第192回国会 国土交通委員会 第4号
平成二十八年十月二十六日(水曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 西銘恒三郎君
   理事 今枝宗一郎君 理事 岩田 和親君
   理事 中根 一幸君 理事 西村 明宏君
   理事 宮内 秀樹君 理事 津村 啓介君
   理事 本村賢太郎君 理事 佐藤 英道君
      秋本 真利君    穴見 陽一君
      池田 道孝君    石川 昭政君
      大串 正樹君    大隈 和英君
      大塚 高司君    大西 英男君
      大野敬太郎君    大見  正君
      鬼木  誠君    加藤 鮎子君
      金子万寿夫君    神谷  昇君
      木内  均君    木村 弥生君
      小島 敏文君    今野 智博君
      佐田玄一郎君    助田 重義君
      鈴木 憲和君    瀬戸 隆一君
      田所 嘉徳君    中谷 真一君
      中村 裕之君    根本 幸典君
      橋本 英教君    平井たくや君
      藤井比早之君    藤原  崇君
      堀井  学君    前田 一男君
      宮崎 政久君    望月 義夫君
      八木 哲也君    簗  和生君
      山田 賢司君    荒井  聰君
      黒岩 宇洋君    郡  和子君
      鈴木 克昌君    松原  仁君
      水戸 将史君    村岡 敏英君
      横山 博幸君    伊佐 進一君
      北側 一雄君    中川 康洋君
      濱村  進君    吉田 宣弘君
      清水 忠史君    本村 伸子君
      椎木  保君    野間  健君
    …………………………………
   国土交通大臣       石井 啓一君
   国土交通副大臣      田中 良生君
   国土交通副大臣      末松 信介君
   国土交通大臣政務官    藤井比早之君
   国土交通大臣政務官    根本 幸典君
   政府参考人
   (財務省理財局次長)   北村  信君
   政府参考人
   (国土交通省国土政策局長)            藤井  健君
   政府参考人
   (国土交通省道路局長)  石川 雄一君
   政府参考人
   (国土交通省鉄道局長)  奥田 哲也君
   政府参考人
   (国土交通省航空局長)  佐藤 善信君
   参考人
   (政策研究大学院大学政策研究センター所長)    森地  茂君
   参考人
   (京都大学大学院工学研究科教授・交通政策研究ユニット長)         中川  大君
   参考人
   (東京女子大学現代教養学部国際社会学科経済学専攻教授)          竹内 健蔵君
   参考人
   (アラバマ大学名誉教授) 橋山禮治郎君
   国土交通委員会専門員   伊藤 和子君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月二十六日
 辞任         補欠選任
  大塚 高司君     宮崎 政久君
  金子 恭之君     穴見 陽一君
  工藤 彰三君     大見  正君
  津島  淳君     金子万寿夫君
  橋本 英教君     藤原  崇君
  古川  康君     木村 弥生君
  前田 一男君     石川 昭政君
  小宮山泰子君     鈴木 克昌君
  伊佐 進一君     濱村  進君
  中川 康洋君     吉田 宣弘君
同日
 辞任         補欠選任
  穴見 陽一君     平井たくや君
  石川 昭政君     簗  和生君
  大見  正君     大隈 和英君
  金子万寿夫君     大串 正樹君
  木村 弥生君     助田 重義君
  藤原  崇君     橋本 英教君
  宮崎 政久君     大塚 高司君
  鈴木 克昌君     郡  和子君
  濱村  進君     伊佐 進一君
  吉田 宣弘君     中川 康洋君
同日
 辞任         補欠選任
  大串 正樹君     鬼木  誠君
  大隈 和英君     山田 賢司君
  助田 重義君     池田 道孝君
  平井たくや君     金子 恭之君
  簗  和生君     前田 一男君
  郡  和子君     小宮山泰子君
同日
 辞任         補欠選任
  池田 道孝君     古川  康君
  鬼木  誠君     今野 智博君
  山田 賢司君     瀬戸 隆一君
同日
 辞任         補欠選任
  今野 智博君     大野敬太郎君
  瀬戸 隆一君     八木 哲也君
同日
 辞任         補欠選任
  大野敬太郎君     津島  淳君
  八木 哲也君     工藤 彰三君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)
     ――――◇―――――
○西銘委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案審査のため、参考人として、政策研究大学院大学政策研究センター所長森地茂君、京都大学大学院工学研究科教授・交通政策研究ユニット長中川大君、東京女子大学現代教養学部国際社会学科経済学専攻教授竹内健蔵君及びアラバマ大学名誉教授橋山禮治郎君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。本案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、森地参考人、中川参考人、竹内参考人、橋山参考人の順で、それぞれ十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、念のため参考人の方々に申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対し質疑をすることができないこととなっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
 それでは、まず森地参考人にお願いいたします。
○森地参考人 座ったままで失礼いたします。
 こういうところで意見を述べさせていただくこと、大変光栄でございます。
 資料がたくさんございますが、時間が限られておりますので、飛ばし飛ばし御説明をしたいと思います。
 まず、一ページ目をごらんください。
 議論の前提でございますが、公共事業と民間がやっている事業では、おのずから議論の視点が違っているだろうと思います。特にリニア中央新幹線は、JR東海の純民間事業としてスタートし、その大阪延伸には社会的に大きな意義があるため、それを早期に実現するためのインセンティブ政策としての法改正であると理解しております。
 意見の内容として、そこの下に書いてあります四点でございます。
 二ページ目をお開きください。
 まず、リニア中央新幹線の意義でございますが、日本と地域の活性化、特に、一時間圏に人口七千五百万人が存在しているという世界最大の都市圏形成がされる、この効果は大変大きい。
 二番目に、都市間競争が大変激しくなる傾向がございます。例えば、アメリカで、GEの本社がコネティカットのフェアフィールドからボストンに移転をいたしました。各州がとり合いをしております。アメリカ全体で人口が減っているのに、アメリカでも今回のセンサスで人口減少の都市問題が大変大きな話題になっている。これは典型的な都市間競争でございます。トヨタの本社が豊田から京都に移ったようなことで、大変驚いている次第でございます。
 それから、二十年に及ぶデフレの長期不況への景気対策としての意義でございます。日本の景気対策はどちらかというと単年度志向でございましたけれども、八〇年代、アメリカ、ヨーロッパで二十年間不況が起こったとき、最大の景気対策は、当時民活と言っておりましたが、駅周辺開発でございました。我々も、二十年間を超えるデフレで、こういう事業が景気対策として大変意義があると思っております。
 また、地域活性化の王道は圏域構造の改変でございまして、シルクロードとかローマ街道とか、文明とか経済構造の変革をもたらしたのは圏域構造の変革でございますし、高速交通体系も同様に、そのこと自体よりも、圏域構造を変えたいというのがそれぞれの意思ではないかと思っております。
 新幹線は、整備決定時にはマスコミ等で大変大きな批判がありますが、でき上がってから批判があったことを全く見かけません。珍しい事業でございます。
 三ページ目に行ってください。
 人々の生活にも大きなインパクトを与えることは当然でございますし、東海道新幹線の地域交通としての活用も期待されます。海外、国内観光客にとって、このリニア高速鉄道自身が大きな観光資源でございます。
 また、災害に対する備え。東海道の大動脈が長期破断すると日本に壊滅的な打撃が及ぶ、こういうことに対するこのプロジェクトの意義もあろうかと思います。
 それから、鉄道技術の革新。世界にインパクトを与えたもの、技術だけではないんですが、東海道新幹線、それから羽田の空港アクセス、これは世界最初の空港アクセス軌道でございます、それから、国鉄民営化に続いて、このプロジェクトがそういうことになるのではないか。
 四ページ目に行ってください。
 リニア中央新幹線の経緯でございますが、実は私、実用化技術評価委員会の委員長を務めておりまして、この実用化に達したという決定をしたときの責任者でございます。当時を思い起こしますと、各専門分野の委員に、その会議だけではなくて、独自にチームを結成して、世界じゅうでこのシステムが心配だということが言われている全てに答えてくれ、その回答がちゃんとない限りは私はゴーサインを出さない、こう宣言をいたしました。大深度トンネル、磁気影響、火災対策、あるいは建設費、運営費をどう縮小するか、こんなことがございました。
 それから、運営主体あるいは事業種別の議論もございました。これは実用評価委員会では別の部隊でございますが、東海道新幹線の線増事業としてこれをやるのか、あるいは中央新幹線の事業か、こういう議論があって、結論的に後者に決定した次第でございます。
 JR東海は民間事業を志向しましたが、ただ、投資可能限界から、東京―名古屋間を先行するということになりました。大阪まで行かないと効果が非常に小さいではないか、こういうことで心配しておりました。
 また、米国への輸出可能性という議論もございます。
 五ページ目に行ってください。
 大阪延伸の意義については、新幹線の時間短縮効果が在来線との乗り継ぎ区間にも非常に大きい。
 下のグラフ、少し小さくて恐縮でございますが、赤い矢印があるのが、どれぐらい速度が上がったか。表定速度というのは、停車時間も含めた二地点間の所要時間で距離を割ったものでございます。横軸が東京からの距離でございます。ごらんいただきますように、富山とか石川とか、あるいは青森とか鳥取とか、大変広域にその影響が波及してございます。
 したがって、名古屋までの時間短縮と大阪までの時間短縮では短縮量が違いますし、しかも、大阪まであることによって、その圏域が非常に広がるわけでございます。
 四番目、次のページ、六ページでございます。
 その他の論点でございますが、毎日のようにマスコミ等で、人口減少するから、GDPも、あるいは一人当たり所得も縮小するかのような議論がされていることを多く見かけます。しかしながら、人口の減少推定値はマイナス〇・四%程度でございます。それに対して経済成長率は、少し古いものでございますが、OECDでも一・三%、少なくともプラスでございます。つまり、ドイツでも、移民も含めて人口減少した時期がございますが、ずっと経済成長は続けてございます。経済成長できなかったのは世界不況のときだけでございます。
 したがって、コンマ何%ぐらいの生産性が上がらないというのは誤解だと理解をしてございます。
 それから、少し飛ばします。九ページ目でございます。
 東京圏の人口は減少するというふうに社人研で推定をされてございます。実は、これは国調があるごとに推計してございますが、社人研の東京圏あるいは東京都の人口予測、昔の人口問題研究所の人口予測は、ずっと間違い続きでございます。したがって、今回も、東京の人口がすぐ減るというのは違うのではないか、私はそう思っております。
 それから、飛ばしていただいて、十一ページでございます。
 交通需要は減少するのか、こういう議論がございますが、東海道新幹線で六時間半から三時間になったとき、我々の生活に大変大きな影響を与えました。お隣の中川先生が京都で会議をやり、東京に来て会議をやり、また帰って講義するというような行動は、東海道新幹線で初めてでございました。
 それが、一時間で結ばれるというと、全くまた違う社会でございます。日常生活圏でございますので、例えば、神奈川に住んでいる人が明治神宮に行くのか伊勢神宮に行くのか、こういうことが選択肢になるような、こういう社会でございます。山梨まで十五分という、全く違う社会が出てまいります。
 品川への近接性は、以下のとおり、名古屋は熱海並み、大阪は静岡、浜松並み等でございます。広島は、空港が遠いこともあって鉄道と飛行機が大体半々、鉄道がやや優勢でございますが、博多も広島並みの時間帯になるわけでございます。
 十二ページをごらんいただきたいと思います。これは、東京へ観光に来る人が多い順に各県を並べたものでございます。一都三県は含まれてございません。
 静岡のところ、一番左でございますが、一番上の赤いところは高齢層で、右の表がございますが、観光客の行動、観光で出かける人がプラスなのか、人口がプラスなのか、それから、活動量というのは一人当たりの観光量でございます。
 ごらんいただきますと、高齢者は、人口も流動量も一人当たりの観光量もふえています。その下、就業世代、若年層は黄色でございます。つまり、人口が減っても、一人当たりはふえている、あるいは総量もふえている。東京に来る人は、ずっと全部、ほとんど黄色でございます。
 それから次、十四ページをごらんいただきたいと思います。これは、東京への業務旅行、仕事目的のものでございます。これも、ごらんいただきますように、ほとんどが黄色でございます。
 それから、十五ページは、私事で東京へ来る人でございます。東京と地方の交通量というのは大体半々でございます。
 そんな調子で、小さいので御説明は控えますが、下の、例えば福岡とかへ行っているところ、東京の欄を見ますと、これまた赤か黄色でございます。つまり、人口は、あるいは交通量は減らないような状況に今あるということでございます。
 東海道新幹線は、実は十数年前、十年間ぐらい停滞した時期がございましたが、その後、ふえてございます。
 こんな状況を申し上げて、私の意見といたします。どうもありがとうございました。(拍手)
○西銘委員長 ありがとうございました。
 次に、中川参考人にお願いいたします。
○中川参考人 京都大学の中川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず最初に、この法案につきましては、リニア中央新幹線の整備促進のためということを念頭に置いてというふうに伺っております。
 まず、リニア中央新幹線の効果等につきましては、今、森地先生の方からお話がありましたので、それについては私の方からは割愛させていただこうというふうに思います。
 この新幹線といいますかリニアですが、もともとは全国の新幹線鉄道網計画の中の基本計画路線であった中央新幹線というものを具体的に実現するという方向で今動いているわけでございますが、この全国の新幹線鉄道網というのは一九七〇年代の初めごろに計画をされたものでありまして、そのときに、全国を網羅する計画が立てられました。
 その中で、整備計画路線と基本計画路線とに分かれたわけですけれども、いまだに、整備計画路線すら、いつになったら全部できるのかということも定かではないような状況に終わっている。計画策定から四十年以上たっていますけれども、まだいつできるのかもわからない。それから、基本計画路線に至っては、ほとんど手つかずであるという状況がずっと続いてきたわけでございます。
 その中にあって、この中央新幹線は、もともと基本計画路線であったわけですけれども、それが整備計画路線となり、民間企業がそれを担うということによってようやく進み始めているという状況でございますので、これは新しい方式として非常に注目するべきであると思いますし、今回の法案によってさらにそれが促進されていくということであれば、それは、国民に早く便益をもたらすという意味でも、大変効果のあることだというふうに考えます。
 国が定めた基本的な計画であります整備新幹線及び基本計画路線の全国ネットワーク、なかなか進んでおりませんでして、日本よりも後に高速鉄道の整備を開始したフランスやドイツ、あるいは何十年もおくれて新幹線整備に取り組み始めた中国などが国全体の計画をほぼ達成しつつあるような状況にあるのに対して、日本は、四十年以上前につくった計画のまだ半分もできていない、こういう状況になっていまして、そういう意味では、高速鉄道整備においてかなりおくれをとり始めている状況にすらあるというふうに言わざるを得ない状況となっています。
 こういう交通整備に関しましては、早く開業して早く国民が利用できるようにする、これがやはり最も効率的でもあり、理論的に見てもよい方向であるというふうに言えます。よく、BバイC、費用便益分析というようなことも言われますけれども、便益の計算は、当然ですけれども、開業したときから計算をするということで、これは、計算するかどうかにかかわらず、国民に便益がもたらされるのは開業してからでございます。ということは、つくり始めてから開業まで何年もかけるということは非常にマイナスであるということで、一刻も早くこれをつくるべきである、これがやはり目指すべき方向であるというふうに思います。
 さらに、このリニアに関して考えれば、現在の状況ですと、名古屋まででとまっている状況が十八年間続きそうである、こういう状況にあります。これはつまり、東京の皆さんが京都、大阪へ来られるときに名古屋で乗りかえなければいけない、この期間が十八年間も続くということになってしまいそうである、そういう状況である。行きも帰りも乗りかえなければいけない、こういうことでございます。我々が東京へ来るときにも乗りかえなければいけないということでございます。
 これを、さまざまな工夫によって整備を促進をして、何とか十八年が十年になるように、こういう工夫に向かって進んでおられるようですので、これはやはり、国民から見ても、毎日の日々の行動から見ても、少しでも早くつながるようにするということを目指すのは、政策的に見ても当然であるというふうに思います。
 民間企業がしておられる事業であるという位置づけではありますが、単に民間企業のプロジェクトを助けるという意味ではなくて、このように国民に対して便益がもたらされるプロジェクトであるということから、少しでも早く国民にそういった便利さを提供する、そういう意味も持っていると思いますので、やはり国として政策的に取り組むべき課題であるというふうに思います。
 最初に申し上げましたように、全国の新幹線鉄道の計画というのは非常におくれてきていました。先ほど森地先生の方からもお話がありましたように、できてきた新幹線は全て高く評価をされているにもかかわらず、着工のときには大変批判的な論調のみが先行してきたのがこれまででした。
 例えば、北陸新幹線、九州新幹線、非常に歓迎をされて、経済の効果も大きく、順調に運営しているわけですけれども、着工のときの新聞等の論調によると、赤字垂れ流しの新幹線とか、空気を運ぶような新幹線とか、無駄な公共事業の代表とか、こういうように言われてきたわけです。今現在、北陸新幹線や九州新幹線が赤字を垂れ流しているわけでは全くありませんでして、もともと、やはりそういうことに対して科学的にしっかり計算をして、この社会にもたらす大きな効果を評価していれば、全国にこういった高速鉄道ネットワークを早くつくっていくということの重要性がわかるというふうに思います。
 日本の新幹線技術は言うまでもなく世界最高水準であるというふうに思いますけれども、その一方で、財源が非常に乏しい状況で、新幹線に使われている財源は、公共事業費のわずか一%しか使われていません。これは、何十年もわずか一%しか使われていないという状況が続いてきておりますので、国が本腰を入れて行っているプロジェクトとは決して言えないぐらいの財源しかないような状況が続いてきています。
 ぜひ、日本の高い鉄道技術力を早く国民に便益として還元できるようにするためにも、やはりしっかりとした財源及び政策が必要だというふうに思います。
 そういう意味で、今回のことについては、新しい整備のための財源スキームのチャネルに向かっての改善だというふうにも捉えることができますので、その方向に向けてぜひ高速鉄道を整備していくべきであるというふうに考えます。
 以上でございます。ありがとうございました。(拍手)
○西銘委員長 ありがとうございました。
 次に、竹内参考人にお願いいたします。
○竹内参考人 東京女子大学の竹内と申します。
 このたびは、こういう機会をお与えくださいまして、どうもありがとうございます。
 座ったままで失礼いたします。
 お手元に資料がございますけれども、時間も余りございませんので、かいつまんでお話をさせていただきたいと思います。
 最初に、リニアの新幹線の前倒しの意義ということで一番目に書いております。
 やはり、一番最初に東海道新幹線が建設されたときもかなり根強い反対論があったというふうに聞いております。理由としては、これからは自動車の時代になるにもかかわらず、旧態依然に鉄道を整備していいのか、そういう話があったということを聞いていますけれども、実際には、つくっていた結果、非常に多くの交通量を運ぶことができて、経済に非常に貢献したということがございます。これは非常にいい参考事例であって、今後の教訓としても少し調べておく必要があるのではないかということも考えております。
 それに関係すれば、やはり、あのときにもし東海道新幹線がなければどうなったかということを考えると、非常に大変なことになっていたという気がするわけですが、そういうことを考えますと、今回も、あのときつくっておけばよかったなというようなことにならないようにしておかなければいけない。
 とりわけ、日本は国力がこれからそれほど急激に伸びるとはどうも思えそうもない。少子高齢化ということが言われますけれども、そういう状況下においては、だんだん使える資源が少なくなってくる。福祉の予算とか、それから高齢者の方々へそういう資金を大変使わなきゃいけない。ということになってまいりますと、今のうちといいますか、なるべく余裕があるうちにつくっておかなければ、行く行くはそれができなくなる可能性がある。そういうことから考えましても、今までの計画どおりいくということの保証はありません。そういう点で考えていく必要があるんじゃないかと思います。
 さらに、建設を一旦名古屋で終えて、その後しばらくお休みをしてという方針に今なっておりますけれども、やはり経済はダイナミックでございますので、一旦名古屋でとまると、そこでまた企業とか人々は新たな立地を考えるわけです。その間が長くなればなるほど、そこで根づいてしまうといいますか、そこに合った立地行動をとりますので、しばらくたってから大阪になると、そこで改めてもう一度、立地、さまざまなビジネスのやり方をまたやり直さなきゃいけない。これは非常に大きな無駄になるわけですから、なるべくその期間を短くすればするほど、臨機応変に企業も活動ができるという点もあるかと思います。
 それから、これもよく言われることですけれども、東京、名古屋、それから大阪、これらがおよそ一時間で結ばれるということになりますと、これは一つの大きな都市圏になるということで、国際競争力の形成という点でも早くしておかないと、アジアの国々の伸びが非常に著しいわけですから、それに対抗するためにもなるべく早く対応する必要があるというふうに考えております。
 それに加えて、最近、インバウンドのお客様が非常に多くなってきた。そういうお客様を運ぶ受け皿としても非常に大きな機能を果たすことは間違いないところであるかと思います。
 とりわけ、ゴールデンルートということで、東京―大阪間は非常に大きなお客様方が流れます。そういうことも考えますと、より一層、特に小委員会のとき以上に急激にお客さんの伸びがふえていますから、そういう意味でも大事ではないかというふうに考えます。
 それで、今回の法案で、いわゆる鉄道・運輸機構、こういうように呼ばせてもらいますけれども、それを利用する理由について二番目に書いております。非常に優秀な技術者集団であるということ、そこがモニタリングができるということ、これが極めて価値が高いことでありまして、せっかくこういういい組織があるのにこれを使わないのはもったいないと思っておりますので、やはりそこを経由して資源を活用することは望ましいことであるというふうに考えております。
 今回もし仮にこういう一連の法律改正になったときの話として、国の姿勢ということですけれども、言わずもがなであるかもしれませんが、昔ありました国鉄時代のいわゆる我田引鉄と呼ばれていたような、そういう国の介入を極力避けるべきではないか。それが結局一つの理由となって国鉄民営化もあったということもあります。
 それに関連して、結局、JR東海の経営の自主性の確保という点が非常に大きいことになってくるかと思います。やはり、もう既に純粋な民間企業であるということを念頭に置いて、財政投融資にかかわる話もそれを前提に考えていかなくてはいけないということになるのかと思います。ですから、前倒しにしているんだから、あれをしなきゃいけない、これをしなきゃいけないというようなことはしてはいけないことではないかというふうに考えております。
 とはいえ、モニタリングだけは重要なことでありますから、やはりしっかりと鉄道・運輸機構がJR東海の建設の経過についてはチェックをしていく、そういうことはもちろん必要であると思います。
 また、JR東海の方も、財政投融資を使えるということになりますと、株主と利用者だけではなくて、やはり国民がかかわってくることになりますから、そういう点で、常に、国民に対して接しているんだ、そういう意識を持って対応していく必要があります。
 それから、もちろん、JR東海というのはリニア中央新幹線あるいは東海道新幹線だけを持っているわけではありませんから、地方交通に対する配慮も、あくまで経営の自主性というその前提のもとにおいてではありますけれども、考えていっていただきたいというふうに考えております。
 それで、私は、ちょっと申しおくれましたけれども、交通政策審議会の方のリニア中央新幹線を考えるときの小委員会に参加していた身でありますけれども、そこにおきまして、費用便益分析を使って、与えられた資源のもとで最大の効果を出す、そういうプロジェクトを選んだつもりでございます。それから、空間的応用一般均衡分析を使って、地域における便益がどう発生するのかということも検証し、あるいは、当然、環境に関する配慮、安全性に対する配慮、それも含めて考えてきたということで、恐らく委員のメンバーの方々はその結果においては自信を持っていらっしゃると思います。
 ただ、それ以降、もう数年たっております。その間にも、アジア諸国の発展も含めて非常に大きく環境が変わってきております。そういう意味からいいますと、絶えず外的な環境をチェックしていくということが大事であって、外的環境が変わっている中で小委員会での結論がそのまま維持されることもなかなかない。常にそれをチェックしていくということが必要だと思います。
 具体的には、建設費用の話もそうですし、それからインバウンドのお客さんがどう変わるかということも大事ですし、そういうさまざまなことを考えますと、そういうことについてチェックを図っていくということが非常に大事であるというふうに考えております。
 それから、最後になりますけれども、このことで大阪までの開業が早まることになりますと、当然、関西の経済圏に大きい影響力が及ぶということになります。したがいまして、関西の経済界の方々は、もう言わずもがなかもしれませんけれども、早期開業をただひたすら待つということではなくて、これまで以上に、今も大変努力していらっしゃることは十分私も理解しておるのでございますけれども、早期開業により一層対応して、経済効果を最大限発揮できるような、そういう体制を早くとっていただきたいというふうに考えております。
 私からは、以上でございます。(拍手)
○西銘委員長 ありがとうございました。
 次に、橋山参考人にお願いいたします。
○橋山参考人 橋山でございます。
 交通政策とか交通インフラに対して御見識の高い先生方の前でこういう私見を申し上げる機会を与えていただいて、大変光栄に思います。御礼を申し上げます。
 私は、きょうの問題、ちょっと今回の法案の改正について重点があるのかどうかということについてはわかりませんでしたけれども、そこだけの問題ではなくて、リニア計画そのものについて私の考え方を申し上げて、それで、最後に自分なりの政策論を申し上げて御参考にしていただくと大変うれしいと思いまして、参りました。
 そもそも、今、三人の参考人の意見にありましたように、非常に明るい成功したプロジェクトも日本には大変あります。最も成功したのは、私は確かに東海道新幹線だと思っています。あるいは長期経済計画だったら所得倍増政策であったと思います。
 ところが、公共事業とかあるいは国家プロジェクトということになりますと、これは光と影と両方ございます。必ずプラスがあるから我々はやろうではないかという声が出てきて、それで誰がやるかとかいう話になって、政治がかかわって予算をつけて進めるというようなものが多いわけでありますけれども、考えてみますと、過去に国あるいは公共団体が関与して失敗した具体例もたくさんあるわけであります。
 ですから、リニアは、これまで以上に大規模な、九兆円以上のお金をかけて実現したいということで始まろうとしているプロジェクトでありますので、その参考のために過去の例を考えてみますと、失敗したものが結構ございます。
 先生方の御異論もあるかもしれませんが、私は多くの海外とか国内の長期プロジェクトを検証するという研究をやってきた者でございますので、客観的に私が評価したところでは、成田国際空港、それから東京湾横断道路、関空、それから諫早干拓、福島原発、高速増殖炉の「もんじゅ」、こういうものは成功したととても言えないと思います。つまり、今でもその問題を引きずって、国が大変困って検討しておりますけれども、外国でも、例えば超音速機コンコルド、それからチェルノブイリ原発、それから、ドイツは事前にリニア計画を中止いたしました。
 そういうことがございますので、そういう過去の事例から私が考えますと、プロジェクトをやるときに重要な条件があろうかと思います。それは、レールではありませんが、二輪、二つの車がちゃんとあるかどうか、動くかどうかということであります。
 一つは、目的が明確であるかどうかということです。
 目的というのは、国民が本当にそれを欲しているか、それから、大義名分があるか、同意を得ているかということであります。何のためにやるかというホワイでございます。それがまずあって、よし、それでは、そういうプロジェクトはいいではないか、やろうじゃないかと国が決めて、国会が予算をつけるとか法案をつくるとかということになりますと、それはそれで大変大きな一歩であります。
 もう一つは、それが実際にできるかということであります。これは目的に対して手段であります。
 手段というのは、誰がやるかとか、何をやるかとか、どのようにやるかとか、いつやるかとか、そういう、これは五W一Hといいますけれども、五つの、ホワイとかフーとかホエアとかいろいろありますが、それプラス一Hであります。つまり、ハウですね。どのようにやるかということが非常に重要です。つまり、その五つがちゃんとあれば、これは非常に立派なプロジェクトとして遂行され、結果もよし、国民もその公益を大変享受できるということになろうかと思います。
 そこで、私は、これをやるときに考えて、今まで検証してきた結果から、今度の法案が成功するかどうかということを見るのに、全てそれを証明するのは、採算性があるかどうか、それから安全性が確保されているかどうか、それから環境に対する配慮がちゃんとあるかということの三つだと思います。この三つのうち一つでも欠けているプロジェクトは、先ほど申し上げたような失敗に終わっております。
 そこで、リニアについて私は進めたいと思いますけれども、リニアはなぜつくるかということであります。
 初めは、会社の方は、需要がふえてきて輸送能力が足りなくなってきたから、輸送力をふやさなければいけないということを言っておりました。それから、いざ、太平洋の南の方からの大地震、東海道大地震とかいうことがあったときには輸送力が大変麻痺するから日本がおかしくなるということで、代替輸送をちゃんと確保するためなんだ、こうおっしゃっていました。それから三つ目は、これからの時代は高速時代、スピードの時代だ、それがイノベーションの方向だ、こういうことをおっしゃってきましたけれども、これは全て私は真実を語っておらないと思います。
 輸送力の推移を見ていただきますと、そんなにふえておりません。時々ふえたり減ったりということはありますが、確実にふえていくということはとても考えられません。長期でほとんど横ばいに近い傾向であります。これから人口が減る、二十年後には一億人を割るというぐらいのところまで、それから、出張族でもあるサラリーマン、生産年齢人口は約二五%も減るという時代が見えておりますから、その前提で考えますと、この目的は非常に妥当性を欠いておるというふうに思います。
 それから、きょうもお話に出ましたけれども、学者とか政府の方でも、もう一つの理由として、これだけのことをやれば七千万人の巨大メガリージョン、巨大都市圏ができる、こういうことを言っております。これは、ああそうかと思いがちですけれども、現にできております。東京―大阪間の都道府県の人口を足したものがこの数字でありますけれども、現にできております。それを、今度リニアができるから七千万人の巨大都市圏がまたできるんだということは二重計算であります。
 なぜ、そういうことを言って国民がああそうかと思うか。それは、政府も事業主体も国民に情報を開示していないからであります。これが国民的プロジェクトになるのはまことに残念なことで、もっと国民に知ってもらって、国民が、よし、やってくれということになったら、これはまさにプロジェクトとして成功の可能性が非常に高くなると私は思います。
 そこで、国策としてこのリニアを考えてみますと、東京―大阪間だけに全く第三の鉄道、つまり、在来線の狭軌、それから新幹線の広軌をやってきまして、それがほとんどめどがついてきていますが、そこをやっている最中に東京―大阪間にもう一本つくるというのを、全く世界でやっていない、それから実証されていないリニア技術というものを使ってやるんだということを決めたわけです。今回、法案まで出てきているんですけれども、これを国会で法案もつくっておりません、了承もしておりません。閣議決定もしておりません、閣議了解もしておりません。そういうことで、おもしろい、速いからいいじゃないかといってこの事業は認可されました。これは幾ら何でも、もうちょっと国民の声を聞く。
 それから、リニアじゃなくて中央新幹線ということで基本計画に入っていますから、それをやるならばどういう方法がいいか、ハウですね、そのことについても十分検討したかといったら、ほとんどしておりません。先生方はもういろいろなことでそういうことについてはお気づきだと思いますけれども、ドイツなんかは、リニア計画は、これは鉄道ではない、磁気浮上方式基本法というのをちゃんとつくって、別の評価をしてやっていました。結果的にそれは、後で申し上げますが、中止させました。
 こういうことで、日本の政治とか行政の決定プロセスに非常に不健全、不十分なところがあったということは申し上げたいと思います。
 それで、日本列島のど真ん中のところを新幹線が入れないということでつくるということは、全国の高速ネットワークを阻害することになります。つくるなら、私は、在来方法の最新鋭のシステムを入れるということであれば、北から南、東から西、全部日本列島の中央部を通して大きな動脈がさらにできる、こんなにすばらしいことはないと思いますけれども、そういうことになっておりません。
