第193回国会 農林水産委員会 第19号
平成二十九年六月七日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 北村 茂男君
   理事 江藤  拓君 理事 小泉進次郎君
   理事 斎藤 洋明君 理事 福田 達夫君
   理事 宮腰 光寛君 理事 岸本 周平君
   理事 小山 展弘君 理事 稲津  久君
      伊東 良孝君    池田 道孝君
      岩田 和親君    小里 泰弘君
      加藤 寛治君    勝沼 栄明君
      笹川 博義君    瀬戸 隆一君
      高木 宏壽君    武部  新君
      中川 郁子君    西川 公也君
      古川  康君    細田 健一君
      前川  恵君    宮路 拓馬君
      森山  裕君    八木 哲也君
      簗  和生君    山本  拓君
      渡辺 孝一君    小川 淳也君
      小熊 慎司君    金子 恵美君
      佐々木隆博君    篠原  孝君
      玉木雄一郎君    福島 伸享君
      宮崎 岳志君    村岡 敏英君
      中川 康洋君    真山 祐一君
      斉藤 和子君    畠山 和也君
      吉田 豊史君    仲里 利信君
    …………………………………
   農林水産大臣       山本 有二君
   内閣府副大臣       越智 隆雄君
   農林水産副大臣      齋藤  健君
   農林水産大臣政務官    細田 健一君
   政府参考人
   (内閣府地方創生推進事務局審議官)        藤原  豊君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長)            常盤  豊君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房参事官)           橋本 次郎君
   政府参考人
   (農林水産省消費・安全局長)           今城 健晴君
   政府参考人
   (農林水産省経営局長)  大澤  誠君
   農林水産委員会専門員   石上  智君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月七日
 辞任         補欠選任
  伊藤信太郎君     岩田 和親君
  笹川 博義君     八木 哲也君
  古川  康君     高木 宏壽君
  岡本 充功君     小川 淳也君
  重徳 和彦君     福島 伸享君
  宮崎 岳志君     篠原  孝君
同日
 辞任         補欠選任
  岩田 和親君     伊藤信太郎君
  高木 宏壽君     古川  康君
  八木 哲也君     笹川 博義君
  小川 淳也君     岡本 充功君
  篠原  孝君     宮崎 岳志君
  福島 伸享君     玉木雄一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  玉木雄一郎君     小熊 慎司君
同日
 辞任         補欠選任
  小熊 慎司君     重徳 和彦君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 農業災害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出第五八号)
     ――――◇―――――
○北村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房参事官橋本次郎君、消費・安全局長今城健晴君、経営局長大澤誠君、内閣府地方創生推進事務局審議官藤原豊君、文部科学省高等教育局長常盤豊君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○北村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○北村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤寛治君。
○加藤(寛)委員 おはようございます。自由民主党の加藤寛治でございます。
 久しぶりの質問でございますので、よろしくお願いいたします。
 農業は、自然との闘いに加えて外国との闘いでもあることから、大変厳しい環境にあることは論をまたないところであろうと思います。また、農業は、国民の生命の源である食料安保と、多面的機能等の大変重要な役割も果たしております。そこで、農業に対しては適宜適切な対策を打つことは不可欠であろう、このように理解をいたしております。
 これまで、昭和二十二年には農業共済制度、昭和四十一年には指定野菜価格安定制度、また平成に入ってからはナラシ対策制度と、それぞれ農業振興対策に効果を発揮してきたところでございます。
 例えば指定野菜価格安定制度発足は、その後の土地改良事業、農地、圃場整備と相まって、私の地元JA島原雲仙管内は、県内農産物の産出額千五百億の四十数%、約六百億余を生産する一大野菜生産地であることから、大変な成果を発揮したと理解をしております。
 例えば、一時期、市立の幼稚園が廃園かと思われるような状況で心配をされた時期もございましたけれども、現在は、その効果、結果によって、農業後継者が育ち、市全体の出生率も二・〇を超えておるような状況で、その幼稚園も幼子たちの声でにぎわっておるところでございます。
 そこで、このたび新たに収入保険制度を導入するということでございますが、非常に、この制度導入によって今後の農業振興について大きな期待を寄せておるところではございますが、この導入をする意義、本旨とはどういうことか、お伺いをいたします。
○山本(有)国務大臣 島原の農業が発展されておられること、大変力強く、心強く思う次第でございます。
 今後、農業のこうした成長産業化を図るためには、自由な経営判断に基づいて経営の発展に取り組む農業経営者を育成することが必要でございます。
 こうした中で、現行の農業災害補償制度は、自然災害による収量減少が対象でございまして、価格低下等は対象外でございます。対象品目が限定的でもございまして、農業経営全体をカバーしていないといった課題を含んでおります。
 このために、品目の枠にとらわれず、農業経営者ごとに収入全体を見て総合的に対応し得る収入保険制度を導入することによりまして、新規作物の生産や新たな販路の開拓等のチャレンジを促進し、農業の成長産業化を図ることというようにしておる次第でございます。
 以上でございます。
○加藤(寛)委員 大臣の力強い意義というのをお聞きいたしまして、地域の農業振興に対して大きな期待を寄せておるところでございます。
 ところで、この収入保険制度の対象者というのは青色申告を行っている農業者に限るということでございますけれども、現在、青色申告を行っている農業者というのは三〇%程度だと理解をしております。残りの七〇%の農家の方々もこうした収入保険制度というのを十分に活用することによって、農業振興に大きく寄与するものと思うわけですけれども、そのためには青色申告に参加をしていただかねばならないわけでございますが、そうした残りの七〇%の方々に対する、青色申告に参加するような推進にどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。
○齋藤副大臣 委員御指摘のように、青色申告は、収入保険の対象者の要件としているわけですが、それだけの意義ではなくて、収入や支出、資産、負債の状況を詳細に帳簿に整理することによりまして自分の経営を客観的につかむことができるということから、農業者の経営管理能力を高めるために有効だと考えております。
 このため、平成二十九年度予算におきまして、農業者に対する収入保険制度の内容の周知のほか、青色申告書や帳簿の書き方等に関する相談対応等の取り組みを支援させていただく、そういう予算を組み込んでおりまして、このような取り組みを通じて農業者の青色申告の拡大に努めてまいりたいと考えております。
○加藤(寛)委員 ぜひ、全員参加できるような形で、青色申告の推進についても取り組んでいただきたいと思います。
 それと、この収入保険制度が導入をされた場合に、既存の類似制度とは選択加入ということになっていくと理解をしておるわけでございます。そうした中で、農業者はどの制度に加入した方が適切で最良な選択であるかということを自分自身で判断しなければならないわけでありますが、しかしながら、なかなか自分自身で判断をするということも難しい面もあるようでありますから、やはり、第三者からの指導というか、そうしたことも必要であろうと思うわけでありますが、そうした中で、どのような環境を整備していく必要があると考えておられるか、お伺いをしたいと思います。
○細田大臣政務官 ありがとうございます。
 加藤先生、私の前任の大臣政務官として日ごろから親しく御指導いただいていることに、改めて心から御礼を申し上げます。
 今、先生から御指摘があったとおり、現場の農業者の皆様方からは、収入保険制度と類似制度の掛金や補填金などが比較できるようにしてほしいという非常に強い声がございます。
 この声に応えるために、私どもといたしましては、法案成立後に、農業者ごとに、収入保険制度と類似制度のそれぞれについて、幾らの負担で、どのような場合に、どれくらいの補填を受けることができるかという点などについて、例えばタブレットを活用するなどして簡単に数字のシミュレーションができるようなシステムを整備したいと考えております。また、このシステムを活用することによって、わかりやすく選択肢を農業者の皆様方に提示したい、こういうふうに考えております。
 このようなシステムを活用することにより、農業者の皆様に、みずからの経営判断で最も適切なセーフティーネットを選択していただけるように制度を運用してまいりたいというふうに考えております。
○加藤(寛)委員 ぜひ、間違いのないような、適切で最良の選択ができるように、よりよい環境づくりを、整備をしていただくようにお願いを申し上げておきたいと思います。
 それと、お互い、思いがけない不慮の病気やけが、そしてまた機械の故障等々に遭遇することがよくあるようでございますけれども、そうした中で、管理での不足とか、収穫の適期を逃した等々によりまして収入の減少になった場合の補償というのはどういう扱いになるのか、お伺いをしておきたいと思います。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 農業者が農業経営を進めていただく際には、さまざまなリスクが想定されます。収入保険制度では、自然災害に加えまして、価格低下など農業者の経営努力では避けられない収入減少を補償の対象とすることといたしております。
 先生御質問の、例えば病気や機械の故障、それから農作物の収穫後の保管中に生じた事故、こういうような収入減少につきましても、自然災害や価格低下に加えて補償の対象となり得るというふうに考えてございます。
 その際、営農を継続するための努力を行っていたかどうかなど、個別に事情を確認しながら判断していく必要があると考えておりますけれども、そういう判断については、人ごと、地域ごとに違っても困りますので、今後、客観的かつ具体的な判断基準、こういうものを検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○加藤(寛)委員 そこで、収入減少の補償の対象になって補填金を受ける場合に、補填金の支払いまでには、確定申告をした後ということで、その間の資金繰りというのが必要になってくるわけですが、このことについても融資制度というのを検討されておるということを伺っておるわけですけれども、融資をした場合の利子については、有利子なのか無利子なのか。この件についても、やはり有利子ということになれば非常にまた農家にとっては大きな負担になるわけでございますので、この点についてもお伺いをしておきたいと思います。
○山本(有)国務大臣 収入保険制度のつなぎ融資についてでございます。
 農業者が可能な限り利用しやすい仕組みというものを追求しますと、当然そこは無利子というようなことが希望されるわけでございまして、しっかりとこの方向で検討してまいりたいというように思っております。
○加藤(寛)委員 ぜひ、農家に負担のかからないような無利子ということで、御検討をよろしくお願い申し上げておきたいと思います。
 それと、収入保険制度の実施主体というのは農業共済団体になるわけでありますけれども、現在の人員や体制では一人当たりの業務というのが非常に増大するのではないかなということが推測をされるわけでありますけれども、そうしたことに備えての体制の整備というのはどのようにされようとしておるのか、お伺いをしておきたいと思います。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 収入保険制度につきまして、実施主体は全国連合会、それから、業務委託によりまして各共済組合も一定の事務を担うということになると思いますけれども、現行の農業共済と少し異なりまして、できるだけ、現場確認という事務負担がかかる仕組みではなくて、書類チェックを中心とした簡素な仕組みなりを検討しているところでございます。
 また、今回の農業共済の見直しの中でも、一筆方式の廃止、家畜共済の手続の簡素化など、事務の効率化措置を講じております。
 こういうことを総合的に勘案いたしますと、農業共済団体が農業共済の事務とあわせて収入保険制度の事務を担うという体制になってくるのではないかというふうに考えております。
 さらに、収入保険制度の導入に際しましては、農業共済団体の職員を対象とした収入保険制度の実務に関する研修、こういうことを進めてまいりたいと考えております。
 また、システム開発におきましても、例えばタブレットを活用するなど簡便に加入申請手続が行えるような体制を検討して、体制整備には万全を尽くしてまいりたいというふうに考えてございます。
○加藤(寛)委員 ぜひそうした十分な体制を整えて、備えていただくようにお願いを申し上げておきたいと思います。
 それと、最後に、これは要望になるかとは思いますけれども、御案内のように、農業の基本というのは太陽と水と農地であるわけですから、先ほども申し上げましたけれども、自然に対してはこうしたいろいろな制度というのを駆使して対応していかなければならないと思いますが、それに加えて、やはり優良農地というのが相まって初めて、より以上の相乗効果というのが生まれるわけでありますから、ぜひともこの優良農地の確保、圃場整備について、年次的に計画を持って進めていただきたいと思います。
 そうしたことによって、この収入保険制度の導入によりましてなお一層農業振興に寄与することを大きく期待申し上げまして、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○北村委員長 次に、真山祐一君。
○真山委員 公明党の真山祐一でございます。
 きょうは、農業災害補償法の一部を改正する法律案の質疑をさせていただきたいと思いますけれども、法案の質疑に入る前に、一点だけ確認をさせていただきたいことがございます。
 豊洲市場の移転についてでございますけれども、平成二十三年三月二十五日でしょうか、農林水産省として、食料・農業・農村政策審議会食品産業部会において、土壌汚染対策法に関連した農水省の見解として、豊洲市場を念頭に置いて、「汚染の除去の措置を行わず、盛土等のみを行った上、区域指定を受けたまま」、この区域指定というのは形質変更時要届出区域のことでございますけれども、「区域指定を受けたまま土地利用をすることは可能」、「生鮮食料品を取り扱う卸売市場用地の場合には想定し得ない」という見解を示されました。
 この土壌汚染対策法に基づく形質変更時要届出区域とは、「土壌汚染の摂取経路がなく、健康被害が生ずるおそれがないため、汚染の除去等の措置が不要な区域」、つまり、汚染の除去等の措置はしなくていいんだけれども、使うときは報告してください、そういう区域、土地であるということでございます。
 この平成二十三年三月に示された農水省の見解について、この意図するところについてちょっと確認をさせていただきたいと思いますので、答弁を求めさせていただきます。
 また、豊洲市場移転に関して、この見解が認可の障害になるのか、あわせてお聞きさせてください。
○山本(有)国務大臣 農林水産省が平成二十三年三月に食料・農業・農村政策審議会食品産業部会に提出した資料に御指摘の記述があることは事実でございます。
 これは、土対法、土壌汚染対策法上の形質変更時要届出区域において、例えば、盛り土等により汚染土壌の摂取経路が遮断される場合には土地の利用が可能である、また、同地域に卸売市場を建てることは否定されていない、加えて、これに関して、東京都が当時、盛り土等とあわせて汚染の除去の措置を講ずることを予定しておったために、東京都が汚染の除去の措置を行わず盛り土等のみを行った状態で卸売市場用地とすることは想定していないというように、この想定していないは、東京都が想定していないということを言ったものでございます。
 豊洲市場への移転につきましては、市場開設者である東京都から移転に関する認可申請が行われた場合、農林水産大臣が、卸売市場法の認可基準に従い、業務規程が関係法令に違反していないかについて厳正な審査を行い、適切に判断を行うものでございます。
 なお、土壌汚染対策法では、形質変更時要届出区域において掘削等を行わず利用することを否定していないため、現在の区域指定を前提とすれば、その点において卸売市場法の認可の障害になるとは考えておりません。可能でございます。
○真山委員 この点をちょっと確認させていただきましたのは、この農水省の見解について、汚染土壌が下にある場合には、たとえ盛り土などで遮断したとしても生鮮食料品の卸売市場をつくることはとんでもない、これが政府、農水省の立場という主張をされる方が一部いらっしゃるようでございますけれども、これは全く事実と異なるということ、そういう理解でよろしいんでしょうか。
○山本(有)国務大臣 事実に反しておりまして、そうは申し上げておりません。
○真山委員 ありがとうございました。
 そういった問い合わせがございましたので、ちょっと、農水省の立場にかかわる話でしたので、見解を確認させていただきました。
 それでは、法案の内容に入らせていただきたいと思います。
 まず、収入保険制度についてですけれども、この目的には、収入保険制度は、自由な経営判断に基づき経営の発展に取り組む農業経営者を育成するため、品目にとらわれずに、収入全体を見て総合的に対応できるセーフティーネットを構築することを目的としているというふうにされております。
 これまでも、この委員会、また参考人の方からもさまざま御意見がございましたけれども、当然、本制度への加入については、青色申告、これは収入を正確に把握するために青色申告が条件となっているわけでございますけれども、いざ農業者の方が収入保険に加入するか否かの判断というのは、やはり、制度がわかりやすいということよりも、農業経営上、その方にとってメリットがあるのかないのかという判断になろうかと思います。
 そうした観点からしますと、単に制度の説明をわかりやすくするということではちょっと事が足りないわけでございまして、やはり収入保険に加入する経営上のメリットというのを明確にする、これはそれぞれの栽培において、農業生産において変わってくるわけでございますけれども、メリットを明確にして、農業経営を総合的にサポートする中で、青色申告へ移行された方がよろしいのではないでしょうか、そして、それによって収入保険に加入された方が経営体にとってメリットがあるのではないでしょうかと。
 まさにこうした農業経営サポートというのが必要だと私は思っているんです。その中に収入保険という選択肢がある、そういうサポートをしっかりしていくべきだと考えておりますけれども、政府の見解について農水大臣にお伺いさせていただきます。
○山本(有)国務大臣 日々の記帳によって在庫管理が容易でございます青色申告、この青色申告を進めることによりまして、農業者の経営管理能力を高めるというようになるだろう、委員おっしゃるように、経営を総合的にサポートするということにつながるというように思います。
 このため、平成二十九年予算において、農業者に対する収入保険制度の内容の周知、そして青色申告書や帳簿の書き方等に対する相談対応等の取り組み、これを支援することとしておりまして、農業者の青色申告の拡大に努めてまいる所存でございます。
○真山委員 ありがとうございました。
 各農業団体の皆様においても、やはりこういう視点を持って取り組みを進められている方々もいらっしゃいます。また、JAさんにおいても、青色申告をサポートするようなサービスもございますし、記帳の代行サービス、こういったものも用意されておりまして、先日も我が党の稲津委員からお話がございましたけれども、農業者の現場の中では、青色申告にこそなっていないけれども、かなり近いところまで実施をされている、そういった方々も一定数いらっしゃるように聞いております。
 そういった方々をしっかりサポートしていく、経営上でサポートしていく中で、さらにこの取り組みを深めていくという意味では、今本当に大臣に御答弁いただいた内容というのは非常に重要な点であると思っておりますので、ぜひ、さらに加速するような体制づくりへ取り組んでいただきたい、このようにお願いをさせていただきます。
 そして、次に、収入保険における保険金及び特約補填金が支払われる場合、つまり、収入の減少があって、それによって保険が発動する場合でございますけれども、その仕組み上、実際に保険金が支払われるのは、当該年度の収入金額が確定した後、つまり翌年度ということになろうかと思います。
 保険金及び特約補填金が支払われる期間における資金繰りについては、先ほどの質疑の中でもございましたし、これまでの質疑の中でもありました。先日、公明党の稲津委員の方からもこの点については要望させていただきましたけれども、いわゆる無利子融資については前向きに検討いただいているというふうに認識をしておりますが、一方、保険金及び特約補填金の支払いが翌年度の収入になることによって、要は税負担が重くなるのではないかという指摘があるわけでございます、可能性があるわけでございます。
 収入保険制度において支払われた保険金及び特約補填金が被保険者の税負担に影響を及ぼさぬよう、保険期間の総収入金額に算入するなどの税務上の措置が必要であると考えておりますけれども、農水省の見解をお伺いさせていただきます。
○齋藤副大臣 収入保険制度は、収入の把握を正確に行う、このことが制度の肝であると考えておりますので、税の申告を待って保険金等を支払うことといたしております。
 このため、保険金等は保険期間の翌年に支払われることになりますので、委員おっしゃるように、農業者の翌年の税負担となる可能性があるわけですが、そういうことがないように、収入保険制度と同様に翌年に共済金を支払う仕組みとなっている現行の果樹共済については、共済金を災害を受けた果実の収穫年の総収入金額に算入するというふうにされておりますので、これと同様に、収入保険につきましても、税務上、保険金等は保険期間の総収入金額に算入されるよう、今後、税務当局と調整を進めていきたいと考えております。
○真山委員 ぜひ、この点については、農業者の、これから加入を目指そうとする方の不安材料、懸念材料にならないように、早急に結論を出していただいて、周知徹底できるようによろしくお願いを申し上げさせていただきます。
 それでは、最後の質問になろうかと思いますが、今回の保険者、農業共済団体についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 本改正によりまして、農業経営収入保険に関して知り得た情報の秘密保持がこの保険者団体については義務づけされるわけでございます。当然、この団体においては法令遵守の徹底を図っていただかなければならないわけでございまして、その経営体の経営にかかわる非常に機微にわたる情報がこの保険の根拠になるわけでございますので、これは当然行っていただくべき課題だというふうに認識をしております。
 また、加入促進を図っていく上では、農業共済団体において、職員の皆さんは、先ほど質問した経営上のサポートもそうでございますし、また、さまざまな仕組みを、やはり明確にそのメリットを説明するスキルが職員の皆様に、特に最前線の皆様に求められるわけでございまして、そういった意味では、職員の皆様の研修を含めた人材育成、これも早急に取り組まなければならないと思っております。
 また、最前線の農業者の皆様に説明するための、これも昨日の参考人質疑等でも議論がございましたが、いわゆる説明するための機材、タブレットという話もございましたけれども、さらにはシステムの開発が必要であるということが議論になっているわけでございます。
 先日の参考人のお話では、全国連合会の設立を今急ピッチで準備を進めているというようなお話があったわけでございますが、この収入保険制度の初年度に加入する方々に対しては具体的な手続の説明をしていかなければならないわけでございますし、また、次年度以降の加入をされる方々に対しては青色申告制度への加入の促進を進めていかなければいけない、準備を進めていかなければいけないわけでございまして、そういう意味でいうと、制度が開始するのは平成三十一年ですけれども、その準備を含めると非常にタイトなスケジュールになっているわけでございまして、そういう意味では、皆さんにしっかり説明できる体制が必要だというふうに思っております。
 収入保険制度導入に伴う農業共済団体の法令遵守の徹底や人材育成等の体制強化、普及に必要な機材、システム等の開発を急ピッチで、急がなければならないと考えておりますけれども、農水省の対応についてお伺いをさせていただきます。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のとおり、急ピッチで進めなければいけないと考えております。
 まず、実施主体、全国連合会の設立については、平成三十年四月を目途といたしまして、既に設立準備委員会の準備が進められてございます。今、団体内の合意形成、規程の整備等を進めることといたしております。
 それからあと、いろいろな研修、人材育成につきましては、秘密保持義務の内容の説明なり収入保険制度の実務、こういうものを含めまして、しっかりと、法案成立後すぐにでもやってまいりたいというふうに考えております。
 システム開発につきましては、平成二十九年度中に設計を行いまして、平成三十年度から開発を進め、法案成立後約一年を目途に完成することを目標にしております。
 それから、平成三十年の夏ごろから、例えばタブレット等による農業者に対する周知の体制が始められるように準備を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○真山委員 さらにピッチを上げていただきますように要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○北村委員長 次に、福島伸享君。
○福島委員 民進党の福島伸享でございます。
