第192回国会 環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会 第9号
平成二十八年十月二十八日(金曜日)
    午前九時二分開議
 出席委員
   委員長 塩谷  立君
   理事 うえの賢一郎君 理事 江藤  拓君
   理事 菅原 一秀君 理事 西村 康稔君
   理事 森山  裕君 理事 今井 雅人君
   理事 篠原  孝君 理事 上田  勇君
      あべ 俊子君    赤澤 亮正君
      池田 道孝君    大西 英男君
      大西 宏幸君    加藤 寛治君
      勝沼 栄明君    黄川田仁志君
      北村 誠吾君    坂本 哲志君
      武部  新君    武村 展英君
      津島  淳君    寺田  稔君
      中川 郁子君    中村 裕之君
      福田 達夫君    福山  守君
      古川  康君    前川  恵君
      宮川 典子君    宮路 拓馬君
      山下 貴司君   山本ともひろ君
      渡辺 孝一君    井坂 信彦君
      井出 庸生君    緒方林太郎君
      岸本 周平君    小宮山泰子君
      近藤 洋介君    佐々木隆博君
      階   猛君    玉木雄一郎君
      福島 伸享君    升田世喜男君
      宮崎 岳志君    村岡 敏英君
      本村賢太郎君    稲津  久君
      岡本 三成君    中川 康洋君
      吉田 宣弘君    笠井  亮君
      斉藤 和子君    畠山 和也君
      小沢 鋭仁君    松浪 健太君
    …………………………………
   内閣総理大臣       安倍 晋三君
   財務大臣         麻生 太郎君
   外務大臣         岸田 文雄君
   文部科学大臣       松野 博一君
   農林水産大臣       山本 有二君
   経済産業大臣       世耕 弘成君
   国務大臣         松本  純君
   国務大臣         石原 伸晃君
   内閣官房副長官      萩生田光一君
   内閣府副大臣       松本 洋平君
   財務副大臣        木原  稔君
   厚生労働副大臣      古屋 範子君
   農林水産副大臣      齋藤  健君
   経済産業副大臣      高木 陽介君
   国土交通副大臣      末松 信介君
   内閣府大臣政務官     武村 展英君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  土生 栄二君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  澁谷 和久君
   政府参考人
   (公正取引委員会事務総局審査局長)        山本佐和子君
   政府参考人
   (金融庁総務企画局参事官)            栗田 照久君
   政府参考人
   (財務省関税局長)    梶川 幹夫君
   政府参考人
   (国税庁長官官房審議官) 山名 規雄君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部長)           北島 智子君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         山口 英彰君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         水田 正和君
   政府参考人
   (農林水産省食料産業局長)            井上 宏司君
   政府参考人
   (農林水産省生産局長)  枝元 真徹君
   政府参考人
   (農林水産省経営局長)  大澤  誠君
   政府参考人
   (農林水産省農村振興局長)            佐藤 速水君
   政府参考人
   (経済産業省通商政策局通商機構部長)       渡辺 哲也君
   政府参考人
   (特許庁総務部長)    間宮 淑夫君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房総括審議官)         田村  計君
   政府参考人
   (国土交通省国際統括官) 奈良平博史君
   衆議院調査局環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別調査室長      辻本 頼昭君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月二十八日
 辞任         補欠選任
  加藤 寛治君     大西 英男君
  武部  新君     津島  淳君
  福山  守君     山下 貴司君
  前川  恵君     宮路 拓馬君
  岸本 周平君     緒方林太郎君
  近藤 洋介君     階   猛君
  福島 伸享君     本村賢太郎君
  升田世喜男君     宮崎 岳志君
  村岡 敏英君     井出 庸生君
  中川 康洋君     吉田 宣弘君
  笠井  亮君     斉藤 和子君
同日
 辞任         補欠選任
  大西 英男君     加藤 寛治君
  津島  淳君     武部  新君
  宮路 拓馬君     前川  恵君
  山下 貴司君     福山  守君
  井出 庸生君     村岡 敏英君
  緒方林太郎君     岸本 周平君
  階   猛君     小宮山泰子君
  宮崎 岳志君     升田世喜男君
  本村賢太郎君     福島 伸享君
  吉田 宣弘君     中川 康洋君
  斉藤 和子君     笠井  亮君
同日
 辞任         補欠選任
  小宮山泰子君     井坂 信彦君
同日
 辞任         補欠選任
  井坂 信彦君     近藤 洋介君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 環太平洋パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件(第百九十回国会条約第八号)
 環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案(内閣提出、第百九十回国会閣法第四七号)
     ――――◇―――――
○塩谷委員長 これより会議を開きます。
 第百九十回国会、内閣提出、環太平洋パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件及び環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案の両案件を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案件審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官土生栄二君、内閣官房内閣審議官澁谷和久君、公正取引委員会事務総局審査局長山本佐和子君、金融庁総務企画局参事官栗田照久君、財務省関税局長梶川幹夫君、国税庁長官官房審議官山名規雄君、厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部長北島智子君、農林水産省大臣官房総括審議官山口英彰君、農林水産省大臣官房総括審議官水田正和君、農林水産省食料産業局長井上宏司君、農林水産省生産局長枝元真徹君、農林水産省経営局長大澤誠君、農林水産省農村振興局長佐藤速水君、経済産業省通商政策局通商機構部長渡辺哲也君、特許庁総務部長間宮淑夫君、国土交通省大臣官房総括審議官田村計君、国土交通省国際統括官奈良平博史君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○塩谷委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。篠原孝君。
○篠原(孝)委員 おはようございます。
 今国会、外ではTPP国会と呼ばれております。やっと本格的な議論が始まって、私も野党筆頭理事として喜んでおります。今後じっくり議論していきたいと思っております。
 それでは、質問させていただきたいと思います。
 ちょっとその前に、本当に議論が深まっていけば私はいいことだと思っておりますが、地方公聴会に行かせていただきましたけれども、やはり地方の声、いろいろな制度の問題は参考人質疑で着々とやっていますし、ここでこれからやっていけばいいんだろうと思いますが、地方の声はやはり聞かなくちゃいけない。それで、米問題がこれだけヒートアップをしていますし、米作地帯で一度開くというのが必要なんじゃないかと思います。これは理事会でですけれども御検討いただきたいと思います。
 それでは、資料をお配りしております。TPP影響試算の比較というのをちょっと見ていただきたいと思います。私がわかりやすくまとめたつもりなんですけれども、やはり影響がどのぐらいあるかということが問題なんだろうと思います。
 二〇一〇年に農林水産省が計算したのがあるんですね。概略をこう書きまして、あと雇用のところとかちょっと書き忘れているところがありますけれども。本格化したのは二〇一三年ですよね。一三年に、余り四・五兆円がマイナスになるというのは大き過ぎるんじゃないかということで、ちょっと直してやったんですね。
 一番最初のころは、農林水産省、二〇一〇年のところは書いてありませんけれども、こういう農産物の、雇用でいうと三百四十万人、ちょっと書き忘れましたけれども、三百四十万人程度の就業機会の減少があるというようなことを書いたりしていたんです。
 ところが、それを二〇一三年にはこういう形で、最初ブルネイに行ったりして交渉を始めたときに、GDPでは三・二兆円プラスで、そして、パーセントでいうと〇・六六%アップ、農業生産は三兆円減ると。
 きのう、鈴木教授のところにもありましたけれども、二〇一五年になると、打って変わって、何でこの二年間の間に急成長を遂げるのかわからないんですが、この二年間でGDPは急にアップして十三・六兆円になると。雇用は相当減ると言われているのに、全体で八十万人の雇用増だと。農業生産に至っては、マイナス三兆円というのが二十分の一ぐらいになっていると。
 こういう計算を示されたら、国民はこれを信用すると思いますか。石原担当大臣、どう思われますか。これだけ振幅が激しい。何でこんなに違うのか、同じ政府でやっていて。大臣がかわって大臣の一言でこう変わったわけじゃない。客観的に計算していて、別に二〇一三年のTPPの内容と二〇一五年の内容がそれほど大きく変わったわけではないはずです。わかりませんけれどもね。何でこんなに変わるのか。この点について、どう思われるでしょうか。
○石原国務大臣 篠原委員にお答えいたしますが、委員は本当に御専門家であられて、委員がこのTPPの問題にどういうふうに取り組まれてきたかということについては、実は、さまざまなTPP交渉という本を読みまして、筋金入りの疑問を持つ委員であられるということを、私はある意味では大変すばらしいんじゃないかというふうに思わせていただきました。やはりその根底にあるのはこの試算の問題であるということも、これまでの委員のいろいろな方への御議論を聞かせていただいて、私も承知しております。
 多分、もう委員は専門家であられるからわかって御質問されていると思うのでございますが、やはり最初のときは関税がすぐに全て撤廃されてしまう、あるいは非関税障壁の削減などは含んでおりませんし、いわゆる昨年の十一月に決定をいたしましたTPPの農業の政策大綱、こういう政策が入っていない、そういうことによって、二〇一三年、二〇一五年の間にこれだけの開きがある、こんなふうに認識をさせていただいているところでもございます。
 関税変化による影響試算を機械的に改定するのではなくて、包括的な評価分析をすべきである、これは実は経済財政諮問会議で御指摘をいただいたところでございまして、その御指摘を踏まえて、TPPの幅広いルールが経済にどういうインパクトを与えるのかを計算し、経済再生の道筋を明らかにして今お示しさせていただいているこういう数字になっているというふうに御理解をいただければと思います。
○篠原(孝)委員 そういう点では、私が感心するのは、アメリカのところをちょっと見ていただきたいんですが、アメリカのインターナショナル・トレード・コミッティーですか、国際貿易委員会、国際通商委員会が五月十八日に公表しました。こういった大きな通商協定とかEPAとかFTAがあったらアメリカにどのような影響を与えるかを計算して出せ、それが出なかったら審議が始まらないと。アメリカは審議を慎重にやっているんです、ステップ・バイ・ステップで。非常に粗っぽいところも見られますけれども、プロセスは非常にきちんとしているんじゃないかと思います。
 そこでどういうふうに出ているかというと、アメリカ側にそんなにメリットはないよと。たっただと思いますけれども、GDPはたった〇・一五%ふえるだけだ、それから、生産も雇用も製造業では減る、アメリカにとっては不利だと。だから、トランプ候補もクリントン候補もこの点に着目して、メリットがないから嫌だよと言っているんだろうと思います。ただ、正直なんです。農業生産のところで、農産物輸出だけはふえる、七千九百二十億円ふえて、そのうち日本向けは三千九百六十億円だ、農業だけは生産も雇用も増だと。非常に正直でわかりやすい結果を出しているんですね。
 一方で、上の日本の方を見ていただいて、タフツ大学。日本にとってどういうメリットがあるか。日本にメリットはないというんですね。マイナス〇・一二%だと。これはいろいろな計算の仕方があるから、石原大臣もおわかりだと思いますが、完璧な予測なんて誰だってできないんですよね。雇用もこれだけ、七万四千人減ると。アメリカに至ってはもっとひどいんですね。GDPがマイナス〇・五四%だ、雇用はマイナス四十四万八千人だと。だから、クリントン候補が、雇用もふえない、賃金も上がらない、私の目指したTPPとは違うと言って、大統領になっても絶対反対すると言っているんです。こういう数字を見て、そして判断しているんだろうと私は思います。
 このことについてどうというのが質問項目にありましたけれども、やめます。これを石原大臣に聞いても、こういうことだといって受けとめるしかないと思うので。
 もちろん、アメリカにも違うのがあります。世銀、ピーターソン国際経済研究所は、両方とも、日本に相当大きなメリットがあると言っているんですね。
 だから、いろいろな考え方があるんだろうと僕は思います。いろいろな計算の仕方でこれはしようがないと思います。しかし、アメリカのITCの計算、予測というのはそこそこ正しいんじゃないかと思います、アメリカの農産物輸出増の半分が日本向けだと。その日本向けの方は、影響が余りないと言っているんですね。これはやはり日本の農民は信じるわけにはいかないんじゃないかと思います。
 これについて、農林水産大臣はどう思われますでしょうか。特にアメリカのITCは日本向けの農産物輸出が激増すると言っているわけです。対象国の日本国政府は余りそんなに影響を受けないよと言っているわけです。私はそれはないんじゃないかと思うんですが、この点の大きな乖離についてはどのようにお考えでしょうか。
○山本(有)国務大臣 委員御承知のとおりでございますが、影響試算の算定というものの基礎条件をどう捉えるかということによってその結果の数字は大幅に変わってまいります。
 前回の平成二十五年三月の政府統一試算では、TPP交渉の参加前でございますので、全ての関税が撤廃、追加的な国内対策が行われない、これで単純計算いたしますと、先ほど委員御指摘の三兆円になるということでございますが、今回の試算では、関税撤廃の例外を二割、交渉して獲得をしておりますし、長期の関税撤廃期間を設けておりますし、セーフガード措置も獲得したということでございます。そしてさらに、前提条件の、総合的なTPP関連政策大綱に基づく国内対策があるということが大きな違いとなっております。
 御指摘のITCの試算でございます。繰り返しになりますが、前提条件が全くこのITC試算とは違っておりまして、アメリカから日本への輸出増加は、他国からの輸入の置きかえによるものもあるわけでございますが、必ずしも日本の輸入全体がふえることを意味しておりません。
 ITCは国内対策も踏まえたものではないというように考えるところでございますので、農林省の試算とITCの試算を単純に比較できないことは、委員御承知おきのとおりでございます。
○篠原(孝)委員 どれだけ影響を受けるかどうかというのは、きのうの鈴木宣弘東大教授のところにもありましたけれども、生産対策とか何か入れたりしたらもうぐちゃぐちゃになっちゃう。まずは、僕は、常識で、対策を入れたからゼロだというんじゃなくて、本当に、このままいったら、最初の方はいいんですよ、関税ゼロにした場合で計算しているというのはいいんです。今度は関税ゼロじゃなかった、いっぱい守ったと言われるんなら言われるでいいんですよ。守った時点で、ではこれでどうなるかというのを計算すべきなんです。それを、国内対策をたくさんやったその結果で計算する、そこがおかしいんですよね、常識的に見て。
 いいんですよ、正直に、これだけ悪影響が出る、だから、そういう影響が出てはいけないからこういう対策を講じるんだ、これだけの予算が必要だというのが普通ですよ。なぜそういうプロセスを踏まないのかなと思うんです。
 対策を一生懸命講じるというのはいいんです。ですけれども、どういう影響があるかというのが先になかったら、対策がどこまで必要かというのはわからないわけです。それをちゃんとプロセスを説明しないから、わからない。何にも影響ないよないよと言ったって、そんなの信じられるかというふうになるわけです。
 これだけ影響が出ますよ、だけれども、ほっておくとこうなるんだけれども、優しい日本国政府は、農林水産省は、これだけ予算をつけて悪影響が出ないようにしますよといって説明するべきだと思いますけれども、どうしてそういうふうにしないんでしょうかね、大臣。
○山本(有)国務大臣 関税ゼロから出発した試算が適切とお考えになる向きの方法もあろうと思いますが、しかしまた、それをそのまま提出することによる影響からすると、やはり、国内の生産者の立場に立ちますと、何の対策もないのかというように逆に疑問に思ってまいります。
 その意味において、国内対策の検討に当たって、総合的なTPP関連政策大綱、これが定められたわけでございますが、まず昨年十一月四日、TPP合意の農林水産物への影響については、国内価格、国際価格、輸入量、こういう客観的なデータをもとにしながら、品目ごとの影響を定性的に精査、分析をしたわけでございます。各国の対日関税に対する交渉結果を整理、分析、公表しております。
 十一月二十五日に策定した大綱におきまして、説明会等で寄せられた現場の声、これも真摯に耳を傾けつつ、影響を緩和し、さらに輸入拡大の好機と捉え、逆に農林水産業の体質強化のための対策を講ずるという向きを大事にしたいと思っておりまして、品目ごとに影響分析に基づいて策定をしたわけでございます。
 現実に起こり得る影響を試算するものでありますことから、大筋合意の内容と、それへの政府の内容が明らかになって初めて試算というのは行うことができるものでございまして、十二月二十四日に公表したところでございます。
 いわば、国内対策策定、これに、例えば対策による費用、そして対策の対象面積、あるいは地区数、単価等の積算根拠を積み上げて検討することが重要でございます。生産額減少見込みといった定量的な分析がなければ、必要な国内対策も検討できないというものではないと考えているところでございます。
○篠原(孝)委員 必要あるなしではなくて、二〇一〇年には、対策なんか講じたりなんかしなくて、関税ゼロになったときの影響がどうかといって単純に計算しているんですよ。だから、それを守れたんだから、それから比べてこれだけ守ったよという数字が絶対同じようにできるんですよ。
 こんなのに時間を費やしていたらもったいないので先に進みますが、いいですか、構図は同じなんですよ、疑惑の構図は。疑惑というか、嫌らしい構図は。
 SBS米の価格調査も、どれだけ影響があるかというのを客観的に調査しなくちゃいけないのに、何か先に結論があって、ないというものを、ないんだよ、ないんだよと。それから、農産物の関税を下げた、いっぱい下げさせられる、それに対する影響がないんだよ、ないんだよという結論を出すための計算をしている。SBS米を調整金で価格を非常に下げて流通させている、この影響もない、ないという結論に向けて調査している。構図は同じなんですよ。
 次の二ページ目を見てください。大臣、私の話をよく聞いてください。皆さんもちょっと聞いていただきたいんですけれども、「国産米の価格とSBS落札数量の関係」という農林水産省が出している数字ですよ。これはおわかりになると思いますけれども、平成二十三年、二十四年、震災の後、風評被害で福島の米が流通しなくなった、だから十万トン全部落札しているんです。そうじゃなくなった昨年、二〇一五年、平成二十七年にはわずか二・九万トン、その前は一・二万トンなんです。ここからよく考えてください。
 では、大臣に聞きます。
 二十三年、二十四年と二十六年、二十七年、SBS米はどっちが価格は高いんでしょうか。これは小学生でもわかる問題。どっちが高いと思われますか。
○山本(有)国務大臣 基本的に、この表で明らかなところは、国内産の米の価格が低くなれば、需給のバランスからしてSBS米の供給は必要なくなるということで十万トンに達しない。国内産の価格が高い場合には、これは需給バランスにおいて供給が少ないわけでありまして、SBS米も必要とされるというような市場の力が発生するわけでありまして、十万トンに達するというように、国内産価格に応じてSBS米の量が決まってくるわけでございます。(篠原(孝)委員「SBS米の価格」と呼ぶ)いや、それは国内産が高い場合もあれば安い場合もあります。
○篠原(孝)委員 違います。大臣、指摘に答えてください。単純です。
 二十三、二十四年と二十六年、二十七年、SBS米価格はどっちが高いと思われますか。どっちが高いか。
○山本(有)国務大臣 委員もう十分御承知のとおり、他方の、農林省が公表していますSBS米と銘柄米の国内価格の推移にありますように、SBSの価格が高い場合も安い場合も、それは需給のバランスから考えられるということでございます。
○篠原(孝)委員 大臣、よく聞いてください。
 何でこれをしつこくやっているかというと、うんと全部売れているときのSBS米の価格と、そんなに落札しない年のSBS米価格と、どっちが高いんでしょうか、普通にいったら。単純です、どっちが高いか。
○山本(有)国務大臣 例えばでございますが、先生御指摘のアメリカ産のウルチ米短粒種、SBS米価格の方が国内産価格よりも高いというところでございます。
○篠原(孝)委員 大臣、SBS米価格同士の歴年の比較です。二十三年、二十四年と二十六年、二十七年、どっちが高いんでしょうか、常識的に見て。いっぱい売れているときと全然売れ口がつかないときと、どっちが高いんでしょうか。単純な常識を聞いているんです。
○山本(有)国務大臣 二十三年よりも二十四年の方が高いということでございます。(篠原(孝)委員「いやいや、違います。二十三、四年と二十六、七年を聞いているんです。委員長、ちゃんと答えさせて」と呼ぶ)
○塩谷委員長 大臣、二十三年、二十四年と二十六年、二十七年、どっちがSBS米は高いんですかということです。そういう質問だと思いますが。そうですね。
○山本(有)国務大臣 二十三年、二十四年で比べますと、米のウルチ米短粒種は二十四年の方が高く、またさらに、二十六年、二十七年では、アメリカ産の出荷価格の多少の値上がり分で高くなっているということでございます。
○篠原(孝)委員 大臣、これは事務方にも、これは答弁をつくるんじゃないぞと言っておいたんですがね。大臣が素直に考えられた方が、ずっと頭脳明晰だと思いますから、答えられる。
 こんなの当たり前じゃないですか。いっぱいみんな売れているときの方が高いんです。ですから、二十三年、二十四年の方が高いんです。売れない二十六年、二十七年の方が安いんです。ということはどういうことかというと、国産米が高く売れているときは足りなくなっているときだからSBS米も高くなり、国産米が余り売れなくて安い価格で流通していたときはSBS米も低くなるんです。
 農林水産省の資料の中に、逆はないと、国産米の価格に応じてSBS米価格を決めているので、SBS米価格が下がっても国産米価格に影響を与えることはないと言っていますけれども、そんなことはないんです。お互いになんです。当然なんですよ。
 例えば、単純なことで言えば、二十三年、二十四年にこの十万トンのSBS米がなかったとしたら、国産米価格は、十万トン不足していますから、市場は需要はあるわけですから、二百六十四円や二百八十六円じゃなくてもっと高くなっているはずなんです。確実に影響を与えるんです。
 これは経済学の常識で、A5、牛肉の一番高い超高級牛肉と、低級なんと言っちゃ悪いんですが、安い価格のもの。安い価格のものがさらに安くなったら、いずれ、数カ月か数年、何カ月かわかりませんけれども、一番上の高い価格にだって影響を与えるんです。ですから、SBS米の価格が調整金で安く、二割安く売られていたりしたら、確実に超高級米にも影響を与えるんです。
 このことは、米山隆一新潟県知事が選挙期間中、明確に言っていました。彼はどう言ったかというと、私は魚沼の生まれです、魚沼産です、日本一のブランド米、魚沼産のコシヒカリもSBS米価格がもっと安くなったりしたら悪影響を受けて、魚沼産コシヒカリも立ち行かなくなるんですと明確に答えていました。
 お医者さんで弁護士のくせによく経済学をわかっているなと思ったら、医学部を卒業した後、経済学部の大学院に行って二年間勉強されているんです。経済学の常識ですよ。
 だから、これはもう言いませんけれども、絶対悪影響があるんです。物が高くなったり下がったり、ちょっと需要があったら、米は貯蔵がききますからもっと影響は少ないですけれども、野菜なんて見てください。ちょっと、一割生産がふえたらがたっと価格が下がり、一割生産が減ったらがたっと上がるんです。そういうものなんです。米も、それほどではないですけれども、そういう性格のものだということをよく承知しておいてください。
 だから、影響はないなどという結論はあり得ないんです。だから、きのう、我が党の同僚議員がしつこくしつこく質問しているんです。結論を先にありきでやっている。影響はない、関税を下げた影響はない、SBS米の価格が多少下がったところで影響はないんだと。ないない、ないない尽くしで、結論ありきでやっているからいけないんで、もっと客観的に議論しましょうということです。
 次に、よくわからなかったんですよね。私は長野県です。かつては繭とかやっていましたけれども、そこから、青森からはリンゴ、隣の県で山梨県でブドウをつくっていたらブドウ、岡山の桃をつくれる、いろいろなことをつくってやってきていますよ。だから、米だけつくっていたってだめだし、繭だけじゃだめだから、いろいろなものを取り入れてきている。
 野菜や果物や何かで、農林水産省が最近指標として使い始めました生産額自給率を高める、農業所得をそれで確保しているんです。それでやってきている。牛肉やかんきつやオレンジや、こういうのがあって、長野には関係はそれほどありませんでした。牛肉とかはありますけれども。
 そうしたら、突然、リンゴとかミカンとか、お金、収入源になっているのが関税ゼロになると。リンゴは十一年目に、今一七%ですけれども、関税ゼロだと。ジュースも同じで十一年目に、ミカンは八年目に、ブドウは即時撤廃、サクランボは六年目に撤廃。何で六年目と即時と十一年と差があるのかわかりませんけれども。いっぱい守ってもらった方がいいんですけれども。
 これは何の説明もなかったんです。だから、長野の果樹農家はかんかんです。かんかんで、これが参議院選挙にも確実に影響をしていたんですよ。明らかです。何にも言わないでおいて、ふざけるなと。
 どこでどうなってこういうふうになったんでしょうか。交渉経緯だか何だかわかりませんけれども、いつ、どこで、こういうのが決められて、どうしてこうなったのか。何で、片方が十一年で、八年だと。交渉事であれなんでしょうけれども、全然説明がなくて、いきなりどんなんですね。これは不信感が増すのは当然だと思います。
 こういった長野県のリンゴ農家の反応について、いろいろ意見が割れたら、大臣はどのようにお答えになりますでしょうか。
○山本(有)国務大臣 まず、御指摘の、TPP合意により、リンゴ、ミカン等は関税ゼロだ、交渉のどういう話があったのかということでございます。
 型どおりのお答えになって申しわけないんですが、二十七年十月のアトランタの閣僚会合で、関税以外の分野も含めて全てがパッケージで合意されたというように考えております。
 また、長野という、かんきつやリンゴ等、大変優秀な作物、果樹をつくっておられる方々にとりまして、品目により、即時撤廃となったもの、あるいは一定期間をかけて段階的に関税撤廃することとなったものがあります。鮮度や安心感、用途や出回り時期のすみ分け等、輸入品との差別化が図られている品目が多いのではないか。つまり、競争力、体質が強いというように評価をさせていただいております。
 TPP合意によって、直ちに大きな影響が生じるわけではありません。他方、長期的には、関税撤廃により価格の下落も懸念されておりますことから、政策大綱に基づきまして、生産者の将来への不安を払拭するため、生産性向上等を図る体質強化策を講じることとしておるところでございます。
○篠原(孝)委員 自由化、つまり完全に関税をゼロにするかどうか、これは自由化の定義がいろいろありますけれども、その次の三ページ目を見ていただきたいんです。
 主な作物の自由化した十年後、そして現在、生産量がどのように変化してきたかというものの表です。よく見ていただきたいんです、自由化年がそれぞれ違いますので。
 これを見ると、さすがなんです。牛肉は、消費量もふえているというので、牛肉・かんきつ交渉が行われました一九八八年ですか、自由化して、江藤隆美衆議院議員などは、この関係でいろいろ動いておられたわけです。ですから、手厚い保護もあったし、価格差でもって勝負できたので、自由化の前の年と比べたんですが、〇・九一で、九%しか生産は減っていない。
 米も守ってきています。これは、ただ、ウルグアイ・ラウンドの後のところで一九九九年というふうにしていますけれども、この年を何年にとるかというのでちょっと違ってくるんですが、〇・八五です。
 ほかを見てください。菜種、完璧に消え去っているんですね。一割もない。世界じゅうで、菜種を完全に死滅させている国はないと思いますよ。
 炭水化物だけじゃなくて、次は、生きていくには油糧、脂肪とたんぱく質が必要なので、大事な油糧種子は、EUは一旦は、もうつくれないからとアメリカに譲ったけれども、小麦の収量が倍になって畑が余ったので、それではというので菜種とヒマワリをつくり出したんです。だから、ウルグアイ・ラウンドのときに、それでアメリカが怒って、油糧種子パネルというのが行われたんです。だけれども、EUは頑として聞かず、今、外務大臣はしょっちゅうヨーロッパに行っておられると思いますけれども、疲れ果てて、空港におりるときに余り下を見ておられないかもしれませんけれども、春は菜種で真っ黄色、秋はヒマワリで真っ黄色です。
 日本も、春は菜種がずっと山麓、長野県なんて特にそうです、きれいでしたよ。田んぼにはレンゲ。ピンクと黄色と、山と緑と青い空と。今は、黄色とピンクは消えてしまったんです。こんな無謀なことをしている国は日本だけなんです。守ろうとしない。壊滅的になるんですね、これは。すぐでなく、十年後でも相当、大豆なんか十年後でがたっと減って、今、いろいろやっています。農業者戸別所得補償の成果もあります、復活しています。だけれども、菜種も対象にしましたけれども、復活していません。
 これを見ていってください。特に、オレンジというものは、ミカンですよ、ミカンなんか、かつては三百万トン食べていたし、つくっていたのが、今、三分の一になっちゃっています。最盛期、自由化の前の年と比べても半分ですね。
 丸太、製材。
 では、生産減少度。また私の勝手なあれですけれども、視覚に訴えるんですね。下を見てください。ふえているのはゼロです。八割ぐらいでとどまっているのは三角。三角と四角、ちょっと違えた方がよかったかもしれません。ともかく、バツが多くなって、多分、このままいったら十年後はみんな三割以下になっちゃっているんじゃないか。つくるものがなくなってしまっている。これでいいのかなと思います。こういうことはお考えにならないんでしょうか。これは、過去のトレンドから見ると、がたがたになってしまうと思う。
 大臣、いかがでしょうか。こういう現実があるんですけれども、TPP国内対策、みんな牛肉並みに講じるから大丈夫だと言えるんでしょうか。リンゴもミカンもみんなだめになっていってしまうんじゃないかと僕は心配しているんです。
○山本(有)国務大臣 御承知おきのとおり、自由化悲観論というのは、もうそのとおり、定説があります。しかしまた、その自由化でも対応できる、力強い品目もございます。
 自由化後十年の作付面積あるいは飼養頭数の動向、これを見てまいりますと、まず、作付面積が減少したものがございますが、逆に、一時的に作付面積が減っても、その後回復したものもございます。大豆、レモン。また、作付面積等が増加したものもございまして、それは小麦、丸太、サクランボ。一時的に飼養頭数が増加したが、その後減少したものもございます。
 その動向は品目によってさまざまでございますし、自由化後十年たつと大半が壊滅状態になるとも言えないと私は見ております。特に、主要品目の国内生産というのは、輸入品との競合だけではなくて、需要の変化に大きく左右されまして、米やミカンの生産減少は、消費の減少の影響が大きいと見られる向きもございます。
 今回のTPP交渉で、国会決議を後ろ盾に重要五品目を中心にさまざまな対策を打ってきておりますし、加えて、先ほどからも総合的なTPP関連政策大綱に基づきまして対策を打っております。こういうことを考えていきますと、品目ごとに力強く、そして農業の所得が上がるようにこれからも努めてまいらなきゃならぬというように、御指摘から思ったところでございます。
