第193回国会 予算委員会 第16号
平成二十九年二月二十七日(月曜日)
    午前九時三分開議
 出席委員
   委員長 浜田 靖一君
   理事 石田 真敏君 理事 菅原 一秀君
   理事 西村 康稔君 理事 葉梨 康弘君
   理事 宮下 一郎君 理事 武藤 容治君
   理事 大西 健介君 理事 長妻  昭君
   理事 赤羽 一嘉君
      伊藤 達也君    石崎  徹君
      岩屋  毅君    江藤  拓君
      衛藤征士郎君    小倉 將信君
      大串 正樹君    奥野 信亮君
      門  博文君    黄川田仁志君
      國場幸之助君    佐田玄一郎君
      鈴木 俊一君    中谷 真一君
      長坂 康正君    根本  匠君
      野田  毅君    野中  厚君
      橋本 英教君    原田 義昭君
      平口  洋君    星野 剛士君
      八木 哲也君    保岡 興治君
      山下 貴司君    渡辺 博道君
      井坂 信彦君    今井 雅人君
      小川 淳也君    緒方林太郎君
      後藤 祐一君    玉木雄一郎君
      辻元 清美君    福島 伸享君
      前原 誠司君    升田世喜男君
      山尾志桜里君    伊藤  渉君
      國重  徹君    中野 洋昌君
      真山 祐一君    高橋千鶴子君
      畠山 和也君    井上 英孝君
      伊東 信久君
    …………………………………
   内閣総理大臣       安倍 晋三君
   財務大臣
   国務大臣
   (金融担当)       麻生 太郎君
   総務大臣
   国務大臣
   (マイナンバー制度担当) 高市 早苗君
   法務大臣         金田 勝年君
   外務大臣         岸田 文雄君
   文部科学大臣       松野 博一君
   厚生労働大臣       塩崎 恭久君
   農林水産大臣       山本 有二君
   経済産業大臣
   国務大臣
   (原子力損害賠償・廃炉等支援機構担当)      世耕 弘成君
   国土交通大臣       石井 啓一君
   環境大臣
   国務大臣
   (原子力防災担当)    山本 公一君
   防衛大臣         稲田 朋美君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     菅  義偉君
   国務大臣
   (復興大臣)       今村 雅弘君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長)
   (消費者及び食品安全担当)
   (防災担当)       松本  純君
   国務大臣
   (沖縄及び北方対策担当)
   (クールジャパン戦略担当)
   (知的財産戦略担当)
   (科学技術政策担当)
   (宇宙政策担当)     鶴保 庸介君
   国務大臣
   (経済財政政策担当)   石原 伸晃君
   国務大臣
   (働き方改革担当)
   (少子化対策担当)
   (男女共同参画担当)   加藤 勝信君
   国務大臣
   (地方創生担当)
   (規制改革担当)
   (国家公務員制度担当)  山本 幸三君
   国務大臣         丸川 珠代君
   財務副大臣        木原  稔君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    横畠 裕介君
   政府参考人
   (内閣府国際平和協力本部事務局長)        宮島 昭夫君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    林  眞琴君
   政府参考人
   (外務省大臣官房儀典長) 嶋崎  郁君
   政府参考人
   (財務省理財局長)    佐川 宣寿君
   政府参考人
   (文部科学省生涯学習政策局長)          有松 育子君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          藤原  誠君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局私学部長)         村田 善則君
   政府参考人
   (厚生労働省労働基準局長)            山越 敬一君
   政府参考人
   (国土交通省航空局長)  佐藤 善信君
   政府参考人
   (防衛省統合幕僚監部総括官)           辰己 昌良君
   予算委員会専門員     柏  尚志君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十七日
 辞任         補欠選任
  石破  茂君     八木 哲也君
  國場幸之助君     橋本 英教君
  佐田玄一郎君     中谷 真一君
  緒方林太郎君     山尾志桜里君
  後藤 祐一君     升田世喜男君
  國重  徹君     中野 洋昌君
  赤嶺 政賢君     畠山 和也君
同日
 辞任         補欠選任
  中谷 真一君     佐田玄一郎君
  橋本 英教君     國場幸之助君
  八木 哲也君     石破  茂君
  升田世喜男君     後藤 祐一君
  山尾志桜里君     緒方林太郎君
  中野 洋昌君     國重  徹君
  畠山 和也君     赤嶺 政賢君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 平成二十九年度一般会計予算
 平成二十九年度特別会計予算
 平成二十九年度政府関係機関予算
     ――――◇―――――
○浜田委員長 これより会議を開きます。
 平成二十九年度一般会計予算、平成二十九年度特別会計予算、平成二十九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣府国際平和協力本部事務局長宮島昭夫君、法務省刑事局長林眞琴君、外務省大臣官房儀典長嶋崎郁君、財務省理財局長佐川宣寿君、文部科学省生涯学習政策局長有松育子君、文部科学省初等中等教育局長藤原誠君、文部科学省高等教育局私学部長村田善則君、厚生労働省労働基準局長山越敬一君、国土交通省航空局長佐藤善信君、防衛省統合幕僚監部総括官辰己昌良君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○浜田委員長 これより締めくくり質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。平口洋君。
○平口委員 自由民主党・無所属の会の平口洋でございます。
 総括質疑に入ります。
 まず、一億総活躍社会について伺います。
 安倍内閣がアベノミクスの第二ステージと位置づける一億総活躍社会の実現は、従来のアベノミクスの三本の矢の経済政策を一層強化するものであります。GDP六百兆円、出生率一・八、介護離職ゼロという大きな目標を掲げ、この三つの目標に向かって、希望を生み出す強い経済、夢を紡ぐ子育て支援、安心につながる社会保障という新三本の矢を放つことにより、我が国経済に成長と分配の好循環を形成するための政策であります。
 昨年六月には、一億総活躍社会の実現に向けて、十年先を見据え、今後実施していく政策などを記したロードマップを含むニッポン一億総活躍プランが閣議決定されました。現在は一億総活躍社会の実現に向けて動き出している状況にあります。
 この政策が政権発足直後に打ち出したアベノミクスと異なる点は、金融、財政、成長といった狭義の経済政策の範囲にとどまらない点にあると思います。すなわち、一億総活躍社会とは、我が国の将来を見据え、子育て支援や社会保障の基盤強化にも力強く取り組むものであるとともに、人々の働き方を変え、生活を豊かにする政策でもあります。
 この一億総活躍社会の政策が、単なる経済政策にとどまらず、子育て支援策や社会保障の基盤強化といったことにも踏み込んでいることの意義、安倍内閣が日本の新たな経済社会システムづくりに挑戦する意義について、安倍内閣総理大臣の見解を伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 一億総活躍の未来を切り開くことができれば少子高齢化の課題も必ず克服できる、そうした強い決意のもと、画一的な労働制度、保育や介護との両立など、現実に立ちはだかるさまざまな壁を一つ一つ取り除いていく考えであります。
 具体的には、昨年六月に閣議決定したニッポン一億総活躍プランに基づき、希望出生率一・八や介護離職ゼロ、そしてGDP六百兆円に向けた施策を展開していきます。
 今回の予算案では、保育、介護の受け皿整備を図るとともに、保育、介護人材の処遇改善として、保育士等については、おおむね経験三年以上で月額五千円、七年以上で月額四万円の加算を行うとともに、全ての保育士等を対象に二%、介護人材については、技能や経験に応じて昇給する仕組みを構築し、月額一万円相当の改善等を盛り込んでいます。こうした取り組みによって、保育士等の処遇は、政権交代後、合計で一〇%、介護人材の処遇は、自公政権のもと、合計で月額四万七千円の改善が実現することになります。
 これに加えまして、今回の予算案では、幼児教育の無償化の範囲のさらなる拡充、給付型奨学金制度の創設、無利子奨学金の希望者全員に対する貸与の実現等を盛り込み、誰にでもチャンスのある教育環境の整備を進めていきます。
 最大のチャレンジである働き方改革については、同一労働同一賃金の実現、いわゆる三六協定でも超えることのできない、罰則つきの時間外労働の限度を定める法改正等に向けて、三月に実行計画を決定し、改革を加速させていく考えでございます。
○平口委員 ぜひとも一億総活躍社会のそういったような方向に向けて頑張っていただきたいと思います。
 次に、外交について伺います。
 平成二十四年十二月の第二次安倍政権の発足から丸四年が過ぎ、現在、五年目に突入しているところでございます。現在、政権は極めて安定しており、今や安倍総理はG7諸国では、在任期間でドイツのメルケル首相に次いで長い方に数えられるようになっております。
 第二次安倍政権の発足後、総理は、地球儀を俯瞰する外交として、積極的な外交を進めてこられました。去年の十二月には郷里の長門市でロシアのプーチン大統領と会談され、ことしの一月には東南アジア諸国やオーストラリアを歴訪され、また、今月にはアメリカを訪問され、就任前を含めれば二度目となるトランプ大統領との会談に臨み、トランプ大統領との信頼関係を築くことができたというふうに承知しております。
 世界を見渡しますと、中国、北朝鮮などをめぐる東アジア情勢や中東情勢など、引き続き多くの課題が山積しているところであります。また、ヨーロッパにおいても、去年、国民投票によりイギリスのEU離脱が決定いたしました。ことしはヨーロッパにおいて重要な選挙が相次いでおり、春にはフランスで大統領選挙、秋にはドイツで連邦議会選挙が行われるところであります。これらの結果次第では内向き志向や保護主義というものが助長されるおそれがあり、世界情勢の先行き不透明感はさらに増すのではないかというふうにも考えられるところでございます。
 こうした状況においては、安定した国内政権基盤やこれまで積み重ねてきた外交実績に裏打ちされた、外交面でのリーダーシップが安倍総理には求められていると考えます。世界第三位の経済大国のリーダーとして、また、自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値を遵守する国のリーダーとしての安倍総理の決意のほどをお伺いしたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 先の見えない時代にあっては、しっかりとしたぶれない軸を持ち、戦略性を持って地球儀を俯瞰するような外交を展開していく必要があると考えております。
 先般の訪米では、トランプ大統領との個人的な信頼関係を確立するとともに、日米同盟は揺るがないとの明確なメッセージを発出することができたと思っています。
 また、日本は、自由貿易の旗手として、公正なルールに基づいた二十一世紀型の経済体制を構築していかなければならないと考えています。先般の日米首脳会談においても、日米が主導してアジア太平洋地域に自由で公正な経済圏をつくる必要性について一致いたしました。
 中国については、習近平国家主席と、戦略的互恵関係の考え方のもとに、本年の日中国交正常化四十五周年、来年の日中平和友好条約締結四十周年といった節目の機会を捉えて関係を改善させていくことで一致しており、ともに努力を積み重ねてまいります。
 北朝鮮の核・ミサイル開発は新たな段階の脅威であり、米国、韓国を初めとする関係国と緊密に連携しつつ、最重要課題である拉致と核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決に向け、北朝鮮が具体的な行動をとるよう強く求めていく考えであります。
 今後も、地球儀を大きく俯瞰しながらダイナミックな外交を展開し、そして日本の国益を守り、世界の平和と繁栄に貢献していく考えであります。
○平口委員 ぜひともそういう方向で頑張っていただきたいと思います。
 次に、テロ等準備罪について金田法務大臣にお伺いをいたします。
 二〇〇〇年、平成十二年の十一月十五日に、国連総会は国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を採択いたしました。この条約の締結国は、昨年十二月二十日時点で百八十七もの国、地域に及んでおります。
 しかしながら、我が国は、国内法が整備されていないため、同条約を締結するに至っておりません。極めて異常な事態であると言わざるを得ないところでございます。
 さらに、我が国は、二〇二〇年、平成三十二年に東京オリンピック・パラリンピック大会の開催を予定しているところでもございます。国民の安心、安全を守るために、テロを防止するための法整備が必要と考えます。
 改めて、テロ等準備罪を整備する必要性について、金田法務大臣にお伺いをいたします。
○金田国務大臣 平口委員にお答えをいたします。
 近年、世界各地で大規模なテロが続発する一方、我が国におきましても、暴力団による組織的な殺傷事犯、違法薬物事犯などの各種の組織犯罪が多発をいたしております。安全、安心な市民生活、国民生活を脅かす状況にある、このように考えるわけであります。
 世界百八十七の国と地域が締結しており、テロ組織による犯罪を含む国内外の組織犯罪と闘うための協力を促進する国際組織犯罪防止条約、TOC条約でございますが、この締結は急務である、このように考えております。国内担保法を整備いたしましてTOC条約を締結することにより、我が国が犯罪の抜け穴となることを防ぎ、国際的な逃亡犯罪人引き渡しや捜査共助が可能ないしはさらに充実するものと考えられます。
 TOC条約は、重大な犯罪を行うことの合意または組織的な犯罪集団への参加の少なくとも一方の犯罪化を義務づけております。しかし、我が国の現行法上は、参加罪は存在しない上、共謀罪、陰謀罪が設けられているのはごく一部の犯罪にすぎません。これに加えて、予備罪は予備行為を処罰するものであって合意を処罰するものではない以上、相当の危険性がなければ処罰の対象とはなりません。
 したがいまして、条約上の義務を果たすためには、テロ等準備罪の整備が必要となってくるものであります。国内担保法を整備いたしましてTOC条約を締結し、国際社会と協調してテロ等を含む組織犯罪と闘うことは非常に重要な課題である、このように認識をしている次第であります。
○平口委員 ぜひともその方向で頑張っていただきたいと思います。
 最後に、南スーダンのPKOの意義について、防衛大臣にお伺いをいたします。
 一九九二年、平成四年の国際平和協力法施行以降、日本の自衛隊は、現在活動中の南スーダンPKOを含め、合計十四の国際平和協力業務に従事しております。日本の自衛隊は、世界各地での国連平和維持活動に対し、医療、給水活動、食料、物資の輸送、道路等のインフラ整備など、人的、物的双方の側面から協力を行ってきました。
 日本の自衛隊のPKOに対する貢献は国際的にも高く評価されており、規律正しく、統制のとれた、質の高い要員として広く認知されているところであります。平成二十八年十一月の内閣府外交に関する世論調査によれば、国連平和維持活動の参加について、七三・五%の回答者が、現状程度もしくはこれまで以上に積極的な参加に賛同を示しております。
 これまでの長年の活動実績や国内外の評価を踏まえ、国際協力、国際貢献、さらには我が国の国益から鑑みた南スーダンPKOに参加することの意義について、稲田防衛大臣にお伺いをしたいと思います。
 また、現在任務に当たっている隊員に対して、どうぞ激励の言葉をかけていただきたいと思います。
 以上です。
○浜田委員長 稲田防衛大臣、時間が迫っておりますので、簡潔に願います。
○稲田国務大臣 はい。
 南スーダンPKO派遣、これは、二〇一一年一月から、民主党政権、野田政権からですけれども、ことしで丸五年を過ぎました。この間、独立して間もない南スーダン政府の国づくりに貢献をしてきたところでございます。
 きょうもまた、この炎天下で施設隊は道路をつくり、施設を整備し、そして南政府のみならず国際社会から高い評価を受けております。特に、委員も指摘された、日本らしい、誠実で規律正しく、現地の人々に寄り添った形で、例えば空手を教えたり、さらには国民体育大会に参加をしたり、そして、今までで最高の十五名の女性隊員が、中には中学生と小学生のお母さんも含めて士気高く活動しているところでございます。
 もちろん、厳しい治安情勢でございますので、この隊員たちがしっかりと日本らしい活動をして無事帰国できるよう、私もしっかりと現地の情勢を注視してまいります。
○浜田委員長 これにて平口君の質疑は終了いたしました。
 次に、中野洋昌君。
○中野委員 公明党の中野洋昌でございます。兵庫八区、尼崎市選出でございます。
 締めくくり質疑で質問をする機会を与えていただき、ありがとうございます。
 早速質疑に入らせていただきます。
 昨年の五月、公明党の青年委員会で、ボイスアクションという政策アンケートに基づく政策提言を総理のところにお持ちさせていただきました。さまざまな提言をさせていただいたのですけれども、その中で、例えば、ワーク・ライフ・バランスの充実と消費の喚起を図るために月曜日の午前中を半日休みにするなど、働き方、休み方改革を進めてはどうか、こういうことも提言をさせていただきました。
 先週金曜日が第一回でございましたプレミアムフライデー、これはまさにこうした問題意識に立った取り組みである、このように考えております。週末に地元に帰りますと、取り組みの狙いは非常によくわかるというお声もあるんですけれども、他方で、月末の金曜日という忙しい日であるのでなかなかうちの会社だけが休むわけにはいかない、こういうお声でございますとか、あるいは、三時から休むといっても、うちの会社はそもそも一時間ごとに有休がとれる仕組みにはなっていないんですよねとか、さまざまな御指摘もいただいたところでございます。
 新たな取り組みでございます。これを定着させるためにはやはり環境整備をしっかりと図っていく必要があるな、こういう思いを強くしたところでございます。
 そこで、担当の世耕大臣に、この第一回のプレミアムフライデーについて、率直な御評価そして今後の取り組みについてお伺いをしたいというふうに思います。
○世耕国務大臣 プレミアムフライデーは、大分報道もされましたし、ロゴマークも大分浸透しましたし、私自身も経産省内に呼びかけた上で三時には退庁して、カーリングをやらせていただきました。大いに盛り上がったと思います。
 ただ、どれぐらい参加したかとかをしっかり把握して月曜日の予算委員会に間に合うように私に報告しろとやると、プレミアムフライデーを楽しめない人が経産省でふえてはいけませんので、それはしていません。
 ですから、今、プレスリリースなどで参加表明をした会社は百三十社、その社員数は、大手企業中心ですから、三十七万人ということになります。ただ、報道などを見て、ああ、こういうのがあるんだということで、その後始めた会社も結構多いんじゃないかなというふうに思っています。また、これに当然、国家、地方公務員が加わります。これは四百万人ほどいますから、そういう意味では一定の数の参加があったのではないかというふうに思います。
 ただ、一方で、なかなか中小企業が参加できないじゃないかとか、あるいはサービス業とか小売業の人が逆に忙しくなるんじゃないか、そういう御指摘はありますけれども、これは、まずやれる人から始めることによって、例えば大企業が徹底してやればその取引先の中小企業もやりやすくなるということがありますから、粘り強く毎月のプレミアムフライデーを続けていくということが重要だと思います。
 もう一つ、やはり働き方改革につなげるということも重要です。私も、金曜日三時で終わろうと思うと、大分前から仕事の段取りをよく考えて、無駄をそぎ落とすということにつながったと思います。私の知人の経営者でも、数カ月に一回は一時間しか働かないという日を決めて、自分の仕事に無駄がないかどうかを点検しているという人もいますが、このプレミアムフライデーでそういうことにつながればいいと思いますし、具体的に就業規則を変え出している企業、団体も出てきています。
 例えば、有給休暇が半日単位でしかとれなかったのを一時間単位でとれるようにするという団体も出てまいりました。あるいは、企業では、月末の金曜日は終業時刻を三時だとちゃんと規則で決めるという会社も出だしています。
 粘り強く繰り返して続けていくことで、まあ、もともと、週休二日も最初はそうだったと思うんですね。昔は半ドンといって土曜日は半日働いたわけですが、最初のころは無理だという意見も多かったと思うんですが、やはり時間をかけて定着していったという面があると思います。プレミアムフライデーも、そういう意味で粘り強く続けていきたいというふうに思っています。
○中野委員 ありがとうございます。
 先ほど大臣からも言っていただきました、自公政権が目指している働き方改革でございます。これはまさに、長時間労働を削減して賃金を上昇させる、私たちの生活を豊かにしていくとともに生産性を改善して日本経済の好循環を図る、このように大事な改革であるというふうに考えております。
 今月、賃金構造基本統計調査が発表されまして、男女間の賃金格差が過去最少となった、こういうニュースもございました。正規と非正規の賃金格差も縮まって、これも過去最少、こういうニュースもございました。同一労働同一賃金でこれをさらに後押ししていく必要がございます。
 一昨年、大手広告代理店の新入社員の女性が過労により自殺をされた痛ましい悲劇がございました。こうしたことを二度と繰り返さないようにしなければならない、このように考えております。
 長時間労働の削減は大変難しいテーマで、個々の会社の努力だけでは進まないところもございます。
 ある運送業の方にお話を伺うと、荷主や元請の指示があればやはり下請、零細事業者は長時間労働をせざるを得ない、こうしたお話もございました。他方で、ほかの会社と連携して労働時間を削減していく、こういう事例もお伺いしました。ある倉庫業者が運送事業者の待ち時間を改善するアプリを開発した、貨物量もふえたけれども、運送事業者の労働時間も大幅に削減できた。こうした社会全体で労働時間を減らす取り組みというものを進めていく必要がある、このように考えます。
 私ども公明党も、三六協定でも超えることができない、罰則つきの時間外労働の上限を設ける、あるいは勤務間インターバルの取り組みを促進して法的規制についても検討を開始する、さまざまな内容を取りまとめた提言を昨年十二月に提出させていただきました。
 働き方改革は、いよいよ年度内に実行計画を取りまとめるところでございまして、今がまさに大詰めでございます。改めまして、総理に働き方改革に取り組む御決意をお伺いしたいというふうに思います。
○安倍内閣総理大臣 働き方改革は、日本の企業文化あるいはライフスタイル、そして日本の働くということに対する考え方そのものに手をつけていくという大きな改革であります。長時間労働についても、長時間労働の上にさまざまな商習慣ができて、労働慣行ができています。これを変えていくためには、政労使がまさに三本の矢となって、一体となって取り組んでいく必要があると考えております。
