第193回国会 決算行政監視委員会 第4号
平成二十九年四月二十四日(月曜日)
    午前九時二分開議
 出席委員
   委員長 玄葉光一郎君
   理事 後藤田正純君 理事 瀬戸 隆一君
   理事 田畑 裕明君 理事 武田 良太君
   理事 山際大志郎君 理事 石関 貴史君
   理事 松田 直久君 理事 伊藤  渉君
      秋本 真利君    浅尾慶一郎君
      甘利  明君    井上 貴博君
      遠藤 利明君    加藤 鮎子君
      河村 建夫君    神田 憲次君
      木村 太郎君    木村 弥生君
      熊田 裕通君    河野 太郎君
      白須賀貴樹君    新谷 正義君
      鈴木 馨祐君    園田 博之君
      田中 英之君    田畑  毅君
      武部  新君    中村 裕之君
      福山  守君    牧原 秀樹君
      三ッ林裕巳君    村上誠一郎君
      八木 哲也君    山田 美樹君
      青柳陽一郎君    木内 孝胤君
      篠原  豪君    西村智奈美君
      馬淵 澄夫君    石田 祝稔君
      穀田 恵二君    宮本  徹君
      松浪 健太君    吉田 豊史君
      中村喜四郎君
    …………………………………
   財務大臣         麻生 太郎君
   総務大臣         高市 早苗君
   外務大臣         岸田 文雄君
   文部科学大臣       松野 博一君
   厚生労働大臣       塩崎 恭久君
   国土交通大臣       石井 啓一君
   防衛大臣         稲田 朋美君
   国務大臣
   (防災担当)       松本  純君
   国務大臣
   (経済再生担当)     石原 伸晃君
   国務大臣
   (地方創生担当)
   (規制改革担当)     山本 幸三君
   総務副大臣        原田 憲治君
   財務副大臣        木原  稔君
   厚生労働副大臣      古屋 範子君
   経済産業副大臣      松村 祥史君
   外務大臣政務官      武井 俊輔君
   厚生労働大臣政務官    堀内 詔子君
   会計検査院事務総局事務総長官房審議官       吉田 裕治君
   会計検査院事務総局第一局長            鈴土  靖君
   会計検査院事務総局第二局長            腰山 謙介君
   会計検査院事務総局第三局長            戸田 直行君
   政府参考人
   (総務省自治行政局選挙部長)           大泉 淳一君
   政府参考人
   (総務省総合通信基盤局長)            富永 昌彦君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 滝崎 成樹君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 宇山 智哉君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 飯島 俊郎君
   政府参考人
   (財務省理財局長)    佐川 宣寿君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局長)           定塚由美子君
   政府参考人
   (中小企業庁次長)    吉野 恭司君
   政府参考人
   (国土交通省道路局長)  石川 雄一君
   政府参考人
   (国土交通省航空局長)  佐藤 善信君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房長)   豊田  硬君
   政府参考人
   (防衛省防衛政策局長)  前田  哲君
   政府参考人
   (防衛省整備計画局長)  高橋 憲一君
   政府参考人
   (防衛省地方協力局長)  深山 延暁君
   政府参考人
   (防衛省統合幕僚監部総括官)           辰己 昌良君
   政府参考人
   (防衛装備庁装備政策部長)            中村 吉利君
   政府参考人
   (防衛装備庁プロジェクト管理部長)        田中  聡君
   決算行政監視委員会専門員 安齋 雄一君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十四日
 辞任         補欠選任
  赤枝 恒雄君     福山  守君
  秋本 真利君     熊田 裕通君
  甘利  明君     山田 美樹君
  遠藤 利明君     井上 貴博君
  河村 建夫君     武部  新君
  松木けんこう君    木内 孝胤君
  松浪 健太君     吉田 豊史君
同日
 辞任         補欠選任
  井上 貴博君     遠藤 利明君
  熊田 裕通君     秋本 真利君
  武部  新君     河村 建夫君
  福山  守君     中村 裕之君
  山田 美樹君     甘利  明君
  木内 孝胤君     松木けんこう君
  吉田 豊史君     松浪 健太君
同日
 辞任         補欠選任
  中村 裕之君     三ッ林裕巳君
同日
 辞任         補欠選任
  三ッ林裕巳君     赤枝 恒雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 平成二十六年度一般会計歳入歳出決算
 平成二十六年度特別会計歳入歳出決算
 平成二十六年度国税収納金整理資金受払計算書
 平成二十六年度政府関係機関決算書
 平成二十六年度国有財産増減及び現在額総計算書
 平成二十六年度国有財産無償貸付状況総計算書
 平成二十七年度一般会計歳入歳出決算
 平成二十七年度特別会計歳入歳出決算
 平成二十七年度国税収納金整理資金受払計算書
 平成二十七年度政府関係機関決算書
 平成二十七年度国有財産増減及び現在額総計算書
 平成二十七年度国有財産無償貸付状況総計算書
 昭和十九年度朝鮮総督府特別会計等歳入歳出決算及び昭和二十年度朝鮮総督府特別会計等歳入歳出決算
 平成二十七年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)(第百九十回国会、内閣提出)
 平成二十七年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)(第百九十回国会、内閣提出)
     ――――◇―――――
○玄葉委員長 これより会議を開きます。
 平成二十六年度決算外二件、平成二十七年度決算外二件、昭和十九年度朝鮮総督府特別会計等歳入歳出決算及び昭和二十年度朝鮮総督府特別会計等歳入歳出決算を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 各件審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、総務省自治行政局選挙部長大泉淳一君外七名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○玄葉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
    ―――――――――――――
○玄葉委員長 これより、各件に関し、国の財政等の概況及び行財政の適正・効率化について重点事項審査を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。八木哲也君。
○八木委員 改めまして、おはようございます。一番バッターを務めさせていただきます自民党の八木哲也でございます。
 先に、昭和十九年度及び昭和二十年度の各特別会計決算について質問したいと思います。
 昭和十九年、二十年なんというと、私はまだ生まれていないものですから、まだこういう特別会計が残っているということ自体にもいろいろ複雑な思いがありますけれども、整理の意味で聞かせていただきたい、こういうふうに思います。
 この十の各特別会計、皆さん、資料で御承知のとおりでありますけれども、明治三十年に台湾総督府及び明治四十三年には朝鮮総督府が置かれまして、我が国の支配を及ぼすことになった旧外地の統治について、また、台湾や朝鮮における鉄道や食糧などの特定施策について、その財政を経理するものとして順次設置されて、十の特別会計があると認識しております。
 これらの会計はなぜ内地の一般会計と区分して経理されてきたのか、当時の特別会計の趣旨、目的等について説明していただきたい。そして、これらの特別会計が各外地の財政を実施する上でどのような役割を実際果たしてきたのか、そのことについてまず説明をお聞きしておきたいと思います。
○滝崎政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、御指摘のありましたこの旧外地特別会計の趣旨、目的であります。
 旧外地特別会計は、朝鮮、台湾、樺太、関東州、南洋に係る十の特別会計の総称となっております。
 これらのいわゆる旧外地は、それぞれの経緯がありまして、日本が統治、租借していたこともありまして、これら地域における事業などに係る会計を経理するため、その会計については、法令により、いわゆる内地の一般会計とは別に、それぞれの特別会計が設けられたというふうに承知しております。
 また、どのような役割を果たしてきたかということでございますが、旧外地特別会計は、これらの地域の行政庁の一般会計に相当する会計を経理する目的のほか、食糧管理、簡易生命保険事業や郵便年金事業の経営、鉄道などの事業用品の購入などの各種事業に関する会計を経理する目的に沿って、それぞれ運用されていたというふうに承知しております。
○八木委員 ある程度理解いたしましたけれども、いずれにしましても、これは戦後の混乱で会計資料等が散逸して十分な決算が組めてこなかった、作成してこられなかった、こういう状況があろうかと思います。
 それによって、昨年、平成二十八年の三月七日付の官報によりますと、外務省は、各特別会計に属する日本政府に対する債権に関する問い合わせの手続について告示しております。
 官報告示以前には各特別会計に対する何らかの債権の請求が現実的にあったのか、また、告示した後、何らかの問い合わせがあったのか、あるのであればどのような内容であったのか、また、今後もあり得るとするならばどのような対応をしていくのか、そのことについてお聞きしておきたいと思います。
○滝崎政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、平成二十八年、昨年三月七日付の官報告示に従いまして、旧外地特別会計に属する債権につきましては、外務省に問い合わせ窓口を設けまして案内をしてきております。
 御質問のありました、この告示の前に何らかの問い合わせがあったのかということでありますけれども、この官報告示より前にも問い合わせがあったというふうに承知はしております。ただし、債権者との関係もありまして、個別の問い合わせや請求の詳細についての言及は差し控えさせていただきたいと思います。
 それから、官報告示以後も、当省に設けました窓口への問い合わせあるいは請求がなされておりまして、請求がありました場合には、適正な手続に従いまして政府が支払いを行ったという事例も存在しております。
○八木委員 まだそういう債権をお持ちの方がおって請求されてくるということでありますので、それはしっかり前向きに対応していただきたい、それが戦後処理だ、こういうふうに思いますので、よろしくお願いしたい。
 この決算は、戦後の混乱で会計資料が散逸した、こう先ほど申し上げましたけれども、やはり、これ以上正確な数字をどのように出していくのかということは、非常に見込みとしては薄いわけでございます。
 昭和二十一年当時の法律では、この決算の国会提出は当分の間延期することができる、要は、その決算の会計資料が散逸しておるということによって、そういうふうに国会でお決めになった。それが、当分の間がそれから七十年もたっておるわけでございまして、私も七十に近くなっておって、私の人生も当分の間かと思うとちょっといろいろ複雑な思いもするわけでございますけれども、将来のためにも今国会で採決していくべきだと私は思います。よろしくお願いしたいと思います。
 さて、次に、平成二十六年、二十七年の決算についてお聞きしておきたいと思います。
 まず、麻生大臣にお聞きしますが、先月、三月二十九日に、「リーダーズ」という映画といいますかテレビをやっておりました。この「リーダーズ」というのは、アイチ自動車、今でいうトヨタ自動車なんですけれども、アイチ自動車とその協力工場、その当時からもう既に下請という発想ではなくて協力工場という形で一緒に仕事をやってきた、そして、販売店などそれぞれのリーダーたちが集まって、要は「リーダーズ」というタイトルになっておるわけであります。
 自動車産業の基礎を築いたといいますか、今の礎を築いた、こんなようなドラマでございますけれども、実は、そこに出ておりました山崎努演じる大島磯吉、これが協力会社の社長として出てくるんですが、実は私がおった会社でありまして、創業の思い出をはせたわけであります。
 このアイチ自動車だけではなく、今のトヨタ自動車でございますけれども、当時はやはり、松下電器とかホンダとかソニーとか、いろいろリーダーズがあったからこそ今の産業基盤ができたのではないか、こういうふうに思います。その映画を見ておっても思うことは、やはり彼らリーダーズには日本をどうしていくんだという強い国家観、それによって礎が築かれてきた、そんな思いがするわけでございます。
 麻生大臣は、その「リーダーズ」を見たのか、見たならば感想を聞かせていただきたいし、また、見ていないとするならば、今の日本の経済、産業、これらを築いてきた指導者たちに対して、その思いに学ぶところがあったら御開陳願いたい、こういうふうに思います。
○麻生国務大臣 八木先生から御指摘のありました話ですけれども、やはり日本の場合は、さきの戦争で負けた最大の原因というのは、これはどう考えても物量、製造業の格差によって負けたという確信はかなり強く当時からあったんだと理解をしております。
 したがいまして、戦後、少なくとも、日本の経済復興に当たりましたときは、まず繊維、次に鉄鋼、次に家電、次に自動車、次にコンピューターと、いろいろな意味でいわゆる製造業というものの発展に全力を挙げてきた。これはもう日本じゅうほぼ同じ意見だったと思っておりますので、そういった意味で製造業が中心になって牽引してきた、これははっきりしておると思っております。
 後に大企業になっていったものが幾つもありますけれども、こういったものは、製造業に限らず、例えば映画で「海賊とよばれた男」というのは、あれは出光佐三さんの話だったというように理解しております。先ほど出た話も、あれは豊田佐吉さんの前の、豊田喜一郎さんの話だというふうに理解をしております。
 いずれにしても、こういった話というのは、今の協力工場でいえば豊田織機にしてもアイシンにしても、いろいろな協力会社というのが今アメリカにほとんど出ていっておられますので、それらの工場がつくり出す部品の影響力によってアメリカの部品の品質もよくなったことは間違いありませんので、そういった意味で、幾多の試練というものを乗り越えてこられたのは間違いありません。
 日本がかつて、三百万台、自動車をアメリカが輸入して、アメリカの自動車貿易赤字の五八%が日本だったんですが、今、アメリカにおきます日本の貿易赤字は九%、かわりに中国が四八%ぐらいいっていると思いますので、そういった意味では彼我の差は非常に明確に違ってきた。
 それは、ひとえに、日本の企業はその時代に合わせて、今度は向こうで日本のものをつくって、アメリカ発のトヨタ自動車というのをつくり上げて、今、アメリカ発トヨタ自動車の、トヨタに限りませんけれども、アメリカ発日本製自動車の輸出は四十万台を超えたところまで来ていると思いますので、そういった意味では、非常に、時代時代に合わせてやってこられた経験に基づくいわゆる識見とか見識とかというのは、まことに敬意を払ってしかるべきものだと思っております。
 私どもとしては、今、日本でもデフレ不況というものは、昭和二十年この方、数々の不況をやっても、インフレ不況ではあってもデフレ不況をやった経験は世界じゅうにありませんので、そういった意味では、課題を解決する先進国という立場が与えられているような感じがする昨今の日本ですけれども、そういった中では、今間違いなく、いろいろ形を変えてきてやっていると思いますので、安倍総理のもと、いろいろあっちこっちが各部門において、戦後の我々が抱えてきたような問題を一つ一つ解決しつつあるように思えております。
 いずれにしても、今我々に与えられております条件は、そういった企業のあれを応援できる最低というのは、政権が安定しているというのが非常に大きな理由の一つだと思っております。
 各国を見ましても、この三月、けさのデータを見ても、フィヨンとルペンとの間の差が僅差になって、その二人になってきつつあるような気がしますけれども、そういったような状況になりますと、先進七カ国でこの一年半でリーダーは五人かわることになろうと思いますので、そういった意味では、安定した政権のもとできちんとした経済政策をやっていくというのは、日本の国益にとっても非常に大きな要素になろうと思いますので、持続的に日本という国が発展していくためにも、経済界、内閣が一体となってやっていくという姿勢は極めて重要であろうと私どもは考えております。
○八木委員 ありがとうございました。
 今、「リーダーズ」の話をしました。まさに今、日米対話というのをこれからやっていくわけでございますけれども、安倍内閣の支持率は本当に高うございまして、六〇%、これは安倍総理自身のリーダーシップもあるんですけれども、やはり、それを構成する内閣、それぞれの大臣の皆さんのリーダーシップ、この総合力で、この日本の今難局にあるところをどうやって切り開いていくのか、課題に取り組んでいくのか、これがリーダーズではないか、こんな思いがいたしましたので、最初に「リーダーズ」についてのお話をいたしました。
 今、アメリカにおいてトランプ大統領になったわけでございますけれども、それによって非常に政策が目まぐるしく変わっておりまして、日本にとってもどういうふうにしていくんだという本当に難局、難題ではないか、こんな思いがあります。
 その一つに、アメリカのTPP離脱による新たな関係の構築ということで、日米対話が四月十八日、麻生大臣とペンス副大統領との間でなされました。そのときに、初会合で三つの柱というものを基本軸に置くということを合意されましたけれども、新聞報道、マスコミ報道等しか、十分わかっておりませんので、この三つの柱の考え方、そして今後の展開等について、もう少し具体的にお話しいただければありがたい、こういうふうに思います。
○麻生国務大臣 四月の十八日に、いわゆる日米経済対話の第一回目を始めさせていただいております。
 今回の対話の中では、一番最初は、まず何といっても一番大枠でいきますれば、これまでの繊維交渉に始まります、一九六〇年代からの繊維交渉、自動車交渉、鉄鋼交渉、関税障壁、非関税障壁、数々の交渉は、いずれも日米間の経済摩擦が起きたのを解消するがために起きた交渉だったと記憶をしています。
 今回の場合、別に特に摩擦が起きているわけではありません。今回の場合は、明らかに、日米間が今後さらに一層緊密な関係をよくするために、日米間で協力、摩擦にかわって協力という枠にはめて考えていく。その結果、日本とアメリカとの間で新しい貿易ルールをつくって、その貿易ルールが結果としてアジア太平洋地域に広がっていく。日本とアメリカで約三〇%のGDPを持つことになっております。アメリカが二四%、日本が七%ぐらいだと記憶していますから、そういった意味で約三〇%前後のものを持ちますので、アジアのその他の、オーストラリア等々を入れますと約四〇%になろうかと思いますが、そういった国々を含めまして新しいルールというものをつくっていこうではないかというのが私どものあれで、貿易及び投資のルールというものを課題の第一に挙げておりますのがいわゆる一本目の柱であります。
 続きまして、経済というものは構造改革分野というのをやらぬといろいろすんなりはいきませんので、そういった意味では、G7の中で合意をされております三本の矢というのがそこで登場するんですけれども、日本はこれを積極的に活用させてもらってバランスのとれたものにしないと、片一方だけ勝つというわけにはいきませんので、バランスのとれたものにしなきゃいかぬということになります。各分野によって強いところ、弱いところ、いろいろあるのは当然のことなのであって、そういった問題でいえば、分野別の協力というものが次の柱になろうと思います。
 その中では、分野別でいえば、例えば高速鉄道のインフラ輸出というのが話題に上がっておりますが、技術は圧倒的に日本ということになろうと思いますし、また、エネルギーでいえば、トランプ時代になってオバマ時代と変わっておりますのは、例えば超超臨界を使いました石炭火力というものは日本が圧倒的に進んでいると思いますが、この超超臨界を使った石炭火力によります電力発電等々を使わせてもらう、こういったようなものを両方で話し合っていけるというようなことをやりますと、利用する場面は非常に大きなことになろうと思います。
 私どもとしては、今後とも、日米経済対話の中で、申し上げたように三つの分野を主な柱として、このほかにもきっといろいろ出てくるんだとは思いますけれども、大きく時代を変えて双方でウイン・ウインの関係になっていかぬといかぬのであって、そのウイン・ウインの結果が他の諸国にも広がっていく、経済というものが貿易を通じてさらに拡大していくという方向に導いていかねばならぬ、そういう責任が両国に与えられているんだと理解をしております。
○八木委員 まさに、敵対的一経済摩擦ではなくて、経済協力を前面に打ち出してウイン・ウインの関係をつくっていく、こういうことであります。
 しかしながら、ペンス副大統領は、TPPはアメリカにとっては過去のものだ、こういうふうに発言しておるわけでございまして、二国間の自由貿易協定、FTAというものを推進していく意思を表明しているわけであります。そうすると、今、日本の農業や自動車分野を念頭に市場開放を求める圧力につながる可能性がある、業界はこのことを非常に心配しているわけであります。
 その日米FTAの今後の可能性についてお伺いすると同時に、もう一つ、TPPのことでございますが、これは石原大臣にもお聞きしておきたい。最初の質問は麻生大臣でお願いしたい。続いて、石原大臣の方には、TPPの今後のあり方、今、五月のベトナム・ハノイで行われますAPECで議論の俎上に上げるというような方向性が若干見えてきておるみたいでございますけれども、その実現可能性等についてお聞きしておきたい、こういうふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
○麻生国務大臣 日米FTAの言及は、今回のいわゆる日米経済ダイアログ、経済対話では、特に私とペンスさんの間、また私とムニューシン財務長官との間に出たわけではありません。米国側からは、二国間貿易とか、それから今、アメリカの対日貿易赤字は約九%弱、これは世界で、中国の四八%、次は日本、ドイツ、メキシコはアバウト九%ぐらいだと思いますけれども、そういった考えは示されております。
 私どもは、この話を申し上げておりますのは、あれは十二カ国全部だったからアメリカに対して譲れるものもありました。なぜなら、その分を他国の十一カ国から我々はとれる部分がありましたから。しかし、これがなくなると、少なくともアメリカに対して譲る部分は自動的に減ります。
 当然のこととして、日米の間だけでやるより十二カ国でやった方がアメリカのとり分は多いのではありませんかという数字の詰めを御自分で計算なさらぬといかぬのじゃないんですかと。我々はありますけれども、それを御自分でなさらないと計算ができない。なぜなら、今、アメリカの場合はスタッフがまだでき上がっておりません。そういった細かい詰めのできる事務的な、事務官というものがまだ正式に国会で承認をされておられませんので、我々の交渉する相手がいないという実態。私どものレベルは、閣僚はいるんですけれども、その下の、デピュティー、アンダーデピュティー、次官、次官補、次官補代理、この辺のところが全く決まっておりませんので交渉のしようがありません。それをぜひ詰められてみたらおわかりになると思いますがというお話はさせていただいておりますので、これは今後、建設的な議論を進めてまいりたいと考えております。
○石原国務大臣 財務大臣が御答弁の中で、経済規模のお話がございました。アメリカが二四%、日本が七%。当然、残りました十一カ国、TPPの枠組みでは日本の求心力というものは経済規模に応じて大変高うございます。その求心力というものを生かしながら、そのほかの十カ国と連携をして、あらゆる選択肢を本当に排除せず、何がベストなのか主導的な議論を進めていくというのが、これまでお話をさせてきていただいております我が国の立場でございます。
 そして、八木委員が御言及されました五月のAPECの貿易担当大臣会合、ハノイで開催されますけれども、そこの開催に合わせまして、TPPの関係閣僚が再度会合を持たせていただいて今後の方向性を議論するというような方向で今事務方に指示して、事務方の折衝というものも五月にカナダの方で行われることになっております。
