第193回国会 外務委員会 第2号
平成二十九年三月八日(水曜日)
    午前八時三十分開議
 出席委員
   委員長 三ッ矢憲生君
   理事 黄川田仁志君 理事 新藤 義孝君
   理事 土屋 品子君 理事 中山 泰秀君
   理事 長尾  敬君 理事 小熊 慎司君
   理事 寺田  学君 理事 浜地 雅一君
      今津  寛君    小田原 潔君
      小渕 優子君    大野敬太郎君
      熊田 裕通君    佐々木 紀君
      島田 佳和君    鈴木 隼人君
      武井 俊輔君    津島  淳君
      辻  清人君    松島みどり君
      山田 美樹君    石関 貴史君
      吉良 州司君    渡辺  周君
      真山 祐一君    笠井  亮君
      足立 康史君    玉城デニー君
    …………………………………
   外務大臣         岸田 文雄君
   外務副大臣        薗浦健太郎君
   防衛副大臣        若宮 健嗣君
   法務大臣政務官      井野 俊郎君
   外務大臣政務官      小田原 潔君
   外務大臣政務官      武井 俊輔君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  永井 達也君
   政府参考人
   (法務省人権擁護局長)  萩本  修君
   政府参考人
   (外務省大臣官房儀典長) 嶋崎  郁君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 相木 俊宏君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 宮川  学君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 大鷹 正人君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 飯島 俊郎君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 四方 敬之君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 小野 啓一君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 小泉  勉君
   政府参考人
   (外務省領事局長)    能化 正樹君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房審議官) 土本 英樹君
   政府参考人
   (防衛省防衛政策局次長) 岡  真臣君
   政府参考人
   (防衛省統合幕僚監部総括官)           辰己 昌良君
   外務委員会専門員     辻本 頼昭君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月八日
 辞任         補欠選任
  大野敬太郎君     津島  淳君
  岡本 三成君     真山 祐一君
同日
 辞任         補欠選任
  津島  淳君     大野敬太郎君
  真山 祐一君     岡本 三成君
同日
 理事岡本三成君同日理事辞任につき、その補欠として浜地雅一君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
三月七日
 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 政府参考人出頭要求に関する件
 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二〇号)
 国際情勢に関する件
     ――――◇―――――
○三ッ矢委員長 これより会議を開きます。
 理事の辞任についてお諮りいたします。
 理事岡本三成君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三ッ矢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三ッ矢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 それでは、理事に浜地雅一君を指名いたします。
     ――――◇―――――
○三ッ矢委員長 次に、国際情勢に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房儀典長嶋崎郁君、大臣官房審議官相木俊宏君、大臣官房審議官宮川学君、大臣官房参事官大鷹正人君、大臣官房参事官飯島俊郎君、大臣官房参事官四方敬之君、大臣官房参事官小野啓一君、大臣官房参事官小泉勉君、領事局長能化正樹君、内閣官房内閣審議官永井達也君、法務省人権擁護局長萩本修君、防衛省大臣官房審議官土本英樹君、防衛政策局次長岡真臣君、統合幕僚監部総括官辰己昌良君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三ッ矢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○三ッ矢委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小熊慎司君。
○小熊委員 おはようございます。民進党の小熊慎司でございます。
 まず、北朝鮮の過日の弾道ミサイルの発射は大変許しがたい暴挙であり、これは、この周辺地域、東アジア地域のみならず、世界に対しての大きな脅威となっているところでもありますし、こうした冒険主義を許すということは、今後、世界の平和に大きくマイナスの影響を与えるということで、適正に対処をしなければならないところであります。
 この中で、政府においても、アメリカ、また韓国との連携をしながら対応していくということでもありますが、昨年十一月に採択された国連での安全保障理事会決議に基づく北朝鮮に対する新たな制裁措置は、中国が制裁の履行が不十分なために北朝鮮の核ミサイル開発をとめられていないというような側面も生じているところであります。
 そこで、政府においては、さまざまな外交ルート、または国連等を通じて中国政府に働きかける、北朝鮮への対応は、それは直接的な対応もありますし、同盟国であるアメリカ、また韓国といったところとの連携もありますけれども、やはり中朝関係ということを考えれば、中国政府に対するアプローチが必要だということであります。
 これまでもそれはやってきたところだというのは認識をしています。しかし、それでも効果が上がっていなかったということでありますから、今後、中国政府に対して、北朝鮮に対する対応を強く働きかけなければいけないところであるというふうに思いますが、今後の対応をお伺いいたします。
○岸田国務大臣 委員御指摘のように、安保理決議の実効性を確保する上において、中国の役割は大変重要なものがあると思います。国連安保理の常任理事国であり、六者会合の議長国であり、北朝鮮との貿易額の九割を占めているのが中国であります。こうした中国の役割は大変重要であると認識をしています。
 そして、御指摘の昨年十一月の安保理決議、決議二三二一号との関係でいいますと、昨年十二月の中国による北朝鮮からの石炭の輸入、これは、この安保理決議二三二一号の定める上限を上回るものであると認識をしています。
 そして、二月の十七日に、ドイツのボンにおきまして日中外相会談を行いました。その際に、王毅外交部長に対して、中国の責任ある常任理事国としての建設的な対応を求めるとともに、安保理決議の遵守の重要性について一致をし、引き続き連携をしていくことを確認いたしました。そして、その後、二月の十八日ですが、中国は、同決議の履行のため二〇一七年末までの間北朝鮮産石炭の輸入を暫定的に停止する、こうしたことを発表したと承知をしています。
 こうしたやりとりはありましたが、引き続き、決議の履行につきましては、国連安保理のもとに北朝鮮制裁委員会が設けられています、そしてその下に専門家パネルが設けられています、こうした枠組みを通じて履行の実効性をしっかり確認していくということになっておりますので、こうした枠組みもしっかり活用しながら、中国を初め関係国がこの安保理決議二三二一号を含む累次の決議をしっかり履行し、実効性が確保されるよう努力を続けていかなければならないと考えます。
○小熊委員 これまで政府も中国政府に対して強く要請してきたことは、今御説明のあったとおりでありますけれども、たび続くこのミサイル発射という事象を考えれば、さらなる新たな対応ということも考えないと、有効性という意味では足りていないのではないかというふうに思います。
 そういう意味では、これまでどおりの努力だけではなくて、これからまたしっかりと中国政府に北朝鮮に当たってもらうということもやっていかないと、二月にもやってまた三月にもやっているわけですよ。いろいろな対応をしながらですよ、国際社会がやっていながら。結局それが効果的になっていないというまた一つのあらわれでもありますから、今回の発射は。さらなるまた対応が必要になってくるというふうに思いますが、そうした検討はいかがですか。中国政府に働きかけも今までどおりではなくて、さらにまた働きかけをしていくという対応については、しなければいけないというふうに思うんですけれども、再度答弁をお願いいたします。
○岸田国務大臣 まず、今日までの累次の安保理決議、そして我が国を含む関係国の独自の措置による北朝鮮に対する制裁は、北朝鮮の厳しい経済状況を考えますときに、これは一定の成果が上がっていると認識はしておりますが、さらなる挑発行動が行われているということを考えますときに、引き続き、北朝鮮への対応というものについてどうあるべきなのか、真剣に考えていかなければならないとは認識をいたします。
 今回の弾道ミサイルの発射を受けて、我が国としましては、米国、韓国とともに安保理の緊急会合の要請を行い、恐らく八日には緊急会合が開かれることになると思います。この会合を通じてしっかりとしたメッセージを発出することをまず考えたいと思いますが、何よりも大事なのは、累次の安保理決議の実効性をしっかり確保すること、これが何よりも大事であると考えます。
 そして、その上で、北朝鮮の対応をしっかり見きわめた上で、何が最も効果的なのか、北朝鮮側から建設的な態度を引き出すためには何が最も効果的なのか、こういった観点から検討を続けていくべきであると考えます。
○小熊委員 日米韓というのはある意味対処的な話になってくると思いますし、根本的には、やはり中国がどう北朝鮮に対応していくかということが大きな比重を占めるというふうに思いますので、ぜひとも中国政府に対する働きかけというのは、現実起きていることをしっかりと見きわめながら、働きかけはその時々に応じて効果の上がる形で今後も続けていってほしいというふうに思います。
 一方で、こうした北朝鮮との緊張関係にありながら、拉致問題というのを解決に向けて停滞させるわけにはいかないわけであります。こうした緊張関係にある中でこれを解決に進めるということは大変難しい状況になってしまっていると言わざるを得ませんが、今のこの状況下において拉致問題をどう解決に向けて進めていくのか、改めてお伺いをいたします。
○岸田国務大臣 拉致問題は、我が国の主権、そして我が国の国民の生命と安全にかかわる重大な問題であり、国の責任において解決すべき課題であると認識をいたします。そして、北朝鮮による拉致の発生から長い年月がたつ中で、もはや一刻の猶予も許されない、こうした認識を政府としましても強く持っております。
 御指摘のように、北朝鮮をめぐりましてはさまざまな動きがあり、さまざまな挑発行動も続けられているわけでありますが、拉致問題の重要性に鑑み、政府としましては、引き続き、対話と圧力、行動対行動の原則のもとで、北朝鮮に対してストックホルム合意の履行を求めつつ、一日も早く全ての拉致被害者の帰国を実現すべく、あらゆる努力を傾注する決意であります。
 そして、あわせて、そのためにも国際社会、関係国との連携も重要であるということで、先日の二月十日の日米首脳会談におきましても、両首脳間で拉致問題の早期解決の重要性について一致をし、共同文書、文書という形では初めて首脳間で確認するということもさせていただきましたし、その後、ドイツのボンにおきまして、日米韓の外相会談を開催し、拉致問題の重要性について指摘をさせていただき、韓国、米国の理解と協力を求め、そして両国から支持を得た、こうしたやりとりも行っているところであります。
 引き続き政府としてしっかりと取り組んでいきたいと考えます。
○小熊委員 こうした点についても中国政府に強く働きかけるということが必要だというふうに思います。
 この北朝鮮問題については、この後の渡辺委員または吉良委員が触れますので、次の話題に移ります。
 南スーダンのPKOについてでありますけれども、これについては、これまでも予算委員会等で稲田大臣に対してさまざまな質疑が行われてきたところでありますけれども、ある意味、稲田大臣以上に知見、経験、またすばらしい若宮副大臣においては、この日報の報告なり説明なりがこれまでどういうふうに行われてきたのか、改めてお伺いいたします。
○若宮副大臣 過分なるお褒めの言葉をいただき、恐縮いたしておりますが、私は大臣の部下でございますので、改めて御認識いただければと思っております。
 御質問にお答えをさせていただきます。
 今御指摘ありましたこの南スーダン派遣施設隊の日報にかかわる経緯につきまして、私も、本年の一月の二十七日、大臣が事務方から報告を受けた日と同じ日に別途報告を受けてございます。
 南スーダンの情勢につきましては、防衛大臣と全く同じタイミングで説明、これは随時でございますけれども、その日の日程が多少違いますので、全く同じ瞬間で同じ時間かと言われますと、そこまで全く一緒というわけではございませんが、定期的に毎日報告を受けていることには全く変わりないところでございます。
 特にまた、重要な事象が発生したような場合には、当然、事務方の方から大急ぎで緊急の対応ということで報告が入るような形になってございます。
 また、昨年、今この日報の問題で話題になっておりますところの、七月のジュバにおけます武力衝突事案の際には、今委員も御指摘いただきましたように、私はそのときも副大臣を仰せつかってございました。省内に開かれました関係の幹部会議、また南スーダンの派遣施設隊長とのテレビ会談を実施させていただきましたが、当時は中谷大臣が大臣でおられましたけれども、中谷大臣とともに、そこにも同席をさせていただきまして、また適時、事務方からも報告を受けているような状況でございます。
 また、さらに、私自身もこの一月に現地、南スーダンには行ってまいりました。みずから参りまして、キール大統領、またタバン・デン第一副大統領、それからまたマニャン国防大臣、さまざまな方々にお会いさせていただき、またUNMISSの方の幹部とも懇談をさせていただき、情報交換をさせていただいておりますが、現地情勢につきましてはしっかり把握の上、防衛大臣をしっかり補佐してまいりたい、このように考えているところでございます。
○小熊委員 一月二十七日に報告、多少時間はずれたとしても、大臣と同じ日に報告を受けたということでありますが、この日報の問題というか、資料開示請求とかがあったのは昨年の話ですね。そのときに、副大臣はそういった状況を把握しておられましたか。これは大変重要な案件だなということで、大臣とやりとりはありましたか。
 ある意味、今ほど言ったとおり、別にお褒めの言葉でも、事実として、若宮副大臣の能力からすれば、これはやはり大臣と協議してしっかりと状況を把握しなきゃいけないんじゃないかということを、若宮副大臣なら発想したんじゃないですか。昨年からこの日報の問題は出ていますよね、この資料開示請求とか。どういう問題意識を持ちましたか、そういうときに。
○若宮副大臣 今委員が御指摘のように、昨年の十二月の十六日に、稲田大臣の方から、日報の廃棄について説明を受けるということがございました。私自身が、実際、この説明を聞きましたのが、確かに、一月の二十七日の日に事務方から報告を受けてございます。
 本来ならば、確かに、その十二月の十六日のときにあわせて報告を受けるのが望ましかったということは、もうおっしゃるとおりであろうかというふうにも思っておりますが、その点につきましても、私の方からも事務方には、しっかりと報告をするようにということで指導いたしたところでもございます。
 それからまた、例えばその経緯につきましては、この日報というのが、もう委員御承知のとおりだと思いますけれども、実際には用済み廃棄という扱いの書類でございますものですから、その後の状況というのが、もちろん、当時の七月の状況は、先ほども申しましたように中谷大臣の時期のお話でございますので、私自身も、随時、その都度都度は報告を受けておりますのですが、その日報の問題につきましてというのが、多少ちょっと時間があいたということは否めないので、これについては十分に注意してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○小熊委員 これは、予算委員会等でも質疑になりましたけれども、非常に重要な問題ですから、若宮副大臣ともあろう人が軽く考えてもらっては困るわけですよ。
 残念ながら、稲田大臣の答弁に関しては、我が党としても、またほかの党の方々の質問にしても、なかなか安定的でないというところを考えれば、副大臣としてはしっかり支えてもらわなきゃいけないところであって、そういう意味では、問題意識をしっかりと持っていただかなきゃいけないという意味では、この一月二十七日に説明を受ける前からいろいろな動きがある中で、これはしっかりと、副大臣としても意識高く取り組まなきゃいけないところでありましたし、ある意味では、さまざまなこれまでの質疑の中でも御指摘のあったとおり、シビリアンコントロールそのものの意義にもかかわる問題でもありますから、これは、大臣が安定的でないがゆえに、副大臣の役割というのはさらに力を入れてやっていただかなければいけないというところがありますので。
 これは、日本の問題に端を発して、さまざまな問題も出てきましたし、また、PKOのあり方、南スーダンのPKO派遣についての是非も含めて、これまで以上に副大臣、対応しなきゃいけないというふうに思うんですよ、受け身ではなくて。日報はない、廃棄だって言っていながら、また、やったら出てきましたとか、こういう状況も生まれているわけですよ。非常に大きな問題ですよ。
 副大臣、もっと問題意識を持って、今後対応しなきゃいけないと思いますよ。大臣の国会答弁、もう不安定ですから。副大臣、もう一度答弁を。
○若宮副大臣 今、委員が御指摘のとおり、私もしっかりと大臣をサポートしてまいりたいという気持ちには変わりございません。また、随時、もちろん日報問題に限らず、日ごろから稲田大臣とは実際に、もちろん事務方も入れ、あるいは政務だけで話し合う、あるいは打ち合わせをする、ミーティングをするという機会というのは随時設けてございます。これはもう省内でも、別に、時間を決めてとか定期的にというわけでなく、必要とあればいつでもという形でコミュニケーションをとらせていただいているところでもございます。
 委員の御指摘の点も十分承知をいたしてございますので、私も積極的に、これからさまざまな課題について前向きに取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。
○小熊委員 ぜひ、シビリアンコントロールの根幹が問われている案件だというふうに思いますので。若宮さんが大臣だったらもう少し安定的だったのかもしれませんが、稲田さんが大臣でありますので。
 私としては、民主党政権時代に派遣した南スーダンのPKOではありますが、派遣した当時と現在では大きく背景も変わっているということにおいては、これは今後も、派遣については判断をしっかりとしていかなければいけないということだというふうに思います。
 そうした意味では、副大臣、より一層積極的にやっていただいて、日本の安全保障、また日本の防衛、また国際貢献という重要な案件でもございますので、遠慮せずに、誰のために働くかというと、大臣の補佐をするんですけれども、その目的は国家、国民のためですから。下手に遠慮して、日本の防衛がおろそかになることのないようにしっかりと、若宮副大臣、もっと実力ある方なんですから。ぜひ、実力不足の否めない大臣を支えるというのは大変なことだと思いますけれども、より一層、御精励をしていただきますことを御期待申し上げて、次の質問に移ります。
 後は副大臣、結構でございます。
○三ッ矢委員長 では、若宮副大臣、御退席いただいて結構です。
○小熊委員 次の質問に移りますけれども、国際組織犯罪防止条約について、今、これも予算委員会の中で、法務大臣の答弁で予算委員会もいろいろ荒れてまいりましたけれども、そもそもの、この条約の本来的な目的について、まずお伺いをいたします。
○岸田国務大臣 国際組織犯罪防止条約、TOC条約ですが、この条約、テロを含む幅広い国際的な組織犯罪を一層効果的に防止するための国際的な枠組みであります。
 本条約を締結することによって、テロ組織の資金源となっている犯罪行為にも対処することが可能となり、テロの根本を断つこともできます。さらに、テロを含む国際的な組織犯罪に対し、その着手前に未然に対処することもできることになる、こうした意義をこの条約は持っていると認識をしております。
○小熊委員 私の認識では、最初はパレルモの、いわゆる通称パレルモ条約は、テロというものが前面に出ているよりも、マフィアとかの、そうした、越境していく広域的な非合法組織に対する対応のために結ばれたというふうに認識をしているところでありますけれども、その点についてはいかがですか。
○岸田国務大臣 この条約は、まず二〇〇〇年に採択されたわけですが、その前、起草段階においても、国際的な組織犯罪とテロ活動の間に強い関連性があるという認識のもとに議論が続けられてきました。起草段階の経緯を見ますと、対象犯罪を列挙しようとする作業も行われたわけですが、その中にテロ犯罪というものが明確に位置づけられていた、こういった経緯も承知しております。
 そして、二〇〇〇年に条約が採択されたわけですが、この採択されました二〇〇〇年の十一月に行われました国連総会決議においても、国際的な組織犯罪とテロ犯罪との関連性が増大しており、本条約がこのような犯罪行為と闘うための有効な手段である、こういった指摘がされていますし、さらに言いますと、二〇一四年の国連安保理決議、そして累次のG7、G8の成果文書においても、繰り返し、テロ犯罪とこの条約の関連性を指摘した上で、関係国に対して締結を促していく、こうしたことが国際社会の中で行われてきました。
