第193回国会 厚生労働委員会 第18号
平成二十九年四月二十八日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 丹羽 秀樹君
   理事 後藤 茂之君 理事 田村 憲久君
   理事 高鳥 修一君 理事 とかしきなおみ君
   理事 三ッ林裕巳君 理事 井坂 信彦君
   理事 柚木 道義君 理事 桝屋 敬悟君
      赤枝 恒雄君    秋葉 賢也君
      穴見 陽一君    今枝宗一郎君
      江渡 聡徳君    大隈 和英君
      木原 誠二君    小松  裕君
      白須賀貴樹君    新谷 正義君
      田中 英之君    高橋ひなこ君
      谷川 とむ君    冨岡  勉君
      豊田真由子君    中川 郁子君
      長尾  敬君    丹羽 雄哉君
      福山  守君    堀内 詔子君
      務台 俊介君    村井 英樹君
      山下 貴司君    阿部 知子君
      大西 健介君    岡本 充功君
      郡  和子君    中島 克仁君
      長妻  昭君    初鹿 明博君
      水戸 将史君    伊佐 進一君
      角田 秀穂君    中野 洋昌君
      高橋千鶴子君    堀内 照文君
      足立 康史君    河野 正美君
    …………………………………
   厚生労働大臣       塩崎 恭久君
   内閣府副大臣       石原 宏高君
   内閣府副大臣       松本 洋平君
   法務副大臣        盛山 正仁君
   厚生労働副大臣      橋本  岳君
   厚生労働副大臣      古屋 範子君
   文部科学大臣政務官    樋口 尚也君
   厚生労働大臣政務官    堀内 詔子君
   厚生労働大臣政務官    馬場 成志君
   会計検査院事務総局第三局長            戸田 直行君
   政府参考人
   (内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長) 川合 靖洋君
   政府参考人
   (内閣府子ども・子育て本部審議官)        中島  誠君
   政府参考人
   (総務省大臣官房審議官) 大西 淳也君
   政府参考人
   (文部科学省生涯学習政策局生涯学習総括官)    佐藤 安紀君
   政府参考人
   (厚生労働省医政局長)  神田 裕二君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  福島 靖正君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬・生活衛生局長)         武田 俊彦君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部長)           北島 智子君
   政府参考人
   (厚生労働省労働基準局長)            山越 敬一君
   政府参考人
   (厚生労働省労働基準局安全衛生部長)       田中 誠二君
   政府参考人
   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       吉田  学君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局長)           定塚由美子君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    堀江  裕君
   政府参考人
   (厚生労働省老健局長)  蒲原 基道君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  鈴木 康裕君
   政府参考人
   (環境省総合環境政策局環境保健部長)       梅田 珠実君
   厚生労働委員会専門員   中村  実君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十八日
 辞任         補欠選任
  赤枝 恒雄君     今枝宗一郎君
  河野 正美君     足立 康史君
同日
 辞任         補欠選任
  今枝宗一郎君     赤枝 恒雄君
  足立 康史君     河野 正美君
    ―――――――――――――
四月二十八日
 国の責任でお金の心配なく誰もが必要な医療・介護を受けられるようにすることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一〇〇〇号)
 同(池内さおり君紹介)(第一〇〇一号)
 同(梅村さえこ君紹介)(第一〇〇二号)
 同(大平喜信君紹介)(第一〇〇三号)
 同(笠井亮君紹介)(第一〇〇四号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一〇〇五号)
 同(斉藤和子君紹介)(第一〇〇六号)
 同(志位和夫君紹介)(第一〇〇七号)
 同(清水忠史君紹介)(第一〇〇八号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一〇〇九号)
 同(島津幸広君紹介)(第一〇一〇号)
 同(田村貴昭君紹介)(第一〇一一号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一〇一二号)
 同(畑野君枝君紹介)(第一〇一三号)
 同(畠山和也君紹介)(第一〇一四号)
 同(藤野保史君紹介)(第一〇一五号)
 同(堀内照文君紹介)(第一〇一六号)
 同(真島省三君紹介)(第一〇一七号)
 同(宮本岳志君紹介)(第一〇一八号)
 同(宮本徹君紹介)(第一〇一九号)
 同(本村伸子君紹介)(第一〇二〇号)
 同(志位和夫君紹介)(第一〇九二号)
 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(富田茂之君紹介)(第一〇二一号)
 同(小川淳也君紹介)(第一〇七一号)
 同(田嶋要君紹介)(第一〇七七号)
 同(福田達夫君紹介)(第一〇七八号)
 同(志位和夫君紹介)(第一〇九三号)
 同(宮腰光寛君紹介)(第一〇九四号)
 同(濱村進君紹介)(第一一二一号)
 難病患者が安心して生き、働ける社会の実現に関する請願(秋葉賢也君紹介)(第一〇六四号)
 同(斉藤鉄夫君紹介)(第一〇六五号)
 同(長妻昭君紹介)(第一〇六六号)
 同(平口洋君紹介)(第一〇六七号)
 同(桝屋敬悟君紹介)(第一〇六八号)
 同(吉川貴盛君紹介)(第一〇六九号)
 同(馳浩君紹介)(第一〇七五号)
 同(宗清皇一君紹介)(第一〇七六号)
 同(志位和夫君紹介)(第一〇八七号)
 同(菅原一秀君紹介)(第一〇八八号)
 同(中川正春君紹介)(第一〇八九号)
 同(中根康浩君紹介)(第一〇九〇号)
 同(宮腰光寛君紹介)(第一〇九一号)
 同(柚木道義君紹介)(第一一二〇号)
 安全・安心の医療・介護の実現と夜勤交代制労働の改善に関する請願(小川淳也君紹介)(第一〇七〇号)
 子供のための予算を大幅にふやし安心できる保育・学童保育の実現を求めることに関する請願(田嶋要君紹介)(第一〇七四号)
 医療・介護の負担増の中止に関する請願(鈴木克昌君紹介)(第一〇七九号)
 負担増、給付抑制を国民に強いる医療・介護・年金の改悪中止を求めることに関する請願(池内さおり君紹介)(第一〇八四号)
 同(笠井亮君紹介)(第一〇八五号)
 同(宮本徹君紹介)(第一〇八六号)
 障害福祉についての法制度の拡充に関する請願(上西小百合君紹介)(第一一一八号)
 同(門博文君紹介)(第一一一九号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 会計検査院当局者出頭要求に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 厚生労働関係の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
○丹羽委員長 これより会議を開きます。
 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長川合靖洋君、内閣府子ども・子育て本部審議官中島誠君、総務省大臣官房審議官大西淳也君、文部科学省生涯学習政策局生涯学習総括官佐藤安紀君、厚生労働省医政局長神田裕二君、健康局長福島靖正君、医薬・生活衛生局長武田俊彦君、医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部長北島智子君、労働基準局長山越敬一君、労働基準局安全衛生部長田中誠二君、雇用均等・児童家庭局長吉田学君、社会・援護局長定塚由美子君、社会・援護局障害保健福祉部長堀江裕君、老健局長蒲原基道君、保険局長鈴木康裕君、環境省総合環境政策局環境保健部長梅田珠実君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第三局長戸田直行君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○丹羽委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。務台俊介君。
○務台委員 おはようございます。長野二区選出の務台俊介でございます。
 質問の機会を与えていただき、まことにありがとうございます。
 まず、資料を見ていただきたいと思います。
 私は今六十歳で還暦でございますが、私の生まれた昭和三十一年、人口ピラミッドで見ると、六十五歳以上の人たちが非常に少ないピラミッド形を示していた時代でございました。そして、六十年後の去年、二十八年の人口ピラミッドを見ると、これが大分様相が変わってきた。六十五歳以上の皆様のシェアが全体の三分の一を占める、それに対して年少人口が非常に先細る、そんな図になっております。
 これが当時の予算と今日の予算にどのように反映しているかというのをその下の三ページの図につけております。
 当時、三十一年度の予算は、歳出が一兆をちょっと超えたくらいだった、今は九十六、七兆になっておりまして、しかも、当時、一般歳出の一三%程度の社会保障費が、今は一般歳出の五五%を超えるということになっています。国債費も大分多くなっておりますが、国債費の大宗は赤字国債ということで社会保障財源に充てられているということを見ると、日本の財政が人口ピラミッドをそのまま反映した予算になっている、そんなことが言えるのではないかというふうに思います。
 厚生労働委員会に属させていただいて議論を聞いておりますと、当然のことながら、社会保障の充実を訴える声がこの委員会では特に強いと思います。当たり前のことだと思います。ただ、その一方で、持続可能な社会保障のあり方について、やはり財源論を踏まえたしっかりとした議論をしていくということも、やはり我々政治家の責任ではないかというふうに思います。
 介護保険の見直しを初め、厚生労働省が提出している法案にはそうした思いがにじんでいるというふうに思いますが、一方で、自己負担の拡大といったような議論になりますと、各論になるとなかなか反発も強くて、その作業が容易なことではないところにこの問題の難しさがあるということを改めて感じさせていただきます。
 きょうは、持続可能な社会保障制度のあり方を考えるという観点で、幾つかの切り口で御質問をさせていただきたいというふうに思います。
 私は長野県選出の国会議員ですが、長野県はいろいろないいところがございます。特に、高齢化社会の中で長野県が最も誇るべき点の一つは、一人当たりの医療費が少ない中で日本一の長寿県を実現しているということでございます。
 四ページの資料を見ていただきたいと思います。
 厚労省の事務方にお願いして、一人当たりの医療費と平均寿命の相関関係を図に示させていただきました。
 一番左の下に、一人当たり医療費が低くて平均寿命が短い県、青森県が、医療費は少ないんだけれども平均寿命は短い。一方で熊本県は、医療費が高くて平均寿命が長い。一方で、左の上に行きますと、医療費が高いにもかかわらず平均寿命が短いというのが大阪、和歌山といったようなところが出ております。一方で我が長野県、右下を見ていただきたいと思いますが、平均寿命が長くて一人当たりの医療費が少ない。
 恐らく、この長野県のような姿が日本じゅうで実現すると、相当程度いいことがあるのではないかというふうに思われます。こういう図をなかなか目にすることはないんですが、この図を目にすることで私は誇らしく思うということでございます。
 そこで、厚労省に伺いたいんですが、もし日本全国が長野県のような姿になったら社会保障費はどのくらい低減すると考えられるのか、単純化した計算をする前提で結構ですので、そこら辺を教えていただきたい。そして、長野県に学ぶ点があるとするとどんな点なのか、あわせて伺わせていただきたいと思います。
○鈴木政府参考人 全国と長野県の医療費の違いについてお尋ねがございました。
 仮に、全国の都道府県の一人当たりの医療費が長野県並みになったと仮定をいたしまして、さまざまな条件の違いを考慮せずに機械的に試算をさせていただきますと、平成二十六年度の国民医療費の実績は四十・八兆円でございますけれども、仮定の数字では、これが三十九・四兆円になるということになっております。
○古屋副大臣 国民の健康寿命を延ばしていくためには、国民の皆様一人一人がみずからの健康により一層気をつけていただくと同時に、健康を支え、守るための社会環境の整備も重要であると考えております。
 長野県におかれましては、健康づくりに関する施策が積極的に行われており、私も着目をしてまいりました。健康寿命延伸都市を目指す松本市では、町づくりの全ての分野が健康を切り口に進められて、身体的、精神的、社会的に健康な都市づくりを目指していらっしゃいます。
 また、須坂市では、地域の主婦たちなどがみずから市民の健康保持増進のための活動をする保健指導員制度を昭和三十三年から設けられており、市民も地域の健康の守り手として健康な地域づくりに貢献をされています。
 これらの取り組みは、厚生労働省主催の「健康寿命をのばそう!アワード」で、健康寿命の延伸につながるすぐれた取り組みとして、いずれも厚生労働大臣賞を受賞していらっしゃいます。
 このような取り組みが県民の健康意識の向上につながり、一人当たりの医療費が低いことの一つの要因となっていると考えられることから、他の地域も参考にできるよう、厚生労働省としても引き続き情報発信を行い、好事例の横展開を図ってまいりたいと考えております。
○務台委員 ありがとうございます。
 社会保障費が数千億規模で減少するという見積もりは大変大きなインパクトがあると思います。そして今、古屋副大臣がおっしゃっていただいたように、長野県は、健康長寿延伸都市という松本市を初めとしてさまざまな取り組みが行われております。
 そしてちょっと見逃せないのは、長野県は兼業農家の比率が日本一高いんです。サラリーマンが終わった後も畑、田んぼの作業をする。土に触れ合って季節の変化に応じた生活をするということが非常にいい効果を生んでいるというふうに実感として感じておりますので、健康づくりという政策に加えて、生活のパターンといったようなことについても目を向けていっていただきたい、そんなふうに思います。
 誰もが異論なく反発しない施策というのは、やはり健康づくりだというふうに思います。これからは、その健康づくりを国民運動として進める取り組みが大変大事だというふうに思います。四十兆円を超える医療費の中で生活習慣病の医療費が三割に達している、そういう統計もあると思います。高齢期に病気になると大変な医療費がかかるということにもなります。予防措置を講じていくことがこれからの日本の社会保障のあり方を占う鍵になるというふうに思います。
 私、けさも明治神宮を歩いてきたんですが、朝六時半過ぎに明治神宮の広場で御高齢の皆様がラジオ体操をやっているんです。すごく爽快な顔をされている。松本市内のスポーツクラブはもう午前中から高齢者であふれ返っております。私のおじ、ことし八十四歳になるんですが、八十四歳で毎日三千メートル泳いでおります。大変な体躯を保っておる。こういう人が結構いるものですから、こういうことをバックアップする。自助努力は何としても必要だと思うんですが、厚労省で、個人が行う健康づくり支援についてどんな政策を行っているのか教えていただきたいと思います。
○福島政府参考人 先ほど副大臣からお答えしたように、疾病予防、健康づくりにつきましては、国民お一人お一人がみずから健康管理を行って、生活習慣の改善を継続的に行う必要があるわけでございますけれども、同時に、健康を支え守るための社会環境の整備、これも重要であると考えております。
 厚生労働省では、健康教育、健康相談など、市町村が地域の実情に応じて行う健康増進につながるような施策につきまして、その事業費の三分の一を補助する健康増進事業を実施しております。また、第二次健康日本21に基づきまして、国民の健康づくり運動を実施しておりまして、平成二十三年からは、運動、食生活、禁煙、検診の受診、これについて、企業などに具体的なアクションを呼びかけるスマート・ライフ・プロジェクト、これを推進しております。
 このプロジェクトは、健康寿命を延ばしましょうということをスローガンに、国民全体が人生の最後まで元気に健康で楽しく毎日を送れることを目標とした国民運動でございまして、プロジェクトに参画する三千七百の企業、団体、自治体と協力連携しながら、一日の身体活動の時間を今より十分間延ばすというような、身体活動プラステンなどのアクションを呼びかけております。
 厚生労働省といたしましては、こうした取り組みを通じて、さらなる健康寿命の延伸に向けて国民の疾病予防や健康づくりを推進してまいりたいと考えております。
○務台委員 ぜひ強力に進めていただきたいと思います。
 その一つの手段として一つ御提案申し上げたいのが、火曜日の二十五日に大臣も署名いただいて、自転車活用推進法が施行になります閣議決定がされております。五月一日に施行される法律でございますが、この結果として、厚労大臣も本部員となられます自転車活用推進本部というのが立ち上がります。自転車を活用した健康政策を積極的にバックアップしていきたいと、私も議連で法律をつくるのに一生懸命頑張ったものですから。
 三年前にデンマークに行ったときに、デンマークは国を挙げて自転車活用を推進しております。そのときに聞いたのが、デンマークは、自転車を活用することで医療費が相当程度下がっているということを伺いました。こうしたデータというのはとても貴重でございます。厚労省としてどのように把握しているのか、医療費の抑制のためにも、自転車政策を国民的な健康づくりに活用するということについてどのようにお考えなのか、これは希望でございますが、伺いたいと思います。
○福島政府参考人 お答えいたします。
 デンマークにおきまして、自転車政策の推進と並行して医療費の大幅な低減が見られたという報告については私どもは把握をしておりませんが、デンマークで行われました自転車政策の費用対便益分析、この報告によりますと、自転車政策を導入した今後五十年間の便益でございますけれども、健康の改善によって二十七億ユーロでございますが、それを含んで全体としては約七十億ユーロの便益がございます。一方、費用でございますが、約四十億ユーロ、差し引きしますと約三十億ユーロぐらいの利益が出る、こういう推計があるということは承知をしております。
 自転車活用推進法におきましては、自転車の利用の促進を総合的かつ計画的に推進することによって、国民の健康増進など公共の利益の増進に資するという基本認識のもとに、その活用の推進が基本理念として規定されておるわけでございます。
 私ども厚生労働省では、身体活動や運動の重要性についてこれまで普及啓発を推進しておりまして、平成二十五年に取りまとめました健康づくりのための身体活動基準二〇一三におきまして、日常生活で体を動かす具体例として自転車に乗るということを掲げておりまして、今後引き続き、生活習慣病予防につながる身体活動の増加に資する自転車の活用、この普及を私どもとしても支援してまいりたいと考えております。
○務台委員 よろしくお願いしたいと思います。
 健康づくりをバックアップするために、さまざまなインセンティブというのがとても大事だと思います。けさの新聞にも載っておりましたが、ローソンが、健康診断をサボる社員の賞与を一五%減額する、その上司の賞与も一〇%減額する、そういう制度を入れたところ、健康診断の受診率が一〇〇%になっているという、そんな記事がございました。
 それはすごく極端だとは思うんですが、健康運動を行っている人に何らかのメリットがあるような制度というのは考えられないか。さまざまな保健事業で、いろいろな、クーポンを渡すとかいうようなこともあると思いますが、例えばスポーツクラブへの会費の助成といったような保健事業で導入する、そんなようなことを考えられるのではないかと思いますが、伺いたいと思います。
○鈴木政府参考人 個人の健康づくりに対するインセンティブについてお尋ねがございました。
 御指摘のとおり、住民など個人がみずから健康づくりに取り組むことを自治体や保険者がインセンティブで支援するということは、予防、健康づくりの推進の観点からも非常に重要だというふうに思っております。
 一昨年の医療保険制度の改正で、個人の健康づくりにインセンティブを提供することを保険者の方々の保健事業として位置づけをいたしました。御指摘のありましたような、ウオーキングなど自治体の健康づくりの取り組みに参加した場合、または住民健診を受診された場合などに、各種コンビニ等で利用可能なポイントを付与すること、またスポーツ施設の利用券、地元の商品券などを提供することを通じて、住民の健康づくりを積極的に支援する自治体もふえております。
 例えば、民間主導で自治体や企業における健康予防づくりを推進しております日本健康会議では、こうしたインセンティブを推進する市町村を二〇二〇年までに八百市町村以上にするという目標を掲げております。
 実態といたしましては、平成二十七年度の実施市町村は百十五市町村でありましたけれども、平成二十八年度は五百二十二市町村ということで約五倍近くに増加をしておりまして、全国で約三割程度の自治体が実施をしているという状況でございます。
 国民健康保険制度におきましては、平成二十八年度より、特別調整交付金を活用いたしまして、保険者努力支援制度の前倒し実施を行っております。国民健康保険の保険者の医療費適正化努力等に応じたインセンティブ付与を行っておりまして、引き続きこうした普及啓発を図ってまいりたいというふうに思います。
○務台委員 ありがとうございます。
 これまでは何かをする方向での健康づくりの話だったんですが、何かをしないということで健康が増進されるということもあろうかと思います。
 自民党の勉強会で、この間、お医者さんの話を聞いたら、仮に日本が禁煙を実施したら日本人の平均寿命が二歳延びるんだということをおっしゃった方がおられました。禁煙が平均余命を延ばすのに効果的だというのは一般的にはわかるんですが、厚労省でそういう統計があるかどうかよりも、仮に日本で禁煙を導入したとしたら平均余命がどの程度延びるのかという試算をされているのか。
 そして、受動喫煙により、毎年一万五千人もの方がお亡くなりになっている、そういう資料も見たことがあるんですが、受動喫煙の防止を図ることでどのぐらいの効果があるのか、ちょっと数字的なところを教えていただきたいと思います。
○福島政府参考人 お答えいたします。
 日本人全員が禁煙をした場合、あるいは受動喫煙防止対策を行った場合に、平均余命がどれくらい延びるかということについては、研究報告、こういうものはございませんで、私どももその試算を推計しておるわけではございませんが、喫煙者と生涯たばこを吸ったことがない方、この平均余命を比べた研究、これは国内外で報告をされておりまして、イギリスにおきましては、三万四千人の男性を五十年間追跡した研究がございまして、ここでは、喫煙者は生涯非喫煙者と比べまして平均余命が十年短いという研究がございます。
 また、日本では、広島、長崎の六万八千人の調査、二十三年間追跡した研究がございますけれども、ここでは、喫煙者は生涯非喫煙者と比べまして、これもやはり十年平均余命が短いという研究がございまして、喫煙が平均余命を短縮させているということは科学的には明らかであると考えております。
 また、受動喫煙でございますけれども、これは今先生御紹介がありましたように、肺がん、虚血性心疾患、脳卒中などの疾病リスクを増加させることは科学的に明らかでございまして、昨年、国立がん研究センターが推計した数で申し上げますと、受動喫煙を受けなければ亡くならずに済んだ方が少なくとも国内では年間一万五千人、こういうふうに推計されているということでございます。
○務台委員 ありがとうございます。
 なかなか難しい問題ではありますが、一歩でも進めていかなければならない課題だというふうに思います。
 今、受動喫煙防止に関する議論が行われております。私も、受動喫煙防止の議連に入らせていただいて、できるだけ早い法律提出を期待している側でございます。昔、ロンドンにいたときに、英国のパブで受動喫煙をしない仕組みを入れて、当初、パブが潰れるんじゃないかなんという議論がありましたが、その後、たばこを吸わない方もパブにいらっしゃって、かえってお客がふえているというようなこともあると思います。
 そういうことで、できるだけ理解を得るような努力をさらにしていただきたいと思うんです。WHOからの強い要請もあり、オリパラを機会に、少しでも国際水準に近づける対応をお願いしたいというふうに思います。
 報道によれば、地域特性を踏まえた都道府県の条例で規制内容を決めていったらどうかというような議論も出ているというふうに聞いておりますが、受動喫煙に対する大臣のお考えを、この際お伺いできればというふうに思います。
○塩崎国務大臣 今、WHOの書簡の話をお触れいただきましたが、四月七日に、マーガレット・チャン事務局長からの正式な要請の書簡というものを受け取りました。
 この書簡では、二〇二〇年東京オリパラ競技大会での、長い伝統であるタバコフリーという政策を維持してほしい、そして、特に今、屋内の公衆の集まる場、いわゆるパブリックプレーシズと呼ばれているような場所での喫煙の完全禁止を、それも全国レベルで実施することを公式に要請してこられたところでございます。
 これは、喫煙の完全禁止を全国レベルでという大変厳しい要請でありますので、私どもとしては、厚生労働省として、基本的考え方の案というのを今出しておりますけれども、これを下回らない水準で対策を行うようにという意味合いというふうに受けとめました。
 確かに、北京以降、オリンピック開催地、バンクーバー、ロンドン、ソチ、リオ、そして今度、平昌がございますが、いずれも、飲食店を含む公衆の集まる場での罰則つきの屋内禁煙ないしは敷地内禁煙という措置をとってきているところでございます。
 総理も受動喫煙対策の徹底ということを一月の施政方針演説で述べられて、もちろん我々は、喫煙の自由というのを奪おうと言っているわけでは全くなくて、国民の八割を超える非喫煙者、妊娠をされている女性、子供さんたち、がん患者、ぜんそく患者、そして、インバウンドで最近外国人が多いわけでありますから、そういったサイレントマジョリティーの皆様方に、喫煙の自由よりも健康の方が後回しにされないということに意を尽くしてまいりたい。子供たちの未来のために何をするかという問題ではないかというふうに思っております。
 もちろん、飲食店の経営への影響や喫煙の減少というようなことでのたばこ関係者のなりわいについての御指摘はありますけれども、今回、WHOが、書簡の中で、米国NCI、国立がん研究所との共同研究の報告書の中でも、今お話が務台先生からありましたが、レストラン、バー等にマイナスの影響は特にないというふうに言われています。
 都道府県の条例に任せればいいじゃないかという御意見がありますけれども、これは、全ての国民を受動喫煙による健康被害から守って、国全体での対策が必要というふうに我々は考えておりまして、WHOの事務局長の書簡の中で要請をされていることもしかと受けとめながら、これから省一丸となって、今国会での法案提出に向けて、関係省庁とも、そして与党ともしっかりと連携しながら議論を深めて、この法案提出にこぎつけたいというふうに思います。
