第193回国会 予算委員会 第9号
平成二十九年二月八日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 浜田 靖一君
   理事 石田 真敏君 理事 菅原 一秀君
   理事 西村 康稔君 理事 葉梨 康弘君
   理事 宮下 一郎君 理事 武藤 容治君
   理事 大西 健介君 理事 長妻  昭君
   理事 赤羽 一嘉君
      赤枝 恒雄君    安藤  裕君
      伊藤 達也君    石破  茂君
      岩屋  毅君    江藤  拓君
      衛藤征士郎君    小倉 將信君
      大串 正樹君    奥野 信亮君
      勝俣 孝明君    門  博文君
      黄川田仁志君    古賀  篤君
      國場幸之助君    佐々木 紀君
      佐田玄一郎君    斎藤 洋明君
      島田 佳和君    助田 重義君
      鈴木 俊一君    鈴木 隼人君
      瀬戸 隆一君    田中 英之君
      田畑 裕明君    武部  新君
      中村 裕之君    中山 展宏君
      根本  匠君    野田  毅君
      野中  厚君    鳩山 二郎君
      原田 義昭君    平口  洋君
      福山  守君    藤丸  敏君
      星野 剛士君    堀井  学君
      前川  恵君    保岡 興治君
      山下 貴司君    渡辺 博道君
      井坂 信彦君    井出 庸生君
      今井 雅人君    小川 淳也君
      小熊 慎司君    緒方林太郎君
      逢坂 誠二君    木内 孝胤君
      北神 圭朗君    小山 展弘君
      後藤 祐一君    重徳 和彦君
      階   猛君    鈴木 義弘君
      玉木雄一郎君    辻元 清美君
      福島 伸享君    前原 誠司君
      升田世喜男君   松木けんこう君
      松田 直久君    鷲尾英一郎君
      伊藤  渉君    國重  徹君
      真山 祐一君    梅村さえこ君
      大平 喜信君    高橋千鶴子君
      井上 英孝君    伊東 信久君
      木下 智彦君    吉田 豊史君
    …………………………………
   財務大臣
   国務大臣
   (金融担当)       麻生 太郎君
   総務大臣         高市 早苗君
   法務大臣         金田 勝年君
   外務大臣         岸田 文雄君
   文部科学大臣       松野 博一君
   厚生労働大臣       塩崎 恭久君
   農林水産大臣       山本 有二君
   経済産業大臣       世耕 弘成君
   国土交通大臣       石井 啓一君
   環境大臣         山本 公一君
   防衛大臣         稲田 朋美君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     菅  義偉君
   国務大臣
   (復興大臣)       今村 雅弘君
   国務大臣
   (防災担当)       松本  純君
   国務大臣
   (経済再生担当)
   (経済財政政策担当)   石原 伸晃君
   国務大臣
   (働き方改革担当)
   (少子化対策担当)    加藤 勝信君
   国務大臣
   (地方創生担当)
   (まち・ひと・しごと創生担当)
   (国家公務員制度担当)  山本 幸三君
   財務副大臣        木原  稔君
   経済産業副大臣
   兼内閣府副大臣      高木 陽介君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    横畠 裕介君
   政府参考人
   (内閣官房内閣人事局人事政策統括官)       三輪 和夫君
   政府参考人
   (人事院事務総局職員福祉局長)          千葉 恭裕君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)   井野 靖久君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)   加藤 久喜君
   政府参考人
   (警察庁生活安全局長)  山下 史雄君
   政府参考人
   (総務省自治行政局公務員部長)          高原  剛君
   政府参考人
   (総務省情報流通行政局長)            南  俊行君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    林  眞琴君
   政府参考人
   (法務省入国管理局長)  和田 雅樹君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長)            常盤  豊君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬・生活衛生局長)         武田 俊彦君
   政府参考人
   (厚生労働省労働基準局長)            山越 敬一君
   政府参考人
   (厚生労働省職業安定局長)            生田 正之君
   政府参考人
   (厚生労働省職業能力開発局長)          宮野 甚一君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  鈴木 康裕君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         山口 英彰君
   政府参考人
   (農林水産省生産局長)  枝元 真徹君
   政府参考人
   (農林水産省経営局長)  大澤  誠君
   政府参考人
   (経済産業省貿易経済協力局貿易管理部長)     飯田 陽一君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      村瀬 佳史君
   政府参考人
   (国土交通省鉄道局長)  奥田 哲也君
   政府参考人
   (環境省地球環境局長)  鎌形 浩史君
   参考人
   (東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長)            廣瀬 直己君
   参考人
   (日本銀行総裁)     黒田 東彦君
   参考人
   (日本放送協会会長)   上田 良一君
   予算委員会専門員     柏  尚志君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月八日
 辞任         補欠選任
  石崎  徹君     島田 佳和君
  石破  茂君     安藤  裕君
  黄川田仁志君     佐々木 紀君
  國場幸之助君     鈴木 隼人君
  佐田玄一郎君     古賀  篤君
  長坂 康正君     斎藤 洋明君
  原田 義昭君     勝俣 孝明君
  山下 貴司君     中山 展宏君
  井坂 信彦君     階   猛君
  今井 雅人君     小山 展弘君
  小川 淳也君     小熊 慎司君
  緒方林太郎君     鈴木 義弘君
  後藤 祐一君     木内 孝胤君
  玉木雄一郎君     重徳 和彦君
  辻元 清美君     松木けんこう君
  福島 伸享君     井出 庸生君
  前原 誠司君     北神 圭朗君
  真山 祐一君     吉田 宣弘君
  赤嶺 政賢君     大平 喜信君
  高橋千鶴子君     梅村さえこ君
  井上 英孝君     吉田 豊史君
  伊東 信久君     木下 智彦君
同日
 辞任         補欠選任
  安藤  裕君     石破  茂君
  勝俣 孝明君     原田 義昭君
  古賀  篤君     鳩山 二郎君
  佐々木 紀君     田中 英之君
  斎藤 洋明君     助田 重義君
  島田 佳和君     田畑 裕明君
  鈴木 隼人君     武部  新君
  中山 展宏君     山下 貴司君
  井出 庸生君     福島 伸享君
  小熊 慎司君     小川 淳也君
  木内 孝胤君     後藤 祐一君
  北神 圭朗君     鷲尾英一郎君
  小山 展弘君     今井 雅人君
  重徳 和彦君     玉木雄一郎君
  階   猛君     井坂 信彦君
  鈴木 義弘君     逢坂 誠二君
  松木けんこう君    升田世喜男君
  吉田 宣弘君     真山 祐一君
  梅村さえこ君     本村 伸子君
  大平 喜信君     赤嶺 政賢君
  木下 智彦君     下地 幹郎君
  吉田 豊史君     井上 英孝君
同日
 辞任         補欠選任
  助田 重義君     中村 裕之君
  田中 英之君     黄川田仁志君
  田畑 裕明君     福山  守君
  武部  新君     瀬戸 隆一君
  鳩山 二郎君     藤丸  敏君
  逢坂 誠二君     緒方林太郎君
  升田世喜男君     辻元 清美君
  鷲尾英一郎君     松田 直久君
  本村 伸子君     高橋千鶴子君
  下地 幹郎君     伊東 信久君
同日
 辞任         補欠選任
  瀬戸 隆一君     國場幸之助君
  中村 裕之君     前川  恵君
  福山  守君     赤枝 恒雄君
  藤丸  敏君     佐田玄一郎君
  松田 直久君     前原 誠司君
同日
 辞任         補欠選任
  赤枝 恒雄君     堀井  学君
  前川  恵君     長坂 康正君
同日
 辞任         補欠選任
  堀井  学君     石崎  徹君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 委員派遣承認申請に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 平成二十九年度一般会計予算
 平成二十九年度特別会計予算
 平成二十九年度政府関係機関予算
     ――――◇―――――
○浜田委員長 これより会議を開きます。
 平成二十九年度一般会計予算、平成二十九年度特別会計予算、平成二十九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。
 この際、お諮りいたします。
 三案審査のため、本日、参考人として東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長廣瀬直己君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として内閣官房内閣人事局人事政策統括官三輪和夫君、人事院事務総局職員福祉局長千葉恭裕君、内閣府政策統括官井野靖久君、内閣府政策統括官加藤久喜君、警察庁生活安全局長山下史雄君、総務省自治行政局公務員部長高原剛君、総務省情報流通行政局長南俊行君、法務省刑事局長林眞琴君、法務省入国管理局長和田雅樹君、文部科学省高等教育局長常盤豊君、厚生労働省医薬・生活衛生局長武田俊彦君、厚生労働省労働基準局長山越敬一君、厚生労働省職業安定局長生田正之君、厚生労働省職業能力開発局長宮野甚一君、厚生労働省保険局長鈴木康裕君、農林水産省大臣官房総括審議官山口英彰君、農林水産省生産局長枝元真徹君、農林水産省経営局長大澤誠君、経済産業省貿易経済協力局貿易管理部長飯田陽一君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長村瀬佳史君、国土交通省鉄道局長奥田哲也君、環境省地球環境局長鎌形浩史君、防衛省統合幕僚監部総括官辰己昌良君、防衛装備庁装備政策部長中村吉利君、防衛装備庁技術戦略部長野間俊人君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○浜田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。星野剛士君。
○星野委員 おはようございます。自由民主党の星野剛士でございます。
 この予算委員会において質疑の場をちゃんとお与えいただきました。浜田委員長初め、また同僚、先輩議員に心から感謝をし、質問に入りたいと思います。
 これまで、テロ等準備罪をめぐる議論を聞いていますと、若干わかりづらい点がございます。幾つか確認のための質問をさせていただきたいというふうに思います。
 これまでの議論を踏まえますと、野党においても、現行法上テロ対策としての穴があるという点については、その穴をどのように埋めるかという考え方の違いがあるだけで、共通の認識になっていると思われます。
 そこで、テロ対策としての国際組織犯罪防止条約の締結及び本法案の必要性について、改めて法務大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○金田国務大臣 星野委員の御質問にお答えをいたします。
 テロ組織が行うテロ行為というのは、一たび実行された場合には取り返しのつかない結果が生じる可能性が高いわけであります。その計画が発覚した場合には直ちに検挙をして未然に防止する必要性が極めて高いものであります。
 しかし、現行法上は、予備罪あるいは共謀罪といった実行の着手前に処罰を可能とする規定が設けられておりますのは、ごく一部の犯罪にすぎないわけであります。また、予備罪が設けられている犯罪であっても、予備とは、裁判例によって、構成要件実現のための客観的な危険性という観点から見て、実質的に重要な意義を持ち、客観的に相当の危険性の認められる程度の準備が備えられたことを要するとされておるわけであります。
 テロ組織の行った行為がこのような段階に至っていない場合には、テロの計画が発覚した場合でも迅速に捜査機関が犯人を検挙することができないといったように、現行法上、的確に対処できないテロ事案があり得るものであって、穴があるものと考えているわけであります。
 そして、テロ等準備罪の整備を行うことによりまして、テロ組織を含む組織的犯罪集団による犯罪を未然に防止することが可能となる、このように考えております。
 それにとどまらず、テロ等準備罪を含む国内担保法を整備しまして、TOC条約、国際組織犯罪防止条約を締結することによりまして、国際的な逃亡犯罪人引き渡し、捜査共助あるいは情報収集において国際社会と緊密に連携することが可能になるということのほか、我が国がテロ組織による犯罪を含む国際的な組織犯罪の抜け穴になることを防ぐということもできるものと考えているわけであります。
○星野委員 法務大臣、大変わかりやすい答弁、まことにありがとうございました。
 これまでも、法務大臣には可能な範囲でしっかりと答弁をいただいていると考えておりますが、今後も、これまで同様に、またそれ以上にわかりやすい御答弁のほどよろしくお願い申し上げます。
 これまでの議論で、立法事実という言葉が出てまいりました。法律の必要性を根拠づける社会的、経済的な一般的事実を立法事実と理解しておりますが、そのような理解で間違いないでしょうか。また、現行法上穴があるという点とは別に、そもそも、国際組織犯罪防止条約を締結するためという目的が今回の立法の合理性を基礎づけるもの、つまり立法事実であると理解することは可能でしょうか。法務大臣にお伺いをしたいと思います。
○金田国務大臣 星野委員のただいまの御質問にお答えいたします。
 先ほど申し上げました、現行法上穴があるという点も、このたびの立法事実と解釈することができるわけであります。
 そして、加えて、ただいま御指摘がありました国際組織犯罪防止条約、いわゆるTOC条約を締結するということも、締約国に対して、重大な犯罪を行うことの合意または組織的な犯罪集団の活動への参加の少なくとも一方を犯罪とすることを義務づけておりまして、これを締結するというこの目的も立法事実、立法理由となるものであります。
○横畠政府特別補佐人 立法事実という一般論として御説明させていただきたいと思いますけれども、立法事実と申しますのは立法の必要性のことでございまして、その立法の必要性を裏づける社会的、経済的な事実、一般的な事実と申し上げた方が適当かもしれませんけれども、そのような事実でございます。
 条約との関連ということで申し上げますと、憲法第九十八条第二項は、「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。」と規定しております。したがいまして、我が国が締結する条約が定める義務を実施するために法整備の必要があるという事実、一般的には、条約の国内担保法の整備という言い方をいたしますけれども、その必要性というのは立法事実となり得ると言えると思います。
 もっとも、その前提としましては、法務大臣からもお答え申し上げたところでございますけれども、そもそも、そのような条約を締結する必要性、まさにその必要性を裏づける事実、今回の場合で申し上げますれば、組織的犯罪集団による重大犯罪に対処する必要性というものではもちろん共通しているということでございます。
○星野委員 ただいま法制局長官にお答えをいただきました。大変わかりやすかったです。今後も、法制的立場からの質問については引き続き長官にお答えをしていただきたいと考えます。よろしくお願い申し上げます。
 法務省が示しました現行法上的確に対処できないと考えられるテロ三事案のうち、ハイジャックの事案につきましてはこれまでさまざまな議論がなされてまいりましたが、実務上、航空券を購入しただけでは予備罪が成立しない場合が多いと考えられるということだったと理解をしております。そして、この事案においてテロ等準備罪が新設をされれば、他の要件を満たしていることは前提として、テロ組織の者が航空券を購入した段階で実務上も迷いなく逮捕ができるようになる。
 これは、逆に言えば、合意があるだけの段階では逮捕することはできないということだと理解をしておりますが、この理解で間違いないでしょうか。法務当局に確認をさせていただきたいと思います。
○林政府参考人 委員御指摘のとおり、現在検討中のテロ等準備罪、検討中でございますが、今後このようなことを、テロ等準備罪につきまして航空券の購入が実行準備行為に当たるというような形で立案するとすれば、その場合、テロ行為計画に加えて航空券を購入した段階で処罰が可能となります。
 そのため、そのような場合には、捜査機関はそういった事例でちゅうちょなく逮捕することができることになり、テロの未然防止に資することになると考えます。
 他方で、テロ計画、例えばすなわち、合意はあるけれどもまだ実行準備行為が行われていない、こういった段階では逮捕することはできないものとして今後立案することを検討しております。
○星野委員 本日は、法制局長官にも御答弁をいただきまして、まことにありがとうございました。
 テロ等準備罪をめぐる議論の大きな方向性については法務大臣、法制的な面については法制局長官、実務的な面については刑事局長に、それぞれ御答弁をいただきました。このような三者の多角的な観点からの答弁によりまして非常に深みのある議論ができ、国民の皆様にも理解しやすい、充実した議論ができたと思います。今後も、このような深みのある議論を積み重ねることによって充実した国会審議ができることと思われます。まことにありがとうございました。
 それでは、次の質問に移りたいと思います。
 安倍内閣では日本再興戦略を策定し、IoT、ビッグデータ、ロボット、AI等の活用など、第四次産業革命の実現を経済成長の柱に据えて取り組んでいくことが重要だと認識をしておりますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○世耕国務大臣 今委員御指摘のとおり、第四次産業革命で日本が世界の産業界を引っ張っていく、これは非常に重要だというふうに認識をしております。
 残念ながら、IT革命とか情報革命の世界では、日本は個々のいい要素技術は持っていたわけですが、グローバルスタンダードをとるとか、あるいはプラットホームを形成するとか、そういったところではうまくいかなかったわけであります。第四次産業革命はやはりその轍を踏んではいけない。
 日本は、IoTに関しても、人工知能に関しても、自動運転に関しても、ロボットに関しても、すばらしい要素技術が育っています。これでしっかりとグローバルスタンダードを押さえていく、プラットホームを押さえていく、あるいはそういったものを使ったビジネスをしっかり育てていく、こういうことが第四次産業革命を考える上で非常に重要だと思っています。
 ただ一方で、日本にはメリットがあります。これから高齢化が進んでいくわけでありますが、そういった課題を解決するために、第四次産業革命で出てくるいろいろな技術を実際に使っていくことができるというふうに思っています。
 例えば、医療とか介護の分野では、IoTやロボットを使った予防や健康管理あるいは自立支援、そういったことを行うことによって、医療費がこれから高騰していくという課題を解決することができます。
 あるいは、今トラック業界は本当に人手不足で困っているんですが、隊列走行の技術を使うことによって、少ない人手で物流を維持していくことができる。あるいは自動運転も、これは決して若い人のためだけではなくて、高齢者でなかなか車が運転できない、だけれども過疎地だから公共交通がないというときに自動運転でそこを埋めることができるなど、意外と課題をチャンスに変えるという形で、第四次産業革命というのが日本にとって非常に意味を持ってくるのではないかというふうに思っています。
 政府としても、いろいろな制度面での支援もやりますし、あるいは実証実験の舞台をつくるとかそういった具体的支援もやることで、第四次産業革命をしっかりと、日本が世界をリードしていけるようにしていきたいというふうに思っています。
○星野委員 大変力強い前向きな御答弁をいただきまして、本当にありがとうございます。
 第四次産業革命と一般に呼ばれておりますけれども、第四次産業革命は英語に訳すとインダストリー四・〇になります。これはドイツもやっている話でありまして、私たちの国では、日本では、ソサエティー五・〇、全ての技術は人のため、社会のためになる、ドイツよりも一つ上の、人のためになるこうしたIT技術を中心としたもの。ソサエティー五・〇という言葉がこのごろ政府からちょっと聞こえなくなってきていますので、ぜひまた復活をさせていただきたいな、これは希望でございます。
 法務大臣、どうぞ。ありがとうございました。
 それでは、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 現在、日本にとりまして、ローカルアベノミクスの推進を図っていくことは極めて重要でございます。そのためには、将来成長が期待される第四次産業革命などの分野におきまして、地域地域でそれぞれの特色や強みを発揮してしっかり取り組んでいくことが重要だと考えております。この観点では、地域経済のコアとして高い波及効果が期待される中堅企業にフォーカスをした地域未来投資政策がございます。
 この地域未来投資政策の意義そして内容を端的にお答えいただきたいと思います。
○世耕国務大臣 地域の経済の活性化というと、今までは、大企業の工場を誘致しようとかそういうことにどちらかというとフォーカスが当たっていたわけですが、よくよく地域を見てみると、実はいい技術が結構たくさんあるわけであります。
 例えば第四次産業革命、ソサエティー五・〇を目指す上での必要な技術もありますし、例えば非常に高度な航空機部品、私の地元の和歌山でも、例えばボーイング787の羽根、あれは全部炭素繊維でできているわけですが、その炭素繊維を接着する接着剤をつくっている、これをほぼ独占的につくっている会社なんかがある。
 こういう企業が地域には結構あるわけでありますから、そういう地域にある会社を中核として、その周辺、そこに納品をしている、そこと取引している企業もうまく引っ張っていって活性化をしていく、それがまさに私は地域未来投資の一番のポイントだというふうに思っております。
 それと、あと、観光もありますね。これは地域特有のもので、地域が一体となってインバウンド需要を取り入れるためにまちづくりなんかを進めていく、そういったこともやっていかなければいけないと思っています。
 具体的には、地域中核企業というのを決めまして、これはできれば全国で千社ぐらい選べればというふうに思っていますが、それが中心となって進めていく事業を地域経済牽引事業として国が認定して、そしてあらゆる政策を総動員して応援していくということを考えています。
 例えば、内閣府に御協力いただいて地方創生推進交付金を活用させていただくですとか、あるいは税制面で、新たな装置とか建物に対する投資に関して特別償却や税額控除の支援を新たに創設するとか、あるいはリスクマネーの供給とか、そういった支援をしっかりと行っていきたいというふうに思っています。
○星野委員 ありがとうございます。
 これまで、今大臣が御答弁いただきましたように、ややもすると、地方の経済、そこを回していく、ローカルアベノミクスを回していく核が少し決まってこなかった、なかなか散漫になっていた。
 よくよく調べてみると、今お話がありました中堅企業、資本金一億円から十億円までの中堅企業、全国に二万五千社あるんですね、ここをしっかりと支援していく。設備投資減税をしていく、金融の支援も、それぞれの地域の金融機関がしっかりとサポートに回ってもらいたいというふうに思っていますし、さまざまなアドバイスもしていく。ありとあらゆる支援策を動員して、そこの中核企業をしっかり地域地域で回すことによってローカルアベノミクスの進展が図られる、このように考えておりますので、ぜひ、最も力を入れていただきたい点でございますので、よろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。
 次の質問に移りますが、このように、第四次産業革命、ローカルアベノミクス、そして地域未来投資政策などを進めていく際に、安倍政権の成長戦略の一つである国家戦略特区を最大限活用することが極めて大事だというふうに思っております。
 実は、私の地元の藤沢市では、特区制度を通じた大胆な規制改革によりまして、全国に先駆けた二つの先進的な取り組みを行っているので、簡単に紹介をしたいというふうに思います。
 一つは自動走行でございまして、昨年の二月から二週間、全国で初めて、一般の買い物客約五十名を試乗させた自動運転タクシーの実証実験を藤沢市で行いました。乗っていただいた藤沢市民は大変勇気があるなと思うんですが、二十名募集したら五十二名集まった。最高齢の女性の方の乗り終わった後のコメントが、うちのお父さんの運転よりもよっぽど安心して乗れましたというしゃれたコメントを発していただきまして、ネット上で大変大受けでございました。
 もう一つが農家レストランでございます。これまで自分の農家で生産されたものしか加工、販売が認められておりませんでしたけれども、特区制度の国家戦略特区を利用して、全国初の都市型の農家レストランがこの秋にもオープンをいたしますし、それ以外にも、やりたいと言ってきてくださっている農家が三軒ぐらいあります。
 そこが全部うまく機能するようになると、そこを農業ツーリズム、農業体験をしながら半日、一日過ごしていただけるすばらしいスポットになるのではないのかなというふうに思っておりますので、オープンしたら御紹介いたしますので、ぜひ一度ごらんいただきたいなというふうに思います。
 このような先進的な取り組み、すなわち、全国でもオンリーワンの取り組みを特区を中心に全国各地で推進していくためには、大胆な規制改革の実施にあわせて、地方創生交付金などの支援策も組み合わせていくことが必要だと考えます。
 この点について、規制改革と地方創生の双方を全般的に担当されている山本大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○山本(幸)国務大臣 議員御指摘のとおり、藤沢市そして神奈川県では、国家戦略特区の仕組みを活用していただいて、幾つもの全国初の事業が行われております。これが第四次産業革命やローカルアベノミクスの推進に大いに寄与しているものと認識しておるところであります。
 特に藤沢市におきましては、今御紹介ありましたように、昨年二月から、一般の買い物客約五十名をモニターとして参加させた全国初の住民参加型の取り組みとして、自動走行の実証を行ったところであります。
 こうした実証実験を行う中で、既存の制度のもとではまだまだ多方面との事前協議や手続が必要であることが判明したところでありまして、それを踏まえて、事後チェックルールを徹底したいわゆるサンドボックス特区の仕組みについて、今国会に提出予定の改正特区法案にも盛り込んでいきたいと考えておるところであります。
 また、農家レストラン、地元野菜を中心とした創作料理をつくられるということでありまして、できたらすぐにも伺わせていただきたいと思っております。
 また、規制改革と資金支援策との連携につきましては、昨年十二月に閣議決定した、まち・ひと・しごと創生総合戦略にも記載したとおり、特区において規制改革を大胆に行う事業については、地方創生交付金等も含めて総合的、重点的に支援していく所存であります。
 既に、一例として、北九州市では、広いスペースでロボットを活用した介護が可能となる規制改革を伴う事業に対して、地方創生交付金で支援を行っているところであります。これにより、より効果的、効率的な介護作業が可能となるものと考えております。
 このような大胆な規制改革を行う自治体に対して資金支援をパッケージとして提供するような好事例を全国各地の特区に広げてまいりたいと思っております。
○星野委員 山本大臣、まことにありがとうございました。
 農家レストランの例でいいますと、実は、都市部で農家レストランをやるのはこの藤沢市の例が初めてだったわけでありまして、実際やりますと、特区で認められているといいながらも、それぞれ、市町村、藤沢市、また神奈川県、さまざま認可を出していく。いずれにしても建物は農家に建てるわけですから、そうなりますと建築確認が必要だ、だとしたら県の建築確認審査を通らなきゃいけない、でもその審査会は年に四回しかやらないので、四カ月待ってくれ、こういうことで、だんだんだんだん後ずれをしていきます。事業者の皆さんも大変だったというふうに思います。
 こうした、特区だからあとは市町村に任せておけば何とかやってくれる、やってはくれるんですけれども時間がかかる、ここを短縮することも極めて大事だと思っておりますので、ぜひ、法改正も含めて今後の進展を図っていただきたいと心からお願いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次の質問ですが、地域社会で輝く光の話を最後に少しさせていただきたいというふうに思います。
 福島県田村市で昨年春に開業した「みやこじスイーツゆい」があります。田村市は東日本大震災で甚大な被害を受けた自治体で、復興に向けた取り組みを進めております。都路特産の卵をふんだんに使ったケーキを販売している「ゆい」は、開業前から実際に、当時経産省の政務官を務めさせていただいておりましたので、足を運ばせていただき、可能な支援を続けさせていただいてきたお店であります。
 トレーラーハウス二台を使った店の中で、経営者の都路町商工会長の渡辺辰夫さんという方がいらっしゃいます。私が質問をしたわけです。従業員の多くが若い女性で、みんな生き生きとしていますね、こういう質問に対して、この渡辺さんは、若い女性がたくさんこの都路で働いてくれれば、つられて若い男の子たちも残ってくれるでしょう、結婚して家族になり、元気な子供たちもふえるでしょう、町の復興とはそうした息の長いものなのではないでしょうかというお話をいただきました。
 地域社会には、未来を見据えた光がたくさんあります。政府と与党には、あらゆる政策資源を使って、こうした地域の光とともに汗を流していく責任があるというふうに思います。
 今お二人の大臣からもお話をしていただきました、地域未来投資、そしてもう一つは国家戦略特区を中心とした特区制度。地域経済を牽引する取り組みが全国津々浦々で生まれていくようにするために、経産省でやっているこの政策、そして地方創生、私は、経産省とか内閣府が連携して、一緒になって、ある地域のある事業をしっかり応援していく、この連携協力の体制が一番重要だというふうに思っておりますが、御所見をお伺いさせていただきたいと思います。
○山本(幸)国務大臣 おっしゃるとおりでありまして、そういう意味で、経産省と今回、地域経済牽引事業、それに地方創生交付金をあわせてやっていくような仕組みもつくりました。
 また、今、私のもとで、商工会とJAとか、一緒に連携して地方創生に取り組もう、これは漁協も森林組合も入ってもらっているんですけれども、そういう意味で、まさに全省横断的に、一緒に地方創生に取り組むという姿勢が大変大事だと思って、委員御指摘のことを十分踏まえてしっかりとやっていきたいと思います。
○星野委員 それでは、時間は多少残っておりますが、最後に一言だけ付言をさせていただき、私の質問を終わりたいと思います。
 大臣、本当にありがとうございました。また、世耕大臣、ぜひ、地域には可能性がたくさん秘められております、そこにしっかりとスポットライトを当てて、後押しをすることによって花開く、そして、そこが中心となって回っていくことによって、例えば地域地域にはクラスターができてくる、またそこを目指してさまざまな発注も出てくるという好循環の輪をローカルアベノミクスにおいても回していくことが極めて大事だというふうに思っておりますので、両大臣におかれましては、また政府全体の大きな課題として取り組んでいただくことを心から期待いたしまして、私の質問を終了させていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○浜田委員長 これにて星野君の質疑は終了いたしました。
 次に、國重徹君。
○國重委員 おはようございます。公明党の國重徹でございます。
 きょうは、経済、健康、人権という観点から、大きく三点にわたってお伺いしたいと思います。
 まず一点目、経済の観点から、事業承継に関してお伺いをいたします。
 現在、中小企業の経営者の年齢のピークは六十六歳、一方で、直近の経営者の平均引退年齢は、中規模企業では六十七・七歳、小規模事業者では七十・五歳です。ということは、ここ二、三年、二〇二〇年までが事業承継の勝負どころ、ラストチャンスということになります。
 事業承継関係の予算については、平成二十八年度に十五・八億円だったものが二十九年度の予算案では二十一・七億円と、五・九億円増額がされております。また、税制改正案におきましても、これまで以上に事業承継がしやすいものとなっております。
 とりわけ、事業承継税制の雇用要件の緩和、これにつきましては資料一をごらんください。
 事業承継税制の雇用要件については、従業員数を五年間平均で相続、贈与時の八割以上維持する必要があって、これまでは一人未満の端数があるときは切り上げられておりました。これが特に人手不足の影響をもろに受ける小規模企業にとって高いハードルとなっておりましたけれども、このハードルを下げるために、改正案ではこの端数を切り捨てることとしております。
 これによりまして、詳細は省きますけれども、資料一にあるとおり、従業員五人未満の小規模企業におきまして、従業員が一人減った場合でも、これまでとは違って雇用要件を満たすことが可能になります。
 麻生財務大臣にお伺いをいたします。
 政府として、喫緊の重要な課題である事業承継につきまして、予算面だけではなく税制面においても中小・小規模企業に光を当てていくものと期待をしておりますが、今後の取り組み、意気込みはいかがでしょうか。
○麻生国務大臣 この種の商売をやっておられたのかどうか存じませんけれども、これを質問していただいたのは、あなたが初めて。物すごく大きな話なので、中小企業で商売をやった経験があるなら、これの意味がわかるんですけれども。
 今言われましたように、中小企業なり零細企業というものが地域の産業に与える影響は極めて大きい、私どもはそう思っています。そういった意味で、この中小企業の経営者の高齢化というのは極めて顕著。もちろん、中小企業のおやじさんというのは総じて元気なおやじさんが多いこともあるんですが、まあ、元気だからやれるのか、おやじだから元気にならざるを得ぬのか、いろいろ理由はあるんだとは思いますが、いずれにしても高齢化が進行していることは間違いないんですが、限度がありますので。
 そういった意味では、この事業承継税制については平成二十七年の一月から抜本的に見直して、今言われたような、この紙のとおりということになって、雇用要件の緩和、端数を切り捨てることになった、簡単に言えばそういうことです。七・三とかいったのを八に勘定しましょうとかいうことで。これは五年間で平均しますので、そういうことになっておりますのは事実なので、これはいろいろな方々から随分お礼を言われた例の一つであります。
 また、二十九年度の税制改正になって、事業者の声も踏まえて、より使いやすくするという観点でいろいろなことをやらせていただきましたが、少なくとも、こういうことをやりますと、認定件数というのを見ましてもやはり改正前の約三倍にふえておりますので、そういった意味では極めて効果があったんだと思っております。
 制度をより使いやすくするためにいわゆる今のようなやり方をやらせていただいたんですが、災害が起きますと、例えば東北なんかがいい例ですけれども、ごそっとなくなっちゃっていますものですから、従業員だってそんなに集められないという状態がありますので、そういったようなことに関しては、いわゆる雇用の確保要件を緩和しますということにさせていただいて、また、生前贈与を促進するために、例えば相続時の精算課税制度との併用を生前贈与で認めますと。意味はわかると思うけれども。それで、生前贈与すると、生前贈与した分だけを相続税から引いて、完全に十年後に相続したときにはその生前贈与分は除いて残りの部分にという形になりますので、生前贈与の促進になると思ったりしております。
 こういった贈与税と相続税を通した納税というのを可能にするようにしている等々、ほかにもいろいろありますけれども、いろいろやらせていただいております。
 質問していただきまして、ありがとうございました。
    〔委員長退席、武藤(容)委員長代理着席〕
○國重委員 今、麻生大臣がおっしゃったとおり、地域の産業、雇用、生活基盤、コミュニティー、こういったものを支えているのが中小・小規模企業ですので、今さまざまな取り組みをされておりますけれども、今後も引き続きよろしくお願いいたします。
 さて、地元を回っておりますと、事業承継についての悩みをおっしゃられる経営者の方がいる一方で、六十五歳を過ぎた経営者であっても、まだ元気だからとか、日々の業務に追われて事業承継に対する意識、関心が低い経営者の方が意外に多くいらっしゃるのも事実でございます。帝国データバンクの調査によりますと、七十代、八十代の経営者でも、事業承継の準備が終わっていると回答した企業は半数以下です。
 しかし、事業承継には時間がかかります。後継者教育も考えると五年は確保すべきだと言う専門家の方もいらっしゃいます。だからこそ、事業承継に向き合えていない経営者、とりわけ高齢の経営者の方たちの意識を早目に高めていくことが必要になってまいります。
 世耕経済産業大臣にお伺いいたします。
 事業承継を円滑に進めるために、世代交代のタイミングでの支援に加えて、その前段階での事業承継に関する意識を高めるきっかけづくり、支援というものがこれから大事になってくると思いますけれども、これについての今後の取り組みをお伺いいたします。
○世耕国務大臣 事業承継というのは今特に地方を中心に深刻な問題になってきているわけですけれども、一方で、やはり中小企業の経営者というのも日々の仕事で本当に忙しいですからなかなかそこまで事業承継の準備にかかれない、あるいは漠然とした不安があってもどこにどう相談していいかわからない、そういうことでなかなか事業承継の準備が進んでいない。経済産業省もアンケート調査をやりましたが、やはり六十歳以上の経営者で半数以上は事業承継の準備ができていないというデータも出ています。