 久しぶりに農林水産委員会で質問させていただきます。大臣、よろしくお願いを申し上げます。
 国対委員長からは加計の問題もやるようにと言われたんですけれども、やりたいところですが、三十分しかありませんので、この共済の問題、収入保険の問題について、実務的なことからお話をお伺いしたいと思っております。
 今の真山議員の質問の続きのような話なんですけれども、この制度導入に当たって、スタートダッシュが大事だと思うんですね。何でも、新しい商品を開発したときはその売り込みにあらゆるエネルギーをつぎ込むというのがビジネスの基本だと思っております。
 まず、メリットをわかってもらうために、先ほど来話があるように、タブレットを見せたりとかということでやると思うんですけれども、恐らくこれは戸別農家ごとに一軒一軒回って、タブレットといったって、うちの農家は何けという話で、わからない中を動かしながら見てもらって、わかってもらわなきゃならないんですけれども、それは一体誰がやることを想定しているんでしょうか。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 全国の団体が実施主体ではございますけれども、事務委託、業務委託等によりまして各共済団体がそういう役割を担うものというふうに考えておりまして、現在、制度の理解、普及手法の検討を含め、積極的に準備作業を共済団体の側で行っていただいているというふうに承知しております。
○福島委員 共済組合の職員にとっても、こうした営業というのは初めてのケースなんですよね。ただ、張り切って士気高くうちの地元は準備はしておりますけれども、農業共済の国庫補助の対象というのは、農業災害補償法施行令で、役職員の給料、手当及び旅費、事務所費、会議費と限定されていて、柔軟に使えないというふうに聞いております。
 これは、営業マンになるわけですから、例えば営業成績に応じて割り増しをしてあげるとか、あるいは補助的な人を最初雇って、生保レディーじゃないですけれども、そういう人を雇って営業するとか、時限的でいいと思うんですよ、最初の数年、二年、三年の間はそこの手当てをちゃんと予算上講じて、営業活動に全力を充てることが必要だと思うんです。研修だけでは多分足りませんよ。営業のノウハウがない人がいきなり営業に行っても、なかなかできないんですね。
 そういう意味では、こうしたことのためにしっかりと予算措置を講じるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 国としての予算措置といたしましては、平成二十九年度予算で、農業者に対する収入保険制度の内容の周知、それから加入申請書の作成に関する相談対応の取り組み、こういうものについて、連携をしております農協等も含めて、予算措置、対応をしております。
 それから、御指摘のように、事務費については、これは共済の職員を対象にするものでございますが、今の共済においても、さまざまな形で業務委託ということを民間の会社にするということも、農業者の事務費負担の範囲内で行っているところでございます。
 具体的にどういう形でやるかについては、農業共済団体がこの加入推進の方法を決めていく中で自主的に決めていくものだと考えておりますけれども、国としても必要な助言等を行ってまいりたいと思います。
○福島委員 いや、だから、その営業の部分に、広報費とかは当然国がやるでしょう、一番大事なのは営業マンです、農家と接する。そこの経費は、臨時的でもいいからふやすべきだと思うんですよ。
 大臣、そこのあたり、しっかり措置を講じるべきだと思いますけれども、いかがですか。
○山本(有)国務大臣 農業共済団体は、現在、制度の理解や普及手法の検討を含め、積極的に準備作業を行っていただいているわけでございます。
 国としても、二十九年予算で、農業者に対する収入保険制度の内容の周知、加入申請書の作成方法等に関する相談対応の取り組みを支援する予算、こうしたものを措置しておるわけでございますが、三十年度以降、全国連合会が実施する収入保険に係る事務費の補助も行うように考えております。
 民間活力の導入、御指摘のとおりでございますし、農業共済団体が具体的にどのように加入推進を行うかにつきまして、団体の意向を尊重すべきであると考えておりまして、国としても、そうした意向に沿うように、必要な助言や体制整備、これを行ってまいりたいというように思っております。
○福島委員 助言や体制整備は、口だけじゃなくて、やはり先立つものがないとこういうのは動きませんから、きちんと営業経費を支払っていただくように考慮をお願いしたいというふうに思います。
 もう一つ、役所はやはりそういうのはなかなか考えられないんですよ、商売をやっていないから。青色申告をしなければ対象にならないというのはそのとおりだと思うんですけれども、一部には、九割の補償限度というのも余り魅力的ではないという声もあります。
 青色申告の実績が一年あれば加入可能ということですけれども、一年だけの人は九割じゃなくて下げるということですけれども、どのぐらいまで下がるんですか。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 本件についてはまだ検討中ではございますが、例えば、青色申告実績が一年分の方については、五年分ある方と比べて、補償限度額の上限を一割下げるようなことを考えてございます。
○福島委員 そうすると、うちの感覚だと、五軒とか六軒の農家に一軒ぐらいしかないですよ、今まで青色申告をやっている人。むしろ、最初に青色申告をやってもらう必要があるんですよ。それを九割を八割に下げちゃったら、新しくやりますか。むしろ九割を、新しく青色申告に加盟する人は九割五分にしますと言ったら、みんな加入するんですよ。そこが商売人の感覚じゃないんですよ。
 ぜひ、これは九割を八割に下げるんじゃなくて、これも時限措置でいいと思うんです、制度が始まった当初の時限措置として、青色申告に新たに入る人はもうちょっと補償を上げるとか、何かメリットを上げる制度をつくった方がいいんだと思いますけれども、大臣、いかがお考えですか。
○山本(有)国務大臣 簡易加入で十万円の控除がありましたりするわけでございまして、そうした優遇措置というものが加入促進につながるということはそのとおりでございます。そうした意味で、できるだけ加入をしていただくという観点から検討してまいりたいというように思っております。
○福島委員 役所は既存の、財務省がやっている青色申告の加入促進の措置しか言わないんですよ。それで今入っていないわけだから、それだけでは入らないんですよ。これで青色申告に加入して収入保険に入ればメリットがあるという、それをぜひ考えていただきたいし、役所からはなかなかその知恵は出てきませんから、ぜひ政務三役の皆さん方に、そういう観点から制度設計をしていただきたいと思います。
 もう一つ考えたんですけれども、ある農家が今個人でやっていて、新しく法人化してやりましたとなると、法人化したその最初の年は青色申告のデータがないわけですよ。この人は、収入保険、どう取り扱われるんでしょうか。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 この点も現場からよく質問があるところでございますが、個人が法人成りする場合とか個人が集まって一定の法人をつくる場合、その個人の方々が青色申告を実施されておりまして、個人のときと法人の場合の、農業経営から見たときに実質的に同一だというように認められる場合、これについては、青色申告を昔の個人の場合もカウントできるようなことを今検討しているところでございます。
○福島委員 ぜひ、そのような柔軟な制度設計にしていただければと思います。
 あと、もう一つ地元で聞いた心配事で、これはJAさんとかにも協力いただかなければならないと思うんですけれども、JAさんが中心になっている野菜価格安定対策、これの産地要件は、作付面積二十ヘクタール以上とか、大規模生産者等の出荷数量が三分の二以上となっていて、大体この収入保険に入るのは大規模な人が多いと想定されるわけですから、この人が収入保険に入っちゃって野菜価格安定対策から抜けちゃったら、産地指定から抜けちゃうんじゃないか、外されちゃうんじゃないか、そうなったらJAの人たちはむしろ協力してくれないんじゃないかという声があるんですけれども、この懸念はどうなんでしょう。いかがでしょう、当たるんでしょうかどうでしょうか。
○山本(有)国務大臣 収入保険制度と野菜価格安定制度との関係についてでございます。
 農業者がそれぞれ経営形態に応じた適切なセーフティーネットを利用できるよう、選択加入ということが原則でございます。
 御指摘の野菜価格安定制度には産地要件が課せられているわけでございますが、これは、野菜価格安定制度に加入していない農業者も含め、産地における指定野菜の作付面積等に基づき判定することとなっております。野菜価格安定制度の利用者が収入保険制度に移行しても、産地要件を満たさなくなることはございません。
 今後、このようなことを広く周知しつつ、現場の農業者が自分の経営形態に適したセーフティーネットを適切に選択できるように、現場関係者と協議をしてまいりたいというように思っております。
○福島委員 まだまだその点が広まっていない部分があると思いますので、ぜひ周知徹底をしていただければと思っております。
 先ほど来繰り返しているように、スタートダッシュが大事なんですね。営業マンで共済の組合の人が回って、入ってください、こういうメリットがありますよというスタートダッシュが大事だと思うんです。
 お手元の資料の三枚目を見ていただきたいんですけれども、加入申請書のフォーマット。これは平成二十七年度収入保険制度検討調査事業事業化調査、いわゆるフィージビリティースタディーで示されたものなので、これが最終ではないと思いますけれども、加入申請書、一枚目のものを書いて、経営面積、過去の収入金額、販売先ごとの販売実績、次のページへ行って、営農計画書、耕地別営農計画書、そのデータを埋めるために、過去の平均単収の算定表とか過去平均単価の算定表、次のページへ行って、収穫量に対する販売数量の割合の算定表、収穫量に対する……。
 これを見せられて、入る人がいると思いますか、大臣。
○山本(有)国務大臣 書くだけで疲れるなという感じがしますから、やはりそれは団体の皆さんの御助力もいただきながら、農家に負担のないように工夫する必要があるだろうというように思います。
○福島委員 これは負担を求め過ぎですよ。行政書士でもこんな面倒くさいのは書きたがらないと思いますよ。
 青色申告でも、米を例えば主食用か加工用かとか、コシヒカリかどうかとか、全部品目まで書かせていて、品目ごとの販売実績とか、品目ごとにどれぐらい期待収入があるとか、そんなものは必要ないと思うんですよ。
 僕らが政権のとき、戸別所得補償制度を導入するときも、最初は役所は三枚か四枚のもの、すごいフォーマットを出してきたんですよ。それを削って削って削って、物すごい簡単なものにしたんですね。
 恐らく、今回の収入保険もそうだし、農業共済の趣旨もそうだと思うんですけれども、危険度に応じて保険料を設定するわけですよね。ですから、毎回毎回保険金を請求するような人は保険料が上がるというところで不正な請求というのは防ぐ、そういう思想だと思うんですよ。
 それで見るんだったら、事前に事細かくチェックするようなデータを出すんじゃなくて、経営全体でがさっと、五年間なら、それこそ青申のデータと同じ程度のものを出させた上で、問題がある人は追加的にこういうのを出させるというのはあると思いますよ。事前からこの書類を見せられて書けと言われて、入りたいと思う人はいないと思うんです。そんな面倒くさいことをするぐらいならいいやと思うと思うんですね。
 思想が大事だと思うんですよ。今回の収入保険の思想は、危険が多い人は保険料が上がるという思想なんだから、そんな事前に細かく求めることなく、もっと入りやすい簡素な制度にすべきであると思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○山本(有)国務大臣 おっしゃる趣旨は私も賛同いたします。
 その意味において、どういう工夫ができるか、内部で検討していきたいというように思います。
○福島委員 ぜひ大澤局長も、その点、よろしくお願いします。役所が見るとどうしてもこういう事細かなものになってしまいがちですから、書く人の立場や営業する人の立場になって考えていただきたいというふうに思います。
 これは営農計画を事細かく聞いているんですけれども、畑作とかの場合だと、頻繁に営農計画を変えますよね。他の産地の動向とか気候とか相場とかを見て変えるし、それが逆に言えば農業経営の楽しみでもあるわけです。俺はあいつと違うこれをやったらもうかったよとか、いや、これをやって失敗しちゃったななんというのは、酒を飲みながら話すネタでもあるわけです。うちは今、ポテトチップスが足りないというから、みんなジャガイモをことし植えているんですよ。こんなに植えちゃって大丈夫かなと思うと、必ずそこは逆張りする人がいて、じゃあ俺はタマネギをやるぜみたいな人も必ずいるわけですね。でも、それが農業経営の楽しみなんですよ。
 でも、これは変更するときにどういう手続が必要になるんでしょうか。
○大澤政府参考人 お答えいたしますが、先ほどの手続のお示しいただいた資料は、先生も御指摘のとおり、平成二十七年度のものでございますので、もう既に、御指摘いただいた、例えば経営面積でありますとか販売先ごとの販売実績等につきましては、私が担当してから、これはもうやめようということで、今はやめる方向になっておりまして、かなり簡素化されております。さらに先生の御指摘を踏まえまして検討したいと思います。
 それから、営農計画の変更につきましては、これも事業化調査、フィージビリティースタディーをやった際には、非常にきついやり方でございました。変更する農作物の作付の一カ月前までにやらなきゃいけない、一カ月前でないとできないとか、それから、それは少し緩和されても、例えば作付後一週間以内に通知を出せとか。これはさすがに、忙しいときにこれでいいのかということもありまして、これも今変更をするように検討しております。
 先生の御指摘の中に、営農計画の変更は本当に要るのかということもございましたが、これはやはり、当年の営農計画、過去の基準だけで全てをはかるわけにもいかない、新しい作付をしたときにどうかとか規模を拡大したときにどうかというのは、それは農家のメリットにも、支払いが安くなる場合もありますので、必要なことだとは考えておりますけれども、可能な限り農家にとって使いやすくなるようにしてまいりたいと考えております。
○福島委員 ぜひそのようにお願いします。これは手続が面倒であればあるほど、保険がおりるのなら計画を変更しなくていいやとなって、農家の経営の創意工夫を阻害しちゃうことになると思うんですね。むしろ、農家の皆さん方は相場とかを見ながら作付を柔軟に変更して経営努力をしてほしいというのが政策的な意図だと思うんですよ。ですから、それを阻害しないような仕組みにぜひしていただければというふうに思っております。
 時間がかなり来ましたので、別の点に行きますけれども、農業共済制度の見直しについてでございます。
 私も地元に帰って毎週末集会をやると、大体農家の皆さんは今田植えが終わりましたから時間ができて、いろいろな話を聞くんですけれども、今度米の当然加入制が廃止になるよと言うと、多くの人が、じゃあやめようとみんな言いますね。特に、茨城県とか齋藤健さんの千葉県とか、今まで生産調整に応じる人が少なかったような、反抗的と言ったらあれですけれども、自立心の旺盛な農家の皆さんがいるところはやめる傾向があります。
 複合経営の専業農家は、確かに収入保険が有利だと思うんですよ。大規模な米の単作経営は、どっちが有利かは微妙で、多分それは政策判断だと思いますけれども、ただ、収量と価格と両方のリスクに備えるんだったら収入保険の方がいいと思うので、私はそちらを大規模な方にはお勧めしようと思っているんですけれども、一番問題なのは、二町歩以下ぐらいの兼業でやっている農家、この人は、別に米の収入がなくてもほかの収入があるからいいわけですよね。わざわざ農業共済に入るメリットもないやといって、入らなくなるおそれは非常に高いというふうに思っております。
 資料二、二枚目を見ていただきたいんですけれども、二ヘクタール未満の水稲共済の加入状況というのを見て、契約面積が大体収入に比例するものだと思いますけれども、面積で見ると大体四五%ぐらい、件数でいうと九割近くが二ヘクタール未満なんですね。
 この人たちは、恐らく大量にやめますよ。今まで、NHKの受信料の未払いは二三・四%で、水稲共済は一・五%だから影響がないとか、およそ信じられないような答弁をしておりましたけれども、これは実際やめます、私が聞いた範囲では。二町歩以下の人はほとんどやめますよ。少なく見積もっても半分はやめますよ。
 米とか麦の農業共済の当然加入の廃止の影響というのはどのようにお考えでしょうか。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 当然加入をただ廃止するだけではございませんで、危険段階別の共済掛金率を導入することによりまして、共済金を、米の場合、実際上は受け取らない、災害が起きない方は多うございますが、そういう方は掛金が安くなる仕組みも導入いたしますし、それから、坪刈りなどを要しないで、目視によっての評価でやるという仕組みを導入いたしますので、これによりますと、同じ程度の掛金でむしろ補償は充実するようになります。こういうような仕組みのものがございます。
 それから、もう一点だけちょっとお許しをいただきたいんですが、我々も分析いたしましたけれども、二ヘクタール以下の方々でも、大体四割ぐらいの方は、実は、米のみの作付ではなくて、米とほかの作物、露地野菜なり、特に果樹も結構多いのでございますけれども、そういう方でございます。ですから、そういう方々は、収入保険のメリットをそれなりに感じておられるのではないかと思います。
 残りの、米のみの作付の方々は、そのぐらいの規模でしたらやはり集落営農的な形になっていくのではないかと思いますので、そういう中で、ナラシと共済の組み合わせでありますとか収入保険を勧めてまいりたいというふうに考えてございます。
○福島委員 いや、それは地域によって違いますね。うちみたいな地元だとそうじゃないと思うんです。
 資料の四というのを見ると、やはり、データで見ると稲作は単一経営が物すごい多いんですね。複合経営はそもそも二割しかありません。稲作は単一経営が多くて五割ぐらいだし、その次のページの資料五というのを見ると、これは有名なデータですけれども、第二種兼業農家が三分の二。つまり、農業をなりわいとしていない人が三分の二いる中で、危険段階ごとの掛金で掛金が安くなりますなんと言っても、大したメリットはないんですよ、そんなものは。
 しかも、水稲共済は、保険金的な部分と賦課金的な部分だと、賦課金の部分の、要するに農業共済の運営費に回る部分が多いから、危険段階別にやったとしてもそんなに下がらないんですよ。もう下げるところまで下げちゃっているわけですね、水田の共済の掛金は。だから、そんなことでは、私は離脱するのをとめられないと思いますよ。
 資料の一というのを見ていただきたいんですけれども、これは、今話題に出た賦課金です。水戸地方農業共済組合と茨城県西農業共済組合、私の選挙区内の二つの農業共済組合ですけれども、水稲の掛金、賦課金で半分ぐらい運営費を賄っているんですよ。仮にこの半分が抜けちゃったら、農業共済は運営できないし、さっき言ったような営業努力をするどころか、リストラしなきゃならないような状況になっちゃうんですよ。
 私は、この点は農水省の認識は甘過ぎると思いますよ。本当にヒアリングしてくださいよ。地域によっては、特にうちみたいな水田地帯、単作が多いところは物すごい抜ける可能性があると思いますよ。
 しかも、今局長がおっしゃったようなインセンティブでは全くインセンティブになりません。危険段階ごとの保険料の設定なんかでは、なりません。もうちょっとしっかりと対策を講じるべきだと思いますけれども、大臣、いかがお考えですか。
○山本(有)国務大臣 兼業農家の皆さんで、水稲耕作を二ヘクタール以下やっていらっしゃる方々には影響がないというような御指摘は、その家計への影響というのは、今の米共済に入ろうが農済に入ろうが、あるいは収入保険に入ろうがというような比較論かもしれません。
 しかし、水田を二ヘクタール以上持っていらっしゃる方々が農業を離れるというようにも思えないわけでございまして、その意味において、将来構想、また、新たな農業経営に対する取り組み、あるいは、定年後、専業農家になっていかれるというような選択肢も大いにあるわけでございまして、収入保険における制度設計の方が全体の人生設計の中に組み込まれていくのではないかなというように思っておりますので、制度導入後、そうした弊害があるかどうか、検証してまいりたいというように思います。
○福島委員 いや、まだ認識が甘いと思いますよ。
 水戸地方とか茨城県西の組合を見ても、水稲で実際は賄っているんですよ。収入保険だって、今回、手足となって動いていただくのは地元のそれぞれの共済組合の人たちですよ。それが弱っちゃうんじゃないですかというのはもうちょっと深刻に捉えないと、収入保険自体も成り立たないかもしれない。
 さらに言えば、今まで強制加入だったから、共済部長というのがうちの地元ではいまして、さまざま、ボランティアのような、お金を徴収したりとかいろいろな連絡、伝達をしたりとかというのを全部やっていたんですよ。強制加入だから輪番制で、ことしはこの人、来年はあの人、年間もらえるのが三千円程度ですから、ボランティアですよ。そういうのを担ってきたし、あるいは、農薬をヘリコプターで散布するというのも、強制加入だから、わあっとやるわけですよ。今度、強制加入じゃなくて抜けたら、ヘリコプターでそこだけぽこぽこぽこと農薬をまくんですか。農薬をまかないところから病気が発生して、周りの田んぼにも迷惑をかけるかもしれないんですよ。つまり、協同組合でそういうのは担ってきたんだと思うんですよ。
 ですから、今まで強制加入でやってきたことの見えない価値というのは非常にあると私は思っておりまして、その点を無視すべきじゃないし、それで強制加入をやめたときに、その後、共済を支えるそうしたネットワークがなくなるというのが、私は、非常にこれは、目に見えないけれどもかなり大きな損失になるかもしれないと思うからこそ、しっかり検証すべきだと思うんです。そして、当然加入制が抜けた後に、いかに抜けさせないかという措置を講じるべきだと思うんですよ。
 どうですか。もう一度、その点について御答弁いただけませんか。
○山本(有)国務大臣 私の地区の農済の方々にヒアリングしたところ、今入ってくださっておられる方々はほぼ収入保険に移行していただけるというように私どもは認識をさせていただきました。委員の地区と農業のあり方が違うということはわかりますけれども、私どもの地区の例でいけば、不安を感じているわけではありません。
 したがいまして、地区地区によって農業のあり方が違うものですから、そうした特徴はあるだろうと思いますけれども、なお、御指摘の点については、しっかり検証しながら、改善ができるならば改善していく方向で何らか検討していきたいというように思います。
○福島委員 資料の最後のページに、「農業保険精説 重政誠之」という本があって、国会図書館で見つけてきたんですけれども、重政誠之さんというのは、戦前と戦後、二回にわたって農林次官をやって、その後、衆議院議員になって、第二次池田内閣で農林大臣をやった。お兄さんも農林官僚で参議院議員の重政庸徳、実は私の祖父のいとこなんですけれども、農業保険制度をつくった第一人者なんです。これは昭和十四年の本です。
 そこにいろいろなことが書いてあるんですけれども、例えば、農業保険を考えるときに、統制経済が出た、野口悠紀雄先生の一九四〇年体制論のあたりに農業保険というのはできているんですけれども、それは、上からの統制ではなく、農村の土の上から育まれる統制は、科学的な合理的な根拠に立つ農村自体の協同と計画の統一体系以外にあり得ないだろう、農業保険制度もまた、かかる原理に導かれたものであることは言うまでもないと。
 協同と計画、協同は協同組合の協同ですよ、それと合わさったものをやるのが必要なんだと言っているんです。
 資本主義における自己責任主義は、経営における自己保険主義に通じるものであるが、既に今日においては各種保険制度の著しい発達を経て、社会保険制度、団体保険制度の普及を見るに至っている、いろいろな民間の保険もあります。
 ただ、しかし、自然災害から農作物生産を防御する協同組織は、その技術的困難さのため、今日に残されてきたのである、災害対策の協同組織は、最後の最も重要な協同化部面と言われるゆえんがここに存する、保険組織は可能な限り広範囲の農民の協同的紐帯によって結ばれなければならない。
 つまり、共済というのは協同組合なんですよ。みんなで災害から身を守りましょうという協同組合が農業保険。収入保険は、恐らく、協同組合じゃなくて、個別のリスクに応じた民間保険的な考えなんですね。どっちがどっちと言うつもりはありません。ただ、両方相まって、農業と農村というのは守られていくんだと思うんですね。
 ですから、先ほど大臣はみんな収入保険に移ると言うけれども、収入保険になって、協同組合的な考えもなく、みんながそのリスクに応じて保険を商品として買うということだけでは私は農村は守られないと思っておりまして、そういう意味では、強制加入にするかどうかは別にして、広く薄く、協同的に災害から守るための仕組み、そこに当然、金銭的なものも介在するというのも必要だと思うんですよ。
 その組み合わせはやってみなきゃわからないけれども、やってみて最適なところに落ちるべきだと思うんです。やってみなきゃこれはわかりません。ただ、その側面を私は見失ってはいけない。この農業共済をつくった当初の重政誠之が考えたところの思想、理念というのは、私はいまだ有効であると思っているんですよ。
 そういう意味では、事後の検証が極めて大事だと思う。単なる経営の側面から見るんじゃなくて、農村共同体で、みんなで災害に対するリスクを低減するという観点の組織も大事だし、そのために私は当然加入というのがあったんだと思うんですよ。もう食管制度がなくなったんだから要らないじゃないかという乱暴な考えじゃない側面もしっかり光を当てるべきだと思いますので、そうした観点からの検証をぜひ行っていただきたいと思いますが、大臣、お考えはいかがでしょうか。
○山本(有)国務大臣 歴史、伝統、さらに重政さんという大変すぐれた農政の専門家、そうした方々の御意見を踏まえながらの御指摘でございます。しっかり検討していきたいというように思います。
○福島委員 こうした新しい制度の導入というのは物すごい大変だと思うんですよ。大澤局長以下、農水省の皆様方も本当に努力して、魅力的な制度に仕上がってきているとは思います。
 ただ、新しい制度が導入されることによって、農業、農村の構造も変わってまいります。しっかりとその点を検証して、改めるべき制度は改めるということと、やはり導入に当たってのスタートダッシュが必要ですから、そこはむしろ政治家の皆さん方が、現場の感覚に立って、単に検証しましたということじゃない、営業努力をしっかり行わせるような、インセンティブとなるような仕組みを入れていただいて、この制度を成功に導いていただきたいということを最後にお願い申し上げまして、質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
