第196回国会 内閣委員会 第3号
平成三十年三月十四日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 山際大志郎君
   理事 石原 宏高君 理事 谷川 弥一君
   理事 中山 展宏君 理事 永岡 桂子君
   理事 松野 博一君 理事 佐藤 茂樹君
      池田 佳隆君    泉田 裕彦君
      大岡 敏孝君    大隈 和英君
      大西 宏幸君    岡下 昌平君
      加藤 鮎子君    金子 俊平君
      神谷  昇君    亀岡 偉民君
      小寺 裕雄君    古賀  篤君
      杉田 水脈君    高木  啓君
      武井 俊輔君    中曽根康隆君
      長坂 康正君    西田 昭二君
      百武 公親君    三谷 英弘君
      村井 英樹君    八木 哲也君
      浜地 雅一君    濱村  進君
      鰐淵 洋子君    浦野 靖人君
    …………………………………
   国務大臣
   (女性活躍担当)
   (男女共同参画担当)
   (マイナンバー制度担当) 野田 聖子君
   国務大臣         石井 啓一君
   国務大臣
   (少子化対策担当)    松山 政司君
   国務大臣
   (地方創生担当)
   (規制改革担当)
   (行政改革担当)
   (国家公務員制度担当)  梶山 弘志君
   内閣府副大臣       越智 隆雄君
   内閣府副大臣       田中 良生君
   厚生労働副大臣      高木美智代君
   内閣府大臣政務官     村井 英樹君
   内閣府大臣政務官     長坂 康正君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  高野 修一君
   政府参考人
   (内閣官房内閣人事局人事政策統括官)       植田  浩君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 田中愛智朗君
   政府参考人
   (内閣府地方創生推進事務局審議官)        村上 敬亮君
   政府参考人
   (内閣府子ども・子育て本部統括官)        小野田 壮君
   政府参考人
   (消防庁審議官)     猿渡 知之君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           成田 裕紀君
   内閣委員会専門員     長谷田晃二君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十四日
 辞任         補欠選任
  池田 佳隆君     八木 哲也君
  金子 俊平君     中曽根康隆君
  杉田 水脈君     百武 公親君
  浜地 雅一君     鰐淵 洋子君
同日
 辞任         補欠選任
  中曽根康隆君     金子 俊平君
  百武 公親君     大岡 敏孝君
  八木 哲也君     池田 佳隆君
  鰐淵 洋子君     浜地 雅一君
同日
 辞任         補欠選任
  大岡 敏孝君     杉田 水脈君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案(内閣提出第六号)
 内閣の重要政策に関する件
 公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件
 栄典及び公式制度に関する件
 男女共同参画社会の形成の促進に関する件
 国民生活の安定及び向上に関する件
 警察に関する件
     ――――◇―――――
○山際委員長 これより会議を開きます。
 開会に先立ちまして、立憲民主党・市民クラブ、希望の党・無所属クラブ、無所属の会、日本共産党及び自由党所属委員に対し御出席を要請いたしましたが、御出席が得られません。
 再度理事をして御出席を要請させますので、しばらくお待ちください。
 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○山際委員長 速記を起こしてください。
 理事をして再度御出席を要請させましたが、立憲民主党・市民クラブ、希望の党・無所属クラブ、無所属の会、日本共産党及び自由党所属委員の御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。
 内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官高野修一君、内閣官房内閣人事局人事政策統括官植田浩君、内閣府大臣官房審議官田中愛智朗君、内閣府地方創生推進事務局審議官村上敬亮君、消防庁審議官猿渡知之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山際委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○山際委員長 質疑の申出がありますので、これを許します。浦野靖人君。
○浦野委員 日本維新の会、浦野靖人です。おはようございます。
 本日は、多少寂しい中ですけれども、質疑をしていきたいと思います。
 本日は、まず最初にIRについて質問させていただきます。
 今国会、今さまざまな課題で委員会がとまるなどのことになっていますけれども、このIRの法案、今国会で提出をされるという、報道ベースではありますけれども、その間、新聞でいろいろなIRについての記事が出ております。例えば、カジノ部分の面積についての基準をどうするのかとか、あと、日本人の入場を制限する、お金を取って入れる、こういったものがいろいろと報道等で漏れ聞こえてくるわけですけれども、我々日本維新の会は、大阪でIR、MICEを含めたIRを成功させたいということで、従来から主張をさせていただいております。やはり、このIRの法案、もちろん、その前段となるギャンブル依存症対策もしっかりとやった上で、IRの法案を審議をさせていただいて通していこうと、我々はやっていきたいと思っております。
 その中で、いろいろな、今現在では臆測の中の範囲の記事しか出ておりません。我々としては、しっかりとこのIR、含めたMICEを成功させていきたい、国全体としてこれを前に進めていきたいという思いもありますので、担当大臣として、そういった部分のこと、今現在どういうふうになっているのかをお聞かせいただきたいと思います。
○石井国務大臣 IR推進法に言います特定複合観光施設、いわゆるIR施設は、カジノ施設のみならず、会議場施設、レクリエーション施設、展示施設、宿泊施設、その他の観光の振興に寄与すると認められる施設が一体となっている総合的なリゾート施設でありまして、観光や地域振興、雇用創出といった経済効果が非常に大きいと期待をされております。
 また、IR推進会議の取りまとめにおいて、IRは、世界で勝ち抜くMICEビジネスの確立、滞在型観光モデルの確立、世界に向けた日本の魅力発信により、我が国を観光先進国へと引き上げる原動力となることが期待をされております。
 一方、カジノの設置については、さまざまな弊害を心配する声もあることから、IR推進法や附帯決議におきまして必要な対策を講じることが求められておりまして、IR推進会議においては、依存症防止対策、青少年の健全育成対策、犯罪防止、治安維持対策といった弊害防止対策が取りまとめられたところであります。
 政府といたしましては、こうした弊害防止対策を含めまして、今委員から御指摘がございましたカジノの面積規制や入場料などのIRに係る重要な論点につきまして、IR推進法や附帯決議、IR推進会議における議論を踏まえ、今国会でのIR整備法案の提出に向けて、具体的な制度設計を行ってまいりたいと考えております。
○浦野委員 ありがとうございます。
 しっかりと進めていっていただけたらと思います。
 石井大臣、きょうは国交委員会も立っているということですので、これで退席されて結構ですので、ありがとうございました。
 続きまして、プライマリーバランスの件で質問させていただきます。
 プライマリーバランスの目標を達成するには経済成長は欠かせないというのは私たちも理解をしております。しかし、それと同じぐらい、やはり歳出削減も欠かせないと私たちは考えています。
 政府はこれまで、歳出削減、これは行政レビューでの、予算要求の段階のカットというのはされてはいますが、いわゆる歳出削減という意味では、近年の財政を見ていますと、ほとんどされていないに等しいと思うんです。歳出削減をしっかりとやっていかないと、プライマリーバランス達成、ずれたとはいえ、そのずれた目標ですら達成できないんじゃないかと思っていますけれども、歳出削減の必要性というのは感じておられますか。
○越智副大臣 お答えいたします。
 安倍内閣では、経済再生なくして財政健全化なしとの基本方針のもとでアベノミクスを進めるとともに、一方で、歳出歳入両面から改革を行うことによって財政健全化に大きな道筋をつけよう、そして、つけてきたということでございます。
 具体的には、国と地方を合わせた税収は二十四兆円増加をいたしまして、また、新規国債発行額は、六年連続で、合計で十一兆円減少しております。二〇一五年度のPB赤字半減目標も達成をしたというところでございます。
 委員御指摘の歳出改革についてでありますが、これも極めて重要だというふうに考えています。政府としましては、骨太二〇一五で定めました経済・財政再生計画に基づきまして改革を行うことによって、二〇一六年度から二〇一八年度の三年間で社会保障関係費の伸びを一・五兆円程度に抑制するということなどの成果を上げてきたということでございます。
 ことしは、これまでの歳出改革の取組について経済財政諮問会議で十分に精査、中間評価を行って、その上で、本年夏の骨太方針において、PB黒字化の達成時期及びその裏づけとなる歳出改革も含めた具体的な計画をお示ししたいというふうに考えております。
 そして、この中間評価についてでありますけれども、歳出改革の効果について、一つには既に効果があらわれて実績が出ているもの、また二つ目には今後効果が見込まれるものといった検証、整理を行って、歳出改革の効果を今後どの程度見込んでいくかを判断する材料としたいと考えているところでございます。
 以上です。
○浦野委員 私も含めて、自民党の先生方にも地方議会出身の先生がたくさんいらっしゃいますけれども、地方議会では当たり前の決算委員会というのが、今はちょっと動いていますけれども、昔は全く重要視されていなくて、動いていなかった時期もありました。
 やはり決算委員会というのがしっかりとそういった無駄を指摘をして、その上で来年度予算に反映するというのが本来の姿だと思っていますので、予算編成の時期的なものとかタイムスケジュールでなかなか厳しいのはわかるんですけれども、やはり決算委員会というのをもう少ししっかりとやっていかないと歳出削減というのはなかなかできないんじゃないかとも思っていますので、またよろしくお願いをいたします。
 次に、梶山大臣にお伺いをいたしますけれども、所信の中で、証拠に基づく政策立案ということをおっしゃいました。
 つまり、政策をつくるに当たって、証拠、要はデータですね、データの信憑性が低ければ正しい政策を選択できないということになると思うんですけれども、まさに今回の裁量労働制における一連の議論は、それを体現したというか、あらわしたような出来事だったと思うんですけれども、大臣としてはどう対処されますか。
○梶山国務大臣 御指摘の裁量労働制の件につきましては、現在、厚生労働省において調査をしている最中でありまして、今後、必要な対応が行われるものと考えております。その状況を当面見守ってまいりたいと思います。
 なお、証拠に基づく政策立案については、昨年六月の骨太の方針に基づいて、その推進体制の構築や実践を進めているところであります。
 具体的には、昨年八月に、政府横断的な取組を推進するEBPM推進委員会を立ち上げたほか、今年度の秋のレビューにおいて、EBPMの観点から、試行的な公開検証を実施をいたしました。この四月以降も、新年度以降も、各府省においてEBPMの推進を担う審議官を新設するなど、各府省において、証拠に基づく政策立案の推進と定着に向けた各般の取組を着実に進めてまいりたいと考えております。
○浦野委員 予算委員会の公聴会だったと思いますけれども、参考人の方が、国家戦略特区諮問会議がいろいろな影響を受けて開催が減ってしまっている、このままじゃ規制改革がおくれるというようなことをおっしゃっていましたけれども、最近、実際開催されている日程とか、そういったものをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○田中副大臣 お答えいたします。
 岩盤規制改革を推進すること、これは安倍政権の揺るぎない方針であります。そして、その突破口としてのこの国家戦略特区の推進に取り組む姿勢、これは何ら変わりがないものであります。
 本通常国会においても、新たな特例措置として、自動運転やドローン、これらに関連する電波利用などの実証実験、これをより迅速かつ円滑に実現できるようにする規制のサンドボックス制度の創設に向けて、国家戦略特区法の改正案、これを今、提出したところであります。
 また、今年度に入って、施行に必要な諸規定の整備を行い、新たに実施された特例措置といたしまして、農業外国人の就労の解禁、クールジャパン・インバウンド外国専門人材の就労の促進、地域限定保育士試験の実施主体の拡大等があり、現在、それぞれ、初活用事例の創出に向けて、特区自治体で準備作業、これが行われているところであります。
 これらに加えて、新たに今、自動走行またドローンの実証ワンストップセンターの設置ですとか、観光客向けの自家用有償旅客運送事業の特例、革新的な医薬品の開発の迅速化また特区版エンジェル税制の特例等々を初めて活用されるなど、本年度、新たに四十九件の事業が認定を受けているところであります。
 こうした取組を行う一方、今後の新たな規制改革の取組に向けて、昨年末には、規制改革事項に係る提案の集中受け付け、これを行ったところであります。そして、その結果、四十三の提案者から提案があり、現在、特区のワーキンググループでヒアリングを実施しているところであります。
 引き続き、この成長戦略の重要な柱であります岩盤規制改革の実現のために、国家戦略特区の取組、これを力強く推進してまいりたいと思います。
○浦野委員 ぜひよろしくお願いをいたします。
 次に、二月二十六日、これは予算委員会の終盤、最後ですね、深夜まで、裁量労働制のデータの件をめぐって、予算委員会を開くか開かないかと断続的に協議を行った結果、夜中までかかって、結局は、その日は開かれませんでした。そのときに我が党が、残業代など一体どれぐらいかかったのかということを求めたところ、これは国会のこの院の職員だけですけれども、国会職員の二割超の九百五人が残業していました。残業やタクシー代に合計千八百万円かかっていた。これ以外に、各省の方々が待機をもちろんされていましたので、さらに、その役所の方々の人件費、光熱費とかも換算すると、恐らくまだまだ大きな額になると思うんですけれども、働き方改革という旗を掲げて始まった国会においてこういったことが起こるというのは、我々はやはり国民に対して非常に申しわけないという気持ちを、私は持っているんですね。
 これは、野党からすれば、与党のせいだと言いますし、与党の皆さんの立場からすれば、野党が協議に応じてくれないからだということもあるでしょうけれども、しかし、やはり、そこはお互いが、これは与野党関係なしに、しっかりと話合いをして、この残業代、これは別に残業代を出すなという議論ではなくて、働き方改革を掲げる中で、無駄な議論とは言いませんけれども、生産的な議論の上で夜中までかかるというんだったらいざ知らず、全く何も生み出せないまま、夜中まで職員が待機して時間を浪費するというのは本当に生産性に欠けることですので、これを減らしていく、なくしていくためには、やはり与野党がしっかりとそういった枠組みを、どうすれば国会職員の皆さんの働き方を変えることができるか、生産性を上げることができるかというのを議論していかないといけないと思うんですね。