 そういったことを受けまして、平成二十九年度予算で、潜在的な事業承継ニーズを掘り起こして支援機関にしっかりとつないでいけるよう、事業承継ネットワークを構築する事業を予算の中に盛り込ませていただきました。
 具体的には、都道府県単位という形になりますけれども、商工会、商工会議所あるいは地域の金融機関、こういったところのさまざまな支援機関から構成される事業承継ネットワークというのを構築して、そういった支援機関の方々から経営者の方に対して、事業承継に向けた準備状況を診断シート、自己チェックシートみたいな形で診断してもらって、まず経営者の方々に意識を持ってもらう。あるいは、事業承継に向けた課題をそれぞれの会社に合わせたオーダーメードのような形で抽出して、その課題に応じて、事業引継ぎ支援センターですとか、よろず支援拠点といった適切な支援機関につないでいく。
 こういった地域に密着した事業承継ネットワークを構築することで経営者の方々に意識喚起を図って、適切に早目に支援が施されるようにやっていきたいというふうに考えております。
○國重委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。
 その上で、今大臣がおっしゃられた事業承継ネットワーク、これは、事前に聞いたところによりますと、まず来年度は二十程度の都道府県でやっていくということですけれども、本当に時間との勝負でもありますので、スピードアップして、全国的な取り組みをぜひよろしくお願いいたします。
 次に、廃業を選択する企業に対する支援、これもまた重要でございます。問題に向き合わないで、日々のルーチンワークに追われて赤字を垂れ流し続ければ、時既に遅しということになります。そうなれば、従業員の皆さんにも関連企業にも大きなダメージを与えることになります。スムーズかつ経営者の不安を払拭するような廃業へ向けた支援が重要と考えます。
 そこで、世耕経済産業大臣に、廃業の円滑化に向けた今後の取り組みについてお伺いいたします。
○世耕国務大臣 場合によっては、速やかに廃業を選択するというのも経営者の重要な判断だというふうに思っています。
 ただ、我々としては、事業は非常にうまくいっている、地域からも必要だと思われている、だけれども後継者、事業承継の人がいないから廃業するというのはできる限り避けたいというふうに思っていまして、先ほど申し上げたような支援の枠組みですとか、今も既に一万五千社を超える相談に応じて六百七十二件の事業承継を実現するなど、何とか事業承継へつなぐということをやっています。
 ただ一方で、経営状況とかを見れば、早目に廃業した方がいい、あるいは廃業せざるを得ないという場合もあるというふうに思っておりまして、廃業せざるを得ない場合でも、廃業後の生活の不安の緩和ですとか、あるいは経営者の方に過度な負担がかからないよう円滑に廃業できる環境を整備するということも重要だというふうに思っています。
 特に、問題は、経営者が個人保証をしている場合に、廃業したら個人保証の分を全部取り上げられてしまうんじゃないかというような不安もあるわけですけれども、こういったところで、例えば早期の廃業を決断した場合には一定の資産を残すようなことも検討した経営者保証に関するガイドラインの活用を促進するために、周知や相談窓口の設置あるいは専門家の無料相談などもやっていきたいというふうに思っていますし、よろず支援拠点や商工会、商工会議所においても、例えば退職金の支払い、廃業する場合はこれもなかなか大きな課題になってくるわけですが、退職金の支払いですとか会社の固定資産の売却に関する助言ですとか、あるいは法的整理をする場合は弁護士への取り次ぎ、こういった相談対応も行わせていただいています。
 当然、廃業するときにはそれなりに廃業のための資金というのも必要になりますけれども、こういった経営者に関しては小規模企業共済からの廃業準備資金の貸し付けなども行うという施策をやっていきたいというふうに思います。
 日本ではどうしても廃業というのは何か後ろめたいことということになるわけですが、経営者が本当にのっぴきならないところへ行く前に速やかに廃業につなぐということも重要だと思っていますし、一方で後継者がいないという廃業だけは何とか回避できるよう事業承継もしっかりとやっていきたいというふうに思っています。
○國重委員 ありがとうございました。事業承継また廃業の円滑化、いずれも重要な課題ですので、ぜひよろしくお願いいたします。
 続きまして、健康の観点から、偽造医薬品の対策強化についてお伺いいたします。
 資料二をごらんください。
 先日、C型肝炎治療薬ハーボニー、薬価は二十八錠入りで一本約百五十三万円という高額医薬品でありますが、この偽造品が国内で流通し、薬を処方された患者の方が、あろうことか、薬局で偽造品をつかまされるという事案が発覚いたしました。国民の医薬品に対する信頼性を大きく揺るがすものであって、健康被害の観点から強い危機感を覚えるものでございます。
 医薬品医療機器法では、無許可での医薬品の販売が禁じられております。しかし、今回の事案では、卸売業者が飛び込みの複数の男女から医薬品を持ち込まれた際に、それらの者が販売の許可を得た者かどうかの確認はおろか、法、規則で要求されている相手方の氏名さえ確認しなかったということのようでございます。
 医薬品、とりわけ本来は劇薬である処方薬を扱う卸売業者、なかんずくそれを管理すべき薬剤師として余りにお粗末、健康被害のリスクに対する意識が低過ぎると言わざるを得ません。
 現行法上、無許可業者からの買い取りを禁じる規定がないこと、また相手方が販売許可を得た者かどうかを確認する規定がないことも本件が生じた原因と思われます。本件を機にどのような手を打っていくか、これが今後の大きな分水嶺になります。
 塩崎厚生労働大臣にお伺いいたします。
 本件を機に、偽造医薬品が薬局等に流通しないよう、医薬品取引の際の販売許可の確認の厳格化等、法改正を含めた取り組みをしっかりと検討して進めていくべきと思いますが、これに関する大臣の見解、意気込み、今後の取り組みをお伺いいたします。
○塩崎国務大臣 今回のハーボニーの事案というのは、医療用の医薬品の偽造品というのが国内で流通し、薬局から患者の手にまで渡ってしまった。患者がたまたまこれを服用することは今回なかったわけでありますけれども、それでも医薬品に対する国民の信頼を根底から覆すような、そういう重大な事案だというふうに私は思っております。
 厚労省では、奈良県など関係する都道府県等と連携をしながら、可及的速やかに、まず第一に、偽造品流通ルートの調査、偽造品の迅速な確保と公表、健康被害発生の有無の確認、こういうことは手早くやったわけでございます。
 その結果、偽造品のさらなる流通を阻止するとともに、偽造品が見つかった薬局のチェーンからハーボニー配合錠の調剤を受けた患者の皆さん方にも全部行きまして、偽造品を服用した者はいなくて健康被害もなかったということは確認をしたわけであります。
 しかし、今先生御指摘のように、この事案は引き続き、関係する都道府県等と連携をして、医薬品医療機器法上どのような違反が認められるのか、ここは徹底的に検討して、法違反に対してはまず厳正に臨む、対処する。実は、添付文書なしの流通というのは明らかな薬機法違反でもありまして、そういう意味では監督のあり方も見直していかなきゃいかぬのかな、罰則はこれで十分だったのか、こんなことも考えなければいけないと思っております。
 現在、卸売段階におきまして取引相手の氏名等の記録を求めてはいるわけでありますけれども、医薬品の流通に対する信頼をより確実なものにするために、今御指摘があったような、身元確認を実施する、これがなされていない、法定もされていないということで、そういうことを含めて、今後どういう対応が必要なのかということに具体的な捜査の結果を踏まえてしっかりと取り組まなければならない、そういう重大な事案だというふうに思っております。
○國重委員 今回のような事案というのは、我が国においても初めてのことでもありますし、また人命にかかわることでもありますので、緊張感を持って、早期にこの取り組みをしっかりとやっていただきたいというふうに思います。
 次に、インターネットを通じた医薬品の販売についてお伺いいたします。
 まず、薬剤師等が対応する一般用医薬品のネット販売をお伺いしようと思いましたけれども、時間の関係で、ちょっとこれについては一問飛ばします。
 それとは別物の、偽造医薬品がばっこする、ネットを通じた医薬品の個人輸入に関してお伺いをいたします。
 厚生労働省が不正な医薬品販売サイトの監視を委託しているアメリカのレジットスクリプト社、ここが二〇一六年一月に発表したレポートによりますと、不正医薬品販売者にとって日本はアメリカに続き世界第二位の標的になっている、このようでございます。
 資料四をごらんください。
 国内で勃起障害、いわゆるED治療薬を製造販売する製薬四社が昨年十一月に発表した調査結果によりますと、ネット販売されるED治療薬のうち約四割が偽造品であったということでございます。世界には、偽造医薬品で命を落とした方も多数いらっしゃいます。手をこまねいていれば、我が国においても今後そういったことが起きる危険性は否定できません。
 塩崎厚生労働大臣にお伺いいたします。
 偽造医薬品対策をより一層強化していくべきと考えますが、今後の取り組みについてお伺いいたします。
○塩崎国務大臣 御指摘の、インターネットの普及に伴って海外のサイトから医薬品の個人輸入というのが容易になっておりまして、海外販売サイトの監視とか、輸入医薬品を使用するリスクを国民に啓発する必要がますます高まっているというふうに思っています。
 こういうことで、厚労省では、偽造医薬品をインターネットで販売する事業者への対策といたしまして、平成二十六年四月から、プロバイダー等に依頼をいたしまして、不正な医薬品販売サイトの削除などを行うインターネットパトロール事業というのを展開しております。これによって平成二十六年度、二十七年度の二年間で約二千サイトを削除したわけでありますが、これはそうはいいながらモグラたたき状態と言えないこともないわけであって、罰則の強化などを含めて考えなければいけないのではないかというふうに考えております。あわせて、インターネットで医薬品を購入する消費者への対策として、ネット販売品を購入することの健康上のリスクをホームページで注意喚起するとともに、偽造医薬品の情報をプレスリリースして周知するなどの取り組みも当然行っているわけであります。
 厚労省として、引き続きこのネット販売の取り締まりそして国民への注意喚起をしっかりとやると同時に、今お話しのように、相対的に世界の中でどこが緩いのかというところを見られているわけでありますから、日本が相対的に緩いがためにほかの国から日本にこういうものがやってくるということを防がなければ、国民の命を守るということ、健康を守るということができなくなるということでありますので、御指摘の点をしっかり踏まえて対応を厳正にやっていきたいというふうに思います。
○國重委員 ぜひ、これまで以上の対策の強化をよろしくお願いいたします。
 偽造医薬品というのは、命とか健康被害のリスクのほかに、麻薬とか武器取引に比べて隠匿、密輸が簡単だということで、犯罪組織の資金源になっているとも言われております。偽造医薬品はネットを通じて海外から入ってくるため、国際的な連携も極めて重要で不可欠でございます。警察庁として偽造医薬品の取り締まりの強化に向けて今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
○山下政府参考人 先生御指摘の偽造医薬品につきましては、国民の健康被害の発生を招くおそれのある重大な問題であると認識をしております。
 警察では、厚生労働省や都道府県の薬事担当部局等の関係機関と連携をし、偽造医薬品の販売等について厳正な取り締まりを行っているほか、偽造医薬品等を広告している国内外の違法なサイトにつきましては、プロバイダー等に要請して、その削除に努めているところでございます。
 また、国際的な連携にも努めており、毎年、ICPO等国際機関の調整のもとで、インターネット上の偽造医薬品等の取り締まりを同一期間に集中して行うオペレーションパンゲアに参加しているところでございます。
 警察といたしましては、今後とも、国内外の関係機関との連携を強化し、この種事犯の取り締まりにしっかりと取り組んでまいる所存でございます。
○國重委員 これについてもぜひよろしくお願いいたします。
 これまで、経済また健康という観点から質問をしてまいりました。最後に、人権の問題、性的マイノリティー、性的指向、性自認に関する理解促進等についてお伺いをいたします。
 今般、人事院は、省庁でのセクハラ防止に関する規則の運用通知を改めました。具体的には、同性愛者は気持ち悪い、こういった性的マイノリティー、性的指向、性自認に関する偏見に基づいた言動やからかいといったものもセクハラに当たると明記をして、これまでも解釈によって認められておりましたが、これをより明確化しました。当事者団体からもこれを高く評価する声が上がっております。
 これも質問しようと思いましたが、一問飛ばしまして、まず、今般の改正を受けて、公務におけるセクハラ防止規則を所管する人事院として、相談体制の強化等をしっかりやっていくということを聞いておりますので、これについてはぜひしっかりやっていただきたいというふうに思います。
 その上で、これまでは性的マイノリティーに関する研修というのは各省庁任せで、温度差があったというふうに聞いております。しかし、今般の改正を受けまして、各省庁におきましても性的マイノリティーに関する研修の実施がいわば必修科目になりました。この研修をいかに充実したものにしていくか、これが極めて重要でございます。
 私の地元の事務所は、大阪の玄関口である新大阪駅がある大阪市の淀川区というところにありますけれども、事務所のすぐ近くにある淀川区役所では、平成二十五年九月一日に全国の行政機関で初となるLGBT支援宣言を打ち出しました。そして、まずは職員の理解向上のために、性的マイノリティーの当事者で講師経験豊富な方を講師に招いて、過去の体験談を中心に、行政機関の役割、意義等についても勉強をしたようでございます。
 支援宣言を打ち出した平成二十五年には、全職員約二百八十名が計六回にわたる研修を受けました。いろいろな施策に共通する横軸の問題であることがわかった、こういった感想が寄せられて、三年目には、その研修を受けた職員が講師を務めるまでになりました。また、この研修以外にも本当にさまざまな取り組みをしておりまして、民間企業の方からも視察等が相次いでおります。
 そこで、山本国家公務員制度担当大臣にお伺いをいたします。
 今後、淀川区など先駆的な取り組みをしている自治体を参考にしながら、政府全体として性的マイノリティー、性的指向、性自認に関する理解を促進するための研修をより一層充実させていくべきと考えますが、これについての今後の取り組みをお伺いいたします。
    〔武藤(容)委員長代理退席、委員長着席〕
○山本(幸)国務大臣 国家公務員の性的指向、性自認に関する理解の促進は、多様な人材を生かすダイバーシティーの推進やハラスメントの防止の観点から必要な取り組みであります。
 このため、内閣人事局においては、昨年七月に各府省の人事担当者を対象として性的指向、性自認に関する勉強会を開催し、性的指向、性自認に関する基本的な知識、ふだんの言動等で気をつけるべきこと、当事者等から相談を受けた場合に人事担当者として認識が必要な事項等について共有し、理解の促進を図ったところでございます。
 今般、人事院規則の運用通知の改正によりまして、性的指向や性自認をからかいの対象とする言動等もセクハラに当たり許されないことが明確化されたことを踏まえ、今後、各府省の人事担当者向けの勉強会の開催、内閣人事局が実施する研修等において性的指向、性自認に関する内容を追加する等により、国家公務員の性的指向、性自認についての理解の促進やハラスメントの防止を一層積極的に図ってまいりたいと思います。
○國重委員 ぜひ、この研修につきましても、形式的なものではなくて、実質的な、本当に意味のある、そういったものにしていただきたいというふうに思います。
 性同一性障害を含めて、性的マイノリティー、本当にこの社会の中で生きづらさを感じている、苦しんでいる、こういった方たちは多くいらっしゃいます。そういった方たちがありのままに生きられる社会、多様性が尊重される社会、こういったものを築くために、私も引き続きこのテーマにつきましてもしっかりと取り組んでまいる決意でございます。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○浜田委員長 これにて國重君の質疑は終了いたしました。
 次に、松木けんこう君。
○松木委員 まず、質問の前に、ちょっと委員長にお願いがあるんです。
 パネルの作成だとかそういうことで小競り合いが随分あるような話をちょっと聞いていまして、平成二十四年二月十六日に、これは旧民主党がいろいろなことを提案したみたいなんですけれども、結局そのときは合意はされなかったということなんですけれども、そのことも含めて、いろいろと小競り合いがあるやに聞いていますので、この際ですから。
 これをちょっと見ますと、出所、出典を明らかにする、これは当たり前なんですけれども、括弧して、週刊誌、タブロイド紙は不可とか。でも、別に週刊誌がうそばかり書いているわけじゃないし、昔でいえば疑惑の銃弾なんということから社会現象が起きた、そんなこともありましたよね。いろいろなことがあると思います。写真は、撮影者、日時、場所を明記とか、大分細かいことが書いてあるので、この際、委員長、こういうことは一度すっきりなくして、もっと自由な環境でやるようなことに、委員長が提案をしていただければ僕はいいんじゃないかなというふうに思いますので、よろしくお願いしたいんですけれども。
○浜田委員長 理事会でもいろいろ議論があるところでございますので、引き続き議論をして、どの場面で結論を出すかどうか、これはまた判断させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○松木委員 はい、わかりました。
 委員長の差配を見ていると、非常に公明正大にやっていらっしゃるなと思いますので、ぜひそうしてください。
 それでは、質問に移らせていただきます。
 安倍政権、地方創生を政策の大きな柱に挙げてさまざまな政策を進めておられるわけでございますけれども、大いに結構だというふうに思っています。地方創生ということで、さまざまな新しい取り組みに移っていくというのも重要なんですけれども、先ほど、ジェット機の翼がどうのこうのなんという話もありましたけれども、随分地方でもいろいろなことが始まっているという感じは受けました。
 しかし、それと同時に、生活の基本的なインフラ、鉄道を初めとする交通インフラをしっかり維持していくというのは、やはり地方を元気にする前提条件として必要だというふうに私は思っているんですね。
 言うまでもなく、我が国というのは、もちろんこの首都圏というのは非常に重要なところではあるけれども、しかし、そこだけで成り立っているわけじゃありませんからね。各地方に根差して生活している方々がたくさんおられるわけですので、そういう方々のことも考えなきゃいけないというのが政治でしょう。
 国民一人一人、それぞれ幸せの実現を目指して精いっぱい生きているというふうに思いますし、その土台をつくるのがやはり政治家だろうというふうに思っていますし、政治の役割だというふうに思います。幸せというのは、一人一人、それぞれ形が全部違いますからね。これが幸せだなんと言ったってしようがない話ですから、それは国民の皆さんが考えることだと思います。
 その中で、東京だけじゃなくて、地方で生きている人もそれぞれ目指す幸せの形というのはあるわけですので、これに向けてしっかりと歩んでいける幸せの土台、これは、鉄道を初めとした交通インフラが非常に重要だというふうに思います。
 安倍総理が、所信表明の中でいいお話をされていましたよ。土佐藩の方の野中兼山さんですかね、江戸から持ち帰ったハマグリを、そのまま食べずに、食べることを楽しみにしていた人々の目の前で海に投げ入れて、産業としてのハマグリ養殖を根づかせたという逸話を紹介されていましたけれども、総理のお言葉をおかりすれば、こういった未来を開くための取り組みをこれから日本各地で起こしていく必要がある。
 東京だけでなく、都会でも地方でも未来を開くための産業興しに向けて取り組みをするのが重要だということなんですけれども、成長するためには、やはり種というのが必要なんですよね。その種というのは、大きなものとしてやはり交通インフラ、鉄道だというふうに私は思っていますので、そんなことできょうはお話を聞きたいというふうに思っております。
 国土交通大臣にまずお聞きをします。
 JRの中でJR北海道の話を私はするわけですけれども、道外の方はあくまで北海道の話というふうにどうしても思われると思います。しかし、北海道というのは実は非常に広い地域でございまして、なかなか日本地図を普通に見てもよくわからない。
 そこで、ちょっと工夫しておもしろいものをつくってきましたので、よかったら見ていただきたいんですけれども、こういうことなんですね。
 これは本州に置きかえたときの地図なんですね。一目見て、大臣、かなり広いなということがわかるというふうに思います。これは私がつくったんですけれども、今後、国交省で自由に使って結構ですからね。東は根室が茨城県、そして西は函館、これは大阪府あたりまで行くんですね。そして、北の方というのはもう能登半島よりももっと上になっちゃうということでございます。
 これを見て、いかに北海道が広大な面積を占めているかがわかるわけですね。大体国土の五分の一というふうに言われています。ここに人口は五百四十万、日本の人口の四・五%ぐらい。ということは、人数はそこそこいるんですけれども、しかし、人口密度ということを考えると、非常に厳しいものがあるわけですね。
 こういうものを目の当たりにして、大臣、どうですか。JR北海道、地域のことを振る前に、どういうふうに感じたか、ちょっとお話しください。
○石井国務大臣 昨年、台風十号の被災状況を視察するために北海道十勝を訪れたときに、十勝地域は十勝支庁というふうにいうんでしょうか、十勝支庁の面積が岐阜県と同じぐらいだというふうにお聞きしまして、それだけで、本当に北海道は広大だなというのを私も実感してきたところでございます。
 こういう広大な面積を持つ北海道におきまして、住民の生活に必要な交通手段を確保することや地域間の交流の促進に資する交通網を形成していくことは、重要な課題であると認識しております。
 このため、鉄道、自動車、航空などの交通手段が、それぞれの適性に応じて適切な役割分担をしながら地域における持続可能な交通体系を構築していく必要がありまして、北海道におきましてもこうした持続可能な交通体系が構築されるよう、国としてもしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○松木委員 ありがとうございます。そうですね。そのとおりだというふうに思います。
 昔、私は北海道十二区というところで選挙をやっていたんですけれども、ここなんかすごいですよ。女満別空港、紋別空港、稚内空港そして利尻空港、礼文はちょっと使っていなかったですけれども、五つぐらいあって一つの選挙区という感じだったですけれども、いずれにしても、広いという印象をしっかり持っていただいたと思います。
 国鉄の分割・民営化のときに、特にJR北海道は、会社発足当初から、やはり残念ながら、四国なんかも大変なんですけれども、赤字が見込まれていたというふうに思います。
 このため、六千八百二十二億円の経営安定基金を設置し、その運用益により経営基盤の確立を図ることになったわけですね。そして、このときに、大体一万三、四千人だったと思いますけれども、職員がいたんです、JR北海道にも。これが七千人ぐらいに今減っています。ですから、労使、労働組合の人たちも頑張っているし、会社側も一生懸命頑張っているし、一生懸命やってはいるんですよ。しかし、なかなか厳しいというのが現状なんですね。
 しかし、三十年たった現在、鉄道利用者の減少や経営安定基金の運用益の長期低迷に加えて、安全投資や修繕費のためのコストが膨らんでいます。さらに、青函トンネルの維持管理費の負担などといった北海道固有のコスト負担も大きいことから、経営状態は非常に、かなり本当に厳しくなっているというふうに思っております。
 新幹線も、北斗市までは来たんですけれども、札幌までまだ来ていませんのでね。札幌まで来ると、これはまた不動産関係のことでJRもいろいろなことができると思うんですよ。でも、今はそこまで来ていないんですよ。来ていない前に何かちょっとどぼんしそうな雰囲気もあるわけですよね。そして、経営を持続可能な状態に確保するのに非常に今難しくなってきているというふうに私は思います。
 JR北海道の経営の現状に対する大臣の御認識はいかがでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘がありましたJR北海道の経営安定基金は、国鉄改革の当時における十年国債の過去十年間の平均金利が七・三%であったということを参考にして設定をされたわけでございますが、その後、国債の金利は低下傾向をたどっておりまして、近年は一%台から一%未満のレベルで推移いたしております。
 この経営安定基金の運用益が金利によって変動することは国鉄改革の当初から想定されていた仕組みでありまして、長期的な情勢の変化に伴って運用益が減少しているということについては、基本的にはJR北海道の経営努力によって対処することが求められるものと考えております。
 しかしながら、こういった考えに立ちつつも、JR北海道の厳しい経営状況を踏まえまして、国といたしましても、経営安定基金の実質的な積み増しでありますとか、設備投資に対する助成、無利子貸し付け、また青函トンネルの設備の改修、更新に対する補助など、累次にわたって支援を行ってきたところでございます。
 現在、JR北海道は、地域における人口減少やマイカー等の他の交通手段の発達に伴いまして、路線によっては輸送人数が大きく減少し、鉄道の特性を発揮しづらい路線が増加している厳しい状況に置かれておりまして、今後、地域における持続可能な交通体系のあり方について、関係者がともに考えていく必要があるというふうに考えられます。
 このため、国といたしましても、北海道庁とも連携しながら、これらの協議に参画をいたしまして、その中で地域における持続可能な交通体系の構築に向けた対応につきまして検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○松木委員 わかりました。
 いろいろなことをやってはもらっているんですけれども、でも、非常に厳しいのが今のJR北海道の現状だというふうに思いますし、多分、JR四国なんかもかなり厳しいことになっているし、JR貨物、こっちの方もやはり厳しいようでございます。
 JR北海道の経営状況は、安定基金をめぐる状況を考えると、先ほど言ったとおり、七%ぐらいを多分考えたと思うんですね。ところが、一%ぐらいになっている、今の国債。それでも、この経営安定基金で運用益は二百億近く出しているはずなんです。頑張ってはいるんですよ。頑張ってはいるんだけれども厳しい、そういうことなんです。
 この制度ができた当時、政府は、運用益七・五%を前提として国会答弁を繰り返しているわけですね。当時の宮沢喜一大蔵大臣は、昭和六十一年十一月の参議院の特別委員会で次のように答弁をしています。
 「七・五という計算は今のお話で過去十年間の国債の利回りの平均である。こういうことで、今は超低金利でございますから」と、このときも超低金利。今から見ると低金利じゃないんですけれどもね。「いかにも七・五というのは大変な金利だという感じをお持ちになりましょうけれども、私もちょっと見てみますと、ちょうど今から二年ぐらい前の国債十年物の金利が七・六ぐらいになっておりますか、間違いなければそんなことになっておりますが、そうだとしますとまあまあ、もちろん甘いとは思いませんがそうきつくもないのではないかなと十年ということでございますので思いますが、いかがでございましょうか。」こういう答弁をなされているんですね。
 また上がることもあるだろうというお気持ちをかなりにじませているんじゃないかという気持ちもするんですけれども、今から三十年も前の話ですので、当然ながら、当時の人の見通しをどうのこうの言うつもりは僕は全然ないんです、そんなことは愚かなことですので。でも、現在のマイナス金利の時代を知っている我々にとっては、随分経営環境は変わっているなというのが正直な感想かというふうに思います。
 先ほど、局長さんからJRの安定基金のお話をお聞きいたしました。具体的に、宮沢喜一元総理が大蔵大臣を務めておられるときの答弁で、繰り返しになるんですけれども、今のマイナス金利時代というのは、多分、宮沢先生というのはすごく頭のいい方だったんですけれども、そうですよね、麻生先生。そうでもなかったですかね。まあまあ、そんなことはないと思う。非常に聡明な方だったと思うんですけれども、その方でもやはり予想できなかったということだと思うんです。
 麻生副総理、この宮沢大蔵大臣の答弁を振り返って、どのような感じに御感想を持たれるか、もしよかったらちょっと。御薫陶を受けられていると思いますので、よろしくお願いします。
○麻生国務大臣 薫陶を受けたことは全くないんですけれども、この話は、国鉄という商売のわかっていない方で、やはり学校秀才が考えるとこういうことになるんだという典型ですよ。
 ちなみに、松木先生、僕は北海道のことを詳しいわけではありませんが、JR九州の全売上高がJR東日本品川駅の一日の売上高と同じ。はい、知っていた人は。ほとんど知りませんよね。JR四国は幾らですかといったら、田町駅と同じなんですよ、売上高が。一日の売り上げだよ。それは勝負になりませんがな、そんなもの。だから、あとのところは大体、推して知るべし、もっと低いと思ってください。
 そこで、商売が成り立って、七分割をして、七分割というのは、貨物も入れて七分割して、これが黒字になるか。なるのは三つで、ほかのところはならないと当時からみんな言っていたんです。鉄道関係者なら例外なく思っていましたよ。分割も反対、みんな突っ込みでやるべきと。分割、分割と言った人は自民党の中にもいたし、野党にもいっぱいいたんですよ、あのころ。経営がわかっていない人がやるとこういうことになるんだなと思って、僕は当時力がなかったので、今だったらとめられたかもしれぬなと。つくづくそう思って当時聞いていた記憶が私はあるんです。
 まあ、七%といえば今では考えられないような話ですけれども、私どもとしては、こういったようなことに関しては、これははなからそういうことになるだろうと思っていましたので、安倍総理に限りませんけれども、とにかくいいようにせないかぬということははっきりしています。
 そういった意味では、今までもいろいろな形で、金利は最初が七・三、それから平成十二年で一%になって、二十四年でゼロ%ですか、大体そんなぐあいに突っ込んできたんだと思うんです。運用益が減少しているのは当然のことなんです。
 そこで、今鉄道局長の方から話があったように、JR北海道に対する支援としては、平成二十八年度から、JR北海道への安全投資として、修繕、補修、メンテナンスに対して総額一千二百億円、三年間でという支援を実施させていただきましたし、これまでも必要な支援を行わさせていただいた。施設の更新などの設備投資への支援ということで、約六百億円というものを平成二十三年から二十八年までしておりますし、また、追加支援ということで約一千二百億円というのを、平成二十八年度から三十年度、させていただいております。
 こういったものをやっても基本的に赤字の体質が変わっていませんから、そういった意味では、どういったようなことをやるのが早いのかというのは全然別のこととして発想を考えないと、これを黒字にしようとするためにメンテナンスのところで経費を節減すると結果として安全が落ちるということになりますので、ここらのところはすごく大事なところです。
 そういった意味では、経営というものに関しては抜本的なところで考えないと、少なくとも、新幹線をさっさと札幌まで通しちゃって、そこで生み出す経費というのはどうなるかというようなことも全然別の発想で考えないと、このJR北海道をどうするという話はなかなか、根本的なところをさわらずしてやるというのには無理がある、私どもにはそう見えます。
○松木委員 御答弁ありがとうございました。
 なかなか厳しいお話だったと思いますけれども、当時、先生の言うとおりで、私も官房長官の秘書をやっていましたのでよくわかる。まあ、どうしようもないな、そのときには金を突っ込むしかないよな、こういう話があったのは事実です。
 しかし、ずっとそういうわけにもいかないんでしょう。でも、やはり今、地方に任せていてもこれはもう無理ですよ。絶対無理だから、公明党の稲津先生もこのことに関して質問したと思うんですよね。その中で、やはり国がもっと関与すべきだという話をかなりしたと思いますので、そういう方向でやはり考えていかなきゃいけないんだろうなというふうにつくづく思うわけでございます。
 その中で、例えば上下分離という考え方、こういう考え方もあります。では、このことをちょっとお話しします。時間が余りなくなっちゃったので、なかなか、官房長官もせっかく来てくれているのに、そこまで行けるのかどうか。申しわけないですね、本当に。いやいや、大変なことをしちゃった。本当に済みません。
 地方の利用客の少ない駅や路線を維持するため、自治体が路線や駅舎といった施設を保有して、鉄道会社が列車の運行や車両の維持のみを行うという、鉄道の上下分離方式というのがあるんです。石井大臣は建設省の御出身で、道路行政のスペシャリストでございますので釈迦に説法だと思いますけれども、鉄道と道路というのは、たびたび、コストが高いか安いか、どっちがいいかなんという話があるんですけれども、お互いに補完し合うものですよね、これは。やはり、道路のすばらしさと鉄道のすばらしさ、ともに高め合う考え方が私は大切だというふうに思うわけです。
 その上で、コストの議論をする際には、道路と同じように、路線の整備などインフラ面の予算はあくまで公共で用意するという前提に立つ必要もあるように思うんですね。そうすると、線路や駅舎などは国など公共の側が保有をして、運営は鉄道会社が担うということになるわけですね。
 ここで問題になるのが、運営を担う鉄道会社とインフラを担う会社が別になるということで高まる危険度、こういうことになるんですけれども、つまり、鉄道を運行する会社とインフラを維持する会社が別であることでそごが生じる、安全を損なう危険性があるということなんですね。
 ただ、これに対しては、いわゆるみなし上下分離という方法で対策が可能なんですね。つまり、インフラ部分、線路や駅舎、車両などは行政側が保有しているとみなして固定資産税などを減免して、実際にはインフラ部分の管理は鉄道会社が行うということにする。鉄道事業の収支から初期投資分のコストを除外できるため、黒字をかなり確保しやすくなるというわけです。実際、地方では、この上下分離方式を採用しているところもあるというふうに私は承知しております。こういった上下分離方式をJR北海道で採用することは、北海道という広大な地域の鉄道を守るために私は必要ではないかというふうに思っているんです。
 ただ、これはJR四国も同じことだと思いますけれども、この上下分離の中で、地方に任せていてもこれはなかなかうまくいかない。だから、やはり国がかなり関与する中でこういうことを続けてやっていけないかということを思うわけです。国土交通大臣、いかがでしょうか。
○石井国務大臣 輸送人員が減少し、鉄道の特性が発揮しづらい路線にあって、その存続を図るために、鉄道の施設を保有する主体とそれを借り受けて鉄道運行を行う主体とを分離することにより、施設保有に係る鉄道事業者の負担の軽減を図る上下分離方式を導入する事例が各地で見られます。
 一方、御指摘のように、上下分離を実施しないで、鉄道事業者が引き続き鉄道施設を保有しつつも自治体が鉄道施設の更新費用を負担する、また、鉄道施設に係る固定資産税を免除するなどにより、上下分離方式と同様に施設保有に係る鉄道事業者の負担の軽減を図るいわゆるみなし上下分離方式により鉄道の存続を図る取り組みも行われております。
 国土交通省といたしましても、こうした上下分離方式やみなし上下分離方式など地域において鉄道を支える取り組みに対し、鉄道の安全輸送確保のための投資に対する補助とか、あるいは新駅の設置やICカードの導入など利用者の利便性の向上に資する施設整備に対する補助といった支援を行っております。
 JR北海道は、地域における人口減少やマイカー等の他の交通手段の発達に伴い、路線によっては輸送人数が大きく減少し、鉄道の特性を発揮しづらい路線が増加している厳しい状況に置かれておりまして、今後、地域における持続可能な交通体系を構築していくために、関係者において速やかに協議を始めていただく必要があると考えております。
 この協議におきましては、地域における交通体系を持続可能にしていくための方策について幅広い検討が必要でありまして、御指摘の上下分離方式についてもその検討の対象になり得るものと考えられますが、いずれにいたしましても、まずは、関係者において持続可能な交通体系のあり方を考えていくための議論を幅広く行っていただく必要があると考えております。
○松木委員 ありがとうございました。
 でも、とにかく国がかなりこれを主導していかないと、大臣、かなり厳しいと思いますよ。ですから、積極的にそっちの方は国が関与していくというのが私はこの場合は大切だと思いますので、ぜひそうしていただきたいというふうに思います。
 もうほとんど時間がなくなっちゃったので、官房長官、本当にごめんなさいね。
 幾つかの質問を一緒にしますけれども、あとJR貨物のことに関してちょっとお話をしますと、全国一元化経営なんですね、ここは。それで、老朽資産だとかを多く保有するなど構造的に問題がいろいろとあるんですけれども、このJR貨物も随分、人員削減だとか、頑張ってきました。労使ともども一緒になって頑張ってきた。それでもやはり厳しい。
 その中で、これはことし延長になったんですけれども、継承特例、それから機関車、貨車に対する税制特例措置、買いかえ特例と、三つぐらい一生懸命お手伝いいただいているところがあるんです。
 この継承特例、JR貨物が国鉄から継承した資産について固定資産税、都市計画税を軽減というのがあるんですけれども、これが十二億円あるんですけれども、適用期限が平成三十三年末までということになっています。こういうものを、この際ですから、恒久化するということをぜひ考えていただいたら私はいいのではなかろうか。いろいろな問題もあるんでしょうけれども、そういった方向でお考えをいただきたいということが一つあります。
 それと、あともう一つは、このJRのあり方なんですけれども、先ほど麻生先生が言いましたけれども、はなからちょっと無理だったんだというお話を多分されたんだと思います。細かく分け過ぎたというお気持ちだと思います。私もそういうふうに思うんですよね。
 NTTは二つじゃないですか。そして道路公団、これは三つぐらいですよね。JRだけがえらく細かくし過ぎたというのはあるので、こういうことに関してもやはりもう一度見直す。合併させるのはなかなか問題があるというのはよくわかります。株主代表訴訟ですか、そんなことも起きるかもしれないとかいろいろな話がありますけれども、しかし、JR北海道、JR四国も多分そうだと思うんですけれども、やはりこのままだったらなかなか難しいですよ。ほとんど線路がなくなっちゃう。そうすると、北海道だったらいろいろな農産物があるわけですから、そういうものもうまく運べなくなってしまう。
 まして、皆さん、道路の方はもちろん整備するのは大切なことなんだけれども、トラックの輸送に頼るといっても、今、トラックドライバー、運転手さん方が不足している、そういう時代でもあります。あるいは、地球温暖化ということを考えたときでも、やはりこのJR貨物というのも大切だというふうに思いますので、質疑時間が終了しましたのでこれで終わりますけれども、ぜひ、そういうことをしっかり頭に入れて、これから頑張っていただきたいと思います。
 官房長官、済みません。本当に申しわけなかった。長官に来てもらいたかったのは、昔からのことをよく知っている方なので、こういうことも聞いてもらいたかったし、そして総理にもお伝えをしていただきたかったと思いましてきょうは呼ばせていただいて、質問もあったんですけれども、本当に申しわけございません。
