第193回国会 厚生労働委員会 第27号
平成二十九年六月七日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 丹羽 秀樹君
   理事 後藤 茂之君 理事 田村 憲久君
   理事 高鳥 修一君 理事 とかしきなおみ君
   理事 三ッ林裕巳君 理事 井坂 信彦君
   理事 柚木 道義君 理事 桝屋 敬悟君
      青山 周平君    赤枝 恒雄君
      秋葉 賢也君    石崎  徹君
      うえの賢一郎君    江渡 聡徳君
      尾身 朝子君    大隈 和英君
      大見  正君    鬼木  誠君
      金子万寿夫君    神山 佐市君
      木原 誠二君    小松  裕君
      佐々木 紀君    笹川 博義君
      白須賀貴樹君    新谷 正義君
      助田 重義君    瀬戸 隆一君
      田中 英之君    田畑 裕明君
      高木 宏壽君    高橋ひなこ君
      谷川 とむ君    豊田真由子君
      中川 郁子君    中谷 真一君
      長尾  敬君    丹羽 雄哉君
      堀内 詔子君    前川  恵君
      前田 一男君    宮路 拓馬君
      務台 俊介君    村井 英樹君
      山下 貴司君    阿部 知子君
      大西 健介君    岡本 充功君
      奥野総一郎君    郡  和子君
      篠原  孝君    鈴木 義弘君
      長妻  昭君    初鹿 明博君
      水戸 将史君    伊佐 進一君
      角田 秀穂君    中野 洋昌君
      高橋千鶴子君    堀内 照文君
      河野 正美君
    …………………………………
   厚生労働大臣       塩崎 恭久君
   法務副大臣        盛山 正仁君
   厚生労働副大臣      橋本  岳君
   厚生労働副大臣      古屋 範子君
   文部科学大臣政務官    樋口 尚也君
   厚生労働大臣政務官    堀内 詔子君
   厚生労働大臣政務官    馬場 成志君
   政府参考人
   (内閣府規制改革推進室次長)           福島  章君
   政府参考人
   (内閣府地方創生推進事務局次長)         川上 尚貴君
   政府参考人
   (警察庁刑事局長)    吉田 尚正君
   政府参考人
   (消防庁審議官)     猿渡 知之君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 金子  修君
   政府参考人
   (厚生労働省医政局長)  神田 裕二君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  福島 靖正君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部長)           北島 智子君
   政府参考人
   (厚生労働省労働基準局長)            山越 敬一君
   政府参考人
   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       吉田  学君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    堀江  裕君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房建設流通政策審議官)     海堀 安喜君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房審議官)           伊藤 明子君
   政府参考人
   (観光庁次長)      蝦名 邦晴君
   参考人
   (日本放送協会理事)   松原 洋一君
   厚生労働委員会専門員   中村  実君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月七日
 辞任         補欠選任
  穴見 陽一君     佐々木 紀君
  大隈 和英君     宮路 拓馬君
  木原 誠二君     笹川 博義君
  冨岡  勉君     うえの賢一郎君
  豊田真由子君     前川  恵君
  福山  守君     大見  正君
  村井 英樹君     尾身 朝子君
  山下 貴司君     石崎  徹君
  大西 健介君     奥野総一郎君
  中島 克仁君     鈴木 義弘君
  初鹿 明博君     篠原  孝君
同日
 辞任         補欠選任
  石崎  徹君     山下 貴司君
  うえの賢一郎君    鬼木  誠君
  尾身 朝子君     村井 英樹君
  大見  正君     神山 佐市君
  佐々木 紀君     金子万寿夫君
  笹川 博義君     木原 誠二君
  前川  恵君     高木 宏壽君
  宮路 拓馬君     大隈 和英君
  奥野総一郎君     大西 健介君
  篠原  孝君     初鹿 明博君
  鈴木 義弘君     中島 克仁君
同日
 辞任         補欠選任
  鬼木  誠君     瀬戸 隆一君
  金子万寿夫君     田畑 裕明君
  神山 佐市君     前田 一男君
  高木 宏壽君     豊田真由子君
同日
 辞任         補欠選任
  瀬戸 隆一君     冨岡  勉君
  田畑 裕明君     青山 周平君
  前田 一男君     助田 重義君
同日
 辞任         補欠選任
  青山 周平君     中谷 真一君
  助田 重義君     福山  守君
同日
 辞任         補欠選任
  中谷 真一君     穴見 陽一君
    ―――――――――――――
六月五日
 介護保険の見直しに反対し、安全、安心な施設の整備を国の責任で保障することに関する請願(堀内照文君紹介)(第一五〇〇号)
 安全・安心の医療・介護を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一五〇一号)
 介護保険制度の見直しに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一五〇二号)
 子供のための予算を大幅にふやし安心できる保育・学童保育の実現を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一五〇三号)
 同(田村貴昭君紹介)(第一五〇四号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一六四一号)
 同(津村啓介君紹介)(第一六四二号)
 難病患者が安心して生き、働ける社会の実現に関する請願(棚橋泰文君紹介)(第一五〇五号)
 同(藤原崇君紹介)(第一五九三号)
 安全・安心の医療・介護の実現と夜勤交代制労働の改善に関する請願(田村貴昭君紹介)(第一五〇六号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第一六四四号)
 同(池内さおり君紹介)(第一六四五号)
 同(梅村さえこ君紹介)(第一六四六号)
 同(大平喜信君紹介)(第一六四七号)
 同(逢坂誠二君紹介)(第一六四八号)
 同(奥野総一郎君紹介)(第一六四九号)
 同(笠井亮君紹介)(第一六五〇号)
 同(岸本周平君紹介)(第一六五一号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一六五二号)
 同(斉藤和子君紹介)(第一六五三号)
 同(志位和夫君紹介)(第一六五四号)
 同(清水忠史君紹介)(第一六五五号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一六五六号)
 同(島津幸広君紹介)(第一六五七号)
 同(田村貴昭君紹介)(第一六五八号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一六五九号)
 同(津村啓介君紹介)(第一六六〇号)
 同(仲里利信君紹介)(第一六六一号)
 同(畑野君枝君紹介)(第一六六二号)
 同(畠山和也君紹介)(第一六六三号)
 同(藤野保史君紹介)(第一六六四号)
 同(堀内照文君紹介)(第一六六五号)
 同(真島省三君紹介)(第一六六六号)
 同(宮本岳志君紹介)(第一六六七号)
 同(宮本徹君紹介)(第一六六八号)
 同(務台俊介君紹介)(第一六六九号)
 同(本村伸子君紹介)(第一六七〇号)
 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(玉城デニー君紹介)(第一五〇七号)
 医療・介護の負担増の中止に関する請願(高木義明君紹介)(第一五〇八号)
 同(大西健介君紹介)(第一六七二号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一六七三号)
 同(宮本徹君紹介)(第一六七四号)
 障害福祉についての法制度の拡充に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一五〇九号)
 同(青柳陽一郎君紹介)(第一五二二号)
 同(河野正美君紹介)(第一五二三号)
 同(岸本周平君紹介)(第一五九四号)
 同(赤澤亮正君紹介)(第一六七五号)
 同(稲津久君紹介)(第一六七六号)
 同(うえの賢一郎君紹介)(第一六七七号)
 同(上田勇君紹介)(第一六七八号)
 同(枝野幸男君紹介)(第一六七九号)
 同(小沢一郎君紹介)(第一六八〇号)
 同(大岡敏孝君紹介)(第一六八一号)
 同(大西健介君紹介)(第一六八二号)
 同(逢坂誠二君紹介)(第一六八三号)
 同(奥野総一郎君紹介)(第一六八四号)
 同(加藤寛治君紹介)(第一六八五号)
 同(河野正美君紹介)(第一六八六号)
 同(神田憲次君紹介)(第一六八七号)
 同(木原誠二君紹介)(第一六八八号)
 同(後藤祐一君紹介)(第一六八九号)
 同(近藤洋介君紹介)(第一六九〇号)
 同(斉藤鉄夫君紹介)(第一六九一号)
 同(塩谷立君紹介)(第一六九二号)
 同(重徳和彦君紹介)(第一六九三号)
 同(田村貴昭君紹介)(第一六九四号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一六九五号)
 同(玉木雄一郎君紹介)(第一六九六号)
 同(津村啓介君紹介)(第一六九七号)
 同(寺田学君紹介)(第一六九八号)
 同(中川正春君紹介)(第一六九九号)
 同(仲里利信君紹介)(第一七〇〇号)
 同(西村明宏君紹介)(第一七〇一号)
 同(西村智奈美君紹介)(第一七〇二号)
 同(原口一博君紹介)(第一七〇三号)
 同(平口洋君紹介)(第一七〇四号)
 同(船田元君紹介)(第一七〇五号)
 同(真山祐一君紹介)(第一七〇六号)
 同(前原誠司君紹介)(第一七〇七号)
 同(松木けんこう君紹介)(第一七〇八号)
 同(松浪健太君紹介)(第一七〇九号)
 同(宮川典子君紹介)(第一七一〇号)
 同(宮本徹君紹介)(第一七一一号)
 同(務台俊介君紹介)(第一七一二号)
 同(山口俊一君紹介)(第一七一三号)
 同(山田賢司君紹介)(第一七一四号)
 同(山本ともひろ君紹介)(第一七一五号)
 最低保障年金制度の実現に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一五二一号)
 労働時間を短縮し、人間らしい働き方を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一五七二号)
 同(池内さおり君紹介)(第一五七三号)
 同(梅村さえこ君紹介)(第一五七四号)
 同(大平喜信君紹介)(第一五七五号)
 同(笠井亮君紹介)(第一五七六号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一五七七号)
 同(斉藤和子君紹介)(第一五七八号)
 同(志位和夫君紹介)(第一五七九号)
 同(清水忠史君紹介)(第一五八〇号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一五八一号)
 同(島津幸広君紹介)(第一五八二号)
 同(田村貴昭君紹介)(第一五八三号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一五八四号)
 同(畑野君枝君紹介)(第一五八五号)
 同(畠山和也君紹介)(第一五八六号)
 同(藤野保史君紹介)(第一五八七号)
 同(堀内照文君紹介)(第一五八八号)
 同(真島省三君紹介)(第一五八九号)
 同(宮本岳志君紹介)(第一五九〇号)
 同(宮本徹君紹介)(第一五九一号)
 同(本村伸子君紹介)(第一五九二号)
 全国一律最低賃金制度の実現を求めることに関する請願(近藤洋介君紹介)(第一六四〇号)
 さらなる患者負担増計画の中止に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第一六四三号)
 国の責任でお金の心配なく誰もが必要な医療・介護を受けられるようにすることに関する請願(枝野幸男君紹介)(第一六七一号)
 福祉で働く職員の大幅な増員と賃金の改善に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第一七一六号)
同月七日
 全国一律最低賃金制度の実現を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一七二九号)
 同(池内さおり君紹介)(第一七三〇号)
 同(梅村さえこ君紹介)(第一七三一号)
 同(大平喜信君紹介)(第一七三二号)
 同(笠井亮君紹介)(第一七三三号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一七三四号)
 同(斉藤和子君紹介)(第一七三五号)
 同(志位和夫君紹介)(第一七三六号)
 同(清水忠史君紹介)(第一七三七号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一七三八号)
 同(島津幸広君紹介)(第一七三九号)
 同(田村貴昭君紹介)(第一七四〇号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一七四一号)
 同(畑野君枝君紹介)(第一七四二号)
 同(畠山和也君紹介)(第一七四三号)
 同(藤野保史君紹介)(第一七四四号)
 同(堀内照文君紹介)(第一七四五号)
 同(真島省三君紹介)(第一七四六号)
 同(水戸将史君紹介)(第一七四七号)
 同(宮本岳志君紹介)(第一七四八号)
 同(宮本徹君紹介)(第一七四九号)
 同(本村伸子君紹介)(第一七五〇号)
 同(野間健君紹介)(第一八四八号)
 同(山井和則君紹介)(第一八四九号)
 安全・安心の医療・介護の実現と夜勤交代制労働の改善に関する請願(緒方林太郎君紹介)(第一七五一号)
 同(玉城デニー君紹介)(第一七五二号)
 同(中川正春君紹介)(第一七五三号)
 同(水戸将史君紹介)(第一七五四号)
 同(田島一成君紹介)(第一八五一号)
 同(長崎幸太郎君紹介)(第一八五二号)
 同(本村伸子君紹介)(第一八五三号)
 国の責任でお金の心配なく誰もが必要な医療・介護を受けられるようにすることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一七五五号)
 同(本村伸子君紹介)(第一八五四号)
 障害福祉についての法制度の拡充に関する請願(青柳陽一郎君紹介)(第一七五六号)
 同(赤羽一嘉君紹介)(第一七五七号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第一七五八号)
 同(安藤裕君紹介)(第一七五九号)
 同(伊東良孝君紹介)(第一七六〇号)
 同(小沢鋭仁君紹介)(第一七六一号)
 同(緒方林太郎君紹介)(第一七六二号)
 同(岡田克也君紹介)(第一七六三号)
 同(菊田真紀子君紹介)(第一七六四号)
 同(小林史明君紹介)(第一七六五号)
 同(鈴木貴子君紹介)(第一七六六号)
 同(玉城デニー君紹介)(第一七六七号)
 同(辻元清美君紹介)(第一七六八号)
 同(土屋品子君紹介)(第一七六九号)
 同(水戸将史君紹介)(第一七七〇号)
 同(笠浩史君紹介)(第一七七一号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第一八五六号)
 同(池内さおり君紹介)(第一八五七号)
 同(梅村さえこ君紹介)(第一八五八号)
 同(江田康幸君紹介)(第一八五九号)
 同(大平喜信君紹介)(第一八六〇号)
 同(笠井亮君紹介)(第一八六一号)
 同(門博文君紹介)(第一八六二号)
 同(亀岡偉民君紹介)(第一八六三号)
 同(神田憲次君紹介)(第一八六四号)
 同(木村太郎君紹介)(第一八六五号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一八六六号)
 同(斉藤和子君紹介)(第一八六七号)
 同(笹川博義君紹介)(第一八六八号)
 同(志位和夫君紹介)(第一八六九号)
 同(清水忠史君紹介)(第一八七〇号)
 同(椎木保君紹介)(第一八七一号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一八七二号)
 同(階猛君紹介)(第一八七三号)
 同(篠原豪君紹介)(第一八七四号)
 同(篠原孝君紹介)(第一八七五号)
 同(島津幸広君紹介)(第一八七六号)
 同(田島一成君紹介)(第一八七七号)
 同(田村貴昭君紹介)(第一八七八号)
 同(高鳥修一君紹介)(第一八七九号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一八八〇号)
 同(長崎幸太郎君紹介)(第一八八一号)
 同(野間健君紹介)(第一八八二号)
 同(畑野君枝君紹介)(第一八八三号)
 同(畠山和也君紹介)(第一八八四号)
 同(福田昭夫君紹介)(第一八八五号)
 同(藤野保史君紹介)(第一八八六号)
 同(古川元久君紹介)(第一八八七号)
 同(堀内照文君紹介)(第一八八八号)
 同(真島省三君紹介)(第一八八九号)
 同(馬淵澄夫君紹介)(第一八九〇号)
 同(三原朝彦君紹介)(第一八九一号)
 同(宮本岳志君紹介)(第一八九二号)
 同(宮本徹君紹介)(第一八九三号)
 同(本村伸子君紹介)(第一八九四号)
 同(森山裕君紹介)(第一八九五号)
 同(山井和則君紹介)(第一八九六号)
 労働時間の規制強化に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一七七二号)
 同(池内さおり君紹介)(第一七七三号)
 同(梅村さえこ君紹介)(第一七七四号)
 同(大平喜信君紹介)(第一七七五号)
 同(笠井亮君紹介)(第一七七六号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一七七七号)
 同(斉藤和子君紹介)(第一七七八号)
 同(志位和夫君紹介)(第一七七九号)
 同(清水忠史君紹介)(第一七八〇号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一七八一号)
 同(島津幸広君紹介)(第一七八二号)
 同(田村貴昭君紹介)(第一七八三号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一七八四号)
 同(畑野君枝君紹介)(第一七八五号)
 同(畠山和也君紹介)(第一七八六号)
 同(藤野保史君紹介)(第一七八七号)
 同(堀内照文君紹介)(第一七八八号)
 同(真島省三君紹介)(第一七八九号)
 同(宮本岳志君紹介)(第一七九〇号)
 同(宮本徹君紹介)(第一七九一号)
 同(本村伸子君紹介)(第一七九二号)
 公正な賃金・労働条件に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一八〇七号)
 同(荒井聰君紹介)(第一八〇八号)
 同(大岡敏孝君紹介)(第一八〇九号)
 同(大平喜信君紹介)(第一八一〇号)
 同(斉藤鉄夫君紹介)(第一八一一号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一八一二号)
 同(玉城デニー君紹介)(第一八一三号)
 同(仲里利信君紹介)(第一八一四号)
 同(野間健君紹介)(第一八一五号)
 同(福田昭夫君紹介)(第一八一六号)
 同(真島省三君紹介)(第一八一七号)
 同(宮本徹君紹介)(第一八一八号)
 同(務台俊介君紹介)(第一八一九号)
 難病・長期慢性疾病・小児慢性特定疾病対策の総合的な推進に関する請願(穴見陽一君紹介)(第一八二〇号)
 同(稲津久君紹介)(第一八二一号)
 同(江田康幸君紹介)(第一八二二号)
 同(枝野幸男君紹介)(第一八二三号)
 同(小渕優子君紹介)(第一八二四号)
 同(尾身朝子君紹介)(第一八二五号)
 同(大口善徳君紹介)(第一八二六号)
 同(奥野総一郎君紹介)(第一八二七号)
 同(門博文君紹介)(第一八二八号)
 同(金子恭之君紹介)(第一八二九号)
 同(亀岡偉民君紹介)(第一八三〇号)
 同(神田憲次君紹介)(第一八三一号)
 同(吉良州司君紹介)(第一八三二号)
 同(岸本周平君紹介)(第一八三三号)
 同(後藤田正純君紹介)(第一八三四号)
 同(佐々木隆博君紹介)(第一八三五号)
 同(斉藤鉄夫君紹介)(第一八三六号)
 同(階猛君紹介)(第一八三七号)
 同(鈴木貴子君紹介)(第一八三八号)
 同(津島淳君紹介)(第一八三九号)
 同(中川正春君紹介)(第一八四〇号)
 同(長崎幸太郎君紹介)(第一八四一号)
 同(西村明宏君紹介)(第一八四二号)
 同(平口洋君紹介)(第一八四三号)
 同(福田昭夫君紹介)(第一八四四号)
 同(真山祐一君紹介)(第一八四五号)
 同(馬淵澄夫君紹介)(第一八四六号)
 同(松田直久君紹介)(第一八四七号)
 さらなる患者負担増計画の中止に関する請願(本村伸子君紹介)(第一八五〇号)
 医療・介護の負担増の中止に関する請願(本村伸子君紹介)(第一八五五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 旅館業法の一部を改正する法律案(内閣提出第五〇号)
 厚生労働関係の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
○丹羽委員長 これより会議を開きます。
 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として警察庁刑事局長吉田尚正君、厚生労働省健康局長福島靖正君、医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部長北島智子君、雇用均等・児童家庭局長吉田学君、社会・援護局障害保健福祉部長堀江裕君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○丹羽委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柚木道義君。
○柚木委員 おはようございます。
 きょうは、一般質疑ということで、他省庁からもそれぞれお越しいただいておりまして、ありがとうございます。
 まず冒頭、前回も質問をさせていただいたんですが、性犯罪の厳罰化法に関連して、きょうは、それぞれ、所管の法務副大臣、そして関連して警察庁から刑事局長もお越しいただいておりまして、ありがとうございます。また、性犯罪の被害者支援の所管でもある塩崎大臣、時々、私、感想をちょっと求めることがあるので、質疑のやりとりはぜひお聞きいただければ幸いなので、お願いいたします。
 前回も取り上げさせていただきました、フリーのジャーナリストで詩織さんというお名前で、準強姦罪を受けたということで、結果的には検察が不起訴処分にした。逮捕状が発行されていて、もう逮捕する直前、成田空港まで捜査員も行っていて、その直前にストップが、当時の警視庁刑事部長からストップがかかったということでありまして、御本人もそのことは、自分がストップをかけたというふうにお認めになられている。こういう中で、不起訴であることに対して、不当であるということで、不服の申し立てを検察審査会になされておるわけでございます。
 私も、性犯罪の被害者支援をされている方々、あるいは、今回の事案に関連して、司法の関係者、捜査の経験のある方などなど、さまざまな取材をさせていただく中で、今回の事例は非常に、国民の皆さんから見て本当に、逮捕直前で執行が取り消される、一体何がそこで取り消される理由だったのか、やはりそこを明らかにしないと、幾ら性犯罪厳罰化法案が成立をしても、適正に捜査が行われなければ、まさに法改正の意味もないわけでございます。
 相手の、加害者といいますか、取り調べを、当初、逮捕状が発行されたわけですから容疑者だった方、お許しをいただいて、きょう、その方の著書を提示させていただきます。山口敬之さんの「総理」という本、これはもうベストセラーになっています。安倍総理が真ん中で、執務室で思案をされている表情が表紙でございます。
 この本が発売をされたのは、二年前の、六月の九日でございます。実際に、逮捕状の執行が直前で取り消しになったのは、その前日の六月の八日でございます。この本の発売の前日に逮捕状の執行が取り消されています。仮にそのまま執行されていれば、報道も出ていますが、当然のことながら、この本の発売にも当然影響が及んだのではないか。もっと言うと、その後、このジャーナリストの方がテレビ等にさまざまに、安倍総理に最も近しいジャーナリストという位置づけでさまざまな番組に出られていた、今は全く姿をお見受けしませんが、そういうこともなかったのではないかということが報道もされております。
 私は、この事案について、詩織さんは、一年半後に不起訴、そしてその後、やはりおかしいんじゃないかということで、家族も反対をされて、悩み抜いて、そして、資料の一ページ目にもこの間の経緯が国会でも取り上げられたということでおつけをしておりますが、記者会見をお顔も出されてされたこと、大変なやはり勇気が必要だったというふうにお聞きをしておりますし、また、いわれのない誹謗中傷も思った以上に来ていて、本当に苦しんでおられる。
 しかし、やはりここでしっかりと、こういうことがあったことに対して不服の申し立てをしなければ、全国で、こういう被害を受けて、何で隠れていなきゃいけないのか、そういう思いで、そして一生、まさに魂の殺人と言われるような、こういう多くの方が苦しんでおられる、厚生労働省としてもPTSD等のいろいろな医療支援もされていますよね、こういう状況をやはり何とかしなきゃいけないと思って、勇気を持って、お顔も出されて会見をされておられます。
 今回、通告をちょっと直前にした項目があるので、まずそこからお尋ねをしますが、この山口さん、大変著名なジャーナリストという意味においては、まさに捜査当局が今回の事案についておっしゃっている、著名人、社会的影響力の大きい方であるということで、捜査も慎重にということで、逮捕状が請求をされて、裁判所の許可を受けて発行されて、そしてまさに逮捕の直前にストップがかかるというようなことが起こっている中で、では、実際に、これは二年前のことでございますが、著名人、社会的影響力の大きい方で、一昨年、そして昨年、こういう強姦罪や準強姦罪の容疑で逮捕されて、そして不起訴になっている、そういう中で直前に逮捕状の請求にストップを本庁がかけた、そういうケースは一体何件あるのか、刑事局長、お答えをいただけますか。
○吉田(尚)政府参考人 お答えをいたします。
 警察本部の指導によりまして警察署が逮捕状を執行しないという件数については把握をいたしておりません。警察本部から警察署に対しまして、適正捜査という観点から指導を平素から行っておりますけれども、その中で、警察本部の指導によって警察署が逮捕状を執行しなかった件数というものを整理して蓄積されているということではございませんので、これを把握するということは困難でございます。
 これは、著名人の方等々といったことと別に、こういった件数については私どもとしては把握はいたしていないということでございます。
○柚木委員 このケースは、非常に今回、法改正とも関係をする事案で、実は本当に多くの方が現在、不起訴になっているけれども、検察審査会で今後どうなるのか、本当に注視をしている状況もあって、だからこそ私は、申し上げましたように、性犯罪厳罰化法案が成立をしたとしても、こういうように捜査段階で、今のように、何件あるか把握していない、わからない、こういうことであっては、言っちゃ悪いですけれども、何件こういうことがあってもわからない、どういう経緯で不起訴になったかもわからない、そういうことでは法律の実効性が担保されないじゃないですか。ぜひこれは調べて公表いただけませんか。刑事局長、お願いします。
○吉田(尚)政府参考人 お答えをいたします。
 繰り返しになって恐縮でございますけれども、私ども、警察本部から警察署に指導して逮捕状を執行しなかったという件数や事例については、各都道府県警察において整理、蓄積をされているわけではございませんで、これを調査するということは困難であるということを御理解いただきたいというふうに思います。
 その上で申し上げますと、逮捕状の発付を得た場合でありましても、例えば、逃走のおそれがなくなったというような事情の変更によって逮捕が必要でないといった判断をされることもございますし、証拠の証明力等を十分に吟味いたしました上で逮捕が相当でないというふうに判断をされるときなどに、逮捕状を執行せずに任意捜査とするということは、捜査を進める中ではあり得るということで承知をいたしております。
○柚木委員 これは本当に驚くべき答弁ですよ。何で調査しないんですか。把握していないって、調査したらいいじゃないですか。そんなにたくさんあるんですか、こういうケース。有名人、著名人で、強姦罪、準強姦罪で逮捕されて、逮捕状まで請求されて発行されていて、それを直前で取り消した、かつ不起訴、そんなにたくさんあるんですか。調べられないんですか、物理的に。調べてくださいよ。調べられないんですか、物理的に。そんなに大変なんですか。たくさんあるんですか。お答えください。
○吉田(尚)政府参考人 今お尋ねの件は個別の事件でございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、一般論といたしまして、あくまで、警察署が行っている捜査について、警察本部が適正捜査という観点から日常的に指導等を行っているということ、これを御理解いただきたいと思います。
 特に、今委員から御指摘もいただきましたように、性犯罪というものは非常に重要な犯罪でございまして、専門性が高い捜査でございますから、その適正を確保するという観点から、全ての都道府県の警察本部に専門の指導官を設置いたしております。そういった指導官の指導のもとで、平素から警察署の捜査幹部に指導しているということでございます。
 そういった観点で、平素からの指導ということでございますので、今お尋ねのような御質問に関して網羅的にお答えするというのは非常に困難であるということを御理解いただきたいと思います。
○柚木委員 刑事局長、そんな御答弁でよろしいんですか、本当に。こういうことが何件起こっているのかを調査しない。捜査当局の公正な捜査があって初めて、性犯罪厳罰化法案の実効性が担保される。前回、法務副大臣も御答弁されていますよ。だったら、こういう事案がどれほどあるのかも公開しないと、わからないじゃないですか、国民の皆さんに。
 著名人、もっと言うと総理に近いジャーナリストさん、そういう方だったら、見方によっては、もみ消しという報道もあるんですよ。だったら、そういうものを払拭しなきゃいけないじゃないですか、それが事実でないんだったら。何件あるんですか、こういうものが。答えていただけない、調べない。
 私ちょっと、今の政権に共通しているのは、文科省の文書も、現職の職員がこれを見たと複数証言もされていて、菅官房長官は、再調査は必要ないと。調べないんですよね、今の政権は。あったことをなかったことにしかねないですよ。あった文書をなかったものにするんですか。
 そういう今の政権の体質は、私は、幾ら支持率が今一定程度あっても、国民の皆さんは、そこは別問題で、納得できないという方が、この間の学校法人問題も、七割、八割の方がそう答えていて、この事案だって、世論調査をとったら、今のような御答弁で、本当に刑事局長、多くの国民が納得されると思いますか。
 私は、今回、詩織さんが本当に勇気を持って会見をされて、その他こういう性犯罪の被害者の方を支援されている方からもお話を伺う中で、詩織さんだけじゃないんですよ、全国のそういう方々で、起訴率三割ぐらいでしょう、こういう罪状で。つまり、泣き寝入りせざるを得ない人もいっぱいいるわけですよ。
 では、別の聞き方をしますけれども、この強姦、準強姦罪容疑で逮捕されて、直前に執行がストップを受けて不起訴だった事案は、この山口敬之さん以外に把握しているケースはあるんですか、刑事局長。
○吉田(尚)政府参考人 お答えをいたします。
 今お尋ねの件について手元に資料がございませんけれども、準強姦の事件、犯罪捜査に関しましては、例えば、強制事件、任意事件、それぞれございますけれども、そういった中で、任意事件として捜査をするといった事例もかなりございまして、そういった観点から適切に捜査をしているということで御理解いただきたいと思います。
○柚木委員 ちゃんと答えてください。一般的なケースを言っているんじゃないんですよ。
 これだけ著名なジャーナリストの方で、安倍総理の表紙で「総理」という本まで書かれていて、ベストセラーになっているんですよ。そういう著名人、有名人で、実際に、逮捕、そして執行直前に停止、さらに不起訴、こういう事案を、今手元に、把握していない、資料がないという御答弁だったんですが、こういう方でほかに類似のケースがあるのかないのか、イエスかノーで答えてください。一般論じゃないです。
○吉田(尚)政府参考人 お答えをいたします。
 不起訴になったかどうかという観点については、これは警察の方では把握をいたしておりません。
 私、先ほど御答弁申し上げましたのは、強制捜査か任意捜査かということで、逮捕したかしないかということについては、一定程度、逮捕せずに処理をした、捜査をした件数はあるというふうにお答えを申し上げました。
 その結果、起訴になるかならないかというのは、私どもとして捜査を遂げて検察庁に事件を送致いたします、その送致をして検察庁の方でさらに捜査を進められて、最終的に起訴されるかされないかということについての御判断があるということでございますので、不起訴の件数については、私どもとして把握をしていないということでございます。
 あと、今、著名人かどうかというようなお尋ねもございましたけれども、私ども、そういった著名人かどうかということとは全く別にいたしまして、性犯罪については重要な犯罪であるということでしっかりと捜査をいたしておりますけれども、いずれにしましても、逮捕するかしないかということに関しましては、これは人権に直接関係する問題でもございますし、人の身体の自由を拘束するということ、そういう逮捕権につきましては、慎重かつ適正に運用されるべきものであるというふうに考えております。
○柚木委員 別に、個別のこの人を私も非難云々言っているんじゃないんですよ。性犯罪の厳罰化法案で、この事案が今後どういう扱いになるのか。そして、なぜ不起訴になったのか。
 必要な捜査をしたと本会議で三回、国家公安委員長は答弁しているんですけれども、具体的にどういう捜査だったのか全く述べていないんです。そして、再調査の必要性はないと答弁されているんですよ。
 全国に本当に苦しんでいる方がおられるんですよ、皆さん、やじを飛ばしていますけれども。そういう方々のお立場に立ったときに、本当にこういう事案、今把握されていないと繰り返し答弁されたということは、私はないんだと思いますよ。あるんだったら言ってくださいよ。ないんだと理解しますよ、このようなケースが。
 ぜひ、本当に調べてください。個別のことを教えてくれと言っているんじゃない、件数を教えてくださいと言っているんですから。
 副大臣……(発言する者あり)何でこっちがだめと答弁するんですか、やじが。真剣にやっているんですよ。ぜひ、法務副大臣、お答えいただきたいんですけれども、今回、私、前回も提案しまして、資料にもつけておりますが、二ページ目に、専門家の御意見、暴行、脅迫要件の緩和、つまり、同意に基づかず強姦、準強姦、こういう行為があった場合に、フランスなどの事例で、まさにこういった場合に、殺人罪の次に重い拷問等と同等の重罪と捉えられている事実。
 これはなぜかというと、まさに前回御答弁いただいた、冤罪の危険と加害者の不処罰、つまりは被害者が泣き寝入りをせざるを得ない、そういったこととをてんびんにかけて、前者は被疑者の人権を守り、有能な裁判官が冷静に科学的に判断することによって避けられるのに対して、後者は被害者の一生を左右する命に次ぐ重大な法益侵害の放置につながること、それを回避するための方策が暴行、脅迫要件の緩和以外にないという決定的な理由によると書いております。
 二〇一六年の性犯罪改正作業において、先進国では今や常識とも言える暴行、脅迫要件の緩和が採用されなかったことは、日本のジェンダー視点による刑法改革の遅さを象徴する出来事とも言え、大変残念である、こういうコメントでございます。
 ちなみに、前回、私との質疑で御答弁をいただいた中で、これは通告もしておりますけれども、暴行、脅迫が用いられなくても、被害者が抗拒不能、すなわち、物理的または心理的に抵抗が著しく困難な状態で性交などをすれば、準強姦罪等が成立、強姦罪等と同じ法定刑で処罰という御答弁をいただいているんですが、これはどういう場合にそういう抗拒不能な状態と扱われるんですかというふうに昨日通告で伺ったら、例えば、飲酒をしていて酩酊している、薬の効果で意識がないような状況、そういう状況の中で、物理的、心理的に抵抗が著しく困難な状態での性交かというふうなことで確認したら、そうですという御回答がありましたが、副大臣、そういう理解でよろしいですか。
○盛山副大臣 一昨日、御答弁したとおりでございますけれども、強姦罪における暴行または脅迫、この要件につきましては、判例上、強盗罪よりも軽く、反抗を著しく困難ならしめる程度のものであれば足りるということとされております。
 そうした程度のものであるかどうか、前回答弁したとおり、被害者の年齢、精神状態、行為の場所、時間など、諸般の事情を総合考慮して判断されるところであります。
 個別具体的な事案の内容に応じて、まさにさまざまな事情が考慮されていることから、これを網羅的にお答えすることは困難であると考えております。
