第192回国会 決算行政監視委員会 第2号
平成二十八年十一月十八日(金曜日)委員長の指名で、次のとおり分科員及び主査を選任した。
 第一分科会〔皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府(本府、警察庁、金融庁、消費者庁)、復興庁、外務省及び環境省所管並びに他の分科会所管以外の国の会計〕
   主査 後藤田正純君
      秋本 真利君    浅尾慶一郎君
      遠藤 利明君    木村 弥生君
      白須賀貴樹君    園田 博之君
      篠原  豪君    松田 直久君
      穀田 恵二君
 第二分科会(総務省、財務省、文部科学省及び防衛省所管)
   主査 石関 貴史君
      神田 憲次君    木村 太郎君
      河野 太郎君    新谷 正義君
      村上誠一郎君    山際大志郎君
      西村智奈美君    石田 祝稔君
      中村喜四郎君
 第三分科会(厚生労働省、農林水産省及び経済産業省所管)
   主査 武田 良太君
      赤枝 恒雄君    瀬戸 隆一君
      西川 公也君    牧原 秀樹君
      八木 哲也君    青柳陽一郎君
      松木けんこう君    松浪 健太君
 第四分科会(法務省及び国土交通省所管)
   主査 伊藤  渉君
      甘利  明君    加藤 鮎子君
      河村 建夫君    鈴木 馨祐君
      田中 英之君    田畑 裕明君
      玄葉光一郎君    馬淵 澄夫君
      宮本  徹君
平成二十八年十一月二十五日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 玄葉光一郎君
   理事 後藤田正純君 理事 瀬戸 隆一君
   理事 田畑 裕明君 理事 武田 良太君
   理事 山際大志郎君 理事 石関 貴史君
   理事 松田 直久君 理事 伊藤  渉君
      青山 周平君    赤枝 恒雄君
      秋本 真利君    浅尾慶一郎君
      甘利  明君    遠藤 利明君
      加藤 鮎子君    河村 建夫君
      神田 憲次君    木村 太郎君
      木村 弥生君    黄川田仁志君
      河野 太郎君    佐々木 紀君
      白須賀貴樹君    新谷 正義君
      菅原 一秀君    助田 重義君
      鈴木 馨祐君    園田 博之君
      田中 英之君    田畑  毅君
      牧原 秀樹君    村上誠一郎君
      八木 哲也君    青柳陽一郎君
      大串 博志君    小山 展弘君
      後藤 祐一君    篠原  豪君
      玉木雄一郎君   松木けんこう君
      石田 祝稔君    穀田 恵二君
      畠山 和也君    宮本  徹君
      椎木  保君    松浪 健太君
      中村喜四郎君
    …………………………………
   財務大臣         麻生 太郎君
   文部科学大臣       松野 博一君
   厚生労働大臣       塩崎 恭久君
   農林水産大臣       山本 有二君
   経済産業大臣       世耕 弘成君
   国土交通大臣       石井 啓一君
   防衛大臣         稲田 朋美君
   国務大臣
   (地方創生担当)
   (規制改革担当)     山本 幸三君
   内閣官房副長官      萩生田光一君
   外務副大臣        岸  信夫君
   財務副大臣        木原  稔君
   防衛副大臣        若宮 健嗣君
   内閣府大臣政務官     武村 展英君
   総務大臣政務官      金子めぐみ君
   厚生労働大臣政務官    馬場 成志君
   経済産業大臣政務官    中川 俊直君
   会計検査院長       河戸 光彦君
   会計検査院事務総局第一局長            村上 英嗣君
   会計検査院事務総局第二局長            岡村  肇君
   会計検査院事務総局第三局長            須藤  晋君
   会計検査院事務総局第四局長            寺沢  剛君
   会計検査院事務総局第五局長            斎藤信一郎君
   政府参考人
   (内閣官房内閣参事官)  彦谷 直克君
   政府参考人
   (内閣府知的財産戦略推進事務局長)        井内 摂男君
   政府参考人
   (総務省大臣官房審議官) 堀江 宏之君
   政府参考人
   (総務省行政評価局長)  讃岐  建君
   政府参考人
   (総務省情報流通行政局長)            南  俊行君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 滝崎 成樹君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 宮川  学君
   政府参考人
   (外務省北米局長)    森  健良君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   茶谷 栄治君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          藤原  誠君
   政府参考人
   (農林水産省生産局長)  枝元 真徹君
   政府参考人
   (農林水産省経営局長)  大澤  誠君
   政府参考人
   (林野庁長官)      今井  敏君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           中川  勉君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           竹内 芳明君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房長) 吉田 光市君
   政府参考人
   (国土交通省道路局長)  石川 雄一君
   政府参考人
   (国土交通省鉄道局長)  奥田 哲也君
   政府参考人
   (国土交通省航空局長)  佐藤 善信君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房施設監) 小柳 真樹君
   政府参考人
   (防衛省防衛政策局長)  前田  哲君
   決算行政監視委員会専門員 塚原 誠一君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月二十一日
 辞任         補欠選任
  遠藤 利明君     大串 正樹君
  河村 建夫君     大岡 敏孝君
  西川 公也君     前川  恵君
  石田 祝稔君     中川 康洋君
  鈴木 馨祐君     ふくだ峰之君
  前川  恵君     中川 郁子君
  篠原  豪君     大西 健介君
  ふくだ峰之君     豊田真由子君
  西村智奈美君     武正 公一君
  中川 康洋君     角田 秀穂君
  松浪 健太君     吉田 豊史君
  青柳陽一郎君     菅  直人君
  角田 秀穂君     濱村  進君
  吉田 豊史君     松浪 健太君
  豊田真由子君     黄川田仁志君
  大西 健介君     逢坂 誠二君
  馬淵 澄夫君     宮崎 岳志君
  穀田 恵二君     大平 喜信君
  黄川田仁志君     鈴木 隼人君
  武正 公一君     長妻  昭君
  宮崎 岳志君     鷲尾英一郎君
  濱村  進君     吉田 宣弘君
  大平 喜信君     斉藤 和子君
  宮本  徹君     田村 貴昭君
  松浪 健太君     吉田 豊史君
  大岡 敏孝君     河村 建夫君
  大串 正樹君     遠藤 利明君
  鈴木 隼人君     鈴木 馨祐君
  中川 郁子君     西川 公也君
  逢坂 誠二君     篠原  豪君
  菅  直人君     青柳陽一郎君
  長妻  昭君     西村智奈美君
  鷲尾英一郎君     馬淵 澄夫君
  吉田 宣弘君     石田 祝稔君
  斉藤 和子君     穀田 恵二君
  田村 貴昭君     宮本  徹君
  吉田 豊史君     松浪 健太君
同月二十五日
 辞任         補欠選任
  赤枝 恒雄君     助田 重義君
  遠藤 利明君     菅原 一秀君
  白須賀貴樹君     佐々木 紀君
  西川 公也君     田畑  毅君
  牧原 秀樹君     青山 周平君
  篠原  豪君     大串 博志君
  西村智奈美君     後藤 祐一君
  馬淵 澄夫君     小山 展弘君
  松木けんこう君    玉木雄一郎君
  穀田 恵二君     畠山 和也君
  松浪 健太君     椎木  保君
同日
 辞任         補欠選任
  青山 周平君     牧原 秀樹君
  佐々木 紀君     白須賀貴樹君
  菅原 一秀君     黄川田仁志君
  助田 重義君     赤枝 恒雄君
  田畑  毅君     西川 公也君
  大串 博志君     篠原  豪君
  小山 展弘君     馬淵 澄夫君
  後藤 祐一君     西村智奈美君
  玉木雄一郎君     松木けんこう君
  畠山 和也君     穀田 恵二君
  椎木  保君     松浪 健太君
同日
 辞任         補欠選任
  黄川田仁志君     遠藤 利明君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 平成二十四年度一般会計歳入歳出決算
 平成二十四年度特別会計歳入歳出決算
 平成二十四年度国税収納金整理資金受払計算書
 平成二十四年度政府関係機関決算書
 平成二十四年度国有財産増減及び現在額総計算書
 平成二十四年度国有財産無償貸付状況総計算書
 平成二十五年度一般会計歳入歳出決算
 平成二十五年度特別会計歳入歳出決算
 平成二十五年度国税収納金整理資金受払計算書
 平成二十五年度政府関係機関決算書
 平成二十五年度国有財産増減及び現在額総計算書
 平成二十五年度国有財産無償貸付状況総計算書
 主査からの報告聴取
     ――――◇―――――
○玄葉委員長 これより会議を開きます。
 平成二十四年度決算外二件及び平成二十五年度決算外二件を議題といたします。
 第一分科会ないし第四分科会の各分科会は、去る二十一日審査を行いました。
 この際、各分科会主査より、それぞれの分科会における審査の報告を求めます。
 第一分科会主査後藤田正純君。
○後藤田委員 第一分科会の審査について御報告申し上げます。
 本分科会は、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府本府、警察庁、金融庁、消費者庁、復興庁、外務省及び環境省所管並びに他の分科会所管以外の国の会計について審査を行いました。
 主な質疑事項は、沖縄における大阪府警の機動隊員による不適切発言に対する沖縄及び北方対策担当大臣の認識、成年後見制度の利用促進及び充実を図るための方策、遺伝子組み換え食品、成長ホルモンに係る食の安全のあり方、日印原子力協定における核燃料再処理の取り扱い、木更津駐屯地で実施予定のオスプレイの定期機体整備の内容、帰還困難区域の除染に係る東京電力に対する求償のあり方等であります。
 なお、質疑の詳細につきましては会議録により御承知願いたいと存じます。
 以上、御報告申し上げます。
○玄葉委員長 次に、第二分科会主査石関貴史君。
○石関委員 第二分科会の審査について御報告申し上げます。
 本分科会は、総務省、財務省、文部科学省及び防衛省の所管について審査を行いました。
 主な質疑事項は、災害関連の税制の見直し、海外の日本人高校生への支援の拡大、エコカー減税の対象車の見直し、岩国基地へのF35B配備の問題点、深海地球ドリリング計画に対する予算執行調査の指摘への対応、内申書に道徳科の評価が入るおそれ等であります。
 なお、質疑の詳細につきましては会議録により御承知願いたいと存じます。
 以上、御報告申し上げます。
○玄葉委員長 次に、第三分科会主査武田良太君。
○武田委員 第三分科会の審査について御報告申し上げます。
 本分科会は、厚生労働省、農林水産省及び経済産業省の所管について審査を行いました。
 主な質疑事項は、小児がん拠点病院におけるチャイルド・ライフ・スペシャリスト等の配置状況及び雇用形態、認可外保育園に対する支援制度、電力・ガス取引監視等委員会による東京電力エナジーパートナー株式会社に対する業務改善勧告、消費底上げの牽引役としての自動車産業の位置づけ、産科医の待機に係る待遇を改善する必要性、オプジーボの薬価の期中改定の問題点、理容師、美容師の出張営業への規制の現状及び規制緩和の必要性、諫早湾干拓事業に係る開門請求訴訟等であります。
 なお、質疑の詳細につきましては会議録により御承知願いたいと存じます。
 以上、御報告申し上げます。
○玄葉委員長 次に、第四分科会主査伊藤渉君。
○伊藤(渉)委員 第四分科会の審査について御報告申し上げます。
 本分科会は、法務省及び国土交通省の所管について審査を行いました。
 主な質疑事項は、無電柱化推進の取り組み状況、地域公共交通ネットワーク構築の状況及び評価、四国新幹線を新たに整備する必要性、住宅セーフティーネットの重点化の必要性、高齢運転者による交通事故防止対策、九州地方における道路整備の進捗状況、外国人観光客の離島への誘致策等であります。
 なお、質疑の詳細につきましては会議録により御承知願いたいと存じます。
 以上、御報告申し上げます。
○玄葉委員長 以上をもちまして分科会主査の報告は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○玄葉委員長 この際、お諮りいたします。
 各件審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣参事官彦谷直克君、内閣府知的財産戦略推進事務局長井内摂男君、総務省行政評価局長讃岐建君、総務省情報流通行政局長南俊行君、外務省大臣官房審議官滝崎成樹君、外務省大臣官房審議官宮川学君、外務省北米局長森健良君、財務省主計局次長茶谷栄治君、文部科学省初等中等教育局長藤原誠君、農林水産省生産局長枝元真徹君、農林水産省経営局長大澤誠君、林野庁長官今井敏君、経済産業省大臣官房審議官中川勉君、経済産業省大臣官房審議官竹内芳明君、国土交通省大臣官房長吉田光市君、国土交通省道路局長石川雄一君、国土交通省鉄道局長奥田哲也君、国土交通省航空局長佐藤善信君、防衛省大臣官房施設監小柳真樹君及び防衛省防衛政策局長前田哲君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○玄葉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
    ―――――――――――――
○玄葉委員長 これより、各件に関し、国の財政等の概況及び行財政の適正・効率化について重点事項審査を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大串博志君。
○大串(博)委員 おはようございます。民進党の大串博志でございます。
 早速質疑に入らせていただきたいと思います。
 まず、萩生田副長官にきょう来ていただいております。
 さきのシンポジウムでの発言、私は、言語道断の発言だというふうに思っています。強行採決というものはないんだ、野党が強行的に採決を邪魔しているんだ、田舎のプロレスみたいなものだ、これは言語道断と言わざるを得ません。
 安全保障法制のときのあの採決のあり方、衆参、議事録もとれないような中で、与党の皆さんも相当程度に、ある意味議場の中で動き回られていた。今回のTPPの衆議院の採決もしかりです。これをもって、強行採決じゃない、野党が勝手に強行的に採決を邪魔しているんだと。私は、議会での審議のあり方を台なしにするような政府側の発言ではないかというふうに思いますので、非常に憤りを覚えました。
 この点に関して見解を求めたいんですが、その前に、いろいろな萩生田氏の不可思議な発言があります。安倍総理に対して、お坊ちゃま育ちの割には不良とつき合うのが物すごく上手だと外交に関して語っていらっしゃいますけれども、ちなみに、不良とつき合う、この不良というのは誰なんですか。萩生田副長官、お願いします。
○萩生田内閣官房副長官 昨日、参議院のTPPの委員会の中でも指摘をされ、そして、後刻、衆議院の議運の理事会におきまして、私からそのシンポジウムでの、さまざまな御指摘が各委員の皆さんからもございました、国会の議事録と異なりますので、どこからどこまでということではなく、皆さんが不快に思う、また注意をすべきだという指摘については真摯に受けとめて、全ての発言を撤回し、また謝罪をしたところでございますので、ここでまたさらにコメントを加えることはかえって誤解を招くというふうに思いますので、御了解をいただきたいと思います。
○大串(博)委員 きのうは、議院運営委員会理事会の場でございました。その後、外に出て、マスコミの皆さんの前で、議院運営委員会理事会の場でそういうふうな発言をしたということを御報告されていらっしゃいました。
 副長官の発言は、国会の審議全体に対する発言でございます。議院運営委員会のみというわけではなく、私は、このきちっとした委員会の場で、先ほど撤回、謝罪とおっしゃいましたけれども、その旨は、公開の場であるこの委員会の場でもしっかり述べられる必要があると思って、きょう取り上げさせていただきました。
 先ほど、当該問題となった発言全体について、どこからどこまでではなくとおっしゃいましたけれども、すなわち全体に関して不適切であったと認め、撤回し、謝罪されるという理解でよろしいですか。
○萩生田内閣官房副長官 今回の発言は、特定の政党、委員会を名指しして行ったものではなく、与野党ともに充実した国会審議を行わなければ国民の皆様の目にはそのように映るんだという私自身への戒めも込めての発言でありましたが、私の発言で国会審議に支障を来すとすればそれは本意でないということを申し上げて、撤回をし、謝罪をしたところでございますので、これ以上言いわけをするつもりはございません。不適切だという御指摘があるところがあるとすれば、そこは真摯に受けとめておわびを申し上げたいと思います。
○大串(博)委員 強行採決というものはないんだ、野党が強行的に暴れているだけなんだということを不適切だということで撤回、謝罪されましたけれども、私、今の国会運営全体を見ていて、非常に心配になることがあります。
 きょうもそうです。年金カット法案に関する審議が厚生労働委員会で行われている中で、きょうの午後の後半の審議は委員長職権立てになっております。かつ、まだ野党側の質疑も十分尽くされておらず、全体の質疑もまだ十分ではない中で、二〇〇四年の年金法改正のときには三十六時間審議している、参考人質疑もやっている。今の段階で年金カット法案に関しては全然審議時間も満たない、半分強。かつ、参考人質疑もやっていない。そういう中で、与党側の皆さんからは、きょう採決をしたいというような与野党の理解が相整わない提言がなされています。これがこのままいくとなると、私は強行採決という形になると思います。もし与党の皆さんがきょう採決を強行されるとすると、強行採決になると思います。
 国会のことは国会で決めていただくというのが政府の態度だというふうに思いますけれども、ことごとく仄聞するのは、国会対策委員会の方でいろいろ差配をされるんでしょうけれども、官邸からの意向でこういう日程でということをしばしば仄聞するんですね。
 副長官にお尋ねしたいと思いますけれども、法案の審議は円滑、円満にやるべきであって、きょうの年金カット法案に関してもまさか強行採決などないでしょうねということをお尋ねしたいと思いますが、所見をお願いします。
○萩生田内閣官房副長官 文字どおり、国会のことは国会の皆さんがお決めになることでありまして、今御指摘がありましたように、官邸の意向で国会のあり方が変わるということはあってはならないというふうに思っております。
○大串(博)委員 年金カット法案は、非常に重要な要素を含む、将来の年金確保に向けた法律だと政府から言われますけれども、実は、このままいけば所得代替率で三割減ってしまうような、将来の皆さんの年金確保もままならないということで私たちは非常に反対しているんです。かつ、十分な審議が必要というふうな立場で議論している中ですから、きょう、まさか、ゆめゆめ強行採決になってはならないということはここでも申し上げさせていただきたいと思いますし、与党の方で、政府の方で強行採決してもいいんだというような考えがあるとすると言語道断だと思います。ぜひ、そうではないようにあってほしい、きょうの午後の推移を見守りたいというふうに思います。
 萩生田副長官、ありがとうございました。結構でございます。
 さて、次の質疑に入りたいと思いますけれども、諫早湾干拓の問題であります。
 諫早湾干拓事業に関しては、潮受け堤防が締め切られた後、有明海の海域が変質し、漁業者の皆さんに大変な打撃を与えています。塗炭の苦しみと言わざるを得ないような内容。これに関して福岡高裁の開門判決が出て、これを政府は受けとめ、上告しないという中でこの開門判決は確定している、国は開門義務を負っているという状況にあるわけでありますけれども、これに関して、政府は、裁判所の求めに応じて和解という道に乗り出しています。それに対して、開門してくれという皆さんも、あるいは開門してはいけないという皆さんも今乗った状態で和解の議論が進められているわけであります。
 その中で、開門してくれというような思いを持つ方々、特にこの和解案の中にある基金というものを担うというふうに政府の方から提案されている各県漁協、佐賀県の漁協もそうですけれども、漁協の皆さんが非常に危惧しているのは、この和解案を受けなければ、この和解案というのは実は開門しないという前提での和解案ということになっているわけですけれども、当然、佐賀県等々の漁協に関しては、開門はしてくださいという前提の中でいろいろな思いがあるわけでございますけれども、開門しないことを前提とする基金に関して、これを受け入れなければ、これまで普通に行われていた有明海再生の、通常の再生事業の予算まで削られるというような発言を農水省の皆さんから受けて、それが非常なプレッシャーとなって、ある意味おどしのようなプレッシャーとなって、判断が非常に厳しい立場に置かれているということがあります。
 実際、ことしの秋に、佐賀県、福岡県、熊本県、長崎県、長崎県もですよ、漁協の皆さんが要望書を出されていて、その中で、国がこれまでの再生事業と基金案を絡ませながら協議を進める姿勢に大きな不安を持たざるを得ませんというふうに、四県の漁協の皆さんがこうやって要望書まで出されているわけです。
 農水大臣にお尋ねしたいと思いますけれども、この和解案はあくまでも自発的意思による和解案であって、この諾否が、これまで通常に行われてきた有明海再生の予算、事業とリンクするものではないということをはっきりこの場で明言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○山本(有)国務大臣 御指摘の、基金案を受け入れなければ今後、有明海再生対策、そうした予算を削減する旨の説明を農林省がした事実はございません。
 また、諫早湾干拓の開門問題につきまして、国は開門義務と開門禁止義務、双方を、二つの法的義務を負っております。いずれか一方の立場に立つことができないという立場でございます。
 このような中、本年一月、長崎地裁から、開門によることなく有明海全体の漁業環境を改善する方策を検討し、かつ全体の解決を図る和解の協議をすべき旨の勧告をいただきました。五月には、開門にかわる特別な措置としての基金の創設を提案させていただいたところでございます。
 こうした経緯等がございまして、国といたしましては、裁判所の和解勧告及びそれを踏まえた訴訟指揮に従いつつ、問題の解決に向けて真摯に努力をしているところでございます。
○大串(博)委員 今、山本大臣ははっきり発言されませんでしたね。
 私が発言を求めたのは、和解案、基金案の諾否、受けるか受けないかと、これまで通常に行われてきた有明海再生事業とリンクするものでないということを責任者たる大臣の立場からはっきりさせてくださいということなんです。これがはっきりされなかったら、あくまでも腹にそれを据えていらっしゃるような印象を世の中にばらまきます。ですから、ここではっきり、そういうことではないということを、そうであるなら言ってくださいということなんです。いかがでしょうか。
○山本(有)国務大臣 農水省におきまして、有明海再生対策として、本年、十八億円の予算で、有明海の再生に向けた調査あるいは技術開発等を実施しております。
 この有明海再生対策につきまして、議員御指摘の、漁業団体が長崎地裁の和解勧告に基づく基金案を受け入れない場合は予算を削減するというようなことは考えておりません。
 こうした調査や技術開発等につきましては、長崎地裁の和解協議に基づく基金案を受け入れるか否かにかかわらず、取り組みの成果等を踏まえ、その必要性についてしっかり検討させていただきたいと思っております。
○大串(博)委員 今、発言をいただきました。一方で、この一年ぐらいですかね、こういうふうに漁協の皆さんが心配な気持ちを吐露せざるを得ないぐらいかなりはっきりと、漁協の皆さんの心を脅かす形で、和解案の諾否と再生事業とがリンクするのではないかという思いがあったんです。ですから、そこは、今後もはっきりと、有明海の再生事業と和解案の諾否は関係ないということは、きょうもはっきり答弁をいただきましたけれども、大臣のみならず事務方の皆さんも含めて、明確に各地で説明をしていただきたいというふうに思います。
 さらに、この諫早湾干拓事業ですけれども、今おっしゃったように、開門の義務がある、一方で、それ以外の内容を示した判決もある。そういった中で、開門の義務に対して政府が開門を行っていないということで、開門判決を得た側から、つまり開門をしてくださいという側からは、政府に対して、当然その権利を確保するために間接強制ということで間接強制金の訴がなされて、それは裁判所に認められて、これは開門をさせるという目的の間接強制金です、六億円を超える間接強制金がこれまで国庫から支払われているという実態がございます。
 政府が判決を履行しないがゆえに間接強制金という形で税金を毎日支払わなければならないというこの状況、私は、あるべきではない事態だ、基本的には国は判決内容を履行することによってこんな間接強制金みたいなものは払わなくていい事態を開いていくべきじゃないかと思います。
 国庫を預かる財務大臣にまずお尋ねしたいというふうに思いますが、間接強制金なるものを払わなくていい世界を私は現出すべきだと思うんですね。そういう立場からすると、国庫を預かられる財務大臣の立場からすると、この予算の支出の合理性、必要性に対して厳しく政府内でも議論を促す、議論をさせる立場にあられるのではないかというふうに思いますが、どのような認識でいらっしゃいますでしょうか。財務大臣の御答弁を求めたいと思います。
○麻生国務大臣 諫早湾の干拓の開門、閉門の問題につきましては、御存じのように、平成二十二年十二月六日の福岡高裁判決、これは確定ですけれども、開門義務というのを負うことになっております。他方、開門禁止義務、これは平成二十五年十一月十二日の長崎地裁の決定ということになっております。二つの相反する法的義務というものを負っておりますので、現在は開門をしていないという状態にありますのは御存じのとおりであります。
 こうした中で、開門義務に係る間接強制に関しましては、これまでの裁判において開門禁止義務を負っていることなどにより間接強制金の支払いを認めるべきでないなどの国の主張が認められないということになりましたものですから、間接強制金、一日九十万円、年間約三億三千万円の強制金を支払わざるを得ないという状況にあるというのは、ある程度やむを得ないものだと思っております。
 現在、長崎地裁が示した和解勧告に沿いまして和解協議が進められておりますけれども、開門派、また開門差しとめ派の双方が納得する解決というものを目指して今いろいろ話し合いが行われていると承知をいたしておりますが、この協議の進み方というものに関しましては、速やかに決着が図られるということを我々は期待いたしております。
○大串(博)委員 財務大臣、国庫を預かられる立場からすると、間接強制金がこうやって払われている状況は速やかに解決が図られるべきだというふうにお考えになるということ、私は当然の考えでいらっしゃるだろうというふうに思います。
 そういった中で、全体を預かる農水大臣とされては、今は裁判所が和解指揮をしているわけですから、和解というものを通じて決着が図られるように最善を尽くすべきだと私も思います。
 これまでの長い時間、私は非常に残念で、これまでは、国として裁判にこの件は委ねるというふうに答弁をされてこられた経緯も実は長くあります。裁判に任せるというふうにしたがゆえに、実は日本の裁判制度、大臣はよく御存じですけれども、個別的な利害関係を前提としての裁判しか成り立ち得ませんから、この個別的な利害を持つ人に対しては開門、この個別的利害を持つ人に関しては非開門という結果が出得るのが日本の訴訟制度。であるにもかかわらず裁判に任せるというふうにずっと政府はしてきたものですから、ここまで至っているという問題があると私は思います。
 ここでその立場を転回して、政府は、今裁判所が和解すべしという訴訟指揮を行っているわけでありますから、これに対して極めて積極的に和解に向かう案を示し、行動をし、行っていくべきではないかというふうに思いますが、実は、今示されている基金案は非常に私は風前のともしびだと思うんですね。
 まさにこの基金の受け手となり得る漁協の皆さんも、非常に異論がある、反対であるというふうに言われています。十二月にも大きな局面を迎えようとしていますけれども、今、この和解、基金に基づく、開門にかわる基金案というものがかなり風前のともしびになっていると認識される中で、仮に裁判所が、開門にかわる基金案というもの以外の考え方も示しながら、早くこの問題を解決、和解すべしというふうな訴訟指揮に出た場合には、そこも国としては、予断を持たず和解に向けた全力を、先ほどの財務大臣から言われたこともありますように私は行うべきだと思います。
 開門にかわる基金案といった以外のものを訴訟指揮の中で裁判所から示された場合に、政府としても一生懸命、早期に和解になるよう努力しますというふうな考えは、農水大臣、おありになりますでしょうか。御答弁をお願いします。
○山本(有)国務大臣 国といたしましては、あくまで長崎地裁の訴訟指揮に従うという基本的な姿勢にのっとっております。地裁が示した和解勧告に沿って、今も全力で努力を傾注しているところでございます。
 問題解決に至れるよう知識を絞っておられる原告、被告、そして地裁の存在を高く評価するところでございます。そして、こうした努力の中で解決に向けての新しい発想や新しい知恵が出た場合、私どもとしましては、裁判所の訴訟指揮に従いつつ、問題解決に至れますように最善の努力を傾けていきたいという決意でございます。
○大串(博)委員 今、裁判所の訴訟指揮に従って最善の努力をしていきたいということでありました。今おっしゃる意味は、裁判所の訴訟指揮に従うですから、裁判所の訴訟指揮は今後もいろいろあり得ると思います。やはりこれは解決に至ることが大切なんです。私たちはやはり、開門というのが確定判決でありますので、ぜひその流れの中で和解に向けた最善の努力を農水大臣にもしていただきたいと思いますので、ぜひよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。