 それで、私はちょっと三人の意見と違うんですが、リニアは東京集中を促進する装置であります。
 つまり、現に東京へ東京へという動きが始まったのは新幹線ができてからであります。それを契機に大阪の大企業は東京にどんどん出てまいりました。それで、なかなか浮上しない。よし、それではといって関西の方々が要求したのは新国際空港であります。関空であります。関空も、御承知のように、急いでたくさんお金をかけてつくりましたけれども、がらがらであります。それで経営がおかしくなって、結局、営業権を売って何とかしなければいけないという事態になっていますから、これが成功というわけにはいきません。
 こういうことを見ると、やはりリニアをやることが、プラスだけではなくて、もう少し慎重に考えて検討して、政策として、国策として、よろしい、それはすばらしいことだということであってほしいと思っております。
 今、責任の所在がどこにあるかということがこれまた不明であります。東電の賠償問題もそうでありますけれども、誰が責任を負うんだ、あるいは、大事故が起こったときに誰の責任になるのか、賠償しろといったら誰がするのか、民間会社と政府との間の協定が決まっていません。法律もありません。そういう段階でやるということは、私は、非常に過去の失敗から学ぶところがまだあるのに、それを、いや、あんなことはもう二度とないよと、いつも日本は、ああいうことは異常なことで、二度とないんだからといって、チェルノブイリの研究もしないし、今の原発の原因もまだわかっていない。
 ですから、そういうことになってはやはりいけないので、その点についても、先生方は、国としてどこまでちゃんと責任を持ってやるかということを決めて進んでいただきたいというふうに私は思っております。
 それから、採算であります。
 採算は、一言で言うと需要があるという前提でやっていますけれども、私はそういうことは考えられません。人口が減る、それから企業が海外に工場をつくるということでありますから、私は、地方はもっともっといろいろ発展していただきたいというのは本当に強く思っていますけれども、そういうことがなくて、またつくれば、はっきり言ったら、心の中では、先生方の中でも、あるいは学者の中でも、本当は一極集中がもっと激しくなるねということを思っておると思います。
 今の傾向から見て、そのことについては逆流だということを、総理大臣でさえ、この前の委員会で、これは地方再生に対する決定的なあれになるということをおっしゃっていますけれども、私は多くの先生方といろいろ話をすることがありますが、その先生方は、いや、あんなことをやっても我々に関係ないよ、東京集中ばかり進んで逆だよということをおっしゃって、本音をお聞きすることが結構ございます。
 ですから、これは国民が、計画自体全体を十分検討して、国会で決めてやるということのプロセスがなかったということが非常に不幸なことだと思います。
 そこで、私は、安全の問題もありますけれども、ちょっと時間がありませんから、財政投入についてどう考えるか、有意性があるかということで私見を述べますと、これは、かつての住宅公団が住宅金融公庫を一緒にやるということと同じであります。それは、いいか悪いかは別にして、財政がそういうところまでやるということは、かつて、九〇年代、日本で大問題になりまして、結局、財政のやることはどこまでにしよう、それからあとは民間にちゃんと責任を持ってやってもらおう、その大きな流れを国として決めたわけでありますが、そういうことをまた逆に崩すことにならないか、官と民との役割分担がまた不明瞭になって問題を起こすことはないかということが一つあります。
 ただ、現在、状況を見ますと、超低利の市場でありますから、本当に三兆円が必要であれば、三兆円はJR東海がみずから民間金融機関から借りることは容易であります。金利だって非常に低いわけです。ましてや、社債を出せばもっと低いわけです。だから、今回、工事費の三分の一に相当する建設工事費を国が出してやらなければそれができないということではないと思います。
 本当に意味があるというならばやっていただいていいと私は思いますけれども、それについて、早くやった方がいいというのはわかりますけれども、速い、一時間で行ける、あるいは時速五百キロの鉄道を早くつくってほしいということをどれだけの国民が望んでおるか、こういうことについても客観的に考えた上で最終的な政策決定をしていただきたい。
 これは、普通の方々、企業人にも一般の国民にもそのことはできません。皆様の政治の次元としてこの問題を率直に受けとめて、今の段階までは来ましたけれども、まだ本格工事は始まっておりません。ただし、いろいろ問題があるということはもう出ておりますから、その問題について、今は、三兆円を出すかどうかというのは、それはやり方はちょっと問題はありますが、やること自体を私はどうということはありませんが、法案を見ますと、このためにと書いてあります。つまり、JR東海の中央新幹線のために、限られた期間ではあるがといって融資をするという法案になっていますから、特定の会社に対する法律改正であります。そういうことは今までほとんどなかったですね。ですから、もしそれを一般化すれば、全国の、今困っておられる四国や北海道のJRとか、あるいは私鉄の会社が、それでは私どもに貸してくださいと言ったときに、超低利で三十年、四十年で貸すかということであります。その問題がありますので、そういうことまで含めてお考えいただきたいと思います。
 今言ったことを簡単に申しますと、リニアは本当に必要かということは、やはりもう少し考えた方がいい。やり出したら、中断とか中止、停止はできません。最後までやりますから、結果はまずかろうとやるということになりますから、そういうことになると、国民的に非常に不幸なことになります。
 それで、最後にドイツの例をちょっと申し上げて終わりにしたいと思います。
 ドイツは、初め、政府が民間会社の計画を認可しました。やってよろしいと。大変意見が出たんですけれども、やってよろしいと言いました。ところが、実験線をいろいろやり始めて、それから実用線に入ろうという作業の段階で、いろいろ状況が変わってきた。国会議員の方が、連邦議会が、これはもう一回再検討する必要があると言って、委員会をつくって精査しました。需要予測が前のとは大分違う、ちゃんとしたものを持ってきたかということがありました。出てきたものが依然として甘い。何だ、こんな需要がハンブルク―ベルリン間にあるかということがありました。コストがどんどん上がってきた。
 それから、これをつくったらEUの鉄道網にどういうプラスがあるか。プラスはありません。在来線に入れません。それから、国際列車が入ってこない、外国へ行けません。そういう、その場限りの分断的な一つのリニアというのは我が国に必要ない、ヨーロッパにも必要ないと言って、今、ヨーロッパの鉄道はみんな、高速ではなくて、重視する要素は安全性、利便性、省エネ性、そういうことをやっております。高速化という追求理念はございません。
 そういうことで、イノベーションというのは、今、自動車もそうですし、飛行機会社、航空機業界もみんな、安全性とか燃費だとか運転性とか、そういうことを重視しています。
 そのことを考えると、私は、ここ一年間ぐらいちょっと待てと。国会の決議で中断する。中断して、先生方がみんな衆知を集めて、この計画は本当に大丈夫か、国民の望むようなものにできるか、どういう問題があるか、それは解決できるかということを検討して、それで、よしとわかったときには、国の責任で、やってよろしい、うまくやれよということをちゃんと筋道を立てるということが政治家の先生方の将来世代に対する本当の責任だというふうに思います。
 以上でございます。(拍手)
○西銘委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
○西銘委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木内均君。
○木内(均)委員 自由民主党、長野県の木内均です。
 それぞれの参考人の皆さんには、大変興味深い御意見の陳述をいただきまして、ありがとうございました。
 限られた時間ですので、私の方からは、森地参考人、そして中川参考人のお二人にお聞きをしたいと思います。
 最初に、中川参考人にお聞きをいたします。
 先ほどの意見陳述の中で、整備新幹線に指定をされていながら遅々として工事が進まないという御指摘がありました。今回の法改正は、JR東海の民間事業でありますリニア中央新幹線に財政投融資資金を投入する仕組みをつくってスピードを速めていくということなんですが、まず、このことに対してどう評価をされているのか、お聞きをいたします。
○中川参考人 整備が促進されるという意味、それから、高い技術力を、その便益を国民に早く還元できるという意味において、大変前向きな改正だというふうに考えています。
○木内(均)委員 ありがとうございます。
 引き続き森地参考人にお聞きをいたします。
 リニア中央新幹線の意義を幾つか取り上げていただきました。一つが日本と地域の活性化ということでありましたが、先ほどの橋山参考人の意見陳述の中でも、東京一極集中が加速化するのではないかという指摘がありました。
 まずは名古屋で一旦とまるわけでありますけれども、全線開通をしたときに、名古屋を中心とした中京圏、そして大阪を中心とした関西圏の役割、あり方というのはどうなっていくのか、まずはリニアとそれから国土計画という観点でお聞きをいたします。
○森地参考人 橋山参考人の、もう既に七千五百万人いるのに二重の議論をしているというお話だったんですが、あくまで一時間圏にという、そういう意図でございます。
 それから、例えば九州で新幹線ができるとき、あるいは高速道路をつくるとき、博多一極集中になるからやめた方がいいという意見を述べる学者が何人かおられました。この議論は、基本的にクローズドの経済をイメージしておられて、もし九州にそういうことをしなければ、いろいろな民間投資は中国地方だとか海外に行くだけで、競争下にあるということをイメージしていない議論でございます。
 したがって、この東京の一極集中論についても同じように考えること、国内の分担と国際的な競争、二つの観点で議論する必要がございます。
 ちょっと長くなって恐縮ですが、東海道新幹線ができるときに、名古屋は没落すると言われていました。現実はそうではありませんでした。それから、大阪が人口減、人口が集中しなくなったのはオイルショックの後でございます。新幹線の影響ではございません。
 恐らく、大阪がそうなったのは、それまで大阪は、泉北ニュータウンとか、高速道路と新幹線を一緒につくるとか、千里ニュータウンとか、東京にないようなやり方を次々やっておられた。これが関西の誇りでもございまして、私も関西人でございます、東京なんて気にもしていない、こういう時代でございました。いつから東京が地震でやられたらそのバックアップをするというような議論になったのか、大変残念でございます。例えば、梅田の北。東京で汐留とかいろいろなことが進展しているのに、一体何年かかってしまったか。合意形成があった、全くできなかった。こんなことがございました。
 それで、大阪と名古屋の分担でございます。
 一つは、一体化して、もう一度大阪は関西圏の中心として集積をすることでございます。
 大阪がなぜ東京に負けたかというと、二次産業が出ていった後、中枢管理機能、情報、金融、こういうところが東京に比べて圧倒的におくれてしまいました。こういう一時間圏になることによって、京都大学とかあるいは大阪大学とか神戸大学とか、こういうところと一緒になって新たな産業をかつてのように生み出す、こういう機能が期待されます。
 名古屋については、文字どおり製造業の中心でございます。これが、中枢管理機能が東京なんかと一体化することによって非常に大きな効果が出る、こう思っております。
○木内(均)委員 ありがとうございます。
 今は名古屋、大阪を中心にお伺いをしましたが、私は長野県ですから、飯田に駅ができる予定です。
 そうなってきますと、甲府、飯田、地方都市にもリニアがとまるようになるんですが、地方都市に対する影響、例えば飯田であれば、飯田市そのもの、飯田圏域に対する影響ということもあるでしょう。それから、今、松本は中央線で結ばれているわけですが、これはもう高速化は限界がありますよね。そうなってくると、飯田より少し距離は離れていますけれども、こういった松本のような地方都市、地方都市といいましても長野県で二番目の都市でありますから、飯田に駅ができることによって、地方都市に駅ができることによってどういうまちづくりが進むというふうに想定をされるのか、お聞きをいたします。
○森地参考人 今までの新幹線は、在来線とつなぐ、在来線の駅に直結させるというところが日本の非常に努力したことでございました。
 今回は、むしろ、高速道路とうまくつないで、より圏域を広げるようなことを考えるべきではないかというふうに考えてございます。身延線ですとか奈良線ですとかあるいは飯田線とか、これももちろん重要ですけれども、高速道路とうまくつなぐことによってうまくいくのではないかと思います。
 それから、新幹線の駅周辺開発、これについて、三週間後、東京で国際会議を私は主催してございますけれども、日本はこれについても、中国、台湾、韓国あるいはヨーロッパと全く違う努力をしてきました。これも、仙台とかあるいは横浜とか大阪のように広域の再開発をしたところ、名古屋とか京都のように駅のところだけやったところ、あるいは地方のようにもう少し小ぢんまりやったところ、いろいろございます。
 地域で影響が非常に及ぶためには、駅周辺開発をどういうことにし、どういう企業、あるいは産業、あるいは人々のいろいろな機能を持ち込むか、このことが大変重要だと思っております。
○木内(均)委員 引き続き森地参考人にお伺いをします。
 私の地元には、東京から近い順に、北陸新幹線の軽井沢駅、そして佐久平駅、上田駅とあります。軽井沢、上田は既存の駅に併設をされた駅なんですが、佐久平というのは田んぼのど真ん中にできた駅でして、佐久の皆さんだけではなくて、本当に広域から来ていただいて、利用していただいています。そういった意味では、新幹線というのがまちづくりの核になった、成功している事例だというふうに私も自負をしております。
 もう一点、景気対策ということにも触れていただきましたが、長野新幹線は、一九九八年冬季オリンピックの前の年に開通をしました。それによって、バブルが崩壊をして日本全国では建設不況と言われているときに、長野はおかげさまでオリンピック景気で持ち直したということもあります。
 ただ、このときは、北高南低と言われていまして、公共事業は長野市を中心とした北部に集中をしていたんですね。今回の飯田というのは長野県の中で南部に当たります。そういった意味では、長野県の南部の皆さんにとっては、このリニア中央新幹線は、ようやく南にもこういう公共投資が始まるんだということで、大きな期待をされているわけです。
 この景気対策について、地方都市に与える影響というものを森地参考人にお聞きをいたします。
○森地参考人 景気対策は二つございまして、移動が起こる、こういうことによる景気浮揚、消費でございます。それから、民間の投資がそこに追随し、それがまたいろいろな消費をもたらす、この二つございます。
 残念ながら、リニア中央新幹線は、JR東海は鉄道の部分だけをやって、都市開発は地方に任す、こういうことになってございまして、ややおくれぎみでございます。ぜひこれをお考えいただくことによって、地域への大きな波及が行くんだろうと思います。
 岐阜羽島はかつて非常に批判をされました。この岐阜羽島は今、ごらんいただきますと、完全な市街地の中でございます。これは何が起こったかというと、当初、区画整理したところが非常に広くて、なかなか誰も来なくて、その後、私鉄も入り、ややスプロール的に広がってしまった、こういうことでございます。新横浜とか、あるいは先ほどお話しの佐久とか、あるいは仙台と少し違うようでございます。
 飯田の場合、地形もございますので、あそこにふさわしいような開発をぜひお考えいただく。それから、飯田だけではなくて、高速道路でつながるようなところについてもぜひそういう戦略をお考えいただきたい、こう思っております。
○木内(均)委員 ありがとうございます。
 中川参考人に最後にお聞きをいたします。
 これは、まず一回名古屋でとまるわけですから、当面のお客さんというのは東京―名古屋間を利用する人がほとんどだと思うんですね。名古屋でわざわざ乗りかえて京都、大阪に行くという人はそんなには多くないと思います。最終的にこれが大阪までつながりますと、一気に東京から大阪に行く皆さんもそこに乗ってくるわけですから、既存の東海道新幹線とのすみ分けというのはどうなっていくのか、お聞きをいたします。
 それと、ちょっと時間もありませんので、あわせてもう一点お聞きをしますが、コストの関係ですけれども、まだこれは先の話ですから、これから建設していく途中で、どんどん技術進歩等、あるいは単価が下がるということによってコストダウンも期待できるのかどうか、お伺いをいたします。
○中川参考人 まず、リニアが東京―名古屋間にのみできているという状況のときに、人々がどのように行動するかということについては、ダイヤとかそういったようなものもわからない状況ではなかなか難しいというふうに思いますけれども、乗りかえにはなるとはいうものの、時間短縮にはなると思いますので、東京から名古屋の間はリニアを利用して、そこから東海道新幹線に乗りかえて関西に行く、こういう行動の方が多いのではないかなというふうに私は見ております。
 並行して走っている東海道新幹線のダイヤがリニア開業後にどのような形になるかということについては、それはまだわからないところでありますので、少しそれに依存するところがあるというふうに思います。
 それも含めまして、まず、乗りかえが名古屋で発生するというような状況になりますと、乗りかえ抵抗というのはやはり相当大きい。利用者にとってみれば、乗りかえはやはり避けたいという行動であります。そういう意味では、例えば飛行機との競争力、ほかの交通モードとの競争力は、やはり乗りかえがあるときとないときとでは相当違います。
 そういう意味では、大阪までつながっているかどうかによって東京―名古屋間の需要などもかなり違ってくるだろう、そういうふうにも考えられますので、できるだけ早い段階で大阪につなげる方が全国のネットワークとしては効率的だというふうに思います。
 また、リニアができた後の東海道新幹線というお話でございますけれども、これは当然、東海道新幹線は活用していくことになるというふうに思います。
 これもダイヤ次第というところはありますけれども、実際に、東海道新幹線の沿線では、静岡ですとか浜松ですとか、リニアが通らないところにも非常に大きな町がございますので、引き続き、便利なダイヤになって、これまでよりもむしろ、そういった中間の都市においては、より便利になるということも考えられます。京都なども、やはり同じような位置づけなのかなというふうに思います。
 そういう意味では、これから利用できる価値というのはさらに高まっていくだろうというふうに思いますので、両立することは可能だというふうに思います。
 あと、コストの面につきましては、これはやはり、最初につくる状況のときには、まだやってみなきゃわからないというか、そういう部分はかなりあると思いますので、現時点で把握できることは少ないかもしれませんけれども、日本の技術力は非常に高いものがありますので、これまでも経験を積むことによってコストダウンを図っていくということは常々行われてきましたので、そういった方向に向けて技術開発が進んでいくものだというふうに思います。
○木内(均)委員 ありがとうございました。
 災害に対する備え、リダンダンシー、多様性、多重性ということは我々は一生懸命考慮をしなければいけないと思っています。やはり、首都直下型、東南海地震が想定をされている中で、東京、大阪を結ぶ主要動脈が今は東海道新幹線しかないわけですから、リニア中央新幹線の建設、さらには北陸新幹線も、今はまだ金沢でとまっておりますけれども、最終的に大阪を目指していく。そういった多様性、多重性という意味でも重要な意味を持っていると思いますので、きょう参考人の皆さんからいただいた御意見を大いに参考にしながら、法案の審議を進めさせていただきたいと思います。
 以上で私の質疑を終わります。ありがとうございました。
○西銘委員長 次に、伊佐進一君。
○伊佐委員 公明党の伊佐進一です。
 本日は、本当に限られた時間の中で、各参考人の先生方には示唆に富んだお話をいただきまして、まことにありがとうございます。
 私も限られた時間ですので、なかなか全員に質問できないかもしれませんけれども、御容赦をいただければというふうに思っております。
 まず、森地参考人に何点かお伺いしたいと思います。
 森地参考人は実用化技術評価委員会の委員長でいらっしゃったということで、私は、子供のころから科学少年で科学が大好きでして、ちっちゃいころに見た本に、当時、リニアモーターカーと言っていましたけれども、こういうものが将来できるんだ、私が大人になったころには、もうリニアモーターカーができて、火星に住んでというような将来像をイメージして育ってまいりまして、いよいよ、その夢の技術、リニアの高速鉄道が実現する、現実のものとなるという段階に来たわけでございます。もちろん、私のように夢だけではなかなか政策にはならないわけで、そんな中で、橋山参考人のまさしくおっしゃるとおりだというふうに思うわけです。
 では、今回、実用化しようという決定をするに当たって、どういう苦労があって、乗り越える壁があって、これをこういう形で乗り越えたから実用化できるんだ、実用化可能なんだということになったかについて、まず伺いたいと思います。
○森地参考人 時間がございませんので、一例だけ挙げたいと思います。
 最終的に結論を出すのを、実は出しませんでした。それは火災対策でございます。
 ほとんど確率はないんですが、飛行機が着陸するときにタイヤがバーストすることがございます。リニアも非常制動をかけたとき同じようなことが起こらないかというような疑問が委員から提出されて、追加実験をいたしました。リニアというのは、走っているときには電力が供給されますが、とまっているときには電力が供給されない。ジェネレーターを先頭車に積むという方式を当初想定しておりました。その状態で万一ぶつかったときに、そこから発火するのではないか、こんな議論もございました。
 先ほど説明を飛ばしましたが、平成二十一年の時点ではもう大丈夫だということで、一応バーストの方は解決をしました。しかしながら、ぶつかる確率というのは、新幹線の例もございますように、ない、何百万分の一というような状態かと思いますが、それでもその後、二十三年の九月に、それ用の集電装置をもう一つつくりました。具体的には、とまったときも電力が供給できるような回路を全路線に引いて電力を供給する、こんなことをいたしております。
 これが一例でございます。
○伊佐委員 こうした科学的なしっかりとした根拠に基づいて、さまざまな試験を繰り返して、これは実用化可能だということになったというふうに理解いたしました。
 では、将来の話ですが、この日本の技術をどうやって海外に売り込んでいくか。新幹線の技術も非常に安全性、信頼性の高い技術で、開業以来、旅客の死傷事故はゼロ、時間のおくれというのも平均遅延時間一分未満というすばらしい技術なわけですが、今、一生懸命世界に売り込もうとして、この前インドに売れたという話がございました。
 この超電導リニアという技術、今回のリニアの技術ですが、これを世界にこれから売り込んでいけるという可能性について伺いたいと思います。
○森地参考人 当初から、JR東海、特に葛西名誉会長は、アメリカのボルティモアに入れようと。特に、アメリカで一番鉄道が頻繁に運行されているのはノースイーストコリドー、ワシントン―ニューヨーク―ボストンの間でございます。その第一号としてボルティモアに入れるということで、これも、三週間後に京都でも国際会議がございまして、海外で新幹線を入れようとしている要人がみんな集まって、それからドイツからも専門家をお呼びし、韓国からもお呼びして国際会議をやることになってございます。今、フロリダの議論と、テキサス州、それからボルティモア、こういうところで議論が進んでいると聞いてございます。
 問題はコストでございまして、コストをどれぐらいダウンし、在来の鉄道よりもより大きなメリットを見せられるかというところがポイントだろうというふうに理解をしてございます。
○伊佐委員 コストダウンがしっかりこれから進んでいけば、世界にどんどん売り込んでいける可能性があるということでございました。
 世界との競争という中で、さっき中川参考人も触れていらっしゃいましたが、いろいろな各国との競争の中で中国にも追いつかれたということで、確かに日本の政策面、高速鉄道政策のおくれというところが一つの原因だという指摘だというふうに理解しております。
 では、技術的なところで、確かに今、上海にリニアが通っていまして、中国ではリニアを実用化してずっと動かしているわけですが、上海のリニアとの違い、技術的な日本のリニアの優位性というか、そういうものはあるんでしょうか。
○森地参考人 上海のは常電導の浮上方式、JALが昔開発して今名古屋で走っている、これと同じものでございます。一センチ浮上でございます。
 当初から私はJALの方の開発にもお手伝いをしてございましたけれども、当初、日本で、地震国で十センチ浮くということを非常に強調し、それから電力補給をより効率的に行うということで、JR東海がやっている技術の開発が行われたわけでございます。
 そういう意味で、電力を接触式で補給するのか、非接触で電力補給をするのかというところと、浮上のボリューム、一センチか十センチか、この違いが一番大きいものでございます。
 それから、コストダウンについては二種類ございまして、コイルの大量生産によって明らかにコストダウンが図られる。こういう意味では、世界の市場が広がればコストダウンが図られるということでございます。それからもう一つは、文字どおり技術開発でございまして、今、物すごく低温にしてございますが、ヘリウムを使う低温化を必要としないような超電導物質、こういうものが開発され、使われようとしてございます。こういう意味でのコストダウン。二種類ございます。
 ヘリウムを使わなくて、冷却しなくていいということになりますと、オペレーションコストと建設コスト、両方のダウンにつながると思います。
○伊佐委員 今のところを、済みません、もう一度確認ですけれども、上海の方は接触式で、今回の日本のリニアというのは十センチ浮いていると。
○森地参考人 そうではございません。両方とも浮いているんですが、上海は一センチだけ浮いてございます。中央新幹線の方は十センチ浮いてございます。
 それから、電力補給を、電力線から直接接触して補給しているのが上海でございます。日本の中央新幹線の方は、接触しないで誘導電流で電力を補給する、こういう方式でございます。
○伊佐委員 済みません、技術的な専門の話に入ってくると深みにはまっていきそうなので、この辺にしたいと思いますが、恐らく、私の理解では、日本の方が、例えば風の抵抗であったりとか、それだけで浮けて余り接触していない分、非常に優位性が高いというふうに理解をしております。
 次に、森地参考人とともに竹内参考人、両参考人にお伺いしたいと思うんです。
 竹内参考人が、以前私が記事を読ませていただいた中で、飛行機との関係で、飛行機とは競争し合う関係じゃなくて補完関係だというような記事を拝見いたしました。本日、森地参考人も、資料の中で、羽田空港の国際利用が拡大するというような文言も入っておりまして、説明は時間の関係で詳しくはなかったと思うんです。
 私の理解では、例えば、私の今います大阪と東京の間で六十七分間ということになります。そうすると、飛行機と余り変わらない。それで何が起こるかというと、恐らく、今まで飛行機だけで移動していた人たちがリニアを使うようになる。そうすると、飛行機の便があく。あいたことによって発着便を、例えば伊丹発あるいは羽田発の便を、いろいろな各地方とのつながり、あるいは国際的な都市との便をふやすことができる。そういう意味で国際利用の拡大ということかなと理解したんです。
 そういう点では、今回のリニアというのは、単に東海道あるいは沿線に対する効果だけではなくて、日本全体が大きく変わっていくものなんだということだと思いますが、いかがでしょうか。
○森地参考人 意図はおっしゃるとおりでございます。
 飛行機と在来新幹線は速度が違いますが、広島までで何で半々以上になっているかといいますと、アクセス、飛行場から目的地まで、あるいは自宅から飛行場まで、この時間が大体平均すると四十分でございます。それから、鉄道は行ってすぐ乗れるというイメージなんですが、飛行機は、おくれちゃ大変だというので、平均しますと四十分ぐらい早くお着きになっています。この差がございます。
 したがって、鉄道の遅い部分が飛行機と同じ速度になりますと物すごいメリットが出てまいります。こういうことで、羽田の容量はあいて、これを地方路線とか国際に使える、こういう意図でございました。
○竹内参考人 今おっしゃられたとおりだろうと思います。要するに、飛行機と鉄道の間は、補完と代替、両方あると思うわけです。
 恐らく、実際に東京と大阪がリニアでつながれると、そこにおいては航空はほとんど競争にならない状態ですから、路線撤退することもあるかもしれません。もちろん、そうなると羽田があく。そこで、羽田のあいた枠を十分活用できる。そういう利点は一つあると思うわけです。
 とはいえ、羽田もそれほどたくさんあるわけではありませんから、すぐ枠も埋まってしまうかもしれませんが、そこで一つ、補完という、つまり協調するということで、例えば、なかなか羽田に入ってこられない航空機なんかもあると思うんですけれども、そういうような中国とか韓国からいらっしゃるお客さんたちが、羽田は無理なので、例えば大阪の方とかあるいは名古屋の方に着陸をして、そこからリニアを使うことによって東京に来る。そういうことができるということになりますと、それぞれの地域においてお客さんがおりる。そういう形で、より一層お客さんの利便性が高まるということもあるわけですよね。
 ですから、一つは、そういう代替的で競争し合うことによって、お互い切磋琢磨し合って、よりいいサービスができるといういい点もあるし、また、補完ということから考えますと、例えば、外国からのインバウンドのお客さんをあちこちにおろすことができる、それによって、お互いが協調し合うことによって日本の魅力を高める。だから、両方の点でやはりいい効果が出てくるというふうに考えております。
○伊佐委員 そろそろ時間ですので最後の質問にしたいと思いますが、竹内参考人、引き続き、最後に一問お伺いしたいと思います。
 費用対効果分析というのに少し触れておられました。今回のリニアの費用対効果の分析はどのようなものか、最後に少し紹介いただければと思います。
○竹内参考人 ありがとうございます。
 まさに今の言葉のとおり、費用と効果ということでありますから、ある一定のプロジェクトに投下する資源に対してどれだけの経済効果が出るかということを分析するわけですね。
 したがって、例えば、費用が一に対して経済効果がどれだけあるか、それが二倍あれば二になるわけですし、一・五倍あれば一・五という数字が出るというわけですから、そのプロジェクトを実施していいか悪いかの判断基準は一であるということで、その一よりも大きければ実行する、つまり、投下した資源以上の価値を生み出すということになるわけです。そういう分析を行うのが費用対効果分析あるいは費用便益分析と呼ばれていますけれども、そういうものであります。
 要するに、それを審議会の小委員会で行って、リニア新幹線は、いろいろデータを使って精査した結果、一を上回るものであるという結果、あそこでは建設をしてもよろしい、そういう判断になったということでございます。
○伊佐委員 ありがとうございました。
 費用対効果というコスト・ベネフィットで比較をしたとしても、今回のリニアというのはしっかりとベネフィットの方が高い、一を上回るという分析の結果をお話しいただきました。
 本日、参考人の皆さんにいただいたさまざまな御意見をしっかりと受けとめて、国会審議に役立たせてまいりたいというふうに思っております。
 ありがとうございました。
○西銘委員長 次に、本村賢太郎君。
○本村(賢)委員 民進党の本村賢太郎でございます。
 参考人の先生方には、貴重な意見陳述をいただきまして、本当にありがとうございます。全ての参考人の皆様に御質問していきたいと思っておりますので、できれば答弁は簡潔にお願いしてまいりたいと思います。
 それでは、もともと、リニア中央新幹線の計画は、民間会社であるJR東海が経費を全額負担するということで進んできた事業だと自覚をしておりますが、この中で、これまで国会での議決を経ずに進めてきたということもございます。
 そこで、まず竹内参考人にお伺いいたしますが、今回のリニア中央新幹線の計画に関して、民間プロジェクトへの財投の投入に対する評価をお伺いしてまいりたいと思います。
○竹内参考人 ありがとうございます。
 やはり、今回、この法案の目玉になっていますけれども、八年間前倒しができるということになります。私、お手元にお配りした資料にも書いてあることではございますけれども、財投を使えばそれが可能になる、今、そういうロジックになっているわけです。
 したがいまして、全体に八年早くそれが回るシナリオになるわけですから、もちろん大阪の開業も早くなるということでありますけれども、それによって、要するに、日本を取り巻くアジア諸国の発展とかに追いついていくためにはやはり一刻を争う必要があるという意味で、早く前倒しをしていくという必然性があると思いますし、あるいは日本全体をリニアによって牽引していく、そういうような意味から早くつくる必要がある。早くつくるためには、資金的な意味で、財投を活用することによってそれが可能になるということですから、今回、こういうような改正の審議になっているふうに私は理解しております。
○本村(賢)委員 引き続き竹内参考人に御質問してまいりますが、財投という公的融資が着実に返済されるための機構の役割、そして介在の意義についてお伺いしたいのと、あわせて、今回、JR東海の経営の自主性は絶対に阻害してはいかぬという御指摘もあったと思いますが、そういう中で、民間プロジェクトとしてのJR東海が有する投資やスケジュールの決定権などの経営の自主性との兼ね合いに対するお考えをお伺いしたいと思います。
○竹内参考人 ありがとうございます。
 まず、鉄道・運輸機構が実際の役割を果たすわけですけれども、財政投融資という形をつくる以上、やはり国が関与することは間違いがないということですから、JR東海がきちんとプロジェクトを実施しているかということのチェックをするために機構の果たす役割は大きいと思うわけです。先ほどもお話ししましたように、非常に高度な鉄道技術を持った集団ですから、やはりそれによって厳格に技術上のチェックもする。もちろん、的確に資金が使われているかということもチェックをする。そういうことにおいて鉄道・運輸機構の果たす役割はかなり大きいと考えております。
 また、それに対して、JR東海の側も、きちんと業務を執行しているということをきちんと鉄道・運輸機構に開陳する、そういうためのいろいろなデータの提供を惜しまずにやって、きちんとした明確な形でプロジェクトが進行していくというふうになると考えておりまして、それを期待しているところであります。
○本村(賢)委員 次に、中川参考人と橋山参考人にお伺いしていきたいと思うんです。
 安倍政権では、東京、名古屋、大阪の三大都市を一時間圏にするリニアを地方創生回廊の軸と位置づけていると認識しておりますけれども、今、日本が直面する大きな課題としては、先ほどから御指摘があります東京一極集中や地方の人口減少という問題がございます。
 リニアを地方創生と結びつけるのに、安倍政権が述べられている地方創生回廊という位置づけに値するのかどうか、お伺いしてまいりたいと思います。