 その上ででございますけれども、個別具体的な事案のもとではありますが、例えば、被害者と被告人の体格差あるいはその関係性、犯行場所に二人きりであったこと、こういったことなどを踏まえまして、反抗を著しく困難ならしめる程度の暴行、脅迫があったものと判示した裁判例がございます。
○柚木委員 まさにこの事案も、御本人は、お酒が強くて一度もそういう酩酊状態になったことはなくて、今回そういう状態になって記憶まで失って、そして気がついたときにはもうホテルの中だった、そういうことでまさに今回の不服申し立てにつながっているわけでありまして、まさに抗拒できない状態でございます。
 そして、刑事局長、本会議で、先ほど申し上げましたように、井出議員への国家公安委員長の答弁で、必要な捜査という言葉をわざわざ三回も使って、この逮捕直前の執行停止や不起訴処分が正当でというようなことで、検証を行うことは考えないと答弁されているんですけれども、必要な捜査とは具体的にどのような捜査を指すんですか。
○吉田(尚)政府参考人 お答えをいたします。
 個別の事実関係に即して捜査というものは行われますので、この事件ということと別に、一般論としてお答えを申し上げたいと思いますけれども、性犯罪の事件捜査に関しましては、ほかの犯罪と同様でございますけれども、被害者や被疑者等の関係者からの聴取、あるいは現場等におきます証拠資料の採取、関係者の供述に基づく裏づけ捜査などの必要な捜査を行うこととなります。
 一方で、性犯罪捜査は、大きな精神的なダメージを受けている被害者の方の心情にも配意しながら、迅速的確に事情聴取や証拠の収集等を行うということが求められますので、専門性が高いという捜査でございます。性犯罪捜査を適正に行うために、全ての都道府県警察の警察本部に専門の指導官が置かれております。平素から警察署の捜査幹部への指導等に当たっているということは、先ほども御答弁申し上げたとおりでございます。
 こういった捜査を一般論として実施いたしております。
○柚木委員 まさに一般論同様に、今回の事案も、被害女性、今回の加害者、容疑者だった山口さん、そして当該ホテル、防犯カメラ、実際に捜査員の方も一緒にごらんになって、そして、その上で逮捕状が請求されて発行されて、逮捕直前まで行っていたわけです。ですから、まさに一般的な必要な捜査が行われて、にもかかわらず、直前に、警視庁の当時の刑事部長、元菅官房長官の秘書官、今は組織犯罪対策本部長ですよね、これは共謀罪とも関係しますよ、そういうお立場になられている、そういう方がストップをかけられた。これは、今の御答弁だけでは、ではなぜ今回ストップがかかって不起訴になったか、全くわかりません。
 ちなみに、警察は、容疑者の身柄や捜査事件の書類を検察に送付する際、これは書類送検されていますね、厳重処分、相当処分、寛大処分、しかるべき処分の四段階の意見を伝える。厳重処分は起訴を求める、相当処分は検察に処分を委ねる、寛大処分は厳しい処分を求めない、しかるべき処分は起訴を求めない。これは警察の内規、犯罪捜査規範で定められた手続で拘束力はないということですが、こういうことをちゃんと区分したはずなんですね。
 これは、必要な捜査を行ったといっても、なぜ不起訴になったのか、なぜストップがかかったのか、本会議の答弁ではわかりません。ちなみに、この四区分のどの区分だったんですか、刑事局長。
○吉田(尚)政府参考人 お答えをいたします。
 恐縮でございますけれども、個別の事件捜査にかかわる御質問でございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、いずれにしましても、この個別の事件につきましても、警視庁におきまして、法と証拠に基づいて必要な捜査を遂げて、地方検察庁に事件を送付したというふうに承知をいたしております。
○柚木委員 ぜひ、本当に、全国の被害者の皆さん、泣き寝入りをして今でも苦しんでいる方々のお立場に立って御答弁をお願いしたいんです。
 副大臣、ぜひ、刑事局長は先ほどからそういう答弁をされます。あるいは、私は、個別の事案じゃなくて、こういうことが実際に、一昨年のことですけれども、では、一昨年、同じ事案があったんですか、ないんですか。件数はそんなにないと思いますよ、先ほど把握されていないということは。だって、今回、把握されてストップがかかったんですから、件数はないと思いますよ。
 副大臣、ちゃんと件数を調べるように、ぜひ御指示をいただけませんか、法務副大臣。
○盛山副大臣 委員の今のお問い合わせに関しましては、警察の活動内容に関する事柄であると考えますので、私ども法務省としてお答えする立場にはございません。
○柚木委員 今回、性犯罪厳罰化法案の審議をしているわけですよ。その実効性を担保する上で……(発言する者あり)この後、厚生労働大臣にも伺いますよ、ちゃんと。ぜひ、私は、これは法務大臣とも御相談をいただいて、こういう事案が一体何件、一昨年のことですよ、そんなに大昔のことじゃないです、すぐに調べられます、調べていただきたい、金田法務大臣と相談をいただいてで結構ですから。お願いを申し上げます。
 その上で、これは、実はきょう法務委員会でも審議をされるんですね。聞いています。これは当然、性犯罪の被害者の方々をお呼びして、そして本当に当事者のお声をお聞きして、そして充実した審議を尽くして法案が成立をされるという流れが当然想定されるわけですが、何か、本日、強い要望で参考人質疑があったにもかかわらず、それをやらずに、夕方にも採決、こんな話を聞いていますよ。
 ぜひ、法務副大臣、性犯罪被害者の方々、当事者の方々の、別に私、詩織さんの声を直接聞いてくれと申し上げているんじゃないんです、そういう被害を受けられた方の声もお聞きをして、性犯罪被害厳罰化法を、成立の流れをぜひお願いしたいんです。
 ぜひ、当然これは法務委員会の所管ですが、副大臣、当事者の声を聞いた上で法案を成立することの方が、やはり当局としても、より法律の実効性が担保されると思われませんか、副大臣。
○盛山副大臣 今委員のお尋ねの事柄につきましては、我々政府側が御答弁する立場にはないと思います。国会、委員会の方でお決めになることだと思います。
 さらに付言をさせていただければ、我々法務省においてこの法案を検討するに当たりまして設置されました委員会におきましては、被害者のお声、その他、十二分に聞いてまとめたつもりでございます。
○柚木委員 だったら、なおさら、行政府においてそういうふうに当事者の声を聞かれているのであれば、立法府である国会にお呼びするのは当然じゃないですか。そういう手続をぜひ、私、政府、与党にそれぞれお願いを申し上げます。
 厚生労働大臣、この間のやりとりをお聞きいただいて、まさに全国で性犯罪被害者の方が、この間は、女児におけるそういった性犯罪被害、児童福祉法、虐待防止法で、まさに現場で支援をされている方の声もお聞きをしましたよ。その方もこの厳罰化法の法律の成立を望んでおられます、もちろん。
 ただ、やはり、先ほど資料二にも紹介をさせていただきました、魂の殺人と言われるほどに被害者の心身にPTSDなど一生消えないほどの深い傷を与え、今回の詩織さんもそういう状況も伺っています。そういう中で、厚生労働省として、まさに医療的な支援体制もとってきている。やはり性犯罪被害者支援の所管の大臣として、大臣個人の見解、感想でも結構なんですけれども、私は、やはり被害者の立場に立って、特に厚生労働省におかれては、暴行、脅迫以外の要件緩和を、これは私、支援をするお立場ですから、当然、被害者の立場に立ったときにそういうような法案修正が私は望ましいと。これは、所管の厚生労働省としてはそういうふうにお考えに、大臣、個人的な見解でも構いませんから、御答弁いただけませんか。
○塩崎国務大臣 今までお聞きをしている限りは、警察並びに法務省における刑事の扱いの問題だというふうに受け取らせていただいておりますので、厚生労働大臣としては、これは所管外ということなので、コメントは差し控えたいというふうに思います。
○柚木委員 これは、もちろんそうですよ。しかし、全国でそういう被害に遭って苦しんでおられる方がいらっしゃること、そしてその支援を所管の大臣として医療機関とも連携をしてされているわけですから、やはりそういう方々が、今の法律ではやはりそれを立証することがなかなか困難であるがゆえに泣き寝入りをする、三分の一しか起訴されない、そういう中で、実際に、起訴されなくて苦しんでおられる方は全国にたくさんおられるわけですよ。そう考えて、医療支援も必要で、当然予算も必要なんです。
 そういう方を減らしていくという観点から考えたときに、私がお尋ねしたように、やはり暴行、脅迫要件の緩和、こういったことを、私は、関係省庁で、まさに所管の省庁だけじゃなくて、連携をして協議していただきたいんです、今回の法改正。さっき紹介しましたように、一六年の性犯罪改正作業においても、まさに日本のジェンダー視点による刑法改革の遅さを象徴する出来事と紹介をあえてさせていただいたのは、まさに、性犯罪被害者の支援の所管でもある厚生労働省、厚生労働大臣も含めて、今後のまさに性犯罪厳罰化法案、私は、今修正の議論が、前向きにしていただけていると信じていますけれども、こういう協議を関係する省庁で連携をして取り組みをいただきたいという意味から申し上げているんです。
 今すぐ答えられなくても、私が申し上げているような視点、御理解をいただけるかどうか、検討を、考えてみたいかどうか、ぜひ一言御答弁いただけませんか。
○塩崎国務大臣 刑事手続の問題については私は権限外でございますので、その問題についてのコメントはできないということでありますが、医療的なケアとか、そういうような問題については厚生労働省として考え得ることでありますけれども、先ほど来問題になっているのはむしろ刑事司法の問題でありますので、そこは警察庁と法務省にお任せをする問題だというふうに思います。
○柚木委員 私は、それはわかった上で聞いている、その背景にあるさまざまな状況を踏まえて、まさにそういう方を減らしていく、あるいは未然に防いでいく、泣き寝入りもなくしていく、そういう観点からぜひ連携して協議をいただければということを申し上げているんです。
 おっしゃったような答弁の内容に直接言及というよりは、背景要因を考えたときに、一緒に参加をして、どうすればそういう方々が減っていく、そういうことを可能にしていくのかということで加わっていただくことは、私、関係省庁としてあってもいいというふうに思って申し上げたわけでございまして、私はぜひ善処をお願いしたいと思うんです。
 これは二ページ目、三ページ目にもそれぞれつけておりまして、二ページ目は読売新聞の社説です。これは、下にもあるように、ラスト三パラグラフ、「明確な暴行・脅迫の事実がなければ、加害者が強姦罪に問われない現状は、改善する必要がある。」こう書かれています。そして、その検討会、性犯罪を罰する法律の見直し検討会、有識者、「「地位・関係性の利用」という要件を満たした場合には、暴行・脅迫がなくても処罰できるようにすべきだとの意見が多数を占めた。」とあります。
 刑事局長、一般論で結構ですよ。今回も、まさにこの方はTBSの元記者さんで、そこで働きたいと詩織さんが言って、面会をして、こういう経緯に至っていますよ。まさに検討会でも多数を占めた地位、関係性の利用という要件、これは、私、この方だけということでなくて、一般的に、就職の相談でその幹部の方と当事者が会ってこういう事案が発生した場合には、この地位、関係性の利用という要件を満たし得ると私は思いますが、お答えいただけますか。
○吉田(尚)政府参考人 お答えをいたします。
 現在、性犯罪の厳罰化に関する法案を法務委員会において御審議を賜っているというふうに承知をいたしておりますけれども、今お尋ねの件に関して、あくまで一般論でございますけれども、私どもは、この性犯罪に関しましては非常に重要な犯罪であるということで認識をいたしておりまして、法と証拠に基づきましてしっかりと捜査を進めてまいっておりますし、今後もそのように進めてまいりたいと考えております。
○柚木委員 前回、法務副大臣に、まさに不服申し立てをして、その後の手続の中で、最終的に、起訴相当とか、あるいは二回連続でそういうことが起こった場合には強制起訴、こういうこともあり得るというのは確認答弁をさせていただきましたが、実際に先月末、詩織さんは不服申し立てをされておられまして、そういう場合に、一般的に、大体申し立てをしてからどれぐらいの期間で検察審査会というのは開かれることになるか、一般論で結構ですから、お答えいただけますか。
○盛山副大臣 個別にわたるお問い合わせでございますので、ちょっとなかなかお答えしづらいんですけれども、一般論といたしましても、特定の期間を区切ってということはないものと承知しております。
○柚木委員 ということは、すぐにされることもあれば、時間がかかる、それぞれあるということですか。だから、早い場合は今月中にでもあり得るということでいいんですか。
○盛山副大臣 それは、その内容の案件次第、どのように調べが進むか、そういうこと次第かと思います。
○柚木委員 これは本来であれば、やはりこの性犯罪厳罰化法が衆議院、参議院と、当然この国会での成立、なされるべきだと思います。必要な修正もぜひ善処いただいて、そういった中で、やはり私はこの事案が明らかになっていくことが非常に重要だと思います。
 それで、再調査の必要がないということを繰り返しそれぞれおっしゃられるんですけれども、私、きょうの報道を見て、これもひょっとしたら今の政権がこういう方向を向いているのかなと思ったのが、文科省の中でも現職の職員が複数この学校法人にかかわるメールを見ているということで、我が党の調査PTでもそういう話をお聞きし、ぜひこれは文科省としてもきっちりと調査してほしいということを申したら、実名で告発をして顔を出せば対応を検討したいと文科大臣がお答えになっていると。
 まさに今回は実名も、ほぼ実名です、ネットを見ればわかります。お顔も出されていますよ。そういう中で本当に勇気を持って会見もして、不服申し立てをして、自分のためじゃなくて、ほかに多くの方々が、自分が泣き寝入りすることで改善されない、この状況が。病に苦しんでいる方の支援体制も整備されない。こういう中で、今回、決意の会見に踏み切っておられるわけでして、実名もほぼ出ていて、顔も出ています。顔を出せば対応を検討じゃないんです。
 そういう状況なので、私は、法務大臣、警察庁に指示をするという立場ではないとおっしゃいましたけれども、やはり全体を所管する法務省の副大臣として、金田法務大臣と相談をしていただいてで結構ですから、ぜひ、もう一度、今回のこの事案を調査、再調査を行うと、その行うことの検討をするでも、一言、一言、最後に御答弁をお願いします。
○盛山副大臣 先ほど御答弁を申し上げたとおりでございますが、今現在、検察審査会に対する審査の申し立ても行われております。個別の案件に対してここで申し上げるわけにはいきませんが、適正な判断がなされるものと我々は考えております。
○柚木委員 きょう、待機児童問題や赤ちゃんポスト等、さまざまな質問を予定しておりましたが、この事案は、私は、きょう衆議院で、ともすれば夕方にも採決ともお聞きをしているものですから、ぜひ、本当に、犯罪被害者の当事者の声もお聞きもいただく中で、しっかりとした、充実した審議の上での成立をお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、篠原孝君。
○篠原(孝)委員 民進党の篠原でございます。
 厚生労働委員会で初めて質問させていただきます。二つのテーマに絞って質問させていただきたいと思います。一つは地域医療、もう一つはTPPの関連です。
 資料をお配りしておりますので、資料のところをちょっと見ていただきたいんですが、資料は九ページあります。一ページ目。大臣、開いて見てください。大臣もちゃんと見てください、愛媛県のことを、サービスして、一番右側に何位かというのをちゃんと書いてありますから。見ていますか。
 これは医療関係、医師の偏在。何か獣医師も偏在しているというのでごたごたしていますけれども、獣医師問題は聞きません。聞きたいんですけれども、やめておきます。医師の偏在というのも大問題です。これはばあっと数字を拾ってきました。よく見てください、勉強になりますから。上位と下位、上から五番と下から五番、十万人当たりの医師の数。京都が一番多い。一番少ないのが埼玉県、人口がふえていて医学部が少ない。こういうのがあります。ずっとこれをやります。
 それから、七ページをちょっと見てください、七ページ。TPP関連ですけれども、このところに総括表があります。
 一番上、A。OECDは人口千人当たりの医師の数で比べています。三十四カ国のうちで、日本は、尻の方から、びりの方から数えた方が早いんです、二・二人。年次の隔たりがあって、ちょっと違ったりしますけれども、アメリカよりさらに少ない。OECD平均が三・二人だ。
 加計学園問題で、獣医師が足りないんだと安倍総理は言い張っておられます。私は、獣医師問題にずっとかかわってきたので、そんなことは絶対ないんですけれどもね、よく知っているんですけれども。
 そっちはおいておいて、日本の医師の数は、国際的に見て、足りていると思われますか。十分足りているか、足りていないか、この点について、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○塩崎国務大臣 医師数の問題については、今、人口千人当たりの臨床医数ということで二・四人、OECD加盟平均二・九人と比較すると若干低いという水準であるわけで、今お配りをいただいたとおりでございます。
 ただ、医療は、医師だけではなくて、さまざまな医療従事者の組み合わせでやっていらっしゃる国が多い、日本ももちろんでありますが、その組み合わせがどういう組み合わせなのかということもあるのと、それから、国によって医療制度あるいは面積、人口分布、人口密度などが異なるので、どういう見方をするのが、医師数が十分か十分じゃないかということを考えるのは、それぞれいろいろ難しい比較の評価があるんだろうというふうに思います。
 一方で、国内における医師数につきましては、国内の状況を踏まえた上で、需要と供給の両面から精緻な検討をしないといけないと思っています。
 将来の必要な医師数については、高齢化と同時に人口減少も進むという組み合わせをどう考えるのか。それはすなわち、疾病構造の変化とか患者の期待の膨張とかいった需要側の要素と、それから、女性の医師がふえています、高齢者の医師もふえて、多死社会というのは医者も多死社会になるわけで、医師の地域偏在といった供給側の要素との連立方程式でどうなるのかということが決まるんだろうというふうに思いますので、そこのところはしっかり見ないと、判断がなかなか難しいというふうに思います。
 こういうことで、私ども厚生労働省においては、医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会、ここにおきまして、どういうチーム医療とか、我々は最近、タスクシェアリング、タスクシフティングという言葉が海外でもよく使われていて、使ったりしているわけでありますけれども、AI、ICTを活用した遠隔診療などをどう活用するのかということによっても医師の生産性が変わってくる。あるいは、臨床以外の分野における医師の需要、先ほど、OECDは臨床医だけを見ていますが、最近は、都道府県が医療構想をつくったり、いろいろな意味で役割が大きくなっている一方で、お医者さんは保健所所長以外はほとんどいないという県が多いわけでありますので、そういう意味で、医師の需給という全体を考えると、いろいろ考えなければいけない要素が多々あって、一概に多い少ないというのはなかなか難しいというふうに思います。
○篠原(孝)委員 大臣、私は初めての質問で、四十分間ですから、みんなそんなに丁寧にお答えいただかなくて結構ですから。
 足りているか、足りていないか。総理は、足りていないんだ、地域的偏在がある、四国は獣医師が足りないんだ、だから規制緩和だ、だから百六十人の獣医学部を建ててどこが悪いんだと、開き直って言っておられます。医師もどうかと思ったんですが、ぐちゃぐちゃお答えになっていて、よくわからないんです。
 私は、全体数では確かにそう言えると思いますけれども、これは二番目の質問です、明らかです、地域的偏在がある。それは、さっき一枚目の一生懸命つくった表でおわかりいただけると思います。全体でいったって、京都府が十万人当たり三百八人で、一番少ない埼玉県は百五十三人で、倍半分違うんですよ。愛媛県はまあまあ、十七位だから、ましな方ですよね。というので、地域的偏在がまずある。
 それから、やはり医療過誤とかいうのがアメリカで問題になって裁判になったりして、医師を殺人罪に問うとかいう愚かな裁判が行われたりしていますから、お医者さんも、それは困ったということで、ここに取り出しましたけれども、小児科、産婦人科、外科、それから麻酔科。きのうちょっと聞きましたら、麻酔科は最近改善されて相当人数がふえてきている、だけれども、小児科、産婦人科、外科は全然ふえていない。びっくりするんですが、皆様、よく見てください。
 小児科、産婦人科、外科と、外科の数がこんなに少ないとは知りませんでした、私は。少子化といいながら、小児科の医師の方が多いんですね、ずっと。五倍ぐらい多い。
 だから、いろいろ手術を受けたいといっても、それをちゃんとできる人がいない。さっき高齢化と言われましたけれども、手も震え始めたりしたら手術なんてできないですから、若い人にやってもらわなくちゃいけない。これは大問題だと私は思います。
 これについて、厚生労働省は対応をしてきているんでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○古屋副大臣 お答えいたします。
 医師確保対策につきましては、平成二十年度から、文部科学省と連携をいたしまして、医学部の入学定員を千七百九十五人ふやしておりまして、平成二十九年度には過去最大の九千四百二十人としております。
 また、この九千四百二十人のうち、特定の地域や、産婦人科や小児科などの医師不足の診療科等への勤務を条件づけることができる地域枠を活用した増員は六百十人といたしております。
 また、各都道府県に設置をされております地域医療支援センターを通じまして、都道府県内における医師の診療科や地域の偏在を解消するために、専門医の取得などキャリア形成支援と一体的に、地域の医師不足病院の医師確保の支援を行っているところでございます。
 さらに、平成二十六年度に成立をいたしました医療介護総合確保推進法におきまして、各都道府県に地域医療介護総合確保基金を設置いたしまして、医療従事者の確保、養成のための事業のほか、産科医の勤務環境の改善、整備を行うため、分娩件数に応じた医師への手当の支給、また、休日、夜間の輪番制方式による小児救急医療体制の整備など、小児救急を含め、救急医療の充実を目的とした事業の支援についても活用いただいておりまして、これらの取り組みを通じて、都道府県における医師確保対策を支援しているところでございます。
 本年四月に、新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会の報告書が取りまとめられておりまして、今後、厚生労働省としては、この報告書の内容を踏まえ、具体化の検討を行うなど、地域の医師確保に向けてさらなる検討を進めてまいりたいと考えております。
○篠原(孝)委員 私は、厚生労働省は非常にこの分野で頑張っておられると思いますよ。ほかの、何か規制改革推進会議とかいうのがのさばって、適当な、規制緩和、規制緩和と言って、何せ規制緩和すればいいんだというようなのでやっていますけれども、そんなんじゃ進まないですよね。規制すべきところはする、推進するべきところは推進するということをやっていかなくちゃいけないと思います。
 二ページと三ページを見ていただきたいんですが、今、古屋副大臣の答弁にもありました地域枠というのを設けているんですね。なかなかちゃんとしたことをやっていると思いますよ。地方に医者が足りないということで、ふやしている。簡単に言うと、入学試験でも、アファーマティブアクションとアメリカでは言われて、黒人を入学しやすいようにとありますけれども、同じで、長野県だったら、長野県に生まれ、愛媛県もそうですけれども、そこでちゃんと医師をやるということを確約して、それで、点数はそこそこ少なくてもいいんだということで入学させている。
 これがどっとふえたのは、平成二十二年度からですね。この人たちがそろそろ卒業しかかっているんです。非常にいいことだと思います。何でもかんでも都会に集まるというのは絶対よくないので、地方にきちんと定着してもらわなくちゃいけないというので、文部科学省も非常に頑張っておられると思います。
 それで、三ページに地域枠というのもあって、こんなにやっている。三ページも見てください。私は、これは本当にきちんとやっているなと。北海道も医師不足なんですよね。旭川医科大学は百二十二人のうち七十二人が地域枠で、北海道にいるようにと。これも、札幌にじゃなくて、北海道の田舎の方に行くべきだと。腕に職があるのでできるんです。それから、札幌医科大学は、札幌にあるにもかかわらず、百十人のうち九十人が地域枠だ。あと、弘前大学。我が長野県も、百二十人のうち二十人ということです。愛媛県も二十人。こういうのがだんだんきいてくると思います。
 これはうまく動いているんでしょうか。文部科学省にお伺いしたいと思います。
○樋口大臣政務官 地域の実情に応じた医療提供体制を構築するために、医師の地域偏在の対策は喫緊の課題であると認識をしております。
 文部科学省では、今、篠原先生から御紹介いただきました地域枠の設定を進めてまいったところでございます。この結果といたしまして、平成二十八年度は、例えば、信州大学での二十人など、七十一大学で千六百十七人の地域枠が設定をされております。
 これら地域枠で養成した学生、先ほど古屋副大臣からもありましたが、平成二十年から始めたところでございまして、ことしあたりから、まさに六年の大学教育、そして二年の卒後の臨床研修を終えて、地域の医療現場に出始めたところでございまして、今後の偏在対策として効果があらわれてくるものというふうに思っております。
 今後とも、この地域枠の推進を図り、地域医療の充実に努めてまいります。
○篠原(孝)委員 非常にいいことだと思いますけれども、僕は聞いて、へえ、では成績とかはどうなっているのかなと思ったら、ここをよく聞いていただきたいんですけれども、入学試験の点数が悪くても、真面目で、ちゃんと一生懸命勉強するし、周りの期待があるので、国家試験の合格率は、地域枠で入学試験の点数が何点低いかというのはちょっとよくわからないんですが、ともかく、低くても、そういう意識のある人たちを選ぶと、こちらの方がずっと合格率が高いんだそうです。けなげだと思いますね。最初だめでも、研さんを積めばいいんです。我々国会議員も、最初だめでも、ちゃんとやっていけば立派な議員になれるというのに、ちゃんと研さんを積まない人がいるからよくないんだろうと僕は思いますけれどもね。
 ただ、聞いてみますと、信州大学の医学部長さんとも、僕は行って聞きました。そうしたら、一生懸命やっているんだけれども、どこが悩みだといったら、文部科学省、よく聞いていただきたいんですが、定員はふえたけれども、教員の数はふえていない、大変だと。やはり徒弟制度でちゃんと、法学部とか経済学部なんかで大教室で講義すればいいというんじゃないですからね。大変なんです。
 獣医師もそうですけれども、豚を飼って、牛を飼って、鶏を飼ってというのは施設が必要なので、医師も同じです。これが、機材もふえない、教員もふえない。小中高等学校の先生が働き方改革でも問題になっていますが、部活動とか、常に過重労働だ。医学部の先生は部活動はないとは思いますけれども、ともかく大変で、これでくたくたに疲れている。そっちの方もちゃんと面倒を見ていただきたい。ちょっと先に先行し過ぎている部分があって、後の面がおくれているんですね。
 次に、四ページを見てください。四ページ、都道府県別に見た人口十万対医師数、これを見ると、いろいろなことがわかるんですよ。
 平均二百三十三・六人。平均より上なのが、一番多いのは京都府。京都府は簡単なんです。人口はそんなに多くないのに、京都大学と京都府立医科大学、医学部が二つあるわけです。東京は、人口も多いですけれども、十三も大学があるんです。そういったところ。そういうように、東京、京都、大阪、福岡というのは大学がいっぱいある。
 それから、もう一つ、意外なんですが、これは誇りをちょっと傷つけちゃうかもしれませんけれども、人口は少ない、だけれども、医学部というのは定員百人ちょっとなんですよね。人口八十万のところに百人いるのと、人口三百万に百人とは全然違いますから。ですから、簡単に言うと過疎地です。まあ、石川は二つありますけれども、石川、和歌山、鳥取、島根、福島、高知、長崎、熊本、こういったところが多いんです。
 そうすると、ここから見えてくるのは何かというと、どういうことかというと、医学部をつくっておけば、普通は、住めば都で、住んでいて、よく知りませんよ、まあ、いい彼女もできた、食事はおいしい、ここにずっといるかと思う人たちがいっぱいいるはずなんです。やはり都会の味が忘れられなくて、都会へ来て金もうけ、金をもうける。都会へ帰ってくる医師が金もうけだけじゃないですけれども、都会に来てしまう人もいるかもしれませんけれども、結構多くの人たちが田舎に定着しているんです。大学は都会にある必要はないんです。
 それで、地方創生、何か加計学園だけ、やたら張り切ってやっておられるようですが、山本大臣は。僕は、医学部は東京にある必要はないと思う。十三も東京にあるんです。それで、東京都二十三区の大学の定員はふやさないというのを言って、これがちょっとあちこちで話題になっています。僕はいいことだと思います。東京は不便になった方がいいと言って怒られた人がいますけれども、正直な気持ちをちょっと代弁しているんじゃないかと思います。東京から、大学は、少なくとも僕は要らないと思います、そんなに、地方に出すべきだと思います。
 解決の道がここに示されている。大学が多ければ、医師が十分になっている。これを大胆にすべきだと思いますけれども、文部科学政務官、いかがでしょうか。
○樋口大臣政務官 医学部は、いわゆる無医大県解消構想、昭和四十八年でございますが、に基づきまして、現在、全ての都道府県に設置をされているところでございます。加えて、先ほど申しました地域枠を推進してまいりました。
 御指摘をいただきました医学部を持つ大学の移転につきましては、例えば東京もそうですが、人口当たりの医師数が比較的多い都道府県に所在する大学の大宗は私立大学でありまして、私立大学の自主性やそれぞれの設立の経緯等があることを踏まえますと、困難であるというふうに考えております。
 この医師の偏在性の解消のためにはさまざまな施策を総合的に実施する必要があると考えておりますけれども、現在、厚生労働省において、医師偏在対策に関する検討が進められておりまして、文部科学省といたしましても、厚生労働省としっかりと連携をして、適切に対応してまいりたいと思います。
○篠原(孝)委員 だめだ。それだと、びしばし度が足りないですね。私立大学だって、お金をいっぱい出しているんでしょう。言うことを聞かせたっていいと思いますよ。
 それは行ったりしたら、何がいいかというと、地方創生ですよ。地方創生も、工場も行かなくなったし、大学なんです。だから、加計学園がのさばるんですよ。しようがない、それぐらいしか残っていない。大学なんですよ。獣医学部も大事かもしれませんけれども、医学部も行けばいいんですよ。そうやって誘導すべきだと思いますよ。
 学生も、生活費は田舎の方が安くなりますよ。ろくな遊ぶところもないのでさんざん勉強するし、医師の国家試験の合格率も高くなる。いいことずくめだと思います。何でこういういいことをしないのかと思いますね。それをびしっとやってください。
 それで、最後、これを言うために来ているんです。大臣、これはちゃんと答えていただきたいんです。
 びしばし国がやるべきなんです。規制緩和、規制緩和とか言っていますけれども、規制、規制というか、ぴしっとやらなくちゃいけないんです。
 国家公務員試験に受かる。きのう、司法試験の、司法修習生の修習の間のお金を出すというのが実現したというので、よいしょする集会があったんです。そこへ行って、私は、頑張ってやったけれども、前にも申し上げておいたんですが、要請に来たと言って、立派なことを言ってきたんです。どういうことを言ったかというと、司法修習生は裁判官になる、検事になる、弁護士になる、もう皆さんは社会的責任があるんだ、だから国が二年間、勉強するときにもお金を出すんだ、それだったら、弁護士過疎地がある、弁護士がいないところがある、各県の弁護士会が率先して、ずっとど田舎で弁護士活動をするというのはかわいそうだ、ちゃんと設けて、三年ずつでもいいから交代で行って、弁護士過疎地をなくす、弁護士のいない地区をなくす、そのぐらい自主的にやってほしいと。
 そうすると、職業選択の自由を妨げると、私立大学とか、そういう言いわけをすぐし出す。だって、ちゃんと国家試験をやって、そして勉強している間もお金を出しているんだ、だからそのぐらいのリターンがあっていいじゃないかと。その後、どぎついことを言ったんです、医師、医師会に先んじてこれをやってほしいと言ったんです。
 そうしたら、三年前に言ったときに、埼玉県の弁護士会の会長が、僕がそれを言ったんです、やってやるからそういうことをしてほしいと言ったら、そうしたら、あんただけだ、そういうきちんとしたことを言ったのは、そのとおりだと言って帰られました。
 はい、大臣、ここですよ。いっぱい権限を持っておられるんです。ですから、医師の国家試験に受かったら、簡単だと思いますよ、何年かというのは考えてください。三年から五年、若いうちに行けとかなんとかというので、それぞれの人生設計でいいですよ。
 例えば、人生設計を考えたら、若い独身の間はどこでいてもいい。例えば長野県だったら、スキーが大好きだから、スキーがやれるところに行きたいとかいうのもいたっていいんですよ。動機がちょっと不純ですけれども、結果がよければいいです。いやいや、子供はやはり勉強をちゃんとしなくちゃいけない、中学、高校のときに転校とかしていられないから、そのときはもうちゃんとしたところにいたい、中学、高校は一カ所にいたいと。だけれども、子供はみんな巣立って、もう用もなくなってなんといって、家庭ではうるさがられるような存在になったら、もういいか、田舎へ行って奉仕しようというのがあってもいいと思う。
 人生設計に合わせていいから、医師全員に、三年から五年ぐらいが適当だと思います、国が指定した地域で医療活動をやるということを私は義務づけていいと思っているんです。私の知っている限りでは、タイではそうしている。ほかの国でも、これは、長野県の同僚議員の務台俊介さんが、二、三年前に分科会で質問しているはずです。
 大北地区というところもそうです。僕のところの飯山、一番北も、産婦人科のお医者さんがいなくなって困っているんですよ。そういう不幸なのをつくっちゃいけない。これは政府の怠慢だと思います。それは規制すべきなんです。自由に任せておく。大学をつくるだけじゃないですよ。大学をつくって医師になったら、獣医師になったら、ここでやってくれと。ずっとじゃないんですから、そのぐらいはしたって罰は当たらないと思うんです。これをやったら、少なくとも地域的偏在はすぐ解消するんです。
 長い間、厚生労働大臣をやっておられます。もう力もつけて、あとは、残っているのは総理大臣ぐらいしかないんじゃないのかと思います。ちゃんとやってください。前向きに答えてください。
○塩崎国務大臣 医師の地域偏在が大変なことになっているということは私もよくわかっていて、例えば北海道なんかでも、これは、宗谷地区と呼ばれている、稚内からあと十数市町村があるわけですけれども、一人しかお医者さんがいないというところがあって、そういうところに若い人たちはなかなか定着しないということになれば、やはり一定水準の医療がどこでもちゃんと得られるという、それは極めて大事なので、今御指摘のように、義務化を含めていろいろな考え方があるというふうに思っています、解決のためには。
 私ども、本当にこれは大変なことだということはよくわかった上で、国家の怠慢という話がありましたが、有効なる手だてが打てていないということを深く認識をした上で、ではどうするかというときに、もちろん、今のような義務化のような御意見もありましたが、一方で、しかし職業の選択の自由というのがあるじゃないかということで、そこら辺を、強制的にあそこへ行け、ここへ行けということができるのかという議論もあって、そこで、我々、医師の働き方の実態調査というのをやって、意向確認も医師の皆さん方にしてみようということで、約十万人に近い医師にアンケート調査をいたしました、戻ってきたのは一万六千ぐらいですけれども。
 医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査というのがありまして、これは東大の井元医科研の教授が中心になってやっていただきましたが、そこでわかったことは、意外に若い先生方の中で、四四%が地方勤務の意思ありということをはっきりおっしゃっていまして、ただ、無条件でいいかといったら、それはそうじゃなくて、地域勤務の障壁となるいろいろな要因があって、やはり条件がある程度整わないと、なかなか不安が解消しなくて、結局動かないということになる。
 あるいは、例えば、ワークロードが全部、二年なら二年、三年なら三年、行きっ放しということで、子供をどうするか、奥様がどう思うのか、学校の教育を子供に対してどうするのかというようなこともあって、要するに、そういう条件を整えた上で、何をするかということを考えないといけないし、意欲はおありになるということが今回のことでよくわかったのであります。
 したがって、地域における診療を義務づけるというようなことも、それは最終的にはあるのかもわかりませんけれども、まずは、不安要因を除いて、条件が整って、どういうふうに行っていただけるのか。
 あるいは、都道府県が今、地域医療支援センターというのが先ほど古屋副大臣の答弁の中にあったと思いますけれども、キャリア形成プログラムの作成などを通じて、若い人たちが自分たちのキャリアの形成もしながら地方で医療活動ができるというようなことを用意するとか、あるいは、休日代替医師の派遣とかグループ診療の調整、当番制で僻地での診療に従事する。私の地元でも、僻地医療をやっている松山の医療法人が毎日百キロぐらい離れたところに行ってやっている、そういう医療法人がありますが、そういう形で負担を軽減する。こういうようなことも含めて、今後、地域における医師確保の具体化にあわせて、いろいろな選択肢をやはり組み合わせていかないといけないのかなというふうに思っています。
 このアンケート調査をやる前は、例えば保険医としての義務をどうするかとか、やはりかなり義務づけのことでありましたが、事はなかなかそれだけではうまくいかないので、むしろ、北風と太陽という意味では、太陽なくして北風だけというのはなかなか難しいので、そこのところをどうするかをこれから真剣に考えていこうというふうに考えておるところでございます。
    〔委員長退席、三ッ林委員長代理着席〕
○篠原(孝)委員 強制といったって、嫌がるのを引っ張っていけと言っているんじゃなくて、僕はさっき、人生設計に合わせてというように、柔軟にやっていく。