 よって、起草段階から、そしてその後の条約の取り扱いにおいても、この条約とテロ活動、テロ犯罪との関連性はしっかりと認識をされた上で今日に至っていると承知をしております。
○小熊委員 テロも入っていないとは私も言いませんけれども、そもそも発想が違ったというか、出発点は、マフィアのマネーロンダリングとかそれをどうしようかというところから始まっているというふうに思いますし、また、九・一一以降、そういったものを逆にやはりやっていかなきゃいけないという国際世論というのも出てきたということで、そういうものも包含するということが出てきたというのは私も否定するところではありませんが、これまでのさまざまな質疑、予算委員会等の質疑を見ていると、テロということで、オリンピックもあるし、やらなきゃいけないという、何となく、おどしという言葉を使うのは適当ではありませんが、そういった形で冷静な議論が欠けてきているなというふうに、残念ながら思っています。
 そこで、この条約締結の義務は、共謀罪もしくは参加罪のどちらかを処罰すべきというところが規定してあって、あえて共謀罪の方を選択した理由についてお伺いをいたします。
○井野大臣政務官 条約についてでございますけれども、第五条一において、組織的な犯罪に効果的に対処するため、重大な犯罪の合意または組織的な犯罪集団の活動への参加、そのいずれか一方または双方の犯罪化を締約国に求め、義務づけられてございます。
 参加についてでございますけれども、これは、参加者が組織的な犯罪集団の犯罪活動に積極的に参加する行為だけでなく、組織的な犯罪集団のその他の活動に積極的に参加する行為についても犯罪化することを義務づけられております。後者のような、特定の犯罪行為と結びつかない行為を犯罪化することは我が国の法制になじまないと考えられ、慎重な検討が必要であるのではないかというふうに考えているところでございます。
 他方、合意についてでございますが、特定の犯罪の実行を合意することの犯罪化を義務づけておりますが、我が国では、一定の犯罪について、実行の着手前の共謀または陰謀が独立の犯罪として既に構成要件として存在しております。
 そういった点から含めますと、現行法制との親和性が合意の方が認められるのではないかということであります。そういった観点から、我が国の現行法制との親和性を考慮して、重大な犯罪の合意を犯罪化することを選択し、現在検討しているというところでございます。
○小熊委員 本来的には、条約の目的を達成するために、犯罪防止にどちらが有効であるのか、そしてどちらがより国民の権利を侵害しないのか、侵さないのかという点を一義的には考慮して選ばなきゃいけないんですね。法整備の難しさとかじゃなくて、目的達成のため、法整備によって目的が有効であるということの効果を考えた上でこっちを選びましたという答弁を私は期待していました。
 あと、問題は、配付資料にも法務省のホームページがありますけれども、今言われた第一条の上の部分には共謀罪か参加罪ですよと書いているんですけれども、タイトルが、共謀罪の創設が条約上の義務だと決めつけているんですね。下ではちゃんとどちらかですと書いてあるんですよ。タイトルで共謀罪が義務というのは、間違った情報発信になりませんか。
○井野大臣政務官 タイトルが義務というか、我々としては、条約上、合意または参加罪は当然義務づけられておりまして、そういったことの、我が国においてこういった法整備ができていないためにまだこういったTOC条約を批准できていないというふうに考えているところでございます。
○小熊委員 済みません、私の質問が悪かったのかもしれないですけれども。
 これは事実を書いているだけですよね。我が国の法整備がこうしますということじゃなくて、この条約ではこういうことですよとなっている。タイトルに共謀罪が義務であることについては、これは日本の政府の対応じゃなくてこの後の条約の説明なんですから、事実ですよ、そこは足りていないでしょうという話ですよ、共謀罪だけで。この条約が義務としているのは共謀罪と参加罪のどちらかですよということを書かなきゃいけないんじゃないのと。下で書いてあるんですから。
 日本のとるべき立場を主張しているホームページじゃないですよ。この条約の条文について説明しているもので、共謀罪か参加罪のどちらかが義務ですよと言っているわけですから、タイトルはそういうふうにしなきゃいけないんじゃないのという話です。
○井野大臣政務官 失礼いたしました。
 我々が考えているのは、説明ぶりとしてちょっと至らない点があったかもしれませんけれども、法案が条約上の義務に応えるものであるという趣旨で、こういった記載をしているところでございます。
○小熊委員 至らなかったと言いましたけれども、日本がどう対応するかということがいいとか悪いとか言っているんじゃないんです。これは条文の説明なんですから正確にやってくださいと言っているんです。国民にとっても、日本の政府が共謀罪をやらなきゃいけないというところがいい悪いという話じゃなくて、国民に説明しているわけですよね、条約の説明を。日本の政府の立場とか考え方じゃなくて、条約の説明なんですから。足りていないでしょう。
○井野大臣政務官 御指摘の点を踏まえて、しっかりそういったホームページ等の表示等については検討していきたいと思いますけれども。
 大変恐縮なんですけれども、このホームページの取り上げていただいたもの自体が過去の法案をベースにして記載しているところでございまして、小熊先生の御指摘を踏まえて、より情報発信等には気をつけていきたいというふうに思っております。
○小熊委員 過去のといっても、これは現在のホームページです。これは過去のホームページ、現在のホームページでしょう。至らないと先ほど認められましたから、これは直しますか。至らないというのは、検討じゃない。至らないというふうに今答弁で判断をされたわけですから、至らないのであれば直すべきですけれども。
○井野大臣政務官 先ほどもお話し申し上げたとおり、廃案になった法案について記載が残っていたというところでございましたので、その点も踏まえて検討をしてまいりたいというふうに思っております。
○小熊委員 これは、今のホームページでしょう。ウエブ上に、過去に残っちゃっているのが残っているの、私が探したのは。これは今のホームページかどうか、まず。
○井野大臣政務官 済みません。過去の法案についての説明が、今のホームページに現在も残っているということでございます。
○小熊委員 であるならば、そもそも専門家の間でも、この共謀罪、参加罪が義務であるというのも、これは違う形でもできるという、日弁連の方々が指摘もしているというのもありますし、そういう意味では、過去のといっても、これは現在のホームページですから、先ほどは至らないというので認めましたから、これは直すということでよろしいですね。直すんですね。
○井野大臣政務官 省に持ち帰って、早急に検討してまいりたいというふうに思っております。
○小熊委員 いや、検討より、今、至らないというのを認めましたね。至らないというのを認めたことは訂正しませんよね。至らないということでいいんですよね、このホームページが。
○井野大臣政務官 表題について適切かどうかというところも含めて、疑義があるということで御指摘をいただいたものですから、そういった点を含めて、持ち帰って検討してまいりたいということで御理解いただければと思います。
○小熊委員 至らないと言われましたから、これは、検討とかじゃなくて、しっかりと直すということで答弁を求めたいというふうに思いますが。どう直すかは、それは検討しなきゃいけないんでしょう。でも、直すということについては、これは約束をいただきたいと思います。
○三ッ矢委員長 答えられますか。
 井野法務大臣政務官。
○井野大臣政務官 過去のものについてでございますので、これを今すぐどうこう、更新ということも、適切なのかどうかということも含めて、一度情報発信したものでございますので、そういったものを含めて検討をさせていただいて、また省内で訂正すべきところがあれば訂正させていただきたいというふうに思っております。
○小熊委員 過去のものであるからと。いや、そちらが載せているものですからね、現在。過去載っていて今載っていないものを出してきているわけじゃないですから。過去のなんだからそんな指摘されても困るみたいな答弁ですけれども、これ、載せているのは法務省ですよ。これは、しっかり直して。ちょっとまた先に議論を進めますけれども。
 これは、大臣の答弁もあれですが、政務官もこうした答弁が揺れ動いているということで、大変なこれは、やはり共謀罪についてはしっかりと今後も議論していかなければいけないんですけれども。
 そもそも、過去において、過去の法案は違うとはいえども、条約の解釈については先ほど大臣が条約の本来的な意味を言いましたけれども、条約に関しては、犯罪、削れないという国会答弁がずっと続いてきたわけでしょう、過去の審議の過程では。今回削るということですけれども、ということであれば、この条約の解釈を今の政府においては変更したということですか、大臣。
○岸田国務大臣 まず結論から申し上げますと、条約の解釈は変わっておりません。
 今日まで、TOC条約の国内担保法につきましては、国会に三度御審議をお願いしてきました。そしてその際に、一般の方々が対象となるのではないかなど、さまざまな御指摘をいただき、結果として国会の御承認をいただけなかった、こういった経過がありました。
 そこで、政府としましては、一般の方々が対象になるのではないか、こういった指摘に対して、一般の方々が対象にならないということをより明確にすることができないかということを検討し、結果として、TOC条約第五条にオプションとして幾つか認められている内容があります、そのオプションを活用して犯罪の主体を組織的な犯罪集団に限定する、こういったことを行うことによって一般の方々が対象にならないということをより明確にすることができないか、こういった検討を行った次第であります。
 この主体を特定化することによって結果的に対象犯罪が絞り込まれることにつながるかどうか、こういった検討を今行い、法案を準備しているという次第であります。
○小熊委員 過去の政府答弁は、犯罪の内容に応じて選別することは条約上できないと言っているんですね。今回、半分以下に絞り込みますけれども。今大臣つらつらと説明されましたが、犯罪の内容に応じて制約すること、選別することは条約上できないということですから。ここは変わっていないんですね。
○岸田国務大臣 過去の議論においては、TOC条約第五条、この本体を引用し、そしてそれに基づいて法案を用意し、その中で、内容においては絞り込むことはできない、こういったことを説明させていただいたと承知をしています。
 そして、先ほど申し上げました理由から、一般の方々がこの対象にならないことをより明確化することはできないか、こういった検討を行い、TOC条約第五条のオプション部分を使うことによって対象を絞り込む、こうした作業を行ったわけであります。そして、その結果として対象法案の数を絞り込むことができないかどうか、こういった検討を今行い、法案の準備を行っている、こういった次第であります。
○小熊委員 何度もこれは出てきていて、今言われたような発想というかアプローチというのは、当時、優秀な政治家もいたし優秀な役人たちもいたのに、犯罪の内容によって選別はしていないんだけれども、今言われた努力で半分以下に対象を絞れたということでありますけれども。
 では、過去においてはそういうアプローチがなかったということですね。選別はしていない、犯罪の内容に応じて選別していることにはなっていないということでよろしいんですね、今回、半分に絞り込んでも。
 過去の答弁では、犯罪の内容に応じて選別することは条約上できないというのが条約の解釈です。この解釈は変わっていないというわけですから。選別にならないということでいいんですね、絞り込んで。
○岸田国務大臣 政府としての対応ですが、過去の国内担保法の制定に当たっては、対象を団体としていました。その中で、この法案の数を絞り込むことは難しいということを説明させていただいていたと承知をしております。
 今回、TOC条約第五条のオプションを活用することによって対象を絞り込む、組織的な犯罪集団というものに絞り込むことによって結果として対象犯罪の数を絞り込むことができないか、こういった検討をさせていただいている、これが今の政府の対応であります。
○小熊委員 だから、それはやはり条約の解釈変更だというふうに思いますよ。過去における答弁書は、犯罪の内容に応じて選別することは条約上できないと、だから絞り込まなかったんですよ。今回は絞り込みました。
 選別できないといって絞り込まなかったんです。選別できるということは、これは条約の解釈変更じゃないんですか。それがいい悪いじゃなくて、解釈を変更してやるということじゃないんですかという確認なんですよ。
 ちょっと時間がないので次に行きますけれども。
 また、これは、テロ等準備罪といいながら条文に書き込まれていなかったのを、与党の検討の中でテロというのを入れるということになったようで、と聞いておりますけれども、そもそも、テロ、これは条文に書き込む以上、テロの定義って何ですか。改めて聞きますけれども。
○三ッ矢委員長 答えられますか。
 井野法務大臣政務官。
○井野大臣政務官 お尋ねのテロ等準備罪についてでございますけれども、現時点でちょっとまだ成案が得られていない段階で、テロという文言が入るかどうかも含めて今検討段階でございますので、その点はちょっと、現時点でまだお答えができないという状況でございます。
○小熊委員 条文に入るかどうかはまた別として、テロの定義は何ですか。
○井野大臣政務官 我々がお答えできるところでございますけれども、特定秘密保護に関する法律の第十二条の二項にテロリズムという文言が入っておりまして、その定義、あくまでこの法律による定義になりますけれども、「テロリズム(政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動をいう。)」このように特定秘密の保護に関する法律では定義をされております。
○小熊委員 時間が来たのでやめますけれども、これはやはりまだまだしっかりと議論していかなければいけないわけでありますし、先ほど言ったように、テロに対してはしっかり日本も対応していかなければなりませんけれども、テロ防止になるような、国際犯罪防止になるような有効なものは何なのかということをしっかり議論したいと思いますし、その上で、国民の権利も侵害されない一番有効なものは何なのかということを議論していかなければならないというふうに思います。
 きょうの答弁では非常に残念なところもありましたし、またホームページについてはしっかりと適正な対応をしていただきたいというふうに思います。
 質問が残ってしまいましたが、岸田大臣におかれては、将来の総理とも呼び声高いところでありますけれども。
 日米外交について質問しようと思っていましたが、日米は日本外交の基軸であることは言うまでもありませんが、そもそもその前提というか根底には、人権や自由、民主主義といった普遍的な価値観を共有している、まさにそういうことで安倍外交もやってきたはずでありますけれども、トランプ政権においては、国内外ともにそうしたものに疑義を挟まざるを得ないような政治的な行動をとっている部分もありますから、日本外交としては、日米同盟を強化していくこともさりながら、やはりそうした価値追求のために言うべきことは言っていくということが真の友好国、同盟国であろうかと思いますので、へつらうような、そうした外交でないことをぜひ、岸田大臣、そこはしっかりしているはずですから、安倍総理にしっかりとそういった部分を貫いていくように言っていただいて。
 次の総理を狙いたいからといって、遠慮することなくやっていくことが、国民がどう思うかですから。安倍さんがどう思うかばかり気にしないで、岸田大臣のしっかりとした外交努力を望んで、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○三ッ矢委員長 次に、渡辺周君。
○渡辺(周)委員 おはようございます。引き続き、質問をさせていただきます。
 ちょっと通告の順番と違いますけれども、今、ちょうど小熊議員がテロのことをお話しされていましたので、外務省、外務大臣に伺いたいんですが、今のマレーシアと北朝鮮の状況、あれこれ言うまでもなく、金正男氏がマレーシアの空港であのような形で殺害をされる、これは日本政府の見解としてテロか否かということについて、日本の外務省はどのように見解を持っているか、まずそのことを伺いたいと思います。
○岸田国務大臣 御指摘の金正男氏殺害事件ですが、我が国としまして、大きな関心を持って注視をしております。
 ただ、具体的にどのような事件であったのか、今、マレーシア政府として捜査を続けております。捜査の途中でありますので、その捜査の中身、さらには事件全体の判断について、我が国の政府の立場から何か申し上げるのは、まだ控えなければならないと考えます。
 引き続き注視をしていきたい、このように考えます。
○渡辺(周)委員 もちろん、関係者がまだマレーシアの国内にいて、それに報復する形で、北朝鮮も、マレーシア人の大使館にいると見られる関係者とその家族は出国を今とめているということですね。ちょっと推移を、やはり我々は大変な関心を持って、後の質問にも関係するものですから、冒頭伺ったんですが。
 では、今回、金正男という人間が殺害されたということは、これは本人、金正男であることは日本政府も認めているかどうかということが一つ。
 それから、その詳細は別にして、空港という公の場で、他国の関与、つまり北朝鮮が首謀者であるということはマレーシア政府もあるいは韓国も言っているわけですけれども、日本政府もその見解に立っているということでいいのか、その二点。
 それから、空港のような公の場でこういう行動をとるということ、VXガスというふうに言われていますが、こういうものがやはり公共の場で使われたということは、これはテロじゃないか。これは一つ間違えたら、本人のみならず、殺害された対象の金正男以外、当然その周辺にいた人間にも、我々はあの忌まわしいサリン事件を思い出すわけなんですけれども、どれだけの人間がひょっとしたらあの場で犠牲になっていたかわからないということを考えれば、この行為ということに関しても、これはテロではないかと思うんですが。
 まず、先ほどの二つの質問にあわせて、これは一般論でも結構です、こういうことに関しては、日本の政府はどう、あるいは外務大臣はどう考えているか、ぜひ、後の質問にも関係しますので、お答えをいただきたいと思います。
○岸田国務大臣 まず、殺害されたのが金正男氏であるということについては、我が国として、マレーシア政府の発表を受けとめて、そのように認識をしております。
 しかし、それ以外の詳細については、捜査中ということでありますので、捜査の行方、結果をしっかり見守っていきたいと思います。
 その中で、御指摘のように、VXというのは、国際条約上、化学兵器として認められているものでありますので、こうした化学兵器とされるものが使われたということについては、重大な関心を持って引き続き推移を見守っていきたい、このように考えます。
○渡辺(周)委員 では、次の質問に進めますけれども、やはり北朝鮮が、この直後、一昨日六日、おととい午前七時三十四分にミサイルを発射した。昨日公開された北朝鮮のテレビの映像を見ましたら、四発が立て続けに、というかほぼ同時に発射をしました。それを、金正恩朝鮮労働党の委員長は、手をたたいて、非常に満面の笑みで喜んでおった、こういう報道があって、我が国の近海というよりもEEZ内に、男鹿半島の西の三百から三百五十キロのところに着弾をしたとされております。
 そこで、この後、このことの質問を続けていきますけれども、防衛省の方にちょっと伺いたい。
 これは、投げ込みがあったんですね、こういう事案がございましたということが。実は防衛省から、お知らせというもので、一昨日私の事務所にも入っておりましたけれども、かいつまんで言えば、このお知らせの中に、「ほぼ同時に発射した模様です。」、あるいは、「EEZ内に落下した模様です。」と、伝聞調のお知らせが書かれたものが入っているんですね、防衛省の名前で。
 こういう書き方をされると実は非常に不安になるわけでございまして、防衛省が発表をしたお知らせ、あるいは第一報なのに、模様です、模様ですと。お知らせは二枚あります。一つで、「本日七時三十四分ごろ、北朝鮮西岸の東倉里付近から、四発の弾道ミサイルを東方向にほぼ同時に発射した模様です。」云々と書かれていて、もう一枚の紙にも、「そのうち三発が我が国の排他的経済水域(EEZ)内に落下した模様です。」とあるんです。
 このニュースソースというのは、発射しました、落下しましたというのならまだいいんですけれども、模様ですと言われると、第一義的に防衛省は把握していなかったのじゃないかという不安を持つんですけれども、その点、こういう書きぶりになったのはいかがかということ。
 それから、北朝鮮が、この三月一日から始まったフォールイーグルという米韓合同演習にあわせて超強硬対応措置というものをやるぞということは、北朝鮮は既に、毎度のことですけれども、米韓合同演習のときにあわせると、北朝鮮は大変激烈な言葉を使って、何らかの形で必ず我々は意思を示すということをやってくるわけです。
 そうしますと、これは、そういう状況であったけれども、これを予見できていなかったのかどうなのか、その点はどうなんですか。この書きぶりからすると、予見できていなかったのじゃないかと思うんですけれども、その体制はいかがだったんでしょうか。
○土本政府参考人 お答えいたします。
 今、委員の方から、お知らせの紙の中におきまして、落下した模様ですと、断定調じゃないという御指摘がございました。この点につきましては、発射直後ということで、この段階では断定せずに、発射直後ということで、その後の分析というものが必要になるので、このような書き方にさせていただいたというところでございます。
 あと、二点目の、事前に兆候等を把握していたのかどうかという観点でございますが、北朝鮮のミサイル発射に関する動向につきましては、防衛省といたしましては、平素から重大な関心を持って情報収集、分析に努めておりますが、個々具体的な情報の内容につきましては、収集能力というものが明らかになるため、大変恐縮でございますが、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○渡辺(周)委員 土本さん、あなたとも一年一カ月ほど、十三カ月ほど一緒に防衛省でお仕事をしましたから。私もそんな答弁をかつてしていたような気もしますけれども。
