第196回国会 法務委員会 第3号
平成三十年三月二十三日(金曜日)
    午前九時一分開議
 出席委員
   委員長 平口  洋君
   理事 大塚  拓君 理事 門  博文君
   理事 田所 嘉徳君 理事 藤原  崇君
   理事 古川 禎久君 理事 山尾志桜里君
   理事 井出 庸生君 理事 國重  徹君
      安藤  裕君    井野 俊郎君
      上野 宏史君    鬼木  誠君
      門山 宏哲君    神田  裕君
      菅家 一郎君    城内  実君
      黄川田仁志君    小林 茂樹君
      谷川 とむ君    中曽根康隆君
      百武 公親君    古川  康君
      山下 貴司君    和田 義明君
      逢坂 誠二君    松田  功君
      松平 浩一君    源馬謙太郎君
      階   猛君    柚木 道義君
      大口 善徳君    黒岩 宇洋君
      藤野 保史君    串田 誠一君
      重徳 和彦君
    …………………………………
   法務大臣         上川 陽子君
   法務副大臣        葉梨 康弘君
   内閣府大臣政務官     長坂 康正君
   法務大臣政務官      山下 貴司君
   衆議院委員部長      矢尾板丈明君
   最高裁判所事務総局総務局長            中村  愼君
   最高裁判所事務総局経理局長            笠井 之彦君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 田中愛智朗君
   政府参考人
   (総務省大臣官房審議官) 堀江 宏之君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 金子  修君
   政府参考人
   (法務省大臣官房司法法制部長)          小出 邦夫君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    小野瀬 厚君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    辻  裕教君
   政府参考人
   (法務省矯正局長)    富山  聡君
   政府参考人
   (法務省入国管理局長)  和田 雅樹君
   政府参考人
   (財務省理財局長)    太田  充君
   政府参考人
   (財務省理財局次長)   富山 一成君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房審議官)           北村 知久君
   法務委員会専門員     齋藤 育子君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十三日
 辞任         補欠選任
  古川  康君     百武 公親君
同日
 辞任         補欠選任
  百武 公親君     古川  康君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件
 東日本大震災の被災者に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例に関する法律の一部を改正する法律案起草の件
     ――――◇―――――
○平口委員長 これより会議を開きます。
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官田中愛智朗君、総務省大臣官房審議官堀江宏之君、法務省大臣官房審議官金子修君、法務省大臣官房司法法制部長小出邦夫君、法務省民事局長小野瀬厚君、法務省刑事局長辻裕教君、法務省矯正局長富山聡君、法務省入国管理局長和田雅樹君、財務省理財局長太田充君、財務省理財局次長富山一成君及び国土交通省大臣官房審議官北村知久君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○平口委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局総務局長中村愼君及び経理局長笠井之彦君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○平口委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。井出庸生君。
○井出委員 おはようございます。希望の党、信州長野の井出庸生です。
 久しぶりに質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。テーマは多岐にわたりますので、質疑に入ってまいりたいと思います。
 初めに、森友の決裁文書改ざんの問題につきまして、きょうは、国政調査と刑事捜査それから司法との関係というところで幾つか伺ってまいりたいと思います。
 申し上げるまでもなく、この問題、土地の売却に係る財務省の職員の背任等について大阪地検特捜部が捜査を進めている、そしてまた、財務省は、この書きかえ問題調査に当たり、押収された書類の写しを大阪地検から入手したとされております。三月十二日には、そうした調査を経て、一定の書類が国会に提出をされたと承知をしております。
 まず、財務省に伺いますが、この改ざん問題の調査に当たり、大阪地検から既に押収になっていた書きかえ、改ざん前の文書の提供というものを、いつ、どこで、どのような形で受けたのか、またそれから、大阪地検にどのような形で協力を依頼したのか、少し具体的に事実関係を教えていただきたいと思います。
○富山(一)政府参考人 お答えをいたします。
 決裁文書の書きかえにつきましては、三月二日の報道以降、国会で議論となったことを受け、大臣からの御指示もあり、まずは財務省内でできる限りの調査を尽くす必要があるというふうに考えまして、職員に対する聞き取りあるいは書類の確認といった調査を財務省として尽くした上で、最終的には、九日の金曜日でございますが、に捜査当局にも御協力の依頼を申し上げまして、その結果、御協力を賜ることができ、大阪地検において文書の写しを入手いたしまして、翌十日土曜日の未明に本省にも届いたところでございます。その後、最終的な確認作業を行った上で、十二日月曜日に国会へ調査の内容を御報告したところでございます。
 結果として、あってはならないことであり、深くおわびを申し上げたいと思います。
○井出委員 今、事実関係についてお話をしていただきました。
 この関係なんですが、捜査機関の押収している書類というものは、刑訴法の四十七条によって非公開が原則とされております。ただ、その刑訴法の四十七条の中で、ただし、公益上の必要その他の事由があって、相当と認められる場合は、この限りではない、そういうただし書きがあるのですが、この公益上の必要ですね、捜査機関がそうした捜査関係書類を提出、公開できる、そのただし書きにある公益上の必要というものが、一般的に、国会の国政調査の関係と、どのような国会からの要請があったときに認められるのか。ここは、捜査当局である法務省にそのことを伺います。
○辻政府参考人 御指摘の刑事訴訟法四十七条は、訴訟関係書類の公判開廷前における非公開の原則を定めているところは委員御指摘のとおりでございます。その趣旨は、訴訟関係人の人権を保護し、また、捜査及び裁判に対し不当な影響が及ぶことを防止しようという公益上の必要によるものと解されております。
 また一方、これも委員御指摘のとおり、同条ただし書きは、公益上の必要その他の事由があって相当と認められる場合に訴訟関係書類の公開を認めているわけでございますが、この趣旨は、非公開とすることによって保護される公益に優先する他の公益上の必要があると認められる場合に例外的取扱いを許したものと解されているところでございます。
 そこで、国政調査権との関係でございますが、国政調査権に基づく、あるいはこれを背景として行われる資料等の提出要請につきましては、十分尊重されるべきものというふうに考えられますので、その上で、非公開とすることによって保護されるべき公益より、そのように、提出を求められたものを提出することによって得られるべき公益が優先するというような場合には、同条ただし書きに定める場合に当たるというふうに考えられるものと思います。
○井出委員 今、国政調査権に基づく、又はそうしたものを背景にしたというような場合が、公益上の必要が優先され得る、そういう答弁であったかと思います。
 国政調査権に基づくというのは、これは国会法の百四条に規定されている、各議院、衆参両院ですね、それから各議院の委員会、この法務委員会とか予算委員会とかですが、そうしたものが内閣や官公署に報告や記録を求めるというものが国会法の百四条にあります。これがいわゆる国政調査権の具体の規定なのかと思います。
 ここで衆議院に確認を求めますが、この百四条というのは何かその手続というものがあるのか、答弁を求めます。
○矢尾板参事 お答えいたします。
 国会法第百四条に基づく報告又は記録の提出要求の手続について申し上げますと、委員会において議決し、衆議院規則第五十六条により、議長を経由して、内閣、官公署その他に対し、提出を求めることとなっております。
 以上でございます。
○井出委員 ありがとうございます。
 もう一つ、事実の確認をしておきたいと思います。
 大阪地検が財務省から押収をしていた、改ざん、書きかえ前のなどを含めた書類というものは、先ほど述べました刑訴法四十七条の訴訟に関する書類、その非公開義務が定められたものであろうかと一般的には思いますが、この非公開義務というのは、捜査機関に書類を出した側ですね、今回でいえば財務省、この財務省にもこの原則の非公開義務というのが当たるのかどうか、そこを法務省に見解を求めておきたいと思います。
○辻政府参考人 お尋ねそのものは個別具体の事件を前提としておりますので、一般論でお答えさせていただきたいと存じますが、刑事訴訟法四十七条の非公開の義務というものは、裁判所が保管するものに限られず、検察官、弁護人、司法警察員あるいはその他一般の第三者の保管しているものも含まれるというふうに解されるところでございます。
○井出委員 今の答弁は一般論ではありますが、今回の問題となっている書類についても、一般論で言えば、訴訟に関係する書類に当たる、そういう御説明だったかと思います。
 ちょっと質問、繰り返しになりますが、そうであった場合、刑訴法四十七条の非公開義務というものは、提出する側ですね、提出する側にも、財務省側にもかかるのか、一般論で。捜査機関に書類が行く、提出者側は持っていない、国会の方で出せとお願いをする、そのときに、今回のように財務省に写しが行って公開されるというケースもあれば、検察庁の方で判断されて出されるということもあろうかと思います。
 その違いというところを確認しておきたいのは、一般的には財務省側にも、原則提出者側にも、一般論で、四十七条の非公開の義務というのが通常かかっているのかどうかというところをもう一度確認させていただきたい。
○辻政府参考人 刑事訴訟法四十七条の非公開の義務につきましては、一般的には、問題となる書類、資料を保管している者の義務というふうに考えられますので、第三者が保管している場合は、その第三者が保管しているものを提出するという場合に問題になるものというふうに考えております。
○井出委員 保管をしている者という話でありました。わかりました。
 ちょっと、もう一つ先に進めていきたいと思います。
 財務省に伺いますが、結論としては、今回、財務省から当局に協力を求めて写しをいただいたと。少し前に私が触れましたが、検察庁の方で、国会の要求に応じて、検察庁が直接出すということもあり得たかと思いますし、いただいて、財務省の方で今回のように出すということもあり得たかと思いますが、今回、提出を受けた書類を国会議員に、国会に示すということについて、財務省としては、この刑訴法四十七条との関係をどのように整理されてこういうことに至ったのか、そのお考えを伺っておきたいと思います。
○富山(一)政府参考人 お答えをいたします。
 財務省といたしましては、もともと、捜査の過程におきまして、財務省の側から捜査当局の方に書類の提出等を行っていたという中で、捜査当局の御協力も最終的に得ることができまして、その写しを、先ほど申し上げた、九日に依頼、また十日に入手という形で入手をさせていただいたということでございます。これを国会に提出するということにつきましては、御指摘の刑事訴訟法第四十七条の趣旨に照らして問題があるものとは考えていないところでございます。
 いずれにいたしましても、財務省としましては、国会からの御要請というものを踏まえて、財務省の判断におきまして文書の写しを提出させていただいたものでございます。
○井出委員 今回の一連の記録の提出に至るいきさつ、もう少し早く出せるのではないかという意見もあれば、出したことを評価するという向きもありますが、先ほど衆議院に答弁をいただいたんですが、国政調査権の国会法で規定されているものというものは、委員会の議決を経て、議長の経由でそうした要請が、記録の提出の要求が行われる、証人喚問なども似たような手続なのかなと思いますが。
 ここは法務省に伺いますが、今回は、百四条の、いわゆる国会法に規定された国政調査権、そうした正式の記録の提出要求はなかったが、それでも必要と判断をして財務省に写しを提供した、そこのところは、法務省として、そういうふうな、今私の質問させていただいたようなところを考えて財務省に資料提供をしたのか、百四条の正式な手続の有無いかんにかかわらず、今回そういう決断をされたということなのかというところを伺いたいと思います。
○辻政府参考人 やはり、お尋ねそのものは個別事件におけるものでございますので、直接はお答えは差し控えさせていただきたいと存じますが、一般論として申し上げさせていただきますと、捜査当局が押収した証拠物につきまして、被押収者、押収された者でございますが、被押収者が押収物の写しの交付などを求めることがございます。それは、被押収者自身の業務の必要性等々に基づいて求められるということがあるわけでございますが、そのような場合、捜査当局におきましては、捜査への支障がない範囲において適切に対処しており、写しを交付する、あるいは写しをとっていただくというような対応をしているものと承知しております。
 その可否の判断に当たりましては、被押収者が写しの交付を必要とする理由などについても捜査当局において適切に考慮することになるというふうに考えてございます。
○井出委員 写しを必要とする理由を伺って、それで捜査上の支障等を含めて検察当局の方で判断をされる、そのことと、国会法百四条の正式な国政調査権の発動手続というものは、必ずしも、百四条による正式な要求があれば、それは一つ真摯に重大なものだと思いますが、そうでなくとも、その必要性があれば今回のように捜査機関から記録を国会に出すということもあり得る、そういうことでよろしいでしょうか。もう一度お願いします。
○辻政府参考人 被押収者に対して写しの交付をする、例えばそういう場合でございますけれども、それは、その資料の本来の保管者、本来の所有者に対して写しを交付するという局面でございますので、必ずしも国会法百四条あるいは国政調査権を背景にする資料提出の求めとは異なる局面というところもございますけれども、その場合にも、被押収者が写しの交付を必要とする理由などについても適切に考慮するということであると御理解いただければと思います。
○井出委員 もう少し一般的に、繰り返し聞きますが、今回財務省は、国政調査権、国会からの要請で業務の必要性が生じて写しをということになったかと思いますが、その国政調査権の訴訟関係書類の提出要求というものは、当然百四条の手続があれば、私は重大だと思いますが、百四条の正式な手続がなくても、その必要性が認められれば提出があり得る、それが今回のケースだったのではないかと思いますが、そこは一般的にはどうでしょうか。