 しかし、最初は義務づけですよ。大臣は権限をいっぱい持っておられるんですよ。例えば、保険料をみんな払っているんですよ、日本国民。そして、医者のあるところは自由にかかれて、ないところはかかれない。それは国家の大怠慢ですよ。それに気がついておられないんです。それはちゃんと義務づけていいんです、医師として国家試験で資格を付与するんですから。ずっと縛るわけじゃないです。一年や二年縛ったっていいんですよ、そんなの。僕は、全然おかしくない。
 だから、外国でも、ドイツは定員の人数を変えて、定員を診療科ごとに計算して、それの一一〇%を超えているところでは、もう保険医としては認めないんです、そこでやる人は勝手にやれと、保険の制度のもとの医師とは認めない。そういうふうにしてチェックしているんです、それで地方に行くようにというのを。スウェーデンなんて、みんな公務員ですし。
 だから、それは、自由だ、自由だじゃなくて、そんなのはほっておいたらだめなんですよ。大学は地域枠というのでやったりしているんですから、一番権限を持っているのは厚生労働大臣なんです。受動喫煙対策も大変だろうと思いますが、こっちもなかなか頑張っておられます。なかなか厚生労働大臣は働きがいいんです。もう一つ、いい働きをぜひしていただきたいと思います。
 次に、TPP関連。
 こっちは、私はずっとTPP反対で、ずっとストップTPPの赤いネクタイをやっていたんですけれども、違うんですから、ストップTPPじゃないですから、色は同じですけれども、安心してください。しかし、こっちは、私は、農業以上に、医薬品、医療のところを、アメリカの攻勢を押しのけなくちゃいけない。
 資料六ページのところを見てください。これは日本の統計とアメリカの統計ですが、ちょっと古いんですが、見てください。
 アメリカの日本への輸出の中で、穀類が一番多いんですよ。医薬品というのは五番目ですけれども、医療機器を加えると一番多くなるんです。つまり、アメリカが何で医薬品と医療機器に熱心になるか。
 右側はアメリカから見たものですけれども、六番目と十番目。六番目は光学医療機器等になっていて、医療機器だけじゃないですからちょっと分かれるんですけれども、医薬品が十番目です。それで、下のところ、米国の医薬品プラス医療機器の合計の上位輸出相手国は、ベルギー、オランダ、日本が三位なんです。団塊の世代が高齢者の仲間入りをして、お金を持っている。少々高くても高い薬は買うし、高い医療機器でもって、外科の医者が足りないんですが、そういう問題はありますけれども、日本が一番いい相手なんです。
 だから、私は、役に立たないんですけれども、民主党、民進党の代表として、ブルネイからシンガポール、それからデンパサール、シドニー、みんな私が大体民主党代表で行きました。私が行っていると、農業団体がわんさか来ているんですけれども、おっ、民主党も来ているなといって、私の方が団体からは人気が高いんです、自民党の人は三人くらい行かれますけれども、だから行っていた。それで、オアフ島とアトランタはみんな行きたがるので、若いのに行かせて、私は行かない、こういう立派なことをしているんです。
 それで、この次のページのところ、七ページを見てください。
 なぜそうなるかというと、アメリカというのは、もうそこで医療関係者、保健関係者がいっぱい来ているんです。この人たちと、そこそこ英語はできますので、一緒に飯を食ったりして意見交換しましたよ、NPOの人たちとも。そうしたら、何を考えているかというと、とてつもないことを考えているんです。
 記号のB、一人当たり保健医療費支出を見てください。アメリカが百二万円。これは高齢者もみんな入っていて、俺はそんなに三十八万六千円もかけていない、ぴんぴんしておられる方は医者にかからないんですよ。一位と十八位です。アメリカはどう言うかというと、日本はアメリカを追いかけていると。二十年か三十年後はアメリカと同じになるんだと言うんです、だから日本は大市場だと。
 そして、だんだん下へ行って、D、一人当たりの医薬品支出はアメリカが一番なんです。十一万八千円で、日本は七万八千円で四位になるんです。
 次にF、保健医療支出に占める医薬品支出は、日本がパーセントが一番多いんです、わかりますか。五分の一が薬代に消えているんですよ。そして、薬も、引き出しに眠っている薬がいっぱいあるんです。薬好きなんです、日本人は。
 だから、かかりつけ薬剤師というのもいいことです。これも、厚生労働省は本当にいいことをやっていると思いますよ。いいことをいっぱいやっているんですよ、かかりつけ。そうすると、薬剤師が一緒だったら、同じ薬を出さなくなりますよ、無駄を省きますよ。僕は知りませんけれども、統計がちゃんととれないんですが、日本の薬の一五%は使われないでいると言われています。高い薬、その無駄を省く。
 恐ろしいのは、HのところとJのところを見てください。アメリカの製造業はがたがたです。航空機産業とか軍事関連産業、自動車もがたがたなんです。ところが、医薬品の世界は、上位十社のうち五社がアメリカなんです。聞いたことがおありになると思います。ファイザー、メルク、ジョンソン・エンド・ジョンソン。そして、もっと驚くべきことは、医療機器メーカーは、上位十社のうち七社がアメリカなんです。
 アメリカが真剣になるのは当然です。高齢化していくし、この分野はもうかると。だから、国は相当力を入れているんです。それを日本は手をこまねいている。
 Hのところに戻ってください。武田、アステラス、第一三共と、十位に入っている企業が一つもない。まともな産業界で、上位十社に入っていない、一つもないなんて業界はないと思います。アメリカの特許の上に乗っかって、自分たちで研究開発もしないし、それで大衆医薬を宣伝しては売っているだけなんです。そんなことをしていていいのか。
 もっとあれなのがJで、私は、日本人は器用ですし、工夫はいろいろ働きますし、内視鏡なんかがそうですけれども、オリンパスがちょっと入っていますけれども、医療機器なんというのは日本の大得意分野で、他の追随を許さない、上位十社のうち五社は日本だ、自動車業界におけるトヨタやホンダや日産みたいなのがこの業界にこそあっていいと思うんですけれども、全然なっていないんです。厚生労働省も経産省も、全然こういうところに力を入れてきていないんじゃないですか。
 大臣、この点についてどのように思われますか。
○塩崎国務大臣 これは私どもも強く認識をしている問題点であって、要は、日本の医療産業の脆弱さというものをどう克服していくのか、では、なぜこうなっているのかということを考えなければいけないということだと思っています。
 アメリカから買うものが多いじゃないかということは、やはり産業競争力として、圧倒的に、大きな、そして強い新薬をたくさん持っている企業が米国に多いということでありますので、私どもとしては、どうやって、世界に伍していけるだけの、もちろん日本の国内で生産をできるようにするかということで、しかし、なかなか日本で上市をする薬というのはほとんどないわけです。
 オプジーボが日本で上市した珍しいものでありますが、生産が日本ではできなかったということで、米国のベンチャーにお願いし、それを今度は海外のメガファーマが買収するという形になって、せっかくの日本人の発明した、そして日本で一番目に上市をしたにもかかわらず、販売権は日本と韓国と台湾だけに日本の企業に、オリジナルの発明は日本人で、最初に開発したのも日本のメーカーでありながら、そういうことができていないという。
 そういう意味で、私たちは、医療機器にしても、あるいは医薬品産業にしても、強い企業にして、新しいものを、イノベーションの言ってみれば塊のような薬をつくる体制をどう我々はサポートできるのかということをやっておかなきゃいけないんだろうと思います。
 治験の遅さとかいろいろな問題が、ラグがあるというふうに言われていましたが、かなり解消されてきているので、そういう意味では、厚生労働省としてやるべきことはやってきていますけれども、各企業における開発のラグというのがまだまだ大きいということは、やはり企業にもっと強くなってもらわなきゃいけないので、それを、逆効果になっているような薬価制度は直そうじゃないかということで今薬価制度改革をやって、頑張らないところがゆっくり生きていけるような状態ではない、頑張らないと生きていけないというようになっているのが世の中で、世界でありますから、日本の制度としても、そのような形で、みんなが頑張ったらそれが報われるということになるようにする改革を今手がけつつあるということであります。
 いろいろありますが、そういうようなことで、我々として、やはり強い企業を育て、そしてそれらがいい薬を、日本人のためにも海外のためにもつくってもらうというふうに持っていきたいと思っております。
○篠原(孝)委員 ちょっと時間が来ているんですけれども、せっかく立派な資料を用意してきたので、見てください。八ページ。
 私は、厚生労働省は本当にいろいろな制度を考えていると思うんです。まず、高額療養費制度。あれは、うんとかかっても、ハーボニーという薬が六百八十万だ、C型肝炎のウイルスが三カ月飲んでいると消える、それはみんな飛びつきますよ。それがハーボニー、ギリアド社というところです。これが、高額療養費制度、三分の一自己負担で二百何十万払わなくちゃいけないんですけれども、お金もそんなにないし、それをちゃんと払ってくれる。優しいですよ。非常にいい制度だと思います。
 もう一つが、八ページの右側に書いている、特例市場拡大再算定というので、一千億以上。これは、理屈を聞かれたら困ると思いますね。一千億以上売り上げたのは、ちゃんともうけているはずだから、値段を下げる、このハーボニーは八万円から五万四千円になったんですね、一六年度から。これもいい制度です。
 しかし、ここに、今、日本国はそれでできるけれども、TPPに入っていたらどうなるか。インベスター・ステート・ディスピュート・セトルメント、ISDですよ。すぐこれで訴えられますよ。ギリアド社が、何だ、俺たちは、新聞広告、気がつかれますか、一面広告を年に二回も出しているんですよ、このハーボニーでやっている、これだけ営業努力をして売っているのに、何で日本国政府は勝手に薬の値段を薬価審議会で下げさせるんだと訴えられて、損害賠償されて、そして萎縮効果が生まれて、僕は、医療界はがたがたになると思いますよ。こんなことをさせちゃいけない。だから、僕は農業でTPP反対と言っているように勘違いされていますけれども、日本の制度ががたがたにされるんですよ。
 だから、厚生労働省こそ必死になって防がなければ私はいけないんじゃないかと思いますよ。いい制度なんです、これは全部。だけれども、絶対に、すぐ標的にされます。
 大臣もさんざん行っておられると思いますけれども、あのロビー活動は半端じゃないですよ、アメリカの医薬品業界の。何ですか、ロイ・ファウチさんとかいう、ちょっと日本人的雰囲気をしていて、アメリカのジョンソン・アンド・ジョンソンとかの社長が来ると、キャピトル東急でいつも盛大なレセプションを開いて、歴代大使だとか歴代厚生労働大臣とかみんな行っているでしょう。あんなのに一ドルも渡しちゃだめですよ。日本の資金をちゃんとやってもらわなくちゃ。
 はい、次。日本はだめだとおっしゃいますけれども、そんなにだめでもないんですよ。よく見るとだめなのはありますけれども、オプジーボ、一番下にありますよ。日本の小野薬品がつくったんですよ。ちゃんとバックアップすればできるんです。これはちゃんと、ぜひやっていただきたいと思います。
 TPPイレブンとかいって、また変なことをやっています。僕は絶対言っちゃいけないと思いますけれども、勝手に名前をつけている。TPPは十二カ国で決まっているのに。僕は、イレブンなんてつくのは、セブンイレブンも嫌いですし、TPPイレブンなんかもっと嫌いです。僕が好きだったのは爽やかイレブンだけです。
 以上、終わります。
    〔三ッ林委員長代理退席、委員長着席〕
○丹羽委員長 次に、井坂信彦君。
○井坂委員 民進党の井坂信彦です。
 本日は、午前中は一般質疑、また、午後は旅館業法の方で質疑をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 まず午前中は、たばこの問題、それからフリーランスの問題、時間が許せば、腎機能障害の問題、さらにはクリーニングの問題と、いろいろお伺いをしたいというふうに思います。
 まず、たばこの問題でありますけれども、WHOによる受動喫煙防止対策の評価について伺います。
 WHOは、たばこの規制に関する枠組み条約、FCTC条約というものに従って、各国の政策、対策の進みぐあいを定量的に評価しております。
 主に六項目あるんですけれども、一つはたばこの使用や予防政策のモニタリング、それから受動喫煙からの保護、これが今マスコミで、政府・与党の間でなかなか決まっていない屋内禁煙の制度の進みぐあい、それから禁煙支援、禁煙をしたいという人にどういう支援の政策を提供しているかが三つ目、それから四つ目が、警告表示であるとか、あるいはたばこの危険性の知識の普及、メディアキャンペーン、こういったものが四つ目、さらには、たばこの広告や販売促進の禁止、こういう政策をどこまで進めているか、これが五つ目、そして六つ目がたばこ税の引き上げ、どこまでたばこを高くして買いにくくしているのか、こういう六つの物差しで、各国がどこまでこのFCTC条約、たばこ規制枠組み条約に沿って一生懸命やっているかというのを評価しているわけであります。
 日本は、たばこの使用と予防政策のモニタリング、これは、レベル一、最高評価を受けております。しかし、禁煙支援それからたばこ税の引き上げ、これは一段階落ちてレベル二、それから健康被害の警告表示、これはレベル三、今問題となっている受動喫煙防止、屋内禁煙、これは最低のレベル四ということになって、塩崎厚生労働大臣は、今最低レベルのこの受動喫煙防止の法規制また屋内禁煙の推進、ここを今一生懸命、厚生労働大臣として進めていただいているというふうに思います。
 本日お伺いしたいのは、この受動喫煙防止、屋内禁煙以外にも、日本は今最低レベルであるというふうにWHOから言われてしまっていることがあります。それが、たばこの危険性に関する知識の普及、メディアキャンペーン、これも最低レベルの四というふうに評価をされている。また、たばこの広告や販売促進の禁止、この政策も全く進んでいないということで、レベル四というふうに評価をされてしまっているわけであります。
 たばこの広告や販促禁止は、これは厚生労働省の守備範囲から外れますので、本日はこちらをお伺いいたしませんが、もう一つの方を大臣にお伺いいたします。
 たばこの危険性に関する知識の普及、メディアキャンペーン、この分野に関しては現在最低のレベル四でありますけれども、大臣、これはオリンピックまでにレベル何まで上げようということで今考えておられますでしょうか。
○塩崎国務大臣 今御指摘のように、平成十六年に日本も批准をいたしております、たばこ規制に関する世界保健機関枠組条約、FCTC、ここでたばこの健康への悪影響の啓発政策を行うということが定められておりまして、言ってみれば、義務としてそういう啓発政策を行わなければいけないということでありますが、WHOは各国のマスメディアキャンペーンなどの取り組みの内容を評価しているわけで、その評価の結果が、今御指摘のように、一番下であると。
 評価は、三週間以上継続するキャンペーンが実施されていることをベースとした上で、包括的なたばこ対策の一部として実施されること、それから実施前に対象者集団を理解するための調査を実施することなど、キャンペーンが備えなければいけない八つの性質について、実際に対応している数を数えて四段階に評価をしているわけで、日本では、一定期間にわたって戦略的に国民にたばこと健康に関する情報を伝えるマスメディアキャンペーンは実施をされていないということで、三週間以上継続するキャンペーンが実施されていないという評価のもとで、四段階の最低レベルに分類をされているわけでございます。
 今後どうするんだ、こういうことでありますが、厚生労働省としては、現在、WHOの定める世界禁煙デーである五月三十一日から六月六日までの一週間を禁煙週間と定めて禁煙や受動喫煙防止について普及啓発を行っているほかに、スマート・ライフ・プロジェクトの柱の一つに禁煙を位置づけて、企業や団体などに具体的なアクションを呼びかけているわけであります。
 マスメディアキャンペーンの効果というのは、特に若い人たちの喫煙開始年齢をどう上げていくか、つまり若いときから吸わないようにするかという、その効果が大きいことは、この間、MDアンダーソンでも、そのための施策としてMDアンダーソンとしてもいろいろ研究をしていると言っていましたが、米国の公衆衛生総監報告などで指摘をされてもいるわけでありまして、諸外国の取り組みを参考にしながら、我が国がこの最低レベルから脱することができるように、さらに手だてを加えていかなければならないというふうに思っております。
 どのランクまでということでありますが、これは、全体の、受動喫煙対策も含めて、できる限り上に上げていかなきゃいけないというふうに思っております。
○井坂委員 大臣、私も、このWHOの物差しが一から十まで全てを語っているとは申しません。ただ、私も、三年前に、WHOの本部にこの厚生労働委員会の視察で行かせていただいたことがあるんですけれども、本部に行くと、今はどうなっているかわかりませんが、当時は、もう玄関に入ったらいきなり真っ正面に物すごく大きな展示物、パネルがあって、それは、たばこのことです、スモークキルスと書いてあって、たばこは人を殺すというでっかいパネルと、いろいろな政策が書かれている。
 WHOは、このたばこの問題に関しては、世界で最も力を入れて、かつ科学者を入れて専門的に取り組んでいる機関であると思いますから、やはり、そこの評価で日本は最低レベルだと言われてしまっているというのは、これは重く受けとめていただかなければいけないし、大臣御答弁いただけなかったですけれども、何とか上げていきたいと。
 何とか上げていきたいは、それは大臣、やってくださると思うんですが、やはり具体的に、オリンピックという一つの節目もあるわけでありますから、この最低レベルのたばこの危険性の普及啓発、これを、せめてレベル二まで上げるんだとか、あるいはレベル一を目指すんだとか、そういった目標をしっかり持ってやっていただかないと、いつまでたっても進まないと私は思うんです。
 もう一度、大臣、この件、今一生懸命、問題意識を持っておられることはわかりましたけれども、実際、ここの評価をしっかり上げていくんだ、どこどこまで上げていくんだというふうに、決意をお示しいただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 いろいろな手だてがあり得るわけでありますけれども、一つは、先ほど申し上げたのは、三週間という期間ですけれども、これを四週間、一カ月単位にするだけで一ランク上がる、こう言われてもいるわけでありまして、例えば、テレビやあるいはラジオを含む少なくとも七つの適切なキャンペーンの実施の場合、これはレベル一、それから五から六の適切なキャンペーンの実施の場合、つまり、七つ、五つか六つ、あるいは一から四、こういうようなことで、テレビやラジオに関しても、これは努力がまだまだ足りないというふうに思っています。
 これは、いずれにしても、御指摘のように、ワールドカップもあり、そして明示的にIOCとWHOの合意のあるオリンピック・パラリンピックは二〇二〇年に待ったなしに来るわけでありますので、このマスメディアキャンペーンで啓発をやることについても、しっかりやらなきゃいけませんし、オリンピックまでに、自発的にも皆さん方に受動喫煙対策をやっていただくために、こうしたことをさらに力を入れていかなければいけないと思いますので、テレビ、ラジオを含めて、私どもとしても、働きかけをさらに強くしていかなければならないのではないかということを考えながら、今、法律でなくてできることが多いわけでありますので、それを私どもとしては最大限やっていかなきゃいけないというふうに考えております。
○井坂委員 ぜひ、期限も明確に区切られていて、なおかつ物差しもはっきりしているものでありますから、段階的に政府としてランクを上げていくということをやっていただきたいと思います。
 あわせて、たばこの自販機のことについても伺います。
 これは読売新聞ですけれども、たばこの自販機禁止、賛成が七割、こういう記事であります。国立がん研究センターが五月の三十一日に発表したアンケート結果で、成人二千人と、それから十六から十九歳の未成年者四百人にアンケートを行った結果、たばこの自販機や陳列販売は購入を促す広告に当たるとして禁じている国もある中で、日本でも設置を禁じるべきかどうかと尋ねたところ、四一%が自販機の設置は禁じるべきだ、賛成だ、そして二七%も、どちらかというと禁じるべきだ、賛成だ、合わせて約七割がたばこの自販機の設置そのものに、禁止すべき、禁止に賛成、こういうアンケート結果でありました。
 さらには、学校周辺や駅前など未成年者の利用が多い店舗での販売は、これも成人の六八%、また未成年者の七九%が禁止に賛成だ、こういうアンケート結果でもありました。
 自販機の設置あるいはたばこの宣伝、販売促進、これは直接厚生労働省の管轄ではもちろんありませんけれども、たばこ対策、大臣も先ほど答弁をいただきましたが、この記事を聞かれて、国民の七割が販売機の設置禁止に賛成、そして同じく七割が学校周辺や駅前では店舗販売も禁止に賛成、こういうアンケート結果。そして、先ほどのWHOの評価基準では、まさにこの部分が日本は最低レベルの四となってしまっていることについて、大臣、何か対策が必要だというふうには思われませんでしょうか。
○塩崎国務大臣 今お示しをいただいた幾つかの数字で明らかなように、一般の方々、今八割以上の方々がたばこを吸わないわけでありますから、そういった方々を中心に、自販機は禁止すべき、どちらかというと禁止すべき、合計で七割、そして、自販機をよく目にする、あるいは時々目にするとか大変よく目にする、これも合わせて七割以上の方々がそう答えているわけで、これは当然、さっき申し上げたように、MDアンダーソンがんセンターの先生方も何人か、複数の方が私どもに説明をしてくれましたが、未成年者がたばこを目にする状態となっていることが問題で、そういうリスク、ですから、テレビコマーシャルも同じことであって、我が国の場合には、堂々と喫煙ルームがテレビで流れるというJTの、ほかの国ではあり得ないようなことが堂々と行われる国だということは、極めて恥ずかしい話だと私は思っています。
 したがって、おまけに、FCTC、この枠組み条約を国会で批准している、その中に、第十三条に、実施のためのガイドラインの中で、たばこの自動販売機はその存在自体が広告または販売促進の方法に相当する、これを禁止することが推奨されている。この条約を国会として批准しているにもかかわらず、こういうことが守られていないということなので、私ども厚生労働省としては、健康に責任を負っている、命に責任を負っている役所でありますので、改めて、所管官庁でございます財務省に対して強く要請をしてまいりたいというふうに思います。
○井坂委員 まさに国会が批准した条約ということで、その内容は非常に厳しい、今の日本の現状から見れば非常にハードルの高い状況であります。しかし、今回、共謀罪も条約批准を理由に物すごい勢いで強行に進められている反面、やはり我々立法府は、既にもう批准しているこの条約は、物差しもはっきりしているわけでありますから、きちんと守っていかなければいけないというふうに思うわけであります。
 続きまして、今、政府・与党の間でなかなか意見がまとまらない屋内禁煙ルールについて伺います。
 こちらの方もWHOは数値で物差しをつくっておりまして、全部で八種類の建物を並べて、一つは医療施設、二つ目が大学以外の教育施設、三つ目が大学、そして四つ目が行政機関、役所、五つ目がその他のオフィス、六つ目が主に食事を提供するレストラン、七つ目が主に飲み物を提供するカフェやバー、そして八つ目がバス、タクシー、鉄道、船などの公共交通機関。この八種類を屋内禁煙に、八カテゴリーをどこまで禁煙しているのか、こういう物差しでWHOは各国のこの規制の進みぐあいを評価しているわけであります。
 厚生労働省案は、現状、八つのうち四つを屋内禁煙にしている。厚生労働省案も、これまでの何でもありの日本の現状に比べたら非常に厳しいなという意見も一方である中で、それでも八分の四、やっとWHOの基準を満たしている、こういう状況です。
 残りの四つ、何が残っているかというと、オフィスです、それからレストラン、さらには飲み物を提供するカフェやバー、そして公共交通機関。この四つに関しては、WHOの評価で見れば、厚生労働省案であってもまだまだだという評価になってしまうわけであります。
 そこで、大臣にお伺いしますが、特にこの残りの四つの中で、公共交通機関、これは、バス、タクシー、それから鉄道、船のうち、日本は既にバス、タクシーは車内禁煙になっている。ところが、鉄道と船は、原則禁煙にはなっているわけですけれども、喫煙専用室というのが設置をされている部分が本当にごく一部あるがゆえに、日本はここもまだまだだという評価に残念ながらなってしまっているわけです。
 そこで参考人にお伺いいたしますが、いまだ鉄道や船で喫煙専用室は設置してもよいですよというふうにしなければいけない理由は何でしょうか。
○福島(靖)政府参考人 お答えいたします。
 厚生労働省の「基本的な考え方の案」では、原則として屋内では喫煙禁止としておりますけれども、施設や乗り物の性質を考慮して、船舶や鉄道などは喫煙専用室の設置を認めておるところでございます。
 船舶や鉄道については、喫煙のために途中で下船、下車することが困難であることなどの特殊事情があり得ることや、政府の受動喫煙防止対策強化検討チームのもとに設置されたワーキンググループで行ったヒアリングでの御意見などを踏まえて、今回の案としては、船舶や鉄道における喫煙者の利用が過度に制約されることにならないよう、例外的に喫煙専用室を設置することを認めているものでございます。
○井坂委員 長距離で、途中でおりたりして吸うことができないからである、こういう答弁でありました。
 確かに、たばこを吸う方の気持ちに寄り添えば、それはなるべくたくさん吸えるようにした方がいいという発想になるんだというふうに思いますが、大臣にお伺いしたいのは、厚生労働省が本当にこれでよいのかということであります。いろいろな立場はあると思います。財務省は別の考えがあると思います。
 しかし、大臣、今、建物内の禁煙に関しては本当に力を入れてやって、発信をしてくださっているというふうに思いますが、一方で、もうあとちょっとの、本当に一部の列車、一部の船、ここに、本当にもう数部屋あるかないかの喫煙専用室、ここだけがひっかかって、このカテゴリーはだめですね、総合的には今レベル四、頑張ってもレベル三どまりですね、こういうことになってしまっている。
 これは、大臣、もう少しこちらも力を入れて強力に進めていただいた方がいいのではないかなというふうに思うんですが、いかがですか。
○塩崎国務大臣 さっき申し上げたように、これは官邸に、政府の受動喫煙防止対策強化検討チームというのがあって、これは杉田副長官がトップでありますが、そのもとで、ワーキンググループでいろいろヒアリングをずっとやってきて、今回の案としてはと今答弁したように、関係各省でそういう結論になっているということであります。
 私ども、健康に責任のある、あるいは命を守るという意味においては、これはもう言ってみれば、屋内は禁煙というのが一番望ましいというふうに思いますので、あるべき姿としてはそうだろうと思いますが、次善の策として、今回の案は原則車内禁煙ということでいっている。
 しかし、国際便の飛行機に乗って十三時間ぐらい平気で皆さんお吸いにならないで、それで亡くなったという話は聞いたことがないですから、全然問題はないんだろうというふうに私は思います。
○井坂委員 今、委員長が苦笑いをしておられましたけれども、確かに、私も、身の回りにたばこを吸う方はたくさんいらっしゃいますので、吸う方の吸いたいという気持ちも一定わかるんです。ただ、ここはやはり厚生労働委員会で、おっしゃるように、国民の健康、吸う人の健康、またその周りの人の健康もいかに守り高めていくかという場でありますから、ぜひ、このカテゴリー八となっている公共交通機関、日本はあとちょっとですから、一部の電車と一部の船の、しかも本当に狭い狭い喫煙専用室をどうするかという問題になっておりますので、進めていただきたいというふうに思います。
 一方で、日本は特殊事情があって、確かに、たばこを吸いたい方が外国よりも吸いにくいという場所があります。それは屋外。
 屋外は、外国は割とどこでも吸える国が多いようでありますけれども、日本の場合は、自治体中心に、たばこのポイ捨て、主に美観の問題であったり、あるいは、たばこを火をついたまま持って歩いて、それが子供にすれ違いざまに顔に当たると危ないということで、歩きたばこの禁止、こういった理由で屋外の禁煙ルールが諸外国より先に発展をしてしまっている特殊な事情もございます。
 そこで大臣に伺いますけれども、屋内は、大臣さっきおっしゃったように、やはり原則なるべく禁煙にしていくのが健康上ふさわしいという答弁でありました。一方で、日本でただそれを進めてしまうと、今度は、外も禁止、中も禁止、どこで吸えっちゅうねん、こういう意見も一部で聞かれるわけです、委員長も今大きくうなずいておられましたけれども。
 私、ここは、大臣、ぜひ見解を伺いたいんですが、このWHOのたばこ規制に関する枠組み条約に従って、屋内禁煙は進めていく、また公共交通機関の禁煙も進めていく、一方で、日本が諸外国より規制の強い屋外規制については見直しも考えなければいけないなと大臣は思っておられるかどうか、お伺いをしたいと思います。
○塩崎国務大臣 これは、よく、中もだめで、だけれども、塩崎さん、日本は外もだめじゃないか、それではどこで吸ったらいいんだ、こう言われることが時々あります。
 そこで、我々、いわゆる条例で規制をしているわけでありますが、どういう条例になっているのかということを全部調べてみました。
 千七百四十一の自治体のうちの二百四十三で条例がございまして、約一割でありますが、条例によって何らかの形で規制をしているわけでありますけれども、条例の具体的な内容を確認いたしますと、結論から言いますと、屋外で全く喫煙ができないという市町村はないというのが私たちの調べでございます。
 例えば、この二百四十三のうち、歩きたばこを禁止というのは百二十九あります。これは、とまって吸えばいいのであって、歩かないということが大事なところだと思います。それから、携帯灰皿があれば喫煙可というのが九十六あります。それから、灰皿がある場所または私有地での喫煙可というのが百六十二、こういう分類になっているわけであります。
 実は、私ども、厚労省のホームページに、港区は公道に面した私有地では吸えないという分類にして表示をしていたら、苦情が港区から参りまして、そんなことはない、吸えるんだということなので、訂正をさせていただきました。
 事ほどさように、全く屋外で喫煙ができないという市町村はないというのが実際のところでありますので、そうなると、仮に厚生労働省として、受動喫煙による健康影響、これは健康影響のために受動喫煙対策をやるのが厚生労働省、ほかのところは、景観とか、あるいは子供に危険だとか他人に危険だとか、そういうような、それぞれの目的を持って条例を定められているので、屋内での対策を徹底すべきと、我々は健康影響ですから、考えていますけれども、今後、市町村に対して、今回強化しようとしている対策の私どもの趣旨あるいは内容を丁寧に御説明をして、それと、言ってみれば、調和のとれた形で、景観も含め、そして危険性も除去するという目的も含め、対応をとっていただくように丁寧にお願いをしていかなければいけないんじゃないかというふうに考えております。
○井坂委員 ありがとうございます。
 私も、たばこがどこでも吸えないというような地域ができてしまうのは行き過ぎだというふうに思います。
 ただ、一方で、厚生労働委員として、たばこの煙がもくもくの閉鎖空間というものは、私はやはり日本からなくしていきたいというふうに思っておりますので、ぜひ、その方向で、実効性のある、またWHOにもしっかり認めてもらえる政策の速やかな展開をよろしくお願いいたします。
 続きまして、フリーランスという新しい働き方、仕事の仕方についてお伺いをいたします。
 ことし二〇一七年はフリーランス元年とも呼ばれておりまして、経済産業省は、雇用関係によらない働き方研究会というものを昨年末に立ち上げて議論もしておられます。しかし、その問題意識というのは、人口減少、技術革新で産業構造が大きく変化する中で、雇用関係を前提とした働き方だけでは働き手も企業も競争力を低下させるおそれがある、こういういかにも経済産業省的な問題意識でこのフリーランスの議論をやっているわけであります。
 一方で、イギリスやドイツは、会社と雇用契約を結んで普通に雇われている、いわゆる我々が言う普通の労働者とはまた別に、労働者に準ずる者というような新しいカテゴリーをつくって、最低賃金や労働時間、また職業訓練や労災補償など、労働者ほど手厚い保護ではもちろんありませんが、しかし、最低限の保護制度というものがつくられております。
 この労働者に準ずる者、いわゆる準労働者として最低限の保護をするかどうかの分かれ目というのは、いわゆるフリーランス、自営業の方が、特定の企業からほとんどの仕事を受注しているかどうか、ある一社に強く依存をしているかどうかというところで主に線引きをされているようです。
 例えば、お客さんが何百人、何千人もいる町の八百屋さん、これは別に、あるお客さんが怒って来なくなってしまっても売り上げが特に下がるわけではありませんから、普通のいわゆる自営業。あるいは、何十社もの企業顧問をしているような税理士さん、これも普通の自営業だと思います。
 一方で、ある企業だけから受注しているデザイナーさん、こうなってくると、そのデザイナーさんは年じゅうその企業の仕事ばかりをしている、フリーランス、自営業ですけれども、その企業の発注ばかりでいつもいろいろなもの、絵を描いている。その企業から発注がなくなった途端に仕事のほとんどを失ってしまうということで、雇用関係に近い、強い上下関係が生じるわけであります。
 この上下関係の結果、異常に安い金額での発注、また異常に短い納期での発注、いわゆるむちゃぶり、それから、その結果としての長時間労働や低収入、こういう問題が既に一部出始めております。
 そこで、大臣にお伺いいたしますが、特定企業から大半の仕事を受注するデザイナーさんであったり、あるいはコンビニの店長さんであったり、こういう特定の企業に対する従属性の強い自営業者やフリーランスについては、労働者に準ずる者として別途最低限の保護が必要ではないでしょうか、お伺いいたします。
○塩崎国務大臣 今お話しのあったように、今回の働き方改革実行計画の中では雇用類似の働き方という言葉を使っていますが、フリーランス、自営業者の表現で今お尋ねをいただきましたけれども、基本的に労働関係法令の適用を受けないけれども、契約形態にかかわらず、実態として労働関係法令上の労働者であれば労働関係法令が適用されるということでありますけれども、一方で、そもそも雇用契約がないという働き方、これについては、従来の自営業者だけではなくて、最近、クラウドソーシングが普及する中で、発注事業者から直接受注するだけでなくて、クラウドソーシング事業者等の仲介事業者を通じた仕事の機会が拡大をしておって、契約形態とか仕事の内容も多様化をしているので、私どもとしては、この検討会を立ち上げて、雇用契約によらない働き方のまず実態をきわめるということ、それから、現にそのような働き方を実際にやっていらっしゃる方々の御意見や、こういうことに詳しい専門家を集めて検討会をやっていくことにしています。
 今お尋ねの、非常に依存度が高い発注者からのお仕事をされている場合の問題についてお話がございましたが、この検討会の中で、当然、その問題を含め、どういうふうにして働く方々の、弱い立場の場合にこれを守るかということはとても大事なことでありますので、失業保険に至るまで、さまざまな保護する可能性についても議論をしていただこうと思っています。
 その上で、就業条件の確保とか契約の適正化というものを図るための必要な事項は一体何なのか、それを徹底することによって、どうやって、一つの、大半の仕事を依存している発注者の、言ってみれば圧倒的な強さで不利な条件を押しつけられることをどう排除するのかといったようなことについて、セーフティーネットのあり方などの問題について整理をしていかなきゃいけないと思っております。
 法的保護の必要性ということも含めて、必要となる支援を、あらゆることを考えて、しっかりと新しい働き方に対応する、しかし、その中にあって、今お話しのように、力関係で弱い立場の方々にどう保護の枠組みを提供できるのかということについて、よく考えていきたいというふうに考えております。
○井坂委員 私は、今ちょうど、このフリーランスに関する法律が全くないので、議員立法で、いろいろと幅広く法律を検討してつくっているところなんですが、確かに難しい部分があって、余りやり過ぎると、せっかく自営業で自由にお客さんを選んで、自由に契約をして、極端な話、嫌なお客さんの仕事は受けない、こういうこともできるはずなのに、縛りが強いと、何かフリーランスのよさが損なわれる。これは実際、現場からもそういう御意見もいただきながら、やっております。
 ただ、一方で、先ほどお話ししたように、ほぼほぼ一社から受注をしていて、自分が仕事をしている時間も大半はその会社の仕事、年じゅうその会社のための仕事というフリーランスは、これはやはり少し様子が違うだろう、そこを切られたら本当に失業してしまうわけですし。
 あるいは、ここの仕組みがないまま、フリーランス元年とかいってフリーランスの人をどんどんふやすと何が起こるかといえば、企業はそのうち、もう自社でデザイナーは雇いません、全部フリーランスのデザイナーに発注して、気に入ったデザイナーがいても雇わない、常にこことべったべたに仕事をして、でも、何にも会社はこの人に対してやらなければいいから、会社としてはすごく楽な雇い方というか、雇わずに仕事だけさせるみたいな働かせ方が横行しかねないというふうに思いますので、やはり最低限の保護制度が必要だというふうに思います。
 時間がないのであと一点だけにしますが、こういう発想の法律は既にあって、家内労働法、昭和四十五年につくられて、平成十三年に最終改正されておりますが、これはまさに、いわゆる傘張り職人さんのような、おうちで企業から発注を受けて作業する、ここが搾取をされないように、最低工賃が決まっていたり、工賃の支払い期日が決まっていたり、あるいは、給与台帳にかわる家内労働手帳みたいなものが発注側に義務づけられたり、こういうルールはあるわけです。
 こういった発想で、このフリーランスにも何らかの最低限の保護が私は必要だというふうに思っておりますが、ちょっときょうは、あと一点、ここを飛ばして、フリーランスの能力開発。能力開発の機会も非常に限られてくる。日本の職業訓練制度は主に雇用保険を財源にしておりますから、現に会社に雇われて雇用保険料を払っている方か、あるいは、今失業しているけれども、職業訓練を受けてちゃんと会社に入って後々雇用保険を払ってくれる人が、主にこの職業訓練の対象になっているわけであります。