 諫早湾干拓の問題はこれにて閉じたいというふうに思います。
 財務大臣、ありがとうございました。
 次に、会計検査院の農業基盤整備促進事業に対する指摘に対して質問させていただきたいと思います。
 この秋に、指摘が行われて、定額補助を行っていたものに関して、その定額の単価の見直しがございました。これによって実は、暗渠排水の事業に関して、これまではある一定の定額単価、比較的高い定額単価で恩恵を受けていたものが、工法によっては半額程度の定額補助ということになったものがございます。
 会検指摘の中で、暗渠排水九二%、これはつまり国庫補助金額の割合ですね、九二%となっており、農林水産省が助成単価を設定する際に想定していた二分の一を大幅に上回っていた、こういった指摘が会計検査院からなされて、改善の処置として、上記についての本院の指摘に基づき、農林水産省は、二十八年十月、要綱等の改正を行うなどして対応を行ったというふうに、処置がなされています。
 これは二次補正でこういう処置がなされたわけでありますけれども、ただ、この暗渠排水事業というのは一年で終わるものではありません。既に採択になった事業もあって、一年二年三年とこれから行っていく既採択事業もこの中には含まれておりました。この既採択事業においては、これまではある意味ちょっと高い定額補助となっていたものが、二年目以降、三年目以降に、今回、二次補正でいきなり定額補助の額が下がる、こういった、いわゆる期待権を非常に害する既採択事業が存在しているということになっています。
 今回の指摘は、実はあり得る指摘だと私は思うんです。だから、このような指摘に基づいて処置がなされるということは受けとめました。ただ、受けとめた上で、先ほど申し上げたように、既採択事業に関しては一定の激変緩和措置が農水省においてなされるべきだと私は思うんですね。その上で、新しい制度として単価が見直されるというのは私、わかります。
 会計検査院長にお尋ねしますけれども、今回の指摘は、今後は新しい制度にするとして、既採択事業に関して激変緩和措置もとってはだめよという内容の指摘なんでしょうか。
○河戸会計検査院長 本件は、農林水産省が、農業基盤整備促進事業等の実施に当たり、事業の受益面積等に助成単価を乗じた額を国庫補助金として助成する定額助成を行っていることにつきまして、現場条件、事業の実施形態等に応じた助成単価を設定していなかったことから、現場条件等に応じた助成単価の設定を行うなどすることにより事業が適切に実施されるよう改善させたものでございます。
 したがいまして、既に採択されている事業に対してお尋ねのような措置を導入することにつきましては、私どもの報告事項の中では特に言及しておりません。
 その導入の適否につきましては、一義的には、農林水産省において判断されるものと考えております。
○大串(博)委員 まさに私が指摘したいのはそこでございまして、暗渠排水事業というのは連年で行うものです。既に採択された事業は既得権があります。今年度予算でも採択されているものが、二次補正になっていきなり定額補助の額が切られている、こういった既期待権を害するような形になっているものに関しては私は激変緩和措置が必要だと思うんですね。
 それはなぜかというと、農業というのは、その場その場でやっているものではなくて、暗渠排水事業を行おうというものも、各地区で話し合いをして、これから何年ぐらいかかりますね、皆さん、やっていきましょうね、これに関してはこれくらい補助金が入ります、これ以外のところは自分たちの自己負担があります、こういったことをみんなで、総会で諮るんですね。諮って、今後の営農見通しも含めて決めた上で行っているものですから、このような激変緩和措置というのはあるべきだと私は思うんです。
 これに関して、今会計検査院長は、この会検指摘において、激変緩和措置がだめだということを含んでいるものではないというふうに答弁されました。ということを踏まえると、農林水産省において激変緩和措置を私は講ずるべきだと思いますが、農水大臣の所見を求めます。
○山本(有)国務大臣 まず、今回の見直しにつきましては、助成単価そのものに対する御指摘だというように受けとめております。不適切と指摘される内容でございますが、これにつきまして速やかに見直しを行わざるを得ませんでした。そして、当該見直しを行った時点から、より適切な助成単価を適用して予算の使用を図っていくということが肝要かと思われております。
 そのような観点から、農林水産省としましては、より適切な助成単価というものになるように速やかな見直しをしたということにおいて、この見直し以後の予算措置につきましても、激変緩和措置というような形で曖昧にすることはできません。
 いずれにしましても、今回の見直しの内容につきましては、新たな加算措置の導入もいたしましたので、農村現場への丁寧な説明を行いつつ、本事業の推進、特に現場の御苦労をしっかりと見詰めながら、それをフォローし、予算をつけさせていただきたいというように思っております。
○大串(博)委員 激変緩和措置と呼ぶかどうか、私はこだわるものではありません。ただ、先ほど会計検査院長からありましたように、既採択事業に対して移行期において何がしかの措置をすることをこの会計検査院指摘では指摘しているものではないという話があった。これを全くやらないとなると、それは会計検査院から指摘されてやったことではなくて、農水省独自の判断として単価を切られたという話になるわけですよ。それは、地元の皆さん、全国で影響を受けている方々は多いんですけれども、それとは違います。
 ですので、それを激変緩和措置と呼ぶかどうかはお任せしますけれども、既期待権がこれはあるわけですから、やはり何がしかの措置をやっていただかなければならないと思いますが、いかがですか。
○山本(有)国務大臣 単価の見直しを全国にお願いし、そして、それぞれの皆さんがそのルールで事業について臨んでおられます。そこで、特別な地域、人たちのみに特別なことをするという姿勢ではなくて、もしその事業を推進するのに財政的にお困りの場合であるならば、市町村あるいは県と十分に相談をさせていただきながら、事業が円滑に推進できることの努力はしっかりさせていただきたいというように思っております。
○大串(博)委員 猫の目農政ではいけないと思うんですね。やはり長いスパンを見た農政でなければいけないと思いますので、ぜひ現場の現状を踏まえて、よろしくお願いしたいと思います。
 猫の目農政にならないようにする、現場の現状を踏まえるという観点からすると、今回の農協改革、私は非常に心配しています、あるいは懸念しています。
 といいますのは、きょうは、山本大臣、おいでいただいております。今回、規制改革推進会議が十一月十一日に農協改革に関して考え方を示して、これは私、非常に気になったんですね。
 農協あるいは全農というものは、組合法に基づく民間事業です。補助金を受けて、あるいは国庫の出資金なんかを受けて優遇されているわけでもない。法律に基づく、あるいは会社法に基づく一般企業と同じで、それが株式会社であれば、株主というのがいて、株式会社なりの意思決定機構があって行っているのに対して、協同組合というのは、出資者というのがいて、その出資者の意思決定のもとに行われている、こういう民間事業体なわけですね。この民間事業体に対して、規制改革会議がいろいろな意見を言っている。私、行政指導まがいじゃないかと思ったんですね。
 というのは、規制改革推進会議の役割は何かなと思って調べてみると、内閣府本府組織令にありますが、「経済社会の構造改革を進める上で必要な規制の在り方の改革に関する基本的事項を総合的に調査審議すること。」とあります。
 ところが、十一月十一日の農協改革に関する意見を見てみると、民間事業体に対して、一年以内に仕入れ販売から撤退しなさいとか、あるいは一年以内に委託販売方式を廃止し、全量買い取り販売方針にしなさいとか、金融事業を三年後に半分にしなさいとか。つまり、これを売りなさい、これを売ってはいけない、売り方は委託はだめです、売り方はこうしなさい、この事業は何年後に半分にしなさい、民間事業体に対して規制改革会議がそういう措置をとるべきというふうに言っている。
 山本規制改革担当大臣にお尋ねしたいと思いますが、二つお尋ねします。
 規制改革推進会議は、内閣府本府組織令に示されているこの規制改革推進会議のマンデートに照らし、どういった権限でこのような行政指導まがいのことを行っているのか。これが一点。
 それともう一点は、これは規制改革推進会議が政府に対してこういう施策をとりなさいというふうに言っているわけですけれども、政府も、御案内のように農協は民間事業体ですから、何がしかの法律なり規制をかけてこういうふうなことをやらせているわけではありません。民間事業体です。政府も、何がしかのことを、こういうふうに半減しなさい、やめなさい、これをやりなさいと言う権限はないと私は思うんですね。規制改革推進会議は政府の何の権限をもってこういうことができると考えてこういう提言をされたのか、山本規制改革大臣の御所見を求めたいと思います。
○山本(幸)国務大臣 御指摘のように、規制改革推進会議は、内閣府設置法第三十七条二項に基づき、内閣府本府組織令第三十一条により設置された審議会ということでございます。
 内閣府本府組織令第三十二条においては、規制改革推進会議の所掌について、規制改革推進会議は、内閣総理大臣の諮問に応じ、経済社会の構造改革を進める上で必要な規制のあり方の改革に関する基本的事項を総合的に調査審議すること、当該諮問に関連する事項に関し、内閣総理大臣に意見を述べることを所掌事務としているところでございます。
 以上に基づきまして、規制改革推進会議は内閣総理大臣の諮問に基づいて規制改革を総合的に調査審議しておりまして、今般、そのもとに設置された農業ワーキング・グループが農協改革に関する意見を公表したところでございます。
 農協改革については、本年四月に施行されました改正農協法に基づきまして、五年間の農協改革集中推進期間においてJAグループの自己改革が進められているものと承知しているところでございます。
 今回の農協改革に関する意見は、前身の規制改革会議による平成二十六年六月の答申以来、農協改革に関し議論、提言してきた立場から、総理の諮問機関であります規制改革推進会議農業ワーキング・グループとして、改革の現状をフォローアップする、そして農協が自己改革によって目指すべき姿を示したものであります。
 特に全農は、我が国の生産資材や農産物の取り扱いにおいて大きなシェアを占めておりまして、資材価格や農産物流通の改革を進めていく上で、その自己改革の状況について政府として重大な関心を持って見守っていく必要があると考えているところであります。
 本意見は農協に対しての拘束力を有するものではありませんけれども、どのような組織や事業がふさわしいかについては、本意見を基礎として、各組織の実情を踏まえて検討が進むことを期待しているところであります。
○大串(博)委員 今言われたところに核心があると思っていまして、つまり、拘束力を持つものじゃない。規制改革推進会議というのは、何か政府の時代に合わなくなった規制があって、それをなくしていきましょうというのが私は本分だというふうに理解しているんですよ。ところが、今回やられていることはそうじゃなくて、根拠はない、政府としては権限はない、拘束力はないにもかかわらず、こうしてくれ、ああしてくれというのを政府の立場から言っていることになる。これって、古いタイプの行政指導以外の何物でもないんじゃないかと私は思うんですね。
 しかも、けさの新聞を見て、私は驚きました。きのうの夜まで、政府・与党の間で今月中に発表される取りまとめの議論がなされていたようでありますけれども、それに対してどうなったかというと、一年以内にこの販売はやめなさいとか、三年以内に半減しなさいとか、一年以内、三年以内とかそういうのはなくなりましたけれども、一方で、農協に対して、数値目標つきの年次計画をつくらせて、それを政府が監視するというような形になっているやの報道があります。
 私は、こんな形になったときには、これは一体何だろうと。権限も法律もない中で、こういうことやるという法律がぴしっとあればいいですよ、農協に関して何がしかの規制があるならいいですけれども、権限、根拠、あるいは従わなければならないというベースがあるなら別ですけれども、ないにもかかわらず、年次計画をつくらせて、数値目標をその中に盛り込ませて、政府がそれを確認、監視していく。これって、極めて日本では近年例を見ない、計画経済的なものではないかというふうに思われるんですね。
 農水大臣、これからの取りまとめに向けて、きょうはこういうふうな報道が出ていましたけれども、本当にこういうふうな方向になるんでしょうか。一体どういうふうな権限をもって政府はそういうことを行えるんでしょうか。
○山本(有)国務大臣 私どもの考え方としましては、農協は農業者によって自主的に設立された民間組織であるという位置づけは全く変わりません。その改革は、あくまで自己改革が基本でなければならない、そう考えております。
 一方で、我々農林省の農協改革についての立場は、平成二十六年六月に政府・与党で取りまとめました、五年間を改革集中推進期間とする自己改革についてのまとめ、これを基礎としておりまして、そこを強く要請させていただいております。
 また、二十七年六月に閣議決定されました規制改革実施計画におきまして、農林省は自己改革が確実に達成されるように促しているところでございます。
 さらに、昨年成立しました改正農協法の附則におきまして、改革の趣旨に沿った自主的な取り組みを促進するとともに、五年後の農協改革の実施状況等を見て制度の見直し、検討を行うという立場でございます。
 今回、新聞報道にございます数値目標等、こういうものにつきましては、現在大詰めの議論が与党の中で行われていると承知しておりますけれども、最終決定とは聞いておりません。その意味におきまして、私どもは、あくまで農協改革は民間組織の自主的な改革に立つべきものというように考えておるところでございます。
○大串(博)委員 非常に矛盾した物言いだと思うんですね。民間事業体の自主的な自己改革に基づくべきものだというふうに言われながら、年次計画を出させて政府がそれを監視している。これは二枚舌以外の何物でもないんじゃないかと私は思うんです。このようなことが許されれば、例えば普通の企業、株式会社に対して、こういった改革をしてくださいということを政府の側から、年次改革計画を求めてやることすらできるようになってしまうんじゃないかというおそれがあります。
 私は、農業の改革は、これは本丸だと言われますけれども、そうなんだろうかと。確かに、いろいろなところで話を聞くと、農協にもっと高く買ってほしい、あるいは資材を安く売ってほしいという声があります。だから、農協も全農も改革をしていかなければならないことは当然です。私は、それは絶対否定しないし、ぜひやっていただきたいと思います。一方で、その問題が解決したら日本の深い深い農業の問題が、本丸だという言葉にあるように、一挙に雲散霧消、解決するような形で喧伝することは、私はあってはならないと思うんです。日本の農業の問題はもっともっと奥深く、難しい問題です。真摯に現場の状況に向き合わなければならない。農協の問題が解決したらそれで全部バラ色だというものではないと思う。
 私たちは、戸別所得補償政策を含めて、地域で営農を続けられる形をつくることによって地域力が保たれ、それによって改革もそこから進んでいく、そういった内容を示しています。
 農水大臣に最後にお尋ねします。私は、今回の改革は農業改革の本丸ではないというふうに言い切ってほしいんです。そうじゃなくてもっと奥深い改革を、私たちは、戸別所得補償政策も含めて、農家の所得が上がるということを前提に地域が守られるという形で行っていくべきだと思いますけれども、農水大臣の考えをお伺いしたいと思います。
○山本(有)国務大臣 現在の農業を取り巻く環境は厳しいものがございます。耕作放棄地が増加をする、あるいは高齢化が進む、そういう中で改革を遂げなければならないわけでございますが、今回の改革のみならず、現場の生産者と農水省、あるいはその間に立つ現場を知る全農や農協の皆さんが一致団結していかなければこの現状を打破することはできないという基本に立って、改革に期待をするところでございます。
○大串(博)委員 終わりますけれども、ぜひ、農業の奥深い問題を、現場の問題をぜひ受けとめていただいて、見ばえにとらわれることのない改革を進めていただけるようよろしくお願い申し上げて、質疑を終わります。
 ありがとうございました。
○玄葉委員長 次に、小山展弘君。
○小山委員 民進党の小山展弘です。
 このたび、我が党に再度設置をされました農政改革研究会の座長を拝命いたしております。
 きょうは、せっかくの機会ですので、大串政調会長の後を受けまして、農協改革と言われているものにつきまして質問をさせていただきたいと思います。
 けさの農業新聞を初めいろいろな新聞に、与党の中のいろいろな検討会もあって、規制改革会議の十一月十一日に発表したものが修正されるのではないかというような話も新聞報道で出ておりますので、きょうは通告の内容を少し落として、幾つか絞って、順番を変えて質問させていただきたいと思っております。
 今、大串委員からもお話がありましたが、今、現場の農協の職員さんとかあるいは組合員の利用者の農家の方々も、どこまで政府が入ってくるのか、どこまでこの事業に対して彼らからすれば介入をしてくるのか、どこにその線引きがあるのかということで大変不安に思っています。
 例えば、経営計画一つをつくっても、これは国の認可がなければだめなのか。自主改革だというお話がありましたけれども、それをやっていて、改革が足りないなんということを言われたら、またそれをつくり直さなきゃいけないんじゃないか、どこまで入ってくるんだろうか、もう不安で、国から何か言われるんじゃないか、行政から言われるんじゃないかということで、計画一つを立てるにも国の方を向いて仕事をするようになってしまっている、そういうようなことも生じております。自主といいながら第二全農をつくるとか、きょうお見えの方々は事務方ではあるんですけれども、おどしだと僕は思います。
 まあ、経営改善が必要になって、破綻懸念みたいになって国の資金が入っているとか、そういうことであればともかく、少し私は、フォローアップしていく、フォローアップということ自体も、そんなことが言えるような規制改革会議のメンバーにどんな権限があるんだと。フォローアップという言葉一つとっても、非常に僕は上から目線的なものを感じるんですね。
 きょうは時間もないので、それはともかくとしまして、まず、山本農水大臣にお尋ねしたいと思います。
 農協の経済事業の定義というものはどのようにお考えでしょうか。
○山本(有)国務大臣 まず、農協法におきまして信用事業、共済事業という区分がございますが、経済事業につきましては定義がございません。一般的に、農産物の販売事業、生産資材等の購買事業等の信用、共済事業以外のものを広く経済事業と称しているところではないかと考えております。
○小山委員 以前、林大臣にお尋ねしたときも同じような答弁でして、私もそうだと思います。実は、経済事業改革とか、言葉だけ躍っているんですけれども、経済事業の明確な定義というのはないんです。信用、共済以外全てなんですね。ですから、極端なことを言えば、葬式ビジネスとか結婚ビジネス、介護ビジネスを大量にやって、それで黒字になった、信用、共済以外で黒字になったといったら、これも経済事業は黒字ということになっちゃうんです。でも、それを目指されているわけではないですよね。
 私はそこで改めて山本農水大臣に伺いたいんですけれども、山本農水大臣は、農協がどのような組織として収益を確保して、どういう協同組合としての収支モデルというものを持って組織を維持していくべきであるのか、特に営農指導事業が赤字である組合が多くて、そこから経済事業改革という言葉が躍るようになったんですけれども、営農指導の赤字をどの事業で補うべきだ、あるいは補っていくのは許容できるとお考えでしょうか。
○山本(有)国務大臣 農家の皆さんは、農産物の生産に携わります。そして、その生産されたものは、流通あるいは加工、そして販売、最終消費まで、経路をたどって、さまざまな形で付加価値をつけて流れていきます。その中におきまして、流通を含めまして、農家の利便に資するように、民間組合としてJA、農協がフォローをしていただいているという考え方のもとに立っております。いわば生産農家のセクレタリー役として重要な位置づけをしているというように思っております。
 その中で、営農指導というのはかなり重要でございます。その年の作付を決めること、あるいは作付を決めた後の栽培についてのノウハウをいただくこと、さらに、集荷した後の、加工に回すのか、あるいは直接素材で販売していくのか、では販売の場合にどういう場所で販売すればいいのかというような、さまざまな選択や知識を与えていただける、大事なシンクタンク機関にもなっているというように私は思っております。
○小山委員 営農指導事業に大変評価をいただいて、元協同組合グループ職員出身者としては大変ありがたいなと思っておりますけれども、明確にお答えいただかなかったところもあるかなと思っております。
 私は、営農指導事業の赤字をいわゆる信用、共済以外の経済事業で黒字にするというのは、今、八割が赤字の状況です。ということは、買い取り販売とかで今、規制改革会議からも出てきましたが、非常にリスクの大きい取引をして、そこで営農指導の赤字を補おうとすると、これは農協の協同組合としての経営にとって大変リスクが大きいと思うんですね。それをやって、前回農水委員会でも申し上げましたとおり、森林組合が、組合は違いますけれども、赤字を出したというような経緯もございます。
 私は、販売事業はもちろん黒字でなければいけない、収支とんとん以上でなきゃいけない、購買事業もある意味では本来業務ですから黒字にすべきだ、生活その他事業も、その他ですから、ここで赤字にして経営の足を引っ張っちゃいけないと。だけれども、営農指導の赤字というのは、ここだけで黒字にしようとしたら賦課金をたくさんお願いするということになりますから、結局組合員さんへの負担が大きくなって、組合員さんの所得を向上させる、農家の所得を向上させるということと矛盾することになるんですね。
 ですから、営農指導の赤字は、それは組合によっていろいろありますけれども、信用、共済も含めて総合事業体として最後で帯を結べればいい、私はこう考えています。実は、去年、林大臣に伺ったときにはそういうことで、農協法も問題ないということでありました。ですから、これから規制改革会議からいろいろなことが出てきますけれども、信用、共済事業も含めて黒字確保でいいんだと。
 それから、もうきょうは質問を落としますけれども、信用事業譲渡は削除ということではありますが、これを譲渡したら、代理店収入で黒字を確保すればいいんだったら、本来の、経済事業の販売、購買は少なくとも黒字にしようということと逆行すると思うんですね。逆行するというか、今と余り変わらないと思うんですね。
 ですから、どうかそこのところは、余り過度に買い取り販売、買い取り販売と言って、リスクが大きいものになって、かえって赤字を出しちゃったと、だけれども買い取り販売をする農家のためだけの農協ではありませんから、まさに私たちは特に強調しているんですが、地域インフラとしての役目も果たしている、地域に貢献をする協同組合という側面もあろうかと思いますので、ぜひそこは、過度なリスクをとる体制にならないように、山本農水大臣からも御指導いただきたいと思っております。
 それと、きょうは山本幸三大臣にもお越しをいただきまして、ありがとうございます。
 規制改革会議のメンバーの選定について、これも農水委員会で少し伺ったんですが、伺いたいと思いますが、これはどういうふうに選んでいるんでしょうか。特に、今回、座長の金丸さんとか、私が前回ちょっとおかしいんじゃないかということで指摘をさせていただいた本間正義さん、これは今まで十回メンバーが入れかわっている、そして二回の政権交代を経て、本間さん一人が十二年間にわたって委員である。
 以前、農業あるいはこういった農政改革と言われているものに知見を有する人がメンバーになるんだというんですけれども、そういう人はたくさんいるはずなんですね。何でその中で本間さん一人が十二年間も選ばれ続けたのか。このことについて、ぜひ、今回選ばれた理由を教えていただきたいと思います。
○山本(幸)国務大臣 規制改革推進会議の委員につきましては、すぐれた識見を有する者のうちから内閣総理大臣が任命することとされており、委員十四名が、現在、内閣総理大臣より任命されたところでございます。
 九月十二日に開催されました第一回規制改革推進会議におきまして、規制改革推進会議のもとに農業ワーキング・グループが設置され、前規制改革会議の農業ワーキング・グループの座長を務めた金丸委員が、農業の規制改革を引き続き推進するという継続性の観点から、農業ワーキング・グループの座長として大田議長より指名されたところでございます。
 また、規制改革推進会議の専門委員については、専門の事項を調査させるため必要があるときに、当該専門の事項に関し学識経験のある者のうちから内閣総理大臣が任命することとされております。
 本間専門委員については、大学での研究を通じて農業の諸分野に精通し、また長年にわたり農業分野における規制改革に携わっていただいていることから、農業ワーキング・グループの専門委員に任命されたところでございます。
○小山委員 本間さんのような知見のある方、長年研究している方、例えば考え方は違いますけれども鈴木宣弘さんとか、あるいは私も知り合いですが堀口健治さんとか、本間さんの師匠の生源寺さんとか、いろいろな方がいるんですけれども、やはり十二年間も本間さんがずっといて議論をリードしているというのは、私はちょっとどうかなと。やはりこれは問題がある。
 継続性ということであれば、金丸さんが入っているから、そこでいいと思うんですね。やはりこれは、一つの委員会としてずっと続いているわけではないわけですから、見直していく必要がむしろあるのではないかと思っておりますのと、ここからは自民党の先生方はなかなかお話しできにくいと思いますのであえて申し上げますけれども、安倍総理が任命しているんですよ。
 ですから、これはいやしくも、ほかにもいろいろな、もうきょうは時間がないので言わないですけれども、与党から相当、自民党さんの中でも不満が出た、おかしいんじゃないかと信用事業譲渡は削除された。だけれども、もともとは、信用事業を三年間で半分にせよというような、かなり無理な、これはシステム的に無理なんです、そういう提案をもともとされていた。
 私は、こういうはちゃめちゃなと言ったら怒られるかもしれませんけれども、提案をしたというのは、これは大体、規制改革会議のメンバーを選べばどういう方向に議論が流れていくかというのは予想がつくんです。だって、十人ぐらいしかいないメンバーですから。大体どういう主張をしているかということは、その方の著書とか記事を見ればわかるんですよ。それでこういう意見が出てきた。
 まさにこういう意見が出たということは、これはもう総理の任命責任です。僕は、そのぐらい今回出した内容というのは与党の中でも批判がありました、そのとおりだと思っています。だから総理に何かしろと言うところまでのものではないかもしれないけれども、やはりここは、こういうメンバーを選んだ、こういうような意見が出てしまった、私はこれは総理の責任というものもあると感じていただきたいと思います。
 それと、ちょっとこれは通告していないので、御無理でしたら構いませんけれども、農協改革ということでやっている、そういう中に農業の専門家が入っている、これはわかります。それから、いろいろな規制改革会議のたてつけ上、農業の専門じゃない方にも入ってもらって、ほかの部門からも意見を聞こう、これもわかります。
 農協ですから協同組合ですけれども、協同組合の専門家というのが一人も入っていないんですね。これは、どうして協同組合の専門家を入れようというような話にならなかったんですか。もしお答えいただければ、お願いします。
○山本(幸)国務大臣 規制改革推進会議のメンバーは十四名で、識見を有する方から内閣総理大臣が任命する。これは、私と総理と官房長官で御相談して決めさせていただいております。
 この十四名が本委員であります。したがって、決定権を持つのはこの十四名の方々でありまして、有識者の中から決めるということであります。
 ただ、議論をする場合に、もっと専門的な知識のある人から話を聞いた方がいいじゃないかということで、それぞれのワーキング・グループでまた専門委員というのを選びます。本間さんはその一人ですね。
 そのほか、農協、団体等については、団体の皆さん方を必ず呼んで意見をしっかりと聞いて、そうした上でワーキング・グループなりの意見をまとめていきますので、それはそういうところで意見をしっかり聴取しているということであります。
○小山委員 実は私は、この規制改革会議とか審議会というのは民主党政権のときから大変関心を持っていまして、今と同じような話を当時の園田政務官に質問したことがあります。そのときにも、協同組合の専門家という観点からの人は入れていなかったという話もあったり、人数があのときはふえたんですけれども、そうだ、水産が足りない、小松正之さんを入れようとやってみたんですが、ほとんど小松さんの意見が通っちゃうんですよね。ほかの人は専門じゃないものですからわからない、専門以外の委員が。
 そういう形で、かなり影響力を持つ結論が出てくるような委員会の議論がなされていくというのは、非常にこれは慎重にメンバーを選んでいただかないと、後で取り返しがつかないような結果の方向に動いてしまうこともあるかと思いますので、ぜひ次回はそういったことも御留意をいただければと思っております。
 それと、規制改革推進会議農業ワーキング・グループが提言した中で、全農が委託販売を廃止して買い取り販売にすると。今回も、新聞報道によりますと、数値目標で段階的にやっていくんだということで話をしているようですけれども、買い取り販売化することで農産物の販売価格が上がっていくと言っている、これの規制改革会議の根拠というものは何なんでしょうか。例えばそういう先行事例があるとか、あるいは具体的なモデルがあるとか、そういったものがあるんでしょうか。
 例えばアベノミクスでしたら山本幸三大臣がお得意のところだと思いますけれども、金融緩和をすることによって貨幣の価値が下がる、だから貨幣の価値が下がる前に消費者が行動しよう、こういう理屈だったと思いますけれども、こういったようなものが、私はアベノミクスのところは考え方が必ずしも一緒ではないんですが、どういう考え、根拠に基づいて、委託販売を買い取り販売にすると農産物の価格が上がるというような結論になったんでしょうか。
○山本(幸)国務大臣 農業ワーキング・グループの基本的な問題意識は、農家の競争力を高めて農家の所得を少しでも上げたい、その場合に、コストについてはできるだけ下げて、そして販売する場合の価格はできるだけ上げるというようにしていくことが基本だということで議論をしているわけであります。
 その際に、現状の全農が行い得る農産物販売事業というのは、組合員やその所属農協からの無条件委託販売が基本ということになっていると認識しております。そうすると、必ずしも農家にとって本当にいい価格で買ってもらえるというような状況が常に存在するとは限りません。むしろ農家にとってはもっといい販売先があるかもしれない、そういう競争的な状況をもたらすことによって農家の所得が上がるという問題意識でアプローチしていると思います。