○中川参考人 恐らく、リニアを単体でつくったときに地方創生の議論ができるかというと、必ずしもそうではないと思いますけれども、全国に交通ネットワークを整備して、日本全国に交通ネットワーク整備の恩恵が及ぶような、そういうようなものの中の一つの核としてリニアを捉えるならば、そういう効果もあるというふうに思います。
 交通整備をするとストロー効果と呼ばれるものがあってどこかに吸い取られるというような議論がこれまでにも何度もなされてきましたけれども、実際にはそうではなくて、やはりその沿線地域にはかなりの集積が生まれてきて、そして、便利になったところ、つまり、その沿線だけじゃなくて、その周辺で便利になったところにも効果がもたらされるというようなことで、結局、全国の交通ネットワークの利便性、全体が上がっていくことによって地方にも活力が生み出されてきている、こういう形になっているというふうに思います。
 ですから、仮に東京を中心としたネットワークだけをつくっていくのであれば、東京に一極集中ということにもなる可能性はあるかもしれませんけれども、地方の交通整備も含めてバランスのとれた整備が行われる中で、それが地方にも役立っていく、こういう形になっていくというふうに思っております。
○橋山参考人 ありがとうございます。
 私、先ほどこの問題について少し触れましたけれども、実績から見ますと、東京―大阪間がつながったことによって東京集中が始まった、それからずっとそれが続いております。今回、リニアをつくれば逆流するということは、どう見ても合理的な理由、根拠はないと思いますから、結果的に、いいか悪いかは別にして、東京集中は避けられない。
 それで、国のあり方として、あるいは、人口のそれぞれの配置あるいは密度、地方の活力をどうするかということと関係して、むしろその問題の方を中心にして考えるときに、リニアがいいのか、あるいはない方がいいのか、在来新幹線で、先ほどお話が出てきましたように、松本みたいな重要な都市を回った方がいいのか。
 つまり、全国新幹線鉄道整備法の中に三つ目的を書いています。主要な都市間を有効に連結するというのが一つ。もう一つは、全国に整備新幹線を広げる、拡大するというのがもう一つ、それは当然ですけれども。三番目に、地域振興に資するということが書いてある。この三つに照らしてみても、リニア計画は全く全国新幹線鉄道整備法に該当しておりません。名前だけは入っていますけれども、機能的には全く分断された、一区間、AからBまでの間を行ったり来たりするだけの特殊な、車輪もない、電線もない、運転手もいない、地下を走るという今までにない鉄道であります。富士山も見えません。
 ですから、そういうことを考えますと、地方にそれがどんどん延びるとか、西の方が大阪まで来て、リニアに乗って東京へ来るとかいうことは、極めて少ないと思います。
 今、東海道新幹線を国民は使って、非常に満足を持っていますけれども、年に一・一回しか乗っておりません。でも、これだけ人口がおりますから、あれだけの一日四十五万人が往復していまして、それは、最も世界で成功して、また誇り得る新幹線だと思いますが、もっと東京中心にした方がいいかという、その問題をむしろ、今回のオリンピックのそういう影響がありますけれども、東京を大きくすることが日本にとっていいのかという問題をやはり国の大きな政策として考えていただきたいと私は思っております。
 ですから、私は、大阪がだめだというわけじゃありませんが、新しい交通機関ができれば大阪が復権するんだというようなことは単なる夢でありまして、いや、自分たちはそういうのがなくてもこういうことをするよということをちゃんとやることが地方創生であるし、大阪再生だというふうに思っております。
○本村(賢)委員 次に、森地参考人にお伺いいたします。
 私は地元が、相模原市という、中間駅ができる、神奈川県駅が建設予定でございますけれども、例えば品川―名古屋間だけでも建設残土が五千六百八十万立方メートル出るという話もございますし、大阪への延伸があればさらに建設残土もふえてくるんじゃないかと思いますが、JRが、着工前の環境影響評価の段階では具体的な処分先を示していない点や、さらには、全線開業で最大七十四万キロワットの電力消費が見込まれることから、CO2の排出などのお話や電力の供給の問題などの御指摘も住民の皆様からもいただいているわけであります。
 環境への影響も大きな問題だなと思っておりますが、森地参考人のお考えをお伺いしたいと思います。
○森地参考人 トンネルを掘ったときの土の処分、これは大変頭の痛い問題でございます。特に、外環とかで、最近、天然由来の砒素がまじっていることがございまして、この処理にお金がかかるということと、それから、埋立地が不足している、こんなことがございます。
 ただ、今回やっているところについては、ある程度もう手当てをして、既に土捨て場を契約しているというふうに聞いてございます。全線について手当てできているかどうかは私は知りませんけれども、そんな問題がございます。
 実は、先ほどの実用化評価委員会で、この問題、土砂の問題ですね、捨て土の問題は、技術開発の問題じゃないということの位置づけで、対象とはしておりませんでした、実務上の問題だということで。
 実は、東京地域では、地下鉄あるいはビル事業で出てくる土砂を、しかも各県で処理しなきゃいけない、こういう大変難しい問題を抱えているのは事実でございます。
○本村(賢)委員 次に、竹内参考人にお伺いいたします。
 私、地元が相模原市で、神奈川県駅の建設予定があるんです。また、車両基地の建設予定もあるんですけれども、どうしても、東京、そして名古屋、大阪という三大都市圏が注目されているわけであります。
 リニア新駅を中間駅で迎える地元市として、やはり経済効果というものを非常に期待しているんですけれども、どのようにその点をお考えなのか、お伺いいたします。
○竹内参考人 駅の候補も大体決まっていて、大体どこにあるかも決まっているところではありますけれども、やはり一番需要が高いのは、途中の駅よりは、直行する人たち、東京から名古屋あるいは大阪ということはありますけれども、そういう中で、地域がすごく魅力的な地域をつくることによって、そこにお客さんがおりたくなる、そういうようなまちづくりをやはりしていただきたいと思うわけですね。
 つまり、駅ができれば自動的にお客さんがおりるということではなくて、むしろお客さんがおりたくなるような魅力的な町をつくる。そうすると、おのずとそこに人がおりるわけですから、経済効果も増してくるということもありますので、駅をつくれば自動的にその地域が振興していくということではなくて、むしろ、地元の積極的な働きかけによって経済効果というのは予想される以上にもっと大きいものが出てくると思いますから、そういうような地元の奮闘をお願いしたいというふうには考えています。
○本村(賢)委員 最後の質問にさせていただきますが、全ての参考人に御質問させていただきます。残りは二分でありますので、簡潔にお願いしてまいりたいと思います。
 JR東海は、リニアの採算性、費用対効果についても自信を示されているわけでありますが、先ほどから、東京一極集中や人口減少という大きな問題を抱えております。そういった中で、このリニアの採算性の見通しについてどのようなお考えなのか、お伺いしてまいりたいと思います。
○森地参考人 JR東海の採算性は、リニア単独ではなくて在来新幹線とのセットでお考えになっていて、大丈夫だ、こういうふうに伺ってございます。
○中川参考人 私自身データを使って計算をしたわけではありませんので、確定的なことは言えませんけれども、まず、民間企業がその方向に向かって進んでおられるということから、チェックされているというふうに思います。
 それから、一つだけ、スピードが上がるということは、実は乗務員の効率性等も上がりますので、そういう意味で、長い目で見たときのそういった運営コストの削減等もその採算性の中には見込んでおられるのではないかなというふうには思っております。
○竹内参考人 私、先ほど申し上げましたとおりで、小委員会に委員で入っておりましたものですから、そこで、与えられたデータで収益性について十分検討を行いました。その結果、収益性については問題がないという判断をしたために、委員会ではゴーサインを出したということでございます。
○橋山参考人 需要については、全線開通した場合、東京―大阪間の流動人口は一・三倍ないしは一・五倍というところまで見込まれています。
 それで、今、東海道とリニアと二つの線をつくるわけですから、輸送力は相当ふえます。ですけれども、会社の試算を見ますと、終局的にはリニアに七五%の人が乗る、東海道は二五%ということになっています。これは大変な問題でありまして、現実に国民は乗るだろうか。それだけシフトするということは、結局、同じ会社の二つの路線ですから、内部補助という形で相当いろいろな工作がなされる。それでようやく七五%というから、七五%だったら黒字になる。私は計算はいろいろしましたけれども、今、五〇%移っても赤字であります。
 なぜかというと、巨大な固定投資でありますから、固定投資をやった以上は、幾ら頑張ってもコストは下がりません。だから、収入をふやすしかありませんが、収入がふえるかどうかというと、先ほども申しましたように、幾ら考えてもそんなにふえることはない。
 したがって、先ほどもお話ししましたように、航空について、東京―大阪間の航空は全部ゼロになるという前提でやっています。それはおかしいんじゃないかという意見は、さすがに、審議会でもたったお一人の委員がおっしゃいましたけれども。
 それで、あとは、新規需要がそういうことでふえると。約二十数%の人が、四人に一人が、初めて乗った人が、おもしろいから乗るんだという人がどんどん出てくるからという前提で、今の東海道に比べて一・三倍、多くて一・五倍という需要が見込まれていますけれども、これは幾ら何でも私は信頼性がないと思います。
 それから、採算を決めるのは収入とコストですよ。
○西銘委員長 時間が経過していますので、まとめてください。
○橋山参考人 はい。
 コストは下がりません。なぜかといったら、東京―大阪間を往復するだけで、車両も増産されません。将来延伸するとか、海外でふやすというような量産効果がきかないということから見ますと、コストは下がりません。したがって、非常に厳しい。
 ただ、二路線併営ですから、両者の総合収支で見るのはあってもいいと思いますけれども、本来だったら、これは単独のプロジェクトとして評価すべきであります。世界銀行から借金した東海道新幹線はもちろんそうであります。あらゆることが、黒部ダムでもみんなそうであります。
 これは、事業としてやる場合は当然のことでありますが、今回、コストが上がっていません。これだけ人件費や資材費が上がったりしておりますけれども、工事費が九兆三百億円、全然変わっておりません。
 それから、一三年に、当時の社長は赤字だとおっしゃいました。これは大変なことであります。しかし、それは冗談で言ったわけじゃありません。したがって、本当はこれは難しいという考えが内部にあると私は思います。
 ですけれども、それはその後、何だ、それではおかしい、それでもやるかということを、例えば国土交通省が、そこでもうちょっと、本当に赤字だったら大変だということを指導したかということは何もないように思いますから、これは、民間にやった以上、一切……
○西銘委員長 おまとめをいただきたいと思います。
○橋山参考人 干渉しない、傍観でいいんだというように私には思えて、これはちょっと心配だなという気持ちを持っております。
○本村(賢)委員 時間になりました。
 参考人の先生方、貴重な御意見をいただきましてありがとうございます。しっかり国会審議に生かしてまいりますので、どうぞ、今後ともよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
○西銘委員長 次に、清水忠史君。
○清水委員 日本共産党の清水忠史でございます。
 本日は、法案審議のために四人の参考人の皆様方には国会まで御足労いただき、本当にありがとうございます。
 早速質問をさせていただきたいと思います。
 初めに、橋山参考人にお伺いしたいんです。
 今回、この法案は、全線開業を八年間前倒しするということを目的に三兆円という財政投融資を活用する、そのために独立行政法人鉄運機構にその仕組みを与えるというものであります。先週、私もこの問題を質疑いたしましたけれども、仮に八年前倒しできなくても特に何かおとがめがあるということではなく、工事も、工期の延長だとか、あるいは工事費の増大によっておくれることはあるということを国交省も認めているわけですね。
 今回は、もともと全額自己負担で行うと言っていたリニア事業に公的資金を貸し付けるということでありますので、これは経営支援に当たるのではないかという見方もできるわけですよね。ですから、先ほど橋山参考人が意見陳述で述べられた中で、この財投そのものに有意性、必要性があるのかということについて、もう少し詳しくお聞かせいただけるでしょうか。
○橋山参考人 ありがとうございます。
 財投資金は、もちろん、国が直接一般会計でやれない部分について、国としてやはり進めるべきプロジェクトだと認めた上で財投資金を貸すというのは当然であります。それは現に今までもやってきたし、今でもそういうことでやっているのはあります。
 ただ、今回は、前提が、全部私ども自分でやりますからといって、よし、それだったらよろしい、やりなさいといって認可された事業でありますから、その当時、会社の方は、先生方には申しわけございませんが、お金を国から借りると政治家から介入されるからお断りだとはっきり言っておりました。では、国土交通省はどう言っていたかというと、お金がなくなったら工期を延ばす、中断期間をちゃんと置いて無理がないようにするからそんな心配はない、こうおっしゃっていました。
 つまり、全部そこは、国が関与せずに自分の資力でやるということを前提にここまで来ましたのが、今回、急にこういうことになりましたら、今度は、ありがとうございますと社長はおっしゃっておる。これはどういうことですかということは、誰でも不思議に思います。
 つまり、早くやるためのお金ですから、それは当然、建設資金に使われる。だったら、今は必要ありません。それは、名古屋までできて、その間に環境影響調査とかをやっておいて、それで直ちに借りてやるというのならそれは結構だと思いますけれども、そういう点で、何か今、今年度と来年度で一兆五千億ずつ、三兆円という、これは工事費の三分の一でございますから、大変な国家の支援になる。しかも、超優遇の条件でありますから、これは、なぜそこまでやらなきゃいけないか。
 私はこの際申し上げますけれども、もっと国にとっては重要なことがあります。それは、全国に行っているJR各社の将来であります。きのうも九州が上場しましたけれども、赤字で、北海道、四国が将来どうなるかということはもうわかっています。恐らく、この建設をやれば、その間に、今度はそっちの方がどうにもならぬ。これはやはり、国が責任を持ってそのときにやるべきことは、第二次のJR再編成ということになると思います。そこまで考えてこのリニアの問題をやはり考慮していただきたい、こういうふうに思います。
○清水委員 続きまして、リニアの安全性について、これも橋山参考人にお伺いしたいと思います。
 鉄道というのは、できてから百年以上たつわけで、いわば一つの経験工学だというふうに言われているわけですが、今回は、新たな技術を用いて走らせるということなんですね。やはり考えられるのは、大災害、地震、火災、あるいは停電。活断層の中、南アルプスを突き抜けるわけですから、そうしたことの安全性の検証という点で、本当にリニアは大丈夫かどうかという点について、橋山参考人の御意見を聞かせてください。
○橋山参考人 ありがとうございます。
 安全性は、交通インフラにとっては一番重要な要素であります。これがなかったら、一回でも失敗したらその会社は潰れます。コンコルドもそうですね。そういうことから見まして、失敗は許されません。だから、安全性ということが本当に確認されるためには、つまり、どういう技術を使うかということです。
 東海道新幹線をつくるときに十河総裁とか島技師長なんかが考えたことは、絶対に信頼できる、これまで使って大丈夫だという技術を組み合わせて、それをブラッシュアップしてやるという大方針を堅持しました。それであれだけの立派な新幹線ができて、無事故で今走っているという、これは世界に冠たる偉業だと思いますが、今回の技術はどこもつくっておりません。世界もやっておりません。それから、一緒にやろうという企業も海外にありません。したがって、どう見ても、安全性というものに対しての信頼性が薄い。
 今おっしゃいました地震の問題は、地震があっても、ちゃんと十センチ浮いているから大丈夫だ、そういうことはないんだ、事故もない、大丈夫ですよと会社は言っていますけれども、地割れがしたらどうですか。壁は、車両と外の装置との間がたった十センチしかありません。ちょっと揺れたらがんといきますけれども、地割れで真ん中が割れたらどうしようもありません。
 今回の九州の熊本のあれだけのことを見ましても、とにかく地震対策が急務だと思いますが、それを、大丈夫だという一言で信じてやるということは、私は、地質学者に対して非常に失礼なことだと思う。環境影響評価の中で、本当に奥までやったわけじゃありません。だから、会社の方は、やってみなけりゃわからぬと。ゼネコンの幹部の方々にも私はお会いしましてそういうことを申しますと、いや、やってみなけりゃわからぬね、こういうことですから、これは大変なリスクがあるわけです。しかも、日本で一番危ないという地帯を長く走るルートですから、この問題をやはりもう少し慎重に考えていっていただきたいと思います。
 それでよろしいでしょうか。
○清水委員 ありがとうございます。よくわかりました。
 次に、残土問題、環境にかかわる問題について、これも続いて橋山参考人にお伺いしたいんです。
 残土の二六%しか運び先がまだ決まっていないというふうに言われております。これも大きな問題の一つです。また、例えば沿線住民からは、振動だとか騒音だとか、あるいは日照ですね、本当に、このリニアができることによるさまざまな影響に対して心配されているわけです。
 このリニア中央新幹線の工事がもたらす、いわゆる環境や生活に対する負の部分についてどのようにお感じになられているか、お聞かせください。
○橋山参考人 恐れ入ります。ありがとうございます。
 これは、ちょっと重要な事態が現に今起こっております。残土の処理はどこの都道府県も困っております。しかし、本来考えますと、全部私どもが自分の責任でやりますというプロジェクトでありますから、残土の処分場を見つけてそこで適正な処理をするというのがもちろん含まれているわけですけれども、現に今、都道府県に、その当該する地域にそれをやってほしい、我々は場所を見つけることができないから助けてくれ、あなたに見つけてもらいたいという方向に今行っております。
 つまり、これは本来、国家事業ならば、国から地方公共団体の知事に指示が行って、そういうことは当然やるべきですけれども、民間会社が地方公共団体に、あなたやってくれ、私はできませんからという、これはちょっと、理解が非常に難しい。もう少し、それについても国はちゃんと見識を示して、適正な処理をちゃんとするという責任はあると思います。
 これは、環境大臣の意見の中にもそのことが書いてありますけれども、これが現実に履行されておらない。残念に思います。そこは事実として申し上げたいと思います。
○清水委員 次に、採算性についてもう少し詳しくお聞かせいただきたいと思っておりました。
 需要想定が非常に曖昧ではないかというお話も先ほどありました。東海道新幹線の乗客が移転する、リニア新幹線ができればバス、自動車、航空機からかなり移転するのではないか、あるいは、新たに誘発する新乗客というものがかなりふえるというふうな、この見込みについてお聞かせいただきたい。
 速さというのは確かに魅力なんですが、やはりさまざま、利便性だとか安全性だとか快適性だとか、個人的満足度によって移動手段というのは選ばれるというふうに思うんですが、この需要予測についてどのように思っておられますか。
○橋山参考人 ありがとうございます。
 需要予測は、机の上で簡単につくれるものではございません。つまり、本当に乗りたいという人が定常的に長期にわたってあるかどうかということであります。
 青函トンネルをつくったときにどうだったか。確かに鉄道は走りましたけれども、たった一年で、ぴっと乗って、後はどんどんどんどん下がって、今はもう当時の四割、三分の一ぐらいですね。
 つまり、北陸新幹線も開通しましたけれども、ああいうのを見ましても、ピークは初めにありますけれども、その後、それがどのぐらい続くかということが本当の需要であります。
 ですから、それを問題にすると、新幹線からどれだけのシフトがあるか、それから新しい需要がどれだけふえるかということについては、確たる根拠はありません。ないままに需要予測がなされたというふうに私は思っています。
 採算が合わないというのは、本当にその原因は何かということになりますと、やはりコストが高いということ。コストが高いのはなぜか。それは、リニアと決めたからであります。
 これは、大野耐一さんが、トヨタ生産方式を発明した父でありますけれども、結局、何か結果があったら、その原因は何かというのをどんどん探していって、本当の原因はここにあるということを考えますと、コストが高くなった原因は、リニアという技術をどうしてもとにかく実用化したいんだというところまでどんどんどんどんいっていますから、そのたびにコストは上がってきているわけです。
 ですから、それは自分でやるとおっしゃっているわけだから、そのことについては第三者が申し上げることはないんですけれども、このコストを下げる方法はないわけです。
 公共事業が九兆円でおさまりますか。これには建設中の金利が入っておりません。東海道新幹線の場合は約半分を建設費として内々に確保しておりましたが、今回のは、いつまでたっても、最初から今日まで、計画の最後に、ただし、これには建設中の金利を含まずと書いてあります。こういう長期計画を私は見たことありません。
 これは会社が当然負担することですけれども、そういうことを見ますと、全て、今までとは違った技術、違った考え方でこの計画が進んできた。それで、そういうことに対して、ちょっと待てよということを国土交通省が責任を持って指導したり、勧告したり、そういうことも余りないと私は思いますので、これはやはり、そのままだと、今のいろいろな問題が解消せずに、結果として国民が不幸になるということもあり得る。あるいは、赤字が現実に出てきます。社長自身が赤字になるとおっしゃっていますけれども、東海道新幹線は開業三年目で黒字になりました。ですから、やはりそのくらい確かな計画をつくった上で、やるならやらなければいけないというふうに思っております。
○清水委員 今、コストの話について詳しくお話しいただきました。
 もう一つお伺いさせていただきたいのは、それにかかわるんですけれども、東海道新幹線に比べまして、リニア中央新幹線はかなりの電力を消費するというふうに言われております。省エネ性、経済性、この問題について、同じく橋山参考人の御意見を、恐縮ですが、時間がありませんので端的に聞かせていただければ。
○橋山参考人 電力は確かに使います。約三倍とか三・五倍というふうに会社もはっきり認めております。それは大変な電力ですけれども、これは、時代としては望ましい方向じゃなくて逆方向です。これを何とか、省電力、省エネルギー化の努力をしていただきたい。
 これは当然、新幹線もやってきまして、今、コストが非常に下がっていますけれども、これからリニア技術が発達するかとなると、つまり、競争相手がいませんから、これはいかぬというふうにインセンティブが働きません。だから、競争なきところに技術進歩なしということはよくありますけれども、その点で、量産もできないし、ライバルとか共同研究者がいない、世界じゅう探してもどこもいません。ですから、この点については、私は、非常に楽観できないというふうに思っております。
 鉄道の競争力を決めるのは、JR東海は、リニアをつくればと考えてやっていますけれども、今、世界でリニアを欲している国は一つもございません。先ほど出ました上海の、ドイツからの、急いで万博のために急遽つくったリニアは、一キロ約五十億円です、三十キロですけれども。あのとき、一キロ当たりの建設費が五十億円でつくりましたけれども、今、リニアは二百五億、二百十億円であります。約四倍であります。そういうことを見ますと、いかに高いコストでこれを実現しようとしているかということは十分知った上で、やはりこの計画の評価をすべきだと思います。
○清水委員 時間が参りました。ほかの参考人の皆さんに質疑することができず、大変失礼いたしました。
 きょうお話を聞かせていただきまして、財投やリニアの必要性について国会でさらに慎重に議論をしていきたいというふうに学ばせていただきました。
 きょうはどうもありがとうございました。
○西銘委員長 次に、椎木保君。
○椎木委員 日本維新の会の椎木保です。
 まず、本日は、大変お忙しいところ、限られた時間で大変貴重な意見陳述をいただきまして、ありがとうございます。私が最後の質疑者となりますので、よろしくお願い申し上げます。
 初めに、リニア中央新幹線の全線開業により東京への一極集中が助長されるとの懸念の声もございますが、東京以外の各地域にとってどのような面の効果が生じるとお考えなのか、四人の参考人の皆さんに御意見を頂戴したいと思います。
○森地参考人 先ほど申しましたことと重なりますが、一つは流動、例えば観光とか、いろいろな移動が活発になる、それから、そこにいろいろな投資が起こる、この二つでございます。
 それで、直近で、慶応の吉野教授、経済学部の財政学の先生でございますが、今、アジア開発銀行研究所の所長でございます。この先生が最近、九州新幹線で沿線がいかに税収が上がって効果があったかという論文を書いておられます。九州の鹿児島方のああいうところでも税収が上がっている、こういうことでございます。
 したがって、繰り返しですが、スピルオーバー効果、つまり、東京の地価が上がるから地方に住みたいとか地方に投資したい、こういう効果と、ストロー効果と、二つございます。どっちが大きいかで、ストロー効果が大きい場合には、地域でより努力をしてスピルオーバー効果を大きくする、こういうことでございます。
 当然のことながら、それに成功したところはうまくいきますし、成功しないところはダウンする、こういうことでございます。冒頭申し上げました、都市間競争が、沿線だけではなくて、特にアジアの中で物すごく激化するこういう状況下で、地域でぜひ努力していただきたいと思います。
○中川参考人 地方への効果につきましては、私も最初にお話をさせていただきましたように、全国新幹線鉄道整備法に定められております整備計画や基本計画路線、これをしっかりとつくっていくということがやはり求められていることだと思いますので、四国ですとか山陰ですとか東九州ですとか羽越、奥羽、こういったようなところで、高速鉄道の恩恵がない地域もまだまだあります。
 その中にあって、基本計画路線であるこの中央リニアが進んでいくということは、やはり全国のネットワークを強化していくという方向の一つでもありますので、これだけを進めるのではなくて、さらに全国に向けてのネットワークをしっかり議論する中で位置づけていけば、大きな前進になるというふうに思います。
 それと、先ほどもお話に出ていましたように、大都市圏の空港の容量が少し楽になるということから、これはやはり地方路線などの充実にもつながるというふうに思いますので、さまざまな効果があるというふうに思います。
○竹内参考人 ありがとうございます。
 今先生御指摘のように、東京一極集中とか、あるいは今、森地先生からも御指摘があったストロー効果、やはりそういうことがあることは私は否定できないと思うんですね。やはり地域から、東京あるいは名古屋、大阪も含めてですけれども、集まる可能性はあります。
 ただ、そういうことがあるから、地方にとっては割を食ってしまうから、だからやはりこういうのはやらない方がいいんだということには私はならないと思っています。
 どうしてかといいますと、やはり、先ほど私もちょっと触れましたけれども、要するに、東京と名古屋と大阪が一体化することによって国際競争力を増して、ほかのアジアのさまざまな国々、あるいは世界じゅうの都市と競争していますから、そこで勝ち残っていくということができて初めて、日本の国力が増して、そしてまた経済効果がたくさん日本に入ってくるわけですね。それがあれば、必然的にマクロ的なそういう経済効果が出てくれば、それは地域にとって恩恵があるはずなんです。そういうことをせずに、そのまま何もしないでおくと、もう日本はそのままじり貧で、国際競争力をどんどん落としていって、その結果、国力、経済的なメリット、便益が全く受けられなくなると、それは本当に地方にとってはもっと悲惨なことになる。
 ですから、私は、そういうことを考えますと、そういうもっと長期的な、もっと幅広い展望に立って、日本全体が競争に勝っていくとそれが地方にも及ぶんだ、やはりそういう認識を持って事に当たるべきではないかというふうに考えております。
○橋山参考人 ありがとうございます。
 私は、この問題で一番重要なのは目的だと思います。何でも、国がかかわってプロジェクトをやろう、公共事業であろうと半官半民でやろう、あるいは特殊法人でやろうという場合でも、何のためにやるかということを考えて、よし、それだったらこういう方法がいいねと決めるのが本来のやり方でありまして、今回は、リニアを実現したいというところしか目的として残っておりません。東京―大阪間にリニアをつくれば、多くの人が北海道から九州からどんどん移住してきてあそこに大都市ができるんだ、あるいは、飯田を中心に大研究都市が、国際都市ができるんだというようなことはないと思いますね。
 現に、私は、鉄道というのは、本来の鉄道のように、人がいるところ、人が住んでいるところを、ちゃんとお客さんに乗っていただくために、少しは曲がっても行くというのが本来の鉄道と思っています。そんなことは関係ないというので、名古屋―大阪だけを直線で結ぶという計画を初めから決めて、ああそうか、それではそこは動かせないねということで真っすぐな線を引いたら、駅が途中に一県一駅というのはとんでもないところになるわけですね。
 そういうことだと、これは地域の振興には全く関係なく、しようがないから、県知事から言われたから一つだけつくりましょう、そのかわり、とまるだけですけれども、駅の施設は全部地元でつくってくださいよという、そこまでおっしゃっているわけだから、これは本当に、地域とか地域の住民、地域振興、そういうことについては全く考慮しないというか無視して、従来の考え方をやろうとしているというプロジェクトにしか見えません。
 ですから、東京集中は私は進むと思います。それがいいか悪いかは大変議論があるところでありますけれども、それこそ日本国民がみんなで決めることでありまして、やはり、それは政治が、私が先ほど申しましたように、JR各社の長距離都市間交通をどうするかという大きな問題を決めて、それで、中央も確かに必要だね、これはやはりなるべく早くつくった方がいいねということであったら、それでは、どういう方法を選べばいいかと。
 代替案があって当然でありますが、私も審議会は随分傍聴しました。二十回のうち十八回傍聴しましたけれども、その議論はありません。はっきり言って、新幹線とリニアを比較したという表現がありますけれども、在来新幹線は、経済性とか、定刻どおりに走っているとか、それから電気が少ない、省エネ性だとか、それから建設費が安いとかいうことははるかに高いけれども、リニアについては、高速性があるからリニアが適当であるというようなことで答申がなされております。
 つまり、ほかのものは新幹線に比べて劣るけれども、たった一つ、ずば抜けて速いからこれがいいという結論で、大臣は判こを押したわけです。これは、国民とか政治家の皆さんの判断であったか。私は、それは全くなかったと思う。プロセスで何のあれもありません。国会の先生方がそれを議論したこともありません。判断されたこともありません。
 ですから、今日、その問題が出てきたときに、その問題を微修正できるかとか、あるいは大幅に変えることができるか、そういうことを、やはりもう一度先生方が、じっくり、頭を冷静にして、それから自分の利害関係とか、与党、野党の関係を外して、国民のための長距離鉄道、高速鉄道はどうあるべきかということを御検討いただいて、それでリニア計画についての具体的な結論を出される、そのためには、一時中断させる。
 それで、会社の考え方、本当に赤字と言っているんですから、だったら、なぜこうなっているんだということを、経営者に来ていただいて、むしろ、私どもじゃなくてそういうトップの方々に来ていただいたりして、実際のところを確認して御判断をいただきたい、それが私が望むところであります。
○椎木委員 次の質問とさせていただきます。
 次の質問は、森地参考人、中川参考人、竹内参考人の三名にお願いしたいと思います。
 今般の、財投の措置により全線開業が最大八年間前倒しされる、この意義について、それぞれ参考人の御意見をいただければと思います。
○森地参考人 先ほど申しましたように、名古屋までの時間短縮よりも大阪までの時間短縮が当然大きいわけでございます。しかも、大阪まで速く行けるということは、より広域のところに便益が及ぶわけでございます。乗りかえ抵抗というのがございますので、なるべく長距離でリニアで行けて、そこから新幹線に乗り継ぐというのは当然の議論だろうと思います。
 以上でございます。
○中川参考人 これも先ほども申し上げさせていただきましたように、やはり乗りかえなければいけない期間が十八年も続くというのは、考えただけでも大変だなということはわかると思いますし、需要予測などの中でも乗りかえ抵抗というのはかなり大きく考えなければいけないことですので、名古屋まででとまっている時期が長いと需要の面でもリスクは高まっているということで、一刻も早く大阪までつなげるということによって全体の効果が高まるというふうに考えます。
○竹内参考人 ありがとうございます。
 先ほど少し触れましたけれども、やはり八年というのは短いようでかなり長い期間ということだと思います。ですので、やはりこの期間をそのまま放置しておくというのは極めてもったいない。我々の学問の世界では機会費用という言い方をしますけれども、機会費用が非常に莫大である。そういう無駄遣いをする余裕というのはやはり今の日本にはないと思うわけですね。
 ですから、そういう意味からいって、八年前倒しすることによって、特に、先ほど申し上げましたけれども、なるべくまだ余裕があるうちにやっておかないと、八年後はどうなるかわからないということもあります。
 だから、そういうようなこともありますし、それから、経済効果をなるべく早く発生させることによって周辺の国々との国家間の競争、国際競争に勝っていく、そういう前向きの姿勢でやっていくためには、八年間前倒しをしてやることには十分意義があるというふうに考えております。
○椎木委員 竹内参考人にもう一点ちょっとお聞きしたいんですけれども、今回のリニア中央新幹線が大阪まで全線開業した場合と名古屋までの開業の場合の経済効果というのはどのぐらい違うという御認識なのか、お聞きしたいと思います。
○竹内参考人 ちょっと今、具体的な数字を持っていないので、難しいところであります。ですから、定性的なお話にならざるを得ないんですけれども、やはり名古屋で一旦とまって、そこでしばらくお休みをして、そしてしばらくたってから大阪というよりは、なるべくその間が短くて開業した方が経済効果はかなり高くなるというふうに考えています。
 先ほど触れましたとおりで、一旦名古屋でとまると、やはりビジネスというのはそこである一つのビジネスの形態をつくる。具体的には、立地行動、オフィスをどこにつくるかとか、どれだけそこに長い間居つくかということですけれども、それを、オフィスとか、一旦落ちついたものを引っぺがしてまた大阪まで持っていくということがあるとするならば、それはやはり大きな無駄にもなるわけです。
 そういう意味からいうと、機動的に対応できるように名古屋と大阪の開業の期間を極力短くするということによって効果はより一層高まるというふうに私は考えています。