 今後、雇用関係によらないフリーランスのような働き方がふえてくるのであれば、当然、職業訓練の対象も広げるべきだというふうに思いますが、大臣、最後に一点だけ、フリーランスも職業訓練を受けられるような制度が必要ではないでしょうか、お伺いいたします。
○塩崎国務大臣 雇用保険で賄われている公的職業訓練とか教育訓練給付、これはいずれも、いわゆる働く方の再就職などの雇用の安定のために主に雇用保険を財源として運営をしているわけでありますので、雇用関係に基づいて雇用保険が適用されている方で在職中の方とか離職をした方、今度、リカレント教育も四年を十年にしますが、そういうような方々が対象となって、雇用関係のないフリーランスの方々は今対象になっていないわけでありますし、公的職業訓練についても、フリーランスで働く方は希望されても対象となっていないという問題があります。
 そこで、やはり能力アップというのはあらゆる働く人に大事なことでありますので、先ほど申し上げた検討会の中で、フリーランス等の雇用関係によらない働き方に関する制度的な検討を行う中で、どういうキャリアアップ、あるいはキャパシティービルディングを支援できるのかということはしっかり議論していかなければならないし、そういう働き方を多様な働き方として歓迎する以上は、その人たちの能力アップに資する支援策というのはあってしかるべきだろうと思いますので、そういうことが、何ができ、財源は何にすることが一番皆さんに納得いただけるのかということを考えなければいけないというふうに考えておりますので、しっかり検討したいと思います。
○井坂委員 ありがとうございます。時間が来たので、終わります。
 また、午後、よろしくお願いいたします。
     ――――◇―――――
○丹羽委員長 次に、内閣提出、旅館業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、参考人として日本放送協会理事松原洋一君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として内閣府規制改革推進室次長福島章君、地方創生推進事務局次長川上尚貴君、消防庁審議官猿渡知之君、法務省大臣官房審議官金子修君、厚生労働省医政局長神田裕二君、医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部長北島智子君、労働基準局長山越敬一君、国土交通省大臣官房建設流通政策審議官海堀安喜君、大臣官房審議官伊藤明子君、観光庁次長蝦名邦晴君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○丹羽委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中英之君。
○田中(英)委員 自由民主党の田中英之でございます。
 旅館業法の一部改正、この法律案の審議がこれから始まるわけであります。改めて、機会をお与えいただきまして、ありがとうございます。
 この間、旅館業法の一部改正、また、従前、もう先に国交委員会なんかで御審議をいただきました住宅宿泊事業法案、これは一つセットで考えていくものであるということで、今回は、できればこの旅館業法の一部改正において、しっかりと届け出のないようなところに関しては浮き彫りにして、しっかり策を講じていけるようにしていこうということであろうかと思います。
 限られた時間でありますので、早速お伺いしたいわけでありますけれども、この間、いろいろと、地域、地元でも、旅館業に携わる方々やまた賃貸業に携わる方、それぞれの立場のお話を聞かせていただいてまいりました。
 そんな中で、特に旅館業の方々がおっしゃっていたのは、その事業ができる地域も限られているし、また、いろいろな手続上の問題で大変であるということから、公平感に欠けますねというようなこともお伺いしたわけでありますけれども、今回は民泊新法というところで、一定、届け出等をするということ等でルールができるようになるということになりますが、一方で、旅館業法は知事さんに許可をいただくということ、そしてこの民泊新法の方でされるさまざまな事業というものは、届け出また登録、こういった形で一定認識ができるようにするということでありますけれども、この旅館業法とまた民泊新法でそれぞれ宿泊の施設となるところの許可と届け出、なぜこのような形を分けられたかということを一点お伺いしたい。
 それと、この二つの、新法とそれから旅館業法によって、一定、宿泊をされる施設というのは許可や届け出ということで把握ができるような環境になったのだろうというふうに思いますけれども、全てそういった宿泊と言われる施設が認識できるようになったか。
 この二点、お伺いしたいと思います。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
 いわゆる民泊につきましては、現状では旅館業法の規制が必ずしも遵守されないまま実態が先行しており、住宅宿泊事業法案におきましては、まずは匿名性を排除するということのために、住宅宿泊事業を行おうとする者に対して、届け出をしなければならないとしたところでございます。
 その一方で、住宅宿泊事業者に対しましては、衛生確保措置のほか、安全確保のため、住宅宿泊事業者に、非常用照明器具の設置、避難経路の表示など、許可制である旅館業と同等の措置を義務づけております。
 また、近隣住民とのトラブルの解消につきましては、住宅宿泊事業者に、標識の掲示や周辺地域における生活環境の悪化の防止についての宿泊者に対する説明義務、近隣住民からの苦情等への対応等の措置を講じることを義務づけることとしております。
 さらに、必要に応じまして、立入検査、報告徴収を行い、業務改善命令や業務停止命令を行うなど、是正措置をとることとしております。
 このような形で、届け出制としつつも、十分な措置を講じることで、住宅宿泊事業の適正な運営を図ってまいりたいと考えております。
○田中(英)委員 今は、許可と届け出のなぜ違うのかというところの答弁だと思いますけれども、それによって、もう一つ聞いたのは、全ての宿泊されるそういった施設が把握できるようになっているのかということ、このことについて御答弁願えますか。
○北島政府参考人 お答えいたします。
 人を業として宿泊させる施設は、原則として旅館業法の許可が必要でございます。ただ、今回のいわゆる民泊の住宅宿泊事業法案がお認めいただけますと、そこの登録をした施設に関しましては旅館業法の適用除外となるということで、それは、民泊は民泊として届け出で把握、そして旅館業法は許認可で把握、そしてそのほかの特区民泊は条例で定めておりますので、そういった形での把握ということで、業として宿泊をされる施設については網羅的に把握ができる仕組みになると考えております。
○田中(英)委員 まず一点目の部分、届け出と許可の部分に関しては、届け出であっても、今まで問題になってきたトラブルを回避する部分であったりいろいろと措置を講じていかなければならない部分で、一定、今までこれぐらいの差があったのがこうなってきているというところで、双方の事業をされるところからすると近くなってきたということであろうかと思いますので、公平性に関しては少し近づいてきているのかなというふうに思います。
 もう一点の、全て網羅的にということでございました。確かに、そうなんだろうというふうに思います。
 ただ、宿泊という施設の定義というものも当然ありまして、寝具があるのかとか宿泊料をもらうのか、こういった定義があるわけでありますけれども、それ以外でも、恐らく、この二つの法律案がしっかりと審議をされて可決した後、どのようにしていくかということが大切だというふうに思うところが、例えばインターネットカフェとか漫画喫茶とか、こういったところでも実際のところは二十四時間やっているようなところもありますし、いろいろと法律のたてつけが違うような、二十四時間のサウナなんかもあるわけであります。
 そういうところでは、周辺住民の皆さんとのトラブルというのはそんなに起こることがないのかもわかりませんけれども、衛生上の問題なんかではいろいろと考えを持っておいていただかなければならない点もあろうかと思います。
 網羅的に一定わかるようにはなったということでありますけれども、その他、類似するようなところが出てくる可能性もありますので、その後のところも、そういったところも見越してお考えをいただいておきたいなというふうに思いますので、お願いしておきたいと思います。
 さて、今回のこの旅館業法の一部改正でございますけれども、ホテルと旅館の営業の種別というものを統合するということでありました。そういった意味では、いろいろなニーズがあるからということもあるかと思いますけれども、単純に、統合されたという、その理由を簡潔にお答えいただいたら結構ですので、お願いします。
○北島政府参考人 お答えいたします。
 旅館営業やホテル営業は、これまで、和風や洋風といった様式の違いで構造設備要件が異なっているなど、旅館業の実態と規制の必要性との乖離が指摘されておりました。
 そこで、ホテル営業と旅館営業の営業種別を統合することで、和風、洋風といった様式の違いによる規制を撤廃いたしまして、利用者の多様なニーズに応えていくこととしておりますが、あわせて、政令等においても、最低客室数や寝具の種類、客室の境の種類など、規制撤廃等の大幅な規制緩和を図ることとしております。
 これによりまして、例えば客室数を限定した高級旅館や、布団を備えた洋室等を設けることができるようになるなど、営業者がより消費者のニーズに対応した宿泊サービスの提供が可能になると考えております。
○田中(英)委員 多様なニーズに応えるということと、一方では、これまでからちょっと規制が結構厳しかったといいますか、項目がやはり多いということもあったので、そういったそれぞれの項目を、この法律が通ってから詳細については決めていかれるということでありますけれども、事業をするに至って、本当に、できるだけ安全であって、安心であって、衛生的である、こういったことは守らなければならないですけれども、手続上とか、いろいろと事業をされていく中で、ハードルの極度に高いようなものというものは整理をしていただいて、先ほどの民泊の部分とのバランスというものをやはり少し考えておいていただきたいなというふうに思いましたので、お伺いしました。
 また、今回の一部改正法案では、都道府県等において報告を徴収したり、また、立入検査等を行うということができるようになると思います。
 実態、今、法律があるないにかかわらず、いろいろな苦情等々があって、自治体なんかが調査に見に行ったりしたりするのにかなりの労力があるというのが現実にあります。また、旅館業法上のそういった施設だけでも、いろいろと調査をしたり、いろいろなお話を聞いたりするだけでも、実は京都市なんかでもたくさんありますけれども、この民泊と言われるものの分類が入ってくることによって、ひょっとしたら業務が三倍ぐらいになってくるんじゃないかということが言われています。
 そこで、自治体に対してどのような支援をお考えいただいているか、このことをお伺いします。
○北島政府参考人 お答えいたします。
 旅館業を無許可で営業する者に対しましては、地方自治体の保健所が指導監督を実施しておりまして、住宅宿泊事業法案成立後の違法民泊の実態等を踏まえて、地方自治体や関係省庁と連携しながら、保健所の体制整備について具体的に検討してまいりたいと考えております。
○田中(英)委員 細かい部分がまだ決まっていないということでありますけれども、恐らく負担、これは予算的な部分もあると思いますし、やはり人の部分があると思いますので、しっかりとそこは検討いただきたい、このように思います。
 その次に、今回、罰金の引き上げということでございました。三万円から百万円、二万円から五十万円以下ということでありますが、果たしてこれで実態として届け出をみんなやってくれるのかというところが、私自身は少し首をかしげるというか、疑問を感じるところはありますけれども、この点についてどのように考えておられますか。
○北島政府参考人 検討する中でも、いろいろな方々から、できるだけ高くしないとこの違法民泊を取り締まれないのではないかという御指摘をいただいてまいりましたが、無許可営業者に対する罰金の上限額は、他法令との均衡などがございまして、現行の三万円から百万円へ最大限引き上げるものでございまして、御理解をいただきたいと考えております。
 一方では、無許可営業者に対しましては、この罰金引き上げの上に、都道府県知事が報告徴収や立入検査を行う権限を創設したり、また、違法民泊の実態把握や、警察、自治体と連携して取り締まりを強化しておりまして、これらの政策を総合的に取り組むことで、実効性を担保してまいりたいと考えております。
○田中(英)委員 今おっしゃったように、その地域では警察等との連携で実効性を上げていく、これは実際に今もやっておられるところでありますし、これからこの法律案ができても、当然ながらやることだと思うんです。
 実際、やはり罰金を取ることが目的ではないので、わかるんですけれども、ただ、実効性があるかないかというところを重点的に考えた際に、この金額で果たしてみんながみんな届け出をしてくれるかというのは難しい部分があるんじゃないかなと思いますので、今回、この額で定めていただくということでありますけれども、仮に実効性がないような場合には、やはり再検討いただくような必要があるのかなと思います。そういったことも念頭に置いていただきたいなと思っておりますので、お願いしておきます。
 今回、旅館業法上のホテルや旅館等々という施設と、それから、資産活用云々ということもあって、マンションの一室を宿泊業として、民泊に利活用していくということは、今の社会情勢上、望まれているというか、必要とされている部分でありますけれども、これまでから業をやってこられた旅館、ホテルの関係の皆さんの仕事も、ある一定、守る必要がやはりあると思うんです。
 そういった意味では、共存をさせていくということが、これから二〇二〇年に向けて、オリンピック・パラリンピックがあるわけでありますけれども、ますます外国人の観光の方々、四千万人を目標にしようとしていることでありますから、やはり共存をどのようにさせていくかということを考えていただかなければならないと思いますけれども、共存させていくために、行政としてお考えになっていること、また事業者の皆さんにもお考えいただいておきたいようなことがあれば、御答弁願いたいと思います。
○北島政府参考人 お答えいたします。
 住宅宿泊事業の制度化に当たりましては、既存の旅館、ホテルとのイコールフッティングに配慮することが重要と考えておりまして、関係団体からの要望を踏まえまして、今回、法案を提出させていただいたものでございます。
 今般の旅館業法の改正では、ホテル営業、旅館営業の営業種別を統合することで、利用者の多様なニーズに応えていくものでございますけれども、あわせまして、政令等においても、最低客室数や寝具の種類など、大幅な規制緩和を図ることとしております。
 さらに、観光庁におきましては、旅館の空き室情報の外国人への提供や、インバウンドの受け入れ環境整備として、WiFiの設置やトイレの洋式化等の支援等も行っていると伺っております。
 これらの措置によりまして、旅館業法の適用を受ける既存の旅館、ホテルの振興についても十分配慮していきたいと考えております。
○田中(英)委員 時間が参りましたので終わりますけれども、実は、いろいろとまだ心配されることはいっぱいあると思うんです。
 新たな宿泊ができると言われるような施設が出てくるんやないかということであったり、また、外国の事業者なんかにこの届け出をしてもらわなかったときに、果たしてどのようにしてアプローチしていくのかということ等々、また、違反されたところが、旅館業法上は三年という、参加できないことはありますけれども、そういったところに再参入をしてくる、余りにも繰り返すようなところ、こういったところをどのような形で取り締まっていくか、こういう課題はたくさんあると思いますので、この二つの法律がしっかりと審議されて可決された際、後の、観光とあわせて、この宿泊というものに関するお考えをいただいておくことをお願いして、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、伊佐進一君。
○伊佐委員 公明党の伊佐進一です。
 本日も質問の機会をいただきまして、委員の皆様に御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
 私は、国土交通委員会にも現在所属をしておりまして、そこで民泊法案について審議させていただきました。厚生労働委員会の委員の方々でも何人か遠征されて質疑をされまして、その中で幾つか、争点といいますか論点といいますか、そういうところも議論していただいておりましたので、その点について中心に質問させていただきたいと思います。
 まず、今回の民泊新法と旅館業法、ここを考える際に、私は、二つの観点が大事だというふうに思っています。
 一つは、現在ある違法あるいは悪質な事業者がしっかりと取り締まれるようなものになっているかどうか。これがまず一点、大事な観点だと思います。
 二点目は、規制の中身です。規制の中身が現実的で合理的なものになっているかどうか。これは、法律上というよりも、どちらかといえば、これから省令やガイドライン、こういうところでより具体的なものを書き込んでいくというたてつけになっておりますが、その規制の中身についても、二つの違う方向からのアプローチというのがございます。
 一つは、今、現に旅館業やホテル業をされている方々、こういう方々から見れば、特に、今回、民泊では、不在型と言われる、家主がいない、こういう民泊については、ビジネスじゃないか、同じように仕事をビジネスとしてやるのに、片や規制が緩くて、片や許可をとって厳しい規制になっている、不公平じゃないか、同じような規制にすべきじゃないか、こういうアプローチがあるのと同時に、今、民泊をされている、家主が居住型で一緒にいて、そこに泊めている、こういう方々からすれば、家主がいないところ、本当に単に貸しているところとは、例えば、現に今、我々は住んでいるわけですから、そこで生活をしているわけですから、安全の基準やさまざまな衛生基準というのは同じじゃ困る、今、我々の生活は現にできているんだ、こういう観点、この二つのアプローチがあって、この中でどういう規制をつくっていくかというのが大事だというふうに思っています。
 そういう観点で、まず、では、その一点目の観点を副大臣に質問させていただきます。
 違法の事業者に対して、今回、民泊新法と旅館業法があるわけですが、これがどういう位置づけで、どういう役割分担で取り締まりが強化されるのかということについて伺いたいと思います。
○古屋副大臣 伊佐委員から、民泊新法と旅館業法の位置づけ、役割分担について御質問いただきました。
 住宅宿泊事業法におきましては、住宅宿泊事業の適正な取り締まりを行うために、玄関等の標識の表示を義務づけて違法なものを峻別するとともに、観光庁においてワンストップの苦情窓口を設置することを検討しておりまして、これらの措置を通じて、無許可営業者のより正確な把握が可能となると考えているところでございます。
 また、一方の旅館業法改正案では、無許可営業者に対する立ち入り権限の付与のほか、罰金の大幅な引き上げを盛り込んでおりまして、これらの措置を総合的に講じていくことによりまして、無許可営業の取り締まりの実効性をしっかりと確保してまいりたいと考えております。
○伊佐委員 まず、民泊新法の方では、今まで網がかかっていないところをしっかりと網をかけていく、そして、闇の事業者の部分と合法的なところとをしっかり峻別していく、その上で、登録していない民泊をやっているところについては罰則を強化して取り締まっていく。そういう意味では、両者が相まって強化されていくんだというふうに理解をしております。
 国交委員会でも少し議論があったのは、いや、今やることは民泊新法じゃなくて取り締まりを強化、徹底することなんだというような委員の質問もございましたが、これはまさしく両者が相まって、今回の法律で取り締まりを強化していくんだということだと理解をしております。
 次は、二点目の観点、規制の中身についてなんですが、さっき申し上げたように、許可をとって今まで営業している既存のホテル業、旅館業と、特に不在型、家主がいない、こういうところとのイコールフッティングをどうしていくか。これは片方だけより厳しい規制だと不公平じゃないかという指摘がありますが、それはどう考えればよろしいでしょうか、副大臣。
○古屋副大臣 イコールフッティングについてお尋ねをいただきました。
 住宅宿泊事業の制度化に当たりまして、既存の旅館、ホテルとのイコールフッティングに配慮することが重要だと考えておりまして、今般の旅館業法改正案は、関係団体からの規制緩和要望を踏まえたものとなっております。
 具体的には、ホテル営業と旅館営業の営業種別を統合することで、和風、洋風といった様式の違いによる規制を撤廃し、利用者の多様なニーズに応えていくものでありますけれども、あわせて、政令等におきましても、最低客室数、また寝具の種類、客室の境の種類の規制撤廃等の大幅な規制緩和を図ることといたしております。
○伊佐委員 副大臣、今の答弁は、結局、これまであった旅館業法の規制を撤廃して緩和することによって、より今の民泊、これからやろうとする民泊新法のレベルに近づけて、同じ規制の基準にするんだということでよろしいですね。
 そういう意味では、結局、今回、民泊新法も、あるいは旅館業法についても、例えば衛生基準であったりとか安全基準であったりとか、ここは全く一緒なんだ、同じだということです。
 その上で、念のため確認をさせていただきますが、国交委員会でもあったのは、パスポートによる本人確認が確実に行われる保証がないじゃないかという指摘がありました。この点は、観光庁、いかがでしょうか。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
 住宅宿泊事業法案におきましては、住宅宿泊事業者または住宅宿泊管理業者に旅館、ホテル業と同様に宿泊者名簿の備えつけの義務を課すこととしております。
 宿泊者名簿の記載に当たりましては、宿泊者の氏名、住所、職業等が実際に宿泊する者の情報と同一かつ虚偽ではないことを担保するために、旅券の提示等を求めることによりまして本人確認を行うとともに、それが対面またはそれと同等の手段で行われる必要があるということでございます。
 また、本人確認が適正に行われていない場合につきましては、業務改善命令の対象となる可能性もございますし、業務改善命令にも従わない場合には、業務停止命令または業務廃止命令の対象となる場合もございます。
 このような措置を講ずることによりまして、旅館、ホテルと同様に、住宅宿泊事業法案におきましても、宿泊者の本人確認がなされることをしっかりと担保してまいりたいと考えております。
○伊佐委員 ここも一緒だということですね。つまり、対面で手続をする必要があるということであったりとか、あるいは、海外からのゲストについてはパスポート、こういうもので本人確認をする、こうした点について、今までの旅館業法であれ、今回の民泊新法であれ、そこは全く一緒なんだということです。
 もう一個の観点を申し上げたのは、イコールフッティングはしっかりやります、その上で、家主居住型と不在型、ここのところの現実的な規制の差、これから省令、ガイドラインでどのようにつけていくかということですが、これは当然、家に現に住んでいるわけですから、現に安全に住まわれているわけですから、そこはやはり不在型と現実的な差もあるだろうというふうに思っておりますが、そうした不在型と居住型について同一の規制が適用できない部分、そういうのもあるはずなんですが、そこにどう対応するのかということについて伺いたいと思います。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
 住宅宿泊事業に関しまして、家主居住型での住宅宿泊事業者でありましても、家主不在型での住宅宿泊事業者でありましても、宿泊事業を行っているという点では同様の事業形態でございますため、基本的には、いずれの宿泊事業を行う者につきましても、同じ規制に係らしめる必要があると考えております。
 一方で、家主居住型と家主不在型とで規制に差を設けることにつきましては、家主不在型の場合には、住宅のオーナーが住宅の管理を行うことが困難でありますことから、住宅宿泊管理業者に住宅の管理を委託することとしております。
 また、例えば標識の掲示につきましては、家主不在型におきましては、住宅宿泊管理業者の連絡先を表示する一方、家主居住型においては、これを表示することまでは求めない方向でございます。
 また、宿泊者の安全の確保を図るために必要な措置につきましては、基本的には、いずれの場合も、非常用照明器具や連動型の警報装置の設置を求めることとしておりますけれども、家主居住型のうち、宿泊部分の面積が小規模なものにつきましては求めない方向で、また、消防法令の適用につきましても、基本は、旅館、ホテルと同様に、自動火災報知設備や誘導灯、消火器等の設置を求めることとしておりますが、家主居住型のうち宿泊部分の面積が小規模なものは、住宅と同様のもので足りると考えられ、その場合は住宅用火災警報器の設置のみを求める方向で検討しているところでございます。
○伊佐委員 同じ枠組みではやるけれども、現実的な差を設ける。
 さっき標識の話もされましたが、私も、民泊を今されている方に話を伺って、例えば、ある女性の方は、家にちっちゃいお子さんもいて、そういう方が標識で、今民泊をやっていますよというのと同時に、自分の連絡先、電話番号まで看板に書かなきゃいけない、これはちょっと、やはりセキュリティーの問題でも心配があるという言葉もいただいておりましたので、そういうところはしっかりと差をつけて、電話番号まで書かなくていいよとか、こういうふうな差がつけられるんだということでした。
 安全の面で避難誘導灯、自火報あるいは消火器についてもおっしゃっていただきましたが、国交委員会で一つ議論になったのは、避難誘導、例えば火災が発生したときの避難誘導、これは家主不在型であったとしてもきちんと担保されるのか。不在型あるいは居住型を含めて、きちんと担保されるのかということについて伺いたいと思います。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
 住宅宿泊事業法案におきましては、住宅宿泊事業者または住宅宿泊管理業者に対しまして、宿泊者の安全の確保のため、避難経路の表示等の措置を講じることを義務づけております。
 また、家主不在型の住宅におきましても、住宅宿泊事業を行うに当たりましては、消防法令上、自動火災報知設備や誘導灯、消火器等の設置が求められるものと承知しております。
 なお、災害時、非常時の近隣の避難場所等への宿泊者の避難誘導は重要でありますことから、宿泊者の円滑、迅速な避難が可能となりますよう、近隣の避難場所等に関する情報提供のあり方等につきましても今後検討してまいりたいと考えております。
○伊佐委員 次長、今後検討とおっしゃいましたが、例えば、普通、一般の建物であれば、消防士さんが駆けつけるまでに避難誘導する、人命救助であったりとか、努力義務がかかるはずですが、その辺の義務がどうなるかとか、あるいは、ちょっと上乗せで、さらに、何か今回、標準約款の話もあると思うんですが、そこも一言、ちょっと触れていただければ。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
 火災時には、家主には、消防法におけます応急消火義務者の対象となり、避難誘導が求められるということになります。ただ、これは努力義務でございまして、罰則規定はございません。旅館業法におきましても、安全確保義務の規定はございませんで、許可の運用でも誓約書等も求めてはおりません。
 その一方で、住宅宿泊事業者または住宅宿泊管理業者に対しまして、火災を含む災害、事件、事故から宿泊者の安全確保に努めることなどにつきましては、現行の宿泊約款に追記すること等も含めて検討してまいりたいと考えております。
○伊佐委員 通常の建物以上に、上乗せで約款もしっかりとつくっていくということでした。
 時間が来たので終わりますが、今回の民泊新法というのは、シェアリングエコノミーと今言われていますが、その中で、このシェアリングエコノミーがしっかりと制度設計できればみんなが得をするんだ、こういう社会をつくれるんだ、これを示せるかどうかができる大事な法案だというふうに、旅館業法、民泊法案だと思っております。
 皆が納得できる制度にということで、さっき田中委員の方からも、民泊と旅館業が共存できるような取り組みも重要じゃないかということをおっしゃっていただきましたが、私は、既に特区で行っている大田区の方にも行きましたが、そこでは、例えば、民泊はあるんだけれども、本人確認とか鍵の受け渡しとか説明とかというのは近くの旅館が受託してやっている、共存しているというような例もございましたので、こうした共存についてもしっかりと後押しをしていただければと私の方からもお願いを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○丹羽委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時三十四分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○丹羽委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。井坂信彦君。
○井坂委員 民進党の井坂信彦です。
 午後は、旅館業法について質疑をさせていただきます。
 いただいた資料で、無許可営業、旅館業法の営業許可を受けていなかった事案の対応状況ということで、さまざまな件数をいただいております。
 平成二十五年度には年間六十二件だった無許可営業の事案把握数が、平成二十六年度には百三十一件と二倍以上になり、平成二十七年度には一千四百十三件とさらにその十倍を超える、恐らく平成二十八年度はとんでもない件数になっているのではないだろうか、どうなんだろうかということであります。
 今回の法改正では、都道府県知事による報告徴収また立入検査の権限を定めて、そして罰金の上限を三万円から一気に百万円へ大幅に引き上げる、こういう無許可営業に対する規制、罰則の強化という内容になっております。
 そこで、大臣にお伺いいたしますが、今回の法改正で、これだけウナギ登りにふえている無許可営業の件数をどれだけ減らせるのか、あるいはどこまで減らそうと考えておられるのか、お伺いをいたします。
○塩崎国務大臣 今、数字を言っていただきましたけれども、旅館業の許可を受けていない無許可営業者、毎年、都道府県などに対して調査を行っているわけでありますけれども、直近の状況は、先ほどお話があったとおり、二十七年度調査で千四百十三件ということで、何らかの指導を実施し、または指導を継続中というのが九百八十三件あるわけであります。
 具体的な件数をお答えすることは、将来的にどうかということでありますが、なかなか難しいわけでありますけれども、住宅宿泊事業法におきまして、住宅宿泊事業の適正な取り締まりを行うために、玄関などの標識の掲示を義務づけ、違法なものを峻別するということをやりますが、さらには、観光庁において、ワンストップの苦情窓口を設置することを検討しておりまして、これらの措置を通じて無許可営業者のより正確な把握が可能となると考えているところでございます。
 さらに、今回お願いを申し上げている旅館業法改正法案、これは、無許可営業者に対する立ち入り権限の付与のほかに罰金の大幅な引き上げを盛り込んでいるわけでありますので、これらの措置を総合的に講じていくことで、無許可営業の取り締まりの実効性を確保してまいりたいというふうに考えております。
○井坂委員 規制が強化されるということで、厳しく取り締まりがなるということは、それは間違いのないことだというふうに思います。
 ただ、これだけ本当に件数がウナギ登りになっておりますので、これを実際にどこまで減らしていけるのかということは、当然、今回の法改正の最大の目的であり、そして法改正がうまくいったのかどうかということをはかる最大の指標になるというふうに思いますから、しっかりとこの件数を大事に考えて、今回の法律の運用を行っていただきたいというふうに思います。
 引き続きまして、先ほど、指導状況ということも大臣御答弁いただいたわけでありますけれども、例えば、この平成二十七年度一千四百十三件無許可営業の、旅館業の許可をとっていない営業が把握をされたこの一千四百十三件のうち、指導でどうなったかというと、指導に従ってちゃんと営業許可を取得しましたというのはわずか五%の七十六件であります。
 また、逆に指導をされて、もう許可もとれないということで、営業を取りやめたというのが三八%、五百三十三件あるわけですけれども、残りはどうかというと、指導の継続中が二六%、そして、調査中、調査中といえば聞こえはいいですけれども、中には、そもそも連絡がとれない、営業者が不明だとか住所がわからなくて連絡がとれない、こういうのも含めた調査中というのが二七%ということで、指導に従って許可をとったとか、あるいは指導に従って無許可営業をやめたというのに比べて、この継続中や調査中という方が圧倒的に多い、半分以上がこういった宙ぶらりんな状態であるということであります。
 そこで、参考人にお伺いいたしますけれども、この指導状況の中で、指導継続中あるいは調査中と書かれている宙ぶらりんの状況、ここが今回の法改正で本当に減らせるのか、劇的に減らせるのか、ここをお伺いしたいと思います。
○北島政府参考人 お答えいたします。
 お尋ねにつきましては、具体的な件数についてお答えは困難でございますけれども、先ほど大臣からお答え申し上げましたとおり、今後、住宅宿泊事業法案や旅館業法改正法案の施行によりまして、無許可営業者は住宅宿泊事業に基づく届け出を行うか、営業を取りやめることが一定数見込まれておりまして、また、保健所の立入検査などの権限強化によって指導等の機会もふえることが見込まれるものと考えております。
○井坂委員 指導の機会はふえる、あるいは、今回の民泊新法などの法改正で、こっちの、無許可営業をもともとしていた、あるいはそういうことをしようとしていた人が、民泊新法の届け出だったら自分たちもできるということで自発的に届け出をされる、こういうケースは一定見込まれるわけでありますが、肝心の、やはり無許可営業してしまう、それに対して把握をして指導に入る、ところが、指導継続中という状態が続いたり、あるいは調査中、これは、指導継続中の中には、もちろん前向きな、継続中で、もうすぐ許可をとってもらえそうだ、こういうのもあると思うんですが、いただいた資料では、許可に向けた指導を行っていると書いているのがわずか九十三件ですから、それ以外の指導継続中というのは、どちらかというと、継続中とはいうものの、必ずしも許可に向けた動きにはなっていないのが二百八十一件、また、調査中三百七十六件で、合計六百五十七件、無許可営業を把握した半分近くは、指導の実効性が上がっているとは今言えない状態だというふうに思います。
 ちょっと大臣、お伺いいたしますけれども、今回は、やはり指導の強化、指導の実効性ということで、報告徴収や立入調査の権限を法律で定めたということであります。自発的に届け出をしてくれるとか、そういった自発的な改善は当然あるでしょうけれども、実際、指導に入ったけれどもなかなからちが明かないというような状況がきちんと減らせなければ、今回の法改正は、実は余り実効性がなかったということになってしまいます。
 大臣、この二つ、継続中や調査中の割合をしっかり減らせるのか、把握をしたらすぐに指導に入る、指導に入ったら、ちゃんと届け出をすぐにぽんと出してもらえる、あるいは、出さなければ、今回、最大百万円の罰金というところまで厳しく処分ができる、こういうところがきちんと果たせるのか、お伺いをしたいと思います。
○塩崎国務大臣 御案内のように、今まで、三万円という直罰がいきなりあるだけという体制でやってまいりました。保健所がある中核市ぐらいまでですよね。そこに、よくわからないことをやっているところには報告徴収をまずかけて、なおかつ立入検査ということでありますが、先ほど、分類分けして見ていただいたように、連絡がとれないとかそういうのがあるわけでありますが、やはりそういうことについては当然手続を踏んだ上で罰則を科す、あるいは、最終的には取り消しということもあり得るわけであります。
 いずれにしても、急増している無許可営業に対しては厳しく保健所が対処をすることによって抑止効果も当然起きてくるわけでありましょうし、最終的には、今まで余り厳しくやってこなかったことに対して厳しくやるということを知らしめていくということも大変大事だろうというふうに思いますので、こういう権限を使いながら、しっかりと浄化を図るということだろうと思います。
○井坂委員 大臣、ありがとうございます。
 ちょっと今の件、もう少し深掘りして参考人にお伺いしたいんですけれども、例えば、今大臣の答弁の中で、そうはいっても、ここの件数の中で、所在地や営業者が不明であって連絡がとれないというものも、この調査中という中に相当数含まれているというふうに思います。ここは、今回の法改正がされてもネックになるのではないかなと今答弁をお聞きしていて少し思ったので、その点、所在不明だったり、そもそも誰がやっているのかわからないという案件に対して、本当に実効性のある手がとれるのかというのをお聞きしたいのが一点。
 それからあと、大臣、取り消しとおっしゃいましたけれども、無許可営業ですので、取り消しというのは恐らく本来なくて、罰金を取るというぐらいに最後はなるのかなというふうに私は思っているんですけれども、そこら辺がどうなるのか、ちょっと参考人に重ねてお伺いしたいと思います。
○北島政府参考人 お答えいたします。
 今の状況を申しますと、どこが民泊をやっているのかというのをつかまえることが、議員御指摘のとおり、大変困難な状況になっております。
 住宅宿泊事業法案では、住宅宿泊事業の適正な取り締まりを行うために、玄関等に標識、プレートのようなものを掲示を義務づけるということですので、不特定多数がキャスターバッグを持って出入りをしょっちゅうしているのに、そのプレートがないというようなときには、通報の仕組みもございます。観光庁においてもワンストップの苦情窓口を設けたり、また最寄りの保健所にも苦情が参ります。こういった情報を省庁間で共有いたしまして、民泊施設、違法民泊を特定するということは大変大事なことだと思っております。
 その上で、現在、旅館業法につきましては、旅館業の許可を受けている施設については指導ができるんですけれども、無許可施設に対する立ち入り権限がございませんので、怪しいと思っても玄関で門前払いをされるという状態も解消できるんだと考えております。
 そういった両者の法律が相まって、実効の上がる対策につなげてまいりたいと考えております。
○井坂委員 ありがとうございます。
 私ごとなんですけれども、私、今、議員宿舎に住んでおりませんで、議員宿舎より安い、本当の一部屋のワンルームマンションに住んでいるんです。一年ぐらい前からですか、両隣が多分、民泊になっているんです、私の部屋の両隣が。それで、やはりうるさいんですよね、夜な夜な。多分、民泊なんですよ、いろいろな国の人が入れかわり立ちかわり入っていますので。