 罰則つきの時間外労働上限規制の導入についても、長年労政審で議論をしてきましたが、結論は残念ながら出なかった問題であります。そこで、私が議長という責任を持つ形で働き方改革実現会議を設置し、議論をしていただいております。
 全力で、三月末の実行計画の取りまとめに向けて努力をしていきたいと思います。
○中野委員 ありがとうございます。
 先ほど世耕大臣から御答弁いただいたプレミアムフライデーにせよ、総理の働き方改革にせよ、今までの日本の企業文化というか労働文化というか、そういったものを変えていくという取り組みでございまして、これは非常にある意味多くのものを変えないといけない、そして多くの関係者が努力をしないといけない取り組みでございます。しかし、長時間労働の削減、生産性の改善、それを通じて私たちの日々の暮らしを豊かにしていく、これはまさに待ったなしの改革でございます。ぜひとも総理のリーダーシップでこの働き方改革を取りまとめていただけますよう改めてお願いしたい、このように申し上げさせていただきます。
 平成二十九年度予算案には、私ども公明党が主張させていただいた提言がさまざま盛り込まれてございます。私は、その中でも今回は教育に関する予算が大変に充実したんだということを改めて御指摘させていただきたい、このように考えております。
 例えば、発達障害などのある児童生徒などに対して、一人一人の状況に応じて、今、通級指導という支援がございます。これは今までも行っておったんですけれども、予算としては制度化されていなかった。ですので、毎回の予算の措置で、毎年どのくらいの教職員が確保できるかがわからない、こういう状況でございました。この通級の指導を求める児童生徒が約一万人にも上る、こうした指摘もございました。
 しかし、私ども公明党の主張で、今回、基礎定数として教職員定数が制度化されました。安定的に教職員定数が確保できるようになり、一人一人の状況に応じて子供たちの可能性を開いていく、こうした取り組みが進んでいくことを期待しております。
 また、私どもが長らく要望していた給付型奨学金、これについてもいよいよ実現をいたします。奨学金に関しましては、給付型奨学金に加えまして、無利子奨学金を大幅に拡充するでありますとか、所得に連動して返還する額が変わっていく所得連動型の奨学金の創設も含めまして、かなり多くの予算が充実しております。
 この二十九年度予算を早期に成立させるとともに、こうした仕組みというのをどんどん周知していって進学に悩んでいる世帯を後押ししていく、そうすることで貧困の連鎖を防いでいく、これが待ったなしの課題でございますし、ぜひとも進めていく必要がございます。
 今までは、成績がいい、勉強を頑張っている世帯であれば所得が低くても大学に進学していこう、そういう流れもあったわけでございますけれども、残念なことに、所得が低い世帯であれば成績がよくても進学をやはり諦めた方がいいんじゃないか、こういう世帯がふえているという大変残念なデータもございます。こうした一人一人の子供たちの背中を後押ししていって可能性を開いていくということは、まさに日本の未来を開いていくことでございます。まさに政策を前に進めていく必要がある、このように確信をしております。
 さらなる教育費の負担軽減に向けてどのようなあり方が可能なのか、これには幼児教育もございますし、また高等教育、初等中等教育、さまざまな分野がございます。優先順位をどうつけていくか、こういう課題もございます。どのような財源の確保が可能なのか、これについても大きな課題でございます。
 しかし、この無償化という大きな流れに向けて幅広く議論を行っていこう、こういうことで、私ども公明党といたしましても、教育費の無償化財源の検討PTを先日立ち上げたところでございまして、教育費の負担軽減に向けてさらなる議論を開始していこう、このように考えております。
 今後の教育予算の充実そして教育費の負担の軽減のあり方について、総理の御決意をお伺いしたいというふうに思います。
○安倍内閣総理大臣 教育投資は未来への先行投資であります。特に、どんなに貧しい家庭で育っても夢をかなえることができるよう、誰もが希望すれば進学できる環境を整えていくことは私の使命だと考えております。このため、これまでも、幼児教育無償化の段階的推進、奨学金制度の充実、授業料免除の拡大などに取り組んできたところであります。
 来年度からは、幼児教育の無償化や高校生への奨学給付金を拡充するとともに、成績にかかわらず、必要とする全ての学生が無利子の奨学金を受けられるようにします。また、返還不要の給付型奨学金制度を新たに創設することとしました。さらに、発達障害や日本語能力に課題のある子供の教育の充実などのため、必要な教員定数の措置を講じるとともに、加配で措置してきた教員の基礎定数化に向けた法案を今国会に提出しています。
 教育予算の充実についてはこのように御党とともに取り組んでいるところでありますが、優先順位をつけて一歩ずつ諸施策の充実を図っていくことが重要であり、今後とも、必要な財源を確保しつつ、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○中野委員 ありがとうございました。
 平成二十九年度予算案は、このほかにも、喫緊の課題でございます待機児童解消に向けた保育士の賃金アップ、あるいは年金、医療、介護の分野では無年金者六十四万人を救済する仕組み、このほかにも地方創生、観光立国、防災・減災、復興など、全てが待ったなしの政策課題に対応するための予算であるというふうに考えております。
 本予算を早期に成立させ、それぞれの政治課題について具体的に政策を前に進めていくことが何よりも重要であることを指摘いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○浜田委員長 これにて中野君の質疑は終了いたしました。
 次に、山尾志桜里君。
○山尾委員 民進党の山尾志桜里です。
 通告はしていないんですけれども、保育、待機児童のことについて、先週、塩崎大臣と分科会でお話しさせていただいた内容と少し異なるような新聞記事がきのう出ていましたので、ちょっと一点、もしわかれば確認をさせてください。
 待機児童を新しい定義にして隠れた待機児童を表に出して、そして実態を把握しようと民進党が去年呼びかけました。そして、これに対して厚労省は、検討会を立ち上げて、ことしの三月に結論を出し、二十九年度から新定義を適用する予定だったはずです。
 塩崎大臣もつい先日、先週の二十四日ですね、分科会で、私とのやりとりの中で、めどとしてこの年度内に取りまとめる、こういうふうにおっしゃっておられました。しかし、きのうの新聞記事によりますと、この新定義での運用も一年先送りする、三十年度分からに適用を延期するというような報道がございました。
 塩崎大臣、これは本当ですか。
○塩崎国務大臣 これは、分科会のときにお答えしたとおり今年度の三月でまとめるということは何も変わっておりませんので、報道を私はよく存じ上げておりませんが、そのようなことは私は承知をしておりません。
○山尾委員 この三月中に取りまとめるのであれば、次の待機児童の発表時にはもちろんこの新しい定義で運用していただきたいんですね。そうでないと、先日の予算委員会で総理が、平成二十九年度末の待機児童ゼロは厳しい、こういうことをおっしゃいました。私が危惧をしているのは、来年度末に待機児童ゼロが達成できなかった、しかし新しい定義の運用もそれと同じタイミングで始まった、そのときに、達成できなかった言いわけに、定義が変わって範囲が広がったのだ、だからできなくてもしようがないのだ、こういう言いわけを、総理、しないでいただきたいんですね。
 総理、目をあけていただきたいんですけれども、よろしいでしょうか。(安倍内閣総理大臣「眠っていないから大丈夫」と呼ぶ)眠っていないから大丈夫ということですけれども、やはり議論するときは目と目を合わせて議論するというのが大事なことだと思いますので、ぜひ目をぱっちりとあけて予算委員会に臨んでいただきたいと思います。
 と申しますのは、総理、ちょっとよろしいですか、この間の予算委員会で総理は、私、四回にわたって、約束の締め切り、いつでしたかと聞きました。
 最初は、お決まりの、民主党政権よりできている、こういうことでかわそうとされました。
 私、しつこいので二回目、聞きました。そうしたら、今度総理は、いつまでにということを断言するのは難しいとずらしました。
 私、しつこいので三回聞きました。そうしたら、予想どおりにはなかなかならないと、さらにずらしました。私は当初の期限を聞いているのであって、それが守れると思いますかという質問ではあのときなかったことは、皆さん御存じのはずです。
 そして、そうやってずらされるので、私、四回聞きました。四回目は、とうとう総理は、そんなに興奮しないでください、答えられなかったからといって、まさに何か一本とったように感じるのは充実した審議とはほど遠い、タウンミーティングじゃないんですから、こういうふうに、にやにや笑いながら時間を稼いで、しかも、浜田委員長にタウンミーティングという言葉をたしなめられて、それでようやく事務方に教わって、二十九年ということですと。
 これは、総理、一年前と全く同じなんですね。去年、待機児童問題で、保育園落ちたのブログで答えに窮したとき、私の質問姿勢に対して総理は何とおっしゃったか。相手の言っていることを殊さら曲解して、揚げ足取りをしようとしているんでしょうけれども、それも空振りしていますよ、あのときそうおっしゃったんですね。あの質問、私にもまだまだ至らないことはありますよ、でも、揚げ足取りの空振りだったんでしょうか。
 もう一つ挙げましょう。私、しつこいんですよ。
 去年の五月十六日、保育士給与アップ法案を議論しました。これを議論しましょうという私の提案に対して総理は、いいですか、総理、よろしいですか、山尾委員は議会の運営ということについて少し議論していただいた方がいいかもわかりません、議会については、私は立法府の長であります、こういうふうにおっしゃいました。少なくともあの場において、勉強不足はどちらだったんでしょうか。
 私が申し上げたいのは、一国の総理が、質問者の質問姿勢を攻撃することでみずからを防御するようなことはやめた方がいい。やはりこの予算委員会含めて、しっかり中身で議論しましょう。私も、至らぬところはより努力をします。そのことをまず申し上げたいというふうに思います。
 共謀罪、金田大臣、よろしいでしょうか。
 法務省から出た二月十六日のペーパー、これには、もともと正当な活動を行っていた団体についても、団体の結合の目的が犯罪を実行することにある団体に一変したと認められる場合には、組織的犯罪集団に当たり得ることとする、こう書かれていますね。うなずいていただきました。
 質問です。
 もともと正当な活動を行っていた団体についてなんですけれども、この団体というのは、定款があるかないかとか、登記があるかないかとか、総会のようにみんなで集まる場面があらかじめ決まっているかどうかとか、主なコミュニケーション手段が何なのかだとか、そういった、すなわち、犯罪を実行する目的というのは聞いているからわかっているんです、その目的以外に、何か団体そのものに制限をかけるような検討は具体的にされているんでしょうか。
○金田国務大臣 お答えをいたします。
 私どもは組織的犯罪集団というものを念頭に置いて検討しておりますが、御指摘のような点については、特に今の段階で私は持ってはおりません。
○山尾委員 特に今の段階でそういった検討は持っていません、こういうことでよろしいんですね。後ろから事務方の皆さんが力強くうなずいていただきました。大臣もよろしいですか。特に異論はございませんね。
 とすると、お聞きします、短い質問です、例えば宗教団体、NPO法人、サークル、同窓会、草野球チームなどなど、この団体だけは組織的犯罪集団に性質が一変してもこの共謀罪には当たらないのだ、こういうような団体は何かあるんですか。
○金田国務大臣 もとの団体の性質は関係なく、それが一変した場合ということで捉えていくわけであります。
○山尾委員 大事な答弁をいただきました。もとの団体の性質は関係ないとはっきりおっしゃいましたね。宗教団体、NPO法人、サークル、同窓会、草野球チーム、こういったものも、もとの性質は関係ないという大変重要な答弁だったと思います。
 では、大臣、性質に限定はないということですから、こういった団体、主なコミュニケーションツールがネットであるか対面であるか、こういったことで団体から外れたり入ったりというようなことはあるんですか。
○金田国務大臣 その点については、特に関係はないものと思います。
○山尾委員 きょうは、かみ合った答弁をいただいて、大変ありがたく思います。特にこれも、コミュニケーションツールの手段も関係がないとはっきり答弁をいただきました。
 これはできれば総理にお伺いしたいんですけれども、総理がこの前、オウム事例、オウム真理教の事案、こういうものに対応しなきゃいけないとおっしゃいました。
 このことに関連してなんですけれども、こういうもともとの性質に一切限定のない一般の団体が確かに犯罪活動をやるように変わっていく、そのときに、もともとの一般の活動と犯罪活動が同時並行している、これはあり得ますよね。かりそめの姿を外に出しながら、確かにそれを裏づけるような活動もしながら犯罪活動をやる、こういう一般活動と犯罪活動が並行している場合でも、性質が一変したと捜査機関が認めて捜査を始め、組織的犯罪集団に当たり得るのか、絶対に当たらないのか、この点はいかがですか。
○安倍内閣総理大臣 具体的な事案において、ある団体が組織的犯罪集団に該当するか否かは、当該事案の時点において何が構成員の結合目的となっているかによって判断されるものであります。つまり、結合目的が、今おっしゃったような、もともと犯罪とはかかわりのない結合目的であれば問題がないわけでございますが、それは、何が構成員の結合目的となっているかによって判断をするものであります。組織的犯罪集団に該当するか否かの判断は、現行法における個別具体的事案の犯罪該当性の判断と同様に行われるものであり、刑事訴訟法の規定に従い適正に行われるものと考えています。
 そして、どのような場合に組織的犯罪を目的とした団体に一変したと認められるのかということでございますが、御質問の点は、個別具体的な事案における証拠関係を踏まえた事実認定の問題であり、一概にお答えをすることは困難でありますが、一般論として申し上げれば、具体的な事案において、ある団体が組織的犯罪集団に該当するか否かは、当該事案の時点において何が構成員の結合目的となっているかによって判断されるものでありまして、その上で申し上げると、もともと正当な活動を行っていた団体については、通常、団体の意思決定に基づいて犯罪行為を反復継続するようになるなどの状態にならない限り、組織的犯罪集団に該当すると認められることは想定しがたいと考えております。
○山尾委員 つまり、一般の活動が犯罪活動と並行して残っているかどうかということでは一概に決まらない、こういう御答弁だったと思います。性質が一変したかどうかは個別具体的に捜査機関が判断をすると。そうでないと、自民党の方からも一部指摘があったと記事にはありましたけれども、オウムの事例なんかはもともとの宗教活動も並行して行われていたわけですから、対応できない、おかしなことになる、こういう御指摘が法務省にあったというような記事を私も目にいたしました。
 ただ、総理、総理が出したこのオウムの事例というのは、最初に法務省が立法事実として出された薬品を用いたテロ、事例一そのものであります。
 この事例一は、犯人の一部が薬品の原料の一部を入手した段階で対応しなければならないということでありましたけれども、これは、私が申し上げているように、サリン等の予備罪、あのサリン事件の一カ月後にこの国会で成立したあの法律で対応できます。ですから、包括的共謀罪を必要とする具体例としては失当であります。
 ちなみに、先日の金正男氏に使われた薬物、VXもサリン等にしっかりと含まれていますので、二十二年経過した現代に使われた薬物でも、報道が正しければカバーされている、こういう事実も押さえていただきたいと思います。
 なぜこういうことになるのか。要するに、一般活動と並行しているかどうかとかそういうことにかかわらず、しっかりと対応できる現行法があるのに無理やり対応できないことにして、この包括的共謀罪という、私から言わせれば、できるだけこの場では範囲を絞ったように見せかけないと法案が通らない、こういうような手段を持ってこようとするから、当てはめてみたら対応できない、こういうばかげたことが起きているんだというふうに思います。
 この点についてはしっかり現行法で対応できるし、もしできない部分があるのなら具体的に言っていただければ、しっかり個別法をつくりましょうというふうに私たち民進党は考えております。
 次なんですけれども、この間、大臣、一変したと捜査機関がみなした組織的犯罪集団が共謀する手段にも限定がない、こういうふうに大臣は明言をされました。二月二十四日です。じかに集まらなくても、ネット空間でも成立し得ると。この後、続いて金田大臣は、どのような場合にメールを閲覧しただけで合意になるのかならないのか、これも検討中ということでありました。
 ちょっと確認なんですけれども、閲覧しただけで合意になるかならないかも検討中ということなのか、それとも閲覧だけでは合意にならないという決定事項なのか、それをまずお聞かせください。
○金田国務大臣 ただいまの御質問にお答えをいたします。
 ただいまの手段、要するにメールであったり、あるいはいろいろな、LINEであったり電話であったりあろうかと思います。そういう手段については限定するつもりはないという思いをこの前も申し上げたつもりなんですが、そして加えて、そうではあるんだけれども、その手段は限定しなくても、例えばそれを閲覧しただけ、見ただけでは合意の確認ということにはならない、こういう思いを持ちながら、現在、成案を得るべく全体として検討中の中にあるということを申し上げたわけであります。
 それから、もう一点であります。
 先ほど委員がお話をされた内容の中で、サリン等の話がございました。その問題については、私たちは考えは違います。
 現行法の中で対応できるんだという御説明であったので、これはそのままにするわけにはいかないので私もコメントさせていただきますが、現行法上これは政令指定されていないものの、製造物の予備罪、サリン等製造予備罪あるいは殺人予備罪、どちらからいっても問題があることは、これまでるる申し上げてきたところであります。その点も申し上げておきます。
○山尾委員 そうおっしゃるなら、この二十二年間、しっかり政令改正して穴を埋めればいいんですね。
 今おっしゃったことは、また確認ですけれども、ネットの手段に限定はない、メール、ツイッター、LINE、そうすると、フェイスブックやブログ、こういったものも特に限定はない、そういうことでよろしいんですか、大臣。
○金田国務大臣 先ほども、最初に申し上げました。手段については限定をするつもりはございません。
○山尾委員 手段については限定がないということでした。
 そうしますと、共謀の手段には限定がないと。ネット上の意思表示手段、これにはさまざまなものがあります。例えば、文字で了解とか頑張ろうとかそういうもの、これも意思表示の手段の一つですね。(発言する者あり)言っていただきましたスタンプというのもあるんです。大臣、音声つきのスタンプというのもあるんですよ。絵文字で、そこに頑張ろうとか了解とか、こういう音声もついているんですね。絵文字もあります。顔文字もあります。
 こういったもの、意思表示の手段は、ネット空間ではかなりバリエーションが多様化しています。こういったものに何か具体的に線引きをするような検討は今されているんですか。
○金田国務大臣 先ほども申し上げましたとおり、手段については限定をいたしておりません。
 しかしながら、ただいままで、LINEとかメールとかのやりとりだけでも合意は成立するのかというお尋ねだと思いますので、まず、テロ等準備罪というのは、組織的犯罪集団が合意に加えて実行準備行為を行って初めて処罰されるものであって、一般の方が特定の犯罪の実行を合意しただけで処罰されるものではないということをあらかじめお断りした上で申し上げたい、こういうふうに思うわけであります。
 合意の手段を限定する方向は考えておりません。しかしながら、具体的事情によってでありますが、メールやLINEでも合意が成立することはあり得るものと考えております。
○山尾委員 かなりはっきり踏み込んだ御答弁だったというふうに思います。メールやLINEでも共謀が成立し得る、そしてまた、文字に限らずさまざまなコミュニケーションツールがあると私は具体例を出しましたけれども、そういうものについても、手段として限定する方向は考えていないとはっきりおっしゃいました。これはちょっと、私も、予想外に明確に踏み込んだ御答弁だったというふうに思います。
 では、引き続き御質問したいと思いますけれども、ネット空間の共謀は成り立つというお話でありました。それでは、一般的な活動をしていたメーリングリストグループとかLINEグループとか、こういうグループも性質が一変すれば組織的犯罪集団になり得るんですか。
○金田国務大臣 テロ等準備罪は、組織的犯罪集団が合意に加えて実行準備行為を行って初めて処罰されるものでありまして、一般の方が特定の犯罪の実行を合意しただけで処罰されるものではないことをあらかじめお断りいたしました上で申し上げたい、このように思います。
 例えば、メールやLINEを閲覧したという事実があるだけで具体的、現実的な合意が成立するということは想定できないのであります。
○山尾委員 例えば、小学校時代の同級生のメーリングリストがある時点から薬物取引のコミュニケーションツールに性質が一変してしまった、これは残念ながらあり得る話ですね。これは組織的犯罪集団に当たらないんですか。
○金田国務大臣 お答えをいたしますが、現実的には非常に考えにくい、そういう事例だと思います。
○山尾委員 恐らく、大臣、現実を御存じないというか、現実にあり得る穴は埋めなきゃいけないという総理の姿勢と整合性はどうなのかなと思いますし、それほど極端な事例を今挙げたわけではないと思いますよ。手段に限定はないんですよね。ネット上の団体もネット上のコミュニケーションも、手段に一般的な限定はかけない、こういうことでありました。だから私はこういうものを危惧しているんです。
 メーリングリストとかLINEグループというのは、今や一人で複数に入っているのは珍しくありません。しかも、意識や自覚がほとんどないままその中に入っている状態が続くというのも珍しくないんですね。そういったものについて一変したかどうかを判断するのは、大臣、捜査機関なんですよね。一変したかどうかを判断するのは、主体はどこですか。
○金田国務大臣 一変したというのをどのように誰が判断するのかというお尋ねだと思います。
 具体的な事案におきまして、ある団体が組織的犯罪集団に該当するか否かというものは、当該事案の時点において構成員の結合の目的が犯罪を実行することにあるのか否かによって判断されるものだと思っております。そして……(山尾委員「誰が判断するんですか」と呼ぶ)今、お答えをしている最中であります。
 誰がというふうにおっしゃられました。組織的犯罪集団に該当するか否かの判断というものは、現行法における個別具体的事案の犯罪該当性の判断と同様に行われるものであると考えております。したがって、それは、刑事訴訟法に従って適正に行うべき立場にあるものであり、裁判所とそれから捜査機関になろうかと思います。
○山尾委員 捜査機関が主体で判断し、補足しますね、令状請求のときに裁判所もそれにかかわる、こういうことを大臣はおっしゃっているんだけれども、そのときの証拠の程度というのは、犯罪の証明と疎明とは全く違うんですね。令状を出してもらうときに捜査機関が出すべき証拠の程度は、疎明といって、一応確からしいとの推測をもたらすんですよ。証明のように、合理的疑いを差し挟まない程度のそういう証拠関係とは全く違うんですね。だから、主体は捜査機関でしょうと大臣もおっしゃいました、捜査機関。
 そういうことで、大臣、実際に今、現行の通信傍受は認められておりますし、おととし、要するにその形態も、第三者の立ち会いがなくて済むようになった。この現行の通信傍受についても、メールやSNS、限定なく捜査できるんでしょうか。