○篠原(孝)委員 いろいろ努力すればそのとおりになっていくというのもいっぱいあるんですけれども、きのう鈴木教授が言われましたけれども、農業予算、農業は過保護だというイメージがありますが、全然違うんですよね。
 大豆なんかだって、ちゃんと採算が合うようにしたら、皆さんつくるんですよ。昔は、もう死語になってしまいましたけれども、あぜ大豆というもの、あぜ大豆と言ってわかる人はいますかね。田んぼのところに、昔の話ですが、やっていたんですよ。これも理にかなっているんです。ちょっとだけ解説しますと、大豆を何であんなところでつくるのかというと、開花期のときに物すごく水分を必要とするんです。その後は要らないんです。だから水田の、水を張っていた田んぼのあぜにぴったりだったからなんです。そこまでしてやっていた。だから、みそ、しょうゆ、納豆、こういった原料はみんな自分たちでつくっていたんです。そういうものなんです。
 そういうふうに、やろうと思ったら日本では何でもできるんですけれども、いかんせん採算が合わない。アメリカでもいっぱい不足払いをし、価格支持をしているんです。日本はそれを全然していない。してきたものが辛うじて残っているんですよ。だから、そういうことを全然していないと、がたがたになるんです。
 そこで、これは通告はしていないんです。簡単ですけれども。
 法案の審議も一緒にやっているんですけれども、法案の質問などをされた方はほとんどいないんじゃないか。大臣、農林水産省関係で何本法案が出ておられるか、ちゃんとわかっておられますか。皆さん忘れているんじゃないかと思って。
○山本(有)国務大臣 十一本、具体的に申し上げますと……(篠原(孝)委員「いいです。本数、十一本のうち農林水産省関係は何本でしょう」と呼ぶ)これを申し上げますと、大体、大体ってことはないですね。(発言する者あり)四本でございます。
○篠原(孝)委員 済みませんね。これは通告して聞く話でもないから、そうしたんですよ。
 要するに、何を申し上げたいかというと、それだけ内容豊富で、農林水産省だけでも四本の法律なんです、一くくりにしたりしているものがありますけれどもね。だから、こんなのは、何かその辺で来週採決だとか、そんなことを言っていられないんです。この法律の内容なんか、さっぱり議論していないわけです。
 今のだって、日本の大豆なんていっぱい伸びるんですよ。原産地、一つあるんです。国際約束により相互に農林水産物等の名称を保護することとした外国の当該名称を保護できることとする等の規定整備を行う、これもまたちょっと違うんですけれどもね、原産地呼称。
 だけれども、一方で、これと直接関係ないんですけれども、国産大豆にしようというのを、これは松浪委員なども盛んに質問されていましたけれども、こういうことをしていったりしたら、日本国民は、ちゃんと真面目な人たちは、遺伝子組み換えじゃない、変なこともしていないと信用できる日本の農家がつくったものの方が安心だ、ここは許容限度があって、どのぐらい高いところまで許されるのかわかりませんけれども、それを使うんですよ。
 そういう制度をきちんとしていったら何とかなるんですよ。だけれども、その大事な国内法のところなんか全然議論していない。こっちも自然成立なんてできないはずですけれども、何か同じように考えている。どこかおかしいと思うんですけれどもね。僕は、これから一つ一つの法律に一日ずつ審議したっていいと思っているんです。
 次、石原大臣にいろいろ伺いたいと思います。
 このTPPは、前文、憲法も前文が大事です。前文をここに持ってきたんですけれども、「この協定の締約国は、貿易及び投資を自由化し、経済成長及び社会的利益をもたらし、労働者及び企業のための」と、あとは美辞麗句がどっと書いてあるんです。「貿易及び投資を自由化し、」全てこれで貫かれています。
 そして、食の安全についてもそうでして、典型的な例で、ここに持ってきているのはSPS、第七章。七章は衛生植物検疫の措置。これは食の安全もそうですし、動物検疫もそうなんですけれども、この目的は何かというと、食物でいったら病気が蔓延しないように、それから変な虫が入ってこないように。
 ところが、第二条でどうなっているかというと、本末転倒しているんですよね。「目的」のところに、「衛生植物検疫上の問題に対処し、」というところに、ここにも「貿易を円滑にし、及び拡大しつつ、締約国の領域において人、動物又は植物の生命又は健康を保護すること。」常に、貿易を円滑にし、拡大しというのが出てきているんです。
 これからが非常に大事な問題で、僕は、TPPで日本の国家の主権が失われていくということの例がここに見られるんです。
 十三条があるんですけれども、十三条に、どこにも出てくる、これは薬価を決めるときなんかもみんなそうなんですが、透明性確保。透明性確保というのは、黒ノリ弁当だけじゃなくて、どこでも問題なんです。
 透明性確保のもとに、十三条に、企業がいろいろ言ったらいい、言わせると。企業の意見を聞いて、そして透明性を確保して、日本のルールを、植物検疫についてですよ、どういうことかといったら、アメリカのオレンジ生産者が日本のポストハーベスト農薬が厳し過ぎるとかいって何か文句を言ったりするのを、そういうのをちゃんと聞けと。いや、聞いたっていいんですけれども、条約で聞いて、そういうふうになっているんです。
 それから、第五条。これがいっぱいあるんですけれども、資料を見てください、資料の次のページ。だあっと委員会のことが書いてあります。それぞれのところに、何とか委員会、何とか委員会とばあっと書いてあるんです。ごらんいただいていますでしょうか。それだけ委員会があるんです。そして、一番大事なのはTPP委員会ですけれども、ほかのはみんな小委員会です。ここの第七の五条にはSPS小委員会。TBT小委員会と書いてあるんです。
 それで、事務方に聞きました。この委員会、小委員会です、農産物貿易小委員会、物品の貿易小委員会、みんなあるんですけれども、そこのところの委員会の構成とかそういったことについてはどのように議論をしているんですか、どういうふうになるんですかと聞いたんですが、むにゃむにゃむにゃと答えが返ってこないんです。
 この三ページのところに、これだけあるんですよ。例えば趣味的なもので、三番目を見てください。第二章のところに、しつこいんですよ、九項に、これは訳がこうなっているんですけれども、現代バイオテクノロジー生産品作業部会。バイテク、遺伝子組み換え、日本がうるさいので、これを何とかしなくちゃいけないので、農産物貿易小委員会のもとにこういう作業部会をつくって、ここで議論をして決めろと。
 何を申し上げたいかというと、日本が、日本国政府が、日本人の健康を考え、日本の消費者の関心を考えルールを決めようとしても、させないんです。小委員会で決め、作業部会で決め、ぎちぎちやっていくんです。こんなことでいいんでしょうかねというのが私の疑問なんです。国家を考えてください。こんなことばかりされて、だあっとこれになるんですよ。ひどいものだと思います。
 これについて、石原大臣、どのように思われるでしょうか。
○石原国務大臣 ただいま委員が、TPP協定とサイドレターのもとに、TPP委員会を筆頭に、小委員会が設けられる規定があるという御指摘をいただきましたが、まさに私もそのとおりだと、共通の認識を持っております。
 この小委員会をつくる、あるいはTPP委員会をつくるときの条件も、これはもう委員御承知の上で御質問されていると思いますが、いずれの国からも反対がないという条件がついております。一方、サイドレターはバイでございますので、小委員会というものができる可能性が非常に高いわけですけれども、しかし、これも条約でございますので、相互主義でございます。コンセンサス方式、相互主義、こういうものを兼ね合わせるときに、委員の御懸念にございます、こういう小委員会、各項目ごとに、委員は三番目のバイオテクノロジーのお話をされました。その下には自動車が載っております。こういう、特にアメリカが強く日本に対して開放圧力を強めるであろうというものに対して小委員会で新たなる決定がなされるのではないかという御懸念ではないかと思うのでございますが、そこはやはり、コンセンサス方式、相互主義にのっとって、我が国の国益を損なうようなことのないように、この委員会等々で議論がなされる。その結果、国益を損なうような決定はなされないものと承知をしているところでございます。
○篠原(孝)委員 この問題は非常に日本の国というのを意識されている安倍総理に一番問いただしたいと思っているんです。日本の政策は骨抜きになります。農林水産大臣もよく聞いていただきたいんですけれどもね。
 今、農政、農林水産省の中の審議会でいろいろ有識者の意見を聞いてやっていくんだったらいいんですけれども、何か、いや、外部の人の意見を聞くというのも大事ですよ、大事ですけれども、新浪剛史さんとかああいう人がいろいろ意見をおっしゃる。産業競争力会議、規制改革会議、そっちの方であれこれ言われて、農政がひっかき回されているんです。そこのところに、ここに書いてある、農業貿易に関する小委員会、現代バイオテクノロジー生産品作業部会がまた一つ加わって、ああでもない、こうでもないと言われているんです。大臣の権限は奪われるばっかりなんです、農林水産省も。これはやはり主権の問題だと僕は思っているんです。
 この前、十七日の月曜日のときに総理がちらっとおっしゃったんです。認識が違うなと思ったんですが、EUが何でもかんでもあれで、一割ぐらいの政策がEUで決められているから、イギリスはそうやって嫌になって出た、だから、それよりもこっちは緩いと。だけれども、僕は違うと思う。EUはEUのルールがあって、EUの事務局にもイギリス人もいっぱい行ったりしてルールができ上がっている。これは、これからルールができていって、まあ、アメリカが好きなようにこれを使って各国に注文をつける手段にTPPをしている。そして、具体的には小委員会をそうしている。
 では、続きでやらせていただきます。
 この条文を後で見てください。ここのところはもうめちゃめちゃなんですが、第七条にもこういうのがあるんです。
 七条に行くと、低発生地域、無発生地域その他地域的な状況に対応した調整というのは何かというと、英語はコンパートメントと書いてありますけれども、BSE清浄国とかなんとか、国でもって禁止措置を置いている。アメリカが、いやいや、それはモンタナ州でしか発生していないから、ほかの州はいいだろうと言って、それを、言うことを聞けというのがこれなんです。これはまだ日本にも有効なんですよ。放射能汚染というのは非常に嫌がられている。福島県とかなんとかはだめだけれども、九州や北海道はいいだろうという。それはお互いさまなんですけれども、これも何か全部、条文の端々に貿易を円滑にするようなというのが必ず入っているんです。だけれども、そんなのが目的では本当はないんですね、SPSは。
 それで、八条のところへ行くと、措置の同等というのがあるんです。どういうことかというと、アメリカがやっていて、こっちもやっている、同等だからいいじゃないか。つまり、アメリカに、輸出国と輸入国を同じ措置にする。それぞれ気候も風土も違いますが、アメリカの砂漠では、そんな虫はいたって死んでしまうからほっておいてもいいんですけれども、日本のように温暖で、そして湿気があったりしたら、どんな虫もはびこるんです。だから、日本の方が絶対厳しくしなくちゃならない。そういうのを無視したりする。
 それから、第九条に行くと、科学及び危険性の分析、これはリスクアナリシスです、こういう食品の安全とかそういうところで。そして、ここは何を言っているかというと、それをきちんとする、科学的な証拠がなかったらいけない、日本がこれは問題だからストップすると言っても、絶対にそれが危険だという証拠を示さなければ輸入を禁止してはいけないと。もう手足を全部TPPによって縛られて、我が日本国はほとんど決められない。
 今の、変えることはないと書いてあるんです、一番最初に。変えることはないんです。それは、今の、現状が変わらないよと安心させているんですが、今後、いろいろな問題が起きて、とめるというようなことがほとんどできないようになってしまっているんです。こんなものでいいんでしょうか、大臣。
○山本(有)国務大臣 TPP合意の内容また詳細、これについては石原大臣が総括的な答弁をされるわけでございますが、私どもといたしましては、農林水産物の国内生産をしっかり守っていく、並びに、小委員会等々について、そのメカニズムについてはコンセンサス方式であるというように思っておりますので、こうした手段を駆使しながら、我が国の農林水産業界をきちっと体質強化し、そしてTPPの自由化に向けてなお不安がないように努力していきたいというように思っております。
○篠原(孝)委員 もう一つ資料を、あと二ページ用意したのでちょっと触れさせていただきます。
 TPPの何年までにとの義務規定というもの。これは何を申し上げたいかというと、できたから終わりじゃないんです。リビングアグリーメント、生きている協定と言われています。それは、インドネシアや韓国やタイ、フィリピン、みんなにオープンになっているという意味でも使われていますけれども、よく見るとこんな問題がある。
 何かというと、よく問題になるのは二ですね、農産物の関税を、附属書二―Dで、オーストラリア、カナダ、チリ、ニュージーランド、アメリカの五カ国の要請に基づいて協議するんだと。だけれども、それ一つばかり取り沙汰されていますけれども、こういうのがいっぱいあるんです。
 関税撤廃について、一ですね、いつでも検討すると。
 自動車についても、五年後に日米の自動車貿易について協議をすると決められているんです。
 政府調達、これも本当にきちんと議論しなくちゃいけないんですけれども、どれを含めるかというのを、適用範囲を拡大する。対象は、今、県と政令指定都市みたいになっているんですけれども、さらに拡大させられて、何かど田舎の市町村も英文でいろいろ公告しなくちゃいけない、そんなふうになっていく可能性があるんです。
 それから、国有企業の適用範囲、これもきちっとしなくちゃいけない。五年以内に独占企業の適用を拡大する、追加交渉もすると書いてあるんです。
 知財、データ保護期間、最後までもめた。十年後か委員会の決定により、委員会が文句をここで言ったりしたらいつでも協議を行うと。
 そして、一番最後はTPPの委員会ですよ。その後は少なくとも五年ごとに見直すと。
 易しくなっていますけれども、ともかく、がんじがらめにされる仕組みがビルトインされているんです。こういう問題があります。
 農林水産省は、何か農家の皆さんが心配しているので、いろいろな疑問に答えると冊子をつくっているそうですけれども、これは、きのうの参考人の人たちが、グループがつくった「そうだったのか!TPP 24のギモン」です。今申し上げた、きょうは触れませんでしたけれども、知財、ISDS、それから、今言った政府調達とか、いっぱい問題があるんですね。こういうのをつくって、国民に説明したりする姿勢が全然見られないんですね。
 私は、国会というのは非常に大事でして、せっかく、TPP国会の名のとおり、やっと本格的な議論が始まりまして、私も一時間たっぷり質問することができました。来週も再来週も、これをきちっと続けていくことを切にお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。
○塩谷委員長 次に、村岡敏英君。
○村岡委員 おはようございます。民進党、秋田県出身の村岡敏英でございます。
 山本農林大臣、石原大臣、二十四時間たたずに質問できることを喜んでおります。昨日の質問の続きを先にやりたい、こういうふうに思っております。
 SBSの中で、農林大臣、お答えになっていなかったところで、私は、やはり調べた方がいいのが、あの調査票の中で、調整金があったという会社はどのぐらいのシェアなのか、そしてさらには、実際に千七百の契約書の中で名義貸しがあったのかどうか、ここだけは調べないと実態がわからない、こう思っております。
 この調べる、調査するということはもうしないですか、それは調査しますか。
○山本(有)国務大臣 十月七日に提出いたしました輸入米に関する調査結果についてでございます。
 この調査の目的は、あくまで調整金が国内米価格に影響があるかどうか、これを目的に調査をさせていただいたところでございます。これについては、完結しているというものでございまして、新たに調査を行うことではありません。
○村岡委員 委員長、これはぜひ委員会で。あの調査票の中で、やはりなかなか調べ切れていない。シェアはどのぐらいあったのか、調整金をあると言った業者数、そして、さらには業者のシェア、そして、さらにはこの名義貸しがどのぐらいあったのか、これを理事会で検討してくれませんか。
○塩谷委員長 はい、わかりました。その点については理事会で協議したいと思います。
○村岡委員 その意味合いは、やはり結果的に、これは調整金を禁止しても全く意味がなくなってしまうということですので、委員長から理事会で検討していただけるということで、この質問は終わります。
 そして、石原大臣、昨日、最後にお聞きいたしました。五カ国から農産物の市場アクセス、これはバイでやるし、それはその可能性が、向こうは当然市場アクセスをふやしたいということで要求してきても、いや、これはバイでちゃんと断るから、国益にかなわなかったらやめる、こういうようなお話をされました。さらには、何でこの条項が入ってくるかというのも、それは向こう側とすれば、市場アクセスをふやしたいためにこれを入れたと。このお話はわかりました。
 しかしながら、このアクセスの中で、まずは、四条、関税撤廃について相手国から要請があった場合は、関税撤廃の時期の繰り上げについて検討するために協議をする。そして、政府調達に関しても、公共事業等の日本の政府調達、地方政府を含む、これがさらに拡大される。それから、国有企業等の適用範囲を拡大させられる。基本的には十年後だが、要すれば、委員会が決定すればいつでも再協議。いろいろな協議事項があります。
 この中で、日本は当然、自由貿易の中で、工業製品を中心にして、これはむしろ関税が下がっていった方がいいという交渉をしていきます。そのときに、これは外交交渉ですよね、外交交渉の中で、日本が利益を求め、そして自由な貿易をしていこうというときには、やはりこの五カ国との農産物の部分で、ここを何か相手国との交渉事にしなければ、それは広げていけないんじゃないですか。
 TPPの目的というのは、八億人市場に対して、工業製品を含めて日本の得意分野を伸ばしていく。もちろん、輸出も日本で農産物もするという意味合いもありますが、やはり農産物が、今回のTPPの妥結のように、関税の部分の中、関税じゃなくても、いろいろな農産物に対して自由化を進められるというような交渉になったと我々は思っているんです。そのときに、端的に、この一つの条項だけでは、何か石原大臣はもう大丈夫だと言っていますけれども、それはなかなか難しいんじゃないかと私は考えるんですが、石原大臣はどう考えていますか。
○石原国務大臣 村岡委員にお答えしたいと思います。
 御懸念があるのは、再三にわたり、委員がこの委員会で御質問をされ、また、その御質問の後ろには、そういう御懸念を持っている村岡委員の、農業に従事する支援者の方々等の生の声があるということも私はよくわかります。
 しかし、考えていただきたいんですけれども、自由貿易協定というのは、人、物、金、投資、サービス、これを自由にするというものですけれども、今回のTPP協定では、人という部分についてはかなり抑制的になっておりますし、この再協議の規定につきましても、自由貿易連携の協定の中では、決してTPP特異のものではなくて、いろいろな国のものを見ましても、こういう再協議規定というものは入っております。
 そこで、委員の御懸念。日本は、やはり戦後の発展は、物づくり、物を海外に輸出していく、特にアメリカに輸出していくという形で、繊維があり自動車があり電化製品があり、発展してきた。その犠牲に農作物がなるんじゃないかという御懸念の上で、この御質問をされているんじゃないか。私も、二回御質問されて、ちょっと二回とも尻切れトンボになってしまいましたので、そこのところは夕べ考えてみまして、そういう御懸念があるんじゃないかと私は推察させていただいたわけであります。
 そこで、私たちは、では何を守るのか。
 先ほど、私、篠原委員と山本農水大臣の議論の中で非常に関心を持ちましたのは、実は大豆なんですね。
 大豆というのは、私が委員に言うのも口幅ったいんですが、お米の転作でいろいろなところでつくられております。なかなか立派なものがばあっとあるところを私も拝見させていただきました。
 これはやはりコストの面で、一体、海外のものに対して何割であれば、日本の国民、人口減少化社会といえどもやはり一億人からの人口のある大きな消費地でありますので、これは日本のものなんだ、しかし、海外のものに比べて何割高いという差がわかれば、私は、やはり、先ほどの篠原委員の御指摘のとおり、日本人の方は買うんじゃないかというふうに思っている人間であります。
 そういう形で、やはり、日本の農業、割高になるのは耕作地が小さくて距離があるということを考えれば当然でありますけれども、日本の安心、安全というものはこれからある意味では大きなブランド価値を海外に対しても持っていくのではないか、こういうことについてもしっかりとした対策を講ずることによりまして、委員の御懸念というものに応えていく必要があるということをこの御質問を通じて強く感じたところでございます。
○村岡委員 石原大臣は、篠原委員も言いましたけれども、大豆の部分で、お百姓さんというのは、大豆でしょうゆとかみそとか、いろいろなものをつくりながらやっていました。
 ただし、これは自家消費みたいな形の部分の中で、それから地域消費みたいな形で、これを大量につくるという政策の中で、必ずしも大豆に合わない土壌というのはいっぱいあるんです。その中で大豆に転作ということをやりながら、実は、物が余りよくないものがたくさんありました。その中でいくと、農家の人はやはり気持ち的に沈んでしまうんですね。
 やはり、農業政策というもののいろいろな間違いがあったということもきのうの議論で出てきましたけれども、そこの一番は全国一律にしたことなんですよ。そのことによって、合わないところまで転作だから植えろ、それでできたものが悪いと、これは農家は、育てて、非常に何か自分も、生産してきたのに大変おもしろくない思いをしているというのがありますので、そこはちょっと、簡単に日本の農地でどの土壌でもアメリカと対抗できるようなものができるなんということを簡単に思うと、これはまた間違いますので、そこは御指摘しておきたい、こう思っております。
 そして、いろいろ議論の中で出てきました。このTPP、いろいろな、農業にかかわらず、日本の生活全般にかかわることの中で、しっかりとした議論が我々はまだできていない。その中で、総理が、自民党は結党以来強行採決を考えたことはないという御発言をされました。
 石原大臣は、自民党の幹事長もやりましたから、やはりその思いですか。
○石原国務大臣 突然の御質問でございますが、やはり、議会で議論を積み重ねて、しかるべきときが来ましたら物事を決する、そして決することに足らずというときは国会をまたぐ、そして国会をまたいで審議しても議論が収拾されないときは廃案になる、出し直す、こういうことがさまざまな法案で行われてきたということを私も見ておりますので、やはり、議論を深め、そしてその後に賛否を問うということがまた議会制民主主義のあるべき姿であると認識をしております。
○村岡委員 もう一度聞きますけれども、結党以来考えたことはないというのは同じですか。
○石原国務大臣 私は結党後に生まれておりますので、私が議員生活の中で、自民党が、よし、この法案は強行採決で全部決めるんだというようなことを考えているということに接したことは、私は経験としてございません。
○村岡委員 表向きはそう言わざるを得ないと思いますので、それは別にして、強行採決はいろいろな定義がありますから、必ずしもそれが強行採決かどうか。
 ただ、これを決めるのは、実は、最終的には国民なんです。この議論が尽くされたかどうか。
 TPPも、いろいろな条約、法案があります。とてもこの国会だけで採決できるような話を、国民の人たちがわかっていない。そして、地方公聴会の中でも、それぞれ報告は大臣は受けていると思いますけれども、農林大臣も受けていると思いますけれども、協定では、全ての生産品について関税率や制度面で相手国からくさびを入れられている。または、タマネギは六年で関税撤廃になる。有望な代替製品も取り払われ、五品目以外も厳しい。いろいろな不安の声が、地方公聴会に行って、満ちあふれています。このことは聞いておりますか。
○山本(有)国務大臣 お聞きしております。
○村岡委員 これを聞いて、その上で、まだまだこれは審議をしなきゃいけないと我々は思っております。
 さらに、最後に、総理にきのうの質疑で言ったんですが、日本がこの自由貿易によって大きな国益を得られる、そして日本はこの自由貿易によってGDPもどんどん伸びていく、その認識は石原大臣、同じですか。
○石原国務大臣 総理が申した認識と、私も世代が近いですから、見ておりまして、日本の戦後の復興というものは、まさにクオリティーの高いものを大変精度の高い労働力によって安く生産し、海外に輸出することによって、戦後の荒廃から成り立ってきた。その間、委員が御懸念を再三再四されておりますように、さまざまな自由貿易交渉等々によりまして、日本でこれまでつくっていたものをつくる現象というものが起こってきた。
 しかし、私、一つ、この間地方を回らせていただきまして、若い生産者の方、イチゴなんですけれども、石原さん、イチゴはストロベリーじゃないよ、これは非常に印象に残りました、この言葉は。イチゴとアメリカのかたいイチゴ、これは英語だとストロベリーだと思いますけれども、やはり違うものである。そういう生産者が誇りを持ち、つくっていらっしゃるものも多々ある。それと、中山間地域の農業、景観あるいは棚田、こういうものをどういうふうに守っていくのかという地域政策、こういうものをしっかりとやっていかなければならないと感じたところでございます。
 また、先ほど、どの地域でも転作として大豆ができないというのは、本当に私もそのとおりだと思いますし、やはり委員の地元のような、秋田県のような、割と平らで広い、また八郎潟みたいに埋め立てをして、すばらしい整ったところが、畑があって田んぼがあるところと、またないところによっても違う。またこの点については、私も、何がこれからその地域に合ったものとしてつくれるのか、しっかりと研究をしてまいりたいと考えております。
○村岡委員 丁寧に答えていただきまして、ありがとうございます。
 そこを一番大臣にお聞きしたいんですが、総理がその上で発言されたことがあります。日本が先に国会で承認して、アメリカの承認を推進する、こういうふうなことは同じでしょうか。
○石原国務大臣 結論から先にお話をさせていただきますと、総理の思いというものは、私ども、また安倍内閣全員が共有している考えでございます。
○村岡委員 私は、日本が先にこのTPPを国会で承認して急ぐと、アメリカは逆に、議会は、これは再交渉しろということになっていくんじゃないか、こう思います。
 それはなぜかというと、きのうの議論の中で、日本が非常にこの自由貿易で一番メリットがあるという数字が出ていますし、政府もそのお考えだと思います。そのお考えのときに、アメリカ議会が、これではちょっとおかしいんじゃないか、やはり再交渉しようじゃないか、こういう動きになるのが、ですから大統領選挙ってそうなっているんじゃないでしょうか。それはどう思われますか。
○石原国務大臣 再交渉の点については、委員の御懸念というものは、非常に私もわかります。
 他の国もどう考えているのかということで、シンガポール、ニュージーランド、マレーシアと、短期間ではございますが回ってきまして、この再交渉については、特に寄託国のニュージーランドのマクレーという大臣が、再交渉は絶対しないんだということをまず言われました。シンガポールもそうですし、マレーシアも、担当大臣のレベルですけれども、話を聞くと、やはり、TPPというものは、もうかなり各国が譲るべきところは譲り、でき上がったガラス細工であるので、再交渉は行わない。そんな中で、日本でこれから議論が秋の国会でスタートするんですという説明をさせていただき、また、総理が成立を目指して力強い決意を持っていらっしゃるということを御紹介させていただくと、各国からは賛意が表されたということは御報告させていただきたいと思います。
○村岡委員 私どもは、まだ慎重に考えて、アメリカが国会で、このところでどういうふうな結論が出るかを待ってからやっても遅くないとは思っております。もし、それが、日本が先に承認してやった場合には、アメリカがそんなに外交がやわだとは、懸念しております。
 さらには、そのときはいいにしても、三年後や七年後の交渉、またそのときにいろいろな要求を突きつけられるんじゃないかという心配の懸念をしておりますので、そのことだけは伝えておきます。
 そして、山本農林大臣にお聞きします。
 きのうの議論の中では多少出しましたが、午前中の参考人のときに、日本の農業予算のことに触れられました。ヨーロッパ各国は、農業の所得の中で、特にEUは、スイスやフランスやドイツ、英国は抜けましたけれども、非常に高い直接支払いをされております。例えば、英国でいけば九〇・五%、フランス九四・七、スイスに至っては一〇四・八、こういうような数字が出ています。
 日本はどのぐらいだという認識ですか。
○山本(有)国務大臣 二十八年で二兆三千九十億ということでございます。
○村岡委員 日本は三九・一%と、二〇一三年の数字ですとなっています。
 そういう意味の中でいけば、世界的な流れは、アメリカも含めてですけれども、複雑な農業予算制度よりも直接支払いというのが、これが流れなんです。
 その流れを、これは新聞記事ですけれども、同じ山本大臣ですけれども、ちょっと違う方ですけれども、山本幸三大臣が、所得補償制度導入に意欲という記事が出ておりました。これは流れをよくつかんでいると思います、世界的な農業の予算のつけ方の流れを。
 大臣はどう思われますか。
○山本(有)国務大臣 アメリカでは、農業リスクや価格リスク、そういったものに変化を遂げておりますし、EU諸国もその傾向にあります。世界の農業の直接支払制度の中身がやや生産要素から離れてきつつあるということは、実際の事実でございます。
○村岡委員 ですから、いろいろなこれからやっていく、例えば農業対策、農業改革もありますし、農協改革だとか、いろいろなことがあります。そのときに、複雑な制度から直接生産者に対しての直接支払いという、ある程度岩盤政策、それは多分、飼料米だ、こういうふうに言われるんでしょうけれども、それは、直接支払い、飼料米ということだけでいくのか、それとも違う、ヨーロッパ、世界各国の農業政策の流れに行くのか、それはどう考えられていますか。
○山本(有)国務大臣 日本の直接支払制度、それぞれの分野、今、工夫を凝らして定着しつつあるわけでございますが、農家収入の安定的な継続というものを考えながら、収入保険とか、新しい物の考え方に入っている段階ではないかと思っております。
○村岡委員 日本型直接支払いなんという話も出ましたけれども、喜んでいる地域もあります。しかし、これはなかなか、地域の人たちを巻き込んで、草刈りだとか用水路をさらったりとかいろいろあるんですけれども、必ずしも、そこに一番欲しいと思っているというか、違う面だという現実の現場の声は聞こえてきませんか。
○山本(有)国務大臣 多面的機能支払い等、大変喜ばれているという認識はありますけれども、それだけで農家が営農を継続できるというものではないわけでありまして、さらに、もっと農家として安定的な、また後継者も確実に育つというような体制づくりからすると、これからさまざまな工夫を凝らしていくという時期に来ているというように思っています。
○村岡委員 いろいろな政策の中、一つ決めると、ある程度農業の幹部の人たちと、ああ、これはいいことだというふうな形で認識されていると思うんですが、現場をもう少し聞いた方がいいです。現実に、予算をつけて喜んでいないのもあるんです。一つ一つをしっかりと調べないと、国の予算がかけられたものが結果的に、あのWTOのときの六兆円と同じように、それが農業の成長につながっていない、農村社会が所得倍増なんてつながっていない、そういうのは相当多いんだという認識の中で、喜んでいるものもありますよ、そこはしっかりとやっていただきたい、こう思っております。
 質問通告の中で、時間がだんだん迫ってきたのでほかの項目にかわりますけれども、この委員会の中でも話されたTPPの中の牛肉の交渉です。
 現実に百万程度のこの日本の消費量の中、セーフガードが本当にきいていますか。大臣は、あのセーフガードを、三八・五%から最後は九%になる十六年後、このセーフガードはきいている、これはよくやった交渉だ、こういうふうに評価されているんですか。
○山本(有)国務大臣 関税撤廃が原則というTPP交渉の中で、この農業分野、そして牛肉、これを十六年目の最終税率九%という関税撤廃の例外を確保した意味では、私はよくやったと思っております。
 また、我が国以外の牛肉需要が現在急激に伸びておりまして、他の輸入国との買い付け競争が激しくなる可能性も踏まえますと、当面、牛肉の輸入急増は見込みがたいわけでございます。
 また、万が一の輸入急増に備えるためにセーフガードがあるわけでございますが、まず、牛肉について、初年度五十九万トンというわけでありまして、パーセントに直すと約一〇%、現在のセーフガードが一七%という意味におきましては七%低くなる。すなわち、発動しやすくなっているわけでございます。
 また、過去最大の輸入量が七十三万八千トンでございまして、十六年目に七十三万八千トン。これは過去日本が経験した、すなわち、生産農家がこの七十三万八千トンを経験しているわけでございますから、それに備えるという意味では、過去の経験から予測し、対応できる、そういうセーフガードになっているというように思っております。
○村岡委員 今、和牛が、繁殖農家は非常にいい値段で売れていますよ。しかし、この繁殖農家が、いい値段で売れたこの資金を次の繁殖のために使っているかというと、なかなか使っていないんです。だから、結局、少ないから高くなっていくんです。
 これは、何で繁殖農家が、例えば一頭八十万円とかで売れたものを、それをほとんどふやすために使わないという状況が起きていると思いますか。
○山本(有)国務大臣 それぞれ繁殖農家の戦略あるいは経営の物の考え方があるわけでございますし、また、子牛の値段が急激に高くなっている現下の状況の中でとり得る措置といたしまして、やむなくそうした手段に出ているというところも否めないことではないかと思っています。