 そこで大切なことは、やはり、TPPは大変御苦労されて取りまとめたわけでございますけれども、ハイスタンダードなルールというものがございます。こういうルールを実現するためにどのようなことをこれからやっていけばいいのか。すなわち、このハイスタンダードなルールというものが、他のこれまでの関税を中心とする交渉と大きく違うところでございますので、そういう分野で日本が主導して、地域の経済版の安全保障という兼ね合いもありますので、議論をしてまいりたい、こんなふうに考えているところでございます。
○八木委員 ありがとうございました。
 今現実に、この二国間の経済対話がどういうふうになっていくかということは、正直言って、該当する産業からすると非常に注目をしていることは事実でありまして、私どもの地元においても心配の声は上がっております。
 そういう中で、やはり自動車産業というのは、日本の経済を牽引してきた役割が大きいわけであります。これは平成二十七年度の実績でありますけれども、国内生産が九百二十万台、海外生産千八百万台、製造出荷額約五十三兆、主要製造業の約二割、雇用は五百二十九万、輸出額は十六兆、全体の二割、こういうふうに明らかに数字が示しているわけであります。二十七年度の自動車メーカーの法人税、これは概算でございますけれども、法人税が約七千六百億、エコカー減税等によって税の減収分が約二千七百億円。それをはるかに上回る効果が出ておるわけでございます。
 そう思いますときに、車体課税など、やはりユーザーが買いやすい環境をどうやってつくっていくのか、またそれにふさわしい車、ニーズに合った車をつくっていかなければいけないということは言うまでもありませんけれども、そういうユーザーの負担軽減によって国内販売を底上げしていく構造をきちんとしていかなければいけないのではないか、こんな思いがしております。
 自動車産業を後押ししていくことは日本の経済活性につながる、こういうふうに思っておるんですけれども、その辺の御見解をお願いしたい、こういうふうに思います。
○松村副大臣 委員御指摘のとおり、自動車関連産業は、出荷額の約二割、雇用の約一割を占めるなど日本経済を支えている、このように認識しております。国内自動車市場を活性化していくことは、間違いなく、雇用や地域経済の活性化や維持、また生産基盤の強化を図る上では極めて重要であると考えております。
 一方、先生御指摘のとおり、自動車ユーザーからは、車体課税につきましては複雑で負担水準が少し高い、こういった声があることも承知をしておりまして、そのため、経済産業省といたしましては、こうした声をしっかりと踏まえて、自動車産業が生み出す消費や雇用など、実体経済をしっかりと支えていくという視点に立ちまして、車体課税のユーザー負担の軽減に向けた検討を引き続き行ってまいりたい、このように考えております。
○八木委員 時間もございませんので、あと一問にさせていただきたいと思うんですけれども、今そのようなお話がありました。
 日本の経済を牽引していくと同時に、やはりアメリカの経済も牽引しておるわけでございます。アメリカで三百八十六万台つくっておりまして、また、日本からアメリカへ百六十万台輸出しておるわけです。それによって、アメリカの直接雇用は八万八千人、関連する企業を入れますと合計で百五十万人の雇用を、アメリカで現に貢献しているわけでありまして、それは、アメリカだけではなくて世界の経済にも寄与していることは十分数字を見ればわかる。この辺のこともしっかり協議の中で相手の方に御説明いただきたい、こういうふうに思います。
 そういう中で、今後の日本の経済を牽引していくには車というものをどういうふうにしていくのかということはやはり大事な要素だ、こういうふうに思います。車は確かに進化しております。今、電気自動車だとかHVだとかPHVだとか、またFCV、自動運転、いろいろな進化をしていくわけでございますけれども、経産省として、こういう日本の経済を牽引できるような車社会を、どのような夢を描いているのか最後にお聞きしておきたいと思います。
○玄葉委員長 松村副大臣、時間が来ておりますので端的に。
○松村副大臣 お答え申し上げます。
 我が国は、これまでもすぐれた次世代自動車を開発し、世界に展開してきております。政府といたしましては、世界に先駆けて次世代自動車の国内市場を確立するために、二〇三〇年の国内の新車販売に占める次世代自動車の割合を五割から七割に引き上げることを目標としております。
 また、自動走行につきましては、交通事故の削減や高齢者等の新たな移動手段の確保に寄与すると考えておりまして、そこで、自動走行の技術と事業化で世界最先端を行くために、官民ITS構想・ロードマップ二〇一六におきまして、二〇二〇年までに高速道路での自動走行及び地域を限定しての無人自動走行移動サービスの実現を目指すこととしております。
 そのために、これまで、次世代自動車の購入補助、充電インフラの設置補助などを通じた次世代自動車の普及の支援やさまざまな実証事業の実施を通じて、自動走行技術への支援等を行ってきたところでございます。
 今後も、自動車メーカーを後押しするような環境整備に努めてまいりたいと考えております。
○八木委員 ありがとうございました。
 以上で終わらせていただきます。
○玄葉委員長 次に、石関貴史君。
○石関委員 民進党の石関貴史です。
 質疑を早速始めさせていただきたいと思います。
 先日の総理も入った締めくくり総括質疑でもお尋ねした、いわゆる森友問題やそれから財務省が扱う国有の土地売却の問題、こういった問題について質疑をさせていただきたいと思います。
 先週、一週間前の質疑でも御披露しましたが、お手元に、近畿財務局との打ち合わせ記録というタイトルで、これは森友関係の土地の取引の打ち合わせの記録でございます。メモをつくった中道組という建設会社の方もこれは真正のものだというふうに認めたものですが、これについては一週間前にお尋ねをいたしました。もう一度、財務省の佐川局長にお尋ねをいたします。
 先日の答弁で、中段ちょっと下の方に財務局ということで書いてありますが、建築に支障ある産廃及び汚染土は瑕疵に当たるため、費用負担義務が生じるが、それ以外の産廃残土処分が通常の十倍では到底予算はつかないが、借り主との紛争も避けたいので、場内処分の方向で協力お願いいたしますということについて、局長からは、確認したところ財務局がそういうことを発言した事実はないということを御答弁いただきました。そのことを証明するこういう類いのメモとか、そういうものはあるんですか。
○佐川政府参考人 答弁申し上げます。
 先週、最後の少し時間のないところであれでしたが、委員から御指摘のメモにつきまして、衆議院の財金の委員長及び参議院の財金の委員長から御指示をいただきまして、私が当時の担当者であります近畿財務局の統括官に確認をしまして、近畿財務局の発言として、業者が作成したとされるメモにおいて、産廃残土を場内処分の方向で協力お願いしますという記述があるが事実かということで、ここで全部は読み上げませんが、九月初旬に大阪航空局とともに関係業者と工事内容等について打ち合わせを行っていた記憶はある、ただし業者に対して産業廃棄物の場内処理を求めるような発言を行ったことはなかったとのことであったということで御報告申し上げた次第でございますが、今読み上げましたように、この統括官は九月初旬に工事内容等について打ち合わせを行っていた記憶はあるというふうには申しております。
 したがいまして、この話は要するに事前の調査で見つかっておりました埋設物の有益費の話でありまして、二十七年の七月から十二月までずっと工事をやっておりました中で、大阪航空局と私ども近畿財務局がこういう業者の方々とその間は随時いろいろな会合というか打ち合わせを持っていたということでございますので、そういう意味ではそういう打ち合わせがあったという記憶はあるということでございますが、こうした一回一回のメモ、やりとり等については残っておらないということでございます。
○石関委員 ただ、だとすれば、メモがなければ非常に曖昧な話で、こちらの中道組の社長さんは、このメモは確かに真正のものだ、誰か違う人が書いてばらまいたとか、そういうものじゃないとちゃんと証言されていますよね。
 であれば、ここの私が読み上げた部分の、場内処分の方向で協力お願いしますというのは、今の局長の御説明によれば、この業者がうそをついているということになりますね。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 産廃残土を場内処分の方向で協力お願いしますという財務局の発言ですが、産廃残土につきましては工事業者がみずから処理するということになっておるわけでございますし、そこは地方公共団体がきちんと監督して処理をすることになっているのだと思っております。
 それから、別に財務局が有益費の工事について発注しているわけではございませんので、私どもの財務局がこういうことで協力お願いしますといったような発言を行ったことはなかったということを私どもは確認したということでございます。
○石関委員 ただ、それを証明するメモとか、そういうものはないということですね。
○佐川政府参考人 両院の委員長からの御指示をいただきまして、私どもが直接統括官に確認しておりまして、そうした発言を行ったことはないということでございます。
○石関委員 いや、私が聞いているのは、それを証明するメモは財務局側にはない、単なる記憶に頼っているということですねと。裁判になったら、こういうものが真正であれば、これは証拠になりますよ。だけれども、曖昧な記憶というのは証拠にならないと思いますけれども、どうですか。私のお尋ねしたことに率直に答えてください。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 裁判においてどういう書類等がどういう証拠能力を持つのかというのは私どもはコメントできませんが、いずれにしましても、裁判にもし仮になるようなことがありますれば、私どもは、手元にあります保存してある文書で、きちんと法令等に基づいて適切に対応してまいりたいと考えてございます。
○石関委員 それは、今、私の後段のところだけを捉えて都合よく答弁しました。私が聞いているのは、財務局側にはメモも何にもなくて、記憶に頼って言っているだけだと。こちらの方は、この社長さんが真正のものだと言った紙を私は出しているわけですから、それを聞いているんです。後段のことを都合よく答えないでください。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 こうした面会記録、こういう打ち合わせ等についての一回一回の記録は持ち合わせていないということを申し上げます。
○石関委員 持ち合わせていない曖昧な記憶に頼って、この紙については、該当部分、私が特に読み上げた部分については事実でない、うそだ、こういうことになりますね。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 業者に対して産業廃棄物の場内処理を求めるような発言を行ったことはなかったということでございます。
○石関委員 わかりやすい日本語で言えば、このメモの特に該当部分についてはうそだということになりますね。そうか、そうでないのか、お答えください。
○佐川政府参考人 私どもは事実に基づいて答弁させていただいておりますので、今の委員の御指摘というより、私どもが委員長の指示に従って確認してまいりました場内処理を求めるような発言を行ったことはなかったということを答弁してございます。
○石関委員 それは、普通の日本人の日本語の感覚でいえば、ここに書いてあることはうそだということですよ。そう思いませんか。日本語としていかがですか。もう一回聞きます。
○佐川政府参考人 私どもは、何遍もお答えしていますように、本件、先方が出されているメモについて確認して、そのような発言を行ったことはなかったということを確認しているということでございます。
○石関委員 その確認自体を誰も信用しないから、週末の世論調査でまだ八割の国民が政府は十分な説明をしていないというふうに言われているんですよ。そのことの認識はありますか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 さまざまな問題に関しまして、これまでも私どもは、保存している文書は契約書あるいは不動産鑑定書、登記関係文書、さまざまな文書を保存してございます。それから、保存している契約書、鑑定評価書など、関連資料もお示しをしてございます。国会審議の中でも丁寧に説明を行ってきましたが、引き続き丁寧に説明してまいりたいというふうに考えてございます。
○石関委員 役所がどういう文書管理を行って廃棄して、だけれども、そういったものがどういうふうに残っているかというのは私も承知しているつもりですよ。現職の役人ですとか元役人をやっていた国会議員と話しても、こういうものは出てくるものだと。だから、防衛省は出てきたわけですよね。これは申し上げるだけにしておきます。幾ら聞いても同じ答えしか返ってこないと思います。
 関連で、せっかくおいでいただいている国土交通省にもお尋ねをいたしますが、このメモについて、これまでに、この前の委員会で私も披露していますから知らないということはもちろんないと思いますが、このメモに書かれていること、それからここに同席している役所の方々について、こういうもので事実かどうか、認識をお尋ねいたします。
○佐藤政府参考人 お答えを申し上げます。
 本件土地に関連いたしまして、学校法人森友学園において埋設物の撤去工事それから土壌汚染除去が行われました平成二十七年の七月から、有益費の支払いについて合意いたしました平成二十八年三月にかけまして、大阪航空局は近畿財務局とともに学校法人森友学園の関係者と、主に工事関係者でございますけれども、手続に必要なやりとりを行っております。
 そういった中で、当時の担当者に確認いたしましたところ、平成二十七年九月ごろに近畿財務局とともに関係業者と工事内容等について打ち合わせを行った記憶はあるということでございましたけれども、それ以上の回答はございませんでした。
○石関委員 みんなが記憶、記憶と。これは心配でしようがないですよね、本当に記憶だけだったら。その人たちは自分のメモも何も残していないんですか。こういう人たちが立派な財務省とか国土交通省の役所や現場で民間の方々と交渉したり、これは不安でしようがないですよ。これを国民の皆さんが聞いたら、あなた方は記憶ですかと。事業者の方は、もし裁判になったりとかなんとかだと困るから、こんな詳細なメモを残していますよ。これは勝負にならないと思いますね、もしそういうことになれば。
 今回、この森友学園ですけれども、大阪地裁に、もうやっていけないということで、民事再生法の適用を申請し、保全管理命令を受けています。
 もともと、今回の土地については計画どおり学校ができなかったら国が買い戻す契約になっているということだったのではないかと思いますが、まず買い戻し契約についてが一点。だとすれば買い戻しの手続というのが今どういう状況になっているのかということ、買い戻しについてが一点。他方、民事再生法の適用を申請したということになっていますから、この先想定されるもの。現状、それからこの先についてはどういうことが考えられるか、お尋ねをいたします。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 今委員御指摘の、森友学園が、四月の二十一日でございましょうか、大阪地裁に民事再生法に基づく再生手続の開始を申し立てたということは承知してございます。先方も会見等もやったようでございます。
 片や、契約上の話でございますが、本年の四月の一日になりまして、私どもの契約上、三月三十一日までに土地を小学校の用に供するという用途指定の義務がございましたので、森友学園自身が売買契約上の義務を履行できなかったということがその時点で確定いたしました。したがいまして、これを受けまして、私どもは、売買契約に基づきまして、今おっしゃった土地の返還あるいは違約金の支払い等を森友学園に求めるということになります。
 ただ、そこから先は、私どもと森友学園の契約上の対応、交渉事になります。したがいまして、国としての対応については両者の交渉事にかかわりますのでコメントは差し控えますが、いずれにしても、法令と契約に基づきまして適切に対応してまいりたいと考えております。
○石関委員 いわゆるトラブルというか、こういうことになっちゃっているわけですよね。裁判になるかもしれないという状態だということは、今お話があったとおりだと思います。
 それでは、これまで財務局等が扱ってきた土地の問題についてお尋ねをしたいと思います。
 お手元に配付の資料の二枚目、これは毎日新聞で報道された内容であり、私自身がいろいろ調査をして、真正の、この記事の内容については正しいという認識でお尋ねをしたいと思います。タイトルが、近畿財務局、ずさんな国有地取引相次ぐということで記事になっています。私自身が先月三十日の本委員会で、佐川局長ではなくて、このときは次長がいらっしゃいました、この方に、過去に国有地売却後に訴訟になった例はあるかというふうにお尋ねをいたしました。その内容の関連で記事になっているというふうに思います。
 この記事によると、兵庫県の西宮市で訴訟になった件が一件、しかもこれは敗訴。大津市の例では、三十億円の契約が破棄され、金額はわかりませんけれども、損害賠償も払った。そして、森友学園の隣の土地では、豊中市に二千三百万円の覆土費用を支払ったということになっています。
 まず、確認ですが、もう一度お尋ねします。この記事にあることが事実かどうか、局長、お願いします。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 新聞の記事それぞれについて、私どもは余り新聞の記事にはコメントいたしませんが、西宮市と今おっしゃった石関委員のお話、大津市のお話、それからあと、今おっしゃいましたのはたしか豊中市のお話の三件だと思いますので、事実関係についてちょっと御説明をさせていただきます。
 西宮市の国有地の話でございますが、これは今委員御指摘のとおり裁判になってございます。
 平成七年でございますが、近畿財務局が相続税の物納を受けまして、平成十六年に民間の事業者に、これは一般競争入札でございますが、売却をしてございます。この土地につきまして、売却後ですけれども、地中から産業廃棄物あるいは土壌汚染が確認されまして、その除去費用が高額となるというふうに見込まれたものですから、平成十七年に契約の解除ということになってございます。
 解除後も損害賠償について相手方と当然協議を行うわけでございますけれども、平成十八年に相手方より損害賠償請求訴訟が提起をされました。それから地裁、高裁と行きまして、二十一年十一月の大阪高裁の判決に基づきまして、相手方が負担した土壌調査費用等を損害賠償として支払ったところでございます。
 それから、御指摘のございました大津市の話でございますけれども、滋賀県大津市の国有地でございますが、これは昭和三十年代に米軍から返還されまして、昭和五十年ごろまで陸上自衛隊の訓練場として使用されてございました。訓練場として使用が終わりましたものですから、財務局の方で引き受けまして、平成十九年でございますが、民間事業者へ一般競争入札により売却をしてございます。この土地につきましても、売却後、地中から有害物質を含みます地下の埋設物及び土壌汚染が確認されまして、本件もその除去費用が高額となると見込まれたものですから、平成二十年に契約の解除というふうになってございます。
 なお、契約を解除しましたことによりまして、国有地の売買代金を返還しました。加えて、相手方が負担しました地下埋設物の撤去費用等につきまして損害賠償金として支払ったということでございます。
 それから、委員が御指摘をされました豊中市の公園用地のお話でございますが、豊中市の公園用地につきましては実は随分これまでも国会で御議論させていただいてございまして、平成二十二年の三月に約十四億円で豊中市に対しまして国有地を公園用地として売却してございます。
 事実関係を申し上げますと、この国有地の処分に当たりましては、既に明らかになっていた埋設物があるわけでございますので、明らかになっていた地下埋設物の情報を豊中市に対しまして事前に説明してございます。その上で、売買契約書の条文の中に、地下埋設物調査に関する報告書というのを書いて、地下埋設物調査に関する報告書に記載の内容の地下埋設物が存在していることを了承した上で売買物件を買い受けるものとするという条項が盛り込まれてございます。
 こういうことで、国と豊中市双方の合意の上でこうした売買契約を締結しているところでございますが、実は、今委員が御指摘になりました二千万の話でございますけれども、売買契約には引き渡しから二年間の瑕疵担保条項が盛り込まれてございまして、売却後明らかになりました土壌汚染につきましては、この瑕疵担保条項に基づきまして対応しているということでございます。
○石関委員 細かく御説明をいただきました。
 それでは、それぞれの土地について、廃棄物、埋設物の有無については事前にどのような確認、調査をしていたのか教えてください。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 三件目に申し上げました豊中市のお話につきましては、今申しましたとおり、埋設物調査に関する報告書がございますので、先方に事前にきちんと説明をしてございます。
 それ以外の西宮と大津の話につきましては、地下埋設物があるということではなくて売却をしておりましたので、先方から工事後新たに地下埋設物あるいは土壌汚染が確認されたということで契約解除になっているということでございます。
○石関委員 ただ、結果としてこれだけトラブルが起きてしまっているわけですよね。普通の感覚からすれば巨額の金額になっていますが、非常にずさんだと言わざるを得ないと思います。わざとということではもちろんないにしても、調査、それから契約、売却が非常にずさんのように思います。
 ちょっと御説明とこの記事でずれがあるように思うのは、豊中市の例。この記事によると、豊中市がごみのあることを知らされていなかったと言っているというふうに書いてありますが、このことについて。単純に、シンプルに、豊中市はごみのあることを知らされていなかった、契約の中身とかではなくてというふうに言っていますが、この点について財務省の認識をお尋ねいたします。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほども御答弁申しましたが、この国有地の処分に当たっては、財務局職員から豊中市に対して当時明らかになっていた地下埋設物の情報を事前に説明しておりますし、先ほど申しましたように、売買契約書というのは、当然、豊中市と財務局の間で両方で契約を結ぶわけですので、その売買契約書の中に、地下埋設物調査に関する報告書に記載の内容の地下埋設物が存在していることを了承した上で売買物件を買い受けるものとするという条項が盛り込まれている、こういうことでございます。
○石関委員 それも含めてお尋ねしている。だから、契約の中身とか条項ではなくてと。そういうつもりで申し上げたんですが。
 もう一回聞きますけれども、この記事によると、国交省から郵送で地下埋設物調査報告書との文書が届きとあって、その中身の条項については今御答弁があったとおりなんですけれども、どちらの役所でも結構ですけれども、今のやりとりがあってこうだと、契約の中身だけでなくてやりとりについて、これは郵送というふうになっていますけれども、こういったやりとりを示す文書とか議事録、メモ、こういったものはあるんですか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 大変恐縮ですが、報道の中でどういうふうに言っているかどうかということについては私どもはちょっとコメントは差し控えますが、いずれにしても、豊中市と財務局で売買契約書を結ぶときに、地下埋設物の調査に関する報告書に記載の内容を了承した上で買い受けるというのを、豊中市がその条項を見ないで売買契約書を結ぶというのは、それは多分ないんだろうというふうに思います。
 そういう意味では、豊中市としてこの地下埋設物調査に関する報告書というのをきちんと事前に確認しているというふうに私どもは考えております。
○石関委員 お尋ねしているので、差し控える話じゃないんですよね。では、お時間を上げますから、記事をもう一回読んでいただいて。端的に言えば、豊中市はごみのあることを知らされなかったと言っているので、そのことについて、今の御答弁と、記事をもう一回読んでいただいて結構ですから、どういう認識をされているか教えてください。差し控えてもらったら困るんですよ、それを聞いているんですから。
○佐川政府参考人 大変恐縮なんですが、「市によると、」の市が、どういう方が市によるとなのかはちょっと存じません。いずれにしても、三週間後に報告書が届いてということもちょっと私は承知してございません。
 ただ、全体の趣旨が地下埋設物の存在について知らないで契約をしたかのようなことであれば、それは先ほどから御答弁申し上げているとおり、契約書の中に地下埋設物調査に関する報告書に記載の内容の埋設物が存在していることを了承した上で売買物件を買い受けるものとするという条項が入っている契約を両者で結んでいるということでございますので、この記事については私どもはよくわかりません。