○椎木委員 若干時間を残していますけれども、以上で私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○西銘委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。
 この際、参考人の方々に一言申し上げます。
 本日は、貴重な御意見を賜りまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。
 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時三十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○西銘委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 午前に引き続き、内閣提出、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省国土政策局長藤井健君、道路局長石川雄一君、鉄道局長奥田哲也君、航空局長佐藤善信君及び財務省理財局次長北村信君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西銘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○西銘委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中谷真一君。
○中谷(真)委員 自民党の中谷真一でございます。
 本日は、私は、このリニアの沿線ということもありまして、甲府駅が私の選挙区でありまして、そういうこともあって質問の機会をいただけたんだというふうに思います。委員長、先生方、本日この質問の機会をいただきましたことに対しまして、まずは心から御礼を申し上げたいと思います。
 時間も二十分と限られていますので、早速質問に移りたいというふうに思います。
 このリニアは、我々山梨県民にとっては夢であります。これは品川から甲府まで十五分と言われています。今は、新宿から「あずさ」に乗って甲府まで行くのに一時間半かかります。これはもう革命であります。十五分というと、品川―新宿と一緒ですから。品川―新宿より近いかもしれないというぐらいなんです。これは我々が想像していないことが起きる可能性があるというふうに思っています。そういう意味では、これを何とか早くなし遂げて、そして、私のところでは甲府という地域の地方創生という形で発展を願うところであります。
 また、今度、品川と大阪までつなぐことができれば、約一時間でここがつながるわけであります。これは物すごいことであります。一時間といったら東京都内を移動するようなものでありまして、これが大阪まで行けるというものであります。
 私は思うんですけれども、発展というのは、結びつくことによって発展していくというものであります。まさに、これは結びつけるための大きな大きなプロジェクトであります。七千五百万人が一時間以内のところで生活することができるというものでありまして、これは日本にとっても大きな力になっていく。
 我々は、東京対名古屋対大阪みたいな話じゃないんですよ、世界と戦っていかなきゃいかぬわけですよ。北京だったりロンドンだったりニューヨークだったり、こういう世界の都市と戦っていくときに、私は、このリニアが日本の発展を手助けし、そして国際競争力をつけ、他の追随を許さない、そういった国になっていくというふうに思っております。そういう意味では、何とかこのリニアを早くなし遂げていかなければいけないというふうに思っております。
 今回、財政投融資三兆円を入れることによって、これは東京、名古屋をつなぐその後の話でありますけれども、ここから十八年間かけて今度は大阪に延伸していくという話であります。これだと非常に時間がかかり過ぎるというものであります。特に、八年間は工事も何もできない期間があったというものであります。
 では、この期間を短縮するために、今回、財投三兆円をJRに融資するということでありますけれども、ここで詳しく説明していただきたいというふうに思います。三兆円入れることによってなぜ八年間前倒しすることができるのかというところを、国土交通省からお答えいただきたいと思います。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 リニア中央新幹線につきましては、従来の計画によりますと、JR東海は、平成三十九年の品川―名古屋間開業後、経営体力を回復させるために、工事を行わない八年間の期間を経た上で、名古屋―大阪間の工事に着手することといたしておりました。
 今般の措置は、財投の長期、固定、低利の貸し付けによりまして、この八年間の経営体力回復期間をなくし、品川―名古屋間開業後、連続して、名古屋―大阪間の工事に速やかに着手することで、全線開業の前倒しを図るものでございます。
 具体的には、品川―名古屋間の工事に充てるために調達が必要と見込まれております三兆円について、一括で貸し付けが行われることによりまして、JR東海は、金利変動リスクや、多額の資金需要に対応できないという資金調達リスクを回避することができるわけでございます。
 これによりまして、八年間の経営体力回復期間をなくし、全線開業までの期間を最大八年間前倒しすることを目指すことが可能になるというものでございます。
○中谷(真)委員 ありがとうございます。
 今おっしゃったように、この三兆円を今やることによって、最大八年間、大阪までつなぐのが前倒しできるというものであります。
 これは別に、公共事業といっても、使ってしまうというお金ではなくて、貸し付けですからね。これは返ってくるものであります。そういう意味では、ここで国としてお金を貸すことによって八年間も前倒しできるというのは非常に大きな効果だというふうに僕は思います。
 それで、その効果についてちょっとお伺いをしたいんです。
 今、三兆円の財投をやるというときに、何で今なんだと言われる方々がおられます。何で今やる必要があるんだ、これは経済対策なのであって、リニアは東京―名古屋間が十一年後ですから、十一年後にきいてくることじゃないか、今やる必要があるのかということを言われる方がおられます。
 ただ、これは、私は、今やるメリットというのはあると思うんですよね、大きなメリットが。今の金利の環境を生かすとか、そういうことがあると思います。
 八年間前倒しすることによって得ることができる経済的効果というものを国土交通省が試算されているのであれば、ぜひ教えていただきたいと思います。お願いします。
○石井国務大臣 六月一日の総理会見におきまして、現下のゼロ金利環境を最大限に生かし、未来を見据えた民間投資を大胆に喚起します、新たな低利貸付制度によって二十一世紀型のインフラを整備しますとの御発言がございました。また、七月十一日の総理会見におきまして、現下のゼロ金利環境を最大限に生かし、財政投融資を積極的に活用しますとの御発言があったところでございます。
 今般の措置は、現下の極めて低い金利環境を活用いたしまして、財投の長期、固定、低利の貸し付けを行うことによりまして、八年間の経営体力回復期間をなくし、品川―名古屋間開業後、連続して、名古屋―大阪間の工事に速やかに着手することで、全線開業の前倒しを図るものでございます。
 なお、交通政策審議会におきましては東京―大阪間の経済効果しか試算をされておりませんが、その後、国土交通省におきまして、平成二十六年に、国土形成計画の調査の一環として、最新のデータを用いて改めて経済効果の試算をしております。これによりますと、あくまで参考値ではございますが、二〇四五年の全国合計の生産額増加が、東京―名古屋間のみが開業している場合においては年間五千二百億円、東京―大阪間が全線開業した場合において年間八千八百億円とされております。
 したがいまして、この数値を前提とすれば、その差額である年間三千六百億円の生産額の増大が八年早くあらわれるというふうに考えております。
○中谷(真)委員 三千六百億掛ける八ですから、これは非常に大きな経済効果だと思います。これは投資してなくなるというものではなくて、返ってくる話でありますから、私は、これは国として非常にいい政策だというふうに思います。
 また、今じゃなきゃだめなんですね。ゼロ金利環境というか、この環境を最大限生かすという意味でも、私は、今回、今ここでやっておくべきだ。この後ではできない可能性もあります、金利によっては。ですから、今やるべきだというふうに思います。まさに今大臣がお答えになったとおりだというふうに思います。
 ただ、メリットに対して、やはりデメリットを言われる方々もおられます。そこで、それについて質問をしたいというふうに思います。
 財投でやっていくんですけれども、新聞によっては、実態は国民の借金だと書いたりとかするんですね。そんなはずはない、違うんだ、貸し付けて返ってきますから。これに対して、さらに言う人は、返ってこないんじゃないか、だからそれは国民がかぶるんだみたいな、そういうふうな論調もあるんです。
 そこで、私がお伺いしたいのは、今までも財政投融資をやってきたと思います、その財政投融資で回収できなかったケースがあるのかというところを財務省にお伺いしたいと思います。
○北村政府参考人 お答えいたします。
 過去、財政融資資金が貸し倒れ、回収できなかった例はございません。
 財政投融資計画の編成に当たりましては、財投機関の財務の健全性の確認や、融資対象事業のプロジェクトの政策的意義、実現可能性等を厳正に審査しておりますほか、貸し付け後も事業の進捗状況等について財投機関にモニタリングを行っております。また、実地監査により、財務の健全性、資金の適正な執行等についてモニタリングを行い、償還確実性の確保を図っているところでございます。
 今後とも、編成過程での厳格な審査や、貸し付け後の適切なモニタリングや実地監査を通じて、償還確実性の確保を図ってまいりたいと存じます。
○中谷(真)委員 ありがとうございます。
 今、論調として、返ってこなくて国民の借金になるとかということを言う人がいるんですよ。ですから、今までそんなこともないし、今回の貸し付けについてもしっかり精査してやっているんだというところを、私は政府としてしっかり発信していただきたいというふうに思います。
 実態は国民の借金とかと書くんですけれども、わざとミスリードしているんじゃないか、理解しようとしないのか。僕は、そうではないんだ、これは借金ではない、あくまでも貸し付けである、ここの部分をぜひ強く発信していただきたいと思います。そして、国民の皆さんの不安をしっかり払拭していただきたいというふうに思います。
 さらに、通常、国が貸し付けをしなかった場合については、銀行とかからJRさんは借り入れをする予定だったというふうに思います。ただ、今回、国がやるということでありまして、民業圧迫じゃないかということを言っている方々もおられます。
 これに対して、財務省、よろしくお願いします。
○北村政府参考人 お答えいたします。
 リニア中央新幹線につきましては、現下の低金利状況を生かし、長期、固定、低利の財政投融資を活用することによって、建設主体であるJR東海の資金調達リスクや金利変動リスクが軽減され、これによって全線開業を最大八年間前倒しすることが可能となるものでございます。
 民間の金融機関において、財投と同様の長期、固定、低利の条件で三兆円という資金を融資することは困難と考えられますので、民業圧迫といった御批判は当たらないものと考えております。
○中谷(真)委員 民間にできないことであるから今回国がやるものであるということで、これは民業圧迫に当たらないというところは、私もそのとおりだというふうに思います。
 私は、このリニアの議論は、リニアをやるかやらないかという議論じゃない、これはやるんだ、やって、この国の将来をしっかりつくっていくんだというものだと思います。ただ、どうやるかという議論だというふうに思います。そういう意味では、今回の三兆円の財政投融資がいかにこのリニア建設に大きなメリットを与えるかということがわかったんだというふうに私は思います。ぜひやっていただきたいと思います。
 私、今回、甲府が駅だということで、地元のことをちょっと申し上げたいと思います。
 私の地元から強い要望がありまして、二〇二〇年までに、これはオリンピックに間に合わすという意味ですけれども、品川と甲府で部分開通したらどうだと。これは山梨県民みんなが言っているんです。ぜひ部分開通して、そしてオリンピックで世界から来た人たちにリニアに乗ってもらって、そして富士山に行ってもらう。ただ、残念ながら、甲府駅からは富士山は見えないんですけれども。おりていただいて、ちょっと行けば見えますから。今、そういう要望が非常に強くあります。
 前回の東京オリンピック大会に新幹線は間に合わせたんですよ。私は、日本の国力をもってすればそれは可能だというふうに思います。
 これに対して、国土交通省さんから見解をいただきたいと思います。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 リニア中央新幹線の品川―名古屋間の工事完了時期につきましては、平成二十六年に認可をいたしました工事実施計画におきまして、平成三十九年、二〇二七年とされているところは先生御案内かと存じます。
 同区間の工事につきまして、このうち品川駅につきましては、現在走行している新幹線の直下にリニアの新駅を整備するもので、新幹線の走行に影響を与えないなど、わずかな地盤の沈下などにも注意しながら行ってまいります極めて慎重な工事になりますため、工期が約十二年程度と見込まれております。
 また、品川―名古屋間を走行いたします車両は、品川―甲府間にございます車両基地で日常のメンテナンスが行われるわけでございますが、部品交換等の修繕は岐阜の車両工場で行われることになっております。このため、部分開業する場合でも、車両基地に加えまして車両工場など、開業のための関連施設もセットで整備する必要がございます。
 オリンピックに合わせて外国の皆さんにリニアの技術を見ていただくという御趣旨、大変私どもも賛同いたすところでございますけれども、これらの点を踏まえますと、二〇二〇年までの部分開業は、お尋ねいただいて大変恐縮でございますが、難しいものと承知をいたしているところでございます。
○中谷(真)委員 難しいことはよくわかりましたが、引き続き求めていきたいというふうに思います。
 さらにいろいろお伺いをしたいというふうに思います。
 私の地元の甲府駅というのがあるんですけれども、甲府駅の周辺は川が走っていたりということで、水につからないように護岸工事をやらなきゃいけない。また、駅周辺というのは、今、実は田んぼであります。いわゆる農地であります。この農地を農転したりとか、土地の利用を変えたりとか、そして、いわゆる都市計画をつくったりとかということをやっていかなきゃいけない。
 また、きょう午前中、森地先生が言っておられましたけれども、高速道路と駅をつなぐとか、こういうことは地元がやっていかなきゃいけないことだというふうに思います。ただ、これは国の事業とあわせてやっていかなければいけないというものでありまして、最大限その経済効果を高めるには、ここは、国と駅ができる自治体が一緒になって計画を練って、いわゆる駅周辺インフラも、制度設計もあわせてやっていかなければいけないというふうに思います。
 これについて、国土交通省さん、今、どういう枠組みでやろうとされているのかというところがあれば、ぜひ教えていただきたいと思います。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、リニア中央新幹線の経済効果をより高めるために、例えば、駅を抱えます自治体の方々との協力体制は大変重要であるというふうに思っております。
 交通政策審議会の答申におきましても、中央新幹線の整備は、三大都市圏間及び三大都市圏へのアクセスの利便性を飛躍的に向上させ、地域の活性化をもたらす可能性がある、中央新幹線の開業を見据え、旅客及び時代のニーズを踏まえ、地域特性を生かした産業や観光の振興など、地域独自の魅力を発揮する地域づくりを戦略的に実施していくことが極めて重要であるというふうに指摘をされております。
 こういった中で、私どもといたしましては、新幹線の例でいいますと、北陸新幹線につきまして、整備主体であります鉄道・運輸機構でありますとか鉄道事業者とともに、例えば富山駅前の駅前広場整備でありますとか、まちづくりに一緒に協力して取り組んだ事例がございます。
 現在のところ、リニアの沿線で具体のプロジェクトはまだ承知をいたしておりませんけれども、リニア中央新幹線の整備に当たりましても、こういった過去の新幹線整備の際の経験も生かしながら、駅周辺のまちづくりでありますとか既存の交通機関とのアクセスなど、さらに地域が活性化するよう、地域の取り組みに対し必要な支援をさせていただきたいというふうに思っております。
○中谷(真)委員 ありがとうございます。
 これは非常に重要なことだと思うんですね。これは、ただ通すだけではなくて、駅ができたところとか、こういったところに経済的効果をもたらすということでありますから、今までの整備新幹線の例がありますので、それを踏襲するか、またさらにバージョンアップして、ぜひ当該自治体と一緒になってやっていただきたいというふうに思います。
 このリニアは、必ず私は日本の今後の将来をしっかりつくっていくその大きな原動力になると信じております。一刻も早い東京から大阪までの開通を心から祈るものであります。
 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございました。終わります。
○西銘委員長 次に、中川康洋君。
○中川(康)委員 公明党の中川康洋でございます。
 きょうは、法案の審議ということで、細かく六点にわたってコンパクトに質問をさせていただきたいと思っておりますので、石井大臣以下、皆様大変にお世話になりますけれども、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 最初に、今回の財投活用の目的及び期待できる効果についてお伺いをしたいと思います。
 現在、JR東海が建設主体として整備を進めているリニア中央新幹線につきましては、本年八月に閣議決定をされました未来への投資を実現する経済対策において、まさしくこの財政投融資を財源にした貸し付けを活用することで、その全線開業を最大で八年前倒しするということが示されたものでございます。
 私は、地元がまさしく三重県でございまして、県議時代からリニアの建設促進議連に加入をし、活動を行ってまいりました。その立場からも、今回の決定というのは大変に喜ばしいものであり、地元にとりましても今後の活動に大きな弾みがつくというふうに思っております。
 そこで、初めに確認的にお伺いをいたしますが、今回のリニア建設における財政投融資の活用の目的及び今回の決定により期待できる効果について、国土交通大臣にお伺いをしたいと思います。
○石井国務大臣 リニア中央新幹線の全線開業によりまして、東京、名古屋、大阪の三大都市圏が一時間で結ばれ、人口七千万人の巨大な都市圏が形成をされます。また、我が国の国土構造が大きく変革をされまして、国際競争力の向上が図られるとともに、その成長力が全国に波及し、日本経済全体を発展させるというふうに考えております。
 具体的には、三大都市圏の利便性が高まることに加えまして、西日本と名古屋圏や東京圏との間、また東日本と名古屋圏や大阪圏との間など、三大都市圏と国内各地との移動時間が短縮をされまして、三大都市圏へのアクセスの利便性が飛躍的に向上し、地域の活性化、地方創生に貢献する可能性が高まります。
 このリニア中央新幹線の従来の計画では、JR東海は、平成三十九年の品川―名古屋間開業後、経営体力を回復させるため、工事を行わない八年間の期間を経た上で、名古屋―大阪間の工事に着手することとしておりました。
 今般の措置は、全線開業の効果を早期に発現することを政策目的といたしまして、財政投融資の長期、固定、低利の貸し付けによりまして、八年間の経営体力回復期間をなくし、品川―名古屋間開業後、連続して、名古屋―大阪間の工事に速やかに着手することで、全線開業の前倒しを図るものでございます。
○中川(康)委員 ありがとうございました。
 先ほど大臣から非常に丁寧な御説明をいただいたというふうに思っております。やはり、今回のリニア中央新幹線は、東京―大阪間がつながってこそ大きな意味を持ちますし、三大都市圏だけではなくて、そこからの大きな波及効果もあるというふうに私も思っております。
 私どもの三重県も、名古屋からのいわゆる地方都市でございますが、その効果を発現させながら、三重県がしっかりと盛り上がっていくような、そういった方向に持っていきたいというふうに思っております。
 続きまして、今回、鉄道・運輸機構、これを活用するということでございますが、この意味についてお伺いをいたします。
 御存じのとおり、JR東海は民間企業でございます。本来、民間企業に長期の事業資金を供給する政府の金融機関としては日本政策投資銀行が考えられるわけでございますけれども、今回は、その形はとらずに、法律改正をした上で、国交省所管の鉄道・運輸機構、これを真ん中に挟む形でのスキームというふうになりました。
 そこで、お伺いをしますが、今回のリニア建設におけるJR東海への貸し付けについて、鉄道・運輸機構を活用する意味について、その内容をお教え願いたいと思います。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の財投貸し付けにおきましては、JR東海の償還確実性に係る審査を行うとともに、財投資金を貸し付けた後に、定期的に工事の進捗状況でありますとかJR東海の財務状況の把握及び確認を行い、円滑な工事の実施や償還確実性の確保を図ることが必要となってまいります。
 この点に関しましては、鉄道・運輸機構は、鉄道施設の整備促進のための支援を総合的かつ効率的に行うことを目的としておりまして、鉄道建設に関する技術、工程管理に関する知見が十二分に蓄積されております。また、鉄道事業に対する補助事業等も行っております。この鉄道・運輸機構において、貸付審査及びその貸し付け後のモニタリングを行うことがこういった理由から適当であると考えたものでありまして、今回、鉄道・運輸機構を活用させていただくというものでございます。
○中川(康)委員 ありがとうございました。
 今回、法律改正を伴わないと鉄道・運輸機構というのは活用ができないわけですけれども、それを行うほどの知見がそこにあり、そしてモニタリングを行うにも非常に適した機構であるというところの御説明をいただいたというふうにも思っております。
 では、続きまして、今回のこの貸付額の根拠について、改めて確認をさせていただきたいと思います。
 今回の鉄道・運輸機構を通す形での貸付額、これは平成二十八年度の補正予算で一・五兆円、さらには二十九年度本予算で、まだこれは予定ですけれども一・五兆円の、計三兆円の貸し付けを行うというふうに伺っております。
 この貸付額三兆円の根拠について、改めてここでお教えを願いたいと思います。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 現在進めております品川―名古屋間の工事に要する事業費でございますが、これは約五・五兆円でございます。このうち、JR東海の自己資金として二・五兆円、すなわち、残りの三兆円について借り入れが必要と見込まれております。この三兆円を財投の長期、固定、低利の条件で貸し付けることとしたものでございます。
 これによりまして、JR東海においては、名古屋開業後、連続して、名古屋―大阪間の工事に速やかに着手できることとなり、この結果、全線開業を最大八年前倒しすることが可能と見込まれることから、貸付額を三兆円とさせていただいたものでございます。
○中川(康)委員 ありがとうございました。
 この額の根拠についても確認をしておくことは必要かなというふうに思ったわけでございます。
 この全線開業八年前倒しというところで、額が少な過ぎてもいけない、しかし、国民の皆さんから批判を受けるような、額を盛り過ぎてもいけないような状況があるわけでございます。しっかりとしたその額の根拠というのを国会の審議の中で示していただくことによって、そして、それを適正に鉄道・運輸機構を通す形で貸し付けを行い、それを適正にモニタリングしていただく、そういった方向をよろしくお願いしたいというふうに思います。
 続きまして、ここの部分は、私、今回のこの法律案においてしっかり聞かせていただきたいというふうに思っておるわけでございますが、名古屋―大阪間の沿線自治体の今回の決定における反応について確認をさせていただきたいと思っております。
 私は、先ほども申し上げたとおり、地元が三重県でございまして、県議会議員の時代からずっとリニア議連に参画をし、運動をしてまいりました。さらには、国会の方に参りましても、国会におけるリニア議連の方でも活動をさせていただいております。
 県議時代のリニア議連で、そのころ、といってもつい最近までですけれども、主張していたのが、名古屋以西の沿線自治体においては、名古屋―大阪間のリニア同時開業ということを運動の一つの核にしていたというふうに認識をしております。
 今回、財政投融資の活用により、リニアの全線開業が最大八年前倒しをされるという中で、沿線自治体の特に三重、奈良、大阪は、これまでの同時開業という主張から早期開業へと運動の言いぶりを変更するとともに、この内容によって、今後は具体的な運動を展開していくことが可能になったのではないかなと思っております。
 そこで、お伺いをしますが、今回の財政投融資の活用でリニア全線開業を最大で八年前倒しする方向が示されたことに対して、名古屋―大阪間の沿線自治体の特に首長の皆さんは具体的にどのような反応を示されておるのか、その辺のところを御紹介いただきたいというふうに思います。
○末松副大臣 お答えさせていただきます。
 今般、現下の低金利状況を生かし、長期、固定、低利の財投を活用することにより、名古屋開業後、連続して、名古屋―大阪間の工事に速やかに着手し、全線開業までの期間を最大八年間前倒しすることを目指していくことといたしております。
 今般の措置の決定について、各沿線自治体からは歓迎する旨の表明がなされていると承知をいたしております。
 具体的には、愛知県知事からは、早期全線開通は大変望ましいことであり、歓迎をしたい、三重県知事からは、総理から最大八年の開業前倒しを表明いただき、うれしく思う、奈良県知事からは、財投措置の決定を歓迎する、大阪府知事からは、地元関西としても、政府、JR東海と課題を共有しながら、官民一体で最大限の協力ができるよう検討するとの発言があったと承知をいたしております。
 国土交通省といたしましては、各地域の声も踏まえまして、全線開業の最大八年間前倒しの実現に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○中川(康)委員 ありがとうございます。
 このリニアの建設はJR東海が主体的に行うものでありますけれども、やはり地方自治体、特に沿線自治体の皆さんの思いも酌みながらどう進めていくかということが大変に重要なわけでございます。
 当然、JR東海さんの判断ですから、八年の体力回復期間、ここはやはりいたし方ないという思いもどこかにありながら、しかし、東京―名古屋で分断されてしまうんじゃないかという名古屋以西の自治体の思いというのを今回の決断というのは大きく酌んでいただいた、それがそれぞれの、愛知も含めての各自治体の声として今出てきているのではないかなというふうに思っております。
 私も、三重県で鈴木知事に会うたびに、このリニアの、当時は同時開業という話でしたけれども、何度も何度も聞かせていただいて、そしてともに頑張っていきたいという思いを共有しておりました。そういった意味においては、今回のこの法律案というのは、可決されれば本当に名古屋以西において大きな弾みがつくものであるというふうに私は思っておりますので、国交省といたしましても、その思いを感じていただきながら、JR東海さんとともにまた運動を進めていっていただきたいというふうに思います。
 その上で、今、自治体の声を紹介いただきましたけれども、今後の名古屋以西における環境影響評価の着手について、ちょっと先の長い話ではありますが、確認をさせていただきたいと思っております。
 名古屋以西の沿線自治体にとってこれからの取り組みで大事になってくることの一つが、いわゆるリニアの中間駅の確定と、まだ少し先ですけれども、中間駅を中心としたまちづくりやその駅へのアクセスをどうしていくのか、こういった部分になってくるというふうに思っております。
 この中間駅の確定については、これまでの東京―名古屋間の手続を見ると、基本的には、リニアの事業着手前に行われる環境影響評価、この作業の中で決まってきておるというふうに認識をしております。今後、名古屋以西の沿線自治体が、この中間駅を中心としたまちづくりや、その駅への在来線のアクセス、こういった問題を主体的かつ具体的に進めていくためには、駅の確定も含めた環境影響評価を遅滞なく適時適切に行っていくこと、これが大変に重要になってくるというふうに思いますが、国交省の御見解をお伺いさせていただきます。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 リニア中央新幹線におけます環境影響評価の手続につきましては、事業主体でございますJR東海において、アセス後の工事工程や社内における実施体制などを勘案し、その判断に基づき行われていくものというふうに考えております。
 名古屋以西の環境影響評価の時期につきましては、JR東海は、社長会見などで、名古屋―大阪間の工事の着手のめどが立った段階で、その工事に着手する約四年前に手続を開始し、品川―名古屋間完成後、速やかに大阪までの工事に着手することを目指すとしております。
 国土交通省といたしましては、このように、品川―名古屋間の完成後、速やかに大阪までの工事着手が行われるよう、アセスに対するJR東海の取り組みがなされるものというふうに考えております。
○中川(康)委員 ありがとうございました。
 このアセスについては、鉄道局と都市局さんの中で進められていくものであるというふうに思っております。気持ち的には早くという思いをここで申し上げたいわけですが、既に言ってしまっておりますけれども、きょうは、適時適切に進めていっていただく、このことが大事であるというふうに思っておりますので、その点について、またよろしくお願いをいたします。
 最後、ちょっとリニアとは関係ないJRの問題、非常に具体的、細かい話になりますが、一点お伺いをさせていただきたいと思っております。
 具体的には、JR線におけるICカードの使用不可区間の対応、特に、途中まではICカードが使えるけれども、その線の最後の駅までは対応していないJR線、こういったものがあるわけですが、この対応についてお伺いをさせていただきたいと思っております。
 きょう、私はICカードを二つ持ってまいりまして、地元でよく使っているPiTaPaと首都圏でよく使うSuicaでございます。これが、以前はその地域でしか使えなかったわけですけれども、今、相互利用が可能になりました。そういった意味においては、まだ使えないところもありますけれども、非常に利便性が高まって、私も相互利用が始まったことは非常にいいなというふうに思っております。
 しかし、残念ながら、まだJR線において使用不可区間というのがございます。
 一つ例を申し上げますと、私の地元のJR関西線というのがございます。これは名古屋から亀山までの路線で、その路線を走る多くの列車は名古屋発亀山行きでございます。しかし、この関西線では、途中駅であります四日市の駅まではICカード対応の改札があるわけでございますけれども、それより以西の駅では、終着駅の亀山駅を含めてICカードの機械は設置をされておりません。
 そこで、実際にお客さんが利用するとどのようなことが起きるかといいますと、このような状況がわからずに名古屋駅で普通にICカードで入場したお客さんが、四日市までであれば普通におりられるわけですけれども、仮に亀山駅でおりた場合どうなるのかというと、当然ICカードではこの駅は出られないために、改めて名古屋から亀山までの運賃をその場で現金で支払うことになります。
 そして、そのお客さんは、その後、亀山駅で、自分が持っているICカードの名古屋での入場記録の取り消しをお願いするわけですけれども、何と、この取り消しは亀山駅ではできないということで、後日、ICカードに対応する端末が設置されている例えば名古屋駅とか四日市駅まで行って、取り消し処理をみずから行わなければいけない、こういった状況が生じております。
 確かに、地方においては、いまだICカードに全路線が対応していないところもございます。ここはちょっと今回はおいておきます。
 しかし、私が今例に申し上げたとおり、途中までICカードに対応しているわけですが、それで乗ってしまうわけです。けれども、その後が無理だという部分においては、その利便性、さらには地方創生の視点、さらには地方への人流、誘客の促進の観点からも、こういった状況を早期に解消させるべきであるというふうに思っております。
 言いかえれば、本来、切符を購入する手間が省け利便性が非常に高いICカードが、地方においては、その設備投資が進んでいないためにかえって不便な状況をお客さんにつくり出してしまっている。このような状況は早急に解消させるべきであるというふうに思っておりますが、国交省のお考えを確認させていただきたいと思います。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のICカードの利用可能範囲の拡大は大変重要な課題であるというふうに認識をいたしております。
 現在、JR各社では、都市部を中心に交通系ICカード導入を進めているところでございますが、いわゆる地方の路線などではいまだ導入されていない区間がございます。
 御地元における大変な御不便を今お伺いしたところでございますけれども、交通系ICカードの導入は、利用者の利便性向上に資するのみならず、加えまして、地方創生や訪日外国人旅行者を初めとする観光客の来訪促進につながる重要な取り組みであるというふうに認識をいたしております。
 交通系ICカードの導入範囲の拡大につきましては、新たに設備の導入や維持管理に係る費用が生じることから、利用客数や旅客流動を考慮して鉄道事業者が判断するものと認識をいたしておりますが、利用者利便の向上はもちろん、先ほど申し上げました地域創生でありますとか外国人旅行客の来訪促進にもつながるという観点から、鉄道事業者に対しまして、その導入促進につき、引き続き適切に働きかけをさせていただきたいというふうに思っております。
○中川(康)委員 ありがとうございました。
 非常に細かい話なのかもしれないんですけれども、やはりこれから地方創生をどう進めていくのか。ただでさえ地方に誘客が進まない中で、その一つの突破口として、このICカードの相互利用というのは大きく前に前進をしたわけでございます。
 既に、国交省の方としても、訪日外国人の旅行者受け入れの補助金において、確かにICカードのシステムを入れることに対しての補助金というのはメニューとしてはございます。しかし、このメニューは、その路線において全くそのシステムがないところについて補助金は出すけれども、途中までの路線で整備されているところについては補助対象外になっているわけでございます。
 私は、今一番不便な状況をつくり出しているのは、その状況がわかり得ずに乗ってしまって、そして、出たときにはそのシステムがないという、ここをどう解消するのか。これがこれからの地方創生、さらには訪日客がさらに地方にふえてくる、こういった状況をつくり出すその一助にもなるというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 リニアにつきましては、公明党は、安全という視点をしっかりと確保しながら、利便性の向上、ここについて頑張ってまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 以上で質問を終わります。大変にありがとうございました。
○西銘委員長 次に、黒岩宇洋君。
○黒岩委員 民進党の黒岩宇洋でございます。