 ただ、ミサイル発射の事案というのは、我々のときにも何度もありました、民主党政権のとき。それで、二〇一二年の四月に、たしかこの東倉里だったと思いますけれども、東の方から、日本から見えないところからフィリピン方面に向かって、要は南に向かって撃つと、実際これは相当なシミュレーション、準備もして、これは北朝鮮が、発射するぞということを事前に公表していたわけです。それで、外国のメディアも含めて、発射の場所を見せてやるということで、たしかそこまでデモンストレーション的にやっていた。ところが、上がって間もなく消えてしまって、どうしたのかといったら、失敗であったということが後でわかったわけでございます。それで、当然、そのときのいきさつにつきましても、当時のこの委員会等で、当時の野党からさんざんやはり真相追及をされたわけでございます。
 ですので、もちろん、詳細について答えてくれとは言わないけれども、既に、超強硬対応措置をとるよと。これは過去の例からいえば、北朝鮮は、もう既に、米韓合同演習が始まるという時点で何らかのことをやるであろう、だから、韓国は当然そういう対応をしていたということでしたね。そして、常時アメリカは当然監視をしている、それは宇宙空間の中から。
 今回は日本にとって奇襲だったのか、あるいは織り込み済みだったのか。ましてや、GSOMIAが締結された後に初めてこういう大きな事案が起きるわけでございますので。今回、特に船舶や航空機に被害はなかったということで、ほっと胸をなでおろすんですけれども、もし事前にある程度わかっていたら、このエリア内の、当然、航空機であるとか、あるいは漁船やその他輸送船等々のいろいろな船舶に対して注意を呼びかけることができたけれども、今回はそれがなかったと私は認識しています。
 という意味では、残念ながら、日本の側からしてみると、そういう事前の情報はなかったのじゃないかと言わざるを得ないんです。それについては、それはまた問いただしたところで、恐らく、情報収集能力のことがあるから言えないと言うんでしょうが、現実問題として、船舶や航空機に被害はなかったというものの、何らかの、例えば事前に警告なり注意なりは出していたのかどうか、その点についてはどうですか、防衛省。
○土本政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘の事前の警告等については、そういうものはなかったと承知しております。
○渡辺(周)委員 ですから、事前のそういうものはなかったわけですね。ということは、危険な時期には入っているけれども、具体的に、では、この辺のEEZ等を航行する場合は、これまであったと思うんですね。当然、北朝鮮側も以前は事前に、つまり、こういうものを飛ばす可能性、飛翔体を飛ばす可能性があるからといって国際機関に通告をしていた。しかし、今回、そういうこともなくいた。
 ここで次の質問に入るんですけれども、総理が、新たな脅威だということを言いました。トランプ・アメリカ大統領との電話会談の中でも、あるいは国内での会見でもそうですけれども、新たな脅威ということについて、新たな脅威という言葉を言ったわけですね。そうしますと、この新たな脅威という言葉の意味はどのように捉えたらいいか。
 それは、弾道ミサイルの長距離化だとか、あるいは飛行の安定性。今回、四発飛ばして、四発飛んだということは、従来のミサイル防衛システムでは立て続けに撃たれた場合には対応できないのではないかということが、きのう、きょうから識者等が新聞等でも報じております。
 それから、今回は男鹿半島の西側に、EEZ内に落下をした。しかも今回は、一直線上の半径一キロメートル以内に落下した。精度が相当高い。つまり、狙ったところに着弾をさせているということを考えると、相当な命中精度になったということ。一回で同時に多発できるようなシステムを持ったということ、あるいは命中精度もそう。そして、そういう意味では、まさに今申し上げた奇襲能力というんですかね。
 ここで、ちょっと防衛省に確認します。
 固定式の発射台だったのか移動式の発射台だったのか。あるいは、固体燃料だったのか液体燃料だったのか。液体燃料に比べれば固体燃料の方が当然注入時間は短くて済むわけですから、さっき申し上げたような宇宙空間から察知されるようなことのリスクも、北朝鮮側からしたら低減できるわけでございまして。つまり兆候を探知することもできるんですが、そういう意味で、総理の言う新たな脅威というのは一体何を指して脅威と言っているのかということは、防衛省はどのように分析をしていますか。
○土本政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、委員御指摘の第一点目の、どういう形で撃ったかという点につきましては、現時点ではまだ分析中ということで、さまざまな情報をもとにして、現時点では分析中ということでございます。
 二点目の……(渡辺(周)委員「新たな脅威ということは、何をもってして新たな脅威と総理は言ったのかということは、防衛省はどう分析しているんですか」と呼ぶ)
 失礼いたしました。
○三ッ矢委員長 答えられますか。
○土本政府参考人 大変申しわけございませんでした。
 新たな脅威という観点に関しましては、今回、北朝鮮は四発の弾道ミサイルをほぼ同時に発射し、いずれも約千キロ飛翔して、そのうち三発は日本海上の我が国排他的経済水域内に落下したものと見られます。
 北朝鮮は昨年、三年から四年ごとに行っていた核実験をわずか八カ月の間に二回強行し、弾道ミサイルも年間では過去最多となる二十発以上を発射しました。核兵器は小型化、弾頭化を実現した可能性があり、弾道ミサイルも技術的信頼性の向上や新たなミサイルの開発を追求していると見られます。
 政府といたしましては、このような北朝鮮による核・弾道ミサイルの開発や運用能力の向上が、昨年来、我が国を含む地域及び国際社会に対する新たな段階の脅威になっていると認識しており、今般の弾道ミサイル発射は、北朝鮮がこうした新たな段階の脅威であることを改めて明確に示したものであると考えております。
 御指摘の総理の御発言は、このような政府の認識を示したものと承知しております。
○渡辺(周)委員 それで、もう一つ、さっき聞いたのは、移動式の発射台なのか固定式の発射台なのか。それから、液体燃料か固体燃料だったかということについてはどうですか。そこまで今防衛省は分析は進んでいますか。
○土本政府参考人 大変恐縮でございますが、現在分析中というところでございます。
○渡辺(周)委員 いずれにしても、たび重なるミサイル発射によって性能は向上していると。命中精度というものも、昨年に引き続いて、EEZ内に落下したのがもう三回目ですね、そういう意味では、ある程度狙ったところに、狙った時間に撃てるのかな。まさに奇襲ですね。先ほど、船舶も飛行機に対してもその警告なりは事前に発していなかったということを考えれば、日本としては、いつどこでやるのかということについては正直わかっていなかったんだろう。奇襲されたんだろう。
 これまでは、大体韓国筋か何かから、近く弾道ミサイル発射の兆候があるとか、大体、事前に、やや情報が漏れていた。最近はそういうものもなく、突然、寝耳に水のような形で、本当に北朝鮮がこういう弾道ミサイルを発射できるようになってきた。つまり、相当な脅威になってきたんです。
 ここで外務省に伺いたいんですけれども、ここでまた、いつものとおり、北京の大使館ルートを通じて厳重に抗議した、厳しく抗議したというんですけれども、当然、我が国としては容認できない、国連安保理決議違反だと。何か、そんなことを言ったら、我々がもう何回繰り返して同じことを言っても、残念ながら、北朝鮮にしてみれば、全然、意にも介さない。
 北朝鮮は、こういうたび重なる抗議に対してどういうリアクションをしてきたんですか、そのたびに北京の大使館ルートという。その点についてはどうなんでしょうか。
 もはや、何度同じことをやっても実効性がない。彼らにしてみると、エスカレートしているわけですね。我々がとってきた外交レベルによる抗議行動というのは、もう全然、残念ながら、彼らにとっては痛くもかゆくもなくて、当然のことながら、新しい脅威にまで、どんどんどんどん高みに来ているということを考えれば、次なる手だてを打たなきゃいけないと思うんですが、実際、抗議ということの限界ということは、大臣、感じませんか。いかがですか。
○岸田国務大臣 抗議ということについては、我が国の立場や考え方をしっかり明らかにするという意味で、これはやらなければならない、これは重要なことであるとは認識をしております。
 ただ、それで十分かということについては、だからこそ、国連安保理決議の履行や、そして我が国独自の措置、さらには米国、韓国の独自の措置、こうしたさまざまな措置の実効性を確保することが重要になってくるということだと認識をしております。
 しっかりとした抗議の意を明らかにする、さらに言うと、国連安保理においても、先ほど、今回の北朝鮮のミサイルの発射に関しましてプレスステートメントが発出されたというメモが今入ってきましたが、こうした国際社会の意思を明らかにすることは大事でありますが、あわせて、具体的な措置の実効性を確保するべく努力することが重要であると認識をいたします。
○渡辺(周)委員 これまでも、米韓合同の軍事演習があると、そのたびに反発して、日本海に向けて、今回のような、短距離あるいは中距離のミサイルを発射する。もうアメリカにも韓国にも、今回新たに名指しされた、いわゆる在日米軍部隊を打撃するための北朝鮮の打撃部隊なのだということを、きのうはあえて名前までつけてやったわけなんですけれども、最も直接的に脅威としてやはり考えなきゃいけないのは我が国なんですね、これは物理的に。
 米韓合同軍事演習が行われているのに、日本海に向けて、EEZに飛ばしてくる。一つ間違えて飛び過ぎたら、これは日本の当然領海内にも入ってくるわけでございますし、万々が一、日本船舶や日本の航空機とぶつかるようなこと、衝突するようなことになったら、これは大変な大惨事になっているということでございます。
 実際、ですから、あわせて、このミサイル発射あるいは核実験もあります。決議の一六九五、それから決議の二〇九四、一六九五から一七一八、さまざまな、これまで資産凍結あるいは要人の往来の禁止といった形での制裁をしてきているんですけれども、実際、この制裁というものは、今のこのエスカレートしていく北朝鮮の行動を見ていると、実効性はなかったんじゃないか、残念ながら。制裁が本当にきいているのかといったら、もう甚だこれは効果がなかったのじゃないかと思わざるを得ないんですけれども。
 確認ですけれども、日本のこれまでこの国連決議に基づいて行ってきた資産凍結の総額、これは幾らですか。
○四方政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま御質問のございました日本の資産凍結でございますけれども、これまでの資産凍結の対象となっている資産の総額は、約四百五十万円でございます。
○渡辺(周)委員 これは、事前にちょっと財務省にも聞いたんですけれども、同じ額ですね、四百四十九万六千九百七十七円相当。これは、外為法に基づいて、三つの北朝鮮系の企業を対象にしたんですけれども、三つありまして、例えば、一つが八十三万円、もう一つは十一万円、一番大きいところが三百五十四万円ということなんですけれども。こんなことで四百五十万円。制裁という額からすると甚だ小さな額なんですね。そういう意味では、話にならないんじゃないか。
 もう一つ伺いたいんですけれども、金正日の料理人という方がよくテレビや本なんかにも出てきて、このたび、北朝鮮の平壌市内で何かラーメンショップか日本料理屋を始めた。たしか日本人の渡航自粛というのは、これは政治家でも行き来している人はいますけれども、実際、向こうで商売を始めるということが宣伝されているわけです。
 これは日本政府は確認しているのかどうかということと、では、平壌でこういう、例えばある意味、正直、北朝鮮の政府の庇護のもとで商売をできるというようなこと、これは、日本がいかに遺憾の意を表明して、いかに容認できないと言っても、制裁額はこんなものだし、日本人は、だって北朝鮮のど真ん中で商売を始めているじゃないか、本気で怒っているのかということになるんですけれども。
 もう一つ伺いたいのが、では、藤本さんという料理人は、これは、結果、このまま商売を続けられることになるんでしょうか。いかがでしょうか。
○岸田国務大臣 まず、制裁の効果ということについて。
 先ほど資産凍結について御指摘がありました。額は四百五十万ということでありますが、これは、資産凍結された総額、もちろん問題でありますけれども、対象となります団体、個人は、このことによって支払いが規制されるなどさまざまな制約がかかる、こういった効果もありますので、その凍結された資産の額のみで判断すべきかということについても、しっかり検討していかなければならないと思います。
 そして、御指摘の藤本氏の活動につきましては、もちろん報道は承知しております。そして、十分関心を持っておりますが、具体的な行動について十分把握できない部分もあります。
 政府としましては、我が国独自の北朝鮮措置として、我が国からの北朝鮮への渡航の自粛、これは要請しておりますし、北朝鮮への輸出を禁止している、こうした対応をとっております。これに反するものがあるのであるならば法律違反ということになるんだと考えておりますが、引き続き、御指摘の点についても関心を持って注視をしていきたいと考えます。
○渡辺(周)委員 先ほど、最初になぜ聞いたかというと、金正男氏のマレーシアの空港での、クアラルンプールでの殺害はテロか否か、そこについては明確な言及をいまだにできないということでございますが、実際、大使館関係者が関与しているということを考えれば、これは国家ぐるみの事件であろう。そして、あの国の体制ですから、この首謀者である金正恩が当然意思のもとに行っている。
 そうしますと、この人間と、やはり考えれば、北朝鮮というのはテロ首謀国家、かつてもラングーンの事件とか大韓航空機とか、いろいろございました。独裁国家です、当然、命令に従わない場合は粛清されますので、当然、彼らにしてみると命令を受けなきゃいけない。となれば、やはり、テロ国家である北朝鮮の首謀者と、大変庇護のもとにあって、非常に親しいんだということで、例えば、だからこそ平壌で、国交もない国の国民、日本人が店を開けるわけです。
 となれば、例えば、このテロ首謀者と大変密接な関係にあるなんということは、私は旅券の返納命令も出せるんじゃないかと思うんですが、今後の展開としてはそういう可能性があるということなのかどうなのかということが一つ。
 そしてまた、新たな脅威ということになってきたわけですから、新たな実効力のある強い制裁を行わなければいけない。先ほど申し上げたように、テロ首謀者である金正恩を神格化して、そしてそれを学校の中に飾って、そしてその方を偶像崇拝している。この北朝鮮の大学校あるいは北朝鮮の学校に対する補助金であるとか認可であるとか、こういう点についてもしっかりとした対応をしなきゃいけない。
 つまり、制裁を強化するためには、この日本国内にある朝鮮総連の人間の日本国への出入りを初めとして、日本が補助金を出しているということ、学校に対してのやはり何らかの検討を当然するべきだと思うんですね。それが一番実効性あると思いますけれども、まあ、外務省は所管じゃないと言うんでしょうけれども、今回の進展で、やはりそこまでもう考えないと、遺憾の意をただ北京の外交ルートで言っているだけではもう実効性はないよということ。
 そして、補助金を出していれば、当然北朝鮮に間違ったメッセージを下すのは、先ほど言ったように、いや、その日本人が我が国の平壌で喜んで商売をやっているじゃないか、そして、日本にいる北朝鮮同胞の学校には日本政府、日本は補助金を出しているではないか、認めているではないか、マレーシアは大使を引き揚げて、そして断交までしようかという勢いなのに、日本は本当は怒っていない、それが証拠に、ちゃんと補助金まで出している国なんだ、そういうことで、ますますなめられると思うんですが、その点について大臣はどうお考えでしょうか。
 ぜひ、その点について、旅券の返納命令であるとか、あるいは日本の国内領土の中で活動している北朝鮮組織に対する認可の問題であるとか、あるいは補助金の問題については、今後検討していくということなのかどうなのか、その点についてお尋ねをします。
○岸田国務大臣 まず一点目の、藤本健二氏への対応については、先ほども申し上げましたが、関心を持って引き続き注視をしていきたいと思います。そしてこれは、法令に従ってしっかりと対応していくべきものであると認識をいたします。
 そして、我が国の措置、さらなる措置、国内の団体等に対するさらなる措置等につきましては、これは、まずは、北朝鮮に対して今科している国連決議あるいは独自の措置に基づく制裁、これの実効性を高めながら、北朝鮮の対応をしっかり確認し、その上で最も効果的な対応はどうあるべきなのか、そういった観点から不断に検討していくべき課題であると認識をいたします。
 まずは、今の措置の実効性を高めながら、北朝鮮の反応を見、そして不断の検討を続けていきたい、このように考えます。
○渡辺(周)委員 あわせて、アメリカのトランプ政権、今度、十六日からティラーソン国務長官は日本に来られるんでしょうか。その中で、今アメリカで、三月二日のウォールストリート・ジャーナルでは、トランプ政権が、武力行使や政権転覆など、北朝鮮に対するあらゆるオプションを今考えているというような報道がございます。
 先制攻撃やサイバー攻撃、韓国への戦術核の再配備、関係省庁や専門家の全ての意見を集めて今精査しているんだと言いますが。これまでのオバマ政権の戦略的忍耐、これを見直して、特に、正月にICBMを発射するということを、年頭、金正恩が言ったところ、ツイッターで、そんな実験はさせないんだというようなことをトランプ氏が言っております。
 これは何を意味するかというと、当然のことながら、北朝鮮に対して軍事行動も辞さないということを検討していると思いますが、こういう新たなアメリカの対北朝鮮政策について、今回のティラーソン氏の訪日ということで、当然それも議題になるのかどうかということを一点伺いたいと思いますし、万々が一、北朝鮮が無政府状態に陥るようなことになった場合、これは何が起きるかわかりません。この間、亡命した駐英公使は、北朝鮮、韓半島の核問題を解決するには金正恩が転覆するしかないんだというようなことも言っております。
 当然、それはなかなか現実的な問題ではないのかもしれませんが、もし北朝鮮が万々が一、何かなった場合、無政府状態になった場合、今月二日の参議院予算委員会で、拉致問題担当大臣は、朝鮮半島有事の際には救出部隊を政府内で検討を進めるというようなことを答弁されております、自民党の青山繁晴さんの質問に対しまして。
 今申し上げたような二点、ティラーソン国務長官との面談の中で新たな対北朝鮮政策が議題になるのかどうかということが一つ。それから、当然、もしそういう最悪のオプションをとった場合には、最強硬なオプションをとった場合には、北朝鮮が崩壊をした場合、まさに拉致問題担当大臣が言うような救出部隊のようなものを政府内で検討していくんだということにつきまして、外務省としてどう考えているのか、その二点に対して伺いたいと思います。
○岸田国務大臣 まず一点目ですが、米国は全てのオプションがテーブルの上にあるとの姿勢を示すとともに、現在、対北朝鮮政策の見直しを行っていると承知をしております。引き続き、米国とあらゆるレベルで緊密な意見交換を行い、しっかり政策をすり合わせ、そして戦略目標を共有していきたい、このように思っています。
 そして、三月、御指摘のティラーソン国務長官の訪日ですが、今、日程を調整した上で、三月十五日から三月十七日に訪日するということを確認しております。この訪日において、ぜひ北朝鮮問題についてもよく議論をし、米国との緊密な連携を確認していきたい、このように思っております。
 米国の北朝鮮に関する政策の検討状況について、私の方からまだ何か申し上げるのは控えなければならないと思いますが、どのような対応であったとしましても、米国政府との緊密な連携、意思疎通、そして政策のすり合わせ、これは大変重要であると認識をいたします。
 そして、もう一点の御質問ですが、我が国としての朝鮮半島において有事が発生した場合の対応ですが、政府においては、朝鮮半島において在留邦人の保護あるいは退避の必要な場合を想定し、平素から関係省庁間で連携してさまざまな準備、検討を行い、計画を立ててきております。
 在韓国日本国大使館においては、緊急事態用の安全マニュアルを作成し、配布するとともに、ホームページにおいて掲載する、こういったことを行っているわけですが、このマニュアルにおきましては、平素からの備えについて説明するとともに、緊急事態の際には状況に応じて退避を勧める場合と一時避難所等での待機を勧める場合があることを示した上で、それぞれの場合に応じた行動計画について説明をしております。
 こうした従来から用意しているマニュアル、行動計画に基づいてしっかり対応していきたい、このように考えます。
○渡辺(周)委員 いや、大臣、私が聞いたのは、朝鮮半島有事の場合、これは韓国にいる場合はあれなんですけれども、例えば北朝鮮の指導者がいなくなって国家がカオス状態になった場合、国交のない国の中に拉致被害者、そして邦人が、その他、ほかにもいわゆる特定失踪者と言われる方がいる場合、どのような形でこれを救出するか。
 例えば中波なり短波なりを飛ばして、日本人に今でもやっているように日本語で呼びかけて、例えば平壌にある、実は、マレーシアを含めて二十四カ国が大使館を持っているわけなんです、イギリスやドイツやスウェーデンといった国々、日本とも大変緊密な関係にある国が平壌に大使館がある、当然、そこに逃げ込んでくれという指示を出すのか。あるいは、平壌の郊外にいる場合には、例えば清津の港まで行くから、日本の海上保安庁なり海上自衛隊が救出に行くのでと。
 そういう、つまり北朝鮮が崩壊した場合の邦人救出、韓国じゃなくて北朝鮮にいる拉致被害者を救出するために何らかのことをやはり考えていかなければいけないと思いますが、その点についての頭の体操はできていますでしょうかと伺ったんです。その点についてはいかがですか。
○岸田国務大臣 海外において日本人が危機にさらされた場合にどのように対応するべきなのか、こうした課題について政府として平素からさまざまな検討を行っておく、これは重要であり、これは当然のことであると認識をしております。