○村岡委員 もちろん、高齢化になっていることはあります。プラス、投資した場合に、担い手がなかなかいないんですよ。それは決して、外国の中でこれは売っていくからといっても、それはある程度、ごく少数の人たちはそれでふえていますよ。(発言する者あり)委員の中からも、ふえているというのはある。だけれども、投資をしていないという現状があるんです。
 その中でこのセーフガードが、もちろん、和牛に関しては別物ですから、ある程度の需要はあることはわかっています。しかし、乳用牛を初め、そっちの方には大きな影響があります。畜産の農家は、その意味ではこの将来に不安を持っております。
 さらには、酪農農家は、乳用牛がどんどん入ってくると、今、乳用牛の場合は、おなかの中に和牛を入れたり、いろいろな研究をしています。その資金というのは、経営資金に相当、これは経営の体制強化につながっているんです。
 その肉が、全く、全くというかほぼ同じような肉が安い値段でどんどん入ってくる、今度は酪農もだめになる。酪農がだめになると、その次に出てくるのが、酪農や牛が少なくなると、飼料米政策というのも、これもだんだんおかしくなってくる。そういう連動したものがあるわけですけれども、大臣はこの認識はありますか。
○山本(有)国務大臣 日豪EPA締結後の牛肉の推移を見たり、さまざまな要因を見ながら対処をしていかなければならない分野であるというように思っておりますが、ともかく、私ども、生産農家、畜産農家が不安のないように、しっかりとした対応をしていくつもりでございます。
 また、その中で、全ての連動する、例えば、御指摘の草地の整備だとかWCSだとか、さまざまな総合的な循環型の日本の農業体制を畜産中心につくった。一つ壊れれば全部壊れるというような向きは、それは当然、不安の中で考えればあります。しかし、それを超えて、こうした体制だからこそ継続しよう、そういう物の考え方も出てくるわけでございまして、意欲ある担い手が育つような、そういう農業にしていきたいというように思っています。
○村岡委員 もう時間もなくなってきましたので最後にしますけれども、今はいいんですよ、乳用牛の中でおなかの中に和牛を入れた分も。それは全てがいいんですけれども、しかし、投資をかけるのに不安に思っているということは、このTPPもあり、将来に不安を持っている人たちがたくさんいるという認識を持たなきゃ。今がいいから、次に投資してどんどん伸びていこうという人がたくさんいれば問題ないです。しかしながら、不安に思って、今がいいけれども、これは、将来の不安に備えるためにお金を蓄えているかどうか、違う職業に行くのか、自分の代で終わるのか、こういうことを考えている人がたくさんいるということは認識してください。
 その上で、これはTPPと直接関係ないですけれども、このTPPで頑張ろうと思っている人たちに、規制改革会議の中で、指定団体制度を、これはよくない、こういうふうにやったら、またさらに不安を抱えている。この指定団体制度というのは、もちろん規制改革会議で提案だけでしょうから、どういうふうになるかわかりませんが、農林省としてはどのように考えているか、最後お聞きして終わらせていただきたいと思います。
○山本(有)国務大臣 規制改革会議についてでございます。
 規制改革実施計画における、指定生乳生産者団体制度の是非や現行の補給金の交付対象のあり方も含めて、抜本的改革につきまして、二十八年秋までに検討し、結論を得るというようにされております。
 関係者の意見を十分踏まえつつ検討するわけでございますが、いずれにせよ、我が国の酪農業の生産基盤を強化し、酪農農家の一層の所得向上に向けて、生産から流通までの各段階において真に酪農家のためになるよう、各般の課題に対応し、その考え方のもとにこの論点を整理したいと思っております。
○村岡委員 最後に、自民党は結党以来、強行採決は考えたことはないということをぜひ実行していただきたいと思い、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○塩谷委員長 次に、佐々木隆博君。
○佐々木(隆)委員 おはようございます。民進党の佐々木でございます。
 十八日の日に総理に質問させていただきましたが、大分積み残しといいますか、中途半端なところで終わったところもあるんですが、石原大臣にそのときに余りお伺いするタイミングがとれなかったので、ぜひ石原大臣中心にきょうはお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
 先日、地方公聴会、私も参加をさせていただきました。その中で、委員長も一緒でしたけれども、まだまだ懸念が払拭されたという状況にはないということ、さらにはまた、水産業で輸出をされている方も何人かおられたんですが、そこもTPPでどうなるのかということになかなか関連づいていないという印象をいただきました。
 そんな中で、私は、このTPPそのものは極めて特異な経済連携だと思うんですね。片方にWTOがあって、本来はWTOでやるべきものなんですよ。だけれども、WTOがうまく、なかなか進まなくなった。まあ、それはそれでまたTPPとも関連があるんですが、進まなくなった。だから、二国間にシフトしたわけですよね、世界じゅうが。二国間にシフトして、特にアメリカが、米韓FTA以降、もう二国間はやらないという宣言をして、結果として、このメガFTAというような感じに世界じゅうが動き出したということなんですが、これ自体、極めて特異なやり方だというふうに私は思っておりますので、その分だけまた課題も多い。ある意味で初めての取り組みという点において、極めて課題が多いというふうに思います。
 先日、総理にもお伺いいたしましたが、まず、これは総理の答弁をもらったところで時間が来てしまったものですから、さらに確認することができなかった、例の国益というものであります。
 総理は、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった、共有する国々とルールを地域でつくり上げていくと。何か安保法制みたいなことを言っているのでありますが、加えて、これが少しわかるかなと思うのは、地域を取り込むことで我が国の力強い経済成長を実現するというふうに御答弁いただいたんです。
 では、この国益というのは誰に、どのような国益なのかということについては、これだけでは全くわからないんですが、その点についてまずお伺いします。
○石原国務大臣 佐々木委員と総理の議論は聞かせていただいておりまして、今、佐々木委員が御紹介された一項目、二項目、もう一つあったと思うんですけれども、地元長門市の油谷の棚田、美しい田園風景、農村文化、伝統、こういうものを、世界に誇るべき我が国の国柄を守ることが大切である、こんなお話だったと私は聞かせていただきました。
 そこで、委員の御質問は、では、今言ったようなものの恩恵を受けるのは誰なのか。
 私は、広くやはり日本国国民が、委員は特異という言い方をされましたが、マルチの貿易協定、十二カ国で、GDPで四割、人口八億、そういう意味ではかなり特別な自由貿易協定だという認識は持たせていただいておりますけれども、これによりまして、日本国の経済成長を、発展するアジアを取り込むことによって人口減少社会をある意味では補足していく。そういう意味では、国民全般が利益を受ける享受者になってくる。
 その一方で、御同僚の村岡委員、篠原委員の議論の中にもありましたけれども、また、委員の地方公聴会での現場での不安の声、こういうものにはしっかりと対策を打って、また、このTPPによりましてどういうメリットがあるのかということをしっかり説明していかなければならないと考えているところでございます。
○佐々木(隆)委員 人口減少社会とかそういう話は、これは現象面としてはそういうのが起きているんですが、だからTPPだという理論とはまだ結びついていないわけですよね。
 いまだ何か四十年ぐらい前の高度成長期みたいな話をされても、今は、そうではない、世界じゅうがどうやって共生していくかというような時代に入っているし、この前の質問でもさせていただきましたが、日本も内需中心の国に変わっているというこの状況の中で、何か四十年前の議論を聞いているような感じがして、そこは、依然として、この国益というものが誰に対してどんなメリットがあるのかということを、もう少し、この議論を聞いていて、何というか、どうも議会のやりとりになってしまっていて、国民に対して説明するという国会の役割が本当にこの議論の中でされているかというと、私は、残念ながらそういうやりとりになっていないような気がいたしますので、やはり国民に対してわかるようにしていかなければならないというふうに思います。
 そこで、今、石原大臣がおっしゃられました三つ目のところ、豊かな田園風景、農村文化、総理がお答えになりました。要するに、これをもって国益だと言っているわけですよ。交渉参加するときも同じだったんですが、国民皆保険と豊かな農村を守る、これが国益だから参加をすると言ったわけですね。皆保険はまだわかります。豊かな農村が国益だと言われても、これはなかなか……。
 国民の皆さん方に、豊かな農村を守ることがどういう国益なのか、これもぜひ説明いただきたいと思います。
○石原国務大臣 機会がありましたら、総理と佐々木委員の豊かな農村を守るという議論を私も聞かせていただきたいなと今思いました。
 総理のこれまでの国会答弁をちょっと拾ってまいりましたので、御紹介させていただきたいと思うんです。
 二〇一三年三月十五日に、TPPの交渉に参加されるときに言ったお話なんですが、農村の平均年齢は六十六歳を超え、今の農業は若い人たちの心を引きつけているとは言えない、耕作放棄地はこの二十年間で二倍にふえた、このまま放置すれば、農村を守り、美しいふるさとを守ることはできない、若者たちが将来に夢を持てるような強くて豊かな農業、農村を取り戻さなくてはならない、こういう御発言をされております。
 ここから推察するに、TPPの合意を受けまして、生産者の持つ可能性を遺憾なく発揮できる環境を整えることで、総理の言葉であります豊かな農村をつくる。次の世代に対しても、我が国の豊かな食、地域、中山間地を含む美しい活力のある地域を引き渡していく、こんな御趣旨で総理は豊かな農村という言葉を使われているのではないかと推測しているところでございます。
○佐々木(隆)委員 まだ、今ので聞いている皆さんがわかったかというと、なかなかわかりづらいのではないかと思うんですが。
 そこで、山本大臣、資料の三というのがあります。これは、TPP関連予算を今回の二十八年度補正まで足したものであります。この中に豊かな農村を守るという予算はどこに、どのように入っているのか、ぜひ説明いただきたいと思います。
○山本(有)国務大臣 おまとめになられましたこの表の予算の内訳等の中で、農林水産業分野、これに入っているというように思っております。
○佐々木(隆)委員 いやいや、どこに、どのように、どういう項目で入っているのかと今お伺いしています。
○山本(有)国務大臣 中山間対策の一つとしてここに挙げられているというように思っております。
○佐々木(隆)委員 中山間対策があることは知っています。しかし、中山間対策はTPP関連には入っていません。全体の農水省の予算には入っています。
 だから、TPPで特出しをしてこれを増額したという予算ですよね。豊かな農村を守らなきゃいけないと言っているわけですよ。これは重要な柱だと言っているんです。だったら、TPP関連予算でどんとふえていなきゃいけないわけですよね、本来。
 今おっしゃられたのは中山間ですから、農村ではないですよね。そこをもう一度お願いします。
○山本(有)国務大臣 先ほど申しましたように、中山間地域の農業所得の向上、あるいはTPP政策大綱に基づく体質強化などを含めまして、相互連携しながら、農業、農村、そうしたものが豊かになっていき、特に、農家所得が向上することによる現実的な豊かさ、及び環境のさらなる整備による豊かさ、そういったものがあわせ実現できるものになるというように考えるところでございます。
○佐々木(隆)委員 これも何か四十年前の議論と同じ議論に戻っちゃっているんですが、農業が豊かになれば農村が豊かになるといって、結果、どういうふうになってきたかということの反省に立っていなければいけないわけですよね。だから、新しい農業基本法もつくったわけですよ、それの反省で。
 日本型直接支払いが農村対策だという、その答弁は一つも今出てこないわけですよね。だから、農村のために何をやろうとしているのかと私はお伺いしているわけで、農業がよくなったら農村がよくなるなんという話は、それはもう四十年前の議論ですよ。
 もう一度お願いします。
○山本(有)国務大臣 日本型直接支払い、特に地域の共同活動を通じまして営まれる農地等の資源の維持や継承、そういったものが、我々の、農家が豊かさを維持し、また、食料の安定供給の機能あるいは多面的機能によるそうした共同作業による支払い等によって、お互いのむつみ、結い、あるいは和というような農村特有の精神的なきちっとした輝かしい文化が維持発展できるというようにも思っております。
○佐々木(隆)委員 質問で私が日本型直接支払いと言ってからその答えが出てくるようでは、本当は困るんです。
 ただし、日本型直接支払いは、このTPP関連予算として増額されたという形跡はありません、通常の農水予算の中で取り組まれておりますが。
 なぜそれにこだわるかというと、TPPの二本柱の一つなわけですよ。国民皆保険と豊かな農村、それが国益だからTPPに交渉参加します、こういう流れになっているわけですよ。だったら、豊かな農村ということがそれだけ大きな柱に取り上げられているんだから、豊かな農村が、当然TPP関連予算の中に倍増するぐらいな形で何か入っていなければ。入っているのは土地改良の予算だけですよ。土地改良は、豊かな農村をつくるためにやっているわけじゃないですよね。農業のためにやっているんですよ、あれは。業ですから。村じゃないですから。
 これはもう一度お願いします。
○山本(有)国務大臣 御指摘の直接支払制度における農地維持や資源の向上機能というのは、これはもう皆さん、高い評価を受けるところでございますし、中山間地域の直接支払いの交付金で大変その地域が高齢化しつつも守られているという現実も評価を受け、さらには環境保全の農業直接支払いもあります。
 しかし、そういう中でも、私ども、いわゆる土地改良事業でも、農業従事者の労働時間の改良している部分については、かなりの低減、特に三十年前と比べても、二倍近い労働の時間数が減少するというようなこともありまして、そうした意味で、農家の皆さんに余裕ができることによってすばらしい豊かな農村が維持できるというように、ひいては考えるところでございます。
○佐々木(隆)委員 今、ひいてはと言われましたが、四回ぐらいひかないとそこまでいきません。
 要するに、今言われたのは、単位当たりの労働時間は減っていると思います。単位当たりの労働時間が減ったからといって、農家総体の労働時間が減ったということとは違います。それは面積がふえているわけですから。
 どうも、国益と言うときに、日本としてGDPが上がるということを国益と言っているように聞こえてどうしようもない。個人が豊かになるということとは全然違う話ですから、それは。一人一人が豊かになるために、だから、誰のために、何のための国益かと私が最初にお伺いしたのは、一人一人がどう豊かになるのかということに視点が当たっていなくて、日本のGDPが伸びればそれが国益なんだ、そこに格差がどんどん広がっていってもそれは仕方がないんだというような発想のもとにこのTPPの交渉がずっと進んできていて、対策もそうなっているというところに大きな課題が一つある、課題よりは問題があるというふうに思っておりまして、ですから私は国益にこだわって質問をさせていただいた。
 国益というのは、グローバルな国という話ではなくて、この前所得格差の、きょうもつけましたけれども、所得格差が起きていたり個人の格差が起きてきたりしているところにちゃんとこれが結びつくのであれば、それは確かに国益だと言えるかもしれませんが、どうもそうはなっていないのではないか。
 ここは、これからも逐条的にまた議論をさせていただければというふうに思っているところであります。
 加えて、ここは山本大臣に答えていただきたいんですが、農村の直接支払いは車の両輪だとよく言われるんですが、私は戸別所得にかかわった人間として、あれは一体でやるべきだということで、一体の政策という考え方と、今の、あるいはその前もそうですが、車の両輪という考え方は若干違います。車の両輪というのは、同じ大きさであれば前へ進みますけれども、とんでもなく輪の大きさの違う両輪では前へ進みません。同じところでぐるぐる回っているだけです。
 ですから、車の両輪ではなくて、農家の所得の中に一体的に所得が移転されるという仕組みにすべきだというふうに思うんですね。それが環境対策としてなされていなければならないというふうに思うんですが、その点についてお伺いします。
○山本(有)国務大臣 ぜひそうした方向で物事を整理してみたいと思います。
 特に歴史的に見るならば、貨幣経済になる、そして不況が起こる、そして金融資本主義の荒波が恐慌のときに起こる、その中で最も生活を守れる分野が農業だ。そうすると、やはり、国の基というところは、農家あるいは農業、そういったものがしっかりやることが、いわば自然災害についても、また、経済原理、グローバル化したときの最も大事な、基礎的な、国のあり方の中の一番底辺のしっかりした部分というように位置づけるべきだろう、そういうように思います。
 そこで、食料の安定供給の確保、あるいは農業の持続的な発展に対する施策、あるいは農村の振興に対する施策、総合的に策定して、この責務を果たしていくということが大事だと思っております。
 生産者の高齢化、耕作放棄地の増大等の課題も山積しております。この課題を解決しながら、農業者の所得向上を図るために、農業の成長産業化を図る産業政策、地域の活力の維持向上を図る地域政策、これを両輪として対策を打っていきたいというように思っておりますし、農協改革や日本型直接支払制度の創設なども、こうした論点に真っ正面から合目的性を持って取り組んでいきたいというように思っております。
 これらの施策を総合的に講じながら、強い農業と美しく活力ある農村を実現することによって、農業、農村の食料の安定供給といった機能の発揮を図ってまいりたいと思っております。
    〔委員長退席、菅原委員長代理着席〕
○佐々木(隆)委員 今、答弁の冒頭で、御提言というか私の言ったことについて検討したいと言ったのに、何か最後の答えは結局もとと同じ答えになっていたんですが、ぜひ検討してください。そういう視点も入れて、職員の皆さん方も聞いていたし、副大臣も聞いておられたので、ぜひお願いいたします。
 TPPについて少しお伺いをさせていただきます。
 TPPが締結をしたわけでありますが、これはまさに石原担当大臣として、全く基本の話ですが、TPPが締結した意義についてお伺いします。
○石原国務大臣 これは先ほどの総理の国益論と非常に似てくるわけでございますけれども、TPPは、関税の部分だけに割と目が行きがちでございますが、やはり共通のルール、貿易のルールをつくるというところに一つ大きなメリットがあるのではないかと思っております。
 この十二カ国を眺めますと、自由、民主主義、基本的人権、法の支配、こういう共通の価値観を擁する安定をこの地域に図っていくという意味で戦略的な意義もございますし、まだ暫定合意の後、発効へ向けて、また当委員会で御議論をいただいているこの御承認の話を詰めていくということは、今、世界全体に広がりつつある保護主義や孤立主義的な考えを払拭する上でも国際的に意義があるのではないかと思っております。
 そんな中で、今は農業分野に対する不安のお話もあったわけでございますけれども、中小企業の方々とこの間お話をさせていただきました。ランドセルを輸出されている方でございます。従業員は十七人ということでございますが、ベトナムにランドセルを持っていきましたら大変歓迎されたんですけれども、すぐ、模造品というんですか、出てきたそうでございます。そこには日本ランドセル工業会と入っているんだそうですね。しかし、そのものは、ランドセルというと六年間、日本ですと子供さんたちが持たれるわけですけれども、どこ製とはちょっと問題があるので言いませんが、その模造品はつくりがちゃっちいので、大体一年で壊れる。
 こういうことも実はTPPが結ばれることによって防ぐことができますし、また、今、アメリカに輸出も考えているそうでございます。しかし、アメリカの関税がやはり一割ぐらい、ちょっと正確な数字を忘れてしまいましたが、八%か一〇%ぐらいだったと思うんですけれども、五万円ですと五千円ですので、かなり大きい。
 こういうところに対して、ランドセルメーカーの方も含めて、これは非常に御関心があり、TPPに期待をされている。
 そういう方々がいらっしゃる一方、日本の農業を根底から揺るがすんじゃないかという漠たる不安に対してしっかりと応えていかなければならない、こういうふうに考えているところでございます。
○佐々木(隆)委員 今、石原大臣から、保護主義の話とそれからルールの話をいただきました。
 そこで、ルールについて少し、ルールの分野が非常に大きいということはそのとおりであります。関税の分野と、それから三十章の、これの進め方のところ以外はほとんどルールみたいなものですから、そういった意味では、非常にルールの分野が大切だということは承知をしているつもりです。
 そこで、資料の五なんですが、先ほど篠原委員からも同じような問いがございましたが、私は最初にTPPというのは極めて特異だということを申し上げましたが、これはSPSとTBTについてWTOと比較したものであります。これは内閣官房の資料からつくらせていただきましたが、抜粋ですから全文を載せているわけではありませんけれども、最初のSPSです。
 WTOでは、この赤字の二つ目のところですが、検疫その他の処置を考慮するというのがWTOの考え方であります。TPPの方ではどうなっているかというと、七章九条ですが、これの末尾で、御案内のとおり、科学的な根拠に基づいてこれを確保するということ。これはこの間じゅうから食の安全でも随分ここで議論になっておりますが、要するに、予防規制なのか、科学的な実証でないとだめなのかという、ここの部分において随分これは違っているわけであります、今回。
 もう一つ重要なのが、第七章の十三条です。利害関係者、赤字のところの下の方ですが、利害関係者が意見を述べる機会を与えることの価値を認めると。要するに、利害関係者がこれに関与していいという理屈になっているわけですね。これが非常に問題なわけであります。
 これは圧倒的にアメリカや日本がその対象になるわけでありまして、それは発言力も大きいわけでありますが、そこが、この全体の中で利害関係者になることが多い、そういう人たちが意見を述べて決めていくということはその人たちの方向になってしまうということが、今回特異だと私が申し上げた理由でありますが、これは石原大臣にお聞きします。
    〔菅原委員長代理退席、委員長着席〕
○石原国務大臣 そこの解釈なんですけれども、日本もパブリックコメント等々でいろいろな方が意見を申すことができます。この今委員が御指摘いただいたTPP協定の第七条……(佐々木(隆)委員「第七章」と呼ぶ)七章の透明性のところでございますが、これも同じ解釈でございまして、意見を誰もが言うことはできる、それをその意見のとおり履行する義務というものは負っていないというふうに御理解をいただきたいと思います。
○佐々木(隆)委員 いや、それは、履行させることが目的でなければ意見を言う必要がないわけですから、最終的には履行させることを目的に意見を述べるわけで、こういうところに、大国主義とまでは言いませんが、大きな貿易力の強い国にとって有利になるような仕組みが今回盛り込まれている。
 上の科学的根拠、証拠については、後ほど食の安全でいろいろな方々がまた言われると思うので余り触れませんけれども、やはり私は、疑わしきは被告人の利益ではありませんが、予防規制というものを日本はやはりきっちり主張していくべきだと思うんですね。それがなければもう、科学的立証というのは、要するに訴えられた側が立証するわけですから、そんな不利な立証の仕方はないわけでありますので、ここもぜひこれからの課題として申し上げておきたいと思います。
 もっとひどいのがTBTの方であります。
 TBTについては、WTOについては特に記載はありません。ところが、TPPにおいては、各締約国は、他の締約国の者に対して、自国の者に与える条件よりも不利でない条件で自国の中央政府機関による強制規格、任意規格及び適合性評価手続の作成に参加することを認める、要するに、規格をつくるときに参加してもいいよというふうになっているわけでありまして、このままいきますと、ここのところはどんどんと大国の意見で物事が成り立ってしまうということになるわけであります。
 これはSPS以上にひどい内容になっているのではないかというふうに思いますが、お願いをいたします。
○石原国務大臣 原則としては、このTBTの部分につきましても、WTOのルールとおおむね遜色のないものだというふうに理解をしております。
 したがいまして、義務の履行のために、現在よりも、委員が御懸念されておりますような、TBT措置の、新たに我が国が何か導入をしようという新規導入や、ここは規制を強化しなきゃならないと我が国が考えたとき、それを他国によって阻害されることはない、こういうふうにこれを理解しているところでございます。
○佐々木(隆)委員 それは逆ですよ。
 要するに、主に貿易の強い国々が意見を言うようになれるということが問題なのであって、言われる方の問題ではないんですね、意見を述べる側の問題ですから。
 今の石原大臣の答弁は逆だと思いますが、もう一度お願いします。
○石原国務大臣 この質問の前にまずお答えさせていただきましたとおり、パブリックコメントという形で関係者が意見を申し述べる。しかし、日本の国の政策の決定を見ていただければわかりますように、海外の方も実はパブリックコメントで意見を申すことができるわけですね。アメリカの製薬会社の方もできる、農業関係の方もできる。しかし、そのとおりに、その言われるように規制を緩和しろとか、あなたたちがつくった規制は自分たちのものに合致しないから変えろというような圧力によって政策がゆがめられていることはない。
 したがいまして、このTPP協定においても同じように私たちは取り計らいますし、ましてや、変更するような場合には議会で皆様方にお示しをすることになるわけであります。規制を緩めるような事態があればこれは一大事でございますので、その点は担保されておりますし、やはり同盟国である以上は、信頼関係の上に政策あるいは自由貿易協定を取りまとめているということもぜひ御理解をいただきたいと思います。
○佐々木(隆)委員 先ほど篠原委員からも質問をさせていただいたんですが、ルールをつくるのはこれからですよ。今決まったのは、TPPに参加するかどうかという一連のものが決まっただけで、小委員会をつくってこれから決めるというルールのところにこのことが適用されていくということを懸念しているわけであって、今この時点では、そのことは言ってきた、あるいはそこは盛り込まなかったといったって、結果的に、小委員会がつくれることになってこういうことが決められていれば、これからつくるルールにおいてそういうことが懸念されることになるのではないですかということで、今までの話ではなくてこれからの話としてこのことが適用されてくるのではないかということを申し上げているんですが、そうではないんですか。
○石原国務大臣 これは先ほど篠原委員が、たしか二十二だったと思いますけれども、TBT委員会を筆頭に小委員会ができる、それはそのとおりでありますと御答弁させていただきました。
 しかし、その中での議論は相互主義なんですね。そして、コンセンサス方式をとりますので、一国の主張が、大国であるからといって、そのとおりの規制を、多分、規制緩和の方向になると思うんですけれども、そういうことを強要するようなことがTPPのルールの中には書かれているという認識は全くございません。
○佐々木(隆)委員 この議論は、まだこれから適用されてくる懸念があるわけですので、これからまだ議論をさせていただきたいというふうに思います。
 もう一つ、今、石原大臣がお答えいただいた中に、時折出てくるんですが、輸出の話が頻繁に出てきますし、この前の北海道の公聴会でもそういう話が出ました。輸出を我々は否定しているわけではありませんし、これは大いにやるべきだと思うんですが、殊さら大きく取り上げられるものですから、資料の四です、これは二十七年の農業産出額がまだ出ておりませんので、残念ながら、二十六年で比較をさせていただきました。
 農業の産出額は八兆五千億です。それが真ん中ですね。左側に輸出額を書いてございます。農業の産出額と比較するためには、加工食品は入りませんので、加工食品は抜かせていただきました。こういう数字になるわけであります。これ全体で一・何%ぐらいな数字になるわけです。ですから、百分の一という数字になるわけです。
 そういう状況の中で、このことによって、殊さら大きく宣伝をすることによって、農業がさもさも救われるかのような話になるわけですが、これは極めてこの程度の話なんだということをまずしっかりと言っていただかないと、何か農業の輸出がふえれば世の中全部バラ色になるような話をされても、実質的にはこの程度の数字だということでありますので、まずその点について、農林水産大臣、この輸出の数字について見解をいただきたいと思います。
○山本(有)国務大臣 まず、我が国の農産物の生産額は、ほぼ世界十位を維持しております。しかし、輸出額に至っては世界六十位ということでございまして、簡単に申し上げれば、輸出額が低い、輸出を主眼とした農産物生産の体制にはないということが言えようかと思っております。
 今後は、海外における日本の技術を活用して生産されたものも含めて、ライバル国の農林水産物との差別化を図って、日本で生産された農林水産物が国際競争力を持って戦略的に輸出するということに変更、変えていく必要がございます。このため、本年五月に取りまとめられた農林水産業の輸出力強化戦略に掲げられた施策を着実に実施していかなければなりません。
 したがいまして、海外市場のニーズの把握や需要の掘り起こし、プロモーション、さらに国内の農林漁業者、食品事業者の販路開拓のための商談や商談会出展への支援、生産物を海外に運ぶ物流の高度化への支援、あるいは輸出先国・地域の輸入規制の緩和や撤廃等の輸出環境の整備、こういったものを充実していく必要がございます。
 というように、御指摘のとおり、まだまだ輸出産業化、成長産業化というわけにはまいりません。今後の輸出力強化に邁進していくつもりでございます。
○佐々木(隆)委員 本当はそういう答弁を期待したわけではなくて、これをもっと伸ばすためにどうしろという話ではなくて、これはこれで伸ばしてほしいけれども、これ全体で一・八%ですから、今、農業の産出額に対して。あとの九八・二%のためにもうちょっと政策をきちっとやってほしいということを申し上げているわけであります。
 時間がなくなってまいりました。石原大臣にどうしてもお伺いしておきたいのは、重要五品目ですね。国会決議もありますが、重要五品目というのは何だと思われますか。
○石原国務大臣 米、麦・小麦、豚肉・牛肉、乳製品、甘味と承知しております。
○佐々木(隆)委員 いや、品目をお伺いするのではなくて、なぜその品目が重要なのかということについて。
○石原国務大臣 これは、私どもがお答えするよりも、国会で決議の中で今私が御紹介させていただきましたものを重要品目であると。また、もちろん、主食でありますお米等々も入っておりますし、センシティブなものが入っている、そういうことで重要五品目というふうにされたと承知をしております。
○佐々木(隆)委員 違いますよ。いやいや、委員会が言ったからという話じゃないでしょう。担当大臣として重要五品目は重要だと思っていないんですか。思っているんですよね。だから、重要だと思っているのなら、なぜ重要なんですかということをお伺いしているんですよ。(発言する者あり)いやいや、そこは答弁し直してもらったじゃないですか。
 だから、なぜ重要なのか、もう一度お願いします。
○石原国務大臣 先ほどもう既に御答弁させていただきましたけれども、米は主食でございます。そして、WTOでSBSルールが入って、これまでもここの委員会で御議論になったように、大変、それによって米農家の経営に影響があるのかないのか、こういう問題が出てくるわけでございます。いわゆるセンシティブ、そういう品目でございますので、農業政策上でこういうものを取り上げているというふうに理解をしております。
○佐々木(隆)委員 それは生産者の面しか見ていないと思うんです。この重要五品目というのは、消費者の視点も必要なんです。
 もう時間がなくなってきましたから、要するに、人間が生きていくためにどうしても必要な基礎的な食料だから重要品目なんですよ。代替がきかない作物なんです。お米にしろ、大豆にしろ、それから牛肉にしろ、あるいは甘味資源のように地域的にどうしてもこれは外せないというようなものだから重要品目なんです。
 生産者の視点じゃなくて、消費者、国民生活にとってこれは欠かせないというものだから重要品目なんじゃないですか。もう一度お願いします。
○石原国務大臣 先ほど、主食という形で、今委員のお考えとほぼ変わらないという意味で主食という言い方をいたしましたし、そういたしますと、委員のところはビーツがございます。これは甘味でございます。そして、沖縄の国境離島に行きますとキビがございます。こういうものしか産業がない、こういうものはしっかりと守る。さまざまな理由があるということは承知しております。
○佐々木(隆)委員 ぜひ承知していただきたいと思うんですけれども、そういう意味でこの重要五品目を国会が位置づけたというのは、国民生活に欠かせない、欠かすことができないから重要五品目として位置づけた。
 これは山本大臣にお伺いしたいんですが、かつてガットと言われた時代、ここは基礎的食料という表現をしていました。WTOになってから多様性というふうに言い方が少し変わってきておりますが、基礎的食料は絶対に守らなければならないという流れは、その意思はずっとこの国に続いているはずなんですね。
 先ほど篠原委員から菜種の話も出ましたけれども、なぜ重要五品目なのか、なぜ基礎的食料なのか。そことほかの農産物とを、まあ全部大事ですよ、大切ですけれども、全部ごちゃまぜで政策をつくってもこれは実質的に実のある政策にならない。