 したがいまして、この委託販売を買い取り販売に転換することになりますと、全農がみずから買い取ったら、全農の方に今度はリスクが生じるということになりますから、逆に全農の方はもっといい値段で売れるところを探さなければやっていけないということになりますから、そういう意味で、そうした競争というか努力をするインセンティブが働くという形で物事を考えているわけであります。
 その意味で、やはり農家にとってはできるだけ選択肢が広がる方が基本的に所得も上がる可能性があるということで、こうした話になっているんだと思います。
○小山委員 一番の目的が農家の所得向上ということもわかりました。
 しかし、もともと規制改革会議から出ていた十一月十一日の提言では、委託販売はとにかく全廃だ、買い取り販売に全部移しなさいということだったんですね。だけれども、物によっては、生鮮食料品とか、早期に集めて早く全部販売しなければいけないというようなものとか、買い取り販売になじまないものもあったりいたします。
 そういう中で、全て買い取り販売というのは私はやはり行き過ぎだったのではないかと思っておりますし、委託販売であれ買い取り販売であれ、買い取り販売だって全農なり協同組合の維持のためのランニングコストがゼロというわけにはいかないわけですから、当然、人件費や施設費や、かかる固定費の部分というのは、委託手数料という形ではなくて利益という形で上乗せになるわけですね。ですから、買い取り販売をやったとしても、この部分をどうするか、これがゼロというわけにはいかないわけですから、実は、委託販売でも真剣になって販売をする、組合員さんの所得を上げるんだという職員のモラールというものがあれば、結果は同じだと僕は思っております。
 ただ、物によって買い取り販売の方がよければ、それは買い取り販売をやっちゃいけないということでもないですしね。でも、もともと出ていた発表の中で、全て買い取り販売にしなければいけない、全て買い取り販売にすれば農産物の価格が上がるんだというのは、それで農産物の価格が上がる、それで農家の所得が上がるというのは、根拠として私はかなり弱いところがあったのではないかと思っております。
 最後に、規制改革会議は個々の農家の所得がふえることとか農業の成長産業化というような産業政策については提言しているんですけれども、その結果として農村とか中山間地域の将来についてどのようなビジョンを持っているのか、大変時間が少ない中で恐縮ですが、お答えいただきたいと思います。
○山本(幸)国務大臣 会議としてまとまった考え方を出しているということではないと思いますけれども、基本的な問題意識としては、先ほど申し上げたように、農家の競争力を高めて所得を少しでも上げるようにやっていこうというのが基本の考え方であります。
 したがって、中山間地等において努力している生産者も含めた農業者が報われるようにする、そういうことを基本として考えているところでございます。
○小山委員 最後の答弁をいただきましたが、でも、農業政策なりいろいろな政策というのは、一つの産業政策の面だけから考えるべきではないと思うんですね。それは、その人たちの生活にとっては生活の一部、重要ではあるけれども一部でしかないと思います。
 こういう中山間地域がどうあるべきなのか、地方がどうあるべきなのかという視点がない中で、また協同組合も、産業政策の道具としてだけではなくて、地域で果たしている地域政策、よく佐々木隆博議員がそんな話をしますけれども、そういう側面も含めてやはり議論していただかないと、一部だけの見方に偏った議論になってしまうのではないかということも大変危惧をいたしております。
 今後、そういったことも含めて御検討いただくことを望みまして、質問を終わらせていただきます。
○玄葉委員長 次に、後藤祐一君。
○後藤(祐)委員 民進党の後藤祐一でございます。
 ちょっと順番を入れかえまして、今農業の話が展開されましたので、その続きをやりたいと思います。
 配付資料、ちょっと分厚いですが、十一ページから、今話題になりました規制改革会議の農協改革についての十一日のペーパーが配付されております。この中に丸が二十五個あります、項目として。この中で、ガバメントリーチの範囲内にあるもの、つまり、行政が例えば法律を通していただいて実現するですとか、あるいは予算を講じるですとかいう形である意味直接行使できるものというのは、十三ページの、中身がいいかどうかは別として、第二全農云々という部分と、十四ページの、国は法律、補助金などを総点検すべきである、この二つぐらいではないか。辛うじて、その二つ上の、准組合員の利用規制のあり方についての実態調査、研究を加速。
 二つないし三つぐらいしかガバメントリーチの内側ではない、逆に言うと、それ以外は全て農協ないし全農が自主的に行うべきものではないかと考えますが、二十五個のうち政府がみずから行い得るものは幾つありますか、農水大臣。
○山本(有)国務大臣 御指摘の農協改革に関する意見でございます。これはワーキング・グループの御提出になったものでありまして、農林水産省はその具体的な中身について云々という、リーチの中あるいは外という判断はしかねるところでございますが、一般論として申し上げれば、農協改革というのは自己改革が基本であるというように考えておりまして、他方で、昨年成立しました改正農協法の附則において、政府は改革の趣旨に沿った自主的な取り組みを促進する立場であります。政府が何かを権限でもってさせるという立場ではないということを申し上げるところでございます。
○後藤(祐)委員 数字をお答えいただけないのは残念ですが、二つないし三つしか政府が直接行えることはないというふうに理解したいと思います。
 今農水大臣からの、あくまでこういった農協ないし全農の改革というのは自己改革が基本であるということを貫いていただきたいと思いますが、きょうの農業新聞にも出ておりますが、信用事業を農協の半分が三年以内にやめるという規制改革会議の提案については、やらないという方向を与党もお考えのようでございます。これはやらないということでよろしいでしょうか、農水大臣。
○山本(有)国務大臣 信用事業については、現在、中央会また全農等、鋭意自己改革に努めてもらっているわけでありますが、今回の規制改革会議のテーマからは離れるというように思っております。
 特に、現実の地域の生活のありようからしまして、一定の地域の役割、金融機関としての役割、重かつ大なるものでございまして、急激に変更するには、少し時間をかけながら自己改革を促すという方針であろうというように拝察をいたしております。
○後藤(祐)委員 大変前向きな答弁だと思います。
 私も、先週の週末あるいはこの二十三日、地元の農協祭りなどで、貯金できなくなっちゃうんですよと言ったら、ええっと驚いていました。ぜひ、高知その他、よく現場を御存じの山本農水大臣に、時間をおくらせるだけではなくて、ずっとやらないようにしっかり御指導いただきたいと思います。
 続きまして、私は神奈川の選出なんですが、都市農業についてお聞きしたいと思います。
 今、農地を賃貸した場合の相続税納税猶予の継続について議論が行われていると思います。昨年成立した都市農業振興基本法案、この中でも、やるという方向で議論がずっと続いてまいりましたが、これはぜひ実現していただきたいと思います。
 ただ、今議論の中で残念ながら終身営農を条件にするというような声も聞こえてまいりますが、現行の二十年というところを何とか前提としたまま、これを認めていただきたいと思います。これについての見通し、そして実現に向けた意思について、山本農水大臣にお伺いしたいと思います。
○山本(有)国務大臣 ことしの五月に閣議決定されました都市農業振興基本計画の中に、都市農業振興上の位置づけが与えられた生産緑地等につきまして、貸借される場合の相続税納税猶予のあり方を検討するというように記載されております。
 相続税の猶予の要件でございますけれども、まず、平成三年の土地税制の総合的見直しに伴い、三大都市圏特定市の生産緑地が終身営農に見直されております。そして、二十一年の方で、市街化区域外の一般農地につきましては、貸借しても相続税の猶予の継続が認められた際に終身営農へと見直された。そういう経過が平成三年、二十一年にございました。
 このような経緯に鑑みてまいりますと、市街化区域内の相続農地の貸借を認める制度改正の際には二十年の営農継続から終身営農へと変更が求められているであろうと想定しているところでございまして、いずれにいたしましても、都市農地が貸借される場合の相続税の納税猶予のあり方の検討に当たっては、こうした点も念頭に置きながら、慎重に検討させていただきたいというように思っております。
○後藤(祐)委員 ちょっと残念な感じの答弁ですが、貸借しない場合については今までどおり二十年でできるようにしてさしあげる、選択肢はせめて残していただきたいと思うんですが、いかがでしょう。
○山本(有)国務大臣 そういう観点も含めて、今後検討を始めさせていただきたいと思っています。
○後藤(祐)委員 ぜひ、そこだけは少なくともかち取っていただきたいと思います。
 麻生財務大臣もぜひここを、酒税が厳しいようでございますので、御指導いただければと思います。
 また、都市農業の基本計画の中でもう一つ、生産緑地の下限面積の議論もなされておりますが、現在、五百平米となっているものを引き下げるという方向で、これはあと少しで決まる方向だと伺っております。三百平米というような声もちらほら聞こえておるようでございますが、もう一声ということも含めて、これは年末に決まるんでしょうか、確実にこの下限面積の引き下げを実現していただきたいと思います。これは石井国土交通大臣の所管になると思います。ぜひよろしくお願いいたします。
○石井国務大臣 都市計画に定めます生産緑地地区の面積要件は五百平米以上とされておりますが、少子高齢化が進む中、高齢者も子供たちも生活の中で身近に緑に触れ合えるまちづくりを進めていく上で、より小規模な農地についても保全する必要性が高まっております。
 このため、ことしの五月に閣議決定されました都市農業振興基本計画におきましては、生産緑地地区の指定の対象とされていない五百平米を下回る小規模な農地等について、都市農業振興の観点も踏まえ必要な対応を行うとされたところであります。
 本計画を踏まえまして、小規模でも身近にあって緑地機能を発揮する農地について、地域の実情に応じた保全を可能とするため、生産緑地地区の面積要件の引き下げに向けまして、法制、税制の両面で検討を進めているところでございます。
○後藤(祐)委員 ぜひ、この引き下げは皆さん待望でございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 あと、都市農業に対しての支援措置全般についてなんですが、これは農水大臣に伺いたいと思います。
 大規模にやられている北海道ですとか、ああいったところに対する支援措置は各種あるわけでございますが、小さい規模でやられている、場合によっては市街化区域内だったり、いろいろ土地の状況も違います。この都市農業で農業をやっていらっしゃる方に対する支援措置、これを、大規模でやっているところのもの全部とは言いません、完全に除外してしまうのではなくて、ぜひ仲間に入れていただきたいという声がたくさん上がっております。
 これは一般論でも結構でございます。都市農業、小さい規模でやっている農業の方々に対する支援措置の拡大について、今回の都市農業基本計画の中でもこういった方向について述べられておりますので、これについての山本農水大臣の意気込みを伺いたいと思います。
○山本(有)国務大臣 ことし五月の都市農業振興基本計画で明確に位置づけられましたのが、宅地化すべきものという宿命から、都市にあるべきものというように位置づけが変わりました。そうなってまいりますと、農業としての役割をしっかり担っていただきたい、こう思っております。
 そうしますと、市街化調整区域だけで、あるいは農地だけでやっていかなければならないものとそうでないものとの区別の中で、例えば販売支援だとか輸出支援だとか、そういったものが十分あり得るわけでございますので、そうした点、農業支援が可能であるものについては支援させていただければというように思っております。
○後藤(祐)委員 ぜひ、力を入れて取り組んでいただきたいと思います。
 TPPについてはもうオジャンになったと私は理解しておりますけれども、米国抜きTPP、あるいは日米FTAという声も聞こえてまいります。特に、日米FTAについては、トランプ新大統領になった後、日本の農業にとってTPPよりいい条件のものがまとまるとはとても思えません。これに対しては農水大臣として大変慎重にというか、やめていただきたいというスタンスで臨むべきだと思いますが、日米FTAの議論が出てきたときの農水大臣の御見解を伺いたいと思います。
○山本(有)国務大臣 FTAの交渉に日米が入りますればさらに厳しくなるという姿勢は、私はそのとおりでないかと思っております。したがいまして、TPP以上にセンシティブな問題があるという位置づけで、慎重な交渉に当たらせていただきたいと思っております。
○後藤(祐)委員 ぜひこれは、日本の農業にとってTPPよりいい条件はあり得ませんから、トランプ大統領である以上は、やめていただきたいと思います。
 続きまして、ちょっと順番を入れかえまして、ディマンドタクシーについてお伺いしたいと思います。
 資料十ページでございますが、現在もこれは各地で大変広がっておりまして、特に交通困難者、運転できない方が中山間地などでは大変重宝しているわけでございます。
 現在、国土交通省は、十ページの資料にあるように、予測される赤字、欠損の半額を国土交通省が補助して、残りの半額を市町村が補填するというような制度で、千事業者ほど全国で行われておりますが、まだそれでも行き届いていない地域があります。これを抜本的に進めるために、お金がないような市町村でもこれができるようにするために、ぜひ、五割ではなくて八割、九割、まあ、全額はいけないと思いますけれども、国土交通省としてこれをもう少し手厚い形でやって、抜本的に広げていったらいかがかというふうに思います。
 また、ちょっと細かい要件がついていて、例えば自宅にタクシーを呼んで病院まで行くといったときに、なぜか病院の近くにバス停があると認められるけれども、バス停が近くにない病院まで送ってあげるのは補助の対象外、こういう何か大変残念な条件がついていたりします。
 だから、こういったものも地元のバス事業者とタクシー事業者が合意の上でやればそういう条件をつける必要はないと思いますので、ぜひこういった条件を外して、地元の合意をうまく形成した上で国交省の補助率を上げるという方向を、抜本的拡大のためぜひ進めていただきたいと思いますが、石井国土交通大臣、いかがでしょうか。
○石井国務大臣 ディマンドタクシーを初めとする地域の公共交通は、高齢者を初めとする地域住民の移動手段として大変重要な役割を担っているものと認識をしております。
 地域内の公共交通をどのような形で確保していくかは、一義的には、まちづくりとの関係性を踏まえつつ、地方公共団体が中心となって、地域が主体的に検討する必要があると認識をしております。
 国といたしましては、地域の公共交通の中でも特に複数の地方公共団体にまたがる幹線交通ネットワークの安定的な確保を担っておりまして、このため、国土交通省といたしましては、幹線交通そのものと幹線交通に接続するディマンドタクシーを初めとする地域内の交通サービスに対する欠損補助を実施しているところでございます。
 現在の補助率、補助要件はこうした考え方に基づくものでございますけれども、国土交通省といたしましては、国と地方の役割分担を踏まえつつ、今後とも、必要に応じまして地方と連携しながら、地域内の公共交通への支援のあり方について検討してまいりたいと考えております。
○後藤(祐)委員 国と地方の役割分担を踏まえつつというところに大臣の意思を感じました。
 地域でまとまればいいじゃないですか、いろいろな制度を認めれば。ぜひ国交省はお金を出して口を差し挟まないという形でやっていただきたいと思いますが、では財源をどうするのかという議論がございます。
 実は、社会資本整備総合交付金ですとか防災・安全交付金ですとか、何兆という単位のお金があります。この中にはソフト事業という形で、いわゆる公共事業以外のものに対しても使途が拡大されています。
 例えば、市町村ごとに社会資本整備総合交付金をディマンドタクシーにも使えるようにするという形で使途拡大すれば、新規財源ゼロで、その市町村が、うちは道路をつくるのをちょっと諦めて、田舎の方のおばあちゃんのディマンドタクシーのためにお金を使うというのを市町村が選べるようにするというのは、まさに今大臣がおっしゃったように国と地方の役割分担という意味でも非常によろしいと思いますし、新たな財源が必要ないという意味で、国の財政という意味でも望ましいと思います。
 こういった可能性について、財務大臣にお伺いしたいと思います。ソフト事業が既にこういった交付金に入っております。今すぐこれでオーケーですよとは言いにくいと思いますが、財政政策面から、必ずしもこういったものを否定されるものではないと思いますが、御見解を伺いたいと思います。
○麻生国務大臣 先ほど国土交通大臣の方からも答弁があっておりましたけれども、いわゆる地域公共交通確保維持のための改善事業において、既に二百二十九億円の金がここに支出されておりますのは御存じのとおりだと思っております。
 御存じのように、こういうようなものがある上に、社会資本整備総合交付金というものの類似の事業ということになるんですけれども、こういったものは支援の重複というものを、いろいろ事業が各省から出てきたものの重複を避けるために、基本的には国が他の事業を支援しているというものに関しましては交付の対象から除外する、きちんとそういうルールになっております。
 したがいまして、繰り返しになりますけれども、このディマンドタクシーには地域公共交通維持改善事業において支援を既に行っておられますので、そういったところに社会資本整備総合交付金の効果促進事業を加えるということになりますと、今申し上げた原則と全く反することになりますので、適切ではないと思っています。
 したがいまして、いずれにしても、これは国土交通省において調整をしていただかぬとどうにもなりませんので、必要があれば、適切な整理をされた上で財政当局に相談される、順番としてはそうだと思います。
○後藤(祐)委員 そこは整理の問題だと思うんです。本来は一括交付金だと思うんですね。もっと使途を大きく広げて、市町村なり県の場合もあるでしょう、自由度を大きく持っていただいて、こういう多様な事業を選び取るという形をぜひ目指していただきたいと思います。
 失礼しました。農水大臣、もう結構でございますし、国土交通大臣、これでもうないと思いますので結構でございます。本当にどうもありがとうございました。
 続きまして、津久井やまゆり園についてお伺いしたいと思います。
 これは私の地元にあるわけでございます。大変凄惨な事件がございましたが、これを建て直すという方向を神奈川県知事が明らかにしておりますが、六十億円から八十億円かかるということでございまして、これについては、神奈川県も財政が逼迫しております、国としてぜひ応援をしていただきたいと思うのですが、残念ながら、こういった施設の施設整備費補助金というものは県の直営ですとか指定管理の場合は対象外になっている。これは過去の三位一体改革のときの整理でそういうことになっていて、今回これだけの事件が起きたにもかかわらず国が応援できないというのは、建前としてはそうなのかもしれませんが、いかがなものかと思うんですね。
 実際、今回の補正でも、こういった事件があったことも踏まえて、監視カメラをつけたり、そういったことに使ったらどうですかという百二十二億円の補正予算がついているんです。なのに、やまゆり園の建てかえには一銭も使えないというのはちょっとしゃくし定規に過ぎると思うんですね。
 これから建てかえのときに、これはいろいろな工夫が必要だと思います、今のままのお金の制度では難しい面もあると思いますので、何らかの工夫をして国としてこの建てかえに支援をいただきたいというふうに思いますが、塩崎厚生労働大臣、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 神奈川県が、津久井やまゆり園の再生に向けた大きな方向性として今の場所での建てかえをお決めになったということを聞いておりました。先般、十一日に黒岩知事においでをいただいて、私は直接御要望をお聞きしたところでございます。
 今お話しのとおり、社会福祉法人などの民間法人が行う建てかえにつきましては社会福祉施設等施設整備費補助金の補助対象としているわけでありますけれども、津久井やまゆり園につきましては、その設置主体が神奈川県であるということで、御指摘のように、建てかえに当たっては、平成十八年度以降、県の一般財源からの補助ということになっておりまして、補助金の直接の対象にはなっていないということになっております。
 しかし、今お話がありましたが、建てかえの具体的な構想について神奈川県にもう少ししっかりと議論をしていただき、またお考えも私どもとしても聞いた上で、他の関係省庁とも相談をした上で、今お話しのとおり、今のままの制度であればなかなかその対象にはならないということでありますから、相談をしてまいりたいというふうに思っております。
○後藤(祐)委員 何とか工夫をしていきたいという強い御意思だと受けとめました。
 麻生財務大臣、この事件は日本の最悪の事件です。ぜひこの建てかえに財務省としても御協力いただきたいというふうに思います。
 厚労大臣、もう一問。
 要支援一、二が介護保険の給付事業から市町村の総合事業に移りつつあります。これによって、市町村によっては介護事業者の撤退が起きたりして、サービス提供の縮小などが起きているという話も聞きます。
 ちょっと時間がないので、通告した一問目は飛ばしますが、この後、要介護一、二についても、配付資料の九ページ目、昨年の十二月二十四日の経済財政諮問会議の改革工程表という中で、そこに矢印みたいなのが三つありますが、軽度者に対する生活援助サービス、軽度者に係る生活援助、福祉用具貸与及び住宅改修に係る負担、軽度者に係る福祉用具貸与及び住宅改修に係る給付の適正化ということを、関係審議会等において具体的内容を検討し、二〇一六年末までに結論というふうにされています。
 この軽度者というところに幅があるんですが、これまで行ってきている要支援一、二の話にとどまるのか、あるいは要介護一、二まで広げるのか。
 これについては厚生労働省の審議会の中で議論をしているというふうに伺っておりますが、まだ、要支援一、二の移管に伴う現場での影響というのがどうなっているか、必ずしも判明していません。そういう意味でも慎重であるべきだと思いますし、この要介護一、二の中には、人によっては大変苦しい事情の方もいっぱいいらっしゃいます。こういった生活援助サービスがないとさらに介護度が進んでしまうという方もいっぱいいらっしゃいます。
 この要介護一、二も市町村に移すことには慎重であるべきだと思いますが、厚生労働大臣の御見解を伺いたいと思います。
○塩崎国務大臣 今、最初に御指摘になった要支援一、二を地域事業に移行するということにつきましては、引き続き、地域の多様な主体の参入を図るとか、あるいは利用者への影響とか、いろいろなことをよく見ながら、必要なサービスがしっかりと確保できるようにやっていきたい、指導していきたいというふうに思っております。
 今、要介護一、二のことにお触れをいただきました。特に、軽度者というのは何だということであります。
 今御指摘のあったとおり、この改革工程表は昨年十二月にできましたが、この中で、今お配りのように、検討をするように、生活援助サービスのあり方について、今、社会保障審議会の介護保険部会で議論をしております。その議論の対象の中にそもそも軽度者の範囲も入っておりまして、この軽度者とは何か、どこまでを言うのかということ、そして生活援助サービスのあり方などについてしっかりと御議論をいただいているわけでありまして、これから結論を絞り込んでいただくということになっています。
 大事なことは、やはり介護保険の理念であります高齢者の自立を支援して、それから介護の重度化を防ぐという、この基本理念をよく守り、そしてもう一つ大事なことは必要なサービスは提供するということであって、こういった点に留意をしながら御議論を深めていただいて、結論を出していきたいというふうに思っております。
○後藤(祐)委員 要支援一、二の市町村事業への移管に伴っては、私の地元ではサービス提供の縮小などがちらほらやはり聞こえます、ぜひ慎重に進めていただきたいと思います。
 最後に、お金の無駄遣いを指摘していきたいと思います。
 配付資料一ページ目から、これは二十六年度の会計検査院の決算報告の一部なのでございますが、二ページ目にいわゆる地域活性化関係の交付金がたくさん並んでいます。これらについて、三ページ目から四ページ目にかけて線を引いてありますけれども、緊急経済対策で補正予算で積んだお金をそれより前の年に使ったお金の借金返しに使っていた、地方債の償還や過年度の債務負担行為に基づき締結した契約の契約代金の支払いに使っていたと。
 つまり、補正予算というのは、景気対策として、そこから後、事業を起こすためのものですよね。過去もう既にやってしまったものは変わらないわけですから、その借金返しにこんなものを使われたら、経済効果としては全くプラスアルファがないですよね。これはさすがにおかしいんじゃないかという指摘なのでございます。
 特に、そこの事例一というところで、山口県は、この漁業の使い方自体がいけないと言っているんじゃないですよ、これは過去において正しい支出があったんだと思いますが、借金返しをこれで四億四千九百五十万やっている。これはさすがにおかしいと思うんですね。
 ルールがどうなっているかといいますと、七ページを見ていただきますと、こういった交付金についての交付金要綱というのがありまして、線を引いてあるところ、緊急総合対策に対応した総合的な対策を実施し、もって地域活性化に資するために必要な事業にしかお金を使えないはずなんです。借金返しはこれに当たらないでしょう、どう考えても。
 山本担当大臣、これはこの交付要綱の線のところには当たらないと思いますし、当たらないのであれば補助金適正化法違反とも言え、国に返納すべき事案だと思いますが、いかがでしょうか。
○山本(幸)国務大臣 経済危機対策等に関し実施した過去の交付金について、例えば平成二十一年度補正予算で措置した交付金、地域活性化・公共投資臨時交付金については、地域における公共投資を円滑に実施し、地域活性化の速やかかつ着実な実施を図る事業を対象としておるところであります。
 これらの交付金を活用して行った事業のうち、地方債の償還や過年度の債務負担行為に基づく事業、整備または改修された施設等が短期間で休止等していた事業については、会計検査院の御指摘にもあるとおり、基本的に不適正なものであると認識しております。
 御指摘の事業については、個別事業に応じて、関係法令や要綱に即して、著しく不適切なものでないか、事業の適切性を精査する必要があると考えております。
○後藤(祐)委員 一回時間が過ぎちゃっているから今から返せと言いにくいということなんだと思いますが、こういうのをびしっとやらないと、こういうひどいのはなくならないですよ。
 配付資料の六ページ、では事後のてんまつはどうなったかといいますと、事務連絡を発して地方公共団体へ周知徹底した。こんなのじゃ、もらった者得じゃないですか。
 財務大臣、最後に伺います。
 悪質と言っていいと思います、少なくとも不適正な使い方だと思いますが、これは補助金適正化法違反だと思います。こういったことをやったところに対しては、いろいろなやり方があると思います、同じ項目あるいは、これはちょっと別の名前の交付金になっておりますが、その交付金の後の査定に反映させるですとか、あるいはほかのお金の問題もあると思います。ぜひ、もらい得にならないように、不適正なことをやったところに対しては、財務省として、あるいは地方活性化担当大臣としても、ほかの省もそうです、厳しく当たるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○玄葉委員長 麻生財務大臣、時間が来ておりますので、答弁は簡潔で結構です。
○麻生国務大臣 簡潔じゃ困るのは向こうなので。野党に対する配慮も考えぬといかぬと思っておりますので。
 個別の事業について申し上げるわけにいきませんので、一般論として申し上げれば、補助金、交付金というものにつきましては、御存じのように、根拠法令とか交付金のいわゆる内容というのは、補助金事業というものを別のものに使って遂行した場合は補助金等適正化法違反、法律違反ということになりますので、補助金等の交付決定の取り消し、補助金の返還、罰則の対象となります。
 今言われていましたように、今後はこういったような使い得みたいな話にならないようにしろという話なんですけれども、基本的にどのように予算が使われどのような成果を上げたか評価とか検証とかをすることになるんですが、予算のさらなる効率化をしていく上で、これは極めて重要な要素の一つになります。
 いずれにしても、今こういったものは、後藤委員の御指摘がありましたように、交付金の適切な執行を図る上には、予算編成を来年度やっていくに当たりましての取り組みとか、それから主務官庁においてこれはされるんですけれども、その交付に係る審査などを通して我々としてはきちんとチェックをしていくということになりまして、担当しております主務官庁がまずは第一、その次に、予算を査定するときにこれは去年と違うのではありませんかと申し上げるのがこっち、そういう段階になろうかと存じます。
○玄葉委員長 最後、一言にしてください。
○後藤(祐)委員 ありがとうございました。終わります。
○玄葉委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。
 決算について質問いたします。
 きょう、資料をお配りしております。きれいな野球場の出ているカラーの資料でございます。
 横田基地に自衛隊の航空総隊司令部が移転した際、米軍の野球場を一つ潰しまして、そのかわり、機能補償として移転整備されたものの一つがこの野球場です。
 二〇一三年度の予算も使われております。この秋、この野球場が完成いたしまして、オープニングの式典も行われました。随分立派な野球場ですけれども、野球観覧席が、前にあったものに比べてかなり大きくなりました。それから、潰した野球場は一つですけれども、照明設備は二つの野球場に設置されるということになりました。
 きょうは稲田大臣に来ていただきましたけれども、この野球観覧席がどれだけ大きくなったのか、それから照明の数はどれだけふえたんでしょうか。
○稲田国務大臣 航空自衛隊航空総隊司令部については、平成十八年五月の日米2プラス2で合意された再編実施のための日米ロードマップに基づき横田基地に移転することとされ、平成二十四年三月に移転したところです。
 お尋ねの、在日米軍司令部近傍に所在していた野球場については、航空総隊司令部及び関連施設を移転する際に立体駐車場の建設場所となったところから、失われる機能の補償として、日本側で基地内の別地に代替施設を整備することになりました。
 米側との調整の結果、具体的には、取り壊した旧野球場にはグラウンド、観覧席、倉庫、照明といった機能がありましたが、機能の補償として、基地内の既設の野球場に観覧席及び用具保管のための倉庫を整備するとともに、グラウンドと照明のみを有する別の野球場を新たに整備することとしたものです。
 その際、旧野球場においては延べ床面積約九百三十平方メートルの観覧席に加えて野球用具等を保管するための倉庫が近傍に配置されていたことから、基地内の既設の野球場では、ほぼ同規模の観覧席に加えて用具を保管するための倉庫が併設されたことにより、約一千七百七十平米となっております。
 また、照明については、移転前の旧野球場に八基あったところ、新しい野球場では、グラウンドの地形上、外野の一部が広がる形状となっており、野球場全体の照明を確保するため二基ふやしたところでございます。