 平和安全法制の議論におきましても、海外の邦人を守るための制度の充実を図ったところですが、一方で、自衛隊の活動については国際法上の観点に加えて我が国憲法上の制約もあり、自衛隊の活用については限界があるというのは事実であると思います。
 その上に立って、政府としましては、さまざまな状況を想定して、友好国政府あるいは国際社会との協力、こういったものも念頭に置きながら、具体的な対応を検討しているということであります。
 御指摘の点は大変重要な政府の役割であると思いますし、引き続き、さまざまな事態を把握しながら、政府として、具体的に、海外での邦人の救出、安全のためにどうあるべきなのか、検討を続けていきたい、このように考えます。
○渡辺(周)委員 その点について、相手国の同意がなければなかなか自衛隊を派遣できないのだ、そのネックがございます。我々も与党時代、同じようなそういう質問を自民党の方からいただきました。防衛省内でも随分検討しましたけれども、これはなかなか難しい。
 しかし、北朝鮮のような国交のない国においてまさに無政府状態になった場合、そんなこと言っていられないだろう。その場合には、第一義的に、例えば友好国に協力を求めるということが一つだと思いますし、その情報提供を日本から短波なり中波を飛ばしてやるということは当然できることだと思いますので、友好国との協力ということも含めて、ぜひ綿密なシミュレーションをしていただきたいと思います。
 もう時間がないので、幾つか言うと。
 ただ、そこで、今後の北朝鮮のことを考える場合に、こう言うと語弊が、なんですけれども、面倒くさいんだけれども、この国とちゃんとつき合わなきゃ、なかなか対北朝鮮という意味ではうまく連携していかなきゃいけないのは韓国でございます。
 今も、釜山に徴用工の像をつくるというようなことで、慰安婦像に続いて新たな火種となりそうなわけでございます。公館の安寧、威厳の維持といったウィーン条約に抵触するということを言われたんですけれども、反面で、対北朝鮮のミサイルに関しては、THAADをきょうあたりから持ち込まれて、中国の相当な報復措置、ロッテマートというところの閉鎖に追い込まれるところまで来ています。あらゆることをされてもTHAADを配備すると。
 ただ、今の韓国の政権にも寿命がございまして、韓国の政府は、近く弾劾裁判所がどのような結論を出すかによって新たな大統領を迎える日が来るわけでございます。私は、それまでに新たな大統領が、今言われているような方がなると、これは、日本と韓国の関係というのはまたちゃぶ台返しのようになってしまうんじゃないかと非常な危機感を持つわけなんです。
 しかし、対北朝鮮と考えれば、先ほど申し上げたGSOMIAの締結もございます。今後、どのような形で軍事情報やさまざまな北朝鮮の異変について情報を共有するかということを考えれば、今の大使の帰国問題も含めて、今の朴槿恵政権、黄首相、大統領代行ですね、この代のうちに、どのように今土台をつくっておくかということが大事だと思うんですけれども、大臣、この点についていかがでしょうか。韓国との今、現実的な関係に戻すということについてはいかがでしょうか。
○岸田国務大臣 おっしゃるように、北朝鮮のこうした挑発行動を考えますときに、日韓あるいは日米韓、こうした国々の連携が大変重要であると認識をいたします。
 この点につきましては、先日ドイツで行いました日韓外相会談、そして日米韓外相会談においても確認したところでありますし、一昨日行いました日韓外相電話会談、そして日米外相電話会談、こうした機会を捉えてしっかりと確認をしているところです。
 そして一方で、日韓の二国間関係ということを考えますと、御指摘の在釜山日本総領事館前に慰安婦像が建てられているということ、これは大変遺憾なことであり、この点については日韓合意が履行されることが重要であるという観点から、韓国側にしっかりと申し入れを行っているところであります。
 こうした課題は存在いたしますが、日本と韓国、戦略的な利益は間違いなくしっかり共有しています。こうした重要な隣国であります。ぜひ、さまざまなルートを通じながら両国関係を安定化させ、そして未来志向で発展させていくよう努力はしっかり続けていきたい、このように考えます。
 大使の帰任時期については、そうした観点から、今総合的に引き続き検討しているところであります。
○渡辺(周)委員 まだまだ質問があるんですけれども、時間がなくなります。
 最後に、ティラーソン国務長官の訪日にあわせて、トランプ政権に拉致の問題、これを最後に伺って、終わりにします。
 ストックホルム合意が今日までちっとも進んでおりませんが、それでも拉致被害者の奪還が最優先ということについての日本政府の姿勢は変わりないかどうかということがまず一つ。そしてもう一つは、トランプ政権とどのように拉致問題、この問題を共有させるか、アメリカに同じ問題意識を持たせるかということについては、今回のティラーソン国務長官のみならず、日本政府としてトランプ政権にどのように働きかけを積極的にしていくか、その点、どういうお考えをお持ちか、その二点を最後に伺って、終わりにします。
○岸田国務大臣 まず、我が国にとりまして北朝鮮問題、核問題、ミサイル開発問題は存在いたしますが、拉致問題が最優先課題であるということについてはこれからも全く変わらないと認識をしております。
 そして、米国へのこの問題に関する認識の共有ですが、二月十日の首脳会談において、文書という形で初めて首脳間でこの問題の重要性について一致し、確認をしたということも行われました。
 ぜひ、来るべきティラーソン国務長官の訪日に当たってもこの拉致問題を含む北朝鮮問題についてしっかり認識を共有していきたい、このように考えます。
○渡辺(周)委員 予定していた質問までちょっとたどり着けず、答弁を予定していただいた方には申しわけなく思っておりますが、時間が来ましたので、これで終わりにします。
 ありがとうございました。
○三ッ矢委員長 次に、吉良州司君。
○吉良委員 民進党の吉良州司です。
 恒例ではありますけれども、私自身の質問は常に吉良州司個人の責任においてさせてもらっておりまして、党の正式見解を代弁するものではないということはお断りをさせてもらった上で質問させていただきたいと思います。
 岸田大臣、まず、先月の日米首脳会談、ゴルフまで含めて大変な厚遇だったようですけれども、この日米首脳会談の結果についてどう評価しておられるか、大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○岸田国務大臣 先月の日米首脳会談ですが、トランプ政権発足後初めての安倍総理とトランプ大統領との会談でありました。両首脳間でしっかり信頼関係を築くとともに、日米同盟が揺るぎないものであるということを内外にしっかりと示す、明確なメッセージを発する、こういったことが重要であるという考えに基づいてこの会議に臨みました。そういった意味では、これは大きな成果を上げることができたと認識をしております。
 安全保障、そして経済の分野においても成果が上がったと思いますのは、安全保障におきましては、米国の拡大抑止への明確なコミットメント、さらには、日米安保条約第五条の尖閣諸島への適用、そして、普天間飛行場の辺野古移設が唯一の解決策であるということを確認し、沖縄の負担に引き続き取り組んでいくということ、こうしたものを盛り込んだ共同声明を発出することができた。これは大きな成果だったと思いますし、経済におきましても、麻生副総理とペンス副大統領の間で新しい経済対話の枠組みの立ち上げを合意した次第であります。
 加えて、フロリダでは、北朝鮮の弾道ミサイルの発射に対して共同会見を開いて、日米の強い結束を明確に示すことができた、このことも意義があったと思っています。
 こうした意義ある会談だったと思いますが、これはよいスタートを切ることができたということであり、引き続き、日米関係を発展させるためにさまざまなレベルで努力を続けていかなければならない、これも事実であると認識をいたします。
○吉良委員 大臣が、成果が上がったという分析といいますか、見解については十分理解できました。私自身も、今大臣もおっしゃった、日米同盟が揺るぎない、盤石であるということを内外に示す意味でも非常に意義のある会談だったというふうに思っています。
 ただ、成果だけでしょうか。大臣の方からはなかなか言いづらいかもしれませんけれども、マイナス材料、または懸念材料といったものは一切なかったと言い切れるのか。その辺についてはいかがでしょうか。
○岸田国務大臣 今申し上げたように、トランプ新政権との間においてよいスタートを切ることができたのは間違いないと思います。
 ただ、経済についても、今後、副総理と副大統領の間で対話を行っていく新たな枠組みをつくったわけですので、この枠組みの中でしっかり議論を行っていかなければなりません。この議論の中で、我が国の国益を考えた上で、よい結果を出していかなければならない、こういった努力が求められるわけでありますし、アジアあるいは国際情勢につきましても、大変不透明なものがあります。そんな中で、具体的に、日米がしっかり連携をし、地域や国際社会の平和や安定に貢献していく、こうした成果を上げていかなければなりません。引き続きの努力が必要とされている、このことも事実ではないかと思います。
 だからこそ、引き続き、私も、ティラーソン国務長官との間においてしっかりとした議論を行っていかなければなりませんし、さまざまなレベルでの努力が求められると考えております。
○吉良委員 少し時系列的には過去に戻りますけれども、今度の、先月の日米首脳会談が非常にうまくいったということの背景として、昨年十一月に、トランプ氏が大統領就任前に、トランプタワーにおいて会談をしております。そのことについての評価で、もうちょっと一歩踏み込みますと、そのときに、トランプ氏は信頼できる指導者だと確信したとまで言い切っていることについての評価はいかがでしょうか。
○小野政府参考人 お答え申し上げます。
 昨年十一月、委員御指摘のとおり、安倍総理とトランプ次期大統領との会談が行われました。この間では、両者間の信頼関係を構築するためにこの会談が行われ、時間をかけて、さまざまな課題について率直な意見交換が行われました。両首脳間で強い信頼関係を築いていく上で、大きな一歩を踏み出す会談であったと考えております。
 先般の二月の訪米で成果が得られたことも、安倍総理が十一月にトランプ大統領の御自宅を訪問し、一時間半にわたってじっくりと二人で話をし、既にお互いをよく知っていたということが大きかったと考えます。また、今週七日には、北朝鮮によるミサイル発射から間を置かず、両首脳間で電話会談が行われ、日米の強固な結束を内外に示すことができました。
 このような日米間の緊密な連携には、これまで築かれた総理とトランプ大統領との間の強固な信頼関係が寄与していると考えます。
 その上で、委員御指摘の点について申し上げますと、十一月の会談の際に、これはまだトランプ政権発足前でございますけれども、トランプ次期大統領は現職のオバマ大統領に対する敬意をしっかりと示されて会談に臨まれていた、このことから、安倍総理はトランプ次期大統領は信頼できる指導者であるというふうに確信を持たれたと承知してございます。
○吉良委員 私が先ほど、一方では、私自身も、日米首脳会談、成果も踏まえて評価をする、一方でマイナス材料はないんでしょうか、または懸念材料はないんでしょうかと申し上げたのは、短期、中期、長期で見たときに、短期で見たときは私流に言わせると究極の抱きつき戦略、日本がこの東アジア、また今現実の脅威としてある北朝鮮の脅威等を考えたときに、日米同盟が盤石であるということを内外に示すことを中心として抱きついていく、向こうからもきっちりハグしてもらう、これは非常に重要なことだと思っているんです。これ以外の選択肢はなかったと思っています。けれども、それは一方では短期のことなんです。
 一方で、中期、長期を見たときに、四年後にまた大統領選挙があります。八年後にまた大統領選挙があります。今なお反トランプのデモが全米で行われ、ハリウッドのアカデミー賞であれだけ全米、一般国民に対して人気のある映画俳優たちがトランプさんへの非難をしている。
 そういう中で、私が申し上げたいのは、繰り返しますけれども、足元を見たときには、抱きついて、トランプさんと個人的な信頼関係はもちろんですけれども、日米というこの揺るぎない同盟関係を強固にするしかない、だけれども、これだけ全米であの暴言を吐き、分断をしていると言われてもしようがないトランプ大統領に対して、次の四年後、八年後に対する布石もしっかり打っていかなければいけないのではないかというふうに思っているんですね。だから、そういう意味で、私が懸念材料、マイナス材料はないんですかと申し上げたのは、そのことなんです。
 大臣にお聞きしますけれども、今言った、足元では私も全面的に評価しています、けれども、中期、長期を考えたときに、民主主義国家の典型であるアメリカが、この先四年後、八年後を考えたときに全く懸念がなかったのか、そのことについてはどう考えておられますか。
○岸田国務大臣 今回の日米首脳会談の評価は先ほど申し上げたとおりであります。そして、その上で、これから中長期的に見てさまざまなリスクはないのか、こういった御指摘だったと思います。
 委員おっしゃるように、米国国内においてトランプ新政権に対してさまざまな意見があるということは承知をしております。さまざま動きがあることも承知をしております。
 ただ、一つ言えることは、これは民主主義国家アメリカが、民主主義の手続に従って選んだのがトランプ大統領であります。こうしたトランプ政権と、我が国としてはこれからも安定した関係を築いていかなければならない、これは当然のことですし、重要なことであると認識をしています。ぜひ、民主的な手続によって選ばれたアメリカ新政権と我が国政府、この政府レベルにおいてしっかりとした関係は築いていかなければならないと思います。
 その上で、さらに言うならば、日本と米国との関係は政府の関係だけではありません。やはり、議員外交もあれば、民間のさまざまな交流もあれば、経済活動もあるわけであります。やはり、さまざまなレベルを通じて米国との関係を安定化させるべく努力をしていく、こういった考え方は重要なのではないか、このように認識をいたします。
○吉良委員 後段で述べられたことを私自身は強く望んでいるわけです。最初、民主主義国家で、私自身はこの大統領選挙を否定したりとか全然そういうのじゃないんですよ。
 先ほど言いました、この四年間、場合によっては二期があり得るかもしれませんので、繰り返しますけれども、短期においてはもうこれしかないんです。そして、その意味でも、今回の日米首脳会談のやりとりも、それから成果も、私自身は非常に評価しています。
 ただ、これは大臣もそうですし、外務省の皆さんが私は物すごく懸命な準備をしたと思っているんですね。私自身が入手しているもろもろの情報でも、トランプ政権は、ティラーソン国務長官は決まって、マティス国防長官は決まっているけれども、その下のポリティカルアポインティーについてはまだほとんど決まっていない。そういう中で、米国側の事務方がまだ、トランプ政権下における対日方針だとか東アジア方針だとか対アジア方針、まだまだ未熟だったときに、ばっとある意味では先制攻撃をしかけて、日本側が準備したもろもろの会談、下準備に基づいて、ほとんどそれに乗っかって、アメリカが乗ってきた、乗らざるを得なかった。それでも私は大成果だと思っているんです。
 そういう意味で、大臣含め、外務省の下準備、相手が整わない中に、日本が言ってほしい日米安保条約五条を尖閣に適用させるということも含めて、トランプ大統領が就任して、あのもろもろの不安定な発言をする中で、皆さんが、今後の日米関係は大丈夫か、日米同盟は大丈夫かと思っていた中で、いざ首脳会談をやってみると、日本が心配していたことが全部クリアされて、日本に一番いい結果が、成果が出ている。これは評価すべきことだ、繰り返しますけれども私はそう思っています。
 と同時に、やはりマティス国防長官がその前に来日されて、マティスさんが、私は思うに、トランプ大統領がまだ世界情勢について必ずしも認識が深まっていない中で、恐らく体を張って、対日関係、対東アジア関係についてのかくあるべしという信念を持ってマティスさんが来日され、また韓国に訪韓され、その下地をしいたがゆえに、今回の成功があったと私は思っています。
 ただ、同時に、大臣の先ほどの後段の答弁、私はその答弁を期待していたと申し上げましたけれども、さっき言いましたように、極端に言えば、半数の人がトランプさんに対していろいろ疑義を持っている。先日のトランプ大統領による議会演説のときに、報道で出ていましたけれども、共和党支持者の八〇%がトランプ氏を支持している、けれども民主党支持者の六%しかトランプ大統領を支持していないという世論調査結果が出ていましたよね。ということになると、本当に四年後は完全に反トランプの旗を掲げて名乗りを上げる大統領候補が出てくる可能性があるし、その方が大統領になる可能性もあるというふうに思っているんですよ。
 繰り返しますけれども、短期的には今の日米関係とトランプ大統領との関係を強固にしていくしかないんですけれども、同時に、四年後以降に、大統領選挙、誰が大統領になっても、日米関係が揺らぎのないような手を打っていかなければいけない。
 その意味で、外務省として、米国の世論調査会社に、毎年、どういうんですか、対日感情というんですか、世論調査をされているというふうに思っていますけれども、私自身は、このサンプル数を、たしか今まで一般の部で一千名対象、そして有識者に対して二百か三百かの対象だったと思うんですけれども、これを大幅に、十倍ぐらいのサンプルに拡大して、そして、繰り返しますけれども、一方ではトランプ政権とがっちり手を結んでやらなきゃいけない、一方では反トランプの世論が全米においてある、その動向を我が国としては絶えず掌握しておく必要があるというふうに思っています。
 特に、今までのような単純な聞き方ではなくて、今言ったサンプル数を大幅にふやして、しかも、今回のトランプ大統領を誕生させた背景は、よく報道等で、また専門家からも分析されていますように、ミシガンだったりペンシルベニアだったりオハイオだったりという、かつては繁栄をした製造業で今ラストベルトと言われているところの低賃金または低学歴白人層がトランプ氏を支持したがゆえにトランプ大統領が誕生した、こういう結果が出ているというふうに私は了解しています。
 その中で、やはり米国民がこのトランプ大統領をどう見ているかということの分析、そして、そのアメリカ人たちが日本をどう見ているかという分析を、きめ細かに、四年後以降を見据えてやっていかなければいけないと私自身は思っています。
 そのことについて、大臣の見解を求めたいと思います。
○岸田国務大臣 日米関係は、外交安全保障さらには経済のみならず、さまざまな分野を通じて我が国にとって極めて重要な関係であると認識をいたします。その我が国にとって大変重要な国である米国の国民世論の動向について、我々は当然敏感でなければならないと考えます。
 米国の国民の皆さんに対する世論調査のありようについても、大事な米国の国民世論を把握する上で十分かどうかという観点からも、引き続きしっかり検討をし、適切な対応を考えていかなければならないと思います。現状についての評価も含めて、ぜひ引き続きこのありようについては検討していきたい、このように考えます。
○吉良委員 よろしくお願いします。
 かつて我が国が日中戦争を行い、その後太平洋戦争に突入していく中で、アメリカが日本に対してより厳しい対応をしてきた背景に、当時蒋介石夫人であった宋美齢氏が、もともと米国留学し米国通だったこともあり、米国世論に対して大きな働きかけをしたということがあったと思いますので、私自身お願いしたいのは、トランプ政権に対する親密度を増す活動というものも大事ですけれども、同時に米国世論自体に働きかけることも必要だということを再度申し上げ、その対応をお願いしたいというふうに思います。
 次のテーマに移らせていただきます。TPPです。
 私自身も、この外務委員会において、民進党所属ながら、TPPを推進するということの重要性についてしつこく発言をしてまいりました。そのTPPが、トランプ政権誕生によって米国の離脱という結果を引き起こしてしまいましたけれども、我が国として今後このTPPをどうしていくつもりなのか、端的にお伺いしたいと思います。
○小泉政府参考人 お答えを申し上げます。
 我が国は、自由貿易の旗手としまして、自由で公正な市場を、アジア太平洋、ひいては世界に広げていく、こういったことを目指していきたいというふうに考えております。
 さきの安倍総理とトランプ米国大統領の間の会談でも、自由で公正な経済圏をつくる、この必要性について強固に一致をしたというところでございます。また、さきの共同声明でも明らかなとおり、日本が既存のイニシアチブを基礎として地域レベルの進展を引き続き推進する、このことについては米国も了解をしているところでございます。
 委員御指摘のとおり、アメリカは離脱を表明したわけでございますけれども、その後も、日本がこのTPPにおいて持っております求心力、これを生かしながら、今後どういうことができるのか、米国以外の各国とも議論をしていきたいというふうに考えております。
 その上で、さらに申し上げますと、TPPに結実いたしました新たな貿易、経済のルール、これは今後の通商交渉におけるモデルとなりまして、二十一世紀の世界のスタンダードになっていくことが期待されるというふうに考えております。
 こういった成果を基礎といたしまして、今交渉中のEUとの間のEPA、あるいはRCEP、日中韓のFTA、こういった交渉におきましても質の高いものを目指して、引き続き自由貿易の推進に全力を尽くしていきたいというふうに考えているところでございます。
○吉良委員 私は、今、二十一世紀の新しい、日本として一番望ましいルールづくりがTPPだというふうに思っています。それだけに米国の離脱は極めて残念ですけれども、米国を除いた、けれども米国にいつでもまた戻っておいでという形で門戸を開いた形での、米国を除いた十一カ国によるTPPの枠組みで新たな枠組みを成立させるということについては、どう考えておられるのでしょうか。
○小泉政府参考人 お答えを申し上げます。
 御案内のとおり、現行のTPP、これは発効要件の規定の関係上、米国が国内手続を完了しない限りは発効しないということに残念ながら現状ではなっております。
 さはさりながら、我が国といたしましては、トランプ大統領下の米国に対しまして、さまざまな機会を捉えて、TPPの持つ経済的また戦略的な意義について説明をしてまいりました。さきの首脳会談でも、若干重複いたしますけれども、日米が主導をいたしまして、アジア太平洋地域また世界に自由で公正な経済圏をつくるということについて一致をしたわけでございます。