 基礎的食料という考え方について今も貫かれているのか、これからどうやってそれを展望していくのかについてお答えいただきたいと思います。
○山本(有)国務大臣 御指摘のガット・ウルグアイ・ラウンド交渉におきまして、我が国は、国民の主食である米のようないわゆる基礎的食料について、所要の国内生産水準を維持するために必要な国境調整措置を講じることができるよう主張した経緯がございます。
 他方、TPP協定は、二十一世紀型の新たな共通ルールをアジア太平洋地域につくり上げ、自由で公正な一つの経済圏を構築し、世界のGDPの四割、人口八億人という巨大市場を生み出す試みでございまして、人口減少下にある日本にとって、世界やアジアの成長を取り込むために重要な意義を有するわけでございます。
 TPP交渉で関税撤廃の圧力が強かった中、品目ごとに中身をしっかり精査し、米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源、この重要五品目等に関する国会決議をした経過は、まさにこのウルグアイ・ラウンドの基礎的食料の流れと私は軌を一にする共通の考え方であろうというふうに思っております。
○佐々木(隆)委員 別に交渉の経過をお伺いしたかったわけではなくて、基礎的食料という思想がちゃんと貫かれていて、これから農政の中にどう生かしていくのかということについてお伺いしたかったのですが、時間が来ていますので。
 一九九九年に新しい農業基本法をつくったわけですよね、日本は。そのときの取りまとめをしていただいた木村尚三郎先生という方が、文明は普遍的だが文化は個性的だ、農業は文化的でなければならないといってあの基本法をつくったんです。だから、食料、農業、農村という三つのタイトルをつけたんです。これに私は今のTPPは違反していると思います。
 終わります。
○塩谷委員長 次に、宮崎岳志君。
○宮崎(岳)委員 群馬から参りました、民進党、宮崎岳志でございます。
 私は、TPPが初めて議論に上りました二〇一〇年から一貫してTPPに反対をしてまいりまして、落選中も反対運動を続けてきたという変わり者でございます。今回、初めてTPPの委員会で質疑の機会をいただき、まことに光栄であります。
 私の地元群馬一区は、真ん中にでっかい赤城山がありまして、その南面、南側の裾野に畜産が大変盛んであります。牛肉、豚肉の産地であります。
 まず、この畜産についてお伺いをしたいのです。
 牛肉の関税が、現在三八・五%だが、徐々に下がって、十六年目以降は九%、四分の一以下。豚肉は、キロ五百二十四円以下の安い肉の関税が四百八十二円からおおむね五十円まで下がり、五百二十四円以上の価格帯のものは関税ゼロ。ただし、豚肉の輸入は、低い肉と高い肉を同時に輸入して、単価を五百二十四円以上に上げて関税を安くするコンビネーション輸入がほぼ一〇〇%なんだというふうに農水省は御説明をされています。
 このコンビネーション輸入は、別に同じパックに詰める必要もなくて、同じコンテナに入れる必要もなくて、一応、紙の上で一契約になっていればいいということだと思うんですが、いずれにせよ、ほとんどが、五百二十四円以上の肉として、関税を下げて輸入をされている。そうすると、実質関税ゼロになるというふうに言えると思います。
 ところが、農水省の影響試算では、国内生産量は一グラムたりとも減らない、そういう試算であります。
 なぜ、これだけ輸入物の価格が下がるのに国内生産は減らないと言えるのか、まず伺えますでしょうか。
○山本(有)国務大臣 今回のTPP交渉の結果、関税即時撤廃ではありません。御指摘のように、十六年目に最終税率九%、これは牛肉でございますが、そういう長期の関税削減期間を確保しております。また、この長期にわたる関税削減期間を活用して、生産コストの削減等の体質強化対策を実施することによって、国産牛肉の競争力を強化することが十分に可能な状況となっていると判断しております。
 今回の試算で、引き続き、生産や農家所得が確保され、国内生産が維持されるというように見込んでおりまして、このように、今回の試算は、二十五年試算とは前提が大きく異なっております。生産額が三百十一億円から六百二十五億円減少するというように試算をしております。
 このような試算結果に加えまして、我が国以外の牛肉需要が急激に伸びる中、他の輸入国との買い付け競争が激しくなる可能性があるという状況も踏まえつつ、国内生産を確保してまいりたいというように思っております。
○宮崎(岳)委員 今、なぜ国内生産が減らないのか、逆に言えば、輸入量がなぜふえないのかという御説明をるるいただいたんですけれども、もうそれ自体がまさに机上の空論だと思います。
 なぜかといえば、そもそも、関税を下げても輸入がふえないのであれば、他国はなぜ関税を下げろと要求してくるんでしょうか。それは、輸出をふやしたいと思って他国は要求しているわけですよね。日本も、自動車の関税、自動車部品の関税を下げろというふうに例えばアメリカに要求をしておりますが、これは輸出量がふえるというふうに思って要求をしているわけであります。
 もし、例えば、関税を下げたけれども輸入量が全くふえないということであれば、七年目に再協議の条項というのがありまして、そこで、日本は全然輸入量をふやしていないじゃないか、おかしいじゃないかということで、当然再協議も要求されることになって、場合によって、さらなる関税引き下げをのまされる可能性もある。つまり、そもそも関税を下げても国内生産量が減らないということ自体が机上の空論だと思うんです。
 これは石原大臣、関税を下げても国内生産量は減らないんですか。他国の関税を下げてもらっても輸出量はふえないんですか。そういうことでよろしいんですか、本当に。再協議の対象にはならないんですか、そういう状況になっても。
○石原国務大臣 先ほど農林大臣から御答弁をさせていただいたとおり、そういう計算のもとにこれは成り立っているわけでございます。
 なぜか。すなわち、輸出、輸入がふえます。それによりまして生産性が上がります。生産性が上がることによって消費者の収入がふえる、そして消費がふえる。そして、消費がふえることによって、貿易がまたふえる。貿易がふえることによって、また生産性が上がる、こういうメカニズムでこのTPPは組み立てられておりますので、豚肉につきましても農林大臣が、また牛肉につきましても農林大臣が答えたとおりでございます。
○宮崎(岳)委員 国民に正直に説明しなければだめだということですね。
 前回の試算、これは私も過大だと思います。しかし、今回の試算はまさに過少申告で、何でこのようなうそ、でたらめを許すのかなというふうに思っています。石原大臣の担務には、国民への説明とか、理解を広げるということも入っていると思うんですけれども、こういうことでは理解は広がらず、誤解が広がるだけだということを申し述べて、次の質問に行きたいと思います。
 さて、農水大臣、先日、佐藤勉議運委員長のパーティーで、強行採決に関する問題発言をされました。そして、いろいろこの委員会の運営にも支障を来したわけですが、御自身は最近、政治資金パーティーをお開きになりましたか。もし開いたのであれば、日時、場所、主催団体を教えていただけますか。
○山本(有)国務大臣 私は、定例的に年一回、政治資金パーティーを必ず開いております。その時期が十月二十六日でございまして、その日に、大臣規範に沿って政治資金パーティーを開催いたしました。
○宮崎(岳)委員 では、内閣官房副長官においでをいただいております。大臣規範では、大規模なパーティーは自粛ということだと思いますが、大規模というのはどういうものでしょうか。
○萩生田内閣官房副長官 大臣規範は、政治と行政の国民の信頼を確保する観点から、大臣等がみずから律すべき規律として定めているものであります。
 国民の疑惑を招きかねないような大規模なものなのかどうかについては、一律の基準を設けられているものではありませんが、大臣規範の趣旨を踏まえて、各人の良識の範囲で行われるべきものであり、大臣みずからが責任を持って国民に対して説明していただくべきものと考えております。
○宮崎(岳)委員 これは政治資金パーティーですから、人数が少ないから小規模だというものではないですよね。政治資金パーティーですから、パーティー券を何枚売り上げて、収入がどれぐらいあるかというのが大規模の基準になると思います。
 通常、一千万円というのがその基準になっていて、政治資金収支報告書への記載も、一千万円以上のパーティーとそれ以下のパーティーでは記載の方法が異なるというふうになっておりますが、これは一千万円以上のパーティーでしょうか。
○山本(有)国務大臣 政治資金規正法にのっとり、適正に行っております。
 また、一千万以上かどうかについては、集計するまで、私もその報告を聞いておりません。また、具体的な事前通告をいただいておりませんので、正確にお答えすることはできません。
○宮崎(岳)委員 十月二十六日に開催したパーティーについてというふうに通告をしているんですから。そして、大臣規範についても、これは抵触するか否かという通告でございますので、お答え可能だと思いますが。
 そして、関連してお伺いをいたしますが、毎年、二千五百万円内外を売り上げていらっしゃるパーティーだと思うんですね。ですから、大臣規範に抵触するんではないかというふうに考えておりますが、SBS米の価格偽装疑惑、こういう問題が今発覚をして調査を行われておりますが、この調査対象となった輸入業者や米穀卸業者等にパーティー券を売ったり買ってもらったりということは、これは確認ですが、ありませんね。
○山本(有)国務大臣 これについても、具体的な事前通告をいただいておりませんので、正確にお答えすることはできませんが、政治資金規正法にのっとり、適正に処理しているところでございます。
○宮崎(岳)委員 これも具体的に私は通告をしているつもりです。調査対象業者から過去に献金やパーティー券購入等の資金提供を受けたかどうかということで、そういう文言で通告をしているはずでございますが。
 では、ことしのことはまだわからないということであれば、去年以前はいかがでしょうか。
○山本(有)国務大臣 これにつきましても、かかる具体的に事前通告をいただいておりませんので、正確にお答えすることはできませんし、私の政治資金パーティーは、毎年、政治資金規正法にのっとりまして、適正に処理し、公開をさせていただいておりますので、よろしくお願いします。
○宮崎(岳)委員 ここに通告の文書を持っていますよ。「SBS米価格偽装問題で調査対象となった輸入業者、米穀卸業者等から過去に献金、パーティー券購入等の資金提供を受けたことがあるか(平成十五年以降)」。これが具体的な質問通告を受けていないということなんでしょうか。
 少なくとも、私が調べている限り、それは額とか態様はいろいろありますけれども、過去に調査対象となった企業からの献金はありますよ。
○山本(有)国務大臣 調査し、そして、あるかどうかということを検討するわけでございますが、事前に通告をいただいて、正確に具体的に御指摘いただきたいというように思っております。
○宮崎(岳)委員 いやいや、通告をしておりますし、私も公表資料を調べただけですから、別に探偵を雇って調べたわけでも何でもございません。普通に手に入る資料を見て申し上げただけでございます。
 調べる時間がなかったならなかったで、そうお答えいただければいいですけれども、通告していないという言い方は違うんじゃないですか、大臣。
○山本(有)国務大臣 私の認識では、そういう御質問についていただけるというように思っておりませんでした。(宮崎(岳)委員「ちょっと意味がわからない。紙を出しているんだから。とめてください。通告していないという答えだけれども、通告しているんだから」と呼ぶ)
○塩谷委員長 ちょっととめてください。
    〔速記中止〕
○塩谷委員長 速記を起こしてください。
 山本農林水産大臣。
○山本(有)国務大臣 二十六日のパーティーは、定例的に年に一度開いているものでございます。
 また、先ほど御指摘の調査対象からの献金について、二十六日のパーティーについてのその購入については、これは判明しておりません。
 並びに、今回のSBS関連の調査は、食糧法上違反でない内容に関する任意の調査でございます。また、当該調査対象の業者から献金等があったといたしましても、道義的な意味においても問題はないと思っております。
 また、過去のことでございますが、過去に一件、米穀卸業者からパーティー券の購入があった事実があるということでございます。
○宮崎(岳)委員 卸業者以外に輸入業者からもございますよね。ないですか。調べてないですか。私が見てもわかるぐらいのものなんですけれども。
○山本(有)国務大臣 委員がお調べになってそういう業者の名があるならば、それはそうなのかもしれませんが、私はちょっと確認しておりません。
○宮崎(岳)委員 いずれにせよ、きちんと改めてお調べして、報告をいただきたいと思いますが、お願いできますか。
 理事会の方に報告をいただくということで、委員長、お取り計らい願えますか。
○塩谷委員長 それも含めてしっかり理事会で協議して、大臣の方に伝えたいと思います。
○宮崎(岳)委員 この調査について大臣の姿勢が余りに消極的なんじゃないか、質問票すら出さない、質問項目すら公表できない、こういう状況になっているわけですから、そういう疑いを招かないようにきちんと情報公開をしていただきたいというふうに思います。
 官房副長官は、これで退席をいただいて結構でございます。
 さて、次に、平成二十四年に、大臣の地元高知県で、国土交通省発注工事をめぐる大がかりな官製談合事件が発覚をいたしました。その中で、高知県四万十町の株式会社I組という業者が課徴金納付命令や指名停止を受けております。
 公正取引委員会から、ごく簡単で結構です、事案についての説明をいただけますでしょうか。
○山本政府参考人 お答え申し上げます。
 お尋ねの事件でございますが、国土交通省が四国地方整備局において発注する一般土木工事及び港湾土木工事並びに高知県が発注する土木一式工事の入札参加業者らが、これら工事について受注予定者を決定し、受注予定者が受注できるようにすることにより、公共の利益に反して、これら工事の取引分野における競争を実質的に制限したとして、平成二十四年十月十七日、公正取引委員会は独占禁止法の規定に基づく排除措置命令及び課徴金納付命令を行ったものでございます。
○宮崎(岳)委員 大臣が代表を務める自民党の支部ですが、平成二十四年から三年間、四万十町の会社役員の女性Iさんという方から計二百二十万円の献金を受けておりますが、この業者とこの女性の御関係はどういう関係でしょうか。
○山本(有)国務大臣 この業者の社長さんのお母様でありまして、この社長さんは私の高校の一年後輩です。
○宮崎(岳)委員 この業者の課徴金納付命令は平成二十四年の十月十七日に出ています。国交省の指名停止は十月二十七日です。指名停止の一カ月後の十一月二十六日に百万円の献金がある。その献金から二週間後には、十二月十一日、この業者は公正取引委員会に千四百二十三万円の課徴金を支払いを命じられたんですが、六百七十九万円分を取り消すようにという審判請求をしています。この献金の前後でこういう動きがあったということです。
 また、平成二十六年には、この請求が棄却をされているんですが、棄却する予定ですよという、裁判でいえば敗訴に当たる審決案というのが送達をされて、これに対してこの業者が十一月五日に異議申し立てを出しているんですね。異議申し立てを出した翌日に、大臣の政党支部に四十万円を献金しております。
 処分の前後、また異議申し立ての前後、計二百二十万円、これらの献金は、タイミングを考えれば、処分や審決に影響を与える意図があったかもしれない、こう疑われても仕方がないものだと思いますし、これだけの大事件です。高知県政を本当に揺るがせた、何人もの公務員が罪に問われるような大事件だったわけですが、知らなかったわけじゃないですよね、大臣。不適切じゃありませんか。
○山本(有)国務大臣 かかる業者が二十四年十月に指名停止になり、二十五年一月に営業停止になりました。それに気がつき、献金についてはお返しをしたところでございます。
○宮崎(岳)委員 返されたということですが、何年分をいつ返されたんでしょうか。
○山本(有)国務大臣 この社長さんの会社からの分につきまして、正確には、少し、私の手元にありませんが、気がついたときに返した、こういうことです。
○宮崎(岳)委員 気がついたときというのは最近ですか。二十四年、二十五年、二十六年ともらっているんです。前の年はその社長さん本人からもらっています。ですから、私が知る限り、四回に分けてもらっていると思うんですが、それを最近返されたんですか、それとも当時返されたんですか。
○山本(有)国務大臣 二十三年にいただいたものについてお返しをしておりまして、二十三年にお返しをしております。
 それで、今度のそのお母様については、個人の寄附でございまして、会社ではないということでございましたわけでございますが、昨夜、朝日新聞から生田氏に関する指摘を受け、それで、お母様とだけ考えておりましたが、会社役員でありましたことから、今、寄附の返金手続を行っております。
○宮崎(岳)委員 昨夜指摘を受けて、お返しされた、お母様だと思っていて、個人だと思っていたが会社役員であったのでと言うんですが、大臣、政治資金収支報告書に、職業は会社役員と書いていますよ、政治資金収支報告書には。職業は会社役員です。この住所は、会社の住所と同じになっています。
 これまで気づかなかったんですか、会社役員だと。
○山本(有)国務大臣 あくまでお母様との認識で、昨夜、会社の行政処分について確認したところ、二十六年に行政処分を不服とする裁判で会社の敗訴が確定しているということが認識できましたので、道義的見地から、御質問の個人寄附につきまして、寄附者に返金する手続を進めております。
○宮崎(岳)委員 大臣の前任者の森山大臣も、昨年の十月に、談合で指名停止を受けた業者からの献金が発覚をして、これを返金されています。しかし、別の指名業者の社長からの献金については、個人からだということを主張されて返金を当時しなかったというふうに言われていて、これも昨年報道されていることです。
 森山大臣に献金した方が経営している業者と山本大臣に献金した方の親族が経営する業者、これは、森山大臣のケースと山本大臣のケース、両方とも同じ業者ですよね。同じ業者ですよね。お答えいただけますか。
○山本(有)国務大臣 これは確認できておりません。
○宮崎(岳)委員 会社名も公に報道されております。
 農林水産大臣が二代続けて、談合で指名停止になった業者の経営者一族から多額の献金を受けている。しかも、その間に国に対して異議申し立てや審決請求を行って、この課徴金は過大だから減額せよ、こういう係争までやっている。そういった時期のことでございますから、これは大変国民の不信を招く、そういう行為であるというふうに指摘をさせていただきます。
 国土交通省と公正取引委員会にそれぞれ伺いますが、この高知県官製談合事件に絡んで、山本大臣あるいは秘書など事務所サイドから、当時、問い合わせや事実確認等の接触はございませんでしたか。
○田村政府参考人 お答えいたします。
 お尋ねの事前照会が国土交通省にあったという事実は確認できておりません。
○宮崎(岳)委員 きちんとお調べをいただいて、理事会に提出をしていただきたいんですが、委員長、お取り計らいを願えますか。
○塩谷委員長 理事会で協議いたします。
○宮崎(岳)委員 公取の方。
○山本政府参考人 お尋ねの事件審査に関しまして、そのような接触はなかったものと承知しております。
○宮崎(岳)委員 では、なかったということで、これは断言するということでよろしいんですね。
 いずれにせよ、談合で、たまたまちょっとあったというものじゃないんです。これはもう本当に大ニュースだったはずですよ、大臣の地元では。本当に、県の建設業界そのものを揺るがすような大ニュース、そして四国の地方整備局もひっくり返るような大ニュースだったわけですから、少なくとも、不適切だったということは、これは反省をしていただきたいというふうに思っております。
 もう一つ伺います。
 大臣の関係団体、後援会、政党支部等は、平成十九年以降、Uさんという弁護士から毎年多額の献金を受けていると思うんですが、Uさんと大臣はどのような御関係でしょうか。
○山本(有)国務大臣 古くからの友人で、一緒に司法試験を受けて合格した仲間です。
○宮崎(岳)委員 期数は違いますけれども、一緒に勉強されていたということでよろしいのかなと思いますが、どういう会社に長くお勤めだったかは御存じですか。
○山本(有)国務大臣 これはUさんの名誉等もございますので、私から申し上げるわけにいきません。
○宮崎(岳)委員 これは事前通告しておりますが、平成十七年に、生命保険会社による保険金不払い問題がいろいろ発覚をいたしました。その際に、発端となった生命保険会社で取締役法務部長を務められていた方ではありませんか。
○山本(有)国務大臣 正確には存じ上げません。
○宮崎(岳)委員 同一人物ということでよろしいですね。
○山本(有)国務大臣 本人に確認しなければ答弁できません。
○宮崎(岳)委員 本人に確認しなければ答弁できないわけがないんです。なぜか。平成十七年に生保による保険金不払い問題が発覚して、大問題に発展をいたしました。平成二十年ごろまで大いに世間をにぎわせたし、契約者から本当に非難が殺到したと思います。その最初の一件が、明治安田生命の不払い問題だったんです。この不祥事で、経営陣が総退陣することになったんですが、最初に二人の役員の方が、中心的な役割を果たしていたとして引責辞任をされています。保険金部門を統括していた専務と、取締役法務部長というこのお二人です。この方がこの弁護士の方ではありませんか。
○山本(有)国務大臣 本人に確認をさせていただかなければ、私の口からはお答えできません。
○宮崎(岳)委員 私、ただ、こういう問題がある方から献金を受け取っていますねということを言いたいわけじゃないんです。平成十七年にこの方は引責辞任をされているんです。平成十八年、大臣、そのとき公職に就任されましたね。何大臣におつきになりましたか。
○山本(有)国務大臣 その方の退任されたと委員おっしゃる次の年に、私は金融担当大臣になっております。
○宮崎(岳)委員 次の年ね。
 それで、その事件の処理、まだ続いておりました。例えば二〇〇七年の二月一日には、明治安田生命に対して報告徴求命令を、これは大臣の在任のときに、金融庁から明治安田生命に出している。大臣退任後、二〇〇八年の七月に業務改善命令、こういう流れになる。一連の、明治安田生命、ほかの生保もこれにだんだん絡んできて、損保も絡んでくるわけですが、その処理の真っただ中の時期に金融担当大臣に就任をされていたということだと思いますね。
 当然、その発端となった事件の中心人物であるということは、大臣、当時御存じでしたね。
○山本(有)国務大臣 本人の名誉にかかわることでございます。また、本人も、今現在、信用力ある事務所経営をされておる方でございます。この場で私から、そういう非違事実等について、詳しく申し上げる立場にはありません。
○宮崎(岳)委員 大臣が金融担当大臣を九月まで務めていた平成十九年に、この弁護士から百五十万円の献金を受けられましたね。
○山本(有)国務大臣 私は、友人の弁護士からいただいたものでございまして、この生保等に関する事件についての依頼も、またお聞きしたこともございません。
○宮崎(岳)委員 自分が担当しているまさにその事件の当事者、発端となった方であります。平成十九年、大臣をやめる前か後か、日付はちょっと私の調査でまだ定かでありませんが、百五十万円献金を受けられた。翌年、平成二十年、六百三十万円の献金を受けられた。翌二十一年、七百六十万円の献金を受けられ、二つの団体に分けられていますのでもっと多いかもしれませんね。平成二十二年は八百八十五万円を受けられていますね。平成二十三年六百万円、その後、二十四年から直近二十六年まで毎年百五十万円、八年間で三千四百七十五万円。個人からですよ、一個人から。特に、平成二十年からの四年間で二千八百七十五万円、相当高額だと思われるんです。
 大臣が、少なくとも御自身でその処理に携わり、金融担当大臣として、そして報告徴求命令等のそういう行政的な命令もお出しになっている。そういった事件の関係者から数千万単位の献金を、幾ら知人であるとはいえ、いただくというのは、いささか疑惑を招きかねない行為だというふうに思われませんか。
○山本(有)国務大臣 この弁護士さんに依頼された事実は全くありませんし、先ほど申し上げましたように、二十代からのかけがえのない友人で、私が政治を志す前から、私に対してさまざまな支援をしていただいた方でございます。
 金銭の多寡に関係なく、かなり私にとりまして、人生の大変支えになっていただいているという意識でございまして、多寡についてはよくわかっておりません。
○宮崎(岳)委員 大臣、襟を正すという考え方はありませんか。確かに友人かもしれません。しかし、大きな経済問題の当事者として全ての新聞やテレビに名前が出て、その翌年、大臣になったんですよ。大臣になって、大臣をおやめになったその年から数千万円もらう、そういうことは襟を正すべきことではないんですか。さっきの談合の話もそうですけれども、襟を正すべき話ではないんですか。
○山本(有)国務大臣 退職されて以降、弁護士活動に専念されておられるわけでございまして、その以降でしか私は政治資金をいただいたものではありません。そして、人生のかけがえのない友人であり支えでございます。その意味におきましては、彼の名誉を守り、そして彼が、またさらに、現在の事務作業や仕事の上において支障なきを図りたいと思っております。また、この件において御迷惑をもしかけるならば、大変遺憾に思っておるところでございます。
○宮崎(岳)委員 大臣、友人として、友人がポケットマネーで、ぜひ助けてやりたい、あいつも大変だろうからと、そういうことはあると思います。しかし、この時期、中身、金額、疑いを招いても仕方がないものだというふうに私は思います。(発言する者あり)不祥事の問題について、そうやってやじを飛ばすというのはいかがなものかと私は思いますよ。
 大臣、これまでの疑惑、いろいろ考えて、自分が農林大臣にふさわしいと思いますか。みずから職を辞する気持ちはありませんか。
○山本(有)国務大臣 ふさわしい人間に、あるいは大臣になれるよう努力をいたしておるところでございます。
○宮崎(岳)委員 今後引き続きこれらの問題についても追及をしてまいりたいというふうに思います。
 最後に、時間がなくなりますので、著作権の問題について文部科学大臣にお伺いをしたいと思います。
 TPPで著作権の保護期間の延長、著作権侵害罪の非親告罪化等が行われる、平たく言えば著作権の保護が強化されるんですが、利用する側にとっては規制強化、利用の自由度が下がるということになります。
 これは、コミケ、コミックマーケット等で販売される同人誌の制作、特に既存のアニメ、ゲーム等のキャラクター、設定等を利用して新たな作品を創造する、いわゆる二次創作の分野にも大きな萎縮効果を与えるということが懸念されております。
 保護期間がこれから五十年から七十年にTPPによって延長されるわけですが、日本の著作権の国際収支は赤字です。コンピュータープログラムの分が多いというんですが、それを除いても赤字だと思います。アニメやゲームは最近のものが多いんですが、特に古いもの、音楽、ブロードウェー等の演劇の脚本とか、映画、ドラマの原作となっている小説、シナリオ、こういったものでは特にアメリカには歯が立っていない。
 著作権が五十年から死後七十年に延長されますと、日本にとってはまさに赤字がふえるということになると思うんですが、これについて文部科学大臣の見解をお伺いいたします。
○松野国務大臣 著作権は登録を要することなく発生するものであり、日々大量かつさまざまな著作物が生み出され流通をしていることから、市場における著作物の利用と収支の状況を個別具体的に把握することは困難であります。このため、著作権使用料の国際収支について、保護期間の延長によりどのような影響を受けるかを定量的に試算することは困難であり、そのような試算を行うことは考えておりません。
 なお、政府としては、特に我が国のコンテンツの国際的な競争力が高い漫画、アニメといった分野を中心に、長期にわたり人気コンテンツが利用されることで中長期的な著作権収入が増加をすることを期待しているところでございます。
○宮崎(岳)委員 現状、マイナスではあろうけれどもその計算はしていない、また、何とか将来的にふえてくれればいいな、そういう話だというふうに思います。
 もう一点、戦時加算について伺います。
 戦争中に日本が連合国側に対して著作権料を払っていなかったということで、サンフランシスコ平和条約によって、連合国のうち十五カ国に、相手国の国民の著作物について保護期間をおおむね十年強加算するという義務を課されたわけですね。
 日本は戦時中、著作権料を払っていなかったんだから、連合国の側に払えと。しかし、日本も払ってもらっていない。けれども、連合国は日本に対して払う必要はない。そして、ドイツはそういった義務を課されなかった。イタリアは、お互いに払いましょうねといって短期間で終了した。日本だけがこういう義務を戦後七十年たった今でも課されています。平成の不平等条約というふうに言えるかと思います。
 もう戦後七十年たっているんですから、TPPを機にこの戦時加算を廃止してほしいということで大きく声が上がったんですが、TPPで廃止されましたでしょうか。
 石原大臣、いや、文科大臣、ではお願いします。
○松野国務大臣 戦時加算義務の法的な解消は、サンフランシスコ平和条約の権利義務の変更を要することから現実的に困難であるとの考え方から、TPP協定署名国のうち我が国が戦時加算義務を負っている国との間で調整を行った結果、官民連携による戦時加算問題の現実的な打開に向けて意味ある一歩を踏み出したものと考えております。
○宮崎(岳)委員 サイドレターにちょっと書かれたけれども解決しなかったということだと思います。ぜひ、これはちゃんと解決してください。
 以上です。終わります。
○塩谷委員長 次に、斉藤和子君。
○斉藤(和)委員 日本共産党の斉藤和子です。
 遺伝子組み換え食品について質問をさせていただきます。
 遺伝子組み換え食品は、TPP協定の中で、第二章、内国民待遇及び物品の市場アクセス、第二十七条、現代のバイオテクノロジーによる生産品の貿易に位置づけられています。こうした、TPPのように、市場アクセスのようなところに遺伝子組み換えを位置づけている貿易協定は初めてだと思います。WTO協定にもFTAにもないと思いますが、間違いありませんか。大臣、いかがでしょうか、石原大臣。
○石原国務大臣 APECといったような国際的な場でこれまで議論されてきて、ここに入っているというふうに認識しております。そして、前段の御質問は、委員の御指摘のとおりでございます。
○斉藤(和)委員 つまり、今までの貿易協定の中に、市場アクセスというような場所に遺伝子組み換えは入っていないということでよろしいでしょうか。もう一度お願いいたします。
○石原国務大臣 先ほども御答弁させていただきましたとおり、APEC等々の場でこの議論がなされ、この中に入っておりまして、過去の貿易協定等々には入っておりません。
○斉藤(和)委員 つまり、貿易協定の中に入っているものは日本は結んでいない、今までとは違う新たな遺伝子組み換え食品の貿易に関するルールを今回のTPPで導入するということになります。その意味をどのように石原大臣は捉えていらっしゃるでしょうか。
○石原国務大臣 お答えいたしたいと思います。
 いわゆる未承認の遺伝子組み換え作物が微量に混入した作物の輸入の未然防止、発生時の迅速な対応のため、TPP締約国の間で協力や情報交換を図ろう、そういうことが入っているということは、もう委員御存じのとおりだと思います。この点、第二章二十七条第一項に、「現代のバイオテクノロジーによる生産品の貿易に関する透明性、協力及び情報交換の重要性を確認する。」と明示的に規定をさせていただいております。
 いずれにいたしましても、委員が御指摘のこの二十七条では、この条のいかなる規定も、締約国に対し、自国の領域においていわゆる遺伝子組み換え製品を規制するための自国の法令、政策の修正を求めるものではないと明確に書かせていただいておりますので、何ら変更を求められるものではございませんし、我が国の規制をしっかりと守っていくということだと認識をしております。
○斉藤(和)委員 つまり、この新しく結ぶTPPで遺伝子組み換えの貿易のルールというのを新たに結ぶわけですけれども、これによって遺伝子組み換え食品の貿易が拡大するということはないというふうにお考えでしょうか。
○石原国務大臣 先ほどの御答弁と同じになってしまうんですけれども、自国の法令あるいは政策の修正を求めるものではないということが明確化されておりますので、委員の御懸念は当たらないと考えております。
○斉藤(和)委員 御懸念は当たらないということですけれども、懸念はあるわけです。
 この規定は、承認されていない遺伝子組み換え食品の微量混入による貿易の中断の影響を縮小することや、そもそも中断をさせないためにどうするかという構成になっています。
 例えば、二十七条の八には、未承認遺伝子組み換えの微量混入、いわゆる「LLPの発生による貿易の混乱の可能性を減ずるため、」として、遺伝子組み換え食品の新規承認を促進することが明記されています。さらには、そのために、現代バイオテクノロジー生産品、先ほどもありましたが、作業部会が設置されることにもなっています。
 遺伝子組み換え食品の国際流通がTPP協定のもとで推進されることになるというふうに読めるんですが、いかがでしょうか。
○石原国務大臣 そこの読み方は、私どもと見解を異にしていると思います。
 すなわち、今委員が御指摘になりましたTPP協定第二章二十七条十項に明記されております、いわゆる情報交換と協力の読み方でございますけれども、これは遺伝子組み換え食品の貿易促進を目的とする場ではないということは明確に書かれておりますので、委員の御懸念のとおり、それによりましてどんどんと遺伝子組み換え食品を日本の法の目を抜けて輸入をする、そういうことはないものと承知をしております。
○斉藤(和)委員 そうおっしゃいますけれども、穀物メジャーの有名なカーギル社は、我々は、農業バイオテクノロジーの条項が盛り込まれたこと、作業部会が設置されたことに勇気づけられていると、米国の貿易委員会公聴会準備書面で明言しています。
 この条項の真の狙いが、まさに、穀物メジャーのカーギル社が言うように、私たちは勇気づけられたと言うように、拡大するということにあるのではないですか。いかがでしょうか。