 私は新潟県選出でございますので、前のお二人とは違いまして、このリニア新幹線、直接効果は薄いと思いますけれども、我が党といたしましては、政策提言の中でも、この東京―大阪間の早期開通を図るということをしっかり明記しておりますので、この鉄運機構法の改正案については賛同する立場で質問をしてまいりたいと思っております。
 賛同する立場ということですので、質問はちょっとしづらいんですけれども、いろいろな懸念の声が出てきている部分につきまして、一つ一つ確認をさせていただきたいと思っております。
 今回、三兆円という非常に多額な財投を投入するということなんですけれども、やはり、いかに公益性があるとはいえ、巨大な民間企業の資産形成に、間接的とはいえ国が融資をするということについて、いかがなものか、こういった御懸念があるんですけれども、この点についてどうお答えになられるのか、大臣にお答えいただいてよろしいでしょうか。
○石井国務大臣 リニア中央新幹線の全線開業によりまして、東京、名古屋、大阪の三大都市圏が一時間で結ばれ、人口七千万人の巨大な都市圏が形成されます。また、我が国の国土構造が大きく変革され、国際競争力の向上が図られるとともに、その成長力が全国に波及し、日本経済全体を発展させるというふうに考えております。
 具体的には、西日本と名古屋圏や東京圏との間、また東日本と名古屋圏や大阪圏との間など、三大都市圏と国内各地との移動時間が短縮され、三大都市圏へのアクセスの利便性が飛躍的に向上し、地域の活性化をもたらす可能性が高いものと考えております。
 このリニア中央新幹線の従来の計画では、JR東海は、平成三十九年の品川―名古屋間の開業の後、経営体力を回復させるために、工事を行わない八年間の期間を経た上で、名古屋―大阪間の工事に着手することとしておりました。
 今般の措置は、全線開業の効果を早期に発現させることを政策目的といたしまして、財政投融資の長期、固定、低利の貸し付けによりまして、八年間の経営体力回復期間をなくし、品川―名古屋間開業後、連続して、名古屋―大阪間の工事に速やかに着手することによりまして、リニアの全線開業の前倒しを図るものでございます。
○黒岩委員 この意義と目的について丁寧にお話しいただきました。
 確かに、先ほど申し上げたとおり、公益性というものを我々も十分に認識しております。ただ、これがまた、安易に対象が広がるというようなことがないか、こういう懸念でございますので、この点については、大臣の方でもまた御認識をしていただければと思っております。
 それでは、第二点、これも懸念の内容でありますけれども、JR東海は、本来、自己資金でこのリニア新幹線を建設していくという、すなわち市中から借り入れをしようということになっておったわけです。今回、この財投資金を使うことによって、長期、低利、固定ということで、利子負担が大変軽減される。
 負担軽減の部分というのは、考え方によりますと、これは国からの補助という考え方になるのではないか、こういう懸念があるんですけれども、この点についてどうお考えなのか、お答えいただきたいですし、その差額というものがわかるようでしたら、教えていただければ非常にイメージしやすいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の貸し付けは、JR東海の事業遂行能力を前提として、長期、固定、低利の貸し付けを行うことによりまして開業効果を早期に発現させることを政策目的として行うものでございまして、JR東海の経営支援を目的とするものではないというふうに考えております。
 これによりまして、JR東海は、品川―名古屋間開業後、名古屋―大阪間の工事に速やかに着手するということにしておりまして、大阪までの全線開業を前倒しすることが可能となるものでございます。
 また、貸し付けた財投資金につきましては、JR東海より利払いも行われ、元金も全額償還されるものでございまして、JR東海による自己負担の原則を変えるものではなく、経営支援を目的とするといったようなものではないということについて御理解を賜れればと思います。
 あと、お尋ねがありました利息の件でございます。
 この件につきましては、交通政策審議会において行われましたJR東海の財務的事業遂行能力の検証の議論におきましては、リニア中央新幹線の建設に係るJR東海の金利負担のみを切り出した議論はなされてこなかったところでございますが、このたび、財投借り入れが行われたケースについて、金利を全て〇・六%とするなど一定の仮定を置いた上で、JR東海における長期債務残高の推移についてシミュレーションを行ったところでございます。
 品川―名古屋間の着工から全線前倒し開業が見込まれるまでの期間、平成二十六年から平成四十九年について、交通政策審議会で検証された当初ケースにつき、各年度の長期債務残高に想定金利三%を掛けた額を足し合わせる方法により算出したJR東海の会社全体に生じる金利負担、リニア建設にかかわるもののみではありませんが、会社全体に生じる金利負担額と今回のシミュレーションで算出した会社全体の支払い金利額とを比較いたしますと、交通政策審議会で検証された当初ケースで約二・四兆円、それから、財投活用により全線開業八年前倒しを行うケースで一・九兆円ということでございまして、その差を申し上げれば約五千億円ということになるわけでございます。
 いずれにいたしましても、貸し付けた財投資金は、JR東海より利払いも行われ、元金も全額償還されるものであり、JR東海による自己負担の原則を変えるものではなく、経営支援を目的とするものではないということについて御理解を賜れればというふうに思っております。
○黒岩委員 済みません、局長、今、ちょっと早口で聞こえづらかったんですけれども、二・四兆円と一・九兆円で、五千億円の違いということですか。
○西銘委員長 奥田鉄道局長、ゆっくり答えてください。
○奥田政府参考人 済みません、ちょっと滑舌が悪くて失礼いたしました。
 もう一度御説明いたしますと、交通政策審議会で検証された当初ケースについて、品川―名古屋間の着工から全線前倒し開業が見込まれるまでの期間、平成二十六年から四十九年につきまして、利息負担二・四兆円。今回、シミュレーションいたしましたケース、その期間につきましては、三兆円分、〇・六%の資金が入っております。残りの民間資金三%の利率でございますが、それで計算しますと一・九兆円ということになりまして、その差額が五千億円になるということでございます。
 失礼しました。
○黒岩委員 そうですね、経営支援ではないという主張、これは一定程度うなずくんですけれども、やはり金利の軽減負担が約五千億円あるということですので、これはJR東海にとっては非常に魅力的な話であるということがイメージできたと思います。
 そこで、BバイC、費用対効果の観点で、やはりこの五千億に対しての経済効果というところなんですけれども、先ほど石井大臣もお答えになっておられましたけれども、ただこれは、何年前倒しになるかという時間軸が必要になってきます。
 そして、今、八年前倒しという、経営体力回復期間の前倒しということで、これは決して工期の前倒しではありませんので、本当に、八年前倒しというのはかけ声としては非常にすばらしいんですけれども、専門家などに聞くと、現実には、難工事とかがあって、実際に工期の短縮という意味では難しいところもある、そういった御提言も、また御指摘もいただいております。
 大臣にお聞きしたいんですけれども、八年前倒しというのは本当に可能なことなんでしょうか。
○石井国務大臣 当初、JR東海は、品川―名古屋間が開業した後、経営体力を回復するために八年間工事を実施せずに、八年たった後から名古屋―大阪間の工事を開始するという計画でございましたが、経営体力回復期間、この八年間を前倒しするということによりまして、最大八年間の前倒しが可能になるというふうに考えてございます。
○黒岩委員 そうですね、あくまでも最大限ということは動かせないことだと思います。
 そうしますと、先ほど、経済効果というのは、名古屋から大阪間で一年間で三千六百億円と。これが、八年前倒しだと、掛け算すると約三兆円になるわけですけれども、この八年が圧縮されてしまえばしまうほど経済効果は低くなるわけですから、そう考えますと、先ほどの利子の負担軽減額との兼ね合いのBバイCが悪くなってくる。こういう問題点があるということも経済波及効果においてはよくよく考えながら、順調に進めていっていただきたいと思っております。
 それでは、今、名古屋までのリニアが着工してから約二年がたとうとしておりますけれども、今時点で進捗状況というのは、問題なく、遅滞なく進められているのでしょうか。この点についてお答えいただけますでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 リニア中央新幹線につきましては、平成二十六年十月に工事実施計画を認可して以降、JR東海によりまして、市区町村単位の事業説明会でありますとか地区単位の工事説明会などが順次行われてまいりました。
 また、建設工事の契約手続も進められておりまして、特に難度の高い品川駅新設工事でありますとか南アルプストンネル新設工事(山梨工区)では、起工式を経て工事にも着手がなされております。
 JR東海によれば、現時点において、当初計画に比べて工事費の増加や工事のおくれ等は生じていないというふうに聞いております。
 国土交通省といたしましては、工事実施計画の認可の際の大臣指示を踏まえながら、適切に工程管理を行い、安全かつ確実に事業が行われるよう、JR東海において適切な対応がなされるものというふうに考えております。
○黒岩委員 この二年間、今局長のお話ですと、時間的にも、また費用的にも、進捗状況に問題はないということで、それは安心なんですけれども、ただ、今までもこの委員会でも指摘がありました、残土の処理や、水の保全や、長大トンネルの避難対策など、やはりさまざまな困難な局面というものを迎える可能性があるわけですから、この点につきまして、今後、時間軸もそうですけれども、費用についても、名古屋間、五兆五千億となっておりますが、これがさらに拡大するといったことがないのか、この点について改めて確認をさせていただきたいと思います。
○奥田政府参考人 お答えいたします。
 品川―名古屋間の事業費につきましては、工事実施計画の認可に当たりまして、これまでの整備新幹線の事業の事例でありますとか他の道路の事例でありますとか、そういったものも詳細に比較等いたしまして、JR東海が提示をしてまいりました事業費見積もりは適切なものである、難易度の高い工事等を踏まえましても適切なものであるというふうに私ども判断をして認可をいたしたところでございまして、そういった認可した内容に従って、JR東海において適切に事業が進められていくというふうに認識をいたしております。
○黒岩委員 そのような認識で、速やかに、まさに遅滞なくというところで進めていっていただきたいと重ねてお願いを申し上げておきます。
 そうしますと、先ほどの利子負担の軽減との絡みでありますし、前段の質疑にもあったんですけれども、今、三兆円という非常に大きな貸出先にJR東海がなるわけですけれども、やはりこれは、今の民間の金融機関からすれば民業圧迫になるのではないかということに対して、これほどの長期、固定、低利の金利で貸し出せる民間はないということだった。これはこれとして理屈はわかるんですけれども、何度も申し上げていますけれども、もともとJR東海は、自己資金で、市中からの、民間の金融機関からの借り入れでこの建設を行おうとしていた。
 そう考えますと、そこにあった需要が公的な財投にとられるということになりますと、これはやはり一種の民業圧迫であるということになると思うんですが、この指摘についてはどうお答えになるのか、明確に、わかるような御説明をいただきたいと思います。
○北村政府参考人 お答えいたします。
 リニア中央新幹線につきましては、現下の低金利状況を生かし、長期、固定、低利の財政投融資を活用することによりまして、建設主体であるJR東海の資金調達リスクや金利変動リスクが軽減され、これによりまして、先ほど大臣からも御答弁ありましたように、全線開業を最大八年間前倒しするということを狙ったものでございます。
 民間の金融機関において、財投と同様の長期、固定、低利の条件で三兆円という資金を融資することは困難と考えておりますので、そういう意味では、民業圧迫といった御批判は当たらないのではないかというふうに考えております。
○黒岩委員 今回の財投スキームがなかった場合には、民間でJR東海にお金を貸し付ける、そういった金融機関があり得べしということで民業圧迫だという指摘があるということは、これは理財局の方でも重々認識は持っていただきたいと思います。ただ、それを超えるしっかりとした目的があるがゆえに今回のスキームで財投債を使うんだということで、私は説明としてはお受けさせていただきたいと思っております。
 そこで、この鉄運機構は、本来、今までこういった三兆円もの大きな貸し出しといったことをしていないわけですけれども、果たして鉄運機構は、この審査をしたり、債権を管理する能力というものをしっかり持ち合わせているのでしょうか。この点についてお答えいただけますでしょうか。
○奥田政府参考人 お答えいたします。
 今般の財投貸し付けにおきましては、JR東海の償還確実性に係る審査を行いますとともに、財投資金を貸し付けた後に、定期的に工事の進捗状況でありますとかJR東海の財務状況の把握及び確認を行い、円滑な工事の実施や償還確実性の確保を図ることが必要となってまいります。
 鉄道・運輸機構は、鉄道施設の整備促進のための支援を総合的かつ効率的に行うことを目的といたしておりまして、鉄道建設に関する技術でありますとか工程管理に関する知見が十二分に蓄積されていることから、この鉄道・運輸機構において貸し付け及びその後のモニタリングを行うとすることが適切であるというふうに考えたものでございます。
 なお、財投の貸付業務につきましては、速やかに、かつ確実な審査等の対応が必要となってまいります。このことから、機構におけます既存の人員体制の範囲内におきまして、貸し付け等の業務に関する専門的知識を有する日本政策投資銀行からの人材を含めた体制構築を行い、審査等に万全を期してまいることといたしております。
○黒岩委員 今、ちょっと後段部分がわかりづらかったんですけれども、工事面の経験は豊富だと。ただ、財務面については、外部からの人材の登用ということを事前に聞いておりました。
 今の説明ですと、現在の人員体制でと言いながら、政投銀からのということは、現時点で政投銀から人が派遣されていて、その人材を活用して財務面の管理をしていく、そういう理解でよろしいでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 鉄道・運輸機構にも、御指摘の一定のそういった能力があると考えておりますが、今回の貸し付けに鑑みまして、速やかに、かつ確実な審査等の対応が必要となることから、そういった方のお手伝いもいただいているということでございます。
○黒岩委員 お手伝いもいただいているというのは、今現在いただいているということですか、これから新たに外部登用するということですか。ちょっとそこがわかりづらいので、お答えいただけますか。
○奥田政府参考人 今既に来ていただいておりまして、中で、本案が成立すれば、今後の貸し付けに備えて準備をしているということでございます。
○黒岩委員 今回の財投活用のスキーム図を見せていただきました。
 そして、鉄運機構からJR東海に財投資金が貸し付けされる。その返済については、この財投の利子分と、あえて、プラス経費と書いてありまして、この経費は何ですかと聞きましたら、これが外部登用の人材の費用だと。そして、どのくらいの額ですかと言ったら、数千万円だということでした。
 これは、今のお話ですと、政投銀から来た人に対して今現在も数千万円の経費として支払っているという理解でよろしいですか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 そういった人員に対する人件費プラス、そういった事務に要する、もちろん鉄道・運輸機構の人間も一緒にやっておりますので、事務経費等も含んだものとしてそういった金額を計上させていただいております。
○黒岩委員 局長、ちょっといつも早口になるんですよね。非常に聞き取りづらく、わかりづらくなるので、そこをゆっくりとお答えいただければと思います。
 これは私、細かなことをお聞きしたのは、わざわざスキーム図に、プラス経費となっていまして、これは、公的だろうと、通常の金融機関でしたら、当然、審査や債権管理の人材の費用というのはもともと自前で持っているもので、一々貸出先に、しかも経常的に経費として、わざわざ、年間で数千万円ということは、多分、雇えても、いいところ本当にわずか数人ですね。その分の固定費用をもらうというのは、何かやはりスキームとして違和感を感じるんですよね。
 きょうも議論がありましたけれども、それだったら政投銀が貸したらいいじゃないかみたいな議論になってしまいますので、スキームの中にしっかりと、財投からの金利プラス経費、こうやって書いてあるということの意味合い、重みというものをもう少し考えていただきたいと思いますし、どうしてもちぐはぐさと違和感を感じてしまうということを、これは指摘にとどめさせていただきます。
 そうしましたら、私、ちょっと時間がなくなってきたので、大変重要に思っているのは、先ほど、八年間の前倒しということ、これがかけ声倒れにならないようにと申し上げました。
 ただ、これはあくまでも工期の短縮ということではないと理解しておりますので、やはり一番心配なのは、こういうかけ声のもと、難工事がある中で働く人たちの安全面というものがきちんと担保されているのか、保障されているのか、この点は非常に心配な点でありますので、この点についての御説明をいただけますでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 リニア中央新幹線におきましては、南アルプストンネルなどで難度の高い工事が予想されておりますが、工事を実施するに当たり、安全な施工が大前提であるということは言うまでもございません。
 この観点から、例えば、整備新幹線の建設を行っている鉄道・運輸機構は、実際の工事現場において、現場職員による安全パトロール、本社や支社職員による事故防止監査、事故情報、発生原因でありますとか発生状況、再発防止策などを共有することにより、類似事故の防止などを実施し、工事の安全確保に万全を期しているところでございます。
 リニア中央新幹線では、工事は、建設主体でありますJR東海の責任で行われます。工事の安全性につきましても、JR東海の責任で確保されるべきものでございますが、鉄道・運輸機構と同様な安全確保のための取り組みなどが行われるものと考えております。
 国土交通省といたしましては、一昨年十月の工事実施計画認可の際の指示に基づきまして、工事の安全性に最大限の配慮がなされるよう、JR東海を指導監督してまいりたいというふうに考えております。
○黒岩委員 わかりました。
 やはり、早期開通というすばらしい目的、お題目のために現場が苦しむようなことがあってはなりません。現場の声としてその懸念が指摘されていましたので、この点については十分に踏まえていただきますよう重ねてお願いを申し上げます。
 そうしましたら、もう最後なんですけれども、きょうの議論にもありましたけれども、この財投資金が投入されることによって、JR東海という民間企業に対して政府が過度な関与をするということは、やはりあってはならないと思っております。
 具体的には、これは環境アセスとか環境評価との兼ね合いにもなりますけれども、名古屋―大阪間のルートの設定とか新駅の建設等に、政治的な介入というか、何か力が働かない、このことをやはり断言していただきたいと思いますので、大臣の方からその点についての御答弁をいただけますでしょうか。
○石井国務大臣 JR東海の経営の自主性とは、例えば、設備投資の判断等、一般的に企業の合理的意思決定により行われるべき事項は引き続きみずからの判断で行うこと、また、未着工である名古屋―大阪間のルート、駅位置の決定について国等からの介入を受けないこと、工事契約の手続について引き続き民間事業としてみずからの判断で行うこと、リニア中央新幹線や東海道新幹線等のダイヤ編成等をみずからの判断で行うことなどを包括的に意味するものであると認識をしております。
 今般の貸し付けに伴い、鉄道・運輸機構におきましては、定期的に工事の進捗状況やJR東海の財務状況の把握及び確認を行ってまいりますが、これはあくまでも償還確実性の観点から行うものでありまして、JR東海の事業そのものについては、これまでどおり民間企業としての経営判断を尊重していくことに変わりはございません。したがいまして、JR東海の経営の自主性が損なわれることはないと考えております。
○黒岩委員 ありがとうございます。
 やはり、工事、また建設というのは生き物ですから、建設費の高騰だとか人材の不足とか、そういった変動要件に対して工事の進捗スピードで対応していくといったような、こういった自主的な経営判断というものは尊重していただきたいと思っております。
 重ね重ねになりますけれども、きょうは、さまざまな懸念について指摘をさせていただきました。特に、今申し上げた、JR東海の経営の自主性を重んじていただきたいということと、そして、やはり工事の安全性の確保というのは国交省にとっても最大の課題でありますので、この点について重ねて要請をいたしまして、私からの質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○西銘委員長 次に、津村啓介君。
○津村委員 リニア中央新幹線について質問いたします。
 日本は科学技術大国でございます。今月三日に発表されましたノーベル生理学・医学賞は、東京工業大学の大隅良典先生が、オートファジーの仕組みの解明に寄与したという御功績で受賞されましたし、また、二十一世紀になってからの日本人のノーベル賞受賞者は、科学にかかわる三つの賞について全部で十七人、これはアメリカの五十六人に次いで世界第二位でございます。三位がイギリスの十五人、四位がドイツの八人、五位がイスラエルの六人ということで、アジアでは、十九人の受賞者のうち十七人が日本人、二人が中国人ということでございます。
 こうした科学技術の発展は、私たち今に生きる現代日本の国民のためのみならず、世界人類に対する貢献でございますし、また、後世に残る大変な財産ということでもありまして、私たち日本国民は、我が国の科学技術力に誇りを持って、今後とも科学技術政策に力を入れていくべきだ、このように考えてございます。
 その点、本日議題となっておりますリニア中央新幹線の建設前倒しにつきましては、世界に先駆けた超電導リニアの技術実用化でございまして、関連技術へのさらなる研究開発投資の充実等も含めまして、国を挙げた支援を積極的に行っていくべきと考えております。
 以下、質問をさせていただきます。
 今回の法案でございますけれども、午前中の参考人質疑でも話題が出ましたし、先ほど与党の皆さんの質問でも、早期開業について非常に前向きなお話が出てございました。BバイCを高める点では、早くこのB、つまりベネフィットを生んでいくことが必要だ、そういう御議論もございました。
 そうした意味で、今回の財投資金の投入というのは大変画期的、有意義なことではございますけれども、片や、この財投資金の投入が、先ほど黒岩委員の質問にもございましたように、今回の計画そのものの性格、とりわけ国とJR東海の関係性に何らかの影響を及ぼすことがあるのかないのか、懸念の声も上がっているところでございます。
 最初の質問でございますが、交通政策審議会の答申や本年六月の骨太の方針を踏まえまして、今回の財投資金投入、八年前倒しの意思決定がされたものと認識をしておりますが、いわばこの方針転換はJR東海からの発案、要請によるものなのか、それとも政府、国の側からの働きかけによって方針転換がなされるのか、このイニシアチブの所在をお答えください。
○石井国務大臣 リニア中央新幹線につきましては、平成二十三年の交通政策審議会答申の附帯意見におきまして、「名古屋・大阪間の整備については、今後、経済社会情勢等を勘案しながら、継続的に早期整備・開業のための具体策を検討すべき」とされていたところであります。
 国土交通省におきましては、その後の国会における議論や沿線地域からの御要望も踏まえながら、全線早期開業のための検討を行ってきたところでございます。
 今般の財投の活用による全線開業前倒しの方針につきましては、本年六月二日に閣議決定をいたしました経済財政運営と改革の基本方針二〇一六等を踏まえ、国土交通省を中心といたしまして、関係者間で具体的な調整を進めた結果、八月二日に経済対策として閣議決定されたものでございます。
○津村委員 端的にお尋ねをいたしますが、国土交通省さんからのイニシアチブということでよろしいですね。
○石井国務大臣 さようでございます。
○津村委員 きょうは資料をお配りさせていただいておりますが、これまでの交通政策審議会の議論の中で、幾つかの需要予測あるいは環境影響への試算といったことがなされております。
 今回、国土交通省からの働きかけで財政資金投入ということであれば、国は、今まで以上に、国民の皆さんに対して、このリニア計画の意義を国のリソースを用いてしっかりと試算、精査して説明していくということが必要と思います。
 一枚目は需要予測でございます。この八番の年間六百六十一億人キロというのが、南アルプスルート、今回のルートの需要予測ということになっているわけですけれども、例えばこれ一つを見ましても、経済成長率実質一%、あるいは高速道路料金は現状のまま、幾つかの前提が置かれております。実際には、政府は別の数字を経済成長の目標として掲げているわけでありますし、また、将来の人口予測でありますとか、あるいは外国人観光客、今、急増しておりますけれども、これを、さらに三千万人を目指してふやしていこう、これも政府が公言されていることでございます。
 そういう意味では、こうした数字がそれぞればらばらに言った者勝ちになるのではなくて、やはり整合的なものになっていく必要があろうと思いますし、とりわけ訪日外国人観光客の加速度的な増加を考えれば、あるいはその背景にあるアジアの経済成長を考えれば、これは、プラス方向も含めて、あるいは早期開業のためのファイナンス面も含めて、好材料も幾つかあると思いますので、ぜひ今後、数字的な議論を詰めていただきたいというふうに思います。
 質問は、その次のページの大井川の流量減少についてでございます。
 これは、非常に専門的な水収支解析というものがなされていて、国交省さん、技術者の方に伺いますと、これまで、これだけの規模のトンネルの掘削、そして川の流量に影響を与えるというケースが世界的にも極めてまれなものですから、なかなかこのモデルというものが確立し切れていないという中での、これはかなり大胆な前提を置いての解析ということですが、左下にも準三次元というふうに、三次元での解析というのはなかなかできない中、かなり頑張って、多少の無理をしてなされている積算なんだろうというふうに思います。
 ただ、お話を伺ってまいりますと、この解析には含まれていない措置として、トンネル本体に一定の環境保全措置、要は、トンネルをカバーしていくことによってそこから水が滴らないようになる、天井なり側壁でしっかりコンクリートで固めて水が下に漏れないようにするというようなことも含めてですけれども、こうしたことがこの影響試算には含まれていませんので、そうしたことも勘案すれば、実際の水量の減少というのは毎秒二トンよりも少なくなる可能性があるのではないか、そういう印象を持ちました。
 かた目に分析していくことは非常に重要だと思いますけれども、余り大きく影響を見積もって、結果として対策費が過大になってしまっては、これは、工期もおくれますし、また、財投資金にも負担がかかりますので、より効果的、効率的な対策を模索していくべきと考えますが、大臣の所見を伺いたいと思います。
○石井国務大臣 南アルプストンネルの掘削に伴います大井川の流量への影響につきましては、平成二十五年九月にJR東海から公告されました環境影響評価準備書の中で、最大で毎秒約二トンの流量減少がある旨が示されました。
 JR東海によりますれば、この流量減少量を推定する際に用いた解析モデルでは、主にトンネル表面部において防水シートなどの漏水対策を行わない状態としたことから、予測結果は、安全側、つまり、影響が大き目に出る予測となっているということでございます。
 一方、実際のトンネル掘削に当たりましては、JR東海は、先進ボーリングにより事前に地質等を把握する、本坑は、掘削断面積約百平米でありますが、これに並行する位置に先行して、断面の小さい先進坑、パイロットトンネル、これは掘削断面積約三十平米でございますが、この小さい先進坑を掘削しながら地質等を確認する等、本坑を掘削する前に入念に地質調査を行う予定であります。
 このような事前調査を踏まえて、地質や地下水の状況を十分に把握した上で、必要に応じて薬液注入の実施や防水シートを設置することにより、水系への影響を極力回避するよう努めることとしております。
 なお、このような措置を講じたとしても、一定程度のトンネル内への湧水は避けられないと想定されることから、この影響の回避、低減を図るため、JR東海においては、トンネル湧水を自然流下により大井川に戻す導水路トンネルの設置を検討していると承知をしております。
 国土交通省といたしましては、この導水路トンネルの費用が必要以上に過大なものとならないよう、JR東海を指導監督してまいりたいと存じます。
○津村委員 次の質問に端的にお答えいただければと思います。
 皆さん、資料を一枚おめくりいただきますと、品川―名古屋間の建設キロと営業キロの関係の表をつくってまいりました。東海道線が三百五十九・二キロ、東海道新幹線はショートカットしていますので三百三十五・四キロ、しかし、運賃については、同じ三百五十九・二キロで見立てて、同じ運賃を取っているというのが現在の状況でございます。
 リニア中央新幹線の建設キロは二百八十五・六キロですが、営業キロはどうなりますでしょうか。
○石井国務大臣 今委員お示しいただいたように、東海道新幹線の営業キロは、在来線である東海道線と一体をなすものとして、在来線の営業キロを採用しております。
 一方、リニア中央新幹線につきましては、名古屋を経由地とし、品川と大阪を結ぶものですが、東海道線や東海道新幹線とは途中大きく異なる経路で建設されます。こういった観点から、リニアの営業キロは、いわゆる建設キロに基づき設定される可能性もあると考えられます。
 なお、この点につきましては、最終的にはJR東海において判断されるものでありまして、現時点においては、運賃の前提となる営業キロの設定方法については決まっていないものと聞いているところでございます。
○津村委員 可能性もあると、少し後退した御答弁なんですが、質問を続けます。
 東海道新幹線の営業キロは、実は、この営業キロと建設キロが一致していないということについては、昭和五十年に訴訟が起きております。新幹線運賃差額返還訴訟ということで、二百円の差額を返せということで、百万円、二百万円の訴訟費用をかけてされたと言われています。
 これは、福井県のある一般市民の方が運賃制度の公正性について争ったもので、当時、国鉄は、二つのことを言っています。在来線と新幹線は高度の代替性があり、総合一体の施設である。先ほどの大臣の、一体をなすということと同じかと思います。もう一つは、運賃を別建てとすると、乗車券の発売業務や変更手続が複雑になり、人的、物的な費用がかさむということでございます。
 しかし、当時、これは余り共感を呼ばないというか、裁判所は、このままではまずいということで、原告側が勝つ可能性があるということで和解を勧めて、しかし、和解がなかなか成らないので、国鉄側は、一審の審理中に、敗訴の可能性が高いということで、当時の国鉄の運賃法の改正まで行っています。結果として、一審は原告勝訴、つまり国鉄側が敗訴して、二審で国鉄の裁量権が認められて逆転勝訴ということになりました。
 今回、仮にリニア中央新幹線の営業キロと東海道線や東海道新幹線の営業キロを同一に設定しないこととした場合、先ほど大臣がおっしゃったように建設キロで設定した場合には、昭和五十年当時の主張との整合性が問われて、同様の訴訟が提起される可能性があると思います。一つには、在来線と新幹線の高度の代替性ということは、これはリニアでも同じなのではないかということも言えると思いますし、もう一つの、運賃を別建てとすると人的、物的な費用がかさむという点については、これだけ電子化が進んできているわけですから、先ほど名古屋と亀山の間の話も出ていましたけれども、これだけ電子化が進むと、そこの部分は余り勘案しなくてもよいのではないかということも考えると、当時の主張は成り立たないという気もするんですが、大臣はこの論点はどう整理されていますか。
○石井国務大臣 東海道新幹線につきましては、輸送実態におきまして在来線である東海道線と一体をなすものとして、在来線の営業キロを採用することが昭和五十年の東海道新幹線の運賃差額返還訴訟においても認められたところでございます。
 一方、リニア中央新幹線は、東海道線や東海道新幹線とは途中大きく異なる経路で建設をされることから、必ずしも東海道線や東海道新幹線と一体をなすものとは言えないと考えられます。
 このように、輸送実態が違う場合には、異なる営業キロの設定方法を採用することもあり得るのではないかと考えられます。
 いずれにいたしましても、営業キロの設定方法につきましては、最終的にはJR東海において判断されるものと考えております。
○津村委員 違う運賃にしても、実際、リニアで名古屋まで行った人には、より高い特急料金を取れば公平性は確保できるのではないかということが私なりにこの表の括弧で示した数字でございます。例えば、特急料金を六千七百十円、現在の四千八百三十円の「のぞみ」よりもかなり高く設定すれば、そういった面での公平感が出るのかなとも思うんですが、例えば、災害時、あるいは自然災害で遅延が生じたときなどに、特急料金を取らない、払い戻しだというような、かなりレアケースかもしれませんが、あった場合、あるいは新幹線差額返還訴訟のような厳密なロジックで訴訟を提起された場合に、かなりここは危ういのではないかなという懸念を持っておりますので、今後、ぜひ精査していただければというふうに思っております。
 続きまして、リニア中央新幹線の営業時間でございます。
 一枚おめくりいただきますと、これは、JR東海さんが平成二十六年十月十七日の認可の際に予定運行図表として提出されたもので、列車の設定時間帯は六時から二十四時、今の新幹線と同じになっています。
 しかし、今の新幹線が六時から深夜二十四時までの運行時間になっている背景には、一つは、線路等の保全、改修に夜間を充てるためという、いわば表向きといいますか、一つの理由がありますけれども、もう一つは、新幹線草創期に、沿線、特に都市部での騒音訴訟が起きた、その騒音対策として、この時間に限って七十デシベル、七十五デシベルといった基準を設けて、フードをつけたりして騒音対策をした、そういう過去の経緯がございます。
 しかし、今回、用地買収が直接の背景ではありますけれども、大深度トンネルの区間が八六%と言われている中で、また、残りの一四%の明かり区間、地上の区間も、はっきり申し上げれば人口密度がかなり低い地域を走るということを考えますと、この騒音対策という面は現在の東海道新幹線とはかなり様相を異にしているのかなと。
 そう考えますと、残るは保全、改修時間をどう設定するかですが、これは私の御提案ですけれども、平日も休日も押しなべて六時間の走らせない期間をつくるのではなくて、例えば平日だけでも、一時間、最終新幹線を一時まで走らせるであるとか、あるいは始発新幹線を五時から走らせるでありますとか、こういうことをすれば相当需要が喚起できるのではないか。
 ただでさえ、リニアだけではペイしないというふうにJR東海さんも国土交通省さんも認められて、東海道新幹線等と一体としてのこの事業計画になっているわけですけれども、少しでもリニア新幹線の利用客をふやしていくという意味においては、私は、夜間の運行、早朝の運行ということに対して、ニーズの掘り起こしという意義を見出すべきではないかと思うんです。