○宮本(徹)委員 野球場二つに照明をつけたわけですよね。違いますか。
○小柳政府参考人 お答え申し上げます。
 照明施設につきましては、既存の取り壊した野球場に八基ございました。これは、先ほど大臣から御説明申し上げましたとおり、東側の既存の野球場と、もう一つ新しくグラウンドを整備した野球場の二カ所に設置しております。
 既存の野球場につきましては、もともと照明がございました。そこに新しく、取り壊した観覧席を移設して設けました。その関係上、既存の照明の一部と当たるということで、これについては、八基ありましたものを八基更新したということでございます。
 新しくグラウンドを整備した部分につきましては、もともとなかったところに十基、先ほど大臣から御説明申し上げましたけれども、十基の照明を設置したということでございます。
○宮本(徹)委員 防衛省にいただいた資料では、観覧席は九百三十平米から一千七百七十平米にまで広がっているわけですよね。
 私は、移転に伴う機能補償というのは同じ規模のものを整備するのが普通は常識だというふうに思うんですけれども、これは何で二倍にもなったんですか。
○小柳政府参考人 お答え申し上げます。
 米軍施設の機能補償でございます野球場については、敷地の制約もございまして、既存の野球場、これは米軍がウィルキンスと呼んでおりますが、ここに観覧席と倉庫を整備したものと、もう一つ新設の野球場、これは米軍がブロンコと称しておりますが、ここにグラウンドと照明を整備したものの二カ所に分散して整備をしたところでございます。
 委員から、野球場ウィルキンスの観覧席が、延べ床面積九百三十平方メートルから千七百七十平方メートルの二倍に拡大したのではないかという御指摘がございましたが、取り壊した観覧席における座席、これは長椅子方式のベンチでございますが、これの総延長が約八百二十メートルでございましたのに対しまして、米側の要望により、新設の座席、こちらも長椅子式のベンチでございますが、これの総延長は約五百七十メートルとなっておりまして、観客の収容数としてはふえていない、拡大していないというところでございます。
 他方、取り壊した旧野球場は、基地の西側に位置します管理地区内に存在しておりまして、既存の倉庫を利用しまして用具を保管していたものと承知しておりますが、これに対し、滑走路の反対側に当たります東側の住宅地に所在する、先ほど御説明しましたウィルキンスと称します既存の野球場には用具等を保管するための倉庫が近隣にございませんでしたので、その機能補償として観覧席の一階部分に倉庫を整備しております。
 このため、旧野球場における延べ床面積約九百三十平方メートルの観覧席に加えまして機能補償として用具を保管するための倉庫が併設されたことにより、約千七百七十平米の規模となっているということでございます。
○宮本(徹)委員 倉庫だけじゃないでしょう。下の図がありますけれども、スナックバー、売店だとかいろいろなものをたくさんたくさんつくったんじゃないですか。この写真の真ん中のところにあるのは、ガラス張りの裏は放送設備ですよね。こういうものまで含めて豪華なものをたくさんつくったから延べ床面積がふえたんじゃないですか。違いますか。
○小柳政府参考人 本件施設につきましては、日本政府が建設いたしますので、建築基準法や消防法等の日本の国内法令を遵守するとともに、米軍基準にも合致させるという形で設置しております。先ほどの倉庫の機能補償を加えまして、所要の、必要な諸室を整備して建設したものでございます。
○宮本(徹)委員 倉庫とか、初めは言わないけれども、それ以外に米軍に求められたものをどんどんどんどんつくって、千七百七十平米みたいに大きくなっていったわけですよ。こういうのは隠れ思いやり予算なんじゃないですか。アメリカから言われて、機能補償を超えて大盤振る舞いしていく。国民の血税の使い方として、こういうやり方は許されないというふうに私は思いますよ。
 大体、麻生さんはいつも、増税するときは財政が大変だという話をされます、社会保障のときも財政が大変だという話をされますが、アメリカから求められたら、普通、公共補償のルールというのは、機能補償というのは同じ機能のものを補償するのに、それ以上に超えて大盤振る舞いしていっている。政治姿勢として、余りにも異常だと言わざるを得ません。
 自衛隊の航空総隊司令部の移転費用五百十億円のうち、百三十三億円が米軍の施設の整備に使われました。この野球場以外でも、機能補償を超えた大盤振る舞いが行われたんじゃないですか。隠れ思いやり予算がほかにもたくさんあるんじゃないかというふうに思います。引き続きこの問題は追及していきたいと思います。
 次に、CV22オスプレイの配備の問題についてお伺いしたいというふうに思います。
 米軍は、横田基地に来年度後半から特殊作戦機CV22オスプレイを配備しようとしております。防衛省が自治体向けにつくった説明の冊子では、このCV22の輸送の対象となり得る米軍特殊作戦部隊の例が掲載されております。
 確認ですが、大臣、この冊子に出ている例というのは米軍の確認をとって掲載したということでよろしいですね。
○稲田国務大臣 平成二十七年五月に防衛省が作成いたしました御指摘のCV22オスプレイについての五ページの図は、米側に確認の上、防衛省が作成したものでございます。
○宮本(徹)委員 この冊子の中には、CV22が輸送する例として在韓国特殊作戦コマンドというのが記載されております。この在韓国特殊作戦コマンドの作戦エリアはどこですか。
○稲田国務大臣 米軍の運用に関することについては、防衛省としてお答えをする立場にはありません。
○宮本(徹)委員 米軍の運用に関することという話じゃないでしょう。こんなもの、米軍のホームページを見たら出ているじゃないですか。朝鮮半島だけですよね。違いますか。
○前田政府参考人 お答えいたします。
 一般論としては大臣が御答弁申し上げたとおりでありますが、米軍のホームページ上の情報によりますと、在韓米軍特殊作戦コマンド、これは朝鮮半島の作戦領域における米軍の特殊作戦任務の計画及び遂行を所掌していると承知してございます。
○宮本(徹)委員 時間がないんだから、初めからそう答えていただければいいんですよ。
 つまり、CV22が配備されれば朝鮮半島有事に日本から出撃していく、これを想定しているということですね。
○前田政府参考人 お答えいたします。
 米軍の運用に関することでございますので、防衛省としてお答えする立場にはないわけでございます。
 いずれにいたしましても、横田飛行場に配備されるCV22オスプレイ、これは空軍の輸送機でございます。したがって、各種事態が発生した場合に、沖縄あるいはグアムなどアジア太平洋地域の複数箇所に所在しておりますアメリカの各軍の特殊作戦部隊を輸送することを主たる任務としている、このように承知をしております。
○宮本(徹)委員 米軍のホームページに在韓国特殊作戦コマンドは朝鮮半島を作戦エリアとしている部隊だということが書いてあると今説明しておきながら、何でそういう答弁になるんですか。当然、論理的に朝鮮半島有事も出撃していくことになるんじゃないですか。稲田大臣、弁護士ですから、論理的にはそうなるでしょう。
○稲田国務大臣 前田局長がお答えしたとおりであり、詳細については、米軍の運用に関する事項であり、お答えすることは差し控えさせていただきます。
○宮本(徹)委員 そんなでたらめな答弁では、本当に質疑が成り立たないというふうに思いますよ。論理的に見れば、朝鮮半島有事に出撃していくというのははっきりしていると思います。
 報道によりますと、昨年、米韓の新たな作戦計画が確立されました。作戦計画五〇一五というものですが、稲田大臣、これはどういう内容か簡潔に説明してください。
○稲田国務大臣 今御指摘の作戦計画五〇一五については、韓国の国防部報道官は、過去、作戦計画に関する内容は公表することができず、また事実関係について確認することもできない旨説明していたものと承知をいたしております。
 防衛省としては第三国間の作戦計画の内容についてお答えする立場にはありませんが、韓国の防衛白書によれば、米韓間では戦時に適用される作戦計画について平素から緊密に協議し作成しているものと承知をいたしております。
○宮本(徹)委員 普通にメディアで報道されているんですよね、大臣が答えなくても。
 きょう、配付資料で持ってきました。聯合ニュースと朝鮮日報の記事を載せております。これによりますと、同計画は北朝鮮の核、ミサイル、生物化学兵器の攻撃的除去に重点を置き、有事の際に先制攻撃する概念が適用された模様だと。朝鮮日報では、消息筋によると、作戦計画五〇一五は、五〇二七に比べ、有事における韓国側の被害をできる限り減らしつつ、いわゆる斬首作戦など、北朝鮮政権首脳部に対する精密攻撃で早期に勝利することを目標にしている点が最大の特徴とあります。
 こういう計画なんじゃないですか。
○前田政府参考人 お答えいたします。
 繰り返しになって恐縮でございますが、例えば韓国の国防部の報道官のブリーフィングにおきまして、先生が今御指摘になりましたような各種の報道に基づいて作戦計画五〇一五の内容を尋ねられている会見でございますけれども、韓国当局のそのときの答えは、作戦計画に関する内容は我々は公開できないし、公開してはいけないというのが原則だ、こういう趣旨で答えていると承知をしております。私どもとしてもお答えする立場にない、こういう認識でございます。
○宮本(徹)委員 いや、韓国当局の責任者が公開できないと言っても、その内部の人たちがぺらぺらしゃべっているからこうやって韓国のメディアに出ているわけでしょう。
 この作戦計画五〇一五での米韓特殊作戦部隊についての任務も報道では記されておりますが、では、報道の範囲で知っていることを述べてください。
○前田政府参考人 お答えいたします。
 防衛省といたしましては、第三国間の作戦計画の内容についてお答えする立場にはないということでございます。また、そのような個別具体的な計画に基づく他国部隊の任務についてもお答えする立場にはございません。
○宮本(徹)委員 朝鮮日報、先ほどの資料の続きの中に書いてありますが、特に、有事の際に核兵器使用を決心しかねない金正恩第一書記を初め北朝鮮の政権首脳部に対して精密打撃を行う斬首作戦の概念を導入し、核、ミサイル、生物化学兵器などの大量破壊兵器を早期に無力化し、戦争を可及的速やかに終わらせようとしていることも特徴の一つだ、米軍のデルタフォース、ネービーシールズなど両国の特殊部隊も特殊作戦機や潜水艦に乗って北朝鮮地域に潜入していき、こうした役割を果たすことになるというふうに書かれております。
 こういう報道については、大臣、報道があることは認識されていますよね。
○稲田国務大臣 報道については承知いたしておりますが、第三国の作戦計画の内容についてお答えする立場にはなく、個別具体的な計画に基づく他国の部隊の任務についてお答えする立場ではありません。
○宮本(徹)委員 報道については知っているということですから、こういうものだろうということで報道されていることは御存じだということですよね。
 作戦計画五〇一五が確立して以降、米韓の合同演習はこの作戦計画五〇一五に基づくものになっております。
 大臣、確認ですけれども、この間の米韓合同演習に嘉手納基地所属の米軍特殊作戦群は参加していますよね。
○稲田国務大臣 米国の太平洋軍ホームページによれば、本年二月、嘉手納基地に駐留する米空軍の第三五三特殊作戦群の要員が在韓米軍特殊作戦コマンドによる年次の米韓連合演習で輸送支援を行うため韓国に到着したほか、本年十月、同じく第三五三特殊作戦群が韓国の特殊作戦部隊と合同演習を行った旨は承知いたしております。
○宮本(徹)委員 つまり、既に、この作戦計画五〇一五に基づく訓練で特殊作戦部隊も参加しております。
 防衛省にもらった報道資料では、嘉手納基地所属の米特殊作戦群と韓国の潜入作戦部隊が低空飛行などの手法で北朝鮮内陸部まで潜入する訓練を集中的に実施したというふうにあります。これが今のアメリカと韓国の状況です。
 稲田大臣、横田基地に来年CV22オスプレイが配備されれば、この米韓の作戦計画五〇一五の中に実行部隊として位置づけられていく、そしてそのための米韓共同演習にも参加していく、これは当然そうなりますよね。
○前田政府参考人 お答えいたします。
 今先生、将来の米韓共同演習に参加していくことになるのではないかというお尋ねでございますが、防衛省としては、第三国間の作戦計画に基づく個別の装備の位置づけ、あるいは将来的な演習への参加予定、これらについてお答えする立場にはないということを御理解いただきたいと思います。
○宮本(徹)委員 この作戦計画五〇一五の実行部隊としてもし位置づけられることになったらどうなるかということですよ。日本から出撃していくということになるわけでしょう。直接出撃していくわけですよ。そうなれば日本は交戦国とみなされるということになるんですよ。そういう日本の主権にもかかわる極めて重大な問題なわけですよね。それについて答えないとか承知しないとか、そういう話では全く済まされないというふうに私は思います。
 きょうは外務副大臣にも来ていただいておりますが、民主党政権のときに、朝鮮半島への自由出撃の密約については失効を確認した、日本からの戦闘作戦行動は事前協議を必要とすることが日米両政府で確認されたというふうになっております。そうすると、CV22オスプレイが特殊作戦部隊を乗せて日本から出撃して北朝鮮に侵入してパラシュートで降下する、この場合は必ず事前協議事項になるという理解でいいんですね。
○岸副大臣 お答えいたします。
 仮定の質問にお答えをすることは差し控えたい、このように思いますが、その上で、あえて一般論として申し上げるならば、日米間では、いわゆる岸・ハーター交換公文によりまして、日米安保条約第五条の規定に基づいて行われるものを除いて、日本国から行われる戦闘作戦行動のための基地としての日本国内の施設及び区域の使用は事前協議の対象とされているところであります。
○宮本(徹)委員 そういう一般論を聞いているわけじゃないんですよね。
 今までも、ベトナム戦争だとかイラク戦争だとかいろいろなときに出撃していっても、それは直接の出撃じゃないんだ、移動だということで政府はごまかしてきたわけですよ。ただ、戦闘作戦行動についての政府の統一見解を見た場合に、こう書いてあるんですね。戦闘作戦行動の典型的なものとして考えられるのは、空挺部隊の戦場への降下というのが入っているわけですよ。
 CV22オスプレイがやることは、まさに戦場への直接の降下ですよ。これについては一般論じゃなくて答えられるんじゃないですか。どうですか。
○岸副大臣 今御指摘のとおり、空挺部隊の戦場への降下等は戦闘作戦行動の典型的なものであるというのが政府の立場でございますが、委員御指摘の事例がこれに当たるか否かという仮定の質問についてはお答えすることは差し控えたいということでございます。
○宮本(徹)委員 仮定の質問をしているわけじゃないんですね。CV22オスプレイの役割はまさにそういう飛行機じゃないですか、特殊作戦機で。北朝鮮に侵入していく訓練も、もう既に米軍、韓国が一緒になってやっているわけですよ。その部隊を運ぶのがCV22オスプレイですよ。まさにこれに該当するわけですよ。仮定ではなくて、CV22オスプレイが横田から出撃する際は必ず事前協議の事項になるということですかと聞いているんですよ。仮定じゃないです。具体的な問題です。答えてください。
○岸副大臣 七二年の統一見解のところでも述べられていますけれども、個々の行動の任務や態様の具体的な内容を考慮して判断するほかないということだと思います。
 その意味で、委員のおっしゃるところの事例というものが本件に当たるかどうかというのはお答えを差し控えたい、こういうことでございます。
○玄葉委員長 宮本君、時間が参りましたので、御協力願います。
○宮本(徹)委員 まとめますけれども、今の答弁はおかしいですよ。この政府の統一見解は、空挺部隊の戦場への降下、地上部隊の上陸作戦等、このような典型的なもの以外の行動については、個々の行動の任務、態様の具体的内容を考慮して判断するよりほかないと書いてあるんですよ。ほかのことなんですよ、個々について判断するというのは。空挺部隊の戦場への降下というのは戦闘作戦行動の典型だと書いてあるわけじゃないですか。今の答弁は全く政府統一見解と違いますよ、今までと。撤回しますか、副大臣。
○玄葉委員長 時間ですのでまとめてください、質問者。
○宮本(徹)委員 もう時間ですので続きは別の機会にやらせていただきますけれども、CV22オスプレイは特殊作戦部隊を運ぶ輸送機なわけですよね。それが首都に配備されて、日本政府も知らないまま、勝手に朝鮮半島に出撃していって作戦をする。これは日本国の命運も左右する問題になっていくわけですよ。そういう問題について今のようないいかげんな答弁は許されないですし、私たち日本共産党としてはCV22オスプレイの配備は絶対に認められないと強く申し上げまして、質問を終わります。
○玄葉委員長 次に、椎木保君。
○椎木委員 日本維新の会の椎木保です。
 本日は、決算の審議ということで、決算において生じる繰り越しに関連して御質問させていただきます。
 まず、決算において毎年多額の繰り越し事業が発生していると承知しておりますが、平成二十三年度から二十七年度の五年度分の繰越額の推移はどのようになっているのか、お答えいただきたいと思います。
○茶谷政府参考人 お答え申し上げます。
 一般会計の翌年度への繰越額の実績につきましては、平成二十七年度決算においては三兆五千九百十九億円、平成二十六年度決算におきましては三兆六千四十八億円、平成二十五年度決算におきましては三兆七千九百三十一億円、平成二十四年度決算におきましては七兆六千百十一億円、平成二十三年度決算におきましては七兆五百六十八億円となっております。
○椎木委員 今御答弁いただいた資料というのは、本委員会では既に配付されているんでしょうか。
○茶谷政府参考人 配付はされておりません。
○椎木委員 個別で結構ですので、整理した上で結構ですから、後日配付いただければと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 次の質問に入ります。
 ただいまお伺いしました過去五年の繰越額の推移を見ると、例年は約三兆円程度で推移しているのに対し、平成二十三年度及び二十四年度は七兆円を超える繰越額となっております。これはどういった理由からでしょうか。答弁を求めます。
○茶谷政府参考人 お答え申し上げます。
 議員御指摘のとおり、平成二十三年度及び平成二十四年度決算における翌年度繰越額は、直近の実績に比べて多額となっております。
 これらの要因といたしまして、平成二十三年度決算におきましては、三度の補正予算によって措置されました東日本大震災に係る復旧復興関連経費につきまして、地元の復興計画との調整や住民の方々との合意形成等に不測の日数を要したことなどにより年度内の執行が困難となったもの、平成二十四年度決算におきましては、平成二十五年一月十一日の閣議決定の日本経済再生に向けた緊急経済対策に基づく補正予算によって措置されました地域経済活性化・雇用創出推進費について、地方公共団体の計画策定のおくれなどにより年度内の配分計画の策定が困難となったことなどによるものが考えられるところでございます。
○椎木委員 今答弁でありましたけれども、三度の補正、その他もろもろ、理由の方、答弁がありましたけれども、今の政府参考人の御認識では、これは妥当な理由というふうな御認識でしょうか。
○茶谷政府参考人 お答え申し上げます。
 それぞれ今申し上げたような事情があったところでございますが、まさに最後の当、不当というのは決算の審査の中において御判断いただくものと考えております。財政当局としては、基本的に、やむを得なかったので手続をとったところでございます。
○椎木委員 私も地公体で長く行政にかかわっていましたので、おっしゃっている答弁の趣旨は十分理解できます。ただ、やはり繰越額というのは地方議会でも毎年議論される問題でもありますし、三兆円程度で推移していたのが七兆円ということについては、やはりその理由を先ほどの答弁以外にもっとミクロに精査して、繰り越しが発生しないようにしっかりと対応していかなきゃいけないと思いますけれども、その点について、再度答弁があればお願いしたいと思います。
    〔委員長退席、石関委員長代理着席〕
○茶谷政府参考人 お答え申し上げます。
 今先生御指摘のとおり、引き続きいろいろな手続等に目を配りながら予算の円滑な執行に努めてまいりたいと考えております。
○椎木委員 ありがとうございます。
 決して否定しているわけではありませんので、地方も含めて、これは毎年の議会での本当に大きな問題だということを御理解いただいていると思いますけれども、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 次の質問に入ります。
 事業の繰り越しについては、事業を実施する各省、地公体から財務省、財務局に申請がなされるものと承知しておりますが、この手続が煩雑ということで、各省、地公体への負担が大変大きく、事務の効率化の要請がただただあったやに伺っております。
 しかしながら、このような事態を受け、財務省において、平成二十二年に繰り越し事務手続の簡素化を行ったと承知しております。この際、具体的にどのような対応がなされたのか、お伺いいたします。
○木原副大臣 お答えします。
 繰り越し事務につきましては、平成二十二年一月以降、委員御指摘のとおり、地方自治体等の事務負担の軽減と事務の効率化の観点から、明許繰り越しの事務手続について大幅な簡素化を図ったところでございます。
 具体的には、申請書類については、繰り越し理由を定型化するなど必要最低限の事項の記載に限定、そして添付資料、これは事業概要とか図面とか工程表、契約書等ですが、そういったことを廃止するということ、それから財務局等によるヒアリングの廃止、また処理の迅速化、これは原則として十日以内に承認、そういったことにより可能な限りの簡素化を実施したところでございます。
○椎木委員 この繰り越しの簡素化というのは、地方でも本当に大変頭の痛いといいますか、何とか改善していただきたいという声が大きい内容の一つなんです。今、木原副大臣から御答弁がありましたけれども、これは私の経験上の話で恐縮ですけれども、今の答弁をただただ毎年繰り返しているだけなようにしかちょっと感じない部分もあるんです。
 本腰を入れて事務の簡素化に取り組むということでは今の答弁にやはりプラスアルファの取り組みも必要かと思うんですけれども、いかがでしょうか。今の御答弁で、この繰り越しの事務の簡素化は改善できるという御認識でしょうか。
○木原副大臣 今のままでいいかという御指摘でございますけれども、私自身も熊本の出身でございまして、今回災害を受けました。自治体もそうでございます。そういった災害等で、やむを得ない事由によって年度内の完了が困難となる可能性のある事業の経費については、国会の議決を得た上で明許繰り越しとして翌年度に繰り越しをすることが可能となっているということ、これは大変ありがたいことだというふうに感じておりますし、自治体もそのように言っております。
 その事務手続については先ほど申し上げたとおりでございますが、既に可能な限りの事務手続の簡素化を行い、事務の効率化を図っているところであり、財務省といたしましては、ことしの熊本地震を初め、そういった災害状況等を踏まえて、被災地を管轄する財務局等の関係機関に対して明許繰り越しに係る事務手続の簡素化について改めて周知徹底を行うとともに、そういった避けがたい事故が発生した場合に認められる事故繰り越しについても、各省庁、自治体等からの相談について丁寧に対応する、また実際の現場に即した対応をするということ、こういったことに努め、さらなる周知徹底をしたところであります。
 このように、繰り越し事務手続については現行制度で行うことができる最大限の見直し、簡素化を行っていると考えておりますが、今後とも、被災地の声を丁寧にお聞きしながら、繰り越し手続が円滑に行われるように、さらに徹底して、また適切に対応していきたいと思っております。
○椎木委員 次の質問をちょっと準備していたんですけれども、それに関連した答弁までいただいたような感じなんですが、私は本当に、決して否定しているわけでも何でもない。ただ、何とか地方も含めた繰り越しの事務の簡素化というのを本当にもう少し、省内にPTでも立ち上げるとか何かしないと、これは結果的にやはり例年変わらないんですね。
 今の木原副大臣の答弁、取り組んでいただいているのは私は高く評価しておりますし、十分対応していただいているという認識ではあるんですね。あるんですけれども、やはり何かが足りないんでしょうね、なかなかこの改善が進んでいないという意味に対しましては。そういう意味では、今の御答弁をさらに詳細にといいますか、目を光らせて、進行管理も含めて取り組んでいただければと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 次の質問に入ります。
 ことしは、四月の熊本地震に始まり、八月の北海道を中心とした台風など、またついこの間も東北地方で地震があるなど、極めて災害が多い状況になっております。このような状況を受け、被災自治体等を中心に、やむを得ず繰り越しが必要となるケースが多くなると想定されるところです。
 このような被災自治体等の事務負担を軽減するため、さらなる繰り越し事務手続の弾力化、簡素化を検討すべきではないかと思います。先ほどもちょっと答弁の中で触れられていたと思うんですけれども、特に被災地に限定した事務手続の弾力化、簡素化という視点で答弁をいただきたいと思います。
○木原副大臣 先ほども申し上げましたけれども、ことしは本当にさまざまな自然災害がございました。そういった実際の災害状況を踏まえて、毎回毎回、災害のたびにいろいろ状況も違います、そういった現場の声を直接聞きながら、その事態に即したような手続、また更新していかないといけないと思っておりまして、財務局等の関係機関に対しては、明許繰り越しに係る事務手続の簡素化について、今のままでいいのかということを実際にお聞きし、またそれに基づいて徹底していくということになろうかと思いますし、自然災害のようなまさしく避けがたい事故が発生した場合に認められる事故繰り越しにつきましても、財務省としては、各省庁、また被災した自治体等からその都度それぞれの災害の状況の相談を受けながら、さらにいいものにできるように丁寧に対応していきたい、そのように思っております。
○椎木委員 木原副大臣の答弁は大変紳士的で、誠実にお答えいただいていると思っています。
 ただ、私は何度も申し上げていますけれども、地方自治体でやはりこういう事務をやっていたということで、若干しつこく細かい再質問になっていますけれども、その点はちょっと御理解いただきたいと思います。
 今の答弁で一つ再質問させていただきたいのは、私は長く東日本大震災復興特別委員会に委員として所属させていただいていまして、本当に数多くこれまで被災地の方、現場に行ってまいりました。現在は国交委員会の委員として、熊本の視察の方も行かせていただきました。
 必ず被災地で言われるのが、やはり事務手続の簡素化なんですね。復旧復興の大きな妨げになる要因としては、現場としてはやはり事務手続の煩雑化を挙げてくるんですよ。どうしてもこれにエネルギーをとられて、注がれて現場の復旧復興がおくれてしまう、何とか本当に現地を見ていただいて、そこで査定、評価していただいて、その事務手続というものをもっともっと軽減してもらえないか、こういった声があるんです。
 副大臣は選挙区が熊本ということですので、今回の熊本地震で、今までより簡素化された手続で、配慮した部分というのはあるんでしょうか。
○木原副大臣 今回、実際に私自身が被災をし、また現場で自治体の方々と一緒に取り組ませていただいている中で、現行制度で行うことができる部分については最大限していただいているなという感想は持っておりました。
 しかしながら、やはり委員おっしゃるように、さらにまだまだ軽減してほしい、そういう声も確かにございましたので、簡素化を今後とも行っていかないといけないし、またそういった被災地における声を丁寧に拾っていくこと、こういったことが結果としてこの繰り越し手続が円滑に行われる結果になると思っております。
    〔石関委員長代理退席、委員長着席〕
○椎木委員 ありがとうございました。
 副大臣は被災地の選出議員として現場の痛みも最もわかっていると思いますので、今後、改めてこの事務の簡素化に取り組んでいただければと思います。本当に御答弁ありがとうございます。
 最後の質問に入ります。
 決算本体に関連してお伺いしたいと思います。
 十一月に会計検査院から平成二十七年度の決算検査報告が公表されたところです。この報告によれば、不当事項等の指摘件数が四百五十五件、金額も一兆二千百八十九億円と、極めて多額の指摘がなされています。
 このように毎年会計検査院から指摘を受けていることについて、財政当局として、これら指摘事項に対してこれまでどのように対応し、また今後どのように対応していくのか、財務大臣にお伺いいたします。
○麻生国務大臣 御指摘をいただきましたまず最初の一兆二千億の件でありますけれども、平成二十三年度から今日までのをずっと述べてみますと、平成二十三年度五千二百九十六億、平成二十四年度四千九百億、平成二十五年度二千八百億、平成二十六年度一千五百億と、大体毎年それぐらいずつ減ってきております。
 今年はなぜ一兆二千億かというと、これは極めて簡単なことであって、預金保険機構の利益剰余金というものがありますけれども、約一兆一千億円そこにございますが、これは剰余金というものに係るものではないかという御指摘を受けたので一挙に一兆一千億ふえておりますので、常識的にいきますと、昨年に比べてさらに一千百億に減ってきているというのが実際の流れで、全体としては、流れとして毎年一千億ぐらいずつ減ってきておるのが過去五年間の実態ということであろうと存じます。
 いずれにしても、こういったものは、いわゆる会計経理の適正化を図るということを我々としては要請する立場にありますので、検査院からの指摘事項については予算とか会計事務とかいろいろなものの場合において適切に反映してきたところですけれども、毎年一千億ということでありますから、そういった意味では、御指摘のとおり多額の不当事項等の指摘がなされていることはまことに遺憾なことなので、今月、十一月八日の日に、二十七年度の決算検査報告を受けましたので、私の方から各閣僚に改めて、予算の厳正かつ効率的な執行や、検査報告事項の予算への反映等々について指示をさせていただいたところでもあります。
 いずれにいたしましても、今後、予算とか会計事務などにこういった問題を引き続きしっかり反映させてまいりたいと考えております。
○椎木委員 今、麻生財務大臣の方から、しっかりとした問題意識、認識を持たれて、しっかり指示も発していただいているという御答弁でしたので、今後、我々も協力するところはしっかりしてまいりたいと思いますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 以上で、私のきょう用意した質疑に対しての答弁はいただきました。最初は政府参考人に繰り越しについて若干細かいところを突っ込ませていただきましたけれども、適切な御答弁をいただけたと思っております。そして、木原副大臣におきましても、さらに細かな質問をさせていただきましたけれども、随時適切に、誠実に御答弁をいただけたと思っております。本当に感謝申し上げます。ありがとうございます。
 最後、この決算総論、私が質問するまでもなくというような取り組みをしていただいているという認識で私もおりますので、麻生大臣におかれましては、引き続き財務当局トップとして頑張っていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございます。