○石原国務大臣 先ほども御答弁させていただいたんですけれども、委員が御指摘の、TPP協定二十七章三条の規定において、作業部会の決定というものは、いずれの国からも反対がないこと、先ほども議論になっておるんですが、コンセンサス方式でございますので、カーギル社の意図するところが私には理解できないわけでございます。
○斉藤(和)委員 コンセンサス方式と言いますけれども、やはり、穀物メジャーがここまで言っているということに私は危機感を持つべきだというふうに思うんです。そういう危機感を持たない中で、相互協力だ、コンセンサスを得るんだ、そういう立場に、私は非常に、本当にこれで国民の食料が守れるのか、健康が守れるのかという疑念を持つわけです。
 さらに問題なのは、現代バイオテクノロジーの作業部会の取り扱いです。
 二十七条の十には、「締約国間において、現代のバイオテクノロジーによる生産品の貿易について相互に関心を有している場合には、協力を更に促進すること。」というふうに書かれています。「相互に関心を有している場合」、この場合、協議の対象に表示の問題というのはなり得ると思いますが、いかがでしょうか。
○石原国務大臣 斉藤委員が今御指摘されましたように、「相互に」ということがついておりますので、私どもは委員と同じ立場でございまして、国民の皆様方が不安に感じるような遺伝子組み換え、ただし、この作業部会が置かれたということは、やはり情報交換ができるというところにメリットがあると思います。
 というのは、どういうものが入っているのかということはなかなか分析できないわけでございます。こういうものがこういうものにはこう入っているということを情報交換することによって、作業部会で委員の御懸念に応えられるものが生み出されていくものと承知をしております。
○斉藤(和)委員 そもそも作業部会に誰が入るのかということもブラックボックスになっていて、まだ明確になっていないわけですね。
 今私が質問したのは、この作業部会で表示というのは協議の対象になり得るんですかというふうに聞きました。いかがでしょうか。
○石原国務大臣 協議の対象には全てのものがなると思うんです。しかし、どうするか、何をするかということについては、「相互に」というところがついておりますので、そこのところは委員の御懸念に当たらないと認識しております。
○斉藤(和)委員 つまり、全てのものが協議の対象になるということです。
 ことしの例えば七月二十九日、オバマ大統領がアメリカの遺伝子組み換え食品表示法に署名をし、アメリカ史上初めて遺伝子組み換え食品表示が法律で義務化されました。
 問題は、アメリカの遺伝子組み換え食品表示法で、遺伝子組み換え食品の表示にQR表示やバーコード表示が認められることになりました。
 もともと、アメリカの食品メーカーは、遺伝子組み換え表示に反対をしてきたわけです。しかし、消費者の運動などによって、州単位での遺伝子組み換え食品の表示が導入をされていく。こうした中で、アメリカの食品メーカーは、州の表示は廃止をする、そのかわり、QR表示やバーコード表示を導入することを法案成立の前提とするということで、要するに、アメリカの食品メーカーにとって、QR表示、バーコード表示というのは表示を書き込む上で大前提になっているわけです。
 そこで、お聞きします。
 仮に、遺伝子組み換え食品の表示としてQR表示やバーコード表示されたアメリカの食品を日本に輸入された場合、輸入する場合、どのように対応をするんでしょうか。
○松本副大臣 お答えをいたします。
 今、アメリカにおいてそのQR表示というものが認められることになった米国の遺伝子組み換え食品表示法の話につきましては、今先生のお話があったとおりであります。
 これを受けてでありますけれども、食品の表示でありますけれども、食品を選択する際の重要な判断材料というふうになるものと考えておりまして、消費者が求める情報が適切に表示されることで、安心して食品が購入できるものと承知をしております。
 次に、先ほど石原大臣からもお話があったところでありますけれども、海外からの輸入品であっても、国内で流通する際には、我が国の法律である食品表示法に基づく食品表示基準に沿って、遺伝子組み換え農産物である旨、または遺伝子組み換え農産物が使用されている旨の表示を行う必要がございます。
 食品表示法におきましては、事業者に対しまして、基本的に食品容器包装に義務表示事項を表示する義務を課しているところでもありまして、米国の遺伝子組み換え食品表示法のようにQRコードのみにより表示する方法は、我が国においては認められておりません。
 仮に、議員が御懸念を感じているように、QRコードを我が国においても義務表示の方法として認めることについては、我が国においては、消費者はまず食品の容器包装に表示されている情報を確認するということ、高齢者などの中にはインターネットリテラシーが十分でない方もいることなどから、遺伝子組み換え表示を含む義務表示事項につきましては、容器包装への表示により行うことが適当であるというふうに考えておりまして、委員の御懸念は当たらないものと考えております。
○斉藤(和)委員 要するに、遺伝子組み換えの表示のQR表示やバーコード表示があったとしても、日本では認められないと。
 アメリカの食品メーカーというのは、先ほどもう既に答えられましたけれども、QR表示やバーコード表示は日本ではやらないというふうにおっしゃいました。しかし、QR表示、バーコード表示というのがアメリカでやられることになれば、アメリカの食品メーカーにしてみれば、それをやらないことは非関税障壁になる、こう言われる可能性はあるわけです。それが、将来、非関税障壁の撤廃を柱にしているTPP協定のもとで、日本に対してQR表示やバーコード表示を導入しろという圧力になりかねないと思うんですが、いかがでしょうか。
○澁谷政府参考人 お答え申し上げます。
 石原大臣からもう既に御説明をさせていただいておりますけれども、作業部会でそのような議論がされるのではないかという御懸念かと思いますが、この作業部会に関しましては、各締約国が自国の法令及び政策に従うことを条件としてということが明記されております。この第二十七条につきましては、各条項にそれぞれこの法令及び政策に従うことというのを明記しておりますので、御懸念は当たらないというふうに考えております。
○斉藤(和)委員 情報交換という言葉だけだったらよかったんです。協力という言葉が入っている。そこに、私は、もっと真剣にこのことの意味を政府として考えるべきだというふうに思うわけです。
 表示は、国民の選ぶ権利、まさに基本的人権の権利に当たるわけですから、絶対にこういう圧力に負けるようなことは許されないわけですし、逆に言えば、こういう非関税障壁になるようなことは全て撤廃するというTPPそのものが、私は、本当に国民の権利を守る、そういう協定なのかというところに疑問を持つわけです。
 次に、第五章の問題に進みます。
 税関当局及び貿易円滑化についてという章が立てられています。
 この章での最大の問題点は、第十条で四十八時間通関制度が明記されたことです。条文では、「自国の関税法令の遵守を確保するために必要な期間内(可能な限り物品の到着後四十八時間以内)に物品の引取りを許可することについて定めること。」というふうになっています。
 この四十八時間通関制度は、TPP協定の原協定であるP4協定で導入されたもので、これがTPP協定にそのまま引き継がれたものだということですが、これまでのFTAなどの貿易協定の中で、こうした通関に時間を書き込んだものというのはあるんでしょうか。
○木原副大臣 斉藤委員にお答えいたします。
 これまで我が国が締結した貿易協定において、貨物の引き取りの許可に関する具体的な期限を定めたものはなく、TPP協定が初めての事例であると承知しております。
○斉藤(和)委員 つまり、日本にとって初めて期限を切って結ぶのが今回のTPPということになるわけです。
 そこで、財務省にお聞きします。
 日本における一般貨物と他法令該当貨物の輸入手続の平均所要時間、二〇〇九年と二〇一五年分、それぞれ明らかにしてください。
○木原副大臣 財務省が二〇一五年に行った輸入手続の所要時間調査における海上貨物の入港から輸入許可までの平均所要時間でございますが、一般貨物全体では五十九・五時間、他法令該当貨物は八十五・六時間となっております。
 また、二〇〇九年の調査では、一般貨物全体では六十二・四時間、他法令該当貨物は九十二・五時間となっており、この六年間で一定の短縮がなされていると承知しております。
○斉藤(和)委員 つまり、現時点、二〇一五年の時点でも、一般貨物で五十九・五時間、動植物検疫などにかかわる他法令該当貨物においては八十五・六時間で今現在通関がやられているわけです。これを四十八時間で通関させるということは、どう考えても無理があるというふうに思うわけです。
 これに対して、財務省、厚生労働省、農林水産省それぞれに、どういうふうに対応しようというふうに考えていらっしゃるんでしょうか。
○木原副大臣 まず、我が国の関税法では、検疫等の関税関係法令以外の法令に基づく手続が必要な貨物については、輸入者がその手続を経た上で、輸入申告に係る審査の際、税関に手続の完了を証明することが必要とされております。
 この点、TPP貿易円滑化の章では、「自国が課する引取りのための要件が満たされていない場合において物品の引取りを許可することを要求するものではない。」と規定をしているところです。したがって、TPP協定の発効後であっても、検疫等の手続が終わっていない貨物を四十八時間以内に通関させなければならなくなるものではなく、必要な手続が適切に実施されるものと承知しております。
○古屋副大臣 お答えいたします。
 TPP協定第五章、税関当局及び貿易円滑化章第五・十条一項におきまして、「締約国に対し、」「引取りのための要件が満たされていない場合において物品の引取りを許可することを要求するものではない。」と明記をされております。
 したがいまして、食品衛生法に基づく審査や検査など必要な輸入手続の結果、到着後四十八時間を超えて輸入許可が行われたとしても、TPP協定に違反するものではないと考えております。
 引き続き、輸入食品の検査を着実に実施し、食品の安全を確保してまいりたいと思います。
○山本(有)国務大臣 御指摘の第五章十条一の第二文に、「自国が課する引取りのための要件が満たされていない場合において物品の引取りを許可することを要求するものではない。」と念のための規定が置かれておりまして、検疫が終わっていない貨物を四十八時間以内に通関させなければならないわけではないということでございます。
 我が国の動植物検疫につきましては、我が国への家畜の伝染病や植物の病害虫の侵入を防止するために必要十分な水準の検疫措置を講じなければならないし、TPPはこれに抵抗する、あるいはこれを妨げるものではありません。
○斉藤(和)委員 皆さん、要は四十八時間以内に通過させなければならないというふうなものではない、必要な手続は行うというふうに答えられていらっしゃいました。
 先ほども言ったんですが、時間を書き込む協定というのは、今まで日本は結んでいないわけです。それをあえてTPPでは四十八時間にした。しかも、二〇〇九年から二〇一五年の間、現に、先ほどお答えいただいたとおり、日本の一般貨物や他法令該当貨物においても、一定、この通関をするための時間を短縮するという努力が行われているわけです。
 日本が幾ら四十八時間は守らなくてもいいんだと言っても、四十八時間、「可能な限り」と書いているんだから、これをやらなくていいのかというふうに言われかねないわけです。逆に言えば、守らなくていいものであるなら、あえて四十八時間と協定に書き込まなければよかったというふうに思うわけです。
 その辺、やはり先ほども言ったとおり、四十八時間という時間が入った協定がTPPなわけです。それを日本はこれから結ぼうとしているわけです。その意味の重みをやはりよく考える必要があるのではないかと思うわけです。
 厚生労働省は、今までと変わらないというふうなことをおっしゃいましたけれども、既に、輸出国登録施設制度の導入で、自主検査を五年間省略する仕組みを検討しているということを聞いているんですが、いかがでしょうか。
○古屋副大臣 現在、検疫所におきまして、初めて輸入される食品や継続的に輸入をされる食品につきましては、輸入業者に対して、全量をとめ置いて検査を行うよう指導をいたしております。
 御指摘の輸出国登録施設制度は、食品衛生管理手法の国際基準でありますHACCPを導入していることを要件として、登録された施設で製造された輸入食品につきまして、この指導に基づく検査内容の簡素化を行うことができるかどうか、現在、検討をしているものでございます。
 このHACCPとは、食品の製造事業者みずからが食品によるリスクを把握し、原材料の入荷から出荷までの重要な工程を管理する、合理的で有効性が高い手法であります。
 このため、HACCPを導入している施設から輸入される食品につきましては、効果的な衛生管理が実施されているため、一定の安全性が確保されていると評価できることから、指導検査の内容を簡素化できるかどうかについて検討しているものでありまして、そもそも、四十八時間通関制度に対応することを念頭に置いたものではございません。
 なお、仮に指導検査の簡素化を行うとした場合であっても、引き続き、検疫所が実施するモニタリング検査の対象となります。また、検査の結果、違反が確認された場合には、他の違反食品と同様、命令検査による全量とめ置きの検査を行うこととなります。
 国際標準でありますHACCPによって管理された食品の輸入を促進することで輸入食品の安全性を高めるとともに、引き続き、リスクに応じた輸入食品の検査等を着実に実施することにより、食品の安全性確保に努めてまいります。
○斉藤(和)委員 つまり、検査を簡素化する動きというのは既に始まっているわけです。
 さらに、問題は、前段の第五章九条には「危険度に応じた管理手法」というのが明記されています。「危険度の低い物品の通関及び移動を簡素化する、」と書かれています。これは重大な問題です。
 なぜなら、危険度が高いか低いかというのは、検査をしなければわかりません。危険度が低いものだからといって無検査で輸入されたら、そこに仮に、もしかしたら潜んでいるウイルスや動植物の侵入を許すことになりかねません。ましてや、四十八時間通関制で、その目標の達成のために、危険度の高いレベルの基準を低いレベルに引き下げてしまうようなことがあれば、国民の命と日本の農林水産業に重大な脅威になりかねないわけです。
 そうならないという保証はあるんでしょうか。農林水産大臣、いかがでしょうか。
○山本(有)国務大臣 今御指摘のTPP貿易円滑化章の規定、これは、税関当局が行う検査活動に係る管理手法について、リスクの高い貨物になるべく資源を集中させるといった旨を述べているものでございます。動植物検疫のような、税関以外の手続の内容について規定したものではございません。
 既に、動植物検疫では、WTO・SPS協定、衛生植物検疫措置に関する協定に規定された権利に基づきまして、動物または植物の生命または健康に対する危険性の評価を行い、危険性に応じた検査手続等の検疫措置を定めて実施しているところでございます。
 このような疾病や病害虫の危険度に応じて行われる輸入検査が、TPP協定の発効により簡素化することにはならないところでございます。
○斉藤(和)委員 簡素化することではないというふうに言われていますけれども、第五章の九条の二には、「貿易を円滑にするため、」「危険度に応じた管理手法の制度を定期的に見直し、及び更新する。」というふうになっているわけです。日本の制度は変わらないという保証は全くないわけで、極めて重大な協定の中身になっていると言わざるを得ません。
 次に、ちょっと時間もないので、TPPと共済についてお聞きをします。
 私ども日本共産党は、日本の共済制度というのは、日本の国民にとって極めて重要な制度であり、守り抜かなければならない制度だと考えています。
 しかし、TPPでは、金融サービスが第十一章に設けられています。定義の中に「「金融サービス」とは、金融の性質を有する全てのサービスをいう。」とされていますが、ここに共済は含まれるでしょうか。そして、他の国から共済の問題が指摘された場合、二十条の協議だとか二十一条の紛争解決の規定の対象になるのか。さらには、ISDSで相手が提訴してくることがあった場合、それを防ぐことができるのか。
 以上三点、お答えいただきたいんですが、いかがでしょうか。
○石原国務大臣 TPP協定には、実は、共済特有の規定はございません。ですから、委員の今のような、含まれる、含まれないという御質問になるんだと思います。
 その中で、やはり共済といっても多様な形式が存在しているんだと思います。法令上の根拠の有無、提供主体の性質、国費が入っている、入っていないといったような、そんな違いもあると思います。金融サービス章が適用されるか否かは、同章の適用除外の規定にそれぞれの共済が該当するか該当しないか、すなわち、国費一〇〇%の共済は適用されない、こういうふうに解釈をしているわけでございます。
 なお、同章の適用される共済については、他の締約国の金融機関等に対し、同様の状況において差別的な措置を課すなどといった金融サービス章に抵触する措置は行っておりません。これが一番目のお答えでございます。
 そして、二番目、いわゆる紛争解決等の協議のところでございます。
 我が国には、先ほどもお話をさせていただきましたように、さまざまな共済がいろいろな形で存在をしているわけでございます。金融サービス章が適用されるものとされないものがあるというわけでございます。金融サービス章が適用される共済については、第十一章の規定の対象となることはそのとおりでございます。
 いずれにいたしましても、金融サービス章が適用される共済について、他の締約国の金融機関等に対し差別的な措置を課すなどといった同章に抵触する措置は行っていないと御理解をいただければいいと思います。
 それと、ISDSでございますけれども、共済にかかわる措置についてISDSで訴えられる可能性がありますのは、これは極めて限定的でございます。例えば、あるところの共済が火事になった。日本でいえば、どんなところでも消防車が来て消すのは当たり前ですけれども、そうでないことがありますので、そういう、消防等、最低限の待遇を与える義務。そして、補償ですね、何かあったときの補償。正当な補償を伴わない収用の禁止などの規定に違反した場合に実は限定されております。我が国がこれらの義務に反する措置をとるということは、今、消防の例を出させて御説明させていただきましたけれども、考えにくいわけですね。
 したがいまして、我が国の共済については、ISDSにより提訴されることは想定されておりません。
○斉藤(和)委員 つまり、金融サービスのこの章に適用されるものもある。二十条、二十一条にかかわることもあり得る。
 ISDSについては想定されていないということだったんですが、提訴そのものを相手国がやってくる場合、それを防ぐということはできるんでしょうか。
○澁谷政府参考人 違反がないにもかかわらず、万々が一提訴されたという場合、これはいわゆる濫訴に当たるということで、当該請求が仲裁廷の権限の範囲外だという理由で却下されるということになると承知しております。
 いずれにいたしましても、提訴されて、それが損害賠償まで発展するというのは、TPPのチャプターの義務に違反する措置を我が国がとったという場合でございますので、大臣が先ほど御説明したとおり、それはおよそ想定しがたいということでございます。
○斉藤(和)委員 つまり、提訴できないわけではないということです。この規定を使って共済が攻撃されかねないという懸念があるわけです。
 既に、よく考えていただきたいのは、二〇一五年十二月に在日米国商工会議所が、「共済等と金融庁監督下の保険会社の間に平等な競争環境の確立を」との意見書を公表しています。これまでも出されていますが、今までは、JA共済、農協改革を求める問題が中心でした。しかし、今回は、JA共済に限らず、全労済、コープ共済、県民共済、都民共済、中小企業共済全てについて、保険業法下で金融庁監督下の保険会社と同一の監督下に置くことを要求しています。また、保険会社との平等な競争条件が確立されるまでは、共済の事業拡大及び新市場への参入はすべきでないと主張をされているわけです。
 アメリカ政府がこのような要求をTPPの中で求めてくることは容易に考えられるわけですが、いかがでしょうか。
○岸田国務大臣 そもそも、御指摘ありました在日米国商工会議所ですが、定期的に会員企業の意見を取りまとめ、意見書を公表しており、その一環として御指摘の共済に関する意見書も公表されている、このように承知をしております。そして、この意見書において独自の要請を行っているわけであります。
 我が国の協同組合による共済、これは、一定の地域、職業または職域でつながる者が構成した協同組合の内部において、組合員みずからが出資し、その事業を利用し合う、こういった制度であります。広範な組合間の相互扶助活動の一環として行われるものであり、そして、そのような組織の特徴を踏まえた独自の規制が必要ということで、それぞれの組織の所管官庁において法律の範囲内で適正に監督している、こういった制度でありまして、こうした在日米国商工会議所の指摘、現在の制度が共済に競争優位をもたらしているというような指摘、これは全く当たらない、そもそも内容においてこの指摘は当たらないと認識をしております。
○斉藤(和)委員 内容について当たらないという回答でしたが、意見書にはこうも書かれています。共済等への優遇措置は政府が日本の金融資本市場の健全な育成を促進する能力を損なっているとまで批判をし、さらにこう言っています。日本政府による共済等の優遇措置は日本政府に課されているGATS上の義務に反しているとまで批判をされているわけです。
 GATSはWTOのサービスの貿易に関する一般協定のことです。(発言する者あり)GATSです。GATSでいいんです。
 これはつまり、共済をWTOやTPPの紛争案件として取り上げるぞという圧力をかけてきているわけです。TPPが日本の共済制度の重大な脅威になることは明らかです。要は、WTOに訴えるぞ、こういう趣旨を持っているわけです。いかがですか。
○岸田国務大臣 我が国としましては、USTRなど外国政府から不当な指摘があった場合、これは的確に反論をしています。
 しかし、御指摘のような在日米国商工会議所を初め、多くの特定の団体それぞれがいろいろな意見書を出しております。その多くの意見書一つ一つについて反論するということは行っておりません。ただし、御指摘をいただきましたので、いま一度説明をさせていただきましたが、内容において、我が国の共済制度、この指摘のようなことは当たらないということを改めて御説明させていただいている次第であります。
○斉藤(和)委員 いずれにしても、共済がTPPのターゲットになりかねないということは、アメリカが繰り返し求めていることをいっても、あらゆる部面で我々が今持っている権利、こういうものがTPPによって侵されかねないということを改めて強調して、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○塩谷委員長 午後二時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時三十九分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時三十分開議
○塩谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 午前に引き続き、第百九十回国会、内閣提出、環太平洋パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件及び環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案の両案件を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。うえの賢一郎君。
○うえの委員 自由民主党のうえの賢一郎でございます。
 まず冒頭、三笠宮崇仁親王殿下の御訃報に接し、謹んで御冥福をお祈りいたしますとともに、心から哀悼の意を表させていただきたいと思います。
 きょうは、質問の機会をお与えいただきまして、ありがとうございます。
 TPPに関しまして、これまで比較的議論がやや手薄だと思われる知的財産分野、そして中小企業分野を中心に質問をさせていただきたいと思います。
 TPPの実現によりまして、我が国の企業がアジア太平洋地域で知的財産を活用してさまざまな事業活動を促進していく、そうしたことが期待をされるわけでございます。
 まず最初に、模倣品対策の強化についてお伺いをしたいと思います。
 先般、北海道で行われました地方公聴会におきましても、イカ釣り機の経営者、このイカ釣り機、実は世界で七割近くのシェアがあって、ホタテ養殖施設関連では九割のシェアを占める、いわばグローバルニッチ企業の経営者の方にお話をお伺いする機会がございました。彼が現在最も悩んでいることは模倣品対策だというお話を頂戴し、TPPにおいてはその対策が進展することを特に期待したい、そのような旨のお話を頂戴いたしました。
 現在、ある調査によれば、中小企業の約二割が模倣品による被害を受けている、そういった調査もございます。
 TPP加盟国のうちで、例えばチリにおきましては、全ての業界にわたりましてにせブランド商品というものが横行している、あるいはベトナムでは、商標侵害モデルであっても当局の正規の手続を経て車両登録をされるそういった二輪車、オートバイがある、こういう実態があるわけであります。また、TPP関連国ではありませんが、中国関係の模倣品被害は、我が国国内での調査によって、相談件数は六割強、他を寄せつけない、そういった状況でございます。
 今回のTPPにおきまして、模倣品等の水際での差しとめ権限の強化あるいは刑事罰の義務化などが規定をされておりますし、また、商標出願に関しましてはマドリッド議定書等の締結が各国に義務化をされているわけでありまして、我が国企業が商標出願が容易になるというようなことも想定されるわけであります。
 そこで、経済産業副大臣にお伺いをしたいと思います。
 このようなTPPの効果をどのように見込むのか。そして一方で、TPPとは直接的には関係ありませんが、中国発の模倣品対策についても、これは関係国が連携をすることで一定の効果がある、そう思われますけれども、それについてどうお考えになるのか。今後の日本企業の商標出願等への支援策とあわせて御教示をいただきたいと思います。
○高木副大臣 お答えさせていただきます。
 TPPでは、模倣品対策強化としまして、各加盟国が商標権また著作権を侵害する疑いのある物品を税関で職権により差しとめる権限を付与することを規定しております。これによりまして、特に新興国における模倣品流通の防止措置が強化されまして、我が国企業の海外展開に資することが期待されております。
 経済産業省としましては、模倣品被害への対策費用の補助、海外における相談窓口の設置、また相手国政府との協力などを通じて模倣品対策に取り組み、我が国企業の支援を行っていく所存でございます。
 また、TPPでは、商標出願の手続の簡素化などを定めたシンガポール商標法条約の締結などを加盟国に義務づけておりますので、これによりまして、マレーシア、カナダ、ペルー、メキシコなども同条約に加盟することになりまして、これらの国々における我が国の企業の商標権取得が容易となり、知的財産を活用した我が国企業のTPP域内における競争力の一層の強化が図れるものと考えております。
 なお、今委員御指摘のありました中国の模倣品対策でございますが、先ほど申し上げた相談窓口、これはジェトロが設置をしておりますので、中国製品についても、しっかりとこれを監視しながら取り組んでいく所存でございます。
○うえの委員 ありがとうございました。
 日本政府による関係国に対する強力な支援、そうしたことも含めて、今後、中堅・中小企業が海外展開をする際に、強力なサポートをぜひお願いしたいというふうに思います。
 次に、地理的表示保護制度、いわゆるGIについてお伺いをしたいと思います。
 これは、原産地と深く結びついた産品の名称を知的財産として国が登録し、守るものであります。兵庫県の神戸ビーフや北海道の夕張メロンなどが有名でありますし、日本酒のGI登録も行われました。今月には、総理の御地元であります、下関ふく、これはフグじゃないですからね、フクなんですね、下関ふくも登録をされたところでございまして、行く行くは、私の地元であります近江牛もこのGI登録をぜひ目指していきたいというふうに思っております。
 GIは、攻める農業の大きな武器になろうかと思います。生産者が血のにじむような努力をして育てた産品を国が直接守る、これは極めて重要なことだというふうに思います。
 ただ、問題は、日本のGI登録品が海外で保護される、その仕組みづくりが進んでいないということがあろうかと思います。生産者が輸出する場合、外国政府に個別に申請をして保護を求めなければならない。手続面の負担が大きいのが実情でもございます。
 TPPでは、GI登録品を相互に保護できるルールが盛り込まれているところでございますが、TPPの発効に伴い、外国政府に直接申請しなくても保護されるようになれば、例えば日本の農産品などの輸出拡大にも大きく寄与するものだと思います。
 さらに、このGIとあわせて、例えば日本の農林水産物、食品の輸出拡大、これも、重要品目の全てで今回関税撤廃を獲得しております。
 先ほどの質疑におきましても、我が国の農林水産物輸出は世界の中で五十位台というお話がございました。これは、逆に言えば、それだけ今後伸びる余地が大きいということだと思います。
 米国向け牛肉につきましては、現行の関税割り当ては二百トンでございますが、これは、発効した初年度から無税枠が三千トンにふえるわけでございます。カナダ、メキシコでも、牛肉についての関税が撤廃をされました。
 また、水産物におきまして現在輸出が急増しているベトナムにつきましても、水産物の関税が全て即時撤廃される、そうした状況であります。
 また、関税のみならず、通関手続につきましては、例えば生鮮品など急送品につきましては、六時間の引き取りを義務づけをしております。これは、さきの北海道での地方公聴会におきましても、通関手続の円滑化として漁連関係者から高く評価をされたところであります。
 TPPのさまざまな仕組みを利用すれば、日本の農林水産物や食品の海外展開には相当の追い風になる、そう考えていますが、折しも、和食がユネスコの無形文化遺産に登録をされたわけであります。
 そこで、総理にお伺いをしたいと思います。
 GIも含めたTPPのさまざまな仕組みを有効に活用しながら、和食文化や日本産の食品、あるいは日本産の酒類、お酒、この輸出拡大をどのように推進していくのか。とりわけ、その生産地である地方や地方の生産者をどのようにして応援していくのか、そういった視点も大事だと思いますが、総理のお考えをお伺いしたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 海外では、今、和食は世界遺産に登録をされたということもあって大変なブームになっています。しかし、例えば和牛というメニューがあるんですが、よく見るとオーストラリア産和牛と書いてあるんですね。そこに、例えば、今おっしゃったように、近江牛とか宮崎牛とか、私の地元でも今、牛をブランド化しようと頑張っているんですが、そういうものがしっかりと保護される、まさに地理的表示保護制度によって保護されて、それが本物だとわかる仕組みがつくられることが大切なんだろうな、こう思うわけであります。
 長年、地域で生産され、高い品質と評価を得た農林水産物や食品について、生産者の努力が正当に評価され、また、消費者が本物の産品を安心して選べるよう、その名称を知的財産として保護する仕組みであります。
 例として神戸ビーフや夕張メロンを挙げていただきましたし、私の地元、十月の十二日に、下関ふく、これは濁らないわけでありまして、海峡を渡って福岡に行くとフグと濁るんですが、濁らないのが下関ふくであります。フクというのは幸福のフクでありますから、下関ふくを食べれば福が来るということでございます。
 そこで、TPPでは、地理的表示の保護について共通のルールが設けられたわけであります。これを受けて、TPP整備法案により地理的表示法を改正し、諸外国との相互保護を可能とすることとしております。これによって、我が国のGI産品のブランド価値が海外でも守られるため、輸出に取り組みやすくなるものと考えているわけであります。
 近江牛がもしGIに登録されれば、近江牛と書けばこれはまさに近江でできた牛にしか使われないということが明確になり、これが国際ブランドになればTPPに入っている海外の消費者が近江牛というものを、ブランドを見れば間違いなく近江の牛ということになってくるわけであります。
 また、TPPでは、牛肉について、米国で、十五年目に関税撤廃されるまでの間、現行の輸出実績の十五倍から三十倍に相当する量の無税枠が設定をされるとともに、日本酒やお茶、みそ、しょうゆでは即時または数年間で関税が撤廃されます。和食文化を支える食品の輸出の拡大に有効な措置を獲得した、こう思うわけでありますが、実際にそれを実績に結びつけていくためには我々もしっかりと努力をしていかなければならない、こう思っております。
 このような状況を踏まえて、政府としては、地理的表示の登録を拡大するとともに、本年五月に策定した農林水産業の輸出力強化戦略に基づき、民間の意欲的な取り組みを支援するための多様な施策を積極的に展開していく考えであります。これによって、さらなる輸出の拡大や和食文化の海外展開を全力で後押ししていくことになる、このように考えております。
○うえの委員 ありがとうございます。
 そのような決意で、これから成長分野であるというふうに言えると思いますので、しっかりとした対応を政府としてもお願いしたいというふうに思います。
 このGIですが、まだまだ知名度が高くないといいますか、余り知られていない面もあろうかと思います。そうした面での啓発、とりわけ消費者に対する啓発などを行っていくということも大事ではないかなと思いますので、その点につきましては要望とさせていただきたいと思います。
 次に、中堅・中小企業の海外展開についてお伺いをしたいと思います。