○辻政府参考人 先ほど申し上げましたとおり、刑事訴訟法四十七条、最終的には、非公開とすることによって保護される公益と公開を求められている公益というものの比較考量の問題であるというふうに考えてございますけれども、その中で、国政調査権に基づいた提出の求め、あるいは、そこの正式の手続には至っていないもののそういう国政調査権を背景とした提出の求めと、さまざまあろうかと思いますけれども、そういう必要性の部分と非公開とすることによって保護されるべき公益の比較考量の中で総体として判断されていくという構造であるというふうに理解しております。
○井出委員 国政調査権に基づく、その手続に至らなくても、そうしたものを背景とすると。
 二度背景とするというところが出てきましたが、今までもこういう資料要求というものは捜査機関にいろいろな事件であって、野党の要求であるとか与党の要求であるとか、それからまた世論ですね、各新聞、テレビ、そうしたものの世論調査を通じて、国会での説明が全く尽くされていない、そういうことも、過去にも今回にもそうした声というものはあったかと思いますが、そうした世論というものも一つ背景になるのか、伺っておきたいと思います。
○辻政府参考人 繰り返しで恐縮でございますが、二つの公益の比較考量の問題でございますので、公開することによって得られるべき公益を判断するという中におきまして、それはさまざまな要素が考慮されるということになろうかと考えております。
○井出委員 厳密に、世論調査で五〇%以上が出せと言ったら出せと言っている話ではないんですが、世論というものも一つの考慮要素になるのかならないのか、そのことについての、一般論で結構です、もう一度答弁を求めます。
○辻政府参考人 ちょっとなかなか難しいお尋ねでございますが、世論というものが必ずしも何を、個別の場合によっていろいろなものを指すと思われるんですけれども、それが、結局、公開を必要とする理由、公益というものをどのように裏づけるのか、その必要性の程度でありますとか、その内容でありますとか、そういうものを考える上では一つの材料にはなるのかなというふうには考えます。
○井出委員 一つの材料になるのかなと考えますと。なるのかななので、ちょっと、もう少し、なると言っていただきたいんですが。
 百四条の要求があっても資料が開示されなかった事件も過去にはございます。また、百四条の要求があっても、世間一般にもう証拠映像が全部公開されているのに、百四条の要求のもとでその映像の一部が捜査機関から公表されたといったケースもございましたが、今回、いずれにせよ、資料の写しを提供するという結論になって、財務省の方は、書きかえ、改ざん前と、その前後の新旧対照とでも申しますか、そうした資料を国会に出されましたが、もう一つお願いをさせていただければ、捜査当局からいただいた写しそのものも、やはり国会に提出をして、確認をさせていただきたいと思いますが、その点についてお伺いします。
○富山(一)政府参考人 お答えをいたします。
 三月の十二日に国会に御報告させていただいたものは、まさに委員御指摘の、書きかえ前と書きかえ後ということで、違いのある部分を左右の対照でお示しした形で国会報告をさせていただいております。
 その後、各委員会、特に参議院の予算委員会を含めまして、国会での御質疑の中で、今、委員の方からおっしゃられたような、もともとの書きかえ前の決裁文書を一冊の形で、十四件ということですので十四冊といいましょうか、そういったものをきちっと整理して出すようにという御要請も受けておりますので、財務省といたしましては、いわゆる決裁文書ですので、かがみがあり、また調書があり、その後ろにかなり大部な参考資料がついておりますので、そういったものが、我々の確認ができる、また捜査当局の御協力も得て入手した資料も含めて最終的に確認をして、これがもともとの書きかえ前のものだというものを確認作業をいたしまして、できるだけ速やかにそういった対応もとっていきたいと考えているところでございます。
○井出委員 いずれにせよ、今回、行政文書の改ざん、書きかえという、あってはならないことが起こり、そうした中で今いろいろ対応いただいていると思いますが、今回、公益上の必要があるという判断のもとでここまで来ておりますので、引き続き説明責任を果たしていくようにお願いをいたします。
 財務省と、それから衆議院の矢尾板さんはここまででもう大丈夫でございますので、委員長、退席していただいて結構でございます。
 それから次に、文書ということで、私が昨年にも少し伺いました、日本の裁判の記録というものがなかなか公文書館に、特に刑事は、行くシステムにそもそもなっていないという問題でございますが、前回のときにそもそも論を聞き忘れたのですが、刑事裁判の記録というものは果たして公文書であるのかないのか、そのことをまず、法務省の見解を伺いたいと思います。
○辻政府参考人 いわゆる公文書管理法等の関係について申し上げますと、刑事被告事件に係る訴訟の記録でありまして、訴訟終結後に検察庁の検察官が保管するもの、いわゆる保管記録と言われているものでございますが、これにつきましては、公文書等の管理に関する法律第二条第八項における公文書等に含まれるものと考えております。
 ただ、同法第三条及び刑事訴訟法第五十三条の二第三項により、訴訟に関する書類として、公文書等の管理に関する法律第二章に基づく公文書管理につきましては適用除外とされているものと承知しております。
○井出委員 法律の適用除外ではあるが公文書ではあるという今お話を伺いました。
 きのう、国立公文書館に行ってきたのですが、国立公文書館の方では、司法に関係する文書も、民事から始めて、そしてまた刑事も、物すごく古い、寛政六年とかという話もちょっと聞きましたが、そういうものが移っていると聞いておりますが、基本的には、今の刑法、刑訴法の体系が整ったと言われる明治十五年以降は、公文書管理の法律と刑事記録を保管、保存する法律を分けて、そして刑事記録に関するものというものは原則検察庁の方で保管をしてきていると。
 大臣に伺います。
 今、法律の適用外ではあるが、それは、捜査の書類というものはいろいろ機微に触れるから適用外だと思いますが、ただ、公文書ではあるというお話がありました。特に刑事裁判記録というものを、私はいつか公文書館にやはり移管をした方がいいのではないかと。
 お配りした資料の二枚目の横一枚の紙にお示しをしているんですが、裁判の記録が確定をすると右の流れになっていくんですが、廃棄とか保存とか刑事参考記録とか特別処分とか、不起訴処分のものについてもいろいろ書いてあるんですが、保存期間満了後のところを見ておりますと、検察官の裁量で閲覧が可であるとか、原則として閲覧が不可であるとか、どう考えても、裁判というものが公開され、何人たりともその書類を見ることができるというような状況ではない。
 いろいろプライバシー等の問題があるということは前回も伺いましたが、それでも、一番は、五十年、百年という時間が解決する、時間というものが、そのときいろいろなプライバシーとかがあっても、五十年、百年たてば、それよりも、歴史としての重要な公益性というものが出てくるのではないかと思いますが、刑事裁判記録についてやはりいずれは公文書館に移した方がいい、そういうお考えが大臣自身にあるのかないのか、教えていただきたいと思います。
○上川国務大臣 刑事裁判記録につきましての御質問ということでございますが、刑事確定訴訟記録法等によって適切に管理されるということ、委員御指摘のとおりでございます。
 保管期間経過後も、刑事法制及びその運用並びに犯罪に関する調査研究の重要な参考資料である場合は、刑事参考記録として指定して保存を継続しているということでございます。
 他方、刑事裁判記録としての保管期間が経過し、かつ刑事参考記録として保存する必要性がないと判断されるもののうち、歴史資料として重要な公文書等である歴史公文書等に該当すると判断されるものにつきましては、公文書等の管理に関する法律第四章の規定によりまして、国立公文書館等への移管等がなされるものというふうに承知をしているところでございます。例えば、いわゆる二・二六事件に関する記録のうち、保管期間が満了したものにつきましては、平成二十八年十月に移管を行っているものと承知をしております。
○井出委員 軍法会議の資料というものは、かつて軍の中でさまざまな犯罪があったときに軍の中で裁判が行われた、その中には重大な犯罪もあれば軽微な犯罪もあったかと思います。しかし、その軍法会議というものの歴史的重要性、それからまた軍法会議の資料というものをいろいろないきさつがあって法務省が保管をしていたわけですが、そのこともどうなのかなということで移されたかと思います。
 それ以外のいわゆる一般の重大事件、著名事件、その刑事裁判記録というものは、今の刑事書類専門の保管を定めた法律とそれからもう一つ公文書管理法、その二つの枠がある限りは基本的には検察庁の方でずっと持っていく。ロッキードもリクルートもオウムの事件も、今のたてつけではそうなる。ただしかし、時に法務大臣と内閣総理大臣の申合せ、協議によって、今回の軍法会議もそうであったかと思うんです。私は、いずれは法整備で、そうした一般の重大事件も公文書館に移していくべきだと思いますが、現状でも、総理大臣との申合せによってそういうことは可能であると。
 例えば、今、元号、平成がいよいよ終わるのではないか、そういう状況にございますが、平成も終わる、一つの時代が終わる、そうであれば、昭和でいえば七十数年、では少なくとも大正ぐらいまでのものは、少なくとも七十年以上たっているんだから、上川法務大臣の御決断で、安倍総理と相談をしていただいて、公文書館に移そう、そういう御決断があっても、私は、初代公文書担当大臣としては立派な御決断ではないか、そういうことでやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○上川国務大臣 先ほど答弁させていただいたとおりでありまして、歴史資料として重要な公文書等である歴史公文書等、これに刑事裁判記録、これが、保管期間が経過して、またさらに、刑事参考記録としての保存をする必要性がないと判断されるものにつきましては、公文書管理法の第四章の規定によりまして、国立公文書館等への移管がなされるということの仕組みが、しっかりとこの枠組みの中で決められているところでございます。それに沿いまして、この手続について運用がなされるものと思っております。
○井出委員 運用がなされると言われてしまうと少し寂しくて、主体性をぜひ、政治力を発揮していただきたいなと。公文書というものは大事である、司法の関係書類も公文書である、そういう方向でやっていただきたいと思うんですが、私の願いとしては。
 平成二十年の九月二十五日、きょう資料にもお配りをしているんですが、資料の三枚目、赤い四角でくくっているんですが、これ、済みません、出典が第一回となっているのがちょっと誤植でして、第十一回の公文書管理の在り方等に関する有識者会議、平成二十年九月。このときは、最高裁や法務省、それから国会、そうしたところに対して、公文書の考え方ということでヒアリングをしている。その結論を申しますと、これは法務省の回答部分なんですが、裁判書については、死刑、懲役又は禁錮に処する確定の裁判書については、現在、当分の間も保管をしている、こうしたものについて、公文書館に移管するという方向で現在検討を進めさせていただいていると。
 この検討が一体どうなってしまったのか、ちょっと私も定かではないんですが、過去にはこういう法務省の見解もあって、その著名な、著名なと言ったら少し言い方に語弊があるかもしれませんが、少なくとも、重大な事件の裁判書、判決とその最終結論に至る重要な資料、そういうものは、これはなかなか、運用がなされるでは、どなたが、もしかしたら山下政務官が大臣になった暁にはまず最初にやっていただけるかもしれませんが、その任はやはり上川初代公文書担当大臣が御適任であろうかと思いますが、改めて、いかがでしょうか。
○上川国務大臣 全ての公文書につきましては、公文書管理法の規定にのっとりまして、歴史公文書として、国民共有の知的資源としてのあり方、これの趣旨に照らして、しっかりと運用されるべきものというふうに考えます。
 その意味で、法務省におきましてのさまざまな文書管理につきましても、そのような方向性を更に追求してまいりたいというふうに思っております。
○井出委員 ぜひ追求をしていただいて、法務大臣でもあり、初代の公文書の担当大臣でもあり、現在は立派な公文書館を建てる議連の会長も、一人三役で全て解決する、その任務が上川大臣にはあると私は信じておりますので、ぜひ御自身のライフワークを在任中に進めていただきたいとお願いをいたします。
 次に、選択的夫婦別姓の件についてでございます。
 予算委員会で少しニュー選択的夫婦別姓という話をさせていただいたんですが、國重先生から、先般、大変中身の濃い質疑がございました。
 私は、もう少し、結論に向かっていく部分のところで幾つか伺っておきたいのですが、この選択的夫婦別姓の制度のための法改正というのを、法制審の答申が平成八年にありました。それから最近では、最高裁が、国会で議論せよという話もありました。現在も幾つか訴訟がございます。
 私は、この問題は、ぜひ政府が率先して、政府、法務省の役割として、政府提出できちっと案を出すべきではないか、出していただけないかと。政府提出の案としてやる、そのことについて、大臣が今どのように御決意を持たれているのか、伺っておきたいと思います。
○上川国務大臣 この選択的夫婦別氏制度の導入につきましては、我が国の家族のあり方に深くかかわる重要な問題であるというふうに考えているところでございます。
 直近のデータ、世論調査の結果が発表されまして、これは平成二十九年十二月に実施されたものでございますが、平成二十四年の、五年前と比べまして、選択的夫婦別氏制度の導入につきまして賛成する意見、これがふえているというのも事実でございます。
 また、選択的夫婦別氏制度の導入につきましては、最近の結果につきましても、国民各層の意見が分かれているということも改めて示されたものというふうに理解をしております。
 今回の世論調査の結果を受けまして、直ちに、委員御指摘のように、選択的夫婦別氏制度を導入する法改正を政府提出で行うという状況にあるということは言えないというふうに受けとめているところでございます。
 もっとも、今回の世論調査結果につきましては、世代間の意見に大きな違いが見られたことなど、大変貴重なデータが含まれているものと考えておりまして、今後、今回の世論調査の結果につきまして、例えば、配偶者、子供、兄弟の有無などの違いによりましてどのような意識の違いがあるのか、あるいは、選択的夫婦別氏制度に賛成の人、反対の人などが他の質問におきましてどのように回答したか等につきまして、きめ細かな分析をし、過去の世論調査の結果とも比較検討をしっかりしてまいりたいというふうに思っております。
 引き続き、対応を検討してまいりたいというふうに思っております。
○井出委員 きめ細かな調査をするということは、前回初めて、國重先生の質疑の中で言っていただきました。きょう二回目でございますので、そこは期限を区切ってやって、また、そうした調査結果というものが広く公表されればいいと思います。
 ただしかし、過去に法制審の答申があり、政府も一応提出を検討したと。それからまた、ただ、そうはいっても国民的議論が必要だという状況が今続いているんですが、男女共同参画会議の基本計画等を見ておりますと、二〇〇一年には、男女共同参画会議の専門調査会というところが、選択的夫婦別姓の導入が望ましいと考えると言及をしている。それが、二〇〇五年になって、国民の議論が深まるよう引き続き努めるという表現になった。二〇一〇年になって、引き続き検討を進めると。それが二〇一五年、閣議決定された第四次男女共同参画基本計画ではどうだったかというと、選択的夫婦別姓の導入などの法改正に関し、司法の判断も踏まえ検討を進めると。