○務台委員 今の大臣の思いがしっかりと各方面に伝わるように、さらに汗をかいていただきたいと思いますし、私も一生懸命やっていきたいというふうに思います。
 最後になりますが、成年年齢引き下げの議論があります。今、喫煙年齢は二十ですが、私はこれを二十五歳に引き上げるようなこともあり得るんじゃないかというふうに思います。
 私の息子がたばこのみになってしまったんですが、やめさせるのに大変な苦労をしました。やはり、衆議院の被選挙権ではありませんが、しっかりと判断ができる年になってから喫煙の可否を判断するというようなことも、これは相当な極論だとは思いますが、受動喫煙の対策と並行して議論していくべき価値はあるというふうに思います。
 以上申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、角田秀穂君。
○角田委員 おはようございます。公明党の角田秀穂でございます。
 まず、本日、質問の機会をいただきましたことを感謝申し上げたいと思います。
 それでは質問をさせていただきたいと思いますけれども、通告した大項目と少し順番が異なりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 最初に、社会保障に関してお伺いをしていきたいと思います。
 平成三十年度は経済・財政再生の集中改革期間の最終年度となります。平成二十八年度から、集中改革期間における社会保障関係費の伸びを高齢化による伸びにとどめる、具体的には三年間で一兆五千億円にとどめるとの歳出改革の枠組みのもとで、医療、介護等の制度の見直し等が行われてきました。
 ここまでの二年は、さまざまな議論もありましたが、そうしたことも経て、実質的な伸びを年〇・五兆円程度という目安の枠内におさめてきたわけですが、集中改革期間の最終年度となる平成三十年度は、六年に一度の診療報酬と介護報酬の同時改定の年でもあり、これらも含めて、社会保障関係の歳出の伸びを目安の範囲内にどうおさめていくのか。来年度の社会保障関係費の伸びは現状のままだとどの程度となるのかはまだ具体的には明らかになっておりませんが、少子化、高齢化が進行する中で制度の持続可能性を確保しながらの難しい作業となることが見込まれております。
 政府の財政制度等審議会において、医療・介護制度等について、改革の具体的な方策についての議論も行われておりますが、診療報酬、介護報酬の同時改定に当たってどのようなことに重点を置いて検討を進めていくお考えなのか。基本的なお考え方についてまずお伺いをしておきたいと思います。
○鈴木政府参考人 平成三十年の同時改定についてお尋ねがございました。
 少子高齢化が進行し、社会保障経費の伸びが引き続き見込まれる中で、社会保障制度を持続可能なものにしていくためには、御指摘のように、サービスの質を維持向上させつつ、いわゆる骨太の方針二〇一五に基づく歳出改革の取り組みを含め、費用の増加を抑えるための重点化、効率化も同時に進めていく必要があるというふうに思っております。
 平成三十年度は、御指摘のように六年に一度の診療報酬と介護報酬の同時改定でございますけれども、いわゆる団塊の世代が七十五歳以上になる二〇二五年までの残された期間を考えますと、非常に重要だというふうに思っております。
 今回の同時改定におきましては、恐らく四点ほど大きな点があると思いますが、一点は、地域包括ケアシステムの構築、それから、同時改定でございますので、医療と介護の連携強化と効率化ということがございます。二点目は、病院につきまして、急性期から回復期、慢性期、在宅医療までの医療機能の分化、連携の推進でございます。三点目は、ICTの活用も含めて、現場の負担軽減にもつながります効率的な医療、介護の推進。そして最後は、高齢者の自立支援に資する取り組みの推進ということでございまして、質が高く効率的な提供体制の整備をぜひ進めてまいりたいと思います。
 二〇二五年以降の超高齢化社会におきましても制度を維持していくためには、適正化、効率化をすべきことは実施しつつ、質が高い医療、介護を安心して受けていただけるような同時改定にしたいというふうに思っております。
○角田委員 今、基本的に重点を置く項目についても御説明いただいたわけですけれども、まず医療についてお伺いをしたいと思います。
 財政審の議論において、今後の方向として、平成三十年度から都道府県が地域医療構想実現に向けた医療提供体制改革、医療費適正化計画の推進、国保の財政運営を一体的に担うようになることを踏まえて、都道府県の権限強化とともに、取り組みの結果に応じた強力なインセンティブを設けることによって、医療保険、医療提供体制を通じたガバナンス体制の整備強化を進めるというような方向も示されております。
 具体的にどのようなインセンティブを考えているのかといいますと、病床機能の分化、連携の進捗に応じた新たな保険者努力支援制度であるとか、地域医療介護総合確保基金の配分に大胆にめり張りをつけるとか、さらには、国保の普通調整交付金の配分を、実際の医療費に応じた配分から、全国平均の性別、年齢別の平均医療費をもとにした配分に見直すことなどがこの場では示されております。
 ただ、どのようなインセンティブをとるにしても、インセンティブで導こうとする方向が本当に正しい方向なのかどうか、その前提としては、地域ごとに真に必要な医療提供体制なのかどうか、地域医療介護総合確保基金にしても、その使い道に対する評価、適正な医療水準とはそもそも何なのか、少なくとも全国一律で論じられるものではないと思いますが、実態の把握、データに基づく丁寧な分析がなければ、こうした議論を進めていくこともできないと考えます。
 こうした点も含め、都道府県の役割の見直しについて、また役割の強化について、今後どのように取り組んでいくお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○鈴木政府参考人 医療政策における都道府県の役割についてお尋ねがございました。
 御指摘のとおり、都道府県は、医療費適正化計画、地域医療構想を策定するとともに、平成三十年度以降は国民健康保険制度の財政運営の責任主体ということになりますので、そのガバナンスを抜本的に強化して、都道府県が地域の予防、健康、医療等の司令塔としての役割を果たせるようにしていくことが極めて重要だと思っております。そのために、制度の強化、予算の強化等をぜひ強力に推進していきたいというふうに思っております。
 制度の強化といたしましては、住民の健康づくり、それから効果的な医療提供体制など、さまざまな地域の課題に取り組むために、都道府県を取りまとめるさまざまな協議体の構築について、またその中における都道府県の役割について検討を進めていきたいというふうに思っております。
 また、予算の強化につきましては、平成三十年度以降、御指摘の国民健康保険の保険者努力支援制度、これがございますので、都道府県の医療費適正化等の努力を正当に評価するということが大事だと思っております。具体的な制度設計については現在検討中でございますけれども、地方団体ともよく協議をさせていただいて、実態をきちっと把握した上で、データに基づいて制度設計を行ってまいりたいというふうに思います。
○角田委員 これは介護についても、前回改定の影響や介護サービス事業者の経営状況について、やはりきめ細かな分析を行った上で、適正化、効率化をする、実態調査をした上で介護報酬の適正化、ケアプランの検証を通じて真に必要なサービスの利用を徹底する、丁寧な実態把握、分析がいずれにしても大前提となると思いますし、それなしの改革はあり得ないとも考えます。
 厚生労働省として、こうしたことにも重きを置いて必要な財源を確保して、適切な改革となるよう今後検討を進めていただきたいと、これは要望させていただきたいと思います。
 続きまして、地域包括ケアシステムの強化について。これは、前回、地域共生社会について質問をさせていただいた際、時間がなくなりましてできなかった質問、一番お伺いをしたかった質問なので、その続きとしてやらせていただきたい、お聞きさせていただきたいと思います。
 従来の介護や障害、子育てなど、対象者ごとに縦割りで整備されてきた各分野の支援制度の枠を越えて、住まい、就労、教育、地域からの孤立なども含めて、丸ごと地域で解決する社会、町づくりをこれから目指していこうという方向が打ち出されているわけですが、全国でそのような町づくりを進めていくために最も必要なことは何か。それは、まず国がこれまで以上に現場の声に対して聞く耳を持つようになるということ、即座に手を打てる体制をつくることだと考えております。
 塩崎大臣も引き合いに出されている富山型デイサービスのこのゆびとーまれも、子供から高齢者まで、障害のあるなしに関係なく一つ屋根の下で暮らせる、そんなある意味当たり前のケアサービスを提供したいとの思いで始まった事業も、制度の壁との格闘だけではなく、あそこの事業所は法律に違反したことをやっていると周囲から陰口をたたかれるなど、さまざまな困難を乗り越えて、創設メンバーの情熱で理想を実現したのは、ある意味、これができたのは不屈の根性の持ち主であったからなし遂げられたことであろうと思います。
 そして、こうした不屈の根性を持っている人というのは、世の中、そうそういないとも思います。制度の壁を乗り越えるのに何年もかかっているようでは、大抵の人はなえてしまうんではないかと思います。
 今週初めに北海道の人口五千人の町を訪ねて町長にお話を伺いましたが、ここは推計では二十五年後には人口が半減をする、それ以前にも、介護、医療、また金融も含めて、生活関連サービスの提供も極めて困難になるということで、まさに今、町の存亡をかけて地方創生に取り組んでいる町の一つです。
 仕事づくりの面では、基幹産業の農業に若い人を呼び込もうと農業経営の法人化を進めるなどして、これはUターンだけでなく、町の外からも若い人がわずかずつでありますけれども入ってきて、少し元気が出てきた。
 人を呼び込み定着してもらうために次にやろうとしていることが福祉のまちづくりということでした。この町に住めばどのような人でも安心して暮らし続けられる町にすることが大事だということで、特にこれまで余り進んでいなかった障害者支援の充実を目指して、昨年初めて町内に就労継続支援B型の事業所を立ち上げ、先月には初めて障害者グループホームを開設した。
 ただ、このような福祉のまちづくりを進めようとして、はたと突き当たった問題が人材が確保できないということでありました。国の制度に何とか乗せようとしても、定員や配置基準が小さな町では間尺に合わない、弾力的にもっと考えてもらえないかというお話を伺いました。
 全国それぞれの地域で、目の前のニーズに応える既存の枠の中では提供できないサービスが提供できるようにするためには、これからさまざまな課題が見えるようになってくると思います。そうした課題を乗り越えて地域共生社会というものを目指していく上で、何よりも国が我が事として寄り添う姿勢を示すことが大きな鍵を握っている、省内の部局、府省の連携体制を強化していくことが重要と考えますが、地域共生社会構築へ向けて、その中核を担うであろう厚生労働省の決意をお伺いしておきたいと思います。
○堀内大臣政務官 厚生労働省の決意を伺うとのことでございますが、地域におけるさまざまな課題に対応するためには、地域の助け合いや、支えられる側が支える側に回るといった、土台となるいわゆる地域力、インフラ強化が必要でございまして、その上で、高齢者、障害者、子供・子育て世帯、それぞれの支援や複合する課題への支援を充実していくことが必要であると考えております。
 こうした地域共生社会の考え方につきましては、地域力強化検討会の中間とりまとめや本年二月の当面の改革工程においてお示しし、それを受けて、社会福祉法の改正案を地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案に盛り込み、御審議いただいたところでもございます。
 地域共生社会の実現に向けては、先ほど角田議員が御指摘いただきましたように、関係者との連携が重要でございますことから、省内の部局横断的な体制をしっかりと構築した上で、昨年十二月に国土交通省と局長級の連絡協議会を設置するなど、住宅分野や教育などの関係省庁とも問題意識を共有し、連携しながら取り組んで、そして現場や市町村の皆さんにも地域共生社会の考え方について積極的に説明させていただくことによって、しっかりと取り組みを進めてまいりたいと存じます。
○角田委員 この問題に関してはこれからもさまざま議論をさせていただきたいと思いますが、ここでは次に、アスベスト健康被害の補償、救済についてお伺いをしたいと思います。
 一九五五年ごろから建材製品に使われ始め、特に高度成長期に大量に輸入をされ、広く使われてきた石綿、アスベスト暴露による健康被害に対しては、主に労働者災害補償保険法に基づく労災補償と二〇〇六年施行の石綿健康被害救済法によって行われておりますが、石綿がつい十数年前まで、五十年以上の長きにわたり、総量で約一千万トンと大量に使われてきたこと、石綿暴露による中皮腫や肺がんなどの潜伏期間が数十年と長い、例えば中皮腫では暴露から発症まで三十年から五十年と長い時間がかかることなどから、石綿による健康被害というものは、むしろこれからさらに深刻になってくる問題だろうと考えております。
 原因はほぼアスベスト暴露だと言われている中皮腫による死亡者数も、人口動態統計によれば、二〇〇〇年に七百十人だったものが、二〇一五年には一千五百四人と倍以上になっております。これに対して、労災補償、健康被害救済の認定者数はいずれもほぼ横ばいで推移していることから見ても、被害者が漏れなく補償、救済の対象になるよう検討すべき課題も多いのではないかと考えますので、この観点から少し質問させていただきたいと思います。
 健康被害救済制度ですけれども、この対象となる非職業暴露の方以外にも、本来労災で補償が受けられる可能性があるにもかかわらず、本人が職場でアスベストを使用していることを知らなかったことなどで、健康被害救済の方に申請をしているケースが相当数あるのではないかと考えられますが、そのような実態についてはそもそも調査をされているのか、あわせて、この制度間の連携についてはどのように取り組みをされているのか、お伺いしたいと思います。
○山越政府参考人 お答え申し上げます。
 労災補償と石綿健康被害救済制度に基づく救済給付の間の連携についての御質問だと承知をいたします。
 御指摘のとおり、石綿関連疾患につきまして、すき間のない救済を行うことが重要であるというふうに考えております。このため、労災保険給付を担当する厚生労働省と、石綿健康被害救済制度に基づく救済給付を担当する環境再生保全機構とが連携をして対応しているところでございます。
 具体的には、例えば石綿健康被害救済制度の認定を受けた方の中にも、過去に労働者で石綿関連作業に従事したことのある方がおられまして、そうした場合は労災保険給付の対象となる可能性がございますので、こうした方の氏名等の情報を、可能な場合には環境再生保全機構から厚生労働省に御提供いただきまして、この情報をもとに労災の請求勧奨を行っているところでございます。
 引き続き、環境再生保全機構との連携を図りながら、すき間のない救済ができるように努めてまいりたいと考えております。
 なお、御質問ございました数値については、手元に今持ち合わせてございません。
○角田委員 健康被害救済の方について、迅速な救済ということに関して質問をいたしますけれども、今、健康被害救済制度の仕組みは、独立行政法人環境再生保全機構が被害者また遺族からの申請請求の窓口になり、そこから環境大臣を経て、全件全てについて中央環境審議会で認定の審査が行われておりますが、昨年認定をされた方は、判定が出るのは早くて三月と言われ、その後、追加の資料の再提出を求められ、その手続を進めていく間にお亡くなりになられました。再提出を求められた資料は、最初から出せと言われれば提出できていたものでした。
 石綿健康被害は予後が極めて思わしくないことからも、迅速な救済を図るために、認定の際の審査のあり方について積極的な検討、見直しを求めるものですけれども、この点について見解をお伺いしたいと思います。
○梅田政府参考人 お答えいたします。
 石綿健康被害の認定に当たりましては、石綿による疾病であることを医学的な観点から適切に判定することが重要であり、その上で医学的判定を迅速に行うことができるよう努めているところでございます。
 具体的には、認定実務を担う環境再生保全機構と連携いたしまして、申請内容に不足がある場合には、患者さん御本人の同意を得て、不足資料を医療機関から直接収集することや、医学的判定の考え方を医療機関に周知しておく、そして医療従事者向けに診断技術の向上のための講習会を開催するなどの取り組みを行っております。
 この結果、申請から認定、不認定までの平均処理日数は、療養中の方からの申請の場合、直近の平成二十八年度では速報値で九十八日となっておりまして、平成十八年度の百七十三日と比べて大幅に短縮してきたところでございます。
 今後とも、環境再生保全機構と連携しながら、石綿健康被害の迅速な救済に努めてまいります。
○角田委員 漏れなく補償、救済につなげる上で、医療の現場への周知も今後さらに進める必要があると考えております。
 石綿暴露による肺がんは中皮腫の二倍くらいという推計がある一方で、中皮腫よりも認定件数が少ない背景として、肺がんはたばこという思い込みが見逃しを生んでいるという指摘もあります。
 さらに、制度の周知。先ほどの方は、検査を受けた大きな病院で、医師から救済制度のようなものがあるはずだと言われて、そこからは自分でインターネットで調べて制度にたどり着いたのですが、パンフレット等も配付しているそうですが、制度の入り口から本人、家族が探さなければならないといったことがないよう、こうした制度も含めて積極的に現場への周知を図っていってほしいと思いますが、最後にこのことについてお伺いをしたいと思います。
○山越政府参考人 お答え申し上げます。
 医療現場への周知でございますけれども、石綿関連疾患につきましては、がん診療の連携拠点病院を初めといたしました労災指定医療機関に対しまして、労災保険の制度に関するパンフレットだけではなくて「石綿ばく露歴などのチェック表」なども配付をしておりまして、こうした形での周知を図っております。
 あわせて、これによりまして、医療機関を通じました被災者への制度の周知を行うことによりまして労災の請求勧奨を実施しているところでございまして、こうした取り組みに努めていきたいというふうに考えております。
○角田委員 時間が参りましたので、以上で終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、柚木道義君。
○柚木委員 おはようございます。
 塩崎大臣初め、あと各省政務の皆さん、お忙しいところお越しいただいておりまして、ありがとうございます。ちょっと通告の分量が多いので、関係の副大臣、政務官の皆さん、きょうはお越しいただいておりますが、最後までもし行かなかったら申しわけありません。
 冒頭、こういうことをお尋ねしなければいけないのは大変残念なんですが、塩崎大臣に、これは通告の質問ではありませんが、御認識をぜひお伺いしておきたいと思います。
 政権のおごり、緩みが、直近でいえば、共同通信の世論調査でも七三%ということでございます。先日も、今村復興担当大臣が、東日本大震災が東北でよかったと発言をされ、辞任をされました。また、この厚労委員会でも、この間、きょう実は森友学園の籠池前理事長が十時半から我が党のPTにお越しになられるということですが、森友問題で、厚労でも関係する補助金の不正受給等もあって、私も関連して質問をさせていただきました、安倍総理にも。しかし、この説明責任、まだ八割もの国民が疑念に思っている。
 そこで、私も、確かに介護保険法のときではありましたが、これはそれぞれ各党一定の、法案以外の質問もされる部分もあったわけですが、それをお尋ねしたら、なぜか答弁は、安倍内閣の支持率が五三%であると。これは私も一瞬理解に苦しみましたが、これは、要は支持率が高ければ説明責任を果たす必要はないと言わんばかりの答弁でありまして、おまけにその後、強行採決でございました。
 さらに、きょう、自民党の委員の皆さんの中に、当選二回の方が多いと思います。百五人ということです。もちろん、優秀な方はたくさんおられると思います。私も存じ上げています。しかし、今回、これからゴールデンウイークで、外遊禁止令まで幹事長から出されると。
 これは、塩崎大臣、安倍政権与党におけるさまざまな失言、スキャンダル、おごりや緩みの指摘に対して、安倍内閣の一員として大臣はどのように受けとめられていますか。
○塩崎国務大臣 安倍内閣が第二次として内閣をスタートさせたときから、一貫して、東日本大震災の復興に向けて、全ての閣僚が復興大臣のつもりで、覚悟でやれ、こういうことでございました。そのくらい、私ども安倍内閣にとっては、東日本大震災からの復興というのは大変大事な、最優先課題というふうに言ってもいいと思いますが、そういう中にあって、今回の不適切な発言があったことは大変残念なことであります。私ども、心を引き締めて、復興に向けて全力を挙げていきたいというふうに思います。
○柚木委員 安倍内閣では、全ての閣僚が復興担当大臣の気持ちでということです。これは恐らく、内閣はもとより、政府・与党の皆さんにおかれても、とにかく復興に全力を尽くすという思いは当然共有されていると思うんですよ。
 にもかかわらず、その責任者である今村大臣があのような発言で辞任をされ、私、さらにこれは本当に看過できないと思ったのは、今村前大臣が所属をされている二階派の二階幹事長が、これは、安倍総理が、まさにその二階派のパーティーで、これは異例のことですよ、東北の方を傷つける極めて不適切な発言だと謝罪をされているんですよ。にもかかわらず、その派閥パーティーのトップである二階幹事長が、この今村復興大臣のことに関連して、まるで今村大臣の発言を取材、報道したメディア側が悪いかのような発言で、マスコミは余すところなく記録をとって、一行でも悪いところがあれば、これはけしからぬ、首をとれ、すぐ首をとれ、そういったメディアは最初から排除して、会見場などに入れないようにすべきだと発言をされています。
 これは、この間、安倍政権与党の言論や報道の自由についてのさまざまな議論がございました。そういう中で、今回の二階幹事長の発言、塩崎大臣、これは安倍内閣として、この幹事長の発言、正しいんですか、間違っているんですか。御認識をお答えいただけますか。
○塩崎国務大臣 政党政治家の御発言でございますので、私ども閣僚としてコメントする立場にはないというふうに思います。
○柚木委員 そんな答弁をされていたら、これは二階幹事長の発言を肯定することになりかねませんよ。明確に否定すべきじゃないですか。
 報道の自由、これはそんたくをして、メディアがまた萎縮をして、さまざまなことが報じにくくなる可能性がありますよ。現場の記者もそういうことを言っていますよ。
 塩崎大臣、報道や言論の自由、安倍総理は、これはもうまさに民主主義の大前提だと常日ごろおっしゃっているじゃないですか。そうであるならば、まさにその安倍内閣の一員として、二階幹事長の、メディアがあたかも悪いかのようなこの発言、これは撤回すべきだという認識をお示しすべきじゃないですか。いかがですか。
○塩崎国務大臣 その発言に私は直接触れておりませんので、判断ができません。
○柚木委員 非常に報道、言論の自由についても後ろ向きだなと思わざるを得ないですね。
 本当に、本当にですよ、今村復興大臣の発言が被災地の皆さんに迷惑を、心を傷つけたと思っておられるのであれば、これは政府・与党を挙げて、皆がその発言に対して、与党の委員の皆さんの中には、あるいは現職の今の安倍内閣の閣僚、政務の皆さんとも私はこの間何度かやりとりしましたよ、あの発言はやはり許せない、ひどいとみんな異口同音におっしゃっていますよ。その与党の幹事長がこんなことを言っていたら、政権与党として本当に被災地の皆さんに申しわけないと思っていると到底伝わらないじゃないですか。
 塩崎大臣、幹事長の発言、報道されているじゃないですか。これはおかしいでしょう。おかしいと思わないんですか。謝罪、撤回すべきだと思われませんか。(発言する者あり)
○丹羽委員長 御静粛にお願いいたします。
○塩崎国務大臣 一つ一つ報道に反応する理由もないし、そういう立場にも私はないというふうに思います。
○柚木委員 それだから、政権のおごり、緩み七三%と国民から出るんじゃないんですか。
 私は、この後、もちろんたくさん通告申し上げていますから質問しますよ。でも、やはりその大前提として、被災地の皆さん、国民の皆様の、今回の今村復興大臣の発言、政権与党、これは本当に心からおわびの気持ちがおありだったらば、今回の幹事長発言については看過できないと、大臣としても御認識を示されるべきだと私は思います。
 通告どおり、質問に入ります。
 森友学園問題、資料の一以降つけております。これはパネルにもしております。資料の方、一ページ目、二ページ目をごらんください。
 これは、御承知のように、今回の再生法の申請によって、これは所管厚生労働省、森友保育園のことについて伺いたいんですが、実は、一ページ目の下段にちょっと赤印をつけておりますが、これは二十一日に大阪市がこの森友保育園に、これは保育士さんの配置基準を満たしていないとして、児童福祉法に基づく改善勧告を出しています。そして、実は、きょう二十八日までに常勤六人の保育士さんを確保できなければ改善命令に切りかえ、それでも改善が認められないときには六月一日に事業停止命令を出す方針だと。これは保護者説明会などでも、大変さまざまな親御さんの心配、懸念、これは二ページ目にも、今から転園先を探さなきゃいけない、休園されたら困る、保護者に不安や戸惑いが本当に今蔓延しています。
 そういう中で、これは、もちろん大阪市がしっかりと対応いただくことは必要ですけれども、そもそも今回の森友学園問題、一連の経緯、これは、安倍総理の奥様、昭恵夫人のかかわりとか、総理が少しでも国有地売却に関与していたら総理も議員もやめるとか、そのようなことまでおっしゃってどんどんどんどん問題が拡大をして、結果、保育園もこれは運営できなくなったりすると、本当に園児さん、保護者さんは困るわけですから、これはぜひ、今回、もちろん大阪市が対応をしてもらわなきゃ困るわけですが、当然、所管の厚生労働省としても、今後の推移を注意する中で、園児さんや保護者の方が困らないようにしっかりと対応いただきたいと思いますが、塩崎大臣、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 御指摘のように、大阪市から私どもが聞いている限りでは、四月の二十一日付で改善勧告を、この保育士の配置基準が満たされていないということで行ったわけでありますが、その勧告に保育園側が従わない場合には四月末までに改善命令を出すことを視野に入れているという報告を受けています。
 御指摘のように、保育園に入っておられる子供さんたちをしっかりとフォローしていくというのが最優先、最重要な課題でありまして、大阪市の方からは、保育園に入園をしている子供たちの保護者の方々に対しては、まず四月の二十五日に説明会を行いました。そして、五月十一日にもう一回説明会をやるというふうに聞いておりまして、その意向を踏まえた上で、別の保育園への入園に向けた優先的な利用調整、これを行うなどの最大限の支援を行っていくという大阪市の報告を受けているところでございまして、我々は、大阪市と緊密に連絡をとり合っておりますし、今後もとり合ってまいりたいというふうに思います。
○柚木委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 園児さんや保護者の方には何の責任もありませんので。本当にこれによって仕事をやめちゃわなきゃいけないとか、本当にさまざまな、これはもう暮らしが成り立たなくなる、困難な状況にもなりかねませんので、ぜひ強く、今の御答弁、重要だと思いますので、お願いを申し上げます。
 続いて、資料の三ページ目以降をごらんください。