 しかし、ぜひ、このJRの問題というのは、積極的に本当に国でやっていっていただきますようお願い申し上げまして、私の質疑を終了させていただきます。
 ありがとうございました。
○浜田委員長 これにて松木君の質疑は終了いたしました。
 次に、小熊慎司君。
○小熊委員 民進党の小熊慎司でございます。
 来年は戊辰戦争から数えて満百五十年になります。政府におかれては、明治百五十年ということでさまざまな記念施策を今検討中でありますが、元号でいえばことしが明治百五十年で、正確に言えば、満百五十年という言い方をするのであれば、百五十周年という言い方の方が正しいかと思いますけれども、昭和四十三年も明治百年ということでやっています。
 明治五十年、一九一八年、大正七年は寺内正毅内閣、昭和四十三年、一九六八年は佐藤栄作内閣、来年はどうなっているかわかりませんが、いずれにしても長州の方々ばかりであります。来年もそうなのかもしれません。
 ただ、その後、明治五十年の後は、御承知のとおり、寺内内閣の後は原敬首相が誕生している、佐藤栄作首相の後は田中角栄首相が誕生している、いずれにしても奥羽越列藩同盟側に総理が移っているわけでありますから、ポスト安倍も、長州ではなくて奥羽越列藩同盟の地域ということであれば官房長官、石破先生には申しわけありませんが、私も対象者であるのかなと。
 私自身は、一九六八年に生まれています。ちょうど明治百年。そういうことで、やはり歴史というものをしっかりと背負っていかなきゃいけない。また、会津という土地柄もあって、そうしたものを振り返る機会があります。
 昨年、オバマ大統領が広島に来られました。それで、安倍総理が年末に真珠湾に行かれた。非常にいいことだったと思います。我が党の蓮舫代表も評価をされていました。
 やはり歴史というのは、多角的にいろいろな角度から検証しなければならないというふうに思っています。そうした意味では、我々日本も戦後、私の戦後は、一八六八年、あの戊辰戦争以後のことを戦後と言うんですが、世間的に言うと第二次世界大戦後の戦後の中で、日本は勝ち組の論理だけで歴史を検証してきたことに関してじくじたる思いがあった。それは、多くの国民、先人たちも、先輩たちも共有しているところであります。
 そういう意味では、来年百五十周年ということであれば、明治維新側からだけの話ではなくて、やはりこれは東軍、西軍問わずしっかりと歴史を検証することが、次世代にしっかりと日本の歴史、文化、伝統といったものを引き継いでいくことになるというふうに思います。
 そこで、今いろいろなことを検討されていますけれども、まず一つの提案としては、明治百五十年ではなくて、私の地元でも戊辰百五十周年記念事業というのを来年やりますけれども、明治戊辰百五十年というタイトルにぜひちょっと変えていただきたいなということを、まず官房長官、お願いいたします。
○菅国務大臣 小熊委員の思いというのはしっかり受けとめはさせていただきたいというふうに思っています。
 ただ、政府としては既に、明治百五十年の関連事業ということで政府内で方向性を行っていますけれども、そういう思いもあるということはしっかり受けとめて取り組んでいきたいと思います。
○小熊委員 これは私の個人的な思いではなくて、私の地元の総意と言っても過言ではありませんし、今まで言ったとおり、しっかりと歴史を多角的に見る。これは内閣府の資料ですけれども、明治期においては能力本位の人材登用のもととなっていますが、官房長官御案内のとおり、原敬さんもそうでありましたけれども、明治政府においては、東軍側の人たちは官僚としてはキャップをはめられていて差別されていました。そういった事実も鑑みながらしっかりと検証するということが重要であると思います。
 きょう安倍総理がいないので残念ですが、安倍総理がちょくちょく、民進党さん、こうやった方が支持率が上がるよとか、そんなことをしていれば支持率は上がらないんだと御提言をいただいていますが、御承知のとおり、福島県内において、安倍内閣の支持率は四割を切っていて、不支持率は四割を超えています。これは、どうだか検証したことはありませんが、長州人だからということではないとは思いますけれども、昨年の参議院でも奥羽越列藩同盟では我が党が勝たせていただいたわけでありますが、そうした勝ち組の論理、独善的な論理ではなくて、まさに総理自身は寛容と言っていますから、やはりさまざまな観点からしっかりと、この明治百五十周年を機に、過去を検証していくということが重要であるというふうに思います。
 タイトルは変えない、それは仕方がないんですけれども、いろいろな歴史を振り返るに当たっては、勝ち組の論理ではない、東軍側のこともしっかりとおもんぱかって検証するということを御答弁いただきたいと思いますが、官房長官、どうでしょうか。
○菅国務大臣 実は、昨年の十二月に関係府省の連絡会議というのを開きまして、明治以降の歩みを次世代に残す施策、これは将来に向けてであります、さらに、明治の精神に学び、さらに飛躍する国へ向けた施策、この二つのことを基本的な考え方として、明治百五十年関連の施策の推進を取りまとめていこう、そういうことをこの場で決定いたしました。
 この二つのことというのは、今委員が主張されましたそうしたことをここの中に十分取り入れることができるというふうに思いますし、日本全国、いろいろな思いがあるわけですから、そうしたことの中で、この二つのことを柱として、しっかりと百五十年は取り組んでいきたいというふうに思います。
○小熊委員 ぜひともしっかりとした観点でやっていただきたいと思いますし、日本が近代化することにとっては必要な時代の経過だったと思いますけれども、ただ、必要のない戊辰戦争、必要のない戦であったということもあります。あれがなくてもしっかり近代化はなし遂げられたというふうには思います。そういう観点もありますから、多角的に捉えて歴史検証をして、しっかりと日本国民全体でこの歴史的な節目を迎えたいというふうに思いますので、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
 官房長官におかれましては、秋田の方々、御地元の方々の意見とか、また我々会津の、犠牲になった我々側の御意見というものもぜひ吸い上げていただきたいということをお願い申し上げて、次の質問に移ります。官房長官、どうぞ退席して結構です。
 来月、三月十一日、大震災また原発事故災害から六年が経過をいたします。この中にあって、民主党政権から自民党政権にかわって、そしてまた、震災以降、しっかりと復旧復興を果たしてきた分野もありますけれども、まだ原発事故災害は継続中の災害でもありますので、なかなか解決に至らない、問題が多層化、重層化していくという側面もあります。
 そういったさなかで、先日、NHKスペシャルで、福島県内の川内村にいち早く帰還した若い夫婦の方々が、頑張って村の再建、そして農業の再生に打ち込んでいました。帰村当時は、いろいろな応援がありました。しかし、やはり風化、また応援といったものも時とともに減っていくのもまた事実であります。そういったさなかに、この御夫婦たちが希望を持って、意思を持って帰村したわけでありますけれども、残念ながら、絶望してみずから命を絶ったということがそのNHKスペシャルで放映をされていました。
 これから、さまざまな地域で避難解除地域がふえていく。そこで、帰る人、帰らない人がいますけれども、帰る人においては、その地域、町や村を復興させたいという意気込みを持って、希望を持って、意思を持って行くわけでありますけれども、先に帰村を果たしている地域においてこういった事例が多いですし、また、国際的な医学雑誌においては、今福島県内で自殺が増加をしているというデータに着目して、これを今検証しているところもあるわけであります。
 やはりしっかりとした、避難解除された、帰れたから、多少スタートダッシュで支援をしたからオーケーということではなくて、そこからまさに苦難の道が始まると言っても過言ではありません。解除がゴールではありません。解除のために整備をする、ある程度スタートラインを整備するだけでもう終わりではないんです。永続的に続きます。
 昨日も、福島県の新酒発表会が日本プレスセンターで行われましたけれども、県民一丸となって、各界各層の人たちが、さまざまなポジティブなニュースを発信しよう、情報を発信しようと頑張っているところでありますけれども、きのうも関係者としゃべっていましたが、事あるごとに、東電の事故の起きた原発施設内でのさまざまなニュースが流れるたびにまた足を引っ張られる、そういった状況にあるわけであります。
 今後、こうした解除を含めいろいろな経過をたどっていきますけれども、その段においてもより一層の、問題が解決していくんじゃないんですね、より一層の支援が、また、しっかりとした、注目をして対応していくということが重要であるというふうに思いますが、この被災地の復興、大臣、どうお考えになりますか。
○今村国務大臣 先ほどのテレビの報道は、私もこれを拝見いたしました。本当に心が痛みました。一人でしょい込まないでもう少しみんなに相談したり、あるいは、そういったことを引き受けてやれる体制がもうちょっとできていれば何とかなったかもしれないなと思って、大変残念ですが、御冥福をお祈りしますとともに、もう二度とこういうことが起きないように、いろいろな意味で、ハード面、ソフト面を含めて体制づくりをやっていくように、そして、みんなでもって乗り切っていこうじゃないか、困ったことがあったらみんなで相談してやっていこうよということがフランクにできるように、しっかり我々もこれから取り組んでいきたいというふうに思っております。
○小熊委員 今話題に触れた帰還困難区域、またその解除についてでありますけれども、これは除染の問題もどうしていくのかというのもありますし、その区域だけではなくて、生活圏というか、道路とかを使ってそこに行く、その間には解除されていない地域もあったりするということもありますから、この除染をどうしていくかということもあります。
 拠点整備についても、各町村によって、まとまってやっていこうという場合と、やはり周辺でそれぞれ幾つかの拠点を、同じ行政でも、幾つかやっていこうということでやっていくんですね。そうすると、行政のコストというのも当該町村によって変わってきます。
 今、人的な支援も財政的な支援もされているところではありますけれども、これはやはりきちっとオーダーメードで支援をしていくということと、あとは、解除地域だけではなくて、そこに帰る人たちが通る道路や、また解除になっていない地域への配慮といったものも考えれば、この除染の対応、あとはそうした自治体へのさまざまな対応というのもこれから必要になってきます。それもワンパッケージではできないということです、オーダーメードでやるしかないということでありますが、その点についてはどうでしょうか。
○今村国務大臣 これは環境大臣の方からもお話があると思いますが、私たちも、今また新しいステージにこれから入っていくんだ、つまり、帰還困難区域等もしっかり取り組んでいこう、これについては国費を投入しようじゃないかということで、今、福島復興特措法の改正も視野に入れているところであります。
 そういうことで、先ほど言われましたように、それぞれ地域によって特色がありますから、よくそういったところ、特徴を生かし、そしてまた地元のお話も聞きながら、できるだけ効果が上がるように、そこに帰ってきてもらってなりわいを成立させるというのが一番の目的でありますから、それに合った柔軟な取り組みをしていきたいというふうに思っています。
○小熊委員 実際には、各自治体から、このぐらいの規模で、何千人規模で拠点を整備するとなっていますが、実際、住民の意識調査を見ると、実は町で立てた計画より少ない人数しか帰らないというふうな、意思表明を意識調査でいうとされていないということであるので、それはいろいろなところでそごが出てくるというふうに思います。
 これは本当は、本来的には帰すという選択肢なんですけれども、やはり本来的な長期移住ということで、一定エリアはくすぶった原発がもう何十年も置かれて、まして震災瓦れきだって、三十年後県外といったってどこにも持っていけない。大臣の皆さん、これだけ首をそろえていますけれども、皆さんの地元にそういう福島のものを三十年後に受け入れていいよなんて言って選挙を戦える人なんて誰一人いないわけですよ。ほぼ半永久的に福島県で受け入れるのかなというのは、これは地域住民の人たちも、県内の人たちも、本音ではそう思っているんですよね。
 でも、そういうところへ帰れ帰れと言っているということ自体がなかなか大変で、もう帰さないという選択肢で施策を進めた方が本来的にはもっといろいろなこともできるのかなとも考えてしまうんですけれども、いずれにしても、帰るという人たちが少ない中で支援をしていかなきゃいけないということでありますから、これは、要望に応えるといってもすごく大変なことだと思いますよ。
 環境大臣も来ていますけれども、除染にしても、国がやりますと言っている以上に要望が来ているのは御承知のとおりだと思います。森林除染にしても、一定程度、こういうふうにやりますと政府は言っていますけれども、住民の人は、これは科学的根拠があるない、因果関係があるないにかかわらず、山全部やってほしいというのが人情です、目の前に見える山。
 生活していないじゃないと。大臣も豊かな自然環境の中にいらっしゃいますから、山に入っていくわけですよ、住民の人たちは。キノコをとりに行ったり山菜をとりに行ったりということを考えると、やはり一山全部やってほしいというのもまた人情ですよ。決められたところ以外、要望もあります。それは心理的な安心のためにもやらなきゃいけないと私は思っています、やるのであれば。
 そして今、除染に対しての方向性、どうですか、大臣。
○山本(公)国務大臣 地元の方々からさまざまな御要望があることは承知をいたしております。その中で、森林の除染についてもいろいろな御希望があることを私どもは承知をいたしております。
 その意味において、森林の除染については、広範囲にわたって実施をすることで、土壌の流出や地力の低下等の悪影響が懸念をされまして、現在の技術では難しい部分があります。関係省庁で取りまとめた総合的な取り組みに基づきまして、里山再生モデル事業や調査研究等に取り組んでまいりたいと思っております。
○小熊委員 いずれにしても、まだまだ課題が逆に積み上がっていく、帰還したらしたで新たな問題も発生してくるということですから、しっかりと対応していただきたいというふうに思います。
 ただ、この先どうなるかという意味では、帰る人たちも高齢者です。二千人帰ったところで、十年後にはもうあっという間に人口が減ってしまうということも推測をされますから、これはどこかで本当は大きな決断をしなきゃいけないし、瓦れきの最終処分場、また事故の起きた燃料デブリの処分地も決まっていない。私の生きているうちにこれは解決しないでしょう。こういうものを抱えながらやっていかなきゃいけないという意味では、どこかで大きな決断が必要であるかというふうに思いますし、百人が百人満足する政策というのはないと思います、この復興に関しては、残念ながら。これはまた与野党を超えてしっかりと議論していきたいなというふうに思っています。
 帰還していくとなると、また、家族がいろいろ今分断されているというのもあって、高速道路を無料化していただいているんですが、これは会計上の問題もありますから単年度で決めていくしかないんでしょうけれども、生活者にとってみれば、来年どうなるかわからないというのは非常に不安で、それもフラストレーションになっていくわけですよ。精神健康上もよくない。
 大臣、方向性だけでも、今後もそういった被災者の支援というもののあり方、方向性でいいです、具体的に何年もやりますよという話じゃなくて、方向性としてはどういうことに留意をしながら支援していきますか。国交大臣でいいです。
○石井国務大臣 現在の無料措置につきましては、被災地の復興の状況を踏まえつつ検討することとしておりまして、これまで一年ごとに延長を決定してきたという経緯がございます。
 一日も早い被災地の復興に取り組む必要があると考えますが、なかなか長期的な方向性を一度に決めるというのは難しゅうございまして、被災地の復興の状況や避難の状況などをよく見きわめつつ適切に判断することが重要だ、このように考えているところでございます。
○小熊委員 見きわめつつといっても、だから、長期的に見ても、帰る人と帰らない人、また、県外に家族が避難している状況が大幅に改善されるということがなかなか見込めないというのは推測されていますから、今大臣が言ったのはしゃくし定規な答弁でしたけれども、それも正論ではありますが、実態は推測もされるし、わかっているところはありますから、ぜひ、しっかりと内部検討では長期的な視野に立ってやっていただくことをお願い申し上げます。
 次の質問に移ります。
 パリ協定に関しては、この後、同僚の落合議員がやりますので、ちょっと時間もないですから、第二原発の廃炉についてお伺いいたします。
 今回の国会でも、総理も、福島の復興、原発事故災害といったものに関しては政治が前面に立つ。これは我々も言っています。与野党関係なく、政治家であればみんな言うでしょう。
 しかし、何回もこの委員会でもほかの委員会でも言ってきましたけれども、第二原発の廃炉は県民の総意であって、御承知のように、県議会ではもう何回もやっているんですけれども、昨年の年末の県議会でも、また廃炉についての意見書が全会派で採択をされています。また年明けも内堀福島県知事も、これは世耕大臣にも言ったと思いますが、第二は廃炉にしてほしいということを言っているわけであります。
 ことし、高木経産副大臣が来県をされて、資料でも配っていますけれども、地元紙のインタビューに答えられていて、第二の廃炉についても言及をされていますが、東電の財務上の問題に触れています。
 ただ、我が党内でも経営破綻について検証しましたが、経産省の方々からも、あと東電の方々からも、これは第一の廃炉じゃないですよ、通常の原発の廃炉の負担は平準化していくので、大きく財政上に響くという話ではない、もちろんマイナスの資産になりますから、資産の目減りという意味では経営上のインパクトはあるけれども、大きなインパクトではないというような説明を聞いております。
 ただ、副大臣は、これを第二の廃炉に対して難しいハードルの一つとして挙げています、このインタビューで。この点についても高木副大臣に確認したいと思います。
○高木副大臣 委員御指摘のように、福島の方に参りまして、福島民報のインタビューに答えて、原発の廃炉について、特に二Fですね、第二原発の廃炉について申し上げました。
 この件につきましては、一般論として申し上げて、廃炉決定する場合において財務面への影響は何らないということにはならないのではないかと。他方、それがどの程度の影響をもたらすと考えるのか、例えば、東電のほかのさまざまな経営判断も左右するものなのかどうかという点について、これは東電自身がみずから判断すべき事項でありますし、具体的な部分については政府としてはお答えすることは差し控えたいと考えております。
○小熊委員 では、東電が来ていますので、東電にお聞きします。
 これは財務の話ではなくて、第二の廃炉、今白紙です、やるかやらないかも検討もしていないということを再三再四言ってきています。まして、第一の廃炉の作業のためのバックアップとして第二を使っていると言うんですけれども、では、明確に、この第二の機能を使ってどうフォローアップしているのかと聞くと、そこでタンクをつくっていると。土地の問題なんて第二が絶対条件じゃないですよ。近くの港湾としても使う、それも絶対条件じゃない。第二の原発施設がないと第一の廃炉がなされないという理由が出てこないんです、説明として。
 何で第一の廃炉のために第二が絶対的に必要なのか、答弁をお願いします。
○廣瀬参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、今、福島第二は、福島第一の廃炉・汚染水対策のための工事のバックアップの機能を有しております。
 したがいまして、そこについて、そうした機能をこれからどういうふうに維持していくのか、それから、福島第一の工事自身がどういうふうな展開をするのかということは、当然、今後も考えていかなければいけないと思っております。
○小熊委員 昨日も東電の方々といろいろ党内で議論しましたけれども、第二を廃炉にしてしまえば第一の廃炉作業にどういうそごを来すかという質問をしても、答えはありませんでした。土地であればほかのところでもあるわけですよ。港湾だってほかのところにもある。第二の施設がなければ第一の廃炉ができないという理由が示されていません。
 県民の総意として第二は廃炉にすべしということを再三再四言っている。政府においては、政治が前面に立つと言っていながら、事業者の判断と逃げている。政治が前面に立つ、ただし第二の廃炉だけは別ですと言ってほしい。そんな勇ましいことを言う必要がない。だから政治の信頼が落ちるんですよ。
 まして、第二は今検討していないと言っていますけれども、第二の第一号機は五年後に四十年を迎えます。では、五年後に判断するんじゃないんですよね、皆さんわかっているとおり。申請は十三カ月から一年前にしなきゃいけない、特別点検も半年ぐらいかかる、その基準をクリアしようとしたら、さまざまな工事が必要だ、一年、二年かかる。ということであれば、四十年を六十年に延長するかどうかという判断を、一年半後から二年半以内には決めなきゃいけない。
 そこまで迫っているのであれば、今何も検討していませんなんという言葉がそらぞらしいし、東電の方々も、県民の気持ちは酌み取っていますと言うけれども、言う必要がない、それは。酌み取っていないですもの。廃炉にする、ただ、条件がいろいろありますから、この困難な条件をクリアしなければできないんですと言ってもらった方が正直ですよ。検討していない、今第一の廃炉に全てのソリューションを投入しているので検討していないということも不誠実な対応です。
 最後に経産大臣に聞きますけれども、政治が前面に立つと言っていながら、この問題は政治が前面に立っていません。そこを外して県民とつき合ってほしい。第二の廃炉についても、政治が関与するのであれば、政治が前面に立つという言葉を使っていいですけれども、そこは今後、政治が前面に立つと軽々しく使ってほしくない。だから、これは与野党関係なく、政治に対する信頼が失われる、原子力行政に対する信頼が福島県内で失われているんです。
 政治が何とかしなきゃいけないという意味では、今、我が党内においては、まだ手続中でありますけれども、検討中でありますけれども、法律として第二の廃炉の実現ができるかどうかということを検討している最中であります。
 そうしたことも含め、経産大臣、第二の廃炉について、その思いをお聞かせいただきたい。
○世耕国務大臣 私、先日も福島復興再生協議会に出席をしまして、内堀知事あるいは杉山県議会議長から、やはり福島県における全基廃炉に関して非常に切実な思いを聞かせていただきました。
 そういうことも踏まえて、福島第二原発については、福島県民の皆さんの心情を察すると、これまでに新規制基準への適合性を申請している他の原発と同列に扱うことは難しいというふうに認識しております。
 福島第二原発の扱いについては、まずは東京電力が、地元の皆さんの声に真摯に向き合った上で、きちっと判断を行ってほしいと考えております。
○小熊委員 真摯に向き合うといって、もう六年もたって、県民の総意は以前から示されているわけですから、今の大臣の答弁を聞いても福島県民は全然納得しないし、これはやはりもう一歩踏み出す決断を今後していただきたいし、我が党として、この法案が手続が通った際には全党にお呼びかけをしますので、ぜひとも御協力をお願い申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○浜田委員長 これにて小熊君の質疑は終了いたしました。
 次に、小山展弘君。
○小山委員 民進党の小山展弘です。
 それでは、早速質問に入らせていただきたいと思います。
 南スーダンのPKO活動に参加している陸上自衛隊の部隊が首都ジュバで昨年七月十一日に大規模な武力衝突が起きた際の記録をしていた日報について、これまで廃棄をしていたと説明してきたものが、六日、日報が存在していたことが明らかになりました。
 なぜ、これまでないとしてきたものが、それがあったのか。意図的に都合の悪い情報を隠蔽していたということであったとしても、あるいは十分に調査をしていなかったということだったとしても、いずれにしても、政治は結果責任である、これは安倍総理のお言葉ですけれども、情報公開法に対する違法行為であり、また、何度もこの日報について公開請求をしていたにもかかわらずそれがなされてこなかったということは、結果としてこれは国会軽視であり、稲田大臣の責任は極めて重いと言わざるを得ないと思います。
 このことだけでも大変大きな問題ですけれども、それ以上に、昨日公開されたこの日報の資料の内容について、まずきょうは最初にお伺いをさせていただきたいと思います。
 驚くべきことが書かれております。きょうの新聞報道等でも記載をされておりますけれども、まず日報の方ですね。
 日報の三ページ、これはお手元にお配りしてある資料の右側の方になりますが、これが日報です。ジュバ市内でのSPLAとSPLA・iOとの戦闘が生起したことから、宿営地周辺での射撃事案に伴う流れ弾への巻き込まれ、市内での突発的な戦闘への巻き込まれに注意が必要と。その次の行には、両勢力による戦闘が確認されていることからという文言もございます。
 また、同じ資料の四十三ページには、砲迫含む激しい銃撃戦。あるいは、さらにびっくりしたのが、これは新聞報道にも出ていますけれども、五十ページでは、関係悪化モデルとして、ジュバでの衝突激化に伴うUN活動、国連活動の停止、こういったことまで書かれております。
 また、モーニングレポートにおきましては、最初のページ、一ページ目で、激しい銃撃戦。あるいは、昨日公開されたレポート二枚目では、十一日、キール大統領は停戦を宣言、ただし今後も両勢力間の戦闘は継続する可能性といったことも出ております。
 また、同じ資料の中には、十日、十一日も戦車や迫撃砲を使用した激しい戦闘がUNハウス、UNトンピン周辺で確認される等、緊張は継続、中国軍兵士二名が死亡するなどというような、大変激しい戦闘が少なくとも行われていたということが記載をされております。
 一方で、当時の政府の記者会見などでは、複数の発砲事案の発生などと、随分と表現を弱めた発表を行っておりまして、現地の実態を反映したとは言えない発表だったのではないだろうか。
 そして、平成二十八年九月三十日の衆院予算委員会の場での稲田大臣の答弁では、稲田大臣はこういう御答弁をされております、後藤祐一議員の質問に対して。「国同士、国と国に準ずるものとの間の戦争があったということではない、戦闘行為というか、武力紛争があったということではないということです。」このような御答弁をされておりますが、随分とこの日報との間に内容的に違うものがあるのではないかということを私は感じます。
 そこで、まず事実確認をさせていただきたいと思うのですが、この二十八年九月三十日の国会答弁をされる前に、稲田大臣は、この七月十一日現地時間十八時作成の日報やモーニングレポートを事前に読まれていたでしょうか。見たとすれば、いつごらんになったんでしょうか。
○稲田国務大臣 質問が多岐にわたりますので、今、最後の御質問にだけお答えをいたしますと、その国会の答弁をしたときに、明確に法的意味における戦闘行為、すなわち国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し物を破壊する行為と定義されているところの戦闘行為が行われてはいない、その点については、七月の状況等、さらにそれ以降の南スーダンの状況については詳しく説明を受け、確認をした上で答弁をさせていただいたところでございます。
○小山委員 質問したのは一項目でございます。このモーニングレポートや日報、こういった現地の一次情報をごらんになったんでしょうか、ならなかったんでしょうか。それをお尋ねします。
○稲田国務大臣 さまざまな形で七月以降の情勢また当時の南スーダンの情勢については毎日報告を受けておりましたが、今お尋ねのモーニングレポート、そして現地の派遣施設隊が作成をしていたところの御指摘の日報そのものについて見ていたということではありません。
○小山委員 これはびっくりするものです。確かに、防衛省のそれぞれの役の方からいろいろな説明があったということですけれども、これだけ大きな、七月十一日、大規模な戦闘が発生している、こういう一次情報を確認されなかったというのは私は非常に驚きです。
 では、何に基づいてこのときの答弁を、最初の稲田大臣の答弁では、物を破壊するとか、そういったような戦闘行為はなかったとおっしゃいました。だけれども、どう考えても、戦車を用いた、迫撃砲を用いた戦闘があると日報には書いてあるんですね。何に基づいて戦闘行為はないというような答弁をされたんでしょうか。
○稲田国務大臣 まず、施設隊の日報は毎日つくるものですが、それは何のためにつくるかといいますと、即応部隊に対して報告するためにつくり、それをモーニングレポートとしてまとめているわけであります。
 そして、今御指摘の国会の答弁、それがいつの時点での状況について後藤委員から質問されたのか、今御指摘をされたので確認をしたいというふうに思います。
 その上で、私が戦闘行為でないというふうに申しましたのは、その当時の南スーダンの状況、すなわち国会で議論になっていた当時の南スーダンの状況について、国または国準そして国対国の間の国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷しまたは物を破壊する行為と定義されているようなものではないということを答弁したということでございます。
○小山委員 このときの稲田大臣の答弁の前に、後藤祐一議員はこういうふうに質問しているんですね。「今のことを言っているのではなくて、七月七日から始まった、あるいは自衛隊の宿営地、七月十日、十一日にもありました、こういった一連の、七月上旬に起きた銃撃戦等を含めて、これは戦闘行為があったと見てよろしいでしょうかと聞いております。」これは今、そのまま読み上げさせていただきました。そして、稲田大臣は、「七月の事案について言えば、」ということでお答えをされているんですね。
 これは明確に七月十一日のことについて戦闘行為があったかどうかということを質問していると思うんですが、もう一度答弁をお願いします。
○稲田国務大臣 当時の国会において、南スーダンの状況、武力による衝突の状況が戦闘行為に当たるかどうかということが議論になっていて、その七月の状況も踏まえ、また当時の状況も踏まえた上で、国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷しまたは物を破壊する行為、これは法律上定義がされている法的な用語でありますので、それとの混乱を避けるために、戦闘という言葉ではなくて、戦闘という言葉は使わないということを後藤委員に繰り返し申し上げたところでございます。
○小山委員 今答弁の中で、七月の情勢も踏まえて戦闘行為はないということで答弁がありましたが、そうしたら、この七月十一日、私、先ほど読み上げました、皆さんのもとにもお配りをしてあります、これは迫撃砲を用いた、あるいは戦車を用いた物を破壊する行為、人を殺傷する行為ではないということになるんですか。
○稲田国務大臣 何度も申し上げて恐縮でございますけれども、法的意味における戦闘行為というのは国対国、国または国準との間の国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷しまたは物を破壊する行為でありますので、その点、一般的な用語における戦闘と法的な意味における戦闘行為、これが混同されることがないように、私は戦闘という言葉は使わないということを繰り返し申し上げてきたということを、今答弁させていただいているところでございます。
○小山委員 そうしたら、戦闘という言葉が今回の日報あるいはモーニングレポートでもきのう公開されたものに出ていますけれども、戦闘があったことはお認めになられるんでしょうか。
○稲田国務大臣 法的な意味において意味があるのは、戦闘行為かどうかでございます。そういう意味において、戦闘行為、法律に定義がされているところの戦闘行為ではないということであります。
 幾らそこの文書で戦闘という言葉が一般的用語として使われたとしても、それは法的な意味における戦闘行為、すなわち国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷しまたは物を破壊する行為ではないということでございます。
○小山委員 非常に苦しい答弁だと思います。
 私がお尋ねしているのは事実として戦闘があったということを、実際に自衛隊のこの出てきた日報には戦闘という言葉があるじゃないですか。戦闘行為とは私は聞いていないですよ、戦闘があったということをお認めになるんですかということを聞いているんです。
○稲田国務大臣 何度も申し上げますが、意味があるのは、法的な意味の戦闘行為かどうかなんです。そして、戦闘行為であるかどうかという意味においては、戦闘行為ではないということであります。
 一般的用語として戦闘という言葉が使われていることはそこに書かれているとおりですけれども、それは法的な意味の戦闘行為ではないということでございます。
○小山委員 それでは、この七月十一日の状況について稲田大臣はどのように御認識だったんですか。
○稲田国務大臣 武力衝突ということでございます。
○小山委員 自衛隊の資料には戦闘という言葉がある。では、武力衝突と戦闘というのは日本語としてどのような違いがあると稲田大臣は御定義されますか。これは大事なことなんです。法律を守って自衛隊員が命を失っていいということなんですか。
 まず事実確認が大事だと思うんですね。そして、その事実確認に基づいて、PKO五原則を守ってPKOへ派遣するのかどうかという判断があるんじゃないでしょうか。まずこの事実確認が大事だと思いますので、どういう事実として確認をされたのか、そして、戦闘という言葉を使って陸上自衛隊が報告している、このことについて大臣はどう認識しているのか、これを尋ねているんです。
○稲田国務大臣 なぜ法的な意味における戦闘行為があったかどうかにこだわるかといいますと、国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷しまたは物を破壊する行為が仮に行われていたとすれば、それは憲法九条上の問題になりますよね。そうではない。だから、戦闘行為ではないということになぜ意味があるかというと、憲法九条の問題にかかわるかどうかということでございます。その意味において戦闘行為ではないということでございます。
 そして、何が問題かというと、国際的な武力紛争の一環として行われるかどうか、その点がないので戦闘行為ではないということでございます。
○浜田委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○浜田委員長 速記を起こしてください。
 再度答弁願います。稲田防衛大臣。
○稲田国務大臣 その日報に書かれているのは、一般的な意味での戦闘という言葉を用いたんだろうと思いますけれども、私自身はそれは明らかに法的な意味における、すなわち国際的な武力紛争の一環として行われるかどうか、これは憲法九条との関係で非常に重要だし、あと法律上も定義がありますので、その法的な意味における戦闘行為ではないということを申し上げております。
○小山委員 確認をさせていただきたいと思いますが、繰り返しになりますけれども、自衛隊のきのう公開した資料の中には戦闘という言葉を使ってこれを報告しています。事実として戦闘はあったということを今お認めになられたという答弁でいいと思う。戦闘行為については私は聞いておりません。(発言する者あり)そうですね。戦闘はあったというこの自衛隊の報告は、それを大臣としてお認めになるわけですね。
○稲田国務大臣 私が先ほど申し上げましたのは、法的意味ではなくて、一般的用語として戦闘という言葉がその日報の中には書かれておりますけれども、やはり国会の答弁においてはそこは明確に、誤解がないように、戦闘行為という言葉ではなく、戦闘という言葉ではなく、武力衝突という言葉を使わせていただいたということでございます。(発言する者あり)
○浜田委員長 小山君、再度質問願います。角度をちょっと変えて質問願います。
○小山委員 今、戦闘というのはあった、ただ、国会答弁では戦闘行為はなかったという答弁をしたということで確認させていただきたいと思います。
 では、もう一度、確認でお尋ねしたいと思うんですが、戦闘という状態はあったわけですね。状態というか、自衛隊の報告したこの戦闘はあったと、事実として。
○稲田国務大臣 事実として申し上げますと、人を殺傷しまたは物を破壊する行為はあったけれども、それは国際的な武力紛争の一環としては行われていない。したがって、法的意味における戦闘行為ではありませんが、武力衝突はあったということでございます。
○浜田委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○浜田委員長 速記を起こしてください。
 小山君、再度質問願います。
○小山委員 事実行為として、戦闘はあったんですね。
○稲田国務大臣 事実行為としては、武器を使って人を殺傷したりあるいは物を壊す行為はあったが、それは国際的な武力紛争の一環として行われるものではないので、法的意味における戦闘行為ではないということであります。
 そして、国会答弁する場合には、その法的意味において、法律においても規定されていて、また憲法九条上の問題になる言葉を使うべきではないということから、私は一般的な意味において武力衝突という言葉は使っております。しかしながら、その日報の中では一般的な辞書的な意味において戦闘という言葉を使われたのではないかなと推測しているということでございます。
○小山委員 それでは、資料の中にも、大統領派と反大統領派との戦闘が起きている、あるいは激しい銃撃戦、戦車や迫撃砲を用いた激しい戦闘、これは戦闘行為にはならないんですか。
○稲田国務大臣 マシャール派と政府方の武力の衝突行為は、国際的な武力紛争の一環とは評価できないと思います。
○小山委員 一般的な常識的な感覚からすれば、私は、大規模な戦闘行為あるいは戦闘が行われた、戦闘行為と戦闘の違いというのはやはり一般国民にはわかりにくいと思います。
 ジュバ市内で激しい戦闘があった、そしてまた南スーダンはほぼ内乱状態にあった、これはPKO五原則に反するかのような、あるいはPKO五原則を検討しなきゃいけないような状況ではなかったのかと思いますけれども、これについてもう一度、当時のことを振り返っていただきながら御答弁いただきたいと思います。
○稲田国務大臣 当時の政府そしてマシャール派の状況から見まして、マシャール派が国または国準と評価できるような支配系統そして支配領域を有している勢力ではなかった、したがって、国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷しまたは物を破壊するような行為、戦闘行為が行われていたとは評価できず、PKO五原則は守られていたと考えております。
○小山委員 これは小銃とかいうレベルではないんですね。戦車ですよ、迫撃砲ですよ、それが飛び交っていたんです。国と国同士ではなかったとしても、相当程度の国と国に準ずるものでなければ戦車なんてなかなか持っていないですよ。戦車ですよ。そういったものがあって、特に国に準ずるものというぐらいの組織があった、一般常識的に考えればこれはそう考えられてもいたし方ないと思うんですけれども、戦車まで持っていて、それでも国に準ずるほど組織立っていなかったと言い切れるんでしょうか。
○稲田国務大臣 反主流派のマシャール派についてですけれども、同派は系統立った組織性は有していない、また同派により支配が確立されるに至った領域があるとは言えない、また南スーダン政府と反主流派双方とも事案の平和的解決を求める意思を有していたことなどから、マシャール派が国または国に準ずる組織とは言えないというふうに判断をいたしております。
○小山委員 それでは、この後、情報公開のことについて少しお尋ねさせていただきたいと思います。