 司法判断が出なきゃやらないとまで悪く解釈する気はないんですが、だんだん後退してきているのではないのかなと。調査を進めることもそうなんですが、すぐに政府提出で法案を出さなくても、出す必要はないと。しかし、法律には議員立法でやるということもございますし、司法判断が出たらやらなきゃいけないという状況になろうかと思います。
 今もさまざまな訴訟がございます。私が前に説明をいたしました、離婚した人がもとの氏に戻れるようになったり、外国人はそれぞれ選べるようになっているのにどうして結婚するときだけどっちか一つにしなきゃいけないのかとか、それからまた、最近では、名字を同じくしないと結婚できない、法律の結婚が認められないというのは憲法上どうなんだという訴訟も提起をされております。
 それを解決していくときに、私は、こういう問題はできるだけ多くの、国会でいえば与党から野党まで多くの会派がそろって同意するようなものにしていくのが望ましいと思っておりますが、調査とともに、やはり、これまで幾つか論点になってきたことの検討をもう一度進めていただく。例えば、お子さんの問題であるとか、民法の改正をするのか、それとも、まず戸籍法でやってみるのか、そうしたところも検討を進めて初めてこれまで言ってきた、引き続き検討を進めるというものがなし得るのではないか。
 そういう点で少し、いつもお願いばかりで恐縮なんですが、上川大臣にそのエンジンをかけていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○上川国務大臣 先ほどの答弁のときに冒頭申し上げましたけれども、選択的夫婦別氏制度の導入につきましては、我が国の家族のあり方に深くかかわる大変重要な問題であるというふうに考えているところでございます。
 家族のあり方、それぞれお一人お一人国民の皆さんにもしっかりと考えていただきながらということで、何よりも世論調査の結果が五年に一回ということの調査であります。最近の調査結果が今回出たわけであります。五年間の間の社会の情勢の変化、そうしたことにつきましても、また、さまざまな選択的夫婦別氏制度に係る視点というのも大きく指摘をされているところでありますので、そういった面も含めまして、先ほど申し上げたとおり、この調査結果をしっかりと生かしていきたいというふうに考え、世代間の意見の違い、こうしたことの御指摘もございましたので、配偶者とかあるいは子供、兄弟の有無、こうした違いによってどのような意識に違いがあるのか、また、選択的夫婦別氏制度に賛成の人、また反対の人、この方たちが他の質問につきましてどのような回答をしているのか、こうしたことにつきましてきめ細かな分析を重ねていくということが大変重要であるというふうに考えております。
 その意味で、過去の調査において、単純に比較をするのみならず、こうした内容分析をしっかりとした上で、またさらなる検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
○井出委員 まず、さきの國重先生との質疑の中で、大臣が、旧姓使用の拡大をもって制度の議論が必要あるかないかといえば、旧姓使用の拡大があってもその不利益は存在するわけだから議論は必要である、そうした答弁もなかなか最近ではなかったのかなというふうに思いますが、ぜひ、この問題に賛成の方、反対の方、それから選択制であればどちらでもという方もいらっしゃるんですが、今、これまで議論されてきたものの中に正解があるのかないのかわかりませんが、ただ、いずれにせよ、多くの方がこれだけ世論調査の動向を見てきているということは、やはり多くの方が少しでも同意いただけるものを模索しているのではないかと私は考えておりますので、ぜひ何とか大臣のもとで進めていただければとお願いを申し上げます。
 それから、またテーマはかわりますが、オウム事件の死刑囚のことについて伺いたいと思います。これは矯正局になりますかね。
 三月に入ってから、オウム事件の死刑囚が移送されたという報道がされて、十四日あたりだったかと思いますが、十三人のうち七人が移送された。十五日に矯正局も取材対応をして、移送の事実を支障のない範囲で公表した。
 移送の事実というものを公表するということが、果たしてそれはどういうことなのか、それから、支障のない範囲というものは一体何なんだ、そのことについてちょっとコメントをいただきたいと思います。
○富山(聡)政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、本年の三月十四日から十五日にかけて、オウム真理教関係の死刑確定者の移送という事案がございまして、それがマスコミ各社から報道されたというふうに承知しております。
 これにつきましては、法務省におきましても、取材対応ということで、三月の十五日、この護送が一段落をついた段階におきまして、まさに支障のない範囲ということで、取材対応という形で公表させていただいたということがございました。
 従前、刑事施設に収容されている者がどこかに移送されたというようなことについて、こちらから公表するというようなことは通常やっていないことでございまして、これは死刑確定者であっても同様でございます。
 ただ、今回につきましては、もちろん、事柄の性質上、私どもとしては、保安警備上の観点から、いわば極秘裏にこの移送というものを進めておったのですが、マスコミ各社は、護送が始まってわずかな時間でその動きを、どういう方法でかわかりませんが、察知されまして、東京拘置所の前にも取材のカメラなどが集まるというような状況がありまして、当然、私どもの方にも多数の取材問合せが入ってまいりました。
 そのような状況を踏まえまして、一切ノーコメントという従前の対応を貫くという選択肢も確かにあったのですが、やはり事が、まさに世間を震撼させた事件を起こしたという、そういった事件の関係者のことでもあったということで、もちろん、個人名とか、あるいはどこの施設にというような詳しいことはとても公表できるものではないと考えましたが、移送の事実ということと人数につきましては公表して説明をした方がかえって適切ではないのかというような判断をさせていただいたということでございます。
○井出委員 取材の自由は当然ありますが、取材に公式的に答えることが通常であればない。その矯正局のブリーフを受けて、また十六日にも記事が出ておりますし、誰がどこに行ったというところまで取材で報道しているところもございます。
 矯正局のコメントで一つ気になったのは、死刑の執行とは関係ないというお話があったかと思いますが、新聞によりますと、ある死刑囚は面会者に対して、自分の荷物が運び込まれてきて、移送が近いのではないかと。それから、移送先で面会した死刑囚の中には、面会者に動揺しているというようなことを言った、そういう報道もございました。
 死刑確定者は、刑事収容施設法において、心情の安定というものが図られなければいかぬと。それは、心情の安定といっても幅広くあると思いますけれども、死刑に関係ないというのであれば、そもそも、こういう問題をマスコミに察知されたり、後追いの取材も受ける必要も、私は、全く不適当だと思うんです。
 ほかの死刑囚と同じように、静かな環境で、しかるべきいろいろな検討を経て、執行が必要であって執行する、その後、氏名等について大臣が公表する。その通常の手続を踏む上で、取材対応したことや、今回その報道を許してしまったということは、果たしてそれがよかったのかどうか、そのことについては私はやはりいささか疑問を感じておりますが、その点についてはいかがでしょうか。
○富山(聡)政府参考人 お答えいたします。
 今回のオウム真理教関係の死刑確定者の移送につきましては、確かに委員御指摘のとおり、死刑確定者の処遇に当たっては心情の安定ということが大変考慮されなければならないということではございますが、その一方で、十三名の死刑確定者が同一の施設に収容されていたということにつきましては、これは大変保安警備上の問題も、またあるいは、共犯者である十三名を施設の中で接触させないというように配慮をするというようなことにつきましても、東京拘置所の負担が非常に大きくなっていたということがございました。これを解消するために、どうしても今回やはり移送をすべきだろうということで決断をして、移送をしたというのがまずございます。
 確かに、新聞報道等では、これは執行の準備なのではないかというような臆測も書かれていたとは思うんですが、私どもとしては、むしろそういったことも、きちんとこちらの考えを説明した方がかえって、臆測をより、少なくとも私どもの考えを説明する方がそういった臆測を避けることにつながるのではないかというような思いも持っておりました。
 一方、死刑確定者の心情に悪影響があったのではないかということにつきましては、もちろん個々の死刑確定者の心情はさまざまでございますし、また、委員からお尋ねのありました個別の死刑確定者の動静についてはこの場で御説明することは控えたいとは思いますが、全く何の影響もなかったのかと言われれば、それは可能性の問題ではございますが、何か動きがあれば当然心情に影響を与えるということはあるんだろうというふうにも思っております。
 ただ、先ほど申し上げましたように、一つの施設に過大な負担を負わせ続けるということが適切ではないということと、あとは、死刑確定者の心情の安定につきましては、当然、その者が収容されている施設において面接をするなり、あるいは民間の篤志家である宗教家あるいは篤志面接委員のお力をかりて助言指導していただく、そういった形で努めてまいりたいというふうに考えております。
○井出委員 時間になりました。最後一問、要望だけ。
 家庭裁判所の施設が大変よろしくない。全国で四百六十六ある支部関係の施設で、二百五十四、エレベーターがない。車椅子で、抱えて上がっているですとか、それから、さまざま、今回質問に当たって聞いたところ、家裁の調査官が常勤でいないですとか、そこは各地で問題となっていて、裁判所関係の予算が国の予算の〇・三%だ、三権分立とはいえあんまりだということを、法務省の皆さんにも最高裁の皆さんにも共有させていただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○平口委員長 次に、源馬謙太郎君。
○源馬委員 希望の党の源馬謙太郎と申します。
 きょうは、初めて法務委員会で質問の機会をいただきまして、ありがとうございました。初当選したばかりですので、一回目の質問になりますが、できるだけ建設的な議論ができるように質問に取り組んでいきたいというふうに思います。
 まず初めに、法曹人口について伺いたいというふうに思います。
 法曹人口、法曹界においても法曹不足が叫ばれまして、二〇〇二年の司法制度改革推進計画により、約十五年間で法曹人口は二倍になったというふうに理解をしております。多忙化ですとか事件の複雑化、事件の件数もふえるという中で、こういった方向性自体は支持をしたいというふうに思います。
 特に、企業内弁護士であったりとか、任期つき公務員である組織内弁護士の数がふえているというふうに把握をしております。
 実際に、昨年の十二月十八日付の日本経済新聞の朝刊にても、日本経済新聞社が実施した第十三回企業法務・弁護士調査の結果というものが書かれておりまして、回答企業の約半数が企業内弁護士を三年以内にふやしたい、また、七割弱の企業が法務部門も強化していきたい、拡充していきたいというふうに回答をしております。
 これから、企業統治全般、MアンドA、国際法への対応、新規事業に踏み出すときの法対応等々で、企業内弁護士の役割というのは更に広がるのではないかというふうに思っております。
 実際に、二〇〇八年、わずか二百六十六人だったのが十年間で千九百人以上になりました。私の地元であり大臣の地元でもあります静岡県も、二〇〇七年はわずか一人しかいなかった企業内弁護士が、十倍といっても十人ですが、十人にまでふえたということも承知をしています。
 そこで、まず最初に、法曹が企業や省庁などに入って活躍する今の傾向、トレンドについて、今後の法曹養成、法曹養成制度改革全体の観点からどのような所感をお持ちなのか、お伺いをしたいと思います。
○上川国務大臣 ただいま委員から御指摘をいただきました、近年、企業や国の機関、地方自治体など、社会のさまざまな分野で活躍する法曹有資格者の数というのは着実に増加をしているところでございます。
 先ほど、数字につきましても御紹介いただきましたが、平成十八年の時点で百四十六人であった企業内弁護士は、平成二十九年、約十年、この間に大幅に増加をいたしまして千九百三十一人という状況でございますし、また、任期つき公務員として勤務する弁護士につきましても、平成十八年には四十人にとどまっていたものでありますが、平成二十九年には百九十八人と大きく増加をしているところでございます。
 このように、法曹有資格者がその法的素養を活用して活動領域を広げていく、そしてさまざまな社会の分野で活躍されるということにつきましては、法曹という職業がより魅力的なものとなって、また、より多くの有為な人材が法曹を目指すということにもつながるということであります。その意味で、法曹養成という観点からも重要であるというふうに考えているところであります。
 法務省といたしましても、今後もこのような流れが加速できるように、日本弁護士連合会等の関係機関の協力をいただきながら、引き続き、必要な役割をしっかりと果たしてまいりたいというふうに考えております。
○源馬委員 ありがとうございます。
 今お話しいただきましたように、特に弁護士の活躍する場というのはだんだんふえてきているというように理解をしておりますし、弁護士の数も実際にふえてきているというふうに思います。ただ一方で、法曹養成全体の観点から見ると、法曹三者のバランスが、人口の増加のバランスがいまいちとれていないような感じを受けます。
 そもそも、この法曹養成制度改革のさらなる推進というものの背景には、規制緩和の側面と同時に、国民にとっての事後的救済機関である司法のインフラを整備するということが大きな目的であるはずだというふうに思います。
 そこで、弁護士はふえているんですが、例えば裁判官についてお伺いをしたいわけですが、裁判官も諸外国と比較をすると、例えばドイツは四千人に一人、アメリカは一万人に一人、フランスでは一万二千人弱に一人という割合でおりますが、日本は四万六千人に一人という状況になっております。
 こういった中で、判事の定員をふやす法律案も出ておりますけれども、判事の、裁判官の数の現状と、定員増をしたいというその背景についてお伺いをしたいと思います。
○中村最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
 まず、裁判官の定員ということでございますけれども、簡易裁判所判事を除きまして、判事、判事補の裁判官の定員ということでいえば、平成二十九年で三千三十五人ということでございます。
 裁判所といたしましては、裁判所に係属する一件一件の事件を適正迅速に解決するためには、裁判に従事する職員、とりわけ判事の増員を図っていきたいというふうに考えております。民事訴訟事件の審理充実、そして、家庭裁判所の扱う家庭事件への対応を充実強化することといった二つの大きな理由から、充員状況も勘案して、今回、判事五十人の増員をお願いしているところでございます。
 もう少し具体的に申し上げますと、民事訴訟事件につきましては、事件数自体は横ばいでございますが、事件の内容が複雑困難化しておりまして、判事を増員して、合議体による審理をこれまで以上に充実強化させ、紛争の背景事情を明らかにし、社会経済活動に与える影響につきましても慎重に見きわめるなどして、適正迅速な解決を図っていきたいと考えているところでございます。
 また、家庭事件につきましては、判事を増員いたしまして、累積的に増加いたしております、また、今後も更に申立ての増加が予想されます成年後見関係事件につきまして、後見人の事務に対する裁判所の監督体制を充実させるなど、適切に対応してまいりますとともに、本年四月二日に施行されます改正児童福祉法により新たに導入される制度についても円滑な運用を確保していきたいと考えているところでございます。