 さはさりながら、アメリカがすぐにTPPに帰ってくるということではないと思いますけれども、我が国が、少なくともTPPを推進する意図につきましては、トランプ大統領を含む米国にもしっかりと理解をしていただいているというふうに考えております。
 今後のTPPのあり方についてはさまざまな考え方があろうかと存じておりまして、いずれにしましても、我が国としましては、TPPにおいて日本が持っている求心力、これをフルに活用しながら、今後どういうことができるのか、最も望ましいのかについて、関係各国と引き続き議論をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
○吉良委員 先ほども言った、政府としても、このTPPの価値というか、発効はしていないけれども、合意した内容の価値というものを十分理解してそれを生かしたいと思っているわけだし、そして私自身も、民進党はそうでなかったですけれども、私は批准をしたことが非常によかったというふうに思っております。それは、今答弁されたように、今後、自由貿易、自由な投資環境をつくるということの旗振り役に、そのリーダーに日本がなれるからです。
 であるならば、やはりもう一回TPPを目指すべきだと私は思っているんですね。おっしゃったように、既存TPPについては発効条件があるから、これはもう成立しないのははっきりしました。だけれども、もう一回、残りの十一カ国でやり直せないのかということなんです。
 その際、私も、ずっと貿易・投資等々は、民間の時代からも、また外務省でもお世話になっていましたから、わかっています。
 今のTPPの、例えば関税撤廃、関税の引き下げについての部分は、それぞれの国が巨大マーケットであるアメリカにアクセスできる、アメリカ・マーケットにアクセスできるという前提で、この関税をなくしますとかこの関税を引き下げますということがあるので、アメリカがいなくなったら、ちょっと待ってよ、一からやり直しだよね、このことはわかります。
 それでも、特にルールの部分においては、アメリカが抜けても、さっき言った、アメリカを将来迎え入れるという前提で新しいルールを船出させましょうよということはあってもいいと思うんです。
 もう一度聞きますが、これはできたら、申しわけないけれども大臣にお聞きしたいんですが、今言った、日本が中心になって、そのために、繰り返しますが、当時でいえば、共和党、民主党両候補がTPP反対だということがわかっていながら我が国として批准までしたわけですから、そのリーダーシップを発揮して、米国に門戸を開いたまま、残り十一カ国、中には抜ける国もあるかもしれませんけれども、それでもこのTPPを、合意した内容をもう一回船出させるということについては、大臣、どう考えますか。
○岸田国務大臣 まず、我が国としましては、引き続き、TPPの戦略的意義あるいは経済的意義については、米国を初め関係国にしっかりと訴え続けていきたいと思います。その上で、委員の方から、TPPの中で例えばルールだけでも取り出して十一カ国で結ぶことができないか、何か工夫ができないか、こういった御指摘がありました。
 一般論で申し上げるならば、そのルールも含めて、TPPというのは、十二カ国の間の一つの合意が形成されている、要はさまざまな課題が複雑に絡み合って全体ができ上がっていると認識をしております。あくまでも一般論ですが、そういった状況を考えますときに、一部だけ取り出すというようなことで再交渉等を行えば全体のバランスが崩れてしまうのではないか、こういった点には留意していかなければならないとは思います。
 ただ、いずれにしましても、我が国としては、我が国はTPPの議論において大きな求心力を持っておりましたし、今でも持っていると認識をしています。この求心力を生かしながら、今後どのようなことができるのか、こういったことについて関係各国と議論は続けていきたいと考えます。
○吉良委員 私は、ルールだけで、関税部分を除けとまでは言っていないんですけれども。先ほど言いましたように、アメリカという巨大マーケットに十一カ国がアクセスできるということで成り立ったという要素があるので、アメリカが抜けた場合は残念ながら関税の部分は多分一からやり直しになるんだろう、そういう思いがあるので、それでもやれるのであれば関税含めて、ルールの部分は比較的、関税に比べれば全くゼロからというのではなくて、五〇なのか六〇なのかから始められるのではないかという思いと期待の中で申し上げた次第です。
 ただ、一つ気の毒なのは、それこそ外務省の経済局の皆さんを中心に、ここ数年本当に、会合がある直前、もう徹夜、徹夜の連続で積み上げてきて、そして米国の離脱。今からもう一回あの交渉を一からやれといっても、もう気力がないというのが現実だと思うんですよね。だから、ほんの少し休養した上で、日本の国益を考えて、ぜひもう一度チャレンジをしていただきたいと思っています。
 一方で、トランプ政権は二国間を重視する、こういうことで日米自由貿易協定というものが今後テーブルにのってくると思っています。私自身は、正直言って、二国間よりも多国間を優先すべきだ、こう思っていまして、それは、特に日米の自由貿易協定については、まず安全保障と経済は別だとはいっても、トランプさんのそれこそ不動産事業、不動産ビジネスから脈々と続く交渉スタイルから見ても、あらゆる交渉材料、有利な状況をつくり出そうとする、そういう意味で安全保障と完全に切り離すことができなくなるのではないかと思っています。そういう意味で、日米自由貿易協定については、私は慎重であるべきだというのが私自身の考え方です。
 もう一点は、これは大臣含め外務省の皆さんみんなわかっていることでありますが、トランプさんは、トランプ大統領のまさに氏素性からして、国際的な物の流れ、サプライチェーン、それから資本、資金の流れ、それからグローバリゼーションによってどういうところにどういう雇用が生まれているかというようなことについて、ほとんど理解がないんじゃないかというふうに思っています。
 NAFTAも見直すとか言っていますけれども、確かにメキシコに対して米国の工場が移っている、これは事実ですけれども、でも、そこは米国資本がメキシコに工場をつくって、そしてそこでつくった製品はアメリカに輸出していて、そしてアメリカ側にはその製品を輸入する輸入業者がいて、そしてそれを全米じゅうに輸送する輸送業者がいて、そしてまたリテールで、小売で販売する人たちがいる。そういう人たちは、やはり法人税を払い、所得税を払っているし、雇用がある。そして、そのメキシコからあのアメリカに輸出した結果として出てきた利益は、配当としてまたアメリカに還流をしている。
 こういう米国にとって極めて大きな利益があるからこそ、NAFTAという枠組みをつくって、こういう流れがあるわけですよね。恐らく、私は、トランプ大統領の言動を見聞きする限り、その辺の仕組みについてほとんどわかっておられないと思います。周りはもちろんわかって進言しているんでしょうけれども。
 だから、こういうことを考えたら、そして、今私が申し上げたような仕組みというのは、日本が、まさに東南アジアを含めて、また日本企業がメキシコに進出することを含めて、まさにグローバルなバリューチェーン、サプライチェーンをつくっているのが日本ですよね、そういう中で、一対一のバイでやる枠組みづくりというのは、ほとんど私は意味がないと思っているんです。面でなければ意味がない、日本の国益を考えたときに、日本の企業のサプライチェーンを考えた場合に。
 そういう中で、日米自由貿易協定というものに私はひょこひょこ乗っていくべきではないと考えていますけれども、大臣の見解はいかがでしょうか。
○岸田国務大臣 まず、委員御指摘のように、グローバルなサプライチェーンの存在など、今の国際経済の状況を考えますときに、二国間協定だけではなくして、マルチの枠組みというものは大変重要であると思います。二国間協定にはないメリットがマルチの協定にはあると認識をいたします。
 だからこそ、我が国としましては、引き続きTPPの戦略的、経済的意義は訴え続けていきたいと思いますし、その成果を我々は大事にしたいと思いますし、それ以外の経済連携、日・EU・EPAですとかRCEPですとか日中韓FTA、こうした枠組みも大事にしていきたい、このように思います。
 そして、その中で、日米においてどうするべきなのかという議論につきましては、まず、先般の首脳会談、そして一連の会談におきまして、米国側から二国間FTAについて具体的な要請、これはありませんでした。そして、その上で、首脳間においては、自由で公正な貿易のルールに基づいて、日米両国間及び地域における経済関係を強化することに引き続き完全にコミットしている、こういったことを確認し、そして、先ほども議論に出ておりましたが、麻生副総理とペンス副大統領のもとで日米経済対話を立ち上げることになりました。
 ですから、まずは日米首脳で、自由で公正な市場を世界に広げていくという日米共通の目標のもとに、今後、建設的な議論を行っていきたいというふうに思いますし、そして、日米の関係におきましては、今申し上げた新たな経済対話の中で、どのような取り組みが日米経済にとって最善であるのか、こういった観点から議論を進めていきたいと考えます。
○吉良委員 RCEPについても聞きたいんですが、時間がほとんどなくなってきましたので、RCEPについてはまた時を改めて突っ込んで議論をしたいというふうに思っていますが。
 私は、先ほど来、TPPを何とか生き残らせたいと思っているのは、RCEPも極めて重要なんですが、TPPが成立しない中でRCEPが先行するということは、どうしても中国の影響力が大きくなってしまうという懸念を持っているんです。
 RCEPも重要です。ただ、私自身は、前々回の外務委員会でも言いましたが、TPPというのは、単なる経済的な枠組みという枠を超えて、地政学的にも太平洋全域を含むということ、そしてその参加国が極めて自由な貿易投資を重視する国々だということ、ですから、そこが非常に重要で、TPPが右手にきちっと成立してRCEPに突っ込んでいくことはいいんですけれども、TPPがない中でRCEPに突っ込んでいくということは、私自身は慎重であるべきだと思っています。
 もちろん、日本自体が、もともとはASEANプラス6という構想を打ち上げて今のRCEPになっているわけですから完全否定するというわけではないんですが、もともとTPPがなぜ必要かということを我が国の経済、外交戦略の根本に戻って考えたときには、APECがあって、FTAAPという環太平洋の自由貿易協定をつくっていこうというところからスタートして、当初は小さな国四カ国で始まったTPPというものが、ルールの面において求めている将来的な姿について極めて、日本も米国も、これぞ求める二十一世紀型の、大臣もおっしゃったマルチの経済連携だということで突き進んだわけですから、私自身は原点に戻って、やはりFTAAPというものを日本としては常に念頭に置きながら、そのバランスをとりながらTPPとRCEPというものを考えていかなければ、推進していかなければいけない。
 その際に、RCEPだけが先行するというのは、先ほど言いました、やはり中国の影響力が過度に強くなり過ぎる。だから、結果として、環境規制について、TPPよりはるかに劣ったものになるのではないか、労働規制において、はるかに劣ったものになるのではないか、模造品、偽造品含めて知的財産について、はるかに劣ったものになるのではないか。それが先に先行して発効することが我が国にとっての国益なのかということについては、私自身、強い懸念を持っています。
 私自身の今言った見解について大臣の感想をお聞きして、質問を終わりたいと思います。
○岸田国務大臣 まず、御指摘のように、TPPにつきましては、経済的な意義のみならず、戦略的、地政学的な意義があり、ぜひこれからもこうした重要性については訴えていきたいと思います。
 そして一方、RCEPを考えた場合には、RCEPは、アジア太平洋地域だけではなくして、インドも含めた、より広域な地域を含めることになります。
 人口でいいますと、RCEPは、全世界の五割を占めることになりますし、GDPあるいは貿易総額でいきますと世界の三割を占めるという地域をカバーすることになります。RCEPはRCEPで、経済的意義のみならず戦略的、地政学的な意義を持っていると思います。
 よって、TPPもRCEPもともに重要であるという認識のもとに、我が国はこの取り組みを進めていかなければならないと思っています。
 そして、RCEPを考える場合に、やはり、より質の高いものを目指すべく努力をしていく、これは大変重要な視点ではないかと思います。
 そういった観点もしっかり念頭に置きながら、RCEPにも、そしてTPPにもしっかり前向きに臨んでいきたい、このように考えます。
○吉良委員 TPP、RCEPの各論はまた時を改めてやらせていただきたいと思います。
 これで終わります。ありがとうございました。
    〔委員長退席、新藤委員長代理着席〕
○新藤委員長代理 次に、笠井亮君。
○笠井委員 日本共産党の笠井亮です。
 北朝鮮は去る三月六日午前、日本海に向けて弾道ミサイル四発を発射して、うち三発が日本の排他的経済水域に落ちました。
 北朝鮮の繰り返されるミサイル発射は、核開発と核兵器開発が不可分に結びついたまさに軍事行動であり、国際の平和と安全に深刻な脅威を及ぼす行為であります。そして、それは国連安保理決議、六者会合の共同声明、日朝平壌宣言に違反する暴挙と言わなければなりません。
 日本共産党は、北朝鮮の行為を厳しく非難し、抗議するものであります。
 そこで、冒頭、改めて、岸田大臣にこの問題に対する所見を伺っておきたいと思います。
○岸田国務大臣 委員御指摘のように、今回の北朝鮮の弾道ミサイルの発射、これは、累次の国連安保理決議、そして日朝平壌宣言に違反するものであると思いますし、六者会合共同声明の趣旨にも反するものであります。
 我が国としましては、北朝鮮に対しまして厳重に抗議を行うとともに、最も強い表現で非難を行いました。そして、あわせて、我が国は、米国、韓国とも協力しながら、今月の国連安保理議長国であります英国に対しまして、安保理緊急会合の開催を要請いたしました。恐らくニューヨーク時間で八日じゅうには開催されるものであると思いますし、そしてそれに先立って、先ほど、安保理としましても強いプレスステートメントを発出したという情報が入ってきました。
 要は、国際社会とも協力しながら、北朝鮮に対しまして強いメッセージを発出していかなければならないということで取り組みを続けているところであります。
 そして、関係国との関係においても、一昨日は日米、そして日韓の間で外相電話会談を行いましたし、昨日は日米首脳電話会談を行いました。そして、六者会合の首席代表レベルにおいても、日米韓、さらには中国との間においても意見交換、情報交換を行っているところであります。
 引き続きまして、国際社会とも協力しながら、北朝鮮に対して厳しい対応をとっていきたい、このように考えます。
○笠井委員 北朝鮮は、みずからの核兵器開発を自衛のための抑止力、核抑止力というふうにして正当化をしてきました。それと不可分に結びついて繰り返されるミサイル発射によって核武装化を進むということは、北朝鮮が国際的な批判と孤立をさらに深めて、そして彼ら自身にも未来のない道になっていくということは明らかだと思うんですけれども、この点で岸田大臣、どうでしょうか。
○岸田国務大臣 ぜひ、国際社会が厳しい対応をとることによって、北朝鮮のこうした核兵器国化というものは許されないんだということ、核兵器国化と経済的な発展の両立ということはあり得ないんだということ、こういったことをしっかりと示していかなければならないと思います。
 我が国としましては、核、ミサイル、そしてあわせて拉致問題という問題があり、こうした問題を包括的に解決しなければなりません。そういったことから、対話と圧力、これは両方が重要であるとは思いますが、こうした建設的な対話を行うためにも、まずは北朝鮮から、核兵器国であることを諦める、非核兵器化に向けての前向きな言動が示されることが重要であると認識をいたします。
○笠井委員 そういう点でいいますと、今こそ国際社会が一致結束をして、経済制裁を厳格に実施して、この圧力を強めるということと一体に、外交交渉を通じて北朝鮮に非核化を迫って、核・ミサイル開発の手を縛ってその放棄に向かわせる、そういうことが極めて重要になってくる、より重要だということでよろしいんですね。
○岸田国務大臣 御指摘のとおりだと認識をいたします。
○笠井委員 そこで、いかにして北朝鮮の核・ミサイル開発をとめていくかということが肝心な点だと思います。
 この点で、安倍総理が、日米首脳会談を受けた、去る二月十四日の衆議院の予算委員会で、注目する発言をされました。米国がトランプ政権にかわって、オバマ政権時代の戦略的忍耐から政策の変更について今議論している最中だというふうに安倍総理が答弁で言われたわけで、私たちはこのことに注目をしておりますが、岸田大臣は、この動きをどう見ておられるでしょうか、米国の動き。
○岸田国務大臣 御指摘のように、米国は、あらゆる手段がテーブルの上にあるという認識のもとで、北朝鮮に対する政策について今検討を続けていると承知をしております。
 こうした米国の取り組みについては、今後も、来日するティラーソン国務長官等ともしっかりと意思疎通を図っていきたいと思いますし、いずれにせよ、米国の北朝鮮に対する政策、対応については、我が国自身、米国としっかりすり合わせを行い、意思疎通を行い、そして政策的にもすり合わせを行っていくということ、これは大変重要なことであると認識をいたします。
○笠井委員 オバマ政権がとってきた戦略的忍耐というのは、北朝鮮に経済制裁を行う一方で、北朝鮮が非核化の意思を示さない限り外交交渉には応じないという政策でありました。しかし、現実には、この政策のもとで北朝鮮が核・ミサイル開発をどんどん進めてきたというのが現実だったと。米政権がその政策変更について議論しているというのは、そうした従来の戦略的忍耐という政策の、ある意味破綻を認めるものだと思うんです。
 問題は、変更するという、政策の変更の方向がどっちにどう行くかということだと思うんですね。一部に、先制攻撃など、軍事的選択肢が言われておりますけれども、そういう道は絶対にとるべきでないというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。
    〔新藤委員長代理退席、委員長着席〕
○岸田国務大臣 今日までの国際社会の北朝鮮に対する対応、累次の国連安保理決議に基づく制裁、あるいは日米韓、こうした関係国による独自の措置、こうした措置に基づくさまざまな制裁は、北朝鮮の厳しい経済状況を考えますときに、これは一定の効果があったと我々は認識をしております。
 その上で、今後の北朝鮮の状況について注視していかなければなりませんが、まずは、こうした制裁措置の実効性をしっかり高めていき、そして北朝鮮の反応を見た上で、今後を考えていかなければなりません。
 そして、米国政府内で、対北朝鮮政策について見直しが行われているということは承知をしておりますが、この検討状況について今の段階で我が国の立場から何か申し上げるのは控えなければならない、申し上げる立場にない、このように考えます。
 いずれにせよ、米国との政策的なすり合わせは重要であると考えます。しっかり意思疎通を図ってまいります。
○笠井委員 言う立場にないと今言われたわけですが、この戦略的忍耐の見直しの際に、例えばマティス米国防長官は、全ての選択肢をテーブルの上に載せているというふうに言われている。その中には、軍事力の行使のオプションもあれば、外交的な解決のオプションもあると思うんですけれども、軍事のオプションをとれば、これは軍事対軍事の最悪の悪循環に陥るだけで、そんな道を絶対とっちゃいけないと思うんですね。ならば、外交的解決しかないということになります。
 日本政府として、米国が北朝鮮に対して、経済制裁の厳格な実施強化を図りながら、従来の戦略的忍耐の方針を転換して、外交交渉で非核化を迫るという方針をとるように、むしろ積極的に日本政府が働きかけるべきではないかと思うんですが、大臣、どうですか。
○岸田国務大臣 先ほど申し上げましたように、米国の対北朝鮮政策の見直しについて申し上げる立場にはないと思いますが、東アジア、そしてアジア太平洋地域における米国の抑止力というのは大変重要であると認識をいたします。そういった観点から、米国ともしっかりと意思疎通を図っていきたいと考えます。
○笠井委員 問題は、この問題の冒頭にも申し上げたとおり、北朝鮮の核・ミサイル開発をどうとめていくかということであります。そういう点では、北朝鮮と外交交渉の中で非核化を迫る、経済制裁の圧力と一体になって、核・ミサイル開発の手を縛って放棄に向かわせる、その方向で、国際社会が新しい方向に進むように日本政府が正面から働きかけるべきだということを重ねて強調したいと思います。
 同時に、岸田大臣、この問題は、より根本的には、今こそ国際社会が本気になって、核兵器のない世界を実現するための具体的な行動に取り組むことがいよいよ重要になっているというふうに考えるんですけれども、日本政府としてはどういう決意と方針で、そういう点では核兵器のない世界を目指していく、こういう問題に関連して考えておられるか、大臣、いかがですか。
○岸田国務大臣 我が国の核兵器のない世界を目指すための基本的な立場ですが、核兵器の非人道性に対する正確な認識と厳しい安全保障環境に対する冷静な認識、こうした二つの認識に基づいて、核兵器国と非核兵器国の協力のもとに現実的、実践的な取り組みを進めていく、これが基本的な立場であります。
 こうした立場に基づいて、我が国として核兵器のない世界に向けて努力を続けていきたい、このように考えます。
○笠井委員 国連総会は、昨年、二〇一六年の十二月二十三日に、核兵器禁止条約の締結交渉を開始するということでの決議を、賛成百十三カ国という圧倒的多数で採択をいたしました。これによって、核兵器を禁止してその全面廃絶につながるよう、法的拘束力のある文書、核兵器禁止条約の交渉が、市民社会、反核平和運動の参加も得て、ことし、二〇一七年の三月と六月から七月にかけて、国連本部で開催されるということになったわけであります。
 我が党は、核兵器のない世界への扉を開く画期的な動きとして心から歓迎するものでありますし、私自身も被爆二世として、ようやくここまで来たか、七十数年たってということで、本当に被爆者とともに感慨を持って歓迎しているところであります。