○玄葉委員長 次に、瀬戸隆一君。
○瀬戸委員 瀬戸隆一でございます。
 きょうは、地方活性化とテレビということで質問させていただきたいというふうに思っております。地方活性化に、これからもテレビ、特にローカル局に頑張ってほしいという観点から質問させていただきたい、そのように思っております。
 まだまだ地方には、私たちの気づいていない、人を引き寄せる魅力があるというふうに思っています。物、場所、まだまだ紹介できていないことがいっぱいある。それらを知らせるのはローカル局の役割ではないかというふうに思っています。また、もちろん災害の際にも、地元の情報を伝えるにはローカル局の役割というのは非常に大きいものがあるというふうに考えています。
 ローカル局の放送コンテンツを海外展開するために、補助金があります。これによって地方の魅力が海外に発信されているということであります。
 平成二十五年度補正予算によりますと、私の地元香川県においても、瀬戸内海放送がこの補助金を使って、瀬戸内海ブランドの紹介ということで、タイやフィリピンに、岡山の場合はデニム、香川の場合は讃岐うどんとか島とか、そういった魅力を紹介したそうであります。現地ではもちろん、地元でも好評だったということであります。また、展示即売会をやろうかとかそんな話につながったりとか、ホームページ、フェイスブックのアクセスにもつながったということでありました。また、北海道テレビも、この補助金によって外国人観光客の誘致に成功したというふうに聞いております。
 そこで、質問します。放送コンテンツの海外展開についての補助金によって地方活性化にどのような効果が得られたか、どう把握しているか、お答え願います。
○南政府参考人 お答え申し上げます。
 地域の観光情報でありますとか地域の特産品を紹介します放送コンテンツを海外で展開することによりまして、いわゆるインバウンドとして外国人旅行者の数がふえる、あるいはアウトバウンドとして地域産品の海外販路が拡大するという、さまざまな効果が期待できるわけでございます。
 先生御指摘のとおり、北海道テレビさんが一九九七年から台湾のケーブルテレビに北海道各地のコンテンツを流しましたところ、北海道を訪れる台湾人観光客が二年間で二倍、十年間で五倍、大幅にふえたということが報告をされてございますし、例えばテレビ新広島さんにおかれましては、中国地方のさまざまな観光情報その他のコンテンツをフランスのケーブルテレビに流しましたところ、広島を訪れるフランス人の観光客が一年間で三割ふえた。そして、岡山県の特産品であります桃太郎ジーンズの売り上げが二年間で一気に七倍にふえた。そういったさまざまな効果が報告されているところでございます。
 総務省におきましては、先生御指摘のとおり、BEAJと言われる、オール・ジャパンの放送コンテンツを海外に展開するための推進組織がございまして、そこと連携をしながら、できるだけ海外の放送枠を確保して継続的に放送コンテンツを流していっていただく、その際に、海外の放送事業者と共同で、ひとりよがりにならないように共同で放送コンテンツを制作するプロジェクト、こういったものに対して制作費を支援する事業を展開しているところでございまして、平成二十五年の補正から、四年連続で百件を超える事業を採択してございます。
 そのうち特に先生御指摘のローカル局につきましては、海外展開の実績ですとかノウハウを必ずしも持っていないケースがございますので、そのローカル局の最初の第一歩を後押しするという意味で、これからも支援内容の充実に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○瀬戸委員 いろいろな効果を生んでいるということでございます。
 先ほど北海道の話もありましたけれども、アジアに雪を降らそう、そんなキャッチフレーズでやったところ、台湾人の観光客が非常にふえてきたということであります。経済効果ももちろん増してきている。一兆円が二兆円になった。最初に放送し始めてから倍になったという話もあるようであります。これをもっともっと広げてローカル局がどんどん地方の魅力を発信する番組をつくっていけば、これはまたいろいろ地方活性化にもつながっていくし、また、安倍政権の言うインバウンド四千万人の達成の一助にもなるのではないかというふうに思っているところであります。
 ところが、そうなかなか簡単にはいかないところがあるという話もあります。最近、ローカル局の中には、自社で情報を集めて番組をつくる制作力が落ちているという話も聞くところであります。
 そこで、質問させていただきたいと思います。テレビ局が放送する番組に占めるみずから制作した番組の比率について、キー局と準キー局、またローカル局についてどうなっているか、また、その比率の最近の増減傾向はどうかについてお答え願いたいと思います。お願いします。
○南政府参考人 お答え申し上げます。
 放送する番組に占めるみずから制作した番組の比率、これは私ども自主制作比率というふうに申し上げておりますけれども、在京キー局の平成二十五年のデータは平均して八三%、在名阪のいわゆる準キー局と言われている広域局におきましては平均しますと約二八%、それらを除きます地方のローカル局、この平均は約一一%というのが現在の数字でございます。
 これを十年前と比べますと、キー局の方は、約四%比率は増加をしております。在名阪のいわゆる準キー局と言われる部分につきましては約二%減少して、地方のローカル局につきましては十年前と比べて約一%減少しているというような数字でございます。
○瀬戸委員 キー局の自主制作比率は上がったけれども、準キー局、ローカル局は下がってきていると。
 ローカル局の方も、一%ということですので、そんなに大きな数字じゃないんじゃないかとも見られなくはないんですが、ただ、ローカル局、いろいろな人員削減もしているという話があります。やはりそういった中でこの比率が下がってきてしまっているということがあらわれているのではないかと思っております。
 地方活性化をしてもらわなきゃならないローカル局、自主制作力が落ちているということについて、つまり、結局どういうことかというと、キー局からの番組をもらって埋めていっているということがふえているんじゃないかとも言えるのではないかと思います。ローカル局はどんどん元気がなくなっているのか、ローカル局の収益は下がってきているんじゃないかという懸念もあるわけです。
 そこで、ちょっと御質問したいと思います。ローカル局の黒字会社と赤字会社の数、これはどうなっているかを教えてください。
○南政府参考人 一番新しい平成二十七年度決算でございますけれども、ローカル局のテレビ社の中で赤字となったのは二社、残りの百十二社は全て黒字ということで、実は、地デジの投資が非常に負担が重たかった時代に、ピーク時には大体三十社近く赤字が出た年もあったわけでございますけれども、減価償却の負担が少しずつ減って、今、大体一巡したところで赤字社が減っているということでございますが、近くマスター設備の更新時期がこれから数年後にまた参りますので、その段階でまた経営に対する非常な圧迫要因にはなってくるというふうに考えてございます。今現在は非常に順調な状況でございます。
○瀬戸委員 ローカル局は収益が上がっているということですね。先ほど、百十二社は黒字で、赤字会社は二社ということでした。ほとんど赤字の会社がないという状況であります。中には過去最高益を出しているローカル局もあるという話もあります。非常にいいことなんだというふうに思います。
 しかし、これは、逆に言うと、ここに潜むローカル局の問題をややもすると先送りしてしまう、そういった背景になっているのではないか、状況になっているのではないかということを危惧しております。中には、収益は上がっているんだから何でここで改革する必要があるんだ、そういった声も聞かれるところであります。
 収益が上がっている背景について、こういうふうに言われています。数年前から、通信と放送の融合という話がありました。テレビ局は、その中で、インターネットにやられるかもしれないから筋肉質の経営体質をつくらなければならないということで、経営合理化の努力を続けてこられました。その結果、費用が削減されて収益が上がっているということなんじゃないか。
 もちろん、経営努力は非常にいいことだと思います。しかし、その際、自主番組制作のスタッフを削減していないか、そうなっているんじゃないかという話もあります。もしそうであれば、本来のテレビ局が持つべきは番組制作力であります、この力を失ってしまうことになるのではないか。また、そうなってしまうと地方の情報も集められなくなりますので、地方活性化への貢献もできなくなってしまうんじゃないかということも危惧されます。キー局から番組を買うことで番組制作費を抑え、そして収益を上げる、キー局からの広告費に頼ろうとしているのではないかということも言われているところであります。
 しかし、これは短期的な収益を上げることはできるんですが、自主番組制作という、視聴者と接するテレビ局としては最も大切なところだと思います、ここを手放して長期的な収益力を手放してしまう、そういったリスクがあるんじゃないかと思われます。
 そこで、お尋ねしたいと思います。ローカル局の自主制作比率の低下について、地方活性化という観点から、また、今後インターネットに対抗してローカル局が収益を上げていく必要性があるという点からどう考えますでしょうか。
○金子大臣政務官 お答え申し上げます。
 ローカル局は地域情報を取り扱う重要な機能を有しておりまして、今後、地方活性化の観点からも一層その重要性は高まるものと考えております。
 一方、現在、放送をめぐる社会環境は大きく変化しておりまして、総世帯数の減少が見込まれるほか、御指摘のように、インターネットの特性を生かしたグローバル規模での動画配信サービスが台頭しつつあるところでございます。
 こうした中、ローカル局においても、放送コンテンツのネット配信など収益の多様化を図っていくことが期待されるところでありますが、このため、総務省におきましても、ローカル局と連携し、ネット上にポータルサイト、通称ロコチャンを立ち上げ、地域におけるさまざまなコンテンツを地域外に広く配信する取り組みを支援してきたところでございます。
 総務省では、このような放送を取り巻く環境変化を踏まえ、有識者による検討会を設置しまして、地域情報の流通の確保や充実のほか、ローカル局を含めた地上放送事業者等の将来像について検討を開始したところでございます。
 総務省としましても、検討会での議論も踏まえつつ、引き続き、地域情報の流通確保の充実や地上放送事業者の経営支援の方策等について検討をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○瀬戸委員 ローカル局の番組を紹介するサイトをつくったということですかね、そういうことをした、また、検討会によって将来像を検討することにしたということであります。こういうこと、ローカル局にとってプラスになることはこれからまた続けていっていただく必要があるんだというふうに思っています。
 そういった中、今、若者のテレビ離れということが言われております。我々世代、我々世代といってもいろいろありますけれども、私なんかは、家に帰ると何はさておき、まずテレビのスイッチをつける、入れるというのが習慣としてあります。しかし、今の若者は、家に帰るとまずテレビをつけるんじゃなくて、PCを立ち上げたりスマホを見たりとかするというんですね。ネット動画を見たりするというふうに言われます。
 ちょうどこれは野村総研の調査だったと思いますけれども、若者のテレビ視聴傾向についての調査結果というのがありました。一日十五分以上テレビを見る率についての調査であります。それによりますと、国民全体でいくと九〇%の方が一日十五分以上テレビを見る。これは何となくうなずけると思います。ただし、二十代の男性になると、十年前は大体八〇%がテレビを十五分以上見ますよと言っていたのが、現在は六〇%に減っているということです。テレビ離れが進んでいるということだと思います。
 そこで、お尋ねしたいと思います。ちょうどNHKも、リオ・オリンピックの際に番組のインターネット同時再送信を試験的に行ったということですけれども、その結果はどうだったんでしょうか。また、それをどう評価するか、お尋ねします。
○南政府参考人 お答え申し上げます。
 リオのオリンピック期間中、八月五日から十八日間にわたりまして、オリンピック、パラリンピック全ての競技につきまして、権利処理上問題のない番組につきましては全て、ネットでの同時配信サービスの試験的提供をNHKが行ったところでございます。
 時間数で申し上げますと、実際に放送された番組と同一のものがネットに流れたものが四十九時間二十七分間、片や、放送されていない、いわゆる解説は何もつかないで音声のみのそういう競技につきましても二千五百十三時間ということで、放送されたものの五十倍ぐらい、実際に放送されていない番組もネットに配信されたところでございまして、トータルとして大変多数のアクセスがあったというふうに伺っております。
 これは、放送番組のネット配信に対する理解の増進という目的にもかなうものでございますので、私どもとしては、NHKが、二〇二〇年の東京オリンピックにおきましても、この知見を生かしながら視聴者のニーズに引き続き応えていく取り組みをしていただきたいというふうに期待をしているところでございます。
○瀬戸委員 テレビで放送されていないものについても、マイナー競技とかについて放送したということですね。なるほど。
 二〇二〇年東京オリンピックの際、多分、いろいろなところでいろいろな競技が行われる。特にパラリンピックなんかも含めてマイナー競技もありますし、マイナーな国同士が戦うというのがある。それを見られる状況をつくっていくというのは非常に大切なことだというふうに思っています。やはりそこに、どうしてもインターネットに頼るところが出てくるのかなというふうに思っています。そうなってくると、二〇二〇年はやはり放送とインターネットの融合というのが大分進むんじゃないかというふうに思われるところであります。
 では、テレビとインターネットというのは何が違うんでしょうかというところなんですね。
 一つ、私がテレビから感じることは、テレビを見ると、やはりテレビ番組の中で、中立的な放送と言われていますので、そういった中立的な意見を聞いて自分を見直す道具にもなっているのかなと思うときがあります。
 インターネットというのは、どうしても自分の好きなものだけを見てしまう、そういった偏った視聴になってしまいがちではないかと思うんですね。インターネットだけでは、どうしても人々がばらばらになってしまう。分断と言っていいのかわかりませんけれども、そういった危険性をはらんでいるんじゃないかと思います。ISはインターネットだけで大きくなったわけではありませんが、やはり極端で過激な偏った意見を持つ人がふえてしまう、そういった傾向を持っているんじゃないかというふうに思っているところであります。
 そういった意味でも、マスのメディアとしてのテレビの役割は非常に大きいものがあるんだというふうに思っているところであります。
 また、均衡ある国土の発展といった観点からも、先ほどからお話ししているローカル局、地方の情報をしっかり届けていただくこともテレビの役割としては大きいものだというふうに思っております。
 ここで忘れてならないのは、テレビ業界は既にインターネットとの間の戦いに入っているということなんだと思います。また、BSにおいては、4K放送が二〇一八年には始まる、オリンピックの二年前には始まるというふうに言われています。また新しいメディアが登場するということになります。そろそろ、ローカル局の問題を真剣に考えなきゃならない、そういった時代が来ているんじゃないかと思っております。ローカル局をしっかりとした強い体質にして、新たな時代にテレビ業界としてこぎ出す必要があるのではないかと思っているところであります。
 そこで、ちょっとローカル局のエリアについてお伺いしたいと思います。
 例えば、ある産業が危機に面したときどのような手段を政策としてとられるかと考えると、一つは、一般的には、補助金とかによって体力を強化するというのがある。そしてもう一つは、マーケットを広げてあげる、そして輸出先を見つけてあげたりする、そういったことが一般的にはあるというふうに考えています。
 体力を強化するといった意味では、一番最初にお話ししました、放送コンテンツを海外展開するための補助金、こういうのもあるんだし、また、もっと必要があるのかもしれないと思っています。
 そうしたら、あともう一つ、強いローカル局をつくるにはどうしたらいいか。私は、もう一つ、マーケットを広げてあげることも考えられるんじゃないかというふうに思っています。
 今、ローカル局は、都道府県を基本とする県域放送となっています。つまり、マーケットは原則一つの都道府県ということになっているということです。ところが、一方、ライバルは、インターネットもBS4K放送も、全国規模のマーケットを持つメディアです。ローカル局がこれらと戦っていかなければならない中で、戦える環境を整える必要があるのではないかと思っているところであります。
 先ほど、一番最初に出てきた北海道テレビです。北海道の人口というのは四百万人います。ローカル局は五局。四百万人で五局。片や、私は四国の香川県ですけれども、四国には四百万人弱の人口がいて、放送局が十三局もあります。北海道テレビの活躍、そして、北海道テレビは大体二五%近い、ローカル局にしては高い自主制作比率を持っていると言われていますけれども、この大きいマーケットが背後に控えているから可能になったんじゃないかとも思えるわけです。逆に、ローカル局の制作比率が低いというのは、県域という小さいマーケットにあるからそうなってしまっているんじゃないかとも言えなくもないというふうに思っています。
 そこで、お尋ねしたいと思います。ネットによる動画視聴が進む中、地方活性化を進めていくためにも、地方の魅力を世界に発信していくためにも、ローカル局の放送エリアの拡大について検討すべきではないか。いかがでしょうか。
○金子大臣政務官 テレビなどの放送につきましては、多元性、多様性、そして地域性を実現するため、県域を中心とする放送対象地域ごとに放送の普及を図る制度となっているところでございます。
 こうした枠組みのもとでNHKとローカル局を含む民間放送事業者が互いに切磋琢磨することで、国民・視聴者のニーズに対応し、地域情報の確保に貢献してきたものであり、今後も基本的に維持されるべきであるというふうに考えております。
 一方、一部の放送事業者が同時配信を行うことによりまして、ローカル局の経営に影響を与えるとの御指摘があることも承知しております。
 このため、ネット同時配信については、ローカル局の経営環境への影響も含め、システムの負荷や権利処理のあり方といった技術的課題を総合的に検討いただくため、十月十九日に、情報通信審議会に対し諮問をさせていただいたところでございます。
 情報通信審議会での検討には、民放連そしてNHKにも参加していただいておりまして、引き続き、放送事業者の御意見も踏まえながら審議を進めていきたいと考えております。
○瀬戸委員 基本的に維持されるべきではないか、また、それについてインターネットの影響なんかも考えながら審議会に今諮問しているんだという話であったかと思います。
 なかなか、この話、総務省もキー局も今どうしようかというふうになっているんだと思っていますけれども、では、これから、キー局とローカル局の今後の関係についてちょっとお話をしたいと思います。
 先ほど出たローカル局のエリア拡大の問題も含めて、ローカル局をどうしていくかということについて、私は、ローカル局の問題がまだなかなか解決しない、どうしたらいいのかという方向性がまだ見えていない、そういったことから、キー局も、本当はインターネットに何か進出したいんだけれども、この問題が解決していない中で、どこまで進出していいのか迷っているんじゃないかなという話も聞かれるところであります。
 ここ数年、テレビの広告費は、景気はよくなっているんですけれども、一定です。落ちてはいません。一定です。ただ、インターネットの広告費は伸びてきております。非常なスピードで伸びてきているというところです。あと数年、五年ぐらいたてば、もうテレビの広告費を抜くんじゃないかというところまで来ているということであります。
 そんな中、テレビ朝日系でAbemaTVというのが始まっておりまして、私も知らなかったんですけれども、すごい人気だということであります。子会社を通じてですけれども、ネットに進出してくる局も出てきた。キー局も、いつまで、今までのようにローカル局に広告費を配分することを続けることができるのかということじゃないかと思います。
 そこで、お尋ねしたいと思います。インターネットでの動画視聴がふえている中、キー局でも、みずからインターネット配信を積極的に展開する局が出てきております。そういった中で、キー局も今までのようにローカル局に広告費を配分し続けることができるのか疑問に思うところですが、インターネット配信の民放への影響についてどう考えるか、お尋ねいたします。
○南政府参考人 放送番組のネット同時配信については、さまざまな課題がまだ残されているというふうに思っております。
 地域のローカル局も、先ほどエリアの拡大というお話がございましたけれども、今の放送エリアを単純に拡大するということになりますと、放送対象地域自体を後から変更しなければいけないという課題もあろうかと思っておりまして、一番現実的なアプローチとしましては、やはりネットに放送番組を、全国に向けて、あるいは海外に向けて展開していく。
 ただ、ローカル局一局だけの力でネット配信をスムーズに進められるかということに関しましては、例えば、ネット配信ですと、遅延の問題も生じますし、著作権処理をしようとするにも、単独でやりますと非常に手間と時間がかかる、あるいは品質が安定しない、配信コストが非常にかかってしまう。これはなかなかローカル局一局だけの力ではどうにもなりませんので、これはNHKも民放も含めて業界全体の問題、共通の課題としてそういう課題に取り組んでいかなければいけないだろうというふうに思っておりまして、先ほど金子政務官の方から御答弁いただきましたとおり、審議会において、そういった権利処理のあり方でありますとかシステムの負荷軽減策みたいなものも含めて、総合的に今御検討をいただいているところでございます。
 先生御指摘のとおり、中長期的に、伝統的な放送広告モデルの広告収入というのはやはり少しずつ減ってきております。アメリカでも、もうテレビ広告の収入をインターネット広告が上回っているような現状でございますので、そういった中で、ローカル局がコンテンツ力をこれからも磨いていっていただいて、地域のコンテンツは宝の山でございますので、それをどう海外にあるいはネットに積極的に配信していくのかということは、私どもとしても、その環境整備についてはこれからも積極的に支援をしてまいりたいというふうに思っております。
○瀬戸委員 この問題は業界全体の課題だというお話でありました。また、地方には宝の山がいっぱいある、それを発信していく必要があるという話であります。
 私は、テレビの役割というのは本当に大きいんだと思っています。先ほども言いましたように、やはりインターネットはどうしても個人個人が自分の好きな方向にだけ行ってしまう、それだけが普及してしまうということは非常にリスクが高いと言えると思います。そういった意味でも、マスのメディア、テレビがこれからも元気であること、これは地方活性化にとっても必要だし、いろいろな意味で、テレビが生き残って、しっかり根を張ってもらわなきゃならないと思っているところでございます。
 いずれにしましても、キー局も総務省もだと思いますけれども、このローカル局の問題、ローカル局のあり方についてそろそろ真正面から向き合うべきときが来たのではないかと思って、質問をさせていただきました。
○玄葉委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午前十一時五十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時十三分開議
○玄葉委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これより全般的審査を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。玉木雄一郎君。
○玉木委員 玉木雄一郎です。
 まず、中間管理機構の予算についてお伺いします。
 私自身、制度設計にも携わりましたので、この予算の執行については、予算委員会初めさまざまなところで質問をしてまいりました。二十五年度補正予算で最初に予算がついて、二十六年度、七年度、八年度、そして二十九年度の概算要求にも出ております。
 地域を回っていますと、北海道から鹿児島までいろいろ回っておりますが、中間管理機構の農地のマッチングについてはちょっと私は余りいい評判を聞かないんですね。数字を見ると結構いい感じのところもあるんですけれども、実態はなかなか、現場で聞くと、苦労もされているし、実績が上がっていないなということを聞きます。
 そこで、伺います。
 まず、二十七年度、一番新しい結果が出ている年度でありますけれども、ここで農地バンクを使った農地の集積、マッチング、実績が幾らなのか。まずお答えいただきたいと思います。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 平成二十七年度の農地中間管理機構による新規転貸面積は七万七千ヘクタール、そのうち担い手への新規集積面積は二万七千ヘクタールでございます。
○玉木委員 今、さらっと二つの大切な数字をお答えになられたんですね。
 前者の七万七千ヘクタール、これは結構なものだと思いますね。
 後段で言った新規の二万七千ヘクタール、これは皆さん聞いておられて何のこっちゃと思うと思いますが、実は、政府の目標は、担い手に対して農地の集積を進めていって、これからおおむね十年で八割の農地を担い手に集積させていくというのが大きな政府の目標であります。そのために機構をつくり、また関連予算をつけているんですが、今、前段お答えになった数字というのは、非担い手から担い手に必ずしも行っていない集積、マッチングも含んだ数字ですね。
 これは我々の政権のときもそうでしたけれども、やはり小さな農地、非担い手から担い手にどうやって集積していくのか。それを八割までしていこうということであれば、政府が求めている政策の効果、あるいは投入した税金の効果をはかる上では、後段の、非担い手から担い手にどれだけこの機構を使って集積したのか、ここをしっかり見なければいけないし、それに使われた予算が幾らで、それがいかに効率的に使われているかということをチェックしないと、税金の使われ方のチェックとしては私は不十分だと思うんですね。
 ただ、とにかく、前段の、担い手から担い手、つまり、行くべき目標同士でやりとりしたものも全部含んでこんなに中間管理機構はできましたということが、世の中には結構流布しています。今言った二万七千ヘクタールというのは、一年間に大体十五万ヘクタールずつ集積していって、十年間やって百五十万ヘクタール。これをやれば大体八割ぐらいまでいわばプロ農家に集積が進むということなんですが、毎年毎年十五万、新規で担い手への集積をやらなきゃいけないのに、二十七年度でいうと二万七千ヘクタールしかできていないんですね。これは私は非常に問題だと思います。というか、なかなかうまくいっていない。
 そこで、伺いたいのは、これはたしか二十五年度補正予算以降、大体六百億円ぐらいの予算を積んで、機構集積協力金ということで、農地の出し手に対して支援するからどんどん出してくださいよ、こういうことでやってきているんですが、伺います。新規の、政策が本当に対象にしている非担い手から担い手にわたった二万七千ヘクタールに使われた機構集積協力金は幾らになりますか。
○大澤政府参考人 お答えする前に一点だけ。先ほど担い手への新規集積面積が二万七千ヘクタールと申しましたけれども、これはあくまで中間管理機構による新規集積でございますので、中間管理機構によらないものまで含めますと、二十七年度は担い手への新規集積は八万ヘクタールでございます。
 その上で、先生の御質問にお答えいたします。
 機構集積協力金という制度がございまして、その交付対象面積全体でいきますと、七万四千ヘクタールでございます。先ほど転貸面積が七万七千ヘクタールということで、ほぼ同じような数字でございますので、機構集積金も、二万七千ヘクタールにほぼ近い数字が協力金による面積だろうとは思いますが、実数字としては把握していないところでございます。
○玉木委員 二つ大事なことを教えてもらいました。
 一つは、非担い手から担い手に集積するのが大体八万ヘクタールできましたということなんですが、そのうち機構でやったものは二万七千ヘクタールですね。ということは、機構経由のものの方が、実は新規に担い手に集積したルートとしては機構以外のルートの方が大きいんですよね。でも、今農水省は、機構を使って成績が上がったもののところにだけ予算を重点配分しようとしているんですけれども、私はこれははっきり申し上げます、政策として間違っていると思います。
 機構を通じるのもいいです、農業委員会を通じるのもあるんです、JAがやっているような円滑化団体もあります、さまざまなマッチングの手段があるのに、とにかく機構の成績を上げなきゃいけないといって、機構を通じたものの実績がいい県にだけ農業予算をたくさん配分しようとしているのは私は政策として間違っていると思うので、改めたらどうか。これは提案をしておきます。
 そして、今答えがあった新規の担い手への集積に対してどれだけ機構集積協力金が使われているのかについては、大体こんなものだという返答がありましたけれども、要は把握していないんですよね。
 大臣、これは粗っぽ過ぎるというか、大体県から集めるので、いつもそうなんですけれども、雑なんですよ、現状の把握が。ですから、これはもう何度も指摘をしておりますけれども、来年度からでも結構なので、予算を使ってやるべき非担い手から担い手への集積が、この予算を使ったから実際どれだけ追加的にふえたんだ、これはやはりきちんと把握した上で来年度予算とかに生かしていく方が税金の使われ方として私は正しいと思うので、そうした調査をしっかり農水省としてもやるべきだと思いますけれども、大臣、いかがですか。
○山本(有)国務大臣 これは重要な御指摘であろうと思います。しっかりと調査をさせるよう指示いたします。
○玉木委員 ありがとうございます。前向きな答弁をいただきまして、感謝を申し上げます。ぜひこれはうまくいってほしいと思っていますから、やはり現状把握をきちんとした上で、効果的なところに予算をつけていく、効果がないところには予算をつけないということをやっていくことが大事だと思います。
 その観点から一つ、これも提案を申し上げます。
 現場で聞いた声です。機構集積協力金で、わかった、もう年もとってきたし農地を出そう、若い担い手に集積していこう、こういうことでやろうとしたんですけれども、私の地元に飯山町という桃が有名なところがあるんですね。桃が有名なんです。すごく頑張ってやっている桃農家も多いんですが、水田も持っていて桃の樹園地も持っているという農家が水田を出そうとしたら、桃の農地を持っていて、その一部が耕作放棄地にちょっとなっていてなかなか使えないというときには水田を出しても協力金は一円も上げませんよと言われたそうなんです、農政局とかから。それはおかしいだろうと、協力してやろうとしているのにね。そこはちゃんとやったらいいんじゃないかということを私は指摘し、提案も申し上げて、農水省としてもここは改善をしていただいたと理解しているんですけれども、運用の改善は今どうなっていますか。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 中間管理機構の関係予算については、今後とも、新規集積につながるように改善に努めたいと思います。