○石関委員 ただ、これだけの大きな国の財産を売買するときに、文書に書いてあるから、あんたは読んでいなかったんですか、こういうやりとりをするわけですか。もう少し丁寧に説明してあげたりとか、面談して議事録を残して、お互い禍根が残らないようにするんじゃないんですか。郵送でこの調査書が送られてきました、契約の中にあるだろう、読んでいなかったらあんたがおかしいんだみたいな説明に今聞こえますが、ほかの物件もそういう取引でやっているんですか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 委員のその御指摘ですが、したがいまして、記事の中身が全て真正だという前提で委員がおっしゃっているので、私どもはこの記事について、市のどういう方がどういうふうにおっしゃっているかわからないので、委員の御指摘のように私どもがやっているわけではなくて、私どもは当然、地方公共団体と契約を結ぶときにはきちんと御議論させていただき、契約の中身も詰めさせていただいて、その上で市長なり財務局長との間で契約を結ぶということでございます。
○石関委員 議論しているんならメモとか議事録はあるんじゃないですか、それも記憶しかないんですか。もう一回教えてください。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 例えば、地方公共団体に国有地を処分するということについては、それぞれの担当の間でさまざまな議論をして、法律的に詰めて、契約書をつくって、その上でお互いに契約を結ぶわけでございまして、その途中経過の記録等については、そういう意味では最後の契約書に集約されていっているということでございます。
○石関委員 それを証明する傍証のようなものはないということですよね。森友問題から同じですけれども、記憶しかないということですよね。だから、それを説明が足りないというふうに国民は感じるんですよ。ここは、みんなそう思っていると思いますよ。
 では、もう時間も限られてきたのでお尋ねをいたしますが、全国の国有地の取引で、一旦契約した取引が破棄された、こういう例はどれくらいあるのか教えてください。あわせて、具体的な例というのも教えてください。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 国有地の処分に当たりまして、通常、私どもは、売買契約書の中に引き渡しの日から二年間瑕疵担保責任を負うという旨の規定を設けてございます。その期間内に例えば先ほどの土壌汚染とか地下埋設物とかが発見された場合には、そうした費用を負担するということでございます。
 ただ、売買契約書の中で、私ども国が負担する瑕疵担保責任の範囲でございますけれども、売買金額を限度とするという旨の規定も設けてございますので、賠償額が多額になるだろうと考えられる場合には、契約の解除というふうになることがございます。
 したがいまして、私どもも毎年相当の部分の国有地を処分しておりますので、地下埋設物あるいは土壌汚染が原因で契約解除となった事例について全体的に把握できているわけではございませんが、今の二件のほかに、近年、契約解除の事例は複数件確認されておりまして、例えば関東財務局管内でございますれば、平成二十年に売買契約を結び、売却後に地下埋設物あるいは土壌汚染が判明して売買契約を解除した事例、あるいは東海財務局管内でございますけれども、平成十九年に売買契約を結び、同様に売却後地下埋設物が判明して売買契約が解除された事例等がございます。
○石関委員 同様に、全国の国有地の取引で、契約の後に損害賠償とか土壌汚染対策費とかを、先ほどの近畿財務局関係の記事では覆土というのがありました。損害賠償とか土壌汚染対策費、契約をした後にこういった名目で買い手に何らかの金銭を支払った、賠償した、こういう例は全国にどれぐらいあって、その例の中身、具体的にはこういうことだったということを教えてください。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 国有地を売却した後に地下埋設物や土壌汚染などの隠れた瑕疵が発見されまして、買い主から国に対しまして瑕疵担保条項に基づく対応について要請があった場合で金銭を支払った場合というお尋ねでございますので、もちろんたくさんの処理の中で悉皆的にはわかりませんが、近年で申しますと、ちょっと全体はわかりませんが、年間で二十件とか、そういう前後のところがございまして、具体的には、例えば中国財務局管内で、平成二十五年に契約して、その後損害賠償を払ったというような事例もございます。
○石関委員 二十件ぐらいで、だから、調べればもっとあるということですね。週末に通告をして、調べて二十件ぐらいということですけれども、もっと全体でいえばもちろん、どの期間かにもよるかもしれませんけれども、相当あるということですよね。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のあった近年のところだけ少し見ておりますが、全国で大体二十件前後ということでございます。
○石関委員 ありがとうございます。
 先ほどお尋ねした、記事の中身がどうかということについては、はっきりお答えをいただけませんでしたというか、ごまかすようなことだったと思います。役所の誰が、豊中市がこういう発言をしたかわからないということもおっしゃっておりました。そうかもしれません。ただ、契約の条項だけではなくてもっと説明しているのかとお尋ねをしたら、そういうやりとりは当然していると、局長は非常に元気よく御答弁いただきましたよ。だけれども、そのメモ等、議事録はないと。
 こういうことだから国民は全然納得しないんですよ。普通の生活をしている皆さんが何かを買う、やりとりをする、こういう感覚と全くずれた発言を次々とこちらでされているから、いつまでたっても、これは説明が十分でないと。私もそう思います。
 また、これは国有財産、立派な国民の財産ですので、こういった取引を二度と続けないように、記録も残るようにし、丁寧にして、国民の貴重な財産を処分するのであればそれなりの手続をとるのが当然のことだというふうに。非常にずさんな取引を続けてきたようにしか思えないし、その顕著な例が森友学園や関連のいろいろ出ている問題だというふうに思います。
 しっかりやってください。お願いします。
○玄葉委員長 次に、西村智奈美さん。
○西村(智)委員 民進党・無所属クラブの西村智奈美です。
 四月になりまして、ことしも残念ながら大変数多くの待機児童がいるという事態になってしまいました。
 政府の方でも、昨年の平成二十八年には緊急対策、そしてことしの三月三十一日には、いわゆる統一基準づくりに向けてということで私たちが要請をしてまいりましたところ、待機児童解消に向けて、検討の取りまとめという、その方向性を示していただいたところですけれども、現状、非常に厳しいということで、政府の取り組み姿勢の本気度が問われているというふうに思います。安倍総理がこの間女性活躍と連呼し続けてきたから、なおさらのことなんですね。
 四月、新しい年度が始まって、本当に多くのママたちが不安の中であるという中で、きょうは、政府の取り組み姿勢について改めて伺いたいというふうに思います。
 昨年度末、平成二十九年三月三十一日に、先ほど申しました「保育所等利用待機児童数調査に関する検討のとりまとめ」というものが発出をされました。やはりここはきちっと、これを出していただいたからには、自治体に徹底していただいて、全国統一的な基準での数の把握をしていく必要があるというふうに思っております。まずそこからでないと何も始まっていかない。
 私は、本来は全ての子供たちは誰でも安心して居心地のよい居場所にいることができるということを権利として認めるべきだというふうに考えておりますし、そういった意味では、この検討の取りまとめもしっかりと国として自治体に周知していただいて、そして本当の姿、真実の姿が明らかになるようにしていただきたいと思いますけれども、厚生労働省に伺います。
○古屋副大臣 お答え申し上げます。
 待機児童の定義の見直しに当たりましては、先般、三月三十日に行われました待機児童数調査検討会におきまして、市区町村ごとの不合理な運用上の取り扱いのばらつきをなくすこと、また、各市町村が、保護者の意向や状況を積極的かつ丁寧に把握して利用可能な保育園等の情報を提供するなど、保護者のニーズに合った丁寧な寄り添う支援を行うことが重要であるといった趣旨の内容を取りまとめていただいたところでございます。
 これを踏まえまして、翌日、三月三十一日に厚生労働省から各自治体に対しまして新たな調査要領を通知いたしまして、育児休業中の者については、保育園等に入園できたときに復職することを入所保留通知書発出後などにおいて継続的に確認して、復職に関する確認ができる場合には待機児童に含める、また、求職活動を休止している方の取り扱いについては、保護者が求職活動を行っておらず、保育の必要性が認められない状況にあることを確認する旨、また、特定の保育園等を希望している方、ここでなければいけないという方の取り扱いについては、利用申込書に記載された希望園等によって一律に判断するのではなく、他に利用可能な保育園等の情報提供を行うとともに保護者の意向を丁寧に確認しながら判断する旨など、保護者の意向や状況を丁寧に確認しながら判断することを明確化し、調査を実施しているところであります。
 以上でございます。
○西村(智)委員 丁寧にやっていくということで御答弁いただきましたけれども、残念ながら、私は、この検討の取りまとめの周知徹底を図ってもなお、全国にあまたいる待機児童の全容は明確には、そして正確にはわからないというふうに思います。いろいろなケースがありますから、そしてママたちもいろいろな気持ちで、子育てをしながら仕事にどうやって復帰しようかというふうに考えている中のことでありますから、残念ながら、正確な姿というのはやはりこの検討の取りまとめではわからないというふうに思うんですね。
 私たち民進党の中でも待機児童対策プロジェクトチームというのを設置いたしまして、この間、当事者のママさん、パパさんたちからいろいろな形でヒアリングを行っています。
 その中で非常に貴重な意見がたくさん出てきたんですけれども、一つ、ぜひ古屋副大臣に検討していただきたいのは、そもそも検討会の中に当事者がいないということだったんです。有識者の方はたくさんいらっしゃる、実務に詳しい方もいらっしゃる、だけれども、本当に生の声を届けてくれる当事者がいないということが指摘をされていました。ぜひ入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○古屋副大臣 現在、厚生労働省におきましては、待機児童対策の緊急会議を大臣のもとで行っておりまして、自治体、当事者、市区町村等から御意見を直接伺うというような場を設けて、そういった御意見を反映させていっているところでございます。
○西村(智)委員 私が当事者と申し上げているのは、わかっておっしゃっていると思うんですけれども、実際の保護者の方々です。ママやパパたち、ぜひそういった方々を検討会に入れて、生の声をそこで皆さんに聞いていただきたい、このことを切にお願いいたします。
 今回、新たに緊急対策をとっていただいたということで、この対応状況についても伺っていきたいと思うんですけれども、これによって空き枠と申しましょうか、いろいろな形で出てくると思うんですね。そこを把握してしっかりとマッチングしていくことも、どのくらいの待機児童が実際にいるのかということとあわせて、それと同じぐらい重要なことだと思うんですけれども、これについて伺います。
○古屋副大臣 委員おっしゃったように、さまざまな空きが出ているようなところも最大限活用していくということは大変重要だと思っております。保育園に入れない方に対しまして、地域で利用されていない保育サービスがある場合に、これを提供していかなければいけないということは大変重要であります。
 各市区町村におきまして、把握している各園の受け入れ可能な枠、また利用可能な保育サービスの情報がサービスを必要とされている方々に対して適切に提供されるよう、利用者支援事業による保育コンシェルジュを配置して、情報の集約や提供、相談支援、連絡調整等を実施しております。
 また、厚生労働省としても、平成二十九年度予算におきまして利用者支援事業の実施箇所数をふやしたところでありまして、引き続き、本事業の活用を図りながら、保護者のニーズに合った丁寧な寄り添う支援を推進してまいりたいと考えております。
○西村(智)委員 それで、「保育所等利用待機児童数調査に関する検討のとりまとめ」が行われました。その結果を受けた対応について伺いたいのと同時に、昨年度発出をされております緊急対策の中に、一時預かりの枠を利用して待機児童の解消につなげる、そういう項目があったかと思います。あいているんだったらいいんじゃないのというふうに思われたのかもしれないですけれども、実際にこれをやりますと、リフレッシュを目的に一時預かりなどを利用していた方々はどうなるのか。それはやはり確保していく必要性があるというふうに私は思います。その点について伺います。
○古屋副大臣 昨年三月に発表いたしました緊急対策では、待機児童について、保育園等への入園が決まるまでの間、一時預かり事業を活用して緊急的に預かることを盛り込んでおります。
 この緊急対策の通知におきましては、積極的に地域の余裕スペースの活用を検討して、本来の一時預かり事業の利用者のニーズにもしっかり対応できるよう、供給拡大を図るようお願いしております。
 各自治体におきまして地域のニーズを踏まえて議員御指摘の育児疲れの軽減を目的とした一時預かり事業を実施するために必要な体制整備ができるよう、国としても引き続き支援をしてまいりたいと考えております。
○西村(智)委員 ある研究機関の発表によりますと、二〇五〇年までは保育ニーズは上向き続けるということであります。少子化ではありつつも、時代も、かぎ括弧つきですが、女性活躍ですから、女性の就業率もアップしてくるということで、保育ニーズはこれからもふえ続けるということを見越して、ぜひそこは、私が冒頭申し上げました、必要だから働くお母さんのために保育所をつくる、あるいはそういったサービスを充実させるということではなくて、全ての子供たちにとって安心できる居場所があることが権利であるということを前提に施策を組み立てていっていただきたいというふうに思います。
 それで、安倍総理は、平成二十九年度中に待機児童をゼロにするというふうに約束しました、明言しました。ところが、これが事実上ほごにされている。政府の方は六月に新たな待機児童プランを策定するということであります。
 これは一体何をやるんですか。そして、実際に平成二十九年度中に待機児童をゼロにするという約束は一体どこに行ってしまったんですか。副大臣に伺います。
○古屋副大臣 政府といたしましては、待機児童解消加速化プランに基づきまして、平成二十九年度末までの待機児童解消に向けて、五年間で五十万人を超える保育の受け皿拡大を進めております。
 一方で、加速化プラン策定前と比較をしまして、委員がおっしゃったように、二十五歳から四十四歳の女性の就業率や、一、二歳児の保育利用率、さらには保育の申込者数についても、それぞれプラン策定前の二倍近い極めて高い伸びとなっておりまして、待機児童数は、依然として二万人を超える水準で推移いたしております。
 その中でも、総理は待機児童ゼロという目標は決しておろさないと発言されておりまして、このような状況を真摯に受けとめつつ、平成二十九年度末の待機児童ゼロを目指して取り組んでいくことに変わりはございません。
 平成三十年度以降も引き続き待機児童ゼロを絶えず実現していくために、本年四月以降の各自治体における今後の改善状況等を見きわめた上で、新たなプランを六月までに決定してまいりたいと思います。
○西村(智)委員 本当に、緊急対策でも何人ぐらいの保育の枠が確保されるのかどうかわからない。実際に緊急対策で確保される枠も非常に、恐らくは地域限定であろうし、また限られた人数だと思います。そうすると、そこにまた待機児童を抱えるママ、パパたちが殺到する、物すごい倍率になる、これは非常に大きなストレスですし、本当に不安の中で過ごしていらっしゃることだと思います。ですので、副大臣、その思いを、ぜひ検討会の中に何とか当事者を入れて、生の声を聞いた上で今後の対応等々をやっていただきたいと思います。
 私は、女性活躍と言っているからこそ、なおのことそういうふうに申し上げているんですね。きょうはこんなところで質問を終わりますけれども、今後の取り組みをしっかりと、総理が言っているからには、そこをきちんと果たしてもらわなければなりません。ぜひお願いいたします。
 それでは、次の項目に移ります。
 先ほど石関委員が森友学園の問題について質問をされましたけれども、私は、少し角度を変えまして、公文書管理法の問題から伺いたいと思います。
 内閣府で公文書管理を担当している大臣は山本幸三大臣と承知しておりますけれども、それで間違いございませんでしょうか。
○山本(幸)国務大臣 そのとおりでございます。
○西村(智)委員 ことしの通常国会の内閣委員会における山本幸三大臣の所信表明の中で、公文書管理について述べているところは全体の約八%、しかもその中身は、新たな国立公文書館の設置に向けて取り組んでまいりますということで、公文書管理そのものを充実させるとか徹底させるというような言い方、文言は一言もありませんでした。
 山本大臣はこれまで、公文書管理担当の大臣としてどのようなお仕事をしてこられたのでしょうか。
○山本(幸)国務大臣 お答え申し上げます。
 公文書管理は、行政の適切かつ効率的な運営を図るとともに、行政が国民に対し説明する責務を果たす上で重要な制度でありまして、私は、担当大臣として、制度の円滑な運用に努めるとともに、行政機関等から移管される歴史公文書等を保存し、利用に供する国立公文書館についても所管しております。
 例えば、公文書管理制度については、内閣府に置かれた公文書管理委員会が昨年三月にまとめた公文書管理法施行五年後見直しに関する検討報告書において御指摘いただいたことを具体化すべく検討を進めさせていただいているところであります。
 加えて、国立公文書館については、その新たな施設の国会周辺への建設に向けた取り組みを進めているところでありますが、本年四月十四日、衆議院議院運営委員会におきまして、内閣府からの新たな施設等に係る報告等も踏まえ、憲政記念館敷地を含む国会前庭を、新たな国立公文書館を憲政記念館との合築として建設する建設地として御決定いただくに至ったところであり、建設に向けた事業を進めていく上で大きな前進であると考えております。
 今後とも、担当大臣として、民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源たる公文書の適正な管理の促進等に向け、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○西村(智)委員 それでは伺いますけれども、この間の政府の行政文書の取り扱いについては、適切な管理運用がなされてきたというふうに思いますか。
○山本(幸)国務大臣 公文書管理法は、公文書が国民共有の知的資源として主権者である国民が主体的に利用し得るものであることに鑑み、現在と将来の国民への説明責任を全うすること等を目的として、行政文書の適正な管理に関するルール等を定めております。
 御指摘の件については、このような法の目的に照らして、行政文書の保存期間及び保存期間が満了した文書の扱いを初めとする公文書管理のあり方について、国会においてさまざまな御議論がなされているものと承知しております。
 まず、行政文書の保存期間につきましては、公文書管理法及び同施行令によりまして、例えば法令の制定等、全行政機関で共通した保存期間を適用すべきものについては具体的な定めが置かれ、それ以外のものについては行政機関の事務及び事業の性質、内容等に応じて各行政機関が定めることとされております。
 また、保存期間が満了した行政文書につきましては、歴史資料として重要なものについては国立公文書館等に移管し、それ以外のものについては廃棄することとされております。
 各行政機関におきましては、先ほど申し上げた法の目的を踏まえつつ、公文書管理法、同施行令及び各行政機関が定める行政文書管理規則に基づき、保存期間の設定等も含め、適切な文書管理を行うことが重要であると考えております。
 私としては、さらに各府省における公文書管理の質を高めていくため、不断の取り組みを進めていくことが重要であると考えており、内閣府に置かれた公文書管理委員会からいただいている御指摘を踏まえ、行政文書の管理に関するガイドラインの今年度中の見直しや、各府省の職員の公文書管理に関する意識を高めるための研修の充実等を着実に進めてまいりたいと思います。
 御指摘の件につきましては、各行政機関において、公文書管理法、同施行令及び各行政機関が定める行政文書管理規則に基づき適切に対応したものと考えております。
○西村(智)委員 とても長い答弁でしたけれども何も答えていただいていないと思いますし、最後の二行ぐらい答えてもらえれば、それで私はすぐ次の質問に移れたんですね。
 適切に運用されているというふうに思っております、公文書管理法とその規則に基づいてということなんですけれども、この間、さっき石関委員が質問した森友学園の問題についても、世論調査で、まだ国民の八割の方が、説明が尽くされていない、納得をしていないというふうに答えておられます。
 公文書管理法のそもそもの立法の趣旨は、後世にきちんと意思決定のプロセスがわかりやすいように残す、そしてその後の民主主義の発展の土台とするということだったはずです。
 わからないままうやむやにしているという今の現状が、本当に適切に管理しているというふうに言えるんですか。公文書管理担当大臣として、山本幸三大臣に伺います。
○山本(幸)国務大臣 公文書管理法におきまして、行政文書の保存期間及び保存期間が満了した文書の扱いを初めとする公文書管理のあり方について定めております。
 行政文書の保存期間につきましては、先ほどもお話し申し上げましたが、全行政機関で共通した保存期間を適用すべきものについては具体的な定めが置かれますが、それ以外のものについては各行政機関の事務及び事業の性質、内容等に応じて各行政機関が定めることとされており、保存期間が満了した行政文書については、歴史資料として重要なものは国立公文書館等に移管、それ以外のものについては廃棄するということであります。
 そういう意味で、各行政機関がその事業の性質、内容等に応じて適切に対応しているものと考えております。
○西村(智)委員 こういった大臣の答弁であれば、私が求めていたものとは全く違いますね。大臣には公文書管理担当大臣としてきちっと矜持を持って答弁をしていただきたい。横串を刺して、省庁にきちんと文書が残るようにということを指導するのが公文書管理担当大臣の役目ではありませんか。
 今回の森友学園の問題、それからその前から問題になっております南スーダンの日報の問題、私はこの問題に共通点があるというふうに思います。
 大臣、共通点は何だというふうに思いますか。誰が考えても恐らくわかること。大臣、どうですか。
○山本(幸)国務大臣 直ちに、どういうことか、お答えできません。
○西村(智)委員 いやいや、わかるでしょう。
 何かというと、今もそうですけれども、森友学園の問題は、交渉の記録は一年未満のものだから廃棄をしましたということなんですよ。南スーダンの日報も、一年未満の保存期間になっているからこれは廃棄しましたということで、結局電子データは残っていましたけれども、結局、両方とも一年未満のものが廃棄をされているということ。それぐらいここの部屋にいる誰が考えてもわかるはずなのに、何で公文書管理担当大臣がそのことをわからないんですか。おかしいじゃないですか。
 私は、この二つの問題の本質を言うまでもなく、やはり役所の方は、自分たちに都合の悪い文書はまず残さない、残さないし保存期間を短くする、一年未満のものにする、そして簡単に廃棄をしてしまう。行政文書であれば、廃棄のときには内閣総理大臣の同意が必要になっているんですけれども、一年未満のものはその対象外になっています。そこの抜け穴をついて、言ってみれば、公文書管理法というのを、ルールを悪用して、行政文書がありませんということを盾に、これまで森友隠し、そして南スーダンの日報の問題が浮かび上がってきたんだというふうに思っているんですね。
 大臣、一年未満の行政文書が廃棄されていたということについて、大臣も、単純な事実ですけれども、それは認識していたということでよろしいですよね。
○山本(幸)国務大臣 その点は承知しております。
○西村(智)委員 そうしましたら、これほど大きな問題になっている二つの案件だけを見ても、やはりここは法の抜け穴がある。
 私、実は、公文書管理法が制定されるときに、修正協議に臨みました、当時、民主党の責任者の一人として。そのときにも随分いろいろな工夫をこの法律の中には盛り込んだつもりだったんですけれども、やはりこうやって運用し始めてみると、このように、実際にいいはずだと思ってつくった法律、情報公開法と公文書管理法ができれば、これが車の両輪になって、民主主義が前に進んでいくために役所は適切に文書を管理してくれるだろうという淡い期待を持ってスタートさせたんですけれども、実際にこれは抜け穴があるということがわかって非常にショックを受けています。
 先ほど大臣は、施行五年後の検討見直しの報告書も踏まえてやっていきたいということでしたけれども、これは法改正していかないと、役所の文化をこれ以上野放しにしていてはいけないと思います。一年未満の文書にとにかく何でも押し込む、そして行政文書ファイルも保存期間が一緒のものをまとめるというふうに、多分ここは規則が曲解されていると思います。曲げて理解されていると思います。
