。」というふうにしておりますけれども、検疫所で検査業務に従事している食品衛生監視員の現在の人数は何人でしょうか。
○塩崎国務大臣 全国の港とか空港に設置をされております検疫所で、我が国の食品衛生法に適合する食品が輸入されるように、常時、輸入食品の審査、検査を実施しているわけでありますけれども、今お尋ねの食品衛生監視員、これにつきましては、二〇一六年四月一日現在、全国の検疫所に配置されている食品衛生監視員は四百八名でございまして、二〇一五年度から見ると増員は二名ということでございます。
 今後とも、先ほど申し上げたとおり、輸入される食品の安全性が確保できるように、必要な職員の確保などによって輸入食品の検査等を着実に実施してまいらなければならないというふうに考えております。
○斉藤(和)委員 全国で四百八名だ、そして、輸入の監視体制を強化するというふうに言われましたけれども、二〇一六年で増員された数はたった二人しかありません。先ほども言いましたが、全体の輸入届け出件数というのは二百万件を超えているわけですから、それを四百八人でさばくということ自体が無理があるというふうに思うわけです。
 検疫所で輸入食品の監視業務に従事しているのが、先ほど、全国に四百八人いらっしゃる食品衛生監視員です。国が行っている行政検査、先ほどもありましたが、モニタリング検査というふうに言われています。この検査を実際に行っているのが食品衛生監視員。この行政検査、四百八人の全国の皆さんがやられているこのモニタリング検査は八・八%ではないんです。この下にある二・六%、これをやられているのが、今、四百八人の食品衛生監視員の皆さんがやられているものです。これは、輸入食品監視統計が一九六五年に公表されて以降、過去最低の検査率となっています。
 輸入食品の検査というのは、幾ら検査機器をそろえても検査率を上げることはできません。検査機器に入れる前の前処理過程というのが全て人の手で行われています。つまり、人をふやさなければ検査率を上げることはできません。
 私も横浜検疫所輸入食品・検疫検査センターを視察いたしました。食品衛生監視員の皆さんが、例えば、衣つきの魚のフライの冷凍食品、これを一つ一つ衣を剥がす作業をやっている、または、冷凍のブロック肉を、その場所にトンカチとかのみが置かれていて、それを使って細かく砕いている。まさに、検査機器に入れるまで、その検体を検査機器に入れられる状態になるまで、要は、職員の手によって幾つもの過程を経て、やっと検査機器にかけることができるわけです。
 検査業務に従事している食品衛生監視員というのは、六五%が若い女性によって担われています。業務は、検査によっては休日出勤だとか深夜になることもあり、大変だという職場でした。だからこそ、現場の食品衛生監視員からは、率直にTPPが怖い、こういう声が出されました。
 しっかりと輸入食品の安全を確保する上で体制強化をするという上であれば、食品衛生監視員を抜本的にふやすべきではないでしょうか。いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 先ほど申し上げたように、おっしゃるように人が検査をするわけでありますから、私どもとしても、今お配りをいただいているグラフにもございますように、経年的にふやしてきているわけでございますが、それが十分かどうかという評価が今問われているというふうに思います。
 先ほど申し上げたように、必要な職員の確保はやはり図っていかなければいけないというふうに思っているわけでありまして、先ほど検査機器などについてのお話の言及もありましたけれども、やはりこれはこれとして、検査機器を充実していくことによって生産性を上げるというか、検査の生産性を上げる、すなわち、効率を上げていくことによって検査のカバー率を高めていくということも大事であり、間違いない検査をしていくということはとても大事だろうというふうに思います。
 もちろん、一人一人の生産性という意味では資質の向上をやっていくことも大事でありまして、あとは人数の問題でございまして、私どもとしては、これはでき得る限りの確保を図っていきたいというふうに思っているところでございます。
○斉藤(和)委員 できる限りの確保をということですが、現時点で六割がTPP加盟十一カ国から入ってきている、この状態の中で、やはり抜本的に人数をふやさなければ検査体制が追いつかないということを繰り返し強調したいと思います。
 人手が足らないからといって、パートやアルバイトでこの食品衛生監視業務というのは補うことができないわけですよね。検査施設の国際標準規格からも正規職員でなければならないというふうになっているわけです。そうすれば、やはり食品衛生監視員を抜本的にふやすという取り組みがどうしても求められるわけです。