 北朝鮮に核・ミサイル開発の放棄を迫る上でも、私はこの会議の成功というのがいよいよ重要になっていると思います。
 そこで、岸田大臣に伺いますが、去る二月十六日に、この交渉会議を準備する組織会合が開催をされましたが、なぜ日本は欠席したんでしょうか。三月の交渉会議には出席することにしたんでしょうか。いかがですか。
○岸田国務大臣 まず、御指摘の昨年十二月二十三日の決議につきましては、我が国は、厳しい安全保障環境に対する認識、さらには核兵器国と非核兵器国の協力を促していく、こういった観点から問題があると考え、決議には反対をいたしました。
 我が国の立場は、この決議に北朝鮮は賛成をした、そしてドイツですとかオーストラリアですとか、従来から我が国とともに非核兵器国として核兵器のない世界に向けて努力をしてきた、こうした中道の非核兵器国が全て反対をした、そして核兵器国も一国たりとも賛成しなかった、こういった各国の投票行動から見ましても、我が国の判断は妥当であったと考えています。
 ただ、おっしゃるように、結果として決議は採択されました。そして、今月末からこの交渉が始まることになります。
 そして、御質問は、その組織会合、すなわち準備会合に我が国はなぜ出席をしなかったのか、そして結果的に三月末の交渉に参加するのかということでありますが、我が国としましては、今申し上げました交渉のありようについて、今後どんな方式で交渉が行われるのか、そしてどんな環境で議論が行われるのか、そして我が国としてしっかりとした我が国の立場を主張することができるのかどうか、こういったことについてしっかりと確認をした上で、政府としての対応を決定していかなければならないと思っております。
 まだその対応がしっかり決定しておりませんので、組織会合については出席を見合わせましたが、組織会合の内容につきましてはしっかりと状況を把握しているところでありますし、その情報も含めて交渉のありようについてしっかり確認をした上で、政府として責任ある対応を決定していきたい、このように考えております。
○笠井委員 ある意味画期的な国連総会決議に反対をしたということで、今、大臣からそのことがあったんですが、私は、これは被爆国としては、唯一の戦争被爆国としては極めて恥ずべき投票態度だったと思いますし、他の同盟国のことを言われましたが、他の同盟国とも違って、日本は被爆国なわけですから、同じ態度をとったということでそれは合理化はとてもできないということは言っておきたいと思います。
 そして、この準備会合についてのことで、組織会合についてですが、今大臣が、どんな方式で、そしてどんな環境でこの交渉会議が開かれるか、それから日本の主張が主張できるのかということで、それを確認が必要だったというお話があったんですが、では伺いますけれども、情報収集して交渉会議の参加の可否を判断するということで今言われたわけですが、この二月十六日の組織会合、準備会合はどういう結果だったのか、そして必要な判断材料は得られたのか、何が得られていないのか、その点、いかがですか。
○岸田国務大臣 二月の組織会合につきましては、今月末から始まる交渉会議に関して、議長としてコスタリカ・ジュネーブ代表部大使を選出し、そして交渉会議においてNGOに発言の機会を与える、こうした点について幾つか合意がありました。
 一方、手続規則案については、意思決定方式等に関して合意に至らず、引き続き、会議開始まで非公式協議が続けられることになった、このように承知をしております。
 引き続きまして、その会議がどのような方式、環境で行われるのか、しっかり情報収集をし確認を続けていきたいと考えております。
○笠井委員 岸田大臣は、昨年の国連総会決議が採択されたときに、交渉には日本政府として参加すべきだというふうに発言をされました。
 昨年十二月七日の参議院の拉致問題等特別委員会でも、我が党の武田議員の質問に対してこう答弁されております。「来年三月には核兵器禁止条約の交渉がスタートすることになる」と。「この議論が始まったならば、我が国としまして、唯一の戦争被爆国として、」「核兵器国と非核兵器国の協力をしっかりと促していく立場から堂々と議論に参加するべきであると私は考えます。」と。堂々と参加すると。
 こういうふうに明確に述べておられたわけですが、その立場はもう今変わってしまったんですか。
○岸田国務大臣 立場は変わっておりません。
 我が国は、核兵器の非人道性に対する正確な認識と厳しい安全保障環境に対する冷静な認識、この二つの認識を大事にしながら、核兵器国と非核兵器国の協力のもとに、現実的、実践的な取り組みを進めていく、これが基本的な方針です。この方針に基づいて、主張すべきことは主張すべきだというふうに考えています。
 現実に核兵器を持っているのは核兵器国です。核兵器国の協力なくして結果を得ることはできない、一方的な議論で核兵器国の参画なくして結果を出すことはできない、こうした考え方についてしっかりと訴えていくべきであると私は思っていますが、こうした議論が行えるのかどうかなど、さまざまな議論の方式、環境について確認をした上でなければ、政府として責任ある対応を判断することはできない。そのための情報収集を続けていく。こういったことを申し上げている次第であります。
○笠井委員 参加の条件や議論の状況について確認が必要だと言われましたが、具体的に何が確認されなければならないというふうに考えていますか。
○岸田国務大臣 唯一の戦争被爆国としては、核兵器国と非核兵器国の協力を促していくことが大変重要であると思いますし、それこそ我が国の立場であると思います。そういった観点から、我が国は今後ともこの議論をリードしていかなければならないと思います。その我が国の立場にふさわしい議論の環境なのかということについて、しっかりと確認を今しているところであります。
○笠井委員 核兵器禁止条約の交渉会議を招集した国連総会決議が、本文の第二項で、パラグラフ二のところで、歓迎するというふうにしている作業部会、OEWGの報告書ですね。昨年八月十九日の中には、Bということで、核兵器のない世界の達成と維持のために締結が求められる具体的かつ効果的な法的措置、法的条項及び規範ということで、多様なアプローチが列挙されております。
 一つは、いわゆる禁止先行型の核兵器禁止条約、さらに包括的な核兵器禁止条約、三つ目には核兵器禁止枠組み条約、そしてその上で、さらに漸進的、段階的アプローチなどが列挙されているわけでありますが、こうした作業部会の最終報告に基づいて国連総会決議が出されているわけでありますけれども、そうした作業部会で言われているような多様なアプローチを土台にして、あるいはそれを含めて、交渉会議では議論がされるということになるんじゃないんですか。
○岸田国務大臣 昨年末に採択された、こうした核兵器禁止条約交渉を開始する決議ですが、その中においては、同会議の目的は核兵器を禁止する法的拘束力のある文書を交渉することであり、そして、それが核兵器の完全廃絶につながる、このように記されています。
 一方、御指摘の作業部会の報告書、OEWGのこの報告書ですが、これは同作業部会の場において議論された、核兵器の廃絶に向けたさまざまな具体的なアプローチが取り上げられている、こうした経緯については承知をしております。
 その上で、今後の、三月二十七日から始まります交渉においてどんな交渉が行われるのか、この環境や方式につきまして情報収集を続けているところであります。ぜひ、しっかりとした判断をするためにも情報収集を行い、政府として責任ある決定を行いたいと思っております。
○笠井委員 このさまざまなアプローチの中では、日本政府が主張してきたようなことも含めたいろいろな形で列挙されているわけですから、そこに行っていろいろ議論するというのは、当然何も、不思議な、できないことではないし、むしろそういう流れで来ているんだと私は思います。
 国連総会の決議には、第九項、本文、パラグラフの九ですが、全ての加盟国に対してこの会議に参加するように奨励するというふうにしておって、第十二項、パラグラフ十二で、会議の参加国に対して、核兵器を禁止し、それらの全面的廃棄に導く法的拘束力のある文書をできるだけ早く締結するために最善の努力を尽くすよう呼びかけるとしております。
 この決議に、先ほど大臣が言われた、日本政府が反対をしたと、まさにアメリカの圧力のもとでそういう態度をとったということでありますけれども、唯一の戦争被爆国にあるまじき態度をとったことに、国民、そしてとりわけ被爆者からも厳しい批判の声が上がっているのは当然だと思うんです。
 先ほどから大臣は繰り返し言われます、核兵器国の協力なくして結果を出せないんだというふうに言われるけれども、では、その核兵器国はどういう態度を核問題についてとっているか、そしてこの交渉会議をめぐって態度をとっているかというと、米英仏ロ中、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国の、いわゆるP5、核保有五大国は、昨年九月に、国連総会を前にした会合をワシントンで開いて、段階的アプローチ、ステップ・バイ・ステップが核軍縮に向けて前進する唯一の選択肢と主張して、核兵器禁止条約に背を向ける態度を表明しているわけです。そして、トランプ大統領は、アメリカ大統領は、むしろ公然と、核戦略を強化するというふうに述べている。
 そういう核保有国、核兵器国と協力してどんな結果が出せると、協力しなきゃ結果は出せないと言われるけれども、どういう結果が核兵器のない世界に向けて出せるんでしょうか。
○岸田国務大臣 核兵器国に対する働きかけですが、先ほど申し上げました基本的な立場に基づいて、我が国は具体的な働きかけを行っています。
 NPT体制を重視し、そして、CTBTの早期発効に向けて、今現在、我が国はカザフスタンとともに共同議長国として調整国の役割を果たしています。
 FMCTにつきましても、先日、ハイレベル専門家会議、二十五カ国が選定されましたが、我が国もその一国に選ばれ、この議論をリードしています。
 そして、NPDIにおきましても、核兵器国と非核兵器国の協力の基本、土台は核兵器の透明性であるということで、核兵器国に対しまして、核兵器保有の実態を明らかにするということで、この基本となる書類のひな形も作成して、働きかけを行っているわけでありますし、核兵器国の核軍縮への取り組みは、米ロだけではなくして他の核兵器国にも拡大するべきである、こういった働きかけを行っています。
 こういった取り組みに基づいて、核兵器国の協力をしっかり得ることによって結果に結びつけていきたい、我が国としてはそういった方針をとっておりますし、こういった方針を訴えている、これが我が国の立場であります。
○笠井委員 段階的アプローチということなんでしょうけれども、今大臣が言われた、CTBTの早期発効の問題とか、それからFMCTの早期交渉開始に向けてずっと努力しているんだ、核兵器国とも話してやっているんだと言われるけれども、結局ずっとそれは進まないわけですよね、発効しないわけですよね。もう長い期間にわたって交渉も進まないという状況になっている。
 結局のところ、核兵器保有国、核兵器国が核兵器にしがみつく、むしろ強化するという態度をとり続けている、そこのところを変えないと、結局部分的措置だって前進しないということになってきている。やはり全てをなくしていくということで、全世界でなくそうという、まさにそういう点での合意をつくっていくことがない限り、部分的措置も前進をしないということだと思うんですよ。
 二月十六日の準備会合、組織会合でも、ASEANを代表してタイの代表が発言をしておりますけれども、核兵器が存在する限り脅威をもたらす、核兵器が使われない唯一の保証というのは完全な廃絶だと。こういう立場に立つというふうに、被爆国である日本が先頭に立って核兵器国に対して物を言っていく、そうしない限り事態を打開できないということになっていることは明らかだと思うんですね。
 核兵器国と非核兵器国の間の亀裂を一層深めるということで国連総会決議に日本は反対したと、国会でも答弁で総理を先頭に言われておりますけれども、現に開かれる交渉会議、反対、賛成、あったにしたって、そういう形で核兵器を法的に拘束力を持って禁止しようということで交渉するという会議が開かれることになった、それに対して、それを欠席したり、あるいは出席して条約の一日も早い締結に反対をするということになれば、出席する非核兵器国から猛反発を食らう、被爆国が一層亀裂を深める先頭に立つということになるんじゃないですか。
 そういう点でいうと、私は岸田大臣に強く問いたいと思うんですが、戦後七十年余りの外交交渉の歴史を見たときに、核軍縮の部分措置を幾ら積み重ねても核兵器のない世界に到達し得ないことは、もう事実をもって証明されている。段階的アプローチというのは、核兵器を永久に先送りする、核兵器にしがみつく最悪の議論だと思うんです。
 そういう点で、その点をしっかりと切りかえる、今こそ日本政府がそういう決断をして、交渉に参加をして、むしろ法的拘束力のある条約をつくるためにリードする、そういう役割こそ発揮すべきだと思うんですが、どうですか。
○岸田国務大臣 私は、NPTあるいはCTBT、FMCT、NPDI、こうした取り組みは引き続きこれからも大変重要であると考えます。この取り組みはこれからも続けていかなければならない、このように思います。
 そして、今日、具体的な結果が出ない、この最大の要因こそ、これは核兵器国と非核兵器国の亀裂が大きくなっている、このことであると私は認識をしております。
 一昨年、五年に一度開かれたNPT運用検討会議においても、成果文書すらまとめることができなかった、それほど、今、核兵器国と非核兵器国の対立は深刻な状況にあります。この状況について何とかしなければ、これは結果を出すことはできないと強く思っています。そして、そのために汗をかくことこそ、唯一の戦争被爆国としての立場ではないか、このように思います。
 この深刻な状況の中で、ますます核兵器国と非核兵器国が乖離してしまうというようなことはあってはならない、こういったことで具体的な取り組みを進めていく、これこそ唯一戦争被爆国としての我が国の立場であると確信をしております。
 この考え方に基づいて、具体的にどう我が国は振る舞うべきなのか、真剣に考えていきたい、このように考えます。
○笠井委員 CTBT、FMCTということで、部分的措置、私は大事だと思っています。しかし、本当にではなぜ進まないのかということでいうと、それは、核兵器国と非核兵器国の亀裂が広がったり起こっていることが問題というんじゃなくて、そこが原因じゃないですよ。だって、非核兵器国の方は、核兵器をなくそう、そして核実験の全面禁止も、包括的核実験の禁止もちゃんとやろうと、ずっと言い続けているわけですよね。
 NPTの会合だってそうです。ずっと五年ごとにやられてきて、私も二〇〇五年、二〇一〇年、行ってきました。
 そして、そういう形でいろいろ議論して、合意をしたということもあれば、また、アメリカを先頭にしてその合意を崩すような動きをするということで、そういうやりとりになっていて、非核兵器国の方は、核兵器をなくそうじゃないか、核兵器のない世界をつくっていこうじゃないかとずっと言っておるのに対して、アメリカを先頭に核兵器五大国そうですが、そうじゃなくて、核兵器は持ち続ける、特にアメリカのトランプ大統領は、使用も辞さないという立場までとるわけですよね。そして、そういう戦略まで見直していこうということを言ってくる、さらにやっていこうということを言っているという状況ですから、では誰が進めていないか、妨害しているかというのは明らかじゃないですか。
 そこのところをしっかりと、核兵器問題で一番、被爆の原点に立って、それこそ国連の一号決議、それ以来、あのときには、一九四六年一月二十四日ですけれども、第一回国連総会で全会一致で採択したわけですね、核兵器の禁止ということも確認したわけですから、そういう原点を一番大事にするのが被爆国日本政府でなければならないわけですから、日本の役割というのはおのずとはっきりするんじゃないですか。
 これだけ大事なタイミングです。戦後七十二年目にここまで話が進んできたということは、いろいろあったって、会議が開かれることになったわけです、国連のもとで。ここを本当に大事にするのが日本政府じゃないですか。
 それに対して、条件がどれだけ整っているかとか、いろいろなことを言われながら、結局、参加するかどうかもまだ決めない。そして、参加して、むしろきちっと禁止のためにリードするという態度もとられない。これは本当に情けないことだと思いますよ。ここはしっかり改めるべきだと、大臣、改めてそのことを問いたいと思います。
○岸田国務大臣 非核兵器国の高い理想、これは大変とうといと私も思います。ただ一方で、核兵器国の、実際に核兵器を持っている核兵器国の協力なくして結果を出すことができない、このことも、この四年余り外務大臣をやりながら強く感じてきたところであります。よって、この両者の橋渡し役こそ、唯一の戦争被爆国として重要であると認識をしております。
 先ほど申し上げました二つの認識のもとに、核兵器国と非核兵器国の協力を得、そして、現実的、実践的な取り組みを行うという我が国の立場を盛り込んだ決議は、昨年、今議論になっております核兵器禁止条約交渉を開始するという中身の決議とあわせて国連で採択をされました。
 この問題、今御指摘のこの決議については賛成百十三という御指摘がありましたが、我が国の立場に基づいてつくった決議は、アメリカにも共同提案国になってもらい、合わせて百六十を超える多くの国から賛成を得ています。
 我が国の基本的な立場に基づいた決議がこれだけ多くの国々から支持をされているということを考えましても、我が国の立場はこれからも大事にしていかなければならない、その立場に立って具体的にどうあるべきなのか、唯一の戦争被爆国としてしっかりとした責任を果たすためにはどうしたらいいか、こういった観点からこれからも努力を続けていきたい、このように考えます。
○笠井委員 今、非核兵器国が掲げる主張というのは高い理想でとうといという話を言われましたが、理想として高くてとうといというのはもちろんですけれども、しかし、何よりも、二度と核兵器の惨禍を繰り返させてはいけない、まさにそういう国々が、広島、長崎の原点、そして被爆者の訴えも受けとめながら、国際社会の中で主張もし、議論もし、やってきたという中でできたものです。
 そして、大臣が先ほどから言われますけれども、安全保障環境とか言われるけれども、だったら、そういう点で、北朝鮮の核・ミサイル開発だって、本当にとめるためにどうするか。外交努力が必要、同時に、より根本的にはこの地球上から核兵器をなくすということが本当に必要だというところに立ったときに、まさにそれは、理想だとかあるいはとうといというふうに言うにとどまらず、現実の課題として、喫緊の緊急課題だという位置づけが本当に必要なんじゃないでしょうか。
 そして、日本政府が決議をこの間提案してきた。百十三カ国で、賛成が多かった。被爆国が提案した決議、多くの人が賛成するでしょう。しかし、では、その決議に基づいて核兵器がなくなるということで、CTBTにしても、そういう部分措置についても、あるいは核兵器の禁止ということに関しても、あるいは核兵器廃絶、ない世界に対しても、では、どれだけこの間進んだかといえば、進んでいないわけでしょう。その決議で進んだんだったらもっと自慢していいですけれどもね。
 本当に、だから今どうしたらいいかということを真剣に考えるというのが国際社会の今本当に共通してやらなきゃいけないところで、そういう点で、今まさに目の前に国連が主催するそういう会議が開かれるわけですから、これを重視しない手はないというふうに思います。
 そして、日本政府でいうと、核兵器国と非核兵器国の間の橋渡しとか、あるいは亀裂を生まないようにしてというふうなことを言われますけれども、日本政府自身が、まさにそういう点で核問題でいえば、米国の核の傘に頼っているわけですね、核抑止に。ですから、こういう歴史的な会議でも被爆国にふさわしい役割を発揮できずに、世界からは、核兵器国と同様の側の態度をとっているというふうに見られてしまうことになると思うんです。
 現実に交渉が開かれるようになった以上、私は、被爆国政府としてしっかりと出席をして、さまざまなアプローチ、作業部会以来それが議論されてきて積み上げがある、その最終報告もあって、その上に立って国連の総会の決議があり、今度交渉会議が開かれるわけですから、その場でさまざまなアプローチについて、では、出ているけれどもどうしようかということで議論が当然出るわけですから、それに真摯に耳を傾けて、そして、被爆国日本の政府としては、被爆の実相も積極的に語る、被爆者の発言の機会もしっかりとそこで確保するということをやりながら、今回の会議が核兵器禁止条約の一日も早い締結に向けて具体的な成果を上げるように力を尽くすべきだ、重ねてそのことを大臣に求めたいと思うんですが、いかがですか。
○岸田国務大臣 核兵器のない世界を目指すという課題に向けては、さまざまな議論があり、アプローチがあると承知をしています。
 しかしながら、現実に核兵器のない世界を目指すに当たっては、我が国の現実的かつ実践的な取り組みこそ最短の道であると確信をしています。その最短の道において具体的な結果を出すために、我が国は具体的な努力をしなければなりません。
 そういった観点から、さまざまな課題についても具体的な行動を決定していきたいと考えます。
○笠井委員 広島、長崎への原爆投下から七十二年目。先ほども申し上げましたけれども、ここまで前向きの国際社会の、そして国連の場での激動が起こったのも、核兵器のない世界を目指す諸国政府、世界の反核平和運動、市民社会の運動、そして何よりも被爆者を先頭にした日本の原水爆禁止運動が一貫して被爆の実相を訴えて、そして核兵器の非人道性、残虐性を告発して、核兵器全面禁止そして廃絶を求めてきたからだと思います。
 そして、そういう運動の中で、日本政府だって、私もかつて麻生外務大臣に、被爆の実相をどう広げるのか、パンフレットをつくったときに、もっとわかりやすいような形で、被爆者の訴えや、そして、あのときたしか漫画とかという話もあったのかもしれませんが、そういうイラストも含めてということで、大いに知恵を出してやっていこうじゃないかといって、大臣も当時、大いに取り入れてやりましたということで言われましたけれども、そういう努力があったからだと思うんです。