 だから、本当であれば、プロセスを一から十までたどって意思決定過程を一つのファイルにまとめていかなければいけないのに、保存期間が同じものに限るということを盾にして、同じ期間のものを同じファイルに集めていく、それで短いものだけどんと捨てる、こういう変なノウハウみたいなものが霞が関の中に今、残念ながらあるというふうに私は思うんですよ。
 だから、ここは法改正をきっちりとやって、もうこういった問題は起こさないんだという意思を示す必要があると思いますけれども、大臣、いかがですか。
○山本(幸)国務大臣 御指摘のように、歴史公文書等に当たるかどうかのところの基準が少し曖昧であるということは私どもも認識しております。
 その意味で、先ほど申し上げましたガイドラインの見直しを現在やっているところでありまして、この中でそういう点についてぜひ前進させていきたい、そして各省における公文書管理の質の向上を図って、その成果をしっかりと見きわめていきたいと思います。その見きわめをしっかりした上で、さらなる制度の見直しの必要があれば、法改正も含めて検討してまいりたいと思います。
○西村(智)委員 そうこうしているうちに、霞が関からは文書が捨てられていますよ。捨てられているんですよ、今も、この時点も。いいんですか、そんな、公文書管理担当大臣として、見きわめて、その上で判断しますというような。
 具体的に、私、こういった検討はいかがでしょうかという、法改正に向けた提案をしたいと思います。例えば、一年未満という保存期間は原則禁止をするということです。
 一年未満の保存に何が該当するかというのは、公文書管理法上も、政令上も、ガイドライン上も、規則上も、どこにも書かれておりません。この一年未満保存文書であっても、歴史文書に該当するものは一年以上の保存期間をつけることが政令別表で定められているということだけで、実はどこにも書かれていない。
 一年未満の保存文書は、実態が不明、あるかないかも行政次第。なぜかというと、一年未満の行政文書は、行政文書ファイル管理簿への登録はしなくていいんです。登録されると廃棄の記録も残りますけれども、一年未満の行政文書は、その廃棄の記録も残さなくていいということになっています。これは完全にやはり法律の欠陥だというふうに言わなきゃいけない。
 なので、ブラックボックス化しているこの一年未満の保存文書を原則なくすべきだというふうに思いますけれども、大臣、これはいかがですか。
○山本(幸)国務大臣 先ほども申し上げましたように、現在、ルールに従ってやっているわけでありまして、ガイドラインの見直しを今やっておりますので、それを見きわめた上で対応してまいりたいと思います。
○西村(智)委員 現在、ルールに乗ってやっておりますというそのルールに抜け穴がありますねと私は申し上げております。
 大臣もさっき、一年未満の文書が捨てられていたということは認められました。その行政文書、捨てられた文書の中に森友問題の本当に必要な情報が、答弁をそのまま聞けば、そこに何か重要なものがあったかもしれないんですよ。あったかもしれないものが捨てられていたということは、やはり問題じゃありませんか。国会質疑をこれだけ紛糾させて、そして国民の八割がまだ納得していないということは、やはり政府としてその責任を果たしていない、説明責任を果たしていないということですよ。大臣、全く自覚がないんですね。本当に驚きました。
 具体的に、二つ目の提案をしたいと思います。行政文書ファイルの作成規定の見直しを私は求めたいと思います。
 行政文書ファイルは、相互に密接な関連を有することが行政文書であるということでまとめることになっていますが、保存期間を同じくすることが適当であるものに限るという限定もあります。ですから、保存期間を同じくしなくていいよねというふうに判断すれば、例えば森友学園の問題も、保存期間を分けて別のファイルに保存することができるわけなんです。
 行政文書ファイルは、中に含まれる文書の最も長い保存期間に合わせて保存期間が設定されます。短期間保存文書だけ集めると、簡単に廃棄ができます。だから、保存期間を同じくすることが適当であるものに限るという規定は拡大解釈されている、適当にいいように使われているので、意思決定過程の経緯などが後づけされるように構成すべきである、こういうふうに改正しなければいけないと思いますけれども、これについて見解を伺います。
○山本(幸)国務大臣 私どもとしては、ガイドラインの見直しをやってその成果を見きわめたいと思っておりますが、御意見は御意見として賜っておきたいと思います。
○西村(智)委員 ガイドラインの見直しをやるということですが、私は、それまで猶予なく、遅滞なく、大臣としてリーダーシップを示して仕事をしてもらいたいと思います。
 別の観点から伺います。
 今回、千葉県文書館で公文書が大量に廃棄されていたということが報道されました。私も、これは報道で知りました。千葉県の文書館は非常に建物も立派で、都道府県でもありますし、それなりの文書管理がなされていたのではないかというふうに思いますけれども、大変貴重な戦時中のものですとかが廃棄されていたということで、私もショックを受けております。
 この問題について、まず、総務省の受けとめを伺いたいと思います。
○原田副大臣 お答えを申し上げます。
 地方公共団体の公文書管理につきましては、地方公共団体の定める公文書管理条例、規則等に基づいて実施されているものでございます。
 一方、公文書等の管理に関する法律第三十四条では、地方公共団体に対して、同法の趣旨にのっとり、その保有する文書の適正な管理に関して必要な施策を策定し、及びこれを実施するよう、努力義務を課しております。各地方公共団体においては、法の趣旨にのっとり、公文書の適切な管理に努めていただきたいと思います。
○西村(智)委員 法律の施行五年後見直しの検討会の中でも、地方自治体における文書管理のあり方というのは、実は重要な三項目のうちの一つに含まれております。ですので、今後、さらに専門知識を有する職員をきちんと配置できるようにするですとか、まさに法の趣旨をきちんと理解した上で、捨ててもいいということではないんだ、きちんと管理して保存して、請求があったらきちんと情報公開もするんだ、そういう意識を自治体の方にも徹底していく必要があると私は思います。
 山本大臣、自治体の行政文書管理、公文書管理は検討報告書でも指摘をされています。大臣はどういうふうに受けとめていますか。
○山本(幸)国務大臣 地方公共団体の個別事案でありますのでコメントは差し控えたいと思いますが、一般論としては、先ほど総務副大臣が申し上げたとおりであります。
 国として、地方公共団体における公文書管理に対して指導を行う等の法的権限を与えられておりません。したがいまして、地方自治の本旨にのっとって、各地方公共団体の判断及び責任において、公文書管理法の趣旨に照らして適切に運用すべきものと考えております。
 なお、従来から国立公文書館が地方公共団体の文書主管課や公文書館等の職員を対象とした研修へ講師を派遣するなどしておりまして、今後とも、引き続き、適正な公文書管理がなされるよう支援してまいりたいと思います。
○西村(智)委員 地方自治の本旨というところに逃げられるだろうと思っていましたけれども、やはり想像どおりの答弁でしたが、これは有識者会議の中でも重要な検討課題の三本のうちの一つに入っているんですよ。大臣、そういう逃げの姿勢だけでは、この国から本当に重要な資料が、千葉県の文書館からは戦没者名簿、遺族台帳、こういった貴重な資料が消えているということでありますから、ここは本当に、大臣がどういう仕事をするかによってこの後の我が国の民主主義がどうなっていくか、そのくらいの重要な問題ですので、ぜひしっかりとやってもらわなければ困ります。
 それで、山本大臣においては、先般、学芸員について大変失礼な話をされた。特定の病気の患者さんにも非常に無礼な話だったと私は思います。
 参議院の内閣委員会でも大臣は、大英博物館のことについて堂々と答弁されているんですね、しかも間違った答弁を。これは撤回をされたんでしょうか。大臣に伺います。
○山本(幸)国務大臣 学芸員についての発言につきましては、先般、撤回し、おわびを申し上げたところであります。
 なお、本年三月九日の参議院内閣委員会におけます大英博物館に関する発言については、私の二十年来の友人であり、文化財、観光に造詣が深い英国の知人から伺ったことをそのまま申し上げたところでありました。今回改めて同氏に確認いたしましたところ、建物の改装については、時系列的な点で私の記憶違いがあったようであります。
 大英博物館では、来館者の快適性を高めるための多言語対応や点字物解説の充実等の改革を進めてまいりましたが、その改革の中で、入館者がテーマごとの展示室の移動をより容易に行うための動線確保や、来館者が快適に過ごすための空間の確保という観点から、建物の改装を二〇〇〇年に実施し、グレートコートを整備したということでありました。
 私はオリンピック後と申し上げたのでありますが、オリンピック後ではなく、オリンピックの前にそういう改装をやったということでありました。
 その後も、大英博物館では、多くの若い人に来ていただき、大英博物館に親しんでいただくための進化を続けているとのことでありました。
 また、学芸員につきましても今回改めて同氏に確認いたしましたところ、大英博物館では三十年ほど前から、来館者の増加のため、学芸員は研究のほか来館者に説明するなど、改革を進めてまいりました。その際、一部の学芸員がその改革の方針に反対していたということであります。しかしながら、自分たちの考えと同館の方針が異なるため、いづらくなり、定年前に退職していったということであります。その結果、オリンピック終了後も含め、同館の方針と異なる考えの学芸員が退職し、全体として同館の方針に従う学芸員に入れかわっていったということであります。
 この本年三月九日の参議院内閣委員会における大英博物館に関する私の発言については、このように事実と異なる部分がありまして、この点については訂正し、おわび申し上げたいと思います。
○西村(智)委員 何かぼそぼそと読み上げられたのでよくわからなかったんですけれども、要は、著しい事実との相違があったということですよね。こんなふうに口から出任せを言われると、国内外で大きな問題になりますね。
 私は、やはりこれは政権の緩みだというふうに思います。今、自民党内でいろいろな不祥事と申しましょうか、問題なんかも出てきますけれども、私の目から見ますと、小さい悪を切り捨てて大きい悪の方は残している、守っている、どうもそういうふうに見えてならないわけなんですよ。
 大臣、これは本当に重い責任問題だというふうに私は思います。これについてはどういうふうに今後対処していかれるんですか。
○山本(幸)国務大臣 学芸員についての発言につきましては、撤回し、陳謝申し上げました。
 また、大英博物館の事実に関する部分については、先ほども答弁申し上げましたけれども、訂正させていただき、おわび申し上げたいと思っております。
○西村(智)委員 民進党としては、大臣の資質の問題、また総理の任命責任の問題、こういったことはやはり申し上げざるを得ないというふうに思います。この点についてはいかがでしょうか。大臣自身のお考えを伺います。
○山本(幸)国務大臣 私、反省すべきところは反省して、しっかりと職務をやっていきたいと思っております。
○西村(智)委員 しっかりと職務をやっていきたいということであれば、なおのこと先ほどの公文書の問題をちゃんとやってくださいよ、大臣。
 この公文書管理法ができるときに有識者会議を運営していたのは、当時、上川陽子担当大臣でした。大臣は、公文書管理法の有識者検討会の結論が出るまでは霞が関で文書の廃棄をしないでくださいということを閣僚懇談会で全大臣に要請したんです。要請をしつつ、また霞が関を全部回りました。どういう状況であるのか、書庫まで行かれて視察をした。書庫まで大臣が見に来たということは初めてだったそうです。
 そのくらいのことをやっていただかないと、今も既に捨てられていますよ、多くの文書が。これはまずいということになって、ああ、公文書管理法をこういうふうにやれば、解釈によってこれは捨てられるというふうになっている。そこのところは、大臣、ちゃんと認識してください。そして、そのくらいの仕事を担当大臣としてしていただきたい、そう思いますけれども、大臣はいかがお考えですか。
○山本(幸)国務大臣 御指摘のようなことがあった当時は公文書管理制度自体が未整備でありまして、その後、平成二十一年に公文書管理法が制定され、作成から国立公文書館への移管、また廃棄に至るまでの行政文書の管理に関する統一的なルールが整備されたところであります。
 このため、まずは、各府省において公文書管理法、同施行令及び各行政機関が定める行政文書管理規則に基づいて適切に文書管理を行うことが重要であり、現時点において、御指摘の法整備が整備される以前と同じような対応をとる必要はないものと考えております。
○西村(智)委員 いや、一年未満の行政文書が合法的に捨てられているという意味においては、公文書管理法ができる前よりも事態は深刻ですよ。そのことを自覚してください。
 そのような答弁を続ける大臣には、私は、公文書管理に関する熱意も意欲も何もないというふうに断じざるを得ません。今後も恐らくあらゆる場面で責任について問われることになると思いますけれども、仕事でやるんだ、職務を果たすんだということであれば、せめてそのくらいのことは言ってもらわないと困る、このことを申し上げます。
 それでは、総務副大臣と山本大臣への御質問はここで終わりですので、退席していただいて結構でございます。
 次に、学習指導要領について伺いたいと思います。
 今般、学習指導要領が改訂になって、さまざまな事項が話題になりました。パン屋さんの話とかいろいろありましたけれども、私は、LGBTに関する記載について伺いたいと思っております。
 先週末、私の地元の新潟において発行されている新潟日報という新聞で、高校生の投書が載っていました。「窓」という読者投稿の欄に「性的少数者への理解必要」というタイトルで、こういうふうに書かれているんです。
 新潟市中央区にお住まいの笹川さんという方、十七歳。学校で保健の授業を受けていて、疑問に思ったことがあった、思春期になると、異性への関心が高まると書かれている、私は、こういった教科書の説明は適切ではないのではないかと考える、確かに大多数の人間は思春期を迎えれば異性のことを好きになるだろう、しかし、中にはそうではない人がいることを忘れてはいけないのだ、異性を好きになることが当たり前のように学校で教えれば、性的少数者、LGBTの生徒たちはますます悩み、こういうふうに書かれているわけであります。そして、まず教育課程において、しっかりと少数派の立場に焦点を当て、知識と理解を深めていくべきだと考えている、こういうふうに書かれている。
 今回の学習指導要領の改訂に当たっては、パブリックコメントで大変多くの方から、この点について記載してほしいという要望があったというふうに聞いております。そのパブリックコメントは全体のコメント数の中の約一二%、非常に多くの数だと思います。しかし、残念ながら、こうした意見は学習指導要領案には反映されませんでした。
 他方、文部科学省は、学校における性同一性障害に係る対応に関する状況調査を実施して、平成二十七年の四月三十日に「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」という通知を、都道府県教委あるいは学校の事務担当者に通知しております。また、平成二十八年の四月一日には、教職員向けに「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について」という手引、ガイドラインを出しているわけです。
 それで、私も、この点については、やはり学校で、いろいろなことを考えますと、きちんとそういうLGBTについての記載があることが望ましいというふうに思います。
 そこで、先般、質問主意書を出したんですけれども、それに対する回答はけんもほろろなものでございまして、これについて改めて伺いたいと思います。
 回答では、保健体育において、性的マイノリティーについて指導内容として扱うことは、個々の児童生徒の発達の段階に応じた指導、保護者や国民の理解、教員の適切な指導の確保などを考慮すると難しいと考えていますというふうに記されておりました。
 私、これを読んで、あれっと思ったところがあったんですね。そのことについて伺います。
 まず一つ目。個々の児童生徒の発達の段階に応じた指導を考慮すると難しいというふうに書かれていますけれども、発達段階に応じた指導を行うのが本来は教員の責務ではないですか。だから、これを指導内容、学習指導要領から除外する理由にはなり得ないというふうに私は思います。なぜこれを理由として挙げているんでしょうか。
○松野国務大臣 お答えをいたします。
 まず、これはもう大前提でありますけれども、LGBTを初めさまざまな要因において、社会において、特に学校現場においてそのことによって差別をされたり傷つけられたりすることがあってはならない、これは当然のことでありますし、そのことに向けて文部科学省も、またそれぞれの学校現場においても配慮いただいているところであると考えております。
 西村先生の方から、個々の発達段階に応じてというのは教師の当然の責務ではないかという御指摘もいただきました。
 指導方法に関して、学習指導要領というのは、全ての生徒児童に対して教えていただくことを大綱的に網羅している、大綱的につくっているものでございます。その事柄において、全ての児童生徒に授業の形式をもって教える、指導するということが現状において適切であるかどうか、また、その内容、性質において、個別の生徒から、保護者からの相談に対応して進めることが適切なものがあるかどうか、そういった判断の中において、西村先生からお話があったLGBTの問題は、まず、LGBTに対する科学的な知見が確立をしていないということがございます。科学的な知見が確立をしていないということは、先生方が授業においてなかなかそれを合理的な説明のもとに進められないという問題があるかと思います。
 そして、パブリックコメントについても言及をいただきましたけれども、パブリックコメントの中においても、このLGBTを積極的に学校現場、授業の中において教えるべきだという御意見と、これは個々の生徒児童の発達段階によるものであるから、学校現場においてこのLGBTの問題を授業として取り上げるのはいかがなものか、そういったそれぞれのお立場の意見がございました。
 そういった中において、今回、学習指導要領の中においてこのLGBTの指導について取り上げなかったということでございます。
○西村(智)委員 いやあ、ちょっと驚きました。
 全ての児童生徒に教えることは、私は適切だと思います。それから、科学的知見が確立していないからというのが理由であるとすれば、今、実際にそれを理由としていじめを受けている子供たち、それからこの性的指向、性自認に係る悩みを持っている子供たちは、そうではない子供と比べると自殺念慮が六倍高いという調査もあります。それに対して、本当に、科学的な知見が確立していないということが学校でこのことに言及しない理由になり得るのかどうか。私は、なり得ないというふうに思いますね。
 思春期が来たら異性に対する関心が芽生える、そうじゃない人もいる、そのくらいのことではないかというふうに思うんですよ。そのくらいのことをなぜ入れられないのか、私はやはり疑問に思いますね。
 ですから、重ねて申しますけれども、指導内容から排除する理由にはなっていないというふうに思います。ぜひ、今現在そういうことで悩んでいる子供たちを救ってください。
 実際に、体育の授業を受けると、自分が世界の中で本当に一人なんじゃないか、こんなことを思っている私は、僕はおかしいんじゃないかということで、それだけで悩みがまた深くなってしまうおそれが非常に強いです。そういった状況をぜひ改善していただきたい。
 二番目の質問ですけれども、やはりこれは答弁書の中にありました、保護者や国民の理解を考慮すると難しいと考えていますということであります。
 私は、先ほどの大臣のお言葉から、パブコメもいろいろな意見があったんだなということはわかりましたけれども、だけれども、そういった理解がもう少し足りないから指導が必要だということは当然あるんだというふうに思うんですね。理解が足りないから指導できないということでもないでしょうし、理解が足りないからこそ指導する必要があるんだろうというふうに思っております。
 そして、もう一つお伺いをしたいのは、教員の適切な指導の確保を考慮すると難しい、このことについて指導するのはというふうに書かれているんですけれども、これは何をか言わんやという感じに私は受けとめました。教員が適切に指導できないことを文科省自体が認めているということではないでしょうか。
 だとすれば、文科省がこれまでさまざまなパンフレット、ガイドライン、指導に向けての手引、こういったものを作成して、お金も多分相当かかったと思います。検討会をやるところから、ガイドラインをつくって、全国の都道府県や自治体の学校の事務担当者に配付することも含めてお金もかかっているはずなんだけれども、それが生かされていないことをみずから言っていることにほかならないのではないかというふうに思います。
 このパンフレットを本当に生かされているんでしょうか、大臣。
○松野国務大臣 お答えをいたします。
 繰り返しになりますが、それぞれの生徒児童の個性によって差別をされたり傷つけられたりするようなことがあってはならない、このことは西村先生と私も共有する思いであろうかというふうに思います。
 パンフレット等を出しているにもかかわらず適切な指導ができないとはどういうことかというお尋ねでございますが、文部科学省において、性同一障害の問題でありますとか性的マイノリティーの問題に関して、現場において十分な配慮をする旨の通知を発出しております。
 その通知を受けて学校現場の方から、具体的に子供たちや保護者の方から相談があった場合はどのように対応すればいいんだろうかという相談が文科省の方に寄せられました。
 その相談を受けて、パンフレット、個別対応に対してどういった適切な指導がとり得るか、例えばサポートチームの結成の問題でありますとか、また髪型や服装等々も含めた指導の問題でありますとか、そういったことについて書いてあるものでございます。これは、それぞれの学校現場で先生方が個別に対応するに当たって参考としていただきたい資料として出しております。
 そのことと、学習指導要領において全員に対して指導していくことは事柄が違うという理解をしております。
○西村(智)委員 いいえ、私は違わないと思います。
 学校で実際に起きていることは、子供同士のいじめだけではありません。この点については、学校の先生によるいわゆる二次被害も発生しています。私も実際にそのことを、ケースとして幾つか当事者から聞いております。ですので、全ての生徒に教えていく、指導していく必要がある、その前にはやはり教員の指導も適切にやっていかなければいけないと思います。
 福祉避難所について、済みません、松本大臣と古屋副大臣から、いていただいたのに、一点だけ伺いたいと思います。
 今回、熊本地震の検証チームの中で、福祉避難所はバツがついているんですね。要するに機能しなかった、うまくいかなかったという報告書が出されております。
 いろいろなデータ等を見ましても、災害対策基本法で実際に福祉避難所の設置が市町村に対して義務づけられているにもかかわらず、やはり自治体の方は、たくさん人が来たらどうしようとか、あるいは実際に協定は結んでいるけれども指定していませんとかいうので、非常に取り組みがおくれています。
 何とかこれを改善するために、例えば開設予定の施設や場所を周知している自治体の割合、それから利用協定を結んで指定している自治体の割合、利用対象者の数を把握している自治体の割合、福祉の担当者が福祉避難所の指定が義務づけられていることを知っている自治体の割合、これを調査していただきたいと思います。調査するところからでないと物事は始まっていかないと思いますが、それについて松本大臣から一点伺って、終わります。
○玄葉委員長 松本防災担当大臣、時間が来ておりますので、答弁は簡潔で結構でございます。
○松本国務大臣 福祉避難所の利用対象者数につきましては、市町村におきまして適切と考えられる方法や基準で把握すべきものでありまして、市町村による把握の制度も異なることから、全国一律の考え方による調査で把握することはなじまないと考えているところでございます。
 そのため、内閣府といたしましては、当面は把握することまでは考えておりませんが、各市町村において管内の対象者の状況の把握に努めるよう促してまいりたいと思います。
○西村(智)委員 法律で義務づけられておりますので、そこはきちんと調査してください。
 終わります。
○玄葉委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。
 冒頭、一問だけ麻生大臣にお伺いいたします。
 G20、お疲れさまでした。ニューヨーク市内で大臣は演説されて、消費税について上げやすい景気状況になりつつあることは確かだと述べられたと日本で大きく報道されました。
 その報道があった日の日経新聞では、一面でこういう記事もありました。総務省の家計調査によると、消費性向は低下がとまらない、二月は七六・一%、二〇〇七年七月以来の低さだ。
 負担増だとか将来不安、こういうものがあって、可処分所得が若干ふえても消費がふえていないというのが実情だと思いますが、大臣のニューヨークでの演説のような景気状況には今ないんじゃないでしょうか。