 御質問の、機構集積協力金で遊休農地が一部あったので対象にならなかったという問題でございますけれども、平成二十七年度までは、やはりこういう国費につきましては、農地の適正利用を行っている者にメリットを与えよう、そうでない者にはなかなか難しいという観点から、遊休農地の所有者はそれを解消しなければ協力金の交付対象としていなかったところでございますが、先生の御指摘もございまして検討いたしました結果、二十八年度からは、担い手への農地集積を加速するという政策目的をより重視するという観点から、所有する全ての遊休農地について、農業委員会が行う利用意向調査を通じまして中間管理機構への貸し付けの意思を表明するという者につきましては交付対象とするということとしたところでございます。
○玉木委員 ありがとうございます。これは随分運用改善につながると思いますね。
 大臣、お願いしたいのは、制度をつくっても、細かいところを見るとなかなか当初予定していなかったこともいっぱい生じるので、地域の声を集めて、ここはもう少しやれば制度が本来予定したようにもっとうまくいくというところがあれば、そこは柔軟に速やかに対応していただきたいと思いますけれども、大臣の意気込みを改めてお願いします。
○山本(有)国務大臣 担い手への集積という意味に合目的にお金も使うし、また運用もするという先生の御指摘、これは非常に傾聴に値します。
 先日も官邸で、これが進んでいるかどうかという検証もございました。そんな意味で進めなきゃならぬ話なのでございまして、これにつきましては、担い手への集積を進めるにおいては全ての手段を講じたいというように思っております。
○玉木委員 ありがとうございます。大臣、ぜひよろしくお願いいたします。
 農水大臣、もう結構でございます。ありがとうございました。
 続きまして、同じような話というか、現場の柔軟性をもっとうまくやった方が予算執行もうまくいくし、せっかくの税金が効率的に使われるという話を一つまた提案したいと思います。
 文科省、文部大臣にお伺いしたいと思います。
 私の卒業した小学校が間もなく統廃合になってしまうんですね。私が行っていたころで百何十人、今も百何十人なんですけれども、一学年一クラスしかないですからもともと小さいんですけれども、文科省からも一定のそういった指導もあったということで合併していくわけであります。
 そうすると、私は家から学校に行くのに大体三キロぐらい歩いて行っていたんですよ、小学校のころ、一年生から六年生まで。今度合併しちゃうと、もとの私のもう既に廃校になっている中学校のところに学校ができるんですけれども、私は片道五、六キロぐらい歩く感じになるんですね。結構遠い。そこで、文科省さんはいろいろな配慮をされて、小中学校が合併した際に、四キロ以上の児童または六キロ以上の生徒がいる場合にはスクールバスの購入費の補助を出していただいておるんですが、ただ、これは三・九キロだと出ないんですね。
 私、そこがよくわからないのは、子供からしたら三・九キロも結構遠いと思うんですけれども、一応しゃくし定規にルールを見ると出ない。私のもとの中学校は最後が坂になっていて、距離的には短いんだけれども、歩いて歩いて歩いて一番つらいところが坂になっているんですね。この辺ももう少し、こういうことも勘案して、伺いたいのは、児童全員の家が四キロ以上離れていなくても、例えば一部は三・九キロ、三・八キロの子供もいると思うんですけれども、ただもう、ぱしゃっと切って一人でも四キロ未満がいると補助しませんというのだと、ちょっと余りにも世知辛過ぎるので、その辺の多少の現場の実態も踏まえた制度運用の柔軟性ということを確保すべきだと思いますけれども、文科大臣、いかがでしょうか。
○松野国務大臣 学校の統廃合による児童生徒の遠距離通学の負担を軽減するために各自治体がスクールバスを購入する際に、その購入費の二分の一を補助しているところです。
 本補助金の対象となるのは、通学距離が小学校では四キロ以上、中学校では六キロ以上ですが、本補助金を活用して購入したスクールバスについては、必ずしも全ての児童生徒が通学距離の条件を満たす必要はありません。ただし、条件に満たない児童生徒が多く乗車する場合には、補助額の決定に当たり一定の考慮を行っているところであります。
○玉木委員 今のお答えだと、必ずしも全員四キロ以上じゃなくてもいい、ただ、三キロとか三・五キロの人がいると、その分だけ補助が減るみたいなイメージだったんですけれども、そんな感じなんですかね。
○松野国務大臣 そういう制度設計になっておりますが、具体的に申し上げますと、補助対象者が乗車人数の半数以上の場合は、スクールバスの購入費の二分の一が補助金として出ます。補助対象者が乗車人数の半数に満たない場合は、スクールバスの購入費掛ける座席数分の補助対象人数掛ける二掛ける二分の一ということで減りますが、しかし、割合に応じて出るということでございます。
○玉木委員 貴重な答弁をありがとうございます。
 そういうことはなかなか地方自治体の人とかは、私も今大臣にお答えいただいてそういうことを知ったので、そうしたことの多少の柔軟性がきくということについては周知徹底をして、やはり現場はいろいろな状況があります。子供たちの学びの環境をいかに整備するかという観点から、これも先ほど農水大臣にお願いしましたけれども、ぜひ柔軟な運用をお願いしたいと思います。
 文科大臣、もう結構でございます。ありがとうございました。
 続きまして、残りの時間は国交大臣にお伺いをしたいと思います。
 まず、これもちょっと、柔軟性という観点で来ましたので、一点お伺いをしたいと思うんですが、きょうも同僚議員の後藤議員から出ましたけれども、社会資本整備交付金の話であります。
 これは、調べたら、ちょっと仕方がないといえば仕方がないなと思ったんですが、香川県は社会資本整備交付金の配分額が七年連続全国最下位。面積が日本一ちっちゃいので仕方がないかなと思いつつも、社会資本整備交付金はどこが一番配分が多いかと思って調べたら、ナンバーワンは東京都なんですね。ナンバーツーは北海道、これは何となくわかるんですけれども。では、三位、四位はどこかというと、大阪、愛知、福岡、神奈川、結構都会に行っているんですよね。もちろん、人もたくさん住んでいるし、ニーズがあるということなんですけれども。
 私は、本来、社会資本整備交付金というのはもう少し、地域のインフラ整備という観点で、しかも柔軟に使えるということでやったのかなと思うんです。
 ちょっと半分ひがみっぽい質問になって恐縮なんですが、確かに香川県は、道路舗装率なんかはもうかなりできていますから、なかなか新規のそういった需要がないので配分決定上不利にならざるを得ないというのは一面わかるんです。ただ一方で、今言われているのは、橋にしても道路にしても、昨年なんかは私の地元の土器川というところにかかっている中方橋というのが老朽化で壊れちゃったりして、なかなか半年ぐらい通れなかった。
 つまり、新規も大事なんですけれども、維持、更新あるいは長寿命化、こういう既にインフラ整備が進んでいるところもそういった需要を勘案した上で配分を決めていくということも大事だと思うし、香川県、ちっちゃいといっても人口密度は全国十一位、だから結構経済活動の中心ではあるので、そういったことも勘案して配分額を決めるということをすべきだと思うんですけれども、国交大臣、いかがでしょうか。
○石井国務大臣 原則として、新規の社会資本整備は社会資本整備総合交付金で、それから防災・減災あるいは老朽化対策等は防災・安全交付金、この二種類の交付金がございます。
 この二つの交付金に対する地方公共団体の御要望が全国的に、要望の上限がないものですから毎年毎年増加をしておりまして、なかなか全ての御要望にはお応えできていないというのが現状でございます。こういった中で重要な政策課題に対応する配分を計画的に重点的に行ってきているところでありますけれども、特に防災・減災や老朽化対策の重要性はますます増大してきておりますので、こうした課題に的確に対応していく必要があると考えております。
 厳しい財政事情ではございますけれども、必要な予算の確保に努めるとともに、地域の抱える課題に対しては適切な支援ができるように努めてまいりたいと思います。
○玉木委員 ニーズが非常に高まっているということも理解はしますけれども、例えばこれは地元の坂出市長さんからも聞いたんですけれども、港湾の整備なんかを一旦やり始めると結構多年度にわたるので、これは多年度に使えるというメリットもある一方、予定したものがなかなか来ないと事業継続、進捗が非常に難しくなってしまうという面もあるので、そういったこともきめ細かく、これも現場の実情に応じた配分をぜひお願いしたいなということをまず申し上げておきたいと思います。
 次に、これも過去に一度、二月に大臣にも私は伺ったと思うんですが、坂出北インターチェンジというのがあって、これはハーフインターになっていて、これをスマートインターチェンジのお金も少し柔軟に使っていただいてフル化すれば、少ない追加予算で、既存の施設を利用して、新規につくるよりもより安く経済効果を発揮できるということで、やってはどうかということの提案もさせていただきました。
 それで、これは国交省にも非常に御協力をいただいて、フル化については昨年度から国の準備段階調査ということが予算がついて行われることになったんですけれども、お聞きしたところによると、七回ぐらいこの会合は開催されて、しかもインターチェンジの設置位置の検討までもう入っておられるようなことを聞いたんですけれども、調査の進捗状況と、あと、これは調査した上で完成がいつごろになるのか。前回、二月に大臣から大体五年ぐらいかかるということを聞いたんですけれども、その点を教えていただけますか。
○石川政府参考人 お答えいたします。
 坂出北インターチェンジにつきましては、現在、四国から本州に向けた出入り口のみの構造でございまして、これがフルインター化されることによりまして、例えば坂出港や臨海工業団地などから四国全体へ向けての物流ネットワークが強化され、産業活性化や企業誘致につながる等の効果が期待されるわけでございます。
 こうした点を踏まえまして、平成二十七年度より、国も調査を実施する準備段階調査に着手しております。これは、平成二十七年度よりこういう制度を創設しましたので第一グループということでございますが、平成二十七年八月に国や坂出市、関係機関で構成される準備会を設立いたしまして、委員御指摘のように、これまで七回にわたって準備会を開催しました。
 準備会では、インターチェンジの必要性、周辺道路の現況、整備方針などを確認した上で、インターチェンジの設置位置や構造、周辺交通への影響等について概略検討を終えまして、現在、インターチェンジ及び周辺施設の詳細検討を進めているところでございます。
 この詳細検討として、インター及びインター周辺の詳細設計や整備費用について自治体、高速道路会社、警察等の関係者での検討、調整を行う必要がございまして、この調整の結果をまた詳細設計に反映させていくということがございまして、それを地区協議会において実施計画として取りまとめるということになっております。
 事業化された場合、これは一概に何年と言うのはなかなか難しいわけでございまして、御案内のとおり、坂出北インターは、高架になっているところで、二十五メートルも高低差があるというところでございます。こういうところでの工事に実際どれぐらいかかるかとか、あとは用地買収にどれぐらいかかるかというのがあります。ただ、おおむね平均的には五年程度ということになっております。
 以上でございます。
○玉木委員 現状についてもよく存じ上げていますが、私も地元のいろいろな調整は汗をかきたいと思いますので、そこは、何年かかるかわからないということではなくて、例えばオリンピックをめどに、四、五年で何とか頑張って完成させる。その方が、いわゆるネットワーク効果と言われるときも、整備したことによっていろいろな効果が出るということも言うわけですから、フル化することによるさまざまな波及効果もやはりあると思いますから、ぜひそこは大臣にも御協力をいただきたいと要請したいと思います。
 もう二つ聞きたいと思いますが、高松自動車道の四車線化事業。これは、旧民主党政権の平成二十四年の四月、一般有料道路でやる、整備手法を会社方式に変えてやるということで、地元負担、当時百億円ぐらいかかるということを少し変えて整備を決めたわけであります。その後、順調に進んでいると思いますけれども、着手率、これが今どれぐらいになっているのかということと、一応当初の予定は平成三十年度末には開通するということだったんですが、その予定に変更はないか。端的にお願いします。
○石川政府参考人 お答えいたします。
 高松自動車道の高松市境から鳴門インターチェンジ間は、平成十四年七月までに暫定二車線で全線開通したところでございますが、開通後、交通量が増加し、渋滞も多く発生していたため、平成二十四年四月に四車線化の事業化を行ったところでございます。
 その後、西日本高速道路会社において工事を推進しているところでございまして、平成二十八年二月末に全区間において工事着手いたしました。
 現在、トンネル工事や橋梁工事などを進めておりまして、平成三十年度の開通を目指して、引き続き工事を推進しているところでございます。
○玉木委員 工事の発注、着手はもう一〇〇%ということなので、あとは粛々、淡々、着実に進めていっていただきたいなと思っております。
 最後に、高松空港のことに質問を移したいと思うんですが、仙台空港が民営化をされました。空整特会という、私も昔、特別会計をさまざま役所時代も含めて見たときに、非常に収益性の悪い特別会計でありましたけれども、民間の力を生かしてうまく財政再建にも、また空港を利用する方の利便向上にもつながっていくということで、PFI方式を初めとした民間活力の活用ということで、コンセッション方式ということを新たに導入して空港も民営化を進めていっているわけでありますが、仙台空港に続いて高松空港も民営化を進めていっております。私はこれは非常に国全体としてもいい方向の流れだと思っておりますけれども、民営化に向けた作業が今どのように進んでいるのかということが一点。
 もう一つは、私はこの五月に高松空港から飛行機で飛べなかったんですよ。何でかというと、あそこは山の上にあって霧がいっぱい出るので、今のレーダーというかILSと言われる計器着陸装置だと飛べない、離着陸できないということになっているので、民営化する以上は、そういったことについてやはりさまざまな障害を取り除いた上で、あとは民間の知恵と工夫でしっかり自分で回していきなさいということをやればいいと思いますので、濃霧に強い高カテゴリーのILS、CAT3以上のものを民営化を円滑に進める上でも導入すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○石井国務大臣 まず、進捗状況でございますが、高松空港の運営の民間委託につきましては、本年九月六日に募集要項を公表いたしまして、十二月九日まで提案書類の提出を受け付けることとしております。
 その後、国土交通省が設置いたしました有識者委員会における第一次審査を経まして、来年一月ごろまでに三者までに絞りまして、第二次審査を経て、来年の八月ごろには優先交渉権者を選定することを予定しております。
 国土交通省といたしましては、高松空港の活性化が図られるように、平成三十年四月からの運営委託開始に向けて着実に手続を進めてまいりたいと考えております。
 それから、高松空港にCAT3のILS、計器着陸装置を装備してはどうかという御指摘でありますが、空港の就航率の向上や定時運航の確保は、航空利用者の利便性の観点から重要な課題であるとともに、空港の魅力向上を通じ、空港運営の民間委託の推進にも資するものと考えております。
 高松空港におきましては、空港周辺に急峻な谷があるという地形的な特性上、カテゴリー3のILSの設置等に必要な用地の確保に工夫が必要となっております。
 国土交通省としては、カテゴリー3のILSの整備につきましても、地元香川県ともよく相談をしながら、費用対効果も勘案しつつ、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
○玉木委員 終わりますけれども、二月にこの質問を大臣にした後、県議会で浜田知事がこう答えています。高松空港は四国の拠点空港としてより高度な誘導システムを備えておく必要があると考えており、国に働きかけてまいりたいと考えておりますと。
 県も前向きになっておりますので、ぜひ国土交通省としてもさらに前向きに取り組んでいただきますことをお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
    ―――――――――――――
○玄葉委員長 この際、お諮りいたします。
 政府参考人として総務省大臣官房審議官堀江宏之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○玄葉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
    ―――――――――――――
○玄葉委員長 次に、青柳陽一郎君。
○青柳委員 民進党の青柳陽一郎でございます。
 本日は、三十分の時間をいただきました。ありがとうございます。
 早速ですが、質疑に入ってまいります。
 まず一点目ですけれども、税の無駄が過去二番目に上ったという会計検査院の報告書について伺ってまいりたいと思います。
 会計検査院は、二〇一五年度の決算検査報告書において、税金の無駄遣いなどの指摘金額について、過去二番目に多い一兆二千百八十九億円の会計検査報告を提出したということでございます。
 御案内のとおり、我が国の財政は赤字公債が一千兆円を突破している状況で、経済状況としても、国民の感情は景気回復の実感が全くない、消費が落ち込んでいるという状況の中で、過去二番目に多い金額の税金の無駄遣いだという指摘があったことについて、まず、財務省としてどのように受けとめておられるか、御答弁を求めたいと思います。
○木原副大臣 お答えします。
 会計検査院の決算検査報告において、委員御指摘がありましたように、四百五十五件、一兆二千百八十九億円の不当事項等の指摘がなされたことはまことに遺憾であると思っております。
 財政当局としては、あらゆる機会を捉え、各府省に対し、予算の厳正かつ効率的な執行と会計経理の適正な処理について要請してきているところでありますが、検査報告を受けました翌日、十一月八日になるんですが、閣僚懇談会がありまして、そこにおいて麻生財務大臣から改めて協力を要請したところであります。
 以上です。
○青柳委員 もう少し力強い答弁が欲しいところですが、その中身について伺ってまいりたいと思います。
 今回の無駄の指摘の中で九割という圧倒的なウエートを占めた案件が、預金保険機構の早期健全化勘定における余裕資金の有効活用についてでありますが、これは議員立法ということなんですけれども、この資金の有効活用、国庫への返納などについて、多額の無駄が指摘されているわけなので、これは早急に検討すべきと思いますけれども、財務副大臣の方で御答弁いただけますか、あるいは金融庁。
○武村大臣政務官 お答えいたします。
 早期健全化勘定の剰余金は、法律上、同勘定の廃止時に国庫納付されることとされております。現在業務が継続をされていますが、法律上は廃止時にということであります。
 委員御指摘の会計検査院の意見表示につきましては、意見表示にもありますように、一部の勘定の現状のみに着目して国庫返納をするというだけではなくて、平成金融危機への対応を進める中、預金等の全額の保護のために約十・四兆円という巨額の国民負担が確定しているといった経緯や、預金保険機構の他勘定に欠損金や含み損等が発生をしておりまして、その含み損というものは金融資本市場の状況等により変動する、こうしたことなどを踏まえ、総合的に検討していく必要があると考えております。
○青柳委員 全く役所が書いた答弁の丸読みだと思いますけれども、実際に会計検査院が指摘しているんですよ。もっと有効活用すべきだという指摘があるんですよね。それを踏まえての今の答弁だとすれば、私はちょっと残念だと思いますよ。
 もう一つ、中身について伺ってまいりたいと思います。
 政府共通プラットホームの整備、運用について伺いたいと思います。
 この政府共通プラットホームの効果と目的については、政府情報システムの統合、集約によって効率的な運用や質の向上を図るというのが目的となっていますが、結果については、全くこの目的を達成されていない状況に今なっていると思います。具体的には、運営費について、統合前の五十億円から四十一億円に九億円減額となったんですけれども、結局、別の経費で四十四億円かかっていて、結果として三十五億円の経費増となっている。加えて、サーバーの台数についても、三百一台から三百四十九台と、四十八台も増加しているわけであります。
 情報システムを統合して効率的な運用を図るとしてやったものが、結果として経費はふえてサーバーの台数もふえている。普通、こんなお粗末なことをやらないですよね。普通では全く考えられないことが行われているわけでございます。
 この指摘に対してどのように改善して、誰がこうしたことの責任をとるのでしょうか。お答えいただきたいと思います。
○堀江政府参考人 お答えいたします。
 政府共通プラットホームは、府省共通システムや各府省の小規模システムを中心に統合、集約化することによりセキュリティーの強化を図りつつ、運用等経費の低減を図るものでございます。
 先ほど御指摘がありました四十四億円あるいは九億円という数字についてちょっとだけ説明させていただきますと、四十四億円といいますのは、このプラットホーム全体を運営するためのまさにベースとなる経費でございます。現状におきまして五十三システムを乗せておりますけれども、これにさらにいろいろなシステムが乗ってまいります。それに要する経費が四十四億円。
 それから、今回、会計検査院の御指摘の中でありましたのは、そのうちの二十一システムを移行するに当たって減ったのが九億円ということでございますので、ちょっとベースが違いますので、直接この九と四十四億円を比較していただくのは必ずしも適切でないとは思っております。
 その上でお答えさせていただきますけれども……(青柳委員「サーバーの台数について答えてください」と呼ぶ」)はい。サーバーの台数につきましては、仮想技術を活用せよという御指摘をいただいております。これにつきましては、まさに指摘を踏まえまして対応してまいりたいと思います。
 低減効果につきましては、現在、統合、集約の途中段階でございますけれども、今後さらに統合、集約化を進めることによりましてさらに効果が発現するものと考えております。
 それから、セキュリティー強化につきましては、このプラットホームに乗せることによりまして、これまで単独ではセキュリティーの強化を図ることが困難であった小規模システムにつきまして十分なセキュリティーを確保することができていると思っておりまして、そういった面での効果も大きいと考えております。
 いずれにいたしましても、会計検査院の報告の所見も踏まえまして、引き続き、政府共通プラットホームへの統合、集約化による運用等経費の低減、セキュリティーの強化に十分留意して努めてまいります。
○青柳委員 今の答弁では、これから踏まえて運用を改善していくという答弁なんですけれども、実際には経費は圧縮されていませんし、サーバーの台数もふえているわけですよね。これを踏まえて実際に経費も台数も減らすんですか。そういう答弁と理解してよろしいんでしょうか。
○堀江政府参考人 重ねてのお答えになりますけれども、今後とも、政府プラットホームにつきましては、新たなシステムが乗ってまいります。そういった際には、これまで指摘いただいたような件も含めまして、先ほども御指摘のあったサーバーの台数、そういったことも含めまして、統合、集約化による運用効果が発現するように取り組んでまいります。
○青柳委員 全然責任感ある答弁とは私には思えませんけれども、時間の関係もありますので、次の質問に移ってまいりたいと思います。
 官民ファンドについて伺います。
 第二次安倍政権以降、いわゆる官民ファンドが急増しているわけです。十四あると思いますが、それぞれのファンドの設立趣旨は一見するともっともなことが書いてありますけれども、結果として役割あるいは目的が重複しているものがかなりあるという指摘があります。
 そして、結局、投資領域が非常に曖昧だったり、官民ファンドでやらなくてはならないという理由が不明なもの、さらに、あえて官民ファンドというか政府がやる必要があるのかというのも疑問が残るものが多くあるのではないかと思っています。
 そうした状況の中で、政府自身も官民ファンドの活用推進に関する関係閣僚会議幹事会というのを設置して検証作業を一応行ってはいるんです。一応検証作業というのを行っているわけですけれども、この検証自体が本当に意味あるものなのか、しっかり検証されているのかどうかというのが私にはとても疑問が残るわけです。
 例えば、KPIの進捗、達成というところ。このKPIの進捗、達成の評価の区分がそもそも三つしかありません。A評価、B評価そして評価できない、この三つしかなくて、実際に今評価されているのが、A評価が五十八、Bが十四、N、判定ができないものが二十四ということなんですね。驚くべきことに、このA評価は、成果目標の収益性が一・〇以上あればA評価なんですよ。官民ファンドといって、民間の資金を入れているファンドが損をしていなければ一番いい評価なんですよ。こんなことがファンドとしてあり得るのかな。百点満点の試験で五十点とったら大変よくできましたと言われる、こんな評価は評価に値しないんじゃないかと思いますよ。
 こうしたファンド事業、官民ファンドですから民間も入っている事業なんです、これは本当に官民ファンド自体意味があるのかということと、それを評価している検証報告自体意味があるのか、両方についてお答えいただきたいと思います。
○彦谷政府参考人 官民ファンドは、民業補完を原則としつつ、民間の資金や知恵を活用するために、政策性の高い分野に重点化したリスクマネーの供給を行うものでございます。
 その設立に当たりましては、予算編成の過程におきまして、既存の公的機関や官民ファンドとの役割分担、それから政策的な必要性、収益性、民業補完性などに留意しつつ、設立の是非についてしっかりと検討してきているところでございます。
 さらに、設立されました官民ファンドにつきましては、御指摘がございました関係閣僚会議において決定しました官民ファンドの運営に係るガイドラインによりまして、まずは各官民ファンドの所管省庁においてしっかりと監視を行った上で、さらに、政府一体となった横串チェックも重要であるとの観点から、関係閣僚会議の下に設けられました幹事会において、有識者の意見も踏まえつつ、ガイドラインに基づく検証作業を行っております。これまで、半年に一度、計五回にわたる検証を行ってきているところでございます。
 また、御指摘がございましたKPIでございますけれども、国の資金が入っているというものでございますので、やはり投資の採算というのが非常に重要なものでございます。したがいまして、ガイドラインの中でも投資の採算についてはチェック事項とされているところでございます。
 御指摘がありますように、現在、KPIは投資倍率一・〇倍以上であればよいと定めている官民ファンドが多いことも事実でございますけれども、その一方で、民間でとることの難しいリスクをとって民間の投資を活発化させるものであるという官民ファンドの性格にも考慮する必要があるのではないかと考えております。
 ただ、いずれにいたしましても、関係閣僚会議のもとに設けられております幹事会におきまして、引き続き、官民ファンドの運営状況を踏まえて、必要な検証を行ってまいりたいと考えております。
○青柳委員 今の答弁で納得するような普通の民間のファンドをやっている事業者の人がいるとは私には到底思えないんですけれども、時間もありますので、次に行きます。
 その官民ファンドの中で、特によくわからなくなっているのがクールジャパンですね。
 クールジャパンの推進機構とクールジャパンの官民連携プラットフォームというのがありますけれども、そもそもこのクールジャパンのクールという意味は政府ではどう解しているんでしょうか。クールという意味と、クールジャパン機構の投資領域、官民プラットフォームの構成メンバーというか概要について、三点、それぞれお答えいただきたいと思います。
○井内政府参考人 お答え申し上げます。
 クールジャパン戦略でございますけれども、アニメ、漫画、ゲームなどのコンテンツ、ファッション、食、伝統文化、デザイン、ロボットなど、外国人がまさにクールと捉える、要するに魅力を感じる日本固有の魅力を効果的に発信、展開いたしまして、輸出やインバウンド増大などを通じて世界の成長を取り込むことで日本の経済成長につなげることを目的とした省庁横断的な取り組みでございます。
 この戦略には、日本の魅力やライフスタイルを総合的に海外に発信することで外国の方の日本に対する理解を促進して、日本ファンをふやすという効果も期待しているところでございます。
 内閣府におきましては、先ほど先生の御指摘がありましたように、平成二十七年六月にクールジャパン戦略官民協働イニシアティブというものを取りまとめまして、それに基づきました取り組みの一つといたしまして、平成二十七年十二月に、クールジャパン戦略担当大臣と民間企業のトップを共同会長といたしまして、クールジャパン官民連携プラットフォームというものを設立しております。ここを通じまして、ビジネスマッチングでございますとか各種セミナーの開催を通じまして官民あるいは異業種間の垣根を越えた連携が活発に行われるようにサポートを行っているところでございます。
○青柳委員 私もその官民連携プラットフォームの構成や概要を拝見しましたし、クールジャパン機構の投資案件というか投資領域を見てみましたけれども、はっきり言って全然クールじゃないというか、クールというのは、とがっていたりエッジが立っているからクールなのであって、今答弁があった食、観光、ライフスタイル、ファッション、アニメ、ゲーム、全部入れたら、日本自体全部がクールということになりますよね。そんなわけはないので、この機構の意味がどんどんわからなくなっているのと比例して全然クールじゃなくなっているんじゃないかというのを大変心配しています。
 この投資評価については、エグジットまで少し時間がかかる、あと三年、四年、五年ぐらいかかるので今評価できないというのが昨日の事前のレクチャーのお答えでしたけれども、そのときどういう状況になっているのか私は若干心配がありますので、これは指摘しておきたいと思います。
 もう一つ、別の問題で、次に租税特別措置についても、きょうはせっかくの機会なので伺っておきたいと思います。
 税の基本原則というのは、皆さんも御案内のとおり、公平、中立、簡素ということでございます。この租税特別措置はたびたびこの国会でも問題になっていますし、きょう麻生大臣はいらっしゃいませんけれども、麻生大臣も、租特については不断の見直しと改廃を行うという答弁を何度もされてきたと思います。
 しかし、残念ながらこの租特については、問題ありと言わざるを得ないものがたくさんあると思いますし、これは政治銘柄なんじゃないかと言われるようなものも後を絶たないのが実態ではないかと思います。数でいっても、項目数ベースでいえば三百以上ずっとここ数年あるわけで、改廃するという答弁とは別に、なかなか改廃が進んでいないというのが実情ではないかと思います。
 そこで、総務省の租税特別措置等に係る政策評価の点検結果というのが先般発表されました、取りまとめられましたけれども、平成二十九年度の税制改正要望があったものの七十一件のみ、三百三十件以上ある中の七十一件を点検したところ、効果がわかりにくいんじゃないかというものが二十九件あって、さらにそこで補足説明を各省から受けたところ、結局、最終的に、どう考えてもこれは著しく政策効果が不十分だ、認められないというものが十一件あったということでございます。