 先ほども指摘したように、輸入食品が急増する中で、食品衛生監視員をふやさなければ検査率を上げることはできません。しかし、ふやすといっても、二〇一六年でふえたのは二人。なぜ抜本的にふやすことができないのか。
 私は、その根底に国家公務員の総定員法があるからではないかというふうに考えるわけです。各省庁の定員が定められていて、食品衛生監視員を増員すると、その一方で、他の厚生労働省内の公務員を削減しなければならない。だから、厚生労働省内のパワーバランスの中で、食品衛生監視員を抜本的に増員するということになかなか踏み切れないのではないか。しかし、自衛隊員はこの国家公務員総定員法の対象からは外されています。
 輸入食品の検査に携わる食品衛生監視員というのは、まさに私たち一人一人の人間が、当たり前ですが、食べ物がなければ生きていけないという根本的な国民の健康と命にかかわる問題に携わっている仕事なわけですから、私は、食品衛生監視員を国家公務員総定員法の対象から外して、抜本的増員を進めるべきではないかというふうに考えるわけですが、いかがでしょうか。
○萩生田内閣官房副長官 総定員法の趣旨は、政府全体の総定員数の膨張を抑制しつつ、政府全体を通じた定員の機動的、弾力的な再配置を進める点にあり、その枠組みにおいて食品衛生監視員といった個別の職種の定数を定めているものではありません。
 その増員の直接の障害になっているとは現時点では思っておりませんけれども、委員の問題意識につきましては共有するところがございます。
 したがって、国家公務員の定員については、各府省から業務量を踏まえて増員要求が内閣人事局に提出され、これを審査する中で、必要なところには増員を配置しておりまして、今厚労大臣が答弁したとおり、検疫所には現在四百八名の食品衛生監視員が配置をされております。
 と同時に、厚労大臣から御答弁したように、検査機器なども日進月歩で新しい技術も出ておりますし、あるいは事務処理のICT化などさまざまな工夫をしながら、効率的な検査体制というのをここで再構築していく必要があるというふうに思っております。
 輸入食品につきましては、その安全性が確保されるよう、今後の食品の輸入動向等を踏まえた検疫所の体制を整備することが重要であるという認識は共通しております。
 したがって、今後、内閣の重要課題に適切に対応する体制を整備しつつ、めり張りをつけて審査をしてまいりたいと思っております。
○斉藤(和)委員 共有するところがあるというお話でした。
 とにかく、やはり輸入が抜本的にふえるということは目に見えているわけで、私は、改めて食品衛生監視員の抜本増員を本格的に行うということを求め、国民の食を守る立場で頑張り抜きたいというふうに思っております。
 そうした点で、検疫体制を強化していくことも大事ですけれども、やはり、輸入ががばっと入ってきて、それに見合う体制がつくれなければ国民の健康や命が脅かされるわけですから、改めてTPPからは直ちに撤退することを強く求めて、質問を終わりにさせていただきます。
 ありがとうございました。
○西川委員長 次に、椎木保君。
○椎木委員 おおさか維新の会の椎木保です。
 質問に入る前に、熊本県を中心に発生した九州地方の地震によりお亡くなりになられました方々に対して心からお悔やみを申し上げます。また、負傷された方、さらには被災された方々に対しましても心からお見舞いを申し上げます。
 それでは、質問に入ります。
 初めに、TPP対策における農業予算に関連して、農業関連公共事業の現状について質問いたします。
 二〇一一年八月四日、茨城県土地改良事務所等が発注主体となる農地整備事業について談合が行われ、六十三者に排除措置命令、五十者に課徴金納付命令が出されています。処分を受けた後の二〇一二年から一四年にかけて、県への賠償金が全額支払われていない中での、当時の厚生労働副大臣に対して談合企業から政治献金が行われています。
 違法ではないものの、問題があるのではないでしょうか。森山農水大臣の見解を求めます。
○森山国務大臣 委員御指摘の件でございますが、平成二十三年八月に公正取引委員会が公表したところによれば、茨城県が発注する土木一式工事等の入札において、独占禁止法の規定に違反する行為が行われ、排除措置命令が出されたというふうに承知をいたしております。
 そもそも、当該工事は茨城県が発注したものであって、国の直轄事業ではありません。国としては、個別事案の詳細について承知をしていないところであります。
 いずれにしても、本事案のような公共事業に係る予算執行において、事業の実施主体である都道府県等において、法令等に基づき適正に行われるべきものであると考えております。