 これは、じゃ、インターバルはどれぐらいやったかというのも聞かせていただくと、一番短い人で二時間しかインターバルがなかった人がいてました。夜中に帰って、朝来たのが、二時間しかあいていない。野党の皆さんが口うるさくインターバル規制をしようとおっしゃっている中で、そういったことをつくり出している一因が自分たちにもあるということをしっかりと肝に銘じていただきたいなと思っているんですけれども、きょうは誰もいてませんので仕方がないんですけれども。
 もう一つ、過労死のことも、特に、いつものあの方が泣いたりわめいたりで、ここでやってはりましたけれども、一企業の方の過労死、もちろん重要な、重大な出来事でしたけれども、公務員の皆さん方の過労死というのもないわけではないといいますか、出していただきました。
 そうしたら、これは実は平成十四年度からしかデータをとっていなかったので、それ以降はわからないということなんですけれども、十四年から二十八年にかけて、皆さんに資料をお配りしていますけれども、合計で百名近い方が過労死の認定を、公務災害認定を受けていらっしゃるんですね、公務員の皆さん。すごい数やと思うんですよ、これ。
 こういったことを避けるために、やはり働き方改革をしないといけないと思っていますので、これは、行革大臣が全部担うというわけではないですけれども、まずやはり先頭を切ってしっかりと対応していただきたいと思っていますので、この件について御所見をいただきたいと思います。
○梶山国務大臣 今御指摘いただいた、長時間労働を前提とした働き方は改めていかなければなりません。生産性の高い働き方へと変えていくことは、官民共通の重要な課題であると考えております。
 国家公務員については、政府としても、長時間労働を前提とした働き方を改める意識改革や、業務効率化等を通じた超過勤務の縮減、超過勤務を実施する際に、その理由や見込み時間等を上司が把握するなど、超勤時間の適切な管理の徹底等に取り組んできたところであります。
 引き続き、長時間労働の是正を始めとして、国家公務員の働き方改革について積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○浦野委員 この件に関しては、本当に、先ほども言いましたけれども、与野党関係なしに、我々政治をつかさどる人間がしっかりとやっていかないと、それに対応する形で公務員の皆さんはこういったことになっていますので、ぜひしっかりと、これは深刻な問題だと思って取り組んでいただけたらなと。我々も、もちろん、そういったスムーズな審議とか国会運営には協力をしっかりと、国民のためになるものについては対応してまいりますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
 次に、公文書の管理ですね。
 これは、今ずっと議論をされていますけれども、一部の政局にしたい野党のことはおいておいて、真面目な質問なんですけれども、結局は、公文書をどういうふうに管理していたかというのが非常に大きな問題にやはりなるんですね。
 会計検査院が認識していたのにそれをスルーしてしまったということとかも問題ですけれども、それも重要な問題ですけれども、やはり今のままの公文書管理では、恐らくこういったこと、再発は、善意による再発防止しかできないと思うんですね。やはり、それはシステム的にしっかりと公文書の改ざんができなくするような、我々は今、最近話題にもなっていますブロックチェーンの技術を使うべきだということも考えていますけれども、そういった、今のままの公文書管理のままではだめだというのは、どう思われているか。今のままの公文書管理法はだめだと考えていらっしゃるのか、変えるべきと考えていらっしゃるのかをお聞かせいただきたいと思います。
○梶山国務大臣 公文書管理につきましては、国民に対する説明責任を全うする上で極めて重要であると考えております。
 まさにその観点から、行政文書の作成、保存に関する基準の明確化、文書の正確性の確保等を内容とする行政文書の管理に関するガイドラインの改正を昨年末に行ったところであります。
 このガイドラインの改正につきましては、二十三年の四月に公文書管理法が施行されました。そして、五年がたった時点で、外部の有識者による公文書管理委員会の皆さんに検証していただき、御意見もいただきました。そして、昨年、さまざまな事案が発生をいたしました。これらも含めて、改正のガイドラインを昨年末に決定をしたところであるということであります。
 この改正ガイドラインを踏まえて、公文書管理委員会によるチェックを経て、本年度中に各府省が行政文書管理規則の改正を行うこととしておりまして、今まさに、そのチェック、外部の委員の皆様によるチェックの最中でもあります。来年度より、全府省において、より厳正な新たなルールのもとで文書管理が行われるものと考えております。
 また、公文書を扱う職員一人一人の意識をより一層高めていくことも重要であることから、各府省職員向けの研修の充実、これは全職員がしっかりやっていただくということ、徹底をしていくということでありますし、また、行政文書の適切な作成、保存に係る点検、監査の実施など、公文書管理の質を高めるための不断の取組を進めながら、行政に対する国民の信頼を高めてまいりたいと思います。
 先般、参議院の予算委員会でも御党の委員から御指摘がありましたような、新たな技術の活用というものも視野に入れながら、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
○浦野委員 我々も、今回の理財局の文書については、きのう朝ヒアリングをさせていただきましたけれども、その中で一つ、やはり公文書として残っている原本を、要は誰でもさわれるような状態になっていたということなんですね。
 それは、金額的にはそんなに、これはまあ理財局の言い方ですけれども、金額的にはそんなに大きな案件じゃないから公文書としてそんなに重要に保管をするというレベルのものでもなかったということで、職員が誰でも持ち出せるような、いつでも誰でもが持ち出せるようなところに公文書として残っていた。だからこそ、簡単に改ざんができたんだろうと思うんですけれども。
 そうであったとしても、一体誰が、いつ、この資料、そこの公文書を閲覧したということをちゃんと書き込めるような、そういうことすらしていなかったというのは、私はもうちょっとしっかりした方がいいんじゃないかと。そういった基本的なこともやっていなかったということですので。
 あとはもう本当に、文書をデジタル化するとか、自動でそういったものが記録できるようにする。もちろんさかのぼって改ざんができないようにするのは当然ですけれども、そういった部分をもうちょっとしっかりとやっていただきたい。これからはこういうことが一切起きないようにしっかりと対応していただきたいと思います。
 梶山大臣の質問は以上です。どうもありがとうございました。
 続きまして、昨年ですけれども、総務委員会、そのときは総務委員会でしたけれども、質問をさせていただいた消防点検の際の非常用電源設備装置の負荷検査の実施ですね。そのときも答弁をいただいて、国としてはしっかりと通達も出してやっていますということを答弁をされていました。その後やはり、いろいろなところで実際にしっかりとした検査が行われていなかったという新聞報道があっちこっちで出てきております。
 それで、ある消防に聞きますと、いろいろなところに聞いたりしたんですけれども、その通知は知らないとか、やっていないというのがわかっているのにしっかりと指導していますということを平気で答えてくる消防がたくさんあるんですね。この認識の差は何やねんというふうに私はやはり思いました、その後も。
 こういったことがやはり、国の方はしっかり通知、通達をやっていますよと言っても、しっかりと現場の方まで伝わっていなかったら意味がありませんので、そういったことをもう一度しっかりと全国に、消防庁からになるんですかね、やっていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○猿渡政府参考人 お答え申し上げます。
 消防庁におきましては、消防用設備等の点検報告制度につきましては、その時々の問題意識に応じて検討を行っております。
 平成二十七年七月からは、消防用設備等点検報告制度のあり方に関する検討部会を開催してきておりまして、平成二十八年十二月には一旦取りまとめまして、点検報告率が大きく上昇した消防本部の取組事例などを取りまとめて、全国の消防本部に対して発出いたしました。
 その後、同検討部会ではさまざまな議論が行われまして、例えば、実負荷運転をやるについては商用電源を停電させなければ実施できないケースがあって非常にやりにくいとか、あるいは、疑似負荷運転というのは専用の装置を接続するためのケーブルの敷設工事ができないのでなかなか困難であるケースがあるとか、さまざまな御意見が点検事業者や消防本部の方からありましたことから、現在では、自家発電設備の負荷点検について代替手段がないかというようなことを、技術的な検討を加えてまいりました。
 例えば、一つ目は、潤滑油の成分分析とかコンプレッサーやタービンの内部観察などは負荷運転と同じ水準でのふぐあいの確認が可能な観察方法ではないか、こういうものを導入すべきではないかというようなこととか、二つ目は、劣化しやすい潤滑油などをきちんと定期的に交換しておれば、そういう予防的な保全策が講じられる場合には、負荷運転というのは、一年ごとから、今は毎年ということですが、六年ごとに重いものをやればいいというふうな、適用を変えることができるんじゃないかとか、そういう議論がございまして、現在、これらのことを内容とするパブリックコメントを実施しております。
 今後、こういう結果を踏まえまして、消防庁告示による点検基準の改正の検討などを行うとともに、改正が行われようと行われまいと、まさに委員がおっしゃられましたように、全国の消防本部に何度も何度も周知を図りながら、消防用設備の維持管理が適切に行われるように対応してまいりたいと思います。
○浦野委員 これは、年に一回必ずやらないといけないという検査でもありますので、なかなか大変だ、費用もかかるし大変だということで、やられていないところもたくさんあると聞いております。でも、その法律、何で一年に一回にしているかというと、やはりいざというときの命を守るためにしっかりとやらないといけないからこそ、一年に一回という厳しい基準を定めていたと思うんですね。
 今おっしゃったように、ほかの方法で安全性、しっかり動くということが担保されるのであれば一年に一回じゃなくてもいいということもおっしゃっていましたけれども、基本的には、やはりいざというときのための手ですから、なかなか、一年に一回が難しいから、お金がかかるからそれを緩めましょうという議論になるとおかしな話になってしまいますので、そこはしっかりと、いろいろな方法というのはあり得るとは思いますけれども、命を守るための検査であるということをしっかりと認識していただいて、これからもきっちり対応していっていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 次に、野田大臣、所信の中で触れられておりました、女性に対するあらゆる暴力の根絶ということで、具体的にどのような政策を行っていっていただけるのかということをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○野田国務大臣 お答え申し上げます。
 特に、性犯罪、性暴力の被害者支援に関することについてお答えを申し上げたいと思います。と申しますのは、委員が非常に熱心に法案に取り組んでおられるということをお聞きしておりますので、ここにちょっと集中してお話を申し上げたいと思います。
 今現在、政府としては、この性犯罪や性暴力被害者の支援について、第四次男女共同参画基本計画及び第三次犯罪被害者等基本計画に基づいて、関係省庁が連携して各般の施策を推進しているところです。
 御承知のとおり、被害直後から医療面そして心理面などの支援を可能な限り一カ所で提供するワンストップ支援センターを全国各地に整備することとしています。具体的には、第四次男女共同参画基本計画において、平成三十二年までに各都道府県に最低一カ所設置することを目標に、今現在取組を進めているところです。
 支援センターの全国整備の推進とその安定的な運営を図るためには、今年度創設した性犯罪・性暴力被害者支援交付金につきまして、平成三十年度の予算案において約二千四百万円増額をして、一億八千七百万円計上させていただいています。
 今後、その活用状況等を見ながら、しっかり、性犯罪、性暴力被害支援の充実に着実に取り組んでまいりたいと思います。
○浦野委員 これまでも、現の加藤厚労大臣が担当されていたときも、内閣府でしっかりと予算をつけていただいて前に進めてきた部分はもちろんあります。でも、私は、今おっしゃっていただいた部分を、やはり法律でしっかりとやっていただきたい。野党の方で協力をして、その法案も我々は提出をさせていただいていますけれども、できれば、しっかりと政府がそういったことを前向きにやるんだという姿勢を発信するためにも、これはやはり法律でしっかりと定めていただいて対応すべきだと私は今でも考えておりますし、野田大臣の間にそういったことがしっかりと前に進むという大きな期待をしておりますので、ぜひ考えていただけたらと思っております。
 もう一つ、これは、大臣になられる前にいろいろな超党派の議連とかでよくお会いすることもあって、今から言う男女共同参画の、出るのか出ないのか押し問答が続いている法案ですけれども、もちろん、その当時は与党の自民党の責任者として議連の中でしっかりと活動されていましたし、大臣という立場になってしまったら、それは大臣としてなかなかそういった個別のことに物を言うというのは難しいとは思うんですけれども、しかし、やはり与党責任者としてかかわったものですから、この法案、議法ですけれども、これを本国会で成立をできればと私も思っているんです。難しいかもしれないですけれども、大臣から一言お願いいたします。
○野田国務大臣 浦野委員とはさまざまな議員立法のメンバーとして、本当に支えの必要な、そういうところに着目して、なかなか議員提案をまとめるというのは皆さんが思うほど簡単なことではなく、全会一致でなければならないという原則のもとでいろいろ苦労したことが今思い出されてなりません。
 その中で、政治分野における男女共同参画推進に関する法案というのは、内容的には極めて当たり前のことでありますし、諸外国では、当然その前提で政治が動き、そして国が動いてくるわけですけれども、残念ながら日本の場合は、結果として、現在、参議院の方では女性は二〇・七%、これはようやく国際的な水準に近づいてきています。が、こちら衆議院の方では、前回の選挙で一歩前進しましたが、それでもまだ一〇・一%ということで、国際的な水準と比較すると大変低いと私は思っています。
 ちなみに、二〇・三〇といって、安倍政権のもとで、全てのさまざまな仕事、団体において、管理的な、リーダー的な指導者の三割を女性にしようという取組が行われていて、民間の方でも着々とさまざまなアクションが行われている中、肝心の政治の方がちょっと停滞をしているというのが残念な状況だと思います。
 今お話がありました法案については、基本的には、世の中の男女の数が半々であるならば、それを代弁する政治の担い手、政策をつくる立場にある人間も半々であっていいんじゃないかという、非常にシンプルな考え方に基づいて政治を見詰め直そうということが原点でございました。私は、超党派議連をつくり、議員立法のこの法案の早期の成立に奔走したわけであります。ただ、幸いなことに、前回の衆議院の解散・総選挙の際のほぼ全ての政党において、各党において、男女共同参画、この法案の推進が公約と掲げられていて、環境整備はできてきているのかなと思います。
 ぜひとも、これは議員立法ですから、取扱いは国会、ここで御議論をいただき、そして、一緒に推進してきた議員の一人としては、皆様方の議論そして法案の動向をしっかり見守ってまいりたいと思います。
 いずれにしましても、政治は男性のものという、どうしても固定観念が強く、それはそれで功を奏するときもあったでしょうが、今後、やはり多様性を政治の中でも重んじていくとするならば、やはり私たち女性もしっかりと政治の中に参画して、次の時代の子供たちに、安全、安心な日本、地球をつくらなきゃならないという思いはひしひしと持っているところでございます。御理解のほど、よろしくお願いいたします。