 私は、この十一件全部問題だと思いますし、まだまだ点検されていない部分でも問題のある租特というのはあるんだろうと思いますけれども、問題があった中で、特に、特定の業界が特定のものを購入して、あるいは特定の業界が特定のものを利用したときに税が優遇されるようなこうした税制は、税の基本原則をねじ曲げるものだと思います。そして、それが今回、租特にも税制改正要望で入ってきております。
 私はこうした特別措置、租特自体を大幅に見直すべきだと考えますけれども、財務省の御見解を伺いたいと思います。
○木原副大臣 御指摘の租税特別措置については、政策目的の実現に向けて有効な手段となり得る反面で、税負担のゆがみをもたらし得るものであり、不断の見直しを行っていくことが重要と考えております。委員も麻生大臣と何度か委員会において御議論があった、そのとおりだと思っております。
 したがって、今回、総務省の政策評価の点検結果にもあるように、各省庁は税制改正や既存の制度の延長を要望する際にはしっかりとその結果等について説明すべきことは当然であり、平成二十九年度の税制改正においても、総務省の点検の結果等についても、要望省庁に説明を求めながらしっかりと見直しを行っていきたいと思っております。
○青柳委員 ちょっと重ねて質問しますけれども、今回、効果が認められない、著しく不十分だと指摘された十一件については少なくとも見直しをされるという理解、御決意でよろしいでしょうか、副大臣。
○木原副大臣 先ほども申し上げたとおりですが、各省庁が税制改正や既存制度の延長を要望する場合にはその制度の効果等について説明責任を果たしていただく必要があると考えておりまして、その十一項目につきましても、財務省としては、各省庁に対して適切な評価を行うようにもう既に求めているところであります。
 以上であります。
○青柳委員 もうやめますとか見直しますとはっきり言ってほしいんですけれども、もう既に聞き取った上で、説明を聞いた上で、非常に不十分だ、政策効果が認められないという十一件についてもまた説明を聞くとか、答弁としては非常に物足りなさを感じましたが、ぜひ不断の見直しを行っていっていただきたいなというふうに考えております。
 時間の関係もありますので、私、地元が横浜なんですけれども、横浜で発覚してしまいました原発自主避難者児童のいじめ問題について、最後に少し伺ってまいりたいと思います。
 今週も福島県沖でマグニチュード七・四の地震が発生して皆さん本当に心配したところだと思いますが、私の地元横浜にも、原発で自主避難してきている御家族が大変多くいらっしゃいます。その家族の子供が地元の学校に行きましていじめを受けたという問題が最近発覚しました。これはメディアでも大きく取り上げられましたので、御案内の方も多いかと思います。
 今回、第三者委員会が設置されて、その第三者委員会の報告によれば、事実として言えることは、この児童は長期間不登校だったというのは事実としてあります。そして、もう一点は、小学生では通常考えられない額の金銭を使っていた、友達や仲間に対して普通では考えられないお金の使い方をしていた。いろいろな見方がありますが、この二点については客観的な事実なんだろうと思います。
 この事案について、私も小学生の子供を持つ親でありまして、大変胸が詰まる思いがしているところであります。なかなかいじめの問題というのは発覚しづらい、あるいは、発覚したのは、子供が大変な思いをした後にこういうことが常に問題になっているというのが実態であって、いつも、こうした事案に接するたびに本当に胸が痛くなるんです。
 そもそも、国会としては平成二十五年の六月に議員立法でいじめ防止対策推進法というのがつくられて、これは施行されているわけであります。しかし、このいじめ防止対策推進法というのが教育現場、実態となかなか合っていないというか、この推進法が施行されてもいじめの問題がなかなか減っていないというのが実態じゃないかなと思います。
 例えば、いじめ防止対策推進法では、第二条でいじめの定義がなされていまして、このいじめの定義というのはとても広くとられています。そして、二十八条で重大事態への対処というのが明確に規定されています。この重大事態というのはどういうことかというと、心身、財産、あるいは長期欠席などの疑いがあるだけで重大事態になるので、それにしっかり対処しなさいというのがいじめ防止対策推進法に明確に規定されているんですけれども、今回、この法律があるにもかかわらず、学校や教育委員会、教育現場はなかなか対応してこなかった、これが大きく問題になっております。
 ちょうどこのいじめ防止対策推進法の附則のところに、法施行後三年をめどに必要な見直し、検討を行って、必要な措置を講ずることというのが明記されています。まさに今三年目、このタイミングなわけであります。
 私は、まだ教育現場にいじめ防止対策推進法の趣旨、内容が周知徹底されていないと思いますので、何らかの措置、例えばガイドラインをもっとつくって教育現場に周知徹底するなどの行動、対処が必要なんだろうと考えますけれども、文科省は、こうした点について、今回の事件を踏まえて、いじめ防止対策推進法をどのように見直されるおつもりなのか、あるいはどのように教育現場にこの法の趣旨を徹底していくつもりなのか、伺いたいと思います。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 いじめ防止対策推進法につきましては、委員御指摘のとおり施行後三年を経過しているところでございますが、御指摘の横浜市のいじめ重大事態を含めまして、教育現場においてこの法律の求める組織的な対応が不十分であることによって重大な結果につながった事案がたびたび発生していることはまことに遺憾であると思っております。
 こうした状況を踏まえまして、文部科学省に設置いたしましたいじめ防止対策協議会におきまして必要な対策について議論をしてきておりますが、学校内の情報共有、組織的対応の推進、いじめ重大事態の調査の進め方についてのガイドラインの策定を含みます学校による対応をさらに徹底するための各種対策について提言をしたところでございます。
 現在、文部科学省におきましてはこの提言を踏まえましていじめ防止対策の充実に向けた作業に着手しているところでありまして、今回の事案の教訓や再発防止策を新たな施策として盛り込んでまいりたいと考えております。
○青柳委員 こうした事案が繰り返されることのないようお祈り申し上げまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○玄葉委員長 次に、石関貴史君。
○石関委員 民進党の石関貴史です。
 質疑に入らせていただきますが、今、麻生財務大臣がいらっしゃいましたけれども、私の印象として、財務大臣は非常に余裕に満ちあふれた態度でいつも答弁をなさいますけれども、副大臣の皆さんや政務官の皆さん、もうちょっと自信を持った答弁をいただかないと、決算委員会はなかなか大臣が確保できないので開けないという場合がこれまで多かったんですが、副大臣以下の対応でも、やむを得ない場合はできるだけやっていこうということが理事会等で議論をされています。それにたえ得るような、自信を持った答弁を、ぜひ大臣以下の皆さんにもお願いしたいと思います。
 私からは、まず、総理大臣の外遊について質問を幾つかさせていただきたいと思います。
 第二次政権以降、安倍総理は多くの国や地域に外遊をなさっておられますが、現在までで何カ国になっているでしょうか。お尋ねをいたします。
○岸副大臣 安倍第二次政権におけます安倍総理の平成二十八年十一月二十四日までの外国訪問先の国、地域の数は、六十五カ国と一地域であります。延べ数でいいますと百四カ国と一地域になります。
○石関委員 総理の外遊にはいろいろな費用がかかるし、例えば防衛省の職員がかかわる部分とかについては人件費までは一々出せないということがあると思いますが、しかし、大体、第二次政権の発足以降、今お尋ねした期間の行き先、外遊に関しての費用総額と、一カ所、一カ国で最大の経費がかかった外遊先と、あるいは最小の経費で済んだ外遊先、また全体の平均額、一地域や一カ国に行くについてどれぐらいの金額がそれぞれかかっているか、教えてください。
○岸副大臣 総理の外国訪問に際しましてかかる費用としては、政府専用機の運航にかかる経費、また訪問先での宿泊費、車両借り上げ費及び通信費等がございます。
 平成二十四年十二月二十六日の総理就任からことしの十一月二十四日までの間に外国訪問に要した経費につきましては、これまで四十回分の決算または精算が終了しております。その総額は八十七億七千四百万円であります。一回当たりの平均額としては二億二千万円弱となっておるところです。
 最大経費及び最小経費につきましては、一回ごとの外国訪問の訪問地や地域数、あるいは訪問期間や訪問先が大きく異なっておりますので、一概に、一回当たりの外遊経費に着目してその多寡を評価することはなかなか難しい、このように思っておるところでございます。
○石関委員 今の最後のところ、別に評価をお尋ねしているのではないんです。私も承知でお尋ねをしていて、丁寧に事前に通告をしておりますので、最大かかった経費と最小、それから全体の平均を改めてお尋ねいたします。評価は聞いておりません。
○岸副大臣 一回の外国訪問であっても、例えばアフリカや中南米といった地理的に遠隔な地域を複数国訪問する場合、あるいは近隣のアジア諸国を短期間に訪問する場合等がございますので、一回ごとの外国訪問に要した費用を単純に比較考量することは適当でない、このように考えておるところでございます。
○石関委員 それは全然答えになっていないですよ。質問項目を全部、役所の方に通告したものを見れば、この後の質問には、一連の訪問とかわざわざそういう言葉を使っていますので、いいんです、別に。何カ国か一どきに行きました、それも含めてどれだけかかったか、あるいは近隣の国で短期間だからかからなかった、そんなことは別にどっちでもいいんです。ただ、一連の訪問、一地域、あるいは一カ国でも、最大かかったものと一番小さいものを改めてお尋ねします。ちゃんと答えてください。
○岸副大臣 繰り返しになりますけれども、ここの場で最大かかった場合あるいは最小の場合ということを御答弁申し上げることは誤解を招くことにもなると思います。その意味で、この場で比較考量することは適当でない、このように考えておるところです。
○玄葉委員長 岸副大臣、これは政策の是非ではなくて、決算の委員会ですから、事実関係として、ファクトとして答えていただけませんか。
 では、速記をとめて。
    〔速記中止〕
○玄葉委員長 では、速記を起こして。
 岸外務副大臣。
○岸副大臣 ただいまのお問い合わせでございますが、最大なものにつきましては、平成二十六年の七月、安倍総理の中南米訪問において六億五千五百万円です。最小のものにつきましては、平成二十六年度、平成二十七年の三月になりますが、故リー・クアンユー元シンガポール首相の国葬への参列でございますが、これが四千八百万円になっております。
○石関委員 もう一つ、全体の平均も、事前にメモでちゃんとお渡ししてありますので、教えてください。
○岸副大臣 これは先ほど御答弁申し上げたと思うんですが、平均は二億二千万円弱ということでございます。
○石関委員 ありがとうございます。
 承知で先ほどのような答弁をされたんだと思いますけれども、こういうことを言うと数字がひとり歩きするとか、そういうことを恐れてそういう答弁をされたように思いますけれども、単純に紙で丁寧に聞いているんですから、答えてもらわないと困りますよ。これは対立する法案に対する質疑とかじゃないですから、単なる決算、これの結果をお尋ねしているので、何か逆に政治的意図を持って変な答えはされないように今後はお願いをいたしたいと思います。
 最大で中南米が、これは中南米ということですから何カ国か行かれたんでしょうね、六億五千万円余ということでありました。
 この先、円借款とかODAについて少しお尋ねをしていきますが、もともとODAというのは、南北問題に発して一九六〇年代にこの援助の仕組みが世界的に整ってきた。その立派な理念とはまたちょっと別に、実額としてどういう費用を日本が今まで負担してきたか、今の国情に合わせてそれがどうか、そういう側面で、関心で質問をしてまいりたいというふうに思います。ODAの崇高な理念とはまた別の側面の質問をこれから申し上げたいと思います。
 総理が外遊に行くと、多国間の交渉もあるでしょうし、あるいは二国間ということでそれぞれの国に行けば、よく新聞の見出し等にも出ますが、こういう経済援助や支援で幾ら幾らというふうに報道されることが多いんですが、総理が行って、多国間の会議ではなくて、Aという国を訪問したりBという国を訪問して向こうが受け入れた場合に、いわゆる経済支援とか経済援助というものはどんなものがあるんでしょうか。教えてください。
○岸副大臣 我が国にとりまして、開発協力は最も有効な、重要な手段の一つであると思います。さまざまな外交機会を効果的に活用しながら我が国の支援策を表明するということは極めて戦略的なODAの活用だ、このように考えておりますところで、このため、安倍総理の訪問を機会に、対象となる国や地域の重要性やその時々の国際情勢を踏まえた上で、外交上の効果を十分に検討しながら、我が国による支援の表明を行ってきているところでございます。
 支援の表明の内容につきましては、過去の支援の実績や我が国の厳しい財政状況も勘案しつつ、しっかり、相手国が返済義務を負う円借款を含むODA、あるいはODA以外の政府資金も活用しつつ、適当な場合には民間資金とも有効に組み合わせて、限られた予算の範囲内で無理なく実施でき、同時に最大限の外交効果が得られるように工夫をして、表明をしてきているものでございます。
○石関委員 もう少し端的にお答えをいただきたいと思います。さっき申し上げたように、ODAの考え方とかそういうのは、それはそれと承知をした上で質問しております。
 今お答えの中にもあった円借款というのが戦後、現在に至るまで総額で幾らになっているのか、また、その円借款の元手、原資というのはどこから出ているのか、教えてください。
○岸副大臣 円借款の累積でございますが、我が国が平成二十七年度末時点までに供与した累積額は二十四兆五千四百二十二億円でございます。(石関委員「元手、原資」と呼ぶ)円借款の原資としては、現在貸し付けております元利等のJICAの自己資金、それから一般会計からの出資金、政府の出資金、そして財政投融資の組み合わせであります。
○石関委員 JICAのお金というのは、もともとどこから出ているんですか。
○岸副大臣 JICAのもともとの元手は、政府からの出資金の累計であります。
○石関委員 税金ということでよろしいんですか。今幾つか、一般会計ですとかJICAとかとおっしゃいましたけれども、元手は税金だ、原資は税金ということでよろしいですか、理解は。
○岸副大臣 基本的に税金が元手でございます。
 先ほど、出資金のほかに、元利等の返済された部分が、またこれも組み入れられているということです。
○石関委員 ありがとうございます。
 おおむねというか、ほとんど税金で、今、幾つかつけ加えたこともあるということですが、民間資金は別にして、今税金が原資になっているという範囲でこれからもお尋ねを理解していただきたいと思います。
 では、安倍第二次内閣が発足してから、円借款については総額で幾らになっているでしょうか。
○岸副大臣 第二次安倍政権が発足して以来の円借款の総額でございますが、五兆九千百四十二億円です。
○石関委員 五兆円以上。五兆幾らでしたっけ。
○岸副大臣 五兆九千百四十二億円です。
○石関委員 御丁寧にありがとうございます。
 約六兆円に届くぐらいということでありますが、もう一つ、さっきの総額に関して、これまで、平成二十七年度末までの総額が約二十四兆五千億ということでしたが、この中で、債務免除とか返さなくていいですよといった分が総額で幾らなのか、加えて、その免除にする理由というのは、主なものでどんなものがありますか。
○岸副大臣 これまで、債務免除の金額ですけれども、一兆一千二百九十億円です。
 それで、これは借款供与時点ではなかなか予想し得なかった事態が起こった場合になるわけでございますけれども、通常、円借款の供与に当たりましては、被援助国の協力体制や返済能力また運営能力及び債権保全策等を十分勘案して、検討して判断を行っているところでございますけれども、供与時点では予想し得なかった経済情勢の変化あるいは不安定な政治情勢や紛争、自然災害等の事情によって返済が著しく困難となる例がございます。その場合に、国際的な合意に基づいて、必要最小限で債務免除といった措置を講じているところでございます。
○石関委員 今のいろいろな事情ということなんですが、日本政府においては誰が免除しますよと最終的に決定をしているんでしょうか。国際的な合意という話もありましたが、そういうものの合意の上なのか。あるいは、完全に二国間で借款をしている場合、お金を貸している場合、日本では誰が返さなくていいですよという判断をされているんですか。
○岸副大臣 これは、二国間の問題でありましても、簡単に向こうからの申し出で債務免除するとかそういうことになりますと、モラルハザードの問題にもなります。そういう意味で、国際社会の中でどのように判断をしていくか、こういうことが一つの判断材料にはなるというふうに思います。そういうことを勘案した上で政府として決めている、こういうことであります。
○石関委員 済みません、今のことなんですが、では、二国間だけで、二国間の関係のみで、返さなくていいですよということはないという理解でよろしいですか。
○岸副大臣 これは、二国間だけの判断というよりも、国際合意に基づいて判断をするということでございます。
○石関委員 それでは、今のODAのうちの円借款についてですが、第二次安倍内閣が発足してから安倍総理が外遊をされた先でこのような約束をされて、そのうちの、先ほどと同じように、最大の額と相手国、それから最小の額、平均ではどれぐらいなのかということも教えてください。総額は、先ほど、六兆ほどということでした。
○岸副大臣 これはなかなか金額のみで比較することは難しいところではございますが、単純に数字だけということで、そのときに表明された数字ということで申しますと、平成二十六年九月、インド首相が来日の際に行いました、今後五年間でODAを含む三・五兆円規模の日本からの官民投融資を実現する、このように表明をしておりますが、金額としてはこれが最大のものでございます。
 最小のものといいますと、なかなかこれは難しいんです。例えば技術供与等、金額にならないものもございます。そういうこともございますので、一概に申し上げることはなかなか困難であるということでございます。
○石関委員 それで円借款というふうにお尋ねをしたんです。まあ、結構です。
 あと、総理と一緒に大企業のトップなどが行かれて、向こうで活動するということもあるやに報道がいっぱいされておりますけれども、これも、一国あるいは一連の総理大臣の外遊でどれだけ、そういった企業のトップの皆さんを中心に企業の代表を伴われて行ったのか。一番多かった人数と、せっかくなので少ない人数も教えてください。
○岸副大臣 総理の海外訪問に同行した経済ミッションにつきまして、最大の企業数が同行したケースにつきましては、平成二十五年四月二十八日から五月四日までロシア、中東訪問がございましたが、この際に中小企業を含む百十八企業及び団体が同行をしておるところでございます。(石関委員「小さいのはあるんですか」と呼ぶ)経済ミッションが同行していないケースというのもございますので……(石関委員「ある場合」と呼ぶ)経済ミッションを同行した場合につきまして申し上げますと、平成二十五年十月二十八日から三十日、トルコを訪問しておりますが、この際は十社及び団体が同行しております。
○石関委員 それぞれ企業、団体を代表する皆さんは、総理と同行した場合に、現地に行ったら何をやっているんですか。
○岸副大臣 経済ミッションの民間の方が同行した場合ですけれども、現地でさまざま総理が行う会談等に同席するケースもありますし、あるいは、現地で、例えば経済セミナーとかそういった会議が開催される場合がありますけれども、そうしたところに出席をされているということだと思います。
○石関委員 そういった機会をもらえれば、各企業やいろいろな団体がそういった外国へ進出をしたり、そういう機会もいただけるんだろうというふうに思います。これがめぐりめぐってまた国内へいろいろな形で還流をして、国内がいろいろな意味でこれも潤うということになるのが望ましい形だろうというふうに思います。
 ちょっと一回戻って、外遊についていく皆さんというのはどういう形で行って、その費用負担みたいなものはどうなっているのか。別の飛行機で勝手に行って会議のところで一緒になるのか、あるいはある程度政府の負担の部分も含めて同行になっているのか、教えてください。
○岸副大臣 民間の経済人の方が同行される場合は、基本的にはみずからの費用で行かれるということでございますが、場合により、相当の費用を払った上で政府専用機に同乗して現地に向かうということはございます。
○石関委員 では、政府専用機で行く場合にも実費の負担というのはあると考えてよろしいんでしょうか。
○岸副大臣 そのとおりであります。相当額を支払っていただいた上でということでございます。
○石関委員 経産大臣にお越しをいただきました。先ほど質問しながら話したとおりで、ODAの理念や何かもありますけれども、今御質問したい私の趣旨は、そうやって経済人が行って、特に安倍二次内閣発足後、まだ十年やっているというわけではありませんから明白な結果がどうかはわかりませんけれども、こういう形で企業の方も伴い、いろいろな国や地域で円借款を行い、こういう協力姿勢を示してやってきていますが、過去も含めて、具体的な経済やお金の利得という面で、これが国内へ還流をしていい効果をもたらしている事例や何かがあれば教えていただけますか。
○世耕国務大臣 まず、経産大臣としての前に、元官房副長官として申し上げますと、やはり総理が経済ミッションを連れていくというのは非常に効果があると思っています。現地でなかなか契約交渉が進んでいなかったのが、お互いの首脳がバックアップすることによって急速に契約に至るとか、そういった件を私も実際、目の前で幾つも見てきております。
 その上で、例えば、ODAなんかが日本企業にとってどういうメリットになってきているか。もちろん、ODAは、OECDのルールで、特定の、自分の国のためになるようにやってはいけないわけではありますけれども、例えば、タイでレムチャバン港、これはバンコクの南にある港湾であります、これを、円借款を二百二十八億円投入して整備いたしました。今や、タイから輸出される自動車の九八%はこの港湾から出ていっています。あるいは、タイに入ってくる自動車部品もほとんどここから入ってきているという状況になっています。そして、タイから輸出される自動車は、ほとんど日本車であります。また、輸入されている部品も、六〇%は日本製の部品ということになります。
 こういう港湾を整備することによって、二百二十八億円、ODA、円借款で投入をしておりますけれども、結果としては、日本の自動車産業の、これは世界に類を見ないと言われている、タイを軸にしたアジアのグローバルサプライチェーンが完成した、こういう裨益を日本企業はしているわけでございます。
○石関委員 わかりやすい事例をありがとうございます。私もタイの自動車メーカー等を訪問したことがありますので、今の御説明はわかりやすいんですが、この後も続きますけれども、ただ、もともとが税金で円借款をしたり莫大な費用をかけて海外に行きましたと。ぜひ、今みたいなことや、また、進出した企業がそこでの収益を何らかの形で国内に還元して、それで給料が上がるとか、曖昧な言葉でありますが、景気がよくなるとか、できればこういうことにつながっていけば望ましいんだと思うんです。
 企業はグローバル化して海外に進出していく、その橋頭堡になるには、総理と行けば、さっきおっしゃったように、ただ行くよりもはるかに信用力や契約がうまくいくということはあると思いますが、元手は税金なわけですから、普通に暮らしている国民の皆さんにとっては、行ったらそれが何らかの形で国内に戻ってきて自分の生活がよくなるとか安定をするとか、そういうものにつながっていかなければ、企業は進出してよかったけれども俺は何なんだ、私は何なんだということになりますので、ぜひ、そういうわかりやすい説明も含めて、海外への総理の外遊ですとかいろいろな協力というのは、そこも念頭に置きながら進めていただきたいというふうに思います。
 次に、厚労大臣がいないので、厚労省、副大臣ですか、お尋ねをしますが、今、厚労委員会をやっているんですかね、いろいろ議論されている中でこういうお尋ねもあったと思います。いわゆる将来世代の年金額、今議論されている中で、何%カットだとか、本当だとか本当じゃないみたいな議論がされているように聞いていますが、いわゆる将来世代の年金額というのを一%カットすると、単年度ではその総額というのは幾らカットになるんでしょうか。
○馬場大臣政務官 お答えします。
 今の御指摘は、年金額改定ルールの見直しについての衆議院厚生労働委員会での議論と申しますか、今の質問の趣旨というか、一%というものがなかなか捉えにくいわけでありますけれども、今回の改正におきましては、将来世代の年金水準をしっかりと確保していくために行うものでありまして、将来世代の年金額をカットするというものではありません。
 年間の支給額というのは約五十兆円でありますから、その一%ということを単純に計算しますと五千億ということになりますが、そうなるということではございません。
○石関委員 単純に聞いているので、もっと短く言ってください。
 そうしたら、もう一つ、今度は防衛省に聞きますけれども、沖縄のいわゆる米軍駐留経費というのは総額で幾らなのか、そのうちのどれぐらいを負担しているのか、ちょっと答えだけ下さい。
○若宮副大臣 沖縄のというところで区切るのは非常に難しい面がございまして、平成二十八年度におきます在日米軍の駐留経費負担、いわゆるホスト・ネーション・サポートの予算額といいますのがまず千九百二十億円ございます。その内訳等々は、申し上げた方がよろしいですか。よろしいですか。
 このほかに在日米軍の駐留に関連します経費といたしまして、平成二十八年度の予算額におきましては、周辺対策で五百七十億、施設の借料が九百八十八億、提供施設の移設に約三十八億、それから漁業補償等で二百五十六億ということで、大体、計千八百五十二億円ということになってございます。
 また、これらの予算のほかに、日本の方で負担をいたします経費には、基地交付金等の他省庁の部分というのが三百八十八億円ほど、それから、いわゆる普通財産借り上げの試算というのが千六百五十八億円ほどございます。
 これらを加えますと、沖縄を含めました日本全体といたしましては約五千八百億円になりまして、これにさらに、沖縄の負担軽減のためのいわゆるSACOの、米軍再編経費が入りまして、これが約千八百億円ほどになりますので、在日米軍の駐留に関します経費といたしましては、総額で約七千六百億円ほどということでございます。
○石関委員 時間になりましたけれども、私がお尋ねした趣旨は、先ほど経産大臣もお答えいただいたように、ODAはいろいろな効果がある、それをぜひわかりやすく国民の皆さんにも広報、宣伝してもらいたいというふうに思いますが、ただ、得か損かとかお金だけの話で考えれば、今、総理が就任されてから大体約六兆円ぐらい円借款をやっていたり、毎回これだけお金がかかったり、一国でも何千億円とか、数年間で何兆円という約束を新聞等で見ながら、他方、何かごちょごちょおっしゃっていましたけれども、私が聞いたのは、いわゆる将来世代の年金受給が一%カットされたら幾らか。五千億ぐらいなわけでしょう。何兆円というのを見ながら、逆に私たちの年金は何兆円また減らされるんだ。それで、厚労委員会はどうなっているかわかりませんけれども、わあわあ国会で騒いでいる。
 単純な金額の比較だけではありませんけれども、国民から見れば、これは何なんだというのが私は実感ではないかなというふうに思います。
 外務省が使うお金、それから我々が年金としてもらうお金が幾らなのか、そういうことまでよく目配りをして、説明がつくように、わかりやすいようにお金の使い道をやっていっていただきたいというふうに思います。
 以上で質問を終わります。
○玄葉委員長 次に、畠山和也君。
○畠山委員 日本共産党の畠山和也です。
 二〇一三年度、平成二十五年度決算にかかわり、そのときに行われていました木材利用ポイント事業とTPPの関係について伺います。
 木材利用ポイント事業についてきょうは伺っていきたいわけなんですけれども、御存じのように、丸太の関税ゼロの時代から、林業においては苦難の時代が続きました。近年は国産材供給の努力が強まりまして、二〇一五年の木材自給率は三三・二%まで回復してきています。ですが、輸入材の比率は七割近く、依然として高いということになりまして、輸入上位三カ国を見ればカナダ、マレーシア、アメリカで、これはいずれもTPPの参加国ということになります。
 そこで、この事業にかかわる質問の前に、二つ大臣に確認したいと思います。
 まず、仮にTPPが発効するとして、このような輸入上位三カ国が上位を占めているわけですから、日本の林業は守れるとお考えでしょうか。まず確認いたします。
○山本(有)国務大臣 林産物につきまして、累次の貿易交渉の結果、現在の関税率は一〇%以下となっておりますが、今回のTPP交渉によりまして、合板、製材等につきまして長期の関税撤廃期間の設定ができました。そしてまたセーフガードを確保したことでございまして、TPP合意によります国内への影響は限定的というように見込んでおります。
 そのような交渉結果でありますけれども、長期的に見ますと、国産材の価格の下落、その懸念もなしとしないものですから、まず大規模、高効率の加工施設の整備を進める、そして原料供給のための間伐、路網整備、こういったものを進めることによりまして、川上から川下に至るいわゆる体質強化策を講じていくこととしております。
 このような、交渉で獲得した関税撤廃期間とセーフガードの措置、さらに体質強化策、こういったことで、生産コストの低減効果によりまして採算性が確保され、国内林業の生産活動や合板等の国内生産量は維持されるというように見込んでおるところでございます。
○畠山委員 そこで、今大臣の答弁もありましたセーフガードについて一言、これも確認しておきたいと思います。
 ただ、改めてカナダやアメリカなどを見れば、カナダとは二国間林業委員会という機関がつくられるんですね。その点検項目に日本のセーフガードの必要性とありますから、この議論で廃止が向こうから言われる可能性も否定はできないと思います。
 また、何より、輸入第三位であるアメリカとはセーフガードはありません。これで、今大臣が述べたような、国産材について維持できる保証があるのかということがやはり問われるんですね。
 そこで、もう一つ確認します。
 アメリカとの関係では、なぜセーフガードはなかったんでしょう。要求したんでしょうか、しなかったんでしょうか。
○山本(有)国務大臣 合板等に係るセーフガードの設定の有無につきましては、まず輸入量の多いカナダ、マレーシア、ベトナム、ニュージーランド、チリに対してはセーフガードを措置する一方で、それ以外の国につきましてはセーフガードをいたしませんでした。したがいまして、御指摘のアメリカもございません。というようなことでございまして、この交渉過程、さまざまあると思いますけれども、輸入量等、総合的判断の上で、これに対してはセーフガードを措置しなかったというように考えておるところでございます。
○畠山委員 国産材などの利用に当たっては、これまでもですけれども、米国などからさまざまな圧力があったことが反映していると思うんですね。