○金田国務大臣 ただいまの御質問、ちょっと聞き取れないところもあったんですが、テロ等準備罪を通信傍受の対象犯罪とすることは予定しておりません。
○山尾委員 その話ではなくて、二十七年の四月十七日に法務委員会で政府参考人が答えておりますけれども、フェイスブックやLINEなど現在使われているSNSについて、法律上は傍受ができる、こういう通信に含まれるという答弁があるんですけれども、大臣、これは大臣の考えと違うんですか。要するに、捜査手法に限定はない、SNSについてそういう答弁が二十七年にされていますけれども、これと何か、大臣、考えが違うんですかということです。
○金田国務大臣 通信傍受の対象にというお話ですけれども、そうなっていないというふうに思っております。要するに、対象として限定はされていないと思います。
○山尾委員 ちょっと答弁の意味がわからないので、時間を無駄遣いしてほしくないんですけれども、現行の通信傍受で捜査できる範囲のことを聞いています。罪体のことを聞いているんじゃありません。おととし、現行の通信傍受で捜査できる範囲にSNSの限定はない、こういう政府答弁でしたけれども、これは今も変わりませんよね、そういうことです。
○金田国務大臣 今も変わっておりません。
○山尾委員 私が申し上げたいのは、十二年前に共謀罪を議論していたときと今は、やはり時代が大きく変わっているんですね。そして、きょうの大臣の明確な答弁を前提とすれば、そもそも一般の団体には何らの限定もない、そしてネット空間かどうかという限定もない、共謀の手段、コミュニケーションツールについても限定はない。
 そういうお話でいくと、今、日本のSNSの利用者は、二〇〇五年であれば九十万人でしたけれども、二〇一五年末であれば六千四百八十八万人、こういう数字もあります。メールの利用率も今は六〇%以上、こういう状況になっています。
 ネット空間でのコミュニケーションが飛躍的に拡大した現代特有の危険が今の共謀罪にある、十二年前の共謀罪のときよりも時代の変化によってより危険が増している、そうですよね。プライバシー、コミュニケーションをネット上で丸裸にできてしまう時代に包括的な共謀罪をつくって、大臣の言葉によれば、その空間に網をかけることにも特に手段として限定はないと。そういうことが今ここにある問題として浮かび上がってきている、十二年前と全く違う問題として。
 このことについて、大臣、何か検討はされましたか。
○金田国務大臣 まあ、テロ等準備罪の具体的内容については検討中なんですけれども、対象となる団体を、テロ組織、暴力団、振り込め、振り込み詐欺組織あるいは薬物密売組織といった、重大な犯罪を行うことを目的とする組織的犯罪集団に限定することを考えているわけですね。
 ですから、いずれにしましても、厳格な要件を定めることによって、こうしたことをすることによって、一般の方々がテロ等準備罪の適用対象とならないような法案を現在検討しているわけであります。
 また、我が国においては、裁判所による審査が機能しておりまして、捜査機関による恣意的な運用はできない仕組みになっております。
 そして、法案が成立した際には、適切な運用がなされるように捜査機関を含めまして法律の趣旨を周知していく、このように考えておる次第でありますので、御懸念は当たらないというふうに思っております。
○山尾委員 全くこの三十分の議論が前提にされない、またもとに戻った答弁だと、とても積み上げの議論にならないんですね。
 でも、やはり大きくこの三十分で状況も変わったと思います。やはり、一般の団体、これに限定がないということがはっきりした。もともと一般の団体、ここに限定がないことがはっきりした。そしてまた、ネット空間でも共謀が成立するということもはっきりした。そして、コミュニケーションツールも、ネット上で、いかなるコミュニケーションツールであっても手段に限定がないということがはっきりした。
 そういう中で、本当に包括的共謀罪で、総理の言葉をかりると一網打尽に捜査の網を広げようとしたら、一人一人、一般市民のネット上のコミュニケーションが、プライバシーが捜査機関に捜査される、裸にされる、その弁解をこの包括的共謀罪の捜査の端緒ということで市民が与えることになり得る、私はこういう危険をしっかり法務大臣は検討していただきたいし、ない、ないという問題じゃないんですよ。
 そして、与党の皆さんにも、人権の党の公明党の皆さんも含めてこの問題提起をしっかりとやはり党内でも議論していただいて、少し人権保障とのバランスを真面目に考えていただきたいというふうに思います。
 以上です。
○浜田委員長 これにて山尾君の質疑は終了いたしました。
 次に、福島伸享君。
○福島委員 民進党の福島伸享でございます。
 この週末も森友学園の国有地売却問題についてさまざまな報道がなされまして、この問題についてきょうも質疑をさせていただきます。
 一昨日の夕方、テレビ朝日のスーパーJチャンネルで衝撃的な映像が流されました。森友学園の幼稚園の運動会で、幼稚園児の選手宣誓の動画が流されました。ちっちゃな子供たちがこう言っています。大人の人たちは、日本が他の国に負けぬよう、尖閣列島、竹島、北方領土を守り、日本を悪者として扱っている中国、韓国が心を改め、歴史でうそを教えないようお願いいたします、安倍首相頑張れ、安倍首相頑張れ、安保法制国会通過、よかったです。
 内容は、いろいろな立場があると思います。ただ、うちも小学校四年生の子供がいますけれども、安保法制国会通過がよかったか悪かったかはまだ判断できないでしょうし、何よりも、この画像を見させていただきまして、この学校は、神ながらの道とか日本の国柄とか言っているけれども、ちょっと何か日本の国柄に合うのかな、どちらかといえば別の、どこかの独裁国の学校かなと思わせるような映像だったんです。
 先週の木曜日の予算委員会の一般質疑でも、松野文科大臣と教育基本法十四条二項で禁止されている政治活動の定義についての議論をいたしました。そのときに大臣は二つおっしゃいました。目的が政治的意義を持ち、そしてその効果が政治に対する援助、助長、促進または圧迫、干渉になるような行為に該当するかどうか、具体的な事実に即して判断するとおっしゃいました。
 これはまさに具体的な事実、安倍首相頑張れ、安倍首相頑張れというのは、その効果が政治に対するまさに援助そのもの、助長そのものだと思いますけれども、これは教育基本法第十四条二項で禁止されている政治活動そのものではありませんか、松野大臣。
○松野国務大臣 教育基本法第十四条第二項では、特定の政党を支持し、またはこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならないとされているところであります。
 本件については報道を通して把握しておりますが、文部科学省としては詳細に承知をしておりません。塚本幼稚園における具体的な活動が政治活動に該当するか否かは、一義的には所轄庁である大阪府が判断し、適切に指導を行うものと考えます。
 文部科学省としては、塚本幼稚園に関し国会や報道で指摘されているさまざまな状況について現在大阪府に確認をしているところでありますが、大阪府からは当該幼稚園に対し事実関係を確認しているところであると聞いており、大阪府の対応状況を注視しているところであります。
 御指摘の報道内容についても、大阪府に状況を確認してまいりたいと考えております。
○福島委員 いや、もうこれは映像で流れているから、事実確認するまでもなく事実なんですよ。この事実に基づいて、確認するにしても、文部科学省として、これはさすがに教育基本法に違反するんじゃないかという事例、法律の解釈を行うのは文部科学省じゃないですか。その後に指導するのは大阪府ですよ。
 しかし、大阪府に今確認をしているとおっしゃったんだから、それは、この言葉そのものがこのとおりだとするならば、政治活動の禁止に違反すると考えてのことなんじゃないですか。松野文部科学大臣、もう一度お願いします。大臣なので政治家として答弁してください。
○村田政府参考人 お答え申し上げます。
 教育関係の法律の解釈については、一義的には文部科学省として判断しお示しするものでございますけれども、一方で、具体的な事象が当該法律の規定に該当するか否かについては、個別の権限を有する者が文部科学省が示した解釈を踏まえ判断すべきものでございます。
 御指摘の件につきましては、その学校でどういう教育を行われていたか、そのあたりの具体的な事実を踏まえて判断されるべきものでございまして、それは所轄庁である大阪府が御判断されることだと思っております。
○福島委員 時間を無駄にしないでください。一義的な判断は文部科学省と言ったじゃないですか。だから具体的な事実を示したんですよ、具体的な事実を。
 松野文部科学大臣、政治家として、文部科学大臣として、これは政治活動そのものですよね。安倍首相頑張れというのが政治活動じゃないんだったら、選挙活動なんて成り立ちませんよね。政治活動ですよね、これは。どうですか。
○松野国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、これは一義的には所轄庁である大阪府が個別事案について判断をさせていただくところであります。
○福島委員 さっき局長は、一義的には文部科学省が法律を解釈するとおっしゃいましたよ。大臣と局長の答弁が違うじゃないですか。違いますよ。一義的には文部科学省と言ったじゃないですか。
 なぜ逃げるんですか、これだけ明確な事実が出ているにもかかわらず。誰が見たって、日本人一万人に聞いたって一万人がそう言うようなことを、なぜ答弁を逃げるのかわかりません。
 安倍総理は、いわば私の考え方に非常に共鳴をしていると籠池理事長に対して評価しております。安倍昭恵夫人も、これらの教育方針は大変主人もすばらしいと思っているということをおっしゃっています。
 こういうような宣誓で、安倍首相みずからのことなので面映ゆいと思いますが、安倍首相頑張れ、安倍首相頑張れ、安保法制国会通過、よかったですねというような幼稚園は、これは総理の共鳴するものなんでしょうか。総理自身、このことを教育基本法上何らか違反していると問題に思いませんか、どうでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 御指摘の点については、ただいま文部科学大臣から答弁したとおりであります。
 この学校において行われている教育の詳細については、全く承知をしておりません。学校の考え方としていろいろ取り組んでいるものと思います。
 いずれにせよ、この学校の教育については、所管の大阪府が監督するものであり、文部科学省が事実関係を確認しているところと承知しているところでございます。
○福島委員 これは議事録を確認すればすぐばれちゃうんですけれども、先々週の金曜日に、安倍昭恵夫人からこの学校の教育の中身はよく聞いていると答弁していますよ。何でいきなりきょうになって、答弁書を読んで、全く承知していないと答弁が変わるんですか。そういう答弁が変わるのが怪しげだと思われるんですよ。
 自民党さん自身も、昨年の参議院選挙前にホームページで、学校教育における政治的中立性についての実態調査というアンケートをやっているじゃないですか、皆さん方自身。何でこの件に答えられないんですか。
 さて、先日の予算委員会で私に対して、安倍昭恵夫人が名誉校長をやめたことについて、そこに通う子供たちや御両親にかえって御迷惑をかけ続けることになるので、辞任させていただくということを先方に申し入れたということでありますけれども、問題は通う子供たちや御両親に迷惑がかかるからなんでしょうか。これまでの国会審議や報道等を見て、総理夫人がそのような立場につくことが何か不適切だと思うからやめたんじゃないですか。
 本当にこの理由は子供たちや御両親に迷惑をかけることなんですか。どのような具体的な迷惑をかけるのでしょうか。安倍首相夫人がやめた本当の理由についてお答えください。
○安倍内閣総理大臣 本当の理由は、答弁をさせていただいたとおりであります。
○福島委員 いやいや、でも全然私は逆に問題ないと思いますよ。安倍総理の総理夫人がなっていることが、安倍昭恵さんはそんなに子供たちや御両親に迷惑をかけるような存在なんですか。そうじゃないじゃないですか。さまざまな金をめぐる疑惑が出ている中で、そこの広告塔になっているように扱われるのが不適切なんじゃないですか。私は、問題の本質というのから総理は逃げているように思います。
 安倍昭恵夫人は、名誉校長として何らかの報酬をもらっていたんでしょうか。また、何度か講演に行っているようでありますけれども、そのときに講演料というのはどのぐらい受け取っているのでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 報酬も講演料も全く受け取っていないと聞いております。
○福島委員 ないということは確認をいたしました。
 しかし、やはりこれは怪しいと言わざるを得ませんよ。ホームページを消したり名誉校長をやめたり、あたかも子供に迷惑がかかるとか人のせいにしておりますけれども、本質は、これ以上つつかれたくないから引いた、そういうことじゃないんですか。
 この小学校の設置認可申請が、安倍晋三小学校の名前で集められたことについても、この学校はずっとお金がなかったんですよ。自己資金がほとんどない中で、寄附金だけで学校をつくろうとしているわけです。
 実は、私の地元の神社にも寄附金集めが行っておりまして、昔、私、その神社からもらった書類の中に確かに寄附金の依頼があったのを思い出しました。広く全国から安倍晋三記念小学校の名前で寄附金集めをしているとなって、その集めたお金を原資として今回の取引がなされたとするならば、単なる抗議では済まないと思いますよ、総理。
 私は、抗議だけじゃなくて、もし総理がかかわっていない、かかわっていれば職を辞すという覚悟で行うのであれば、抗議ではなくて明確な法的な措置をとるべきだと思いますけれども、総理、いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 まず、ホームページを消したり、怪しいとおっしゃったけれども、ホームページを消したのは私でも私の家内でもありませんよ。まるで今、福島さんはそう指摘していましたね。そういうレッテル張りはやめましょうよ。そうやって印象操作を一生懸命されていますけれども、一生懸命、一生懸命、そうやって一生懸命印象操作をされていますけれども、何にもないんですよ、そこは。著しく名誉を傷つけるようなことを言えば、そういうことを申し上げますよ。ホームページを消したり、怪しいんじゃないですかということについて、私はそれぐらいは反論させていただきたいと思いますよ。それぐらいは……(発言する者あり)答弁中ですよ。
 そこで、最初に、先般福島さんにお答えをさせていただいたときには、うちの妻がいわば先方に辞任の考え方を申し入れたと同時に、これは秘書が先方に伝えたんですが、その際、私がいわば承諾していないにもかかわらず安倍晋三小学校という名称を使って寄附を募ったということについてはまことに遺憾であり、信頼関係にもかかわってくるということも申し上げてお伝えをしたわけであります。
 一方、訴訟しろということでございますが、総理大臣として、私は、訴訟することには非常に慎重であらねばならない、こう思っております。
 私は、総理大臣ではないときには名誉毀損等しておりますが、しかし、例えば訴訟を抱える、これは個人で訴訟するわけでありますから、それに対して私は時間を割かなければいけないんですよ。
 例えば、御党の菅元総理から私は名誉毀損で訴えられまして、御党の菅直人氏から名誉毀損で訴えられました。そして、地裁でも高裁でも最高裁でも、私が完全に勝利をおさめたところでございます。しかし、訴えられたがために……(発言する者あり)皆さんちょっと、少し静かにしていただけますか。よろしいですか。(福島委員「ちょっと関係ない話をさせないでくださいよ。関係ないじゃないですか」と呼ぶ)いや、関係ないということではなくて、よく聞いてください。これからちゃんと、どういう関係があるかということについて今お話をしています。
 その間、これは膨大な、弁護士との打ち合わせ等、結構時間がかかるんですよ。だから、私は、一国の総理を元総理が訴える、これは正気の沙汰かと思いましたよ。しかし、私が完全勝利をしましたけれどもね。この問題については完全に勝利をしました、菅さんに対して。菅さんが私に対して名誉毀損をしました。でも、これは……(発言する者あり)いいですか。
○浜田委員長 静粛に願います。やじらないように。
○安倍内閣総理大臣 そこで、これは二点あるんですね。
 まず、行政府の長として、形式的には法務大臣に対しても私は総理大臣としての調整権限を持っているわけでございますが、同時に、そういう立場で訴訟することがどうかということ。随分私も、今まで相当な名誉毀損的な報道等もありましたよ。それに対して、訴えなければその事実を認めていることになるという批判もありました。それがまず第一点ですね。
 そして、もう一点は、これは大事なところなんです、もう一点は、先ほど申し上げましたように、時間をとられるということなんですよ。総理大臣として国民のために全力を尽くさなきゃいけないところについて、私ごとにかかわることで時間を使うべきではないという判断。今、緒方委員からしどろもどろだという指摘がございましたから、では、もう一度……(発言する者あり)
○浜田委員長 総理、簡潔に願います。
 そして、やじは、不規則発言は控えてください。
○安倍内閣総理大臣 だって、今、そういう指摘があったじゃないですか。そういう指摘があったんだったらお答えをさせていただきますよ。少し静かに聞いていただきたいと思います。
 まず第一点は行政府の長としては行うべきではない、第二点はそういうことに膨大な時間を割くべきではないという観点から、訴訟をすべきではない。しかし、厳重に抗議をしているのは事実であります。(発言する者あり)誰が誰に。
 誰が誰に抗議をしたかということについては、これは先般も申し上げましたが……(福島委員「もういいよ。次の質問に行かせてください」と呼ぶ)いや、今、誰が誰にという、だって、御党の人からそういう質問が上がったんですよ。(福島委員「いやいや、もう答えています。総理、答えていますから大丈夫です」と呼ぶ)それについては私は答えていますからね。
○福島委員 何でそんなに答弁が長いんですか。(発言する者あり)
○浜田委員長 静粛に願います。
○福島委員 レッテル張りと言いますけれども、全く誰も総理がホームページを消したなんて言っていないじゃないですか。レッテル張られをしているんですよ、自分がやっているかのような被害妄想を持って。だから怪しいんです。
 いや、訴訟しないのならいいですよ。だったら、真相を究明するために、せめて籠池理事長の参考人招致は、自民党、のんでくださいよ。毎日言っているんですよ。こんなの、参考人を呼んで一回聞けばわかる話じゃないですか。
 委員長、籠池理事長の参考人招致を求めます。
○浜田委員長 理事会で協議します。
○福島委員 この件は、さまざま特別な便宜が森友学園に国から図られております。
 一つは、ほかの学校とか豊中市が、取得に意欲を見せている人がいたんですが、随意契約で国有地を払い下げるという単独交渉がありました。
 二つ目は、学校設置認可がおりる前に買い受け特約つき貸付契約の交渉をすることができた。これは、我々のヒアリングに対して大阪府の私学課長は、私学審査前の十二月より前にこういう中身の契約をするということは聞いていましたというふうに答えているわけですから、これは露骨に国はもうこういう契約をしますよということを少なくとも大阪府には言っている、交渉はしているわけです。
 三番目には、学校用地の貸付契約がなされてもいないのに学校設置の認可がおりた。これも大阪府は、少なくとも僕がおった四年間ではありまへんというふうに答えております。
 本来は、国有地は売買が原則です。しかし、手持ち資金がないとして、買い受け特約つき貸付契約を結んでおります。これは、二月二十三日の予算委員会で足立委員が答弁を引き出したように、この規定を使ったのは今回のことを除けば学校法人でたったの一例、今回が二例目です。
 そして、賃借料は、本来、十年間貸してその後買い取るわけですから、事業用定期借地権で算定すべきものを、なぜか、にもかかわらず、五十年の一般定期借地権に条件を変更して、再算定して値下げしております。
 その後、またさらに埋設物が出てくると、その処理費用として八億一千九百万円を値下げするわけでありますけれども、この算定を第三者にやらせることなく国土交通省が実施しております。これについても、先日の予算委員会で理財局長は、事例はちょっと確認できてございませんと。つまり、第三者に委ねないでこうした処理費用を出した例は、今回、本邦初ということなんですね。
 その後、ここにいる玉木議員の質問に答えて、売買契約、これは一括で買うのが原則にもかかわらず手持ち資金がないとして分割にした、買い受け特約つき貸付契約の後の売買契約を分割払いにしたのは、これが初めてでございますと。これも本邦初でございます。
 しかも売買価格は非公表。随意契約は原則公開です。平成二十六年度から二十八年度で、近畿財務局管内で非公表は本件以外ありません。
 本邦初めてとか一件だけとか、そういうものがこれだけある契約というのはやはり非常に特殊な契約と言わざるを得ません。
 理財局長、これでよろしいですか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 答弁の中身につきましては、私が答弁したものはそのとおりでございますが、この大阪府の私学課長等の答弁につきましては、私ども、確認できているわけではございません。
○福島委員 それは我々が確認しておりますので。テープでも何でも証拠は出しますので。事実でございます。
 特に一つ問題は、この一番上の随意契約でやるということであります。
 皆さんのお手元に近畿財務局のホームページがあります。このホームページにこう書いてあるんですよ。国有財産取得に関する架空の話に御注意ください。ここに赤い文字で書いてありますけれども、一般競争入札によらず特定の企業や個人に対して随意契約することはありませんというふうに書いてあります。
 次のページ、めくっていただきますと、当局にあった架空話の実例というのがありまして、近畿財務局管内の国有地の一番下の豊中市、まさに今回あった近隣地なんですけれども、ある不動産業者が当局に無断で現地を実施し、私は有力な政治家と懇意にしているので、依頼してくれれば国から随意契約で買い受けできるようにすると持ちかけられたと。まさに今回の事例そのものじゃないですか。
 森友学園にどこかの不動産屋がこういう土地がありますよと働きかけたんだから、まず財務局は、今回の話を森友学園から聞いたら、このホームページを示しながら、これは詐欺にかかっているんじゃないですかと言うのが筋だったんじゃないですか。なぜこの案件を随意契約でやるという相談を受けたのか、誰が、いつ、どのように判断したのか、お答えください。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 以前にも御説明申し上げたかもしれませんが、本件につきましては、大阪航空局から入札による売り払いを内容とする処分依頼を平成二十五年の四月に受けまして、二十五年六月にまずは公用、公共用の取得要望の受け付けを開始しているところでございます。その後、七月に、大阪府あるいは豊中市から取得要望がない旨の回答書を受理して、その公的取得要望の受け付け開始期間の最後に、学校法人森友学園から取得要望書が提出されたところでございます。
 そういう意味では、適切な手続にのっとってこの土地につきましては公的取得要望が本学校法人からのみ出されたので、それを踏まえて手続を行ったということでございます。
○福島委員 財務省のホームページには、原則として一般競争入札によらず特定の企業や個人に対して随意契約することはありませんとわざわざ赤い字で書いてあるんですよ。なぜ森友だけ随意契約にしたのか、誰が判断したのか。この間、当時の近畿財務局長や理財局長等の参考人の招致もお願いしていますけれども、全然出さないじゃないですか。
 あと幾つか、またさっきの例で事例を確認させていただければと思っております。
 この二について。学校設置認可がおりる前に、買い受け特約つき貸付契約の交渉をすることができたと。随意契約としての窓口を森友だけに、ホームページではほかの人に注意喚起しているにもかかわらず特別に取り計らった交渉までしちゃっているんですよ。先ほど、私学課長が言っているのは聞いていないと言うけれども。