○浦野委員 国会の委員会の中で議論を、最終的にはまあ理事会ですね、やることになると思いますけれども、また松野筆頭、よろしくお願いをいたします。
 とはいうものの、女性の議員をやはりふやすというのはなかなかそう簡単にはいかないもので、我が党にも女性議員で苦い思いをしたという経験がありますので。あの子も最初はいい子だったんですよ。最初はいい子だったんです、今はちょっと僕、よくわからないですけれども。
 本当に、しっかりとした女性の方が議員になっていただくというのはなかなか、これからも、我々も頑張りますけれども、そういった方々がしっかりと参画できるような政治をつくっていきたいと思っております。
 きょうは、大臣所信への質疑ということで、たくさんの方々に質問をさせていただきました。本当に、内閣委員会はさまざまな問題を多岐にわたって議論をする委員会ですので、その委員会がこうやってなかなか、政局によってある程度影響を受けてしまうのは仕方がないことなんですけれども、それとは別に、しっかりと、国民に必要な法案がたくさん出てくる委員会ですから、私は、一つのことをもって、一事が万事で全ての審議を拒否するという、足立康史いわくの五五年体制というのは本当にやめるべきだと思っております。
 我々は、これからも、法案を提出されればしっかりと審議をしますし、さまざまな政策に対して議論をしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 どうもありがとうございました。
     ――――◇―――――
○山際委員長 次に、内閣提出、子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。松山国務大臣。
    ―――――――――――――
 子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○松山国務大臣 ただいま議題となりました子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
 政府において、喫緊の課題である待機児童の解消を図るため、新しい経済政策パッケージにおいて、子育て安心プランに基づく保育の受皿整備を二年前倒しし、二〇二〇年度までに三十二万人分を整備することとしております。
 この法律案は、子育て安心プランの実現に向け、社会全体で子育て世代を支援していくという大きな方向性の中で、一般事業主から徴収する拠出金の率の上限を引き上げるとともに、当該拠出金を子どものための教育・保育給付の費用の一部に充てることとする等の措置を講ずるものであります。
 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
 第一に、一般事業主から徴収する拠出金の率の上限を、千分の二・五から千分の四・五に引き上げることとしております。
 第二に、子どものための教育・保育給付の費用のうち、三歳未満児相当分の一部に当該拠出金を充てることとしております。また、全国的な事業主の団体は、その充当割合について、内閣総理大臣に対して意見を申し出ることができることとしております。
 第三に、当分の間、市町村は、保育の量的拡充及び質の向上を図るための事業を行うことができることとし、当該事業を行う市町村に対し、国は、当該事業に要する費用の一部を補助することができることとしております。また、都道府県は、保育の需要に応ずるための市町村の取組を支援するため、関係市町村等と協議会を組織することができることとしております。
 その他、所要の規定の整備を行うこととしております。
 最後に、この法律案は、平成三十年四月一日から施行することとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○山際委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○山際委員長 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣府子ども・子育て本部統括官小野田壮君、厚生労働省大臣官房審議官成田裕紀君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山際委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○山際委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。西田昭二君。
○西田委員 おはようございます。自由民主党衆議院議員の西田昭二でございます。
 今回は、内閣委員会で初めての質問の機会をいただきましたことに心から感謝を申し上げるところでございます。
 私は、さきの総選挙で石川三区から初当選をさせていただきました。そのときに、私も大変敬愛をしております参議院議員の西田昌司先生に応援もいただきまして、ニシダショウジに悪いやつはいない、そういうお言葉をいただき、無事当選の機会をいただいたわけであります。
 私の選挙区の能登半島は大変風光明媚で、先進国の中で初めて世界農業遺産に認定をされました里山里海という、国際的にも高い評価を受けている豊かな自然や食はもとより、和倉温泉、輪島の朝市、輪島塗など、魅力ある観光資源にあふれた地域でもございます。子育てをする上で大変すばらしい環境だと思っております。委員の皆様方におかれましては、後援会の皆様方と御一緒に、ぜひ能登半島にお越しいただければ幸いだと思っております。よろしくお願いします。
 本日は、子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案について、私の地元の石川県の現状等も交えながら質問させていただきたいと思います。
 さきの我が党の代表質問でもありましたように、我が国における少子化問題は、まさに国難というべき状況でございます。過去最低の合計特殊出生率一・二六となりました平成十七年に比べ、近年は徐々に上昇傾向にあり、平成二十八年度で一・四四となりましたが、昨年一年間に生まれた子供の数は約九十四万一千人と、二年連続で百万人を下回りました。引き続き、より一層の少子化対策として、結婚、出産、子育てまで切れ目のない支援が必要であると思っております。
 また、働くことを期待する人が思いを実現することができるよう、仕事と家庭を両立できる環境整備も重要でございます。一人一人が個性と多様性を尊重され、家庭で、地域で、職場で、希望や能力を発揮でき、納得して、生きがいを感じることのできる社会の実現を目指していくことが必要であります。
 保育を必要とされる家族のため、一刻も早い待機児童解消に取り組むことが不可欠であると思っております。これまでも、政府において、子ども・子育て支援新制度や待機児童解消加速化プランに基づく取組などにより、保育の受皿整備が進められてきました。平成二十五年度から平成二十九年度までの五年間で約五十九万人分の受皿が確保される見込みであるなど、保育の受皿は着実にふえ続けております。地方で女性活躍の推進に積極的に取り組んでいく中で、女性の就業率が上昇するに伴い、保育を必要とする子供の人数もふえたことが、引き続き受皿確保の喫緊の課題となっております。
 政府においては、人づくり革命などを進める新しい経済政策において、切実な課題である待機児童の解消を図るため、子育て安心プランを前倒しにし、二〇二〇年度までに三十二万人分の受皿整備を進め、仕事も子育ても両立でき、安心して子育てができる社会の実現に向け、このプランを確実に実現できるように、待機児童の解消に最優先に取り組んでいただきたいと思っております。
 そのためにも、子育て安心プランを実現するため、事業主拠出金を〇・二五%から〇・四五%に引き上げる改正を行うとのことでありますが、子ども・子育て支援への事業主拠出金の活用については、現在どのような事業に活用されているのか、また、今回の引き上げた拠出金はどのような用途に用いられるのか、改めてお伺いをさせていただきたいと思います。
○小野田政府参考人 お答えいたします。
 現在、事業主拠出金は、児童手当、地域子ども・子育て支援事業のうち放課後児童健全育成事業、病児保育事業、延長保育事業、そして企業主導型保育事業等に活用されております。
 また、今般の拡充によりまして子育て安心プランの前倒しを実現するため、企業主導型保育事業の拡充、そして、子育て安心プランに基づき増加する保育の運営費のゼロ歳から二歳児相当分の拡大に充てることとしております。
○西田委員 しっかりと、よろしくお願いしたいと思っております。
 平成三十年度から三年間で待機児童を解消するための子育て安心プランを実現するため、三千億円の拠出金の増額を行うとのことでありますが、来年度についての必要額は幾らなのか。また、拠出金率は何%にするのか。お伺いをさせていただきたいと思います。
○小野田政府参考人 お答えいたします。
 平成三十年度の子育て安心プランの推進に必要となる拠出金額につきましては約一千億円となり、拠出金率は、現行の〇・二三%から〇・二九%、プラス〇・〇六%でございますが、とすることを予定してございます。
○西田委員 一千億円ということでありますので、わかりました。
 事業主の拠出金率の引上げに当たっては、日本商工会議所からは、安定的な財源確保のためにも税による恒久財源で補うべきや、料率引上げに当たっては中小企業の支払い余力に基づいて慎重に検討すべきなど、大変厳しい意見や反応が示されておりましたが、経済界の理解は本当に得られているのか。また、今後、拠出金率の引上げについて経済界とはどのように協議し、進めていくつもりなのか。お伺いをさせていただきたいと思います。
○松山国務大臣 西田委員にお答えいたします。
 子ども・子育て支援は、社会の全ての構成員が相互の役割を果たして協力していくということが重要でございます。また、仕事と子育ての両立を図るということは、事業主にとっても労働力の確保に資する面もございます。
 今般の拠出金率の引上げにつきましては、政府の人生百年時代構想会議、また、与党において社会全体で子育て世代を支援していくという大きな方向性の中で議論が行われまして、昨年十二月に新しい経済政策パッケージとして取りまとめられたところでございます。
 その際、中小企業関係団体等の御理解をいただくことが重要でありますことから、昨年末、私自身も日本商工会議所の三村会頭にお会いをし、また、その他の全国中小企業団体中央会、また全国商工会連合会にも出向いてまいりまして、直接、会長さん始め幹部の方々と御理解を求めたところでございます。
 また、内閣府と、日本経済団体連合会、日本商工会議所、商工会連合会、また、全国中小企業団体中央会及び商店街振興組合連合会、こういう経済団体とともに事務的な会議も、昨年十二月以降、二回開催をいたしました。
 子ども・子育て支援法は、事業主拠出金の率などに関して、全国的な事業主の団体が内閣総理大臣に対して意見を申し出るということもできることとされております。
 各年度の拠出金率あるいはその使い道について、経済団体との協議の場を設けておるところでございます。こうした場を生かしながら、今後とも、関係者に対し丁寧に説明をしながら、また協議をしてまいりたいと思っております。
○西田委員 本当に安定的な財源確保のために、松山大臣には大変な御努力をいただいていると感謝を申し上げますとともに、引き続き、関係団体にしっかりと御理解、御協力をいただくようにまた努めていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 事業主拠出金を〇・四五%に引き上げることについて、私の地元石川県を含む待機児童のいない七つの県や地方にとっては、拠出金を引き上げてもメリットがないのではないかとの声も聞くわけであります。それは全体からいえば少し少ない数字かもわかりませんけれども、その辺のことについての理解や説明、そしてまた御所見についてお伺いをさせていただきたいと思います。
○小野田政府参考人 お答えいたします。
 事業主拠出金につきましては、社会全体で子育て世代を支援していくという大きな方向性の中で、全ての企業に応分の負担をお願いしているところでございます。
 待機児童は都市部に多く見られ、全体の約七割を占めておりますが、一方、保育の受入れ枠の増減を都道府県単位で見ますと、ほとんどの都道府県において定員数が増加していることから、就業率の上昇等に合わせて、地方においても保育の受皿の整備は進められております。
 また、拠出金を財源とする企業主導型保育事業は、地方の企業においても活用が図られているところでございます。
 今後とも、地域や企業の実情に応じた企業主導型保育事業が展開できるよう努めてまいります。
○西田委員 ぜひとも、地方の実情、また都市部の実情、やはりその辺のところは違うところもありますので、それに応じた支援をしっかりとお願いをしたいと思っております。
 次に、地方における保育人材の確保について質問させていただきたいと思います。
 私の地元石川県では、もともと女性の就業率が高かったこともあり、従来から保育施設整備に努めてまいりました。その結果、大都市のような待機児童は発生しておらず、全体として保育の量は確保されております。保育の現場からは、量の拡充よりも質の充実を求める声が多くございます。
 このたびの子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案では、待機児童解消策に基づき増加するゼロ歳児から二歳児の教育・保育給付等に充てられることになっており、非常に大切なものと理解をしております。
 しかしながら、もともと子ども・子育て支援法の制定時に附帯決議されていた、質の充実を図るために必要となる三千億円の財源措置がされておらず、当初予定されていた職員配置の改善については、いまだ実現の見通しが示されておりません。
 地方の立場から見ますと、手厚い職員配置など、質の向上のための安定財源の確保についても速やかに対応をしていただきたいと考えております。
 保育人材の確保が困難な状況において、地方の保育士が都市部に流出してしまっている要因の一つといたしまして、公定価格の地域区分ごとの単価差の問題があるのではないかと思われますが、その辺についてお伺いをさせていただきたいと思います。
○小野田政府参考人 お答えいたします。
 子ども・子育て新制度における公定価格の設定における人件費につきましては、国家公務員の給与に準じて算定しているところでございまして、国家公務員の地域手当に準じて地域区分を設定しております。
 公定価格の地域区分につきましては、国として、統一的かつ客観的なルールのもとで設定することが求められること、また、他の社会保障分野の制度との整合性を考慮する必要があることなども踏まえまして、地域ごとの民間給与の水準を反映させている国家公務員の地域区分等に準拠して設定しているものであり、統一的かつ客観的なルールとして適当と考えております。
 なお、平成二十九年度からは、保育士の確保に向けた技能、経験に応じたキャリアアップの仕組みとして、保育士等へ月額四万円等の処遇改善を行うこととしておりますが、その処遇改善の加算額につきましては、地域区分に関係なく一律の額としているところであり、これらを通じて保育士の確保を支援してまいります。
○西田委員 職員の配置の改善により、職員がゆとりを持って子供に接することができるようになり、保育士の多忙化の解消、保育士の定着にもつながり、現在、大都市と地方の共通の課題であります保育士の確保についても有効ではないかと考えております。
 保育士の新たな処遇改善制度を実施していることは本当に承知をしているところでございますけれども、一段の御努力をこれからもお願いをさせていただきたいなと思っております。
 次に、認定こども園について質問させていただきたいと思います。
 認定こども園は、就労の有無にかかわらず同じ施設を使うことができるなど、保護者にとってのメリットも大きいと承知をしているところでございます。