 きょうまさに籠池前理事長がこの後十時半にお越しになって我が党のPTで証言をされるということですが、この間、直近の報道で、財務省側が本件は特例であると。まさに今回の公文書のあり方、きょう、この間、御答弁にもお越しいただいていまして、それぞれ質疑、やりとりさせてもらいますけれども、やはりこの交渉記録の管理、保管のあり方についても大変な問題点がございます。
 ところが、これは実際には、特例、つまり、手引書のようなものまで用意されて、説明をされて、まさに神風が吹いたという流れになっていっているわけですね。それについて、資料二、三、四をごらんいただいて。
 これは、赤いところにそれぞれ、財務省の田村室長、こちらの田村さんじゃなくて財務省のですね、コメントをそれぞれ赤枠で囲んでおりますが、まさに財務省が、ある意味、本当に手とり足とり、関与、説明、これはそんたくという言葉もございます、されていることを赤のマーカーで引いておりますので、ごらんください。
 私は、やはりこういう問題を検証する上で、そのプロセスを、公文書管理法についてきょうやりとりさせていただきますが、資料の四ページ目をごらんください。
 これは、会計検査院がせんだっての参議院の財政金融委員会で第三局長が答弁をされています。
 一般論で言うと、支払いが完了しないケースについては事案自体が完全に終了したと認めることは難しい、そして、会計経理の裏づけとなる関係書類が廃棄された場合は、その詳細について正確に把握できない場合がある、まさに今回のような問題が起こったときの検証が困難であるということを述べておられるわけでございます。
 そこで、きょうそれぞれお越しいただいていまして、まず、内閣府、つまり公文書管理の所管の内閣府の副大臣にお越しをいただいておりまして、ちょっと時間の関係でまとめてお尋ねするので、まとめて答弁をいただければと思います。
 まず一つ。公文書管理法第五条の第五項によりますと、一定期間を過ぎた後、どの文書を廃棄するかを決められるようになっておりますが、それぞれの部局がそれを決められる。これだと、本当に恣意的な運用ですぐ捨てちゃうとかいうようなこともできちゃいますので、やはり第三者機関の判断、評価を加える必要がある。私、今回の事例を見ても、そのように考えますが、その見解を伺いたいのと、この公文書管理法の施行令の第八条の第二項には、行政文書、つまり今回のような問題が起こったときの文書の保存年数、これはもちろん、三十年とか二十年とか十年とか三年とか、いろいろあるんですけれども、その下限が定められていないんですよね。ということは、一年未満どころか、もうすぐにでも捨てることが事実上可能である。これもやはり問題だと思います。
 そして、私、これは本当に問題だと思うのは、こういう行政文書の管理法、仮に違反した場合に、罰則規定が全くないんです。それだと、やはり抑止力は働かない、そのように思います。
 ぜひ、所管の副大臣として、今回、森友学園が払い下げを受けた国有地が九〇%の値下げ、ディスカウント、国民の財産ですから、こういった不透明なことが行われた場合に記録が残っていないのは大問題ですから、今三点具体的に例示をいたしました。私はやはり公文書管理法の改正が必要だ、そのように考えますが、所管の副大臣としての御答弁をいただけますか。
○松本副大臣 大変多岐にわたる御質問をいただいたところでありますので、それぞれについてお答えをさせていただきたいと思います。
 まず最初に、第三者機関の判断や評価を加える必要というものがあるのではないかということに対してお尋ねがございました。
 公文書管理法第五条第五項におきまして、各行政機関の長は、行政文書ファイル等について、保存期間満了前のできるだけ早い時期に、保存期間が満了したときの措置として、歴史的資料として重要な公文書などにつきましては国立公文書館などへ移管し、それ以外のものは廃棄することを定めることとされております。
 この移管か廃棄かの措置の決定につきましては、一義的には各行政機関の判断によりなされるものでありますけれども、公文書管理法の運用におきましては、各行政機関に対しまして、同法第九条第一項に基づく内閣総理大臣に対する行政文書の管理状況に関する報告の一環といたしまして、廃棄か移管かの措置の設定状況につきまして、内閣総理大臣、具体的には内閣府公文書管理課が担当いたしますけれども、に報告することを求めているところであります。また、報告後、内閣府及び国立公文書館から各行政機関に対して意見を述べることもできることとされているところであります。
 また、公文書管理法第八条第一項によりまして、各行政機関の長は、保存期間が満了した行政文書ファイル等につきまして、同法第五条第五項の規定による定めに基づいて移管または廃棄することとなるわけでありますけれども、廃棄するに当たりましては、同法第八条第二項に基づきまして、あらかじめ内閣総理大臣に協議をし、その同意を得ることとされていることになっておりまして、それぞれの省庁において勝手に判断をするというようなことにはなっていないということをぜひ御理解いただきたいと思っております。
 続きまして、行政文書の保存年数の下限が定められていないことについての見解はどうなのかということでお尋ねがございましたので、これに対しましてお答えをさせていただきます。
 行政文書の保存期間につきましては、公文書管理法施行令第八条第二項によりまして、例えば法令の制定など、全行政機関で共通した保存期間を適用すべきもの以外は、行政機関の事務及び事業の性質、内容などに応じまして各行政機関が定めることとされております。また、同施行令第八条第三項によりまして、歴史資料として重要な公文書などにつきましては、一年以上の保存期間を設定することとされております。
 こうした規定を踏まえまして、各行政機関におきまして、歴史資料としての重要性を適切に見きわめた上で、適切な保存期間の設定を行うことが重要であると考えております。
 続きまして、公文書管理法の違反について罰則がないという御指摘であります。
 これに関しましてのお答えをさせていただきますと、公文書管理法、同施行令及び行政文書管理規則に基づきまして、各行政機関の責任におきまして行政文書の作成、整理及び保存などを行う仕組みとなっております。不適切な文書管理が明らかとなった場合には、まず当該行政機関におきまして原因の徹底究明、そして関係者も厳格な処分を行い、再発防止と国民の信頼回復に努めることが重要と考えております。
 さらに、公文書管理法におきましては、行政文書の適切な管理を確保するため、内閣総理大臣が、各行政機関による定期的な報告を通じて行政文書の管理状況を把握し、必要があると認められる場合には、行政機関の長に対し、行政文書の管理の状況に関する報告や資料の提出を求めることなどができるとされているところであります。
 なお、不適切な公文書管理を行った職員につきましては、国家公務員法第八十二条に基づきまして、事案によりましては免職も含めた懲戒処分が行われることもあると認識をしておりまして、これらの罰則を組み合わせて適正に管理がなされるものと認識をしております。
 最後に、法改正を行うべきではないか、そうした御指摘もあったところでありますけれども、内閣府に置かれました公文書管理委員会が昨年三月にまとめた公文書管理法施行五年後見直しに関する検討報告書におきまして、例えば、各行政機関における行政文書の歴史的重要性の判断を支援し、その質を向上させる仕組みについて検討すべきなど、さまざまな御指摘をいただいているところであります。
 私といたしましても、各府省における公文書管理の質を高めるための不断の取り組みというものは当然進めていくことが重要であるというふうに考えておりまして、公文書管理委員会からいただいた御指摘を踏まえ、行政文書の管理に関するガイドラインの今年度中の見直しや、各府省の職員の公文書管理に対する意識を高めるための研修の充実などを着実に進めてまいりたいと考えております。
 以上です。
○柚木委員 御丁寧に答弁をいただきましたが、今のそれぞれの御答弁を伺っても、今検討委員会のことも触れられましたけれども、まさにその委員会の委員長代理である三宅弘弁護士の昨日の朝の番組のコメントも私はきょう資料につけさせていただいておりますが、到底、今のような御見解、御認識では今般の森友学園のようなことの再発防止には私はつながらない、できないと改めて思いますよ。この後また引き続きやりとりをさせていただきます。
 きょうは会計検査院にもお越しいただいておりまして、これは一般論で結構なんですけれども、国有地、つまり国民の財産ですね、この適正な管理を行うためには、当然、適正な公文書管理が必要だと考えておりますけれども、今回の件も、こういうことで本当に私は、国民から政治や行政に対する不信、八割が納得できない、こういう状況もあって、いかに適正な文書管理を行うかによって、さまざまな事案が起こったときの検証、調査、そして再発防止につながっていくと考えます。
 そのために必要な文書管理のあり方について、これは会計検査院の方から御答弁をお願いいたします。
○戸田会計検査院当局者 お答え申し上げます。
 会計検査院が行います会計検査の目的は、会計検査院法第二十条第二項に規定しておりますとおり、会計経理を監督し、その適正を期し、かつ、是正を図ることでございます。
 会計検査院といたしましては、国の会計経理について説明責任を負うべき者は資料等に基づいて適切に説明を行う必要があると考えておりまして、会計経理の裏づけとなる資料等が適切に作成され、管理されていることは大変重要なことだと考えているところでございます。
○柚木委員 そうすると、今回のような財務省の理財局、文書管理のあり方というのは、今の会計検査院の答弁されたこととは異なる扱いになっていると私は思うんですね。
 そうした場合に、私は、これは財務省だけじゃなくて、皆さん、資料の六をごらんください、きょうは厚労委員会なので厚労省の事案についてもちょっと調べてみました。これは、公文書管理法が施行後の、二十三年以降の五年間の経年の公文書管理法に要は反する事案、紛失とか誤廃棄とかその他とか、財務省、国税庁、それから厚生労働省と、それぞれの件数を年度ごとに挙げています。
 これは厚生労働大臣に確認をさせていただきたいんですが、まさに公文書管理法施行以降に、不適切、公文書管理法に逸脱する、こういう処分が行われたものが、それぞれ件数の中でも、厚生労働省は一番下のラインなんですが、年次によって本人二人とか管理者二人とか出ているんですね。このそれぞれの事案の概要、処分の内容、それから処分対象者の役職、これをできればなるべく、早口でも結構なので簡潔に御答弁をいただけますか。
○塩崎国務大臣 公文書管理法においての不適切な事案ということでございますけれども、厚労省では、公文書管理法に基づいて、毎年度、行政文書の管理の状況について内閣府に報告を行っていますが、この中で、紛失、誤廃棄など以外の不適切な事例として報告をしているのは、法施行以降四件ございます。
 その内容は、まず、公文書の偽造、公印の無断使用、それから、入札に関連してですが、決裁済みの仕様書の無断修正、入札に関連して、調達関連文書の事前交付などでございまして、行為者には免職、停職、減給、監督者には訓告、厳重注意等の処分が既に行われているところでございます。
○柚木委員 これは本当にそういう処分が実際に行われていて、先ほどその部分が一定の抑止効果になるというような趣旨の御答弁もあったんですが、それなのに、ずっと過去の経年の推移を見ていると、全くその件数に効果が見られないんですね。
 したがって、私はやはり公文書管理法そのものの法改正が必要だと思うわけですが、これは改めて内閣府の副大臣に伺いますけれども、今回の森友学園の国有地売却の経緯に関する文書について、財務省はこの国会において廃棄したとの説明を繰り返しております。なぜそんなに簡単に廃棄できるのかといえば、まさに各省庁が内部で保存期間が一年未満とか決められるからなんですよね。公文書管理法上、それが認められている。
 これでは、今回の森友学園のように、財務省の文書が捨てられたとした後に問題が発覚した場合の検証が極めて困難になります。公にしたくない情報を恣意的に分類したり、ある意味、合法的に証拠隠滅を図ることが可能になってしまうんですね。
 ですから、きょう資料にもおつけをしておりますが、五ページ目をごらんください、このような議論になります。
 これはまさに、保存期間が一年未満の文書がブラックボックス化しているという専門家の指摘があって、そして、内閣府の公文書管理委員会の委員長代理である三宅弘弁護士さんのコメントをおつけしております。まさに、今回の法の抜け穴が明らかになっていて、過失で廃棄なら公文書管理法違反、故意であれば公文書毀棄罪ということでございます。毀棄罪は、懲役三月以上七年以下という非常に厳しい罰則の規定もございます。
 副大臣にぜひお願いしたいのは、もちろん法改正もそうなんですが、これはここに、三・一一、まさにあの東日本大震災のときでも記録をみんな残した、記録を、議事録がないからということで一生懸命かき集めて文書を復元したということなんですね。この文書の復元、最終責任は内閣ですから、副大臣にきょうお越しいただいておりますが、官房長官あるいは内閣総理大臣、内閣としてやはり責任を負っていただくことが必要でございます。
 ぜひ、法改正も当然なんですが、今回、財務省のデータの復元もまだ今ならパソコン上間に合うと言われていますし、そのメモ、このメモをとっているというのは、まさに元財務官僚の山口真由さんとおっしゃるんですか、テレビで毎回コメントされています、財務省ほどメモをとる省庁はない、そして必ずメモは残していると。ですから、復元を指示いただければ、それがまさに今問題になっている事案を、説明責任を国民に果たすことにつながりますから、ぜひこれは公文書管理法所管の副大臣として、この復元についても前向きに御検討いただけませんか。副大臣、いかがですか。
○松本副大臣 まず最初に、この公文書管理法のたてつけでありますけれども、そもそも、公文書管理法というものによって、公文書をどのような形で、どのような期間これを保存するかというようなことが法律上に書かれているのではなくて、それら具体的な例といたしまして、具体的な内容といたしましては政令で定められていたり、また、ガイドラインという形で各省庁での文書管理規則というものをつくる際の基準といいますかを示させていただいて、そして、それに基づいて実際のそれぞれの保存の年限や考え方というものが示されております。
 ちなみに、これは平成二十三年の菅内閣のときに施行されまして、その際に、この政令やガイドラインというものは定められているということは、ぜひつけ加えて申し上げておきたいと思います。
 それに基づいて各省がそれぞれ文書管理規則というものをつくりまして、そして、それによって実際の管理というものが行われているというような状況でありまして、財務省においても、そのような形でこの文書管理規則というものがつくられた上で、今回の事案の文書というものも実際に管理がされているものと私としては認識をしているところであります。
 したがいまして、今の御質問の件でありますけれども、財務省におきましてまずは適切に管理がされるものと、私自身、認識をしているところであります。
○柚木委員 丁寧にお答えはいただいているんですが、答弁の内容は非常に、国民の皆さんへの説明責任を果たすというそういう立場から見ると、これは安倍内閣は後ろ向きだととられかねませんよ。
 担当であった河野大臣、こう答えているじゃないですか。まさに、必要ならちゃんと研究者が研究できるように、つまり後から検証できるようにしておかなきゃだめだ、物がないから開示できませんというのは腑に落ちないと。まさに担当だった大臣として河野太郎さんもそうおっしゃっていて、全然今の答弁だと後ろ向きですよ。
 では、もう一点だけ伺いますよ。
 副大臣、まさにこの一年未満の区分の廃止、ブラックボックス化しているんですから。そして、廃棄文書のせめて一覧表、これを公表いただけませんか、副大臣。お願いします。
○松本副大臣 個別の事案につきましては、それぞれの省庁でしっかりと御判断をいただくべきだと思います。
 ただ、一方で、個別の事案にかかわらず、この公文書管理のあり方というものをしっかりと国民の皆さんから信頼を得るものにしていくという不断の見直しというものは、私たちはしっかりとやっていかなければいけないということは先ほども答弁をさせていただいたとおりでありまして、そういう意味におきましては、ガイドラインの見直しも含めまして、これからしっかりと、そうした国民の皆さんの御期待に応えられるような改正というものも含めて、いろいろと検討をし、そして結果を得てまいりたいと考えております。
○柚木委員 ぜひ急いで対応いただきたいんですね。もうこの事案、ずっと国民の皆さんから、どうなっているんだと、ずっと大体八割ぐらいの方が説明に納得できないとおっしゃっているんですから、もうこれから検討する場合ではなくて、やはり私は、法改正、あるいは復元、そして説明責任を果たすということを強く求めておきたいと思います。
 内閣府の松本副大臣はここまでで結構です。ありがとうございます。
 時間がございませんので、次に、これは通告しております。
 千葉県の小学校三年生の女の子が、資料の七ページ目以降、皆さんも御記憶に新しいところでございます。これは、逮捕された容疑者の方が保護者会の会長であって、事件後も見回りをしていて、小学校の入学式で、安心してくれたらいいというスピーチまでしている。
 きょうは厚労委員会ですけれども、園児さんたちも例外ではありません。八ページ目以降、さまざまな、幼児、児童が亡くなってしまった最近の主な事件。
 今回、容疑者の家からは児童ポルノが発見をされたとか、ちなみに、十ページ目、十一ページ目は、その児童ポルノの検挙件数、るる資料としてつけておりますが、過去最多と。それで、十一ページ目にも、その推移を見ていただくと、これがもう右肩上がりでございます。
 きょうは樋口文科大臣政務官にもお越しいただいておりますが、この事件の起こった松戸市、防犯見守り体制、これはやはり夕方がリスクが高いということなんですが、今般、朝にそういうことが起こってしまっているということで、朝も防犯見守り体制を強化するなどの検討が行われているわけですが、何しろ保護者会の会長が容疑者ですから。うちも娘がこの春小学校に入って、どの道を通ったらいいんだというようなところから、親御さんはもうみんな本当に心配しているんですね。もちろん見守り隊の方もおられるんです。みんなボランティアで頑張っている。本当に私も頭が下がる思いなんです。でも、こういうことが起こっちゃうと、誰を信じたらいいのかわからない、子供も大人も。
 文部科学省として、今般の松戸市の当該学区地域はもとより、全国的にどのような防犯見守り体制の強化を考えているのか。これは本当に今、新学期、新年度が始まって、みんな心配しています。御答弁をお願いいたします。
○樋口大臣政務官 まず、お亡くなりになられました女子児童の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族に対しまして心からお悔やみを申し上げます。
 本件につきましては、現在警察において捜査中の案件でございますので、引き続きその状況を注視してまいりたいと存じます。
 四月の四日に、改めまして、登下校中の防犯対策に係る注意喚起を各教育委員会に発出させていただきました。
 これまでも、地域の見守り活動につきましては、文部科学省といたしまして、地域住民等から成るスクールガードに対して指導助言等を行う警察官OBなどのスクールガードリーダーの配置、さらには防犯アドバイザーを活用した通学路安全対策の推進に努めてきたところでございます。
 引き続き、複数人による見守り体制の構築や、地域の高齢者が御活躍いただけるようなことも含めて、地域の実情に応じた安全対策が行われるように取り組んでまいりたいと存じます。
○柚木委員 これはぜひ時間があれば厚生労働大臣にも、複数の見守り体制、二人見守り体制というかそれ以上、実際にそういうところもたくさんありますから。
 まさに介護保険法改正にも地域包括ケアシステムの議論がありましたけれども、本来、子供から大人までですからね。ぜひこういうのを、今の答弁と連携をしていただいて、厚生労働省にもお願いをしておきたいと思います。
 樋口政務官、もう一点。
 防犯ベル、ブザー、あるいはGPSつきの携帯とか、今本当にいろいろなことが工夫されているんですが、民間の事業者等の取り組みはかなり進んできておりますけれども、やはり、これが実際に普及をして、子供たちの安心、安全、親御さんたちの不安の解消につながるかというと、まだまだ私は改善が必要だと思うんです。
 ですから、防犯ベルも地域によっては無償で持たせるような取り組みが教育委員会、自治体ごとにあったり、子供見守り携帯などの民間事業者サービスの導入、認知症のお年寄りの徘回防止のために使われているGPS発信機つきのそういったものを子供の衣類などにつけておくことも有効だということでございますが、専門家は、事件防止と同時に、事件が起きてしまった場合いかに早く対応するか、両方のリスク管理が必要と述べておられます。
 私、機能の改善も必要だと思います。まだまだこんなのだったら捨てられちゃうとか、私の地元でも少し前にそういうことが起こりました。この防犯機能がついたさまざまな道具、ツール、防犯ベル、GPSなどの普及と改善、これは文科省の研究事業等も含めて、そういったことをぜひ行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○樋口大臣政務官 文部科学省といたしまして、防犯ブザーを活用した安全管理に取り組む自治体等への支援、普及を進めてきたところでございます。
 現在、文部科学省の調査によりますと、平成二十八年度末の時点において、全小学校の約八割が子供に防犯ブザーを配付しているところでございます。しかし、先生今御指摘がありましたとおり、例えば、GPS機能つきの防犯機器の配付等についてはまだこれからというところがございますので、地域の実情に応じて各学校における防犯機器を活用した安全管理体制が推進されるように、調査そして具体的な施策を進めてまいりたいと思います。
○柚木委員 ありがとうございます。お願いします。
 時間がないので最後にしますが、伊丹市で面会交流殺人、四十歳のお父さんが四歳の娘さんを殺害し、自殺をされる、本当に痛ましい事件です。
 これは、塩崎大臣、私もこの件で専門家のお話をいろいろ伺いましたらば、まさに、まず今回の事件が起こった伊丹市に第三者による検証委員会を設置して、そこで面会交流への家庭裁判所などの関与、これもいろいろ調べると、離婚調停などもあって、最初の面会交流でこういう不幸なことが起こってしまっていますが、やはり、家裁の関与というのも行われている可能性も含めて検証して、再発防止につなげていかないと、これは本当は時間があれば児福法の内容についても少し触れたかったんですが、時間がありません。きょうはそれ以降のまた審議に譲るとして、今回の伊丹市の事案、事件、ぜひ第三者検証委員会を設置して、そこで内容の検証、再発防止につなげていただきたい、そのように思います。
 そして、時間がないので、せっかく来ていただいたので、盛山法務副大臣、一言、この事件によって面会交流のあり方について変化が起こるのかどうなのか、所見を述べていただければと思います。塩崎大臣からお願いします。
○塩崎国務大臣 面会交流の際にはどういう環境のもとで行われるべきかということでありますけれども、伊丹市の事件については、報道によりますと、現在警察が捜査中ということで、事件の詳細について自治体とも連携して把握をしていきたいと考えておりますけれども、まず、幼い子供の命が失われたわけでありますから、心より御冥福をお祈り申し上げたいと思います。
 厚労省は、心中事案を含めて、児童虐待による死亡事例につきましては、自治体からの報告を受けて、国の専門委員会がございまして、児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会、ここで分析、検証を行って、虐待死の防止のための取り組みにつなげていくということにしておりまして、今回の事件についても、捜査の状況や自治体における対応を待つ必要がありますけれども、国の専門委員会での検証の対象となり得ると考えておりまして、検証の結果を踏まえて再発防止に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○盛山副大臣 御指摘の事案の詳細について詳しく承知しているわけではございませんが、報道で、大変痛ましい事件が発生したということは承知しております。
 一般論でございますけれども、離婚をする際に面会交流をどのようにするのか、この取り決めを行うということは、子の利益の観点から重要であると考えております。
 子に対する虐待がある場合、あるいはそのおそれがある場合など、事案によっては面会交流をすることが子の利益に反する場合もある。そして、そのような疑いがある事案については慎重な対応が必要になるものと考えております。
 法務省といたしましても、面会交流はあくまで子の利益を中心とする観点から適切に行われるよう、引き続き関係省庁と連携して、必要な支援をしてまいりたいと考えております。
○柚木委員 これで終わります。
 石原副大臣、せっかくお越しいただいたのに大変申しわけありません。
 ありがとうございました。以上で終わります。
○丹羽委員長 次に、中島克仁君。
○中島委員 民進党の中島です。
 時間をいただきましたので、質問をさせていただきたいと思います。
 先ほど柚木委員からもお話がございましたように、本委員会も本来は水曜日だったということでありますが、今村前復興大臣の御発言、これはお答えになる立場ではないということだったと思いますけれども、与野党問わず、憤りを感じておる方は非常に多いのではないかなというふうに思います。
 前回、私は、山本地方創生担当大臣の、一番のガンは文化学芸員。やはり、がんを排除の例えとする、これに対しては、私自身も、がん団体も含めて、憤りを感じておるということでございまして、これは大臣も本音はというところで私も推測をさせていただきます。
 特に復興の問題、私、実は前回も、今回も災害対策に関連した質問をさせていただきたいと思うわけでありますけれども、東日本大震災、大臣も御存じだと思いますが、地元のゆうの森の永井康徳先生、働き方、医療、介護のビジョンで御一緒していることと思いますが、その永井先生と私は気仙沼で一緒にボランティアをさせていただいたわけです。
 当時、気仙沼は、私が入ったのが震災から約一週間、直後だったと思いますけれども、もちろん津波の被害は免れたものの、停電をして、本来、在宅介護・医療を受けている方々、エアマット等が停電によってしぼんでしまって、本当に一日で背中じゅうに褥瘡が広がってしまう、そういった、本当にどこから手をつけていいんだか全くわからないというような状況の中から、私たちは、一軒一軒おうちを訪ねていって支援をしていった。その後、私も、永井先生と一緒になることは余りなかったですけれども、月に一回、一年間にわたって行かせていただいた。
 その状況が、私も無力さを感じながら、一介の医師から来たという経緯もございます、そういった意味から、やはりこの復興の問題は、与野党問わず、我々が一丸となって取り組まなきゃいけないということで考えておりますので、ぜひ気を引き締めて、政府として改めて取り組んでいただきたいということを要請させていただきたいと思います。
 前回は、熊本地震から約一年がたったということを踏まえまして、災害時の医療体制、そして福祉避難所の体制、さらには災害関連死に関しまして御質問をさせていただきました。質問し切れなかった部分について、まず質問させていただきたいと思います。
 先ほども気仙沼の話もしましたが、災害時、福祉避難所等々に避難される方、もしくは介護施設の、後ほど質問しますが、定員超過して受け入れる体制等があるわけですが、在宅患者さんの情報管理について御質問させていただきたいと思います。
 これは東日本大震災のときもそうだったんですが、一年前の熊本地震のときも、私も行かせていただいて、地元の保健師さん等に今の状況ということでお話を聞きました。