 通報というお話がありました。私も、たまたまこういう制度とか世の中の動きに関心があって、私、民泊自体は決して否定的な立場ではないので、いい民泊、いい制度はどんどん広まってもいいと思っている側なんですが、ただ、違法民泊、あと、いろいろこれまで審議会とか国土交通委員会でも議論になった、やはり住宅地でこういう旅館的営業をやることの是非というのは、今もずっと議論として残っていると思うんですね。
 通報と言われたときに、私も別に通報はしたことはないですし、違法か合法かすら、両隣、どういう運営形態か全くわからないです。もし仮に違法だとわかっても、それは私は、こういう仕事で、正義感を持って通報するでしょうけれども、普通は通報しにくいだろうなと思うんですよ。
 そんな違法営業をしているような人、何をするかわからないし、自分が住んでいる場所の隣ですから、通報があったといったら、何やこらといって隣の家の人が来たら、自分はここに毎晩帰らなきゃいけないわけですから、やはり通報というのも、相当工夫しないと、怖くて通報できない。まして、違法営業するような人が相手だったら、余計怖くて通報できないという可能性もあると思いますから、ちょっと通報の受け方なんかもまた工夫をしていただいて、通報した人が決して不利益にならないような仕組みも考えていただきたいなということを申し上げるだけ申し上げたいというふうに思います。
 続きまして、また参考人にお伺いいたしますけれども、今回、これに先立って国土交通委員会の方では、いわゆる民泊新法、民泊という新しい宿泊事業をきちんと法律で規定しましょうということで、民泊新法の議論が行われて、一足先に衆議院を通過しております。今回、厚生労働委員会では、この旅館業法の改正が本日昼前からようやく審議に入ったわけでありますけれども、この後先の問題をお伺いしたいと思います。
 もし仮に民泊新法が先に国会を通ってしまって、今我々が議論し始めた旅館業法の改正よりも先に民泊新法だけが施行されてしまったとすると、仮にそういうことになると、具体的にどのような問題が起こるのか、心配をされるのか、お伺いをいたします。
○北島政府参考人 お答えいたします。
 現行の旅館業法では無許可営業者に対して報告徴収や立入検査を行う権限がなく、行政指導の実施において現場で既に支障が生じております。また、無許可営業に対する罰金も三万円以下と低く、抑止力につながっていないという御指摘がございます。
 仮に民泊新法が先に施行された場合、例えば新法に基づいて届け出を行った者が新法に基づく標識の掲示、看板を下げることを怠った場合には三十万円以下の罰金に処される可能性がある一方で、全くの無届けで引き続き違法民泊を行っていた者に対しては現行の旅館業法に基づき三万円以下の罰金しか科すことができないという状況が生じることになります。
 今回の改正による規制強化と住宅宿泊事業法案による規制緩和につきましては政策的に一体的なパッケージとなっており、現に広がっている違法民泊に対する取り締まりの実効性を確保してほしいという現場の要請に応えるためにも、速やかな施行をお願いしたいと考えております。
○井坂委員 ありがとうございます。
 民泊新法と比べた後先の問題だけでなくて、確かに、今答弁いただいたとおり、今回の法改正が施行される前は結局罰金が三万円という状態が続くわけであります。そうすると、届け出なんかしなくても違法民泊でとりあえずやってしまって、もし万が一ばれても最後の最後は三万円の罰金を払えばそれでいいんだろうということで、わざわざ届け出をせずに見切り発車で違法民泊を始めてしまう、こういう業者も十分あり得るというふうに思います。これは、今回の旅館業法改正がきちんと施行されれば最大百万円の罰金ということになるわけですから、きちんと届け出をしないととんでもない金額を最後は取られるおそれがあるといって、届け出をするインセンティブにつながるのだというふうに思います。
 大臣に、この点、お伺いしますけれども、民泊新法より後か先かと先ほど私はお尋ねをしましたけれども、よくよく考えれば、民泊新法のタイミングいかんにかかわらず、旅館業法改正は、違法民泊をふやさないという目的であれば、民泊新法の施行と同時とか、それよりちょっと早くということにこだわらず、やはり施行を早めて、罰金を三万円から百万円になるべく早く上げるということが大事なのかなというふうに今参考人の答弁を伺って思ったわけでありますけれども、なるべく早く施行する必要があるのではないかということについて、大臣の見解を伺います。
○塩崎国務大臣 御指摘のように、より早く施行することで、三万円の現行の罰金を百万円にするということで、抑止効果をさらに強化しながら指導を強化していくということで、もちろん権限強化もされるわけでありますから、旅館業法の方が先に施行になるということは私どもとしても望ましいことではないかというふうに思います。
○井坂委員 この旅館業法、我々もぜひ早く審議をして、早くといってもこれはすなわち議論が短くということとは直結はしませんけれども、やはり国会でしっかり中身の議論をした上で、なるべく早く施行がされるようにということでお願いをしたいというふうに思います。
 次に、今回の法改正で、三条二項の部分についてお伺いをいたします。
 何が書いてあるかといいますと、成年被後見人、被保佐人、これらの方が旅館業を届け出したときには、その申請に許可を与えないことができる、こういう文言が今回の法改正で追加をされるわけであります。
 大臣にお伺いいたしますが、成年被後見人、被保佐人の申請は許可を与えないことができる、こういう条文を今回追加された理由は何でしょうか。
○塩崎国務大臣 欠格要件について、成年被後見人とそれから被保佐人について、今回の改正案では、都道府県知事等が旅館業の許可を与えないというのは、今申し上げた、申請者が今の二つのジャンルに属する人ということで、それを追加しているわけであります。
 これは、営業者が成年被後見人である場合などは、公衆衛生の確保など旅館業の適切な運営に支障を来すおそれがあるというふうに考えられることから、住宅宿泊事業法案との均衡も踏まえて追加をしているわけであります。
 ただ、成年被後見人等を欠格事由とする規定ぶりについては、実は政府全体で見直しが行われることというふうに承知をしておりまして、今後、政府全体の見直しに向けた検討の中で、旅館業法の欠格要件についても、必要な対応を検討してまいりたいというふうに考えております。
○井坂委員 大臣が今お答えいただいたとおりでありまして、この成年被後見人、被保佐人、いろいろな法律によく欠格条項で出てくるんです。もうほとんど決まり文句のように出てくるんです。私もちょっとこの点はうっかりしていた時期がありまして、欠格条項のほとんどテンプレートのような形で、暴力団員などと並んで、成年被後見人、被保佐人がこういう場所にリストでざっと並ぶという法律ばかり見なれていたものですから、何かそれが当たり前に感じていたんですが、よくよく考えると、これは随分問題のある規定だというふうに思います。
 昔は、ここは禁治産者、準禁治産者というものがどの法律にも入っておりました。当時の考え方は、おっしゃるように、余りそういう契約行為をしちゃいけない人たち、能力がないがゆえに契約行為を禁止すべき人たち、こういう制限をかけるというような発想で禁治産者、準禁治産者というのがありまして、まさに今回の法改正で二番目にある破産手続開始の決定を受けている者などというのと同じような発想で、こういった契約の主体になれないという、当たり前に入っていたわけです。
 ところが、法律と考え方が大きく変わって、今は、成年後見という仕組みになると、これは、やっちゃいけない人たちということではなくて、いろいろな支援をしつつ、なるべくこの権利をちゃんと生かそう、そういう、考え方が百八十度変わっているんですね。
 ところが、全ての法律で、禁治産者、準禁治産者と書いてあるところを単に成年被後見人、被保佐人と本当に機械的に全部置きかえてしまったものですから、いろいろな法律で、これは何でこんなことを制限されなきゃいけないんだという状況が出てきて、ようやく今、政府もまた、来年ぐらいに向けて、一つ一つの法律を、本当に成年被後見人、被保佐人が排除されるべき理由があるのかないのかをきちんとチェックして、いわれなきこういう権利の制限はやめようという方向に今議論が進んでいくんだろうというふうに思っています。
 大臣、このタイミングで、また余り深く考えずに、成年被後見人、被保佐人をここに足すというのは私は大変問題があるというふうに思います。きょうの答弁を伺って少し安心をしましたが、きのう担当者の方にお聞きしたことは、もう本当に事もなげにさらっと、暴力団とかと並んでよく入っている条項なので入れたんです、本当にそういうお答えでありましたから、中には、やはり昔ながらの、私自身も余り深く考えていないときはそういう発想でありましたので、別にその方を責めるつもりはないですが、やはり、いつもどおり、ただ入れたというだけでは、ちょっと今許されない条文なのではないかなというふうに思います。
 大臣、この点、きょうの答弁では旅館の営業にふさわしくないということをつけ加えておられましたが、本当にそうなのか。だって、旅館の営業をしておられる方が年を召されて保佐人をつけようとなったら、急にその人は旅館営業にふさわしくない人に本当になるのか。要は、自分のために支援制度を使ったら、いきなりこういう権利制限をされるのか。
 これは本当によく考えるべき問題だと思いますが、大臣、今の私の話を聞いて、もう一度お考えを述べていただきたいというふうに思います。
○塩崎国務大臣 選挙権の関係で、成年被後見人、後見人をつけている方の選挙権の問題というのがクローズアップされて、公職選挙法も直した、参議院選挙に間に合うようにということをやったわけでありますが。
 問題意識としては、やはり、それイコール当事者能力がないかあるかという判断ではないんじゃないか、こういう問題意識でありまして、今回もその問題意識を持ちながら、今回は並びでこういうふうにしていますけれども、十分これは見直しの可能性ありということで入れているということを、先ほど申し上げたとおりでありますので。
 何がふさわしいのかというのは、これは一つの法律だけじゃなくていろいろつながってくるので、全体の見直しをしっかりやるということが偏見を排除するとかそういう観点からも重要な問題ではないかというふうに思いますので、引き続き、厚労省だけでは何もできませんので、政府全体での見直しを急ぐべきではないかというふうに思うところでございます。
○井坂委員 この件、余りしつこく、もうこれ以上やりませんが、とりあえず並びで入れて、後で抜くかもしれないという、まさにこのタイミングで本当に入れる必要があるのかというのは私は強く思いますから、この件、しっかり考えて、必要なら入れる、必要として入れたからには、今後の政府の見直しでもそれは削除されることはないということならわかるんですよ。ところが、とりあえず並びで入れて、でも、政府全体の見直しの中ではまた削除されるかもしれない、そういう思考停止的な入れ方が成年被後見人、被保佐人の方にとって大きな悲しみであり屈辱となっているわけでありますから、今回これをこのタイミングで、後で抜かれるかもしれないけれども、とりあえず並びで入れますというのは、私は大変問題のある態度だというふうに申し上げたいというふうに思います。
 時間がありませんので、次に、旅館業法五条について伺いたいと思います。
 旅館業法の五条というのは、宿泊拒否をしてはいけませんよという条文であります。
 この宿泊拒否の禁止というのは、そもそも何で本当にこういう条文が必要なのかというのは、大いに議論が必要な部分だというふうに思います。
 一方の立場でいえば、やはり民間の営みでありますから、お客さん、誰にサービスを使っていただくかというのは、これはまさに自由契約の原則から、お客さんは誰でも受け入れなきゃいけないというのは行き過ぎではないかという意見もずっとあるわけであります。
 大臣にお伺いいたしますが、この旅館業法五条の宿泊拒否禁止、これは自由契約の原則から見直しが必要ではないのか、お伺いをしたいと思います。
○塩崎国務大臣 旅館業法の第五条の宿泊拒否制限につきましては、過去、ハンセン病元患者の宿泊を拒否したという営業者に対して、本規定に基づいて行政処分が行われているなど、不当な差別的な取り扱いを防止するという趣旨で重要な規定というふうに位置づけられてきたわけで、見直しには、こういった観点からすると、慎重な対応をしなければならないのではないかというふうに思うわけであります。
 その一方で、差別的な取り扱いがなされないように留意をしながら、多様な消費者ニーズに応えられるように、利用者の任意の協力のもとで、他の利用者などが中心ですが、例えば女性だけとか、あるいは、先ほど、隣が民泊になってうるさいという話ですが、子供の声が余りお好きじゃない方がおられたりして、大人だけの宿泊施設にしてくれという声も中にあって、そういう営業の仕方をするということもあり得るわけであります。
 そういった一定の考え方は許容をされていますし、女性専用の車両とか、電車でもあるわけでありますが、これもやはり乗客の任意の協力で成り立っているわけで、では、男性が入ったら逮捕されるかといったら、そんなことはないわけでありますので。
 こういうことで、今般の改正に伴う規制の見直しを進めるとともに、見直し後の状況や関係者の意見などを踏まえ、かたがた、世の中の流れをよく考えながら、多様化の時代でありますので、旅館業のそういった観点を含めた適切な振興というか、いろいろな品ぞろえができるように考えるということも大事なんだろうというふうに思いますので、旅館業全体の振興を図る役割も担う厚生労働省としては、そういった幅を持った考え方でいかなきゃいけないのかなというふうに思います。
○井坂委員 今、女性専用ホテルの話が出ましたけれども、この点、参考人にお伺いをしたいと思います。
 旅館業法五条、宿泊拒否はしてはいけませんというかなり厳しい条文が残ったまま女性専用ホテルというものを経営しましても、五条を素直に読めば、女性専用ホテルと書いてあろうが、男性客が来て、俺を泊めろ、女性専用ホテル、知るか、第五条を知らぬのかといって、男性客が女性専用ホテルに泊まるといった場合は、ホテルはそれを拒否できないのではないですか。
○北島政府参考人 御指摘のとおり、旅館業法におきましては、旅館業の営業者は、宿泊をしようとする者が感染症にかかっている場合や風紀を乱す行為をするおそれがある場合などを除きまして、宿泊を拒んではならないということになっております。
 お尋ねの女性専用ホテルに男性が宿泊したいと言ってきた場合は、男性ということのみをもって宿泊を拒むことは当該規定に違反する可能性もございますけれども、お客様の御理解を得て宿泊を御遠慮いただくということを妨げるものではないと思っております。
 このため、今後は、多様な消費者ニーズに応えられるように、差別的な取り扱いがないよう配慮しつつ、任意の協力のもとで、例えば、今の女性向けまたは大人向け、そういった営業をすることも可能であることなど、一定の考え方を示していきたいと考えております。
○井坂委員 大臣と参考人が答弁でおっしゃっている考え方はよく私もわかるんです。例えば、いわれなき差別、かつてあったハンセン病の方を泊めないとか、そんなことは本当にあってはならないことですから、そんな宿泊拒否は当然だめだと思うんです。
 ただ、旅館業法の五条は、私が読む限り、大変強い規定で、誰が来たって断っちゃいけないと明記してあるわけですね。よく例に出される電車の女性専用車両、これはちょっと私もそっちの法律を隅々まで見ていないですけれども、全ての車両に何人たりとも断ってはいけないということは法律に明記されているのかどうか。そこの任意協力と、これはもう法律にここまで、断っちゃいけないと書いてあれば、入り口で男性が女性専用ホテルであっても泊めてくれと言えば、法律に書いてあるだろう、拒否できないはずだと。
 違法のおそれがあるとおっしゃったけれども、違法じゃないケースなんてあるんですか。男性ということが理由で泊めるのを断ったということは、違法じゃないケース、私はないと思いますよ。それは、大暴れし出したら、ほかの条文にひっかかって拒否はできるんでしょうけれども、男性が、女性専用ホテルに泊めてくれ、とにかく泊めてくれ、泊めないと五条違反になりますよと言われたときに、それを断れないと思います。断ったら即座に違法になると思いますけれども、そこはいかがですか。
○北島政府参考人 議員御指摘のとおりに、強硬に、法律に基づいて泊めるべきだと言われると、なかなかお断りが難しいかもしれないなと考えております。
 ただ、そういうケースも含めまして、議員が御指摘になりましたとおり、違法行為または風紀を乱す行為をするおそれがあると認めるような場合については除外規定になっておりますので、大変困ったようなお客様であれば拒否をすることはできると考えております。
○井坂委員 ほぼ私が申し上げた内容そのままだと思いますけれども。
 私は、この旅館業法五条というのは、規定としては少し行き過ぎではないかと。それは、ハンセン病患者の方とかそういう方も含めても、別に、あらゆる商業施設、こんな拒否禁止なんという強い規定はないわけですよね。いろいろな、レストランとかだって、お店の種類によっては、子供連れの方は御遠慮くださいといってやったりしているわけです。それは、別に禁止規定がないからそういうこともできますけれども、これだけ明快に、誰であっても断っちゃいけないと法律に書いてあれば、もう断ること自体が違法ですから、ちょっと、本当にこういうことで、旅館業、大丈夫なのかという問題意識は申し上げたいというふうに思います。
 それから、ちょっと一つ飛ばしまして、大臣に通告の八番目をお伺いしたいと思います。
 厚生労働委員会ですから、特にホテル、旅館の衛生基準、これは衛生上の観点からしっかりと決めていかなければいけないというふうに思います。布団とかベッドの寝具、あるいはお風呂や洗面台などの水回り、こうした衛生基準は、民泊においての衛生基準、これはホテルや旅館の衛生基準と全く同じ厳しさになるのかどうか、お伺いをしたいと思います。
○塩崎国務大臣 基本的な考え方は、こういうものは、概して最低基準を決めて、これ以上にしていただいて、何を選ぶかはそれは御自由ということなんだろうと思いますが、今のお尋ねの民泊、つまり住宅宿泊事業者に供される施設の場合には、定期的な清掃の義務を課すなどによって、旅館業と同程度の衛生水準を確保するということにしています。
 寝具、水回りのお話が今出ましたけれども、具体的な衛生措置の内容についてはまだ検討中ではございますけれども、今後通知によって明らかにしてまいりたいと思いますが、基本的には、この基準、すなわち、守らなければいけない最低の基準は、旅館業と同程度の衛生水準を確保するという範囲ではないかというふうに思います。
○井坂委員 私は、この点に関しては二つ問題意識を持っていまして、一つは、当然、ダブルスタンダードになってはいけない。別に、民泊だから汚くていいとか、民泊だからこういう衛生回りを手を抜いていいということでは全くないというふうに思います。
 ただ一方で、今旅館、ホテルに課される衛生基準というのは、私もこの細かい、旅館業における衛生等管理要領というのをずっと隅々まで見せていただきましたけれども、もう大変細かいことまで規定をされております。これが本当に果たして旅館、ホテルを営むために必要な最低基準の衛生基準と言えるかどうか、私は大変疑問に思いますし、これをまた今から民泊に全部課すとなったら民泊は成り立たないですから、民泊はやはりもっと緩いものにせざるを得ないというふうに思うんですね。
 そうなってくると、私、大変疑問に思いますのは、では、これまでこれだけ細かく定めて守らせていた衛生基準というのは本当に必要な衛生基準だったのかという議論に当然なってくると思うんですよ。
 例えば、一例を申し上げますけれども、お風呂に温度計、浴槽一個につき温度計を一個つけなさいとか、熱湯注意という札をちゃんと掲げなさいとか、そういうことまで書いてあるんですね。これは民泊にもそこまでさせるのかどうか。ワンルームマンションのお風呂に一個一個温度計をつけて、蛇口のところには熱湯注意というプラスチックの札を、あるいは金属の札を張らせるのかどうか。民泊で張らなくていいということになったら、では、これまでホテル、旅館に無理強いしていたこれは何だったのかという話にやはりなるというふうに思うんです。
 参考人にお伺いいたしますけれども、浴槽の温度計とか熱湯注意の表示というのはどのような理由から必須、必要とされていたんでしょうか。
○北島政府参考人 旅館業における衛生等管理要領におきまして、宿泊者が熱湯によるやけどなどを防止するため、浴槽の温度計や熱湯注意の表示をすることとしております。
 こうしたものや、レジオネラ症、よくお年寄りが温泉でかかる感染症でございますけれども、こういったものにつきましては、宿泊者の安全を守るために必要な規制と考えているところでございます。
 なお、温度計等のものについては、この衛生等管理要領の施設設備の基準というところに含まれているものでございます。
○井坂委員 時間が参りましたので終わりますけれども、衛生上必要だと答弁してしまえば、これは民泊でもやらなければおかしいという話になってきますから、本当にそこはそうなのか、ここに書いてあること、一個一個、私は非常に疑問がありますので、今後、規制全体を見直されるときには、かつては必要だと判断されていたけれども、今本当にこんな一個一個必要なのか、民泊を機に、既存のホテル、旅館の規制の方も大幅に見直していただきたいということを申し上げて、私の質疑を終わります。
 どうもありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、初鹿明博君。
○初鹿委員 民進党の初鹿明博です。
 きょうも質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 この旅館業法は民泊新法と表裏一体の法律ということで、私も先般、国土交通委員会に出向きまして質問をさせていただきました。その質問の際に、なかなか十分に詰め切らなかったというか、なかなか腑に落ちなかった部分が幾つか残っておりますので、その点を中心に質問をさせていただきたいと思います。
 その前に一つ、皆さんのお手元に、新聞の記事、ネットで出ているものなんですが載せさせていただいたんですが、きょうは国交省の方にも来ていただいているので、関係をするということで、ちょっとまた我々政治家に関係があるんじゃないかということで取り上げさせていただきます。
 こちらは、旅館ではなくて旅行業違反ということで、坂出市の教育委員会が旅行ツアーを企画しました、そして企画をずっと二十年ぐらいやっていたんですが、旅行業の許可をとっていないということで、これは旅行業違反になるんじゃないかということで、このツアーを中止するということになったという記事なんですね。
 つまり、許可を持っていない人が、旅行を企画して、人を募って、お金をもらって旅行を行うと、これは旅行業違反になるということなんです。
 議員の皆さん、自分たちでやりませんか、後援会の旅行ツアーとか。恐らく、後援会の旅行ツアーで、会に入っている人だけ対象にするという場合なら、これは旅行業の許可は必要ないんだと思います。町会とかで募る場合とかも要らないんだと思うんですね。
 ただ、地方自治体が一般の人を対象に募ったら、これは旅行業の許可をとらなきゃいけないということになると、我々政治家が、例えばフェイスブックなどのSNSを使って、こういうツアーをやりますよといって人を集めたら抵触する可能性があるんじゃないか、そう思って、きょうここで取り上げさせていただいているんです。
 恐らく議員の皆さんも、後援会の旅行とかやられて、やっていていつも感じると思うんですが、ここに来る人たちは別に旅行に来てもらわなくても応援をずっとし続けてくれる人なんだよな、そうじゃない人たちにどうやってアプローチして、何か応援してくれるきっかけをつかめないか、恐らくみんな考えていることだと思うんです。
 そういうときに、やはりSNSというのはいいツールで、何かおもしろい企画をつくって、それに飛びついて参加をしてくれることによって我々を応援するようになってくれるということを期待できるので、そういう議員さん、私もちょっとSNSをいろいろ見ていて、たまにいるんですよね、何とかツアー募集しますみたいな。また、駅で配るビラとかに載せて募るということもあると思いますが、こういうやり方は旅行業の違反に該当するんじゃないかとこれだけを読むと思うんですが、これはいかがなんでしょうか。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
 あらかじめ旅行の計画を作成いたしまして、バス等の運送手段を組み合わせて不特定多数の者に対しまして旅行の参加申し込みを募ることは、旅行業法第二条の募集型企画旅行に該当すると考えられまして、旅行業の取り扱いを受けていただくべきものとなります。
 一方、修学旅行や社員旅行のように、相互に日常的な接触のある集団内のメンバーの一部が募集を行うような場合は、旅行業法には抵触いたしません。
    〔委員長退席、とかしき委員長代理着席〕
○初鹿委員 今の答弁だと、先ほども私申し上げましたが、後援会の会員だけを対象にするとか、そういう内輪のメンバーだけだったらいいけれども、SNSとかを使うと旅行業の許可をとらないといけないということですから、ぜひ議員の皆さん、気をつけていただきたいと思いますし、仮に申込先を旅行会社とかにすれば、それだったらいいわけですよね。
 ですから、そういうような形で旅行会社を申込先にして募集をするというようなやり方を工夫した方がいいということだというふうに思いますので、我々政治家も、こうやって取り締まりがされているわけですから、気をつけるようにしたいというふうに思います。
 それでは、本題に入らせていただきます。
 今回の旅館業法の改正案は、先ほども申し上げましたが、民泊新法との表裏一体の法律であります。
 私の立場をまずお話しさせていただきますと、私は、民泊自体はこの先進めていっていいのではないかというふうに思っております。そして、現状の、何の規制もなく放置をされている状態は好ましくないのできちんとした規制をつくっていくということで、法律の制定自体はいいと思っているんですが、ただ、家主不在型の民泊というのは、本当に安全性とか防犯上の観点で大丈夫なのかということを考えると、いまいち腑に落ちないというか、心から進めていこうという気になれないでいるわけです。
 先ほども井坂議員が、お隣がそうじゃないかというお話がありましたが、やはり管理しづらいし、あと、井坂さんの例のように、一つの賃貸住宅の中の何室かがそういうふうに民泊に使われているような場合だと、賃貸住宅との区別というのは一体どうなんだろうかということでも非常に疑問が残るところがありますので、私は、ちょっとこの家主不在型というのは、今回法律が通っていくわけですが、何年間かやってみて、本当に大丈夫かどうかということはきちんと検証して、見直すべきであれば見直すということも視野に入れておく必要があるのかなというふうに思います。
 その上で、幾つか質問させていただきます。
 まず、今回の民泊新法と旅館業法の関係ですけれども、民泊の届け出をしていない場合には、民泊新法で規制がかかるのではなくて、旅館業法の規制がかかっていく、そういうことなんですよね。それでいいんですよね。つまり、無許可でやっていたら、これは無届けの民泊ではなくて、無許可の旅館業法違反になるということですね。
 届け出民泊の、民泊新法の規制違反になるのは、届け出た民泊の業者が表示をきちんとしていないとか衛生上問題があるとか、そういう場合に届け出の違反になるということだというふうに理解をしておりますが、恐らくそれでいいんですよね。
 その上で伺いますけれども、民泊は百八十日という日数の規制があります。この百八十日を超えて人を泊めてしまった場合は、これは何の、どちらの法律の違反になるんでしょうか。
○北島政府参考人 お答えいたします。
 旅館業法の違反となるものです。
○初鹿委員 ここは多分、なかなかわかりづらいんですけれども、百八十日の範囲までしか民泊は認めていないから、その百八十日の中で人を泊めているところで何かあった場合には、これは民泊新法の対象になるんだけれども、百八十日を超えて人を泊めちゃうと、もうこれは全て旅館業法の違反になってくる、そういう整理なんですよね。
 私、国土交通委員会でも指摘をしたのは、今既存であるマンスリーマンションとの関係で、ではどうなっていくのかということが非常に気になっておりまして、いろいろネットで調べていくと、現状、たくさんマンスリーマンション、短期賃貸マンションという形で宣伝がされていて、たくさんあるんですよね。恐らく、どれを見ても、旅館業またホテル業の許可はとっていないように見えます。
 そして、民泊サイト等でも見つかるんですが、民泊サイトとは別に、恐らく不動産関係の人が人を集めるようにつくっているようなサイトで人を集められていることが多くあって、例えば、名古屋のマンスリーマンションなんですけれども、マンスリーマンションとビジネスホテルと賃貸マンションの何が違うかみたいな比較表があるんですよ。
 ビジネスホテルとは何が違うかといったら、ビジネスホテルだとベッドの上でしか横になれないけれども、マンスリーマンションだとベッド上以外にも横になることができるとか、そんなことが書いてあったりとか、引っ越しの手間というところで、マンスリーマンションはかばん一つ、ビジネスホテルは入居後に不足品購入をしなきゃいけない、通常の賃貸住宅だと引っ越し費用プラス入居後にいろいろなものを購入しなきゃいけないみたいな、そんなことが書いてあって、つまり、完全にホテルとは違うものですよということをうたっていますよね。
 でも、人を泊めていたら、本当は旅館業なりホテル業なりの許可をとらなきゃいけないと思うんですが、こういうのがまかり通っているのが今現状であります。
 厚労省に、旅館業の定義は何かと聞くと、では、とりあえず、これを答えていただきたいと思いますが、旅館業の、人を宿泊させる営業と賃貸住宅との違いをどういうふうに判断しているのか、まずお答えいただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 旅館業法上、施設の管理や経営形態を総体的に見て、施設の衛生上の維持管理責任が営業者にあると社会通念上認められる場合、加えて、宿泊者がその宿泊する部屋に生活の本拠を有さないことを原則として営業している場合、こういう場合には旅館業に該当するものと整理をしております。
 旅館業に該当するのかの判断をするに当たっては、都道府県知事等がこれは行っているわけでありまして、一般論として、施設の衛生上の維持管理責任については、清掃やシーツ交換等を営業者が行っているか否か、そして、一定の場所が生活の本拠に当たるか否かは、住居、職業、生計を一にする配偶者その他の親族の存否、資産の所在等の客観的事実などを総合的に判断することとなるものと承知をしておるところでございます。
○初鹿委員 今の説明の、特に後者の生活の本拠ということになると、マンスリーマンションというような形態のところに泊まろうという人は、恐らく、大半の人はほかに家があって、例えば、長期の、三カ月とか一カ月とか、そういう仕事があり、その地域に仕事があって、そのために家族と離れてそこで住むような場合だとか、また長期滞在の旅行に来たとか、そういう人で、実は、生活本拠はほかのところにあるんじゃないかという人が大半なんじゃないかというふうに思うわけですよ。
 ただ、今まで聞いている説明だと、一週間ぐらいだったら、これはもう旅行とかそういうので、生活の本拠にならないから、基本的には旅館業となってもらいますよ、でも、三十日を超える場合だったら、それは生活の本拠と考えていいと思うので、賃貸マンションだというような説明を受けてきたんですね。
 では、仮に民泊で、百八十日間は民泊でやります、残りの百八十日を、これを三十日間とか四十日間とか長い人だけを対象に賃貸マンションとして貸していくということは、これはルール上可能なんですよね、法律上可能なんですよね。
○北島政府参考人 先ほど来大臣からお答えを申し上げましたとおりの、いろいろな判断基準で個別に確認するべき事項だと考えておりますけれども、議員御指摘のとおり、旅館業と賃貸業の考え方につきましては、個別事例に応じた判断が必要であることを踏まえまして、さらに具体的な事例をお示ししながら、現場の理解が進むように周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
○初鹿委員 私からちょっとこれは提案なんですけれども、百八十日を超えた部分で、三十日とか四十日とか長期で貸すということを認めてしまうのは、やはりこれは脱法行為につながるんじゃないかと私は思うんですよ。特に、民泊サイトを通じて三十日間借りたいというふうに言ってきたときに、この三十日間を民泊としての契約じゃなくて短期賃貸契約で結んでしまったら、これは賃貸住宅だという位置づけをされたら、それを除いてさらに百八十日、民泊として使えるということになっていきかねないわけですね。
 オリンピックに向けてこれから観光客がふえてきて、オリンピックは二週間とかあるわけですから、ある程度長期で泊まるという人が出てくる可能性が高いですよね。そういう方々はみんな賃貸マンションとしての賃貸契約を結びますということになって、それは民泊じゃありませんよということになると、百八十日と限定したのが事実上なくなってしまうようなことになりかねない。これはやはり既存の旅館業をやっている人、ホテル業をやって、許可をきちんととっているような人からすると、ひどいんじゃないのかなということになると思うんですね。
 そこで、まず一つは、民泊サイトとか、そういう観光客が利用するような、見るような、そういうサイトなどを通じて予約をしてきた場合は、これは長くても民泊の中に、この百八十の中に入れないとだめですよということにする必要があると私は思いますが、いかがでしょうか。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
 民泊宿泊事業法案におきましては、宿泊料を受けて住宅に人を宿泊させる事業であって、人を宿泊させる日数が一年間で百八十日を超えないものということで判断しております。
 先ほど厚生労働大臣の方からお話がございましたように、旅館業法に申します人を宿泊させる営業に該当するかどうかというのは個別の事案ごとに判断されるものと思いますけれども、個別の事案ごとにそうした判断がなされれば、住宅宿泊事業法案における年間提供日数というふうに扱われまして、仮にそれが百八十日を超えるような営業になれば、旅館業法の無許可営業に該当するということになると思います。
○初鹿委員 私が言っているのは、個別に判断をするということをやっているとやはり漏れが出るんだと思うんですよ。それに、では、その人がどういう意図でそこを借りているのかどうかなんということはなかなか判断がつかないわけですよ。私は本当に住むつもりで来ましたと主張されたら、それはなかなかそうじゃないとも言い切れないと思いますし。
 だから、旅行のつもりで募集をしてきているような人を対象にするようなところで人を集めているんだったら、それはもう民泊の百八十日の中に入れますよというふうにやはり区切る、もうそういう整理をするべきだと思います。
 それと、民泊とは離れて、今既存にあるマンスリーマンションなども、やはりこういうサイトで書き込んでいるのを見ると、実際には長期滞在をする人で、生活の本拠じゃないですよ。特に、利用規約とかを見ると、住民票を異動しないようにと書いてあるわけですよね。住民票を異動しないようにということは、生活の本拠はほかにあるということになるわけですから、やはり基本的に、こういう三十日を超えるような貸し方でも旅館業の許可をとるように指導をしていく必要があるんじゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○北島政府参考人 先ほど来お答え申し上げましたとおり、生活の本拠の有無というのは旅館業に当たるかどうかの重要なポイントでございますので、そういったことも踏まえて判断をさせていただきたいと考えておりますが、具体的なそういった事例をお示ししながら、わかりやすいルールづくり、周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
○初鹿委員 せっかく法律改正をして、罰則も厳しくして、無許可の場合、立入検査もできるように変えるわけですから、恐らく旅館やホテル業をやっている人からすると、このグレーな、不動産業の人たちが、不動産業と言えるのか旅館業と言っていいのかどうかわからないような間の、はざまでやってきたマンスリーマンションに対して、やはりいかがなものかなと思ってきていたと思いますので、法改正を機にしっかりと立ち入りなどして、これは旅館業に当たるんだということであれば許可をとるようにしっかり指導していくことをお願いしたいと思います。
 では、次に、資料の二のところを見ていただきたいんですが、この(三)のところを見ていただきたいんですけれども、玄関帳場の規制についてということで、いわゆるフロントですよね。今まで、旅館業だと、フロントの受付台の長さが一・八メートル以上、こういう決まりがあったわけですが、これは撤廃しましょうということと、それと、ICTの活用などによって対面でのコミュニケーションに代替する方策について、具体的に検討した上で、ICTの活用等による適用除外を認める方向と書いてあるんですが、つまり、ICTを活用して本人の確認ができるということであれば、直接人と人とが対面しないでもいいようなやり方が認められる、そういうことですよね。
 これは民泊のときも、家主不在型で本当にこれで防犯上、安全上大丈夫なのかという指摘をさせていただきましたが、旅館業、ホテル業で、フロントが事実上なくなって機械だけで宿泊の手続が済んでいくというのには、いささか私は違和感があるんですよね。
 私は、やはり人が全くいない状態というのは好ましくないと思いますが、その点はどう考えているんでしょうか。
○北島政府参考人 平成二十八年十二月六日の規制改革推進会議におきまして、「旅館業規制の見直しに関する意見」が決定され、旅館業法に係る構造設備基準の規制全般について見直しが提言されております。
 厚生労働省といたしましては、玄関帳場やフロントの設置義務につきましては原則維持することを考えておりますが、規制改革会議の意見を踏まえまして、ICTの活用等による代替方法について検討し、設置義務の緩和を図る方向で今検討を進めているところです。
 ただ、具体的な代替措置といたしましては、検討中ではございますが、宿泊者の安全や利便性の確保のため、一つ目としては、事故が発生した場合など緊急時の対応ができること、二つ目としては、ビデオカメラ等により宿泊者の本人確認や出入りが確認できること、三つ目として、鍵の受け渡し等を適切に行うことができることといった機能が担保される必要があると考えております。
○初鹿委員 民泊のときも指摘させていただきましたが、予約をした人が必ずしも泊まるとは限らないんじゃないかという観点で考えると、やはり、ビジネスホテルなどでフロントがあるというのは、予約した人以外が泊まるということに対しての抑止力にはなってきていたんだと思いますので、こういうところが、例えば不法滞在をしている方、オーバーステイの方などが一時的に身を寄せるような場所に使われることがないようにするということを考えても、やはり本人確認がきちんとできるように対面をするべきだというふうにお願いをさせていただきます。