○源馬委員 ありがとうございます。
 また一方で、検察官についてもお伺いしたいわけですが、検察官も、これは諸外国と比較をすると、例えば、ドイツは一万六千人に一人、アメリカは九千七百人に一人、フランスは三万五千人に一人、一方で、日本は六万五千人に一人というふうになっておりまして、先ほど御答弁いただいたとおり、事件が複雑化していたり、解決が長期化するというような側面もあるという中で、検察官の定員の状況について、今後の見通しも含めて教えていただきたいというふうに思います。
○辻政府参考人 平成二十九年度における検察官の定員状況でございますが、検事が千八百六十五、副検事が八百九十九でございます。過去十年間の推移を見ますと、検事につきましては二百三十一人の増員が認められているところでありますが、副検事の定員につきましては増減なしという状況でございます。
 今後の見通しということでございますけれども、法務省では、現在の犯罪情勢等に適切に対処していくため、今御紹介したとおり、これまでにも検察官の増員を含め必要な体制の整備を行っているところでございまして、検察官の増員につきましては、今後とも、毎年の事件数、犯罪動向、それから事件の複雑さ等々、諸般の事情を考慮しつつ適切に対応してまいりたいというふうに考えてございます。
○源馬委員 ありがとうございます。
 私は、法曹人口全体のバランスということもやはり大事だと思うんですね。弁護士だけがふえても、国民にとっての、これから、例えば経済活動の結果行われる紛争を解決していくとか、さまざまな複雑化している問題を自律的に解決できるような司法のインフラを整えていくという側面からすると、裁判官や検察の人口についてもぜひ前向きに検討していただきたいなというふうに思います。
 それから、これもたくさんの、今委員会でもほかの委員の皆さんも取り上げていらっしゃいましたが、司法修習生について少しお伺いをさせていただきたいと思います。
 実際に、給費制が実質復活したということは歓迎をしたいと思いますが、かつての給費制で受けていた額と現在の制度で受けられる額の差というのが、やはりどうしても不公平性を生じてしまっているということがあると思います。
 また、これも再三取り上げられていますけれども、いわゆる谷間の世代を救うための措置というのがどうにかできないかということは、多くの委員の皆さんも同じ思いを持っていらっしゃると思います。
 再三の答弁がありまして、谷間の世代を救うためだけの財政措置というのはなかなか国民から理解を得られないという御答弁があるのも重々承知をしていますけれども、何か知恵を絞れないか、少なくとも前向きに何か考えていけないかということを所感をお伺いしたいなと思います。
○上川国務大臣 従前の貸与制下の司法修習生は、昨年四月の裁判所法改正におきまして創設された修習給付金制度、この対象にならないことなどから、従前の貸与制のもとで司法修習を終えた者に対しまして何らかの救済措置を講ずべきという御意見、委員の御意見も含めまして、そうした意見があるということにつきましては承知をしております。
 この点につきましては、修習給付金制度の制度設計の際にも実は検討をされました。そして、その上で、既に修習を終えている者に対して国の財政負担を伴う事後的な救済措置を実施することにつきまして国民的理解を得ることがなかなか難しいと考えられること、また、仮に何らかの救済措置を実施するとしても、従前の貸与制下におきまして貸与を受けていない者等の取扱いをどうするかといった制度設計上の困難な問題もある、こうしたことで、そのような制度になったところでございます。
 したがいまして、立法措置によって、従前の貸与制下の司法修習を終えた者に対して救済措置を設けるということは、なかなか困難であるというふうに考えております。
 今、従前の貸与制下の司法修習を終えた者が経済的な事情によりまして法曹として活動に支障を来すことがないようにするための措置ということで、既に、最高裁判所に対する貸与金の返還期限の猶予の制度、これが設けられております。やむを得ない理由等によりまして返還が困難である場合、個別の猶予の申請に対しましては、最高裁判所が適切に判断されるものというふうに承知しております。
○源馬委員 大変難しい課題だと思いますが、ぜひ今後も検討を続けていただきたいというふうに思います。
 続きまして、これも今回もたくさんの方が取り上げていらっしゃいますが、所有者不明土地について質問させていただきたいと思います。
 多くの委員の先生方が質問されているので、ちょっと切り口を絞って質問させていただきたいと思います。
 昨年の六月に所有者不明土地問題研究会が、日本全国における所有者不明土地が九州全体の土地よりも広い約四百十万ヘクタールに達するという結果を発表し、さらに、このままいくと二〇四〇年には約七百二十万ヘクタールにもなってしまうのではないか、こうなると経済的な損失も非常に大きいという調査結果を発表されました。
 これがふえる背景としては、土地に対する国民の意識の変化ですとか、地価下落による土地を保有する魅力の変化、管理する煩雑さや税負担、いろいろあると思いますが、やはり将来的には登記を義務化するということは避けられないんじゃないかなというふうに思います。
 今取り組まれているパンフレットを拝見させていただきましたし、それは各市町村の窓口にも置かれているということもわかりますが、やはり、なかなかこれじゃ成果は上がらなくて、何か法的な措置をとる必要があるのではないかというふうに思います。
 税金の負担や手数料を大幅に軽減して、その上で登記を義務化するというようなことが必要だと思いますが、この将来的な義務化も含めて検討されていると思いますけれども、今の検討の状況を教えていただきたいというふうに思います。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。
 所有者不明土地が発生する要因といたしましては、相続登記が未了のまま放置されていることが指摘されておりますことからしますと、今後、高齢化や人口減少が進むとともに相続が繰り返される中で、所有者不明土地は更に拡大していくということが予想されます。所有者不明土地問題への対応は喫緊の課題であると考えております。
 法務省におきましては、委員御指摘の相続登記の義務化の是非のほか、土地所有権の放棄の可否等を含みます登記制度、土地所有権のあり方等について、平成三十年度中の法制審議会への諮問を目指して、現在研究会において検討を進めているところでございます。
 法務省としましては、民事基本法制及び民事法務行政を所管する立場から、所有者不明土地問題の解決に向けて、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○源馬委員 ありがとうございます。
 こうした状況を踏まえて、国土交通省と法務省、さらに農林水産省が連携をして、新制度を整備し始めたというふうに聞いています。
 今月九日に閣議決定をされた所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案では、所有者不明土地を円滑に利用する仕組みとして、一つには、反対する権利者がいなくて、建築物がなくて、現に利用されていない所有者不明土地について、国、都道府県知事が事業認定した事業について、収用委員会にかわり都道府県知事が裁定する方法が一つと、もう一つ、地域福利増進という観点で、利用権の設定というものがあるというふうに承知をしております。
 所有者不明土地の利用の円滑化に関して、この地域福利増進の事業の創設、いわゆる利用権の設定の中身について、少し詳しく教えていただきたいと思います。
○北村政府参考人 お答え申し上げます。
 今国会に提出させていただいております所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案におきましては、先生御指摘の地域福利増進事業に関する制度を創設することとしております。
 この地域福利増進事業につきましては、都道府県知事が公益性などを確認した上で、所有者不明土地について最大十年間の利用権を設定することを可能とする、このようにしております。
 利用権の期間内に所有者があらわれ明渡しを求めた場合には、期間終了後に原状回復して返還することとしておりますが、所有者があらわれなかった場合には、利用権の期間を延長して引き続き使用することも可能ということにしております。
○源馬委員 つまり、公益性があるというふうに都道府県知事が認めれば、事業の主体が民間企業であっても問題ないということだと思いますが、こうなると、やはり運用が重要になってくるというふうに思います。
 何が公益性があるのかという判断は難しいと思いますが、例えば、現在も、たくさんの地主が存在する大きな土地を買い取ってショッピングセンターをつくるとか、実際にあった例ですが、トラックターミナルをつくるとか、こういった希望が民間企業にあった場合、それが公益性があるかどうかは都道府県が決めればいいということだと思いますが、このときに、都道府県知事が認めた場合は、民間企業であっても、この利用権を使って所有者不明土地の利用を進めることができるというふうに捉えてよろしいんでしょうか。
○北村政府参考人 お答え申し上げます。
 この地域福利増進事業につきましては、委員御指摘のとおり、事業主体を限定しておりませんので、民間主体であっても利用可能でございます。
 ただ、先ほど申し上げましたとおり、利用権につきましては最大限十年ということで、いざとなれば原状回復をしてお返しするというような事業上の制約があるのが一点ございます。
 今後、民間主体も含めて、この地域福利増進事業が適切に活用されるように、ガイドラインなどを整備して、地方公共団体とも連携して周知啓発を図ってまいりたいと思います。
○源馬委員 最後に、外国人技能実習制度について質問させていただきたいと思います。
 この外国人技能実習制度はいろいろ人権の問題なんかも指摘をされておりまして、そこで、昨年の十一月に施行された、いわゆる技能実習法によって大きくその中身が変わったというふうに理解をしております。
 いろいろと評価したい点があるんですが、ただ、これができても、実習生の失踪、逃亡がどんどんふえているという状況があると思います。昨年は年間七千人以上の技能実習生が失踪していて、これは不法滞在にもつながりますし、犯罪の温床にもつながっていく大事な問題だと思いますが、この技能実習生の失踪について、大臣の所感をお聞かせいただきたいと思います。
○上川国務大臣 委員御指摘の技能実習生の失踪問題につきましては、事態を大変重く受けとめているところでございます。
 先ほど御指摘のとおり、技能実習生の失踪者数、これは増加傾向にあるということで、平成二十九年、七千八十九人という状況でございます。
 昨年施行されました新制度におきまして、送り出し国との政府間の取決めによりまして、技能実習生に対して制度趣旨の周知徹底を送り出し国や送り出し機関に対して求める、こうした取決め、さらには、手数料などを不当に徴収する送り出し機関を排除する、こういうこととしているところでございます。
 また、いわゆる技能実習法におきましては、監理団体の許可制や、また技能実習計画の認定制、これらを導入いたしまして、団体や事業者を直接規制することができるような枠組みを構築しているところでございます。
 またさらに、技能実習生に対しまして人権侵害、こうしたことに対しての禁止規定あるいは罰則、さらに、技能実習生からの相談受け付け体制の整備等、これらも規定をしており、制度そのものの適正化をより強め、受入れ機関側の問題による失踪の防止に努めてまいりたいというふうに思っております。
○源馬委員 ありがとうございます。
 技能実習生の人権ももちろん大事だと思いますけれども、やはり受け入れる企業にとっても、失踪されたら経済的損失にもなりますし、非常に大きな問題だというふうに思います。
 失踪して、例えば入国管理局なんかで捕まった実習生に話を聞くと、不当な働き方をされたとか、だから逃げたんだというようなことを答える人が多いというふうに伺いましたけれども、それは、捕まった人は多分そう答えるでしょうし、一方で、もっと高い賃金で働かせてあげるからというブローカーがいたり、引き抜いてほかのところで働かせてしまうという問題もあるというふうに聞いています。
 今回の技能実習法で、いわゆるデポジットも禁止するというのが明文化されたと思います。これはなかなか難しいと思いますが、ただ、デポジットがあるから、それを返さなきゃいけないから逃げられないという実情もやはりあったというふうに思います。
 デポジットをよしにするというのはなかなか言えないと思いますけれども、真面目に受け入れて、技能実習生にちゃんと技能を身につけさせてあげたいというふうに考えている企業にとっても、何か損をしないような取組、新しい制度、ぜひ必要だと思いますけれども、その点についての所感を最後にお伺いしたいというふうに思います。
○上川国務大臣 技能実習制度の趣旨に照らして、技能実習生の方々に対して、しっかりと技能を身につけていただき、その後の活躍につなげていくということでこの制度が維持されているところでございます。
 失踪に係るさまざまな問題がございます。そして、その要因も分析をされているところでございまして、新しい制度、これをしっかりと運用していくことによりまして、実態についてもしっかりと注視してまいりたいと思っております。
 よりよい制度になるように、絶えず努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○源馬委員 ありがとうございました。
 ぜひ、企業側のことも考えていただきたいというふうに思います。
 以上です。ありがとうございました。
○平口委員長 次に、黒岩宇洋君。
○黒岩委員 無所属の会の黒岩宇洋でございます。
 きょうは、法務省の公文書管理について、現状を把握したいと思っております。
 これは、森友問題の一連の文書管理、このことが大きな要因となって、昨年の十二月二十六日に行政文書管理のガイドラインが改正されたということもありますので、こういった森友問題の文書関係の現状も確認しながら、また法務省の文書管理について、改めてこちらも把握をしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 冒頭、ちょっと質問通告、順番が変わるんですけれども、これは大臣にお聞きします。
 現在の法務省の文書管理の体制について、すなわち、文書管理者がどういう類型の方がいて、そして現在、法務省のポストとしてはどういったポストの方がその文書管理の役職についているか、そのラインについてお聞かせいただけますでしょうか。
○上川国務大臣 法務省におきまして公文書管理体制ということで御質問がございました。
 まず、法務省全体の文書管理を総括する者であります総括文書管理者、こちらは大臣官房長でございます。また、本省内部部局及び地方支分部局の文書管理を監督する者であります主任文書管理者に部局の長を、また、文書管理の実務を行う文書管理者に部局の課室の長を、また、文書管理者のもとで文書管理者を補佐する者として文書管理担当者をそれぞれ置いているところでございます。
○黒岩委員 副総括文書管理者に触れられましたかね。
 あわせて、文書管理担当者の省内のポストについてもお答えください。
○上川国務大臣 副の担当につきましては、秘書課長が担当しているところでございます。
 また、その補佐的なところについては、補佐する者として文書管理担当者ということでございますが、そのもとで実務的な担当者を補佐させているところでございます。(黒岩委員「文書管理担当者のポストは」と呼ぶ)担当者、ちょっとお待ちください。
 失礼いたしました。文書管理担当者につきましては、課長補佐ということで担当しているところでございます。