○麻生国務大臣 これは先日のコロンビア大学での講演の私の発言の話なんだと思うんですが、その新聞を読んでいないので知らないんですが、日本経済が継続的に改善しているという現状認識を述べたものだと思っております。
 少なくとも、安倍政権に交代がされまして、アベノミクスなどによってGDPは四十七兆円増加しております。また、足元で過去最高水準になっておるんですが、直近の四四半期の連続でも、これを見てもプラスの成長を実現しておりますし、企業収益を見ましても、この三年間、四年間で過去最高、四十八兆だったものが六十八兆までふえてきておりますし、また、有効求人倍率なんというものも、百人卒業して八十二社しか求人広告がなかったものが、今百四十三社から求人広告が来るという、時代は明らかに大きく変わってきておりますし、賃金引き上げ率を見ても、三年連続、今世紀最高水準ということになっておりますので、そういった意味では、経済のファンダメンタルズは確かなものだということははっきりしているんじゃないんですかね。
 全体、私どもはマクロ数字で見ますからそういうことになりますので、自分の都合のいいところだけ見ているんじゃないかと言うけれども、そちらの方も自分の都合のいいところだけ見ておられるんじゃないかというのは、似たようなものなんじゃないかと思っているんですが。
 今年度の日本の経済についても、雇用とか所得環境の改善に支えられて個人の消費の堅調な伸びというのははっきりしていますし、東京五輪などの訪日客の増加への対応とか、それからIoT関係の、いわゆる関連事業を背景とした企業の設備投資も間違いなく今ふえ始めておりますし、堅調な民需に支えられた景気回復というものは見込まれておるんだ、私どもはそう思っております。
 そういった意味では、消費税一〇%への引き上げというのは、これは、将来の社会保障と税の一体改革のもとで、社会保障の充実、安定、また財政の健全化の観点からも不可欠だと思っておりますので、私どもとしては、二〇一九年の十月の引き上げが可能な環境を確実に整えるべく、今後とも経済の運営に万全を期してまいりたいと考えておるというのが基本的な考え方であります。
○宮本(徹)委員 都合のいい数字を双方取り上げているとおっしゃいましたけれども、似たようなものとおっしゃいましたけれども、私は、雇用の状況が改善している、人手不足だというのは否定しませんよ、企業の収益が改善していることも否定しませんよ。問題は、企業の収益が改善しても、若干可処分所得がふえていても、消費は伸びていないというのが厳然たる事実じゃないかと。
 先日、イオンの岡田社長が脱デフレは大いなるイリュージョンだったという発言をされて大変話題を呼びましたけれども、今、イオンだってセブンイレブンだって、商品の値下げをばんばんやっている。消費の現場は大変厳しいというのが今の実情だと思うんですよね。そういう現実を見ずに、上げるんだ、上げるんだ、こういうことでいけば、増税のたびに日本の経済、景気を壊してきているわけですけれども、同じ過ちを繰り返すことになるということを厳しく指摘しておきたいというふうに思います。
 続きまして、選挙区の区割り発表がありましたので、きょう、高市大臣にも来ていただきました。
 今回の区割りの見直しで、三分の一の選挙区の区割りが変わりました。分割された自治体も大変ふえました。生活圏が一緒なのに関係なく分断されて、困惑している有権者の方も少なくない。戸惑っている方も多いです。
 小選挙区制という選挙制度のもとで一票の格差を二倍以内にしようとすれば、日本は都市への人口の集中と過疎が進んでいますから、一定の期間のたびに区割りの変更をやらざるを得ないということが繰り返されると思うんですよね。そして、そのたびに、有権者から見て、説明がつかないような、生活圏も関係なく、区割りがどんどんどんどん変わっていくということが繰り返されていくというふうに思います。
 私は、これはもう選挙制度の弊害だと思いますが、そういう点について、高市総務大臣は認識はあるでしょうか。
○高市国務大臣 四月十九日に衆議院議員選挙区画定審議会から、衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定案について勧告を受けました。
 この勧告についてでございますが、昨年五月に成立した衆議院選挙制度改革関連法を踏まえ、審議会において、今後五年間を通じて選挙区間の人口格差を二倍未満とするなど、最善と考えられる改定案を工夫して取りまとめていただいたものと承知しています。
 委員の御指摘にもございましたが、特に東京都など是正が必要な選挙区が林立している場合にありましては、自治体の区域を二つの選挙区に分割する必要が生じるなど、大変厳しい区割りになったと聞いています。
 今後、政府としては、衆議院選挙制度改革関連法の規定に従いまして、勧告に基づいて、速やかに必要な法制上の措置を講じてまいります。
 また、現行の衆議院の選挙制度である小選挙区比例代表並立制というものについてでございますが、これは、選挙や政治活動を個人中心の仕組みから政策本位、政党中心の仕組みに転換するということを目指して、長年にわたる政治改革の議論を経て、平成六年に導入されました。
 衆議院の選挙制度のあり方については、議会制度の根幹にかかわる重要な問題でございますので、各党各会派において御議論いただくべき事柄と考えております。
○宮本(徹)委員 今大臣から答弁がありましたけれども、区割り審としては最善の工夫をしたけれども、東京などからすれば大変厳しい区割りになった。やはり、今の選挙制度でいきますと、厳しい区割りと大臣がおっしゃるような区割りが繰り返されていく、どんどんどんどんひどくなっていくと思うんですよね。
 また、今回の選挙制度、もしこれで区割りを改正したとしても、あと数年でまた一票の格差が二倍をきっと超えるでしょう。その次は、前に通った法律に基づいて今度は都道府県ごとの選挙区の数も変えるということになりますと、もっと大きな区割りの変更になりますよね。東京でいえば幾つも選挙区がふえるということになります。
 ですから、本当に人口変動のたびに選挙区の区割りがどんどんどんどん変わっていく、しかも不自然な形で変わっていく、これは小選挙区制の本当に大きな大きな弊害の一つだというふうに考えます。
 そこで、大臣に一般論でお伺いしたいと思いますが、地域間のアンバランスな人口変動の影響を受けにくい選挙制度というのはどういうものが考えられるでしょうか。
    〔委員長退席、石関委員長代理着席〕
○高市国務大臣 現行の衆議院の選挙制度であります小選挙区比例代表並立制というのは、民意の集約による政権選択機能と多様な民意の反映機能という二つの機能の実現をその基本理念としています。長年にわたる政治改革の議論を経て導入されたと承知しています。
 この現行制度のもと、御指摘いただいた人口変動につきましては、格差是正のために、第三者機関である衆議院議員選挙区画定審議会の勧告に基づいて小選挙区の区割りを適切に見直すことによって対処しております。
 もとより、選挙制度についてさまざまな御議論があることは十分に承知をしておりますけれども、選挙制度のあり方については、議会政治の根幹にかかわる重要な問題でございますので、各党各会派において御議論いただくべき事柄と考えております。
○宮本(徹)委員 いや、ですから、具体的にどうするかというのは各党会派で当然議論することなんですけれども、私は一般論として大臣にお伺いしたわけですよ。地域間のアンバランスな人口変動の影響を受けにくい選挙制度というのはどういうものが考えられるかと聞いたんですけれども、お答えできますか。
○高市国務大臣 一般論として御質問いただきましても、国民の代表である国会からチェックを受けるべき立場である内閣の一員である私から、議会制度の根幹にかかわる、まさに民主主義の基本たる選挙制度について、こうあるべきだとか、こういう姿が望ましい、もしくはこういう形にすれば人口のアンバランスの影響を受けにくいといったことを申し上げるわけにはいかないわけでございます。
 小選挙区制度については、その長所や短所については第八次選挙制度審議会の答申によって、長所としては、政権の選択について国民の意思が明確な形で示される、政権交代の可能性が高い、短所としては、選挙ごとの票の動きが激しい、少数意見が選挙に反映されにくいといった、長所、短所の分析などは客観的な形でございますけれども、人口アンバランスの影響を受けにくい選挙制度、どのようなものがあるかということを私に問われましても、ここで申し上げるわけにはまいりません。
○宮本(徹)委員 私は別にあるべき選挙制度だとかを述べてほしいということを言っているわけじゃないんですね。一般論としてこういうものが考えられるんじゃないかというのは、いろいろな形が考えられると思いますよ。中選挙区制だったら、区割りは変更しなくても定数をいじって調整というのは過去やってきたわけですよね。比例代表制だったらもっと、それも同じような形で区割りを変えずにできるわけですよね。
 ですから、首長さんも含めていろいろな声が、今回の区割りについてはたくさん声が上がっているわけですから、やはりそういう声も踏まえて、こういう弊害が出ない選挙制度、一番は民意を反映する比例代表が私たちはすばらしいと考えていますが、そこをやはり考えていかなきゃいけないんじゃないかということを申し上げておきたいというふうに思います。
 続きまして、この間ちょっと相談を受けた問題についてお伺いしたいと思います。
 聴覚障害者の皆さんからスマートフォン等の利用料金について相談がありました。
 この間、スマートフォンだとかタブレットのアプリで音声を文字に変換する、逆に文字を音声に変換するということができるようになりまして、聴覚障害者の皆さんのコミュニケーションの手段が飛躍的にふえました。
 相談に来た方はこういうことをおっしゃっていたんですね。利用料が毎月一万円近くかかる、今は日常生活、特に外出中に人とやりとりするため、私たちにとっても必須なものとなっている、にもかかわらず料金の負担が重い、携帯の使用量を減らすということは人とのやりとりを減らすということであり、家に引きこもるということになる、こういうふうにおっしゃっていました。
 聴覚障害者の皆さんは、データのやりとりですから、データ通信量が多いわけですよね。ですから、ノーマライゼーションを進めていくためには、やはりスマホだとかについてデータ通信の割引、こういうものの充実の検討が必要じゃないかと思いますが、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
    〔石関委員長代理退席、委員長着席〕
○高市国務大臣 現在、大手携帯電話事業者の三グループで、従来より障害者向けに基本料やテレビ電話通信料の割引を行っていただいています。
 今委員が御紹介いただいたのは、最近のアプリで「こえとら」というのがございます。これは、総務省所管のNICTが開発した技術を活用して、主要電気通信事業者の協賛によって無料で提供されているアプリでございます。音声と文字を相互に変換するもの、また簡易なテレビ電話を行うものもございます。これらを低廉な通信料で活用していただくことができるようにするというのは大変重要だと思っております。
 現在、大手携帯三グループでは、昨年秋に、大容量のデータ通信向けの料金プランを初め、低廉化に向けて工夫をしていただいておりますが、まだ御努力をいただく余地があると考えておりますので、料金のさらなる低廉化に向けた取り組みを促してまいります。
○宮本(徹)委員 引き続きの働きかけをよろしくお願いしたいというふうに思います。
 もう一つ、相談の中でこういう話がありました。らくらくホンをお持ちの方だったんですね。「みえる電話」というのもあるわけですが、これを入れてもらおうと思ったら、このらくらくホンには入れられませんと言われましたと。もっと機能のいいスマホにしないと入れられないという話だったみたいなんですけれども、しかし、そういうものは高いので、買いかえられなくて諦めたという声もありました。ですから、技術革新があっても、お金の有無で使えない、使われないということが現実に生まれております。
 きょうは塩崎大臣にも来ていただきましたけれども、この聴覚障害者の皆さんのコミュニケーションを支援するアプリ、どんどん開発されているわけですけれども、このアプリと一体不可分のスマートフォンだとかiPad、こういうものの取得についても経済的な支援の検討というのを行っていく必要があるんじゃないかと思いますが、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 障害者などの日常生活上の便宜を図るための用具について、障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業、特に日常生活用具給付等事業というのがありますが、こういったもので給付が行われているわけでありますけれども、これには要件がございます。
 それは厚生労働大臣の告示で示しているわけでございますけれども、今申し上げた事業の対象となる用具につきましては、用具の製作、改良または開発に当たって障害に関する専門的な知識や技術を要するもので、なおかつ日常生活品として一般に普及していないものなどといった要件を課しておるところでございまして、御提案のありました携帯電話あるいはスマートフォン、タブレットの端末、こういった本体そのものにつきましては、一般に普及していないものといった要件には合致しないわけですね。給付することは当たらないということになると思います。
 ただ、スマートフォンとかタブレット端末を使用するに当たって、障害特性に配慮して開発されたアプリケーションソフト、こういったことにつきましては、利用する際に給付が行われた事例もあるというふうに承知をしているわけでございます。
○宮本(徹)委員 厚労省のホームページを見ましたら、日常生活用具給付等事業で、大臣のおっしゃった告示も出ていますけれども、参考例というので自治体でこういうものをできますよというのが出ているんですけれども、その中に、例えば聴覚障害者だとファクスと書いてあるんですよね。ファクスというのは、一般に普及していないものかといえば、大変一般に普及しているものだというふうに思います。ですから、この厚労省の告示に基づく参考例を見ても、大変柔軟な運用をこの間厚労省自身がやってきているのかなというふうに思います。
 ですから、iPadやスマートフォンは一般に普及しているかもわかりませんが、「こえとら」を積んでいるiPadは一般に普及していないわけですから、そのアプリと一体になっているスマートフォンだとかタブレットについてもやはり柔軟にやっていくことも検討する必要があるんじゃないかなというふうに思います。
 その辺、柔軟にやっていくという点では、自治体の裁量だとかもいろいろ考える必要があると思うんですが、大臣、どうでしょうか。
○塩崎国務大臣 今申し上げたのが基本線でありますが、今新技術の時代でありますから、それは今言ったような要件に照らしてみてどうかということで考えていくんだろうと思うので、新しいものが出てくれば当然ケース・バイ・ケースになって、判断をしなければいけないというふうに思うところでございます。
○宮本(徹)委員 ファクスが載っていることを否定もされなかったということですから、厚労省としては大変柔軟にこれは解釈してやれるんだという立場だと理解して、次の質問に移りたいというふうに思います。
 次、国交省のお話に移りますので、塩崎大臣、高市大臣、御退席していただいて結構でございます。ありがとうございました。
 次に、公共事業の問題について取り上げます。
 昨年、財政制度等審議会の建議で、この四半世紀で名目GDPは五十兆円しかふえていないのに、建設国債の残高が百二兆から二百六十六兆円へ二・五倍にふえ、財政が悪化している、そして、新規採択の公共事業のBバイCが下がっているということを指摘して、BバイCの高い事業を厳選すべきというふうにされておりますが、麻生大臣、この財政審の指摘についてどう受けとめていらっしゃるでしょうか。
○麻生国務大臣 御指摘の財政審の建議において、厳しい財政状況を踏まえて、選択と集中のもとに、より少ない費用で最大限の効果というものを発揮させるようにするべき、また、費用便益の分析、いわゆるBバイCの話ですけれども、これを徹底して、日本の成長力を高めるというような事業や、防災、減災また老朽化のメンテナンス等々への重点化、効率化を進めていくことを御提言いただいたものだと承知いたしております。
 このような視点を踏まえて、平成二十九年度予算においては、国が管理する道路、河川などの老朽化対策というものを戦略的に進める、また既存のストックを活用してクルーズ船の受け入れ環境を改善するなど、質の高いインフラ整備への重点化、効率化を図っているところであります。
 公共事業というものは、未来への投資として次の世代に引き渡すしっかりとした資産を形成するものでありますので、名目GDPの増加に比して建設国債というものが大きく増加したという事実は確かでありますから、これをしっかり踏まえて、質の高い投資への重点化というものを着実に進めていくことが重要だと考えております。
○宮本(徹)委員 重点化を進めるというお話ですが、インフラ資産として残るとしても、莫大な借金も一緒に残っているわけですよね。
 先日、外環道の整備区間の問題について談合疑惑の問題を取り上げましたが、今の整備区間に続いて、国交省は、外環道の東名以南についても建設に向けた調査を今活発に行っております。
 これは、二〇一〇年以降毎年調査費がついておりますが、これまで調査に幾ら使って、調査はどの段階まで今進んでいるんでしょうか。端的にお答えください。
○石川政府参考人 お答えいたします。
 東名以南、東名高速から湾岸道路間につきましてはまだ予定路線の段階でございますけれども、この調査につきましては、国が平成二十二年度の調査開始から平成二十八年度までに総額約五億円を支出しております。
 これまで、主に整備効果や概略計画について検討しておりまして、具体的には、京浜港や羽田空港から関東北部や東北方面等への物流や観光などの広域的な整備効果、環状八号線や川崎市を縦貫する国道四百九号の渋滞緩和や事故削減などの地域的な整備効果、計画検討上の制約条件やルート、構造等の概略的な検討等について調査検討しているところでございます。
○宮本(徹)委員 調査の成果物の一部を見せていただきましたけれども、つくるための理屈づけみたいな調査なんですよね。立ち退きを迫られる方のことだとかコミュニティーが分断されることだとかのマイナス面もなければ、財政状況についての分析なども見せてもらった範囲では一切ないわけですよね。
 ちょっと念のために確認したいんですけれども、調査を請け負っている会社に国交省やNEXCOからの天下りというのはないですよね。
○石川政府参考人 お答えいたします。
 東名高速から湾岸線道路間の調査につきましては、平成二十二年度から二十八年度まで総額約五億円を支出しておりますが、公表されております再就職の届け出によれば、調査を請け負っている会社が十社ございまして、そのうち六社に対して国土交通省退職後に再就職している者は、平成二十二年度以降十三名となっております。
 また、NEXCO三社からの再就職につきましては、NEXCO三社では役員等の再就職について退職後一定期間届け出をさせておりますが、今般、NEXCO三社に照会をいたしましたところ、当該調査を請け負っている会社への再就職の届け出はないとの報告を受けております。
○宮本(徹)委員 国交省からたくさん行っているという話であります。結局、国交省が自分がつくりたい道路をつくらせるための、調査会社を使って、つくればいいよ、つくればいいよという話をやっているという話じゃないですか。
 最後、石井大臣にお伺いしますが、大臣は、外環道のシールドマシンの発進式で、湾岸部までつなぐ東名高速以南の計画の具体化も進めるという考えを示されました。事業費の見通しをどう考えているのか、そして、その事業費について、NEXCOが単独でつくる体力があると見ているのか、この二点についてお聞かせください。
○石井国務大臣 東名高速から湾岸道路間の東京外環につきましては、計画の具体化に向けて検討を進めている段階でありまして、ルートや車線数、構造、例えば高架構造、トンネル構造等々の構造等が決定をしていないため、事業費の見通しについては具体的にお答えできる段階ではございません。今後の計画の具体化を進める中で整理していきたいと考えております。
 なお、この区間、高速道路会社が単独で整備できるのかということでありますが、今申し上げたとおり、事業費の見通しも立っていないということから、有料道路事業を活用するかどうかについて現時点でお答えすることはできませんけれども、周辺ネットワークの状況を踏まえれば、仮に事業を実施するとした場合、有料道路事業を導入する可能性が高いのではないかと考えております。
○玄葉委員長 宮本君、時間が来ました。
○宮本(徹)委員 質問はこれで終わりますけれども、事業費の見通しも立っていないのに、ばんばん調査費をつけてつくるための準備を進めていく。先ほど、高速道路会社に体力があるのかと聞きましたら、有料道路事業方式の活用、利用もということをおっしゃいましたけれども、今つくっている区間でも一兆円以上税金を投入しているわけですよ。今度、東名以南ということになったら、総事業費はもっと大きく、二十キロありますから二兆円は下らないというふうに思います。そうすると、一兆数千億の税金投入ということになっていくわけですよね。それは火を見るよりも明らかですよ。
 通行料金で全く回収できない道路を税金頼みでどんどんつくっていくというのは、未来に負の遺産を残すだけだ、やめるべきだということを強く申し上げまして、質問を終わります。
○玄葉委員長 次に、吉田豊史君。
○吉田(豊)委員 日本維新の会の吉田です。きょうもよろしくお願いいたします。
 麻生大臣、アメリカからお帰りになったということで、昔でいいますと、無事の御帰国、祝着至極に存じ奉りまする、こういうふうなことかなと思うんですけれども、なかなか適切な現代語がないので、お帰りなさい、そしてありがとうございます、こういうことだと思います。
 私は、インターネット、ユーチューブの世界では、前振り議員、またはつかみはオーケー議員だ、こういうふうに言われているところがございまして、何のことかおわかりにならないかもしれませんけれども、とにかく質問の最初のところでは何かちょっとしたことは言う、中身に入っていくとなかなか拍手が出てこないという状況が続いておるんです。きょうの質問は、ずっとやってきて最後に大臣に一言というふうに思ったんですが、そうすると前振りではなくて後振り議員になりますので、順番をひっくり返して、先に大臣にお聞きしたいなと思います。
 私は常に何かをしゃべるときにはキーワードというのを考えておりまして、ことしの私のキーワードは、リスペクトという言葉なんです。リスペクトは、日本語にちょっとしづらいところもありますが、若い人たちの間では、尊敬するとか敬意を払うとか、こういうふうな形で使うわけですけれども、リスペクトの英語としての語源は、リ・スペクトで再び見るというわけですね。
 再び見ることがなぜ尊敬とか敬意につながっていくのかということは、非常に難しい、そして深いものがあると思いますが、きょう、せっかく初めて決算委員会の方に来させていただいて、決算というのはまさにリスペクトでリ・スペクトだと思うわけです。決算の重要性ということとリスペクトをぜひつなげていただいて、大臣から感想をまずいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○麻生国務大臣 商売をやっていたから、俺もそうだったからよくわかるんですけれども、予算は一生懸命やるけれども決算はやらないというのは、まず会社だったら潰れるわね。僕は、最初に入った数年間、本当にここは何で決算をやらぬのだろうなと思ったのがずっとあったので、今あなたはそういう疑問を持っておられるんだと思いますけれども、ぜひ持ち続けた方がいいです、もう大体忘れちゃっていますから、この辺は。ぜひ、そういった意味で、これはすごく大事なところだと私は思っておるので。
 今、私どもは、これを一生懸命やらないかぬというので、参議院は特にえらく一生懸命やられるようになって、昔に比べたら随分変わったんだと思うんですけれども、基金事業というものの点検とかそれから予算の執行調査というようなものは、予算のPDCA、プラン・ドゥー・チェック・アンド・アクションというPDCAサイクルというものを通じて常に予算を見直す、大丈夫でしたか、どうだったかと予算を見直すとか、また、大丈夫でしたか、これはもうちょっと効率的にできるんじゃないかとか、ひいては、そういったものをやっていくと健全化につながっていくということになるので、これは極めて重要なものなんだと私自身は思っております。
 これまでも、基金事業については、行政事業レビューというのを通じていわゆる点検の実施とか、各府省において基金シートを活用して自己点検というものをやってきてもらった結果、平成二十六年度からの話ですけれども、二十六、二十七、二十八のこの三年間で約七千億円を超えて国庫に返納していただいておる、予算はついていますけれどもそれを返納しているという話が約七千億円発生しております。
 また、予算の執行調査というものをやらせていただいておりますが、財務省の予算の担当をしております職員が予算の執行実態というものを調査しに行って、いわゆる事業などの必要性、有効性また効率性等々について検証を行って翌年度の予算の編成に活用していただいた結果、過去三年間、二十七、二十八、今年度を含めて二十九の分におきましては総額約一千億円の歳出カット、歳出削減ということで、総額八百億円を超えます歳入の増加というものにつなげることができたと思っております。