 またさらに、政治献金については、一般的に言って、総務省が所管をする政治資金規正法にのっとり適正に処理されるべきものであると認識をしております。
○椎木委員 私が質問で申し上げているのは、県への賠償金が全額支払われていない中で、違法ではないけれども問題ではないのかということです。これは国費が入っているんじゃないですか。適切ですか、不適切ですか、その辺を含めてもう一回答弁をお願いします。
○森山国務大臣 先ほど御答弁を申し上げましたとおり、県において行われた事業でございますので、県においてしっかりと対応されるべきものだと考えております。
○椎木委員 国費が入っていても県が勝手にやっているという意味なんでしょうかね。これは三年間にわたって総額二百七十万も献金されているんですよ。
 もう一度言いますよ。県への賠償金が全額支払われていない中での献金なんですよ。国費が入っているんです、国費が。関係ないんですか、これは。
○森山国務大臣 先ほども申し上げましたが、県が行っている事業でございますので、県においてしっかりした対応をしていただけると考えております。
 また、政治資金につきましては、一般的に申し上げて、総務省が所管をする政治資金規正法にのっとりまして適正に処理されるべきものであると認識をしています。
○椎木委員 では、次の質問に入ります。
 我が党が調べた範囲ですと、井関農機、二〇一五年三月に処分を受けている、その二カ月後の五月に補助金の交付を受けている。これは何ら法令に抵触するものがないのか。さらには、この補助金の額、補助事業の名称、これらについて答弁をお願いします。
○森山国務大臣 お答え申し上げます。
 委員御指摘の問題は、平成二十七年五月に補助金の交付を受けた御指摘の井関農機株式会社については、平成二十七年三月に公正取引委員会から独占禁止法に基づく排除措置命令を受けたと承知をしております。
 他方、補助金の交付の決定の適正化を図ることを目的とする補助金適正化法においては、独占禁止法に基づく排除命令等を受けた者を補助金の交付対象から排除しているものではありません。
 したがって、補助金適正化法違反の問題が生じるものではないと承知をしております。
○椎木委員 感覚がずれていますね、一言で申し上げて。
 さっきの政治献金のところもそうですけれども、私も国会議員二期目なんですけれども、今まで企業・団体献金は一切もらっていない。だから、国民の皆様とは感覚が非常に一致するんですよ。ただ、大臣の答弁を聞いていると、何か国は関係ないとか、政治献金についてはという、全くこれはやはり国民の感覚と認識が大きくずれていると思います。
 次の質問をします。
 井関農機と、今度はヤンマーグリーンシステム、これらは既に二度の処分を受けている。これは、例えば三度目の処分になった場合の農水省の指導監督はどうなるんでしょうか。
○森山国務大臣 御指摘の問題でありますが、談合により公正取引委員会から処分を受けた事業者については、農林水産省発注の入札において指名停止措置を講ずることとしております。一定期間に複数回の処分を受けた場合については、より長期間の指名停止を行うこととしているところでございます。
○椎木委員 これは先ほどの質問に関連しますけれども、いいですか、二〇一五年三月に処分を受けた会社が、二〇一五年、同年の十月に二度目を起こしているんですよ、これ。二度目の処分を受けている。これが三度目になったらどうだと言ったら、何か生ぬるい答弁が今ありましたけれども、これは、引き続き三度目の処分が科せられたときに、補助金の交付は受けられるんでしょうか。
○森山国務大臣 一般論として申し上げますが、入札契約の相手方の選定と各種事業における補助金の交付を受ける補助事業者の選定は別でございます。補助金の交付に当たっては、補助金適正化法や各事業の要綱、要領等のルールにのっとりまして適切に選定をすることとしております。
 補助目的との整合性でありますが、事業効果などを審査し、適切と判断した場合には補助金の交付は可能であると思いますが、審査を必要とすると考えております。
○椎木委員 だから、先ほどから私が言っているんですけれども、国民の感覚とずれているんですよ。
 同じ年に二回も処分を受けている。これは三度目になったらどうなんだと。ここでやはりしっかりと再発防止、しかも、これは農業予算ですよ。その辺の認識をしっかり改めていただいて取り組んでいただきたいということを私は申し上げている。
 次の質問に入ります。
 質問通告と一緒に、委員の皆様には配付しておりませんけれども、資料をお渡ししてあります。