 核兵器禁止条約を仮に最初は核兵器国が拒否したとしても、国連加盟国の多数が参加して条約が締結されれば、核兵器は人類史上初めて違法化されることになる。NPTでいうと、核兵器は合法という上に立って、どう不拡散という議論で、枠組みでしたけれども、今度禁止条約ができれば、初めて核兵器が違法化されることになる。あらゆる兵器の中で最も残虐な兵器、核兵器に、そういう意味では悪の烙印を押すということにもなります。そうなれば、核兵器国は、法的拘束は受けなくても、政治的、道義的拘束を受けて、そして核兵器廃絶に向けて、世界は新しい段階に入っていくということになると思うんです。それこそ、私は、核兵器がない世界に向けての一番の最短の道だ、そのことを改めて強調して、引き続きこの問題を議論し、質問していきたいと思います。
 終わります。
○三ッ矢委員長 次に、足立康史君。
○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
 きょうは、所信質疑という言い方でいいんですかね、大臣、よろしくお願いします。
 大臣はもうお忘れだと思いますが、私がまだ役人のころに、大臣とちょっと、会食と言ったら怒られるかな、別に役人と会食してもいいですよね、させていただいたことがありまして、あの当時は自民党から立候補したいなと。冗談ですよ。まあ、そういうふうに思いながら大臣を仰ぎ見ていたわけでありますが、紆余曲折があって、曲がっているわけじゃないんですが、大阪で維新の会をやらせていただいております。また御指導をよろしくお願いします。
 それにしても、小熊委員。この小熊委員が先ほど……(発言する者あり)上品にやります。大臣に、総理を目指しているんじゃないか、何かそういうことを口走っていましたが。あ、皆さん、済みません。私、委員会の雰囲気を変えてしまうということでよく怒られるんですが、大丈夫ですか。許して。中山委員も大丈夫だと。長尾さんなんか、もう笑顔で言っていただいているので、ありがとうございます。
 僕はすごく失礼だと思うんですよね。私が仰ぎ見る岸田大臣に、総理の何か狙っているんじゃないかと。私がよく国会で、何か暴言だとかいって、懲罰動議を去年は四ついただきましたが、よっぽど懲罰動議に値すると思いますね。ああいう野党の一委員が、まだぺいぺいの。あ、済みません。
 大臣に、一国の外務大臣ですよ。あんた、総理を狙っているんじゃないかと。言葉遣いはこういうのじゃないけれども。僕は失礼だと思うわけです。少なくとも上品ではない、下品だと思います。
 どうですか。
○岸田国務大臣 私の立場は、今、外務大臣でありますので、外務大臣としての職責を全うするべく、全身全霊努力するというのが私のとるべき態度だと思います。
 それに対して、どう評価されるか。これはそれぞれ、議員の皆様方の見識に基づいての御発言だと思いますので、御発言については、いろいろ承らせていただき、また今後参考にさせていただきたいと思います。
○足立委員 さすが、岸田大臣はやはり大きいですからね、一々こういうのに目くじらを立てて、何言っているんだということはありませんが、私がかわりに、またいろいろ文句を言っておきますから。またその辺、余り関係ないですけれども、お含みおきをいただければと思います。
 それから、もう笠井委員がおられなくなりましたが、きょうは、最初、北朝鮮の弾道ミサイルの話をしますが、その後に安保法制の話をします。
 安保国会では岸田大臣も答弁に立たれて、大変御苦労されたと思います。私、この委員会で、国民の代表ですから、各政党がいろいろな意見を述べる、これは当然だと思いますし、何も問題ないと思いますが、しかし、笠井委員個人に私が何か問題があるということではありませんが、共産党とか民進党が、あれだけ安倍総理や岸田大臣に向かって、あるいは防衛大臣に向かっていろいろ罵倒して、プラカードを掲げて、国会の前でああいうデモをする。戦争法だというレッテル張りをしてきた。そういう政党に所属する委員たちがこの外務委員会で偉そうに国益を議論するというのは、僕は本当におかしいと思うんですよ。
 ちょっと、もうやめろという感じなのでやめますが、本当におかしいと思っているんですよ。
 しかし、国会だから。国会というのは、政府から国会というのは、いろいろ通してもらわないとあかぬので、条約も。だから、お気持ちはわかりますが、しかし、私たちは私たちで、言うべきことは言っていくという立場で、やはりおかしいと。何を偉そうに国益を議論しているんだと。あれだけ安保法制を罵倒しておいて、では、どうやって日本国を守るのか、ちょっと言ってみろというふうに大臣も本当は言いたいだろうなということで、これも私が代弁をしておきたいと思います。
 大臣の代弁なんて言ったら僣越だから、それは俺の代弁じゃないと思われていると思うので、ひとり言だと思っていただいたらいいと思うんですが。
 ちょっと戻ります。
 北朝鮮の弾道ミサイルについてはもう十分議論がされてきていると思いますが、一点、よくわからないところがあります。
 おとついの予算委員会で、総理も、これは北朝鮮が新たな段階の脅威であることを明確に示すと。新たな段階とおっしゃるからには、これは何か、三つが四つになった、四つが五つになったという量的なものではなくて、質的に変わったんだ、段階、ステージというのはそういうことだと思いますが、防衛省でいいですよ、どういうふうに質的に変わっていくんですか。
○岡政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の北朝鮮によるミサイルの発射につきましては、四発の弾道ミサイルをほぼ同時に発射し、いずれのミサイルも約千キロ飛翔し、そのうちの三発が我が国の排他的経済水域内に、残りの一発が排他的経済水域の付近に着弾したものと見られておりまして、これは北朝鮮が新たな段階の脅威であることを明確に示すものだと私どもとしては思っておるところでございます。
 最近の動向として見ますと、北朝鮮は昨年、核実験を二回行っておりますし、また、二十発以上の弾道ミサイルを発射して、北朝鮮が新たな段階の脅威となっている状況のもとにおいて、今般の弾道ミサイル発射がこうした新たな段階の脅威を改めて明確に示したものだというふうに私どもとしては認識をしているところでございます。
 こうした北朝鮮による核・ミサイル開発の継続や累次にわたる弾道ミサイル発射は、我が国を含む地域及び国際社会の平和と安全を損なう安全保障上の重大な挑発行為であり、断じて容認できないものでありますし、また、弾道ミサイル技術を使用したいかなる発射も行わないことを北朝鮮に義務づけた関連の安保理決議にも明白に違反しているものでございます。
 防衛省・自衛隊といたしましては、引き続き、米国や韓国とも緊密に連携しつつ、重大な関心を持って情報の収集、分析に努め、我が国の平和と安全の確保に万全を期す所存でございます。
○足立委員 ありがとうございました。
 よくわかりませんでした。何発、何発という、量が何か多いんだなというのはわかりますが、それは新たな段階の脅威なんですか。
○岸田国務大臣 総理初め政府として、新たな段階の脅威という言葉を使い始めたのは、昨年の北朝鮮のさまざまな挑発行動を受けてのことであったと認識をしています。
 昨年、北朝鮮は初めて一年のうちに二回核実験を行いました。二十発以上の弾道ミサイルの発射も行いました。確かにこういった数的なものもあるわけですが、その発射のありようにつきましても、昨年は三発、そして今回は四発ですか、同時にミサイルを発射するとか、移動式の発射台を活用するとか、それから昨年はSLBM、潜水艦からも発射するということがありました。
 こうした弾道ミサイルの小型化ですとか、あるいは弾頭化が進んでいるのではないか、こういった質的な変化もさまざまに指摘をされているところであります。
 ですから、こうした数的な意味においても、また質的な意味においても、これは新たな段階の脅威だというふうに認識をし、こういった用語を政府として使わせていただいている、こういったことであると認識をしております。
○足立委員 もう少しこの議論をしておきたいんですが、もうやめたいと思うんですが、もう少しやりたいと思うんです。
 もともと北朝鮮が持っている技術、軍事技術というのは低いところから上がってきているわけでありますが、私が一般市民の立場、一般市民というか国民一般の立場から考えると、仮に、多少私も国会議員ですから知識がそれなりにあると思っていますが、ない方から見れば、普通の方はないです、北朝鮮の脅威というのは二つの脅威があると思います。
 ちょっと乱暴な議論で、大臣、申しわけないんですが、一つは、非常に技術が拙いので、間違って日本の国土に落ちちゃうんじゃないかという心配。それから、大変精度が上がってきたので、沖縄とか東京とか大阪とか、そういうところを狙い撃ちすれば当たってしまう、要は当てることができる。いろいろな意味でのものがあると思います。
 あんな排他的経済水域に落ちたということは、これは失敗したら日本の国土に、何というんですか、そういうのは、日本の国土に……(発言する者あり)着弾、着弾してしまうおそれとかを国民は感じていると思います。脅威というのはそういう脅威なのか。もっと長い目で見たときに、軍事的ないろいろな判断として脅威なのか。国民は心配した方がいいんですか。北朝鮮の弾道が頭の上に落ちてくるリスクがちょっとあるんだと心配した方がいいのか、心配しなくていいのか、どっちですか。
○岸田国務大臣 北朝鮮のこの技術のありようについては、我が国のみならず米国、韓国、関係国とも連携しながら、情報収集、分析に努めています。
 そして、そのレベルについて詳細を申し上げることは事柄の性質上控えなければならないと思いますが、いずれにせよ、少なくとも、先ほど申し上げましたさまざまな点から考えますときに、北朝鮮のこの技術のレベルが上がっている、進化しているということは間違いのないところではないか、このように認識をしています。その点において、我が国に対するこの脅威が高まっているということは間違いないのではないかと考えます。
 いずれにしましても、全体として我が国に対しての脅威は高まっている、脅威は新たな段階にあると認識をしているところであります。
○足立委員 一応、国会質疑であり、私も野党ですので、嫌がられながらも更問いをしますが、日本の国土に着弾をする、あるいは、領海と言っていいのかな、要すれば国土でいいですよ、そういうのに着弾をするリスクはあるのかないのか、今。それは難しいですか。
○岸田国務大臣 着弾する確率があるのかないのか、高まっているのかということですが、そもそも北朝鮮の意図がどこにあるのか等も含めてそれは考えなければならないと思いますし、北朝鮮の意図あるいは技術のレベルについての情報分析等についてはこうした場で明らかにするのは控えなければならないと思います。
 いずれにせよ、全体を総合的に判断する中で、脅威は高まっている、新しい段階にあるという認識について、政府として申し上げさせていただいている次第であります。
○足立委員 我が国の国土に着弾させる技術は既にあると言えますか。
○岸田国務大臣 そうした具体的なことについて申し上げるのは控えたいと思います。
 引き続き、情報収集、分析に努めます。
○足立委員 おつき合いをいただきまして、ありがとうございます。
 政府としてはここまでだと思いますが、国民の皆様は、いろいろ報道に接しながら不安に感じられたり、あるいは無頓着、国民の皆様だから無頓着じゃないんだけれども、要すれば余り心配されていない方もいらっしゃるが、大変懸念されていらっしゃる国民もおられるということだと、私は心配していますので、そういう方もいらっしゃると思います。
 さて、報道でも、マレーシアと北朝鮮の関係について報道されています。これは簡潔で結構ですが、どういうことになっていて、特に見通しを御紹介ください。どなたでも結構です。
○四方政府参考人 お答え申し上げます。
 マレーシアと北朝鮮は、互いの大使に対して、ペルソナ・ノン・グラータ、好ましからざる人物ということを宣告するとともに、相手国民を出国禁止にする等、両国間の緊張が高まっているというふうに認識しております。
 第三国間のやりとりでございますので、日本政府としてコメントすることは差し控えたいと存じますが、現時点で、この両国間の関係が我が国の安全保障に直接の影響を及ぼすような特異な事象は確認しておりません。
 いずれにしましても、政府としましては、引き続き、関係国と緊密に連携し、北朝鮮の動向について情報収集、分析に努めるとともに、いかなる事態にも対応できるよう万全を期していきたいと存じます。
○足立委員 今、直接の影響はない、こういう御答弁ですが、何か、間接にはあるんですか。
○四方政府参考人 先ほどの答弁にもございましたけれども、今回、北朝鮮による弾道ミサイルの発射が行われたということで、北朝鮮による核実験やたび重なる弾道ミサイル発射というのは、我が国を含む地域及び国際社会の安全保障に対する明らかな挑発行為でございますので、それについては、我が国として、断じて容認ができないというふうに考えております。
 いずれにしましても、政府としまして、引き続き、アメリカ、韓国等、関係国と緊密に連携しながら、北朝鮮の動向について情報収集、分析に努め、いかなる事態にも対応できるよう万全を期していきたいと存じます。
○足立委員 本当はこのマレーシアと北朝鮮の関係についての見通しをいろいろ教えていただきたいところですが、まさに今御答弁があったように、第三国同士の関係について日本国の政府のメンバーがなかなか言及できないということも理解はできますので、また別途の場で継続して議論をしていきたいと思います。
 さて、冒頭も申し上げた安保法制、これは外務大臣の所掌関係はそれこそ直接的ではないことは承知をしていますが、結構、私ども日本維新の会はこれにこだわっています。
 私たちは、安保法制について、やはりちょっと行き過ぎじゃないかという部分があって、対案、独自案という形で、我々がやればこういう線引きの法律になるというのを国会に提出させていただきましたが、民進党さんのプラカード騒動に巻き込まれて、巻き込まれてはいないですね、邪魔をされて、しっかりと国会で審議を尽くすことができたとは思っていません。そのこと自体はきょうここで改めて議論するつもりは全くありませんが、ただ、合憲性について国会で議論になったのは事実です。安保法制の合憲性について、国会で議論になったのは事実であります。ただ、私は、政府よりも野党四党に、当時四党だったかな、違和感を持っています。
 どうしてかといえば、当時の安保法制は、まず、それに先立って、政府は閣議決定で憲法の解釈を変更しました。その上で、法律案については国会の多数で議決をしています。これ以上の民主主義はないですよね、これ以上の民主主義はないわけです。民主的じゃないとか、何かひどいことを、レッテル張りをされていましたが、最高の手続を踏んでいるわけであります。
 もしこの当時の安倍政権の安保法制に異論がある勢力があるとすれば、最後の手段は司法に訴えるしかないですね。ところが、日本の司法府は、最高裁判所が判断しないという立場をとっていますので、物によってはなかなか司法府がしかるべき役割を果たせていないというのが日本の現状です。
 そこで、日本維新の会は、今、私も憲法審査会の委員も拝命していますが、憲法を変えようと。緊急事態とかいろいろな議論があるのは承知していますが、憲法裁判所をしっかりと整備する。もちろん、最高裁判所の憲法部とかいろいろな議論がありますが、そういう細かいことはさておき、司法府がしっかりと安保法制等の立法についてその合憲性を判断できる、そういう統治機構をつくり直していかなければ、いつまでたってもああいうプラカード騒動から日本の国会が脱却することができないんじゃないかという懸念を日本維新の会は持っているわけです。
 したがって、安保国会で対案を出し、そして今、憲法審査会に憲法裁判所の設置をすべきだという憲法改正草案を公にして、これから議論をしていきたい、こう思っているわけであります。
 外務大臣の所管とはちょっと離れますが、安保国会で御苦労されたお立場として、私が今申し述べた立場、私は、自分がおかしくなくて、ほかの野党四党はおかしい、こう思っているわけですが、外務大臣も同じだと思うんですが、どうでしょう。
○岸田国務大臣 まず、平和安全法制については、その内容についても、また手続についても、現行憲法との関係において、これは適切に制定されたものであると私は認識をしております。
 その上で、司法の判断ということで申し上げるならば、憲法解釈を最終的に確定する機能を有する唯一の機関は、現状、最高裁判所であります。ただ、抽象的な憲法判断ができるかというような観点から、憲法裁判所というようなものを設置し、具体的な訴訟事件を離れて、抽象的な憲法判断の機能を付すべきであるという御提案があるということ、これも承知をしております。
 そして、それについてどう考えるかということであるならば、これは大変大きな問題であり、この議論を国民レベルでもしっかり深めた上で判断すべき問題ではないかと思います。問題点あるいは論点の指摘としては大変重要な指摘だと思いますが、これをどう判断するかということについては、もう少し議論を深める必要もあるのではないか、このように考えます。
○足立委員 ありがとうございます。
 私は今、大臣がおっしゃったお立場はよくわかるし、決して問題というか矛盾があるわけではありません。ただ、野党四党が示している立場というのは矛盾があると思うんですね。
 どういう矛盾かというと、繰り返しになりますが、我が国の統治機構のもとで、内閣が解釈について決定をし、国会の多数が法律を可決、成立せしめた、それに異論を持っているわけですね。先ほど大臣がおっしゃったように、その異論を裁くことが、それについて取り上げることができるのは司法府だけです。普通は、野党四党は日本維新の会の憲法裁判所の提案に賛成するのがロジカルな、それしか僕は想定できないんですね、私は偏狭だからかもしれませんが。だから、私は、野党四党のロジックというのを理解できないでいます。
 大臣は理解できますか。野党四党のロジックです。
○岸田国務大臣 平和安全法制を初めとする国会での議論と司法との関係については、先ほど申し上げたのが私の認識であります。
 野党のロジックということについてどう考えるかという御質問については、ちょっと野党のロジックということ自体、十二分に把握しておりませんので、あくまでも私の考えは先ほどのとおりだということを繰り返させていただきたいと思います。
○足立委員 ありがとうございます。
 さて、ことしに入って、世界全体が、まあ去年からですね、大きく変動をしてきています。
 トランプ大統領が一月に誕生し、イギリスのEU離脱の手続も粛々と進んでいます。また、余り注目されていませんが、私たちの統治機構改革との関係で大変重要だと思って注目してきたのは、イタリアの憲法改正であります。国会の仕組みも抜本的に変える、一院制にするんだったかな。それから地方制度も抜本的に変える。国会のたしか、ちょっと今準備してきていないので忘れましたが、イタリアの一つの院は地方の院にする。地方の政治家が、地方の首長たちが一つの院を形成して、ちょっとごめんなさい、失念しましたのでやめておきますが。いずれにせよ、レンツィ首相が大変アンビシャスな提案をして、政治生命をかけて国民投票に付した憲法改正案は、イタリア国民に否決をされた。
 これもマスコミは、この三つ、トランプもEUのごたごたも、またイタリアの問題も、マスコミはえてして、ポピュリズムが蔓延をして、いわゆるポピュリズムというものがそういうものを生み出しているんだという論調がマスコミには多いんですが。
 きょう伺いたいのは、大臣の御見解、御見識です。そういうふうに世界で今起こっている、トランプ、EU、そういう大きな変動というものをどういうふうに捉えていらっしゃるか。いやいや、別に変動でも何でもない、四年に一度の大統領選挙があったんだ、イタリアではレンツィが失脚したんだ、イギリスはいろいろこうだ、単に事象の集まりとして淡々と認識をされているだけだと理解したらいいのか。今私が紹介申し上げたような幾つかの大きな事柄を何か統一的に認識されている部分があれば、御紹介をいただきたいと思います。
○岸田国務大臣 御指摘の三点、トランプ大統領の就任、英国のEU離脱、そしてイタリアでの国民投票についてですが、まず、いずれも、それぞれの国の民主的なプロセスに従って国民の皆さんが判断したことであります。そうした選挙や国民投票の結果について、私の立場から何かコメントするのは、評価するのは控えなければならないと思いますが、少なくとも、こうした動きの結果として、国際社会に保護主義的な傾向あるいは内向きな傾向が広まっているのではないか、強まっているのではないか、こういったことは指摘をされていますし、私も感じます。
 そして、ことしは、これからも主要国で大統領選挙やあるいは国政選挙がメジロ押しであります。こうした選挙の結果によっては、変化の可能性のある一年だということも言えるのではないかと思います。
 その中で、我が国としましては、やはり自由とか民主主義とかあるいは自由貿易というこの基本的な価値、これはこれからも重要であると思います。こういった基本的な価値がこれからもしっかりと守られるのかどうか、こういった観点からこういった動きを注視していきたい、このように感じます。
○足立委員 ありがとうございます。
 この点についてもう一言というか、もう一点。
 今、自由貿易ということをおっしゃいました。私も通産省にいたことがありますので、よくそれは承知をしているつもりなわけですが。先ほど大臣が御紹介されたように、世界は保護主義的な傾向を、一定、強めつつある、そういう評価があり得るわけですが、日本の外交戦略として、今までどおり自由貿易ということを主張し続けていればこの難局は乗り越えられるのか、もうちょっと戦略的なことが、押したり引いたりということですが、必要だと考えているか、その辺がちょっと関心事項なんですね。
 なぜかというと、結局、自由貿易というのは、今や、安倍総理がアメリカに行くときに、ちゃんと自由貿易だと言ってこいよと共産党が言う時代ですからね。言っていないかな。笠井さんがいらっしゃって、ちょっとうかつなことは言えないですね。安倍総理がアメリカに行くときに、野党がこぞって、あの中国までもが、自由貿易だと言っていたような記憶があります、コメントでね。
 要すれば、トランプさんがああいう立場をとっているものだから、何か今までとても自由貿易を支えてきたとは思えない勢力が自由貿易を掲げていろいろといちゃもんをつけてくるということがある時代です。
 だから、私は、日本の戦略としては、もう少し高度な、単に主義主張を一本やりに主張するだけではなくて、目には目をじゃありませんが、トランプ政権を初めとする世界とこれからやり合っていくに当たっては、単にこれまで日本が尊重してきた理念を掲げるだけでは足りないのではないかと思いますが、どうでしょう。
○岸田国務大臣 まず、今の国際社会の状況、グローバルなサプライチェーンが存在し、技術が革新している、こういった状況を考えますと、これからも、国際社会にとって、自由で公正な経済ですとか自由貿易というものは重要であると認識をしますし、我が国にとりましてこうした考え方は大変重要であり、我が国も、国益の観点からもこうした考え方を重視していかなければならないと思います。