 これは、大阪府は我々にうそをついていたということですか。大阪府はこれを事前に知っていたからこそ、私学審を開いて契約がなされる前に認可をおろしているんですよ。大阪府のやっていることは、全く国の賃借契約が整っていないにもかかわらず、勝手に彼らは見込みもなく私学の小学校の設置の認可をした、そう認識しているということでしょうか。局長、答弁をお願いします。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、公的取得要望というのは、地方公共団体に加えまして、学校法人あるいは社会福祉法人等そういう公用、公共用のものについてまず取得要望を出していただいて、それがない場合については一般競争入札にかけるわけでございます。今回につきましては、大阪府、豊中市からの要望がない中、学校法人森友学園から要望があったということで、これはまず一つ、適正に随意契約の初めでございます。
 それから、先ほど委員がおっしゃいました大阪の私学課長様の御発言はよくわかりませんが、いずれにしても、そういう段階で学校法人から申請を受けますと、当該学校法人が例えば本当に学校になるためには地方公共団体の認可が要るわけでございますので、我々は地方公共団体に、こういう取得要望が来ていますので、これについての地方の整備計画等との整合性等お問い合わせをしておるわけでございまして、そこは明らかにこういう要望があることは大阪府は知ってございます。
 その上で、森友学園は最初からある意味で貸し付けでこの土地を取得したいという要望もございましたので、そういう意味も込めて大阪府は知ってございますが、いずれにしても、私学審の答申と国有審の認可がなければそういう具体的な手続には入りませんが、そういうやりとりについては取得要望等から大阪府でやっているというのが事実関係でございます。
○福島委員 いや、でも、さっき言ったように、貸し付けで学校法人がやった例というのは、これ以外に一件しかないんですよ。そこで幾ら要望を出したといっても、それが契約として認められる保証なんてむしろないと思うんじゃないですか。全国津々浦々、これまで長い歴史の中で学校法人に貸し付けられたのが一例だけだとするのであれば、通常はそこまでの契約になかなかいかないと思って、私学審にかけないはずじゃないですか。
 これはもう私学審の議事録も公開されております。十年間たったら買うという条件で貸し付けの交渉が進んでいるからという、そうした議事録がもうあるんですよ。
 この前後関係を見ますと、一月二十七日に条件を付して認可しております。そして、二月二十日に国有財産近畿地方審議会で条件つきで売買特例つきの貸付契約を認めるというのをやっております。
 そして、私が知っている情報、この交渉にかかわった側のあるメモを私は入手できたんですけれども、その中で、一月九日、一月九日ですから私学審の前です、一月二十七日の前に、財務省近畿財務局の統括国有財産管理官前西さんという方から、学校用地の賃借料について、森友学園側に、土地評価額十億円、十年間の定期借地権として賃料約四千万円、こういうのを提示しているんですよ。これは事実ですか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 今のその個別のお話につきましては現在承知してございませんが、前にも申し上げましたとおり、土地の価格と申しますのは、路線価とか公示価格とか一般的な公表ベースの地価はたくさんございまして、学校法人等はそういうところを参考にしながら、あるいは一般的に我々もそういうものも参考にしながら、全体としての売却価格なり賃借料というのはある程度参考にできるわけでございます。
○福島委員 いや、違いますよ。これは、財務省側から借りたいという人にこの値段でどうだと持ちかけているのは、財政制度審議会で議論する前に財務省が相手側に価格を提示して交渉していた、私学審で決まる前に。その事実を示しているのではないですか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のそのやりとりについては承知しませんが、国有審議会での了承を得る前に具体的なそういう、こちらが価格を設定して向こうと交渉するということはございません。
○福島委員 いや、だったら出してください。これは明確に財務省の交渉の相手方の記録なんですよ。相手方が記録を持っているんですから、皆さん方が持っていなきゃおかしいじゃないですか。確認してください。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 公文書管理の話でございますけれども、私ども、財務省の行政文書管理規則に基づいて文書管理を行っているわけでございます。
 この規則は、まず、契約書を含みます国有財産の管理及び処分に関する決裁文書につきましては、三十年間の保存期間が定められておるところでございます。したがいまして、そういう土地の貸付契約あるいは売買契約につきまして、決裁文書の中には申請書、契約書、売り払い決議書などが入っておりまして、そこを保存してございます。
 他方で、面会等の記録につきましては、その保存期間が一年未満とされておりまして、具体的な廃棄時期につきましては、事案の終了とする取り扱いをしているということでございます。
○福島委員 前回もおっしゃいました面会等の記録、ここに実はずれがあります。
 財務省の行政文書管理規則の中には、国有財産の管理及び処分に関する重要な実績が記録された文書は十年の保存期間がかかっております。そのうち、国有財産処分の実施に関する重要な経緯で、その後の政策立案等に大きな影響を与えた事案に関するものは、保存期間満了後には国立公文書館に移管するとなっていて、やはりこれは二例目ですから、国立公文書館に持っていくようなものであるというこれに当てはまるんですよ。
 そうであるとすれば、十年の保存義務です。面会は義務ではありません。この極めて特異な土地取引の経緯というのは十年の保存期間なのですから必ずあるはずなんです。
 私は、この問題、総理、みずからしっかりと政府として疑念を晴らして調査しなければ、国民の疑惑は晴れないと思いますよ。八億円もの国民の財産を勝手に特定の、総理の奥様が名誉校長をやっていらっしゃって、総理の名前で寄附金を集めていた学校に投じられていたとするのであれば、そこに何かあると思うのは当然です。それがレッテル張りだと思うのであれば、レッテル張りを剥がすだけの調査をぜひお願いいたします。
 そして、この委員会で結局当時の局長や近畿財務局長がいないと議論にならないんですよ。関係した近畿財務局長、理財局長そして籠池理事長、これらの参考人としての招致を求めますとともに、この疑惑が晴れないままに来年度予算を決めるなんというのは国民感情的に納得できません。きょう採決することなく、この問題に関する集中審議を開くように、委員長にお取り計らいをお願い申し上げます。
○浜田委員長 理事会で協議します。
○福島委員 以上で終わりにします。
○浜田委員長 これにて福島君の質疑は終了いたしました。
 次に、今井雅人君。
○今井委員 民進党の今井雅人でございます。
 この週末、地元で会合を何度かしましたけれども、話は森友学園の話ばかりで、どうなっているんだ、とんでもない話だなという話ばかりでした。テレビでも最近放送していますけれども、森友学園の話題があると視聴率がばんと上がるそうです。今それぐらい国民の関心が非常に強いということで、私も引き続きこの問題を質疑させていただきたいと思います。
 最初に、財務省さん、いらっしゃいますか。では、事実関係だけ確認したいんですけれども。
 今の話の続きなんですが、この森友学園の土地は公用、公共用の施設に使うということで、森友学園さんが学校を建てたいということで随意契約にしました。それで、有償貸付契約を締結しました。そのとき、もともとわかっていた土壌改良、埋設物撤去工事等をしっかりして、やっているうちに、平成二十八年三月十一日に新しいごみが出てきました。先方から、早く学校を開校したい、したがって埋設物は自分で撤去して早く開校したいという申し出があって、開校まで時間がなかったので、必要な撤去工事を学校側にやってもらおうということで、不動産鑑定士が更地の鑑定をして、そこから大阪航空局が積算した埋設の撤去費用を差し引くという方法をとった。こういうことで事実関係は間違いないですか。
    〔委員長退席、菅原委員長代理着席〕
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 一連の事実関係の経緯については、委員のおっしゃったとおりでございます。
○今井委員 事実関係を確認させていただきました。
 先週ちょっとお話ししたんですけれども、この学校法人は資金的に非常に逼迫していて、とてもこの工事ができないということは財務局はわかっていたはずです。この学校法人が資金的な余裕がなく工事ができないということをわかっていながら、八億円もの金額を値引きしてこの工事を学校側に任せたことに瑕疵があるというふうに今考えておられませんか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 売買代金、国有財産の売り払い代金につきましては、原則、財産の引き渡し前に一括して納付していただくことになりますが、一般的に、国有地の売り払い代金は高額となる可能性がございますので、国有財産特別措置法に基づきまして、買い受け人が売り払い代金を一括して支払うことが困難である場合には、担保を徴求し、利息を付して、分割払いとすることが認められております。
 したがいまして、森友学園から本件土地の売買代金については分割払いとしたいという要望がございまして、森友学園の方からは、小学校の建設工事を進める中で借入金を抑える必要があり、代金を事前に全額一括して支払うことが難しいという事情も確認したところでございますので、分割払いを認めたところでございます。
 なお、不動産鑑定の価格であります評価額から撤去費用を控除した時価で売却したというのは適正な取引だと思っております。(今井委員「ちょっと、答えていないです」と呼ぶ)今の取引につきまして瑕疵があるとは思ってございません。
○今井委員 先日、それは経営判断だ、学校側の問題だとおっしゃっていましたけれども、使うのは子供たちです。子供たちがごみがすぐそこにあるグラウンドや校舎で教育を受けるということを、財務省さんは向こうの経営判断だからそれは仕方ないというふうに、そのように考えておられるということですか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 私ども、その土地の売買を適正な時価で契約したところでございますが、その後、学校として、今委員がおっしゃいましたように、どういう条件で学校の設置が認可されるかとか、どういう状況ならだめなのかというのは、私どもの判断というよりも、認可主体でございます都道府県の御判断だというふうに考えてございます。
○今井委員 私はそれは非常に無責任だと思いますが。
 先ほど、これは認められました、必要な撤去工事を学校側にやってもらうことにして金額を査定したとおっしゃっていますけれども、ここに売買契約があるんですが、売買契約の第二十三条にはこう書いてあります。森友学園は、売買物件について平成二十九年三月三十一日までに必要な工事を完了し、指定用途に供さなければいけない。
 先ほど財務省さんは、ごみを撤去するのは必要な工事だとおっしゃいましたので、それは認められましたので、ごみの撤去をしていないと必要な工事を完了したことにはなりません。そうおっしゃいました。
 そして、二十九条の二項には実地検査という項がありまして、国は、森友学園の第二十二条から二十五条に定める用途指定の履行状況を確認するため、これはさっきの二十三条が入っています、国が必要と認めるときは実地検査または実地監査を行うことができるという規定があります。四項には、森友学園は、正当な理由なく、第一項、第二項に定める質問、調査、実地調査または実地監査を拒み、妨げもしくは忌避しまたは第一項及び前項に定める報告もしくは資料の提出を怠ってはならないと。つまり、国が必要な工事をやっているかどうかを調査しようということであれば、それをやろうと思えば向こう側はそれを拒むことができないという規定が二十九条にあります。
 今、これだけ報道で、ごみを埋め戻したとかいろいろ言われています。おまけに、理事長がですよ、理事長本人がグラウンドのごみは掘っていないとおっしゃっているんです。言っていますよね。ラジオでおっしゃっていました。
 先方が必要な工事を行っていないとおっしゃっているのであれば、この規定を使って調査するのは当たり前なんですよ。だから、調査してください。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 お話の二十二条の要するに用途指定でございますが、に定める用途にみずから供さなければならないということで……(今井委員「必要な工事を完了しです」と呼ぶ)済みません、失礼しました、二十三条でございます。までに必要な工事を完了し指定用途に供さなければならないという条文がございまして、これは、先方が学校建設をするに当たって地盤等々についての必要な工事をするということでございます。
 そういう意味では、先ほど二十九条の実地調査の件も委員がおっしゃいましたが、ここに書いてありますように、甲は五条一項に定める債権の保全上必要があると認めるときにはというふうに一項に書いてございまして、それは債権の管理等でございます。二項の方は、用途指定の履行状況を確認するためにということでございますので、これはまさに学校として使用していただくということでございます。
 その上で、ただいま学校法人側は学校建設中ということでございますので、先ほど申しましたように、どういう埋設物の状況等で学校が認可されるかどうか、そこは都道府県の判断であるというふうに考えてございます。
○今井委員 それはおかしいですよ。先ほど、撤去するのは必要な工事だとおっしゃったじゃない。そのとおりだとおっしゃいましたよ。だから、それをやっていない疑惑があるんだから、調査する権限があるんだから、調査するべきなんですよ。契約書に書いてあるんですから。
 私、ちょっと驚いたんですけれども、森友学園さんが今、ホームページの新着情報のところに何と書いてあるか。きのう新しい報道を出していますけれども、埋め戻した廃棄物、あれは一旦穴を埋めてそこに置いていただけで、中間貯蔵ですよ、地下に仮置いたと。そして、二月二十八日、あすからです、あすから本格的にこれを撤去する、工事を行うというのをきのう発表しているんです。むちゃくちゃですよ、これは。
 我々がこういうことを言ったら、一時的に埋めていたんだと突然言い始めている。こんなことを言っている人たち、やはりちゃんと調査すべきじゃないですか。どうですか。
    〔菅原委員長代理退席、委員長着席〕
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 学校法人側のホームページはちょっと確認してございませんが、いずれにしましても、今は建設工事中でございますので、学校が開校するまでの間にしかるべき、必要な工事はされるものだというふうに理解してございます。
○今井委員 総理、今聞いていただけましたか。突然、あしたからこれを撤去する工事になっていたというのを発表して。理事長自身もグラウンドはやっていないとおっしゃっているんですよ。理事長自身が認めているわけです。
 今、工事中だとおっしゃいましたけれども、グラウンドとかそういうところなんかは調査できるじゃないですか。もちろん建物のところはできないかもしれませんけれども、周りのところなんかは掘って調査できますよ。
 今のは、実務的にできないなんというのは、それはあり得ないです。掘れる場所はあるんですから、総理、ぜひそれを指示してください。契約書的にはできるんです。国はそれを調査する権限を持っています。持っていますから、総理からぜひ指示していただけませんか。それでなければ財務大臣。どちらでも結構です。ぜひ、どちらかから指示してください。お願いします。
○麻生国務大臣 これまでも何回も同じような質問をいただいておりますので、同じような答えを答えますので恐縮ですが……(今井委員「初めての質問ですよ」と呼ぶ)ほかにも言っているから。
 本件については、発見された地下埋設物というものに対する、近畿財務局と大阪航空局とで協力して、法令に基づいて、そして適切な手続、価格によって処分されたもの、既に処分されております。したがいまして、御指摘のような調査は私どもとしては必要はないと考えております。
○今井委員 もう一回。総理にもお答えいただきたい。
 私は契約書に基づいて話をしています。ちゃんと根拠があって申し上げているんです。
 理事長がグラウンドを掘っていないというふうにおっしゃっているわけでありますから、先ほど撤去することは必要な工事だということを財務省さんはお認めになったわけですけれども、先方側はこれをやっていないとおっしゃるんですから、それを確認するために売買契約書の中にある二十九条に基づいて調査することが国はできます。できますよ。だから、ぜひやってください。
 では、財務大臣、指示してください。今までの答弁じゃなくて。私は今、新しいことを申し上げているんですよ、二十九条に基づいてできるはずですからと。それをちょっとやってくださいよ、ぜひ。(発言する者あり)
○浜田委員長 まずは佐川理財局長、お願いします。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 契約の条文上の話でございますので、私よりお話をさせていただきます。
 今委員がおっしゃいました二十三条でございますが、「乙は、売買物件について平成二十九年三月三十一日(以下「指定期日」という。)までに必要な工事を完了し、指定用途に供さなければならない。」というのが委員御指摘の二十三条。
 もう一点の御指摘、二十九条の二項、「甲は、」「に定める用途指定の履行状況を確認するため、甲が必要と認めるときは実地調査又は実地監査を行うことができる。」というのが今の指定でございます。
 それで、今私が申し上げましたのは、実務的というよりも、二十三条に書いてございますのは、要するに指定期日が二十九年の三月の三十一日でございまして、学校法人が今まさにさまざまな建設工事なり整備事業を行っている真っ最中でございますので、そこまでに指定用途に供さなければならないと。
 その上で、二十九条の二項は用途指定の履行状況でございますので、それは、学校として開校してそういう用途に使われているかどうかの状況を確認するということでございます。
○今井委員 先ほど、ごみを撤去することは学校を建設するのに必要な工事だとおっしゃいましたよ。私がそうですねと言ったら、そのとおりですとおっしゃったから、それをやっていない可能性が高いので、それを確認してくださいと言っているんですよ。そうおっしゃいましたよ。私が、学校をつくるのに必要な撤去工事をすることが前提ですよねと確認したら、そのとおりですとおっしゃいましたから。だから、それをやらなきゃいけないんですよ。
 ちょっともう参考人じゃあれなので、政治家の人に答えていただきたい。これだけ国民が非常におかしいと思っていることに関して、国が調査する権限を持っているんですから、わかった、全部これは明らかにしよう、白黒つけようということをぜひやってもらいたいんです。そうしたら、はっきりするじゃないですか。みんなすっきりしますよ。
 ぜひ、総理、総理のリーダーシップで、よくわからないことをもうはっきりさせよう、調べろというふうに言っていただければ。できるんですから、ぜひやっていただきたいんです。総理、いかがですか。
○麻生国務大臣 今、佐川局長の方から申し上げた答弁のとき、新しい事実があるとかいろいろ言っておられましたけれども、それに対する答弁も、この土地は小学校用地として使われているかどうかということを調べる権限があるということなのであって、今これが小学校用地として使われようとしているという事実は間違いないと我々は思っております。
○今井委員 ここまで何を隠そうとして、何を明らかにしようとしている。だって、いろいろな報道で、みんなが本当におかしいと思っていると言っている。本当にごみは撤去されているのかとみんな関心を持っているわけですよ。撤去されているかどうかを調べる権利もあるのに。
 総理、ぜひやってくださいよ。国民のこの疑惑を、皆さんの疑惑を払拭してもらいたいと思うんですよ。やっていただけないですか。
○佐川政府参考人 答弁申し上げます。
 先ほど御答弁申し上げたとおりなんですが、そこの解釈が委員と違うようでございまして、二十三条のところは、来月の三月末までに必要な工事を完了し指定用途に供さなければならない、こう書いてあるわけでございまして、今まさに学校法人が学校の建設を行い、グラウンドの整備を行い、いろいろな状況の整備をしているところでございますので、そこのところにつきまして先ほどの二十九条との関係でいえば、要するに学校としての用途に供された後にそういう権限が与えられているということで、そこを御理解賜りたいというふうに思います。
○今井委員 では、三月三十一日までに工事が終わったら、そこから調べるんですか。(発言する者あり)違いますよ、これだけ疑惑が出ているんだから、調べなさいという規定がちゃんとあるんだ。
 これは政治の意思です。国民が不思議だと思っていることを、ちゃんと調査する権限があるならやるというのは政治の意思じゃないですか。そういうことを、総理が答弁されませんから、もう一回だけ。総理、もう一回だけ。
○安倍内閣総理大臣 今、疑惑、疑惑とおっしゃっているんだけれども、まず第一点、私も妻もこの売買に絶対にかかわっていない。もしそれが疑惑だというんだったら、皆さんも自分の職をかけていただかなければいけませんよ。今井さんも職をかけるというんだったら別ですよ。(今井委員「ここでは、今そんな話をしていません」と呼ぶ)では、それは違うわけですね。まず、それは違うということは明確にさせていただきたいと思います。それではないということですね。
 そこで、今、契約書の理解については理財局長から、契約書をどう理解するかということは私は答えようがないわけでありますから局長に答弁をさせたわけでありますが、局長は、いわば学校法人としてという目的に使われるかどうかということについて当局としては調べる権限を持つということでありまして、そこで今工事をしている最中であって、工事が終わった後、それが果たして本当に学校法人に使われるかどうかということについては調べる権利があるということだと思います。
 そして、では、今おっしゃっていること、額が、八億が一億になったということについて、これは先般も申し上げているんですが、会計検査院がしっかりと調査をするやに聞いているわけでありまして、いつも皆さんは政府が自前でやるのはおかしいじゃないかということをおっしゃっているわけでありますから、まさに会計検査院というのはしっかりとした独立した機関ですから、そこがやる性格のものではないかということは繰り返し申し上げているとおりであります。
○今井委員 いやいや、会計検査院もありますが、それは独立した機関で、ちゃんと二十九条で国が権限を持っているんですからやってくださいという話をしているんですが、非常に後ろ向きだということがよくわかりました。
 麻生大臣、今、指を指されましたけれども、私は前回のときに、総理大臣も夫人もこの件にはかかわっておられないと私は信じておりますと言っていますから、そんなことは言っていませんよ。誤解なさらないでください。私はそんなことを言っていません。私はかかわっておられないと信じておりますと申し上げました。そういうレッテル張りはやめてください。
 それともう一個、次に行きたいと思いますけれども、私は前回のときに、総理大臣夫人がこういう学校の名誉校長になっていること自体が問題であって、それを容認した総理はやはり脇が甘かったんじゃないですかということを申し上げました。そのことについて少し触れたいと思います。
 この間も一部紹介しましたが、ほかのところもちょっと紹介したいと思いますけれども、塚本幼稚園の園長さんと副園長さん、この方たちがどういうことをおっしゃっているか。
 まず、副園長さんは手紙とか通信でこうおっしゃっています。
 韓国人とかは整形したりコーラやファンタを飲んだりしますが、日本人は飲みません。根っこが腐ることを幼稚園では教えていません。