 尋ねたところ、要介護の方々の震災状況が、どのように把握していますかということに対して、行政の保健師さんは、これは今のシステム上いたし方ないのかもしれないんですが、要支援の方は、地域包括支援センターの方々がケアマネを担当して把握をしているわけですが、肝心のと言ったらなんですが、重度の要介護者、この方々は、民間も含めた地域の居宅支援事業所が管理をしておるということで、実際、在宅でふだん管理されておる方が今現在どうなっているかということが把握し切れていないということをおっしゃっておりました。
 災害時に、肝心の重度の要介護の方々の情報が行政には把握できていない。これは、先ほど言ったように、東日本大震災のときもそうでしたが、一年前の熊本地震のときもそうでありました。
 現在の介護保険システムはそういう状況であるわけですが、災害時に、要介護者、これは真っ先に取り組まなきゃ、対応しなきゃいけない問題でありまして、平素からその情報管理に工夫をして、災害時に真っ先に対応しなければいけない要介護者を把握しておく必要があるのではないか、この件につきまして、平素からシステムをしっかりと構築しておく必要があるというふうに考えますが、御見解をいただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 今、中島委員御指摘のとおりだと私も思っておりますが、一旦災害が起きたときに、あらかじめ情報をきちっと押さえていないと、なかなか適切かつ迅速な対応がしづらいという問題が起きるわけで、災害が発生した場合の避難に支援を必要とする方々、これは高齢者に限らずでありますが、内閣府が所管をいたします災害対策基本法に基づいて、市町村において、介護保険担当部局で保有している要介護や要支援の高齢者の情報などを把握した上で、災害弱者全般について一元的に名簿を作成するとともに、これを活用して避難訓練や発災時の安否確認等を行うということになって、ふだんから準備をしておくことが大事だということになっています。
 一旦災害が発生した際に要介護高齢者などに対して必要な支援が提供されるというのは、当然、本当に大事だということは、東日本大震災、熊本でも証明済みでありまして、厚労省としては、日ごろより内閣府との連携協力に努めることが大事だというふうに思っておりまして、それを実行し、また、発災時には、被災自治体、介護保険関係の事業者団体あるいは職能団体、こういったところの協力を得て、被災者の状態の把握、そしてニーズに応じたきめ細かな支援を行うなど、必要な対応を行っていかなければならないというふうに考えております。
 ふだんからのあらかじめの準備、情報管理というものが大事だということは、御指摘のとおりであります。
○中島委員 内閣府と連携してということで、たてつけ上はそうなっていて、ただ、東日本大震災のときも熊本地震のときにも、実際にそういったことは余り機能していなかった。
 そして、介護保険であれば、やはり、介護認定も含めてですが、ある程度システム化されておって、そういう意味からいくと、日ごろから、更新の時期、いろいろあるとは思いますが、私も実際に、私の地元のケアマネに、山梨は、三年前ですか、雪害がありまして、在宅にいる患者さんが身動きがとれなくなってしまった、これに対してケアマネ協会とかいろいろな介護情報を持っている方と情報を突合させて対応したということで、平素からということで、この問題、まさに今たてつけてあるものが実際には機能しないというのが過去の例でございますので、過去の事案を検証しながら、迅速かつ丁寧に取り組めるように工夫をしていただきたいということであります。
 次は、先ほどちょっと触れましたが、災害時の例えばショートステイや介護施設における定員超過の特例について、これは、私、今まで二回質問をさせていただいておるわけですが、正直、ちょっとつれない御答弁ばかりなので、もう一度改めて御質問させていただきたいと思います。
 災害時には、介護施設等において定員を超過しても介護報酬などを減額しない特例措置がございます。当然、働いている方々も、職員も被災者ということで、減額しないだけではなくて、災害時の加算とか財政的支援を私はやはりするべきだと。前回の質疑で、私、災害時の職員向けの対応マニュアルの作成が三六%にとどまっておると。そういうことも関係してくると私は思うんですね。
 決してそれがないと対応しないということではないんですが、やはり、災害時に対応すべく、財政的支援のあり方をぜひ検討していただきたいというふうに改めて御要望したいと思いますが、御見解をいただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 災害発生時に介護施設の職員自身も被災をしておったりすることがあって、こうした中で、施設利用者が継続したサービスを受けられるように支援をしていくということが必要であるわけでありますが、例えば、東日本大震災あるいは熊本地震の際に、介護施設において定員を超過して要介護者などを受け入れた場合であっても、介護報酬を減額せずに、超過受け入れ分を含めてこれを支給する特例措置を講じているということは、今もお話をいただいたところでございます。
 そうしたことに加えて財政支援をせい、こういう御指摘だと思いますが、被災をした施設、その職員を人的に支援することを、自治体あるいは関係団体と連携をして、応援可能な職員を被災地に派遣するといった取り組みは当然行っているわけであって、それから、被災した介護施設の復旧を一日でも早くという観点から、災害復旧に要する費用についても社会福祉施設等災害復旧費による財政支援を行っているわけで、今後とも、災害法制を所管する内閣府としっかり連携をしながら、災害の状況や被災地のニーズを踏まえつつ、きめ細かな支援を行ってまいりたいと思います。
 今御指摘があったのは、マニュアルをきちっとふだんからつくっているところが全てでは必ずしもないというところに、いざ災害が起きたときの、問題が発生をしているので財政支援をせいという御指摘でございますけれども、今のところ、私どもとして対応しているのは、そういったような、自主的に、現場が支援を受けて、本来のやるべきことをやりやすくするようにするということを手だてとして打っているということでございます。
○中島委員 毎回同じ答弁になってしまって、つれないというのはそういうことなんですが、理由は、今も言ったように、人的支援、さらには復旧に対しての財政支援ということなんです。
 これは山梨県での雪害のときもそうだったように、前の晩に当直している方が、介護者もそうですが、うちに帰れず三日間ずっと仕事につく。これはもう実際に目の前に介護をする人がいれば、自分の家のことは気になりながらも自分の仕事を果たす。それに対して、御褒美というわけではないんですが、恐らく各施設は、そういう対応をした職員には特別の報酬というか御褒美的なものを与えるというのが私は一般的だというふうに思いますし、私も、かかわっている施設ではそのようにされていました。
 そういうことからいくと、それは当然ながら施設の持ち出しということになるわけでして、これを客観的にどう評価するかは非常に難しいですが、ただ、定員を超過した分ふえるからいいじゃないかというのは、やはり私は、災害時に使命感を持ってやっている医療者であり介護者、ボランティアの人もそういう使命感ではございますが、それに対する評価というものをしっかりやってくれという意味で、言い方は加算とか財政支援という、ちょっとそういう言葉になってしまいますが、間違いなく災害時にはそういった施設ではそういう対応をしている方がおられるということで、その分は施設が持ち出して報酬として与えているという現実があるということをぜひ御認識をされていただきたい。
 その上で、きょうは三回目ですが、ぜひ、厚労省として、こういったことも検討をさらに加えていただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 お気持ちはよくわかりますし、実際に現場が困っているというのはそのとおりでありますが、同時に、介護以外でも大変困っているところがあって、東日本のときの、例えば、石巻の日赤病院は野戦病院化しているというふうに言われていましたし、至るところでそういうことが起きています。それから、福祉施設でも同じような形で、オーバーブッキングで目いっぱいの対応をしていただいています。
 そういったところにもあるので、そういったところ全般について、どういうバランスで、そしてまた、どういう財源でそういう対応が可能なのかということは、よく、また広く考えていかなきゃいけないのではないかというふうに思います。御意見、お気持ちはそのとおりだと思いますので、受けとめながら、今後とも内閣府ともよく議論してまいりたいというふうに思います。
    〔委員長退席、とかしき委員長代理着席〕
○中島委員 前向きな御答弁をいただいたと思います。ほかの医療者のお話もされましたが、特に介護は、ふだんなれている方がするというのが非常に重要なポイントなんです。ですから、ボランティアで来られた方が介護施設へ入って人的支援をされる、これはこれでいいんですが、ただ、実際には、ふだんから見ている方がしっかり介護をしてあげるということからいくと、やはり既存の職員の方が過重になっていく、介護に限ってはそういう現状があるということを御指摘させていただきました。
 では、次の質問です。災害対策、医療体制に関してですが、今週の日曜日にちょっと気になる記事が出たので、その二点について御質問をさせていただきたいと思います。
 資料の一枚目の左側、「病院 全建物耐震化は七割」という見出しでの記事でございます。こちらは、厚生労働省が昨年九月に実施をいたしました全国八千四百六十四病院の調査で、震度六強以上を想定した耐震基準を関連施設も含めた全建物が満たしているとしたのは約七割にとどまり、一割は基準を満たさないとされ、二割に至っては基準を満たしているかどうかも定かでないという調査結果であります。
 この調査は東日本大震災以降毎年行われておるということでございますが、この調査結果、厚労省としてこの状況をどのように御認識されておるのか、お尋ねをします。
○神田政府参考人 お答え申し上げます。
 厚生労働省は、毎年、全国の病院の耐震化率を調査しているところでございます。
 先生先ほど御紹介ございましたように、二十八年の調査で申しますと、全ての建物に耐震性のある病院は、八千四百六十四病院中六千五十病院の七一・五%というふうになってございます。そのうち災害拠点病院及び救命救急センターについては、八七・六%、七百二十六病院中六百三十六病院となっているところでございます。これらは、平成二十七年と比較いたしまして、それぞれ二・一ポイント、二・八ポイント改善しております。
 厚生労働省としては、耐震化を行います際の補助等を通じまして、これを積極的に進めてまいりたいというふうに考えております。
○中島委員 先ほどの東日本、一年前の熊本地震にも関連するんですが、前回、私は災害関連死について質問もさせていただきましたが、これとも非常に密接に関係があると思うんですね。実際に、熊本地震の後、損壊を受けて再開できない医療機関がある。東日本大震災でもそうだった。そのことによって、ふだんかかっている患者さんが投薬をやめてしまったり、間接的かもしれませんが、災害関連死に関連してくるということ、前回もその件について御指摘をさせていただいたわけです。
 今ちょっと御答弁の中にもありました災害拠点病院や救命救急センター、これはその後の復旧というよりは直後の医療体制の問題ですが、この耐震化の目標も、目標は八九%と示していますが、現在は八七・六%ということで、目標も達成していないという御答弁を加えてしていただいたんですが、いまだ耐震化目標にすら達していない。これに対して、厚生労働省の進まない理由については、この新聞の記事にもございますが、財源的な余裕がない、工事の際に患者搬送が難しい、都市部を中心に代替地が不足しておるということを挙げています。
 そもそもこの目標の八九%の根拠は何なのか、私ちょっと教えていただきたいのと、これはやはり一〇〇%にしなきゃいけないというふうに思うわけですが、理由がわかっていながら今の現状をどう考えられておるのか、お聞きします。
○神田政府参考人 お答えいたします。
 まず、八九%の目標はどういう根拠かというお尋ねでございますけれども、これは国土強靱化アクションプラン二〇一五におきまして、平成三十年度までに八九%というふうに定められているところでございます。これは、その直前の平成二十五年度に厚生労働省が実施した病院の耐震化改修状況調査におきまして、完全に耐震整備されていなかった災害拠点病院のうち、半数が完全に耐震整備されることを目標として設定したものでございます。
 厚生労働省としては、この目標に甘んじることなく、早く耐震化を達成していく必要があるというふうに考えておりまして、個別にその状況も把握するようにいたしております。
 先ほど申し上げた六百三十六の残りの九十の病院について申しますと、耐震化工事実施中、実施予定、建てかえ予定、移転予定などで八割を占めております。こうした病院については、近く耐震化が実現できるものというふうに考えております。
 そのほか、取り壊し、再編予定が九病院、残りの中に自己資金不足あるいは未定、検討中といった病院がございますので、これは先ほど申し上げたような、目標に甘んずることなく個別の病院の状況をよく把握いたしまして、フォローアップをして、できるだけ早く耐震化が実現するようにしていきたいというふうに考えております。
○中島委員 そうしたら、一〇〇%でちゃんと目標設定していただきたいと思うんですね。
 先ほど、救命センター以外の病院では二割の病院が調査もしていないという現状ですし、この財政的問題については、救命センターの場合は半額補助を設置していたり、国交省は原則一割補助ということなんですが、先ほど申し上げた理由、取り組めない理由を鑑みれば、やはりもう少し財政支援を手厚くしてやっていく必要があるのではないかというふうに思います。
 これは今回全然関係ないんですが、例えば病院での診療所にもスプリンクラーをつけるとか、そういう事業にしても、喉元ではないんですが、一年、二年経過していくと実施状況がどんどんどんどん低速していくということもあります。やはり目標は、介護離職ゼロとかそういうものはゼロというふうに言うわけですから、まさにこういう災害対策に関してやれることは全て準備をしておくということからいけば、八九%という、これは厚労省としては違うということかもしれませんが、ぜひ早急に対応して一〇〇%化していただきたいというふうに思います。
 もう一点、資料の一枚目の右側のところです。「障害者 避難所を転々」という見出しでございますが、この調査、昨年解散をしたと言われておりますJDF被災地障がい者支援センターふくしまが、東日本大震災直後の障害者、主に福島の身体、知的、精神障害者の避難状況を調査したものです。調査によると、八割が三カ所以上、最大では九カ所を転々としたという調査結果がこの記事の中に出されております。
 平均では四・一カ所というふうになっておるわけですが、この記事に関しても厚労省としてどのように認識されておるのか、見解を伺います。
○堀内大臣政務官 中島委員にお答えします。
 厚生労働省といたしましても、障害のある方にも十分な対応ができる避難所など、障害者の方々の避難先の確保は課題の一つと認識させていただいております。今回の御指摘につきましても、関係省庁とも問題意識を共有しているところでもございます。
 このため、障害者施設等の施設整備に当たって、在宅障害者向け避難スペースの整備についても補助を行い、避難先の確保に努めているところであります。
 今後とも、関係省庁とも十分な連携を深めながら、福祉避難所等の体制整備に努めてまいりたいと存じております。
○中島委員 前回も言ったので申し上げませんが、やはりそのことが実際には機能していないという現状が個々の災害のときに浮き彫りになっておるということで、先ほどの財政支援も人的支援もそうなんですが、時間が過ぎればまたちょっと熱が冷めてしまうというところがあります。今、地震に関してもいろいろなことが予見されておるという状況でございますので、ぜひ実効性のある取り組みをお願いしたいというふうに思います。
 次に、自治体病院の現状と課題について、災害は一旦おきまして、御質問をさせていただきたいと思います。
 自治体病院、公立病院でありますが、管轄は総務省ということになりますが、地域医療との関係、また地域包括ケアシステムの構築に当たって重要な役割を果たすことは言うまでもないと思います。地域において中核的な役割を担うのが自治体病院であって、自治体病院は、民間で困難な医療、小児医療であったり救急医療、精神、または先ほどお話しした災害時、また一方では在宅医療、また場所によっては先進医療にも取り組まなきゃいけない、そういう役割を担っております。地域によってその役割はそれぞれだとは思いますが、その地域の実情に沿った大変重要な役割を果たしておる。
 しかしながら、これは採算性の確保上、困難な医療を伴わざるを得ないということから、また一方では医師偏在に伴う医師確保が大変厳しい状況から、経営状況は大変厳しい。
 これに対して、平成十九年、十年前ですが、公立病院改革ガイドライン、これを示されまして、各自治体病院に対して経営形態の見直し等による改善計画が求められてきました。
 きょう、総務省さんにも来ていただいておりますので、この平成十九年の公立病院改革ガイドライン、この効果と、現在の自治体病院の現状と課題について、どのように分析されておられるのか、お尋ねをします。
○大西政府参考人 お答え申し上げます。
 平成十九年に策定いたしました公立病院改革ガイドラインに基づく公立病院改革の取り組みにより、平成二十年度から二十五年度にかけて、経常黒字の病院の割合は一六・七%改善し四六・四%となり、再編・ネットワーク化が六十五事例、百六十二病院、地方独立行政法人化が六十九病院で取り組まれるなど、地域の医療提供体制の確保を図る上で一定の成果を上げてございます。
 しかし、依然として持続可能な経営を確保し切れていない病院も多く、医師不足などの公立病院をめぐる環境は、先生御指摘のとおり厳しい状況が続いておりますほか、地域医療構想を踏まえました医療提供体制の改革との連携が必要となっている状況にございます。
 こうした状況などを踏まえると、各公立病院が不断の改革に取り組む必要があるものと私どもとしては認識してございます。
○中島委員 資料の二枚目になりますが、この平成十九年の公立病院改革ガイドライン、これによって、今お答えいただいた、黒字病院の割合とか、統合、再編に取り組んでいる病院、さらには経営主体の変換、そういった取り組みがされておるということであります。
 実際に、資料の三枚目に行きますと、平成十六年には九百九十九あった公立病院が、これはもちろん再編や統合ということもあるんでしょうが、平成二十六年には八百八十一、百二十の病院が減っている。さらに、病床数でいくと、二十三万八千床余りあった病床が、二万四千床余り減って、二十一万床ぐらいに減っておるという結果であります。
 これは、経営効率で黒字化が上がったということは一定の評価ということになるのかもしれませんが、実際には、先ほど言った重要な役割を果たしておるというふうに考えられる自治体病院の数やベッド数が、かなり減ってきているということが現状としてあるわけです。
 これは厚労省にお尋ねをいたしますが、この数字に伴った地域医療への影響はどのように考えられているんでしょうか。
○神田政府参考人 公立病院改革に伴う地域医療への影響についてでございますけれども、このガイドラインにおきましては、経営指標の達成でございますとか財務状況の改善のために、過剰病床を削減する等の取り組みを明記する、あるいは、経営の効率化に当たって留意すべき点として、一般病床及び療養病床の病床利用率が三年連続して七〇%未満となっている病院については、病床数の削減等の抜本的な見直しを行うことが適当であるなどの方針が示されているところでございます。
 この結果、先生御指摘のように、このガイドラインの対象期間であります平成二十一年度と平成二十五年度とを比較いたしますと、公立病院の病床数は約八千床減少している状況というふうになってございます。
 個々の地域の状況はそれぞれ異なっていることから、一律に申し上げることは難しいと思っておりますけれども、このガイドラインの中では、各公立病院の改革プランにおいて、公立病院が地域医療の確保のために果たすべき役割を明らかにすること、先ほど先生が御指摘になりました僻地等の医療でございますとか政策医療等、そういった役割を明らかにすることというふうに記載されておりまして、公立病院ごとに地域で必要な医療機能について十分な議論がなされた上で定められているものというふうに承知をいたしております。
 このことから、ほかの病院と連携等を図ったとしても確保が困難であるような必要な機能についてまで、適正化、合理化がなされているものではないというふうに認識いたしております。
○中島委員 今御答弁いただいたように、これは、平成十九年に出され、総務省ですが、かなり厳しいというか、医業収支比率が九五%、そして経常収支比率一〇〇パー、そして、最後におっしゃった稼働率七〇%以下は診療所への格下げみたいな指標だったわけですね。
 先ほど申し上げたように、医師確保が難しくて病床を閉鎖せざるを得ないとか、さまざまな事情を抱えながら、こういう方針を示されて、やむなく病院を統合したりしているケースが多々あるのではないかなと私も思います。
 そういう状況を踏まえて、時間がもうございませんので、一方で、厚生労働省は地域医療構想を掲げておるわけです。そして、総務省は平成二十七年に新ガイドラインも策定をした。この関係性について御質問しようと思ったんですが、時間がございませんが、飛ばしていきます。
 私、懸念しているのは、地域医療構想の計画は、先日も発表されました、全国で約一割、多いところだと約三割、私の地元は二割、ベッド数が削減される。そして、全国の病院の数は、七割ということなんですが、これは当初、自主的に機能分化、急性期であり、回復期というふうにやっていくということになっておるわけです。これを実現していくため、新ガイドラインも、地域医療構想も、特徴的なのは、県の権限を高めた。例えば地域医療構想であれば、県知事が指示や命令を出すことができる、そして総務省の新ガイドラインも、県による権限を高めたということなんですが、実際には、民間病院が七割。この計画、地域医療構想を今後実行していくために、そのしわ寄せが自治体病院、公立病院にかかってくる可能性はないのかということを非常に危惧するわけです。
 これは、当然ながら、民間のやっている病院に、あなたの病院は急性期に変えなさいとか、慢性期に変えなさいとかという指示、それぞれの病院のコンセプトがありますから、そういう民間病院に指示を出すより、公立病院に、あなたのところの病院をこっちと統合しなさいとか、指示しやすい状況なんじゃないか。
 そういったことから、地域医療構想自体にも問題が私はあると思っておりますし、そういうことから、この地域医療構想を地域の実情を踏まえず強引に計画ありきでやってしまった結果、公立病院がそのしわ寄せを食らう、そんな現状はないのか、そういったことは絶対ないということを言い切れるのかどうか、御見解をいただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 地域医療構想が三月末でまとまったわけでありますが、今後、その達成に向けて、公立病院の設置主体である自治体の代表者、それから地域の医療関係者、これらが集まった地域医療構想調整会議というのが機能し始めるわけでありまして、ここで具体的な達成方法について議論をしていただくということになっています。
 この地域医療構想を推進するための都道府県知事の権限については、公的医療機関に対してより強い権限となっているというのは御指摘のとおりで、法的にはそうなっているわけで、例えば、調整会議における協議が調わない場合には、不足をする医療機能を提供するように、民間病院に対しては要請、勧告でありますけれども、公的病院に対しては指示をできるというふうに書かれているわけでございます。
 しかし、この地域医療構想調整会議において行われるべきことは、やはり、その地域に何がベストの組み合わせで、そこの特徴のある人口構成であったりさまざまなもの、疾病構造であったり、そういうことを踏まえた上で、公立、民間問わず、各医療機関の役割について十分な議論をしていただく。そして、明確化された議論の中で、病床機能の分化、連携、あるいは転換を進めるようにお願いをしておりまして、それでも具体的な取り組みが進まない場合に、この知事の権限というのが行使をされることになっていますけれども、基本はやはり、しっかりとした議論で話し合ってもらって答えを出していくということが一番大事なことだろうというふうに思います。
 特定の医療機関の病床の削減を前提として議論が進められるということでもなく、また、特定の医療機関に対して優先して権限行使がなされることを前提にしているものでもないわけでございますので、丁寧な議論をしながら、そこからベストな解を出していただくということが重要だと思っております。
○中島委員 ちょっと時間がないので、申し上げたいところはまた後にしたいと思います。
 公立病院は、私も医師として、ほとんど公立病院でした。派遣されて勤務する病院はほとんど公立病院。地域によっては、やはりその地域の中核はほぼ公立病院。私の地元の北杜市というところは、市町村合併によって統合されまして、市立病院が二つあって、市立の診療所が二つあって、これをやはり経営上は統合していかなきゃいけないんだという方向になるわけですが、実際には、広い地域をカバーして、従来あった医療機関をやはり簡単に統合するというのはなかなか難しい。
 そして、もう一点、公立病院の抱えている課題、大きなところが権限主体の不明瞭さ、これは私も実際に感じておるところでして、当然ながら、実施主体は市町村であり、自治体であり、経営面の差配や人事に関しても、本来はそこがしっかり権限を持っておるということなんですが、実際には、特に人事権に関して、これは、病院長やもしくは医師派遣機能を持つ医局、大学がその権限を持っておるというのが実際であって、各公立病院は医師を派遣していただいておるという立場。そういう状況の中で、もちろん、コンセプトに合った医師がしっかり来ていただければいいわけですが、残念ながらそういう現状にはなっていない。
 そういったことから、自治体が、総務省さんからこうやれ、ああやれと言われたり、地域医療構想でこうしなさいと言っても、実際にその病院長が必ずしもその考え方に合うかどうかわからない。さらに、強い権限を持って自治体がこうしてほしいと言った結果、その病院長が、そういうことを言うんだったら総撤退だと言って、そんなようなことにいつもびくびくしておる。そういったことから、なかなか、国や県からはいろいろ言われるけれども取り組めない、取り組んだ結果、医師が総撤退されたら大変なことだと。
 そういったことから、この権限主体、特に人事権に関しては、公立病院、非常に悩み事を抱えておるというのが現状だと思います。
 この医師偏在に関しては、地域医療支援センターができて、いろいろ取り組むということになっておりますが、もう時間もないので、うちの山梨県の例、ぜひ参考にしていただきたいと思いまして、これは資料の七枚目と八枚目です。もう時間がないので、どんどんはしょっていきます。
 医師派遣調整の仕組み、これは山梨県がつくったんです。県では、地域医療支援センターと大学でそれぞれ副センター長とする仕組みにして、常勤職員は大学に置いています。病院長や県の医務課が入った地域医療支援センター医師派遣調整委員会をつくって、県の意向どおりの病院に医局が医師を派遣してくれた場合、県から補助金がもらえる仕組みにしています。そして、補助金は、大学を通して、その委員会の要請に応じてくれた医局に入る仕組みになっています。
 この委員会の要請を受けることで、医局はそれぞれのポストを得ることもできますし、さらにはお金も入ってくるということで、端的に言うと、この医師派遣機能を従来の医局とか……
○とかしき委員長代理 申し合わせの時間が経過しておりますので、御協力をよろしくお願いいたします。
○中島委員 済みません。