○北村委員長 次に、金子恵美君。
○金子(恵)委員 民進党の金子恵美でございます。よろしくお願いいたします。
 私は、我が国の農村に存在し続けている相互扶助の力というものこそが、農業を守り、そしてまた農業を力強く発展させる原動力をつくり上げていくのではないかというふうに考えています。
 今ほどもお話がありましたけれども、この農業共済制度、七十年の歴史があるわけです。そして、農業共済制度は、我が国の農村集落が持つ相互扶助の仕組みに根差して存在してきたと言えると思います。そしてまた、農業経営と農村社会の安定が図られてきたというふうに評価されているものでもあります。
 担い手の高齢化に直面し、農業就業者の数も減って、農業構造の変化を見据えて改革が議論されてきたということは理解をしています。特に、農業共済が基盤としている農村集落が弱体化して、そして共済部長の選出が困難になっている地域も出てきているということであり、推進体制や損害評価の仕組みを再検討、再構築する、その必要があったということも確かだというふうにも思います。
 ただし、それによって、農業共済の利点であった農村の相互扶助、これを基層とした推進体制、評価体制そのものを崩壊させるということがあってはいけないというふうに私は思っています。
 その上で、もう既に何度も御答弁はされているんですけれども、まず基本的なことをお伺いしたいと思います。
 収入保険制度導入とこの農業共済制度の見直しがなぜ必要であったか、そしてまた、農村と農業者の方々のニーズにどのように応えていくことができるのか、お伺いしたいと思います。
○山本(有)国務大臣 農業の成長産業化を図るためには、自由な経営判断に基づく経営の発展に取り組む農業経営者を育成するということが必要でございます。
 こうした中で、現行の農業共済、農業災害補償制度というものは、自然災害による収量減少が対象でございまして、価格低下は対象外でございます。対象品目が限定的でございます。農業経営全体をカバーしていない、そういう課題を持っておりました。
 このため、経営発展に取り組む農業者のセーフティーネットとして、品目の枠にとらわれず、農業経営者ごとに収入全体を見て総合的に対応し得る収入保険制度を導入するということに踏み切ったわけでございますが、農業災害補償制度につきましても、農業者へのサービスの向上及び効率的な事業執行による農業者の負担軽減の観点から、見直しを行うというようにしております。
 こうした措置を講ずることによりまして、ナラシ対策等他の経営安定対策と相まって、全ての品目についてセーフティーネットが講じられることになり、経営改善に意欲的に取り組む農業者の育成、確保に資するものと考えているところでございます。
 また、御指摘の、共助の精神に満ちた結いの思想がある農村、そうした相互扶助的な温かい面につきましても、そうしたことへの破壊につながるということはないというように考えておりまして、なおそうしたものを大事にしていく農政でありたいというように考えておるところでございます。
○金子(恵)委員 相互扶助の精神も大切にしていくということをおっしゃっていただきましたので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 そこで、もう既に、これも繰り返しになりますけれども、今回の収入保険は経営単位の農業収入全体を対象としているということでありますが、その意味についてお伺いしたいと思います。
○山本(有)国務大臣 ナラシ対策等の収入減少を補填する機能を有する既存の制度というのは、品目が特定されておるわけでございまして、地域単位での補償を行うものであったりするわけでございます。個々の農業者のリスクに応じた補填が必ずしもできているものではありません。
 こうしたことに対しまして、品目の枠にとらわれずに、農業経営者ごとに収入全体を見て総合的に対応し得る収入保険制度を導入することによりまして、新規作物の生産や新たな販路の開拓のチャレンジを支援することが可能になってくると考えております。個々の農業者の収入減少にきめ細かく対応することが可能になってくるわけでございまして、より農家が安定的に経営、営農できるというように考えるところでございます。
○金子(恵)委員 昨日の参考人質疑の中で安藤参考人もおっしゃっていたんですが、アメリカの仕組みに触れていらっしゃいまして、アメリカはもともと、収入保険は作物別保険と経営単位収入保険の二つがありますけれども、二〇一五年度の経営単位の収入保険の加入証券数はわずか一千百十四件にすぎないということで、アメリカの農業保険の加入証券数の総数百二十万件と比べると、本当に小さい数字になっています。
 経営単位収入保険は、アメリカでも試験的な導入の段階の域を出ないというふうにも言われていて、マイナーな存在と見るのが妥当ではないかという考え方もあるわけです。基本はあくまでも作物別の保険であるということで、先ほど、本当に全体、全てに対するセーフティーネットというものを考えるということであれば、アメリカのように、個々の作物、そして作目ごとの価格政策、所得政策があって、その上に収入保険制度があるという農業経営に対するセーフティーネットを重層的につくり上げるということがあってもよかったのではないかというふうに思います。
 安藤参考人は、昨日、それは先ほど言ったマイナーな存在にもなっているということではありますけれども、「こうしたアメリカの状況を鑑みますと、もちろん、日本の場合は作物別収入保険がないので単純な比較を行うことはできませんが、新しく導入される収入保険制度にどれくらいの農業生産者の加入が見込まれるかが危惧されます。」というふうにおっしゃっているわけです。
 本当にこの仕組みでよかったのか。そしてまた、私は、実は農業共済の職員の方から農業者の方々の御懸念の声を聞くことができました。農業収入全体を対象とすると、複合経営をしている場合に、ある品目が価格下落で損害を受けても、ほかの品目の収入がアップすれば、全体としての収入で見るので保険の受取額が少なくなるという可能性があるのではないかと懸念しているということでありました。
 ですので、品目別の補填の方がわかりやすいという、そういう声があったということでありまして、このような声にしっかりと対応していく。そしてまた、あるいは一方で、しっかりと理解を深めていく。本当に農業者の方々にメリットがあるんだということを、もうたくさんのシミュレーションもおつくりになっているとは思うんですけれども、そういうものをしっかりと示していくということが必要かというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○山本(有)国務大臣 アメリカの例でございますし、アメリカの品目別の収入保険が存在しているその内容について私どもも注目しておるわけでございますが、モラルハザードの防止あるいは事務コストの低減のため、農業者個人では操作できない先物価格を使用する仕組みと聞いております。その意味で、対象品目が先物価格のあるものに限定されているということは否めない事実でございます。
 そんなことを考えていきますと、品目ごとといいましても、全品目にわたるというのはなかなか苦労がいくわけでもございます。また、例えば野菜安定価格制度の中で、マイナー作物、こうしたものをつくっておられる方々は対象になっていない品目もあるわけでございまして、大変そういう意味では、チャレンジに富む小さな市場のものを扱う農家にとっては、品目ごとにされることによって何らセーフティーネットがないという懸念もございます。
 収入保険というのは品目にとらわれずに収入全体を見るわけでございまして、認定農業者を中心として複合経営に取り組む農業者が最近極めて多くなってきておるわけでございまして、ニーズがあるものと考えております。平成二十八年の調査事業におきまして五千経営体に対するアンケートを行いましたら、四三%が収入保険への加入を考えているというように回答をいただいております。
 そんな意味で、今後も収入保険について周知徹底を図りながらメリットを徹底的に追求して、そして安定的な農家経営というものを実現していきたいというように思っております。
○金子(恵)委員 収入保険の保険資格者は、青色申告を行い、経営管理を適切に行う農業者とされているということで、農業所得者の青色申告者数等をしっかりと把握していくことであったり、あるいは、今まで農業共済の組合員の中でどれぐらいの方々が青色申告をされているかというその現状も把握していくことが必要だというふうに思うんです。
 私も本来であれば農業者の後継者ということで、自宅の方に、資料をごらんいただきたいんですけれども、このアンケート調査が届きました。福島県の農業共済組合の組合員の中でどれぐらいの方々が青色申告をされているかということを把握するための調査でありますが、実は、これが届きましたのは四月の終わりなんですね。
 本来であれば、もう既に、組合員の中でどれぐらい青申の方がいらっしゃるかということをきちんと把握し、その上で、収入保険にどれぐらいの方々が移行されるかというものも、ある意味予想というか、そういうものもしていくべきものだというふうに思っていますが、でも、現状はやはりこういうことだと思うんですね。
 それで、農業者全体の青申の数字は出ているけれども、農業共済の組合員の中での青申を使っていらっしゃる方の割合というのが明確に示されているのかというと、そうではないんだというふうに思うんです。そうすると、そういう形での、そういう段階での制度設計というのは大変難しかったと私は思います。
 ある意味、実はこのアンケート調査が送られてきたペーパーの中には、もう既に収入保険に移行するということのPRといいますか、提出用のこのペーパーを見ていただくとわかるんですが、これから「移行するためのサポートを検討するために実施するものです。」というようなことが書かれていて、前提は法案が成立するということではあるとは思うんですけれども、このような状況、つまりは青色申告をしている方々の把握がまだまだできていなかったという状況についての御認識をお伺いしたいと思うんです。
○山本(有)国務大臣 収入保険制度の対象でございます青色申告を行っておられます農業者の方は、現時点で四十四万人でございます。
 収入保険制度につきましては、他の類似制度と選択加入としまして、農業者がみずからの経営形態に合った制度を自由に選んでいただくこと、こうしておりまして、国が加入目標を示すということは考えておりません。
 なお、制度導入に当たっての予算編成では加入者の見積もりが必要となっております。これにつきましては、法案成立後、制度の内容を地域に説明する中で、具体的なニーズの把握を行いつつ検討し、算定してまいりたいというように考えておるところでございます。
○金子(恵)委員 経営作目とか類型ごとにいろいろな情報を把握していなければ、やはり、最終的には食料の安定供給の確保という政策に資する意義というものが確認できなくなっていくというふうにも思うんです。そういった観点からも、やはりもう少し基本となるような情報というのを入手しているべきではなかったかというふうにも私は思っています。
 実際に、先ほどもお話がありましたけれども、福島県の農業共済組合も、六月から八月にかけて全職員向けの青色申告の研修会も開催する予定であると。それは、もちろん法案が成立するということを前提でありますけれども、そういう計画があるということでもありますし、また、組合員の皆さんに対する講習会等も開いていくという計画をしているということですので、それについては、先ほどありますけれども、もちろん、政府として、農水省としてもしっかりとサポートしていくということだというふうに理解をしておりますので、その件、しっかりよろしくお願いしたいと思います。ぜひ、さまざまな課題が出てくるというふうに思いますので、お願いいたします。
 次に行きます。
 米なんですが、米については、生産費と販売価格の差額を基準にした米の所得補償、直接支払いが半分に減額されて、そして平成三十年産からは廃止になるということで、また、生産調整が廃止されれば、またこの影響も大変大きく受けるということが予想されているわけなんですが、米の生産費を見ていきますと、資料二でありますけれども、やはり、相対取引価格が生産費をカバーできずにあるというような……(発言する者あり)
○北村委員長 では、時計をとめてください。
    〔速記中止〕
○北村委員長 それでは、速記を起こしてください。
 金子君。
○金子(恵)委員 それでは、もう一度申し上げさせていただきますけれども、米についてですけれども、資料の二を見ていただきたいと思うんです。
 米の生産費を見ると、相対取引価格が生産費をカバーできないという状態にあるということでありまして、二十七年の米生産費についてでありますけれども、六十キロ当たりの全算入生産費は全国平均で一万五千三百九十円となっていますけれども、取引価格の平均価格というのは一万三千百七十五円です。二十七年度米で、五ヘクタール以上の層では取引価格が生産費をカバーしてはいますけれども、でも、規模が小さいほど六十キロ当たりの生産費が高くなってしまっているということで、どうしてももう取引価格が追いつく状況ではないということがわかると思います。
 この数字を見ても、やはり、今後、生産調整も廃止になると先ほど申し上げましたけれども、そうすると、米価の下落というものも想定されるということでありまして、米価下落時に備えて直接支払いというものを行う必要があるのではないか、それを実施してこそ収入保険制度が生きていくというふうに思うんですけれども、どのようなお考えをお持ちでしょう。
○山本(有)国務大臣 まず、農業の成長産業化を図るため、特に稲作につきましては、担い手への農地の集積、あるいは需要のある飼料米等の生産など、前向きな政策を積極的に講ずることによりまして農業者のチャレンジを促進するということが重要だと考えております。
 収入保険制度と申しますのは、価格下落時による収入減少時のセーフティーネットとなることはもちろんでございますが、経営規模を拡大したり、新たな品目の生産などにチャレンジすることによりまして、農業者の収入が増加傾向にある場合は、これらの収入の増加を補填の基準となる金額に反映できる仕組みとなっております。所得の向上に向けた農業者の努力を促す、そういうメリットがあるというように考えております。
 他方、戸別所得補償制度における米の直接支払交付金のように、全ての販売農家を対象として恒常的に一定の給付を補償するという仕組みにおきましては、農地の流動化のペースをおくらせる面もございますし、農業者による前向きなチャレンジを促進するものではないというデメリットもあるというように考えるところでございます。
○金子(恵)委員 昨日、鈴木参考人が、岩盤なくしてセーフティーネットなしとおっしゃっていました。収入保険は所得の岩盤、下支えとしてのセーフティーネットではないという内容をおっしゃっていた。傾向的に価格が下落する局面では、五年間の平均収入より下がった分の一部を補填されても収入は減り続ける、底なし沼になるという発言もされていました。そのようなことが本当に起き得るのか、本当に懸念されているわけです。
 この新たな仕組みというのは、あくまでも、先ほど来、チャレンジ、チャレンジというふうにおっしゃるけれども、チャレンジができる農業者だけを支えるわけではないと思うんです。
 先ほどの米の生産費と取引価格のグラフを見ていただいてもわかるように、小さい農家は厳しいということでありますが、この小さな農家を切り捨てる方向で収入保険制度が存在するということになっては本末転倒だというふうに思うんです。農村を守れない、農業者を守れない、ふるさとを守れないという状況になっていくというふうに思うんです。
 そのことについてどうお考えになるか、最後に伺いまして、終わります。
○山本(有)国務大臣 農家全体を守る制度でなければならないと思っております。
 二十七年産、二十八年産の市場価格は、米の需要が八万トンずつ減っていくトレンドの中でも、市場価格を維持し、かつ一割上昇することができました。その意味におきましては、今の水田フル活用等の方策というのは、私ども、評価に値するというように考えているところでございます。
 また、各都道府県の作付動向についての把握情報の交換をしましても、これは二十七、二十八と大体同様のトレンドで作付がされるというように思っておりますので、さらに市場価格が下落するという方向にはございません。
 そんな意味で、今の農政、特に米農家の皆さんが新たなチャレンジをしていくことによって収入はふえるというように私ども確信をいたしておりますので、そんな意味で、いわば市場と連動した形で米農家を守るという制度にこの収入保険がふさわしいというように考えているところでございます。
○金子(恵)委員 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございます。
○北村委員長 次に、佐々木隆博君。
○佐々木(隆)委員 民進党の佐々木でございます。
 収入保険について、さまざま議論を重ねてきたわけでありますが、それぞれの各党からいろいろな意見が出されてまいりました。収入保険そのものについては、我々もずっと検討してきた課題でありますが、この間の議論を通じて、理念的な若干の相違点だとか、あるいはまた現場の不安などというものについて、必ずしも明らかになっていない部分もあるのではないかというようなことも含めて、さらなる検討というものが必要な項目についてのみ限定をして、少し議論をさせていただきたいというふうに思うところであります。
 最初に、そもそも収入保険は何のために導入をするのかということについて、認識をちょっと一致させておかなければならないというふうに思います。
 農業を維持発展していくためには、私は、きのうの参考人の皆さん方と若干意見が違うのでありますけれども、生産費補償あるいは再生産の補償をしていくわけでありますが、そのときには、米、畑作の直接支払い金、いわゆる固定払い、俗称ゲタと言われているものでありますが、あるいはまたお茶や果樹の改植等支援事業、それから酪農の草地助成というのが、いわゆる固定払い、ベースの部分だと思うんですね。これが私はいわゆる岩盤だと思うんです。
 同時に、農業というのは、自然災害があったり、あるいはまた家族経営であるがゆえの不慮の事故などによる何らかの手当てというものが必要になるというふうに思うんですが、こうした不作為の事態に対処するためには、そのときの、年々の変動に対する補償みたいなもの、いわゆる変動払いというのが必要になる。
 きのうの参考人さんの意見の中でも、これを二つあわせて岩盤と言っている方もいたし、固定払いのところを岩盤と言っている方もいて、少しそこはやはりちゃんと整理をしておく必要があるというふうに思うものですから、最初にそのことについて。
 その変動払いですが、その中には、畜産で言うマルキン、あるいは飼料価格の安定制度、急に高騰したときの対策ですね、それから加工原料乳の生産者経営安定対策、いわゆる加工原料乳のナラシと言われているもの、それから耕種農業には、農業災害補償制度、収入減少緩和対策、いわゆるナラシ、それから野菜価格安定対策などを整備してきた。これが、いわゆる変動部分の補償であります。
 その上で、今回さらに収入保険というものを整備、創設するという、各種の変動払いもかなりそろっている中で、さらにまた収入保険というものを導入するという、そのことについて提出者としての御意見をいただきたいと思います。
○山本(有)国務大臣 農業の成長産業化というものを図っていくために、自由な経営判断に基づき経営の発展に取り組む農業経営者を育成するということが何より必要と考えております。
 今までも、御指摘のように、収量低下に対する備えとしての農業共済、品目別の収入や価格の低下対策としてのナラシ、あるいは野菜価格安定制度などがございました。
 農業共済は、収量減少が外見で確認できるものに限定されておりまして、露地野菜等は対象外でございました。ナラシ対策や野菜価格安定制度は、地域の統計データを活用しておりまして、対象はデータがそろっているものに限定されております。というようなことから、いずれも対象品目として全てをカバーすることができておりません。
 そこで、今回の収入保険制度の創設によりまして、初めて全品目についてセーフティーネットが張られることになったということでございまして、既存の制度と選択加入制というようなことにさせていただきまして、個々の農業者のニーズ、実情に応じた対応も可能ではないかというように考えております。農業経営に当たる選択の幅が広がったというように認識をしているところでございます。
○佐々木(隆)委員 今の大臣の答弁は、そのとおりだというふうに思います。
 選択肢が広がったという今お話がありましたけれども、本来であれば、岩盤は岩盤で一本、変動は変動で一本であることが望ましいわけでありますけれども、畜産とか、業種によっては一本にできないものもありますけれども、耕種は耕種で一本になることが本来望ましいわけであります。
 そこで、これらの補償制度は、実施主体がまたばらばら、ばらばらと言っては失礼でございますが、それぞれ違うわけで、国の特会で行われているもの、それからALICが行っているもの、あるいは農済が行っているものなど、多岐にわたっているわけであります。今申し上げたように、本来一本であることが望ましいんですが、今、制度がたくさんある以上、これらの連携がスムーズにならなければ、制度をつくっても魂を入れずということになってしまうわけであります。
 農業者にとってわかりやすい、言ってみれば判断しやすい制度にすべきというふうに思うんですが、今後の取り組みについてお伺いをいたします。
○齋藤副大臣 今回御提案させていただいております収入保険制度と、それから、収入減少を補填する機能を有する各種の類似制度との関係を選択加入とさせていただく中で、農業者の皆さんに適切なセーフティーネットを提供するということをしていくためには、国、農畜産業振興機構、農業共済団体といった類似制度の実施主体間での連携が重要であるというのは、委員御指摘のとおりでございます。
 具体的な方策については、今後検討していきたいと考えておりますが、例えば、実施主体間での加入者情報の共有ですとか、合同での説明会の開催による加入促進などが考えられるかなと思います。
 いずれにせよ、実施主体の円滑な連携によりまして、農業者の皆様にみずからの経営判断で最も適切なセーフティーネットを選択していただけるよう検討してまいりたいと思います。
○佐々木(隆)委員 今、副大臣がお答えになった加入者に対する説明とか合同でやるというようなことは、非常に効果があるというふうに思いますので、ぜひ検討いただきたいというふうに思います。
 こんなにたくさんセーフティーネットがあり過ぎますと、どのセーフティーネットが一番いいのかというのは、まあ、経営によっても変わりますから、ぜひそれはお願いを申し上げたいというふうに思います。
 次に、その中でもとりわけ農済、農業共済組合でありますが、従来の農済事業に加えて、今度、収入保険というものを扱うようになるわけです。
 これは先ほど来論議があるところでありますが、農業共済組合及び連合会は、初めて扱う事業でありますので、行政との連携というのも欠かせないというふうに思うんですが、相談窓口、受け付け、認定、支払いなど、行政としてどのように連携していくのか、そのことについてお答えをいただきます。
○齋藤副大臣 行政との連携が重要であるのは委員御指摘のとおりです。
 今回の法律改正によりまして、全国連合会は収入保険制度を担うことになることから、事業を円滑に実施できるよう、制度設計をした国が、必要な情報の提供や事業の実施に関し指導助言を行うことというのは、極めて重要だと思います。
 このため、法案成立後、収入保険制度の円滑な導入に向けて、農林水産省といたしましては、農業共済団体の職員を対象とした収入保険制度の加入申請の受け付けや審査、補填金の支払い等の実務に関する研修を進めるとともに、農業共済団体と連携をして、事務処理を円滑に行うための電算処理システムの開発の支援などを行って、行政との連携を完全なものにしていきたいなと思っております。
○佐々木(隆)委員 今お話をいただいた、職員の研修というのはもちろんでありますけれども、連合会との連携の中で、システム開発というお話も今ありました。ですが、それはいずれの話であって、これは、スタートするときが一番、先ほど来お話がありますが、ある種、未知の世界へ入っていくわけですから、どんなトラブルが起きるかわからないという、やはり現場でいろいろ対応しなきゃいけないことがあると思うんですね。
 農済にとっては事務量もかなりふえるわけでありますが、そういった意味では、行政側としては、農政事務所なんかの役割も非常に重要になってくるんだというふうに思うんです。
 こうしたことに的確に対応するためには、ある程度私は、人そのものを、先ほどもお話ありましたけれども、ふやさなければならないのではないかというふうに思うんですが、これは局長、どうでしょうか。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 事務を的確に行うということは、何よりも新しい制度を導入する際には大事なことだというふうに考えてございます。
 今回、御指摘のように、収入保険制度、これが事務量の増大要因にはなるわけでございますけれども、他方で、一筆方式の廃止なり家畜共済の手続の簡素化、こういうものによりまして、先ほど資料でお示しいただいた、その事務費、水稲や家畜が多いという部分が、これはかなり減ってまいります。
 そういうところもありますので、全体としてそれを見定めた上で、どういう体制が必要かということはまた考えていきたいと思います。
 また、人のスキルアップ、これは非常に大事だと思っておりますので、そういうような職員を対象にした研修も大事でございますし、それから、事務負担をなるべく軽減する観点から、例えばタブレットで個々の農業者ごとの数字を入力すれば、たちどころにその農家の方に合った共済金が幾らに、場合によっては、どういう形で支払われるかとか、どういう時期で支払われるかということが、もう図を見てすぐわかるような仕組みにすれば、その説明の時間も節約されるわけでございますので、そういうことを全体としてやっていきまして、的確な事務執行体制になるように努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○佐々木(隆)委員 その取り組みを否定はしません。否定はしませんが、共済の簡素化というのは、それが相当局長の頭の中には描かれているように思うんですが、それは初年度ではない話ですよね、将来にわたってそうしていくという話ですから。
 私が心配しているのは、タブレットのこともそうですが、スタート時点で大丈夫かというのを一番心配しているのであって、スタート時点は農政事務所から応援に行くぐらいなことをやらないと、何年か繰り返していけば、それは問題点も整理をされてくるし、タブレットも機能するようになるかもしれません。ですので、初年度に対してやはり何らかの対策が、私はさらなる対策が必要ではないかというふうに思うんですが、どうでしょうか。