 今後とも、これらの取り組みというものを継続して効率化また適正化というのを図っていく必要があろうと思いますので、二十四年度とか二十五年度とか、わけのわからぬ昔の話じゃなくて、ぜひ適切に、次の予算の決定にうまく利用できるような形での決算が上がってくることを私どもは期待いたしております。
○吉田(豊)委員 おっしゃるように、決算は、生きのいい、その直前のところをきちっと見ていくということが次に生かしていくことだろうと思いますし、今の大臣のお話であれば、日本政府、日本という会社を経営しているのは実は与党なんですね、野党が経営しているわけではない。ですから、私は、与党こそがまず決算をやって、その決算の姿を見て野党がまたそこにいろいろな意見を言う、それぐらいの、二段階決算とか、そういう考えがあってもいいくらいじゃないかなと今お聞きして思いました。
 それでは、質問をさせていただきます。きょうは、生活福祉資金の貸付事業を実施するための保有資金という観点で、一つお聞きしたいと思います。
 社会福祉協議会、以下、社協と呼ばせていただきますが、生活福祉資金貸付事業については、多くの資金が預貯金として保有され、そして償還金収入額が貸付資金額を上回っているという状況にあって、保有資金が多くあり過ぎるのではないかということの指摘がされている。これについて厚生労働省がどう認識しているか、確認させていただきます。
○定塚政府参考人 お答え申し上げます。
 昨年十月、会計検査院より、生活福祉資金貸付事業の保有金額につきまして、多くの都道県の社会福祉協議会において保有資金の額が貸付事業の運営に必要な額を上回る状況となっていること、その要因といたしまして、保有資金の額が適正な規模となっているかについて評価を行うための判断基準がないこと、また、適正な規模を上回っている場合であっても、国に返還する措置を講ずる仕組みが設けられていないことなどについて御指摘をいただいているところでございます。
 この貸付事業の保有資金でございますが、経済情勢の悪化や大規模災害などにおける一時的な資金需要として保有しているものでございまして、会計検査院から指摘のあった試算額の全てが不要であるとは考えてはおりませんが、保有資金の適正な規模に関して判断基準がないということは事実でございますので、今後、会計検査院の指摘の趣旨に沿って、必要な対応を図ってまいりたいと考えております。
○吉田(豊)委員 具体的に、検査院の試算で四百億弱が資金保有の必要性が低いと指摘されていることですけれども、これについて国庫返納が行われたかどうか、確認させてください。
○定塚政府参考人 お尋ねの額、三百九十九億円強の額でございますけれども、こちらは、会計検査院が貸付事業の実施状況、保有資金の状況などを踏まえて試算された結果に基づきまして、当面の貸付事業の安定的で円滑な実施のために引き続き保有し続ける必要性は低いとされた額でございます。ただ、この額の中には、災害などの緊急時の対応などは勘案されておらず、必ずしも全額国庫へ返還すべきものではないと認識をしております。
 今後、会計検査院の指摘に沿いまして、先ほど申し上げた保有規模の適正な評価を行うための判断基準を作成し、この判断基準に照らして保有資金の額が過大であると認められた場合には、国庫補助金相当分の返還をしっかり検討してまいりたいと考えております。
○吉田(豊)委員 保有資金の規模が貸付事業の実施状況と照らして適正かどうかということを評価していく仕組み、基準は持っていらっしゃるんですか。
○定塚政府参考人 御質問いただきました評価の仕組みや基準は現在有しておりません。
 このため、現在、会計検査院の指摘の趣旨に沿って、保有規模の適正な評価を行うための判断基準を作成中でございまして、この判断基準の策定に当たりましては、経済情勢の悪化、大規模災害における一時的な資金需要にも対応していく必要があるという考えに照らして、今後の必要な貸し付けに支障が生じないように、貸し付けの実施主体である都道府県社会福祉協議会における貸し付け、償還状況といった地域ごとの状況や、災害のときの緊急時の対応など、多角的な視点から検討してまいります。
○吉田(豊)委員 この保有資金ですけれども、適正規模を上回る資金について、国庫返納についての定めはありますか。
○定塚政府参考人 現在、この貸付事業に係る補助金の交付要綱におきましては、保有資金の額が適正な規模を上回っている場合に返還させることについて定めがないため、国庫に返還させることはできない状況となってございます。
 このため、現在、会計検査院の指摘に沿って判断基準を策定しているところであり、判断基準に照らして過大と認められる場合には、国庫補助金相当分の一部を国に返還できるように、交付要綱の改正を行ってまいりたいと考えております。
○吉田(豊)委員 厚生労働省として、社協による生活福祉資金の貸付事業自体の必要性を今どう認識しているか、確認させていただきます。
○定塚政府参考人 生活福祉資金貸付事業でございますが、低所得世帯などに対して、資金の貸し付けと同時に相談支援を行うということにより、これらの世帯が安定した生活を送れるようにすることを目的としているものでございます。例えば、生活困窮者自立支援制度による就労や家計の相談支援などと相まって、複合的な課題を抱えた方も含め、生活に困窮する方の経済的な自立を図るための支援策の一つとして今後も大変重要な役割を果たすものであると考えております。
 この生活困窮者自立支援制度でございますが、昨年十月以来、施行三年後の見直しに向けた論点整理のための検討会というものを開催してきておりますが、この中でも、生活福祉資金貸付事業について、貸し付け要件が厳しく必要な方が利用しにくい、貸し付けの判断に当たって都道府県に差異が生じているなどのさまざまな課題が指摘されているところでございます。
 今後、こうした点についても検討を深め、より効果的な制度となるように努めてまいりたいと考えております。
○吉田(豊)委員 そうすると、受け手側からするといろいろな応援というのがあるんですけれども、ほかの同様の貸付事業とこれが重複している可能性について精査したり、どういうふうにして考えていくかということ、これをどうお考えでしょうか。
○定塚政府参考人 本貸付事業につきましては、この貸付対象を、独立自活に必要な資金の融通をほかから受けることが困難である者というものを対象といたしております。
 したがいまして、必要な資金をほかの制度で借り受けることが可能な場合には、ほかの制度、事業を活用していただくということが原則となっております。このため、ほかの貸付事業との重複につきましては、市町村社会福祉協議会の貸し付け窓口において十分な確認が行われているものと承知をしています。
 いずれにしても、この制度創設以来、その時々の社会経済問題に対して機動的に対応して低所得世帯に対するセーフティーネットとして大きな役割を果たしてきているものでございますので、今後とも、この重要な役割を担えるよう、適切な運用に努めてまいりたいと考えております。
○吉田(豊)委員 幾つか指摘させていただきましたが、ぜひ改善点についてはすぐ進めていただきたい、このように思います。
 次に、公益法人などに造成されている基金について、執行状況を確認させていただきたいと思います。
 お金のことになると、私は一番最初に財務金融委員会におりましたので、麻生大臣に質問したのが政治家としての活動、お金をどういうふうにしていくものなんだろうかというときに、大臣の方からは、吉田君、政治家は借金じゃなくて投資なんだよ、こういう言葉をいただいたんですね。非常に深い言葉だし、投資してもらうだけの政治家になるということは本当にまた一層大変なことだなと思いながら、新しくきょうは基金という言葉を勉強させていただいております。
 この基金というのも、政治家に対して基金というのがあると、またいろいろな意味でおもしろい展開あるいはわかりやすい展開という可能性もあるんじゃないかなと思うんですが、改めて、きょうは公益法人についての基金なんですけれども、財務省が基金事業を精査して使用見込みの低い基金について返納を検討するということを常におっしゃっているんですけれども、財務省として平成二十七年度の国庫返納について十分だったと認識しているかどうか、お聞きしたいと思います。
○木原副大臣 委員から基金事業における国庫返納に関しての御質問をいただきましたが、基金につきましては、一旦予算を計上した後も、経済情勢の変化等を踏まえまして、行政事業レビュー等を通じた点検を実施するとともに、各府省においても基金シートを通じて基金の自己点検を実施しているものでありまして、先ほど大臣が答弁させていただいたところであります。
 このように、行政改革推進会議を中心として毎年度しっかり点検作業を行った結果、平成二十七年度は二千億円超、過去三年間では総額七千億円超の国庫返納予定額を確保できたものと承知しております。
 引き続き、財務省としましても、行政改革推進会議や各府省と協力し、基金の適正化に向けて、不断に取り組んでまいる所存でございます。
○吉田(豊)委員 基金というところで御説明を今いただくわけですけれども、基金の対象となる事業の性質からすると、必ずしも基金である必要はなく、あるいは政策金融機関など、こういう対応がよりふさわしいのではないかと思う場合もあると思うんですけれども、これについてはどのようにお考えでしょうか。
○木原副大臣 基金方式か、それとも政策金融機関かという問いでございますが、各省各庁の事業については、補助金で造成する基金方式を活用するか、または補助金を交付して政策金融機関を活用するか、これについては政策目的を達成するためにどちらが適しているかという判断によるものと考えておりまして、それぞれ役割があるものだと思っております。
 いずれにしましても、基金方式による場合には、予算計上後においても、行政改革推進会議による点検や各省庁による自己点検を通じて不断の見直しを図っていくことが大切であろうと考えております。
○吉田(豊)委員 もう一つ具体的にお聞きしたいんですけれども、財務省の予算執行調査というところで、平成二十五年度の戦略的基盤技術高度化支援事業についての調査についてということでお聞きしたいと思います。
 この事業で取得する場合の機器についての処分は一般競争入札に付するということが基本ということですけれども、これにどのように対応していたか、確認させていただきたいと思います。
○吉野政府参考人 お答えいたします。
 戦略的基盤技術高度化支援事業、これはサポイン事業と称しておりますけれども、この事業につきましては、平成二十五年度財務省予算執行調査におきまして、委託事業として取得した機器設備の処分については、可能な限り一般競争入札等による買い取りがより多くなされるよう、厳格な運用がなされるべきであるという御指摘があった次第でございます。
 この指摘でございますけれども、同じ調査によりまして、本事業が委託事業として行われていることに関して、補助事業との利害得失を評価した上で、適切な支援のあり方を検討すべきとの指摘とともに示されたものでございます。
 私どもとしましては、これらの指摘を踏まえまして、まず、平成二十六年度からは、委託事業から、事業者がみずから行う研究開発等に対する支援として補助事業とするという制度の見直しをしております。事業者から一部自己負担を求める制度への見直しを行って執行を行っているところでございますし、御指摘のありました委託事業で取得した財産につきましては、基本的に会計法令に従って適切に売却、貸し付け等の手続が行われているわけでございます。
 原則一般競争入札とはしておりますけれども、当該物品に受託企業などのノウハウが含まれている場合ですとか、また、公益法人などが引き続き関連する試験研究を続けて行う場合、これらの場合には随意契約による売り払いですとか無償貸し付けによって行っておるわけでございますけれども、いずれにしましても、こうしたルールに従って厳正にやってまいりたいと思っております。
○吉田(豊)委員 そして、調査以降、予算が増加傾向にあるということですけれども、この指摘についての対応は財務当局として十分と考えているかどうか、確認をさせてください。
○木原副大臣 戦略的基盤技術高度化支援事業につきましては、先ほど中小企業庁からお答えしたとおり、事業者の自助努力の発揮を求めるべく、委託事業から補助事業へと見直しが行われるなど、平成二十五年度の予算執行調査における指摘等を踏まえまして、しっかりと対応がなされたものと考えております。
○吉田(豊)委員 何よりも決算で見るべきはやはり無駄がなかったかということの一言に尽きると思いますので、ぜひ、さまざまな分野でしっかりと確認して、また進めていただきたいと思います。
 終わります。ありがとうございます。
     ――――◇―――――
○玄葉委員長 次に、平成二十七年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)、平成二十七年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)の両件を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両件審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、外務省大臣官房審議官宇山智哉君外九名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○玄葉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
    ―――――――――――――
○玄葉委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松田直久君。
○松田委員 民進党・無所属クラブの松田直久でございます。
 麻生大臣には初めての質問でございまして、どうぞよろしくお願いをいたします。
 先ほど、維新の党のエースの吉田委員の方からるる質問がございまして、決算に対する大臣の思いの一端を見させていただいたな、そんな感じでありますけれども、私はもともと地方の議会、そちらしか経験がないものですから、このように決算監視委員会へ入れていただいて、近年非常に決算がおくれているということにびっくりしたというか、ああ、国というのは地方の常識から考えられないなという思いでありました。
 決算というのは地味なんですけれども、予算が注目されるんですけれども、決算をしっかりして次の予算に生かすという意味では非常に重要なんだろうというふうに私は思っておるところでございます。
 先般も、いろいろな意味で御質問が私どもの石関さんの方からもございましたけれども、その決算が玄葉委員長のもとで、また与党の筆頭理事後藤田先生初めたくさんの方々の思いで前に大分進んできた、そういうような思いがございますので、この進行はとめてはならないなという思いを込めて、まず最初に予備費の質問をさせていただきたい、そのように思います。
 予備費については、憲法の第八十七条で「予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基づいて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。」と規定をされており、次項において「すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。」としています。そして、財政法等により、具体的な使用の手続が定められております。
 このように、予備費制度は国の財政支出に係る国会の事前議決原則の例外となっておりますが、例えば軽微な事態や災害時、緊急を要する事態に関しては補正予算では必ずしも機動的に対応できるとは限らないことから、迅速性、機動性という観点から必要性があるものと考えられる。ただし、これまでも、財政民主主義の観点からその計上額の妥当性や使用のあり方についてさまざまな議論がございました。
 そこで、麻生大臣に、大所高所から、予備費制度の計上や使用のあり方について、また補正予算の編成との兼ね合いも含めて、改めて御所見をいただきたいと思います。
○麻生国務大臣 予備費についてはいろいろ御意見があるところなんですが、基本的には、これまで、予想しがたいような事情なんかによって歳出予算の見積もりに沿った経費というものが不足しちゃった、例えば台風が起きたとかいろいろな理由もありますけれども、そういった場合とか、また、予算に見積もられていなかった新たな支出が出ることになったといった場合に、あらかじめ国会の議決を得た範囲内で内閣の責任においてこれを支出することを認めるということになっておるんですけれども、国会の事前決議の原則の例外ということになりますので、その意味では、予備費の支出については、事後に国会の承認をいただくということになっておるところです。
 また、その使用に当たっては、憲法とか財政法とかいろいろありますけれども、そういった規定に基づいて各省とか各庁から出てくる予算を査定すると同時に、個別の経費ごとに金額とか理由とかいうのを明らかにして、閣議の決定というものが必要なんですということをきちんとさせているところであります。
 現在御審議をいただいております平成二十七年度の支出、いわゆる予備費につきましても、こうした性格とか手続に沿って対応しているものというように御理解いただければと思っております。
○松田委員 財政民主主義の観点から、しっかりとチェックというんでしょうか、予備費を使っていただきたい、このように思います。
 次に、そもそも論なんですけれども、平成二十七年度の一般会計の予備費の当初予算額は三千五百億円。財務省の財政統計によれば、実は昭和五十四年度以降、平成三年度を除き、毎年度三千五百億円となっています。
 そもそも何で三千五百億円なのかな、具体的に理由はあるのかなと。平成三年度を除きというのは湾岸戦争だったということなんですけれども、具体的に何か理由があるのか、御所見をいただきたいと思います。
○木原副大臣 予備費の額は、財政法の第二十四条に基づきまして、予備費として相当と認める金額を歳出予算に計上できるというふうにされております。
 先ほど大臣が御答弁したように、予見しがたい予算の不足に充てるという予備費の性格上、どの程度の額が適正かということについては明確な基準を申し上げることはなかなか困難でございますが、予備費制度が予算の国会の事前議決原則の例外として認められていることを踏まえつつ、一般会計の予算規模に対する大きさや、過去における予備費使用額の状況、過去といいますのは、過去最大の予備費の使用は平成二年度の三千二百三十九億円、これが当初における最大の使用額になるんですが、そういったことを総合的に勘案しまして、平成二十七年度当初予算においても前年度同額の三千五百億円の予備費を計上したところでございます。
○松田委員 何度も言いますが、地方にとってありがたいといいましょうか、いい予算だな、予備費というのは使い勝手のいいものだな、こう思いますけれども、時間がございませんので、先に進めさせていただきたいと思います。
 それでは、各論に入らせていただきたいと思います。
 時間がないものですから、ちょっと通告を変えさせていただきます。申しわけございません。
 平成二十七年度の予備費における、主要国のいわゆるサミットの開催準備に必要な経費について伺わせていただきます。
 三重県で先般サミットが行われまして、非常に成功裏、無事に終わりました。その中で、まず、外務省がサミット開催準備庁費として計上している予備費約八十三億円のうち、電気通信設備や情報通信基盤整備などの情報通信インフラの整備に使われた金額を具体的に、簡単で結構です、御説明いただきたい。
○宇山政府参考人 お答えいたします。
 当省が計上しております主要国首脳会議の開催準備に必要な経費の予備費八十三億円の内訳でございますが、国際メディアセンター借り上げ費に約三十・六億円、通信インフラ等借り上げ費に約三十四・四億円、警備対策整備費に十二・三億円、通信基盤整備費に約一・四億円、国際メディアセンター運営費に約四・六億円でございます。
 以上でございます。
○松田委員 ありがとうございました。
 今回審議している予備費も含めた、整備した情報通信インフラについては、伊勢志摩サミット終了後に撤収されたと聞いています。
 例えば、設備を残して地域振興や防災のために活用することは検討されなかったのか、事実の確認としてまずお伺いをいたします。
○武井大臣政務官 委員御質問の伊勢志摩サミット終了後のインフラ設備の関係でございますが、外務省の予算でこれは設置をいたしまして、光回線及び携帯電話の設備といいました通信設備でございますが、これにつきましては、サミット開催に伴う臨時的な回線需要に対応するというような性格のものでございました。
 このサミット活用後の活用についても種々検討を行ったところでございますが、サミット終了後も、大変太い回線でもございましたので、同程度の回線需要を維持するということはなかなか想定しがたく、また運用コストや維持費用を要するという観点から、撤去することが適切であると判断をしたところでございます。
 なお、この光回線につきましては、地元の自治体より、当初は残してほしいという要望もあったわけですが、運用コストの負担等を改めて検討された結果として、後日、辞退をする旨の申し入れがあったところでございます。
 以上です。
○松田委員 早くから地元に例えばこういう形の設備とかいろいろな話があれば自治体としてもしっかり協議はできたんですけれども、いわば時間もなかったということもあるんです。
 そもそも、三十億円かけて情報インフラを整備して諸外国の方々のいわゆるマスコミ等々の対応をしたということなんですけれども、その期間の間だけこの志摩なんかは例えば情報が、LANが速くなったりとか、非常に地元の人は喜んだんですね。また、この志摩なんかは特に国際会議場の設備、施設なんかがあるホテルもありますから、こういうものを残していただければ地方創生という意味でも非常に有意義だった、僕はこう思うんです。
 そもそも外務省に、こういうものを残して、そういう創生といいましょうか、地域を何とか支えてやろうという議論はこのサミットまでに省内であったんでしょうか、お尋ねいたします。
○宇山政府参考人 お答えいたします。
 今政務官からも御答弁申し上げたところでございますけれども、やはり短期間における準備、それからいろいろな施設も、短期間で建設をしなくちゃいけない仮設の施設ということにもなってまいったりするようなこともありまして、そういった中でどのような形で貢献できるかということにつきましては、地元の御要望もあったりしましたので、その都度さまざまな検討をしたことはございますけれども、やはり恒久的施設として残すような形ではなかなか困難であったということがあろうかと思います。
 他方で、さまざまな資機材につきましては、当初から、民間事業、地元の公共施設、それから国土交通省の整備局発注のさまざまな営繕工事、こういう形で使われることになっております。具体的には、三重県で来年オープンされるというふうに聞いておりますけれども、伊勢志摩サミット記念館の展示の一部として、また伊勢市では、市内の全小中学校、駅前広場、公共施設などに設置されるサミット開催記念ベンチの材料、こういうところに国際メディアセンターの資機材が活用されているということはございます。
 ということで、どういう形でというのはなかなか難しい面もありますけれども、私どもとしては、できる限り地元の発展につながる形、何か残る形で活用できないかというのを検討したということでございますし、一部そういった形で再活用されているということでございます。
○松田委員 しっかりと協議をされたということではないんだろうなと思います。今のお話でいきますと、急場といいましょうか、サミット自体が突貫工事みたいなことだ、こう思いますけれども、外務省の言われる公平性という観点も、今まで沖縄でやって洞爺湖でやったというようなことで、恐らく同じそういう思いというのは沖縄でも洞爺湖でも多分あったと思うんですね、公平性という感覚は。
 しかし、沖縄でやって、そして北海道、洞爺湖でやって、ちょうどその後でいわゆる地方創生という形、安倍総理が今最も力を入れています地方創生というものに、今いろいろな形で各省が取り組んで、また地方もやはり何とか頑張らなあかんということで取り組んでおる中で、やはり私は、そういう面で、これをどういうふうに生かすんだという議論がもっとしっかりと、例えばアネックスというのがもう一つ、三十億円ですか、これはいわゆるマスコミの、地元の施設の横に建てられたわけですね。取り壊しに三億かかった。これも、地元の首長さんが、何とか一遍、これを私どもに譲ってくれないかと言ったはずなんです。ですけれども、答えとしては、一括で出していますからできませんというようなお答えだったと思うんです。
 あわせて、そういう事実があったのか、どういうふうな形になったのか、ちょっとお答えいただけませんか。
○宇山政府参考人 お答え申し上げます。
 メディアセンターの施設につきまして、地元の一部自治体の方から、これはもう使用された後だったように記憶しておりますけれども、それを活用できないかというような話があったという先生のお話は、私どもとしても承知をしております。
 ただ、このメディアセンターの施設自体が、もともと恒久的な施設として建設をされる前提ではなくて、ある種短期間で整備をし、したがって、さまざまな建設許可等に至っても、恒久的施設としての前提で許可をとっているというものではなくて、あくまでも仮設の施設という前提でさまざまな手続をして建てていたものでございまして、それを恒久的な施設としてその後活用するのはもともとの前提からいってもなかなか難しいというようなことを御説明差し上げたと承知しております。