 それでは、ちょっと時間がなくなってきたので、もう一枚資料をめくっていただいて、資料の三に新聞記事をつけさせていただいております。
 これは、ことしの五月に北九州のアパートが火事になって六人亡くなった、そういうニュースがありました。このアパートを調べてみると、そこで犠牲になった人も含めて、日雇いの労働者の方が短期的に入所していて、一泊幾らというような形でお金を払っていたんじゃないかということなんですね。一泊単位でお金を払うということになると、これは簡易宿所ではないか、そういう指摘がされていたんです。
 北九州市は、いろいろ調べた結果、最終的に北九州の判断では簡易宿所ではない、そういう判断をされたんですね。そのこと自体、私はとやかくは言いません。そういう判断をされたんだったら、そういう判断だと思います。
 ただ、もう一枚めくっていただいて、そこの新聞記事のタイトルを見てください。「「簡宿」誤認させるチラシ 北九州火災 アパート業者作成」と書いてあるんですね。
 では、どういうチラシだったのかというのを、もう一枚めくっていただいて、つけております。皆さん、よく見てくださいね。
 上の方は、物件の写真と地図とそれぞれの賃料というのを書いてあるんですが、賃料、一番上のは全室九百円とか、右のここが一番わかりやすいですけれども、一泊七百円からと書いてあるんですよね。これは、一泊幾らという、要はチラシなんですよ。この下は、電信柱にくくりつけられていたようなんですが、これも、中村荘、一泊五百円、テレビ、DVDつき、お部屋は四・五畳と書いてあるんですよね。
 普通に見て、これはアパートと言えますかね。普通に考えれば、これはホテルというか簡易宿所になるんじゃないかと思います。住んでいる人の実態がどうかとかそういうことではなくて、やはりこういうお客さんを集める方法を見て、これでもアパートなのか、簡易宿所なのかという判断をするべきではないかと思います。
 こういうチラシで人を集める、これはやはり賃貸住宅としては不適当で、簡易宿所だ、許可が必要なんだ、そういう扱いにするべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○北島政府参考人 御指摘の火災のあった施設につきましては、北九州市が、議員御説明のとおり、業者から聞き取りを行い、客室の衛生管理は入居者みずからが行っていることなどから簡易宿所営業には該当しないと判断したと報告を受けておりますけれども、現在、警察の捜査で簡易宿所営業に該当する事実が出てくれば改めて対応するということを報告を受けております。
○初鹿委員 これは北九州のことで答えていますけれども、私が聞きたいというか言いたいのは、管理をどっちがしているかとかそういうことで判断するんじゃなくて、人の集め方で、こういう集め方をしていたらこれは簡易宿所だということで、やはり許可をとるように求める必要があると思うんですよ。
 では、何で許可をとらないで共同住宅としてやっているのかといったら、簡易宿所になると設備上整えなければならないものがふえて、それでお金がかかるわけですよね。
 ここでちょっと、きょうは消防庁から審議官が来ていただいておりますけれども、確認ですけれども、共同住宅の場合に必要な消防上の設備と簡易宿所になった場合に必要なものと何が違うのか、どこの部分が必要になってくるのか、どういう部分が必要になってくるのか、ちょっとお答えいただけますか。
○猿渡政府参考人 主なものについてお答え申し上げます。
 消防法上、簡易宿所は旅館、ホテル等として取り扱うことになってございまして、したがいまして、延べ面積が百五十平方メートル以上で消火器の設置義務があり、面積にかかわらず自動火災報知設備と誘導灯の設置義務が出てまいります。
 一方、共同住宅でございますれば、消火器の設置義務は簡易宿所と同様に延べ面積百五十平方メートル以上ということになりますけれども、各世帯ごとに住宅用火災警報器の設置が義務づけられる一方、自動火災報知設備につきましては延べ面積が五百平方メートル以上のものについての義務づけということになります。誘導灯につきましては、地下など特別な場合に限られるということになります。
    〔とかしき委員長代理退席、委員長着席〕
○初鹿委員 要は、誘導灯をつける必要がないわけですね、共同住宅だと。あと、自動火災報知設備もつけないでいいということだから、どこかの部屋で火事があっても周りの人が気づかないでいることになりかねないということですよね。これが簡易宿所だったら、それがないということで、やはり火災で死者が六人も出た原因の一つに、ここの違いがあるんじゃないかというふうにも思えるわけですよ。
 ですから、立入検査ができるように改正するんですから、やはり実態をきちんと見ていって、そこで住んでいる人が本当にどういう人なのかというのは見て判断をする必要があると思いますし、やはり私は、できるだけ安全ということを重視して、これは実態は共同住宅とは言えないと私は思いますので、きちんと簡易宿所の許可をとらせるようにするべきだと思います。
 この実態についてですけれども、この北九州もそうなんですけれども、福祉事務所が、ホームレスの方が生活保護の申請に来て、直ちに行き場所が見つからないというときに、一泊幾らということなので、ここを一時的な居所として勧めていたということなんですよね。
 このこと自体で、やはり長期間住む生活の本拠という場所ではないんじゃないかというふうに思いますので、こういう、福祉事務所があっせんして、一時的に、とりあえず雨露しのぐためにというところで紹介しているようなアパートについては、私はきちんと整理をしていく必要があるんじゃないかと思います。
 ですので、ぜひ厚労省には、各福祉事務所で生活保護を受給したいと言ってきた方の住まい、特に一時的な場所として、きちんとアパートが見つかるまで短期的に入居させるということであっせんしているようなアパートがあるとしたら、それが本当に共同住宅のままでいいのか、簡易宿所にしなければいけないのか、そういう調査をさせるようにしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 所得の低い方々についての、何を用意するかということでございますけれども、住まいの確保が何よりも自立の基盤になるわけでありますので、医療、介護、生活支援等の地域生活を支えるサービスを包括的に提供する体制を地域ごとに構築する上で重要な要素、これが住まいになるわけであります。
 その際に、生活困窮者、高齢者等の低所得世帯の住まいの確保に関しましては、家賃負担の問題に加えて、連帯保証人とかあるいは緊急連絡先の確保などのさまざまな課題がある、そういう方々が多いというふうに認識をしておりまして、生活困窮者自立支援制度の施行三年後の見直しに向けて、本年三月に有識者による検討会で取りまとめられました論点整理、ここにおきまして、福祉分野における居住支援への取り組みの必要性が論点として提起をされているわけであります。
 こういうことを踏まえながら、住宅分野の政策と一体となった居住支援とそれから生活支援、この一体的な支援のあり方について、今後、社会保障審議会で検討を進めていきたい、このように考えているところでございます。
○初鹿委員 ちょっとそれは次の質問だったんですけれども、済みません、私が聞きたかったのは、まず実態をきちんと調査して立ち入りしていっていただきたいなということです。
 今お答えいただいたように、やはり所得の低い低所得の人、特に生活困窮、住宅困窮で生活保護になってしまうような方々の住まいというのは非常に重要で、特に、なかなか一人できちんと生活ができるのが難しいような方々も実際多くいると思うんですね。そういう方々がある程度共同して、人からの支援を受けながら暮らせる、そういう場というのは必ずこれから必要になってくるし、現に必要になっているわけですから、きちんとした法整備をするべきだと思うんです。
 結局、曖昧なまま、簡易宿所とも言えないような、アパートみたいな老朽化のこういうところに入っていかざるを得なかったり、一年ぐらい前に私もこの委員会で取り上げましたけれども、貧困ビジネスのような、お寺さんがやって、生活保護費を全部集めて、金銭管理までして、ある意味搾取をするような、そういう悪徳業者に食い物にされるような事態になってしまっているのは、きちんとした生活支援を支えるような形の低所得者向けの住宅がないからだと思いますので、ぜひここは法整備をお願いしたいと思います。
 前も言いましたけれども、民主党政権のときに議員立法で検討しておりまして、法案自体はでき上がったものがあります。これは厚生労働省の方々にも御協力いただいているので、知っている方は知っていると思いますので、ぜひこれをもう一回持ち出して、少し手直ししなければいけない部分はあると思いますが、ぜひこれは、次になるのか来年になるのか、その次になるのかわかりませんけれども、できるだけ早い段階で法整備をしていただきたいと思いますので、ちょっともう一回、答弁、よろしくお願いします。
○塩崎国務大臣 さっき申し上げたように、所得の低い方々が住宅を確保するというのは、一般の方々に比べるといろいろな課題が多いわけで、それにつけ込んだ貧困ビジネスがあるということでありますので、それは前にも質問でお取り上げをいただいたわけです。
 我々としては、そういうことがないように、なおかつ、住まいは基本中の基本と先ほど申し上げたとおりでありますので、そういうことで困らないように、供給がどういう形かはいろいろあろうかと思いますけれども、安定的に住むところが確保されるというために必要な手だては御用意をしないといけないというふうに思うところでございます。
○初鹿委員 ぜひお願いいたします。
 もう一回戻しますけれども、せっかくこの旅館業法を改正して、罰則をつくって、無許可営業については立入検査ができるようにするわけですから、今現在あるほぼ旅館業と言えるような形態でやっている賃貸マンションとか、そういう今回の、先ほどの簡易宿所みたいなものについては、きちんと立ち入りして、実態をきちんと見て、やはり許可をとらせるべきものはとらせるように、ここで整理をするようにお願いして、質問を終わらせていただきます。
○丹羽委員長 次に、大西健介君。
○大西(健)委員 民進党の大西健介でございます。
 きょうは、旅館業法の質疑の時間をいただきました。
 この改正ですけれども、内容は至ってシンプルであって、特段異論はないところなんですけれども、基本的な点と、それから、この機会に、旅館業に関する幾つかの課題、さらには、旅館業にも多大な影響を及ぼすと思われる休み方改革の問題について質問したいというふうに思います。
 まず、今回の改正では、宿泊ニーズの多様化、これに対応して、旅館業とホテル業を営業を統合するということであります。
 これは、法律自体、昭和二十三年制定の非常に古い法律ですので、理解できるところではあるんですけれども、ただ一方で、旅館というのは、日本ならではの和風建築、そしておもてなし文化、情緒というのを体現できる日本ブランドではないかということも言われております。その特色や個性を磨いてアピールしていくことがインバウンド等を考えた場合にもいいのではないか、このような意見もあります。
 したがって、現状どおり、法律上もホテルと旅館というのを分けておいた方がいいんじゃないか、こういう意見があるんですけれども、このような意見に対して、大臣はどのように思われますでしょうか。
○塩崎国務大臣 今回の法改正につきましては、ホテル営業と旅館営業の営業種別を一緒にするということで、和風とか洋風とかいった様式の違いで規制することを撤廃しまして、あわせて、政令などにおいても、最低客室数とか寝具の種類とか客室の境の種類の規制撤廃等々、大幅な規制緩和を行うこととしているわけであります。
 今、日本のブランドとしての旅館というのを大事にした方がいいんじゃないか、こういう御指摘かというふうに受け取りましたが、実は、今回、旅館の業界そのものから御要望もございまして、それを踏まえた規制緩和を行うということになったものでございます。
 利用者のニーズはもちろん多様化をしてきて、ニーズというかお好みもそうでありますし、そういった方々の御要望にどう柔軟に対応するかということを考えてみると、それが、柔軟に対応することができるということが大事なので、営業者においても、日本の強みであるきめ細かなサービスを一層向上させることができるものというふうに考えておりまして、今までできていたものができなくなるということであるならば問題かと思いますが、今までのものは、今までやってきたことはできるし、さらに、規制がかかっていて、例えば一室だけの旅館とか、ホテルはもうあるんでしょうが、そういうことが極限的には可能な、そういうことで可能性を広げている、こういう理解でございます。
○大西(健)委員 規制緩和自体は私もいいことだと思いますし、今大臣にも言っていただいたように、旅館のブランドというのを、これをどうやってアピールするかということもまた引き続き考慮していただければというふうに思います。
 もう一つの改正点で、玄関帳場の規制を緩和して、ICTの活用等により対面でのコミュニケーションに代替することを認める方向ということでありますけれども、これも基本的には賛成なんですが、一方で、テロ対策等の観点からは本人確認の徹底等が今求められていて、対面でのコミュニケーションの必要性というのは今後ますます高まっていくのではないかというふうに思われます。
 こういう流れと、規制緩和でのチェックイン、チェックアウト業務の簡素化というのは矛盾しないのかどうなのか、この点について、大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○馬場大臣政務官 お答えします。
 先ほども答弁であっておりましたけれども、平成二十八年十二月六日の規制改革会議におきまして、「旅館業規制の見直しに関する意見」が決定されまして、旅館業法に係る構造設備基準の規制全般について見直しが提言されたところであります。
 厚生労働省としては、玄関帳場やフロントの設置義務については原則維持することを考えておりますが、規制改革会議の意見を踏まえて、ICTの活用による代替方策について検討し、設置義務の緩和を図る方向で検討を進めておるところであります。
 具体的な代替措置としましては、検討中ではありますが、宿泊者の安全や利便性の確保のため、事故が発生した場合など緊急時の対応ができること、ビデオカメラ等により宿泊者の本人確認や出入りが確認できること、鍵の受け渡し等適切に行うことができることといった機能が担保される必要があるというふうに考えております。
○大西(健)委員 それはわかるんですけれども、今私が聞いているのは、テロ対策というのがいろいろなところで叫ばれている中で、対面じゃなくするということとテロ対策の部分というのは大丈夫なんでしょうかということなんですけれども、政務官、参考人でも結構です。
○北島政府参考人 委員の御懸念のとおりでございますので、原則としては玄関帳場を維持するという考え方は変わらないものでございますけれども、ICTが大変発達している、同等のセキュリティーを保てるというようなことが確認できるかどうかということも踏まえて、検討してまいりたいと考えているところでございます。
○大西(健)委員 最初にも言いましたように、規制緩和自体は賛成ですし、ICTの活用もしていただきたいと思いますが、やはり、そこのテロ対策との兼ね合いというのも、またしっかり担保していただければと思います。
 次に、旅館業法の五条。これは先ほど井坂委員も質問しておりましたけれども、改めて、旅館業法の五条では、客が伝染病の疾病を患っているとか、あるいは賭博等の違法行為、風紀を乱す行為をするおそれがある、空き室がない等の理由がない限りは、宿泊を断ってはいけないということになっております。
 この点に関して、先ほども質問がありましたので、もともと予定していた質問と少し聞き方を変えてお聞きしたいというふうに思います。
 先ほど、御答弁の中で、女性専用ホテルに男性が泊まりたいといった場合に、断ると、旅館業法五条に違反するおそれがあるみたいな御答弁があったかというふうに思います。
 例えば、タクシーなんかもそうですけれども、泥酔客にタクシーが乗車拒否する、これはできるというふうに思いますけれども、ホテルについても、約款等に、泥酔等により他の宿泊客に迷惑を及ぼすおそれがあるときは宿泊契約締結に応じない旨を定めている、こういう例はよく見られます。
 では、例えば、こういう宿泊約款に、男性客の宿泊契約を断ることができるということを書くことはできるんでしょうか。これは第五条に違反して約款が無効というふうにはならないのかどうか、参考人からお答えいただきたいと思います。
○北島政府参考人 お答えいたします。
 もともと旅館業法におきましては、宿泊しようとする者が賭博その他の違法行為または風紀を乱す行為をするおそれがあると認められるときなどに限って、営業者は宿泊を拒むことができるとされております。
 御指摘の泥酔客やモンスタークレーマーなどは、営業者の適切な対応をもってもなお、周囲に著しく迷惑を及ぼしている状況がある場合等において、宿泊を拒否したとしても旅館業法第五条に違反したとは言えないという解釈でございますので、このもともとの規定にのっとって泥酔客などについては規制ができますが、男性客については、今ある規定ではそのまま読むことができませんので、先ほどのお答えになったところでございます。
○大西(健)委員 改めて確認ですけれども、約款にそういうことも書けないということでよろしいですね。
 例えば、外国人お断りとか特定の宗教の人お断りというふうに約款に書いた場合、これは私はだめだと思うんですけれども、先ほど言ったように、では、男性客お断りというのを約款に書いても、これは五条違反で約款は無効になるのかならないのか。では、外国人お断りはどうなのか、あるいは特定の宗教の人はお断りと書くことは、五条違反で約款は無効になるのかどうなのか。この点、参考人からお答えいただきたいと思います。
○北島政府参考人 もともと、この法律につきましては、不当な差別等を防ぐために設けているものでございますので、そういった、特定の宗教ですとか、例えば、今該当しない、迷惑行為をする人以外の人たちについて約款に書くことについては、法律に抵触するおそれがあると考えております。
○大西(健)委員 そのとおりだと私も思うんですね。
 例えばエアビーアンドビーさん、今、民泊仲介大手のエアビーアンドビー、ここでも、人種を理由に宿泊を拒否したホストを永久退会処分にしたという例があります。
 一方で、エアビーアンドビーの交流型民泊のホストの方々と私、意見交換する機会があったんですけれども、意外にトラブルはほとんどないと言われるんですね。その理由として、一番最大の理由として挙げられるのは、エアビーのサービスでは、ゲスト側から申し込みがあっても、これまでのゲストの評価とか、あるいはメールのやりとりをゲストとすることによって、この人怪しいなと思ったら、申し込みがあってもそれを拒否できるから、だから変な客は排除できるんだ、だからほとんどトラブルはありませんということなんですね。
 つまり、エアビーアンドビーのシステムでいうと、基本的には、客を、ゲストをホストは選ぶことができる、つまり断ることができる権利が与えられているんだけれども、ただ、例えば人種を理由に拒否した場合には、これは永久退会処分を食らうということなんです。
 私は、世界的に見ると、一般のホテルでも、基本的には契約自由なので、ゲストもホテルも相手を選ぶ自由が原則になっていて、その上で、人種とか宗教とか思想信条等を理由とした宿泊拒否を違法としている、これが普通だというふうに思います。
 この世界の趨勢に合わせて、例えば、原則宿泊拒否ができるようにして、その上で違法なケースを列挙する、こういう定め方で旅館業法五条を改正してはどうかというふうに提案申し上げたいと思いますが、大臣、どのように思われますでしょうか。
○塩崎国務大臣 繰り返しになりますけれども、旅館業法第五条、宿泊拒否制限については、先ほど申し上げたように、過去に幾つか、ハンセン病を含めて、拒否をする営業者に対して行政処分をこの規定に基づいてやってきたという、こういう経緯、歴史もございまして、社会の不当な差別、これを防止する中で旅館業を営んでいただく、こういう意味で重要な規定として今日まであるわけでございまして、この見直しには、不当な差別があり得るという社会である限りは、やはり慎重な対応が必要なんだろうというふうに私どもは考えているわけであります。
 一方で、差別的な取り扱いがなされないように留意をしながら、多様な消費者ニーズに応えられるように、利用者の、言ってみれば任意の協力をいただくという中で、事実上、制限的な扱いということがあり得るということを、先ほど来、女性とか大人だけの宿泊とかそういうことを申し上げてきたわけでありますが、いずれにしても、民泊の場合の住宅提供と、旅館業という、あるいはホテルという宿泊業としてある場合の扱いの違いというのはあり得ることだろうと思います。
 なお、エアビーアンドビーの話が出ましたが、これは海外での発案で出てきたものでありますから、私どもとして、では海外はどうしているんだ、今、大西委員が御指摘になったようなところについてどうなっているんだということは、しっかり調べてまいりたいというふうに思います。
○大西(健)委員 私も大臣と同じで、不当な差別はあってはならないという立場ですけれども、規制緩和ということでいえば、原則自由にした上で、不当な差別に当たるような宿泊拒否事由を列挙するというようなやり方もあるのではないか。より規制緩和ということを考えた場合には、このようなやり方もあると思いますし、今言ったように、必ずしもホテル、旅館業と民泊は同列に扱う必要はないという大臣の御答弁でしたけれども、エアビーではそういうことをやっている。
 一般旅館、ホテル、あるいは世界のほかの国でも、基本的には契約自由に立って、その上で、不当な差別による宿泊拒否については違法という扱いにしているということでありますので、ここはちょっと、またぜひ、さらに御検討いただければなというふうに思います。
 次に、過去、ビジネスホテルにおいて、フロント係の従業員が一人になる時間帯、これを狙って強盗事件が起きたり、あるいは女性従業員が宿泊客の男性から性的暴行を受けるなどの事件が起こっています。
 防犯上の理由から、深夜に女性を一人で働かせることは避けるべきではないかというふうに思います。また、フロント勤務は、一人でやると、夜は、仮眠も休憩も十分にとれない、昼も、いつ来るかわからない来客や電話に対応するために昼食をとる暇もない、非常に過酷な勤務条件にある、労働条件にあるということが言われています。
 ホテル、旅館業界では、これまでも残業代の未払い訴訟というのも多く起きておりますし、今後、働き方改革、長時間労働規制を進めていく上で、土日とか休みも関係なく、二十四時間の対応が求められるホテル業界の特性に対応した対策というのが必要ではないかというふうに思いますが、この部分、まとめて厚労省から御答弁いただきたいと思います。
○北島政府参考人 まず、女性一人でフロント業務を行うことなどの防犯上の問題についてでございますが、営業者は、従業員が業務を遂行するに当たって、従業員の安全性を確保する必要があると考えております。特に、女性一人での深夜業務における防犯上の問題は大変重要な御指摘であり、関係法令等を遵守し、適切な勤務環境に配慮する必要があると考えております。
○大西(健)委員 続けて、旅館業特有の働き方、長時間労働規制というのもあわせてお答えいただきたかったんですけれども。
○山越政府参考人 本年三月末にまとめられました働き方改革実行計画におきまして、時間外労働の上限規制が定められているわけでございますけれども、これにつきましては、こういった旅館業、ホテル業についても、他の業界と同様に適用されるものでございます。したがいまして、今後、ホテル業界におきましても、働き方改革に取り組んでいただく必要があるというふうに考えております。
 厚生労働省といたしましては、これまで、宿泊業について、深夜働かなければならない、そういったいろいろな事情がございますけれども、こういうことに配慮をした働き方、休み方の改善を進めていただくためのハンドブックを作成、配付しているところでございまして、こういったことの周知により、宿泊業における休日の確保でございますとか労働時間の把握、削減が取り組まれるよう努めていきたいというふうに思っております。
○大西(健)委員 例えば、他の業界でいうと、建設業であったり運送業であったりというのは、業界の特性に応じた対応が必要じゃないかと言われていますけれども、これはどちらも国土交通省ですけれども、まさに今、旅館業という法律は厚労省の所管の法律として審議をしているわけですから、この旅館業界、足元でしっかり働き方改革というのができるように、厚労省としてもしっかり対応していただきたいというふうに思っています。
 少し話題をかえて、今言いましたように、ホテル、旅館業界特有の課題というのが幾つかあります。その一つが、NHKの受信料の問題。
 本年の三月、東京地裁は、大手ビジネスホテルチェーンに対して、運営する二百三十五のホテル全室に設置するテレビ約三万四千台分について、未払いとなっている受信料十九億三千万円を支払うよう命じる判決を下しました。これは業界に衝撃を与えているわけですけれども、NHKは、二〇〇九年以降、こうした宿泊施設等の事業所に対して同様の受信料未払い請求訴訟というのを複数起こしています。約二十件、今訴訟が係属中だというふうに聞いております。
 この受信料ですけれども、一般家庭の場合は世帯ごとの支払いになっています。ところが、宿泊施設の場合は個々の部屋ごとに一世帯とカウントされるということであります。つまり、一般家庭であれば、チューナー内蔵の機器が何台あっても料金は変わりませんけれども、宿泊施設は部屋の数だけ支払わなければならない。二台目以降は半額になるという事業所割引というのはあるんですけれども、部屋数が多ければ、宿泊事業者にとっては、受信料の支払いの負担というのは極めて大きいものになります。
 しかし、考えてみると、稼働率もあるので、常に満室になっているわけじゃありません、でも、全ての部屋数分取られるというのは不合理ではないか。さらに、宿泊施設におけるNHK視聴の受益者は誰かというと、これは宿泊者です。ところが、宿泊者は自宅で受信料を払っている。また宿泊先でも払うということですから、考え方によっては、二重取りされているというような考え方もできるかと言えます。
 皆さんのお手元に資料をお配りしましたけれども、表面、これは全旅連の理事のインタビューということでありますけれども、先ほども言いましたけれども、組合団体扱い加入すれば二台目以降は半額になるというこの事業所割引というのは一応あるんですけれども、全旅連は、それでも負担が重いと。それよりも負担が軽減できる、英国の、イギリスの国営放送BBCが行っている、十五台で一契約、以降五台ごとに一契約という、このBBC方式というのを提案されています。
 このBBC方式をNHKが受け入れることはできないのか、また、できないという場合には、その理由は何なのかを明確にお答えいただきたいと思います。
○松原参考人 お答え申し上げます。
 ホテル、旅館の受信料については、委員御指摘のように、平成二十一年の二月に事業所割引を開始しました。従来に比べて大幅に負担を軽減するということでございます。さらに、二十一年の四月には、業界団体取りまとめを導入して、さらなる負担の軽減に努めてきているというところでございます。
 おっしゃるように、受信料体系については、社会とか経済状況の変化に対応し、より常に公平で合理的なものにするということが必要であるということですが、今後も不断に見直しをしていかなければいけないというふうに考えています。
 ただ、今、ホテル、旅館の受信料について、御提案がありましたBBC方式を導入した場合、受信料収入は大幅に減収となることが予想され、NHKの収支全体を考慮しながら、慎重に検討していく必要があるというふうに考えております。
○大西(健)委員 今、NHKの理事からお答えがあったように、できない理由は、受信料が大幅に減るからということなんですけれども、先ほども言いましたように、宿泊客は自宅で受信料を払い、そして宿泊先でまた負担するということですから、これはやはり不合理ではないかと私は思います。
 それから、先ほど御答弁の中にもありましたけれども、今技術がどんどん進歩してきています。そういう意味では、視聴者の希望に応じてチャンネルを受信することだってできるようにもうなっている、そういう時代でありますから、やはり受信料徴収のあり方そのものを根本的に見直していくということにもつながっていく話だと思いますので、今のままでいいんだということではなくて、先ほど不断の見直しという御答弁がありましたけれども、ぜひとも、今後とも御検討をいただきたいというふうに思います。
 NHKの理事さん、もう結構ですので、大丈夫です。
 最後に、観光業界とか宿泊業にも大きな影響があると思われる休み方改革についてお聞きをしたいというふうに思います。
 先月の二十四日、政府の教育再生実行会議は、自治体の教育委員会が公立学校の長期休暇を五日間短くして別の月の平日に振りかえることで、前後の土日と加えて九連休にするという、キッズウイークというものの導入を打ち出しました。
 先ほどの資料の裏面の方に、新聞の記事を載せました。これは結構ニュースで取り上げられているんですけれども、プレミアムフライデーも、残念ながら、いま一つちょっと苦戦をしているというか浸透し切れていないというところがありますけれども、このキッズウイークについても、ブーイングというふうにこの記事には載っています。余り評判がよくない。
 この記事の中に、線も引いておきましたけれども、検索サイト大手のヤフーが公表直後に行ったアンケートで、回答者約十七万人のうち、反対が約六六%、賛成は二二%ということで、一つの調査ではありますけれども、不評であるということであります。
 国民にここまで不評を買っているということをどのように受けとめられているかということと、あわせて、これだけ反対の声が多いんですけれども、記事では来年度導入というふうに書いてありますけれども、反対の声を押し切っても導入をするのかどうなのか。この点について、きょうは文科省の樋口政務官に、前回に引き続き厚労委員会に来ていただいていますので、御答弁をお願いしたいと思います。
○樋口大臣政務官 学校の休業日を分散化させて、そして、保護者の有給休暇の取得を促進し、大人と子供が一緒に時間を過ごすことは、家庭、そして地域の教育力の向上や子供たちの健やかな成長など教育的な観点からも意義があることと考えておりまして、去る六月一日、教育再生実行会議の第十次提言においても御提言をいただいたところでございます。
 一方、いわゆるキッズウイークの取り組みが定着するためには、企業においても有給休暇の取得を促進するなど、官民を挙げて休み方改革を強力に進め、子供だけでなく大人もしっかりと休めるような環境整備を行うことが不可欠でありまして、内閣官房や厚生労働省等、関係省庁とも検討を行う必要があると考えております。
 本件についてはさまざまな御指摘があることは、先生が今御指摘されたように承知しておりますが、文部科学省としましては、そういう声にも耳を傾けつつ、現場に十分配慮をして、教育的な観点から対応をスピード感を持って検討してまいりたいと思います。
○大西(健)委員 そのスピード感を持って検討というのが来年度導入ということなのかどうなのかということを再度お聞きしたい。
 あわせて、いろいろな意見があるんですけれども、ここの記事にも、キッズウイークに寄せられた声というので幾つか載っていますけれども、その中で代表的なものは、特に、独身や子供がいない人に仕事のしわ寄せが行く、子供がいる人だけが九連休というのは不公平じゃないか、こういう声があるわけです。これはなるほどなとちょっと思ってしまうわけですけれども、こういう声に対してどのようにお答えになるのかと、あわせて、先ほども申し上げましたけれども、スピード感を持ってということですけれども、来年度導入するのかしないのか、この辺をはっきりお答えいただきたいと思います。
○樋口大臣政務官 実施の年度について、今確定をしているわけではございません。
 あわせまして、このキッズウイークの肝は、やはり休み方改革でございます。官民を挙げて、休み方改革を強力に進めて、独身の方や子供がいない方も含めて、全ての人がしっかりと休めるような環境整備を行うことが不可欠でありまして、こうした点も含めて、関係省庁間において検討を行う必要があるというふうに考えております。
○大西(健)委員 そこは私も同意見なんです。休み方改革じゃなきゃいけないというふうに思っています。
 この地域別の休暇分散化というアイデア自体は、私も大賛成なんです。これは、ピークが分散されれば、観光事業の人にとっても、ゴールデンウイークだけ満室だけれども、終わった途端に空き室になるというんじゃなくて、分散化すれば、収益や雇用の安定を図ることもできます。あるいは、出かける私たちの方にとっても、わざわざ混雑しているときに渋滞に巻き込まれて観光地に行かなくてもいい。ピークを分散するということは、非常に意味があると思います。
 これは、実は民主党政権のもとでも、観光立国推進本部の中に休暇分散化ワーキングチームというのがつくられて、ゴールデンウイークを地域ごとに分散化させる案と、秋に地域別に大型連休を創設する、この二案に最終的に絞って検討していたんです。
 ところが、これが東日本の大震災の発生で議論が中断になって、その後の政権交代で立ち消えになったということですけれども、民主党政権のときに検討されていた案の方が、学校だけじゃなくて会社の営業日にもかかわる国民の休日の制度そのものを変えようという点では、むしろもっと大胆な案だったわけです。
 ただ、このときに参考にしたのはドイツやフランスの制度で、ドイツでは、祝日と学校の休暇の時期が州によって異なっている、フランスでは、全国を三つのゾーンに分けて、学校の春休みと冬休みの時期を二週間ずつずらしている。これは、両国とも、働く人も長期のバカンスをとる習慣が根づいているからこそ、このような制度が必要とされ、受け入れられているということなんです。
 例えば、フランスの場合、労働者は一年に一度は十二労働日を超える連続した有給休暇を与えられなければならないという、これは法律で決められている。そうなると、子供のいる家庭では、学校の休みに合わせてこの十二連休というのを、長期休暇をとるということが多いので、そのために、学校の休暇をゾーン制にして、社会全体の休暇を分散化するということにつながっていく。
 つまり、フランスのように労働者に連続した有給休暇を与える義務を課すなど、企業の行動を促す制度の方が先に必要であって、それが先にあっての話であって、それをやらずに、学校の休暇をどうこうして企業の対応を求めますというのでは、これは順序が逆なんじゃないか、逆さまじゃないかということであります。ですから、この記事にあるように、残念ながら、見出しに書いてありますが、子供をだしに使うのはやめてほしい、こういうふうに言われてしまうんだと思います。
 そういう意味では、大臣、これはまさに、先ほどから樋口政務官も言われているように、休み方改革、日本でもフランスのように長期休暇がとれるようにしていくということが大切だというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 大型の休みを分散してとるというやり方をヨーロッパでもしているという話は私も聞いているわけでありますが、今御指摘のように、有給休暇そのものをとりたいときにとれるということが大事で、それを職場が理解をちゃんとするかどうかというところが大変大事な改革のポイントだというふうに思います。
 厚労省としては、連続した休暇を取得しやすい夏季、それから年末年始、ゴールデンウイークのほかに、十月を年次有給休暇取得促進期間として集中的な広報を行うなど、休暇を取得しやすい雰囲気づくりに取り組んでいるわけであります。また、現在継続審議になっております労働基準法の改正法案では、年次有給休暇のうちの年五日間については企業が指定をするということで、義務づけを初めて導入しようとしているわけであります。
 厚労省としては、今後とも、こういうような取り組みを通じて、年次有給休暇の取得が自分の裁量でもってしやすいようにということも含めて、促進を図ってまいりたいと考えております。
○大西(健)委員 よく言われることなんですけれども、実は日本は国民の休日というのは多い。これはやはり、日本人は、一斉にみんなで休もうねといったら休むけれども、そうやって好きなときに休むというのは休みづらいというカルチャーがあるからだと思うんです。
 ですから、逆に言うと、フランスは十二連休が法律で定められている、義務づけられているということですから、そういうことも含めて、この休み方改革というのを引き続き検討するのが先で、それがあっての、学校の休暇を合わせていくというキッズウイークだということを申し上げて、私の質問を終わります。
○丹羽委員長 次に、高橋千鶴子君。
○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 きょうは、旅館業法の質疑であります。さきの国土交通委員会で通過をしました民泊新法と大いに関係があるので、両方聞いていきたい、このように思います。
 それで、まず、先ほども少し出ていたんですけれども、民泊新法の中には、第二条第三項で、「この法律において「住宅宿泊事業」とは、」これを民泊と我々は称しているわけですけれども、「旅館業法第三条の二第一項に規定する営業者以外の者が宿泊料を受けて住宅に人を宿泊させる事業」とあり、民泊新法に当てはまらない業については旅館業法により規制するという意味でよいでしょうか。
○塩崎国務大臣 住宅宿泊事業法案、民泊法案、これにおいては、住宅宿泊事業とは、宿泊料を受けて住宅に百八十日以内で人を宿泊させる営業、そして、住宅宿泊事業の届け出を行った者は、旅館業法の規定にかかわらず、住宅宿泊事業を営むことができる、こういう旨が規定をされております。届け出を行うことによって、旅館業法の適用が除外されるということでございます。
 したがって、こうした住宅宿泊事業法案に基づく住宅宿泊事業法の対象とならない場合においては、旅館業法の規制の適用を受けるということとなるわけでございます。
○高橋(千)委員 ならないものは適用を受ける、このならないものの範囲が広いということが議論をされてきたなと思うんですね。
 それで、民泊サービスの制度設計のあり方に関する検討会、これは中間整理が昨年三月十五日に出されておりますけれども、そこでこのように書かれております。本来必要な旅館業法の許可を得ていない違法な民泊が広がっているため、この状況に早急に対応する必要があるとして、簡易宿所の枠組みを活用した旅館業法の許可取得促進を提言された。要するに、簡易宿所の中に民泊を規定、民泊もその中で規制されるという考え方だったと思うんですね。
 結果として、この中間整理を受けて、旅館業法施行令を出して、昨年の四月に既に施行されて、基準緩和をしています。例えば、面積は三・三平米以上でよいとか、フロントも要らないとか、基準緩和をやったにもかかわらず、結局、旅館業法とは違う新法にしたのはなぜでしょうか。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