 今後、働き方が多様化する中で、認定こども園は更に重要な役割を担うと思っておりますが、平成二十七年度の子ども・子育て支援新制度以前と比較してどのくらい増加しているのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○小野田政府参考人 お答えいたします。
 認定こども園制度は平成十八年に創設され、平成二十七年四月に施行された子ども・子育て支援新制度において施設型給付として財政支援を一本化するなど、認定こども園制度の改善を図ったところでございます。
 認定こども園数は、新制度施行前の平成二十六年四月現在では一千三百六十園でございましたが、それ以降、毎年約一千園以上増加しており、平成二十九年四月現在では五千八十一園となってございます。
 認定こども園への移行につきましては、地域のニーズや事業者の希望も踏まえつつ、移行を希望する園に対しては、今後とも円滑に移行できるよう支援してまいります。
○西田委員 認定こども園の関連については、また後ほど質問させていただきたいと思います。
 次に、子ども・子育て支援新制度の保育所などの保育サービスの利用対象とならない在宅育児家庭の三歳未満の子供について、施設の通所利用に準じたサービスを提供するため、私の地元石川県では、平成二十七年度より在宅育児家庭通園保育モデル事業を実施しております。利用された保護者によるアンケートの満足度は高い結果であり、保護者からは、家事や自分のしたいことなど、有効に時間を使うことができたなどの声が上がっております。
 保育所や認定こども園に通っている三歳未満の子供を養育する子育て家庭の保育環境の質の向上をさせるためにも、こういった取組を国においても検討してみてはいかがかと思いますが、どうでしょうか。お伺いをさせていただきたいと思います。
○小野田政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、御家庭で子育てをされている方々への支援は大変重要であると考えております。
 このため、平成二十七年四月に施行されました子ども・子育て支援新制度におきましては、御家庭で子育てをされている方々を始め、全ての子育て家庭を対象に、地域のニーズに応じたさまざまな子育て支援を充実することにしております。
 具体的には、保育所等を利用していない家庭におきましても、育児疲れによる保護者の心理的、身体的負担を軽減するため、児童を一時的に預かる一時預かり事業を実施しております。また、地域の身近なところで親子の交流や子育てに関する不安、悩みなどを相談できる場である地域子育て支援拠点の整備を進めております。
 また、委員御指摘の石川県の取組のように、各市町村におきまして、地域の実情に応じて工夫を凝らして独自の取組をしていただくことは非常に喜ばしいことと認識してございます。
 国におきましても、今後とも、子育てしやすい環境整備に向けまして、関係府省と連携しつつ、しっかりと取り組んでまいります。
○西田委員 国においても、そういった地方の実情に合わせたすばらしい取組をしっかりと御支援をいただきたい、これからもそういう取組が少しでも広がっていくことを期待させていただきたいと思っております。
 次に、保育充実事業について質問させていただきたいと思います。
 今回の法改正においては、待機児童の解消に向け、事業主拠出金の引上げなどに加え、地方自治体への待機児童解消などの取組の支援を行うと聞いております。
 その一つとして、保育の量的拡充及び質の向上を図るため、今回の法案に保育充実事業が規定をされておりますが、この事業は具体的にどのような事業を行うのか、また、その目的は何なのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○成田政府参考人 お答え申し上げます。
 待機児童の解消は待ったなしの課題であり、最優先で取り組んでいるところでございます。昨年末に閣議決定された新しい経済政策パッケージに基づき、子育て安心プランを二年前倒しし、二〇二〇年度末までに三十二万人分の保育の受皿を確保することとしております。
 こうした保育の受皿確保に当たりましては、一定の保育の質が確保されている認可保育園をふやしていくことが必要であり、施設の新たな整備のみならず、認可保育園等への移行を希望する認可外保育施設に対して支援を行うことも重要でございます。
 このため、本法案では、認可保育園等への移行を希望する認可外保育施設に対して運営費を補助する事業等を保育充実事業として法律上に位置づけ、取組の推進を図るものでございます。
 また、平成三十年度予算案では、この認可化移行運営費支援事業の充実を図るため、認可保育園に倣い、施設の規模に応じた補助単価の見直しを行うこととしており、引き続き認可保育園への移行を支援してまいりたいと考えております。
○西田委員 本当に、引き続き、この保育充実事業がしっかりと機能し広がっていきますことを心から応援をさせていただきたいと思っております。
 次に、地方版子ども・子育て会議と、今回の法案に基づき組織されている協議会の関係についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 今回の法律案において、都道府県は、特定市町村などにより構成されております協議会を新たに設置できるとされておりますが、待機児童の解消に向け、この協議会は従来の制度とどのような違いがあり、また、具体的にどのような役割を果たしていくのか、伺いたいと思います。
○成田政府参考人 本法案では、昨年十一月の規制改革推進会議の第二次答申を踏まえ、待機児童解消等の取組について、都道府県が関係市区町村等と協議する場を設置できる旨を盛り込んでおります。
 この協議会は、待機児童解消を促進する方策として、例えば、保育所等の広域利用の推進、保育人材の確保について都道府県と関係市区町村等が協議することにより、現行の都道府県による市区町村の取組の支援をより実効的にすることを目的としており、都道府県と市区町村がより一層連携して待機児童の解消に向けて取り組むことが期待されております。
 国といたしましても、都道府県と関係市区町村が協議会を通じてより一層連携し、待機児童解消の取組が進められるよう支援してまいりたいと考えております。
○西田委員 まだまだ少し理解度が十分ではない、そんな声も伺いますので、しっかりと取組を進めていただきたいと思っております。
 最後に、認定こども園の関連について、石川県の方からも少しお伺いしたことをお話もさせていただきたいなと思っております。
 認定こども園の関連について、その中の一つである幼保連携型認定こども園の勤務に当たっては、保育教諭として、保育士の資格と幼稚園教諭免許の両方が必要となります。ただし、どちらか一方の資格や免許しか持っていなくても、幼保連携型認定こども園で勤務できる経過措置が設けられております。経過措置の期間は、平成二十七年四月の改正認定こども園法の施行から五年間とされておりますが、現在の保育教諭の資格の取得状況についてお伺いをさせていただきたいと思います。
○小野田政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、幼保連携型認定こども園で勤務する保育教諭につきましては、幼稚園教諭免許と保育士資格の両方を持つことが必要とされておりますが、平成二十七年度から五年間に限り、どちらかの免許、資格のみで保育教諭となることができる特例を設けております。
 平成二十九年度の認定こども園に関する状況調査等によりますと、保育教諭の幼稚園教諭の免許状と保育士資格の保有割合は、両方保有が八九・二%、七万三千百二十六人、どちらか一方のみ保有が一〇・八%、八千八百七十六人となっております。
○西田委員 また、保育士や幼稚園教諭は人手不足にあえいでいると思われますが、保育資格と幼稚園教諭免許の両方を取得することが負担となり、人材確保の弊害になる可能性があるのではないかと心配する声も聞こえてきますが、その所見についてお伺いをさせていただきたいと思います。
○小野田政府参考人 お答えいたします。
 現在、この特例が設けられている五年の間に保育教諭の育成が進むよう、いずれかの免許、資格を持ち、一定の勤務経験を有する者については、もう片方の免許、資格を大学等で取得するための単位数を軽減しております。
 また、いずれかの免許、資格を取得する際の受講料と代替職員の雇い上げ費の一部を自治体に対して補助してございます。さらには、公定価格におきまして、代替職員に係る経費を措置しているところでございます。
 今後、保育教諭の免許、資格の保有状況や関係者の御意見も参考にしつつ、特例措置のあり方について、潜在保育士の方で幼保連携型認定こども園で保育教諭として勤務を希望する者への対応も含め、文部科学省、厚生労働省と連携して検討してまいりたいと考えております。
○西田委員 潜在的に資格を持っていながら現場に復帰されていない方々も本当にたくさんいると見受けられますので、そういったところの確認や、そしてまた、少しでも現場に復帰していただき、子育てをしっかりと応援できるような体制が拡充できるようにお願いをさせていただきたいと思っております。
 また、単に認定こども園への移行が進むだけでなく、そこで質の高い保育や教育が行われることが大変重要だと考えております。国では、今年度、職員の処遇改善の要件ともなるキャリアアップ研修制度を創設いたしました。研修機会の充実が図られることは大変歓迎すべきことではありますけれども、一方で、現場の職員の方々からは、希望者が円滑に研修を受講できることが本当にできるのかといった不安の声も聞こえてきます。
 キャリアアップ研修の機会が十分に確保されるよう、しっかりと取り組むべきと思いますが、所見をお伺いをさせていただきたいと思います。
○成田政府参考人 保育士の専門性の向上を図るため、平成二十九年度に、乳児保育や幼児保育、障害児保育といった職務分野に対応した研修の体系化を行い、キャリアアップのための研修制度を創設したところでございます。
 このうち、研修内容や実施方法につきましては、平成二十九年四月にガイドラインを発出し、各分野の研修の狙いや研修項目に加え、具体的な研修内容の例を示しております。
 また、研修の受講機会を確保するため、平成二十九年度予算では、保育園等の運営費において、研修を受講する際の代替職員の配置に要する費用について、保育士等一人当たり年間二日分から年間三日分に拡充を行ったところでございます。
 今後、処遇改善加算における研修受講の必須化を目指し、各都道府県に対し、分野別の研修実施計画の提出を求めるとともに、計画のフォローアップを行うことにより、計画的に研修の実施体制の整備を進めてまいりたいと考えております。
○西田委員 量の確保も大切ではありますけれども、質をしっかりと高めて保育の充実に携わっていただくことも、ぜひともお願いをしたいと思っております。
 本当に、国としても待機児童対策に取り組む、そのことについては大変喜ばしいことだと思っております。でも、そのときに、どうしても人材が都市部に集中してしまうのはなかなか否めないかなと思っております。地方都市の人材が都市部に流れて、また、その都市部が人材を補うために、過疎地域から都市部に人材が流入をするわけであります。その結果、慢性的に過疎地域では人材が不足するといったことは改めて私が申し上げるわけでもありませんが、国としても、これからもしっかりと過疎地域に対しても対策を取り組んでいただき、応援をしていただき、都市部の方でもしっかり保育の充実、また、地方都市そしてまた過疎地域でもしっかりと充実するような施策につながっていくことを心からお願いを申し上げ、私の質問を終わりとさせていただきたいと思います。
 ありがとうございます。
○山際委員長 次に、佐藤茂樹君。
○佐藤(茂)委員 公明党の佐藤茂樹でございます。
 きょうは、質問の機会をいただきまして、大変にありがとうございます。
 今回議題となっております子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案につきまして、三十六分間お時間をいただきまして、まず大きなことは松山大臣に、そして詳細なことは政府参考人に、さらに、ほかの省のことについては政務三役に、ぜひ御答弁をいただきたいと思うわけでございます。
 まず、この法案に関連いたしまして、一つは、企業主導型保育事業の特徴と待機児童解消に果たす役割につきまして、最初にお尋ねをしたいと思います。
 平成二十八年度から創設されました企業主導型保育事業というのは、企業主導型の事業所内保育事業を主軸といたしまして、多様な就労形態に対応する保育サービスの拡大を行いまして、仕事と子育ての両立に資することを目的とするものでございます。
 特徴として、例えば三つ挙げるとするならば、多様な就労形態に対応した保育サービスも対象とするということが一つございますし、二つ目には、複数企業による共同利用を可能とするなどの柔軟な実施を、また設立を可能としているということが二つ目でございます。三つ目には、延長、夜間、休日等の多様な保育を必要に応じて実施する、そういう特徴を持っているわけですね。
 つまり、企業のニーズに応じた柔軟な設置、運営を支援するということ、さらには、複数の企業が共同で設置できて、さらには、企業だけではなくて地域住民の受入れ、これは枠がありまして総定員の五〇%以内、そういう決まりもありますけれども、それもできますし、さらに、認可外保育施設なんですけれども、運営費、整備費については認可施設並みの助成が受けられる。さらには、特定地域型保育の事務所内保育事業が原則三歳未満児を対象とするのに対しまして、ゼロ歳から五歳児を対象として幅広い対応が可能である。
 こういう極めて柔軟な運営、設置が可能であるということから、こういう特徴を見ましたときに、保育の受皿拡大対策、そういう視点で見れば、待機児童解消の切り札的存在になりつつあると言っても過言ではございません。
 現実に、実績としては、事業開始当初というのは五万人の受皿拡大を目指しておられましたけれども、企業からの申請状況を踏まえ、新たに二万人を追加して、平成二十九年度末までには七万人の受皿を確保する予定だとされております。さらに、その七万人を踏まえて、平成三十年度には新たに二万人分を整備する、そういう予定であるというようにされていて、実績も、受皿拡充ということについては非常に効果を発揮してきている、そういうものだと思います。
 このような、平成二十八年度から創設されたこの企業主導型保育事業の特徴と待機児童解消対策に果たす役割を松山大臣はどのように考えておられるのか、まず最初に伺っておきたいと思います。
○松山国務大臣 佐藤委員にお答えします。
 先生も今るるお話し賜りましたように、この企業主導型保育事業につきましては、企業の創意工夫によって、早朝、夜間あるいは休日などの従業員の多様な働き方に応じた保育を提供できるという点、また、設置した施設を他の企業と共同して利用できる点など、こういった特徴を、先生御指摘のように、持っております。
 また、待機児童対策の点からいえば、企業主導型保育事業による施設のうち、整備中のものを含め、約七割の施設が待機児童の多く見られる都市部に設置をされておりまして、待機児童対策に一定の貢献をしているというふうに考えております。
 子育て安心プランによる受皿確保には、この企業主導型保育事業も含まれておりまして、企業にその特徴を活用いただきながら待機児童対策に重要な役割を果たしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○佐藤(茂)委員 そういう、今大臣にもお答えいただきましたけれども、極めて新しい制度でメリットがあるということはもう私も重々承知しているんですけれども、他方で、さまざまなやはり懸念があるんですね。
 例えば、小さな懸念としては、極めて、夜間であるとか休日の保育、多様な保育ということが逆に裏目に出る部分としては、企業で働く方の長時間労働を助長してしまうんじゃないのか、あるいは、それに伴う、保育を見ておられる保育士さんの負担が増してしまうんじゃないかというような、そういう懸念であるとか、あるいは、都市部の場合、職場近くの保育所に通われる場合、毎朝子連れで満員電車で通勤される、こういうことが本当にやはり親子の負担をかなり大きいものにしてしまうんじゃないか。本当に使い勝手がいいのかどうかというようなものも本当に検証しないといけないんじゃないかという、小さな、小さなというか、そういう懸念とともに、一番大きい懸念は、やはり、最も懸念の強いのは、保育の質の低下に対する懸念というのが、この企業主導型保育事業というのは常にあるんですね。