 運行時間を拡大した場合の運賃収入等について、現在シミュレーションはされておりませんが、これから、JR東海さんに促すなどして、シミュレーションをしていくべきという考えについて、大臣の御感想をお聞きしたいと思います。
○石井国務大臣 リニア中央新幹線につきましては、東海道新幹線と同様に、列車が運行しない夜間に、リニアの推進力、浮上力を生じさせる地上コイルの徒歩巡回検査や、ガイドウエーの交換、電力ケーブルの交換等の保守作業のほか、作業後の確認車による走行安全性の確認を行うため、一定の時間の確保が必要でございます。
 特に、ガイドウエーのような大型設備の交換については、保守基地から現場までの移動時間に加え、取りかえにも時間を要するため、最大五時間程度と聞いておりますが、十分な作業時間が必要になると聞いております。
 このため、中央新幹線の運行時間については、平成二十六年十月に認可をいたしました工事実施計画におきまして、六時から二十四時とされております。
 また、環境省により定められまして、リニア中央新幹線にも適用される新幹線鉄道騒音に係る環境基準は、午前零時から午前六時までの間は運行されないことを前提として設定されております。
 運行時間拡大の実現につきましては、こういった解決すべき困難な課題が残されているものと考えますが、御指摘の需要喚起に伴う運賃収入シミュレーションにつきましては、JR東海に伝えることとしたいと思います。
○津村委員 今の最後のお言葉は、JR東海さんにこのシミュレーションをするように要請していただけるということでよろしいですね。そういうお話だったと思います。
○石井国務大臣 きょうこの委員会で委員が指摘したことを踏まえて、JR東海に伝えようと思います。
○津村委員 ごめんなさい、何を伝えるんですか。
○石井国務大臣 シミュレーションをやってはどうかという提案があったことをお伝えしたいと思います。
○津村委員 これは見ていただければわかるので、大臣の御意見として、試算を行うことを伝えていただくということだと思うんですが、もう一度きちんと御答弁ください。
○石井国務大臣 私としては、運行時間の拡大は極めて困難だと思っておりますが、せっかく津村委員からの御提案がございましたので、御提案の趣旨についてはJR東海に伝えたいと思います。
○津村委員 飛行機等も飛んでいない時間ですので、競合がありませんから、純粋な新規需要の掘り起こしにつながると思いますし、先ほどの営業キロ、建設キロの問題と同じく、これも過去の訴訟の経緯があったことでありまして、一民間企業が訴訟リスクを負うということは非常に大変なことですから、ここは国がこれからしっかりとサポートしていくべき部分だと思うんです。
 シミュレーションを行うことはそれほど大きなお金のかかることではありませんし、このことは、JR東海さんにとってさらにさまざまな選択肢、経営上の選択肢を与えることにもなりますので、JR東海さんが行っていただく、あるいは国土交通省さんがシミュレーションをされても結構ですので、これはきちんと対応していただきたいというふうに思います。
 大臣、御答弁ください。
○石井国務大臣 先ほど答弁したとおり、JR東海に伝えますので、JR東海が適切に判断すると思います。
○津村委員 最後の質問になります。
 超電導リニアの最高速度について、今後の可能性を模索していきたいという意味で、さらなる需要掘り起こしに向けて、これも御提案といいますか、議論の幅を広げるためにお伺いをさせていただきます。
 先ほどのやりとりで少し押しましたので、済みません、時間がかかっておりますけれども、今、山梨の実験線におきましては、四十二キロしかないものですから、最後のこの図表を見ていただくとわかりますように、最高速度に達するまでの距離を走ることで走行距離がかかってしまう。つまり、最長で二十一キロしか加速できない。残りの二十一キロで減速しなければならないからですけれども、そのために、長さの制約によって最高速度に制約がかかります。しかし、これから二百八十キロを超えるリニアの新線ができれば、この長さの制約という意味では、六百キロ以上の最高速度も実現することが不可能ではありません。当然、振動の問題ですとか、車両の設計の問題等ありますので、必ずしも七百キロ、八百キロといけるかというのは、また技術的な制約を伴うことでありますけれども。
 仮に、既に実現している六百キロの走行というものを名古屋までで実現した場合には、この東京―名古屋間、東京―大阪間の所要時間は、計算上でございますけれども、何分に短縮ができるのか、そしてそれを実現するためにはどういった技術的な制約をクリアしなければならないのか、御答弁ください。
○石井国務大臣 超電導リニアは、過去に山梨実験線で実施した高速域の走行試験において、最高時速六百三キロを達成しております。仮に、安全面や環境面における技術的な課題を考慮せずに、この速度で走行するものと仮定をいたしますと、東京―名古屋間が三十六分、東京―大阪間が六十一分と、それぞれ時速五百キロで走行した場合と比較をいたしまして一割程度短縮されると試算されております。
 しかしながら、最高速度の引き上げにつきましては、環境面や安全面で技術的課題があると考えます。すなわち、最高速度の引き上げに伴う騒音や振動の増大は、周囲の環境に悪影響を及ぼすとともに、乗り心地の悪化など、旅客サービスにも悪影響を及ぼします。さらに、高速走行によりまして車両や地上設備に大きな負荷を与えることになり、リニアの信頼性、耐久性の観点から、安全性の十分な検証が必要であります。
 いずれにいたしましても、超電導リニアは、従来の鉄道の最高速度を大幅に上回る時速五百キロで浮上走行する全く新しい超高速鉄道であり、事業主体であるJR東海においては、まずは、計画どおりの開業に向けて全力を傾注してもらうことが重要と考えております。
○津村委員 最後に一言申し上げたいと思いますが、この委員会の開催に当たりましては、TPP特別委員会等の不正常な状況も含めて、与野党の理事がさまざまな建設的な議論をしながら、何とか本日の質疑、採決に向けて努力をしてきたという経緯がございます。にもかかわらず、大臣が事前の事務方の説明と異なる御答弁をなさったということは大変遺憾でございます。そのことに強く抗議を申し上げて、私の質問を終わります。
○西銘委員長 次に、松原仁君。
○松原委員 引き続きでありますが、リニア中央新幹線に関する質問を続けてまいりたいと思います。
 このことによるさまざまな効果というものを、我々は、経済的な部分、また時間的な部分、まあ、これも経済に換算できるわけでありますが、さらには、さまざまな技術的な部分、そして精神的な部分、さまざまな部分からリニア中央新幹線の効果というものは我々の国民経済にあるだろうと思っております。
 精神的な部分を言うならば、私は、人間というのは、経済で活動する場合も単純に経済の原則だけではない、やはり、新しいものに乗ったときの驚き、空を初めて人間が飛んだときの驚きとか、こういったものは我々人間の創意工夫や情熱を極めて高からしめるものであるというふうに思っておりまして、その意味において、リニア新幹線が一つの新しいインパクトを我々の経済、そして我々の行動に与えるのではないかということで、大変に期待をしているところであります。
 質問に入りますが、リニア中央新幹線の整備によって時間短縮効果というのはどのように行われるのか、お伺いしたい。
    〔委員長退席、西村(明)委員長代理着席〕
○藤井政府参考人 お答えいたします。
 リニア中央新幹線の開業によりまして、東京―大阪間は約一時間で結ばれます。これによりまして、国土構造に変革がもたらされまして、三大都市圏から地方へのアクセスが向上いたします。
 具体的には、三大都市圏から四時間で移動できる県庁所在都市が次のように拡大をいたします。まず、東京からは、今二十九都市に四時間で行けるんですが、それが三十四都市に拡大いたします。名古屋は三十一都市から三十八都市へ、大阪は三十一都市から四十都市へ拡大をいたします。
 例えば、名古屋においては、四時間で移動できる県庁所在都市がこれまでは仙台までであったものが、リニア中央新幹線の開業によりまして、山形や盛岡まで移動できるようになります。
 さらに、地方を中心に考えますと、例えば、盛岡から四時間で移動できる県庁所在都市は現在十六都市というふうになっておりますが、これが二十六都市に拡大をするなど、地方のポテンシャルも向上していくものと考えております。
○松原委員 先ほどからスーパーメガリージョンという議論もあるわけでありますが、リニア中央新幹線の整備による経済効果として、東京―大阪間の開業で八千八百億円、東京―名古屋間の場合は五千二百億円。当面、この五千二百億円ということになるわけでありますが、この試算の根拠とか、具体的なイメージでどういうものがどうなるのか、そこまで色のついた説明はできないかもしれませんが、できる範囲で御答弁をお願いします。
○藤井政府参考人 お答えいたします。
 ただいま御指摘いただきました八千八百億、五千二百億というのは、国土形成計画の策定に向けた検討の一環として試算したものでございます。
 具体的にその試算の考え方を申し上げますと、リニア中央新幹線によりまして所要時間の短縮が起きまして、これが交通コストを削減いたします。この交通コストの低減が国内の生産量を増大させるということから、その拡大する生産額の経済モデルというものをつくりまして、これによってその効果を算出したものでございます。
 もうちょっと詳しく申し上げますと、二十六年の国土形成計画の一環として、その当時の最新のデータで計算をいたしまして、全国の合計の生産額の増加が、二〇四五年で東京―名古屋のみが開業している場合は年間五千二百億、東京―大阪間が全線開通した場合は年間八千八百億というふうな結果になっております。
 以上でございます。
○松原委員 GDPの押し上げ効果というのは、これは事前の通告のときはちょっと言ったんですが、その後ちょっと消えているわけであります。押し上げ効果はあると思いますが、この辺についての認識をお伺いします。
○藤井政府参考人 お答えいたします。
 ただいま申し上げた数字は生産額の拡大でございまして、GDPの拡大効果というものは計算をいたしておりません。
 ただ、当然のことながら、生産額が拡大していきますので、GDPも拡大をしていくというふうな効果があろうかと思っております。
○松原委員 今、東京一極集中というのが言われておりまして、いろいろな理屈を考えることができるわけであります。
 私は、東京一極集中に対して、東京―名古屋が先に開業されますと、大阪圏の経済的な活動が、それを短縮するための財投の融通でありますが、大阪まで開業する間の次の十年間、この間に東京―名古屋がさらに浮上して、大阪圏が結果としてその経済活力をさらに東京―名古屋圏にとられる可能性があるというふうに考える一人であります。むしろ、理屈からいくと、東京―名古屋圏の前に名古屋―大阪圏からやった方が実は東京一極集中に対して国土の均衡ある発展に資するものだったのではないか、こういうふうな発想もあるわけであります。
 途中の体力を復活する期間というのを財投によって短縮するわけですが、それにしても、このことによって東京―名古屋圏が活性化し、関西圏がさらにこの十年の間に極めて厳しい環境になるのではないかという指摘もあるわけであって、このことについての御意見というんですか、御感想というものをお伺いいたしたいと思います。答弁はどなたでも結構です。大臣でも結構ですが、いかがでしょう。
○藤井政府参考人 お答えをいたします。
 ただいま御指摘のとおり、東京―名古屋間が先行すれば、大阪の方がその間に劣後するというふうな危険性もあるわけでございますが、このたび、前倒し、こういうふうなことになりました。
 それとあわせて、大阪の新しい拠点性をどうつくっていくかということを、開業に向けて、まちづくり、都市づくりというものを先行して進めていくということによりまして、大阪も劣後することなく、その開業に備えて発展基盤をつくっていくということが重要ではないかと考えておりまして、こういうふうなことを国土政策の観点からも進めていく必要があるというふうに思っております。
    〔西村(明)委員長代理退席、委員長着席〕
○松原委員 先ほど質疑がありましたが、今回、国土交通省が、国土交通省側の大臣のイニシアチブで財投のことをやって、次の工事に関する時間を短縮した。私はこれを非常に高く評価しているんです、それ自体は。
 ただ、それにしても、十年間先行するということのダメージは関西圏には必ずあるわけであって、そういったことを考えたときに、一方において、そこで働く方々の環境や危険というものは極めて抑制しなければいけない大切な問題でありますが、他方において、こういったことによる開業、特に東京―名古屋間の後の大阪―名古屋間は、予定は予定でありますが、技術の更新もあるでしょう、速やかにこれを実際に実行していくということは、劣後する可能性が非常にあると私は思うんですよ。
 やはり二つの都市がくっついたときに、それはもう相乗効果は大きい。それは先ほどのスーパーメガリージョン効果でもそうなんです。であれば、逆に、その後の十年間の間にやはり一層東京、名古屋に人が集まってしまう可能性がある。
 こういったことに関しては、できれば、技術的な更新も含め、この辺を早く進める必要が一方においてあると思いますが、大臣の御所見をお伺いいたします。最後の質問です。
○石井国務大臣 今の御質問は、名古屋―大阪間の開業時期をなるべく早くすべきではないかという御指摘かと存じます。
 まだ、名古屋に開業するまで十数年時間がございますので、その間の技術革新がどれだけあるかということは、今の段階ではっきり申し上げられないところでありますけれども、そもそも名古屋―大阪間については、まだルートが確定しておりません。工事の内容が未定でございますので、現時点で工期短縮の可能性について申し上げることはちょっと難しいというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、全体的な姿勢としては、今後の技術開発の動向も踏まえまして、一日も早い開業に向けて、安全かつ確実な施工に努めてもらいたいと考えております。
○松原委員 当然、答弁はそういう答弁になろうかと思います。
 私は、東京―名古屋が開業して、名古屋―大阪の開業の時間差というのが、均衡ある国土の発展に対して、プラスマイナスの意味を含めてかなり決定的な影響を持つと思っております。今大臣おっしゃったように、名古屋―大阪間というのはこれからの課題で、どういうふうなところをどうするのかというのはこれからでありますが、少なくとも、東京―名古屋の開業の段階では、これはスタートダッシュしてできるような環境をつくる。そして、当然、そのときは十年先になりますから、技術も変わってきている。そういったものを、やはり国土交通省においてはJR東海と真剣な議論をしてやっていただきたいと思っております。
 次に、いわゆるリニアにかかわる地震対策、火災対策としてどのような対策が考えられているかをお伺いいたします。
○奥田政府参考人 お答えいたします。
 鉄道構造物の整備に当たりましては、従来より、阪神・淡路大震災や中越地震などにおける被災状況等を踏まえて新たな対策を講じ、さらに、その効果を検証しながら地震対策に関する知見を深める取り組みを積み重ねてまいりました。
 また、それらの知見は、鉄道構造物の設計、施工の際に用いられます「鉄道構造物等設計標準・同解説」に反映されておりまして、リニア中央新幹線の工事に当たりましても、JR東海は、これに基づき、地震に対する安全対策を講じることといたしております。
 さらに、超電導リニア車両は、U字型のガイドウエーに囲まれて走行いたしますため、物理的に脱線しにくい構造となっていること、リニアモーターカー内の超電導磁石と地上に設置された浮上案内コイルとの間で作用する強力な電磁力により、車両は常に軌道の中心に位置するように保持される性質を有していることから、超電導リニアは地震に強いシステムとなっておるというふうに考えております。
 一方、リニア中央新幹線の例えば長大トンネルで火災が発生したような場合の対策につきましては、これまでの技術評価委員会でありますとか交通政策審議会におきます議論の中で、火災時には原則として次の停車場またはトンネルの外まで走行して停止すること、万一トンネル内で停止した場合、乗客は、山岳トンネルの場合は、乗務員の誘導等により、風上に避難した後、最寄りの非常口、横坑や斜坑を通って地上に避難すること、都心部の大深度地下トンネルの場合は、乗務員の誘導等により、トンネル下部の煙の入らない安全な通路に移動し、最寄りの非常口、立て坑から階段またはエレベーターで地上に避難することなどの方針が確認されておりまして、JR東海は、これに基づき火災等の避難対策を行うことといたしております。
 いずれにいたしましても、御指摘のリニアに係る地震対策及び火災対策につきましては、以上のような取り組みが適切に行われますよう、JR東海の取り組みを促してまいります。
○松原委員 私が心配するのは、前に新幹線で焼身自殺という極めてショッキングな事件がありまして、これが、人間の本能的な直観からいくと、地上であればまだしも、地下でそういうことをされた場合、どうなるのか。
 これは、今、火災ということで鉄道局長にはお答えをいただきました。火災が出た場合のシミュレーションや実際のそういう事柄に関するトレーニングというのは、当然、JR東海において開業前に行う、こういうことでよろしいですか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたような知見等を踏まえまして、開業までに、JR東海において、しかるべきそういった対策に関するマニュアルでありますとか要員の訓練、そういったことが行われていくというふうに理解をいたしております。
○松原委員 次の質問に移りますが、火災に関しては、本当に実際にないようにしなければいけないし、従来の新幹線ではそういった事案というのはなかったんですね。局長、どうですか。
○奥田政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のような車内での火災といったようなことは、私が知る限り、なかったと承知しております。
○松原委員 さて、そこで、先ほど焼身自殺ということを言いましたが、意図的にそれをテロとして行おうとする者がリニアに乗ってきた場合、この場合というものに関しては、抑制する手立てがないのかもしれないし、あるのかもしれない。
 リニアというのは、六百キロ、五百キロで走るというのは準飛行機の速度ですよ。例えば、飛行機であれば、乗るときに全部、通りますよね、磁気のものを。手荷物検査までやる。そんなことを大量輸送手段でやっていたら、商売にならない。
 しかし、そうなると、飛行機よりは遅いですけれども、五百キロ、六百キロで走る。地上ではなく、浮いていくという点では飛行機みたいなものでありますが、私は、日本の技術も信用しておりますし、JR東海の技術も信頼しておりますが、それを意図を持ってやろうとする者が入ってきたときの危険性というものに関して、可能性というのをゼロというふうには言えないと私は思っておりまして、このテロ対策についてどのような御所見をお持ちか、大臣にお伺いいたします。
○石井国務大臣 リニア中央新幹線などの高速鉄道におけるテロ対策については、大変重要な課題であると認識をしております。
 既存の高速鉄道である新幹線におきましては、駅構内や客室内における防犯カメラによる常時監視、駅構内や車内、重要施設における巡回警備の強化などのテロ対策を関係省庁やJRと連携して実施しているところであります。
 リニア中央新幹線のテロ対策に関しましては、現段階では具体的に公安当局との議論を始めてはおりませんが、国土交通省といたしましては、リニア中央新幹線の開業までの間に、このような既存の新幹線におけるテロ対策で得た経験を踏まえまして、今後のテロ対策における技術開発の動向も考慮しつつ、関係省庁やJR東海と緊密に連携を図りながら、リニア中央新幹線におけるテロ対策に万全を期してまいりたいと考えております。
○松原委員 非常に大量輸送手段ですから、飛行機のようにやるわけにはいかないのかもしれないが、飛行機のようなチェックをしないと、本当にそういった悪意を持った人間がやる可能性はあるということだと思っています。今、テロ事案というのは全世界で起こっているわけでありまして、十年後というのが平和な時代になっていればそういうことはないのかもしれませんが、私は、おそれがあると。
 ですから、本来であれば、そこは、今の新幹線に入るようなやり方ではなくて、ちょっと工夫をして、そこには当然しかるべき警察的な人が立つ、それで、出入り口で見るというようなことも含め、少しそういった工夫をする用意というものが、それはJR東海だけの作業ではありません、やはり公安的な立場のものがありますので、そういったものについては国が目配りをしていただきたいと私は思っておりまして、このことについての御所見を、どなたでも結構です、お伺いしたい。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のような問題に対する意識というものは、私どもも鉄道事業者もしっかり持っておるところでございます。
 鉄道におけるテロ対策に向けた取り組みといたしましては、昨今のそういった鉄道を狙ったテロの事件の発生を受けまして、省内に鉄道テロ対策連絡会議を設置いたしまして、駅などの防犯カメラの設置、監視の徹底など警備強化に向けた取り組み、また、国民の安心感とテロなどに対する抑止力を高める見せる警備といったようなものと、監視ネットワークの強化のための利用者の参加を軸としたテロ対策などの検討、実施を進めるとともに、危機管理レベルを設定し、テロ発生の脅威の度合いに応じた適切なテロ対策の強化、実施に努めておるところでございます。
 先生も御案内のとおり、新幹線におきましては、例えば、警官が警乗いたしたり、駅の角々には立哨したり、あと、ごみ箱の集約、撤去、透明化でありますとか、防犯カメラの監視の徹底でありますとか、あと、そういった監視をしていることを見える化するといったようなことを通じまして、テロの防止、抑止に努めているところであります。
 今後、そういった対策でより有効なものがあれば、そういったものもやってまいりたいと思っておりますので、先生御指摘のリニアのテロ対策にしっかり取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○松原委員 これはちょっとリニアから離れますが、幾つか聞きたいことがありまして、今、成田空港周辺で、羽田空港の国際化という議論の中で航路変更があるということでありますが、成田空港周辺で航空機から落下物があると聞いております。ファクト、事実として、過去十年間の落下物で、具体的にどのようなものがどれぐらいの頻度でおっこちていたか、お伺いします。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
 成田空港周辺における落下物につきましては、過去十年間で、氷の塊が七件、航空機の部品が十四件、計二十一件が報告されております。
 具体的には、航空機部品の落下物といたしましては、長さが数センチのものから最大で約三メートルのゴム製保護材が報告されており、重さにつきましては、数グラムのものから最大で約一・八キログラムのプラスチック製部品が報告されております。
○松原委員 これは、長さが三メートルのものから、重さが一・八キロのものまでおっこちてきているということでありまして、そういった意味では、飛行機というのは物を落とすことがあるということで、今の局長の話だと、平成二十七年度にかけて十年間で二十一件、一年間に二件ぐらい、こういう認識でよろしいですか。
○佐藤政府参考人 先ほどお答えいたしましたように、平成十八年度から二十七年度の十年間で計二十一件ということでございます。
○松原委員 三メートルのものがおっこちてくるとか、氷の塊もどんな感じかわかりませんが、一・八キロのものというのはこれはかなりダメージになると思っております。こうした落下物により人的被害が生じているのかどうか、お伺いします。
○佐藤政府参考人 被害についてお答え申し上げます。
 これまでに、ビニールハウスの破損等の事例はございますが、人的被害は生じておりません。
○松原委員 これは確率の問題であるわけでございますが、ちょっと大臣にお伺いしたいのは、こうした事実を考えると、羽田空港において新飛行経路が導入された場合、同様の飛行機からの落下物が生じる可能性は否定できない。
 そういったことを含め、私の地域でもありますが、現地の住民の中にもさまざまな心配をする声があるわけですが、これについての大臣の御所見をお伺いいたします。
○石井国務大臣 羽田空港の機能強化に係る説明会等におきまして、住民の皆様から、航空機からの落下物に対する懸念の声などをいただいていると承知をしております。
 こうした御意見を踏まえまして、七月に開催をいたしました国と関係自治体から構成される協議会におきまして、新経路の運用に当たっては、乗り入れ航空会社に対し、点検整備の徹底を厳しく指導する、駐機中の航空機を国の職員がチェックする仕組みを新たに構築するなど、落下物の未然防止に万全を尽くすための方針をお示ししたところでございます。
 国としては、これらの対策を早急に具体化し、安全対策を徹底してまいりたいと考えております。
○松原委員 本当に安全対策というのは何よりも大事だと思っております。これで何か起こると、百歩後退、一歩前進みたいになってしまいます。これは航空行政の後退になるということになりますので、くれぐれも安全が脅かされることがないように、責任を持って、石井大臣、決意をして頑張ってください。
 終わります。
○西銘委員長 次に、村岡敏英君。
○村岡委員 民進党、秋田県出身の村岡敏英と申します。
 きょうは、リニアのことをもちろんお聞きしますが、その前に、先週の金曜日、私の出身である秋田県で、高速道路の逆走ということで三人の方が亡くなりました。私も知っている方で、本当に元気な方でありまして、七十歳を超えても野球をやって、そして、自動車が好きで、高速道路でいろいろなところに旅行に出かけるというお元気な方でありました。本当に残念で、御冥福をお祈りし、そして、御家族にはお悔やみを申し上げたいと思います。
 そこで、国交省の直轄道路の中でこの事故が起きました。料金所があるインターチェンジは、これは上下線が交わることがないので、事故が逆走によって起きるということはほぼないと思いますが、新直轄道路でつくった道路のインターといいますか、出口、入り口というのは平面交差のところもあり、非常に危ないことを、私自身も何度もそういうことを見ております。
 そこで、新直轄道路の中で、距離はどのぐらいあって、インターというのはどのぐらいあるのか、国交省の方からお答え願えればと思います。
○石川政府参考人 お答えいたします。
 国が直接管理する高速道路は延長約二千キロ、インターチェンジの数は約五百六十カ所でございます。これは昨年の十二月末時点でございます。
 以上です。
○村岡委員 その五百六十カ所もあるインターなんですが、当然、料金所がついていない無料の道路というふうになっていますが、どのぐらい逆走事件が年間起きていますか。
○石川政府参考人 お答えいたします。
 国が管理する無料の高速道路の逆走は、平成二十七年で十七件でございます。
○村岡委員 恐らく、それは報告があっただけなんですね。実は、私も、何度も、逆走して入りそうになって急ブレーキを踏んだ車がバックして戻ってきて正常なところに行くというのを見ています。非常に危険な状況が、多分、この新直轄二千キロある中、五百六十カ所ですか、その中で起きていると思います。
 大臣、ちょっと見てください。資料を渡しましたけれども、事故現場というところで、この大内ジャンクションというのは、一番右側の矢印が山形側に向かいます。真ん中が秋田、青森側に向かいます。そして、この赤い道路のところを逆走して今回事故が起きたんですが、この赤いところの前に、一番上の矢印の方にも入っていけます。
 ここで標示されているのは、確かに道路面に逆走禁止のマークや進入禁止がありますけれども、夜だと非常に見にくいんです。この状況をこのまま続けると、やはり事故が起きやすい。せっかく新直轄で地方につくっていただいた道路なんですが、交通事故が頻繁に起こるようであったり、また、危ない逆走が起きて、交通事故までにならなくても、非常に不安な思いをしている人がいるので、ここの対策をしっかりとっていただきたいと思っておりますが、これまでの対策はどうだったでしょうか。
○石川政府参考人 お答えいたします。
 日本海沿岸東北自動車道の大内ジャンクションは、平成十九年九月に開通しておりまして、ジャンクションを管理する秋田県が、開通に合わせて、ランプの平面交差部に誤進入防止の注意喚起のための看板を二基設置いたしました。
 逆走対策として、さらに、ことし六月に国土交通省及び秋田県が高速道路本線及びランプの分合流部の路面に進行方向を示した矢印標示を設置したほか、秋田県がランプ平面交差部手前に誤進入防止の注意喚起のための看板を一基増設するなど、国土交通省、秋田県、秋田県警察の三者が連携して対策を推進してきたところでございます。
 しかしながら、先週二十一日に発生いたしました逆走事故を受けまして、さらなる対策実施が必要であると認識をしておりまして、有識者の意見も聞きつつ、関係機関が連携し、追加対策を速やかに実施してまいりたいと考えております。
 以上です。
○村岡委員 大臣、図面を見ていただいたと思いますけれども、これは平面交差なので、出口と入り口と、途中で一時停止して交差するんです。こういう高速道路なんです。信号はないです。一時停止。だから、非常に危ないことは確かなんです。
 そして、対策をとったはずなのに事故が起きているということで、もちろん、道路は国交省で、そしてインターの方は県管理になるのかもしれないが、一緒にやっているところなので、ぜひ大臣、これは命にかかわることなので、有識者の部分もあるでしょうけれども、早急な安全対策もしていただきたいと思うんですが、どうでしょうか。
○石井国務大臣 関係機関が連携をして、追加の対策を速やかに実施していきたいと思います。
○村岡委員 あともう一つ、高速道路で、直轄道路で走っていて非常に危ないなと思うのが、中央分離帯が二車線道路はラバーポールなんですね。これは対面で正面衝突する可能性が十分あるような道路で、もちろん費用を考えなきゃいけない、スピードを抑えている高速道路ということはわかっていますが、しかしながら、七十キロぐらい出てあのラバーポールでは、そのまま正面衝突してしまうような可能性があるわけです。
 この対策もしっかりしていただきたいと思っているんですが、これはどのような対策をとろうと思っていますか。
○石井国務大臣 暫定二車線の区間につきましては、中央分離帯が設置をされました四車線以上の区間と比較をいたしまして、死亡事故の発生する確率が約二倍となっております。一度事故が発生すると重大な事故になるなど、安全性に課題があると認識をしております。
 このため、こうした暫定二車線の区間につきましては、対面交通の安全性の確保に加え、運転者の安心や快適性、走行性を高める観点から、交通量が増加することに対応しまして、渋滞解消のための四車線化、さらに、本年六月には速度低下に対応した機動的な付加車線の設置を実施しているところでございます。
 さらに、現在、暫定二車線区間の対面交通の安全性を確保するために、ワイヤロープを含めまして、反対車線への飛び出しを防ぐ構造の検討を行っているところでございます。
 今後、四車線化、付加車線の設置及び飛び出し防止策の検討について着実に進めてまいりたいと考えております。
○村岡委員 地方は高速道路がまだミッシングリンクで、直轄道路は確かに急いでつくっていただきたいことはあるわけですけれども、安全はぜひしっかりしていただきたい、こう思います。
 そして、国交省や県やそういうこととともに、自動車メーカーとも、逆走したらそこに何か警報が鳴るような形も、今の車ですとそれはもうつけることができると思いますので、高速道路上でしたら自動運転までしようとしているわけですから、メーカーとも少し考えていただきたい、こう思っております。
 それでは、リニアの方の法案に移らせていただきます。
 この法案に関して、皆さんもう大分質問をされておりました。私も、東京、名古屋、そして大阪と、この経済効果、そして、日本には東京だけじゃない、軸ができるのは大切なことだと思っております。しかしながら、そこには工事の融資の金額が莫大な三兆円、それがしっかりとこの融資ででき得るものかどうか、経営がちゃんと成り立つかどうか、そういう部分は検証していかなきゃいけないと思いますが、ぜひ進めていただきたい、こういうふうに思っております。
 そこでなんですが、私も運輸の大臣秘書官をやっておりました。そのとき、ちょうど国鉄民営化という問題の中で、国鉄が非常に大きな債務を抱えて、大変な清算事業団をつくって、どのような形で返していくかということで、これも大きな問題となっていた時代でした。
 それを考えたときに、この三兆円という融資で本当にやっていける、計算が大丈夫なのか。そして、仮に大丈夫だとして、この三兆円が、国がJR東海に対していろいろな意見や、また経営まで食い込んでいくようなことがあれば、せっかくあの清算事業団をつくって、民営化した方向性でしっかり経営、運営をしているJR東海が自己の会社で決められなくなるんじゃないかという不安があるんですけれども、そこはどのような担保をされますか。
○奥田政府参考人 お答えいたします。
 先ほどもお答えしたところですが、今回の三兆円につきましては、品川―名古屋間の工事に要します五・五兆円のうち、JR東海が自己資金として予定をしております二・五兆を除く三兆につきまして、民間借り入れで遂行しようとしていた事業を長期、低利、固定の財投に置きかえることによって、八年間の経営体力回復期間をなくし、大阪までの開業を前倒ししようというものでございます。
 JR東海の事業遂行能力につきましては、そういった長期、低利、固定のお金が入るということと、あと、交通政策審議会の審議におきましても、リニアの建設を収益力の高い東海道新幹線とあわせて行っていくことで、JR東海が、自己の事業、民間の事業として十分遂行できるというふうな判断をされておりますので、今回の三兆円というものを生かして、八年前倒しに向けて取り組んでいっていただきたいというふうに思っておるところでございます。
○村岡委員 国交省が答えられるんですけれども、大臣、これは、政治的にいろいろな経営に口を出したり何かしてという、そういう結果があの国鉄の大きな債務を生んでしまいました。そこの点は、大臣はどのようなことでしっかりと担保されるのですか。
○石井国務大臣 今回、財政投融資の資金三兆円を貸し出しますので、償還確実性という観点から工事の実施状況や財務状況のモニタリングを行いますが、それを超えてJR東海の経営の自主性に何か影響を与えようということは全く考えておりません。
○村岡委員 ぜひそこはしっかりして、同じ轍を踏まないように、JR東海は、民間会社として、JR各社、いろいろ苦しいところもあると思いますが、しっかりとこの三兆円を生かしながら、東京、名古屋、大阪と、経済を発展させるために貢献していただきたい、こういうふうに思っております。
 そして、これとちょっと相矛盾するかもしれませんが、東京、名古屋、大阪が大きく成長していってこの三極だけが成長していくと、やはり地方が疲弊してくる。この中で、新幹線の中で、昭和四十八年組という新幹線があります。もう基本計画で四十年間塩漬けになっています。この四十八年組に対して、大臣はどのようなお考えをお持ちでしょうか。
○石井国務大臣 現在、全国新幹線鉄道整備法に基づきまして、昭和四十八年に整備計画が決定をされました整備新幹線でございます北海道新幹線、北陸新幹線、九州新幹線の西九州ルートの三区間の整備を、政府・与党申し合わせに基づき、順次進めております。また、北陸新幹線の敦賀―大阪間の整備も課題として残されております。新幹線につきましては、この整備計画路線の確実な整備にめどを立てることが最優先の課題と考えてございます。
 一方、整備新幹線の整備の進捗状況等を踏まえ、特に、北陸新幹線の金沢までの開業、あるいは北海道新幹線の函館までの開業が成功したということによりまして、各地域から鉄道整備に関するさまざまな御要望をいただいているところでございます。その中には、今委員御指摘の昭和四十八年時点でのいわゆる基本計画路線というものも含まれているところでございます。