 これは子供たちに言っているのではなくて、保護者であるお母さん方に言いたいことです。よこしまな考えを持った在日韓国人、シナ人であるこれらを先導する人、それに金魚のふんのようについてくる人は近づいてきます。自分の身の回りに緊張を持って、妙に接近してくる人には気をつけて近づけぬことです。
 園長のブログです。沖縄の知事に関してこうおっしゃっています。
 沖縄の現知事は親中華人民共和国派、娘婿もシナの人である。もともと中共に従いたいと心から思っているので、中共の手先かもしれない。
 名古屋の塾から小学校を起こした人も市内の高校を買収した人も在日ですから、この学校では勉強はできても国家観はずたずたになり反日の人間になり得るという構図です。
 こういうことを公式な通信ですとかブログで公表して、幼稚園のホームページにも載せています。私はこういう考え方は許せませんし、賛同できませんが、総理はこういう考え方には賛同できますか。
○松野国務大臣 文部科学省としての見解をお話しさせていただきたいと思います。
 御指摘の塚本幼稚園で具体的にどのような指導が日々行われているかについては詳細には承知をしておりませんが、しかし、国籍、民族、人種に関する不当な差別が行われるようなことはあってはならないことでありまして、仮にそのような状況があるのであれば、早急に改善されるべきものと考えます。
 いずれにしろ、私立幼稚園で不適切な指導が行われている場合は、所轄庁である都道府県において適切な対応がなされるべきと考えており、本件の事案につきましては現在大阪府に状況を確認しているところでありますが、大阪府からは当該幼稚園に対し事実関係を確認しているところであると聞いておりまして、大阪府の対応状況を注視してまいりたいと考えております。
○安倍内閣総理大臣 ただいま文部科学大臣から答弁したとおりでございまして、教育者であれば人種、国籍、宗教等で差別をしてはならないというのは当然のことであろう、このように思います。
○今井委員 全く同感です。そういうふうに差別をしてはならないということでありますから、やはりこういう発言をされる方は教育者としていかがなものか。総理も今そういうことの趣旨でおっしゃいましたけれども、本当にそうだと思うんですね。
 そういう学校の名誉校長を総理大臣夫人がお受けになっていたということが私は非常に問題だと。それは法律的にどうという問題じゃありませんよ。しかし、これは道義的に非常に問題だと思うんですね。
 実際にいろいろなことが起きておりまして、先日も申し上げましたけれども、海外のメディアがこの件に関して物すごく関心を持っています。もちろん、中国や韓国のメディアが反発するのは当たり前ですから、そういう方たちが反発するのは私はわかります。しかし、そうではなくて、ほかの先進国でもこの問題は非常に大きく取り上げられているということなんですね。
 ちょっと御紹介しますけれども、例えばイギリスのガーディアン。安倍晋三と夫人は超国家主義の学校とのつながりで圧力を受けているというタイトルで、資料にもちょっと出していますが、写真入りでそういうのが出ていますけれども、二枚目のところですかね。その中にはどういうことが書いてあるかというと、この学校は、レイシズム、人種差別と甘い土地取引の嫌疑をかけられている、天皇への忠誠と国への犠牲を求める戦前の教育勅語を読ませていると。
 ちなみに、タイムズも同じようなことで報じています。
 それから、ワシントン・ポスト、アメリカですね。日本のファーストレディーが名誉校長を辞任というタイトルになっています。中身を見ますと、ちょっと線を引っ張っておきましたが、超国家主義的考えを持つカリキュラムが戦前に似ている、こういう学校であるというふうに紹介した上で、総理大臣夫人のコメントを引用しています。具体的にどう引用しているかというと、こちらの教育方針は大変主人もすばらしいと思っている、籠池先生の教育に対する熱き思いに感銘を受けているということを紹介しています。
 その次に、ニューヨーク・タイムズです。ニューヨーク・タイムズが一番ひどいんですけれども、これは私が申し上げているわけじゃないので、タイトルですからそのまま読み上げますが、幼稚園の人種的偏見と詐欺スキャンダルに関連している日本のファーストレディー。物すごいタイトルです。リンク、つながっている、関係しているという意味です。そこで、中身はどう書いてあるかといいますと、この学校は軍歌で行進をさせている。学校の先生などは、よこしまな考えを持った韓国人と中国人というふうに唱える、そして、韓国が好きな人が旅行に行って帰ってきたら、韓国は汚いところであると。ある子供さんには、あなたの息子は犬のようなにおいがするとののしる、こういう学校であるというふうに紹介しています。こういうことなんですね。
 ルール上は問題ないかもしれませんけれども、こういう非常に特殊な考え方、教育の仕方をしている学校の名誉校長を我が国の総理大臣夫人が務めておられて、そして寄附金を集める広告塔になり、夫である総理大臣がそれをやめなさいと言うことなく容認していたということは私は大変責任が重いと思うんです。これだけ海外の有名なメディアがこういう書き方をしているということは、私は国益を損ねていると思いますよ。
 だから、そういう観点で、ここはちゃんと切り分けて考えていただきたいんですけれども、私はこの土地取引とかそういうものに総理や御夫人が絡んでいるというふうには思っていません。そのことは私は信じています。しかしながら、道義的に考えると、こういう学校のところに関連していて、こういう記事を世界に流されたということは非常に道義的に責任があるというふうに私は思っているわけです。
 総理はどういう御認識でいらっしゃいますか、この点に関して。
○安倍内閣総理大臣 まず、ニューヨーク・タイムズが言っているのは、スキャンダルに、いわば詐欺にかかわっているという言い方自体は、このニューヨーク・タイムズはリンクがあるという言い方ですからね、これは間違っていると思いますよ。それはまず間違った報道であるということは申し上げておきたいと思いますし、間違っている報道を前提に私は議論する考えはないわけでございます。
 その上で申し上げれば、もう既に妻は名誉校長を辞任したわけでございますし、経緯については今まで再三申し上げてきたとおりでございます。
 この問題につきましては、ですから、まさにしっかりと、取引がどうだったかということも含めて会計検査院が判断をするということになっておりますから、しっかりとしていただきたい。
 そして、ここが学校法人としてふさわしいかどうかは、これはまさに大阪府が判断することではないか、このように思います。
○今井委員 校長もやめたからいいという問題じゃありませんからね、申し上げますけれども。校長であったということは事実ですし、その事実をもとにこういう記事を出されているということは事実ですから、そのことは重く受けとめていただきたいということと、もう時間がありませんから最後に申し上げておきますが、籠池理事長がきょうのNHKのインタビューで総理に反論していまして、壇上に上がる前に安倍昭恵さんには名誉校長を引き受けていただいて、それから壇上に上がっていただいたというふうにおっしゃっていまして、総理のおっしゃっていることと違います。(安倍内閣総理大臣「一回ちょっと反論させて」と呼ぶ)済みません、ちょっともう時間がありませんので、それはまた次の人がやります。
 私は、これだけ両側の言うことが違うということであれば、やはり籠池理事長にちゃんとこちらに来ていただいて、いろいろなところをしっかり究明していただきたいということを委員長にお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○浜田委員長 これにて今井君の質疑は終了いたしました。
 次に、大西健介君。
○大西(健)委員 民進党の大西健介でございます。
 いよいよ予算委員会審議も大詰めを迎えました。振り返りますと、昨年の十二月ですけれども、大島議長が五年ぶりに議会制度協議会を開催されました。昨年の臨時国会、年金カット法案、あるいはTPPの関連法案、そしてカジノ法案が強行採決されたことを受けて、それに苦言を呈されるとともに、国民が納得できる充実した審議と合意形成に向けた真摯な努力を与野党ともに呼びかけされました。
 しかし、この予算審議を振り返ってみますと、地方公聴会、中央公聴会そして分科会、さらには採決までが委員長職権で決められるということであります。そしてさらには、おまけに金田法務大臣が質問封じと受けとめられかねない文書をマスコミに配付するということもありました。
 私は、残念ながら、これは議長が与野党に要請したんですけれども、与党側に充実した審議のために歩み寄る姿勢というのは見られなかったというふうに思っております。
 そして、天下りについてですけれども、文科省の最終調査が出るのは三月末です。そして、全省庁調査については、発表、公表の時期さえいまだ明らかになっておりません。
 また、南スーダンのPKO活動の日誌について、統合幕僚監部の中に共有サーバーにこの日報が残っていることを知っている者がいたにもかかわらず、情報公開請求に関する大臣官房文書課の意見照会に対して意見なしと答えた。
 この過程について、我が党の後藤委員から、これはしっかり第三者を入れた調査委員会を立ち上げるべきではないかということを申し上げさせていただきました。これは、一旦防衛省もそれを立ち上げるようなことを検討していたようでありますけれども、与党の理事や委員長からも後ろ向きな意見があってやめになったというふうに聞いていますけれども、委員長も、新たに共有サーバーから日報が見つかった以上は調査委員会を設置した方がいいんじゃないかということも言っていただいています。しかし、これについても、稲田大臣はかたくなに調査委員会の設置を反対されているということであります。
 さらに、今の森友学園の問題。審議を進めれば進めるほど疑惑が深まっていくという状態であります。
 私は、このような状態で仮に採決をきょう強行するのであれば、そして衆議院におけるこの予算審議に幕引きを図るのであれば、これは疑惑隠しととられても仕方がないというふうに思っておりますので、ぜひそのことを冒頭申し上げてから質問に入りたいというふうに思います。
 まず、働き方改革の問題についてお聞きをしたいと思います。パネルをごらんいただきたいと思います。
 皆さんのお手元に資料で新聞記事をお配りさせていただいております。二十一日の日と聞いておりますけれども、総理が、電通で過労自殺を図った高橋まつりさんのお母さん、幸美さんと官邸でお会いになったというふうに聞いております。そして、総理はお母さんに、子供のころのアルバムなどを見ながらお話しして涙を流されて、長時間労働規制について、何としてもやりたいというふうに強い決意を語られたというふうに伺っております。
 まつりさんのお母さんですけれども、先日、十日の日に、長時間労働規制についての院内集会というのが開かれました。その院内集会にもまつりさんのお母さん御本人がビデオメッセージというのを寄せておられたんですけれども、そのビデオメッセージをここに、ちょっと文字に起こさせていただきました。
 ちょうどこの部分をごらんいただきたいんですけれども、三六協定の上限は、百時間とか八十時間とかではなく、過労死することがないよう、もっと少ない残業時間にしてください、こうはっきり言われています。それから、娘は、一日二時間しか、一週間に十時間しか眠れないような長時間労働の連続でした、この結果、疲れ切ってしまい、うつ病となり、命を絶ちましたと。そして、少し後ですけれども、日本でも、一日も早く、インターバル規制の制度をつくり、労働者が睡眠時間を確保できるようにしてください、こういうことも明確に述べられています。さらには、そのもう少し後ろですけれども、高度プロフェッショナル制や裁量労働制など、時間規制の例外を拡大しないでくださいと、これもはっきり言われているんです。
 つまり、高橋まつりさんのお母さんは、繰り返しますけれども、百時間、八十時間みたいな、そんな上限規制はやめてください、そして日本でもインターバル規制を入れてください、さらには高度プロフェッショナルとか裁量労働とか、せっかくの長時間労働規制に穴をあけるような、そういう例外は設けないでくださいとはっきり言っておられます。
 総理、流された涙にうそがないのであれば、この約束を、お母さんのこの思いにしっかり応えていただけないでしょうか。いかがでしょうか。
○加藤国務大臣 総理もこれまで申し上げておりますように、今回の高橋さんの事案、こうしたことは二度と繰り返さないという思いで取り組みをさせていただいているところでございます。
 今、長時間労働の是正についてございましたけれども、これまで、罰則つきの時間外労働上限規制の導入については、労政審で議論して結論が出なかった。そういう中で、総理が議長となり、あるいは労働界、経済界の代表にもお集まりいただいた実現会議を設置して、まさに今議論をいただいているところでございます。
 そして、労使ともに働く人の実態を最もよく知っている、そして、現場に対してどれぐらいの時間外労働時間の上限が実効性があり、かつ、ぎりぎり実現可能なのはどういう点か、こういう点を踏まえて労使においても胸襟を開いて今御議論していただいているところでございますので、我々も、総理を先頭に、そうした労使の合意が図られ、そして実効性のある取りまとめができるように努力をしていきたい、こう思っております。
○安倍内閣総理大臣 高橋まつりさんのお母様とお目にかかりまして、大切な、そして一生懸命頑張っているお嬢様を亡くされた悲しみが私の胸にも迫ってきたところでございまして、こうした出来事を二度と起こしてはならない、このように深く心に誓ったところでございます。
 ただいま担当大臣から答弁をさせていただきましたが、罰則つきの時間外労働上限規制の導入については、これは長年労政審で議論をしてきましたが、残念ながら合意には至らなかったことであります。
 だからこそ、これは法定でまず定めて、その上で労政審に送らないとまた同じことが起こるわけでございますので、私が議長を行って、労働界側からも連合の会長に入っていただいて、そこで、それを多数決ではなくて合意形成した上で労政審に諮りたい、こう考えているわけでございます。
 労使ともに働く人の実態を最もよく知っているわけでございますので、現場に対してどれぐらいの時間外労働時間の上限が実効性があり、かつ、ぎりぎり実現可能なのかということを考えていただいているところでございます。
○大西(健)委員 合意はつくっていただければいいと思いますが、忘れてはならないのは、総理がこの実現会議の議長であって、そして総理は涙を流して、どうしてもやりたいというふうに言われた。その言った相手のお母さんは、百時間、八十時間ではだめだと言っているんです。高プロや裁量労働制はだめだと言っているんです。
 高速道路に制限速度がなければ事故も起こります、犠牲者も出ます。ですから、制限速度を設けようということ自体、私たちも賛成です。ただ、それが百時間、八十時間じゃ過労死はなくならないし、そして、そこに制限速度を守らなくてもいい例外をつくってしまっては事故もなくならないわけです、犠牲者もまた生まれるんです。
 ですから、この涙にうそがないのであれば、この最後にもお母さんはこう言っておられます、娘の死から学んでください、死んでからでは取り返しがつかないのですと。この言葉にぜひ、総理、ちゃんと応えてあげていただきたいというふうに思います。
 また、我々はインターバル規制の導入を含めた長時間労働規制法案をもう昨年の夏に出しているんですから、これをしっかり審議していただきたい、このことを最後に申し上げておきたいというふうに思います。
 それでは、私も森友学園の問題に触れないわけにはいかないというふうに思います。
 これは本当はパネルでお示しをしたかったんですけれども、理事会での許可が得られませんでした。塚本幼児教育学園が「思い出の宝箱」というDVDをつくっておられるんですけれども、この中の映像を実際に、テレビが放映したものではなくて、私は実物を拝見させていただきました。その中に先ほどの、平成二十七年度の秋の大運動会で園児たちが行った選手宣誓の様子というのが入っているんですけれども、これをちょっと読み上げさせていただきたいと思います。
 宣誓、暑い暑い夏が過ぎて、僕たち、私たちの待ちに待った平成二十七年度秋の大運動会が来ました、先生とお友達と一緒になって、お稽古をしたり、お遊戯、音楽、体育、駆けっこなど、きょう一日頑張ります、おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さんの前で、褒めていただけるように全力を尽くしますと、ここまでは普通なんです。
 問題はここから先でありますけれども、先ほども福島委員が示しましたけれども、大人の人たちは、日本がほかの国々に負けぬよう、尖閣列島、竹島、北方領土を守り、日本を悪者として扱っている中国、韓国が心改め、歴史教科書でうそを教えないようにお願いいたします、安倍首相頑張れ、安倍首相頑張れ、安保法制国会通過、よかったです、僕たち、私たちもきょう一日パワーを全開します、日本頑張れ、エイエイオーと、こういう選手宣誓なんです。
 私も見て、本当にショックを受けました。こんなことを言わされている子供たちがふびんでなりません。そして、こういう子供たちが本当に、では将来どういうふうに育ってしまうんだろうかと心配になってしまうんです。
 そういう教育方針で教育を行っている幼稚園について、そこで講演を行った総理夫人、この下の方ですけれども、総理夫人がこのように言われています、この幼稚園でやっていることが本当にすばらしい、こういうふうに褒めたたえた上で、普通の公立学校の教育を受けると、せっかくここで芯ができたものが揺らいでしまう、だから、この幼稚園の教育方針に沿った新たな小学校をつくりましょうと。そして、安倍昭恵総理夫人自身がその名誉校長に就任していたということであります。
 安倍総理、このことを不適切であったというふうには思われませんでしょうか、改めてお伺いします。
○安倍内閣総理大臣 先ほど今井委員が御紹介をされたNHKニュースについて、必ずしも事実を全て紹介していただいていないので、重要なところなので述べさせていただきたいと思います。
 籠池理事長は、私の妻が名誉校長を受けたことについて、承認してもらった上で講演で紹介し、名誉校長に就任してもらった、こう述べたのは事実でございますが、それにあわせて、昭恵夫人の受け取りようも当然あると思う、こう述べているわけでございますから、私が申し上げましたように、それは受けていない、妻がこう言っているわけでありますが、そういう受け取りもあるというふうにもあわせて述べているわけでございますから、一方だけを述べて印象操作をするのはやめていただきたい。これは明確に……(発言する者あり)今、参考人招致という声が上がりましたが、私の妻は今そういうふうに述べているわけでありますから。それと、今申し上げましたように、籠池さんが受けた印象と、しかし、自分も、籠池さんも、私の妻が私が述べたような印象を持ったかもしれないという趣旨のことを述べているわけでありますから、これは両方述べていただかなければフェアではない、こう思います。
 そして、私立学校は、建学の精神に従い、個性豊かで特色ある教育を行うところに大きな存在意義があります。公立、私立、どちらがすぐれているということではなくて、それぞれの特性を生かして教育がなされていると承知をしているところでございますが、御指摘のような発言については、この詳細については十分に私は承知をしていないところでございます。
 また、私立幼稚園においては、建学の精神、理念等に基づき、創意工夫を生かしたさまざまな活動が行われており、そこで学んだ経験をその後においても生かせる環境も重要という趣旨ではないか、こう思う次第でございます。
○大西(健)委員 いや、昭恵夫人は、すばらしいと言っているし、そしてそこでできた芯が公立学校に行ったら揺らいでしまう、こういうことを言っているんです。
 それから、今、建学の精神とおっしゃいましたけれども、先ほど私が読み上げた宣誓、ああいうことをさせる幼稚園を、建学の精神ということで認めていいというふうに総理はお考えで今そういう答弁をされたのでしょうか。
○松野国務大臣 個々の私立学校の建学の精神はもちろんその学校において判断をされるものでございますが、もしこの運営に関して不適切なところがあれば、所轄庁であります大阪府が責任を持って対応すべきものだと考えております。
○大西(健)委員 いま一度お伺いしますけれども、先ほど私が読み上げました宣誓を子供たちにやらせる、そういう幼稚園は、建学の精神だということで、認めていいと総理は思っておられるのかどうなのか。
○安倍内閣総理大臣 私は、この運営については承知をしておりません。私自身が、その幼稚園等々で安倍総理頑張れとかそういうことを園児に言ってもらいたいということは全くさらさら考えてはいないわけでありますし、そういうことは適切ではないと私は思っております。
 いずれにせよ、今文部科学大臣が申し上げたように、むしろ、一々のことについて私が把握をしていないことについて、それが適切だ、不適切だと個別のことについてここで述べるのは適当ではない、私はこう思うわけでございまして、その上で申し上げれば、先ほど文部科学大臣から答弁をさせていただいたように、この責任を持つ大阪府が判断すべきことだろう、このように思います。
○大西(健)委員 先ほど建学の精神ということを言われたのは総理ですからね。ですから、私は、建学の精神であっても、先ほどの宣誓は明らかに度を越えているというふうに思います。なぜ総理がそう言われないのかというのが不思議でなりません。
 そして、先ほどのNHKニュースの話ですけれども、これは二十六日にインタビューを籠池氏にNHKが行っておられます。私もニュースの動画を見ましたけれども、先ほど総理が言われたとおりで、確かに籠池理事長は、承認してもらった上で講演で紹介をし、名誉校長に就任してもらったというふうに言われて、あわせて、昭恵夫人の受け取りようも当然あると思うと言われています。
 しかし、これは、総理が二十四日のこの委員会で、妻が学校法人で講演する際、待合室で名誉校長になってくださいと頼まれて断ったが、その後、突然、理事長から講演の場で紹介され、拍手され、引き受けてもらわないと困りますよと言われて、最終的には受けることになったということと明らかに違っていますよ。
 これは受け取り方とかじゃなくて、理事長は、事前にちゃんと承認をしてもらってそれで紹介したと言っているのに、総理は、そうじゃなくて、その場でいきなりばあっと拍手されたから断れなかったというふうに言っていて、明らかに違っているので、総理の答弁が正しいのか、籠池理事長の言っておられることが正しいのか、これはやはり当事者に聞かないとわからないと私は思いますので、ぜひ籠池理事長をこの委員会の場に呼んでいただきたいというふうに思いますが、委員長、いかがですか。
○浜田委員長 先ほども申し上げましたが、継続して協議させていただきます。
○大西(健)委員 それからもう一つ、もう一回さっきのパネルを見ていただきたいんですけれども、これは総理夫人の問題じゃなくて、ここでも、先ほども触れておりましたけれども、こちらの教育方針は大変主人もすばらしいというふうに思っているんですとか大変共鳴していると言っているんですから、総理自身もやはりこれにかかわっている問題なんです。総理がコミットメントしているということを忘れないでいただきたいというふうに思います。
 いずれにしても、このような偏向した教育方針の幼稚園に総理夫妻がかかわっていたという事実は、これは紛れもない事実であって、そのこと自体が、先ほど今井委員も触れられましたけれども、世界各国の主要メディアで報じられているわけです。
 例えば、トランプ大統領の人種差別の言動に対して国際社会から今厳しい目が注がれていますけれども、同じように、安倍政権が戦前の愛国心教育の復活を意図しているのではないか、そういう誤解とか不信が国際社会に広がっている、そして、そのことが最大の問題だというふうに私は思うんですよ。
 先ほどの例えばガーディアン紙は、ウルトラナショナルスクールとの関係でプレッシャーにさらされている安倍政権ですよ。こういうタイトルの報道をイギリスの名門紙が、ウルトラナショナルスクールとの関係にさらされている安倍夫妻、そういう記事を書いている。
 あるいは、ニューヨーク・タイムズの記事ですけれども、これはさっき今井委員が引用したものと違う部分ですけれども、こんなふうに書いてあります。安倍総理や日本の保守主義者たちは現代日本の教育をよく批判する、学校現場で左翼教師たちが日本の侵略戦争を持ち出して自虐史観を生徒に教えていること、さらに戦前の伝統を覆す個人主義や平和主義を教育しているのが気に食わないのだ、反動右翼による戦前回帰の動きが塚本幼稚園の事例に見てとれる、こういう記述があるんですよ。