○大澤政府参考人 とりあえず、まず、二十九年度予算におきましては、従来の事務費に加えまして、収入保険制度の普及、それから青色申告についての例えば無料相談会の開催、こういう形では特別の予算を組んでおりますので、また必要に応じて、毎年の予算編成の中で検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○佐々木(隆)委員 ぜひそういう体制を、とりわけ初年度、しっかりと組んでいただいて、スタートダッシュでつまずくことがないように、これは期待も大きい制度ですから、事前に全てのものがリスクマネジメントできるとはちょっと思えないところもあります。
 私は、そういった意味では、クライシスマネジメントも必要、何か事故が起きたときにはすぐ対処できるという、事前に対処できるものと何かあったら対処できるものと両面やはり備えておく必要があるのではないかというふうに思いますので、このことは申し上げておきたいというふうに思います。
 次に、これも議論されてございますが、今回の改定によって、農業共済の当然加入が廃止をされる、強制加入という言い方をする人もいますが、いわゆる当然加入が廃止されることになります。いわゆる選択制、任意になるわけであります。
 先ほど来お話がありますように、ほかの方の資料で恐縮でありますが、先ほど福島議員から提出をされたものを見ても、とりわけ小規模農家の皆さん方、一ヘクタール未満だと七八・五%、五十アール未満でも五六・七%の皆さん方に及ぶわけであります。もう一つは、第二種兼業農家ですね。いわゆる農業以外の収入の方が多いという方々、私もその一人ですけれども、第二種兼業農家、これが三一・六%にも及んでおります。副業的経営というふうな言い方をすると四三・四%になるわけですが、かなりのこうした方々が無保険者になる可能性というのは極めて高いと私は思うんです。
 そういうことについて、まさにそのセーフティーネットになり得るのかという意味では大変心配をしているわけでありますが、このことについては、局長、どうでしょうか。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 先ほどから、各委員から御指導賜っている点でございます。
 我々といたしましては、まず、小規模の農業をやられている方は、当然のことながら共済の掛金も少なくて済んでいるわけでございます。ですので、これを、少額だからまだ続けていくというふうなインセンティブになるのか、それとも、もうこれはメリットがないからやめてしまうか、非常に、正念場といいますか、大事なところだというふうに考えております。
 米の規模別のデータをお示しされましたので、少し具体的に、どう加入推進を進めていくかという今の時点での考え方を進めますと、今御説明を申し上げたいろいろな仕組み上の点はしっかり普及していくということは前提といたしまして、まず、米の小規模といいましても、やはり、先ほど全国的なデータでは、大体四割が複合、米以外の作物もされているということでございます。特に、果樹をやられている方が小規模米をやっておられるとか、野菜と米とか、そういう方がかなりいらっしゃいますので、野菜、果樹ということであれば、まさに今回の収入保険のメリットを一番受ける立場の方でございますので、収入保険ということを特にお勧めする形の中で無保険者というものをなるべく減らしていくという方策も一つあるのかなというふうに考えてございます。
 それ以外で、米単作で小規模の方々というのは、先生のおっしゃるような第二種兼業農家の方もいらっしゃいますけれども、最近では、各地域において集落営農化といいますか、その萌芽も含めて、そういう形で全体として地域社会を守っていこうというような動きが行われておりますし、実績もデータもふえております。その中には、さらには法人化まで進んでいくということも、集落営農調査では一定程度ふえているということになっておりますので、そういう米の集落営農化、こういうことを捉まえながら進めていくというのも一つの方法かなと思っております。
 さらに検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○佐々木(隆)委員 複合経営の場合は、私もメリットはあると思います。北海道的に言うと、畑作地帯が、では、畑四品だけつくっているかというと、実はもうほとんど野菜もつくっておりますので、そういう方々の期待が大きいというのは私もいろいろ聞いておりますので、複合経営の皆さん方にとってのメリットというのは、それも、農家の方にわかるようなパンフレットか何かをつくって、ぜひ普及をさせていただきたいと思います。
 もう一つは、集落営農も私も進めるべきだというふうに思っております。その中で、今局長が言われたように、集落維持という側面と両方相まって集落営農というもののメリットがあるわけでありますので、これはスタートには間に合う話かどうか、どのぐらいの比率かというのは、今ちょっと数字を持ち合わせていませんけれども、ぜひそれも、集落の維持ということも含めて考えていただければと思います。
 そこで、加入者をどうやってふやしていくかという中で、収入保険はいわゆる青色申告に限定されているわけでありますが、今言われたように、先ほど大臣からもお話ありましたが、農業所得の青色申告者は四十四万人、総農家戸数でいうと二〇%程度であります。
 それは、税制、税金のときの対応として青色を使っているということで全体の収入が把握できるんだというのがずっと説明として使われてきているわけでありますが、今、税制は、個人事業主という場合ですが、記帳義務制度という仕組みが農業にはとられています。
 かつてこれは簡易記帳と言っていたんですが、今は記帳義務というふうになって、もう義務になっているわけですね。ですから、この記帳義務というのは、ほぼ青色申告と同じような記帳が義務づけられているから記帳義務というんです。
 これをやると、ほとんど損益計算書と同じぐらいなものはでき上がります。北海道は農協を使っているところが多いので、農協で整理されたものに現金出納簿を同じ仕訳にくっつければ、もうそれででき上がるというような感じでありますので。
 税制上はこの損益計算書をもとにして税の申告をするわけであって、貸借対照表まで税制では求めていません。貸借対照表というのは経営診断をするために必要なのであって、税の申告のときには、損益計算書に近いものがあれば、それで税というのは、税務署はオーケーになるわけですね。
 ですから、記帳義務という仕組みで、どんどん青色とほぼ同じ仕組みが広がっているという今の現状の中でいうと、この損益計算書的なものをどうやってこの中に認めていくかということは、私は一つのポイントだと思うんですね。青色申告に余り固執せずにこれを普及させていくという意味では、青色と同じような何らかの義務は課さなければならないと思いますが、そういう制度が現実にふえているわけですから、こうしたものを拡大していくということについては考えていくべきじゃないかと思うんですが、局長、いかがでしょう。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 収入を正確に把握するということは、やはり国民理解の点でも非常に大事だと思っておりますので、どこかで線を引くということは必要なことだと先生の御指摘のとおり思っております。
 先生の御指摘の、白色申告における最近のいろいろなものの義務化でございますけれども、確かに御指摘のとおり、損益計算書は義務になっておりますが、例えば、売り掛け帳、買い掛け帳、固定資産台帳、現金出納帳、こういうものがまだ義務化されておりません。そういう意味では、在庫と比べてみるとか、日々の残高を見てみるとか、そういうところに少しまだ欠けたものがあるのではないかというふうに評価いたしております。
 実は、今売り掛け帳など申しましたのは、これは、青色申告の中での簡易な記載についてはそういうものも一応保管することになっておりまして、ですから、日々の売ったり買ったりのやりとりのほかに、在庫の状況までわかるということになってございまして、また、それを全体として残高を計算するということにもなっているわけでございます。ただし、貸借対照表までは求められておりません。これが青色申告の簡易な記帳方式でございます。
 これは、やり方によっては、やり方によってはといいますか、客観的に見れば、白色申告からあと一歩、在庫関係を出せばこれは簡単にできるものだと考えておりますので、制度検討の中でいろいろな議論がございましたけれども、とりあえず、この簡易な記帳までやるということでスタートしようということで考えておりますので、まずは簡易な記帳方式、これを強く進めてまいって、なるべく農業者の方に青色申告というのが理解されやすいように努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○佐々木(隆)委員 今局長がお答えいただきましたが、在庫というのは、ある種、その年の収入、支出に余り関係ない話で、どこかの時点で発生してくる。だから、発生した時点で損益計算書には出てくるという話ですから、税務上は私は損益計算書ができていればほとんど大丈夫なのではないかというふうに思うんです。今、それにプラス、局長が簡易と言いましたが、今は簡易じゃなくて義務ですから、もう少しレベルは上がっていますから、簡易と言われるとやっている方はちょっとなえますので、記帳義務というふうに今言っていますので、それだけレベルが上がっているということも含めて、それにプラス、在庫というのがどうしても必要だというのであれば、そういう方式もありかというふうに思いますので、ぜひぜひ、そういうことも含めて、幅広な対象者ということを検討いただきたいというふうに思います。
 もう一点は、これも、六月一日のときに簗委員からも質問がありましたが、農済事業の出役は苦ではないと参加者は言っているというお話がありましたが、それはまさに、地域の農業者のある意味感覚だと思うんですね。共済のそうした出役に出ることは、ある種、村の維持とか、あるいは、村の行事とまでは言いませんが、そうした感覚もあって、みんなで助け合おうよと、だから共済なんですけれども。
 ともに助けるから共済なのでありますけれども、そういう感覚があるというふうに思いますので、今言ったように、できるだけ多くの方が参加できるような仕組み、そして、先ほどお話がありましたが、できるだけ多くの方が参加をする、そして同時に村も維持していくということが私は農政の基本だというふうに思っておりますので、そうした視点も含めてぜひ考えるべきだというふうに思いますが、これは三役の方に答弁を求めたいというふうに思います。
○細田大臣政務官 ありがとうございます。
 先生からお話があったとおり、できるだけ幅広くこの新しい制度に加入をしていただきたいと思っておりますし、また、そのために私どもも努力をいたしたいというふうに考えております。
 先ほど問題提起をいただきました青色申告の件でございますが、私どもとしては、農業者を選別するという意図は全くございません。先ほど局長から御答弁を差し上げたとおり、青色申告は、規模等に関係なく、一定の帳簿を整備し、記帳を行うなどの要件を満たすことで、誰でも実行することが可能でございますし、また、この機会に、損益だけでなく、資産あるいは負債についてきちんと把握をしていただいた上で、みずからの農業経営について振り返るという機会にぜひしていただければというふうに考えております。
 以上でございます。
○佐々木(隆)委員 ぜひこれは、農水省というか、農政の中で整理をしていただきたいというふうに思うんですが、今、政務官からは選別しないというお話があって、私は大賛成でありますけれども、片方で流動化だ、チャレンジだというのは、これはやはり、政策をどこかに集中するという意味でもあるわけですよね。政策を集中していくと、そこには当然、それ以外の方々は離農しろという話に、しろとは言っていませんが、結果としてなるわけですよ。
 だから、離農促進を片っ方でやっておいて、片っ方で選別しないと言っても、これはどこかで整合させなきゃいけないと思います。それは現実としてやむを得ない部分はありますよ。ありますけれども、どっちが農政の政策なんだというものを、どこかでそこも整理をしていただかないと、新しい制度をつくるときにいつもそれが壁になるというようなことになるんじゃないかというふうに思いますので、ぜひこれは求めておきたいというふうに思います。
 今回の収入保険のある意味隠れたもう一つの大きな課題が私はあるというふうに思っているんですが、収入保険では、税制を活用するということになるわけですので、結果として、支払いが確定申告の後になってしまう。つまり、三月十五日以降になってしまうということになるわけですが、早期支払いについては融資制度ということが法律上条文化をされているわけでありますが、早期支払いと同じようにというか、それ以上に問題なのが、やはり税制の問題であります。
 確定申告後の支払いということになりますと、当該年の保険金が次年度に支払われるという仕組みになりますので、結局、それは税制上は過年度収入という扱いになるわけであります。よって、保険金が次年度に加算をされるということになります。これは、実態にそぐわない事態が発生するということが十分に考えられるわけです。
 ですから、例えば水田の直接交付金などのような場合は、面積払いみたいな固定的に払われるものと、それにプラス作物の分が付加されるわけですが、これも、かなりの部分は前の年に支払われたりするわけですね。これはある程度固定していますから、例えばおくれたとしても、ずっと同じ金額がある程度移動していくということになるので、余りトラブルは起きないんです、最初の年はありますけれども。
 しかし、この収入保険は、例えば、昨年北海道でも台風がありました、落ち込みました、そして、ことしの三月十五日に申告したときに対象になって、これが出ることになりました。ことし、豊作ですというと、これにこれが積まされるわけですね。それで、次の年が作物が悪いと、それは全くチャラになっちゃうわけ。この収入保険の場合は、物すごく上がったり下がったりするわけですよ。下がったときに支払われるのは、上がったときに過年度収入として積まされるということになりますから、大変な差が起きる、不都合が起きるということになるわけです。
 そうした意味で、これも条文化すべきだったと私は思うんですが、なぜ条文化しなかったのか、まずは局長からお伺いします。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 収入保険制度は、先ほどから御説明させていただいておりますとおり、農業者ごとの収入を税務関係書類等で確認して、それで補填金を支払うという仕組みでございます。
 ということで、先生の御指摘は、仮払い、当年中の払いということはどうだったんだ、検討したのかということでございますが、やはり、当年に仮払いの形でも行えば、それは収入が確定しないうちに支払いを行うことになるということになるので、これは収入保険制度の基本的な仕組みとなじまないのではないかというのが検討結果でございました。
 したがいまして、この保険金の支払いが翌年になることに伴う税負担の問題は、税負担の問題として解決しようということで、今検討しているところでございます。
○佐々木(隆)委員 これは、残念ながら条文化されていませんので、ぜひ大臣の御答弁をいただいて、議事録にしっかりと記載をしていただきたいというふうに思うんです。
 こういう当該年収入にするためにいわゆる仮渡しとかという制度が一つありますが、同時に、これはかつて誰かも質問しておりましたが、「果樹共済に係る共済金及び共済掛金の取扱いについて」という国税庁の長官の通達がございます。そこには、「災害によって受ける収穫共済金(仮渡金を含む。)は、当該災害を受けた果実の収穫期の属する年分の事業(農業)所得の総収入金額に算入する。」という通達がございます。
 いわゆる農業者にとって、保険や共済事業における当該年算入というのは極めてこれは大きな課題なんです。ある意味で、この制度のもう一つの大きな肝と言ってもいいというふうに思うんですね。
 ですから、こうした前例もあるわけですので、ぜひ、こうした仕組みをこの制度においてもとるべきではないかというふうに考えますので、大臣の決意をお願い申し上げます。
○山本(有)国務大臣 収入保険制度と同様に、翌年に共済金を支払う仕組みというようになっている現行の果樹共済につきまして、共済金を、災害を受けた果実の収穫年の総収入金額に算入することとされております。御指摘のとおりでございます。
 この収入保険につきましても、これと同様に、税務上、保険金は保険期間の総収入金額に算入されることが発生主義からして所得税法の筋だ、私もそう思っております。
 ということでございますので、今後、税務当局と調整を進めてまいりたいというように思っております。
○佐々木(隆)委員 ありがとうございました。
 しっかり議事録にも残していただいたというふうに思いますし、ぜひ、これは共済金も全てが当該年に確定しなくても、少し年をまたいでも、それは当該年算入をするとか、あるいは、先ほど言った水田活用の直接交付金も当該年算入に、全額はならないんですが、できるだけ算入するというようなことをそれぞれ努力をして今日までやってきてございます。そして、今の果樹の例もありますので、これは大変大きな、もらったときにたまたま豊作だったということになるととんでもない事態が起きますので、今大臣からしっかりお答えいただきましたので、ぜひそういう方向で御検討いただきたいというふうに思います。
 最後に、局長にお伺いをいたします。
 この施行後の検討時期の話でありますが、五年というふうになっているんです。我々は三年でいいのではないかというふうに思っているんですが、見直しには三年分のデータが必要だというふうな説明をいただきました。そうすれば、四年でも可能なのではないか。要するに、三年分のデータが必要だということが条件なのであれば、別に五年でなくてもいいわけで、ここは四年でもいいのではないかというふうに思いますのと、同時に、これから初めて取り組む事業ですから、その分だけやはりできるだけ早く見直しの設定をしておくことが必要だというふうに思うんですが、これは五年とした理由について、局長からお伺いします。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 現在の改正法案の附則第十四条で、この法律の施行後五年を目途として検討を加えるという規定のことと思っております。
 この趣旨につきましては、収入保険制度は我が国初めての制度であるということでありますので、やはりいろいろな課題もまだ残っているというふうに認識しております。制度実施後も、データの蓄積を進めるとともに、農業者のニーズを引き続き把握しながら、農業者にとってよりよい制度となるように、制度の実施状況の検証を行っていきたい、それとして五年ということで提案させていただいてございます。
 どうしても五年でなのかという、政府提案は五年でございますが、これは、データの蓄積はやはり多いほどより客観的な検討が行えるという面もありまして、そう提案をさせていただいております。ただし、今回の提案のもととなった事業化調査、これは三年分のデータで検討を行っているという面もございます。こういう点も含めて、この委員会で御審議をお願いしたいというふうに考えてございます。
○佐々木(隆)委員 我々も検討してきた収入保険でありますので、よりよい制度にやはりしていかなければならないというのと、先ほど申し上げました、いわゆる固定払い的な岩盤補償と、それから、どうしても変動することにたえる補償という両面を、やはり、将来的には整理していく必要があるというふうに思いますし、初めての事業ですから、不断の見直しも必要だということも申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○北村委員長 次に、玉木雄一郎君。
○玉木委員 玉木雄一郎です。
 収入保険について質問させていただきます。
 この間、与野党の先生の質疑を聞いていて、非常に私は前向き、建設的な議論が行われていて、大変いいなと思っております。私も、この収入保険、所得保険という形で当初我が党の中でも考え始めて、長い歴史があるので、こういう一つの形になってきたことについては大変高く評価をいたしております。
 ただ、少し思いを申し上げますと、先ほど佐々木先生からもあったように、いわばコストを加味した岩盤と、そして収入の変動ということをセットで、岩盤プラス収入保険ということで初めて営農継続できるような安定的な所得が確保されるということを考えておったので、畑作物についてはゲタの制度があって、そしてそこにナラシがあるということなんですが、米ゲタがあって、我々戸別所得補償という名前で呼びましたけれども、米ゲタプラスナラシ的な制度、加えて、単品の収入の変化をカバーする保険に加えて複合的な、経営全体をカバーするような保険をセットできれば、一番農家は安心できるかなというふうに当時思っていましたけれども、今回、その意味でできたのは、私からいえば、複数の品目をカバーできる民間が経営するナラシが一つできたという感じなんです。
 本当であれば、ナラシは単品の五品目に対する個別のある種収入保険です、私はそれをあえて保険と呼びたかったんです、農業者の拠出も求めるから。これを、単品ではなくて、単品も残しつつ総合的な経営をカバーするようなものに発展的に解消して、最初は国が運営し、それがこなれてきたら民間主体にそれを移していく、例えば農済がそれを受けるというふうなことができたら非常に農家も安定するなということだったんですが、この間政権交代もあったので、いろいろ少し変化がありながら今日に至っている。ただ、新しい制度ができるので、大切なことは、農家にとって魅力的な、使いやすい制度にどうしていくのかということがポイントだと思います。
 そこで、きょうは一点に絞って伺いたいと思います。先ほど同僚議員の佐々木委員からもあったように、これは税制のある種制度をかりてきて運用するので、よくあるんですが、税法上の計上の話と他の制度上の計上の話がずれる、期ずれの問題によるさまざまな問題があるので、ここをうまくカバーしていくことが必要だということで質問します。
 きょうは、大豆について特に集中して質問したいと思います。
 大臣、大豆の収穫というのは大体いつごろ行われますか。
○山本(有)国務大臣 正確には知りませんが、秋であろうと思っていますが。
○玉木委員 秋でも、まあ地域によりますが、大体十月、十一月、十二月。うちなんかだと、十月末から十一月みたいなところもあるんですが、つまり、カレンダーイヤーの最後のあたりに収穫、農協に出したり直接とかいろいろありますけれども、農産物の販売収入が立つわけですね。それが仮にどんとその年減ったということになると、今回創設される収入保険の保険金の支払いというのは、早くて次の年の一月、二月、三月なんですね。
 これは結構実はポイントでありまして、何を言いたいかというと、保険金が払われますね、来年の一月、二月、早くて。そうすると、保険金の支払いの原因となる減少がことし、当年起こるんですが、保険金の払いがまず来年の一月、二月、三月。収入保険を使おうと思ったら、税法上のカレンダーイヤーというのは、一月から始まって十二月に締めて、それを二月十五日からの確定申告期で申告しますから、ことし何かが起こったときに、例えば来年に支払われますということも、さらに翌々年の四月以降に払われることなんです。
 大豆は特に特徴的で、何かが起こってから一年半後ぐらいにしか保険金の支払いがないという制度に多分なると思うんですね。
 もちろん、これは収入保険の制度そのものが、ある程度一年間の他の農業収入も考えながら、最後、確定申告のときにまとめてどうだったというから、もともと支払いがおくれる制度はおくれるんですが、大豆に関して言うと、たまたま暦年の最後の方に収穫して、保険金の支払いも早くて一、二、三月なので、例えば畑作物の直接支払交付金なんかも一、二、三月に立つんですけれども、保険金のそれが現にあらわれてくるのは物すごく先になるんですよね。だから、セーフティーネットの役割として、果たして農家にとって魅力的なのかという話がある。
 逆から言うと、さっきこれは佐々木先生も言いましたけれども、当年に計上される交付金、これは、畑作物の直接支払交付金、これも今回収入の対象に入るということです。
 ですから、数量払いのところは特にそうですが、数量払いの払いも去年のものはことしに払われるということになるので、ことしすごく実は収穫が悪くても、去年めちゃくちゃよければ、それに伴う畑作物の直接支払交付金の数量払い分がどかんと来ると、ことしは収入が落ちた、それで、収入保険がもらえるかなと思ったら、過年度分のものがどさっと乗ってくるので、一割の減少の基準を満たさなくなって保険金がおりないということも制度上あり得るのではないかなと思うんですね。
 これは、収入保険の収入の中に畑作物の直接支払交付金を入れることによってこういうことが起こってくるということなんです。
 ちょっとややこしい話なんですが、これは極めて実は大事な話でありまして、私が申し上げたいのは、当年産の大豆に係る畑作物の直接支払交付金が、これは結構大きいんですよ。実際、大豆を売った額と同じぐらいたしか出ますよね。だから、大きいときは大きく出るし減るときは減るので、この畑作物の直接支払交付金が微妙に年をまたぐという支払いになっていることに伴って、収入保険のその収入のカウントのところがすごく現実と乖離していびつになる可能性があるんですね。
 そこで、提案なんですが、当年産の大豆に係る翌年一、二月、三月ぐらいに払われる数量払いの交付金なんですけれども、これは決算上あるいは税務上は翌年に計上されますね、一、二、三月に数量払いが払われますから。でも、収入保険の計算上、収入保険の制度上は、当年産の収入として扱うことを認めてはどうかなと思うんですね。
 できるだけ、収入が下がったあるいは被害を受けたと実感する年と保険金の支払いが近ければ近いほど、私は農家にとってはメリットがあるなと思うので、そういったことも考えてはどうかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 先ほど佐々木先生の御質問にも、ある種同じ問題だと思っておりますが、確かに先生のおっしゃるとおり、大豆については非常に特徴的に出ていると思います。
 まず、大体夏ぐらいに、七月から八月、地域によって違いますけれども作付が行われまして、収穫は、御指摘のとおりやはり年末、十月から十二月ぐらいの幅。その後、大豆は収穫されただけではすぐに売れませんので、やはり、乾燥、調整、検査、これが必要でございますので、どうしても年を越えて、まあ、数量払いももちろん年を越えますが、販売金額、販売代金自体も、当然年を越えて販売されるということになってくるというふうに承知してございます。
 先生御指摘の、収入保険の収入の算定の時期をちょっとずらしたらどうかということでございますけれども、先ほど佐々木先生のところでもお答えしましたとおり、やはりこれは税の仕組みを基本的に使うというのが制度の肝でございまして、そこで余り違うことをやらないので結果的に事務が非常に簡素化されているという面もございますので、収入の時期をずらすという解決方法がどうなのかということはさらに検討しなければいけないと思っております。