 冒頭にも申し上げましたとおり、昨年の情報公開請求の際になぜ発見できなかったのか。開示責任を果たさなかったと指摘されても仕方ないと思います。あるいは、情報開示請求があって最初は見つからなかったというときに、本当にないのかどうか、稲田大臣は指示を出して、さらに深掘りをするような、確認をするようなことをされたのか。この点についての大臣の認識、大臣の責任についてどのようにお感じになられているのか、答弁願いたいと思います。
○稲田国務大臣 昨年の七月の南スーダンの首都ジュバにおける衝突事案の期間中に作成された南スーダン派遣施設隊の日報については、情報公開法上の開示請求を受け、日報の作成元である派遣施設隊及び報告先の中央即応集団司令部を中心に探索した結果、既に廃棄をしていることから、文書不存在につき不開示と決定をしたものです。
 開示請求に係る行政文書は、請求から起算して三十日以内に速やかに特定する必要があります。開示請求を受けた防衛省としては、限られた期間の中で当然、陸上自衛隊の日報を作成した部隊や報告先の部隊を中心に日報が保管されているかどうかを探索したところですが、当時防衛省として文書を探索し切れなかったことに関しては、十分な対応ではなかったと認識をいたしております。
 当該日報については、その後も複数の開示請求がなされたことを踏まえ、私から本当に日報がないのかしっかり探索するよう指示をしていたところ、河野太郎議員からも再度探索すべきとの御指摘を受け、私からもさらに探索するように指示し、再度日報にアクセス可能な部局に範囲を広げたところ、統合幕僚監部において日報が電子データとして見つかった次第でございます。
 防衛省としては、再度同種の開示請求がなされれば、日報が見つかったことを踏まえ適切に対応したいと考えております。
○小山委員 河野太郎議員から言われて出てきたということでは、稲田大臣として、大臣として情けないんじゃないでしょうか。なぜもっと早く見つからなかったのか。
 もう時間もないので、最後にお尋ねしたいんですが、これは今までないないと言ってきた。廃棄と言いますけれども、文書だったら廃棄ですけれども、これはデータで残っていたということで、大体一般的にもデータというのは残っていることが多いんですね。国民に謝罪する、そういうことはお考えになられませんか。
○稲田国務大臣 まず、河野太郎議員から言われて探索を指示したのではなくて、私も、ないという報告を受けて、本当にないのかどうかをしっかり探索するように指示していたところであります。
 また、陸上自衛隊においては文書管理規則にのっとり管理し、また廃棄もしておりましたが、隠蔽に当たるという御指摘は当たりません。
 行政機関の作成した文書の開示請求については、関係法令等に基づき適切に対応することは当然であって、防衛省としては情報公開請求に適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○小山委員 適切に対応していきたいということでしたので、これはぜひ調査班をつくって、なぜこれほど情報公開がおくれたのかということをしっかり調べていくべきだと思いますし、稲田大臣、やはり責任者として国民にあるいは国会に謝罪すべきだと私は思います。
 これほど開示がおくれたということは、大臣、これは大臣の指示や威令が行き届いていないということじゃないですか。もっと早く見つかってもよかったと思うんです。ちなみに、山本大臣も涼しい顔をしてお聞きになられていますけれども、SBSの問題もそうですし、これは役所に対してどうやって議員や大臣がグリップしていくかという大事な問題だと思いますので、ぜひこれはお願いしたいと思いますが、いかがですか。
○稲田国務大臣 これまでも防衛省は年間約四千五百件、月約四百件の開示請求に対応してきたところですけれども、今般の事例を踏まえ、開示請求の対象となる行政文書を特定するに当たり、当該文書が不存在であるとの判断に至った場合においても、当該文書の存在について再度入念に確認し、必要に応じて探索範囲の拡大に努める等、行政文書の特定に係る判断に正確を期してまいりたいと思っております。
○小山委員 一人でも死者が出たら内閣総辞職するというぐらい非常に重要な情報が、もし大臣や総理のもとに上がっていないということになったらこれは大変なことですので、ぜひこの情報公開の問題も含めて対処していただきたいと申し上げまして、終わります。
○浜田委員長 これにて小山君の質疑は終了いたしました。
 次に、木内孝胤君。
○木内(孝)委員 民進党、木内孝胤でございます。
 まず冒頭、NHKの受信料引き下げ、これについてお伺いをしたいと思います。
 このテーマにつきましては一年半前から高市大臣といろいろ質疑をさせていただいておりますが、もともと二つの問題意識があってこの質問をしております。
 一つは、現下の経済情勢、いろいろお立場によって見方がございますけれども、一つ言えることは、個人消費が極めて厳しい状況にある。総務省の家計調査、一月三十一日にございましたが、これも、個人の消費支出マイナス一・五%、非常に厳しい数字となっております。
 もう一つの問題意識としては、一昨年、新国立競技場がいろいろ問題になっていましたころ、NHKの新社屋三千四百億円という数字がでかでかとNHKの事業計画に出ておりました。そこで、その三千四百億円、非常に気になったものですから質問させていただいたところ、すぐに千七百億円に半減されました。初期的な数字だとかいろいろ言われましたけれども、相当ずさんな経営計画をしているということを指摘させていただいております。
 その中で、一昨年、私が高市大臣そして当時の籾井会長に質問したところ、きちんと受信料を国民に還元するべきではないか、下げるべきではないかという質問に対して、そのときは、残念ながら高市大臣も籾井会長もゼロ回答でございました。
 しかしながら、その後十カ月程度たって、高市大臣、ここは感謝しているところですけれども、受信料の還元、実質的に引き下げの方向での指示を、昨年の六月二十七日に籾井会長から決算の報告を受けたときにそう指示をなさっています。その後、十月、本会議場でも、質問したときに、引き下げの方向の指示をしたと。それで、十一月八日、理事会で籾井会長が引き下げの決断をなさって経営委員会に諮りましたところ、それが事実上反対をされて、現在、受信料の引き下げに至っておりません。
 大臣がいろいろ考えた末、引き下げの方向での指示をなさったにもかかわらず、そして現場を預かるNHKの会長がそういう決断を理事会でなさったにもかかわらず経営委員会は反対した、この経緯につきまして、あるいは今後の受信料引き下げの方針について、総務大臣の御所見を伺います。
○高市国務大臣 NHKの受信料額の引き下げということにつきましては、NHKにおける予算の編成過程の中で、平成二十八年十一月八日に執行部が経営委員会に、平成二十九年度から受信料額を引き下げる提案を行われました。十一月二十二日の経営委員会において、平成二十九年度からの引き下げは行わず、平成三十年度からの次期経営計画の策定の中で、事業計画や収支見通しとあわせて議論することとされたというふうに伺っております。
 平成二十九年度のNHK予算につきましては、総務省として、内容をちゃんと精査して適切な総務大臣意見を付した上で国会に今後提出させていただきます。当然、受信料も、国会で予算の承認について御議論いただく中で定められるものでございます。
 私自身は、指示をしたというよりは要請をしたんですけれども、受信料というのは国民・視聴者の皆様にとって納得感のあるものとしていく必要があると考えています。NHKにおいて、例えば受信料の公平負担をきちっと徹底していただくということのほかに、業務の合理化それから効率化を進めて、その利益を国民の皆様に還元していくといった取り組みを進めていただくことが重要だと考えております。
 ただし、放送法の規定によってNHKに課せられている公共放送としての社会的使命を果たしていただくということも、これが前提でございますので、昨年六月に、籾井前会長には、公共放送としての業務のあり方なども踏まえ、受信料の還元のあり方について議論していただきたいということを申し上げました。
○木内(孝)委員 NHKの上田新会長にお伺いしたいと思います。
 昨年の理事会で値下げ提案された中で、議事録を私も拝見しておりますけれども、当時の上田委員も非常に慎重な、要するに事実上反対的なコメントをたくさんしております。そのときの真意、新会長になった立場として今後の受信料のあり方をどのようにお考えなのか、お聞かせください。
○上田参考人 お答えいたします。
 昨年十一月、経営委員会で受信料の三%値下げが当時の執行部から提案されましたときに、単年度の事業収支だけではなく、具体的な事業計画に基づく中長期の収支見通しを踏まえて検討すべきだという意見を申し上げました。経営委員会としても、平成三十年度からの次期経営計画の策定の中で、事業計画や収支見通しとあわせて議論することと判断いたしております。
 ことしは次期経営計画を策定していくことになりますので、中長期の事業計画を踏まえまして、今後の収支の状況がどのようになるかしっかり見据えた上で受信料について総合的に検討してまいりたいと考えております。
○木内(孝)委員 今御答弁にありました中長期的、至極当たり前の話でございます。
 もちろん、議事録を見ていましたら、やや場当たり的な値下げ提案であったという気もしなくもありませんけれども、ちょっと下げたぐらいでとかいろいろコメントが上田委員からもございましたが、バランスシートを見てみますと、現預金が九百三十六億円。二〇二五年に建設するための千七百億円を、既に積み立てが八年後のために終わっている状況。有価証券、今、三千億円保有しています。これは短期、長期合わせてです。もちろん、負債サイドと見合っている部分もございますので、全部、五千六百億円を自由に使える資金とは申しません。
 しかしながら、これだけの余裕資金がありながら、国民の事実上血税に近いお金をなぜ受信料として還元しないのか。五十円程度とおっしゃいましたが、五十円程度でもこれは引き下げするべきですし、私は、十年間で例えば三千、四千億円国民に十分に還元できる財務内容だと思っております。
 この点を踏まえて、このたった五十円というコメントになるのか、一体いつ、どのようなタイミングで受信料を引き下げするつもりなのか。経営計画があるというお話ですけれども、こんな五千六百億円もあって、経営計画を待って、そんな悠長なことを言っていただいている新会長では困る、私はそのように思っております。御答弁をお願いいたします。
○上田参考人 お答えいたします。
 受信料を主な財源といたしますNHKの事業運営に当たりましては、財政の健全性を保ちつつ、公共放送としての使命と役割を果たしていく必要があると考えております。
 受信料につきましては、4K、8K放送やインターネットサービスの内容、将来的に世帯数の減少が見込まれる中での受信料収入の見込みなど、中長期的な事業計画や収支見通しをしっかり立てた上で総合的に検討してまいりたいと考えております。
○木内(孝)委員 答弁の内容はそのとおりなんですが、例えば三千四百億円、新社屋建てかえ計画が発表されて事業計画書の中に出てきて、経営委員としてそういうのをただしたり、そういうことはなかったんでしょうか。そして、現在の五千六百億円に対して、上田新会長がなさっていたような、議事録に載っているような受信料引き下げに対して後ろ向きな発言というのは、私は非常に問題だと思っております。
 もちろん、4K、8Kあるいはメディアとネットのあり方、いろいろ課題があることは承知しておりますけれども、私は、この五千六百億円の一部を十年かけて十分に還元できるものと思っておりまして、今みたいな当たり前なところの答弁以外に、この五千六百億円をどのように還元するつもりなのか。
 こうした余裕資金について私は申し上げておりますが、例えば人件費、そうしたモチベーションを下げるようなことに私は今までは言及しておりません。しかしながら、こういったことまでもゼロ回答的な答弁をなさるのであれば、私は、遊休資産あるいは人件費等にも十分に切り込んでいきたい、そのような思いでございますが、改めて御答弁をお願いいたします。
○上田参考人 お答えいたします。
 平成二十七年度末におけます現金、預金と有価証券を合わせた残高は五千三百六十七億円となっております。この資金のうち、放送センターの建てかえ等に備えた建設積立資産は千六百二十七億円、二十八年度分の受信料の前受け金が千三百四十四億円、放送権料や退職給付などに備えた引当金が千二百七十八億円などは、今後の支払いや使途が明確なものであり、受信料の値下げの原資に充てられるものではありません。
 さらに、財政安定のための繰越金、繰越剰余金に当たりますが、七百二十二億円は、大規模災害等に備えて事業支出の一〇%程度の資金を保有しているものでありまして、協会財政の安定のために不可欠な資金であります。
 受信料値下げは、スーパーハイビジョンの推進やインターネットへの取り組み、東京オリンピック・パラリンピックへの対応など、公共放送を取り巻く課題や収支の状況、見通しを踏まえて考えるべきものと承知いたしております。
○木内(孝)委員 同じような答弁なのでもう聞きませんが、八年後から建てる新社屋のために千七百億円全額積み立てが終わっている、こんな会社は日本にはほとんどないと思います。幾ら何でもずさんな計画ですし、その三千四百億円を、たった一回の質問で千七百億円。オリンピックも三兆円が一・六とか八になっておりますし、新国立競技場も千三百から始まって千五百、三千、四千、それが今千五百まで落ちていますので、最近は何があっても驚きはしませんが、ぜひ、新会長として緊張感を持ってこのNHKの経営に当たっていただきたいと思います。
 最後に、では大臣、ちょっとお願いします。
○高市国務大臣 NHKでは、まだまだ合理化を進めていただかなきゃいけないところが随分あると私は思っております。
 委員が御指摘の視聴者への還元ということを将来的に考えましても、例えば4K、8Kなどさまざまな新しい取り組みということに係る費用はわかるんですけれども、子会社からNHK本体への配当をしっかりとやっていただくこと、そしてまた、これから放送センターの建てかえということで積み立てがございますけれども、この積み立ての規模については適切な手続によって行われてきたものでございますが、ただ、やはりこれは、受信料で成り立っているNHKでございますので、どのようにそれを使っていくかというのは適切に国民に説明していただきたいと思っております。
○木内(孝)委員 全く国民から見て納得感のない答弁だと思いますけれども、次の質問に移りたいと思います。
 東京電力の財務内容についてお伺いいたします。これは世耕大臣にお伺いいたします。
 原賠法の廃炉支援スキームがございますけれども、いろいろな費用、もともと九兆円の交付国債という枠があって、いろいろふえて、廃炉費用を含めると二十一・五兆円、その八兆円を除くと十三・五兆円となっております。
 私も当時の原賠法のこのスキーム作成にかかわった者の一人として、実は、かかわった人間として言うのもなんですけれども、かなりガラス細工の、難しいスキームであったと認識しております。言い方を変えると、ちょっと言葉は悪いですけれども、粉飾的スキームだったと思っております。
 なぜこういうスキームになったかというと、当時は、賠償を早く実施しなければならない、これが一つ。それともう一つは、社債市場、資本市場、株式市場が混乱している中で、より混乱させるのを短期的に防がなければならないということで、ああいったスキームを立てました。
 しかしながら、東京電力という会社が、十三・五兆円、全額ではないにせよ、これだけ大きな金額を負担し続けるという意味では、私は、東京電力は事実上破綻している、実質債務超過であるというふうに認識しております。大臣のお考えをお聞かせください。
○浜田委員長 木内君、参考人はよろしいですか、NHK会長。(木内委員「はい」と呼ぶ)
 それでは、世耕経済産業大臣。
○世耕国務大臣 東京電力は上場会社でありまして、きょうも株式市場で取引されている、そういう企業が債務超過である、破綻状態であるというのは、これは相当慎重に発言していただかなければいけないというふうに思っています。
 その上で、今御指摘の十三・五兆については、これは賠償、除染、中間貯蔵にかかわるところになりますけれども、まず、原賠機構法に基づいて原賠機構が東京電力において必要となる資金繰りを支援して、これまでも事業を円滑に実施できているところであります。今回、少し見直されました。賠償の金額が主にふえたということになりますが、今回見直された所要資金についても交付国債の追加発行を行って、引き続き事業を着実に実施していけるというふうに考えております。
 今御指摘のスキーム、木内議員が考えられたということでありますが、当時、私も、野党議員として、これは賛成していいものかどうか、大変悩みました。
 今御指摘のような、例えば破綻処理ということになれば賠償に非常に時間がかかるとか、あるいはそれ以外の点でも、別のスキームということになると、これは東電を潰すということになるわけですけれども、そうすると、結果として東電の責任が消滅してしまうじゃないかとか、国が結局直接賠償や廃炉を行わなきゃいけないじゃないか、あるいは破綻処理を行うことによって首都圏の電力供給に不安が生じるんじゃないか、そういう議論の中で今御指摘のスキームが考え出されたというふうに思っていまして、当時、我々自民党、公明党も賛成をしてこのスキームが成立したわけであります。
 私は、今、経済産業大臣として、民進党と自民党、いろいろ考えの違うところはありますけれども、この東電のスキームに関してはしっかり引き継いで、これからも継続的に安定的に行っていく必要があるというふうに認識をしています。
○木内(孝)委員 本来であれば、事故が起きた時点であらゆる関係者、当然、事業会社はもちろん応分の責任、そして当時の原賠法三条に基づけば、天変地異でないというような定義のようでございますけれども、本来であれば国が負うべき責任を回避している。もう一つあるのは、一般債権者であった銀行も、事実上当時破綻している会社なわけですから債権が毀損するはずであった、株主責任も当然ある、これがいわゆる一般的な市場のルールであります。
 しかしながら、超法規的措置ということでこういうスキームが組まれて、当時は有事でございますのでいたし方なかったと思いますし、私もその責任の一端はございますけれども、現在、これだけ落ちついた状況の中で、また九兆円という金額が増額されたことを契機に、全ての責任を東京電力という会社一社に押しつけて、私は、これは、当時の民主党も現在の自民党もほかの野党も含めて、全員頬かむりしている状態だと思っているんです。なぜ、こうした問題の、ツケの先送りをし続けるスキームをやるのか。
 世耕大臣はこうしたスキーム等々に非常に明るい方だと私は承知しておりますし、こういう粉飾的スキームを温存することをよしとしない、市場を非常に理解された大臣と私は承知をしております。ぜひこれを一回、十三・五兆円になって、どう見ても継続企業として疑義がある中で、見直すお考えは、改めてお伺いしますけれども、ありませんでしょうか。
○世耕国務大臣 まず一つは、国は逃げているわけではありません。東京電力に全部かぶせているわけではありません。国も前面に立ってという前提でやっておりますし、今回のスキームの中でも国の一定の役割はあるというふうに思っています。
 その上で、私は、東京電力もやはりきちっと責任は果たさなければいけない、しかも、上場企業でありますから、まさに市場原理の中で果たしてほしいというふうに思っています。
 十三・五兆のうちほとんどは東京電力が将来的に返していかなければいけない。あるいは、廃炉の費用もだんだん数字が明らかになりつつありますけれども、これについても東京電力が払っていかなければいけない。そのために、東京電力には非連続の徹底した改革、私はまだまだ東京電力は改革の余地があると思っています、それで年間五千億ぐらいの追加の利益を絞り出してもらって、その中からこの資金に充てていく。
 あるいは、除染については、東京電力は今もう非常に株価が安くなっていますけれども、これも、東京電力が改革を進めることで企業の評価を上げてもらって、そしてその売却益によってカバーをしていく。私は、これが実は国民の負担を最も少なく済ませる方法ではないかというふうに考えております。
○木内(孝)委員 麻生金融担当大臣にお伺いいたします。
 東京電力は、十三・五兆円の交付国債を返すのに何年間かかるんでしょうか。そして、こうした会社を継続企業と言えるのかどうか。
 私も、もともと銀行にも十二年間おりましたし、いろいろ検査も経験しておりますけれども、私の古巣の人間に聞いても、あるいはほかの銀行の人間に聞いても、誰がどう見てもこれは実質破綻しているし、本来であれば、正常債権としてではなくて分類債権として分類されるべきというふうに私は承知しておりますが、麻生大臣はこれを、明確に正常債権で、問題がないとお考えなのかどうか、お伺いいたします。
○麻生国務大臣 まず、基本的には、東京電力はNHKとは違います。全く独立した株式会社ですから、まずそこが第一条件として考えておいていただかないかぬところ。
 したがって、ここには株主もいます、マーケットもありますし、上場している会社でもありますので、そういったことになりますと、これは私たちの言葉で言えば個別企業の話になりますので、金融庁を所管する大臣として個別の企業に関しての内容についてコメントするというのは、今、世耕さんも個別のあれはされませんでしたので、一般の株主が今も存在していますので、しかも、その株主が、今上場されていて、取引を市場でされておりますので、この財務に関する事項についてコメントすることは慎重にならざるを得ないという点をちょっと御理解していただかないかぬところだと思います。
○木内(孝)委員 私も、市場への影響等々あるものですから、個別の企業についていろいろ質問もしづらいというのは承知しておりますが、では、質問ついでと言ってはなんですが、東芝の粉飾決算についてお伺いいたします。
 一年半前の予算委員会で、私は、東芝の原発事業は明らかに減損するべきではないか、相当厳しい状況にある、通常以上に厳しく見てほしいということを申し上げました。そのときも、麻生大臣は通り一遍の、まあ個別企業だから、これは法に基づいて、証券取引等監視委員会があるからということですが、七千億円の減損、これはまだ報道ベースです。でも、メディカル事業も切り出し、いい部分をどんどんどんどん切り出して、今残っているお宝の半導体事業、これも場合によっては二割弱という報道にはなっておりますけれども、結局残るのは原発事業一つ。
 結局、問題を先送りにして、いいことは何もないんです。個別の企業のことについて回答しづらい、それはよくわかりますが、大臣が一年半前にもう少し、個別企業の話ではあるけれども、予算委員会で質問も出たし、自民党さんに献金をちょうど倍増した直後で、ちょっと後ろめたいところもあるから、うまく見ておいてくれよ、そういう指示をなさっていただいていれば、私は、こんな七千億円の減損にもなっていないと思います。
 大臣、これは個別企業としてということではありますけれども、日本を代表する企業二つの話です。個別企業と切り捨てないで、ここでお答えできる範囲には限界があるとは承知しておりますけれども、ぜひそこについては、前向きというか、いい形での御答弁をお願いします。
○麻生国務大臣 今のような七千億円等々の報道があることは知っておりますし、切り出していろいろしていることも知っていますし、内容に関してはかなり詳しく知っていると思います。
 重ねて申し上げますけれども、個別企業の財務にかかわる話でもありますし、上場されておる企業の内容でもありますので、コメントに関しましては差し控えさせていただきますというのは先ほどお答えしたとおりなんですが、今、東芝において状況を検証中であるという旨開示しておられるというふうに承知しておりますので、これはやはり東芝において適切な開示が行われるということだと存じますのが一点。
 それから、先ほど言われた監視委員会というのは、我々とは全く独立した監視委員会がそこにありますので、その監視委員会というものの存在もぜひ考えておいていただかないかぬところだと思います。
○木内(孝)委員 この間に日本のマーケットの信頼性を非常に損ねているということは問題意識を持っていただいて、次の質問に移ります。
 外為特会についてお伺いします。
 先般、GPIF、年金基金のお金がトランプ大統領のインフラ投資のお土産として使われるのではないかという報道がございました。安倍総理は明確にこれを否定なさいましたので、そこは一定程度安心はしているものの、もう一方で、GPIFが決めることだというような答弁もしていたので、もしかしたら、今の政府とGPIFの非常に近い関係からすれば、そういうずさんな運用のされ方をしてしまうのではないかと心配しております。
 もう一つ、百四十兆円、外為特会には外貨建て資産がございます。JBICは、この外貨建て資産をうまく活用して、日本のインフラ投資、輸出に資するものであればそれを弾力的に使うというようなことを常々考えて、そうしたスキーム。それが健全な形で運用されていくのであれば私は構いませんが、政治的な形で外為特会のお金がインフラ投資に使われるのではないかという心配を私はしております。
 これも報道ベースで五十兆円のお土産だと出ておりますので、改めて確認をいたしますけれども、外為特会の資金は、トランプさんのインフラ投資には使われず、ジャパン・ファーストとして日本のために使われるということを確認しておきたいと思いますが、御答弁をお願いいたします。
○麻生国務大臣 日米の首脳会談における議論というものの内容について、その詳細を今知っているわけではありませんので、私どもの立場としては、何ら決まっていないことに関してお答えのしようがないんですが、外為特会、通常、外国為替資金特別会計というんですが、このことについて、米国から等々、インフラ投資に関して何とかかんとかという話の検討が今行われているということは、全く承知をいたしておりません。
 それから、具体的な内容は明らかではありませんので、インフラ投資が可能かという話なんですけれども、今JBICの話をされましたけれども、こういったようなことがうまく運用できるなら、それはそれなりにいいんですが、一番肝心なことは、外為特会の点については二つ、安全性と流動性です。急に来ますからね。インフラというのは最も流動性がありませんから。
 こういったことになりますと、私どもとして、運用を行っていくに当たりましては、インフラ投資というのは最も、外為特会という、流動性の点に関しては非常に運用のしにくいところなので、それをやるときにJBICを通すとかいろいろな形をやらないかぬところだと思いますが、少なくとも、米国債などを債券の中心にうまく運用させていただいているのが今の状況です。
○木内(孝)委員 外為特会の資金の使い方ですけれども、過去十年間で二十・一兆円、一般会計に繰り入れしています。数年前に七〇%までしか繰り入れしないということだったにもかかわらず、今度は一〇〇%それを繰り入れするというような話になっております。この外為特会は本当に打ち出の小づちとして使われる危険性が非常に多くて、もう既に実際に使われております。
 最後に、とにかくインフラ投資に悪用されないということをお願い申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございます。
○浜田委員長 これにて木内君の質疑は終了いたしました。
 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時四分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○浜田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。
 三案審査の参考に資するため、来る十五日水曜日、沖縄県及び愛知県に委員を派遣いたしたいと存じます。
 つきましては、議長に対し、委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 なお、派遣委員の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○浜田委員長 質疑を続行いたします。重徳和彦君。
○重徳委員 民進党の重徳和彦です。
 まず、きょう資料を配付しておりますけれども、有効求人倍率が一を超えているということで、安倍総理、大変胸を張っておられますが、よく見れば、リーマン・ショックで大変なことになったのは麻生政権のときであり、その後の民主党政権を経て今がある、非常に直線的に有効求人倍率は上がっているところでございます。各党の内閣において力を発揮してきた成果だと思います。
 現状を石原大臣にお聞きしたいんですが、有効求人倍率が非常に上がってきていて、労働需給が逼迫していると言われますが、女性や高齢者の雇用もパートタイムを含めて進んでいるところであります。ここから先、本当に賃金の上昇が始まって経済の好循環につながると見ていいのかどうか、そのあたりの見通しをお答えください。
○石原国務大臣 ただいま委員がグラフを示されまして、有効求人倍率が上昇傾向にある。やはり国民生活にとりまして雇用環境をよくしていくということは大変重要でございまして、雇用環境がよくなり、さらに賃金が上昇していくということが望ましいのであると私も考えております。
 おかげさまで、税と社会保障を差し引きましたいわゆる可処分所得水準は二年連続で上昇しております。そして、これも新聞に出ていて委員御承知のことだと思いますが、昨年は五年ぶりに実質賃金が増加いたしました。ことし、三年間で六%を超える賃上げ、今世紀に入って初めてでございますが、達成していて、ここでとまってしまっては元も子もない。やはり四巡目、五巡目につなげていく、さらに賃金が上昇することを期待しておりますし、春闘で成果が出ることを見守っているところでございます。
 そんな中で、雇用・所得環境の改善が続く中で、未来への投資を実現する経済対策、総額二十八兆円でございますけれども、こういう効果もありまして、委員御指摘のとおり、好循環な経済がこれからさらに進展していくことを期待している。
 ただ、気をつけなければならないのは、外的要因の変化というものには十分気をつけていく必要がある。
 こんな認識でございます。
○重徳委員 前向きな見通しを示されましたが、ただ、今、中小企業の経営者の皆さんに話を伺いますと、大変逆に苦しい状況にある。人手が足りない、そして賃金を上げる余裕はないが、上げなければ人はとても集まらない、こういう中であります。
 生産活動を縮小せざるを得ないような状況、現象もあらわれているように見受けられます。例えば、ファミリーレストランが二十四時間という体制をやめる。これは、一業態であり、また、さまざまな要因があると思いますが、概して言えるのは、やはり人手不足によって今中小企業が苦しんでいる面もあるというふうに捉えておりますが、経産大臣、いかがでしょうか。
○世耕国務大臣 中小企業は、雇用の七割を支える非常に重要な経済主体であります。
 中小企業の現状が今どうなっているか。幾つかの視点があるというふうに思っていますが、まず一つは、経常利益は過去最高水準にあります。これは地域で若干ばらつきがありますが、過去最高水準になっています。あるいは、業況判断についても、中小企業の業況判断は改善基調にあるということで、全体的に中小企業を取り巻く経営状況は改善状況にあるのかなというふうには思っております。
 ただ、御指摘のように、人手不足というのはかなり深刻だというふうに思っています。雇用人員DIという数値がありますが、大企業がマイナス一七ポイント、これもかなり厳しくなっているんですが、中小企業はそれを上回って、二四ポイント、低下をしておりまして、人手不足は今深刻な状況だというふうに思っています。
 こういう中で、当然、中小企業の経営者は賃上げをしてでも人を確保するということになっていくわけでありますが、特にそこで私は重視していますのは、中小企業が賃上げをした場合、大体大企業の下請に入っていますから、取引条件をちゃんとフェアにして、そういう賃上げ分を取引価格に反映するようにしていく、これが非常に重要だと思っておりまして、今、各業界にも働きかけておりますし、下請ガイドラインも改定をして、中小企業がちゃんと賃上げできる環境を整えていきたいというふうに思っています。
○重徳委員 この状況はしばらく見守る必要があると思いますが、人手不足というのは日本の構造的な根本的な今後の課題でありますので、そこが与える影響というのは本当にはかり知れないものがあると思っておりまして、この後の質疑を続けてまいりたいと思います。
 今、働き方改革ということで、過酷な長時間労働を制限する、これは当然のことでありますが、これに伴いまして、労働時間一般に、縮減しよう、削減しようということになってまいりますと、これは長きにわたる日本の雇用慣行にも非常に大きな影響を与える大変大きな課題だと思っております。これに本気で取り組むのであれば、こういうことも含む働き方改革に取り組むのであれば、これはよっぽどの、時間もかかるでしょうし、労力、決意が必要だと考えております。
 そこで、まず、いわゆる残業の制限という話でありますので、具体的に各職場において残業というのは一体どういうふうに行われているんだろうかということに思いをいたしますと、残業時間を指定して職務の命令を出す、これは型どおりでいうと本来なんですが、何時から何時まで残業せよということまで指示を出すということがそんなに一般的かというと、むしろ、時間は指定しないがこういう仕事をやれという命令に従って、それに伴って残業しているんですという方もいるでしょうし、これは後ほどお話ししますけれども、残業代ということも含めて賃金でありますから、そういうことも含めて残業をしているという方もおられると思います。また、会社に本気で貢献して将来社長を目指すんだと、上昇志向を持ってばりばり残業している。いろいろな形があると思います。
 こうした残業というのが、戦後、特に労基法が定められて以降、景気変動に対応して残業の長くなったり短くなったりということをもって、雇用維持、あるいは経営者側からすると労働力を確保する、こういうことに寄与してきたという見方があるわけですが、塩崎大臣、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 今御指摘のとおり、残業というのはいろいろな効果をもたらすんだろうと思います。
 私ども、三六協定についての見直しを行う検討会、仕事と生活の調和のための時間外労働規制に関する検討会というのがありまして、そこで議論いただきましたが、その中でも、高度経済成長期に労使が確立をいたしましたいわゆる日本型の雇用システムのもとで、企業というのは、好況期には労働時間を長くする一方で、不況期には短縮をして、人件費を減らすことによって調整をするということで対応するという、言ってみれば雇用調整をさせないための役割も果たしてきた一面がある、こんな指摘もございました。
 他方、こうした日本型の雇用システムの中で、いわゆる正社員の恒常的な長時間労働というのが過重労働をもたらして、仕事と子育て、介護等との両立もなかなか難しいというような問題ももたらしていますので、そういうことで見直しが必要になっているのではないかというふうに認識をしておりますけれども、今お話ししたような、あるいは御指摘のあったような側面もあるということは事実だと思います。
○重徳委員 そこで、過酷な、過労死に至るような超長時間労働を厳しく制限するというのは、今回の働き方改革でまずもって何よりも取り組まなきゃいけないことだとは認識しておりますが、その上で、今回の改革で一般的に働き過ぎだと言われる日本人の総労働時間を全体的に削減しようとしているのであれば、どの程度それは削減しようとしているんでしょうか。
○加藤国務大臣 我が国の労働者の年間の平均労働時間、千七百二十九時間ということになっています。欧米諸国と比べて長いということと同時に、この間、全体としては減少はしているものの、主として非正規の方の割合が高まってきたということで、いわゆる正規で働いている方の労働時間は余り変わっていない、こういう認識をしているわけであります。
 したがって、今委員から御指摘ありました、過労死等を二度と起こさない、そういった意味で長時間労働の是正に取り組んでおるところでありますが、具体的な総労働時間を幾らにするかということを、特段具体的な目標を持っているわけではございませんけれども、こうした取り組みをすることによって全体としての総労働時間は減少に向かっていくものというふうに考えております。
 また、そうした取り組みが、単に時間数を減らすということだけではなくて、あわせて、例えば経営者においてどのように働いてもらうかに関心を高めていくということで、労働生産性の向上、あるいは働く人にとっても自己啓発の機会がふえていく、そういった意味での労働生産性が向上していくということも期待をしているところであります。
○重徳委員 加藤大臣がおっしゃったようなことについて、私も前向きに捉えて前向きに考えたいとは思っておりますが、しかし今、現状において、長らくにわたって形成されてきた働き方を、例えば一つの中小企業が、残業時間を減らせ、労働時間を減らせという傾向の中で、やはり経営者側からすれば、労働時間を減らせということはそれだけ労働力を削減せよという意味になりますし、そうなると、またその分だけ別の人を雇えというのかと、いろいろな受けとめになってしまうと思うんです。
 そうなると、かえって企業活動に対してマイナスじゃないか。ここは生産性を上げてやるんだと。ここは鶏と卵の関係かもしれませんが、しかし、これまで積み重ねてきたものが余りに大きいですから、そういったマイナスじゃないかという受けとめも現場においては十分あり得ると思います。
 また、もう一つは、働く人たちの間でも、これは若い世代でよく聞くんですが、やはり残業を多少して残業代ももらわなければ生活が苦しくなっちゃうよね、こういう感覚というのは実際にあります。無駄な残業ばかりしているとは言いませんが、実際問題、現実問題として、残業代も含めて賃金でありますので、こういったことにも配慮しなきゃいけないと思っているんです。
 現に、きのうの日経新聞でも指摘されていたところなんですが、昨年十二月の所定外給与というもの、つまり残業代ですね、これがマイナス一・九%、かなり大きく減っている。これは直接間接に今の働き方改革という流れも影響しているのではないか、こういう見立てもあるわけであります。
 そこで、一つお聞きしたいんですが、こういった残業を規制していくというのか働き方を見直していくことに伴いまして、残業代が減ったということに対して、本給の部分を上げていくということをもってしか、今の特に働く世代、若い世代の生活水準を維持することはできないんじゃないか、こんなふうにも考えるわけですが、本給の引き上げということは想定しているんですか。
○塩崎国務大臣 働く方を対象に行った調査を見ても、残業手当をふやしたいため時間外労働を行う方の比率は必ずしも高くはないわけでありますが、人口減少が進む中で多様な人材が活躍できるようにするためには、意に反する長時間労働の是正とあわせて、時間当たりの生産性、つまりマンアワー当たりの生産性というのを高めていく、働く方がその成果に見合った賃金をもらえるようにするということが重要なわけで、御心配の向きは、やはり、マンアワー当たりの生産性というものを上げていかない限りは賃金の上昇につながらない、逆に賃金が減るという御懸念のようなこともあり得るわけであります。
 したがって、一人一人が公正な評価と処遇を受けて、ニーズに合った多様な働き方を選択できて、やる気を発揮して生産性や競争力の向上に結びつくということが大事なのであって、そしてそういうことが初めて賃金アップに結びつくということで、言ってみれば、働く喜びと成長の好循環、付加価値が高まるということが実現しないと、同時に長時間労働の縮小は結果として賃金が下がるということでは意味がないわけだと思っています。
 そういうことで、時間外労働の上限規制の検討に取り組むとともに、自社の長時間労働を抑制して、効率よく働いた成果を評価して、働く方に還元をするという企業もあるわけでありますので、こういうような企業のすぐれた取り組みをむしろ好事例として周知して、同じようなことで頑張ってもらいたいというふうに思うところでございます。
○重徳委員 個別の企業の取り組みにかかっている部分が非常に大きいものですから、この部分については、政府が全体的に答弁するというのは、今のような若干抽象的、一般的な御答弁になるのかもしれませんけれども。