 民泊サービスの制度設計のあり方に関する検討会の中間整理におきましては、早急に取り組むべき課題と中期的な検討課題というものが示されておりまして、委員御指摘の簡易宿所の規制緩和につきましては、早急に取り組むべき課題というふうに整理をされておりますけれども、引き続き、中期的な検討課題ということで、今般の住宅宿泊事業法案にかかわります基本的な骨格というものが議論され、まとめられてきたということでございます。
 現状におきまして、我が国で行われている民泊サービスは、居住性の観点から一定の設備を備えた住宅において宿泊事業が実施されるものであること、利用者の大宗を外国人が占めていること、騒音やごみ出しなどによる近隣トラブルなどが生じていること、旅館業者以外の者によって実施されるものであることなど、通常の旅館業と異なる性質を有してございます。
 また、住宅宿泊事業法案におきましては、住宅宿泊事業のみならず、これと関連する事業といたしまして、住宅宿泊管理業と住宅宿泊仲介業を規制の対象としておりますが、健全な民泊サービスの普及を図り、制度の一体的かつ円滑な執行を確保するためには、これら性格の異なる三つの事業を一体的に管理する必要がございます。
 こうしたことから、既存の旅館業法の改正ではなく、別の法制度として新法で対応することとしたところでございます。
○高橋(千)委員 ということは、早急にというのは、言ってみればつなぎ、もともと新法が目的であって、それができるまでの間であったということですか。確認します。
○北島政府参考人 民泊サービスにつきましては、住宅宿泊事業において実施される場合について、年間百八十日という規制がございます。ただ、年間を通してこの事業を実施したい、宿泊業を実施したいという場合については、簡易宿所、規制を緩和した簡易宿所の許可を受けて実施していただく、いろいろな形態の宿泊サービスが提供できるものと考えております。
○高橋(千)委員 私は、簡易宿所の緩和自体は歓迎はしていないんです。例えば、北島部長は一番よく御存じだと思いますが、三・三平米といったら、保育所や学童保育の基準ですから、子供と同じ基準で、大人がそれでいいんだという基準というのは到底受け入れられないわけなんですね。だけれども、やはり旅館業法の枠組みで規制するというのは大事な一歩を踏み出したんじゃないかと思っていたので、そうではないということが非常に残念だったなと思っております。
 それで、その後に、中間整理が出た後の報告書の中では、「旅館業法以外の法令においても、既存のホテル・旅館に対する規制の見直しについて、民泊に対する規制の内容・程度との均衡も踏まえ、早急に検討すべきである。」これは今度、逆立ちしましたよね。つまり、民泊の法律ができれば、それに均衡するということで、その他のホテルや旅館が規制を逆にそっちに合わせていく、つまり緩和するという趣旨でしょうか。
○北島政府参考人 今回の旅館業法の改正による規制緩和につきましては、ホテル営業、旅館営業という洋式、和式という形態による規制が時代に合わなくなってまいった。例えばベッドがある和室のホテル、そういったものもふえてきておりますので、時代の要請、ニーズの多様化に沿った形での営業ができるよう規制を緩和するものでございます。
 民泊に合わせてというよりは、両方がイコールフッティングになるような形で、またさまざまなニーズに応えられるような形で、お互い、この法案を提出しているところでございます。
○高橋(千)委員 ここを突っ込んでいると先へ進まないので、一言言い切りにしますけれども、時代に合わなくなったから、旅館は和式のもので、ホテルは洋式のものでという、これは本当に私もそう思います。それは全くそのとおりだと思います。でも、書いているのは、「民泊に対する規制の内容・程度との均衡も踏まえ、」ということですから、先ほど井坂委員が質問したのも同じ趣旨だと思うんですよね。民泊に合わせていけというのに対して、北島部長はうなずかれました。そこに問題があるんじゃないか。イコールフッティングという名で、さらなる規制緩和ということには、ちょっと承服できないと思っております。
 進みますけれども、資料の一の右側の囲みの部分からまず言いますけれども、全国民泊実態調査、わずか三カ月ですけれども、これだけの数が出ております。実際の旅館業法における許可は二千五百五件、一六・五%だったんですけれども、無許可が四千六百二十四件、三割であります。そして、物件特定不可、調査中が七千九百九十八件、五割を超えているということですね。
 それで、今調査中のところは、その後どうなったんでしょうか。半年以上たっておりますので、まだ何か頑張っているんでしょうか。
○北島政府参考人 委員にお示しいただきました資料の左側にもございますように、無許可営業者につきましては、これまでも都道府県等において、その実態を把握した上で、営業許可の取得や営業の取りやめ等の指導を行ってきているところでございます。
 今般実施した全国民泊実態調査において無許可営業者と判断された者につきましても、順次、都道府県等において同様の対応がとられているものと承知しておりますが、平成二十八年度における旅館業法上の営業許可を受けていなかった事案への対応状況につきましては、現在、都道府県等に対する調査を取りまとめ中でありますことから、現時点においては具体的な指導状況をお答えすることが困難となってございます。
○高橋(千)委員 今、多分、お答えの趣旨は、ここにある、二十五年度から二十七年度の調査、旅館業法上の営業許可を受けていなかった事案に対する調査、それと同じようなことをやっているんだけれども、今取りまとめ中だということだと思うんです。
 先ほども指摘があったように、無許可営業の把握が六十二件から倍の百三十一件、そして二十七年度は十倍の千四百十三件となっている。それが、たった三カ月の今回の調査では、無許可が四千六百二十四件、調査中を合わせると一万二千六百二十二件と、さらに十倍近くふえているわけですよね。
 それで、この把握方法を見ていただきますと、巡回指導ということで、四百九十八件、足を使った巡回をしていることと、あとは通報などもあります。ただ、今後は、当然、インターネットによる監視ということが必要なのではないかと思うんです。
 指導状況の中で、例えば、営業許可を取得した、七十六件、取りやめた、五百三十三件。無許可のものが取りやめたというのは逆にいいことだと思いますよね、いつまでも残っていてはいけない。ただ、二年越しで調査をしているというのも、この米印を見るとわかるわけです。ですから、これだけのものを、今回、民泊の違法な部分を、対応が本当にできるんだろうかということを大変心配をしています。
 それで、ちょっと時間の都合で続けますけれども、次の二の資料を見ていただきたいと思うんですね。
 これは、別に違法なところを狙っているという意味ではなくて、平成二十一年度の生活衛生関係営業施設一カ所当たりの調査、監視指導回数です。ですから、旅館だけではなく、公衆浴場や理容所、美容所、クリーニング所などを総称するわけなんですけれども、平均のところが、赤で書いていますが、平均〇・二四回。つまり、一年で一回、一つの施設に行けないでいるというのが実態であります。そして、一番多く行っているのが左端、何と京都市ですけれども、それでも〇・九で、一が立っていないわけですよね。一番右端の金沢市、これは〇・一も立っていない。極めて深刻な事態だと思うんですね。
 ですから、衛生監視員は微増はしていますけれども、到底現在でも追いついていない。追いついていないけれども、これだけの対象がふえる。
 まず、監視率が今どうなっているのか、そしてどう対応していくのか、お願いします。
○北島政府参考人 平成二十八年三月末現在において、環境衛生監視員による調査及び監視指導の対象となった施設数は、平成二十七年度地域保健・健康増進事業報告によると、延べ三万七千三百七十五施設とされております。また、平成二十七年度衛生行政報告例によりますと、環境衛生監視員は六千二百五十九人でございます。
 これらをもとに機械的に計算をいたしますと、環境衛生監視員一人当たりの旅館業の監視施設数は、同一施設への監視指導も含め、約六施設となっております。
○高橋(千)委員 ちょっと今の数字はおかしいと思うんですよ。私が出した資料に基づいて計算をしていただきたいと思うんですね。
 これは旅館だけを指しているわけじゃありませんので、極端に減るわけないんですよね。二十七年度でいうと、五十七万八千七十施設があって、十七万千九百三十三の監視をしています。これでいくと〇・二九回。大して変わっていないはず。それは間違いないですよね。どこをとって今答えたかによると思うんですけれども、それは間違っていないですよね。
○北島政府参考人 大変申しわけございませんが、議員御指摘のこの資料の出どころを昨日から探しておりまして、ようやく確認することができましたので、また精査いたしまして御報告させていただきます。
○高橋(千)委員 そうなんです。きのうずっと、資料を出してくださいとお願いしていたんですが、出てこなくて。
 でも、これは、下に書いてあるように、平成二十三年度の全国健康関係主管課長会議で出された資料ですので、同じ理屈でやれば出るはずなんですね。
 私が今紹介した〇・二九というのは、トータルで計算をしたので、この数字とはまた違うと思うんですが、要するに都道府県と指定都市別にやると違うと思うんですが、ぜひ、必要な資料だと思うので、やっていただきたいと思います。
 それで、監視がまだまだだということは指摘をした上で、次に行きたいと思うんです。
 民泊新法の第六条に宿泊者の安全の確保という項があるんですけれども、非常用照明器具の設置、避難経路の表示その他の火災その他の災害が発生した場合における宿泊者の安全の確保を図るために必要な措置を講じるとされています。そして、具体の中身は国土交通省令に定めるとされています。
 先ほど来の議論で、旅館業法と全く同じだとかほぼ同じだという議論がされているわけなんですけれども、これは民泊サービスのあり方検討会で第一回に出された資料ですけれども、資料の三枚目を見ますと、一般住宅の一部を民泊として活用する場合は、その民泊部分が小さければ新たな規制が全くかからないとか、半分より大きければほぼ同じ規制がかかるというふうに説明されているわけですね。
 真ん中の囲みを読みますと、「民泊部分が大きい場合、新たに設置が必要となる設備は、消火器、自動火災報知設備、誘導灯が想定されるが、消火器は建物の延べ面積が百五十平米未満の場合は不要であり、自動火災報知設備も、建物の延べ面積が三百平米未満の場合は民泊部分のみに設置すれば足りる。」ということで、全体にかかるわけではないという説明が検討会でもされているわけです。
 そして、共同住宅の場合が資料の四枚目なわけですけれども、全体として延べ床面積が五百平米以上の共同住宅だと、もうマンション自体が規制がかかるので新たなものはない、だけれども、未満の共同住宅の場合、そのうち民泊部分が一割を超えるかどうかによって規制がかかるものとかからないものがある、こういう説明をしているわけなんですね。
 これは、まず、こういう事業を始めようとする人はこういうのに詳しいんだ、よく調べるんだと思うんですね。そして、ぎりぎりのところで、なるべく規制がかからないようにするという意識も働くのではないかと思うんです。でも、本当にそれでよいのだろうか。特に、家主不在のところなどはどうなのかなと不安に思いますけれども、伺います。
○蝦名政府参考人 住宅宿泊事業法案第六条におきましては、火災の初期に速やかな避難を確保するために、非常用照明器具の設置、連動型警報器の設置、避難経路の表示等を求めることとしております。
 委員御指摘のように、宿泊部分の面積が小規模な民泊の場合、特に家主居住型の場合につきましては、家主による火災時の応急対応が期待できますことから、非常用照明器具や連動型の警報器の設置を求めない方向で検討をしているところでございます。
○高橋(千)委員 ですから、あえて小規模にして分散させたりとかして、必要な設備をやらない。だから、それが違法だと言っているんじゃないですよ。でも、なるべくは必要な安全対策をする方向に向かっていくべきなのではないかという意見をしています。いかがですか。
○蝦名政府参考人 委員御指摘のような小規模な面積のところでございますけれども、届け出住宅に係ります面積につきまして、そうした虚偽の届け出をすることにつきましては、これらの設備の設置を逃れようということが考えられますので、届け出書の記載の面積と届け出書に添付する住宅の図面等を照合することによって確認をいたしまして、さらに、虚偽の届け出を行った場合は罰則を科すということにしております。
 こうした措置を通じまして、宿泊者の安全の確保を図ってまいりたいと考えております。
○高橋(千)委員 続けて伺いますが、マンションの管理組合などの、管理組合自体が必置ではないですけれども、やはり規約などで民泊を受け入れたくない、あるいは独自のこれこれという条件をつけるということが考えられるけれども、いかがかということ。
 あわせて、地方自治体が、例えば、この地域、子供がいっぱいいる、公共施設が多い、住宅地域だから景観に気をつけたい、さまざまな事情を配慮して独自の条例で規制するということは可能だと思いますが、確認します。
○伊藤政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、マンションの管理組合と民泊の関係の話でございますが、分譲マンションにおける民泊をめぐるトラブルの防止のためには、民泊を許容するか否かについて、あらかじめマンション管理組合において区分所有者間でよく御議論いただいて、その結果を踏まえて、民泊を許容する、あるいは許容しないかを管理規約上明確にしておくことが望ましいと考えております。
 民泊を禁止する場合には、管理規約において、専有部分の用途を定めている条項の中に民泊を禁止する旨の規定を追加することにより、民泊を禁止することができます。
 住宅宿泊事業法案に基づく届け出の際に、マンションについては、民泊を禁止する旨の管理規約等がない旨を確認していただくことにしております。
 なお、管理規約の改正には一定の期間を要することがあるというふうに思います。その場合には、管理規約上に民泊を禁止するか否かが明確に規定されていなくとも、管理組合の総会、理事会決議を含め、管理組合として民泊を禁止する方針が決定されていないことを届け出の際に確認することとしておりまして、禁止する方針が決定されたマンションにおける事業の実施を防止する予定としております。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
 自治体の条例の関係で御質問がございました。
 良好な景観の形成を図ることを目的とした条例は、建築物等の外観に着目をして規制を行うものが一般的でありますことから、建築物の用途に着目して民泊の実施を規制するということにはなじまないと考えております。
 なお、本民泊宿泊事業法案におきましては、都道府県等が、住宅宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止するために必要があるときは、合理的に必要と認められる限度において、条例で定めるところにより、区域を定めて、住宅宿泊事業を実施する期間を制限することができるという形にしております。
○高橋(千)委員 今、例え話で言った景観の方はだめだという答弁でありましたけれども、ただ、騒音だとかいろいろなトラブルもありますので、地域の実情に応じては構わないというお答えだったかと思います。
 これは規制改革実施計画の中にも、住宅として、住居専用地域でも民泊実施可能とするの後に、地域の実情に応じて条例等により実施できないことも可能とすると明記されておりますので、当然のことではないかなと思っております。
 そこで、やはり最大の問題となるのは、家主不在型の民泊だと思うんですね。ホテルであれば、二十四時間フロントで対応していることを、住宅宿泊管理業者に委託することになるわけなんですけれども、現実に可能なんだろうか。
 二つのことを聞きます。
 まず、チェックインのとき、本人確認、外国人であれば旅券の確認などが必要なわけですけれども、必ずしも普通の時間ではない、要するに飛行機の関係だとかで遅い時間に着いた、そういうときに、当然、家主がいるわけじゃないですし、フロントがあるわけじゃないということで、どういうふうにスムーズにやりますかというのが一つです。
 それから、実際に部屋に入ってから何らかのトラブル、空調が壊れているとかさまざまあると思うんですが、ホテルだったら電話一本でフロントにつなげるわけですけれども、そういうときに、どのようなイメージで対応すると考えていらっしゃるのか。
○海堀政府参考人 お答えさせていただきます。
 住宅宿泊事業法案におきましては、家主不在型の住宅宿泊事業では、住宅宿泊事業者からの委託を受けた住宅宿泊管理業者に対して宿泊名簿の備えつけの義務を課すこととしております。
 宿泊名簿の記載に当たっては、宿泊者の氏名、住所、職業等について、実際に宿泊する者の情報を確認するため、旅券の提示を求めることなどによりまして本人確認を行うとともに、対面またはそれと同等の手段で行うこととしております。
 現在の特区民泊におきましては、カメラを用いた映像を通じ遠隔で本人確認を行うといった事例も出てきているところでございまして、ICTを活用したこのような方向を含め、しっかりと担保をしていきたい。これがチェックインの本人確認でございます。
 次に、部屋に入ってからのトラブルでございます。これは、宿泊される方々のトラブルということでは、こういった方々のトラブルに適切に業務が対応できるように、宿泊管理業者の登録の際に、深夜、早朝を含め常時苦情や問い合わせへの応答が可能であることなどの必要な体制整備を確認するということを担保させていただいております。
 また、近隣の方々へのトラブルに対応しましては、いわゆる宿泊管理業者の連絡先を住宅に掲げる表示において掲示するなどの対応もとらせていただいているということでございます。
○高橋(千)委員 これだけしゃべっていると何分でも切りがないんですが、今の話も、遠隔操作でやるんだということで、実際に約束した人数がそのとおりだったろうかと。
 要するに、一般のマンションに入っていくわけですからね、必ずしもそれが正しくなるかどうかという不安もありますし、また、今、常時対応とおっしゃいましたけれども、二十五分以内だというルールも聞きました。ちょっとこれもまたすごい現実的じゃないなというふうに思って、やはり私は、人がいない対応というのはよくないんじゃないかというふうに言いたいと思うんです。
 これはちょっと次の質問にも関係するので、ここまでにして進みたいと思うんですけれども、やはり、住宅街の中の民泊がふえ、そして住民とのトラブルがふえ、だけれども、本来の旅館、ホテル業が空き部屋がふえているみたいなことになったら、観光振興という目的からいってもおかしいんじゃないかと思うんですね。
 それで、資料の五を見ていただきたいんですが、これは、昨年の三月十七日、日本とフランスの宿泊団体が都内で緊急フォーラムを開いて、“民泊”に対する共同声明というのを発表しました。左側がUMIH、ホテル産業連合というんだそうですが、隣がGNI、全国ホテルレストラン独立事業者団体、これは、二つ、フランスの団体で、右の方は、おなじみの全旅連と日本旅館協会の共同声明であります。
 緊急フォーラムですので、ここで発表したUMIHのローレン・デュック・ホテル部門会長は、パリ市内にエアビーアンドビー物件が三万五千四百二十八件あって、コントロール不能であるとおっしゃったそうです。ホテルの稼働率は〇・三ポイント下降し、民泊物件の稼働率は三八ポイントも上昇している、消防、衛生など安全面も放置され、旅行者も地域住民も危機にさらされている、パリのテロ事件ではテロリストの潜伏先となった、こういう報告があったわけです。
 そして、全旅連の北原会長は、我々は旅館業法、建築基準法、消防法などの規制があり、これらの設備の維持管理に莫大なコストがかかっているが、お客様の命を守るためには必要なことだと思っていると言って、その意味を民泊事業者がわかっているだろうか、こういう指摘をされているんですね。
 私は、先ほど来規制緩和の話をしてきましたけれども、古い規制は見直しをするのはいいんですけれども、これ以上の緩和というのは、やはりコストもかかるし、大変負担だ、だけれども、お客様を預かっている、そういう誇りに思って頑張ってきたんだという中で、今の民泊の事業者との関係、その立場に立ってもらわなければ困るというこの共同声明というのはやはり尊重されるべきだと思うんですね。
 一番から五番まであります。ちょっと読む時間がありませんけれども、「“民泊”を含め全ての宿泊施設は行政官庁への申告登録を経て、許認可を得る必要があるとすべきであり、無許可営業並びに脱税行為を厳しく取り締まる必要がある。」など、さまざま書いているわけなんですが、この立場を尊重して、さっきの問いに戻るんですけれども、家主のいない民泊というのはやはり認めるべきではない、このように思いますが、いかがでしょうか。
    〔委員長退席、高鳥委員長代理着席〕
○蝦名政府参考人 近年の訪日外国人の旅行者の増加に伴いまして、さまざまな宿泊に対するニーズがございます。
 一方で、旅館、ホテル業も、日本の伝統文化や食、おもてなしを体験できるという点で、引き続き大変重要な役割を果たしていくものであると思います。
 一方、民泊につきましては、日本人と交流し、その生活を体験したいというニーズ、あるいはできるだけシンプルでリーズナブル、あるいは中長期の滞在に適した宿泊サービスを求めるニーズなど、さまざまなニーズに応える宿泊モデルとして期待されているところであります。
 そうした中で、現在、旅館業法が必ずしも遵守されないままで実態が先行して、安全面や衛生面の確保がなされていないとか、騒音やごみ出しなどによる近隣トラブルなどの問題が生じているという面も発生しているということでございます。
 こうした状況を踏まえまして、さまざまなニーズに対応しながら、一定のルールのもとで、家主居住型、あるいは家主不在型も含めまして、健全な民泊の普及のルールを定めることが必要であるということで、今般の法律を提案させていただいているということでございます。
○高橋(千)委員 大臣にぜひ伺いたいんですが、五月三十日の国交委員会の参考人質疑で、「民泊サービス」のあり方に関する検討会の座長代理だった三浦弁護士が、三年後の見直しがあるということで、こういうふうに述べているんですね。最終的には、チェックイン手続の代行業務、あるいはリネンサービス等の清潔を図る業務の代行という新しいビジネス分野ができ上がる、既存の旅館業の方たちも新しい分野にどんどん入っていくということが予想できる、こう言っているんですね。
 言ってみれば、今の旅館のノウハウを、委託という形でビジネスにすればよいと。
 旅館に鍵を預け、共存している例もあるようです、大田区などはそうなんですけれども、歴史ある、努力を重ねてきた旅館業が、顔の見えない民泊の代行業、下請をさせられることにもなりかねないんです。こうした方向をよしといたしますか。
○塩崎国務大臣 旅館、ホテルの皆さんが、実際に今おっしゃったような業務に参入されるかどうかというのは、それぞれ経営判断であって、主体的に判断される限りにおいて、民泊の下請といった御指摘は当たらないのではないかというふうに考えるわけで、旅館の皆さん方も御自身の生きる道を考えていかれるということがやはり一番大事なことなんだろうというふうに思います。
○高橋(千)委員 規制緩和が進んで、競争していけばそうなるんですね。
 昨年四月の検討会で、一般社団法人民泊協会からヒアリングをしています。そのときにこう言っているんですよ。旅館業界との共存共栄が必要だ、リネン交換、清掃、鍵受け渡し、手荷物預かり、帳場、これらはホテルや旅館の余っている人材、常時いる人材であったりとか、もともとふだん行っている機能を果たすことによって、彼らが求めていることを提供できるだろう、こう言っているんです。
 つまり、旅館が、今だって五割の稼働率ですよ、五割を下がっているところもいっぱいあります、そういう中で、競争に、仮に厳しくなっていったときに、いやいや、これをやればいいじゃないか、余っている人材を使えばいいということを民泊協会が言っているんです。こういうことを、やはり旅館業法を所管する大臣としてしっかり問題意識を持っていただきたい。
 きょうはとても時間がなくなりましたので、また次の機会にしたいと思います。終わります。
○高鳥委員長代理 次に、岡本充功君。
○岡本(充)委員 きょうは、旅館業法の質問をさせていただきます。
 いろいろ論点がありまして、本当に課題が多いなと思う一方で、大臣、これは長きにわたって改正されてこなかったんですよね。前回の改正、前々回の改正、いつかというのは通告していないからいいです、こちらを向いていただいて。平成八年と昭和四十五年なんですかね、かなり長く法改正してこなかったということ、いろいろ時代の変遷はあっても、これだけ長い期間改正しなかった、いろいろあるとは思いますけれども。身近でありながら、ある意味、今回、大きな改正の一つだと思いますけれども、行っていくことになったということでありまして、しっかり審議をしなきゃいけないだろうなという気はしています。
 その中で、私は、国交委員会でも民泊法のところでも質問したんですが、私の大きな関心事の一つは、何といっても、宿泊している人たちが本当に安全に宿泊できるのかという観点ですね。居心地がいいとか楽しいとか、付加価値をつけるというのももちろんいいんですが、最低限、やはり安心して、もしくは、それだけじゃないですね、本当に安全に泊まれるのかというところです。
 そこで、きょうは消防庁にも来てもらっていますが、そもそも、今度、旅館、ホテル業者、部屋数を小さくしていく、部屋数を少なくしていくことが可能になるということになってくると、民泊と実質的に変わらない事業者も出てくることになると思うんですね。民泊の事業者には課されている安全の義務と、旅館業として営まれるこうした施設との間で差が出てくることは、規模の大小では説明できなくなるんじゃないか。広さも緩和をされていくわけですから、そういう意味では、どういうことをもってこの差をつけるのか。もちろん、営業ができる場所についても差があるというのも事実であります。
 そういう意味で、規模が小さくなっていったときの、まずは、消防庁でも結構です、観光庁でも結構です、民泊と旅館業との安全確保の差が生じる理由は、大きさ、部屋数以外にどういうものがあり得るのか、合理的に説明していただきたいし、その後は、厚労省に説明してもらいますけれども、土地の用途で場所が制限されている旅館業、これは民泊であればできることになってくるわけでありますけれども、こういった差が出てくることについてどう整理をしているのか、それぞれお答えください。
○猿渡政府参考人 お答え申し上げます。
 消防法上における応急対応の義務と申しますのは、火災が発生しましたときには誰でも我先に逃げ出したいというふうなことになろうかと思いますけれども、火災が発生した建物の居住者の一定の関係者に対しましては、消防隊が火災の現場に到着するまでの間、消火、延焼の防止、人命の救助といった応急対応を行わないといけない義務を一般的に課しておるわけでございまして、これについて面積等々で違いがあるというものではございません。
○岡本(充)委員 いや、質問はそこじゃないです。
 要するに、消防設備の基準だとかに差をつけていますよね。広さが狭ければ消防設備が要らないだとか、誘導灯が要らないとか、そういう設備に差をつけていますよね。それは面積で画していますよね。そして、玄関がわかるようなところであればいいという話で、民泊の場合でも消防設備に差をつけていますよね。
 でも、旅館業法でどんどん部屋数が小さいものをもしつくっていったとしたら、実質、民泊と変わらない部屋数だったり広さだったりする旅館が出てくる可能性もあるわけですよ、しかし構造上の差を設けることについては一定の合理性が要るんじゃないかという意味で、その差はどういうふうに説明をするのかというふうに聞いているんです。
○猿渡政府参考人 お答え申し上げます。
 いわゆる民泊は、住宅宿泊事業として、基本的にはホテル、旅館等と同等の取り扱いということでございますけれども、今御質問の点は、家主が居住している住宅で民泊を行う場合に、民泊の部分が面積が小規模である場合には一般の住宅と同様の取り扱いということで、住宅用火災警報器の設置で足りるのではないかということを考えておるということでございます。
○岡本(充)委員 それは事実を答えているだけです。
 つまり、旅館も小さくなってくる、民泊も小さいのに、設備に差ができますね。家主が住んでいて、要するに管理者がいる宿泊施設と、旅館で管理者がいる宿泊施設、面積、部屋数、小さいものが出てきたときに、設備に差をつけるのは合理的じゃないんじゃないかという議論が出てくるんじゃないか。だから、そこに差をつける合理的な理由は何かと聞いているんです。その理由を答えてください。
○猿渡政府参考人 まだちょっと詳細は検討中ではございますけれども、家主が居住している住宅で民泊を行う場合に、その面積が小規模である場合には、先ほど申しました応急対応義務等を家主にも課されておるわけでございますので、一般の住宅にお客さんが泊まりに来ているというような状態と同様の取り扱いでも足り得るのではないかということで、住宅用火災警報器の設置のみで足りるのではないかということで検討しておるということでございます。
○岡本(充)委員 理由は何かと言っているんです。差をつける理由は何かと聞いているんです。こういう理由ですというふうに答えていただかなきゃいけないんです。
○猿渡政府参考人 お答え申し上げます。
 まだ検討中の内容ではございますが、消防法の観点からいえば、安全確保の点から、家主が居住しており民泊の面積が小規模である場合には、一般の戸建て住宅にお客さんが泊まっているというような状況と同じような形で安全が確保できるのではないかということで、住宅用火災警報器の設置のみで足りるんじゃないかということを議論しておるということでございます。
○岡本(充)委員 では、旅館だって、小さい旅館が出てきたら、一般の住宅と変わらないじゃないですか。家主が住んでいても変わらない。フロントがあるかないかはこれから議論しますけれども、誰か管理者がいて、そして、一部屋、二部屋、小さいんじゃないですか。普通の家と変わらないんだから、ここだって消防設備は要らないでしょうという理屈になったときに、旅館なんだから消防設備を設けろというわけですよ。それは何でですか、その差は何か、理由を聞いているんです。
 もうこれ以上、委員長、同じことになりますから、理由を答えていただかないといけないと思いますが。
○猿渡政府参考人 業として小規模にやられている場合と、家主が居住していて、その家の一部を小規模に提供している場合というような形で、実態を見ました場合に、後者の場合については、住宅用火災警報器の設置で十分安全性が足り得るんじゃないかという議論をしておるということでございます。
○岡本(充)委員 ちゃんと理由を合理的に説明しないと、要するに、今度から小さい家も認めるんだから、これまでは部屋数が多いとか大きいとかいう理由で、一定程度、消防設備を用意しろというのは説明がついたと思いますよ。今度から、小さいものも旅館業法で認めるんだから、であれば、小さいところを認めてきたら、普通の家と変わらない大きさのサイズの旅館が出てくることも想定されるわけですよ。旅館業と言っている方には消防設備をやれと言っておいて、こっちの民泊だと言っているところには要りません、こういう話になっていると、合理的説明がつかないんじゃないか。
 土地の利用の問題もそうなんですね。土地の用途についても、旅館業として認められている土地と、そして認められていない地域というのが出てくるんですが、これは民泊だと、やりたいという話の中で、許可制でありますけれども、認められてくる。こうなってくると、これも合理的説明が要るんじゃないですか。つまり、何で小規模旅館と民泊との間にこうした差を設けていくのかということについて、私は十分議論されていないんじゃないかと思っているんです。だから、こういう答弁しかできないんじゃないか。
 そういう意味で、合理的なその理由について、消防の面から、それから営業ができる場所という観点でも、説明がつくのか。それぞれ、もう一度理由をお聞かせください。
○猿渡政府参考人 お答え申し上げます。
 我々としては、旅館業を営んでいるということだけではなくて、要は、複合的な建物というのは、家主の方が居住しておられて、お店をやられているとか、レストランをやられているとか、そういういろいろな場合があるわけでございまして、そういう場合に、その部分の面積が小規模である場合には、一般の住宅と同様に住宅用火災警報器のみの設置で大丈夫だという取り扱いを今までやってまいりましたので、この民泊の場合も同様の取り扱いでいいのではないかという議論をしておるということでございます。
○蝦名政府参考人 民泊営業の場合は、年間で百八十日未満の提供に資するということで、住宅と、専業でやっていらっしゃる旅館とは性格が異なるということでございます。
 この関係で、安全設備の関係でも差が設けられる部分もありますし、それから本来の住宅の性質を失わないということで、住宅専用地域におきましても営業が認められる、こういう形で、民泊法と旅館業法で整理をしているということでございます。
○岡本(充)委員 消防庁のエリアまで答えられて、すばらしい話ですけれども。
 私、もしそういう議論をしてくるなら、今度は百八十という数字をいじるときに、この話は連動してきてしまいますよ。日数だと言って、本当に大丈夫なんですか。
 やはりこれは、きちっと整理ができていないんじゃないか。前回の国交委員会でも、施行するまでに検討するべき課題がいろいろあるという話をしました。今の話で、整理をしないと、結局のところ、何でここでできるのか、では百八十日だったらいいというのだったら、うちの旅館は稼働を半分にしますから、設備はこうしてください、住宅専用地域にもつくらせてください、こういう話になりかねませんよ。半分だったらいいという話じゃないと思うんです。
 だから、きちっとそこを整理しないといけないと思いますから、ぜひ、きょう採決ではないと聞いておりますので、次の審議までにこれは整理してきていただけますか。お二人、消防庁と観光庁から御答弁いただきたいと思います。
○猿渡政府参考人 よく検討してまいりたいと思います。
○蝦名政府参考人 整理をさせていただきます。
○岡本(充)委員 という感じで、大臣、何か詰まっていないんですよ、法律が。いろいろな各省にわたっているから、所管しているのは厚生労働省だから厚生労働委員会で大臣が答弁しなきゃいけないというところもあるかもしれませんけれども、もう少しきちっと整理をして、それは規制改革という観点で、もしくは、これから東京オリンピックを目指して宿泊できる場所を広げていこうという話自体は合理性がある話だと私は思う一方で、やはりちょっと整理しておかないと、ほかの事業者と整合性がとれなくなるようなことにならないようにと思っています。
 あわせて、これはちょっと気になるところなんですけれども、消防庁にもう一つ来てもらっているんですが、最初に答えられたけれども、避難誘導等の義務を消防法第二十五条は課していますが、避難誘導について、もしくは人命救助を行わなければならない、消防隊が火災現場に到着するまでは消火もしくは延焼の防止または人命の救助を行わなければならないと書いていますが、これは、行わなくても、罰則も何もないんですよね。事実確認です。
○猿渡政府参考人 お答え申し上げます。
 これはあくまでも一般的な、道徳的な規範ということで、応急対応をとらなかった場合の罰則規定は設けられておりません。
○岡本(充)委員 この二十五条を妨げる、要するに、消火活動や、また人を救助しようというのを妨害することは罰則があるんですよ。
 だけれども、この前も聞いたんですけれども、旅館の経営者がイの一番に逃げましたとか、民泊の住宅を所有している人がイの一番に逃げていきました。それは逃げちゃだめとは言わないけれども、これはどこかの船の船長さんじゃありませんけれども、イの一番に逃げたから捕まった国がありましたけれども、やはり、誰が責任を持つのかということを明確にしておいて業をやるということをしていく、つまり、当事者意識を強く持ってもらわなきゃいけないんじゃないかというふうに私は思っているんです。
 最近、私は消火器なんかを見ていても、例えば外国語での表記はどうなっているのか。いろいろな人たちが、今度、民泊で泊まるわけですよ。そういうときに、やはり居住者がいない施設とかだったりすると、適正に消火器を使えるのか、こういうことを考えてみたりすると、いろいろな課題があると思うんです。
 安全に泊まれるのかどうかということについて、まだ課題が多いと思いますが、これについてもぜひしっかり検討していただいて、採決までに一定の方向性を出さないと、人は誰もいないわ、もしくはイの一番に責任者は逃げていっちゃったわ、手元に消火器はあるけれども、日本語でしか書いていないから、これはどうやるんだという話になったら、これは話にならないと思いますよ。だから、やはりそういう意味で、きちっと安全をまず確保するということは極めて重要だと私は思っています。
 さて、次の問いに行きたいと思います。
 旅館業法の五条では、こういう場合を除いては宿泊を拒んじゃいけない、こういうふうに書いてあるんですね。この解釈はいろいろあるんだろうと思いますし、これまでも我が党の議員が聞いてきました。
 では、ここで今度は聞いてみたいと思います。民泊は宿泊拒否をすることができるんですか。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
 住宅宿泊事業、いわゆる民泊は、住宅の空きストックを用いて宿泊サービスを提供する事業であるだけでなく、年間提供日数に上限を設ける、近隣トラブル防止のための宿泊者への説明と苦情処理の義務を課すなど、宿泊を専業としております旅館、ホテルとは異なる取り扱いをしている事業でございます。
 こうした民泊の特性から、例えば、女性の住宅宿泊事業者が宿泊者の性別を女性に限定するといったような合理的な説明のつく理由であれば、民泊サービスの提供に際して、住宅宿泊事業者の裁量を認めることが適当であると考えられることから、住宅宿泊事業法案では、宿泊拒否の制限の規定を設けていないところでございます。
○岡本(充)委員 合理的な範囲と書いてあればいいですよ。でも、合理的な範囲とはどこまでなんですか。宗教も入るんですか、国籍が入るんですか、そこはどうなんですか。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
 合理的な範囲と申しますのは、例えば、今申し上げましたような、女性の住宅宿泊事業者が宿泊者の性別を女性に限定するようなケースでありますとか、あるいは、民泊周辺の静穏な住環境の保持のために、住宅宿泊事業者が宿泊者の年齢を制限するといったような合理的な説明がつくような範囲であれば、住宅の宿泊の拒否の制限をすることが可能であるということでございます。