 国土交通省におきましては、平成二十九年度の概算要求におきまして、基本計画路線を含む幹線鉄道ネットワーク等のあり方の検討に必要となる、我が国の交通ネットワークの現状や効率的な整備手法のさまざまな課題について調査する経費を要求しているところでございまして、この調査にしっかり取り組んでいきたいと考えております。
○村岡委員 実は、整備新幹線のめどがついたということで、四十八年組にも各県で期成同盟会というのができ始めています。非常に長い期間がかかるかもしれませんが、山形、秋田でも奥羽とか羽越の期成同盟会というのがもう設立されました。国交省にも行っていると思います。その中で、とても今の財源状況ではなかなかでき得ない状況であることはわかっています。でも、財源をつくりながら、東京、名古屋、大阪だけ成長していくだけでは、やはり国土の均衡ある発展がとれない。
 大臣の答弁をお聞きしますと、予算的に調査を含むのかどうかわかりませんが、この部分の中で、何か本格的に調査するとかそういう形をやっていただけるでしょうか、それとも、まだそこまではいっていないでしょうか。
○石井国務大臣 まず、来年度概算要求をしております調査におきましては、全国的な交通ネットワークの現状や効率的な整備手法のさまざまな課題について調査をするということでございます。
○村岡委員 先ほど、大阪―東京間が六十何分とか五百キロとか、こういう話でいっているときに、八十キロぐらいの鉄道で秋田―新潟間が三時間五十三分かかるという状況です。こういう状況だとなかなか均衡ある発展ができませんので、そういう意味の中では、この期成同盟会を通じて、財源をしっかりしなきゃいけないですけれども、東北や九州や、必要なことに関してはまた要望やいろいろなアイデアを出していきたい、こう思っております。
 そして、秋田には、もう一つ、国鉄が民営化したときに、盛岡から秋田、通称ミニ新幹線と言われていますけれども、これは盛岡から乗りかえなしで秋田まで行くということで、財源は、JRは民営化になりましたから、全て岩手県と秋田県がお金を出しました。ちょうど、JRに対して国が鉄道や線路を売却して、そのお金の一兆円浮いたのが無利子融資ということで、ほぼこれが返し終わっている状況ですけれども、この場合、ミニ新幹線、秋田とそれから山形とあって、非常に喜んではおります。
 ところが、ここもスピードが百三十キロなんです。在来線を広軌にしただけですので、どうしても線形が曲がっている、踏切が多い。こういうところに、現実にフル新幹線まではなかなかいかないときには高速化を考えなきゃいけないんですが、高速化に関しては、大臣、どのように思っていますか。
○石井国務大臣 秋田新幹線は、平成九年に、在来線の盛岡―秋田間をミニ新幹線方式で整備することによりまして、新幹線車両が東京から秋田へ直通することになりまして、沿線地域の利便性が大幅に向上した事例と承知をしております。
 盛岡―秋田間につきましては、在来線を走行するために、最高速度が時速百三十キロであることから、表定速度については制約がございます。
 御指摘の秋田新幹線のさらなる高速化につきましては、基本的には、輸送需要の動向や収支採算性などを総合的に勘案した上で、事業者の経営判断により行われるものと思っております。
 したがいまして、まずは沿線自治体と鉄道事業者との間で十分な検討を行っていただき、しっかりと議論していただくことが重要と考えております。
 その上で、国としては、状況を踏まえつつ、必要な助言や検討を行ってまいりたいと考えております。
○村岡委員 四十八年組のいろいろな線に関していうと、もちろんフル新幹線ができればいいんですが、そういう中のアイデアで、秋田、山形方式、一兆円の財源がなくなっていますから、それは別だとは思いますけれども、あの方式もなかなか喜ばれたことなんですが、しかし、二十年たっていきますと、どうしてもスピードアップというのが、リニアは五百キロと一方で出ているのにこっちが百三十キロ、そういう意味の中では、ぜひ高速化にも国交省の方で協力していただきたい、こういうふうに思っております。
 それともう一つ、これは東北地方や、そして北海道も北陸もそうだと思いますけれども、第三セクターの鉄道というのがたくさんあるんですね。国鉄が民営化になったときに、もうJRではそこは抱えておけない線路。そこの中で、特に北国は雪が降る。この線路の除雪がとても第三セクターを経営上苦しめている、この状況があります。
 ここに対して、道路は最初からきちんと除雪の費用が出てきますけれども、国交省として、ここは考えられないでしょうか。
○石井国務大臣 鉄道事業における安定、安全な輸送は鉄道事業者により確保されるべきものでありまして、積雪時の対応についても同様であると考えております。
 このため、鉄道事業者は、除雪車両や融雪施設の保有、監視や作業に必要な人員の確保等を行い、積雪時における運行を確保しております。
 これに対して、国土交通省では、輸送の安全性確保を支援する観点から施設整備への支援を行っておりまして、第三セクターを含む地域鉄道事業者に対して除雪車両や融雪施設の整備について補助を行っております。
 国土交通省といたしましては、こうした支援を行うことによりまして、引き続き、積雪時の鉄道事業における安全、安定輸送に対する鉄道事業者の取り組みを支援してまいりたいと考えております。
○村岡委員 時間が参りましたから終わりますけれども、リニアで日本全体の軸をつくってやっていくのはいいんですが、それが地方の疲弊につながってはいけないということの中で、国交省には、地方の高速交通体系にもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 終わります。
○西銘委員長 次に、本村伸子君。
○本村(伸)委員 日本共産党の本村伸子でございます。
 今回、JR東海、リニアに財政投融資で三兆円の公的資金を入れる、そのために、鉄道・運輸機構の業務に貸付業務を加えるという法改定です。
 私は、予算委員会でこの三兆円の公的資金投入問題を取り上げまして、麻生太郎財務大臣ともやりとりをさせていただきました。この間、財務省ともやりとりをいたしまして、明らかになったことが三点ございます。
 一点目が、財政投融資計画の編成において、財務省が、法律上規定もある財政制度等審議会を開かずに、持ち回りでいいかげんな形で決めてしまったということ。そして二つ目が、JR東海が今後出すお金、品川から大阪までの建設費九兆円の問題や、JR東海が、今後入ってくる収入の見込み、需要予測、この二つの根拠がわかる資料は、財政審の委員の先生方には議案資料としては渡されていなかったということ。そして三点目が、建設費九兆円、需要予測について、つまりは償還確実性について財政制度等審議会で議論されていないということ。この三点が明らかになりました。
 麻生財務大臣に、償還確実性や、そもそも九兆円の根拠について精査をしたのかと質問をいたしましたら、次のような答弁が返ってまいりました。
 九兆三百億のものが確実にどうなるか。私、生きていたら証明したいと思いますけれども、それまで生きている保証がありませんので何ともわかりません。私どもとしては、九兆円という予算を頂戴しておりますので、そのいただいたものに基づいて、我々としては、いわゆる償還確実性というものが、時間が延びるというのは十分あり得ますよ、もちろん。そういった意味では、私どもとしては、それが確実にできるかというと、残念ながら、それまで生きている保証が私にはありません。百歳以上、百歳まで生きているという保証はありません。
 こういう答弁でした。
 大変無責任な答弁だというふうに思います。時間が延びるというのは十分ありますよ、もちろんということで、事業費が膨れ上がるということを示唆する答弁だということも同時に指摘をしておきたいというふうに思います。
 石井大臣も同席をされていたというふうに思いますけれども、石井大臣にお伺いをいたします。
 今回のリニアへの三兆円の財政投融資は、返済が三十一年後、そしてその後、毎年毎年三千億円ずつ返済をして、四十年後に完済という計画でございます。償還は三十年後、四十年後という話ですけれども、国会議員として、そして大臣として、やはり子供たちや若者、次の世代のこともしっかりと考えて、真面目に検討して政策決定をするべきだというふうに思いますけれども、大臣、お答えをいただきたいと思います。
○石井国務大臣 リニア中央新幹線につきましては、現下の低金利状況を生かし、財政投融資を活用することで、大阪までの全線開業を最大八年間前倒しし、整備効果を早期に発現していくものでございます。
 この全線開業によりまして、三大都市圏が一時間で結ばれ、人口七千万人規模の世界最大の巨大な都市圏が形成されることになります。我が国の国土構造が大きく変革され、国際競争力の向上が図られるとともに、その成長力が全国に波及し、日本経済を発展させるというふうに考えております。
 今回、貸し付けが行われる財政融資資金の償還確実性についてでありますが、そもそも、JR東海は、収益力の高い東海道新幹線と一体的に経営を行うものであり、貸し付けた資金は、JR東海より確実に償還されるものと考えております。
 貸し付けに際しましては、貸付主体となる鉄道・運輸機構におきまして、償還確実性に関する審査を行い、貸し付け後も定期的に会社の財務状況の確認等を行うこととしております。
 したがいまして、今般の貸し付けに当たりましては、JR東海から確実に償還がなされるものと考えているところでございます。
○本村(伸)委員 リニアは、品川から大阪まで、建設費九兆円、今世紀最大の事業です。そして、新しい技術を使うものでございます。慎重に検討をしっかりとして、議論をするというのは当たり前だというふうに思います。
 このリニアの三兆円、財政投融資の公的資金投入の問題で、財務省に伺いたいというふうに思います。
 先ほども言いましたけれども、この三兆円の財政投融資計画の決め方そのものがずさんだったというふうに私は思っております。
 来年度の財政投融資計画もあるわけですから、その際には、建設費九兆円の根拠、そして、過大な需要見込みではないか、生産年齢人口を加味していないじゃないかという指摘もあるわけですけれども、この需要予測、この二つがわかる資料を、償還確実性、このことがちゃんと検証できる資料を財政審の委員の方にお渡しして、この償還確実性について財政制度等審議会でしっかりと公開で議論をするべきだと思いますけれども、財務省、お答えをいただきたいと思います。
○北村政府参考人 お答えいたします。
 財政投融資計画の編成に当たりましては、毎年度、財投機関から要求された内容を踏まえまして、財政制度等審議会の財政投融資分科会において御意見を聞いて、適切な審査、編成に努めております。
 平成二十九年度財投要求につきましても、現在、他の財投機関と同様に、鉄道・運輸機構からの要求についても、償還確実性の観点も踏まえ、審査を進めているところでございます。今回の要求においても、鉄道・運輸機構の要求内容や審査の状況等も踏まえ、適切な編成に努めてまいります。
○本村(伸)委員 お答えになっていないと思うんです。建設費九兆円の根拠や需要予測の根拠をしっかりと議論するのかという点、お答えをいただきたいと思います。
○北村政府参考人 二十九年度要求に係ります財投分科会について、各財投機関の要求内容や審査の状況等も踏まえて、適切に開催してまいりたいと考えております。
○本村(伸)委員 ごまかしの答弁ですよね。
 財政投融資の償還確実性の精査というのは、かつて、第二の予算と呼ばれて、不要不急の大型開発事業、湯水のようにこの事業に資金投入をされたことから、二〇〇一年、財投の改革の際に位置づけられたものだと理解をしております。その際には、政策コストの分析の導入や情報開示の徹底、これが改革の柱だったというふうに思います。それが、今回のように償還確実性の審査をまともに行っていないというのは、財投改革そのものに反するものだというふうに思います。
 なぜこういうふうにいいかげんな審査しかしないのかという点を考えてみますと、いいかげんな審査の方がこの財政投融資を今後もじゃぶじゃぶ使えるからと考えているのではないかというふうに疑念が出てくるわけでございます。
 この夏の参議院選挙で自民党の皆さん方は公約をされております。ゼロ金利を活用した超低金利活用型財政投融資を、今後五年間で官民合わせて三十兆円の事業規模を確保しますというふうに書いてあります。五年間で三十兆円ということであれば、毎年六兆円ということになります。
 九〇年代後半、第二の予算と呼ばれた。そして、大型開発事業に財政投融資の資金が投入させられた。これが、それを復活させる問題で、リニアが先駆けになるのではないかというふうに疑念を持つわけですけれども、石井大臣の見解を求めたいと思います。
○石井国務大臣 財投全体のあり方については財務省の方でお答えいただくものかと存じますが、今回のリニア中央新幹線に対する財政投融資の投入ということにつきましては、あくまでもJR東海の償還確実性をきちんと判断した上で実施を行っているものでございます。過去の財投改革に逆行するものではないというふうに考えております。
○本村(伸)委員 確認をいたしますけれども、JR東海が何らかの理由で三兆円を返せなかった場合、最終的な債務の負担を行うのは誰か、確認をしたいと思います。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 リニア中央新幹線につきましては、全国新幹線鉄道整備法に基づきまして、交通政策審議会におきまして、JR東海の財務的事業遂行能力の検証が行われまして、この中で、リニア中央新幹線への投資による債務は、大阪開業後のリニア中央新幹線及び東海道新幹線による営業収益で着実に返済できることが確認されております。
 この結果、JR東海が収益力の高い東海道新幹線と一体的に経営を行うことで、経営の安定性を維持しながら事業を遂行することが可能であるとの答申を得たところでございます。
 この点に関しましては、今回の措置によっても変わるものではなく、貸し付けた財投資金は確実に償還されるものと考えております。
 さらに、今般の貸し付けに際しましては、貸付主体となる鉄道・運輸機構において、償還確実性に関する審査を行い、貸し付け後も定期的に会社の財務状況の確認等を行うこととしております。
 また、貸付期間中にJR東海の財務状況が悪化し、債権保全が必要な場合等においては、担保を設定する旨も貸付時の約定において定める予定でございます。
 これらの措置を講ずることによりまして償還確実性は十分に確保されるものと考えており、今般の財投資金については、JR東海から確実に償還がなされると考えております。
○本村(伸)委員 一般論として聞いているんですけれども、返せなかった場合、最終的な債務を負担するのは誰か、お答えをいただきたいと思います。
○奥田政府参考人 JR東海の償還能力については、先生も御案内のとおり、今お話をしたとおりでありますし、財投貸し付けについて償還が滞ったというようなことはないといった話がさっきあったと思いますので、お答えといたしましては、今般の財投資金についてはJR東海から確実に償還がなされるというふうに考えております。
○本村(伸)委員 確実に償還できるという根拠が、国交省でいえば交通政策審議会陸上交通分科会鉄道部会中央新幹線小委員会の議論などだというふうに思うんですけれども、そこにも疑義が出ているわけでございます。そういうことでこの議論をさせていただいているんですけれども、結局、JR東海が返せなかった場合、それは当然、国や国民の皆さんの負担になるということだというふうに思います。
 資料をお出ししているんですけれども、資料一を見ていただきたいんです。
 資料一の上の表は、今回、三兆円の財政投融資をした場合のJR東海の長期債務残高のグラフでございます。下は、以前の話ですね、財投の話が出てくる前、JR東海が出していた長期債務残高の資料を国交省から出していただいたわけですけれども、上の新しい長期債務残高を見てみますと、そもそも三兆円以外に借りる計画があるわけです。
 国交省にお伺いしますけれども、三兆円以外に幾ら借りる計画になっているのかという点、品川から大阪のケースですね。
 そして、財務省にお伺いしたいのは、リニアに三兆円以上貸すということはないですねという確認をしたいと思います。
○奥田政府参考人 お答えいたします。
 済みません、ちょっと質問の御趣旨がいま一つ明確でないんですが、例えば名古屋開業時でありますと、今回のシミュレーションで四・六六兆円ですので、その時点での民借りは、それから三兆円を引きました一・六六兆円、大阪開業時は、五・五〇兆円から三兆円を引きました二・五〇兆円が民借りということになろうかと思います。
○北村政府参考人 お答えいたします。
 今般のリニア中央新幹線に対する貸し付けにつきましては、品川―名古屋間の工事に充てるために調達が必要と見込まれます三兆円について、財投の長期、固定、低利の貸し付けを行うこととしておるものでございます。
 これにより、JR東海が予定していた品川―名古屋間開業後の八年間の経営体力回復期間を置かずに、品川―名古屋間開業後、連続して、名古屋―大阪間の工事に速やかに着手することで、全線開業の前倒しを図るものでございます。
 必要と見込まれます財投の貸し付けが三兆円を超えることはないと考えているところでございます。
○本村(伸)委員 次にお伺いをしたいんですけれども、上の、三兆円財政投融資をした場合のJR東海の長期債務残高、そして財投がない場合の以前の長期債務残高、この二つのグラフを比較いたしまして、JR東海の利益、メリットをどのように考えているのか、国交省から伺いたいと思います。
○奥田政府参考人 お答えいたします。
 今般の措置は、財投の長期、固定、低利の貸し付けによりまして、八年間の経営体力回復期間をなくし、品川―名古屋間開業後、連続して、名古屋―大阪間の工事に速やかに着手することで、全線開業の前倒しを図るものでございます。
 具体的には、品川―名古屋間の工事に充てるために調達が必要と見込まれる三兆円について、一括で貸し付けが行われることによりまして、JR東海は、金利変動リスクや、多額の資金需要に対応できないという資金調達リスクを回避することができるわけでございます。
 これによりまして、八年間の経営体力回復期間をなくし、全線開業までの期間を最大八年間前倒すことを目指すことが可能となると考えており、これがJR東海にとってのメリットであるというふうに考えております。
○本村(伸)委員 この新しい表の二〇五〇年の債務残高を見てみますと、まず、財投ありのケースでいえば二兆円超でございます。そして、下の表の財投なしの場合は三兆円超でございます。二〇五〇年の債務残高で見てみますと、一兆円の債務残高が減るということになります。つまり、二〇五〇年にはJR東海の借金が一兆円減ることになるというふうに思います。これはJR東海の利益そのものじゃないかというふうに思うわけです。
 そして、財投ありの長期債務残高では、二〇三七年の大阪開業時、五・五兆の債務残高になっております。その下の、前のケースですと、四五年、大阪開業時は四・六九兆円ということで、以前は、JR東海の借金は五兆円に抑えないとだめなんだ、経営が危うくなるから五兆円に抑えるんだということを言ってきたわけですけれども、今回の財投の投入で、この表を見ましても、最大五・五兆円資金調達できるということです。これは、JR東海にとってはかなりのメリットであるというふうに思います。
 先ほども議論がありましたけれども、JR東海の利息負担というのは当然減りますよね。
○奥田政府参考人 お答えいたします。
 先ほど、黒岩先生からの御質問に対してお答えをいたしました。この両方のシミュレーションにつきまして、品川―名古屋間の着工から全線前倒し開業が見込まれるまでの期間、平成二十六年から平成四十九年につきまして計算をいたしますと、交通政策審議会で検証された当初ケースと、財投活用により八年前倒しを行うケースでは、五千億の差があるということでございます。
○本村(伸)委員 十月十九日のこの委員会で、財政投融資の金利を〇・六%と想定した場合、JR東海のリニア事業における利息負担というのは六千億円なんだという答弁がございました。JR東海はそもそも三%を想定していたわけですから、〇・六%の五倍でございます。〇・六%で六千億円の利息負担ということであれば、単純計算しますと、三%なら三兆円の利息負担を見込んでいたということになります。差し引き二兆四千億円、利息負担がJR東海は軽くなるということも、これは単純計算ですけれども、言えるというふうに思うんです。これは物すごい優遇だというふうに思います。
 全額自己負担だといつも言われております。そして、経営支援じゃないんだということも国交省は言われておりますけれども、こういう利息の負担が軽減される中で、全額自己負担だから自己資金なんだと言われても、とても納得ができないわけです。全額自己資金がリニア事業実施計画の前提だったわけです。その前提が崩れているわけですから、整備計画決定や工事実施計画は認可を取り消すべきだというふうに思います。
 法案についてもお伺いをいたしますけれども、JR東海、リニアへ財政投融資で三兆円の巨額の公的資金を投入するために、鉄道・運輸機構に貸し付けの業務を加えるという法改定ですけれども、こうした民間の特定の事業に鉄道・運輸機構が貸し付けた例はこれまでにあるのか、お答えをいただきたいと思います。
○奥田政府参考人 お答えいたします。
 鉄道・運輸機構といたしまして、民間の鉄道会社の特定の事業に対する貸し付けを行った例はございません。
○本村(伸)委員 そういう優遇をするわけでございます。
 私どもの志位和夫委員長が本会議質問をいたしまして、安倍首相がこう答弁をいたしました。先ほども御答弁ありましたけれども、「今般の貸し付けに際しては、貸付主体となる鉄道・運輸機構において、償還確実性に関する審査を行うとともに、貸し付け後も定期的に会社の財務状況の確認等をしてまいります。」と答えております。
 そもそも、鉄道・運輸機構が十分な審査機能を持って償還確実性などを精査できるのかという問題がございます。
 そこでお伺いをいたしますけれども、直近五年間で、鉄道・運輸機構からJR東海へ、逆にJR東海から鉄道・運輸機構への出向を含む人事交流と言われるものの状況をお示しいただきたいと思います。
○奥田政府参考人 お答えいたします。
 鉄道・運輸機構からJR東海への出向を含みます人事交流者の在籍数は、平成二十四年度初三名、平成二十五年度三名、平成二十六年度三名、二十七、二十八年度の実績はないということになってございます。
 それから、JR東海から鉄道・運輸機構への出向を含む人事交流者の在籍数は、年度初ですが、平成二十四年度五名、二十五年度八名、二十六年度九名、二十七年度七名、二十八年度四名ということになってございます。
○本村(伸)委員 役職で資料をいただきましたけれども、直近五年間で、JR東海から鉄道・運輸機構に出向など人事交流をしているのが十七名、そして鉄運機構からJR東海に出向などの人事交流を行っているのが六人だという資料をいただいております。
 鉄道・運輸機構というのは、JR東海とずぶずぶの関係であるというふうに思わざるを得ないわけです。十分な審査機能があるのか、厳格で客観的な審査ができるはずがないと、私は、この関係からも思います。
 この鉄道・運輸機構には十分な審査機能がない、償還確実性を精査できる、そういう機能がないというふうに思いますけれども、もともと金融機関じゃないわけですから、償還確実性を審査するノウハウがないのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○奥田政府参考人 お答えいたします。
 今般の財投措置におきましては、JR東海の償還確実性に係る審査を行うとともに、財投資金を貸し付けた後に、定期的に、工事の進捗状況でありますとか、JR東海の財務状況の把握及び確認を行い、円滑な工事の実施や償還確実性の確保を図ることが必要となってまいります。
 鉄道・運輸機構は、鉄道建設の整備促進のための支援を総合的かつ効率的に行うことを目的といたしておりまして、鉄道建設に関する技術や工程管理に関する知見が十分に蓄積されていることから、この鉄道・運輸機構において貸し付け及びその後のモニタリングを行うことが適切であると考えたところでございます。
 なお、財投の貸付業務につきましては、確実な審査等の対応が必要となることから、機構における既存の人員体制の範囲内におきまして、貸し付け等の業務に関する専門知識を有する人材も含めた体制構築を行い、厳正な審査に万全を期すということにいたしております。
○本村(伸)委員 事前の審査やモニタリングをする職員の人件費などの経費は、JR東海が負担するというふうになっております。JR東海がその人件費などを負担するということであれば、やはり厳格な審査機能を発揮することができないというふうに思うわけです。
 これは初めてやることなので、本当に取ってつけたスキームで、三兆円貸し付けるにもかかわらず、いいかげんな仕組みでやろうとしているというふうに思います。
 先ほども、安倍首相の答弁、そして今、局長の答弁がありましたけれども、事前の償還確実性の審査というのはどういう審査をするのか、そういうことを問いたいというふうに思います。
 建設費九兆円の根拠、需要予測の根拠、その精査もちゃんとするのか。先ほども参考人からありました、人件費の高騰や資材費の高騰がある中で、今の時点でちゃんとチェックするべきだというふうな指摘もありましたけれども、ちゃんとその点を精査するのかという点、そして一件一件の工事の予定価格、工事契約の内容、発注価格、工事の方法など精査するのかという点をお伺いしたいと思います。
○奥田政府参考人 お答えいたします。
 鉄道・運輸機構は、JR東海に対します貸付時に、JR東海の財務の健全性でありますとか、リニア中央新幹線の全線開業を前倒ししても償還期間のキャッシュフローが確保される見通しであることなどを確認することとしております。
 具体的には、各種経営情報資料を用いた財務分析の実施でありますとか、JR東海の事業から生み出されるキャッシュフローと、設備投資及び財投資金を含む債務返済キャッシュフローの比較、需要の変動、設備投資金額の変動といった事業の前提条件に変化が生じた場合にも、償還期間中のキャッシュフローに問題がないかの確認などを行うこととなります。
 なお、JR東海から鉄道・運輸機構に提供のあった情報については、法律上、秘密保持義務がかかることとなります。
 あと、お尋ねの何点かについてでございます。
 まず、大阪までの総事業費につきましては、品川―大阪間全体の建設費につきましては、平成二十一年十二月に鉄道・運輸機構及びJR東海から公表された中央新幹線調査報告書、いわゆる四項目調査におきまして、その概要額が九兆三百億円とされております。
 万一、増加が見込まれる場合におきましては、JR東海は、中央新幹線の工事全体について一層のコストダウンに取り組むとともに、毎年の経営努力を積み重ねることで、会社全体としてこの増加分を吸収しつつ、事業を遂行していく旨、聞いております。
 なお、現時点で、確定的な超過要因があるとは承知しておりません。
 また、需要予測の根拠につきましては、JR東海の財務的事業遂行能力について、交通政策審議会において、経済成長率ゼロ%、国立社会保障・人口問題研究所の日本の都道府県別将来推計人口、平成十九年五月に基づく需要予測を用いて検証を行っております。すなわち、経済成長率については政府の見込みよりも厳しい数値、人口については政府の予測に沿った数値をもとに検討を行ったところでございます。
 あと、個別工事について内容や予定価格ということでございますけれども、鉄道・運輸機構は、貸し付け後、定期的にモニタリングを行いまして、工事の実績及び今後の工事内容の報告を受けまして、貸付対象事業の進捗状況の把握等を行うこととしておりまして、工事についての内容や事業費等については、必要に応じて確認を行うということかと思います。
 なお、先ほどからモニタリングの経費についてお話がありますが、例えば民間の金融機関でありますと、調達金利に、彼らがいろいろな業務を行います経費プラス利潤を乗せまして貸付金利を決めてやるということでありますが、鉄運機構の場合は、事前の法案の御説明でも御説明したかと思いますが、借りた条件と同条件で貸し付けます。したがって、民間が調達金利に乗せている部分の経費に当たる部分を当然いただいておるだけでありまして、利潤をいただいておるものではないということを申し添えておきたいと思います。
○本村(伸)委員 九兆円の根拠や需要予測に疑義があるからこそ、こういう質問をしているわけでございます。公的資金を投入するわけですから、今局長が言われたことを検証するためにも、情報がしっかりと国民的に公開されなければならないというふうに思います。
 そこで、伺いますけれども、品川―名古屋間では、このリニアは八六%がトンネルでございます。このリニア関連のトンネル工事、これまでに何件契約しているか、工事名をお示しいただきたいのと、発注金額についてお示しをいただきたいと思います。
○西銘委員長 奥田局長、いいですか。
○奥田政府参考人 済みません、通告の問いに見当たらなかったような気がしたので……。
 リニア中央新幹線のトンネル工事につきましては、第四南巨摩トンネル(西工区)、南アルプストンネル(山梨工区)、それから伊那トンネル(坂島工区)、中央アルプストンネル(山口工区)、日吉トンネル(南垣外工区)において契約が締結されております。
 これらのトンネル工事では、工事用作業ヤードのための土地は借地、トンネル坑口の付近の土地は用地取得または区分地上権で……
○西銘委員長 ゆっくり発言してください。
○奥田政府参考人 はい。用地取得または区分地上権設定でそれぞれ確保されることが予定されております。
○本村(伸)委員 契約金額についてお伺いしたいんですけれども、JR東海だけじゃなくて鉄運機構も契約していると、私、資料の二枚目で出しておりますので、それを読み上げていただいてもいいかと思います。
○西銘委員長 準備はできていますか、答弁資料。
 奥田鉄道局長。
○奥田政府参考人 お答えいたします。
 まず、国などが行う公共工事では一般に税金が投入されていることから、その透明性を確保することが必要であります。このため、工事の入札でありますとか契約等に関する情報につきまして、関係法令、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律に従って公表することとされております。
 民間企業でありますJR東海が行う工事につきましては、同法が規定する公共工事に該当しないため、JR東海は、リニア中央新幹線の工事の契約金額を公表いたしておりません。
 なお、JR東海によれば、個別の工事価格が類推されるなど、今後の契約に影響があるため、契約金額については公開していないということでございます。
 あと、鉄運機構が契約をいたしております二件につきましては、先生が配付された資料に書いてあるとおりというふうに承知しております。
○本村(伸)委員 鉄運機構の中央アルプストンネルの山口の部分ですけれども、百三十七億九千五百九十九万円というように公表されているわけでございます。先ほど答弁いただいた中身が二枚目の資料に、皆様方にお配りをしております。JR東海が発注しているトンネル工事その他の工事については、契約金額も非公表というふうになっております。
 公金が投入されるリニアの事業で、財政投融資がされる工事で、JR東海発注と鉄道・運輸機構発注で何が違うのか、JR東海発注はなぜ公開されないのか、その点、お示しをいただきたいと思います。
○奥田政府参考人 先ほど申し上げましたように、国などが行う公共工事では一般に税金が投入されることから、その透明性を確保することが大事であるということで、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律に従いまして、その法律に言う公共工事を実施する者については公表するということにされておりまして、鉄運機構はそちらに該当する、民間企業のJR東海はそちらに該当しないということで、こういった法制度の前提があってそういうことになっておるというふうに理解しております。
○本村(伸)委員 公共工事では、入札状況調書ですとか、下請の施工体系図ですとかが公表をされております。公共事業でこうしたものを公表して、何か支障が出ておりますでしょうか。
○奥田政府参考人 恐縮ですが、支障の有無については承知いたしておりません。
○本村(伸)委員 昨日通告をしたはずですけれども、後で確認をして答弁をいただきたいというふうに思います。
 鉄道・運輸機構は、JR東海発注の工事進捗状況を把握し、適正にできているか監視をする役割が、今回の法改定で仕事になるというふうに思いますけれども、工事の入札状況調書を初め契約に至る経過や施工状況など、鉄道・運輸機構にはJR東海からちゃんと情報が開示されるのか、お示しをいただきたいと思います。
○奥田政府参考人 お答えいたします。
 今般の財投措置におきましては、JR東海の償還確実性に係る審査を行うとともに、財投資金を貸し付けた後に、定期的に工事の進捗状況やJR東海の財務状況の把握及び確認を行うことといたしております。
 工事の進捗状況の確認に当たりましては、具体的には、工事の実績及び今後の工事内容の報告を受け、貸付対象事業の進捗状況の把握等をすることとしております。鉄道・運輸機構は、それらのために必要な範囲でJR東海に対して適宜の資料提出等を求めることとなると考えております。
 なお、JR東海から鉄道・運輸機構に提供のありました情報につきましては、法律上、秘密保持義務がかかるということになっております。
○本村(伸)委員 明確に述べていただきたいんですけれども、工事の入札状況調書、そして契約に至る経過、施工状況、これはJR東海から機構に開示されるのか。
○西銘委員長 奥田鉄道局長、最後の方、ゆっくり発言してください。
○奥田政府参考人 今御指摘の点につきましては、審査を行う過程で、具体的にどの資料の提出を受けるかについて、必要に応じ判断がされるということだというふうに承知をいたしております。
○本村(伸)委員 鉄道・運輸機構にも今私が指摘をした資料が開示されるかどうかもわからないということだったというふうに思います。そういう状況で認めろというのは、本当におかしいことだというふうに思います。
 財政投融資の改革の柱に、情報公開が中心的な課題として位置づけられております。財務省に対して申し上げたいんですけれども、情報公開をするべきだということを鉄運機構やJR東海に指導するべきだと思いますけれども、お答えをいただきたいと思います。
○北村政府参考人 お答えいたします。
 財政投融資につきましては、平成十三年度に財投改革が行われまして、議員御指摘の情報公開の一層の徹底等を実施することとされたところであります。この情報公開の徹底に当たりましては、財投機関の財務諸表等について国民にわかりやすい形での情報公開を行うことで、財投機関の規律確保を図ることとしているものでございます。
 今般JR東海に対して貸し付けを行う鉄道・運輸機構においても、適切に財務諸表等の公開を行うものと理解をしております。
○本村(伸)委員 適切な情報が開示されるということは、鉄運機構には先ほど言った資料がちゃんとJR東海から提供されるという理解を財務省としてはしているという理解でよろしいでしょうか。
○北村政府参考人 お答えいたします。
 先ほど申し上げました財投改革における情報公開の徹底は、財投機関の財務諸表等の公開を行うものでありまして、財投機関の融資先に関する個別の情報開示を意味するものではないというふうに考えております。
○本村(伸)委員 大臣も、そして安倍首相も、償還確実性はあるから大丈夫だというふうに言っておりますけれども、それを国民的に精査しようと思っても、情報が開示されない中でどうやって精査をすればいいのか、ただ信じろということなのかと抗議をしておきたいというふうに思います。
 もう一つお伺いをいたしますけれども、私は、静岡県の南アルプスに行ってまいりました。実際に見た南アルプスというのは、本当に、写真や言葉では尽くせないような壮大な自然環境が残っている地域です。この南アルプスの壮大な自然を壊して、よくトンネルをぶち抜こうとするな、そういう発想がよく出てくるなと、JR東海や国土交通省の見識や倫理観を私は疑いました。おごりの象徴であるというふうに思いました。