 例えば、先般、日本電産という会社がございますが、ここが、現在は月当たり四十時間残業しているという社員さんの残業をゼロにしようという取り組みを、二〇二〇年までに残業をゼロにしたいという目標を掲げて、そのために一千億円投資するということがあるんですよね。最新のロボットとかスーパーコンピューターを導入したり、テレビ会議を導入して、もちろん職場配置を見直すということに加えまして、やはり年収が減ってはいけないということで、ここは賞与とか手当を引き上げる、あるいは教育投資へのお金を三倍に引き上げるとか、大変な覚悟と、そして実際に投資金額も相当なものです。
 こういったことを通じてのみ生産性というものはようやく上がってくるというふうに見るべき大変大きな課題ではないかと思うんですが、政府として、これから、この働き方改革、特に、塩崎大臣、生産性、生産性とおっしゃいますけれども、これを具体的に上げていく予算、事業、こういったものはどのようなものをお考えでしょうか。
○塩崎国務大臣 一義的には、もちろん企業ですから企業自身の努力というものが非常に重要であって、資本市場に出ている上場企業は、当然、そういう中でみずからそれを自己実現していくということが大事なんだろうと思いますが、その他の中小企業などを含めていろいろ考えなきゃいけないということで、私ども、企業の生産性向上の観点から、地域の企業と密接にかかわっているのは金融機関であります、特に中小企業の場合、そういうことで、金融機関と連携するということを一昨年から取り組んでおります。
 実際、金融機関から出向者も受け入れながらこの取り組みを、金融機関と連携して私ども生産性向上の取り組みを企業に働きかけていこうということで、今、地方版政労使会議というのを、まず金融機関の参画も求めて地域レベルで話し合いの場を設けるとともに、今お話しのように、政策的に何をするんだということですが、まず、今国会に雇用保険法の改正案を出しておりますが、この中で、労働関係助成金の理念に、企業の生産性向上の実現の後押しというものの追加を明示的にいたしました。助成金につきまして、金融機関が行う事業性評価というものを、最近金融庁も力を入れてやっておられるわけでありますが、その事業性評価も参考に生産性向上を判定する。そして、来年度予算におきまして、本格的に、生産性の向上を図る企業に対する優遇措置というものを講じていこうと思っております。
 今後とも、企業の取り組みの成果をしっかりと評価する、しっかりアウトカムを評価しながら、厚生労働省としても生産性向上を確実に支えていくということに取り組んでいきたいと考えております。
○重徳委員 残業をなくす、残業を減らしたいといったときに、早く帰れ、早く帰れと言うだけで生産性が上がるわけでも何でもありませんし、これは、現場において総合的な取り組みが、そして本当に多大な取り組み、労力がかかることだと思いますので、これはちょっと引き続きよくよく見てまいりたいと思っております。
 さて、今、人口も減っている、労働力が減っているという中で、いよいよ外国人の労働者が大変急激な勢いでふえております。
 資料の三を配付しておりますが、昨年ついに外国人労働者が百万人を突破いたしました。それも、少しずつふえているんじゃなくて、昨年一年間で十七万六千人、一九・四%ふえて、それで百万人を突破した。二割増ですね。物すごい勢いでふえているわけなんです。これは特に、技能実習生、二五%増であります、専門的、技術的分野も二〇%増ということでありますが、今後このペースでふえていくんでしょうか。今後の見通しを含めて、今の現状をお述べいただければと思います。
○生田政府参考人 お答えいたします。
 厚生労働省といたしまして、まず、高度人材につきましては、経済社会の活性化の観点から、外国人の就業を積極的に推進しておるところでございますし、また、技能実習制度につきましては、技能移転によります国際貢献を目的としていることから、多くの実習生の方々に活用していただくことがいいというふうに考えてございますけれども、こういった外国人材を受け入れる人数につきまして、具体的な目標値といったようなものは設定してございません。徐々にふえてきておるわけでございますけれども、目標値はないということでございます。
○重徳委員 徐々にふえているというか、物すごい勢いでふえているものですから、ここはやはり人数も非常に気になります。百万人を超えました。この勢いでいくと、二百万人、三百万人、どんどんふえるんじゃないでしょうか。
 これは、ちょっと金田大臣にお聞きしたいんですが、実際に現場でのニーズへも対応していると思いますが、入国管理政策としては、このような形で、必要とされているから、あるいは他国からの要請があるからふやしていくというようなことでいいんでしょうか。この点、ちょっとお伺いしたいんですけれども。
○金田国務大臣 重徳委員にお答えをいたします。
 外国人材の受け入れに関します基本的な考え方ということなんですけれども、外国人材受け入れのあり方につきましては、昨年六月に閣議決定がされました日本再興戦略二〇一六におきまして、真に必要な分野に着目をしつつ、総合的かつ具体的な検討を進めるとされているところでございまして、私ども法務省といたしましても、出入国管理を所管する立場から、この検討に積極的に参画してまいりたい、このように考えておる次第であります。
 そして、その際、外国人材を受け入れた後の地域における住民あるいは生活者としての視点からの検討も、政府全体と連携をとりながら、あわせて行う必要があると認識をいたしております。
○重徳委員 検討には積極的に参加するということでありますが、外国人労働者をどのような数、ペースでふやしていこうとしているのかというのは極めて重要なところだと思います。
 移民政策はとらないというふうに安倍総理も明言されていますけれども、移民の定義が非常に曖昧だと思います。我が国の移民というのは、どういう定義なんでしょうか。
○金田国務大臣 御質問にお答えをいたします。
 移民の概念というものは必ずしも一義的なものではなくて、明確な定義があるわけではない、このように承知をいたしております。
 他方で、我が国の入国管理制度と移民の関係なのでございますが、仮に、入国と同時に在留期間を無期限で与える形態を移民として捉えるのであれば、我が国の入国管理制度というのは、我が国での永住を希望する外国人に対しては、その入国と同時に永住を許可することができる制度にはなっておりません。
 その意味において、我が国は移民制度をとっていないと言えるのではないかと考えております。
○重徳委員 無期限でさえなければ移民ではないという、非常にこれは緩いといいましょうか、移民という言葉をかなり限定的に定義した上で、そして、その他の形で国内に外国人を入れていくということになると、これは事実上、移民政策をとっていないという建前の中で、野方図に際限なく外国人を国内に入れるということになりませんか、大臣。
○金田国務大臣 外国人が新規に入国をします際、入国審査官に対して永住者としての活動を行おうとして上陸の申請をした場合には、在留資格に係ります上陸条件に適合せず、そして、永住者として本邦への上陸ということが許可されるということはないのであります。
○重徳委員 ちょっとよくわからない答弁でしたが、国際的には、一年を超えるような外国生活というのは移民だというようなのがかなり一般的だと言われております。
 日本において、一見、移民政策をとらないというわかりやすい言葉をもって制限的に見えますけれども、実は、いろいろな形で、先ほどから言っているように、外国人労働者百万人、物すごい勢いで超えているわけですから、ここに特段、何人を上限とするとか、どのようなペースでふやしていくとかいう何の制限もなければ、移民政策ではないといいながら、事実上どんどんと外国人を入れる。
 これは別に、一概に悪いことばかりとは言っておりません。現に、働き手がいない中で、外国人にしっかりと働いていただく、そういう場をつくるということでもありますし、日本で一生懸命働こうとしている外国人は、我々は本当に尊重、敬意を持って接していかなきゃいけないと思います。
 しかし、肝心の入国管理政策が、このような、定義がないといいながら、永住者とか無期限とか、そういうもののみを移民と称して、その他は特段何の制約もない。これは厳しいんだか緩いんだかわからないと思うんですね。
 こうなってくると、国際的に見て日本の移民政策というのが緩いのか厳しいのかよくわかりませんけれども、例えば、今、トランプ大統領が入国の制限というものをして国際的には非難されておりますが、金田大臣は、トランプ大統領の今の姿勢についてどのようにお考えですか。
○金田国務大臣 アメリカの大統領の今の政策というものがいろいろな御意見が出ているもとになっている、このように受けとめております。
 でも、その具体が、アメリカの政策がどういう状況の中でどこを目指すか、これをしっかりと把握した上で自分の意見を申し上げたいなと思っております。
 そういう意味において、ただいまの委員の御指摘をしっかり踏まえて、アメリカのそういう政策の説明あるいはその対応についてしっかり注視をしていき、我が国はどうあるべきかをその中でしっかりと受けとめていきたい、このように思っております。
○重徳委員 時間が来たので終わりますけれども、政府の、移民政策はとらないというその一言で何か表現しようとしていますが、その実態というのがかなり曖昧なものであるというふうな印象を受けました。今後もまた引き続きこの点は取り上げてまいりたいと思っております。
 以上で終わります。
○浜田委員長 これにて重徳君の質疑は終了いたしました。
 次に、井出庸生君。
○井出委員 民進党、信州長野の井出庸生です。
 これまで、私、各委員会で参考人の登録を認めないということはしてこなかったのですが、きょうは堪忍袋の緒が切れているところが若干ございまして、金田法務大臣と質疑をさせていただきます。
 六日に金田大臣がマスコミに配られた文書、その日のうちに撤回をされ、きのうの委員会でも結果として不適切であったというようなお話がありました。
 私は、文書を配った云々以前に、文書の中身、そこに書かれていること、きょう新聞記事をつけさせていただいておりますが、専門的な知識を有する政府参考人も加わって充実した審議をしろ、それから質問要旨が曖昧だ、さらには外務大臣を入れろ、そして以上を踏まえて法務委員会をやるべきだ、そういうお話であると思いますが、まず、この中身について撤回をするお考え、中身について、これは間違いだった、検討し直す、そういうようなお考えがあるかないかを伺います。
○金田国務大臣 井出委員から御質問がございました。お答えをさせていただきます。
 御指摘は、おととい法務省から法務省法曹記者クラブの記者の皆さんに配付をいたしました「予算委員会における「テロ等準備罪」に関する質疑について」と題する文書にかかわる御質問と受けとめております。
 この文書につきましては、国会に対しその審議のあり方を示唆するものと受けとめられかねないものでございますので、不適切なものとして直ちに撤回をさせていただいた次第であります。改めてこの場をかりておわびを申し上げたい、このように思います。
 そして、国会における法案の審議につきましては、与党協議を終了しているかとか、成案を得ているかとか、あるいは国会提出後か否かにかかわらず、どのような質問も妨げられるものではないと理解をいたしております。
 その上で、御質問の内容によりましては、法案の検討の具体的進捗状況等に鑑み、御質問の時点で確定的な回答をすることが困難な場合も想定されるところでございます。そのことは御理解を賜りたい、このように思っておる次第であります。
 もとより、国会に対しましてみずからが行う施策につきまして丁寧な説明に努めるという政府の基本姿勢に立ちまして、誠実に職務に当たってまいる所存であります。
○井出委員 委員長、全く質問にお答えをいただいておりません。
 私が質問したのは、この文書の、主に三つ箇条書きをされていますが、この大臣のお考えを撤回する意図、これは間違いだった、そういうようなお考えの余地があるかないか、それを伺っております。もう一度答弁を。
○浜田委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○浜田委員長 速記を起こしてください。
 金田法務大臣。
○金田国務大臣 私が先ほど申し上げましたのは、国会に対しましてその審議のあり方を示唆するものと受けとめられかねないものである、このように判断いたしまして直ちに撤回をさせていただいたところであります。そして、改めてそうしたことにつきましておわびを申し上げたい、このように申し上げたのですが。
 国会における法案の審議につきましては、先ほども申し上げましたが、与党協議を終了しているか、成案を得ているか、あるいは国会提出後か否かにかかわらずに、どのような質問も妨げられるものではない、このように理解しております。
 ただ一方で、その上で、御質問の内容によりましては、御質問の時点で、法案の検討の具体的進捗状況等に鑑みまして、確定的な回答をすることが困難な場合も想定されるところがあろうかと思います。そのことは御理解を賜りたい、このように申し上げた次第であります。
 もとより、国会に対してみずからが行う施策については丁寧な説明に努めるという政府の基本姿勢に立って、誠実に職務に当たってまいりたい、このように考えております。
○井出委員 考えそのものを撤回されるかどうかは明言をされない。
 この文書に書かれています大臣の考えというものは、大臣がこれまで各委員会の中で再三答弁をしてきたものであります。簡単に撤回できる話ではないというのも私はわかります。一例を挙げますれば、刑事局長を入れて議論をしろと。(発言する者あり)
○浜田委員長 静粛に願います。
○井出委員 刑事局長を入れて審議をしてほしい、それをかつてこの場所で、大臣は大手を振って答弁されたこともございます。また、安倍総理大臣も林局長を入れてほしいというようなことをおっしゃった。実務上、運用上のことは実務家に聞けと。
 しかし、ここまでの委員会で問われてきたことは、検討中の法案の立法の趣旨、目的、その背景となる立法事実、法務省が民進党に提出をした三つのイメージ、こうした事案が防げないから検討の法案が必要なんだというものに対しても明確に答えができない。
 私は、この立法目的、立法趣旨、その背景となる立法事実を、かつて刑訴法の法案審議のときに、法案の魂、そういう言葉で当時の上川大臣と質疑させていただきました。上川大臣には一定のお答えをいただきました。法案の魂を政治家が、大臣がしっかり語ることができなければ、どんなに実務家が優秀であっても、その実務、運用、そして国会の議論を踏まえた実務、運用上の配慮、そういうものは一切構築することができない。
 法案の魂を語ることのできない大臣は即刻辞任するべきと考えますが、答弁を求めます。
○金田国務大臣 私の思いは先ほど申し上げたとおりでございまして、あのペーパーにつきましては、不適切なものとして撤回をさせていただいた次第であります。
 その上で、私はやはり、法案は、御指摘のように、その法案の魂というもの、それから基本的な方向というもの、考え方というもの、そういうものをしっかりと答弁しなきゃいけない、このように思っておりますし、同時に、御指摘の中にございましたように、そういう議論を闘わす場として、予算委員会の中でも、そしてまた所管の委員会の中でもしっかりと議論していくことが我々に課せられた使命である、このように考えております。
○井出委員 検討中の法案の魂について、改めてここでお話をいただければよかったのですが。
 この法案の目的、それから立法事実、そうしたものはこの法案の核心部分に直結をしてくる。さまざまな懸念をこの法案については申し上げてまいりました。恐らくこの法案の核心の一つは、かつての共謀罪との違いと、大臣が強調される準備行為というものが構成要件なのか違うのか。そこについても全くこれまで明確な答弁はない。
 この法案の核心というもの、いまだ提出されていない法案の核心、ここをつくる上で、法案作成の責任者の、本当に責任者なのかどうかわかりませんが、林刑事局長も大層苦労されているんじゃないかと私は同情しております。
 この法案の責任者は果たして本当に林刑事局長なのか。法務委員会、本会議、一体この法案の趣旨説明はどなたがやるおつもりなんですか。
○金田国務大臣 呼称でテロ等準備罪と申しております、この法案を指してお尋ねだと思います。この法案については非常に重要な立法事由というのがある、このように受けとめております。
 そして、その上で、この法案の趣旨説明は誰がおやりになるかという御指摘でございました。当然に、この法案を所管します、提出します、閣法でございますので、その役所の責任者たる大臣がすべきものと考えております。
 また、お話の中でございました、局長のお名前も出たようでございますが、その局長は確かに、その法案を作成するに当たって、実務の責任者としてしっかりと仕事をされている方であります。しかしながら、趣旨説明は大臣がすべきものと考えております。
○井出委員 この予算委員会で、この法案の趣旨、目的、立法事実を明確に語れない大臣には、私は、本会議、法務委員会の趣旨説明で官僚のつくった文書を棒読み、それも棒読みすらままならないのではないかと懸念をしております。
 これまでの予算委員会を見ても、きょうもそうです、きょうは大臣席の後ろですから見てくれはまだいいですけれども、どれだけの書類がそこに散らかっているか。そしてまた、そこで一生懸命大臣をサポートしている法務官僚を叱責する。さらには、与党の理事の方が、委員会の審議がとまって大臣の答弁の方向性を促す、そういうことで大臣のところに駆け寄るならわかりますが、理事席から直接駆け寄る。
 国民が国会に失望しているその理由は幾つかありますが、外形的なものとしては、きのうお話のあったやじもそうでしょう、居眠りというのもそうでしょう。ともに、与党、野党、許されることではありません。しかし、一つの大きなものとして、答弁を、官僚の用意したものもまともに読めない大臣というものに対する批判は極めて強いものがあります。
 御自身の資質をどう考えているのか、答弁を求めます。
○金田国務大臣 ただいまの御質問にお答えをいたします。
 提出する法案を予算委員会においてもお尋ねいただいた場合には、その趣旨あるいはその立法事由、そういうものをしっかりと議論していく、そのために御質問を賜り、それにお答えをしていく、これは当然のことと思っております。
 ただし、そういう過程の中で例えば答弁ができなかったりした場合には、それをどういうふうな形で、別の表現で、あるいは御質問を重ねてお聞きしたり、それにまたしっかりとお答えする努力をするというのも当然のことであろうかと思います。
 ただいまの井出委員の御指摘を踏まえて、私もしっかりと誠心誠意、職責を果たす思いで職務に臨んでまいりたい、このように考えております。
○井出委員 この法案に対する懸念というものはさまざまありますが、私は、この法案が、刑法のさまざまな原則、重要な考え方、そういうものとの整合性、そういうものが根底から覆るのではないかと懸念しております。
 刑法のこれまで言われてきた諸原則との兼ね合いで、一体何がこれまでの議論で危惧をされてきたのか、大臣の御存じのことを挙げてください。
○浜田委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○浜田委員長 速記を起こしてください。
 金田法務大臣。
○金田国務大臣 ただいまの御質問にお答えをいたします。
 刑法の原則について今お話がございました。恐らく罪刑法定主義を想定されているんだと私は受けとめておりますが、一定の行為を犯罪として行為者を処罰するには、あらかじめ成文の刑罰法規によって犯罪と刑罰が規定されていることを要するという原則をいうものと思います。その趣旨は、国家の刑罰権を法律の定める限度に制限することによって、個人の権利と自由を擁護しようとするところにあるものだと思っております。そういう見地から、しっかりと国民の皆さんの安心、安全を守り、そのための国際組織犯罪防止条約の国内法の中でその手当てをしていくということは、非常に重要な立法事由として受けとめることができるのではないかというふうに考えております。
 したがいまして、そういう中で私たちは検討を現在進めておりまして、その成案を得ようと努力をしております。その中で、それができますにつれて皆様にお答えできる部分も部分的にふえてくると思いますし、しっかりと丁寧な説明をしていきたい、このように考えておる次第であります。
○井出委員 罪刑法定主義はもちろん言うまでもありませんが、私が一つ指摘をしておきたいのは、刑法における謙抑主義である。その一つは補充性。刑罰は最後の手段にとどめるべきである。もう一つは断片性。刑法による規制は、生活領域の全てではなく、社会秩序維持にとって必要最小限の領域にとどめるべきである。もう一つ、最後が寛容性。法益保護のためにやむを得ない事情がない限り、寛容の精神を重んじて処罰を差し控えるべきである。
 今、国民の安心、安全というお話もありましたが、この法案の一つの論点にテロ対策というものが挙げられております。国際的な条約の枠組みに参加して、国際的な犯罪、金銭、経済犯に対応していく、それはテロともつながりがある、そういうところは私も一定の理解をしております。条約に入ることについては、私も真摯に検討をしてまいりたいと思っております。
 しかし、その一方で、だからといって、これまで限定的にやってきた共謀罪を、対象となる罰を広げていいのか。日本の刑法の謙抑主義というものは、今ここで議論しているだけではなく、昭和四十年、五十年代にも刑訴法の大きな改正があって、学界を巻き込んだ大きな議論にもなりました。
 現状の日本は刑法という法律の謙抑性をまず守っている、ほかの国は必ずしもそうではない、なおかつ、どこの国よりも、どこの先進国よりも良好な治安を保っている。私は、このことは日本の非常に大事な国柄であると思っております。だからこそ、この謙抑主義というものは守っていただきたい。
 それから、テロ対策について申し上げれば、自民党の委員の皆さんの中にはかつて警察のトップをされた方もいると思います。よく御存じだと思いますが、この法律で国際的な枠組みができたからといって、すぐに何か具体的に東京オリンピックに向けて効果が出てくるわけではございません。最終的には、入国の際の、また人が多く集まる場所の持ち物検査ですとか、都道府県警の、自治体の、民間の地道な努力、国民の協力、そうしたもので初めてテロ対策というものが実る。
 この条約にさえ入ればテロ対策は万全だ、これに入らなければ東京オリンピックはできないと言っても過言ではないと、そもそもテロ対策に対する認識を間違っているのは金田法務大臣だと私は思いますが、答弁を求めます。
○金田国務大臣 ただいま井出委員から御指摘がございました。
 確かに、刑法の基本原則にはお話にございました謙抑主義というものはあろうかと思います。刑法の発動は全ての違法行為を対象とすべきではない、そして刑罰は必要やむを得ない場合に限って適用されるべきであるという原則、これを謙抑主義というと私も理解しておるんですが、そういう前提に立ってのお話かと思います。
 しかしながら、一方で、今、国際組織犯罪防止条約が世界じゅうの百八十七カ国で締結をされ、我が国は、署名はしているのですがこれに加盟をしていない十一カ国の一つとして存在しております。
 やはり、国際犯罪の犯罪者をお互いの国が連携してしっかりと取り押さえていく、そういう考え方のもとに、情報交換もございます、そういうもとにこれをやろうという意味である以上、我が国がこれに同意をし、かつ一緒になって国内法の手当てをしながらそういう努力をしていくということは、非常に重要な立法事由になるものと思うわけであります。
 ですから、委員がおっしゃるように、さまざまな立場の皆さんの連携で安心と安全、個々人の自由、幸せをしっかりと守るという気持ちを持つことが最も大事である、だからこれはそのための重要な課題である、このように思っておりますので、私の魂はそういう思いでこの法案の先行きに進めるべく努力をしているところであります。
○井出委員 この条約に入ることは、その必要性は私も認めております。しかし、過去の議論でも、この条約を満たすためにどういう回答を出すか、百八十七の国も入っている、そのことは外務省が一生懸命考えてきた、法務省はその中でどれだけ、刑法の原則、これまでの国内法を守りながらその調和をとるか、むしろ慎重なブレーキ役を果たしてこなければいけなかったということは申し上げておきたい。
 時間が参りましたので、最後に一つお聞きをしますが、金田大臣は、なぜ、どうして法務大臣になられたのですか。
○金田国務大臣 まず、今の御質問にお答えする前に、私は、立法事由というのは幾つかある、このように思っております。今回のテロ等準備罪の法案の立法事由というものはしっかりと幾つかあります。もう少し時間があれば、ここで御説明をしたいと思っております。
 それからもう一つは、きょうは外務大臣がここにおられませんが、私は、外務大臣の所管事務について先ほどの答弁で触れてしまいました。でも、私は、その先を思う、先生と同じです、井出先生と同じです。我々はやはり国民の幸せと安心と安全を守りたい、その一心で議論をしている、このように思っております。ですから、その点だけは御理解をいただきたい。
 その上で申し上げます。
 私は、どのような理由で法務大臣に任命されたのかは、私としては理解しているとは思っていても、内心に思っていることはあっても、それを申し上げることは適切ではないと思っております。しかしながら、与えられた職責に対しましてはしっかりと誠意を持って頑張ってまいりたい、このように思っている次第であります。
○井出委員 立法事実があるなら、今後の審議で示していただきたい。
 それから、なぜ金田大臣が法務大臣になられたのか。大臣の所信表明、記者会見の中で、大臣は、自分はかつて大蔵省の主計局にいた、法務関係の予算を扱った、矯正施設の視察にも行った、そういうところで自分は頑張りたい、明確にそういうようなことをおっしゃったと私は記憶しております。もう少し冷静になれば、もうその初心を忘れてしまったのかと。
 何よりも、今、総理から任命をされたと。きょうの答弁も、ごらんのとおり四苦八苦している。任命されたからやっているんだと。職責を果たそうとしていて果たせていないと思いますよ。
 そういう大臣に対する国民の批判というものは極めて強く、その最たる例が今回の大臣の件であり、大臣のもとで断じてこの法案審議に入ることは認めない、そのことを申し上げて、私の質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
○浜田委員長 これにて井出君の質疑は終了いたしました。
 次に、鈴木義弘君。
○鈴木(義)委員 一年ぶりに予算委員会に立たせていただきました、民進党の鈴木義弘です。どうぞよろしくお願いいたします。
 大分お疲れだと思うんですけれども、まず初めに、GDPの実態と目標の六百兆円の根拠についてお尋ねをしたいと思います。
 今、GDPの五百兆円を、二〇二〇年を目途に六百兆円に目標を掲げたんですが、どの産業が、またどの分野を伸ばしていこうとするのかよくわからない。
 職員の方にお尋ねしても、例えば経済産業省で三千四百億ぐらいの予算を組んでいるんですけれども、では、それをもってGDPがどのぐらいふえていくのか。二十九年度も九十七兆円にも及ぶ予算が計上されているんですけれども、三年後、六百兆円の目標を掲げたわけですね、では、どのぐらいの伸びをやっていくのかというのをまずお尋ねしたいと思うんです。
○石原国務大臣 政府といたしましては、中長期的に実質二%、名目三%程度を上回る民需主導の持続的な経済成長を実現する、その結果として、ただいま委員が御指摘になりました、二〇二〇年ごろに名目GDP六百兆円を達成することを目指しているということでございます。
 そして、どの程度数字が積み重なっているのかという御質問だったと思うんですけれども、政権交代いたしまして、四年間で名目GDPは四十四兆円、年平均ですと二・三%程度、実質ですと二十五兆円、年平均ですと一・三%ということで、総理も再三御答弁させていただいておりますように、デフレではないという状態に至っているんだと思います。こうした中、これも当予算委員会で総理から申し述べておりますけれども、三本の矢の政策に取り組むことによりまして六百兆円の経済を目指していく。
 そして、委員は、どういうところに行く、どう積み上がっているのかということが前段の御質問でございましたけれども、日本全体のマクロ経済として達成すべき目標でございまして、あらかじめ計画経済のように産業や地域ごとに積み上げてこれを達成するというものではなくて、あくまで民需主導の経済成長の中でこの数字を達成する、マクロの数字であるというふうに御理解いただければと存じます。
○鈴木(義)委員 例えば、これは財務省で出している、古いんですよね、二十五年度の各県ごとのGDPの伸び率を一覧表でもらっているんです。これを見ていくと、北海道から沖縄までどのぐらいのGDPが毎年毎年推移しているかというのが出てきているわけです。そうすると、今大臣が御答弁されましたけれども、各県ごと、四十七都道府県の中で、平均値一・八%の伸び率があるんです、平成二十五年度。ちょっと古いんですね。それしか入手ができなかったので。それでいったときに、一・八%よりも伸び率が低い都道府県が二十三都道府県あるわけです。
 国全体として六百兆円に上げていきましょうというのは結構なことだと思うんですけれども、では、それを各県ごとに見ていったときに、どの県をもっと上げていったらいいのかというのはおのずと数字が出てくるはずなんです。それすらもシミュレーションできなくて六百兆円のマクロ経済で云々というような話でいったら、ただこれは絵に描いた餅を並べているだけの話で、六百兆円、頑張ろうと。
 例えば、三年前の農林水産委員会でも質問しましたけれども、一兆円産業に輸出を伸ばしていくんだと。それで、実質四千億ぐらい輸出しているんですね。十年間で六千億上げるということは、単純計算して、毎年毎年六百億ずつ上げていかないと一兆円にはならない、そういう計算になるわけです。
 だから、六百兆円というふうにざっくりおっしゃられますけれども、では、都道府県ごとのシミュレーションについて、どのぐらい伸ばしていこうというふうにお考えか、お尋ねしたいと思います。
○石原国務大臣 先ほども御答弁させていただきましたとおり、平成二十六年、二十七年、二十八年と、安倍内閣、この三年間で賃金は六%超上がったわけでございます。残念ながら、それは各県ごとの推計値ではないわけでございます。私どもは、あくまでもマクロ経済、四年間でいいますと、名目で四十四兆円、実質で二十五兆円ふえたこの経済の発展のベクトルをあと二〇二〇年まで継続していく。すなわち、実質二%、名目三%の成長を遂げていきますとこの六百兆円に達する、そういう経済を民需主導で求めていく。
 あくまでも、先ほども御答弁させていただきましたとおり、どこどこの地域にどれだけ頑張りなさい、どの産業にどれだけ頑張りなさい、どのような産業がどれだけ伸びます、こういう計算のもとにこの数値を出していない、マクロの経済指標であるというふうに御理解をいただければと思います。
○鈴木(義)委員 IMFで出しているGDPの各国ごとの数字を見たんですね。今大臣が御答弁されましたけれども、ほとんど円ベースの話なんです。安倍総理大臣も円ベースの話で出しているんですけれども、ドルベースの話で換算しているのをIMFで出しているんです。
 日本のGDP、平成二十四年、二〇一二年は五兆九千五百七十二億ドル、二〇一三年が四兆九千八十八億ドルなんです。安倍総理が二〇一三年に就任されてから、二〇一四年、四兆五千九百五十五億ドル、二〇一五年、これは下がっているんです、四兆一千二百四十二億ドル、二〇一六年、四兆七千三百三億ドルなんです。
 リーマン・ショック前の数字を見ますと、二〇〇八年、四兆八千四百九十一億ドルなんです。だから、戻っていないんですよ。為替で換算して円ベースで話をしているだけの話で、USドルで換算すると、リーマン・ショック前に戻っていない。
 だから、御自分たちの都合のいい数字を出しているだけじゃないかというふうに私は思うんですけれども、いかがでしょうか。
○石原国務大臣 IMFの数字は存じております。委員が御指摘された二〇一一年はドル・円が七十九円をつけるなど、そういう経済状況でございましたし、その後、二〇一六年はやはり円安傾向、また二〇一五年は円高傾向。
 やはり肝心なことは、我々は円で給料をもらって円で生活をしておりますから、円の経済がどういうふうになったかということを国民の皆様方にお示しすることがより大切であり、ドルで生活をしている方にとりましては委員の御指摘のとおりでございますが、一億二千万国民は円で活動している。ですから、経済の指標も当然円でお示しをさせていただいているというふうに御理解いただければと存じます。
○鈴木(義)委員 世界の中でいろいろな位置づけの指標をお出しになるときに、自分たちの都合が悪い数字が出ちゃうと、やはり円で生活しているんだから円で出せばといいながらも、石油を買うときは円で買っているわけじゃないでしょう。だって、原油を買うときにはドルで買っているんじゃないんですか。(発言する者あり)それは換算するだけの話で。
 だから、実体経済をあらわすんだったら、円とUSドルで示すようなちゃんとした数字でやった方が実体経済に合うんじゃないかと思うんです。
 では、水かけ論の話をしてもしようがないので、次に、「あなたの県の「稼ぐ力」は」と題して、「データで探る地域と産業」、わかりやすく図解で示した日経新聞のウエブサイトを目にしたことがあるんです。これもちょっと古いんですね、二〇一三年ので。ただ、おもしろい図解のあらわし方をしているんです。
 例えば、働き手一人当たりの稼ぎ高、一位だったのが千葉県で七百八十二万、二位が神奈川県で七百五十八万、三位が私の出身埼玉県で七百三十七万円なんです。十年間の増減率で見ると山梨や岩手の伸び率が高いという数字があったり、県ごとにいろいろな指標をとり、データが出ているんです。
 第一次産業から第三次産業別に十年間の成長力を見ても、第一次産業だと、青森県が四四%の伸び、東京都が三〇・二、北海道が二八・五%伸びているんです。第二次産業だったら、三重県が七七・九%、山形だったら六六・九とか、宮城が五四・四。第三次産業は、埼玉の一三・二、沖縄が一二、三重県が一一・六%。これは各県ごとの特色が出ているんですね。
 製造業だったら二五・四%の滋賀県だとか、食品だったら北海道の四五・九とか、輸送機器類だったら愛知県の三六・七%。これは分野ごとに出ているわけです。
 だから、先ほども申し上げましたように、都道府県別のGDPを財務省が出しているんだったら、その県の強いところのものを伸ばしていく。そこに産業が絡んでいたり地域経済が絡んできているんだと思うんですけれども、そういう積み上げ方をしていって何%伸ばしていくといった方が実績に近いんじゃないかという考え方なんです。いかがでしょうか。
○石原国務大臣 あくまで内閣府の指標というものはマクロ経済に立脚して検討させていただいている、それはすなわち地域、産業ごとに目標をつくるといったような計画経済ではないということは、もう委員承知のことだと思います。
 その一方で、ちょっと私、その日経の記事が手元にないので詳しくはお答えできませんけれども、内閣府が、先ほど御答弁させていただいたようなマクロの景気動向や経済見通しのほかに、地域ごとの状況をしっかり把握していくべきであるという委員の考え方には私も賛成でございます。
 そんな中で、では内閣府が何をやっているのかということですけれども、毎月、地域ごとの景況感を捉えるための景気ウオッチャー調査ということをさせていただいております。四半期ごとでございますけれども、地域経済の動向を分析する地域経済動向。あるいは、構造問題、どこどこにどういう産業があるという委員の御指摘がございました、そういうところを伸ばせというようなお話がございましたけれども、構造問題を含めて、一年を振り返って地域経済の動向を分析する地域経済レポート。
 もちろん、成長率あるいは全体のGDPはマクロの経済の統計数値でございますけれども、私どもも委員と同じように、地域に立脚したそういうきめ細かいものを分析するという意味については、そのとおりでございます。
○鈴木(義)委員 二十九年度の予算を執行して、まあ来年の今ぐらいになるんでしょうけれども、一年間を振り返って、各地域ごと、産業ごと、各省庁が予算立てしたことをきちっと検証するようなことをして次のステップを踏んでいくことを、ぜひ地域の実体経済に合わせた指標のとり方を出して国民に示してもらいたいと思います。だから頑張ってくれというような話をしないと、ただ六百兆円だ五百兆円だと言って、私はお金を現金で見たことがないから、数字が並んでいるだけの話なんですよ。ぜひそれを大臣にお願いしたいと思います。
 先ほど御答弁の中でデフレを脱却したんだと言うんですけれども、物価が継続的に上がり貨幣価値が下がっていくのがインフレ、物価が継続的に下がり貨幣価値が上がっていくのがデフレ、ネットで調べるとこういう答えが出ているだけの話なんです。
 アベノミクスは、需給ギャップを、市場に出回る通貨量をふやして、デフレをインフレにする政策の一つとして金融緩和を行っているのは、耳にたこができるほど伺っていると思います。
 しかし、需給が縮小するのは、団塊の世代を初め現役の人口減、高齢者増加という人口構造の変化によって生じた現象による人口オーナスを無視した結果の供給過剰による物価の下落が問題で、貨幣現象ではないというふうに指摘する人もいるんです。全ての商品が値崩れしているわけではなくて、マクロ経済の言う、物価が一律に下がっていく貨幣現象としてのデフレが起きているわけではないというふうに言う人もいるんですね。値崩れを起こしているのは現役世代を主に相手にしている特定の分野で、土地や住宅、家電、家具、自動車という商品じゃないかというふうに言われているんです。
 物価が下がった理由は原油安、税収が下がったのは為替のせい、答弁を聞いていたら何かそういう言い方をされていたと思います。もう少し、物価やデフレと一くくりにするんじゃなくて、先ほどのGDPの算出もそうです、各分野、商品、そういったジャンルごとに統計を見て対策をとるべきものだというふうに考えるんですけれども、いかがでしょうか。
○石原国務大臣 先ほども御答弁させていただきましたが、経済統計、GDP統計というものは、マクロの視点からの物事の物差し、捉え方でございますので、そういう形でこれまで数値を発表させていただいてまいりましたが、委員がこの前の質問で御指摘されたように、地域の動向等々の分析も内閣府でさせていただいております。
 そういうものを兼ね合わせて日本の経済をしっかりと見詰める、そして将来的には、これは与野党関係なく、デフレではない状態、そういうものをつくっていこうという方向は一緒なわけですから、さまざまな政策、切磋琢磨してこの世界をつくっていくということが一番肝要である。
 先ほど脱却というお話をされましたが、私ども、これも総理が再三御答弁させていただいておりますように、デフレではない状態をつくり出すことはやったわけでございますけれども、また戻るのではないかというおそれ、すなわち期待インフレ率の方が必ず先に行く、そういう状態をつくれるところまで来ていないということは、もう既に御答弁をさせていただいたとおりでございます。
○鈴木(義)委員 水かけ論をずっとしていてもしようがないので、ぜひ気合いを入れてやっていただきたいと思います。
 先ほど前の人が質問していたときの大臣の後ろにいる職員の人ってすごく真面目だなというふうに思ったんですね。文科省の官僚さんの答弁を聞いていても、誠意を持って一生懸命やろうとしているんです。
 先日、日経新聞にぽっと出たんですけれども、内閣府が警鐘を鳴らしたというので、賃貸物件の供給過剰で将来不良債権化するという、必ず需給ギャップが増大して、限界値を超えるとバブルがはじけるんじゃないか、そろそろ対策をとった方がいいと思うんですがというような、このペーパーなんですけれども、これは一個人が出したんだという、内閣府の担当の人からいただいたんです。
 こういったものが、個人だというふうにいいながら、内閣府政策統括官の名前で、今私が申し上げましたような、賃貸物件が供給過剰になって不安リスクが高まっているんじゃないかという警鐘を鳴らしていることに関して、政府としての見解はどうでしょうか。
○井野政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のペーパーでございますけれども、これは、内閣府政策統括官ではなくて、内閣府政策統括官付、当方の内閣府のスタッフによる個人論文でございます。