 関税面におきましては、我が国が輸出をいたします工業製品の実に九九・九%の関税が撤廃をされています。これまで経済連携協定におきましては、例えば日・シンガポール、あるいは日・ブルネイ、これは製造業が余りないところでありますが、それ以外ではかつてない取り組み、結果ではないかと思います。これまでいろいろ議論にありました自動車部品のみならず、地場産業、例えば繊維であったり陶磁器であったり、そうした分野におきましても、これは非常に効果があるということだと思います。
 それにさらに加えまして、四十八時間以内での貨物の引き取りの許可などの規定につきましても同様でございますが、例えば、世界銀行のレポートによりますと、輸入品が国境を通過する時間は先進国と途上国では大きく乖離をしております。例えば、ベトナムではこの調査によれば八十三時間、ブルネイでは百六十八時間かかる、そのような調査結果もあるわけでございます。
 このような状況を踏まえて、経済産業省の副大臣にお伺いをしたいと思いますが、TPPの実現によりまして、地方の地場産業も含め、中堅・中小企業の振興についてどのような効果があるとお考えか、お伺いをしたいと思います。
○高木副大臣 今委員御指摘がありましたように、TPPによりまして、九九・九%についての関税の撤廃ということで、特に中堅・中小企業にとりまして、例えば自動車部品工業、例を出されましたけれども、これによって、自動車部品メーカーの輸出機会が拡大、特に、一般的に完成車一台で三万点もの部品が必要とされている中で、これらの自動車部品メーカーに部素材などを納入する裾野の中堅・中小企業の受注拡大がまずは期待できると思われます。
 このように、中堅・中小企業がTPPを活用して海外の顧客を得ることで、例えば、自動車部品または資材、結果として、国内の大企業との取引関係が改善したり、利益が上昇し、従業員の賃金引き上げが可能となるなど、メリットがございます。
 また、こうした中堅・中小企業の海外展開を支援するためということで、ジェトロ、中小企業基盤整備機構などの機関の参加を得て、ことしの二月、新輸出大国コンソーシアムを設立いたしました。
 このコンソーシアムでは、海外ビジネスに精通した専門家が中心となって、海外事業計画の策定、支援機関の連携確保、さらに現地での商談、さらには海外店舗の立ち上げなどのサポートを行っておりまして、十月の二十一日時点で、千九百二十五社に対して支援を開始しているところでございますので、そういった形でしっかりと頑張ってまいりたいと思います。
○うえの委員 ありがとうございます。
 最後の質問になろうかと思います。
 TPPの実現によりまして、中堅・中小企業を取り巻く環境が、世界との関係で大きく変化をしていくことが想定をされるわけであります。みずから世界に打って出る中小企業、国内にいながらも世界と取引をする中小企業、あるいは大企業を通じて世界とのつながりをより強く太くする企業、あるいは、きょうは国交副大臣においでいただいて、ちょっと質問の時間がないと思いますが、済みません、水環境などのインフラ整備などでも世界に貢献をしていく中小企業、そうした中小企業がどんどんと出てくる状況ではないかというふうに思います。我が国の経済の原動力である中小企業も、さまざまな形態をとりながら世界とのかかわりを強く意識する時代になる、そのように思うわけであります。
 TPPを契機とするこのような変化ですが、国内におきましては、ある意味で競争が厳しくなるかもしれません。しかしながら、その中でいろいろな創意工夫なり、あるいはいろいろな新しい開発なり、そうしたものが進展をする、そういった可能性も大変大きいと私は思います。
 そこで、総理にお伺いをしたいと思います。
 TPPを契機として、このような中堅・中小企業を取り巻く変化、これをどのように捉えていらっしゃるのか。とりわけ、近年厳しい環境に置かれていると言われる下請企業についてどのような変化があるとお考えなのか。賃金水準や取引条件の改善につながるものなのかどうか。支援策なども含めて総理のお考えをお伺いしたいというふうに思います。
○安倍内閣総理大臣 TPPは、まさに二十一世紀型ルールが共通に適用される世界の四割経済圏を生み出すわけであります。
 TPPによって、先ほど副大臣から答弁をさせていただきましたように、工業製品の九九・九%の関税が撤廃をされます。その直接の効果は輸出の拡大でありますが、みずから輸出をしなくても、取引先企業の輸出が拡大すれば、当然受注がふえていくということになります。これは、日本の産業の裾野を形成する中堅そして中小企業に大きなメリットをもたらします。また、直接海外の企業に輸出することも可能になってくるわけであります。
 TPPには技術移転や現地調達が強制されません。知的財産が保護されるなど、海外のビジネス環境を改善するさまざまなルールが規定されています。これによって、大企業に比べ立場の弱い中堅・中小企業が安心して海外展開に取り組めるようになるわけであります。
 このように、中堅・中小企業がTPPを活用して海外展開に取り組むことで、例えば、自動車部品や資材など、結果として、国内の大企業との取引関係が改善したり、利益が上昇し、従業員の賃金引き上げが可能となるなど、そうしたメリットも出てくると考えられます。
 実際にTPPの発効を見据えて既に動き出している地方の中小企業等がたくさんあります。例えば、ことし二月に設立した新輸出大国コンソーシアムを通じて、これまで全国津々浦々の二千社近くに支援を始めています。ただ、まだ二千というのは本当に少ない。中小・小規模事業者はたくさんありますから、もっともっとこれを広げていきたい、こう思っております。
 私が海外に出かけていったときにトップセールスを行うわけでありますが、その際に、すぐれた技術を持ち、そして、海外展開に意欲を持つ中堅や中小企業のトップの皆さんにも参加をしていただく。私が海外に出ていくと、ついていくのはいつも何か大企業のトップだという誤解がありますが、そんなことはございません。中堅企業、中小企業の皆さんにも来ていただいているし、向こう側からもそういう要望があるんです。日本のすぐれた中小企業に来てもらいたい、そういうニーズにも応えているわけでありますが、同時に、日本食のPRも行っているところであります。
 引き続き、TPPのメリットを活用して、海外展開を図る中堅・中小企業の支援に全力を挙げて取り組んでまいります。
○うえの委員 中堅・中小企業にも大きな可能性があるというふうに思います。
 これで終わります。ありがとうございました。
○塩谷委員長 次に、吉田宣弘君。
○吉田(宣)委員 公明党の吉田宣弘です。
 本日は、質問の機会を与えていただきまして、感謝申し上げます。
 限られた時間でございますので、早速質問に入らせていただきます。
 私は、九州・沖縄比例で選出をいただいております。九州、沖縄は農業が盛んです。そして、多くの農業生産者の皆様と懇談をさせていただき、今般のTPPにつきましては、生産者の皆様は、漠然とではあるかもしれませんけれども、不安に感じておられることを肌で感じてまいりました。
 攻めの農業、守りの農業、本委員会においてさまざま議論をされてきたことは承知をしております。このTPPを機に日本の農業を、日本の農政を大転換しなければ、生産者の皆様の不安感はもしかするとそのまま現実のものになるのかもしれない、そういうふうに私は感じております。そして、大転換と申し上げたその心は、農業生産者を取り巻く環境の全てを見直し、生産者の皆様に一円でも多くの利益が残るような環境を整えることだと思います。
 そこで、農業生産者の利益確保について、総理の御決意をお伺いしたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 TPPについては、関税撤廃が原則でありましたから、そういう意味においては、そもそも、多くの農業関係者の皆さんは不安だったんだろうと思います。
 その中で、我々は、この原則、TPP交渉の中で、特に農業分野については、重要五品目を中心に関税撤廃の例外をしっかりと確保し、関税割り当てやセーフガード等の措置を獲得いたしました。
 それでもなお残る農業者の皆さんの不安を我々もしっかりと受けとめなければならないと思っています。そうした不安を受けとめ、安心して再生産に取り組んでいくことができるように、総合的なTPP関連政策大綱に基づき、攻めの農業への転換に必要な体質強化策を順次講じるとともに、重要五品目の経営安定対策の充実を図ることとしております。
 他方、TPPによりアジア太平洋に巨大な経済圏が生まれることは、日本の農業にとってチャンスであります。おいしくてかつ安全な農産物の輸出を初め、このチャンスを生かそうとする意欲ある農業者の取り組みを、あらゆる施策を総動員して力強く後押しをしていきます。
 安倍内閣で進めてきた農政全般にわたる抜本的な改革によって、四十代以下の新規就農者が年間二万人を超えました。この九年間で最も多い数であります。このような若い農業者を含め、農業に魅力を感じ、夢と情熱を持って農業の未来に挑戦する皆さんを引き続き全力で応援をしていきます。
 農家の所得をふやすため、生産から加工、流通まで、あらゆる面での構造改革を進め、農政新時代をつくり上げていきたい、切り開いていきたいと考えております。
○吉田(宣)委員 九州、沖縄は畜産も盛んでございます。
 私は、鹿児島に伺いましたときに、黒豚の生産者のお話を伺うことがありました。その生産者の方は、ここ十年以上、三百六十五日休んだことがないというふうにおっしゃっておりました。そして、そのお父さんの背中を見て育った御子息が後継者として決意をして、親子でそろって黒豚を生産しているというふうなお話をお伺いいたしました。本当に感動いたしましたが、私はそこで一歩立ちどまって、そのような御苦労が多いこの生産現場に新しい方が、若い方が入ってきてくれるのかな、そういうふうな思いをいたしたところでございます。
 生産現場の業務改善、これは今後も検討を続けなければならない、そのように考えておりますが、先日、大分県の農協関係者の方と御懇談をさせていただいたときに、青年就農給付金事業、これについて高く評価をしている、ぜひ続けていっていただきたいというふうな御意見をいただきました。
 そこで、農水大臣にお伺いいたします。
 この青年就農給付金、ぜひ続けていっていただきたいですし、新規就農者を確実に確保していっていただきたいと思いますが、御見解をお願いいたします。
○山本(有)国務大臣 委員おっしゃるとおり、成長産業にするには人でございます。持続可能な力強い農業を実現していく、そのために、農業の内外から新規就農を促進して、世代間のバランスのとれた農業構造にしていくことが重要であると考えております。
 平成二十四年度から、就農準備段階や経営開始直後の青年就農者を対象とした青年就農給付金事業を行っております。平成二十七年度時点では、全国で一万四千人が事業を活用されておられます。
 本事業につきましては、事業を活用した新規就農者はもちろん、農業団体や地方公共団体等からも、新規就農者の確保に役立っており、継続していくべきとの強い声をいただいているところでございます。
 今後とも、農業の人材力強化の観点から、必要な見直しを行いつつ継続的に事業を実施し、新規就農者の確保、育成に努めてまいりたいと存じております。
○吉田(宣)委員 先日、農水省のホームページを見ました。日本の食料自給率三九%、私はこの現状を心配しております。
 国連の予測によれば、二〇五〇年には世界の人口は九十七億人にふえる、二一〇〇年には百十二億人になる、そのような見込みが出されておりました。今世紀中には世界の人口は百億人を突破する見込みのようでございます。
 このように世界の人口がふえていけば、食料生産国はまずは自国民の食料を賄っていかなければならない。そのときに、日本にきちんと食料が入ってくるのか。外国が日本と外交交渉をするに当たって食料を用いてくるような事態は回避されなければならないと思います。
 その意味において、日本の食料自給率はどんどん上げていかなければならない、そのように思いますが、総理の御認識をお聞かせください。
○安倍内閣総理大臣 我が国の食料自給率は、平成二十七年度において、カロリーベースで三九%、金額ベースで六六%となっています。
 食料の安定供給を将来にわたって確保していくことは国民に対する国家の最も基本的な責務であり、国内農業生産の増大を図り、食料自給率を向上させていくことが重要であります。
 このため、安倍内閣では、昨年三月に閣議決定した食料・農業・農村基本計画において、農業の成長産業化を実現するための多様な施策を講じることにより、食料自給率を引き上げ、平成三十七年度において、カロリーベースでは四五%、金額ベースでは七三%とする目標を設定したところであります。
 また、今般の基本計画では、不測時の食料安全保障の議論を深める観点から、国内の農地等を最大限活用した場合にどこまで供給できるかを示す食料自給力指標を新たに示したところであります。
 政府としては、施策の不断の検討と見直しを行いながら、食料自給率と食料自給力の向上をともに図り、国民に対する食料の安定供給を確保していく考えであります。
○吉田(宣)委員 もう時間が来ましたので質問を終わりますが、日本の食料自給率、これを向上させるためには、生産者の皆様が安心をして生産活動に従事していただかなければならない、また、農業をやりたいという方、特に青年の方が希望を持って農業に参入してもらわなければならない、そのような環境を整備するのはまさにTPPを契機とした今である、今を逃してはならないと申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○塩谷委員長 次に、玉木雄一郎君。
○玉木委員 民進党の玉木雄一郎です。
 まず、三笠宮崇仁親王殿下の薨去に対し、心から哀悼の意をささげたいと思います。
 さて、山本大臣、例の強行採決の発言があって、陳謝をされました。十月十九日のTPP特別委員会での御発言でありますが、このようにおっしゃっています。私は、これはすばらしいことをおっしゃっていると思います。国民の皆さんにこのTPPの合意内容について丁寧に説明し、国民の皆さんが全員納得をいただけるまで御審議を頂戴したい、この思いは今も変わりませんか。
○山本(有)国務大臣 この心構えで頑張りたいと思っております。
○玉木委員 安倍総理も同じ認識でいらっしゃいますか。
○安倍内閣総理大臣 我々は、審議の日程については、審議が熟せばいわば委員の皆様の御判断によって採決に付される、このように了解をしておりますが、我々政府として説明する立場としては、御納得いただけるように努力を重ねていきたい、このように思っております。
○玉木委員 総理、今時点で、今の現在の時点で国民の皆さんが全員納得をいただけているのかどうか。総理としては、今、どの程度このTPPに関して国民の皆さんの理解、納得がいただけていると認識されていますか。
○安倍内閣総理大臣 今、どれぐらい納得しておられるかということを問われてもこれはなかなか難しいんですが、できるだけ多くの、一人でも多くの方々に御納得いただけるように、わかりやすく丁寧に努力を重ねていきたい、このように考えております。
○玉木委員 これからだと思いますね。
 SBS米、輸入米の価格が偽装されていたのではないのか、この委員会でも何度も議論になりましたけれども、農林水産大臣そして農林水産省からも、今なお十分納得できる説明はいただけていないと思います。
 きょうは雨の中、外で農業関係者の皆さんが座り込みもされています。これは、単に何か無理難題を言っているということではなくて、やはり非常に心配をされています。
 国民の皆さん全員がというのは、農業関係者だけではありません。このTPPは、これからやりますけれども、食の安全や医療の分野や、あるいは中小企業、そして地方公共団体、さまざまな、本当に全ての国民に影響を与えるような、実は非常に大きな国際的な取り決めであります。ですから、しっかりと納得をいただける議論を積み重ねていくことが大切だと思いますので、きょうも真摯な答弁をお願いしたいと思っています。
 黒塗りの資料を出して議論も何度かさせていただきました。交渉過程については出せないということで答弁をいただきましたが、では、交渉結果についてきょうは伺いたいと思います。
 交渉結果、まずニュージーランドの政府のホームページを見て確認をしましたら、いわゆるTPPの協定文というのは、いろいろなもので成り立っていますけれども、一体何ページあるのかということを調べましたら、約八千三百ページ。いろいろ数え方にもよると思いますが、八千三百ページなんです。
 交渉結果としての、原文は英文なんですね。残念ながら日本語は正文になっていませんから、訳さないと日本人の多くの皆さんにはわかっていただけない。八千数百ページのうち、何ページを訳して国民の皆さんにお示しになっていますか。
○岸田国務大臣 TPP協定ですが、大きく分けて、本文と言われている部分と、技術的、専門的な内容を含む附属書という部分と、二つの部分に分かれます。
 そして、わかりやすく英文のページ数でボリュームを申し上げるならば、本文部分が約五百ページであります。そして、附属書の部分は合わせて七千九百ページ。トータルで、委員の方から八千三百とおっしゃいましたが、約八千四百になります。五百と七千九百、これが英文のページ数のボリュームであります。
 そして、専門的な、技術的な附属書の部分の中で、各国共通のルール部分、そして我が国の関税率表あるいは約束、留保等については全て和訳をしています。その部分が、ボリュームでいいますと一千九百ページであります。
 そして、それ以外の附属書の部分、すなわち他国にかかわる部分でありますが、これにつきましては、我が国の貿易・投資の中で重要な部分を占める品目や分野等について概要を記載した説明書を作成している、こうした対応をしています。
 これは、過去の経済連携、WTO協定を初め全ての経済連携でそういった対応をしておりますので、同じ対応をしているということであります。
 さらに言うと、WTO協定のときは他国の部分はEUや米国のみしか説明書を作成しておりませんので、今回、TPPの場合は、他国、十一カ国全てについて概要を盛り込んだ説明書を作成したという対応をとっております。
 よって、和訳部分については五百プラス一千九百、これが和訳した部分であり、それ以外は過去の例と比べてもより丁寧に説明書を作成している、これがこの対応の内容であります。
○玉木委員 八千四百のうち二千四百ぐらいですか。三割いくかいかないかぐらいですかね、ちょっと計算できませんけれども。
 今もいろいろな説明はありましたけれども、例えば、アメリカにおいてどういう関税の撤廃をしたのか、オーストラリアにおいてどういう撤廃をしたのか、つまり、日本側から見れば、攻める側から見れば相手方がどういうふうな関税の撤廃をしたのか、この部分については和訳されていますか。
○岸田国務大臣 先ほども申し上げたように、過去の経済連携の対応と同じく、他国の部分につきましては概要を盛り込んだ説明書を作成するという形で内容を明らかにする、こういった対応をとっております。
○玉木委員 外国の対応、どのように関税を撤廃するのかについては全文を訳していないんですね。
 私は、きちんと説明をするという意味では、やはりこれはきちんと訳して国民の皆さんの議論に提供すべきだと思うんです。これは単なる自由貿易ではなくて、国民生活に大きな影響を与えるルールの変更も伴う協定でありますから、たった三割しか訳せていないというのは、私はこれは結果の説明としても不十分だと思います。
 もう一つ。誤訳の問題がありました。十八カ所あって、これは私はゆゆしき問題だと思うんですが、一つ伺います。誤訳とは言いませんけれども、私は誤訳に近いと思うんですが、これはなぜこうなっているのかを聞きたいんです。資料二をごらんください。
 日本語と英文、TPP対策本部のホームページのそれぞれの一番最初の頭だけ出しています。ここだけでも典型的にわかるんですが、例えば、左側の日本語のところでいうと、ここの第二章の附属書二―D、関税に係る約束というふうに訳されています。これはもともとどういうオリジナルの英語だったのかなと思って見てみると、英文の方は、下の方にアネックス二―Dとありますが、タリフエリミネーションというふうに書いています。その下の方にも、一番下にありますけれども、オーストラリア・タリフエリミネーションスケジュールというふうに出てきます。
 これは実は、今、訳していないとおっしゃっていた各国の、まあ、直訳すると、オーストラリアの関税撤廃のスケジュールですね。同じように、ジャパン・タリフエリミネーションスケジュールというのも下に出てきます。直訳すると、日本の関税撤廃のスケジュールですね。
 話を戻しますが、このアネックス二―D、日本語で言うと附属書と訳すんですか、この二―Dのタリフエリミネーションをなぜ日本語で関税に係る約束と訳しているのか。直訳すればというか、直訳しなくてもこれは関税の撤廃としか訳せないと思いますが、なぜこれを関税に係る約束と訳しているのか、お答えください。
○岸田国務大臣 附属書ですが、先ほども申し上げましたように、内容としまして、各国の関税率表あるいは約束、留保、こうしたものを盛り込んだものであります。こうした関税率表等の文書を訳す際にこうした文言を使っているということから、こうした訳語になったと認識をいたします。
○玉木委員 過去の例と一緒ですけれども、英文でタリフエリミネーションという言葉を使ったような協定はありますか。私が記憶しているのは、WTOだとコンセッションズという言葉を使って、それを譲許表というふうに訳すことはありますけれども、例えば、関税に係る約束というのは、プロミスとか、いろいろな訳はあるんでしょうけれども、なぜタリフエリミネーションを関税に係る約束と訳したんでしょうか。
 私は、実は、なぜこれを取り上げたかというと、ささいな訳の問題を取り上げているのではなくて、TPPの本質がやはりここに残っているんだと思うんですね。つまり、ホノルル合意以降ずっと、総理も、関税撤廃の例外が確保できたから入ったんですというような話もいつもあるんですが、英文の中には撤廃なんですね。それで、訳していないと。
 日本語は訳しているといって一部出ていますけれども、これは実は、アメリカもオーストラリアも含めて十二カ国全て、オーストラリア・タリフエリミネーションスケジュール、つまり、各国のは全部、譲許表としてWTOと同じ訳を当てていますが、違います。関税の撤廃のスケジュールを各国の分はずっと書いているんですよ。そのうち唯一日本は、日本の部分を訳していますけれども、これも、附属書二―Dの日本国のところに譲許表として訳していますけれども、私は、これはTPPの本質を隠す訳だと思いますよ。
 改めてお伺いします。なぜ、タリフエリミネーション、関税撤廃を関税に係る約束と訳されたのか。もし過去の例に従うのであれば、過去の例をお示しください。
○岸田国務大臣 これは、まさにTPPの本質に基づいた訳であると考えます。
 実際、再三御説明しているように、関税全てを撤廃したものではありません。よって、関税について、約束に基づいてさまざまな対応をしたというのが実態でありますので、全てが撤廃されていない、こういった現実をしっかり反映するためにこういった訳が行われたと考えます。
○玉木委員 一番最初の答えの際に、過去の例に倣ってというような答弁がありました。過去の例を教えてください。
○岸田国務大臣 用語の使い方について、一般論として、過去の例等にもよって行うということを説明させていただきました。そして、御指摘の点、具体的な点を御指摘いただきましたので、それにつきまして先ほど御説明をさせていただきました。
 その用語の使い方は、まさにTPPの現実をしっかり反映させるための用語の使い方であると認識をしています。再三説明しているように、関税は全て撤廃されているものではありません。よって、約束という形で、現実を的確に反映するためにそういった用語が使われた、このように認識をしております。
○玉木委員 エリミネーションの和訳って、普通、通常はどういう訳ですか。(岸田国務大臣「済みません、ちょっとごめんなさい」と呼ぶ)エリミネーションという英語の、通常、和訳をする場合はどういう訳になりますか。
○岸田国務大臣 エリミネーションという言葉、これは直訳すれば撤廃という言葉なんでしょうが、これは実際、TPP附属書を見ていただければわかりますが、関税に係る約束、そして同じく、並列して、関税の撤廃及び削減、こうした二つの文言が並んでいます。これを的確に、この違いも含めて、実態をあらわすために言葉を使わなければならない、これは翻訳する際に大変重要な観点ではないかと思います。
 より実際を反映させるために、そして御理解をいただくために、どういった言葉を使って訳すのか、これは真剣に考えなければいけないことですし、こういった工夫というのは大変重要であると認識をいたします。(発言する者あり)
○玉木委員 まあまあ、静かにしてください。
 皆さん、これは結構大事な話なので、あえて私は取り上げています。
 七年後の見直し等がこの委員会でも取り上げられました。関税割り当て、セーフガード、そして関税率も含めて、日本の場合は、五カ国からの要請によってもそれを見直すことがあるし、TPP委員会が設置されれば、三年後からそうした見直しの提案ということも始まっていく。そういうことも含めて、求める世界はやはり、最終的にTPPは関税のある種完全撤廃、それも含めたスケジュールということで、私はここに、英語の原文の方にTPPのある種の本質が隠れているのではないかということで言ったわけです。
 いろいろな意訳をするのはわかります。ただ、タリフエリミネーションとある言葉は、少なくともそれは、普通に関税撤廃と訳すべきではないかなというふうに思いますし、下の譲許表についても、私は、譲許表と訳すのはTPPにおいては似合わないというか、不適切だと思います。
 なぜこういう訳にしたのか、ほかにも同じようなことがないのか、一度整理して委員会に出していただくことを求めたいと思います。
 委員長、よろしくお願いします。
○塩谷委員長 理事会で協議いたします。
○玉木委員 これは私は誤訳の類いだと思いますね。
 SBSの米の価格もそうですけれども、ごまかしたり隠したりすることばかりだから信頼を得られないんじゃないですか。こんな当たり前のことは答えてください。
 では、次に参ります。重要五項目について伺います。
 重要五項目、タリフラインでいうと五百九十四です。五項目は、米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物ですけれども、これはそれぞれさらに細目に分かれていきます。これは、ルールが少し変わって、数え方も変わって今五百九十四になっていますが、もともと国会決議では、この五百九十四の重要五項目については除外または再協議というのが国会の決議の求める内容でありました。
 タリフライン五百九十四のうち、除外または再協議、国会決議が求めたとおり達成できたのは、そのうち幾つですか。
○山本(有)国務大臣 重要五項目のうち、関税を維持したタリフラインは百五十五でございます。(発言する者あり)
○塩谷委員長 不規則発言は慎んでください。
 質問者。
○玉木委員 除外または再協議の対象を教えてください。
○山本(有)国務大臣 除外または再協議……(玉木委員「五百九十四のうち」と呼ぶ)五百九十四のうちですか。除外または、ちょっと待ってください。(玉木委員「委員長、とめてください。時間が無駄です。ちょっと整理してから」と呼ぶ)
 関税撤廃の例外としまして、全体ラインで、今ある資料でございますと、まず一つ、牛肉は全体ラインが五十三、そして関税の例外が十四……(玉木委員「それは聞いていません。除外または再協議の対象を教えてください」と呼ぶ)その除外という概念が我が国の関税のタリフラインの中に、維持、関税割り当て、削減、その他、関税撤廃というわけでございまして、除外という概念が現在はございません。(玉木委員「では、除外または再協議はゼロですか」と呼ぶ)維持されたものというように考えていいですか。(玉木委員「いや、除外または再協議は幾つですか」と呼ぶ)その除外、再協議のタリフラインという項目は、今、関税では、それは置いておりません。
○玉木委員 除外または再協議はゼロということですね、対象になっているものは。わかりました。
 それで、ちょっと資料を出します。ちょっと私から説明をします、少し混乱されていると思うので。
 これは前もそうだったんですけれども、重要五項目というのは、最も大切に、これをいかに守れるかで交渉されてきたはずなんじゃないんですか。それについて聞いたら、答えがいつももらえなくて、言葉の定義がどうだこうだと。今さらそんなことを言っている場合じゃないんじゃないですか。
 整理をしてみました。資料の四を見てください。
 重要五項目、豚と牛を分けましたので六つになっていますが、五百九十四のタリフライン、除外または再協議はゼロです。ですから、国会決議上の義務を果たしたものはゼロです。
 その上で、あえて整理をしてみました。全く無傷で従前のまま維持したものは、青で書いている関税の維持、足すと百五十五です。その中、もう一つ、重要五項目にもかかわらず撤廃してしまったもの、これが赤で書いておりまして、百七十ありますね。間違っていたら訂正してください。それ以外の、関税割り当てにしたり、関税は残すけれども削減したものが黄色で書いているもの、残りということになります。
 改めて確認しますが、タリフラインを一つたりとも変えないで、全く無傷で守った重要五項目は一つもないという理解でよろしいですね。
○山本(有)国務大臣 完全に維持して、先ほど委員がおっしゃるように、タリフラインを守り切ったというものはございません。
○玉木委員 前回、通常国会でも森山前大臣からもお答えをいただきましたけれども、重要五項目を守る、守ると。例えば日豪EPAの中での米のように、全く手をつけずにやる、これが除外ということで我々はその五項目を求めていたし、農家の皆さんもそれを求めていたはずです。
 しかし、さっき見せたように、何らかの形でタリフラインをいじっているし、あるいは削減もしたりしていて、結局、守る、守ると言っていた重要五項目について、タリフラインを一つも変更せず、いわば無傷で守られた聖域はゼロなんです。まず、これに向き合ってから議論をしたいと思います。
 改めて、もう一回、資料四を見てください。
 石原大臣にお伺いします。
 四月五日の本会議において、この百七十タリフライン、確かにそれぞれ、ある種全部、五項目の中で必ず削減した項目があるわけであります。これに対して、石原大臣は、一つ一つ精査した上で、輸入量がゼロとか少ない、あるいは代替性が低い、あるいは関税をあけることがかえってプラスになるような、大きく三つのカテゴリーで一つ一つ精査して百七十を削減して、いずれにせよ、この百七十の撤廃したものについては、我が国の農業への影響が少ないものに限定して関税を撤廃したと本会議で答弁されていますが、それは変わりませんか。
○石原国務大臣 四月五日の衆議院本会議におきまして、「重要五品目に関する調製品については、一つ一つを精査し、輸入実績の少ないもの、国内農産品との代替性が低いものなど、我が国の農業への影響が少ないと判断されたものに限定して関税を撤廃した」、こういうふうに答弁をしているということは事実でございます。
○玉木委員 では、ちょっとこれはTPPと離れて一般に聞きます。
 日本にさまざまな農産物が輸入をされています。その中で、二〇一〇年、一番多く輸入された農産物というのは、小麦ですか、バナナですか、リンゴですか、肉ですか。何でしょう。お答えください。
○山本(有)国務大臣 二〇一〇年、TPP諸国から……(玉木委員「違う、違う。全体です」と呼ぶ)世界全体。(玉木委員「はい。項目で」と呼ぶ)項目で考えましても、やはりそれは、冷凍豚肉部分肉であると。
○玉木委員 日本に入ってくる農産物はさまざまなものがありますけれども、実は、多いのは、額的にも豚肉なんですね。豚肉です。
 影響のないものに限定して、それぞれの品目で削減していった。例えば、キャッサバ芋とか、これはもうほとんど輸入実績がないから影響がないとか、あるいは牛タン、これは国内で代替性がない、そういう説明は今までもいただきました。
 では、伺います。
 この赤で書いている、重要五項目のうち影響がないといって撤廃した、タリフラインベースでですね、この中でナンバーワンとナンバーツーは何なのか、教えてください。
○山本(有)国務大臣 牛肉と豚肉ということで……(玉木委員「いやいや、違いますよ。タリフラインで。さっきの答えが正しいんです。冷凍が一位で」と呼ぶ)冷凍豚肉、二位が冷蔵の部分肉でございます。
○玉木委員 ちょっと整理しますね。
 重要五項目を守る、守ると言って、完全に無傷で守られたものはゼロだと御答弁をいただきました。
 ただ、その中でも、それぞれタリフラインベースでいくと、影響のないものに限定して、一つ一つ限定して削減をしていって、この赤のところがそれぞれあります。影響がないものだけをよく選んで削減をした、撤廃ですよ、撤廃。赤のところは撤廃です。それで、影響がないのかと思って、今、日本に入ってくる最大の農産物は何ですかといったら、豚肉なんです。この中で、赤の中で削減したものの一位、二位は何ですかというと、一位、冷凍豚肉部分肉、二位、冷蔵豚肉部分肉。
 つまり、日本が最も輸入している農産物である豚肉の関税の本体を撤廃しているんですよ。もう一回下を見てください、四月五日の石原大臣答弁。我が国の農業への影響が少ないものに限定して関税を撤廃している、うそじゃないですか。
 次の資料を見てください。
 これを改めてちょっと整理をしてみました、豚肉。大体、日本を除くTPP十一カ国というのは、アメリカ、カナダ、メキシコが入っていますから、日本は世界じゅうから豚肉を入れていますけれども、実は、さっき言ったように、輸入農産物の一位は、二〇一〇年、豚肉なんですね。その七割が、実はTPPの加盟国から入ってきています。
 今、冷凍豚肉と冷蔵豚肉、それぞれ部分肉の関税を撤廃したという答えを山本農水大臣からいただきましたけれども、実は、この一位、二位、つまり豚肉の関税を撤廃して、今TPP各国から日本に入ってきている豚肉の何と八割を超える八三%が撤廃の対象になるんです。いわゆる分岐点価格より高いところの定率部分の関税が撤廃対象になっていますからね。
 ですから、こんなに影響のあるものを撤廃しておいて、さっきのように、我が国の農業への影響が少ないものに限定して関税撤廃をした、石原大臣、これはうそではないですか。撤回すべきではないですか。
○石原国務大臣 若干整理してお話をさせていただきたいんですけれども、ちょっと戻って恐縮なんですが、委員が御指摘のとおり、全て関税を維持するということはないことは、もう農林水産大臣から御答弁をさせていただきました。