○黒岩委員 大臣、これは通告してありますし、これは法務省の大臣発出の規則、省令で第六条まできちんと、今言った管理者については、その名称、そしてポストについても、副総括管理者だったら、法務省の場合は秘書課長だと出ているわけですので、それはぜひ把握しておいてくださいね。
 ちょっと内閣府にお聞きしますけれども、内閣府の所管する行政文書管理のガイドラインでは、この文書管理担当者というものは、今回のガイドラインでは条立てで、項目立てで規定されていますけれども、改正前は、文書管理担当者についてはどういうような規定になっていますか。
○田中政府参考人 お答えいたします。
 文書管理担当者につきましては、今回のガイドラインで新たに設けたものでございまして、それ以前はなかったものでございます。今回、管理体制を整備するということで文書管理担当者を設けた、こういうことでございます。
○黒岩委員 審議官、正確に言うと、改正前については、例示として、文書管理担当者を置くことができるという、できる規定なんですよ。そうですよね。今回、改正で置く規定に項目立てされたという。
 私が申し上げたいのは、法務省は、先進的に規則の中で担当者を置いているという意味では、私は、丁寧な文書管理ができているんだということを大臣にも御認識いただきたいということで、今改めて体制をお聞きしました。
 それでは、今申し上げたガイドラインの改正の、特にこの内容について大きな要因となったのは、森友学園の公文書管理、簡単に言うと、去年の二月の時点で、面会記録などが破棄されたということに対して、そういったものを防いでいきましょうということも大きな要因になったわけですので、この事例が一体どういったものだったのかということをこれから確認していきたいと思っております。
 それでは、まず、今回書きかえられた森友学園の十四文書のうち一文書だけが本省の決裁ということで、内容は、特例承認の決裁文書、普通財産の貸付けに係る特例処理について、これについてだけは本省決裁だったということで、これが、総務省が管理する電子決裁一元システム、名称は文書管理システムと呼びますけれども、この文書管理システムによって決裁されていたということがわかりました。
 では、総務省にお聞きしますけれども、この文書管理システムの更新した等の履歴は、一体誰が確認できるんですか。
○堀江政府参考人 お答えいたします。
 文書管理システムでは、決裁済みの文書の更新は文書管理者などの文書管理の責任者のみが行えることとなっておりまして、その更新履歴の確認は、今申し上げた更新権限を持っている者のほか、文書の共有範囲、例えば課室内に設定された者が行うことができます。
○黒岩委員 今の説明の課室に設定された者というのは、具体的に、課長補佐が担う文書管理担当者を指すんですか。それとも、課室の人間なら誰でも履歴は確認できるんですか。
○堀江政府参考人 ちょっと分けて御説明させていただきますと、まず、更新ができる者というのがおりまして、更新ができる者が文書管理者なんですが、そこには、文書管理担当者なども、各府省において設定すれば更新ができます。
 次に、更新履歴を確認できる者というのは、今申し上げた更新ができる者、それから、そのほかに、文書を決裁をとるときに共有範囲というのを設定しますので、その共有範囲に設定された者も更新履歴は確認することができます。それが一般的には課室内の者ということで御説明申し上げました。
○黒岩委員 では、これは課長補佐以下の係長でも、起案者であって、その決裁ラインで共有範囲を示すわけですから、この場合は、また上司の、秘書課長だったり官房長だったりももちろん履歴は確認できるということだと。
 そこで、財務省にお聞きします、太田理財局長。
 では、今、かなり広範囲な人が財務省、これはちなみに、総務省では履歴は確認できないんですよ。担当府省庁、すなわち財務省だったら財務省しか確認できないんですけれども、今回の本省決裁文書に対して、当然、更新すれば履歴が残るわけですよね。今申し上げたここにアクセスできる人たち、履歴が確認できる人たちは、履歴が残るということを認識はしていましたか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。
 書きかえという大変とんでもない、申しわけないことをしてしまったということでございます。大変申しわけないことでございますし、本当に深くおわびを申し上げねばならないということだと思っております。
 その上で、今、委員御指摘の、書きかえを行ったときの履歴が残っている、そういうことを本人たちがわかっておったかということでございます。
 当然わかっておったということでなければいけないわけですが、今、それも含めて調べておりますけれども、必ずしも、全ての人間というか、正直に申し上げれば、よくそんなことは知らなかったというふうに言っている人間が多いことは事実です。
 ただ、いずれにせよ、そこも含めて、誰が責任を持ってこういうことを考え、そういうことをやったのかということを今調査するのが我々の、官房を中心にやっておりますが、その仕事でございますので、そういうことをやっている最中であるということでございます。
○黒岩委員 おかしいですね、理財局長。
 三月十六日の財務金融委員会の答弁では、誰も知らなかったと答えていますよ。急に今調査中となりましたけれども、履歴が残ることは、大変申しわけないけれども、財務省の中では誰も知らなかったと答えていますよ。これは答弁が変わっているじゃありませんか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。
 そういう作業をしておった当時、誰も知らなかったということを申し上げているつもりでございます。
 ただ、その後、なかなか申し上げにくいことはあるんですが、いろいろな過程において、今回の調査の過程において、そういえばというか、気づかされてそういうことを気づいているという状況でございますので、先ほど御答弁申し上げたのは、今の時点の調査の状況においてということを私は御答弁申し上げているつもりでございます。
○黒岩委員 ちょっと不明確なんですけれども、今言ったそういう作業というのは一体どういう作業を指しているのか。そして、三月二日に朝日新聞が報道したわけですから、その時点で書きかえの疑いがあったというときに、じゃ、今言った、書きかえした場合、履歴が残るということを、その時点で局長は誰も気づいていなかったと言っているわけですけれども、その後になって気づいたのなら意味がないんですよ。
 今になって、履歴があったんですよと言われれば、それは気づきますよ、その人間も、ああ、あったんだねと。私はそれを言っているんじゃないんです。実際に三月十二日に報告書を出したわけですけれども、それ以前に財務省内でこの履歴が残るということを気づいていた人はいなかったと答えた答弁をしているわけですけれども、いなかったんですか、いたんですか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。
 今、委員の御指摘あるいは私の答弁をちょっと正確に見てみないと、そのいなかったというときの表現がちょっと怪しいかなと思って、今、委員がそこまでおっしゃられると、ちょっとそれを確認させていただかないとと思っておりますが、基本的に、そういう作業をしていた、要するに書きかえの作業をしていたときにそういうものが残るというふうにやっていた、やっていたと言うと大変あれですが、そういう作業をした人間は必ずしも承知をしないでそういうことを作業していたというふうに私は承知をしておりますので、そういう御答弁を申し上げました。
 それで、三月二日の日に報道があり、それから、国会から国政調査権ということを背景として御指摘をいただき調査をする、それまでは捜査に全面的に協力するということでございましたけれども、国政調査権を背景とした国会からの御指摘ということを踏まえて、ある意味で、捜査への全面的協力ということは当然配慮しつつも、その調査をしないといけないということで調査をしたということでございます。
 あとは、その本人そのもの、あるいは関係者がどこまでそれまで本当に知っていて、だけれども、捜査を受けている身であればそのことは言えないという状況の中で話をしているということでございますので、二日以降調査をする過程において、それまで知っていた云々という話と、それは知っていたかもしれないけれどもあるいはそれを言わなかったということも含めて、三月二日以降調査をしていろいろなことが判明しつつある、そういう状況だと私は思っております。
○黒岩委員 こんなところで時間をとりたくないんですけれども、三月十六日の議事録を持っていますよ。
 これは宮本委員からの質問で、本省の電子決裁文書を管理するシステムにこの決裁文書は残っていた、更新履歴がたどれるものだということでした、それについて知っていましたかと言ったら、太田局長は、そういう意味で、その電子システムあるいは一元化システムのところに云々というところには非常に気づいていなかった、誰も気づいていなかったというのは、残念ながら事実でありますとはっきり答えているじゃありませんか。はっきり答えているじゃありませんか。気づいていなかったんでしょう。
 だって、局長、大問題ですよ。気づいていれば、更新履歴があると、すなわち更新履歴があるということは書きかえがあったということの事実ですよ。十四文書かどうかはともかく、少なくとも、本省決裁のこの一文書については書きかえがあったということの事実なんですから、気づいていればすぐに、三月二日でも四日でも五日でもいいですけれども、気づいている人間がいれば、当然、書きかえしました、更新履歴あります、ないしは更新履歴を、更新履歴でたどれることはみんなわかっているんだから、本来はわかっているんだけれども、わかっていれば更新履歴をたどりますよ、わかっていれば。でも、それをしなかったということは、結論として気づいた者は誰もいなかったという、そういう答弁をしたわけでしょう。その答弁を覆すんですか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。
 三月二日より前の時点でというつもりで申し上げております。
 毎日毎日たくさん御質問をいただいている中で、私は、決してそんな、うそをついたり、いいかげんなことを申し上げようなんて思ってもおりませんけれども、その時点で、三月二日までの時点でわかっていなくて、その後、いろいろな調査をする過程においてというふうに申し上げているつもりであります。
 今、委員が、私の答弁がどこがいけないとおっしゃっているのか、私にはもう一つ理解ができないところがあるんですが、三月二日の前の時点でということはそういうつもりで申し上げておるんですが、ただ、三月二日以降、要するに調査をしますので、要するに、捜査をある意味で超える形でとにかく事実関係を明らかにしないといけないということで調査をしますので、その過程において、いろいろなことが聞けて、あるいは確認ができてということで申し上げているつもりでございます。
○黒岩委員 今改めておっしゃったのは、三月二日の時点以前については、この履歴が残るということを文書管理者が知っていたかどうかもわからぬ、知らなかったんじゃないかと言っているわけです。
 では、総務省に聞きますけれども、総務省、この一元管理システム、文書管理システム、これを所管している省庁として、各省庁の文書管理者が、文書管理者というのは常にこの文書管理システムを使っている人間ですよ。しかも、マニュアルもあって、私もマニュアルを見ました。わかりやすく丁寧に書いてある。聞けば、文書管理者というのはみんな、このマニュアルを自分の見えるところに置いてあるというのが通常だと言っている。
 そこで、総務省として、今言ったように、文書管理者ですよ。さっき法務大臣にも聞きました。ちゃんと規則にのっとって、ラインが決まっている。限られたポストですよ。この人間が、一元管理システム、こんなものは素人だってシステムに入ったら履歴が残るぐらいわかるというのが当たり前ですけれども、この文書管理システムに履歴が残るということを知らなかったということは、総務省として想定できますか。考えられますか。
○堀江政府参考人 システムを管理しております総務省といたしましては、文書管理システムの操作マニュアルを作成しておりまして、この中で、御指摘のような決裁後の修正方法あるいは修正履歴の確認方法についても掲載しております。
 このマニュアルは、各府省の職員が閲覧可能な政府共通の電子掲示板に掲載しておりまして、各府省の文書担当管理官にはその旨をお伝えしているところでございます。
 個別の役所の中でどの程度わかっているかということについては、我々は承知しておりませんので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○黒岩委員 審議官はそういう答えをするのかもしれませんけれども、事前に、きのうまでずっと担当課長と話していましたよ。絶対にあり得ないと言っていた。そんなんだったらシステムが稼働できない、履歴が残ることすらわからない人間が、実際アクセスして電子決裁することなんてできないと言っていましたよ。
 皆さん、このやりとりで大体もうわかると思いますよ。こんなものは財務省の人間だって知っていますって、文書管理者なんだから。だから、知っていれば、もう既に、その人間は書きかえをした、なおかつ履歴が残っているということで、それが露見すれば、今回の調査では、検察から三月九日にいわゆる決裁文書のコピーをもらって調査に協力をしてもらっただとか、捜したら財務省の中の個人フォルダに入っていただとか言っていますけれども、こんなもの、電子決裁システムというのは、履歴をたどるというものが、そして、その履歴がわかるということを目的に電子決裁システムをつくっているわけですから、そこさえぱっと、もう一瞬ですよ、アクセスすれば、文書管理者があっという間にわかるわけですよ、履歴が。これは言い逃れできませんよ。
 それで、別の聞き方をしますけれども、今回は、もともと、平成二十七年四月三十日にこの特例承認については決裁したわけだ。その時点で、この電子システムにPDFとして、ファイルとして入れ込んだわけですよね。自動的に入った、これは決裁しているわけですから。今回、これは局長も四月四日だと言って、四月四日に修正と言ってもいいし書きかえをした。
 総務省に聞きますけれども、このシステムに入れた既存文書の修正をすることを目的としてアクセスできる人間というのは、さっき答弁の中にありましたけれども、アクセスできる人間というのは誰ですか。
○堀江政府参考人 先ほども御答弁申し上げましたが、決裁済みの文書の更新を行えるのは、文書管理者などの文書管理の責任者でございます。
○黒岩委員 文書管理者ですね。だったら、太田局長、理財局において、この特例承認の貸付け決議書、決裁書についての文書管理者は誰ですか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。
 この担当のところは、課の中に室があるというそういう組織になっておるものですから、実質的にそれをやっているのは、国有財産審理室長というポストの者がやっているということでございます。
○黒岩委員 そうですね。審理室長なんですよ。この人間だけがアクセスできる。そして、四月四日に改ざん、書きかえを行ったということですよね。
 では、別の観点からも聞きますけれども、このシステムは、アクセスをすると行政文書版数管理という画面が出てきて、そこには更新日時も出てきますし、そこで更新者名が名前で出てくるんですよ。なぜかというと、今言った文書管理者のアカウントが必要ですし、アカウントというのは個人ナンバーと直結していますから、自動的にこのアカウントによって個人名が出る。ですから、四月四日に書きかえた個人名というものは確認しましたか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。
 今何をやっておるかというと、今、委員が御質問いただいているのは、本省の特例決裁のものについて、実際にその作業をした者が誰かということを確認しておるかということになる御質問だと思います。それは確認をしてございます。