 その内容といたしましては、我々も当然承知をしておりまして、貸し家の建設に関する分析をしているところでございますけれども、この内容、意見につきましては、執筆者個人に属するものと考えております。
○鈴木(義)委員 去年だって空き家が八百万戸あって供給過剰じゃないかと言われて、内閣府の一担当官付の人がこういうペーパーを出して新聞にも出る、またネットにも掲載されているという話になれば、国全体の危機感を表現しているようにしか聞こえないと思うんですけれども、そうじゃないですかね。これは、担当官というよりも、大臣に御答弁いただきたいと思うんです。
○石原国務大臣 今、井野統括官が答弁いたしましたとおり、井野統括官のところにおりますエコノミスト、官製エコノミストの方々の一つの見方でございまして、これは、日銀のGDPあるいはCPIの数値のときも当委員会で御議論になったと思いますけれども、中で個人の資格でリポートを発表するということはどの役所にもあるんだと思います。その分析をどういうふうに捉えるのか。それは、先ほど統括官が御答弁いたしましたとおり、政府として、あるいは内閣府としてこのように捉えるというようなことを発表しているわけでございませんので、コメントを差し控えるというのが順当なところではないかと存じます。
○鈴木(義)委員 個人の見解で発表したということであれば、肩書を使わせないように注意してもらった方がいいんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○石原国務大臣 先ほど、これも井野統括官の方から、私のクレジットじゃありませんよ、統括官付のクレジットである、そこに個人名が載っているというふうに御説明をさせていただいたことに尽きるのではないかと存じます。
○鈴木(義)委員 会社に所属する人間が会社の名前をかたって、私は平なんですけれども勝手に個人で上げましたと言って、普通は通らないよね。ぜひ今後は注意をしていただきたいと思います。
 時間がもったいないので、次に参ります。
 昨年の予算委員会でも麻生大臣にお尋ねした、海外収益の国内還流と内部留保の使途についてお尋ねしたいと思います。
 財務省の国際収支統計を見ると、二〇〇六年から二〇一五年の直接投資収入は、四兆七千五百八十億円から十兆八千四百五十億円と伸びている。支払いも、一兆七千七十七億円から二兆七千二百九十九億円。海外でもうけているのがこの数字から見てもわかります。また、証券投資収益も十三兆から十六兆に伸びていたり、支払いも二兆から四兆。これはざっくりした数字で申しわけないんですけれども、リーマン・ショックの翌年に低下したとはいえ、確実に上昇しているのがうかがえる。
 先ほど石原大臣とやりとりしましたけれども、GDPで見たって、ドルベースで見るのと円ベースで見るのは違うのかもしれません。ただ、この数字も、去年の二月のときもお尋ねしたと思うんですけれども、海外では稼いで戻ってきているよというのが如実にとれるんだと思います。
 しかし、景気が悪くなると、必ず企業の内部留保が何に使われているのかというのが議題になって、それをもっと国内に還流させろとか、労働者の給与に回せといった話をよく聞くんです。私も同じような考え方。それじゃないと、国内の投資はふえないし、給料も上がっていかない。リーマン・ショック以来、利益余剰金のうち投資有価証券と現預金の額の比率がどんどん高まってきている、これはデータで見ればわかると思います。
 内部留保が何に使われているのかというと、大和総研のレポートを目にした中に、内部留保は直接投資、主に企業の海外展開の原資として活用されており、また、運転資金の確保のため、一部は現預金となっている、ここは御案内のとおりです。直接投資残高は過去最高になっており、海外で子会社、工場を設立したり、現地法人との合弁会社を設立したり、現地企業を買収する資金に充てられている、これはもう御案内のとおりだと思います。
 内部留保が増加して留意しなければならないとここで指摘しているんですけれども、負債調達コスト、自己資本調達コストと、難しい言い方なんですけれども、企業全体の資本コストを引き上げて企業価値の低下要因になる、内部留保は返済の必要がないとはいえ、株主に帰属する資金であって、内部留保を事業資金に充てるのであれば、配当とキャピタルゲインの合計のリターンを求められたり、借り入れや社債発行といった負債調達コストより高いことが一般的であるというふうに指摘されているわけです。
 ですから、内部留保がどんどんどんどん積み上がっていけばいくほど、外部から資金調達するときにはいい金利を出さなければお金が集まらないということなんだと思います。
 これで資本コストがどんどん高くなっていって、それ以上に利益が上げられるのであれば企業の価値は向上するんですけれども、資本コストが高い企業は総資本に対する利益率、ROAというふうに言うんでしょう、も高い傾向が確認できたという報告書なんですね。
 内部留保をためて、その資金を海外に出して利益を還元し、またそれを海外に出していくことがずっと行われてきたんだと思います。国内の設備投資をしないとか、賃金にそれが反映されないとか。
 それで、逆に言えば、内部留保を高くすればするほど、先ほど申し上げましたように、自己資本の調達コスト、だから、外部から入れる調達コストを上げていくために国内の下請企業だとか賃金を抑制しているがために、海外にどんどんお金を出していって工場をつくったりするんですけれども、戻してきてまた戻す、海外に出すんです。それで、いつになっても、国内の企業、下請だとか孫請だとか中小零細の方にはなるべく安い単価で加工させるということをずっとやってきたんじゃないかと思うんです。
 だから、そのために、もう時間が来ているんですけれども、例えば日本でも、資本金一億円以上の特定同族会社に限って、各事業年度において一定額以上の所得等を内部留保した場合に、その留保所得に対して追加的課税する留保金課税制度が存在しているんです。これを一定の条件をつけて非同族会社にも適用したらどうだという考え方です。いかがでしょうか。
○麻生国務大臣 もう少し時間をいただいて今の質問をいただくと丁寧に御説明できるんですけれども、一番最後に時間ぎりぎりで言われると、後の方に迷惑をかけますのではしょって言いますけれども、その点は勘弁していただきます。
 今言われましたように、近年の日本への収益の還流額がふえているというのは、これは間違いなく事実であります。二〇一六年で十兆八千億で、その前の二〇〇六年が四兆八千億と書いてありますので、そういうことだと思います。
 この一連の話は、合併とか吸収合併とか、そういったような形で海外企業の買収によって直接投資がえらく水準が上がってきたというのは間違いないです。そのころは二百四十円だったものが百二十円という円高になりましたから、海外から見れば、その金で買うのは半分の額で済む計算になりましたので、そういった流れがしばらくあったという時代もありました。
 平成二十一年度の税制改正で、外国子会社配当益金不算入制度というのを導入させていただいておりますので、海外で払った税金支払い後の金を日本に戻しても日本で二重課税されることはない、そういうことになった形でありますので、そういった意味では企業の内部留保とか現預金が伸びたんですが、それに比べて労働分配率を見ますと、七八%ぐらいあったものが今は六七、八ぐらいまで下がっていると思いますし、また、設備投資も力強さを欠いているのではないか。その分の稼ぎは海外に行って、GDPではなくて、それにかわってグロス・ナショナル・インカム、GNIという表現が最近使われるようになりましたけれども、そういったものがふえてきているというのは間違いない最近の傾向なんだと思いますが、その結果として、今、日本では、この三年間ですけれども、年間二十二……(発言する者あり)何か言ったか。だから、時間が来たから、今丁寧に読み直して……(鈴木(義)委員「はしょって言ってくださいよ」と呼ぶ)はしょって今言っているんだけれども、わからないとね。やじが飛んで済みません。
 基本的に、内部留保に金をかけるという、同族会社にかけるのは一〇%か二〇%か、いろいろな例があるのはもう御存じのとおりですが、それをいきなりやるといったときに対しては、これはなかなかいろいろ問題が出るんだと思いますのはもう御存じのとおりなので、あの特定同族会社への課税というものをやったときに、そういったものにかわる制度として今いろいろな形で、研究開発促進税制のいろいろなめり張りをつける見直しを今やってみたり、また、利益連動というので、業績に連動していわゆる給与の柔軟化とか、コーポレートガバナンスみたいに株価に連動でも可というような形、いろいろ変えて今前向きな取り組みをやらせていただいております。
 いずれにいたしましても、賃金引き上げに向けて取り組みを進めていくという方向に行かないと、今のように設備投資がふえなかったり、七十五兆円も内部留保がふえたにもかかわらず給与は三兆円しか伸びていませんし、設備投資は八兆円しか伸びていませんし、そういった状況から比べると、内部留保の金の使い方というものについてはいろいろ考えるところはある、それは確かです。
○鈴木(義)委員 終わりますけれども、ぜひ大臣にお願いしたいんですけれども、ちゃんと相手の質問者の目を見て答弁してもらったらありがたいんじゃないかなと思います。
 終わります。
○浜田委員長 これにて鈴木君の質疑は終了いたしました。
 次に、階猛君。
○階委員 民進党の階猛です。
 きょうは法務大臣に質問させていただきます。
 まず、お配りしております資料の一枚目をごらんになってください。
 このペーパーは、先ほど来指摘がありますとおり、一昨日の夕方、法務省の秘書課長から報道陣に突如配られたものです。
 この文書が作成された経緯は、昨日の大臣の記者会見での発言、これは資料の五ページの上、七、八行目に書かれておりますので、ごらんになっていただきたいのですが、自分としてこういうことを気にしているということを承知していただくだけのものとして、私の指示でつくってもらったということです。
 そうであるならば、この文書の最初の二行にある、「予算委員会における「テロ等準備罪」に関する質疑については、以下の点に配慮するべきである。」という表現も含め、大臣の考えがありのままに書かれている文書だ、こういうことでよろしいですか。イエスかノーでお答えください。
○金田国務大臣 階委員にお答えをいたします。
 ただいまの御指摘に対しましてイエスかノーかという前に一言だけ。
 決して、この文書は、国会に対しましてその審議のあり方を示唆するものと受けとめられかねないものだということを受けとめまして、不適切なものとして直ちに撤回をさせていただいたものでありますし、改めておわびを申し上げたいと思います。
 その上で、私は、私どもは呼称でテロ等準備罪と申しております、この法律について答弁をさせていただいてまいりました。何日もの間、答弁をさせていただいておりました中で、私は、自分の答弁したものをしっかりと、ぶれたり、食い違ったりしないように、自分のためにしたためたものであります。
○階委員 誰のためにしたためたかどうかということはおいておくとして、いずれにしても、真意で書かれた、自分の意思で書かれたということには間違いないということです。
 この文書を素直に読めば、冒頭の配慮すべきという表現からも明らかなとおり、法案提出まではテロ等準備罪について質問するのを控えてください、法案提出後も、テロ等準備罪について質問するのであれば、基本的なことも含めて役人が答弁できるような形で質問してください、こういうことを我々国会議員に求めているように読めるわけです。
 資料二、二ページ目をごらんになってください。
 これは、我が方の国会対策委員会で反論文書を書いたものですが、この冒頭にあるとおり、行政府が立法府の議論のあり方に注文をつけるものである、そして、こうした文書は前代未聞であり、言語道断であると述べているが、私も当然だと考えます。と申しますのも、憲法の議院内閣制のもとで行政府を監視するのが国会の役割です。監視される側の行政府が監視する側の立法府の質疑のあり方に注文をつけることは許されないからであります。
 そのような内容の文書を法務省幹部が組織ぐるみで作成してメディアに配り、メディアの力をかりて国会での議論を政府の都合のいいようにコントロールしようということは、国会の行政府に対する監視機能を奪い、国会の存在意義を失わしめる危険があります。そして、その本質的意味においては、国会に対する事実上のテロ等準備行為とも言えるのではないでしょうか。
 文書を撤回、謝罪したからといって許されるような類いの話ではないと思います。大臣の見解を伺います。
○金田国務大臣 階委員の御指摘にお答えをいたします。
 私といたしましては、先ほど申し上げた趣旨で、自分自身のために、自分の連日の委員会で申し上げたことをメモったものであります。
 そして、私が法務省におりますので、法務の、法曹記者クラブの記者の皆さんが時々、きょうの質問のあの趣旨はどういうことだったのかとお聞きになる方がいらっしゃいます。そういう中で、私がその都度説明をするのでございますが、そのときに説明が違っていたり、あるいはそのバランスが崩れたりするのは非常にまずいというふうに思ってしたためていたものという、自分のためにしたためていたのは間違いありません。
 そして、その上で申し上げますが、私は、先ほども申し上げましたように、例えば、マスコミを通じて国会に対し審議テーマに注文をつけるといったような意図は全くありませんでしたし、私としては、そういう中で、記者の方にブリーフィングをするときの補助資料としてごらんいただければなというふうに思ったんですけれども、その行為が誤解を招くことになるということを承知した段階で直ちにそれを撤回させていただきました。そして、それ以上のことまでは全く考えておりませんでした。
○階委員 テロ等準備行為と私申し上げましたけれども、その発言については何ら言及されない。これはもう、私の言ったことに対して反論するすべもないということですね。
 そうであるとすれば、文書を撤回、謝罪したからといって許されるような問題ではないと思いますよ。テロ等準備行為、まさに今、国会で問題になっているじゃないですか。一般市民に対して、テロ等準備行為で処罰すると言っているんじゃないですか。大臣みずからテロ等準備行為をして、それで許されるというふうに考えますか。(発言する者あり)
○浜田委員長 静粛に願います。
○階委員 今、激しいやじが飛んでおりますけれども、二つ申し上げたいと思います。
 まず、私の後ろの石破先生も、以前、自民党の幹事長時代に、一般市民の国会周辺でのデモ活動を、テロ行為とその本質において余り変わらないということをブログで書いておりました。ですから、私は自民党の先生方に批判される筋合いはないと思っております。
 もう一点申し上げます。(発言する者あり)
○浜田委員長 静粛に願います。
○階委員 今の発言がもし誤りであるというなら、私はこの場ですぐにでも撤回しますよ。すぐにでも撤回します。ただし、テロ等準備行為という表現の、等というのは何を意味するのか、そして準備行為とは何を意味するのか、この場で明確にしてほしい。それが明らかにならなければ、私の発言が誤りかどうか判断できないはずじゃないですか。
 大臣に伺いますよ。等とは何ですか、そして準備行為とは何ですか。大臣、答えられますか。
○浜田委員長 法務大臣、答弁願います。
○金田国務大臣 テロ等準備行為、呼称でございます、このテロ等の等は、テロ集団のほかの、例えば暴力団とかあるいは振り込め詐欺集団とか薬物犯罪集団とか、こういう犯罪集団の行為を指す、このように考えております。
 そしてまた、準備行為でございますが……(発言する者あり)等は、ただいま申し上げたとおりです。そして、実行準備行為の準備行為ということでございましたが、例えば凶器購入資金の調達とかあるいは犯罪現場を下見するとか、そういった内容がこれに当たるというふうに考えられます。
 ただ、テロ等準備罪の具体的な内容につきましては、現在検討中でございますので、例えば合意に加えてどのような行為が行われたときに処罰の対象となるかを十分に明確にする観点から、検討を現在続けておる状況でございます。
○階委員 結局、検討中ということなんですよ。テロ等準備行為の外延が何かというのは明らかにならない。明らかにならない以上、私の発言を批判される筋合いはないと思います。はっきりしていたら、それは誤りだと言ってもらえばいいけれども、はっきりできないんだから、批判される筋合いはないということを申し上げます。(発言する者あり)
○浜田委員長 静粛に願います。
○階委員 ところで、現在議論になっている共謀罪ないしテロ等準備罪の処罰については、大臣も常々答弁しているとおり、計画が発覚した場合には直ちに検挙して未然に防止する必要が高いということであります。
 被疑者が検挙された後でテロの計画を撤回したり謝罪したからといって無罪にはならないのではないかと考えますが、この点、いかがですか。
○金田国務大臣 委員の御質問は、私はそのとおりになろうかと考えます。
○階委員 そのとおりということは、結局、検挙された後でテロの計画を撤回したり謝罪したからといって無罪にはならないということなんですね。
 私が何を言いたいかというと、一般市民は、集まってテロ行為の計画をすれば直ちに検挙されて処罰される危険があり、一旦検挙されれば計画を撤回して謝罪しても無罪にはならないということです。
 他方で、法務大臣は、国会の言論を封じ込める事実上のテロ等準備行為ともいうべき行動をとったにもかかわらず、文書を撤回して謝罪すれば問題ないというのは矛盾しているのではないでしょうか。
○金田国務大臣 テロ等準備罪についての御質問の一つだろうというふうに思います。
 私どもが現在検討しておりますテロ等準備罪、この呼称でございますが、この中身につきましては、まず組織的犯罪集団があって、そして、その集団に属する者が実行準備行為を行ったという両方があった場合に対象となるように検討を進めておりますので、私のケースと同じように比較して議論されるのは、答弁はしかねる部分でございます。
○階委員 今、組織的犯罪集団と言いましたけれども、その定義もはっきりしない。それも外延が明らかになっていないんですよ。共謀罪のマイナス面はそうした、一般市民が集まって犯罪を計画、企図したら捜査や処罰の対象にもなりかねないということであって、社会的地位も生活環境も一変してしまうリスクがあるということなんです。(発言する者あり)ないよと言うんだったら定義を示してください。定義が示されていないから、こういう指摘をするんです。(発言する者あり)
○浜田委員長 静粛に願います。与党、静粛に。
○階委員 そして、法務大臣は、このような共謀罪を最大で六百以上も一挙に設けようとしているわけです。その職責の重さを自覚すれば、国会に対する事実上のテロ等準備行為ともいうべき行動について、文書の撤回や謝罪だけで事態を収束させることはできないはずではないですか。お答えください。
○金田国務大臣 階委員の御指摘は法務委員会でも多数いただいて、お聞きしておりますが、そのときは本当に、法律に通じたすばらしい御意見だなと思っておりますが、ただいまの御意見に対しましては、私はちょっと、私の頭脳というんでしょうか、ちょっと対応できなくて申しわけありません。
○階委員 対応できなくて申しわけありませんというのはちょっと趣旨が不明ですが、さらに申し上げます。(発言する者あり)
○浜田委員長 静かにしてもらえませんか。静粛に。
○階委員 さらに申し上げますと、この反論文書、資料二ページ目ですけれども、三段落目に「しかも、」というくだりがあります。ここで引用している部分、かぎ括弧内を読むと、「専門的知識を有し、法案作成の責任者でもある政府参考人(刑事局長)も加わって充実した議論を行うことが、審議の実を高め、国民の利益にも叶う」とあるわけです。法務大臣が国会での説明責任を果たせず、資質に欠けることを自白しているようにも読めるくだりです。
 この点から見ても、潔く身を引くべきと考えますが、いかがでしょうか。
○金田国務大臣 撤回したこの文書につきまして御質問をいただいております。
 専門的知識を有し、成案を得た後に、法案作成の責任者でもある政府参考人、刑事局長も加わって充実した議論を行うことが、審議の実を高め、国民の利益にもかなうものであると。
 これは、法案提案者は、趣旨説明を行うのは誰かという御質問も先ほどはございました。私、大臣の立場で行うつもりでおりますが、でも、そこは、私は法務行政の責任者である、こういう全体の責任者である、このように自覚をいたしております。
 加えて、ここに書いてあります法案作成の責任者でもある政府参考人と申しますのは、階委員は既に御承知だとは思いますが、やはり法律作成事務の責任者である、そういう意味でここに記述をしておりますので、そこのところを踏まえて御理解を賜ればありがたい、こういうふうに思っております。
○階委員 この反論文書の最終段落にも書かせていただいておりますが、今回の金田大臣の行動は、報道機関に対する不当な干渉ないし印象操作の意図をうかがわせるものだということです。
 大臣自身も、この資料でいいますと七ページ、記者会見の七ページですけれども、五、六行目あたりにあるとおり、マスコミの皆さんを通じて国会に対して審議のテーマに注文をつけようとしていると受けとめられかねないものであったことを認められています。
 言論の自由、報道の自由を初め人権を擁護する立場にある法務大臣が、報道機関の報道の自由に干渉しようとした点においても、法務大臣として失格ではないでしょうか。お答えください。
○金田国務大臣 ただいまの御質問にお答えをいたします。
 先ほども申し上げました、予算委員会で私がこれまで答弁してきたことを整理して、私どもの法務省におられる法曹記者クラブの皆様に、時々、一緒にというのではないんですけれども、きょうの審議の説明というのを、連日審議をしていますので、聞かれることが多いのであります。大臣はどういう理由でああいう説明をしたのかというふうに聞かれることがあります。そのときに、きょうはこういうことを申し上げたがあしたは別のことを言うような、そういう大臣であってはいけないというふうに自分で思っておりまして、それで常にメモしておるんですが、そのメモを整理したのがその紙だったということでございます。
 ただ、先ほどの質問にその上でお答えをいたしますが、マスコミを通じまして国会に対し審議テーマなどに注文をつけるといったような意図は全くなかったものであります。
○階委員 きのう我々がヒアリングしたときに、担当の秘書課長さんが、こういう文書を配ったことは今まで一度もないと言っていました。レクが突如開かれるというのも異例のことだと言っていました。何か今の大臣のお言葉は、ちょっと信憑性に欠けるなと思います。
 それから、今るる申し上げてまいりましたけれども、私は三点、法務大臣として問題があるということを指摘しました。一つは、国会の行政府への監視機能を奪い、国会の存在意義を失わしめるという意味において、国会に対する事実上のテロ等準備行為を行ったということ。二つ目は、国会で説明責任を果たすという法務大臣の資質を欠くことを自白したこと。そして三点目は、人権を守る立場でありながら、報道の自由に介入しようとしたこと。
 以上、三点において法務大臣として失格であり、直ちに辞任すべきと考えますが、大臣、いかがですか。
○金田国務大臣 階委員からの御質問であります。
 私は、ただいまの三点につきましては、何度も申し上げて恐縮なのでございますが、国会に対してその審議のあり方を示唆するような、受けとめられかねないことになったことは非常に不適切だということで直ちに撤回をさせていただきました。そして、加えまして、先ほど申しましたように、マスコミを通じて国会に対して審議テーマに注文をつけるといったような意図も全くありませんでした。これは御理解いただけるかなという思いで先ほど心情を申し上げたんですが。
 記者がたくさんいらっしゃいます。でも、毎日審議が行われておりますテロ等準備罪の、このテーマについていろいろな質問を受けるときに、各皆さんが、私が答弁したことに対しまして、やはり、疑義もあるでしょう、でも、いろいろな思いを持って自由に質問していただいたときに、私の答えが違ったりしますと申しわけありません。
 したがって、私は、自分で発言をしたことの中身をしたためておりました。それを、法務省の中の方がブリーフィングをするときに、その手持ちというか補助資料としてそれを使ったということでございまして、私もそのことについて知った時点でそれを撤回させていただいた、こういうことであると改めて申し上げておきます。
○階委員 何ですか、今のは。今のは何ですか。今のはオーケーマークを出したんですか。何ですか。
 私は、今の大臣の答弁は全く説得力を欠くものだったと思います。このままでは、この委員会で大臣に質問を続けることができないのではないかと思います。
 もう一度繰り返しますけれども、大臣は今まさに、今までの法体系、刑法体系を変えるような、一挙に六百以上も共謀罪を設ける。テロ等準備罪とおっしゃっていますけれども、等は何なのか、準備行為は何なのか、組織的犯罪集団は何なのか、検討中、検討中で概念の外延もはっきりしない。そういう中で、印象操作をして肝心なことは私たちに答えない、質問しようとするとそれを控えろ、とんでもない話だと思いますよ。みずからの胸に手をしっかり当てて、去就を判断していただきたいと思います。
 質問を終わります。
○浜田委員長 これにて階君の質疑は終了いたしました。
 次に、逢坂誠二君。
○逢坂委員 民進党の逢坂誠二でございます。
 大臣、きょうはよろしくお願いします。
 大臣、今回の文書、一昨日マスコミに配った文書、これを作成するに当たって、今回これほど問題になっているわけですが、今、自分のお気持ちの中で、いや、役所の方でこれをつくるときにとめてくれればよかったのになとか、何でこんなことになったのかなという後悔の気持ちはありますか。
○金田国務大臣 逢坂委員にお答えをいたします。
 御指摘は、先ほどからいただいております質問と同じだと受けとめております。
 おとといに法務省から法曹記者クラブの記者に配付をいたしました「予算委員会における「テロ等準備罪」に関する質疑について」と題する文書にかかわる御質問と理解されるところ、同文書につきましては、国会に対しその審議のあり方を示唆するものと受けとめられかねないものであるということで、不適切なものと判断して直ちに撤回をさせていただいたところであります。したがいまして、改めておわびをまず申し上げる次第であります。
 その上で申し上げます。
 私は、先ほども申し上げましたが、日ごろから私どもの法務行政をしっかりとさせたいという熱い思いで私どもをいろいろ叱咤していただける、そういう記者の皆さんがおります。その中には、連日続きますこの予算委員会の場で、テロ等準備罪の審議にかかわる部分で私たちの言い方をしっかりと聞いて、後で質問いただいたりします。それは事実であります。そのときに、自分のために、きょう言ったこと、おととい言ったこと、矛盾しないようにメモしております。ですから、そういう事項が幾つかあったろうと思います。それについて、私はしっかりと、何というんでしょうか、記者さんに対する説明がぶれたり、あるいは平等でなかったりしないように……
○浜田委員長 大臣、簡潔に願います。
○金田国務大臣 自分では努めているつもりであります。
 その中で、私はたまたま、この件につきまして、これを私の部下の一人にお願いしました、記者さんにこの趣旨を伝えていただくように。そのブリーフィングのときに使った補助資料としてその紙を私はお渡ししたということでございまして、もちろん撤回をさせていただいたわけでございますから、私は、当日はちょっと出かける用事があったんですけれども、戻ってすぐに撤回をお願いしたという次第でありまして、ちょっと不在中の時間もあったことは皆様に御心配をかけた部分もあろうかと思いますし、さまざまな意味においてはもちろん反省をいたしております。
○逢坂委員 委員長、今の答弁をお聞きになってどう思われたか。
 私の聞いたことに全く的確に答えていないと私は思います。最後の一言、反省していると言っただけで、その前に五分近くああいう答弁をされては、これは質問になりません、質疑になりません。
 ちょっと、委員長、これは注意していただきたいと思います。
○浜田委員長 大臣、答弁は簡潔に願います。
 大臣、もう一度確認をいたします。簡潔にもう一度答弁してください。今質問があったことに対して答弁をしていただけますか。
○金田国務大臣 御指摘のとおり、簡潔な答弁を心がけます。
 そして、先ほどの問いに対しましては、要するに、反省はいたしております。
○逢坂委員 大臣、今回のこの文書を出すに当たって、内部決裁、内部の稟議、これはどういう状況になっていますか。
○金田国務大臣 これは、先ほど申し上げましたが、自分のためにしたためたものであります。そして、それを整理して、それを記者の皆さんに、法務省詰めの法曹クラブの皆さんにお配りしたものであります。決裁は、私はそういう手続はとっておりませんでした。
○逢坂委員 大臣、私は、大臣の資質云々のことも非常に気になるんですけれども、法務省の中で大臣は今、孤立無援の状態じゃないかなと思うんですよ。通常、こういう文書を大臣がしたためたいというふうに思ったら、私は事務方はとめると思いますよ。あるいは、事務方がとめられなければ、これまでの私の経験でいえば、政務三役の誰かにこの情報を、大臣が今こんなことを考えているんだ、大丈夫だろうか、そういうふうに言うのが私は通例だと思うんです。過去に私もそういう経験がございましたよ。
 そういう意味では、大臣、非常に苦しいお立場にあると私は思いますよ。しかも、今聞いたら、稟議されていない。
 それでは、大臣、こういうふうに聞きましょう。これは自分の思いをしたためたものだ、自分に言い聞かせるためのものだと。だがしかし、それをなぜ記者に理解してもらうためにクラブで説明したんですか。意味が通らないじゃないですか。
○金田国務大臣 御質問にお答えしますが、私の思いを申し上げますと、一緒に法務行政をよくしていきたいと思う方はたくさんおられます、私の周りに。そういう中で、本当にこの法務行政の先行きを心配していただく方がたくさんおられます。ただ、そのときに、その中に記者さん方もおられるのであります。その記者さん方に私の思いを聞かれる、聞かれるたびに違ったりしないようにという思いはあるんです。でも、それが、ああいう形でやったことに対しまして、時間がなかったとはいえ、私は非常に反省をしておる次第であります。
○逢坂委員 大臣、やはり大臣の資質に欠けると私は思います。
 マスコミは大臣の応援団ではないんですよ。マスコミはどちらかといえば権力に批判的な立場で物を伝えるというのが基本姿勢ですよ。それをあたかも自分の応援団であるかのように、私の思いを伝える、法務行政の先行きを心配している、そういうふうなことを言うというのは、そもそもマスコミに対する認識が違っていると私は思いますよ。
 では、大臣、この文書は公文書ですか。
○金田国務大臣 私の立場を踏まえて申し上げますと、公文書の方に近いと思います。
○逢坂委員 公文書に近いと。大臣、実は、きのうの秘書課長の説明によれば、官房長と事務次官がこの文書の内容をチェックしているんです。そして、その上で了解ということでこれは表に出しているんです。これは判こをついているいないの問題ではなくて、その段階でチェックがかかっている。しかし、こうやってチェックをされたものが世の中に出ればどうなるかということは、役所の皆さんなら私はわかると思いますよ。それをチェックを経た上で出されているという大臣の今の立場ですよ。私は逆に気の毒に思う。
 大臣、これは本当によくお考えになってみた方がいい。大臣は今、孤立無援の状態だと思いますよ。官房長も事務次官もチェックしている、この文書が出れば素人でない限りは何が起こるか大体の人がわかる。大臣、どう思いますか。
○金田国務大臣 私も現在は公務員でありますから、そういう御指摘に対しましては非常に、委員の御指摘をしっかりと受けとめて反省しております。
○逢坂委員 大臣、先ほど決裁をとっていないという言い方をしました、そう答弁されました。だけれども、事実上、判をついているかついていないかは別にして、官房長と次官がチェックをしていた、これは御存じでしたか。
○金田国務大臣 私の答弁としては、私は知っておりませんでした。
○逢坂委員 大臣、今、掌握していないという答弁でよろしいですか。うなずいていただければと思います。掌握していないという答弁でよろしいですか。
○浜田委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○浜田委員長 起こしてください。
 金田法務大臣。
○金田国務大臣 私は、私の職務、職責に関しまして、掌握はできるだけの誠意を持って努力をしている、このように申し上げることができようかと思います。
 御質問の決裁の部分については私は知っておりませんでした。先ほども答弁をさせていただきました。
○逢坂委員 大臣、今の事実は重く受けとめた方がいいですよ。
 大臣は大臣の思いでこの文書を出された。それはそれで事実だからいいでしょう。だがしかし、役所の中でも判こを押す押さないにかかわらずチェックを受けていた。しかし、こういう懸念のある文書をそのまま出されてしまった。大臣、その事実というのは、私がもし大臣の立場なら泣きたくなりますよ。一体組織って何なんだ、そう思いますよ。
 それでは、大臣、次の質問をします。
 大臣は先ほどこうおっしゃられました。井出委員の質問でしたけれども、局長は実務の責任者だというふうに言いました。その次に、階委員の質問に対して、大臣は全体の責任者だと言いました。この違いはどこにあるんですか。
○金田国務大臣 委員も御存じのとおりでございます。やはり、任務には所掌事務というのがあろうかと思います。したがって、その所掌事務というのは、私には私の所掌事務があり、そして局長にはその担当する所掌事務というのがあります。したがって、その違いをお聞きになっているとすれば、そういうことになるのではないかと思います。
 それからもう一点、先ほどお答えしたつもりになっているので念のため申し上げておきますが、次官、官房長がそれをごらんになったという話は、私は後でお聞きをしております。
 以上です。
○逢坂委員 大臣、私は驚きました。局長には局長の所掌事務があり、大臣には大臣の所掌事務があると。国民が聞いたら驚きますよ。
 大臣は法務行政の全てにおいて責任を持たなきゃいけないんですよ。大臣、ありとあらゆることについて大臣は最終責任を負わなきゃいけないんですよ。だから、大臣に所掌事務があるというのは、横並びの他の大臣との比較において所掌事務はあるんですよ。だけれども、法務行政においては、大臣が特に縦割りで所掌事務があるわけではないし、実務の局長は実務だけやっていて大臣に関係ないということではないんですよ。
 だから、このペーパーの中で大臣が言っている、「ことは法案に関するものであり、」「成案を得た後に、専門的知識を有し、法案作成の責任者でもある政府参考人(刑事局長)も加わって」というこのくだりは大臣の逃げでしかないんですよ。私は答弁できないですよと言っているに等しいんですよ。大臣、これは私には敗北宣言に思えるんだ。
 なぜ私がこういうことを言うか。それは総理や官房長官が確定的なことを言っているからですよ。一般の人は今度の共謀罪は対象にならないんだと明言しているじゃないですか。だったら、大臣、その根拠を言ってくださいよ、なぜ一般の人は対象にならないのか。
○金田国務大臣 テロ等準備罪、呼称でございます。この議論を私たちはしております。
 そして、これを検討するに当たりまして、私たちは組織犯罪集団を対象にしております。したがって、組織犯罪集団が合意を行い、それに加えて実行準備行為を行った場合に、その対象を私たちは犯罪としていかなければいけない。これは、立法事由は幾つかございます。
 そういう中において、私たちは一般の人は絶対にそうした対象になることはあり得ないという形をしっかりと確保するように検討を進めているわけでありまして、組織犯罪集団の対象には、例えば暴力団、薬物犯罪組織、あるいは振り込め詐欺集団、そういうものがしっかりと、テロ組織の集団も入ります。ですから、そういうものに一般の人が入るはずはないわけでありまして、これを明確に示すために私たちは現在検討を続けているのであります。
 加えまして、先ほどの点であります。
 私は、法務大臣として法務行政全般にわたって全ての責任があることを申し上げたつもりであります。
 確かに、委員がおっしゃるように、ほかの大臣と私の大臣の職務は違います。しかし、法務省の中において、刑事局長は刑事行政と刑事行政の事務に関しては非常に大きな、刑事局長が最高の責任者であると私は思っております。それを……(発言する者あり)いや、最高という言葉は私が自分で使わせていただいても結構ですが、そういう違いを申し上げているつもりですが、それをちょっと違えて御説明になると、私もその都度、そのところはこうじゃないですかと、もう本当に日ごろからいろいろ御指導いただいている逢坂委員に申し上げなきゃいけなくなるのであります。
○逢坂委員 まず、矛盾を二つ指摘したいと思います。
 一つは、現在、一般の方が対象にならないように検討中なんだというふうに言っている。それが成文として上がるかどうかわからない段階で、一般の人が対象にならないという明確な発言をするというのは、私はそれは言い過ぎだと思う。そういう目標なんだということならまだわかる。だがしかし、対象にならないと言い切っている。これが一つの矛盾です。
 それともう一つ、組織的犯罪を犯そうとする集団を対象にするんだということでありますけれども、これはトートロジーじゃないですか、トートロジー。例えば殺人罪の対象、これをどうするか。殺人を犯そうとする者を対象とする、こう言ったって対象は限定されないんですよ。大臣、こういうふうに言って、殺人罪の対象というのは一般の国民が除かれるというふうに考えられますか、いかがですか。こういうのをトートロジーというんですよ。
○金田国務大臣 まず、御指摘がありました中で、組織犯罪集団を対象とします、その中に一般の人は入るはずがありませんが、そういうことが入らないようにしっかりと明記をしていく、あるいは定義をしっかりと御理解いただけるように、国民の皆様から御理解いただけるように持っていく、それを現在検討しているということを申し上げたわけであります。
○逢坂委員 大臣、残念ながらお答えになられないようですので。
 では、大臣の考え方でいえば、一般の人が対象にならないように今検討中なんだと。一般の人が対象になるかならないかはここで断言できないということでいいですね、検討がうまくいかないことだってあり得るわけですから。いかがですか。
○金田国務大臣 そういう努力をしている現状下において、それをしっかりと私たちは成案としてつくり上げて、皆様と一緒に国会で議論させていただく日を楽しみにしているわけであります。
○逢坂委員 大臣、私もテロ対策は必要だと思っている、テロ対策はしっかりやらなきゃいけないと思っている。だけれども、大臣、今回の共謀罪、これを創設してTOC条約を批准して、テロ対策が万全にできるんですか。
○金田国務大臣 もちろん、私たちは、立法事由に基づいてしっかりと、このテロ等準備罪によって、テロのない、そして組織犯罪のない、そういう国をつくりたい、このように考えているわけであります。その際、国民の理解をぜひとも得るように努力を重ねていくつもりであります。
○逢坂委員 テロのない社会をつくる、国民の安心、安全をしっかり守ると先ほど大臣は階委員の質問に力説されておりましたけれども、私、大臣の役割は違うと思うんですよ。
 テロのない社会をつくっていく、そのために刑法、刑罰を強化するということがある反面、共謀罪を何でみんながこんなに不安に思っているかというと、罪のない人、その人たちに嫌疑がかけられる可能性がある、実際に犯罪を犯していないうちに罪にするわけですからね。だから、大臣の立場としては、国民の権利擁護を所掌事務の一つとする大臣としては、その観点からもこの法律を見なきゃいけないんですよ。単にテロ対策のことだけに目が行って、刑罰を強化するということではだめなんです。
 先ほどの答弁を聞いていると、その視点が大臣から抜け落ちている。法務大臣としての資質に欠ける、私はそう思いますよ。
 大臣、今度の共謀罪をテロ等準備罪に変えたと言っている。準備と合意の違いを説明してください。