 やはり、保育所よりも職員資格等の面で緩和されていることであるとか、設置や運営に市町村の関与が少ない、そういう認可外保育施設の一類型であるということもありまして、さらには、そういう設置の柔軟さもあって、短期間のうちに、先ほど数は申し上げましたけれども、もう大量に供給されるということで、果たして保育の質の確保ができるのか、そういう懸念も指摘されているわけでございます。
 そこで、企業主導型保育事業の保育の質の確保策として、どのような方策を政府としてとられているのか、またとられるのか、大臣の見解を伺いたいと思います。
○松山国務大臣 子供の健やかな育ちを図るためには、先生おっしゃるように、保育の質の確保は極めて重要と認識をいたしております。
 企業主導型保育施設につきましては、児童福祉法に基づく認可外保育施設として、都道府県が原則年に一回以上、立入調査を行っております。
 また、企業主導型保育事業の実務を担う公益財団法人児童育成協会におきまして、全ての施設を対象に原則年一回、立入調査を行っております。さらには、通報などを受けて、必要に応じて抜き打ち調査を行う、また、午睡時、お昼寝のときの抜き打ち調査も実施をしておるところでございます。
 これらによって保育の実施状況などを確認しながら、改善が必要な施設に対しては、しっかりと指導をやっているところでございます。
 今後とも、自治体やこの児童育成協会と連携をしまして、情報共有体制を構築するなど、保育の質の確保がしっかり図られるように取り組んでまいりたいと思っております。
○佐藤(茂)委員 ぜひ、そうしているということが、本当にきちっとした立入調査であるとか、あるいは抜き打ちの調査がきちっと実施されているのかどうかということを、きちっと検証していただきたいと思うんですね。
 やはり、さっき言いましたように、もう既に七万人分の受皿の拡充に貢献している、これは非常に我々としても評価するんですけれども、やはり保育の質の低下ということは常々、進めている政府として気にかけていただいて、きちっとしたそういう検査がされているのかどうか、きちっとチェックしていただきたいな、そのように思うわけでございます。
 その上で、今回の法律案の内容に入っていきたいと思うんです。
 事業主拠出金の充当対象の拡大について何点かお聞きをしたいと思うんですけれども、事業主拠出金の充当対象の拡大の理由と意義づけについて、まずお聞きをしたいんです。
 法改正案のポイントの一つにこの充当対象の拡大というのがあるんですけれども、これは、先ほどの西田委員の質問にもお答えになっておられましたけれども、昨年の十二月八日閣議決定された新しい経済政策パッケージの中に、「経済界に対しても応分の負担を求めることが適当である。このため、」云々となって、「拠出金率の上限を〇・二五%から〇・四五%に変更し、〇・三兆円の増額分は、二〇一八年度から実施する「子育て安心プラン」の実現に必要な企業主導型保育事業と保育の運営費に充てることとし、」とあるのを踏まえて、こういう充当対象の拡大に結びつけられているんです。
 具体的には、現行では三つの充当先に限定されているんですね。一つは児童手当。二つ目が地域子ども・子育て支援事業。これは細かいのが幾つかあります、放課後児童クラブであるとか病児保育、延長保育、こういう事業に充てますと。大きな三つ目としては仕事・子育て両立支援事業。これが、先ほど質問いたしました企業主導型保育事業であるとか、あるいは企業主導型ベビーシッター利用支援事業。
 この大きな三つの充当先に限定されていたんですけれども、それが、先ほど引用しましたように、新たに保育の運営費に充当先を拡大させるというのが今回の法改正の内容なんですね。保育の運営費というのは、更に細かく言うと、例えば、保育給付の対象である保育所、認定こども園、小規模保育、家庭内保育、居宅訪問型保育及び事業所内保育の運営費のことなんですけれども。
 もう言うまでもなく、事業主拠出金という制度そのものが、後ほど時間があればお尋ねしたいと思うんですけれども、全国的な事業主の団体始め、全国の事業主の皆様の御理解と御協力があって成り立つ仕組みでございます。ですから、明確にやはり事業主の皆さんに御理解をいただかないと、充当先をこれだけ広げますと言うても、これは成り立たない、そういう制度なんですね。
 ですから、今まで事業主拠出金について大きく三つの充当先に限定されていたのに、新たに今回、保育の運営費、ゼロ歳から二歳児相当分にまで対象を拡大されることにされたその理由と意義づけについて、ぜひ全国の事業主の皆さんにも理解しやすいように御説明をお願いしたいと思うんですが、大臣、よろしくお願いいたします。
○松山国務大臣 新しい経済政策パッケージにおきまして、喫緊の課題である待機児童を解消するため、子育て安心プランを前倒しして、二〇二〇年度までに三十二万人分、保育の受皿を整備することとされました。この保育の受皿整備が進むことによって、子供を持つ親が働き始める、また働き続けることが可能というふうになってまいります。そういった意味では、企業にとっては、保育の受皿全体がふえていくということについては、子供のいる従業員の離職を防止する、また労働力を確保するということも可能になってきますし、よりよい人材の維持、確保につながっていくという受益があります。
 このため、社会全体で子育てを支援していくという大きな方向性の中で、経済界の方々との協議を踏まえまして、子育て安心プランの実現に必要なゼロ歳児から二歳児相当分の保育の運営費の増加分に拠出金を充当するということにもさせていただいたものであります。
○佐藤(茂)委員 ぜひ、今大臣おっしゃった意義を、これからも問われてくるかと思うんですけれども、どういう趣旨から、保育の運営費にまでしっかりと今回使わせていただくんだということは、団体だけではなくて、個々の事業主の皆さんに聞かれても、政府側としてしっかりと御説明を、これからも引き続きしていく努力をお願いしたいと思うんです。
 それで、充当の先を拡大する最初なので、細かい話をお聞きするかもわかりませんが、まず大臣に、そもそも保育の運営費というのは、今回のゼロ歳から二歳児相当分のみならず、三歳から五歳児相当分の保育の運営費もあるんですね。それにもかかわらず、何ゆえ今回はゼロ歳から二歳児相当分の保育の運営費に事業主拠出金を充当するものとされたのか、その理由と狙いを、まず大臣にお伺いしたいと思うんです。
○松山国務大臣 待機児童の現状ですけれども、約九割がゼロ歳児から二歳児となっておりまして、こういう状況から、ゼロ歳から二歳児の保育の受皿を整備することが、子供の預け先を確保する必要性の高い保護者のみならず、企業にとっても労働力確保に資するという観点から、このたび、経済界との協議を踏まえて、この拠出金を充当する対象を、子育て安心プランの実現に必要なゼロ歳から二歳児相当分の保育の運営費に限るということにしたものでございます。
○佐藤(茂)委員 それで、もう一つ、この事業主拠出金についてお尋ねしたいのは、法改正案では、第六十六条の二を新設して、充当額について、「その額の六分の一を超えない範囲内で政令で定める割合に相当する額」、そういうようにされているんですけれども、この「六分の一を超えない範囲内」と規定された理由や根拠について、ぜひ政府の御説明をいただきたいと思います。
○小野田政府参考人 お答えいたします。
 新しい経済政策パッケージにおきまして、経済界からは、喫緊の課題である待機児童解消のための子育て安心プランの実現に必要な企業主導型保育事業と、〇―二歳児相当分の保育の運営費に必要な三千億円を御協力いただくこととされております。
 経済界から御協力いただくこの三千億円のうち、子育て安心プランにおける保育の運営費、〇―二歳相当分の増加分がおおむね二千億円となっており、これを上限に拠出金を充当することとしたものでございます。
 上限を規定するに当たりましては、保育給付の費用につきましては、国や地方自治体の負担が割合で規定されておりますことから、保育の運営費、〇―二歳相当分の増加分の二千億円を、〇―二歳に係る保育給付費の総額のおおむね一・二兆円で割った六分の一という割合を法律に規定することとしてございます。
 ただ、具体的に拠出金を充当する割合につきましては、毎年の予算編成過程で関係者と協議して、毎年度政令で定めることとしているところでございます。
○佐藤(茂)委員 あと、幾つか法律に関連して確認しておきたいのが、大きく、全国的な事業主の団体、この対象について確認をしておきたいと思うんです。
 現行制度においても、全国的な事業主の団体は内閣総理大臣に意見を申し出ることができるとされているんですけれども、今回新設された第六十六条の二の二項でも、新たな拠出金充当額の割合に関しても意見を申し出ることができる、そういう規定が追加されました。
 昨年十二月二十日に行われました、経団連や、あるいは日本商工会議所に加え、中小企業の関係三団体を含めた会議について伺いたいと思うんです。
 この会議に臨まれた経団連や日本商工会議所以外の中小企業の関係三団体というのはどういう団体で、それらは、今回の子ども・子育て支援法で言う全国的な事業主の団体、そういうふうに法律上位置づけられるのか、また、その三団体以外にそのような位置づけとなる団体は想定されているのか、お伺いしておきたいと思います。
○小野田政府参考人 お答えいたします。
 子ども・子育て支援法におきましては、全国的な事業主の団体が事業主拠出金率等に関しまして内閣総理大臣に対して意見を申し出ることができることとされておりまして、これまで、各年度の拠出金率やその使い道につきまして、日本経済団体連合会や日本商工会議所との協議の場を設けてきたところでございます。
 今般、待機児童を解消するための子育て安心プランの前倒し実現に向けまして、本法案により事業主拠出金を充当するに当たりましては、事業主、とりわけ中小企業の事業主に丁寧な御説明が必要であり、委員御指摘のとおり、このため、昨年十二月二十日及びことし一月十八日に開きました話合いの場には、経団連、日商のほか、いわゆる中小企業三団体として、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会及び全国商店街振興組合連合会に御出席をいただき、意見交換もさせていただいたところでございます。
 事業主団体との協議の場に参加する団体の構成に関しましては、こうしたこれまでの経緯や他の施策における事業主との協議の枠組みなども参考にしながら、検討してまいりたいと考えてございます。
○佐藤(茂)委員 そこは、ぜひクリアにしていただいたらありがたいなというふうに思うんですね。やはり一回一回、その都度何か呼ばれている団体がそれぞれ違うというようなことではなく、大体、政府として、この団体については全国的な事業主の団体だ、そういうふうに決めて、そこの意見を反映してこういうものが出てきているんだということをやはり明確にしておくことが大事ではないかと思います。
 それで、十二月二十日の会議の場において、出席した全国的な事業主の団体から政府に対して中小企業に配慮してほしい旨意見を述べられた、そのように伺っております。私は、極めてこの中小企業への配慮というのは、この制度をこれからも成り立たす上では大事だと思っているんですね。
 例えば、日本商工会議所の意見だと伺っているんですけれども、中小企業が事業主拠出金全体の六割を負担しているにもかかわらず、事業主拠出金が充当される企業主導型保育事業を活用しているのは大企業が多いために中小企業は恩恵を受けられない、そういった意見もあると伺っております。
 ぜひ、ここでお聞きしたいのは、そういう意見を踏まえて調べられたのかどうかも含めてお聞きしたいんですが、企業主導型保育事業の事業主拠出金の負担割合と活用状況について大企業と中小企業でどのような格差になっているのかという実情と、その理由や要因についての政府の見解を伺いたいと思います。
○小野田政府参考人 お答えいたします。
 事業主拠出金につきましては、社会全体で子育て世代を支援していくという大きな方向性の中で、全ての企業に応分の負担をお願いしているところでございます。
 負担割合につきましては確たるデータを持ち合わせてございませんけれども、企業主導型保育事業につきましては約六割が中小企業において実施されているところでございまして、今後とも中小企業に対しまして、より一層御活用いただけますよう、支援してまいりたいと考えてございます。
○佐藤(茂)委員 六割というのは商工会議所さんも言われている数字なんだけれども、その上で、こういうことをきちっと、全国の事業主の団体が言われているんですから、本当に中小企業の、恩恵を受けられないと言われた、この企業主導型保育事業を活用している例が大企業に多くて中小企業には少ないんだということも、数字の上でしっかりと押さえていく。そういう、今まで、もう既に、始められてから二十八年度、二十九年度、いっているんですから、この企業主導型の保育事業の今の実態ですね、大企業と中小企業でどれぐらい利用されているのかということについてぐらいは、しっかりと調べられたらどうですかね。ぜひ、お願いしたいと思うんです。
○小野田政府参考人 お答え申し上げます。
 企業主導型保育事業の利用の割合につきましては、約六割が中小企業において利用されておると承知してございます。
 ただ、委員御指摘のとおり、中小企業に一層活用していただくことも非常に重要だと思っておりますので、平成三十年度の予算案におきましては、さらなる中小企業による本事業の活用促進策といたしまして、中小企業が本事業を実施する場合には、例えば、運営費の企業負担分を五%から三%に軽減することとしてございます。また、保育施設における事故防止等のために必要な防犯、安全対策の強化に関する加算を年額十万円から年額二十万円に増額することとしております。加えて、共同設置、共同利用の施設を整備する場合には新たに百万円を加算することとしてございます。
 今後とも、中小企業に一層活用していただけますよう努めてまいりたいと思います。
○佐藤(茂)委員 私は、そういう意味では、今回の平成三十年度予算案で、今、小野田統括官がおっしゃったように、今までそういう施策をされていない分だけ、少しは前進したと思うんですけれども、これによってどれだけやはり中小企業の皆さんがこの企業主導型保育事業を利用しやすくなったのかということについても、これから、予算が通ってから施策が実施されるんですけれども、しっかりと検証していっていただきたいな、そのように思います。
 続いて、先ほど西田委員も少し触れられましたけれども、今回の法律で進めようとしている保育充実事業について、重なるところは割愛いたしまして、その中で、附則の中で、この保育充実事業というのは今回法律で新たに創設されるんですけれども、十四条第一項で、特定市町村は、保育の実施への需要が増大しているものとして内閣府令で定める要件に該当する市町村、そして、特定市町村以外の市町村を事業実施市町村と定義されているんですね。
 そこで、特定市町村に該当するための保育の実施への需要が増大しているものとして内閣府令で定める要件というのはどのような内容と基準を想定されているのか、そして、それ以外の保育充実事業を実施する市町村としてどのような市町村を事業実施市町村というように想定しておられるのか、それぞれについて、わかりやすく御答弁をいただきたいと思います。
○高木副大臣 お答えいたします。
 本法案におきまして、保育の実施への需要が増大している市区町村を特定市町村といたしまして、特定市町村以外の市区町村を事業実施市町村と規定をしております。
 特定市町村の具体的な要件といたしましては、内閣府令におきまして、待機児童がいる市区町村、また、今後保育ニーズが増加することが見込まれる市区町村、このようにすることを想定をしておりまして、現在パブコメにかけているところでございます。
 また、特定市町村につきましては、保育需要への対応の必要性が高いことを踏まえまして、都道府県が待機児童対策に係る協議会を設置している場合につきましては、その管区内の特定市町村が実施する認可化移行運営費支援事業に対しましては一定の補助の加算を設けることを予定をしております。具体的には、認可化移行運営費支援事業の補助単価の五%を上乗せすることを三十年度予算案におきまして想定をしているところでございます。