 そして、その上で、単に主張するだけではなくていろいろ考えなければならないのではないかという御指摘について、あえて申し上げるならば、これからも自由や民主主義や自由貿易、こういった基本的な価値を大事にするためにも、グローバル化の負の側面にもしっかり目を向けていく、こういった態度が重要なのではないかと思います。
 このグローバル化の負の側面、例えば格差の問題についても、それぞれの国が国内において、社会保障ですとか教育政策を通じてこの格差の問題に取り組むのも重要ですし、国際社会においては、例えば、国連において採択されましたSDGsがありますが、このSDGsへの取り組みを進めることによって、こうした格差の問題にもしっかりと取り組んでいく。そして、そういった取り組みをすることが、結果として、自由で公正な経済、あるいは自由貿易を引き続き大事にしていこうという姿勢につながっていくのではないか、こんなことが、感じるところであります。
○足立委員 ありがとうございます。
 大変感銘をいたしました。まさに同じ思いで、日本維新の会は、少子高齢化、少子化を乗り越えるためにも、あるいは格差を是正していくためにも、教育無償化という柱を今掲げている。後ろからまねをしてついてくる民進党という党もありますが、我々は教育無償化を憲法に規定すべきだということで掲げているということは、改めて紹介をしておきたいと思います。
 最後に一点。ああ、時間が来ましたね。もう終わります。終わりますが、実は、最後にやりたかったのはツイッターですね、トランプさんのツイッター。いろいろ外務省あるいは官邸がどういうふうにソーシャルネットワーク、SNSを使っていらっしゃるかは、もうここで確認していますが、ぜひ英語での、岸田大臣個人の名前での、英語での発信もしていただきたいというふうにお願いをして、質疑を終わりたいと思います。
 ありがとうございます。
○三ッ矢委員長 次に、玉城デニー君。
○玉城委員 自由党の玉城デニーです。
 きょうの最後の質問になりますが、どうぞ、関係省庁、きょうは法務省にも来ていただいておりますので、後ほど人権問題についてるる質問をさせていただきたいと思います。
 まず、冒頭、岸田外務大臣にお伺いしたいのは、実は、今国会、百九十三通常国会の政府の外交姿勢、それからこの委員会の大臣所信などの中で、これは私の感想なんですが、いわゆる人権擁護などの国際的な問題についての大臣からの言及が少し足りなかったのではないかなというふうに感じております。ですから、きょうは人権問題についての質問を用意させていただいておりますので、冒頭、大臣から、この人権擁護及び人種差別撤廃などの国際規範についての御見解など、まずお伺いしたいと思います。
○岸田国務大臣 私の所信の中で、人権について触れていないのではないか、触れることが少なかったのではないか、こういった御指摘については謙虚に受けとめたいと思います。
 我が国の人権に対する基本的な方針が変わったということでは決してありません。自由とか民主主義、人権、さらには法の支配、こういった基本的な価値を重視しながら外交を進めていく、こういった基本的な立場は全く変わらないということはまず申し上げさせていただきたいと思います。
 また、人種差別は、人種、民族的出身等に基づく区別、排除等によって、平等の立場で人権及び基本的自由を享受することを妨げる行為であり、人種差別撤廃条約を初め人権諸条約を締結している我が国としましては、こうした問題にもしっかり取り組んでいきたい、このように考えます。
○玉城委員 ありがとうございました。冒頭、まず大臣からそのお話を聞かせていただきました。
 では、ハーグ条約に関する件から質問をさせていただきます。
 両親の離婚などで一方の親が無断で子供を国外へ連れ去り、残された親が会えなくなるという、その問題を解決するための取り扱いを定めているのがハーグ条約ですが、一九八〇年、オランダのハーグ国際私法会議で採択され、八三年に発効、そして、本邦、我が国は二〇一四年四月にハーグ条約に加盟しています。発効から実に三十年が経過して条約に加盟したということですが、さて、実は、沖縄でこういう事例がありました。
 御紹介いたしますと、沖縄県内に住むお母さんから、米国人のお父さんの両親と暮らす一歳九カ月の娘の返還について、この母親から二〇一六年十月にアメリカのフロリダ州連邦地裁へ申し立てを行った件で、フロリダ州連邦地裁が現地二月十七日付で母親側の請求を認め、子供の返還を命じる決定を下しております。これは三月一日に沖縄での地元紙で既に報道されている内容です。
 どういう状況だったかということを少し御説明させていただきますと、この母親は、二〇一四年五月、在沖米陸軍所属男性と結婚をし、翌一五年三月、男性の勤務地異動に伴って米国に渡りました。その折、妊娠中だったんですが、その妊娠中に、ドメスティック・バイオレンス、DVを受けて帰国をします。帰国した後、七月に娘さんを出産いたしました。ところが、その年の十月に父親の親族の結婚式の出席を求められて再び渡米いたします。その際、自分と娘が妻からDVを受けているという父親による虚偽の告発で母親が逮捕され、その娘さんは父の両親に引き取られ、娘さんのパスポートは父親が保管しておりました。父親側がフロリダ州の裁判所に娘の親権を主張する訴えを起こし、認められ、以降、母子がそれぞれ別々になっていたんですね。その後、母親からハーグ条約に基づいて二〇一六年十月に娘さんの引き渡しを申し立てていたもので、フロリダ州連邦地裁は二月十七日付で母親側の請求を認めたということであります。
 母親側の代理人によると、本邦、日本がハーグ条約に加盟してから、沖縄県内から返還申し立てが認められたのはこの件が初めてだということも報道されています。
 関係者によりますと、ハーグ条約については、実際にその当事者にならないと内容がよくわからない、今回のケースは結果的に裁判で認められたことで弁護士の力によるものが大変大きいと思うが、弁護士の誰もがまたハーグ条約に詳しいわけではないと話しております。
 家庭内暴力などが原因で結婚生活が破綻した場合、子供の処遇が深刻な問題となることは多いんですが、国境を越えた子供の連れ去りは、言葉や生活環境などから見ても子供に与える影響は非常に大きいということは考えられることであります。
 そこで、お伺いいたします。
 ハーグ条約の締結、二〇一四年の四月以降、加盟後、現在までの我が国におけるこの条約関連の取り扱いなどの件数や、あるいは成立した件数などについてお聞かせください。
○能化政府参考人 お答えいたします。
 平成二十六年四月一日にハーグ条約が我が国について発効して以降、本年三月一日までに中央当局が受け付けた援助申請件数、これは子の返還にかかわるものと面会交流にかかわるものがございますが、合計いたしまして二百三十三件ございます。
 このうち、これまで日本と他の締約国との間で子の返還が実現した件数は三十六件であります。内訳といたしましては、日本から外国への返還が十九件、外国から米国への返還が十七件であります。(発言する者あり)外国から日本への返還が十七件であります。失礼いたしました。
○玉城委員 ありがとうございます。
 このように、ハーグ条約締結後、実際に物事が進んでいくということは非常に重要なことだと思いますが、では、ハーグ条約締結の際に整備された国内法などについて、関係法令の説明をお願いいたします。
○能化政府参考人 我が国がハーグ条約を締結するに際しまして、同条約の実施に必要な国内手続等を定めた、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律、いわゆるハーグ条約実施法が制定され、ハーグ条約の我が国に対する発効日である平成二十六年四月一日に施行されました。
 ハーグ条約実施法は、中央当局として指定された外務大臣の権限等を定めるとともに、子の返還申し立て事件の裁判手続等を定めております。
 また、ハーグ条約実施法施行に合わせて、関連政省令も制定されております。
○玉城委員 実施法及びその関連の法案が制定されているということで、徐々にいわゆる国内のさまざまな引き去り、引き連れなどについても対処していくということが非常に重要だという方向は軌を一にしているというふうに考えております。
 このハーグ条約の場合は、相談者が、それぞれ、移動や、あるいはさまざまな実費が出るということで、問題は持っているけれどもいかんともしがたいという物理的な、また現実側面もございます。
 この相談者の支援における財政的な支援、件数、内容、金額などを教えていただきたいと思います。
○能化政府参考人 中央当局であります外務省は、ハーグ条約の趣旨、目的に鑑み、ハーグ条約実施法に基づく援助申請事件の当事者等のうち、援助申請をみずから適切に行うことが困難な者に対して、公募、選定した弁護士による援助申請書作成等に係る支援を平成二十七年度から外務省予算で実施しております。
 この支援は、我が国からの連れ去り事案でも、我が国への連れ去り事案でも対象となりますが、対象者は、本件支援業務の委嘱を受けた弁護士から、合計六時間を上限として、日本語または外国語で援助申請書の作成方法に係る助言等を受けることができます。
 本年三月一日時点までに十件の支援を実施しております。
○玉城委員 先ほど、かなりの件数が成立していると。かなりの件数というか、相談件数が二百三十三件、返還が成立したのが三十六件ということですが、支援の相談が十件というのは非常に少ないなというふうに思いますけれども、そこはさらなる拡充をぜひお願い申し上げたいところであります。
 ハーグ条約について、最後にお伺いいたしますが、この相談者が、例えば、外務省のホームページなどを見て、子の連れ去りについての相談を求めたいという場合に、申請書類の手続などは若干煩雑ではないのかなというふうに思われます。
 ですから、例えば沖縄では、一九七二年の復帰前からも、子供の連れ去りについては取り組んできた経緯などもありますが、その場合には、やはり、市町村でありますとかあるいは県の、当時は沖縄政府の、そういう窓口などでの相談受け付けが多かったというふうに聞いております。
 それでは、相談者が居住する行政体と外務省、本邦中央との連携に関する取り組みについてどのようにお考えか、お聞きしたいと思います。
○小田原大臣政務官 中央当局である外務省は、毎年、各都道府県等に対して、ハーグ条約に関するセミナー開催の希望の有無に応じて、各地の地方自治体、婦人相談所を含むDV被害者支援機関、入国管理局等に職員を派遣し、セミナーを開催しています。また、子を外国に連れられた親が警察に相談する場合もあることから、平成二十八年度からは、各地警察等に対しても同様のセミナーを開催しています。
 さらに、外務省は、ハーグ条約に関するパンフレットを作成し、地方自治体等に対し、窓口での配付や子の外国への連れ去り等に係る相談があった場合等に活用するために、これを送付しているところであります。
○玉城委員 ありがとうございます。
 では、ここからは、今度は、人権擁護に関する件でお話を伺いたいと思います。
 NGO、非政府組織の反差別国際運動、IMADRは、名護市辺野古や東村高江における米軍基地建設工事での抗議活動をめぐる警察やメディアなどの対応について、抑圧の激化や偏向報道などを指摘する報告書を作成し、国連人権高等弁務官事務所に二月十四日までに提出したと発表されています。
 この報告書は、IMADR、それから沖縄人権法研究会、沖縄大学地域研究所研究班との共同によって作成されており、内容は、激化する抗議行動の弾圧、機動隊員の土人発言、本土メディアにおける偏向した沖縄報道、人権救済制度の問題点、そして、ゲート前のイエローラインの法的根拠、恣意的運用についてなどの五項目から成っています。
 この報告書は、昨年四月に、日本における報道の自由の現状を調査した国連特別報告者が、本年六月の国連人権理事会で行う報告に合わせて作成されたもので、IMADR関係者は、沖縄の現状について取り上げ、国際社会の目が沖縄の現状に向くことを期待すると語っています。
 さらに、今、長く勾留されています三名の被疑者に対して、国際人権擁護団体アムネスティ・インターナショナルは、二月二十八日、家族との面会も許されず、健康状態にも不安を抱えながら、公務執行妨害などの罪に問われ長期勾留に置かれている山城博治沖縄平和運動センター議長の保釈を求める特別抗告を最高裁判所が棄却したことに対する声明を発表しています。
 その内容は、即時に釈放し、速やかに適切な医療提供と家族との面会の保障、表現の自由、団結、平和的集会などの権利や拘禁者の人権を尊重し履行するという国際的義務を遵守することなどです。この内容については、安倍総理、西川検事総長、那覇拘置所所長宛てに書簡を送ると報道されています。
 この山城議長の勾留は四カ月以上に及び、弁護側からの保釈請求は今月七日までに十一回にも及ぶが、いずれも認められていません。その第一回目の公判が今月十七日に開かれますが、昨年十月十七日の器物損壊容疑で逮捕、勾留されてからこの初公判まで五カ月、寒い冬場の中にあっては靴下の差し入れさえ認められないなどという非常に人権侵害にかかわるような、そういう内容が問題視されています。
 そのことについてお伺いいたします。
 この非人道的な扱いに対する国際規約、法務省のホームページでは、「パリ原則に準じた国内人権機関設置に関する勧告・要請等」が出されています。政府から独立した国内人権機構の設立などですが、国連人権理事会、社会権規約、自由権規約、人種差別撤廃条約、拷問等禁止条約、女子差別撤廃条約、児童の権利条約などなど、このような勧告がなされているわけでありますが、その中で、自由権規約と今回のこの長期勾留における非人道的な扱いに対する問題性について、まず、外務省はどのように捉えていらっしゃるかお聞かせください。
○飯島政府参考人 お答え申し上げます。
 勾留中の被疑者にかかわる事柄につきましては、これから公判が行われるところであり、具体的な詳細は差し控えさせていただきますけれども、本事案につきまして、人権団体が国連人権高等弁務官事務所に報告書を提出したことは承知いたしております。
 本事案につきましては、関係機関において、逮捕、勾留を含め、我が国の関係法令に従い、適切に対応してきていると承知しております。我が国は、憲法九十八条二項に基づき、自由権規約を初めとする国際約束をこれまで誠実に遵守してきているところであり、本事案における政府の対応は、自由権規約との関係におきましても、整合的に行われているものと考えております。
○玉城委員 では、次に、法務省に伺います。
 法務省の自由権規約の中で、二〇〇八年、自由権規約委員会の最終見解として、締約国がいまだ独立した国内人権機構を設立していないことに懸念を持って留意する、締約国は、パリ原則、国連総会決議に適合し、締約国が受諾した全ての国際人権基準をカバーする幅広い権限を有し、かつ、公的機関による人権侵害の申し立てを検討し対処する能力を有する独立した国内人権機構を政府の外に設立すべきであり、機構に対して適切な財政的及び人的資源を割り当てるべきであるというふうに勧告を受けています。
 実は、私も、平成二十六年四月四日でそのことについて質問をさせていただきました。児童や高齢者に対する虐待、女性に対する暴力、障害等を理由とする差別、学校や職場におけるいじめなどの問題を指摘し、公権力による人権侵害への対処も含めて、政府からの独立性を有する新たな人権救済機関の設置が必要とする答申が出されているということで質問をしたところ、政府参考人から、平成二十三年八月に新たな人権救済機関の設置についての基本方針が出され、それを踏まえ、法務省において法案化の作業を進めた結果、平成二十四年十一月九日に、政府は人権委員会設置法案を第百八十一回国会に提出したが、同月十六日の衆議院の解散により廃案となったということです。
 その廃案になって以降について伺いますが、この人権擁護推進審議会答申への法務省の見解及び現状の取り組みについてお聞かせください。
○萩本政府参考人 新たな人権救済機関を設置するための人権委員会設置法案が、平成二十四年、提出をしたものの廃案になった経緯につきましては、今委員から御紹介をいただいたとおりでございます。
 そのような、法案を提出したものの廃案になったわけですが、さかのぼりますと、平成十三年に、国内では人権擁護推進審議会から、今委員からも御指摘がございましたが、人権救済機関に関する答申がありまして、その後、紆余曲折を経てきているところではございます。
 ただ、この問題につきましては、さまざまな意見があるところと認識しております。これまでされてきましたその議論の状況を踏まえまして、人権救済制度の担い手となる組織や、その権限のあり方等も含め、幅広く検討する必要があると考えておりまして、法務省におきまして、なお適切に検討を進めているところでございます。
 そのような状況のもとで、法務省の人権擁護機関におきましては、法務省設置法四条二十九号等に基づき、全国の法務局、地方法務局におきまして、面接や電話、インターネット等の方法によりまして、人権侵害の被害を受けたといった人権問題に関する相談に応じ、適切な手続を教示するなどしております。
 また、法務省設置法四条二十六号等に基づき、人権相談や被害申告等を通じて人権侵害の疑いのある事案を認知した場合には、人権侵犯事件として調査を行い、その結果を踏まえまして、人権侵害を行った者に対して説示、勧告をするなど、事案に応じた適切な措置を講ずることとしているところでございます。
○玉城委員 そのための政府から独立した機構、機関が必要なのであり、その中でしっかり国際規約にのっとって審議され、問題が解決されることが、真に我が国の人権擁護にとっての姿勢を示す大きな姿になるということを私は信じてやみません。
 最後に、さまざまな、国連からの、国連人権理事会あるいは自由権規約委員会から出されている勧告といいますか、その要求に対して、少し紹介をしたいと思います。
 まず、国連人権理事会からです。簡潔に述べます。日本は、憲法及び人種差別撤廃条約に基づき、人種、民族等をも含め、いかなる差別もない社会を実現するための努力、及び国連の場などにおいて人種差別撤廃に向けて積極的に活動していることを強調したというふうに政府は言っております。
 であれば、その姿勢で、やはり、先ほど述べられたような、その目的を達するための機関が必要であるというふうに思います。
 それから、これは、二〇〇八年、ジュネーブでの自由権規約委員会の見解です。締約国は、パリ原則に適合し、締約国が受諾した全ての国際人権基準をカバーする幅広い権限を有し、かつ、公的機関による人権侵害の申し立てを検討し対処する能力を有する独立した国内人権機構を政府の外に設立すべきであり、機構に対して適切な財政的及び人的資源を割り当てるべきであるということです。
 それから、委員会は、警察の内部規範で定められている被疑者取り調べの時間制限が不十分であること、真実を明らかにするよう被疑者を説得するという取り調べの機能を阻害するとの理由で取り調べにおける弁護人の立ち会いが認められていないこと、及び、取り調べの電子的な監視の手法が散発的及び選択的に行われ、しばしば被疑者の自白を記録することに限定されていることを懸念を持って留意する、自白に基づく有罪率が極めて高いことに懸念を再度表明するとあります。
 このように、国際社会から見ると、国際社会の取り調べのあり方と明らかに違っているこの日本の司法制度、取り調べ、検察の制度についても非常に強い懸念が寄せられているわけです。
 私が先ほど長期勾留の話をいたしましたのも、国際人権規約に基づいて、あるいは自由権規約に基づいてそれが行われていないということが、国際社会で日本がどのような法治国家として見られているかということに関しては、非常に重大かつ可及的速やかな解決を求めるべき問題が依然として存在しているというふうに思います。
 最後に、岸田外務大臣にお伺いいたします。このような状況の中で、日本の人権擁護、それから差別撤廃、あらゆる国際規約に関して、国内的な手続も含めたその手だてについてどのようにお考えか、外務大臣として見解をお伺いしたいと思います。
○岸田国務大臣 御指摘の具体的な案件に対する政府の考え方、対応については先ほど説明させていただいたとおりでありますが、外務大臣の立場から申し上げるならば、先ほども申し上げたように、自由、民主主義、法の支配、そして人権、こうした基本的な価値を大事にしながら外交をしっかり進めていきたい、このように思います。そして、議論になりましたハーグ条約、あるいは自由権規約、こうした人権諸条約の遵守、履行に真摯に努めなければならないと思います。
 こうした考えのもとに、世界における人権擁護及びあらゆる差別の撤廃にしっかり貢献をしていきたい、このように考えます。
○玉城委員 ありがとうございました。
 質問を終わります。ニフェーデービタン。
     ――――◇―――――
○三ッ矢委員長 次に、内閣提出、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより趣旨の説明を聴取いたします。外務大臣岸田文雄君。
    ―――――――――――――
 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
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○岸田国務大臣 ただいま議題となりました在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明いたします。
 改正の第一は、在レシフェ日本国総領事館及びアフリカ連合日本政府代表部を新設するとともに、同総領事館及び同政府代表部に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額を定めることであります。
 改正の第二は、既設の在外公館に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額を改定することであります。
 以上の改正内容のうち、在勤基本手当の基準額の改定については、平成二十九年度予算案と一致させて行うため、四月一日から実施する必要があります。
 以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。
 何とぞ、御審議の上、本件につき速やかに御賛同くださいますようお願いいたします。
○三ッ矢委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時三十九分散会