 そこで、冒頭に述べました木材利用ポイント事業制度について触れたいわけです。これは、平成二十五年四月一日から募集が始められて、一年半もの間に募集がされた期間のものでありました。
 その目的は、次のように書いていました。関係者による地域材の需要拡大の取り組みを促進し、地域材需要を大きく喚起する対策として、地域材の利用に対してポイントを付与し、農山漁村地域経済全体への波及効果を及ぼす取り組みへの支援を行うとあります。ポイントがたまれば地元の農林水産物や商品券などとも交換できるということで、実績も聞きましたけれども、かなり評判がよかったというふうに聞いています。
 ですが、地域材促進を目的と掲げていながら、年度途中から外材も対象材として見直されていました。これはなぜか。理由をお答えください。
○今井政府参考人 お答えいたします。
 今御指摘がありましたように、木材利用ポイント事業ですけれども、平成二十五年から、地域材の需要拡大の取り組みを促進し、農山漁村の振興に寄与することを目的として実施した事業でございますけれども、その対象となる地域材につきましては、まず一つは、資源量が増加しているものとしてあらかじめ定められました杉、ヒノキ等の樹種のほか、本制度を運営する委員会において、資源量が増加しており、事業の目的に照らして適切と認められる、そういうものも追加できるというふうにされておりまして、当初から国産材、外国産材を問わず本事業の対象となっていたものでございます。
 そういう事業の枠組みの中で、事業の開始後に諸外国からの樹種追加の申請がありまして、審査の結果、米国産のベイマツ、オーストリア、スウェーデン、フィンランド産のオウシュウトウヒ、スウェーデン、フィンランド産のオウシュウアカマツ、そしてニュージーランド産のラジアータパイン、これが対象樹種に追加されたという経緯があるというものでございます。
    〔委員長退席、石関委員長代理着席〕
○畠山委員 途中からそのようなさまざまなものが出てきたのは、二〇一三年十二月三日の日本農業新聞にも経過が断面的に書かれているんですね。WTO物品理事会でカナダとEU、米国などから外国産材を差別しているとの主張があって、それを受けてのことというふうに書かれておりました。ただ、制度設計も、今答弁がありましたように、その他の木材も最初から対象とするような書きぶりをしているというのは承知しています。
 このポイント事業なんですけれども、効果検証の結果の中で次のように書いてあります。事業のために設立された地域協議会等を通じ、木材流通の川上から川下までの関係者が一堂に会して地域材利用を議論する場が生まれ、意見交換が活発になった。非常に前向きな評価をしています。
 森林・林業基本計画二〇一六年では、豊富な森林資源を生かした産業の育成を図り、山村などの地方活性化に結びつけるとしています。国産材の供給量も、現在二千五百万立米から二〇二〇年には三千二百万立米、二〇二五年には四千万立米にと目標を持っています。ですから、この実現に向けて、今述べたポイント事業は有効な施策ではないかというふうに私も思うんですよ。それがこのような形で終わっていくというのは、非常に残念なことだとも思います。
 ただ、このような国産材を活用する事業に対しては、内国民待遇に反するからと外国から意見がつけられるのが現状でありまして、しかも、今度はTPPとなれば、USTRが二〇一五年外国貿易障壁報告書でも、このポイント制度について、外国の製品を差別的に扱う補助金ではないかとの懸念が示されていて、かなり雲行きが怪しくなるわけです。
 そこで、山本大臣に伺いたい。
 TPPが発効したらこのような国産材を活用する事業ができなくなるとなれば、非常に私は残念なことだと思います。いかがでしょうか、どうしましょう。
    〔石関委員長代理退席、委員長着席〕
○山本(有)国務大臣 御指摘の木材利用ポイント事業というのは、地域におきまして流通する木材であれば、国内産あるいは輸入材を問わず事業の対象としてきましたことは御案内のとおりでございます。WTOの協定におきます内外無差別の原則に基づいているというように考えられるところでございます。
 TPP協定におきましては、このWTO協定上の内外無差別と同様の規定が置かれております。TPP協定が発効した場合でありましても、木材利用ポイントのような事業を実施することは問題ないというように考えているところでございます。
○畠山委員 USTRが、先ほど紹介したように、ただ差別的に扱う補助金ではないかと言われることはもちろん考えられると思うんですね。ですが、当時の新聞なども掘り返してみますと、与党の議員からも、そのようなことも考えた上で制度設計してきたから堂々と来年度もやったらいいという意見が、新聞紙上でも紹介はされておりました。
 本当に地域材の活用は地元にとって強い願いでもありますし、政府の持っている計画を実現する上でも大事なことだと思います。ただ、米国は虎視たんたんと狙っているということだけは最後に一言述べておきます。
 米国商務省の国際貿易局ホームページには、日本の木材製品の関税が全品目で即時撤廃だと堂々と掲げておりました。ですから、TPPで、今どうなるかわかりませんが、仮に発効すれば、木材輸入が進み、基本計画に逆行することは明らかでもあります。そもそも米国の離脱で発効見込みがない条約を国会が承認するのは国会の権威にかかわることではないかということはこの場からも述べておき、TPP承認案は断念すべきであることを一言述べておきたいと思います。
 農水大臣、結構でございます。
 後半は、JR北海道について石井国交大臣に伺います。
 きのう通告していなかったんですが、きょうの記者会見でですか、八月から九月にかけての台風や大雨で鉄道施設に大きな被害を受けたJR北海道に対して、国土交通省は復旧費用を実質的に全額補助することを決めたというふうに報じられておりました。この中身について御説明ください。
○石井国務大臣 ことしの夏の台風により被災をいたしましたJR北海道の各路線の災害復旧につきましては、JR北海道から、被災状況の調査が終了していない区間を除き、災害復旧の総額は約三十八億円となる見通しとの報告を受けました。このうち、鉄道軌道整備法に基づく災害復旧事業費補助の対象となる事業費は約三十五億円となる見込みであり、その四分の一の約八・六億円を国で支援することとしたところであります。
 また、これに加えまして、平成二十八年度から三十年度において実施予定のJR北海道の安全投資と修繕に対する追加支援の対象を拡充いたしまして、今回の台風等の災害に係る復旧に関連した設備投資の支援を行うことといたしました。
 これによりまして、JR北海道が、補助制度の自己負担分や、規模が小さく補助制度の対象とならない工事も含め、災害復旧に必要な資金を確保できるように措置することとしたいと考えているところでございます。
○畠山委員 この後質問しますが、路線維持にかかわってJR北海道が厳しいことを述べておりますが、まず前提として、復旧は今あるスキームももちろんありますし、国が述べられたような支援で最優先に復旧されるということは当然のことであります。
 そこで、本題のことで質問に続いていきたいと思います。
 十八日、JR北海道は、十路線十三区間、キロ数にして千二百三十七・二キロメートルを自社単独では維持できないと発表しました。全路線の営業距離の約半分に当たります。通学や通院はどうなるか、観光にも打撃になるではないか、貨物輸送は大丈夫かなど、道内では多くの心配の声が上がっています。
 JR北海道や北海道庁から国に対して、事前に相談や報告はありましたか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 JR北海道や北海道庁との間では、今回のJR北海道による業務範囲の見直しに関する問題に限らず、業務上の必要に応じて、日ごろより連絡をとり合っております。
 そのような中で、十一月十八日にJR北海道が公表した内容については、JR北海道から公表前に報告を受けたところでございます。
○畠山委員 現状については、さまざまな形で国交省は把握できていたはずなんですよね。
 それで、今ありましたように、八月から九月にかけての台風と大雨の被害で、相次ぎJR路線が崩落などを起こしました。町全体が浸水した南富良野町にある幾寅という駅は、映画の「鉄道員(ぽっぽや)」の撮影でも使われた駅でありました。交通拠点だけでなく、このように観光資源でもある根室本線のこの駅も含めて、今回の困難な対象に入っているわけです。
 町長さんに我が党としてお聞きしたことがあるんですが、お父さんが国鉄の職員だったというんですね。北海道にとっての鉄道の役割は大きいし、今回のJRの発表はおかしいと述べられておりました。同じような声が全道各地にあふれています。
 先ほど述べたように、困難と呼ばれる路線が全区間の半分にまで至る状況をこのまま認めていいのか。国としてどうするか、石井大臣に伺います。
○石井国務大臣 JR北海道は、地域の人口減少やマイカー等の他の交通手段の発達に伴いまして、路線によっては輸送人数が大きく減少し、鉄道の特性を発揮しづらい路線が増加している厳しい状況に置かれていると認識しております。
 そのような中、JR北海道は、現状のままでは安全に必要な投資や修繕が行えず、鉄道の運行が困難となりかねないという問題意識のもと、単独で維持困難な線区については、当該線区の地域における持続可能な交通体系の構築のために、地域の実情に即して地域と協議を行いたいという意向を明らかにしておりまして、十一月十八日に、相談を行う具体的な線区について社長より説明が行われたところでございます。
 国としては、今後、地域の皆様にJR北海道の置かれている厳しい状況について御認識していただけるよう、JR北海道に対し、各地域に丁寧な説明を行うよう指導してまいりたいと考えております。
 また、こうした検討を行う中で、国といたしましても、北海道庁と連携しながら、JR北海道と地域との協議に参画をいたしまして、地域における持続可能な交通体系の構築のために何ができるのか、検討してまいりたいと考えております。
○畠山委員 協議会に国が参画されていくということですけれども、どのような立場で参画されるかが大事だと思うんですね。
 地方自治体任せにしないで、国が根本的な総括を持ってそれに参加していくということが私は大事だと思います。なぜなら、このような事態に陥ったことはやはり分割・民営化のころからさかのぼって考えるべきだという声が北海道では広がってきていますよ。
 三十年前から、赤字路線を北海道では抱えることは確実でありました。だから、国も経営安定基金を出して、その運用益の約五百億円で支援するということにしてきましたが、当初の利率の見込み七・三%から、政府の低金利政策もあって、だんだん運用益が減っていってしまったわけです。人件費、安全費用、設備投資などにそのしわ寄せが行ってしまったことが、この間の安全問題でJR北海道が国からも指導を受ける要因となってきたのではありませんか。そして、ことしの台風被害での追い打ちです。
 大臣にもう一度伺います。政府が思い切った新しい枠組みを示さなければ進まないと私は思います。新しい支援の用意はありませんか。
○石井国務大臣 国は、JR北海道に対しまして、平成二十八年度からの三年間で総額一千二百億円の支援を行うこととしております。これにより、当面は必要な安全投資や修繕を行いながら事業を続けていくことができる見通しであります。
 今後、JR北海道と地域との間で持続可能な交通体系のあり方について協議が行われる中で、まずはJR北海道から各地域に対して丁寧に説明を行い、各線区が置かれた実情に関する理解を得た上で、地域における持続可能な交通体系のあり方について関係者がともに考えていくことが必要であると考えております。
 こうした検討を行う中で、JR北海道が置かれている状況を地域の皆様に認識していただくとともに、国といたしましても、北海道庁と連携しながら、これらの協議に参画をいたしまして、地域における持続可能な交通体系の構築のために何ができるのか、検討してまいりたいと考えております。
○畠山委員 同じような答弁になるので、では質問の角度を変えましょう。
 なぜそのような形になっていくかといえば、これまでのスキームを続けてきた理由、前提として、目標が完全民営化にあるからではないのでしょうか。
 JR北海道は、御存じのように、厳しい経営状況があるからこそ今の実態に置かれているわけで、それでも、先日JR九州が株を上場しましたけれども、JR北海道については完全民営化、株式上場をまだ国として追い求めるということなのでしょうか。だからこそ、そのようなスキームにこだわらざるを得なくなるのではありませんか。
○石井国務大臣 JR各社については、国鉄改革以来の累次の閣議決定に基づきまして、経営基盤の確立などの条件が整い次第、できる限り早期に完全民営化することを基本的な方針としております。
 JR北海道につきましても、できる限り早期に完全民営化をする基本的な方針に変わりはありませんが、厳しい経営状況にあるため、これまで、経営安定基金の実質的な積み増しや設備投資に対する助成や無利子貸し付けなどの支援措置を講じているところでございます。
 こういった状況のため、まだ上場が可能となるような段階には至っておりませんが、引き続き、国鉄改革の趣旨を踏まえ、JR北海道の完全民営化に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
○畠山委員 完全民営化の旗をおろせないから、今、自縄自縛になってきていると思うんですよ。
 完全民営化へ、JR北海道に任せて経営状況を改めようというんだったら、今回みたいに独自で維持できない区間は廃線にしても構わないということになりはしませんか。それは政府の立場だということで確認してよろしいんですか。
○石井国務大臣 重ねてのお答えになりますけれども、JR北海道は、地域における交通手段の確保を前提に、鉄道を持続的に維持するための方策も含めて、地域における持続可能な交通体系のあり方について今後地域と相談を行っていく意向であると承知しております。
 今後、JR北海道から各地域に対して丁寧に説明を行い、各線区が置かれた実情に関する理解を得た上で、地域における持続可能な交通体系のあり方について関係者がともに考えていくことが必要であると考えております。
 こうした地域との相談を通じまして各地域の実情に適した持続可能な交通体系を構築することによりまして、鉄道が、その特性を発揮しながら、他の交通機関とも適切に役割を分担して、必要な公共交通サービスを提供できるようにしていくことが重要であると考えているところでございます。
○畠山委員 否定しませんでした。持続可能な交通体系を地元で議論していただきたいということの繰り返しだったと思います。
 それこそ私も繰り返し述べますが、完全民営化の旗を掲げ続けるから、このように自縄自縛の状況に国が陥ってしまって、JRに対しては、経営状況の改善が必要だし、そのためには廃線もやむなしということにならざるを得ないのではありませんか。
 ですから、もう新たな枠組みを考えるときだと思うんです。国鉄も、来年で分割・民営化から三十年になります。一方では株式上場をしているJRがあり、一方ではこのように路線切り捨てかもしれないというJRがあります。
 ことしの五月にも伺いました。本当に分割・民営化がよかったのかという総括や見直しを政府としてやるべきときではありませんか。
○石井国務大臣 国鉄改革におきましては、全国一元的な経営体系を改め、適切な経営管理や地域の実情に即した運営ができるようにするとともに、旅客の流動実態に適合し、地域的に自然な形の分割となるよう、旅客流動の地域内完結度に配慮いたしまして、旅客部門は全国六社に分割をされました。
 国鉄の分割・民営化によりまして効率的で責任のある経営ができる体制が整えられた結果、全体として鉄道サービスの信頼性や快適性が格段に向上し、経営面でも、JR本州三社に続いてJR九州も完全民営化されるなど、国鉄改革の所期の目的を果たしつつあるものと考えております。
 一方、現在JR北海道が置かれている問題は、地域の人口減少やマイカー等の他の交通手段の発達により、路線によっては輸送人数が大きく減少し、鉄道の特性を発揮しづらい路線が増加している状況に起因するものでありまして、国鉄の分割・民営化によるものではないと認識をしております。
 いずれにいたしましても、国といたしましては、国鉄改革の趣旨を踏まえまして、JR各社による鉄道サービスが引き続き各地域において求められる役割を果たしていくことができるよう努めてまいりたいと考えております。
○畠山委員 時間ですので終わりますが、独立採算を鉄道行政でやっている国は日本ぐらいなもので、ほかは、ヨーロッパなんかは特に公的補助などが強くされていて、それは根本に国民の移動権を保障するということがあるからですよ。
 鉄道行政の抜本的な転換が必要な事態に今陥っているということを指摘して、私の質問を終わります。
○玄葉委員長 次に、松浪健太君。
○松浪委員 日本維新の会の松浪健太であります。
 ちょっと議場が寂しいですね、多分定足ぎりぎりかなと思いますので。大丈夫ですか。足りていたらいいんですけれども。
 本日は、決算委員会の全体的質疑ももうこれで最後だということでありますので、私は、この決算委員会のあり方自体についての質問を行いたいと思います。
 この決算行政監視委員会は、委員の方々も御承知のとおり大変な異常事態が続いているわけでありまして、本日も、審議をしているのは二十四年、二十五年と、いつの話やねんという、これぐらい前の決算を審議しているということに一応なっているわけであります。
 今回、この決算委員会は歴代委員長が非常に多く残っているわけでありまして、委員長を経験すると、この問題は何とかせないかぬということで、自民党の方にも後藤田先生、さらには民進さんの方にも石関先生それから松木先生、そして維新も不肖私が残っておりまして、今回、大臣経験もおありの大物決算行政監視委員長がおられるということでありますので、私も、国会生活十数年になりましたけれども、初めて委員長にも通告をするという議論をきょうはさせていただきたいと思います。そして、きょうの質疑を通じて、この議事録を見ればこれまでの決算行政監視委員会の問題、そしてこれから我々が進むべき道をしっかりとここで示せるような、そうした議論にしていきたいと思います。
 まずもって、この決算委員会は、量の問題もあります、質疑時間の問題もありまして、今まで政局の中で大変翻弄されて質疑時間がとれなくて、十一月に毎年毎年決算審査がおりてくるので、二十四、二十五、二十六、二十七と、これで四年分たまる、こんな国がどこにあるのかという話でありまして、不肖私が委員長のときも、二十一年、二十二年、二十三年の三年分を一括して審査するという大変な状況でありました。
 ですから、量の問題と、それから質の問題というのがあります。政権が自公政権になってから谷畑委員長がつかれて、そして海外の視察も行って、イギリス、ドイツ、フランス、こういった国々の決算のあり方というものも我々は学ばせていただいて、参議院は決算の府と言われて決算委員会が動いているけれども、衆議院は動かずともこうして我が国日本が動いてきたというのも、これで我々が参議院のカーボンコピーになっても仕方のない状況でありまして、我々衆議院は衆議院独自の決算行政監視委員会のあり方を持っていかなければならない。
 まず、これまで決算改革論議を行ってまいりました。その前に、先ほど申し上げた二十一年、二十二年、二十三年、決算の議決案というのもありますけれども、私のときにまとめたのですけれども、そのときも議決案をつくるのが非常に大変で、この決算委員会で要は決算に関する質問が非常に少ないんですね。決算に関する質問が非常に少ない。きょうは割とすいていますけれども、きょうも私は本当に真面目に朝から今までずっと座っておりまして、決算に全く関係のない質問を徹頭徹尾される先生が非常に多かった。
 先ほどここで、午前中は後藤先生がたしか決算の問題に少し触れられました。交付金を地方債の返済などに持ち込むのはどういったものかというんですけれども、ああ、やっと決算の話が出たなと思ったら、これは二十六年度決算でありまして、きょうは二十四、二十五。次に何をするのかなというぐらい、今、形骸化をしているわけであります。
 また、先ほど青柳先生は、きょう唯一、徹頭徹尾決算の質問。私はなかなか感心して聞いておりましたけれども、青柳先生の質問は二十七年度決算の話でありまして、いかに今回の決算が空洞化しているかということであります。
 そして、議決案を調査局がこうやって、例えば党ごとにどういう質問がありましたと書いて、今回の議決案の用意もありますので、通常は分科会までの内容なのできょうの審議は入らないんですけれども、先ほどの青柳先生の話とかは僕はすごく入れてほしいと思います。
 こうやって見てくると、我が党の吉田議員が先般の分科会でやった分はことしの決算、二十四、二十五に関係がありました。そしてまた、原口議員が平成二十四年度の防衛火工品の問題、これは予算委員会などでも触れられましたけれども、これも決算に関係がありました。まあ野党の質問を見ても、議決案をつくる一覧表に決算の議論がない。ないといっても、もう一つありましたね。維新の党のときに私がやったもの、東日本大震災の被災地における防災集団移転。びっくりしました、僕はこの表を見て。この質問をしたのを僕は忘れていましたよ、本当に。いつのことだったかなということでありまして、麻生大臣にお聞きをするのも大変恐縮なわけであります。
 この議決案は本来はフィードバックをしなければいけないものなんです。建前上、これは各省への徹底を図っていかなきゃいけない。また、財務省としては決算議決のフィードバックをしなければならないものだと思います。
 私らがまとめたのですけれども、二十一から二十三年も正直古過ぎて、しかも民主党政権で、なかなか財務省にお聞きするのも大変なわけでありますけれども、大臣に大変、決算行政監視委員会の改革のために、前向きでない答弁をいただければありがたいと思います。
○麻生国務大臣 国会でいろいろ審議していただくのは松浪さん御自身なのであって、私らの方はそれに答弁する立場にありますので、審議されるあなたの方がきちっとやっておられるんだと思いますので、今後とも、我々としてはそれをなるべく早く、十一月二十日前後に我々は決算を出しておりますから、それを生かす生かさないは、松浪さんの方の見解をきちっとしてやるというのが順序じゃないでしょうかね。
○松浪委員 一応通告を出しておりまして、財務省としてこういうものをフィードバックする仕組みがあるのかということでありましたけれども、参議院なんかも含めて、これは副大臣に伺いますが、具体的に、例えばフィードバックした項目というのは今までどういうものがあるんでしょうか。
○木原副大臣 御指摘の、平成二十一年度から二十三年度の決算についての御指摘事項については、執行面での対応策や予算編成における対応策を講じた上で、平成二十七年二月十二日に衆議院議長に報告を行ったところでございます。
 今委員おっしゃるように、予算等にフィードバックした主な例という御質問でございましたが、二つほど紹介させていただきますと、一つ目の例としては、財政健全化について、無駄遣いを削減し、予算の重点化、効率化を進めるべきとの御指摘に対しましては、公益法人等に造成された基金を網羅的に再点検いたしまして、二十七年度予算において、〇・三兆円を国庫に返納させることとしたほか、基金の予算計上に当たっては、基金方式による実施が真に必要な事業に絞り込み、計上額を大幅に削減しております。
 二つ目の例ですが、社会保障制度について、国民負担の増大を抑制しつつ、世代間格差を是正する制度を実現すべきとの御指摘がありまして、給付の重点化や制度運営の効率化を進めることとしており、具体的には、二十七年度の予算において、介護報酬をマイナス、二・二七%引き下げる改定を行い、事業者の安定的な経営を確保しつつ、国民負担の軽減を図るとともに、月一・二万円相当の介護職員の処遇改善を行うといったような例を紹介いたしました。
○松浪委員 ありがとうございました。
 我々がかつてイギリスとかフランス、ドイツなどの視察等も入れて議論した内容は、平成二十六年の九月の段階で、ここまで分厚い決算審査のあり方についての検討経過に関する資料として調査室の方でまとめていただいているので、各委員にはこれを本当に徹底いただきたいんですけれども、なかなか細やかな議論がなされないという中に、やはり今までのキーワードは二つありまして、イギリス型で特に言われますバリュー・フォー・マネー、VFMという考え方、これはコストに特化をする。ですから、本日は大臣がお越しになっておられますけれども、イギリスの場合は、官僚に出ていただいて、政権交代しようがしまいが、数値について聞いていくというような仕組みがあるわけであります。
 そこで、特に海外との比較で、イギリスの場合は、例えば決算は下院のみが行います。フランスでは、財政委員会が予算、決算ともに所管をする。そして、ドイツでは、決算委員会は予算委員会の小委員会となっている、こうすることによって問題意識が、予算と決算が非常に生かされる仕組みがあるわけであります。そしてまた、決算に携わるにしても、委員がかなり固定化をして、そして委員長も、しっかりと委員長自身が突っ込みを入れていくというか追及をしていくというのが本来の決算委員会のあり方であろう、特にイギリスの形を見た形でありますけれども。
 特に我が国では、国対政治のもとで、決算委員会には本当に実質的に定例日がないという問題から、こうして特に衆議院では軽視をされてきた経緯があろうかと思います。そして、理事会等でもお話をさせていただいておりますけれども、やはりここは、我が国は国対もあるわけですから、きょうも厚労委員会で大変波が高い状態であります、この波が静まるのは恐らく国会閉会後だと思いますけれども、国会閉会後に、国対も含めた形でこの決算委員会をしっかりと動くようにしていかなければならないというふうに思います。
 委員長にこの点についての御所見をいただきたいと思います。
○玄葉委員長 たくさんの御指摘をいただいたように思います。
 私も委員長に就任したときに挨拶をさせていただいて、覚えておられる委員の方々もいらっしゃると思いますけれども、昨今の本委員会の開催頻度からしても、その果たすべき役割は十分果たしているというふうには残念ながら言えないのではないかという指摘をいたしました。
 ただ、この間、今も御指摘がございましたように海外視察をされたり、あるいは、きょう御出席の委員の中にも委員長経験者が、お話がございましたように松浪委員長、石関委員長、後藤田委員長とおられて、理事会で具体的な御指摘をいただいて、私としては、この決算審議のあり方についてメスを入れていくことについて機が熟しつつあるというふうに思っていますので、ぜひとも、その審議の充実が図られるように全力を尽くしますから、松浪委員はもとよりでありますけれども、各会派の御協力をお願い申し上げたいと思っています。
○松浪委員 委員長に答弁ありがとうございますと言うのも違和感があるわけでありますけれども、本当に玄葉委員長には大変前向きな、私も忘れもしません、最初の所信のときから大変な問題意識をお持ちいただいた、大変ありがたいと思うわけであります。
 そして、先ほど、質問内容が決算と異なると。予算委員会は、私はある意味政治闘争の場だと思いますよ。それは共産党の方も理事会でおっしゃっておられましたけれども。政治闘争の場ですけれども、この決算委員会はやはり非政策的質疑という考え方を入れていかないと、先ほどの青柳議員のような議論は特に役所の方でやった方が逆に、政権交代等もあるわけでありまして、私が委員長時代も麻生大臣がお出になっていましたけれども、これは民主党政権時代の話なのになということになると、やはり決算委員会としては迫力に欠けたなというふうに私は思うわけであります。
 特に、こうした政権交代のときの問題点、それから質問内容がやはり一般質疑化していることについての問題意識を委員長に伺いたいと思います。
○玄葉委員長 今、松浪委員が指摘をされたのは、いわゆる非政策的質疑をもっと充実することで決算委員会あるいは決算行政監視委員会そのものの審議を充実できるのではないか、そういう御提案だというふうに思います。
 おっしゃっている意味はよく理解をしています。同時に、例えばきょうのように、閣僚に答弁を求めたいという委員も当然いらっしゃるわけであります。
 したがって、いわゆる総括質疑の場合、あるいは分科会の場合、それぞれによって聞く相手が違ったりということもあってもよいのかなというふうに思いますし、そういった角度も含めて、審議の充実が図られるように理事会でしっかりと協議をして具体策をまとめたいと思っています。
○松浪委員 大変前向きな御答弁というか、ありがとうございます。
 私の次の石関委員長時代には、理事会の合意というか論点として、常会以降は、先ほど大臣がおっしゃったように会計検査院の報告が出てまいります、これを速やかに予算委員会の裏で回して三月をめどに上げてしまう。そして、その後は、我々は特に、政治家を除いた上で行政監視を行ってその結果を予算編成に速やかに反映できるよう、例えば行政監視に関する委員会決議なども行っていくというようなことは、この行政監視委員会、また参議院との色分けをする上でも大変有益ではないかと私は思いますけれども、こうしたことを今後理事会等でもう一度徹底的にお諮りいただきたいと思いますが、委員長、いかがですか。
○玄葉委員長 行政監視のいわば機能を委員会に持たせるということで、たしかかつては衆議院はやはり決算委員会という名前だったと思いますけれども、まさに行政監視の機能を果たすということで発展的に改組したという経緯があるわけですから、残念ながら、これまでの経緯を見ますと、最近は、行政監視で議論したというのはたしか二〇一〇年か一一年か、いわゆる事業仕分けの関連でやられたというふうに聞いておりますけれども、ぜひ、このたびの委員会、できれば今国会でも行政監視のための委員会の開催に向けて努力をしたいと思いますので、御協力をお願い申し上げたいと思います。
○松浪委員 先ほど申し上げた非政策的質疑については、先ほど申し上げた決算審査のあり方に関する取りまとめの調査室の資料でありますけれども、これの最後には、特にイギリスでの我々が余り見ないやりとりが出ております。
 イギリスの場合は、委員長は野党で、十四、五年の大変なベテランがおられて、これが政府に対して、よく科技特なんかでやっているように、それぞれが自由発議を求めて、そして皆で追及する。このように通告的なことももちろん理事会的なところでやるんですけれども、みんなでそうやって議論してこれを深めていくというスタイルも行政監視には有効だと私は思います。
 特に、ここに紹介されておりますユニバーサルクレジット、低所得者向けの給付制度の実施については、この委員会では誰もが政策的なことについて追及はしません、これがどういう方向に向かっているか、これを我々は確認したいというのがイギリスの決算委員会の委員長のお言葉であります。
 ですから、こうしたことでは、政策的判断は答えられないと役所が言っても、例えばそういうときには、数値の問題をやっているんだということで、委員長自身もみずからが大変厳しい姿勢で行うし、そして与党の中でもこうしたところで活躍をした方がやはり能力を認められて、循環をしていくという、私は、イギリスでは非常にさまざまな国の形を我々は見せていただきましたけれども、参考になる事例だと思います。
 これを委員の皆様と、そして特に理事の皆様には、さらにトライアル・アンド・エラーで、失敗してもいいじゃないですか、いろいろな試みをこれからさせていただきますことをお願い申し上げまして、大臣には余りお答えいただくことがなくて申しわけありませんでした、これで質問を終わります。
 ありがとうございました。
○玄葉委員長 次回は、公報をもってお知らせをすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時三十五分散会