 ぜひ、このシステムを参考にしていただいて広めていただきたい。非常に医師派遣機能、少ない病院、県だからできると言われればそうなんですが、ぜひこのシステムに対する大臣の見解と今後の取り組みについて御答弁をいただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 時間も余りないので多くは申し上げませんけれども、この間まとめられた、新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会、この報告書の中でも、地域医療支援センターの活用というのが提言されております。今、山梨の例がございまして、補助金を交付する仕組みを含めた、県主体の医師偏在対策としての一つの工夫という知恵を私どもも学びながら、対応していきたいというふうに思います。
○中島委員 時間、大丈夫だったようなので、御答弁いただいてもよかったんですが。
 要するに何が言いたいかというと、やはり自治体病院もそうですし、民間病院もそうなんですが、医師偏在によって、医師確保が地域によっては大変厳しい。それを従来の各医局、ポストに任せていると、先ほど言ったように、総撤退とかそんな現状におびえなきゃいけない。それを県がしっかりグリップする。そのことによってさまざまな方向性であり改革のあり方が、やはり医師の派遣機能を県がグリップすることによって取り組みやすくなる。そして、各自治体もコンセプトに沿って、そのときの首長さんがこうしたいんだということに対してもびくびくせずにしっかりと取り組めるということで、山梨県はまだまだかもしれませんが、今後、このシステム、しっかりと対応していけば医師偏在に関しては先進的に取り組める地域ということで、全国にもぜひこのモデルにしていただいて広げていただきたいということを御披露しながら御要請をして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○とかしき委員長代理 次に、井坂信彦君。
○井坂委員 民進党の井坂信彦です。
 我々は、チルドレンファースト、子供第一という理念で常々政策を考えております。本日は、保育所の質と量の問題、また児童虐待の問題を中心に質疑をさせていただきます。
 まず、お配りしております資料一枚目をごらんいただきたいと思います。
 認可保育所が土曜の給食を提供せず、虚偽書類もという横浜市の事例であります。これは、市の委託費などで用意するはずだった土曜日の給食を認可保育所が提供していなかった、定期監査で保育所が提出した献立表には土曜日の給食の記載があったが、保護者宛てには土曜日の給食がない紙を配っていた、定期監査で市に提出した書類が虚偽だったという事例であります。
 まさに定期監査だけでは自治体が見事にだまされてしまうということでありますけれども、この件は保護者からの通報がなければ気づかないままだった可能性も高いわけであります。
 認可保育所というのは、立ち上げのときの認可は非常に厳しいわけでありますが、一旦認可されてしまえば、事前通告のある、準備ができる定期監査が、通常、年一回あるだけだと思います。
 政府は、保育対策総合支援事業費補助金三百九十五億円の中で、今年度から、抜き打ちの巡回指導を行う自治体に対して、それをやる自治体はその人件費の二分の一を補助しますよという政策を始めております。
 しかし、大臣にお伺いしたいのは、保育の質を高める、また園児の安全を本気で確保するのであれば、事前通告のある定期監査の回数を仮に減らしてでも、事前通告なしの特別立入調査、また抜き打ちの巡回指導を、むしろこちらをメーンにして、保育所に対する事後チェックを厳しくするべきではないかと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 おっしゃるとおり、保育の質を常時上げておくということは大事でありますから、それに対して、それを担保するために何をするかという御提案を今いただいたと思います。
 保育園の保育の質あるいは子供の安全の確保のために今やっているのは、御指摘のとおり、毎年一回以上、都道府県等による実地監査、これが義務づけられているわけでありますが、監査の実施に当たって、これまでの考えは、監査の実効性を確保するということなどを目的として、監査の対象となる施設に必要な資料を用意させ、監査の期日や監査を行う職員の氏名などを事前に通告するということでやってきたのが原則でありました。
 一方で、保育園で死亡事故など重大事故が発生した場合、あるいは児童の生命、心身、財産、こういったところに重大な被害が生じるおそれが認められる場合などについては、指導監査の目的に照らして、必要に応じて通告なしに特別指導監査を行うことが適切であるということを各自治体に対して私どもから通知をしているわけでありまして、各自治体で臨機応変に事前通告なしの指導監査を行っていただきたいということをずっと申し上げてきたところであります。
 二十九年度の予算で、保育園等における睡眠中の重大事故が発生しやすい場面での指導を行うために、巡回支援指導員の配置を新たに支援しておりまして、園長さんのOBであったり、あるいは行政側で監査の指導をやってきたOBだったり、そういう方々を含めて、指導員を今新たに支援しているわけでありまして、この巡回指導員との連携によって、実効性のある指導監督の実施につなげていただきたいと思っているわけであります。
 ウエートを、むしろ抜き打ちの方に重きを置けという御提案でございますが、その御提起の問題意識はよくわかるところでありますが、この組み合わせをどうするかということについては、自治体の方で御判断をするということになりますので、私どもとしても、今後のいろいろな事故などの発生状況をよく見ながら考えていきたいと思います。
○井坂委員 今の仕組み、私はいい取り組みだと思いますけれども、ただ、意識の高い、問題意識を持っている自治体が、わざわざ二分の一は自腹で予算を切って事後チェックを始めるということでありますから、やはり、国として、事前チェック中心の今のあり方から、事後チェック、しかも抜き打ちできちんと実態を調べるということが主になるように、ぜひ制度変更を検討していただきたいというふうに思います。
 続きまして、保育の質に関連して、保育士の労働環境について伺います。
 我々は、保育士の人手不足を解消するために、まずは給料を上げる必要があると繰り返し提案をしてまいりました。しかし、同時に、保育士の人材確保のためには、給料アップだけではなく、働く環境も大切であります。
 ネット上のアンケートでも、持ち帰り残業、平均時間が二時間だとか、持ち帰り残業を週に一回以上やっている人は保育士さん八割とか、あるいは、ほぼ毎日という持ち帰り残業の方も三二%、こういうアンケート結果なども出ているようであります。
 そこで、参考人に伺いますが、定期監査や抜き打ちの立入調査、巡回指導の際には、長時間労働やサービス残業、持ち帰り残業の有無など、保育士の労働環境についてもチェックするべきだと考えますが、お伺いいたします。
○吉田政府参考人 お答えいたします。
 自治体が行っております保育園に対する指導監査、私ども、これは児童福祉施設の設備運営基準などが厳正に遵守されているかどうかというものを確認するためというふうに位置づけております。
 その中で、職員の方々に関しましては、従来からも、必要な職員の確保ができているかどうかとか、あるいは職員処遇の充実にどのように園が取り組んでいただいているかということはチェックしてございますけれども、いわば、今委員御指摘のような基準法違反ということをダイレクトにその場で調べるという仕組みにはなってございません。
 私どもとしましては、指導監督を行っております自治体が保育園等に対する必要な調査などを行った際に、保育士さん等の勤務について労働基準法違反が疑われる場合には、労働基準監督署に対して積極的に情報提供していただいて、そこで連携をしてきちっと現場における問題事案に対して対応していただきたいということを考えてございます。
 これからも、私ども、保育園等で働く方の勤務環境というのは適正にすべきものと思っておりますので、関係部局あるいは関係府省と調整をさせていただいて、指導監督に当たっていただく自治体、そして労働基準監督署等が連携を図れるように私どもも取り組んでまいりたいと思っております。
○井坂委員 問題があれば連携するという御答弁でありますが、ちょっと大臣に再質問をしたいと思います。
 労働基準法違反を保育行政がダイレクトに調べることはないというふうに答弁があったんですが、実際は、現状でも、三六協定の有無などは保育のチェック項目、着眼点というところに明記をされていて、明確なチェック項目に三六協定の有無などはなっております。
 しかし、三六協定があるなしというこんなチェックをするぐらいであれば、むしろ保育の質や保育士の確保に直結をする持ち帰り残業問題をチェックする方が、保育行政の観点からははるかに大事なことだと思います。
 もちろん、保育行政には労基法に関する知識や権限はありませんから、問題のありそうな保育所は労基署に伝えて、最後は労基署に判断、指導してもらうことになると思います。
 大臣、お伺いいたしますが、せっかく現場に足を運ぶわけですから、タイムカードを見るなり、あるいは持ち帰り残業の有無をヒアリングするぐらいは、これは保育の質や保育士確保のために必要な調査項目であり、そしてチェック項目にこういうことを明記するだけで相当の抑止になると思いますけれども、いかがですか。
○塩崎国務大臣 今、チェック項目に持ち帰り残業とかそういうものを加えたらどうだ、こういう御指摘かと思いますが、自治体が行っております保育園に対する指導監督というのは、児童福祉施設の設備運営基準などが適正に遵守されているかということで確認をしているわけでありますが、労働基準監督署等と連携するということは、御指摘のとおり、極めて重要だというふうに思います。
 ましてや、今働き方改革をやっているわけでありますし、かなり厳しい環境がゆえに、実は非常勤の方がいいというのを、そちらを選択するということもあるというのは、やはり所によっては過酷な条件で働いているということが言えるんだろうというふうに思いますので、連携をしっかりして、指導監督でわかったことをちゃんと労働基準監督署に通告をしたり、連携をしていくということをやることも大変大事であります。
 自治体職員が労働基準法の違反状況等を常時確認するという発想を持ってやっていくこと、そしてそれを実質的に確認するようにしていくことは大事でありますけれども、みずからの分担ではないということで知識も不十分なために必ずしも容易ではないと思いますが、今御指摘いただいた、チェック項目に加えるべきだということについては、何ができるのか、考えてみたいと思います。
○井坂委員 ありがとうございます。ぜひ、三六協定も着眼点に入れているので、持ち帰り残業の有無というのも着眼点に入れていただきたいというふうに思います。
 続きまして、あめとむちでいうところの、確かに、こういうブラック保育所問題だけをやっていると片一方だけになりますので、もう一方のホワイト保育所をいかにふやすかということで、厚労省、子育てサポートの手厚い企業には、一定の基準を定めて、認定を受けた企業は、くるみんというキャラクターのマークを使える仕組みをやっておられます。
 これは、例の電通にくるみんマークを与えていたことから、厚労省の認定に対する信頼性が揺らいだのは残念でありますけれども、労働環境のすぐれた企業が求人の際にアピールできるよい仕組みだったというふうに考えております。
 そこで、大臣、伺いますが、保育士さんにとって働きやすい、労働環境のすぐれた保育所、いわばホワイト保育所が保育士確保で有利になるように、表彰や認定などインセンティブを与えてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 くるみんは、いろいろな経緯もあって、この間、見直しを全面的にして、再スタートをしているわけであります。
 おっしゃるように、高い使命感と希望を持って保育の道を選んだ方々に仕事を続けていただくためには、労働環境のすぐれた保育園を積極的に評価して、保育士の働きやすい環境づくりを促していくということで、もちろん今のくるみんに手を挙げていただくということは可能であるわけでありますが、どれだけ手を挙げていただいてきたかということについては、にわかに今御答弁する資料は持ち合わせておりません。
 こうしたことから、平成二十六年度に、積極的に勤務環境の改善に取り組んでいる保育園等の好事例を集めまして、「保育所の雇用管理のための事例集」というのを作成して、自治体あるいは保育団体、保育事業者に周知をこれまで行ってきました。
 今後も、機会を捉えて、労働環境のすぐれた保育園の取り組みを周知して横展開をしていく、そして保育士にとって保育園が魅力ある職場になるようにしていきたいというふうに思いますので、今、表彰あるいは認定などについて御提起ありましたが、今のところ保育園に限ってのそういったシステムはございませんので、今の御提案は提案として受けとめたいというふうに思います。
○井坂委員 ありがとうございます。
 特に保育とか介護とか、求人が非常に難しくなっている業界においてこそ、こういう、いい職場なんですよとアピールできることは企業にとって物すごいメリットになりますから、今やっておられる、くるみんよりも、さらに実効性のある仕組みになり得ると思いますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。
 続きまして、保育所の認可と、そして自治体のニーズ予測の関係について伺います。
 民間事業者が認可保育所をつくろうとしたとき、面積ですとかあるいは保育士の人数が認可基準に達しなければ、これは認可されないのは当然であります。しかし、全て認可基準を満たした保育所を民間事業者がつくろうとしても、自治体の側が、これ以上保育所をうちの地域でつくったら多過ぎる、供給過多になるからだめだと認可を断るケースがあるというふうにも聞いております。
 自治体はそれぞれ、子ども・子育ての支援事業計画において地域の保育ニーズを予測していると思います。その自治体が予測したニーズを上回る保育所をつくろうとしても、なかなか認可をされないのかもしれません。
 しかし、お配りしている資料の二をごらんいただきたいというふうに思います。
 これはおとといの新聞ですけれども、横浜市、保留児童は三千二百五十九人、認可保育所は依然不足という記事であります。御注目いただきたいのが、真ん中あたりにアンダーライン、下線を引いておりますけれども、市は昨年度、認可保育所を三千六十一人分受け入れ枠をふやしたのに、保育所の利用申請者が想定より多く、結局、認可保育所に入れなかった児童の数は四年連続でふえて三千人を超えてしまっている、こういう問題であります。
 保育所のニーズが自治体の想定より多い、こういうことが実は毎年のように続いているわけであります。ニーズは満たしているからといって、保育所の認可を自治体が断って、結局、次の春足りないということでは意味がありません。
 そこで、大臣に伺いますが、待機児童や保留児童が多数存在する自治体、こういう自治体においては、保育定員の供給量が自治体の事業計画を仮に上回ることになっても、特段の理由がない限りは認可基準を満たす保育所の開設を自治体が拒めないようにすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 待機児童の解消というのが、今、子育て支援でも最優先課題の一つということでありますから、大変大事な問題だと思います。
 児童福祉法において、保育園の設置につきまして認可申請を受けた都道府県などは、その保育園が都道府県等の定める設備運営基準に適合している場合に原則として認可をするというたてつけになっているわけであります。
 しかし、認可申請に係る区域の利用定員の総数が、市区町村の整備計画における必要な利用定員の総数に既に達しているのかどうか、あるいは認可申請に係る保育園の設置によってこれを超えることになるかどうか、そういうふうになると認めるようなときは、認可をしないことができるということになっているわけであります。
 厚生労働省の立場としては、各都道府県等において、女性の就業意向やあるいは児童数の見込みなどを踏まえて、潜在的な保育ニーズをいかにしっかりと把握していただいて、保育園の認可を行っていただくことが大事かということで私どもは考えているわけでございます。
 潜在的な保育ニーズをどこまで見るのかということにおいて、市町村にばらつきがあるということはそのとおりかというふうに思いまして、今、むしろ、待機児童解消のために工夫をしたらどうかという意味での御提案かと思いますので、各都道府県などにおいては、今申し上げたような潜在的な保育ニーズをしっかりと把握して、そういう趣旨を踏まえた上で保育の受け皿整備を進めていってもらいたいというふうに思うところでございます。
 したがって、どこまでを潜在ニーズなのかということをどう考えるのかというところが大変大事だというふうに思います。
○井坂委員 自治体が保育所のニーズをしっかりと見きわめるということは大事なことだと思います。
 ただ、自治体の見きわめが、やはり過去の例を見れば明らかに少ない。毎年毎年、いや、潜在ニーズが読み切れませんでしたが続いているわけであります。自治体はそれでいいかもしれませんが、しかし、保育所にお子さんを預ける御家庭にしたら、自分の子供がその年代の間に保育所に入れなかったら意味がないわけで、やはりこういうことが常態化をしている。
 それは自治体の自由がありますよ。ただ、国を挙げて待機児童を解消しようとしているときに、待機児童が毎年毎年、あるいは、待機児童ではないけれども認可保育所に入れない、いわゆる保留児童が毎年毎年大量に出ている自治体にあって、ニーズを超えるという理由だけで認可を断ることは、私はそろそろ控えていただく必要があるのではないかというふうに考えております。
 これは通達で、せめて、事業計画のニーズを超えても積極的に認可をするようにとか、あるいは、できれば、事業計画のニーズを超えていても特段の理由がない限りは認可を断らないようにと、待機児童が多い自治体にはこういう通達ぐらい出していただけませんか。
○塩崎国務大臣 保育園開設の認可というのは、その許認可権を持つ都道府県などにおいて適切に判断をしていただきたい、そういうたてつけになっています。
 待機児童解消に向けた昨年三月の緊急対策において、市区町村の整備計画を上回って保育ニーズが増大しているにもかかわらず、既に定めた計画以上に認可をしない事例、あるいは、既存の保育園への強い配慮あるいは将来の人口減を理由に許可に消極的になってしまっている事例、それから、許可の条件として法人の実績や職員の経験年数等を必要以上に求めて新規参入を事実上困難にしてしまうという事例などについて、是正をして、積極的に認可を行うように、都道府県などに対して通知をいたしました。
 各都道府県等において、その趣旨を踏まえて、積極的に保育の受け皿整備を進めていただきたいというのが、私たちの昨年の三月の緊急対策の趣旨であるわけでございまして、何らかのペナルティーというお考えかと存じますが……(井坂委員「多分、それは次の質問だと思います」と呼ぶ)
 事実上そういうようなことで、私どもとしては、今言ったようなことにならないようにしてもらうように、都道府県できちっとした判断をしてもらうようにというふうに通知を今しているところでございます。
○井坂委員 まず、はっきりした通知をお願いしたいというふうに思います。
 お配りしました資料の三枚目には、都道府県別のこの五年間の待機児童の推移。ただし、これは待機児童ですから、無認可に入れた人は入っていないんだろうというふうに思います。
 自治体の保育所のニーズ予測は、いろいろと理由はあっても、論より証拠で、結果を見ればやはり毎年毎年待機児童が出ているということは、ニーズを少なく見積もっているということにほかならないというふうに思います。
 一方で、自治体に認可を断られない企業主導型の保育所、これがどんどんできていて、本来であれば、自治体のニーズを上回る量がそこで地域枠で提供されているかもしれないのに、全く問題なく地域の保育ニーズをそこで吸収しているわけであります。
 根本に返りますと、児童福祉法の二十四条で、市町村は、保護者の労働または疾病などで、乳児、幼児、児童が保育を必要とする場合、当該児童を保育所において保育しなければならないと明確に定められております。自治体が保育のニーズを低く見積もって、認可保育所に入れない児童が毎年のように出ているという現状は、これは児童福祉法二十四条、保育の実施義務違反とも言えるわけであります。
 大臣、伺いますが、民間事業者が認可保育所を開きたいと言ったのに対して、もちろん認可基準を満たすわけですよ、ところが、供給過剰になる、ニーズよりも多くなるという理由で保育所開設認可を自治体が拒んだ、そして、にもかかわらず翌年に待機児童や保留児童が多数生じた場合、これは、毎年こういうことをやっていたら、児童福祉法違反になりますから、何らかのペナルティーが必要ではないですか。
○塩崎国務大臣 御指摘のように、自治体に対して保育の実施義務というのを課しているわけでありますが、それに正面から反してやっている場合は、もちろんいろいろな問題が生じるのかなとは思いますけれども、そこのところをどう考えるのかというのは、それぞれ自治事務としてやっている部分もあるわけでございますので、私どもとしては、先ほど申し上げたような、積極的な認可を行ってもらって待機児童が解消されるように、都道府県に対して通知をしているというのが現状であるわけでございます。
 ペナルティーを科すというのは、それぞれ、財源が必要な面ももちろんございますので、そこのところは議論があるところかと思いますが、発想としては、待機児童が明らかに発生するような行政判断は余り好ましいわけではないということは、明確に私どもとしてもしていかなければいけないというふうに思います。
○井坂委員 毎年毎年、潜在ニーズがつかみ切れませんでしたといって大量の待機児童あるいは保留児童が出ているということは、私はある種確信犯的な部分があるのではないかと。まして、ニーズを理由に認可を断っているというようなことがあれば、これは問題だというふうに思いますから、ぜひ、もちろん地方の自主性もありますけれども、国の法律、児童福祉法二十四条に明確に違反することにならないように、きちんとルールを徹底していただきたいというふうに思います。
 続きまして、ちょっと時間がないので飛ばしまして、児童虐待を防ぐための情報共有について伺います。
 資料五、児童相談所が把握していたのに虐待死になったのが百五十件、こういう記事であります。ある例では、児童相談所が十一回も家庭訪問をしたのに、警察に通報したのは子供が殺害されてから一年以上たった後だったとか、あるいは、警察が現場に駆けつけたのに、親からは夫婦げんかと言われて退却して、児童相談所がかかわっていた家庭なのに、警察はそういう形で何も知らずに退却をしてしまって、その五日後に二歳児が死亡した、こういうような事例が出てきているわけであります。
 これは児童相談所を責める話ではありませんで、児童相談所通報件数は、これは二十七年度に十万件以上、二十五年前の約百倍に上っている。児童福祉司が一人当たり平均百四十件も抱えているんじゃないか、こういう非常に人手が足りない状況が背景にはあるわけであります。
 もう一枚めくっていただきますと、こういった問題に取り組んでいるNPO法人のパンフレット、いろいろな、先ほど申し上げたような虐待死の事例から、一番下に書いてありますように、児童相談所が警察その他の機関と情報共有をして連携していれば防げる虐待死がかなりあるんだ、こういうことであります。
 参考人にお伺いしますが、今、年間十万件、児童虐待の通報があるうちの六万件は、児童相談所に行っています。そして、残り四万件は、主に警察に行っているわけであります。警察に行った四万件の情報は、全て児童相談所に情報共有をされているわけでありますが、児童相談所に行った六万件は、逆に警察側には情報共有を基本的にはされておりません。
 私は、児童相談所より先に警察がどんどん前に出て虐待の疑いのある家庭に介入すべき、こういうことを言っているわけではないんです。児童福祉司が足りない中で、警察がいろいろ地域を回っている、あるいは別件で何か御家庭にかかわったときに、あるいは病院、医療機関がある子供や御家庭にかかわったときに、児童相談所がちょっと虐待の疑いありとかかわっている、児童相談所がチェックしている御家庭なのかどうか、それぐらいはその場でさっと参照できるだけで、警察も、あるいは医療機関も問題に気がつきやすくなり、また、警察官やあるいはお医者さんから虐待児童の情報がアップデートされる、こういうことを期待しているわけであります。
 参考人に伺いますが、児童相談所に通報があった虐待児童の情報を警察や自治体、また病院などとデータベースで全件共有をすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
    〔とかしき委員長代理退席、委員長着席〕
○吉田政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のように、児童虐待が疑われるケースなどについて、児童相談所、あるいは今、市区町村も含めて、それぞれを中心に、御指摘いただきました警察あるいは医療機関、学校などなど、地域の関係機関が連携をとって、我々からすると、子供の安全を第一という形で考えていただいて対応していただきたいというのが基本であるというふうに私ども思っております。
 警察との関係だけに限ってというわけではないかと思いますけれども、警察との関係でいえば、私どもとして、なかなか、警察が前面に出ることで保護者の方などが少しちゅうちょするようなケースも、相談事例に、現場にあると伺っておりますけれども、いろいろな工夫をするなりなんなりをすることによって、警察だけじゃなく、関係機関が広く情報共有をするという取り組みをそれぞれの地域で進めていきたいというふうに思っております。
 あと、その中では、御指摘いただきましたように、市区町村にあります要保護児童対策協議会、要対協などの仕組みもございますけれども、今御指摘いただきましたように、データを共有するという仕組みができないだろうかということで、今、既に一部の市区町村では、要対協の仕組みを活用いたしまして、それぞれ把握した児童虐待のケース、通告ですとか相談ケースを情報共有する、要対協のメンバーの中で共有するという工夫をしているところもございますので、そういう先駆例についてはいろいろな機会に周知をしてまいりたいと思います。
 また、かてて加えて、もう少しシステマチックにできないかという点については、これまで有識者からの御報告などにおいて、個人情報に配慮するということは当然でございますが、工夫すべしという御提言をいただいております。
 今年度、そういうのを踏まえまして、どういう形でデータをつくっていくか、収集方法をどうするかなどについて研究を始めておりますので、そのような取り組み、そして自治体における先駆例などを我々も考えながら、おっしゃったように、子供の安全を第一に、地域の関係者の間で情報が共有できるということを念頭に進めさせていただきたいというふうに思っております。
○井坂委員 ありがとうございます。
 高知県などは、もう既に全件共有を随分前からやっていて、特段問題が起こっていないどころか、いい効果が非常に出ているというふうに伺っています。
 ただ、高知県は、月三十件ぐらいの非常に虐待件数が少ないところなので、全員が集まって、会議で、一番理想のフェース・ツー・フェースで情報共有できているからいいと思うんですが、やはり今一番問題の多い都市部では、当然そういうことは物理的にできないと思います。
 本当に、いろいろな関係団体が地域をそれぞれの理由で回っているときに、先ほどの保育のついでに労働実態もというような話と一緒で、やはりせっかく現場をそれぞれ回っている中で、ふと、あれっと思ったときに、ここは児相の案件なのかなとその場でチェックができるような、参照ができるような仕組みがまず必要だというふうに思いますから、ぜひオンラインで参照ができるデータベースというものをつくっていただきたいというふうに思います。
 資料でお配りしております七枚目、これは平成二十八年の参議院の厚生労働委員会の児童福祉法に対する附帯決議、ここにも明確に書かれております。
 四番目、児童相談所と警察等関係機関が児童虐待案件に関する情報を漏れなく確実に共有するようにということでありますから、この決議も重く受けとめていただいて、介入という意味ではなく、まず情報共有、それも漏れなくということでありますから、仕組みをつくっていただきたいというふうに思います。