 先ほど来申し上げておりますとおり、まず、農家の実感という点でありますれば、つなぎ資金を、先ほどの答弁でも、無利子のつなぎ資金という形で検討するということを今考えておりますので、無利子のつなぎ資金でありましたら、実際上の機能としては、一時払いというか仮払いというか、農家の方の心情からいえばそういう認識もされるのではないかなというふうにも思っております。
 それから、税金の問題につきましては、先ほどのお答えのとおり、やはり税金としてはまた別の処理として考えているという次第でございます。
○玉木委員 いやいや、私が申し上げているのは、これは結構大事だと思うんですよ、よく検討してみてください、本当に。
 収入保険の収入が一体何を含むのか。例えば餌米をつくったときの水田活用の交付金なんかは入らないですよね。入らないよね。では、例えば畑作物のゲタの部分も、理論上は面積払いのものは含んじゃだめでしょう。数量払いのところだけ入れるべきという整理に本当はすべきだと思いますよ。本当はね。厳密な理論的なことを整理すれば。
 繰り返し言いますけれども、大豆に関しては、一年の最後の方でとれて、畑作物の直接支払交付金が翌年に払われる、一、二、三に。乾燥したり何だかんだと言うんだけれども、ただ、早くもらいたい人はもらいたいと思うから、私は、今、税の問題も言いましたけれども、関係するんですが、ことしすごく悪かったのに、去年がたまたまよかったから、その大豆に関する畑作物の直接支払交付金がことし振り込まれるということになると、さあ、もらえるかなと思ったら、何か去年のものがどさっと乗ってきて、保険の一割減という数字を満たさなくなって、せっかく保険料を掛けてきたのに、こんなに収穫が悪いのに、もらえませんということがあり得るんです。
 だから、できるだけ実際の所得の減に起因するようなものと、交付金の支払いとか、さらには保険金の支払いなんかをできるだけ近づけていくような運用上の柔軟性をぜひ私は確保すべきではないかなと。
 例えば、確定申告は二月十五日から三月十五日の一カ月ですけれども、年末にとれて農協なんかに出して、実際の振り込みが二月です、三月ですと言われても、交付決定の、これぐらいですよということがわかった時点で、申請するときに保険金の請求に添付すれば、大豆の売上代金も、もちろんそれに伴って出る数量払いも、当年産の収入だ、そういうふうにうまく工夫できぬかなと。
 国の制度だとこれがきついんですが、民間の制度じゃないですか、たまたま。こういうところをもう少し柔軟にすれば、翌年じゃなくて翌々年になってしまうというこの大豆の特性を考えて、農家にとって便利なものにした方がいいと思う。そうしないと何が起こるかというと、ナラシには勝てません。ナラシの方が圧倒的に有利ですから、そこは。便利だし。
 うちの地元で、天王団地という、結構大規模に米、麦、大豆で、農水省がやれといっても、飼料米なんかやりませんといって、ちゃんとオーソドックスに主食用米と麦と大豆でやっている、比較的圃場整備も香川県にしては珍しく行き届いたところがあるんです。やはり、米、麦、大豆できちんとやっているようなところからすれば、今みたいに使い勝手が悪くて、いつ払われるのかわからないというものだと、入らないですよ。共済とナラシのままでいいですよ、これは。
 だから、せっかくつくったんだったら、魅力的なものにするためにも、あえてちょっと今大豆の話を出しましたけれども、こういう税法上との、税制上の計上、特に畑作物の直接支払交付金がずれて計上されるというところも含めて、柔軟な制度設計と運用をやってもらいたいということをこれはちょっと提案しておきますので、ぜひ検討いただけませんか、局長。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 まず、収入保険制度につきましては、基本的に、単品の制度では、単一作物を想定した制度ではございませんので、収入全体を捉まえるということで、特に、大豆農家の方も大豆単作、なかなかちょっと考えにくい点もございますので、大豆だけでその特例をつくることがいいのかどうか、そういう論点もあるかと思いますし、品目の話でいきますと、ほかにもいろいろ出てまいるような気もします。コンニャクはどうなのかとか、それからサトウキビはどうなのか、いろいろあるような気がいたします。
 それぞれの品目別の特殊性をどこまで横断的な制度に反映させるのか、いろいろな論点がございますけれども、我々としては、まず、税法の仕組みを使うという、青色申告の仕組みを使うことによって、事務手続が楽になるというメリットでまずスタートさせていただきたいと思っております。
 もちろん、検討規定もございますので、将来的な課題として、いろいろなことを検討することがありますけれども、その中で、先ほどお話しした留意点も含めて検討してまいりたいと考えております。
○玉木委員 そうなんですよ。大豆だけ単作でやっているところはないんですよ。米、麦、大豆とかでやるから、当年産の例えば三つの作物を比較的近いところで、これぐらいことし三品目で上がったなということを把握して、それが落ちたらことしもらえる、それが落ちなかったらもらえないという、わかりやすいものにした方がいいと言っているんですよ。
 大豆だと、大豆の畑作物の直接支払交付金が翌年になるから、それによって実は、それも含めて一年計算して、翌々年の二月、三月の確定申告になるから、払いはさらに四月以降だから、大豆に関しては物すごく遅くなるんですよ。翌年じゃなくて翌々年になる。
 だから、複合的に、米とか麦とかに近づけて大豆の収入を考えられるような運用をした方がいいということを言っているので、これはよく考えてみてください。そうじゃないと、米、麦、大豆でやっている人は、こっちには入らないです。ナラシで十分というか、ナラシの方がいい。そういうところも含めて、ぜひ御検討いただきたいなと思っております。
 もう一つの話題に移りたいと思いますが、共済の話なんですけれども、最近、獣医学部を創設するとかという話がいろいろ問題になっていますが、私、口蹄疫のときの経験があって、これは江藤先生にも大変御指導を当時いただきました。
 何かあったときに何が大変かというと、きちんと対応できる産業動物の獣医さんを集めてくるのがまず大変。もう一つ大変なのは、埋却の場所を確保して、いかにそれを速やかに埋却するかということに、自衛隊の力も大きくかりましたけれども、実際に、防疫体制というのは、どういう人材が、どこで、どのように必要かということはもう少し厳密に詰めて考えなければいけない。
 そのときに、本当に感謝しているのは共済の獣医さんです。共済の獣医さんには、一番、その意味では、現場でやっておられるし、即応性があるんですよね、自衛隊じゃないですけれども。
 こういうことを考えても、農済制度も、当然加入は外していきますけれども、制度全体として安定的に回っていくようにすることが、食の安全とか食料安全保障の観点からも、そしてそうした水際対策や人獣共通病に対する対応等々についても極めて大事だと思うので、農済の経営の安定性ということは、特に当然加入を外した以降の影響についてはちゃんと検証すべきだということを私からも改めて申し上げておきたいと思います。
 その上で、獣医師の需要についてちょっと聞きたいと思いますが、これは加計学園のことにも関係しますけれども、二〇一五年六月三十日に閣議決定がされて、いわゆる四条件ということが、新たに獣医学部を認める際には満たしましょうということが、石破当時担当大臣のもとで決められました。
 きょう伺いたいのはその第二条件についてでありまして、何かというと、獣医師が新たに対応すべき分野の具体的な需要というのがきちんと明らかになることということだったと思います。
 去年の十一月九日に国家戦略特区諮問会議で決定した際に山本大臣も御発言があったので、私、確認しましたが、犬、猫とかあるいは畜産、牛、豚ですね、こういったものは減ってきているというのは大臣も明確にお答えになっております。
 では、新しい分野の具体的なニーズというのはどこにあるのかな、どのように確認したのかなということが明らかにならないので、この間の行政手続についての公正性、公平性に疑義が生じているんだと思います。ここを説明し切れば終わりですね。
 ですから、その四要件を満たしているのであれば、加計学園だろうが京産大だろうが、認めればいいんです。四要件を満たしていないんだったらこれは認めてはいかぬ。それだけですね。
 伺いたいのは、六月一日に、山本大臣が、この新しい需要についてこのように国会で御発言になっております。
 具体的な人数を申し上げることはなかなか難しい、新しい分野の具体的な獣医の需要ですね。もとより、需要を定量的に把握することは困難でありますが、製薬会社等の会社に勤務する獣医師の数や会社に就職する新卒者の数がこの十年間で約五割から六割増加していることは、新たな需要が具体的に発生していることをうかがわせる一つの材料ではないかと判断しておりますとあります。
 伺います。
 製薬会社等の会社に勤務する獣医師の数等々がこの十年間で約五割から六割増加していることがその判断の基準になっておりますが、この十年間というのはいつからいつまでで、製薬会社に勤務する獣医師の数は五割、六割増加していると言いますが、具体的に何人から何人にふえていますか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 山本大臣が六月一日に御答弁させていただいた内容についてでございますけれども、委員御指摘のおととし六月三十日の閣議決定四項目につきましては、これは閣議決定でございますので、各府省がそれぞれこれに従って検討すべきというスタンスで、内閣府、そして文科省、農水省、昨年の十一月九日の諮問会議における制度化の決定に向けまして検討をしてきたという経緯がございます。
 その中で、委員御指摘のライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的需要の件でございますが、具体的にライフサイエンスについて見ますと、民間有識者の方々からも、再生医療分野の臨床研究の促進のために、中・大型の実験動物の開発、管理を担う人材は明らかに不足しているという御意見がございました。
 さらに、製薬会社等に勤務する獣医師数や、進路として会社を選択する新卒者の数も、この十年間で約五割から六割増加しているということでございます。
 こちらは、私ども、検討の際に農林水産省からもデータをいただきまして、細かい数字でございますが申し上げますと、企業、製薬会社等に勤務する獣医師数でございますけれども、平成十六年末に千四百三十六名でございます。また、平成二十六年末に二千百七十四名でございます。約五割ふえているという数字になってございます。
 これは会社全体でございますけれども、製薬企業の区分は二十四年に追加されておりますが、勤務者の数が平成二十六年末で千六名でございます。約半数が製薬企業という割合になってございます。
 それから、会社についても御質問があったと思います。獣医師関係の大学の新卒者で、進路として会社を選択する者というところも数字がございまして、平成十六年五十三名、平成二十六年八十三名、約六割増という数字になってございます。
○玉木委員 製薬会社に勤務する獣医の数は、この十年間で何名から何名ですか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほどの数字でございますけれども、先ほど申し上げた十六年末千四百三十六名、これは会社全体でございます。そして、直近でございますが、平成二十六年末が二千百七十四名、これが会社全体の推移でございまして、製薬企業は、二十六年末でございますけれども、千六名ということで、大臣からの御答弁でございますが、これは、製薬企業等、全体の会社についての数字を御紹介させていただいたということになってございます。
○玉木委員 ということは、十年前の、製薬会社に勤務する獣医師の数はわからないということですか。
 いや、今回、ライフサイエンスの新しい分野の市場があると。例えば会社といったって、飼料会社もあれば一般の民間の会社もあったりして、それはごまかしちゃいかぬですよ。製薬会社等といって、等の方が大きかったりするんですから。
 製薬会社に勤務する獣医の数は、この十年間で本当に五割、六割、ふえておられますか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げたように、製薬会社の区分ができましたのが二十四年からでございますので、製薬会社についての数字は、これは二年ごとの数字がございますので、二十四年と二十六年でございまして、委員御指摘のとおり、十六年の末の段階での製薬企業の数字はございません。
 大臣の答弁は、製薬会社も含めた会社全体の数字で五割、六割というところの増加について御答弁をさせていただいたということでございます。
○玉木委員 驚きですね。製薬会社に勤務する獣医師の数がこの十年にまるで五割、六割ふえたように説明しているけれども、実は、十年前の製薬会社に勤務する獣医師の数は、把握さえしていないわけじゃないですか。それで何で新しいライフサイエンスの分野が本当にふえたと言えるんですか。
 ちなみに、同じ平成十六年から平成二十六年の十年間における小動物の獣医師さんの数の増加はどれぐらいありますか。
○今城政府参考人 お答えいたします。
 小動物、いわゆるペットの獣医師、これにつきましては、平成十六年、届け出数が一万四十六人、平成二十六年は一万五千二百五人でございます。
○玉木委員 一・五倍ですね。つまり、恣意的に数字をとっちゃだめです。この十年間、まず、登録獣医師数、法二十二条に基づく届け出の人数自体が一・二倍以上ふえていますね。小動物の獣医さん自身が一・五倍ふえています。そのうち、製薬会社かどうかわからないけれども、とにかく会社全体でいうと、それも一・五倍ぐらいふえている。そんなことが、新しいライフサイエンス分野に新しい需要ができたということの証拠になるんですかね。
 ちなみに、会社に勤めている人、平成二十六年二千百七十四と言いましたが、文科省の数字ですが、平成四年、バブルの最後の方ですね、会社でカウントされている人は二千三百四十七名、ずっと多いですよね。そこから比べれば減っています、会社に勤める人。しかも、製薬会社に勤めている数なんかは全くわからないということで、このような恣意的な、いいかげんな数字を使って二〇一五年の閣議決定が満たされたと説明するのは極めて怠慢。
 そもそも、この四条件を満たしている、新しい分野に具体的需要がありますとか、あるいは、近年の獣医師の動向を考慮して全国的見地から検討するということで、これは一体、誰が、どこで、どのような検討をして二〇一五年の閣議決定を満たしたと判断したんですか。閣議決定に従って物事を決めないと、内閣法六条という法律があります。内閣総理大臣は、閣議にかけた方針に従って、行政各部を指揮監督するという条文があります。みずから閣議決定に違反して何かを進めたとしたら、それは明確な法令違反です。
 もう一度聞きます。
 四条件を満たしていないと私は思います、今の説明を聞いても。新しい分野の需要は把握をされていません。誰がこの決断をしたんですか。農水大臣ですか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、日本再興戦略二〇一五、こちらは閣議決定でございますので、関係府省それぞれがこれに従って検討していくことが当然でございます。
 委員御指摘のとおり、ただ、規制改革が困難と判断する場合は規制省庁がその正当な説明を行う、これは、特区の基本方針、以前の特区からそうでございますけれども、閣議決定されているのでございますが、規制省庁にそれをずっとお願いし続けてきたことがこの問題を動かなくしてきた一つの理由だった、それだけ難しい課題だったという問題意識から、今回、山本担当大臣の指示もございまして、内閣府も含めた三府省が、それぞれの所掌の範囲でいわゆる四項目を検討してきた、そういった次第でございます。
 具体的には、その結果でございますが、昨年十一月九日の諮問会議における制度化の決定に際しまして、最終的には山本幸三大臣が、閣議決定の関係で問題ないということを確認いたしました。この間、山本大臣は、事務方からの説明を受けるとともに、諮問会議やワーキンググループの民間有識者ともさまざまな議論を行ってございます。
 各省との協議、調整につきましては、三府省それぞれが、閣議決定に照らし、検討した結果、これは、事前に取りまとめの案文を送付させていただいておりますが、その合意を経まして、昨年十一月九日の諮問会議におきまして、当然、閣議決定の関係で問題があるといった異論が出ることもなく、三府省で制度化の決定に至ったところでございます。
 こういった適切なプロセスを踏ませていただき、最終的には三大臣の合意ということで、諮問会議の上で決定を見たということでございます。
○玉木委員 全く適切なプロセスじゃないですね。ちゃんと説明してください。
 岩盤規制をあけていくことは我々も賛成ですよ。ただ、きちんとしたことに、少なくとも安倍政権自身が決めたことに従ってやってくださいよ。それをやれば賛成です、我々も。それを満たしているという確証が持てないから、いろいろな委員会でいろいろな人からどんどんどんどん質問が出ているわけですね。
 ちなみに、一つだけ数字を紹介して終わりたいと思いますが、二年ごとの数字といって文科省から出ている、私もこれを持っていますが、平成十六年から平成十八年の例えば二年間で、獣医師の数は四千四百八十五人ふえています。四千人ちょっとふえていますね。
 ですから、そういった方々がどういうふうな分布になっているかというと、増要因のうち三千百九十人は小動物の獣医なんです。公務員獣医は六十四人減っています。産業動物は三十四人減っています。会社は百三人ふえています。つまり、獣医師法第二十二条に基づく登録でふえたというのを見ても、ふえたらふえた分、小動物の獣医がふえているんですよ。
 これでは、分野別偏在、地域別偏在が、直るどころか広がっていくわけですよ。だから、農水省も文科省も、この具体的な需要についてずっと検討してきたんじゃないですか。
 そのことに対して一切説明ができないで、とにかく、三大臣でやったからプロセスを経た、そんな説明では納得できません。行政の公平性、公正性がきちんと担保されているということはしっかりと説明してください。そのことを強く申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○北村委員長 次に、斉藤和子君。
○斉藤(和)委員 日本共産党の斉藤和子です。
 前回に続いて、農業災害補償法の改正案について質問します。
 前回、六月一日の審議で、農作物共済の当然加入から任意加入制度に変更する問題について質問しました。任意加入によって、逆選択、いわゆる保険加入者が幅広い層に行き渡らずに被害が多い層に偏ってしまうことが起こるのではないか、そうなれば、農業共済組合の財務や農村集落における相互扶助の仕組みにも影響を与えかねないと指摘をし、山本大臣に見解をお聞きしました。
 これに対して大臣は、米麦を取り巻く状況の変化を踏まえて任意加入制度に移行する、当然加入を廃止しても、危険段階別共済掛金率を導入するので大丈夫だ、また、経営発展を目的とした融資及び補助事業の採択に当たって共済への加入を促すので、共済事業の運営に支障を来すようなことは起こらないだろうというふうに答弁をされました。しかし、これで本当に逆選択を防ぐことができるのかというふうに私は疑問に思います。
 これまで当然加入としてきたのは、前回も指摘したとおり、自動車の自賠責保険と同じで、社会政策的な位置づけで行われてきた。自賠責保険がなければ、交通事故による補償ができなくなり、その分社会的なコストが莫大になるわけです。だからこそ、農作物共済でも当然加入を行ってきた。しかし、それをなくしてしまって、全国で被害を支え合うという、逆選択を防ぐことが本当にできるのか。その辺の御認識をもう一度大臣にお聞きします。
○山本(有)国務大臣 米麦を取り巻く状況の変化、あるいは経営安定対策が任意加入制となっているというようなことを申し上げました。
 当然加入制度を廃止しましても、危険段階別共済掛金率を導入するということになりますと、共済金を受け取らない農業者ほど掛金が安くなるということもありまして、低被害の人でも継続加入するというような方向性が出てまいります。
 また、坪刈り等を要さずに、目視による評価で一筆ごとの損害を補償する制度を導入しておりますので、これも制度の普及に資するものだというように考えております。
 被害が多い者だけが加入して逆選択となるというような事態は、およそ想定をしておりませんし、農業共済の各団体の主要な役員の皆さんからもそういう御意見はまだ余り聞かれていないという状況でございますので、この制度を導入して以降、もしそういうことがあるならば、改善を考えていきたいというようにも思っております。
○斉藤(和)委員 もしそのようなことがあれば改善もという言葉がありましたが、本当に、先ほどもあったけれども、当然加入だから入っているという声を私も聞いてまいりました。
 改めて考えてみますと、農業は自然災害の影響を受けやすい特性があります。農業者の栽培管理によって被害を防ぐことも限界があるときのうの参考人質疑の中でも指摘がありました。
 平成五年の大冷害の際に、共済金支払い額は四千三百九十四億円に上った、当然加入制だったために、ほとんどの被災農家が農業共済の加入者で、共済金を受け取ることができ、特段の混乱がなかったと言われています。しかも、再保険金の支払いのための借入金も、七年間で全て償還した。
 これはまさに、当然加入制だからこそ、安定的に、しかも、非常事態でも皆さんの支え合いによって健全に運営されてきているという証拠ではないかと思うんですけれども、任意加入になって本当に大丈夫なのか、先ほどもありましたけれども、無保険者がふえるようなことがあってはならないと思いますけれども、もう一度、大臣、いかがでしょうか。
○山本(有)国務大臣 繰り返しになりますけれども、危険段階別共済掛金というような制度を導入することによりまして、例えばサトウキビの共済加入でございますが、鹿児島県で、平成十九年に四七・八であったものが、こうした危険段階別共済掛金の導入によりまして、現在は五八・二というように一〇%以上加入率がふえております。沖縄でも同様に、十九年に三六・三であったものが平成二十七年には四九・四と、一〇%以上加入率が増加しております。
 というように、この危険段階別掛金制度というのは加入者をふやしていくというインセンティブがございますので、そんな意味におきまして、こうした任意加入制度をとりましても、万が一のことを考える経営選択、そうした農業者にとりましては、こうしたものを選択いただける、収入保険制度を選択いただけるというように今考えているところでございます。
○斉藤(和)委員 私は、危険段階別で本当に大丈夫かという非常に疑問があります。
 先ほど、もしそういう状態になれば検討もするというお話でしたので、ぜひ実態に即して、決して無保険者が生まれるような事態にならないように対応していただきたいというふうに思います。
 都道府県別に見ても、農作物共済の被害率は、冷害が多発しやすい県とそうでない県で大分違いがあるわけです。当然加入制なので、全国一律の制度運営ができてきたわけですけれども、任意加入になった場合、県によって差が出てくる。被害が少ない県は加入者が減少する、県単位で差が出てくる。そうなった場合、これまでどおりの全国一律の制度運営ができるのかと疑問に思うわけですけれども、どうお考えでしょうか。
○山本(有)国務大臣 水稲共済でございますが、従来から、事業の適正な運営を確保する観点から、掛金と共済金が長期的に均衡するように、地域ごとの被害の発生状況を反映して、共済組合等ごとに掛金を設定しております。地域別の被害の状況は掛金率に反映される仕組みというものになっているわけでございます。
 こうした考え方のもとに、水稲共済が任意加入制へ移行しましても、このことにおいては同様でございまして、共済事業の安定的な運営というものはしっかり図られるものというように考えるところでございます。
○斉藤(和)委員 つまり、危険段階別にしなくても、今の段階で地域ごとにやっているわけですよね、そういうことは。ですから、やはり任意ということの意味が、本当に今までのような状態が保たれるのかというところに非常に疑問があるわけです。
 さらに、私、この任意加入にするということも問題なんですけれども、それでも共済にとどまってもらえるという点で、無事戻しと一筆方式を残したら、まだ、やはり残ろうというふうになったと思うんですけれども、ここもなくしてしまう。
 当然加入の作物共済では、無事戻し実施組合割合は、農水省の資料でも九六・九%というふうに書かれていました。無事戻しは、掛け捨て感を緩和して、非常に共済に対する信頼感をつくってきたものだと思うんです。しかし、これも今回の改正で無事戻しはなくしてしまう。さらに、先ほど大臣からあった、一筆方式、残すというんだけれども、今までは三割の被害でも補償が受けられた。しかし、今回は五割以上の被害じゃないと補償が受けられない仕組みになる。
 要は、無事戻しも廃止して、多くの人が利用している一筆方式までなくしたら、しかも当然加入じゃなくなると、作物共済は本当に維持できるのか、深刻な影響を与えることになりかねないのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○山本(有)国務大臣 いわゆる無事戻しは、共済組合に積立金がなければ実施されておりません。また、積立金がありましても、共済組合の判断によるわけでございまして、事故低減のインセンティブが小さいわけでございますので、これは廃止をさせていただきたいと思います。
 また、一筆方式でございますが、現在、特に米で普及した制度ではございますけれども、農業者による損害評価や、いわゆる坪刈りによる査定方式など、事務コストがかかり、将来に向けて継続することが困難な状況がございます。それで廃止をさせていただくことになりました。
 無事戻しを廃止いたしましても、繰り返しになりますが、危険段階別共済掛金率を導入するということになりますと、共済金の支払いが少ない農業者は翌年以降の掛金が確実に下がるわけでございまして、加入を維持することができると思っております。
 一筆方式を廃止いたしましても、他の方式の中で、簡単な査定で一定の場合に一筆ごとの損害を補償する一筆半損特例、これを設けることとしておりまして、より安い事務負担や掛金で一筆方式とほぼ同等のメリットを感じていただけるものというように考えております。
 こうした制度、仕組みを構築させていただくことによりまして、水稲共済の無事戻しと一筆方式を廃止しまして、なおかつ任意加入制度に移行させていただきましても、加入者数は大幅に減少することはないというように考えるところでございます。
○斉藤(和)委員 きのう、参考人質疑の中で、鈴木宣弘先生がこう指摘されていました。農業共済の農地一筆ごとに損害を評価する方式は維持しつつ、人手不足にはドローンによる調査で代替するといった農家へのサービスを低下させない方向性を追求すべきだと。つまり、人手不足だというのであれば、最新の技術を使って、農家の皆さんの損害になるようなことは、低下になるようなことはやるべきではないという指摘は、私は当然だというふうに思うんです。
 一筆で、五割でもほぼ同等のメリットがあるというふうに大臣はおっしゃられたんですけれども、現場の農家の感覚は、三割と五割というのは大きく違うわけですね。ここは本当に、現場の感覚に合う制度としてやはりしっかりと見ていく、改めるべきは改めていく、こういうことが必要だろうというふうに思うわけです。