○佐藤(茂)委員 今、高木副大臣が答弁されたんですけれども、一定の補助率の、補助の加算という話がございました。
 やはり、市町村にとったら、お聞きになりたいのは、この保育充実事業を行う市町村に対して、予算の範囲内で当該保育充実事業に要する費用の一部を補助することができるとされているんですけれども、さっきが全てなのかどうなのか、特定市町村と事業実施市町村とで補助の内容や補助率等に差異を設けるという、そういうことなのかどうなのか、御答弁をいただきたいと思います。
○高木副大臣 お答えいたします。
 補助率等につきましては変わりません。しかしながら、先ほど申し上げたように、協議会を設置している場合、その場合には上乗せをさせていただくということでございます。
○佐藤(茂)委員 ですから、協議会を設置しているかどうかということが上乗せの一つの基準になるということでよろしいですね、はい。
 それで、その協議会なんですけれども、目的と役割については、もう先ほど西田委員の質問でもございましたので、あえて重なる質問はいたしませんが、例えば広域利用ですね、こういうことも進めることによって、定員枠が余っている近くの市区町村の認可保育園で、ある自治体の認可保育園がいっぱいな場合には入れていただける、そういうことというのは、うまく活用していくと待機児童解消につながるのではないか、そういうメリットは理解いたします。
 一方で、この協議会がテーマに浮上したきっかけというのが、昨年の十一月二十九日の規制改革推進会議の規制改革推進に関する第二次答申というところで最初に出てきているわけですね。
 ここで、待機児童解消の項目で、「関係者全員参加の下で協議するプラットフォームの都道府県による設置」とありまして、その流れの中で、実はもう一つ、さまざまな懸念の一つになっているんですけれども、この規制改革推進会議の答申の中では、上乗せ基準の見直しというものが掲げられているんですね。
 どういう表現になっているかというと、例えば都市部では、基準の上乗せをしている地方自治体に待機児童が多く見られる傾向があり、地方自治体が独自に設けている上乗せ基準が、待機児童数の増加をもたらす要因の一つになっているとの指摘もあるとした上で、上乗せ基準の設定が待機児童の偏在化を助長することがないよう、協議会において、多様な視点から上乗せ基準を検証する。
 そういう答申の内容を受けたものであるので、この協議会というのは、市町村が独自に手厚くしている保育士配置や面積基準などの上乗せ基準の見直しを、都道府県ごとの協議会で国基準に統一することを決めてもらって、その都道府県下の対象自治体に一斉に下げてもらう、そういうようなことを想定しておるのではないか、そういう論調をしきりに書いている新聞もございます。
 そんなことをされたら、その論調の中にも言われているのは、保育の質の低下に直結する、また、手厚い独自基準を持つ市町村が基準を下げやすくする仕組みなんじゃないのか、それにこの協議会を使おうとしているのではないかというような、そういう懸念の声や不安の声も一部に出ているのも事実なんです。
 政府として、こういう懸念の声にどう応え、この協議会の意義を説明されていくのか、御答弁をいただきたいと思います。
○高木副大臣 お答えいたします。
 まず、この協議会の協議事項につきましては、地域の実情に応じて各協議会において決定されるものというのが大前提でございます。
 今御指摘のとおり、規制改革推進会議の第二次答申におきましては、協議会において市区町村が独自に定める人員配置基準等の検証を行うことも盛り込まれており、協議事項の一つとなることも想定されますが、具体的に協議事項とするかどうかは、地域の実情に応じて各協議会において判断されるものでございます。
 今御指摘の、上乗せ基準の見直しを行うと保育の質を維持できなくなるのではないかというこの御指摘につきましては、保育園等の人員配置基準は、児童の健全な発達に必要な保育を行うための最低基準として定められておりまして、保育の質を確保する役割を保育現場におきまして果たしているわけでございます。
 このために、自治体が仮に独自の上乗せ基準を見直し、追加で児童の受入れを行ったとしても、国の定める人員配置基準を満たしているということが前提であるわけでございます。
 あくまでも、地域の実情に応じて各協議会において決められるものというこの方針で、私どもも進めてまいりたいと思っております。
○佐藤(茂)委員 ぜひその方針を貫いていただきたいと思うんですね。地域の実情に応じて各協議会でしっかりと決めていただく、そのことをしっかりと理解していただきたいと思うんです。
 最後、あと二分ぐらいになりましたので、保育士の処遇改善に関連して、一月二十八日の読売新聞の全国調査に基づいて、キャリアアップ研修というのをどうしていくのかということについて、最後、御質問したいと思います。
 政府は、昨年四月から、キャリアに応じた保育士の処遇改善を実施されています。例えば、おおむね七年ぐらい勤められた方には四万円給料アップしましょう、さらに、おおむね三年ぐらい勤められた方には五千円給料アップしましょう。これは非常にいい施策だと思いますし、さらに、最近、厚生労働省として、若手保育士さんらの処遇を改善させるために、処遇改善の要件を緩和する方針を決められたというのを我々承っております。
 そこで大事なのは、実はあの四月から始めるときにも我々説明を聞いているのは、給与の加算を受けるために、保育士に求められたキャリアアップ研修というのが必要なんですね。ただ、初年度の今年度は加算の要件にはなっていないために大きな問題にはなっていないんですけれども、また都道府県に開催義務というのはないんですが、政府は状況を見て次年度以降要件にする時期を決める予定だ、そのように伺っているんです。
 ところが、先ほど言いました一月二十八日の読売新聞が全国調査をしたところによると、このキャリアアップ研修について、国が定めた八科目全てを実施しているのは八府県にとどまって、一部の科目のみ何とかして開始したというのは二十二自治体、東京都を始め十七自治体というのはまだ実施していない、そういう回答だったそうでございます。
 その中でやはり大きな声として上がっているのが、三十五自治体ぐらいが課題として挙げたのが、研修を受ける保育士の代替要員の確保というのが一つの大きな声になっております。さらには、幾つかありまして、対象者が多く研修開催が追いつかないとか、適切な研修を実施できる機関や人材の不足、また国が示したガイドラインではカリキュラム作成は困難、そういう声が上がっているんですね。
 このままでは、せっかく昨年の四月に制度が始まって、保育士さんの処遇改善策の要件であるキャリアアップ研修が、都道府県で実施が前に進まない、こういうネックになる可能性があるわけでございます。
 こういう保育士の処遇改善の要件であるキャリアアップ研修を今後どうやって進めて、どのあたりのタイミングで処遇改善の要件にされていくのか、政府の見解を伺いたいと思います。
○高木副大臣 お答えいたします。
 御指摘のとおり、保育士の専門性の向上を図るために、平成二十九年度に、キャリアアップのための研修制度を創設をいたしました。
 このうち、研修内容や実施方法につきましては、昨年四月にガイドラインを発出いたしまして、研修の狙い、研修項目に加えまして、具体的な研修内容の例を示したところでございます。
 また、受講機会を確保するために、平成二十九年度予算では、保育園等の運営費におきまして、受講する際の代替職員の配置に要する費用につきまして、保育士等一人当たり年間二日分から年間三日分に拡充を行いました。
 今後、御指摘の必須化がいつかということでございますが、二〇二二年度から必須化を目指していくことを考えております。処遇改善加算における研修受講の必須化を二〇二〇年度から目指しておりまして、各都道府県に対し分野別の研修実施計画の提出を求めるとともに、計画のフォローアップを行うことによりまして、計画的に研修の実施体制の整備を進めてまいりたいと思っております。
 なお、その間の代替要員の確保につきましても、先ほど御指摘がありました。今、一部の保育士・保育所支援センターでは、フルタイムやパートといった雇用形態のほかに、研修受講の際の代替職員も含めまして、短期的な就業に関する求人また求職を受け付けまして、マッチングの支援を行っております。
 こうした取組を全国に拡大させることによりまして、研修を受講できる環境づくりを進めてまいる所存でございます。
○佐藤(茂)委員 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。
○山際委員長 次に、加藤鮎子君。
○加藤(鮎)委員 自由民主党の山形三区の加藤鮎子です。
 質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 本日は、子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案にまつわる質疑ということで、私自身も五歳の未就学児を育てる母でもあることから、少子化対策やその一環である保育分野の取組に関する質問をさせていただきたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。
 まず、冒頭、平成二十九年に国立社会保障・人口問題研究所が発表した日本の将来推計人口について紹介をさせていただきます。これによりますと、現在の傾向が続けば、二〇六五年には、我が国の人口は八千八百八万人、一年間に生まれる子供の数は現在の半分程度の約五十五万人となり、高齢化率は約三八%に達するという厳しい見通しが示されております。
 今や、少子化の問題は最も重要な政治課題の一つであると言っても過言ではありません。少子化の影響は、年金制度の維持安定の問題、労働力不足の問題、地域の過疎化の問題など、社会のさまざまな場面に影響を及ぼしてまいります。
 そこで、まず初めに、少子化対策についてお伺いをいたします。
 政府は、平成二十八年六月二日に閣議決定をされましたニッポン一億総活躍プランにおきまして、新三本の矢の一つに希望出生率一・八を掲げ、そのロードマップの年次を平成二十八年度から平成三十七年度の十年間としています。
 この希望出生率一・八というのは、内閣府の資料によりますると、若い世代における、結婚、子供の数に関する希望がかなうとした場合に想定される出生率のことをいうとされております。この希望出生率一・八の実現を目指して、御家族ごとに理想の子供の人数を育むことができるように支援していく必要があると考えます。
 そこで、お伺いをいたします。
 内閣府としては、その実現に向けてどのようなことが課題であると御認識をされているのでしょうか。また、その課題の解決に向けてどのように取り組んでいかれるのか。ちょっと大ざっぱな質問になりますけれども、まず冒頭、そちらで伺わせていただきます。よろしくお願いします。
○松山国務大臣 加藤委員にお答えいたします。
 まさに先生御指摘のように、急速に進む少子高齢化という国難を我が国は突破していかなければなりません。希望出生率一・八を実現するためには、個々人の希望がかない、安心して子供を産み育てることができる、そういう社会をつくっていかなければならないと存じます。
 子供の数に関する一人一人の希望をかなえるためには、仕事と子育ての両立の難しさ、あるいは教育費負担の重さや、年齢そして身体的理由や、子育て中の孤立感あるいは負担感、また、子育ての希望の実現を阻むそれぞれの要因というものを一つ一つ取り除いていくことが重要であると考えております。
 このため、本法案の早期成立を目指して、二〇二〇年度までに三十二万人分の受皿を整備してまいります。
 そのほか、幼児教育、保育の無償化、また、真に必要な子供に限った高等教育の無償化、不妊治療の助成、また、地域の子育て支援拠点の構築などに、関係省庁連携して今取り組んでいるところでございます。
 加えて、現在、社会全体で取り組むべき対応策について幅広い視点から検討するということで、少子化克服戦略会議を立ち上げまして、その成果、できることから速やかに実行してまいりたいというふうに思い、進めておるところでございます。
○加藤(鮎)委員 ありがとうございました。
 次に、待機児童解消についてお伺いをいたします。
 今回の法案は、待機児童解消を実現するために必要な子育て安心プランを実現するための法案の一つであると認識しております。子育て安心プランでは、平成三十二年度末までの三年間で三十二万人分の保育の受皿を確保することとしております。
 ところが、一方で、民間のシンクタンクである野村総研の方で出している推計の方を見ますと、気になる点がございます。野村総研の方では、平成三十二年時点で、二十五歳から四十四歳の女性就業率の政府目標七七%を達成するために追加で整備が必要な保育の受皿は、八十八・六万人と推計しております。子育て安心プランで確保が必要だとしている受皿の数と比べると、その差は約五十六・六万人となります。
 このギャップが気になってお伺いするのですけれども、子育て安心プランで確保する三十二万人分の保育の受皿と言っているのは、どのような考え方で三十二万人と計算をされたのでしょうか。厚生労働省にお伺いをいたします。
○成田政府参考人 お答え申し上げます。
 待機児童の解消は待ったなしの課題であり、最優先で取り組んでいるところでございます。
 子育て安心プランによる必要な保育の受皿三十二万人分につきましては、二十五歳から四十四歳までの女性の就業率が毎年おおむね一ポイントずつ上昇し、二〇二二年度末に八割まで上昇すること、その就業率と相関して、保育の利用申込率もゼロ歳から五歳全体で見て五割を超える水準まで伸びることを想定して、必要な整備量を推計したものでございます。
○加藤(鮎)委員 御丁寧な説明をいただきまして、ありがとうございました。
 次の質問も、今度は、同じく野村総研が実施したアンケート調査の方をもとにお伺いをいたします。
 野村総研が実施した未就学児を持つ保護者アンケート調査をもとにした推計結果によりますと、こんな実態があらわれております。少なくとも三十一・三万人の児童の保護者が、自分の子供はすぐにでも保育サービスを利用したかったのに、利用できていないと不満に感じている、こういう結果であります。これは平成二十八年度のデータであります。ここから、保育サービスの充足について、利用者側と供給サイドの認識に大きなギャップがあることが指摘できるのではないかと思います。
 子育て安心プランで三十二万人分の受皿を確保することにより、待機児童は本当に解消することというのはできるのでしょうか。厚生労働省にお伺いをいたします。
○成田政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま申し上げましたように、子育て安心プランで示した三十二万人分の受皿は、二十五歳から四十四歳までの女性の就業率が二〇二二年度末に八割まで上昇すること、その就業率と相関して、保育の利用申込率もゼロ歳から五歳全体で見て五割を超える水準まで伸びることを想定して、必要な整備量を推計したものでございます。
 実際に待機児童を解消するための保育の受皿整備を行うに当たっては、保育の実施主体である市区町村において、申込みにまで至らないようなケースも含めて、保護者の意向を丁寧に確認しながら、潜在的ニーズも含めた必要な整備量を的確に把握することが重要でございます。
 このため、昨年十二月には、毎年各市区町村が子育て安心プランに基づき整備計画を作成する際には、保育コンシェルジュなどを活用しながら潜在的な保育ニーズの把握に積極的に取り組むよう求めたところであり、市区町村ごと、さらには市区町村内の保育提供区域ごとに保育の利用意向が的確に把握され、それを反映した受皿整備が進むよう支援してまいりたいと考えております。
○加藤(鮎)委員 ニーズの的確な把握をもとに、ぜひとも取組を進めていただきますことを御期待を申し上げます。御答弁ありがとうございました。
 次に、保育人材の確保についてお伺いをいたします。
 近年、保育士の有効求人倍率は、全国的に非常に高くなっております。私の地元の保育施設でも、求人を出しているのになかなか見つからないという声がよく聞こえてまいります。そのために、既に働いている保育士さんたちの方に大きな負担がかかっており、そのプレッシャーに耐えかねて、むしろやめてしまう人が出ているというほどの現状もございます。