 最後に、大臣にこの件でもう一問伺いますけれども、これは、もちろん理想は児童福祉司さんがふえて、児童福祉司さんが全ての件で前面に立って地域をくまなく回れればいいわけでありますが、やはりそれはなかなか難しい中で、医療機関であったり、地域を回っている自治体の職員さんであったり、警察官であったり、いろいろな方が手足、アンテナとなって、複合的に虐待児童家庭に接触を繰り返していく、情報を集めていく。
 こういう第一の目的と同時に、全国データベースをきちんとつくることができれば、これは今全くないんです。だから、虐待児童の家庭が引っ越しをしてしまったら、何かファクス一枚は送る仕組みがあるようですけれども、結局、その後ちょっと連携がうまくいかないというような話も聞いております。
 全国データベースをつくることによって、そういう地域間、自治体間の移動に対する連携も問題なくできるようになると思いますし、何よりも、やはりこの虐待の問題、これは件数、年間十万件の相談があるわけですから、これらが毎年毎年いわばビッグデータ的に積もり積もって、虐待の実態、またそれに対する対処方法が、どうやったときにはどれぐらいうまくいったのか、どういうときには結局リスクが生じたのか、こういう科学的な分析も可能になるというふうに思います。
 大臣に、先ほどの件とあわせて、この虐待児童のデータベース、そして情報の蓄積、そこからの分析、政策立案ということに関して、最後、御所見を伺いたいと思います。
○塩崎国務大臣 川崎で少年が殺害されて、多摩川で発見されたケースがありましたが、あれは児相同士の連絡が最初はきちっとあって、川崎の方の児相はわかっていた、しかし、そういう対象ではないという判断になって、そこからまた問題が複雑化、深刻化して、ああいうような悲惨なことになってしまったということがありました。
 したがって、今御指摘のように、データベースで情報共有をするということの重要性はそのとおりだと思いますし、特に死亡事例も、虐待による死亡事例というものが頻繁に起きることが見られるわけでありますから、そういうことをきちっと分析、検証して、そういうことを回避する、そのための情報共有というのは大事なんだろうと思います。
 一方で、もちろん個人情報でもございますから、それをどう守るかということも大事だということだと思います。
 データベースの整備については、実は、昨年の三月に、新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会というところで既に報告をいただいておりまして、地域での情報共有に役立つデータベース、国としての制度・施策等の向上に役立てるためのデータベース、これら二つのデータベースを個人情報に配慮して構築することが必要だという提案をいただきました。
 先ほど、昨年の附帯決議の中にも情報共有について御指摘をいただいておりますので、こうした提言、そして附帯決議を踏まえて、児童虐待の原因や背景を把握するためのデータ、そしてその収集方法について、今年度、必要な調査研究を行うというふうにしておるところでございまして、積極的に考えていきたいというふうに思います。
○井坂委員 ありがとうございます。終わります。
○丹羽委員長 次に、水戸将史君。
○水戸委員 民進党の水戸将史です。
 今回は、特にワクチン接種とアレルギーに関しましての質問を順次取り扱っていきたいと思いますので、真摯な御答弁をよろしくお願いしたいと思います。
 現在、御案内のとおり、日本国民のアレルギー疾患は二人に一人という状況になっておりまして、昨年の十二月の二日の厚労省におけるアレルギー疾患対策推進協議会のアレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針案にも示されていますね、アレルギーの注意喚起を含めた具体的なアレルギー疾患の病態がここに記載をされています。
 その中で、一部抜粋して読み上げますと、「食物アレルギーでは抗原食物の摂取等により、皮膚症状・呼吸器症状・消化器症状等が引き起こされ、時にアナフィラキシーと呼ばれる複数臓器に及ぶ全身性の重篤な過敏反応を起こす。」というふうに記載されています。
 そこで、まず冒頭、大臣に御認識を伺いたいんですけれども、今申し上げましたアレルギー疾患の特徴として、一度発症すると、複数のアレルギー疾患を合併し得ることや新たなアレルギー疾患を発症し得ること等の特徴、これをアレルギーマーチといいますが、を有するため、これらの特徴を考慮した診療が必要だというふうに言われていますが、これについて大臣はどう御認識されていますか。
○塩崎国務大臣 今のアレルギー疾患についての御指摘でございますが、一度このアレルギー疾患というのを発症いたしますと、複数のアレルギー疾患を合併し得ること、あるいは新たなアレルギー疾患を発症し得ること、こういったような特徴がございまして、その診療に当たっては、こうした特徴をよく考慮した上で対処しなければいけないというふうに言われています。
 これは、今御指摘をいただいたように、アレルギーマーチという、時系列的にそういうことが起きるということでございましょうが、平成二十九年三月に告示をいたしましたアレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針、ここにおきましてもこの旨について記載がなされているところでございます。
○水戸委員 その御認識をしっかり踏まえていただいて後ほど御答弁いただきたいんですけれども、昨年十月に、B型肝炎ワクチンとして、日本の化血研のビームゲンとMSD社のヘプタバックス―2が定期接種化されております。
 この二つのワクチンは、ともに遺伝子組み換えの酵母由来の不活化ワクチンでありまして、このワクチン接種に際して、酵母アレルギーを持つ方に対しては基本的にどのような注意が必要なのか、簡潔にこれについての注意をお聞きしたいと思います。
○福島政府参考人 お答えいたします。
 B型肝炎ウイルスの感染による重篤な疾病を防ぐということを目的として、B型肝炎を予防接種法の定期接種の対象疾患に加えて、昨年十月から定期接種が開始をされておるわけでございまして、ワクチン接種に当たりましては、予診票を用いて丁寧に問診を行うということとしておりまして、その際、酵母アレルギーも含めて、アレルギー歴のある方についての把握をすることとしております。
 ワクチンの成分がアレルギーを引き起こす可能性がある場合には、接種を受けることによってB型肝炎ならB型肝炎の感染を予防できるというメリットはございますけれども、一方で、接種によるアレルギー反応が起こるというデメリットもございますので、これを医師が接種を受ける方あるいはその保護者の方に対してしっかり説明して、御理解をいただいた上で接種を受けるかどうかの判断をしていただくことが必要であるということで、こういう取り組みをしているわけでございます。
○水戸委員 今若干触れましたけれども、これはちょっと順番が逆になってしまいましたが、資料三ページ、四ページをごらんいただければ、MSD社のヘプタバックス―2というB型肝炎ワクチンの説明書が、これはホームページから出しておりますが、特に四ページ目をごらんいただければ、ラテックスアレルギーについて書いております。
 本剤のバイアルのゴム栓には乾燥天然ゴム、ラテックスというのが含まれている、そして、ラテックス過敏症のある被接種者に関してはアレルギー反応があらわれる可能性があるため十分注意する、そういう注意書きが書いてあるんですけれども、これは間違いありませんか。
○武田政府参考人 御指摘のMSD社のヘプタバックスでございますが、薬事承認の際に添付文書についても確認をしておりますけれども、この添付文書におきましても、重要な基本的注意におきまして、バイアルのゴム栓にラテックスが含まれており、ラテックスアレルギーの可能性があるため十分注意する旨が記載をされているところでございます。
 なお、ラテックスアレルギーにつきましては、添付文書での注意喚起のほか、予防接種法に基づく定期接種においては、予防接種施行規則などにおきまして、過去に当該予防接種の接種液の成分により重篤なアレルギー反応が起こった方などについては、予防接種を受けることが適当ではない者とするなど、必要な対応を行っているところでございます。
○水戸委員 一般論でちょっとお答えいただきたいんですけれども、先ほど若干御説明の中にもございましたけれども、私も申し上げたとおり、アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針案の中に、「食物アレルギーでは抗原食物の摂取等により、」ということを言っております。
 いわゆる食物アレルギーでは、抗原食物の摂取等によって、時にアナフィラキシーと言われる重篤な過敏反応を起こす可能性がありますよということを言っているんですけれども、この「摂取等」の「等」の意味するものというのは、食物ということだけではなくて、ワクチン成分に含まれている抗原も対象になるのかどうか。これは一般論としてどうでしょうか。
○福島政府参考人 御質問の、アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針の中での「抗原食物の摂取等」というその「等」でございますけれども、食物アレルギーは、主に抗原食物を経口で摂取する、このことによって引き起こされることから、「抗原食物の摂取」ということをまずメーンに書いて、それで「等」としているわけでございます。
 食物アレルギーを引き起こす食物の生体への進入経路が経口摂取以外であれば、いずれも「等」の対象になり得るわけではありますけれども、この基本的な指針の策定を行った際のアレルギー疾患対策推進協議会における議論におきましては、ワクチン成分に含まれる抗原食物が食物アレルギーを引き起こすという議論ではなくて、抗原食物の経口摂取による対策をどうしていくのか、これを議論しておったということでございます。
○水戸委員 先ほどお示しをした資料四も、下の方に酵母アレルギーについてちょっと記載されているんですね。
 まさにこの酵母アレルギー、先ほど私も質問いたしましたけれども、食物アレルギーの話はともかくとしまして、やはり抗原の中に、いわゆるこうしたアレルギーを起こすワクチン成分、ワクチンを接種することによってアレルギーも起こすのではないか。まさにこれは、酵母アレルギーについては書いているんですね。まだ副反応の報告はありませんけれども、「酵母アレルギーのある方においては、本剤の接種によりアレルギー反応があらわれる可能性がある」ということですから、これは事実ですね。
○福島政府参考人 起こし得るということにおいては事実でございますが、実際に酵母アレルギーによる報告はないというふうに承知をしております。
○水戸委員 ここでぜひ資料請求をしたいんですけれども、いろいろと今、日本で導入しているさまざまなワクチンがございますが、今言ったB型肝炎ワクチンでも、後ほど申し上げる子宮頸がんワクチンもそうでありますけれども、酵母を使っている、遺伝子の組み換え技術を通じて酵母を利用しているんですけれども、この酵母が、いわゆるワクチンの成分の中に、こういう酵母があればアレルギーを起こしやすいのではないかということを懸念して、わざわざMSD社もこういうふうに書いているんです。
 実際、全体のワクチンの中で、こうした形で、いわゆるワクチンの成分の中にアレルギー物質が含まれているという可能性があるものについて、どのようなワクチンがあるのか、どういうワクチンがどういう成分があって、その成分の中には、この酵母みたいなものですね、アレルギーを起こしやすい成分がどのぐらいのものがあるかということについて一覧表として私は知りたいなと思っているんですけれども、そういうものをあらわすことはできますか。
○武田政府参考人 ワクチンにつきましては、先ほど申し上げたように、特に注意書きで書いているものもございますけれども、ほかのワクチンにつきまして、どのようなアレルギー関係の成分が含まれているかどうかにつきましては、少し精査をさせていただきたいと思います。
○水戸委員 いや、精査していただいて、それを一覧表として出せるかどうかを聞いているんです。
○武田政府参考人 アレルギー物質につきましてはさまざまなものがございますので、特定をした上での一覧につきましては検討させていただきたいと思います。
○水戸委員 検討するんじゃなくて、確かに、言ったように、成分をいろいろな形で調べなきゃいけないわけでありますけれども、少なくとも、成分の中にアレルギーを起こしやすい成分がある、この酵母も、まさにMSD社が言っているように、そういう成分を調べれば、これがアレルギー反応を起こしやすければ、アレルギー反応を起こすその原因たる物質ということも、それを突き合わせればこれはわかるので、いわゆるその一覧表は出てくると思うんですが、いかがですか。もう一回。
○武田政府参考人 先ほど申し上げましたが、アレルギーを起こす関係の成分につきまして、特定した上で整理をさせていただきたいと思います。
○水戸委員 委員長に資料請求をさせていただいて、そして、これに対しては真摯な対応をしていただくことを強く要望して、それで、午前中の私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○丹羽委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時一分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時十七分開議
○丹羽委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。水戸将史君。
○水戸委員 民進党の水戸です。
 午前中に引き続きまして、何点かお尋ねしたいと思っております。
 御案内のとおり、予防接種部会のもとに、二〇一〇年の八月にワクチン評価に関する小委員会が設置をされております。いろいろな形でそこにぶら下がるんですけれども、専門家によって構成される作業チームがつくられておりまして、ワクチン評価に関する小委員会が、翌年、二〇一一年の三月に小委員会の報告書を出されておりますが、その過程において、子宮頸がんワクチン、HPVワクチンの作業チームも報告書を上げているんですね。
 その報告書を拝見いたしますと、こういうふうに書かれております。中をちょっと抜粋して読み上げますと、
  アナフィラキシーなどの重篤な全身性アレルギー反応の頻度は、二価および四価ワクチンともに〇・一%未満と稀であり、また対照ワクチン群との間に有意差は認められない。しかしながら過敏症に十分な注意を払うことはワクチン接種共通の課題であり、接種前には十分な問診を行い、過去にワクチン接種で過敏症状を呈した既往のある場合は接種すべきでない。二価ワクチンではシリンジに天然ゴム(ラテックス)を使用しているため、ラテックス過敏症がある場合には厳重な注意が必要である。また四価ワクチンは酵母を使用して作製された薬剤であり、酵母過敏症がある場合には厳重な注意
というふうに書いているんですね。
 二価というのは、御存じのとおり、これはGSK、グラクソ・スミスクライン社という、資料一で提示しているサーバリックスのことを二価というんですね、二価ワクチン、そして、四価がMSD社のガーダシルなんですけれども、二価と四価を含めて専門家チームは報告書を上げております。
 大臣、御認識をいただきたいんですが、今申し上げました、厳重な注意というふうに指摘をしているんですけれども、これはどういうことを意味しているんですか、この厳重な注意というのは。
○福島政府参考人 御指摘の厳重な注意ということでございますが、今御紹介のように、二十三年三月に作成された厚生科学審議会予防接種部会ワクチン評価に関する小委員会ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン作業チーム報告書の記載内容でございます。
 ここに関しましては、ラテックス過敏症や酵母過敏症を有する可能性がある方がHPVワクチンの接種を受けた場合に、ワクチン接種後にアナフィラキシーショックのような重篤な副反応が起こる可能性があるから注意が必要、こういう指摘であるというふうに私どもは認識をしております。
○水戸委員 資料の一をごらんいただいて、裏のページが二なんですが、これはグラクソ・スミスクライン、GSK社というふうに呼びますが、いわゆるHPVワクチン、子宮頸がんワクチンの一つであるサーバリックス、この会社がつくったワクチンですけれども、これは二〇〇九年十月に承認をされ、二〇〇九年十二月から接種が開始をされております。
 御案内のとおり、二ページ目をごらんいただければわかるとおり、あえて、この左側の中段、ちょっと上の方に、2の(5)に下線を引いておりますが、これを読んでおわかりのとおり、このサーバリックスにはシリンジ、シリンジは注射器の容器でありますけれども、にラテックス、いわゆる天然ゴムが使われていたため、ラテックスアレルギー者に対しては注意を喚起しております。
 このとき、国として、この接種に関して、ラテックスアレルギーに関してはどのような御認識だったんですか。事実関係だけ。この当時ですよ。
○武田政府参考人 当時のサーバリックスにつきましても、添付文書上、「本剤シリンジのキャップ及びプランジャーには天然ゴム(ラテックス)が含まれている。ラテックス過敏症のある被接種者においては、アレルギー反応があらわれる可能性があるため十分注意すること。」このように記載されておりまして、これで注意を促していたということでございます。
○水戸委員 こういう注意書きをしているにもかかわらず、その後、注射器の容器にラテックスを使って、そして、こうした子宮頸がんワクチンを接種したことの事実はどうですか。
○武田政府参考人 ただいま申し上げましたように、添付文書上の重要な基本的注意に記載をし、ラテックス過敏症のある被接種者ではアレルギー反応に十分注意するよう注意喚起をしていたところでございます。また、予防接種法に基づく予防接種施行規則などにおきましても注意喚起が求められていたというふうに認識をしております。
○水戸委員 いや、注意喚起はしているんですよ。これを見ればおわかりのとおりですよ。
 僕が聞きたいのは、それ以降、注意を喚起しながらも、実際に予防接種としてこのようなラテックスが使われているんじゃないかということについて、国はどういう認識であったかということを聞いているんです。
○武田政府参考人 このワクチンそのものにつきましては、発売当初は容器のキャップなどにラテックスが使用されておりましたけれども、平成二十三年にラテックスを含まない材質への変更が行われたというふうに承知をしております。
○水戸委員 ちょっと聞き方を変えますが、国はどの程度、いわゆるラテックスアレルギー患者に対してこうした、サーバリックスを使っちゃいかぬというふうに、GSK社がみずから言っているわけですからね。しかし、残念ながら、これは仄聞しているわけでありますけれども、ラテックスが使われていることが継続されて、このようなシリンジを回収するのは、それを使い切るまでずっと使われていたんじゃないかということを言われているんですけれども、この事実関係はいかがでしょうか。それをどう確認されていますか。
○武田政府参考人 先ほど申し上げましたとおり、平成二十三年にラテックスを含まない材質への変更が行われたものでございますけれども、この材質変更につきましては、ラテックスアレルギーの懸念ということではなく、GSK社、この企業におきまして商業上の理由で行ったものというふうに承知をしておりまして、ラテックスを使用していた製剤の回収などについては行われていないということでございます。
○水戸委員 国はどの程度からこの危険性を認識したのか、もう一度問いただしていきたいと思いますけれども、それでは、こういう質問はどうでしょうか。
 例えば、HPVワクチンの接種によって重篤な副反応を示した多くの女性の方々がいらっしゃいますけれども、ラテックスが原因で、先ほど言ったアナフィラキシー、いろいろなことにアレルギー反応が派生するということなんですけれども、アナフィラキシー反応を示した者もいたと聞いておりますけれども、どの程度報告が上がっているでしょうか。
○武田政府参考人 お答えいたします。
 サーバリックスにつきましては、市販されて以降、平成二十八年十一月までに約二百五十九万人に接種されていると推定をされておりますが、これまでにアナフィラキシーが疑われる重篤な症例につきましては約六十件報告をされているところでございます。
 しかしながら、この中で、原因がラテックスと明示的に疑われる報告はないというふうに承知をしております。
○水戸委員 これもちょっと当局の御認識を問いただしていきたいと思いますけれども、このラテックス、天然ゴムは、先ほど若干触れましたけれども、ラテックスフルーツという、普通の食べるフルーツですね、それの交差反応を起こすとも言われているんですね。結局、ラテックスが原因でいろいろなアレルギーを誘発してしまう、そういうようなこともあり得るということを言われているんです。
 このラテックスフルーツで激しいアレルギー反応が出る人とか、もちろん、多数の食物アレルギーを持つ子供たちに、仮に、ラテックスのシリンジ、注射器の容器を使用してサーバリックスを接種するということの危険性はなかったのかあったのか、これについてはどう認識されていますか。
○武田政府参考人 ラテックス、それからラテックスと交差反応のある果物にアレルギーを持つ方が、ラテックスが使用されていたサーバリックスの接種を受けた場合にアレルギー反応を起こす可能性につきましては、可能性自体は否定できないところでございます。
 そのため、私どもといたしましては、その副反応の状況について報告をとっているところでございまして、その後の、市販されて以降の重篤な症例につきましては、先ほど述べたように、約六十件、そのうち、原因がラテックスと明示的に疑われる報告はないということではございますけれども、医薬品に関しては、副反応の発現状況の確認、それに基づく安全対策が重要でございますので、サーバリックスにつきましてもしっかりした対応を行ってまいりたいと考えております。
○水戸委員 先ほど若干御説明いただきましたけれども、子宮頸がんワクチンの接種に関して、国が率先して、もちろんこれは二〇一三年の四月から定期接種化、わずか三カ月以内でやめちゃいましたけれども、定期接種の勧奨は。
 しかし、そうはいうものの、国がある程度定期接種化をしようという形で、ずっとこの子宮頸がんワクチンについてはそれ相当の関心をお持ちで、国が主導的に行ってきた経過からしまして、ラテックスアレルギーと先ほど言った酵母アレルギー、二価と四価なんですけれども、について案内をしっかりとして、サーバリックスではラテックスアレルギーの者に対して、また、ガーダシルというのはもう一つのワクチンでありますけれども、MSD社がつくったガーダシルというワクチンでありますが、これは酵母アレルギーを持つ者に対して、どのような形で国は注意を喚起してきたか、その事実経過はどうだったでしょうか。
○福島政府参考人 HPVワクチンにつきましては、まず、ラテックスアレルギーについて、サーバリックスの添付文書におきまして、平成二十二年二月以降、材質の変更によりましてラテックスが使用されなくなる二十三年十二月までの間は、重要な基本的注意として、接種前の問診とラテックスアレルギーのある方への接種に対する注意喚起を行っておりました。
 また一方、酵母アレルギーにつきましては、ガーダシルの添付文書では、酵母アレルギーのある方における副反応疑い報告がないということで、酵母アレルギーに関する特別な注意喚起は行っておりませんでした。
 また、HPVワクチンの接種に当たって、平成二十二年からは接種緊急促進事業、そして二十五年からは予防接種法に基づく定期接種になったわけでございますけれども、これにつきましては、接種前に医師が実施する予診によってアレルギーの有無を確認するということにしておったわけでございます。
○水戸委員 もう一度確認して、もう一回説明してもらいたいんです。
 酵母アレルギー、先ほど、B型肝炎ワクチンのことを若干午前中もお話ししました。同じような形で酵母を使っているわけですね、特にMSD社のワクチンですけれども。
 この子宮頸がんワクチンはガーダシルという製品名でありますけれども、これに関して、会社そのものが注意を喚起してこなかったからという話を今若干されました。
 もう一度聞きますよ。
 私が今ちょっと疑問に思っているのは、いわゆる先ほど言ったGSK社のサーバリックスに関してはこういう形で使用する、この資料を見てわかるとおり、二〇〇九年の十二月から接種開始をしておりますけれども、二〇一〇年の二月の改訂版の資料の二は注意を喚起している。
 では、もう一つのMSD社のガーダシルに関して、この酵母に関しては、では、いつから会社がそれを注意喚起して、国はそれをどういう形で、いつからそれを受けとめてきたんでしょうか、その注意ということについて。もう一回事実関係を教えてください。
○武田政府参考人 添付文書上の注意喚起につきましては、酵母アレルギーに関しましては、HPVワクチンに関して、酵母アレルギーのある方における重篤な副反応疑い報告がないということから、添付文書上、重要な記載事項ということで書いてはおりませんけれども、先ほど健康局長から答弁されましたように、実際の接種に際しましては予診などで注意を促しているということでございます。
○水戸委員 うにゃうにゃと最後の方はちょっとわからないんだけれども、もう一回聞きますよ。
 国が、いわゆる二つのパターンの、二価、四価の、GSK社のサーバリックス、MSD社のガーダシルという二つの子宮頸がんワクチンに関して、片やラテックスアレルギー者に対して、片や酵母アレルギー者に対して、こういうものは打っちゃいけませんよという、アレルギー者に対してはこういうワクチンはちょっと危険がありますから打っちゃいけませんよというようなことを喚起して、それに対して、国は、もう一回聞きますよ、いつその会社が言っているものの注意を受けとめて、当然それを打つのは各自治体に所在する医師が打つわけですから、やはり国はみずから定期接種をしているぐらいですから、国が、これに対してもっと注意をしなさいよと自治体にちゃんとした周知をする、自治体からまた各医療機関に対して周知をする、こうならなければこれは徹底しないわけですよ。
 だから、具体的に国はいつからそれに関して喚起をスタートしたのか、そして、それが周知徹底できたのかどうか、それについての事実関係を教えてください。
○福島政府参考人 予防接種におきましては、常に、ワクチンの成分によって重篤な副反応が起こった方については予防接種の対象としないようにという指導を従前から行っておるわけでございまして、そういう観点で申し上げますと、アレルゲンがどういうものであるかにかかわらず、何かそのワクチン成分によって重篤なものが引き起こされた場合に、そういう既往があった方については、その成分を含むようなものについて接種をしないようにということで、これは従前から通知等で、あるいは規則等で示しておるところでございます。
○水戸委員 だから、それはいつからですか。もっと具体的に日にちをちゃんと明示してください。
○丹羽委員長 ちょっと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○丹羽委員長 速記を起こしてください。
 福島健康局長。
○福島政府参考人 予防接種法に基づきます通知というのは、実施規則も含めましてかなり古いものでございますので、ちょっと今、いつからその記載があったかということについて正確に確認ができておりませんので、これについては改めて確認をさせていただきたいと存じます。
○水戸委員 しっかり確認して、やはり時系列で、そういうことの具体的な期間というんですか、スタート時とかそういうことを含めて確認したいと思いますので、また委員長に預けますけれども、そうした具体的な日付につきましては明示をしていただきたいと思っています。
 大臣にこれはお伺いしますが、事ほどさように、やはり今この段階でも日にちをしっかりと把握できないということを含めてなんですけれども、そもそも、子宮頸がんワクチンにある程度限ったということになるかもしれませんけれども、アレルギー患者に対して接種してはいけないという認識が非常に薄かった、そもそも接種開始時の体制が整っていなかったかと私は非常にこれは疑問に思っているんですけれども、過去にさかのぼってそういうことを疑問に思うんですが、大臣、どうでしょうか、こういう今までのやりとりを聞いていただいて。