 一方で、十三の文書は、物理的には近畿財務局でございますので、物理的作業は近畿財務局の人間にやらせているということでございますが、今回の調査の最大のポイントは、あるいは国会でいろいろな委員の皆様方から御指摘をいただいている最大のポイントは、誰がどういう目的でこういうことをやったかということでございまして、要すれば、作業した者、それが、例えば、今の御指摘であれば、室長本人がやっている、あるいは室長が権限を委任した者、それが補佐なのか係長なのかということはありますが、いずれにせよ、誰が本当に指示をして、誰が主導権を持ってやったか。本当に作業した者が、ある意味で、主導権と言うと言い方が悪いんですが、持ってやったのか、単にポストが下の人間で、命じられてやらされたというだけなのか、そこのところが最大のポイントだと思っておりますので、そういう意味で、本当に誰が指示をしてどういう形でやったかというのを今調べるのが最大だと思って、そういう作業を我々としてはしているということでございます。
○黒岩委員 では、管理画面の更新者の氏名は特定したということですね。もう一回、お答え。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。
 特定できますので、特定しております。
○黒岩委員 では、それは審理室長でしょう、当然。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。
 審理室長だけしかできないわけではなくて、要するに権限を委任した者もできるわけでございますので、そういう意味で、そこは、今、委員が誰かという固有名詞を言えと言われると、それしか……(黒岩委員「固有名詞じゃないですよ。ポストですよ」と呼ぶ)いや、ポストにしても、そのポストの人しかできないわけでは、権限を委任、受けた者もできますので、そういう意味で、そこは今お答えをするわけにはまいらないというふうに思っております。
○黒岩委員 総務省、話が違うじゃないですか。文書管理者しかアクセスできないと言ったじゃないですか。権限を委任した者ってできるんですか。
 少なくとも、財務省は法務省と違って文書管理担当者を置いていませんからね。課長補佐を置いていませんからね。文書管理者、課室長までしか置いていませんからね。ちょっと総務省、そこを確認してください。
○堀江政府参考人 私、先ほど、文書の更新ができるのは文書管理者などの文書管理の責任者と申し上げました。その一つ前のお答えのときに申し上げたかと思いますが、具体的には、文書管理者のほか、文書管理担当者など、各府省が設定することができますので、その範囲について具体的にどうなっているか、我々は、個別の省庁でどのような設定がなされているかについては承知しておりません。
○黒岩委員 では、財務省、規則の中で、規則、私しっかり読みましたよ、文書管理者で担当者を置いていません。そこで、今言ったように、システムにアクセスできる人間を財務省なりに規則で定めていますか。
○太田政府参考人 規則ではないようですが、システム上そういうことができるようにやっているというふうに今承知をしております。
○黒岩委員 規則違反じゃないですか。規則って、自分のところの省令ですから幾らでもつくれるんですよ。規則にも定めていないことを勝手にやっているんですか。規則違反じゃないですか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。
 現実の仕事との関係上そういうことをしているというふうに私は承知していますが、今、委員が規則違反ではないかというふうにおっしゃられましたので、それは規則違反かどうかというのは、ちょっと私の担当ではありませんので、そこは確認をして、調べて、その上で御答弁をさせていただければと思います。
○黒岩委員 いいですか、公文書の管理というのは、公文書管理法があって、施行令があって、そして内閣総理大臣が決めたガイドラインがあって、それに従って規則ができているという厳密なものなんですよ。だから、規則に書いていないことをやるなんて、だったら何でもありですよ、公文書管理。何でもありだ。管理でも何でもないじゃないですか。規則違反ですよ。
 それを盾に、今言ったように、厳密には、文書管理者といったら審理室長だということは決まっているんだから、その人間しかアクセスしちゃいけないわけですよ。その人間以外がアクセスしたら、運用上違反ですよ、間違いなく。省令違反だ。そんなことが許されるんですか。言い逃れも甚だしい。
 さっき言ったように、私は確かに、室長だけの権限だなんて、できるとは思っていませんよ。ただ、アクセスできるのは室長だけだから、室長が書きかえをやったと。当然、その上の人間とかとの承認なり相談なりもしていると思いますので、それは調査をしっかりしてもらわなきゃいけないと思っていますけれどもね。
 今言ったように、修正でも書きかえでも行うと、もともとの最初に行った決裁文書というのは消去できないんですよね。総務省もできないし、財務省もできない。
 私が不思議でならないのは、結局、今、書きかえたということは、まさに証拠を総務省のシステムに放り込んだような話ですよ。そんなことを本当に、文書管理、少なくともシステムを熟知している人間がやれるんだろうかと。
 先ほど言ったように、履歴が残ることもわからぬ。今言ったように、これは自動書きかえじゃありませんから、もともとの文書は、これは総務省だろうが財務省だろうが、誰ももうアンタッチャブルなんですよ。残る。書きかえたものと書きかえ前のものが、閲覧して比べられるというシステムですよ。
 そんなところに放り込むというのは、私は、ともすると、本当に局長の言うとおり、アカウント名だけ借りて、そういったラインに乗っていない人間がやっているという、私はこういう筋書きじゃないかと思っています。今、それを調査しているんでしょう。
 では、少なくとも、アクセスした人間が室長かどうかということについてきちっと答えていませんけれども、このシステムの機能として、不正アクセス防止となっているんですよ、権限のない人間が不正にアクセスすることを防止したと。だから、文書管理者ということで規定しているんですよ。システムは、規則上、文書管理者と言われる者に対して提供するシステムだから、それ以外の人間はアクセスできないということですよね、修正の場合。そういう仕切りですよ、総務省のシステムは。それ以外の人間が今アクセスしたかもしれないといったら、これは不正アクセスですよ。そんなことまで財務省はやっているんですか。それについてお答えください。そんな不正アクセスもやっているんですか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。
 規則のもとでどういう運用をしているか、その運用の仕方がおかしいのではないかという御指摘は、委員の御指摘としてよくよくわかりました。承ります。
 ただ、その上で、そのことはきちんと調べて反省をするべきは反省をしますが、それをもって、その手前のところで不正だと決めつけられるのは、さすがにちょっと、そこだけは御容赦を賜りたいと思います。
○黒岩委員 局長の答弁に沿って私は指摘しているだけですよ。
 とにかく、局長も、三月二十日の参議院の予算委員会でも、履歴を追うことは知らなかったと。こんなもの時間稼ぎですよ。まさに隠蔽体質ですよ、わかったことの事実じゃなくて。
 もう一つ言うと、今回の修正された文書の表紙、二十七年度の決裁文書の表紙が出てきましたよね、十八人の決裁ラインが出ているという表紙。
 では、今回、二十九年四月四日に書きかえられた表紙はあるんですかと、私、きのうまでずっと聞いていたら、そうしたら、いやいや、わからない、あるもないも言えない、最終的に、最終調査と、今言ったように書きかえた人間が合うかどうかわからぬから、あるかないかも言えないと言うけれども、あるかないかは最終調査の結果とは何にも関係ないんだから、あるかないかぐらい出せと言ったら、ようやくきのう、夜の十時半になって、ありませんと。あるわけないですよ、決裁していないんだから。
○平口委員長 申合せの時間を過ぎておりますので。
○黒岩委員 だから、こういう、きのうのぎりぎりまでも、あるかないかといったような事実すらも報告しない、こんな状況では、調査、しっかりと国民に公表できませんよ。あるかないかといった、その事実がわかったものについては、中間報告、しっかりすることを私どもは求めて、質問を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。
○平口委員長 次に、藤野保史君。
○藤野委員 日本共産党の藤野保史です。
 私も、森友文書改ざん問題について大臣の認識をお聞きしたいと思います。
 前提として、公文書管理一般についてお聞きをします。そもそも、公文書を改ざんするというのはどういうことなのか。
 配付資料の一枚目を見ていただければ、これは公文書管理法第一条「目的」の規定であります。「この法律は、国及び独立行政法人等の諸活動や歴史的事実の記録である公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであることにかんがみ、国民主権の理念にのっとり、」飛ばしますけれども、「もって行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とする。」というふうにあるわけです。
 ですから、公文書を改ざんするということは、民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源を改ざんすることであって、現在及び将来の国民を欺く行為である。
 内閣府にお聞きしたいんですが、一般論としてやはりこういうことになると思うんですが、いかがでしょうか。
○長坂大臣政務官 お答え申し上げます。
 公文書管理法は、国の諸活動等の記録である公文書等の適切な管理を図ることで、国の諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにするという重要な目的を有しているものと認識しております。
 国民への説明責任を果たすためには、国の諸活動、すなわち行政機関における意思決定過程等について、可能な限り正確に文書を作成することが必要であり、一般論として申し上げれば、一旦確定した行政文書をしかるべき手続を踏まずに変えてしまうということはあってはならないことだと考えております。
○藤野委員 あってはならないことというのはそのとおりなんですが、やはりこの公文書管理法の趣旨からして、これはなぜあってはならないか。それはやはり、国民共有の知的資源を改ざんすることであり、現在そして将来の国民を欺く行為だからあってはならないわけですね。長坂政務官、そういうことでよろしいですか。
○長坂大臣政務官 そのように考えます。
○藤野委員 そういうことだという答弁をいただきましたが、要するに、憲法の最も大切な理念である国民主権にかかわる、まさに国民の共有資産であり、現在及び、しかも将来の国民にもかかわる、その主権をないがしろにする行為だということであります。
 このことは、同法の立法趣旨から考えますと、更に浮き彫りになってまいります。
 同法は、二〇〇九年に全会一致で成立しましたが、衆議院段階で修正が加えられております。原案にはなかった文言が加わっておりますが、それはまさに、この配付資料の一の下線部に書いておりますところなんですね。
 正確に言いますと、「国及び独立行政法人等の諸活動や歴史的事実の記録である公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであることにかんがみ、」という文言が追加をされたわけであります。
 内閣府に再びお聞きしたいんですが、なぜこの修正が、追加が行われたんでしょうか。
○長坂大臣政務官 お答え申し上げます。
 御指摘の文言につきましては、公文書管理法制定時の国会審議の過程におきまして、主権者たる国民の立場に立って、公文書が国民共有の知的資源であり、国民が主体的に利用し得るものと位置づけることによりまして、公文書の管理に携わる行政の立場のみならず、公文書を利用する国民の立場についても、公文書管理上、明文で裏づけるという趣旨から加えられたものと承知をいたしております。
○藤野委員 趣旨は今お答えいただいたところにあるというふうに思うんです。要するに、国民の権利をより強調するためにあえてこの修正を行ったということなんですね。
 ここでちょっと配付資料の二枚目を見ていただきたいんです。
 上川大臣にもお聞きをしたいんですが、修正案に対するいろいろな質疑も行われております。この間、この修正案に対する答弁者として、我が党日本共産党、そして自民党、当時民主党、そして公明党、社民党の五会派を代表して答弁に立っていらっしゃったのは、ほかにもいらっしゃいますけれども、上川大臣御本人ですね。まずその点について。その点だけです。
○上川国務大臣 私も、議員提案の一人として参加をいたしました。
○藤野委員 そして、その配付資料の二が、上川当時の委員が要するに代表して、まさに目的規定の一条について、なぜ修正したのかという部分を説明されている答弁であります。
 黄色いところに強調して書いておりますが、要するに、民主主義の根幹を支える基本インフラであるという認識、また同時に、国民に対しての説明責任を果たす上でも大変大事な財産である、ここにしっかりとその意味、意図、意思というものを反映させるべく明記をしたと。
 そして、第二も私、大事だと思うんですね。文書を適正に作成することの重要性を踏まえて、行政機関の意思決定のみならず、その経過も含めた意思形成過程や事務作業の実績を合理的に跡づけることができるように文書を作成することが大事であることについて明文化したというふうにも、上川委員、大臣が説明されているわけであります。
 上川大臣、大臣は、先ほど来指摘あるように初代の公文書管理担当大臣でいらっしゃいますし、加えて、その後の国会審議を経て、ある意味全党、与野党を含めて修正を行った、まさにこの法律の肝として、国民の主権を強調しよう、それが大事だということで目的規定に加えた、その趣旨まで説明されたのが大臣であります。
 その大臣にお聞きしたいんですが、事務方は別として、大臣としても初代の担当大臣、法案を国会に提出された責任者である、そして、政治家としてもその修正作業にまさに先頭に立ってかかわってこられた。私は、ここまで深くこの公文書管理法にかかわった議員というのはいないというふうに思います。
 そうした政治家としての御所見を伺いたいんですが、まさに今回、この公文書管理法の根本中の根本、趣旨である、民主主義の根幹、国民に対する説明責任、そして、意思決定のみならず経過を含めたその過程、それを合理的に裏づける、こうしたこの法の根本の趣旨を踏みにじられた、このことへの政治家としての思いは何かないんでしょうか。
○上川国務大臣 委員御指摘の、御提示いただきました配付資料二のところにつきまして、私が、この法案の審議の過程の中で、このような修正のポイントにつきまして、二点、先ほど御指摘いただきましたけれども、申し上げたことについては、そのとおりでございます。
 この公文書管理法の背景にありました、そもそも文書が作成されていない事案、あるいは文書が廃棄された事案、こうしたことを受けた上で、これに対して、行政機関として活動する上で、将来また現在の国民に対して説明責任を果たすことができるようにしていくためのこうした法律をしっかりとつくっていくということの中でこのような発言もし、また修正もやらせていただいた上で発言をしたものというふうに思います。
 ここのところの、黄色いマークがついていない、前のところ、下の段でありますが、文書を適切に作成することの大切さということにつきましても、実は非常に重きを置いたものでございまして、その意味で、作成するというプロセス全体を、意思決定のプロセスが明確になるようにということも具体的に挙げて、文書の作成をしっかりとするということを明示したものでございます。