 私自身も息子を自分で預けている母親として実感があるわけですけれども、保育士の皆様は、子供の命を預かる責任感というプレッシャーで、常に細やかな気遣いをされて、気を張ってお仕事をされていらっしゃいます。時間も長くなりがちですし、その働いている時間以外にも、担当している子供たちを気にかけてくれているんだろうなということが感じ取れるような、そういうこともしょっちゅうあるわけであります。
 どの地域も保育士の確保に苦しんでいることを鑑みますと、保育の受皿整備を進めるに当たりましては、保育施設といったハード面をふやすだけでなくて、保育を担う方々、保育士さんの人材の確保もしっかり行っていくことが必要だというのは言うまでもありません。
 保育人材の確保につきましては、子育て安心プランに基づいて既にいろいろな総合的対策が行われていることと承知をしてございますけれども、念のため挙げておきますと、このようなものがあると思います。保育士の方々の処遇の改善、新たに保育士の資格を取得する方々の確保、就業を継続していただけるための支援、そして一旦離職した方々への再就職支援など、多方面から対策を講じて、手を打っていただいているとは思います。
 既に成果があらわれているような施策もあれば、成果があらわれてくるのに一定の時間を要するものもあるとは思います。しかし、現に今も保育人材の不足が現場で起きているという現状を踏まえますと、現在進行形での課題認識がその都度その都度必要になってくるのだと考えております。
 そこで、お伺いをいたします。
 二〇二〇年度までに整備することとされている三十二万人分の保育の受皿に対応するためには、どの程度の保育士が必要になってくるのでしょうか。また、必要となる保育士の数を確保するために、今後どのような取組を進めていかれるのでしょうか。厚生労働省にお伺いをいたします。
○成田政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘いただきましたように、待機児童の解消のためには、保育の受皿拡大とそれを支える保育人材の確保が不可欠であり、二〇二〇年度末までに三十二万人分の保育の受皿整備を行うことに伴いまして、新たに七・七万人の保育人材を確保することが必要と見込んでおります。
 保育人材の確保に向けましては、保育士資格を持ちながら保育士として就業していない方、いわゆる潜在保育士に対して、都道府県等が設置する保育士・保育所支援センターが行う再就職支援や、保育士の宿舎の借り上げ支援などの取組を引き続き支援することとしております。
 また、保育士の業務負担を軽減するため、平成二十九年度補正予算において保育業務のICT化の支援、平成三十年度予算案において保育士の業務を補助する保育補助者の雇い上げ支援などを盛り込んでおります。
 こうした取組も含め、処遇改善や新規の資格取得、継続就業支援、離職者の再就職といった支援に総合的に取り組むことにより、引き続き保育人材の確保に努めてまいりたいと考えております。
○加藤(鮎)委員 ありがとうございます。
 ぜひとも今お話あったような保育人材の確保に向けて、お取組の方、よろしくお願いをいたします。
 また、今お話あった保育人材の確保に当たりましては、若手職員や、一定の技能、経験を積んだ中堅の職員の方々の処遇の改善もあわせて進めていく必要があると考えております。政府におかれましては、先ほど来申し上げておりますニッポン一億総活躍プランに基づきまして、今年度、平成二十九年度から、技能、経験に応じた保育士の処遇改善に取り組まれていることと承知をしております。
 そこで、その取組の進捗状況についてお伺いをいたしますが、これまで、どの程度の処遇改善が実現しているのでしょうか。また、保育士の方々に向けた処遇改善のために、今後、さらなる取組としてはどのような取組を進めていかれるおつもりでしょうか。これは内閣府の方にお伺いをいたします。
○小野田政府参考人 お答えいたします。
 保育士の処遇改善につきましては、これまで取組を進めてきており、平成二十五年度以降、月額三万円相当、約一〇%の処遇改善を実現しております。
 これに加えまして、今年度から実施している技能、経験に応じた処遇改善は、各施設におけるキャリアアップの仕組みの構築を支援するため、経験年数おおむね七年以上の中堅保育士等に月額四万円、経験年数おおむね三年以上の若手保育士等に月額五千円の処遇改善を行うものでございまして、若手にも配慮したものとなってございます。
 また、平成二十九年度補正予算及び平成三十年度予算案におきまして、平成二十九年人事院勧告に準じた賃金引上げ一・一%を実施することとしており、さらに、新しい経済政策パッケージにおきましても、二〇一九年四月から更に一%の賃金引上げを行うこととしてございます。
 これらの取組を通じまして、若手も含めた保育士等の処遇改善を進めてまいります。
○加藤(鮎)委員 ありがとうございます。ぜひとも、賃金アップの方を力強く進めていただきたいと期待を申し上げます。
 そして、今のお話にもありましたように、平成二十九年度より、保育士等の方々に向けたキャリアアップの仕組みが構築をされました。
 ちょっと重複をいたしますが、その中身を拝見しますと、経験年数がおおむね七年以上の中堅職員の方々に対しては月額最大四万円、経験年数がおおむね三年以上の職員の方々に対しては月額五千円の処遇改善が行われています。
 そして、この技能、経験に応じた保育士等の処遇改善の仕組みにおきましては、キャリアアップ研修の受講が要件とされております。
 処遇改善への道がどなたにも開かれているのは大変よいことでありますけれども、しかし、地元の保育の現場に携わる方々との意見交換をしておりますと、こんな声も聞こえてまいります。
 キャリアアップ研修において一科目修了するためには十五時間以上の時間が必要で、日ごろから忙しい、そのキャリアアップ研修を受ける保育士の方本人にとっても大変ハードルが高い上に、また、それだけでなくて、研修受講中の代替要員の確保をしなければならない保育施設の管理者側の方々にとっても非常に困難だ、そういった声があり、実際なかなか思うように受講が進んでいないようであります。
 先ほどの西田先生の御質問の中にもありまして、重複はいたしますが、まさに、それだけ深刻な、そして切実な現場の声であろうかと拝察をいたします。
 また、一部の報道によりますと、これも繰り返しではありますけれども、国が定めた八科目全てを実施している自治体は八府県にとどまっております。
 こうした現状を踏まえますと、キャリアアップ研修をより受講しやすいものにするなど、技能、経験に応じた保育士等の処遇改善の仕組みの要件を見直す必要があるのではないでしょうか。内閣府にお伺いをいたします。
○小野田政府参考人 お答えいたします。
 今年度から実施している技能、経験に応じた四万円等の加算は、保育士等の専門性の向上を図るとともに、キャリアアップの仕組みを構築していただく中で、賃金水準を引き上げていくために導入したものであり、このため、研修の受講を要件としたところでございます。
 ただし、平成二十九年度は、本加算を導入した初年度でもあり、研修の受講要件を課さないこととしております。平成三十年度以降につきましても、職員の研修の受講状況等を踏まえ決定することとしておりましたが、今般、各園ごとに異なっている職員体制などの事情により柔軟に対応できるよう、研修の受講要件につきましては、二〇二一年度までは要件とせず、研修の受講を促進しながら、二〇二二年度をめどに必須化を目指すことといたしました。
 保育士等の研修機会の確保のためには、平成二十九年度予算におきまして、代替職員の配置に要する費用の拡充も図ったところでございます。
 引き続き、処遇改善加算の円滑な実施に努めてまいります。
○加藤(鮎)委員 ありがとうございます。引き続き、現場の声を大切にしながら、保育人材の確保に向けてこうした処遇改善の取組を進めていただきたい、このように思います。
 また、こういった処遇改善の取組にあわせまして、それと同時に、保育士として働くことの魅力ややりがい、これを社会のできるだけ多くの方々に伝えていくということも私は重要であると考えております。政府として、保育士として働くことの魅力を高めるための取組も必要なのではないでしょうか。
 これにつきまして、今、厚生労働省でやられているお取組なども含めて、お考えなど伺わせていただきます。
○成田政府参考人 お答え申し上げます。
 高い使命感と希望を持って保育の道を選んだ方々が、誇りとやりがいを持って保育士として活躍していただけるよう、保育人材の処遇改善やキャリアアップの仕組みの構築に取り組み、保育士の仕事の魅力向上に努めてきたところでございます。
 また、保育の道を選ぶ方がふえることが重要であり、これまでも毎年、保育士の処遇改善などに関するPRとして保育士確保集中取組キャンペーンを実施してきたほか、保育士の仕事に興味を持っている高校生や中学生に対する職場体験の機会の提供などの取組を通じて、保育士の仕事の魅力の周知に努めてきたところでございます。
 保育士は、将来を担う子供たちの発達を促す、子供たちの日々の成長を実感できる魅力のある仕事であり、社会に望まれる崇高な役割を担っていることを、こうしたさまざまな機会を通じて発信してまいりたいと考えております。
○加藤(鮎)委員 ありがとうございます。
 おっしゃるとおり、国や地域の宝である子供を育てていくという、親が一義的にそれを担うわけでありますが、働きながら子育てをする親をサポートする立場から保育のサービスを提供いただく保育士の仕事というのは、私は、本当に今の貴重な存在でいらっしゃって、大変プレッシャーや負担も大きいとは思いますけれども、やりがいのあるすばらしいお仕事だなと、そのように感じております。
 若い世代、これから仕事、進路を考える子供たちに対しても、そういう触れ合う機会をつくっていただいている厚生労働省のお取組に敬意と感謝を申し上げたい、このように思っております。
 これまで御答弁いただきましたように、政府には、保育士の人材の確保に向けて、さまざまな支援をしていただいていると認識をしております。さらに、キャリアアップ研修もある意味ここに含まれているとは思うのですけれども、保育サービスの質の向上、こちらの方にも引き続き推進をしていくことが重要であると考えております。
 そこで、お伺いをいたします。
 現在、保育の質の向上に向けた取組、例えば、教育、保育施設等の職員配置の改善ですとか、小規模保育の体制強化などの取組についての状況はどのようになっているでしょうか。これは内閣府の方にお伺いをいたします。
○小野田政府参考人 お答えいたします。
 幼児教育、保育、子育て支援の量、質の充実を図るためには、一兆円を超える程度の財源が必要とされております。
 そのうち、消費税率が一〇%に引き上げられたときに実施することとしていた〇・七兆円のメニューにつきましては、消費税率が八%に据え置かれる中にありましても、三歳児の職員配置の改善、また、保育人材の処遇の三%の改善、小規模保育の体制強化など、全ての事項を既に実施いたしました。
 消費税財源以外の財源により実施することとされている、さらなる質の向上を実施するための〇・三兆円のメニューにつきましては、保育人材の処遇の二%の改善等を平成二十九年度に実施いたしました。
 平成三十年度予算案におきましても、同様の措置を行うために必要な予算を計上しているところでございます。
 〇・三兆円メニューにつきましては、骨太の方針二〇一七におきまして、子ども・子育て支援のさらなる質の向上を図るため、消費税分以外も含め、適切に財源を確保していくこととされてございます。
 こうした方針に基づきまして、引き続き、各年度の予算編成過程におきまして安定的な財源確保に努めてまいります。
○加藤(鮎)委員 最後の質問になりますけれども、保育の事故対策についてお伺いをさせていただきます。
 保育は、ぬくもりのある、人の手によって行われる、とても崇高な営みだと思いますが、それだけに、あってはならないことではあるんですけれども、どうしても万が一の事故というものが起きてしまうこともございます。あってはならないことではあるのですけれども、万が一、不幸にして保育事故が起きてしまった場合、そのような事故が繰り返されることのないような適切な対応が、現場あるいは国の方でも求められると思います。
 今後、保育所における事故の報告や再発防止に向けた事後検証の徹底に向けて、どのように取り組んでいかれるのでしょうか。これも内閣府にお願いいたします。
○小野田政府参考人 お答えいたします。
 教育、保育施設等におきましては、子供が安心、安全で健やかに育つことが重要であり、死亡事故等の重大事故はあってはならないと認識しております。
 このため、国といたしましては、重大事故が発生した場合の国への報告の仕組みの整備、報告のあった事故情報について、事故の背景が見えるようデータベースを内閣府ホームページ上に構築、また、重大事故の防止や事故発生時の対応に関するガイドラインを作成するとともに、重大事故の再発防止のための事後的な検証を実施する際の基本的な考え方や検証の進め方を、地方自治体宛てに通知を発出して周知を行っているところでございます。
 また、平成二十八年四月からは、有識者会議におきまして、事故報告の傾向分析や検証報告を提出した自治体からヒアリングを実施し、再発防止策を検討してございます。昨年十二月には、有識者会議での議論を踏まえまして、死亡事故の防止のための注意喚起事項をまとめまして、注意喚起を発出したところでございます。今後も、必要に応じまして随時発信していくこととしてございます。
 今後とも、関係省庁や地方自治体と連携して、保育所、幼稚園、認定こども園等における重大事故の発生や再発防止に努めてまいります。
○加藤(鮎)委員 ありがとうございます。
 少し時間も余っていまして、もしお答えいただけるのであればで構いません。通告しておりませんですけれども、今お話しいただいたような保育事故の再発防止に向けた報告や事後検証、こういったことについて、各自治体に、こういったことをやっていくというふうに共有をしていかれるという話を、今御答弁の中に含まれていたと思いますけれども、ざっくりとでいいんですけれども、どんなふうに共有を図られていくかということなど、さっぱりで大丈夫ですので、よろしくお願いいたします。
○小野田政府参考人 お答え申し上げます。
 例えば、注意喚起事項といたしまして、先ほど申し上げましたけれども、睡眠中は、一歳以上であっても子供の発達状況によりあおむけに寝かせること、あるいは、預け始めの子供については特に注意し、きめ細かな見守りが重要であること、こうしたことにつきまして注意喚起を行っているところでございます。
○加藤(鮎)委員 ありがとうございます。
 大変、最近の保育サービス、私も、子供をちょっと夜遅くまでどうしても預けなきゃならないときもあったりするんですが、プロの方々は、十五分に一回赤ちゃんの呼吸を確認しながら保育を、見守りをする、寝ている赤ちゃんを見守るという、大変プロ意識高く子供たちを見てくれる方々もいる。やはり、それだけ命を預かるというのは大変重たい責任で、気の張るお仕事なんだな、このように思います。
 改めて、事故防止をしっかりとやっていくのはもちろんでありますけれども、保育士の方々に対する処遇の改善を力強く訴えさせていただきながら、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 御答弁いただきまして、まことにありがとうございました。
○山際委員長 これより午前中の立憲民主党・市民クラブの質疑時間に入ります。
 これにて午前中の立憲民主党・市民クラブの質疑時間は終了いたしました。
 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時十九分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時一分開議
○山際委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 再開に先立ちまして、立憲民主党・市民クラブ、希望の党・無所属クラブ、無所属の会、日本共産党及び自由党所属委員に対し御出席を要請いたしましたが、御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。
 質疑を続行いたします。