 前回、私は、任意加入に変えることで、農業共済が果たしてきた非常に基礎的な農村社会の基盤をも掘り崩すんじゃないか。支え合いで、みんな当然加入だから、先ほどもありましたけれども、共済部長も選んで、みんなで支えてということをやってきた。そういうことに対して大臣は、農業共済の評価はそのとおりだというふうに言った上で、ただ、時代背景というものを踏まえた形で、新しい仕組み、制度を導入するんだというふうに答弁をされました。
 改めて、農村社会の基盤を掘り崩すということには答弁がございませんでしたので、そういう懸念があるんだけれども、そこに対してどう大臣は認識されているのか、その辺、もう一度お聞きしたいと思います。
○山本(有)国務大臣 我が国におきまして、特に水稲作につきまして、水管理などを共同して行うということ等で伝統的に農村社会の結びつきが形成されてきているというように理解をしております。
 また、これは自助、共助、公助の中で、農村社会というのは、共助、相互扶助が盛んであります。例えば高知県を収入別に、都市、市町村で割ってみまして、一番収入の低い農村地域では逆に生活保護世帯が少ないということは、相互扶助思想が徹底しているからではないかというように分析もされております。
 そんなことを考えたときに、こうした農村社会の結びつき、基盤を大事にしていくということは、これはもう不可欠な農政の基本であろうというように思っております。
 そうした意味で、水稲共済の当然加入制というのは伝統的な農村社会の自発的結びつきを前提としておりまして、法律上の罰則がなくても維持されていたというのが実態でございます。
 法律上、当然加入があるから農村社会の結びつきが維持されるというものではないというように理解しておりまして、他方、現在の農村社会における高齢化、混住化等の状況は、伝統的に形成されました農村社会の結びつきにも影響を及ぼしているわけでございますが、損害評価等の際に農村社会の結びつきや農業者のボランティア活動に過度に依存していた面のある水稲共済、こういったことが将来的にその仕組みの維持ができるかどうか極めて不安に思っているわけでございます。
 今回の改正は、こうした状況を踏まえて、農業者の負担の軽減を図るということが一つ。それから、一筆半損特例の導入等によって従来と同様の補填を確保するということがもう一つでございまして、共済制度の維持を図ることが大事であるということは任意加入でも強制加入でも同様でございます。
 今回の改正が、農村社会の基盤を崩すというのではなく、家計を維持するということにおいて、農村社会がより基盤が安定するというように考えているところでございます。
○斉藤(和)委員 農村社会の基盤がより強固なものになっていく、そういう方向にならなければならないというふうに思っています。
 ただ、当然加入だからこそ、私は、農家の結びつき、基盤があった、ある意味、扇のかなめだったと思うんです。確かに、自発的な農村の結びつきもありますけれども、そのきっかけをつくっていたのは当然加入だと。水管理の話もありましたけれども、みんなが入っているから水管理もみんなでやろうというふうになるわけですよ。それがばらばらになるというところに私は非常に危機感を持つし、そうならないようにやはり共済制度を維持することが大事だと。今大臣おっしゃられたとおり、共済制度に任意加入だとしても入っていようと思うようなものにやはりしていかないといけないと改めて強調したいというふうに思います。
 ちょっとこだわるんですけれども、もし万が一、この任意加入に移行をして加入者が、減少するということはあってはならないと思いますけれども、なった場合、共済組合の経営が立ち行かなくなった、そうなった場合、事業が成り立たない、そういった事態になったときに政府はどういうような責任をとるというふうに考えていらっしゃるんでしょうか。
○山本(有)国務大臣 任意加入にいたしましても、制度設計上、加入者が激減するということは想定はしておりませんが、国としても、公庫資金あるいは経営体育成支援事業等、経営発展を目的とした融資あるいは補助事業の採択に当たりまして農業共済等への加入の働きかけを行うなどして、まず加入促進を努力させていただき、万々が一の場合には、そうした団体等の支援に対する事業等あるいは融資等を駆使してまいりたいというように思っております。
○斉藤(和)委員 万々々が一にならないようにと思いますけれども、その場合は支援もするし融資もするというようなことが検討として考えられるという御答弁がありました。
 共済制度をしっかりと支えていく、これは本当に農村社会の基盤であるというふうに私も思いますので、ぜひ、立ち行かないことがないようにしていただきたいというふうに思います。
 次に、畜産農家の家畜共済についてちょっと質問をいたします。
 家畜農家は収入保険には加入できないわけで、引き続き家畜共済になるわけです。しかし、今回の改正で、この家畜共済も診療費に自己負担を導入するということが盛り込まれています。現在、家畜共済の診療費は、初診料は自己負担だけれども、初診料以外の診療費は共済金で全額補償されています。しかし、この自己負担を今後は政省令で決めることができて、農水省の一存で負担の割合も変えることができるというふうなことになります。
 今、人間、私たちの健康保険は三割自己負担になっておりますけれども、将来、家畜の診療費も負担割合を上げて、現在の健康保険同様に三割負担となるようなことが決してあってはならないと思いますけれども、そんなことは考えていらっしゃらないのかどうなのか、お答えください。
○山本(有)国務大臣 全く考えておりません。
 病傷事故に対する共済金につきまして、現行では、初診料は満額、一〇〇%自己負担、それ以外の診療費は共済金で補償している、これはゼロ負担ということでございますが、診療回数の縮減につながるよう、また、アニマルウエルフェアの観点からしても、初診料を含む診療費全体の一割を自己負担とすることが賢明ではないかというように思っております。
 この一割という比率は、現行の自己負担総額と同水準となるだろうと予測しておりますし、全国ベースで診療費総額に対する初診料の割合より算出したものでもございます。
 このように、毎回の診療費に一割の自己負担を導入する狙いは診療回数の縮減に当たるということになると考えておりまして、大きな事情の変化がない限り、この割合を変更するということは全く考えておりません。
 なお、制度の適正な運用を確保する観点から、食料・農業・農村政策審議会農業共済部会におきまして掛金率を審議する際には、自己負担割合の事情の変化があるかどうかについてもあわせて審議をいただくことにさせていただきたいというように考えております。
○斉藤(和)委員 全く考えていないと。こんなことになれば、自己負担が上がれば畜産農家には大打撃になるので、絶対にあってはならないと思います。
 一つ気になるのは、診療回数の縮減、そのためだと。でも、私、これは非常に問題だと思うんです。
 農水省の資料にも、「人間の病傷について保険給付を行う健康保険では、初診料を含めた診療費全体に定率(原則三割)の自己負担を設けることにより、診療費の抑制が図られている。」というふうに書かれています。でも、人間は口があってしゃべれます。しかし、家畜は自分の意思表示ができません。そういう微妙な変化を農家の方たちは見て、これは必要だと診察を受けるわけですね。
 でも、診療回数の抑制だとか診療費の抑制というのを家畜に与えること自体が、私は、家畜の衛生に対する考え方がどうなのか、初診料を払えばどんな場合でも診療費無料で受けられますよ、これが家畜衛生をつかさどる国の責任じゃないかと思うんですけれども、大臣、もう一度、いかがですか。
○山本(有)国務大臣 初診料が人間の健康保険と違いまして一〇〇%自己負担でございますので、逆に、診療抑制に初診料自体がなっている可能性もあります。また、一度一度、全て一割負担ということになりますと、多少畜産経営者に負担がかかるわけでございまして、負担がかかるよりは、日ごろしっかりと家畜に対する健康維持というものの努力をしていただけるのではないかというように思っております。
 そんな意味におきまして、試みとして、国の負担や共済の負担については同じでございますので、そうした新しい制度、仕組みを導入して、そしてしっかりとした畜産経営ができるようにフォローをしていきたいというようなことが趣旨でございます。
○斉藤(和)委員 初診料をちなみにお聞きしましたら千二百円ということですので、初診料が受診抑制になっているというふうには余り考えられないわけですので、やはり負担感を畜産農家が感じないように、一割負担になったとしても、これは私は変えるべきだというふうに思いますけれども、絶対畜産農家に負担にならないように、受診抑制が起こらないようにしていただきたいというふうに思います。
 きのうの参考人質疑でも、先ほど質疑の中でもありましたけれども、収入を下支えする岩盤の制度、これが重要だというふうに指摘がありました。アメリカでも、収入保険だけではなくて、農業経営安定を実現していくためには、収入補償、不足払い、収入保険の三層構造になって農業経営を安定させている。
 大臣の認識をお伺いしますけれども、収入保険のみで農業所得の確保は実現できるというふうにお考えでしょうか。
○山本(有)国務大臣 繰り返しになりますけれども、農業の成長産業化を図ること、農業所得を向上させていくこと、あるいは担い手への農地の集積、そして需要に応じた新規作物の生産、六次産業化など高付加価値化というような、そういう方向性を現在の農政は持っております。前向きな政策を組み合わせて積極的に講ずることということが農業経営に求められていることでございまして、農業者のチャレンジを促進するという意味が今回大事なものであろうというように思っております。
 こういう中で、収入保険制度というのは、経営規模を拡大したり新たな品目の生産などにチャレンジする、こういう意欲的な農業者のセーフティーネットになるわけでございまして、その仕組み上も、農業者の収入が増加傾向にある場合はこれらの収入の増加を補填の基準となる金額に反映できるわけでございまして、去年よりもことし、ことしよりも来年というように、所得を向上させていく上において一つのインセンティブになるだろうというように思っておりますので、新たなこの収入保険制度で私どもの農政が積極的なものになってくれるということを念願するところでございます。
 農業所得を確保という意味では、ある程度、しっかりとした制度、仕組みでございますので、確保はこの補填割合だけできるというように考えているわけでございます。
○斉藤(和)委員 確保はできると。
 しかし、米価がずっと下がっていけば、その所得、補償される額も下がっていくということですから、農業所得が確保できるのかというところは、やはりしっかりと岩盤、価格補償なり再生産を補償する、そういう仕組みがないとだめだと思うんです。
 しかし、戸別所得補償制度は二〇一六年に廃止をし、米の生産調整も二〇一八年、来年廃止をし、十アール当たりの七千五百円の支給の直接支払交付金も廃止をする。
 だから、本当に、岩盤があったものがなくなった上で後は頑張ってくださいというふうになるわけで、参考人の方も底なし沼だというふうにおっしゃっていましたけれども、やはり、米の生産調整の廃止によって米価の大幅な下落を前提に制度設計したのか、きのうの参考人質疑でも疑問が出されましたが、生産調整の廃止による米価の下落に今回の収入保険が対応しているというふうに考えていらっしゃるんでしょうか。
○山本(有)国務大臣 戸別所得補償制度における米の直接支払交付金というものは、全ての販売農家を対象としておりまして、恒常的に一定の給付を補償する仕組みでございます。こういう制度のもとに農業経営しますと、農地の流動化のペースがおくれるわけでございまして、また、農業者による前向きなチャレンジというものへの促進につながらないわけでございますので、この戸別所得補償を廃止したわけでございますけれども、収入保険とリンクさせて考えているというわけではございません。
○斉藤(和)委員 リンクしているわけではないと。しかし、やはり岩盤がなければどんどん底なし沼のように補償される額が下がっていくというのはよく受けとめていただきたいというふうに思います。
 そもそも、この収入保険、当然加入制の撤廃は、二〇〇七年に経済同友会の規制改革委員会副委員長が提案をし、無事戻しの見直しについても、二〇一六年十一月の行政改革推進会議の特別会計に関する検討の結果の取りまとめというところで、無事戻しや家畜共済の再保険の支払い方式の見直しについて検討していく必要があると。
 結局、農業者の要求というよりは、財界や行政改革、規制改革の要求に基づいて今回の改正があると言っても過言ではないと思います。
 この改正で最も困るのは、生産現場です。先ほどもありましたけれども、組合と組合員の間をつなぐパイプ役を果たしている共済部長が大変な思いをされると非常に懸念をしています。
 大臣、そういう思いをさせないようにする必要があると思いますが、いかがですか。
○山本(有)国務大臣 今回の農業災害補償法の改正内容でございますが、現場の農業者に十分理解していただけるように周知していくことがまず重要でございます。
 今回の見直しの内容というものは、収入保険制度の導入など、多岐にわたることになるわけでございまして、農業者に対する周知は、共済事業に精通している農業共済団体の役職員が中心となって行うということが重要でございますので、お願いをさせていただいているところでございます。
 役職員だけでは農業者への説明が十分に行えないことも想定されておりますので、集落の農業者の代表である共済連絡員に対しても、改正内容を丁寧に説明し、共済連絡員の協力をいただきながら改正内容の周知を図っていきたいというように考えているところでございます。
○斉藤(和)委員 農業者の決して不利益になってはならないということを最後に強調して、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○北村委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○北村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。篠原孝君。
○篠原(孝)委員 民進党の篠原でございます。
 きょう、二回目になりますか、いつも私は、国会で決まったルールどおり、政務の皆さんとの質疑応答だけをしてまいりました。農協法のときに、奥原当時の経営局長とやりとりさせていただきましたけれども、それに続きまして二回目になるかと思います。収入保険について、主として大澤局長に質問したいと思います。
 私は、これは、前もちらっと申し上げましたけれども、よくできたというか、一生懸命検討した結果だと思います。嫌みをさんざっぱら言っていますけれども、八本の法律で、一体、農林水産省が本当に精魂込めてつくったものか、内閣提出だけれども、内閣で、農林水産省の提出じゃなくて、規制改革推進会議提出法案になっているようなものがいっぱいある。それに比べれば、これはそうじゃなくて、農林水産省がきちんと検討してきた法律だということがよくわかります。今までの検討経過のペーパーも出していただきました。大分前からやってきたと。平成二十四年ぐらいから検討し始めてきております。
 我々、政権のときに、農業者戸別所得補償を導入するときも、所得補償よりも、もう一気に収入保険というやり方もあるのじゃないかというのも検討したこともあります。その結果だと思います。ですけれども、いろいろ不備があるのではないかと思いますので、質問させていただきたいと思います。
 まず、既存の制度との整合性ですけれども、いろいろあって、それとの整理がきちんとついていないんじゃないかなという気がします。
 災害が起きたり、あるいは需給変動で価格が下がったりして、これはみんな農家の責めに帰さない理由でそういうとばっちりを受けるわけです。ですから、それは助けてあげてもいいんだというのは、前からあるわけです。ですけれども、みんなそんなことは考えてあるので、農業共済というのがあります。
 ところが、僕は、この名前はよくないというので絶対使いたくないんですけれども、片仮名の三文字のは使いません、収入減少影響緩和対策、これで相当整理がつくような気がするんですが、それをそのまま残しておきながら収入保険を導入するというのは、この整理はどういうふうにつけたんでしょうか。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 農業者の収入の減少する要因には、価格の要因、それから数量の要因がございますけれども、まず、数量につきましては、主に農業共済というものがこれまで一定のセーフティーネットの機能を果たしてきたと思います。それから、価格の点につきましては、一定の品目について影響緩和対策等の対策がとられてきたというふうに考えてございます。
 ただ、いずれも、どちらも、品目の一定の限定、制度そのものからくる制約がございまして、品目が限られておりました。
 まず、農業共済につきましては、収量減少を外見で確認できるもの、共済という仕組みをとっておりますので、そういうものに限定されておりまして、露地野菜などが対象になってございません。また、地域ごとにも実際に対象になっている作物が違うところでもございます。
 それから、いわゆるナラシ対策等につきましては、これは客観的なデータをもとにするということで、なるべく地域の統計データがあるものに限定をされておりました。ですので、例えば、ミカン、リンゴ、一定の果物等につきましては、主産地の単収なり、主要な青果物卸売市場の取引データということはございましたけれども、地域のデータと言えるものはなかなかなかったというわけでございます。
 ですので、既存の制度、数量、価格に着目した制度それぞれにつきまして、この道で対象品目を広げていくということについては限界があるのではないか、こういうふうに考えた次第でございまして、そういうことで、個々人のむしろ収入に着目することによって、初めて全品目についてのセーフティーネットを張ることができた、そういうふうに考えております。
 既存制度との整理でございますが、これにつきましては、やはり、既存の制度でなれていらっしゃる方々、それから、今回の制度も、いろいろ試算なり考え方をお示ししておりますけれども、どうしても、何が対象になるのかとか、いつ支払われるのかとか、それぞれの制度の仕組みからくる違いがございます。それぞれを無理に統一するというよりも、今までの制度になれておられる方、新しいものに取り組みたい方、これらを選択制とすることによって、それぞれの方々に御満足いただけるような仕組みとして考えた次第でございます。
○篠原(孝)委員 聞いていますと、後づけの理屈をいっぱい述べておられましたけれども、データが足りないんだったら、データをちゃんとつくるようにすればいいんです。農政が今きちんとできない理由の一つ、ほかの行政もそうですけれども、けちって、けちって、一番もとになる数字をおろそかにしてきているんです。だから、数字がないというふうになってきている。これは非常に大問題だと思います。
 日本の農林統計というのは客観的で、多分、世界に冠たるものだったんだと思います。経産省や何かの、大企業だけの数字を集めてやる企業統計と違って、きちんと統計調査員がみんな調べてやっている。これをもとにいろいろな対策を講じてきたのに、もう数字なんというのは適当に集めればいいんだということで、数字がなかったらだめなんです。
 だから、きょう、数字をお持ちしました。類型別の補填金というのを一生懸命計算したものなんですけれども、私一人じゃできないので、手伝ってもらいましたけれども。この前に、いろいろな政策の違いのを一覧表にしてまた出そうとしたんですけれども、ややこしくてわからないので、きょうは数字のものにしました。これに触れながらやっていきたいと思います。
 共済制度を確立しているんですよ。いいんですけれども、収入保険をやるとしても、だけれども、後で触れますけれども、家畜についてはマルキンがあってというように、それぞれみんなあるんです、いろいろなもの。だから、その辺のをもうちょっと整理してから。収入保険というのは、究極の所得補償なり、究極の所得政策だと思います。だから、悪いことじゃないんですけれども、日本ではきちんと導入するには無理が僕はもともとあるんだろうと思います。でも、やっちゃいけないとか言っているんじゃないですけれども、どうも整理がついていない。
 特に、共済制度は一緒に、並立してもいいですけれども、収入減の影響緩和対策、これはほとんど同じで、だから、データがないとか言っていましたけれども、廃止してもいいと思うんです。それを、廃止しなくてもいい、ほっておいてもいい、毒にも薬にもならないというか、害になっていない農業機械化促進法や主要農作物種子法を何にもしないでただただ廃止法として出しておきながら、新しい政策を導入する。そのときは、前の政策をきちんと精査して、そちらを廃止する形で、それは附則で廃止してというのが普通ですよ、なぜそういうふうにできなかったんですか。
 僕は、共済制度との並立はいいとは思いますけれども、収入減少影響緩和対策、こっちは廃止してしかるべきだったと思います。そういう検討はしたんでしょうか。検討したんだろうと思いますけれども、どうして残したのか、残した理由をもう一回きちんと答えてください。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 収入減少影響緩和対策につきましては、米などの五品目を対象にいたしまして、地域の統計データを用いて、地域平均の収入減少を補填する仕組みでございます。例えば、農協等で集団的に販売体制をとっているようなもの、こういう形の方々にはむしろふさわしい、メリットを引き続き感じられている方も多いのではないかと思います。
 収入保険制度につきましては、原則として全ての農作物を対象とするんですが、農業者個々人の収入データを用いるわけでございます。
 ですので、個々人の収入に着目して収入減少を見た方が自分には合っているという方々は収入保険制度を使われるし、それから、地域のデータ、全体としての米価、こういうことに着目してセーフティーネットを活用されたい方は収入減少影響緩和対策、こういうことを使われるということで、それぞれのニーズに即した使い方ができるのではないかということで、いろいろ検討いたしましたけれども、それぞれ選択加入ということで御提案申し上げている次第でございます。
○篠原(孝)委員 だんだん矛盾が出てくるんだと思いますけれども、答えていておわかりになるんじゃないですか。
 あっちゃこっちゃいろいろなのがあって、面倒だから農家の収入を一本にと言っているんです。それはそれで考え方が正しいんです。だったら一本にすればいいのであって、地域のデータをもとにしてやるなら収入減少影響緩和対策はやめるべきなんです。だって、二つできて、ややこしくなっているわけです。ややこしいのをなくすために、農家にわかりやすく収入保険にしたというんだったら、ややこしい既存のものはなくすべきなんです。
 私は、ほかのものはいいと思います、最低限、収入減少影響緩和対策はもう廃止すべきだ。それを、わかりませんよ、皆さんがつくって、そんなにたっていないんだから、これはどうしてもと。あと、もう一つ、全体の底上げをするこの片仮名のを、僕は使いたくないんですけれども、品の悪い言葉なので、そっちも残しておきたい、そういう悪い魂胆があって廃止していないだけだと思います。
 野菜価格安定制度、僕は、これはこれで、それは完璧な制度はないと思います、長らく動いてきたと思います。選挙制度に完璧なものはありません。それと同じように、農業政策にだって完璧なものはありません。だけれども、野菜価格安定制度も、マルキンのやり方と同じように、野菜について、大規模な指定産地、ここをちゃんとカバーしておけば消費者にとってもいいだろう、それで乱高下はなくなるということでやってきた。ここは、どういう欠陥があってだめなんでしょうか。これもよくわからない。僕は、野菜などというのは、これでずっとやってきたし、それでやっていけば十分だと。
 いろいろなのをやっていると言いますけれども、皆さん、よく主業農家というんですが、何がメーンかというのがあるわけです。一番最後に触れますけれども、僕は、そうじゃなくて、日本は、一品目、単作で規模拡大していくんじゃなくて、何でもとれますし、経営の危険を分散するためにも、労働の分散、そういうのからいっても、あるいは土地、連作障害が起きます、そういうのからいって、複合経営がベストだと思うんです。
 ですから、そういうことがちゃんとあって、理論的にはそれで収入保険でいいんですが、そうじゃなくて、一つのものをどんどんつくれ、産地を育成して規模拡大とやってきたんです。
 アメリカと日本は全然違います。アメリカなんかは、見渡す限りトウモロコシ畑、見渡す限り大豆畑、小麦畑です。そういうところは専業農家ばかりですし、単作ですし、収入保険がぴったりなんです。ほかの政策もまあまあやりやすいんですけれども、日本はそれは無理だと思うんです。
 野菜価格安定制度、ここにどういう問題があったんでしょうか、これを収入保険になるべくしていくというのは。どういうところが直るんでしょうか。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 収入保険制度は、これまでの野菜価格安定制度を否定するとか、問題点があるとか、そういうことで導入するわけではございません。野菜だけを対象にするわけでもございませんし。
 野菜価格安定制度の評価といたしますと、野菜は、もう御承知のように、貯蔵性が乏しく、供給量の変動に伴いまして価格も大幅に変動するという性格のものでございますので、野菜の指定産地、まとまった産地を中心に、農協や大規模農業者がみずからの販路、販売力、価格動向を踏まえた計画的な生産、出荷を行う、こういう消費者への安定供給に取り組んでおられます。
 こうした取り組みを支援するためにこの制度ができているわけでございまして、指定産地内の農協や大規模農業者がみずからの販路、販売力等を踏まえた生産出荷計画を策定する仕組み、まずこれの構築をいたしておりますし、計画に沿った出荷を行った上で、価格が大幅に下落した場合の補填制度を措置しているということでございます。
 ただ、これも、繰り返しになるかもしれませんが、地域全体でのデータを用いるということと、何よりも指定産地の要件というのがございます。
 先生も御指摘のように、複合経営ということを考えますと、どんな品目でも対応できるような制度、あるいは、個人の収入に着目して、必ずしもまとまった産地でなくても利用できる制度、こういうことも制度の選択肢の幅を広げるという意味では必要なことだというふうに検討した次第でありまして、それで収入保険制度と野菜価格安定制度は並立して選択制としているということでございます。
○篠原(孝)委員 選択肢を広げる広げるというのは枕言葉になっていますね。ですけれども、では今度、農業共済の対象者は収入保険の対象外とすると。農家も困るんですよね、両方で。ではこれはどっちがいいんだと聞かれたら、どっちがいいということを、説明を開いたりして、タブレットに例を示して選択してくださいというふうにやるそうですけれども、アドバイスはどうするんですか。