 そうした公文書管理法の理念、さらに目的、さらにこれを実践するための規則、そして、それぞれの省庁がそれぞれの組織の特性に応じてこのことについて正面から取り組んでいただくということが極めて重要であるということ、この認識については今も変わりありません。
○藤野委員 いや、一般論はそのとおりだと思いますし、しかし、私がお聞きしたのは、まさにそうした法律をつくられた大臣として、そして修正にもかかわられた政治家として、今回の森友改ざん文書というのは、まさにその法の趣旨の根本を踏みにじった、踏みにじられた、そういう認識はないんですか、そういう質問なんです。
○上川国務大臣 先ほど申し上げた公文書管理法の趣旨に照らして、行政文書の書きかえにつきましては、現在、財務省において調査中であるというふうに承知をしているところでございます。
 行政文書の重要性、こうしたことに鑑みますと、重く受けとめているところでございます。国民の皆様から信頼が得られるように、丁寧な説明を尽くしていく必要があるというふうに思っております。
○藤野委員 ちょっと残念な答弁だったというふうに言わざるを得ないと思います。
 長坂政務官にはここで御退席いただいて、次の御公務があるということですので。
 そして同時に、これはちょっと、公文書管理法だけでなく三権分立にもかかわる大問題だと思います。財務省というお話ありましたけれども、これは単なる一省庁の問題ではなく、やはり行政府と立法府との関係全体にかかわる問題だと思います。
 森友問題に関して内閣の責任を追及していた国会に対して、与党を含めて、資料を提出していたことに対して、まさに内閣がうその資料、改ざんした資料を出してきた。その結果、何が起きたか。本来国会が追及していたであろう責任が追及されなかった。今は財務省の改ざんという話になっていますけれども、当時はそこまで鮮明じゃないわけですよね。いろいろな形があり得た。今も、国交省もかかわっているし、いろいろなところがかかわっております。
 要は、我々がずっとこの一年以上求めてきたこの資料請求に対して、行政府がそれを改ざんしてきた。それによって、憲法が定めている国会の国政調査権、立法府による行政府の監視、こうしたことが機能しなくなった。まさに権力分立、これがじゅうりんされたということだと思います。
 大臣にはこういう認識ございますでしょうか。
○上川国務大臣 委員からも、先ほど、この公文書管理法の目的規定について読み上げていただきました。健全な民主主義の根幹を支えるまさに国民共有の知的資源であるということでございます。
 その意味で、行政機関、こうした行政文書の適切な管理、そして作成、さらにはその利活用も含めまして、責任を持って国民の皆さんに現在あるいは将来説明していく責務があるというふうに考えております。
 その意味で、現在、この文書に係る信頼性につきましてさまざまな問題が起こっているところでございます。財務省におきましての調査をしっかり尽くし、また国民の皆様に対しましてもしっかりとした説明責任を尽くしていく必要があるということを改めて申し上げたいというふうに思います。
○藤野委員 私がお聞きしているのは、公文書も大事ですし、それもお聞きしました。それを踏まえた上で、やはりもう一つの、国民主権とは別の三権分立という憲法上の原理から見ても、今回の問題というのは非常に重大だ。
 三月十四日の参議院予算委員会で、金子委員長は冒頭でこう述べられました。これは、財務省に対して決裁文書を含むさまざまな文書提出を求めてきた本委員会に対する冒涜である、それだけでなく、行政全般に対する国民の信頼性を失わせる言語道断の行為であります、こういう指摘であります。行政全般。
 さらに、安倍総理自身も同じ日の委員会でこうおっしゃっているんですね。行政全体に対する信頼を揺るがしかねない事態、行政の長として責任を痛感しているところ、改めて国民の皆様に深くおわびを申し上げたい、こう答弁されております。
 大臣、改めてお聞きしますが、今回の改ざんというのは、行政府が立法府を冒涜したという問題であり、まさに行政全体にかかわる問題だ、こういう認識はないんでしょうか。
○上川国務大臣 行政府が国会に対してしっかりとした説明責任を果たすということにつきましては、それぞれの行政機関がその職務の責任において実施すべきものというふうに考えております。
 今回の事案に係る部分でございまして、私は、法務省ということでございまして、お答えすることについては差し控えさせていただきたいと思いますが、財務省におきまして、しっかりとした調査をした上で、しっかりとした説明責任を果たすべきものと考えております。
○藤野委員 大変これは認識として不十分と言わざるを得ない。人ごとのような、公文書管理についてもそうですし、三権分立という行政全体の問題ではないかという私の質問に対しても、財務省とおっしゃる。これは本当に大臣として大問題だ。野党は今、これは内閣総辞職に値する重大問題だとして一致して取り上げているわけですね。ですから、そういう認識がないとこれは大変な問題になってくる。
 二十七日には証人喚問、この衆議院でも行われます。この問題については引き続き厳しく追及していきたいというふうに思っております。
 次に、司法取引制度、これについてお聞きしたいと思います。
 法務省は、先日、改正刑事訴訟法に盛り込まれた合意制度、いわゆる司法取引の施行日を六月一日にすることに決定をいたしました。
 司法取引とは一般的には、容疑者や被告が、共犯者らの犯罪事実を明らかにする、その見返りに起訴を見送ってもらったり、あるいは刑を軽くしてもらう、ざっくり言えばこういう制度でございます。
 しかし、これは、刑訴法改定の国会審議では、本当に各党やあるいは参考人の皆様からも、警察による恣意的濫用のおそれ、とりわけ無実の人を冤罪に巻き込む、引き込むおそれ、これが本当に強く指摘されたところでございます。
 大臣に確認しますが、これは、合意制度によって、その被告や容疑者が合意後に虚偽の供述をして無関係の第三者を巻き込み、あるいは事実を歪曲して虚偽の供述によって第三者に責任を転嫁する事態はあってはならない、これは当然だと思いますが、そういう御認識ですね。
○上川国務大臣 委員お尋ねの合意制度につきまして、被疑者、被告人が虚偽の供述をして第三者を巻き込むおそれがある、こうした指摘があることについて、このような事態が生じることを絶対に避けなければならないということでございます。当然のことであるというふうに考えております。
○藤野委員 問題は、それがどうやって担保されるのかということであります。
 法務省にお聞きしたいんですが、三月十九日に依命通達を出されておりますが、ここで、六ページなどに、ほかのページにも出てきますが、要するに、信用性を担保するものとして裏づけ証拠、裏づけ証拠というのがたくさん出てくるんですが、これは客観的な証拠に限られるんでしょうか。
○辻政府参考人 御指摘の通達では、裏づけ証拠による信用性の十分な吟味ということを強調してございます。具体的には、裏づけ証拠が十分にあるなど、積極的に信用性を認めるべき事情がある場合にのみ合意をすることとするなどというふうに通達で述べているところでございます。
 そこで言う裏づけ証拠でございますが、客観的証拠には必ずしも限られていないものとは承知をしておりますけれども、同じ通達におきまして、今も申し上げたとおり、積極的に信用性を認めるべき事情がある場合にのみ合意することとすると。さらには、同日に発しました別の通達におきまして、この点を含めまして、合意をするかどうかにつきましては、高等検察庁の検事長の指揮を必要とする、さらには最高検とも協議をするということを必要とするというふうにしております。
 いわば、全検察を挙げて、合意をするかどうか、その前提としての積極的に信用性を認めるべき事情があるかどうかということを吟味するということでございますので、通達の趣旨に沿った運用がなされ、合意制度が濫用されることはないものと考えてございます。
○藤野委員 要するに、供述も含むということであります。
 そもそも供述というのは、それ自体では信用性に欠けるから、客観証拠で補強しよう、そういうものなんですね、供述そのものがそうです。
 今回問題になるのは、取引、言葉としてあれですけれども、合意のもとでの取引、自分を軽くしてもらう、それと相対での供述なんですね。普通の供述以上にバイアスがかかる、一層信用性が認めがたい、認めにくい、そういう性質を持たざるを得ないのがこの合意制度における供述なわけであります。
 ですから、この通達には何かいろいろ書いてありますけれども、これはどうやって担保していくのか。これは本当に今後、私も厳しく追及していきたいというふうに思うんですね。言葉だけ何か、確実な吟味とか裏づけ証拠が十分といっても、これじゃ全く担保にならない。
 この司法取引制度とかかわって指摘したいのが、共謀罪法の問題であります。
 この司法取引制度も、日本の刑事司法制度史上初めて日本に導入されるものでありますし、共謀罪も、ある意味今までの日本の刑事司法制度にはなかった、そういう法体系、法体系といいますか、そういうものを持ち込んでくるわけであります。相入れない異質なもの、これがどう運用されるのかというのは、まさにこれから問われてくる。
 導入時には、いずれの制度も、憲法や刑事司法の専門家からも、あるいは日弁連や自由法曹団などの実務家からも、憲法違反であり、人権侵害を引き起こす危険が高いという指摘が寄せられた。国際的にも寄せられております。この二つがどういうふうに運用されていくのか。
 例えばですけれども、法務省にお聞きしたいんですが、司法取引の対象となる特定犯罪のうち、テロ等準備罪、いわゆる共謀罪の対象でもある罪は、数として幾つあるんでしょうか。
○辻政府参考人 お尋ねの点でございますけれども、いわゆる合意制度の対象となる特定犯罪、それから組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律で別表第四に掲げられている罪、いわゆるテロ等準備罪の対象犯罪、これに一定程度、重なりがあることは御指摘のとおりでございますが、ちょっと、申しわけございませんが、数につきましては、突然のお尋ねでございまして、必ずしも数えてございませんので、申しわけございません。
○藤野委員 これは通告していたと思うので、資料、そもそも法務省からいただいたものでありまして、配付資料の三を見ていただきたいんですが、これを私どもで数えましたら、百二十あるんです、もし違っていたら訂正していただきたいんですけれども。
 確かに、この司法取引の制度とそして共謀罪、たてつけが違うといいますか、それは私たちも理解をしております。
 きょう私が問題にしていますのは、少なくともこの百二十の罪について、捜査機関が、二つの制度、共謀罪法と司法取引制度という二つのある意味武器を手にするということなんですね。
 この配付資料の三を見ていただきますと、本当にいろいろな犯罪があります。今話題の文書改ざんもありますし、あるいは組織的なさまざまな犯罪もあるし、経済犯罪もかなり含まれております、この会社を再建しようと思っていろいろ努力したら、何かそれは会社更生法違反になるかもしれないというようなことも含めて。
 こうした、現時点でも百を超える犯罪について、警察は、共謀罪と司法取引という新たな手段、非常に使い勝手のいい手段を二つ手にすることになる。これはしかも、初めて運用されるんですね、これから日本の刑事司法で。両方初めてであります。どのように運用されるのかわからないし、構成要件の曖昧さや、あるいは録音、録画などの情報公開もないというもとで、現場の裁量は極めて大きい、これも共通しております。
 大臣にお聞きしたいんですが、捜査機関の権限というのは、共謀の段階から司法取引の段階まで、極めて大きくなるんじゃないですか。間違いないですよね。
○辻政府参考人 ちょっと、前提についてだけ申し上げさせていただきたいと思います。
 合意制度の対象犯罪は、改正後の刑事訴訟法第三百五十条の二第二項に規定されているところでございますけれども、その中にテロ等準備罪は入ってございませんで、合意制度の対象犯罪とはされていないということでございますので、テロ等準備罪をいわば追及するために合意制度を用いるということはできず、したがって、そのための濫用ということも考えられないというふうに思っております。
○藤野委員 私の質問をしっかり聞いていただきたいんですね。
 それはわかっております、法のたてつけとしては。しかし、警察は、これらの、少なくともこの百二十の罪について、両方使えるということを言っているんです。共謀段階だったら共謀罪が使えるし、もう既遂になって、司法取引になったらこれが使える。要するに、極めて長いスパンで警察は新たな武器を手にした。
 大臣、そういう認識、ありますか。
○上川国務大臣 この合意制度の対象犯罪、そしてテロ等準備罪との関係ということで、先ほど局長が答弁したとおりでございます。このことについては、合意制度がテロ等準備罪の捜査において濫用されるということは考えられないということでございます。
○藤野委員 残念ながら、大臣はきょう、私の質問に一度もかみ合ってお答えいただいていない。これ、大臣所信質疑になりませんよ。
 私は、この二つの制度が動き出す、少なくとも六月から二つ動き出すわけです。このことによって、警察の権限が大きくなる。しかし、それは構成要件が曖昧だし、情報公開も不十分なもとで、現場の裁量が非常に大きい。そうなれば、真面目な警察官もいらっしゃるでしょうが、しかし、これまでの警察の動きを見れば人権侵害のおそれも大きくなる。
 配付資料の四を見ていただきたいんですが、これは私が共謀罪の審議のときにたびたび紹介させていただいた資料であります。しかし、上川大臣は初めてだと思うので、きょうは紹介させていただきました。これは、岐阜県の大垣署というところで二〇一三年から二〇一四年にかけて、警察が利害関係者である企業と一体となって、自然エネルギーの勉強会をやっていた複数の市民を長期間にわたって監視し、それをある意味情報交流して対策まで立てていた、そういう資料なんです。
 ちょっと時間の関係で紹介させていただきますと、三角というのは大垣署でありまして、警察の方から、これこれこういう人物を、自然に手を入れる行為自体に反対する人物であることを御存じかというふうに聞いている。それに対して業者の側は、以前ゴルフ場建設に反対したことを承知しているとか、地元の有力者からは、あいつらは何でも反対する共産党と呼ばれていると聞いていると。これは全然関係ないんですよ、関係ないけれども、こういうことが議事録になっている。
 しかも、深刻なのは、その次をめくっていただきますと、一番下のところに行きますけれども、一番下というか真ん中ぐらいですね、このような人物と岐阜コラボ法律事務所との連携により、大々的な市民運動へと展開すると御社の事業も進まないことになりかねない、大垣警察署としても回避したい行為であり、今後情報をやりとりすることにより、平穏な大垣市を維持したいので協力をお願いする。それに対して会社は、当社としても、今後、地元交渉を精力的に開始する予定であることから、いろいろな情報交換をお願いしたい。それで警察は、了解したと。
 大臣、これはまだ勉強会が始まった段階なんです。アセスメントも始まっていない。くい一本すら打たれていないんです。その段階で、大々的な市民運動とか平穏な大垣市を維持したいとか、こうしてやってくるというのは大変な問題だというふうに思います。こういう警察が、しかも、全く反省していないんですね、通常業務の一環ということで。これは本当に、こうした人権侵害の危険というものを直視していただきたい。
 最後にもう一点だけ。
 警察だけではなくて、検察についても人道上許されない事態が起きております。鹿児島県の大崎事件、これは、再審開始という重い判断が三度もなされた、にもかかわらず検察は特別抗告を行いました。
○平口委員長 藤野君、時間が参っておりますので。
○藤野委員 わかっています。
 ただ、これだけは本当に人道上許しがたい。これは、九十歳なんです、九十歳の方が、この方の命が尽きるまで検察は待つのか、こういう声が上がっているということ、これはもう絶対人道上許されないということを強く指摘して、質問を終わります。