○松田委員 恒久的施設じゃない、仮設だったと。仮設でも、世界からたくさん要人が来てみえて、何かあって潰れたらあかんわけですから、強度なんかはきちっと計算されているものだと思うんですよ。
 そして、もともとから地方でそういう地方創生の感覚があって、だったら、先にそういう情報を流して、地元で使えるものであったら初めから恒久的にしておけばいいわけでありまして、僕はそれは理由にならぬと思います。
 例えば、リサイクル率にかなり気をつけられて、なるべくリサイクルをするようにというようなことも、受けられたところにはそういう指示もされていて、何かあったときには、リサイクルは九八%できていましたから無駄になっていませんよというような言いわけを考えているというか、申しわけないですけれども、そんなことに思えて仕方がありません。
 先ほど外務政務官にお答えをいただきましたけれども、政務官は宮崎御出身ですよね。次にまたサミットが、これは何年後かに戻ってくるんですね、宮崎になるかもわからない。可能性というのは十二分にあると僕は思うんですね。地方としてはやはりこれを機に何とか生かしたいという思いはあるわけで、この予備費じゃないですけれども、もっと使い勝手のいいような形で、やはり今、地方が一生懸命取り組んでおる地方創生とかみ合うようなやり方というものを僕は考えるべきだと思う。
 外務省の中で、次にまた何年後かにあるわけですよ、時間はまだありますから、一遍それは真剣に考えるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○武井大臣政務官 お答えいたします。
 前回の伊勢志摩サミットのメディアセンターでございますが、私も、実際現場には行っておりませんで、写真などで見た限りでありますが、かなり鉄パイプなんかも使って、当時はコストを抑えるという社会的要請が非常に強かったといったような状況の中で、外見は大変立派なんですけれども、実際に足回りなどを見るとやはり仮設の感が非常に強いものでありまして、もちろん、これを実際に本格的な建築でしていくということであれば、相当コストが大きくかかっただろう、そしてまた環境等への対策等もかなり負荷がかかった。物理的そしてまた時間的な制約も非常に厳しい中で、ああいったような形になったことはやむを得なかったというふうに思っております。
 確かに、委員御指摘のとおり、サミットは八年置きに回ってくる、次はどこかまた地方に、私の地元も含めて回ってくる可能性があるわけでございますが、そういうことを考えましたときには、今回の経験はよく参考にして、また次に取り組んでまいりたいと考えております。
○松田委員 時間が来ましたので終わりますけれども、やはり一円たりとも無駄遣いをしないというのが、何度も申しますように、地方の気持ちでありまして、今、仮設で簡単なものだ、こう言われましたけれども、僕があるところで聞いたら、ほとんど、ほとんどですよ、きちっと建てるのと大差ないというようなことでした。
 ですから、外務省としても、やはり外務省の常識が非常識であったらあかんわけですから、しっかりとこれから考えていただきますことを強く要望しまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○玄葉委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○玄葉委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。
 予備費について質問いたします。
 二〇一五年度の予備費は、建設アスベスト訴訟にも使われております。建設アスベスト訴訟は、六地裁で提訴され、初めの二〇一二年の横浜地裁判決が原告敗訴としましたが、その後、五裁判では連続して国の責任が断罪され、国の責任を認めることは司法でも大きな流れとなっております。
 直近の札幌地裁の判決、ことし二月ですが、こういう一文がございます。当裁判所としては、国家賠償法に基づく法的責任を負う被告のみならず、被告企業を含む石綿含有建材の製造販売企業らが、建築関係企業らとともに、本件被災者らを含む建築作業従事者らのこうむった石綿関連疾患の発症による損害を補填するための何らかの制度を創設する必要があると感ずるが、これについては、立法府及び行政府による政策判断を待つほかはない、こう指摘されております。
 いたずらに裁判を長引かせるのではなくて、司法からのこの指摘を真剣に受けとめて、国として何らかの補償制度の創設に踏み切るべきだと考えますが、厚労省、いかがでしょうか。
○堀内大臣政務官 建設作業従事者のアスベスト被害については、現在、国及び建材メーカーを被告とする複数の訴訟が係争中でありまして、国の主張は引き続き裁判の中で明らかにさせていただくこととさせていただいております。
 石綿による健康被害に遭われた方々に対しては、労災保険制度や石綿健康被害救済法に基づく給付制度等に基づき、救済を図っております。
 また、建設工事に従事する労働者の石綿による健康障害防止のため、建築物の解体作業等での石綿暴露防止対策の徹底、石綿作業従事者に対する法令に基づく健康診断の実施の徹底、また、一定の要件を満たす離職者に対する石綿健康管理手帳の交付と国の費用による健診の実施等を行っているところであります。
 厚生労働省といたしましては、引き続きしっかりとこれらの対策に取り組んでまいりたいと存じます。
○宮本(徹)委員 冷たい答弁なんですけれども、本人原告六百六十八人のうち、もう半数以上の方が亡くなられているんですよね。これ以上裁判を長引かせていけば、どんどんどんどん原告の方も亡くなっていくということになってしまうと思うんですよね。
 ハンセン訴訟のときは、控訴せずに、厚労省、そのときは和解しましたよね。やはり人道的な見地でこういう問題については考える必要があるんじゃないかと思いますが、今のようなずっと裁判で争うという姿勢でいいのかというのを、もう一度、大臣も含めて検討していただきたいんですけれども、いかがですか。
○堀内大臣政務官 ただいま複数の訴訟が係争中でございまして、国の主張は引き続き裁判の中で明らかにさせていただきたいと思っております。
○宮本(徹)委員 もうちょっと血の通った答弁をやっていただきたいというふうに思うんですけれども。本当にどんどんどんどん亡くなっていきますよ。各党派の議員の中でも、かなり多くの方が、このアスベスト訴訟の問題については、国そしてメーカーを含めた基金制度をつくるべきだということでの紹介する議員にもなっているという段階なわけですよね。ですから、ぜひ検討していただきたいということを重ねて申し上げておきたいというふうに思います。
 次の質問に行きます。政務官、お忙しいでしょうから、御退席していただいて結構でございます。
 次に、防衛省に係る予備費のところに入る前に、防衛大臣に来ていただきまして、北朝鮮にかかわる問題についてお伺いしたいというふうに思います。
 きょうの毎日新聞の世論調査でも、各国が北朝鮮にどう対応すべきかということで、外交努力を強めるべきというのが六四%、軍事的な圧力を強めるべきというのが二一%。多くの国民の方が外交努力での解決を求めているということだと思います。
 この週末の間に、自衛隊は、米空母カール・ビンソンとの共同訓練を開始したという発表を行いました。この共同訓練の目的、期間、それから武器等防護の任務を付与しているのか、そして訓練期間中にカール・ビンソンが先制攻撃に出た場合にどう対応するのか、このことについて御答弁をお願いしたいと思います。
○稲田国務大臣 今お尋ねのカール・ビンソンとの共同訓練についてでございますが、海上自衛隊の護衛艦「さみだれ」「あしがら」は、四月二十三日から西太平洋において、米海軍の空母カール・ビンソンを含む艦艇数隻とともに各種訓練を実施する日米共同巡航訓練を実施しているところでございます。
 この訓練は、海上自衛隊の戦術技量の向上及び米海軍との連携強化を図ることを目的として実施することといたしたものでございます。
 訓練の期間については、部隊の運用に係る事項でありますので、お答えは差し控えさせていただきます。
 さらに、武器等防護についてのお尋ねでございますが、自衛隊法第九十五条の二に基づく米軍等の部隊の武器等防護については、昨年十二月に、自衛隊法第九十五条の二の運用に関する指針を国家安全保障会議決定し、米軍を対象に運用を開始したところでございますが、個別具体的な警護の要請の有無、実施の状況等については、事柄の性質上、お答えを差し控えたいと思います。
○宮本(徹)委員 訓練期間についてもお答えできないということなんですけれども、日常的には、訓練を実施する際には、いつからいつまでやるというのは、例えば四月三日の日米韓共同訓練の実施についてというのを見れば、期間は必ず入っていますよね。今回なぜ訓練期間を発表しないんですか。その意図というのは何でしょう。
○前田政府参考人 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、訓練期間について、定まった形があれば事前に公表させていただくこともございますけれども、今回の場合には、そこがまだ調整をしている面もございますので、運用に係る事項ということで、それ以上のお答えは差し控えさせていただいているところでございます。
○宮本(徹)委員 いつまでやるかもわからないということではありますが、先ほど、訓練の目的で、米軍との連携の強化というお話がございました。
 御存じのとおり、トランプ政権は、単独での北朝鮮への武力行使を、場合によってはあり得るという立場を表明しているわけであります。そして、カール・ビンソンを北上させているというのが今の状況なわけですよね。そういうカール・ビンソンとの連携の強化というのは、今言われた目的での連携の強化というのは、これは、トランプ政権と一緒になって軍事的圧力を北朝鮮に対して日本の自衛隊もかけていく、こういう目的も含まれるということでよろしいわけですね。
○稲田国務大臣 先ほど申し上げましたように、この訓練は、海上自衛隊の戦術技量の向上及び米海軍との連携強化を図ることを目的として実施したということでございます。
 その上で申し上げれば、外交努力を通じて平和を守ることが重要である、先ほど委員が御指摘になったとおりでございますけれども、地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中で、米国の抑止力を確保するということは重要だというふうに考えております。そして、あくまでも、この目的は、海上自衛隊の戦術技術の向上と米海軍との連携を強化することを図るということでございます。
○宮本(徹)委員 ですから、米海軍は、実際は今、北朝鮮に軍事的圧力をかけて、武力行使も場合によっては辞さないという姿勢をとっているわけですよね。そうすると、その米軍との連携の強化というのは、自衛隊も一緒に軍事的圧力をかけているということになるんじゃないですか。違いますか。
○稲田国務大臣 今答弁いたしましたように、私どもの訓練の目的というのは、先ほど申し上げましたように、海上自衛隊の戦術技量の向上及び米海軍との連携強化を図ることを目的としているということでございます。
○宮本(徹)委員 私の質問になかなかお答えいただけないわけですけれども。
 北朝鮮への武力攻撃も辞さないと言っているトランプ政権、そのもとでカール・ビンソンは北上している、そういう中で一緒になって訓練していくということになったら、軍事的圧力を日本の自衛隊も一緒にかけているというふうに相手国が受け取るのは普通のことだというふうに思いますよ。
 憲法九条は、御存じのとおり、国際紛争を解決する手段として、武力の行使も、そして武力による威嚇も放棄しているわけですよ。今、私は、自衛隊がとっている姿勢というのは、この憲法九条に照らして極めて問題があると言わなければいけないというふうに思います。
 それから、もう一点お伺いしたいんですが、先ほど、訓練の海域について、西太平洋とおっしゃいました。この西太平洋というのはどこを指すのか。東シナ海やあるいは九州西方の海域ぐらいまでを指して言っているのか、もちろん日本海は入らないということでいいのか。この点、お答えください。
○前田政府参考人 お答えいたします。
 プレスリリースの方でも、訓練海域については西太平洋というふうに御説明を申し上げてございます。西太平洋ということ以上の詳細につきましては、これも運用に係る事柄でございますので、この場での御答弁は控えさせていただきたいと存じます。
○宮本(徹)委員 では、日本海が入らないということはいいわけですね。
○前田政府参考人 お答えいたします。
 繰り返しで恐縮でございますが、現時点では、訓練海域は西太平洋という以上の御説明というのは御容赦をいただければと思います。
○宮本(徹)委員 ですから、普通、地図上を見たら、西太平洋には日本海は入らないと思うんですけれども、そういう理解でいいのかというのを確認したいんですが。
○前田政府参考人 お答えいたします。
 繰り返しで申しわけございませんが、現時点では、訓練海域は西太平洋ということで調整をいたしてございます。それ以上の点については、現時点での御説明は控えさせていただきたい、こういうことでございます。
○宮本(徹)委員 つまり、地図上は、西太平洋というのは日本海は入らないわけですよ。それにもかかわらず、そういう答弁を繰り返されるということは、この後、訓練の海域の追加があり得るという理解でいいわけですね。
○前田政府参考人 お答えいたします。
 現時点で、訓練海域は西太平洋ということで訓練を今始めているわけでありますけれども、それ以上の地域については、また必要に応じ、適切な形で御報告することはあろうかと思いますが、現時点では西太平洋ということでとどめさせていただきたい、こういうことでございます。
○宮本(徹)委員 つまり、今後、必要に応じて日本海でも訓練を一緒にすることがあり得るということで、私は、憲法に照らしてますます重大だということを言わざるを得ないというふうに思います。
 それからもう一点、先ほどの初めの大臣の答弁の中で、自衛隊法九十五条二に基づく米艦防護、これについてはお答えを差し控えさせていただきますというお話がありました。
 これは、国民も国会も知らないところで勝手に自衛隊が安保法制に基づく任務をやっているかもしれない、既に始めているかもしれない、あるいは、今始めていないけれども、今後どこかの段階でやるかもしれないという話ですよね。これはシビリアンコントロールからしても極めて問題ですよ。国民も国会も知らないところで勝手に、今回の事態で米艦防護を始めるということですか。
○前田政府参考人 お答えいたします。
 九十五条に基づく米軍等の部隊の武器等防護、これは、昨年の十二月に国家安全保障会議において運用に関する指針を決定してございます。この指針に基づきまして運用自体は開始をされておるところでありますが、これは警護でございますので、個別具体的な警護の要請の有無あるいは実施状況、こういったことについて申し上げるのは適当でないと思っております。事柄の性質上、お答えを差し控えさせていただきたい、こういうことでございます。
○宮本(徹)委員 これは極めて問題ある姿勢だというふうに言わざるを得ません。
 先週もこの問題、総理と岸田外務大臣と議論させていただきましたけれども、北朝鮮とアメリカがこのまま軍事と軍事との対抗の中でチキンレースのようになっていったら、本当に大変な事態になるわけですよね。多くの国民が求めているように、やはり、先制攻撃というのは絶対アメリカにとらせてはいけない、外交的に絶対解決するんだということで臨む必要があるということを重ねて申し上げておきたいと思います。
 続きまして、予備費の内容に戻ります。
 二〇一五年度の予備費は、基地騒音訴訟に係る支出が三件あります。これまで、二十三件、基地周辺住民の皆さんは基地騒音訴訟を闘ってまいりました。既に起きた騒音被害について、国は事実上全敗をしているということです。現在争われている騒音訴訟も、一審が出た段階ですが、全て国に賠償を命じております。ところが、国は控訴しているわけですね。控訴すれば、当然、お金の面でいえば年利五%の遅延損害金というのもどんどんふえていくことになります。
 ちょっと数字を紹介してほしいんですが、これまでにこの基地の騒音訴訟で確定した賠償額の総額は幾らで、うち遅延損害金は総額幾らになっているのか。
○豊田政府参考人 お答え申し上げます。
 基地騒音訴訟の確定判決に基づきましてこれまでに国が原告に支払った損害賠償金の総額は約二百六十二億円、遅延損害金の総額は約七十三億円、合計約三百三十五億円でございます。
○宮本(徹)委員 全部で三百三十五億円、うち遅延損害金が七十三億円、二割ぐらいがそういうものになっているわけですよね。
 二審で争って賠償額が下がることというのはめったにないわけですが、まれにあるとしても、賠償額が若干下がったとしても、それを上回る遅延損害金がこの間出ているわけですよね。ですから、税金の使い方という点から見ても、負けるのがはっきりわかっている騒音被害の賠償について、国が二審まで争っていくのは極めて問題だということを言っておきたいと思います。
 それから、きょうは岸田外務大臣にも来ていただきました。地位協定のルールに基づけば、この騒音訴訟の賠償額のうち、本来アメリカが負担すべきものは幾らで、そのうち幾らアメリカが支払っているんでしょうか。
○岸田国務大臣 米軍機による騒音に係る訴訟に伴う損害賠償金の日米地位協定に基づく分担のあり方ですが、これにつきましては、日本政府の立場と米国政府の立場が異なっており、妥結を見ていません。
 よって、米国が負担すべき金額について現時点でお答えすることは困難でありますが、ただ、日米地位協定上はどうなっているかという御質問だったと思いますので、その日米地位協定においては、第十八条5において、米軍関係者の公務執行中の行為等または米軍が法律上責任を有するその他の行為等で、日本国政府以外の第三者に損害を与えたものから生ずる請求権の処理について、米国のみが責任を有する場合は、裁定、合意、または裁判により決定された額の二五%を日本が、その七五%を米国が負担するとされています。そして、日本及び米国が責任を有する場合には、裁定、合意、または裁判により決定された額を両国が均等に分担する旨定めております。
 実際に払った金額につきましては、これは防衛省の方からお願いしたいと思います。
○深山政府参考人 お答え申し上げます。
 地位協定上の考え方につきましては、今外務大臣から御答弁のあったとおりと承知しております。
 また、その中でお話がありましたが、この件につきましては、日本政府の立場と米国政府の立場は異なっておりまして、現在、両国政府の間で妥結を見ておりません。したがいまして、騒音訴訟の判決に示された賠償金を米側が分担した例はございません。
 日本政府としては、米国政府に対して損害賠償等の分担を要請するとの立場で引き続き協議を重ねてまいりたいと考えております。
○宮本(徹)委員 大変問題だと思うんですよね。地位協定上は、アメリカの責任に負うものはアメリカが七五%、自衛隊との共用の場合は半々というのが今の説明だったかと思いますが、それは地位協定で決まっているにもかかわらず、アメリカの側が応じずに払っていない、一円も払っていないという話なんですね。
 騒音にかかわる問題で、この基地の騒音訴訟は一円も払っていないですけれども、例えば、低空飛行訓練の爆音で各地で比内地鶏の圧死だとかというのが起きていますよね。こういう場合はアメリカに支払ってもらっているんじゃないですか。違いますか。
○深山政府参考人 今、先生の御質問は、畜産等に対する被害で支払った前例があるかということかと思いますが、ちょっと手元に資料がございません。念のため、確認させていただきたいと思います。
○宮本(徹)委員 多分、私の記憶では払った例があるというふうに思いますが、比内地鶏が圧死した場合は払っておきながら、基地周辺住民の方々の、人間の生活を脅かしていることには全く払っていない、非常におかしな話だと思うんですよね。
 今アメリカのとっている姿勢というのは極めて問題だと思うんですよね。地位協定に照らして違反だとはっきり迫っていく必要があると思うんですが、岸田大臣、どうでしょう。
○岸田国務大臣 先ほど答弁させていただきましたように、御指摘の点については、日本の立場そして米国側の立場が異なっております。
 そして、日米地位協定上は、第二十五条1において、この協定の実施に関して相互間の協議を必要とする全ての事項に関する日本国政府と合衆国政府との間の協議機関として、合同委員会を設置するとされています。日米地位協定の実施に当たって協議が必要な事項については、日米間において、この合同委員会等において協議がなされることがそもそも想定されています。
 日本政府としては、米国政府に対して損害賠償金の分担を求めるという立場でありますが、こういう立場で、引き続き、日米合同委員会あるいはそれ以外の非公式な協議等を通じて協議を続けていかなければならないと考えています。
○宮本(徹)委員 ここまで決まっていないわけですから、日米合同委員会だとか非公式の場だとかそれだけじゃなくて、大臣みずからも、強固な日米同盟というんですから、直接ティラソンさんなどに働きかけていく、こういう取り組みも必要になるんじゃないですか。
○岸田国務大臣 日本国の立場そして米国の立場が異なる場合に、この条約の目的を達するために日米間でしっかり協議をし、意思疎通を図っていかなければならない、当然のことであります。
 協議を要する事項については、先ほど申し上げさせていただきました地位協定二十五条1にこの対応が定められています。この規定を中心に、日米間でしっかり意思疎通を図っていきたいと存じます。あらゆるレベル、御指摘のレベル等も含めて日米間で意思疎通を図っていくことが重要であると考えます。
○宮本(徹)委員 御指摘のレベルも含めてという答弁がありましたので、しっかり言っていっていただきたいというふうに思います。
 なお、騒音訴訟で、騒音自体は違法だというふうになっているからこそ賠償金額も決まっていくわけですが、この違法な騒音の発生源そのものは飛行にあるわけですから、米軍機などの飛行も本来は差しとめられるべきだ、そして住宅街の真ん中にある米軍基地は撤去すべきだということを申し上げておきたいと思います。
 この騒音訴訟にかかわって、横田基地の問題についてもお伺いしたいというふうに思います。
 横田でも、騒音訴訟、闘われているわけですが、CV22オスプレイの配備は延期が発表になりましたが、沖縄に配備されておりますMV22オスプレイの訓練が、横田を拠点に頻繁に行われるということが三月にございました。三月には、十八日間にわたって横田基地を拠点に各地で訓練が行われました。この十八日間、オスプレイの横田基地での離発着回数は、横田基地でのオスプレイの過去二年分の離発着回数に匹敵するということでございます。
 ちょっとお伺いしたいんですけれども、MV22オスプレイを普天間基地に配備する際に、アメリカの環境レビューの中で、横田基地でこれほどまでの訓練を行う、横田基地を訓練の拠点にする、こういうことは一切記載がなかったと思いますが、いかがですか。
○稲田国務大臣 二〇一二年、平成二十四年、米国政府によって作成されたMV22オスプレイの普天間飛行場配備及び日本での運用に関する環境レビューは、普天間飛行場や北部訓練場を初めとする沖縄における飛行場や訓練場のほか、キャンプ富士、岩国飛行場、日本本土等の航空路を対象として、MV22の配備及び運用による環境への影響を分析するために実施されたものと承知しております。
 したがいまして、御指摘の横田基地を拠点とした訓練については、この環境レビューに明示的な記載はないものと承知をいたしております。
○宮本(徹)委員 つまり、環境レビューにも記載されていないものが、勝手に訓練が拡大されて横田でも行われるという事態になっているわけですよ。
 しかも、先日の沖縄県の調査では、本土でのオスプレイの訓練というのは沖縄の基地負担軽減だということを言われるわけですけれども、横田にオスプレイが来ている間、沖縄県が普天間の飛行回数がどうだったのかと見ましたら、普天間の離発着回数、一日平均四十三・八回だったのが、横田にオスプレイが来ている間は四十六・七回に増加した、オスプレイ以外のヘリの訓練が増加したとなっているわけですね。ですから、基地負担軽減というのは全くの大うそで、全国的に訓練を拡大しているというのが今の実態だというふうに思います。
 もう一点お伺いしますが、横田基地及びその周辺で、オスプレイがタッチ・アンド・ゴーなどの訓練をやったことを大臣は承知していますか。
○稲田国務大臣 本年三月六日から十七日までの間、群馬県の相馬原演習場及び新潟県の関山演習場等において、陸上自衛隊と米海兵隊との実動訓練、フォレストライトが行われました。
 その際、米海兵隊のMV22オスプレイ六機は、横田飛行場を拠点として、三月九日から十五日まで当該訓練に参加をしたところです。
 お尋ねのタッチ・アンド・ゴーについてですが、MV22が当該訓練に参加している期間に横田飛行場及びその周辺においていわゆるタッチ・アンド・ゴーなどの飛行訓練を実施したのかについて米側に照会をしたところ、MV22は当該訓練への参加のために必要な飛行以外に横田飛行場及びその周辺において飛行訓練は行っていないとの回答があったところでございます。
 他方、MV22の一部は、当該訓練への参加に際して、横田飛行場を拠点として、東富士演習場において米軍単独の離着陸訓練等を実施した、このように承知をしているところでございます。