○塩崎国務大臣 アレルギーのあられる方に対する注意喚起の問題かと思います。
 予防接種法では、当該疾病に係る予防接種の接種液の成分によって、先ほど来出ております、アナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな方など、予防接種を行うことが不適当な状態にある者は定期の予防接種の対象外としているわけでありまして、ワクチンの添付文書におきまして、一般的に、本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者等を接種不適当者に、全身発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者を接種要注意者としておりまして、これにより医師等への周知を図っているということでございます。
 これらを踏まえて、定期の予防接種の対象者に対しては、今お話がございました、過去にアレルギーの症状を呈したことがあるかどうかも、それについては問診も含めた予診というものを行って、そして、予防接種を受けることが適当でない者に該当するか否かを接種する医師が個別に判断して接種を行っているというふうに承知をしております。
○水戸委員 事後のいろいろな後追いの調査というのも、これも必要なことなんですけれども、大臣、もう一回聞きますよ。
 この子宮頸がんワクチンの接種とアレルギーとの関係なんですけれども、結局、国みずからがその危険性について知らないで周知ができなかったということもあり得ます。しかし、知っていて周知を怠ったというと、これは不作為ですよね。
 これはどちらも国の問われる責任はあるんですけれども、この責任のあり方についてはどう認識されていますか。
○福島政府参考人 今大臣から答弁申し上げましたように、予防接種におきまして、予防接種施行規則で、予防接種の対象から除かれる者として、当該疾病に係る予防接種の接種液の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者というものは除外されておりますし、また、添付文書におきまして、一般的に、本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者などを接種不適当者としておりますし、例えば全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者を接種要注意者としておって、これは、予防接種を行う、ワクチンを使用する医師に対しても常に周知を行っておるわけでございます。
 そういう面では、ワクチンにアレルギー成分が含まれている場合に、その成分によってはアレルギー反応を起こす可能性があるような方についての注意喚起というものは接種者に対して十分にされておるというふうに認識をしております。
○水戸委員 この子宮頸がんワクチン、今までも多くの議員の先生方もここに立って、この問題についてはいろいろな形で追及をしてまいりました。この副反応について、その原因と申しまするか、なぜそういうふうになっちゃうのかということについてはまだまだ未解明な部分があるわけですね。
 確かに、今言ったように、アレルギー症状についても、やはりこれは個人差がありますよ。また、HPVワクチン、子宮頸がんワクチン接種後の症状についてもいろいろな個人差がありますから、さまざまなパターンとか、個人によってもさまざまな差異があることはよく認識をしているんですけれども、私は、これは一つの考え方として、明確な因果関係がはっきりしていないから、これはこれから追求課題になりますけれども、やはり子宮頸がんワクチンの接種が要因となって、そしてアレルギー症状を発症する、いわゆる子宮頸がんワクチンとアレルギーとの関係、さらにはそれが副反応にもつながっていくのではないかということが、そういうことを言っている医師もいるぐらいであります。
 これについて、大臣みずからは、子宮頸がんワクチンとアレルギーとか副反応との関係ということで、どのような形で今認識をされていますでしょうか。
○塩崎国務大臣 今、HPVワクチンについてのお尋ねでございますけれども、HPVワクチン接種後に多様な症状が生じたという報告があるわけでありますけれども、この多様な症状とHPVワクチン接種との因果関係についてはいまだ明らかになっているわけではございません。
 したがって、この多様な症状が、HPVワクチン接種によるアレルギーによるものである可能性が高いとは認識をしていないところでございます。
○水戸委員 まだこれは未解明な部分ですから、もっと認識できるように、さらにこれは研究も、またさらに後追い調査もしていく必要があると思っております。それについてはまた後日改めて質問させていただきます。
 これは一つの相対性の話もそうなんですけれども、大臣、どうでしょうか、今の子宮頸がんワクチンのこうした重篤な反応を起こす危険性と、他の定期接種ワクチンもありますけれども、それに比べれば、やはりこの子宮頸がんワクチンの方が高い危険性があるということは断言できると思いますけれども、これについては、大臣、どのような御認識でしょうか。
○塩崎国務大臣 ワクチンによって防ぐことが期待される疾患というのがあるわけでありますが、そういった疾患、あるいはワクチンの対象年齢、接種回数、接種方法、これはワクチンごとに一つ一つ違うわけでございます。
 したがって、ワクチン相互の有害事象の発生頻度とか内容を単純に比較することは適切ではないと思いまして、それぞれのワクチンの安全性については、その有効性との間で比較をされるべきと考えております。
 ワクチンによる有害事象の発生状況は定期的に審議会で検討しておりまして、HPVワクチンにつきましては、ワクチン接種後に多様な症状が報告をされたことから、国民に適切な情報提供ができるまでの間、積極的な勧奨を差し控えているということでございます。
○水戸委員 時間がないので、最後の質問になりますけれども、やはり圧倒的に、この追跡調査の仕方もまだまだ私は至らない部分もあると思っているんですね。
 ですから、もうここに至っては、接種後の詳細な健康調査につきましては、やはりこれは国を挙げて、大臣みずから率先垂範していただいて、これは成人後の、定期接種する前、またいろいろな形で任意で接種されている多くの女性の方々もいらっしゃいますから、そういう方々が接種後にどのような症状が出ているかということの全数的な調査を実施すべきで、多くのデータを集めなければなかなかこの因果関係もわからないと思うんですけれども、この全数調査について、国はこれから真摯な形で取り組んでくれるのか、それについて大臣はどうお答えしますか。
○塩崎国務大臣 予防接種後に生じた症状に関するいわゆる副反応疑い報告制度、これにおきまして、接種後一定期間内に発症した症状は因果関係を問わず、また、一定期間を過ぎて発症した症状であっても予防接種との関連性が高いと医師が考えたものにつきましては、医師に報告を義務づけているということになっております。
 一方で、このような医師による報告に加えて、予防接種後に生じた症状を幅広く報告することを促す観点から、厚生労働省におきましては、別途、保護者による報告を受け付ける仕組みも設けているところでございます。
 この保護者報告では、市町村は、保護者等から接種後に生じた症状について相談を受けた場合には、都道府県を通じて厚生労働省に報告するとともに、その症状の診断をした医師に対して副反応疑い報告の提出を促すこととしております。
 さらに、HPVワクチンにつきましては、過去に疼痛、運動障害等の症状があったが報告をしていなかった方を含めて、副反応疑い報告が確実に行われるように、現場の医師に対して改めて要請を行っております。
 厚生労働省としては、これらの取り組みを通じて、実際の医師の診療に基づいて、できる限り多くの副反応が疑われる症状、有害事象が報告をされる仕組みを設けておりますので、接種者全員の調査をすることは考えていないわけであります。副反応疑い報告、有害事象の報告によって得られたデータに基づいて、引き続き、関係の審議会においてしっかりと検討してまいりたいと思っております。
 いずれにしても、HPVワクチン接種後に起きた、接種との因果関係は必ずしも明らかでない、いわゆる有害事象によって長期に苦しんでいる方々に対しては、しっかりと寄り添いながら支援を行ってまいりたいと考えております。
○水戸委員 また後日に改めてさせていただきます。
 ありがとうございました。失礼いたします。
○丹羽委員長 次に、高橋千鶴子君。
○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 まず、三月二十八日の働き方改革実行計画を受けて、労政審が始まっております。
 資料の一枚目に、四月七日の労働条件分科会で出された論点を出しておりますけれども、これだけではないんですよね、多分分科会は。それで、検討する法改正案、それぞれ何かということと、いよいよもって、今さらいわゆる残業代ゼロ法案は単品として出すということはあり得ないと思うんですよね。今回の上限規制等の労基法改正案の中に一体として提出するという理解でよろしいか。一言でお願いします。
○塩崎国務大臣 働き方改革実行計画に基づきまして、同一労働同一賃金の実現とか、あるいは、長時間労働の是正を初めとする必要な法令制度改正、そして、女性活躍や子育て、介護との両立支援、こういったことに向けた制度検討など、広範にわたる検討をこれから行うことになります。
 中でも、実行計画におきまして具体的な法改正の方向性が示された同一労働同一賃金の実現に向けては、パートタイム労働法、労働契約法及び労働者派遣法を改正する予定でございます。
 また、長時間労働の是正に向けましては、労働基準法を改正し、罰則つきの時間外労働の上限規制を導入することとしております。さらに、これに関連をいたしまして、労働者の健康確保のための産業医、産業保健機能の強化、こういった観点から、労働安全衛生法の改正も検討中でございます。
 これらの法案につきまして、総理から早期に国会に提出するように指示をされておりまして、しっかりと進めてまいりたいというふうに思っております。
 残業代ゼロ法案というのは何を指すかではありますが、もしそれが既に提出をしている労働基準法改正法案を指すということであれば、働き方改革実行計画にもありますとおり、長時間労働を是正し、働く方の健康を確保しつつ、その意欲や能力を発揮できる新しい労働制度の選択を可能とするものでありますので、早期の審議入りをお願いしたいと思います。
○高橋(千)委員 この期に及んでまだ審議入りを述べているということに正直驚きましたけれども、まさか、実際あり得ないし、また相矛盾すると思うんですよね。やはり今、本当に、全面的な健康確保のための労働安全衛生法なども含めて言及をされましたので、それはとりあえず立場上おっしゃっているんだろうと指摘をしておきたいなと思います。
 ただ、どっちにしても、私たちは今回の働き方改革は改悪だと思っています。言うまでもなく、過労死ラインにお墨つきを与えるという問題であります。
 資料の二枚目に四月二日付の東京新聞をつけておきましたけれども、この右下のところに、残業上限規制と過労死の実態ということで、過労死ラインとよく言うけれども、実際にはその未満でも過労死認定があるんだという表であります。ただ、これは認定された人の数字でありますから、それ以上の人ももっとたくさんいるわけです。
 トヨタ系の工場で夫さんが働いて三十七歳で突然死したという三輪香織さんの声を載せています。残業時間は百時間未満ではあったけれども、仕事のストレスによるうつ病で睡眠を十分にとれていなかったとして、名古屋高裁は、健康な人の百時間以上に匹敵すると判断したと言っております。しかし、この三輪さんにしてみれば、政府の改革は、わかっていないのかなというコメントを載せているわけであります。
 そこで、改めて伺いたいんですが、今後は、政府が上限としたのだから、百時間ぎりぎりだったとしても瑕疵はないんだということになってはならないはずです。いかがですか。
○塩崎国務大臣 今回の働き方改革実行計画では、「労使合意」に基づいて、現行は大臣告示であるわけでありまして、それで定めておりますのが月四十五時間、年三百六十時間の上限、これを今回初めて法律に明記するということにしました。同時に、現在上限なく定めることができる特別条項を改めて、上回ることができない上限を年七百二十時間としたことは大きな前進だというふうに考えています。
 また、「労使合意」では、「上限時間水準までの協定を安易に締結するのではなく、月四十五時間、年三百六十時間の原則的上限に近づける努力が重要である。」こういうことも明記をされております。
 これらを踏まえて、実行計画では、さらに可能な限り労働時間の延長を短くするために、新たに労働基準法に指針を定める規定を設けることといたしまして、行政官庁は、当該指針に関し、使用者及び労働組合等に対し、必要な助言指導を行えるようにするとの方針を打ち出しておりまして、しっかりと対応してまいりたいと思います。
 このように、今回の計画は、安易に御指摘のような長時間労働を認めるものでは決してなく、あくまでも月四十五時間、年三百六十時間、これを原則とするものであることを強調しておきたいと思います。
 百時間未満の問題に御指摘がございました。
 脳・心臓疾患の労災認定におきましては、原則としては、発病前一カ月間におおむね百時間または発病前二カ月間ないし六カ月間にわたって一カ月当たりおおむね八十時間を超える時間外労働、これが認められることが必要であるわけでありますが、時間外労働時間数が百時間または八十時間に至らない場合であっても、不規則な勤務、拘束時間の長い勤務など、労働時間以外の負荷要因についてもしっかりと検討いたし、業務の過重性を適切に判断してまいりたいと考えております。
    〔委員長退席、三ッ林委員長代理着席〕
○高橋(千)委員 まず、本来なら過労死ラインすれすれの百時間が、企業側に瑕疵がないんだということになってはいけない、それはそういうつもりではないというお答えだったと思うんです。だったら、本当はこれはやめるべきだ、これを重ねて言いたい。
 同時に、今大臣が最後の方で、そこに至らない場合でも過重な実態があるんだとおっしゃった。それはすごく大事なことだと思う。
 私は、大概、この間起こっている過労死案件、実は電通の事件も同じなんですね。やはりそれは、労働時間が長いというのはもちろんですが、一定の基準の中に入っていたとしても、うつ病になるようなパワハラ、そうした事態が極めて多い。やはり労働の質の問題が問われていると思うんですね。そのことをしっかりと見ていかなければならないと思う。
 きょう、実はそれがテーマでありまして、次のところに行きますが、新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会報告書が四月六日に出されました。「患者・住民の命と健康を預かる医療現場において、日々、医療従事者は、ますます膨張する需要と医療に内在する不確実性との隣り合わせの中、心身の精力を傾注してより良き医療の成果を生み出そうとしている。」と書いているんです。それから、現場からは、仕事量は肥大化し、負担は重くなり続けているという声を聞きます、医療従事者の自己犠牲を伴う負担と士気に過度に依存したシステムであってはならないという指摘も共有できます。
 つまり、本当に使命感に燃えて自己犠牲的に働いている、そこに甘えてはならないと言っているんだと思うんです。その指摘は大変いい指摘だと思うんですが、しかし、結局やることは、今回の働き方改革においても、五年の猶予期間が医師にはあります。それも、ふやすつもりはありません。これを読んでも、どこにも出てきません。結局、例外とする。これが結論ですか。
○塩崎国務大臣 今、厚生労働省として初めて大規模に行った全国調査についての言及がございましたが、医師の労働時間について、約十万人の医師に対してアンケート調査を行いまして、約一万六千の回答を得た。この働き方に関する初の大規模な全国調査の中で、二十歳代の若い医師の診療、診療外の労働については、一週間で平均五十五時間程度の勤務状況にある、そして、当直、オンコールの待機時間は、男性で十六時間、女性で十二時間存在する、こういった過重な労働環境にあることが確認をされました。
 今月六日のビジョン検討会の報告書、取りまとめの中で、医師の負担軽減策として、一つは、主治医、副主治医制度などを活用して、グループ診療とかチーム医療の推進といった、いわゆるタスクシフティング、タスクシェアリングを行う。それから、医師の意向を重視した医師偏在の是正を行う。あるいは、AIやICT、そして遠隔診療など技術革新による医師の作業の効率化、負担軽減。こういったものをもろもろ、具体的な対策として御提案を頂戴いたしております。
 今後、こうした提言を着実に実行し、医師が臨床現場の本来注力すべき業務に集中できる環境を整えて、あえて医師数をふやさずとも、国民のニーズに応える医療を提供していくことを目指すという必要があるのではないかということを考えておるところでございます。
 なお、医師につきましては、今言及がございましたが、時間外労働時間の対象とはいたすわけでありますけれども、医師法に基づく応招義務等の特殊性を踏まえた対応が当然必要であって、法改正の施行期日の五年後をめどに規制を適用するということといたしました。医療界の参加のもとで検討の場を設けて、質の高い新たな医療と医療現場の新たな働き方の実現を目指して、二年後をめどに、規制の具体的なあり方、労働時間の短縮等について検討し、結論を得ていくということとしたいと思っております。
○高橋(千)委員 今、ふやさずともとおっしゃったのが、それが非常に気になりました。私は、いろいろな工夫はするべきだと思うんです。工夫はするべきだけれども、しかし、やはり医師も人間らしく働けるというのが当然にあって、そのためにはやはり必要なんだ、足りないんだという立場に立つべきなんだということを最初に言っておきたいんですね。
 今、一万六千人の、さっき大臣が報告された中にあるんですが、勤務医を対象に行った調査で、二十代医師の六割が地方に勤務する意思があると答えている。すごく希望がありますよね。それから、この資料の下にありますが、五十代以下の勤務医の約半数が今後地方で勤務する意思があると答え、しかも、十年以上勤務したいと言っている方が三〇%近い。これはまさに希望だと思うんです。
 地方の医師不足を、決意した医師一人に負わせたり、あるいは、そうはいってもスキルアップのチャンスは摘んではならない。これは工夫ができると思います。ちょっと時間の関係で問いをまとめますので、これが一つ。
 それから、資料の四、次のページにあるんですけれども、今大臣も少し言いましたけれども、一日の主な業務のうち、看護師やコメディカル職種との分担可能な時間は二割だと。でも、二割にすぎないんです。看護師も不足していることを考えれば、分担する、可能なことをするとか事務をふやすとか、それは当然ですけれども、それだけでは解決しない。これは確認できると思いますが、いかがですか。
○神田政府参考人 お答えいたします。
 議員御指摘のとおり、医師の働き方に関する実態調査におきまして、地方勤務の意思ありという医師の回答が四四%、特に二十代では六〇%以上ございました。その地方勤務の障壁になっている要因といたしましては、労働環境への不安ですとか希望する内容の仕事ができないなどキャリア形成の不安であるということが明らかになっており、こうした障壁を取り除くことが重要であるというふうにされております。
 こうした調査結果を踏まえまして、新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会の報告書におきましては、地域医療支援センターが、大学医局等と協力し、キャリア形成プログラムを作成し、過疎地の医療機関と中核的な医療機関とをローテーションを組んでキャリアを積めるように、若手の医師のキャリアの形成支援を行っていくこと、地域医療支援センターと医療勤務環境改善支援センターが協力をして、休日代替医師の派遣やグループ診療の調整を行うなどにより、僻地で診療に従事する医師の勤務負担の軽減を図ることなどの内容が提言されたところでございまして、厚生労働省としては、報告書の内容を踏まえ、具体化の検討を行うなど、地域における医師確保に向け、さらなる検討を進めていきたいというふうに考えております。
 また、タスクシフティングだけでは医師の過重労働は解消されないのではないかという御指摘についてでございますけれども、先ほど先生御指摘ございましたように、この医師の働き方に関する実態調査におきまして、医療の事務でございますとか物品の運搬等の業務についてコメディカル職種に分担できるか否かを問うた結果、一日約四十七分がほかの業種に分担可能という結果が出ているわけでございます。一週間にいたしますと約四時間弱の負担軽減となるという結果が出ていることから、タスクシフティング、タスクシェアリングを推進することによって、医師の過重労働の軽減を図っていくこととしております。
 このほか、この報告書におきましては、特定行為研修を受けた看護師の養成の推進でございますとか、特定行為の拡大といった看護師への業務の移譲、また、それに加えまして、看護師以外の医療従事者が現行の業務範囲を超えて診療の補助を可能とすることも検討するべきというふうにされているところでございます。
 また、この報告書では、コメディカル職種に対する業務の分担ということではなくて、医師の中で、主治医制、副主治医制等も活用した医師間の役割分担の最適化、ICTを活用した遠隔診療の推進、また、各都道府県が設置いたします医療勤務環境改善支援センターが医療機関における勤務環境改善の具体的な好事例の収集ですとかその共有を行うなど業務の抜本的な強化を行うといった対策も提言されておりまして、こうした対策を具体化していくことによって、医師の勤務環境の改善に努めていきたいというふうに考えております。
○高橋(千)委員 そもそも、これまでも医師、看護師の確保対策や待遇改善について何度も、私だけでなく堀内委員や参議院でも議論してきました。
 夜勤は原則禁止となっている国もあるわけですよね、フィンランドやノルウェーやスウェーデン、ベルギー、スイスなど。医師や航空など、夜業がどうしても避けられない職種を除いては原則禁止なんだけれども、でも、夜勤をする場合は割り増し賃金が極めて大きい。一〇〇%なんですね。そういうふうに、やはりどうしても避けられない、だけれどもそれは最小限に短縮する、そういう努力をしていると思うんです。
 ILO百七十一号条約を補足する百七十八号勧告は、夜勤労働者の労働時間は昼間の労働時間よりも平均して少ないものであるべき、夜業労働者の超過勤務は行われるべきではないとしています。
 応招義務があるからと言うんだけれども、それは今に始まった話じゃないんですよね。もう何年もあるわけで、それに手をつけられてこなかったということが問題なわけです。緊張感が続き、まして命にかかわる仕事であるわけですから、むしろ上限規制を一般の労働者よりも低くする、そのくらいの取り組みを、ILOは当たり前なんですから、そういうふうにしなければ、やはり担い手もできてこないだろうと思うんですね。
 医師や看護師だって家族の顔を普通に見られる職場にすべきだと思いますが、大臣の決意を伺います。
○塩崎国務大臣 夜勤についてのお尋ねでございまして、医療現場で働く方々の場合の夜勤など、厳しい勤務環境があることはよく認識をしておりまして、その改善を図るということが重要だと思っております。
 この点、既に提出をしております労働基準法改正法案では、各企業の自主的な取り組みを促す労働時間等設定改善法、これを改正いたしまして、深夜業の回数の制限などを労使に促す方針でございまして、まずはこの法案の早期成立をお願いしたい、こう思います。
 上限規制につきましては、今回、働き方改革実行計画で、医師についても対象としておりますけれども、医師法に基づく応招義務等の特殊性を踏まえた対応が必要だということは先ほど来申し上げているわけでありまして、規制の具体的なあり方については、さっき申し上げたとおり、二年後をめどに結論を得ていこうと思っております。
 他方、看護師さんにつきましては、医師のように法律上の応招義務が課されているわけではございませんので、原則どおりの上限規制の対象としておるところでございます。これを着実に実施することで、勤務環境の改善に向けて取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○高橋(千)委員 大臣の言葉で決意を聞きたかったんですけれども、やはりちょっと事務的な答弁だったのが残念かなと思います。
 改めて、本当に、医師だって人間的に働ける、らしく働ける、そういう立場に立って頑張っていただきたいということを重ねて指摘したいと思います。
 それでは、ちょっと一つ問いを飛ばしますけれども、「産業医の独立性や中立性を高めるなど産業医の在り方を見直し、産業医等が医学専門的な立場から働く方一人ひとりの健康確保のためにより一層効果的な活動を行いやすい環境を整備する。」と働き方改革に書き込まれました。この趣旨はどういうことかということと、独立性は重要だと思うんですが、現場で起こっている事態は労災の認定の上で企業側に有利に働いているのではないか、この指摘がたびたびあって、今もあるわけです。これに対してどのように取り組んでいくのか、伺います。
○田中政府参考人 お答えいたします。
 三月二十八日の働き方改革実現会議で決定されました働き方改革実行計画におきまして、時間外労働の上限規制とあわせて、働く方が、健康の不安なく、働くモチベーションを高め、その能力を最大限に発揮できるようにするための対応として、働く方の健康確保のための産業医、産業保健機能の強化に取り組むこととされております。
 産業医は、事業者によって選任されますけれども、その職務の遂行に当たりましては、医学専門的な立場から、働く方一人一人の健康確保のための最善の対応を事業者に対し助言することが期待されております。
 このため、現行制度においても、独立的、中立的な職務遂行を前提として産業医による事業者への勧告権などが定められておりますけれども、産業医がより一層の独立性、中立性を確保しつつ働く方の健康確保等のために活動できる仕組みや環境の整備について検討を行うことといたしております。
 産業医の仕事の仕方については、今先生おっしゃったようなことも含めて、いろいろな御指摘がございます。そういったことも含めて、現在、労働政策審議会安全衛生分科会において御審議いただいているところであり、実行計画の内容の速やかな位置づけに向けまして議論を進めてまいりたいと考えております。
○高橋(千)委員 いろいろな指摘があるという言葉の中に、私が言いたかったことを含んでいると受けとめたいと思います。
 それで、昨年十二月二日の本委員会で、NTT東日本に対して労災の請求をしている女性の案件を取り上げました。そのときに、山越局長は、一般論ではあるんですけれども、心理的負荷による精神障害の認定基準においては、発病前おおむね六カ月間に業務による強い心理的負荷があるということを要件としているけれども、しかし、いじめとかセクハラのように行為が繰り返されるものについては、当然それより前を見て評価するんだというお答えがありました。
 残念ながら、二月二十八日に山梨労働局よりこの案件の審査請求を棄却するとの決定書が出されたわけなんです。なぜかということを考えたいと思うんですけれども、この方は中島宏美さんといいます。名前を言ってほしいと本人が言っているので、あえて言わせていただきました。
 年末に、原処分庁の甲府労働基準監督署と山梨労働局の労災補償課による申立人との審査会がやられたわけなんですね。
 そのときに、平成二十二年の年末、これが事の発端、職場の上司によるセクハラ、強制わいせつですけれども、そういう事件があったわけです。この事実認定について、原処分庁は、それを認めたことが山梨県内では前例がないと述べた後で、行為者が、私、しましたと言えば、それはお互いの言っていることが相反しないから認めるという発言を、私、しましたと認めるんだったらそれは世話ない話であって、そんなことを言っているわけですね。