     ――――◇―――――
○平口委員長 次に、東日本大震災の被災者に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例に関する法律の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。
 本件につきましては、先般来理事会等において協議いたしました結果、お手元に配付いたしましたとおりの起草案を得ることとなりました。
 本起草案の趣旨及び内容につきましては、委員長から御説明を申し上げます。
 東日本大震災の被災者に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例に関する法律、いわゆる法テラス震災特例法は、東日本大震災の被災者の方々に対する無料法律相談や東日本大震災に起因する法的紛争に係る訴訟代理、書類作成等に要する費用の立てかえ等の援助について、法テラスの業務の特例を定めるものであります。法テラス震災特例法は、議員立法により、平成二十四年四月一日から二十七年三月三十一日までの三年間の時限法として制定され、その後、平成二十七年に改正され、有効期限が平成三十年三月三十一日まで三年間延長されたところであります。
 平成二十三年三月十一日の東日本大震災から七年が経過しましたが、東日本大震災からの復旧復興はいまだ道半ばであります。法テラス震災特例法に基づく東日本大震災法律援助事業の実施件数を見ても、法律相談援助は高い水準で推移しており、弁護士費用等の立てかえ援助も一定数利用されていることから、今後も同事業の需要が見込まれているところであります。
 また、いわゆる原賠時効特例法により、原子力損害に係る賠償請求権の消滅時効が延長されたことにより、同請求に係る紛争は今後も続くことが見込まれます。
 さらに、被災地の復興状況を踏まえると、今後も、高台移転や仮設住宅からの退去等に伴う法律問題が顕在化するおそれがあります。
 このような状況に鑑み、本起草案は、法テラス震災特例法の有効期間を平成三十三年三月三十一日まで三年間延長するものであります。
 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。
    ―――――――――――――
 東日本大震災の被災者に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例に関する法律の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○平口委員長 本件について発言を求められておりますので、これを許します。階猛君。
○階委員 希望の党の階猛です。
 本日は、発言の機会をいただきまして、ありがとうございました。
 先ほどの委員長の趣旨説明でも、法律相談援助は高い水準で推移しておるというくだりがございました。直近でも五万件以上という法律相談があるわけでして、私はきょうこの場で、この法律相談の情報をもっと有効活用すべきではないかということを御提案申し上げたいと思います。
 災害支援の専門的な活動をされている弁護士先生のお話とかを聞きますと、災害時の無料法律相談には五つの機能があるということで、一つ目としてパニック防止の機能、二つ目として精神的支援の機能、三つ目として紛争解決、予防の機能、四つ目としては情報整理、提供の機能、そして最後の五つ目は立法事実集約の機能、この五つの機能があるというふうに整理されております。
 一番目から三番目の機能は、現在でも十分に果たされているのかなと思っておりますけれども、この情報整理、提供の機能であるとか立法事実集約の機能、これはもっと改善の余地があるのではないかというふうに思います。
 五万件ぐらい法律相談があると言いましたが、一方で、この法テラスでは、代理援助ということで、裁判を起こすときに代理人をつける場合の費用を援助したりといったこともしているわけでありまして、こちらの方の数字はちょっと桁が違いまして、平成二十七年度だと二千百二十六件、平成二十八年度だと四百七十一件ということで、ちなみに、二十八年度がちょっと減っておりますのは、原発関係の東電への賠償請求が二十七年度から複数年度認められることによりまして、それまで単年度の請求だったものをまとめてできるということで、二十八年度は減っているということのようです。
 そうした代理援助につきまして、どういう案件でそれが使われているかということを法務省の方に調べていただきまして、まとめたものを、きょう資料として表の形で配らせていただいております。
 この表を見ますと、多重債務事件などはふえている傾向にあるといったことがわかります。こうした相談内容を分析することによって、今申し上げているのは代理援助ですので、代理援助だけでもいろいろな傾向が見てとれるんですが、ただ、件数的にはごく少ない。法律相談に比べますと〇・二%ぐらいの数にとどまります。これにとどまらず、法律相談全体について、内容あるいは傾向を分析すべきではないかと思っておりますけれども、今現在はこういった活動をしているのかどうか、まずその点を教えてください。
○小出政府参考人 お答えいたします。
 いわゆる法テラス震災特例法に基づきます震災法律援助実施件数、これは法律相談、代理援助、それから書類作成援助の全体でございますが、平成二十六年度が五万三千三百五十三件、平成二十七年度が五万六千七百四十四件、平成二十八年度が五万三千四百九十七件と、依然として高い水準で推移しておりまして、平成二十八年度の内訳を見ますと、震災法律相談援助が五万二千九百九十五件、震災代理援助が、委員御指摘もあったように、四百七十一件、震災書類作成援助が三十一件でございます。
 法テラスにおきましては、この法テラス震災特例法に基づく援助案件の種類、内容につきまして、一般の民事法律扶助による援助案件と同様に、家事事件、金銭事件、多重債務事件、不動産事件といった比較的大くくりの事件類型に分類して把握しているところでございます。
 この点、震災法律相談援助におけるこれまでの事件類型の内容からその傾向を見ますと、家事事件が四〇%前後を占めて最も多く、以下、金銭事件が二五%前後、多重債務事件が一五%前後、不動産事件が一〇%前後で推移していることが見てとれるところでございます。
 なお、本日、委員に配付していただいた資料の一覧表でございますが、これは、先ほど委員からも御発言がありましたとおり、委員の御指摘をいただきまして、法務省において一定の範囲の震災代理援助事案を抽出して、特別にそれぞれの案件の内容を確認して分類したものでございまして、通常、法テラスにおいてはこのような詳細な内容まで分類、把握しているものではございませんが、この震災法律援助の援助案件の内容や傾向等の利用状況をより詳しく分類、把握することにつきましては、被災者の援助のニーズのより詳細な把握に有用と考えられまして、今後も、法テラスとともに、委員の御指摘も踏まえまして、そういった詳しい利用状況の分類、把握を検討してまいりたいと考えているところでございます。
○階委員 法テラスで実際に使っている、法律相談のときに相談概要を書く紙、様式もいただきましたけれども、この相談概要に書いたことをデジタル的な処理をして検索すれば、どういう案件が今多いのか、被災地でどういうことが問題になっているのかというのがよく把握できると思うんですね。
 もう七年前のことになりますけれども、震災直後も、当時はこういう法律もございませんでしたので、ボランティアで弁護士さんたちが被災地で無料の法律相談をしていました。そうした中から立法のニーズというのがいろいろ出てきて、例えば私がかかわったのだと、相続熟慮期間の延長であるとか、あるいは義援金とか被災者生活再建支援金の差押えを禁止するとか、そういったこともやって、大変、被災者のニーズに合ったことが与野党協力してできたわけですね。
 そうしたことにこの法律相談の情報というのは生かせるんじゃないか、そのために内容をちゃんと把握して分析すべきではないかということで、今、前向きな答弁をいただいたので、ぜひそれはシステム的に、継続的に行っていただきたいと思っております。
 特に、きょう、具体的な案件で取り上げたいと思っていますのが、お配りした資料の裏面を見ていただきますと、毎日新聞の記事であります。被災者援護資金、これは貸付けですので返済が必要なんですが、最大三百五十万円貸し付ける制度です。これが、六年間、借りてから返済猶予期間があるんですが、いよいよ返済が始まって、滞納率が、これは仙台市の例ですけれども、三割です。貸付けの残高が、ことしの一月末現在で九都県で約五百十九億円もあるということで、今後、返済に窮した個人の方が多くなってくるのではないかというふうに懸念されるわけです。
 他方、震災の後、与野党で協力して、個人版私的整理ガイドラインとか、昨今では名前が変わったんでしょうか、より一般化した、自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインなるものをつくって、これを個人で、多重債務の方に活用していただけるようにしたわけですけれども、これから先ますますこういったニーズも高まると思っていまして、ぜひ、問題が深刻化しないように、政府が法テラスと連携してこの活用を促していくべきではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○小出政府参考人 お答えいたします。
 法テラスで把握しております援助案件の種類、内容につきまして、利用状況、特に近年の動向、推移を見ますと、貸金請求等の金銭事件が占める割合は、二十七年度の二七・七%が二十八年度は二三・七%と減少傾向にあるのに対しまして、多重債務事件が全体に占める割合は、二十七年度の一四・〇%から二十八年度には一六・九%、また、平成二十九年度は、十二月までの速報値で一九・〇%に上昇しているという特徴が見てとれるところでございます。
 委員御指摘のいわゆる個人版私的整理ガイドラインにつきましては、東日本大震災の影響によるいわゆる二重債務問題に対応するために、金融機関関係者や弁護士等で構成された個人債務者の私的整理に関するガイドライン研究会において、平成二十三年七月に策定された準則であると承知しております。
 法テラスでは、この東日本大震災の被災者による個人版私的整理ガイドラインの利用を促進するために、これまでも各地方事務所にこのガイドラインについての周知を徹底するとともに、東北地方を中心に、私的整理ガイドラインに関する広報キャンペーンと銘打って、当ガイドラインに関するテレビ、新聞、インターネット広告やチラシ、ポスターの配布を行うなどして、広く一般市民に向けた周知にも取り組んできたところでございます。
 震災法律相談援助において多重債務事件が増加傾向にあることに鑑みますと、この法テラスにおける周知活動とともに、法務省としても、日本弁護士連合会や各地の弁護士会等の関係機関との連携についても検討するなどして、個人版私的整理ガイドラインの利用の促進に一層努めてまいりたいというふうに考えております。
○階委員 最後に、大臣にもぜひお聞きしたいんですが、もう一度この表になった方を見ていただきたいんですけれども、これを見ると、被災地の暮らしぶりの現状がよくわかると思います。例えば、多重債務事件。先ほどふえていると言いましたけれども、震災による給与所得者の失業、減給等に起因するものが二十四件から三十二件にふえていたり、あるいは、経営者、自営業者の廃業、減収等に起因するものも十四件から十六件にふえているということで、そこに加えて、さっき言った援護資金の返済、負担も加わってくるということで、大変、被災地の暮らしあるいはなりわいというのは厳しい状況にあるということです。
 それから、この委員会でも先日来よく取り上げられております権利者不明の土地問題に関連してですけれども、この表の中の家事事件の中で、震災に起因する相続、遺産分割紛争というところも一定の数字があります。あるいは、不動産事件の最初にあります、被災土地に係る相続、抵当権抹消登記等というのもあります。これは、相続人を調査して捜し当てた後、その人に、自分は土地を売りたいので判こを押してくれと言ったときに断られたりしてトラブルになったりということで、代理援助で裁判沙汰になっている。この件数の背景には、法律相談の段階で、権利者不明で相続人がわからないとか行方不明だとか、そんな相談もたくさんあると思うんですね。
 こういうことをきめ細かく、先ほど言いましたビッグデータ、デジタル技術なども活用して把握していくことで、政府の復興の加速化にもつながるのではないかということです。
 それから、よく総理もインフラの復興について数字を出されて、復興は着実に進んでいると言われるんですが、そういう目に見える部分だけではなくて、目に見えない部分にも気を配る必要があると思っています。目に見えない部分というのは、まさにこういう生活上の困っていること、あるいは苦労していること、苦しんでいること、いろいろあるわけですけれども、それは通常は目に見えません。法律相談で、弁護士とか専門的なスタッフがちゃんと向き合って初めて出てくるような生の声です。こうしたことを我々政治家が把握し、また行政とともに共有していくことは、震災の風化ということも防げるんだと思います。
 ぜひ、これから法律を延長して、今後も法律相談のニーズはたくさんあると思います、そうした情報を有効に活用していただいて、政府の間でも共有していただいて、復興の加速化につなげる、その決意を大臣から最後に伺いたいと思います。
○上川国務大臣 ただいま委員から震災の現状について、今なおさまざまな分野でお困りになったり不安を抱えていらっしゃる方がいらっしゃる、そういうところにしっかりと光を当てて、そのことを踏まえてこれからの施策にしっかりと生かしていくべきだ、こういう御主張でございます。
 震災発災から直後は、ボランティアでの取組で、全国からもさまざまな弁護士の先生方あるいは司法書士の先生方が応援に行かれまして、きめ細かな寄り添い型の支援をしてこられた。また、そうした取組の上で、こうした議員立法として法律ができ、そして、その運用につきまして、今、階議員からまさにおっしゃったように、このデータをしっかりと分析、解析をしながら、その後のこれからのことについても役立て、また、これから起こるであろう自然災害等の災害の予防のためにも生かしていくということ、また風化を防いでいくということが大切である、私も全く同じ思いでございます。
 この委員の御指摘も踏まえまして、震災法律援助の利用状況等につきましては、どの程度まで詳細に把握し分析していくべきかということも含めまして、情報をしっかりと共有していくことができ、また、それを施策につなげていくことができるように検討をしっかりと進め、役立てていきたいと思っております。
 また、政府としても、平成三十二年度までの復興・創生期間、こうした位置づけをもって政府一丸となって取り組んでいるところでございますので、まさに震災が風化しないためにも、関係省庁と連携をし、被災者の皆様の心にしっかりと寄り添った活動をしてまいりたいと思います。
○階委員 ありがとうございました。終わります。
○平口委員長 これにて発言は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 東日本大震災の被災者に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例に関する法律の一部を改正する法律案起草の件につきましては、お手元に配付しております起草案を委員会の成案とし、これを委員会提出法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○平口委員長 起立総員。よって、そのように決しました。
 なお、ただいま決定いたしました法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時四十九分散会