○宮本(徹)委員 住民の方が、オスプレイのことが心配でずっとこの十数日間見ていたわけですね。その監視記録を私はいただいていますけれども、タッチ・アンド・ゴーの目撃記録はあるわけですよ。アメリカに聞かなくても、横田基地には自衛隊の航空総隊の司令部があります。自衛隊に確認すればわかるんじゃないですか。
○深山政府参考人 お答え申し上げます。
 大臣からお答え申し上げたところでございますが、本件につきましては、そうした御指摘を受けたことが過去ございましたので、米側に確認いたしたところ、大臣からお答えしたような回答を得たところでございます。米軍の行っている訓練でありますから、やはり米側に確認をするというのが筋であろうかと考えておりまして、そのようなことを行っております。
 それと一点、恐縮でございますが、先ほどの先生の求償の御質問に対しまして、鳥等の被害については実は手元にまだございませんが、米側は、交通事故の際、あるいは、労災事故、これは工事の安全管理上の瑕疵で従業員の方、労務者の方が被害を負った場合等につきましては、償還をしている例がございます。
○宮本(徹)委員 米側に確認しなくても、横田に自衛隊の皆さんはいるわけですよ。航空総隊司令部がいるわけですよ。なぜそこに確認しないんですか。そこに確認すれば住民と同じものを自衛隊の皆さんも見ているはずですよ。それをアメリカに聞いた、アメリカに聞いてとは、本当に情けない答弁ですよ。
 もう一点聞きます。
 MV22を普天間に配備する際の日米合意で、可能な限り飛行を避けることになっている場所としては人口密集地域が挙げられておりますが、これは横田基地周辺の場合はどこを指すんですか。
○稲田国務大臣 MV22オスプレイの運用については、米側において、平成二十四年九月の日米合同委員会合意を遵守するとともに、安全性を最大限確保し、地元に与える影響を最小限にとどめる旨を表明しております。
 当該合意においては、「合衆国政府は、周辺のコミュニティに及ぼす飛行運用による影響が最小限になるよう、米軍施設及び区域の上空及び周辺における飛行経路を設定する。この目的のために、MV―22を飛行運用する際の進入及び出発経路は、できる限り学校や病院を含む人口密集地域上空を避けるよう設定される。」ということとされております。
 横田飛行場の周辺において学校や病院等が所在していることは承知をいたしておりますが、横田飛行場においても、当該合意を遵守し、MV22を飛行運用する際の進入及び出発経路が設定されているものと認識をいたしております。
 防衛省としては、MV22オスプレイの運用については、米側は当該合意を遵守するとともに、安全性の確保や地元への影響を最小限にとどめるよう努めているものと承知をいたしておりますが、引き続き、当該合意の遵守など米側との間で必要な協議を行っていく、そのような考えでおります。
○宮本(徹)委員 私が聞いたのは、人口密集地域というのは横田基地周辺ではどこになるのかということを聞いているんですよ。横田基地の周辺は住宅密集地ですよ。この避けるべき人口密集地域というのは、具体的にどこというふうに日本政府として認識しているのか、お答えください。
○深山政府参考人 お答え申し上げます。
 人口密集地域の定義について日米間で合意しているわけではございませんで、平成二十四年九月の合同委員会合意においてもその定義は明らかにされておるわけではございません。したがって、当該合同委員会合意に基づいて人口密集地域を具体的に示すということは困難でございます。
 いずれにしましても、政府としては、米国政府に対しまして、MV22の飛行に際し、安全を確保するとともに地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう、引き続き求めていく考えでございます。
○宮本(徹)委員 とんでもない答弁ですよ。人口密集地域の定義について日米間で合意がない、そうしたら何の意味もないじゃないですか。合同委員会合意で人口密集地域を避けるというふうに言ったって、その肝心の人口密集地域の定義の合意がなかったら避けようがないじゃないですか。
 そんな姿勢では本当に国民の安全は守れないということを厳しく指摘しまして、時間になりましたので、質問を終わります。
○玄葉委員長 次に、松浪健太君。
○松浪委員 日本維新の会の松浪健太であります。
 きょうは、予備費についての質疑をさせていただきます。
 平成二十七年度予備費についてでありますけれども、約千八百億円が使われておりまして、そのうち、特に賠償償還及び払戻金の不足を補うために必要な経費というところで、防衛費に実に五百八十億円という巨額の税金が使われているわけであります。かつて京都に私のしごと館という無駄遣いの殿堂というのがありましたけれども、あれ丸々がたしか五百八十一億円とかいう額でありまして、丸々私のしごと館が吹っ飛んでしまうだけの無駄遣いであろうというふうに思います。
 特に、四百八十億円がアパッチの購入にかかわる分野であります。このアパッチ、当初は六十二機を調達するということでありましたけれども、正確にはAH64Dというタイプのアパッチでありますけれども、十三機にとどまったわけであります。
 報道で見ますと、これは台湾ですか、二〇一三年から一年間で三十機を調達している、韓国でも、今調達途中ですけれども、三年で三十六機を調達しているということでありまして、これはAH64Eで後継機の話であります。我が国は、二〇〇五年から九年もかけて、六十二機の予定が十三機。世界の基準からいえば、日本は一体何をしているんだということになると思うんです。
 こうした巨額の税金を賠償金でも支払うことになった、無駄遣いの塊のようなことを結局防衛省はやった結果になったんですけれども、これについての反省点、大臣、まずどのようにお考えですか。
○稲田国務大臣 今御指摘の戦闘ヘリコプターAH64Dは、二〇〇一年、平成十三年に機種選定を行い、六十二機調達することを念頭に置いておりました。他方、二〇〇七年、平成十九年三月に、ボーイング社のAH64Dブロック2の製造中断に伴い、富士重工業は、機種選定時に安定供給を保証していたにもかかわらず、防衛省が取得していたブロック2の調達を継続するためには約二百二十億の追加費用が必要となる旨を防衛省に予告したところです。
 これに対して、防衛省では、二〇〇七年八月、富士重工業からの提案は莫大な追加費用を前提とし、機種選定の際に富士重工業が提案書で示していたAH64Dの長期かつ安定的な供給の保証に反すること、対戦車ヘリコプターAH1Sの運用年数を延長し、AH64Dと併用することで必要な防衛力を維持可能と判断したことから、AH64Dについては十三機をもって調達を中止することとしたわけです。
 今般の事案についてあえて反省点を申し上げるならば、提案企業に対し防衛省からの選定結果の通知後、提案内容を将来にわたり正当な理由なく変更しないことなどを約束する旨の誓約書を提出させる、安定的な供給を確保するため、これまで以上にさまざまなルートで幅広く情報収集する、安定的な調達の可能性などに細心の注意を払うことなどが挙げられると思いますが、いずれにせよ、装備品の安定的な調達に今後とも万全の対応を図ってまいります。
○松浪委員 今あえて反省点ということをおっしゃったんですけれども、ここだけでも今回四百八十億の血税が無駄になっているわけであります。あえて申し上げるとおっしゃいましたけれども、あえてというよりも、完全に裁判で政府は負けているわけですよね。ですから、あえて反省点を申し上げるというのはおかしな話であって、そして、これだけの血税が使われて、誰がどのように責任をとられたんでしょうか。これは誰か責任をとったんですか。
○高橋政府参考人 お答えいたします。
 先生御指摘の四百八十一億円でございますが、いわゆる初度費の残りの分三百五十億に遅延損害金約百三十億を加えまして四百八十一億円というふうになりました。
 我々としましては、この問題につきましては、富士重工が本来なら安定的な供給を約束していたにもかかわらず、それができなかったということで十三機分の調達にとどまり、また、その分の初度費につきまして、残りの分が損害賠償金になったということでございますので、このことについて特段の責任は発生していないというふうに考えてございます。
○松浪委員 責任をとっておられないということなんですけれども、大臣、四百八十億を無駄にして誰も責任をとらない、そんな企業がありますか。
 それであれば、今回の件をもとにして、どのように皆さんが改善策を入れたのかということ、政府参考人でも構いませんよ、お答えください。
○高橋政府参考人 今回の問題につきましては、いわゆる初度費をどういうふうに扱うかという問題でございまして、我々としては、この問題につきまして、今の現段階で申し上げますと、初度費については最初の段階、調達の段階で一括計上するという形に方式を改めまして、初度費をより明確に皆さんに御説明するという形に変えてございます。
○松浪委員 初度費のあり方は後に送りますけれども、お聞きの皆さん、AH64DとかEとか言われていてもなかなかわかりにくいと思うんですけれども、AH64Dというのが問題になったものでありまして、64Dがブロック2、その後に、米軍等で後継になっているのが、ブロック3と言われる64Eの話であります。
 正直申し上げて、これは通告もしているんですけれども、防衛省は米軍がAH64Eの導入を計画していることをいつの時点で認識していたのか。防衛関係の専門誌なんかによると、既に64E、ブロック3への移行は日本の防衛省がブロック2の採用を検討しているころから計画されているというのが明確であったというふうに報道なんかにも大体あるんですけれども、ブロック3の導入を計画していることを一体いつの時点で防衛省は認識したのか。お答えください。
○高橋政府参考人 委員御質問のAH64Eの導入をアメリカが計画しているということでございますが、ブラウンリー米陸軍長官代行がAH64Dブロック3として改修計画を進めるということを公表いたしましたのが二〇〇四年二月ということでございますので、その時点で防衛省は開発について知り得る立場にあったということでございます。
○松浪委員 もう二〇〇四年でわかっている話でありまして、64DからEへの移行というのは重々予見されたわけでありまして、これで富士重工の旧式が厳しくなるということは予見されたことだと思うんです。アメリカなんかでは、64Dブロック2だけではなくて、もう一つ旧式のAH64AなんかもEタイプ、ブロック3にアップグレードしているというようなことは一般に知られていると思うんですけれども、米軍や他国の運用状況について、ブロック2からブロック3、AH64DからE型へのアップグレードについて、どのように認識をしておられますか。
○前田政府参考人 お答えいたします。
 御指摘の戦闘ヘリコプターAH64Eでございますが、性能としては、AH64Dの動力性能、あるいは火器管制レーダー、ネットワーク性能、操作性、こういった点を向上させた改良版であるというふうに承知いたしてございます。
 そして、その上で、各種公刊資料によりますと、AH64Eでありますが、米国のほか、サウジアラビア、韓国及び台湾で既に運用がなされておりますし、そのほかにも、インド、インドネシア、カタール及び英国とも契約が交わされたもの、このように承知いたしてございます。
○松浪委員 アップグレードでも対応している国もさまざまあるわけでありまして、D型からE型にアップグレードするかわりに、アパッチでもない、先ほど大臣がお触れになりましたけれども、旧式のヘリコプターでありますAH1Sの活用という、まさに、新しい装備に移るのではなくて、十三機しかないからといって古いもので、これで対応できるんだというと、はっきり言って国民の皆さんも、そんな旧式で対応できるのかなと、正直不安でしようがないというふうに私は思うわけであります。
 加えまして、今回、AH64Dでは明らかに問題が起きたわけでありますけれども、AH1Sという先ほどお触れになりました前の旧式のタイプでありますけれども、これについても非常に長い間、二〇〇〇年までぐらいですかね、一九八二年からライセンス生産をして、そして十八年もかけて八十九機。はっきり言って、その間にアメリカではAH64シリーズ、いわゆるアパッチが出てきているわけでありまして、今回の64Dも問題だけれども、こうした旧式のもの、長年持っている前の機種でありますAH1Sについても日本の中では非常に問題じゃないかなというふうに思うんですけれども、これについての反省点、これも通告していますので、お答えください。
○高橋政府参考人 お答えいたします。
 先生御指摘の陸自のAH1S、対戦車ヘリコプターでございますが、これは対戦車戦闘における空中での機動力、火力を向上させるため、一九七七年、昭和五十二年におきまして導入に向けた研究を始めまして、米国から二機の輸入調達をいたしました。当該研究の結果を踏まえまして、一九八二年、昭和五十七年度以降、いわゆるライセンス国産により本格的に調達を開始いたしました。
 防衛省といたしましては、国際情勢や財政状況、防衛生産、技術基盤を踏まえて、AH1Sは防衛力整備上の仕様を満たすと判断いたしまして、中期防等に基づきまして、一九九八年度末までに合計八十九機の調達を行いました。
 AH1Sでございますが、我が国がライセンス国産をした装備品でございますが、一般的に輸入品よりも高くなる傾向がございますが、ライセンス国産につきましては、稼働率の高い維持あるいは効果的な運用支援が可能となるということは意義がございますので、これまでも、AH1Sを含めまして、各種装備品の導入におきまして、輸入品と比べてライセンス国産の単価が高いということのみをもって問題であるというふうには現在考えてございません。
 いずれにしても、ライフサイクルコストにおける一貫した管理を強化いたしまして、より適切な判断をしていく必要があるというふうに考えてございます。
 以上でございます。
○松浪委員 まさに今、ライセンス国産の話なんですけれども、防衛省、墓穴を掘ったような答弁だと思うんですね。これも通告していますけれども、ライセンス国産というからには安定的に我が国でつくらなければならない。そのためには、当然ながら、いわゆる部品、コンポーネントなんかを自国で賄うということが大前提だなと。だからこそのライセンスだと思うわけです。AH64Dについても言えると思うんですけれども、ライセンス生産を行うに当たり、その部品などの国産比率というのはどれぐらいなんでしょうか。
○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 AH64Dの機体の材料費に占めます国産部品の割合は、約一〇%から四五%程度で推移しているものというふうに承知しております。
○松浪委員 結局、ライセンス生産をしても、国内の比率が一〇から四五。大分開きはありますけれども、これも僕は、安全保障においては、ほぼ輸入している方が手っ取り早いと。これは二倍、三倍かかっていますよね。今までのいろいろな兵器をライセンス生産にすると、米国でつくられているよりも二倍、三倍かかるケースがある。せめて日本国内での比率というのがもうちょっと高ければ、私もライセンス生産は我が国の防衛のために国民の理解も得られると思いますけれども、この場では実は非常に比率が少ない。これは僕は大問題だと思うんですね。
 この先は実は今通告をしているわけではありませんけれども、この原因というのはやはり、我が国のヘリをつくっている企業の構造問題なんじゃないかなというふうに思います。EUなんかでも二社ぐらいしかないといいますし、ロシアや中国でもヘリを生産する企業というのは一社ずつに統合されているらしいんですけれども、別に通告していませんが、日本国内では何社ありますか。
○高橋政府参考人 現在、ヘリを生産する能力があるのは、川崎重工業、三菱重工業、富士重工業、この三社だと考えております。
○松浪委員 まさに、我が国の防衛費はそんなに中国やロシアに比べて大きいものだとは思いませんけれども、かの国ですらヘリの生産は一社一社に統合している中で、我が国は三社もある。この構造が、我が国のヘリの産業、本来ならば海外に打って出るべきものが非常に非効率に温存されていると私は思うんですけれども、三つの企業は果たして、これも別に通告はしていません、一般的な専門家とのやりとりとして残したいんですけれども、こうした企業は現在、海外に打って出るようなヘリを防衛省以外に、何でもいいですよ、海保とか警察でも何でもいいですけれども、そうしたところにヘリをつくっている実態というのがありますか。
○中村政府参考人 お答えいたします。
 現在までのところ、国産のヘリコプターが海外に移転された例はないと承知しております。
○松浪委員 こうしたヘリの企業は、やはり防衛省の発注に企業の存立がよって立つわけですよ。そうしたところは海外ですら、中国やロシアですら一社しかないのに、日本だけが三社持って、それを防衛省だけで食わせている。そういうことを行って、結局、ライセンス生産をしても部品は海外から入れているというのでは、やはりこれは非効率きわまりない。
 先ほどのいろいろな質問から、ちょっとこちらは通告していない部分に発展しましたけれども、こうした我が国の産業構造というものを防衛省には今後重々考えていただいて発注していただきたいと思うわけであります。
 次の問題に行きます。先ほどから初度費という割と聞きなれない言葉が出てきましたけれども、この初度費の定義もしくは内訳はどのようになっているのか伺います。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
 初度費と申しますのは、防衛装備品等の製造などの初期段階で発生する各種の費用のことを指しておりまして、内訳としましては、設計費、専用治工具費、試験研究費及び技術提携費となっているところでございます。
○松浪委員 この初度費というのは、そういう意味ではイニシャルコストと考えて間違いないでしょうか。いわゆるイニシャルコストというふうに考えてよろしいんですか。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
 イニシャルコストと申しますのが、通常のラインに加えまして防衛装備品をつくるために特別に必要となる費用という意味であれば、そのとおりであるというふうに認識をしております。
○松浪委員 例えば一つの装備品に対して受注期間が二十年とかにかかわるわけですけれども、初度費というのは一体最長で何年にわたって計上できるものなのでしょうか。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
 平成十九年度以前におきましては、初度費の総額を調達予定数量に応じて案分しておりまして、特別割り掛け費として、各調達年度の装備品本体の価格の一部としておりました。
 しかしながら、例えば調達予定数量が減った場合には、一機当たりの初度費支払い額が上昇することによってコスト管理面で問題があったこと、さらには、初度費は製造等の初期段階で発生する費用であるにもかかわらず、その支払いが相当長期間にわたってしまうということ、こういったことから、平成二十年度以降につきましては、初度費の総額を明らかにするとともに、初度費の支払い負担をより的確に管理するという観点から、原則として調達初年度に一括計上しているところでございます。
○松浪委員 今私はもう一つ伺ったんですけれども、この初度費というのは何年間にわたってと。例えば、初度費ですから、最初の一年とか三年とかですね。普通であれば、イニシャルコストであれば初期に集中すべきものだと思うんですけれども、この初度費というのは何年にわたって理論的に計上できるものですか。
○中村政府参考人 繰り返しのお答えになって恐縮でございますが、平成十九年度以前におきましては、初度費の総額を調達予定数量に応じて案分して、各年度の装備品本体の価格の一部としておりました。一方で、平成二十年度以降につきましては、初度費につきましては総額を初年度に一括計上しているというところでございます。
○松浪委員 改修費用なんというのも途中で普通は出てくるんですけれども、こうした費用というのは初度費にはこれからは含まれてこないということでよろしいんですね。途中の改修費用とか、例えばブロック2をブロック3にするとか、そういうときはどうなんですか。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
 今委員御指摘の、ブロック2をブロック3に改修するという予定はございませんが、仮に、一般論といたしまして、初期段階で想定し得ないような改修を行う場合、それに伴いまして、何らかの設計費でありますとか専用の治工具、これらが必要になった場合には、その時点で初度費として計上するということもあり得ると認識をしております。
○松浪委員 つまり、初度費を分けてしまうと、まあ、平成十九年以前も問題があったと思うんですけれども、一機当たりの単価というのをどうやって割り出すかというときに、その一機当たりの単価は初度費を除いて計上するということになるんですよね、確認ですけれども。
 もう一回言いましょうか。初度費を別に計上するということは、例えば今回六十二機つくる場合には初度費を別に払っていた、一機当たりの単価を計算するときには初度費を別にして、六十二で経費を割るということになるんですね。
○中村政府参考人 先ほど申し上げましたとおり、初度費につきましては初年度で一括計上しておりますので、その後については初度費というのは出てまいりません。したがいまして、一機当たりの単価というものには含まれてこないという形になっております。
○松浪委員 はっきり言って、これは大問題なんですよね。まだ平成十九年の前の方がわかりよかった。
 つぎ込まれるのは国民の税金であります。そして、これを導入するのに、いついつまでにこれだけやるというときに、初度費で別々に計上されていたら、誰が一機当たり幾らだという議論ができるんですか。はっきり言って、国会での議論で、これだけ入っていますけれども初度費は別ですみたいな議論を、わざわざここにいる皆さんが行うとは私には到底思えないわけであります。
 初度費を別にするのはわかるけれども、防衛省としては、単価というものについては初度費も入れた中でこれを割り出してくる方が当然わかりやすいと私は思うんですけれども、大臣、今の議論を聞かれて、いかがですか。
○稲田国務大臣 先ほど来説明をいたしておりますように、初度費について機数で割るということをしていたことを改めて初度費を一括計上にしたということであって、初度費を一括計上にしたことによって単価がわかりにくいということではないのではないかと、今お話を聞きながら思った次第です。
○玄葉委員長 松浪君、もう時間です。
○松浪委員 大臣、僕が今質問したのと意味が全くずれておると思うんですけれども、当然ながら、初度費を別にしたものをならさないと国民にとってはその装備品に幾らかかったかというのがわからないわけで、もし大臣の理論からいいますと、装備品調達に何期かけて、これだけかかりました、プラス初度費をしないと全体はわかりませんと言わなくちゃいけないので、余計にわかりにくいですよということをやはり指摘せざるを得ないと私は思いますので、この点の問題点を防衛省の方にももう一度考えていただくようにお願いいたしたい。
 なかなかこれがだめなようなら、また私も続けて、質問をさらに深掘りしたいと思います。
 ありがとうございました。
○玄葉委員長 これにて両件についての質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○玄葉委員長 これより平成二十七年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)外一件について、一括して討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。
 日本共産党を代表して、二〇一五年度予備費、その1、その2に反対の討論を行います。
 第一に、消費税軽減税率実施経費を法改正前に予備費で支出するのは、租税法律主義の観点から極めて問題です。また、軽減税率は一〇%への増税を前提とするものであり、一〇%への増税そのものをやめるべきです。
 第二に、戦闘ヘリ、アパッチの取得について、私たちはそもそも不要という立場ですが、極めてずさんなやり方で取得が行われたために、何重にも税金を浪費することになりました。極めて問題です。
 第三に、自衛隊の南スーダン派遣経費など、自衛隊の海外派遣経費は、憲法に照らして認めることはできません。
 最後に、建設アスベスト訴訟については、国は控訴して裁判を長引かせるのではなく、補償制度の創設に足を踏み出すべきです。
 以上、反対討論とします。(拍手)
○玄葉委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○玄葉委員長 これより採決に入ります。
 平成二十七年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)、平成二十七年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)の両件について採決いたします。
 両件は承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○玄葉委員長 起立多数。よって、両件は承諾を与えるべきものと決定いたしました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○玄葉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○玄葉委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時五分散会