 つまり、今私が申し上げたように、国際社会から、反動右翼の戦前回帰の動きに日本の総理大臣が肩入れしているんじゃないか、こういうふうに見られているんじゃないですか。これはどう思われますか。
○安倍内閣総理大臣 委員はそれが事実だと思っておられるわけですか。私がそれを事実だと……(発言する者あり)報道されたのは事実であって、中に書いてあることは必ずしも事実ではないじゃないですか。先ほど、ニューヨーク・タイムズについても、一部事実でないということは今井委員もお認めになられましたよね。事実でない報道を事実としてこうやって非難されても、これは答えようがないわけですよ。
 別のさまざまな出来事については海外のメディア等から結構称賛されていることもあるわけでありますが、そういう点についてはめったに皆さんは紹介をしていただいていない、こう思うわけでございます。
 そこで、先ほど委員は、私が先般答弁したことは全く事実ではないということをおっしゃったんだけれども、今、籠池先生が言っていることはどういうことかというと、籠池先生は、承認してもらった上で講演で紹介した、こういう認識なんですが、よく、人間同士二人で会っていて、大丈夫ですね、いや、それは困りますよ、大丈夫ですねと言って、もうあとは答えなかったら、承認してもらったと思う場合もありますよね。
 しかし、そこは最終的には、常に、基本的に書面でもって、来たときにお断りしようと思っていればいいわけでありますが、その後、たくさんの前でそう言われてしまったので、これは事実上、ある程度受け入れざるを得なかったということであって、私が言ったことがうそだったということでは全くないことは、私の名誉のためにそう申し上げておきたいと思いますよ。
 そういうやりとり自体を何かまるで我々がうそをついているかのごとく、そういう印象操作をするのはやめていただきたい、こういうことでございます。
○大西(健)委員 私は、総理の答弁がうそだとは言っていません。食い違っていますよねと。食い違っていますから、それは籠池さんにも来てもらって確認した方がいいということを申し上げているということであります。
 そして、私が先ほども申し上げましたけれども、その海外メディアが言っていることが事実かどうか、これは総理自身がしっかり明らかにすればいいことでありますけれども、既にそういう報じられ方をしてしまっていることに大きな問題があるというふうに思うんです。でも、その海外メディアをうそだと言っているんだったら、それはうそつきメディアだと言っているのと同じだというふうに私は思いますよ。トランプ大統領がメディアはうそつきだと言っているのと同じですよ。
 次に、先ほども福島委員から、先ほどのような運動会での宣誓というのは教育基本法の十四条二項に明らかに反しているんじゃないかということがありました。私もそうだと思います。これは、大阪府の当てはめの問題ではなくて、法の解釈の問題なんです、教育基本法の解釈の問題なんです。これは明らかにおかしいというふうに私は思います。
 ただ、文科省は、何をかばっているのか知らないですけれども、一向にそれを明確に答えられないんです。文科省は、それに対してしっかり答えないどころか、こういう幼稚園について、実は、塚本幼稚園の教諭に文部科学大臣優秀教職員表彰というのを贈っておられるんです。
 これは事前に通告してありますけれども、これまでに塚本幼稚園が表彰の対象になったのは何回ありますか。
○松野国務大臣 お答えをいたします。
 文部科学大臣優秀教職員表彰は平成十八年度より実施をしており、塚本幼稚園の教職員につきましては二回表彰しております。
 一度目は、大阪府からの推薦として平成二十年八月二十五日、表彰者の決定に関しましては二十年十二月に行われております。二回目は、大阪府からの推薦が二十四年九月十三日、決定が二十四年十二月七日、この計二回において決定をしております。
 なお、本表彰につきましては、私立学校の場合は、各都道府県知事の推薦を受け、文部科学省において教職員の経験年数や年齢等の審査の上決定をしているということでございます。
○大西(健)委員 これは、平成二十年度に二人、それから平成二十四年度に一人ではないかと思うんですね。平成二十年度は、塚本幼稚園以外に学校法人森友学園が運営をしている別の幼稚園の教諭も表彰されているというふうに私は確認をしていますけれども、ただ、直近の平成二十七年度でいうと、そもそも私立学校で表彰されるのは三十五人なんです。それは高校の先生とか中学の先生も小学校の先生も含まれていて、幼稚園教諭は平成二十七年度でいうと四人しか表彰されないんですよ、一年に。そういう狭き門にこれまで三人も森友学園の関係者が表彰されているということであります。
 文科大臣に改めてお伺いしますが、こういう教育基本法違反の疑いが濃い学校の教諭が表彰されていることについて、これは取り消しも含めた検討をされませんでしょうか。いかがでしょうか。
○松野国務大臣 一般論として、被表彰者が表彰を受けた後に違反行為等非違行為等を行った場合、推薦者より受彰を取り消す旨の連絡をいただいた上で名簿から削除することとしております。
 今回の事案についても、推薦者たる大阪府の判断を踏まえ、文部科学省として対応を検討してまいりたいと考えております。
○大西(健)委員 大阪府がもしこれは適切じゃなかったというふうに考えれば、取り消しもあり得るということを御答弁されたんだというふうに思います。
 ちなみに、稲田大臣も、昨年の十月二十二日に、この籠池氏に対して防衛大臣感謝状というのを贈られております。このことについては、先日、分科会で私と辻元委員から質問させていただいて、これについても稲田大臣は取り消しも含めて検討するということを言っておられますけれども、先ほど私が御紹介したあの運動会における宣誓、安倍首相頑張れ、安保法制国会通過、よかったです、ああいう本当に偏った教育方針をやっている幼稚園の理事長、安保法制通過、よかったですとは言っていますけれども、この感謝状を取り消す方がやはりいいと思います。この場で取り消しを明言していただけませんでしょうか。
○稲田国務大臣 前回、分科会でも御答弁させていただきましたように、籠池氏に対する防衛大臣感謝状については、海上幕僚監部の推薦に基づき、同氏が防衛基盤の育成と自衛隊員の士気高揚に貢献されたことに対し、平成二十八年十月二十二日、感謝状贈呈式において贈呈をしたものです。
 他方、籠池氏については、国会における議論がなされ、またさまざまな報道等がなされていると承知をいたしております。
 事実関係を踏まえて、感謝状を取り消すことも含め、適切に対処したいと考えております。
○大西(健)委員 ぜひ、先ほどの文部科学省の優秀教職員表彰についても、また防衛大臣の感謝状についても、私は、しっかり、事の真相をまず明らかにしなきゃいけませんけれども、その次第では取り消しをしていただきたい、検討していただきたいというふうに思います。これは、かばっていればかばっているほどやはり怪しいというふうになってくると思うんです。
 それで、安倍総理夫妻だけじゃなくて、例えば防衛省も文科省も一緒になってやっているということになったら、政権ぐるみでこういった偏った教育方針を推進している幼稚園を後押ししたり、あるいはそこに便宜を図っているんじゃないかという疑いを持たれても仕方がないと私は思います。
 そういう意味では、これは安倍政権の本質にかかわる問題だというふうに私は思います。そして、政権の基盤を揺るがすような問題、海外でも先ほど紹介したように報じられているわけですから、私は、疑惑は速やかに払拭される方がいいというふうに思うんです。
 そういう意味で、総理は、国有地の売却に関して、先日もこの委員会で、きょうも繰り返されておりましたけれども、私や妻が関係していたということになれば首相も国会議員もやめるとはっきりと言われておりますし、また、先日は別の委員会で、議員などからの不当な働きかけは一切なかったと報告を受けていると国会で答弁をしているわけですけれども、そうであるならば、そのみずからの言われている潔白というのを積極的に証明していただきたい、それに総理がリーダーシップを発揮するべきだというふうに私は思います。
 総理はさっきも会計検査院に委ねるというようなことを言っておられましたけれども、会計検査院は、先日も検査院長が答弁をされていましたけれども、検査院の検査というのは、正確性、合規性、法律に合っているかどうか、そして経済性等の観点から検査を行うということでありますから、今総理が言っておられるような政治家の関与があったかとかそういうことは調べないんですよ。
 ですから、そこはやはり例えば弁護士等の第三者を入れた調査委員会を立ち上げていただいて、例えば甘利さんの問題でも、検査院もやっていましたけれども、しかし、別の観点からちゃんと弁護士を入れた第三者委員会を立ち上げていましたよね。ぜひ、総理も第三者の委員を入れた調査委員会を立ち上げていただいて、国有地の売却の経緯を知る籠池理事長、それから当時の理財局長だった迫田国税庁長官、こういう関係者の話をしっかりそこで直接聞いて、そして、総理、一切やましいことがないんだったらそういう調査委員会をぜひやって、関係当事者から意見を聞くことを指示していただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 まず、幾つか言わせていただきたいんですが、私はにせニュースとかフェークニュースなんということは言っていないじゃないですか。私が言っていないことをまるで言ったことのように言うのは、これはデマゴーグですよ。それをデマゴーグと世の中では言うんですよね。
 私は事実ではないと言いました。それは、先ほど今井委員も一部は違うと言ったじゃないですか。いわばうちの妻が詐欺にリンクしている、これは違いますよね。これは違いますよ。これは重大なことですよ。それは事実と違う。あるいはまた、私がそういう右翼的な教育を称揚しているかのごとく、これは事実と違う、こういうふうに申し上げたわけであります。事実と違うということを申し上げていたわけでありまして、それを、いわばニュースメディア全体を、メディア全体を私はにせニュースというふうには言った覚えは全くないわけでありますから、そのようなレッテル張りでイメージ操作するのはやめた方がいいですよ。
 それと、我々が政権ぐるみというレッテル張りを張りましたが、その中で例えば文部大臣表彰もありましたけれども、一つは少なくとも民主党政権時代じゃないですか。民主党政権時代に文部大臣賞を出した。ですから、これは同じじゃないですか。
○浜田委員長 総理、時間が来ておりますので、簡潔に願います。
○安倍内閣総理大臣 それを、専ら我々が、安倍政権が出していたわけではなくて……(大西(健)委員「問題があったら取り消した方がいいんじゃないですかと言っている」と呼ぶ)取り消すということであれば、当時の文部科学大臣だって御意見を伺いたいと思いますよ。ということではないのか、このように思います。
 その上で申し上げれば、先ほど来の調査については、再三申し上げておりますが、もし不当な働きかけがあったら、これは残さなければいけないんですよ、当然。その上において、果たしてこの売買契約、売買行為は問題がなかったかということについて、会計検査院がこれはしっかりと調べればいいことであろう。
○浜田委員長 総理、時間が来ておりますので、簡潔に願います。
○安倍内閣総理大臣 そこで、不当な価格であれば、当然、会計検査院は今までどおり、これは不当な価格だ、手続に問題があると。手続の問題とか経済性、果たしてこの価格でいいのかどうかということを調べるのが会計検査院でありますから、それをきっちりとやってもらえればいいのではないか、このように思います。
○浜田委員長 大西君、時間が来ておりますので、終わってください。
○大西(健)委員 はい。
 面談記録だって、共産党の質問に対して、捨てていると言っていたじゃないですか。
 ですから、私は、ぜひ当事者、籠池さん、迫田さんを呼んで、そしてこの委員会で集中審議を行っていただきたい。そのことを浜田委員長にお願いして、そして、それなくして採決を行うことはこの疑惑にふたをすることになるということを申し上げて、私の質問を終わります。
○浜田委員長 これにて大西君の質疑は終了いたしました。
 次に、高橋千鶴子君。
○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 先ほど大西委員の最初のところで紹介がありましたけれども、総理は二十一日、一昨年みずから命を絶たれた電通の高橋まつりさんのお母様に面会をされました。高橋さんからは、働き方改革について、ぜひ実効性あるものにしてほしいと訴えられたそうです。
 シンプルに伺います。総理は何とお答えになったのでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 高橋まつりさんの一周忌である昨年十二月二十五日に、私からお母様である高橋幸美さんにお花とお手紙をお送りしたところでありまして、これに対して御礼に来られたいとの申し出がございまして、恐縮ではございますが、お受けをした次第であります。
 高橋幸美さんは、お嬢さんのアルバムも持ってこられ、まつりさんについての思い出話をされたところでございますが、最後に、働き方改革について審議が行われているが、実効性のあるものにしていただきたいとのお話がありました。私からは、現在私が議長を務める会議において真剣に議論をして、何とか労使の合意にたどり着くべく努力をしている、全力で取り組む旨お話をしたところでございます。
○高橋(千)委員 私は、そのこと自体をどうこう言うつもりはもちろんありません。総理がもし本気で過労死をなくしたい、この高橋まつりさんのお母様の声にも応えたいと思うのであれば、政府案ではだめだ、過労死はなくならないどころか、さらにふえるおそれがある、こう言いたいのであります。
 資料の一を見てください。
 上が脳・心臓疾患の労災決定状況、下が精神障害の決定状況であります。黒丸で囲んだ数字、上が九十六、下が九十三、足すと昨年度は既に百八十九名もの過労死、過労自殺が認定をされております。請求と決定は当然タイムラグがありますから、同じ年の同じ人というわけではありませんが、請求件数だけで見ても、足して二千三百十人もが重度の病気や障害になったと訴えている現実があります。
 過労死、過労自殺はゼロにしていく、当然です。でも、そもそも健康で働き続けられる社会を目指すのが本来の働き方改革ではないのか。総理、もう一言お願いします。
○安倍内閣総理大臣 月四十五時間、年三百六十時間が脳・心臓疾患の労災認定基準であるという御指摘もしておられましたが、これは誤りでございまして、現行の基準は、一カ月百時間、二カ月ないし六カ月の平均で八十時間でございまして、また、二月二十四日の実現会議に事務局がたたき台として示した案では、月四十五時間を超えて時間外労働をさせることができるのは、あくまでも臨時的な特別の事情がある場合として労使が合意した場合としており、労働側のチェックがかかることになっています。加えて、その場合でも決して上回ることができない上限を一年七百二十時間としています。
 事務局案はたたき台でありまして、実現会議で御議論をいただければよいが、この点について、連合の神津会長は、二月十四日の実現会議において、基本的な方向性についてはこれまで私たちが述べてきたことを踏まえていただいているものと認識していると発言されております。
 なお、連合が二〇一三年に政府の規制改革会議に提出した時間外労働の上限時間規制の導入案については、年間七百五十時間とすること等が考えられるとしており、事務局案よりも緩いものになっているということは申し添えておきたい、このように思います。
○高橋(千)委員 総理、私、今何も数字を言っておりません。中身についてはこれから塩崎大臣に質問しますので、誤りだとか勝手に答えないでください、私、一切そういうことを言っておりませんから。それから、連合が出した提案を、私、よいなんて一言も言っておりません。全く関係がございませんので。そのことを言って、中身に入りたいなと思います。
 具体的に二月十四日に出された政府案を見ていきたい、このように思うんですね。
 資料の二は現行制度であります。
 一日八時間、一週四十時間を超えて労働させることは、今の労基法三十二条で禁止しております。ところが、三六協定を結べば原則を超えた時間外労働が可能になり、その協定で認める時間外労働の限度基準が、月四十五時間以内かつ年三百六十時間以内が原則となっておる。ただし、括弧して書いてあるように、強制力のない厚労大臣告示である。そして、実際には、臨時的な特別の事情がある場合として、上限なく時間外労働が可能となる、これが特別条項としてこれまで何度も議論されてきたものである、また適用除外業務があるということを二つ書いているわけです。
 禁止と法律に書きながら、三六協定という例外があり、その上にさらに特別条項という特例もあり、天井がない。二重三重に骨抜きにされているわけです。
 政府案がこれをどう変えるのでしょうか。私たちはかねてから、大臣告示を義務づけて法律に書くべきだと主張してきました。今回の案はそうなるという意味ですか、一言でお答えください。
○塩崎国務大臣 二月十四日の今御指摘をいただいた事務局案、この中で、三六協定によりまして週四十時間を超えて労働可能となる時間外労働時間の限度を、現在大臣告示で示しております月四十五時間かつ年三百六十時間を原則とすることとして、これを法律に明記するということでございます。そして、それを上回る時間外労働をさせた場合には、特別の場合を除いて罰則を科すということでございまして、今までの行政指導から、法律に明定して罰則を科すということでございます。
○高橋(千)委員 法律に明記するということをお答えいただきました。資料の三枚目に改正の方向二というのが上の方にありまして、そこに書いているわけなんです。
 上限を上回る時間外労働をさせた場合には罰則を科す、これもお答えをいただきました。ただし、次の特例を除いてはと書いてあります。臨時的な特別の事情がある場合として労使が合意して協定を結ぶ場合も、上回ることができない年間の時間外労働を一年七百二十時間(月平均六十時間)とするとしていますが、これはどういうことでしょうか。
 先ほど紹介された大臣告示、三百六十時間の倍になります。しかも、月平均六十時間というけれども、もしこれが毎月六十時間、六十掛ける十二で七百二十になるわけですから、毎月六十時間許されるのなら、たった今原則と言った四十五時間が意味がないものになっちゃいませんか。
○塩崎国務大臣 先ほど申し上げたとおり、今回事務局として提案をしているのは、月四十五時間かつ年三百六十時間ということを法律に明記するということであって、それを上回る時間外労働をさせた場合には、特別の場合を除いて罰則を科す、こういうことでございます。
 その特例とは何かということでありますが、臨時的な特別な事情がある場合で労使が合意をして労使協定を結ぶ場合、これに限るわけでございまして、それを年間の時間外労働時間の限度を一年七百二十時間、月に平均してみれば六十時間ということとしているわけでございます。
 こういうことで、一カ月当たりの時間外労働時間の限度は原則月四十五時間としているわけでありますが、臨時的な特別の事情がある場合に該当すると労使が合意をしなければ、これを上回ることはできないという意味でもございます。労使が合意をして初めて特例として認められるものでありますので、原則四十五時間は意味がないものにされるという今いただいた御指摘は当たらないというふうに考えております。
○高橋(千)委員 ですが、七百二十時間には六時間という臨時の枠は入っておりませんよね、これは計算すると七百二十時間にならないわけですから。そうですよね。六時間を超えてもいいという意味でしょう、労使協定を結べば。
○塩崎国務大臣 今の六時間というのがちょっと意味がよくわからないので……(高橋(千)委員「六カ月です、失礼しました」と呼ぶ)六カ月が、どういうことなんですか。
○高橋(千)委員 今、月平均六十時間と書いてはいるけれども、これは十二を掛けて七百二十時間なわけですよ。だけれども、大臣は今、臨時的とおっしゃっているじゃないですか、臨時的、特別な場合と。今までの特別条項は、少なくとも六カ月という限定があるわけですよ。でも、これは、六カ月で限定すると、三百六十プラス二百七十で、七百二十までいかないわけなんです。そうでしょう。これは別に六カ月だけと言っていないんですよ、今の規制は、やろうとしていることは。
○塩崎国務大臣 もともと、今回これを法律にし、罰則も科していこうと言っている中でこの特例があることについては、我々は、やはりこれでは実効性あるものではないという現状を改善しようということで言っているわけでございます。
 今提起をしているのは、労働時間の限度を一年七百二十時間、そして月平均六十時間ということで、今問題になっているのは、六カ月、六回、今の四十五時間、三百六十時間を超えられるような月を設けていることが実効性をないがしろにしているじゃないか、こういうことでやっているわけでございますので、今回は、これからまだ中身は議論をしていくところでございますけれども、今お出ししている原則として、一年七百二十時間、月平均六十時間というものを一つの基準としてお示ししているわけであります。
○高橋(千)委員 結局、いろいろ言ったんですけれども、これまでは臨時的というのは六カ月。私、六カ月でも臨時だと思いませんよ、一年の半分ですもの。だけれども、それさえも取っ払っちゃったわけなんです、今回は。それが、実効性が今のものは上がらないから、現状がとても守れないからということをお認めになったんだと思います。そういう立場で今改革をしようとしている、ここが大きな問題だと思うんですね。
 それで、資料の下の方に、労災認定基準を参考にすると。読みますと、脳・心臓疾患の労災認定基準をクリアするといった健康の確保を図ることが大前提と書いてあるわけです。これが八十時間であり、今話題となっている百時間、一番忙しい月はそれに上限をかけようかなという議論がされているわけなんですね。これは我々はとても、過労死ラインと言っているじゃないかと指摘をしてきたところです。
 シンプルに聞きます。これまで厚労省が言ってきたことを確認するだけです。あくまで長時間労働の目安は月四十五時間を超えること、大臣告示のはずでありますけれども、違いますか。
○塩崎国務大臣 繰り返しますけれども、事務局案では、三六協定によって週四十時間を超えて労働可能となる時間外労働時間の限度を、月四十五時間、そしてそれに加えて年三百六十時間と法律に明記をする。それに、この大臣告示の月四十五時間、年三百六十時間につきましては、臨時的な特別の事情がある場合に該当すると労使が合意しなければ上回れない、そういう水準であるわけでありますから、これが原則でございます。
 今、月四十五時間、年三百六十時間のことについて、脳・心臓疾患の問題についてのお話がございましたが、今私たちが持っているのはこの基準であるわけでございます。
○高橋(千)委員 そうなんです。多分、そこに反応して先ほどの総理の答弁があったんだろうなと思うんですけれども。
 資料の四枚目にちゃんとつけております。これは、昨年の四月一日の最終改正ですけれども、「過重労働による健康障害防止のための総合対策について」。長時間にわたる過重な労働は、疲労の蓄積をもたらす最も重要な要因と考えられ、さらには、脳・心臓疾患の発症との関連性が強いという医学的知見が得られている、これが大臣告示の理由なんですね。働くことにより労働者が健康を損なうようなことはあってはならない、こう書いているんです。
 だから、死んではならないではなくて、健康を損なうものであってはならない、この立場に立たなければ本当に長時間労働の規制なんてできないんですよ。死ななきゃいいという話じゃないんですよ。今、寝たきりの方とか重度の障害がある方だっているんです。そういうことも含めて、やはりこれは労働時間を規制していく。そこの下に書いているのは、四十五時間を超えて長くなるほど関連性が強まると言っているんですから、その立場に立てということを指摘しています。
 時間の関係で、この指摘にとどめて、次の質問に行くんですけれども、よく総理が誰に対して何時間という答弁を繰り返しますよね。私、それがずっと気になっていました。二月十四日の働き方改革実現会議で同じ発言をしている方がいたんです。日本総研理事長の高橋進さん。