○金田国務大臣 まず、委員が御指摘をされました共謀罪とテロ等準備罪、そういうものを、かつては共謀罪で非常に不安や懸念が議論されたというのは皆様が承知しているところであろうかと思います。その共謀罪とテロ等準備罪は全く別物であって、犯罪の主体を一定の重要な犯罪を犯すことを目的とする集団に限定して、しかも、合意に加えて準備行為があって初めて処罰の対象とするということを検討してまいりましたのがテロ等準備罪であります。したがって、共謀したことのみで処罰されることとなったかつての共謀罪とは全くの別物なのであります。
 したがって、こういう限定をすることによって、一般の方々が処罰の対象となることはあり得ないことがより明確になるものと考えております。
○逢坂委員 大臣、私はもう本当にがっかりしました。
 先ほどの、なぜ一般の人が新しい皆さんが言うところのテロ等準備罪の対象にならないのかと聞いても、明確な根拠が言えないんですよ。そんなものは明確だと言っている、それだけなんだ。それでは理由にならない、説明にならないんだ。
 それと、今の、合意と準備行為の区別は何かということ。先ほど、手助けのやじが飛びました。合意があってその次に準備行為があるんだという手助けのやじがありましたけれども、それでは、その区分け、区分はどの段階でどうするんですか。そこを説明してくださいよ。
 実は、合意と準備というのはなかなか分けるのが難しいんですよ。だから、合意に加えて準備が入ったからといって、これは共謀罪とは全く違うものだという説明にはならないんだ。これは多くの場面で指摘されている。
 合意と準備の違いを説明してくださいよ。
○金田国務大臣 御質問がございました点にお答えします。
 合意とは、組織的な犯罪集団が重大犯罪を現実的、具体的に合意すること、方向をいいます。
 それから、実行準備行為、その準備というのは、テロ等準備罪の具体的な内容を現在検討中ではありますけれども、例えば凶器購入資金の調達とかあるいは犯行現場の下見とか、そういったものが当たるということは先ほどもお答えしたとおりであります。
○逢坂委員 大臣、それでは説明にならないんですよ、例を挙げているだけで。一般的に通用する説明をしなければ、国民の皆さんはどこまでが合意でどこからが準備かわからないんですよ。だから、どこからが合意か準備かわからないようなことを今検討していて、だから今度のテロ等準備罪が今までの共謀罪と全く違うものだなんということは言い切れるはずがないんですよ。言い切れる根拠を述べてくださいよ。
 単に準備行為をつけたからといって、それで大丈夫なんだということを言い切れるんですか、本当に。いかがですか、大臣。
○浜田委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○浜田委員長 速記を起こしてください。
 金田法務大臣。
○金田国務大臣 テロ等準備罪は、実行の準備行為があって初めて処罰の対象となるわけです。ですから、一般の方々が対象とならないことを明確にするために組織的犯罪集団のみを対象とすることを検討しているわけであります。したがって、重大な犯罪の合意に加えて実行準備行為が行われて初めて処罰されるということを要件として検討中なのであります。
 したがって、重大な犯罪の合意に加えて、一般の方々が対象とならない、そういう実行準備行為が、先ほど例示をしましたが、行われて初めて処罰されるということであります。
○逢坂委員 委員長、大変恐縮ですけれども、聞いていないことを長々と述べられて、私の質問時間を随分浪費したというふうに私は思っています。
 大臣、やはり基本的事項を答弁できないのであれば決めつけちゃいけないんですよ、一般の人が対象にならないとか、今までの共謀罪とは全く違うものだとか。大臣の資質をやはり疑わざるを得ない。
 私は、今、法務委員会の野党筆頭理事ですよ。この調子でいったら、残念ながら、あらゆるものについて大臣を対象にして質疑をするということは私は不可能だというふうに思いますよ。これは国対とも相談をさせていただきますけれども、当事者能力が全く欠如しているというふうに思わざるを得ない。
 今後、予算委員会の審議についても私は厳しい姿勢で臨まざるを得ない。責任者たる大臣が基本的事項も答弁できない。私は細部のことを聞いているわけではない。私ももともとの専門は物理化学ですよ、法律の専門家ではありません。でも、これに食らいついて、何とか国民の皆さんの不安を解消しようと思ってやっている。大臣だって、もう少し誠意のある答弁をしたらいかがですか。
 しかも、きのうのペーパー、これは大臣のギブアップ宣言じゃないですか。今は審議できません、法案の作成者である刑事局長がいなければ大臣一人では答弁できません、予算委員会での質問は勘弁してくださいと。
 大臣のギブアップ宣言、敗北宣言、自分は法案の責任者でない宣言、こういうことをしていては今後の審議はできない、私はそう思います。そのことを申し上げて、終わります。
○浜田委員長 これにて逢坂君の質疑は終了いたしました。
 次に、大平喜信君。
○大平委員 日本共産党の大平喜信です。被爆地広島の出身です。
 きょうは、広島選出の岸田外務大臣に、核兵器のない世界の実現に向けた安倍政権の姿勢についてお伺いをいたします。
 昨年末、国連総会は、核兵器禁止条約の締結交渉を開始する決議を、賛成百十三カ国、圧倒的多数の賛成で採択いたしました。この二十年、さまざまな核兵器禁止条約を求める決議が採択されてきましたが、今回の決議は、初めて決議の中に締結交渉の期日まで盛り込まれた、核兵器のない世界に向けた画期的な一歩となるものとなりました。
 ところが、日本政府はこの決議案に反対をいたしました。大臣、なぜ反対をしたんでしょうか。
○岸田国務大臣 御指摘の決議ですが、昨年末、国連総会第一委員会で採択をされた後、十二月二十三日、国連総会本会議におきまして採択をされました。そして、御指摘のように、我が国は反対をいたしました。
 我が国の、核兵器のない世界を目指すための基本的な立場は、従来から申し上げておりますように、核兵器の非人道性に対する正確な認識と、そして厳しい安全保障環境に対する冷静な認識、この二つの認識の上に立って核兵器国と非核兵器国の協力のもとに現実的かつ実践的な取り組みを行っていく、こうしたものであります。
 この立場は従来から一貫しており、そして、この立場に立って御指摘の決議を考えた場合に、厳しい安全保障環境に対する認識、そして核兵器国と非核兵器国の協力という観点から問題があると考えて、反対をいたしました。
 この我が国の考え方、対応につきましては、御指摘の決議に北朝鮮は賛成をした、そしてドイツ、オーストラリアを初めとする、NPDIを初めとするさまざまな枠組みで我が国とともに協力してきた非核兵器国も反対をした、そして核兵器国は一国たりとも賛成をしなかった、こうした各国の投票行動を見ても、妥当性は御理解いただけると考えます。
    〔委員長退席、武藤(容)委員長代理着席〕
○大平委員 では、そこで、お聞きいたします。
 例えば、マレーシアなどがこの二十年提出し続けてきた決議案、国際司法裁判所勧告的意見のフォローアップ、いわゆる核兵器禁止条約に向けた決議案の一つですが、この決議案に日本政府はどういう態度をとってきたのでしょうか。反対したことがありますか。
○岸田国務大臣 御指摘の決議は一九九四年以降毎年出されている決議でありますが、この決議に対しましては、我が国は一貫して棄権をしております。
○大平委員 棄権をしてきたのはどういう理由だったんでしょうか。
○岸田国務大臣 今御指摘いただいたフォローアップ決議については棄権をした、先ほど御指摘いただいた核兵器禁止条約交渉に関する決議には反対をした、この違いを含めて申し上げるならば、まず内容が違います。
 フォローアップ決議の方は、一般論として、核兵器禁止条約の議論を要請するという中身になっています。そして、昨年末採択されました決議につきましては、具体的にことしの三月から核兵器禁止条約交渉を開始する、こういった中身になっています。まずもって中身が違うというのが一つ。
 そしてもう一つは、こうした決議はどういった雰囲気の中で議論されたかということが大変重要であると思っています。フォローアップ決議の方は一九九四年当時から出されている決議ですが、その後、国際社会においては核兵器国と非核兵器国の対立がますます深刻な状況になっています。委員も御案内のとおり、一昨年のNPT運用検討会議においてもこの対立が激化し、成果文書すらまとめられずに閉会をした。大変残念な結果になりました。
 昨今こうした核兵器国と非核兵器国の厳しい対立がますます激化している中にあって、具体的な交渉開始を内容とする決議が昨年提出された。こういったことから、フォローアップ決議については棄権をずっと続けてきた、しかし、今申し上げました危機感に基づいて、昨年末のこの決議については反対をした、こうした対応の違いがあるわけです。
○大平委員 決議の内容が違うことはわかっております。禁止条約締結を求める方向性が同じだということでお伺いをしました。
 それで、いろいろ大臣はおっしゃいましたが、今の答弁にもありましたけれども、これまで日本政府は核兵器国と非核兵器国の橋渡しの役割、まあ協力というお言葉もありました、そのために棄権をしてきた、真ん中の立場にいるかのようなことで棄権をしてきたというふうにありました。
 私たちは、政府のそうした態度自身、被爆国政府にあるまじき態度だということで批判をしてきましたが、それが、今回初めて反対票を投じたわけです。大臣、もはやこの橋渡しの役割すら投げ捨てたということでしょうか。
○岸田国務大臣 先ほど申し上げました我が国の立場は一貫しております。
 私も外務大臣になりましてから、核軍縮・不拡散の議論、さまざまな議論に参加していましたが、非核兵器国の高い理想、これはまことに重要なものであります。しかし一方で、現実に核兵器を持っているのは核兵器国でありますので、非核兵器国の理想に核兵器国が協力しなければ結果が何も出てこない、こういった厳しい現実にも直面してきました。
 こういった中でありますので、核兵器のない世界を目指す唯一の戦争被爆国として、具体的な結果を出すためには核兵器国と非核兵器国の協力をしっかりとしたものにしなければいけない、こういった立場を一貫してとってきました。今回の決議の対応についても、そういった基本的な考えに基づいて現実的な対応をしたということであります。
○大平委員 大臣、これまで立場は一貫している、そういう御答弁でしたが、世論は決してそう見ていないんですよね。
 例えば、広島弁護士会は昨年十二月二十一日の会長声明で、自分たちは被爆地広島にある弁護士会として、平和、核兵器廃絶の問題に長年取り組んできた、こういうふうに述べながら、本来なら共同提案国になるべき立場にありながら、日本政府が反対投票を行ったことについては、国際社会の核廃絶に向けた動きに水を差すものとして極めて遺憾であり、強く抗議すると訴えております。ほかでもない被爆地広島からの痛切な批判であります。
 そこで、今回の決議をめぐってアメリカで重大な動きが起きていた問題について伺いたいと思います。配付資料の一枚目をごらんいただきたいと思います。
 これは、アメリカが、昨年の国連総会のさなか、同盟国にこの禁止条約に反対するよう求めた書簡が配付をされた、そう報道する新聞記事であります。大臣、この報道は御存じですよね。
○岸田国務大臣 米国がNATOに対して文書を発出したという報道については承知しております。
○大平委員 大臣、今までに一度でも、アメリカからのこういう趣旨の書簡が同盟国に対して送られたことというのがあったんでしょうか。大臣、御存じでしょうか。
○岸田国務大臣 御指摘の点、報道は承知しております。
 ただ、米国からNATOに出された文書がどのようなものであるか、そしてその内容が正しいか、本物であるかなど、我が国の立場として判断することは難しいと思っておりますし、それ以外について、世界各国全てについて確認するすべもありませんので、そういった文書のやりとりについては、我が国の立場から何か申し上げることはできないと思っています。
○大平委員 配付資料一枚目の下段に、中国新聞、これは共同通信の報道ですが、三段落目に次のように書いております。「米国など核保有国が条約反対のロビー活動を展開する中、同盟国に配布した書簡の内容が明らかになるのは初めて。」だ、このように述べております。
 配付資料の二枚目をごらんください。一体どういう内容のものだったのか。
 この二枚目は、国連NGOの核兵器廃絶国際キャンペーン、ICANがホームページで公開をし、既に世界に出回っているこの書簡の現物の一部であります。ここにその現物の全て、全ページを持ってまいりましたが、この書簡では何と言っているか。核兵器禁止条約に対して激しく非難をした上で、この条約が調印されればアメリカの核戦略が、全世界で手足を縛られ、破綻に追い込まれかねないとの懸念、危機感が詳細につづられております。
 そして、その結論として、三枚目、資料2の2の線を引いたところですが、同盟国に対して、この決議案に単に棄権するのではなくとわざわざ強調し、断固反対の投票をするよう強く求めました。
 大臣、このような書簡やそうした話のやりとりは、日本政府との間でもあったんでしょうか。
○岸田国務大臣 まず、御指摘のこの文書、資料としてお出しいただいた文書につきましては、これは第三国間の文書のやりとりですので、我が国の立場から、この文書の内容について、あるいは真偽について何か申し上げることはできないと思います。
 そして、我が国に対してこうした文書があったのかどうかということにつきましては、当然のことながら、米国との間においては平素から、核軍縮・不拡散も含めて、さまざまな課題についてしっかりと意思疎通を行っております。ただ、具体的にどんなやりとりをしたかということは、これは従来から申し上げておりますが、外交上のやりとりを明らかにするのは控えなければならないと思っています。
 いずれにせよ、我が国の判断は、我が国が判断をしたわけです。我が国が、先ほど申し上げました一貫した基本的な立場に基づいて、我が国の国益を初めさまざまな観点からこの問題について判断を行い、そして決議においても投票したということであります。
○大平委員 一枚目の共同通信の報道では、先ほどの記述に続いて、次のように報じております。「国連外交筋によると、米国の「核の傘」の下にある日本にも同様の圧力がかかっているといい、こうした動きも踏まえて日本は採決に賛同しない方針を決めたとみられる。」このように報じております。
 大臣、報道でも言われていますように、日本政府にこのアメリカの意向、つまり、単に棄権するだけでなく断固反対せよ、こういう意向が突きつけられて、そして、そうしたアメリカの強い圧力に屈して、まさに言われるがままに、棄権ではなく初めて反対をする、こういう態度をとった、こういうことじゃないですか。
○岸田国務大臣 先ほど申しましたように、具体的な米国とのやりとりは外交上控えなければならないと思いますが、これは、我が国の判断、あくまでも我が国の基本的な立場、考え方に基づいて判断したものであります。
 昨年末の、核兵器禁止条約交渉入りを内容とする決議について、百十三票の賛成があったという御指摘がありましたが、我が国の基本的な立場に基づいた決議も同じ時期に国連に提出しております。我が国の立場に基づいた決議は百六十カ国以上の国が賛成をしている、多くの国から支持をされているというのが現実であります。この基本的な立場に基づいて、我が国は、この御指摘の決議についても、我が国の判断で投票行動を決定したということであります。
○大平委員 大臣は繰り返し我が国独自の判断だとおっしゃられておりますが、みんな、圧力に屈したと感じているんですよ。
 配付資料の三枚目をごらんください。
 これは毎日新聞の報道記事です。こうした日本政府の態度に、大きな批判と怒りの声が上がっております。この新聞記事は、広島県被団協理事長の坪井直さんのインタビューです。
 坪井さんは、オバマ前大統領とも平和公園で握手をされた、大臣もよく御存じの方だというふうに思いますが、次のようにおっしゃっております。三段目以降の線を引っ張ったところですが、「昨年末の交渉開始の決議に、米国は反対した。他の核保有国と同様、日本も追従したとのニュースを見て、「ばかたれ」と口をついて出た。」「被爆国として自立した考えを持たんか」「やっとることは被爆者の思いと反対ばかりじゃ」。
 この痛切な批判、被爆者の声を大臣はどう受けとめられるでしょうか。
○岸田国務大臣 いろいろな御意見があることは承知をしています。
 ただ、我が国は、国際社会の中で唯一の戦争被爆国としてこの議論をリードするためには、我が国の一貫した立場はしっかりと守り続けなければなりません。この立場がぶれてしまっては我が国がこの議論においての信頼性を失ってしまう、こういったことになりかねません。
 我が国の立場は、先ほど申し上げましたように、二つの認識に基づいて核兵器国と非核兵器国の協力のもとに現実的な実践的な取り組みを行っていく、こういったものであり、この立場に基づく決議が百六十カ国以上の多くの国からも支持をされている、こういったことだからこそ、我が国は国際世論の中で核軍縮・不拡散の議論をリードできていると思っています。
 この立場は決して揺らいではならないと思います。この立場に基づいて、現実的なさまざまな決議あるいはさまざまな議論においてしっかりとした判断を行っていきたいと思います。
○大平委員 日本の決議案のことは私は聞いておりません。
 今度の核兵器禁止条約締結交渉開始を決めたこの決議案に反対したことに、日本国民の、被爆地、被爆者の強い怒りと批判の声が上がっている、このことをきちんと受けとめていただきたいと思います。(岸田国務大臣「委員長」と呼ぶ)結構です。
 そんな中で、来月にも締結交渉が行われます。大臣は、昨年十月二十八日の記者会見で、この締結交渉に積極的に参加し、唯一の被爆国として主張すべきことはしっかりと主張していきたいと述べておられます。そこで、どういうスタンスで参加をし、どういう主張をされるのか。
 今度の採択をされた決議には、先ほどの締結交渉の期日が盛り込まれるとともに、項目の十二で次のように述べております。この会議に参加する諸国に対し、最善の努力を尽くして核兵器を禁止し、その全面廃絶に至る法的拘束力ある条約を締結するよう呼びかける、このように書いてあります。
 大臣、こういうスタンスで臨むということでよろしいですか。
○岸田国務大臣 昨年十二月、決議が採択されました。結果として、三月からこの交渉は始まります。
 その際の対応につきましては、まず、今現在、その議論の進め方等詳細について明らかになっていませんので、政府の立場からは、それをまずしっかり確認した上で、政府として責任ある対応を決定しなければならないと思っていますが、ただ、今現在、私自身は、先ほど申し上げました我が国の立場に基づいて、この議論において主張すべきことは主張すべきだと思っています。
 そして、さらに言うならば、先ほどの基本的な立場に加えて、より具体的なものとしては、被爆の実相に触れるということで被爆地の訪問。さらには、こうした核軍縮・不拡散の議論の根底には核兵器国と非核兵器国の信頼感がなければなりません。核兵器国の透明性をしっかりと確保していく、こういった努力も重要だという点。さらには、FMCTの早期交渉開始、あるいはCTBTの早期発効、こういったものについて我が国は主張してきたわけでありますが、こうした従来の我が国の立場に基づいてこうした議論には臨むべきであると考えております。
 いずれにしましても、この対応につきまして、具体的な対応については政府全体として判断をいたします。
○大平委員 ちょっとよくわからなかったんですが、政府全体で判断する、これはまだ決まっていないと。外務大臣御自身は参加しようと思っている。ちょっと理由、意味がわからなかったので、もう一度。
○岸田国務大臣 今おっしゃったように、これはまだ議論の詳細が明らかになっていないので、政府としてはそれを確認してから正式な態度を表明する、これは当然のことだと思いますが、今の段階で、どういった姿勢で議論に参加するのかという御質問をいただきました。
 それに対して、今申し上げましたような基本的なスタンスで我が国は議論を考えるべきではないか、そのようにお答えをさせていただいた次第であります。
○大平委員 この決議は、最善の努力を尽くして核兵器を禁止し、法的拘束力ある条約を締結するよう呼びかけると、参加する国に対して呼びかけております。核軍縮のもろもろ、大臣はおっしゃいましたけれども、この決議の立場をはっきりもう一度お伝えしておきたいというふうに思います。
 最後にもう一つ、トランプ政権についてお聞きしたいと思います。
 トランプ大統領は、就任前の十二月二十二日、ツイッターで、核兵器に関して世界が分別を取り戻すまでは、米国は核戦力を強化、拡大しなければならない、このように述べております。
 そして、就任して一週間後の一月二十七日には、配付資料の四枚目以降に現物をつけました、米軍再建と題する大統領令にトランプ大統領はサインをしました。そしてその次のページ、黄色い線を引いたところですが、ここの中にはっきりと、新しい核戦略の見直しに着手すると書いております。
 岸田大臣、こうしたトランプ政権の核戦略についてどのように見ておられますでしょうか。
○岸田国務大臣 御指摘のように、一月二十七日、トランプ大統領は、米軍の再構築に関する覚書に署名をし、同覚書の中には、国防長官が核体制や弾道ミサイル防衛の見直しを新たに開始する旨記載されている、このことは承知をしております。具体的な見直し作業は今後開始されるものであると承知をしております。ぜひしっかりと注視をしていきたいと考えます。
 そして、我が国が核兵器のない世界を目指す、その際の基本方針は先ほど来再三繰り返しているとおりであります。ぜひ、こうした考え方を米国ともしっかりと共有しながら、核兵器のない世界に向けて努力を続けていきたい、このように思っています。
○大平委員 注視するとの御答弁でした。
 こうしたトランプ氏の言動に対しまして、アメリカの主要メディアを含め各方面から一斉に批判の記事が飛び交いました。
 例えば、ワシントン・ポスト電子版、十二月二十六日付、トランプ氏がツイッターによる核外交を続けるならば、核兵器をめぐる国際間の緊張をさらに高める。ニューヨーク・タイムズ電子版、十二月二十三日付は、たくましさを売りにする軍拡競争に没頭するのではなく、トランプ氏は核兵器の危険を減らすためのロシアとの新しい対話を探求すべきだ。そして、広島を中心とした地方紙中国新聞、一月四日付社説では、「トランプ氏、広島訪問を」という見出しの中、「トランプ政権下では情勢が一変する恐れがある。年の初めに私たちも危機感を共有したい。」「被爆者を含む広島と長崎の訴えに耳を傾け、核兵器がいかに人道に反するかを十分に知ってほしい。核兵器で脅し合うことこそ世界を不安定にしていると気付いてもらいたい。」こういう社説を書きました。
 大臣、改めて、こうした声をどのように受けとめられるでしょうか。
○岸田国務大臣 我が国の立場は一貫しています。そして、米国とも意思疎通を図りながら、核兵器のない世界を実現するために努力を続けていかなければならないと思います。
 そのために、ぜひ、しっかりと意思疎通を図ると同時に、具体的なさまざまな課題について協力し努力を続けていきたいと考えます。
○大平委員 そうした中で、あさって、初めての日米首脳会談が行われます。被爆者の皆さん、被爆地の皆さんはもちろん、多くの市民の皆さんが今度の会談を、そしてトランプ大統領がこうした言動をされている中、核兵器問題に注目しております。
 被爆国政府の外務大臣として、岸田大臣、この問題にどういうスタンスで臨まれるのでしょうか、お答えください。
○岸田国務大臣 日米首脳会談につきましては、首脳会談ですので、私の立場から内容について何か予断をして申し上げるのは控えなければならないと思いますが、米国政府との間においては、今日までも累次にわたって、核兵器のない世界に向けて意思疎通を図ってきました。
 これからも、しっかりと我が国の立場を説明するとともに、核兵器のない世界において、今、核兵器国と非核兵器国の対立が深刻化し、大変な危機感が広がっています、この危機感の中で、現実、何をするべきなのか、しっかりと検討し、そして努力を続けていかなければならない、このように思っております。
    〔武藤(容)委員長代理退席、委員長着席〕
○大平委員 明らかにアメリカでは、オバマ大統領からトランプ大統領にかわって、これまでとは大きく違う危険な動きが起きている、それにもかかわらず、安倍政権の岸田大臣の対応は相変わらず日米同盟第一であり、不変だと。とりわけ人類の生存がかかっているほかでもない核兵器の問題で、こうした姿勢は私は絶対に許されないと訴えたいと思います。
 私の母校広島市立舟入高校の前身、広島市立第一高等女学校は、広島市内の学校で最も多い六百七十六人の原爆犠牲者を出しました。その一人であった妹さんを失ったある女性の手記には、こう書いてありました。きょう、ここにお持ちしました。
 朝は元気に出ていったのに、爆風で、お寺の塀や壁の下敷きになって死んでいった同級生や、水槽の中で片足しか残っていなかった生徒。名もなく、道もなく、青春もなく、勲章ももらわずに、みんな木の葉のように焼かれて消えていった。妹は、この世の中に何も残さずに消えていったままなのです。
 我が国はこうした痛苦の犠牲の上に立っているということを、いま一度岸田大臣に認識していただきたいと思います。今こそ日本政府は、被爆者の願いに応えて、アメリカにもはっきり物を言い、核兵器のない世界の実現へ、その先頭に立つことを重ねて求めて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○浜田委員長 これにて大平君の質疑は終了いたしました。
 次に、梅村さえこ君。
○梅村委員 日本共産党の梅村さえこです。
 きょうは、働き方改革をめぐって、地方公務員の長時間労働と過労死の問題について質問させていただきます。
 未来ある若者の命を奪った電通の女性社員の自死事件。御本人の無念とともに、まつりは生きて社会に貢献できることを目指していたのです、そう思うと悲しくて悔しくてなりません、本当の改革、労働環境の改革を実行してもらいたいというお母さんの言葉を決して忘れず、長時間労働と過労死を一日も早く是正していきたいと思います。
 そこで、まず、高市大臣に伺います。
 地方公務員の職場でも長時間労働が後を絶たず、過労死や自死も続いております。安倍政権は働き方改革を掲げていますが、地方公務員の過労死と長時間労働の実態をまず御報告ください。
○高市国務大臣 地方公務員災害補償基金が、平成二十六年度、過労死等防止対策推進法における過労死等の定義に該当する脳・心臓疾患及び精神疾患等として受理した件数は七十八件、公務災害として認定した件数は五十八件、うち、お亡くなりになった件数は二十三件となっております。
○梅村委員 今御答弁があった数字は、私のきょうの資料の一ページ目にあります地方公務員災害補償基金の、これは過労死白書の中にも掲載されておりますが、脳・心臓疾患等の労災認定のグラフですけれども、二〇〇〇年以降の十五年間を見ても、毎年、二人、四人、九人、八人、十五人、九人、十二人と続きまして、実に百十九人にもなっております。精神疾患等の死亡もこの十五年間で七十三人。計百九十二人もの地方公務員の皆さんが過労死されております。大変な人数だと思います。
 しかも、この統計は労災認定を受けた数であり、公務労働の現場の厳しい実態の一端を示すものだと考えます。
 そして、ぜひ注目していただきたいのは、二ページ目ですけれども、二〇一四年度について、死亡された方々が大体どれぐらいの超過勤務だったのかということが二十時間ごとに区分けをされてきております。ちょうど八十時間以上百時間未満という方が脳・心臓疾患でいえば二人、六十時間以上八十時間未満、一人ですけれども、圧倒的に八十時間以上になりますと、特に精神疾患の方々は一気に過労死がここから生まれているということがわかるかというふうに思います。まさに過労死ラインとなっているわけです。
 では、具体的にどのような実態で過労死、とりわけ自死に追い込まれてきていらっしゃるかというのを、きょう、この資料でもつけております。
 例えば、福岡県糸島市の農林土木担当課長だった当時五十二歳の男性は、うつ病になり、自死に追い込まれましたが、事件一カ月前の時間外労働は百十四時間を上回っていました。宮崎県新富町の職員だった当時二十八歳の女性は、大量の睡眠薬を服用し、お亡くなりになりました。亡くなる二カ月前の時間外労働は約百一時間に上っていたとあります。
 そして、私は先日、滋賀県庁を訪ねてまいりましたが、ここでも、当時二十五歳の県庁職員が、四十二日間の連続勤務や月平均百二十時間超の時間外労働でうつ病を発症して、自死に追い込まれたそうです。
 地方公務員の職場も、長時間労働、そして過労死、自死、これはもう本当に深刻な実態にあるというふうに思います。今御紹介した自死に追い込まれた方々も、全て月百時間を超えた時間外労働をされています。
 そこで、高市大臣に伺いますが、既に過労死は大きな問題だということで、二〇一四年に過労死防止法が全会一致で可決をされ、一昨年七月には過労死等の防止のための対策に関する大綱が閣議決定もされていると思います。過労死防止法には、国及び地方公共団体の責務が規定され、過労死の調査研究、啓発、相談体制の整備、民間団体の活動に対する支援など、四つの対策の実施が定められています。
 これだけ過労死、時間外労働が広がっている地方公務職場において、総務省としてどのような対策を打たれてきたのか、御答弁いただきたいと思います。
○高市国務大臣 まず、今委員が御紹介くださいました、法に基づく調査研究ということが必要でございます。まず実態を明らかにして対策を考えなければなりません。
 現在、地方公共団体における時間外勤務に関する実態調査を行っているところです。具体的には、時間外勤務の全体状況に加えまして、時間外勤務が多い職員の状況、勤務時間管理の状況、時間外勤務の是正対策などを調査事項としておりまして、今年度内に調査結果を取りまとめてまいります。
 また、地方公務員は労働基準法や労働安全衛生法が適用されますので、そもそも事業者たる地方公共団体は、法令を遵守して、地方公務員の健康管理に関する対策を主体的かつ適切に実施すべきでございます。
 ですから、総務省としては、この過労死等防止対策推進法や過労死等防止対策大綱の策定に伴いまして、地方公共団体に対して、過労死等を防止するという観点から、周知、助言を累次にわたって行っております。ちなみに、私が就任しましてからでも、過労死等防止対策については八回、ストレスチェック制度については七回、周知を行って、助言をいたしております。
 また、国の調査研究ということでさらに申し上げますと、脳・心臓疾患及び精神疾患に係る地方公務員の公務災害認定事案について、現在調査研究を行っております。
 地方公共団体における啓発や相談体制の整備について、引き続き周知と助言をしっかりと行ってまいります。
○梅村委員 さまざまな取り組みが御紹介されましたが、一つ確認させていただきたいのは、今、時間外勤務について調査を始めて、今年度中にまとめる予定だというふうに御答弁がありました。これはいつから調査が始まったのでしょうか。
○高市国務大臣 昨年の十二月に調査票を出しました。それで今年度末に取りまとめということでございます。
○梅村委員 私は、やり出したこと自身はとても重要だと思うんですけれども、昨年十二月から始めたということでいいますと、その電通の高橋まつりさんの事件があったのかなというふうに思います。
 もう既に、今グラフを見ていただいたら、十五年前からこれだけ地方公務員の方々が自死、過労死で亡くなっていらっしゃる、そして、百時間とか年間千時間とか、そういう時間外勤務があるということがもうわかっていたわけですから、本来でしたら、この過労死防止法が国会でできたとき、二〇一四年ですから、なぜもっと早くからこういう調査を始めてこなかったのか。やはり、これについては、政府、とりわけ地方公務員担当、総務省のおくれというようなのが私は率直にあったのではないかなというふうに思いますが、その点はいかがでしょうか。
○高市国務大臣 例えば、平成二十年、平成二十一年、そしてまた、私の就任後でしたら平成二十六年の十月にも、ワーク・ライフ・バランス推進に関する通知の発出もしておりますし、テレワークの活用など取り組み事例の紹介や、ゆう活の実施に合わせた時間外勤務縮減の働きかけも行ってまいりました。
 しかしながら、調査の開始が遅かったんじゃないかという御指摘は、確かにそのとおりであると私も思っております。年度内に調査が取りまとまるということでございますので、これを受けて、さらに、地方公共団体には法令遵守、そしてまたしっかりとした対策を講じていただきますように、しっかりと助言を行ってまいります。
○梅村委員 事前にいろいろレクチャーを受けたときにも、有休などの勤務状況の調査はしたけれども、時間外についての調査は今まで総務省としてはやってこなかった、それは、現場で適正な対応が行われているという認識だったということも聞いておりますけれども、そこのリアルな実態が、これだけ命が奪われている、亡くなっている、そういう点で、やはり対策を急ぐ必要があるのではないかなということを提案したいというふうに思います。
 そして、さまざまな努力をしているということだったんですけれども、結局、過労死ゼロにはまだ向かい切れていない。なぜか。それは、やはりその大もとにある超勤問題にメスが入っていないからだと思うんです。やはり、長時間働いているから、追い込まれて、病気になって、そして過労死になって、自死になっている。ですから、長時間労働、時間外労働というものにしっかりと、もう一刻も待たずにメスを入れていくことが求められているというふうに思います。
 そこで、確認をさせていただきたいと思うんですけれども、昨年、地方公務職場に対して、労基署から是正勧告が行われるという事態が発生しました。これは既に、資料の三ページ、四ページにあるとおり、報道されている、社会問題になっている事例です。
 滋賀県の湖東土木事務所の二人、長浜土木事務所の木之本支所の一人が、労基法の三十六条の特別条項、百時間を超えていたということに対する是正勧告です。また、県の成人病センターにもサービス残業などを改善するよう是正勧告が行われております。
 塩崎大臣、この勧告内容は事実ですよね。
○塩崎国務大臣 個別の案件でございますので、直接的なお答えは差し控えたいと思いますけれども、一般論として、労働基準監督機関におきまして、監督指導の結果、労働基準法等の法違反が認められた場合は、その是正を指導しているということでございまして、今お話がございました土木事業、それから公立の病院関係のお話でございましたが、また、長時間労働が認められた場合は、当然、法違反の有無にかかわらず、過重労働による健康障害を防止するという観点から、できるだけ労働時間を短くするようにという指導を労基署の方からさせていただいているところでございます。
○梅村委員 地方公務職場でこういう是正勧告が行われるような事態があるということを、今御答弁の中でもお認めいただけたのではないかなというふうに思います。法令に基づく業務を行う機関が是正勧告を受けるなどしていて、どうして働き方改革が進むのかというふうに思うわけですね。
 今回、滋賀県で長時間労働問題が浮き彫りになったのは、対象の事業所が三六協定を結んでいたからですけれども、同時に、滋賀県では、三六協定を締結されていない県庁、知事部局でも、一昨年、年間千時間超の時間外勤務を行った職員が二十人に上っている、これは資料にもつけております、このことが県の人事委員会より明らかになりました。
 そして、子ども・青少年局、彦根子ども家庭相談センターでもそれぞれ三人が千時間を超え、本当に子供たちのきょうあすの暮らしや命がかかわっているようなそういう子供たちの相談センターでも、三人が千時間を超えながら、働きながら子供たちの対応をしている。こんなことは本当に、すぐに打開をしていかなければいけないというふうに思います。
 総務大臣に聞きたいと思いますけれども、年間千時間が横行するような超勤を地方公務職場に放置していていいのか。そして、一般論としても、県の機関が労基署から是正勧告を受ける事態をどう考えるのか、この点について御答弁いただきたいと思います。
○高市国務大臣 今委員が御紹介くださった新聞記事の内容にも係ることですが、現在、時間外労働の実態について調査をしっかり行っているところでございます。冒頭に申し上げましたとおり、地方公務員に適用される法令の遵守について、調査の結果を受けて、地方公共団体に対してさらに周知徹底を依頼してまいりたいと考えております。
○梅村委員 今、調査しているまとめを見てということですけれども、ただ、この新聞記事にもありますけれども、県庁で千時間が二十人を超えるというようなことは、もう報道ベースでもあるわけですね。そのことについて、今時点でどういうお考えなのか、受けとめなのかということは、調査を待ってからではなくて、今やはり国民に向けて御答弁をいただきたいというふうに思います。
○高市国務大臣 あくまでも報道ベースの話でございますので、実態を正確に把握する必要がございますけれども、仮に今委員がおっしゃったような行き過ぎた時間外労働があると、これは、心身の健康を損ねるものでもあり、また職場の士気にもかかわるものでもあり、そしてまた最悪の場合にはお亡くなりになってしまうということもございますので、そういう実態がございましたなら、しっかりと対応をすべきことであると思っております。
○梅村委員 しっかりやっていただきたいんですけれども、実態把握をもっと早くやっていれば、きょうしっかりとした答弁がいただけたわけなので、やはり、取り組みのスタートといいますか決意が遅かったし、それを挽回するような取り組みが今必要だということが言えるのではないかなと思います。
 それで、こうした超勤実態は滋賀だけではありません。各地で起こっている問題です。それは、二〇〇五年以降、国が集中改革プランを地方に押しつけ、地方行革を推進する中で、地方公務員の削減がこの間約二十九万人も行われてきたためだと指摘しなければならないと思います。よって、国の責任は私は大きなものがあると思います。
 滋賀のケースですと、この十年間で職員数が約千人減っている。人口類似の十一県の平均に達するには、滋賀県庁ではあと千百人の職員をふやす必要があるとの試算もあります。その結果、現場では、人は減っても求められる業務は減らず、職員の負担は限界だという悲鳴となっているのですが、そういう限界な状況でも、地方公務員の皆さんは、住民のためにいい仕事をしよう、したいということで、住民の命と暮らしを守るために、現在、身を粉にして懸命に職務に励んでおられます。
 こうした地方公務員の皆さんの頑張りが報われるような働き方改革をすべきではないかというふうに思います。職員の皆さんが健康で生き生きと働けてこそ、よい住民サービス、住民の命と健康を守ることができると思います。人員をふやして超過勤務の縮減をの流れを、ぜひこの働き方改革の中でつくっていただきたいことをここで強く要望しておきたいと思います。
 さて、他の県ですけれども、ある労働組合の実態アンケートで、ここでも、全自治体のうち、最も多い人の年間労働時間が千時間以上を超える実態が一八%あり、トップから、千五百八十六時間、千四百五十一時間、千二百七十四時間、千百十四時間、こういう千時間をもっと超えるような時間になっているということもアンケートでわかっているところがあります。この県は、最も多い人の年間労働時間が三百六十時間を超える自治体が実に八六%となっているわけです。
 総務大臣に伺いますが、労基法で言う三百六十時間を超える超勤が約八六%の自治体であるような、これは一県の例ですけれども、これはもう超勤が常態化していると言えるのではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○高原政府参考人 御答弁申し上げます。
 長時間労働が常態化しているかどうかという観点も含めて今実態調査をしているということでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○梅村委員 これだけ数字を出して御紹介しているわけですから、今のこの調査を見てからというのでは全く遅過ぎるというふうに思いますし、無責任だというふうに思います。そういう態度があったから調査の開始がおくれたんじゃないでしょうか。
 そこで、厚労省に改めて確認をしたいと思いますが、この実態を見れば、地方公務職場で長時間労働がもう常態化しているということは私は明らかだというふうに思います。地方公務員は労基法の対象になることに間違いはないと思います。また、地方公務員が時間外労働をできるのは労基法に基づけばどんな場合か、これについて簡潔にお答えいただきたいと思います。