 他方で、宿泊希望者に対する宿泊の拒否が、外国人であれば、扱える言語を理由とした拒否ではなくて、差別意識とか偏見に基づくようなものであれば、社会通念上、不適切となることもあり得ることから、住宅宿泊事業者や住宅宿泊管理業者に対してガイドライン等で適切な対応を促していくことを検討して、対応してまいりたいと思っております。
○岡本(充)委員 まさにそれは偏見じゃないですか。若い人だったらうるさいんですか、そういう意味ですか、年齢で絞るって。これも詰まっていないと思いますよ。
 では、仕事で制限していいんですか。楽器を持ち込むような、例えば音楽関係の仕事をしている人は泊まっちゃいけない、うるさくなるからだめだと、仕事を制限していいんですか。今の話で、国籍、宗教、これは合理的じゃないと言うんですか。その合理的なラインが見えないじゃないですか。何なら断ってよくて、何なら断っちゃいけない。偏見に基づいちゃいけないと言っているけれども、若い人がうるさいと誰が決めるんですか。これはおかしい話じゃないですか。これはまさに偏見でしょう。
 だから、そういう意味で、きちっと合理的な答弁になっていないと思いますよ。これも次までにきちっと整理をしていただけますか。ちょっと整理できていないと思いますよ。もう一回、どういうときに拒否ができるのかはっきりさせないと、やはり国会での審議で明確にしておく必要があると思いますよ。もう一回、きちっと整理していただけますか。
○蝦名政府参考人 どのような範囲が合理的なものであるかということにつきましては、ガイドライン等で適切な対応を検討してまいりたいと思いますので、しっかり整理をして対応してまいりたいと思っております。
○岡本(充)委員 これは、似たような法律だからやりましょうという話で与党から言われてやることになったという話でございますが、かなり詰まっていないような気がしてならないんですね。
 その次にちょっと行きたいと思います。
 今度、旅館業の話でありますけれども、今後、いろいろ規制緩和をしていく中で、時間も限られていますからちょっと次の質問に行きたいと思いますが、フロント、ホテルとかでもフロントをなくすことができるという話も出てくるようでありますが、そもそも本人確認というのはどうやって行っていくのか。私、正直申し上げて、これまで、旅館やホテルに泊まったときに身分証明書を出してくれと言われたことはないです。大臣、ありますか、身分証明書を出してくれと言われたこと。
○塩崎国務大臣 海外ではパスポートがありますけれども、国内ではないですね。
○岡本(充)委員 だって、旅館業法は国内だから。国内の旅館業法で、業としてやっているところで、身分証明書は求められない。ところが、外国人には、身分証明書、今言われたようにパスポートを求めている例を私、横から見ていて、まあ、余り横からのぞき見しちゃいけないんでしょうけれども、パスポートを出してくださいと言っているのを見ています。
 これは、外国人に対する扱いと日本人に対する扱いに差があるんじゃないか。本人確認をきちっとするというのであれば、やはり同じく本人確認をしなきゃいけないし、もちろん、本人確認をした結果の個人情報をどう扱うかというのは次の話なんですけれども、そういう意味で、身元の確認、明らかにこの人が日本人かどうかなんというのは、日本人ですかと聞かれたこともないですからね、泊まるときに。
 そういう意味で、これは何か、やはり差があるというのは合理的な話じゃないんじゃないかと常々思っているんですけれども、事務方でも結構です、ここら辺、どういうふうにこれから整理をしていくつもりなのか。そしてまた、重ねてもう一つ問いですけれども、フロントがなくなってICTを活用してとかと言っていますけれども、本当に本人確認、外国人も含めてできるんだろうか。そこについてちょっとお答えいただきたいと思います。
○北島政府参考人 お答えいたします。
 一点目の点でございますけれども、外国人の観光客の場合は、パスポートをいつも持参しているということで、パスポートの確認ができるんですが、日本人の場合は、国内旅行で必ずしもパスポートをお持ちでないという場合もございます。ただ、名簿に記帳していただく際に虚偽の記帳をした場合には罰則もございまして、疑わしい場合については、営業者が本人確認をすることはできる仕組みになってございます。
 また、玄関帳場のICTの問題でございますけれども、平成二十八年十二月六日の規制改革会議におきまして、「旅館業規制の見直しに関する意見」が決定され、旅館業法に係る構造設備基準の規制全般について見直しが提言をされております。
 厚生労働省といたしましては、玄関帳場やフロントの設置義務については原則維持をすることを考えておりますが、規制改革会議の意見を踏まえまして、ICTの活用等による代替方策について検討し、設置義務の緩和を図る方向で検討を進めているところでございます。
 具体的な代替措置といたしましては、今検討中でございますけれども、宿泊者の安全や利便性の確保のため、事故が発生した場合など緊急時の対応ができること、ビデオカメラ等により宿泊者の本人確認や出入りが確認できること、鍵の受け渡し等を適切に行うことができることといった機能が担保される必要があると考えております。
○岡本(充)委員 前段は余り答えてもらっていないですね。
 日本人ですかと聞かれたこともないと言いました。私がフロントに立ったら日本人だと思っていただいているのかもしれませんが、日本人ですかという話もなく、ああそうですかと言って、名前を書いてくださいで終わりですよ。大臣もそうでしょう、名前と住所と書いてくださいと。
 やはりこれは、見た目で判断しているのかどうかは別として、外国人にパスポートを出せと言っている一方で、日本人は名前と電話番号だけでいいですというこの身元確認のあり方というのが、今後、国際化していくこの日本において適切なのか。やはり外国人に対して求めているのと同等のものを私はきちっと求めていかなければならないんじゃないか。
 疑わしい場合といったって、僕が例えばうその名前を書いたって、うその住所を書いたって、極論を言っているんですよ、それで疑わしいと端緒を感じることは、それは経営者にとっては無理ですよ、フロントにとっては無理ですよ。したがって、やはりそれはきちっと確認できる方法をとっていかないと、何かがあったときに、本当に、誰が宿泊していたのかわからないという話になってはいけないと思います。
 そういう意味で、どういうふうにしていくのか。だから、規制を強くしろと言っているわけではないけれども、どういう方法がいいのか、それはICTを活用したフロント機能の代替とあわせてぜひ検討していかないと、やはりこれは、不公平だ、差別的だと言われる可能性だってあると思いますよ。だから、きちっと検討するべきだと思います。どうですか。
○北島政府参考人 お答えいたします。
 宿泊者、また周辺住民の安全、安心はこの旅館業についても大変重要な課題だと考えておりますので、ただいまの御意見を踏まえまして、その対策について、しっかりと検討してまいりたいと考えております。
○岡本(充)委員 ぜひよく考えていただきたいと思います。
 次に、イベント民泊について。いろいろな泊まり方があるんだなと思いますけれども、イベント民泊。
 いやあ、いろいろあるなと思いまして、皆さんのお手元にも資料を配っていますけれども、ガイドラインなるものがあって、年に一回、二日から三日程度と書いていますが、二日から三日にこだわらないんです、三日を超える場合であってもイベント民泊として取り扱える、こう書いていますから。
 このイベント民泊、これからビッグイベントが来ますね、東京オリンピックのときに、では、自分の自宅をイベント民泊として提供するんだ、したがって、今議論されているこの民泊法の枠を超えて、もちろん自治体が認めなければならないという前提はありますけれども、その自治体において、よし、では、イベント民泊をやろう、こういう話になったときに、その地域でイベント民泊が東京オリンピックの期間行われる、年に一回ですから、いや、年に一回どころじゃない、これは繰り返し行われるわけでもないですから、できるという理解でいいんですか。
○北島政府参考人 イベント民泊とは、年一回、二日から三日程度のイベント開催時であって、宿泊施設の不足が見込まれることにより、開催地の自治体の要請等により自宅を提供するような公共性の高い民泊サービスについては、反復継続するものではなく、旅館業に当たらないという解釈をしているものでございます。
 なお、このイベント民泊の際につきましては、ガイドラインを示しまして、本人の記帳、安全確認等、適切な対応が図られるよう指針を示しているところでございます。
○岡本(充)委員 答えていないです。
 だって、ガイドラインに、三日を超えてもいいと書いているじゃないですか。「イベント開催期間が三日を超える場合であっても、各自治体の旅館業法担当部署において、自宅提供行為が、上記趣旨に照らして問題がないと判断できる場合には、旅館業法が適用されないイベント民泊として取り扱うことができます。」と書いていますから、東京オリンピックの期間、一人の人に貸し続けます、これでイベント民泊はできるんですね。
○北島政府参考人 まずは、宿泊施設の不足が見込まれるということで、開催地の自治体の要請があった場合には可能になると考えております。
○岡本(充)委員 大臣、これはすごい話なんですよ。イベント民泊は三日ぐらいで年に一回だといって、いろいろな規制緩和、こんなゆるゆるでできるようになっているんです。
 でも、これは東京オリンピックの期間中ですよ、もしやると。多分、宿泊施設が足りなくなるでしょう。予想されますよね。今からでもわかっている話です。こういうときにこんなイベント民泊の話が走っていて、ここでトラブルが起こることは、私は想像できると思うんですよ。これは大至急整理するべきだと思います。
 大臣、ぜひ政治力を発揮して、これはもうちょっと整理したらどうですか。やってくださいよ。
○塩崎国務大臣 もともと民泊は、宿泊施設の需給のアンバランスをどう解消するかということで、随分これを活用すべしという御意見があったというふうに理解をしています。
 したがって、今のこのイベント民泊の定義を見ても、宿泊施設が足りないという場合に提供してもらって、その場合に旅館業法を適用しない、こういうことでありますから、それはそれで理にかなったことだというふうに思いますが、問題は、例えば安全性の問題、先ほど来、岡本委員おっしゃっていますけれども、安全性というのはどういう場合でも必要なことでありますから、そういうことについての整理はきちっとしないといけないんだろうというふうに思います。
 したがって、今、私どももイベント民泊ガイドラインということで名を連ねているわけでありますから、そういう点についても、整理をすべきところは、先ほど消防庁の方からもまだまだ整理すべきことはたくさんあると言っていましたが、事安全性、今の受付での身元の確認なども含めて、整理すべきものは整理すべきだろうというふうに思います。
 旅館は、長らく日本の文化で、余りそういうところに詳しく突っ込んでおかなかったわけでありますけれども、しかし、こういう時代で、テロがどこでも起き得るとか、いろいろな悪用もあり得るので、問題意識は、今お話をいただいたとおりの点でも詰めていくべきだろうというふうに思います。
○岡本(充)委員 もともと年に数日のつもりでつくったこのガイドラインは、今言ったように、東京オリンピックでもパラリンピックでも、通算してもし借りようと思ったら、数カ月借りちゃうことができる可能性があるということを部長が答弁しているわけですから、長期にわたっては想定しないけれども長期が使える可能性があるという問題意識にのっとって、少し整理をするべきだと思います。
 さて、質問してきましたけれども、大臣、ちょっと、次、また議論する機会があるでしょうから。
 私、きょう、気になったニュースが二つあって、一つが、朝ばっとテレビをつけたら、NHKで、独禁法の適用について、ビッグデータを活用して何らかの自分たちのビジネスを有利にしようというような取り組みについても独占禁止法をある意味適用していくことも考えるという公取のきのうの発表が、けさ、ニュースになっていました。通告していないからいいんです、私も朝見て知ったんです。
 それで、確かにそうなんですよ。何かキーワードを入れて検索したら、何でもいいです、例えば温泉に行きたいといって検索すると、その後、温泉の広告が出てきたりすることがあるんですね、サイドに。そういう経験はありませんか。あれはまさに、キーワードを入れて、それをもとに有利に商売をやろうという話なんじゃないかと思います。
 要するに、どういうふうな広告が適正な競争になるのか。大企業だからそういうデータをたくさん持っているから有利に事が運ぶという話は独禁法に触れる、こういう解釈なんじゃないかと私は思います。きょうは公取を呼んでいませんけれども。
 したがって、これは厚生労働省でもよく公正取引委員会と整理をしつつ、どういう情報を扱って、どういうふうにすることが公正な旅館業の競争になるのかということを考えてもらいたいと思います。大規模な宿泊紹介サイトも今ありますから、そういう意味で、ここをひとつ整理していただきたい。
 それから、もう一つ、気になるニュース、またこれもけさ僕が開いた新聞、開かなくても一面に載っていました、毎日新聞の一面に「地銀・メーカーが建設攻勢」、地銀とメーカーが建設攻勢と。個人向けのアパート、マンション建設融資業が過去最大になっていた、それで、空室が目立っていると。この空室がこれからいわゆる民泊に使われる可能性がないとも言えないんですね。
 本当にアパートとして使われるのか。それとも、場合によっては、これを宿泊業もしくは旅館業に類する民泊として使っていくような話になってきて、ここに大きなまたバブルが生まれてくると、これはえらいことになると思いますよ。
 借り手がいないけれどもマンションを建てる。マンションを建てるけれども、その実態は、賃貸業としてではなくて、これは、そこに誰かを住まわせる。要するに、業として宿泊業、旅館とは言いませんけれども、宿泊をする業。
 宿泊の業とはどういうことかということでありますけれども、厚生労働省の解釈によると、管理、経営形態を総体的に見て、宿泊者のいる部屋を含め施設の衛生上の維持管理責任が営業者にあると社会通念上認められることや、施設を利用する宿泊者がその宿泊する部屋に生活の本拠を有さないことを原則として営業しているもの、これが旅館の定義でしょう。
 したがって、この定義から照らし合わせて、あいている部屋を使ってこういうことをやっていくという話になっていくと、これはただでさえ今バブルだと言われている民間の建設の話が、旅館にまたさらに上乗せされてさらなるバブルを生むなんということにならないように、この二点、ちょっと一度省内で整理をぜひしていただきたいと思うので、大臣、今こうしますは、それはもちろん結構です、ちょっと考えていただきたい。
○塩崎国務大臣 独禁法の話は、私もちょっと全体像がよくつかめないのでありますから、持ち帰って、どういう問題があるのか、医療機関の宣伝広告の類いの問題にもかかわるような話かなというふうには聞こえましたが、考えてみたいと思います。
 バブルの話は、これはまずは金融行政の問題で、いつか来た道で、バブルのときのことでは私も多少なりとも関与して、金融再生法などを一緒につくった人間でありますから、銀行がどこまで賢いかということが問われる問題だろうと思いますが、一方で、それに旅館などが、あるいは民泊のようなものが使われるということは、それは何が対象になったって、チューリップの球根だってバブルのもとになったわけでありますから、何だってあり得るわけですけれども、我々は、大事なことは、旅館業はやはり旅館業としての健全な発展を考えなきゃいけないので、それにもとるようなことが起きないように注意をしておくということは大事だというふうに思います。
○岡本(充)委員 ぜひ、そういう意味で、新たなバブルの一端を担がないようにしていただきたいというふうに思います。
 最後に、医政局長に来ていただいて、ちょっとこれは法案と関係がないんですけれども、一点だけ聞かせていただきたいんです。
 私、気になることを聞きまして、前回からいろいろ妊産婦さんの話を聞いているんですけれども、最後に一点だけ聞かせてください。
 マタニティークリニックにおいて分娩予約を行って、手付金、着手金を払った。諸事情で、例えば、おたくの子供さん、おなかの中で大きくなってきたら逆子でしたよ、逆子でちょっとリスクがありますけれども、うちでも産めますよ、大丈夫ですと言われたけれども、ちょっと不安だなと思って、その妊産婦さん、いや、別のクリニックで出産することにしますと言ったら、この着手金や手付金が返ってこない事例がある、もしくは違約金を取ることがある、こういう話をちょっと小耳にしました。
 これは、法的な整理はどういうふうになっているのか。法務省にも来ていただいていますから、民民の契約だから自由なんだと法務省は言うのかどうかもわかりませんけれども、厚生労働省的に、もしくは法務省の解釈として、何らか問題点があるというふうな理解をしているのか、それぞれお答えをいただいて、質問を終わりたいと思います。
○金子政府参考人 お答えいたします。
 今委員が質問の中で言われたキャンセルの理由がちょっと若干気にはなったんですが、一般的に違約金の契約が問題があるのかという観点から少し御説明しますと、今御指摘のとおり、契約の内容は両当事者が自由に決めることができるという契約自由の原則がありますので、違約金に関する定めについても、基本的には両当事者の合意によって自由に決めることができます。そのため、クリニックと患者との間で、分娩の予約をキャンセルした場合には患者がクリニックに違約金を支払う必要がある旨の合意等をしたような場合、契約自由の原則に照らせば、合意も基本的には有効であり、違約金を取ることもできるというふうに考えられます。
 ただ、もっとも、具体的事案によりますけれども、個別具体的な事情によっては、消費者契約法その他の特別法に違反したり、あるいは民法九十条の公序良俗に反するとして、違約金に関する合意自体が無効になる余地はあるものと考えられます。
○神田政府参考人 お答えいたします。
 患者等に対する診療内容の説明といたしまして、医療法では、医療機関の管理者に対して、患者を入院させるときには、入院中に行われる治療に関する計画等を記載した書面、いわゆる入院診療計画ということになろうかと思いますけれども、それを作成、交付し、担当医によって適切な説明を行うことを義務づけております。その中の、行われる治療に関する計画というところが、途中で別のところでなければ分娩ができないというようなことであるとすると、果たしてこの説明の義務が果たされていたのかという観点から問題になるのではないか、この規定に違反している可能性があるのではないかというふうに考えられます。
 それからもう一つ、厚生労働省では、自由診療に関するトラブルを未然に防ぐという観点から、インフォームド・コンセントに関して特に留意すべき事項として、解約条件について、必ず事前に丁寧に説明しなければならないというふうに指導しているところでございます。違約金の額がどうかということにもよりますけれども、それが、事前に違約金をこれこれ取るんだということをしっかり説明していないとすると、インフォームド・コンセントの観点からも問題があるのではないかというふうに考えております。
 また、契約解除に伴う平均的な金額を超える違約金を請求する場合には、消費者契約法にも触れる可能性があるというふうに考えております。
○岡本(充)委員 時間になりましたからこれで終わりますけれども、それは妊産婦さんからしてみれば、やはり自分の子供第一ですから、その子供にリスクが生じるという可能性を説明されて不安になって、移りたいという気持ちになったときに、違約金だ、手付金は返さないんだという話になってきて、渋々そこで産んでトラブルになったら、目も当てられませんよ。やはり、もう少しちゃんとこれも整理してください。お願いします。
    〔高鳥委員長代理退席、委員長着席〕
○丹羽委員長 次に、河野正美君。
○河野(正)委員 日本維新の会の河野正美です。
 旅館業法改正案に関して、たくさん質問を用意しておりますけれども、時間の関係で調整しながら伺いたいと思いますし、一番最後ということで、もう重なっている問題もあるかと思います。
 冒頭ですけれども、観光庁の次長に来ていただいたんですけれども、先ほどの岡本委員の方でもうほぼ解決しているんじゃないかと思うので、退席していただいて結構です。一問しかなかったので、済みません、どうぞ。
 まず、旅館業法では、主に施設の構造設備を中心に政令や要綱で細かく規定されているわけでありますが、具体的には、同法施行令第一条で、客室の最低数、床面積、寝具、鍵、客室の境のつくり、換気、採光、照明、防湿、排水設備、浴室や入浴設備、便所の方式などが定められているというふうに思います。
 なぜこのように細かい規則が設けられてきたのか、まず、その理由や経緯について伺いたいと思います。
○北島政府参考人 お答えいたします。
 昭和三十二年の旅館業法の改正によりまして、営業の施設の水準の向上を期するため、その構造設備の基準を政令で定めることとしたものです。
○河野(正)委員 何かあっさりだったんですけれども、先に行きます。
 昨年十二月、規制改革推進会議は「旅館業規制の見直しに関する意見」をまとめています。主に、先ほど示したような構造設備の基準の規制全般をゼロベースで見直すように求めたものだというふうに思います。それに対し、厚生労働省は、一部撤廃するものはあるものの、定性的な表現に改めた上、なお規制は残す方向で検討しているということであります。
 なお規制を残す必要性がどこにあるのか、全体的な検討状況とあわせてお答えいただきたいと思います。
○古屋副大臣 厚生労働省といたしましては、規制改革会議からの意見を踏まえまして、まず、客室数の最低数、寝具の種類等の規制については撤廃する、また、採光、照明設備やトイレ等の具体的な数の要件については定性的な表現に改める、そして、玄関帳場の設置義務につきましては、原則維持しつつ、ICTの活用等による代替方策について検討をし、設置義務の緩和を図る方向で検討を進めております。
 こうした対応は、新たな住宅宿泊事業とのイコールフッティングの観点から、旅館、ホテルの要望を踏まえた大幅な規制緩和を行うものでございますが、公衆衛生の確保や善良の風俗の保持等のために必要な最低限の規制は残すこととしたいと考えております。
○河野(正)委員 客室の床面積については、本改正案でホテル、旅館が一体化するのに合わせ、ベッドの有無に着目した規制に改めるとされておりますが、具体的にどういう規制を設けるつもりなのかを、必要性とあわせて伺いたいと思います。
○北島政府参考人 現行の客室床面積につきましては、旅館営業については七平米、ホテル営業については九平米とそれぞれ規定しております。
 今般の旅館業法の改正において、ホテル営業及び旅館営業の営業種別を一本化することに合わせて、客室の最低床面積に関する規制につきましても、ベッドの有無に着目した規制に改め、一室の最低床面積について、ベッドがない場合には七平米、ベッドがある場合には九平米とすることを検討しております。
○河野(正)委員 入浴設備の基準については、規制の緩やかな旅館の規制に寄せるとともに、感染症対策、利用者の安全等に必要な規定は維持するというふうにされておりますが、規制が必要な理由と、利用者の安全等に必要な規定とは具体的にどういうものを示しているのか、伺いたいと思います。
○北島政府参考人 現行の旅館業法施行令において、入浴設備の具体的要件として、ホテル営業については、適当な数の洋式浴室またはシャワー室を、また、旅館営業については、近接して公衆浴場がある等入浴に支障を来さないと認められる場合を除き、宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の入浴設備をそれぞれ有することとされております。
 今回の旅館業法の改正に伴うホテル営業と旅館営業の一本化に合わせ、入浴設備につきましては、より規制の緩やかな現在の旅館営業の水準に統一することとしております。また、レジオネラ症などの感染症対策や、熱いお湯に対するやけどなどの利用者の安全確保等に必要な規定につきましては維持し、それ以外の規定については撤廃することとしております。
○河野(正)委員 私も病院をやっておりますけれども、循環型のお風呂があって、やはりレジオネラ対策でかなりお金もかかりますし、厳しく指導も受けているところでありますので、その辺しっかりと、感染症対策等々やっていただきたいと思います。
 玄関帳場については、受付台の長さ一・八メートル以上等の数値による規制は撤廃した上、対面でのコミュニケーションを代替する方策について、ICTの活用等も認める方向で検討ということで、先ほど来議論もあったかと思います。今までなぜこのような規制があったのか。ICTの活用とは具体的にどういうものを考えているのか。本人確認が確実に行われることが重要であると思いますが、これが担保できているのか。あわせて伺いたいと思います。
○北島政府参考人 具体的なICTの代替措置といたしましては、現在検討中ではございますが、宿泊者の安全や利便性の確保のため、事故が発生した場合など緊急時の対応ができること、ビデオカメラ等により宿泊者の本人確認や出入りが確認できること、鍵の受け渡し等を適切に行うことができることといった機能が担保される必要があると考えております。
○河野(正)委員 言うまでもありませんが、宿泊施設の稼働状況や、宿泊者の多い、少ないというのは地域によってさまざまであり、利用客が集中する時期というのもその場所によって違ってくると思います。法律で制度の枠組みを固め過ぎてしまうと、地域の実情に応じたサービスが展開できなくなりかねないというふうに思います。
 旅館業法、住宅宿泊事業法、特区民泊と、仕組みは多様になりますが、できる限り既存の規制を見直し、自治体が地域の実情に合わせて制度を組み立てられるようにするべきと考えますが、大臣の見解を伺いたいと思います。
○塩崎国務大臣 今回、旅館業法の改正を行うに当たりまして、ホテル営業と旅館営業の営業種別を一緒にする、和風だ、洋風だといった様式の違いによる規制を撤廃して、利用者の多様なニーズに応えていこうということでありまして、それに加えて、政令などにおきまして、最低客室数あるいは寝具の種類とか客室の境の種類の規制撤廃など、大幅な規制緩和を行っているわけであります。
 また、旅館業に関する事務はもともと自治事務でありますので、許可や指導監督において都道府県などの裁量が認められておりまして、地域の実情を踏まえて、条例等による規制を行うことが可能というふうになっています。
 今後とも、各自治体が、それぞれ地域の実情に合わせて事務の執行が行える仕組みを維持してまいりたいと考えております。
○河野(正)委員 宿泊拒否制限規定については、幾つか質問を用意していたんですけれども、この辺、ちょっと割愛させていただきまして、私、補助犬議連というのに入っているんですが、これについて伺いたいと思います。
 補助犬と一緒に宿泊したいという方々にとりまして、快適な宿泊施設というのは、残念ながら、我が国には多くないと思います。中でも、京王プラザホテルは力を入れておるということで、対応客室や犬用のトイレなど、環境整備を進めているというふうに伺っております。
 既存のホテルや旅館で補助犬の受け入れに対応したサービスがなかなか進まないのであれば、民泊など小規模な宿泊施設において、そうした方々の受け入れに特化した施設をつくりやすくするなど、対応ができるんじゃないかなというふうに思います。
 こういった補助犬とユーザーに対応した宿泊施設をふやすための取り組み、配慮や啓発の必要性について、政府の見解を伺いたいと思います。
○塩崎国務大臣 補助犬は、当然のことながら、障害者の皆さんのサポートをするということでありますから、宿泊で、これが理由で断られるようなことがあってはならないというふうに思っております。
 そのため、厚生労働省としては、身体障害者補助犬法、これに関する理解を深めるために、ホームページで情報発信をする、あるいはリーフレットやポスター、ステッカーなどをつくりまして、障害者差別解消法に基づく衛生事業者向けガイドラインを作成いたしまして、それぞれ自治体、関係機関などを通じて配付をするなど、補助犬についての啓発に努めてまいっております。
 一方で、民間事業者の調査によりますと、依然として宿泊施設における盲導犬使用者の宿泊拒否が報告されていることを聞いておるわけでありまして、補助犬使用者が宿泊を拒まれることがないように、私どもとして、さらにこの啓発に取り組まなければならないというふうに考えております。
○河野(正)委員 東京オリンピック・パラリンピック等々で補助犬を連れた外国人観光客の方がたくさん来られると思いますので、しっかりと対応をお願いしたいと思います。
 次に移りますが、旅館業法施行令第三条の制定趣旨や経緯について伺いたいと思います。あわせて、善良の風俗が害されるような文書、図画その他の物件、広告物とは具体的にどのようなものを示すのか、伺いたいと思います。
○北島政府参考人 旅館業法施行令第三条の規定が定められた昭和三十二年当時の通知によりますと、旅館業に対する規制は、従前は、単に施設面について、しかも公衆衛生上の見地からのみこれを行っていたところでありますが、旅館業の本来の性格から考えた場合、その健全な発展を図る上からは必ずしも十分と言い得ない面もあり、特に最近は、一部地域において、教育上からも種々批判を受けるような事例もあったことに鑑み、新たに風俗的見地も加味した規制を行うこととしたとされております。
 一部のホテル、旅館につきましては、風営法の規制も受けているところでございます。
○河野(正)委員 具体的にはまだはっきりしないということでよろしいですか。
○北島政府参考人 例えば、例でございますけれども、修学旅行生が泊まるようなホテルに、子供に見せてはいけない雑誌ですとかビデオなどを置くというようなのも、風俗上問題があるという事例となっております。
○河野(正)委員 ホテルなどに泊まりますと、客室に聖書などの書籍が備えられているということも多いと思います。最近では、ホテルの経営者に関する書籍なども置かれていることがあると思いますが、中には、いわゆるヘイトスピーチに当たるのではないか、問題ではないかという声が起こった書籍も見られて、話題となったと思います。
 今後、オリパラ開催も控えて、外国人利用客も当然ふえてくると思いますが、そうした状況で、差別やヘイトスピーチに当たるのではと受けとめられるような書籍をホテル客室に置くことに関して、政府の見解を伺いたいと思います。
○北島政府参考人 旅館業法施行令第三条第一項におきましては、「善良の風俗が害されるような文書、図画その他の物件を営業の施設に掲示し、又は備え付けないこと。」と規定されております。
 個別の文書が、この善良の風俗が害されるような文書に該当するか否かにつきましては、まず、自治事務として、都道府県知事等により判断されるものではあります。一般論として言えば、単に経営者の思想や信条に関する著書というだけでは善良の風俗を害するとは言えませんが、それがヘイトをあおる内容に当たるか否かにつきましては、今一概にはお答えできないところでございます。
○河野(正)委員 次に、保健所の実務について伺いたいと思います。
 厚生労働省がことし三月に公表した全国民泊実態調査では、無許可営業が三割、物件を特定できない、自治体による調査中の事例が五割以上に上っております。
 本改正案では無許可営業に対する規制が強化されますが、果たして、規制の実務を担う保健所がそれを実行できるのかどうか。実効性ある体制を整備しておく必要があると考えますが、見解を伺いたいと思います。
○北島政府参考人 御指摘のとおり、旅館業を無許可で営業する者に対しては、地方自治体の保健所が指導監督を実施しておりますが、住宅宿泊事業法案成立後の違法民泊の実態等を踏まえ、地方自治体や関係省庁と連携しながら、保健所の体制整備について検討してまいりたいと考えております。
○河野(正)委員 特区民泊について伺います。
 昨年から国家戦略特区に限って解禁されたいわゆる特区民泊は、東京都大田区や大阪府、大阪市、北九州市で実施されてきました。
 しかし、認定件数もことし三月時点で八十施設ほど、利用者もおよそ七百七十名と、余り利用されているとは言いがたい状況かと思います。
 また、当初は滞在期間が六泊七日以上とされましたが、十月には、二泊三日以上と条件が緩和されております。それでもなお増加には結びつかなかったということでありますが、三月二十四日の委員会質疑では、特区民泊は一定の成果を上げているとの答弁でありました。利用が低調ではないのかという指摘もなお聞くところであります。改めて、具体的に、国家戦略特区による取り組みとして、特区民泊への評価を伺いたいと思います。
○川上政府参考人 お答え申し上げます。
 お尋ねの国家戦略特区における民泊事業、いわゆる特区民泊でございますけれども、御指摘のとおり、これまでに東京都大田区、大阪府、大阪市あるいは北九州市で事業を開始してございまして、認定件数は直近の六月六日時点でございますと百五十二施設四百三十八室ということで、私どもとしては順調に実績を伸ばしているという認識でございます。
 また、利用者の七割近くは外国人ということでございまして、インバウンド対応にも大きく貢献しているという認識をしてございます。
 このうち大田区では、近隣ホテルと業務提携を行いまして、鍵の受け渡しや本人確認を対面で実施するなど、旅館組合と密接に連携するといった事例もございまして、これについても、私ども、評価しているところでございます。
 また、御指摘のとおり、特区民泊は、制度創設の当初でございますが、最低利用宿泊日数が六泊七日以上と高いハードルになっておりました。このため、大阪市や民間事業者から引き下げるべきとの御提案をいただきまして、これを受け、昨年十月には、近隣への適切な事前説明などを前提として、二泊三日まで引き下げる見直しを行ったところでございます。
 これによりまして、全国で初めて日数の引き下げを行った大阪市などでは、引き下げ前と比べて、件数に顕著な伸びも見られているところでございます。
 これらに加えまして、特区民泊は、宿泊者名簿の備えつけにより犯罪利用を防止するとともに、近隣住民への説明や苦情窓口の設置などにより丁寧な近隣住民対策等を行っており、事業実施に当たって、私どもとしては、特段の問題は生じていないという認識をしているところでございます。
○河野(正)委員 特区民泊のほか、旅館業法、住宅宿泊事業法案と、宿泊分野の選択肢がふえていくことになります。そもそも国家戦略特区は、岩盤規制改革の突破口とされ、旅館業法による規制を打破することが目標であったと思います。今回、それぞれの事業を併存させることになり、あえて特区民泊を継続していくことにどのような意味があるのか、伺いたいと思います。
○川上政府参考人 お答え申し上げます。
 民泊新法による全国民泊との比較ということでございますけれども、民泊新法による全国民泊では年間提供日数の上限が百八十日とされる一方、特区民泊では最低利用日数の要件、二泊三日以上があるなど、両制度はそれぞれ異なる特性を有しているところでございます。
 民泊新法施行後は、全国民泊と特区民泊が併存するということになりますけれども、それぞれの特性に応じ、両者を車の両輪として、急増するインバウンド需要に対応していくということになろうかと思ってございます。
 なお、一般的に、国家戦略特区で措置される規制改革事項につきましては、PDCAサイクルに基づく厳格な評価により、その成果の全国展開を目指していくということにしてございます。この特区民泊につきましても、今の特区基本方針に基づきまして、まずは、毎年度的確に評価を行った上で、全国展開の可否等も含め、適切な判断をしてまいりたいという認識でございます。
○河野(正)委員 今後のことについて最後に伺っていきたいと思いますが、規制改革推進会議は、オリパラに向けて不断の改革を求めておられると思います。現時点で具体的にどのようなことを考えているのか、確認させていただきたいと思います。
○福島(章)政府参考人 お答えいたします。
 今御指摘いただきました点は、今後とも不断の改革を進めるべきであるといたしました規制改革推進会議の最終的な報告書に載っておる提言だと思います。
 この意見の中で具体的に挙げている客室の最低数や玄関帳場等の規制の見直しにとどまらず、その後の宿泊ニーズの動向やICTの進展などを踏まえまして、旅館業に関する規制の見直しを不断に行っていくべきことを指摘したものでございます。
 規制改革推進会議の運営につきましては、議長のもと、委員間の議論で進められるものでございますので、現時点で何らかの方針が決まっているというものではございませんが、今後とも、必要に応じ、旅館業に関する規制について議論が行われることはあり得るものと承知をしております。
○河野(正)委員 最後の質問になりますが、繁華街を歩きますと、ホテルがライバルという看板を掲げた漫画喫茶であるとか、レンタルルームで休憩、宿泊といったように、法制度のすき間を縫うようなサービスが広がっているといった実態も認識されます。
 こうした現状を政府がどのように受けとめているのか、法律のすき間サービスを初めとして、今後の宿泊にかかわる規制のあり方についてどのように考えているのか、伺いたいと思います。
○古屋副大臣 宿泊料を受けて人を宿泊させる営業を行う場合には、原則として、旅館業法に基づき、旅館業の営業許可を取得する必要がございます。
 しかし、実態としては、委員御指摘のように、旅館業の営業許可をとらずにマンションの一室やレンタルルームを宿泊施設として使用しているケースも見られることは承知をいたしております。
 このため、旅館業法の改正によりまして、無許可営業者に対し都道府県知事等が立入検査を行う権限を創設するとともに、無許可営業者に対する罰金の上限額を引き上げること等の無許可営業者に対する取り締まり強化を図ることといたしております。
 一方で、近年のいわゆる民泊サービスの増加等を踏まえ、住宅宿泊事業を一つの類型として位置づけ、その実態把握と適切な指導監督を行うために、住宅宿泊事業法案を今国会に提出したところでございます。
 そして、社会の実情に応じまして、宿泊サービスを求める人々のニーズの多様化に対応することも重要であり、今般の旅館業法の改正案には、旅館営業とホテル営業の一本化により類型を整理するとともに、構造設備基準の見直しなど政省令以下のレベルでの大幅な規制緩和も検討しております。
 こうしたことを通じまして、社会の実情に合った制度運営に努めてまいりたいと考えております。
○河野(正)委員 ありがとうございました。
 これから、やはりオリンピック・パラリンピックで多数の外国人の観光客の方を迎え入れることになると思いますし、私の地元福岡では本当に、ホテルが足りないと言われるぐらい、大型観光船等、またアジアのゲートウエーを自任しておりますので海外からたくさんの観光客が来て、あと、アイドルのコンサート等があると一切とれなくなる、何とかならないかとか、旅館あっせんをやっているわけじゃないんですけれども、僕のところにも問い合わせが来るぐらいの話でありますので、こういった制度、きょうの質問を通して、たくさんまだ問題点もあると思いますので、しっかり検討していただいて、観光客を迎え入れるいいシステムになったらなと思っております。
 時間が来ましたので、終わります。ありがとうございました。
○丹羽委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時三十三分散会