 そして、農林水産物に限って言いますと、タリフライン四百五十九ラインのうち、重要五品目の四百二十四ラインを関税撤廃の例外とさせていただきました。
 ここの議論の中で、委員は、除外、再協議ということを言われておりますけれども、確認でございますけれども、除外、再協議という言葉は各交渉の中で決まる、これも再三、外務大臣から答弁をさせていただいております。
 そういう中で、このものが決まっている。もちろん、委員が御指摘のとおり、丸々維持をするということが国益には一番かなっているかもしれませんが、残念ながら、これは交渉でございます。影響の少ないものに限って施策をさせていただいているというふうに御理解をいただきたいと思います。
○玉木委員 赤いところは、影響のないものを、輸入実績がないとかそういうものだけ撤廃したと言うから、私も信じて、正直、図にしたり表にしたりして、自分自身びっくりしました。
 影響がないものだけ、交渉の中で頑張って維持したのかなと思ったら、さっきの、豚肉というのはそもそも日本に入ってくる農産物のトップワンですよ。かつ、今回撤廃した百七十のタリフラインの中で上から一番、二番は何だと思ったら、冷凍豚肉、冷蔵豚肉なんですよ。しかもそれは、今日本に入ってきているTPP加盟国の中の八割を超える豚肉の関税が撤廃になるというインパクトなんですよ。これのどこが影響がないんですか。
 私は、やはりこういうことをきちんと議論していく必要があるということで出させていただいたんです。重要五項目においてもこういう形なので、申しわけありませんが、国会決議違反は、私は明らかではないかというふうに思っております。
 もう一つ、国内対策についてもいろいろ言われています。いわゆるマルキンという所得安定対策をやろうということで言っているんですが、これも影響試算がめちゃくちゃ。同じ安倍政権の二年前にやったものと、たった二年で、例えば、海外の豚肉の値段がなぜか倍近くなっているし、国内の銘柄じゃない豚についてはほぼ全部入れかわるというふうに農林水産省が試算していたのに、まさに、むしろ代替性が低いというふうに、急に豚肉の質が変わったりしているわけですね。
 これは農水大臣もここでお答えいただきたいんですが、さっきも答弁がありましたけれども、効率化していったら日本の養豚業は対抗できるというような話があります。
 私は、頑張っている養豚農家もたくさん知っているのでそうだと思うんですが、今、アメリカにおける一農家当たりの豚の飼養頭数、どれぐらいだと思いますか。九百五十ぐらいなんですね。それに対して日本はどれぐらいだと思いますか。もし御存じだったらお答えください。アメリカが一農家当たりの豚の飼養頭数というのは九百四、五十ですね。それに対して日本はどんなものかな。四百から五百かなとかというふうに思われますかね、皆さん。国民の皆さんも。
 日本の農業はもっともっと効率化できるというふうにお考えかもしれませんが、大臣、御存じですか。
 では、申し上げます。農林水産省からいただいた二〇一四年の数字で、日本における一農家当たりの飼養頭数、豚は千八百です。アメリカの倍近くなんですね。極限まで頑張っています。
 政治家の皆さんも、地元で養豚農家の方がいらっしゃれば、私も小さいころは、におうようなところで、小さい養豚農家がありました。うちのおやじもそういうところをよく回っていました。ただ、今は、そういうものが非常にある種、工業化、産業化されているような養豚になっていて、こういうふうに関税撤廃して、あとは、まだまだ非効率だからもっと頑張れと言うのは、ちょっと限界があると私は思っています、実際。
 ですから、限界を見据えた、あるいは現実を見据えた対策を、どのようなものが実際関税撤廃になったのか、影響を受けるのかを、虚心坦懐、しっかりと、これは与党、野党を超えて向き合って、本当に必要な対策を議論していくことが私は国会の責務だと思っています。農水大臣、いかがですか。
○山本(有)国務大臣 委員御指摘のロジックでいくと、ゼロということを強調されるわけでありますが、重要五品目の撤廃例外のライン、四百二十四の内訳を言うと、維持が百五十五で、関税割り当てが百五十八で、削減が九十五で、その他ラインが十六あるわけでございます。その意味において、委員の御指摘の向きについては、マイナスのようなイメージがひどく強調されているように思っております。
 タリフラインに影響が出ないように国内措置もとらせていただいて、昨年十一月の総合的なTPP関連政策大綱についても言及いただけたらありがたいところでございますし、また、お米につきましても、枠外の十七ラインというものは守ったし、枠内も守っておるわけでございます。
 そういうようなことを踏まえまして、影響試算の算定をした二十五年試算と二十七年試算の中で、御指摘のように、養豚農家をどう守るかという意味において、我々が全部、差額関税制度を守れなかったわけではなくて、むしろ守ったわけでございまして、その撤廃した部分につきましても、従価税部分であります。
 従価税部分というのは低い関税率でありまして、それを……(玉木委員「五十円ではほとんど国境措置を果たしませんよ」と呼ぶ)従価税の方ですよ。従価税の方を……(玉木委員「わかっています、大臣。私にレクしなくても大丈夫ですから。もう十分わかっています」と呼ぶ)わかっているけれども、説明をしないと、委員さんが言ったことで誤解をいただいた方がいると、私ども、養豚農家に申しわけないことになるわけでございます。
 その意味において、我々は、コンビネーションという差額関税制度でほぼ九割輸入しておるわけでございまして、そこは完全に守った、私はそう思っておりますので、委員のトーンは非常にロジックが豊かで、私も感心して聞いておるわけでございますが、結果として養豚農家が不安に思ったらいけないので、あえて申し上げた次第です。
○玉木委員 私、全くそんなことは聞いていないんです。極限まで効率化を進めている養豚農家がいらっしゃる中で、きちんと現実に向き合って、決まったこと、そしてそれを受けた対策を講じるべきではないかということを聞いたわけであります。
 差額関税部分の、五十円になってしまうと、これはそもそも、これだけ安くなるとコンビネーションの必要性もなくなってくると思いますから、農水省の文書にもそれは書いていますから、当面はコンビネーションは維持するけれども、やはり、そのうちなくなってしまうんじゃないかと農水省が認めているわけですから、余りごまかさずに、きちんと私は向き合うべきだと思います。
 最後に、ちょっと時間がなくなりましたが、食の安全の話をしたいと思います。
 前回も取り上げました。あれだけ豚が入ってくるようになると、今度は、量もそうなんですけれども、どんな質の豚あるいは牛が入ってくるのか、当然、これは消費者の皆さんも心配だと思いますね。
 前回説明したように、日本の場合はダブルスタンダードになっていまして、いわゆる肥育ホルモンとかラクトパミンと言われるような飼料添加物、こういったものが国内では使用されていませんけれども、それを使った輸入牛肉、輸入豚肉は認める。EUとかはそれは両方当然禁止していて、アメリカとかオーストラリアは使うことも輸入もオーケー、日本だけが、国内で使えないのに輸入は認めているということでありました。
 この前質問をいたしまして、肥育ホルモンの一つであるメレンゲステロールについて、コーデックスの国際基準よりも日本の基準が緩いということで質問をさせていただいたんですね。
 そうしたら、これは質問の中でも、宮川委員が質問したことに対して、きちんと、平成十八年の暫定基準設定以降、検疫所で行っている輸入食品のモニタリング検査というのをやっていますが、ここにおいて検出された事例はございませんというふうにありました。
 これは、何件のうち何件を検査して大丈夫だと言っているんですか。
 今日本には、メレンゲステロール等を使った、肥育ホルモンを使った牛肉、豚肉がどれだけ入ってきていて、そのうちどれだけをチェックし、つまり検査率ですね、それで大丈夫だと言っているのか、教えてください。
○北島政府参考人 お答えいたします。
 全数については手持ちの資料にございませんけれども、検査件数につきましては、米国のものについては五十七件、そしてオーストラリアのものについては六件を実施しているところでございます。
○玉木委員 五十七件プラス六件で六十三件、これは何年間の数字ですか。
 ちょっと整理して聞きます。
 今いただいた、足して六十三件は何年間の検査の結果なのか。そして、その分母、一体日本にどれだけのメレンゲステロールを使った輸入肉、輸入豚肉、牛肉があって、そのうち何件を検査したのがその六十何件なんですか。検査率を教えてください。
○北島政府参考人 お答えいたします。
 期間は、平成十八年の四月一日から平成二十八年の二月二十五日でございます。
 母数については、把握することはできない状況でございます。
○玉木委員 ちょっと驚きですね。十年間、一年間で五カ所、五件だけやって、大丈夫だと言い切れるんですか。
 何でそもそも総数を把握していないんですか。だって、これだけの量があるから、これだけを検査したら大体統計的にも大丈夫だということで検査しているのではないんですか。
○北島政府参考人 検査につきましては、コーデックスが決めました統計的な検査方法によりまして検査を実施しているところでございますけれども、メレンゲステロールにつきましては、これまでも検出されたものがなかったということに加えまして、下限値が非常に低いということで、検査が大変難しいものでございます。試行錯誤しながら今検査を実施しているところでございます。
○玉木委員 意味がわかりませんね。十年間で六十何件しかやっていないからひっかかっていないんじゃないですか。だから、それで検知されないから大丈夫なので検査しませんといったら、これはだんだん、やらないようにやらないようになっていくじゃないですか。
 では次、ちょっと聞きます。そもそも、一体どれだけの対象に対してどのようにやっていて、そのコーデックスの基準を、コーデックスってこんな基準でオーケーなんですか。私、これはちょっと疑問なので、整理して理事会に出していただけますか。
○塩谷委員長 はい。
○玉木委員 それで、もう一つ聞きます。国際基準であるコーデックス基準、今ありましたけれども、このコーデックス基準というのはどうやって決まるんですか。
 科学的な知見に基づいて決まるというふうに多分皆さん思っておられると思いますが、例えば肥育ホルモン、これは私、文献で読んだので今から言いますけれども、間違っていたら直してください。
 一九九五年、肥育ホルモンの基準を決めるときに、実は、あろうことか投票で決めています。科学的なものに基づいて決まるかと思いきや、実は、三十三対二十九、棄権七の極めて薄氷で決まっています。もう一つ、ラクトパミンについては、二〇一二年、六十九対六十七の、これも僅差で決まっているんです。科学的知見というよりも、むしろ国際政治のパワーゲームの中で決まるような性質があるのではないですか。今の数字が正しいかどうかだけ、お答えください。
○北島政府参考人 コーデックス委員会の肥育ホルモン及びラクトパミンの投票につきましては、今の数字のとおりでございます。
○玉木委員 こういうことで決まっていっているんですよ。
 安倍総理、最後に伺います。
 ちょっと時間がなくなりましたが、石原大臣から前回ありましたけれども、これからも、今の基準はTPPで変える必要はないということなんですが、これから新たに、例えば、ダブルスタンダードでありますから、外国から入ってくるホルモンを使った肉には少し表示義務を課そうというふうなことも考えられると思うんですね。
 そういうときに、やはり科学的根拠が必要で、科学的根拠だというふうによくおっしゃいますので、しかも国際的な基準に基づくもの、それもそうかなと思っていたら、それ自身が非常に、科学的なものというよりも、むしろそういった国際社会の力関係、例えばアメリカ対EU、こういうもので決まっていて、むしろ、声の大きいというか、企業の利益を優先するようなことで、守ろうとする側の国民の健康や命が害されるようなことがあるのではないか。
 TPPによってさらにその懸念が深まってしまうのではないのか、そういう懸念がありますけれども、そういうことはございませんか。
○石原国務大臣 大原則ってあると思うんですね。国産品についても輸入品についても消費者の方々に対して安全なものを提供する、これは政府も間違いなくやっております。そして、流通を許しちゃいけない、これが食品行政上の大原則であり、今回のTPPのSPSの章を幾ら読んでも、これを変えろとかそういう示唆は一切ないんですね。やはり原則を、私たちが、今言った輸入品にしても輸出品にしても消費者の人々に安全なものを提供し続けるというこの大原則を、今回の協定が脅かすということはございません。
 そして、今、玉木委員が将来のことをおっしゃられました。これも、SPS章を読みますと、我が国が必要と考える食品安全に関する制度の変更をする場合に、外から新たな制約が加わるものではないと明記をしておりますので、そこのところは、これは与野党関係なく、食の安全をしっかりと守っていくということに変わりはないのだと思っております。
○玉木委員 引き続き、同僚議員の緒方委員がやりますけれども、私、それは認識が間違っていると思いますね。
 貿易に悪影響を及ぼすおそれがあるとみなしたときには、その輸出国が輸入国に対して技術的協議を求めることができるという規定があります。これは、両者が合意しなくてもできることになっています。しかも、その内容は全て秘密ということになっています。これまでの交渉過程も秘密、そして、これからの安全に関することも秘密、こういうTPPで本当に日本人の健康と命を守れるのか、ますます私は疑念が深まったと思いますので、審議をさらに深めていきたいと思います。
 ありがとうございました。
○塩谷委員長 次に、緒方林太郎君。
○緒方委員 民進党、緒方林太郎でございます。よろしくお願い申し上げます。
 まず冒頭、三笠宮崇仁親王の薨去の報に接し、心より哀悼の誠をささげたいと思います。
 それでは、質疑に移っていきたいと思います。まず冒頭、昨日の国連総会での委員会決議、核兵器禁止条約、これに日本として反対をしたという報道がありました。これは、TPPの質疑に入ります前にぜひお伺いをいたしたいと思います。我々としては、少なくとも反対という選択肢はないというふうに考えてきたところであります。今回、なぜ核兵器禁止条約、これの交渉入りに反対をされたんでしょうか。安倍総理大臣。
○岸田国務大臣 日本時間できょうの早朝ですが、国連総会第一委員会におきまして、核軍縮・不拡散に関する各国の決議が採択をされました。委員御指摘の核兵器禁止条約の交渉開始の内容を含む決議も採択されましたが、一方で我が国の決議も採択された次第です。
 この決議に対する対応における我が国の考え方ですが、核兵器のない世界を実現するためには、核兵器国と非核兵器国の協力がなければ具体的な結果にはつながらない、我が国は唯一の戦争被爆国として、核兵器国と非核兵器国の協力を重視する立場から決議にも対応していかなければならない、こういった考え方で臨みました。
 ですので、まずは我が国の決議において、核兵器国を含む多くの国に共同提案国になってもらう、賛成国になってもらう、こういった努力をいたしました。こうした努力の結果、昨年を上回る共同提案国を得、そして多くの賛成国を得た、これがまず我が国の決議のありようでした。
 そして、その上で、他の国が提出した決議、御指摘の決議についてもどう対応するのか、我々は考えたわけであります。
 そして、その決議においても、今申し上げました基本的な考え方、核兵器国と非核兵器国の協力を重視する立場、あるいは、今日までも我々が訴えてきました核兵器の非人道性に対する正確な認識と、そして、厳しい安全保障に対する冷静な認識、この二つに基づいて物事を考えなければいけない、こういった考え方に基づいて決議に対する対応を考えました。
 その結果として、御指摘のように、核兵器禁止条約の交渉開始を含む決議に反対をいたしました。
 ただ、我々のこの態度、今説明した理由に基づいてこうした判断をしたわけですが、こうした判断は、他の国の対応、この決議に北朝鮮は賛成をしました。そして、核兵器国はどの国も、一国たりともこの決議に賛成はしませんでした。こういった各国の対応にも我が国の考え方の根拠を見出すことができるのではないか、このように思っています。
 こうした判断に基づいて反対をしたわけでありますが、いずれにしましても決議は採択されました。よって、核兵器禁止条約の交渉は、近い将来開始されることになります。
 我が国は、決議に対しては今言った判断に基づいて反対という対応をとったわけでありますが、核兵器国と非核兵器国の協力を重視する立場からは、この核兵器禁止条約の議論についても、ぜひ積極的にこの議論に参画をして、唯一の戦争被爆国として役割を果たす、こういった態度をとるべきではないかと私は考えています。
 政府としては、これはしかるべき時期までに政府の対応を考えるわけですが、私は、今後の議論についても、基本的な考え方、核兵器国と非核兵器国の協力を重視する立場を重視していきたい、このように考えています。
○緒方委員 今回、委員会決議でございまして、いずれ国連総会にこれはかかるのではないかと思いますけれども、国連総会での採決というのはあるんですか。あるのであれば、そのときの採決の態度についてお伺いできればと思います。
○岸田国務大臣 おっしゃるように、日本時間のきょうの早朝行われた採決は、国連総会の第一委員会での採決であります。今後、総会の採決があると承知をしています。そして、当然のことながら、我が国の対応は変わらないと考えます。
○緒方委員 これまで、大臣も先ほど言われましたとおり、核廃絶の決議案というのは日本が出してきたわけでありまして、今回も通ったということでありますが、これまで目標としてさまざまな核廃絶に向けた決議を出してきた、二十三年間ずっと出してきたということでありますが、今回、より具体的な法的拘束力のある形で条約案の審議をしましょうという決議が上がってきた。これには反対をした。
 今、大臣はいろいろ理屈を言われましたけれども、法的拘束力のある話になった瞬間に反対に回るというのは、逆に言うと、大きな目標としては日本としても賛成しているけれども、具体的に行動に移すところについて反対しているというふうに見られるわけですね。そのことは非常に矛盾をしているんじゃないかと思いますけれども、大臣、いかがですか。
○岸田国務大臣 我が国のこうした決議に対する対応、そしてそれ以外の核軍縮・不拡散の議論における対応は一貫しています。
 我が国は、核兵器国と非核兵器国の協力なくしては、現実問題、結果を出すことができない。議論は大変重要であります。そして、理想を掲げることも重要であります。しかし、結果として、核兵器国も協力しなければ非核兵器国の理想は実現できない、この協力を得ることが何よりも大切だ、そのための現実的、実践的な対応を考えていかなければならない、これが我が国の対応です。
 ですから、決議においても、そしてそれ以外の核軍縮・不拡散の議論においても、我が国のこの考え方、今申し上げました基本的な考え方に基づいて、全て一貫して対応しているということであります。今回もその一環であると考えます。
○緒方委員 核兵器国と非核兵器国の協力なくして実現しないと言われましたが、それは、よくよく考えてみると、核兵器国の協力がなければ、その了承がなければ、具体的なアクションを起こすことには反対だというふうに聞こえるわけですが、大臣、いかがですか。
○岸田国務大臣 我々は、核兵器国の立場に立つなどということは決して考えていません。今申し上げた考え方から、核兵器国の考え方、非核兵器国の考え方、そしてそれぞれの行動、これがそろわなければ結果を出すことができない、こういった観点から取り組みを考えています。ぜひこれからもこの考え方は大事にしていきたいと思います。
 そして、その考え方を多くの国々が理解してくれたからこそ、我が国の決議には、百十近い国々が共同提案国になってくれました。百六十以上の国が賛成してくれました。
 これは、我が国の考え方が国際社会の中で最も多くの支持を得ている証拠ではないかというふうに思いますし、御指摘の決議については、先ほど申し上げましたように、北朝鮮が賛成をする、核兵器国五カ国全て誰も賛成しない、こういった各国の判断が下されているわけです。
 こうしたあたりも考えながら、どの決議にどう反応するか、どのように判断するか、どういった対応をとるのか、こういったことについて考えていかなければならないと思っています。
○緒方委員 安倍総理にお伺いをいたしたいと思います。
 被爆者の方はこういうふうに言っておられます。怒り心頭だ、今の日本は欧米に追従するばかりで、核兵器がない時代を築こうとする覚悟がない、これでは原爆で亡くなった人が浮かばれない、そう語っておられます。この思いを、安倍総理大臣、どう受けとめておられますでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 そういう思いを持たれる方々がおられるということは十分に理解できます。
 今回、岸田大臣から答弁をさせていただきました。今回の判断は、確かにそう簡単な判断ではございませんでした。我が国は唯一の被爆国、そして岸田大臣は御承知のように広島出身の大臣であり、先般も、ケリー国務長官を初めG7の外相会合を開催し、そしてオバマ大統領の広島訪問につなげたわけでございます。
 そこで、我々は、現実に、一歩一歩着実に前進をさせていきたい、被爆国であるからこそ、現実に、核なき世界に向かって、世界をその方向に向けて進めていきたいと考えたわけでございます。
 そこで、今回我が国が出した決議案、核の廃絶に向けた決議案について、ここにいかに核保有国を賛成させるかという意味において、今回、米国が共同提案国になったわけでございます。
 こういう外交努力を進めていく上において、他方、確かに法的拘束力はあるわけでありますが、現実問題として、核保有国は一切反感を持っているこの条約交渉を進めていく決議については、ここでこれに日本側が進める立場になってくれば、一歩一歩着実な前進を進めていくべき日本の決議自体に、いわば米国を含め核保有国は理解を示さなくなってくる可能性もあるわけでありまして、我々は、その中において、米国を我々の案においてまず共同提案国にするということであったわけでありますが、そういう中で判断をさせていただいた次第でございます。
○緒方委員 それでは、TPPの議論に移っていきたいと思います。
 まず、再交渉の話についてお伺いをいたします。
 TPP協定、再交渉に一切応じないと答弁してきたことは私もよく存じております。
 そして、私、ことしの通常国会で、石原大臣とは何度も内閣委員会で、では、国内法の改正をアメリカが強く要求してきたとき、アメリカの国内制度の中には認証という制度があって、TPPの協定を日本が国内できちっと実施しているかどうかということをきちっとアメリカが見た上で、その上でアメリカは批准をするしないということを決めるという、その認証の制度がある。そして、それを通じてアメリカが日本の国内制度を変えてこいというふうに強く要求してきたときでも、大臣はこれに絶対に応じないということを内閣委員会での質疑で答弁をいただきました。
 さらに、私は、では、法的拘束力のない文書において、例えば口上書とか解釈了解とか、そういった文書を通じて何かアメリカの希望とか他国の希望に応えることについても、これもやらないというふうに大臣は答弁されました。
 これを再度確認したいと思います。石原大臣。
○石原国務大臣 緒方委員にお答えいたしたいと思います。
 サーティフィケーションについては、緒方委員が大変こだわりを持たれ、質問主意書も出されて、その中で答弁をさせていただきました。結論から申しますと、これまで答弁したことと何ら変わりはございません。
 その理由をかいつまんで御説明させていただくならば、今御議論をいただいている対策の部分ですね、十一本の法律の方でございます。こちらが通りましたら、これを寄託国に出すわけでございますので、これが国内対策としての全てでございます。
 また、アメリカ側の議会に認証というシステムがあるということは承知しておりますけれども、こちらがもう既にそれを出している以上は、それを変更するには国会の御審議をいただかなければならなくなる。そして、私が反対とお話をさせていただいている以上は、私は反対の立場でございますので、それを出す所管大臣にはなり得ない、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
○緒方委員 もう少しだけ踏み込んで考えてみると、TPP交渉の再交渉はしない、これは承りました。あえて、少しうがって見てみると、TPP協定は全くいじらないけれども、それを補完するような新たな協定、TPPプラスアルファのような、法的には全く別の協定で何か他国からの要望に応えるとか、そういった可能性についても排除されているということでよろしいですか。石原大臣。
○石原国務大臣 この点は、TPPの三十章から成る大きな法律等々を見させていただきましても、新たに他国からの要求によって、もちろん再協議というものはございますけれども、新たに国内的な手続を一国の要求によって一方的にやられるというものはないと承知しております。
 これはたしか二十七章だったと思いますけれども、国内法をTPPによって新たに変更することを求めるものはないということでございますし、コンセンサス方式あるいは相互主義にのっとって一国からそういう要求、要望があるかもしれませんけれども、それに対しては両国の合意がなされない限りないというふうに理解をさせていただいているところでございます。
○緒方委員 再交渉はやらない、新しい協定もやらない、国内法を改正しろというその要求にも応じない、それは法的拘束力があるものであってもないものであっても応じない、ここまで確定したわけですが、それで、私、少し、さらにここから気になるところがありまして、ここから農林水産大臣にお伺いをいたします。
 数カ月前ですが、私のところにアメリカのロビイストがやってきました。そして、畜産物のマルキンについて、マルキンというのは、畜産物の価格が下がったときに、現在八割まで補填する、予算措置で現在やっているわけですが、このマルキンの制度について、これから法制化をした上で補填率を九割まで上げる、この二つが今回上がっている法律の肝だと思いますが、これについてアメリカの議会が反発していますとか、そういったいわば圧力のようなものを私の目の前で言っていきました。私、しかるべき反論をしておきましたけれども、極めて不愉快なことです。
 ただ、このとき私が気になったのが、補填率の話というのは、今回の法律で省令事項であります。別に、法律が通ったからといって、マルキンの補填率が九割だということが確保されるわけではありません。
 その中で、今国会でのさまざまな議論を聞いておりまして、大臣の答弁を私は全部見ました、マルキンに関するもの。前国会、森山大臣が答弁しているときというのは、必ずマルキンについて述べるときはマルキンの法制化及び補填率の引き上げという表現で答弁をいたしておりました。マルキンの法制化及び強化とか補填率の引き上げとか、こういう表現で必ず答弁をしていたんですが、このTPPの特別委員会、今国会で行われる委員会で大臣はどう答弁しているかというと、マルキンの法制化としか答弁していないんです。補填率の引き上げの話が落ちているんですね。
 それを見たときに、私、一抹の不安がよぎりました。もしかしたら、アメリカから圧力がかかったときに、マルキンの補填率を八割で維持するとか、九割にしないとか、そういう可能性が実は政府の中で検討されていて、その思いが実は、これまで答弁していたマルキンの法制化及び強化とか補填率の引き上げということの後半の部分を落とすようになったということなんじゃないかというふうに思ったわけです。
 大臣にお伺いをいたします。マルキンの補填率は必ず九割で実施する、よろしいですね、大臣。
○山本(有)国務大臣 大変いい質問をいただきました。私がこの宣言をする大変いい機会でございます。
 この法制化及び補填率の引き上げ九割、省令できちっとやっていきます。
○緒方委員 これで不安が払拭されたわけでありますが、ただ、大臣、それであれば答弁は、マルキンの法制化及び強化とか補填率の引き上げときちっと言わないと、明らかに森山大臣の答弁と山本大臣の答弁は違うんです。違っているから、だからこういうことを聞かなきゃいけないんです。不安は起こさないようにしていただきたいと思います。
 続きまして、食の安全ということについて、食品表示の問題についてお伺いをいたしたいと思います。
 まず、総理、ちょっと一つお伺いをさせていただきたいんですけれども、目の前に焼きトウモロコシがあるとします、目の前に二つ。片方が非遺伝子組み換えです、片方が遺伝子組み換えです。どっちを食べますかと聞かれたときに、大臣、どちらを選ばれますか。
○安倍内閣総理大臣 私は、余りこだわらない方なんですが、それを遺伝子組み換えと非遺伝子組み換えと言われたら、これは非遺伝子組み換えだろうなと思います。
○緒方委員 それが恐らく大半の国民の思いだろうと思います。
 では、日本のトウモロコシの主要輸入国と最大輸出国における栽培状況の推移ということなんですが、これを見ていただくとわかりますとおり、これは農林水産省の独立行政法人が出しているデータでありますが、おおむね、アメリカから輸入しているトウモロコシの八八%は遺伝子組み換えだ、ブラジルから六八%、アルゼンチンから八五%、そして、全体の七一%については、日本が輸入しているトウモロコシの七一%は遺伝子組み換えだということになっています。
 フリップをかえたいと思います。
 次は大豆でございまして、大豆も同じであります。アメリカから輸入している大豆の九三%、ブラジルからの八八%、カナダ九四%、全体で八九%のものが遺伝子組み換えだということになっているわけですね。
 これは、先般、松浪議員もこの委員会で質問されたとおりですが、しかしながら、私も実は松浪議員と同じことをやっておりまして、スーパーに行きまして、表示をひっくり返して見ました。遺伝子組み換えを含むと書いてあるものというのは、私が見た限り、さまざまなスーパーに行って見ましたけれども、唯一、一つだけでした。アメリカから直輸入しているポテトチップスが、不分別と書いてありました。これだけなんです。
 しかしながら、実際輸入しているのはこんなに輸入しているんですね。
 まず、松本大臣にお伺いいたしたいと思います。なぜですか。
○松本国務大臣 遺伝子組み換え農作物は、食品安全委員会が行う厳正な科学的評価によりまして安全性について問題がないとされたもののみ、食品衛生法に基づいて食品としての流通が認められるわけでございまして、よって、国内で流通する遺伝子組み換え農作物及びこれを用いて製造された加工品の安全性は確保されているという点で、御懸念には当たらないという思いでございます。
○緒方委員 全然答弁になっておりませんで、私が質問したのは、これだけたくさん輸入しているのに、なぜ、表示のところで、普通に市販されているものを見てこれだけ表示がないのかということを聞いています、大臣。
○松本国務大臣 前段で申し上げましたように、安全ということで、いずれも安全という確認がなされているからということでございます。
○緒方委員 私は、安全性がどうであるかということを聞いていません。表示がないことについてなぜですかというふうに聞いているんです、大臣。
○松本国務大臣 これは、食品表示基準違反、この罰則の対象となることから、義務表示の対象となる加工食品については、当該食品が遺伝子組み換え農作物を含むものかどうか科学的に検証できることが前提となると考えております。
 組み換えられたDNA及びこれによって生じたたんぱく質が製造工程で除去、分解、また、これらを検知できない加工食品については義務表示の対象としてはならないというようなことから、いずれその量がどちらにバランスしてくるという状況での議論ではなくて、加工品についても義務の表示としていないということでございます。(発言する者あり)
○緒方委員 だって、委員長、わからないでしょう。委員長、今の答弁、わからないでしょう。
○塩谷委員長 もう少し簡潔にお願いできますか。わかりやすく。(発言する者あり)
 時計をとめてください。
    〔速記中止〕
○塩谷委員長 速記を開始。
 松本国務大臣。
○松本国務大臣 遺伝子組み換え食品についてですが、大豆などの遺伝子組み換えなどについては、当然、義務で表示がされなければならないということになりますね。またさらに、不分別などのものについても同様、義務となっておりますが、加工されているものについては、遺伝子組み換えではないなどについて、これは任意ということでの対応になっているところでございまして……(緒方委員「大臣、もう一回確認します」と呼ぶ)
○塩谷委員長 改めて整理して答弁してください。改めて整理してから。
 次の質問できませんか。
 それでは、安倍内閣総理大臣。
○安倍内閣総理大臣 ただいま松本大臣からお答えをさせていただいたわけでありますが、表示の観点からお答えをしますと、遺伝子組み換え表示の義務表示の対象となる加工食品については、当該食品が遺伝子組み換え農作物を含むものかどうか科学的に検証できることが前提となると考えておりますので、例えば大豆加工品のうち、豆腐等については、これはわかるわけでありますが、一方、食用油やしょうゆ、こういうようなものは搾ったものでありますが、これは、組み換えられたDNAやそれによって生じたたんぱく質が、加工工程において除去、分解され、最終製品においてこれは検出できないわけでございますから、表示義務の対象にはなっていないということでございます。
○緒方委員 総理から答弁がございました。
 もう少し言いますと、総理の言われたのはそれは事実でありまして、組み換えられたDNAとかそれによって生成したたんぱく質が含まれない場合は遺伝子組み換えを表示しなくてよいとか、あと、主な原料、上位三位に入らなければ表示義務がないということと、そして、五%以下の意図せぬ混入には表示義務がないとか、こういったことだと思うんですよね。
 松本大臣、もう一度お伺いします。これでよろしいですか。
○松本国務大臣 御説明をしておりますように、安全性を担保するというのが前提で食品流通が進められております。
 それで、安全か否かということを証明するには、やはり基本的には、科学的な確認をした上で、安全性を確認することができない状況にあるということの中から、それを確認するすべがないということが今のお話の基本だと思います。
○緒方委員 安全性が確認できるかどうかということが基準だというような話をされましたが、遺伝子組み換え、これだけ輸入されているわけでありまして、全部安全と政府で判断していないのであれば、そもそも禁輸しなきゃいけないわけでありまして、今の大臣の答弁は物すごく変なんですよね。