 どっちがいいんですかと、農業共済と収入保険、農家は困るんじゃないですか。選択肢の幅を広げられるといったって、さっき、冒頭の答弁の中でありましたように、いろいろなやり方があって、ごちゃごちゃしていてよくわからないと。よくわからないから収入保険で簡単に、収入だけでやろうとしているときに、農業共済と収入保険と二つありますよ、それから収入減少影響緩和対策もあります、これをみんな並べて、はい、どっちを選びますかと。
 単純に答えてください。農業共済と収入保険だったら、農林水産省としてはどっちを推奨していくんですか。簡単に答えてください。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 一言で答えるのはなかなか難しいことでございますけれども、一言であえて答えるとすれば、農業者の特性に応じて最適なものを選ぶということで、どちらかが制度的にいいとか、どちらかが制度的に悪いとかいうことではないというふうに考えてございます。
○篠原(孝)委員 わからない子供に、あんたの責任でどっちか選べと言われると、一番子供は困るんですよ。アノミー状態になっちゃうんですよ。だからちゃんと、親でもないですけれども、こっちの方がいいんですと示すようにしなければ私はいけないと思いますよ。
 それで、選択肢の幅を広げるとかいろいろなことを言いながら、しようがなかったんでしょうけれども、外形がちゃんとわかるもの、外から見て収量がわかったりするのを農業共済の対象にした。一気にそういうのからやめて収入だけ。では、収入をどう見れるかというのを自分たちでできないから、青色申告者に限定したと。これは相当限定しているんですよ。収入源とかいったら、そっちでは広めていますけれども、青色申告者ということで限定しているわけですね。
 同じものでも、漁業共済、積立ぷらすというのは、青色申告の人たちだけに限っていない。それは何でできるかというと、漁業は専業率が高いんです。だからわかるんです、漁協で。農業のように兼業でいろいろなものがあっちゃこっちゃごちゃごちゃしていないから、だから、そういうところには収入保険的なのは向いているんです。ごまかしもきかないですよ。
 だけれども、農業は、いろいろな形態があるから向かないと思うんです。さんざん悩んだんでしょうけれども、青色申告者というのをこれはずっとやっていくつもりですか。もっと要件を緩めるという気はないんでしょうか。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 漁業共済、積立ぷらすとの違いにつきましては、御指摘のとおりでございます。やはり、なりわいの形態が違っておりますので、水産の場合には漁協で収入が把握できるというところが大きな違いだと思います。
 農業につきましては、御承知のとおり、収入を正確に把握するという観点から青色申告者を対象にいたしておりますけれども、入りやすい仕組みとするという点で、先ほどの質問にもございましたとおり、簡易な方式でも認めるということにしておりまして、それで加入を促進したいと思っております。
 それ以上にさらに緩めるとか要件を考えるということは今のところ考えておりませんで、むしろ、農業経営がこれから前向きに成長産業化していくということを考えていくためには、やはり、自分の収入の構造をみずから把握していくという経営管理の発想が非常に大事だと思っておりますので、まずはこの青色申告の加入を推進していくということに努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○篠原(孝)委員 スタート時点だからしようがないかと思いますけれども、畜産は除いているんですよ。僕は逆で、畜産こそ一番専業的、専業なんですね。これこそ収入保険にぴったりなんです。しかし、それよりも手厚いマルキン制度があるから除外していると。
 非常に常識的に考えて、僕は頭の整理がついていないんです。だから、答えていただきたいんですけれども、畜産をやりながら、稲作も野菜もやっている、これで収入全体の捕捉というので、では、畜産のはどうやって整理してやるんですかね。経営体を二つに分けるんですか、畜産と、米と野菜と。もうへんちくりんなんですよ。この点の整理はどういうふうにつけていくんですか。
○大澤政府参考人 マルキン等の対象品目とほかの品目との複合経営を行っている場合には、マルキンの対象品目以外の部分で収入保険に入れるということを考えておりますけれども、その場合には、一定の補助フォームを用いまして、まずマルキン等の対象品目の販売収入を一定の方法を用いて整理をいたします。そこで肉関係の販売収入が整理できますと、それを農産物全体の販売収入から除外する、こういうやり方を今検討しているところでございます。
○篠原(孝)委員 ややこしいとわかるんじゃないですかね、畜産だけ除外するというのは。
 だから、ちょっと余り早過ぎるので、僕は、畜産と分けるような形の方がいいと思うんです。対象を広げてと言いつつ、結局、そっちの方ではどういう農業形態だっていいと言いつつ、青色申告ということで対象を狭めているんです。ここに大きな矛盾があるんです。
 では、畜産の方はもうわかりますけれども、兼業農家のところ、これは経営の危険の分散なんです。二ヘクタールばかりの田んぼや果樹で、四十五歳のおやじと二十二、三歳の息子と二人やることはない、おまえはどこかへ勤めに出ておけと。その勤めの収入で高い田植え機とコンバインを買う。こんなの、まともな経済人だったら、百年かかっても元が取れないですよ。それを、いいんだ、兼業の収入でもって農業、農地を維持していくと。これを愚かだと言う人がいますけれども、違うんです。農家は、そうやって家を守り、経営を守っているんです。
 この息子がどこかに勤めている、農協でも、市役所でも、スーパー何とかでもいいですよ、どこかの会社でもいいですよ、これをどうするんですか。経営としては一緒なんですよ。農業だけを引き離すというのは考えていないんです。だから、それは全然考えることができないんじゃないかと思います。これはどういうふうに整理したんですか。
○大澤政府参考人 もともとは、担い手法の改正を国会で御審議いただいた際の附則でこの収入保険制度の検討が課題として挙げられたというふうに認識しておりますけれども、その際にも、それは農業収入を対象とするという考え方でその附則に書き込まれてございます。
 そういうこともありまして、まず農業収入ということを検討のマンデートと我々としては理解いたしまして、まず農業収入を見るということで考えた次第でございます。
 第二種兼業農家等々の方々であっても、直販を行うとか、前向きにいろいろなことをやられるような方は青色申告に入っていただくメリットも十分あるかと思いますし、それから、そういう方でなくても、先ほどから御議論をいただいておりますように、既存の制度との選択制という形にいたしてございますので、そういう、収入保険以外のセーフティーネットに入っていくという道もあるということで、現状において、やはりいろいろな制度を並立して選択制にしていくということにそれなりに意味があるのではないかというふうにも考えております。
○篠原(孝)委員 今、いきなり勤めに出るという例を出しましたけれども、もっと簡単な例は、農家レストランをするとか、六次産業化ですよ、そういうことをしていく。やはりみんな考えながらやっているんですよ。
 農林水産省の政策は、いつも僕は誤解されるんですけれども、僕は、小さくてもやっていけるんだ、複合経営がいいんだと、ずっとこれは一貫して主張してきましたし、そうやって本も書いたりしてきている。だからといって、大規模専業農家がだめだ、要らないなんて言っているんじゃないんです。それはいいんです、それで。だからといって、兼業農家や小さな農家やいろいろなことを工夫してやっている複合経営農家を捨ててやっていくようなやり方はしてはいけない、農政の対象から外すという。取り込んでいかなくちゃいけないと思う。収入保険で農業だけと限定すると、また悪い方向に行くんです、兼業とかそんなのは。
 兼業農家の方、例えば、今、我々は法案も出すことにしていますけれども、ソーラーシェアリング。農地のところに無残に太陽光パネルが置いてあるんです。長野なんて平らなところがないのに、やっていないからといって、僕はあんなことは禁止すべきだと思います、平らなところは。山の傾斜の斜面だったらいいですけれども。
 誰も考えるのは同じで、そうしたら、三メートルぐらい高くしておいて、その上にソーラーパネルでやったら、ソーラーシェアリングと。FIT制度がある、兼業収入が多い、それで考えてやるんだったら、それはそれで一つのやり方なんです。ほかから収入を得て、そして農業をバックアップする。しばらく、FIT制度のある間は、うまくいけば、初期投資は千五百万とか二千万になるかもしれませんけれども、それが十年で済んで、あと十年は相当、兼業収入、ソーラーシェアリングの売電でもつだろうと思いますよ。
 だけれども、そういうのを余り考えていない。日本は、兼業収入というのは農業以外の収入というのがあって、それが経営に組み込まれているんですよ。だから、どうなってくるかというと、矛盾しているんですよ。
 手前みそになりますけれども、これを議論していくと、やはり日本に向いているのは、個別品目ごとの、でかい品目ごとについて戸別所得補償、品目ごとの戸別所得補償が私は一番向いているんじゃないかと思うんです。
 どうしてかというと、農林水産省自体が二〇〇七年にこれを導入したはずです、収入減少影響緩和対策、それからもう一つの岩盤の。ちゃんと全体を底上げしなくちゃならないと。今問題になっているのは何かというと、自然災害で、あるいは需給変動で価格が下がった、それを助けるというんじゃないんですよ。そもそも、根本的に農産物価格が低過ぎる、それを高くして農家の所得を向上させなくちゃということを言っているんです。
 そういう観点からしたら、岩盤規制にドリルで穴をあけてとか総理は盛んに言っておりますけれども、岩盤規制じゃないです、岩盤をきちんとつくってやることが農林水産省に求められていることなんです。農産物価格が低過ぎるんです。それじゃやっていけないから、だから、全体を底上げする農業者戸別所得補償が一番なんです。
 理由は、環境であれ、地方でやりにくいという理由、いろいろあるでしょうから、何を評価するか。ほかの国はそれを大々的に認めているんです。それをまた、産業だけの、農業収入だけのというふうに戻っちゃっているんです。だから、手厚くじゃなくて、そっちをまた捨てて、そして専業だけに戻っている、ここに僕は非常によくないにおいを感じるんです。
 この点についてどう思われますか。私は、農業者戸別所得補償が一番簡単だと思うんです。
 この表を見てください。A4の表。これは夜中の三時半までかかったんですけれども、何でこれをしたかというと、僕はちょっとほかの会合があって、党内の会合はほとんど、ひな壇の方と同等以上ぐらいに欠席せずに出ているんですが、「収入保険制度のメリットについて」というので、ぱあっと見ていったら、白菜二ヘクタール、スイカ一ヘクタールとか、だあっと書いてあって、収入保険と赤くあって、緑が現行制度、どれを見ても収入保険が一番いい制度で、断トツでいい制度だと。いや、本当なのかなと。
 聞きましたら、いやいや、実態を調査して、そういう農家を見たと。この一番最初にあるのは、基準収入が二千三十二万で、当年収入が千六百二十六万で、補填金が百八十三万だ。二千万円の人がいるかなと。
 次は、伊予カン、中晩カン、レモン、温州ミカン、かんきつの専業農家ですけれども、基準収入が七百二万で、補填金が六十三万で、ほかの農業共済とかいろいろなものではみんなゼロ円だ、収入保険だと六十三万円もらえる。
 次に、米の複合経営で、水稲九ヘクタール、白菜一・五ヘクタール。これは、収入保険だと百九十五万もらえて、農業共済で十万円、それで、収入減少緩和対策とで百十九万円とか。どっちにしろ収入保険が圧倒的に有利だと。みんなそういう資料になっているんですね。
 本当かなと思って、見たんです。そうすると、仮定の話があって、いっぱい、わからないので、難しいんですけれども、ちょっと見ていただきたいんです。米五ヘクタール、これで、いいですか、全て平年とか、九割以上だったら、共済も、ナラシと書いてありますが、これも収入保険も何も出ないんです。何もないとして、戸別所得補償が、十アール当たり一万五千円ですから、七十五万円です。底上げ、これなんです。収穫減があっても、減ったって七十五万で面倒を見れてというので、保険や何かでは、三割減になったら収入保険が有利だというのがあるんですね。
 それから、レタスはどうかというと、まず、レタスが対象になっていないわけじゃなくて、水田につくっていたりしたら出るんですが、畑地につくったということでやってみました。野菜価格安定制度とほとんど変わらないんですね、三割減までは。五割減になったら収入保険の方が有利だと。
 それから、リンゴ、果樹だと、果樹共済はそんなにぴしっとしていませんので、収入保険が有利だと。
 今度は、問題の複合経営です。こういうふうになっていくと、どこが一番有利か。これは水田にとしました。畑地じゃなくて、水田に米三ヘクタール。僕らのところもそうなんですけれども、田んぼだけでやっていてももうからないから、リンゴあるいはブドウがあるんですね、シャインマスカットが物すごく売れているので、シャインマスカットでもいいんですけれども、リンゴにしました。レタスというふうにして、これが全て平年だったと。計算式が書いてありますけれども、これだと八十万円なんですね。二割減になってくると、そうすると収入保険が一番有利だ、百五十一万円。確かに収入保険が有利になっているんですけれども、保険金を掛けたりしなくちゃならないので。農業者戸別所得補償は農家は何も補填していませんからね。
 こうやって見ていくと、複合経営になんかなっていったりしてややこしくなると、次に、水田に米三ヘクタール、大豆二ヘクタール、僕は水田にとやっていますからなおさらなんですが、二毛作とかになっていくとわかると思いますが、一番右側の農業者戸別所得補償で岩盤を高くしておいてくれれば、収入が相当減ってもやっていけるんです。だから、これが単純明快で一番いいというような気がするんですよ、青色申告なんということも要らないし。単純明快なんです。
 それで、どうしてこれが有利かというと、麦と大豆をふやそうと思ったら、それを三万にすればいいんです、四万にすればいいんです。それで農家が選択して、北陸とか東北の日本海側は米ぐらいしかできない、麦なんかつくれない、だけれども、逆に、佐賀県などは、かつて県間調整が行われたときには、新潟県の転作分も請け負って、小麦と大豆の二毛作でやっていたはずですよ。そうやって選択していく。それを誘導できるんです。そして、農業者戸別所得補償でどっちの方が有利かということで、自分の気候、自分の農地と比べて選択できる、非常に単純明快な選択ができる。
 これは、野菜価格安定制度と、収入保険と、共済と、収入減少緩和対策とか、もうあっちゃこっちゃあるのを見て、どっちを選ぶかなんて農家はできないですよ。そういうことが余り得意じゃないから、おてんとうさまと一緒にやる農業をやろうといってやっている人もいるんです。それで働いていこうとしているのに、そんな難しいことをさせるべきじゃないと私は思いますね。よく考えていただきたいと思います。このことを絶対頭に入れておいていただきたいと思います。制度は単純明快を旨とすべしです。税制なんかのときはいつもそうなるんですけれどもね。ということをよく頭に入れていただきたいと思います。
 次、政務の皆さんに御質問したいと思います。
 裏側の資料を見ていただきたい。裏側の資料を見ながら聞いていただきたいと思います。
 法案が八本出ました。大臣、正直にお答えください。本当に、僕は、この農業災害補償法の一部を改正する法律は、紛れもない農林水産省提出の法案だと思います。結論を先に言ってしまえば、土地改良法もそうでしょう。農林物資の規格化に関する法律、これもそうだと思います。
 しかし、農業競争力強化支援法なんというのは支離滅裂で、なってないです。そして、言いました、農業機械化促進法と主要農作物種子法、これも、農業機械化促進法は役割を終えたからと、主要農作物種子法こそ、本当に真剣に考えて、これから種子を日本できちんとつくっていかなければいけないと考えなくちゃいけないというのを、農林水産省できちんと検討せずに、知りませんよ、そういうことを農林水産省のお役人の皆さんは言っていません、官邸の最高幹部だとか総理の意向だとかいうのじゃないですけれども、規制改革推進会議の意向を酌んでの法律だと思うんですけれども、その点は大臣、どのようにお考えですか。どういうふうに感じておられますでしょうか。
○山本(有)国務大臣 農林水産省が今国会に提出した八法案は、いずれも農業競争力強化プログラムに盛り込まれた改革を実行に移すためのものでございました。
 この農業競争力強化プログラムというのは、平成二十八年一月から一年間かけて、政府・与党において、現場の声や有識者の意見も踏まえながら精力的に検討を加え、結果として、平成二十八年十一月に総理を本部長とする農林水産業・地域の活力創造本部において取りまとめたものでございます。さらに、その法案化に当たりましても、省内において十分な検討を行ったところでございます。
 本プログラムに盛り込まれました十三項目の施策のうち、規制改革推進会議で議論されたものにつきましては、生産資材、流通・加工、生乳流通改革の三項目のみでございまして、規制改革推進会議の提言をそのまま受けているというわけではございません。
 なお、八法案のうち、外部の有識者等を入れた検討会で検討を行わせていただいたものには、収入保険制度、JAS制度、農村地域工業等導入促進法の改正がございます。他の法案の取りまとめに当たりましても、関係者の意見を個別に伺うなどして十分な検討を行ったところでございます。
 規制改革会議というのは、PDCAサイクルで国全体のさまざまな分野の制度について検討を行っているわけでございまして、その機能というのは総理に意見を申し上げるという機能でございまして、その意見に基づきまして、農林水産省は、しっかりとした政策、法案を、我々行政執行の分野の権限を持っている者としてこの法案を取りまとめさせていただいたということでございます。
○篠原(孝)委員 大臣、正直に三つの法案については検討したと。その検討のは、わかりますよ、ここに書いてあります、収入保険制度の検討等に関する有識者会議と。これは普通だと思います、新しい制度で。三回やっています。
 それから、私、法案の説明とかいうのを、説明に来いとか言わないで、来られる人を待っていて、そうしたらというふうに、余り役人を呼びつけて何とかするというのをしないことにしているんです。受け身でやっているんですが、この法案は、橋本参事官に来ていただいてじっくり説明を聞きましたから、橋本参事官とその延長線で議論してもよかったんですが、局長といたしました。
 橋本参事官、それに直接関係ないんですけれども、隣の海洋法制度研究会というもの、これに絡んでおられたと思いますけれども、この制度のを覚えておられますかね、これは誰が担当課長のときだったんでしょうかね。
○橋本政府参考人 お答えいたします。
 TAC法、すなわち平成八年の海洋生物資源の保存及び管理等に関する法律でございますけれども、担当課長は、水産庁の企画課長で、当時篠原先生でございました。
○篠原(孝)委員 済みませんね、誘導質問しまして。
 私がこのとき海洋法対策室長というので、通産省からも運輸省からも人をやって、二百海里の設定をしてというので、これはTAC制度です。資源管理をするというので検討したので、八回やっているんですよ、当然、外国にも行って。これだけきちんとやっているんですよ。これを見てください。
 それに対して、その下。最近の内閣の組織のメンバー、もうぞっとしますよ、偏った。そうしたら、みんな気がついて、前から言われていますけれども、参議院でこれについて決議をしているんですね、決算委員会で。当然のことだと思うんですよ。見てください。
 それで、未来投資会議というのは、産業競争力会議というのがいつの間にか未来投資会議となっているんですよね。内容が陳腐だと名前でちょっと新鮮さを出そうとしている。未来なんというと、原子力は明るい未来のエネルギーという、ぞっとするような感じになって。過去に投資する人なんているんでしょうかね。投資は未来に決まっている。こういうばかな名前をつけて、ばかだと思いますよ、それでやっている。そして、農業関係者はゼロ。
 いいですか。それで、規制改革会議のメンバー、誰も農業関係者はいなくて、慌てて専門委員をこれだけやっているんです。ほかのを見たら、医療・介護とかローカルアベノミクスでちょっとだけいるんですけれども、大体その関係者が入っているから専門委員というのはそんなに選んでいないんです。つまり、専門委員の農業関係者なんか全然入れていないんです。
 それに引きかえ、これは私がやったんです、食と農林漁業の再生実現会議というのは。菅総理がTPPなんてやられたので、何を言っているの、これで農政をちゃんと直さなくちゃいけないということで、官邸に設けたんです。見てください、このちゃんとバランスのとれた委員の配置、マル、バツ、三角でわかりやすく。農家にもこうやって、収入保険とか説明しなくちゃいけないんですけれども、皆さん、こんなことまでやらなくたっておわかりいただけていると思います。
 僕はつくづく感心したのを一つお伝えしたいと思います。相良律子さんという、栃木県女性農業士会会長、女性の農家ですよ。これは本当は、左側の規制改革推進会議の齋藤一志さんだったんです。官邸にも似たようなのを考える人がいるけれども、民主党政権時代ですね。そうしたら、私が副大臣でした、鹿野道彦さんが農林水産大臣でした、いろいろやっていたんですけれども、大臣に最後にお見せして意見をと言ったら、齋藤さんをやるのはやめておけと。どうしてかというと、山形県だ、俺が入れさせたと誤解を受ける、だからほかの県の人にしろと。お友達を優遇する某総理と比べてどれだけ立派かというんです。考えていただきたいと思います。
 李下に冠を正さず、公平をちゃんと重んじるためにやっているんです。こういうところで議論していただけて結論を出すんだったらいいんですけれども、何にもわからない素人が空理空論で言ってきてやっているというのは、僕はけしからぬと思います。
 そうしたら、総理が適当なことを言っておられるんですね。前川前事務次官が三回官邸に来たけれども、加計学園のことについて何にも言わなかったと。言えば聞いてやるとかは言っておられませんでしたけれども。
 僕は、こういうやり方はやめてくれと。一番被害をこうむっているのは、私は農林水産省だと思います。厳然と抗議すべきだと思いますよ。全然現場の意見など入れずに、知らない人たちがぎゃあたらぎゃあたら言って、それを押しつけてきている。反対したら、このやろうめと言って、まあ、知りませんけれども、僕が現職にいたら、こんなものはだめだとやって、すぐ飛ばされていると思いますけれども。
 ひど過ぎると思います。大臣、そう思われませんか。だから、参議院の方は、良心がとがめた人たちが決議を出して、規制改革会議が現場や各省にある審議会の委員とかをそんたくしなさ過ぎると言っているんです。これは絶対直していただきたいと思いますけれども、大臣の決意を述べていただきたいのと、絶対、安倍総理にきちんと言ってください。
○山本(有)国務大臣 我が省の次官は、総理にレクをした後、議論もして帰ってくるぐらい性根が据わっておりまして、前川さんはどうしてこうしたものかと総理が言われるのは、私はむべなるかなというようにも思っておりますが。
 御指摘のように、規制改革会議は、総理の諮問機関でございまして、その所掌事務の範囲内で意見を述べているものというように認識しております。
 他方、農業政策の企画立案、執行の権限につきましては、規制改革推進会議にはなく、農林水産省にあるわけでございます。
 農政を預かる責任者として、我が国農業のために責任を持って施策を講じるのは農林省であり、農林大臣だということをしっかり念頭に置いて、頑張っていきたいというように思っております。
○篠原(孝)委員 時間が来ているんですが、一つだけ、越智内閣府副大臣に来ていただいているので。
 経済産業委員会に続いて、済みませんね、ほかの委員会に来ていただいて。別に越智さんと指名しているわけじゃないんですけれども、私の質問にちゃんと答えられるのは越智さんだということで来ていただいているはずです。
 金丸座長、農業のことはわからない、この人が介入しているんですよ。どういうことかというと、農業新聞に書いてあります。四月七日の会合で、「今年は全農のトップの交代時期と聞いている」、だからちゃんとした人を選んでくれと。何を言うかということですね。出過ぎているんです。それで、全農の理事長には「農業者の期待や注目もあるはずなので、開かれたプロセスでぜひ改革を推進する人が選ばれるように期待している」と。
 では、公明正大にこの推進会議のメンバーが選ばれているんですか。見てください、食と農林漁業の再生実現会議は、財界のトップ、財界の重きを占めている三村さん、それから流通のセブンイレブンの社長、そういった人も入れて、農協のトップも入れていますよ。こういうふうな人たちで公正に議論するんだったらいいんですけれども、全てにおいて私は偏り過ぎていると思います。
 総理は一番最初に言ったんです。集団安全保障を認めるときの懇談会、賛成の人ばかりじゃないですか。空虚な議論を排すために賛成者だけを集めたと。それは懇談会にならないと言ったんです。同じことをこういうところでも繰り返されています。ぜひ直していただきたいと思います。いかがでしょうか。
○越智副大臣 未来投資会議のメンバーにつきまして御質問がございました。
 この構成員につきましては、内閣総理大臣が、成長戦略や構造改革に関してすぐれた見識を有する方の中から選定されたものでございます。
 具体的な議事の運営に当たりましては、議長である総理大臣が必要と認めるときには関係者の出席を求めることができるとしておりまして、これまでも、農業分野におきまして、現場のニーズを熟知する方をお招きして議論してきたことがございます。
 また、未来投資会議のもとに、分野別に集中的な調査審議を行う構造改革徹底推進会合がございまして、この中に四つ、分科会といいますか会合がございますが、そのうちの一つ、ローカルアベノミクスの深化会合が農業に関するところでございます。こちらの会合におきましては、複数回、農業にかかわる民間の実務者、有識者の出席を求めまして、現場の実態を伺いながら議論を進めてきたということでございます。
 そういう意味では、農業の成長戦略の議論をしていくということに当たりましては、現場への理解が重要だというふうに認識しておりまして、今後とも、これまでと同様に、農業の現場を知る方々の意見をしっかりと受けとめて議論を進めてまいりたいというふうに考えております。
○篠原(孝)委員 ちゃんとやってください。行政と政治、乱れています。原因は、つべこべいろいろな注文をつけ過ぎる官邸にあると思います。農林水産省は体を張ってこの変な仕組みを変えていただきたい、もとに戻していただきたいということを切にお願いいたしまして、私の質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
○北村委員長 次に、吉田豊史君。
○吉田(豊)委員 日本維新の吉田です。きょうもよろしくお願いいたします。