 これは、我が党が調べた、二〇一一年八月四日、先ほどの茨城県の土地改良の事業ですね。それから、二〇一六年二月十日の、北海道、これは農協等の入札にかかわる内容ですけれども、これはそれぞれ、入札の形態というのは指名競争なんでしょうか、それとも条件つき一般競争入札なんでしょうか。さらに、この予定価格というのは事前公表なんでしょうか、事後公表なんでしょうか。答弁をお願いします。
○森山国務大臣 原則として競争入札でございます。また、価格については事前公表はいたしておりません。
○椎木委員 競争入札なんて、そんなのは当たり前なんです。私が聞いているのは、指名競争なのか条件つき一般競争入札なのかと聞いている。
 再度答弁をお願いします。
○西川委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○西川委員長 速記を起こしてください。
 森山農林水産大臣。
○森山国務大臣 先生から資料を提出していただいておるものにつきましては、都道府県が事業主体でございますので、競争入札であるかどうか等については、県に問い合わせをさせていただきたいと思います。
○椎木委員 全く不誠実な答弁ですよね。私は前日に渡しているんだよ。聞いているんですよ、項目も。入札形態、落札率、予定価格が事前なのか事後なのか、これについて質問するので答弁をお願いしますと通告しているんだよ、資料も出して。
 まあ、きょうは第一ラウンドなので、こんなものにしますわ。しっかりと資料を添えて通告しているんですから、適切に、誠実に答弁してください。いいです。次の質問に入ります。
 時間がないので、これは最後の質問になります。
 我が党が調べたこの五つの入札で、三件が発注主体が農協になっています。農協が発注した場合、官製談合罪の適用がないとされていますけれども、今後これを見直すような考え、必要性はあるでしょうか、答弁をお願いします。
○松尾政府参考人 国、地方公共団体等の発注機関の職員が関与しているいわゆる官製談合事件につきましては、従来から、公正取引委員会といたしましても、違反行為を排除するための行政処分を行っていたところでございますが、発注機関の職員が関与した場合において、その発注機関に対しては行政処分を講じることができなかったということがございまして、事業者側の不公平感が払拭できなかったということがございます。
 したがいまして、発注機関に対しても組織的な対応を求め、再発を防止するために、平成十四年に官製談合防止法が議員立法として制定され、十五年一月に施行されたところでございます。
 御指摘のとおり、発注者が国及び地方公共団体等に該当しない農協の場合におきましては、同法の適用対象とならないということになってございますが、公正取引委員会といたしましては、入札談合事件において、国及び地方公共団体等に該当しない農協等の発注者側の関与行為が認められた場合においても、発注者側に対しましてその旨を指摘した上で、改善のための申し入れを行ってきているところでございます。
 したがいまして、今後とも、これにより事件の再発防止を図っていきたいというふうに考えております。
○椎木委員 私の質問に全然答えていないんですよ。私が言っているのは、官製談合罪の適用がないけれども、見直す必要があるのかと聞いている。
 もう一度お願いします。
○松尾政府参考人 官製談合防止罪ということでございますので、先生御指摘の点につきましては、官製談合防止法八条の規定に刑罰の規定がございます。これをお指しになっているというふうに理解いたした上でお答えさせていただきます。
 官製談合防止法第八条につきましては、入札等の公正を害すべき行為を行った職員に対する刑罰についてのみ規定があるものでございまして、この運用につきましては、公正取引委員会としてはかかわっていないというような枠組みになってございます。
 したがいまして、公正取引委員会が本規定の適用対象の拡大について判断することはできないということでございますので、この点についてのお答えは差し控えさせていただければというふうに考えております。
○椎木委員 我が党もこれだけ調べたものがあるんですよ、森山大臣。
 きょうは、私の時間が十五分だということと、できるだけ個別具体的な内容には触れないで質問しようという意図で、あえて資料は配らなかった。しかし、通告には丁寧に、質問の内容、趣旨、そして資料も添えて提出している。今後はきちっと誠意ある答弁をいただきたいと思います。
 先ほど質問の途中でも言いましたけれども、きょうは第一ラウンドですから、今後しっかり、農業予算、あるいは競争環境をしっかり整える、こういう視点で質問させていただきたいと思います。
 以上で終わります。
○西川委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時六分散会