 高橋氏は、事務局案を評価しながら、あくまで例外があるんだ、これを強調されているんだと思います。誰に対して何時間の上限とするかを具体的に実行計画に書き込むべきだと思いますと述べた後に、いわゆるプロフェッショナルの活動を制約しないと述べておる。それどころか、勤務医は裁量労働制にすればよいとまで述べているんですね。
 上限がまだ決まらぬうちから例外や除外を広げる議論がされている。それは、総理も同じ気持ちをアナウンスしていると受けとめざるを得ないということを指摘しなければならないと思うんですね。
 そこで、具体の除外の話に行くんですが、昨年十月十二日のこの場所で、上限規制をするといいながら、規制から除外されている分野が多過ぎるということを指摘しました。特に、原発の再稼働申請のために限度基準を超えて働かせてもよいと厚労省が認めた二〇一三年十一月の通達はおかしいと指摘をしました。二月六日の本委員会でも我が党の真島議員が質問をしておりますが、この除外規定は見直しをすると大臣は答えました。
 廃止をしますか。お答えください。
○塩崎国務大臣 御指摘の通達は、平成二十五年に発出をされました労働基準局長通達でございますが、これにつきましては、一つは、新規制基準が示されてから三年以上が経過をしている、それから、審査業務の進展とともに審査対応の経験も蓄積をされているということで、平成二十五年の通達を発出したときとは全く状況が変わったということで、私どもとしては、今年度限りでこの通達を廃止すべく、近々その通達を改めて出すということを考えております。
○高橋(千)委員 まず、通達を廃止するということを確認させていただきました。これは一歩前進だと思うんですね。
 十月の質問以降、全国の電力会社に情報公開請求を行いました。これは本当の一部しか持ってこられなかったんですが、黒塗りがいっぱいございます。その中でまとめたものが資料の五であります。見てください。
 これは、除外された原発だけではなくて、全国の原発で長時間労働の協定を結んでいることがわかります。例えば、北海道電力、一日の残業時間、十六時間が上限、これは足すと二十四時間ということになるわけで、二十四時間働いてもよいということになります。それから、この下の東電柏崎刈羽原発、翌始業時刻までを限度としています。これは同じ意味なんですよね。働いて次の日の働く時間までを限度ということは、ずっと働いてもいい。
 これは、下手すると、丸一日どころか、二日連続とか、あるいはそれ以上だって働かせてよいということになりませんか。
○山越政府参考人 お答え申し上げます。
 三六協定により労働時間を延長することができる時間の限度につきましては告示において定められているところでございますけれども、この告示では、一カ月、一年などの期間については上限時間が定められておりますけれども、一日については上限時間が定められておりません。よって、お尋ねのような、一日の時間外労働の上限が長い三六協定が締結され、届けられていたとしましても、直ちに違法になるものではございません。
 ただし、その協定で定める一カ月とか一年についての限度時間を超えている場合には、法違反となるものでございます。
○高橋(千)委員 これは結局、一日の上限はないので認められるということなんです。これは終わって次の始業時間までくっついちゃうわけですから、下手すれば、二日だって三日だって、その一カ月の上限まで達しない限りは認められちゃうんですよね。
 今回議論しているのもそういうことなんですよ。集中して最初のときにこうした過重労働をしてしまえば、限度を一月でとか三月では何とか丸めていいかもしれないけれども、その前に手おくれになる、そういう働かせ方はやはり問題だと思うんですね。
 私たちは、野党提案で、始業後二十四時間以内にインターバル、次の始業時間までに必ず休憩時間をとる、そういうことを付与することを義務づけなさいということを案で出しています。やはりこういうことをセットで言うべきではないか、このことを指摘したいと思います。
 それで、続きはこの七を見ていただきたいんですね。先ほど紹介した通達が出されて、それから五つの電力会社、八つの原発に対して除外が認められて、それ以降、うちの会社も除外してもらえますかという問い合わせや、除外されたら時間外労働は何時間でもよいんですかという問い合わせがいろいろありました。もちろん、何時間でもといってもそれもやはり協定を結びなさいとか、そういう指導をされているんですね。
 その中の一部、これが抜粋であります。これは、ある原発事業所の地元の労働局から本省に上がった疑義照会、こうした答えでよろしいでしょうかという中身なんですね。
 左のアンダーラインを見てください。これは、特別条項年六回まで、一カ月百二十時間、一年八百時間と書いていますね。
 そして、右の上を見てください。平成二十五年四月から十一月までの間に一カ月四十時間を超える特別条項、今言った特別条項の運用回数が六回に達する者が発生している。発生している、つまり、もう超えちゃっているということですよね。
 その下のアンダーライン。新規制基準適合審査のための準備作業も含め、広く該当させる余地はないか。つまり、除外される労働者をふやしたい、そういう意味ですよね。
 そして、その下です。期間途中において、労使合意のもと、特別条項つき三六協定の破棄、再締結、届け出をすることも検討しなければならないが、それは認められるか。驚く内容です。つまり、特別条項は、さっきから言っているように上限がないんですけれども、あくまで臨時ですから六カ月までとなっているんです。ところが、その六カ月を守れない、もう超えちゃっている、なので、結んだ期間の途中で三六協定を破棄して結び直して上限をもっと延ばしたい、そうするとクリアできると。これなら何でもできるじゃないですか。
 しかも、地方労働局からは、一番下、形式的要件を満たしていれば受理を拒むことはできないがとあるんですね。
 確認します。この地方の問い合わせに対して、本省の答えはイエスですね。
○山越政府参考人 お答え申し上げます。
 三六協定の再締結でございますけれども、これは労使が合意しなければできないものでございますけれども、こういったものが監督署に届けられた場合につきましては、それが限度基準告示に適合しているかどうかについて監督署として見させていただきまして、これに適合しているようなものであれば受理しているところでございます。
○高橋(千)委員 このようなことが現実に起こっているわけですね。
 三六協定、そもそも労使が合意するんだからという話で、労使の責任にしてしまいたいというのが端々に感じられるわけですけれども、これは実は実現会議の中でも随分議論をされていまして、結局、個別の契約にすればいいじゃないか、労使協定に任せればいいじゃないか、それぞれは決められないんだという議論が何度も何度も繰り返されるんですよ。だけれども、本当にそれでいいんだろうか。
 健康で働き続けてほしい、まして過労死はだめだとなったら、やはり二十四時間を超えて何時間でも働いてもいいというところをちゃんと塞ぐとか、そして、三六協定を結んだそばからまた見直すとかそういうことはちゃんと規制していく、あってもいいんじゃないですか、塩崎大臣。
○塩崎国務大臣 今御指摘をいただいたように、また労働基準局長から答弁したとおり、限度基準告示に適合している三六協定については受理をするというのが原則になっていることはそのとおりであります。
 今、疑義照会のコピーをお配りいただいておりますけれども、この最後のところに、形式的要件を満たしていれば受理を拒むことはできないがというその後にもアンダーラインを引いていただきたかったわけでありますが、そこに、現協定の限度時間におさまらないことを理由に、安易に限度時間を延長して、再協定しないよう留意させることとするべきである、こういうことを行政指導的に本省の方から言っているわけであります。
 今御指摘いただいたところでございますが、私どもとしては、今の長時間労働対策が十分ではないのではないかという問題提起から、働き方改革実現会議で議論を今、労働時間の上限規制についてしております。やはり実態をきちっと、今御指摘をいただいたことも含めて見据えて、かつ実効性の上がる結論が実行計画に明記できるように取り組んでまいりたいと考えております。
○高橋(千)委員 今大臣がきっとここを読むだろうと思っておりましたので、そのとおりでございました。
 やはりこれは通達よりも弱いんですよ。留意すべきであるとこれは最低限しゃべっているだけで、これだけではやはりだめだということなんです。
 総理に、今聞いていただいたと思うんです、これが実態なんです。昨年十月の私の質問の後に、関西電力の審査担当課長が過労自殺していたことも明らかになりました。過労死するほど働いて四十年過ぎた原発の延命なんて、あり得ないんじゃありませんか。こんなことが今起こっている。今回の政府案も、原則と書いたそばから例外を置く、例外と書いたそばから特例をつくる、一方を塞いで一方で穴をあける、こんなことをしているのでは第二、第三の犠牲をなくすことはできないと思いますが、いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 二月十四日の実現会議で示された事務局案では、例外の取り扱いについて、実態を踏まえた対応のあり方を検討するとしていますが、この点についても実現会議で御議論をいただきたいと思いますが、特に働く人の実態を最も知っている労使にしっかりと合意形成をしていただきたい、このように考えている次第でございます。
○高橋(千)委員 合意形成、総理がまず決意を示すことが大事なんじゃないでしょうか。まだ今議論の途中だというのであれば、やはり、穴を塞いでいくんだ、その決意が必要だと思いますが、いかがですか。
○浜田委員長 安倍内閣総理大臣、時間が来ておりますので。
○安倍内閣総理大臣 これは、議論において労使双方が合意をするという中において、例外の取り扱いについても、一律にこれは定めることができるかどうかという議論もございますが、そうした議論も含めてしっかりと結論を得てもらいたいと思いますが、基本的には、やはり働く人の立場に立った結論が出ることを希望しているところでございます。
○高橋(千)委員 やはり働き方改革の決意のほどが見えたかなと思います。
 一言。私は、誰に対しても死ぬまで働くなと言えるルールをつくるべきだと思います。それを一律なんて言いません。手術とか事故対応とか、二十四時間過ぎるときもあります。だったら、その後は必ず休むように義務づける。企業が言うように丸めてやっていたら手おくれになるんです。逆に言えば、恒常的な残業が必要であれば人をふやせばいいんです。このことを申し上げて、終わりたいと思います。
 以上です。
○浜田委員長 これにて高橋君の質疑は終了いたしました。
 次に、井上英孝君。
○井上(英)委員 日本維新の会の井上英孝です。
 二月の一日から平成二十九年度の予算審議が始まりまして、本日で締めくくり総括も入れて七十六・五時間ということで、採決が与党から要求されたことに我々は妥当だと判断して応じさせていただいております。そういう中で、今後まだまださまざまな議論を続けていかないといけない面は今後も委員長のもとでしっかりと進めていっていただいて、充実の議論というのが行えるように、よろしくお願いをしたいと思います。
 質問に入る前に、先ほど中野委員も触れましたけれども、先週末、プレミアムフライデーがありまして、プレミアムフライデーがあるので予算委員会は午前中に終わらそうということで、昼までに予算委員会は終わったんですけれども、本日朝九時から質疑ということになりましたので金曜日の午後には通告をしていて、来られた省庁の関係者に皆さんは三時に帰れるんですかと言うたら、帰れるわけがないじゃないですかとおっしゃっていたので、特に来月なんかは本当の年度末の三十一日がたしか月末の金曜日だったと思いますし、今後また国会も続いていきますし、そういうときにはちょっと、月曜日の開会という委員会は少ないですけれども、そういうことも踏まえて、完全に金曜日は、まあ、極力みんなが三時までに帰れるような環境というのが必要なんじゃないかなと思います。
 これはまた、政府だけではなくて議員各位それぞれが認識していただいてやっていくのがいいんじゃないかなというふうに思いますので、それを述べさせていただいて、質疑に入らせていただきたいと思います。
 先般、私は地方公聴会で愛知に行かせていただきました。その際に、消費税を八%から一〇%に上げるという議論をずっとこれから本格的にまたやっていくことになると思いますけれども、来られている陳述人四名の方に、どなたがどう答えたかというふうには申し上げませんけれども、八%から一〇%に上げる環境にあるとお思いになられますかというふうにお聞きをさせていただきました。
 もちろん、財政の健全化とか税と社会保障の一体改革というのを前提に、非常に難しい質問ですけれども上げるべきだと思うという方がおられ、上げられるものなら上げるべきだという方もおられました。また、消費税や固定資産税についてよく考えていただきたい、国が決めれば当然我々は従いますという方もおられ、従うけれども天下り等の不祥事はやはりなくしてほしいというようなことをそれぞれの方がお答えになっておられました。
 消費税を上げていく必要性というのは、先ほど申し上げた財政の健全化とか税と社会保障の一体改革というのを前提に、かなり一定の方々に御理解をいただいているのではないかなというふうに思います。ただ一方で、上げる以上はしっかりと使途を明確にしてと。また、税というものについてしっかり考えて議論してくださいねというお声だったと記憶をしております。
 そういう中で、消費税を八%に上げたことによって、結果的には消費がちょっと冷え込んだような一面というのがあったかというふうに思います。
 現状、アベノミクスというのがあって、その三本の矢のおかげで、それがあるから鈍化しつつも成長しているという考え方もありますし、また一方で、その三本の矢が全く功を奏していないじゃないかという考え方もあるかなと。それは、立場によって見解、評価というのは違うかもしれませんけれども、いずれにしても、多くの国民にとって負担が上がることへの抵抗感はやはり根強いものがあるんだなというふうに改めて如実に感じた次第であります。
 我々の主張は、身を切る改革とか、もう皆さん耳にたこができてきたかとも思いますけれども、主張させていただいております。時にはポピュリズムだ、そしてまたパフォーマンスだといったようなお叱りを受けることが多々ありますけれども、度を超えたポピュリズムというのはすべきではないというふうに我々も考えております。ただ一方で、国民の留飲が下がる政治というのはする必要があるんじゃないかな、またそれは非常に大事なことではないかなというふうに我々は考えております。
 来年度は、国民年金の受給金額も下がります。大阪市においては国民健康保険料も上がると言われていますし、恐らく他府県でも国保会計というのは非常に厳しい現状にあるかと思います。復興増税、これはもちろん国民みんなで広く浅く負担をして、みんなで助け合うという精神で、それは非常に理解もできますけれども、平成四十九年までこの復興増税というのは続いていく。また、二〇一九年の十月、先ほども申し上げた消費税も一〇%に上げるか上げないかという議論が待っている。
 こんな状況の中で、今回の文科省で起きました天下りの問題というのは、やはり国民の気持ちを踏みにじる行為だったのではないかなというふうに断じざるを得ないと思います。そういうこともありまして、今月、二月の十四日、我が党は文科大臣に要請文を直接手渡しさせていただきました。
 その要請文の一部を引用させていただきますけれども、本事案は、国民生活の現実を忘れてみずからの生活を優先させる文部科学省職員の姿勢を如実にあらわし、この国がいまだに公務員天国であることを改めて示した、文部科学省は、本件に関する国民及び国会の批判を重く受けとめ、今後こうした事態が二度と起きないよう、抜本的解決策を図るべきであるというふうな書面をお渡しさせていただきました。
 我が党は、先ほども申し上げましたけれども、身を切る改革というのを最優先の政治課題としております。その立場からいえば、国民生活がやはりまだまだ厳しい中で公務員の総人件費がまた上がっていくという現状は、こういう天下り問題もあって、なかなか国民の皆さん方から理解は得られないんじゃないかなと。
 その上、文部科学省では、組織的で違法、不当な天下りの問題、再就職の問題が発覚をいたしました。調査段階というのは非常に理解はできますけれども、天下りを根絶するための具体的で大胆な対策というのをやはり文科大臣は明言すべきと考えます。
 まずは、法令遵守と綱紀粛正に関する大臣の認識と覚悟についてお伺いいたします。
○松野国務大臣 委員御指摘のとおり、教育をつかさどり法を遵守すべき立場にある文部科学省の職員が国家公務員法に違反する行為を行ったことは、国民の文部科学行政に対する信頼を著しく損ねるものであり、省を挙げて猛省しているところであります。
 二月二十一日に中間取りまとめを公表させていただきましたが、今後、中間取りまとめで十分に確認できなかった事案を含め、全職員や退職者も含む徹底的な調査を進め、全容を解明し、厳正な処分を行ってまいります。
 これに加えて、職員に対して、今回再就職等監視委員会に指摘された事例を参考にした、国家公務員法が禁止する再就職等規制に関する徹底した実効的な研修の実施、営利企業等から再就職等に関する求めがあった場合や退職者から再就職に関する情報提供の依頼があった場合の対応方針の検討、国家公務員法が定める再就職等規制についての関係団体や退職者等に対する周知など、再発防止策をしっかりと検討し、着実に実行してまいります。
 このような取り組みを徹底し、一刻も早く文部科学行政への国民の信頼を取り戻すことができるよう、省を挙げて全力で取り組んでまいります。
○井上(英)委員 研修等、またさまざまな対策をおっしゃっていただきました。今はまだ調査段階ですので、中身、全容をしっかりと解明いただいた上で、我々としては、今回、個々の公務員の非違行為だけではなくて、根本的にはやはり仕組みというのが問題じゃないかなというふうに思います。再発を防止するためには、先ほど言われるような研修等も決して否定はしませんけれども、単なる行為規制中心の今の現行法というものだけではやはり足りないというふうに思っています。
 今回問題が明らかになりました文部科学省においては、全省横並びということになると時間も当然かかってきますし、いろいろな問題も出てくると思うので、まずはやはり問題を起こした文科省が、例えば我々大阪府、市なんかは一定の外郭団体には再就職ができない、一切それを禁じているとかでありますし、政府関係法人また学校法人など、文科省から補助金等を支出しているような法人に対しては一切再就職を禁止するというようなことを具体的にやはり省令や規則で定めるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○松野国務大臣 委員御指摘の大阪府、大阪市が実施した再就職規制に関しては、二月十四日に御党から頂戴した要請文でも触れられており、承知をしているところであります。
 いただいた御意見を承りつつも、私としては、まず、文部科学省が引き起こした再就職問題の全容解明と再発防止に全力を尽くしてまいりたいと考えております。
○井上(英)委員 今すぐ具体的にそこまで踏み込んでということはないかもわかりませんけれども、それぐらいのことをしないと国民からの信頼回復というのは難しいんじゃないかなというふうに思っておりますので、ぜひとも松野文科大臣のリーダーシップというのを発揮していただきたいというふうに思います。
 時間もちょっとなくなってきましたんですけれども、我々は教育無償化というのを一番に掲げています。その中で、今回、大学等の奨学金事業の充実ということで給付型奨学金制度の創設というのがありますし、就園奨励費についても増額だということでありますけれども、その点について、文科大臣、答弁いただけますでしょうか。
○松野国務大臣 意欲と能力があるにもかかわらず、家庭環境、経済、家計収入等の理由によりまして進学を断念せざるを得ない、そういった学生の進学を後押しするため、我が国として初めて学生向けの返還不要の給付型奨学金を創設することにいたしました。
 平成三十年度の進学者から本格実施することとし、特に経済的に厳しい方、具体的には、私立の大学や専修学校に自宅外から通学する方や、児童養護施設退所者等の社会的養護を必要とする方を対象として、平成二十九年度進学者から一部先行して実施することとしております。本格実施の給付対象者は、住民税非課税世帯であって、各高校が定める学力の資質基準を満たす者として各高校が推薦する者とし、全体で一学年約二万人を対象とすることとしております。給付月額については、学生生活費の実態を踏まえ、また、国公私立といった進学先や、自宅、自宅外といった通学形態の違い、対象とならない世帯との公平性等を考慮の上、月額二万円から四万円を設定しているところであります。
○井上(英)委員 今御答弁いただいたように、来年度、平成二十九年度からは先行実施ということで、再来年度の平成三十年度から本格実施ということであります。
 今答弁いただいたように、給付型の対象規模というのは、非課税世帯でありますし、非課税世帯の奨学金の受給者というのが大体四万五千人程度おられるということで、実際、今回の給付型奨学金を受けられる方々というのは二万人となっていますので、半数に満たない現状にある、そういう意味ではちょっと足りないんじゃないかなというふうに思います。
 我が党としては幼児教育から高等教育までの完全無償化というのを目指しておりますけれども、一方で、先般行われた中央公聴会では、公述人のお一人が、進学を希望しない方もおられるので、そういう意味での不公平行政につながらないか、そういうことも踏まえて慎重にすべきだという御意見もありました。
 もちろん、これから大学として本来あるべき姿に向けて変革、改革していかなければならないというのも同時進行で必要だというふうには考えますけれども、我が党としては、大学に進学したいと思う子が保護者の所得に関係なく教育を受けることができることがやはり大事なんじゃないかというふうに考えております。
 次いで、高校についてもちょっとお聞きをいたしますけれども、先般、我が党の伊東議員の質疑の中で、我々大阪では私立の高校というのを無償化でやっています、そのかわり私立高校の授業料は年間五十八万円という上限、キャップをかけることで財政支出を抑えています、そういう意味で、五十八万円という授業料が決まっているので学校は非常に経営効率化を図っていますと。
 そのことに対して、大臣は、大変意欲的な取り組みであって、各県の先行事例にしたいというふうにおっしゃっております。ぜひこれを研究したいとおっしゃっていたんですけれども、具体的にどのようなスケジュールでいつまでに研究されるのか、お答えをいただけますでしょうか。
○松野国務大臣 高校生等への就学支援については、国の支援に加え地域の実情を踏まえた都道府県の支援が一体となり教育費負担を軽減することが重要であり、その観点からも、大阪府の取り組みは他の都道府県の参考にもなる意欲的な取り組みと承知をしております。
 国の高等学校等就学支援金制度については、平成二十五年の法律改正時に、衆参両院の附帯決議において、改正法の施行から三年経過後、すなわち平成二十九年度に、低所得世帯への経済的支援の拡充の状況、公私間の教育費負担の格差是正の状況等、具体的効果や影響をさまざまな角度から検証し、必要な措置を講ずることとされております。
 このため、文部科学省としては、大阪府を初め各都道府県の取り組みも把握した上で、その状況を各都道府県と共有しながら、専門的な見地からの意見を踏まえ、しっかりと検証してまいりたいと考えております。
○井上(英)委員 ぜひ、横にも広げていただきたいと思いますし、早急にその研究結果というのを出していただいて。
 また、大学にも使えると思うんですね。ただ、大学の場合はもちろん、医学部だとか理系だとか文系だとか、ちょっと学費に違いがありますので多少のあれはあるかもわかりませんけれども、考え方としては、一定、学校にも経営努力を含めさまざまなお願いをするということで、やはり必要じゃないかなというふうに思っています。
 最後に、教育無償化の財源について、恐らく麻生大臣には怒られるかもわかりませんけれども、ちょっと総理にお聞きをしたいので、お願いしたいと思います。