 ずっと出させていただいておりまして、やはり、たまに自分がどうなっているのかを振り返ってみる必要があるなと思いまして、衆議院インターネット中継をやっておりますので、きのう参考人の方にお越しいただいたやりとりを自分で見直してみました。
 そうすると、想像以上に自分は早口でしゃべっていまして、何よりもちょっと不思議だったのが、結構にこにこしてやっているんですね。よく考えると、質問していて何が楽しいのかなと自分で考えると、楽しいわけではなくて、走っていてランナーズハイとかありますが、私も、質問し続けていて大分質問ハイになっていて、それでにこにこしているのかなというところまで来ました。あと、ゴールも間近だと思って、きょうも頑張らせていただきますけれども……(発言する者あり)ありがとうございます。
 きのう、幾つか私、自分でいいことを言ったなと思いますのは、セーフティーネットということがキーワードですけれども、セーフティーネットじゃなくてセーフティーシートになっていたり、あるいはネット自身の網の目の広さ、細かさ、それからセーフティーネットが要らないという考え方とか、いろいろあるんですけれども、そもそも、考えてみますと、セーフティーネットを張るという考えの場合は、ネットを引っ張っている人がいるんですね。ネットは、誰かが勝手に、自動的にそこにあるわけじゃなくて、ネットを周りじゅう引っ張ってくれている人がおるという、この存在が農業でいうとどこにあるかということをやはりいつも意識していないと、ネット自身が必要ないよという話になってしまうのは怖いなと思っております。
 法案の中で、幾つか最後に確認したいと思います。
 まず、青色申告のところをいきたいんですけれども、この青色申告ということが一つの指標と言えばいいか、インセンティブになっていくということだと思いますけれども、モラルハザードということの発生に対して防止策を検討する必要が私はあるんじゃないかな、こう思うわけです。収入の過少申告とか、いろいろな意味で、青色申告という、良心に従ってやるべきものがどのように使われるのかというところについて、この対策は検討されているのかというところを確認したいと思います。
○大澤政府参考人 青色申告者に対象者をしているということ自体が、過少申告などの一つの防止策になっていると考えております。罰則等の担保措置もございますし、そういうもとで所得が漏れなく申告されて、証拠となる書類も一定期間保存されている、こういう制度を活用するというところが一つございます。
 それから、今回この制度を運用していく際にも、例えば、所得の申告が例年と比べて著しく低いなということがわかった場合には、その要因を必要に応じて個別に確認していく、ほかの地域のほかの方の価格と比べてどうだったかとか、そういうことを必要に応じてやっていくということ。これは最小限にしないとなかなか制度は運用できないわけでございますが、必要な場合にはやっていく。
 それから、制度の中に、不正があった場合には保険金を支払わない免責規定も置いてございますので、そういう形で、モラルハザードの発生防止、こういうものを徹底してまいりたいというふうに考えてございます。
○吉田(豊)委員 そして、青色申告ですけれども、これは、農業経営というところを会計という面から改めて見詰め直していくときに非常に有効なツールであり、そして、今、攻めの農業という言葉を実際の農業者の方々、現場の方々に感じていただくために、こういう考え方を、青色申告というツールを使うところの説明、あるいは、これを導入するというところで、実際、目指している農業というのがどういう方向にあるかということを、指導という言葉がいいかどうかわかりませんけれども、アピールしていく、そういう大切なチャンスだろう、こういうふうに思うわけです。
 その意味で、この機会をどのように捉えてそれを展開していこうと考えていらっしゃるか、齋藤副大臣にお聞きしたいと思います。
○齋藤副大臣 委員おっしゃるとおりでございまして、青色申告は、今回、収入保険の対象の要件としているわけでありますが、それだけではなくて、青色申告をすることによりまして、収入や支出、資産、負債の状況をきちんと帳簿に整理することが必要になってきまして、自分の経営を客観的に把握するいいツールになるんだろう、つまり、農業者の経営管理能力を高めるために有効ではないかというふうに考えているわけであります。
 先ほど来御答弁させていただいておりますように、まず、二十九年度予算で、農業者に対する収入保険制度の内容の周知を行うと同時に、青色申告書や帳簿の書き方等に関する相談対応等の取り組みを支援させていただくことにしておりまして、このような取り組みを通じて、農業者の青色申告の拡大に努めていきたいと考えております。
○吉田(豊)委員 そういう青色申告が役立つべき仕事があって、これは当然にしてそれをまず周知していく。その上で、今度は、青色申告をしているというベースの上に、実際的な実態として、主業の農家なのかそれとも兼業の農家なのかという、その具体的な部分というところを、より求められる農業の姿というところに進んでいただくために、やはりここを青色申告のみに頼っているという状況で十分ということではないと思うわけですね。ここのところについて、今後どのように考え方を広げていくかというところを確認したいと思います。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 魅力ある農業、成長産業化していく農業、こういうものを考えるに当たっては、当然、青色申告ということよりも、輸出を積極的に行うとか、六次産業化、あるいは規模拡大、それから新しい作物にチャレンジするということなのでございますけれども、あくまで、収入保険制度の要件といたしましては、保険資格者の要件ということであれば、これは、青色申告者、それからあと、共済事業とかほかの類似の事業との選択加入ですので、加入していないこと。
 要件としては青色申告を中心に考えていきたいと思っておりますけれども、この制度を使うことによっていろいろ新しい農業の展開を図っていく、これは期待しているところでございます。
○吉田(豊)委員 そこはおっしゃるとおりで、保険という考え方を導入するわけですけれども、これが何に対する保険なのかというところと、もともと自分が立っている立ち位置、農業者というものがどんな役割を求められているかというところ、それをやはりきちっとわかった上で、何に対するリスクがあってそれに対する保険を掛けているのかというところをきちっと把握しないと、保険というと、結構私たち、農業じゃなくても何であっても、例えば自動車保険だとか火災保険とかいろいろなことがありますけれども、保険というのは、自分のための保険なのか人に迷惑をかけないための保険なのか、いろいろやはり立ち位置が全然違ってくるわけですよね。
 ここら辺のところを、きちっとこの法案において保険という言葉の概念をやはり押さえて、そしてそれを現場に伝えていくことは押さえるべき重要なことだろうと思います。
 次に、法案によって、政府の方の財政支出、保険料等で国庫補助するわけですけれども、これについて確認したいと思います。
 これを行う本質的な意義、そこについてまず確認したいと思うんですけれども、これはどのように考えていらっしゃいますか。
○大澤政府参考人 この収入保険、保険制度はあくまでセーフティーネット、指摘のとおりでございますが、これによる狙いは、農業の成長産業化を図るために、自由な経営判断に基づいて、新規作物の生産、こういうものに積極的にチャレンジしていただく、あるいは新しい販路の開拓に積極的にチャレンジしていただく、今までになかった経営の発展に取り組んでいただく農業者を育成していく、そういうふうに使っていただくことが非常に大事だと考えております。
 本制度に加入する者に対しまして保険料等の国庫補助を行うということも、加入者の負担軽減を図ることによりまして本制度の活用が促進されまして、先ほど述べましたようないろいろな経営発展、チャレンジに取り組んでいただく農業者がふえていく、こういうようなことを期待して国庫補助することにしているところでございます。
○吉田(豊)委員 局長に、ちょっと嫌なと言えばいいか、本質的なことを聞きますけれども、今おっしゃった、チャレンジするんですよね、そのチャレンジする方に対する保険なんだということなんですが、チャレンジする主体の農業者や農業関係者というのは、何に対してチャレンジしているんですか。
○大澤政府参考人 正確にお答えできるかどうか自信がありませんけれども、個々人の農業経営の新しい展開を図るために、今までに取り組んでいなかったことに個々の農業経営者がチャレンジしていただく、こういうことだと理解してございます。
○吉田(豊)委員 重ねて、追加でお聞きしますけれども、それは誰のためにチャレンジするんですか。
○大澤政府参考人 御自身の経営の発展のためでございますが、国庫補助をしている理由自体は、それによって日本の農業が成長産業化に向かって歩みを始めるということを期待してのことでございます。
○吉田(豊)委員 そして、具体的にこの政府の財政支出があるわけですけれども、この法案が通りました、そして具体的に動かされていったときに、どれぐらいのボリュームを見込んでいるかというところについて、想定をお聞きしたいと思います。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 この問題につきましては、まず、どれくらいの加入者を見込むかということでございますが、これにつきましては、既存の制度と選択制ですので、加入目標自体は定めてございません。法案の成立後、ニーズの把握を行っていきたい、それで予算編成につなげたいということですが、御参考までに申し上げますと、一定の単純な仮定を置いた上で、例えば加入者一万人当たりどれくらいの国庫補助が必要かという、目安として申しますと、保険料の負担額としては約五億円、それから積み立て方式の資金造成に係る負担額としては約五十億円ということでございます。
○吉田(豊)委員 そして、この法案が動いていく中にあってですけれども、保険を掛ける、そして守るということ、それは、保護しているということなんですが、攻めるために保護するということだと思いますけれども、国際的な関係を見たときに、WTO等の農業保護、AMS、アグリゲート・メジャーメント・オブ・サポート、助成合計量という言葉だそうですが、こういうあたりのところでどのようにこの問題を位置づけているのか。財政支出について、これをどのように考えているかというところを、整理されたものをお聞きしたいと思います。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 御質問は、WTOの現行協定におきます国内支持通報の話ではないかと思いますが、国内支持通報につきましては、実際に予算が措置された後に、しばらく、これは各国もそれぞれ通報して、何年まで通報したかとか、そういうのを横並びで見ながら、通報すること自体が一つの外交にもなってございますので、この問題につきましては、いろいろな補助金の区分がございまして、黄色の政策、青の政策、緑の政策とございますけれども、どういう形で通報するかというのは、実際に通報するときまでに具体的に検討したいというふうに考えてございます。
○吉田(豊)委員 もう一つ、再保険という考え方を確認したいと思いますが、この法案の全体像として、全国の連合会が行う保険について国として再保険をするということだと思うんですが、政府が再保険を行うという考え方、これを、改めてどのような位置づけかということを説明いただきたいと思います。
○細田大臣政務官 吉田先生、毎回質問に立っておられますが、本当に大変だと思いますが、改めて心から敬意を表します。
 今御指摘ありました政府の再保険の維持についてでございます。
 新たに創設する収入保険制度については、大規模な自然災害などにより、実施主体である全国連合会が支払う保険金が巨額になる場合がございます。
 このような不測時においても農業者に確実に保険金が支払われるようにするため、農業共済と同様に、政府が最終的に責任を持つということをお示しし、政府再保険を措置するということにしております。
○吉田(豊)委員 細田政務官、本当に御配慮いただいてありがとうございます。
 この国会でずっとやってまいりましたブランド米の戦いというのも、もうしばらく国会が時間があれば最後には行きたいなと思いますけれども、どんなところかはちょっとわからないところですけれども、よろしくお願いしたいと思います。
 それで、今おっしゃった、政府が行う意味はこうだと。だけれども、これは、必ずしも政府が再保険ということについて行わなくてはいけないものかということも、一つの視点としてあると思います。
 これを、ほかの国の例ということもあると思うんですけれども、実際どのようになっているのか、どう考えているかということを確認させてください。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 今御提案申し上げている農業災害補償法の改正案につきましては、政府の再保険が必然的なものとして埋め込まれているところでございます。
 民間の再保険についての他国の例でございますけれども、例えばアメリカの農業保険では、政府の再保険が一応措置されてはいるんですが、実施主体の判断によって、実施主体が有する責任の一部を、政府の再保険とは別に、民間に再保険しているケースがある。ですから、政府の再保険に加えて、民間の再保険でさらにリスクの分散を図っているという例がございます。
 ちなみに、今の御提案申し上げている農業災害補償法でそれができるかといいますと、それは禁止されておりませんので、それも可能ではございますが、これは実際にその実施主体が、どういうふうにするかというのは判断することになると思っております。
○吉田(豊)委員 そして、この法案のキーワード、セーフティーネットということで私自身お伝えしましたし、そういう認識で進んでいると思いますけれども、改めて、このセーフティーネットを張るというものがどういう位置づけで、そして、最初に申し上げましたように、ネットを張るということは、誰かが引っ張って、そのネットが機能を果たすようにしていなくちゃいけないわけで、そういう状況というものをいつまで続けられるのかというところ。そのネットが張られている間に、本来の人たちがきちっと、ネットがなくても仕事ができる、自立していくという、やはりそこまで視野に入れていかなくちゃいけないとは思います。
 その中で、この法案が通った先に、一つ大きな動きもあるわけですね。これについて、実際にこの法案が機能しているのかということの具体的な意味は、セーフティーネットとしての役割をどのように果たしているかということを見ていくということがやはり一番大事なこれからの作業になるんじゃないかな、こう思うわけです。
 その意味で、このセーフティーネットを張るということと、これからの農業者の経営行動について、それをどのように把握していかれ、また、それを次に生かしていかなくちゃいけないというふうに私は思いますけれども、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○大澤政府参考人 この法案にも検討規定を置いてございますので、この制度は初めての制度でございますので、この制度の実施状況は不断に検証いたしながら、類似の制度との関係も含めていろいろ検証し、さらに必要な検討は加えて、制度の改善には努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○吉田(豊)委員 済みません、やはりハイになっていまして、ぼけていまして、二つの質問を一つにあわせておりました。
 済みません、大臣、後半のところですけれども、フォローアップというところですね、法案のフォローアップというところについて、最後、お考えをお聞きしたいと思います。本当に済みません、失礼しました。
○山本(有)国務大臣 米の政策見直しでございます。三十年産から、行政による生産数量目標の配分に頼らずとも、農業者みずからの経営判断によって需要に応じた生産が行われますように、行政、生産者団体、現場が一体となって取り組んでいるというように認識しております。
 国としては、そのための環境整備といたしまして、全国の需要見通しに加えて、各産地における販売や在庫状況などに関するきめ細かな情報提供をすること、麦、大豆、飼料用米等の戦略作物の生産に対する支援等を行っていきたいというように制度設計をしております。
 こうした中、収入保険制度というものは、主食用米について、需要に応じた生産が行われる中で導入するものでございまして、米の生産調整の見直しと直接関連するものではありませんけれども、稲作を含め、品目の枠にとらわれず、農業者ごとの収入全体に対する保険であることから、自由な経営判断に基づいて、マーケットインの発想で新規作物の生産、販路の開拓等にチャレンジする農業経営者を後押しするような、そういう制度でありたいと、この運用に努めてまいりたいということをお約束するものでございます。
 以上です。
○吉田(豊)委員 よろしくお願いします。
 終わります。
○北村委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○北村委員長 この際、本案に対し、宮腰光寛君外四名から、自由民主党・無所属の会、民進党・無所属クラブ、公明党及び日本維新の会の四派共同提案による修正案が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。佐々木隆博君。
    ―――――――――――――
 農業災害補償法の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○佐々木(隆)委員 ただいま議題となりました農業災害補償法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 第一に、国は、農業者の農業保険への加入が促進されるよう、農業者の適切な選択に資する情報の提供等に努めるものとする規定を追加することとしております。
 第二に、行政庁は、農業共済事業や農業経営収入保険事業の実施主体に対し、それらの事業の効率的かつ円滑な実施に関し必要な情報の提供または指導もしくは助言を行うよう努めるものとする規定を追加することとしております。
 第三に、全国を区域とする農業共済組合連合会が、農業経営収入保険事業の効率的かつ円滑な実施を図るため連携及び技術的な協力の確保に努めることとされる相手方に、農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律第四条第一項の交付金を交付する事業、いわゆるナラシ対策、その他の農業収入の減少について補填を行う事業を行う者が含まれることを明記することとしております。
 第四に、政府が農業経営収入保険事業その他の農業保険の制度のあり方等について検討を加える時期のめどを、施行後五年から施行後四年とすることとしております。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○北村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○北村委員長 これより原案及びこれに対する修正案を一括して討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。畠山和也君。
○畠山委員 私は、日本共産党を代表して、農業災害補償法の一部改正案に反対の討論をいたします。
 反対の第一の理由は、本改正案が、現行の農業災害補償制度を弱体化させ、農業者に不利益を与えるものであり、認められないという点です。
 本改正で、農作物共済は当然加入から任意加入制へ移行します。保険や共済における逆選択を防ぐための手法である当然加入は、自賠責保険など社会政策的目的を持った保険で適用されているものです。任意加入制に移行することで逆選択が進むとともに、農業共済組合の財務や、農村集落における相互扶助の仕組みに影響を与えかねません。
 また、収量の三割減でも補償してきた一筆方式を廃止することで、圃場ごとのきめ細かい被害補償がなされなくなります。無事戻しの廃止や家畜共済の自己負担制度の導入も、共済加入者に不利益をもたらしかねません。
 反対の第二の理由は、収入保険の導入に合わせて米の生産調整や直接支払交付金など岩盤制度の廃止を進める政策は認められないということです。
 新たに設けられる収入保険は、青色申告を前提とし、現状では対象が三割の農業者に限られる上に、農業共済、収入減少影響緩和対策、野菜価格安定制度、加工原料乳生産者経営安定対策の各加入者は、その制度から離脱しなければ加入できません。畜産農家も対象外であり、日本農業全体を支える制度となっていません。
 重要なことは、参考人質疑でも指摘されたように、岩盤制度がないままに、収入保険のみで稲作の経営安定、所得確保を実現することはできないということです。
 安倍政権による農政のもとで、二〇一六年に戸別所得補償制度が廃止され、二〇一八年には、米の生産調整とともに、十アール当たり七千五百円を支給する米の直接支払交付金を廃止するとしています。収入保険の導入と引きかえに経営安定の岩盤制度廃止を進めるような政策は、認めることができません。
 なお、同法修正案については、これらの問題点を修正するものでなく、賛成することができません。
 以上で反対討論を終わります。(拍手)
○北村委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○北村委員長 これより採決に入ります。
 内閣提出、農業災害補償法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。
 まず、宮腰光寛君外四名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○北村委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○北村委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○北村委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、宮腰光寛君外三名から、自由民主党・無所属の会、民進党・無所属クラブ、公明党及び日本維新の会の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。村岡敏英君。
○村岡委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文を朗読して趣旨の説明にかえさせていただきます。
    農業災害補償法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  農業災害補償制度は、制度発足以来、七十年以上の長きにわたり、災害によって農業者が被る損失を補填することにより農業経営の安定に大きく貢献してきた。しかしながら、同制度は、価格低下等は対象となっておらず、対象品目が限定されているといった問題が指摘されている。このため、自由な経営判断に基づき経営の発展に取り組む農業経営者のセーフティネットとして、個々の農業者ごとに農業収入全体を対象に総合的に対応し得る新たな保険制度の創設等が喫緊の課題となっている。
  よって政府は、本法の施行に当たり、農業経営の安定を図るため、左記事項の実現に万全を期すべきである。
      記
 一 新たに創設される農業経営収入保険事業及び従来からの収入減少影響緩和対策(ナラシ対策)をはじめとした収入減少を補填する機能を有する制度が農業者の自由な経営判断により適切に選択されるよう、国と全国を区域とする農業共済組合連合会(全国連合会)等は緊密に連携し相互に協力して制度の効率的かつ円滑な実施を図ること。その際、農業者が負担する保険料と補填金との関係についてのモデルケースを示すなど、農業者の制度理解に資する分かりやすい説明を行い加入の促進に努めること。
 二 農業経営収入保険事業を安定的に運用するためには、一定の加入者数を確保することが望ましいこと等に鑑み、全国連合会が事業を支障なく実施することができるよう必要な情報及び資料を提供するとともに、適時適切な指導及び助言を行うこと。
 三 保険金及び特約補填金については、農業者はこれらを含めた当年の収入を翌年の作付等に必要な経費に充てることから、当該年への算入やつなぎ融資の無利子化など、可能な限り農業者が利用しやすい仕組みとすること。また、保険金及び特約補填金は、保険期間の翌年の税負担に影響を及ぼさないよう、税務上、保険期間の総収入金額に算入されるよう適切な運用を行うこと。
 四 保険金及び特約補填金の支払いの基礎となる基準収入金額については、当年の経営面積が拡大する場合や農業収入金額に一定の上昇傾向が確認できる場合等、農業者が経営の発展に取り組んでいるときは、これらの動向を適切に反映すること。また、基準収入金額の算定の方法と算定プロセスの透明性を確保すること。
 五 農作物共済の当然加入制が廃止される中、特に、保険を必要とする農業者が無保険者となることのないよう、今回の法改正の内容を十分に説明することにより、農作物共済への引き続きの加入若しくは農業経営収入保険事業への加入を進めること。
 六 法施行後の見直しに当たっては、農業経営収入保険事業、収入減少影響緩和対策(ナラシ対策)等の収入減少を補填する機能を有する同趣旨の制度など関連政策全体の検証を行い、総合的かつ効果的な農業経営安定対策の在り方について検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずること。
  右決議する。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようにお願い申し上げます。
○北村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○北村委員長 起立総員。よって、本法律案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいま議決いたしました附帯決議につきまして、政府から発言を求められておりますので、これを許します。農林水産大臣山本有二君。
○山本(有)国務大臣 ただいまは法案を可決いただきましてありがとうございました。附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
 以上でございます。
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○北村委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○北村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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    〔報告書は附録に掲載〕
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○北村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時十八分散会