 それどころか、服の上からなら、セクハラには該当するけれども、まあ、認定基準でいうと特別な出来事には当たらないんじゃないか、要するに、服の上からなら大したことない、言ってみればそういう驚くべき発言を担当者がしているわけです。それはさすがにその場にいた労働局にたしなめられて、慌てて訂正をしている。
 やはりこの認識は本来まずいんじゃないでしょうか。
○山越政府参考人 一般論としてお答えを申し上げさせていただきたいと思いますけれども、精神障害の労災認定基準におきましては、身体接触などのセクシュアルハラスメントを受けたことは、職場における心理的負荷となる具体的出来事の一つとして位置づけられておりますので、これは労災認定に当たっての評価の対象となる事項でございます。
 このセクシュアルハラスメントの労災認定でございますけれども、労働基準監督署において関係者への聞き取り調査を行いまして、その結果、セクシュアルハラスメントに当たる事実が確認されれば、加害者がそれを認めていない場合でも、労災認定上の評価の対象とされるものでございます。
 いずれにいたしましても、精神障害についての労災認定は、平成二十三年に策定をいたしました心理的負荷による精神障害の認定基準に基づきまして、必要な調査や主治医、専門医の意見などを聞いて判断することとしておりまして、適切に調査を行いまして、事実関係を把握した上で、適正な労災認定を行うように努めてまいりたいと存じます。
    〔三ッ林委員長代理退席、委員長着席〕
○高橋(千)委員 まず、加害者が認めていなくてもとお答えがありました。非常に大事なことだと思うんですね。当事者、一番最初に対応する原処分庁がそういう認識であるということ、これは何としても正さなければならないと思うんです。
 私がきょう問題にしたいのは、その最大の根拠とされたのが嘱託医なんです。山梨労働局地方労災医員というんですね、身分が。その意見書に書いてあるわけです。
 具体的出来事として、セクハラを受けた、これは、セクハラを受けたとする出来事に該当する可能性があるけれども、その出来事の平均的な心理的負荷の強度は2である。そして、本来、出来事にかかわる忘年会があったものですから、そういうのは業務ではないということと、それから、被害者と加害者は上司と部下、加害者と被害者という関係ではなく、プライベートなつき合いであったことがカルテの記載内容からもうかがえるために、被災者が言うところのセクハラとは違うというふうに書いているんですね。
 この意見書、私もずっと読みましたけれども、事の発端が二十二年だと言っているのに、本人がNTTに入るずっと前の平成十九年のころからの病院歴を事細かに書いているわけなんです。それは言えば切りがない話で、薬を過剰投与されたとか、それでぐあいが悪くなったこともありました。でも、結果としては寛解をして勤めているわけです。それなのに、まさにそれが原因であるかのように長々と書いて、肝心の出来事についてはカルテ一つで結論を出しちゃっているわけです、個人的な関係だ、プライベートな関係だと。そういうことを判断しているという問題だ。それどころか、もし本人が強姦だと言うのであれば警察に申し立てているじゃないかという初歩的な意見を述べています。
 なぜ初歩的なことと言うかというと、それは、厚労省の要綱を詳しく読みました。特別な出来事があったとき、すぐには訴えられないことは容易に考えられることだ、フラッシュバックするなどして心身に影響が出てきて、あるいは、医療機関にかかる、それだって一定の時間が経過してからのことになることだってあり得る、そういう特殊性を考慮した認定基準になっているのではなかったですか。
○山越政府参考人 これも一般論としてお答えをさせていただきたいと存じますけれども、セクシュアルハラスメントに関する事案の場合は、その被害者が被害を受けてからすぐ相談できなかったりするというような特殊性もございますので、こうした相談などがすぐになかったことをもって単純に心理的負荷が弱いと判断する理由とはしていないところでございます。
 また、医療機関への受診が発病から相当後になった場合でも、そのことをもって不認定となるものではないものでございます。
 今後とも、個々の事案の労災認定に当たりましては、事実関係を的確に調査いたしまして、また、主治医や専門医の意見を聞いた上で、発病時期などの特定を行いまして、適切な労災認定を行うように努めてまいりたいと存じます。
○高橋(千)委員 専門医がカルテの中に、この人は付き添ってきた人とプライベートな関係である、そういうことを書くのが普通なんですか。
○山越政府参考人 お答えを申します。
 セクシュアルハラスメントが原因で精神障害になった場合でございますけれども、その事実認定は、そういった医証だけではなく、例えば、会社関係者の方でございますとか、必要な場合にはその被災者の家族の方などからもよく状況をお聞きした上で、事実関係を把握して認定しているところでございまして、丁寧に関係する方のお話をお聞きすることにより、的確に事実関係を把握していきたいと思っております。
○高橋(千)委員 これは極めて異例な対応をしていると思うんですね。
 企業側の、加害者本人なんですよ。加害者本人が被害者に付き添って病院に行っている。それは、お互いの関係性、要するに、上司と部下との関係性、切迫的な、心理的な問題があって付き添っているんです。
 それに対して、付き添っているからそれはプライベートな関係なんだろうといって、カルテを見て、労働局がですよ、取り調べのときに、そういう関係なんだろう、だから違うんだ、これはセクハラ事件ではないんだということをカルテをもって判断しているわけなんです。だけれども、本人は、付き添ったのは事実だけれども、そういう関係ではないと答えている。当たり前なんですよ。だって、別のカルテを見ましたよ。おじと書いていたんですよ、おじが付き添っていたと。おじと間違うような、年の離れた人なんです。片やおじと書いていて、片や愛人だみたいなことを書いている。不倫関係だって書いている。そんなばかな話があるわけないじゃないですか。
 一番決定的なのは、そのカルテを見て、こう書いている、こう書いているといって、本人が違う違うと言ったときに、ではカルテを開示してくださいとなるじゃないですか。ところが、真っ黒塗りのカルテが出てきて、本当にそう書いてあるのかどうか、あるいはその書いていることが事実かどうかを証明することができないわけなんです。おかしくありませんか。
 なぜそう言うかというと、本人の署名欄すらも黒塗りなんです。本人の名前ですよ。本人の名前、サインしたところまで黒塗り。そういうものを出して、カルテに書いているから間違いない、そういう判断がされているんです。だったら、これは労働局も企業側に立って判断していると言わざるを得なくなるじゃありませんか。違いますか。
○山越政府参考人 お答え申し上げます。
 セクシュアルハラスメントが原因で精神障害になった場合の事実認定でございますけれども、先ほど申し上げましたように、主治医からのさまざまな聴取ばかりではなく、会社関係の方、同僚の方、あるいはその被災者の家族などからもよく状況をお聞きした上で、総合的に事実関係を把握し、認定していきたいというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、丁寧に関係する方のお話をお聞きさせていただきまして、的確に事実関係を把握していきたいと思います。
○高橋(千)委員 大臣、このような案件はきちんと調査をするべきではないでしょうか。本人が自分のカルテを情報公開しなければ出てこない、労働局に対してですよ、情報公開しなければ出てこない。しかも、自分のカルテが黒塗りに出てきて、証明することができないわけなんです。
 関係者の意見をたくさん聞くと言いました。ところが、親に対しては加害者からたくさんのメールが届いているんですよ、この案件にはかかわるなと。全部それは証拠があります。幾らでも提示をします。調査をするべきではありませんか。
○塩崎国務大臣 労災認定に当たりましては、その請求があった際に、やはり個別の事案ごとに、丁寧に、また的確に事実関係を調査して、そして主治医あるいは産業医、しばしば産業医が十分機能していないということもあって、電通事案でも、産業医の存在というのは高橋まつりさんのケースには出てきていないわけでありまして、そういうようなことを考えてみて、業務を原因として発症したものかどうかということを、先ほど局長からも答弁申し上げたとおり、丁寧に、そして適切に判断をするということが大事であるわけであります。
 したがって、事実関係をしっかりと調査するということが基本中の基本でありますので、どういうデータが出てきているのか、今いろいろ御指摘がありましたが、そこのところは適切な材料がなければ判断ができませんから、事実関係をしっかりと捉えられる資料を調査した上で、できるだけ早く、迅速に、そして適切な労災認定を行うようにしていかなければならないというふうに考えております。
○高橋(千)委員 同じカルテが二枚あったりしますからね、書き加えているものとそうじゃないものと。どちらが本当か、そうした証明をしていかなければならないと思います。
 資料の最後に、これは厚労省が出している調査の事例集であります。こうして、これは一部しか抜粋をしていないんですけれども、やはり丁寧にやって、きちんと認めているわけなんです、本来は。だから、私が事例に言ったような、忘年会だから業務命令じゃないんだとか、実際は今は、社長命令でゴルフコンペにまでつき合わされているとか、そういうことはしょっちゅうあるわけじゃないですか。そういうことを簡単に切り捨てているということが、事例集を見るとそうじゃないということがわかるわけなので、その立場に立っていただきたい。
 今、ジタハラという言葉もはやっていますよね。長時間労働が叫ばれるようになって、表向き残業はNG、だけれども仕事はあるということで、見えない残業を強いられている、そういうことが起こっています。ですから、ここに切り込むのは、ルールをきちんとつくることと同時に、見えない労使の関係性、これに切り込んでいかなければ問題は解決しないということを指摘して、きょうは終わりたいと思います。
 以上です。
○丹羽委員長 次に、足立康史君。
○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
 初鹿さんが寝ていますので、ちょっと静かに質疑を、初鹿先生を起こさないように。あ、起きた。済みません、起きちゃいましたね。起こさないように気を使おうかなと思ったんですが、済みません。
 日本維新の会の足立康史でございます。では、もういいですね、大きな声で。ありがとうございます。
 きょうは、久しぶりに厚生労働委員会に出張させていただきました。ありがとうございます。ちょっと最近はなかなか来ていないものですから、空気が読めなくて、読めない場合は御容赦をいただきたいと思います。
 きょうの質疑は本来水曜日であったので、本当はきょう、もう皆さんも心は地元におありだと思いますので、最終バッターで本当に恐縮ですが、本来水曜日でありましたが、誰の責任ですか。柚木さんの責任ですかね。(発言する者あり)違う。あ、与党にも問題があったんですね。済みません。与党にも問題があったということで、失礼をしました。
 今ちょうど法務委員会と厚生労働委員会だけやっていますが、しかし、もう、早く質問した方がいいと思いますが、しかし、大臣、田村前大臣もいらっしゃいますけれども、もう日程闘争はやめましょうね。田村筆頭はずっとそういうことをおっしゃっていただいていると伺っておりますが。
 私、厚生労働委員会は今外していますけれども、憲法審査会に入れていただいていまして、けしからぬです、あの武正筆頭。武正筆頭というのは憲法審査会の会長代理なんですね、田村先生御存じのとおり。絶対あれはいかぬですよ。
 だから、この間、憲法審査会の幹事懇談会で、武正さん、もしこんなに、もう一カ月飛んでいるんですよ、地方自治の回を一カ月おくれて休み明けにするということになって、二回飛んでいるんですよ、二回。武正筆頭に、余り飛ばすんだったら会長代理を僕にやらせてくださいと言っているんですが、まあ、それはいいですね、済みません。
 きょうは、小泉進次郎議員を初めとする自民党の若手の皆様がこども保険とおっしゃっているでしょう。あれは、大臣、あかんですよね。(発言する者あり)ですよね。僕、高橋千鶴子議員と一番意見が厚生労働分野では合うんですよね。懐かしいですね、やはりまた戻ってきたいなと思いますが。
 大臣、これはやはり僕は看過できないと思いましてね。まさに小泉進次郎議員を中心とするグループ、きょう、いらっしゃいますか、そのメンバーの方。済みません、いらっしゃったらごめんなさいね。あれは頭が悪過ぎる。だって、子供が保険の対象ですか。橋本さんも、今副大臣でしたっけ、済みません、橋本副大臣もそう思うでしょう。どうですか、橋本副大臣。ちょっと、若手として。
○橋本副大臣 自民党において、こども保険などなど、子供の教育費の無償化だとか、そうしたことの財源をどうするかということで、こども保険と呼ばれるものなどを含めていろいろな議論がされているということは承知をしておりますが、それがどうだこうだと言う立場に政府はないので、党での御議論をしっかりと伺って、拝見をしておきたいと思っております。
○足立委員 通常、厚生労働委員会では、もちろん、一般的な制度、例えば給付つき税額控除はどうかとか、そういうことについても政府に一定の見解、意見を求めることがあります。だから、きょうはこども保険ということについて、やはり政府、いや、本当は小泉議員に質問したいんですけれども、きょうはいらっしゃらないので。
 実は、教育の無償化という議論が今非常に盛り上がってきています。もともと憲法改正で我々が教育の無償化ということを言い出したわけでありますが、まず、教育の無償化が私は必要だと思いますが、政府の見解を求めます。
○佐藤政府参考人 誰もが家庭の経済事情に左右されることなく希望する質の高い教育を受けられることは大変重要であります。
 このため、幼児期から高等教育段階まで切れ目のない形での教育費負担軽減として、平成二十九年度予算では、特に、幼児教育無償化に向けた取り組みの段階的推進、高校生等奨学給付金の充実、大学等における授業料減免等や、給付型奨学金の創設を含めた大学等奨学金事業の充実などに必要な経費を盛り込んでいます。
 今後とも、必要な財源を確保しつつ、教育費負担軽減に向けた取り組みをしっかり進めてまいります。
○足立委員 政府も取り組みはしていただいていると思うし、徐々にそういうふうになってきていると思います。
 特に、民主党政権のときに高校の無償化、あれは民主党政権ですよね、井坂先生。民主党政権のときの数少ないいい政策の一つでありますが、ただ、公立だけだったのでいろいろひずみもあって、大阪で橋下・松井改革で、大阪だけじゃありませんが、今度、小池さんもやるとかおっしゃっていますが、私立の高校も無償化ということで、大阪はもうやっています。
 次は憲法改正で、教育の無償化を憲法に、今、義務教育は憲法に規定がありますが、教育の無償化をしっかりと憲法に書いていったらどうかということで私どもが申し上げたら、民進党さんも、賛成だけれども憲法はやめてほしいとか、いろいろ、安倍政権も比較的前向きな御答弁をこれまでいただいていたような気がします。
 教育にお金をかけようということはみんな賛成なんですね。異論はほとんど出ません。問題は財源ですね。今まで出ているのは、教育国債、こども保険、それから、私たちは基本的には行財政改革で捻出をするという立場ですが、仮に足りなければ、まだ党内でオーソライズしていませんが、私個人は、子供税、もう増税した方がいい、こう思っています。
 それで、そもそも教育国債は私は論外だと個人的には思っています。田村筆頭も、教育国債は論外だと。すると、大きく言うと保険か税かということになるわけです。もちろん、改革というのはありますよ。改革というのはありますが、仮に改革で足らざるときは当然負担をする。
 給付には負担が必要、これは当たり前ですね。すると、保険と税ということになっているわけですが、実は、自民党政治、自民党政権が長らく取り組んできた社会保険の世界にもたくさんの税が投入されてしまっています。だから、大変その辺が曖昧になってしまっているのが現状なんですね。
 だから、これは事務方で結構ですが、社会保険になぜ税を投入するのか。細かいことを言えば、医療だ、介護だ、年金だ、あるいは労働だといろいろあると思いますが、細かいことを言っていただく時間はないと思うので、ざくっと、なぜ社会保険に税を投入するのか、してきたのか、ちょっと教えていただけますか。
○馬場大臣政務官 お答えします。
 社会保険制度への公費投入につきましては、国民皆保険、皆年金制度を維持する観点から、無職者や低所得者も保険に加入できるよう、保険料の負担水準を引き下げるため、また、被用者と自営業者などとで加入する保険制度が異なる中で、制度が分立していることによる給付と負担の不均衡を是正するために行っているものであります。
○足立委員 馬場政務官、ありがとうございます。うちの幹事長も馬場というんですけれども、またよろしくお願いしたいと思います。済みません、真面目にやっているんですけれどもね。
 今御紹介があったように、社会保険は社会保険で本当はあるべきなんだけれども、どうしても保険料率が上がってきて、税でやはりそれを穴埋めしてきたということですが、これはどうなんですかね。
 要すれば、保険料が耐えられないから、消費税などなど、消費税だけではありませんが、税を入れてきたのか、それはもっと積極的な意味で、社会保険には税が入るべきだと。仕方なく入れてきたのか、積極的に、税を入れた方がいいんだ、年金、医療、介護には税を入れた方がいいんだと。ちょっと通告から外れちゃっていますけれども、どうですかね、大臣。
○塩崎国務大臣 結果として、社会保険方式による社会保障は保険料と税と自己負担の組み合わせになっている場合が多くて、年金の場合には自己負担というのはございませんが、そういうふうになっているわけであります。今おっしゃったように、皆保険という形で年金も医療も日本はやっているわけで、それを維持するためには、今、馬場政務官から回答を申し上げたように、やはり低所得者の、支払い能力、負担能力の低い方々も皆保険としてカバーできるようにする、その助け合いの仕組みとして公費、税を投入する。
 また、この税というのは、もちろん、消費税は薄く広く誰しもからということで、この負担のあり方としても、かなり広く、幅広く負担をしていただくことによってそれぞれの負担は軽減をするという特徴のある税を選んで社会保障に優先的に投入をしている、こういうことだろうと思います。
○足立委員 だから、積極的に保険料と税がコンビというか一緒になって制度を支えているというわけではなくて、今大臣がおっしゃったように、まさに皆保険、まず保険なんですね、制度は。それを維持するために入れてきている。だから、主たる制度としてはやはりそれは保険制度で、その欠点というかいろいろな課題を埋め合わせしていくために税を入れてきた、こういうことだと私は理解をしているわけです。
 すると、年金、医療、介護、労働、いろいろありますが、では、子供予算というのは、子供予算というものに保険制度を構想する、小泉進次郎議員を初めとする自民党の若手議員さんたちは構想されているようですが、私はそこに何らの合理性も発見できないでいるんですが、大臣は何らかの合理性をそこに見出されますか。
○塩崎国務大臣 まず、自民党はあらゆる意見を受けとめるという政党でありまして、いろいろな議論がされる場所で、最後はまとまるという政党でもあるということでありまして、まとめる能力が自民党にはある、こういうことではないかと思っています。これがまず第一点。
 今回の問題提起の私として一番大きく受けとめたいなと思っているのは、やはり子ども・子育ての必要なコスト、費用に関しては社会全体で何らかの形で支えよう、そういう思いがまずあるんだろうなというふうに思うわけでありまして、そういう意味で、この子育て支援というのが、我が国、人口政策としてなかなか世界に範とはなり得ない人口政策だったと思いますが、今まさに、安倍内閣になって、とりわけ子育て支援には力を入れてきているわけでありまして、そういう意味で、財源をどう安定的に確保するか、そういう問題意識は評価をすべきではないかと思います。
 一方で、保険制度というのはやはり保険制度の特徴があって、被保険者を誰にするのか、どこまでにするのか、あるいは保険料の滞納とかいろいろな対応についてどうするのか。あるいは、給付サイドの問題として、現金給付、現物給付というのがあるわけですね。介護でもさんざん議論して、現物給付だけでスタートして、現金給付もやるべきだという意見もあるわけでありますので、そんなこんないろいろあって、自民党は議論百出、最後はまとまるということであります。
○足立委員 ありがとうございました。
 大臣も、やはり大臣ですから、若い方のそういう努力に温かい態度というかポジションで対応されていると思いますが、いろいろ新聞なんかを拝見すると、厚労相は慎重姿勢とかいって報道されたりもしていますが、普通に社会政策あるいは社会保障政策をわかっている人からすれば、ちょっとおかしいなというふうに思います。
 柚木さんも何か、柚木さん、あ、誰もいなくなっちゃった。井坂先生、いらっしゃる。済みません。柚木委員も、厚生労働委員会、四月の十四日にこの問題を取り上げられていて、こども保険という考え方も一つの考え方だ、こうおっしゃっていますが、せっかく厚生労働委員会なんだから、やはり私は、早く小泉進次郎議員を初めとする、こういうこども保険という提案については早目に、それは議論はしたらいいと思うんですよ、自民党はそういう政党ですから、議論はしたらいいと思うんだけれども、やはり時間の制約もありますので、私は、早目に小泉進次郎さんたちにはこども保険というのはおかしいとはっきりと言ってあげた方がいいと思うんですね。
 特に私がこの制度に違和感があるのは、逃げだということですね、逃げ。
 これも不思議なんだけれども、先ほどから厚生労働省の皆さんは、保険料負担というのは、拠出意欲といいますね、保険料が高過ぎるとみんななかなか保険に入りにくい、義務なんだけれども入れないということで、やはり保険料率というのはある程度にとどめたいと思うわけですが、やはり給付が必要だったら、普通は保険の保険料率を上げればいいし、それから、本当に社会全体でそれを支えようと思ったら、それは税金を上げるのはもう当たり前ですよ。
 ところが、小泉さんたちは、多分、増税を言うよりも保険料率に上乗せと言った方が社会の反発が少ないと思ったんじゃないですかね。なぜそう思ったか。勘ぐりですよ、そんたくというふうに言う人もいますが。小泉進次郎さんの考えていらっしゃることをそんたくすると、高齢者の票を失いたくないと。だって、増税だったら高齢者も払いますね、税によりますけれども。でも、保険料だったら現役世代ですよ、基本は。現役世代とも限らないのか。(発言する者あり)ねえ、現役世代。現役世代ばかり負担をさせるという発想が小泉さんらしくないな。
 だから、やはり民進党、共産党がだらしないものだから……(発言する者あり)あ、民進党だけです。民進党がだらしないものだから、与党もちょっと緩んでいると思いますよ。大臣の失言とか、そういうのはどうでもいいんです。私は、小泉議員ほどの期待を集めている方が、こんなこども保険なんというので政治家人生に傷をつけない方がいいと思いますよ。だから、早目にこういうあほな提案は、提案ですよ、小泉さんはあほじゃない。小泉さんの提案は、僕ははっきり言ってこれはあほだと思いますね。提案ですよ、委員長。ごめんなさい。提案はあほな提案だと。あほと言うと、関西でどうとか関東でどうと言われるんですけれども、とにかく、おかしなおかしな提案なんですよ。
 なぜ増税と言わないんですか。我々維新の会は、行財政改革を徹底してやれば相当の規模の財源は生むことができる、こう考えていますが、なかなかそれは有権者に信用してもらえません。大阪ではやったよと言ってもなかなか信用してもらえないので、行財政改革で足らざる部分は例えば相続税とかいうことを、今、中で議論を始めています。
 ただ、皆さん、相続税というと、何だ、社会主義か、こう言われますが、日本維新の会は、相続税とセットで事業承継税制の一〇〇%。要は、事業をやっている方は一〇〇%スルーできます。その上で相続税を、国際的にもある程度高いレベルにある相続税であることは承知をしていますが、まさに次世代のために相続税をしっかりと取っていくということが、繰り返しになりますが、事業承継税制をしっかりと構築した上で、そういうことも必要ではないかということを私は今党内で主張しています。
 党内には、そういうことに賛同してくれる意見もあれば、やはり行財政改革だから、増税の話はするなという意見もあります。これは党内でもんでいます。もんでいますが、ぜひ自民党の中でもしっかり議論してほしいんですよ、それを。教育国債でなければ保険かということについては、私は、小泉さんらしくないな、こういうことを申し上げておきたいと思います。
 実は、小泉進次郎議員について余り個人的なことを申し上げると、またこれは、今政府に入っていないですよね、政府に入っていない。内閣府の政務官でいらっしゃったときに、この委員会にも何度か、大臣の横に来ていただきました。あのときの医療ホールディングというのがありましたよね。あれも失敗作じゃないですか。余りうまくいっていないでしょう。大体、事例が出てきていないですね。
 出てきていますか。きょう、医政局呼んでいないからね。知っている人、いますか。橋本副大臣、ちょっと事務方に聞いて、わかりますか。
○橋本副大臣 医療のホールディング、地域の医療のホールディングカンパニーの話であろうと思いますけれども、幾つか連携法人の話、検討されているという話は、岡山の方の、県北の方であるというのは伺ったことはございますが、具体的にここがなったということは、今のところ、私は承知をしておりません。
○足立委員 おっしゃるとおりで、岡山の方で一つ議論があって、それがまさに制度化の一つの背景になったということは私も承知していますが、ところが実現していないんですよ。だから、小泉進次郎議員が手がけた仕事、余りうまくいっていないんじゃないですかね。
 私、実は、きょう、来る前に、小泉進次郎議員のこども保険について、きょうは言いたいことを言ってくると言ったら、秘書たちに羽交い締めにされまして、絶対やめてください、女性票がなくなりますと言われましたが、私は自分の票を気にして発言を控えたりしません。民進党がこども保険と言っていたら、僕はぼこぼこですよ。それは自民党の議員グループが言ったって同じです。私は、批判を恐れず、言うべきことは言っていくという立場で、これからも厚生労働委員会にたびたび出張してまいりたい、このように思います。
 もう時間が来ますので、あと一言だけ補足をしておくと、教育無償化といってもいろいろあります。就学前教育、今でも義務教育の小中、それから高等教育があります。今、高等学校の議論はずっと、大阪でも京都でもどこでも、東京都でもやっています。でも、就学前は地方でやった方がいいですよ。
 大阪市は、吉村洋文大阪市長が、就学前の無償化、保育園、幼稚園の無償化に向けて、今やっています。すごい、四歳児は無償、五歳児まで無償になったかな。大阪府下の維新が首長を務めている市は、大阪市よりも進んでいる、門真市だったかな、というところもあります。
 だから、やはり地方自治体にも、私は総務委員も務めておりますが、地方自治体にもしっかりと改革をしていただいて、そして、就学前教育の財源は地方で生み出す。高校も場合によっては、今、地方でやっています。大学の無償化について、これは大議論がありますので、大学の無償化についてはしっかりと国で、大学制度の見直しも含めて取り組んでいくことをお誓い申し上げておきたいと思います。
 いずれにせよ、きょう、初鹿委員に大変失礼なことを申し上げましたが、しっかり今、議論を聞いていただきました。初鹿さんの後を引き継いだ青年局長の大西さんとは、今、スタンプで競争していまして、民進党のスタンプと足立君のスタンプ、どっちが売れるかということで競争をしていまして、今、大西さんはいませんが、後任の青年局長の大西さんとスタンプでしっかりと支持を争うということを一応申し上げて、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○丹羽委員長 次回は、来る五月十日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時四十九分散会