 我が党で教育無償化の所要額というのを試算したところ、約四兆二千億円となりました。対象として、ゼロ歳児からの保育を含む幼児教育から大学院までの授業料のみ。私立学校も含めて所得制限はなしというふうにしております。ただ、私立の授業料については、前述のとおり、上限を設けるべきだというふうに我々は考えております。
 この財源は、議員の身を切る改革を最初に行った上で、公務員人件費の削減等の行政改革で、やはり歳出削減で賄うべきというのが我が党の一貫した姿勢、これが大前提であります。国と地方の公務員人件費は、現状、合計で二十五兆円となっております。その二割に当たる五兆円を削減すれば教育の全課程の無償化が実現できると、我々は選挙でもこの国会でも主張させていただいております。
 財源を公務員人件費削減に求める姿勢というのは当然変わりませんけれども、喫緊の課題でありますこの教育無償化というのを早期に実現するために、あくまでもつなぎとして、これは麻生大臣に本当にお叱りを受けるかもわかりませんけれども、教育無償化のために限った国債を発行するという手法は許容されるんじゃないかと。私見としては、一定、財務規律を乱さないようにするために上限を設けるとかでありますけれども、教育無償化の実現に向けて、総理の御所見をお伺いしたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 子供たちの誰もが、家庭の経済事情にかかわらず、望めば高等教育を受けられる、進学できるという日本をつくっていきたい、こう思っておりますし、また、幼児教育の無償化についても今段階的に私どもは進めている次第でございます。これは恒久的な財源がそれぞれ必要でございますので、財源を得て順次進めていきたい、このように考えております。
○井上(英)委員 どうもありがとうございました。質疑を終わらせていただきます。
○浜田委員長 これにて井上君の質疑は終了いたしました。
 これをもちまして締めくくり質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして平成二十九年度予算三案に対する質疑は全て終局いたしました。
    ―――――――――――――
○浜田委員長 ただいままでに、民進党・無所属クラブ大西健介君外一名から、また日本共産党高橋千鶴子君外一名から、それぞれ、平成二十九年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。
 この際、両動議について提出者より順次趣旨の弁明を求めます。緒方林太郎君。緒方君。緒方林太郎君。緒方林太郎君。(発言する者あり)やられないということですか。緒方林太郎君、やらないのであれば、畠山和也君、やりませんか。では、緒方君は提案を……(発言する者あり)緒方林太郎君。
    ―――――――――――――
 平成二十九年度一般会計予算、平成二十九年度特別会計予算及び平成二十九年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○緒方委員 私は、民進党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました政府提案の平成二十九年度予算三案を撤回のうえ編成替えを求めるの動議に関して、その趣旨を御説明いたします。
 まずは、編成替えを求める理由を申し述べます。
 アベノミクスの失敗により、実質賃金は低下し、消費は振るわず、景気、経済は低迷を続けています。今こそ、アベノミクスからの経済政策の転換が必要です。持続的な経済成長に不可欠なものは人材です。人への投資を経済政策の柱に置き、国民一人一人の能力を最大限伸ばし、それを発揮できる環境を整えることが今求められています。
 安倍政権は、人への投資を重視するかのようなことは言いますが、口先だけであり、箱物偏重の予算構造を変えようとはしません。それは、個別の歳出分野でほぼ前年比増減ゼロという事実からも明らかです。
 また、政府提出予算には、不要不急の事業や必要性の疑われる事業が多数見られます。代表的なものとしては、天下りとの関係が深いと思われる予算、補正予算と当初予算を合計すると概算要求額すら上回る予算などが挙げられます。こうした予算を適正化し、人への投資に最大限、重点配分を行うべきです。
 次に、編成替えの概要を御説明いたします。
 第一に、人への投資に予算を振り向けます。
 具体的には、小中学校の給食費無償化に向けた負担軽減、所得制限なしの高校無償化、給付型奨学金の拡充、希望者全てに無利子奨学金、保育士等の給与引き上げの拡充、児童扶養手当対象年齢引き上げ等を実施するための費用を計上いたします。
 第二に、一括交付金を復活させるとともに、見合いの交付金、補助金を廃止、縮減いたします。
 民主党政権下で導入した一括交付金は、霞が関支配、政官業の癒着の温床と指摘されてきたひもつき補助金から、地方自治体にとって自由度が高く創意工夫を生かしやすい交付金にかえることで、地域の知恵を最大限に発揮できる仕組みを導入するものでした。しかし、安倍政権になると、即座に一括交付金は廃止され、霞が関支配が復活しました。そこで、平成二十四年度の一括交付金の財源となっていた事業に関係する補助金、交付金を廃止、縮減し、一括交付金を復活させます。また、地域活性化の観点等から、中小企業社会保険料負担軽減のための費用を計上いたします。
 第三に、農業者戸別所得補償制度を復活させるとともに、その財源として交付金等を廃止いたします。
 民主党政権下で実施した農業者戸別所得補償制度は、再生産可能な農家所得を保障し、農業経営の安定を図り、営農が継続されることを通じて、多面的な機能の維持を図るものでした。しかし、安倍政権は、農業者戸別所得補償制度を縮減、廃止し、農業土木復活の方向へかじを切り、日本の農業の根幹を崩し始めています。そこで、大規模農家に偏った平成二十九年度予算の交付金等を廃止し、農業者戸別所得補償制度を復活させます。
 第四に、水膨れ予算を減額いたします。
 平成二十八年度第二次、第三次補正予算額と平成二十九年度当初予算額の合計が平成二十九年度概算要求額を超える事業が数多く存在をいたしております。現下の厳しい財政状況の中で、このように不要不急と思われる事業に過度な予算配分を行うことは不適当であり、災害復旧復興関係予算、人への投資を除き、減額いたします。
 第五に、国債利払い費の減額に見合う分だけ、外為特会の剰余金を留保いたします。
 安倍政権は、外為特会の毎年度の剰余金は三〇%以上を留保するという方針を変更し、全額を一般会計に繰り入れることといたしました。為替は、米国の政策変更等の影響により、急激に変動することは十分あり得ます。一方、日本銀行が長短金利操作つき量的・質的金融緩和を行っているにもかかわらず、国債の想定金利に一%ものバッファーをとることは整合的と言えないことから、適正化すべきです。
 以上が、民進党・無所属クラブの編成替え案の概要であります。
 何とぞ私どもの動議に各位の賛同を賜りますようお願い申し上げまして、提案理由説明といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
○浜田委員長 次に、畠山和也君。
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 二〇一七年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議
    〔本号末尾に掲載〕
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○畠山委員 私は、日本共産党を代表して、二〇一七年度予算三案につき政府がこれを撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、提出理由及び概要を説明します。
 安倍内閣の四年間で大企業や富裕層の利益は大きくふえましたが、国民生活を見れば、実質賃金は政権発足前に比べて年額十八万円も低下し、家計消費は十六カ月連続で前年を下回りました。二〇一六年度の税収は予算見込みを大きく割り込み、国債発行額は消費税増税以降の三年間で最悪になり、二〇一七年度も所得税、消費税は前年度当初を下回る見込みとされています。もはやアベノミクスの破綻は、予算編成の上でも明白になっています。
 この二十年間で、富裕層への富の集中、中間層の疲弊、貧困層の拡大が進行し、日本経済には大きなゆがみが生じています。この格差と貧困を正すことが、日本政治の最も重要な課題です。
 この立場で、二〇一七年度予算案を抜本的に組み替えることを求めます。
 次に、編成替えの概要について、主な点を説明します。
 第一に、自然増削減の名による社会保障の連続大改悪を中止し、拡充に転換します。
 年金の削減、抑制、医療費の保険料、窓口負担の引き上げ、家族の介護負担を一層重くするサービス取り上げなどを中止します。生活保護の切り下げ路線も改めるなど、国民の生存権を守る仕組みを拡充します。
 第二に、賃上げを進め、人間らしく働ける雇用のルールを確立します。
 三百八十六兆円に達した内部留保を活用した大幅な賃上げと、中小企業への支援とあわせて、最低賃金の抜本的引き上げを図ります。過労死を生み出す長時間労働の是正へ、厚労大臣告示を残業時間の上限として法律で規制します。残業代ゼロ法案を撤回します。
 第三に、教育、子育て支援を充実し、子供の貧困打開を進めます。
 全学年にわたる三十五人学級の実現など教育条件の整備と、保護者負担の軽減を図ります。大学学費を十年で半減するとともに、給付型奨学金制度の規模と対象を大幅にふやします。国有地などの無償貸し付けを行いながら、認可保育所を増設して待機児童の解消を図ります。
 第四に、中小・小規模企業の経営を守り、農林漁業の維持、再生を強めます。
 地域循環型経済の実現に向けた施策を本格的に講じます。一層の農業破壊につながる通商交渉を改めます。カジノ解禁推進法は廃止します。
 第五に、被災地の生活となりわいの再建に向けた取り組みの強化と、原発推進路線を転換します。
 住宅再建へ支援金を五百万円に引き上げ、中小・小規模事業者や商店街への支援を強めます。福島原発事故処理費用は原発利益共同体に応分の負担を求め、原発再稼働と核燃料サイクル計画は断念すべきです。
 第六に、思いやり予算など五兆円を超える軍事費を大幅に削減し、沖縄・辺野古への米軍新基地建設を撤回します。
 南スーダンから自衛隊を直ちに撤退させるとともに、安保法制、戦争法を廃止し、集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回します。
 最後、第七に、消費税頼みを改め、能力に応じた負担の原則に立った民主的税制の確立です。
 大企業優遇税制を改めるとともに、多国籍企業の税逃れを許さないタックスヘイブン税制などを強化します。超富裕層、大資産家の軽い税負担率を引き上げるなど、能力に応じた負担という当たり前の税の原則に立ち返り、財源を生み出します。
 以上、編成替えの内容はお手元配付の文書のとおりです。
 委員各位の御賛同をお願いし、趣旨の説明を終わります。
○浜田委員長 これにて両動議の趣旨弁明は終了いたしました。
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○浜田委員長 これより討論に入ります。
 平成二十九年度予算三案及びこれに対する撤回のうえ編成替えを求めるの動議二件を一括して討論に付します。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。宮下一郎君。
○宮下委員 自由民主党の宮下一郎です。
 私は、自由民主党・無所属の会を代表し、ただいま議題となっております平成二十九年度一般会計予算、平成二十九年度特別会計予算及び平成二十九年度政府関係機関予算、以上三案に対しまして、賛成の討論を行います。
 平成二十九年度予算は、経済・財政再生計画の二年目に当たる予算として、アベノミクスをさらに前へ進め、経済再生と財政健全化の両立を図るものになっていると考えます。
 以下、賛成する主な理由を申し述べます。
 第一の理由は、政府が我が国の抱える現下の重要課題に的確に対応し、国家国民のために実行すべき施策をしっかりと盛り込んでいるという点であります。
 まず、一億総活躍社会の実現に向け、保育士、介護人材等の処遇改善や給付型奨学金の創設などの重要な取り組みを確実に行うことや、科学技術振興費を伸ばすとともに、公共事業関係費の成長分野への重点化を行うなど、経済活性化に直結する取り組みを推進しております。
 特に、人工知能、ロボット、IoT、自動走行、サイバーセキュリティー等の分野において研究開発や実証等を行い、第四次産業革命を推進するために必要な措置を講じていることは、我が国の新たな未来を開くための原動力になるものと考えます。
 このほか、地方創生の実現、農林水産業の成長産業化や中山間地農業への支援、難民対策等のグローバルな課題への対応など、さまざまな分野の重要課題にしっかりと対応しており、めり張りのきいた評価できる内容となっております。
 第二の理由は、経済成長に向けた施策の充実と歳出の効率化を同時に図ることにより、財政再建を目指す予算となっている点であります。
 平成二十九年度予算は、経済・財政再生計画に基づき、一般歳出の伸びを五千三百億円の増に抑制し、新規国債発行額も安倍政権における予算として五年連続で減額とするなど、二〇二〇年度の基礎的財政収支黒字化目標に向けて、着実に財政健全化の歩みを進めるものとなっていると考えます。
 以上、本予算案に賛成する理由を申し述べました。議員各位の御賛同を賜りますことを強くお願い申し上げます。
 なお、民進党及び共産党提出の編成替え動議につきましては、見解を異にするため反対することを申し述べまして、私の賛成の討論とさせていただきます。(拍手)
○浜田委員長 次に、小川淳也君。
○小川委員 民進党の小川淳也です。
 まず、与野党の合意が丁寧に積み重ねられたとは言えない中での採決の強行に、大変遺憾であり、強く抗議をいたします。
 その上で、民進党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました政府提出の平成二十九年度予算三案について反対、民進党・無所属クラブ提出の編成替えを求めるの動議に賛成の立場から討論いたします。
 まず、森友学園への国有地売却について、これは違法、不当、不適切な国民の資産の実質贈与ではないのか。教育内容の特異さ、総理夫人の関与等を含め、疑惑は深まるばかりであります。中途半端な幕引きは絶対に許されません。
 ほかにも、文部科学省における組織的な天下りあっせん問題、共謀罪における法務大臣の無理解、無定見な答弁、国会質問を封じ込めるかの文書配付、さらには、南スーダンPKOにおけるずさんな情報管理、シビリアンコントロールへの疑念、現地の戦闘状況を衝突と強弁する結論ありきの隠蔽体質、こうした政権の姿勢には、そもそも予算の編成と執行の適正を期待できません。
 平成二十九年度予算案は、過大な成長期待に依存し、甘い税収見積もりを前提としたものであり、歳出規模は過去最大でありながら、その配分は従前と何ら変わらず、人口減や高齢化といった社会の根本問題に真摯に取り組むものとは到底言えません。
 これに対し、民進党提出の動議は、人への投資や地域活性化に大胆に取り組むものと言え、社会の活力と暮らしの安心に資するものと評価できます。
 改めて、民進党は、人への投資を軸として、安心と活力を両立させる、持続可能な社会を実現することをお誓い申し上げ、私の反対討論とさせていただきます。(拍手)
○浜田委員長 次に、真山祐一君。
○真山委員 公明党の真山祐一でございます。
 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました平成二十九年度予算三案に対し、賛成の立場から討論をいたします。
 政権奪還後、四年間で就業者が百七十万人増加し、正規雇用者も平成二十七年から二年連続で計七十七万人増加するなど、確実に経済の好循環が生まれています。
 本予算案は、成長と分配の好循環の流れを一層確実なものとするため、一億総活躍社会や働き方改革などの課題に適切に対処するため一日も早い成立と迅速な執行が求められていることを申し上げ、以下、賛成の主な理由を申し上げます。
 第一に、未来への投資として、教育を重視している予算である点です。
 公明党が一貫して提案してきた返済不要の給付型奨学金がいよいよ創設されるほか、無利子奨学金における残存適格者解消など、学びのセーフティーネットが強化されます。また、通級指導や外国籍児童への日本語教育を充実する点も評価できます。
 第二に、働き方改革の推進を加速させる予算である点です。
 長時間労働是正のために、勤務間インターバルを自発的に導入する中小企業を支援する予算が計上されました。また、キャリアアップ助成金が大幅に拡充し、非正規労働者の正社員転換や待遇改善を促進するなど、働き手の立場に立った内容となっています。
 第三に、安心につながる社会保障を実現する予算である点です。
 保育、介護人材の確保が急務であり、本予算案では、保育士等の給与を約二%引き上げ、さらに、技能や経験に応じて上乗せいたします。あわせて、介護士の処遇を月額一万円程度改善します。年金の受給資格期間短縮に伴う予算が盛り込まれ、無年金対策が手厚くなります。
 そのほか、東日本大震災等の災害復旧復興対策や観光立国実現などの予算が計上されている点も評価いたします。さらに、二年連続して経済・財政再生計画の目安を達成、新規国債発行額は七年連続で減額するなど、経済再生と財政健全化の両立を実現する予算であることも申し添えておきます。
 以上、賛成する主な理由を申し述べました。
 政府におかれましては、本予算案の成立後、適切かつ速やかに予算を執行されるよう要請し、私の賛成討論を終わります。
 なお、民進党、共産党提出の編成替えを求める動議については、見解を異にするため、反対いたします。(拍手)
○浜田委員長 次に、畠山和也君。
○畠山委員 私は、日本共産党提出の二〇一七年度予算組み替え動議に賛成、政府提出の二〇一七年度一般会計予算外二案に対して反対の立場から討論を行います。
 政府提出の予算案に反対する理由の第一は、本予算案が、日本社会の大問題である貧困と格差の広がりを正すどころか、アベノミクスの行き詰まりのしわ寄せを国民に押しつけ、暮らしを痛めつけるものになっている点です。
 社会保障費の自然増分を一千四百億円抑制することを初め、社会保障の各分野で国民に給付減と負担増を押しつけています。中小企業対策費も農林水産関連予算も昨年より減っています。文教予算も、先進国で最低レベルから脱して抜本的拡充に踏み出すべきです。
 また、政府が真剣に働き方改革を唱えるのならば、厚労大臣告示を残業時間の上限として規制するべきです。
 アベノミクスの行き詰まりが税収や財政面でも隠せなくなってきた点も重要です。二〇一六年度第三次補正予算では、税収の落ち込みを穴埋めすべく一・九兆円もの国債の追加発行を余儀なくされました。二〇一七年度は、所得税収も消費税収も前年度より減ると見込まれています。経済政策の抜本的転換が必要です。
 反対理由の第二は、日米同盟第一の立場で、世界でも異常な米国追随の姿勢を鮮明にしている点です。
 一般会計の軍事費総額は五兆一千二百五十一億円となり、三年連続で過去最高を更新しています。日米地位協定の負担原則に反する駐留関連経費も過去最高となり、大学などを軍事研究に動員するための予算は対前年比で十八倍に激増しています。
 日米首脳会談での共同声明は、米軍新基地建設について、辺野古が唯一の解決策としていますが、断じて許されません。辺野古沖での海上工事の中止を強く求めます。
 内戦状態が続く南スーダンから自衛隊を直ちに撤退すべきです。
 反対理由の第三は、不要不急の大型公共事業を優先し、原発再稼働や破綻した核燃料サイクルを推進するものとなっていることです。
 三大都市圏環状道路、国際コンテナ戦略港湾など大型公共事業を優先し、技術面、安全面、環境面で問題が指摘されているリニア中央新幹線に巨額の公費をつぎ込もうとする無責任なやり方は、到底認められません。
 福島第一原発事故の賠償、除染等に係る費用を、東電を初めとする原発利益共同体に応分の負担を求めることなく国民にツケを回すことは、断じて認められません。原発再稼働と核燃料サイクルを断念する政治決断を下すことを強く求めます。
 文科省を初めとする天下り問題や、大阪・森友学園をめぐる疑惑はますます深まっており、真相の解明はまさにこれからです。
 共謀罪法案の国会提出は断念することを強く求めます。
 なお、民進党提出の組み替え動議については、貧困と格差を是正する点で、部分的ではありますが、保育士等の給与引き上げ、小中学校の給食費無償化に向けた負担軽減、中小企業社会保険料負担軽減などは必要なことであり、賛成を表明するものです。
 以上で私の討論を終わります。(拍手)
○浜田委員長 次に、井上英孝君。
○井上(英)委員 日本維新の会の井上英孝です。
 私は、我が党を代表して、平成二十九年度予算案に反対の立場から討論をいたします。
 我が党は、身を切る改革を最優先の政治課題としてまいりました。その立場からいえば、国民生活がまだまだ苦しい中で、多くの国民の給与がなかなか上がらず、所得格差が教育格差につながり、子供の貧困が問題になっている中で公務員の人件費が上がり続けている現状に、国民の理解は得られないと考えます。
 その上、文部科学省では、組織的で違法、不当な天下りが発覚をいたしました。現行の国家公務員法の天下り規制は、大阪府、大阪市の職員基本条例と比べて極めて緩いものですが、それさえ全く守られていません。
 来年度予算案で、国立大学運営費交付金は一兆円、私学助成金は四千億円です。これらの一部が違法、不当な天下りで再就職した者への給与になっているのは、重大な問題であります。文科省の予算で、こうした支出のうち人件費等の経常費への支出は、徹底的に見直して削減すべきです。
 文科省に限らず、全ての独立行政法人への財政支出二兆八千億円についても、徹底して見直すべきであります。
 その上、今般、財務省の近畿財務局による国有地処分で、地下廃棄物の撤去費用の見積もりを、第三者の不動産鑑定士等ではなく、国交省の大阪航空局に行わせるという問題が発覚いたしました。国民の財産の処分方法が極めて不透明で、随契による処分となった理由もわかりません。ほかの事案も含めて厳しく検証するとともに、国有財産の処分に関する適正化、効率化を徹底させるべきです。
 このように、公務員人件費は上がり続け、法律無視で天下りが横行し、その天下り法人には人件費に応じて予算がつけられ、国有財産の処分のあり方も不透明。税金を払う国民のための政治を目指す我が党としては、来年度予算案は、費用対効果という面でも、国民の行政への信頼という面でも、到底賛成できるものではありません。
 以上の理由から、我が党は、平成二十九年度予算案に反対いたします。
 なお、民進党提出の編成替え動議並びに共産党提出の編成替え動議については、見解を異とするため反対することを申し述べ、私の討論を終わります。(拍手)
○浜田委員長 これにて討論は終局いたしました。
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○浜田委員長 これより採決に入ります。
 まず、高橋千鶴子君外一名提出の平成二十九年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○浜田委員長 起立少数。よって、高橋千鶴子君外一名提出の動議は否決されました。
 次に、大西健介君外一名提出の平成二十九年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○浜田委員長 起立少数。よって、大西健介君外一名提出の動議は否決されました。
 次に、平成二十九年度一般会計予算、平成二十九年度特別会計予算、平成二十九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して採決いたします。
 三案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○浜田委員長 起立多数。よって、平成二十九年度予算三案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました平成二十九年度予算三案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○浜田委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時三分散会