 大臣、明らかに答弁がおかしいわけでありまして、もう一度。
○松本国務大臣 申し上げているのは、遺伝子の確認ができないということを言っているわけでございます。
○緒方委員 先に進まないと、本当に質問が、せっかく用意しているものが終わらないので、もうこのまま進みますけれども。
 ただ、町中でいろいろな表示を見ておりますと、これも松浪議員が御指摘しておられましたが、表示の義務のないものは、しょうゆとかがそうですね、大豆でいうと。そうすると、そういうところで、例えばしょうゆで表示がない場合は恐らく使っているんだろうなという推察が何となく働きます。逆に、表示義務のある豆腐とかで表示がない場合は、これは使っていないということであります。
 今、消費者というのは、こういう組み換えられたDNAやそれによって生成したたんぱく質が残っていないもの、これが何であるかというのも結構難しいわけですよ。では、とんがりコーンはどうなんだとか、そういう話もあって、あれは義務があるのかどうか、こういう話もあるわけでして、そういったいろいろな情報を全て消費者が知り得ないと、知らないと、今自分が食べているものが遺伝子組み換えなのかどうかわからないという状況。
 これだけの情報を仕入れていかないとだめだというのは、これは消費者の選択する権利を著しく狭めていると私は思うわけですが、消費者担当大臣。
○松本国務大臣 遺伝子組み換え農作物は、食品安全委員会が行う厳正な科学的評価により安全性について問題がないとされたもののみ、食品衛生法に基づいて食品としての流通が認められております。これによりまして、国内で流通する遺伝子組み換え大豆及びこれを用いて製造されました食用油あるいはしょうゆなどの安全性は確保されております。
 議員が御懸念を感じている、遺伝子が検出できないものについて表示の対象とすべきではないかという点についてお答えをいたしますと、遺伝子組み換え表示の義務表示の対象となる加工食品については、当該食品が遺伝子組み換え農作物を含むものかどうか科学的に検証できることが前提となっているわけでございまして、これによりまして、食用油あるいはしょうゆ等について、組み換えられたDNA、それによって生じたたんぱく質が、加工工程において除去、分解、最終製品について検出できないことから、表示義務の対象としていないということでございます。
 現在、食用油やしょうゆ等の表示義務の対象ではない品目について、最新の分析技術を用いて組み換えられたDNA等が検出できるか検証する、表示対象品目の検討に係る調査を実施しているところであり、この調査結果を踏まえて制度のあり方について検討を進めてまいりたいと思っております。
○緒方委員 私が聞きたかったのは、今、消費者が自分が食べているものが遺伝子組み換えかどうかということを知ろうとすると、物すごく多くの情報を持っていることを国が要求しているわけです。これだけのことを知っていないと自分が食べているものが遺伝子組み換えなのかそうでないのかがわからない状態というのは、国民の知る権利の観点からよろしくないのではないですかということを聞いていて、私は安全性の話なんか一言も聞いていないです。松本大臣。
○松本国務大臣 安全性のことは大事な話なのです。
 それで、その前提で、これを科学的に検証できるということが前提となるわけで、それが、調べることができないものを表示するということが今できないということでございます。(発言する者あり)
○塩谷委員長 ちょっと速記をとめて。
    〔速記中止〕
○塩谷委員長 速記をスタートしてください。
 松本国務大臣。
○松本国務大臣 それは、消費者の皆さんが情報をたくさん欲しいということについてはまさにそのとおりと思いますが、しかし、その中で、これはその検証ができるできないというのは大変重要なところでございまして、はかることができないということから、これについては表示をするという義務の対象となっていないということでございます。
○緒方委員 先ほど、冒頭、私は安倍総理に聞きました。焼きトウモロコシが二つ並んでいて、どちらがいいですかと。あえて選ぶとすれば、遺伝子を組み換えていないものがいい、これは国民の素直な感情だと思います。
 そして、その感情を満たそうとすると、表示義務を今のそれと見合わせたときに、今の表示の義務の規定だと物すごく多くの情報を持っていなきゃわからないということがおかしいと思いませんか、国民の知る権利との関係でいかがですかと聞いているんです。安全性の話は特にしておりません。大臣、いかがですか。
○松本国務大臣 この知る権利というものについては、それは大切に受けとめなければならないと思いますが、技術の進展とともに、最新の分析技術を用いてこのDNA等を検出できるかというような検証について、これからしっかり検討を進めていく必要があると思います。
○緒方委員 委員長も今少しにやっとされましたが、委員長の本音を恐らくあらわしているんだろうと思います。ただ、もうこれ以上聞いても時間が無駄なので、もう少し進みたいと思います。
 これまで、安倍総理大臣、食品の表示について今回のTPPで変更を迫られることはないというようなお話をされました。
 それがどうであるかということはこれからまた別途検証させていただきたいと思いますけれども、今回のTPPの規定を見ておりますと、こういう表示をする、強制規格といいますけれども、この部分に新しく規制が、これまでの例えばWTOとかそういったところになかった、新たに遺伝子組み換えの表示を強化しようとするときに、今回のTBT協定の中に新しく義務がかかっておりますね。何ですか、石原大臣。
○石原国務大臣 ただいまの委員の御指摘は、TBTの八章のところに書かれております透明性を強化することが、WTOの貿易の技術的障害に関する協定、いわゆるWTOのTBT協定に書かれているものにさらに明確にされているものは何かという御質問だと伺わせていただいたんですが、それは、TBTの、貿易の技術的障害章においては、透明化がより明確に規定されるという形で四項目指摘させていただいております。
○緒方委員 いや、そうではなくて、これは私は質問主意書で聞いているので、後ろの方はちゃんと情報を出してあげてください。
 新しく例えば遺伝子組み換えの表示を強化するとかそういうことをしようとするときに、これまでになかった義務がかかりますね、TBT章。いいところまで来たんです、第八章の七条なんです。いいところまで来ているんです。なので、どういう義務がかかりますかということを聞いているんです、大臣。
○石原国務大臣 先ほど、ですから、具体的にもっと言いましょうかと言ったら手を振られたもので、説明しなかったんですけれども、それでは、具体的に説明をさせていただきたいと思います。
 国際規格に適合的な措置であっても貿易に著しい影響を与える場合はWTOに通報すること、WTO通報と同時に各締約国に当該通報及び提案を電子的に送信すること、三つ目が、他の締約国の利害関係者が意見を提出する期間を通常六十日間とすること、最終的な措置の公表と実施の間に設ける適当な期間を通常六カ月以上とすることを新しく規定しているということでございます。
○緒方委員 私が文書質問で聞いたときの答弁と違うんですね。
 今回、もう自分で言いますけれども、新しい義務として、他の締約国の者に自国の者に与える条件よりも不利でない条件で強制規格及び任意規格の作成に参加することを認めることと。つまり、遺伝子組み換えの表示を強化しようとしたら、その強化の策をつくるときに、アメリカの業界関係者とかその人たちに、その規格をつくるのに参加することを認めなきゃいけないと書いてあるんです。
 これでよろしいですね、大臣。
○石原国務大臣 きょう午前中にこの議論がございまして、そのようであるというふうにお答えをさせていただきましたが、あわせて言わせていただきますと、コンセンサス方式でもございますし、日本もパブリックコメントという形で、各国の業界の方々が日本の政策に対してこういう意見であるということは聞かせていただいておりまして、それで十分にこの条項については適応できているというふうに解釈させていただいているところでございます。
○緒方委員 質疑時間が終わりましたのでもうこれで終わりますけれども、大臣、パブリックコメントと全然違うんです。それはでき上がったものについて意見を聞くんです。そうじゃないんです。今回は、規格を作成するところから外国の人たちが入ってくることが認められているんです。全然違いますよ。できたものと、つくるときというのは全然違います。そこに不安があるから、だから、このTBT協定によると、新しい食品表示の規制を設けようとすることが著しく困難になる、そういうことではないかということを述べさせていただきまして、質疑を終えさせていただきます。
 ありがとうございました。
○塩谷委員長 次に、畠山和也君。
○畠山委員 日本共産党の畠山和也です。
 きょうは時間が短いですので、早速質問をさせていただきます。
 きょうは、第十一章の金融サービスについて伺います。
 TPPは、広くサービス分野も対象となり、国内外の競争にさらされます。そこで、心配の声が上がっているのが共済の分野になります。これは同僚議員がきょうも午前中、質問を行いました。
 御存じのように、共済の原点は助け合いです。営利を目的としないで、仲間同士や団体の構成員同士で自主管理のもと運営するものです。共済は保険業法の適用を受けることとなりますが、特例となる小規模な自主共済ですとか、業法の対象外となるJA共済などの制度共済もあります。営利目的や不特定多数と契約する保険とは原点も、あるいは運営も違うものです。
 そこで、この第十一章の金融サービスの章ですが、これは保険などについて書かれている章です。中に、第二条三、四、五項などで適用されない例外や留保表などもあります。
 そこで、聞きます。
 きょう午前中も石原大臣の方に、この共済が全ての金融サービスに含まれるかと同僚議員が質問したところ、含まれるものも含まれないものもあるなどの答弁もありまして、また、この留保表や実際の例外などに規定となるのかならないのか、少し整理して改めて答弁してください。
    〔委員長退席、菅原委員長代理着席〕
○石原国務大臣 まず、そもそもの金融サービスの章のところに共済という形で特有の規律は存在していない、これが基本でございます。
 そして、畠山委員が御指摘になりましたように、共済にもさまざまな形がありますので、それによってそれが適用除外に当たるのか当たらないのかを判断する必要があるという形で、きょう午前中御答弁をさせていただきました。
 さらに、では具体的にどんな共済がどうなのかということをお話をさせていただきますと、もう委員が御指摘のとおり、共済というのは多様な形がございます。法令上の根拠の有無、提供主体の性質、それによって金融サービスの適用除外を受けるか受けないのかということが決まってくる。仮に一〇〇%国家がお金を出しているような共済であるならばこれは適用されない、このように整理をさせていただいております。
 個別の共済について金融サービスが適用されるか否かについては、個別の共済の根拠法令等を精査する必要がありますが、一般論として申し上げるならば、先ほど来申し述べさせていただいているように、共済の活動またはサービスに政府の財源が使用されている場合には第十一章二条三項(b)に基づいて適用除外を受ける可能性がある、こういうふうに理解をさせていただいているところでございます。
○畠山委員 つまり、政府がお金を入れている共済、例えば、小規模企業共済、中小企業倒産防止共済、中小企業退職金共済など以外は、一般に共済もこの金融サービス章の対象となり得るということで確認いたします。
 それで、では何にこの共済をめぐって心配の声が上がっているかといえば、保険と同等に競争環境に置かれるという心配の声です。
 そこで、USTRなどからの問題などはずっとこの委員会でも出されてきたわけです。
 共済について言えば、例えば二〇一一年、このように書かれています。米国政府は、対等な競争条件を確保するため、共済は、金融庁による監督下に置かれることを含め、民間セクターのカウンターパートと同じ規制水準、監督に服するべきだと考える。
 また、二〇一五年には、米国政府は、金融庁規制に服さない保険事業を有する共済に対して金融庁に監督権限を与えるという方向の進展を逆転させる動きについて引き続き懸念を有する。これはどういうことかというと、保険業法の改正が一度ありましたよね、これに対して逆転する動きではないかというのが米国政府の捉え方です。
 こういうような要求が背景にあって、共済団体から心配の声が出るのは、私は当然だと思います。
 そこで、聞きます。
 このようなUSTR、米国からの要求が背景にあって、今回のTPP協定では共済は留保あるいは例外などとはされていないのではありませんか。いかがですか。
○石原国務大臣 先ほども申しましたとおり、金融サービスのところで共済に関する規律はないと承知をしているわけでございます。
 そして、委員は今、アメリカとのお話をされましたので、サイドレターの中での話を付言させていただくとするならば、サイドレターの中にも共済制度は入っておりません。
 ということは、議論にも上がらなかったし、団体がそういう意見を言われたということは事実かもしれませんけれども、今回の協定の中において、これをどうしろ、ああしろという議論は日本が協議に参加してから一切なかったというふうに理解をしているところでございます。
○畠山委員 それならば確認をいたします。
 共済の分野で日本政府は米国にどのような立場で主張をしてこられたでしょうか。これは総理、答弁よろしいですか。
○石原国務大臣 日本のスタンスについてのお話がございました。
 二〇一六年の外国貿易障壁報告書に対する日本政府のコメントとして、共済に関して日本のスタンスを明確にお示しさせていただいておりますので、では、それをちょっと読み上げさせていただきたいと思います。
 協同組合による共済は、一定の地域、職業または職域でつながる者が構成した協同組合の内部において、組合員みずからが出資し、その事業を利用し合うという制度であり、広範な組合員間の活動の一環として行われるものである。このため、組織の特徴を踏まえた独自の規制が必要であり、これらの共済事業はそれぞれの組織の所管官庁において、法律の範囲内で、その特性に応じて適正に監督されている。
 これは事実を明らかにしているんだと思います。
 よって、このような規制スキームが共済に競争優位性をもたらしているとの指摘は当たらない。
 最後のところが全てだと思いますけれども、アメリカ側からとやかく言われたときに、競争優位性を、共済という制度であるからこそ、他の保険に対して持ってはいないということを政府のスタンスとして明らかにしたものだと承知をしております。
    〔菅原委員長代理退席、委員長着席〕
○畠山委員 総理も同じような認識でよろしいですか。確認します。
○安倍内閣総理大臣 同じであります。
○畠山委員 今読み上げていただいたUSTRに対するコメントの共済の部分というのは、極めてまともなことをきちんと書かれているんですよね。組織の特徴を踏まえた独自の規制が必要なものだということは、冒頭に私が述べた共済の歴史や成り立ち、特徴からいっても当然だと思います。
 ですから、そうであるならば、なぜ金融サービス章で共済は留保や例外にしなかったのかという疑問が湧きます。TPPのもとで、それならば、共済は結局のところは開放の対象となるのではないかという疑問が湧くのは当然だと思います。違いますか。
○石原国務大臣 先ほど来御答弁をさせていただいておりますように、共済というものがそもそも議論の俎上に上がらなかった以上は、今、USTRに対する我が国の反論をさせていただいておりますけれども、アメリカ側からもそのようなものがなかったと私は承知しておりますから、留保がなかったのではないかと推測をするところでございます。
○畠山委員 議論の俎上に上がっていないから留保するかしないかではなく、日本政府として、先ほど述べたように、共済は大事な役割があるということを述べているわけですから、これはきっちりと物を言う必要があるのだろうと私は思うんですよ。
 そこで、TPPというものは、この間議論がありましたように、いろいろな仕組みで、農産物の関税等もそうですが、非関税障壁においても国内法がゆがめられていくおそれがある仕組みがいろいろな章にちりばめられていると私は思います。
 例えば、この第十一章の第十九条、金融サービスに関する小委員会があります。これは、どこの章にも小委員会はあることはきょうも午前中から議論されました。この小委員会は、締約国の金融サービスに関する問題について検討するとしています。
 日本の共済制度はこの検討の対象にはならないと言えるのでしょうか。ちなみに、相互主義の話は理解した上で聞いております。石原大臣。
○石原国務大臣 ただいまの畠山委員の御指摘は、金融サービスの十一章十九条について、小委員会の対象になるのかならないのかということで、コンセンサス方式のことはもうわかっていらっしゃるということでございますよね、相互主義だからという点。
 その上で言わせていただくならば、小委員会の決定はいずれの国からも反対がないことが条件になっておりますので、委員の御懸念は当たらないのではないかと思っております。
○畠山委員 懸念の問題ではなく、客観的に対象となり得るのかどうかをお聞きしています。もう一度答弁してください。
○石原国務大臣 懸念という言葉はちょっと改めまして、要するに、アメリカから日本に対して、先ほどの話のように、共済は他の同様な機関に対して優越的な地位があるんじゃないかということでそういうものが起こったとするならば、委員の御指摘は、制度を改めろ、そういうものがあるのではないかという御懸念ではないかと思ったから、そういうふうに懸念という言葉を使わせていただいたんですが、もし仮にそういう事態だとするならば、日本国が制度を変更することはないと明確に断言をさせていただきたいと思います。
○畠山委員 何かかみ合っておりません。客観的に対象となり得るのかどうかということだけを聞いています。もう一度お願いします。
○石原国務大臣 ちょっと私の理解が違ったら恐縮なんですけれども、小委員会で問題に上げることは何でもできるわけですね。何でも問題にできる、それは全ての小委員会がそうである、これは午前中の議論で明らかにさせていただきました。
 それで、委員は、共済についてはどうなんだという畠山委員の御質問だと思いますので、我が国のスタンスは、先ほど、USTRに対する我が国の反論という形で、優越的な地位を持っていない、イコールフッティングで事業を行っているという解釈を反論として申し述べさせていただいている以上、我が国の国益に反するような、すなわち、我が国は先ほど言ったように考えているわけですから、それに対して制度変更を求めてきても制度変更は行わない、こういうふうに理解をしていただければと思います。
○畠山委員 冒頭にありましたように、一般的になるかどうかといえばということで聞いたので、その後のことは、おっしゃられる答弁で、日本としてはそういうような意思はない、言われても変えないということは、それはそれで別の話で聞いていたわけです。ですから、対象となることは、否定はもちろんできません。
 もう一つ伺いたい。
 第二十五章に規制の整合性という章もあります。ここでも同様に、各締約国がルールを一致させるための章でありまして、同じように、第二十五章も第八条の定めで小委員会がつくられることになっています。ここの特徴というのは、利害関係者が意見を提供できる仕組みができているということになります。
 同じようなことを聞きます。客観的な、一般的なことで結構です。共済はここでも対象として取り上げられないということはないはずです。そうですよね。
○石原国務大臣 先ほど御答弁させていただきましたけれども、全ての問題について取り上げることは理論的にはあり得るということが前提でございます。
○畠山委員 そういうことでありまして、問題はここからです。
 相互主義だから日本がうんと言わなければ変わらないとか、先ほどから述べているように、共済は日本は守るべきだということだから変わらないということを主張されてきました。しかし、TPPにおいては、協定文書を真ん中に置いて、これまでも並行協議をしてきましたし、サイドレターという形などでいろいろな約束はされてきております。
 この委員会では、その米国との書簡、サイドレターについてはさまざまな委員が取り上げました。食の安全あるいはかんぽ生命保険など、米国から要求されっ放しじゃないかという中身です。また、昨日は、我が党の笠井亮議員が、将来の保健医療制度まで議論の対象としているではないかと指摘しました。これらの指摘に対して、政府は、サイドレターに法的拘束力はないということを答弁し続けてきました。
 そこで、先ほどから石原大臣も答弁されていた、二〇一六年外国貿易障壁報告書に対する日本政府のコメント、これをずっと読んでみてびっくりしました。一ページ目の概観のところに、サイドレターについて触れているところがあります。後ろの方が持ってきていると思いますよ。石原大臣、ここに何と書いてありますか、サイドレターについて。
○塩谷委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○塩谷委員長 始めてください。
○畠山委員 では、中身、そのお持ちのコメントの部分をお読みいただけますか。
○石原国務大臣 済みません、サイドレターは二国間でやるもので、私の方で持ち合わせておりませんで。
 報告書のところを読ませていただきます。
 「「TPPに加え、米国は、通商に関連した日本との諸問題について、二国間及び他の場で取り組んでいく」との記述があるが、我が国の通商に係る諸制度については、農林水産品の貿易に係るものを含め、WTOと整合的に実施しているとの認識である。また、TPPについては、譲許表を含む協定や協定に関連して作成された文書(いわゆる「サイドレター」)に従って着実に実施していく考え。」このように記述されております。
○畠山委員 つまり、共済の大事な必要性についてはこの文書で書きつつも、一方で、この概観で、サイドレターに従って着実に実施していく考えだということが書かれております。
 共済については、確かに二〇一六年のUSTRのものには書かれてはおりません。しかし、この間、先ほど紹介したように、各年において、共済に対してのイコールフッティング、さまざまな規制の緩和ということは要求され続けてきました。ですから、TPPの協定はもちろんですが、並行交渉、あるいはサイドレターなどを通してこのようなことが実現されていく、着実に実施されていくということがあるのではないかという疑念は当然湧きます。
 総理、この事実を御存じだったでしょうか。
 このようなサイドレター方式だけでなく、USTRは、外国貿易障壁報告書で次のようにも書いています。「TPPに加え、米国は、通商に関連した日本との諸問題について、二国間及び他の場で取り組んでいく。」このように、TPPに加え、さまざまな形でこれまでの要求を通していくというわけですから、共済はもちろんその対象になるでしょう。
 総理、これは最後ですから、総理です。
 共済制度をきちんと守れるとコメントの中でも書いていたことがちゃんとできるかどうか、総理がきちんと答弁してください。
○安倍内閣総理大臣 TPP協定における金融サービス章には、共済特有の規定は存在をしておりません。そして、保険等の非関税措置に関する日米間の書簡においても共済に関する記述はないわけでありまして、一番最初に石原大臣から読ませていただいたような我が国の方針は、これは全く堅持される、このように考えております。
○畠山委員 二重、三重に国内の制度を変える仕組みを持つのがTPPだということを先ほど述べました。また、日本は、米国と書簡を通じて、自主的に変更する形でTPPの中身に沿っていける、このサイドレターの道が開かれるということもきょう私は指摘をしました。中身においても、実際の実行のやり方も、これでは容認できないやり方です。
 時間がありません。まだこの続きを議論しなければなりません。さらなる地方公聴会や中央公聴会も必要です。これらを受けた審議も必要です。徹底審議を引き続き求めて、私の質問を終わります。
○塩谷委員長 次に、小沢鋭仁君。
○小沢(鋭)委員 冒頭、三笠宮崇仁親王殿下の薨去に対し、哀悼の誠をささげたいと思います。
 日本維新の会の小沢鋭仁でございます。
 総括的集中審議ということで、私、先般、北海道の公聴会に参加をし、意見を聞いてまいりました。さらにはまた、この委員会の議論を聞かせていただいてまいりました。そういったことをベースに、本日は質問をさせていただきたいと思います。
 順番を変えさせていただいて、農業の問題から入らせていただきたいと思います。
 ずっと議論を聞いていまして、総理、私や総理が初当選をした一九九三年、ガット・ウルグアイ・ラウンドというのがありました。いわゆる米のまさに国内輸入、ミニマムアクセスを決めたときのことであります。一九九三年の十二月だったと思います。そのときと今回の議論、本当に全く変わっていないと思います。
 六兆円を超える農業対策費を、あの当時、野党だった自民党が要求して決めました。私は、日本新党の政策委員長でした。全く今回も同じなんじゃないでしょうか。攻めの農業とか、そういう言葉は出ています。しかし、二十三年間たって、日本の農業は強くなったんでしょうか。六十六歳を超える高齢化が進んで、そして生産額は減ってというのが現状ではないんでしょうか。
 まさに我々日本維新の会が主張しておりますのは、このTPPをきっかけに本当に日本の農政を強くしていく、そのための政策を打っていかなければいけないんじゃないかということを先般も申し上げました。同時にまた、つらい立場に立つ人たちにはしっかりとした手当てももちろん必要だということも申し上げました。
 その二つのことを考えると、二つの要請があるわけですね、政策目的が。強い農業をつくるという話と、それから、北海道の公聴会に行ったときに公述人の方が言っていたのは、日本は家族農業だ、そうした家族農業を守らなければいけないという話を強く主張されていました。この二つの、ある意味ではなかなか両立するのが難しい政策案件を実現しなきゃいけない。
 私ども維新の会は、まさに後継者問題や何かを含めて、徹底的にオープンにしていかなければいけない、まさに農地法を変えオープンにしていかなければいけない、外に対しても開かなければいけない。そして同時に、まさに家族農業というような人たちに対しては、例えばこれは、直接支払制度とか、そういった形でのポリシーミックスを考えないと日本の農業は変わっていかない、こう思っています。
 例えば、強い農業をつくるといったときに、今の減反、生産調整をしていて、減反というのは要するに米価を維持する制度ですから、強い農業、輸出できる米をつくっていくという話のときは、安くしなきゃ強くならないんですよ。減反は全く逆効果です。ですから我々は、減反を廃止しろ、こう言っているわけです。
 こういった二つの目的を両立させていく政策に本気になって取り組もうじゃありませんか。総理のお気持ちを聞かせてください。
○安倍内閣総理大臣 まさに、TPPを一つのきっかけともしながら、農業を強い農業にしていく。その中にあって、今、小沢鋭仁委員が御指摘になったように、家族経営である場合、あるいは中山間地域の状況、不利な条件の中で頑張っておられる方々もおられます。そういうさまざまな状況を酌みつつ、目配りをしながら農業を守りつつ。
 確かに、言われたように、平成五年の段階におけるあのウルグアイ・ラウンドのときには、守るということのみに全力を、私は野党でありましたが、守るということのみ我々は考えていたわけであります。自来ずっと一生懸命守ってきたんですが、結局、平均年齢も六十六歳を超える中において、攻めなければ守れないという結論に至ったわけでございます。
 そこで、攻める上においても、単純に、そんな簡単に強化できるものでは確かにないわけでありまして、そこで、さまざまな仕組みを総合的に、農政の改革を進めながら、多くの方々に御協力をいただきながら進めていきたいということでございまして、基本的には小沢委員と立場は同じではないか、このように思っております。
○小沢(鋭)委員 お気持ちはよく理解できます。
 具体的な政策で申し上げると、攻める農業といったときに我々が言っているのは、減反政策の廃止、それから、農地法の改正によって自由な土地取引ができるようにすること、それから、農協の独禁法の除外措置をなくすこと。具体的な政策をきちっと打たないと、強い農業はつくれませんよ。気持ちだけで強い農業をつくると言ってもだめだと思っていますので、ぜひ我々の政策を御勘案いただきたいということを申し上げたいと思います。
 同時に、先ほど申し上げたように、直接支払制度といったような話は当然あっていい、こう思っていますから、これは私の個人的な意見ですけれども、そういったポリシーミックスをしっかりやっていきましょうよ。ぜひお願いしたいと思います。
 それから、あと、北海道の、先ほど、午前中の質疑にもありましたけれども、中小企業の方が外に出ていくに当たって、模倣品の問題があった、大変苦労している、こういう話がありました。
 午前中の問題にも絡みますが、午前中の問題と違うところを一点申し上げると、まさにその公述人の方がおっしゃったのは、係争関係、裁判関係が大変心配なんだと、中小企業ですから。そして、もし万一そういったところで負けたりすると、これまた大変な損害があって、中小企業ですから倒れてしまう、こういう話があって、そういった意味では知財保険的なバックアップ体制というような話を考えてくれないだろうか、こういう提案がありました。いかがでしょうか。
○世耕国務大臣 そもそも、今回、このTPPが逆に成立することによって、この加盟国には、商標権や著作権を侵害する疑いのある物品を税関で職権によって差しとめなければいけないとか、あるいは商標の不正使用や著作権の侵害に対する法定損害賠償等の救済措置をつくれということになっています。この辺でかなり、御心配の中小企業の皆さんに応える対応ができるんじゃないかというふうに思っています。
 それに加えて、経産省ではいろいろな支援策をやっています。
 例えば、海外で自分のところの模倣品が出回っているのかどうかの調査費用とか、あるいは模倣品業者に対する警告状を送る費用ですとか、あるいは、実際、行政に訴えて摘発をする費用、そういったものもやっておりますし、あるいは、相手、侵害をしている国側にやはり知財をしっかり守る基盤をつくらなきゃいけないということで、そういったところのお金も出していますし、ジェトロに相談窓口をつけておりますし、あるいは、真贋判定セミナーといって、各国の警察とか税関職員に本物とにせものを見分けるそういうセミナーも実施するなど、ありとあらゆる努力をしているところでございます。
○小沢(鋭)委員 ありがとうございます。
 ただ、世耕大臣、その答弁はもうこの会で何回も聞いているんですね。ですから私は、あえて違うところで、まさに知財の保険的なバックアップ体制はいかがですかということを聞かせていただきました。
 昔、今もあるのかな、輸出保険というのがありまして、これは経産省所管なんですが、私、銀行のときその担当をやっておりまして、ですから、確かにこの知財関係の保険というのがあってもいいな、こう思っているものですから。
 いいですか、では簡潔に御答弁をお願いします。
○世耕国務大臣 知財だけではありませんけれども、中小企業が海外でいろいろな裁判とか係争に巻き込まれたときに、全国規模の中小企業等を会員にした団体を運営主体とする知財訴訟費用などを賄う海外知財訴訟保険制度を創設して、保険掛金への補助を実施しているところであります。
○小沢(鋭)委員 大いに進めていただきたいと思います。
 それから、あと、ずっと聞いていて、いろいろな業界の人たちの話だけではなくて、国民全般にかかわる話では、やはり食の安全の話なのかなと思って聞きました。
 我が党の松浪議員が、既にこの論点で幾つか質問をさせていただいております。今回のWTO・SPS協定をベースにしたこの話は、私も十分承知をしているところでございます。それが本当に科学的かどうかということで、先ほど、どなただったかな、緒方さんか玉木さんか、とにかく、科学的な話ということで投票で決めるという話はおかしいじゃないか、こういう話があって、これは松浪議員が一番最初に、六十九対六十七で投票で決まったという話が本当に科学的か、こういう質問をしているわけでありますけれども、国民の皆さんはこれを聞いていてここはやはり一番不安なんだろうと思うんですね。
 私、ずっと議論を聞いていましてつくづく思うのは、いろいろな表示の問題が必要だとかそういうことも感じましたけれども、科学的検証という話が本当にできるんだろうか。科学的に検証、科学的立場から云々、こういう話になるわけですね。ですから、そこのところを、現状、どうなっているんでしょうかと。あるいはまた、TPPをやっていくに当たっては、さらにそこを充実させていく、科学的研究体制の充実に取り組むという話が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○松本国務大臣 食品の安全性の確保を図るために、最新の科学的知見に基づく施策の策定が必要であります。こうした考えのもと、消費者庁が取りまとめる食品安全基本法第二十一条の第一項に規定する基本的事項において、食品の安全性の確保に関する研究開発のさらなる推進及び強化を図ることとされております。
 具体的な研究といたしましては、遺伝子組み換え食品、食品中に残留する化学物質等に係る安全性については厚生労働省、食品の健康影響に係る評価方法の確立については食品安全委員会、そして、生産から消費までの各段階におけるリスク低減技術の開発等については農林水産省がそれぞれ取り組んでおりまして、消費者庁の総合調整のもと、食の安全確保に向けた研究が推進されているところでございます。
 こうした取り組みを通じまして、関係府省庁が連携をいたしまして、国民の食の安全にさらに万全を期してまいりたいと存じます。
○小沢(鋭)委員 ぜひしっかりやっていただきたいと思います。
 今、話を聞いていても、幾つか縦割りの組織の名前が出てまいりました。しかし、消費者庁、松本大臣が全てのある意味では統括をするということでいいんですね、大臣。ぜひ、その心構えでしっかりやっていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○塩谷委員長 次回は、来る三十一日月曜日午前八時四十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時二分散会