 これより午後の立憲民主党・市民クラブの質疑時間に入ります。
 これにて立憲民主党・市民クラブの質疑時間は終了いたしました。
 これより希望の党・無所属クラブの質疑時間に入ります。
 これにて希望の党・無所属クラブの質疑時間は終了いたしました。
 これより無所属の会の質疑時間に入ります。
 これにて無所属の会の質疑時間は終了いたしました。
 これより日本共産党の質疑時間に入ります。
 これにて日本共産党の質疑時間は終了いたしました。
 次に、浦野靖人君。
○浦野委員 日本維新の会の浦野靖人です。
 皆さん、もう少しですので、頑張りましょう。
 きょうは、午前中に引き続きまして法案の質疑ということで、何点かお伺いをしていきたいと思います。
 まず一点目ですけれども、社会保障・税一体改革でつくる財源、これは一兆円をつくるということで、前回のこの法案の改正時、平成二十八年のときに、三千億円が不足するということになって、その当時も、事業主拠出金をこの不足する三千億円に充てないということで平成二十八年はやったんですけれども、今回、この事業主拠出金をふやすに当たって、今回も同じように考えてよろしいかということを、まず一点、お聞きしたいと思います。
○小野田政府参考人 お答えいたします。
 今回の子ども・子育て支援法の改正案は、社会全体で子育て世代を支援していくという大きな方向性の中で、子育て安心プランの実現のため、一般事業主から徴収する拠出金の率の上限を引き上げ、三千億円程度を企業主導型保育事業及びゼロ歳から二歳児相当分の保育の運営費に充当することなどを目的としております。
 このため、議員御指摘の子ども・子育て支援のさらなる質の向上を実施するための〇・三兆円メニューとは別のものであり、これらに充当するものではございません。
○浦野委員 それでは、不足しているとなっているこの三千億円についてなんですけれども、これも、大分月日もたちましたし、この三千億円のめどというのはついているんでしょうか。
○松山国務大臣 幼児教育、保育、子育て支援の質、量の充実を図るためには、一兆円を超える程度の財源が必要とこれまでもされてまいりました。
 そのうち、消費税が一〇%に引き上げられたときに実施することにしていました〇・七兆円メニュー、これにつきましては、消費税八%の段階で既に全ての事項を実施いたしております。
 委員御指摘の、消費税財源以外の財源により実施することとされている、さらなる質の向上を実施するための〇・三兆円メニューですが、平成三十年度の予算においても、二十九年度に引き続いてメニューの一部を実施することといたしておりまして、また、これとは別に、技能、経験に基づく四万円の処遇改善を行ってきたところでございます。
 〇・三兆円のメニューですが、骨太の方針二〇一七においても、子ども・子育て支援のさらなる質の向上を図るために、消費税分以外も含めて適切に財源を確保していくとされておりますので、この方針に基づいて、引き続き、各年度の予算編成過程において安定的な財源確保にしっかり努めてまいりたいと思っておるところでございます。
○浦野委員 これを確保するというふうに言われてからかなり時間がたっておりますので、なるべく、ことしの予算はもう通りましたから、来年度予算でもしっかりとこれを、三千億を手当てするということを忘れずにしっかりとやっていただきたいと思います。
 それ以外のメニューで、保育士の給与の改善だとか、そういったことでしっかりと予算をつけていただいているということは私も理解をしておりますので、この三千億の部分、これは約束をされた部分ですから、忘れずにしっかり手当てをしていただきたいと思っております。
 続いて、今回の法案に出てきている主な項目、三つあるんですけれども、そのうちの三つ目の協議会について、ちょっといろいろと質問をしたいと思います。
 事業主の拠出金だとか、こういった部分に関しては、我々日本維新の会も、まだ法案の賛否をとっていないですけれども、賛成に多分なるとは思うんですけれども、どうしてもこの協議会の部分だけ、少し、ちょっとひっかかるなというふうに思っております。
 まず、この協議会をつくるとした立法事実というものがあると思うんですけれども、それを一度御説明をいただきたいと思います。
○成田政府参考人 お答え申し上げます。
 昨年十一月の規制改革推進会議の第二次答申におきましては、市区町村単位での取組には限界があることを踏まえ、都道府県を中心に、広域的に待機児童対策に取り組むことを促す観点から、協議会を設置することができることとする旨が盛り込まれたものと承知しております。
 本法案では、この第二次答申を踏まえ、都道府県が市区町村等と協議する場を設置できる旨を盛り込んでおり、都道府県が待機児童の解消に積極的に参加できる環境を整備し、都道府県の支援をより実効的なものとすることを目的としております。
 この協議会では、例えば保育園等の広域利用の推進、市区町村における先進事例の横展開について都道府県と関係市区町村等が協議することで、待機児童の解消に向けて、より一層連携して取り組んでいただけることを期待しております。
○浦野委員 十一月二十九日の規制改革推進会議の中でこういったことが答申されたということで、その資料も私も読みました。
 ただ、今現在、地方版の子ども・子育て会議というものもつくられているところがあります。その上に更に協議会を設置するというのは、私は、同じようなものを二つつくって何の意味があるのかなというふうに疑問に思っているんですけれども、その点についてはいかがですか。
○成田政府参考人 お答え申し上げます。
 現行の都道府県子ども・子育て会議では、保育に限らず、社会的養育、児童虐待防止、一人親家庭等の自立支援、障害児施策等も含め、広く都道府県の子ども・子育て支援施策の方針等を審議することとされております。
 一方で、本法案に盛り込んでいる協議会では、都道府県が市区町村の待機児童解消の取組を支援することに特化して協議を行うこととしております。
 このため、子ども・子育て支援に係る多くの関係団体や学識経験者が構成員となっている都道府県子ども・子育て会議とは異なり、この協議会は、都道府県と当事者である関係市区町村が必ず参加することとした上で、当該市区町村の待機児童の解消のための施策について、主に実務者レベルで協議するものでございます。
 また、恒久的な措置として本則に規定している都道府県子ども・子育て会議とは異なり、この協議会は、経過的な規定として附則に位置づけることとしております。
 このように、協議会は、趣旨や協議内容が都道府県子ども・子育て会議とは異なるものであり、都道府県と市区町村がより一層連携して、待機児童解消に向けた取組を実施するために役立つものと考えております。
○浦野委員 この法案のヒアリングをしたときに、答申の中に、地方の意見を聞いたということで、どこの都道府県が主に言っているのかと聞くと、何個かあるうちの一つが東京都で、その東京都がやはりこういった仕組みをつくってほしいという声を上げていて、それを受けて答申をつくった。その答申を出した後すぐに、小池都知事も記者会見で、都としても歓迎したいというようなコメントも出しております。
 要は、待機児童が一番多い東京都で上乗せ基準とかを独自にやっていて、本当は最低基準まで基準を考えれば、もっと子供を保育園に入れられるんじゃないかという考えがあって、東京都はそれを各区にやってもらいたい。しかし、各区は、上乗せ基準は独自で、もちろん、地方自治の範囲で予算を自分たちで組んでやっているものだから、それはやらない。
 しかし、待機児童はたくさんいてて、保育園をどんどんつくらないと待機児童が解消しない。都は、認証保育園とかいろいろな、あの手この手で待機児童解消を図っているけれども、上乗せ基準などで、もっと子供が入ることができるにもかかわらず入れていない区に、恐らくそういった、東京都から指示というか調整をしたいというふうな思惑があって、こういったことをおっしゃったんだろうと私は思っているんですね。
 この答申を受けて、新しい経済政策パッケージというところで、待機児童数が隣接する市町村間で偏りがあることを踏まえ、都道府県が市区町村を越えた保育施設の利用を調整する法的仕組みを強化するなどの待機児童解消に向けた制度改革を行う、こういうふうに、わざわざ、都道府県が市町村を越えたというふうに書いてあるんですね。ということは、協議会で話合いをして、都道府県が主導的にそういった仕組みをつくっていくというふうに私は思っているんです。
 答申の中にも、実効的なものとするためにという文言が含まれております。これはまさに、こういった関係のものを読めば、要は、都道府県が主体になって、決定権を持ってしっかりとそういったものを決めていこうということが読み取れると思っているんです。
 ところが、この協議会は、お聞きすると、そういった、片方に、都道府県、市町村、このどちらにも決める権限を単独では与えていないというふうな説明なんですけれども、その点はいかがでしょうか。
○成田政府参考人 お答え申し上げます。
 子ども・子育て支援法におきましては、市区町村は、保育の実施主体として必要な保育の提供体制を構築するとともに、都道府県は、保育の提供を行う市区町村に対して必要な助言及び適切な援助を行うこととされております。
 本法案では、こうした都道府県と市区町村の役割を踏まえ、都道府県が市区町村等と協議する場を設置できることとすることで、市区町村の待機児童解消のための取組に対する都道府県の支援をより実効的なものとするとともに、待機児童の解消に向けて、都道府県と市区町村がより一層連携して取り組むことを期待しているところでございます。
○浦野委員 今の説明ですと、市町村の言うことを尊重するというふうに聞こえたんですけれども、それでよろしいですか。
○成田政府参考人 お答え申し上げます。
 今御指摘のとおり、市区町村の権限が変わるものではございません。
○浦野委員 ということは、この協議会の中で議論していただくと期待をされているさまざまな方法は、実は今でもできるんですね。例えば市区町村の枠を超えて保育園に入園をするだとか、そういったことは、今でも制度上できます。市町村同士がちゃんと話合いをすればできるんですね。
 もちろん、今、法律等で、仕組みで規定されていること以外のことを、じゃ、この協議会でやれるのかというと、それはできないということでよろしいですか。
○成田政府参考人 お答え申し上げます。
 市区町村の待機児童解消の取組に対する都道府県の支援が不十分という指摘があることも踏まえて、待機児童解消に特化した協議会を法律に位置づけ、都道府県による支援をより実効的なものにすることとしているところでございます。
 このため、この協議会を通じて、例えば待機児童が多い市区町村の周辺市区町村が市境周辺の待機児童を受け入れる際の協定の締結や、各地域ごとに必要な人材確保の状況を分析し、それに応じた人材確保や育成を行うなど、都道府県と市区町村がより一層連携して待機児童解消に向けて取り組むことが期待されているところでございます。
○浦野委員 都道府県の取組が少ないということで、それは当然そうですよね。保育の事業主体は市町村ですから、国からの補助金も都道府県を素通りして市町村に行って、そして保育所とかに行っていますから。
 都道府県の果たす役割というのは非常に、もともと権限的に少ないでしょうし、今は特に地方分権で監査機能も都道府県から市町村へ移っていっているところもたくさん、まあ、私の地元の大阪なんかでは特にそうですけれども、市町村にどんどん権限移譲して、監査も全て市町村がやっています。そうやってどんどん権限移譲して市町村へ権限を移したからこそ、都道府県の役割というのは非常に少なくなりました。だから、今おっしゃったようなことというのは、ちょっとよく、なぜそれを言うのかというのはよくわかりませんけれども。
 例えば協議会の中で、都道府県が広域的な観点からやってほしいけれども、市町村が結果的にはやってくれないとなったときは、それはもうできないということで、話は終わりだということでよろしいですか。
○成田政府参考人 お答え申し上げます。
 都道府県の方からも本協議会の設置を検討しているといったような声もいただいておりまして、待機児童の解消を促進する方策として期待されているというふうに考えております。
 国といたしましても、都道府県と関係市区町村が協議会を通じてより一層連携し、待機児童解消の取組が進められるよう、協議会に想定される役割や協議会を設置した場合のメリット等の周知などを通じて支援してまいりたいと考えております。
○浦野委員 協議会をつくったときのメリットって今おっしゃったんですけれども、恐らく、その中には加算をするというのも含まれているんだと思うんです。
 もともと、そういったことがしっかりと都道府県、市町村でやりとりできているところは、わざわざ協議会をつくらなくてもやっていっていると思うんですね。ところが、そうじゃないからこそ、この答申で、協議会をつくって決めさせてほしいと。まあ、都道府県が市町村にいろいろと口を出させてほしいということなんじゃないのかというふうに私は思っているんですけれども。
 制度的にそういうことができないというのであれば、協議会の意味は、五%加算があるということだけでも、それは確かに市町村は助かりますけれども、それが待機児童の解消にどれだけ寄与するのかというのが、非常に私は懐疑的なんですね。
 というのは、やはり同じ権限というか、市町村に保育の事業は権限がしっかりと移されていますから、市町村がやらないと言ったら、もうできないわけですよね。その中で、都道府県が広域的にいろいろ見て、やってほしい政策を協議会の中でお願いをしても、市町村がやらないと言えば終わりという、それでは協議会の意味がないというふうに思っているんですけれども。
 更に言えば、もともと仲の悪い都道府県と市町村もあるわけですから、こういった協議会を立ち上げることすらできない可能性の方が大きいところもあります。
 そういったところがよく待機児童が多い地域ということも、たまたま偶然かどうかわかりませんけれども、そういった現状がありますので、この協議会に実効性を持たそうと思えば、どちらかにしっかりとした権限を、恐らくこの答申の中では都道府県側に権限を与えるべきだということだったと思うんですけれども、その点はもう、それは無理だ、要らないという考えでよろしいですか。
○成田政府参考人 お答えを申し上げます。
 先ほども申し上げましたとおり、現在の市区町村、都道府県の役割を前提とした上で、協議会で例えば協議される具体的な施策例として、先ほども申し上げましたような、市境を越えた保育所等の広域的な利用の推進ですとか、賃借方式での保育所整備等の先進事例の横展開などといったようなことについて協議をしていただいて、関係市区町村と都道府県が一層連携していただいて、待機児童の解消の取組が進められるように期待しているところでございます。
○浦野委員 実際に、私は大阪ですから、大阪の自分の地元の地域のことを当てはめて考えますけれども、まあ正直、要らないなと思っています、この協議会は。なくても今でもできますし、やれるところはやっていますから、正直、さっきも言いましたけれども、五%加算だけが欲しいなというところは出てくるとは思います。でも、もともとやれているところが手を挙げて、協議会をわざと立ち上げて五%加算をもらうということは多分できると思いますけれどもね。本当にこの制度、大丈夫かなと思います。
 まあ、でも、国もいろいろと考えてこの協議会をやるということですから、それはまたしっかりと、どういう結果になるのかも見ていきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 もう一つ、きょうは佐藤茂樹委員からも指摘がありました、やはり質の担保ですね。質の確保、この保育の質というのはやはり確保するのはなかなか大変ですので、こういったこともこれからまだまだ、この内閣委員会もそうですし、厚生労働委員会でも、厚生労働委員会も私が立つことになるので、そういったところ、質の確保には、もうちょっと質問をしていきたいと思っていますので、よろしくお願いをいたします。
 本日は、どうもお疲れさまでした。
○山際委員長 これより自由党の質疑時間に入ります。
 これにて自由党の質疑時間は終了いたしました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時二十七分散会