 この静岡県の南アルプスの区間には、七百人の労働者が働くことになるそうです。その宿舎の予定地も、案内をしていただいて見てまいりました。崖崩れの真下にございました。深層崩壊したような地形で、現在も、そして将来も、工事中に土砂崩れがあるのではないかと大変心配するようなところでございました。この点でも人命軽視じゃないかという点を私は大変思いましたけれども、リニアは働く人が犠牲になるのではというふうに大変心配になりました。
 そこで、確認をいたしますけれども、鉄道・運輸機構の事前の審査やあるいはモニタリングの際に、リニア工事についてダンピングがないように、あるいは下請たたきがないように、実際に働いている方々にまともな労働条件が確保されない、こういうことがないように、労働者が社会保険に入るなど品確法が適用されるかどうか、この点、確認したいと思います。
○石井国務大臣 リニア中央新幹線の工事は、建設主体でありますJR東海の責任で行われるものであります。工事の安全性につきましても、JR東海の責任で確保されるべきものと考えております。
 国土交通省といたしましては、平成二十六年十月の工事実施計画の認可に際して、当時の太田国土交通大臣より、地域の理解と協力の獲得、環境の保全の措置に加え、安全かつ確実な施工を行うよう、指示を行っているところであります。
 これを踏まえまして、国土交通省として、安全かつ確実な施工が行われるよう、引き続き、建設主体であるJR東海を指導監督してまいりたいと考えておりまして、この点は、今回の措置によって変わるものではございません。
 なお、鉄道・運輸機構が行います資金の貸付時の審査やモニタリングは、償還確実性や工事の進捗状況の確認等のために行うものでございます。
 繰り返しになりますが、安全対策や法令遵守につきましては、国土交通省より、しっかりとJR東海を指導監督してまいりたいと考えております。
○本村(伸)委員 民間の工事のときに、不当に下請の皆さんを買いたたいて、実際に働く人たちが犠牲になっている現場を知っているからこそ、こういう質問をしているわけでございます。償還確実性を審査すると言いますけれども、九兆円に抑えようということで働く人たちが犠牲になるようなことがあってはならないからこそ、こういう質問をしているわけでございます。
 質問は、品確法が適用されるかどうかという質問だったんですけれども、いかがでしょうか。
○奥田政府参考人 そういった工事の現場等におきましても、安全性関係の法令を初め各種法令に従った対応がなされるものと思っておりますが、大変恐縮ですけれども、今直ちにちょっとお答えすることができませんので、直ちに調べて御回答いたします。
○本村(伸)委員 労災ゼロ、そして過労死ゼロは当然だというふうに思います。
 リニアはトンネルが八六%ですから、じん肺にならないように労働安全衛生がしっかりとされるということ、あるいは、足場を組む場合も公共事業並みの安全対策をしっかりととられるのかという点、先ほど言った宿舎の安全確保の観点、そしてダンプも過積載にならないように、元請が不当にそういうことを下請に要求しないかどうかということもしっかりとチェックをしなければならない。それが確保されるかどうかというのも、とても大切な審査内容だというふうに思っております。
 時間がないので先に進みますけれども、リニアの用地取得の進捗状況についてお伺いをしたいというふうに思います。
 一都六県、それぞれ用地取得率はどうなっているか、交渉対象者が何人いて、交渉開始が何%で、契約済みが何%か、お答えをいただきたいと思います。
○奥田政府参考人 リニア中央新幹線の用地取得における地権者数につきましては、現在行われております、及び今後行われる予定の用地測量によって定まるものでございます。このため、現時点におきましては、都道府県別の地権者数をお示しすることはできません。
 なお、大まかな数字といたしまして、移転をお願いする、もしくは区分地上権を設定させていただく地権者数は、品川―名古屋間の全線で約五千人程度になるというふうに想定されていると聞いております。
○本村(伸)委員 交渉開始などについてはないんでしょうか。わからないわけですか。
 民間のJR東海がやっているということを主張されるわけですけれども、では、用地交渉や事務をやっているのは一体誰かということが問題になります。品川から名古屋まで一都六県、どうなっているか、お示しをいただきたいと思います。
○奥田政府参考人 全国新幹線鉄道整備法の第十三条第四項におきまして、「地方公共団体は、」「新幹線鉄道に関し、その建設に要する土地の取得のあつせんその他必要な措置を講ずるよう努めるものとする。」というふうに規定をされておりますが、リニア中央新幹線では、整備新幹線と同様に、全国新幹線鉄道整備法十三条四項の規定に基づきまして、JR東海が地方自治体に委託をして、地元地権者との交渉などの用地取得に関する事務が行われているところでございます。
○本村(伸)委員 明確に、いろいろ秘密にして進めていくのかなというふうな疑念が出てくるわけです。
 民間のJR東海がやるというふうに言っておりますけれども、実際に用地交渉や事務をやっているのは自治体の皆さんです。自治体を手足のように使っている。そして、JR東海のために土地収用法も適用される仕組みになっています。都合がいいところだけ民間と言って、大事なところは公共にやらせるということは、本当におかしいというふうに思います。
 私、愛知県内の状況や岐阜県内の状況も聞いてまいりました。名古屋市では、登録簿上の地権者総数が六百八十人。この内訳ですけれども、立ち退き対象の方が百二十名、そして区分地上権の方が五百六十名。今は建物等測量の段階である、実質的にはゼロ交渉だという報告でございました。そして、岐阜県の瑞浪市は、日吉町の非常口ヤードの地権者は二名おりまして、ここでも交渉中で、契約に至っていないと。瑞浪市内の区分地上権の方は、数もわからないし、交渉も未着手だという報告を、名古屋市会議員団、そして瑞浪市会議員団から、行政から聞いていただいて、報告を受けました。こういう状況で、まだまだ全然進んでいないわけです。
 次に聞きたいんですけれども、トンネル工事など、工事発注した区間の用地の取得は完了しているのか、聞きたいと思います。
○奥田政府参考人 お答えいたします。
 先ほど、工事を発注している区間を申し上げました。第四南巨摩トンネル、南アルプストンネル、伊那山地トンネル、中央アルプストンネル、日吉トンネル、契約が締結されておりますが、これらのトンネルの工事では、工事用作業ヤードのための土地は借地、トンネル坑口、非常口付近の土地は、用地取得または区分地上権設定で、それぞれ確保することが予定をされております。
 このうち、JR東海によれば、坑口付近の土地の一部は取得済みというふうに伺っております。
○本村(伸)委員 では、もう一つ確認したいんですけれども、鉄運機構委託区間の工事の進捗状況、下請の施工体系図などは整っているのか、お伺いしたいと思います。
○奥田政府参考人 JR東海は、鉄道・運輸機構に対しまして、小野路非常口他工事、中央アルプストンネル(松川)外工事、中央アルプストンネル(山口)工事の三工区の工事を委託しております。
 これらのうち、小野路非常口他工事及び中央アルプストンネル(山口)工事につきましては、鉄道・運輸機構は施工会社と契約済みで、それぞれ、本体工事に向けての準備工事、施工計画の検討が行われております。もう一つの工区、中央アルプストンネル(松川)工区につきましては、現在、契約手続中ということでございます。
 また、各工区の施工体系図につきましては、今後、下請業者等が決まった段階で作成される予定というふうに伺っております。
○本村(伸)委員 いろいろ発注が進んで、工事に着手されているということが喧伝されておりますけれども、実際の工事は進んでいないわけです。前提となる用地取得も、まだほど遠いという状況でございます。
 そもそもという点で、ちょっと話をかえてお伺いをしたいんですけれども、ルートの線引きは一体誰がどのように決めたのか、ルートの沿線の住民の皆さんにちゃんと相談をしたのか、お伺いをしたいと思います。
○奥田政府参考人 リニア中央新幹線の品川―名古屋間のルートにつきましては、平成二十三年から行われました環境影響評価の中で示されました。
 具体的には、平成二十三年六月及び八月にJR東海が作成いたしました計画段階環境配慮書の中で、三キロメートルの幅でルートが公表され、同年六月から八月にかけまして、環境保全の見地から、沿線自治体や住民の方々からの意見聴取が行われました。
 また、平成二十五年九月にJR東海が作成いたしました準備書の中では、一万分の一の縮尺でルートが示されまして、公告縦覧の上、環境保全の見地から、沿線自治体や住民の方々からの意見が提出されました。
 このように、リニア中央新幹線のルートにつきましては、環境影響評価法に基づく手続の中で地元からの御意見を聞きながら、JR東海において定められたものというふうに承知をいたしております。
○本村(伸)委員 住民の皆さんの意見を聞いたというふうに言っておりますけれども、全然知らなかった、突然聞いたという方が沿線地域あちこちにいらっしゃいます。リニアは、本当に人の暮らしを無視して机上で線を引いたということで、沿線地域の皆さんから悲痛な声が各地で上がっております。
 例えば、山梨県の南アルプス市、私も二回ほど行ってまいりましたけれども、沿線住民の皆さんから大変悲痛なお声をいただきました。住民の皆さんは、新聞報道で初めて知ったということでございました。
 戸田地区というところに行ったんですけれども、この戸田地区は、四角い集落の真ん中を斜めにリニアの高架が通る計画になっております。戸田地区の自治会長さんは、この集落には湧き水も多く出ており、湧き水は大切な地域資源ですというふうにおっしゃっておりました。その地域が壊されるという点で、大きな悲痛な声が出ているわけでございます。
 ある方は、突然線を引かれてずっと悩んでいる、騒音、振動、電磁波など本当に大丈夫か、こういうお声もありました。また、狭い地域で肩寄せ合って暮らしてきた大好きなところ、そんな思いを全く無視して本当に許せないというお声。そして、JR東海のいいかげんな説明は承認できない。また、南アルプスの水もおいしく、仲よく平穏に暮らしてきた、こんなやり方は本当に信じられないと。
 また、家の敷地も斜めに横切られるが、二十二メートルの幅に入ったところしか買収しないという。こんなことはおかしい。うちは勝手口の一部にかかるが、そこの部分しか買収しないという。それでも、そこに住めという話、こんなことは許せないというお話でした。
 JR東海が勝手に線を引いて、そこに住んでいる人たちへの意識が本当にあるのかということを疑問に思わざるを得ませんでした。
 また、同じ南アルプス市の荊沢のある女性は、こういうふうにおっしゃっておりました。家の敷地を斜めにリニアの高架が通る計画で、二十二メートルの中に入らなければ買収しないとJR東海が言ってきた。こんな理不尽なことがありますか。家はなくなり、この駐車場の部分だけ残る。買収するなら全部買い取ってもらわないと絶対にだめだ。そういうことでない限り、私の家の敷地には一歩たりとも入らないようにJR東海には言ったというお話でございました。
 また、宮沢地区の皆さんのお話では、リニアのルートの発表以降、土地価格の下落が続いている。地価を下回る値段で売り出しても買い手がつかず、沿線の住宅地が売れない。我々は、用地補償幅を百メートルと主張している。この声に対し、JR東海は、地価は社会的、経済的要因で変化するものと、他人事だと。用地交渉幅についても、二十二メートルとJRは主張しております。
 こういうJR東海の回答を受けて、宮沢地区の皆さん方は、説明会には応じられないということで、今も事業説明会を拒否しておられます。この宮沢地区では、意見書を添えた署名を地域の九五%の方から集めて、JR東海に提出をしております。まさに、生存権や人格権、幸福追求権を一方的に侵害されている事態だというふうに思います。JR東海の計画がいかに上から目線かということが今御紹介した声からもわかっていただけるというふうに思います。
 事業認可をした国土交通大臣は、リニアルートの地域の皆さんのこの切実な声を直接聞くべきだと、私は現地に、一都六県に行ってまいりましたけれども、痛切に思いました。公的資金を入れるというのであれば、国交大臣が、こうした沿線地域の皆さんの声を直接聞くべきではないですか。
 ぜひ、沿線各地に行っていただいて、沿線の住民の皆さんの声を直接聞いてください。大臣、お願いいたします。
○西銘委員長 時間が経過していますので、簡潔に御答弁をお願いします。
○石井国務大臣 リニア中央新幹線の建設事業が円滑に実施されるためには、地元の理解と協力を得ることが不可欠と考えます。国土交通省といたしましては、引き続き、JR東海に対しまして、地元住民等に丁寧に説明をしながら、安全かつ確実に施工が行われるよう、指導監督してまいりたいと存じます。
○本村(伸)委員 ぜひ、現地に行って、住民の皆さんの声を聞いていただきたいと思います。名古屋駅前の皆さんも、動きたくないと調査を拒否しておられます。生活を壊し、環境を壊し、採算もとれない、そして住民の声も聞かない、このリニアの計画はやめるべきだ、公的資金投入はやめるべきだということを強く申し述べ、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○西銘委員長 次に、椎木保君。
○椎木委員 日本維新の会の椎木保です。
 本日最後の質疑になりますので、若干重複する質問もあろうかと思いますが、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、質問に入ります。
 リニア中央新幹線が開業することによって、東京―名古屋間の移動時間は現行の百分から四十分に、東京―新大阪間は約百五十分から六十七分に大幅短縮されることになります。その結果、東京、名古屋、大阪の三つの都市圏が一体化し、これまでの生活環境が劇的に変わると言っても過言ではないと思います。
 一九六四年十月に東海道新幹線が開業した当時の朝日新聞には、「「夢の超特急」はついに夢ではなくなった。東海道新幹線の「本番」第一号―「ひかり一号」は、一日午前六時東京駅をすべるように離れ、五百十五キロをわずか四時間で突っ走って同十時、予定通り新大阪駅に着いた。鉄道の「新時代」の幕あけにふさわしく、同列車はこの間、営業速度の世界新記録をきざんだ。気づかわれた事故もなく、乗りごこちはゆったりとさわやか。しかし、あまりの速さに、「旅情」を味わうゆとりもなかった。」、こういった内容の、一番列車に同乗した記者の感想を交えた記事がございます。
 他の新聞記事も読んでみましたが、押しなべて、国民の多くが、日本の進むべき未来に対して大いに期待するとともに、自信を持って進んでいこうという思いがうかがえました。以来、夢の超特急と言われた東海道新幹線は、人流の大動脈として高度経済成長期の日本を支えるとともに、日本国民の夢と希望を乗せて、半世紀以上にわたって走り続けてきました。
 その後、各地で新幹線が整備されてきましたが、東海道新幹線の開通を一つの契機として、国民生活は大きく変わり、我が国経済に与えた効果ははかり知れないものがあったと思います。
 そこで、リニア中央新幹線がもたらす経済効果についてお聞きいたします。
 今回、リニア中央新幹線が大阪まで全線開業した場合と、名古屋まで開業の場合とでは、それぞれどの程度の経済効果をもたらすと考えているのでしょうか。お尋ねいたします。
○末松副大臣 リニア中央新幹線の開業による経済効果についてお答えをいたします。
 平成二十六年の国土形成計画の調査における試算によりますと、二〇四五年におきまして、東京―名古屋間のみ開業している場合においては年間五千二百億円、東京―大阪間が全線開業した場合においては年間八千八百億円とされております。
 したがって、この数値を前提としました場合、その差額である年間三千六百億円の生産額の増大が八年早くあらわれると考えられます。
○椎木委員 我々日本維新の会は、東京一極集中を是正し、首都機能の分散を積極的に進めるとともに、大阪が東京の単なるバックアップシティーとしてではなく、東京と大阪が並び立つような日本の副首都にすべきであると提案しております。
 リニア中央新幹線の開業によって東京一極集中がなお一層進むのではないか、そういった意見も聞こえてまいりますが、この件についてどのようにお考えでしょうか。答弁を求めます。
○末松副大臣 お答えいたします。
 リニア中央新幹線の全線開業によりまして、三大都市圏が一時間で結ばれ、人口七千万人の世界最大の巨大な都市圏が形成されます。我が国の国土構造が大きく変革され、国際競争力の向上が図られるとともに、その成長力が全国に波及しまして、日本経済全体を発展させるものであります。
 具体的には、西日本と名古屋圏や東京圏との間、また東日本と名古屋圏や大阪圏との間など、三大都市圏と国内各地との移動時間が短縮され、三大都市圏へのアクセスの利便性が飛躍的に向上し、地域の活性化をもたらす可能性が高まるなど、全国にとって重要な意義を有するものであります。
 一方、平成二十三年の交通政策審議会答申の附帯意見において、リニア中央新幹線の整備がさらなる東京一極集中を招く可能性や、東京以外の各地域が独自の地域づくりを戦略的に実施していくことの重要性について指摘しているところでございます。したがって、東京以外の各地域が、その創意工夫により、魅力を大きく向上させることが重要と認識をいたしております。
 このため、国土交通省としましても、過去の新幹線整備の際の経験を生かしつつ、駅周辺のまちづくりや既存の公共交通機関とのアクセス等、さらに地域が活性化するよう、地域の取り組みに対し必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
○椎木委員 まさしく末松副大臣の御答弁にもありましたとおり、この経済効果、具体的に今数字でお示ししていただきましたけれども、我が党も、大阪までの全線開業によって経済効果がかなり上がると期待もしておりますし、見込んでおります。それを具体的な数字でお示しいただけて、大変わかりやすかったと思いますし、その経済効果の予測がしっかりと現実味を帯びるように、支援の方もお願いしたいと思います。
 さらに、これも御答弁にありましたけれども、日本経済全体を活性化させるという大きな目標がやはり大事かと思いますので、この目標に向かって、一極集中是正、これも大きな課題だと思いますので、国としての支援もしっかりお願いしたいと思います。
 次の質問に入ります。
 公的資金を使って融資を受けるということになると、今後、名古屋から大阪に至るルートを決定する際など、政治介入等が懸念されますが、民間企業であるJR東海の経営の自主性を確保するということは可能であると考えてよろしいでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 リニア中央新幹線は、交通政策審議会の議論におきまして、JR東海の事業遂行能力等を総合的に勘案した結果、JR東海が建設主体、営業主体として適当とされまして、指名したものでございます。自己負担を前提とする民間の事業として推進されてきたことは御案内のとおりでございます。
 今般の財投の貸し付けは、全線開業の前倒しを図り、開業効果を早期に発現させるために行うものでありまして、JR東海による民間の事業としての性格に変更を加えるものではございません。
 JR東海の経営の自主性とは、例えば、設備投資の判断等、一般的に企業の合理的意思決定により行われるべき事項は引き続きみずからの判断で行うこと、未着工である名古屋―大阪間のルート、駅位置の決定について国等から介入を受けないこと、工事契約の手続について引き続き民間事業としてみずからの判断で行うこと、リニア中央新幹線や東海道新幹線等のダイヤ編成をみずからの判断で行うことなどを包括的に意味するものであるというふうに認識をいたしております。
 今般の貸し付けに伴いまして、鉄道・運輸機構は定期的に工事の進捗状況でございますとかJR東海の財務状況の把握及び確認を行ってまいりますが、これはあくまでも償還確実性の観点によってのみ行うものであり、JR東海の事業そのものについては、これまでどおり民間企業としての経営判断を尊重することといたしております。
 したがいまして、JR東海の経営の自主性が損なわれることはないというふうに考えております。
○椎木委員 明確な大変わかりやすい御答弁、ありがとうございました。
 次の質問に入ります。
 二〇四五年、平成五十七年の予定だった大阪開業について、最大八年間の前倒しを図るとしておりますが、さらなる前倒しは可能でしょうか。また、政府と大阪府、市、さらには関西の経済団体が一丸となって二〇二五年の万博を大阪に誘致しようという構想があります。万博開催に合わせてリニア中央新幹線をデモンストレーション的に会場周辺に走らせて、国内外に積極的にアピールしていくことも考えるべきではないでしょうか。
 名古屋―大阪間の工事着工に至っていない可能性もありますが、万博会場付近だけでも先行して工事を行うことができないのか。これは、私が大阪の選挙区だということと、我が党、そして大阪府、市は大変このリニアに対しては推進する立場ですので、そういった思いも込めて、答弁をいただきたいと思います。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 経営体力回復期間の八年以上に大阪開業を前倒しするためには、品川―名古屋の工事と並行して名古屋―大阪間の工事を行うことが必要と考えられるところでございますが、JR東海は、名古屋までの工事において、用地取得や、大深度地下、南アルプストンネルといった難度の高い工事に人材など全ての経営資源を投入している状況となっております。このため、両者を並行して進めることは、JR東海の経営資源の限界からして難しいと考えております。
 JR東海は、名古屋―大阪間の工事着手のめどが立てば、工事着手に先立ってルート公表を含めた環境アセスメントを実施することになるとしておりまして、名古屋―大阪間の工事に着手する約四年前には環境影響評価法の手続を開始する必要があるとしております。それによりまして、品川―名古屋間完成後、速やかに名古屋―大阪間の工事に着手することとしておりまして、JR東海も社長会見等でその旨の発言をいたしておるところでございます。
 まずは、名古屋までの確実な完成と速やかに大阪までの工事に移っていくこと、そういうことに全力を傾注していきたいと考えておるということでございます。
 あと、リニア中央新幹線の名古屋―大阪間につきましては、環境影響評価法に基づきまして、今申し上げましたように、今後、JR東海によって環境影響評価が行われた後に、全国新幹線鉄道整備法に基づく工事実施計画の認可の手続を経て事業が行われる手順となること、これはもう先生重々御案内のことかと存じます。
 一方、同区間の環境影響評価の時期でございますが、先ほど申し上げましたように、JR東海は、名古屋―大阪間の工事の着手のめどが立った段階で、その工事に着手する約四年前に手続を開始し、二〇二七年の品川―名古屋間完成後、速やかに大阪までの工事に着手することを目指す旨の発言をしております。
 ということになりますと、二〇二五年、大阪万博が開催されました場合、それに合わせまして大阪付近を走行させるということは、まだアセスの段階にあるか、工事着手したばかりかということでございますので、難しいとは思いますけれども、委員御指摘いただきました、リニア中央新幹線を国内外にアピールしていくということは、我が国鉄道技術の海外展開等の観点からも大変重要な御指摘だというふうに認識いたしておりまして、そのためにも、まず品川―名古屋間の工事が確実に実施されることが肝要かというふうに考えております。
○椎木委員 奥田局長におかれましては、我が党の推進する立場での思いを込めた質問にもかかわらず、詳細に至るまで大変丁寧な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。引き続き、我が党はリニアの方をしっかりと推進してまいりたいと思いますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
 次の質問に入ります。
 リニア中央新幹線を建設する際に新たに獲得した技術等を含めて、リニアを、日本国内のみに活用するのではなく、海外に積極的に展開していくことも考えていくべきではないかと思いますが、これについて答弁を求めます。
○石井国務大臣 超電導リニア技術につきましては、政府としても海外に積極的に展開していくことを考えておりまして、各国要人が来日された際などに積極的にアピールしてきているところでございます。
 特に米国につきましては、これまで、日米首脳会談の機会を捉え、総理より、米国の東海岸、ワシントンDC―ボルティモア―ニューヨーク間への導入を提案してきたほか、官民においてさまざまな働きかけを行ってきております。これを受けまして、今年度から、日米両国が協調する形で計画策定のための調査を実施しているところでございます。
 私自身も、昨年十一月に米国のフォックス運輸長官が来日した際に、山梨リニア実験線に案内をいたしまして試乗していただくなど、超電導リニア技術の米国への導入に向けた働きかけを行ってきているところでございます。
 国土交通省といたしましては、引き続き、超電導リニア技術の海外展開を推進してまいりたいと考えております。
○椎木委員 大臣の本当に大変御尽力されている背景もよく伺いました。引き続き、海外への積極的な展開もよろしくお願い申し上げたいと思います。
 次に、これまでも本委員会で、高度経済成長期に建設されたインフラについてメンテナンスの必要性を問うてまいりましたが、東海道新幹線についても、開業して五十年以上経過しており、コンクリートの劣化等が心配されます。リニア中央新幹線の開業によって東海道新幹線の大改修ということも可能になるかと思いますが、現在、新幹線の老朽化対策についてはどのような対策がとられているのでしょうか。答弁を求めます。
○石井国務大臣 トンネルや橋梁等の土木構造物につきましては、経年とともに劣化が進むことから、予防保全の観点から、鉄道事業者において適切に維持管理・更新を行う必要がございます。
 東海道新幹線につきましては、JR東海の研究施設におきまして、橋梁やトンネルなどの土木構造物の老朽化対策工法等について技術開発を進めてきたところでございまして、JR東海は、平成二十五年度より十年間で約七千三百億円の計画で、コンクリート橋やトンネルなどの集中的な大規模改修工事を行っているところでございます。
 このような新幹線における大規模改修は、JR東日本の東北・上越新幹線及びJR西日本の山陽新幹線においても行われる予定でございまして、東北・上越新幹線では、平成四十三年度から十年間で約一兆四千億円の計画がございます。山陽新幹線では、平成四十年度から十年間で約千六百億円の計画がございます。それぞれトンネルや橋梁等の集中的な工事が行われる予定でございます。
 国土交通省といたしましては、こうした鉄道インフラの維持管理や更新が着実に行われることによりまして、輸送の安全が確保されるよう、鉄道事業者を指導してまいりたいと存じます。
 ちょっと訂正をさせてください。
 東北・上越新幹線では、平成四十三年度から十年間で約一兆四百億円の計画でございます。
 以上でございます。
○椎木委員 金額の訂正はさておき、心配していた以上に整備計画等をしっかり練っていただいていることに、本当に感謝申し上げたいと思います。
 それでは、最後の質問に入ります。
 リニア中央新幹線が全線開業した場合、航空を初めとする他の交通モードへの影響についてどのようなことが予想されるのか、答弁をお願いします。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 交通政策審議会におけますリニア中央新幹線の需要予測におきましては、リニア中央新幹線の年間利用者数には、東海道新幹線以外の航空やバスなどの他の交通機関からの転移分として千九百万人の需要増が見込まれると予測されております。
 また、同審議会では東京―大阪間の交通機関分担についての予測も行っておりまして、東海道新幹線、中央新幹線を合わせた鉄道の分担率が六九%から八四%へ上昇する、一方、航空の分担率が二六%から一三%へ低下するといったような予測が出されております。
 国土交通省といたしましては、リニア中央新幹線が全線開業した場合、そのような輸送機関分担率の変化が生ずるものと考えておりまして、いずれにいたしましても、リニア中央新幹線の全線開業が他の交通モードに与える影響について注視をしてまいりたいというふうに考えております。
○椎木委員 我が党は、繰り返しになりますけれども、このリニア、本当に推進する立場でおります。その立場で若干気になる点をるる質問させていただきましたが、石井大臣初め、副大臣、政府参考人と、非常に明確な答弁をいただけたと思います。
 この法案、賛成の立場でしっかり推進していくことを改めて申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○西銘委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○西銘委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。本村伸子君。
○本村(伸)委員 私は、日本共産党を代表して、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改定する法律案に反対の討論を行います。
 リニア新幹線事業は、安全性、採算性、技術面、自然環境、生活環境など多くの問題を抱え、無謀な計画です。リニア建設に公的資金を投入することは、JR東海が全額自己負担で建設する大前提を覆すものです。大前提が崩れた以上、JR東海の全額自己負担を前提とした整備計画決定、工事実施計画の認可を取り消すべきです。
 反対の第一の理由は、そもそも、リニア中央新幹線事業そのものに大義がなく、建設主体であるJR東海のやり方にも多くの問題があるからです。
 日本で有数の活断層地帯を通過するにもかかわらず、断層のずれに対する評価も行われていないなど、安全面、技術面でも不安が拭えません。
 環境大臣意見書も、本事業の実施に伴う環境影響は枚挙にいとまがないとしており、南アルプスや生態系など自然環境に甚大な被害を与えることは明瞭です。
 沿線地域や住民の皆さんからは、今ある暮らしが壊されることや、残土処理、水がれ、騒音、振動、日照、電磁波など、実害に対する不安や怒りの声が上がっています。しかし、JR東海はその声にまともに応えようとしていません。
 反対の第二の理由は、今回の財政投融資は、さらなる追加投入への道を開いたことになり、将来、国民、住民の皆さんにツケを回すことになりかねないからです。
 リニア事業は、もともと単体では赤字の事業です。一体的な経営を行い事業を遂行すると言いますが、需要予測も生産年齢人口を加味していないなどずさんなもので、建設費九兆円でおさまる根拠はなく、費用が膨れ上がることが懸念をされています。JR東海の財政状況が悪化するおそれは十分にあります。
 政府は、リニア新幹線を地方創生の目玉と位置づけ、全線開業により三大都市圏が一時間で結ばれ、人口七千万人の巨大都市を形成し、日本経済全体を発展させるとしています。
 しかし、人口が減少する中、大都市圏に人口を集中させれば、地方の衰退はさらに進み、いびつな人口分布にならざるを得ません。さらなる東京一極集中を加速させ、地方を衰退させるだけです。
 以上のような問題を初め、十分な審議もすることなく採決することに強く抗議し、反対の討論といたします。
○西銘委員長 これにて討論は終局いたしました。
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○西銘委員長 これより採決に入ります。
 内閣提出、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○西銘委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
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○西銘委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、西村明宏君外三名から、自由民主党・無所属の会、民進党・無所属クラブ、公明党及び日本維新の会の四会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。津村啓介君。
○津村委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 趣旨の説明は、案文を朗読してかえさせていただきたいと存じます。
    独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。
 一 政府は、中央新幹線が民間企業によって推進されるプロジェクトであることを踏まえ、外部からの働きかけによってJR東海における「経営の自主性」が損なわれないよう十分配慮すること。
 二 政府は、JR東海が独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下「機構」という。)が貸し付ける資金を活用し、中央新幹線における東京・大阪間の開業年度前倒しに向けて積極的に建設を推進できるよう必要な環境整備に努めること。
 三 機構は、JR東海が、定められた融資条件に基づき、責任を持って着実に財政投融資資金の償還を行うよう適切に管理すること。
 四 政府は、国鉄時代に経営上の重要事項について政治的解決が図られることがあり、その結果として、一部の財政投融資が採算性が不確実な路線の建設等に用いられた過去の教訓を踏まえつつ、インフラ整備に対する財政投融資の活用に際しては、政策的必要性や対象となる事業の採算性を十分考慮すること。
 五 全国新幹線鉄道整備法に基づく建設主体は、引き続き労働災害の防止をはじめ、工事作業の安全性が十分確保されるよう万全を期すとともに、適宜施工状況の把握に努めつつ、実行可能な工事実施計画の履行に努めること。また、政府は計画の推進に関して、建設主体の安全性確保に係る判断を最大限に尊重しつつ、環境の保全や、安全かつ確実な施工に努めるよう指導・監督すること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○西銘委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○西銘委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣石井啓一君。
○石井国務大臣 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の御意見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長を初め、理事の皆様、委員の皆様の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表します。
 まことにありがとうございました。
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○西銘委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西銘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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    〔報告書は附録に掲載〕
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○西銘委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時四十九分散会