○山越政府参考人 お答え申し上げます。
 地方公務員につきましては、一部の規定が適用されない場合はございますものの、労働基準法の適用はございます。
 地方公務員が時間外労働を行うことができる場合といたしましては、いわゆる三六協定、使用者が過半数労働組合または労働者の過半数代表者と労使協定を結び、行政官庁に届け出た場合がございます。
 それから、官公署の事業に従事する地方公務員につきまして、公務のために臨時の必要がある場合でございますとか、災害その他避けることができない事由によって臨時の必要がある場合には、こうした三六協定を結ぶことなく時間外労働が可能でございます。
○梅村委員 今の御説明に基づけば、地方公務員は労基法が適用されるのであり、自治体職員に対しても、週四十時間以上、一日に八時間以上働かせてはならないというのをやはり大原則にしなければならないと思います。
 そして、もしこの時間を上回って超勤させる場合には、既に労基法では厳しい条件がつくられているわけです。今御紹介があったように、三十三条一項の災害その他避けることのできない事由によって臨時の必要がある場合、三十三条三項の公務のために臨時の必要性がある場合、そして超勤命令がなされなければ、この二つがなければ、三六協定を結ばなければ超勤は本来はできない、これがやはり法に基づく働き方、法のたてつけになっているというふうに思います。
 そこで、総務省にもう一度聞きたいんですけれども、労基法三十三条一項、三項、それぞれの労働時間の状況把握などはどうなっていますでしょうか。
○高原政府参考人 御答弁申し上げます。
 地方公務員については、労働基準法第三十三条第一項により、災害等による臨時の必要がある場合、また、同条第三項により、別表第一に掲げる事業以外の事業を行う事業所において公務のために臨時の必要がある場合には、時間外勤務を命ずることができることとされております。
 総務大臣から御答弁がございましたように、現在、都道府県、政令指定市、県庁所在市を対象として時間外勤務に関する実態調査を行っております。その中で、労基法三十三条一項及び三項ごとの時間外勤務の実態の把握は行っておりませんが、本庁と出先機関別の実態等について具体的な把握を行うこととしております。
 以上でございます。
○梅村委員 なぜここを聞いたかといいますと、臨時という名のもとに超勤命令が出されているわけですけれども、地方自治体の現場では、今、人が足りずに超勤せざるを得ない実態が恒常化しているのに、それを全て臨時だとして判断されてたくさんの超勤命令が出されている。やはりこのことにメスを入れなければ、臨時だという理由で際限ない長時間勤務がされているということ、ここはしっかりと調査し、見ていただきたいというふうに思います。
 そして、滋賀の是正勧告でも、超勤を自己申告に任せていることも指摘をされているわけであります。
 その点で、一月二十日に出された労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン、これを読みますと、労働時間の適正な管理について、使用者みずからが現認することや、適正な自己申告を行うことを十分に説明することなどが新たに示されるようになりました。
 高市大臣、このガイドラインを地方公務職場へどのように徹底していくのか、また計画はあるか、御答弁いただきたいと思います。
○高市国務大臣 このガイドラインにつきましては、地方公共団体に対する周知を行いました。そして、さらに適切な対応を要請いたしました。
○梅村委員 たくさんの命の犠牲の上にできたのが今回のガイドラインだというふうに思います。地方公務職場での超勤改善につながるよう、しっかり取り組むことを強く要望したいと思います。
 そして、最後になります。
 先ほど御紹介いただいた労働基準法に基づけば、八時間働けば普通に暮らせる社会の実現こそが求められていると思います。そして、国民誰もが、人間らしく、仕事も家庭も子育ても両立できる働かせ方改革を実現すべきだと思います。
 高市大臣、地方公務職場に労働時間の上限規制、いよいよ待ったなしだというふうに思いますが、その点、いかがでしょうか。
○高市国務大臣 時間外労働の上限規制については、現在、政府の働き方改革実現会議において議論が行われています。公務についても、時間外勤務の縮減というのは重要な課題だと理解をいたしております。
 ただ、先ほど来、公務員部長からもお答えしましたような労働基準法上の取り扱いというものもございますので、地方公務員における取り扱いについては、適正な公務運営の確保という観点から、民間部門とは異なる現行の取り扱いというものも勘案しながら、国家公務員における対応も踏まえた上で、しっかり今後議論を行う必要があると思っております。
○梅村委員 これだけ自死される方々がもう既にいるわけですから、地方公務職場での長時間労働の実態をリアルにつかむ、そして、これ以上絶対に放置させない、過労死をゼロにすることを最後に強く求めて、質問を終わりたいと思います。
○浜田委員長 これにて梅村君の質疑は終了いたしました。
 次に、吉田豊史君。
○吉田(豊)委員 日本維新の会の吉田豊史です。
 富山県富山市出身、また、予算委員会は初質問になりますので、大変緊張いたしております。委員長初め委員の諸先輩方には大変忍耐力の要る時間になるかもしれませんけれども、一生懸命頑張りますので。また、両大臣には御指導いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 きょうは、地方の自立、自立ということでテーマを持ってまいりました。
 自立というのは非常に重い言葉ですし、政治家としては常に、私も一歩でも自立したい、その思いで毎日活動しておりますが、たまたまではございませんが、日本維新の会も、党としてのテーマは自立ということを掲げております。そして、今回は憲法改正、我が党は三本柱を出しております。一つ目が教育の無償化、また二つ目が国と地方の統治機構の改革、ここが今回のテーマになる自立ということですが、それに合わせての憲法裁判所の設置、こういうことでございます。非常に難しいテーマを自分で選んでしまって、ここからどうスタートしていくかなというところでございますけれども。
 今、麻生大臣がちょっと私を見て笑ってくださっておるんですが、本当にうれしいのは、私は議員になりましてから財務金融委員会の方に所属いたしまして、いきなり質問が大臣に対してだったんです。とにかく何をすればいいかわからなかったもので、名前だけでも覚えていただこうと思って、一生懸命、前の晩、寝ずに共通点を考えて、それが、私の商売が豆腐屋でございまして、大臣はセメント屋で、お互い固め物屋ですからよろしくお願いします、こう申し上げたところ、大臣が本当に椅子から転げ落ちるぐらいに笑ってくださいまして、それをもって私はすぐ富山で自分の速報をつくった、こういう華々しいデビューを飾ったんですが、その後、鳴かず飛ばずでございます。
 きょうは、麻生大臣また山本大臣にお越しいただいておりますので、僣越ながら、三人の共通点ということで、きょうも探してまいりました。共通点は、漢字の豊という字でございます。両先輩、両大臣とも筑豊という広くの意味での御出身でございますし、私は名前は豊史といいまして、豊かな歴史と。見ていただくと、全然豊かな歴史ではなくて、何か肉の歴史みたいな、体だけが豊かだという状況でございます。
 済みません、前振りばかり言っておりますが、本題に入らせていただきます。
 地方の自立ということで一番大切なことは、いかにして地方を自立させていくのか。そのことについて、政府は今、まち・ひと・しごとを創生する、そして地方創生という言葉をお選びになって、その政策を進めていらっしゃるわけです。
 改めて、私は、富山県に住んでおりますと、新幹線も通していただいた、それは、富山の人も一生懸命頑張りました、北陸の皆さんも頑張って、そして得た成果だと思うので、これは非常に大きな、みずからで道を切り開くといういい例じゃないかなと思ってはおりますけれども、これから先が勝負でして、実際に、北陸においては人口減少がまだまだとまっていないというところも事実ですし、また、その北陸の中でも、地域の中に、自立の可能性があるところと、そうではなくて、そういうものがあっても衰退していく可能性があるという、大きく分かれていく部分だと思っています。
 改めて、この地方創生という考え方が、まち・ひと・しごと創生法をつくってから二年たっておるわけですけれども、どのような展開をしていて、これが今どのように機能していると分析なさっているか、山本大臣にお聞きします。
○山本(幸)国務大臣 地方創生をめぐる現状としては、東京一極集中につきましては、二〇一二年以降四年連続で転入超過数が増加しておりまして、二〇一五年には約十二万人の転入超過となっております。二〇一六年には五年ぶりに若干減少したんですけれども、依然として一極集中の傾向は続いていると承知しております。
 そのような状況の中で、二〇一四年十一月に成立したまち・ひと・しごと創生法に基づき、まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定するとともに、昨年度までに地方版総合戦略の策定がほぼ完了したところであり、今年度から本格的な事業展開に取り組む段階に入っております。
 昨年八月の大臣着任以来、私は全国の五十四市町村百二十六施設の様子を視察いたしましたが、先駆的な取り組みをやっている自治体も多く、手応えも感じているところでございます。
 例えば、島根県隠岐諸島の海士町では、地域の農産物や海産物を付加価値の高い商品にして島の外に売り出す取り組みにより、新たな雇用の創出や地域の収入増大に成功しております。
 また、宮崎県日南市油津商店街では、公募された民間人材のリーダーシップのもと、多くの店舗やIT企業を誘致してにぎわいを取り戻し、新たな雇用の創出を実現しているところであります。
 この例のように、地方創生においては、各地方公共団体が自助の精神のもと、地方の平均所得の向上のための取り組みを進めることが重要であると考えております。
 そのような意欲を持った地方公共団体を支援するために、平成二十九年度予算案においては、厳しい財政事情のもと、地方創生推進交付金一千億円及び総合戦略等を踏まえた個別施策六千五百三十六億円等を計上しております。さらに、地方財政計画の歳出に、まち・ひと・しごと創生事業費一兆円を計上しているところであります。
 これらの財政支援に加え、情報支援、人材支援の地方創生版三本の矢で、意欲と熱意のある地方公共団体を強力に支援してまいりたいと思います。
 私、富山県富山市も行ってまいりましたけれども、大変頑張っていただいて、魅力的な取り組みを熱心にやっていただいております。交付金等でできるだけの支援をしたい、そういう頑張るところにはやっていきたいと思っております。
○吉田(豊)委員 今大臣に御説明いただいた考え方、それに従って既に計画が三年目に入るというところだと思いますけれども、日本全体の中でも、おっしゃったように、東京一極集中、それは二〇二〇年のオリンピックがあるということでより明らかになってきておりますし、実際のところさまざまな、アルバイト一つをとっても、どこで働くとどれだけの賃金が出てくるかということも、やはり東京が一番いいということもわかりやすい状況になっているわけです。
 その中にあって、我が国の東京以外を全て地方と呼んでいいかどうかという問題もありますが、地方創生の考え方というものは、私は、地域地域をどのような大きさで捉えて、そしてそれに合わせた自立あるいは自分たちの道というものがあると思うんですけれども、この地方創生の考え方に、その枠といえばいいか、それが地域の広さなのか、あるいは都道府県なのか、市町村なのかという、このことがもし根本としてあるのであればお聞きしたいと思うんですけれども、どうでしょうか。
○山本(幸)国務大臣 それは、それぞれの地方ごとに違うと思っております。中核的な大きな都市もあるし、本当に消滅寸前のような都市もあります。
 しかし、大事なことは、それぞれの地域で、自分のところの地域資源、持っている強みは何なのか、あるいは弱みは何なのかというようなことをしっかりと分析した上で、そのそれぞれの地域の規模なり環境に合った施策を考えていただく、そのために私どもは情報支援ということで今RESASという分析システムを提供しておりまして、そういうものを活用していただいて、それぞれに合った施策を考えていただく。
 我々も、個別の事情に応じた形で、どうすれば少しでも所得が上がっていけるような、あるいは持続的な取り組みができるかということをお手伝いし、場合によっては人的支援もやって支援をしていきたいと考えているところであります。
○吉田(豊)委員 私、先月ですけれども、勝手ながら北九州市の方に行きました。それは、党の方で北九州市議会議員選挙があって、そこの方に応援ということで伺ったんですけれども。
 私からすれば本当に大きな市だなというか、そして、それぞれの区に特徴があるところですので、これを一つにまとめていらっしゃっている。だけれども、北九州でも実は人口が減ってきているという問題があって、それは、福岡は県でいえば五百万ですか、大きな県だと思います。富山県の五倍もある県ですけれども、それでもその中では福岡の方に一極集中が進んでいて、第二の政令指定都市である北九州でさえ今そんなことで人口問題を抱えているという、地域地域でやはり大きな構造的な違いがあるわけですね。
 実際のところ、私は地方創生という大きなくくりで話をしていますけれども、大臣がおっしゃったように地域地域で、何をもって一体化して、自分たちの地域だから自分たちでやっていこうというふうに考えるのかという、この根本のことを共有していくということが私は自立のベースではないかなと思うわけです。
 改めて振り返ってみますと、まち・ひと・しごと創生に関する政策を検討するに当たっての原則というものが提示されております。申し上げますと、一番から五番まであって、自立性、将来性、地域性、直接性、そして結果重視ということがあるんですが、改めて大臣に、この五つがなぜここで五原則として出てきているのかというところを確認させていただきたいと思います。
○山本(幸)国務大臣 今、北九州市の御指摘をいただきましたけれども、私も北九州なんですけれども、麻生副総理もその近くで、緒方先生もそうですが、全体として見れば北九州です。大都市なんですね。ところが、かつては人口が百三十万あったのが今は九十六万ぐらいに減っていて、大変だ大変だと言っておりましてね。私は、各地方を見て回って、例えば海士町に比べれば、海士町は二千四百人しかいないんですから、そこに比べれば何の不足があるんだというようなことを地元に帰って申し上げて、恵まれているところをしっかり見据えた上でどうしたら生き生きとできるかということを、むしろ嘆くことだけじゃなくてしっかり前向きに取り組むということが大事だということを、最近は強調してお願いしているところであります。
 その上で、本題ですが、御指摘のように、地方創生においては、従来の政策の弊害を排除して、人口減少の克服と地方創生を確実に実現するために、自立性を初めとするまち・ひと・しごと創生に係る政策五原則、自立性、将来性、地域性、直接性、結果重視のもと、地方公共団体にみずから地域で何が課題になっているのかを考えていただき、その解決のための取り組みを進めているところであります。
 まち・ひと・しごと創生総合戦略や、平成二十九年度予算案に計上された事業についても、こうした自立性等の地方創生に係る基本的な考え方に照らし盛り込んだものであります。
 これは、要するに、今までの取り組みが、ともすれば画一的な、自立性、持続性につながらないような取り組みがあったという反省のもとに、お金を使うにしても、ばらまきといいますか、そういうことじゃなくて、本当に自立性あるいは特徴を持った取り組み、そういうものをしっかりやってもらおうということでつくり上げた原則であります。
 これに基づいて、私どもとしては、今後とも、自助の精神を重視して、意欲と熱意がある地方公共団体に対する支援に取り組んでまいりたいと思っております。
○吉田(豊)委員 もう少し、原則のところ、私は、五番目の結果重視ということが出ているというのは非常に大胆といえばいいか、そのとおりであるべきなんですが、なかなかそれは書けないところだろうとも思っているんです。
 これは今、二年、三年目に入っていて、結果重視という姿勢がより強く出てきていいかなとも思うんですけれども、山本大臣はどのようにお考えかということを改めてお聞きしたいと思います。
○山本(幸)国務大臣 おっしゃるとおりでありまして、これまでは、やるんだけれども、結果がどうなったかという検証が行われないで尻すぼみというようなことがあったという反省のもとに、この点をしっかり打ち出しました。
 したがいまして、地方創生推進交付金等を交付するに当たりましては、必ず、KPIといいますか、重要なパフォーマンスの指標をみずからつくっていただいて、それに対してPDCAサイクルというチェックをやって、ちゃんと結果について見ていくんだということを明確にして取り組んでおります。
 このことによって、地方公共団体による自主的、主体的な取り組みを安定的かつ継続的に支援しようということで、平成二十八年度、まさに石破大臣のときに創設されたものでありまして、これはしっかりとやっていきたいと思いますし、そうでなければ本当の地方創生の実が上がらないというふうに思っております。
○吉田(豊)委員 今ほど山本大臣から答弁いただきましたが、私の浅い勉強の中での理解では、最終的にやはり、そういうさまざまなチャレンジについても実際にそれでは予算をどうつけていくかということを、私は麻生大臣が最終的に責任を持ってなさっているだろうと思っているわけです。
 そのことからすると、結果重視という言葉は、これも実はわかりにくい言葉で、挑戦するということは、よりハードルが高い、難易度が高いことをするときは結果も出にくいけれども、でもそこに大きな可能性があるということも当たり前のことだと思うんです。
 ですから、ここで言っている結果重視というのは、目の前に解決しやすいことについて簡単なことを提案して、そしてそこに結果が出る、そういう意味でのチャレンジのみならず、より難易度が高いこと、あるいは大きな変革の可能性があることにも取り組むという、そのことについても私はしっかりとした予算づけをなさっているだろうと思うんですが、改めて私は、財務大臣の予算づけの考え方、結果重視という言葉をどう受けとめてそれをなさっているかということをお聞きしたいと思います。
○麻生国務大臣 これは、吉田さん、昔の話ですけれども、竹下登大蔵大臣、今の竹下亘国対委員長のあれですけれども、このときに一自治体に一億円配ったんですよ。当時、三千七百市町村ぐらいだったと思うな。だから、三千七百億配った。どうなった、あの金。あの金、どうなったよ、各自治体は何に使った。これは調べてみるとおもしろいよ。もう本当にてんでんばらばら、実にいろいろやった。当たったところと全くどこかへ消えたところの差は何だろうといえば、それは首長の能力ですよ。はっきりしていると思うね。
 今、北九州の例が出たけれども、北九州には緒方林太郎とか山本幸三とか、ほかにも何人もいますよ。同じ県の中に政令都市が二つある、うちは。もう一個は福岡よ。福岡一区の方は、後ろの椅子にいる井上貴博とか、鬼木とかがいますよ。二者を比べてどっちが品がいいか悪いかとか、能力があるか高いかとか、そんなのは関係なく、言っておくけれども、北九州も新幹線がとまるよ、国際空港もあるよ、港は全部一番深いのがあるよ。工業はどう。新日鉄発祥の地、東洋陶器の本社があって、安川電機もある。福岡は何がある。ないよ、そんな会社。それにもかかわらず、そもそも最初にスタートしたときは、ほぼ百万前後でスタートして、途中まで北九州は百三十万まで行ったよ。あるときからどんと落ち目の三太郎で、今は九十五万。違うかな、そんなものだろう。違うか、緒方さん、九十五万ぐらいだろう。まあ、見え張って九十六万ぐらいだな。傍ら、百五十二万に行ったんですよ。
 何が違うんだね、この差はといえば、僕はもうこのところははっきりしているね。やはりこの四、五年の間で、とにかく市の税収の伸び率は日本一。政令都市が二十一あるけれども、日本一。間違い、人口の伸び率が日本一。
 腕や。僕は市長さんの腕だと思うね。この二つ、同じところにあるから物すごくわかりやすいんだけれども、傍ら、地元の人じゃないから、福岡の方は。地元の人じゃないのよ。それでも関係なくそれだけ伸びたという例を見てもわかるように、首長さんは当選したのが三十六歳だからね。時の現職の民主党の市長と戦って勝って、それで、彼は三十六から、今は二期目で四十一歳かな。圧倒的に市長さんの中で最も能力が高いといったら、多分例外なく、みんなこれを認めざるを得ないと思うぐらい。
 やはりそういった意味では、いい首長さんを探してきて、それをみんなでバックアップするというシステムができ上がらない限りは、今回、一千億ついてみたり、また政府全体として六千五百三十六億円も確かに創生に関する予算としてついていますけれども、どういう答えが出てくるかというのは、その答えはもうはっきり出ちゃうから。だから、そういった意味では、首長さんというのはいい人だなじゃとてもじゃない、そういう時代じゃなくなってきているというのが正直な実感です。
○吉田(豊)委員 まさに聞きたいところをわかりやすく、僕は……(発言する者あり)いや、本当なんです。
 二回目があるかどうかは知りませんが、私の質問は自立がテーマになっていますので、次回には今おっしゃった、富山県富山市というのは今いろいろな意味で非常に大きな問題を抱えておるわけです。ですからこそ、お金の使い方一つをとっても、あるいは自立するということはどういうことなのかということを私も悩んで今考えておるところでございまして、本当にまさにいい御指導をいただいたと思っています。もう一度練り直して、また出てまいります。
 ありがとうございます。
○浜田委員長 これにて吉田君の質疑は終了いたしました。
 次に、木下智彦君。
○木下委員 日本維新の会、木下智彦でございます。
 本日は、お時間をいただきまして、ありがとうございます。麻生大臣には、連日、本当にお疲れさまでございます。ありがとうございます。
 きょう、最後ということでお時間をいただきました。
 私どもの方から、今まで、党としていろいろな話をさせていただいております。特に、提案型責任政党という形で、さまざまな法案を提案してきております。その中から幾つかを抜粋して、きょうもお話しさせていただければなというふうに思っております。
 まず最初は、国会改革。国会において、前近代的と言われても言いわけできないというような問題、各種の執務での効率化、これがなかなか図られていないというふうなこと、これは各党各議員の方々は皆さんよくよく感じられていることだろうというふうに思っております。そういった話について、まず一問目にさせていただきたいと思うんです。
 国会活動においてペーパーレス化、これについて私どもの党から提案をさせていただいております。とにかくこれを推進していこうと。
 当然、この目的の一つ、一番よく言われるものは何かというところなんですけれども、各種の法案であるとか予算案、こういった会議の議事録であるとか、そういったものが、皆さんももう既に、机の上を見ても、私も資料を配っておりますけれども、紙ベースでやられています。これが主流なんですね。これを、電子媒体の活用、ITの活用といったものによって何とか変えていけないか、こういうふうな話です。簡単な話だと思うんですね。
 よくよくここで話がされるのは、こういう形でITを導入していくとコストが削減されるであろうとか、同時に、生産性が向上されることによって人件費も削減されていくだろうというような感じのこと、これは一番よく言われることです。
 ちなみに、この衆議院だけとってみて、今年度の予算を見てみると、議案類の印刷費、これだけで何と七億二百万円、年間で。これは直接的なものですね。それ以外に、職員の人件費百八十九億三千三百万。これを人数割りすると、平均で、給与で、そのまま割ったとして、それ以外の間接の人件費もあるでしょうけれども、大体、一人頭一千百万円相当になる。こういったものが二割削減できるのか三割削減できるのか、こういうふうな話は直接的な話として出てくることだろう。当然これはやっていかなければならないことだと思うんです。
 ただ、これについて、きょうはちょっと違った観点で話をさせていただきたいと思います。
 というのは、私、今の仕事につかせていただく前はサラリーマンとして働いておりまして、もともとずっとIT系の仕事をしておりました。会社の中で最後三年間か四年間ぐらいやっていたのが、会社の全システム、会社内のシステムを入れかえる、新しいものにかえていく、そういうふうな仕事をしておりました。一つの会社だといいながら、余りでかい声で言える話じゃないですけれども、システムをかえるのに大体百億円から二百億円ぐらい、それのプロジェクトリーダーをさせていただいておりました。
 その中で、いろいろそういう問題が出てくるんですね、ペーパーレスにしていかなきゃいけないと。簡単なところでいうと、普通のペーパーレスなんかは、例えばコピー機とかでプリントアウトをしたときに、誰が印刷をしたのかということが全部システムで把握できるようにするんです。
 というのは、よくあるパターンで、一つの部署の中に一つだけコピー機とかプリントアウトするものが置いてある。そうしたら、そのまま置きっ放しになっていることがよくあるんですね。これは結構問題がありまして、コンプライアンス上の問題もあるんです。というのは、商売上の秘密とかそういったものが置きっ放しになっているということもある。それを全部把握するために、印刷するときに例えば社員証をプリンターにぽんと置くと、誰が印刷したのか、何枚印刷したのか全部把握できるようになっていくんですね。こんなのは簡単な話。
 もっと大きなことがあります。この大きなことは何かというと、大規模な災害が起こったとき、この場合に、これに実は物すごくお金がかかっているんですね。というのは、大規模な災害が起こったときに、会社の商売上のトランザクション、これが全部消えてしまってはもうどうしようもない。
 例えば、東京に本社があって、東京の会社が全部だめです、社員は全然会社に行けません、こうなっても、お客さんはいる、債権もある、これをどうやって管理していくか。これをやるときに何をしているかというと、同じトランザクション、要は商売上のやりとりが、パソコンで入力をすると、それが瞬時にして、ミラーリングサーバーといって、同じようなコピーされた違うサーバーに飛んでいって、同じように保存されているんですね。
 それが、どことはなかなか言えないんですけれども、東京にあるサーバー以外に、世の中で言うところのクラウドと言われるもので、日本の中国地方、九州であったりとか、そういったところに同じようなサーバーがあって、関東圏が壊滅状態にあったとしてもそこからデータが引き出せる。しかも、そこにいる人間、もしくは、場合によっては海外にいる人間、こういった人間がそれを引き継いで、そのまま遅滞なく仕事ができる、こういうことをやっています。
 これをコンティンジェンシープランというふうに言っていて、それ以外にもいろいろなものを含めてそういうふうに言っているんですけれども、何かあったときにちゃんとデータを引き出して、そのまま切れ目なく仕事が回っていけるようにする、こういうことをやっています。
 そういうふうな経験を持っていて思ったんですけれども、今、政府で、こういった考え方で実際に何かやられているのかどうか。どこにサーバーがありますかとか、どこかにありますとか、これは絶対言えないことだと思うんですけれども、実際にそういう大規模災害であったりとか、何かの事件、事故があった際にもそういうものがちゃんと対応できるような、そういうシステム構築それから体制というものができているのかどうか。こういったところについて、防災大臣にちょっと教えていただきたいなと思います。
○松本国務大臣 広域的な災害応急対策に不可欠な政治・行政中枢機能や、我が国の経済中枢等の首都中枢機能については、首都直下地震緊急対策推進基本計画において、大規模災害が発生した直後においても継続性の確保が求められております。
 政府においては、平成二十六年三月、首都直下地震が発生した場合に、首都中枢機能の維持を図り、国民生活及び国民経済に及ぼす影響を最小化することを目的とした政府業務継続計画を策定しております。
 この計画のもと、各府省庁では、中央省庁業務継続ガイドラインを踏まえ、非常時優先業務等の継続に必要なデータを発災時においても保護し、確実に引き出せるよう、平常時の情報システム設置拠点と同時に、被災しないことが想定される場所にバックアップシステムを確保するなどの措置を講じてきております。
 また、ICTの活用やペーパーレス化の取り組みは、業務の継続性の確保の観点に限らず、行政の効率化の観点からも重要な課題と認識をしております。このため、業務の効率化や働きやすい環境の整備が図られるよう、電子決裁の推進やタブレット等を使用した会議のペーパーレス化等、業務におけるICTの積極的活用を推進しているところでございます。
 政府といたしましては、このような取り組みを進めることにより、非常時優先業務がより適切に実施されるよう、政府業務継続計画等の実効性について定期的に評価を行い、必要に応じて見直しを行うなど、引き続き行政等の中枢機能の継続性確保に努めてまいります。
○木下委員 ありがとうございます。それなりのことはしっかりと計画を立ててやられているんだというふうなことがわかりました。
 それを聞いて思ったんですけれども、要は、そこまでのことをやられて、演習も多分やられているんだと思うんですね、何かを想定してやる。ただ、そこまでやっていて、こっち側、議員側は何しているのということなんです。
 というのは、そういうふうなことが構築されていたとした場合に、何かあったときの例えば予行演習みたいなもの、今まで、ここにいらっしゃる方は多分、そういう予行演習みたいなことに一緒に参加されたことはないと思うんですね。本来、機能するようにするには、政府側と国会議員がそういう連携ができるような体制を整えておく必要があると思うんですよ。今の話を聞いていると、ますます不安になってきてしまう。
 何とすれば、例えば私どもも朝とかに部会をしています。いろいろな法案のレクを受けたりする。そこでも、今まで、ほとんどの省庁の方々は物すごく分厚い紙を用意してこられていたんですね。これをやっていたら、いつまでたっても、せっかく今のようなことをプラン立ててやっていたとしても、全く、いざ災害になったときに全部滞ってしまう。
 私どものことを手前みそで言うのはあれですけれども、実は我々日本維新の会は、今もう、法案レクであるとか予算のレクであったりとか、そういったものを全部データで送っていただいております。何とかこういうところから削減していこうというふうなことに努めていっています。
 ですから、これをやるのであれば、多分、こういう話になると、各党各会派でいろいろ考えてくださいと政府側としては言わざるを得ないんだと思うんですけれども、ここはもう、ほぼほぼ強制的にそういう方向に移行していく必要があるんじゃないかなと。こういう議論を本当は続けていただきたいんですね。
 石井大臣がいらっしゃるので余りここではあれですけれども、公明党さんなんかも同じようにペーパーレス化を党内でやられている、会議はペーパーレスでやられていると。(発言する者あり)自民党の一部もやられていますか。ありがとうございます。そうなんだったら、ある程度その条件はもう醸成されていると思うんです。
 ですから、一気に、これはどこの会派が法案を提出したからとかそういう問題ではなく、これから先の国家運営、もしも災害が起こったときでも強い、そういった仕組みをつくっていく、これを皆さんと一緒にやっていく。これは、ペーパーレス化、簡単な話だ、コスト削減だというふうに言っていますが、実は奥は深いんだというふうに思っているんです。
 そこで、ちょっと経産大臣に一言だけ聞きたいんですけれども、中小企業であったり小規模事業者に対しては、IT化の推進によって効率化をしたところ、そこに対してはいろいろな制度、表彰制度があったりいろいろされています。こういったことを中小企業庁だとかそういうところに強いるだけではなくて、やはり経産省が先頭を切って、これからの省庁のレクは、議員から言われても全部データでやるんだぐらいのことを言っていただきたいんですけれども、どうですか。
○世耕国務大臣 経産省内は、まず隗より始めよということで、ペーパーレス化に今一生懸命取り組んでいます。
 例えば、私に対する説明は、今一〇〇%ペーパーレスで、タブレット端末で全部説明するという形をとっています。また、審議会等も、ほぼ九割方は全部ペーパーレスで、タブレット端末を有識者の先生方にお配りして、それで見ていただく。残り一〇%は、傍聴に来た方とかにどうしても紙で配らなきゃいけないというところまでやっています。
 去年一年で、紙は六%削減しました。それでもまだ三千三百万枚印刷しているということですから、まだまだ削らなきゃいけないところがあると思います。
 あと、業務のIT化もあわせて進めています。
 例えば、国会答弁づくりは、タブレット端末でテレワークで参加しろということで、非常に待ち時間が長い業務ですから、これを全部、家に帰って、できる限り家から仕事に参加するという形をとっています。
 私自身もテレワークをやっています。答弁勉強は、答弁案ができたら、私は、夜か早朝、全部それを予習して、その上で、わからないところだけ登庁してから答弁レクを受ける。きょうも七人の先生から二十一問御質問をいただいていますが、答弁勉強は八時半から大体五分ぐらいで私は終わっています。というのは、前の晩、全部勉強していましたので。
 ということで、そういうIT化はこれから進めていきたい。
 ただ、各党との関係は、やはり党側からリクエストしていただかないと、こちらから一方的にデジタルでというわけにはいかないので、その辺はぜひ御理解いただきたいと思います。
○木下委員 ありがとうございます。
 すばらしいことをやられているなと。本当に、そういった方々がこれから引っ張っていっていただきたいなと思います。
 時間が五分になってしまったので。まだあと二問あったんです。
 IRの話をさせていただきたいと思います。
 これから先、IR実施法というふうなものが、まだしばらく時間がかかるかもしれませんが、出てくる。議論になっているのは、依存症の話であるとか、しっかりと対策しなさいというような話、これはこれで必要です。
 ただ、もう少し重要なことがあると思っているんですね。それは何かというと、これから先のポテンシャル事業者。ですから、どこかの民間事業者が入ってくる。そのときにどういった交渉をしていくかというのが、これが一番重要だと思っているんです。
 これまた自分の話で言うのもなんですけれども、一時期、私はシンガポールに住んでいたことがあったんですね、十数年前。二年前に行ってきたら、勘が狂うんですよ。
 なぜならば、あのマリーナ・ベイ・サンズというホテルにぱっと泊まって、早朝に着いてちょっと仮眠して、起きてカーテンをあけた、そうしたら、マーライオンが背中を向けて水を吐いているんですよ。あれっと思った。というのは、私の感覚でいうと、マーライオンはこっちに向かって水を吐く。
 その後にセントーサ島へ行ったんです。そうしたら、あれっ、橋を渡っていないのに着いちゃったなと。というのは、私がいたころは、橋を渡って海を渡ったらゴルフ場があったんですね。そうしたら、知らない間に着いている。
 何でかというと、マーライオンは、一つは、埋め立てをしたんですね、沖に。橋の方は、橋が大きく拡張されて、陸地なのかどうかわからなくなった。これは誰がやっているかというと、六十年間の開発権を事業者がとって、それで開発をしている。ただ、そのかわり六十年間と。実質的にはシンガポール政府、シンガポールの資産になっていくもの。
 こういった交渉をやはりこれから先やっていかなきゃいけない、こういうことをしっかり整備していくことが必要であって、これにどんな条件をつけていくか、こういったことをやはり前向きな議論としてやっていかなければならないと思っているんです。
 この辺をIR担当大臣として石井大臣に聞きたいんですけれども、今そういう整備はされていますか。
○石井国務大臣 今委員が御紹介いただいたような、シンガポールにおけるIR事業者による公共インフラの整備についての議論が昨年秋の臨時国会においても行われたということは承知をしてございます。
 IR推進法第三条の基本理念におきましては、IRの整備の推進は、地域の創意工夫及び民間の活力を生かした国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現し、地域経済の振興に寄与するとともに、適切な国の監視及び管理のもとで運営される健全なカジノ施設の収益が社会に還元されることを基本とするとされているところでございまして、今後、政府に設置されることになる推進本部におきまして、国会での御議論や附帯決議を十分に受けとめ、検討を進めてまいりたいと考えております。
○木下委員 ありがとうございます。
 地域の創意工夫と言われました。先ほどの私どもの吉田委員のところでも、麻生大臣が言われていました、首長の手腕というところはすごく重要になってくると。私どもの大阪の首長の手腕がどうだとか言うと私は怒られてしまうので、これ以上は言わないですけれども、そういったものも重要と。だから、こういうことの条件をしっかりと話し合える、そういうふうなことにしていくべき。
 あと一問だけ、もうちょっとだけお話しさせていただきます。せっかくきょう、本当に大変なところ、法務大臣に来ていただきました。
 このIRに関してなんですけれども、シンガポールを見ているとおもしろいんです。二〇一四年に、ネットのカジノ、ネットのギャンブルについての法律が整備されています。それはなぜかというと、しっかりとルールのもとに管理していく、こういうことをやるということで、ネットの規制。これを我が国でやっていくためにはどうしたらいいか。
 きょう、資料をちょっとだけ配らせていただきました。これは、現行の刑法のところ、賭博開張図利罪について。
 百八十六条の二項、「賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、」云々と書いています。これは賭博場ということになってしまっているので、ネットであるとか電話であるとか、そういったもので賭博を開張している者を罰せられないらしいんですね。
 終わりだと言っているので、ちょっと短くします。数年前に福岡で、やはりそういうふうなことがあった。ただ、賭博開張幇助罪にしか問えなかったらしいです。裁判長は、やはりちゃんとこういうものを整備していく必要があるというふうにコメントを出したようなんですね。
 恐らくこれは刑法として絶対必要なもの、IRも絡めて必要なものだと思うんですけれども、この辺、この「場」を消すだけでそういった者も取り締まっていける。ジャイアンツの選手も、罪状認否して、やったことは間違いありません、でも無罪ですと主張したらしいです。
 こういうことがないようにしていきたいと思うんですけれども、法務大臣、ちょっと一言言っていただけますか。
○浜田委員長 金田法務大臣、時間が来ておりますので、簡潔に願います。
○金田国務大臣 木下委員の御質問にお答えします。
 近年、携帯電話等を用いまして胴元が賭博者からの申し込みを受けるなどいたしまして、賭博者が一定の場所に集合しない事例があるということを承知いたしております。
 そして、刑法第百八十六条の第二項におきましては賭博開張図利罪というのがございますが、「賭博場を開張し、」と規定がされています。
 もっとも、電話を用いて賭博者からの申し込みを受けるなどいたしました野球賭博の事例に関しまして、最高裁判所は、刑法第百八十六条第二項の賭博開張図利罪が成立するためには、必ずしも賭博者を一定の場所に集合させることを要しないものと解すべきであるとしております。
 したがいまして、現時点では、刑法第百八十六条第二項を改正して、賭博場の場の文字を削除すべき特段の必要性があるとは認識をしていないところであります。
○木下委員 私は変えたらいいと思うんですけれども、以上にしておきます。
 ありがとうございました。
○浜田委員長 これにて木下君の質疑は終了いたしました。
 次回は、明九日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時四分散会